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1992/05/12 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 運輸委員会 第7号
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1992/05/12 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 運輸委員会 第7号

#1
第123回国会 運輸委員会 第7号
平成四年五月十二日(火曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 久間 章生君
   理事 今枝 敬雄君 理事 今津  寛君
   理事 坂本 剛二君 理事 武部  勤君
   理事 村田 吉隆君 理事 緒方 克陽君
   理事 山中 末治君 理事 春田 重昭君
      衛藤 晟一君    小里 貞利君
      木部 佳昭君    塩谷  立君
      二階 俊博君    橋本龍太郎君
      平泉  渉君    古屋 圭司君
      星野 行男君    細田 博之君
      増子 輝彦君    宮崎 茂一君
      山口 俊一君    赤松 広隆君
      貴志 八郎君    小林 恒人君
      関山 信之君    常松 裕志君
      細川 律夫君    浅井 美幸君
      草川 昭三君    佐藤 祐弘君
      高木 義明君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 奥田 敬和君
 出席政府委員
        運輸大臣官房長 豊田  実君
        運輸省運輸政策 大塚 秀夫君
        局長
        運輸省運輸政策 後出  豊君
        局観光部長
        運輸省鉄道局長 井山 嗣夫君
        運輸省航空局長 松尾 道彦君
 委員外の出席者
        環境庁自然保護 山口 和英君
        局施設整備課長
        大蔵省主税局税 窪野 鎮治君
        制第三課長
        厚生省生活衛生 織田  肇君
        局食品保健課長
        厚生省社会局更 松尾 武昌君
        生課長
        厚生省年金局資 川邊  新君
        金運用課長
        労働省職業安定 野寺 康幸君
        局雇用政策課長
        運輸委員会調査 長岡日出雄君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十二日
 辞任         補欠選任
  古屋 圭司君     石原慎太郎君
  星野 行男君     森  喜朗君
  細田 博之君     佐藤 守良君
  赤松 広隆君     加藤 繁秋君
同日
 辞任         補欠選任
  石原慎太郎君     古屋 圭司君
  佐藤 守良君     細田 博之君
  森  喜朗君     星野 行男君
  加藤 繁秋君     赤松 広隆君
五月十二日
 辞任         補欠選任
  古屋 圭司君     山口 俊一君
  増子 輝彦君     塩谷  立君
  左近 正男君     貴志 八郎君
同日
 辞任         補欠選任
  塩谷  立君     増子 輝彦君
  山口 俊一君     古屋 圭司君
  貴志 八郎君     左近 正男君
    ―――――――――――――
四月二十四日
 ハイヤー・タクシー、観光バス事業の規制緩和
 反対と諸施策の充実に関する請願(赤松広隆君
 紹介)(第一八二〇号)
 同(緒方克陽君紹介)(第一八二一号)
 同(小林恒人君紹介)(第一八二二号)
 同(左近正男君紹介)(第一八二三号)
 同(関山信之君紹介)(第一八二四号)
 同(常松裕志君紹介)(第一八二五号)
 同(細川律夫君紹介)(第一八二六号)
 同(山中末治君紹介)(第一八二七号)
 同(上田利正君紹介)(第一八八五号)
 東北地方における測候所の体制強化と気象庁予
 算の拡充に関する請願(渡部行雄君紹介)(第
 一九二九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第七〇号)
 地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観
 光及び特定地域商工業の振興に関する法律案
 (内閣提出第七一号)
     ――――◇―――――
#2
○久間委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林恒人君。
#3
○小林(恒)委員 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、これは大変大事な法律でもあり、国際化社会に向けて今後私どもが名実ともに具体化をしていかなければならない課題だろう、このように認識をしつつ、あわせて、久方ぶりの法改正でもありまするから慎重に対処することが大切かという気持ちを持ちながら一部改正法文を一読させていただきました。短時間でございますから断片になろうかと思いますけれども、御理解の上、御答弁を願いたいことが幾つかございますので御質問をさせていただきます。
 まず最初に、訪日外国人数の推移状況を見まするというと、昭和六十一年には約二百六万二千人であったものが平成二年には三百二十三万六千人と、五年間での増加数は百十七万四千人、これは実に五七%の増加となっているわけであります。その国別の内訳を見ても、アジア圏の人々が約百九十二万人、全体の六〇%を占め、北米圏の人々が約六十三万人、二〇%を占めているのが実態であります。この二地域の人々が一番多く我が国を訪れています。
 そうした中で平成二年の登録ホテルの施設数六百十九、客室数でいいますというと十一万六千六百十五、登録旅館の数千六百三十九で、全く宿泊施設が足りないという状況であろう。このような状況の中で今日まで外国人の宿泊先ほどのように確保されていたものなのかなということです。加えて、この訪日外国人の層ですね、ビジネスで来られる人あるいは観光で来られる人それぞれに、簡単に申し上げますというと高級旅館、ビジネスクラスで宿泊できるホテル、こういったものの絶対数は紛れもなく不足をしていると思いまするけれども、特にビジネスクラスの実情というのはどのようなことになっているのか、お答えを願いたいと思います。
#4
○大塚(秀)政府委員 最近は外国の方々の日本における旅行もできるだけ安い費用で旅行をするという傾向がふえていること、それから日本国内での日本人の旅行も業務需要等がふえている、この
両面からホテルの宿泊率も大変高くなっております。特にビジネスホテルは、その値段が手ごろだということから外国の方々もこれを利用する率が高くなっておりまして、特に大都市付近ではいつも満室というような状況が続いている。他方でビジネスホテルもふえておりますが、どこも相当込んでいるという状況でございます。大都市では九〇%ぐらいの率で部屋がふさがっているというのが現状でございます。
#5
○小林(恒)委員 昨年示されました運輸政策審議会の答申の中の「二十一世紀に向けた観光振興方策について」の中でも、同年七月の観光交流拡大計画の中においても外国人訪日旅行の促進に対する具体的施策が述べられております。運輸省としては今後この問題をどのような施策で具体化しようとしているのでしょうか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#6
○大塚(秀)政府委員 私ども、これからの観光というのはインバウンド、外国から来ていただく観光、アウトバウンド、日本から行く観光、双方向の観光交流を拡大していくことが大事だということで、昨年七月に観光交流拡大計画を策定したところでございます。
 この中で、先生ただいま御指摘の海外から日本に来る方々の観光対策を今後どう進めていくかという点につきましては、特に国際観光振興会の外客誘致活動をより充実していく、また最近のアジアからの観光客の増大等にも対応して、それぞれの国の言葉でのパンフレットを整備していかなければならないという点、それから従来日本の国内の旅行というのが奈良とか京都とか、定食コースといいますか定まったところでございましたが、できるだけ地方も見ていただく、日本人の生活の実態に触れていただくということで、全国に国際観光モデル地区を整備して、その地区では外国の方々が理解できるような英語等の標識板を整備するといったことで地方の国際化を図っていくということ、それから最近国際会議が頻繁に開かれるようになっておりますので、そういった国際会議が開かれるような施設を持った国際コンベンションシティーの整備をやっていく、さらには日本の地方において伝統的な文化、芸能等を発掘して外国の方々に楽しんでいただく、今申し上げましたような多方面の施策を今後充実させていくことによって海外からの来訪者により日本の実態、文化等を知っていただこうという考えでございます。
#7
○小林(恒)委員 今もちょっと触れられておりますけれども、観光関係の平成四年度予算の内容を見ますというと、観光交流の拡大関係で約三十億円、また地域の活性化、地方の国際化を図る予算が約三億円と、全体で三十三億円の予算内容の中で国際観光振興会に対する補助が二十七億円、これは実に八〇%を占めているわけです。
 この額が多いか少ないかというのは別問題としても、国際観光振興会の予算措置のために運政局の観光部があるように見えてなりません。そしてその他の観光振興に向けての予算措置が少ないと考えるのでありますが、運輸大臣は今後の我が国の国際化に向けてもう一つ頑張ってもらいたいなという気がするのであります。ここら辺の運輸省の考え方についていかがなものでしょう。
#8
○奥田国務大臣 国際観光にかけておる予算が言っておる割に少ないのじゃないかという御指摘であろうかと思いますけれども、外国人旅行者に対しての日本の宣伝、日本人旅行客の安全策等々のPRに関しましては、大変少ない予算の枠内ではございますけれども、国際観光振興会は全世界十五カ所くらいに事務所を設けてそれぞれ宣伝活動等々は地道に行っております。
