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1992/05/29 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 決算委員会 第7号
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1992/05/29 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 決算委員会 第7号

#1
第123回国会 決算委員会 第7号
平成四年五月二十九日(金曜日)
    午前十時三十分開議
出席委員
  委員長 草野  威君
   理事 北川 石松君 理事 萩山 教嚴君
   理事 鳩山由紀夫君 理事 藤井 裕久君
   理事 森  英介君 理事 志賀 一夫君
   理事 長谷百合子君
      伊藤宗一郎君    藤尾 正行君
      渡辺 栄一君    小森 龍邦君
      時崎 雄司君    松浦 利尚君
      貝沼 次郎君    寺前  巖君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 渡辺 秀央君
 出席政府委員
        警察庁警務局長 安藤 忠夫君
        総務庁長官官房 小山 弘彦君
        審議官
        法務省人権擁護 篠田 省二君
        局長
        大蔵省理財局次 吉本 修二君
        長
        郵政大臣官房長 木下 昌浩君
        郵政大臣官房人 谷  公士君
        事部長
        郵政大臣官房経 山口 憲美君
        理部長
        郵政省郵務局長 早田 利雄君
        郵政省貯金局長 松野 春樹君
        郵政省簡易保険 荒瀬 眞幸君
        局長
        郵政省通信政策 白井  太君
        局長
        郵政省電気通信 森本 哲夫君
        局長
 委員外の出席者
        大蔵省主計局司 設楽 岩久君
        計課長
       郵政大臣官房総 五十嵐三津雄君
       務審議官
        郵政大臣官房資 江川 晃正君
        材部長
        郵政大臣官房建 澤田 誠二君
        築部長
        会計検査院事務 白川  健君
        総局第四局長
        会計検査院事務 中島 孝夫君
        総局第五局長
        決算委員会調査 小島  敞君
委員の異動
五月二十九日
 辞任         補欠選任
  新村 勝雄君     松浦 利尚君
  宮地 正介君     貝沼 次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  松浦 利尚君     新村 勝雄君
  貝沼 次郎君     宮地 正介君
同日
 理事宮地正介君同日委員辞任につき、その補欠
 として宮地正介君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 平成元年度一般会計歳入歳出決算
 平成元年度特別会計歳入歳出決算
 平成元年度国税収納金整理資金受払計算書、
 平成元年度政府関係機関決算書。
 平成元年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成元年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (郵政省所管)
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 平成元年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、郵政省所管について審査を行います。
 この際、渡辺郵政大臣の概要説明及び会計検査院の検査概要説明につきましては、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○草野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
   平成元年度郵政省所管一般会計及び特別会
   計の決算に関する郵政大臣説明
 一般会計、郵政事業特別会計、郵便貯金特別会計及び簡易生命保険及郵便年金特別会計の平成元年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 一般会計の歳出予算現額は二百九十二億六百八十四万余円でありまして、これに対する決算額は二百九十億九千九百万余円となっております。
 郵政事業特別会計の歳入予算額は五兆五千八百二十三億千三百九十一万余円、歳出予算現額は五兆七千六百四十九億六千七十七万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では五兆七千二百五十二億二千三百八十六万余円、歳出では、五兆七千二百八十三億三千三十六万余円となっております。
 この中には、収入印紙等の売りさばきによる収入及びこれらの収入を関係法令に基づき他の会計へ繰り入れる等のため必要とする支出や借入金、局舎其他施設費等の資本的収入支出が含まれていますので、これらを除きました事業の運営による歳入歳出は、歳入では二兆九千四百九十九億二百四十七万余円、歳出では二兆八千五百四十九億八百三十七万余円となっております。
 郵便事業の損益につきましては、収益の総額は一兆六千九百九十億五千五百三十六万余円、費用の総額は一兆六千八百二十四億七千二十六万余円でありまして、差し引き百六十五億八千五百九万余円の利益を生じました。
 この結果、郵便事業の累積利益金は、五百五十八億四千百六十一万余円となっております。
 郵便貯金特別会計につきましては、一般勘定の歳入予算額は九兆千八百三十九億八千五百十六万余円、歳出予算現額は八兆三百六十六億千四百三十五万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では八兆九千九百九十六億三千五百八十九万余円、歳出では八兆二百十三億四千二百五十七万余円となっており、差額九千七百八十二億九千三百三十一万余円は、法律の定めるところに従い翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。
 金融自由化対策特別勘定の歳入予算額は三兆三・千四百十九億二百七十一万余円、歳出予算現額は三兆三千四百十九億二百七十一万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では三兆三千百二十一億三千六百十六万余円、歳出では三兆三千四十一億四千二百四十九万余円となっており、差額七十九億九千三百六十六万余円は、法律の定めるところに従い金融自由化対策資金に組み入れることといたしました。
 簡易生命保険及郵便年金特別会計につきましては、保険勘定の歳入予算額は十兆二百八十四億千三百五万余円、歳出予算現額は五兆六千六百億二千八百三万円でありまして、これに対する決算額は、歳入では九兆七千八百四十億八千六百七十二万余円、歳出では五兆二千七百十八億千百二十八万余円となっており、差額四兆五千百二十二億七千五百四十四万余円は、法律の定めるところに従い積立金として積み立てることといたしました。
 年金勘定の歳入予算額は三千六百六十二億千八十五万余円、歳出予算現額は六百六十億五千五百七十九万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では四千五百三十九億九千百四十八万余円、歳出では六百八億七千百七十万余円となっており、差額三千九百三十一億千九百七十七万余円は、法律の定めるところに従い積立金として積み立てることといたしました。
 次に、会計検査院の平成元年度決算検査報告において不当事項として指摘を受けたものがありましたことは、誠に遺憾に存じます。今後、この種事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図る所存であります。
 以上をもちまして、平成元年度決算の概要についての説明を終わります。
    …………………………………
   平成元年度決算郵政省についての検査の概
   要に関する主管局長の説明
                会計検査院
 平成元年度郵政省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二十九件であります。
 検査報告番号一三四号から一六二号までの二十九件は、職員の不正行為による損害が生じたものであります。
 これは、生野郵便局はか二十九郵便局で、郵便貯金、簡易生命保険等の事務に従事している職員が、通常郵便貯金等の払戻金や契約者から受領した保険料等を領得していたものであります。
 なお、このうち一三八号から一六二号までの二十五件については、平成二年十月末までに損害額のすべてが補てん済みとなっております。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
#4
○草野委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小森龍邦君。
#5
○小森委員 きょうは郵政行政に関係をいたしまして、これまでの郵政職員に対する同和問題に関する職員研修あるいは政府の一つの省庁として同和問題にどういうふうな努力をしておるか、こういった観点に基づきましてまず質問を始めたいと思います。
 既に通告をいたしておりまして、その中身は御承知いただいておると思いますが、一九九一年九月十一日に広島県におきまして特定郵便局長業務推進連絡会なる、そういうふうに名目をつけた同和問題の研修会が行われまして、実にふまじめといいますか、ふらちなことが行われておる事実についてまずお尋ねをいたします。
 余りたくさんの例を出すことはできませんが、例えば講師として演壇に立った人物から次のようなことを言われております。「非人というのは今では余りないのですが、こじきというふうなものですかね。非人クラスの階層の人は今でもちり紙交換的なもの、くず鉄を集めたり、ごみ掃除をしたりで生活をしている。片やえたという階層、そんなふうな人は打ち首とか市中引き回し、捕り方の下役、張りつけの刑吏、殺された人の死体の処理、一番汚い仕事をし、一番下の非人はもとに返れるが、その一つ上になると特殊部落といいましょうか、えたクラスの人は返ってこれぬ。」というようなことを、しかも前夜の酒がまだ抜けないというようなことを口ずさみながら、途中で講演を中断して、水を持ってこいというような雰囲気でやったという事実がございますが、この事実についてはどのように、郵政大臣、お考えですか。
#6
○渡辺(秀)国務大臣 承っておりまして、まことに遺憾なことでありますが、事実に関しまして詳細に政府委員の方から答弁をさせていただきたいと思います。
#7
○木下政府委員 お答えいたします。
 ただいま委員御指摘の事実につきましてでございますが、昨年の九月十一日に特定局長業務推進連絡会芸北連絡会が実施いたしました新任主任訓練におきまして同和研修を行ったわけでございますが、その際に、約三十分強であると思いますが、話をしている中におきまして、ただいま御指摘のような内容のものを含んだ講義が行われたことは事実でございます。
#8
○小森委員 そういう事実説明について、正しい説明とは一体どんな説明をすればよいのか、その点についてお尋ねします。
#9
○木下政府委員 お答えいたします。
 ただいま委員御指摘の中身に沿って、私もまだ十分、自己啓発中でございまして適切なお答えになるかどうか心もとないのでありますが、例えば非人クラスの階層はちり紙交換的なものとかいうおっしゃりようでございますが、この場合、非人身分の職業につきまして当時そういうものが、まあ私は現代の職業としてあるものの中にそういうものが当時あったとは思いませんが、そういう現代の職業と結びつけて説明している。これは講師の職業に対する偏見だと思いますし、誤った説明だと思います。したがって、これは例として出すべきではないというふうに思います。
 それから、市中引き回したとか打ち首だとかいろいろ汚い仕事をさせたというような言い方をしておりますが、これも、えた身分の人の仕事を一番汚い仕事をさせたという表現をしておりますが、被差別部落のマイナスイメージを強調したものになっておりまして、同和問題の解決を図っていくという同和問題の研修の目的としてはいかがかというふうに思います。
 私も、どういうふうに説明すればいいかと思いますが、これはやはり何の目的でそういう身分の制度をつくったのか、どういう形でそれが幕藩体制の中で活用されていたのかとかいうこと、そしてそれが今日までその影響が及んで基本的人権が著しく阻害されている方々がおられるというような説明にすべきではなかったかというように思うわけでございます。
 一応、二つの例で御説明申し上げました。
#10
○小森委員 江戸時代にこういうふうないわば人が嫌う仕事というものをさせられる社会的背景あるいはその社会の支配者の意図というものを明らかにしなければならぬということでは御説明のとおりだと思いますので、そういうことを抜きに江戸時代のことを語ってはならぬということを今後の郵政の研修では明確に、全国的に明らかにしておいていただきたいと思います。
 ただ、もう一つ質問の中で落ちておりますのは、つまり非人クラスの階層の人は今で言うちり紙交換、くず鉄を集めたりごみを掃除したりする生活というのは、これは触れておられませんが、どうですか。
#11
○木下政府委員 ただいま御説明いたしましたように、やはりそれを現代の職業と結びつけて説明するということは不適当であるというふうに考えております。
#12
○小森委員 不適当というだけでなくて、今日こういう仕事に生計を求めておられる人に対する大変なこれは差別ではありませんか。
#13
○木下政府委員 的確であるかどうかわかりませんが、確かにそういう立場の人たちの心を傷つける発言であろうというふうに思います。
#14
○小森委員 郵政大臣にお尋ねをしますが、郵政大臣は、江戸時代の士農工商えた非人という身分の中の非人という立場の者が、足抜き制度とか足洗い制度とかということで、しかるべき身元引受人とかあるいはわいろを上手につかますとかさまざまな方法が一あったと思いますが、身分を変更することができるという事実を知っていましたか。そして、そういうことが最下層身分で行われるということの社会的な意味を御存じですか。
#15
○渡辺(秀)国務大臣 知識はそんなに豊富じゃございませんが、伺ったことはございます。いわゆるもとの身分に戻ることができたといいましょうか、そういうことは何かで読んだこともございます。
 後段の方のことは、ちょっと私は実は耳新しい言葉でございました。
#16
○小森委員 こういったことが起きたことを契機に、もう少しまじめな取り組みをしていただかなきゃいかぬ。
 そこで、こういう研修会に講師が、しかもこれはある郵便局の局長でございますが、そういう立場にある者が前夜遅くまで酒を飲んで、そして演壇で水を持ってこい、どうも酒が抜けないというようなことを言うということについて、郵政大臣、あなたは責任者としてしかるべき国会における意思表明をしておいていただきたい、かように思います。
#17
○渡辺(秀)国務大臣 私、実は委員からの質問通告をちょうだいいたしましてこの事実を詳細に聞き取りました。
 実は本当に愕然といたしたのであります。いやしくも憲法に基づいて基本的人権を遵守し、そして政治の公正を図っていかなければならない行政機関の中でこのようなことが、しかもまだ昼間、今御指摘のとおり不穏当な、常識では考えられない発言をして、しかもまだ日常、郵政省としてせっかく懸命に取り組んでおります同和問題について水を差すような言動ということは、本当に信じられない。私は、その本人は一体今日いかがになっているかということを実は即座に聞いたのでございます。
 大臣といたしまして、こういうことが行政機関の末端組織とはいいながらも一つの研修会という公的な場で行われたことを、本当に指導の足りなさを深く反省をいたしますし、同時に、この本人は、地域の特定局の連絡会の副会長という、連絡会とはいいながらも指導的立場にありますから、あるいはまたもう一つ、指導員という最も今先生が御指摘をいただいておしかりをいただいているこの立場ということは極めて不適当ということを私から申しましたところ、事務当局の報告によりますと、既に反省をしてその立場を辞任をいたしておるということでございました。
 しかし、辞任をしているからいいというものではなくて、今後二度とこういう事態を引き起こさないように、あるいはまた郵政省全体としてこの問題を今後の一つの大きな試練としながら、同和問題に対しての適切な御指導をいただく中で今後の一つの参考にさせていただいて反省の材料とさせていただきたい、こう思っておる次第でございますので、御了察を賜りたいと思います。
#18
○小森委員 しかるべきはしかり、戒めるべきは戒めて、しかし最終的には生かして使ってもらう。恐らくだれよりもこの事件を経験した当の本人が一番深く物を考え、一番深く反省をする立場ではないかと思いますから一生かして使っていただくように申し上げておきたいと思います。
 この際に、私は、幸いに総務庁も警察庁も法務省も、政府委員が同席でありますから申し上げておきますが、我々が部落を解放しようという考え方で取り組んでおります運動は、一度も私どもの方から差別事件を起こした者を処分せよなどと迫ったことはございません。
 問題は、人を生かして使うということが大事なんでありまして、その最大の実例は、全日仏、全日本仏教会の理事長で曹洞宗の宗務総長をしておられた町田宗夫さん、アメリカのプリンストンで差別事件を起こしたのでありますが、今は堂々と部落問題についての講演をされるぐらいの立場に立っております。私も二度ばかり聞かしていただきましたが、非常に感銘深い、つまり自分の心の内面というものをえぐり出して、そしてこれはみんなと一緒に取り組まねばならぬ問題なのだという講演をされまして、非常に感銘深いものを覚えております。また列挙すれば幾らでもそんなこと一はあります。したがって、単にしかるだけでなくて、しっかりと人間改革をしていただくようなその取り組みを、この際お願いをしておきたいと思います。
 さて、それでは続きまして総務庁と法務省に同じような質問をさしていただきますが、例えば、先ほどの話がございましたが、もう一つの事例を出して、こういう場合はどういう感覚で物事に対処したらよいかということについて御質問をいたしたいと思います。
 それは、こういう発言がその講師からなされております。「仕事の中でそういうふうな問題が、また家庭でお子さんも含めて地域での問題が起きないようによく考えていただきたいと思います。」つまり、よくあるではありませんか。じんかいの収集に来られるとか、し尿の収集に来られた職員を、勉強しなかったら、大きくなったらあんなことになるんよと言う親がいるじゃありませんか。つまり、そういうことが起きないようによく考えておいていただきたいという、こういう説明というものは、本当の啓発の意味で果たして子供に対して正しい感覚を与えるかどうか、この点について、それぞれがそれぞれの立場で啓発の任務を持っております総務庁と法務省と、それぞれお答えいただきたいと思います。
#19
○小山政府委員 一般的に申しまして、マイナスの要素あるいは欠点を事例にとって、そのようなことになるなという否定的な側面から指導する、あるいは育てるというようなことは、私はふさわしくないことであり、積極的、プラスになるような角度そのものをとらえていくということが大事であろうと思います。ふだんの啓発につきましても、そのような濁点に留意しながらやっているつもりでございます。
#20
○篠田政府委員 お答え申し上げます。
 やはり今の総務庁のお答えと同じでございまして、人権を尊重するという立場という観点に立った場合に、例えば人を軽べつするとか、そういったような含みを持たせるようなことで子供にしかるとか、そういったことでは真の意味での効果は出てこない、かえってマイナスが出てくるというふうに考えます。
 したがって、例えばそういういろいみな仕事があるわけですけれども、そういう仕事が社会のために役に立つ、そういった側面を強調するとか、いろいろ工夫があると思いますけれども、根本精神はやはり人に対する温かい気持ち、それを育てるような啓発が必要であるというふうに考えております。
#21
○小森委員 それぞれのお二方の答弁を聞かしていただきまして、決してその答弁がマイナスだとは私は申しません。しかし、もう一度申し上げますが、そういうことを家庭内で言わないようにするのですよというのは、今のような意味だけでしょうか。それとも、言わないがよい、言うたら問題になるよといういわば消極的というか対策的というか、そういう言葉がにじんでおるように私は思いますが、そういう点についてはいかがですか。
#22
○小山政府委員 いわゆるマイナスの要素を事例にとりましてそれを否定するというような形で話をされた事例であると思います。
 私は、先ほども申しましたように、マイナスの要素を事例にとってそれを否定するような形でやって、それはプラスの社会的効果が出てくるかといいますと、それは出てこないと思います。ブラスが満たされることは、やはり基本的に考え方なり対処の仕方なりがプラスのイメージで整理されて、それが伝えられて初めてなることであって、マイナスの要素をもってそれを否定してプラスの社会ができる、あるいはプラスの人間ができるということはないと思っております。
#23
○篠田政府委員 先ほどの例でございますけれども、消極的にそういうことを言わない方がいいというそういうことではなくて、積極面をもって啓発していく。
 例えば、卑近な例で申しますと、電車の中で子供が動き回っているような場合に、そういうことをするとお巡りさんにしかられますよというような怒り方をする親がいるわけですけれども、それは怒られるからやめろということではなくて、むしろそういうことをすれば人に迷惑をかける、人に迷惑をかけるということはどういうことなのか、そういう方面から積極的なしつけということが必要である、そういうふうに考えます。
#24
○小森委員 要するに、その事実をマイナスの比喩に使うのでなくて、そういう対策的なことでなくて、根本的に人間がそういった問題に対してどういう感覚を持ち、どういうふうに対処するかというところを教える、そうでなければ問題の解決にならない、こういう意味と解してよろしいですか、人権擁護局長だけでよろしいですから。
