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1992/03/06 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
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1992/03/06 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

#1
第123回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
平成四年三月六日(金曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 松永  光君
   理事 石井  一君 理事 石川 要三君
   理事 大島 理森君 理事 島村 宜伸君
   理事 野田  実君 理事 左近 正男君
   理事 佐藤 観樹君 理事 井上 義久君
      今津  寛君    奥田 幹生君
      奥野 誠亮君    佐藤謙一郎君
      中馬 弘毅君    戸塚 進也君
      深谷 隆司君    小林  守君
      田並 胤明君    堀  昌雄君
      堀込 征雄君    三野 優美君
      北側 一雄君    木島日出夫君
      川端 達夫君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 塩川正十郎君
 出席政府委員
        警察庁刑事局長 國松 孝次君
        自治政務次官  穂積 良行君
        自治省行政局選 吉田 弘正君
        挙部長
 委員外の出席者
        厚生省健康政策 伊原 正躬君
        局総務課長
        自治大臣官房審 中地  洌君
        議官
        自治省行政局選 谷合 靖夫君
        挙部選挙課長
        自治省業政局選 松尾 徹人君
        挙部管理課長
        自治省行政局選
        挙部政治資金課 大竹 邦実君
        長
        特別委員会第二 田中 宗孝君
        調査室長
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十七日
 辞任         補欠選任
  塩崎  潤君     金子原二郎君
三月二日
 辞任         補欠選任
  金子原二郎君     石川 要三君
同月六日
 理事塩崎潤君二月十七日委員辞任につき、その
 補欠として石川要三君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
二月十日
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一七
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一七
 号)
     ――――◇―――――
#2
○松永委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○松永委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に石川要三君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○松永委員長 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨の説明を聴取いたします。塩川自治大臣。
    ―――――――――――――
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
  律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○塩川国務大臣 ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与の改定、物価の変動等にかんがみまして、執行経費の基準を改定し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。
 次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である印刷費その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。第三は、参議院比例代表選出議員選挙における候補者氏名等掲示の経費の額について、候補者数が三百五十人以上の場合において、所要の額の加算を行おうとするものであります。
 以上が、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことを心からお願い申し上げます。ありがとうございました。
#6
○松永委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○松永委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀込征雄君。
#8
○堀込委員 ただいま御提案がございました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 ただいま御説明ございましたように、この法案は、国会議員の選挙等の選挙公営に関する部分、特に選挙管理委員会の事務の負担についてその経費の引き上げを人件費や物価の値上がりに即して行う、こういうものでございます。もう一つ、選挙運動に関する国費の負担部分、つまり、はがきあるいは政見放送、新聞広告、ビラ、ポスター、こういったぐいのものがあるわけでありますが、これは同様の考え方で引き上げを行う、こういうことでよろしいかと思いますけれども、まず確認をいただきたい。今提案ございました公営部分は全体として引き上げ幅がどのぐらいであるか、さらに今申し上げましたような選挙の公営に関する部分、はがき等の政令部分につきましてはどういう考え方でどの程度引き上げる考え方なのか、そしてまた特に、政見放送などについては総額どの程度引き上げていくという考え方を今この法律の提案とあわせてお持ちかどうか、まずお伺いをさせていただきます。
#9
○中地説明員 お答えいたします。
 本年執行予定の参議院議員通常選挙に必要な経費四百三十五億九千二百万円のうち、公営費は百六十四億三千九百万円でありまして、全体の約三七・七%となってございます。
 選挙運動用のビラの作成及び選挙運動用ポスターの作成の公営に係る限度額につきましては、最近における物価の変動にかんがみまして、それぞれの限度額を公職選挙法施行令の改正によりまして引き上げることと予定しておりますが、ビラの作成につきましては、一枚当たり基本単価を六円十八銭から六円六十一銭、七%増でございます。
 ポスター作成につきましては、企画費と印刷費の二つに分けて積算しておりまして、企画費につきましては二十万六千円から二十五万七千五百円に、二五%の増でございますが、印刷費につきましては、基本単価を四百三十二円六十銭から四百六十二円八十八銭、七%増に改定したいと考えているところでございます。
 それから、選挙放送の委託費についてでございますが、平成四年度の予算案におきましては三八・八%の増ということでお願いしてございます。
 以上でございます。
#10
○堀込委員 いずれにしても、今選挙については大変お金がかかる、それを何とかしなければいかぬ、そしてあわせて政治の腐敗を正していかなければならない、こういうことでそれぞれ各党あるいはこの委員会等々で議論されてまいったわけでありますけれども、そうした意味からできる限り公費の負担分野、これを拡大していくべきではないかというふうにも考えるわけであります。例えばはがきがございますが、はがきは公費で負担されているけれども、その印刷費などについてはそうではないという実態があるわけでございます。そういう意味で、今回の改正案の中で今まであった公費の負担部分については引き上げを提案されている。しかし、さらに公費の負担部分を拡大する、金のかからない選挙のためにそういうことを議論をし、あるいは経過としてそういうことを考慮したという経過はございますか。いかがでしょうか。
#11
○中地説明員 選挙の公営につきましては、ただいま御指摘のように、選挙公報の発行やポスター掲示場の設置など選挙管理委員会が行うものは額の改正を法案に織り込んでおりますし、また、ビラやポスターの作成に係る単価につきましては別途引き上げを予定させていただいているところでございますが、選挙公営を拡大するかどうかにつきましては引き続き検討させていただきたいというふうに考えてございます。
#12
○堀込委員 ぜひ選挙公営の公費部分を拡大していくことについても、これから前向きに取り組んでほしいというふうに思います。
 もう一つ質問させていただきますが、今度の改正で選挙に関する諸経費の引き上げ幅にかかわる根拠は大体説明でわかるわけであります。しかし、積算の根拠というのがどうもわからぬという点があるわけであります。例えば投票所経費が十一万三百円余りから十四万五千円余りに引き上げられた。これは費用弁償額だとか超過勤務手当だとか、賃金、旅費等がこの三年間でこれだけ上がった、こういうことを積算してそうなったという理屈はわかるわけであります。しかし、三年前はなぜそういう金額であったのか。それはその三年前からまた上げている、こういうことであります。例えば投票管理者あるいは立会人などの費用弁償額もなぜ八千三百円と六千八百円なのか、今の人件費水準から見て納得できない面もあるわけでありますが、この積算根拠というようなものはもともとおありなのでございますか。いかがでしょうか。
#13
○中地説明員 お答えいたします。
 選挙長等の費用弁償額を改定するに当たりましては、国の給与改定の伸びを勘案するとともに、地方公共団体における各種委員会の委員等の報酬額との並びを考慮して定めているところでございます。
#14
○堀込委員 例えばポスター掲示場費、これは第八条の二にございますけれども、今度の法案を見ますと大体おおむね千円ずつ引き上げになっているわけであります。これは労務賃なり物件費のアップを勘案したという説明でございます。ところが、これを実際に請け負ってやる地方の業者の皆さん、建設業の皆さんに市町村役場は大体お願いをする、こういうことになっておるのですけれども、この建設業の皆さんも実は今非常に人手不足でございまして、私も二、三、実態を聞いてみましたが、市役所や町村役場から頼まれるから仕方がない、日ごろ公共事業でも大変お世話になっておるので、余りありがたくない仕事だけれどもやっているのだというような声もあるわけであります。そうした意味で、こうした物件費の積算根拠というのは、例えば今ポスター掲示場費用では材料費だとか人件費だとか、あるいは設置費というようなものがあると思うのですが、直近のそういうものを計算をして積算をされている、こういうことでよろしゅうございますか。
#15
○中地説明員 御指摘のとおりでございまして、ポスター掲示場設置費の基本額は、設置に伴う製材費、製作費、設置等に要する経費について、候補者数に見合った規模と区、市及び町村の実情に応じ、ポスター掲示場の一カ所当たりの単価を定めているものでございます。今回のアップにつきましては、先ほども御指摘ございましたが、最近における物価の変動及び掲示設置にかかる労務賃の上昇に伴い、製材費等の積算単価を実情に即するよう引き上げることとしたものでございます。
#16
○堀込委員 そういうことでありますけれども、実態としてはかなり、余りこれはありがたくない仕事だという声もございます。ぜひまた市町村の皆さんと、よく御意見を聞いて検討いただきたいと思います。
 次に、こうした選挙公営の部分を含めて法定選挙費用についてお尋ねをいたしたいと思います。
 選挙運動費用の最高額を定めている、あるいは最高額を制限しているというのは、今日の民主政治のもとで金持ちの人だけが当選をしていくというようなことについては、その弊害をなくして本当に民主政治を実現しなければならない、したがって、これについては法的に制裁措置までとっているわけであります。これは選挙費用の収支の届け出の公開と相まって、今日の民主政治のもとでは大変重要な制度だ、こういうふうに私は思っているわけであります。ところが、この法定選挙費用が守られているかどうかということになると、私は極めて疑問だというふうに思わざるを得ないわけであります。現実は、ほとんどこの法定選挙費用で済むというような候補者、これは国政選挙に限らず少ないのではないかというふうに思うわけであります。選管に提出をする収支報告書だけは何とかつじつまを合わせているというのが実態ではないかというふうに考えますが、この点は政務次官、いかがでございましょうか、実態をどう見ていらっしゃいますか。
#17
○穂積政府委員 今お話しのように、実際の選挙運動費用が法的制限を超えているのではないかということは往々にして聞かれる話でございますが、実態がどうであるかということについては、私どもの立場としては、これは報告に即して理解するほかはないという立場でございまして、そういうことでありますが、私自身の経験からしましても、これは選挙運動の方法がいろいろと制限されておりますし、そういう中で法定の費用の中にとどめるべく努力をし、その実態を報告していると私自身については承知しております。
#18
○堀込委員 そこで、その前にお尋ねしておきたいことがございます。
 法定選挙費用は、制限額が、人数割額掛ける選挙人名簿数を議員定数で割ったものに固定額を足した、こういう金額になっておるのです。これは自治省の方でお答えいただきたいのですが、直近の衆議院選挙、平成二年ですか、これの法定選挙費用は全国平均で一体幾らであったのか、それから、実際の選挙収支報告の額は幾らであったのか、お答えいただきたいと思います。
#19
○中地説明員 お答えいたします。
 前回の総選挙におきます法定選挙費用は全国平均で約一千五百八十万円となっておりまして、収支報告書における支出額の平均は当選人に限って見ましても約一千百四十万円でございます。
#20
○堀込委員 千百四十万円当選、政務次官、これで選挙をやってきたというふうに、実態に近づけながらやっていらしたというふうにお答えでございましたが、そのうち、ビラ、ポスターはこの選挙費用の報告に、公営部分でございますけれども、含めることになっておりますね。これは全国平均で大体どのくらいかかっているでございましょうか。
#21
○中地説明員 平成二年の衆議院総選挙におきますビラの作成及びポスターの作成に要した費用につきましては、契約金額で見てみますと、候補者一人当たり、ビラで六十四万八千円、ポスターで百五万一千円、合計百六十九万九千円となっております。
#22