 国際観光振興会もそういった海外事務所をつくって頑張っておるわけですけれども、確かに予算規模は御指摘のとおり三十一億くらいで、そのうち補助金総額は二十四億ちょっとという形の中で、非常に厳しい枠内ではありますけれども、しかし年々そういった形で増強も図っておるわけでございますし、ある意味においてはそういった海外旅行のソフト面のPRの面では、これで十分とは言いませんけれども、役割を果たしておると評価いたしております。
#9
○小林(恒)委員 運輸大臣も触れられておりますように、今日までの経過はそれなりにベースにしながらも、さらに国際化社会に向けてどう具体化をするか、こういう御認識を承りました。今回の国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案そのものは、私はある意味ではこれは当然抜本改正なんだろう。今回の法改正の趣旨、それから内容についてそういう認識なのかどうなのか、御見解を承りたいと思います。
#10
○大塚(秀)政府委員 今回の国際観光ホテル整備法の改正というのは、まさに先生御指摘のような国際観光の状況の変化に伴う改正でございまして、最近我が国を訪れる外客もその数が増大し、昭和五十年ごろには百万人を切っておりましたが、今では年間三百五十万人程度に達しております。しかも、その中でアジア地域からの来訪者の割合が急速に増加して、もう既に六割を超えておるところでございます。
 そういった点から、日本を旅行する際の宿泊ニーズにつきましても、一定の快適性を満たされることを条件に相当程度旅行者のニーズが多様化してきておりまして、従来の登録ホテルあるいは登録旅館だけでは十分に対応できない状況となってきております。
 また一方、今後は宿泊施設というハード面だけではなしに、外国の観光客に対する快適なサービスの提供とか適切な苦情処理などのソフト面についてもさらに充実していくとともに、外客の宿泊についての利便の増進を図る観点から、そういった外国の方に日本のホテルの内容の情報提供を行っていくことが求められております。
 今回の法改正は、このような状況の変化に的確に対応して、ホテルと旅館に関します登録基準をハード、ソフトの両面から今の時代、今後に適合するように見直すとともに、多種多様な外客の宿泊ニーズに的確に対応し得る宿泊施設、サービスの拡充を図ることをその内容としているところであり、先生御指摘のように、そういう面から見れば相当抜本的な改正を心がけたつもりでございます。
#11
○小林(恒)委員 第一条の目的の改正関係では、ホテルや旅館の外国客宿泊施設について登録制度を実施するとともに、これらの施設の整備を図り、あわせて外客に対する登録ホテル等に関する情報の提供を促進する等の措置を講じ、外客に対する待遇を充実するということでありますが、前段にも私ちょっと申し上げておりますけれども、具体的にはこれはどういうことなのか。
 情報を求めるお客さん、あるいはこれは我が国に到着をして以降だけの問題ではなくて出発をする段階で十二分に予備知識が得られるような対応、さまざま存在をすると思うのです。そういう意味では、こういう抽象的な表現だけでは非常にわかりづらい。
 もっと言えば設備を十二分にすればそれだけコストは高くなるわけでありまして、それだけが求められていることなのかどうなのかというのはいささか疑問に感ずるのでありまするけれども、多様なニーズの中でどういう対応をしようとしているのか、いま一つ具体性に欠けるように思うのでありますが、いかがでしょう。
#12
○大塚(秀)政府委員 今回の改正の背景としては、先ほども申し上げましたようにアジアからの来訪客がふえている、またアジア客だけではなしに欧米から来られる方々も低廉な旅行を求める層もふえているという点から、快適で安心して泊まれるホテル、旅館の対象も、従来のようにどちらかというとデラックス、ぜいたくな施設というよりも、そういった基準を満たす最低限のものという面を考えまして、客室数あるいは客室の広さ、またロビーの大きさ、食堂の面積等については従来よりも基準を緩和した、つまり施設面でいえばそれだけ施設の整備費用も少なくて済むということで、我々が使っている言葉でいえば一般のビジネスホテルのクラスまで登録の対象になる、その点では費用も安い、料金にも反映するのではないかと考えております。
 このようなホテルも対象として、しかし一方では相当ぜいたくな施設のホテルを求める方々もおられましょうから、このような多様なホテルについて料金とかサービス等について刊行物その他で情報の提供を行うことによってそれぞれの来訪客の方々のニーズに合わせて適切なホテル、旅館の選択ができるようにしようというのが情報提供の趣旨でもございます。
#13
○小林(恒)委員 ホテルや旅館の登録に関する登録基準についてはそれぞれ運輸省令で定めることになっているわけですね。ただ、今局長もおっしゃられている説明である程度わからないことはないのですが、私が心配をいたしておりますのは、登録ホテル・旅館の対象が拡大されることについての登録基準がしっかりしていなければならないということについてであります。利用者、特に外客に対するサービスが低下しないように配慮すること、それから登録基準の省令の策定に当たって関係者の意見を十分に配慮することが必要なのではないか、こんな気がいたしますけれども、この点今日までの手順はどのようになっておられるのか。
#14
○大塚(秀)政府委員 今般の改正は登録ホテル・旅館の拡大を目的としておりまして、特に施設、ハード面に関する基準は先ほど申し上げましたように若干緩和することにより、従来に比べてホテル、旅館の数が増加することは御指摘のとおりでございます。
 しかしその反面で、従来より外客からの苦情が絶えない英語でのコミュニケーション能力の充実強化を中心にしまして、外客接遇主任者を選任しなければならないという規定を新たに設けるとともに、外国語習得従業員の配置などのソフト要件については規定上これを強化しておりまして、そういった点では総合的に従来より外客に対するサービスの強化が図られるものと考えております。
 また、これらの基準につきましては従来法律の別表になっておりましたが、技術的なものが多いために、時代のニーズに弾力的に対応することも考え、これを運輸省令に落としておりますが、この運輸省令で基準を定める際には関係者の方々の意見も十分酌むような手順を踏んで定めていきたいと考えております。
#15
○小林(恒)委員 次に、指定登録機関というものが明示をされておりますが、これらについて何点かお伺いします。
 まずその前提として、この指定登録機関の指定とはどのように行おうとしているのでしょうか。
#16
○大塚(秀)政府委員 従来、登録については国が直接その審査事務を行っていたわけでございますが、行政改革の見地また登録事務を迅速に行うという観点から、新たに国が登録機関を指定して、その登録機関に登録事務を行わせることにしたわけでございます。
 これは、法律上登録を申請する機関があった場合には登録基準、これは技術的能力、経理的能力あるいは登録実施に関する計画が適切かどうか等の基準に照らしてその申請者が指定登録機関に適合しているかどうかを審査した上で指定するという手続でございます。
#17
○小林(恒)委員 今回、ホテル及び旅館の登録の実施に関する事務の全部または一部を行わせる指定登録機関、これは十九条第一項関係でありますが、及びその指定登録機関の指定を受けている法人、当該法人を情報提供機関として指定する、これは三十五条関係とする新たな機関が創設されることになるわけです。
 その指定登録機関には、運輸委員会調査室の作成資料によりまするというと社団法人日本観光協会が想定されていると明記をされております。これは運輸省の出した資料ではございませんで、運輸委員会調査室はどこからこの情報提供をされたのか私はよくわかりませんが、また同様に、四十一条第一項関係の民間団体による外客接遇の向上に関する事業推進における指定法人として社団法人国際観光旅館連盟が想定されると書かれております。
 新たに創設されるというか、これからいろいろな手続もあるものと私は理解するのでありますが、法律が成立をする前にもう指定する法人が決まっている、こんなことは今まで余り例がありませんでしたね。何回質問してもこの種のものというのは、それらは政令ができなければ、省令が定まった時点で枠組みが決まってくるのでありましょう、普通はこういう答弁になるのかなという気がいたしまするが、もう既にこんなことが明示をされて当たり前の真ん中のようにまかり通っているというのは私はちょっと奇異な感じがするのでありまするけれども、もう既に政令や省令はでき上がっているのですか。
#18
○大塚(秀)政府委員 政令、省令につきましては、この法律を御審議いただき、成立いたしました後、できるだけ早く制定したいと考えております。
 ただいま先生御指摘の指定登録機関あるいは指定事業者団体に何を想定しているかということでございますが、登録機関については、現在観光に関する民間の公益法人の中で中心的存在である日本観光協会が想定されるということは、決めたということではございません。日本観光協会の方でそういう指定登録機関になるべく今協会内で準備をやっておりますので、観光協会がそういう法律、政省令ができました段階で指定の申請をしてくるであろうと我々は考えているわけでございます。
 ただ、指定の申請をしてまいりましても、先ほど言いましたような登録基準から判断してこれが不適格であるという場合には指定ができませんで、法律上もとに戻って運輸大臣が登録事務を行うことになっている。しかし、法律で指定登録機関という制度を設けた以上、全く想定する団体がないのにこういう指定の条文を設けるというのもちょっと我々として問題かと思いますので、ある程度想定といいますか、こういう候補がいるということで日本観光協会という名前を挙げさせていただいたわけでございまして、既に当選しているとか当選確実であると申し上げているわけではございません。
 また一方、事業者団体につきましては、この登録ホテル、登録旅館の対象となります団体としては、現在、日本ホテル協会、全日本ビジネスホテル協会、国際観光旅館連盟、日本観光旅館連盟の四団体がございます。これらにつきましても、事業者団体として指定して従業員の研修あるいは苦情処理また法律の遵守の指導等を行う能力、体制があると判断した場合に指定いたしますので、これもそういう候補があるというように御理解いただきたいと思うわけでございます。
#19
