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1992/05/26 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 決算委員会 第6号
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1992/05/26 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 決算委員会 第6号

#1
第123回国会 決算委員会 第6号
平成四年五月二十六日(火曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 草野  威君
   理事 北川 石松君 理事 萩山 教嚴君
   理事 鳩山由紀夫君 理事 藤井 裕久君
   理事 森  英介君 理事 志賀 一夫君
   理事 長谷百合子君 理事 宮地 正介君
      伊藤宗一郎君    藤尾 正行君
      渡辺 栄一君    有川 清次君
      小川 国彦君    小森 龍邦君
      新村 勝雄君    時崎 雄司君
      寺前  巖君    藤波 孝生君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  田名部匡省君
        国 務 大 臣 中村正三郎君
        (環境庁長官)
 出席政府委員
        総務庁長官官房 小山 弘彦君
        審議官
        環境庁長官官房 森  仁美君
        長
        環境庁長官官房 井上  毅君
        会計課長
        環境庁企画調整 八木橋惇夫君
        局長
        環境庁企画調整 柳沢健一郎君
        局環境保健部長
        環境庁自然保護 伊藤 卓雄君
        局長
        環境庁大気保全 入山 文郎君
        局長
        環境庁水質保全 眞鍋 武紀君
        局長
        農林水産大臣官 馬場久萬男君
        房長
        農林水産大臣官 大日向寛畝君
        房経理課長
        農林水産省経済 川合 淳二君
        局長
        農林水産省構造 海野 研一君
        改善局長
        農林水産省農蚕 上野 博史君
        園芸局長
        農林水産省畜産 赤保谷明正君
        局長
        農林水産省食品 武智 敏夫君
        流通局長
        食糧庁長官   京谷 昭夫君
        林野庁長官   小澤 普照君
 委員外の出席者
        総務庁長官官房
        地域改善対策室 荒賀 泰太君
        長
        大蔵省主計局司 設楽 岩久君
        計課長
        文部大臣官房文
        教施設部技術課 吉沢 晴行君
        長
        厚生省生活衛生 伊藤蓮太郎君
        局乳肉衛生課長
        厚生省生活衛生 牧野 利孝君
        局食品化学課長
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環 浜田 康敬君
        境整備課長
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環 三本木 徹君
        境整備課産業廃
        棄物対策室長
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環 喜多村悦史君
        境整備課浄化槽
        対策室長
        資源エネルギー
        庁公益事業部開 染川 弘文君
        発課電源立地企
        画官
        資源エネルギー
        庁公益事業部原 森  信昭君
        子力発電安全企
        画審査課長
        運輸省鉄道局保 溝口 正仁君
        安車両課長
        運輸省港湾局管 和田 敬司君
        理課長
        建設省都市局下
        水道部下水道企 亀本 和彦君
        画課長
        建設省河川局開 荒井  治君
        発課長
        建設省河川局海 吉岡 和徳君
        岸課長
        建設省河川局砂
        防部傾斜地保全 西田 一孝君
        課長
        会計検査院事務 小川 幸作君
        総局第二局長
        会計検査院事務 白川  健君
        総局第四局長
        農林漁業金融公 松本 作衞君
        庫総裁
        決算委員会調査 小島  敞君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十六日
 辞任         補欠選任
  時崎 雄司君     有川 清次君
同日
 辞任         補欠選任
  有川 清次君     時崎 雄司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成元年度一般会計歳入歳出決算
 平成元年度特別会計歳入歳出決算
 平成元年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成元年度政府関係機関決算書
 平成元年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成元年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔総理府所管(環境庁)、農林水産省所管、農
 林漁業金融公庫〕
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 平成元年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、総理府所管中環境庁、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査を行います。
 この際、中村国務大臣、田名部農林水産大臣及び農林漁業金融公庫当局の概要説明並びに会計検査院の検査概要説明につきましては、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
   平成元年度歳出決算に関する概要説明
                  環境庁
 環境庁の平成元年度歳出決算につきましてその概要を御説明申し上げます。
 まず、平成元年度の当初予算額は、四百八十四億五百九十二万円余でありましたが、これに予算補正追加額百十七億一千五百五十九万円余、予算補正修正減少額三億六千六百十二万円余、予算移替増加額二億八百二万円余、予算移替減少額二十二億七百四十八万円余、前年度からの繰越額三千四百十六万円余を増減いたしますと、平成元年度歳出予算現額は、五百七十七億九千十一万円余となります。この予算現額に対し、支出済歳出額五百七十四億三千七百五十一万円余、翌年度への繰越額一億七千二百十五万円余、不用額一億八千四十四万円余となっております。
 次に、支出済歳出額の主なる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、公害防止等調査研究関係経費といたしまして、五十六億六千百四十九万円余を支出いたしました。これは、化学物質実態調査等を実施するための経費及び国立公害研究所、国立水俣病研究センターの運営等の経費として支出したものであります。
 第二に、自然公園関係経費といたしまして、三十七億五千六百九十二万円余を支出いたしました。これは、自然公園等における管理及び自然公園の利用施設や長距離自然歩道等の整備並びに渡り鳥の調査、絶滅のおそれのある鳥獣等の保護対策等の経費として支出したものであります。
 第三に、環境庁の一般事務経費といたしまして、四百八十億一千九百九万円余を支出いたしました。これは、公害防止を図るための施策推進に必要な調査費、地方公共団体に対する各種補助金、公害防止事業団及び公害健康被害補償予防協会に対する交付金、環境行政に従事する職員の資質向上のための研修所の運営費並びに環境庁一般行政事務等の経費として支出したものであります。
 最後に、翌年度繰越額と不用額について主なるものを御説明いたしますと、翌年度繰越額は、自然公園等施設整備費において、設計の変更及び気象の関係などによって事業の実施に不測の日時を要したこと等により年度内に完了しなかったものであります。
 また、不用額は、退職手当等の人件費を要することが少なかったこと等のためであります。
 以上、簡単ではありますが、平成元年度の決算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
    …………………………………
   平成元年度決算環境庁についての検査の概
   要に関する主管局長の説明
               会計検査院
 平成元年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。
    ―――――――――――――
   平成元年度農林水産省決算概要説明
 平成元年度における農林水産省の歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 一般会計の歳入につきましては、当初予算額は二千八百五億一千六十四万円余でありますが、予算補正追加額等二百四十五億七千七十七万円余の増加がありましたので、歳入予算額は三千五十億八千百四十二万円余となっております。
 これに対し、収納済歳入額は三千六百七十二億九千七百八十二万円余であり、これを歳入予算額と比較いたしますと六百二十二億一千六百三十九万円余の増加となっております。これは、日本中央競馬会納付金が予定より多かったこと等の理由によるものであります。
 次に、一般会計の歳出につきましては、当初予算額は二兆五千四百十四億二千四百二十八万円余でありますが、蚕糸砂糖類価格安定事業団在庫生糸の特別処分による損失補てんに必要な経費等として予算補正追加額三千百四十八億七千五百三十一万円余、既定予算の節約等による予算補正修正減少額二百六十四億四千八百十九万円余、北海道における農業基盤整備事業を実施するために必要な経費等について、総理府所管から移し替えを受けた額二千五百九億二千十七万円余、前年度からの繰越額四百三億五千九百四十五万円余、山林施設災害関連事業に必要な経費等として予備費百十三億一千四百三十一万円余の増減がありましたので、歳出予算現額は三兆一千三百二十四億四千五百三十四万円余となっております。
 これに対し、支出済歳出額は三兆八百四十一億六千三百七十三万円余であり、これと歳出予算現額との差額は四百八十二億八千百六十万円余となっております。
 この差額のうち、翌年度への繰越額は、三百六十八億四千七百十九万円余であり、不用額は百十四億三千四百四十一万円余となっております。
 このほか、これら一般会計とは別に大蔵省所管産業投資特別会計に係る支出済歳出額は二千四百四十五億八千百九十三万円余となっております。
 次に施策別にその主なものについて、御説明申し上げます。
 第一に、土地利用型農業の体質強化を目指した構造政策等の積極的な推進に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、九千七百五十七億五千五百五十万円余であります。
 まず、経営規模の拡大と生産性の向上を図り、その体質を強化するため、関係機関の密接な連携の下に、農作業受委託も含めた農地流動化の促進活動を強力に展開するとともに、地域の立地条件に即した農業構造の改善を図るため、農業構造改善事業を推進いたしました。
 また、担い手農家の育成確保を図るため、Uターン青年、農外からの新規参入者等を含めた幅広い観点からの農業後継者対策等を実施いたしました。
 さらに、土地利用型農業の体質強化及び農業と農村の健全な発展を実現するため、第三次土地改良長期計画に基づき、その基礎的条件である農業生産基盤の整備を推進することとし、NTT資金の活用も併せ、生産性の向上、農業生産の再編成、農村の生活環境の向上に資する事業等に主眼を置いて、その着実かつ効率的な実施に努めました。
 また、土地改良事業等に係る償還の円滑化を図るため、償還円滑化資金を自作農維持資金の中に創設する等所要の措置を講じました。
 第二に、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、三千五百三十九億九千七百四十万円余であります。
 まず、水田を活用して生産される作物の生産性の向上、地域輪作農法の確立及び需要の動向に応じた米の計画的生産を一層推進するため、水田農業確立対策を引き続き実施いたしました。
 また、多様化する国民ニーズにきめ細かに即応し得る生産体制・方式の確立を目指すモデル事業等の追加、農産物の輸入自由化等に対処するための生産流通対策の拡充等農業生産体質強化総合推進対策を強化充実し、地域の自主性と活力を基盤に各般の生産対策を総合的かつ計画的に実施いたしました。
 さらに、国際化にも対応し得る生産性の高い畜産経営の早急な実現を図るため、肉用牛生産集団が地域ぐるみで生産コストの低減を行う場合や新規就農者等が離農農場を継承しようとする場合に必要となる生産条件の整備を図る地域畜産活性化対策を実施する等畜産総合対策の充実を図りました。
 また、生産コストの節減を図るため、広域的な農作業受委託を推進する農業機械銀行の育成、肥料費節減の優良事例の普及・啓蒙等農業生産資材対策を実施いたしました。
 第三に、農山漁村地域の活性化対策の推進に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、二千五百八十九億四千五百六十二万円余であります。
 まず、農山漁村社会の高齢化、混住化等に対処しつつ、経済社会の変化にも即応して、農林水産業に携わる人々が意欲と生きがいを持てる新しい地域社会を目指し、農林水産業の振興と併せ、安定した就業機会の確保、リゾート地域の整備、都市と農山漁村との交流の促進等により、農山漁村地域の活性化を推進いたしました。
 また、都市部に比べて立ち遅れている農村集落の生活環境の改善を図るため、農村総合整備モデル事業、農村基盤総合整備事業、農業集落排水事業等を推進いたしました。
 さらに、山村・過疎地域等における定住条件の整備を図るため、第三期山村振興農林漁業対策事業、新農村地域定住促進対策事業等を推進いたしました。
 第四に、バイオテクノロジー等先端技術の開発・普及と、農林水産情報システムの開発・整備に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、一千二百七十二億五千五百二十六万円余であります。
 まず、近年における先端技術の著しい進展を踏まえ、農林水産業、食品産業等の生産性の飛躍的向上等を図るため、二十一世紀を目指したバイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究及びその基盤となるジーンバンク事業を推進するとともに、米の需要拡大、農産物の輸入自由化等の重要な政策課題に対応した研究等を実施いたしました。
 また、産・学・官の連携強化による研究の拡充を図るため、官民交流共同研究及び民間の研究開発に対する支援措置を強化するほか、熱帯地域等に係る試験研究を実施するとともに、国際研究交流を推進いたしました。
 これらの技術開発の成果等について農家への普及等を図るため、協同農業普及事業等の効果的な推進を図りました。
 さらに、農村地域等におけるニューメディア等を活用した情報システム化構想の推進・普及を図りました。
 このほか、農林水産業の構造等の実態を的確に把握し、農林水産行政の効率的かつ適正な推進に資するため、一九九〇年世界農林業センサスをはじめ、各種統計調査等を実施いたしました。
 第五に、健康的で豊かな食生活の保障と農産物の価格・需給の安定に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、四千五百二十七億一千八百二十八万円余であります。
 まず、健康的で豊かな食生活の保障の観点から、日本型食生活の定着促進を図ること等を基本として、消費者ニーズの多様化・高度化等に対応した食生活・消費者対策や、牛乳・果実等の農水産物の消費拡大対策の推進を図りました。
 また、農産物の価格については、需要の動向と生産性向上の成果をより的確に、かつ可能な限り反映し、農産物が国民の納得の得られる価格で安定的に供給されるよう努めました。
 第六に、食品産業の振興と流通対策の推進に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、百四十一億九千九百七十万円余であります。
 まず、農業サイドと食品産業サイドとの連携の下に、食品産業のニーズに合致した原料農産物の安定供給と利用の高度化等を図るため、食品産業原料対策を総合的に推進するとともに、食料消費面における健康、本物、ふるさと志向の高まりの中で、ふるさと食品の普及を図るため、コスモスプランを推進いたしました。
 また、食品産業の体質と経営基盤の強化を図るため、技術対策を拡充強化し、ハイセパレーション・システム、超高圧利用による高密度大量培養食品生産システムの開発等の先端技術の開発を推進するとともに、食品産業の大宗を占める中小企業の技術水準の向上を図るため、汎用性の高い技術の開発等を推進いたしました。
 さらに、生鮮食料品等の流通の合理化を図るため、卸売市場の計画的整備等を推進いたしました。
 第七に、国際協力の推進と食料の安定供給の確保に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、四十二億一千三百七十五万円余であります。
 まず、開発途土地域における農林水産業の生産力の向上等を通じまして、これら諸国の経済社会の発展に寄与するため、国際連合食糧農業機関のフィールドプロジェクト及び国際熱帯木材機関への拠出等国際機関を通じた協力を推進するとともに、農林水産業分野の資金協力を促進するための検討調査、熱帯地域等の農業環境資源に関する研究、南太平洋諸国等の沿岸漁業振興のための協力事業等を実施いたしました。
 このほか、農林水産物輸入の安定確保を図るとともに、備蓄対策を推進いたしました。
 第八に、農林漁業の金融の充実に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、一千四百六億八千二百九十二万円余であり、農林漁業生産の経営構造の改善、基盤整備等の促進に資するため、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金等の各種制度資金について、所要の融資枠の確保、融資内容の充実を図るとともに、農業信用保証保険機能の充実を図りました。
 第九に、低コスト林業の確立と多様な森林整備の推進に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、三千七百八十億二百五十六万円余であります。
 まず、国土保全と林業生産基盤の整備を図るため、NTT資金の活用も併せ、第七次治山事業五箇年計画に基づき、治山事業を計画的に推進するとともに、水源林造成、林道及び造林事業の一層の推進を図りました。
 また、低コスト林業の確立等を図るため、国産材生産基地整備総合対策事業、新林業構造改善事業、林産集落振興対策事業等を推進するとともに、就労の安定化、就労条件の改善等による担い手の育成確保及び生産性の向上、安全性の確保を図るための林業機械の開発・改良と技術開発を推進いたしました。
 さらに、木材需要の拡大と木材産業の体質強化を図るため、木材・木製品に関する総合的な啓蒙普及活動の拠点施設等を整備する国産材需要拡大拠点施設整備事業を推進するとともに、新しい流通加工システムの整備、木材産業の体質強化対策等を充実強化いたしました。
 また、多様な森林整備の推進を図るため、間伐等による森林の整備、被害態様に応じた総合的な松くい虫被害対策を実施するとともに、国民の森林に対する多様な要請に応え、山村・林業の活性化に資するための新たな森林整備と森林の総合利用を推進いたしました。
 このほか、国有林野事業について、昭和六十二年に改訂・強化された改善計画に基づく経営改善を推進いたしました。
 第十に、二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、二千八百七十八億一千七百六十八万円余であります。
 まず、第八次漁港整備長期計画及び第三次沿岸漁場整備開発計画に基づき、NTT資金の活用も併せ、漁港及び沿岸漁場の整備を推進いたしました。
 また、水産業を核とする沿岸・沖合域の総合的な整備開発を図るための基本計画を策定するとともに、沖合養殖システムの開発等新技術開発の強化、沿岸漁業構造改善事業の推進、栽培漁業の振興、さけ・ますふ化放流事業、養殖業対策、資源管理型漁業の推進等の施策を実施し、我が国二百海里内の漁業開発を推進いたしました。
 さらに、水産業経営対策として、水産業関係資金の円滑な融通を行うとともに、漁業経営の強化のための特別指導、漁協信用事業の整備強化等を推進いたしました。
 また、新資源・新漁場の開発、対外交渉に必要な資源調査等を行うとともに、海外漁業協力を推進いたしました。
 さらに、中核的な水産物流通加工施設の総合的整備等水産物の流通加工の合理化を推進するとともに、水産物の価格安定を図るほか、魚食の普及啓発等の水産物の消費拡大対策を推進いたしました。
 このほか、漁場環境保全対策、急病対策、漁船対策等の施策を推進いたしました。
 第十一に、その他の重要施策に要した経費であります。
 その支出済歳出額は、三千四百十億九千四百九十六万円余であります。
 まず、海岸事業については、第四次海岸事業五箇年計画に基づき、NTT資金の活用も併せ、海岸保全区域における事業の実施を図りました。
 また、災害対策については、農作物共済等の各共済に係る所要の共済掛金国庫負担金等を農業共済再保険特別会計に繰り入れたほか、農業共済団体等の事務費等を助成し、農業災害補償制度の円滑な実施を図るとともに、災害営農資金等の利子補給に対する助成を図りました。
 さらに、台風・豪雨等により被災した農地、農業用施設、山林施設、漁港施設等の災害復旧事業を実施いたしました。
 このほか、農業団体の整備についても、農業委員会等に対して、引き続き助成等を行いました。
 以上をもちまして、一般会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。
 次に、各特別会計の決算について御説明申し上げます。
 第一に、食糧管理特別会計であります。国内米管理勘定等の七勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は三兆八千三百三十九億六千六百八十一万円余、支出済歳出額は三兆八千六十二億一千二百八十九万円余でありまして歳入歳出差引き二百七十七億五千三百九十二万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。また、このうち食糧管理勘定の損益計算上の損失は二千三百三十二億三千三百七十七万円余でありまして、調整資金を取り崩して整理いたしました。これにより、食糧管理法、農産物価格安定法及び飼料需給安定法に基づき、米、麦、でん粉、輸入飼料の買入れ、売渡し等を管理することにより価格の安定と国民食糧の確保を図り、もって国民経済の安定に資するための事業を実施いたしました。特に、最近における米需給の動向と今後の見通しを踏まえ、米の消費拡大の推進を図るとともに、消費・流通・生産の各般にわたる緊急の取組により、需給均衡の回復に努めました。
 第二に、農業共済再保険特別会計であります。農業勘定等の六勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一千百七十四億三千六百二万円余、支出済歳出額は四百九十八億五千六百八十三万円余であります。歳入歳出差引き六百七十五億七千九百十九万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百六十三億五千二百九十万円余を控除し、五百十二億二千六百二十八万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、それぞれ翌年度の歳入及び一般会計に繰り入れ、又は積立金として積み立てること等といたしました。これにより、農業災害補償法に基づき、農作物共済等の各共済についての再保険事業を国が行い、農業経営の安定等を図るための農業共済事業の円滑な実施を図りました。
 第三に、森林保険特別会計であります。収納済歳入額は百二十四億一千四百六十万円余、支出済歳出額は二十五億四千五百六十四万円余であります。歳入歳出差引き百八億六千八百九十六万円余のうち、翌年度へ繰り越す額九十七億九千六百四十一万円余を控除し、十億七千二百五十五万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い積立金として積み立てることといたしました。これにより、森林国営保険法に基づき、森林の火災、気象災及び噴火災を保険事故とする森林保険事業を国が行うことによって林業経営の安定を図るための事業を実施いたしました。
 第四に、漁船再保険及漁業共済保険特別会計であります。漁船普通保険勘定等の五勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は四百七十二億九千四百五十一万円余、支出済歳出額は二百八十九億三千三百九十九万円余であります。歳入歳出差引き百八十三億六千五十二万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百五十六億八千七百十二万円余を控除し、二十六億七千三百三十九万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、それぞれ積立金として積み立て、又は翌年度の歳入及び一般会計に繰り入れることといたしました。これにより、漁船損害等補償法、漁船乗組員給与保険法及び漁業災害補償法に基づき、国が再保険及び保険事業を行うことによって漁業経営の安定に資するための事業を実施いたしました。
 第五に、農業経営基盤強化措置特別会計であります。収納済歳入額は五百二十二億二千七百十五万円余、支出済歳出額は百八十億二千百五十四万円余でありまして歳入歳出差引き三百四十二億五百六十一万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、農地法等の規定に基づき、自作農創設のため国が行う農地等の買収、売渡し等に関する事業、農地保有の合理化を促進するための事業に対する助成及び農業改良資金助成法の規定に基づく農業改良資金の貸付事業を実施いたしました。
 第六に、国有林野事業特別会計であります。国有林野事業勘定につきましては、収納済歳入額は五千六百七十三億九千七百三十五万円余、支出済歳出額は五千六百七十二億四千百三十五万円余であります。この勘定の損益計算上の損失は四百三十五億六千七百五十九万円余でありまして、法律の定めるところに従い損失の繰越しといたしました。治山勘定につきましては、収納済歳入額は一千七百五十一億四千二百五万円余、支出済歳出額は一千七百五十億四千二百五十四万円余でありまして歳入歳出差引さ九千九百五十万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、国有林野法に規定される国有林野の管理経営の事業及びその附帯業務に係る事業並びに治山事業の計画的推進を図る事業を実施いたしました。
 第七に、国営土地改良事業特別会計であります。収納済歳入額は四千八百六十九億六千七百九十一万円余、支出済歳出額は四千七百十九億五千六百四十二万円余でありまして歳入歳出差引き百五十億一千百四十八万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、土地改良法に基づき、すべての国営土地改良事業、受託工事及び直轄調査に関する事業を実施いたしました。
 以上、平成元年度の主な事業の概要につきまして御説明申し上げました。これらの事業の執行に当たりまして、会計検査院の決算検査報告におきまして、不当事項等として指摘を受けたものがありましたことは、誠に遺憾に存じております。今後、この種事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図る所存であります。
 なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
    …………………………………
   平成元年度決算農林水産省についての検査
   の概要に関する主管局長の説明
               会計検査院
 平成元年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十一件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項二件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号一一五号は、治山工事の施行に当たり、鋼管杭加工費の積算を誤ったため、契約額が割高になっているものであります。
 この工事は、東京営林局で直轄地すべり防止事業の一環として、ボーリングマシン等により山腹法面を削孔して、その中に鋼管杭を建て込む鋼管杭加工を工事費二億二千二百四十八万円で施工したものであります。
 この工事の工事費の積算について検査いたしましたところ、ボーリングマシンの運転時間の算出の基になる削孔に要する時間の算出に当たって、杭の径による補正係数一・〇を用いるべきであったのに、誤って一・一を用いていたこと、また、ボーリングマシンの一時間当たりの機械損料は、積算要領によれば、八千五百三十円であるのに、誤って、ボーリングマシンの機械損料とは関係がない機械損料や労務費等を合算した額を、ボーリングマシンの一日当たりの運転時間で除して一万七千四百四十五円と算出したことなどにより、工事費が過大に算出されており、契約額が約千二百五十万円割高になっているものであります。
 検査報告番号一一六号から一二五号までの十件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるもので、事業の一部を実施していなかったなどしていたり、工事費の積算又は工事の施工が適切でなかったり、補助の対象とは認められないものに補助金を交付していたり、補助の目的を達していなかったり、補助対象事業費を過大に精算していたり、補助の目的外に使用していたりしているものであります。
 次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。
 これは、国営木曽岬干拓事業により造成された干拓地に関するものであります。
 国営木曽岬干拓事業は、愛知県と三重県の県境部に位置する木曽川河口部付近を干拓するために、昭和四十一年度に着手したもので、四十九年度には延長六・一kmの堤防で締め切った長さ四km、幅一kmの区域を陸地化しており、その面積は道路・水路等を除いて約三百七十kmに上っています。そして、本件干拓地が、愛知、三重両県にまたがっていて、両県の境界が確定されず、さら地のままとなっていて事業効果が発現しない事態が長期間継続していたため、昭和五十五年度決算検査報告で「特に掲記を要すると認めた事項」として掲記して、事態の早期打開を促しております。
 しかし、農業を取り巻く客観情勢が変化してきていることから、本事業のその後の進捗状況について検査を行うとともに、本件干拓地における農業経営の可能性などについて検討しました。
 まず、事業の進捗状況でありますが、境界問題について昭和五十五年度決算検査報告に掲記した五十六年度以降の経過をみますと、愛知、三重両県の事務担当者間での話合いが十数回持たれておりますが、実質的な交渉が行われないまま、いまだに境界が確定されていない状況でありました。この間、農林水産省としては、両県知事に対し、速やかに境界を決定するよう強く要請する必要があったにもかかわらず、有効な対策を講じていない状況でありました。
 さらに、事業の長期化等に伴い事業費が増大し、平成元年度末の支出済事業費の総額は百五十二億六千百三十八万余円となっており、このうち、国費で負担した分は百十億七千九百五十九万余円であります。そして、残りの四十一億八千百七十九万余円は資金運用部からの借入金で賄われておりまして、この借入金は、その支払利息四十一億三百四十二万余円を含め、地元県及び土地取得者が負担することとなっております。したがいまして、地元負担金は年々増こうし、試算では十a当り約二百九十四万円となる見込みで畑地としては相当割高となることなどから、この試算に基づき農業収支を試算しますと、農業収入に対し、干拓地に係る年償還金を含めた支出額が超過することになり、農業収支に欠損が生じることになります。また、実際に農家が投入できる労働時間が、営農に必要な労働時間を下回り、労働力が不足することになることなどが予想されまして、現在の農業情勢を考慮すると、一刻も早く問題を解決して本件干拓地の有効利用を図ることが必要であると認められたものであります。
 したがいまして、多額の国費を投じて造成された干拓地の有効利用を図る観点から、早急に本件干拓地の県境を確定するよう関係機関に対し強く要請し、その解決を図り、また、その後に策定される干陸計画において、周辺の農業事情を考慮して営農の可能性について十分検討するとともに、干拓地の立地条件や将来の農業情勢等を総合的に勘案することにより、干拓地の利用について多角的に検討するよう改善の意見を表示したものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一は、輸入麦の買入経費に関するものであります。
 食糧庁では、国民食糧の確保及び国民経済の安定を図ることなどを目的として、食糧用及び飼料用の外国産麦を輸入業者から買入れております。
 この輸入麦の買入代金の支払に当たりましては、概算払を行っておりますが、その理由は、輸出港の船積から政府の買入代金支払までには相当の日時を必要とするため、この間の資金繰り等のすべてを輸入業者に負担させることは著しく困難であり、ひいては輸入業務の円滑を欠くおそれがあること、また、低利な食糧証券を発行して調達した資金により買入代金の一部を早期に支払うことによって買入経費に含まれている輸入ユーザンスの金利を軽減し、輸入麦の買入経費の節減を図ることができることからでありまして、その概算払の割合は、概算払額の一部を返納させる事態が生じることがないように海上運送途中の事故品の発生などによる減額の割合の状況を勘案して、昭和三十一年以降、輸入港本船乗渡価格の七〇%としております。
 今回、食糧庁が六十一年度から六十三年度までの間に買入代金を支払った輸入麦、買入件数千六百八十四件について、海上運送途中における事故品の発生などの状況を調査いたしましたところ、近年、輸入麦の海上運送における船舶の大型化、輸入港における荷さばき方法の近代化などによりまして、事故品の発生や値引品の混入のあったものは百八十四件で、これら減額の割合は、そのほとんどが二%以下で、最大でも六・一%であり三〇%を大幅に下回っている状況となっておりました。
 したがいまして、このような実態からみて、概算払の割合を七〇%から相当程度引き上げて、輸入ユーザンスの金利を軽減し、輸入麦の買入経費の節減を図る要があると認められました。
 いま、六十三年度中に契約した五百五十一件、買入総額千八百三億八千三百二十三万余円について、概算払の割合を七〇%から九〇%に引き上げていたとすると、買入経費を約二億六千六百万円節減できたことになります。
 このような事態が生じていたのは、食糧庁において、買入代金の概算払の割合を相当程度引き上げても支障がない状況となっているのに、概算払の割合を見直すことを十分行っていなかったことによるものと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、食糧庁では、平成二年九月に外国産食糧買入要綱等を改正し、同月以降の売買契約締結分から買入代金の概算払の割合を七〇%から九〇%に引き上げることとする処置を講じたものであります。