○堀込委員 今御説明がございましたように、この前の衆議院選挙で収支報告をいただいた選挙費用は千百四十万円であった。そのうち、公費負担部分として記入しなければならないビラ、ポスター代が百七十万円入っていた。つまり、私ども衆議院議員は平均一千万円弱で選挙をやってきた、こういう届け出になっているわけです。これは実態からかなり離れておるのではないかと思うのです。例えば、非常に大きな集会をやる人もございまして、私も選挙中見ていますが、五千人集会などを大きな会場を借りてやる。今の選挙法ですと交通費の支給なども許されることになっていますから、バスをチャーターして自分の選挙区の隅々から運んでくる。バス百台ぐらいで運びますと、一台十万円ぐらいかかりますから、これで一千万円は実際は飛んでしまうのですね。そういう実態があるわけでありまして、法定費用は簡単に超えてしまっている。そして、今の収支報告の実態も、つまり、衆議院議員が一千万円弱で実際に選挙をやっている、こういうことが今あらわれているわけでありますから、これはこの費用を守らせるかという問題と、実態に即して考え直すという二つの、金のかからないという方向での考え方が基本でございますけれども、そうした根本的な検討が要るのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#23
○中地説明員 先ほども申し上げたのでございますが、収支報告書における支出額は法定選挙費用を相当下回っているというのが私たちが把握しているものでございます。また、選挙運動方法も一定のものに限られているというようなことから、個々の実態を私たちは承知していないのでございますが、御指摘のような実態にはないのではないかとしか私自身としてはお答えできないことを御了承いただきたいと思います。
#24
○堀込委員 どう見ても、一千万円弱で衆議院選挙をやるというのはもう考えられないわけですね。ちょっと集会をやっても何百万円と要る実態でございますし、これはもう抜本的に考え直すべきではないか。しかも、法律ではこれに対して、出納責任者が法定選挙額を超えた場合は罰せられ、そして連座制まで規定されている大事な規定だというふうに思うわけであります。
 どうしてもこの法定費用で選挙をやるんだ、そういう金のかからない選挙の構造をつくるべきだ、あるいは実態に合わせた、実態をもう少し見て法定選挙費用というものを見直すとか方策が考えられなければならないというふうに思うのです。今、やはりこの法定費用を超えてもやった方が得だ、当選した方が得だというやり得の風潮を改めるべきではないか、こういうふうに思うわけであります。その辺はぜひひとつ、まあ今の答弁ではあれですね、もう実態がそうなっている、報告がそうなっているから私どもはそう思っているという、これは審議官の答弁としては僕はやむを得ないと思いますが、政務次官、いかがでございますか、ここはぜひ改める必要があるのではないかというふうに思いますが。
#25
○穂積政府委員 候補者本人及び選挙事務所の責めに帰すべき選挙費用につきましては、法定の費用として説明できる範囲内で処理すべきものは当然だと思いますが、その限度額について御指摘のような問題があると言われておりますので、その辺も含めましてその法定費用の限度額については引き続き事務当局も検討すべきものと思っております。
 なお、候補者本人及びその選挙事務所と並行して、支援者等がいわゆる勝手連や何やで特定候補者に支援のためのいろいろな活動をする、そういうような費用は別途でございまして、その辺の仕分けもひとつ考えるべきことではないかと思っております。
 いずれにしましても、これは堀込委員の御指摘もございますので、場合によっては与野党の例の協議会の場などで今後引き続き検討をいただくべきことじゃないかと存じます。
#26
○堀込委員 私が今、公職選挙法に基づく法定選挙費用が実態からかけ離れているのではないか、実際にはほとんど守られていないのではないかということを申し上げたのは、実は選挙費用もそういうことでございますが、政治団体の政治資金費用の報告届け出も現実に自治省に対して行われているわけでありますが、これも実はガラス張りに行われているのかどうかという点が私は問題だというふうに思うわけでございます。これは、今の選挙費用の報告が各候補者等によっていわば極めて作文的につくられている、あわせて政治団体の政治資金費用の収支の届け出報告も極めて作為的につくられて報告をされているのが実態ではないか、こういうふうに思うわけでありまして、ぜひ今の法定選挙額だけではなくして政治団体の方の政治資金につきましてもガラス張りのものにしていく方策を考えるべきではないか、こういう立場から質問をしたわけであります。
 そこで、今、共和、佐川事件いろいろございまして政治改革が議論されておるわけでありまして、宮澤総理も真剣になって取り組みを始めた、こういうふうに言われているわけであります。そこで、きょうは選挙部長いらっしゃらない、今いらっしゃらないようですが、審議官、どうでございましょうか。二月二十三日に総理官邸に自治省選挙部長は講師として招かれて、二泊三日の総理の講師をされた、こういうふうに報道されています。金のかからない選挙を実現するために、総理に対して自治省の立場としてどういうことを進言し、どういうことをレクチャーなさったのか、御説明をいただきたいと思います。
#27
○中地説明員 お答えいたします。
 選挙部長の話でございますが、総理には定数是正のこれまでの経緯や制度改革に関し、各方面から出されている意見等を中心にお話し申し上げたとのことでございました。
#28
○堀込委員 そこで、宮澤総理は政治改革二段階論というようなことで、当面すぐやること、特に政治腐敗の防止と政治資金の透明性の確保あるいは定数の是正などについて、これは直ちにやらなければいけない、そして本格的、抜本的政治改革については十一月をめどに努力をしていくのだ、こういうことをおっしゃっています。これは総理がそういうことをおっしゃっているわけでありますから自治大臣並びに政務次官もそういう立場だ、こういうふうに思いますが、そういうことでよろしゅうございますか。
#29
○穂積政府委員 堀込委員おっしゃいましたように、宮澤総理の御指示に則しまして、今自民党におきましては、政治改革本部を中心に十一月を目標としまして、改革の原則的方向から成る全体像を取りまとめるべく党内論議を進めているところでございます。お話のございましたように、宮澤総理の御意向としては、まず緊急に対処すべき課題として四点、定数是正、政治資金問題、政治倫理の問題、それから国会と党改革の問題につきまして三月中旬をめどに与野党の政治改革協議会の開催を呼びかけられるように早急に党の基本方針を取りまとめることとしたところでございます。私どもも、この四項目につきましては緊急に対処しなければならない問題と考えておりまして、今後党で煮詰められた方向を与野党の政治改革協議会でお話を申し上げ、各党間で十分御協議をいただいて、できる限り早期に具体的な結論が得られることを念願しているところでございます。
#30
○堀込委員 今四項目について当面すぐやる改革、こういうふうにおっしゃいました。まだ、私ども予算委員会の論議やあるいはさまざまな報道を聞いておっても、当面の改革とは何と何をやるのかという点が極めて不明確でございまして、なかなか理解できないのですね。宮澤総理は、例えば二十四日の予算委員会では焦眉の課題、こういう表現を使いまして、政治資金規正法の改正、それから政治倫理確立、さらに金の出を規制し、入りの透明性を確保する、こういう答弁もされておるわけであります。一体どの部分までをこの当面の改革というふうにおっしゃっているのか。そうすると、選挙制度改革だとか定数の抜本是正などはその十一月の抜本改革へ譲るということなのかどうか。今党の、自民党さんの方の協議会でいろいろ議論をされておるのでございましょうが、この点は総理からこの点までというような御指示はございますか。いかがでしょうか。
#31
○穂積政府委員 総理の御意向を踏まえまして党内で今せっかく議論を続けていただいているところでございます。総理は委員会等においていろいろお話をされておりますが、具体的にそれぞれの項目についてこうあってほしいということは、まずは党内の議論を見た上でということでございましょうか、そこは慎重な態度で発言をされていると承知しております。
#32
○堀込委員 党内の議論はわかりますけれども、総理が予算委員会で答弁をして政治資金規正法の改正を約束されているわけでありますから、やはり自治大臣としてもそれは受けて、この程度はやるべきだということは詰めていただきたいというふうに思うのです。
 そこで、総理が言った四項目の一つに定数是正問題があります。例えばこの間、一票の格差を二倍以内にする自民党さんの事務局案ですか、四百七十一にして一・八倍、四十七増八十八減あるいは十五増十六減案とか、四増四減はだめだとか、いろいろな議論がされています。これは一体どの範囲は抜本改革でどの範囲が緊急対応なのか、これはぜひ国民の前にはっきりする必要があるのではないか。一体、緊急対応の三月中旬までにどこまでが実行する枠に入るのか。それとも十一月までは定数の抜本是正というのはやらないで、十一月に去年廃案になりました小選挙区比例代表並立制なども含めて検討するという考え方なのか、この辺をぜひお答えをいただきたいのです。つまり、定数格差二倍以内というのは抜本改革で、これは宮澤総理の言う十一月物なのか、四増四減とか十五増十六減というのは緊急対応で三月物なのか、ここはぜひひとつ明らかに聞かせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#33
○穂積政府委員 定数是正の問題につきましては、御承知のとおり、国会決議もございまして、投票価値の格差是正の要請にこたえるということはまさに急務の問題であると考えております。ただ、その総定数をどこまで削減すれば抜本改正と言えるのか、あるいは選挙区間の一票の格差をどこまで縮小すれば抜本改正と言えるのかということに関しまして、ただいまのところ明確にお答えするところまで議論が煮詰まっていない面がございます。ここに石井委員がいらっしゃいますが、自民党の政治改革本部で定数是正についての議論を昨日も熱心に続けられております。いずれにしましても、国民の皆様の御納得が得られるように、また各党間の早期の合意が得られるような具体的結論を見出していくことが肝要であると思っておるところでございます。
#34
○堀込委員 要するに、国民の目からしますと、今抜本改革と言っているけれども、三月までに緊急的にやるんだ、ある程度やるんだというふうに言っていますけれども、一体何ができるのかということが非常に問題だと思います。
 定数是正は非常に論議のあるところでございますし、複雑な問題を抱えていますから譲りまして、それでは政治資金規正法の改正の問題について、これは総理も金の出を規制し入りの透明性を確保するとおっしゃっています。そして、この問題は改めて総理が言わなくても、去年の法律もそうですし、その前何年来にわたって自治省も、歴代の自治大臣初めおっしゃってきたことでございますから、当面どんなところに手をつけ、どんな改革をしようとしているのか、大枠ございましたら、自治大臣としての考え方がございましたら、ちょっと聞かしていただきたいと思います。
#35
○吉田(弘)政府委員 政治資金の問題でございます。
 政治資金をめぐる問題を解決するためには、やはり今までも言われておりますが、政治倫理の確立とあわせまして、現行の政治資金制度や選挙制度をめぐるさまざまな問題を解決し得る方策を見出すことが重要であると考えているわけでございます。
 この際、政治資金制度の改革につきまして、政治資金の出の規制という問題とか、あるいは透明性を高めるというようなことが重要と考えているわけでございます。しかしながら、事柄の性質上、これは今各党間でいろいろ御議論が進められているところでございます。そういうことで、今後政治改革協議会の場で各党で十分御協議をいただきまして、できるだけ早期に具体的な結論が得られることを私どもとしては念願としているわけでございまして、政府といたしましても、政治改革の実現が図られるように最大限の努力を払ってまいりたいと思っている次第でございます。
#36
○堀込委員 各党間の話し合いもわかりますが、去年、法律も政府案を出しているわけでありまして、政治資金規正法に対する考え方もある程度政府側として出しているわけでありますから、そういう考え方に沿って大いに行政側としても発言すべきはしていくべきではないかと思うのです。今国民はそこのところを求めているわけでありまして、例えば二月二十五日、塩崎元長官、鈴木元総理の証人、参考人喚問が行われました。いろいろございましたけれども、いずれにしても、塩崎さんは二千万円を受け取って、これは丸紅工作の御礼ではなくして自分の政治活動の応援の意味で受け取ったんだ、これは個人所得として判断をして修正申告をされた、こういうふうに証言をされていますし、鈴木元総理も入閣祝いのお祝いの意味で一千万円預かったけれども、これはお返ししました、この間に一年以上の日がたっているわけでありますが。つまり、借入金だとか預かり金だとか、こういう問題が今国民の目から見ますと、この一連の今度の予算委員会の経過を聞いても、これはやはり不明確だな、何とかしなきゃいけないのではないかという声が高まっていると思うのですね。
 ですから、入りの透明性、出の規制とおっしゃいますけれども、こうしたことを今度の予算委員会の論議をずっと聞いてみましても、きちんと当面の三月物の対策として僕はやるべきではないかと思うのですけれども、この面で政治資金規正法は各党協議はわかりますが、総理も入りの透明性とおっしゃっているのですから、少なくもこの点だけはやるんだということはございますでしょうか。それから、出る方につきましては、去年は六十万円のところで公開をするという法律もございましたが、私ども一万円以上の寄附については公開をしたらどうだというようなことも言っているわけでありまして、あるいはそのほか政治団体の数の規制だとか、一つにしてしまうとか、パーティー券を寄附金扱いするとか、いろいろな出る方の規制、入りの透明性というような問題もあるわけでありますけれども、これだけはやるというようなことは、自治大臣、ございませんか。今度のこの国会で、三月改革としてここだけはやるんだという点が政治資金規制の関係でございましたら決意のほどを聞かせてください。
#37
○塩川国務大臣 再三お答えしておると思うのでございますけれども、一連の政治改革につきましては、総理は同時に自由民主党総裁という立場と二つ持っておりまして、かねて党の方に実は四つの方針を示しております。その中で、とにかく国民の信頼を回復するのには、一番優先すべき問題は、やはり国民の権利の平等を図っていくという格差是正と、政治資金の規制についての透明度を高めるということ、この二つが優先するのではないか、こういうふうに優先順位をも言っておるわけでございます。そういう点から見ましても、私たちはぜひ政治資金の問題につきまして改正をいたしたいということを考えております。しかし、この問題は御承知のように、かつての国会におきまして三法案が廃案になりまして、政治改革協議会ができましたときのいきさつから見ましても、この政治改革の一連の問題は、各党速やかに合意を得るように努力するということになっております。したがいまして、あくまでも私たちの方は出過ぎたらいかぬと先ほど選挙部長も言っておりますように、現在政治協議会において議論をしようとされておるときでございますので、その中で私たちはどういう議論が提示されてくるか、それを待ってすぐに作業にかかれるように準備いたしたい、こう思っております。
