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1992/03/05 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 石炭対策特別委員会 第4号
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1992/03/05 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 石炭対策特別委員会 第4号

#1
第123回国会 石炭対策特別委員会 第4号
平成四年三月五日(木曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 佐藤 敬治君
   理事 金子原二郎君 理事 北村 直人君
   理事 古賀 一成君 理事 自見庄三郎君
   理事 渡辺 省一君 理事 岡田 利春君
   理事 中西 績介君 理事 東  順治君
      麻生 太郎君    今津  寛君
      上草 義輝君    古賀  誠君
      坂井 隆憲君    坂本 剛二君
      鳩山由紀夫君    三原 朝彦君
      岩田 順介君    緒方 克陽君
      中沢 健次君    細谷 治通君
      藤原 房雄君    小沢 和秋君
      高木 義明君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  渡部 恒三君
 出席政府委員
        通商産業立地  鈴木 英夫君
        公害局長
        資源エネルギー 山本 貞一君
        庁長官
        資源エネルギー 土居 征夫君
        庁石炭部長
        労働政務次官  宮崎 秀樹君
        労働大臣官房審 岡山  茂君
        議官
        労働省職業安定
        局高齢・障害者 征矢 紀臣君
        対策部長
    ―――――――――――――
 委員外の出席者
        商工委員会調査 山下 弘文君
        室長
委員の異動
三月五日
 辞任         補欠選任
  渡瀬 憲明君     今津  寛君
同日
 辞任         補欠選任
  今津  寛君     渡瀬 憲明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合
 的な実施のための関係法律の整備等に関する法
 律案(内閣提出第一三号)
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂本剛二君。
#3
○坂本(剛)委員 また石炭対策特別委員会に出戻りしてまいりまして、今度で三度目の質問をさせていただきますが、きょうは我が郷土の誇りであります渡部通産大臣に対して質問できることを実は大変に光栄に存ずる次第でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私の出身は、御承知のように常磐炭田のありましたいわきの圏域であります。ここでは昭和三十年代から四十年代にかけまして、大小含めて多くの炭鉱が閉山をいたした経験があるわけでございます。御多分に漏れず、地域経済は大変疲弊したわけでございます。しかし、その後地方自治体の自助努力や、あるいは国の産炭地振興施策等によりまして、道路等のインフラ整備や企業の進出が進み、再び経済が活性化したという貴重な体験を持っておるわけでございます。累積鉱害も当地域では幸いほぼ解消されつつあるところでございます。また、最近では常磐共同火力発電所におきまして、石炭利用拡大のための新技術でありますCWM、コール・ウオーター・ミクスチャーという、この試験的使用も経まして、現在その本格的な実用化が推進されつつあるところでございます。
 このようないわき圏域の事例は、今後、構造調整が進められております稼行炭鉱地域の発展にとって大いに参考になるものと考えております。私としては、今後の石炭鉱業の構造調整が円滑に進められるよう期待しつつ、幾つかの観点から御質問をいたしたいと思います。
 まず第一点でございますが、昭和六十二年度以降第八次石炭政策が実施されております。これまでの間に国内石炭鉱業の構造調整が実施されてきたわけでございますが、これに対しどのような評価をしているのか、ひとつお伺いしたいのであります。
 また、今後、改正後の石炭関係諸法の枠組みのもとで新しい石炭政策が実施されていくことになるわけでございますが、これに対する取り組み方についての通産大臣の基本的な考え方をお伺いしたいのであります。
#4
○渡部国務大臣 昨年の六月の石炭鉱業審議会の答申では、石炭企業の合理化努力と需要業界の引き取り協力の結果、第八次石炭政策はこれまでのところおおむねその趣旨に沿って推移してきておるものと評価されており、当省としても同様の認識をいたしております。
 また第二番目の御質問でありますが、今後の新しい石炭政策の基本的な考え方は、石炭鉱業審議会答申にある、九〇年代を構造調整の最終段階と位置づけ、均衡点までは経営多角化、新分野開拓を図りつつ、国内炭の生産の段階的縮小を図ることとし、このような石炭鉱業の積極的な構造調整努力に対し需要業界等が協力し、政府としても責任を持って対応していきたいと思います。
 通産省としては、このような基本的な考えのもとに、関係者に不安のないよう万全を期すべく、平成四年度予算案において、新分野開拓に係る補助金、出融資等の制度の創設等、施策の拡充を行ってきたところでございます。今回の石炭関係諸法の改正案についても、石炭鉱業の構造調整を支援することを目的とするものであり、これを成立させていただいた後、速やかに必要な支援策を講じてまいるつもりでございます。
 最初に坂本先生からお話がございましたが、先生の常磐炭鉱地域はかつて我が国のエネルギーの大きな役割を果たしていただきました。今ではその石炭鉱山はなくなってしまいましたけれども、しかしその転換に当たって非常に積極的な施策で地域振興が今進められておる、これも今後の石炭政策の大きな参考になることと存じます。
#5
○坂本(剛)委員 今回の石炭関係諸法の改正は、昨年六月に出されました石炭鉱業審議会の答申を踏まえたものであると理解いたしておりますが、この答申の趣旨は改正法案の中にどのように反映されているのか、概要を御説明いただきたいと思います。
#6
○土居政府委員 今回の石炭関係諸法の改正は、先生御指摘のように、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申を受けたものでございまして、その内容はこの答申と表裏一体をなすものというふうに考えております。
 具体的には、石炭鉱業の構造調整努力を支援するという観点から石炭鉱業合理化臨時措置法を改正しているわけでございますが、その中身といたしましては、石炭鉱業構造調整臨時措置法に法律の名称を改めまして、目的につきましても、石炭
鉱業の構造調整の円滑な推進を図ることというふうに改めておる次第でございます。さらに、石炭鉱業合理化基本計画につきましても、これを石炭鉱業構造調整基本計画に改めた上で、内容も答申の趣旨に即した項目といたしております。さらには、通産大臣が承認いたしました新分野開拓計画に従って事業を行う石炭企業に対しまして所要の支援スキームを創設しておるところでございます。
 また、鉱害対策につきましても、累積鉱害の早期解消及び浅所陥没等被害に対する長期的対応体制の構築が必要との答申の指摘を踏まえまして、臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法につきまして、第一点は、復旧工事の実施計画に係る手続の改正、第二点は、浅所陥没対策を行う指定法人制度の創設を行うこととしたところでございます。
#7
○坂本(剛)委員 石炭鉱業合理化臨時措置法の改正案によりますれば、石炭企業は新分野開拓計画を作成し、「通商産業大臣の承認を受けることができる。」とされておりますが、比較的経営基盤の弱い石炭企業が新分野の事業を成功させるためには、親子一体となった石炭企業の自助努力だけではなく、国としても相当の支援策が必要であると思います。このような観点から、新分野開拓計画の承認を受けた場合には、どのような助成措置が用意されているのかお伺いします。
#8
○土居政府委員 石炭企業が新分野の事業を成功させますためには、まずは親子一体となった石炭企業の積極的な自助努力が必要でございますけれども、石炭企業各社の厳しい経営状況にかんがみますれば、国としても相当の支援策が必要であることは十分認識しているところでございます。
 このような観点から、今回の石炭鉱業合理化臨時措置法の改正によりまして、石炭企業が親企業と共同して作成いたしました新分野開拓計画を通産大臣が承認いたしました場合には、その計画に従って事業を行う石炭企業等に対しましてこれを支援する制度を創設したところでございます。
 具体的な支援策といたしましては、第一点は、新分野開拓に必要な設備資金、あるいは炭鉱経営に伴って蓄積された技術に係る技術開発に対する新分野開拓促進補助金の交付、第二点は、新分野開拓に必要な設備資金についての無利子の新分野開拓融資、第三点は、海外炭の探鉱、開発に必要な資金についての出資、さらには、新分野開拓のために必要な設備を長期保有土地として売却、取得する場合に買いかえ特例制度を講ずるということにしておる次第でございます。
#9
○坂本(剛)委員 今後構造調整が進みますと、地元の産炭市町村に対しては大きな影響が生ずると考えられます。今回、産炭地域の信用保険の特例法も延長されるようでありますが、これも含め、稼行炭鉱所在地域に対しては強力に施策を講ずることが必要と考えております。通産省としての見解をお尋ねをいたします。
#10
○山本(貞)政府委員 昨年六月の石炭鉱業審議会の答申におきまして、八次策影響地域等の重点対象地域への対策に加えまして、稼行炭鉱地域対策の必要性についても指摘されておるところでございます。
 私どもとしましては、関係各省庁の連携のもとで、これまでも産炭地域の市町村に対する財政支援とか工業団地の造成とか企業の誘致といった施策を講じてきたところでございますけれども、今後ともこの答申の趣旨を踏まえまして、従来にもまして、稼行炭鉱地域を中心として重点的かつ先行的な施策を講じてまいる所存でございます。
 具体的に申し上げますと、平成四年度予算案において、一つは地域振興の中核的事業主体の設立を支援するために、産炭地域活性化事業費補助金制度の創設、あるいはプロジェクト施設整備等支援調整額の創設などの産炭地域振興臨時交付金の充実、あるいは地域振興整備公団の出資金、あるいは特別低利融資制度の充実といったようなことを考えておるわけでございます。
 また、財政投融資におきまして、地域振興整備公団による新規工業団地の造成等も新規の三カ所を想定しておるわけでございます。
 さらに、税制におきまして、稼行炭鉱地域における工業用機械等の特別償却制度の創設を行うこととしております。
 また、今先生御指摘の中小企業者対策につきましても、現行の信用保険の特例制度の延長を本法律案でもお願いしておりますし、産炭地域振興臨時交付金の調整額におきまして、稼行炭鉱地域をも対象にするといったような施策の充実にも努めてまいる所存でございます。
#11
○坂本(剛)委員 次に、鉱害関係についてお伺いいたします。
 石炭鉱害につきましては、私の地元であります常磐地区を初め、本州においてほぼ解消されつつあると聞いております。全国ベースで見れば今なお累積鉱害が大規模に残存している地域も実はあるわけでございます。鉱害は石炭後遺症の大きなものの一つであり、法延長期間内に解消すべきものと考えますが、今回鉱害二法の改正による新規措置法も含め、通産省としてはどのように取り組んでいくつもりなのか、お伺いをいたします。
#12
○土居政府委員 石炭鉱害につきましては、従来から臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法に基づきまして復旧事業を進めてきたところでございます。前回の鉱害復旧長期計画に基づきまして、昭和五十七年度から平成二年度まで約五千三百億円の事業を行うなど、復旧は進捗してきているところでございます。
 平成四年度初の残存鉱害量につきましては、現在のところ約三千七百億円と見込まれておりますけれども、被害地域での石炭採掘は既に行われなくなってから二十年を経過しておりまして、累積鉱害の原因になった沈下鉱害はもう新たに生じないという事態になってきております。したがいまして、今後十年内には累積鉱害は完全に解消し得る見込みでございまして、これを地域別に見ますと、本州各地域についてはおおむね累積鉱害は解消されつつあるということでございますし、九州につきましても、佐賀県、長崎県につきましては法延長後おおむね五年程度で解消される見込み、最も鉱害量の多い福岡県につきましても、十年間のうちには累積鉱害は解消される見込みとなっているところでございまして、この点につきましては、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申でも触れているところでございます。
 今回の改正法案は、鉱害処理の早期完了への強い要望があることを踏まえまして、工事が進捗していない案件につきまして主務大臣、通産大臣さらには地方公共団体等が連携をとり合って行う調整の仕組みを整備する等、復旧を促進するための措置を新たに設けておりまして、またこれ以外にも諸般の対策を講じているところでございます。今後の鉱害復旧に当たりましては、これらの手段を活用いたしまして、法延長期間内の極力早い段階で全国各地の累積鉱害の処理を完了させるべく努めてまいる所存でございます。
#13
○坂本(剛)委員 有資力、無資力によるいろいろな措置とか、残存鉱害の認定の問題でもいろいろ実はあるわけでございまして、表面上はなくなったかに見えても、あるいはまだ残っているようなふうにも見えなくもないところもある。その辺ひとつこれから、石炭鉱害事業団も各地区にあるわけでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 続いて六問目は、今回の石炭関係諸法の改正は国内の石炭鉱業の構造調整の円滑化のためのものでありますが、今後の大幅な石炭需要の増加を踏まえますと、海外炭の安定供給確保も大変重要な課題であるわけでございます。今回の合理化法の改正によりまして石炭企業の海外炭開発に対し助成が行われることとなったわけですが、これも含めて、海外炭の安定供給確保に向けてどのように取り組んでいこうとするのか、お考えをお聞かせください。
#14
○山本(貞)政府委員 まずは今後の石炭需要量でございますが、一昨年十月に閣議決定されました石油代替エネルギー供給目標の基礎となりましたエネルギー長期需給見通しに示されております
が、二〇〇〇年までに約三千万トン増加しまして、約一億四千二百万トンに達すると想定しておるところでございます。また、アジアNIESを初めとしまして、世界的にも石炭需要の増加が見込まれるところでございまして、その安定供給確保は重要な課題だと認識しておるわけでございます。
 通産省といたしましては、従来から海外炭の開発、輸入の促進のために、新エネルギー・産業技術総合開発機構を通じまして、基礎調査段階における補助金の交付、探鉱資金の低利融資、あるいは開発資金の債務保証などを実施しておるところでございます。
 平成四年度の予算要求におきましては、海外炭の安定供給確保のために、探鉱段階における成功払い融資制度の導入を図るということをお願いしております。さらに、海外炭の中継機能等を有するコールセンターの整備のための税制上の支援措置を導入することをお願いしておりまして、これは七%の税額控除あるいは三〇%の特別償却を選択できる制度でございます。さらに、利子補給によって低利融資を実現する、開発銀行の融資を実施することとしておるわけでございます。また、石炭企業等に対しまして、新分野開拓の促進の一環として、海外炭開発事業に対する無利子融資及び出資制度の創設を図ることとしておる次第でございます。
#15
○坂本(剛)委員 大変丁寧な御答弁、ありがとうございました。また、渡部通産大臣からは常磐炭鉱の閉山後のいろいろな処置について大変おほめをいただきまして、本当にありがとうございました。
 続きまして、労働省に雇用関係についてお伺いをしたいと思います。宮崎政務次官、どうぞよろしくお願いします。
 今回の石炭企業の新分野開拓に伴う炭鉱労働者の新分野への移行を円滑に図るための対策、例えば炭鉱労働者の配置転換、職業訓練等を行う事業主に対する助成等は、労働大臣の認定を受けた雇用安定計画に基づいて行われるものに対して実施されることになっております。この計画は、今回の新政策の中心的な役割を果たすものと考えられます。
 そこでまず、この雇用安定計画についてお聞きしたいのですが、この計画に定められる内容はどのようなことであるのか、また、その認定の方針についてお伺いをいたします。
#16
○宮崎政府委員 雇用安定計画につきましては、炭鉱労働者に関しまして、その従事する新分野事業の内容、出向、配置転換、再就職あっせんなど雇用安定のための措置の内容等につきまして作成していただくことにしております。
 また、雇用安定計画につきまして、労働大臣の認定方針といたしましては、雇用安定計画の内容が明らかに実現不可能な場合を除きまして、その内容が炭鉱労働者の円滑な職業の転換を図る上で適当であると認められるものにつきまして認定をする方針でございます。
#17
○坂本(剛)委員 認定された雇用安定計画に基づいて炭鉱労働者の就職の転換を行う事業主に対して国が援助を行う、こういうわけでございますが、その柱となるのは炭鉱労働者雇用安定助成金であります。
 そこで、この助成金についてお聞きいたしますが、炭鉱労働者雇用安定助成金は、炭鉱労働者の配置転換、職業訓練等の措置を講じた事業主に対して支給されるものであるのだそうですが、その詳しい内容についてお伺いをいたします。
#18
○征矢政府委員 炭鉱労働者雇用安定助成金につきましては、雇用安定計画に基づきまして炭鉱労働者の配置転換、出向、あるいは関連企業への再就職あっせん、あるいは職業訓練を行う鉱業権者等に対しまして、その対象となる炭鉱労働者の賃金の一部等を助成するものでございます。
 そこで具体的には、配置転換、出向を行う鉱業権者等及び出向、再就職あっせんで炭鉱労働者を受け入れる事業主に対しまして、対象となった炭鉱労働者の賃金の三分の二を一年間、職業訓練につきましては、これを行う鉱業権者等に対しまして、その対象となった炭鉱労働者の賃金の四分の三を、これは最大一年を限度といたしまして職業訓練期間中に支給することといたしております。
 また、これらの措置の実施に伴いまして炭鉱労働者が住居の移転を余儀なくされる場合におきましては、その移転資及び住宅手当費を負担している事業主に対しまして、移転費につきましては事業主が負担した額、住宅手当費につきましては負担した額の二分の一を支給することといたしております。
#19
○坂本(剛)委員 炭鉱労働者の職業の転換というものは、私は経験した者として本当に大変だということを実感いたしております。常磐炭鉱も約五千人の人がいわき市の外へ出ていって、近くの臨海工業地帯とかあるいは新産都市とか、そういうところに吸収されたようでございますが、行った先で大変苦労なさっていると伺っております。したがいまして、これらの問題につきまして労働省それから通産省が十二分に対処をなされることを切に要望いたしまして、時間を余して質問を終わります。
#20
○佐藤委員長 これにて坂本君の質疑を終わります。
 続いて、岩田順介君。
#21
○岩田委員 日本社会党の岩田順介であります。
 昨日は八人の石炭に関する参考人においでいただきまして、午前と午後に分けまして貴重な御意見を拝聴して大変参考になった次第であります。今から審議されます法案が通過をいたしますと、石炭構造調整につきましても九〇年代ということが明確になるわけであります。それから、さきに通過をいたしました産炭法も十年延長になりましたが、その後はこれは困難であろうと思います。さらに、今も御答弁がありましたが、石炭も、この十年の早いうちにこれを完了していく、まさに最終段階の十年を迎えたわけでありますが、これまでの石炭の果たしてきた役割について、通産大臣は糟糠の妻とも言われましたけれども、これまでの努力に引き続きまして、一層の産炭地域の振興、石炭を取り巻く厳しい状況にかんがみて御努力をお願い申し上げたいというふうに思います。
 昨日それぞれ参考人から意見を拝聴いたしました。まず、北海道、福岡県の両副知事を初め産炭地域の市長さんもおいでをいただきましたが、共通する問題は、産炭地域の自治体はなべて脆弱な財政事情にあるということ、したがって産炭地域振興についても思うに任せない、ぜひ国の力を要望したいということで共通をしておったのではないかというふうに思います。それから、石炭労働者の代表もお見えになっておりましたが、これまでの、八次策までの合理化、この労働者の苦しみはまだ残っている、したがってこれらについても配慮をしていくべきである、こういうことがるる述べられまして、私どもも責任を痛感するわけですが、きょうは労働大臣お見えになっておりませんけれども、ぜひとも両省、両大臣の御尽力を冒頭要請をしておきたい、かように思うわけです。
 まず最初に、法案とは関係ありませんけれども、いわゆる地方拠点都市整備法案というものが今国会に提出をされる、こういうことになったわけであります。これは、東京一極集中を是正して、そして四百三十兆円に上る公共事業をどう促進していくかということが背景にある、こういうふうに説明をされております。つまり、三大都市圏の機能を地方に分散をしていく、これが主なねらいではないかというふうに思うんです。かつての、各種の関係する法律案とは若干違って、新味のあるものも出ているやに感じているわけでありますが、この地域拠点都市整備法案について概略御説明をいただきたいと思います。
#22
○鈴木(英)政府委員 ただいま委員御質問の、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律でございますけれども、これは地域における創意工夫を生かしながら、広域の観点から、都市機能の増進及び居住環境の向上を推進するための措置を講ずることによりまして地方拠点都市地域の一体的な整備を図るということ
が第一。それから第二に、過度に産業業務施設が集積しております地域から地方拠点都市地域へ産業業務施設の移転を促進するための措置を講ずるということによりまして、産業業務施設の再配置の促進を図り、かつ地方の自立的成長の促進、国土の均衡ある発展というようなことを目的といたしまして、関係各省庁で今回この国会に法律を御提案申し上げているものでございます。
 基本的には、主務大臣が基本方針を策定いたしまして、地方拠点都市地域の指定は都道府県知事に主体的にやっていただく。それから、さらに基本計画の作成につきましては、市町村あるいは市町村連合に主体的にやっていただくというようなことで、この後、法律の目的を達成していこうということで御提案申し上げている法律でございます。
#23
○岩田委員 今の御説明では、指定は知事が行う、そして具体的なものについては市町村連合がこれを詰めていくというようなお話がありましたが、この説明によりますと、五年間で五十カ所ないし八十カ所ぐらいで指定を考えられている、こういうことのようであります。
 今お話がありましたように、過去のいろいろな関連する法律を見てみますと、今言われましたように中央の機能が地方に分散をする、簡単にいかない問題ではないかというふうに思います。新産都市問題がありました。それから、農村地域に工業を導入するような法律もありました。新全総がしかりであります。さらに、最近ではリゾート法がありましたが、これも縮小、見直しということになりましたけれども、これなどは失敗した最大の例ではないかというふうに思いますね。
 知事が指定をする等を初め、地域の権限が随分付与されているという点では大いに評価をするべき点があるだろうと思います。そして、指定も独自にするならば責任も持っていこう、地域の発想を生かしていこうという点には大いに新味があるんじゃないかというふうに思いますが、しかし、申し上げましたように、開発行為の規制緩和がとられるということで、リゾート法みたいに産業版になりはしないかという問題もありますね。さらに、おっしゃいますように、五つの省庁が寄り集まるというか共管していくわけですね。果たしてこの調整機能が発揮できるかどうかという問題がありますが、この辺についてどういうふうにお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。
#24
○鈴木(英)政府委員 私ども通産省といたしまして、先生御指摘のように、今までいろいろな角度からの地域開発、産業立地政策というのを進めさせてきていただいております。
 昭和四十七年には工業再配置政策というのを開始をいたしまして、首都圏等の過密な地域から地方に工場を分散しようということで、最近の統計によりますと、新規工場立地の約八割が誘導地域に立地されているというようなことで、私どもそれなりの成果を上げてきたのではないかと思っております。その後にはテクノポリスあるいは頭脳立地というような新しい観点からの産業の地方分散というような政策も推進させていただいておりまして、やはり地域開発を推進するためには産業が根づく、あるいは経済の実体が根づくということで地方に雇用の場ができるということが非常に大事なことではないかというような認識から産業立地政策を進めさせてきていただいたわけでございます。