 その二は、素材生産請負事業における労務費の積算に関するものであります。
 青森営林局では、素材(丸太)を販売するために、チェーンソーで立木を伐採する伐倒作業、トラクタ等により伐倒材を集め、運搬する集材作業、チェーンソーで伐倒材を素材にする造材作業、現場の作業場に素材を積み上げて整理する巻立て作業等を民間林業事業者に請け負わせており、この請負事業の予定価格の積算については林野庁の通達に基づき同局が定めた要領により管内の各営林署が行っております。そして、元年度に五十二事業者と締結した百二十事業について労務費等の直接費を総額十億七千百五十万余円、また、労務関係費として労災保険等の保険料の事業主負担金を総額一億九千五百七十万余円と算定しておりました。
 今回、この素材生産請負事業の予定価格の労務費等の積算について検査いたしましたところ、チェーンソーを使用しない作業である集材及び巻立ての作業の労務費の積算をチェーンソーに係る経費を含めた労務単価により積算を行っており、これに伴って、労務関係費もチェーンソーに係る経費を含めた労務費により積算を行っていたため、直接費と労務関係費の積算額が約四千三百万円高額となっていると認められました。
 このような事態が生じていたのは、営林局要領を定めるに当たって伐倒、集材等の各作業内容とチェーンソーに係る経費の取扱いについての理解が十分でなかったことなどによるものであると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、青森営林局では、平成二年十月に集材及び巻立ての作業の労務費の積算についてチェーンソーに係る経費を労務単価から控除することとし、同年十一月以降に積算する事業から適用することとする処置を講じたものであります。
 なお、以上のほか、昭和六十三年度決算検査報告に掲記いたしましたように農業改良資金の貸付事業の運営について処置を要求しましたが、これに対する農林水産省の処置状況についても掲記いたしました。
 以上をもって概要の説明を終わります。
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   平成元年度農林漁業金融公庫業務概況
 平成元年度における農林漁業金融公庫の業務の概況についてご説明申し上げます。
 国においては、生産性の高い農林水産業を実現し、国民の需要に応じた農林水産物の安定供給を図ることを基本として諸施策が展開されました。
 こうした国の施策に即応して、当公庫は、業務の運営にあたりまして、関係機関との密接な連けいのもとに、農林水産業の生産基盤の整備及び経営構造の改善のための融資を推進するとともに、多様化する資金需要に対応して、融資条件の改善を含め、融資の円滑化に配慮してまいりました。
 平成元年度における貸付計画について申し上げますと、貸付計画額は六千億円を予定いたしました。
 これに対する貸付決定額は五千二百二十一億九千七十三万円余となり、前年度実績と比較して六百三十三億二千二百四十七万円余の増加となりました。
 この貸付決定額を農業・林業・水産業に大別して申し上げますと一、農業部門  三千四百九十四億五千四百三万
 円余二、林業部門  四百六十七億九千二百六十四万
 円余三、水産業部門 千百二十三億九千五百十九万円
 余四、その他部門 百三十五億四千八百八十七万円
 余となりまして、農業部門が全体の六十六・九%を占めております。
 次に平成元年度の貸付資金の交付額は四千六百四億七千六百三十四万円余となりまして、これに要した資金は、資金運用部からの借入金三千三百九十五億円、簡易生命保険及び郵便年金の積立金からの借入金五百六十億円並びに貸付回収金等六百四十九億七千六百三十四万円余をもって充当いたしました。
 この結果、平成元年度末における貸付金残高は五兆二千五百十三億四千六百三十四万円余となりまして、前年度末残高に比べて二百三十三億二千五百二十一万円余、〇・四%の増加となりました。
 貸付金の延滞状況につきましては、平成元年度末におきまして、弁済期限を六か月以上経過した元金延滞額は三百八十九億九千四百三十万円余となりまして、このうち一年以上延滞のものは三百八十一億一千四百十三万円余となっております。
 次に平成元年度における収入支出決算の状況についてご説明申し上げますと、収入済額は、収入予算額三千八百五十五億八千二百五十万円に対し三千八百四十九億二千八百十九万円余となりました。また、支出済額は、支出予算額三千九百二十一億二百八十八万円余に対し三千七百六十六億千七百七十四万円余となり、支出に対し収入が八十三億千四十五万円余多くなっております。
 最後に、平成元年度における当公庫の損益計算の結果について申し上げますと、貸付金利息等の総利益は四千百億五千六百五十八万円余、借入金利息等の総損失は四千百億五千六百五十八万円余となり、利益と損失が同額となりましたため、利益金はなく国庫納付はありませんでした。
 これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正な運用について、鋭意努力してまいりましたが、平成元年度決算検査報告におきまして、農地等取得資金等の貸付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。
 以上が、平成元年度における農林漁業金融公庫の業務の概況であります。なにとぞよろしくご審議のほどお願いいたします。
    …………………………………
   平成元年度決算農林漁業金融公庫について
   の検査の概要に関する主管局長の説明
                会計検査院
 平成元年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項七件であります。
 検査報告番号一七八号から一八四号までの七件は、農地等取得資金等の貸付けが不当と認められるものであります。
 これらの農林漁業金融公庫の資金貸付事業は、農林漁業者に対し、農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けるものでありますが、農地等取得資金等の貸付けに当たり、借入者から事実と相違した内容の借入申込みや事業完成報告等がなされているにもかかわらず、これに対する審査及び確認が適切でなかったなどのため、貸付対象とならない事業に対して貸し付けていたり、貸付金額を過大に算定していたりなどしているものであります。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
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#4
○草野委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。萩山教嚴君。
#5
○萩山委員 私は、農政の問題について質問をいたしたいと存じます。
 最近ウルグアイ・ラウンドも、きょうのニュースに出ておりましたが、秋口解決が非常に難しいというような推移を見ながら、将来の農業というものはどう展望したらいいのかということについてお伺いいたしたいと存じます。
 日本の農業は、現在大きな変革期にあるわけであります。国内には一億二千四百二十万人に上る膨大な消費人口を抱えておるわけであります。稲作を初めとする高度な営農技術、整備水準の高い農地、あるいはまた水利施設を有するなど、諸外国に比べて有利な基本的な条件も持っておるわけであります。これらの諸条件を生かした生産性の向上を基軸として産業として成り立つ農業、また、強い農業、そしてまた、もうかる農業を目指した施策の展開を私たちは期待しておるわけであります。
 そこで、大臣にご質問いたしますが、現在、農林水産省においては、今後の農業、農村政策について多角的な見地から検討が加えられていることは御存じのとおりであります。強い農業、先進国型農業をつくり上げるためにはどのような農政を実施しようとしておられるのか、大臣の所見を承りたいと存じます。
#6
○田名部国務大臣 お答え申し上げます。
 ウルグアイ・ラウンドがあって改革をしているのかということをしばしば質問されるわけでありますが、ウルグアイ・ラウンドがあろうとなかろうと、一体、日本の農業はこのままでいいかという問題で、もう全体的に、政治も行政も産業界も、あらゆる分野が改革をしなければいかぬ。その理由は、高齢化社会と出生率の低下、この問題があって、特に私ども農業分野では、担い手がどんどん不足しておる。一体どういうことで不足しているのかということを検討しておりますが、他産業並みの所得が得られないというのが大きな原因、あるいは生活環境がよくない、嫁の来手もない、いろいろあります。そういう観点から、今鋭意この食料・農業・農村政策の総合見直しを行っているわけでありますが、できるだけ速やかに取りまとめを行いたいと考えております。
 特にこの中で、稲作等の土地利用型農業について非常に担い手が不足しておる、あとは花卉部門とか施設、そういうものは非常に高収入が得られるということから安定しておるのですが、この土地利用型農業というものは、御案内のように、経営管理とかあるいは企業的な経営のできるそういう若い人たちを育てたいということを今考えておるわけです。
 一定の規模がなければいけませんし、機械も、借りた方がいいのか買った方がいいかというコスト計算、そういうものをきちっとやっていただいて、それで、何人でこれだけのものをやれば十分採算がとれるか、労働条件も、もう土、日休むとか、あるいは九時から五時までの時間にするとか、いろいろ努力できる範囲内の規模の農業経営を企業経営的な感覚でやっていただきたい。また、その地域の実態に応じたものでなければならない。これは一律にいきませんから、そういうことで、多様な経営体が全体としてしっかりとした生産体制づくりを進めていくことが何よりも大事だ。
 それから、農村の活性化を図っていくためには、さっき申し上げたように、集落排水でありますとか、農道の整備、基本的な生活関連社会資本の充実を図る、あるいは美しい村づくりの推進、今進めておりますが、いま一つはまた、多様な就業の機会の確保、農業だけで物を考えるのではなくて、例えばでありますけれども、若い人たちが組んで委託を受けて、受委託をして、機械を、リース会社がいいのか何か方法あると思うのです。それも若い人たちが経営をする。あるいは農産物を加工するための工場、そういったものが一体となってやはり農業だ。それでもどうにもならぬ林業等あります。そういう場合には、若い人たちが建設業の登録をしてそちらでもやはりやっていくという、いろいろな組み合わせの中で就業の機会というものを確保しながら活力に満ちた快適な生活ができるような、そんな農村を目指したいと思って今検討いたしております。
 何といっても、この問題の、今我々が検討しておりますことが、二十一世紀以降次の世代の人たちがどういう農業でなければならぬかという視点に立って検討しておりますので、出たものによって、まあまあ今が若干嫌だということではなかなかこれは進まないと思います。したがって、大局的な立場に立って、一億二千万の安定的な食糧確保というための次の時代のためにこれを検討しているということをぜひ御理解いただきたい、こう思っております。
#7
○萩山委員 限られた三十分の時間内で多くの質問をすることは無理でございますが、できるだけやってみたいと思います。
 中山間対策についてでございますけれども、人口の都市への集中は同時にまた中山間地域の過疎化を招いております。近年、生活道路の整備が進み、モービリゼーションが進展する中で、地域の住民の間で、むしろ自然に囲まれ、自由に行動できる中山間地域での生活が好ましいものと受け入れられております。そういう傾向が進んでおるわけであります。しかしながら、一方では農家の農地離れも進行いたしております。中山間地域の農地には、耕作放棄された田んぼや畑も目立つわけであります。
 そこで、質問いたしますが、中山間地域の住民が真に自然に囲まれた生活を愛し、そこで定住するためには、耕作放棄地の所有者及び耕作者の連携を定着させる施策が必要と思うわけでありますが、この点についていかがでございましょうか、質問いたします。
#8
○海野政府委員 御指摘のように、耕作放棄の増加というのが最近非常に目立ってきております。特に中山間地域の耕作放棄は、面積でも全体の半分以上を占めるというようなことでございます。特に畑や樹園地での耕作放棄がふえておるわけでございます。
 それで、御指摘のように耕作放棄の場合、必ずその放棄地の所有者というのはいるわけでございまして、これとこれからその地域の農業を担っていこうという人とを結びつけていくということは本当に大事なことでございます、特に、いわゆる農用地利用増進事業によりまして所有者と耕作者を直接結びつけるということが一番望ましいわけでございます。
 ただ、中には直ちにはその田を耕作しようという人がいない、条件が悪くて借り手がなかなか見つからないというようなケースもございます。そういう場合には農地保有合理化促進事業を使いまして、農地保有合理化法人が一時保有して、場合によればそこで簡易な土地条件の整備まで行った上で、担い手の集積のための、何といいますか、そういう本当の耕作者に渡していくというような事業まで含めまして、いろいろな形で耕作放棄を本当に耕作する人に結びつけていくということを努力してまいりたいと思います。
#9
○萩山委員 次に質問いたしますが、非農家も含めた農村整備のあり方についてお答え願いたいと思います。
 農政は農家の視点から述べられることが多いわけでありますが、その視点に固執すると非農家の農政に対する支持が得がたいものになってしまうことは御存じのとおりであります。そこで、本年五月から国家公務員に対し完全週休二日制が導入されておるところでありますが、これから週末を農村で過ごしたいとする人がふえていくと思われるわけであります。
 そこで、これらの状況を踏まえ、これまでの農業農村の整備の考え方に加え、非農家の居住地域としての農村の整備のあり方についても検討してはどうか思いますが、いかがでございましょうか。
#10
○海野政府委員 御指摘のように、農村地域の混住化の進展に伴って、農村に居住する非農家の生活の場としても農村地域の重要性は高まっておりますし、同時に、今おっしゃいました休暇等の増大ということで、国民全体から水と緑に恵まれた豊かな自然環境のある憩いの場としての農村地域というものへの期待も高まっております。
 そういう意味で、農林水産省としましては、農村の生活環境整備というものを特に近年重点的に進めているわけでございますけれども、その中で、特にそのような農村に居住する非農家や都市住民のことも絶えず念頭に置いて整備をしていかなければならないと思っております。特に平成三年度からは、非農家も対象とした宅地予定地等非農用地を生み出して既存の集落とあわせて農村の生活環境の整備を行う農村活性化住環境整備というのを実施しているところでございます。
 ただ、これまで私どもの頭がどうしても農家ということに向いていた面がございます。そういう意味で、農家以外の農村の居住者、さらには都市住民ということを絶えず頭に置きながら、不断に事業及び制度の改善を図ってまいりたいと思います。
#11
○萩山委員 最近、農村の受益者負担、土地改良等について農家に対する負担が非常に重くのしかかっております。そういった中で、反面、農村の整備事業は公共的であるというふうにさえささやかれておるわけであります。ですから、私たちはこれからの農村の整備について、地元負担の軽減ということについて視点を置かなければならぬと考えておるわけであります。
 農村整備の地元負担の問題についても、最近は大分改善されてまいりました。農村地域における農家と非農家の混住化、先ほども御答弁の中にありましたが、混住化の進展の中で事業の果たす公共的、公益的役割が非常に増大いたしております。多くの地方公共団体の事業に対する負担がますます増大する傾向にあります。この地方公共団体の負担に対する財政措置の拡充を希望する声が増大いたしております。このため、平成二年度、三年度、国営及び都道府県営事業等に対する地方財政措置の拡充を実施し、地方公共団体のみならず事業地区関係者からも高く評価されておるわけであります。
 このことについて御質問いたしますが、残された課題として、維持管理事業、また団体営の事業に対する地方財政措置の一層の充実が図られるよう期待いたしておるわけでありますが、その考え方はいかがでありましょうか、お答え願いたいと存じます。
#12
○海野政府委員 御指摘のように、土地改良事業の効果というものは地域全般に及ぶものでございます。先ほどもおっしゃったように、農村地域が混住化してくるということになりますと、その効果というものは農家だけに及ぶものではないわけでございます。そういう中で、農家だけがこれを負担して土地改良事業を進めていくということにはなかなか難しい面があるわけでございまして、そういう意味で地方公共団体の負担というものがいろいろな形でなされてくるというような実態にございます。
 そのうち、特に金目の大きい国営事業、県営事業というものについて先に措置されたわけでございまして、特に、いわば毎年かかっていく維持管理事業というようなものにつきましては、従来地方財政措置というものが一切講じられていなかったわけでございます。しかしながら現実には、そのかんがい排水路というものは地域全体の排水なり景観の維持なりというものに役立っているわけでございます。そういう観点から、事実上、市町村の負担とさらには県の負担というものが維持管理事業についても相当ございます。
 そういうことにつきまして、私どもも自治省と一緒に検討いたしまして、その結果、都道府県の負担分につきましては平成四年度から普通交付税の算定根拠に組み込まれるということになったわけでございます。また、市町村の負担分につきましては、これは市町村によってまちまちなのでなかなか普通交付税というわけにまいりませんが、平成三年度末から特別交付税の措置を始めたということでございます。
 それから、団体営土地改良事業につきましては、これは従来からいわゆる耕地面積割とか農家戸数割というような形で普通交付税の措置は行われてきたわけでございますが、それにつきましても、市町村によって土地改良事業を集中的にやらなければならないというようなところでは財政負担が大きくなるということでございますので、普通交付税に加えまして、特にこの額を超える負担のある市町村について特別交付税の措置もするというようなことになったわけでございまして、今後ともこれらの地方財政措置を活用しながら市町村等の指導に万全を期しまして、負担を軽減して円滑な土地改良事業が進められるように努力してまいりたいと思います。
#13
○萩山委員 今の事務方の答弁で大体理解をすることができるわけでありますけれども、これからの農政に対する大臣の所見と申しますか決意と申しましょうか、こういった受益者負担に対する地元負担の軽減についての措置の決意の所見をいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
#14
○田名部国務大臣 かつて、三年前だったでしょうか、米価のときに農林省とかけ合って農家の負担の軽減を一体どうするかということで、当時私は幹事長をいたしておりましたので、それで平準化をしていただいた。若干の資金も用意して軽減を図ったということがあります。しかし、それだけではなかなか団体でありますとか、今後議論の中で検討する課題でありますけれども、この前も自治省と話をしてお願いして、交付金とか特交で見るとか、団体についてもこれを認めていただいたというので、三年度の終わり七四年度はそういうことでお願いしてあります。もう実施をいたしております。
 さらに、例えばこれから優良農地を確保していくということで今新政策でやるわけですね。やった場合にも、意欲的にやろうという者に何かそういうものができないのかということで、これは難しい問題もあります。しかし、そういう努力をして、本当に専業農家としてやっていこうという人と、二種兼業のように、もう既に職場で一定の所得を得て農業で若干の収入があるという人は多いわけでありますから、そこのところの振り分けがこれからちょっと議論のあるところであろうと思うのですが、そこをどうするか。何でもかんでも一緒ですとやる人たちの意欲というものはどうなるかという観点から、私どももいろいろの角度から検討しております。
 しかし、いずれにしても、農業以外に、農地として以外には優良農地はもう一切使えないわけですから、そういう制約のある土地は、個人の財産だということで全然知らないというわけにはいかぬであろうという気がするわけです。いずれにしても、方向としては、農家の負担を軽減して、やる気のある担い手を誘導していくことが大事であろう、そう思って今それもまた検討しておりますので、いろいろ御意見ございましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#15
○萩山委員 最近になって、農業を取り巻く環境というものは非常に厳しくなってきた。従来は農地改良とか湛水防除とか総合かん排とかいろいろありました。その中で、今、特に農家に対する長年の地元負担によって蓄積されたものが投資的に計算すると七十兆円もあるというふうに言われております。その中で私たちが今思い起こすときに、そのときは生産性を高めるために受益者負担を要求してまいりました。だけれども、振り返ってみまして、減反政策によって生産が調整されている中で、やはり緑化事業あるいは治山治水といった面に非常に貢献しているというのが今農業の問われている問題点であります。
 ですから、大臣も農政の中では非常にお詳しいわけでありますが、こういった中でこれからウルグアイ・ラウンドを迎えて円満に解決していくには、こういった面について、国家社会のために農業がこうなっているんだ、緑化事業の環境整備もされているのだというような立場も考慮されていってはいかがだろうかなというふうに私は思うわけであります。
 そこで、農業と環境の問題についてお伺いいたしますが、環境問題では、いよいよブラジルのリオデジャネイロにおいて環境サミットが行われるわけであります。地球を取り巻く環境というものは大変厳しく狂ってまいりました。そこで、農業が環境とどう関連をいたしておるかということについての質問でございますが、環境は農業の問題に帰すると言っても過言ではないというふうに言われております。農業は、本来のリサイクルの機能を通じて持続的に生産を行う産業であります。人間活動の原点であるとも言われております。従来から、経済性、生産性の観点だけでなく、地域社会や環境保全、資源問題なども考慮した環境と調和する農業の確立を図っていくことが大切な時代になっております。先ほど私が申し上げたとおりでございます。
 そこで、この経費について検討していく必要があると思うが、これらについての所見をお伺いしたいと存じます。
#16
○田名部国務大臣 おっしゃるように、OECDの農業大臣の会合あるいは閣僚会議でも、農業だけではなくて新たに環境というのが入ってまいりまして、そうして先般もいろいろと議論をされ、このことが取り入れられるということになりました。
 環境問題というのは、もう地球的にやらぬといかぬ問題であります。森林は、我が国においては非常に多いような気がしますけれども、地球全体で見ると二〇%ぐらいだというのですから、これはもう大変なことでして、焼き畑を防止したりいろいろとやっていかなきゃならぬ。しかし開発途上国では森林の伐採等をして農地にする。生活に追われているものですから、熱帯林の伐採をしてはいかぬといっても、では、どうやって生活を安定させるかという問題と一緒になっておりますので、今度のサミットではどういうことにするかということが議論になると思うのであります。
 一方、翻って我が国を見ますと、先生御承知のとおり、非常に雨が多い、あるいは森林に恵まれ、傾斜地が多いのですね。そういう気候や地形条件のために地下水等の汚染が比較的生じにくいという面があります。今、水田農業が中心であるために、水の働き等によって汚染物質がつくられにくい、こういうことがありまして、これが欧米と異なっている。向こうはそういう環境にないものですから、ややもすると地下水が汚染されるということがあるわけです。既に環境問題が顕在化している欧米に比べると、日本というのはそう表面化はいたしておりません。いたしておりませんが、一方においては、若干、地下水ですとか湖沼の水質については環境の悪化が見られます。
 ですから、こうした状況のもとで、関係者の理解を得ながら生産性の向上と両立しながら環境と調和する農業の確立に向けて積極的に取り組んでいく必要がある。そのため四年度から、環境と調和した農業技術の開発及び実証、普及の推進、土づくりと家畜ふん尿等のリサイクル利用の推進、こういうことを中心として地域の実情に応じた環境保全型農業を推進していく、こういうことを考えております。
#17
○萩山委員 農村の問題あるいは農家の問題というのは、すべてこれから大変なときに差しかかっていると思うわけであります。混住社会の中で農家がこれからどう生きていくのか、そういう環境を現在も維持してきているわけでありますし、それを農家で守ってきたということも私たちは認めておるわけであります。ですから、緑豊かな農地を破壊してはならぬ、なるべくそれを保ちながら、そして日本の環境に寄与していかなきゃならぬというふうに私たちは思うわけであります。
 農林大臣、ウルグアイ・ラウンドに差しかかってまいりました。そういう中で私たちは農家というものを今真剣に考えております。米というものも大事であります。自給率を高めなくてはなりません。そういった中で農家に不満をもたらしたのでは農村一揆が起きるやもしれません。そういうことのないように、農民のための安定的な政策をこれからどしどしと打って出るのが農林省の役目じゃないかと私は思うわけであります。どうぞこれからもよろしくお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
#18
○草野委員長 次に、長谷百合子君。
#19
○長谷委員 最初に、今、私の選挙区にあります日の出町谷戸沢処分場で、これまで処分場組合が調査をしてきました水質の結果とは違った民間の調査が出されてまいりまして、大変大きな問題になっているのは長官ほか皆様方御存じのとおりだと思います。
 それで、ここの処分場組合がモニタリングをしております井戸と同じところの水をとりまして調査をしたのですけれども、TCEP、TBXP、こういった難燃剤が出てきておるわけですけれども、こういうものがやはり検出されたということは、前からこの地域では非常にゴムの劣化ということで穴があいているのじゃないかという不安が広まっておりました。こういうものが出てきた状態で、都も独自の調査をやるということになっておるのですけれども、こうしますと、やはりゴムのシートに穴があいていた、そういう可能性については否定できないのじゃないか。いや、必ずしもそうだということではなく、否定するということについて私はなかなか疑いが濃いのじゃないかというふうに思っておりますけれども、こういうこの間の流れ、調査等を見られて、長官、どのような御見解をお持ちでしょうか。
#20
○眞鍋政府委員 ただいまの日の出町の処分場の問題でございますが、環境庁は廃棄物の最終処分の基準とかあるいは最終処分場の構造、維持管理の基準を所管をしておるわけでございます。それで、一般廃棄物の最終処分場の構造基準におきまして、地下水の汚染を防止するというふうな観点から、一般廃棄物の最終処分場にあっては「一般廃棄物の保有水及び雨水等の埋立地からの浸出を防止することができるしや水工を設ける」、こういうことになっておるわけでございます。
 その遮水工でございますが、その土地の条件によりまして選定を行うわけでございます。埋立地の地盤の特性でございますとか地下水位等を勘案して行われるわけでございます。
 具体的には遮水シートもいろいろあるわけでございます。ゴム系のシートもございますし、それから粘土等の工法もございます。そういうふうなことで、その土地土地に応じた遮水工を採用する、こういうふうになっておるわけでございます。
 具体的に日の出町の処分場につきましては、現在、御指摘のように調査が行われておるということでございますので、その調査の結果を待ってみたいと思っておるわけでございます。
#21
○長谷委員 いや、調査を待ってということですけれども、そういう破れているのじゃないかと、これは常識の話ですけれども、その下のところから通常の自然界にはないものが出てきているということであれば可能性は否定できないのではないか。それでは絶対に破れていないと言い切れるのかと、これは常識の問題で私はお伺いしているのでありまして、この調査をもちろん待って、あもいはむしろ調査を待っているだけではなくて、やはりこれは重大な問題でもありますので、環境庁が独自の調査を進めていただきたい、私はこのようにも思うわけですけれども、もう一度御答弁をお願いします。
#22
○眞鍋政府委員 ただいま申し上げましたように、遮水シートにつきましては、合成ゴム系のシートでございますとか合成樹脂系のシートでございますとかあるいはアスファルト系のシート、そういうふうなシートがあるわけでございます。そういうことで、その場所場所の条件に応じまして先ほど申し上げましたように選定をされておるわけでございます。
 そういうふうなことで、我々といたしましては、そういう適正に選定をされて管理が適正に行われている限り大丈夫だ、こういうふうに思っておるわけでございますが、御指摘のように、民間調査機関の調査結果が出ておるわけでございますので、現在、東京都等が指導して調査を行う、こういうふうなことでございますので、その結果を十分に監視をしていきたい、こう思っておるわけでございます。
#23
○長谷委員 つまりまあ今のところ環境庁は調査をやる気はない、こういうことですね。
 それで、その処分場の近くに平井川というなかなかいい川があるのですけれども、これが今大変汚染が深刻になっております。二、三日前に私もその平井川の方に行きまして、そこの魚をとりまして、その魚にどんなものが含まれているのか、汚染がどんな程度か、こういう調査をするために行きました。そうしましたら、川はもうアオミドロというのですか、すごいヘドロのようなものがびっしり、これはもう見ていただかないととても想像がつかないようなものなんですけれども、それからちょっとたまりになったところは川の中からメタンガスが噴き上げているのですね。テレビでごらんになった方も多いかと思います。私は直接見てまいりましたけれども。背中が、背びれが曲がった魚がここから釣れているわけですね。見つかっているわけです。
 こういった非常に地域の住民からしても、あるいは川の上流、あそこは水源地ですから、下の方の三多摩の人間も回り回って結果的にその水を飲むわけですけれども、こういったすごい深刻な状況になっているのですね。それで、そこの近くの奥さんたちが子供を連れまして、子供は水にさわりたいですね、それでさわろうかなと思うと、いや、さわっちゃだめよと、こういうようなもうほとんどパニックと言っていいような状況が日の出町にはあるわけです。
 それで、いろいろ魚のしっぽが曲がるという原因とか考えられると思うのですが、この背が曲がるということについてどういった原因が考えられますか。
#24
○眞鍋政府委員 ただいまの平井川でございますか、そこの水質の問題と、それから魚の問題でございます。
 日の出町の最終処分場の下流に谷戸川とそれから平井川というのがあるわけでございますが、平井川が今御指摘があったわけでございますけれども、我々が報告を受けております水質の測定結果によりますと、すべて我々が定めております環境基準は満たしておるというふうに報告を受けておるわけでございます。私、具体的にその場所を見たわけではございませんが、環境基準から見ますと達成をしておるというふうなことでございます。また、東京都からの報告によりますれば、その下流部の平井川で特に今御指摘の魚の背曲がり現象が高い率で発生をしておるというふうには聞いていないわけでございます。
 いずれにいたしましても、環境庁といたしましては、そういう御指摘もあるわけでございますので、今後とも水質の監視とかあるいは処分基準の遵守などを通じまして最終処分場による環境汚染が生じないように努めてまいりたいと思っておるわけでございます。
#25
○長谷委員 今の御答弁で、やはり基準が満たされていると。川というのは長いものですし、それから雨が降った役とかいろいろなことがあるかと思うのですけれども、確かに私が今申し上げたのは、平井川の中でもある一定の地域の中が特にひどいということになっております。ですから、ぜひ現場を見ていただいてその地域はどんな状態かということを確認していただきたいということをお願い申し上げます。
 それから、このゴムシート、現行の処分場のゴムシートは一・五ミリの厚さのものが使われていると思うのですけれども、いろいろなメーカーの試験とか、それから今までのいろいろな地域の処分場も既に二千あるものですから、いろいろなところを見ますと、この一・五ミリではどうも薄くて危ないのじゃないか、これは処分に当たっている現場の方からの声としてはこのシートでは無理だなというのが率直な声であるというふうに私はあちこちから聞いておりますけれども、この一・五ミリのもの以外にもう少しほかのやり方、例えばもう少し厚いものとかあるいは質の違うもの、それから例えばアメリカなどでは二重にやるとか、あるいは上から雨が、今酸性雨という問題もありますので、酸のもの、雨がどんどん入ればごみの中から非常に有害物質を抽出しているような結果にもなるわけですから、それにほろをかけるとか、今までのものは今までのものとして、そういったこれからの新しいやり方ということについて環境庁は何らかの検討をなさっているでしょうか。
#26
○中村国務大臣 先ほどから局長が御答弁しておりますように、最終処分場の構造、維持管理基準などは環境庁が所管しこれを定めるわけでありますけれども、具体的な日の出町の問題については、今東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合、東京都などが調査をしております。しかしながら環境庁としては、そういう基準を定めるわけですから、廃棄物処理の現状を十分把握して、関係省庁とも連絡をとりながら、最終処分場の設置に伴う環境問題が生じないようにこれからも努めてまいりたいと思っております。
#27
○長谷委員 本当にこの日の出町にあります処分場の問題ということで、具体的にどうだこうだということはとてもお答えにくい問題だと思うのです。しかし、あそこを私は何回も行って見ていますけれども、非常に不思議だなと思うのは、その日の出町の中でも、ごみの処分場があるところが地形が高いところなんですね。
 一番高いところにあるということは、やはり水というのは上には落ちないで下に落ちるわけだから、場所としてはどう考えても余りいい場所じゃないな、こういうふうに私は思っているので、この選定はどうかなということはありますけれども、この問題はこの問題で、それは東京都や地元が決めたことなので、もちろん長官にこれはどうだということはお伺いいたしませんけれども、一般的に言いまして、今二千カ所あってこれからもふえていくだろうと言われているのですけれども、そういうときにやはり地形上の考慮ということを――やはり高いところにつくるのはどうか。通常、しかも、高いところは水源地があるわけです。日の出の場合も、ぴったりその横に水源地があるので騒ぎが大きいわけですけれども、こういう高いところに、水源地の近いところにごみの処分場をつくるということについては、長官、どのようにお考えか、一般的な話でお伺いいたします。
#28
○中村国務大臣 日本は山国でございますから、高いところ低いところあり、なかなか難しい問題だと思うのですが、環境庁といたしましては、どこにつくっても、環境を害さないようなその構造、維持管理の基準等を定めるわけでございまして、大規模な最終処分場をつくるというようなときはアセスメントということも行われるわけでございまして、いろいろな県、地方自治体でもアセスメント条例等を持っているわけでありまして、アセスメントをして行う。だから、どこにつくるかということは、端的に申しまして、私どもが言うよりか、その地域の方やなんかのお決めになることじゃないかと思うのです。
 私どもは、先ほども申しましたように、最終処分場の構造、維持管理等の基準を定めまして、また、委員御指摘のような問題も指摘がございますので、これからも、最終処分場の設置に伴う環境問題が生じないように、こういったものを充実して努めていく、こういう立場だと思います。
#29
○長谷委員 だから一般的にお伺いしたのですけれども、やはりむしろ国とかそういうところが、例えばごみの処分場の適性地とかそういうものについては、地域だと、ここしか買収できなかったとかそういう細かいことがあるんだけれども、もっと大所高所のところで、環境を侵さないということを言うのであれば、それをやるのが環境庁だと思うのですけれども、そういうことを考えれば、今の長官のようなことで、私は大変本当に失望したのですけれども、構造、管理、それから設置全体の大きなところで見て、やはり水源地の隣にごみの処分場をつくれば、もちろん、事故のないように、環境を保全するようにやっている、これは私もそう思うのですよ、そういう努力をされている。しかし、万が一事故が起こったときにということはやはりいつでも考えますね。