 そこで、問題として考えられるのは、どうしてもやはり透明度を図るということだと思いまして、それは堀込さんの御質問の中にもございましたように、この前の国会でもある程度の透明度を出したじゃないか、これをもし各党間の合意を得られるならば、それはそのままの透明度として我々も法案として盛り込んでいきたい、こう思っております。
 それともう一つは、政治資金というものについての国民の認識を高めていただくために、政治資金とはどういうものであるかということ等を政治協議会において議論していただいて、その認識をやはり国民一般が持っていただくように同時に努めていきたい、こういうことを考えておるところであります。
#38
○堀込委員 今政治倫理の問題、そして政治資金の問題、御答弁ございましたが、大体野党各党の案は考え方が出そろっているわけでありまして、問題は、政府・自民党さんがどの分野に踏み込んで今の政治資金の透明性を確保することができるかという決断にかかっている。あるいは、きのうも政治倫理部会ですか、資産公開法の制定とかいろいろお決めになったようでありますが、これも、御努力はされたんでしょうけれども、不十分な面もあるわけでございまして、やはりここは総理、自治大臣の決断でこの今の政治の不信を払拭できるかどうかという岐路に立っているんではないか、こういうふうに思うわけでありまして、公開の原則に立って政治団体の規制だけはやるとか、あるいはその公開は、寄附の公開はここまではやるんだ、企業、団体の献金の禁止までいけばいいけれども、それは多分十一物だというふうにおっしゃるでしょう。ですから、そういうことを含めて、ここだけはやるということは、与野党協議はあるけれども、政府・与党としてここまでやるんだ、こういうことはぜひ明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#39
○塩川国務大臣 今は、その点につきまして残念ながら私は自治大臣としては、これはまだ申すべき段階ではないんでございます。おっしゃることはよくわかりますので、政治協議会が始まりますまでに自民党の案が固まってくると思っております。それを受けまして各党間の協議ができましたなら、それに対して我々は何の異議も差し挟みませんし、いたしますので、その合意を得たものをそのまま法案として出したい、こういうことでございます。
#40
○堀込委員 時間が参りました。終わりますけれども、各党間協議、そして党の方の協議は結構でございますけれども、ぜひ総理及び自治大臣は今の政治に対する国民の不信を踏まえて、強いリーダーシップでこの政治の資金の透明性だとかお金の透明性だとか、制度の改革に向かって御努力をぜひ賜りたいということを希望申し上げて、質問を終わります。
#41
○松永委員長 次に、北側一雄君。
#42
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。
 まず最初に、政治倫理の確立の問題でお聞きをしたいと思いますけれども、これまでのロッキード、リクルート、また今回の共和や佐川の一連の事件を通じまして常に私思いますことは、やはり大切なことは、国会みずからがこうした問題が起こったときに自浄作用を発揮できるような、そういうことが一番大切なんじゃないかと私はかねがね思っているわけなんです。国会議員がその職務に関してその公正さを疑わせるような行為をした場合、またはその公正さを疑わせるような行為をしたとして疑惑を持たれるような場合には、速やかに国会、院の自律作用、自浄作用として自主的に審査を行う、そして万が一そうした事実があると認められたり、また本人が疑惑解明に真摯にこたえようとしないというふうな場合には、院の判断として、院の自律性として、議員の辞職勧告なり登院停となり、何らかの措置をとれる、こうした国会みずからが制度的に自浄作用を発揮できるような仕組みをつくっていく、これが私は非常に大切なのじゃないかなというふうに思っておるのです。
 そうした趣旨から、御存じのように前の国会では四野党で政治倫理法案を提案さしてもらいました。その中では、常任委員会として院の中に政治倫理委員会を設けよ、そうした趣旨の法案でございますけれども、私はぜひこれを政府の方も、政府といいますか、与野党ともに検討すべきじゃないかなというふうに思うのでありますが、大臣いかがでございますか。
#43
○塩川国務大臣 これは確かに政治問題でございますので、各党間でぜひそのように持っていっていただきたいと思っております。
 現在もう政治倫理審査会というのがございまして、これの機能といたしまして先ほどおっしゃるようなことが含まれておるわけでございますので、これらが作動するように政治が決定していただきたい。これは行政の方から国会でこうやられるべきであるということはちょっと言いにくいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#44
○北側委員 今大臣がおっしゃった政治倫理審査会というのは、現実にはもう機能しておらないわけですね。やはり常任委員会として、ほかの常任委員会と同様な立場で、地位で、権威を持った政治倫理委員会というのを私は国会、院の中に設置をしていくべきじゃないかなというふうに思います。これは今大臣がおっしゃったように、政府の見解というんじゃなくて、大臣の個人的な見解で結構でございますので、私はこのような常設の常任委員会として政治倫理委員会を設けるべきである、いかがですか。
#45
○塩川国務大臣 実は私も党内におりましたときに、政治倫理審査会の設置等に関しまして、その関係した一人でございますが、そのとき感じましたのは、これは常任委員会とかいうものとはちょっとなじまないと思うんでございます。それよりももっと重いものとして、やはり議長が指揮権を振られる、采配を振られる、そのもとにおける審査会というふうなものの方が格式としても、あるいはまた政治家の倫理に対する認識からいいましても、私はその方がふさわしいんではないか。
 やはり院内におきますところの常任委員会は、これは先生も御存じのように、いわば政府あるいは議員が出してまいります法律案を主体とし、そこで政策を論議する委員会が多いと思うんです。政策委員会的なものが多い。その中で倫理というものは、私はもっとそれよりも崇高なものだろうと思っておりまして、そういう意味において私は先ほどのようなことを申しておるようなことでございまして、いわば常任委員会よりは格の高いというか、いわばグレードの違う委員会であるというふうにして位置づけるならば、政治倫理審査会のようなものをもっといわば開かれた、開かれたというのはえらいきざな言葉ですが、そういう審査会にやはりすべきだろう。今おっしゃるように機能しにくいような状態になっていますから、この委員の人数等についてもっと考えたらいいんではないか。それなんかは、あわせて今回開催されようとされておりますところの政治改革協議会の重要なテーマじゃないかなと思っております。
#46
○北側委員 非常に今大臣積極的な御答弁いただきまして、今ある政治倫理審査会をさらにもっと機能を拡大して、権威を高めたそういうものにしていくべきである、そういう御趣旨の御発言だと理解しております。ぜひそういうことで前向きに、これはもう与野党ともでございますけれども、積極的にぜひ今度の国会で実現をしていきたいと思いますので、ぜひ大臣の御助力もお願いしたいと思います。
 ところで、公民権停止の問題で少しお伺いをさせていただきたいと思うのですが、現行の公職選挙法の十一条にこの公民権停止の一般的な規定がございます。そこではこのような規定がございまして、「選挙権及び被選挙権を有しない者」ということで、「禁錮以上の刑に処せられその執行を終るまでの者」、実刑ですね、それと「禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)」とあるのですね。一般の刑法犯罪を犯した場合に、仮に起訴されても、有罪が確定しても、執行猶予つきの判決であるならば、これは公民権停止規定が働きません、現行の十一条では。ところが、この特則規定として二百五十二条で、一定の選挙犯罪の場合はこれをさらに厳しくいたしまして、起訴され、そして仮に執行猶予中の有罪であったにせよ、その執行猶予期間中は公民権が停止される、そのような規定になっているのです。
 要するに、公民権の停止という制裁については一般の刑法犯罪に比べて選挙犯罪が重くなっている。それはなぜかというと、選挙の公正さとか選挙の公明さを犯した者は公民権の停止という制裁についてはより厳しく制裁を受けるべきである、そのように考えているからこのような規定になっているのじゃないかなというように私は思うのです。
 同様に、刑法の百九十七条から百九十七条の四までの収賄の規定ですね、収賄罪、濱職罪。このような罪で有罪となってその裁判が確定した者は、これは公務の公正さを疑わしめた者であり、また公務への国民の信頼を大きく裏切ったというふうに言えるわけでございまして、一般の刑法犯罪より、先ほどと同じような趣旨で厳しく公民権の停止というのがなされてしかるべきなんじゃないか、公職選挙法の十一条というのを改正しまして、収賄罪で有罪となった者については執行猶予がついても選挙犯罪の場合と同様に、その執行猶予期間中公民権の停止をすべきじゃないかというふうに提案をいたしますが、いかがでしょうか。
#47
○吉田(弘)政府委員 公民権停止の問題でございますが、今お話がございましたように、公選法の十一条で選挙権、被選挙権の停止等について規定をしておりますが、御案内のように選挙犯罪と一般犯罪とは区別をしているわけでございまして、選挙犯罪については選挙の公正を阻害したということで、より重くしているというようなことはまさに御指摘のとおりでございます。
 そこで、選挙犯罪以外の一般犯罪につきまして、禁錮以上の刑であっても執行猶予中の者について現在公民権を失わせないことになっているわけでございますが、これはやはり選挙権及び被選挙権が国民の最も重要な基本的な権利の一つであるということにかんがみてこうなっていると考えますので、今御意見がありました点につきましては、そのような面についてどう考えるかということにかかっている問題と思います。これも政治改革でいろいろ御論議がございます、そういう中で各党でひとつ十分御協議を賜りたいと存じる次第でございます。
#48
○北側委員 なかなか政府の方からはこうした話はお答えのしにくい問題だというふうに思うのですけれども、大臣、少なくとも我々は選挙によって公職についた議員なわけですね。選挙犯罪を犯して汚れた選挙で公職についた場合は、あなた公民権停止をしますよという規定になっているわけなんです。それは執行猶予という判決がつこうが執行猶予期間中は公民権停止しますよというふうにやっているわけなんです。それと同じように、これは汚職によって今度は公職そのものを汚した場合なんですね。その場合を区別する理由は全くないと私は思うのです。やはり同じパラレルに、選挙犯罪の場合とこうした収賄罪、公職を汚した場合とは区別する理由はない、それがまた国民感情にも合致するのじゃないのかなというふうに思うのですけれども、大臣いかがですか。
#49
○塩川国務大臣 さっき吉田部長が答えておりますように、この公民権という中身を、やはり国民の重要な基本人権の一つのように組み込まれておると思うのです。ただし、選挙というルール、一番民主主義のルールを犯したから、だから民主主義の原則からいって人権を尊重すべき公民権というものにこれが及ぶんだ、こういう考えでなっておると思うのです。そうしますと、今お尋ねのように例えば収賄罪であるとか、そうすると背任罪もそんなことになるのか、いろいろな類推が起こってくると思うのです。しかし、対向的な犯罪としての収賄罪だけに絞るんだとおっしゃる、そういう意味だろうと思いますけれども、私はこの類縁は非常に広がるのではないかなと思うたりします。そういたしますと、人権というものをどの程度まで認めていくのかという、民主主義は極度に人権を尊重しておる、その人権の裏づけになる一つは公民権でございますから、そういう点では非常に重要な基本問題になってくると思いますが、そういうことはやはり一度議論されても値打ちはありますね、する必要はあるだろうと思いますが、我々のところではその議論はなかなか難しいが、刑法審査会ですか審議会ですか、法務省の中にございますね、ああいうところなんかで一回議論してもらってもいい問題ではないかなと思うたりしますけれども。
#50
○北側委員 今おっしゃった背任罪とかと収賄罪とは全然質が違うわけです。私がなぜ収賄罪だけを一般刑法犯罪の中で取り上げて言っているかといいますと、それはやはり公職、公の地位、立場、そういうものを汚した、また国民の信頼を裏切った、そういうところに着目をしているわけなんです。収賄罪というのはだれでもできる犯罪じゃなくて、これは公務員でなければできないわけなんですから、そういう公務の公正さを犯したというふうな場合には選挙犯罪と同じように考えて、やはり有罪となったわけですから、執行猶予つきであれ禁錮以上の有罪となった場合には公民権停止をすべきである、これは今のこうした一連の政治改革が叫ばれているこのときにぜひ実現をしたいというふうに思っている次第でございます。またぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 次に、選挙犯罪に対する連座制の強化の問題についてお聞きをしたいのですが、昨年政府の方から提案がございました政治改革三法案の中の公職選挙法の改正法案の中には、この選挙犯罪に対する連座制の強化について規定がございました。例えば秘書を連座制の対象者として含めるとか、また候補者となろうとする者の秘書または親族についても連座制を拡張する、こうしたことをやって、さらに候補者本人の立候補制限という制裁を設ける、こうした連座制の拡張についての法案内容でございました。それで、この連座制の問題についても、やはり今回の一連の政治改革の中の重要な柱として改めて検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#51
○吉田(弘)政府委員 お話ございましたように、百二十一国会に政府が提出をいたしました三法案の中には、連座制の強化等選挙の腐敗行為に対する制裁の強化策が盛り込まれていたわけでございます。連座制の対象者を広げるとか立候補制限を課するとか裁判の迅速化を図るというような内容であったわけでございます。
 いずれにいたしましても、あの三法案は御承知のような経緯で審議未了、廃案となったわけでございます。今、引き続いて各党間で政治改革協議会も設けられてこの議論がされているわけでございますが、そういう中で、御指摘の選挙の腐敗行為に対する制裁の一環として、この連座制の強化や当選人に係る刑事裁判の迅速化等につきまして十分検討をされなければならない課題であろうかと存じております。この問題につきましては、申しましたように、今各党間で協議がされることになっておりますので、そこで十分協議をしていただきまして、具体的な結論を出していただけるように私どもとしても念願をしている次第でございます。
#52
○北側委員 大臣、いかがですかね、この連座制の強化というのも、やはり今回の一連の政治改革をなすべきこうした時期に当たって、改めて検討し直すべきである、強化していくべきであると考えますけれども、大臣のお考え、いかがですか。
#53