○小林(恒)委員 余り局長らしくない答弁でして、普通ならここで、それじゃ委員会に政令、省令の原案ぐらいは出してしっかりと議論したらいかがですか、こう言いたいところなんです。こんなものが、法律がまだ衆議院の段階ですよ、これから参議院にも法律は回っていって審議をする過程で、ひとり歩きするなんという話は余り聞いたこともないし、お役所のやる仕事としては随分いいかげんなものだな、そんなに癒着しているのかなという気がしますよ。ここはもっと厳正でなければいかぬ、そう思います。だから、あえて私はこの問題についてこれ以上のことは言及しませんけれども、国際化社会に向けてという投網をかけて、大義名分を立てて大改正をしようという法律なんですから、もう少し慎重に取り扱いをしていただきたい。
 あと一点だけ御質問申し上げます。
 登録されるホテル及び旅館のメリットとしては減価償却資産の耐用年数の特例及び地方税の不均一課税等の特典があることになっています。具体的にはどういう内容なんでしょうか。これだけお答えください。
#20
○大塚(秀)政府委員 減価償却資産の特例につきましては、これは耐用年数について百分の八十二にするということで平成四年度税制措置で決まっておるものでございます。これは租税特別措置法に基づいてやることになっております。
 それからもう一つは、固定資産税の課税について地方公共団体が不均一課税をすることができる。百数十市町村において不均一課税によって固定資産税の軽減措置を現にとっているところでございます。
#21
○小林(恒)委員 私の持ち時間は終わりましたので、あとは同僚議員の質問にゆだねます。ありがとうございました。
#22
○久間委員長 常松裕志君。
#23
○常松委員 この法律改正案の勉強をするに当たりまして、私はホテル労連と呼ばれる労働組合の皆さんの御意見あるいは観光に携わっている観光労連の労働組合の皆さんの御意見を伺いました。またホテル協会、ビジネスホテル協会あるいは日観連、国観連の皆さんの御意見も伺う機会を持つことができました。ジャパニーズ・イン・グループと呼ばれる会員の方々のお話も伺うことができました。
 そういうお話を伺っている中で共通して出てきた言葉が、旅は文化だ、旅行は文化だ、こういう言葉を多くの皆さんから伺ったところでございます。ビジネスのときの旅もそうだろうと思いますが、特に観光の旅ということになりますと、旅行者はその国の自然、文化あるいは風俗、習慣、そしてそこに住む人々との心の交流を求めて旅をするのではないか、私はそんなふうに思います。
 このたび、この法案審議での勉強のためにお会いさせていただいた多くの方々もすべて、やはり外国人のお客さんに日本人の暮らしと日本人の文化とそれを支えている心、それを伝えていきたいというのが共通する皆さんの言葉でありまして、大変そういう点では感銘を受けたところです。
 本法案は施設整備と情報の提供ということを目的としているわけでありますが、それはそれで必要なことでしょうし、大切なことだろうと思います。しかし、もっと大切なことは、そこで働く従業員の方々の心のこもったサービス、あるいは経営者の皆さんの日本の文化を知ってもらいたいというお気持ち、そういう心が何よりも大切だろう、私はそんなふうに思います。
 運輸大臣は、観光振興の最高責任者として、こういう皆さんの御意見につきましてどんなふうにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
#24
○奥田国務大臣 今委員が適切に表現されたように、私も旅行は文化だと考えます。そしてとかく言われております日本人の心あるいは文化、伝統、そういったものを理解していただく。今度の法改正の趣旨も、まさに増大する外国客にハードの面ばかりじゃなくてソフトの面のそういったことを理解していただくことによって、国際交流の中でとかく誤解されがちな日本の立場を本当に理解していただく、その触れ合いの、出会いの一番大切な場所が旅館である、ホテルである、そういった意味合いから今度の法改正を意図したところでございます。
#25
○常松委員 そういう精神に基づいてつくられた法律であることを前提にしながら、以下やや逐条的にお伺いをいたしていきます。
 まず最初に、第六条についてでございますが、「客室の構造及び設備並びに数が、外客の宿泊に適するものとして運輸省令で定める基準」とあります。また、同六条一のロにはロビー、食堂についての省の基準とありますが、これらの基準について、及びハの項の基準についてもお示しをいただきたいと思います。簡単で結構ですからどうぞよろしくお願いします。
#26
○大塚(秀)政府委員 運輸省令につきましては、法律が成立しまして関係者の御意見も聞きつつ定めていくことになると思いますが、現在私どもが考えております内容を申し上げますと、まず客室の構造につきましては、ホテルでは床面積がシングルルームで九平米以上、ツインルームで十三平米以上であることなどを考えております。また旅館では四・五畳程度の広さがあることを考えております。
 それから客室の設備につきましては、ホテルではベッド、いす、テーブル、洗面設備を基準として考え、旅館では床の間、洗面設備などを考えております。
 また客室の数につきましては、ホテル、旅館ともに外客の宿泊に適した客室である基準客室について、その最低必要数及び総客室数に占める割合を考えており、現在より若干緩和する考えでございます。
 それから次に、ロビー、食堂の要件につきましても、これは現在も一定以上の広さがあること等がございますが、今回は収容人員に相応した一定の面積について今より若干緩和したいと考えているところでございます。
 それから、その他の要件につきましては、冷暖房の設置、外国語による案内標示、外国語を習得した従業員の配置、災害時の損害賠償能力などを規定するつもりでございます。
#27
○常松委員 以下、各条項について細かな質問をいたしますので、ぜひできるだけ具体的に、考えていらっしゃることを御答弁いただきたいと思います。例えば今の数のことについて、若干緩和するというお話ですけれども、若干緩和するのではなくて具体的にこの辺まで緩和したいというふうに、以下については具体的に御答弁をいただきたいと思います。
 そこで、第六条の七に「不健全又は不確実」というふうなことが書かれています。ホテルや旅館などの場合に、建築基準法とか公衆衛生法、消防法、そして従業員を雇用している以上、労働基準法などの遵守が当然であるわけですが、ホテル労連の皆さんのお話などを伺っておりますと、労基法百六条の就業規則の職場への周知義務違反などが相当多いというふうなお話を伺っています。この不健全、不確実という概念の中には労働基準法違反も含まれているというふうに承知をいたしておりますが、それでよろしいのでしょうか。
#28
○大塚(秀)政府委員 これは現在もある規定でございますが、ホテルなどの「経営が著しく不健全又は不確実」という要件を規定しておりますのは、外客の適切な接遇という観点から見て好ましくないホテル等を登録から排除しようとする趣旨でございます。
 ただいま先生御指摘の労働基準法違反につきましては、違反が直ちにこの要件に該当するということにはならないと思いますが、そのような違反の内容によって労使関係が著しく不安定になっており、経営の確実性が担保できていないなど、もはやそのホテルが外客に快適なサービスを提供できないような状況になっているというようなケースの場合にはこの要件に該当することとなろうかと思います。
#29
○常松委員 以前、ホテル・ニュージャパンの火災のときに、先ほど質問いたしました我が党の先輩の小林恒人代議士が、この消防法違反のようなことは再三指摘されていたにもかかわらず政府登録旅館であったということについて質問されているわけですね。この消防法違反とか建築基準法違反とか労基法違反というのは、私はこの大前提になっている法律だと思うのですね。
 そういう点では今の局長の答弁では私は大変不満でありまして、そうではなくて、著しく基準法違反とかではなくて、就業規則の従業員への周知徹底、こういうことがきちっとされていませんと、先ほど大臣が答弁されましたように、外国人の方々は最初にホテルの従業員、旅館の従業員の方々と出会うわけですね、その方々が気持ちよくお仕事をなさっていなかったら、そこでもう日本の文化とか日本の心というわけにいかないと私は思うのです。したがって、この法律の前提になっている法律でありますから、労働基準法についての今の局長の答弁では私は納得することができませんから、もう少し具体的に御答弁いただきたいと思います。
#30
○大塚(秀)政府委員 この法律に基づきます登録ホテル、登録旅館等が快適なサービスを提供するということを我々は指導していく必要がございますので、法律上の登録の抹消に至らなくても、いろいろな問題が生じた場合には事業者をその都度指導していく必要はあると思います。
 労働基準法違反につきましても、その内容によって、先ほど申し上げましたように外客の接遇上
問題があります場合には指導しなければなりませんし、それが不健全あるいは不確実という要件に該当するような場合には当然登録の排除という事態にも至るものと考えておりますが、これは一律になかなか申し上げられないので、ケース・バイ・ケースで慎重かつこの法の目的に照らして今後とも考えていきたいと思います。
#31
○常松委員 次に第十条の外客接遇主任者の選任の件について少し伺います。
 まず選任の基準、人数、仕事の中身、並びにこの中に「外客の接遇に関する業務の管理」というのが書かれていますが、これはどんなことを指しているのか、御答弁ください。
#32
○大塚(秀)政府委員 今回の法改正で外客接遇主任者の選任という規定を新たに設けたわけでございますが、この外客接遇主任者の要件につきましては、まず第一に、ホテルなどにおいてフロント業務等、外客の接客に関する業務を一定年数以上経験していることという実務経験を求めることとしたいと考えております。
 それから第二には、我が国を訪れる外客が一般に理解するであろうと考えられます英語に関しまして基礎的な能力、特に宿泊という場面で通常必要な内容を口頭でしゃべれる能力、これを求めることとしております。
 またその人数につきましては、通常は一人と考えております。
 それから、ここで「外客の接遇に関する業務の管理」という言葉がございますが、これは外国語を習得している従業員を採用して適切に配置するというような人事管理に関すること、それからホテル等の施設の中で外国語を標記して外国の方がそのホテルの施設等をわかりやすく判断する、そういう案内板の整備、こういった業務も行うことと考えております。
#33
