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1992/05/25 第123回国会 参議院 参議院会議録情報 第123回国会 本会議 第17号
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1992/05/25 第123回国会 参議院

参議院会議録情報 第123回国会 本会議 第17号

#1
第123回国会 本会議 第17号
平成四年五月二十五日(月曜日)
   午前十時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十七号
  平成四年五月二十五日
   午前十時開議
 第一 自動車から排出される窒素酸化物の特定
  地域における総量の削減等に関する特別措置
  法案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 中小企業流通業務効率化促進法案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第三 国際観光ホテル整備法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、証券取引等の公正を確保するための証券取
  引法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、都市計画法及び建築基準法の一部を改正す
  る法律案(閣法第七二号)(趣旨説明)
 一、電波法の一部を改正する法律案(趣旨説明
  )
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(長田裕二君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 猪木寛至君から海外旅行のため十三日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(長田裕二君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(長田裕二君) この際、日程に追加して、
 証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(長田裕二君) 御異議ないと認めます。羽田大蔵大臣。
   〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(羽田孜君) ただいま議題となりました証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 昨年の証券及び金融をめぐる一連の問題につきましては、政府といたしましても極めて深刻に受けとめ、その際、国会及び臨時行政改革推進審議会よりいただいた御指摘を最大限尊重し、これらの問題の再発防止及び我が国の金融・資本市場に対する内外の信頼回復を図るため、法制上、行政上の総合的な対策に取り組んでいくことといたしたところであります。
 本法律案は、我が国の証券市場等の実情にかんがみ、取引の公正の確保を図り、市場に対する投資者の信頼を保持するため、証券取引等監視委員会を設置するとともに、証券業協会等自主規制機関について所要の整備を行い、取引の公正の確保に係る法令等の遵守の状況を監視する機能の強化及び充実を図るなど、所要の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、大蔵省に行政部門から独立した証券取引等監視委員会を設置し、証券取引に係る犯則事件の調査及び証券取引に係る諸規制の遵守状況についての証券業者への検査等を所掌させるとともに、その調査及び検査の結果に基づき、犯則事件の告発及び大蔵大臣に対する行政処分の勧告等を行うことができることとするほか、大蔵大臣が行う金融検査等について意見具申を行うなどの改正を行うことといたしております。
 第二に、証券業協会等自主規制機関の機能、権限の拡充強化を図る観点から、証券業協会を証券取引法上の法人とする等所要の措置を講ずることといたしております。
 第三に、証券取引に係るルールの明確化を図る観点から、顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当な勧誘を証券会社が行った場合を是正命令の対象とする等、通達の法律化を行うことといたしております。
 第四に、法人の業務活動の一環として行われる犯罪で、その社会的影響が重大であること等の要件を満たすものについて、これらにより処罰される法人の罰金刑の上限を引き上げることといたしております。
 第五に、店頭売買有価証券に係る不公正取引を防止する観点から、相場操縦的行為の禁止、内部者取引規制等の不公正取引規制について所要の規定の整備を行うことといたしております。
 その他、行き過ぎた大量推奨販売を禁止行為の対象とする等、証券取引等の公正の確保のため所要の措置を講ずることといたしております。
 以上、証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(長田裕二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。前畑幸子君。
   〔前畑幸子君登壇、拍手〕
#9
○前畑幸子君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案について、総理及び関係大臣に対して質問を行うものであります。
 本題に入る前に、通告なしでまことに申しわけございませんが、総理にお伺いいたします。
 数日来、タイでは、スチンダ首相退陣要求に立ち上がった民衆に、軍部の銃剣による天安門事件に匹敵する虐殺事件が発生しております。国王の調停で一応スチンダ退陣はありましたが、軍部の動向に予断を許しません。アメリカはいち早く一切の援助を停止し、民主化を要求しております。最大の援助国であります我が国こそ、経済援助を停止し、民主化を強く要求すべきではないでしょうか。
 さて、日本の金融資本市場は、ニューヨーク、ロンドンと並ぶ三大金融マーケットの一角を占め、九〇年代の世界的な資金不足の予想される中、資金調達あるいは運用の場としての役割がますます重要になってきております。
 ところが、我が国の株式市場における不振は長期化しております。債券の発行市場では、九〇年の三月以来、時価発行公募増資はストップしたままです。平均株価は九〇年、九一年の二年間で四三%もの下落を記録しており、株式市場における出来高も大幅にダウンした状況が続いており、深刻な状況にあることを示しております。株式市場の低迷状態が長期化すれば、単に投資家だけの損失にとどまらず、企業にとっては資金調達機能の低下、国民にとっては金融資産の運用の場の制限となり、国民経済上の問題が深刻化してまいります。
 こうした我が国の株式市場に対して何らかの対策を講じる必要については異論のないところだと考えます。しかし、その対策の具体的な内容については、私どもと政府では大きな隔たりがあるように思います。株式市場へのてこ入れのための政府の具体的な内容としましては、自己株式取得の緩和あるいは有価証券取引税の引き下げ寺といった項目を検討していると聞いておりますが、果たしてこのような対症療法が真の解決策として求められているのでしょうか。
 今回の株式市場の低迷が長期化している原因は、昨年の証券不祥事、損失補てん、暴力団の介在といった問題が何ら解決されておらず、そのため市場に対する不信頼感が一掃されていないことが大きなネックになっていると思います。アメリカにおいては、一九二九年の株価暴落について、一九二〇年代の株式ブームのとき欲望のままにあらゆる不正取引が介在していたとの反省に立ち、ペコラ報告をもとにして一九三四年にSECが設立されたのであります。我が国に求められていることは、税金の引き下げや、まして不透明感を増長するような自己株式取得などではありません。市場に対する透明性、公平性による信頼感を確保することにあると考えます。
 今回の法律案が証券・金融市場への失われた国民の信頼を十分回復し得るものとお考えでしょうか。また、アメリカSECのような行政から独立した監視機関が求められているわけですが、今回提案されている証券取引等監視委員会は、アメリカのSECと比べても遜色のない兜町の警察官となり得るのでしょうか。総理の御見解をお伺いいたします。
 次に、証券取引等監視委員会の性格についてお伺いいたします。
 昨年九月の臨時行政改革推進審議会答申でも、「大蔵省の証券行政と業界の体質が問われている。」と位置づけております。つまり、大蔵省の証券行政が業界の保護育成にあり、市場の監視あるいは投資家保護の視点での行政が行われていなかったとの指摘であります。したがって、大蔵省との関係を切り離した独立監視機関の創設が望まれたわけでございます。
 しかし、この委員会は国家行政組織法八条に基づく大蔵省内の組織という位置づけで設置されており、これも、当初の独立監視機関のあるべき姿論を大蔵省の工作により行政サイドの現実論に押し切られ、大幅に後退したとの指摘があります。八条委員会では、国税庁並みの強制調査権や告発権は持ちますが、独自の行政処分権は持たず、委員会の告発に基づいて大蔵大臣が行うこととなっています。つまり、証券取引等監視委員会は、証券会社に対する処分権について大蔵省のコントロールを残したまま、その活動が調査、告発に限定されてしまっております。
 そのような委員会に投資家の信頼を得られるような公正かつ客観点な監視が果たして可能でありましょうか。八条委員会ではなく、行政処分権や規則制定権、そして準司法機能まであわせ持つ、厳密過ぎるぐらい独立性の強い委員会にしなければ当初の目的は達成できないと考えますが、総理はどのようなお考えでいられるか、お伺いしたいと思います。
 次に、この委員会の調査権限の問題についてお伺いいたします。
 ことしに入り新たな問題となりました飛ばしについてであります。私どもは形を変えた損失補てんであると認識しておりますが、どのようなことがあって裁判所に訴え、そしてどのような事情により和解が成立したのか、一切が不透明であります。また、処分された会社と処分されない会社があるなど、その行政処分についても透明性がありません。常識的に考えれば利回り保証があったとしか考えられませんが、一切がやぶの中に入ったままであります。委員会は、司法が一定の判断をしたものであっても調査、告発できることになるのでしょうか。大蔵大臣にお伺いいたします。
 また、三月、四月にかけての株価の暴落は、貸し株による銀行株の暴落が原因と言われています。今回の貸し株を使った手口がどのように行われたのかは詳細に解明されていませんが、海外を迂回したものであるとも言われています。世界的規模で起こっているグローバリゼーションにより、証券、金融の世界から急速に国境が消えつつあります。その証拠に、先物市場の改革のため手数料を引き上げれば、日本市場から日経二二五が上場されているシンガポールヘ移っただけになりました。これからはこうした海外を迂回した規制逃れあるいは手口が多くなることは容易に予想されますが、こうした国外における取引についても調査の対象として考えておられるのでしょうか。大蔵大臣にお伺いいたします。
