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1992/05/21 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 建設委員会 第13号
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1992/05/21 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 建設委員会 第13号

#1
第123回国会 建設委員会 第13号
平成四年五月二十一日(木曜日)
    午前十時十三分開議
出席委員
  委員長 古賀  誠君
   理事 片岡 武司君 理事 金子原二郎君
   理事 北村 直人君 理事 杉山 憲夫君
   理事 渡海紀三朗君 理事 三野 優美君
   理事 山内  弘君 理事 吉井 光照君
      植竹 繁雄君    川崎 二郎君
      瓦   力君    木村 守男君
      久野統一郎君    塩谷  立君
      野田  実君    萩山 教嚴君
      光武  顕君    柳本 卓治君
      山本 有二君    石井  智君
      木間  章君    貴志 八郎君
      渋谷  修君    松本  龍君
      伏木 和雄君    薮仲 義彦君
      辻  第一君    米沢  隆君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 山崎  拓君
 出席政府委員
        建設大臣官房長 望月 薫雄君
        建設省都市局長 市川 一朗君
        建設省住宅局長 立石  真君
 委員外の出席者
        建設委員会調査
        室長      杉本 康人君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十一日
 辞任       補欠選任
  島村 宜伸君    柳本 卓治君
同日
 辞任       補欠選任
  柳本 卓治君    島村 宜伸君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第七二号)
     ――――◇―――――
#2
○古賀委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、昨二十日質疑を終局いたしております。
 この際、本案に対し、杉山憲夫君外二名から、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党の三派共同提案による修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。吉井光照君。
    ―――――――――――――
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法
  律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○吉井(光)委員 ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、私は、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 今回の地価高騰により、大都市地域においては、勤労者世帯の住宅宅地の取得が著しく困難になり、また、都心の住宅地への事務所等の無秩序な進出による住環境の悪化等の問題が深刻化しております。一方、地方においては、リゾート開発に伴うマンション建設等による地域の生活環境の悪化等の問題が発生しております。
 このため、土地基本法に基づく各種対策が講じられておりますが、これまでの金融、税制等の土地政策に加えて、土地利用計画制度の充実を図る必要性が強く指摘されているところであります。
 また、昭和四十三年のいわゆる新都市計一画法の制定以来ほぼ二十年が経過した都市計画制度及び建築規制制度について、最近の都市化の進展に対応して、良好な市街地の環境を整備し、都市の秩序ある発展を図るため、大幅な見直しをする必要が高くなっております。
 このような現下の重要問題に対処するため、適切な住環境の保護等を図るための用途地域制度の整備、公共施設を備えた健全な市街地の整備とあわせて土地の有効利用等を図るための地区計画制度の拡充、市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設、計画的な市街地の整備を図るための開発許可制度の改善、技術開発の進展等を踏まえた防火に関する規制の適正化を図るための木造建築物に係も制限の合理化等の措置を講じて、都市計画制度及び建築規制制度を改善する必要があるわけでありますが、今般提案されております都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案には、市町村の都市計画に関する基本的な方針、開発登録簿の記載事項、用途地域の指定のない区域における建築規制、建築確認、許可等に係る建築物に関する台帳の整備、自走式自動車車庫の建築確認における取り扱い等につきまして、不備な点が指摘されるのでありまして、その修正を行う必要があります。
 以上が、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨でありますが、次に、この修正案の要旨を御説明申し上げます。
 まず第一に、市町村の都市計画に関する基本的な方針について、「定めることができる」を「定めるものとする」に改めることといたしました。
 第二は、開発許可制度の開発登録簿の記載事項として、市街化調整区域における建ぺい率等の指定制限及び開発許可を受けた土地における建築等の制限に係るただし書きの許可等をした場合に、その旨を付記すべきことといたしました。
 第三は、用途地域の指定のない区域における容積率制限及び建ぺい率制限について、規制数値を追加することといたしました。
 第四は、違法な用途転用等の防止に資するため、建築確認等に係る建築物に関する台帳の整備等の措置を講ずることといたしました。
 第五は、建築物の定義を見直し、建築物として扱う工作物の範囲を拡大することといたしました。