#25
○篠田政府委員 今委員がおっしゃったとおりでございます。
#26
○小森委員 同感をいたします。そういうふうな考え方をひとつきちんと整理して、ややもすれば、言うなよ、言うたらやられるぞ、そういうふうな考え方というものが出がちでありますから、それが図らずもこの郵政局の研修会で出ておるわけでありますから、そういう点は十分に、啓発の任に当たる人は根本的な対策をいつも念頭に置きながら、人間の本源的なあり方というものをいつも念頭に置きながらやっていただくということを強く私の方から要請をしておきたいと思います。
 そこで、総務庁の方にお尋ねをいたしますが、そういうことと深くかかわることなのでありますが、啓発センターについて、最近従来までのスタイルを多少手直しをして、前へ進もう、こういうふうな考え方で準備を進められておるようでありますが、その辺の段取りを御説明いただきたいと思います。
#27
○小山政府委員 地域改善啓発センターにつきましては、これは先生御承知のように昭和六十二年の時点で設立されたものでございます。いわゆる地域改善対策にかかわる啓発を担うということで設立されたわけでございますけれども、この五年間それが十分に機能しているとは言えないと私も思いましたし、それから昨年十二月の地域改善対策協議会からの意見具申の中でも、今後の地域改善行政におきましてこの啓発センターの活性化がぜひとも必要である、こういう指摘がなされたところでございます。私どもはその指摘を受けまして、現在のセンターの方々と一緒に、ではいかなる活性化を図っていけはいいのか、こういうところを現在においても模索している側面がございます。
 しかし、現在模索している中で考えておりますことにつきまして、多少お話し申し上げますと、広く意見を聞ける場をつくる、それからそういう方々に、それは組織を含めてでございますが、協力していただく、これがまず大事なことであろう。自由濶達な意見交換の場というものをつくる、そのために地方公共団体、企業、民間運動団体に参加や協力を求めております。一方では、啓発センター、それから行政側に協力が得られるための方途を講ずるということを考えるなど、関係者がそれぞれの立場で一層の努力をしていかなければならないということでございまして、具体策といたしましては、啓発センターにおきまして、今後の啓発活動の進め方について、先ほど申しましたように、幅広く検討を行うために関係各界の啓発の専門家が、学識的な方々を含めてでございますけれども、参加できる企画委員会を設けたい、こういうふうに考えております。現在、学識経験者、それから研究機関の代表、それから関係する省庁、地方公共団体の職員など幅広く参加していただいてこの企画委員会を発足していきたいという準備を進めているところでございます。
 また、啓発事業の拡充強化につきましては、今年度の予算で国の委託費を大幅に増額いたしました。かつ、地方公共団体に対しまして、啓発センターの会員としての参加、協力をいただくようお願いをしております。
 総務庁といたしましても、これらの方策によりまして、啓発センターが実効性のある啓発活動を展開することを期待いたしますとともに、そのための環境づくりに今後とも積極的に協力していきたいということでございます。これから緒についていくという段階でございます。
#28
○小森委員 時間の関係で、なかなかこの問題をめぐる核心の部分の議論ができないのでありますが、簡単に答えていただきましょうか。
 先ほどいろいろお答えをいただきましたが、これまで民間運動団体というものと、この啓発センターをめぐって何をもって対立していたか、そしてこの啓発センターをめぐるこのたびの地対協の意見具申は、民間運動団体と協力できるような条件の整備をしなければ真の効果は上がらない、こういう意味のことを書いておったと思いますが、その意見具申がそういうことを言っておるのでありますから、今までは何が問題でそういうふうにやや対立的な雰囲気になり地方自治体がそっぽを向き、企業が背を向け、つまり孤立状態にあったかということをどう認識されておるか、お答えいただきたいと思います。
#29
○小山政府委員 何ゆえにということを端的に事例を挙げて申し上げるということはちょっと難しいと思いますが、いろいろな要素が絡み合って啓発化ンターの積極的活動に協力していただけるような体制になかった、私も余り核心の細かいところは存じ上げないのでございますけれども、一つには啓発推進指針との関係においてというふうなことを聞いております。しかし、それはそれといたしまして、これから先へ向けて意見具申に指摘されておりますように、活性化を図っていく、そのときに民間運動団体にも十分の御協力をいただきたい、こういうことでございます。いろいろ話し合ってまいりたい、こういうことでございます。
#30
○小森委員 確かに物が全部解決しなければ前へ進まないということは余り賢明な策でないのでありまして、物事が全部が全部合意できるまではじっとしておくということではなくて、前に進みかけたということについては私も歓迎をいたします。
 しかし、これはまた時間をかけて、しかるべき場所でしかるべき機会に議論をしたいと思いますが、小山審議官が言われる、啓発推進指針をめぐって対立しておる、大まかに言えばそんなことでありますが、以前の地対室の室長の瀬田さんという人は、啓発推進指針を啓発センターの指導原理とはいたしません、それは政府の官僚の地対室長として言うばかりでなくて、啓発センターの理事会でそういうことを決めてもらいました、こういうことを私に言った。
 それは私個人に言ったのではなくて、ある交渉の場でそういう言明をしたこともあるわけでありますから、問題は、啓発推進指針といいましても、それをいかにしてこじつけて、その中の一番反動的なことを我々に向けていこうとした、そういうことが実は問題であったのだ。これは、きょうは時間がありませんからこの程度で省略をいたしますが、いずれかの機会に、本当の意味ですっきりした形の取り組みを我々は協力してやりたいと思っておりますから、また別の機会に譲っていきたいと思います。
 そこで、だんだん時間がなくなりますから、人権擁護局長にお尋ねをいたします。
 同じ意見具申の中に、人権擁護委員会を拡充整備しなければならない、こういうことを言っておるわけでありますが、どうも拡充強化とか整備したようにも思えないし、それからもう一つは、どうして人権擁護委員をまともに動かさないように動かさないように、運動がやる行事には参加をするななどというようなことを言い続けるのか、この点をちょっとお答えいただきたいと思います。
#31
○篠田政府委員 まず、最初の点でございますけれども、人権擁護委員につきましては、我々といたしましてもその数の拡張について努力しているところでございます。具体的な数字を申し上げますと、昭和五十六年から昭和六十二年までは人権擁護委員の数が一万一千五百人であったものを、平成二年までに一万三千人まで持ってきたわけでございます。そういったような努力をいたしております。
 それから、後段の方の御質問でございますけれども、これは人権擁護委員の活動の性質として公正中立ということが必要であるわけでございますが、その観点からいろいろと申し上げているわけでございます。
#32
○小森委員 そういうへ理屈みたいなことを言うから、人権擁護委員が人権擁護をする資質、能力を培うことができない。現実に、我が国で一番大きな取り組みをしておる部落解放運動が行う研修会とか各種交渉とか、交渉だってすべて研修的な意味を持っておると思いますが、そういうものに出なかったら、だんだん立ちおくれて、物の用を果たさない。時代おくればかりをやっておる。そして、これはもう名誉職であって、何もしなくてもよいのだ。出な出など言うのでありますから、出さえしなければよい、こういうことになるわけであります。
 尾道市における尾道法務局の人権擁護の研修会で委員が参りまして、いろいろな会合へ出など言われて委員が腹を立てて、そんなことで物ができるのか、大反発を食って非常にその場が白けたということがあるのでありますが、こんなことは全国至るところで行われておるのであります。だから、これもまた、きょうは残念でありますけれども、もっと突っ込んだ話をいつか十分な時間を持ってやりたいと思っておりますが、そういうことを指摘するにとどめておきましょう。
 さて、続いて警察庁の方にお尋ねをいたしますが、先ほど、郵政関係の職員がむちゃなことを言った。今私が読み上げた以外には、国定忠次は無宿者で、今でいったら、この同和問題でいったら非人みたいなものだというようなことも言ったり、国定忠次が無宿者だから非人だとか、無宿者即非人だとか、そういう理解というものは全然考えが違うのでありまして、今暴対法の問題もあって、いわばやくざというか、そういう任侠という言葉で言われておるものに対する警察としても正しい対処をしなければならぬ時期でありますから、先ほどの、郵政の方が講演の中身で言ったことについても、時間があれば郵政大臣から答えてもらいたいと思ったが、それは省略します。
 実は、以前から私は警察庁に事あるごとに言っておりますけれども、警察庁からまだこれという、先ほど郵政大臣がけじめのある言葉を述べたようなことを聞いておりません。例えば窃盗犯を捕まえてみたらそれは部落民であったとか、あるいはこのごろの部落民は本籍を変えてだんだんわからぬようにしよるとが、この問題が解決せぬのは騒ぐから解決しないのであって、じっとしていたら解決つくというようなむちゃくちゃなことを言っております。
 そういうことについて、もう私は恐らく二回ぐらいは場所を変えて警察庁にいろいろなことを述べておると思いますが、一体こんなことを言うような警察官に対して、これもまた私は生かして使わなければならぬと思うのでありますが、相当社会的な制裁を受けておると思います。それは本人だけが社会的な制裁を受けただけではない。広島県内に約二十カ所、おおよそ二万人の人が集まってきてこの真相報告会を開いたりして決議文を警察に突きつけたり、また、そのことを聞いた市町村長は全部県警本部長に対して、ほとんど広島県では圧倒的な多数の市町村長なり市町村教育長が県警本部に対して抗議文を出しておるというようなこともあるのに、そういうことはなかったと信じています、信じていますというような、事実を信ずるというようなことはないでしょう。
 聞いた者が聞いたと言っておるし、また、側の者がその事実を聞いてそういうことを訴えておるものが整合性がある。それも一人や二人でなくて何十人の者がその場におって聞いておるのでありますから、そういう点について、この時点で警察庁は今もってしらを切って逃げようとされるのか、そういう一つの事実に対してどういうふうな考え方を持っておられるか、お聞きしたいと思います。
#33
○安藤政府委員 ただいま御質問の発言問題は、昭和六十二年の、広島県の警察官がPTA主催の同和研修会に児童の父親として出席した意見交換の場の発言の問題かと思いますが、広島県警本部では、事案の性格上、本人から詳細に事情を聴取いたしました。しかし、いわゆる御指摘されるような事実はなかったと確信しているということで、再三県議会におきましてもまた国会においても答弁いたしておるところではございます。もちろん、県警としましては、同和問題に対する深い理解と人権尊重の精神の一層の涵養を図るための教養等の措置は繰り返し講じているところでございます。
#34
○小森委員 つい最近でありますが、広島県は、県警の方へ向かって、あのままではいけませんよと県知事部局は話に行っております。また、私のところに届いておる文書でありますが、あの事件は差別事件であったと認識をしておる、今もそれは変わらない。その発言の内容は、先ほど三点ほど私言いましたけれども、あれは五点も六点もあるわけであります。まだまだ聞きづらいのがあるのであります。あるが、要するについ隣り合わせというか、同じ建物の中にいる警察と県当局との関係で、何も県が警察をやっつけようなどという考えは毛頭ないと私は思いますが、私どもが言うところが非常に客観性があるのであって、ある事実がなかったと信ずる、そして、そういうことを聞いて腹を立てておる者の話は聞かずに、自分方の身内の話を聞いて信ずるというようなことが筋道として通ると思いますか。今の私の言うこの質問に対して答えてみてください。
#35
○安藤政府委員 当時、県警本部でも再三詳細に事情を聴取いたしまして、本人の発言の取り違えられた部分、あるいは座談の場でございますから、言ってないことが本人の言になっていたり、かなりその事実関係の認識において異なるところがあるのではないかというふうに考えます。
#36
○小森委員 それならば、警察といえども、他の日本の国民とかほかの行政機関等、国民に対して負う責任というものは一つも変わるところはないのでありますから、ここがこう取り違えられておるので、私の真意はこうでありますということを警察がまとめて発表したらどうですか。その点はどうですか。
#37
○安藤政府委員 この問題につきましては、県当局交えて事務的な段階で再三話し合っている状況にあったと聞いております。
#38
○小森委員 それは答えになっておらぬ。警察は自分方がやったことについては大概、全国のどの事件を見ても、そういうことはなかったと信じていますと。三重県鈴鹿のあの外国人女性を暴力団に渡したのも、初めは、そういうことはなかったと信じています、同じ言葉だったのですよ。そんなことでは物は解決つきません。だから警察の威信は落ちます。それでもまだあなたはそう言われますか。
 いや、それは公安委員長と会うて関係者が話してみてくれとか、あるいは県警本部長と会うてよくそこは懇談してみてくれとか、そんなことにならぬのですか。
#39
○安藤政府委員 先ほどお答えいたしましたように、この問題について交渉その他を一切拒否しているわけではございませんで、事務当局の間で、しかるべき幹部、課長クラスの段階で数度にわたって話し合いが持たれていると報告を受けております。
#40
○小森委員 だから、それはあなたが政府の、警察庁の警務局長で役職から言うと随分上位にある人だから私は申し上げますが、第一、しかるべき課長が応対するといって、こっちの運動側の方は県の責任者とか、県の行政の方は県知事とか部長とかそういう人がいろいろ接触しておるのに、あなたの方だけが課長で、言われたとおりに対応せいというような形で、そんな無礼なことがありますか。だから、もう少し上位の人と話をしたら解決つくのじゃないですか。その点、どうですか、もう一度。もう時間がありませんから。
#41
○安藤政府委員 事の発端は、発言の事実がどうあったかということについての相互の事実認識の問題で、お互いそこで主張が対立して調整がつかない段階のまま推移しているとの報告を受けている次第でございます。
#42
○小森委員 答弁にはなりませんけれども、時間が来ましたから、この辺で終わっておきます。
#43
○草野委員長 以上で小森君の質疑を終了いたします。
 次に、志賀一夫君。
#44
○志賀(一)委員 郵便局は庶民の金融機関として親しまれ、信頼されてきた価値ある存在であります。したがって、全国から集められた資金は、日常の払い戻し等を除いて大蔵省資金運用部資金として、国民の暮らしに関係の深い住宅の建設、福祉施設、生活環境、教育施設等、幅広い分野での社会への貢献に重要な役割を果たしていることは御承知のとおりであります。最近、ふるさと小包郵便など時宜に合ったサービスをするとともに、ボランティア貯金は伝統的な郵政の心をさらに大きく世界に広げるものと大きな期待を寄せているところであります。
 郵政事業は、今後とも一層国民のために国民のニーズに合った事業の推進をすべきであると思いますが、郵政大臣の所信のほどをお伺いしたいと思います。
#45
○渡辺(秀)国務大臣 志賀先生の御激励をちょうだいいたしましてまことにありがたく思いますし、また今日まで御指導いただいておりますことを感謝申し上げる次第でございます。
 まさに郵政事業は、国民生活に欠くことのできない郵便、貯金、そして保険という行政サービスの先端を担って、しかもまだ公平にこれらのサービスを提供していくということが使命であろうと考えておる次第でございます。
 これからの事業の運営に当たりましては、これまでも社会経済の変化や国民のニーズの変化に的確に対応いたしまして、商品サービスの改善やあるいは国民ニーズに合った事業を展開いたしてまいりまして、おかげさまで本当にこの三つの事業分野は、今日では郵便貯金は百五十五兆円、そして保険の運用資金は五十七兆円という、極めて国民の皆さんから郵政事業に対する信頼と、そしてまたある意味ではこの事業に対する理解、協力というものをちょうだいいたしておると思っておる次第でございます。
 今後とも、この郵便事業運営基盤の整備充実、あるいはまた為替貯金事業あるいは簡易保険事業における金融自由化や高齢化社会への適切な対応などを図りまして、そして高度化、多様化するニーズに積極的に対応しつつ国民の皆さんの期待にこたえ、そしてまた国家の役に供してまいりたいと思っております。
 私ども、郵政事業の果たす役割、責任、いよいよ重大であると認識いたしまして、これからも精進をいたしていくことをお誓いをしながら、答弁といたします。
#46
○志賀(一)委員 ぜひ大臣に頑張っていただきたいと思います。
 さらに、我が国の経済向上に伴って、国際社会に一層の貢献を果たしていくことが今日重要な責務となっている中で、一九九〇年のODA援助の実績は一兆三千三百九十八億円で米国に続いて第二位でありますが、一方、民間レベルでの海外援助を見ますると、欧米諸国に比べて非常におくれていると指摘せざるを得ないのであります。
 このような中で、郵政省が国民参加によるいわゆる草の根の援助として国際ボランティア貯金の取り扱いを開始した意義は極めて深いものがあり、時宜を得たものと高く評価をいたしたいと思います。この制度の現状について、まずお伺いをしたいと思います。
#47
○松野(春)政府委員 お答え申し上げます。
 国際ボランティア貯金は平成三年の一月から取り扱いを開始したものでございますが、この目的は、通常貯金の利子の二〇%を預金者から御寄附いただきまして、民間の海外援助団体、いわゆるNGOでございますが、これを通じて開発途土地域の人々の福祉向上に役立てるということを目的といたしそおります。制度が始まりまして、大変多くの国民の方々から御賛同いただき御支援をいただいて、順調に推移してきております。
 平成三年度末の御協力の件数でありますが、六百七十四万人を超えておりまして、平成三年度分の寄附金額は約二十七億一千六百万円となっているところでございます。
 この寄附金の配分につきましては、既に第一回目として昨年六月に配分しました平成二年度分につきましては、百二団体が行う百四十八の事業に対しまして約九億一千三百五十八万円を決定して、現在事業が進捗しておるところであります。なお、本年三月には、エチオピアの干ばつ等の難民対策として緊急援助分の一億円を二団体に配分したところであります。
 ただいまちょうど平成三年度分の配分につきまして、四月十五日で申し込みを締め切りまして今審査をしておるところでありますが、この平成三年度分の申し出状況を見ますと、二百八十四団体から四百七十八の事業、総額約六十九億円の申請があっております。ということになりますと、金額で予定の三倍ほどになっておりますので、現在、鋭意審査を続けているところでございます。
 以上でございます。
#48
○志賀(一)委員 この制度が昨年の一月から実施されて、本年の三月まででまさに六百七十四万人もの多くの善意の皆さん方が加入され順調に推移しているとのことでありますが、昨年の六月、第一回目の事業の配分の実態はどうか、また、その進捗状況並びに諸外国からの評価はどのようになっているのか、お聞きをしたいと思います。
#49
○松野(春)政府委員 お尋ねは三点ございました。
 第一点目の、昨年行いました平成二年度分の配分の実態でありますが、具体的な例示で申し上げますと、まず援助対象で見ました場合に、女性の自立や子供のために実施する事業が約二億九千万円でございます。それから農民の方の自立のための事業に約一億二千万円、それから例の湾岸戦争も含んでおりますが、難民、被災民のための事業に約一億八千万円、これとは別枠ではありますが、先ほど申し上げました緊急援助一億円分も加えることができるだろうと思います。その他三億二千万円ということであります。
 これを援助分野で見ました場合には、一番多いのは医療・衛生関係でございまして、これが三億三千万円にわたっております。それから、教育関係の事業に約二億二千万円、住民の自立のための技術指導関係の事業に約一億四千万円、以下、食糧、環境保全等の事業もございます。
 それから、二点目の進捗状況でございますが、既に事業が完了したものが四十三事業ございまして、全体の二九%に当たります。全体は、先ほども申し上げましたが百四十八の事業でございます。事業が進行中のものが百一事業でございまして、これは全体の六八%になります。それから、恐らくこれは政情不安や治安不安のためと思いますが、配分後、事業を中止したものが四事業出ておりまして、これが全体の三%でございます。全体的に見ますと、おおむね順調に進んでいると言ってよろしいかと思いますが、実施期限であります本年六月中には大半の事業が予定どおり完了するものというふうに見ております。
 それから、三点目の、諸外国からの評価の問題でありますが、実は、援助活動を行っている国の住民の方から、もう数十通にわたって感謝の手紙が多数寄せられておりまして、好意的に受けとめられているということで私どももほっとしておるところであります。一例を申し上げますと、これはフィリピンの例でありますが、高等学校の先生から郵政大臣あての感謝状等も参っていることを申し添えておきたいと思います。
 以上でございます。
#50
○志賀(一)委員 ただいまもお話しございましたように、配分を受けております諸外国からも高く評価されているとのことでありますが、今後この貯金を適切に運用していくためには、寄附金がどのように使われ有効に活用されていくかが大切だと考えます。民間海外援助団体、NGOから活動状況の報告をどう求め、郵政省は事業の進捗状況をどう把握しているのか、伺いたいのであります。
 さらにまた、今後、国際ボランティア貯金制度を国民の間により一層定着させていくためには、NGOによる援助事業の実施について広く国民が周知することによりボランティア精神の高揚を図ることが重要であると思いますが、郵政省は国民にどうPRしていかれるのか、あわせてお伺いをしたいと思います。
#51