 次に、委員会の人選についてお伺いします。
 委員の人選については参議院、衆議院の両院の同意事項となっていますが、具体的に人選を行うのは大蔵大臣とのことであります。もともと大蔵省から証券市場の監視を引き離すというこの委員会が設立された趣旨を考えてみますと、委員長や委員については大蔵省とは距離のある人物が任命されるべきです。もし仮に、大蔵省と関係がある者、いわんや大蔵OBが委員長や委員に任命されることがあるならば、やはり大蔵省は証券取引等監視委員会を自分のコントロール下に置こうという意図が見え隠れすることとなり、委員会の使命である公正、公平な市場の形成は絵にかいたもちになるのではないでしょうか。
 大蔵大臣は、今後の委員会の行方を決定すると言っても言い過ぎではないこの委員会の委員長及び委員についてどのような人物で構成されるのか、お尋ねいたします。次に、委員会と国会との関係についてお伺いいたします。
 委員会は大蔵大臣に対して検査結果に基づく勧告、建議を行うこととなっています。しかし、この勧告、建議に従って大蔵大臣が措置したのかどうかについては、国会が関与できる規定にはなっておりません。したがって、大蔵大臣は、委員会から勧告、建議を受けた場合には速やかに国会に報告し、あわせて、その受けた勧告、建議に基づいてとった措置及びとらなかった理由を報告すべきではないかと考えます。また、同時に、委員会は国会に対して年次報告をすべきだと考えますが、大蔵大臣のお考えをお尋ねいたします。
 今回の監視委員会及び証券市場改革が、真に国民、利用者の立場に立って考えられたものであるかと心配をいたします。そして、金融市場を取り巻く環境は、さまざまな商品の開発により今までの証券あるいは銀行といった区別がしにくくなっております。したがって、監視機関についても、証券だけを監視すればよいというものではなくなりつつあることを踏まえ、引き続き金融全体を監視する機関への移行の検討に着手すべきであることを指摘して、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、タイの情勢につきましてお尋ねがございました。
 昨日二十四日の昼前、スチンダ首相がテレビを通じて、政治的責任をとって辞表を国王に提出した旨を述べております。今後の問題は後継首相問題、また憲法改正の行方がこれからの残された問題であろうかと考えておりますが、これに先立ちまして、岡崎大使に訓令をいたしまして、二十一日、岡崎大使がスチンダ首相を訪ねまして私からのメッセージを伝達させております。そのメッセージの趣旨とするところは、憲法改正を含む国民和解のための方向が打ち出されつつあることを評価するが、この実現のための適切な措置が今後速やかに実施され、民主的な手続を通じて事態の正常化が一刻も早く実現することを強く期待するという趣旨のものでございます。
 ただいまとしては今後の事態の推移を注視していきたいと考えておりまして、現在のところ、経済協力の方向、方針を変更することは考えておりません。
 次に、法律案についてでございますが、今回の証券取引法等の改正におきましては、取引の公正の確保を図り、市場に対する投資者の信頼を保持するため、証券取引等監視委員会を設置いたしますとともに、協会等の自主規制機関について所要の整備を行いましてその機能の強化及び充実を図ることとしたものでありまして、証券市場の公正確保の観点から申しますならば、これはやはり抜本的な改正であるというふうに考えております。
 また、金融・証券市場における有効かつ適正な競争を促進することなどを目的とした金融・証券制度改革法案をも御審議をいただいておるわけでございますが、これと相まちまして証券市場に対する信頼の回復に資するものと考えております。
 証券取引等監視委員会は、相場の操縦、インサイダー取引等の犯則事件を対象に強制調査を行うことができる。また、調査及び検査の結果に基づきまして犯則事件の告発及び大蔵大臣に対する行政処分の勧告等を行い得る。また、大蔵大臣はこの勧告を尊重しなければならないとしております等から考えまして、証券取引の監視という機能について見ますならば、まさにお触れになりましたアメリカのSECに比べて遜色はないものであるというふうに考えます。
 委員会の調査、検査業務が有効に機能するためには、行政を通じて得られました資料、情報等を活用することが不可欠でありますし、また、調査、検査が証券市場等の公正の確保、投資家保護に資するためには、その結果が行政に適切に反映されることが大事であると思います。このような性格を委員会が持つためには、委員会と行政部局との間に一定の距離を保ちながら、これを大蔵大臣の管轄のもとに置くことが適当であろう、このような趣旨から八条委員会の形で設置することといたしたものでございます。
 残りの問題につきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(羽田孜君) お答えを申し上げます。
 司法当局が一定の判断をしたものについて監視委員会が調査、告発できるかというお問い合わせでございますけれども、民事裁判で一定の判断が示されたものでございましても真相の解明に寄与する新たな展開が合理的に期待できる場合には、証券取引監視委員会が改めて犯則調査に着手いたしまして告発することがあり得るということでございます。
 それから、国外の取引調査についてという御指摘でございますけれども、これはまさにこの証券取引につきましても非常にボーダーレスな時代になっておるということでございます。そういうことで、私どもは外国証券当局との間で必要な情報の交換、これをもう既に行っておるところでございますけれども、この委員会といたしましても証券取引の公正が確保されるよう内外の関係部局との連絡あるいは協調を図りまして、必要に応じましては国外における取引についても調査することはできるということでございます。
 それから、委員の任命につきましてでございますけれども、基本的には、専門的な知識に加えまして、公共性、中立性を確保し得るよう慎重に人選を行うということが必要であろうと思っております。専門的な知識ということからあれしますと、大蔵省のOBの方でもそういった方があればこういった人を充てるべきだという議論があることは私どもも承知いたしておりますけれども、この委員会が発足することになりました背景といいますか今日までの経緯というものを考えましたときに、当面の問はこれを充てるべきではなかろうというふうに考えております。
 現段階におきましては具体的な人物というものを念頭に置いておるわけではございませんけれども、以上の考え方から、例えば法曹界ですとかあるいは官界、その他法律または経済に関する専門的知識を有する中立的な立場にある、こういった方の中から選任することが適当であろうというふうに考えておるところであります。
 なお、国会への年次報告をしなさいという御指摘でありますけれども、委員会は、大蔵大臣に対して行いました勧告あるいは建議の概要だけではございませんで、これらに基づきまして大蔵大臣がとった措置についても、国民に周知を図るという意味で公表することといたしております。この公表によりまして、委員会の活動状況のみならず、勧告などに対する大蔵大臣の対応が国民に十分理解されるものであろうということでございまして、国民に広く周知する方法をとるということを申し上げたいと存じます。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(長田裕二君) 和田教美君。
   〔和田教美君登壇、拍手〕
#13
○和田教美君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案について、関連する諸問題を含めて質問をいたします。
 このところ相次いで発表された各種経済指標は、我が国の景気が全体として大きく減速していることを明確に示しております。例えば、東証一部上場企業のことし三月期決算の中間集計では、経常利益が十年ぶりに二けた台の大幅な減益となりました。設備投資計画も、三月の調査では、九一年度の実績見込みに比べて七・三%の減少で、設備投資意欲の後退を一層鮮明にしています。また、先月の企業倒産は三カ月連続千件を超える高水準で、バブル経済崩壊に伴う大型倒産の中で、販売不振など不況型倒産も目立ちます。三月末の緊急経済対策発表後も株価は低迷し、政府の対策に対する市場の失望感が続いています。
 ところが、宮澤総理は、二十日の衆議院大蔵委員会の答弁で現在の景気動向について、後になってみれば四―六月期は底を過ぎてやや上がりかけの時期になるのではないかと強気の判断を述べています。私は総理の判断は楽観に過ぎると考えますが、なぜそう判断されるか、まずその根拠をお示し願いたい。
 緊急経済対策の柱が公共事業の上半期七五%前倒しであることからすれば、後半の公共事業の息切れを防ぐため、政府は当然大型の補正予算編成の意思を明確にし、景気対策の追加を図ることが重要な局面でありますが、補正予算の編成についてもこの際総理の見解を伺いたい。
 景気減速が続く中で九一年度の日本の貿易黒字は史上最高の千百三十四億ドルとなり、四月末のG7では、米国を先頭に日本に対する内需拡大要求が表面化しました。さらに、十九日閉幕したOECD閣僚理事会でも、大幅な貿易黒字を持つ国へのより一層の内需拡大要請が共同声明に盛り込まれ、日本への内需拡大要求は国際的に強まっています。
 私は、貿易黒字を縮小させながら内需中心で安定的な景気浮揚を実現するには、この際、大幅な所得税減税によって個人消費の拡大が必要と考えます。その意味で、我々公明党は、第一段階として中低所得者を対象とした一兆円以上の所得税減税を強く主張していますが、総理並びに大蔵大臣の御見解をお聞きしたい。
 次に、ただいま議題となりました法律案についてお伺いします。
 この法律案は、昨年来の証券不祥事の教訓に基づき、証券取引等の公正を確保するために証券取引等監視委員会を新設することが主な内容となっています。委員会の設置については、従来の業者育成型証券行政から脱皮しようとするものであり一歩前進と評価いたしますが、注文をつける点も多々あります。
 その第一は、この監視委員会はだれのための機関であるかということであります。
 国家行政組織法上のいわゆる八条機関として実質的に大蔵省の内部に組み込まれたこの委員会が、果たして中立公正な監視をどこまで行うことができるのでしょうか。免許制のもとでは、大蔵省は証券会社の行動に対して指導監督を行う責任があります。その同一組織に属する監視機関がどこまで同僚の責任を追及することができるのか、疑問であります。このような構造であるがゆえに、大蔵省の指導監督権限はかえって強化される、大蔵省の焼け太りなどの批判さえ一部で出ているのであります。