 やるときには、最悪の場合こうなっても大丈夫かということを考えれば、やはり私は、水源地があって山の上であるというところと、低いところで水源地とはちょっとほど遠い、こういう二つの地形が――じゃ、いいですよ、例えば具体例じゃなくて純粋理論として、そういう二つのところがあった場合だったら、環境庁、これはやはり低い方がいいんじゃないですか。ほかの条件、お金が高いとか安いとかいろいろあると思うのですけれども、そういうことを純粋な意味で伺いたいのです。
#30
○中村国務大臣 そうしたいろいろな条件を踏まえて、やはり大規模な最終処分場を設置するときは閣議決定なり条例なりに従ったアセスメントを行う。アセスメントを行うということは、これをつくって一体どういう影響が周囲にあるんだろうか、そして事故等起こらないだろうかといろいろな観点からこのアセスメントを行うわけでありますから、そうしたアセスメントを通じて、やはり後で不測の事態が起こらないように努めていくということだと思います。
 やはり地形的にも山間部の多い我が国でありますし、そしてその地方自治体のいろいろな状況もあると思いますから、私どもとしては、その構造また維持管理等を定め、そして、アセスメント等を通じてそうした公害が起こらないように努めていくというのが環境庁の立場でございます。
#31
○長谷委員 まあ常識の話で、重ねてやはり私は、水源地のところと一般的なところでは、そういうところはできるだけ避けるべきだ、これは長官としても、なかなかいろいろな問題を考慮して今はっきりおっしゃらないかもしれないけれども、そのことは常識だということを申し上げておきたいと思います。
 それから、ちょっと厚生省の方に伺いたいと思うのですが、最近、この日の出町の谷戸沢処分場で比較的大きな修理が行われたというふうに聞いておりますけれども、その状況はどんなでしょうか。
#32
○浜田説明員 お尋ねの広域処分場におきます最近のシートの補修状況ということでございます。
 私ども報告を受けております限りにおきましては、既に報告されております平成元年度から三年度までのシートの補修、こうしたものを本年四月以降につきましても引き続き行っているということでございます。したがいまして、シートの下に小石等が突き出ておりまして、そのために予防保全的に補修を行うといったようなことは、引き続き四月以降も実施しているというふうに聞いております。
#33
○長谷委員 その四月以降の補修に関してですけれども、具体的には何日から何日の間にやられましたでしょうか。
#34
○浜田説明員 具体的な実施月日あるいは箇所につきましては、私ども、東京都を通じて聞いておりますが、地元としてはまだそこまでデータとしては整理してないということで、詳しい報告は受けており実せん。
#35
○長谷委員 そういうことじゃちょっと困るのですね。具体的な話を伺いたいということで、補修の状況についてというので伺わなければいけないのですけれども、そうすると、厚生省に入ってくるのはいつごろになるのですか。
#36
○浜田説明員 そうした補修作業は業者に委託をして行っているようでございまして、その業者からの報告を受けて、まとまり次第、私どもの方にも情報はいただけるというふうになっておりまして、具体的にいつというふうにはまだ決めているものではございません。
#37
○長谷委員 じゃ、今まだやっているんでしょうか、終わっているのですか、それはどうですか。
#38
○浜田説明員 先ほど申し上げましたように、補修は随時行っておるようでございますので、いつまでに完了するということではございません。したがいまして、定期的に行っている予防保全的な補修状況につきましては、箇所数等につきまして随時取りまとめが行われると思います。その都度報告を受けてまいりたいと考えております。
#39
○長谷委員 地元の方で見ておりますと、最近もそこの補修が行われてということなんだけれども、やはりこの処分場組合が非常にガードがかたいといいますか、情報を拒むという傾向があるものですから、非常にこれがまた町のトラブルというのを大きくしているのですよ。どうしても、こう見たところ、あそこはやはり地元の人は近くですから、いろいろなところから現場を見ているわけですよ、一つには、シートに穴があいている。ところが、町の方とか処分場組合に言わせると穴はあいていない。厚生省もそれを一方的に聞いていらっしゃるから、やはり、あいていません、こういうようなお話をされたりするのですけれども、これはもう町の人たちにとっては信用できないですよ。だって、目の前で見ているんだもの。
 私もここに写真を持っていますよ、穴があいているのを。そういう状況なのに、穴はあいておりません、そういうふうに突っぱねるでしょう。補修したんですか、どうですか。補修はしたんだけれども、いつやって、いつ終わったんだかもわからなくてなんという、そういうお話になっちゃうと非常に困るわけなんです。私は本当は、そういう情報公開といいますか、町民の不安を解消するということの努力が欠けているんじゃないかということを、非常に問題だと思っているのですよ。
 そういう話になりましたので、ついでに伺わせていただきますけれども、四月の三十日に私あの処分場に行きました。あの日、何時間か前に待っていましたけれども、どうして入れていただけなかったのですか。
#40
○浜田説明員 本年四月三十日に先生が当地を御見学になりたいということでお申し入れなさったということは私どもも承知をしておりまして、そのときに処分組合の理由といたしまして聞いておりますのは、その前後、その日を含めまして前後は非常に多くの見学予定が入っております。御承知のとおり、埋立処分場、現在稼働している場所でございますし、多くのトラックの運搬あるいは埋立作業も伴いますので、事故防止の観点から五月十四日以降にしていただけないかというふうにお願いをしたものだと聞いております。
#41
○長谷委員 事故防止のため、そのところ、四月三十日から五月十三日までの間の見学予定者の実情についてちょっと話してくれますか。
#42
○浜田説明員 先生からお話がありました際に、私どもとしても三十日を含めましてその前後の予定は聞いております。確かに多数の見学予定が入っていた、今はちょっと手元にデータ持っておりませんけれども、そういうふうに記憶しております。
 なお、このあたり、連休ということもありまして、対応する職員が非常に不足していたといったような事情もあったと聞いております。
#43
○長谷委員 だから三十日はどうなっていたのですか、三十日については。私、今三十日から十三日までというふうに聞いたのだけれども、お答えがなかったけれども、まず三十日から教えてください。
#44
○浜田説明員 三十日につきましては、午後ということでは二十名の市民団体が見学を予定していたということでございます。
#45
○長谷委員 その市民団体の方はどうされましたか。見学されましたか。
#46
○浜田説明員 その後聞いておりますのは、当日雨が降りまして、見学を中止されたということのようでございます。
#47
○長谷委員 私が伺ったときには、その処分場組合の責任者といいますか事務所の方にはだれもしかるべき人がいない、現場にもだれもいない、こういうようなお話だったのですよね。それで、要するに忙しい、一方では二十名の、いろいろな市民団体やら府中やら福生やらというところの人たちが来るので、国会議員といえどもそういうところは見てもらっては困るというお話だったかと思うのですけれども、どういうことなのですか、結局。
 これは職員がいなかったのか、危ないというのか。危ないというのだったら、市民団体は入れると言っていたのだしね、そこのところはどういうことだったのですか。
#48
○浜田説明員 当日の状況について詳しく私どもも知り得る立場ではないのですけれども、いずれにしましても、当日、今申し上げた状況があったということの上で、さらに先生のお立ち入りをお断りした事情につきましては、これは現場の施設管理につきましては現場の自治体に基本的にはお任せしているという立場から、厚生省として関知できる事柄ではないかと思っております。
#49
○長谷委員 しかし、私、厚生省の方からお願いしまして、しかも私は非常に緊急な用事があるので、その後の行動を見ていただければわかるのですけれども、どうしてもこの日入らなければならないというふうに私は申し上げたつもりだったのですよ。そういうふうな緊急なときに拒むということで、やはりますます一体何があるのだろうかということになりますね。それは普通の市民から見たって、一体どうしてあそこまでやるのだろうかということになるのですけれども、どうなのですか、そこは。
#50
○浜田説明員 先ほど申し上げましたように、現場の管理につきましては、やはり現場の事情を一番熟知しております地元の市町村あるいはこのような一部事務組合にお任せをする以外にないわけでございます。
 ただ、一般論として、先生がおっしゃいますように、こうした処分場の設置・管理につきましては地元の方々の御理解を求めていくということは大変大事なことだというふうに厚生省としても考えておりまして、そのためにできるだけの努力はすべきだろうという考え方ております。
#51
○長谷委員 先ほどから厚生省は都とかそういうふうにおっしゃるので、ぜひこの委員会に東京都あるいは処分場組合の方をここに参考人という形で呼んできていただきたいというふうにお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#52
○草野委員長 後ほど理事会で協議をさせていただきます。
#53
○長谷委員 やはり市民に信頼に足るようなやり方をぜひとっていただきたいというふうに思います。
 それから、あそこのごみの処分場の中に入れているごみでございますけれども、これは焼却残渣が四〇%、あと残りの六〇%が不燃物というふうに聞いておりますけれども、その不燃物の中に、例えばマヨネーズのチューブとかそういう家庭で出るものみんな一切入るのですけれども、テレビとかワープロなんかも古くなったりすれば捨ててしまうのですけれども、こういったものが入っているわけですね。
 この辺の、テレビがそのごみの処分場に行くまでのシステムをちょっと簡単に言っていただけますか。
#54
○浜田説明員 家電製品、例えばテレビのようなものが当処分場でどのように埋め立てされているかというお尋ねでございます。当該組合と地元自治会との公害防止協定ということの中で、焼却できないようなごみにつきましては、搬入する前に有価物になるようなものを引き抜きまして破砕しまして、寸法はおおむね十五センチメートル以下になるようにして埋め立てるということになっておりまして、これが励行されているということを聞いております。
#55
○長谷委員 そうしますと、テレビを細かく切ってしまって、金属部分があればそれは磁石で取ってということになるのですけれども、あとプラスチックの部分とかICの基板とか、こういうものは細かくして全部不燃ごみの中に入ってしまうわけですね。そうしますと、昔テレビが燃えるような事件があったりして、それで難燃剤の試験基準を厳しくした、こういった経過なんかもあって、今度検出されましたTCEPとかその他の難燃剤が前よりも一層プラスチックの中に含まれている可能性というのは高いかと思うのですね。
 そういったことを考えますと、IC基板の中にはまた非常に今までにはなかったような化学物質が含まれている可能性もあるわけですから、言ってみれば、あのごみの中というのはすごく複雑怪奇、いろいろな物質がいっぱいあって、それが上から雨が入ってしまうということですから、それでゴムのシートを敷いている、こういう理屈になっているかと思うのです。
 ところで、電池の問題もあるのですけれども、乾電池というのは分別収集がわずか五%ぐらいしかされてないというふうにも聞いていますけれども、これもやはり細かくしてあの中に入っているのですか、それとも燃やしているのですか。両方ですね。パーセント。
#56
○浜田説明員 当処分組合におきます乾電池につきましては、構成市町村、二十七市町村ございますけれども、いずれも廃乾電池の分別収集をしておりまして、ただ、そうは言いながら、分別がうまくいかないでごみの中に若干混入するものもあるかもしれませんけれども、そういったものを除きまして分別収集が行われておりますので、多くのものはそこには入っていないということでございます。
#57
○長谷委員 その認識と通産省がつくったものと、最終的に、例えばきちっと分別したって、その後集めてどこかでまじっちゃえば同じことですから、きちっと水銀等を取り出しているというのは五%くらいだろうというふうに伺っているので、今の答弁とは大分違うなというふうに思うのです。要するに普通のごみとして入っているか、燃やしているのが実情だ。それが安全でないかどうかという議論は、その前から、安全宣言じゃないですけれども厚生省からいろいろあるので、そのことは蒸し返しませんけれども、要するにそこに入っているというのが実情だと思います。
 それで、ゴムシートをやっているのですけれども、そのゴムシートが今までに破れていた、そして補修をした、こういった例についてはどういう状況ですか。
#58
○浜田説明員 一般廃実物の最終処分場、いわゆるごみの最終処分場におきまして遮水シートの破損事故が起こった事例といたしましては、昭和六十年の七月に八王子市の最終処分場におきまして起こった事例一例のみ私ども承知しております。
 この事故につきましては、八王子市が設けました調査委員会の報告によりますれば、何らかの理由によりまして埋立地内の浸出水集水装置並びに遮水ゴムシートが破損して、その結果、浸出水系の汚水が地下水系の地下水管、つまりゴムシートの下に地下水を集める管が引いてありますけれども、その中に入りまして、それが調整池で雨水と合流して川に流れ出たということによって河川を汚染したものというふうに推定をされております。その後、この浸出水の処理対策を行いました結果、全量処理を行うことにしました結果、処理水の水質につきましては基準を超過しなくなって問題がなくなっているというふうに報告を受けております。
#59
○長谷委員 何らかの理由ということで、あそこの場合は一部ごみを掘り返して中を調べましたら、やはりゴムシートが随分破れていたという事例だったのですけれども、このときは何らかの理由ということで理由が明らかにされなかったのですね。
 そうしますと、今度例えば日の出でも何らかの理由でゴムシートが破れている、こういう可能性があるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#60
○浜田説明員 そういったことがいろいろ指摘をされているわけでございますが、私ども現状で判断しておりますのは、今の事故事例にも見られますように、万一破れたという場合、大きく影響が出るような破損があったといった場合には、地下水を集めるために引いております、ゴムシートの下に設置しております集水管の水質にまず大きな異常が生ずるというような状況が発生すると思っております。
 こうしたことから、当該日の出町に設けられております処分場の水質試験結果を私どもも見ておりますけれども、特に調整池に流入しております地下水の集水管からの水が異常を起こしているという状況にもございませんし、また周辺の地下水の水質調査結果におきましても異常が見られていないということでございますので、八王子で見られました大きな破損事故が起きているというふうには考えられないところでございます。
#61
○長谷委員 それで、今の答弁はちょっとまずいと思うのは、ごみの処分場組合の出してきたデータは確かに何の異常もないと言ってきたんだけれども、ほかの調査をやってみたら実はこれとは違ったデータが出たということなんですよ。この食い違いはどう考えられているのですか。今全く無視されたような御発言だったのですけれども、この食い違いはどう考えられるのですか。
#62
○浜田説明員 御指摘のように、民間の研究所が最近、周辺の井戸の井戸水あるいは処分組合の調整池におきまして測定した水質データというものも私ども入手もしております。御指摘の点は水質データの違いという意味で数値として開いているようにみえますのが鉄、マンガンといったような項目だろうと思いますけれども、この物質につきましては、先生も御承知のとおり、土壌にも相当含まれている物質でございまして、場所によりましてあるいは時期によりまして相当変動する可能性もございます。
 また、組合が測定しております井戸なりサンプリングポイントとこの民間の研究所がサンプリングされた地点が必ずしも一致していないように伺っておりまして、そうした結果、データ上の差異を生じているものと推測されますけれども、詳細につきましては私どもも十分把握できていない状況でございます。
#63
○長谷委員 ますます困るのですね。ですから。井戸、これは組合のモニタリングしていらっしゃる井戸と同じ井戸なんです。違うというのは、要するに、浸出水がありますでしょう。原水、これと処理水、これを取らせないのです。先ほどから言っていますように、ガードが非常にかたい。普通だったら、水質を処理しているんだったら、非常に自慢している、設備の一番大事なところですよ。みんなに見せて、どうですか、こんなきれいになっていますよ、こういうのが当然じゃないですか。
 私、ほかのところの処分場ではそういうふうにして見てきたところが幾つかございます。ところが日の出町に関しては、そこはもうシャットアウト、そこの水も取ってはいけない。そこが違いますから、確かに違うといえば、民間ではやれないところがあるわけですよ。そういうのが実態なんですよ。ほかでやった井戸のA、B、C、D、E、Fと書いてあるのは、これは同じ井戸です。そういう実情を、風通しか非常に悪いなということをきょうも伺っていて感じるのですけれども、もう少し責任ある立場できちっと監督していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 そういった水の問題で非常に違うものが出てきてしまって、住民は混乱していますし、不安を持っていますよね。こういうときに、都の方も独自の調査をやる、しかも処分場組合もやる、こういう話になってきましたけれども、既に、住民の方からいいますと、処分場組合、今までずっと大丈夫の一点張りだったわけです。しかも、では水を下さいと言ったら、いやだと言うのですね。大丈夫だよ一点張りでやられてしまったところにこういう問題、違うデータも出てきて、また今まで大丈夫の一点張りできたところだけの調査をしてどうですかといったときに、住民は納得されますか。それはとても無理だと私は思うのですよ。
 ですから、浸出原水というものを複数で調べる。ですから私は、厚生省にも環境庁にもこの水を独自に調査していただきたいと思うのです。それから環境研究所、あそこもちゃんとしたところですよ。私がお会いしましたら、自信を持っておられました。こういう方にも差し上げて水を調べてもらう。市民団体にも差し上げたらどうですか、住民の皆さんに。みんなでいろいろ調べてみて、データを突き合わせて、これは本当に大丈夫という確認をされるならそういうことをやるべきじゃないか、私はそう思うのですが、いかがでしょうか。
#64
○浜田説明員 今後の水質の調査につきましては、先生も御指摘なさいましたように、東京都の指導によりまして広域処分組合が総合的にやるということになっております。
 これのデータの信憑性についてのお話でございますけれども、この調査はきちんとした民間の検査機関、計量法に基づきます計量証明事業を行っております検査機関が行うと聞いておりまして、その結果について報告がなされるということでございますので、そのデータそのものの信用性というものは十分におけるのじゃないかというふうに考えておりますし、また、都が今回につきましてはそのデータについていろいろきちんとした責任も持った判断もしていくということを言っておりますので、そうした状況を待ちまして、厚生省といたしましても随時報告を受けながら、適切な必要な指導は行ってまいりたいというふうに考えております。
#65
○中村国務大臣 もとより環境庁の役目は、こうした処理施設等の設置に当たって、環境保全上の支障が生じないような措置をとるということであります。その中で、環境庁としては、廃棄物の処理基準、最終処分場の構造、維持管理の基準等を定めているわけでありますのでありますから、今御答弁ありましたように調査が行われている、その調査の結果を当庁としてもよく把握をして、そして問題があれば、関係省庁と連絡をとりながら今後どうすべきかということを考えていくべき立場にあると思っております。
#66
○長谷委員 一般的には全くそのとおりですけれども、今問題になっているのは、中の水自体を公開したらどうかということなのです。別にそれは隠してはいけないことはないと思うのですね。
 さっき浜田課長のおっしゃったように、住民の立場に立って、今さらそこまでお上は絶対だと思っている人というのはもうめったにいませんからね。それはちょっと説得力がないと私は思いますので、そこのところ、いいのでしょう、皆さんで水を取ってそれを調べる、こういうことをぜひやっていただきたいのです。そう一度とうぞ。
#67
○浜田説明員 国といたしましての指導は、最終処分場についてその周辺の環境汚染がないように定期的な水質監視等を行うようにという点につきましては指導をする立場にございますけれども、水をどういった方に分けて分析していただくかという具体的な点については、当該自治体の判断にゆだねるべきことかというふうに思っておりますので、その点についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#68
○長谷委員 大変不思議な気がしますけれども。
 先ほども言いましたけれども、立ち入りを拒否するようなことについては、やはり厚生省からも今の情報を公開して、みんなでわかり合って信頼をつくっていくということは行政としては当たり前のことだと思うので、その辺の指導をきちっとされることを強くお願い申し上げます。
 それから、さっきも言いましたように、今ごみが非常に多様化して、いろいろな部品なんか入れば、とがったものとかいろいろな傷をつけるようなものが入りますね。これ、実験をやって、シートの上に砂を敷いて、そういう一般のごみを入れまして上からブルドーザーをかけると切れてしまったりするのですよ。ですから、今の処分場自体の管理のあり方をやはり変えていくというようなことについての検討をぜひしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#69
○浜田説明員 確かに、先生おっしゃいますように、ゴムシートを敷く場合に、事前の十分な下地ならしあるいはシートを敷く際の注意といった施工上の留意のほかに、埋め立て時にそのシートを損傷しないような作業方法といたしまして、まず保護層をきっちりと敷いた上で作業を行うといったようなことは、私どもが出しております構造指針にも記載しているところでございます。
 構造基準、維持管理基準につきましては、環境庁と一緒に検討をすべきものでございますけれども、そこに問題があるというよりは、その基準を満たしていただくために各市町村にどういう点を留意していただく必要があるのかといったようなことを、さまざまな事例をできるだけ集めまして、きめ細かい点の指導を今後してまいりたいというふうに考えております。
#70
○長谷委員 いずれにいたしましても、この問題、今地元では大変不安を感じでいるわけでございます。このシートから漏れたのか、どこから漏れたのか、水の基準の中に出てはいけないようなものが出てきている、こういった状況があるにもかかわらず、一方では、日の出の町には実はもう一つつくるのです。今、第一でこれだけ問題があるのに、もうちょっと山の高いところにもう一個つくろう、こういうような計画になって進んでいるわけですね。そうしますと、町の人はもう本当にどうしたらいいか、ほとんど眠れない、こういうようなお話をするのですよね。
 それから、この間勉強会があったときに中学生ぐらいのお子さんが来ていらっしゃいましたけれども、日の出町でとれたキュウリとかトマトとが食べても安全でしょうか、こういう質問が出ちゃうのですよね。環境庁としても、こういうような状態が展開していることについてやはり深刻に受けとめていただきたいということを本当に思うわけですよ。やはり最低こういうことがはっきりして、それこそ水をみんなで調べてみて、ああ大丈夫じゃないか、この程度だったらこの程度の補修をして、こういう運営をしていけば大丈夫、こういうことになればそれはそれで私もいいと思うのです。そうしなければいけないと思うのです。
 それにもかかわらず第二処分場を強行していくというか、同時に進めていくということに関しては私は非常に問題が多いと思うのですけれども、この辺のところ、長官はいかがでしょうか。
#71
○眞鍋政府委員 最終処分場でございますが、最近ごみの量が大変ふえてきておりましていろいろ立地が難しい、こういうことでございます。先ほど申し上げましたように、ごみにつきましては減量化に努める、あるいはリサイクル等によりまして減量化に努めるということも必要でございます。しかしながら、どうしても最終処分場というものは必要でございます。そういうことで環境問題を起こすようでは、なかなかそういう立地が困難になってきておるということは御指摘のとおりでございます。そういうことから、そういう最終処分場の設置に伴う環境問題が生じないように今後とも適正な基準をつくるとか、あるいはその後の管理等が適正に行われるように今後とも努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
#72
○長谷委員 長官おいでですからお伺いしたいのですけれども、やはりクリアにして、信頼をつくって前に進むというのが原則だと思うのです。そういった意味では、明らかに今調査等も始めたし、やっておるわけですから、これを待ってから第二処分場の問題をやはりやるのがこれは常識と言えば常識ですよね。その辺のところはいかがでしょうか。
#73
○中村国務大臣 このごみの問題は、私も含めてここにお集まりの議員の方でもだれでもごみを出すわけですね。そのごみの量が大変ふえてきているという現実があるわけであります。私は実は千葉県が選挙区でありますけれども、千葉県の沖合にごみを埋め立てる島をもう一つつくろうかというような話を持ってこられて、地元は反対をしております。ですから、どこへ持っていくかということ、そこで出てきたごみをどこで受け入れるかということになると、我々はやはり加害者であり被害者である、だから、まず出さないように気をつけるということが第一だと思うのです。私は少なくとも、環境庁長官になったからではなくて、それを実践しようと昔から努めてまいりました。そうすればこのごみ問題というのはかなりな部分軽減されてくるのじゃないか。
 もう一つはリサイクルの問題でありますけれども、これは将来にわたりまして、一つの製品をつくるときには、その製品がどれだけの廃棄物を出すのだ、それがどれだけリサイクルできるのだということまでやはりアセスメントすることが必要になってくるのじゃないか、このように思っているわけであります。ただ、現実問題として、どこにつくってどうするかということになりますと、先ほどからお答えしておりますように、そこの地方の問題だとか自治体の考え方だとか住民の考え方だとか、そこから出るごみの量とか、いろいろな要素がかかわり合って決めていくようになると思います。その中で、今私どもの局長がお答えしましたように、環境庁としては、いろいろな調査の結果を待って、よく実態を把握しまして、環境公害が起こらないようにいろいろな対策をいろいろな役所と相談しながら進めていく、そんな考えでまいりたいと思っております。
#74
○長谷委員 処分場に殺虫剤をまけという趣旨もあるかと思うのですけれども、この日の出町ではどのような殺虫剤をどういう程度にまかれているでしょうか。
#75
○浜田説明員 一般廃棄物の最終処分場につきましては、厚生省と環境庁が共同で出しております技術上の基準というものがございます。その中の維持管理に関しましては「ねずみが生息し、及びが、はえその他の害虫が発生しないように薬剤の散布その他必要な措置を講ずること。」というふうになっておりまして、具体的には、覆土、それから埋め立てた跡の転圧、それから薬剤の散布等の方法がございます。
 ただ、具体的に使用する薬剤あるいはその使用方法について特別の定めはしておりません。また、この日の出町の谷戸沢の処分場につきましては、現在薬剤の使用はしておりませんで、覆土等によりこうしたものの対策を講じているというふうに聞いております。
#76
○長谷委員 そうすると、農水の方にお伺いしたいのですけれども、この周辺、空中散布を森林とかそういうものを含めてやっておられるでしょうか。
#77
○上野政府委員 私どもが東京都庁から受けております報告によりますと、これまで日の出町の当該産業廃棄物処理施設付近での農業の空中散布を実施した事実はないということでございます。
#78
○長谷委員 そういったことで、非常にいろいろな問題が多いところかと思いますが、やはり市民が、住民が安心できるという形でやっていただきたいというふうに思っております。
 あと、ダイオキシンが今度の都の調査でも入れるということになりました。この調査は、確かに一回やると八十万円かかって大変なものだと思うのですが、問題が起こってきた、何かあるという疑いがあるときには、やはり環境庁の方でもダイオキシンの検査というものを積極的に、お金がかかることですけれども、やっていただくことをここで重ねてお願いを申し上げます。
 ちょっと時間が押し詰まってきましたけれども、農水の方にお伺いいたしますけれども、この前、新聞にポストハーベストの問題で、ソバを輸入するに当たって厚生省の新基準をつくる、この基準だとなかなかうまくクリアできないので何とかしてくれというような話があったということが出ておりました。実際これは、私は原産地の方から送ってくる段階でいろいろ調べていますけれども、例えばその段階をポストハーベストがクリアできる基準であっても、要するに、入ってくる水際のところでどうしてももう一度臭素とかで消毒しますでしょう。こういったことで、またどうしても残留程度というものが上がってくるかと思うのです。水際の防疫ということについての実態、こうすることによってどのくらい残留農薬が問題になってくるのか、ちょっと御説明していただけますか。
#79
○上野政府委員 委員の御質問は、ソバの輸入量等、あるいは検疫の実態ということかというふうに考えますので、お答えをさせていただきます。
 ソバの輸入検査数量は、平成三年の実績値といたしまして約六万二千トンほどございます。この六万二千トンのソバにつきまして、病害虫がついておるというような事態がありますれば、その侵入及び蔓延を防止するために植物検疫を実施するということになるわけでございますけれども、この植物検疫を実施した数量が、今申し上げました六万二千トンの輸入数量のうち、約二万五千五百トン程度あったということでございます。
#80
○長谷委員 要するに、今私がお伺いしたのは、臭素とかそういうものを使うことによってどれくらい基準というか残留農薬の問題に影響があるか、こういうことを聞きたかったのですけれども、もう一度ちょっと簡単にお願いします。
#81
○上野政府委員 輸入農産物に病害虫が付着しているという事実が判明をいたしました場合に、臭化メチルという薬剤を使って薫蒸をいたすわけでございますけれども、それに伴います臭素の残留度というのが今御質問の趣旨だろうかと思うわけでございますが、物によって違います。ソバの場合などは一六〇ppmぐらいになっているものもございます。それから、キウイフルーツなどは非常に少のうございまして、二〇ppm前後ぐらいの水準であるというようなことでございます。
#82
○長谷委員 法律でそういうことをしなければいけないということになっている、そのこと自体も本当は見直していかないと、この新聞に、やはり実態と厚生省の基準が合わないのでという働きかけでされたということを聞いておりますけれども、そのこと自体はやはり事実ですよね。事実であるとすれば、やはり水際の防疫ということについてもどの程度やるかということをもう一度考え直していかないと、入らないという実態を先行させていくとなれば、何のために基準をつくっているのかということになりかねませんので、そこのところをきょう大臣もおいでですから、全体に国民の健康と、もちろん輸入を確保していくという立場ですけれども、やはり農業の問題、残留農薬は大変大きな問題になっておりますので、そういった問題に対して農水省も目配りをして低いものに抑えていくというような配慮というものをぜひお願いしたいと思うのですが、その安全性の配慮について、長官どのような御決意をお持ちでしょうか。
#83
○上野政府委員 私どもの担当いたしております輸入検疫、これもやはり病害虫の外からの侵入を事前に防止して、我が国の環境なり農業生産を守っていかなければならないという趣旨のものでございまして、非常に大事なものだというふうに考えております。しかし、人体への影響があるということであれば、これはまたもっと大事なことでございますので、残留農薬の残留量については、これはその許容の範囲内でやっていかなければならないというふうに考えているわけでございまして、この植物防疫を実施するために臭化メチルを使うというような場合の、できるだけ残留のないような形での工夫というものはしていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
#84
○長谷委員 一層国民の健康と命ということに目配りをした行政をやっていただくことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#85
○草野委員長 次に、小森龍邦君
#86
○小森委員 答弁をする政府委員の時間の関係もありますので、ちょっと論理が前後し、ちぐはぐするかもわかりませんけれども、冒頭に総務庁の方にお尋ねをしたいと思います。
 総務庁は、いろいろ同和問題に対する経過がありまして、いろいろなことが頭に浮かぶと思いますが、同和対策審議会の答申の基本方針というところに次のような文章があることを御承知だと思います。
 「同和対策としての環境改善対策は、健康で文化的な生活を営むため、その生活基盤である環境を改善し、地域にからむ差別的偏見をなくすことである。すなわち、住むところが違うという意識を醸成する劣悪な環境を改善することは、社会福祉の充実、経済生活の確立及び教育水準の向上などの諸施策の基底となるもので、特に重要な意義をもっている。」こういうのが同和対策審議会の答申にございます。
    〔委員長退席、鳩山(由)委員長代理着席〕
 そして、実は環境庁設置法の第三条に「環境庁は、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他環境の保全を図り、国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するため、環境の保全に関する行政を総合的に推進することをその主たる任務とする。」というのがございまして、ここで言う、環境庁が言うところの「環境」と、同和対策で言うところの「環境」と、言葉は同じでありますけれども、行政的な意味とすれば相当の食い違いもあると思いますが、しかし、人間が受ける環境の、つまりよい状況で健康な生活をするとかあるいは悪い環境で劣悪な生活をするとかいう、人間の受ける側からすれば同じことなんであります。
 そういう意味で、現在例えば、後ほど建設省にもお尋ねをしますけれども、総務庁とすれば、同対審が分析しておる河川敷とか沼地とかあるいはがけ下とか急傾斜地とか、そういうところに部落は位置づけられておるということを同対審答申で分析をしていますが、それがどの程度の改善の方向に向かっておると認識をされておるか、まずお答えをいただきたいと思います。
#87
○小山政府委員 ただいま先生御質問ございましたいわゆる同対審におかれまして、住民の劣悪な環境、これにつきましては、私どももいろいろ勉強させていただきました。
 多少、同対審についての感じているところをお話しさせていただきますと、答申におきましては、同和地区の立地条件につきまして、「同和地区は、伝統的に、きわめて劣悪な地勢的条件にある。すなわち、河川沿い、河川敷地、沼沢地、傾斜地、荒地など都市農村を通じて一般の土地利用には、不適な土地に位置している。そのため、同和地区は、洪水や大雨の時は大きな被害を受けることが多い。」また、その対策につきましては、「環境改善に関する対策」の「基本的方針」の中で「立地条件の改善」としまして「部落が劣悪なる環境におかれている原因は、河川敷、堤防下、崖の上、谷間、低湿地、浜辺といったような大風雨や豪雨によって、たちまち災害を受けるようなことが多いからであり、中には人間の住むところではないといったような地域もみられる。すなわちこのような居住地域については、その実態を調査し、抜本的に改善する対策を樹てる必要が認められる。」とした上で、具体案としまして「災害危険区域その他立地条件の劣悪な地域については、防災的施設の整備、要すれば部落の移転についても行ないうる制度とすること。」としているわけでございます。