○松野(春)政府委員 御指摘のとおりでございまして、NGOからの活動状況の報告あるいはそれをもとにした私どもの把握ということが大変重要な課題でございます。この平成二年度の寄附金についての例でございますが、援助事業の実施状況の監査、調査等につきましていろいろ行っております。
 一つには、各団体から随時中間報告を求めまして、例えば写真やビデオや現地の人々の絵や手紙なども幅広く提出していただきまして進捗状況の把握に努めでおります。また、事業が終了した際には、これは当然のことでございますが、事業の完了報告書をいただきます。その際に、やはり参考になる資料でわかりやすいものを提出いただきたいということでございます。これらを通じて実施状況を監査することにしておりますが、この完了報告書による書面監査は、すべての団体、事業について行うことといたしております。
 なお、直接私どもの職員によりまして、NGOの国内事務所でありますとか、あるいは事業が実施されております地域での監査を比較的規模の大きい事業を中心に実施をしております。さらに加えて、民間専門機関とか預金者の代表の方十二名の方に、もう既に実施しておりますが、フィリピンあるいはタイに行っていただいて現地調査も実施しております。
 また、国民の皆さんに直接NGOの皆さんから生の声で報告していただくということも大事だろうと考えまして、昨年の秋でありますが、全国四十三の会場で事業の実施状況あるいは成果等について報告会を開催いたしております。これらの点を通じまして寄附金の使用状況を的確に把握してまいりたいというふうに存じておる次第でございます。
 それから国民の皆さんに対する周知の問題でございますが、何と申しましても国民利用者の方の善意の御寄附があって初めて成り立つ事業でありますし、この国際ボランティア貯金、制度が始まって間もない事業でございますので、周知活動が大変重要になってまいります。
 NGOの活動状況の成果の報告につきましては、ただいまも一部触れさせていただきましたけれども、昨年の十月六日――十月六日と申しますのは国際協力の日ということで前から言われておる日でありますが、これを国際ボランティア貯金デーというふうに定めまして報告会を開催させていただきましたが、それ以外に、ビデオを作成したりパネルを作成したり、あるいは冊子やチラシ、これも相当量にわたるわけでありますが、この配布を既に行っておりますが、これからもひとつ工夫、研究をいたしまして、わかりやすい周知を行って信頼関係に基づくボランティア貯金制度を成長発展させてまいりたいというふうに念願しておるところでございます。
#52
○志賀(一)委員 この制度、すばらしいものでありますから、ぜひ一層の力をいたして国民の皆さんの理解と協力をいただくように御努力をお願いしたいと思います。
 ただいま我が国のボランティア精神の高揚や国際貢献策として国際ボランティア貯金制度は極めて有意義な制度であると認識いたしておりますが、平成三年度の寄附金は先ほど御説明もありましたように二十七億円で、これに対する申請額が約六十九億円、配分できる額の約三倍弱となっているということでありますが、平成三年における配分は希望者が多くてなかなか困難をきわめるのではなかろうかというふうに思うのでありますけれども、先ほども一部お話がございましたが、さらにお聞きしたいと思います。
#53
○松野(春)政府委員 基本的な配分方針といたしまして、この制度の趣旨にかんがみまして、開発途土地域の住民の福祉の向上を図る観点ということが一番基本になるわけでありますが、開発途土地域の状況やNGOの申請内容を勘案して、私どもて審査の上、郵政審議会の議を経て決めるという段取りになるわけであります。
 本年の場合でありますが、この貯金の御寄附をいただいた国民利用者の方々の御意思ということを考えますと、やはり多少規模が小さくても、いわゆる草の根的な国際協力の推進ということにも当然やはり配慮しながらこれは審査を進めなければいかぬという点が一つございますが、それ以外に、昨今の世界的な情勢にかんがみ、例えばアジアその他の難民に対する事業、それから環境保全に関する事業等に特に本年度の配分に当たりましては注目してまいりたい。できればそういう重点的なめり張りのついた配分というものもつけ加えてことしは対処したいという方針ております。
 また、この配分の審査に当たりましては、私どもだけでなくて、既に開発途上国の国際協力に御造詣の深い有識者の方が相当数おられますので、これらの方々にも十分意見をお伺いし、それから関係行政機関との協議も必要になります。最後には郵政審議会の答申を得る等の手続がございますが、六月の下旬を目途に配分決定をしたいという方針で今作業中でございます。
#54
○志賀(一)委員 配分に当たりましては、善意の皆さんの意を十分体して公正、公平にひとつやっていただきますように特段のお願いをしておきたいと思います。
 なお、この件について、ボランティア貯金の寄附金充当分の利子二〇%に対して課税されているわけでありますが、このことは、六百七十四万人の多くの善意の皆様が御協力をされながら、せっかく善意の寄附をしたものに対して課税をするというのは、まことにたくさんの皆さんの善意を踏みにじるようなものだ、私はそんなふうに思い、怒りさえ覚えるところであります。今年度は必ずこのような事態を打開して課税はさせない、その二〇%の利子は換算しますと総額で約七億というふうに聞いておりますが、これが二十七億にさらにプラスされますと、それだけ多くの世界の皆さんに貢献ができるということで大変な役割にもなろうかと思いますので、ぜひこれは今年度中に決着をして、課税はもうさせないと大蔵省と十分、どんなことをしてでも、大臣のいすをかけてでもひとつこれくらいのことをやっていただきたい、こんなふうにも思います。
#55
○渡辺(秀)国務大臣 ありがとうございます。
 私も、実は大臣に就任いたしまして、これが平成五年に見直す、平成五年度に向けてもう一度再検討するということを思い出しまして、これは四年度中に概算要求という段階になりますから、この段階で本当に思い切ってひとつ大蔵当局にも理解をしてもらわなければならぬと思っております。
 御案内のとおり、大体日本人というのはどちらかというと今まではこの島国で生活をして繁栄していくという考え方できていますから、国際ボランティアという精神は、子供たちにもこういう気持ちを涵養していくというのはこのボランティア貯金が最良、最大のいい教材だと私は思いまして、かつて文部大臣ともこの種に対する協力あるいは理解というものを非公式ではございますけれども私は大いに要請をいたし、あるいはまた文部大臣からも理解をしていただいたというところでございまして、先生から御指摘をいただきましたその大きな御声援を背景にいたしましてへこの概算要求からひとつ大いに、今度は税の面だけは、ボランティアに税金をかけるという日本の大蔵省の感覚をひとつ改革をしていきたいと私は政治家として、まあ事務当局は答弁すると一生懸命やりますということになりますが、私は政治家として渾身の努力でこれは解決しなければならぬ問題で、こんなことをやったら世界に笑われると思っておりますので、どうぞひとつ御声援をお願い申し上げたいと思います。
#56
○志賀(一)委員 ぜひ実現のために御努力をお願いしたいと思います。
 次に、話題をかえまして郵便事業についてお聞きをしたいと思います。
 郵便事業は、昭和五十六年の料金値上げ以降平成二年度まで十年間実質的な値上げをせずに黒字を維持し、二年度末で六百八十四億円の累積黒字を計上していると聞いています。しかしながら、先日の報道では平成三年度の郵便事業は赤字見通しとのことでありますが、平成二年度決算状況と三年度の損益見通しについてまずお伺いしたいと思います。
#57
○山口(憲)政府委員 郵便事業の損益の状況でございますが、まず平成二年度でございますが、これは収益が一兆八千二十六億円、費用の方が一兆七千九百一億円ということでございまして、差し引き百二十五億円の利益を計上しているということでございます。
 それで、委員がお話しいただきましたように、五十六年に料金の改定をいたしましてからちょうど平成二年度が十年目に当たりますが、この十年間黒字を維持してまいっている次第でございます。御利用いただいております国民の皆さんの御理解でありますとか御支援、あるいはまた関係の皆さん方の御尽力というふうなことでこういう結果になっているということで、大変ありがたいことだというふうに思っている次第でございます。
 ただ、平成三年度の損益勘定の見通しにつきましては、現在その決算の取りまとめ中というふうな段階でございまして、計数をもちまして確たることを御説明できるような状況ではございませんけれども、今委員御指摘のように大変厳しい状況にございます。
 現時点での収益でありますとか費用の動向について若干コメントをさせていただきますと、まず収益面では、郵便業務収入の三月末の概算では一兆七千二百六十億円となっておりますが、この数字は前年度に比べまして四・六%の増加でございます。それで、これが前年の、同じ平成元年度と比べた平成二年度の伸びが七・三%ということでございましたので、かなり伸びが落ちているというふうな状況にございます。これは、最近におきます経済の減速傾向というふうなことがやはり郵便にもあらわれておりまして、郵便利用の伸び率がやはり昨年度を下回っているというふうなことの一つの反映かというふうにも思っております。
 また、郵便局では収入印紙の売りさばきというふうなこともさせていただいておりますけれども、これなどは前年度の実績を割っている、絶対額が前年度より少なくなっているというふうな形にもなっているわけでございまして、こういったことに伴いまして収入印紙の取扱収入というものが前年度より落ちているというふうな状況もございます。
 一方、費用の方でございますけれども、仲裁裁定で御案内のように三・三六%というふうなことがございましたので、これに要する経費のほかに、特に業務量の増加でありますとかあるいは人手不足というふうなことから、いわゆる賃金でありますとかあるいは集配運送費というものが非常に大きな勢いで増加してきているというふうなことがございます。こういった収支の両面から見まして非常に圧迫要因が多いというふうなことで、平成三年度の郵便事業の損益につきましては、先ほど委員も赤字という言葉を使われましたけれども、どうも赤字ということが避けられないのじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 それで、現在平成四年度につきましても予算の執行というふうなことでやっておりますが、この平成四年度も四百一二十億円の赤字の予算を組んでいるというふうな状況でございまして、いずれにいたしましても、今後ともこの収益の動向あるいは費用の動向等を注視をいたしまして、収入の確保あるいは経費の効率的使用というふうなことに努めてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
#58
○志賀(一)委員 ここ数年郵便物数は順調に増加しており、特に郵便小包は、一時民間宅配便に押され減少傾向であったものが、最近はサービスの改善や職員の営業努力などによって民間宅配便の伸びを上回る勢いで増加していると聞いておりますが、最近の郵便小包の物数の増加はどういうふうになっているのか、まずお聞きをしたいと思います。
#59
○早田政府委員 最近の郵便小包の伸びにつきましては、今先生御指摘ございましたように、昭和五十四年度が一億九千九百万個ということでピークでございまして、その後徐々に減り続けてまいりまして、その後また、私ども、今お話しございましたようなサービスの改善であるとか営業努力であるとかというようなことも相まちまして、五十九年度以降増勢に転じておりまして、六十二年度からこの最近五年間では二〇・一%の伸びということで、五年間で二・一倍というふうになっております。平成三年度におきましても一六%伸びておりまして、四億八百万個ということで、初めて四億個を超えだというのが現在の状況でございます。
#60
○志賀(一)委員 郵便小包は、ただいまお話がありましたように一六%という大きな伸びを続けているにもかかわらず、四月十六日の毎日新聞に、「「ゆうパック」事業を縮小」という記事が掲載され、郵便小包は人手確保や荷物の集荷場の確保が困難になってきているため、「事業規模を徐々に縮小していく方針を決めた。」というふうに報道されておりますが、事実かどうか伺いたいと思います。
#61
○早田政府委員 四月十六日の新聞に、今お話しございましたように、四月十六日に郵政省は事業規模を徐々に縮小していく方針を決めたという記事が出ていたのは事実でございますけれども、私ども郵政省といたしまして、郵便小包事業の規模を縮小していくという方針を決めた事実は一切ございません。
 今申し上げましたように、最近五年間の伸び率二〇・一%ということで、大変高い水準で推移しておりますけれども、そういうことで、特に年末の繁忙期、忙しいときにおきましては、大変増加も著しくなっておりまして、局舎が狭いとかあるいはそれを処理する要員を確保することが大変難しいとか、いろいろの問題は生じておりますけれども、現時点におきましては、おおむね順調にそれらの郵便小包につきましての業務運行も確保しているというのが実態でございます。
 今後とも、私どもといたしましては、お客様のニーズにこたえた郵便小包サービスの提供に努めまして、国民利用者の皆様の期待と信頼にこたえていきたいというふうに考えております。
#62
○志賀(一)委員 この新聞記事では、郵便小包の採算も悪化していることが触れられており、郵便事業全体の損益も平成三年度は非常に厳しいようだというふうに報じられています。
 郵便小包の平成二年度の収支と三年度の収支見通しがどうなのか伺いたい。さらに、郵便小包の収支が悪化した原因についてもなおお聞かせ願いたい。
#63
○山口(憲)政府委員 郵便小包の平成二年度の収支と三年度の収支見通しというお話でございますが、平成二年度につきましては、先ほど郵務局長からも申し上げましたけれども、各種サービスの改善でありますとか営業努力等によりまして取扱物数が大幅に増加をしておりますけれども、これを収支の面から見ますと、まず、原価が千四百五十億円、それから収入の方が千四百二十三億円というふうなことで、二十七億円の赤字になっているというふうなことでございます。
 平成三年度でございますが、平成三年度につきましては、先ほども申し上げましたけれども、現在、決算を取りまとめ中でございまして、計数で御説明を申し上げることができませんけれども、平成三年度の郵便事業全体の損益が、今度は平成二年度と違いまして赤字になるというふうなことが避けられない見通してございますので、小包の収支につきましては、全体として黒字であった中で小包だけが二十七億の赤字でございましたので、平成三年度は全体が赤字になりますから、さらに小包自体平成二年度よりも大きな赤字は避けられないのではないかというふうに思っている次第でございます。
 そこで、どうしてそういうことになるんだ、こういう原因でございますけれども、小包郵便物につきましては、物数で見ますと前年度に比べまして一八・一%ほどふえておりますけれども、収入の伸びの方は一三・六%というふうな形で、物数が伸びている割合には収入の伸びが低いというふうなことが一つございます。
 それから、一方、小包郵便物につきましては、集配運送費でありますとか賃金の割合が非常に今経費の中で大きい部分を占めているわけでありますが、これが非常に大きく最近伸ぴているというふうなことがございまして、原価が前年度に比べまして一六・六%という大きな伸びになっているというふうなことがございます。
 こういった収入が物数の割合には伸びないということと、それから、経費の中で特に集配運送用の経費でありますとか賃金というふうなものが非常に大きく伸びているのがもろにこのコストアップにつながってきているということ、これがこの郵便小包の収支を非常に難しいものにしている、こういうふうに考えておる次第でございます。
#64
○志賀(一)委員 郵便小包料金については、昭和五十五年の改正以降値上げは行われておらず、逆に何度か引き下げられているというふうに聞いておるわけでありますが、その努力は大いに評価しているところであります。
 民間宅配便については平成二年度で値上げを行ったところであり、郵便小包についてもどうかと気になっているところでありますが、先般各紙に、本年度中に郵便小包の値上げをするというふうに報道されておりますが、その事実関係についてまずお伺いしたい。
#65
○早田政府委員 郵便料金の設定につきましては、郵便法の第三条に、収支相償、収支相償うという、そういう原則のもとに料金収入全体で郵便事業の費用を確保する、いわゆる、私ども総合原価主義という言い方をしておりますけれども、そういう考え方のもとに料金を設定しておるわけでございますけれども、ただ、小包郵便物の料金につきましては、さらに、その小包、要するに小型物品の送達が国の独占に属するものではない、すなわち宅配便業者との競合商品であるというようなこともございまして、同じように郵便法の中で、「小包郵便物に係る役務の提供に要する費用、物価その他の経済事情を参酌してこ定めるというふうにされておるところでございます。
 そういうところから、小包料金につきましては、先ほど経理部長からお答えいたしましたように、平成二年度の赤字、さらには平成三年度の赤字も予定されるというようなところから、私どもといたしましては、平成三年度の決算、そしてまた、小包郵便物の収支が本年七月ごろには確定の予定でございますので、それらを見て具体的に検討に着手していくという考えでございまして、新聞報道にございましたように、現在既に、料金改定の時期であるとかあるいはその幅であるとかということについて決めていないことはもちろんでございますし、料金を改定するということそのものについても現在決定しているというものではございません。先ほど申し上げましたように、平成三年度の決算状況、小包郵便物の収支状況を見ながら、具体的にどういうふうにやっていくかということを検討していきたいというのが私どもの考えでございます。
#66
○志賀(一)委員 料金改定については、今後とも慎重にひとつ対応していただきたいと思います。
 次に、貯金の権利消滅金関係についてお伺いをしたいと思います。
 預金者が十年間全く利用しなかった場合、権利が消滅し、郵便貯金の特別会計の収入となると聞いておるのでありますが、最近権利消滅金はどのくらいになっているのか、お聞きをしたいと思います。
 さらにまた、簡易で確実を少額貯金の手段を提供し国民の経済生活の安定と福祉の増進を図る立場にある郵便貯金は、たとえ少額といえども預金者のものであります。預金者保護の観点から、できるだけ権利消滅にならないようないろいろな方策をとるべきだと思いますが、権利消滅を防止するために今までどのような対策をとり、今後どのような対策を考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
#67
○松野(春)政府委員 最初のお尋ねでございますが、その前に権利消滅金の制度でありますが、私どもの郵便貯金の場合には、十年間預入、払い戻しなどの利用がなかった場合に、利用を促すための催告書を発送いたしまして、その催告書の発送俊二カ月たってもなお御利用がなかった場合に、郵便貯金法に基づきましてその貯金に対する権利が消滅することになっている、またそのように経理手続をとるという仕組みになってございます。
 平成二年度の権利消滅金の額でございますが、約四十八億円でございます。
 それからその次のお尋ねの防止対策についてでありますが、これまでの防止対策ということで、若干例示的になりますが申し上げますと、一つにはパンフレット等を私ども毎年、例えば「郵便貯金の御案内」というパンフレット、あるいは「郵便局のしおり」というパンフレット、ちらし等をもう百万通以上発行しているわけでありますが、それにもこの権利消滅につきまして触れでございます。また、当然のことながら、満期の近い預金者に対しまして満期の到来の旨の案内状を出すことは、定期性預金につきましては当然の措置でございます。
 それから、先ほどもちょっと触れましたが、十年たちまして全く利用されていないものについて催告通知を出すということを従来やってきておるわけでございます。今年度はさらにこれに加えまして、つい先日でありますが、五月十七日と十八日の両日にわたりまして、全国紙等の場を活用いたしまして、この権利消滅に関する注意文を掲載させていただきましたほか、郵便局の窓口にも改めてこの権利消滅防止のための周知文の掲示を行うことといたしております。
 御指摘のように、何といいましても権利消滅金の発生そのものの防止が一番大事なこと、第一義というふうに自覚いたしておりまして、今後もさまざまな機会をとらえまして適切な周知に努めてまいりたいと存じます。
#68
○志賀(一)委員 郵便貯金はもともと預金者から預かった大切な貯金であり、十年経過したからといって画一的に権利消滅金として国庫の財源に組み込むのは非常に酷ではないかというふうに思うのであります。権利消滅してしまった郵便貯金について、後日、払い戻し請求があった場合、どのように対処しておられるのか、お伺いしたい。
#69
○松野(春)政府委員 最近の情勢でありますけれども、特に都市部において見られる現象でありますが、引っ越し等で住所を変更しているような場合に、先ほど私申し上げました催告書の通知が届かないという事例も間々見られるわけであります。それから、もともとこの権利消滅の制度そのものが、預金者の方にペナルティーを科すという意味合いの制度ではなくて、あくまでも利用を促すということに主眼があることから来ておる制度だろう。しかし、その上で、さらに経営の効率的な運営という観点も含めての制度になっておると認識いたしております。
 そこで、一たん権利消滅した貯金でありましても、払い戻しの請求があります場合には、貯金原簿での確認が必要でありますが、払い戻しに応じるという措置を講じておりまして、平成二年度の例でありますが、権利を復活した金額、一たん権利消滅したけれども、その後のお申し出で確認の上権利を復活した金額は約八億円となっております。
#70
○志賀(一)委員 今お話しございましたように、平成二年度の権利消滅金が四十八億円、それに対する復活した金額が八億円。そうすると、六人に一人という方が復活しているということであります。この貯金の性格を考えた場合には、かなりこれだけの方々が復活したという事実を考えると、相当、復活した方々の内容等をいろいろな角度から分析、検討して今後の対策を立てる必要があるの。ではないか、そんなふうに思いますが、いかがでしょう。
#71