 我が国証券市場は独特の風土を持つ閉鎖的な市場であると言われます。そして、このことが、損失補てん、インサイダー取引など不透明な取引が数多く行われる原因とされています。今回設置される監視委員会が公正な市場の実現という多くの投資家の期待に十分こたえるためには、高い倫理観を持って、中立、公正な監視を実現しなければなりません。そのためにはいかに独立性を確保するかが重要でありますが、この点について、総理、大蔵大臣の見解を求めます。
 第二に、このような大蔵省の機関としての位置づけから、政府が幾らその独立性を強調しても、監視委員会の人的構成面から証券行政にのみ込まれてしまう懸念があります。
 確かに、監視委員会の委員長及び二名の委員は、任命に当たって国会の同意を要すること、独立してその職権を行使すること、一定の場合を除き在任中は罷免されない身分保障をしていることなど制度上の独立色に配慮しています。また、大蔵省は、当面同省OBを委員に起用せず、法曹界を含め幅広く人選すると言っています。
 しかし、委員会の手足となる犯則調査及び検査部門の事務局スタッフの多くは、現在の証券検査官、銀行局検査部等からの振りかえであります。また、同じ省内だから、事務局スタッフと証券局などとの人事異動も行われるでしょう。証券取引等監視委員会は、証券不祥事の後始末としての産物に終わらせることなく、公正、透明な市場に貢献する機関として育てていかなければなりません。そのためには、人事面において、委員の人選はもちろんのこと、事務局の構成についても極力独立性、中立性が保たれなければなりません。大蔵大臣の決意のほどをお聞かせ願います。
 昨年の証券・金融問題特別委員会で橋本前大蔵大臣は、証券不祥事の原因について、通達行政により証券取引ルールが不明確となっていることや検査手法を含めて検査監視体制が不備なことなど数点を指摘した上で、証券不祥事の背景には日本的風土があると述べておられました。総理並びに大蔵大臣は、この立法によって、日本的風土と呼ばれる商習慣を含めて改革することができるとお考えでしょうか。御見解をお伺いしたい。
 また、現在四百五十本以上ある証券局通達については、法律化、自主ルール化、統廃合、廃止など大幅に整理し証券取引ルールの明確化を図ることになっていますが、その整理の仕方はどのような基準で行うのか、その結果として、整理された後ほどのような姿になるのか、大蔵大臣の説明を求めます。
 次に、この法律案と並んで既に国会に提出されている金融制度改革法案についても一言お伺いします。
 バブル経済の崩壊に加え一連の証券・金融不祥事により、銀行あるいは証券会社を取り巻く環境はまことに厳しいものがあります。例えば、東証上場証券二十五社のことし三月期決算は、手数料収入の激減や株価下落による含み損の拡大で、実に二十五社中二十社が経常赤字を強いられています。そうした状況下で、我が国金融制度の特徴である専門制、分業制の垣根を取り払い、主として業態別子会社方式により金融、証券などの各分野に相互乗り入れを図ろうというのが金融制度改革法案の眼目であります。その目的として、適正な競争の促進、利用者の利便の向上等が挙げられております。
 その方向性は妥当とするものの、果たして今この大改革を行う時期にふさわしいのかどうか、また、利用者の利便の向上がどのように確保されるのか、この点について大蔵大臣の見解を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、経済の現状についてでございますが、個人消費そのものは、基調としては堅調であると思いますけれども、このところ伸びが鈍化をいたしております。また、産業面では、在庫調整が進行中であることもありまして、鉱工業生産は停滞傾向で推移をしております。総じて言えば、我が国経済はなお調整過程にあると考えております。
 このような認識に立ちまして、先般、公共事業等の施行促進、民間設備投資の促進、省力化投資の促進、個人消費、住宅投資等の促進、中小企業対策、資金調達環境の整備、金融政策の機動的運営の七項目にわたりまして緊急経済対策を講じましたことは御承知のとおりでございます。
 また、この対策と軌を一にいたしまして、公定歩合の第四次引き下げが行われたことも御案内のことでございます。
 こうした経済運営によりまして、我が国経済が内需を中心とする持続可能な成長経路へ円滑に移行し、国民生活の充実、また世界経済の発展にも資するものと考えております。このような、これは三月三十一日に決定をいたしまして、すぐに予算も成立いたしましたので実行に入ったのでございましたが、この効果は今徐々に浸透しつつあると考えております。万一、将来におきまして不十分な場合には、もとより適切な措置を考えなければならないと思っておりますけれども、ただいま経済対策の効果は予定どおり徐々にあらわれつつあるというふうに判断をいたしております。
 なお、所得税の減税について御指摘がございました。
 過般の税制改革において思い切った改正をいたしました。税率構造の累進の刻みを緩和するということ、あるいは基礎控除等の引き上げ、配偶者特別控除を創設する尊いたしまして、結果といたしましては、中所得者層、低所得者層を中心としたいわゆる重税感、あるいは所得が上がりますと負担が急に上がるという負担の累増感が大幅に緩和されたものと考えておりまして、現下の財政状況等を判断いたしますと、所得税減税を実施するということはこの際難しいというふうに私は考えております。
 次に、証券取引等監視委員会の独立性についてでございますが、これが合議制の機関であること、委員長及び委員は任命に当たって両院の同意を要すること、職権を独立して行使すると定められていること等から、委員会の独立性、中立性つきましては十分確保されることになるものと考えております。
 次に、一連の証券界の問題の背景といたしまして、証券会社の行き過ぎた営業姿勢、企業の自己責任原則の不徹底があったことは否定できないことと思います。政府といたしましては、このような状況において内外の投資家の信頼回復を図りますために法制上、行政上の総合的な対策に取り組んでまいりましたが、今般、より公正で透明な証券市場の実現に向けて、御審議をいただいております検査監視体制の創設を含む所要の措置を講じたいと考えております。
 また、同時に、証券市場における有効かつ適切な競争を促進することなどを目的とした二つの法案を提出いたしまして業界の抜本的な改善また公正な競争の実現を図りたいと思っておりまして、この二つの法案が相まって、我が国の金融・資本市場の健全な発展と国際化に資するものと考えておるところでございます。
 残りのお尋ねにつきましては大蔵大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(羽田孜君) お答えを申し上げたいと思います。
 まず、所得税減税をするべしという御指摘であったわけでございますけれども、これは前々からも申し上げておりますように、六十一年、六十二年の税制改革におきまして、所得税、住民税合わせまして五兆五千億円に上る大規模の減税を実施したということであります。
 もう御案内のとおり、課税の最低限につきましては、アメリカが二百五万円、イギリスが百十五万円、ドイツが百八十六万円という中にありまして日本は三百二十万円からということでございますし、また最低税率につきましても、ドイツが一九%、あるいはイギリスが二五%、アメリカが一五%というのに日本は一〇%であるということ。所得税、住民税の負担額につきましても、個人所得五百万円の標準世帯、ここでは、イギリスが九十六万円、ドイツが六十一万円、アメリカが六十一万円に対しまして日本は二十一万円ということでございまして、今総理からもお答え申し上げましたように、中低所得者層を中心とした重税感ですとかあるいは負担累増感、これは大幅に緩和したというふうに考えております。
 加えまして、御案内のとおり現下の財政状況が大変厳しいということでございまして、こういう中でもし減税をやるということになりますと、また国債等を発行しなければならないということになりますと、さあそのツケというものを将来に残してしまうということは本当にいいのだろうかということも考えなければならないということで、現在の状況の中で所得税減税というものを実施する環境にはないというふうに考えております。この点について御理解をいただきたいと思います。
 なお、委員会の独立性につきましては、今委員の方から御指摘がございましたとおりでありまして、これは委員会が合議制の機関であるということ、あるいは委員の任命に当たりましては両院の同意を要し、また職権を独立して行使することが定められておるということ、そして委員会は調査、検査の結果に基づきましてみずからが告発できるほか大蔵大臣に行政処分の勧告を行うことができるというふうにされておりますし、また罷免につきましても特別なあれで保護されておるということでございます。その意味から、職務を遂行する上での独立性というものは担保されておるということを申し上げたいと思っております。
 ただ、事務局の職員、これに大蔵省の人間が当たることによってという御指摘があったわけでありますけれども、実際に職務というものを推進していくのに当たりまして、こういった問題について通暁している方が必要であるという中で我々は任命していかなければならないというふうに思っておりますけれども、この事務局の職員は、その職務の遂行に当たりましては委員会の命にだけ従うということになっております。
 しかし、今お話があったとおり、異動とかそういったものもあるということでございます。そういったことのために逆に独立性、中立性というものが脅かされるのではないかというお話があったわけでありますけれども、この委員会の運営に当たりましては十分そういった点も念頭に置きながら配慮していかなけれはならぬということについては私どももよく理解できるところであります。
 なお、日本的風土の商慣習という御指摘があったわけでありますけれども、八〇年代後半の財テクブームのもとで証券会社の営業姿勢に行き過ぎがあったこと、あるいは企業の側の自己責任原則の認識が不十分であったことなどが今回の証券不祥事の背景にあったというふうに考えられておるわけでございます。私どもといたしましては、不祥事の再発防止あるいは我が国の証券市場に対する内外の信頼を回復するため法制上、行政上の総合的な対策に取り組んでいくということでございます。
 いずれにいたしましても、証券市場というのは、自由主義あるいは市場経済、これを目指す国にとりまして最も大切なところであるということでございまして、一般の方々、国民のだれもがみずからの資産運用のために証券市場というものを選ぶことができる、そういう信頼感といいますか安心感、こういったものが重要であろうというふうに考えておりまして、今度御提出申し上げておりますこの両法案というのは、そういったものを取り戻し、また我が国の金融・資本市場、これを健全なものに発展させていこうというためのものであるということをぜひとも御理解いただきたいと思っております。