 今回の法律につきましては、特に通産省といたしましては、最近の東京二十三区におきますオフィスの集積というのが非常に過度になっておるというようなことで、何とかこのオフィス機能を地方に分散できないかということで、単に地方に拠点を整備するのみならず、オフィスを地方に移転するための誘導政策、例えば税制上の特例というようなものも一体として考えまして、産業の地方分散を図っていきたい、業務機能の地方分散を図っていきたいというふうに考えております。
 特にこれは関係六省庁が共同提案をさせていただいておりますけれども、やはり拠点都市の整備のためには、各省が持てる力を十分に発揮をいたしまして集中的な施策の投入を図ることが必要であるということで、特にこの法律の実施のための施策、手段、こういうものを持っておられます関係六省庁を糾合してやっていこうということになったわけでございます。したがいまして、各省庁間の連絡調整は十分に行い得ると私ども考えておりまして、そういった面で新しい観点に立った各省庁間の共同作業というようなことでこの施策を進めさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。
#25
○岩田委員 そこで、労働省にひとつお尋ねをしたいと思います。
 昨年労働省は地域雇用開発促進法の改正を行いましたですね。これは昭和六十一年、六十二年のいわゆる円高不況を背景にして新法ができて、これが改正されたということで、昨年は、この地域を指定して、特定地域を指定されたのですね。こういう経過があります。
 今通産省からお話を聞きまして、労働省にお尋ねをしたいと思いましたのは、私は産炭地の出身なんですが、炭鉱が閉山をすると何十万という家族を含めた方々がそこに残されたのですね。それで、今度の法律での新分野開拓だとか多角化だということは当時はなかったと思いますが、炭鉱は引き揚げてしまう、そして工業はベルト地帯に集積をする、内陸部は空洞化する、残ったのは失業者だけだ、こういうふうになっていった過去があるのですよね。今日でもそうなんですけれども、上物というか、そういったオフィスの移転を促進をするということはいいのですが、労働者は一体どうするのかですね。それについていく労働力はどうするのか、こういう問題もあろうと思いますね。
 最近、最近というか、筑豊にもようやくトヨタ自動車が来て、多少雰囲気は明るくなりましたけれども、やはり労働力の問題なんですよ。全国的にそういう労働力の問題があるわけですね。労働省の方も最近は、労働力の尊重の時代、それから経済が先に行って労働力がついていくのじゃなくて、労働力を、人があって産業がある、こういうふうに社会構造を転換させなきゃならぬ、こういう時代になっているのですが、お聞きしたい点は、労働省が指定をされた特定地域とこの問題というのは一体どういうふうに関連をするのか。先ほどの基準をお聞きしますと、通産の説明では、知事の方でこれを決定をするので通産の方では基準などはまだ設けてないというように、私そういうふうに聞き取ったんですけれども、一体労働省としてはどう考えておられるのか。
#26
○征矢政府委員 御指摘のいわゆる地方拠点整備法につきまして、これは内容が、ただいまお話もございましたが、住宅等の整備あるいは事業所の移転の促進を行うという観点の法律でございまして、したがいまして、労働大臣は主務大臣とはなっておりませんけれども、お話ございますように、極めて密接な、人の面からの関連のある問題でございます。
 したがいまして、この法律に基づきます基本的な方針を定める場合、あるいは拠点都市地域の指定を行う際には、労働大臣も事前に協議を受けることとなっておりまして、私どもといたしましては、雇用の安定あるいは人材の確保という面から、地域雇用開発促進法等に基づく各般の施策等、労働政策との連携を図りながら、労働省といたしましても一極集中の是正に努めてまいりたいというふうに考えております。
#27
○岩田委員 ありがとうございました。
 そこで、これは通産大臣に要望を申し上げるわけでありますが、先ほども若干申し上げましたように、福岡で申し上げますと稼行炭鉱を含む有名地域ですね、大牟田。今後石炭がどうなるか、産炭地域振興をどうするかという大きな問題点ですね、問題地域。それからもう一方では筑豊だろうと思います。内陸部であるし、ようやく政府の努力によって基幹道路等の整備については若干前向きになったという状況はありますけれども、まだまだそれでも十年間で他の地域に追いつけるかど
うかというのは一様に不安を持っているわけですね。こういう実態があるわけです。
 したがって、今労働省からも御答弁いただきましたけれども、やはり労働省もきちんとこれに入って環境整備をしていくというのがよかったのではないかというふうに思っているから御相談をしたのですが、通産大臣に要望したいというのは、いずれにしても、先般の石特でも我が先輩の中西委員がおっしゃっていましたように、石炭というのは内陸部が大体共通している地域なんですよ。したがって、取り残されたという状況もありまして、産炭法ができまして、それで今日まで命脈を続けてきたんですけれども、もう一つこれに大きな力が要るであろうということが、冒頭申し上げましたように各参考人の自治体の意見も共通をしているわけですね、この問題はもちろん出ませんでしたけれども。
 したがって、知事がこれは決めるということになっていますから、知事の判断に任せる以外にないのですけれども、知事が指定した場合、やはり特段の問題として産炭地のことを通産大臣としてはぜひとも胸に置いていただきたいというふうに思うのですね。
 これは私は知る由もありませんでしたけれども、今の産炭法ができるときに、いろんな経過がありまして、幾つかの省庁がこの法律のように協議をして、そして産炭地域を特定地域として指定をする、そこに支援をしていく、活性化を図るという法律の構想があったやに聞いておりますけれども、それがつぶれて、いわゆる通産省の当時の石炭局ですかね、石炭局にこの任務が移ってこの産炭法ができて、自来今日まで支援をしていただいたということになっているわけであります。したがって、今通産省からお話を聞きましても、例えば過疎法だとか産炭法だとかいろんな地域活性化法がありますよね、それにダブってもいいしダブらないでもいいし、政令市も外すというようなことも出ておりませんし、全くこれは知事が決定をしていく。そういった意味では、新しい自治体づくりというか、地域活性化について一つの新味だろうと思いますが、ぜひとも産炭地の現状を、例えば筑豊なら筑豊全域をどうするかという観点も必要だと思いますが、取り残された地域をどうするか。産炭地を特段頭に置いて、これが決定について御相談あったときには御努力いただくということを要望申し上げたいと思います。ぜひこれは大臣から御答弁をいただきたいと思います。
#28
○渡部国務大臣 先般のこの委員会でも何度か申しておりますが、私の産炭地域の対策は、単なる後始末ということよりも、より前向きの、地域振興ということに比重を置いてやりたいというのが私の基本的な考え方でございます。先生おっしゃられるように、かつては筑豊炭田がまさに戦後日本の復興の原動力としてのエネルギーを供給する役割を果たしていただいたわけでありますが、残念ながら時代の変化、また国際化の時代、内外炭価の余りにも大きな価格の差というような中で今日の状態を迎えておりますので、今後は新しい時代に、この前も話がありましたが、石炭の町から、石炭もある町というような表現もありましたけれども、これから新しい時代のニーズの中で、若者たちが未来に夢と展望を持てるような地域をつくっていく、その地域振興に役立ちたいという思いでございます。ただいまの問題は知事が決めることでありますけれども、当然、該当する地域の知事が、今先生御指摘のようなものを十分に勘案して指定されると思いますけれども、私の思いはまさに先生のお考えのことでありますから、これらも十分に念頭に置いて相談に乗ってまいりたいと思います。
#29
○岩田委員 ぜひとも十分な御配慮をお願いをしておきたいと思います。
 それから次に、鉱害復旧の問題について若干お尋ねをしてまいりたいと思います。
 先ほどの土居部長の答弁で、石炭鉱害についてのいわゆる処理方法、具体的な問題も含めた新しい体制整備について御説明がありました。私も、入口をしっかりとして出口もきちんとするというような構想になっていることは、これは遅きに失したのではないかというふうにも思うのですね。しかし、そういうふうに構想されているわけです。中身としては、自治体の協力を得るということ、それから、問題については主務大臣と協議をするということ等が、過去もやられておったのですけれども、積極的にやるという点ではこれは評価をしてまいりたい、こういうふうに思うのですが、まず、長期計画については地域ごとにその復旧量を決めていくということに法律はなっておりますけれども、この地域というのは一体どういう範囲なのか、お尋ねをしたいと思います。
#30
○土居政府委員 御質問の、復旧法の四条二項で通産大臣が定めます鉱害復旧長期計画につきましては、従来は全国ベースで決めておったわけでございますが、これについて地域ごとに長期計画を定めるということで今回改正案を提出しているわけでございます。この地域ごとにつきましては、一応政省令以下で決めることになるわけでございますが、現在のところ県単位で決めるというようなことを検討しております。
#31
○岩田委員 県単位で決めていくということなんですが、例えば鉱害量についても県ごとには相当差がありますね。先ほども御答弁があっておりましたが、その八割は福岡県が占めるということになっておりますね。しかも、福岡県を見た場合、相当広域にまたがるわけですよ。従来も、この事業団等が決める鉱害復旧計画については、地域ごとに決めるのだけれども、当初決めた計画がきちっと終了するということはほぼ考えられなかった。いろいろ段差が出たり問題が出たりして、そういうことはないのですよ。そして、A地区の鉱害予算をB地区に回したり、逆であったり、こういうことを繰り返してきたのですね。それは一体なぜかという問題があるのですね。予想しなかった問題もさまざまありますが、いわゆる復旧計画そのものに問題があったのではないかという問題の指摘もあったのですね。そういうことを総括、反省をされて出てきたものであれば、例えば数年間で鉱害が終わる小規模の地域については県単位でもいいかもしれませんが、福岡県等の鉱害量の八割を抱えるところでいきますと、大ざっぱ過ぎるのではないかというふうに思うのですね。
 過去、過去というより現在も決まっておりますように、例えば筑豊で参りますと、筑豊東・中、西、こういうふうに決めて、きめ細かな自治体の意見を聞いた上での復旧計画、量の確定というのがなされていった方が地方自治体も協力する体制ができるであろうし、いわゆる不同意やその他の問題に対する説得、助言、こういったものも効果的ではないかというふうに思うのです。県にすれば大ざっぱに、緩慢になるのではないかというふうに思いますけれども、その点についてはいかがですか。
#32
○土居政府委員 通産大臣が定めます鉱害復旧長期計画、これは十年間の指針を定めるものでございまして、今先生の御質問の中にもありました、より規模の小さい、事業団が定めます復旧基本計画とはちょっと性格が異なるものでございますので、基本的には、復旧長期計画につきましては従来の全国ベースを県ベースにしたいと考えておるところでございます。これは、鉱害の補助金も県単位であるとか、市町村を超えたいろいろな広域的な鉱害もあるというようなことから、基本的には県単位を考えているわけでございますが、ただ、今先生御指摘のような、実態を十分踏まえなければいかぬということでもございますし、この復旧長期計画を決めるときには地方自治体と十分相談をするということになっておりますので、その定め方等につきましては、今の先生の御指摘も踏まえながら十分実態に応じた相談はしていきたいと考えております。
#33
○岩田委員 いや、鉱害問題につきまして、基本的には自治体も協力をやってきたのですね。県を初め協力をやってきた。濃淡はありますよ。その濃淡というのは、炭鉱が三十年代の後半につぶれた、閉山をしたところから、ずっと最近になってつぶれたという炭鉱もありまして、それは閉山の
歴史がありますからそう一概にいかない、画一的にはいかないのです。したがって、今日のこのような状況になってまいりますと、おおよそ地方自治体の協力というのは、そんないい仕事ではないのですから、率直に言っていい仕事ではないのですから、喜んでいくかどうかは別にして、自分の地域の地域計画と鉱害復旧がマッチするという、その意見が届くということでなければ、しっくりした協力体制というのはいかないのじゃないでしょうか。今の御答弁で、きめ細かな自治体との協力をやっていきたいというふうに言われましたから、ぜひその辺の配慮はお願いをしておきたい、かように思うわけであります。
 それから、前後するかもしれませんけれども、長期計画の策定というのは一体どういう方法で行われるのか、そして、どういう機関が関与するのか。これは先ほどまでの答弁で、知事等の意見を聞くということになっていくのだろうとは思いますけれども、この点についての御説明をいただきたいと思います。
#34
○土居政府委員 鉱害復旧長期計画につきましては、これは現在の臨時石炭鉱害復旧法の第四条の規定があるわけでございまして、その規定に即しまして通産大臣が決めるわけでございますけれども、現在のところは、「土地物件の種類ごとに、復旧すべき鉱害の量及び鉱害の復旧にあたって配慮すべき基本的事項を定める」ということになっておりますが、これを、先ほど来御質問がございますように、その復旧の量について全国ベースでなしに地域ごとに決めていこうということでございまして、お尋ねの手続等につきましては、現行の第四条の規定に即しまして、関係行政機関の長に協議する、あるいは関係道府県知事の意見を聞く、さらには石炭鉱業審議会の意見を聞くという形で、関係者の意見を十分聞いて手続を進めてまいりたいと考えております。
#35
○岩田委員 ぜひそのようにお願いしたいのですが、その場合に、もう一点お聞きしたいのは、今の御答弁では計画については知事や関係自治体の意見を聞くというふうになっておりますけれども、これがどのくらい反映されるかどうかという問題についてお伺いしておきたいと思うのです。
 先ほども申し上げましたように、今、産炭地域振興にとって鉱害問題というのは相当阻害要因になっているわけです。ですから、過去の石炭鉱害の復旧の歴史を見てみますと、申し上げましたように、昭和三十年代に閉山したもの、四十年代の前半に閉山したもの、四十年代の後半に閉山したもの、漸次違うわけですから、その閉山の歴史に従って鉱害もいろいろ発生してきたわけですね。したがって、必ずしも総合的、計画的な復旧計画ができなかったというところに大きな要因があろうと思います。
 それが今日では、もうAという地域は済んだ、Bという隣接は済んでない、今からやるのだ、また、Cという隣接地域ではかってやったけれども効用が未回復だという問題があります。だからそういうときに、これは国の長期計画と地元の計画、思惑がこんなにずれると思います。非常にずれると思います。無理な相談は別にしても、産炭地域振興の観点から見る地方自治体の思惑というか要望が国とかなり違うことは容易に想定できるのです。そういった問題について柔軟性がある対応、詰めができるかどうか、そういった意味で地方自治体の意見が反映されるかどうか、これをもう一度御答弁いただきたいと思います。
#36
○土居政府委員 今先生から御指摘がございましたように、過去の鉱害復旧事業についてはいろいろと問題点があることは十分認識しておりますし、さきの石炭鉱業審議会の答申でも、具体的なこれまでの鉱害復旧事業についての手続上の問題点等々については十分指摘を受けているところでございます。
 御承知のように、鉱害の復旧もこれまで長年月をかけてやってまいって、ようやく量的な規模においては、今後十年内に鉱害の復旧が完了できるというところまできておるということでございまして、これまでは量をこなすという意味から、かなりいろいろな問題点を含みながらもやってきたということがあるわけでございますが、量から質に問題が転換しておるということでございまして、具体的な鉱害復旧事業の進め方についても、先生御指摘のように、きめ細かく地元の意向も十分反映させながら柔軟にやってまいりたい、こういうふうに考えております。
#37
○岩田委員 いずれにしましても、今部長がおっしゃいましたように量的な規模は大体見通しがついたと思われますよね。ところが、残る問題の大部分は、年月がたっていけばいくほど非常に複雑な要素を有する問題のケースが多くなっていくだろうというふうに思われるわけです。ここまで四十年にわたる鉱害復旧の歴史を閉じるというふうにするならば、やはり地元の意向、さらには被害者の意向を十分に配慮をして、過去の鉱害と均衡を失しないように、民生の安定という高い観点から、今部長が言われたような地方自治体との協議、それが反映できるようにぜひ実施方をお願いをしておきたい、こういうふうに思います。
 それから、地域で鉱害が終わった、長期計画が達成されたという場合には、ここで通産大臣は公示をするというふうになっておりますね。言ってみれば、これはいわゆる終了宣言だろうというふうに思います。長期計画をつくって、そして早いところでは三年か四年、全体的にもこの十年の前半で終わりたい、こういうふうに言われておりますが、終わったときに出口ではきちんと通産大臣が終了宣言をする、こうなっておりますね。一体この公示をするという意味はどういうことであるのか、それからその終了したという確認はどこでどういうふうになされていくのか、当然知事等の意見も聞かれると思いますが、その辺は一体どういうふうに考えられておりますか。
#38
○土居政府委員 鉱害復旧長期計画についての公示でございますけれども、基本的に、この臨時石炭鉱害復旧法は過去に累積した鉱害の復旧ということでございまして、累積鉱害が解消したということで一応法の目的は達成するわけでございますが、答申にもありますように、いわゆるそういう広域的な累積鉱害ではなしに、浅所陥没等の事態、これは非常に規模としては小規模なものでございますけれども、浅所採掘に起因します陥没というのは、これは累積鉱害が終わった後も二十一世紀にかけてさらに起こり得る可能性があるということが指摘されておりまして、今度の答申でも、累積鉱害の復旧を十年以内に完了させると同時に、そういった残された浅所陥没対策についての体制を整備するということになっておりまして、今度の法律でも、指定法人制をつくりまして、そこで将来にわたる浅所陥没に対する対応体制を整備するということにしております。
 その指定法人制に移行する前提として、累積鉱害が解消されたかどうかということを判断する手続といたしまして、復旧長期計画における鉱害が解消することは確実であるという公示をする手続になっております。この手続につきましても、復旧長期計画の制定の手続と同じように、十分関係者の意見を聞くというような形で手続を進めるというふうになっておる次第でございます。
#39
○岩田委員 日本の石炭鉱害の特徴というのは、勝手に掘ったとは言いませんが、地上権者は何も知らされずにどんどん石炭は掘られていったんですね。しかも、どこをどういうふうに掘ったかというのは、坑内図なんというのは一切被害者は見ることはできないんですよ。それはだめである。ドイツなどというのは、相当まだ石炭は使っています、家庭でも使っていますが、こういう地域を採掘するときにはあらかじめ国民に示すわけですね、公開するわけですね、ここを何年何月から石炭を掘ると。だから、その該当地域の地上に物件を建てた者は、その公示、告示以降の物件は、責任は負わないということになっているから、はっきりしているのですよ。日本の場合は、私も鉱害の上にずっと住んでおりますけれども、いつ掘られたものやら、地上の被害者、住民はそれは全然わからない。だからこういう問題が何十年も続いてきたんだろうというふうに思います。それだけ
に、部長もおっしゃるように、残る問題は非常にふくそうした困難な問題が残っていくだろうというふうに思うのですね。
 したがって、終了するときには、部長もおっしゃいますように、残る浅所陥没への体制を組みたいのできちんとしていきたいというのは、それは私は当然だと思いますよ。当然だと思いますけれども、区切り方、公示の仕方、時期、これについてはやはり配慮が要るのではないかと思いますね。関係者の意見を十分に聞くと同時に、終了して一定期間、協議する期間を置いて、すぐやるんじゃなくて、十分期間を置くということ。それからもう一つは、その際に、部長、いろいろ問題が予想されますね、残る問題が。これらについてはどういうふうに想定されておりますか。そして、終了告示を、公示をする場合に一定期間はやはり必要だというふうに思いますが、この点についてはどうなんでしょう。
#40
○土居政府委員 この告示手続につきましては、累積鉱害の解消が確実であると判定される場合あるいはその見込みが確実である場合ということで法律に規定されているわけでございますが、そういった時間的な余裕を持って、要するに累積鉱害の最終的な解消までのめどについて若干の余裕を持って公示をするということになっておりまして、いずれにしても累積鉱害が解消した後のそういう体制の問題については、今先生御指摘ありましたように、十分その地域の実態に応じました弾力的な対応ができる形になっておるというふうに考えております。
#41
○岩田委員 つつがなく終わるということは非常に難しいかもわかりませんけれども、ぜひ限りなく御努力をしていただきたい、こう思っておるわけであります。
 次に、この八十条関係でありますが、通産大臣は特定鉱害復旧事業を行う法人を指定することができる、こういうふうになっておるわけであります。この場合の法人というのはどういう法人なのか、そしてどういう主たる任務をここにさせようとするのか、これをお伺いしたいと思います。
#42
○土居政府委員 改正法案の八十条で、累積鉱害解消後の特定鉱害復旧事業を行う者としての法人を指定することになっておりますが、指定対象として法律で考えておりますのは、民法三十四条の公益法人ということでございまして、具体的には、その公益法人の目的といたしましては、やはりこれは累積鉱害解消後の法律に規定しております特定鉱害復旧事業を行うという者を指定することにしておるわけでございます。ただ、これは石炭鉱業審議会の答申にもありますが、今後の特定鉱害復旧事業、浅所陥没対策につきましては地域振興との一体的な推進ということがございますので、そういった地域振興を一体的に推進できる体制の法人であることが望ましいというふうに考えております。
#43
○岩田委員 法人の問題について御説明がありましたが、私は、これは鉱害事業団というものがあるわけですから、これを活用すべき問題ではないかというふうに思っているのでお聞きをしたいわけです。昨日の参考人への質問でもそういうことが出ておりましたけれども、当然こういうふうに思うわけです。
 その理由を幾つか申し上げますと、長い石炭鉱害復旧の行政の中で、いろいろあったけれども、ようやく出口が見え始めたということなのでありますが、これはやはり時代の流れによって工法も違うし、いろいろトラブルも起こりましたが、やはり国が責任を持ってやってきたからここまで来られたのではないかというふうに思いますよ。やはり浅所陥没の問題、特定鉱害も含めて、きちっと国がやる、何遍も御答弁があっていますが、そうであるならば今の体制でいくべきじゃないか、あえてこの法人をつくる必要はないと私は思うのですね。
 それからもう一つ、漸次鉱害量は減っていくでしょう。急速に減っていくかもしれませんね。しかし、この鉱害認定をめぐってはたくさんの不同意や問題があるわけです。今一万四千件申請が出て、そのうちの六割になるのか七割になるのか、それはダブりを含めて精査されていくでしょうけれども、しかし相当数残る。残る中でもかなりこの問題案件というのが残ってくる。そうなってくると、今でも認定についていろいろな困難な状況があって、そして認定をしても不同意ということがありますけれども、一体だれが浅所陥没の認定をするかということになりますと、法人にやらせる、こうなっていくわけでしょう。そして工法を決めて、業者を決めて、監督をやって、工事するということになろうと思います。あえてお聞きいたしますけれども、これで一体責任が持てるかどうかをお聞きしたいと思います。
#44
○土居政府委員 石炭鉱害事業団による復旧基本計画を中心といたします鉱害復旧事業、これは現行の臨時石炭鉱害復旧法の制定時に通産大臣の趣旨説明がございましたけれども、それにございますように、現在累積している鉱害を一掃して事態を正常な状態に引き戻すことを目的としたものでございます。浅所陥没等の被害につきましては、これまでこういった累積鉱害と区別することが困難であることから累積鉱害解消の一環として処理されてきたという面があるわけでございますが、この累積鉱害を解消するための復旧法に基づく対策は、被害が非常に広範囲にわたる沈下鉱害を前提といたしますので、手続面でもそれなりに複雑な面もございますし、長期間を要するということでございまして、非常に局所的な陥没でございます浅所陥没等には適さないというふうに判断をしております。したがいまして、この浅所陥没等の問題は、現在の法目的であるそういう累積鉱害解消後の、そういう局所的な、いわば小さな被害、これに対応するものでございます。