○塩川国務大臣 これは、私はお気持ちはよくわかりますけれども、やはり検討すべき問題が相当広範にあるんではないかと思うんです。といいますのは、これを強化するということ、私は強化に何も反対するものじゃありません、やってもいいんだと思いますけれども、しかし、これが一方から言うと、悪用されてきた場合、どないにもこれまた処置のしにくい問題になってくると思うのですね。つまり、相手方、選挙というものは敵、味方の間で行われるものでありますから、この制度をまた悪用して活用するとかということになってきた場合もこれは困る。ですから、そういう公平さをどうして期するかということが連座制の一番中心問題ではないかなと私思います。
 それと、やはり候補者たる者の責任の自覚の範囲の問題だと思いますが、しかし、これはこの政治協議会の検討の中に入っているんじゃないかな。もし政治協議会が開催されるとするならば、この問題は必ず議論に出てくる問題だろうと思っておりまして、それに対応するものとして、もし、その政治協議会等から自治省に対しまして意見を聞くというようなことがあれば、私は正式に御意見を申したり、提出したい、こう思っております。
#54
○北側委員 いずれにしましても、昨年の法案の中に入っている制度でございますので、それよりも後退するようなことがないようにしていかないといけないんじゃないかというふうに考えております。
 それで、ここでちょっと、きょう私選挙権行使の機会の保障の問題について二、三質問をさせていただきたいと思うのですけれども、選挙権というのは当然国民の最も重要な権利の一つでございます。選挙権行使の機会を可能な限り保障していくということは、もう民主主義の当然の要請でございます。今の公職選挙法では、選挙人は選挙当日みずから投票所に行って、そして選挙人名簿と照合の上投票する。何か難しい言葉では投票当日投票所投票主義というふうに言うらしいのですけれども、ただ、一方で、不在者投票の例外ですね。選挙当日さまざまなやむを得ない事情で投票所に行けないような人が現実にいる、そうした人に対して別に何らかの方法を定めて選挙権行使の機会を広く保障をしていく、不在者投票制度というのはそうした趣旨で認められているものであるというふうに思っておるのですけれども、この不在者投票制度の中で、幾つかお聞かせ願いたいと思うのです。
 まず、病院での不在者投票ですね。不在者投票のできる指定病院、また指定老人ホーム、これについては現行法は公職選挙法の四十九条一項三号で、歩行が著しく困難であるような場合を規定していまして、そして、さらに施行令五十五条二項二号で、都道府県の選管が指定する病院、老人ホームというふうに政令では規定してあるんですね。それで、選管が指定する基準というのは一体何なのか、まずこれを御答弁をお願いいたします。
#55
○吉田(弘)政府委員 指定病院あるいは指定老人ホームでの不在者投票の問題でございます。
 御指摘ございましたように、不在者投票ができる指定病院とか指定老人ホームについての指定基準というものを示しているわけでございますが、この基準を設けておりますのは、先生おっしゃったように、この不在者投票は一方では選挙人に対して投票の機会を十分に保障する、その便宜を与えるというような要請があるわけでございますが、他方、やはり不在者投票は例外的な投票方法でございます。特に選挙管理委員会のもとでなくて指定病院なり指定老人ホームというところでやるということは、さらにそのまた例外的な取り扱いになりますものですから、そういうことで選挙の自由、公正というものが阻害されてはいけないというような要請も片方にあるわけでございます。その両方の要請をも調和しながら基準を設けているということになるわけでございますが、そういう中でその選挙の自由、公正を保障し、確保しようということから、一定、相当規模の施設についてこれを指定するということになっているところでございます。そういう意味でやや慎重にならざるを得ないということでございます。
#56
○北側委員 具体的にどういう基準かというのはおっしゃっていただけますか。
#57
○吉田(弘)政府委員 具体的基準は収容定員が五十名以上ということで、その程度の規模のものを指定するということになっております。
#58
○北側委員 これ、どうして、これはもう法律にも政令の中にも五十という数字はどこにも書いてないのですね。これは自治省の指導、通知で五十人以上の病床を持つ、また老人ホームについても何様ですね。どうしてこれ、五十という数字にしないといけないのか。これが私にはちょっと理解できないのです。病院、これは医療法で言う病院というのは二十人以上なんですよ。実際問題、そういう小さな病院というのはたくさんあるわけなんですね。やはり選挙権行使の機会を広く保障していくという趣旨からは、この五十という数字が果たして妥当なのかどうか。
 実を言うと今おっしゃった五十という数字の指導は昭和二十五年にされておるのです。もう四十年余りこの五十という数字でずっと来ているわけです。都道府県の選管はこの五十という数字で指定するかどうかの判断をしていくというふうになっておるわけなんですね。これはちょっと検討をし直していただいてもいいんじゃないか。やはり広く選挙権行使の機会を保障していくという趣旨からは五十に限定する必要はないというふうに私は考えますが、いかがですか。
#59
○吉田(弘)政府委員 指定基準の見直しについてのお話かと思いますが、先ほども申しましたけれども、選挙権行使を保障するということは非常に重要なことであることは御指摘のとおりでございます。しかし、一方、選挙の公正さを確保するということもこれまた重要な要素であるわけでございます。
 それで、不在者投票につきましては、過去いろいろな問題も生じた事例もあるわけでございまして、そこの不在者投票に不正が混入してはいけないというようなことからこういう基準を設けているわけでございまして、なかなかこれを今の段階ですぐに基準を引き下げということになりますと、私どもとして果たして大丈夫かなというようなこともございまして、やはり一定の規模、施設を有するということによってその自由、公正さを確保していこうということでございますので、ひとつ御理解を賜りたいと存じます。
#60
○北側委員 余り時間がないのでくどくやりませんけれども、今おっしゃっている趣旨だったらどうして五十なんだということなんですね。選挙の公正さを保つという意味だったら、別に五十でなくても構わないわけですよ。そこはもっと柔軟に考えていくべきじゃないか。昭和二十五年に出された自治省の指導を、いまだに都道府県選管はそれを基準にして判断しているわけです。実際、五十人以下の病院でも十分そういう選挙権行使をやらしてもいい病院は幾らでもあるはずです。
#61
○吉田(弘)政府委員 個々個別に判定するといっても非常に難しいわけでございまして、外形的な基準にしてやらざるを得ない。それは一つにはある程度の規模によって、管理能力の問題もございますし、また投票の秘密を確保するという意味での投票をする場所の確保というような問題もございまして、そういうものを外形的な基準によるとするとやはり人数によらざるを得ないということで、それが五十人程度なら大丈夫だろうということで今組み立てているわけでございます。
#62
○北側委員 よくわかりません。なぜ五十という数字なのかがよくわからない。四十年以上これでやっているわけですよ。ぜひこれはちょっと検討し直してもらえませんか。現実に小さな病院があるわけです。小さな病院に入院されている方がたくさんおられるわけです。そういう患者さんが投票できない、これは問題ですよ。できるだけ広く考えていくのが当然のことだと私は思います。五十人という数である必要はないと思います。
 次に、これは同じような問題なんですけれども、寝たきり老人の方々の投票権行使をいかに確保していくかという問題なんです。これはかねがねこの委員会でも議論されておるわけなんですけれども、寝たきり老人の実態というのは、約七十万人近く全国でおられるんじゃないかというふうに言われておるのです。こういう寝たきり老人の選挙権行使を保障するための対策、これはかねがねこの委員会で何度も何度も議論をされてきている。また現場の選管からも、全国市区選管連合会からも、自治省に対してこの寝たきり老人に対する選挙権行使を確保するようにという要請が出ているわけです。なぜ選管から出ているかといいましたら、現場の選管は選挙があったときにさまざまな苦情があるわけです。自分のところのおじいちゃん、おばあちゃん、ちょっと寝たきりなんだけれども何か選挙する方法はありませんか、そういう問い合わせが常にあるから、現場の選管も自治省に対して何とか法改正して寝たきり老人に対する選挙権行使の保障をしてもらいたいという要請を現実にしておる。これは何度も議論されているわけです。もう実際これから高齢化社会になってきます。現実に寝たきり老人というのはふえておるわけです。そういう中で寝たきり老人の方々の選挙権行使を保障する対策を私は前向きに検討していただきたいとお願いする次第でございます。いかがですか。
#63
○吉田(弘)政府委員 郵便投票等によって寝たきり老人まで対象を拡大してやったらどうかという御提案かと存じますが、こういう御意見につきましては、これまたしばしば確かにそういう御意見が提起をされているわけでございます。しかし、これも非常に消極的なことを言って申しわけない面もあるのですが、さっきも申し上げましたように、不在者投票につきましては過去にもいろいろ悪用されたという例もあるものでございますから、そういうことを考えながら、選挙の公正さをぜひ確保したいという見地も一方にありまして、そういう中で一定の方々については郵便投票を認めるというような仕組みになっているわけでございます。
 そこで、御指摘のいわゆる寝たきり老人につきましては、これは御案内のように制度上統一的な基準がございませんので、全国的に均一に取り扱いをすることが可能かどうか、さらには公的な証明方法があるのかどうか、それをどうするのかというようなことにつきまして投票の公正確保の観点から問題がありまして、なお検討を続けでまいりたいと考えている次第でございます。
#64
○北側委員 私、これまでの議事録なんかも幾つか見させていただいたんですよ。全然答弁が昔から変わってないわけなんですよ。現実には寝たきり老人の数というのはふえている。現場の選管からも要請がある。本当に自治省は本気になって選挙権行使の機会を保障していこうという気があるのかどうか、私は疑問でございます。今各自治体の市町村、現場に行きましたら、政府の方のゴールドプランというのが今開始になりまして、こういう高齢者福祉というものに対して非常に積極的に市町村が動き始めております。各市町村は、どこに寝たきり老人がおられるのかというのもかなり掌握が進んでいるわけなんですよ。私の地元なんかでは、寝たきり老人の方を掌握して、そういう方々にお見舞い金なんかも助成をしている。そうした現場に行けばしっかり掌握がなされているわけでございまして、そこには何らかの基準というのが当然出てくるんじゃないかと私は思うのです。これはぜひ前向きに検討していただきたい案件だなというふうに思っております。
 大臣、いかがですか、この寝たきり老人の問題は。私は、こういう方々にも広く選挙権行使の保障をしていくようにしないといけないし、そういう制度づくりを自治省でも検討してもらいたい。今まで何度も議論されたことですので、ぜひこの機会にお願いしたいと思うのです。いかがですか。
#65
○塩川国務大臣 要望があったということはお聞きしておきますが、なかなか難しい。長年にわたって検討してきたことでございますが、しかし、なお要望があったということは記憶しておきたいと思います。
#66
○北側委員 次に、今大臣のお手元にちょっと資料をお持ちしたんですけれども、これはどういう資料かというと、海外におられる在留邦人の数の調査表なんです。大臣、これはごらんになったらわかるとおり、飛躍的に海外在留邦人の数というのがふえておるわけなんです。
 この表はどういう表かというと、一つは長期滞在者というのは三カ月以上の長期滞在者、それからもう二つが永住者。平成二年ですと、三カ月以上の長期滞在者が三十七万四千人余りおられるのですね。また、永住者の方、長期滞在者じゃなくて永住意思があって永住資格を取ったような永住者の方は二十四万六千百三十人おられる。合計で六十二万人余りですね。この在留邦人というのが年々ふえている。特に三カ月以上の長期滞在者、恐らくビジネス等で長期滞在しないといけないという方だと思いますけれども、大半はそうだと思いますけれども、こういう長期滞在者が毎年のようにふえている。最近は毎年三万ずつふえているのですね。
 こういう中で、在留邦人に対する選挙権行使の保障をどうしていくのか。これについては、かつて政府の方から法案が出ているのですね。廃案になった法案でございますけれども、昭和五十九年の百一国会提出の公職選挙法一部改正法案、国外に居住する日本国民について選挙権行使の機会を保障するため在外選挙制度の創設を内容とする法案、これが提出されておったんですけれども、昭和六十一年に廃案となっている。前の廃案となった法案の内容は別としまして、私はこういう非常に国際化が進んでいる時代の中で、何らかの在外選挙制度の創設を趣旨とするような制度をやはりもう一度検討する時期がそろそろ来ているのじゃないのかな、また、一度政府からも提案がなされた経験もあるわけでございますので、これをぜひ検討していただきたいと思うのです。これからますます海外への長期滞在者というのは増加することはもう明らかでございますので、この対策を検討していただきたいと思いますけれども、いかがですか。
#67
○吉田(弘)政府委員 在外に滞在しておられる邦人の方々の選挙権行使に関する問題でございまして、その行使の道を開くということで御要請があるわけでございます。この問題につきましては、御承知のように、今もお話がございましたけれども、かつて在外選挙に関する法律案、公職選挙法の一部改正でございますが、そういう法律案を第百一国会に政府として提案をしたわけでございますが、国会におきましては実質的な審議がなされぬままに継続審議ということが続けられまして、百五国会におきまして衆議院が解散されまして廃案となったところでございます。
 この間、国会での御審議はなかったわけでございますが、しかし各方面からさまざまな御意見や問題点の指摘がなされたわけでございます。例えば、特に在外の方々に対して選挙が実施されることや、その立候補者の方々の氏名や政見をどのようにして周知徹底するのかというような問題が非常に大きかったと思います。それから投票の仕組みとして、在外に住んでいる方々が在外公館に来ていただいてそこで投票するという仕組みになっておりましたけれども、そこの在外公館から遠隔地に住んでおられる方々に対する投票をどうするんだというような問題点の指摘もいただいたところでございます。これらの問題につきましては、今後関係省庁とも協議の上、さらに検討を重ねていきたいと考えておるところでございます。
#68
○北側委員 だから私、今三つ提案したわけなんですね。一つは選挙のできる指定病院それから指定老人ホーム、この基準を広くしてください、それから二番目に、寝たきり老人についても選挙権行使の機会が確保されるように、そういう制度を考えてください、三番目に、今申し上げたように、在留邦人の方が非常に飛躍的にふえている中で、在留邦人の方にも選挙権行使ができるような方途を考えてください、この三点提案をさせていただきました。ぜひこれから御検討をお願いしたいというふうに思います。