 なお、通達が多過ぎるというような御指摘があったわけでありますけれども、証券関係の通達等につきましては、証券市場の公正及び行政の透明性の確保の観点から現在全面的な洗い直しを行っておりまして、指導に係る通達等につきましては、その内容、目的に応じ、ルールの明確化等の観点から、可能な限り法令化、証券業協会等自主規制機関の規則への移行を行うことを基本として検討を進めておるところでございまして、特に口頭通達等につきましては、確かに機動性、機敏性といいますか、そういったものが求められるときがありますけれども、でき得る限り私どもはこういったものは排除していかなければいけないというふうに思っております。
 今度こういった措置をすることによりまして、現行の通達が今四百五十本ほどあるということでございますけれども、これを十分の一ぐらい、およそ五十本弱のものに整理統合していきたいというふうに考えておることを申し上げておきたいと存じます。
 なお、金融制度の改革の時期が今はどうなんだ、ふさわしいのかという御指摘でありましたけれども、今回の金融制度改革は、有効かつ適正な競争の促進によりまして証券市場に対するいわゆる信頼の回復を図るとともに、我が国金融・資本市場の効率化あるいは活性化を通じて国民経済の安定的な発展に資するものであるということで、早急に実施する必要があろうと思っております。その意味で、今こそ制度改革法案の早期成立がぜひとも必要であろうということを申し上げさせていただきたいと存じます。
 なお、金融制度改革で利用者の利便ということでありますけれども、まさに今お話し申し上げましたように、国民経済に利するということで、私どもは一方ではこういう考え方のもとで両法案をお願いしておるわけでございますけれども、いわゆる金融機関及び証券会社、こちらは多様で良質な金融商品の提供や各種手数料の引き下げなどのサービスの向上が可能となるとともに、利用者は自己のニーズに合った金融機関及び証券会社を選択できるということ、また、地方の住民の方あるいは中小企業、農林漁業者等にとりましても幅広い金融サービスというものが享受できようというふうに考えておりまして、今回の制度改革は国民生活にとりましても大きくプラスになるものであろうというふうに考えておることを申し上げさせていただきたいと思います。
 以上であります。(拍手)
#16
○議長(長田裕二君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#17
○議長(長田裕二君) この際、日程に追加して、
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(長田裕二君) 御異議ないと認めます。山崎建設大臣。
   〔国務大臣山崎拓君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(山崎拓君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 今回の地価高騰に対応した金融、税制等の総合的な土地政策の一環として土地利用計画制度の充実を図る必要があるとともに、最近の都市化の進展に対応して、良好な市街地の環境を整備し、都市の秩序ある発展を図ることがますます必要となっております。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、適切な住環境の保護等を図るための用途地域制度の整備、公共施設を備えた健全な市街地の整備とあわせて土地の有効利用等を図るための地区計画制度の拡充、市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設、計画的な市街地の整備を図るための開発許可制度の改善、技術開発の進展等を踏まえた防火に関する規制の適正化を図るための木造建築物に係る制限の合理化等を行おうとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 まず、都市計画法の改正についてであります。
 第一に、現行の三種類の住居系の用途地域を七種類に細分化して、既存の商業系、工業系の五種類の用途地域とあわせて十二用途地域とするとともに、特別用途地区に中高層階住居専用地区及び商業専用地区を加えることとしております。
 第二に、公共施設の整備を伴った良好な市街地整備を図りつつ、土地の有効利用を促進するため、地区計画制度を拡充し、容積率の最高限度を当該区域の特性に応じたものと公共施設の整備の状況に応じたものとに定めることができることとするとともに、地区計画の区域内の総容積の範囲内で、当該区域を区分して容積率の特例を定めることができることとしております。また、市街化調整区域内においても地区計画を定めることができることとする等の措置を講ずることとしております。
 第三に、市町村は、住民の意見を反映させるため必要な措置を講じた上で、当該市町村の都市計画に関する基本的な方針を定めることができることとしております。
 第四に、開発許可制度について、自己の業務用の開発行為についても道路等に関する基準を適用する等の措置を講ずることとしております。
 次に、建築基準法の改正についてであります。
 第一に、今回の都市計画法の改正とあわせて、新たに設けられた用途地域における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途に関する制限等について定めることとしております。
 第二に、都市計画区域外の一定の区域においては、地方公共団体は、条例で、建築物またはその敷地と道路との関係、容積率等に関して必要な制限を定めることができることとしております。
 第三に、防火、準防火地域以外の区域において、木造三階建て共同住宅の建築を可能とする等木造建築物等に係る規制の緩和を行うこととしております。
 第四に、文化財保護法に基づく条例その他の条例により現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物で特定行政庁が指定したもの等については、建築基準法令を適用しないこととしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院におきまして、都市計画法については、市町村の都市計画に関する基本的な方針の策定の責務を明確化すること、開発登録簿の記載事項を追加することを内容とする修正が、建築基準法については、建築物の定義を明確化すること、違法な用途転用等の防止に資する措置を講ずること、用途地域の指定のない区域の制限を合理化することを内容とする修正が行われております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(長田裕二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。種田誠君。
   〔種田誠君登壇、拍手〕
#21
○種田誠君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま趣旨説明のありました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について、宮澤内閣総理大臣並びに関係各大臣に対し質問をいたします。
 間もなく、都市に住む人口が七〇%を超える時代がやってまいります。都市は、豊かで潤いがあって、しかも快適でかつ美しいものでなければなりません。しかし、その基準や都市づくりの手法は、北海道、東京、沖縄では全く異なっているのであります。そして、法はこのことを十分尊重して助成するというものでなければならないし、全国画一的な都市づくり策はないということを私は冒頭申し述べたいと思います。
 今回の都市計画制度の改正は、二十数年ぶりの大幅なものであります。そして、ここ数年の異常な地価の高騰を許したことへの反省から、税制、金融制度とともに、土地利用規制の改革を進めることが最も重要な課題であったはずであります。土地基本法に定められた理念に従って、過度の土地の有効・高度利用を防止するとともに、高度利用に当たっては適切な開発利益の還元を行わせるなど、地価高騰の再発を防止するための詳細な土地利用規制について具体的な仕組みをつくることが第一に要請されておりました。
 私は、今回政府から提案されております都市計画法等の改正案が、果たして土地基本法に定められた基本理念にのっとって作成されたものと言えるものかどうか、まず総理大臣に基本的な認識を伺いたいと思います。
 土地基本法はその第二条で、土地は、現在及び将来における国民のための限られた貴重な資源であること、国民の諸活動にとって不可欠の基盤であることなど公共の利害に関係する特性を有していることにかんがみ、土地については公共の福祉を優先させると明記しているのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、第五条で、社会的経済的条件の変化により土地の価値が増加する場合には、その価値の増加に伴う利益に応じて適切な負担が求められるとした上で、第十一条で、土地利用計画の策定に当たって、人口及び産業の将来の見通し、土地利用の動向その他の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件を勘案しなければならないことを求めているのであります。
 総理、今回の改正案に盛り込まれております誘導容積制度、そして容積率の適正配分の制度は、果たしてこうした理念に沿ったものでしょうか。
 地区計画を定めることによって都市環境を整備するといっても、実際には敷地面積の最低限度とか壁面の位置の制限しか建主に求めていないのでは、私有地である敷地内に若干の空き地しか確保できないのであります。地区計画で道路や公園の計画を定めることはできても、いわば絵にかいたもちで、建主が必ずその整備をしなければならないというものではありません。建主に対して道路や公園などの公共のオープンスペースを提供させたりすることなしに、容積率を緩和して土地の価値を増加させていいのでしょうか。また、仮に道路や公園がつくられたとしても、これが適切な負担である、得られる利益の方が不当に大きいものではないとだれが判断できるのでしょうか。
 この制度には、こうした観点で、土地について公共の福祉を優先させる具体的な仕組みが欠けているのであります。このような土地の高度利用を許すことが、結果として地価高騰を誘発するのではないでしょうか。土地の利用に伴う開発利益を社会に還元させ地価の高騰を防止するという点では、大変問題のある制度であると思うのであります。この点について、総理並びに建設大臣の明確な答弁をお願いいたします。
 また、これに関連して、今回の改正案が依然としてこれまでの政策を継続しているところに、東京などの大都市への集中を一層強め、もはや人が住めないほどに過密化を促進し、都市環境の悪化をもたらすものではないのかと思うのですが、総理の見解を伺いたいと思います。