 私どもは、それを受けまして、同和問題は憲法に保障された基本的人権に係る重要な問題であるという認識のもとで、同対審答申が指摘します同和地区の劣悪な生活環境等の改善を図るため、昭和四十四年以来三たびにわたる特別措置法に基づきまして、今日まで関係諸施策の推進に努めてまいりました。その結果につきましては、先生の御質問になるわけでございますが、生活環境を初めとしまして同和地区の実態はこの四半世紀近くの間に相当程度改善され、「その成果は全体的には着実に進展をみている。」このように評価いただいていると認識しております。
 しかし、一部に、現時点におきましても事業の取り組みがなおおくれている地域が見られる、こういうようなこと等によりまして、平成四年度以降の物的事業量が相当程度見込まれました。また、啓発等非物的な事業の面におきましても、なお今後とも努力を続けていかなければならない、こういう状況にあると認識しております。
 このため、政府といたしましては、昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申を尊重して取りまとめた政府の大綱に則しまして、地対財特法の一部改正等を行ったところでございます。今後とも、そのような認識を前提にしまして、関係省庁、地方公共団体等と密接な連絡を図りつつ、関係諸施策の推進に積極的に取り組んでまいりたい、そう思っているところでございます。
#88
○小森委員 環境庁長官にお尋ねをいたしますが、環境庁のつまり行政の受け持ち範囲として、部落の環境ということについて自分の受け持ち範囲と思っておられるか、どうでしょうか。
#89
○中村国務大臣 委員がさきに御指摘になられましたように、地域改善対策協議会によります生活環境というのと私どもが所掌いたします公害、自然環境というのとはいささか違う概念かとも思うわけであります。そして、地域改善対策事業の中の生活環境の改善という事業は、今もお答えがございましたように、各省庁でいろいろ対応して一生懸命やっていると思います。私どもの自然環境というのは、これは万民共通に、自然環境を保全し、公害を起こさないようにということでございますので、御質問の趣旨がちょっと難しいのですが、自然環境を守るということで私どもは頑張っているわけでございます。
#90
○小森委員 総務庁の審議官の方にお尋ねをいたしますが、例えば急傾斜地のところに部落が存在をしておる。それも、世間一般だってそれは急傾斜地の下に具体的な事情によれば家を建てている場合もあろうが、そういう傾向が非常に強い。がけ崩れが起こりやすい。私は、一九七二年に広島県で大きな災害があったときに、県北一帯ずっと視察して歩いて、堤防が切れたとかがけ崩れで人が死んだとかいうところをずっと尋ねていったら、ことごとくそれは部落であった。そういう意味では、自然環境という意味でも私はこれは環境庁にも関係があるように思いますが、総務庁の方はどういうふうにお考えですか。
#91
○小山政府委員 その辺の事情につきましては、やはり同対審答申で指摘されておりますように、十分危険な環境にあるところに立地していたということは、私も確かにそうであろうと認識しておりますしかるがゆえに、私どもは関係省庁と常時、長年の間連携を保ちながら改善を図るというためにかなりの投資をしてまいったわけでございますし、現時点におきましても、いわゆる環境改善の要ありという地域がどの程度あるかというようなことを各省庁におきまして精査をしながら計画を立てている、こういうことでございます。おっしゃるような側面はあろうかと思っております。
#92
○小森委員 審議官、もう時間が来ましたから、あと室長に尋ねますので。
 環境庁長官にちょっと続いてお尋ねをしますが、実はこの同和対策審議会答申の「結語」の中にこういうことが書かれてあるのです。「現行法規のうち同和対策に直接関連する法律は多数にのぼるがこ「多数にのぼるがこというのは、例えば急傾斜地帯に対する建設省関係の対策とかいろいろなものがあって、「多数にのぼるが、これら法律に基づいて実施される行政施策はいずれも多分に一般行政施策として運用され、事実上同和地区に関する対策は枠外におかれている状態である。」これが難しいんですね。枠外に置かれていかず、特別な対策だということで枠外に置かれてはいけないし、さりとて一般的な扱いをしなければ特殊行政、行政外の行政、特殊行政、こういうふうな形になることを実は「同和行政の方向」というところで同対審答申は戒めているのでありますが、私はいささか不満なのは、環境庁というものが部落の置かれておる環境ということについて余り注意を払っておられないのじゃないでしょうか。
#93
○中村国務大臣 私どもが所掌しますのは公害、自然環境でありまして、急傾斜地の保全とか、これはちょっと私あれですが、建設省もしくは林野庁等の所管になると思いまして、私どもがお答えできる範囲を超えていると思いますので、そちらの方が来ていたらお願いしたいと思います。
#94
○小森委員 それが長官、ここはひとつよく考えていただぎたいのですけれども、要するに、これは建設省です、これは何々です、こう言うけれども、トータルに考えてみたら我が国の自然環境の中で最も劣悪なところに置かれてきたという歴史的事実があるわけなんです。
 したがって、環境庁もそれに対して相当の関心を持ち、環境庁自体の同和問題に対する見識というものがないと、例えば、この間衆議院予算委員会で和田静夫議員が提起をいたしましたように、我が国は今十五カ所、四十基ぐらいの原子力発電所があるらしいが、その中の七割方ぐらいまで部落のすぐ近くまで立地しておる、こういう極めてごく近代的な状況の変化というものもなかなかつかめないのじゃないですか。
 じゃ、部落を除いた問題の環境問題なんですか、環境庁は。どうでしょうか。
#95
○中村国務大臣 もとより同和問題は、憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題であり、これまでも種々の施策が推進されてきたわけでありまして、こうした差別を残していいことは決してないので、同和問題が一日も早く解決することは、これは閣僚の一人としても努めていかなきゃいかぬことだという認識は十分持っております。
 しかしながら、環境の問題となりますと、それは私どもが所掌するのは自然環境、公害防止、公害のいろいろな測定だとか、それから将来における公害対策等でございまして、自然の地形だとかそういうことは、全国に急傾斜地だとか河川だとかいっぱいあるわけでありますけれども、そういうところが安全かどうかというような管理は我が省でやるべき範囲を超えておりますので、どうも私どもの方から御答弁しかねる問題でございます。
#96
○小森委員 それは環境庁長宣言われるとおり、「公害の防止、自然環境の保護及び整備その他環境の保全」というのがあるのですね、環境庁設置法に。
 じゃ、部落のところに堤防をつくらずにおってほかのところへ堤防をつくって、大水が出たときにだあっと遊水地帯にして流しておったという長らくの状況というものは、環境庁は全然関係ないのですか、これは。
#97
○中村国務大臣 それは国の行政措置としては建設省がやるべきことだと存じます。
#98
○小森委員 長官、実は私が言いたいのは、建設省が個々のことをやるのですよ。やるのですが、環境ということになったら、全体を目配りをしなければいかぬのですよ。建設省さん、これはええんですかと言うぐらいのことはあってもいいんじゃないですかね。そうしないと、それが要するに特殊行政へ特殊行政へと追いやられていく、こういう気持ちがするのですけれども、その点、どうでしょうか。
#99
○中村国務大臣 国土の地形だとか、そしてそうした生活環境の問題というのは、ちょっと私どもが所掌する環境とは別のジャンルではないかと思うわけであります。
 繰り返して非常に申しわけございませんが、私どもは公害防止だとか自然環境の保全をやるわけでございまして、生活環境、そしてその国土の、海岸線の保全だとか河川の保全、これは私は建設省がやるべきことではないかと思っております。
    〔鳩山(由)委員長代理退席、委員長着席〕
#100
○小森委員 長官も繰り返して恐縮だと言っておりますが、私も繰り返して恐縮なんですけれども、因果関係が、例えば被差別部落のすぐ隣の土地は安い。特別のことがない限り売買できないから安い。安いところへ持っていって、簡単に言うと人が嫌うような施設が入り込んでくる。そうすると、そこで環境は、例えば今日のように非常に生産力が高い時代になってきますと、公害のたれ流しなどがあって環境が破壊される、こういう意味で公害にも関係をするし、また、人々が健康で文化的な生活を営む生活環境の破壊ということにもなるので、これはまたいつかじっくり時間をとって環境庁長官ともいろいろ意見の交換をしたいと思います。
 これは直接自分が予算を持っておる仕事ではないけれども、農林省とか厚生省とか建設省とかありますわな、いろいろ持っておる予算でやることではあるけれども、環境庁自体が一定の見識を持たないと、それはすべての行政分野にわたって問題の解決を図ろうとするこの同対審答申の精神からは少し外れることになるのではないか、こういう気持ちがありますから、これはきょうの質問を順序を変えていけばもっとわかっていただけたと思うのですけれども、審議官が、政府委員がちょっと用事があるというので、特別に私はじゃ先に出てもらおうということで順序を変えたからわかりにくかったかもしれませんけれども、その点はぜひ将来にわたって考えておいていただきたい。また機会を見て私は質問をいたしたいと思います。
 そこで、建設省の方へお尋ねをいたしますが、今日の急傾斜地帯、災害危険区域というのか、ちょっとこれは危険だなあと思われるのを、建設省にはいろいろ基準があると思いますが、例えば傾斜地が何度の角度でどうだとかいうようなのがあると思いますが、その基準と、まだこれから手を入れなきゃならない箇所数がどれくらいあるか、わかればその箇所数のうち被差別部落がどれくらいあるだろうか、わかったら知らせていただきたいと思うのです。
#101
○西田説明員 御説明申し上げます。
 まず急傾斜地崩壊危険箇所の基準でございますが、現在、がけ高五メートル、人家五戸以上、そういったがけが大体三十度以上の勾配で立っているようなところをいわゆるがけ崩れ危険箇所と考えております。現在、平成四年調査におきまして全国で八万一千八百五十カ所と把握しております。
 急傾斜地対策事業と申しますのは、人命の保護と国土保全の性格を強く有する事業でございまして、他事業との調整を図りながら危険度の高いところから順次実施してまいる必要のある事業でございまして、現在、御指摘いただきました対象区域について何カ所あるかというようなことにつきましては、ちょっと統計的に資料として持っておりません。
#102
○小森委員 同対審答申は、精密調査をしたというものの、その箇所数までは調べていなかったと私は思います。したがって、それはその後いろいろ手を打って、いわば法則的にかけ下にあるというようなことが、ほかの劣悪な生活環境と同じように存在をしておるということになれば、それは調べなきゃいかぬと思うのですね。そういう意味で、地対室長、審議官が出たから地対室長に尋ねますが、どうですか、それは。そんなことを調べないと、本当の意味で物事解決ついたということにならぬのじゃないですか。
#103
○荒賀説明員 先ほど、同対審で触れられている同和地区の立地条件について政府委員から答弁をいたしたわけでございますが、ただいま建設省からも御答弁がございましたけれども、それぞれ所管の分野につきまして、今の傾斜地の崩壊対策事業についての基本的な考え方と、それから箇所数あるいはそれに要する予算等についてお話があったところでございます。私どもも基本的にはそれ、それの所管省庁と十分相談をしながら対策を進めておるところでございます。
#104
○小森委員 環境庁長官あるいは農水大臣にひとつ聞いていただきたいと思いますけれども、ある部落の出身者の自動車の運転免許証を見たら、○○市○○町、次に番地がないんであります。どういう言葉が続いておるかといったら堤内、つまり川の中、こうなっておるのであります。それは、確かに総務庁が言われるように、そういうことは次から次へと解決しつつあることは間違いないのであります。しかしながら、そういうとこうに住まわされてきたといういわば法則性みたいなものが同対審で分析されておるわけでありますから、同和対策ができた、できたと言って旗ばかり振らずに、いよいよどうなったからできたということを言わなければいかぬと思いますが、恐る恐る自治体がこれだけの予算が要るのですと言って出した、それの差し引き計算だけで、できた、できたと言ったら私はだめだと思うのですね。そういう意味で、今冒頭にこういう議論をしたわけでありますから、その点をひとつ聞き取っておいていただきたいと思います。
 それは、二十年、三十年前のことじゃないのであります。つい最近も、群馬県の桐生川に堤防のないところがあるからうちの解放同盟の幹部が、これはもう部落だ、こう言って、最初に行った人がそういう分析をして調べてみたら、まさにそこは遊水地帯で部落であったのであります。それは建設省に言って堤防をつくってもらいましたけれども、指摘をしたところしかできていないという問題があるのですね。
 だから、文化国家を標榜するこれだけの経済力のある我が国においてそういう問題がなお続いておるから、実態調査というものはいかに大事か。そして、それぞれの省庁が分かれてやっておるが、およそ国民の生活環境というようなものについては、環境庁長官は大枠を守るのが環境庁の任務だというように思っておられると思いますが、しかし、ひとつそういう人間社会の構造と環境との関係というところまで目を向けてもらわないと、本当の意味で環境庁の業務が前に進まないのじゃないか、こう思いますので、そのことはきょうは申し上げる程度にさせておいていただきたいと思います。
 そこで、きょうの決算委員会の本論といいますか、今度はこれは環境庁の問題だと思いますが、お尋ねをいたします。
 広島県府中市の荒谷というところに、戦争中に掘った銅山とか亜鉛の鉱山とかたくさんありまして、鉱害防止というか、そういうものをするためにふたをしたりなどしておるのでありますが、最近、この二年、三年ほど前、その付近から重金属が地中からしみ出すようになってきた。それで、一キロほど下のその川の水を使ってコイを飼うことを仕事としておる人のコイが一晩にして死んでしまった。それから、その水を田んぼに引いておる、その稲がかなりカドミを含有しておるということがわかったというようなことがあったわけなのでありますが、今まで接触した範囲では、鉱山との因果関係が明確になれば通産省やその他政府からいろいろな金が出る、金が出るというのは対策を立てる制度があるが、その程度ではできない、こう言うわけでありますね。
 そうすると、鉱山との因果関係というものの証明はできないが、現に環境としてそういう毒物が河川に流出をして、今その川には魚はすんでおりません。そして、その川の流域には相当数の人が住んでおります。そういう場合に、環境庁はどうこれをお考えになって、どう対処されますか。
#105
○眞鍋政府委員 お尋ねの汚染の問題でございますが、御指摘のように、鉱山等が原因になっている場合には通産省の方で補助対象にするという制度がございます。しかしながら、一般的な自然起源の汚染でございますとか原因者不明のものにつきましては、現在のところそういう制度がない、こういうのが事実でございます。
#106
○小森委員 そうすると、これは環境庁長官、あなたの分野で、何とかしないとたちまち一番末端の地方自治体はもうやりきれないから、自治体の財政力から考えると大変これは困ったものを抱え込んだということになるわけでありまして、年々相当の費用をこれにかけて、そしてそれを浄化するといいますか、しかもその浄化をした後のかすは、私は広島県でありますけれども、広島県から九州の方へ、どこかそれを引き取ってくれるものがおりまして、そこへ持っていかなければならぬというようなことが続いておるのでありますが、こんなことこそ国の大きな力で問題を解決しなければいかぬと私は思いますが、環境庁長官、どうですか。
#107
○眞鍋政府委員 説明をさせていただきます。
 そういう先ほど申し上げましたような制度になっておりまして、やはり鉱害なりそういう汚染につきましては、PPPの原則ということで、汚染者負担の原則、こういう原則がございます。そういうことでございますので、汚染が発見されました場合にはその原因が何かということをいろいろと調査をして、そういう調査の結果、原因者がわかった場合にはその汚染者に負担をかける、こういうことでございます。
 ただ、残念ながら現在のところ、そういう原因者不明のものにつきましてはしかるべき制度がないというふうな状況でございます。今後の課題として検討していかざるを得ないというふうな状況でございます。
#108
○小森委員 だから、あなたを名指しで質問したのではなくて、環境庁長官にしたわけであります。つまり、閣僚ということになりますと、高い次元で物を考え、高い次元で発言ができる、こういうことでありますから、そういう原因者負担の原則はあるが、これは原因者は国土の地質ですよ。そうでなくて、そこらにたくさんの鉱山があるのだから、鉱山の水筋が変わって、ついに、もう鉱山を閉山したのは、戦争に負けた直後に閉山したのでありますから四十何年たって、そして水筋が変わってついに出だした、こういうふうに私は見ておるのでありますが、その廃止鉱山が原因だということになれば、国の制度があるのに、わざわざ広島県は調査団をつくって余り調査せずに、あそこに鉱脈があるからあれから出るのだろうというような簡単なことを言って、鉱山との因果関係を調査せずに地方自治体に責任をなすりつけておるという状況なのであります。
 したがって、私のところのその問題の個々のケースについては、これは廃止鉱山との関係をこれからお互いに一生懸命探索して原因を突きとめなければいかぬと思っていますけれども、その原因が突きとめられない、あるいは廃止鉱山はないけれどもそういうものが出てきて、長きにわたって集落を形成しそこを自分の生活の居住地と定めておるような者が困るということについては、国は何らかのことをしなければいかぬのじゃないですか。
 そういう意味で、ここでやりますとかやりませんとかということの約束をしてくれと言うのじゃありませんが、物の考え方として、こういうケースはどうすべきか、だから環境庁長官の、つまりこれに対する受けとめ、これを聞きたいのです。
#109
○中村国務大臣 やはりこの環境汚染の問題は、PPPの原則、汚染者負担の原則があるわけでありまして、今御指摘の広島県と府中市が井戸水汚染対策協議会を設置して今後の対策を検討している。環境庁としても、府中市における地下水汚染対策が適正になるような助言等をして指導を行っているわけであります。そしてまた、環境庁としては、より効果的な地下水の汚染対策の確立に向け、地下水汚染機構の解明、地下水の浄化法等の検討を行っていかなければならないと思っておりますが、これは今そうした委員がいろいろ御指摘になるようなことに対応する制度がないわけでございますし、PPPの原則というのもおるわけでございまして、この調査、解明を行っていかなければならない問題であると思います。
#110
○小森委員 それは大臣、まことにこっけいな話ですけれども、私が次に質問しようと思う回答をあなたは今読んだのです。それを私、質問しておるのではないのです。鉱山、つまり山から出る水のことについて私は尋ねておるので、それは大体原因者というものはほぼわかっておることなのでありまして、それはまたここから先尋ねようと思っているのです。それは、いわゆる工場から出てくる廃水がそういうものをもたらしたという話なのでありまして、どうもこれはとんちんかんになっていけませんな。
 だから、そういうふうな形で、今私が環境庁長官に尋ねておることは、自然の、簡単に言うと鉱脈ですね、それからカドミが流れてくるとかなんとかいうことについて原因者負担でいっておったら、そこに住んだ者がやりようがないということになるから、国は何かの方策を立てなければならぬのではないか。ついては、環境庁長官、どう思われるか、こういうことを尋ねておるのです。
#111
○中村国務大臣 失礼いたしました。
 広島市の話をしておられたので、こういった問題があるということで、それでこちらのことをお答えしてしまいました。それはおわびを申し上げます。
 しかし、PPPの原則があるということと、こういった問題については、やはり調査を進めて原因者を追求していかなければならないという立場でございます。それ以外のやり方が今ないわけでございまして、やはりこのPPPの原則の中で調査を進めていくべき問題だと思います。
#112
○小森委員 では、それはやりようがないから、もう仕方がないのですね。国土保全とかなんとかいう環境庁の行政でももう何もしないのですね。それはひとつ研究して考えてみようというぐらいの気持ちにはなりませんか。やりようがないじゃないですか、それだったら。
#113
○眞鍋政府委員 先ほど来答弁申し上げておりますように、御説明申し上げておりますように、PPPの原則ということがあるわけでございます。そういう中でできるだけ原因者を究明をしていくということが必要であるというのは先ほど来申し上げておるところでございますが、ただ、そういうふうに原因を究明しても、わからないケースというのはあるわけでございます。そういう問題につきましては、先ほど申し上げましたように、やはり一つの今後の研究課題として取り組んでいかなければならない問題だというふうに思っておるわけでございます。
#114
○小森委員 できれば、やはり大臣にそういうことを言ってもらいたいです。そういうことは高度な政策的な問題ですから。
 それで、大臣、あなたが先ほど答えられた中身は、実はこうなんです。府中市の平たん地にたくさん工場があって、そして恐らくそこからメッキの廃液なんかが流れてそうなったのではないかと私は推定をしておるのですが、ずっと地下水にそれが浸透して、今何カ所も何カ所も調べてみましたら、かなり飲料水が汚染をされておるのです。しかし、これはだから、環境庁の考え方からいったら、地元で調べ上げて、どこからどういうふうに水が流れてきよるか調べ上げて、ここだといって原因者に負担させろということになるんだろうと思うが、地下をそう一キロも二キロも掘っていくということは、民間の力はできませんよ。
 だから、そういうことに対しても何らかの方策というものがあってよいのじゃないでしょうか、これは厚生省にも関係すると思いますけれども。あるいは、今までの例えばメッキ工場とか洗濯工場とかというものに対して、それは浄化装置を義務づけるとかというようなこれまでの政策的経過というようなものがどうあったのかということも考えてみていただきたいと思うのですが、さっきの環境庁長官の答弁は、それに対する答弁だったのですよ。だから、それもやはりあれと同じなんですか。例えば、なかなか計算しにくいけれども、そういうようなことで自治体が金が要りよるなら、それは特交で多少の手当てをして、少しでも財政的負担を軽くするから、とりあえず知恵を絞ってやってくれというようなことはないのですか。
#115
○眞鍋政府委員 広島県の府中市の地下水汚染の問題でございますが、御指摘のように、広島県と府中市が本年一月から二月にかけまして共同で調査を実施したわけでございますが、その結果、府中市の一部の地区でトリクロロエチレン等について評価基準を超過した井戸が見つかったわけでございます。
 具体的には、調査した二百四十五地点のうち、トリクロロエチレンにつきましては二十七地点、それからテトラクロロエチレンにつきましては三十三地点で評価基準を超えていたというふうに報告を受けておるわけでございます。
 そういうことで、この汚染の原因がどこかということにつきましてもあわせていろいろと調査をやっておるわけでございます。
 さらに、今御指摘がございましたが、現在のところは、既に工場等につきましては地下浸透は法律によって禁止をしておりますし、現在は汚染をしているような状況はないということでございますので、過去の何らかの原因で地下水が汚染をされておる、こういう状況でございます。
 そういうふうなことで、現在いろいろ調査をした結果、幾つかの工場が原因ではないかというふうなところまでは調査がいっておるわけでございますが、それではどの工場が、あるいはどの工場とどの工場がどれくらいの割合で原因になっておるか、こういう点についてはまだ解明できておらない、こういう実情でございます。
 そういうことでございますので、広島県と府中市で、先ほど長官が申し上げましたように府中市井戸水汚染対策協議会、こういうものを設置して今後の対応を検討しておる、こういうふうに聞いておりますので、今後とも我々といたしましては、必要な助言とか指導とか積極的に行ってまいりたいと思っておるわけでございます。
#116
○小森委員 それはもちろん助言もしてもらわなければいけませんが、先立つものは金ですね。先立つものは金だという意味の質問であったのですから、それはできるとかできぬとか、それは自治省と相談をしてやるべきだとか、いろいろなことを答弁のしようがあろうと私は思いますが、時間がたつから、そういうものがあるという、そういうようなことは恐らく全国にも、ここまで高度経済成長したんだからいろいろなところでそういう問題が起きるのじゃないかと思いますから、将来、政策の必要に迫られるというふうに考えておいていただきたいと思います。
 農林大臣にちょっとお尋ねしますけれども、先ほどのような形で、汚染した水が流れてきて田んぼへそれが張られて、そしてその秋にできてきた米を分析したらカドミが含まれておるというような場合には、これはその収穫物に対して国家は何かの、農民に余り損をかけぬような方法があるのでしょうか。
#117
○海野政府委員 収穫物の方の措置として補償はございません。
 それで、田んぼの汚染という場合につきましては、これは先ほど環境庁から御答弁ございましたように、本来、原因者がわかれば原因者の負担においてやるわけでございますけれども、原因者がわからないものにつきましては、緊急避難的に土地改良事業の中で処置をするということは、やむを得ない場合の措置として行われております。
#118
○小森委員 これからますますそういうような問題がふえてくると思いますので、その辺が政策上の一つの隘路といいますか落とし穴みたいになっておるということだけは、ひとつ両大臣、理解をしておいてほしいと思います。
 きょうは限られた時間で、そのことについてこれ以上やっても堂々めぐりになりますから、話題を変えます。
 原子力発電所が部落のところにたくさん立地しておるというのは、この前も宮澤総理大臣びっくりしたようなことで、そうですか、それは大変です、それは調べてみます、こう言っておられましたが、環境庁あたりは、それについては何かの関心を持って、一定の見解をお持ちでしょうか。
#119
○森(仁)政府委員 ただいまお尋ねの件について委員会でご質問があったことは承知しておりますが、原子力関係につきましては、これまで、環境庁の設置以来役所としての仕分けというのが行われておりまして、それに従ってやっておりますが、環境庁としては、原子力の関係の立地関係、これにつきましては関与をいたしていないところでございます。
#120
○小森委員 これは、だから私は、総務庁の責任もあると思うのでありますが、もう部落問題は解決ついた、解決ついたということだけ言って、予算を削ろう、削ろうとばかりしておるから政府全体へ浸透しないのですね、この問題の重要性というのが。口を開けば、これは海部総理のときもそうでありましたし、宮澤総理もそうでありますが、これは憲法第十四条「すべて国民は、法の下に平等であってこというあの社会的身分の問題にかかわる問題だからこれは政府を挙げてやるのですとリップサービスはやるのだけれども、実際は基礎的なことさえ調べようともしない、関心も持っていない、こういうことになっておると思います。
 日本の原子力発電所は、既に故障した例えばチェルノブイリとかアメリカのスリーマイルとかとは違って、多少技術的にすぐれたものがあると思いますけれども、しかし全く不安ないとは言えないのであります。特に広島県は原爆の被害を受けた県でありまして、そういう点については大変な関心を持ちます。私は広島県出身であると同時に、そういう立地が非常に密に部落のところに来ておるということになれば、部落解放同盟の本部の書記長としても重大な関心を持たざるを得ない。こういうことでありますから、私の言わんとすることをひとつ真剣に受けとめていただいて、他の省庁とも連絡をしていただきまして、実態だけは頭に入れていただきたいと思います。
 この際、核の問題の恐ろしさということについて、ちょっと簡単に紹介をいたします。
 広島県にはたくさん被爆者がいるわけでありますけれども、その被爆者は広島市から百二十キロも離れた地域の人なのです。百二十キロ離れた地域におったから被爆したのじゃなくて、その当時、戦時動員で都市疎開、建物を壊すとかさまざまなことで広島県内の者は動員をされておりますから、県内全般に被爆者がいる。実は両大臣にこれはぜひひとつ聞いていただきたいと思うのでありますが、広島の被爆者というのはもうだんだん老齢化をして、そして報われずに次々に死んでいっておるのですね。この人も八十八歳の老人です。こういう文章を内閣総理大臣や自民党総裁に送ったと言うから、返事が来たかと言ったら、返事が来ぬと言うから、それは来ないだろう。だから、せめて宮澤内閣の閣僚ここへお二人御出席ですから、一分か一分半でありますから、聞いてやってください。
  私はヒロシマの原爆被害者です。昭和三十一
 年三月二十日、最初の国会請願の節、十年も経
 過しているから現行法救済ではいけないから、
 戦没者援護法のような援護法を制定して救援の
 途を開いて下さいとお願して以来数十回請願、
 陳情を繰り返えし、厚生大臣も全国賢人に
これは全国賢人会というのか何かあったのでしょうか。
 全国賢人に諮問され、その答申が「国民均しく
 受忍せよ」ととのことで、政府は一線を守りま
 す。
  一般戦災者は四十年も経ては復興して世界一
 の経済大国にの上りましたが、被爆者は復活
 の途を見出しても身体がついて行けず、中途挫
 折して苦しんでいます。
  私の例で失礼ですが、私は農家で牧場経営を
 し、朝夕牛を飼育していましたが、直腸癌にな
 って手術をし、原爆による白内障で新聞も読め
 なくなり、手術をして、爾来、一斉仕事はでき
 ません。倅の章夫も中学四年生で被災し、元気
 で北海道え行ったり、県内外を走り廻って牛を
 買い集めて牧場経営も軌道に乗ったとき、腎臓
 炎で入院中肝臓癌を発見され、岡山医大で治療
 し、東大医学附属病院でガンセンター幕内先生
 の手術を受けて九死に一生を得ましたが、現在
 も透析患者で一斉役にただす、家族の負担を大
 きくしています。
  この上受忍を強いられることは死刑の宣告と
 同様です。御一考下さい。
たまたま今原子力発電所の問題が出たから、切なる気持ちでありますから、せめて私がここで読み上げて二人の大臣にそれを伝えて、これは直ちにどういう結論ということにはならぬと思いますが、閣内に陣取っておられる二人の大臣も、そんなことで原爆を受けたがために家族が次から次へとがんになっておるという、そしてそれは何らかの手だてが、今もわずかばかりのことがあると思いますけれども、それでは一家の生活が成り立たない、こういう状況でございますから、これに対するコメントをひとついただいておきたいと思います。
#121
○田名部国務大臣 大変お気の毒な話であると思います。救済のことはいろいろと政府挙げてやっておるわけでありますけれども、戦争によって原爆の被害を受けた人と、あるいは空襲で爆弾によって亡くなった方、なかなか多岐にわたっておると思うのであります。どういう振り分けでどうするかということになるとまた難しい問題等があると思いますが、いずれにしても戦争によって起きた悲しい事件といいますか事故、そうしたものは戦争はもうやらないということで防ぐ以外にないということは当然のことでありまして、今お話を聞いただけで、その因果関係あるいは実態等十分承知しておりませんから、それ以上はコメントできませんが、いずれにしても、戦争で広島等原爆によって被災を受けた、大変お気の毒ではある、こう思います。
#122
○中村国務大臣 戦争は非常に異常なもの、悲惨なもので、こうしたものはもう二度と起こしてはいけないということは当たり前のことでありますけれども、お話を伺えば伺うほどそういう感を強くするわけでありますけれども、今答弁に立つ立場が環境庁長官でございますから、今そういうお話がございましたことをしかと頭の中に入れてまいりたいと思います。
#123
○小森委員 では、終わります。
#124
○草野委員長 以上で小森君の質疑を終了いたします。
 この際、休憩いたします。
    午後零時十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十一分開議
#125
○草野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。新村勝雄君。
#126
○新村委員 まず、環境維持に努力をされております大臣に敬意を表したいと思います。そして、環境問題、特に自然環境の維持について順次お伺いをいたしたいと思います。
 環境の問題は今や最大の政治課題であり、人類にとっても最大の問題になってきておるわけであります。そういう中で、特に空気と水の浄化、あるいはその質の維持ということが大変重要な問題であります。そういう中で、水の問題、特に閉鎖水域の水質維持についてお伺いをしたいと思うわけでありますが、その問題の一つの代表みたいな、象徴的な現象として、私の近所に手賀沼という沼がありますので、それに例をとりながらお伺いをいたしてまいりたいと思います。
 手賀沼については、歴代の長官が就任をされますと必ず現地視察をされるということが慣例になっております。それくらい水の汚染あるいはその浄化の対策の代表みたいな、象徴的な存在になっておるわけでありますけれども、歴代長官が必ず視察をされるということでありますが、その御視察が単なる水泡に帰しては困るわけでありまして、閉鎖水域の悪い例でありますから、それを解決するために、ぜひあそこを具体的な政策を創造していただくあるいはまた実践をしていただくという一つの場所にもしていただきたいと思うわけであります。
 そこで、いわゆる指定湖沼、千葉県には二カ所ありますけれども、その指定湖沼の一つである手賀沼の浄化について、従来どういう政策をおとりになっているのか、あるいはまたそのおとりになった政策が上げた成果、そういったものについての概略をまずお伺いしたいと思います。
#127
○眞鍋政府委員 湖沼の問題でございますが、先生御指摘のとおり湖沼は閉鎖的な水域でございます。水質汚濁が進行しやすく、また、一たん汚れますと改善が非常に難しい、こういう特性を持っておるわけでございます。近年、流域で人口増加が多いというふうなこともございまして、流入汚濁負荷量も増大をしておるということで、御指摘の手賀沼を初め水質汚濁が著しい湖沼が少なくない、こういう状況でございます。
 御指摘の手賀沼でございますが、湖沼水質保全特別措置法に基づきまして、指定湖沼として昭和六十年十二月に指定をされたわけでございます。昭和六十二年三月には千葉県が湖沼水質保全計画を策定いたしまして、県と関係省庁が連携をしつつ汚濁源に対する各種の規制や下水道の整備等の水質保全事業が総合的に実施されてきているところでございます。
 この結果、手賀沼の水質は、化学的酸素要求量、CODの値で見ますと、七五%値でございますが、湖沼水質保全計画がスタートする前の昭和六十年度には二十九ミリグラム・パー・リットルでございましたが、平成二年度には十九ミリグラム・パー・リットルというふうなことで、相当の改善が見られておるわけでございます。しかしながら、環境基準はCODで五ミリグラム・パー・リットルでございますので、この環境基準に比べますとまだ汚濁が著しい状況にある、こういうふうなことでございます。
 そこで、昨年度、千葉県におきましては新しい計画を策定しまして、さらに水質改善を進めよう、こういうことをやっておるところでございます。
#128