 最後に一問だけ質問させていただきます。
 これは大臣にぜひお答え願いたいのですが、在留外国人の地方参政権の問題でございます。大臣は地元も大阪でございまして、この辺の事情は一番よくおわかりだと私は思っているのですけれども、特に在日韓国・朝鮮人の方々、大臣には言うまでもない話ですけれども、戦前からの日本の朝鮮半島に対する植民地支配、日本への強制連行、そして戦後の一九五二年のサンフランシスコ条約で一方的に日本国籍の喪失、また、今戦後日本で生まれた在日の方というのが七割以上そういうような状況になっているのですね。日本で生まれて教育されて日本で定住して、また日本でしか生活手段を持たない、終戦直前、五十年前に日本に来られた方が、仮に二十代で来られたとしても今もう七十代になっておるわけですね。七十代ということは、もう自分の子供じゃなくて孫が成人する年齢なわけですよ、来られた方のお孫さんが成人する年齢。四世代目も生まれてきている、そういう状況なんですね。私は、日本人に準じた法的地位を与えるのは当然だと思います。昨年成立した入管特例法、それから現在審議されております外国人登録法の改正法案、こうした趣旨に沿うものであるというふうに思うのですね。
 こういう日本の永住資格を取得している外国人に一定の要件のもとで地方参政権を与えるべきかどうか、これは今すぐ結論が出る問題じゃないことはよくわかっておるのですが、これは本当に検討していかなければいけない問題じゃないかと思うのですね。特に在日の方々にとっては、これからも四世代、五世代、六世代と、本当に日本で定住しながら、日本で生活手段を持っている、外見的には日本人と全く同じような人がこれからもずっと続く。その中のかなりの部分の方が、自分はこれからも帰化しないで韓国籍でありたい、朝鮮籍でありたいと思っている人はたくさんいる、こういった現状はずっと続くわけですね。この中で、少なくとも地方参政権について何らかの検討をしないといけないのじゃないのかなと私は思っておるのですが、これは今すぐどうこうというものじゃございません。こういうことを、国民の御意見また識者の御意見なども参考にしながらぜひ検討を開始してもらいたいと私は思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#69
○塩川国務大臣 この問題は、外交問題としても非常に重要な案件となっております。したがいまして、今申し出、御意見のございましたことは十分に承っておきたいと思っております。
#70
○北側委員 ありがとうございました。
#71
○松永委員長 次に、小林守君。
#72
○小林(守)委員 社会党の小林守でございます。
 今回提案されております国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、これにつきましては、最近における公務員の給与改定や賃金及び物価の変動等の事情を考えて、国会議員の選挙等の執行経費について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの基準を改定するというものでありまして、また、三年ごとに改定をするというような慣例もあるわけでありまして、この法案自体について異議があるわけではございません。しかし、きょう公選特の中で初めてせっかくの時間をいただいたものですから、問題の枠を広げて、特に国会とそれから地方議会を通して、選挙等の執行経費の基準について、選挙の公営化を拡大していくという観点からお伺いしたいと思いますし、もう一つは、もちろん今国民の最大の関心事となっております政治と金、選挙と金にかかわる政治腐敗の問題について、いかにして国民の政治不信や政治家不信を払拭していくのか、そういう観点から議論を深めてみたいと考えているところでございます。質問の予定順序が変更になりまして、北側委員の方から、私も考えておった質問が十分に触れられておったようなところもございますので、予定を若干変更いたして進めていきたいと思いますが、要は公営の拡大という観点を中心に進めてみたいと思っています。
 金のかからない、金をかけない選挙というようなものをつくっていくためには、それに違反する者に対する厳罰主義、これが大事だろうと思います。それと同時に、負担の公平というか負担の平準化というか、そういうものも必要であろう、そのように考えているところでございます。特に、昨年の統一自治体選挙等を見ますると、首長選挙並びに地方議会の議員の選挙等でも、無投票の当選というか、投票をしないで選挙が終わるというような自治体がかなり多くなってきていることを考えますと、それはもちろんいろいろとあろうかとは思いますが、その理由の一つには金がかかるという問題が一つの大きな障害になっているのではないか。それからもう一つは、議員報酬で、議員専業では食っていけない、何らかの副業がない限りやっていけないという実態もあるのではないかと思います。ですから、積極的に議員に出ていこうという方は何らかのメリットのある職業の方とかそういう階層の方が非常に多くなっているのではないか、そんなことも考えますと、国民の政治への積極的な参加、参政権というものを保障していく意味ではやはり金のかからない選挙制度、そして負担の公平化、そういうものが必要であろうという観点で選挙の公営化が極めて大事だ、そのように考えているところであります。
 それで、細かいことになりますけれどもお伺いしていきたいと思いますのは、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の第三条には一号から十三号までこの基準の種目が設定されているわけでありますけれども、細かくは申しませんけれども、今回の法律改正で取り扱われていますのは一号から七号まで、そして八号から十一号は抜けております。そして十二号、十三号さらに第十四条関係、十五条関係、十七条関係、そういうことになっておりまして、先ほど申したように選挙の公営拡大という観点から注目しますと、先ほど申しました法の三条の一項の八号から十一号がどうなっているのか、お聞きしていきたいと思っているわけであります。
 その八号と申しますのは新聞広告の公営費ということであります。それから九号が選挙運動用自動車使用公営費であります。十号がビラ作成公営費。十一号がポスター作成公営費。この四つがこの法案の中には出てこないわけであります。調べてみますると、これについては法第十一条で「自治大臣が定める。」というふうになっているわけでありますので、これらについてどのように定められることになるのか、お伺いをしたいと思いますし、あわせて、その経費の支出の仕方についてはどのように実態として行われているのか。例えば投票所経費ということになるならば、また開票所経費ということになるならば国が地方自治体の選挙管理委員会に交付をして、そこの選挙管理委員会の管理のもとに支払いが一切行われるということなわけですけれども、しかし、この八号から十一号までの経費については候補者陣営に係る費用でありますから、直接そういう形ではされていないのではないかというふうに思いますけれども、その辺を踏まえて、この「自治大臣が定める。」という中身、それから経費の支出の仕方について実態としてどうなっているのか、お答えをいただきたいと思います。
#73
○吉田(弘)政府委員 選挙公営、特に新公営の関係が中心かと思いますが、お話してございます。法律上、それぞれの単価等については自治大臣が定めるような格好になっておりまして、政令で単価を定めたりということで、公選法の施行令の改正等も予定をいたしておるわけでございます。
 そこで、新聞広告とかそれから選挙運動用自動車、ビラ作成あるいはポスター作成に係る選挙公営の経費について、どういう仕組みでどうなるんだというお尋ねでございますが、これは、候補者と契約を結んだ新聞社でございますとかあるいは運送事業者あるいはビラ、ポスターの作成業者からの請求に基づきまして、都道府県から限度額の範囲内で事業者に対して直接支払いが行われるというような仕組みになっているわけでございます。
#74
○小林(守)委員 自治大臣が定めるその内容については、改定の内容は額的にそれぞれ細かく教えていただく必要はないかと思いますが、アップ率なんかについてはどうなっているのでしょうか。
#75
○吉田(弘)政府委員 ビラの作成につきましては、一枚当たりの基本単価を六円十八銭から六円六十一銭にする予定でございますので七%アップということでございます。ポスター作成につきましては企画費と印刷費の二つに分けて積算をいたしておりますが、企画費を二十万六千円から二十五万七千五百円ということで二五%アップ、印刷費につきましては、基本単価を四百三十二円六十銭から四百六十二円八十八銭で七%アップに改定をいたしたいと考えているところでございます。
#76
○小林(守)委員 それでは、基本的にこの法案の経費の改定並みにアップはされているというようなことでありますから了解いたしました。
 それで、次にお伺いしたいと思いますのは、この選挙の公営という観点から見た場合に、この中にもありませんし、また第三条の中にもとらえられていないのですけれども、選挙事務所の設置という問題について、なぜこの経費の種目に入っていないのか、これについてお伺いしたいと思います。
#77
○吉田(弘)政府委員 選挙事務所の設置に関する公営でございますが、公営については逐次拡張をしてきていることは先生御承知のとおりでございます。特に新公営ということで、選挙運動に関するビラでございますとかポスターあるいは選挙自動車の経費につきましても公営を導入しているということがあるわけでございますが、それらに比べまして、選挙事務所の設置につきましては、態様、言ってみればその大きさでございますとか、あるいは借り上げをするのかプレハブ等でおつくりになるのか、あるいは自己のものをお使いになるのかというようなこと等、その態様がさまざまであると考えられまして、公営の検討に当たりましては、その合理的、一般的な基準をどのように考えたらよいのかというような点につきまして、なおこれは研究をさせていただきたいと考えている次第でございます。
#78
○小林(守)委員 今大きさとか実際に借り上げをするのか自分のものでつくるのか、いろいろと態様が違うというようなことで合理的、一般的な基準が定めにくいというようなことを理由として挙げられておったわけでありますが、例えばそういう理由であるならば、似たような例として選挙運動用自動車なんかも、大きさももちろん違います、それから借り上げをするのか自分の車を使うのか、そういうことでも違いがあると思うのですね。そういうことですから、自動車の場合は一定の枠はあると思うのですけれども、選挙事務所といえどもやはり一定の枠というか、これはそれほどの態様の大きな違いというのはないのではないかと思うのですね。しかし中身は違うと思いますよ。例えばレストラン的にやるとか飲食店的にやるとかいろいろあろうかと思いますけれども、実際に選挙事務所の大きさ等についてはそんなに態様の違いというのは考えられないのではないかと思います。自動車の例なんかを考えた場合も、合理的、一般的な基準というものがある程度この選挙事務所についても考えられるのではないか、そんなふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#79
○吉田(弘)政府委員 自動車との比較で今お話がございましたが、自動車は御承知のように一台に限って、一定の型式等についても制約があるわけでございまして、これは標準的なものが算出しやすいということでございまして、一方選挙事務所につきましては、設置費、運営費等につきましてさまざまでございます。収支報告なんかを見させていただきましても、その態様が随分ばらつきもあるようでございまして、一律にこれが標準だというのをなかなか出しにくいということで合理的な基準が設けられるかどうかという問題が実はあるわけでございます。
#80
○小林(守)委員 やはり選挙に金をかけないというか、そういう観点からするならば、ある一定の基準を議員の合意のもとにやはりつくっていくということが大事なのではないか、そんなふうに思います。
 それから、今お話ししたように車は一台に限りということなんですが、実は選挙事務所についても、申し上げるまでもなく公職選挙法で百三十条から百三十四条について、その設置については基本的に規定されているわけでありますから、法的な枠組みはあるわけですね。ただ、その大きさとかそれから借用にするのか自分でつくるのかとか、そういう態様の違いがあるということでありますけれども、何か理由にならないのではないのかな、この範囲でどうだろう、議員のそれぞれの、例えば選挙事務所の実態等を総合平均的に見ていった場合に、一定の平準化ができるのではないか、金をかけないということであるならば、この範囲でやってくださいというような法定的な枠を決めていくというようなことの方がむしろいいのではないか。これを態様がいろいろ違うからというところの中に、やはり選挙に金がかかるという、金がある人はどんどんかけたくなるのだろうと思いますけれども、そういう態様も出てくるのではないか。そんなふうに思いますと、選挙の公営の拡大という観点からも一定の基準なり一般的、合理的な基準を設定していく、これは政府自身が決めるというのはなかなか難しいかとは思いますが、もちろん議員同士の与野党の協議会の中でも一定の論議の中で結論を見出していくということが可能なのではないか、そんなふうに思いますけれども、いかがですか。
#81
○吉田(弘)政府委員 これは過去公営を広げてきたときに、新公営について自動車、ポスター、ビラということにしたわけでございます。そのときにもいろいろ議論があったかと存じます。借り上げの問題にいたしましても、実は地域差というものがかなり借り上げ料なんかについても事務所の場合にはあるのだろうと思います。自動車なんかはどこの地域で借りてもそれほど差はないのでございましょうが、そういう問題も選挙事務所についてはあるのではないかというふうにも思われますし、なおよく研究をさせていただきたいと存じます。
#82
○小林(守)委員 先ほど堀込委員の方からも触れましたけれども、法定選挙費用の中では積算基礎の中に選挙事務所の設置費と運営にかかわるような通信費とかいろいろなものも含まれて収支報告書には報告するような仕組みになっている、そういう項目が設定されているわけですよ。そういうことを考えますと、先ほど法定選挙費用の実態の問題は出ましたけれども、実際に報告された中身を見ていくならば、やはり一定の合理的、一般的な基準なり最大公約数的なものはできるのではないかというふうに思うわけですけれども、いかがですか。
#83
○吉田(弘)政府委員 御指摘ございましたように、法定選挙費用につきましては人数割額と固定額ということから成っておりまして、その積算の基礎には選挙事務所に要する費用というものも含まれていることは事実でございます。また収支報告につきまして、家屋費を選挙事務所費と集合会場費とに区分して報告していただくことになっておりますが、その金額を全部見ているわけでございますが、一部を見ましてもやはりさまざまでございます。例えば栃木一区のところで申し上げますと、最低は六十八万三千円ぐらいから、最高は三百七十六万五千円というようなばらつきが相当あるわけでございます。このような数値を見ますと、直ちに合理的、一般的な基準を出すというのはなかなか難しいのではないかと考えまして、なおよく研究をさせていただきたいと思うわけでございます。