○松野(春)政府委員 権利消滅金の扱いにつきましては過去に相当程度の経緯がございまして、昭和四十年代の前半であったろうかと存じますが、いろいろな場で御議論があったわけでございます。
 その当時、その趣旨にも着眼いたしまして、いわゆる郵便貯金会館、今メルパルクと言っておりますが、預金者の方に対する周知、サービス施設でございますが、これをひとつ建設して還元しようというふうな趣旨もありまして、大阪郵便貯金会館を皮切りにその後逐次全国に貯金会館を建設してまいっておるようでございます。ただ、貯金会館の建設と権利消滅金の制度がイコールで結びついておるわけではありません、いわゆる特定財源的に結びついているわけではありませんで、その種の金も含めて貯金会館という普及施設の建設に役立っておるというふうな扱いで今日まで来ておるわけでございます。
 ただ、この問題が実はさきの参議院の予算委員会でも御議論がありまして、この権利消滅金を特定財源として活用すべき方法はないのであろうかという御提起がなされました。この問題は、関係機関との調整等も必要でありますし、法制度にかかわる問題でありますから、郵政省としましてもすぐ結論をお出しするということはなかなか困難ではありますけれども、現在そのような議論も含め、また、ただいま先生からも御指摘がございましたけれども、省内の関係各部局の協力を得まして研究会を今設けております。
 この研究会の中で、既に四月に第一回の会合を持っておりますが、必要に応じまして、また民間の有識者の方々からもいろいろな御発言をいただきたいと思っておりますけれども、平成四年度内には研究会としての一定の方向性を見きわめたいということで、今継続をして勉強をしておる最中でございます。どういうふうな方向で持っていくかという点につきましては、まだ私ここで明確なものを持っておりませんけれども、この研究会で、従来も議論のあった点ではありますけれども、ひとつ真剣にこの問題について考えてみようということで取り組んでおるところでございます。
#72
○志賀(一)委員 いろいろお話がございましたが、四十八億に対する八億円の復活ということでありますから、その内容について詳しくいろいろな角度から再度検討して、できるだけ復活者が多くなるように、あるいは常日ごろこういった消滅する方々が少ないようにひとつ御指導願いたいと思います。
 最後の点は、今も郵便貯金会館というような、この権利消滅金の使途についてのいろいろお話がございましたが、郵便貯金というのは多くのいわば庶民と言われる方々の貯金であるというふうな特殊性を考えれば、我が国の今日おくれております福祉政策、あるいはまた特に高齢化社会に向けて大変なお金も必要だし、そういう老人対策等について先ほどのボランティア貯金と同じような趣旨で国内的に一つそういった特別な枠をつくって、郵便貯金の趣旨を、郵政の心を生かしてほしい、こういうふうに私は思いますが、大臣の所信をお聞きをして私の質問を終わりたいと思います。
#73
○渡辺(秀)国務大臣 今も局長から答弁いたしましたが、参議院の予算委員会で御質問がございまして、いわゆる権利消滅と言われる全員が余りにも想像よりも大きかった。しかし、その実態を把握しているということは、私、自画自賛ではございませんが、さすがに郵政省でありまして、民間よりは実ははるかにそういった実態を正確に把握しているということがまざまざとその質疑の中で出てきた一面がございました。
 だからといって、おっしゃられるとおり権利消滅が多ければいいというものではない、少ないことが本来的なことでありますから、まず権利消滅をできるだけなくしていくという大前提で取り組んでいくことが第一点にありまして、おっしゃられるように、復活ということができるだけ多くあるようにということが第二点、そして最後に、残された、いわゆる引き取りあるいはまた権利者のないその資金というものを有効適切に、公平に、かつまた将来不安のないようにどうこれを運用するかということを私は早速事務当局に命じてこの研究会を設けさせたという次第でございます。
 ぜひ、いろいろな角度からの考え方を、またいろいろな識者の皆さんから、あるいはまたこうやって先生方から御指摘と御指導をいただいて、間違いのない方向性というものを模索して、新たにまた御審議をいただき、そして預金者の皆さんに不安のなからしむるように、かつまた預金者の皆さんに納得のいくように対処をいたしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#74
○志賀(一)委員 ありがとうございました。
#75
○草野委員長 次に、松浦利尚君。
#76
○松浦(利)委員 大蔵省理財局次長さん、おいでになっていますか。――最初に大蔵省の理財局に意見をお尋ねしておきたいと思うのです。
 きょうの新聞発表等でも御承知のように、都銀の決算が出ています。保有株の減価のために軒並み減益になっておるわけでおりますが、恐らく次の決算におきましても、ノンバンク等を通じて例あ金融不祥事等にかかわる債権等の関係でさらに減益が進むだろう、こういうふうに言われておるわけです。ところが、御承知のように公定歩合を先般引き下げましたが、各金融機関がこういう状況ですから資金の貸し付けを怠っておる、怠っておるというからゅうちょしておるのであります。
 一方では、従来、設備投資資金としてコストの安い資金調達の場として証券市場があったわけでありますが、これも御承知のように、今日取引が二億から三億という大変低迷を続けておりまして、バブルの崩壊があったといえばそれまででありますが、従来企業がエクイティファイナンスを容易にできておった状況が全くできていない。そういう関係で、今我が国の経済というのは極めて深刻な状態に進んでおることは大蔵省御承知のとおりだし、国民全部が心配をしておるところであります。恐らく次のサミットでアメリカあたりから強硬に、秋口における景気浮揚、三・五%経済成長を維持するための大型補正予算等の要求が実は出されておるわけです。
 こうした状況の中で一番気になりますのが、従来安いコストで調達できた証券市場が冷え切ってしまっておる。そこには幾つかの原因があるわけでありますが、その原因の一つに、大蔵省が国民に販売をいたしましたNTT株があることは事実なんです。私が調査をした範囲で申し上げますから、あるいは間違っておるかもしれませんけれども、きょうの新聞報道によりますと、NTT株は五万円株が終わり値で六十三万円。おとついは六十一万円ですから今二万円上がっておるのですが、大体六十万から六十二、三万のところを上下しておるわけです。ところが今年度になって、四月の九日、終わり値が五十九万円。この五十九万円というのは、大蔵省理財局が発行いたしましたNTT株の最高高値の三百十八万円のときの五分の一、昭和六十二年十一月、第二次売買価格二百五十五万円の四分の一、さらに第一次放出価格百十九万七千円の半分以下の水準に下落をしてしまっておるのですね。
 それで、実は証券市場に活気を与えた最大の理由というのは、大蔵省と野村を中心とした証券企業がNTT株の大宣伝をいたしまして、実に百六十七万人から八万人という個人投資家がNTT株に投資をしたわけであります。これが実は証券市場の起爆剤になって、あれよあれよという間に、バブルという経済のツケも回って大変高値高値で市場価格を超えて進んでいったことは御記憶のとおりです。
 ただ問題は、このNTT株は政府が発行したものだからということで買わされた個人投資家が、NTT株を持っておる人たちが、証券は手を出すと大変だ、やけどをするということで、個人投資家が全く市場に入らなくなってきました。と同時に、これはもう大蔵省の理財局次長、耳が痛いほど聞いておられると思うのですが、大蔵省はけしからぬ、信用して買ったらこういうふうに暴落をしてしまった、一方ではバブルで損をした企業に対しては損失補てんをやっている、我々個人株主に対しては自己責任ということで、自己負担の責任を貫かされて何らの恩典もない、こういうことで、ちまたにいろいろな不満、不平というのが出てきて、一番肝心かなめの証券市場にも一つの影響を与える結果となってきておるわけです。こういう問題について、実はNTT株というのは郵政省とも深く関係をする企業でありますから、きょうの決算委員会で取り上げさせていただいたということを御理解いただきたいと思うのであります。
 そこで、郵政大臣、今景気が非常に悪いということを理由に出しまして、三M悪人という言葉が今市場に広がっているのですよ。三M悪人というのはだれとだれか想像つきますか。いや、実は私も聞かされてびっくりしたのですが、一人は宮澤総理なのです。そしてもう一人は日銀の三重野総裁なのです。もう一人は大蔵省の松野証券局長です。これを三M悪人、こう言って盛んに言っておるのですね。
 ですから、ここに証券局長においでいただければよかったのですが、理財局次長にお尋ねをしたいのです。
 今政府が持っておられる千二十万株、そのうち五百二十万株は法律で政府が三分の一保有しなければなりませんから、残りあと五百万株を放出することができる仕組みになっておるわけでありますが、この五百万株についての放出計画というのが現在あるのかどうか、そういう点について理解をしておられればお答えいただきたいと思うのです。
#77
○吉本政府委員 御指摘のとおり五百万株が売却可能分、国債整理基金特別会計で保有しております。これにつきましては、いろいろな経緯がございまして、何よりも市況等を見て計画的に売却がなかなかできてこなかったというようなことも踏まえまして、平成二年十二月に計画的売却方針というものを明らかにしておるところでございます。
 それによりますと、二百五十万株は、当分の間、凍結する。五十万株ずつ毎年度、原則として計画的に売却することを基本とする。基本的にはこういう考え方でございます。現実に売却するかどうかは市場環境から許容される場合ということで、そういう場合に売っていく、また計画の前倒しもあり得る、こういうような方針を出しておるわけでございます。
 その方針に従いまして、今回、また平成四年度の予算におきまして五十万株の授権枠をいただいておる、市場の動向を注視しながら、売却可能な場合には売却できるような体制で準備をしておる、こういうことでございます。
#78
○松浦(利)委員 これは政策的な判断ですから、しかも大蔵省が放出計画を既に決定をされた後ですから遅きに失したという感もあるわけですけれども、いずれにいたしましても、今年度放出予定の五十万株、こういうものが仮に市場に放出されるということが現実の問題として今議論をされてきておるわけですが、そういう状況になりますと、NTT株の玉が逆に五十万株ふえるわけですから、NTT株というのは上がることはない、逆に下がるという状況が生まれてくるわけでありまして、現実、NTT株を持っておる人たちを保護せよと言うつもりは全くありませんし、NTT株を持っておる人を意識して申し上げるつもりはないのですが、いずれにいたしましても、私が今から言うことは個人株主、しかもNTT株を持っておる百六十七万近くの個人投資家をどうやったら市場に参入させて、もっと証券市場の活性化を図りたいということを前提にしてお話をするので、誤解のないようにしてもらいたいと思うのです。
 そういった意味で、法律でも認められておりますが、政府が凍結する二百五十万株について、あるいは三百万株にふやしても結構でありますが、この際、思い切ってNTTに額面五万円で買い取らせまして、そしてNTTの資本を減資する。ですから五万円、仮に三百万株ですと一千五百億、大蔵省の実入りは少ないのですけれども、今までたくさんもうかっているのだから、そういう点はこらえてもらって、一千五百億でNTTに買い取らせてNTTの資本を減資する。
 このことは法律で認められておる行為でありますから、二百五十万株あるいは三百万株をそういうふうに減資するという方向にすれば、玉がその分だけ減りますから、百六十七万というNTT株を所有しておる人たちは市場に参入をしてくる、自分の持っておるものを売ろうとする、買う人が出てくる。しかも一方では、先般通していただきました、外人所有について二〇%のNTT株の所有を認めるという法律が既に通過をいたしておりますから、そういった意味で外人投資家も参入をしてくるという形で、これがすべてではありませんけれども、証券市場に活性化を与える一つの道になるのじゃないかというふうに私は考えるのです。
 ですから、今アメリカ等から三・五%の成長見通しは国際的公約であるというようなことを言われて、大型補正予算までどうのこうの言って言われる前に、公定歩合の引き下げ、公共事業の前倒し、さらに証券市場に対する活性化、そういった努力を、この際、大蔵省理財局は積極的に行うべきだ、そういう点についての御意見を承りたい。
 それともう一つ、そういう背景をつくり出さなければ、今大蔵省が所有しておられるJR株あるいはJT株、こういったものの放出は大蔵省が期待するほどの価格では売買ができないというふうに思いますので、ぜひ御意見を承りたいと思うのです。
#79
○吉本政府委員 株式市場の活性化というのは大変大事なことでございます。そういう観点からの御提案といいますか御意見であるというふうに承りますけれども、実際問題といたしまして、政府保有のNTT株式のみをもって減資に応ずるということ、これを制度的に仕組みますと、政府が持っているNTT株式を時価を大幅に下回る額面価格ないしはそのほかの価格でNTTに買い取ってもらう、こういう形になるわけでございまして、これはまず原則的に、財政法第九条というのがございまして、国民共通の国の財産は、法律に基づく場合を除くほか、適正な対価なくしてこれを譲渡してはならない、こういう大原則がございます。それから同時に、国債の償還財源としてこれは充てることになっておりますし、そういうものを放棄するものにもなります。結果的には国民全体の租税負担の増加につながってくる問題でございます。
 で、政府保有のNTT株式のみを対象として額面価格等で買い入れ消却を行うということになりますと、政府と民間との双方の持ち分の関係が変更をしてまいります。結果的にNTTの民間株主にとっては、NTTに対する株主権の持ち分が増加するという形になります。それからもう一つ、NTTにとっては配当負担が減るということで、これもNTTに対する一種の助成、こういう効果になるわけであります。
 いずれにしましても、このようなやり方というのはNTT株主に対する助成、財政援助あるいはNTTに対する財政援助、こういう形になるわけでございます。しかしながら、NTT株主にまず財政援助を行うというような考え方につきましては、これは実質的な損失補てんと考えられますし、証券投資における自己責任原則に反するということはどうしても否めないところでございます。
 この自己責任原則の問題は別といたしましても、種々の問題がございまして、現在の株主というものと政府の売却時の株主というのは必ずしも同一ではない。今まで既に安値で売った方もいらっしゃるし、あるいは安値で購入した方もおられる。こういう株主間の不平等の問題、さらには全体的に、NTT株だけではなくて株式全体が命低迷しております。全体の株式市況が低迷しておるわけでございまして、そういう他の企業の株主、株価下落によって損失をこうむっている方との間の不公平な取り扱いという問題もございます。
 さらに肝心なことは、株式投資経験の全くない方々が世帯で、日本全国で全体の約七割、七一・四%を占めております。こうした国民からは、国民全体の負担において国有財産を低廉譲渡してNTT株主に対して実質的な損失補てんを行うことに対して強い批判が生じるというふうに考えられております。
 また、次の問題の、NTTに対する財政援助云々の問題につきましては、NTTの民営化の趣旨とかあるいは電気通信分野における競争政策の推進の観点から見て果たして適切であるかどうかという問題もございます。
 以上のようないろいろな問題点を勘案いたしますと、政府保有のNTT株を額面価格等でNTTが買い入れ消却する、こういうような御提案については、広く国民全体の理解を得ることは極めて困難であるというふうに考えられます。
 なお、株式市場の活性化は大変大事でございます。現在の株式市場の低迷の背景についてはもろもろの要因が言われておりますけれども、この証券市場の活性化を図るためには、証券取引における公正性、透明性を確保する、それから証券会社の適切な営業体制の確立、株式投資の魅力向上のための方策を講ずる、こういうことを通じまして我が国の証券市場に対する内外の投資家の信頼の回復に努めることが重要であると考えられます。
 政府保有のNTT株式のみを対象として買い入れ消却を行うような方法というのは民間株主の持ち分を増加させるものでございまして、そのような観点から、先ほど申しましたように、実質的には事後的な損失補てん、証券投資における自己責任原則から逸脱するというものでございます。
 また、他の上場銘柄についても大幅に株価が下落している状況のもとで、国民全体の負担においてNTTの株主に対してのみ利益を供与するような施策をとることは、投資家の不公平感を助長し、かえって証券市場の公正性に対する信頼を損なうおそれがあるというふうにも考えております。
 いずれにしても、大蔵省としては、株式市場に対する投資家の信頼を回復し、市場全体の活性化を図るという観点から、せんだっての緊急経済対策を初め各般の施策を講じてきたところでございまして、こうした一連の措置が現在低迷している株式市場に明るい材料となることを期待しているところでございます。
#80
○松浦(利)委員 通り一遍のことを言ったってだめなんですよ。私は、NTTの株主に損失補てんせよと言っておるんじゃないのです。減資をするということは一株当たりの配当性向が高まるということは事実です。株の発行がその分だけ減るわけだがら、減資すればその分だけ減るから一株当たりの配当性向は上がることは事実です。そうすると、NTT株に対して魅力が出てくるんだから、だからそういう努力をしたらどうですか、こう申し上げている。
 しかし、それはあなたが言ったように、確かに公式的に言えば、ここに朝日新聞の五月六日の投書がありますよ。一時、何かうわさであった政府保有株を損をした株主に五万円で売れ、そういう意見が投書にあったのに対する反論がここに出ておるんですね。そういうことを言っているんじゃない。要するに、市場というものを活性化する方向としてNTT株を所有しておる百六十七万の個人投資家を参入させる努力をしたらどうか。
 あなたは公式一遍にそれなら全体で、あなたが言ったように抽象的に言って、証券市場が仮に活性化しなかったときには、そういった後でいろいろなことをやってみたって遅い。大型補正予算を組んだらどうかといって外圧がかかってくるような状況の中で景気浮揚をどうするんだ、企業が、公定歩合を下げたから、それじゃ銀行から資金調達をできる余裕はない、銀行は貸してくれない、証券市場も冷えてしまっておる、国際公約になった三・五%どうするんだ、そういう全体的な問題の中でNTT株、政府が売ったNTT株について一定の責任を持った見解を出す、そういうことがあっていいと思いますよ。
 今あなたが言ったような公式的なことを言っておればそれで済むかもしれない。しかし、現実に市況が活況を呈さずにそのままずるずるいったときにどうやって責任とるのですか。三Mの人たちに責任を負わすのですか。そういうことにならぬでしょう。
 ですから、私は宣言われたことは公式見解としては理解ができます。そういう一面もあるでしょう。これはどうです、全体的な中でもう一遍検討してみられたらどうですか。
 もう。検討できないなら検討できないと言えば質問する方がむだですからやめますけれども、検討してみられたらどうですか。将来、JTあるいはJKの株を政府は出さぬといかぬのです。そういうときに、国民がNTT株を放出した政府を信用しなかったらだれが買いますか。そういうことをよく考えて、きょうは次長さんですから、どうですか、持ち返ってもう一遍検討してみてくださいよ。
#81
○吉本政府委員 NTTの資本金の額がどうであるかとか減資をすべきかどうかというような問題につきましては、これはNTT伯体がどういうふうに考えるかという問題が基本でございます。そのNTTが考えられたところに従ってもちろん政府においてもいろいろ検討する必要はございますけれども、商法の手続に従った減資を行うかどうかというような問題は全く別問題でございます。
 そういう問題ではなくて、政府が持っているものだけでもって減資しろというお話と受けとめておりますので、そういうことにつきましては特別の立法が要るし、民間との関係では民間株主の持ち分をふやす、こういうような観点から、株主補てん、自己責任の原則に反するということになりますし、そういうことはやはりとても難しい問題でございますということを申し上げておるわけでございます。
 ただ、NTT全体の魅力をさらに増すあるいは株式の投資魅力を増すということは大変大事でございまして、一体何ができるかということはいろいろ勉強はしてきておるところでございますが、やはり極めて難しい問題がいろいろあって非常に難しいということでございます。その点をひとつ御理解をいただきたいと思います。
#82
○松浦(利)委員 大臣、NTT所管大臣ですから、大蔵省は難しい、難しいばっかりですけれども、やはり私は日本の景気ダウンを非常に心配するものですから、しかしそれにNTTの株がかかわってきておるというそういう状況もありますので、ぜひ大蔵大臣等とこうした問題について、難しいということはよくわかります、これはぜひ御検討いただきたいというふうに思います。どうでしょう。
#83
○渡辺(秀)国務大臣 郵政省の所管するNTTに関していろいろ先生御心配をいただいておりますことをありがたく思います。同時に、この株券の問題は、言うなら財政当局、大蔵省が国の財産として保有しているということも先生御案内のとおりでございまして、この株の問題について郵政省の方から当事者的発言はしにくいことも御理解いただいていると思います。
 ただ、私どもここにこうやって立った場合、政治家として発言をさせていただきますならば、所管の責任者として、大臣としてということになりますとやはりこれは公式論になっちゃいますけれども、しかし、そこを踏まえながらあえて申し上げさせていただきますならば、現状のままで本当にいいんだろうかという問題意識というのは先生と同じように持っているということがまず第一点でございます。
 これではなかなか株式市況の活性化あるいはまた現状の打開あるいはまた御期待されている方向性、これはなかなかこたえられにくい環境になっている。そのことは現状において仕方がないんだということで片づけられるだろうかという問題意識は私も共通に、先生と同じように持っておりますということをまず一点申し上げさせていただきたいと思います。