 以上が、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨でありますが、各委員の御賛同をお願いいたしまして、説明を終わることといたします。
#4
○古賀委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
#5
○古賀委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。北村直人君。
#6
○北村委員 私は、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正案及び修正部分を除く原案につきまして、賛成の意向を表明するものであります。
 今回の地価高騰に対して、これまで土地基本法の制定を初め、幾つもの立法措置が講じられるとともに、総合土地政策推進要綱等に基づく各種対策が実施されてきたところでありますが、地価高騰等によって生じた各種問題に対応した総合的な土地政策の大きな柱として、既に実施されている
金融、税制等の措置に加えて、土地利用計画制度の充実が強く指摘されていたところであり、今回の都市計画法及び建築基準法の一部改正は、早急に実施することが望まれているものであります。
 すなわち、用途地域制度について、住居系の用途地域を細分化して事務所等の無秩序な進出を防止するとともに、規制用途の追加、見直しにより、カラオケボックス等を規制用途に加える等住環境の保護を図ることとしております。
 次に、地区計画制度を拡充し、公共施設を備えた健全な市街地の整備とあわせて土地の有効利用等を図ることとしており、また、市町村の町づくりの具体的なビジョンとなる市町村の都市計画に関する基本的な方針を創設し、住民参加による市町村の主体的な町づくりを促すこととしております。
 開発許可制度を改善し、計画的な市街地の整備を図るとともに、都市計画区域以外の区域における建築規制を充実し、リゾートマンション等の建築に対し、地方公共団体が条例で必要な制限を行うことができることとしております。
 このほか、技術開発の進展、日米林産物協議等に対応して木造三階建て共同住宅の建築を可能とする等木造建築物等に係る規制を緩和するとともに、いわゆる伝統的建築物について建築基準法令の適用除外とし、地域文化の振興等に資することとする等の建築規制の見直しを行っております。
 なお、原案のうち、市町村の都市計画に関する基本的な方針、開発登録簿の記載事項、用途地域の指定のない区域における建築規制、建築確認・許可等に係る建築物に関する台帳の整備、自走式自動車車庫の建築確認における取り扱い等につきまして、より適切なものとするため修正を行っております。
 今日、我が国は世界で米国に次ぐ経済大国でありますが、社会資本の整備状況は欧米先進国に比べ立ちおくれており、都市環境や住環境の水準は低いレベルにとどまっております。このため、国、都道府県、市町村及び地域住民がお互いに一致協力して、町づくりを積極的に推進していくことが望まれております。
 このたびの都市計画法及び建築基準法の一部改正に係る修正案及び修正部分を除く原案は、市町村が主体的に町づくりを進め、良好な環境を備えた町づくりを実現していくために役立つ各種措置を新しく設けていることをあわせ考えれば、地価高騰に対処するために、また、町づくりの一層の推進を図るためにも、必要かつ妥当なものであると考えるものであります。
 最後に、この法改正により改善された都市計画制度及び建築規制制度を活用するとともに、公共投資基本計画に基づき社会資本整備を着実に実施することによって、市町村による主体的な町づくりが推進され、良好な環境を備えた、地域の個性ある、美しい町づくりに結び付くものと確信し、賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#7
○古賀委員長 次に、石井智君。
#8
○石井(智)委員 私は、日本社会掌・護憲共同を代表して、政府提出の都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対して反対することを表明し、その理由を以下に申し述べます。
 第一に、今回の改正は、近年のバブル経済の膨張に伴う地価の暴騰により、大都市では事務所ビルの建設を目的とする地上げの横行、地方では国民的リゾートづくりに名をかりた乱開発が進行し、土地利用制度の不備が痛感されたためでありました。
 全国で多くの自治体が、こうした乱開発のあらしに対して、独自の条例や開発指導要綱などをもって立ち向かっていることから、こうした自治体の努力に法律上の根拠を与え、支援していくことが緊急の課題とされたのです。
 しかし、政府の提出された法案を見ますと、都市計画決定に係る権限移譲などには全く手がつかず、深刻化する一方の乱開発に対して、ただ単に都市計画のメニューをふやすだけに終わっているのであります。
 都市計画、町づくりは、本来そこに住む住民と地方自治体が第一義的な権限を持ち、個性豊かな町をつくり上げていくべきであります。都市計画は国の権限に属するものだという牢固とした考えに立つ政府の改正案には、大きな疑問を抱くものであります。
 第二に、このたびの改正により創設されることとなる誘導容積制度の問題について指摘しておかなければなりません。
 去る四月二十四日、本委員会において、東京への一極集中を是正し、地方の活性化を図るため、東京二十三区から事務所など産業業務施設を移転させる法律案を圧倒的な賛成で可決いたしました。ところが、それから一ヵ月もたたない今日、都市計画法等の改正においては、もともと過大に設定されている大都市の容積率を目いっぱい使わせるため、誘導容積制度をつくる法案が可決されようとしているのでります。
 例えば東京では、道路もごみの処理も限界に来ているのであります。現状において、指定容積率が半分しか使われていないとしても、目標としなければならないのは、容積率を使い切らせることではなく、過大な容積率を率直に認めて、アメリカの大都市が次々に踏み切っていったように、容積率を切り下げることではないでしょうか。政府案は、考え方が逆を向いていると思わざるを得ません。その上、地区計画のもとで各敷地間の容積移転まで認めるというのでは、容認するわけにはまいりません。これでは将来、開発業者による容積率の地上げが起こるおそれさえあります。バブルが崩壊した現在、特典を与えることによって、開発を誘導し高度利用を進めるという発想は、転換しなければなりません。