#84
○小林(守)委員 確かに、今実態的な数字のばらつきがあるというお話がありましたけれども、例えばもう一度さかのぼって考えますと、昭和二十五年に公選法が施行された。もちろん、その当時施行令も設定されたわけでありまして、そのときに当然法定選挙費用の限度額というのもつくられたのだと思いますね。それで、その法定限度額を定めた昭和二十五年時点の数値がどういうことだったのかは調べるのはなかなか大変だろうとは思います。しかし、その当時選挙事務所費としてやはり法定選挙費用の積算基礎に幾らという形での枠をとったのではないか、額を決めたのではないか、そんなふうに当然予想されるわけです。なぜかといえば、決算報告書にもきちっとそういう項目が位置づけられているということでありますし、法定選挙費用というのをこういう形だという形にするために、ただ何となくつかみ金でこのくらいだろうという形で決めたはずはないのだと思うのですよ。ですから、昭和二十五年時点で恐らく選挙事務所費用として法定選挙費用の中で位置づけられたはずだと思うのですよ。それを四十年ぐらいたつ間で、物価上昇率とかいろいろな計算の仕方で、現在では先ほど堀込委員がお聞きした答弁の中で、これは衆議院の直近の選挙の全国平均が一千五百八十万だというふうになっておるわけでありますが、昭和二十五年時点でもさかのぼるならば、その中で選挙事務所費用は幾らだというふうな形での法定限度額としては決められていたのではないかというふうに思うのですが、いかがですか、それは。
#85
○吉田(弘)政府委員 御指摘のように、法定選挙費用につきましては一応その標準的なモデルを考えまして、そういう中で積算をしておりますので、事務所費が幾らとか演説会場費は幾らとかあるいは印刷費は幾らかというような格好で積算をされるということでございます。そういうことでございますが、選挙事務所の問題につきましては、ほかの、例えばポスターの印刷費とかあるいは車の借り上げとかビラの印刷という非常に一義的にわかりやすい単価というのがなかなか決めにくいという点があることはひとつ御理解をいただきたいと思うのです。選挙事務所の態様というのは候補者の方々によりましてそれぞれ態様が大分違っているようでございますので、そういう点があることはひとつ御理解いただきたいと思います。
#86
○小林(守)委員 今後の予野党協議会の中で、当然これは議員同士の中で検討すべきだとは思いますけれども、政府としまして選挙公営の拡大という対象として検討課題というような認識でいられるのかどうか、その点についていかがですか。
#87
○吉田(弘)政府委員 公営の問題につきましては、いろいろ御要望の向きはあることは私ども十分承知しておりますが、またそれにはそれで、今申し上げたように今の公営についてはかなヅ拡充をされてきているという面もありますので、なお今後よくそこらを踏まえながら研究をさせていただきたいということでございます。
#88
○小林(守)委員 それでは次の質問に移りたいと思いますが、私は、国会議員選挙等に準じて地方団体の選挙についても公営化すべきであるという考え方を持っているわけでありますけれども、特に通常はがきにつきまして質問をしたいと思うのです。
 御存じのように、はがきについては衆議院と参議院の選挙区について、それから知事については枚数を決めて、そして無料で、公営になっているわけです、比例区は関係ないわけですけれども。しかしそのほかの、地方議会の県会議員とか指定都市を含む市長や町村長さらには市町村議員、これらの選挙につきましては枚数の制限を示して、有料であるというような規定になっているわけであります。これについて、どのような経過で地方議会の議員やそれから市町村長については有料なのか、この辺について、これは見解というんですか、お示しいただきたいと思います。
#89
○吉田(弘)政府委員 選挙公営が国の選挙あるいは都道府県知事あるいは都道府県議会さらには市町村長、市町村議員、それぞれ違うではないかというようなお話ございました。これは、特にはがきについて例を引かれまして御指摘がございました。この選挙公営というものは、選挙運動の態様が選挙の種類によりましてかなり違ってくる。選挙の期間でございますとか、あるいは選挙すべき定数の問題でございますとか、あるいは選挙区の有権者数とか選挙区の広狭、広い、狭いというような問題、さまざまな問題がありまして、それとの関係で選挙運動の態様も違いますので、それを踏まえながら、どういうものを選挙運動として位置づけ、公営としてどういうものを公費を負担すべきかということで決まってくるものだろうと考えております。そういう中で、はがきについては、今御指摘がありましたようなことで公営がそれぞれ国については行われていること、地方については国とは同一になっていないというような点があるわけでございます。
#90
○小林(守)委員 これはちょっと地方自治権の問題にもかかわるような気がするのですが、はがき以外の、自動車使用とかビラ、ポスター、新聞広告、政見放送等については都道府県議会の議員や指定都市の市長や議員、指定都市以外の市長や議員、町村長や町議会議員については有料とも無料とも触れていないのですね。ところが、このはがきだけについては有料であるというふうに触れているのですが、この公選法の百四十二条の第三項で指定されております。要は、県会議員以下の、以下と言っていいかどうかわかりませんが、下級機関の選挙については有料であるというのがぴしっと入っているのですね。これは何か地方自治体の裁量権を侵しているのではないか。有料にしたり無料にするのは地方自治体の裁量ではないのかなというふうに基本的に思うのですが、その辺について自治省の方の考え方というか意見をお聞きしたいと思います。
#91
○吉田(弘)政府委員 有料にすることが地方自治に対する侵害がということになりますと、本来、選挙につきましては、国の選挙は国の事務ということになるわけでございますが、地方の選挙については地方の事務ということになるわけでございまして、地方がそれぞれお決めになるということで、そういう中で公営の道を開くか開かないかというのは、これはひとつ、さっき申し上げました選挙の態様等を踏まえまして、どの程度まで公費で負担すればいいのかということについては、そういう観点から、財政面も考慮しながら決まってくるということでございまして、どういうものについて公営を設け、どういうものに公営を設けなかったかによって、それが直ちに地方団体の自治権を縛るということになるとは考えていないわけでございます。
#92
○小林(守)委員 わからないでもないのですけれども、ただ、地方自治体が、例えば、一番選挙の公営化で望んでいるのはやはりはがき、少なくともこれについては無料で規定の数だけは出してもらえないかというようなことがあろうかと思います。そのほかに、もちろん自動車とかビラ、ポスター、新聞広告あたりまででしょうかね、政見放送となりますとちょっと大げさになっちゃうかと思うのですが、自動車とかはがきとかビラ、ポスター、この辺までは公営化してもらいたいというのが実際の声だと思います。ところが、それらについて自治体が条例で無料にする、例えばその自治体では、じゃこの枚数とかそういう形に決めてやることについてはいかがですか、差し支えないでしょう。
#93
○吉田(弘)政府委員 公営につきましては、御承知のように地方公共団体の選挙につきましても任意制があるいは義務制がという問題はありますが、任意制でやる場合にもやはり法律に根拠を置いていませんとこれはできないということになりますので、勝手に、勝手にと言ってはおかしゅうございますが、現行制度のままで市町村なり県がこれに支出するということはできない仕組みになっております。
#94
○小林(守)委員 今、できないというふうな答弁なんですが、これはやはりちょっと問題だろうというふうに思いますよね。これは問題ですよね。なぜできないか。例えば一番私は疑問なのは、法律にはがきは有料だと出ているから、これを無料にするのはちょっと法律を変えないとできないというふうに思っているんですよ。はがきはここにきちっと有料だというふうに決められちゃっているものですから、これを無料化するのは、これは法律改正をしなければできない。しかし、規定がされていない、有料とも無料とも何にも触れられていない、国ではやっている、その問題について自治体が条例でやってなぜ悪いのですか。
#95
○吉田(弘)政府委員 選挙運動でございますから、それぞれは。今お話しのように、選挙運動についてはやはり候補者の方々がおやりになるということになっている仕組みでございます。それに対して公営を設けるということになりますと、それは任意制の場合でも法律で根拠を置き、それで条例でそれをお決めいただくということで仕組みが動いてくるということになりますので、そういう意味で先ほど申し上げたわけでございます。
#96
○小林(守)委員 それでは、法律に有料とも無料とも全く根拠が示されていないわけでありますからまずいということなんですね。
 それでは、例えば公選法の中に、自治体ではこれらの問題について、はがきの問題は私は有料という文言を外してもらいたいとは思うのですが、自動車とかビラとかポスターとか新聞広告等について、自治体では条例で定めることができるというようなことを入れれば構わないのですか。
#97
○吉田(弘)政府委員 法律論としては、そういう公営をやる場合にはそういう根拠規定を置かざるを得ないということでございます。
#98
○小林(守)委員 それでは、選挙の公営化という観点からもう一度最初にさかのぼるわけですけれども、そういう方向で自治体が、自治体の予算でありますから、条例に基づいて公営化をより拡大していくんだ、そのためには何らかの公選法上の位置づけがなければまずいというようなお話でございました。
 そういうことになりますると、ぜひ選挙の公営拡大という観点に立って、公選法のそれぞれの条文の中に地方自治体の対応については公営化できるんだというようなものを、一括にするかそれぞれの条文に応じてやるのか、それは技術的な問題だろうと思いますが、そういうことをぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#99
○吉田(弘)政府委員 公営についてはそういう格好で非常に御要望の向きがあることは私どもも承知しておりますが、先ほど来いろいろ申し上げておりますように、選挙の種類、その態様等によってさまざま違うわけでございますし、まあ財政上の問題もありますので、一つの研究課題とさせていただきたいと思います。
#100
○小林(守)委員 これはぜひ、政治的な決断の問題だろうと思いますし、公営の拡大という観点から、なおかつ金のかからない、かけない、そして公平な負担のかけ方、そういう観点からするならば、先ほど申しましたように、例えば選挙事務所についてはむしろそういう形で、公営費の中できちっとした標準的なものを設定して公営費として入れていく、それが一つだと思います。
 もう一つは、そういうものも含めて、政党交付金法的なものとして政党にお任せしてしまうというような形もあろうかと思います。千差万別に対応してということになるならば、政党交付金法ですか、さきの百二十一国会に出された法案的なやり方で対応するということも考えられると思うのですが、しかし、地方議会の選挙の公営につきましては、国会だけの問題ではなくて地方議会もまさに選挙と金の問題が大きな課題になっているわけでありますから、その辺を抜本的に改めていくためにも、ここで政治決断をしていくときではないのかな、そのように思います。政務次官、大臣がいらっしゃればぜひ御見解を承りたいのですけれども、政務次官の御所見をいただきたいと思います。
#101
○穂積政府委員 先ほどから小林委員の御質問、御意見を拝聴しておりまして、私なりに二、三、感じたところを申し上げたいと存じます。
 まずは、国あるいは地方のいずれのレベルでも選挙に金がかからないようにしたいということは、これは党派を超えて共通の一致できる方向だと存じます。ただ、具体的にそのためにどのようにするか、特に公営部分をどのように拡大するかということにつきましては、それぞれの段階の選挙の態様に即していろいろ勉強していかなければならないであろうということは、事務方から答弁申し上げたとおりだと思います。しかし、いずれにしましても、我が国の民主主義の健全な発達ということを考える場合には、金がかかり過ぎるから選挙に出る人が少なくなって無風選挙といいますか、そんな状況になるということがあるのはいかがなものかということは、私も認識を共通にいたします。しかし、いずれにしましても、御指摘の地方レベルの選挙について、例えばはがきについて費用負担をどうするかということなど、小さい村で顔見知りの候補者が一々各家庭にはがきをよこすということや何やも、それは公営で財政負担も面倒を見ようということにするかどうかというようなことを現実的に考えますと、なおこれは検討をさせていただかなければならない問題だと存じます。
#102
○小林(守)委員 もちろん自治体によって人口や面積の規模とか態様の違いはありますから、それは自治体の裁量に任せていい、それが地方自治でありますから、そこまで国が口を出す必要は全くないはずであります。
 そういうことで、先ほど答弁がありましたように、この法案に根拠がない問題について、地方自治体が条例で決めて支出をすることについては問題だというような御答弁がありましたけれども、この問題についてはちょっと私も保留をさせていただいて、納得できませんので、また別の機会に掘り下げてみたい、そのように思います。
 以上で私の質問を終わりにしたいと思います。
#103
○松永委員長 次に、木島日出夫君。
#104
○木島委員 国会議員等の選挙が適法適正に行われることは、国民主権を基本とする我が国の政治の根幹をなす最も重要なことであることはもう言うまでもないと思います。今回の選挙等の執行経費の基準に関する法律を一部改正して経費の面から実情に合わせようとするその趣旨も、その基本的趣旨というのはやはり選挙が適正に行われるということを財政面から担保しようとするものであろうと思われますので、日本共産党は賛成であります。
 そこで、きょうは、この七月に予定されている参議院選挙が適正に行われるようにという観点から、社団法人日本看護協会にかかわる政治活動、選挙活動について、幾つかの事実を示して当局の適切な対応を求めるために質問したいと思います。厚生省をお呼びしております。
 最初に、社団法人日本看護協会という公益法人がありますが、その組織の概要を述べてください。
#105
○伊原説明員 お答えいたします。
 社団法人日本看護協会は、昭和二十二年に設立されました、厚生大臣認可の公益法人でございまして、会員数が三十四万七千人余りでございまして、会員の自治によりまして、保健婦、助産婦、看護婦、准看護婦等の福祉の向上を図るとともに職業理論の向上、看護に関する専門的教育及び学術の研究に寄与する事業を行っている団体でございます。
#106
○木島委員 この協会は厚生省とはどういうかかわりを持つ公益法人なのでしょうか。
#107
○伊原説明員 厚生省のかかわりにつきましては、先ほど申し上げました設立の認可とそれに伴う監督を私どもがしておりますほか、その事業につきまして、私どもの方から看護協会のおやりになることに対しまして、適当であるという事業について委託あるいは補助金を出しておる、こういう関係でございます。