 もう一つは、ではそこでどういうふうにとらえるかという場合には、私はある意味においては今財政当局が述べた法律包背景とした解釈ではなかなか難しい一面がある。しかし、法律は立法府によってでき上がっているわけでありますから、言うならば政治的な判断としてこの問題はどういうふうにとらえていくかということが一つあるのではないかなという感じもいたします。これは乱暴な言い方です。
 それを承知して私は申し上げているのですが、決して現行制度をあるいはまた法律を無視して政治決断、政治判断ということを申し上げているのではなくて、政治家としてあるいはまた政治として政治の場としてどうするかという場合には、この法律を議論し、国権の最高議決機関としての国会での議論を踏まえた一つの考え方といいましょうかあるいはまた方向性といいましょうか、それらが議論されてしかるべきだ。先生のおっしゃられるとおり研究をしていくことは非常に大切なことだと思いますし、私も大いに先生の御指導をいただきながら検討をし、あるいはまた大蔵大臣とも、場合によっては総理とも検討をし協議もいたして、その段階に参りましたら協議もいたしてみたいと思っておりますし、なおまた、余分なことでありますが、与党の中でもこの問題について検討を政策的にいたしている面もございますので、勘案をしながら考えていきたいと思っております。
#84
○松浦(利)委員 それでは吉本さん、ありがとうございました。結構です。
 次に、私はNTT株が上がってこない原因の幾つかをひとつ今から指摘をしてお話を申し上げたいと思うのですが、その一つは、NTTそのものの経営が最近、御承知のように第二電電等の参入が自由化以降進んでまいりまして、不景気の関係もあるでしょうが、決算期において従来は増収増益でしたが、最近は減収減益という方向にカーブが出てきている。ですから、NTTというものに対する魅力が株主にとっては失われつつあることは現実の事実だと思うのです。
 これは、もう時間が大分たちましたから質問をはしょりますけれども、郵政省の方で御指導いただきまして、NTTと長距離系のNCCとの間で公正有効競争を促進するための接続条件、こういったものについて通達を見せていただきました。今アクセスチャージ料の問題等についてもこの中で議論されておると思うのですが、これ、民営化された後も料全体系としては従来どおり長距離通話の収入で赤字である市内通話あるいは公衆電話、そういったものをカバーして採算を合わせてきておる。ですから、民営化前の料全体系と全く同一の、一部手直し等はありましたけれども、料全体系をとられておるというふうに理解をしてよろしいですか。
#85
○森本政府委員 先生のお話しの、現在のNTTの電話料金と申しますのはいわば独占時代の電電公社の料金というものをバックにしてきていることは、それは事実だろうと思います。その際に、余りコスト意識みたいな形ではなくて、すべて国会で料金を決めるのだからという体系で来たわけでございますが、本日、この改革以降これで約七年を経過いたしました。競争も相当進展してきたというふうに言えるかと思いますが、その競争はありとあらゆるところに入っているのではなくて、いわば競争が入っている部分と独占の部分と二色になっているということであるかと思います。
 ただそこで、例えば自動車電話でありますとか長距離電話でありますとか、あるいは新しい国際通信事業者でありますとか、そういう新しい事業者というのは、すべてこのNTTの独占になっております市内網、そこへ接続をしてもらう、こういう状況になっているというわけでございますので、私ども、そういうこととなりますと、非常にこれはよその業界にはないことでございますが、サービスについて一体個々に収支状況はどうなっておるのかということを明確にする努力が必要だということでいろいろやってはおるわけでございます。
 先生、ちょっとお話にも出ましたが、いろいろな数字が出ておりますが、今私ども明らかにいたしておりますのは、いわば限定的な数字でございまして、営業に直接関係する部分しか分計してないわけでございまして、いわゆる営業外費用みたいなものについては全然まだ未整備な状態にございます。特に長距離下の競争におきましては、御案内のとおりNTTの方で長距離事業部とそれからそれ以外の地域事業部というのをこの四月から発足をして、その収支関係も外部からは明らかにしてもらおう、こうなってもおるわけですが、この四月からでございますので、結果がわかるのはまだ約。一年以上先になるわけでございまして、何にしてもデータが非常に未整備だという点が一つございます。
 それともう一つ、そのデータがあるとしても、今おっしゃるようにいろいろな御指摘があるにしたって、一体コストがかかったといっても、本当にその合理化努力の結果のコストなのか、ただかかっておりますというだけのコストなのか、あるいは収入にしたってまだもっと努力が要るんじゃないかといった点についてどの程度やったかという、そういう意味のコスト問題についてはいろいろな要素がございますし、とりわけ、今申しましたように、独占している部分というのはなかなかいろいろなインセンティブが働きにくい部分でもございまして、いずれにしてもそういう意味で、御指摘のような相互補助の問題というのも、まだ本当にいろいろ幾ら、どうなっているかということについては、当のNTT当事者もこれからよく整備をして明らかにしたい、こういうことも申しております。
 私どもとしてもぜひひとつ多角的な観点から、こうした料金問題の基礎になる数字でございますので、国民の理解が得られるように十分注視をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
    〔委員長退席、北川(石)委員長代理着席〕
#86
○松浦(利)委員 今お話しいただきましたが、私、は通信の自由化、非常に結構なことだと思うのですが、今長距離通話について第二電電とNTTとの間で価格競争が行われているわけですね。NTTが下げりゃNCCが下げる、お互いに下げ合っておる。よく考えてみますと、NTTというのは、電話通信事業というのは本当は装置産業なんですね。ところが、巨大な装置を必要とする会社が新しく設立されて、そして二年たったらもう黒字に転換をするというのは世界でも例がないのですよ、こういうのは。
 結局、なぜかというのを調べてみると、一番NTTが利益を上げておった例えば東京−大阪なら東京−大阪のシェアを五〇%近くNCCがとってしまう。そうすると、あとの金のかかる市内の関係は、アクセスチャージにはってNTTが独占をしている市内料金につながっていく、アクセスするという状況だけで競争してきましたから、ですからNCCの場合は、競争するところというのは市外通話のところだけ競争すればいいわけですからどんどん下げる。それにNTTも合わせている。結局、従来黒字部門で赤字を埋めておったその黒字部門の収益がダウンをしていけば、当然全体的な収益が下がっていくのは当たり前。下がっていくことだけならいいのですよ。
 ところが、問題になるのは、一番末端で利用する国民に対する市内、独占をしておる部分についての資金調達がだんだん不可能になってきて、今盛んにはやっている新しい機械に転換をする、そういった設備投資がおくれていく。そういった状況が生まれてまいりますと、結局何のための自由化だったんだ、末端のサービスの方はだんだん悪くなってきて、結局通話する市内部分について、ローカル部分について機械の更新その他が行われずに長距離部分ばかりに競争がいきますから、結局NTTもそちらに集中せざるを得ない、そのために全体的な日本の通信事業というものに対して重大な影響を与えるのじゃないかという気がするのです。一ですから、価格の競争をすものはいいのですが、先ほど郵政省が、今事業部別に経理をして具体的に本当に市内部門が赤字なのかどうか、過剰サービスはないのか、あるいは合理化はされておるのか、そういったことの経理のチェックをなさるそうですが、いずれにしても、イギリスやらアメリカ等を見ましても、結局、私たちも自由化のときに調査に参りましたけれども、イギリスのBTにマーキュリー社が参入してきましたけれども、最終的に相互接続、アクセスチャージとして、料金としてマーキュリーの事業収入の約四五%近くをBTが納付を受けている。それで、共通で使う部分の市内等についてBTが責任を持つ。
 あるいはアメリカはNTT、BTのようなものがありませんから、地域的に独占支配通信企業があるわけですが、そういうところに長距離がアクセスするときには、長距離通信事業者から長距離通信事業収入の約四〇%をアクセス料としてちょうだいする、そういう仕組みになっているのですね。ところが、日本はそういう仕組みがまだない。
 ですから、先ほど局長さんからお話がありましたけれども、こうしたNCCとNTTとのアクセスに係る料全体系をどうすべきなのかということについて早急に結論を出していただきたい。平成七年ごろだ、こういうお話を聞いておるのですが、そうすればするほど末端の市内等の設備投資あるいは技術更新等がおくれてしまって、大変な混乱した状況が生まれるおそれがありますので、局長の方でぜひそういう点についての御配慮をいただきたい。
 そして、今下降傾向にあるNTTの収益というのを、ある意味では魅力ある企業にするために、ダウンしない、少なくとも並行していけるような、そういう企業に早急にしていただきたい、こう思うのです。ですから、局長の方から、簡単で結構ですから、御答弁をいただきたいというふうに思います。
#87
○森本政府委員 今のお話のNTTの経営でございますが、先ほど減収減益というお話しございましたが、これは正確には増収減益でございまして、収入は、確かに伸びは減っておりますが、伸びてはおります。そういう意味で、支出の合理化というのは大変大事な時期になっているということでございます。
 そこで、長距離のお話もございましたが、要するに今長距離のサービスはすべてNTTの地域網に依存せざるを得ないということでございますので、この地域網の利用のあり方。というのは大変大事な問題でございまして、実はアクセスチャージということのお話しございましたが、新しい事業者がNTTの市内網を使うについて、現在NTTとそれから新事業者の双方で合意しております一定のルールがございまして、そのルールに基づいて現在支払いが行われておるわけであります。
 そういう意味で、現在いろいろな接続料がございまして、先生御案内のことですから結果だけ申し上げますと、三社合計で年間約千六百億円をNTTに払っておるわけでありまして、そういう意味では、この新しい長距離事業者の売り上げの三五%をNTTに払っているということでございます。
 こういう形にしましたのは、実は先ほど申しましたNTTのいろいろなコスト計算ができておりませんというのがスタートでございましたので、NTTを利用する新事業者も、事業者ではあるけれども一般の利用者と同じ体系で料金を払おうということで当面やってきたというのが今日の姿でございまして、これで果たしていいのかという問題、いろいろ出てまいりますので、私どもこれについて、御案内のとおり、先ほど申しました事業部制を発足させるということで、こういう決算が出た時点で全体を見直そうということで、現在のところ平成六年の四月にこの事業部制の決算が明らかになった時点を踏まえてこの新しい払うべき料金のあり方というものを見直そう、こういうことになっております。
 これにつきましては、NCCとNTTの双方でいろいろ問題点がございますが、一つは事業部制の収支のデータが明らかになるということと、先ほど申しましたが、NTTの合理化の状況が本当に、計算上生じた赤字というものは真に能率的な経営のもとにおけるものかどうかという問題、それからNTTとNCCの競争条件の問題も、例えば新しい事業者はNTTの番号のほかに四けた回さなければならないとか、そうした競争条件等も見なければならぬわけでございます。
 いずれにしても、接続料のあり方は大変競争条件の上で大事な問題でございますが、NTT、NCCの双方でまず十分煮詰めなければならない。私ども行政としても、これは利用者の利益に響く問題だということでこの推移を十分注視してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#88
○松浦(利)委員 大臣におかれましても、ぜひひとつ、通信の出発点は加入者ですから、それを独占しておるNTTの市内通信というのが、いろいろな意味で新しい機械に更新されていかない、古いものが残る、そういった形にならないように御配慮いただきたい。そうしないと、世界の通信の自由化、情報の自由化、そういった方向の動きにおくれをとる。今は世界の第一線を行っておりますけれども、結果いかんではおくれをとる、そういう状況も生まれてくると思いますので、ぜひ大臣においても御配慮いただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。
 それから続いて、平成七年に事業法の見直しをすることになっておるのですが、どうもそのときに。分割をするのではないかという意見が株主の間とあるのですね。だから、市場でNTT株が上がらないのですよ。どうもこれは、平成七年になったら見直しで分割になるぞ。こういうふうになると、株主の心理として動かないのですね、むしろ株価が下がる要因をつくり出しているのですから。
 私は見直しすることは大切だと思いますが、見直しかイコール分割ではないのだということをぴしっとしておいてもらわないと、何か見直しイコール分割だというふうに証券市場でもとられておるようですから、そういう点については大臣の方で、そうではないのだということを、要するに見直しなんだ、結果について想定をすることは現在はないわけです。結果が出なければ、分割とかどうだとかはないわけなんですから。だから、そういう株主の心理というのは極めて微妙ですから、そういう点についてぜひ大臣、御考慮いただきたい、どうでしょうか。
#89
○渡辺(秀)国務大臣 先生のおっしゃられるとおりだと思います。初めから平成七年度に検討を行うということが分割ありきということにつながるわけではないのでありまして、しかし今までなさなければならない目標としてきたことは、データ通信あるいはまた移動体等々、いろいろこれとても今となっては意見のあるところでありますが、しかし、方向としてやってまいっているわけでございます。平成七年にどういう形がいいかということを検討するということで、今からその方向を模索する、あるいはまた方向を示唆することもいかがか、これもまた反面言えることではないかと思います。
 私、さっきの株価の問題のところでも申し上げたかったのですが、まさにこういう全体像の中でNTTの株という問題も本当は議論されなければいかぬことであって、ただ数字だけを追っかけているということもいかがかという発言を月例経済会議でも、私から特に発言を求めて申し上げた例もございます。
 私としては、いずれにしてもNTTのあり方というのは、株式会社という形にはなっていますが、しかし、三分の一は国家が株を保有するということになっているわけですから、これは言うならば国民共有の財産を預かっているという立場の中で、国民の利用者の利益の増進にいかにして報いることができるかという感覚でこれからも競争市場にふさわしい条件、環境づくりを正しく整備していかなければならない、こんな気持ちで取り組んでまいりたいと思っております。
#90
○松浦(利)委員 それから、お尋ねいたしますが、ガットで米国が先進十二カ国に対して国内長距離及び国際の基本電気通信に関して五つの項目を約束することということで、日本、ECその他先進十二カ国に対して五つの貫目を要求してきております。これについてアメリカ側は早急に結論を出すべきだということを主張してきておるようです。
 そして最近、承るところでは、ECとアメリカとの対立関係が何か若干融和してきたという話もお聞きしておるわけですが、そうなってくると、当然日本に対しても連合軍その他が相当厳しく要求してくるのではないかという気もするのですけれども、アメリカがガットに提起しておる五項目について日本政府としての考え方が。どうなのか、現実、五項目に対して、アメリカに対して反論を加えておられるのかどうか、その点についてお聞かせください。
#91
○五十嵐説明員 ただいま先生からお話のありましたとおり、アメリカは三月に入りましてから、我が国はか十二カ国に対しまして、国際及び長距離の基本電気通信市場に制限なく参入することを認めることを基本といたしまして、これについてそれぞれ十二カ国と十分な約束が得られない場合には、基本電気通信につきまして最恵国待遇を適用しないということを表明いたしてきております。
 お尋ねでございますので内容を少しく申し上げ、私どもの今の政策、制度の対応ぶりについてお話を申し上げたいと思いますが、アメリカの具体的な要求というのは、国際電気通信、それから国内の長距離の電話の部分、それぞれ電話の部分でございますけれども、まず第一番目、この分野につきまして、市場に参入できる事業者の数の制限を撤廃するということでございます。これが一つの要求でございます。もう一つは、外国の事業体がサービスを提供することを認めること。三番目は、自由な外国資本参加を認めること。四番目は、基本電気通信サービスヘの透明、無差別かつコストに基づいたアクセスを可能にすること。それから五番目が、独立した規制機関を設立すること、こういう五つの項目でございます。
 アメリカ側のこの要求、あるいは背景、必ずしも明らかでない部分もありますが、私どもの制度、政策との兼ね合いで申し上げますと、まず一番目の、我が国の電気通信の参入問題については、事業者の数を制限しているということはございません。
 それから、外国の事業体がサービスを提供すること、あるいは外国資本の参入ということについてでございますが、NTT、KDDにつきましては、このたびの国会で五分の一まで外資が参入できるということに相なりましたし、いわゆる第一種電気通信事業者につきましては三分の一まで、第二種事業者については一〇〇%の外国の資本が参加できるということになっております。
 それから、基本電気通信サービスについては、現在の電気通信事業法によりまして、透明、無差別、コストベースでアクセスすることが可能になるということで、法的に措置してございます。
 郵政省が電気通信事業者から独立いたしまして事業法に基づき透明な手続で規制に当たっている、このような制度、政策をとっておりますので、我が国としては、アメリカ側の要求に対しては十分対応が図られるというふうに考えております。
#92
○松浦(利)委員 通信というのは、対立があったのでは接続できないのです。しかも、アメリカの方ではいろいろこれにいちゃもんをつけて、また、貿易障壁等の関係に絡ませようとしてきておるわけですから、相当政治的なものが必要になってくると思うのです。
 こういう関係について、日本以外のほかの国々については、やはり日本と同じような考え方になっておるのでしょうか。そういう点はどうでしょうか。把握しておられますか。例えばECあるいはオーストラリア、ここに出ておる国々はどうでしょう。
#93
○五十嵐説明員 アメリカ側の提案につきましては、EC等の国につきまして基本的には大変反発があるというのが現状でございます。なぜかといいますと、基本電気通信につきましてアメリカ側の主張というのは、それぞれの国と交渉をして、その国が自由化をしたらその限りにおいて最恵国待遇を適用しましょう、こういうのがアメリカ側の提案でございますので、その提案自身が、ガットの基本的な精神であります最恵国待遇、こういうようなものと相入れないという考え方をしておりまして、EC等はこれについて大変反発がある。私どもも、その限りにおいてはECとほば近い考え方をいたしております。
 ただ、つけ加えて申し上げますと、電気通信につきましてはそのほかにも対立点がございまして、必ずしもガット・ウルグアイ・ラウンド、サービス貿易協定の中身ではございません。いわゆる政府調達分野におきまして、一方では、アメリカ側がECに向かって、電気通信事業体を政府調達協定対象にせよ、こう要求しております。これに対しましてECは、そういうことを言うのであれば、アメリカに大きな電気通信会社がある、ATTをその対象にしなさい、こういう要求をいたして対立をいたしております。
 そんなことも踏まえまして、先般ヒルズ・アメリカ通商代表が四月の末に渡辺郵政大臣を訪ねましたときに、私どもの郵政大臣から、EC、アメリカ、そして日本という格好で、先ほどから先生の御指摘のありますべーシックテレコム、基本電気通信の問題も含めて次官級の会合をやろうではないかという提案をして、今その反応を期待して待っているところでございます。
#94
○松浦(利)委員 それでは、時間が来ましたからもう最後になりましたが、簡保の関係についてちょっとお尋ねをいたします。
 きょうの決算書の中にも簡保の会計が出ていますが、現在四十四兆近くあると思うのです。ですから、この簡保、しかも金融、金利の自由化が進んできておる段階ですから、大蔵省に対して簡保の自主運用を求めたのは郵政省側だったのですね。ですから、自主運用の枠を大蔵省と話し合ってふやしていくことは結構ですが、しかしそれだけ運用に対して責任を持たなければいけなくなるわけですから、それで、片一方では競争が激しいのですから、一定のサービスを国民に提供していくという義務がありますね。ほかの生保はいろいろなサービスを出しますから、それに負けないように簡保の方もサービスを提供していかなければならぬ。
 私は、そういう意味からすると、一定のリスクは伴いますけれども、一定の限度内において株式運用をするということは許されていいと思うのですよ。確かに、一面リスクを伴うものに政府が預かる国民の金を回して損をしたときどうするのだという極めて厳しい意見もございました。この前、証券不祥事で教職員共済が株を運用しておりまして、そして結局これは損失補てんをしてもらったからプラス・マイナス・ゼロだった、あるいはプラスのところも出てきたから、人から言わせれば利口な商売をしたということもあるのですが、違法は違法なことをしたのですが、だからといって、そういうことがあったからといって郵政省側がせっかく自主運用しよう、そしてその中で国民により多くのサービスを提供しよう、こう思っておられるのですから、私は、局長が株式運用について話をされたのは前向きにいかれたのかな、こう思っておりましたら、その後で大臣が打ち消された。
 局長と大臣との間にパイプがつながっておったのかどうかは知りませんが、あるいは逆に大臣が大蔵省あたりから、大蔵大臣あたりから恐らく、ちょっと郵政大臣困るよというようなことになったのか、いきさつはわかりませんが、本意はどうなんですか。やって悪いのですか。私はいいと思うのですが。
#95
○渡辺(秀)国務大臣 時間もございませんようですから、簡潔にお答えをさせていただきます。