○常松委員 選任の基準ですけれども、まず実務経験と言いましたが、その実務経験というのはどの程度の経験を指しているのですか。例えば、実務経験という場合もいろいろな実務の経験がありますよ。同じホテルに勤めておられても、実際に外客と接しているような実務経験、あるいは接していない、デスクワークをしている実務経験もありましょう。
 そういう実務経験という点について、及び英語の能力というお話がありましたけれども、それは一体大体どの程度のことを考えておられるのか。これは業界の方々も関係者の皆さんも大変心配していますから、この点はっきり具体的に答弁してください。
#34
○大塚(秀)政府委員 まず実務経験につきましては、デスクワークというようなものではなしに、外国の方と接することができるようなフロント業務を考えております。
 それから年数でございますが、これはどういう年数を経れば接遇主任者として十分かということについてもう少し関係者等専門の方々の御意見を聞きたいと思いますが、今のところ三年程度ではないかなというように想定しております。
 それから英語の能力につきましても、主任者でございますので、英検で三級程度以上かというように思っておりますが、英検の三級というような公的な資格でなくても、それと同等の能力があるような講習、研修を受けた方もこの対象とするというように今のところは考えております。
#35
○常松委員 この資格はライセンス制みたいに考えているのですか。
#36
○大塚(秀)政府委員 こういう要件を満たした主任者がいれば外客の接遇に十分であるという意味合いで選任するわけでございますので、ライセンスという制度とは考えておりません。
#37
○常松委員 関連して、「外客接遇上必要な教育の程度及び方法」とか、あるいは外客の利便の確保のために遵守すべき事項とかというのが第十三条にございます。私、これまたホテルで働いていらっしゃるホテル労連の皆さんやらあるいはホテル経営に当たっていらっしゃる方々のお話を伺っても、英語の能力が何よりも肝心だという話は余り聞きませんね。そうではなくて、差別をしない心といいますかね、そういうハートの方を非常に重視をされているのが特徴であります。
 今のお話でいいますと、あるいは私の聞き方が悪かったのかもしれませんが、実務経験が三年だ、それはフロント経験だ、そして中学卒業程度の英語の能力だということになると、そちらのハートの方といいますか心の方といいますか、そういうものは主任になる方にとって必要ないということにはもちろんならないわけですが、そういう点は余り重視されていないような質問の仕方を私はしてしまったわけですけれども、恐らく実際にはそうではなくて、第十三条にございますような、ある意味ではライセンスに通ずるような資格制度というよりは、むしろ本当にこれからふえていく外国のお客様に対して気持ちよく日本で過ごしていただくような、そういう心でもって接するというようなところがこの外客接遇主任者にとってのむしろ一番根本的な要件だ、そんなふうに私は思っておりますけれども、遵守事項のところについて考えていらっしゃることを少しお話しください。
#38
○大塚(秀)政府委員 遵守事項におきます「外客接遇上必要な教育の程度及び方法」の内容でございますが、これは現在も規定がございます。「外客接遇上必要な教育の程度及び方法」という点では、そのホテルで外客接遇上必要な程度の外国語会話それから接客技術について研修計画を定めて、これに従って従業員に教育を施すということでありますので、ただいま先生御指摘のように、外客の国籍により差別待遇をすることがあってはならない、こういった点も研修計画の内容には入れなければならぬ、ハートの問題も入れなければならぬと思っております。
 これは、この条文に基づく外客に接する従業員全部の問題でございますので、主任者については言うまでもないことで、ただその要件の中になかなかそういうハートの問題は書けませんので、むしろ研修その他でそういった内容を実現していきたいと考えております。
 それから、遵守事項の「外客の利便の確保のために」「遵守すべき事項」というのは、外客が一般の利用者の方とホテル従業員を容易に識別できるような制服とか名札の着用を義務づけるというようなことを考えているわけでございます。
#39
○常松委員 今の法律にありますこの「外客接遇上必要な教育の程度及び方法」というのは、現実には機能していないというか動いていないというか、あるいはこれに基づいた省令なり政令なりというのはつくられていなかったんじゃありませんか。それを今度は具体的に動かしていこう、今局長から答弁があったような形で動かしていこう、こういうことなんですか。
#40
○大塚(秀)政府委員 省令上は先ほど申し上げましたような規定がございますが、実際にこれを指導徹底しているというような点においては欠けるところがあったと思いますので、これからはますますいろいろな国籍の方々がホテルや旅館を利用する時代になると思いますので、この点も重視して運用していきたいと考えます。
#41
○常松委員 次に進みまして、十九条及び二十二条、先ほど小林代議士からもお話がございましたが、指定登録機関として日本観光協会を想定していらっしゃるという趣旨の御答弁でありました。その場合に、登録事務の不公平や不公正を排除するためにどういったことが担保されているのでしょうか。
#42
○大塚(秀)政府委員 登録事務の不公正の排除につきましては、指定登録機関による登録事務の不公正の排除に関して登録事務規程を作成して認可を受けなければならないという規定を設けております。
 それから、毎事業年度の事業計画を認可制にしておりますとともに、不正を働いた役員の解任命令、さらには指定登録機関の指定の取り消し等の規定を設けて今のような事態を起こさないように担保しているところでございます。
#43
○常松委員 これはあれですか、そういう今御答弁あったようなことは政令なり省令なりに書き込
んでいこうということなんですか、そういうことを具体的に。
#44
○大塚(秀)政府委員 ただいま申し上げました基本的な問題につきましては、例えば登録事務規程については法律の第二十四条に書いてございますが、その登録事務規程の具体的な内容については省令等で書き込んでいくということでございます。事業計画の認可は第二十五条にございます。そして、こういうことについての指定の取り消しにつきましては二十九条に規定がございまして、「この章の規定に違反したとき。」あるいは「登録事務規程によらないで登録事務を行なったとき。」というような規定が法律上も既にございますので、省令の整備と相まって今のような効果を上げることができると考えております。
#45
○常松委員 これは後で大臣にお尋ねもいたしますけれども、やはりこの法律に伴って絶えず出てくる疑問は、結局ランクづけされるんじゃないかという疑問みたいなものが出されてきておりますから、特に不公平、不公正のないようにきちっとした、特に先ほど小林議員から御指摘がありましたように日本観光協会を想定していると、そういう意味ではこれは行革審の趣旨に沿った措置であるとはいえ、しかしそういうところに、民間機関にゆだねるとするならば、本当の不公平、不公正が排除されるようなそうしたことがきちっと担保されなければならないと思いますので、ぜひその点は厳密な基準をつくっていただきたいと御要望いたしておきます。
 次に、先ほど小林委員からお尋ねをいたしました減価償却資産の耐用年数の特例について、これは大塚さんに御質問しますが、今度この法律によって広げられますね、登録ホテル・旅館が。それは全部適用されますね。
#46
○大塚(秀)政府委員 平成四年度の予算措置におきましては、税制上現在特別措置というのは大変厳しい状況でございまして、今までの対象となっております登録ホテル、登録旅館を対象にするということと考えております。
#47
○常松委員 逆に言うと、今度新しく政府登録をするホテル、旅館にはこの減価償却資産の耐用年数の特例は適用されないということなんですか。
#48
○大塚(秀)政府委員 平成四年度の税制措置においては適用されないということになります。
#49
○常松委員 それはおかしいですよね。もともとこの減価償却資産への耐用年数の特例の適用というのは、当時、外貨獲得のために観光を奨励していくということで行われたというふうな説がありますけれども、しかし、今現実にはホテルの場合でも国際的に非常に今度競争が盛んで、どんどんどんどん設備も更新していかなければならないような状況が一方にあります。それから、これも最後に大臣に御質問するつもりでおりますけれども、とにかく日本式の旅館やなんかがどんどんなくなっていますね。日本式庭園とかあるいは日本の本当の文化、旅の文化を継承してきたような旅館がむしろ廃業しているような事態を私は憂慮しているんですね。
 そういうときに、もう御用済みだからこの特別措置についてはむしろ廃止したり縮小していくようなことを、私は何となくそんなことを感ずるんですけれども、今度これを広げようというときに、では、広げて新しく設備をして外国人のお客さんを一生懸命おもてなしをしようというところについてはこういう措置が行われないということになりますと、これは一体ではどういうメリットが出てくるのかなということにもなるような思いがいたします。
 そういうわけですから、ひとつぜひ、特にあれでしたね、九〇年の十二月十一日の運政審の総合部会の国内観光小委員会の「提言」の中でもこの助成措置についての見直しか指摘をされておりました。そういうことを考えますと、私は、これは運輸省だけに頑張れと言うだけではなくて、やはり我々国会としてもこういう助成法をつくる以上、それが本当に頑張ってみようという方々にとって具体的にメリットのある法律にしていかなければいけない、そんなふうに思っておりますので、この点も運輸省に、大臣に強くひとつ御要望申し上げておきますので、ぜひ頑張っていただきますようにお願いいたします。
 次に、第三十四条のところをお尋ねいたしますが、ここではどういう情報を提供しようというふうに考えていらっしゃるんですか。
#50
○大塚(秀)政府委員 この条文におきます情報提供の内容でございますが、ホテルの名称、所在地、タイプ別の客室数、それからそれらの料金、こういった基本的な事項のほかに、対応可能な外国語の種類、それから身体障害者の受け入れ施設の有無、それから附属施設的なもの、プール等利便向上施設があるかどうか、レストラン、会議場等があるかどうか、こういったできるだけ幅広い、利用者にとって的確な情報が得られるような内容にしたいと考えております。
#51