 都市の住民の暮らしを守る、住み続けることのできる町をつくるためには、都市としての限界があることを踏まえた上で、適切な都市の容量が都市計画に定められていると同時に、都市の成長、管理を適切にコントロールする政策が確立される必要があります。残念ながら、我が国の都市計画はそうした段階には至っていないのではないかと思うのであります。
 政府は、これまでに前面道路の幅員に応じた容積率の制限などを緩和してきたにかかわらず、今回の改正では、公共施設の整備状況に応じた容積率を新たに定めるのだと主張していますが、実は、指定容積率を超えるさらに過大な容積率の制限を実現するための手段として利用しようとしているのではないでしょうか。
 容積率の適正配分の制度がそれであります。政府は、都市全体の容積率の合計は変わらないから、これは緩和でないとしているようであります。しかしながら、私は、土地の状況によってさまざまな制限が適用されるという理屈によって辛うじて抑えられてきた都市の過密化、土地の過度の高度利用を一層促進するものであり、一律の規制緩和にほかならないと考えるものであります。
 総理、東京などの人権を無視していると言われる通勤地獄、解決の見通しの立たないごみ問題、客観的限界を超えてしまった道路渋滞などなどを考えていただきたいと思います。総理もよもやこれ以上の一極集中をさせていいとのお考えではないと思います。我が国の不完全な都市計画制度、建築規制制度の現状を考えれば、今回の容積率の適正配分のような制度は撤回すべきではないでしょうか。総理並びに建設大臣の答弁をお願いしたいと思います。
 次は、都市計画の決定手続のあり方についてであります。
 昨年十二月の都市計画中央審議会答申では明確に、「都市計画における権限配分、国の関与等について今後も国と地方の機能分担等の基本的枠組みを踏まえつつ適切に見直し、可能な限り国から地方へ権限委譲を進める」とあります。また、住民参加についても、「住民の意向を十分に尊重し、的確に反映させる必要がある。」とされております。私は、政府の今回の改正案はこの答申の趣旨に十分こたえているものかどうか、総理に伺いたいと思います。
 政府案を見ますと、容積率を緩和してボーナスを与えないと地区計画のようなきめ細かい計画はできないという考えのようであります。私たちは、創意工夫のある豊かな町づくりを進めるには、地域住民の合意があることで容積率など緩和しなくても地区計画のようなきめ細かい規制を行うことができるし、逆にこの合意こそが最も重要なものであるという考えに立つものであります。
 政府の改正案には用途地域などの細分化だけが提案されて、本来これは住民自身が決めることであり、基礎的自治体である市区町村にその権限があるべきだという姿勢が見られないのであります。政府は、現に市区町村の意向を尊重しつつ運用しているとお考えのようでありますが、そうした運用の実績があるのならば、今日どうしてこのことを法律できちんと決めないのでしょうか。まして、住民の生活に密接な用途地域などの都市計画の決定に国の認可が必要なのでしょうか。
 また、政府は、一般論として都市計画の権限は地方自治体のものであることを認めても、自治体の事務能力の向上が重要であるとして、実際にはその権限を地方に移譲しておりません。しかも、政府のこれまでの姿勢を見ると、市区町村の能力を向上させるための具体的な方法、スケジュールについて全く考慮がないのであります。
 過般の新聞報道によりますと、パイロット自治体への権限移譲すら各省庁が抵抗をして、行政改革審第三次答申の取りまとめが難航しているそうであります。極めて遺憾に思うと同時に、国民の豊かさやゆとりある生活大国づくりを目指す宮澤総理であるならば、勇気を持ってパイロット自治体づくりに制度、政策を大きく転換すべきと考えますが、いかがなものでしょうか。
 都市計画分野における自治体への権限の移譲、地方分権化の推進について、その基本的な施策はどうあるべきか、総理並びに自治大臣の見解を伺いたいと思います。
 また、建設大臣には、国から自治体への権限の移譲、地方分権化の推進について、そのための具体的な方法、スケジュールについて伺いたいと思います。
 都市計画は、地域住民みずからがこれからも住み続けることのできる町を自分たちで考え、下から積み上げていくということが基本となるべきであります。そのためには地方自治体に独自の財源が十分に確保されるべきではないでしょうか。中央政府からの補助金によって地方自治体の公共事業を、生活関連社会資本の整備を進めていく現在のやり方を一体いつまで続けていけばいいのでしょうか。二十一世紀を前にして、今こそ国民がゆとりと豊かさを持つことができる生活者のための町づくりを行うには、地域のことは地域に任せるという、財源まで含めた国と地方の権限の再配分の検証が今日必要ではないでしょううか。
 この点について、総理並びに建設大臣の見解を伺いたいと思います。
 今回の都市計画制度の改正は、単に制度の改正のみならず、二十一世紀を見据えた新しい視点での建設・国土行政のあり方が問われているのであります。私たちは、こうした政府案の問題点を踏まえて、都市計画は可能な限り自治体の権限とし、住民参加を基本とした対案を提出する予定でおります。そして、こうした対案でなくてはこれからの地方の町づくりを支援し育てていくことはできないと考えております。対案に対する議員各位の御理解を賜りたいと存じます。このことを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(宮澤喜一君) 近年の地価高騰に際しまして、大都市地域を中心にいわゆる業務ビルが住宅地へ進出をいたしましたために、住宅地の地価の上昇や住環境の悪化を招きました。また、都心部の空洞化、土地の有効利用の阻害といった問題が発生をいたしましたことは確かに事実であります。今回の改正案は、このような問題に対処するために、総合的な土地政策の一環として土地利用計画制度の充実を図ることを主たるねらいといたしております。
 改正の内容は、住環境の保護を図るための用途地域の細分化、公共施設を伴った土地の有効利用を促進するための誘導容積制度の創設などを柱とするものでありますが、これらは、土地についての公共の福祉優先、土地の適正な利用及び計画に従った利用等のいわゆる土地基本法の基本理念に基づいたものでございます。
 誘導容積制度は、都市内の密集市街地等におきまして、公共施設の整備とそれに見合った土地の有効利用を一体的に推進することをねらった制度であります。また、容積の適正配分制度は、用途地域で指定された容積の総量の範囲内で詳細に容積の配分を行う制度であります。これらの制度はいずれも良好な市街地の形成が地区計画という形で確実に担保されている場合に限り適用されるものでありますから、そういう意味で土地についての公共の福祉優先という考え方に基づくものであります。
 容積の適正配分は、地区単位で既に都市計画で決定されている容積の総量の範囲内で、地区内の建築物の態様に応じてきめ細かく容積率を配分する制度でありまして、一律に規制緩和をするというものではございません。本制度は、良好な都市環境の形成を伴った住宅の供給など総合的な土地政策を推進する上でぜひとも必要な制度であると思います。
 それから、権限移譲の問題でございますが、都市計画の決定権限につきましては、昭和四十三年の現行都市計画法の制定の際に、広域的、根幹的な都市計画は知事がやる、その他は市町村が決定をすることといたしました。また、知事の定める都市計画のうち国の利害に特に重大な関係を有するものなどにつきましては建設大臣の認可を要することとされております。
 今回の改正案におきまして、市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設など、住民の意見の反映を図りながら都市計画における市町村の権限を拡充することをねらった措置を講じております。
 従来から権限移譲等を推進することは重要な課題と考えておりますが、これまでも、殊に市町村への権限移譲等に努めてまいっておりまして、今後とも一層の権限移譲に努めてまいりたいと思います。
 地方団体が自主的、主体的に町づくりを推進するためには、自主財源である地方税とあわせまして地方交付税等の一般財源の充実強化が必要であることは御指摘のとおりでありまして、今後ともこうした観点から、地方税の充実と地方交付税所要額の確保など地方一般財源の充実強化を図ってまいります。
 一般的に国と地方の権限配分の問題につきまして従来から、行政の簡素効率化及び地方自治の尊重という観点から、住民に身近な行政はなるべく地方公共団体において処理できるように、臨調・行革審答申等に沿いまして権限移譲に努めてまいりました。昨年の通常国会でも権限移譲等についての一括法案を提出し成立を認めていただいたところであります。
 この問題につきましては引き続き、国、地方を通ずる行財政改革という重要な課題として考えておりまして、今後とも権限移譲に努めてまいりたいと思っております。
 残りのお尋ねにつきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣山崎拓君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(山崎拓君) まず第一点は、誘導容積制度と容積の適正配分制度が、公共の福祉を優先する観点からすると問題のある制度ではないか、こういう御質問でございます。
 誘導容積制度は、本来土地の有効利用が必要とされているにもかかわらず道路などの公共施設の整備が十分なされていないため低利用にとどまっている密集市街地等について、公共施設が不十分なまま市街化が進行することを防ぐとともに、地区内の公共施設の整備とそれに見合った土地の有効利用を一体的に推進する制度でございます。
 また、容積の適正配分制度は、地区レベルで街区の環境の保護や土地の健全な高度利用を図るため、用途地域で指定された容積の総量の範囲内一で、地区計画において詳細に容積の配分を行う制度でございます。
 これらの制度は、いずれも地区レベルの都市計画である地区計画において詳細な土地利用規制のもとに良好な市街地の形成が確実に図られる場合に限り適用されるものでございます。さらに、これらの制度は、土地の合理的な利用を通じて適正な地価水準の実現にも寄与するものと考えております。
 次に、容積の適正配分は一律の規制緩和にほかならず、大都市への集中を一層強めるものであるから撤回すべきであるという御質問でございました。
 容積の適正配分は、土地の合理的な利用を促進しつつ良好な都市環境の形成や保護を図るため、地区単位で既に都市計画で決定されている容積の総量の範囲内で、地区内の建築物の態様に応じてきめ細かく容積率を配分する制度でございます。
 具体的には、地区施設の整備促進、住宅供給の促進、緑地空間の確保等良好な都市環境の形成が図られる場合に限り市町村が地区計画を策定して地区内の容積率にめり張りをつけるものであり、一律の規制緩和ではないと認識をいたしております。本制度は、良好な環境を備えた住宅の供給等総合的な土地政策を推進する上でぜひとも必要な制度と考えております。