 そういう意味で、被害が非常に偶発的、局所的に発生する小規模な被害であるというようなこと、あるいは発生が地域の状況によって非常に予測しがたいし、非常に大きく異なってくるということ、それから答申にもありますように、そういった小さな事業になってまいりますので、これからはむしろ前向きの地域振興事業との一体的な推進が望ましいというふうに答申でも指摘されておるということから、これは一般の災害事業などと同じように地域ごとの処理体制によって処理することが適当というふうに考える次第でございまして、こういう観点から、答申でも、浅所陥没等の累積鉱害を解消した後の事態に対しては、石炭鉱害事業団とは別個の地域ごとの法人がその処理に当たるべきであるというふうに答申をいただいておりまして、今回の改正もこれを踏まえて、指定法人によってその処理を行うことにしておるものでございます。
#45
○岩田委員 次に、この複合地域というふうに私は思うのでありますが、通産省の方は支障案件がたくさんある、こういうふうにおっしゃっておりますが、こういったものが複雑に込み合っている地域があるのですね。例えば戦後の鉱害復旧、特鉱といいますけれども、これで鉱害復旧をしたところ。しかし、これは表土をはいでボタを埋めて鉱害復旧をした、これは効用が回復されてないという問題がある。その地域、その隣接にいわゆる裁定地区というのがある。同一地域に有資力と無資力がまたある。混然一体となった地域があるのですよ。こういった地域の鉱害復旧をどうするかというのが面的な問題では一番大きな問題になっていくだろう、今でもそうですけれども、なっていくだろうというふうに思いますね。
 例えば裁定地域、裁定地区という問題で申し上げますと、これは西日本新聞が「鉱害復旧はいま
 最後の十年を前に」というシリーズを組んでおりますが、この一つの中にこの裁定問題が入っています。明治二十一年代にAという石炭鉱業権者がBという石炭鉱業権者に炭鉱を売る、租鉱権を渡す。そういう歴史がある地域なのですけれども、Bという会社に被害者が被害の申請、鉱害復旧を申し入れると、そこはおれのところではない、こうはねる。この調整がつかないものですから、当時の福岡通産局の諮問機関、九州地方鉱害協議会でいろいろ双方の意見を聞いて、これは
どっちの鉱害がわからない、AかBが掘った炭鉱で、その被害がどちらのものであるかわからないということで、裁定をして国が鉱害復旧を実質やってきたのですね。そのあとの地域は全部Bという鉱業権者の責任、これは明確になっているわけです。こういうことを裁定地区だというふうに言うのだそうでありますが、いろいろ混然一体として、責任もわからなければこの鉱害復旧が進まない。しかも明確になっているその同一地域の被害者がBという旧炭鉱に対して鉱害復旧を求めると、逆におれのところはそんな鉱害を与えた覚えはないということで損害賠償不存在の訴えを被害者が受ける、こういう事態まで起こっているわけですよ。何カ所かあると思いますね。こういう複合的な鉱害地域の実態をどういうふうに見て、どういうふうに今回の法律改正でスムーズにしていこうとするのか、お伺いをしておきたいと思います。
#46
○土居政府委員 鉱害の問題につきましては、先ほど来御指摘がありますようにこれまで量の鉱害の復旧事業というのは進んできたわけでございますけれども、非常に質的に難しい問題が今残ってきておるわけでございまして、先生御指摘のような、権利関係が錯綜するとか、いろいろと地元の同意関係がなかなか調整が進まないといった、いわゆる困難案件というものが今残ってきておって、これが今後の対策の重点になってくるということでございます。
 したがいまして、今回の法律改正におきましても、十年間の延長をすると同時に、こういった具体的に非常に処理が進みにくい問題について、さらにその処理の促進を図るためのいろいろな手だてを用意するということでございまして、法律の中でも、権利関係の調整の難航等によって復旧工事に着手することが困難な案件につきましては、主務大臣、通産大臣による指導、助言、勧告、あるいは地方公共団体の協力、こういった規定を盛り込みまして、盛り込むだけではなしに具体的にこういった関係機関の連携によりまして調整の実を上げていくということを考えている次第でございまして、これは単に法律で予定しているということだけではなしに、具体的な事務処理の問題につきましても、今先生の御指摘がありましたような実態を十分踏まえて鉱害処理の早期完了に向けて努力をしていく予定にしてございます。
#47
○岩田委員 残る問題、たくさんあるのでありますが、また後日の委員会で機会を見つけてお聞きをしたいというふうに思います。
 次に、二つだけ簡単に聞いておきたいと思いますが、一つは鉱害事業団の職員の問題です。年齢も、比較的平均年齢は上がっている、不安な要素も持っておられることは事実である。向こう十年間どういうふうにするのか、平均年齢は実際上がるわけですから、五十五、六になるのじゃないでしょうか。これを、安心するというか、答弁が何回かあっておりますね、心配しないでいいような対処をすると。ここまで彼らの果たしてきた役割というのは、苦労も含めて大変なものであったろうと思います。しかも残された鉱害問題の質的な問題を考えると、一層奮闘してもらわなければならぬということを考慮しますと、早期に職員の将来について一定の方針を出して関係者と協議を進めてほしい。その場合に、やはり公共性の高い職務に移管をしていく努力をするとかいったことも含めて要望しておきたいと思いますが、ぜひこの点は御承知おきを願いたいと思います。これは回答は要りません。
 それから、最後に労働省の方にお尋ねをしておきたいと思いますが、就労事業についてであります。
 くどくど申し上げませんが、まず、この間、旧産炭地、産炭地においては、就労事業の果たしてきた役割は非常に大きい、これはもう通産大臣も労働大臣もお認めになってきたところであります。これは、産炭地域における地方財政というのは非常に脆弱である、公共事業がほぼないところなんですよ。この地域経済に果たしてきた役割は大きいのです。いろいろな目で見られますけれども、絶対これは責任を果たしてきた、こういうふうに思うわけであります。
 それからもう一つ、この際この就労事業をどういうふうに見るのか、実態をどう見るのかというのは、これはやはり今の時代に即応した見方をしてもらわなければならぬというふうに私は思うわけです。
 まず労働省に要望したいと思いますのは、旧産炭地も総じて浮力がついたというふうに言われておりますけれども、まだまだそうではない。現実は非常に厳しいものがある。それで、この間就労事業にかかわって就労されてきた方々というのは、一方では浮力がついていっているんだけれども、こういう方々というのは、言葉は適当であるかどうかわかりませんけれども、やはり影の部分だというふうに見ていくべきではないかと思います。この間、よそに就労を求めるという機会もなかった、そういうこともできなかった、厚生年金もついていない、こういう実態を考えなければならないと同時に、今やまさに女性の雇用をどうするか、高齢者雇用をどうするか、政府も大分集中的な努力をされておりますが、どっと進んでいるという状況ではないのです。そういう時代背景を考えると、これは重視をしていかなければならぬ。
 きのう大牟田の市長さんが言われておりますが、この間大牟田に立地されて雇用がふえた数は百二十六名、ところが年間延べて就労事業に雇用した人は一万四千名、こういうふうに言われておりました。この二つの数字は産炭地の実態を物語っているというふうに思いますが、こういった点を考慮して、ぜひともそのことを前提に検討をすべきではないか、再三お聞きをしている点でありますが、あえて労働省にお聞きをしたいと思います。
#48
○征矢政府委員 就労事業を含めまして、今後の石炭政策のあり方につきましては、御承知のように石炭鉱業審議会におきましてさまざまな角度からさまざまな御議論のあったところでございます。
 その結果、この審議会から答申をいただきまして、その答申におきまして、「旧産炭地域における諸事業については、これらの事業を取り巻く環境の変化、地域の実情等に配慮し、所要の見直しを行いつつ、適正な実施を図る必要がある。」という御指摘でございます。「特に、炭鉱離職者緊急就労対策事業については、紹介対象者の減少の状況を踏まえ、可及的速やかに終息を図る必要がある。その場合において、就労者の実情等を踏まえて事業の終息に係る検討を行う必要がある。」ということで、ただいま御指摘もございましたが、環境の変化、地域の実情等への配慮あるいは就労者の実情等を踏まえて検討を行うという指摘がされているところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この答申を踏まえまして適切に対処すべく検討してまいりたいというふうに考えております。
#49
○岩田委員 最後に、この就労者問題についてはぜひとも御努力をいただきたいと思いますし、申し上げました点を御配慮いただきたい。さらに、この問題の検討に当たっては、就労者団体の意見を十分に配慮することは当然でありますが、関係自治体、さらに関係の商工会議所等を含めた団体等の意見もよくお聞きいただいて、慎重に検討されることを要望して、質問を終わりたいと思います。
#50
○佐藤委員長 これにて岩田君の質問は終わりました。
 続いて、緒方克陽君。
#51
○緒方委員 先日来、石炭八法に関する審議がさまざまの観点から議論をされているわけでありますが、私は五十分の持ち時間でありますので、鉱害関係の二法と、これに関連します内容について具体的な問題を提起をしながら質問をしたいと思うわけです。
 まず第一点にお尋ねしたいのは鉱害復旧の問題でありますが、鉱害復旧におきまして計画的な復旧の促進というものは当然されなければなりませ
んけれども、そのことと残存量の整合性をどうするかという問題が大きな問題としてあるだろうというふうに思います。
 石鉱害の答申にもありますように、今般の法延長で平成十四年の三月までに完全に復旧を図るためにということで、地域ごとに復旧計画を策定をして計画的に復旧を図るということになっているわけでありますが、この復旧の長期計画は鉱害残存量と十分に整合性がなければ、後でしまったということになりかねない問題もあるわけでありまして、この整合性を必ず持たせるべきであるというふうに思いますが、その点についてお尋ねをいたします。
#52
○土居政府委員 改正後の鉱害復旧長期計画におきましては、復旧すべき鉱害の量が定められる事項の一つとされておりますが、それが今回、地域ごとという分類が追加されたことに伴いまして、各地域単位の復旧すべき鉱害の量も新たに記載されることになるわけでございます。
 鉱害復旧長期計画の策定に当たりましては、既に行われました残存鉱害量調査の結果を踏まえて、全体及び地域ごとの鉱害量を記載することとしておりますけれども、この残存鉱害量調査につきましては、高い精度を持って行われたということから、実態を反映しているものというふうに認識しておりまして、これに基づいて計画的な復旧を促進していくことにしております。
#53
○緒方委員 高い精度を持って調査がされたということでありますが、私の認識ではそうではないという部分もありますので、これは今後に問題が残るのではないかということを指摘しておきたいと思います。
 二番目に、予算の確保と未認定物件の認定促進の問題でございます。
 この計画に沿った復旧を行うためには予算の確保が緊要なことは言うまでもありません。先日来もこの件についてはいろいろ議論をされてきたわけでありますけれども、未認定物件の認定促進を図らなければ計画は絵にかいたもちになる可能性があるわけでございまして、この未認定物件があることと、鉱害残存量の確定をどのように行うのかということについて、いま一度具体的にお示し願いたいと思います。
#54
○土居政府委員 御指摘がありました申し出物件の認否の処理につきましては、認定の促進という観点から、現在九州通産局及び石炭鉱害事業団の体制を見直しまして、認定部門の強化拡充を図るとともに、平成三年度予算でボーリング経費の大幅増を確保する等、その促進に努めております。
 御質問の未認定物件と残存鉱害量との関係につきましては、御説明申しますと、平成二年度初の残存鉱害量調査につきましては、申し出は出されているけれども諾否の処理がなされていない物件についても対象にしております。全物件を対象にいたしまして石炭の採掘の影響を受けているかどうかを把握し、その上でいろいろな鉱害の要件、これをチェックいたしまして整理を行って、鉱害量の把握に努めたところでございます。
 長期計画にに上すべき未認定物件に係ります残存鉱害量につきましても、この残存鉱害量調査の結果をもとにしまして、その後、二年度、三年度の復旧実績がございますので、それを整理することによって実態の把握ができるというふうに判断をしております。
#55
○緒方委員 確かに、ボーリング経費をふやしたとか幾つかのことはされておりますが、それで十分なのかといえば、先日来議論がありますように、一万四千件ぐらいが滞留をしている、いろいろな問題があるという状況の中で、もっと事務処理の合理化が行われなければならないのではないか。常に言われながらなかなか実現をしていない。抜本的な合理化というものをやって認定の促進をしなければならないというふうに今までも私は指摘をしたわけでございます。今回の法改正を契機にもっと事務処理の合理化を図るべきであるというふうに思いますが、この点についてお答えを願いたいと思います。
#56
○土居政府委員 認定手続のおくれ等につきましては、既に何回も国会でも御指摘をいただいておりまして、先ほどのボーリング予算だけではございませんで、具体的な処理体制の改善ということで鋭意その処理を進めてきておりまして、例えば平成三年度の処理量も、認定処理については従来に比べて非常に大幅に増加をしております。その結果、一万四千件というお話がございましたけれども、これは数千件、さらに滞留は減ってきておりまして、そういう形で処理を進めてきているわけでございますが、ただ、今御指摘がありました鉱害処理の事務処理の問題につきましては、認定の問題だけではございません。復旧基本計画認可に当たっての関係行政機関の調整の問題とか、いろいろな手続面での問題がございますし、石炭鉱業審議会の答申でも、鉱害復旧の事務処理の合理化についてはいろいろな面で指摘を受けているところでございます。したがいまして、その点につきましては具体的にいろいろと手だてを用意して、来年度、平成四年度以降、これまでの合理化にさらに輪をかけまして一層の事務処理の合理化に努めていく計画にしております。
#57
○緒方委員 そこで、ちょっと大臣にお尋ねをしたいのでありますが、大臣は一石二鳥という言葉を御存じでございましょうか。
#58
○渡部国務大臣 存じております。
#59
○緒方委員 それはどういうことでございましょうか。
#60
○渡部国務大臣 一つの行為で二つの目的が果たせることでございます。
#61
○緒方委員 実は、佐賀県の鉱害復旧では、一石二鳥だということで鉱害復旧に生ボタを使ったというわけですが、それが一石二鳥どころか自分の頭の上に落っこちてきたということでありまして、これが今非常に問題になっているわけでございます。その点について大臣にお尋ねをしたいと思います。
 内容は、効用未回復ということで役所では使われているわけでございます。実は佐賀県の既往復旧物件の中には、復旧完了時には効用が回復をしていたわけですね。でありますけれども、生ボタを使えばボタ山はなくなるし、復旧をする際の盛り土にもなるということで使ったのですけれども、実はこれが十年、二十年とたつうちに、水がしみ込んだり、その他いたしまして、ガスが発生をして、そして家の基礎のコンクリートを壊すとかあるいは畳の上まで盛り上がるというような状況で、多数の家屋が効用が回復をしなかったということに結果的になっております。また、佐賀県では、軟弱地盤ということで、有明海の汚泥といいますか大変やわらかい土の上に建っているものですから、学校で子供たちが何十人か行進いたしましても運動場がこんなに揺れるという状況のところでありまして、そういう関係で効用未回復物件がたくさんあるわけですね。
 それで、国会でも随分議論になりまして、私も取り上げました。そして、昭和六十三年からですか、救済措置が始まってきたわけでありますが、その採択の基準が極めて厳しゅうございまして、現実に私が目の前に見に行っても、この家は救済されたけれども、こんなにひどいのにどうして救済されないんだというようなことで、被害者からは本当に真剣に救済を求める声がありまして、何とかしなければならぬということで、佐賀県としても、関係町村としても、この問題は、答申に出たか、それともどこに出たか知りませんが、要するにこれは一石二鳥であるということで生ボタを使って、結果的には今どうしようもない状態に陥っているという状況でありますので、今回の法改正を契機に制度改善をぜひ図っていただきたいということと、まだ認定されていないわけですから、再度調査を行っていただきたいと思いますが、この点について大臣のお答えをいただきたいと思います。
#62
○渡部国務大臣 今御指摘になりました佐賀県の鉱害復旧に際して、一時期宅地盛り土材料として生ボタを使用したということは事務方からお聞きしました。まさに先生のお話のように、始めたときは何の悪意もなく、むしろ一石二鳥、これはい
い考えだということでやったことだろうと思いますけれども、その後は今先生御指摘のような問題等も起こっておるということを聞いております。
 この問題については、昭和五十六年の石炭鉱業審議会答申の趣旨を踏まえて適切に処理されるべきものと考えております。先生の御意見も今十分承らせていただきました。
#63
○緒方委員 鉱業審議会の答申があって、そして効用未回復の仕事がされてきたわけですが、二割か三割しかまだされていない。これで終わってしまえば問題は残ってしまうわけですね。そういう意味で、このことについては率直な住民の声で、しかも一石二鳥ということで役所なりその他がされたことですから、この救済についてはぜひ大臣の御検討をお願いしたいと思いますので、再度お願いしたいと思います。
#64
○渡部国務大臣 御意見よく承りました。
#65
○緒方委員 いやいや、御意見を承りましたでは回答になりませんので、それじゃ事務方の方でもちょっと打ち合わせしていただいて、これは何とか前向きに回答をぜひしていただきたいと思います。
#66
○渡部国務大臣 今、先生から強い御意見を賜りましたので、早速実情をよく把握して、検討してまいりたいと存じます。
#67
○緒方委員 それでは、そういう実情を把握してぜひ前向きに検討していただいて、そういう被害者の声が解決されるように特に大臣にお願いをしておきたいと思います。
 そこで、これは生ボタ以外の問題でもありますが、非常に不満がありますのは、採択と不採択の理由が、自分のところはどうして採択できなかったのだというようなことでありまして、勝手にやったんじゃないかというような住民の声とか、あるいは特にこの生ボタ問題などについては地方自治体も採択の基準というものはわからないというようなこともあって、いろいろ不満もあるわけでございまして、採択の基準については先ほど改善の方向で検討されるということになりましたけれども、一人一人の被害者が、十分納得はいかなくてもなるほどなというようなものが出るようにしないと行政としては不親切ではないかというそしりを免れないと思いますので、この点についてもぜひ改善方をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#68
○土居政府委員 追加工事の問題についての採択基準につきましては、現地調査を実施しまして、その結果に基づいて各項目の専門的なチェックを行うということでございまして、それによりまして復旧工法と被害発生との因果関係を認定すると同時に、その事態が著しく受忍の限度を超えているかどうかという判断をしているわけでございます。
 そういうことでございますが、今御指摘ありましたように、特に不採択の場合について、不採択となった方々のお気持ちというものも十分わかりますので、不採択について十分理解いただけるような理由の通知その他の仕組みについて検討してまいりたいというふうに考えております。
#69
○緒方委員 それでは、そういう住民の、被害者の皆さん方が納得できるような基準をぜひオープンにできるように強く要請をしておきたいと思います。
 そこで、あと少し質問したいと思いますが、これからの鉱害復旧の見通しについては先ほどおおむね十年でということで、佐賀県、長崎県などについては五年程度ではないかというお話がさっきの質問でもあったわけでありますが、果たしてそういくのかなという率直な認識があるわけでございます。再度、佐賀県の場合についてはどういうふうに現状の見通しを持っているのか、お尋ねいたします。
#70
○土居政府委員 累積鉱害の解消の目途につきましては、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申、石炭鉱業審議会の中でさらに鉱害部会でいろいろと専門的に議論をした結果でございますけれども、これは佐賀県自体の御判断とも共通するわけでございますけれども、佐賀県の場合には、復旧が順調に進めば、復旧法の現在の期限後おおむね五年程度で累積鉱害の処理を完了する可能性が高いという判断になっております。
#71
○緒方委員 役所の一応の見解を聞いたわけでありますが、私は必ずしもそうはならないのではないかということで、いろいろな問題が起きてくるであろうと思うわけでございます。
 そこでで、それが終了した場合には、おおむね五、六年で終了するということになりますと、それから先の対応は、事務レベルで聞いたところによりますと、指定法人に移すというような考えもあるやにお聞きしたのですが、その辺はどういうことでしょうか。
#72
○土居政府委員 今回御提案申し上げております。その法律に基づきまして、累積鉱害が解消された後、残された問題といたしましては小規模な浅所陥没等の問題が残るわけでございまして、これについての処理体制を整備していくということになるかと存じます。
#73
○緒方委員 いや、私がお尋ねしているのは、法が十年間延長されて、そして地域ということで先ほど県を単位ということでしたが、福岡の場合なんかは幾つかになる可能性もあるようですけれども、その場合に、その法人が佐賀県や長崎県は六年目、七年目に発足していくということになるについてはおかしいのじゃないかと思います。全体としては残っているのにと思うのですが、その辺はどうなんですか。
#74
○土居政府委員 臨時石炭鉱害復旧法の目的は累積鉱害の解消ということになるわけでございますが、いずれにしても、仮に答申が実態論として指摘していますように、五年程度で佐賀県の累積鉱害の解消が終了したという場合には、これは佐賀県については、言ってみれば臨鉱法で復旧を推進しております累積鉱害がなくなったという状態でございますので、答申にありますように、これは累積鉱害の問題とは別に、そういう将来にかけて生ずる可能性がある小規模な浅所陥没についての体制を整備していくということでございまして、これは答申あるいは全体の、今回の対策の一環としてそういう位置づけになっていくものと考えております。
#75
○緒方委員 法律は十年間延長されるのに、一部の地域だけそういう指定法人に持っていくということについては私は非常に問題があると思いますので、これは意見として申し上げておきたいし、もちろんその時期には地方自治体の意見とかいろいろなことも聞かれるでしょうが、問題があるということだけにしておきたいと思います。
 そこで、この指定法人についてまだ明らかでない面がありますのでお尋ねしたいと思います。
 先ほどの同僚議員の質問でもありましたけれども、指定法人の事業内容はさっき言われましたからいいんですが、県に二つということもあるのかなというようなことで検討もされるような先ほどの御答弁でしたけれども、その辺も十分地方自治体の意見とか地域の実情も含めてされるということになるのでしょうか。なるべきではないかと思うんですが、これは再確認のような質問ですけれども、お答え願いたいと思います。
#76
○土居政府委員 浅所陥没対策につきましても、これは対策全体としての鉱害対策が従来県単位でなされているということもございますし、地域振興との一体的な推進という観点もありますので、基本的には県単位の公益法人ということを予定しているわけでございまして、地域によってはむしろ複数の県域にわたることもあり得るのではないかというふうに考えている次第でございます。
 いずれにしても、具体的にどういう形で指定法人が設置されていくかということにつきましては、今後の累積鉱害の解消の実態にあわせまして、関係地方公共団体と十分相談しながら決定してまいりたいというふうに考えております。
#77
○緒方委員 私の質問なり同僚議員の質問は、いろいろな地域の特殊性もあるわけだからということで言ったんですが、二つの県をまとめるようなとんでもない話まで出てきたんですけれども、そういうものについては問題があると思います。も
ちろん、地方公共団体の意見も聞かれるということですから、そうはならないと思いますけれども、仮に指定法人というものがなるにしても、そういう県単位ということについては問題であるという御意見をここでは申し上げておきたいと思います。
 それから次に、指定法人による復旧体制の移行というのはメリットがあるんだろうかという気がしてなりません。結局、これは政府が指定法人をつくって、何がしかのお金をやって、結局のところ鉱害復旧を切り捨ててしまうということになるんじゃないか、そんなに急ぐ必要があるのかという意味で大変不安が残るということでありますが、そんなにメリットはあるのかということと、不安が残るということについてはどのようにお考えでしょうか。
#78