○常松委員 この情報いかんによって実は、実際上ランクづけされちゃうというふうに皆さんが危惧の念を持っているのです。例えば、当たり前ですけれども、ぽんとコンピューターで打ち出したら一番最初に出てくる旅館と一番最後に出てくる旅館とじゃこれは当然お客さんの申し込み状況が違うのは当たり前でしょう。そういうことがどこでどう決まるのかということについて、皆さん危惧の念を持っているわけです。情報の中身とそれから提供の仕方ですね、これはどういうふうに考えているのですか。
#52
○大塚(秀)政府委員 そのように、情報の提供によって形式的にランクづけが決まるような提供方法は我々はやらないように考えておりますが、これはランクづけということではございませんけれども、料金はやはり高いホテル、旅館と安いホテル、旅館がある、料金がどのぐらいかということは、当然その格差ということも利用者にとっては必要な情報でございます。客室数が多いか少ないかということも必要な情報でございます。
 ただ、ハートの問題のように(ここの従業員はにこにこして愛想がいいとか悪いとか、こういうことは客観的に判断が難しゅうございますから、こういうことは情報提供の対象にはならないと思いますが、客観的に把握できるようなサービス内容、施設の内容についてはできるだけ幅広く提供するのが外客の方々にとって便利で、この条文の趣旨にもかなうのではないかと考えております。
#53
○常松委員 この情報の提供の仕方とかあるいは内容とかいうことについて具体的に詰めていくために、何か委員会とか審議会とかそういうものを準備していらっしゃるんですか。
#54
○大塚(秀)政府委員 これは、この法律を国会で御成立していただいた後で政省令の整備等と合わせて必要な内容を詰めていくことになりますが、この点につきましては、情報提供機関に幅広く関係者から成る委員会を設けて、いろいろな方の御意見を聞きながら適正な情報提供ができるようなものにするつもりでございます。
#55
○常松委員 そういう委員会の場合に、先ほど小林委員の質問で、この登録基準の方ではいろいろ幅広く関係者の意見を聞く、こういうことがありましたね。この今の情報提供の内容なりその情報提供の仕方などについて詰めていく委員会についてですけれども、この中に従業員の代表、そこで働いている方々の代表、具体的に私はホテル労連というような労働組合を想定しておりますけれども、そういう従業員の代表の皆さん、労働組合の方々などにその委員会の中に入っていただくということは考えていらっしゃるんでしょうか。
#56
○大塚(秀)政府委員 入っていただけるものなら入っていただきたいと考えております。
#57
○常松委員 それはぜひ入っていただきたいと私どもは思っております。やはりそれが先ほど冒頭申し上げましたように、現実に外国人のお客さん方に直接接するのは従業員の方々ですから、そういう方々と一緒になって、やはりどんな情報を提供していくのか、どんな仕方でしていくのが一番外国人の方々が喜ばれるのかということですから、そういう皆さんの声をぜひ聞いてもらいたいと思います。
 その点、今の御答弁をひとつ守っていただい
て、必ずひとつこの委員会には入っていただくように措置していただきたいと思いますので、もう一回力強い御答弁をお願いします。
#58
○大塚(秀)政府委員 入っていただくようにしたいと思います。
#59
○常松委員 その情報提供機関ですけれども、これはどこを考えているのですか。その指定登録機関、もう少し具体的に言えば、小林先生から強い御批判がありましたけれども、運輸省としては日本観光協会を考えているということなんですか、想定しているということなんですか。
#60
○大塚(秀)政府委員 どういうように表現したらいいか非常に難しいのですが、今の段階では社団法人日本観光協会において所要の申請をすべく体制の準備中であると聞いておりますので、そういう体制が準備され、かつ指定の基準に合えばそういうことになろうかと思っております。
#61
○常松委員 日本観光協会は今までそういうお仕事を現実にはしていなかったわけでありまして、その日本観光協会と現実にそのホテルのお仕事に携わっている、例えばホテル協会とかビジネスホテル協会とか国観連とか日観連とかあるいはこのホテル労連の皆さんとか、そういう方々との関係はどんなふうな関係になっているのですか。本当にそういうお仕事ができるような良好、密接、そういう関係に相互の関係はあるのですか。
#62
○大塚(秀)政府委員 現在は社団法人の性格上、それぞれの団体を代表する方が会員となっているだけでございますが、会員の中でもこれから情報提供という業務において極めて密接な関係を持ってくるわけでございますから、こういった事業者団体も情報源として重要であることにかんがみまして、定期的な連絡、会合を持つような仕組みを何らか考えて、相互に情報提供する、それから情報提供の仕方についてもいろいろ意見を聞いていく、そのような形になるように指導していくつもりでございます。
#63
○常松委員 それはぜひ必要だろうと思うのです。
 今ちょっと気になりましたけれども、そういう情報提供機関となるであろう民間機関が日本観光協会を想定しているとして、それが情報の相互の交換を図るのはこの経営者団体だけですか。こういうホテル協会とか国観連などの経営者協会だけであって、ホテル労連の皆さんの意見なんか聞かないということなんですか。それともやはりそこは密接に連携をとってくださることを想定していらっしゃるのですか。
#64
○大塚(秀)政府委員 情報提供の性格上、事業者団体の方々がいろいろな情報の追加的な情報源をお持ちだと思いますので、そういうところとの連携を強化していく必要があると考えておりますが、情報提供そのものは、これは幅広くいろいろな方にだれにでも提供するのでございますから、当然他の団体の方にも提供する。情報源として必要でございましたら他の団体からも逐次いろいろ情報収集していくというような形になろうかと思います。
#65
○常松委員 それ以上は詰めませんけれども、その収集していくニュースソースとして、冒頭の御質問で私は労働基準法のことを局長とやりとりしましたが、そういう点では、そういう基礎的な法律が遵守されていないようなところが適切な外客サービスができるわけがないのですね。
 ですから、今の御答弁で従業員の代表の皆さんの意見を聞くということもあり得るという趣旨に私は理解いたしましたので、これは今後、労働組合の皆さんの方もそういう体制をとっていく必要も一面としてはあるわけですから、ぜひそういうことを踏まえて、運輸省としても適切な御指導をお願いをしたいと思います。
 次に、その情報提供事業のうちの附帯事業というのがありますけれども、これはどんなことを考えていらっしゃるのですか。
#66
○大塚(秀)政府委員 これは現時点では、諸外国における情報提供の実態調査を行う、あるいは情報提供のあり方についての研究を行う、こういった研究調査事業を対象として考えているところでございます。
#67
○常松委員 次に、第四十一条の方に移ります。
 ここに指定法人というのが挙げられておりますけれども、この指定法人というのは、これも具体的にはホテル協会、ビジネスホテル協会、国観連、日観連などの社団法人を想定している、そのうちのどれか一つなんですか。それともこういう四つぐらいを想定しているというふうに理解してよろしいのですか。
#68
○大塚(秀)政府委員 この指定法人は法律の第四十一条の二項で次の事業を行う者となっておりまして、法律遵守のための登録ホテル業等を営む社員に対する指導、それから従業員に対する研修、外客からの苦情処理、その他外客接遇の向上に関する調査研究、こういう業務を行うことになっておりますので、こういう業務の行える事業者団体ということになろうかと思います。
 したがいまして、今登録ホテル、登録旅館を営む者が社員となっている社団法人としては、社団法人日本ホテル協会、社団法人全日本ビジネスホテル協会、社団法人国際観光旅館連盟、社団法人日本観光旅館連盟がございますが、これらの団体が申請をしてまいりまして、今のような業務が行えると判断した場合には指定いたしますので、必ずしも一つということではございません。
#69
○常松委員 わかりました。
 それで、これらの法人が、そうした研修等の事業の実施に当たってですけれども、この点についてもやはり現実にお客さんと接する従業員の皆さんの意見、具体的に言いますとそうした方々でつくっている労働組合、ホテル労連などの意見を聴取をすることなどがやはりあらかじめ行われる必要があると私は思うのです。その点はどんなふうに考えているのでしょうか。
#70
○大塚(秀)政府委員 この点につきましても、関係者の方々の意見がその事業に反映するように関係法人を指導していきたいと思います。
#71
○常松委員 だから、関係者というものの中にはそういう従業員の代表の皆さんが含まれているということですね。
#72
○大塚(秀)政府委員 従業員の代表の皆様も含んだ関係者の意見を反映させたいと思います。
#73
○常松委員 例の物流二法のときにトラック協会が今回の法律でいえば指定登録機関あるいはこの指定法人とひっくるめたような役割を持つようになっているのだろうと思うのです。それは別にして、あの物流二法の点についても後で私、ちっとも地域最賃が広がっていないということを、これは大塚さんとは別の部分ですけれども、あの法案審議のときに附帯決議でついた地域最賃制などがちっとも実施されていないということで運輸委員会で取り上げて質問しました。やはりそういうことが運輸業界の人手不足の原因の一つになっているのではないかというふうなことを指摘したのですが、この観光ホテル、旅館というのは、そういう意味ではもっと人、マンパワーが大事な分野だろうと思うのです。
 しかもそのマンパワーが、外国のお客さんに接していくマンパワーですから、心にそれなりのゆとりを持ったような方々がやはりお客さんに接していく必要がある。労使関係がぎすぎすしていたり、そういうことではなくて、やはりゆとりを持って接していくというふうなことが要求されている。したがって、今御答弁ありましたように、研修とかそういうことをするに当たってはなおのこと労働組合の代表の皆さんの意見を十分事前に聞く、あるいはその意見を取り入れるというようなことがその指定法人において行われますように、ぜひ適切な御指導をお願いしたいと思うのですけれども、そういう御指導をお願いできますか。
#74
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘の点を十分踏まえたいと思います。