 最後に、都市計画制度について、地方自治体への権限の移譲と自主財源の確保を図るべきではないかという御質問と、権限の移譲、地方分権化の推進について具体的な方法、スケジュールを示せ、こういう御質問でございました。
 都市計画は町づくりの最も基本的な手法であり、地方公共団体の果たすべき役割は重要であると考えております。そのため、昭和四十三年の現行都市計画法の施行の際に、従来国が行っておりました都市計画の決定をすべて市町村及び都道府県知事が行うこととされたものでございます。そのような都市計画における権限配分については、従来より地方の自主性の尊重の観点から必要な見直しを行ってきたところでございます。
 今回の改正案においても、市町村のマスタープランとして市町村の都市計画に関する基本的な方針を創設いたしますこと、特別用途地区及び地区計画制度の拡充等を行うこととしておりまして、市町村の主体的な町づくりの推進に資するものと考えております。今後とも、地方公共団体の主体的な町づくりを推進する観点から、適切な権限配分の見直しとそれに見合った財源の確保に努めてまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対する御質問は、都市計画分野における地方自治体への権限の移譲、地方分権化の推進についてという御質問でございましたが、この点につきましては先ほど宮澤総理から行財政対策並びに権限問題につきまして幅広く詳しく御説明がございましたので、重複は避けたいと思っております。
 また、先ほどは建設大臣の方から、都市計画に関する権限等について今後一層地方団体への移管を心がけていきたい、こういう御趣旨でございますので、その線に沿って我々地方自治体も進めていきたいと思っております。
 質問の冒頭にございましたように、都市計画というものは、北海道と沖縄、また都市と地方、また雪の降るところと降らないところとそれぞれ違うと思いますので、国といたしましては、都市計画の基本的な方針を決めて、その指定と実施についてはできるだけそこの府県並びに市町村に移管していかれるのが適当であろうと思っておりまして、その線に沿いまして今後とも努力を続けていきたいと思っております。(拍手)
#25
○副議長(小山一平君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#26
○副議長(小山一平君) この際、日程に追加して、
 電波法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○副議長(小山一平君) 御異議ないと認めます。渡辺郵政大臣。
   〔国務大臣渡辺秀央君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(渡辺秀央君) 電波法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における電波利用の増加等の状況にかんがみ、電波の適正な利用の確保に関し、郵政大臣が無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用の財源に充てるために免許人から電波利用料を徴収することとするとともに、電波有効利用促進センターの業務に電波の有効かつ適正な利用の促進を図るための情報の収集及び提供の業務を追加する等のための所要の改正を行おうとするものでございます。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、電波有効利用促進センターの業務として、無線局の周波数の指定の変更に関する事項、電波の能率的な利用に著しく資する設備に関する事項その他の電波の有効かつ適正な利用に寄与する事項について、情報の収集及び提供を行うこと等を追加することとしております。
 第二に、免許人は、電波利用共益費用の財源に充てるために免許人が負担すべき金銭として電波利用料を納付しなければならないこととし、無線局の区分に応じてその額を定めるとともに、前納、督促等について所要の規定を定めることとしております。
 第三に、地方公共団体が開設する消防用の無線局等につきましては、電波利用料を減免することとしております。
 第四に、政府は、原則として、毎会計年度の電波利用料の収入額の予算額に相当する金額を、予算で定めるところにより、電波利用共益費用の財源に充てるものとするとともに、必要があると認められるときは、前年度以前の各年度の電波利用料の収入額の決算額に相当する金額を合算した額から前年度以前の各年度の電波利用共益費用の決算額を合算した額を控除した額に相当する金額の全部または一部を、予算で定めるところにより、当該年度の電波利用共益費用の財源に充てるものとすることとしております。
 以上のほか、所要の規定を整備することとしております。
 なお、この法律は平成五年四月一日から施行することとしておりますが、電波有効利用促進センターの業務追加に関する改正規定は公布の日から施行することとしております。
 以上が電波法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#29
○副議長(小山一平君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。及川一夫君。
   〔及川一夫君登壇、拍手〕
#30
○及川一夫君 電波法の一部を改正する法律案について、日本社会党・護憲共同を代表して宮澤総理及び関係各大臣に疑問点並びにその真意について質問をいたしたいと思いますが、その前に、緊急な政治課題として、渡辺外務大臣の福岡及び佐賀での発言の問題について総理の見解をただしたいと思います。総理、衆議院の解散権は総理の権限とされていますが、この解散の中には「見せしめ」あるいは「懲らしめ」のための解散ということがあるのでしょうか。私は、解散とは、重要な政治課題について国論の大勢が明らかでない場合、論議が激しく対立し、審議が行き詰まったと思われたとき国民の信を問うことに意味があると思っているのであります。それを、「見せしめ」、「懲らしめ」とは何たる言い方でありましょうか。
 二十三日に福岡市でこの発言をしたと報じられた渡辺副総理・外務大臣は、事の重大さを意識したのか、昨日二十四日には佐賀市内での講演会で、「見せしめ解散」とは「選挙をやってみせてやる」という栃木なまりだと釈明をいたしているのであります。しかし、一方で、物理的抵抗をテレビに放映させて国民にぶざまな社会党の姿を見せるのが「見せしめ」だとも解説しているのであります。
 総理、これらの釈明や解説の意味がおわかりになりますか。言葉の持つ意味になまりも標準語もないのであります。日本語として、あるいは百歩譲って栃木弁としても通用しない話ではないでしょうか。
 総理、これがあなたの内閣の副総理であり外務大臣の発言であります。しかも、PKO法案を担当する最重要閣僚が、国会の審議をやゆし、反対する立場の者を中傷し、国権の至高の政治行為である解散権をもてあそぶがごときことは断じてあってはなりません。この発言は、主権者である国民全体を愚弄するものであると指摘しなければなりません。何らかの処分に値する発言であると思いますが、率直な総理の御所見を聞かせてください。
 本論に入ります。
 この法案は、我が国の電波利用行為にこれまでにはなかった料金制度を創設し有料化するものであり、電波並びに電波法についての受けとめ方を根本的に変えるものだと言わねばなりません。
 電波が発見されたのは一八八八年と言われています。そして、その電波を使い通信手段とすることに成功したのが一八九五年でありますから、今日の電波利用の実態になるまでわずか百年の歴史しかたっていないのであります。しかも、今日の電波の利用は、最大の分野は通信であるとしても、計測やエネルギー伝送、医療など社会を構成するさまざまな機能の運用も含めて、その利用範囲は大きく拡大しているのであります。まさに電波なくして生活、産業、経済はあり得ないと言われるほどその重要性が増しているのであります。
 こうした事態への発展は技術の進歩によるものでありますが、電波の利用がいわば個人化、大衆化の時代に入ったと言われる今日、技術の開発も、これまでの技術主導型から国民のニーズといった利用者主導によって技術や開発の方向が決められ、利用範囲が拡大されていくものでなければならないと思います。
 総理、今日の電波利用の発展と事態をこのように受けとめ、しかも電波の利用が有料化されるとなりますと、昭和二十五年に制定された電波法第一条の「目的」で言われている「電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進すること」との規定だけでは不十分ではないかと考えるのであります。電波をいわば国家的な共有財産と位置づける以上、独占を禁止し、公平な配分と、公共の利益、福祉の増進に役立てることはもちろん、不正な使用、認可されているにもかかわらず使い切っていない状態を完全に防止するなどの原則を国民の前に明らかにすべきであり、電波法に明記すべきだと思いますが、いかがでしょうか。総理並びに郵政大臣の電波利用に対する基本的認識についてまず伺いたいのであります。
 第二に、政府の提案自体、電波利用は拡大の一途をたどると指摘いたしております。
 電波利用が大衆化されればされるほど、利用者としてのニーズとは何かについて把握する必要が出てまいります。これまで、電波に関しては電波監理審議会が常設され、また、大臣の私的諮問機関として電波政策懇談会がつくられるなど国民との接点を求めておりますが、これらは電波に関する専門家の会合といった印象を強く受けるのであります。つまり、利用者を軸にした審議機関は皆無の状態ではないかと言っても過言ではありません。やはり、電波利用が国民的な広がりを持っている以上、NHKが持つ中央・地方番組審議会に類したものを常設し国民や利用者の意思を反映させるべきではないかと考えますが、総理の御所見を求めます。また、所管大臣である郵政大臣の御見解を伺いたい。
 第三は、電波は有限資源であるとする政府の考えについてであります。
 私は、平成元年五月十六日、本院予算委員会の総括質問において、当時、米国のモトローラ社が首都圏の移動体通信事業に新規参入しようと強く政府に要請していた御題を取り上げたことがあります。このとき、当時の片岡清一郵政大臣は、周波数はすべて割り振り済みであり、新規参入は物理的に不可能だという旨の答弁をされました。ところが、その一週間ほど後に、モトローラ社の首都圏参入を認める政府決定がなされたのであります。このことは、私の立場からいえば、大臣答弁は食言と言えるものでありました。
 このことを改めて指摘するのは、政府が余りにも、電波は希少資源であり有限資源ということを強調されるからであります。米国のモトローラ社の参入申請を物理的に不可能と拒否されたことは、周波数に余裕がなく使い切っているということだと思うのであります。しかし、それが一週間後に可能になったということは何を意味するのか。有限とはいっても厳密なものではなく、技術の進歩など条件によっては、限りなく無限に近く使える周波数帯を開発することができることを意味するのではないでしょうか。