○土居政府委員 何遍も繰り返しになりますけれども、浅所陥没というのは、広域的な沈下鉱害と違いまして非常に偶発的に起こる、非常に小規模な浅所採掘に起因する陥没等でございまして、これは非常に被害の規模からいいましても小さなものでございます。したがいまして、基本的には累積鉱害が解消された後の問題としては大分性格が異なったものになってくるというふうに考えておりまして、これは答申でも指摘されておりますように、そういった問題について、もちろん国としては、指定法人の監督を通じまして、あるいは資金の負担において従来の鉱害と同じようにきちっと責任を持った体制をとっていきたいと思っておりますけれども、一方ではそういう実態でありますので、むしろ前向きの地域振興ということも踏まえながら、各地域地域の実態に即した体制でこれを実施していくということが望ましいというのが石炭鉱業審議会め答申でございますので、そういった関係者のコンセンサスの方向でぜひこれから努めてまいりたいというふうに考えております。
#79
○緒方委員 答弁されていることと今度の法律でやられようとしていることには非常に矛盾があると思うんですね。今の部長の答弁でも、国は資金の面でも監督の面でもちゃんとやっていくわけだから問題はない、そうであれば国がやっていいわけでありまして、私は明らかに今の答弁は、答弁されていることと法律でやろうとしていることについては矛盾があるということを指摘をしておきたいと思います。
 そこで、資金の面でも監督も十分にやるという話でございますが、基金の概要についてお尋ねをいたします。
 法律では石炭鉱害事業団に資金として積み立てて、指定法人には基金として拠出をするということになっておりますけれども、平成四年度予算で十七億円というふうになっておりますが、積立金の総額は四百億になるのか五百億になるのか、あるいは何年間で積み立てをされようとしているのか、その辺について明らかにしていただきたいと思います。
#80
○土居政府委員 浅所陥没等対策に要する基金につきましては、今御指摘ありましたように、来年度予算ではとりあえず十七億円を計上しておるわけでございますけれども、浅所陥没に要する基金の総額については、被害に係ります復旧諸経費をベースにこれから検討していくということにしておりまして、浅所陥没等の被害の動向は発生が非常に偶発的であるということで見通しもなかなか難しいわけでございますが、採掘後の年数の経過によりまして減少していくという問題もございますし、あるいは、復旧工事の実施地域につきましては、そういう沈下鉱害の復旧が実施されたことに伴います反射的な効果として浅所陥没の発生が減少するというようなこともございまして、全体として減少傾向にあるわけでございます。いずれにしても、累積鉱害が解消されるめどがつく段階で具体的な将来の予測をしながら検討していきたいと思っておりまして、そういう流動的な要素がございますので、現在のところとりあえず来年度予算で十七億円を計上しておるところでございます。
#81
○緒方委員 これからいろいろな実態をということですが、これは急に言ってもいろいろな予算の関係でそんなに積み立てができないということにもなると思うので、やるのだったら一定の金額をちゃんと積んでやるというのが当たり前であって、後ほど金利の問題もお話をしますけれども、これは目標がはっきりしないのはどうもおかしいというふうにも思います。その点は、私は法人の問題については否定的な見解といいますか問題点を持っているものですから、一応どういうことを考えておられるかということだけお尋ねをしておきたいと思います。
 それから、これまた参考のために聞いておきたいのですが、一つの指定法人の所要金額はどの程度を考えておられるのかということと、それから基礎的なものが十億円あってそれに鉱害量ということになるのか、その辺の比例はどういうふうなことを考えていらっしゃるのでしょうか。
#82
○土居政府委員 各地域の指定法人の基金額につきましては、当該法人が設立されます地域の浅所陥没等の被害に係る諸経費を推定いたしまして、それに応じて算定をするということにしておるわけでございまして、いずれにしても、そういう諸経費に対しまして国の負担分に対応するものが運用益で拠出できるような基金を構築したいというふうに考えております。
#83
○緒方委員 金利は何%ぐらいを考えてあるのでしょうか。
#84
○土居政府委員 これは、具体的にはまだ指定法人を設立するという段階でございませんので、実際の事業規模、基金規模を含めまして具体的な法人の設立の段階で確定したいと考えておりますが、いずれにしても、金利の運用につきましては、他の基金運用の例に即しまして、例えば長期国債の平均金利とか、そういったものが一つの算定基準になっていくものというふうに考えております。確定は、具体的に今後指定法人を指定する段階に検討してまいりたいというふうに考えております。
#85
○緒方委員 それから、この基金に地方自治体からも金を出させるようなことがあるわけでありますが、先ほどの答弁にもありましたように、資金の面でも監督の面でも国が責任を持ってやると言いながら、片や法人をつくる段階では地方自治体にも金を出させるというような話については、これは私は問題があるんじゃないかというふうに思いますが、この点はどうなっているんですか。
#86
○土居政府委員 従来から、石炭鉱害復旧事業は、国だけではございませんで、国と県の補助金を主要な財源にして運営されているわけであります。もちろん国の補助金が非常に大きなウエートを占めるということは違いがないわけでございますが、浅所陥没対策につきましても、これは鉱害と同様の負担割合で国と県が拠出することが適当というふうに考えております。
#87
○緒方委員 今の点はお答えだけ聞いて、私は問題があるということだけ指摘をしておきたいと思います。
 時間がなくなってきましたので、一つ二つ飛ばしまして、五十六条の二ですね。復旧工事の施行の際の主務大臣による調整制度の創設がされるわけでありますが、この復旧工事の施行が困難な場合または不適当な場合というのがあるわけでありますが、これはどういう場合なのか、具体的に例示をしていただきたいと思います。
#88
○土居政府委員 復旧工事の施行が困難または不適当な場合、これは五十六条の二の規定の説明でございますけれども、具体的には、例えば境界紛争で境界が確定しないという場合、あるいは占有者が同意をせず立ち退かない場合等でございます。これは、今申しましたのは復旧工事の施行が困難な場合の事例でございますが、復旧工事の施行が不適当な場合の事例としては、例えば、施行自体は可能でございますけれども、施行をした後に関係者間の紛争が生ずることが確実であるような場合等が考えられる次第でございます。
#89
○緒方委員 ちょっと今の例示は、施行困難な場合は境界線の問題とか占有者の問題ですか、それ
から不適当な場合はということで、たった三つしか例示がなかったんですけれども、もっとあるんじゃないですか。これだけでは、等ということではいろいろ問題がありますので、もう少し具体的に例示をしていただきたいと思います。
#90
○土居政府委員 いろんなケースがあるようでございますが、今申し上げたケースが非常に多くのウエートを占めるということで申し上げたわけでございまして、ちょっとその他の事例につきましては現在手元にございませんので、先ほどの、現在予想される非常に大きなウエートを占めるケースの例示で御勘弁いただきたいと思います。
#91
○緒方委員 今のお答えではこれは納得できませんので、きょうはもうあと時間がないですから、次の同僚議員の質問のときか何かにきちんと、ないとすれば答えてもらうか、メモで答えてもらうか、それはしていただきたいと思います。委員長、その辺よろしくお願いしたいと思うんですが。
#92
○佐藤委員長 理事会に諮ります。
#93
○緒方委員 次に、大臣など行政が出てきて調整を行う場合でありますけれども、被害者がいろいろ役所の仕事をしているというようなことで、お世話になっているというようなことで、仕事の関係でなかなか反論できないという場合、あるいはいろいろ物を言うことができないという場合もあり得るのではないかということでありまして、そういう点については、やはり役所は監督権限を持ち、いろいろ仕事も金も持っているわけでありますから、この調整に当たっては十分役所としては気をつけなければならない点があるのじゃないかというふうに思いますけれども、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
#94
○土居政府委員 御指摘のように、今残されております復旧案件は非常に権利関係が錯綜してきておりまして、非常に難しい案件でもございます。したがいまして、行政によります調整を行うに当たりましても、当然被害者等から誤解を受けることがあってはなりませんし、関係者の十分納得いくような方向できめ細かい調整をしていく必要があるというふうに考えております。
#95
○緒方委員 地方自治体などの意見とか、十分慎重に対処したいということで、その辺はぜひよろしく対処をしていただきたいと思います。
 次に、主務大臣の指導及び助言、勧告ということになっているわけでありますが、この大臣の指導及び助言はどういう順序で行われるのかということと、また、勧告に従わなかった場合にはどうなるのかということについてお答えをいただきたいと思います。
#96
○土居政府委員 指導、助言、勧告というのは一般的に法律用語でございまして、いろんなアドバイスについて国としての関与の度合いとかリーダーシップの発揮の度合いの程度の違いでございますので、順番があるわけではございませんで、実態に即しましてケース・バイ・ケースで必要な助言なり指導なり勧告なりを行っていくということになるかと存じます。
 御指摘の、勧告に従わなかった場合でございますけれども、その場合でも特段の措置があるわけではございません。ただ、事実上工事着手が不可能になりますので、主務大臣が通産大臣に通知をして、基本計画の見直し等を含めた次の対策の検討が必要になってくるということだと思います。
#97
○緒方委員 それから、この法の中で「被害者の意向に十分配慮する」ということが言われておるわけでありますが、この十分に配慮するというのもなかなか幅の広い言葉でありまして、それは納得をしなければやられないということになるのか、その辺の言葉の意味を、具体的にどういうふうに十分に配慮ということは考えてあるのか、お尋ねをいたします。
#98
○土居政府委員 五十六条の二の第七項の御質問かと思いますが、要するに、なかなかこの復旧工事が基本計画どおりいかない場合に、復旧基本計画を通産大臣が変更する場合の規定でございまして、いずれにしても、こういった基本計画の変更は被害者の利害に大きく関係いたしますので、例えば一定期間、十分な期間を置いて調整が整うのを待つとか、あるいは金銭補償についての希望を確認するとか、そういった被害者の意向を十分配慮をしていく必要があるという規定でございます。
#99
○緒方委員 再度お尋ねしますが、金銭の話は後ほどお尋ねしますけれども、一定期間ということですが、これは今からのことでしょうけれども、一カ月ですか、半年ですか、一年ですか、そこらは内容にもよりけりでしょうけれども、一般的にはどんなことを考えていらっしゃいますか。
#100
○土居政府委員 これはこれから運用していくということでございますので、十分実態に即して、ケース・バイ・ケースで判断をしてまいりたいと考えております。
#101
○緒方委員 ケース・バイ・ケースということですが、それはやはり十分な、本当に十分な配慮がされるべきだというふうに思いますので、その点は強く申し上げておきたいと思います。
 それから、七十九条の四で、復旧の目的としないときは金銭補償で主務大臣が定める金額を支払うということで、初めてこういうことがやられるわけでありますけれども、そしてこれは省令で定めるということになっておりますが、この金銭補償の、省令で定める算定基準というのはどんな内容になるのか、明確にしていただきたいと思います。
#102
○土居政府委員 七十九条の四で、先生御指摘のように復旧の目的としないように基本計画を変える場合には金額の支払いと規定があるわけでございますが、この金額につきましては主務省令で算定基準を定めることになっております。この算定基準につきましては、復旧費とのバランスは考慮しなきゃいけないと思いますけれども、基本的には損失補償の考え方を基本として実態に即した基準を策定したいというふうに考えておりまして、いずれにしても法律の施行後、省令を規定するときに検討したいというふうに考えております。ただ、新たな基準の策定に当たりましては、現在復旧不適制度がございますが、この現行の復旧不適制度等、関係諸制度との整合性にも十分配慮していく必要があるというふうに考えております。
#103
○緒方委員 今復旧費とのバランス、それから今日までやってきたこととの整合性の問題と同時に、損失補償の考え方というのが出されたわけであります。私不勉強で申しわけないんですが、いろんな役所が行う建物等の損失補償というものがあろうかと思うんですが、そういうものは具体的には何か参考にするような他の省庁の法令とか基準とかいうふうなものがあるんでしょうか。
#104
○土居政府委員 損失補償の考え方ということでございますが、これは具体的な、要するに鉱害によります物的な損害を金銭にどう評価をし直すかという問題でございまして、関係各省にいろんな制度がございますけれども、それはそれぞれ必ずしも一致しているとは限らないわけでございます。いずれにしても、そういった制度も参考にしながら、かつ現在あります復旧不適制度等の鉱害についての関係制度も十分参酌しながら検討してまいりたいというふうに考えております。
#105
○緒方委員 そういたしますと、今の答弁では、他の省庁もいろいろあるけれども、鉱害復旧に関連する、例えば通産省が行っているそういう復旧費の問題とか損失補償の考え方を基礎にしてやられる、そこが基本であるというようなことだというふうに理解をしたんですが、それでいいでしょうか。
#106
○土居政府委員 先生おっしゃいましたように、復旧費とのバランスも考慮しつつ、一方では損失補償の考え方を基本としまして、かつ現在あります鉱害関係の復旧不適制度等の諸制度との整合性にも十分配慮して決めていきたいというふうに考えております。
    〔委員長退席、岡田(利)委員長代理着席〕
#107
○緒方委員 そういうことで、今からいろいろな鉱害関係の補償制度を中心にされていくということになるようでありまして、これから省令が決められるということでありますが、今日までに鉱害
の復旧をされた人との関連を十分配慮してされるべきであるということを特に申し上げておきたいと思います。
 しかし問題は、これはいろいろ考え方があって、それであっても納得できるかどうかという問題が起きて、被害者は十分でないというようなことがいろいろ起きてくるんではないかと思うし、この家は金銭補償で、この家は復旧でということで、地域的にいろいろな問題が起きたり、あるいは被害者団体の中での言うなれば分裂とか分断とかいうようなことにもなっていくような問題も中には含んでいるという意味でありまして、そこらもやはり十分配慮されて、被害者の補償が十分に行われることをぜひすべきであるということを申し上げまして、時間があと一、二分ありますけれども、私の質問はこれで終わりたいと思います。
#108
○岡田(利)委員長代理 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四分開議
#109
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。岡田利春君。
#110
○岡田(利)委員 渡部通産大臣に当委員会で質問するのは、大臣に就任されてきようが初めてなわけであります。一回質問したいなと思っていたのですが、ようやくその機会が訪れたということであります。
 石炭というのは、国内炭は条件が劣勢であるということで、今構造調整の対象になっておるわけですが、世界のエネルギーの情勢から考えれば、まさしく石炭は安定的なエネルギーである、こういう理解ができるのではないかと私は思うのです。したがって、今度の政策の中でも新しい石炭政策の展開という分野も出されておることは、極めて当然であろうと思います。
 そして、我が国の石炭政策を振り返ってみますと、政策転換闘争で一万人の炭鉱労働者が東京に集まって以来、ちょうどことしか三十年目の年になるのであります。そういう意味で、第九次政策の出発は、三十年間の政策の歴史を受けて第九次政策が展開をされるということになるのでありまして、私自身にとっても、そういう意味では非常に感慨無量なものが実はあるのであります。
 そこで、まず渡部通産大臣の、世界における石炭情勢というものをどう把握され、そして我が国エネルギー政策の中にこの点をどのように位置づけられていくのか、そういう一つの抱負について承っておきたいと思います。
#111
○渡部国務大臣 お答えいたします。
 我が国の石炭鉱業については、石炭鉱業審議会答申でも御指摘がありましたように、均衡点までは経営の多角化、新分野の開拓を図りながら、段階的縮小を図っていくことが必要であるが、我が国のエネルギーセキュリティーや石炭技術の活用の観点から、エネルギー政策上、なお積極的に評価されるべき余地があると認識をいたしております。また、今先生の御指摘のある我が国の石炭、これを今後国際エネルギー情勢や内外炭価格差等の動向及び石炭鉱業構造調整の進展状況を見ながら引き続き検討をしていくことにしたいと存じます。
#112
○岡田(利)委員 世界の石炭の賦存状況というのは、油は中近東に七割が偏在賦存しているのですが、石炭の場合には中国、ソ連に圧倒的に、偏在的に賦存いたしておるわけです。大体七割弱の石炭量が中国、ソ連に賦存している。そういう意味では、この中国、ソ連、特にこれからの日本とソ連の関係は、安定的な石炭資源を確保するという視点というものから極めて重要であろうかと思います。同時にまた、中国の場合には、既に十二億トンを超える石炭を採掘している。これをエネルギーとして使用いたしておるわけです。中国の場合には、一酸化炭素の排出量を見ましても世界第三位ぐらいの総排出量を持っておるわけであります。ただ、一人当たりにすると極めて微量で〇・五トンぐらいの排出量、日本は二・一トンの排出量であります。日本は今盛んに火力発電所に対する経済援助を行っておるわけですが、どうも発展途上国、中国のような関係は、公害関係については援助金を削減して本体にすべてを向けていく。そういう意味では、NOxもSOxもいわば放出のしっ放し、それが日本列島に及んでくることは極めて理の当然であるわけであります。そういう意味で、これから中国の開発あるいはソ連の開発あるいはまた火力発電所の設置に関する援助については、この点、我が国の姿勢をきちっと示す必要があると私は思うのでありますが、大臣の考え方をお聞きしておきたいと思います。
#113
○渡部国務大臣 まさに、先ほども先生から御質問がありましたとおり、世界の中で石炭の占めるエネルギーの今後の役割はさらに大きくなる、ものと考えられます。また我が国も、残念ながら、内外炭価の大きな格差のために国内炭鉱は疲弊しておる状態でありますけれども、石炭のエネルギーにおける需要は一億トンをはるかに超していくという中で、かつて第一次オイルショック、第二次オイルショック、あのとき思い切って石油火力発電所を石炭火力発電所に切りかえる、またこれに当たって石炭ができるだけ公害を出さないようにという技術的な努力を真剣に行ってまいりましたから、石炭をエネルギーとして経済、国民生活に役立たせるために、しかも今日の地球規模での環境問題が大きくなっておるとき、我が国の第一次オイルショック以後やってきた技術というものは相当のものでございます。
 かつて私はトルコに行ったときに、トルコの人が、石炭をみんな燃やしておるために排気ガスで非常に空気が汚れて盛んに人が倒れてしまうということで、それに技術援助を日本でいたしました。この前トルコの代表が来られたら、日本の技術協力のおかげで非常によくなりましたという言葉を聞いて喜んでおるのであります。そういう意味で、国際社会へ我々の技術移転ということで貢献を果たしてまいりたいと思います。
#114
○岡田(利)委員 質問と答弁がちょっとかみ合ってないようでありますけれども、まあ次に進みましょう。
 石炭の第九次答申があったときに、今後の石炭政策のあり方について、当時の通産大臣の中尾さんが大臣談話を出されたわけです。五点になっておりますが、政策上の問題は三点と五点目の二つでありまして、あとは余り政策とは関係のない談話の内容になっております。この談話は答申をある程度政府が総括をしたという意味で、私は常に注目をいたしておるわけです。この中尾通産大臣の談話のこの三点、五点の内容について、渡部通産大臣もしかと受けとめられておると思いますけれども、念のために承っておきたいと思います。
#115
○渡部国務大臣 昨年の六月に石炭鉱業審議会答申がなされた直後、前任者である中尾通産大臣は談話を発表されて、答申の基本的枠組みを踏まえ、具体策を速やかに策定し、関係者に不安のないよう万全を期す考えである旨明らかにされたことを承知いたしております。私もこの談話を踏まえ、石炭鉱業の経営多角化支援、構造調整に即応した先行的な産炭地域振興対策等を講じるべく努力してまいったところであり、平成四年度予算案において新分野開拓に係る補助金、出融資等の制度を創設するとともに、産炭地域振興対策や従来の合理化関係の諸措置についても充実を図ってまいったところでございます。今後は、本日御審議をお願いしておる石炭関係諸法の改正案を成立させていただいた後、速やかにこれらの対策を講じてまいる所存でございます。
#116
○岡田(利)委員 中尾さんの談話は政府の一つの総括的なものではないか、そのうち政策は三と五である、この内容について大臣としては全く異議がない、私もこの談話の内容を受けとめて確認をした上でこれからの石炭政策を進めると私は理解してよろしいですか。
#117
○渡部国務大臣 はい、結構でございます。
#118
○岡田(利)委員 以下、衆議院の調査室で作成さ
れた、この各委員に配られている資料に基づいて順次御質問をしてまいりたいと思います。極めて簡潔に質問いたしたいと思いますので、答弁も簡潔に、要領よくしていただきたいと思います。
 一つは、石炭鉱業の構造調整と総合的石炭対策の実施に当たって、国内炭需給と炭価のあり方の問題が提起をされておるわけです。
 石炭の需給は、今度の法律改正で見ますと、基本計画が構造調整基本計画になり、そして実施計画が石炭合理化実施計画と名前が違う二つの基本計画そして実施計画になっておるのであります。今までの論議の過程では、この需給を担保するのは何か、毎年度のいわゆる需給である、したがって需給の計画というものが組まれる。これがいわゆる需給の保障になると言われておりますが、明確にこの点、確認してよろしいですか。
#119
○土居政府委員 平成四年度以降の国内炭の需給につきましては、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申にもありますように、需給当事者間の自主的な協力関係がほぼ定着したということもございまして、今後は今委員御指摘になりました毎年決めます石炭鉱業合理化実施計画、ここで具体的な石炭鉱業側の生産計画が出てまいります。これを、石炭鉱業審議会に需給部会というものがございまして、そこで関係需要業界を入れましてこの生産計画をレビューし、これについて需要見通しという形で具体的な需要業界の引き取りの見通しを策定いたしまして、生産と需給がそこでマッチするという形で具体的に引き取りの協力が確保されるということになっております。これにつきましては、政府といたしましても、具体的には審議会の運営あるいは必要な手段によりましてこれを担保していきたいというふうに考えております。
#120
○岡田(利)委員 そうしますと、この法案が年度内に成立した場合、平成四年の需給計画はいつごろ決定される予定でしょうか。
#121
○土居政府委員 基本的にはやはり年度当初に決めるというのが一般原則だと思いますけれども、いずれにしてもこの法案に基づきます措置になるものでございますので、この法案が成立しましたらできるだけ早く審議会を開いて平成四年度の需給について確定をしたいというふうに考えております。
#122
○岡田(利)委員 次の点は、炭価の問題についてここに出ておりますが、今度の政策による平成四年度以降の炭価についてはトン千円の値下げということを承知をいたしているわけです。四月一日から実施をされる、こう承知しておりますが、そういうことに間違いがないかどうか。同時にまた、今後の炭価の一つの考え方として、十年間の前期五カ年は大体この千円引き下げの水準で推移する、その後についてはさらにその時点で検討する、こういう説明を受けているのですが、この点確認してよろしゅうございますか。
#123
○土居政府委員 国内炭の炭価につきましても、今お諮りしております合理化法の改正で存置いたします基準炭価制度によりまして平成四年度以降の炭価を決めていくということを予定しておりますが、これにつきましては、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申にもありますように、炭価の引き下げは必要である、しかし構造調整の期間と程度に応じて弾力的な引き下げであるべきだという答申が出ておりまして、それを受けて、これまで国会等でも御報告しておりますけれども、関係者の間では、平成四年度以降トン当たり千円程度の引き下げということで対策を実施していくというコンセンサスができ上がっておりますけれども、具体的には、先ほど御説明いたしました石炭鉱業審議会の需給見通しの審議とあわせまして、この法案の成立後、できるだけ早く審議会で基準炭価の決定という形でそれを実施してまいりたいというふうに考えております。
#124
○岡田(利)委員 次に、過剰貯炭の問題について触れられておりますけれども、今年度末貯炭見込み百八十万トン士計画上は一応想定されておるのであります。大体過剰貯炭の制度は、今後そのまま継続するということに今度の新しい政策はなっておるわけですが、この百八十万トンの過剰貯炭、これは過剰貯炭と言えるのか。ランニングストックという部分を各社別に除くと、恐らく三池の石炭が残ってくるわけですけれども、そういう意味で、過剰貯炭というものはどの程度把握したらいいのでしょうか、どの程度のものが過剰貯炭でしょうか。