○新村委員 閉鎖水域の水の汚染、これを浄化するということは大変難しい問題ではあるわけであります。これはその地理的な条件によってもかなり違うわけでありまして、例えば手賀沼とほかの湖沼とを比較した場合に、その沿岸の住民の数で単に比較をしてみますと、沿岸の住民一人当たりの水量が一つの目安になると思いますけれども、手賀沼の場合には住民一人当たりの水量が十四トン、ところが霞ケ浦の場合には九百四十一トン、琵琶湖の場合には二万五千七百一トンということであります。手賀沼のように流域が都市化をしておる、そういう中にある湖沼というのは大変な汚濁の負荷を負っておるわけでありますから、手賀沼と霞ケ浦を比べた場合には霞ケ浦の七十倍、琵琶湖の千九百倍の汚濁指数ということになりますから大変難しいわけであります。
 そういう中で、指定湖沼になって以来、確かに改善はされております。今のお話のように、最高の汚濁の値を示したときに比べると十ppm程度の改善が見られるということでありますから、これは確かに改善されているわけでありますけれども、同時にまた沿岸の都市化も進んでいるわけでありますから、絶対に気を許すわけにはいかないわけであります。
 こういう中で、閉鎖水域の汚染の要因、原因を考えてみますと、調査によると、周辺から流入する生活用水がその原因の七〇%を占めていると言われておりますが、この流入の要因と、その閉鎖された水。域の中で生産される汚染要因があるわけですね。この流入要因と内部生産の要因、両方が相まって汚染が進むということであると思います。
 そこで、まずこの対策でありますが、これは沼の所在している自治体だけでは処理のできない問題でありまして、例えば手賀沼が所在しておる我孫子市においてはかなり市としての独自の努力をしているわけであります。例えばクリーン手賀沼推進協議会、手賀沼水質浄化対策協議会、あるいは手賀沼浄化事業連絡会議というようなものがありまして、地元では大変努力をしているわけでありますけれども、何しろ地元自治体だけでは財政力もあるいは技術力も十分でないというような困難な点がございます。
 また、国におかれては、浄化対策として主として公共下水道あるいは北千葉導水事業というような建設省所管の事業によって解決しようということのようでありますけれども、やはりあそこまで沼が汚染しますと、水そのものを、要するに構造的に流れていく水を浄化するあるいは沼に水を注入するというようなことのほかに、水そのものを浄化していく、そういう直接的な手法も必要ではないかと思うのですけれども、直接的な手法については現在のところ国の方では余りおやりにならないということなんですね。
 そこで、地元ではやむを得ず、今申し上げたような団体をつくって、ヘドロのしゅんせつあるいはアオコの除去、そしてホテイアオイの栽培というような水そのものをきれいにする対策を地元でやっているということでありますが、地域の、言ってみれば構造的な面からの改善、これはお金もかかるし、根本的な問題になるわけでありまして、それが必要なんですけれども、同時にまた水そのものを浄化することについても直接国の方でおやりになる必要があるんではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#129
○眞鍋政府委員 手賀沼の汚染の原因でございますが、先ほど御指摘がございましたように、ここは工場は余りないわけでございます。そういうふうなことで、生活排水というのが大きな汚染源になっておるというのは御指摘のとおりでございます。そのために生活排水対策といたしまして、下水道の整備でございますとか、いろいろな排水といいますかそういう生活排水をきれいにするあるいは処理する、こういうことが大事でございまして、そういうこともやってきたわけでございます。
 さらには、今御指摘の直接浄化対策といたしまして、地元でホテイアオイを植栽して、ホテイアオイに窒素でございますとか燐を吸収させて除去するというふうな方法もとられておるわけでございます。さらにはアオコの回収事業でございますとかそういうこともやっておるわけでございます。さらには北千葉導水事業というふうなことで利根川から浄化用水を導入するというふうなことで事業も計画され、実施されつつあるわけでございます。それから、ヘドロのしゅんせつ、こういうものにつきましても実施中でございます。
 そういうふうなことで、要するにいろいろな原因が生活排水でございますので、そういうもろもろの排水をきれいにし、かつまた内部汚染を防ぐためにヘドロのしゅんせつなどもし、さらにはきれいな水を導入する、こういうふうないろいろな対策をやって、できるだけこの水質を浄化していくということが大事であろうというふうに考えておりまして、それらを総合的に実施するというふうなことで、第二期の計画をつくって、これを着実に実施していくということにしているわけでございます。
#130
○新村委員 直接の水の浄化ですね。例えばアオコをチューブで吸い取る、あるいはホテイアオイを栽培するというようなことですが、これは主として地元の県と関係市町村の団体である浄化事業連絡会議でやっているわけで、ここには国の補助がないと思うのですね。それで、この事業をやっておりますが、年間予算はわずかに二億足らずということでありますから、なかなか実効を上げることが難しい。
 また、手賀沼水質浄化対策協議会というものがありまして、これも活動はしておりますけれども、これも年間予算がまさにこれは会議費程度しかない、百万余りということですね。それから、やはりクリーン手賀沼推進協議会という団体がありますけれども、これも地元の市が中心になってやっておりますけれども、これも年間予算がわずかに一千万程度ということでおりますから、とても実効を上げることができないわけであります。こういう直接的な対策に国庫の、国の援助といいますか、援助というよりは国が中心になってこれをやっていただくようなことはできないですかね。
#131
○眞鍋政府委員 この生活排水対策でございますが、今御指摘のようにアオコの回収事業でございますとか、ホテイアオイの植栽あるいはほかの湖ではヨシを植えてそれに吸収させる、こういうこともやっておるわけでございます。
 しかしながら、全体的な浄化対策というふうなことで、やはりそれぞれの費用分担といいますか、そういうことがあるわけでございますし、それから、何と申しましても、流入する水の水質を改善するということが必要でございまして、これにはやはり生活排水が中心でございますので、各家庭家庭で汚い水を流さないようにするというふうなことで、個人でいろいろな水を浄化をして流すというふうなこと、あるいは余分な有機質を流さないようにするという努力も行っていただいておるわけでございます。
 それから、そういう生活排水等を処理してから流す、こういうふうなことで、やはりどうしても下水道あるいは合併浄化槽、あるいは農村集落排水事業というふうな事業を実施してきれいにしたものを流す、こういうことが重要でございます。こういうものにつきましては、規模も大きゅうございますし、相当な金額がかかるわけでございますので、国の補助事業として大々的に実施をしておるわけでございます。
 しかしながら、ホテイアオイの植栽でございますとか、アオコの回収事業でございますとか、こういうものにつきましては、一応地方自治体、県なり市町村でおやりをいただくというふうなことでやってきておるわけでございます。
 環境庁といたしましても、小さな水の浄化事業というふうなことで、今年度から生活排水対策というふうなことで、小さな河川に流れ込みます汚水を浄化をしてさらにまた川に戻してやる、こういう補助事業も行うことにしたわけでございます。
 そういうふうなことで、それぞれの事業の性格あるいは事業規模等に応じまして、適正な国の負担を行っているところでございます。
#132
○新村委員 国においても努力はされていることはわかっているのですが、この浄化対策の三大事業ともいうべきものは公共下水道と北千葉導水路、それからヘドロのしゅんせつ、この三つだと思いますが、この三つ以外のきめの細かい水の浄化対策、これについての国の支出ある、いは補助は、元年度でどのくらいいっているでしょうか。
#133
○眞鍋政府委員 今ちょっと資料を持ち合わせておりませんが、先ほど申し上げましたように生活関連枠というふうなことで、小さな水路の浄化事業、こういう補助事業を創設したところでございます。それからさらに調査、これは調査事業というふうなことで、ヨシを湖岸といいますか湖に植えまして、それで窒素なり燐を吸収させて回収する調査事業というふうなことを国庫補助の対象にしておるということで、大きな公共下水道でございますとか、合併浄化槽、農村集落排水事業、こういうものについてはそれぞれの省庁で計上いただいておるわけでございますが、環境庁としては、そういう細々としたといいますか、そういう比較的規模の小さな事業についていろいろときめ細かな事業に工夫を凝らしておるところでございます。
 金額の方は、調べまして後ほど御報告させていただきたいと思います。
#134
○新村委員 その細々とした施策、細かい施策の国庫の支出ですね、これについては後でひとつお知らせをいただきたいわけであります。
 そういうふうにして、いろいろな方面から浄化の事業が進められていると思いますが、そしてまた過去においても一定の成果はあったということは言えるわけでありますが、依然として現在の汚染度はミリグラムにして十九ですから、環境基準の五を大幅に上回っておるわけです。現在のような施策を進めていった場合に、この環境基準に達するのは見通しとしてはいつごろになりますか。
#135
○眞鍋政府委員 いつごろ五ミリグラム・パー・リットルという環境基準を達成するかというお尋ねでございますが、今後の人口の増加度合い、あるいはその対策の進捗状況等々、非常に見通しが難しいわけでございます。
 今年度といいますか、平成三年度につくりました第二期の湖沼水質保全計画、これは五年間の計画でございますが、平成七年度の水質目標値をCODで十六ミリグラム・パー・リットルというふうなところに基準を置いておるわけでございます。これが高いか低いか、こういうことはあろうかと思いますが、着実に水質改善を図って環境基準に少しでも早く近づけてまいりたいということでございます。
#136
○新村委員 ぜひ環境基準を達成するように、一日も早く達成できるように御努力をいただきたいわけであります。
 そこで、この根本的な対策として三つの事業が考えられているわけです。その一つに導水事業というものがあります。北千葉導水事業、北千葉導水路を今つくっておりますが、この導水事業について、実は地元ではいろいろ誤解や疑問があるわけなんです。
 というのは、この導水事業はもともとは、最初の発想のときには、まず手賀沼の下流に入れて、手賀沼を逆流させて、手賀沼の上流から江戸川に水路をつくる、いわゆる沼導水ということが発想として言われたわけですね。そうすれば、そこを水が流れますから閉鎖水域ではなくなるということで、沼導水が望ましいというのが地元の希望であったわけです。ところが、いろいろな事情で沼導水は適当でないということになって、別の導水路を今つくっているわけです。
 そして、導水の考え方としては、余剰水が出た場合には毎秒十トン程度の水を手賀沼に注入をするということなんですね。そうすると、余剰水でありますから、そして北千葉導水の主たる目的が東京都に対する水の供給だ、こういうことになっておりますから、もしそういう考え方だけであったとすれば、この事業が完成しても果たしてどのくらい手賀沼に注水されるのであろうか。余剰水が出たら注水をするということでありますから、江戸川に水を送ることが優先的であって、手賀沼に注水することは従になるということですね。これでは手賀沼の浄化にはどのくらい役立つのかという疑問が実は地元にあるわけであります。その辺のことについてまず伺いたいと思います。
#137
○荒井説明員 御説明申し上げます。
 北千葉導水事業でございますが、まず事業の目的といたしまして、利根川の支川でございます手賀川というのがあるわけです。その上流に手賀沼というのがあるわけでございます。また、江戸川の支川に坂川というのがございます。そういうことで、手賀沼及び坂川周辺地域の洪水を防ぐということがまず第一でございます。
 それと同時に、手賀沼の水質浄化を図る、そしてまた利根川本川から江戸川の方に都市用水の供給を目的として水を導水するということになるわけでございます。利根川下流部の千葉県我孫子市の布佐というところから江戸川の千葉県松戸市の主水新田というところに通じる延長二十八・四キロの導水路を建設して、四十トンの水を導水可能とする事業でございます。
 今先生御指摘の点でございますが、導水することによりまして水質が汚濁しております手賀沼の浄化を図ろうということで、そのうちの十トンを手賀沼の奥の方に入れまして、それで汚れている手賀沼の浄化を図る。ですから、手賀沼の一番奥の方に浄化用水を持っていきまして、そしてそこに注水することによって手賀沼の浄化を図っていこうという意味での浄化用水導入でございます。
 それから、先ほど御指摘いただきましたように、最初手賀沼そのものを導水路として使うという案があったのではないかという御指摘でございますが、水質が非常に悪化しているということもございますし、この導水が主として生活用水を供給するための導水事業でございますので、そういう点で、やはり水質浄化の面からいっても管路によって導水することの方がベターだろうということで、現在は管路で、パイプで導水事業を行っているということになっているわけでございます。そのほか、浄化用水導入のほかにも、ヘドロしゅんせつ等の事業も建設省の補助事業として現在実施しているわけでございます。
 それで、じゃ、どういうような導水効果があるかということでございますが、これはやはり利根川本川の下流部から導水するわけでございますので、この手賀沼の水質浄化計画におきましては、利根川の取水するところよりもさらに下流にまだたくさんの既得の水利権がございますので、それらに支障を及ぼさない範囲内ということで、最大十トンを浄化用水として手賀沼に注水する、そして浄化を図るというような計画になっております。
 それで、じゃ具体的にどのくらいの量が入るのかということかと思いますが、過去の水文データをもとに手賀沼への浄化用水の導水可能日数を推定いたしますと、年間で平均して約七割くらいの稼働率があるだろうというぐあいに推定されております。実際の操作に当たりましては、やはり利根川の本川であるとか手賀沼の流況、それから水質状態を見てポンプを稼働させるというようなことが必要かと考えております。
#138
○新村委員 そうしますと、年間七割の稼働があるということに、なりますと、この毎秒四十トンというのは、これは毎秒四十トンを取水することができる日が七割ある、こういうふうに見ていいのですか。
#139
○荒井説明員 最大導水量と言うのですか、それは四十トンでございます。それで、そのうちの北千葉の流況調整河川としての効能が三十トン毎秒ございます。ですから、これは利根川と江戸川を連絡することによる流況調整河川という効用として使われるわけでございまして、それは手賀沼には入らないわけです。
 今御説明申し上げましたのは四十トンというところで、その三十トンとの差でございますが、その十トンが浄化用水として手賀沼の奥の方に注水されるわけでございます。ですから、まず基本的にはその三十トンの都市用水の導水がございまして、さらに、先ほど申しましたように、既得水利に影響を与えない範囲で十トンが導水されるわけです。ですから、その十トン分について、年間について平均すると七割程度だみうということでございます。
#140
○新村委員 そうすると、流況調整が三十トン、そして浄化用には十トン。十トン注水できる日が日数にして七割程度あるということでよろしいわけですね。
#141
○荒井説明員 そのようでございます。
#142
○新村委員 そうすると、我々が聞いているのでは、余剰水があったときにはという表現になっているわけですが、そうじゃなくて、一年間に七割程度、七割というとどのくらいになるのかな、二百四、五十日掛ける十トン、これが確実に沼に入るというふうに考えてよろしいわけですね。それである程度はっきりしてきたわけです。
 そこで、それを実は当局から地元によく説明をしていただきたいわけなのです。地元では果たしてどのくらいこの事業によって手賀沼が助かるのか、浄化に使われるのかということについて大変疑問を持っておるわけなのですね。余剰水という表現ですから、余剰がなければ全然入らないのではないかという心配を持っておるわけでありますから、そういう意味で、ぜひこの事業についてのいわゆる情報を地元に公開していただいて、地元の自治体初め地元の住民に今のお話のような明快な御説明を当局からぜひいただきたいと思います。
 また、その点だけではなくて、建設省の事業そのものについても、やはり情報の公開ということが住民の協力を得る最大の要件になりますから、ぜひその点についてもお願いをしたいわけであります。
 そこで、この導水事業が完成をすれば、十トンで七割ということになると、一日平均をすると大体七トンぐらい入りますね。ですから、浄化にはかなり役立つと思います。ただ、この事業が予定よりもかなりおくれているということがありますね。この事業がおくれているのはどういうわけなのか。用地買収というようなこともあるでしょうが、そのほかに何かおくれている原因があるのかどうか、あるいはまた現在のおくれを取り戻すことができるのかどうか、そしてこれの完成はいつごろになりますか。
#143
○荒井説明員 御説明申し上げます。
 まず最初に、先生に先ほど御指摘いただきました、地元に対しての周知の状況が非常に徹底してないではないかという点がございましたので、ちょっとその点について説明させていただきます。
 この事業は非常に大きな事業でございますので、千葉県柏市、我孫子市等の関係市町村に対しましては、北千葉導水事業促進協議会といったような場を通じまして事業計画及び各年度の事業の内容について毎年御説明しております。ことしも五月にあったところでございます。
 また、地域の方々にこの事業について御理解いただくために、平成二年十月に建設ステーションというような見学所を四カ所周辺に設置しておりまして、説明者を常駐させて、パンフレット、ビデオ等により導水事業の概要、また施工状況等を説明しているところでございまして、今までこの施設の見学者は約一万人に達していると聞いております。また、折々のイベント等で事業説明用のパンフレット、または地元の中学校にはビデオテープを配付いたしまして、この事業に関する理解を得るように努めてきているところでございます。特に、直径三メートル二十という非常に大きなパイプを使って導水する事業で、日本でも屈指のものでございますので、そういう意味でも、やはり地元の方に十分御理解いただきたいというように考えてやっているところでございます。
 なお、先ほど事業の進捗の状況がという御指摘がございましたが、確かに用地等の問題で、平成七年度目標で現在工事を進めているわけでございますが、若干おくれる傾向にある。特に、都市部を貫流する河川でございますので、どうしても用地問題等で地元の御理解が得られない部分がございまして、若干工程がおくれているというぐあいに聞いておる次第でございます。よろしくお願いいたします。
#144
○新村委員 パンフレット等によって宣伝をしておるということのようですが、地元では余剰水、水がどのくらい確実に入るのかということについては余りはっきりとした知識を持っていないようです。今のお話では、年間七割というと、三百六十五日の七割というと二百五十五日ですか、それ掛ける十トンですから、年間二千五百五十トンということですか。二千五百五十トンは間違いなく入るというふうな御説明は余りないと思うのですがね。
#145
○荒井説明員 この浄化用水導入というのは、利根川の本川下流部の既得水利に影響を与えない範囲でという一つの制約条件がございます。ということで、下流にはまだ千葉県の印旛沼とか房総導水路とかいろいろな関係の水が使われているわけでございますので、それに影響を与えない範囲でということになるわけです。
 先ほど申しました御説明で七割と言いましたのは、実は、最近の流況を検証いたしますと大体七割ぐらいだろう。ですから、去年のように雨が多くて流況の豊かなときは非常に導水量も多く見込めるわけですが、渇水年なんかの場合で、年間を通じて非常に流況が悪い場合もあります。そういう場合は、年間五割に満たないときももちろんあるわけでございます。そういうことで、平均すると、大体下流の既得水利とあわせて考えても七割ぐらいかなというぐあいになっているわけでございますので、個別各年によって余剰の状態が違う状況にあるということは御理解いただきたいと思います。
#146
○新村委員 また怪しくなったようですけれども、仮にその七割としても年間二千五百五十トンですよね。これは流水量、河川の流量あるいは湖水の流量からしたら極めて少ない量だと思いますよ、これが確保されたにしてもですよ。ですから、これが確保されたにしても、その浄化の効果はあるにしても、それほどの効果はない。ですから、少なくとも、この程度ではどれだけの効果があるかわかりませんけれども、一日十トンをコンスタントに注入してもこれは大した量ではないのですね。
 ですから、そのくらいはぜひ確保をしていただかなければ実効が上がらないのではないかということと、手賀沼に入れて、入れっ放しじゃないわけですから、入れれば流末からは利根川に出ますよね。ですから、そこで循環するわけでしょう。循環するわけですから、下流には迷惑が行かないと思いますよ。たとえ二十トン入れたにしても、また利根川に出ていくわけですから。そうでしょう。だから、それは下流には御迷惑はかけないで済むんじゃないでしょうか。ですから、そういう点でしたら、もっと十トンを二十トンにし、あるいは二十五トンにするという、そういう御努力もできるんじゃないでしょうか。
#147
○荒井説明員 十トンというのは毎秒十トンでございますので、一日にいたしますと八十六万立米ぐらいになるわけです。ボリュームとしては非常に大きいものかと思います。
 また、浄化の効果というのは、これは湖沼水質保全計画によりまして、下水道整備であるとか生活排水対策であるとかいろいろな施策と総合的に相まってこの手賀沼をきれいにしていこうというわけでございますので、そのような水質保全対策に資する事業の一つであるというぐあいにお考えいただきたいと思っております。
 また、利根川の下流部から導水いたしまして、水を取水いたしまして浄化用水として注入するわけですが、当然、これはそのままにしておきますと手賀沼がはんらんしてしまうわけです。ですから、必ずそれは上流側、先ほどから手賀沼の奥の方で注水すると申し上げましたのは、奥の方で注水して、その浄化用水を手賀沼を通じて、手賀川から利根川本川の方へどうしても戻さないといけない。そういたしますと、手賀沼の浄化用水が一部利根川本川にまた帰っていくわけでございます。
 そういうことで、下流の既得水利にも影響があるだろうということで、ある程度の浄化用水の効果のあるときは年間とのぐらいになるかということがそういったようなことからも決まってくるわけでございますので、そのまま手賀沼にあって滞留するというようなものではないわけでございます。その辺誤解のないように、必ず一回注水して、浄化用水として注水したからには、その水が手賀川を通じてまた利根川本川に帰っていくわけでございますので、そういう意味で、そのまま滞留して浄化されるものではないというようなことでございますので、ひとつよろしくお願いします。
    〔委員長退席、北川(石)委員長代理着席〕
#148
○新村委員 数字については勘違いしました、これは訂正しますけれども。
 手賀沼に入ったものは、そこで、中で一時は潜水するけれども、また利根川へ出るわけでしょう。出るわけですから、余計注水しても下流には迷惑をかけないだろうということです。それは言えますよね。ですから、この手賀沼に注水する量はぜひ確保をしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 それから、流域下水道、これまたある意味では水質浄化の決め手になると思うのですけれども、これがまた事業計画からかなりおくれているわけですね。現在どのくらいいっていものか、またこれが完成はいつごろになるのか、伺いたいと思います。
#149
○亀本説明員 手賀沼の水質保全のため、手賀沼周辺の五市三町を対象といたします手賀沼流域下水道につきましては、四十六年に着手しまして昭和五十五年度に一部供用開始をしております。
 平成二年度におきましては、流域下水道事業といたしまして、事業費約五十二億円をもちまして、幹線管楽及び終末処理場の土木、電気設備工事を実施していますほかに、市町村事業といたしまして、関連公共下水道事業を事業費約百八億円をもって管渠の整備を実施しているところでございます。これによりまして、当該事業計画区域内の下水道普及率は、平成二年度末で約三九%となっております。
 事業の進捗状況でございますが、平成二年度末で、幹線管渠につきましては整備率約七八%、処理量といたしましては二四%ということでございます。私どもといたしましては、極力地元の了解を得ながら事業を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
#150
○新村委員 この早期の完成をぜひ御努力をいただきたいと思います。
 次は、三つの柱の一つとしてヘドロのしゅんせつという事業がありますが、この事業は多分県でやっていると思うのですが、この事業の現状について伺いたいと思います。
#151
○荒井説明員 御説明いたします。
 手賀沼の浄化対策の一環といたしまして、湖の底にあります底泥の巻き上げによるものとか有機物の溶出による水質汚濁というようなことが非常に著しく進行しているということで、建設省では、千葉県を通じまして、手賀沼へのしゅんせつ事業というものを五十一年度から実施しているところでございます。
 また、手賀沼への流入河川対策といたしまして、平成元年度より、大津川で礫間接触酸化式浄化というものを実施しております。これは、ヘドロしゅんせつについては御存じかと思いますが、礫間接触酸化式浄化というのは、河川の砂れきがございますね、それを河川に並べまして、それで、そこに河川水を通しますと、表面に生物膜ができて、それによる水質浄化を図るというような方法でございますが、そういったようなことで、これを平成元年度より大津川で実施しております。
 手賀沼のしゅんせつにつきましては、平成二年度三万八千立米、元年度三万九千三百立米というものを実施しておりまして、五十一年から総量で五十四万立米のヘドロしゅんせつを平成四年度までで実施することになります。そういうことで、平成二年度の事業費といたしましては手賀沼一億八千三百万、大津川一億一千六百万の事業費をもちましてヘドロしゅんせつ及び礫間接触酸化式の浄化を行っているところでございます。
#152
○新村委員 次は合併浄化槽ですが、合併浄化槽は家庭排水を改善する、浄化をする有効な手段となっておりますが、この普及にはかなりの努力を要すると思います。それからまた、現在の補助金の体系が必ずしも十分ではないようであります。
 例えば、五人槽で実際には九十万程度かかるわけなのですね。ところが国の方の単価基準は七十万に見ておるということで、それに対する補助金ということになりますから、実際にかかる費用に対応していない。言ってみれば超過負担というようなものがそこに生じてくるわけですから、実態に合わせた査定基準をつくっていただかないと補助金の有効性が低下するということになると思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#153
○喜多村説明員 御指摘いただきましたように、合併処理浄化槽は、家庭のトイレ、それからまた雑排水をあわせて処理をするということで即効性のある施設でございます。そういうことに着目をいたしまして、厚生省では昭和六十二年度から補助制度を創設いたしたわけであります。その考え方は、単独浄化槽に比べまして施設的に大きくなるということで、その差額分を国と市あるいは都道府県で補助をしようということでございますが、制度創設以来各市町村の要望は大変多くなっております。
 それで、初年度五十五市町村であったわけでございますが、今年度では千四百程度の市町村が事業を行うということでございまして、国民あるいは市町村の間で大変要望が多いということでございます。私ども、そのために補助金の確保ということで逐年努力をいたしておりまして、今年度は七十四億円ということで対前年度四八%増ということになってございます。今後とも要望にこたえられるよう、当面何とか御要望にこたえられるように事業費の確保ということで努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
#154
○新村委員 努力されていることはわかるのですが、補助基準が実態に合わないということがあるのですけれども、その点はいかがですか。
#155
○喜多村説明員 先ほども御説明いたしましたように、補助の内容は制度創設時に単独浄化槽、また合併浄化槽の実態を調査の上定めたものでございますが、現時点では非常に需要が多いということでございまして、当面はその事業の確保で何とかやってまいりたいと思っておるところでございます。ひとつ御了承をお願いいたします。
#156
○新村委員 現在の補助の内容ですけれども、国、県、市と三つの段階で補助をしていますね。実際には五人槽で九十万程度かかる。そのうち補助の部分が六十万。この六十万のうちで、最初は国、県、市が等分でやっていたようでありますが、単価が上がっていくというようなこともあって、県と市ではその都度修正をして増額をしていたようです。ところが、国の方の補助金は依然として前どおり、こういうことがありますので、現在は三者三等分ではなくて、国が一番少なくなっている。国は六十万のうち十万程度、あとの残りの五十万を県と市で等分している、こういうことが言われておりますけれども、そうなってきますと、国の御努力が不足ではないか、不十分ではないかと思われるのですけれども、いかがですか。
#157
○喜多村説明員 私どもの補助金の仕組みは、浄化槽を設置するという方に市町村が補助をする場合に、その市町村の支出額の三分の一を補助するという仕組みでございます。しかし、現実にはほとんどの都道府県で市町村に対する補助をあわせて行っていただいておるという状況でございます。
 繰り返しになるわけでございますけれども、毎年度実施する市町村が大変ふえておるという非常に期待の高い事業、またそれなりに評価をいただいておるということでありますので、厳しい財政状況でありますけれども、先ほども申し上げましたように、逐年総額の確保努力をいたしておるということでございます。今後とも市町村、国民の要望にこたえられるよう努力をしてまいりたいと思っております。
#158
○新村委員 その三分の一が、主として事業費が上がるということ、それからまたもとの査定の額が実態に合わないというようなこともあって、実際には三分の一ではなくて三分の一以下、四分の一ぐらいになって、その分を県と市で負担をしているというのが実態のようであります。大臣にお願いをいたしますけれども、そういう実態がありますので、よく御調査をいただいて、もう少し国の方で御努力をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#159
○眞鍋政府委員 先ほど来手賀沼の浄化対策を御指摘いただいておるわけでございますが、公共下水道、それから合併浄化槽、それから農村集落排水事業、いろいろな事業を総合的に実施をしていっておるわけでございますが、我々としましては、それらのいろいろな対策が円滑に実施されますように、いろいろな制度あるいは補助の問題にしましても関係省庁と連携をとりながら水質浄化が進むように今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
#160
○新村委員 要するに、最後は経費の問題になってまいりますので、国においてもさらに一層の御努力をいただきたいと思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思う。
#161
○中村国務大臣 委員も千葉県でございますし、手賀沼のところが選挙区でございます。――あれは二区ですね。委員は四区でいらっしゃいますね。私は三区でございますから、隣というか、千葉県で一緒でございますが、私、環境庁長官になりましてすぐ千葉県に参りまして言われたことは、環境庁長官になるとすぐ手賀沼の視察には来るんだけれども、来なくていいよ、こう言われたのですよ。何でですかと言ったら、来て見ても何もやってくれない、冗談でございますけれども、こういうことを言われました。
 それで、私ども何かできるかなと思っていろいろ勉強し、うちの役所の人たちにも聞いたのですが、今うちの局長から御答弁しまして、また、委員から御指摘のございますようにいろいろな範囲に散らばった予算によってやるわけでございます。そこで何をやれるかということで、私は、手賀沼に関しましては、下水道の問題、しゅんせつの問題、こういった予算をとっていただくように一生懸命お願い申し上げましたり、また私どもでできる生活関連の予算はとる努力をするということで、例えばの話ですけれども、手賀沼については大体事業をできるだけの予算は獲得したということですけれども、これは一つの例でありまして、いろいろな役所に散らばっている予算を統括して環境保全に対する予算というのは環境庁が要求をしていくわけでございますから、そういう面で地球環境を基軸といたしまして環境問題が非常に注目を浴びている時期でございますから、委員の御指摘にも従ってそうした予算が充実するように一生懸命努力をしてまいりたいと思います。
 そして、もう一歩進めば、これからの環境行政がどうあるべきか。公害対策のような環境行政であったものが、持続可能な開発ということが命題となる時代に入って環境行政がどうあるべきかというような法制度についても今環境庁として検討に入っているわけでありまして、すべてのことをひっくるめてそうした事業が充実するように一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。
#162
○新村委員 環境がどのくらい重要か、環境維持が重要かということは申し上げるまでもございません。その一つの象徴みたいな形で手賀沼の問題についていろいろ申し上げましたけれども、ぜひひとつ長官の今後の一層の御努力をお願いをし、環境の維持浄化に今後とも大いに努力されますことを御要望申し上げて終わりたいと思います。
#163
○北川(石)委員長代理 次に、有川清次君。
#164
○有川委員 まず冒頭に、この委員会で初めて私、発言の機会を得ました。今環境サミットが行われるということで環境問題は地球的規模における大きな課題になっております。そのときに当たり、大臣がかねてからの手腕を発揮されましてどうか大いに活躍してもらうように御期待を申し上げます。ただ環境庁はそう予算がないわけでありまして、しかし、今そこに求められている課題は各分野にわたっていると思いますので、御検討をお願い申し上げたいと思います。
 まず、大隅地域浮揚の起爆剤といたしまして志布志湾国家石油備蓄基地が昭和六十年に造成工事が着工されましてから八年になるわけでありますが、本年秋には一部オイルインということが言われております。この埋め立て実施については賛否両論、十数年にわたって大変大きく揺れ動いたところでございます。それは、この地域は日南海岸国定公園でありまして、当初は公有水面埋め立てに環境庁がかなり慎重な態度をとっていただきまして、イエスのオーダーがおりなかったところでございます。そして結果として、陸続きでなくて沖合五百メートルのところを埋め立てまして、周りに土盛りをして植栽し、石油タンクが見えないようにする工法となったところでございます。
 ところが、その後、海上に基地の外枠ができた昭和六十二年ごろから波が欠きへ変わりまして、海岸線に変化が出始めました。柏原海岸から大崎町横瀬、または有明町の押切付近まで延長実に二キロ以上にわたる間、昨年は海砂の幅が五十メートルから百メートル程度、高さにおいて二メートルからひどいところでは七メートルにわたる侵食となってまいりました。私も現地に行きましたが、はしごを使ってその浜までおりなければならないのにはしごも届かないという状況があったところでございます。ほとんどこのように白砂がなくなりまして、全体的に極端ななぎさのでこぼこが生まれてまいりました。
 また、高山町の波見側の国道四百四十八号線側も海岸線の崩壊が続きまして、民家の基礎部分が土砂の崩壊でむき出しになったり、建物まで四、五メートルの余裕があった岸壁が高潮で見る見る侵食されたり、あるいはまた海岸にあった田んぼが流失し消滅するなど、そして国道まで波をかぶるようになりました。このため国道四百四十八号線は海岸側が部分的に陥没をしたりして、県が応急補修をするようになり、その補修箇所が目立つようになりました。この道路は内之浦町へ通ずる唯一の主要道路なんですが、波しぶきの合間を見てやっと運転者が走り通らなければならないときもあり、大きく引き返して迂回をしなければならないという状況なども生まれてまいりました。