 私は、電波は有限であり資源が枯渇すると言われても、なるほどそうですかと、その説明をすべて了承する気持ちにはなれないのであります。電波資源の有限性とは何かについて、郵政大臣に改めてお聞きしたいのであります。
 第四に、電波利用料の法的性格についてであります。
 今回の利用料創設に当たって、政府は、従来からあった免許申請手数料、登録免許税を存続させることにしております。これでは、利用者は料金を二重取りされるとの印象をぬぐい切れません。後でも触れますが、国の機関等の電波利用料を適用除外にしていることとあわせ、新たな料金制度としてその原則が極めてあいまいなシステムと言わなければなりません。そしてまた、政府提案は、有料化すること自体の論理的根拠、また金額の算出方式など多くの点で疑問があります。そこで、衆議院での答弁の中で政府は三年後の見直しを考えているととれる意見を表明しておられますが、矛盾を整理し、国民のより深い理解を得るための見直しならば私も賛成であります。
 郵政大臣、この際、三年後の制度見直しを確約していただけますか。また、見直すとすればその範囲、基準等についても明らかにしていただきたいのですが、いかがですか。
 第五として、政府機関の無線局の電波利用料を免除する問題についてであります。
 防衛庁を除く省庁については、省庁ごとの電波利用状況と免除される料金の額について郵政大臣からお答えいただきたい。
 防衛庁については、独自の電気通信体系を持ち、電波利用についても独自のネットワークがあると思いますが、利用している無線局の数、免除される料金額をお答えいただきたい。
 第六として、電波法百三条に基づき国の機関等は有料化の適用を除外するという問題についてであります。
 適用除外とは、これを文字どおり読めば利用料は免除されることであり、一切の予算措置はないものと解するのが常識であります。しかし、郵政省の説明によれば、有料化に伴う政府機関等の料金相当額は一括して郵政省の一般財源として計上するとなっており、適用除外の意味があいまいになっています。適用除外即免除なのか、それとも免除せず事実上利用料を徴収するのか、明確にしてほしいのであります。
 同時に、電波利用は現行法でも公平であるべしと規定されているにもかかわらず、国の無線局の有料化は適用除外し、その他は現行の手数料のほかに利用料を徴収するとの提案は極めて問題だと言わねばなりません。国の機関を適用除外する理由について、財政責任者としての大蔵大臣の答弁を求めます。
 第七として、免除する政府機関の電波利用料相当額は、郵政省の一般財源として計上するとした場合、現実問題として一体どういう性質のものにするのでありましょうか。
 政府機関以外から徴収した利用料は、文字どおり特定財源とされ、使途もはっきりいたしております。しかし、政府機関に対する免除額相当分と称されるお金は、お金に印がついているわけではありませんから、結局のところ、電波利用料を原資として実施することになっているデータベースの充実、電波監視システム整備という二つの事業費に免除相当額をプラスしない限り、電波利用料を特定財源化するという趣旨は貫徹しないことになります。
 また、予算折衝の過程において郵政省は常に電波利用料減免相当額を本来の郵政予算のプラスアルファ分として確保しなければつじつまが合わないことになりますが、予算折衝の最終段階では大臣同士の政治加算が行われるのが常識であり、その政治加算に電波利用料が入っているかどうかなどだれにもわからないのであります。このようなシステムを許容したことについて、当事者としての郵政大臣の御見解を伺いたい。
 第八として、地方自治体関係の減免措置について、消防と水防関係は全額免除とされています。これに対し、防災関係の電波利用料は半額免除とされています。この区別について、郵政大臣に理由をお聞きしたい。また、自治大臣の見解はどうか、お聞きいたします。
 私は、消防、水防、防災ともに同一視して免除すべきだと考えます。また、業務内容が公益性の極めて高いものであるという意味で言えば、その他の事業体の行う業務にもたくさんあると思うのであります。しかも、同じ公共的業務でも、政府機関は免除、民間や特殊法人は徴収するという区別の根拠がいま一つはっきりしないのであります。例えば、日本放送協会が行う防災放送、さらには航空機、船舶に義務づけられている無線設備などなぜ減免の対象にならないのか、明確な御説明をお願いいたしたいと思うのであります。
 最後に、今回の利用料創設と国民生活の関係についてであります。
 有料化によって電波を利用する事業体はコスト高となるわけでありますが、これが国民生活に悪影響をもたらさないよう政府として配慮すべきであると思います。有料化によるコスト増はどう処理されるべきと政府は考えるのか。実施後の見通しと対策を総理にお聞きしたいのであります。
 以上、誠意ある答弁を強く求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘の外務大臣の発言につきましては、直接聞いておりませんが、衆議院の解散は、立法府と行政府の意思が対立する場合、または国政上の重大な局面において特に民意を確める必要がある場合に、主権者である国民の判断を求める重大な意味を有するものでございますので、軽々に論じられてはならないものと考えます。
 なお、PKO法案につきましては、十分な御審議をお願いし、ぜひとも今国会で成立させていただきたいものと念願をいたしております。
 次に、電波法につきましてでございますが、最近における情報化の進展を背景として、電波の利用は急速に拡大をしております。今後の我が国の高度情報社会の構築において電波利用が果たす役割は極めて大きいものと考えております。
 我が国の電波利用につきましては、昭和二十五年の電波法の制定により、電波は国民共有の財産としてその利用が広く国民に開放されております。しかし、電波は、その物理的な特性から有限、希少な資源であり、公平かつ能率的な利用を確保することが極めて重要と思います。このような電波固有の性格に基づき、電波法はその規律の目的について、「電波の公平且つ能率的な利用を確保すること」と定めているところでございます。また、同法に基づき、郵政大臣は、無線局の開設の根本的基準を定めるなど我が国の電波利用の原則を明らかにしているところでございます。
 電波利用が国民生活において果たす役割の重要性にかんがみまして、広く国民の意見が電波行政に反映されることは極めて大切なことであります。現在、電波行政に関しましては電波監理審議会が設置されております。また、電波監理に係る行政過程の公正性及び透明性の確保を図るとともに、電波利用に関する国民の意見を反映させるよう努めているところでございまして、今後とも電波監理審議会の機能が十分に発揮されていくように十分配慮していくことが肝要であると存じます。
 電波利用料は、無線局全体の受益を目的として行う行政事務に要する費用を賄うものであり、免許人の安定的な電波利用を確保することになります。また、今回御提案しております電波利用料の額から見て、免許人に対する経済的な影響は軽微と認識をいたします。電波利用料が国民生活に影響を与えることのないよう、十分配慮してまいりたいと存じます。
 残余のお尋ねにつきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣渡辺秀央君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(渡辺秀央君) 及川議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、電波利用の原則に関する御質問でございますが、電波が国民共有の財産であり、有限かつ希少な資源であることは、先ほど総理の御答弁にもございましたとおりであります。このような電波固有の性格に基づき、電波法第一条はその規律の目的として、「電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進すること」と定めているところでございます。また、この目的を達成するため、同法に基づき、郵政大臣は、無線局の免許が与えられる条件として技術基準や無線局開設の根本的基準を定めるとともに、割り当てることが可能である周波数を示す表を作成し公共の閲覧に供するなど、我が国の電波利用の原則を明らかにしているところでございます。
 これらの原則によって、電波は我が国の情報化の進展を支える柱として、今後の社会経済活動や国民生活において幅広く利用されていくものと認識いたしているところでございます。
 次に、電波利用に関する国民、利用者の意思の反映に関する御質問でございました。
 電波行政につきましては、現在、電波法関係省令の制定、改廃、無線局の予備免許等の処分などに関し電波監理審議会に諮問を行い、その専門的かつ客観的な意見、判断を求めることによって、電波監理に係る行政過程の公正性、透明性を確保いたしているところでございます。さらに、電波監理審議会におきましては聴聞などを通じて広く国民の意見が反映されるよう努力いたしているところでございます。したがいまして、現在のところ、電波利用について広く国民の意見を反映させるための新たな機関を常設するという必要はないと考えておるわけでございます。今後とも、あらゆる機会をとらえて、またあらゆる機関も考えながら国民の意見を聴取し、電波行政に反映させるよう努力いたしてまいる所存でございます。
 次に、電波資源の有限性に関する御質問でございました。
 電波はその特性から無制限、無制約な使用は許されず、国際的な割り当て、調整に従ってこれを使用する必要があるほか、その公平かつ能率的な刑用の確保が強く求められているところでございます。電波利用の増大、多様化に対処するため、我が国のみならず国際的にも周波数資源の開発あるいはまた周波数の移行等に取り組んでいるところでありますが、今後一層の積極的な取り組みが必要とされているところでございます。
 なお、御指摘の米国との自動車・携帯電話の問題でございますが、既に割り当てた周波数の一部を振りかえることなどによりまして対処いたしたわけでございます。
 次に、電波利用料の性格と制度の見直しに関する御質問でございました。
 電波利用料は、電波監視の充実強化や電波監理事務の機械化など、特定の免許人を対象とせず、かつ免許人全体の受益を目的に行われる共益的な行政事務に係る費用を賄うものであり、現行の免許申請手数料などとは性格を異にするため、二重の負担には当たらないところであります。
 なお、今回の法律案に規定している電波利用料の額につきましては、三年間に見込まれる費用を基礎として算定したもめでありまして、その後については、状況の変化を踏まえまして、必要に応じて見直しか行われるものと考えております。