#125
○土居政府委員 過剰貯炭につきましては、第八次対策で対策を講じてきているわけでございますけれども、今先生御指摘になりましたように、いわゆるランニングストックとしての通常貯炭を超える部分というものを過剰貯炭と判断しまして、それにつきまして具体的な対策を講じてきたところでございますけれども、今御指摘がありましたように、三池炭を中心としまして過剰貯炭がなお平成三年度末で残るという見通してございます。これにつきましては平成四年度以降につきましても、お出ししております予算措置にありますように、従来の過剰貯炭対策を引き続き継続していくということを考えている次第でございます。
#126
○岡田(利)委員 次に、石炭鉱業構造調整対策等の問題についてお伺いします。
 新分野開拓促進補助金の創設が行われ、法の改正が行われました。結構であると思います。
 ただ問題は、経営多角化促進補助金、炭鉱関連技術活用型新分野開拓促進補助金というのがあるわけです。この補助金は、今年十一億円の予算が計上されておりますが、この交付先というのは一体どこになるのでしょうか。この点ちょっと伺いたいと思います。
#127
○土居政府委員 今御指摘いただきました炭鉱関連の技術活用型新分野開拓促進補助金、これは、従来の経営多角化のための促進補助金を再編拡充いたしまして新しく創設をさせていただく制度でございますが、これにつきましては、交付先といたしましては、石炭会社、それから親会社、関連会社、この辺までを予定しておりますけれども、その趣旨は、石炭会社等が炭鉱経営に伴って蓄積いたしました技術を活用いたしまして事業の新分野開拓を行おうとする場合に、事業化段階に至る前の技術開発に要する経費の一部を補助金として交付するというものでございまして、事業化段階の融資制度等と相まって、新分野開拓の石炭企業等の努力を支援していく趣旨の制度でございます。
#128
○岡田(利)委員 きのうも参考人から話があったのですけれども、新分野開拓資金の出資制度の創設が法改正で行われておるわけです。NEDOが出資をするということですが、言うなれば、この出資は海外炭開発事業が対象であって、それ以外は考えていない、こう我々は承知をしておるわけであります。したがって、この出資制度というものは、海外炭開発以外に拡大することが検討されておるのかどうか、またそういう要望があるのかどうか、この点について承りたいと思います。
#129
○土居政府委員 石炭会社の場合には、これは御承知のとおり、グループ全体といたしましても非常に物的担保能力が乏しいということから、新分野開拓については、融資制度のみならず出資制度の要求が関係者にあることは事実でございます。
 ただ、今回改正をお願いいたしておりますNEDOの出資制度は、海外炭開発に対する出資ということで限定しておるところでございまして、特に海外開発につきましては、先ほどの、石炭企業のグループ全体としての物的担保能力の不足というのは特に著しいという観点から、海外炭についての出資制度を設けた次第でございます。
 国内事業につきましては、いろいろと関係者の希望はございますけれども、別途地域振興整備公団による産炭地域における事業に対する出資制度もございますので、石炭企業の新分野開拓という観点からは、出資制度は現在のところこの海外炭開発に限ってお願いをさせていただいている次第でございます。
#130
○岡田(利)委員 海外炭開発でありますから、直接開発というのは最近の常識ではないわけですね。大体合弁を組む、ジョイントを組むというのが常識ですから、日本側の開発会社に出資をする、その出資された日本の会社がジョイント、合
弁に出資をする、こういうことになるのだろうと思いますが、そういう理解でよろしゅうございますか。
#131
○土居政府委員 今回の制度も、国内の関係事業者に対する出資ということを制度的に予定しているわけでございます。今先生御指摘がありましたように、海外開発についてはいろいろと検討が進んでおります。豪州等に対するプロジェクト等も検討が進んでおりますけれども、そういった事業を行う国内のプロジェクトカンパニーへの出資というのが当面のイメージでございます。
#132
○岡田(利)委員 次に、石炭鉱山整理交付金の拡充が行われて、今年度予算三十六億円計上されておるわけであります。その第一点として、「一足基準を満たす中小露天炭鉱へ適用を拡大する。」こうありますが、この「一定基準を満たす」という「一足基準」というのは何かというのが第一点であります。
 第二点は、縮小からもし閉山に向かう場合、そういう過程において、石炭採掘と直接関連のある関連事業の労働者がこの適用を受けるという場合には、その要件が発生する六カ月前に関連会社が石炭会社に吸収されるか、あるいはまたそこに働いている従業員が石炭会社に移籍をしておるか、そういう条件が満たされれば当然適用を受けると私は解釈するわけであります。その解釈はどういう解釈がというと、過去の閉山その他の措置をとる場合にそういう形で処理をしてきたという実績が伝統的にあるからであります。そういう理解でよろしゅうございますか。
#133
○土居政府委員 二つお尋ねでございますが、第一点の、今回制度改正をお願いしております炭鉱整理促進交付金に中小露天炭鉱を対象にするという件でございますけれども、この要件につきましては、基本的には大手坑内掘り炭鉱と同様の扱いにしたいと考えておりまして、例えば鉱区の鉱業権についての消滅の登録を受けていることとか、あるいは申請前六カ月以内に事業が休止されたことがないこととか、あるいは鉱量が年間生産数量の五倍以上あることといったようなことを考えている次第でございます。
 ただ、中小露天炭鉱につきましては、御承知のようにコストが非常に安いということから、かなり収益を上げている事業者もあるわけでございまして、大手坑内掘り炭鉱とは経営状況が異なるということから、具体的な交付金額につきましては、例えば前年度の未処分利益は控除するとか、そういう形で、一部控除した交付になるということを予定している次第でございます。
 それから、第二点目の石炭の会社の直轄の鉱山労働者に対する炭鉱整理促進交付金の扱い、それと密接に関連します下請、その他関連企業の、石炭の採掘等に非常に関連する事業に従事していた者の扱いにつきまして、今先生御指摘のように過去にもいろいろと、その辺は別会社にして事業を実施している場合もございますし、あるいは内製化して、石炭会社の事業として実施している場合もございます。その辺は制度の趣旨、石炭の採掘及びこれに付随する事業に従事していた鉱山労働者という、そういう政策対象の趣旨にかんがみまして、従来と同様弾力的に対応してまいりたいというふうに考えております。
#134
○岡田(利)委員 石炭鉱山規模縮小交付金の拡充が行われたわけですが、五%及び百五十人の要件を、五%または百五十人、結構だと思うんですが、量の場合は大体年間になるわけですね。一年間、いわゆる歴年で五%減産した場合、こうなるんです。それから、五人の場合は五人、五人、五人と何回もあるかもしれませんね。それは全部対象になるのか、それはトータルして最終的にその年次で対象にするのか、この点はいかがでしょうか。
#135
○土居政府委員 炭鉱整理の場合のいわゆる閉山交付金につきましては、途中段階の規模縮小交付金と閉山交付金と二種類あるわけでございますが、今回のポスト八次の対策の性格からいきまして、途中の規模縮小につきましても、具体的には閉山の場合と生産量の減少という意味においては同様の評価を行うべきではないか、そういう議論もございました。そういったことから、従来ありました五%以上の減産あるいは百五十人以上の合理化、解雇といった基準を改めまして、むしろ将来に向かって構造調整の遂行上必要な生産計画に基づきます減産という場合には、あるいは合理化ということに対しては、従来の規模縮小交付金の制度の対象に前広にしていく必要があるということで、いわば前向きの改正をしたわけでございます。
 したがいまして、要するに減産を前提とした規模縮小・合理化ではなくても、例えば年間五人以上の従業員の合理化がなされた場合には、全体として構造調整の一環としての規模縮小であるということで評価してこの制度の適用の対象にしたわけでございまして、したがいまして、御質問の五人以上というものにつきましては、年間通算して五人以上という判断で対応してまいる所存でございます。
#136
○岡田(利)委員 規模縮小交付金の場合、もう一つここにありますのは、出ておりませんけれども自治体の交付金というのがあるんですね。これは規模縮小の場合、特に三池炭鉱が極めて大きい規模縮小をやったときにこういう措置がとられたわけですが、その内容は、御存じのように金額が半分、期間が半分、こうなっておるわけですね。閉山交付金の場合には一〇〇、七〇、五〇、四〇、自治体のこういう場合は、規模縮小の場合は五〇、二五ですか、期間は二年間、ですから、半分の半分ということは四分の一なんですよね。金額的にトータルすると、半分じゃなくて四分の一になるのであります。この点はやはり改善すべきだということで地元からも陳情を受けておったわけですが、今回この点が見送られたのはどういう意味でしょうか、また、今後検討していくという御意思があるわけでしょうか。
#137
○土居政府委員 石炭山の閉山の場合の交付金につきましては、先ほど申しましたような今回合理化を検討したわけでございますが、御指摘のありました産炭地域振興臨時交付金、稼行炭鉱のあります自治体に対する交付金につきましても、閉山の場合と規模縮小の場合に一定の基準で交付金を支給しているわけでございます。これにつきまして、やはり石炭山に対するものと同様、従来規模縮小の場合には二分の一ということになっておりましたし、今先生御指摘のありましたような期間の差というのがあったわけでございます。
 これにつきましては、石炭鉱業審議会の答申に至るまでにおきましてもいろいろと御指摘をいただいておりまして、検討をしたわけでございますし、今度の予算措置に当たりましても実は検討したわけでございますけれども、基本的に石炭山の閉山あるいは規模縮小の場合、それから産炭地自治体のこうむる影響というのは必ずしも同一ではない。石炭山の場合には、かなり将来に向けての構造調整の一環として規模縮小が生産量に応じて判断されなきゃいかぬ面がございますけれども、自治体の場合には、閉山の場合には固定資産税の減収とか電気とか炭鉱水道、病院、こういったものが自治体に移管される等、非常に自治体に大きな負担がかかるのに対しまして、減産の場合には、これは引き続き石炭山が経営を続けるというようなことからかなり自治体財政への影響度合いが違うということで、今度の予算におきましてはこれに合わせた改正をしなかったわけでございますけれども、御指摘の点、あるいは地元の要望等もございますので、今後の検討課題として検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
#138
○岡田(利)委員 北海道の例えば夕張の場合、同じ北炭でも山別ですから、山が一つ一つ閉山していけばこれは全部一〇〇%出るわけですね。最後に三菱大夕張が閉山した。したがって、これはもう今言った一〇〇、七〇五〇、四〇の一〇〇%出るわけです。三池炭鉱のように四百五十万トンも掘って急激に百万トン近くも減らして、今二百四十万トン程度、山が二つぐらいなくなった感じですね。それが半分ならまだわかるのですが、結果的に四分の一だ、総財源からいえば。これは
ちょっとひどいじゃないか。今、今後検討するそうですから課題でありますので――今後こういうことがあり得るかどうか知りませんよ、私は。余りにもそういう点ではどうかな、比較論からいってちょっとバランスが崩れている、こう思いますので、御検討をお願い申し上げておきます。
 離職金制度の拡充の問題でありますが、出向者についても交付対象にするという法改正が行われました。この出向者の交付対象の会社、普通他の会社に行く場合は当然でしょう。例えば自動車会社に出向していくという場合は当然でしょう。しかし、親会社の関連会社といいますか、子会社がありますね、そういう会社に出向するという場合も今後あり得ると思うのですね。そういう場合もこれは該当になるのでしょうか、いかがでしょう。
#139
○土居政府委員 石炭会社からの出向ということでございまして、関連会社の場合にも対象になるというふうに考えております。
#140
○岡田(利)委員 一定の場合は十五日分を加算して交付すること、四十五日分、こうありますね。これは、いわば直ちに出向を、切らないですっと出向するという意味で一定の場合という言葉で読んでおるのでしょうか。この解釈はいかがでしょうか。
#141
○土居政府委員 離職金制度につきましては、今回の予算措置で、一般の場合には三十日分の離職金ということでございますけれども、再就職促進という観点から、会社による解雇の後雇用保険制度等の適用を受けることなく短期間に再就職する者に対しましては、三十日に加算して十五日分を追加いたしまして四十五日分の離職金を支払うという制度になってございます。
#142
○岡田(利)委員 一定の要件を満たした場合はということの方が、これはまあ調査室の書いた文章ですから……。
 次に、下請労働者の離職金制度、下請離職者退職支援金制度の拡充の問題がございますが、いろいろ議論がありますからあれなんですが、これは政治的な問題になってこの制度が生まれたわけですね。そういういきさつのものであります。今回も縮小の場合には三百万円まで上げたわけですが、本工の方は、これは六百万が八百万まで上がったわけですね。こっちの方は、閉山の場合には三百万ということで頭になっているのですね。せめてもう百万上げると公平に、率が同じ額になるという数字になると四百万なんですが、これは二億円の予算が既に今年計上されているわけですが、今年は無理だとしても、何かちょっと御検討いただきたいものだな、こう思うのですが、どうでしょう。
#143
○土居政府委員 石炭会社の直轄労働者の場合には閉山交付金から退職金相当額が支払われるということになるわけでございまして、これにつきましては、今度の予算措置でその上限を六百万から八百万円に引き上げたところでございます。
 下請企業の場合の退職金、これにつきましては六十三年度から制度化されたわけでございまして、下請離職者退職金支援制度というものが創設されているわけでございますが、これにつきましては、実は下請企業の場合には非常に兼業が多い、御承知のように、土木建設業との兼業などもございますし、坑内における労働も必ずしも特定人が長期的に継続する場合でもないというようなこともございますし、あるいは退職手当の規定の整備等がないというふうなことから、現行制度では一応他の中小企業のいろんな退職金の制度を調査をいたしまして、それと共通する一つのモデルでこの退職金支援制度を運用しているわけでございます。
 具体的には中小企業退職金共済制度というものがございますけれども、これの三千円の掛金のモデル、これをベースにして決めているわけでございまして、御指摘のように、勤続二十七年ということで三百万円というところが一つのモデルになっているわけでございますが、これは中小企業の退職金共済制度の方もいろいろと制度の改正を行ってございますが、それと比べましても現在のこの三百万円の制度はそれほど実態から遊離していないという判断はしているわけでございます。ただ、いずれにしても非常に下請離職者の場合の実態は区々に分かれておるというようなことでもございますし、御指摘の点を含めまして今後の検討課題にさしていただきたいと思っております。
#144
○岡田(利)委員 私も、今部長の答弁のように、上げたからといって該当者が必ずあるかどうかという問題は確かにあると思うんですね。特に、これは三井建設とか大きな会社の分は対象外でありますから、したがって、地元にある俗に言う何々組、こういう小規模、中小規模も対象でありますから、そういう意味では適用額は低い人が多い、あっても。しかし、制度として公平感という意味からいうと、そういうあった場合にはここまでという気持ちがあってもいいんではないかな、こう思いますので、せっかく検討していただくということでございますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
 次は、構造調整支援調査費の創設が改めてなされて、一億円の予算が計上されたわけであります。ここで、必要な基礎的事項に係る事前調査に係る補助金、これを石炭関係団体に交付する、こうあるんですが、石炭関係団体はどういう団体が予想されているんでしょうか。
#145
○土居政府委員 石炭鉱業の構造調整の円滑な推進を図る際のいろいろな事前調査の予算でございます。交付対象先につきましてはまだ具体的に決めておりませんけれども、例えばの例といたしましては、財団法人の石炭開発技術協力センター、JATECと言われておりますけれども、こういった公共法人、あるいは産炭地域におきます地域開発とかあるいは地域の産業振興等について知見とか能力を有している公益法人、例えば北海道でいいますと、はまなす財団というのがございますが、こういったところが一つの候補になるというふうに考えております。
#146
○岡田(利)委員 骨格構造整備拡充事業費の補助金や、あるいはまた保安確保対策費の拡充、限度額がそれぞれ今回引き上げられておるわけであります。同時に、鉱山保安センターの事業費補助金の中に保安技術改良等の共同研究を創設する、これに対する補助金を出すと新しく追加されておるわけですが、この意味は、従来の保安センターで研究を進めている延長線上に保安技術の改良共同研究というものを創設するのか、あるいはまた、国際化の展望を持てば、特に日本の保安・探鉱技術というものが注目されておるわけですから、それをもカバーする意味合いを、役割を持っているのか、この点についてはいかがでしょうか。
#147
○鈴木(英)政府委員 鉱山保安センター事業費補助金でございますけれども、御指摘のように、保安関係政策予算の中で非常に大きな伸びを示している予算でございまして、平成三年度一億八千八百万円に対しまして四年度は二億八千四百万円と、約一億円増の政府原案でただいま御審議をいただいているところでございます。
 この中身は二つございまして、一つは新規に、これは従来なかった制度でございますが、個別石炭鉱山の特性に応じた保安技術の改良等について石炭鉱山と共同で研究を行う保安技術改良等の共同研究、これを開始するということで、一億円の増のうち八千五百万円がこれに充てられております。これは、新しく制度を創設さしていただきたいと考えております。残りは、既存の保安教育の中におきまして新規の研修項目の設定を行うというようなことからふえる分でございまして、したがいまして、増額のかなりの部分がこの保安技術改良共同研究、こういうものをやるために措置されているものでございます。
 なお、石炭鉱業審議会の答申等におきましても、地球的視野に立った国際協力の展開の必要性ということが御指摘されておりまして、特に保安技術を活用した協力にも触れられておりますので、この保安センターの研修事業等を海外分野に拡大するかどうかということにつきましては、私ども将来的な検討課題の一つにさしていただきたいと考えております。
#148
○岡田(利)委員 鉱山保安の技術調査委託費、特に石炭保安に関する情報交換・技術交流事業、災害要因分析事業を新しく追加されて、拡充されておるわけです。これも内外をカバーするものか、そして調査委託の場合に、例えば保安協会とかそういう特定の研究団体になるのか、それとも、あるいはまた企業も含むのか、この点はどういう構想でしょう。
#149
○鈴木(英)政府委員 御指摘の鉱山保安技術調査委託費の方でございますけれども、これも政府原案におきまして五億四千八百万円から六億五千四百万円と、約一億円の増をお願いしているところでございます。平成四年度以降のこの保安技術開発の方向につきましては、御承知の保安問題懇談会等におきましても計画的に進める必要があるということで、保安技術開発長期計画を策定させていただいているところでございます。具体的な技術開発のテーマといたしましては、自動消火システムでありますとか、あるいは坑内不燃化、難燃化技術の開発、あるいは粉じんの制御技術あるいは監視システムの高度化技術、こういうものの開発をこの委託費をもちまして行うことにいたしております。
 なお、この技術開発の体制につきましては、従来の財団法人石炭技術研究所、石炭技研でございますけれども、及び鉱業労働災害防止協会、こういうものに加えまして、新しくできました石炭開発技術協力センター、こういうものも活用しながら、研究機関と炭鉱現場が連携を保ちつつ、一体的に技術開発を進めていくこととしております。
 なお、これも先ほどの御指摘とも関連いたしますが、海外でございますけれども、今回この調査委託費の中に、例えば発展途上国とのガス突出防止技術の共同研究でありますとか、あるいは海外の専門家の招聴でありますとか、あるいは海外の専門家との間でワークショップを開催するといったような、保安技術を中心にいたしました海外協力につきましても盛り込まれておりまして、積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
#150
○岡田(利)委員 新石炭政策の展開の問題でありますが、海外炭安定供給確保の拡充、この中にいろいろ項目があるわけです。特にその中に、クリーン・コール・テクノロジー・センター事業の創設が今回行われるわけです。この構成の主体、そして事業の内容とか構想はどういうものか、この機会に承っておきたいと思います。
 同時に、海外炭安定供給のためにNEDOが出資をして海外炭を開発をするということになっていくわけですが、この引き取り保証ということがなくてこの事業は順調に進まないことは極めて当然であります。この構想を進めるに当たって、基本的に、開発した石炭、国のナショナルプロジェクトとして開発した石炭を日本に持ってきた場合に、引き取りの保証といいますか、そういう点については既に電力会社なら電力会社の協力を得るということについて合意がきちんとあるのか、その見通しについて承りたいと思います。
#151
○土居政府委員 御質問は二点でございますが、第一点のクリーン・コールニアグノロジー・センターにつきましては、先生御指摘のように、今回の石炭鉱業審議会の答申におきましては、今後の新しい石炭政策の展開ということで、「海外炭の安定供給確保」あるいは「クリーン・コール・テクノロジーへの挑戦」さらには「地球的視野に立った国際協力の展開」と答申されておりまして、この答申に即しました予算要求を行っているところでございまして、この予算要求の中で、NEDOにクリーン・コール・てクノロジー・センターを設置するということは予定されているところでございます。
 この具体的なクリーン・コールニアクノロジー。センターの業務でございますけれども、これはいろいろと関係団体等に分かれておりますいろいろな石炭利用の、特にクリーン・コール・ユースと言われていますが、環境問題にも着目したそういったクリーン・コール・ユースに係る技術開発を総合的に推進していくということで、その連絡調整を行うとともに、みずからもいろいろそういう調査研究をやる、さらには国際的なネットワークを拡充いたしまして、国際的な共同研究、こういったものにも着手していこうということでございまして、その体制につきましては現在検討中でございますけれども、具体的にはNEDOの中に一つの室を置きまして、そういった関係団体を糾合する体制を整備していきたいというふうに考えております。
 それから、二番目の御質問の海外炭の安定供給との関係で、今度お諮りしております合理化法の改正でNEDOに海外炭への出資制度が設けられたわけでございます。国内石炭業界等が行います海外開発に対する支援というのはこういうことで整備されたけれども、それの国内でのマーケットの確保はどうなっているんだというお話だと思いますが、これにつきましても石炭鉱業審議会の答申、これはまある炭鉱業審議会の中では関係需要業界も入って議論されたわけでございますが、この答申にもありますように、石炭企業の経営多角化の一環としての海外炭開発、こういったものについては、政府による適切な支援と同時に関係業界の協力が望まれるということになっておりまして、いわゆる引き取り保証とかそういったことではございません。これはやはり海外炭でございますので一定の市場原理で決まってくるものではございますけれども、こういった形で、総論的ではございますけれども、関係業界の協力が期待されるという形で今後その問題が解決されていくというふうに期待しております。
#152
○岡田(利)委員 大臣、今の二点目が非常にキーポイントですね。この点、大臣の見解も承っておきたいと思います。
#153
○渡部国務大臣 ちょっと今お聞きしておって、先ほど先生の質問、ちょっとすれ違いがあったと思いますが、海外炭の確保、我が国のエネルギーの将来にとって極めて重要なものであるということで、その確保に頑張ってまいりたいと思います。
#154
○岡田(利)委員 石炭に関する経済・技術協力施策の拡充の中で、石炭ボイラー用簡易脱硫装置等の問題もあるわけですが、これの事業主体はどうなのかということをお聞きしておきたいと思います。
 そしてもう一つ、ここには出ておりませんけれども、一つの大きな制度として近代化資金があって、これは現行どおりですから、ここには出てないわけですが、予算としては一つあるわけですね。これは三年据え置き七年償還でしょう。もう借りるよりも返す方がどこの炭鉱も多いんじゃないですか。もうオーバーしているんじゃないでしょうか。だから空回りになっているんですよね。借りるよりも返す方が多いというような感じでないでしょうか。そういう意味では、運営について、今すぐという問題じゃないですけれども、この構造調整の十年間というものを考えながら検討する必要があるんじゃないかなと思うのですが、どうでしょうか。