 このように、問題点を数多く含む政府の都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案には賛成できないのであります。
 そしてまた、社会党が提案をいたしました改正案については、審議が持たれたにもかかわらず採決に及ばなかったことを遺憾に思う次第であります。
 今後の方向としては、各質問者の質問の視点の方向、そして参考人の意見等も、社会党案に向いた方向での流れが大勢であったというふうに理解をする次第であります。そういう意味において、これからの都市計画をさらに健全なものにしていくために、我が党案の議論を再度深めて、そしてその方向に向かっての再改正を望む次第であります。
 以上を付して討論にかえます。ありがとうございました。(拍手)
#9
○古賀委員長 辻第一君。
#10
○辻(第)委員 私は、日本共産党を代表して、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 今回の改正は、この間の地価の高騰、地上げ、事務所ビルの住宅地への侵食、リゾート開発に伴う無秩序なマンション建設や都市計画区域外での住宅地開発が問題となり、それを現在の制度で規制することができない事態の中、マスタープランの欠如や緩くあいまいな規制という、我が国の都市計画制度の問題点について、一定の手直しをせざるを得なくなり提案されたものであります。都市計画区域外や用途地域未指定区域の規制強化など改善面もありますが、なお、不十分であります。
 しかも、今回新たに導入された誘導容積率制度は、土地の高度利用を推進しようとするものであり、特に容積配分制度は、地区計画区域の一部に低い容積率を適用し、その分を他の区域に回して容積率の上乗せをするものであり、巨大なビルの建設も可能になる制度であります。これは、大企業など特定の者にのみ優遇を与えるものであるとともに、地域の過密状況を激化させることになり、容認できないものであります。
 用途地域の細分化は、規制強化、規制緩和の両御面を持ち、市町村の権限や住民の意思の反映が限定的な都市計画制度を民主的な都市計画決定のシステムに改めないままでは、制度の運用次第で、
新たな問題や住民の犠牲を招くことになりかねません。
 以上のように、政府案には改善部分もありますが、それが住民生活を守る方向で活用される手続的保障がなく、また都市の過密を激化させる重大な改悪が含まれておりますので、反対の態度をとるものであります。
 また、修正案につきましては、この修正案によって原案の誘導容積制度などの改悪部分や運営上の問題点、非民主的な都市計画の決定システムなどが改善されるものではなく、反対の態度をとるものであります。
#11
○古賀委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#12
○古賀委員長 これより採決に入ります。
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、杉山憲夫君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○古賀委員長 起立多数。よって、杉山憲夫君外二名提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○古賀委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#15
○古賀委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、杉山憲夫君外二名より、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。杉山憲夫君。
#16
○杉山委員 ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
 一 用途地域の細分化に伴い、指定替えに際して安易な規制緩和が行われないよう地方公共団体を指導すること。
 二 誘導容積制度及び容積率の適正配分制度の運用に当たり、当該地方公共団体が安易な容積割増しを行うことなく、いやしくも、土地の高度利用によって大都市部における一層の集中を招くことのないよう指導すること。
 三 市町村の都市計画に関する基本的な方針の策定において、住民の意見反映が十分に行われるよう地方公共団体を指導すること。
 四 都市計画区域以外の区域における建築規制制度の適用に当たっては、区域の指定要件、条例による制限の基準等について、当該地方公共団体の自主性が発揮できるよう十分配慮すること。
 五 都市計画事業が円滑に実施できるよう、地方公共団体の財源の確保に十分配慮すること。
 六 地方公共団体における都市計画の専門家の養成を図るとともに、都市計画制度及び都市計画に係る補助・融資制度に関するマニュアルを作成すること。
 七 本委員会における論議を踏まえて、引き続き、都市計画決定に係る権限及び手続きについて検討を行うこと。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#17
○古賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#18
○古賀委員長 起立総員。よって、杉山憲夫君外二名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山崎建設大臣。
#19
○山崎国務大臣 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま修正議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○古賀委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#22
○古賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時三十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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