 次に、政府機関の電波利用状況に関する御質問でございました。
 国の電波利用の状況につきましては、平成二年度末現在の無線局数が合計十四万四千局でございます。これに相当する電波利用料の額を試算いたしてみますと約四億円となります。具体的には、警視庁が約十万四千局で一億六千万円、建設省が約一万六千局で一億四千万円、海上保安庁が約九千局で三千万円などとなると思います。
 次に、政府機関の電波利用料減免相当額の取り扱いに関する御質問でございました。
 国の開設する無線局については、免許申請手数料など現行の電波法関係手数料等の例に倣い、電波利用料の徴収を適用除外することといたしているわけでございます。一方、国は今後ともその歳出におきまして電波利用料で賄うこととしている経費以外の各種の電波行政経費を負担することといたしており、費用負担の公平に反することにはならないと考えておる次第でございます。
 次に、地方自治体の減免措置に関する御質問でございました。
 消防、水防その他防災上必要な通信を行うことを目的として地方公共団体が開設する無線局につきましては、専ら国民の生命、財産を災害から保護するための公的な任務を遂行するために開設するものであるということと、これらの無線局の整備が災害対策の見地から法律上義務づけられていることなどから例外的に減免措置を講じたものでございます。
 なお、消防、水防の用に供する無線局が消防、水防に特化した通信を行うのに対して、その他の一般防災行政無線は一般行政にも使用される点を考慮し、半額免除にとどまることといたし次ものでございます。
 また、御指摘の各種の公共・公益的な業務に係る無線局の役割の重要性は十分承知いたしておりますが、これらの無線局はそれぞれの業務を遂行することを目的として開設されているものでありまして、災害の防止全体を目的として地方公共団体が開設する消防の無線局など今回減免の対象としている無線局とは性格を異にいたしているものと考えているところでございます。
 何とぞ御理解をお願い申し上げたいと思います。
 以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣宮下創平君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(宮下創平君) お答えを申し上げます。
 及川議員の御質問は、防衛庁の無線局の数、利用状況、それから本改正案によりますところの免除されることとなる電波利用料相当額はどのくらいかという御質問だったと存じます。
 防衛庁におきましては、情報・指揮通信能力を確保するため、自営マイクロ回線、航空警戒管制レーダー、野外無線機等各種の電波在利用する機材を使用しております。このうち、自衛隊の使用するレーダー及び移動体の無線設備につきましては、自衛隊法百十二条の規定に基づきまして、電波法の規定のうち無線局の免許等に関する規定が適用されないこととなっております。これ以外の電波法の規定が全面的に適用されます無線局の数は約七百局でございまして、本改正案で免除されるこれらの無線局に係る電波利用料相当額は、平成二年度試算で約千三百万円であると承知いたしております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(羽田孜君) 電波法関係手数料の問題について申し上げたいと思いますけれども、一般論で申し上げますと、国は、公の役務の対価といたしまして、その費用を償うために各種の手数料を徴収させていただいておりますけれども、風がその役務を受ける場合には手数料を徴収しないこととする立法例が一般的でございます。現行の電波法関係手数料の取り扱いにつきましても国を適用除外としておりまして、今回の電波利用料につきましても同様の取り扱いとすることとなっております。
 なお、民間が負担する電波利用料とのバランスあるいは公平性、これにつきましては、国は、従来同様、今後とも引き続き各種の電波行政の経費を負担することといたしておりまして、国を電波利用料の適用除外とすることといたしても問題はないのではないかというふうに考えます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対する御質問は、電波利用料のうち地方自治体の関係で、消防と水防は全額免除されておるのに防災行政無線についてはなぜ有料になっておるのか、こういう御質問でございました。
 これにつきましては、郵政大臣からもう既に御答弁があったと思うのでございますが、地方自治体の方で、専ら消防、水防あるいは災害用に使っておる無線と、それから、そういう災害用とあわせて行政用のを兼用して使っておるものとございますが、今回は、仰せのとおり、災害と行政用に使っておるものはどちらも半々で持ち合うということでございますので、足して二分の一、半分ということになったのでございます。
 なお、水防用あるいは消防用は全額免除ということでございます。(拍手)
#36
○副議長(小山一平君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#37
○副議長(小山一平君) 日程第一 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境特別委員長渕上貞雄君。
   〔渕上貞雄君登壇、拍手〕
#38
○渕上貞雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、大都市地域を中心とした窒素酸化物による大気汚染の現状にかんがみ、特定の地域について自動車から排出される窒素酸化物の総量の削減等に関する所要の措置を講ずることにより、二酸化窒素に係る環境基準の確保を図ろうとするものであって、その主な内容は次のとおりであります。
 第一は、自動車排出窒素酸化物による大気汚染の防止に関する国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにすることであります。
 第二は、自動車交通の集中している地域で、従来の措置のみによっては環境基準の確保が困難と認められる地域を特定地域として指定することであります。
 第三は、国は特定地域について自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する基本方針を策定し、これに基づき都道府県知事は総量削減計画を策定することであります。
 第四は、特定地域内を使用の本拠とする一定の自動車について特定自動車排出基準を定め、窒素酸化物排出量のより少ない車種の使用の義務づけを行うことであります。
 なお、使用過程車については適切な猶予期間を設けることとしております。
 第五は、事業所管大臣は、自動車使用の合理化等によって窒素酸化物の排出の抑制を図るための指針を定め、事業者に対し必要な指導、助言をすることができることであります。
 委員会におきましては、参考人からの意見聴取を行うとともに、本法律案による窒素酸化物の削減効果と環境基準の達成見通し、自動車排出ガス規制の目標達成見通し、地方自治体の施策への配慮、自動車用燃料の価格差問題、低公害車の普及方策等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、日本共産党より修正案が提出されました。採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が全会一致をもって付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#39
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#40
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#41
○副議長(小山一平君) 日程第二 中小企業流通一業務効率化促進法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長岩本政光君。
   〔岩本政光君登壇、拍手〕
#42
○岩本政光君 ただいま議題となりました中小企業流通業務効率化促進法案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近の物資の流通をめぐる経済的社会的事情の変化及びこれにより中小企業の事業活動に支障が生じている状況にかんがみ、中小企業者が行う流通業務の効率化のための措置を促進し、中小企業の振興を図るとともに、物資の流通の円滑化に資するため、中小企業信用保険法、貨物運送取扱事業法等の特例措置その他の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、配送センターの設立とその運営方法、多頻度小口配送と下請との関係、荷主と運送業者との間における料金設定のあり方等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し四項目の附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#43
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#44
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#45
○副議長(小山一平君) 日程第三 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#46
○峯山昭範君 ただいま議題となりました法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、近年における外国人旅行者の増大とその宿泊ニーズの変化等に対応して、ホテル等の登録基準を見直すとともに、登録ホテル等に係る情報提供制度の創設、指定登録機関制度の導入等、所要の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、国際観光ホテルの登録基準の考え方、指定登録機関制度のあり方、旅行に対する障害者のアクセス改善問題等、各般にわたる質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきもりと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し全会一致をもって附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#47
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#48
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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