#155
○土居政府委員 第一点の石炭ボイラー用の簡易脱硫装置についての研究協力でございますけれども、これは先ほど申しましたような新しい国際協力という観点からの予算でございまして、いわゆるODAによります研究協力事業といたしまして資源エネルギー庁として予算を要求しているわけでございますけれども、具体的には、実施主体は財団法人石炭利用総合センターに委託いたしまして、インドネシアの政府関係機関と共同でこの石炭ボイラー用の簡易脱硫装置の開発に関与していきたいということでございます。
 二番目のお尋ねの近代化資金でございますけれども、石炭企業の坑内のいろいろな設備投資、近代化のための設備投資に対しましては、従来から合理化法に基づきましてNEDOの近代化資金が貸し付けられているわけでございまして、これは今後とも新規需要もございますので制度を継続していくわけでございますが、御指摘にありますように、過去の返済と新しい貸し付けとのバランスは、返済超過の傾向がございます。
 これについてでございますけれども、先ほど来説明いたしましたNEDOによります新分野開拓に対する無利子融資制度等も、実はこういった償還原資等もございますので、新しい制度として今度要求できるということでございます。石炭勘定の予算が厳しい中で、こういった無利子融資についても一応来年度六十億、さらにこれを数年間続けていくというめどが立ったという裏腹の関係として今のような問題があるというのは御指摘のとおりでございまして、制度の改善の問題等も含めまして、今後ともさらに検討を続けてまいりたいと思っております。
#156
○岡田(利)委員 時間がありませんから、あと労働省の関係を二、三点お聞きします。
 炭鉱労働者雇用安定助成金制度の創設、これは法改正が行われておるわけであります。これは、ここに書いてありますように、労働省の方のいわゆる雇用安定計画に基づいて炭鉱労働者の配転、職業訓練、出向等の措置を講ずる事業主に対して賃金の助成を行う、こうあるんですが、労働省の雇用算定計画と構造調整基本計画、毎年度の実施計画がありますね。そういう兼ね合いについてはどういうことになりますか。これからの場合は調整も入るし、石炭の場合も実施計画が毎年ある。基本計画はもう十年間、非常に長期のものですから、そういう意味では毎年度そういう計画が組まれるというものでしょうか。
#157
○征矢政府委員 基本的に、行政を進めるに当たりましてなるべくわかりやすく制度を仕組むことが重要でございまして、そういう観点から、これにつきましては、石炭企業等が新分野開拓を行い、それに応じて労働者を訓練あるいは配置転換、出向等を行う、こういう計画を考えました場合は、これは計画期間は相当長期にわたるものもございます、そういう計画期間に基づく計画をつくりまして、それを労働大臣が認定するというものでございます。したがいまして、そういうある程度の、二年、三年にわたる計画でございますから、毎年度この計画に基づいて具体的に職業訓練なり出向なりを実施いたしました場合、それをきちんと把握いたしましてこの助成を行う、こういう考え方で対処するものでございます。
#158
○岡田(利)委員 その場合は配置転換、職業訓練、出向以外に、もちろん転換企業というのがあるわけでしょう。したがってこの調整事業にのるすべてが担保されるんだと、通産省の方の、先ほどずっと質問しましたね、その調整事業といいますか調整計画で認定されるすべてを担保できるんだ、こういう理解でよろしいですか。
#159
○征矢政府委員 御指摘のように、通産省の新分野開拓、産業政策として行いますものについてはすべてカバーしております。あわせまして、炭鉱労働者の方が非常に厳しい状況の中で失業という厳しい事態になる前に仕事を転換されるということがよりベターなわけでございますから、そういう観点から行うものにつきましてはすべてこれを対象にしようという基本的な考え方でございます。
#160
○岡田(利)委員 雇用促進事業団の援護業務の拡大についても今回法の改正が行われておるのであります。したがって、炭鉱労働者の円滑な職業転換を図るため、雇用管理の研修及び助言を雇用促進事業団が行う、こうあるのであります。雇用促進事業団が行うということは、本部もあるし支所もあるわけですね。今は支所と言わないのですか。もとは支所ですね。北海道支所とかありました。これは、どこでどういう構想で行われるのでしょうか、お伺いいたしておきます。
#161
○征矢政府委員 雇用管理に関する研修及び助言の具体的な事業といたしましては、炭鉱の労務管理者を中央に集めまして、新分野開拓の実績を持つ異業種の労務管理者の経験の披露、あるいは他の炭鉱の労務管理者と情報交換等を行う労務管理者雇用管理セミナー、そういうようなものの実施、あるいは雇用管理アドバイザーを設置いたしまして、鉱業権者等に対しまして新分野開拓に伴う円滑な炭鉱労働者の配置転換についての相談、助言等を行うこと等を予定いたしております。したがいまして、これは雇用促進事業団の中央において行います場合と各都道府県にございます雇用促進センターにおいて行う場合と両方ございます。
#162
○岡田(利)委員 今まで質問してまいりまして、今回の法改正、特に重要な予算の新しい創設問題等について大体政府の見解をただしたわけであります。この議事録を読めばこの問題点が大体ここに整理をされたというような感じを持ちながら質問をいたしました。
 最後に、一つは、きのう河原崎参考人からも意見を聞きましたけれども、今答弁を受けるとこれだけの構想が非常にきれいにでき上がっているのです。問題は、実際にこれを実行する場合に、縮小あるいは閉山、最終、縮小は閉山になるでしょう。それと一方において、新分野開拓あるいは関連企業、そして出向等も含めて雇用をスムーズに転換させる、非常によくでき上がっているのです。説明もそう説明されておるわけです。問題は、このとおり確実に実行できるかどうかということが最大の問題であります。過去三十年間の長い閉山の歴史の中で余りうまくいっていないものですから、そういう点で実は非常に大きな危惧を持っておるというのが偽らざる状況であり、炭鉱労働者も、きのうの答弁でも実はそういう気持ちが述べられておるわけです。
 そういう意味で、この実効性を確保するためには、かつてNEDOの中に炭鉱管理委員会をつくったことがあるのですが、やはりフォローアップをしていくような、いろいろできておりますけれども、そういう本当に確実に実効性を確保するという何らかの集中的なものが機構的にあってもいいのではないか。協議会でもいいですが、それが石炭鉱業審議会になるかもしれません。何かそういうものが必要ではないかというような感じが私はします。
 同時に、これだけの構想をやる場合には、どんなに急いでも一年以上かかるのではないでしょうか。かかるとすれば、逆算すると今年度は閉山がないということに実はなる。縮小はあっても閉山はない。そこまでいけないでしょう、これを本当に今答弁のようにやるのであれば。私は、専門的にそう思います。そういう点を特に指摘しておきたいと思いますし、十分その点配慮をしてこれからの政策展開を図るべきだという意見を述べておきたいと思います。
 同時に、十年間の構造調整を進めていく。そして先ほど述べられておりますように、第一点は石炭の安定供給を内外から確保していかなければならない。我が国が技術先進国として、石炭開発や保安のそういう技術を海外の国々に役立てるという積極性を確保するんだ、そのために国民的合意を得る均衡点を求めるんだ、この均衡点は労働者の方は高い方ということをきのう言っておられるわけです。しかしこれは一つの流れがあるのでしょう。しかし、いずれにしてもこれだけの総合的組み立ての中できちっといわゆる中間点で検討する、こう言っているのでありますから、そういう均衡点というのは必ずぴしっと求められるということがないと、これはしり抜けになってしまうわけですね。そういう私の意見を述べて、感想を、これは大臣でも部長でも結構ですから伺って、私の質問をきょうは終わりたいと思います。
#163
○渡部国務大臣 ただいまいろいろ先生から御意見がありましたが、それらの趣旨を十分に踏まえて今後努力してまいりたいと思います。
#164
○岡田(利)委員 終わります。
#165
○佐藤委員長 これにて岡田君の質疑は終わりました。
 続いて、東順治君。
#166
○東(順)委員 まず最初に、今回この審議に当たりまして八つの法律案というものを一括して審議するということでございますが、審査の万全を期すということで妥当性を欠いていると思いますけれども、この点についての御所見を伺いたいというふうに思うわけでございます。
 第七十二回国会、昭和四十九年三月二十五日の当委員会におきましても、電力用炭販売株式会社
法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議ということで「政府は、本法案のような、それぞれ別個の意味をもつ三法律を一本として提出するが如き形式をとることは、審査の万全を期する上で妥当を欠く面も生ずるおそれがあるので、十分留意せられたい。」このように附帯決議がございます。この辺の、今回一括審議ということの背景なり所見なりをまず伺いたいと思います。
#167
○土居政府委員 今回の一括法の御提案に際しましては、まず第一に石炭鉱業審議会の答申を受けた形の法改正でございますけれども、この石炭鉱業審議会の答申におきましても、第三章で、「総合的な石炭対策の実施」ということで、九〇年代を石炭鉱業の構造調整の最終段階と位置づけて、均衡点までは経営の多角化、新分野開拓を図りつつ、国内炭の生産の段階的縮小を図る、そういった方向と同時に、一方では、九〇年代の極力早い段階での累積鉱害の解消を目指す、その累積鉱害解消後も生ずる浅所陥没等の被害について恒久的処理体制の構築を図るということが同時に指摘され、これらについての石炭関係諸法の延長等を行うべきであるということで、そういう総合的な、一括した対策の実施が法的な措置においても必要だということが述べられているわけでございます。
 この一括法につきましては、今御指摘がありましたようにそれぞれ別個の意義を持つ法律ということではございますけれども、例えば鉱害関係の法律につきましても、きのう河原崎会長からもお話ありましたように、石炭鉱業の構造調整の問題と石炭鉱業が抱えている鉱害の処理という問題は今回の対策においては一体不可分ということにもなってきているわけでございまして、それらについて、石炭対策の財源対策も今度の一括法では関係してくるということでもございますので、そういうそれぞれの法律の改正部分の内容は表裏をなすということで一括してお願いをしているわけでございます。
 労働省関係の離職者法の改正につきましても、従来は合理化の後の炭鉱離職者の対策という非常に独立性が強い性格があったわけでございますけれども、今回の改正点は、むしろ、先ほど来御指摘がありますように、新分野開拓、これを合理化法で進める、その裏腹としまして在職の炭鉱労働者のこういった新分野開拓措置に伴う雇用の安定のための措置を講じているわけでございまして、これらはやはり一体不可分の問題であるということから、今回の改正につきましては、一括して、改正部分が共通するということでお出ししたわけでございます。
 これらにつきましてはいろいろと、提出に当たりましても、国会関係、与党を初めとしまして御相談をしながら来たわけでございまして、いろいろ御指摘の点はあるわけでございますが、そういった改正点についての一体不可分の要素があるということでぜひ御了解をいただきたいというふうに考えております。
#168
○東(順)委員 それじゃ、以下、法案に沿いまして御質問させていただきたいと思います。
 最初に臨鉱法の一部改正についてから伺いたいと思いますが、鉱害復旧の長期計画につきまして、先ほどから審議の中で出ておりましたけれども、地域ごとに復旧すべき鉱害量を定めるということの、この地域が県ということでございましたが、県というものを範囲とした理由について、まず伺わせていただきたいと思います。
#169
○土居政府委員 これは、現在の鉱害復旧長期計画は全国ベースでやっているわけでございますけれども、今回十年以内に累積鉱害の解消を図るということで、鉱害の復旧についてもそういう段階に来ておるということから、よりきめ細かな対応をしていくということで、全国ベースのものについて地域単位ということになったわけでございますけれども、先ほど来お話ししておりますように、この地域単位につきましては原則として県単位を予定しております。
 その理由といたしましては、市町村ということになりますと、やはり鉱害、特に累積鉱害、広域沈下鉱害でございますので、市町村をまたがるものが非常に多いということもございますし、さらには、現在国と並んで補助金を出しておりますのは県でございますので、そういった意味で県単位に基本的に鉱害復旧の長期計画を定めていくということが妥当であろうというふうに判断をしております。
#170
○東(順)委員 全国ベースを県にしたというところに、一歩前進と申しますか、対応に対する一つの積極性というものが出ておると思います。と同時に、先ほど来も話が出ておりましたけれども、やはり県としても大変広範囲になるわけで、さまざまに、例えば筑豊なんかは、現実には東・中、西というような形でくくられているエリアというものがございます。また、鉱害等も大変広範囲にわたって随所にあるわけで、そういうことから考えますと、復旧が完了していく時期の時差というものがどうしてもやはり出てくる。そうなってくるときに、県というものであったとしてもやはりアバウト過ぎるというものが出てくる。そこからさまざまに徴調整が難しくなってくるということが十分考えられると思います。そういう意味で、きめ細かな自治体との協議ということでございましたけれども、どうかその辺のところを、現実にそこで対応していけるように、いろんな工夫をさらに重ねて推進をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 そこで、今度は期間の問題ですけれども、長期計画ということでございますけれども、復旧事業の内容の進捗状況に基づいて、例えば三年目であるとかあるいは五年目であるとかというところで、この計画そのものをもう一回見直してみる、こういうような弾力性というものを持たせることはできないのでしょうか。いかがでしょうか。
#171
○土居政府委員 鉱害復旧長期計画は、基本的には地域ごとに量を定めるということにはなっていますけれども、国としての十年間にわたる基本的な計画ということでございまして、余り途中で頻繁に変えるという性格のものではないということでもございますし、さらに、現在の鉱害実態量調査につきましても、先ほど来御説明いたしましたように、既に採掘が行われなくなってから二十年を経過しておりますし、鉱害復旧事業が行われ始めてからもう四十年近くが経過しておるというようなことから、およそ鉱害の賦存状況というものは正確に把握されてきておるというところでございますので、実態との乖離ということについては、それほど大幅な乖離が当初から生じてくるということではないというふうに判断しておりますので、基本的には、この長期計画については途中で何回も見直すという性格のものではないというふうに考えております。
 もちろんこれは、具体的な鉱害対策の実施の過程ではさらに事業団がつくります鉱害復旧基本計画とかいろんな計画がございます。そういうところできめ細かな対応をしていくということであるかと考えておりますが、ただ、この鉱害復旧長期計画につきましても、もちろん事態の進捗に応じまして、事態を見て必要があれば見直しをするということは拒否しないということで、弾力的にやっていきたいというふうに考えておりますけれども、基本的にはそういう性格のものではないかというふうに考えております。
#172
○東(順)委員 必要があれば見直すこともやぶさかではない、そういう弾力性を持たせる、こういうことでございますね。確かに、もう最後の十年、ここで達成されなければという、そういう非常に緊迫した状況の中での長期計画でございますので、ぜひそのような幅のある対応で行っていただきたい、このように思うわけでございます。
 それから、「長期計画が達成されたと認めるとき」等に「その旨を公示しなければならない。」こうなっております。公示という問題でございますけれども、達成されたと判断をする基準と申しますか、そういったものは何なのかということなんでございますけれども、これはどうでしょうか。
#173
○土居政府委員 鉱害復旧長期計画の達成と申しますのは、行われるべき復旧事業が終了して累積
鉱害が解消したことを指すものでございまして、「早期に達成されることが確実であると認めるとき」というのは、例えば残事業すべてについて工事に着手しておりまして、短期間のうちに完了が確実であると見込まれるような場合には、ここで言いますような「確実であると認めるとき」に該当するのではないかというふうに考えております。いずれにしても、これは法律の規定でございますので、実態に即して十分関係者の納得いくような形で運用してまいりたいというふうに思っております。
#174
○東(順)委員 実態に即して、関係者と協議の上で、こういうことになるわけですね。先ほどからの議論にもありましたけれども、一定の若干の余裕を持って、そして公示をする、こういう答弁がありましたね、先ほど。ということは、一定期間を設けて、そしていろいろな角度から、これは公示していいかどうか、もう達成したという判断をしてよいかどうかという、そういう判断の期間を一定期間持った上で、そして、これでもう大丈夫だと判断した上で公示をする、こういうことになるわけです。
 そうすると問題は、いろいろな機関やなんかに協議をしていく、それでその協議でまず公示をして大丈夫だというふうに判断する、いわば客観性といいますか、やはりそういった正確な判断基準になる何かがなければなかなか達成というふうに判断できるものにはならないというふうに思うわけでございます。そういう意味で、具体的にまずこれだけをクリアしていけばこれは達成であるという判断基準というものが考えられるのかどうか、この点についてちょっと重ねて伺いたいと思います。
#175
○土居政府委員 公示をする際の余裕の問題ということが最初に御指摘がありましたけれども、これは指定法人によりまして、要するに累積鉱害が解消された後の、先ほど来の浅所陥没等の対策をしていくときの指定法人についての手続もいろいろと時間を要するというものもございますので、そういった意味で、完全に解消してなくても早期に達成されることが確実であるという場合にも余裕を持って公示をさせていただくという趣旨でございます。
 これは今お話がありましたように、ではどういう判断基準でやるのだということでございますけれども、例えば、先ほど来申しておりますように、残っておる鉱害復旧事業、これは基本計画にのっているわけでございますから、この復旧事業すべてについてもう着手が終わっておる、かつ、短期間のうちにこの工事が完了するめどが立っておるという実態判断が一番重要だと思いますので、そういったことになれば公示に移るということではないかと思います。
 いずれにしても、そういう判断につきましても関係自治体の意見も聞くことになっておりますし、十分関係者と協議して実態に即した弾力的な運用を行っていきたいというふうに考えております。
#176
○東(順)委員 それでは、復旧基本計画でございますけれども、この中で「特定鉱害復旧事業」、こうございます。それで、この事業内容というものはどういうものになるんでしょうか。
#177
○土居政府委員 特定鉱害復旧事業につきましては政令で定めることにしておりますが、浅所陥没等の被害の復旧とかあるいは今、復旧にかわる補償を行う事業といったことを考えておりまして、いずれにしても累積鉱害が解消された後の事業ということで、そういうものになるというふうに考えております。
#178
○東(順)委員 では、その浅所陥没等という等の中に、例えば赤水だとか湧水だとか、かんがい処理施設、そういうものも含まれる、このように判断してよろしいですか。
#179
○土居政府委員 ただいま申しましたように、累積鉱害の解消後の特定鉱害復旧事業ということでございますので、そういった赤水とか湧水とかいわゆる累積鉱害に当たるものについては、これには入らない、これは解消後の次のステップである、そういうふうに考えております。
#180
○東(順)委員 では、浅所陥没が対象、こういうことでございますね。そうすると、これがわざわざ政令ということではなくても、法に明文化できないということは何ゆえなんでしょうか。
#181
○土居政府委員 浅所陥没につきましては、陥没の形態なんかも非常に技術的な問題がございまして、なかなか法律の規定に書きにくいということで政令にゆだねているわけでございますけれども、いずれにしても、法律上は、先ほど申しましたように累積鉱害が解消されるあるいはされた、あるいはされることが確実な地域に指定法人が設立されることになっておりまして、指定法人の事業として特定鉱害復旧事業ということになっておりますので、今も申しましたように浅所陥没あるいはこれに類似する事態についての対処を指定法人でやっていく、そういうことでございます。
#182
○東(順)委員 それでは改めてここで、浅所陥没の定義についてもう一度確認をしておきたいと思います。
#183
○土居政府委員 これは石炭鉱業審議会の答申で累積鉱害と浅所陥没等と使い分けているわけでございますけれども、現在考えておりますのは、地下五十メーター以浅の採掘によります陥没等の被害というふうに考えております。
#184
○東(順)委員 今度は、主務大臣による調整制度のことについて伺いたいと思います。
 主務大臣は復旧工事の施行者から、さまざまな事由によって復旧工事の施行が困難である、あるいはまた不適当である、そういった旨の事由書が提出された場合に、この事由によっては復旧工事の施行が困難と認められない、こういうふうに判断したときには認可を受けるべきである旨の指示をされる、こういうふうになっていますね。この意味なんです。どのようなときにもう一回球が投げ返されるのか、具体的にどういったケースのときにこうなるのかということを伺いたいと思います。
#185
○土居政府委員 鉱害復旧事業においての権利調整の問題というのは、実態に応じていろいろなケースがございますので非常に難しいわけでございますが、基本的には、今御指摘がありました五。十六条の二の第四項の規定は、主務大臣からはこの工事の施行が困難ということで届け出があったけれども、通産大臣の判断によりまして、なお工事施行者による工事施行のための努力が不可能ではない、可能であると判断された場合には、もう一度その努力をお願いをするという規定でございまして、この具体的なケースについては、やはり実態に即して具体的にケース・バイ・ケースで判断をしていきたいというふうに考えております。
#186
○東(順)委員 例えば、客観的に見て復旧工事が現実にはしっかりできるのだけれども、ところが若干難しい事柄が起こってきそうなので、これはもう、ちょっと復旧工事の施行が難しいですよ、安易にそういう報告があったときに、それはもう一回しっかり検討して、できるじゃないか、やりなさい、こういう意味ですか。そういう意味なんですね。――わかりました。
 それとともに、今度はこの法律は、逆の意味ですね、例えば現地で施行業者と鉱害被害者との間なんかで少々の紛争事が、もめごとが起こったとしても、それはもう少々のことなんだから、その工事を少し無理すれば、ちょっと強制的にやればできるのだからやりなさい、こういうふうにもちょっとこの法案というのはとれるのですね。この辺はいかがでしょうか。
#187
○土居政府委員 第四項はそういう趣旨では全くございませんで、要するにこれは復旧の実施計画についての認可を受けて施行者が復旧をすべきであるということではございますけれども、その復旧の施行に当たっては当然関係者の利害の調整がなされ、円滑に復旧事業が施行されるということが当然前提になっておりますから、そこを無理して今の御趣旨のような方向で指導するといった性格のものではないというふうに考えております。
#188
○東(順)委員 わかりました。
 今度は、主務大臣から逆に通産大臣にもう工事
が無理ですということで来た場合に、通産大臣は復旧計画の変更によって当該事由を除去することができる、こうあります。この当該事由を除去することができる場合というこの意味、これは具体的な例示をぜひお示しをいただきたいと思います。
#189
○土居政府委員 御質問の第五十六条の二第六項で、主務大臣からそういう通知を受けた場合に基本計画を変更する規定があるわけでございますが、これを、具体的なケースとしてはこれはまた実態に応じていろいろなケースがあり得るわけでございますが、例えばの例示で申し上げますと、農地の復旧の場合に、ポンプによって水をくみ上げてそういう体制をつくることによって鉱害の復旧を行う場合があるわけでございますが、そういうやり方と農地自体をかさ上げしてやるというやり方があるわけでございますが、その辺が関係者の利害調整等々整わない場合に、例えばポンプによる方式からかさ上げによる方式に変更するとか、こういったことも一つの例になるんではないかというふうに考えております。
#190
○東(順)委員 それから「復旧基本計画を変更して、その通知に係る農地、農業用施設、公共施設又は家屋等を復旧の目的としないものとするときは、被害者の意向に十分配慮するよう努めるものとする。」このようにあります。この「被害者の意向に十分配慮する」という事柄はどうでしょうか。この具体的な例を挙げてお願いしたいと思います。
#191