 御心配をかけて恐縮でありました。基本的には、私と局長の間の考え方の相違はございません。これはひとつ御安心をいただきたいと思います。
 それからもう一つは、いわゆるマスコミに出ましたのが、簡保資金をまるで全部株式運用の方に回すみたいに出たものですから、これは国民からいただいている信用と今日までの六十年間の蓄積された信用というものは、私は記者会見でもいささかも不安を与えてはいけないということを前提として、これすべてではないよと、それから三番目として、NTTの株のてこ入れのためのことではないよ、この三点を強調するために、私はまず一点非常に問題であるということを申し上げたのが一つ。
 それからもう一つは、これが波及していきますと要らざる憶測を呼んで、今日の郵政事業の基盤である三事業にひびが入ってはならぬということは一つございました。
 私としては、局長と、大いにこれからの簡易保険の資金運用に対する活性化のために、いろいろな角度からいろいろな勉強をすることはよろしいことだ、しかし、初めからこれありきという勉強の仕方は活性化とは違うよという意味で申し上げておるところでありまして、まあしかし、おっしゃるとおつある意味におけるこれからの課題の一つであるという認識は持っているつもりでございます。
#96
○松浦(利)委員 ありがとうございました。終わります。
#97
○北川(石)委員長代理 次に、貝沼次郎君。
#98
○貝沼委員 きょう、また発言の時間を与えていただきまして、ありがとうございます。
 初めに、質問の通告の順番とちょっと変わりますけれども、御了承願いたいと思います。
 総務庁の行政監察結果による勧告の件につきましてお尋ねをしたいと思います。
 国の行う事業として、契約の公正性を確保する、あるいは業務の一層の効率化、簡素化等から、今年一月、総務庁から郵政省に行政監察結果を踏まえて勧告が出されたはずでございます。
 詳しいことは時間の都合で申し上げませんが、結論といたしまして、一つは資材調達での競争契約の拡大、それからもう一つは地方局への切手類の配達業務の効率化、三番目は物流センターの効率化、四番目は国有郵便局舎の建築設計の民間委託促進というような勧告であったと思いますが、この勧告に対しまして当局はどのように受けとめ対応されようと考えておるのか、まずその受けとめ方についてお尋ねをしたいと思います。
#99
○江川説明員 ただいま先生御指摘の、大きく分けますと資材部というジャンルの仕事と建築部とございまして、私は資材部の方でお答えさせていただきたいと思います。
 今回の勧告は、先生の御指摘にございましたように、資材部につきまして大きく分けると二つの点であると考えております。
 一つは、対外的と申しましょうか、物を購入するに当たっての公正さとか開放性だとか効率だとか、それから一カ所に物が偏らないように、疑惑のないように、そういうことが行われるための視点から、こういうところに問題があるのではないかという視点があります。もう一つは、対内的と申しましょうか、中で仕事をしていく上で、特に資材業務は物品をAからBヘタイミングよく移すということがございます。そのタイミングよく移すに当たりまして、どうもタイムラグといいましょうか、うまくない処理の仕方があるのではないかという処理の仕方についての疑問、視点、この二つが大きくあったと承知しております。
 この勧告をいただくに当たりましては、総務庁が現地を調査するわけですが、私たちも一緒に行ったりしていろいろな協力をする。それから上がってきた問題について、総務庁が言われる問題について、実はこうなっているとか、こうではないとか、資料を提示しながら議論もしているわけです。そういうことでいただいた報告書でございますから、私たちも我々の次の仕事の前進のために必要な、改善すべきところは改善していこうという考えに立って十分これを受けとめ、検討に入っているところでございます。
#100
○貝沼委員 半分でしたから、もう半分。
#101
○澤田説明員 建築部長でございます。
 郵便局等の施設の基本的な設計は、私ども郵政大臣官房建築部が設計を全部担当しておりまして、建物の完成まで私どもが責任を持ってやっているところでございますが、基本設計あるいは実施設計、その一部につきましては実施設計、その一部につきましては民間のそういう事務所等に委託をいたしまして一緒にやっているところでございます。
 その中の特に基本設計の部分についてはなお一層そういう民間活力を活用して、もう少し委託して業務の効率を上げる必要があるのではないかというのが今回の御指摘でございまして、私ども設計業務そのものすべてということでは決してございませんけれども、設計業務に含まれるさまざま。な関連業務のうち、委託した方がはるかに効率が上がりそうな分野はたくさんございますので、そういった部分につきましては、私どもも今後検討いたしながら、外の力をおかりして、よりいい郵便局舎等の設計を進めていくように検討したいと考えているところでございます。
#102
○貝沼委員 それはわかるのです。おっしゃることは両方ともよくわかるのですが、要するに、妥当な勧告と受けとめたのですか、余り当たってないなという勧告と受けとめておるのですか、その辺を私は聞きたいのです。
#103
○江川説明員 私の方は、一言で言いますと、そういうものだろうなという理解をいたしております一
#104
○澤田説明員 建築部業務に関連いたしましても、ただいま先生お話しの設計業務の委託拡大のほかにも、あと二点ございまして、合計三点ございますが、そのそれぞれにつきまして、細部の点ではいろいろ意見もございますけれども、御指摘の点は私どもも貴重な意見と受け止めて検討しているところでございます。
#105
○貝沼委員 おおむね妥当ということですね。そうすると、例えば、自動車、机、お年玉賞品などの資材調達は一九八九年度二万八千件、千六百八十八億円、そのうち一般競争入札は三件、全体の〇・一%、指名競争入礼四千二百八十六件、全体の六八%、まず、この比率はどうですか、やはりこれは指摘されて当然だと私は思うのですが、その辺のところ……。
#106
○江川説明員 自動車ばかりでございませんで、全体のことで御説明させていただきたいと思いますが、おっしゃいましたように、三件というのは一般競争契約の事例かと思います。
 郵政省の物品の購入の構造と申しますのは、ちょっと御説明させていただきたいと思いますが、まず、入礼参加資格というものがございまして、それを獲得した人の登録名簿というのができます。これは会計法その他、予決令などによって定められているところでございますが、そういう登録名簿に載せられた人、我々は登録業者と申しておりますが、そういう中から三つの方式で購入の契約を結ぶわけです。先生御案内のとおり、一般競争契約、それから指名競争契約、随意契約、こういうふうになるわけでございますが、郵政省の場合、郵政三事業をやっておりますので、ほかのところ、詳細には存じませんけれども、多少異なる、特殊性があるということがこの勧告の中でも実は認められております。
 ちょっと、その言葉を正確に引用させでいただきたいと思いますが、郵政省の場合には、一つは、「調達する物品が、郵便、貯金、保険の各事業の運営上不可欠な特別仕様物品や各事業の営業活動あるいは利用者サービスの維持向上のため必要とする物品であることことか、もう一つ、「ややもすると信用に欠ける者、不誠実な者が参加することになり、契約上の義務違反があるときは事業に著しく支障を来すことになる」、もう少しございますが、などなどのことから、むしろ郵政省の物品調達の契約といいますのは、一般契約によるよりは指名契約、それから随意契約という方に傾いているというのは先生御指摘のとおりでございます。
 先生、先ほど三件とおつしゃいましたが、それを金額ベースでちょっと申し上げますと、調査の対象となった平成元年度で申しますと、一般競争契約が二千万円弱、指名競争契約が千百何十億、それから随意が五百何十億というふうに、ちょっと比較にならないかもしれないぐらいの差がついていることは事実でございます。そのことも含めまして、今回、もう少し一般競争契約に行ける部分があるのではないかという勧告がなされているところでございまして、そういう意味では、世の中、品物が非常によくなってきているということもありますし、一般のものを購入しても通用できるということも十分あると考えますので、その辺も含めて拡大の方向にも何か検討しょうじゃないかということで、今、現場、郵政局に、どんなものがありそうなのかということを調査などをしているところでございます。
#107
○貝沼委員 そういうことを踏まえた上で、だから、特殊性のあるところですから、今までの歴史があるわけですから、それにのっとって調達をしておるわけですね。したがって、それだけの理由があってなされておる。そこを今度は行政監察でもって、やっぱりこれはちょっと直した方がいいんじゃないですかという勧告ですから、それに対して、おおむねその方向だろうと初め聞いておるわけですから、やはり三件というのはちょっと少ないですね。
 そして、今るる歴史があるんだ、理屈があるんだという話、それはわかった上で私は聞いているのです。これを直す方向に思っておるのでしょう。最後にそれを是正したいという意味の話があったからそれはそれでいいのですが、話はそこだけでいいのです。その後の方だけでいい。よろしいですか、これは直さなくちゃいけません。
 それで、さらに政令では、指名競争入札の場合に、なるべく十社以上とされているけれども、参加業者五社以下のケースが三八%ある、こういう閉鎖的な実態というものが見えておるわけでありますが、これについてもそういう方向で検討されるのでしょうか。
#108
○江川説明員 私、ちょっと言葉がくどいのかもしれませんが、先生が誤解なさいますと私困りますのでちょっと状況を御説明させていただいた次第です。
 ただいまの五社以下の例の場合もそうなんですが、総務庁と私たちがやりとりしてこういうふうに事実が確定されてくるわけですが、例えば郵便番号の自動読取区分機、あれは十社以上でやれといったって絶対に不可能なわけです。二とかそこらしかつくっておりませんから。そういう議論をここでは除いております。
 それからもう一つは、我々は殊さらに十以下におさめようとしているわけではなくて、この勧告で書かれておりますことは、十以上の登録業者がいる中で五ぐらいしか出てこないのはどうなのかというふうに問われているというふうに我々理解しておりますが、どうしてこうなのかということを申し上げますと、実際に事業者の方が、営業活動と申しましょうか、余りやってこないというのが多うございます。それで、いろいろ調べた上で手に負えるという部分についてはできるだけ指名の中に入れていこうということでやっているところです。
 したがいまして、結論から申し上げますと、先生御指摘のとおり、今まで五で、しかしまだ箱の中に登録業者としては十以上あるじゃないかという部分につきましては、こちらからも働きかけつつ、向こうからも営業活動を求めて、五を六、七、八に、十以上にというように持っていきたいと考えているところでございます。
    〔北川(石)委員長代理退席、委員長着席〕
#109
○貝沼委員 当局の弁明も言わせるために私は実はやっているのですよ。だけれども、勧告を受けて、おおむねそうだと受けとめておるわけですから、そういうふうに指摘された点については、やはりもっと真剣に取り組んで検討して、できるだけそれにこたえたいとか、そういう方向でないと、何のために勧告したのか、おおむねよかった勧告じゃないでしょうかという答弁では、あれは何だったということになって、またもとに戻らなければならなくなるから、時間がありませんので、戻らないようにひとつお願いします。
 それから、せっかくの項目ですから、今度は建築設計の方ですね。一九八九年度新築された局舎、国有局舎八十五、借入局舎六百六十一ですね。そのうち基本設計はすべて郵政省の建築部職員が実施。それで勧告は、民間業者が設計している借入局舎でも業務に不都合が出ていないと。こういうことから、民間委託を進めて人的資源の有効活用ということを求めておるようでありますが、これについてはいかがですか。
#110
○澤田説明員 ただいま先生お話しのとおり、国有局舎と借入局舎では様相をかなり異にしております。
 国有局舎につきましては、実はこれは郵政局だけではなくて職員宿舎であろうが同じことでございますけれども、いわゆる最初の基本設計から建物が完成するまで、あるいは完成して建物が使われている途中も全部私ども建築部が責任を持つという気持ちでやっておりまして、当然その中では基本設計そのものも私どもがやっております。
 その中で、先ほども申し上げましたけれども、一部分を外部に委託しております例えば実施設計という分野は、これは我々が責任を持っている分野の中で外の力をかりながらも私どもの考え方や歴史を十分に踏まえた仕事ができるということでやっているわけでございます。つまり共同してやっているという言い方もできるのじゃないかと思います。
 借入郵便局はその辺と大分様相を異にしておりまして、郵便局舎という意味では全く同じでございますが、その財産を持つ者が国と局舎を提供する個人あるいは企業という形で全く違っておりますものですから、我々はそれを郵便局として使うという意味でその基本設計なるものに私どもも意見を差し挟み、あるいは図面の内容などを審査するという立場でやっているわけでございます。
 ですから、それらはいわゆる建築的な設計という言葉で考えますと、建物の提供者が依頼したいわゆる企業である設計者あるいは設計事務所が設計することが大いに可能なわけでございまして、実際にもそのとおり運営されているわけでございます。
 それで、それらのものを、私どもは出てきた設計図面を一緒に見せていただきながら、使う立場としてあるいは借りる立場として意見を申し上げているということでございます。そのことで、局舎の規模等もいろいろございますけれども、実際の建物の、財産のつくり方がちょっと違います。
 そういったことで、やはり我々は、同じ郵便局舎でございますけれども、国の財産という意味では国有財産はやはり我々が綿密なところまで全部責任を持とうということでやっておりますし、今後もやるつもりでおるわけでございます。
 そして、そういった意味で、先ほどの外部委託、まだできる部分があるのではないかという部分につきましては、建築の仕事にも細分化すればいろいろな分野がございますので、その中で可能な部分をできるだけピックアップして委託しようというのが私どもの気持ちでございます。そして、勧告の内容もそういったふうなニュアンスに書かれていると私ども理解しております。
 以上でございます。
#111
○貝沼委員 という答弁は、総務庁の、業務に不都合は出ていないという指摘は当たらない、こういうことですか。
#112
○澤田説明員 業務に不都合が当たらないという意味では決してございません。
 仕事の分け方というかその担当する分野の区分の問題でございまして、出てきたものはどちらも、いろいろ過程は経たといたしましても、まずまず局舎運営に必要な設計はできているわけでございますので、その方法論の違いは、先ほど申しました財産の区分の違いはございますけれども、総務庁が言われる部分は、不都合を生じていないということは全く当たっていると思います。
 ただ、部分的にはいろいろ議論がございまして、私どもは全部何が何でも、ですから借入局のように普通局も同じょうに扱えるのではないかということでは決してございませんで、可能な分野がまだまだあるはずだということで分解して考えていきたいと思っているわけでございます。
#113
○貝沼委員 何も総務庁だけが行ってやっていることではありませんでね、現場あるいは当局と連携をとりながらちゃんとやった監察ですから、その上でこの報告書ができ上がっておるわけですから、そうむちゃくちゃなことが書いてあるはずはないと私は思いますね。今までの歴史とかそれからいきさつというのはそれはありますよ。あるから、そう説明しなければならないけれども、これから先の話を勧告しておるわけですから、ですから、これは前向きでとらえていった方がやはりいいのだろうと思いますね。それで、全部が全部と言っているわけではありませんで、あなたがおっしゃるように部分的に、いろいろな部署部署がありますから、そこのところで考えて少しでも広く出していくということが大事なんだろうと思います。
 それから、未利用地の問題ですね。
 これは、報道関係の記事を見ましても、東京池袋の郵便局跡地とか書いてありますが、十年以上も未利用をしておると。これが三百三十七件、十八万六千平米、これを処分することの促進を求められております。これに対しましては、どういうふうに考えておりますか、対応されますか。
#114
○澤田説明員 未利用地につきましては、これは郵便局舎あるいはその他の施設が改善された跡に生じたいわゆる土地の財産でございますけれども、これは、部内活用する場合もございますし、あるいは新たに事業用地を、まだまだ欲しい土地があるわけでございますけれども、それらを取得する場合に交換財源として使う場合もございます。そのほか、いろいろ私ども持っております土地を部内で活用する必要がどうしても出てこない場合には、それらは部外のいわゆる公用あるいは公共の用に供するために売り払うなどということで、社会経済的にも非常に貴重な財産だという認識は非常に持っているわけでございます。
 そして、そういう未利用財産の活用、処分につきましては、私ども従来から取り組んでいたつもりではございますけれども、今回の勧告では、今先生お話にございましたとおり、数量もかなり多うございますし、あるいは相当長期間保有したままになっているものも中にはございます。そういったことで、勧告の趣旨は十分踏まえまして、私どももさらに処分の促進をするべきものはするというふうなことで取り組んでいるつもりでございます。
 具体的に申し上げますと、私ども、今本省におきましては改めて全国の未利用財産の実態をさらに詳細に把握しようということで地方郵政局と連絡をとっておりまして、さらにその中で、ただいま申しました部内で活用するものあるいは資産交換の対象とするものを除いたいわゆる処分するべきもの、そういったものにつきましては、その処分の方法の見直し、あるいは一般競争入札で公告し売り払いする場合もあるわけですけれども、それらの方法をさらに改善するとか、そういったことについて本省、地方郵政局あわせてさらに強化してやっていきたい、特に本省につきましては地方郵政局も指導しながらやっていきたいと現在取り組んでいるところでございます。
#115
○貝沼委員 その方向は私も賛成です。
 それで、具体的に実態調査をされると今おっしゃいましたが、これは実態調査が終わるのはいつごろをめどに考えておりますか。
#116
○澤田説明員 総務庁の指摘を受けた時点は平成元年の数字をもとにしてやっておりまして、その後、平成二年末では若干数字も違っておりますが、その後の経過も踏まえまして三年度末の状態で全体の数量その他内容を改めて調査いたしました。
 その三月末の状況はそれぞれの地方ごとに把握が済んでおります。そのことで、今度はそれらをさらに分類いたしまして、早急に処分するべきものあるいは活用をさらに検討するものなどの分類をいたしまして、処分するものにつきましてはそれぞれが早速取り組むことと指導しております。
#117
○貝沼委員 時間の割り当てがありますので、この問題はもうこれぐらいにしたいと思いますが、最後に大臣、御所見がありましたら一言お願いします。
#118
○渡辺(秀)国務大臣 先生の御質問を承っておりまして、国の財産、そして国民と一緒に築いて岩た国有財産としての、あるいはまた郵政事業を遂行するためのいろいろな手段、本当に指摘をいただくまでもなく、公正、公明正大に行っていかなければならないし、効率的に運用していかなきゃならない、今後ともいろいろな面で御指導、御鞭撻をいただいて行政に誤りなきを期してまいりたいと思っております。よろしくお願いを申し上げます。
#119
○貝沼委員 次の問題は、郵便貯金のオンラインサービスについてお尋ねしたいと思います。
 このオンラインサービスは、昭和五十三年八月ごろからいろいろなことがなされてまいりまして、ずうっと現在に至っておるわけでありますが、現状はどうなっているのでしょうか。
#120
○松野(春)政府委員 先生御指摘のように、貯金事業のオンラインネットワークは昭和五十九年三月にひとまず完成を見ておりまして、その後逐次改善してまいりまして、今第三次オンラインネットワークを構築中であります。この第三次オンラインでは情報系の処理も機能を高めまして、平成八年一月にサービスするということであります。
 これを活用したいわゆるATM並びにCDという自動預払い機もしくは自動支払い機でありますが、これの配置につきましては、ことしの三月末現在で、概略の数字で恐縮でありますが、約一万八千古設けております。来年の三月、平成四年度末にはこれを全局に配置したいという計画で現在進めております。
#121
○貝沼委員 これが全局に設置されるということは大変結構なことなんですが、ただ、利用者から見ますと、やはり郵便局、郵便貯金の範囲ではないか、それで、できれば郵便局と民間の金融機関、まあ銀行ですね、相互で預貯金の引き出しかできるようにしてほしい、こういう声がございます。これは、当局にはそのような要望なり投書というものはございませんか。
#122
○松野(春)政府委員 先生御案内のように、民間におきましては、既に、最初にまず業態ごとにCDのネットワークをつくりまして、今は他業態同士もこのネットワークを結んでおる時代になってきております。それを前提にいたしまして、この民間金融機関と郵便貯金のネットワークを結んで相互にCDを利用できるようにという声が、私どもにも確かに届いております。例えば、キャッシュカードの民間金融機関との共用をしてほしい、そうなれば手数料を払っても構わないという御意見もありますし、それから、他の金融機関のカードでも利用できるようにしてほしい、これと類似の要望というものが全国為地から寄せられております。
 私どもといたしましても、昨年の五月に実は御提言をいただいたのでありますが、今日の情勢の中で、やはり預貯金の部分だけでなくて送金にかかわる部分に関するお客様のニーズというものが大変変化してきておるであろうということで、内部の研究会でありますが、民間の有識者に御参加いただきまして、送金サービスの在り方に関する懇談会という名称で御提言をいただきました。
 その中で、この民間金融機関のネットワークと私どものネットワークの提携関係でも一項目御提言をいただいておりまして、「一枚のカードで郵貯を含む全金融機関が、同一の取扱いとなるよう働きかけるべきである。」という御指摘をいただいているところであります。