#75
○常松委員 第五十条について御質問いたしますが、省令の作成される時期はいつごろを想定しているのでしょうか。もっとも、時期といってもこの法律が通過をしなければどうにもなりませんけれども、今国会中には通過するというふうに想定をして御答弁してください。
#76
○大塚(秀)政府委員 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとなっております。御指摘の運輸省令につきましては、法律の施行日までの間に関係者に対する周知期間を勘案しながら公布していきたいと考えております。
 法律の公布というのは、成立の時期とも関連するわけでございますが、法律の施行が来年五月までに行うこととなるとしました場合には、省令は本年末まで、できるだけ早い機会に公布するということになろうかと思います。先ほど、省令もできていないのに指定機関を想定するというお話もございましたので、省令についてもできるだけ早く固めていきたいと思っております。
#77
○常松委員 大体秋ごろまでということだろうと思うのですけれども、この点につきましてももう言わずもがなかもしれませんが、省政令の作成に当たってはホテル労連など関係労働組合との事前協議が行われると承知しておりますけれども、それでよろしいですね。
#78
○大塚(秀)政府委員 そういう御要請がございましたら、そのような形で意見を反映させる場を設けたいと思います。
#79
○常松委員 最後に運輸大臣に幾つかお尋ねをいたします。
 先ほどもちょっと途中で触れましたが、この法律改正案に絡んで新聞やらマスコミは、運輸省はランクづけや星印をあきらめたわけじゃないのじゃないか、再挑戦してランクづけをしていこうと考えているのじゃないかというようなことがテレビでも取り上げられたりなんかしているわけです。また、現実そういう御心配をしている向きもございます。この点について大臣の御見解を伺わせてください。
#80
○奥田国務大臣 今回の法改正は、できるだけ外人客を含めましてふだん着の旅行と申しますか、ある程度ソフト、ハードのサービスができ得る、そういった形で制限を緩和してきた、安心して泊まれるという一つの公証といいますか、そういった形で制限を緩和して拡大しようというところに意図があるわけでございます。
 したがって、それに伴いましてできるだけ適正な料金情報を含めてこれをわかりやすくしてあげる、こういったことも当然伴ってまいりますけれども、大体最低限の条件を満たしておるということが非常に大事なことで、ランクづけというものは施設面だけのサービスではなくて、いわゆるソフト面のそういった心のこもったサービスも当然重視されるわけですし、ランクづけをやろうなんという形は、フランスなんかのような、恐らくそういったことを委員も連想されてのことであろうと思いますけれども、それはする必要がないのじゃないかな。
 ランクづけというのは、利用者がいろいろな情報を総合されて決められるというか、そういったことをやられることは、利用者サイドにおいてやられることは一向構いませんけれども、行政面でそういうランクづけという形をする方向ではありません。はっきり申しましてそういう気持ちはありません。
#81
○常松委員 ありがとうございました。
 次に、この法律は今大臣からも御答弁ございましたように、いわば基準を緩和して登録ホテル・旅館の数をふやそうというものであるわけでありまして、その点私も賛成をするものであります。
 しかし、さらに進んで申し上げますと、登録ホテルあるいは登録旅館をふやすだけではなくて、すべてのホテル、すべての旅館というふうに言ったらちょっと極端かもしれませんが、とにかく健全に確実に経営され、営まれているようなすべてのホテル、すべての旅館が外国のお客様をお泊めすることができるようにしていくのが観光行政としての今後の目標とすべきところじゃないかと私は考えております。
 外国人の観光客が大幅にふえて三百五十万に達する。すぐ近くの韓国や台湾からのお客様がふえ、アメリカ、ヨーロッパのお客様を上回るようになって、そして恐らくその傾向はこれからもっと広がっていくだろうと思っております。また、ツアーではなくて個人の、あるいは御夫婦だけの観光で、しかも長期に滞在されるお客様もふえているという話であります。
 そういう状況であるにもかかわらず、一般的にいいますと旅館、しかもその大部分を占めております小規模な旅館の方々は、外国人のお客様に対して自分は英語ができないからといって敬遠されるという傾向が一般的にある、こんなこともまた伺っているのですけれども、それでいいのかなというふうに私は常々考えているところです。
 この本法の改正によりまして逆に、うちは外客接遇主任がいないから、だから外国人観光客の宿泊をお断りするというようなことであるとか、あるいは登録ホテル、登録旅館だけに外国人の観光客の宿泊が集中するというふうなことになっていいのだろうかというふうにも心配するわけです。むしろそうではなくてこの法律の根本的な理念というのは、今後さらにふえていく外国のお客様あるいは長期にわたって滞在する外国人観光客の方々なども想定しながら、そうした外国人の方々をすべてのホテル、すべての旅館が受け入れていくような、そういう心の準備を観光行政として、あるいはホテル、旅館に対する振興策として打ち出していこう、そういう趣旨の改正だというふうに私は受けとめているのですけれども、それでいいのでしょうかということなのです。
 実は私はこの間ジャパニーズ・イン・グループの方にお話を伺って非常に感銘を受けました。この方は親子三人だけの、しかも十二室で旅館をやっていらっしゃるのですが、外国人のお客様専門で経営されておられまして、昨年一年間に五十カ国、六千百人のお客様をお泊めしたということなんです。客室の稼働率が九三%で、夕御飯を出していないにもかかわらず貸し室料だけで経営も立派に成り立っている、こういうことでした。
 パンフレットを見て驚いたのですけれども、一人部屋でバスなしの部屋で四千二百円または四千五百円、二人部屋でやはりバスなしのお部屋ですが七千八百円、バスがついていて八千四百円という非常に安い料金。ですから外国のお客さんが長期に滞在できるわけですね。一カ月も二カ月も滞在できる。そういうジャパニーズ・イン・グループ加盟の、七十四旅館あるんだそうですが、ほとんど全部十部屋前後の旅館でありまして、今回の政府登録基準になっても政府登録にならない、そういう客室でもありますし、また中の設備もそうであるにもかかわらず、今でも立派に外国のお客さんに喜んでいただいて国際交流に貢献をしているというふうに私は受けとめて帰ってきたのです。
 この法律は、こういう経営者の方々を、もうあなたのところは外国人客を泊めなくていいよということでは全然なくて、むしろそういう方々を鼓舞し、激励して助成していくということこそ今後されていかなければいけない、こんなふうにも思うのですけれども、大臣のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
#82
○奥田国務大臣 結論から申しますと、助成ということ、直ちに小規模旅館のそういった形の、制度的な融資に対してお力になっていくことはいろいろできると思うのです。例えば中小企業金融公庫なり国民金融公庫なり環衛公庫なりの形でそういった面での優遇策といいますか、振興のためにお手伝いすることは当然してまいらなければならないと思います。
 しかし、今お話のあったことを聞いて感じたのですけれども、そういった小規模ないわゆるジャパニーズ・イン・グループの皆さんですか、そういった方々が心のこもった家族サービスで、むしろそのことが大変ないい印象、そしてあなたの先ほど御指摘されたように滞在を通じて日本人の心、文化、そういったものの理解をしていただくには、本当にある意味においてはもってこいというか、むしろそういった小規模な形であっても家族ぐるみで心のこもったサービスをされるような形は本当に大切であると思います。
 今度の法改正による登録基準の緩和は、やはり
安心して、むしろそういった方たちは外人旅行客でも通の人で、要するにもう日本のそういった理解度も深い、そういった形の固定客的な人はふえても減ることはないと思います。そういったことで、むしろ小規模旅館に対して、一番大切な外人客に対する心のサービス、そして伝統、慣習も理解していただくという面においては、私たちは今後とも積極的に御支援申し上げてまいりたいと思います。
#83
○常松委員 お願いいたします。
 最後になりますが、先ほど御質問いたしましたように日本式の旅館が非常に減っています。しかし大臣あるいは運輸省に頑張ってもらわなければいけないのは、外国人のお客さんたちに、日本ではニューヨークでもパリでもどこに行ってものホテルじゃなくて日本の旅館、日本式の伝統のお庭があったりあるいはそういう調度品や日本の旅館伝統のサービスなどが行われるような日本式の旅館、むしろこういうものを保存をし援助していきながら、そういう旅館に外国のお客さんに接してもらっていく必要がある、私はそういうふうに思っているのです。
 ところが実際にはそれが減っている。また今度の地価税によって廃業なんということも、そういう日本式旅館があるということも私は聞いているわけでありまして、大臣、ぜひひとつそういう日本式の旅館を助成していくということを何かの方法で検討してもらいたいと思っているのですが、それについての御決意を承りまして私の質問を終わります。
#84
○奥田国務大臣 日本式の旅館は、先ほども申しましたように今度の法改正で一般ホテル、通称ホテルという形の中に旅館を大いに入れる形で、そしてむしろそういった外からのお客さんに日本式旅館のよさというものを安心して利用していただきたいという願いも込められておるわけです。
 確かに日本式旅館が少なくなっていくという形は、特に東京のような大都市部の場合においては非常に難しくなってきておるなという面もあります。というのは、日本式旅館ということになると単に畳の和風の部屋ということじゃなくて、そこにつきものの一つの大切な要素は日本式庭園、下手なロビーの豪華さを誇るよりそういった和風庭園によって心が和む、そしてまた日本の文化を理解してもらうという点においては必須の主要なサービスであり施設であると思います。