○土居政府委員 復旧法の五十六条の二第七項でございますけれども、これは、基本計画の変更は被害者の利害に非常に大きく関係いたしますので、例えば一定期間さらに期間を置いて調整が整うのを待つとか、あるいは被害者の金銭補償についての意思を再度確認するとか、被害者の意向が十分復旧計画の変更等に反映するように配慮するという規定でございます。
#192
○東(順)委員 と申しますのも、これは現実段階になったときにさまざまに難しいケースを恐らく生み出すだろうというふうに思われます。
 私も例えば鉱害で被害を受けているところなんか何度か視察をさせていただいたり訪問させていただいたときに、本当に猫の額のような小さな地域に行っただけでも、例えば隣のうちは鉱害認定を受けているんだけれども、ここは何度申請してもなかなか認定が受けられない、ところが土地は陥没をしてきている、あるいは家屋はゆがんでしまって人が住めなくなってしまって、もう廃屋同然になっているというように、本当に小さな地域の中でもいろいろなケースが混在しているわけですね。それでまた、ここはお年寄り二人だけの老夫婦で、うちを鉱害復旧で直すよりもむしろ金銭がいただけるならばもらった形で生活していった方がいいというような意向をお示しになる御夫婦、家庭もあれば、いやもう絶対復旧していきたい、そのためには何度でも認定申請を出したいというように、千差万別なわけです。
 実際にこの法律が運用されて、十年間現実にさまざまに現場でそういう対応がなされたときに、「被害者の意向に十分配慮する」という短い一文がさまざまに難しい問題を恐らく引き起こすだろうということで、私は、具体的にこういうケースの場合はこうするああするというような、一つのマニュアル的なものを細かく用意をしなければとても難しいんではなかろうかと思ってこうやって細かく伺っておるわけでございます。
 きのうも参考人質疑で、被害者組合の連合会の会長さん、荒牧さんという方がおっしゃっておりましたけれども、まるで、それこそ長年月にわたってずっと鉱害問題に被害者の立場で取り組んできたけれども、現実は何度申請してもなかなか通らないでたらい回しの状況でずっと来ましたという状況をきのう述べられておりました。その話を聞きながら、まさにこの鉱害という問題は出口のない長いトンネルの中をずっといつまで歩いていったらいいのだろうかというような心境の中で、臨鉱法ができてもう四十年間今日まで来たのだろうなと思います。そこに私は一定の評価をするのです。例えば、こうやって金銭でもって対応するという道も今回は開けますよということで、これは非常に弾力性のある現実対応が出されたなということで評価をするわけですが、評価がまた同時にさらに新しい混乱を生むみたいなことにもなりかねないので、これは本当に難しいことだろうというように思います。したがって、現実の対応については客観性、公平性、そしてまた状況をよく認識した上での対応ということで、それを「被害者の意向に十分配慮する」という中にぜひ込めていただいて現実対応をお願いしたい、このように思うわけでございます。
 それから、第七十九条の四でございますけれども、復旧基本計画を変更して、農地、農業用施設、公共施設、家屋等を復旧の目的としないときは、主務大臣の定める金額を支払う、このようにされております。それは「主務省令、通商産業省令で定める算定基準に従い」、このようにあるわけでございますけれども、この省令の算定基準というものをぜひ明確に教えていただきたいと思います。
#193
○土居政府委員 算定基準につきましては、先ほど来御答弁いたしておりますように、復旧費とのバランスを考慮しながらも損失補償の考え方を基本にしてまいりたいというふうに考えております。さらには、現行の復旧不適制度等関係諸制度が鉱害対策についてございますので、そういった制度との整合性にも十分配慮して決めてまいりたいというふうに考えております。
#194
○東(順)委員 それじゃ、金銭で支払う道ができるということでございますけれども、この金銭支払い制度の基本的な考え方を重ねてもう一度確認をしておきたいと思います。どのような考え方でもってこの金銭支払い制度というものを運用されようとされるのか、この点について伺っておきたいと思います。
#195
○土居政府委員 今回の改正の趣旨は、関係者の権利関係の調整がなされない等の理由で復旧工事に着手できない案件について、いろいろ行政サイドの調整努力等必要な手続を追加して復旧促進を一層進めていこうということでございまして、これまで工事が進捗していなかった案件についてもかなり工事が速やかに進むのではないかというふうに期待しているわけでございます。
 一方、その復旧工事が進捗しない原因というのはいろいろございます。例えば被害者の都合で工事を望んでいないもの、これは先生から御指摘ございましたケースでございますが、そういったような場合には現行法では対応の道がなかったということでございますので、そういうメニューをふやすという観点から被害者への補償措置もとり得るよう現行制度の拡充を図ったものでございます。
#196
○東(順)委員 大変もうトラブっていて全然にっちもさっちもいかないからこれはもうお金で片づけてしまおうというようなことで、ともかくこの十年で終わらせなければいけないのだからということでこの金銭支払い制度みたいなことが出されてきたというふうになってしまうと、これはまた新しい混乱、火種みたいなものをそこに生むのではないか。また、過去に長い鉱害問題の歴史の中で社会的に問題になってくる不祥事みたいなこともあったわけで、じゃ、金銭支払いということでもってまたそこに何らかのそういう新しい要因が起こってきて、また新しい社会問題みたいなことに広がっていくという危険性というか、そういうことも考えられると思うわけでございます。
 そこで、こうこうこういう理由で金銭支払い制度を導入するんだよということをもっと丁寧に、もっと迫力を持って、きちっといろいろな方面を納得させる形で出されなければ、ちょっと大変なことになってしまうのじゃなかろうか。本当に本来この制度を出した趣旨をしっかり踏まえてそれが運用されるためにも、ぜひそういうきちんとした考え方ということをもう少し御丁寧に答えていただきたい、こういうふうに私は思うわけでございます。重ねてもう一度お願いいたします。
#197
○土居政府委員 今回の制度の趣旨は、先ほど来
御説明していますように、いろいろとその関係者の利害調整の過程で問題解決のメニューをふやして事態の解決を促進するという趣旨でございまして、先ほど来御指摘がありましたような、すべて金銭の支給で問題の解決を図っていく、そういうような性格のものではなくて、繰り返しになりますけれども、被害者の立場に立ってメニューを用意していく、そういうことでございます。したがいまして、その基準等につきましてはいろいろ今後の検討課題になっているものもございますけれども、例えば算定基準につきましては、先ほど申しましたように損失補償の考え方を基本としながらも、現行制度との整合性を十分配慮してきちっとしたものをつくっていきたいというふうに思っておりまして、これは被害者の意向に対して十分弾力的に配慮するということだけではございません。もちろん厳正に公平にやっていかなければいけない、社会問題などを惹起しないように対応していかなければいけないという問題もございますので、その点も十分気をつけて対応してまいりたいというふうに考えております。
#198
○東(順)委員 丁寧に御答弁いただきましてありがとうございました。
 新たな選択肢がふえてそこに窓口が広がって、そして本当にこの鉱害の問題で苦しんできた大勢の人がより公平にまた的確に救済されていく、こういうことであるというように受けとめました。
 それから、この問題等も含めまして、大臣ぜひお伺いしたいんですけれども、先ほど来から話が出ていますように、鉱害問題といっても、もう全国の八割近くが筑豊、福岡というところに集中しておるわけでございます。それでまた、これまでずっと長年の行政側の努力やいろいろなことでもって進んではきたのですけれども、この最後の十年になって実はすごく難しいケースがしっかり残っておるわけです。すごく難しいケースが残っであるがゆえに今のような金銭支払い制度というようなものまで導入して、何とかこの十年間で見事なソフトランディングを、いわゆる旧産炭地という、もうそういう呼び名で呼ばれないような地域に卒業できるように、何とかということでこの十年間取り組もうとしておるわけでございますけれども、鉱害問題の八割が集中しているようなこういう地域に、しかも最後の十年で、非常に大事でかつまた極めて難しい十年になると思います。過去の三十年ぐらいに匹敵するような重みがあるかもしれません。
 そういうところだけに、ぜひ渡部大臣、鉱害視察というような形で一度この筑豊に足を運んでいただけませんでしょうか。そして、その実情というものをぜひ視察をしていただいて、最後の十年のこの法律というものが効率よく、実効性を持ってきちっと進められていきますように、その大きなお力としてぜひ大臣に足を運んでいただければ。大臣が来られればそれはもういろいろなインパクトがあると思いますけれども、間違いなく着実に最後の十年の進展が見られるためにも、もうこれは悲願でございますが、いかがでしょうか。筑豊の方に足を運んでいただくわけにいきませんでしょうか。
#199
○渡部国務大臣 今先生から大変大事な問題をいろいろ質問され、また政府委員から答えておったわけでありますけれども、まさに先生おっしゃるとおり、これからの十年は極めて重要なときで、ここで立派にこの政策を実行するためには地域の皆さん方の積極的な御協力も賜らなければなりません。また、百聞は一見にしかず、これはまさに明言だと私は思いますので、ぜひ現地を視察し、この計画が立派に実現するように努力してまいりたいと思いますが、何分にも今、国会で足を縛られてしまっておりますので、この国会の日程が許されるようになったら、ぜひひとつ御趣旨に沿ってまいりたいと思います。
#200
○東(順)委員 ありがとうございます。ぜひ実現方をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正についてですけれども、まず、この目的変更の趣旨ということについて伺いたいと思います。
 というのも、閉山・合理化促進ということが逆に、逆にというか、さらにアクセルが踏まれるといいますか、加速されるのではなかろうかという危惧も持たれるわけでございますが、この辺の目的変更という趣旨について伺いたいと思います。
#201
○山本(貞)政府委員 現在の石炭鉱業合理化臨時措置法の目的におきましては、石炭鉱業の合理化と安定というのを掲げておるわけでございます。昨年の石炭鉱業審議会の答申でいただきました方向づけは、たびたび御説明申し上げておりますが、従来の石炭鉱業の合理化、安定という目的、それは従来以上にさらに力を入れるわけでございますが、それにプラスアルファして、石炭会社等の事業の新分野の開拓の促進というのを力を入れる。今申し上げました従来の石炭鉱業の合理化、安定ということと今の新分野の開拓の促進、この二つをあわせて石炭鉱業の構造調整の円滑な推進という、上位置念というか、より大きな目的を今度の新法でお願いしておるわけでございます。
 従来、需要減ありきという感じで石炭鉱業審議会で当該年度の生産数量を決めたりしてきたわけでございますが、私どもとしては、昨年の答申でも書かれておりますように、今後はむしろ生産側、供給サイドの方で自主的に方向を打ち出して、それに対して需要業界が協力をする、私ども資源エネルギー庁、通産省もそれに対して、石炭鉱業審議会の場を通じて、行政の場を通じて協力を求めていくという形で進めていくつもりでございます。今先生おっしゃいましたような閉山・合理化促進という趣旨、そういうことを人為的にというか意図的に進める、そういう趣旨は全くございません。
#202
○東(順)委員 次に、この構造調整の基本計画作成、それからまた、この基本計画に基づいての合理化実施計画を毎年作成、こうなっておりますけれども、それぞれ基本計画あるいは実施計画、この作成段階におきまして関係自治体、それからまた労働組合等が参加できるようになっているのかどうか、この辺はいかがでしょうか。
#203
○土居政府委員 これまでも、石炭鉱業合理化基本計画及び実施計画は関係自治体それから労働組合の代表を含みます関係者、それに有識者を加えました石炭鉱業審議会の意見を聞いて定められてきているわけでございまして、今後におきましても、石炭鉱業構造調整基本計画あるいは石炭鉱業の合理化実施計画につきましては、改正合理化法が成立しました暁には、その法律に基づきます石炭鉱業審議会の意見を聞いて定めることにしておりまして、そこで自治体及び労働組合の意向は十分計画に反映されるというふうに考えております。
#204
○東(順)委員 それでは、この基本計画に定めております事項として新分野の開拓、こうございます。この新分野というのはどのような定義になるのか、その範囲、その具体的内容について改めてお伺いしたいと思います。
#205
○土居政府委員 改正後の合理化法で用いられます新分野ということでございますけれども、これは、現在石炭会社が実施しております国内炭の生産、販売の事業以外の事業すべてを含むわけでございまして、全く新しい、新規の事業を行う場合だけではございませんで、現在既に営んでいる事業の、経営の多角化と言っておりますが、そういった事業の拡大も含めた広い概念で予定しておるところでございます。
#206
○東(順)委員 わかりました。
 それでは、「親会社と共同して、石炭会社、親会社又は関係事業者が実施する新分野の開拓についての計画を作成し」、このようにありますけれども、ここで言う関係事業者、この範囲について。
#207
○土居政府委員 今回は石炭会社の構造調整ということが直接的な目的ではございますけれども、石炭会社の親会社の事業もこの対象にしていく。さらには、その石炭会社、親会社が経営を実質的に支配しているような関係会社、これも具体的な対象に広げていくということでございまして、関係事業者についてもそういった観点で定義をさせていただきたいというふうに思っております。
#208
○東(順)委員 それから、細かく伺って大変恐縮なんですが、新分野開拓計画、これにはやはり労働組合との協議というもの、これは義務づけられるのでしょうか、どうでしょうか。
#209
○土居政府委員 新分野開拓計画、これは、石炭鉱業合理化臨時措置法は石炭企業の合理化あるいは構造調整、こういったものを対象にしているわけでございますので、基本的には経営者の経営判断に属する事項でございます。したがって、労働組合との協議を法律上義務づけることは予定していないわけでございますけれども、いずれにしても今回の答申前後から、構造調整を進めるに当たりましては労使一体となって取り組んでいくということが石炭鉱業審議会の場でも表明されておりまして、新分野事業の実施に当たっては労使間の話し合いは十分行われるものというふうに考えております。
#210
○東(順)委員 それから、この新分野開拓計画の労務に関する事項内容として、石炭労働者の雇用の割合とかあるいは雇用者の数、こういった数字のようなものは盛り込まれるのでしょうか。
#211
○土居政府委員 新分野開拓計画の記載事項といたしましては、新分野の開拓が炭鉱労働者の雇用の安定にどの程度資するものになるかという点についての判断材料が必要でございますので、新分野開拓によって雇用することが可能になる雇用者の数、これを記載してもらおうということで予定しております。
#212
○東(順)委員 それでは、通産大臣は、その新分野開拓計画が基本計画に照らして適当なものであること等の基準に適合すると認めるときはその承認をする、こうなっておりますけれども、この承認をする基準ですね、これを具体的にお示しいただければと思います。
#213
○土居政府委員 新分野開拓計画の承認基準につきましては法律の七条第三項に規定しているわけでございますけれども、三点ございまして、第一点は、構造調整基本計画に照らして適当なものであること。それから第二点は、石炭鉱業の合理化及び鉱山労働者の雇用の安定に資するものであること。第三点は、新分野の開拓を確実に実施するために適切なものであること、ということでございます。
 この構造調整基本計画に照らして適当であるものということでございますけれども、これにつきましては現在のところ、石炭関連技術その他経営支援を積極的に活用して我が国のエネルギー安定供給に寄与する、例えば海外炭の開発みたいな方向でございます。さらには、産炭地域の振興に寄与する、こういう国内の産炭地域を中心とした事業。さらには、将来の鉱山労働者の雇用の確保に資する等、石炭鉱業の合理化及び安定に寄与する、これは産炭地以外でも、そういった雇用の面から効果がある事業については要件に該当するものということで考えておりまして、それらをあわせて承認基準として検討しているところでございます。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
#214
○東(順)委員 では、炭鉱離職者臨時措置法の改正について伺いたいと思います。
 鉱業権者等の雇用安定措置についてでございますけれども、「職業の転換のために必要な教育訓練その他の措置の実施に努めなければならない。」このようにございます。「努めなければならない」ということですが、これは単なる努力目標あるいは努力義務ということなんでしょうか。あるいは何らかの担保というものが伴うのでしょうか。この辺はどうでしょうか。
#215
○征矢政府委員 改正法の第二条の二の鉱業権者等の雇用安定措置は、法律の規定といたしましては努力義務規定でございます。ただし、担保ということまで強いものかどうかということはございますけれども、それとあわせまして二条の三におきまして、新分野開拓を行う場合に雇用安定計画を作成していただいて、それを労働大臣が認定し、二条の四におきまして、その計画を実施いたしました段階でそれを確認した上で雇用安定助成金を支給する、こういうことで実効の確保を図っていく、こういう考え方でございます。したがいまして、法律的には二条の二から二条の四まで一連の対応策としてこの雇用安定措置を考えていくということでございます。
#216
○東(順)委員 第二条の五に「雇用安定計画に基づく教育訓練の円滑な実施に資するため、必要な職業訓練の迅速かつ効果的な実施について特別の措置を講ずるものとする。」こうなっております。この特別の措置ということについて、どういうことなのかお伺いしたいと思います。
#217
○岡山政府委員 お答え申し上げます。
 新分野の開拓につきましては、そこで働く人材の育成が非常に大事なことでございます。この人材の育成を図るために、炭鉱労働者の雇用安定助成金制度を活用するとともに、職業訓練の実施体制を整備していくことが大事なことでございます。
 そこで、今お尋ねございました特別な措置ということにつきましては、公共職業訓練施設につきまして、そこに入校いたします訓練時期であるとか、あるいは訓練の期間であるとか、あるいは訓練職種等につきましてそれぞれの状況に応じて弾力的に運用いたしまして、あるいはまた、専修学校とか各種学校とか、あるいは事業主等に訓練を委託するといったような委託訓練を活用するということで具体的なニーズに積極的に対応しようということで、今申し上げましたような措置を講ずるということを考えておるものでございます。
#218
○東(順)委員 先日、北海道の芦別に私、行かせていただきました。そのときに、働いていらっしゃる人たちの状況をいろいろ伺ったのですが、まず一つに、大変に高齢である、年齢が非常に高いですね。こういう人たちが本当に、転職をする、新しい仕事をする、こうなったときに、現実問題として、やはりすごく難しい問題があるみたいですね。
 一つは、要するにハードからソフトに職種がかわったり、そういう、職種そのものががらっとかわったときに果たしてついていけるのかというか、対応できるのかという危惧がすごくあります。ある意味では本当に肉体労働といいますか、そういう仕事を長い間ずっとやってこられた方が、急に職業訓練といってやっていっても、現実になかなか対応できないのではなかろうか。それからまた、職業訓練をする場が、例えば職業訓練学校なんかが近くにあればいいんですけれども、遠い場合は当然通うことができない。そうすると単身赴任みたいなことになるんだろうか。そのときの二重生活の生活費だとか、あるいは通うにしてもその交通費だとか。それからまた、一つの仕事に熟練するまでの期間で、若い人みたいにばあっと簡単に覚えられない。やはり、高年齢ですから相当長い期間を必要とするだろう。その期間の問題とか、現実的にいろいろとあると思います。
 それらにつきまして、この特別の措置というものが本当にニーズに応じての、科目であるとか訓練時期あるいは期間であるとか、どのくらいのメニューというものを考えておられるのか、現状に即して。そういったことがおありだったらお示しをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#219
○岡山政府委員 お答え申し上げます。
 やはり、今お尋ねございましたとおり、求職者、あるいは鉱業権者等におきましてどのような新分野を開拓していくのかといったようなこと、そういうものを十分勘案をいたしまして、それに応じた具体的な訓練ニーズを、適切な訓練ニーズを把握するということが大事でございますので、そのような訓練ニーズの把握に努めまして、それに対応いたしまして、既存の訓練校への積極的な受け入れだけではなくて、必要に応じて公民館の施設を借り上げるとか、そういうような形でいろんな施設を利用した速成訓練を考えるとか、あるいは先ほどお話し申し上げましたとおり、各種学校だとかあるいは事業主団体への訓練を委託するといったような多様な方法を考えて、効果的な訓練を実施していくようにしてまいりたいと考えて
おります。
#220
○東(順)委員 以上で質問を終わります。
#221
○中西(績)委員長代理 小沢和秋君。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
#222
○小沢(和)委員 初めに、本法案に対する我が党の基本的な考え方を一言申し上げておきたいと思います。
 本法案は、稼動中の炭鉱に対する対策から、鉱害対策、その財源対策等、本来八本もの法律改正を一本にまとめ、しかも日切れ法案として提出されております。このようなやり方では審議も十分できないし、法案に対する党としての正確な態度の表明も大変難しいわけであります。まず、法案の出し方について政府の反省を厳しく求めておきたいと思います。
 次に、法案の内容を見ますと、国内炭について最後の構造調整を行い、均衡点まで生産を縮小するという方針は、ここ数年ではたばたと国内炭をつぶすことになりかねない危険性をはらんでおります。部分的な改善は幾つかありますが、そのほかにも緊就事業の打ち切りなど容認できないものが含まれており、基本的には本法案は、十年間の施策継続というよりは、最終的な打ち切りを徐々に進めていくものだと言わざるを得ません。
 本日は時間もありませんので、鉱害問題に絞ってお尋ねをいたします。
 まず、大臣にお尋ねをいたします。
 未認定物件を今なお一万数千も抱え、認定しても企業の抵抗や関係者の利害調整の難しいケースがふえ、十年で復旧をやることは本当に大変だと思います。そういういろいろな困難を乗り越えて、必ず国の責任においてこの復旧をやり上げるという決意を、まず伺っておきたいと思います。
#223
○渡部国務大臣 平成四年度初の鉱害量は約三千七百億円と見込まれておりますが、累積鉱害の原因となった沈下鉱害は新規に生じないため、今後十年間内には累積鉱害を完全に解消し得る見込みであります。また、今回の改正法案では、鉱害処理の早期完了への強い要望があることを踏まえ、工事が進捗していない案件についての調整の仕組みを整備するなど、復旧を促進するための措置を新たに設けており、また、これ以外にも諸般の対策を講じておるところであります。今後の鉱害復旧に当たっては、これらの手段を活用しながら、法延長期間内の極力早い段階で全国各地の累積鉱害の処理を完了させるべく努めてまいる所存でございます。
#224
○小沢(和)委員 では、具体的にお尋ねをしたいと思うのですが、今も大臣は、鉱害残存量が三千七百億円ということを前提にして、十年以内にこれをやり上げるという決意を述べられたのですけれども、私は、この三千七百億自体が過小見積もりではないかということを今まで繰り返して言ってまいりました。今なお、一万数千件の認定申請の未処理があります。その分も見込んだ三千七百億だと言うんですけれども、私のところになどは最近でも、こんなひどい被害があるのに認定してもらえないという訴えがしばしば寄せられております。
 部長は、昨年三月十一日の本院予算委員会第六分科会で、我が党三浦議員の質問に対して、効用阻害があるということになりますれば大小にかかわらず認定してまいるというふうに答えておりますが、現実には相当大きな被害も認められておりません。部長の答弁の趣旨が忠実に守られていれば鉱害残存量ももっと大きくなるはずではないかというふうに私、思うのですが、いかがでしょうか。先ほどの答弁では、未処理件数が大幅に減ったというふうに言われましたが、この一年間に何件処理し、そのうち何件の鉱害認定をしたかということも、この機会にお尋ねしたいと思います。
#225
○土居政府委員 予算委員会分科会における御答弁でございますけれども、これは要するに石炭の鉱害につきましては基本的には鉱業権者が責任を持って賠償する体系になっておるけれども、その中で農地、公共施設、家屋等については国土保全あるいは民生安定という公共的な見地から取り上げて特別な措置を講じているものであるという前提で、今御指摘ありましたように、効用阻害があるということになれば、その効用阻害の認定基準を満たせばその範囲内において、効用阻害が大きいとか小さいとかにかかわらず、これは鉱害として認定をするということでございますが、当然その前提としては、効用阻害だけではなしに、鉱害との因果関係ということにもかかってくるわけでございます。(小沢(和)委員「それはわかっているよ」と呼ぶ)