 昨今の情勢で、金融自由化が一方で進んでまいっております。それからもう一つは、エレクトロニクス化を初め技術の進歩が著しいものがございまして、こういうふうなことを背景にお客様のニーズも多様化してきているな、この問題についてもやはり何とかしなくちゃいかぬな、今後も恐らく要望が多くなるであろうというふうな認識をしておるところでございます。
#123
○貝沼委員 そう、これは何とかしなくちゃいけないのです。それで私はきょう取り上げているわけでありますが、ただいま御答弁にありましたこの送金サービスの在り方に関する懇談会ですね、これの5のところにただいまの「CD提携」という問題がありまして、「一枚のカードで郵貯を含む全金融機関が、同一の取扱いとなるよう働きかけるべきである。」と書いてありますね。これは今答弁のあったとおりでございます。それならば、これは思い切って踏み出さないと、お客様にこたえたことにはなりません。
 しかし、その前に、踏み出すのはいいが、日本で議論するときは、必ず、外国はどうなのか、こういう話が出てきますので、例えば、ドイツとかフランスとか、郵貯のある国でどうなっておるのか、その点について答弁をいただきたい。
#124
○松野(春)政府委員 一言で申し上げまして、欧米におきましては、郵便貯金を含む各種の金融機関相互間でCD等の共同利用がかなり進んでいるというふうに分析いたしております。
 ドイツの例でありますが、ドイツは、ポストバンクと言っておりますが、いわゆる郵便銀行でございます。ユーロ・チェックカードというシステムを持っておりまして、小切手の本人証明機能がついておるカードというふうに認識しておりますが、これによりまして、銀行あるいは貯蓄銀行等の加盟しておりますATM共同利用ネットワークを利用できるということになっております。ちなみに、ドイツにおきましては、この共同利用ネットワークに該当するATM、自動預払い機は約一万台であるというふうに承知いたしております。
 それからフランスの場合でありますが、ラ・ポストと言っておられますが、ブルーカードシステムというシステムがございます。これは、ブルーカードはキャッシュカードと同じ意味合いであろうと思っておりますが、銀行カード協会加盟金融機関でやはりATMの共同利用ネットワークを設けておりまして、これをラ・ポストのカードも利用できる。フランスの場合のATMは約九千台であるというふうに承知いたしております。
 なお、一言だけつけ加えますと、アメリカでは郵便貯金制度はありませんけれども、いわゆる貯蓄銀行という仕組みがありますが、ATMの総設置台数の約七〇%、約十三万七千台につきましては、この貯蓄銀行を含めて共同利用が可能になっている模様であるという把握をいたしております。
#125
○貝沼委員 そうすると、大体このオンラインで広げていくというやり方は、相互乗り入れというやり方は、もうどこの国も進めておる方法ですね。
 そうすると、我が国もその方向で進めて何らおかしいことはありませんし、当然やるべきだと私は思います。しかし、現在なっておりません。ということは、そこにどんな障害があるのかわかりませんが、民間金融機関とのCD提携を実現させようとするとどのような検討課題というものが考えられるのか、また、その実施に向けて当局は積極的に取り組もうとなさるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#126
○松野(春)政府委員 検討課題でございますが、まず、この民間金融機関とのCD提携に当たりましては、言うまでもないことではありますが、相手方がありますので、この合意が前提になろうかと思います。この合意のためには、大蔵省のみならず全銀協さんとの話し合いということが前提になりますが、仮に合意を見たとして、このCD提携に関して具体的にどんな検討課題があるかということもつけ加えておきたいと思います。
 例示的に申し上げて恐縮でありますが、一つとしましては、当然異なるネットワークを接続するわけでありますから、接続のための技術的な問題をどう解決するかということになるかと思います。それから、民間金融機関と郵便局との資金決済をどういう形で行うのかということも課題になります。それから現在では、郵便局ではCD取り扱い手数料を徴収していませんので、細かい話で恐縮ですが、取り扱い手数料をどういうふうにするかというふうなことも問題としてあろうかと思います。
 さらにつけ加えますと、この業務提携という形はあくまでも相互的になるだろうと思いますので、私どもの郵便貯金を民間金融機関のCD等で支払う方法が一つ、それから民間金融機関の預貯金を郵便局のCD等で支払う方法、この二つの取り扱いについての契約関係といいますか、当然委託と受託という支払い業務の形態につきまして、郵便貯金の立場からいいますと、法制上どのような位置づけとして行うのかということが検討課題の一つになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この民間金融機関と郵便貯金のオンラインネットワークの相互利用ということは、国民陶利用者の方の立場からいたしますと当然そうあらねばならないという時期が来るであろうし、また私自身多少まだ理想的な、理想図を描く的な言い方で恐縮でありますが、いずれこの相互利用は到来するのであろうということを考えておりまして、この課題につきましても怠りなく検討を進めたいと考えております。
 なお、技術的な問題で、私どものオンラインネットワークの方の受け皿としての機能につきましては、先ほどちょっと触れましたけれども、今第三次オンラインを、民間よりも少しおくれておりますが、平成八年一月に導入すべく鋭意基本設計を行って、今詳細設計に入っているところであります。このネットワークが完成しますと、技術的あるいは機能的な面では接続は可能になる。しかし前提となる法制度等も含め、あるいは民間金融機関等も含めての話し合いという、大変まだ厚い壁がある状況でございます。
#127
○貝沼委員 大臣、この問題はこれでもうおしまいにしたいと思いますが、私はぜひこれを早期に実現すべきだと考えております。また、ただいまの答弁でも、利用者のサービスの上から当然のことだ、こう言っております。後の方の答弁で、ちょっと時間がかかるかなというニュアンスがあらわれておったので、あそこは余り感心しませんが、そこは大臣のそれこそ政治力あるいは決意によるものでありますので、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#128
○渡辺(秀)国務大臣 この問題は、国民的財産とも言える郵便貯金のオンラインネットワークの有効活用ということで私も先生と同じょうに期待をしながらこれを考えていきたいという気持ちがいっぱいでございますが、何としても民間金融機関との関係でございまして、我が省は非常にラブコールはいたしましても、なかなか相手が応じてくれないという場面もあるわけでございますので、しかし、そうはいっても大いに努力をいたしまして、私どもの求めている考え方が相手に通じますように懸命に努力をいたしまして、国民利用者の方々の大変便利なことになるその方向性に向けまして一層の努力をいたしたいと思っております。
#129
○貝沼委員 一層の努力ですが、さらにさらに一層の努力をお願いいたします。これは非常に声が大きいのです、各郵便局は津々浦々まであるわけですから。ところが、銀行の方はやはりある程度町へ出ないとありませんので、これは期待が大きいわけでございます。
 それから次に、郵便サービスの向上と国家公務員の週休二日制実施ということについて、ちょっと時間があるかどうかわかりませんが、伺っておきたいと思いますが、その前にサービスの点で、ちょっと異質なんですけれども、一つだけ。
 年賀はがきというのがありますね。それで、景品が何ですか当たるわけですね。一等、二等、三等、四等、五等。五等は切手シートなんですね。私などは前に当たったときにもらったのは、たしか封筒に張る切手だった。ところが最近は投書がありまして、四十一円だ、そうすると封筒に張るのに非常に難しい、これは使わないためにくれるのだろうか、そういう話があるのです。事実、そういう投書がある。
 そこで、どうですか。これは端的に変更した方がいいのじゃないか、再検討した方がいいのではないかと思いますが、その答弁だけちょっと聞かせてください。
#130
○早田政府委員 五等の賞品につきましては、来年用につきましては御提案の趣旨も踏まえまして切手シートの構成であるとか当せん数の割合であるとか、総合的に検討してまいりたいというふうに考えております。
#131
○貝沼委員 それでは、サービスと国家公務員の週休二日制の話なんですが、専門家が逓信委員会の方で恐らくやっていると思いますので、私ははしょって申し上げたいと思います。
 まず初めに、郵便物数の最近の増加状況、それからこれに従事する人たちの増加状況、これはどういう関係になっておるか、簡単に御説明願いたい。
#132
○早田政府委員 最近五年間におきます郵便物数の総数の伸びにつきましては年平均五・七%ということになっておりまして、平成三年度におきましても五・〇%増の二百三十九億通というふうになっております。
 本務者職員といいますかにつきましては、この間、年間五百名から七百名程度の伸びでございまして、その他の、伸びに伴い不足する部分につきましては非常勤職員であるとかいうような形で処理しているところでございます。
#133
○貝沼委員 つまり、郵便物の数がふえて人がふえないということは、それはもちろんアルバイトその他使ってそれに対応するということなんでしょうけれども、少なくとも基本的にはやはり一人分の仕事量がふえておるということですね。その辺の認識はあるのでしょうか、ないのでしょうか。
#134
○早田政府委員 私ども、郵便物数につきましてはふえることは結構だというふうに思っております。(貝沼委員「もう一回」と呼ぶ)郵便物数の増加につきましての関係でございますか。ちょっと私、そういうふうに聞き取ったのですけれども……。申しわけございません。
#135
○貝沼委員 いやいや、郵便物の増加はあなたから聞いたのです。それから、人のふえる率も聞いたのです。ところが、郵便物はふえてくる、人のふえ方は少ない。アルバイトその他を使うとはいうものの、それでもやはり職員の一人にかかる仕事量というものは結果的にふえておることにはならないのか、私はそういう感じがするわけだけれども、そうあなたは受けとめますか、それともそう受けとめないという考え方ですかということです。
#136
○早田政府委員 答弁を勘違いいたしまして、失礼いたしました。
 今の郵便局職員の働きぶりにつきましては、十年前あるいは五年前に比べて非常に一生懸命働いてくれているというふうに私は思っております。そういう点では、五年前あるいは十年前と比べましても一人当たりの仕事のする量につきましては相当ふえているというふうに思っております。
#137
○貝沼委員 それで、話になるかどうかわかりませんが、要するに郵便物はふえてくる、人はふえない、それでさらに賃金もどうも思うように上がらないということで、サービスもふやさなければならないという話はもう逓信委員会でうんとやっていると思いますので、私は繰り返しません。その上に今度は週休二日制ということが出てきますね。
 そうすると、これは時間の問題ですから、週休二日制で労働時間が少なくなるわけです。なおさら一人にかかる量というのは大きくなるいうことと、それからもう一つは、私ども、お客さんの方なんですけれども、これに対するサービスの問題と、これが両方バランスがかかってくるわけですよ。だから、そこのところを議論したかったのですけれども、時間が余りありませんので、ちょっとできませんが、とにかくそれに当局はどう対応されるのですか。簡単に、こうこうこうするんだというぐらいのことはちょっと言ってもらいたいですね。
#138
○早田政府委員 御指摘のように、このたびの週休二日制につきましては、予算、定員を極力ふやさないで、またサービスにつきましても極力低下させないで実施するという政府の方針もございますし、私どもといたしましては、まず環境整備といたしまして、郵便システムの改善、見直しというものをやりまして、さらにまた内務の部門、内務職員につきましては夜間労働のあり方の見直し等、また外務部門につきましては、非常勤職員による団地配達であるとか、あるいは部外委託による小包配達等いろいろな要員の効率的な配置施策というものを検討しておるところでございまして、これらを詰めてまいりまして、平成四年度中には何としても実施していきたいというふうに思っております。
 サービスの点につきましては、先ほどもお話しいたしましたように、郵便事業におきましても、国民の理解を得ながら週休二日制を実施するというようなことから、やはり利用者国民本位のサービスは維持していかなければならないというふうに思っております。そういう点では、先ほど言いましたような事業運営の合理化、効率化ということを自助努力によりまして対処する考え方でございます。中には、完全週休二日制につきまして土曜閉庁により実施している部門もございますけれども、郵便事業といたしましては、土曜日における郵便窓口サービス、あるいは土曜日におきます郵便配達サービスにつきましては、現行どおりで対処をしていきながら完全週休二日制を平成四年度中に実施していきたいというふうに思って現在関係のところと鋭意詰めているところでございます。
#139
○貝沼委員 本当はここから議論になるのですが、時間があと二分しかありません。要するに、郵便局、現場ですから郵便局の方ですね。全体、時短の進め方というので、こうありますが、郵便局、平成四年度内実施に向けてさらに努力というのがあなたの今の答弁。それは四年度でやってもらわなければ困るのです。困るのですが、ただ、今の四年、この一年間でという話しかないのですね。そのスケジュールはどうなっているのですか、最後にそれを伺っておきたいと思うのです。
 それから労働条件の問題とか、そういうのは働いておられる方々とよくそちらの方で話し合いをしてうまくいくようにやらなくちゃいけない。私は、サービスを受ける方なものですから、そちらの方まで手を突っ込んでどうのこうのいうあれは全くない。それはお互いに話し合い、きちんといくようにやっていただかなくてはなりませんが、ただ四年度中に努力すると言っているわけですから、大体準備期間も最後にはあるわけですから、そうすると、ある程度のところまで話は詰めて、そこから先は準備して、そして四年度中にはちゃんと実施できますというようなスケジュールがあるんだろうと思いますが、その点を伺っておきたいと思います。
#140
○早田政府委員 現在、郵便関係の完全週休二日制の実施につきまして実施時期の見通しがついているものにつきましては、七月の初句に実施いたします予定の集配特定局の一部約二千局、半数相当の二千局を予定しております。それ以外の普通局等につきましては実施のための施策について、先ほど言いましたような施策につきまして種々検討しておるところでございますけれども、夏ごろまでにはこれらの事項を詰めてまいりまして、秋ごろ、年末繁忙の前までに諸準備を完了させまして平成四年度内に実施するという形で進めていきたいというふうに思っております。
#141
○貝沼委員 終わります。
#142
○草野委員長 次に、寺前巖君。
#143
○寺前委員 二十分間の質問時間でございますので、話を絞ります。
 郵政大臣は、今政治改革が云々されておりますけれども、大臣になられた当時からとかく国会の中でも政治家と金という問題にかかわっての話題がいろいろございましたから、この際、もうあれから半年もたっているのですから、どういうふうに整理をされたのだろうかということできょうはちょっとお伺いをしたい、こういうふうに思っております。
 昨年の十二月十二日の朝日新聞を見ますと、「渡辺郵政相も企業から 四千万円以上、六年余 資金報告書に記載せず 規正法違反の可能性」、こんな見出しかついたニュースが流れています。
 それで、あなたの東京事務所及び地元の長岡事務所、三条事務所の秘書さん、所員のうち何人の人が給与を企業から負担してもらっていたのだろうか、企業からの年間の負担総額は幾らなんだろうか、もう半年もたっていることですから、明らかにしてほしいと思うのです。
 新聞によるとこう書いてあります。「年間四千万円以上にのぼり、現在も継続している企業がある。秘書らは給与支給を認めている。」内容はどうか。「事務所の公設秘書を含む秘書ら十数人の給与の大半が十数社の企業によって支払われていた」、こういうふうに書かれているのですから、さすがにやはり大臣だと言われるようにひとつ御答弁いただきたいと思うのです。
#144
○渡辺(秀)国務大臣 いわゆる先生がおっしゃるような、朝日新聞に報道されたこととして今御質問されましたが、企業による肩がわりと理解いたしておりませんが、私を応援してくれている人が後援会活動の手伝いに人を出してくれたり、私のもとで勉強させたい、人生勉強させたいという熱意から人を出していただいたような場合がありました。
 その言われる人数とかということはどうも今までの全部のトータルではないかという感じでありますが、昨年暮れにいろいろと調査いたしましたけれども、企業からお預かりをした、勉強をするために来ていただいたという人数は七人、これはもう国会で答弁いたしております。順次会社をまたやめてもらって私の事務所に引き取っておるわけであります。
 なお、給与につきましては、これは本人たちに渡っているわけですから、これはプライバシーの問題で、私の職員あるいは私の企業の社員ではございませんので、これはまた別の問題で、私はよく把握しておりません。
#145
○寺前委員 私も若干調べてみたのです。あなたの長岡事務所の責任者とでもいうのでしょうか、大崎宏さんという方がおられます。この方は、御記憶がどういうことになっているのか知りませんが、企業からお預かりしている人、勉強に来ておる今後援会の活動で来ている人がいろいろおりますのやというお話でしたが、私は、これはあなたの事務所に勤務している人だと思うのですが、いつごろからあなたの事務所に勤務しておられるのでしょうか。
#146
○渡辺(秀)国務大臣 最後のところはというのはいわゆる昨年ですね、その企業をやめて私の事務所専属で、今私のもとから給料を払っております。そのいわゆる企業から派遣してもらりたことをやめていただきました。また、こっちの方に専念したいと言うものですから、それまでは営業活動もやっておりますし、あるいはまた先方の企業のお役に立つようにやってきているわけでして、そこでの大崎秘書の、今現在秘書ですが、一〇〇%秘書としてやっておりますけれども、その秘書の給料その他は私としては把握いたしておりません。その前は、これは私の方でもあるいは支払っていたかもわかりませんが、ちょっとつぶさではございません。一人一人についてという通告がなかったものですから、まことに申しわけないのですが、最後のところだけは申し上げておきます。
 それから、今現在は、国会でも答弁していますけれども、もう全部、きちんと私の政治資金の中から給料を払っているという形であります。
#147
○寺前委員 いや、私、大臣のことだからきちんとしておられるこっちゃろうと思っていろいろ聞いてみたのですが、この大崎さんというお方は七五年の八月ごろからおたくの事務所に入っておられます。ざっと九年間その籍を持ったままで、九年後の八四年からセコム上信越株式会社、その警備会社から月にして三十五万円からの給料をもらっておる。これは勉強に来たのじゃなくして事務所の方にお入りになっているのですから、おたくの方の人ですよね。そうでしょう。勉強じゃないですよ。おたくの事務所に来られた。
 そして九年後にセコムから月給をもらうようになって、それで会社に行ったのかというと、そうじゃなくてそのままずっとおられる、そして事実上長岡事務所の責任者的な存在になっておられる、こういうことになっている。毎月三十五万円おもらいになっている。今は政治資金の方から払っている、こうおっしゃるのだけれども、これが問題になった当時、ことしの一月、二月ごろを見ると、一、二月ごろでも依然としてセコムから給料が出ている。私の言っていることが間違うておるのやったら、ここが違っている、ここはこうなんだと正確に言ってもらったらいいのですがね。
 そうすると、これはやはりこういう形で企業のお金をもらったんだ、そういうふうに理解せざるを得ぬのですが、勉強しに来ておるというのは正確じゃないと思うのです、この方の場合はいかがでしょうか。
#148
○渡辺(秀)国務大臣 それは先生の方のお考えでありまして、実際、長岡事務所の責任者というのは別に事務所の所長というのがおりますから、これは先生も相当お調べになって質問しておられるようですが、それは全く当たっていません。それから、渡辺事務所所長というのがいましたから。
 それからもう一つは、本人は実際に営業活動もやっているのです。やってきたのです。ですから、私は、見習いということを言っているわけじゃないので、勉強に来ているということは広範なことでありまして、これは勉強しているということだと思いますよ。ぜひひとつそこは、渡辺秀央事務所の、まあ二枚看板ということの時期が一時あったかどうかそれはわかりませんが、人のとりょう、見方によるかもわかりませんが、私の方はその期間はそういうつもりでおった。
 それから、一月ぐらいに、二月ぐらいにそうだったという御指摘ですが、これは私、綿密に調べてみなければわかりませんけれども、しかし少なくとも昨年の末にそういう指摘をいただきましたから整理に入りました。これは先生だってわかっていただきたいのですけれども、働いている人は働いている人の立場ですよ。何の罪もないわけですね、一生懸命やっているわけですから。その人に子供もあれば、奥さんもあるのですよ。それは生活の保証も必要だし、あるいはまた保険のことも大事ですよ。子供がいつ病気になるかもわからぬ。自分もそうですね。その手続だって必要ですよ。だから、それは若干の期間はあったかもわかりません。一カ月、二カ月おくれたと言われて、ここで問題点のように御指摘されても、私は大目にとは言いませんよ。大目にとは言いませんけれども、今現在はきちんとしているのですから、そこはひとつおわかりいただきたい。準備期間というのも必要だったということであります。
#149