#108
○木島委員 当然のことと思われますが、この協会の定款の変更についても厚生大臣の認可が一々必要なんですね。
#109
○伊原説明員 定款の変更については、先生御指摘のとおりでございます。
#110
○木島委員 昨年度国家予算、本年度予算案に関してこの協会が国から受け取る補助金また委託金の内容について、簡潔で結構ですが、具体的にお教えください。
#111
○伊原説明員 お答えいたします。
 平成三年度予算におきましては、合計で七千六百八十一万円が看護協会に対しまして補助または委託という形で出されております。
 内容について簡潔に御紹介申し上げますと、まず第一が、看護職員の就業を促進するための広報活動、調査事業等を行う看護情報センター事業を行っておりますが、これに対する補助三千万余り。それから、看護職員の資質の向上を図るための事業に対して、これは三本ございまして、一つが看護教員養成講習会経費の補助二百五十八万、二番目が看護教員通信教育講座経費の補助三千万余り、三番目が訪問看護婦養成指導者講習会の委託、これは委託でございますが、これが二百万程度でございます。そのほかに「看護の日」という日、五月十二日を昨年から定めまして、国民の看護に対する理解を深める沈めの記念式典を実施しておりますが、これが一千万の補助を出しております。
 以上でございます。
#112
○木島委員 日本看護協会とは別の組織として日本看護連盟という組織があることを厚生省は御存じだと思うのですが、これは何のために、いつつくられた、どういう組織なのでしょうか。
#113
○伊原説明員 御指摘の日本看護連盟の概要について御説明申し上げます。
 設立は、昭和三十四年十月でございまして、目的は、社団法人日本看護協会の目的達成にあわせまして、それに伴う政治面の活動を行う、あわせて国民の福祉の向上に寄与する、こういうことを目的として昭和三十四年に発足した政治団体でございます。
#114
○木島委員 会員数は今どのくらいなんでしょうか。
#115
○伊原説明員 お答えします。
 約十三万人でございます。
#116
○木島委員 こう聞いてよろしいですか。社団法人日本看護協会は公益法人であり、この協会が直接政治活動、選挙活動等できないから、政治活動を行うことを目的とする日本看護連盟が昭和三十四年十月に結成された、そう聞いていいですか。
#117
○伊原説明員 お答えいたします。
 先ほどの連盟の設立目的にございましたように、政治的活動を専らするものでございまして、これは看護協会とは別の組織として、そのためにつくられたということでございます。
#118
○木島委員 端的に、何でこういう組織がつくられたか、厚生省は把握しておりますか。
#119
○伊原説明員 お答えいたします。
 連盟の組織の必要につきましては、公益法人が政治活動を行うということはその設立目的等に照らしまして適切さを欠くということでございますので、それを切り離した政治連盟という格好で、専ら政治活動についてはそちらの方で行うという趣旨であろうと思います。
#120
○木島委員 わかりました。私は手元に、平成三年八月十日付日本看護連盟の発行している「連盟通信」という文書を持っております。
 この文書によりますと、昨年七月十九日午前、日本看護協会と日本看護連盟は合同して全国会議を開いた、そして「連盟会長のあいさつのあと、宮下創平自民党総務局長があいさつされ、さっそく次回参議院選挙対策の協議に入った。」これはこの七月に予定されている参議院選挙対策のことであります。続けて、「参議院選挙対策は大きく分けて、@南野代表」、これはこの七月の参議院選挙に自民党の比例代表名簿登載者として既に名前が挙げられている方であります。「南野代表と自民党選挙区候補・自民党県連との連携による会合を数多く開くこと、A自民党員・党友を確保すること、Bのおの知惠子後援会会員を獲得すること、C活動協力金を確保すること、D支援団体を確保すること、これらについて協会会員・連盟会員が一致して努力することを決めた。」協会というのは、もちろん今私が指摘した日本看護協会である公益法人であり、連盟というのは政治団体である日本看護連盟のことであります。こうしたことが行われたという事実を日本看護協会の監督官庁である厚生省は把握しておりますか。
#121
○伊原説明員 お答えいたします。
 ただいまの「連盟通信」につきましては直接私、拝見しておりませんけれども、したがいまして、その内容につきましては私は現在承知しておりません。
 ただ、協会が政治的な活動を直接協会の事業としてやることは適当ではないというふうに思います。
#122
○木島委員 私、この質問をするに当たって、庁本看護協会のこの夏の参議院選挙とのかかわりを質問するということを通告して、調べておくようにと言ったはずでありますが、監督官庁である厚生省が監督される看護協会がこのような、これは間違いない事実だろうと思います。特に自民党員を確保することなどということを、政治団体である連盟と一緒になって公益法人看護協会がやろうとしていること、こんなことを決めたということは断じて許されないことだと思うのです。選挙活動等を所管している自治大臣の御所見をお伺いします。
#123
○塩川国務大臣 断固許されないとはどういうことなんですか。私はそういうことを聞きまして、社団法人といえども一定の政治活動は許されるはずなんです。そんな断固許されないという話じゃありません。
 それともう一つ、看護連盟がやっておるのでございまして、看護協会そのものなんでしょうか。その点は「通信」かどうか知りませんけれども、私ら聞いている範囲内では看護連盟がやっているということは聞いていますよ。だって官庁なんかでも、今は、最近はなくなりましたけれども、労働組合が堂々と選挙運動をやっていることはあるじゃないですか。そういうことを見まして、例えば看護連盟がやっているというのは、それを問題にするのはおかしいと思いますよ。
#124
○木島委員 だから私ははっきり質問したのですよ。看護連盟がいろいろおやりになることを私はとやかく言うつもりは全然ないのです。問題は、看護協会と看護連盟が一緒になって合同してこういうことをやるということがこの「通信」には書かれているから大問題だということを言っているわけです。
#125
○塩川国務大臣 だって「通信」がなんて、それがどこまでの信用性があるかということはわからぬじゃないですか。だって看護連盟の役員と看護協会の役員と同一の人があるかもわからぬ、こういうことはあるでしょう。
#126
○木島委員 それじゃ自治大臣は、もし私が今読み上げた「連盟通信」の記事が真実であり、看護協会が、厚生省の指導監督を受け、国庫補助金を受け、委託金を受けている団体ですよ、その公益法人がこんなことをやったとすれば、それは正しくない、仮定の質問ですが、というふうに聞いていいですか。あなたは今こんなことをやっているはずがないと言うから。
#127
○塩川国務大臣 看護協会が事業としてやるのはふさわしくない、私はそう思いますけれども、しかし看護連盟が主体となってやっておるのに、それに対して役員が同一であるから、それに参加したということは、私は別に違法でも何でもないと思います。
#128
○木島委員 役員が同一であるなんてことを書いてないのですよ。看護協会と看護連盟が合同して全国会議をやったということを書いてあるのですよ。
 では、次にいきます。
 昨年の十一月十一日付で、れっきとした日本看護協会会長有田幸子名で全国の支部長に対して「政治活動協力金のお願いについて」と題する文書が出され、国政へのパイプを一人から二人へと太く大きくし、より強力な政治活動を推進することが問題解決と考えるため、引き続き平成四年度活動費として千円以上の御協力をお願い申し上げます、こういう文書が日本看護協会会長名で出されていることを厚生省は把握しておりますか。
#129
○伊原説明員 先生御質問の文書につきましては、先生からの御質問の通告がありました後、看護協会の方に問い合わせまして、そういう文書があるという事実、これは私承知しております。
#130
○木島委員 先ほどの厚生省からの御答弁の中に、公益法人看護協会が政治活動等をやるのは適切さを欠くから、これと切り離して政治活動がやれるために日本看護連盟というのがつくられたとお聞きをいたしました。ところが、先ほどの「連盟通信」の文書もそうですが、私が今指摘した全国の看護協会の会員から一人千円以上のまあ選挙費用ですね、政治活動の費用を集めるという趣旨の文書が出たということは、まぎれもなくこれは厚生省のさっきの答弁にもとる、本来看護協会としてはやってはならぬことをやったんではないか、許されないんではないかと私は思うんですが、まず厚生省、どういう認識でしょうか。
#131
○伊原説明員 協会の事業として、これは先ほど自治大臣の方からお話しいただきましたのと同じ趣旨で、協会の事業としてやることは不適切である、私が先ほど適切さを欠くというふうに申し上げたのはそういう意味でございます。もしこの文書がそういう協会の事業としてやられたということであれば、これは監督官庁として指導していかなければならないというふうに考えております。
#132
○木島委員 協会の事業としてやられた行為か事業としてやられたのではない行為なのか、その区分けの基準は何でしょうか。
#133
○伊原説明員 協会の事業としてやられるものとしては、協会の先ほど申し上げましたような所定の事業活動が定められており、それに伴い協会の会計として、もちろん一部補助金の入っている会計でございますが、その中の事業としてやられるのは不適切である、こういう意味で申し上げました。
#134
○木島委員 実は、日本看護協会は一昨年の十二月第四回理事会を開きまして、看護協会ですよ、次期参議院議員選挙に本会推薦候補者を立てること、及び南野助産婦職能理事を本会推薦候補者とすることを理事会で決定した、これが出発点であります。そして、昨年の七月に先ほど私が読みました「連盟通信」のような会合を持ち、そしてその後こういう全国の会員から千円集めるという行為が行われているのです。どうですか、会長名で出されているのですよ。看護協会の事業としてこういう政治的な活動が行われたといって不適切なことじゃないのですか。
#135
○伊原説明員 お答えいたします。
 ただいまこういう文書が出ておることにつきましては非常な誤解を与えることは事実でございまして、この点は、私ども監督官庁として看護協会を厳しく指導し、是正させるようにいたします。
#136
○木島委員 時間が参りましたから終わりますが、実は日本看護協会というのは職能団体であります。国立病院の国家公務員たる看護婦も入っています。地方自治体の自治体病院の地方公務員の看護婦も入っています。そういう人たちがみんな包摂された看護婦の地位向上等を目的とするこれは団体ですよ。しかしそれは会員が多い。しかし実際にはそれは政治運動をするのは適切でない。そこで看護連盟がつくられました。しかしその会員は半分くらいです。しかし実際上自民党の比例代表の名簿登載者の当選のために今一生懸命運動をやっている。しかし人数が少ないから、看護協会と看護連盟一緒くたにして、人数の多い看護協会の名前でこういう自民党のための選挙運動が現に今行われているわけです。各地で摩擦が起きています。私の地元でも摩擦が起きています。公立病院の総婦長から、入ったばかりの若い看護婦が、後援会へ入れなどといって大変な圧力を受けているわけです。そこでこういう問題が私のところに持ち込まれてきているわけです。
 自治大臣、どうですか。先日予算委員会では、社会党の議員から、民生委員の問題が取り上げられました。防衛庁でも、こういうぐるみ選挙が行われているということが取り上げられました。ゆゆしい事態だと思います。こんな形で公的組織が使われたらたまったものじゃない。ひとつ閣議で、こういうことが絶対ないようにということを、選挙を所管する自治大臣から厳しく出していただきたいと思います。御所見を伺って終わります。
#137
○塩川国務大臣 非常に政治的な質問でございますので、政治的にお答えいたします。(「法律的な質問だ」と呼ぶ者あり)いや、そうじゃない。だって社団法人も、その構成員が政治運動を一切できないということはないでしょう。そういうことを見ますと……(発言する者あり)ちょっと待ってください。あなたが質問しているのじゃないんだから、質問者は木島さんなんだから、私は木鳥さんに答えているんですよ。(発言する者あり)そうじゃないですよ。間違っていますか。社団法人の構成員が政治活動できないですか。(「できないよ」と呼ぶ者あり)そんなことないですよ。構成員はできるじゃないですか。(発言する者あり)連盟がやっているという、それが主体となってやっているというこどだから、私は別に違法じゃないと思います。
#138
○木島委員 もう終わりますが、私は、個々の会員が自分の思想信条に基づいて選挙運動、政治活動するのは自由だと考えています。日本共産党はそういう立場で頑張っています。しかし問題は、組織が組織として長の名前でやられているということに問題がある。私は、自治大臣の認識は、選挙を取り仕切る役所の長としては全くふさわしくないということを申し上げて、終わります。
#139
○松永委員長 次に、川端達夫君。
#140
○川端委員 大臣、よろしくお願いします。
 最近政治改革というのが、国会だけではなくて国民の最大の政治に対する関心事であり、不信の根源を我々解かなければならないということでありますが、幾つかお尋ねをしたいと思います。
 しばしば我々の口からも含めて、選挙にお金がかかるという言葉が出ます。政治にお金がかかる、これはある部分そうなんですが、選挙にも非常にお金がかかる。昨今の報道でも、共和事件あるいは佐川事件等々の中でも選挙、政治活動そのものもそうですが、選挙に対して何億という金がかかるので、もらったとか貸してもらったとかいうのも一部流れております。しかし、考えてみますと、選挙に対しての費用は法定選挙費用ということで枠が決められているわけですね。だから、その部分で言えば何億という話にはならない。ところが、現実には選挙に非常にお金がかかるという部分で、果たして法定選挙費用というのは何なんだろうかというのが素朴な疑問として国民の皆さんはお持ちだと思いますし、我々も非常なジレンマがあるという部分であります。
 例えば選挙運動中にいわゆる糧食費というものがあります。一食七百円の三食、一日十五名、選挙運動にかかわる部分ではこういう人たちに食事を提供してよろしい。逆に言えば、それ以上は提供してはいけない。ところが、人によりましては選挙事務所に大きなプレハブの食堂があって、何十人も何百人も食事をしておられる。それが、法的に言えば選挙費用ではないという整理なんですね。そういう部分で、法定選挙費用というのは何なのかということに突き当たるわけです。
 いろいろ調べてみますと、選挙事務所の横にあるいわゆる食堂とおぼしき建物は、その建設費から含めて、選挙費用ではなくてこれは後援会の事務所なんだ、その食事をしているのは後援会活動をしている人たちが集まって食事をしているんだ、だから選挙運動ではないのだ、こういう整理になるやに伺ったのですが、例えば選挙事務所の隣に後援会事務所をつくって、あるいはあって、そのときに後援会活動をする人が集まってそこで食事を食べるという費用は、選挙費用とは関係がないということなんでしょうか。選挙法上の解釈をお尋ねしたいと思います。
#141