 これはまことに申しわけありませんけれども、いろいろと実態上、被害と申しましても実際に石炭鉱害との直接因果関係がどの程度あるのかというのは非常に大きな問題でございます。確かに被害者の立場からすれば今ある実態についてすべて鉱害対策の中で復旧をしたいという御希望はお持ちだと思いますけれども、これはなかなか、石炭対策として石炭鉱害ということでやる場合には、そこでどうしても一線を引かなきゃいけないという問題が出てくるわけでございまして、そういった意味での鉱害との因果関係というところがあることを御了解をいただきたいと存じます。
 それから、認定の未処理の問題でございますけれども、御質問ございましたように、一万四千件一時あったわけでございますけれども、今年度は処理件数が四千件を超えておりまして、その中で認定件数は千七百件でございます。したがいまして、未処理件数はおおむね一万二千台になっておるということでございます。
#226
○小沢(和)委員 前回の法廷長のときに有資力の復旧がおくれていることが問題になり、その促進のための特別の融資制度も設けられたと記憶しております。しかし、この十年間を見ると、有資力の復旧は依然としておくれたままではないでしょうか。この点はいかがですか。
#227
○土居政府委員 有資力にかかわらず地元調整が難しい案件が残ってきておりますので、全体として復旧のおくれが出てきているのは事実でございます。
 有資力と無資力との関係につきましては、いわゆる石炭採掘を続けております有資力者が減ってきておるということから、実態的に鉱害処理について無資力のケースが非常にふえてきているということから、実際の実績を見てみますと、おっしゃるように有資力の処理の案件が減ってきているということは事実でありますけれども、有資力鉱害につきましてもそういった中で毎年一定の事業を続けておるということでございますし、今後とも、特にこの平成四年度以降につきましては、有資力鉱害につきましては石炭鉱業の構造調整の一環という側面もございますので、国としても必要な指導をしながら促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#228
○小沢(和)委員 私どもはいろいろ数字的につかむことはできないから、経験的に見て有資力の方がおくれているんではないか、このままではどうも危ないんではないかという感じを持っているわけです。国としては、有資力も含めて終わるということについて責任を負っていただかなければなりません。被害者にとっては有資力も無資力もないわけでありまして、国がそれぞれの企業に対して施業案の認可を与えた結果こういう被害が出ているわけですから、どちらも最終的には国が責任を持って復旧してほしいという気持ちだと思います。この要求にこたえるためには、私は有資力も含めて国が統一して復旧し、加害企業に費用を負担させる以外にないのじゃないかと思うのですが、なぜ今回の法改正でそこまで決断をしなかったのか、お尋ねをいたします。
#229
○土居政府委員 日本の石炭政策は、国の関与もあるわけでございますが、基本的には私企業体制で行われてきているところでございまして、有資力鉱害につきましては、鉱業権者が賠償のみで復旧は実現しないということで、国とか自治体の補助金、これをもらいながら有資力者が鉱害の復旧を行っていくという体系になっているわけでございまして、いずれにしてもこういう体制で平成四年度以降の累積鉱害の解消に努めてまいりたいというふうに考えております。
#230
○小沢(和)委員 先ほども話が出たんですが、加害企業の中には、復旧の負担を逃れよう、少なくとも先延ばししようとして、鉱害の認定がなされたものについていろいろ難癖をつけ、片っ端から裁判に持ち込んでいるところもあります。中には、裁定委員会から裁定が出されたものについても昭和五十三年から十数年も裁判で粘り、いまだに二百三十五戸も救済を受けられないままということになっているものもあります。この人たちは、裁定の段階からだと二十数年もかかっているわけです。裁判に訴えるのは企業の権利だなどと言わずに、国としてこれらの企業に、最後の十年で確実に鉱害復旧を終わらせるために前向きの態度をとるように説得する考えはありませんか。
#231
○土居政府委員 石炭鉱害につきましては、いずれにしても非常に難しい権利義務関係がございます。したがいまして、すべて一つの基準だとかあるいは国の指導で解決するわけではなくて、その中には裁定に行ったり、訴訟が提起されたりという事態になるのは、これはやむを得ないものではあるというふうに考えている次第でございます。
 ただ、いずれにしましても、昨日の石炭協会の会長の発言にもありましたように、石炭業界としても石炭鉱業の構造調整、九〇年代を最終段階として努力する、その中で石炭協会、有資力の石炭鉱業権者として抱えておる鉱害問題についてもこの構造調整の一環として九〇年代、この十年間に解決をするんだ、そういう努力の姿勢を示されております。したがいまして、こういう訴訟の問題等々もございますけれども、基本的には今後の問題として、そういう有資力の鉱害の処理もこの十年の中で完了ができるように国としては十分な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
#232
○小沢(和)委員 今の訴訟にどんどん持ち込んでいくというようなことを野放しにしておいたら、とても、その分だけでも十年間は全部はみ出してしまう。ぜひそういう努力をしていただきたいということをもう一遍申し上げておきます。
 次に、浅陥対策の基金についてお尋ねをいたします。
 今も毎年かなりの浅陥被害が発生しておりますが、平成三年度でどれくらいの件数、復旧費になっているのか、まずお尋ねします。
 それから、この浅陥が臨鉱法期限切れ後も長期に発生するものとして、来年度に十七億円基金を積み立てるのを手始めにして今後も積み増していくというわけですが、最終的には幾らの基金を造成するのか。関係者は、最近の浅陥の発生状況、復旧工事の規模を考えたら、十年間で百七十億ぐらい積み立ててその利子で対策をとるというような規模ではとても足りないというように心配をしておりますが、どうでしょうか。積算の基礎も示していただきたいと思います。
#233
○土居政府委員 浅陥の実績でございますけれども、これはちょっと質問通告がなかったので今手元に正確な数字は用意しておりませんが、毎年非常にばらつきがあると思いますが、過去の一番大きいケースでも、直近の一番大きいケースでも、非常に拡大解釈をして浅所陥没関係の類似の鉱害まで含めまして、全国ベースで四十億を超えることはないというふうに考えております。ただ、これは先ほど来御答弁していますように、今後浅所陥没については地下の掘削が終わりましてから年月が経過するに従いましてだんだんとまた安定をしてくるという要素がございますし、それから周辺地域の鉱害復旧によりまして反射的利益として浅所陥没もまた減ってくるという問題もございますので、その辺は地域の実態に即して、またこれは実際の基金の造成という段階に至っておりませんので、そういった実態に即して最終的に基金をどのぐらい積むのかということを決めていきたいと思っております。
 今先生お話がありましたように、来年度の予算では十七億円を計上しておりますけれども、これは十七掛ける十で十年間を予定しているということでは必ずしもございません。そういう実態に即した対応をしていこうということで、当面十七億円の予算を計上しておるということでございます。
#234
○小沢(和)委員 そうすると、百七十億よりは大きいというのですけれども、私は、かなり大きくなければこれはだめじゃないかということを、もう一遍その点は申し上げておきます。
 時間も少し詰まってきましたから、次にいきたいのですが、今回の改正で、難しい事件については国が復旧促進のため関係者に指導、助言、勧告を行い、それでもまとまらなければ最終的には金銭で解決する道が開かれました。しかし、これが即効性を発揮するかどうかという点は、私はどうも疑問も感ずるわけですけれども、どういうふうな成算をお持ちなのか。私たちも金銭で解決せざるを得ないというケースがあることは理解できますけれども、安易に金銭に流れるようになることも正しくないと思うのです。どういう基準で運用するのか。少なくとも被害者の意向に配慮するだけでは足りない、同意を得てというような考え方で運用すべきではないかと思いますが、いかがですか。
#235
○土居政府委員 復旧促進に係りますいろいろな権利調整の促進、それから事務の促進につきましては、関係行政機関、自治体の協力を得て、被害者の立場に立って一生懸命努力していくという趣旨でございますし、御指摘のありました金銭による補償の規定も、先ほど来御答弁しておりますように、いろいろとメニューとしてこういう制度を用意して、被害者の意向に即してこの対策を進めていくということでございまして、調整の可能性があるにもかかわらず調整が進まないまま金銭支払いの対象になるといった事態は想定はしてないところでございます。
#236
○小沢(和)委員 そうすると、確認しておきますけれども、今私に聞こえたのは、被害者の意向に即してというふうに聞いたのですけれども、私が被害者の同意を得てということで運用してもらいたいと言ったのと同じ趣旨だと理解していいですか。
#237
○土居政府委員 法律の規定上は「被害者の意向に十分配慮する」ということになっているわけでございますが、これは具体的なケースに即して、いろいろなケースはあると思います。被害者の御希望も被害者の立場に立った希望でございますので、それに対してむしろ行政のサイドから、客観的に考えるとこうでないでしょうかということで説得をさせていただくケースもあるかと存じますし、そういったことを踏まえながら、その中で被害者の御意向を十分尊重していく、そういうことであるかというふうに考えております。
#238
○小沢(和)委員 それでは最後の質問をいたしたいのですが、昨年も私が当委員会で取り上げました福岡県直方市植木の鉱害復旧の問題であります。鉱害と認定されながら二百三十一件もの被害が、国の復旧方法が決まらないために長年放置されて、中には被害家屋が倒壊するというような気の毒な状況も生まれております。この状態に怒った被害者たちが、昨年夏、一カ月以上にわたって九州通産局前に座り込みまして、私も立ち会って、一年以内にはめどをつけるということを約束して一応おさまっております。ところが、それから半年たった今ごろになって、政府が進めようとした工法に地元の水利権者の了解が得られないということから、根本的に見直しを迫られるというような事態になっております。一体、国はあと半年しか期限がないが、どうするつもりでしょうか。
#239
○土居政府委員 植木地区の家屋の鉱害復旧につきましては、六十年度に策定されましたいわゆるマスタープランに基づきまして、地元関係者の協力取りつけに努力してきたわけでございますが、今御指摘がありますように、ため池の水利権者の同意が得られないというようなことから復旧に着手できない状況でございまして、この点につきましては被害者救済という観点から早急に復旧に着手しなければならないというふうに考えておりまして、現在、地元関係者の協力取りつけを念頭に置いて、放水路の設置案、これはなかなかため池の水利権者の同意が得られないわけでございます
が、それにかわる代替工法について検討しているところでございます。
 現在の作業としては植木地区全体についての水理解析等の調査設計を行っております。この調査設計事業は、できればこの三月中にも終了させたいというふうに考えておりまして、その結果を踏まえてできるだけ早い時期に代替工法の検討作業を終了させて、地元関係者に代替案を提示したいというふうに考えております。
#240
○小沢(和)委員 これで終わりますけれども、今言った最後の案件、とにかく二百三十一件もの復旧をあなた方が認めたものが、自分たちの工法が決まらないために宙に浮いている。それで怒って座り込んだら、一年以内と期限を切って、今度はそれも半年たったところで工法がひっくり返って、もうこれはどうしてもあと半年のうちにはあなた方にはっきりけりをつけていただきたい、もう一度申し上げて、終わります。
#241
○佐藤委員長 これにて小沢君の質疑は終わりました。
 続きまして、高木義明君。
#242
○高木委員 私は、石炭対策関連法案につきまして、以下若干の御質問をいたします。
 これまでの八次策の総括をしながら、今回の法改正に当たりましては、石炭鉱業審議会の答申を十分に踏まえたものであり、構造調整を円滑に進めるものであると私は思っております。そういうことから、一部に先行きの不透明さとかあるいはまた不足する点も残るものもありますけれども、大筋におきましては妥当な措置ではないかと考えるものであります。
 お尋ねの第一は、重複はお許しをいただきまして、やはり基本でありますのでお答えをいただきたいのですが、政府は今後の石炭政策を総合的に推進するため、石炭関係八法について一括改正法により所要の改正を行うということで今回の法案の上程になっておりますけれども、これまでそれぞれの特殊性にかんがみて制定をされた法律がここで一つにまとまって改正をされるということにつきまして、その具体的な理由についてまずお示しをいただきたいと思います。
#243
○土居政府委員 今回、改正、延長等をお願いしております八法は、確かに先生おっしゃいますようにそれぞれ独立の法律であるわけでございますが、ただ、石炭対策の長い歴史の中で規定としてはいわばかなり形骸化するといいますか、使われてない規定もだんだんふえてまいりまして、今度改正いたします点というのは、法律はそれぞれ独立しておるわけでございますけれども、今度の改正点は表裏一体として、一体不可分の対策になっておるわけでございます。
 具体的に申しますと、例えば石炭鉱害対策につきましても、先ほど来御説明いたしておりますように、有資力の鉱業権者の鉱害復旧というのは、これは石炭鉱業自身の構造調整と一体不可分のものとしてこの十年内に仕上げていかなければいけないという性格のものでございますし、さらには炭鉱離職者臨時措置法につきましても、これは従来のような合理化の後の離職者の対策だけではなしに、むしろ今度の改正部分は新分野開拓事業についての合理化法の諸規定と裏腹の関係にあります規定でございまして、これはぜひそういう意味でも一体不可分のものとして御審議をいただきたいということでございますし、そういった対策の一体不可分性につきましては、昨年六月の答申におきましてもるる述べられておるところでございます。この点につきましては、立法当局にも予算要求段階からいろいろと御相談をしてきたという経緯もございまして、ぜひこの一括法で御審議をしていただきたいということでお願いをする次第でございます。
#244
○高木委員 これからもし法案が可決をされまして新しい年度に向かうとするならば、やはり今の経済環境、すなわち、これは経済企画庁が先月の二十五日に、我が国経済は、景気の減速感が広まっており、
 インフレなき持続可能な成長経路に移行する調整過程にある。
  政府は、内需を中心とするインフレなき持続
 可能な成長経路への円滑な移行を図るため、き
 め細かに経済運営に努めてきたところである
 が、引き続き内外の経済動向を注視し、適切か
 つ機動的な経済運営に努めることとする。総じてこういうことの報告がされておりますけれども、そこでこの景気対策については、これはもう言うまでもなく重要なことでございまして、的確な対応を私たちは望むところでありますが、しかしやはり、構造調整が進んでまいる、こういう時期には極めて環境的にも私は厳しいものがあるのではないかというふうに思っております。
 昨日、参考人の皆さん方の質疑の中でも特に私は印象に残ったのは、経営面においてもあるいは雇用面においても、地域の実態の面におきましても、いわゆる構造調整に入る前に、あらかじめの対策が十分になされた後にそういうものに移行することを強く望まれておりました。こういうことが強調されたのでございます。こういったあらかじめの対策の必要性、これについてどのように考えておられるのか、この点についてお聞きをいたします。
#245
○土居政府委員 今回、石炭鉱業審議会の答申によりまして、関係者のコンセンサスを得て石炭鉱業の構造調整の方向が打ち出されたわけでございますが、その前提としては、今御指摘ありましたように、石炭企業が労使一体となって構造調整を進めていくという意思が表明されたわけでございまして、その前提として事前のいろいろな地域振興対策、あるいは新分野開拓とか経営の多角化、さらには雇用対策、こういったものをいわゆるあらかじめ対策としていろいろやっていくんだ、これは企業自身の問題であると同時に政府の問題でもあるし、地方自治体の問題でもあるということで答申で指摘されておるところでございます。これは参考人の方々の意見にもありましたけれども、政府としても、そういった方向でこの事前対策については最大限の努力をしていきたいというふうに考えておりまして、今度の予算措置でもそういった意味での対策をいろいろと盛り込ませていただいているところでございます。
#246
○高木委員 今回の改正によりまして私は一層の構造調整が進展すると思っております。ただ、石炭産業は言うまでもなく地域の経済社会に重要な役割を果たしておりますし、構造調整に対応した地域振興対策が不可欠であります。
 現在、産炭地振興は過去の産炭地域振興計画により産業生活基盤等の面においてはかなりの進展が見られておると私は評価をします。しかし、そうはいっても、平成元年度ベースにおきましても、例えば有効求人倍率、全国一・三〇に対し全産炭地市町村の平均は〇・七五、また生活保護者数の千人当たり、全国八・九人に対して六条市町村では三七・四人、また財政力指数におきましては、全国〇・七五に対して六条市町村では〇・三七と、いまだに経済的、社会的疲弊の解消が十分でないと私は思っております用地域によってはいろいろ上がり下がりはありますけれども、私は今回の改正に当たってはこれらの点に十分着目をして、その解決に当たり効果があるようにすべきだと思っておりますが、この点についてどういうお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#247
○土居政府委員 産炭地域振興対策につきましては、昨年の法改正の審議のとき以来いろいろと議論があるわけでございますけれども、政府の立場といたしましては、産炭地全体としてはかなり回復基調にある、そういう見方をしておりまして、今御指摘になりましたように、確かに全国ベースで比較しますと数字は悪いわけでございますが、これはかなり一極集中とか中央と地方の関係も反映しているわけでございまして、全産炭地としては一定の成果を対策は上げつつある、そういう評価をしております。
 ただ、御指摘のように、いわゆる八次策影響地域、さらにはむしろこれから事前対策として必要な稼行炭鉱地域対策、こういったところは産炭地域対策としてもむしろ探掘りして対策をしていかなければいけない、そういう認識でございまし
て、これは産炭法の延長に伴います地域の見直しあるいは来年度予算についてそういう対策の傾斜がなされているところでございますし、かつ、そういう資金の重点配分といったことに加えまして、実際の実額の面でも、今度の石炭対策につきましては、今度の予算でお願いしていますように、特に産炭地対策については絶対額で大幅な増加をお願いしておるということでございまして、今御指摘がありましたように、景気の動向は非常に懸念されるところがございますけれども、産炭地対策としてはそういった形でかなり重点的な対策を用意させていただいているということでございます。
#248
○高木委員 産炭地域振興実施計画を実効あらしめるためには、例えばインフラ整備のための公共事業とか国が行う各種施策、こういったものを産炭地域においては優先的に進めていくことが地域活性化であり、その実施計画を実効あらしめる大きな要件だと私は思っておりますけれども、この点についてどうお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#249
○土居政府委員 産炭地域振興実施計画の中では、これは審議会の答申でも言われておりますし、さらにこれまでの国会審議でも何度も御指摘をいただいておりますけれども、実施計画の一番中核になりますのはインフラの整備、産業基盤の整備であるということでございまして、御指摘になりましたような道路、鉄道等の公共事業の整備といったことが産炭地対策の中では非常に大きな位置づけを占めておるということは政府としても認識しておるところでございまして、昨年の十二月にでき上がりました実施計画の今後の実行については、そういった観点から関係省庁とも協力してフォローをさせていただきたいと思っております。
#250
○高木委員 次に、石炭企業の経営多角化あるいは新分野開拓についてでありますけれども、これらの取り組みに対応していわゆる働く者の職業転換がスムーズに図られるような雇用対策の積極的な支援が必要であることは言うまでもございません。重ねてでございますが、この点についていかがお考えであるか、お伺いをいたします。
#251
○宮崎政府委員 炭鉱労働者の雇用問題に対しましては、石炭鉱業審議会の答申に基づきまして、今後とも、石炭鉱業の合理化に伴い離職を余儀なくされた炭鉱離職者に対しまして再就職に関する援護、その他の措置を引き続き講ずるほか、石炭企業の行う新分野の開拓に伴う炭鉱労働者の円滑な職業転換を支援する新たな措置を講ずることといたしております。
 また、この新たな措置といたしましては、具体的には、炭鉱労働者雇用安定助成金を創設し、雇用安定計画に基づき配置転換、職業訓練、出向、再就職あっせんの措置を講ずる鉱業権者に対しまして対象となる労働者の賃金の一部などを助成するとともに、炭鉱労働者の職業訓練の積極的な実施などを行うこととしております。
#252
○高木委員 今回の炭鉱離職者臨時措置法の改正におきまして、新分野の開拓に伴う炭鉱労働者の雇用安定措置として、鉱業権者等の新分野の開拓に当たっては炭鉱労働者の雇用の安定に努力することを義務づける、こういう規定が設けられておりますけれども、この規定の趣旨は一体何か、明らかにされたいと思います。
#253
○征矢政府委員 今回新たに行います雇用対策につきましては、鉱業権者等が積極的に新分野の開拓を行うなどによりまして新たな雇用の場を確保し、そこへ炭鉱労働者の配置転換等を行うことを援助するものでございますが、その前提といたしまして、炭鉱労働者を雇用する鉱業権者等が雇用主としての責務を自覚し、新分野開拓を行う場合にはその雇用する炭鉱労働者の雇用の安定を図るよう努力することが非常に大事なことでございます。
 このため、改正法二条の二におきまして、鉱業権者等に対して、その雇用する炭鉱労働者が新分野事業に従事することによりその雇用の安定が図られるよう職業転換訓練等の実施に努めることを求めたものでございまして、先ほども申し上げましたように、二条の三及び二条の四によりましてこの実効を確保すべく努力することといたしているところでございます。
#254
○高木委員 私どもは、我が国におけるエネルギーの自給率が極めて低い、こういう観点に立ちまして、これまで国内炭の存続は必要である、こういう訴えをしてまいりました。今回の答申を受けて、今後新しい石炭政策が進められようとしておりますが、なお引き続き安全と生産性の向上に配慮しつつ国内炭の生産は進められるわけでございます。そういう意味で、国内炭の展望そしてまた当面の国内炭存続のための具体策についてこの際お伺いをしておきたいと思います。
#255
○土居政府委員 国内炭、いわゆる我が国の石炭鉱業でございますけれども、答申でも指摘されてますように、経営の多角化、新分野開拓を図りつつ、均衡点まで国内炭の生産の段階的縮小を図っていく、そういう必要性が指摘されたわけでございますけれども、一方では、我が国のエネルギーセキュリティーあるいは石炭技術の海外展開、こういった観点から、国内炭についてはまだ評価すべき余地がある、そういう答申にもなっております。
 こういった認識に立ちまして、稼行炭鉱対策につきましても、現在の安定補給金制度を維持いたしますとともに、坑内骨格構造の整備拡充の補助金、保安関係の補助金の拡大等の充実を行いましたほか、国内炭鉱における石炭技術の向上を支援するためのいろいろな技術開発予算も計上しているところでございます。
#256
○高木委員 終わりになりますけれども、当面の国内炭存続を含めて、今後新しい石炭政策を進めるに当たりましての通産大臣の決意なり所見なりをこの際お伺いしてみたいと思います。
#257
○渡部国務大臣 お尋ねの今後の新しい石炭政策の基本的な考え方は、石炭鉱業審議会答申にあるとおり、九〇年代を構造調整の最終段階と位置づけ、均衡点までは経営多角化、新分野開拓を図りながら、国内炭の生産の段階的縮小を図ることとし、このような石炭鉱業の積極的な構造調整努力に対し、需要業界等が協力し、政府としても責任を持って対応していくというものでございます。
 通産省としては、このような基本的な考え方のもとに、今回の石炭関係諸法の改正法案を成立させていただき次第、構造調整対策、産炭地域振興対策などの諸施策を速やかに実施し、関係者に不安のないよう万全を期してまいる所存でございます。
#258
○高木委員 これで終わります。
#259
○佐藤委員長 これにて高木君の質疑は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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