○寺前委員 私、何も大崎さんがけしからぬと言っているのじゃないのです。どういう手続になっているのだろうかな、秘書さんがと。この人は会社から勉強に来た人と理解するのは難しいですよ、おたくの方で九年もお勤めになっておって、そしてその給料が月に三十五万円程度セコムという会社から出るようになっていましたね、それは問題になった時点までそうでしたよ、ことしの二月ごろもそうでしたよと、こう言っているのであって、そうすると、全体として言うと、秘書さんの月給を企業に持たせていたのやな、単純に言えばそういうことやな、そういうやり方はよかったのだろうかな、大臣たる人は、こういう問題どう考えられるのだろうかなという気持ちで私は聞いておったわけですから、なるほどなあ、今の話を聞いておったら、まだもうひとつ大臣としてすかっと整理しておられないなということはわかりました。それで、ひとつ正確にそこはまたきちんと国会でも言えるようにされた方が私はいいと御進言申し上げますよ。
 さらにこういう問題があるのですね。政治家の秘書の給与を企業が負担することについて、政治資金規正法上の問題について大臣はどういうふうに考えておられるのだろうか。八九年の六月十二日の衆議院の予算委員会で、当時の浅野という選挙部長はこう言っているのですよ。「とにかく人手が要るだろう、あるいはいろいろなものが要るだろうからそういう利益を提供しようということで提供すればこそれは当然寄附になります、こういう答弁をしているのですね。
 また、九一年九月六日の同じく衆議院の建設委員会で、当時の政治資金課長さんの井戸さんという人が、政治活動に関する寄附については、金銭によるものに限らず、職員の派遣とかの労務の提供についても寄附に当たると、こういう答弁をしておられるわけです。
 これは私は、極めて常識的にもだれだって思うことだと思うのです。ですから、企業側も寄附扱いにするというふうに直していかれるのは当然だろうと思っていたところ、ことしの二月二十一日、新聞にこういうのが載りました。「郵政相秘書給料 千七百万肩代わり認め 芸能プロが修正申告」、こういうのが東京新聞に載った。毎日新聞には「郵政相秘書の給与肩代わり 寄付と認め修正申告」などの見出しで郵政大臣の秘書の給与を負担していた企業についての報道が出ていた。これは企業の側の方が先に、これはやはりきちっとしないかぬなとお思いになったのか。こういう記事が載っていたことを御存じでしょうか。
#150
○渡辺(秀)国務大臣 まず、前段の大崎秘書の、現在秘書の問題でありますが、きちんとすべきではないかと、何かいかにもきちんとしていないみたいな仰せでございますけれども、現実に十二月から準備をいたしまして二月にはきちんと退社をさせて今日あるということをもう一回答弁をいたしておきます。それから、決してそのことが早かったとは申しません。精いっぱい早めて処理をしたということで御了察をいただきたい。
 それから、今のお話と前段のお話と一緒にされて先生御質問しておられますが、やはりその企業とそのときの私どもの事務所との関係、これは先年やはりそれぞれ違う環境条件があったわけでして、その人によって。新聞に出ております芸能プロの方の社長の立場はそういうふうに処理をされたということだと思います。私の方は政治資金規正法上違反してへるとは思っておりません。
 それから、企業の方がそういうふうに処理をされたということについては、私は大変申しわけないことをしたな、それはやはり負担をさせて、全部私のところで負担しましたということで修正申告したわけですから、私の方は少しはお役に立って、少しはというか、まあ本人はお役に立って、そして企業の方とちゃんとそれなりの仕事もしながらやっているものだと思っておりましたけれども、それはそのときの判断で社長は、いやいやそうじゃないということで修正申告された、こういうことだと思うのです。ほかの企業にすべてそれが当てはまるとは思っておりませんので、それぞれ事情は違いますから、そこはひとつ御了察をいただきたいと思います。
#151
○寺前委員 そこで、もうひとつまだすっきりせぬのやわ、そういうことをおっしゃるから。ボタンのかけ違いをしたらいつまでも直らへんのと一緒で、こういうのほかけ違いをしないようにもう一回出発から直さなあかんと私は思いますけれども。
 修正申告した企業というのは、東京新宿に本社がある東京宝映テレビ株式会社、報道によると、この会社は八六年八月から渡辺事務所の辺見富士子氏に毎月二十五万円の給与を負担している。この辺見さんというのは一体、あなたの中で何している人なのか。政治指定団体を見ると、陽山会、秀央会、政治経営管理協会、経営懇話会、秀友会、東京秀央会、平成産業経済研究会などなどの事務の担当、会計事務の担当、こうなっている。会社の仕事をやっているのと違うわ、あなた。もうこんなたくさんの、何でもかんでもいろいろな団体の会計の中心に座っておられる方や。会社の仕事なんて当日えまへんがな。
 だから会社が、それは違いまっせ、はっきりしようやないですか、こう言われるのは当然なんだ。あなたの方がそれはすきっとしないかぬのや。これは非常に明確に、しかもこの辺見さんはあなたの事務所に勤務されたのは七二年の十月ごろからです、私の調査では。大分昔の話よ。東京宝映テレビ株式会社が給与負担したのは八六年の八月ごろからでっせ。七二年と八六年引いてみなさい。何ぼ何でも十何年たってからの話ですがな。東京宝映テレビ株式会社が辺見氏に対して寄附行為として修正を申告される。
 そうすると、私は、当然のことながら政治資金収支報告書においてもあなたは変更されなかったらうそなんと違うやろか。世間の人はそう見てまっせ。そうしたらああ、あの人もちょっと時間かかっったけれども改めはったんやな、こうなりますのやわ。直しましたか。直そうとしていますのか。時間かかってますのか。そこはどうです。
#152
○渡辺(秀)国務大臣 私は、考え方の、解釈の違いというか、私の方は、企業の方で両々相まって考えておられた。しかし、いろいろ指摘も受けたから修正申告をした。私は会社から給与を、肩がわりというか政治献金との見合いの中でやっていたとは認識しておりません。少なくとも私の方は会社から、会社で一たん引き取って、そしてやはり少しなれているんだから手伝ってあげたらどうかということと、二枚鑑札がもわかりませんけれどもそれは企業の方の身分で今日までやってきた。しかし、いろいろ考えてみると明白でない。
 だから、私の方は全面的に会社の方をやめてもらって、本人の希望も聞きながら、会社にけりをつけて今事務所の方で給与を負担している、これが実態でありまして、そこは先生は私に政治資金の修正をしたらどうか、こうおっしゃいますけれども、私は今の段階ではそういう考えを持っておりません。
#153
○寺前委員 もう時間が来ましたのでやめますけれども、大臣になるようなお方が、早くから自分の事務所に来てもらって自分の事務所で仕事をしておった人が途中から会社の給料をもらうような形態をとって……
#154
○草野委員長 寺前君、持ち時間が過ぎております。
#155
○寺前委員 それでいて今度はちょっと世間がこういうふうになってくるともとへ戻すようにしますわでは世間は通用しない。そういうなめたことをやったらいかぬ。政治改革をみんなが今言っているときです。謙虚に大臣はもう一度自分の事務所の対処された道を見直していただくことを要望して、質問を終わります。
#156
○草野委員長 次に、森英介君。
#157
○森(英)委員 自由民主党の森英介でございます。
 高度情報化の進展には、家庭生活を便利にし、産業活動を活発にし、さらに地球規模での相互理解を深めることに寄与するなど、その果たす役割はまことに大きなものがあると思います。そこで、情報通信の所管官庁である郵政省に対しても非常に大きな期待が寄せられているところでございます。
 さて、情報化を円滑に進めていくには、まずバランスのとれた情報化を進めるための地域の情報化、次いていろいろな事業者がユーザーに安くてよいサービスを提供するための有効競争の確保などいろいろな政策が展開されているところでございます。本日は、情報通信分野の技術開発に的を絞りまして御質問させていただきたいと存じます。
 まず最初の質問であります。
 情報通信分野での技術開発と一言で申しましても、電気通信機器メーカーが製品化を目指して行うものもあれば、またNTTやNHKが行う技術開発もありましょうし、さらに大学や国の研究所が行うものもあるわけでございます。我が国全体として見た場合、情報通信分野での技術開発の現状はどのようになっているでしょうか、お尋ねいたします。
#158
○白井(太)政府委員 一口に情報通信分野と申しましても大変広範囲にわたるわけでありますが、身近な研究体制について若干お答えをさせていただきますと、一つは国の直轄の研究所として私どもの省の一つの機関として通信総合研究所というのがございます。これはかって電波研究所という呼び名で呼ばれておった研究所でありますが、この研究所は国の研究所でありますので、当然のことでありますけれども、公共性の非常に高い分野についての研究開発を行うというのが主な研究対象になっておりまして、特に基礎的あるいは先端的な研究を重点に行っております。
 それから二つ目は、これは実は今国会で法律を改正していただいて実現することになったものでありますが、通信・放送機構というものを通じまして、民間においてはその実施がなかなか期待できないような分野の研究で、産学官と大変広い範囲にわたります研究、私ども基礎研究から応用への橋渡しとなるような研究開発というようなことを言っておりますが、そのようなテーマについての研究開発を通信・放送機構を通じて行うことといたしております。
 それからもう一つは、ただいま先生おっしゃいましたように、特に事業者等が直接研究機関も持って研究開発を行っておりまして、電気通信関係で申し上げますと、NTTはかなり大規模な研究を行っております。また、NHKなどは放送関係についての研究を進めております。それからさもに、電気通信の機器に携わっておりますいわゆる製造事業者なともこうした研究を行っておるわけでありますが、これらはいずれも事業経営の一環ということで研究開発を行っておるわけであります。
 ただ、そのような民間における研究開発につきましてもなかなかリスクが大きいようなものになりますと民間の対応にも限界がありますので、そのようなところにはいわば民間の行う研究開発に対する公的支援というような形で、基盤技術研究促進センターを通じまして出融資などの支援措置を講じて研究開発の促進を図るようにいたしております。
#159
○森(英)委員 次に、先般通信・放送衛星機構法が改正されまして、先導的分野での技術開発に関していろいろと議論がありました。本日は、国が直接に行う情報通信の技術開発についてお伺いしたいと思います。
 そうなりますと、まず第一に通信総合研究所のことが頭に浮かびますが、以前は電波研究所といいまして長い歴史と伝統に支えられたすばらしい実績を誇る研究所というふうに承知しております。予算、研究者の数、施設などは現在どのような状況になっているのでしょうか。そしてまた、どのような研究が行われているか、この点についてお伺いいたします。
#160
○白井(太)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、通信総合研究所は国の直轄の試験研究機関として極めて公共性の高い分野の研究を主として行っておりまして、基礎研究などを重点に研究対象として取り組んでおるわけでございます。
 予算規模でありますが、平成四年度予算で申し上げますと約五十三億円ということになっておりますが、人件費が半分くらいかかっておりまして、必ずしも研究費として十分であるとは言いがたいと思っております。ただ、この十年間で見てみますと約二〇%強の予算の伸びを示しております。
 それから定員の方でありますが、現在研究に直接携わっております研究職員は約二百八十名でありまして、こちらの方も非常に少ない率ではありますが、十年間の間に一〇%程度研究者の数がふえてきております。
 研究施設の延べ面積は四万三千平方メートルということでかなり広い施設を持っておりまして、つい昨年完成いたしました関西の支所につきましても、この施設の充実に今努めておるところでございます。
 研究内容について若干具体的に特徴的なものを一つ一二つ申し上げさせていただきますと、一つは電気通信フロンティア研究というような呼び名で呼ばれておる研究でありまして、これは二十一世紀を見据えたいわば未踏の分野の研究開発というものであります。それから宇宙通信技術の研究開発というのもこの研究所の大きなテーマとなっております。さらに、最近では電波を利用した大気圏の状態を測定するというようないわば電波センサーの技術などにもかなり力を入れておるところであります。
 いずれにしても、このような研究はいずれも重要なテーマでございますので、予算とか定員とかいうものについて一層充実に努めていく必要があろうかと考えておるところでございます。
#161
○森(英)委員 ただいま局長のお話の中に、研究のテーマを大まかに三つお挙げになりましたけれども、このうちの第一の電気通信フロンティア研究開発でございますが、どのようなもので、どのような進捗状況にあるのか、また、研究開発が終了すると通信がどのように進歩するのかという点につきまして、基礎研究の段階ですので、例えばこのようなことに役立つ可能性があるとか、そういうふうなお答えで結構でございますので、具体的な御説明を賜りたいと思います。
#162
○白井(太)政府委員 電気通信フロンティア研究というものでございますが、これは世界的にもこのようなフロンティア研究というような言葉で呼ばれておるようでありますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、いわば技術的に見ますと未踏の技術分野についての研究ということでありまして、かなり長期的な観点から行われておる研究であります。私どもがこうしたフロンティア研究に取りかかりましたのは、つい数年前の昭和六十三年度が最初でありまして、特にこの研究のテーマの性格からいたしまして、産学官の一体とした研究が必要でありますし一また国際的な連携も必要であるということで、特別の体制をしいて研究開発に取り組んでおるわけであります。
 具体的にはどんなものについてそうした取り組みをしておるのかということでありますが、大まかに分けて三つの分野に分けることができようかと思います。
 まず一つは、各方面でも言われております超電導などの物理現象を利用いたしましての通信関係の研究でありまして、いわばこれは極めて超高遠の大容量の通信を行うための技術であります。こうした技術が開発されますと、従来とは比べものにならないような高速の通信が可能になるということでございます。
 それから二つ目は、人間とか生物、生き物の機能というか仕組みを解明いたしまして、そうした生き物の仕組みを電気通信に利用することができないかというような研究でありまして、バイオとか知的通信技術というような呼び名で呼んでおります。
 それから三つ目は、俗にAIと言われております人工知能技術と申しますか、そのような技術を電気通信技術にも応用しようという研究でありまして、これは通信のネットワーク自身を非常に機能を高度化して、いわばネットワーク自身が知能を持っておるような仕組みのネットワークにしようというものでありまして、もしそうしたネットワークができ上がりますと、ネットワークの制御管理というのをネットワーク自身が行うというようなことになりまして、またこれも今までにはないような新しい情報網ができるということになるわけであります。
 先ほども冒頭にちょっと申し上げましたが、このような研究でありますので、産学官の連携とかあるいは国際的な連携というのが大変必要でありますので、具体的な研究テーマにつきましては、産業界でありますとか大学なんかに対して研究を委託するというような方法もとっておりますし、研究テーマにつきましても、特に独創性が必要だということで、研究テーマの発掘を目的にいたしまして公募研究というようなやり方もいたしておるわけであります。
 こうした技術が開発されますと、情報の伝送容量というのが飛躍的にふえてまいったり、あるいはネットワーク自身が非常に知能を持ったネットワークとしてでき上がりますので、今までとはまるきり違ったような便利な情報通信の利用ということが可能になるのではないかと期待をいたしております。
#163
○森(英)委員 ただいま承りましたこの電気通信フロンティア研究開発というのは、先ほどの三つのテーマの中でも特に重要なジャンルであるというふうに思いますので、ぜひ今後とも前向きに積極的にこれに取り組んでいただくように要望いたします。
 次に、二番目に挙げられました宇宙あるいは衛星に関する技術開発の現状と今後の予定について、同様に伺いたいと思います。
#164
○白井(太)政府委員 宇宙を利用いたしました通信放送の分野というのもここ何年かの間に大変な勢いで実は伸びてきておる分野でありまして、しかも技術的に見ますとかなりまだ未開発の分野であるということが言われておるわけであります。
 これからの宇宙通信の分野での技術開発についての私どもの現在の考え方あるいは具体的な計画でありますが、研究のテーマとしてはおおよそ三つぐらいを主なテーマとして挙げることができると思っております。
 一つは、高度衛星通信放送技術というような言葉で実は呼んでおりますが、平成八年度に実は通信放送技術衛星というものを打ち上げる予定にいたしております。その平成八年度の打ち上げに向かいまして、平成二年度から既にこの衛星の開発等に着手しておるわけでありますが、平成四年度からはいよいよ地上の実験施設についても研究開発に取り組みたいと思っております。
 この分野では何を研究開発の対象とするかということでありますが、これはデータ通信であるとか画像通信などのために移動体衛星通信技術、つまり自動車でありますとか船でありますとか、動いておりながら衛星を利用してデータを送ったり画像を送ったりすることができるような技術を開発するとかあるいは広帯域のHDTV、現在ありますようなHDTV、ハイビジョンテレビよりもさらにきめの細かいハイビジョンでありますが、そのようなものを可能にするような衛星を利用した放送技術等の研究であります。
 それから二つ目の、衛星、宇宙関係の技術開発の課題としては、衛星間通信技術の研究開発というものを挙げたいと思います。
 これは衛星から衛星にデータを送りましてそれを地上におろすという技術でありまして、丸い地球の上ですと、ある地点からは地球の反対側におる衛星はそれを直接見ることができませんので、衛星と衛星との間で情報をリレーいたしまし一で、それで地球に情報をおろすというような技術でありまして、これは平成五年度に打ち上げを予定しております技術試験衛星Y型というのを利用いたしまして研究開発を進めたいと思っております。
 それから、三つ目のテーマとして御報告申し上げたいと思いますのは、熱帯降雨観測衛星というものでありまして、これは熱帯地域に降ります雨を、衛星に積みました装置を使いましてどの程度の雨が降ったかということを観測するための技術でありまして、アメリカと共同研究という形で現在研究開発を進めておる最中であります。特に、熱帯でありますとか、海の上に降る雨の量というのは地球に降り注ぐ雨の大半を占め谷そうでありまして、そうした技術が開発されますと、地球の温暖化現象の解明とかエルニーニョ現象の解明などにも大変有用だというようなことが言われておるようでございます。
#165
○森(英)委員 私の質問の結びといたしまして、郵政大臣にお伺いいたします。
 今後どのように技術開発を進めていかれるのか、御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
#166
○渡辺(秀)国務大臣 今日の我が国の経済の発展は、あるいはまた今日の繁栄というのは、非常にいろいろな要素があると思うのですけれども、何といっても技術開発ではないかと思うのです。
 二十一世紀を展望しますと、情報通信は、これから産業、経済を発展させていく上で不可欠なものであるばかりでなく、高齢化への対応やあるいは社会的課題の解決にも非常恒大きく貢献することが期待されておりますし、またその面における研究も続けているわけであります。こんな期待にこたえていくためには、研究開発の積極的な推進を図ることが必要でありますが、国全体として見たときの官の民に対する比率、研究開発費の割合がほかの主要国と比べてみまして非常に低い、要するに官の方が低いという現状であります。もちろん、その国によって数字の背景は、国防費が入っているとか入っていないとか、いろいろありますね。しかし、今日の状況、どう考えてみても日本の技術開発の研究費というのは民に支えられている、その現状は否定できないのではないかと思います。
 今後は、基礎的な、創造的な研究開発に積極的に取り組んで国際的な貢献を果たしていく必要がありますし、言うならば国は率先してこうした研究開発を行っていき、特にハイテク関係などを中心として、日本の持ち味を生かした研究開発をこれからも大いに促進をしていかなければならないと思っているところですが、当郵政省といたしましては、このような考えのもとに、今般、情報通信技術に関する研究開発指針というものを策定いたしまして、本指針を大きなよりどころとして、情報通信分野における我が国全体の技術力の向上に向けて果たすべき役割、研究開発を充実させるように一層の努力をいたしてまいりたいと思っております。
 技術会議というものが設置されて政府にありますが、あるいはまた技術会議連絡閣僚会議というところもございます。そういったところで、私は、先端技術を担当していく、あるいはまた日進月歩の通信技術あるいはまた放送技術、こういうものに対して、大いに国としての取り組むべき姿勢あるいはまた郵政省としての国全体に対する要請、要望、こういうものを怠りなく思い切って披瀝をしながら御期待にこたえて、今日的郵政省としての責任を果たしてまいりたいと思っている次第でございます。
#167
○森(英)委員 大臣より大変力強いお言葉をいただきまして、意を強くした次第でございます。くれぐれもよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。
#168
○草野委員長 以上をもちまして森英介君の質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#169
○草野委員長 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、これは、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○草野委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、宮地正介君を理事に指名いたします。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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