 波見港公有水面埋め立てに伴う環境アセスメントが発表されたのが昭和五十九年十二月です。このアセスでは、海岸地形は著しく侵食が増進することはない、肝属川河口から約二キロの海浜部に若干の堆積傾向が見られる、埋立地が海岸変動に及ぼす影響は軽微としているところでございます。しかし、今日の現状は、白砂青松、まさに白砂と松原を誇る日南海岸国定公園は見るも無残な海岸線に変形してきたわけであります。
 松原から約百メートル前後の幅で東串良町柏原から志布志町まで半月状に弧を描いていた美しい海岸線、白砂地はのこぎり状になりまして、一部は松原の小さな松まで海水がのみ込む状況になり、漁業にも被害を与えるようになりました。海岸にあった漁民の家まであと二十四メートルというところまで侵食は急速に進んだわけであります。
 これらの実態については、過日、直接大臣にお会いいたしまして御要請も申し上げましたので、十分御理解をされているところだと思います。これらの緊急対応策といたしまして県が対処し、また恒久対策もこの五月から県が工事を発注しようとしているところでございます。もうしていると思います。
 そこでお伺いいたしますけれども、環境庁は昭和五十九年のアセスに対しましてどのように判断をして国定公園の公有水面埋め立てを認められたのか、その当時の条件なり環境庁としての判断、埋め立てアセスにつけた条件等を含めてお聞かせを願いたいと思います。大臣にお願いいたします。
#165
○八木橋政府委員 志布志湾の国家石油備蓄基地にかかわります埋立免許の出願に際しましての環境アセスメントにおきましては、当時鹿児島県で水理模型実験による海岸地形の変化の予測評価を行ったところでございます。
 環境庁といたしましては、この予測評価手法につきましては当時における知見ではおおむね妥当なものというぐあいに判断したところでございますけれども、当時の知見ではまだ未解明の要素もございますことから、環境庁長官が、公有水面埋め立てに係る意見聴取につきましての意見といたしまして、その中に、「埋立地周辺の砂浜については、定期的な汀線調査を実施する等十分な監視を行う必要があること」という意見を付してこのアセスについて意見を申し述べたという経緯でございます。
#166
○有川委員 大した影響はないというアセスが出たわけですね。これは模型実験で行いました。私は当時県議でして、このことは、例えば離岸堤をつくった場合には砂がかなり変動してくっついてくる。これほどの大きな島をつくれば必ず大きな変動があるはずだ、しかも太平洋に直接面して台風常襲地帯、そうしたことを想定して、本当になぎさに変動はないのか、これはかなり詰めたわけです。
 いや、そうはありません、こういう答えがあったわけですが、環境庁は、県段階における論議とか実際のそうした問題についてどこまで踏み込まれてやられたのか、ただ、県がもうほとんど異常がありませんと言ったことを即うのみにされたのか、その辺をもう一回お聞かせ願いたい。
#167
○八木橋政府委員 鹿児島県のアセスにつきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、水理模型実験についてやったということは申し述べたところでございますが、アセスを審査するに当たりましてはいろいろ御議論が行われている。このプロジェクトについては議論が大変多かったものでございますので、私どもはいろいろな意見を広く調査しながらこのアセスの審査に当たったということでございます。
#168
○有川委員 いろいろな論議があって、その意見を調査しながらということでありますが、当時、県はいっときも早く許可をとってこれを埋め立てたい、そのことにのみ走って、環境庁が当初は厳しく言った、離れ島にしなさいというところまでは言ったのだけれども、その論議の過程など十分に調査してやったとは思えないのです。
 とすれば、そこに環境庁の国定公園保護の立場からの、環境保全の立場からの態度というのが非常に問われてくるところでございますが、今鹿児島県内にも他に二、三カ所いろいろななぎさの変動が出ております。あるいは鹿児島湾内でもウオーターフロント構想が出まして、そうしたなぎさの変動が次々に起こり得る状況の開発が進められようとしておる。そういう状況でございますので、その辺はぜひ十分な調査なりをやっていただきたいと思います。
 それから、先ほど砂浜の定期的調査など指導したということでありますが、この調査は私が一住民から聞いて現地に行って初めて知って、新聞社がやってきてアピールして問題になったところなのですよ。鹿児島県はどこかにちょっと委嘱して数日前から調査はしておったようですけれども、もう民家の近くまでえぐり取られるまで全く放置しておった。それが実態なのです。
 この付近は約二百メートルに近い砂浜があったところですよ。それがもう全部なくなって、松林までやられたのですから、あなたたちの指導どおりいっていないことに対して環境庁としてはどのようにお考えなのか、今後の問題もありますから、明確にしていただきたいと思います。
#169
○伊藤(卓)政府委員 お答えいたします。
 日南海岸国定公園のただいま御指摘の志布志湾柏原海岸の汀線変化の状況でございますが、先ほども企調局長の答弁にもございましたように、アセスメントの結果におきまして、運輸大臣に回答いたしました際に、汀線の調査を行って監視をするようにという指摘をしておりますので、県におきましては、その後ずっと調査はやっておったというところでございまして、私どもは、その状況を聞きましたところ、これは先生御案内だと思いますが、石油備蓄基地の背後の海岸におきまして、砂の堆積による汀線の前進が最大百四十メートル程度、それから北側の海岸におきましては、汀線の侵食が最大人十メートル程度生じたというふうに聞いておりまして、県の方では、ちょこっとやったというようなことではないと考えております。
#170
○有川委員 現実はそういう状況じゃないのですよね。それは報告その他でございますので一応ここにおきますけれども、そこで、私が厳しく言ったのは、今後各地域でこうした問題が起こる可能性があるので、開発開発という、開発が悪いことはないのですが、大いにそういう開発もしてもらいたいけれども、残すべき自然を環境庁が十分目を光らせて監視をしながら保全を図ってもらいたい、こういう立場で申し上げたところでございます。
 次にお伺いしますが、この志布志湾の日南海岸国定公園とは、松原だけではなくて紺碧の海、白く美しい海岸、ここまで範囲が入っておると思うのですが、その範囲をちょっとお聞かせください。
#171
○伊藤(卓)政府委員 日南海岸国定公園は、宮崎県の青島から都井岬を経まして鹿児島県の志布志湾柏原海岸に至る延長およそ百二十キロメートルの海岸部分を中心とする陸域約四千五百ヘクタール及びその地先一キロメートルの海面を区域といたしておりまして、昭和三十年六月に指定されております。
#172
○有川委員 この地先一キロメートルというのは、浜から先、海の側に一キロという意味ですね。
#173
○伊藤(卓)政府委員 お答えいたします。
 汀線と申し上げましたけれども、みぎわの線から垂直に海側に向かいまして一キロという意味でございます。
#174
○有川委員 とすれば、この国定公園は、管理不十分なために、アセスの過ちのためにずたずたに破壊をされた、そういう意味では何とか自然を取り戻さなければならない、こういう課題が今あるというふうに理解をいたします。
 そこで、侵食の原因は備蓄基地によるという判断によりまして、県が今回二十億円を投じて基地の北側護岸より約五百メートルの北側の侵食域、堆積域の境界線に、海岸線に直角に突堤をつくる、こういうことにしたわけですね。この工事費は石油備蓄会社が負担をいたしまして、ことし三月に石油公団に売却する際に県が売却代金に上乗せするということで合意しておるようであります。突堤の長さは三百八十メートル、つけ根部分の高さは六・五メートル、それから海岸に突き出す形で中間部は高さ三・九メートルで、海水面と同じゼロメートルの高さの先端部分と、三段階になっているようであります。先端部分は景観性に配慮して海中から出ないようにしており、先端部分では波の力が強いのでブロックを使用するが、常に海水面にあるつけ根部分、中間部分については自然石を使用して、国定公園として違和感のないものにしようとしておるところでございます。
 そこでお伺いいたしますけれども、侵食の原因は基地によるものというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
#175
○伊藤(卓)政府委員 侵食の原因あるいは汀線の変化の原因につきましては、県において調査検討がなされておりますけれども、これによりますと、波浪により侵食されました漂砂となった砂の一部が備蓄基地のいわば埋立地の後背部に当たります波浪遮へい壁に堆積をして、さらに侵食箇所にもとに戻らない、再移動することがなくなったということが一因だというふうに考えておると聞いております。
#176
○有川委員 ということは、台風がしょっちゅう来て、常襲地帯で直接太平洋の荒波が来るところですから、アセスではそのことはわかっておった。そして基地をつくったのだから、結果としてそれが戻らないということも、侵食したということも基地そのものが原因者だ、こういうふうに理解をしていいんじゃないですか。どうですか。
#177
○伊藤(卓)政府委員 お答えいたします。
 かなり大きな比重を占めておるというようなこと、それから県でも台風の影響等も説明として言っておりますけれども、その辺の、具体的にどれがどうということはなかなか言いにくいかと思いますけれども、大きな原因をなしているということは確かかと思います。
#178
○有川委員 今回、二十億円の工事費を備蓄会社が負担するということになったわけですから、原因は基地によるもの、こういうふうな理解に立つべきではないかと思うのです。
 そこで、県が示しておる恒久的対応策について、これで十分なものとして考えておられるのかどうか。さらには海岸国定公園としての価値について、また一部を除き自然石を使っての突堤について、国定公園としての景観は維持できると考えられておるのか。この辺のことについて、環境庁と県は十分な相談をしながらやられてきたのかどうかを含めてお聞かせを願いたいと思います。
#179
○伊藤(卓)政府委員 現在、県の段階では、土木部サイド等と相談をいたしておおよその計画は立て、地元説明等も行っておるやに聞いておりますけれども、いわゆる自然保護サイドで、正式な形での御相談はまだ受けておらないわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、私どもこの件について報告を受けました際には、県の対策において国定公園の景観の保全に十分配慮するようにということを申しておりますし、当然そういったことも含めて現在工法の検討を行っておると思います。
 ただ、先生が具体的におっしゃったことが、完全にそれでいいのかどうか、この辺はさらに具体的に相談があったときに判断をすべきだと思いますが、基本的には国定公園の工事につきましては、県知事の許可あるいは海岸自身も県の管理でございますので、私どもとしては国定公園の風致景観の保全という観点から、その辺を十分踏まえて対応してもらうよう、関心を持って見守ってまいりたいと思います。
#180
○有川委員 景観が保持できると考えているのかどうかの答弁はないわけですが、続けて、答弁は後でしてもらいたいと思います。
 かつてアセスを環境庁は了解した。ところが、そのとおりでなくて、現実は大きくなぎさがやられてきた、こういう状況にあるわけですから、当時了解をした環境庁の状況とは大きな異なりがあるという立場からすれば、今後の復旧対策を含めて、環境庁自身が復元を過ちのないようにさせるという責任があるのではないでしょうか。そういう立場では、ただ指導したということではなくて、ちゃんとした対応をもっと具体的にやらなければならないと思いますが、その辺の環境庁の責任という問題についてお聞かせ願いたいと思うのです。ちょっと大臣はどうですか。
#181
○中村国務大臣 当時、公有水面埋め立てのアセスに対する環境庁長官の意見というものの中で、やはりその汀線、波打ち際、それの変化が起こるかもしれないと思ったから監視しろということを言ったのだと思うのですね。だから、言ったからといって、それはそれでよかったとは申しませんが、当時の知見としてはなかなかこういうことがわかりにくかったことなのかもしれません。私、そういった専門家でございませんので、はっきりしたことはわかりませんけれども。
 そして、やはり具体的にどのようなことを行っていくかということは、実際に生じたその影響とか対策の内容等、今随分お答えさせていただきましたように、鹿児島県が必要な対策、保全を講じる、そして海岸線復元ということを検討している、それに対して私どももいろいろな意見を申し上げるという中で行っていくということだと思います。
 非常に難しい問題でありますので、お答えになるかどうかわかりませんけれども、私の感想としましては、私も千葉県で海に囲まれているところでありますけれども、海のところに漁港にいたしましても何かつくりますときに、アセスメントのようなことをやりますけれども、必ず何か起こっているような気がいたします。そして、昨今も沖縄の石垣島のあるところで小さな桟橋をつくっただけで海が侵食されてしまうということが起こって苦情が参っております。そういうことを踏まえて、将来に向かってこうしたことをやるときには十分なアセスメント、そして注意をしてまいらなければならないと思っておるようなわけでございます。
#182
○有川委員 この工法についてちょっと私はいろいろ、十分相談をしながらとおっしゃったけれども、もう既に五月だから発注していると思うのですが、大丈夫なのかなという危惧を持つわけです。
 そしてもう一つは、ゼロメーター地域に、海面すれすれに見えないように突堤を出すということは、この辺は漁業は非常に盛んなところでして、漁民の間では座礁の問題やらいろいろ心配もあるところですね。そうした漁船の安全性についても考える必要があるだろうと思います。
    〔北川(石)委員長代理退席、委員長着席〕
 続いて、対応策については、やはりこれで拙速にやるべきでないという立場から、鹿児島大学工学部の海岸工学専門専攻の佐藤教授が次のように言っています。
 「浸食がひどい柏原海岸のチリメンジャコ工場付近は志布志湾に真すぐ入ってきた波がぶっつかる位置に当り、削られた砂が南側の備蓄基地そばに寄せられてたい積したことははっきり言える。押切海岸については志布志港との関連も考えられる」としながら、県の恒久対策に対して「拙速で対策を講ずるのはよくない。自然は回復作用をもっており、堤防を造って砂浜がやせることもよくある」と警告をしながら、「志布志湾では冬の北西の風は陸風になって波を弱め、砂をたい積させる。夏場までにどこまで砂浜が回復するか。それが今後を占うカギになる」、このように言われておるわけです。
 私も数日前にちょっと現場を見てまいりましたが、応急措置をしたところには今一部砂がついています。県はそれで安心だと言う。漁民の皆さんによれば、この時期になればある程度波穏やかで逆風になるから砂がつくんですよ、こうおっしゃるのです。問題は、この夏の台風ですね、そのときにまたどう変化するか、こういうことを言われておるわけでありますが、今後、何か一つやれば問題が出て、その対応策をまた次にやる、次にやればまたそのことで問題が出る、こういうことがあるということを言われておるわけですが、その辺についてどのような見解を皆さんは、政府はお持ちなのか。
 再び同じような轍を踏まないように十分なアセスを行いながらやるべきじゃないか。県はシミュレーションで大丈夫だというふうに言っておるようでありますが、そういうことが実際にやられてきておるのかどうか、実態はどうなっておるのでしょうか。
#183
○八木橋政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたように、環境アセスメントを実施しましたことと実際に起こったことが食い違った場合に、適切な環境対策を講ずるということからは、そのフォローアップということが大切なことは御指摘のとおりでございまして、今回、先ほど御答弁申し上げましたが、水理模型実験による当初のアセスであった。その後、相当手法が発達しまして、もろもろな要因を取り入れながらそれがどういうような影響を与えるかということをシミュレーション計算をやるように大分進歩してきたということもございます。
 そういう手法の改善のこともございますが、いずれにいたしましても、フォローアップというのは非常に大事であるというようなこと、また、この件に関して申し上げますならば、最初のアセスにつきまして当方がつけました意見に対しまして、鹿児島県におきましても、必要な場合には景観に配意しつつ海岸保全施設等の整備を行うなど、保全対策を講ずるものとするというお約束をいただいている事業でもございますし、現に鹿児島県が今海岸線の復元のための措置を御検討なさっているということでございますので、私どもといたしましては、それが適切に行われるというようなことを見守ってまいりたいというぐあいに考えております。
#184
○有川委員 ぜひ、見守ってというよりもよく状況を常時把握しながら適切な助言指導を保全の立場からやっていただきたい。これは要望しておきたいと思います。
 備蓄基地も影響しておりますが、志布志の港も港湾埋め立てをいたしまして大きく飛躍しようとしております。この二つが交差いたしまして、志布志湾の海流は今大きく変わっておるのではないか、このように思われるところですが、そこで、建設省にお伺いいたしますけれども、志布志の港は建設省所管のところですが、この近くの押切というところでは台風が来たらもう波が飛び越えて、百メーターぐらいあった砂浜がなくなって民家までやってくる、怖くてしょうがない、こう訴えながらいたところ、蛇かご工法というので昭和五十八年から延長二キロの海岸線のうち二百三十メートル工事が実施されております。
 また、志布志港の埋立改修工事が着工されてから三年目の五十七年秋の台風で浜が削られまして、波が防砂林を越えて民家まで襲った。一昨年九月の台風十九号が来ました。昨年は関係住民六百六十一名の皆さんが署名をして、三回にわたり恒久的な護岸対策を陳情に及んでおるところでございます。
 ことしは、国定公園内であるけれどもやむを得ず蛇かご護岸を百メートル延長する、こういう予定になっておるというふうに聞きますが、鹿児島県は志布志港湾の改定をさらに計画いたしておりまして、これは埋め立てを含む志布志港の拡張が中心になります。そして、県は今回の事態を受けてアセスの追加をしておるようでありますが、国の指導と今後の対策についてお聞かせを願いたいと思うのです。
 有明町の押切という、そこより志布志港の方にもっと近い通山地区は昨年から砂がなくなったというわけですから、ということは、昨年からならどこかまた柏原の方が影響しておるのか、こういう問題もあるところでございまして、かなり潮流の変化があることが考えられますので、この辺の指導、アセスについて建設省の方に見解をお伺いしたい。
#185
○吉岡説明員 お答えいたします。
 志布志湾におきましては、御指摘の志布志町から大崎町にかけての約四キロの海岸が建設省所管の海岸保全区域として指定されております。この中で、有明町押切地先につきまして、近年侵食傾向が見られます。その侵食対策といたしまして、県単独事業によりまして築堤工、蛇かご工を実施しているところでございます。
 海岸の侵食につきましては、津波とか潮位あるいは海象条件、海底勾配などの地形条件あるいは土砂供給などの自然条件に加えまして、海岸における構造物の設置など複雑な要素が絡んでおります。
 その機構につきましてはまだ十分に解明されていないのが現状でございますが、侵食がございまして、侵食の原因はなかなか特定することが困難でございますが、昨今侵食の状況もこの地域につきましては落ちついてきておるようでございます。いましばらく現工法を継続しながら海岸を見守ってまいりたいと存じております。
#186
○有川委員 海岸を見守るのはいいんだけれども、新しくまた押切の方に安楽川まで、範囲内で大きく埋め立てをする計画でしょう。それに当たってのアセス、これをやらないと大変なのではないかと思うわけでありますが、考え方をお聞かせ願いたいと思うのです。
 先ほど言った佐藤教授は、志布志港のしゅんせつで安楽川周辺の砂が引っ張られる形になって押切海岸周辺が侵食される可能性がある、志布志湾内の深浅測量を行った上で平均潮位の測定、分析などをやらなければならない、このように言われておるのです。
 かつては漁民の皆さんは軽のジープでずっと海岸におりて地びき網をしたり漁をしたり、そしてまた漁獲物を持って上がる、こういう状況があったのですが、現在はそうしたジープではもうおりられない。よしんばおりても今度は上がることができないから、かなり迂回をして上がってこないとどうにもならぬというところまで急激に深くなっておるのが現状なんです。今後の対策についての見解をちょっとお聞かせください。
#187
○吉岡説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の新たな埋立計画、こういうものにつきましては、事業者であります港湾管理者の検討がなされると思います。その検討、協議を受けましてその工法あるいは永久的な対策につきまして対応を検討してまいりたい、そのように県の方を指導してまいりたいと存じます。よろしくお願いします。
#188
○有川委員 この押切の海岸まではずっと国定公園なんですよ。なぎさが戻っていない。また埋め立てをすれば、戻らないところかもっとひどくなるかわからぬという問題がございますので、建設省の方でもその辺十分調査をして、なぎさを取り戻すように今後万全な対策をとっていただくように要望しておきたいと思います。
 そこで、従来環境庁は安楽川以南のこれ以上の埋め立ては認めない、こういう方針を明らかにしておるわけですが、安楽川以北の埋め立てについてはどのように考えられておるのか。当該国定公園を守るための今後の対応策をお聞かせください。
 時間がありませんので、もう一つ、運輸省にお伺いいたしますが、高山町波見の波見港と備蓄基地周辺の海域は運輸省の所管になっておるわけですが、私が当初申し上げたように、護岸が崩れて家が宙に浮くという状況まであり、四百四十八号線国道、非常に海岸保全が問題になっておるところですが、その原因と今後の対策について運輸省の方で続けて御回答ください。
#189
○和田説明員 お答えします。
 高山町側前面護岸への影響でございますが、当省で埋め立てにつきましていろいろ環境影響上の評価ということにつきましても厳しく審査をいたしましたが、当時では、先生御指摘のようにその当時の知見で分析した結果によりますと、堆積、侵食が一部の区域に見られますが、その影響は軽微なものではないかということを言っておったわけでございます。また、その評価書の中にございますが、過去、海岸変動が顕著なものがございましたが、その原因は台風時の波浪に起因しているということが分析されております。
 今回の備蓄基地についてですが、反射波はどうだろうかという点も分析いたしました。備蓄基地と海岸までの距離とか位置関係、そういうことから見まして波の反射とか、沿え波と言っておりますが、沿え波は考えられないというような当時の結果が出ております。また、波が来たときにその影響を和らげるために、石油備蓄基地の護岸につきましても、備蓄基地からの反射波や沿え波、こういう影響があったらいけない、それを極力抑えるというために消波タイプの構造としているということもやっております。こうしたことを総合的に判断しまして、影響はないのではないかと判断したわけでございます。
 今回の波見港、高山海岸における結果につきまして、当時では想定し得なかったような、特に平成元年以降台風が連続して来襲して非常に大きな波が来たという、予測が非常に難しいあるいは不可能な条件が加わったということでこういうことが起きたのではないかと港湾管理者である鹿児島県からは聞いておる次第でございます。
 いずれにしましても、こうしたことで被害を今後拡大してはいけないということで、離岸堤を沖合につくりまして波浪を減衰させる、そういう事業に鹿児島県におきまして平成四年度から着手することにいたしておる次第でございます。
 以上でございます。
#190
○有川委員 原因が、やはり逃げがあるようだけれども、あそこの高い山から見れば基地がこうあるでしょう。ちょっと強い波で両方に分かれていく波の流れというのはよくわかるのですよ。そこに台風が来たわけですから、かつてない条件のところに強い台風が来たという、台風はしょっちゅう来るわけですから、大きく原因があると思うのですね。ぜひ関係住民が安心して、ここは料亭などいろいろありまして憩いの場でもありますから、おいしい貝や魚を皆さんが食べに行くところなんです。安全な対策を万全にとっていただくように運輸省に要請を申し上げておきたいと思います。
 それから、先ほど答弁がなかったのですが、私は通告しておりませんでしたので、安楽川以北の埋め立てについてどのように考えられておるのか、これは別途にまたお伺いいたしますので、きょうは保留いたしますが、難しい問題でもあるでしょうから、ぜひ見解をお聞かせを願いたいと思います。
 以上で、柏原の志布志港の問題については質問を終わりたいと思います。
 次に、九州電力の原発開発の問題でございますが、九州電力は十七日に、玄海、川内両原子力発電所に次ぐ第三の原発について宮崎県の串間市を有力候補地として立地の打診を始めだということが明らかにされました。また川内原発についても、今一号、二号機があるのですが、さらに三号、四号機の増設申し入れをする考えも表明をされたということであります。
 突然のことで、隣接するそれぞれの自治体、鹿児島県の知事とか志布志町長とかそういうところは、事前の打診もなくて発表されたために非常に大きな不満や不安を持っているのが現状なんです。串間市にはもうそれ以前の十三日に打診があったということでありますが、チェルノブイリ原発事故以来、原発の安全性について世界的にあるいは日本の国民の間に大きな不安感が根強く広がっておるのが現状であり、またチェルノブイリ原発事故以来日本では初めての新設計画である、こういう発表があったわけでありまして、当然不安はつきまとってくると思います。さきに問題のあった美浜原発や玄海原発と同じ構造の原子力発電所計画というふうに聞きますが、そのとおりなんでしょうか。
 続けて申し上げますけれども、ことし二月十八日の鹿児島の南日本新聞というのがありますが、その内容によりますと、「過疎地の海岸を狙う」という記事の中に、反対派「安全なら大消費地に」の見出しで、鹿児島県や川内市に正式に説明がないため不快感を表明していると報道しております。また大隅半島南端方面、天草方面も対象になっていると言われております。鹿児島県や九州南部の海岸がねらわれているのだ、電力の大消費地でもないいわば過疎の地がなぜねらわれるのかとした上で、この新聞では、発表によりますと、亀井常務の発言として、「原発立地の条件として、海岸部で、岩盤が強固な場所というほかに、九電が地域発展に寄与出来るところ」と、財政基盤の弱いところとも説明したということを記事にした上で、原発反対派が「原発は事故などの危険性に備え、人口の少ない場所に電気事業者が負担する電源交付金などの札ビラで反対の声を封じこめて造られる。安全なら大電力消費地に造れ」、こういう指摘をするのも納得できる言い方だ、このように報道がされておるところでございます。
 そこで、国、通産省の指導はどうなっておるのか、こうした考え方は単に電力会社だけの判断によるものかどうか明らかにしてください。
#191
○染川説明員 お答えいたします。
 九州電力株式会社といたしましては、現在建設中の原子力発電所、玄海第三、第四号機に続きますところの原子力発電所の立地、これをどこにするかということにつきまして、九州全域を対象として検討しておるものでございます。したがいまして、具体的な立地地点が特定されているものではないと国としては認識しておるところでございます。
 そこで、したがいまして一般論としてお答えさせていただきますが、電力会社といたしましては、諸般の自然環境、社会環境といったものを総合的に勘案した上で個別発電所の立地地点を選定していくものである、こういうふうに理解しておるところでございます。
#192
○有川委員 美浜原発などと同じ構造のものかということについてはどうですか。
#193
○森説明員 御説明いたします。
 今立地企画官の方から答弁いたしましたように、計画の概要がよくわかっておりません。ただ、九州電力自身はこれまでPWR、加圧水型原子炉を建設してまいっております。したがいまして、もしPWRということになれば、同様な構造になるのではないかと推察されます。
#194
○有川委員 いずれにしましても、地理的な条件とかいろいろ言われましたが、やはり過疎で、海に面して、岩盤がかたいところ、こういうことになって、しかも地域の経済に寄与したいと言われること自体が、大消費地につくれ、余っておるのに電源をここになぜつくるのか、そういう感情を逆なでする結果になりますので、今後その辺のことについては十分な判断と物の言い方というのは考えなければならぬというふうに思います。
 そこで、原発設置について、地点指定を含む通産省との事前の結びつき、そういう現状と、もう一つは原子力発電の安全性について、国の見解、これまでの事故の実態を含めてその辺をちょっと、短い回答で結構ですから、お願い申し上げます。
#195
○森説明員 御説明いたします。
 それでは、原子力発電所の安全性についての国の見解ということで先に述べさせていただきます。
 私ども、原子力発電所の建設に当たりましては安全審査をやっているところでございますが、やはり安全性の確保が第一ということを常に念頭に置きまして、設計、建設、運転の各段階におきまして安全規制を実施しているところでございます。具体的には、原子炉等規制法あるいは電気事業法等によりまして安全規制を行っているところでございますが、特に原子炉等規制法に基づきます安全審査に際しましては、原子力安全委員会からのダブルチェックを受けるということで万全を期しているところでございます。
 実際に、その結果、我が国の原子力発電所というのは、私どもの見解でございますけれども、十分な安全性が確保されているのではないか、世界的に見ましても非常にすぐれた運転実績を示しているものと認識しております。ただ、先生御指摘のように、美浜二号あるいはその他のこれまでの故障、トラブル等の実態を踏まえまして、私どもこういったトラブル等につきまして謙虚にそこから教訓事項等を学びまして、原因究明の徹底あるいは再発防止対策の確立に努めているところでございまして、今後とも私ども安全確保に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
#196
○染川説明員 電力会社によりまして正式に原子力発電の立地申し入れがなされまして、かつ地元市町村の要望が出てきた、こういうような地点につきましては、要対策重要電源ないしは初期地点ということで指定を行いまして、当該地点におきます原子力開発についての地元での御理解を増進するための事業といったものを国、通産省として実施しておるところでございます。さらに、その後プロセスが進展いたしますと、公開ヒアリングだとかあるいは電源開発調整審議会等といったような手続を経た上で、最終的には安全性等の審査を含め国として許認可等を行っているところでございます。
 これに対しまして、九州電力管内のように、具体的には立地地点が確定されずに、電力会社による正式の立地申し入れがなされていない段階におきましては、個別地点の開発を進めるための直接的な活動というものを国あるいは通産省として行うものではございませんで、これは電力会社による対応が基本となっているところでございます。
#197
○有川委員 ちょっと時間がございませんので、これはもっと本腰を入れて一緒に論議し、質問もしなければならぬと思いますが、今後の通産省としてのエネルギー政策とか展望、現在の電力の需給並びに原発にかわるエネルギー対策、こういうことを含めて、現地のいろいろな意見もあるわけですが、今後こうした問題については十分、隠密に事を進めるのではなくて、現地の自治体、そして住民と話し合いの場を数多く持って、安全だというのであれば、安全性について納得できるような対応をしながら事を進めていただきたい、このように要望申し上げて、この問題は終わります。
 せっかく農林大臣が見えておりますので、農林関係について、また農水で質問はできるわけですが、環境汚染との関係でちょっと触れさせていただきます。
 今水質汚染が全国的に広がりまして問題になって、またリゾート法なんかによってゴルフ場ができる、それに対する水質汚染でいろいろ反対運動があるとか、工場やごみ捨て場の問題、こういうこと等がいろいろ問題になっておるのですが、さきに通産省の工業技術院の地質調査所の永井茂主任研究官の調査結果を見てみますと、平成元年の十二月十六日に発表されておりますが、肥料などが原因で各地の地下水が硝酸性窒素汚染をされておる、こういうのが発表になって、しかも埼玉県や群馬や熊本、静岡など調査したその結果、激しい地域はミカン栽培地域とか畑作地域、こういうところに集中しておった、こういうふうに発表がありました。
 今新しい農政で環境保全型の農業が追求されようとしておるわけですが、化学肥料万能型あるいは土壌消毒、農薬の多量使用、生ふん尿の使用など、塩濃度障害や窒素過多になる、そういう状況がありまして、結果として地下水が汚染をされる、安全な地下水を汚染しないような野菜づくりの土づくりをすれば、作物の土づくりをすれば人間の健康にもいいし土壌は侵されない。ところが、現実にはそうした公害が出るような状況、汚染が広がるような状況というのがありますし、特にまた私のところなんかもそうですが、畜産公害ですね。有機肥料として活用すれば非常に大きい効果を発揮して、有機農業というのが今言われておるのですが、現実には畜舎、牛舎や豚舎などその畜舎周辺の井戸水、これなんかも汚染をされる、こういうことで水質汚染が広がってきておるわけでありますけれども、これに対してどのような対応をされようとしておるのか、その辺について見解をお伺いしたい。大臣に言いただけばいいです。
#198
○赤保谷政府委員 先生の地元、畜産は非常に盛んでございます。畜産のふん尿が原因になっていろいろ畜産業もやりにくくなっているような実態もございます。
 畜産環境問題、件数としてはかなり減ってはきておるのですが、農家戸数が減っていますので、戸数に対する家畜の割合はふえております。今先生おっしゃいましたように、単にこれは悪者扱いというか、マイナス面としてとらえるのではなくて、有機質資源でございますので、これを農地に還元をする、そういう形で、いわゆるリサイクルを進めていくということが非常に肝心だろうと思います。いろいろそういうことで、施策を御説明してもよろしゅうございますが、やっておるのですが、なかなかうまくいっていないというか、さらに今年度も新規の施策としてリサイクルを進めていくようなそういう事業を実施しているところでございます。
#199
○田名部国務大臣 環境に対する国民の意識が大変高まったというのは私は大変結構なことだと思っております。私どもも、環境保全機能の向上を図ることが農業としても大変大事だということを考えております。今御指摘になりましたように、我が国も、諸外国に比べると若干でありますが、だんだんと湖沼とか地下水、そうしたものが環境問題が顕在化しておることは確かでありますから、今から対策をしっかり立てて、環境悪化しないようにしていかなければならぬ、こう思っております。
 今リサイクルの利用のお話も局長からありましたが、化学肥料あるいは農薬、そうしたものの使用でも環境に影響のないように配慮すると同時に、何といっても、私どもは、環境保全型農業推進対策ということで平成四年度において新たにスタートいたしました。地球に優しい農業を進めようと緒についたばかりでありますが、これから一生懸命努力をしてまいりたい、こう考えております。
#200
○有川委員 農林の関係が安全食糧ということで、環境も保全されながら持続して農業ができていく、こういう体制をつくらないといけないと思いますので、これまた農水委員会で、私も委員ですから、じっくりまた御見解をお伺いする機会をつくりたいと思います。
 一つだけ。ゴルフ場はいろいろ農薬やら汚染がある、そういう地下水の問題がありますが、生産地帯の芝の農薬とか除草剤あるいは花木を植えておる地域の農薬、除草剤、そういうものに対する影響調査とか実態について調査をされたり把握をされておるのか、一点だけお聞かせください。
#201
○上野政府委員 芝の生産畑あるいは今先生おっしゃいました花樹の苗木や何かを植えているようなところ、こういうところというのは、私どもの行政の対象からいえば、一般の農作物に対する農薬の施用というようなことと差異はない、畑にそういう作物がいわば植えられているというふうな理解でございまして、特段そのことについて特別の調査をしているというようなことはございません。