 そういったことで、恐らく委員の御指摘は、和風旅館の厳しさというのはこの土地の高いときにその庭園を維持していかなければいかぬとかそういったことも含まれるのであろうと私は思います。ですから私たちとしては、経営者のそういったサービス、庭園サービスも含めて施設を維持していこうという御苦労はわかります。わかりますけれども、これを今すぐ税制面でどうするとか助成策でどうするとかという形でお答えするわけにはいきませんが、私は、和風旅館は日本庭園の維持も含めて恐らく今後訪れる外人客にむしろ一般的なホテルよりも好まれるであろうし、またそういった適正な情報提供をすることによって日本型旅館のお手伝いができるんじゃなかろうか、そういったことも含めて今度の法改正をやったということで御理解願いたいと思います。
#85
○常松委員 終わります。ありがとうございました。
#86
○久間委員長 赤松広隆君。
#87
○赤松委員 それでは、私からも国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案について御質問を申し上げたいと思います。
 本法案の大綱につきましては、また主要なポイントにつきましては既に小林委員あるいは常松委員からそれぞれおおよそ質問もなされてまいりましたので、私からは、お二人の質問でさらに詰めなければならない点あるいはすき間の部分といいますか残った部分について御質問を申し上げ、それからあとはもう一つ、レジャー・観光政策全体を振興するという立場から、ちょっと話が大きくといいますか全体の問題になりますけれども、そんなことも含めて質問をさせていただきたいというふうに思います。
    〔委員長退席、今津委員長代理着席〕
 さて、先日提案理由の説明をいただきまして、この中で大臣からは、現在の国際観光ホテル整備法に基づくホテル等の登録制度は昭和二十四年発足以来、外客接遇の充実を通じ国際観光の振興に大きな役割を果たしてきた、こういうことを認めつつも、今日の我が国を取り巻く国際環境の著しい変化に伴い、外客の数の増大等によって、一つには宿泊ニーズの多様化、二つには数、質とも従来型登録ホテル・旅館では対応し切れなくなってきている。その結果、今後ハード、ソフト両面にわたって外客に対する快適なサービスの提供、適切な苦情処理、宿泊に関する利便という意味での適切な情報提供等が求められているというお話があったわけであります。
 そのために時代、状況の変化に的確に対応し、ホテル及び旅館に係る登録基準をハード、ソフト両面から見直す、そして多種多様な外客の宿泊ニーズに的確に対応し得る宿泊施設、サービスの拡充等を図ることを目的とする法律案なんだということが提案理由の中で述べられたわけでございます。
 別の立場からいえば、今後の日本の運輸・交通・観光施策の方向を示したいわば指針とも言える運輸政策審議会答申を受けての法案でもあると言うことができるのではないかと思っております。
 観光政策面でいえば、運政審答申の具体策としての「観光交流拡大計画(ツー・ウエー・ツーリズム21)」に沿った中身になっていると思っておりますし、期間内達成を果たしたテン・ミリオン計画のポスト計画としての観光交流拡大計画が意図する外国人訪日旅行の促進策としての法案だとも言えるのではないかと思います。一言で言ってしまえば、具体的に言えば、外客宿泊施設のハード面においては緩和をする、一方でソフト面では充実を図っていく、こんなところがこの法案の主眼ではないかということを私は理解をしているつもりでございます。
 そういうことを前提にしながら、以下順次質問をしてまいりたいと思います。
 まず一つは、先ほど小林委員あるいは常松委員から、指定登録機関あるいは苦情処理等を行う民間団体が、申請によってその指定法人といいますか、四十一条で規定をしておる指定法人の問題、これはそれぞれございました。いろいろと答弁もいただいたわけですが、ちょっとここで詰めていきたいのは、四十一条ではこの指定法人というのは社団法人というようなことが明記をしてあるわけですね。この指定法人の性格といいますか、社団法人でなければならない、あるいはある意味ではそういう公益性を持った団体であればいいのか、その辺のちょっと詰めの話をここでやはりきちっとしておく必要があるということで、まずその点をお伺いしたいと思います。
#88
○大塚(秀)政府委員 この四十一条には指定法人としては「登録ホテル業等を営む者を社員とする」社団法人と言っておりまして、具体的に言えば事業者団体ということになろうかと思います。
 このように限定いたしましたのは、そのような事業者団体が自主的に法律の遵守というようなことについて自己の社員、つまり登録ホテル、登録旅館を営む事業者に指導をしていく、あるいはみずから国際観光の振興のために外客に接する従業員の研修を行っていく、あるいは苦情を処理する、この法律の目的を達するための業務を事業者団体が積極的に自分で行っていくというための法人でございますので、自然に事業者団体という形での社団法人に法律上限定されている次第でございます。
#89
○赤松委員 事前にお話も聞いておりましたり、あるいはききつの答弁の中でも、この指定法人というのはホテル協会を初め四団体をおおよそ想定をしているように私は理解をしております。
 ただ、あくまでもこれは民間団体からの申請に応じて運輸大臣が指定をするということですから、四団体は多分申請してくるでしょうけれども、それ以外のこれに類する、今の大塚局長さん
のお話ですと研修をしたりあるいは旅行によっていろいろな苦情があったときに苦情を受けたりというようなことでありますと、いわゆるその業界に従事をする人たちで組織をしておる団体というのはもっと幅広くいろいろあるわけですね。
 しかも問題は、その団体が希望しなければ別ですけれども、希望をして、うちは社団法人じゃないけれどもこういう公益性を持った団体なので、ぜひこの民間四団体に加えてうちもそういう役割をやらせてほしいというふうにお話があった場合にどう対応されるのか。
 具体的にわかりやすく言えば、例えば今、観光労連とホテル労連が一緒にレジャー・サービス労連というのをつくっていますし、ホテル労連はホテル労連でありますし、ホテル労連は帝国ホテルだとか主要なところが全部入っていますから、そういう意味でいえば働く立場、経営する立場、いろいろ違いはありますけれども、業務の実態が一番よくわかっている団体でもあるという意味で、これは考え方たけき上うお話しいただければ後の詰めの話は具体的に私どもでまたやらせていただきますけれども、そういうところが希望した場合の対応をどうするのかという基本的な考え方だけお聞かせをいただきたいと思います。
#90
○大塚(秀)政府委員 四十一条はそういう事業者団体を指定して書かれてあります事業を実施するということを規定したものでございますので、例えば従業員の研修等について、その他の機関が、法律上ではないですが、業界の発展のため、従業員の発展のためにやるということを排除したものではございませんので、そういう団体がおやりになる分には決して我々としては否定するものではございません。
#91
○赤松委員 大塚さんはそういう答弁のされ方をすると、ちょっとそれは僕の質問の趣旨とずれているのですよね。
 僕が言っているのは、勝手にやるというのではなくて、四団体と同じような形で指定法人としてぜひ申請をしたい、運輸大臣から指定をしてほしいんだということが来た場合に、初めから門戸を閉ざしてしまうのか。それとも、これはほかの例ですけれども、例えば日教組あたりが社団法人の資格を取ってどうこうなんという、それは別の意味でやっているのですが、そういう具体的な動きもあるわけですから、では労働組合を社団法人化すればそういうことも法的には可能というようなことで考えるのか。
 僕は、その辺の基本的なこと、いろいろな問題点はあると思いますよ、実際に入れようと思うとクリアしなければいけない問題はいろいろあると思いますけれども、そういう細かな点はともかくとして、基本的な姿勢としてそういう団体をも受け入れられる要素はあるのかどうか、姿勢はどうなのかということを聞いているのです。
#92
○大塚(秀)政府委員 四十一条第一項で、「登録ホテル業等を営む者を社員とする」「社団法人であって、次項に規定する事業を」云々と書いてございますので、登録ホテル業を営む者を社員とする社団法人以外は申請ができません。法律上はそういうことでございます。
#93
○赤松委員 必ずしもその御答弁に納得したわけではありませんが、いろいろな方途があると思いますので、これについては具体的にこの後詰めていきたいというふうに思います。
 それからもう一つは、法律の施行日と政省令についてですが、法では「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」ということになっています。これは周知期間等々の問題がありますので、おおよそ来年の五月ごろというふうに理解して、まず法律施行日ですね、よろしいかどうか。
#94
○大塚(秀)政府委員 これは法律の成立時期にもよりますが、五月ごろまで、できますれば切りのよいところで四月一日というようなことを今念頭に置いております。
#95
○赤松委員 四月一日が施行日とすれば、当然その間に政省令を出して、やはりこれもまたそれなりの周知期間、猶予期間がなければいかぬということでありますから、先ほどの御答弁ですと本年末までということであったのですが、省令は秋ごろというふうに、九月、十月ごろというふうに理解をしておいてよろしいですか。
#96
○大塚(秀)政府委員 先ほどから御答弁させていただいておりますように、省令をつくる段階でも関係者の方々の御意見を聞くこととしておりますので、関係者の方々の御意見が早くまとまればそれだけ省令も早く出せる、できるだけ早く省令も制定したい、そういうつもりで作業を進めていくこととしております。
#97
○赤松委員 関係業界、関係組合からいろいろ話を聞いていただいて慎重に対応していただけるということは大変ありがたいことなんですが、それに加えて、この省令の中でいろいろ定められることによって本当にこの法律が生きてくるのかどうか決まってくると思っておるのですね。
 例えば主任者も配置をしなければいけないということになるわけでありまして、当然猶予期間等についてもこれはその中で二年とか三年とかいうようなことを省令の中で定めると思いますが、どんなふうにこの主任者配置の猶予期間について考えていくのか。
 例えばあと僕らが見まして、ここにあらかじめいただいた省令の新基準案なんというものがありますけれども、例えば空調設備等にしても、今までの現行基準でありますと適当な採暖設備があればいいということですが、今度は冷暖房設備ということで多分書かれてくるだろう。