○吉田(弘)政府委員 私ども実態をよく承知しているわけではないのでございますが、そういう意味で、今お話がございましたことに、実態に即してのお答えになるかどうかわかりません。
 一般的に申し上げますと、御承知のように公選法上、何人も選挙運動に関し飲食物、湯茶とかこれに伴い通常用いられる程度のお菓子は除くわけですが、そういう飲食物を提供することは禁止されているわけでございます。
 後援団体につきましては、これも公選法上、その設立目的により行う行事または事業に関して寄附をする場合を除きまして、選挙区内にある者に対して寄附をしてはならないこととされているわけでございます。そしてさらに、投票日以前の一定期間内におきましては、その設立目的による行事または事業に関する寄附であっても禁止をされるということになっております。公選法の百九十九条の五の一項の関係でございますが、そういう格好になっているということでございます。
 今お話がございました食事の提供でございますが、それがこれらの規定に該当するのかどうかということは、あくまでも実態に即して判断されるべき問題だというふうに考えております。
#142
○川端委員 いつもこういう問題を聞くと実態に即してという話が出るんですが、実態に即してという部分はどういう判断要素なんでしょうか、もう少し詳しく教えていただけますか。実態というのは何を見られるのですか。
#143
○吉田(弘)政府委員 まさに実態でございますが、その実態が公選法の禁止をしている選挙運動に当たるのか、あるいは後援団体の寄附規制が公選法にございますから、それに当たるのかというその実態でございます。
#144
○川端委員 払いつもこの場での議論で思うのですが、選挙を所管される自治省の皆さんは、例えば法定選挙費用というものは、その届け出の規定に基づいていわゆる書類がきっちりしていたかどうかということにおいては非常に専門的に判断をされるのですが、選挙の実態としての部分ということの中でそれが有効に機能しているのかどうか、あるいはどういう意味を持つのかということに関しましては、選挙の実態というのはどの程度御存じなのかよくわからないな、そしてそういう部分に関してどういう所見を持っておられるのかということが全然見えてこない。
 今政治改革が叫ばれる中で、例えば地域の、村型選挙とよく言われる部分であれば、地域の御婦人方が当番で炊き出しをされる、それに行かないわけにはいかない、村八分になるかもしれない。そして、まあ選挙事務所ではないんでしょうが、ある事務所で食事をおつくりになる。男性は仕事が終わったら必ず帰りにそこへ寄って食事をして帰らないと応援をしていないように思われる。比較的時間の余裕のある年配の方は、朝から晩までそこにおられる。こういうことで非常に選挙にお金がかかる、むしろ村型選挙と言われるものには非常にお金がかかるという指摘がよくあります。ここの場におられる議員の方々はそういう実態というのは御存じだと思うのです。それが選挙に金がかかるという部分の、選挙戦に金がかかるということになる。選挙法を見ると、糧食費ということで一食七百円掛ける三掛ける十五人、それ以外はいけないということの中で、これは取り締まりの方の問題なのかもしれませんが、実態的にそういうことを許してしまっているのが現実だと思うのですね。
 大臣、実際に大臣も選挙を何度もおやりになっていると思うのですが、実態として法定選挙費用というものと違う部分に、例えば今の食事の費用を含めて非常にいろいろなお金が結果としてはかかっているという実態がある、そういう御認識でしょうが、法定選挙費用だけで、先ほどの食事もその部分以外は全然出さずにやっておられるのかもしれませんが、御本人の場合ということでなくて、そういう実態というのはこの世界である。法定選挙費用というのは、選挙トータルかかる費用からいいますと、何か一部の書類上のつじつま合わせに現実にはなっている要素が非常に強いと私は思うのですけれども、大臣の御認識はいかがでしょう。
#145
○塩川国務大臣 これは個々によって違うと思いますけれども、私も、おっしゃるような感じは私自身も持っております。
#146
○川端委員 私も含めて、その部分で、法定選挙費用というもの自体の制度がある意味では実態とはかけ離れているということが一つ。それを実態に合わすということも一つの考え方だと思います。食事の部分、実際運動していただく方に食事を食べていただく、朝から晩まで走り回った人たちにこういう制限があってはいかがなものかというのもあると思います。同時に、余り枠を広げてしまえばそれこそ物すごく金を使えという話になるという部分で、制限はしなければいけない。それは実のある制限をしなければいけない。
 そういう意味で、今、後援団体の政治活動というのは、先ほど選挙部長お話しのように一定の制限があるということなんですけれども、それにもう少しきっちりとした制限というものを加えていかないと、まさにざる法の典型になっているということだと思います。選挙のある一定期間中、例えばビラの配布とか街頭での活動とかに一定の制限が加えられておりますけれども、選挙事務所に近接した部分での食事の提供等々、その実態に即してという判断の入らないような禁止、制限の仕組みを入れていかないと、そういうことが有効な手段となり得る選挙区においては、残念ながらお金がたくさんある人が当選できるということにつながっていくということで、そういう制限を加えるということを検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#147
○吉田(弘)政府委員 後援団体の政治活動、あるいは今お話ございました食事の提供みたいなことに関連してのお話かと存じますが、食事の提供については、先ほどお答えしましたように、それが後援団体の寄附に当たるかどうか、選挙運動に当たるかどうかというようなことで、現行法上でも、それがそういう規定に当たれば違反になるということになっているわけでございます。
 それから、後援会が選挙運動期間中にいろいろな政治活動をやることについての制限でございますが、これは今先生御指摘がございましたように、例えば衆議院の選挙期間中でございますと、政党その他の政治活動を行う団体の政治活動については、選挙運動と紛らわしい一定の活動、例えば政談演説会の開催とかポスターの掲示あるいはビラの頒布等については御承知のように一般的には禁止され、確認団体に限って一定の態様のもとにこれを認めるという仕組みになっているわけでございます。こっちの方面からずっと規制を加えるかということにつきましては、政治活動の自由と選挙の公正の確保の兼ね合い等を考慮しながら検討をされなければならない課題ではなかろうかと考えているところでございます。
#148
○川端委員 選挙制度に関しては我々自身にかかわる問題、国民の信託にこたえるという部分でまた私たちもそういう法律をつくるという努力をしてまいりたいと思いますが、ぜひとも自治省の方でも本当に、例えばそこで食事をしたのは寄附に当たるのか当たらないのか、実態に即してというふうな部分を取り除いていかないと、もうそういうものはできないのだというふうにしないと、これは直らないというふうなことも含めてもう少し実態をよく勉強していただきたいと御要望申し上げておきますし、この問題はまた別の機会に我々としても主張してまいりたいと思います。
 平成二年に、最終的には委員長提案ということで、政治家の寄附禁止の部分を法律をつくりましてちょうど二年がたちました。
 刑事局長にお尋ねしたいのですが、この二年間におけるその部分の、どういう実態であったのか、捜査当局としての実績をお知らせいただきたいと思います。
#149
○國松政府委員 公選法の寄附禁止についての件でございますが、平成二年の二月一日改正後寄附の禁止違反として当庁に検挙したということで報告のございましたのは、平成二年中が四事件五名、平成三年は二十六件四十八名、合計三十事件五十三名でございます。
#150
○川端委員 おのおのの処分というのはどのような中身か、わかりましたら教えていただきたい。
#151
○國松政府委員 まだ未裁が一件残っておるようでございますけれども、ほかの事件は一件二名につきまして罰金が科せられたということがございますが、それ以外はすべて起訴猶予になっているというように私どもは承知しております。
#152
○川端委員 あわせて、立件はされなかったけれども警告をされたという件数、わかりましたら教えていただきたい。
#153
○國松政府委員 警告の件数というのは私ども常にとっているわけではございませんのであれなんですが、一昨年の二月一日から八月三十一日までの間という状況につきましてちょっと調査を行いました。そのときは五十八件六十七名につきまして警告を行っているという統計数字がございます。
#154
○川端委員 報道によりますと、先般の総理の合宿勉強会という中で、國松刑事局長の方から、「「二年前の改正で寄附行為を禁止。これまでは周知期間ということで比較的柔軟に適用してきたが、そろそろ限界にきている」と述べ、今後は厳格に適用していく方針を明らかにした。」、こういうふうな報道がありました。要するに周知期間とかいうふうなことの思いをここで述べておられるわけですけれども、この御発言といいますか、今のこの件に関する局長のお気持ちをお聞かせいただきたいのと同時に、何をどう今までは比較的柔軟にされてきて、何をどう厳格にされようとしているのかということもあわせてお聞かせをいただきたい。
#155
○國松政府委員 先般、総理に対しましてその御下問に答えて、選挙違反の取り締まりの実態につきまして御説明をしたのは事実でございますが、別にメモに基づいて御報告したわけでもございませんし、そのときの状況をメモにとっているわけでもございませんので、正確という観点からもここでその具体的な内容を申し上げるというのはちょっと遠慮させていただきたいと思います。ただ、お尋ねは公選法百九十九条の二に言ういわゆる公職の候補者等の寄附禁止の規定に関する我々の考えということについてのお尋ねであろうと思いますので、そのことについてお答えを申したいと思います。
 この百九十九条の二というのは平成二年の二月に法律が改正されまして、それ以来関係当局におきましてその改正の趣旨であるとか内容等につきましては周知徹底の努力が大いに払われてきたものというふうに私どもも承知しておりますが、仰せその法改正からさほど時間もたっていないということなどの事情もございまして、なかなかその周知徹底が実現されていない状況にあるのではないかということがうかがわれたわけでございます。私どもとしては、そういう状況も考慮いたしまして、これまで違反内容が軽微と認められるものにつきましては警告等の措置によりまして違反状況の早期の除去と違反の続発防止に努めるということでありますけれども、一方において悪質なものにつきましては検挙の措置をとるという方針でやってまいったわけでございます。
 ただ、既に法改正から二年を経過をいたしまして、法改正の趣旨、内容等がよく周知されたと認められるに至っている一方で、最近陣中見舞い等の名目で比較的多額の現金を寄附をするという事例も散見されるなど、事案の悪質化が進んでいると思われる傾向もあるわけでございます。私どもとしましては、法改正の趣旨を徹底をするためにも、寄附行為の禁止に対する取り締まりにつきましては、事案の実態に応じより厳しい姿勢で臨む必要があるのではないかと考えておるところでございます。
#156
○川端委員 所管される自治省として二年間、こういう初めての条項をつくったということで、問い合わせとか、それから例えばこういうことは排除してほしいとかいう陳情とか、恐らくいろいろあったのではないかなというふうに思います。私たちも、議員というものは一切そういう寄附をしないという種類の職業なんだということでやろうということでこういう法律を議員立法として出したわけでございますが、自治省にいろいろな国民の声というのは聞こえてきているのではないかなと思いますので、その部分もまたこれからそういうものを見直していくというか、よりよいものにしていくためには非常に参考になることであるというふうに思いますので、そういう部分の実情というのですか、二年間運用された中でその所管される部分としていろいろ問い合わせが多かったものとか、あるいは陳情があったものというふうなことについてお聞かせをいただきたいと思います。
 といいますのは、私たちも、いわゆる宗教上の問題、これは憲法における信仰の自由というのは認められているという部分をどう整理するのか、あるいはいわゆる災害地、いろいろの災害が起こったときの寄附の問題、税法上寄附控除が認められているものに対してというふうな議論もいろいろありまして、そういう部分では相当学識経験者の人に御審議をいただくということの方が適切ではないかというふうにも思いますので、その分もあわせてお聞かせいただきたいと思います。
#157
○吉田(弘)政府委員 寄附禁止の強化の問題でございますが、平成二年二月から施行されているわけでございます。公選法の改正以来、その解釈をめぐる一般的な問い合わせはもちろんあるわけでございますが、そのほか、例えばこの改正によりまして日本古来の地域社会の伝統を崩壊させ、地域における良好な隣人関係の維持すら困難にするので、見直しを図るべきではないかというような御要望とか、あるいは共同募金事業への寄附は例外とすべきではないかというような御意見等も寄せられております。また一方では、逆に政治家本人がみずから出席する結婚披露宴の祝儀等についてもこれは罰則をもって禁止をすべきだというような要望も出されているわけでございます。さまざまな両方のサイドからいろいろな御意見が出ているわけでございます。
 この改正法は、先生御指摘がございましたように、政治になるべくお金をかけないようにしようということと、選挙の公正の確保をしようということで、まさに議員提案によりまして法案が提出され、全会一致で可決されたという経緯もございますので、私どもが今ここでこれをどうすべきだということよりは、各党にもいろいろ御意見があると思いますので、むしろまず各党間で十分この問題については御論議をいただくのが適当ではないかと思っている次第でございます。
#158
○川端委員 時間が来てしまいました。最後に、そういう部分で、二年たったということで、我々も手探りの部分もあるわけでございます。いろいろ教えていただきたい部分で、自治省の中でそういう学識経験者の方にいろいろ意見を聞くとかということをぜひともしていただきたいと御要望申し上げて、終わりにしたいと思います。
#159
○松永委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#160
○松永委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#161
○松永委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○松永委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
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#163
○松永委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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