 ただ、今申し上げましたように、先ほど大臣のお答えにもございましたが、農薬の使用量というのはできるだけ減らしていかなければならない、それから定められた使い方で問題がないような使用をしていくというようなことにつきましては、毎年毎年運動も展開をいたしておりまして、問題がないように十分な注意を喚起しながら施用するように今努力をしているということでございます。
 それから芝の問題についていえば、芝というのは低いところにあるわけでございまして、立ちもの高い作物や何かに比べれば農薬の管理というのは、農業の面から見れば比較的簡単な問題なのではないかというふうに考えているわけでございます。
#202
○有川委員 御答弁をいただきましたが、認識が随分違うと思うのです。低いところのようだけれども、そこに地下水が通っておって河川や湖沼に行くわけです。大きな問題もあると思っています。それから、私のところの地域では、花木も芝も農業の分野に入っておるのですよ。どうなんですか。そういうことを考えますと、これが農業なのかという言い方が、私たちも疑問に思うのですが、農業分野に入れて行われておる、こういう実態があります。
 私は、いういろな問題について、地元の問題でなくても各地域を現場を回っておりますので、また機会を見て、環境を保全する立場でいろいろ具体的な問題提起をしてまいりたいと思いますので、皆さんとともに、そうしたよりよい環境をつくるスタートの年にしたい、このように念願をしながら、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
#203
○草野委員長 次に、宮地正介君。
#204
○宮地委員 きょうは、農水省と環境庁所管の決算委員会の平成元年度の審査でございます。最初に、農林省所管の関係から少し御質問をさせていただきたいと思います。
 最初に農林水産大臣に、先日の予算委員会でも伺いましたが、ウルグアイ・ラウンドの問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 ドンケル事務局長がウルグアイ・ラウンド交渉について、いわゆるこの五月二十七日のアメリカ・ECの交渉の再開ということでワシントンで行われるわけでございますが、この辺が一つのまた大きなポイントと言われております。しかし、ドンケルさんは、いわゆるECとアメリカの交渉が前進しても、全体の成功は難しい、このような発言をされたようでございまして、これに対して農林水産大臣としては、一喜一憂せず今後とも日本政府としては修正を求めて各国に働きかけをして努力をしていく、こういう趣旨の御発言があったように承っております。
 率直に言って、今日のウルグアイ・ラウンド交渉の現状、そして今後の推移、こうしたものについて大臣としてはどういうふうに分析をされておるのか、政府として今後どのように取り組んでいかれようとしているのか、まずこの点からお伺いしてまいりたいと思います。
#205
○田名部国務大臣 ウルグアイ・ラウンド農業交渉については、ほとんど進展がない状況にあります。特に米・EC間の農業問題に関する進展がなかなか図られないということが交渉全体を停滞させておる、こう言ってもいいのではないかと思います。
 加えて、私ども、カナダ、スイス、韓国もそうでありますが、それぞれ困難な問題を抱えておって、事あるごとにこれを説明をし、理解を求めておる。先般も、我が党の方でもダンケルさん初め向こうの関係者にお会いをしてきた。日本の立場というものを主張をしてきた。あるいは塩飽審議官、東部長、それぞれ反対の国にも日本の立場というものを説明してきておる。私も、各国の農業大臣がお見えになって、そのときには日本の立場というものを説明いたしております。
 ヒルズ通商代表も先般おいでいただきまして、世界の農業、食糧問題から、東南アジア諸国において農業に対する、米に対する大変な努力をしておる、輸出補助金をつけるほどの力がない国々であって、アメリカやヨーロッパのように輸出補助金をつける国とこれで闘って一体公平だろうかという話をしておるわけであります。こうした中で、ECは農相理事会においてECの共通農業政策改革を合意した、こういうことが過般新聞でも報道になっておるところでありますが、これでどの程度進んでいくかということは私どもも予断を許さないところであります。
 このような状況において、今委員お話しのように包括的な関税化に問題があるし、今後とも食糧輸入国としての立場が確保されるように私どもは最大の努力をしていきたい、またしていかなければならぬというふうに考えております。
#206
○宮地委員 ECが合意したということで、大臣は予断を許さない、こういう御答弁でございますが、特に米の問題については今も大臣お話しになりましたように包括的関税化には日本政府としては反対である。具体的に、三月四日のドンケル事務局長に対する回答提示では、日本政府は数字を空白状態にして提示をしたわけですね。
 予算委員会でも私は御指摘しましたが、この空白ということについて日本の米農業生産者は、果たして政府として本当に米については今後とも包括的関税化に反対という立場を貫いていくのであろうか、空白ということは、ウルグアイ・ラウンドの交渉の成り行きによってはここを数字で埋めるのじゃないか、こういう懸念も生産者の中にはあるわけでございますが、この点については、大臣、どういうふうに国民に御説明されますか。
#207
○川合政府委員 事実関係だけ先に答弁させていただきます。
 私ども、国別表の提出に当たりまして、米の扱いにつきましては、今お話がございましたような包括的関税化を我々は受け入れられないということを明記いたしまして、言いかえますと、ダンケル提案につきまして修正点を示しつつあの表を出しておりますので、ただ単に数字を空欄にして出したということではございません。
#208
○宮地委員 修正点を提示しながら空欄にしたということは、今後ともこの数字は穴埋めしない、こういう決意で修正要求を出しておる、こう理解していいのですね。
#209
○川合政府委員 私ども、この問題につきましては基本的方針を持っております。その方針のもとに現在交渉を続けておりますので、先生のお言葉のとおりでございます。
#210
○宮地委員 私の言葉どおりということは、今後埋める考えはない、数字を入れる考えはない、こういうふうに私は理解します。
 そこで、ECが今回合意したということで、政府としても今後慎重に監視をしながら対応しなければならぬ、こういうことですが、例えばECのバナナの問題ですね。今まで植民地であった中南米諸国に対しては、フランスなどは特別の輸入をしておる。それ以外の国に対してはほとんど輸入を認めてない。いわゆるバナナについては、EC諸国はほとんど植民地保護という立場から例外措置をとっている。この点については、今回の合意の中ではどういうふうに取り扱われたのか、御報告いただきたいと思う。
#211
○川合政府委員 現在、私どもは、バナナの問題はECの委員会の中で決められているということで、農相理事会の決定は経てないというふうに理解しております。したがいまして、今回は共通農業政策についての合意でございますので、バナナの問題とは一応切り離されて合意されたのではないかというふうに認識しております。
#212
○宮地委員 そうしますと、依然としてEC諸国のバナナ問題というのはウルグアイ・ラウンド交渉の中の例外的措置としてまだ現存しておる、これは日本政府としても、今後米の包括的関税化反対を貫く立場からも非常に有利な条件というか指摘しやすい条件である、こういうふうに私は見たいわけですが、今後の交渉事の中でこのEC諸国のバナナ問題というのは、政府としてはどういうふうに見ておるのか。
#213
○川合政府委員 ただいま申し上げましたように、バナナ問題につきましてはまだEC内部で議論をされているということでございまして、ECの外に提案という形で正式に出されたものではございません。しかしながら、例えばダンケルの提案と比較いたしましても、かなりそれと異なる点を含んでいる問題でございますので、私どももこの成り行きについては注視していきたいと思っております。
#214
○宮地委員 もう一つ重要なのは、アメリカのウエーバー品目の対応ですね。これについては、一応関税化に相当する数字を入れてドンケル事務局長あてに提示した。アメリカは、本当にウエーバー品目についてはいわゆる関税化に置きかえた形で今まで以上に輸入枠を拡大できるのかどうか。非常に政治的な意味合いもありまして、落花生など今までほとんど輸入制限の強かったこうしたウエーバー品目が、いわゆる包括的関税化ということでその関税化相当量に置きかえられて数字が提示された。これは本当に大丈夫なんだろうか。ましてアメリカは大統領選を控えているわけですね。そういう点、このウエーバー品目の関税化に置きかえた問題については、日本政府としてはどういうふうに分析をされておるのか。今後のウルグアイ・ラウンド交渉の中でこの問題をどういうふうに取り扱っていこうとされるのか、この点について確認しておきたいと思う。
#215
○川合政府委員 この問題につきましては、アメリカ政府はすべての非関税措置を関税化するということで、ウエーバー品目につきましても関税化の対象としております。その点につきまして私どもの方からいろいろな機会にただしておりますけれども、アメリカ政府としてはすべてのものを関税化するということを言明しておりますし、提案もそのようになっております。ただ、先生御承知の点でございますが、農業団体についてはいろいろな意見があるということも私ども承知しておりますので、そうした点は私ども今後とも十分事態を把握していかなければいけないというふうに思っております。
#216
○宮地委員 農林水産大臣、恐らくこの七月のミュンヘン・サミットでも、このウルグアイ・ラウンド交渉の問題は一つの大きなテーマになってくる可能性があると思うのですね。宮澤総理が出席することになると思いますが、そのときの日本政府の対応は、今日的な対応と全く変わらないのか、また、新たな考え方を持っていくのか、この辺はどうでしょう。
#217
○田名部国務大臣 今から予測することは困難でありますが、ただ、事務レベル段階で農業問題ばかりではなくて他の分野でもなかなか難しい問題を抱えておって、それが進展しない中でサミットで各国の首脳が解決するということはなかなか困難であろう、こう思います。
 しかし、これを解決しようと思うと相当部分で輸出国、輸入国ともお互い譲り合うということにならぬと進展を見ないものだ、こう思います。それを譲ったときに国内の反響、これはアメリカもそうでありましょうし、その辺のところは政治的に非常に難しい判断に立たされるであろう、こう私は思っております。ただ、具体的な作業がたくさんありますので、この作業をおいてその場で合意をするというふうにはちょっと判断はできないという感じを持っております。
#218
○宮地委員 ウルグアイ・ラウンド交渉については、また今後推移を見守りながら逐次御質問をさしていただきたい、こう思っております。
 次に、生産者米価と麦価の問題について少しお伺いしておきたいと思います。
 まず、平成四年産の生産者米価また麦価について、今農林水産省としてはどういうふうに検討されているのか、御報告いただきたいと思います。
#219
○京谷政府委員 ただいまお話しございました平成四年産の麦、米についての価格問題でございますが、麦につきましては、六月四日に米価審議会で審議をいただくべく、本日、大臣の方で御決定をいただいたところでございます。麦の取り扱いの問題については、実は具体的な検討をする前提になります直近の生産費調査結果がまだ集約をされておりません。その集約結果を待って本格的な検討に着手したいというふうに考えております。
 それから米の生産者価格につきましては、現時点ではまだ何も決めておらないという状況でございます。
#220
○宮地委員 米については現段階では何も検討してない、これは余りにもずさんではないのか。全く検討してないのですか。
#221
○京谷政府委員 御承知のとおり、生産者米価につきましては、食管法の規定に基づきまして、毎年、生産費及び物価その他の経済事情を参酌して米穀の再生産を確保することを旨として決定されるということになっておるわけでございます。
 私ども、この前提になります生産費調査をまだ進行中でございまするし、また、この決定についての具体的な日程についてもまだ特段の決定をしておる状況ではございません。いずれにしましても、現実の日程を決めますれば、米をめぐる諸情勢を総合的に勘案をいたしまして、食管法の規定に従って適正に決定していく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#222
○宮地委員 生産者米価を算定するために平成三年産米で算定した地域方式による米価算定、これは平成四年産米では変える状況にない。この地域方式による米価算定については改革すべきであるという声も国民の間には非常に多いわけですね。どうも物理的にこの算定方式はことしは間に合わないというような状況のようでございますが、そうした基本的な算定方式の問題とかについてもどういうふうに検討しているのか、その辺をもう少し国民にわかりやすく明らかにしてもらいたいと思うのですね。時期的な問題とかそういうことじゃないのです。
 米価の算定方式というのは農業生産者にとっては最大の関心事なんです。それは平成四年産米の算定の場合には平成三年と同じように地域方式でいくんだ、いや、生産者の皆さんの御意見がいろいろあるので、そういうものを参酌して新たな方式に切りかえていくんだ、こういうようなところについてはどういうふうに検討されておるのか、これを明らかにしていただきたい。
#223
○京谷政府委員 先生御承知のとおり、米価の算定方式については経過的に見てもいろいろな変遷があるわけでございまして、ただいま御指摘のございましたいわゆる地域方式、平成二年産米及び平成三年産米について実施をされておるわけでございます。この方式も、六十三年、平成元年産米の算定をめぐってのいろいろな御論議を踏まえて、二年及び三年産米について実施をされたわけでございますが、実は昨年の米価審議会での御論議におきまして、その当時、本年または当分の間やむを得ない措置であるという御意見をちょうだいし、要すればさらに検討を続けようという意見をちょうだいをしております。
 実は私どももこの答申を受けて、自来いろいろ検討してきておるわけでございますが、御承知のとおり米をめぐる諸情勢の動向が非常に不明確な中で、実は去る五月六日に米価審議会の委員懇談会を開催いたしまして、この問題についていろいろ御議論をちょうだいしたわけでございますが、その時点では、この二年間続いた地域方式にかわるべき具体的な方式を提示するのはなかなか難しいのではないかというお話をいたしましたところ、特別大きな御意見はなかったわけでございます。
 いずれにしても、まだ若干時間は残されているので、さらに検討を続けて、しかるべき時期に判断を示してもらいたいというお話をちょうだいをいたしております。その論議の経緯に沿いまして、私ども、また検討を継続しておるという状況でございます。
#224
○宮地委員 実際にはもうこの地域方式で平成四年産米あるいは平成五年産米というのは算定していかざるを得ない、物理的に追い込まれているのじゃないですか、ですから今回は、いろいろ意見があるけれども、昨年同様の算定方式でいくんだ、こういうふうにもう既に農林水産省内は固まっているんじゃないのですか、まだ今後検討するのですか、物理的に大丈夫なんですか。
#225
○田名部国務大臣 この地域方式をとるときの経緯というものは、当時で一町五反以上ということで審議会では生産者団体も含めて十回ぐらい検討してその案を出したわけでありますが、これが大変な反対が出まして、そしてこの方式に改めてやるようにということでこの地域方式をとったわけでありますが、どれが一番適切なのかというのはなかなかこれは難しい問題でありまして、全国所得の格差もまたあって、より実勢に近い形でということになるとこういうことだったわけですね。ですから、多いにこしたことはないので、計算方法が何かこう飛び抜けて全体にいい形のものということならばもうおさまるかもしれませんが、しかし実態を見ると余り算定方式がいいかげんなものであってもいかぬということでやってまいりました。
 しかし、これについては先ほど長官から、審議会懇談会での経緯を踏まえて引き続き検討を行っているところでありますから、しかるべき時期にどうするかという判断をいたしたい。またいい算定の仕方があれば、そんなに長時間にわたることでもないと思いますので、いずれにしても、今まだ時期、いつというのを決めておりませんので、その間に懇談会の意見を踏まえながら検討をしてまいりたい、こう思っております。
#226
○宮地委員 平成三年度の生産費は大体六月の末ごろには提示をせざるを得ない。そうなってきますと、私は、確かにこの地域方式にはいろいろ問題がある、ですから、見直しをすべきだという声は重要視し尊重して、今後積極的に農林水産省としてはこの米価の算定については検討すべきである、こう思っております。しかし、現実的にはなかなか平成四年産米において新たな方式を生み出すということは実際面、非常に難しいのではないか、こんな感じをしているわけです。
 そうなりますと、例えばこの地域方式によるところの米価の算定のいわゆる基礎となる要素、例えば家族労働費、昨年の場合はこれが二八%、物財・雇用労働費、これが五〇%、約半分ですね。あと資本利子が四%、地代が二一%、大体こんな構成要件によって米価が算定されている。ここのところがいわゆる平成三年度の生産費に上乗せする部分ですね。
 我々これを単純に見ますと、少なくとも家族労働費とか物財とか雇用労働費というのは、これは全国平均から見てもプラス要因ですね。まあ資本利子などについては金利が下がっているからマイナス要因かな。地代も若干土地が安くなってきておりますから、これもマイナス要因かな。プラマイしますと、実際にやはり家族労働費二八%で物財・雇用労働費五〇%ですから、昨年の比率でいえば七八%ですよ。
 そうしますと、率直に言って、ことしは生産者米価というのは全く同じ方式でやったとすれば、この労働費の部分、ここが今後積算の一つの大きなポイントかな、こういう感じをするわけですね。この生産者米価の算出に当たっては、政治的ないわゆる圧力とかそういうものはない、こう言われているわけですが、全くそれがゼロということで考えれば、昨年と同じような方程式で計算をすると、生産者米価は少なくともマイナスに切り込むことは非常に難しい、こういう感じをするわけですが、大臣、この点についてはどういうふうにお考えになっておるのか。
#227
○京谷政府委員 御承知のとおり、米価算定につきましては、算定方式について先ほど来お話しございます地域方式というのが過去二年あるわけでございますが、そのベースとして直近三カ年の生産費調査結果から導き出される平均的なレベルの中で自家労働なりあるいは自作地地代等について一定の評価がえを行って算定をしておるわけでございます。
 平成三年産米の生産費調査結果がいかなるものになるのか全く私ども現在予断を持っておりません。したがいまして、先生るるお話しになりましたような予測を私どもの方で現時点で申し上げるわけにはまいりませんけれども、いずれにしても、最終的に集約をされました直近の生産費調査結果を織り込んで適切に判断をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#228
○宮地委員 私は今長官の言っていることはわかるのですよ。長官の言っているのは、いわゆる米価算定の対象農家の平成元年度、二年度、そして今回の三年度の平均、これがまずベースである、これはそのとおりです。これで出すから、平成三年度の生産費というのはこれは六月末ごろの間は提示できない、そのベースについては私も理解している。
 それプラス、今申し上げたようないわゆる家族労働費とか物財・雇用労働費とか資本利子とか地代、ここがいわゆるさらに上乗せされるわけですね。昨年でいえば六十三年度、元年度、二年度の平均は六十キログラム当たり一万五千九百九十九円だったわけですね。それが最終的には政府米の買い入れ生産者価格というのが一万六千三百九十二円。ですから、その差額がいわゆる家族労働費とか物財・雇用労働費とか資本利子とか地代とかあるいは副産物の価額控除、こういうものを含めて決定されるわけです。
 ですから、私が言っているのは、ここのいわゆる家族労働費とか物財・雇用労働費とか資本利子とか地代等の部分は素直に見ればプラス要因のが大きいでしょうと、ですから、ここの部分については切り込む状態にはないのじゃないのですか、こう聞いているわけです。どうですか。
#229
○京谷政府委員 母体になります生産費レベル、直近の生産費調査結果がどのようになるか、私ども率直に申し上げまして現時点ではいかなる予測値も持っておりません。
 また、評価がえにつきましても、一定の統計資料に基づきまして判断を加えていくことになりますので、物の考え方として直近三カ年の生産費結果を踏まえて特定の生産要素について評価がえを行うという方式については先生御指摘のとおりでありますが、その最終的な結果がいかなるレベルになるかということについては、あくまでも基礎になります生産費調査その他の間連統計調査の結果を踏まえて判断すべきことでございまして、ただいまこの場で私がその予測をするということは到底不可能であることをひとつ御理解いただきたいと思います。
#230
○宮地委員 ぜひその辺は今後適正に精査をしながら農業生産者にわかりやすくしっかりと公表をしていただきたいと思います。
 そこで、平成四年産米については、いわゆる米について七百二十八万トン、そのうち政府米の買い入れが二百七十二万トンが目標であります。平成三年は非常に不況で減反緩和をせざるを得ない、そういう状況に追い込まれたわけですが、まずこの二百七十二万トンの政府米の買い入れの見通しについては、現段階ではどういうふうに分析されておるか、御報告いただきたいと思います。
#231
○京谷政府委員 ただいま先生御指摘ございました、ことしの予算に織り込んでおります政府買い入れ数量でございますが、平成三年産米の予想外の作況不良に対応して、四年産米については転作のかなりの緩和をしております。それをベースにして目標値を立てて需給基本計画に織り込み、予算計上を図っておるものでございまして、現在、これをベースにした作付が進行中でございます。
 また、最終的な生産量については、これからの気象条件に左右される面は否めないわけでございまして、私ども、現時点ではこの目標を達成したいと考えておりますが、今後の最終的な作付状況あるいは気象による作況変動によって若干の変動は起こり得るものであろうかというふうに予測をしております。
#232
○宮地委員 やはり今回の十三万ヘクタールの減反緩和が平成五年にはどういうふうになるのかというのは、大変農業生産者にとって大きな課題であるわけであります。大臣、この減反緩和で一年限りという問題は、非常に農業生産者にとっては今深刻になっております。今後、この減反緩和をされた農家が復田をして相当な経費がかかっている、これは一年限りだと元が取れないのですね。私も先週、宮城県と福島県、米どころの現地を視察し、いろいろお農業生産者と意見を交換してまいりましたが、大変にお怒りであります。
 この十三万ヘクタールの減反緩和について、今後やはり、この十一月か十二月ごろの、今後の作付状況といいますか、今長官が言ったような、実際どの程度米ができ上がるか、こうした状況によって来年度のことは考えなきゃならないわけですが、率直に申し上げて、私は、一年限りのこの減反というのは、やはり少なくとも三年ぐらいは延期をすべきである。しかし、十三万ヘクタール全部またもとに戻すとなれば、これはまた大変な問題です。八十三万ヘクタールに戻すことはまた逆に不可能であろう。この辺の状況をどういうふうに大臣としては今考えておられるのか、農業生産者の気持ちになって、この減反緩和問題、来年度はどうするんだろう、この辺についてのお考えを伺っておきたいと思います。
#233
○田名部国務大臣 農家の中期的な営農計画に支障を生じさせないよう、極力変動のないものにすべきということは言うまでもないことでありますが、この十三万ヘクタールの軽減措置でありますが、できる限り安定的転作営農の確保にも配慮をしながら、今後の米の円滑な需給操作に資するために、緊急応急的な措置として必要最小限やったわけであります。
 まあ気持ちは本当によくわかりますし、私どもも、もう転作が定着したものまでやるということではなくお願いをいたしておるわけでありまして、今後この潜在的な需給ギャップというのが見込まれているわけでありまして、今先生もお話しのように、じゃ全部この三年間認めていくという。ことになると、気象条件がどうなるかということもありますが、いずれにしても、また大変な過剰になることだけは防いでいかなければならぬ。
 かつて、あれは五十四年から五十八年ぐらいでしたでしょうか、この処理のために二兆円ぐらいかけてこれを処理したということもありますから、心情的には余り農家の経営に大変な変化があるということは何とか避けたいと思いつつも、お天気次第、こういうこともありますので、少し状況を見ながら、余り無理のないようにしてあげたいなという気持ちは持っておりますが、その辺のところは大変つらいところでありまして、いずれにしても、今後の推移を見きわめながら、また、この具体的なあり方については、需給調整規模のあり方も含めて、農家の営農の安定にも配意しながらやっていきたいと考えております。いずれにしても、慎重に検討していく所存であります。
#234
○宮地委員 この一年限りについては、全国的に米農家の皆さんにとっては、政府のとった対応について非常に厳しい御指摘があります。これはもう大臣は予算委員会等を通じて国会の場でも相当厳しい御指摘を受けているわけですから、この問題については、どうか農業生産者が今後米を生産していく上においてそれなりの意欲が低下しないように、士気が低下しないように、政府としても、十三万ヘクタール一年限りということをやってそのまま放置をするということのないように――北海道に行ったときも、大体一ヘクタール復田すると百五十万ぐらい経費がかかる、やはりそれをもとに戻すには三年から五年ですと。今回ササニシキの宮城に行っても、同じような生産者の声がたくさんありました。ぜひそうした生産者の生の声に政府が積極的に耳を傾けて、今後の農業活性化の士気が低下しないように最大限の努力をしていただきたい、このことは強く私は要請をしておきたいと思います。
 そこで、次に、ポストハーベストの問題について少しお伺いをしておきたいと思います。
 そうした北海道や宮城、福島の農業生産者あるいは農協の皆さんともいろいろ懇談する中で、やはりこのポストハーベスト、いわゆる農産物の安全性という問題については非常に強い関心を持っておりました。輸入農産物の中には非常に農薬づけのものも多い、そういう中では日本の農産物は非常に自信があります、今後はこのポストハーべスト、農産物の安全性の問題についても、ぜひ政府としても、また国会としてもしっかりとした取り組みをしてもらいたい、こういう声もたくさん聞いてまいりました。
 そこで、この農産物の収穫前後の問題、いわゆるポスト、プレのハーベストの問題でございますが、農林水産省としては、この問題については現状どのように取り組んでおられるか、まず御報告いただきたいと思います。
#235
○武智政府委員 広い意味での食品の安全性の確保につきまして答弁させていただきたいと思います。
 これらの問題につきましては、輸入食品を含めまして厚生省におきまして食品衛生法によりまして適切に対応しておるというふうに考えておるところでございますけれども、農林水産省におきましても安全な食糧を国民に供給する立場で非常に重要な問題だというふうに考えておるところでございます。
 このために、農林水産省といたしましては、農薬取締法ですとか、あるいは薬事法に基づきます農薬なり動物用の医薬品等の使用規制ですとか、あるいは飼料の安全性の確保に関する法律に基づきますえさですとか、あるいは飼料添加物の製造なり使用等に関する規制ですとか、さらにはまた食品の安全性につきまして地方農政局なりあるいは食糧事務所なりあるいは農林水産消費技術センター等を通じまして、「消費者の部屋」あるいは「消費者コーナー」等設けておりますので、そういったところを通じました消費者相談体制の整備ですとか、あるいはまた農林水産消費技術センターにおきましてJAS製品の市販品の買い上げの検査ですとかあるいはまた依頼に応じた検査分析の実施等やっておるところでございますけれども、これからも厚生省とも緊密に連絡をとりながら、食品の安全性の確保に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#236
○宮地委員 厚生省に伺っておきますが、今残留農薬について、アメリカなどにおいては農薬の基準については既に設定されているのが四百品目ぐらいあると伺っております。日本でも実際に農薬取締法で登録されている品目は三百程度ある。しかし我が国はこの残留農薬の基準が明確になっているのは二十六品目である。消費者からいたしますと日本の国は農薬の残留基準については非常におくれているのではないか、こういう批判も非常に多いわけでございます。
 まず、この基準づくりについて、平成四年度中には百品目ぐらいを目標に今努力をされておる、こういう報告を受けているわけでございますが、現状の基準づくりについてどのように検討し進められているのか、また平成四年度中に百品目の目標について達成可能なのかどうか、この点について確認しておきたいと思います。
#237
○牧野説明員 厚生省といたしましては、食品中に残留する農薬につきましてその安全性を確保するため、急ぎ残留農薬基準を設定すべく鋭意作業を進めているところでございます。具体的には、昨年の九月でございますけれども、四十一の農薬につきまして、さらにことしの一月には二十品目の農薬につきまして食品中に残留する農薬の許容基準設定のための諮問を食品衛生調査会に行ったところでございます。
 これらのうち三十四農薬につきましての残留基準につきまして、本年の四月でございますけれども、食品衛生調査会から答申されたところでございまして、現在この三十四農薬につきまして告示のための事務手続を行っているところでございます。
 なお、平成四年度中の努力目標百でございますけれども、全体的に現在、先ほど申し上げましたように昨年九月の四十一農薬、さらにことしの一月の二十農薬に続きまして、さらに資料の整備されたものから順次食品衛生調査会に諮問をして、百になるべく残留基準の設定作業を進めていきたいと考えております。
#238
○宮地委員 確かに今御説明のとおり、平成三年十二月には三十四品目、その中で七品目が審議をされて、平成四年三月に一品目が基準づくりにということで、残りは六品目。新たに平成四年一月に二十品目が諮問されまして、現在十八品目が審議中である、こういうことで両方合わせましてもまだ六十四品目ですね。さらに厳しいのが、二十品目の中に二品目あるいは三十四品目の中では六品目が厳しい。こう見ますと、六十四から八品目は非常に厳しい、こうした状態で具体的に平成四年度中に百品目の基準づくりは大丈夫なのかというのが我々の率直な意見です。
 また、百品目といっても、登録された品目がまだ三百品目あるわけですから、三分の一ですね。残された二百品目は一体全体いつごろまでに基準づくりをやるのか。御承知のように、アメリカやカナダでは四百品目の基準が既にできているわけですね。そういうことを見ますと、国民がう見て、日本のこの残留農薬の基準づくりについては少し遅いのではないか、怠慢ではないか、国民の健康と生命をどう考えているんだ、こういう厳しい御指摘もあるわけですが、この点について、まず厚生省、確認しておきたいと思います。
#239
○牧野説明員 先ほど御答弁いたしましたように、平成四年度中には既設定分の残留農薬基準を含めまして、およそ百品目の農薬につきまして残留基準を設定されることを目標といたしまして現在作業を進めているところでございます。今後とも関係資料の整備に努めまして、順次残留基準を設定いたしまして食品の安全性確保に努めてまいりたい、かように思っております。
#240
○宮地委員 それでは、今できている日本の二十六残留農薬基準の一覧表を私いただいておりますが、日本のこの基準は、例えばアメリカの四百品目の中にある基準と比較して一体全体日本は厳しいのだろうか、あるいは同じような基準なのか、あるいは甘いのか、これもまた一つの国民の大きな関心事でございますが、その点について御報告いただきたいと思います。
#241
○牧野説明員 既に基準の設定してございます二十六農薬の残留基準値でございますけれども、これと諸外国の基準値の比較という御質問でござい、ます。
 もちろん、食生活等が違うわけでございますので、数値そのものの比較が意味があるかどうかという点は除きまして単純に比較をいたしますと、今手持ちの資料では、FAO、WHOで定めております国際基準との比較の数字を持ってございますけれども、二十六農薬につきましては、FAO、WHOで定めております国際比較との関係で厳しいものもあれば緩いものもある。全体で見ますと、およそ日本の基準が、FAO、WHOの比較値に比べまして約八割が厳しい、あるいは国際基準とは逆に緩いものが約八%弱というふうに今手元の数字は持っております。
 以上でございます。
#242
○宮地委員 八割が日本が非常に厳しい。しかし甘いものも結構あるわけですね。きょうは時間がありませんから具体的に名前を挙げませんが、どうして日本の場合の方が基準が甘いのか、この辺は私が名前を挙げて言わなくてもあなた方の方でわかっていると思いますが、どういう経緯でそうした基準の甘いものも出てきてしまったのか、これを簡単に御報告いただきたいと思います。
#243
○牧野説明員 残留農薬基準は、その農薬につきまして科学的に定められました一日摂取許容量、ADIと略しておりますけれども、その一日摂取許容量とその農薬が使用されます各農産物の摂取量に基づきまして各農産物ごとに設定されるものでございます。仮に日本人がその設定をされました基準値の上限までその農薬が残留した食品を摂取したといたしましても、農薬のトータル摂取量が一日摂取許容量、ADI以下となるものでございます。
 したがいまして、基準値そのものにつきましての安全性の面では問題ないと考えておりますけれども、その基準値の設定に当たりましては、各国で食生活が違います。例えばお米の摂取量であるとか小麦の摂取量は違いますので、それぞれの食生活に応じて基準値を設定しておるわけでございます。
#244
○宮地委員 例えば残留農薬の中のフェニトロチオン、これは相当日本の方が甘い。キュウリ、ナスあるいは大豆、ミカン、日常の農産物といいますか食料品、これがバッテンである。この辺はいろいろ食生活の違いがあるとはいえもう少し精査していただけないかな、私はこう思います。
 もう一つは、この基準づくりについて我々一人一人の人間の一日の摂取量のマキシマムを基本にして基準づくりがされておる、果たしてこのマキシマムに基準を設定することで大丈夫なのかな、こういう実は心配もあるわけでございます。例えば米、小麦についても、実際に臭素の場合なんかは五〇ppmまでいい、こういう基準になっているのですね。五〇ppm、実際臭素が米や小麦に入っていても大丈夫なのかな、あるいはマラチオンという農薬は、米は〇・一ppmですけれども、小麦は八ppmだとか、食べるときは小麦粉になるから一・二ppmで大丈夫だ、こういうような二けたの数字のppmが基準になっている農産物がこの一覧表を見ますと相当あるわけですね。
 我々消費者から見ますと、本当に大丈夫なのかな、こうしたものがまさか最近の成人病の原因ではなかろうな、こんな心配もあるわけでございますが、この点について、厚生省としてはこの根本的な基準の許容量について見直す考えはないのか、このままで今後ともいくのか、この点について確認をしておきたいと思います。
#245
○牧野説明員 残留農薬基準は、先ほど御説明いたしましたように、各農産物ごとに設定をされました基準値の上限いっぱいまで農薬が残留していたと仮定いたしまして、その農産物を摂取いたしましたトータルの農薬の摂取量が安全レベル以下になるように設定をされております。
 また将来的な基準の見直しでございますけれども、食生活の変化あるいは農薬の使用する農産物の変化等がございますので、そういった情報を収集いたしまして必要により見直しする考えでございます。
#246
○宮地委員 農林水産大臣、このハーベスト問題、プレハーベスト、ポストハーベスト、収穫前、収穫後、これは生産者にとって非常に重要な関心事なんです。消費者の立場から見ても非常に重要な問題です。農林水産大臣としては、このハーベスト問題については今後どのように考えておられるか、締めくくりで答弁していただきたいと思います。
#247
○上野政府委員 やや技術的な問題にわたりますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 厚生省の方で各食物中のそれぞれの農薬の残留農薬基準というものをお決めいただいているわけでございますけれども、そういうものが決まるのに応じまして、各農薬の使用についてその使い方やなにかに反映をさせていく、そういうことによって残留農薬の基準に沿ったような形の農産物の生産が行われるように十分なる努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
#248
○田名部国務大臣 生産者の立場で申し上げますと、農薬取締法とか薬事法、これに従って私どもは的確に指導しているところでありますが、全体的に申し上げますと、厚生省が基本的には食品衛生法できちっとした基準を設けてやっておりますので、いずれにしても消費者に安全な食糧を供給するという責任がありますので、間違っても影響の出るようなことのないように私どもはしっかりやっていきたい、こう思っています。
#249
○宮地委員 このポストハーベスト問題については、国民の健康と生命を守るという立場からも非常に重要な問題でございますので、農水省におかれてもあるいは厚生省におかれても、どうか真剣に精査をして取り組んでいただきたい、このことを強く要求をしておきたいと思います。
 そこで、農水省関係もう一点御質問をさせていただきたいのは、現在、「新しい食料・農業・農村政策展開の基本的視点と方向」ということで、二十一世紀に向けての農業のあり方、食料あるいは地域農村対策、こういうことについて新しい食料・農業・農村政策検討本部、こういうのが浜口事務次官を本部長に昨年の五月発足をされ、現在、ほぼ大詰めの段階になっているようであります。過日、記者発表で基本的な方向について示されたわけでございますが、この問題について、今後日本の農業改革の一つの方向として私ども非常に関心を持っているわけであります。
 率直に言って、この農業改革をしていく中において、当然食管法の問題とか農地法の問題とか、そうした基本的な法律の整備も当然やっていかなければならない、非常に重要な案件が含まれているわけでございます。
 そういう中で、実際に農業生産者の若手の皆さんあるいは現在行っているお年寄りの皆さん、こうした方々にお会いして異口同音に言われることは、魅力ある農業、魅力ある農業というものについてやはり一つは所得の面、この補償。最近は三Kとかいいまして、土、日が時短で休みになってくる。しかし、朝から晩まで真っ黒になって農作物をつくる、しかし所得はサラリーマンの皆さんに比べて余り高くない。これではなかなか、いつになっても魅力のある農業はかけ声だけである、こういう実態が全国にあるわけでございます。そういう中の改革として、共同経営とかあるいは有限会社方式とか合名会社方式とか、法人方式をとってできるだけ大規模農業というものを目指していく、こうした方向性を示されておるわけでございます。
 大臣、時間がないのですが、今回のこうした基本的な農業改革について、二十一世紀に、日本の農業に携わっていて本当によかった、将来に希望もある、魅力もあるのだ、こういう農業改革をしていくために一つのはしりになるのではないかと思いますが、この基本的な視点と方向というものを突破口に、二十一世紀に向けて、大臣としてはどういう農業改革をされようと決意されておるのか、その点をお伺いしておきたいと思います。
#250
○田名部国務大臣 今お話しのように、やはり他産業並みの所得ということは補償されていない、あるいは三Kののお話もありました。今鋭意新政策本部で検討いたしておりますが、今後早期に取りまとめていきたいと考えております。
 検討に当たっての基本的な考え方は、何といっても稲作等の土地利用型農業でありますが、この分についての担い手が非常に不足をしている。出生率の低下があって全産業不足をしていくのだろうと私は思うのでありますが、そういうことを考えますと、一定の規模を確保して経営をしていかなければならぬ。ただ経営をすればいいかというと、経営管理能力にすぐれた、あるいは企業的な感覚で農業というものもやっていかなければ、やはり利益がどれだけあったのか、もっと合理化すべきところはどこかという、そういう目標を持ちながら努力をしていかなければならない。もちろん労働時間の短縮、週休二日の時代でありますから、それに沿ったもので法人等でやっていっていただきたいということも考えておるわけであります。また一方では、中山間地等もありますし、地域の実態というものもありますから、それに応じた多様な経営体をつくって、しっかりとした生産体制づくりを進めていくことが大事だ、こう思っております。
 一方では、どうも農家の生活環境が悪いということで、集落排水あるいは農道、そういう農村の基本的な関連社会施設といいますか、そういうものを今私どもは進めておるわけであります。いずれにしても美しい村をつくりたい。例えばスイス等のように、農村というのは都会の人も本当に住んでみたいという感じがあるわけでありますから、そういうものを目指して、活力に満ちた快適な生活ができる、それで所得も他産業並みに得られるという状況をつくって、やはり若い人たちに、今お話しの二十一世紀、今すぐのことではありませんが、次の時代の子供たちに本当に意欲を持って取り組んでいただきたい、こういうことで検討をいたしております。早期にまとめてお示しをしたい、こう考えております。
#251
○宮地委員 きょうは環境庁長官もお見えでございますので、大変お待たせをして恐縮でございます。
 長官、新大臣になりましていろいろ御苦労が多いと思いますが、まず、六月三日から十四日までブラジルのリオデジャネイロで行われるいわゆるUNCED、地球サミット、これには国会の状況でいろいろ厳しい中でございますが、環境庁長官は日本政府代表としてしっかりと頑張ってきてもらいたい、こういうふうに私は思っておりますので、できるだけ調整をして御出席をするようまず努力をしていただきたい。
 そこで、環境庁長官としてこの地球サミットに参加するに当たりまして、日本の立場は非常に重要であろう。いろいろ伺っておりますと、今回はどうも南北問題を中心にして議論をされるのではなかろうか、こうなりますと、日本の資金協力あるいは技術協力、先進国のトップレベルとして果たす役割が強く求められると思います。まずこの点について、どのようなお考えで御出席をされようとしているのか、大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
#252
○中村国務大臣 地球環境の危機が叫ばれるようになりましてから、近年その保全について世界的な関心が高まってきたわけでありますけれども、我々人類共通の生存の基盤である地球環境を守ろうということで、その環境を守ろうということになりますと、これは世界的規模で対応しなければならないわけでありますから、国連が立ち上がってこのUNCED、サミットを計画したということであります。そしてこのサミットは今までもう既に随分準備の会合を重ねてまいりまして、気候温暖化の防止に関する条約は採択をいたしました。また、生物学的多様性というのですが、種の保全に関する条約についても一応採択をいたしました。また、リオ宣言という名前になると思いますが、地球憲章というようなものについても大体の合意を見てまいりました。
 さらに、今おっしゃられました資金の問題だとか技術移転の問題、また森林に対する合意文書をつくろう、こういうことをサミットで取り組んでなし遂げようということでございますけれども、このことは、いわゆる地球環境を守るために具体的な方策について国際的な合意を得ようという会議でありますから、大変画期的な会議であると同時に極めて重要な会議だと思います。そして、今まで準備を進めてきましたから、リオが一つの集大成であると同時に、リオがまた一つの出発点になる。そして我々人類共通の基盤である地球の今後の環境を守るという意味において、やはりこれからの世界のあり方をある面で決めていくような重要な出発点になる会議じゃないかと思っております。
 そこで、委員御指摘のとおり、我が国は大変な産業発展を遂げ、その間において大変深刻な公害を経験し、またそれをある程度克服してくるという経験を持っております。そういう中で大変多くの技術の蓄積もありますし、経験を重ねてきたわけであります。また、御指摘のとおり我が国はアジアの一員であり、そして先進国の一員でありますから、そういった、調整という間のかけ橋というようなことが一つ大きく期待されるところだと思います。
 実際に今まで準備の会議に出席しておりまして、我が国がそういう面で果たしている役割は極めてあると思います。例えばこの間日本で開きました東京賢人会議、竹下元総理がホスト役、海部前総理と経団連会長がホスト役でやりました会議、こうしたものの結論が今大きくこのUNCEDへ向けての道づくりに役に立っている、これも我が国が果たしてきた一つの貢献だと思いますけれども、この会議、やはり世界じゅうから集まっておりますから大変な論議がリオでも予想されるわけでありまして、このかけがえのない我々の地球の環境を守るためにどうしても成功をさせなければいけない。そうした中で、先進国の一員でもあり、またアジアの一員でもある立場から一生懸命努力をいたしまして、我が国がその国際的地位にふさわしい積極的な役割を果たしてまいりたい。
 また、東京賢人会議でも総理も発言してくださいましたが、我が国は、世界的な枠組みができた上で、我が国の国力にふさわしい貢献をしていくということを申しているわけでありまして、いろいろな面での大きな貢献ができる、一我が国が国際貢献を果たす一つの大きな役割がこの環境の問題ではないか、そういうものへ向かって極めて重要なサミットを成功させるために最善の努力をしてまいりたい、このような気持ちで出席をさせていただきたいと思っております。
#253
○宮地委員 特にこのサミットの中で、持続可能な開発社会、こういうものをつくろうということで、いかに我々の住んでおる地球を守っていくか、これは今後の経済社会の一つの路線の改革の問題を含めて非常に重要な課題ではなかううか。まずこの持続可能な開発社会づくりについて、日本政府として今後どのような努力をされていくのか。そういう中で今、日本国内でも大きな問題となっている環境税の問題、これについて大臣はどういう考え方をお持ちなのか。
 時間が参りましたので、この二点を御見解を伺って終わりにしたいと思います。
#254
○中村国務大臣 持続可能な開発に向けての社会づくりということでございますけれども、これは極めて大きな問題を含んでおると思います。すなわち、我々の経済のやり方、生活のあり方、すべてを環境を害さないで持続可能な開発の中で行っていこうということでありますかう、まさに大変なことでありますけれども、今出発点でありますから、これからの取り組みについて真剣に勉強してやってまいりたいと思っております。
 そして、時間が迫っておりますので、今の税のことについてちょっとお話をさせていただきたいと思うのでございますが、やはり環境を悪くするようなものが排出されている。今、特にOECDでございますとかECで検討されておりますのは、いわゆる炭酸ガスを発生する、炭素を含んだものの、いわゆる化石燃料を中心としたものに対する対策でありますけれども、そういったものに税をかけて、そしてそれから得られた税を環境保全の対策のための資金に回していこうという考えがございます。これは大変リーズナブルな考え方で、そういった考え方は当然に起こってくるものだと思います。
 そこで、今世界では、この間の先進国環境大臣会議でも話題になったのでございますが、ECでは発生抑制という目的から炭素税のようなものを考えてそれをつくっていきたいということでございました。そういうものをもってOECDの検討にも臨みたいというのがECの立場でございました。
 そして我が国の現状はどうかというと、我が国は既に炭酸ガスを発生するようなものについてかなりの税がかかっておりますけれども、やはり世界の環境税というような検討の一員に加わっていかなければいけないわけでありますから、OECDの一員として、OECDが今年末までに結論を出すというその環境税の検討に加わってまいりますし、そして環境庁においても大蔵省においても、今この税制がどうあるべきかということを検討しているところでございます。
#255
○宮地委員 終わります。
#256
○草野委員長 次に、寺前巖君。
#257
○寺前委員 きょうは、過般来報道関係を見ておりましても、PCBの問題がかなり話題になっております。これに絞ってお聞きをいたしたいと思います。
 一九六八年にカネミ油症事件が発生しました。千六百八十四名の患者に被害を与え、七四年から製造、輸入、使用が禁止される、こういう事態になりました。
 大分昔の話だと思っていたら、最近、東京都立衛生研究所の調査によると、九〇年の四月から九一年の三月、一年間に東京都中央卸売市場に入荷した三十二種類の魚介類についてコプラナPCBの濃度を調べたところ、二十二種類からコプラナPCBが検出された。三分の二から検出されているじゃないか。東京といえば全国からお魚が入るでしょう。地球上各地からお魚が入っていることでしょう。これはえらい地球上の問題になっているものだ。濃度が高かったのは養殖魚のハマチやシマアジ、沿岸魚のスズキなどでありました。このコプラナPCBの濃度を人工化合物中最強の毒性を持つ2・3・7・8四塩化ダイオキシンで換算すると、最も濃度が高いハマチは一グラム中十七・四ピコグラムあった。
 このコプラナPCBは、PCB製品中に〇・一ないし〇・八%含まれていると言われており、その急性毒性は人工化合物で最強と言われる2・3・7・8四塩化ダイオキシンの十分の一とも言われる。
 そこで環境庁にお聞きいたしますが、あなたたちが出された生物モニタリングの調査でも、PCBは魚介類及び鳥類から検出されていて、「PCBが現在もなお広範な地域の環境中に残留している」と書いてあります。PCB一般の調査だけではなくして、特にダイオキシン汚染をしのぐ影響を持っているというこのコプラナPCBについて、自然生態系に対する影響調査を行う必要があるのではないか、私はそういうふうに感じたわけでありますが、どういう御見解をお持ちなんでしょうか、どういうことをおやりになっているのでしょうか。
#258
○柳沢(健)政府委員 御質問のコプラナPCBでございますけれども、この環境調査につきまして、環境庁といたしましては平成二年度からこの調査を開始したところでございます。現在、平成三年度の調査結果を取りまとめているところでございますけれども、今後ともこの調査を継続して環境調査を続けてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#259
○寺前委員 この間、ある新聞を読んでおりましたら、アメリカの五大湖でのミミヒメウのひなの奇形発生の原因物質の可能性が高いという問題がコプラナPCBの影響調査の中で書かれていました。
 一九九二年、ことしの五月十五日の日本食品衛生学会で大阪府立公衆衛生研究所が母乳中のコプラナPCB濃度を研究した結果を報告しております。それによると、母乳の脂肪一グラム中に最大六百二十六ピコグラムのコプラナPCBが検出された。このコプラナPCB濃度を2・3・7・8四塩化ダイオキシンで換算すると、母乳脂肪一グラム中五十・二ピコグラムとなります。さらに母乳の脂肪含有量は二、三%程度で、生後二、三カ月の乳児は通常母乳を一日に千cc程度飲むとすると、コプラナPCB摂取量は厚生省の決めた体重一キログラムにつき百ピコグラムという暫定的な摂取許容量のレベルに達することになってしまいます。
 この調査研究結果を読んでみますと、こう書いてあります。「現在の一日摂取許容量は、成人を対象に設置されたものなので、乳児に対する一日摂取許容量を定める必要がある」、こういうふうに結論として結んでいます。
 私は、厚生省にお聞きしたいと思います。
 日本人は魚介類の摂取量が極めて多いということから考えても、コプラナPCB汚染はダイオキシン汚染をしのぐ影響があるだけに、このコプラナPCBの人に対する健康影響調査、特に乳児に対する一日摂取許容量を決めるべき段階に来ているのではないだろうかというふうに思うのですが、いかがなものでしょうか。
#260
○伊藤説明員 お答え申し上げます。
 食品中のPCBにつきましては、昭和四十七年に暫定適正値を設定しまして、汚染食品の流通防止をするために各都道府県等において検査が実施されているところであります。
 今回検出されましたコプラナPCBについては、通常PCBにコプラナPCBが今回の検出結果と同じ程度、一%以下ですが、含まれている。それから、そのPCBの量が暫定的規制値を下回っている、そういうようなことから、直ちに食品衛生上問題があるというふうには考えておりません。
 しかしながら、今後とも内外のコプラナPCBを含めたPCBに関する情報をいろいろ収集していきたいというふうに思っております。
#261
○寺前委員 私は、厚生省の態度は非常に甘いと思うわ。もう少し真剣に、この食品衛生学会で出されたこういう調査結果について真剣に考えてほしいと思うのです。
 時間の都合がありますので、私、次へ問題を発展させますが、東京都の清掃局が行ったPCB使用電気機器の保管状況調査、これを見ますと、調査対象二千二百四十四事業所、回答を寄せたのは四九・二%の千百四事業所、そのうち適正保管が八百五十二事業所、不明・紛失が二百五十二事業所となっています。不明・紛失した電気機器保管個数は五百五十三個で全体の八・二%になっています。未回答千百四十事業所のうち、所在不明は二百四十一事業所にも上っています。岐阜県の調査でも、同じように七%程度が紛失・不明となっています。PCBがこういう扱いになっているということは極めて重要な問題を含んでいると思います。
 通産省に登録されているPCB使用機器等の使用・保管事業所数は十三万六千六百カ所で、保管されている重電系の電気機器用としてトランスが二千七百台、コンデンサーが六万八千二百台、家電系の除去台数が九十六万八千百五十九台、熱媒体用九百六十八トン、ノーカーボン八百五十二トンということになっています。しかし、これまで厚生省は一九七三年八月に出した「PCB使用部品を含む廃家電製品の処理について」という通達でPCB入り廃家電製品の保管を義務づけておりますが、その後、八六年にいわゆるPCB入りノーカーボン紙汚染問題が起こった際に、ノーカーボン紙の保管状況について調査するということだけではなかったでしょうか。
 私は、この際に厚生省にお聞きをしたいと思うのです。
 今回、いろいろの調査がいろいろな角度から出ております。今回の問題で全国的な保管状況について調査することになっていますが、東京都清掃局の調査でも明らかなように、不明・紛失した事業所が二百五十二カ所、電気機器が五百五十三個あります。しかも、未回答事業所が五〇%以上あり、そのうち二百四十一事業所が所在不明になっている。不明・紛失した事業所は明らかに廃棄物処理法違反ということになるのではないだろうか。さらに未回答事業所を調査すれば、違反事業所というのは莫大にふえていくことになるではないか。
 事は毒性の強いPCBの問題、こんな管理の仕方でいいのだろうか。私は徹底した回収と保管を厚生省は追求すべきだと思いますが、いかがですか。
#262
○三本木説明員 ただいま先生御指摘いただきましたPCB汚染物の調査結果でございますが、厚生省といたしましては、従来よりその保管の徹底を指導はしてきているところでありますけれども、このように一部の所在が不明になっているということは大変重大なことと受けとめているわけでございます。厚生省といたしましても、PCB汚染物の保管状況を早急に調査をいたしまして、その結果を踏まえて関係省庁とも連携を密にしながら対応をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
 なお、PCB関係の廃棄物は、先生御指摘のように、当面、保管管理を徹底するということが、現在処理施設がないということからそれが大変重要なことだというふうに考えておりますので、この保管管理の徹底につきましては今まで以上に指示を強めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#263
○寺前委員 そこで、私は細部に入っていきますが、厚生省所管の国立病院や国立療養所、通産省に登録されている事業所を見ると、十三万六千六百事業所の中にそういう厚生省所管の、直接の所管もあるわけですが、PCB電気機器の保管状況を調査、指導したことがあるのか、あるいはどういう状況になっているのか。関係施設を私はこの際に改めて厚生省、調査をさせるようにすべきだと思いますが、いかがなものですか。
#264
○三本木説明員 ただいまその保管状況の早急な調査をするべく準備をしているところでございまして、調査の実施主体は、多分これは都道府県知事にお願いをしながら実施していくという形をとりたいというふうに思っております。
 当然、その調査対象の中にはPCBを保管している事業場がすべてかかわるような形に持っていきたいというふうに考えておるところでございますので、そういう中での対応というふうになるかと考えております。
#265
○寺前委員 私は、厚生省が直接所管している自分の病院や国立の療養所についてはみずからちゃんと、きちっと指導したらどうなんだろうということを思います。
 次に、文部省に聞きたいと思います。
 私は、過般、どういうことになっているだろうか、京都大学について聞いてみました。秘書さんにも行ってもらいました。現状、行ってみますると、中央変電室で使用していた変圧器六十七台について、専用の倉庫に入れてPCBの台帳を設けて定期的に管理しておりました。倉庫はコンクリート床で機器は直置きになっていて、通産省指導要綱によるバットは設けられてありませんでした。
 その前に、私は関西電力のPCBの取り扱いについて見てきましたときにはちゃんとバットの上に置かれておりましたが、何で京都大学ではそうなっていないのだろうか。改めて通産省の指導要綱を見ると、そう書いてあるではないか。何で文部省はこういうことを指導しないのだろうか。さらに聞いてみました。関係者は、そういうような扱いはよく知らないということを言っています。各学部にある二次変電室での使用済みの古いPCB機器については一体どうなっているのか。それはそれぞれの学部がやっておりますのでということで、実態を掌握しておりませんでした。
 日本照明器具工業会等の規定で指導していると文部省は言っていますが、実際に行ってみると通産省の指導要綱とは違う実態になっていますけれども、これは指導の改善を必要としていると私は思うのですが、いかがですか。
#266
○吉沢説明員 PCBを含む機器の保管につきましては、法律によりまして厚生省で定める技術上の基準に従い生活環境の保全上支障のないように保管しなければならないとされております。
 私どもの国立学校等につきましても、その保管につきましては台帳を作成するとともに保管場所等を明確にしまして適切な保管に努めるよう指導してきたところでありますけれども、具体的な面につきましては、まだ私どもの方は確かに把握はされておりません。その点につきましても今後適切に保管するよう指導していきたいと思っております。
#267
○寺前委員 私は、この際にすべての分野でもう一度襟を正して調査し、保管管理をきちっとやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 厚生省にお聞きいたします。
 今回の問題が起こってもう二十年以上になっているのに、こういうような、今言うような実態が発生しているわけです。廃棄物処理法施行規則第八条に産業廃棄物の保管の技術上の基準というのがあります。これは産業廃棄物一般について飛散、流出、地下浸透するおそれのないようにすると言っているだけです。
 PCB使用機器等の保管は、一般産業廃棄物としての保管ではなくして、毒性の強い有害廃棄物として保管するため、別途に専用保管所の設置や容器の密閉など、新たな保管基準を設けるべきではないだろうか。さらに、不法投棄による不明・紛失を防止するために施設管理者の設置、台帳の整備、報告の義務を新たに明記して定期的に点検するようにすべきではないか、こういうことを今回私は感じましたのですが、いかがなものでしょうか、厚生省。
#268
○三本木説明員 PCBの保管体制につきましてでございますが、昨年の十月に廃棄物処理法が改正されておりまして、この中で新たに特別管理廃棄物というカテゴリーを設けまして、それに応じた規制を強化するという措置が講じられたわけでございます。現在、厚生省といたしましては、この特別管理廃棄物としてPCB等有害物質を含みます産業廃棄物の指定を検討しているところでございます。
 この特別管理廃棄物というふうなカテゴリーにこれが入りますると、先生御指摘のような特別管理廃棄物を排出する事業者には管理責任者を置くとか、あるいは所定の帳簿の設置を義務づけておりますとか、そういった各種の規制措置が講じられるわけでございます。厚生省といたしましては、現在この関係について検討しているところでございますので、できるだけといいましふうか、保管等の基準について厳格な基準を設けていきたいというふうにもあわせて考えておりますが、総合的に適正な保管管理体制が整えられますように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#269
○寺前委員 次に、運輸省にお聞きをしたいと思うのです。
 大量使用・保管事業所ながら通産省に登録されていないのは、電力会社、JR、NTT、防衛庁であります。そこで旧国鉄、JRのPCB使用機器の保管状況です。
 運輸省によると七四年六月に鉄道車両用機器の整備のためのPCBの使用に関する技術上の基準を定める省令というのが施行されて、PCB油等の保管方法、保管場所の表示、管理責任者の選任を指導しております。また八七年の通達では、毎年保有状況等を報告させています。具体的にはJR五社の十工場に新油二千リットル、廃油七十四万五千リットル、汚染布等六千トンが保管され、管理は万全だということになっております。
 ところで、京都府の向日市にあるJR西日本の運転所のPCBの不法投棄問題についてお聞きをしたいと思います。
 一九七六年に、当時、国鉄向日町運転所のPCB汚染事件というのがありました。車体検査中の労働者など六人が車両の下の主変圧器から噴き出したPCB入り絶縁油を浴びたことから起こっております。当時、東洗車場の汚泥の溶出試験では〇・八三ppmと、基準値の約二百八十倍も出てきました。また、ピットなどの汚泥は六番線東側で八七・六ppm、四番線西側で三六・二ppm、そして運転所の排水を放流する熊川など公共用水域で底質は〇・五六ppmのPCBが検出されました。私は、一九七六年のこの時期に現地に入りました。そして当時の所長とも事情を調査し、対処についていろいろ意見も申し上げてきたものであります。その当時、向日町運転所構内には「PCB汚物入り」と表示されたドラム缶に入れて、そして当局はコンクリート詰めにして地下に埋めたようなのであります。
 最近、それについてどうなっているのかということで運輸省に報告を求めましたところ、遮断槽について五十二年の三月完成で、幅十メートル、長さ二十六メートル、深さ三メートル、埋め立てたものは混入土等ドラム缶にして約千百本、検修車の全般的清掃を行った水洗浄用のぼろなどドラム缶約五十本、両方合わすと千百五十本というのがテニスコートの下に埋めであるという報告を受けました。
 そうすると、これは当時あれだけの大問題になったわけですけれども、そういうものを放棄したとするならば廃棄物処理法違反になるんじゃないだろうか。しかし、これをもしも管理しているとするならば、そうすると管理台帳があって、次々と歴代の所長さんは引き継いで、うちの方にはこういうものを管理していますというふうになっていなければならぬはずです。そうすると、これが管理のあり方として正しいあり方であったのかどうか。廃棄物にしたにしても、管理のあり方にしたって、いずれにしたって私はこれは大変な対処の仕方になっていると思いますが、運輸省はいかなる見解をお持ちですか。
#270
○溝口説明員 昭和五十一年六月十二日、国鉄向日町運転所構内において車両の主変圧器の修繕の際に、過ってPCB油が三リットル漏えいして、直ちに回収作業を行ったわけでございますけれども、一部が排水溝に流入したと私どもは聞いております。この回収作業に用いたPCB油の付着した布きれ、作業服及び工具等は、保管容器に密閉の上、吹田工場、これは先生御指摘の十工場の中へ入ってございますが、吹田工場のPCB保管庫に管理していると聞いております。
 それから御指摘の汚泥でございますけれども、京都府、それから向日市の指導によりまして、排水溝の汚泥を回収してドラム缶に封入した上、構内に保管のための遮断槽を建設して保管をしたというふうに聞いておるわけでございます。
 確かに私どもに対しての報告はなされてございませんが、保管方法についてはそういうことで地元の自治体の指導によりましてされておりますので、確かに御指摘のとおり、保管の表示、管理責任者等保管に当たっての適切な管理を行うようJR西日本を指導してまいりたいというふうに考えております。
#271
○寺前委員 ところが、運輸省の報告を見ると、一九七七年の三月、昭和五十二年の三月に大阪鉄道管理局長から京都府知事に、産業廃棄物処理施設設置届という形で出しているというふうに書いてあるじゃありませんか。そうすると、これを産廃として処理したとなれば、産廃の場合はこれは燃やさないかぬということになっているはずです。燃やさぬといてその中に詰めてあるということは、これは産廃のあり方として、産業廃棄物の廃棄物処理法違反になるんじゃないでしょうか。
 管理の問題については今説明があったとおり、これは管理のあり方として正しくないものであり、管理者もなければ、何にもこれは管理の部類に入らない。いずれにしたって運輸省の省令違反になるし、廃棄物とするならばこれは廃棄物処理法違反になる。どちらにしたって違反には違いないので、直ちに改善をしてもらう必要があると思いますが、いかがですか。
#272
○溝口説明員 先ほど申し上げたとおり、保管の表示、それから管理責任者等の選任というのですか、そういうようなことについてきちんとやるようにJR西日本を指導してまいりたいと思います。
#273
○寺前委員 改めて言いますが、きちんというのはどういうことなんです。あのままで、コンクリート詰めのところにそのまま置いておいていいのですか。私は、そういう保管の仕方はPCBの場合はあかんと思うのですよ。ちゃんと私は関西電力へ行ったら、下に敷いてありますよ。コンクリートの上にそのまま置いてあったのが京都大学ですよ。これはあかんと通産省の指導の中にあるわけでしょう。ドラム缶に入れてコンクリートの上にどおんと置いてある。そんなやり方でいいのですか。しかもそれは上から詰めてしまって、そしてテニスコートにしてある。こんな管理の仕方でよろしいかというのです。管理の仕方そのものを抜本的に変えてもらわなかったら、運輸省のその省令にも適していないじゃありませんか。もちろんPCBここにありというマークはついていません、おっしゃったとおりですから。
 だから、管理の停滞、それは運輸省令の指示に従っていないのだから抜本的に見直せというふうにやってもらう必要があると思うのですが、それはいいですか。
#274
○溝口説明員 保管の方法につきましては、先ほど御説明申し上げたとおり、京都府、向日市の指導を受けておりますので、特に問題はないというふうに考えておりますが、先ほどから申し上げたとおり、確かに管理責任者等のそういう選任もやっていないということでございますので、その辺の指導をしていきたいと考えております。
#275
○寺前委員 繰り返しますが、自分の出した省令をもう一回見直してくださいよ。そういう管理の仕方がいいのか、あるいはまた通産省が出している指導方向からこういう電力会社とかNTTとか鉄道とかは別扱いにするのだ、別扱いにしたら別扱いらしくきちんと責任持ってやはり指導を徹底させてもらう必要があるのじゃないか。
 それから、私は厚生省にもお聞きをしたいと思うのです。こういう大阪鉄道局から府へ出したところの手続、廃棄物の処理として手続をしたわけでしょう。そうしたら、手続をしたらこういう管理の仕方でよかったのかどうか。先ほど私は山下厚生大臣にも申し入れましたけれども、これを点検してもらう必要があるのと違いますか、こういう管理の仕方でいいのかどうか、京都府の指導があったというのだ、これでよかったというふうにあなた思われますか。点検してくれますか。
#276
○三本木説明員 厚生省といたしましては、個別具体の例につきましてはなかなか承知する機会がないということを御理解いただければと思いますが、ただいま先生御指摘の件につきましては、事実関係として京都府知事が、実はいろいろな廃棄物処理法に基づきます立入検査であるとか必要に応じた報告徴収あるいは改善命令を必要があれば出すとか、そういう機能が都道府県知事に与えられているということもございまして、私ども、よく京都府サイドから事情を聞いてまいりたいというふうに考えております。
#277
○寺前委員 適切な指導を要求しておきます。
 時間が迫っておりますので、最後に環境庁長官にお聞きをしたいというふうに思います。
 一つは、通産省報告でも、十三万六千六百事業所で現在でも使用中のコンデンサーが二十六万七千百台、トランスは三万六百台となっていて、大量に保管、今後いわゆる廃棄物になるという事態にPCBがなってきます。しかし、製造が禁止されて二十年が経過して大量のPCB廃棄物が保管され、今後大量にPCB廃棄物が出てくるにもかかわらず、それではその廃棄物をどういうふうに処理をしていくのかという方向がまだはっきりしていないということは私は問題だと思うのです。
 八六年に、兵庫県高砂市にある鐘淵化学の高砂工場が、工場に保管してあった液状廃PCB五千五百トンを自社負担で焼却しています。その結果によれば、排ガス中及び環境大気中においてPCBやダイオキシン類の発生はなかったというふうに報告が出ていますけれども、二次公害を発生させずPCB廃棄物を処理する技術がもうできようとしているのか、できていないのか、そこをはっきりして指導方向を打ち出さなかったならば、もう二十年たっているのにこのままでいいのかという問題が一つありますが、それを急ぐ必要があると思いますが、いかがですか。これが一つです。
 もう一つは、国会で一九七二年六月十六日に本会議で決議をやっています。PCB汚染対策に関する決議です。そこでは、PCB汚染について実態を把握するとともに汚染機構、人体影響等の解明並びに分析方法、処分方法等の技術開発に努めなさい、また、回収されたPCBの処理については、二次公害の防止に十分留意するとともに、専焼炉等の研究、開発、設置に努めなさい、こういうことを書いているわけです。
 あれから二十年たちました。当時の長官は、その決議の御趣旨を十分踏まえて、全力を挙げて取り組みますということを言っていました。さあ二十年たって、これが全力を挙げた姿なのだろうか、私は不安で仕方がありません。この際に、大臣がどういう態度で臨まれるのかをあわせてお聞きしたいと思います。
 以上です。
#278
○中村国務大臣 先生御指摘のように、PCB関係の処分について、我が国では六十年から平成元年にかけて兵庫県高砂市の鐘淵化学工業で処理が行われたということでございます。そのときには、環境庁においても、適切な処理が行われ、また公害が出ないということで協力をしたこと、そういう経験を持っているわけでありまして、PCB製品の処理が行われる場合に、高砂市の例を踏まえまして、関係省庁と協力して適切な処理がなされるようにこれからも努力をしてまいりたいと思います。
 そして、今委員御指摘の科学的なことだとか、そういうことについては専門家の方から御答弁をさせていただきたいと思います。
#279
○眞鍋政府委員 PCBの処理技術でございますが、高砂市の例等のときにもいろいろ専門家の間で検討したわけでございます。そういうことで、現在のところ、一応そういう適正な処理基準が確立されておるというふうに承知しております。
 ただ、それがどこにどういうものが立地をするかという点につきまして、いろいろと関係者の同意が得にくい、こういう状況でございます。そういうことでございますので、そういう点をよく周知を図りながら、適正な処理ができるように今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
#280
○寺前委員 お約束の時間が参りましたので、終わらせていただきますが、ぜひ関係方面は本当に真剣に見直していただきたいということを要望しておきます。ありがとうございました。
#281
○草野委員長 以上で寺前君の質疑は終了いたしました。
 次回は、来る二十九日金曜日午前十時二十分理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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