 そうなってきますと、例えば北海道の寒い方で冷房なんというのはもう全く必要ないわけでありますし、沖縄の端っこではこれまた暖房なんというのは必要ないというようなことで、多分その辺のことは皆さん方ちゃんと配慮をして、省令の中にそういう特殊な地域についてはこうだというようなことを書かれると思いますけれども、一、二例を申し上げましたが、非常にそれによって法律の性格も変わってくるし、その趣旨が本当に生かされてくるのか生かされてこないのか、省令によって決まると言っても過言ではないと思っていますので、その辺のちょっと考え方を聞かせていただきたいと思います。
#98
○大塚(秀)政府委員 今私どもが省令の基準案として御説明なりいろいろなところで申し上げているのは、あくまでも現段階での我々の案でございまして、基本的なことを書かせていただいております。あるいは話させていただいております。
 したがいまして、今先生御指摘の冷暖房ということにつきましても、沖縄につきましては暖房が要らない、あるいは北海道のあるところについては冷房が要らないとか、上高地ではどうと、地域的ないろいろな問題がございますが、そういうものについてはきめ細かく配慮していくのは当然だと考えております。
#99
○赤松委員 主任者のあれが抜けているのですが。
#100
○大塚(秀)政府委員 接遇主任者の選任につきましても、実態を見て必要な猶予期間を設け、例えば一年さらに施行期日よりも猶予期間を設ける等の措置をするつもりでございます。
#101
○赤松委員 わかりました。
 さて、ちょうど今手元にこういうグラフがあったので持ってきたんですが、主要国籍別地域別訪日外客数の推移ということで、これはわずか六年間ですけれども、こういうグラフがあります。わずか六年間ですけれども、この六年間でも、どの国からどれぐらいのお客さんが日本に訪れたかということを見ましても大きな変化があるわけですね。
 先ほども御指摘はありましたけれども、一言で言えば欧州あるいはアメリカ地域から、昭和六十年ごろにはその地域の人たちが、アメリカが一番で欧州が二番というような形で多かったのですが、平成元年にはそれが逆転してアジア地域、特に韓国、台湾というような来訪者が多くなってきている。今後ますますその傾向が強くなりそうだというような、グラフでは私ども素人が見てもそのような感じがするわけです。
 運輸省として今後五年十年、この訪日外客数はどういうふうに変化をしていくと見通されているのか。国別の内訳等についても、今後はこういう地域からが多くなりそうだというような形での見通しもお持ちになっておられると思いますので、それをお伺いをしたいと思います。
#102
○大塚(秀)政府委員 訪日外客数につきましては、それぞれの国の事情、所得水準の伸び、経済状況によって変化いたしますので、我々として具体的な数字としての今後の見通しは持っておりませんが、当然、今まで述べてまいりましたように平成三年における三百五十三万人が四百万人になり四百五十万人にふえていくものと考えております。
 方面別としましては、これからの所得水準の向上等を勘案しますれば、現在六二%を占めておりますアジア地域の方々がさらにふえていくだろう。その中でも人口の多い中国からの訪日客がふえていくことも当然予想されますし、韓国あたりでも海外渡航の自由化に伴って、隣国でございますからもっと大幅な伸びを示すと考えられます。
 ただ、率はともかくとして、私どもとしては、日本を理解していただくということが国際相互理解あるいは国際摩擦の解消の上でも必要でございますので、アジアに限らずアメリカ、ヨーロッパの諸国からももっともっと日本へ来ていただきたい、そういうPRをしていかなければならないと考えております。
#103
○赤松委員 中国初め韓国、ある意味で言えば国交回復をしていけば南北朝鮮という意味で、これらの近くの地域からはさらにふえていくだろう、私もそのように思いますし、今局長が言われましたようにロングポーションといいますか、もうちょっと遠いところからもどんどん来ていただけるような受け入れの態勢もづくっていく必要があるだろうというふうに思っております。
 これは参考にちょっとお伺いするのですが、今はこっちへ入ってくる方の話ですけれども、今度はアウトバウンドの方です。外国へ行く日本人、例のテン・ミリオン計画、これも期間内達成ということで大変喜ばしいことですが、この海外への日本人旅行者についても今後どういうふうに推移をしていくと見ておられるのか。簡単でいいですからお答えをいただきたいと思います。
#104
○大塚(秀)政府委員 平成三年における日本人の海外旅行者数は、湾岸危機の影響のために若干減っておりますが、依然千六十三万人に達しておりまして、今後これがふえていくことは確実だと思います。
 年齢別に見ますと、男性の場合には四十代、中年の方の海外渡航が比率として最も多いのですが、その目的が五〇%以上が業務目的でございます。それから、女性の場合には二十代が圧倒的に多い。これはほとんどが観光目的。
 そういうことから考えますと、これからの伸びというのは、男性、中年の方が観光目的で、これから労働時間の短縮、余暇の増大等でもっと海外に行かれるのではないか。それから、高齢化社会を迎えて、高齢者の方々がゆったりとした海外旅行を楽しまれる。それから女性の場合は、現在は二十代、結婚前が圧倒的に多うございますが、むしろ中年の婦人の方のこれから海外へ渡航する機会がふえてくる。そういう世代を中心に、全体的にはさらに伸びていくと我々は考えておりまして、そのような対策もきめ細かく講じていくつもりでございます。
#105
○赤松委員 そのような見通しのもとで外国人訪日旅行をさらに促進をする、そういう立場で、何が今一番足りなくて、何が今一番求められているのかということを、運輸省の基本的認識といいますか、お伺いをしたいと思います。
 私が考えますには、ソフト面、特にこうした外客受け入れに伴う人材の育成やサービス、情報の提供等が極めて欠けていると思いますが、その点についてはどうか、お伺いをしたいと思います。
#106
○大塚(秀)政府委員 いろいろな面で今後外客受け入れのためのハード面、ソフト面、両面での充実をしていかなければならないと考えており、今回の国際観光ホテル整備法の改正もその一環でございますが、さらに地方の国際化という時代において、地方における国際観光モデル地区の整備、それには国際化の時代に備えた外国語の標識の整備、また英語等の通訳案内業者の配置、いろいろソフト面でもやることがあると思います。
 いずれにしましても、単に従来の京都、奈良、日光といった有名な観光地に限らず、日本人の本当の生活実態を知っていただき、国際交流、国際理解の実を上げるために、全国的に国際観光客の受け入れのための施策を充実していかなければならないと考えております。
#107
○赤松委員 それでは次の問題について、それに関連して行いますが、外客接遇主任者についてはこの法律でもうたわれておるわけでありまして、それなりの方策がとられるということなんですが、それではその外客接遇主任者以外の登録ホテル・旅館従事者への研修は全くしなくていいのか。そんなわけにいかないだろう。では、研修なりはどのように行うつもりでいるのか。
 これは直接的には運輸省がするというのではなくて業界団体がするということになると思いますけれども、むしろそういう共通のマニュアルみたいなものを用意する必要があるのではないか。あるいは業界団体に全部任せてしまうのもいいけれども、それこそそこに働く人たちからも、あるいは行政の立場からもいろいろな意見も聞き、意見も言うということが必要ではないかと思っておりますので、その辺についてどう考えておられるのか、お伺いします。
#108
○大塚(秀)政府委員 先ほども先生御指摘いただきました事業者団体の指定におきまして、その事業の一つとして、外客に接する従業員の研修という項目がございます。こういう項目に基づいて事業者団体の方々も、外客接遇主任者以外の一般的な外客に接する従業員の方への、これは単に語学の研修だけじゃなしに先ほどからも話題になっておりますいろいろな心の触れ合いといいますかサービスも含んだもの、それから国籍によって差別をしないというような対応、そういった研修も含まれると思いますが、語学研修もそのような場で行うことを我々は期待しており、また必要がありますればそういった研修に共通に使えるようなマニュアルを整備していきたいとも考えております。
#109
○赤松委員 ぜひそういう方向で御努力をいただきたいと思います。
 それから、通訳案内業者の育成はどのように今後行っていくおつもりか。現状で数、質とも十分ということではないと思っておりますので、その点についてどう考えられるのかお答えをいただきたいと思います。
#110
○大塚(秀)政府委員 通訳案内業と申しますのは、報酬を受けて外国人に付き添い、旅行に関する案内をする業をいいます。これを営むためには、運輸大臣の行います試験に合格し、かつ都道府県知事の免許を受けなければならないこととされておりまして、平成三年度までの通訳案内業試験の合格者は累計で一万一千百十四人、また平成三年四月一日現在の通訳案内業者、これは免許を受けた者の数は全国で四千三百三十一名でございます。
 通訳案内業試験につきましては、訪日外客数の増加などを踏まえまして昭和六十三年度から口述試験を重視するなど試験方法の内容を改善しまして、その結果、試験合格者の質は維持しながらも毎年の合格者はそれまでに比べほぼ倍近い数の年間五百人から六百人程度に増加しております。また、通訳案内業の試験に合格はしていますが免許をまだ取得していない者もかなりの数に上ることを踏まえますと、将来外客数がさらに増大した場合にも全体的には対応は可能であると認識しております。
 それから、通訳案内業者を構成員とします社団法人日本観光通訳協会などの団体におきましては、さらに通訳案内業者の研修を行いまして、その資質の維持や向上に努めているところでございます。
#111
○赤松委員 通訳案内業免許取得者の話学別の内訳を明らかにしてもらおうと思ったのですが、私が持っている資料と大体一緒でしたので、時間がむだですから私の方から結論を申し上げますと、これで見ると合格者についてもあるいは免許取得者についてももう圧倒的に英語の通訳が多いわけですね。そうしますと、先ほど聞いた国別訪日外国人数、外客数とこの通訳案内業ライセンス取得者とのアンバランスということがあるわけですね。局長が言われたように、中国から今後ふえてくるだろう、韓国、北からもふえてくるだろうといったときに、この人たちが必ずしも全部、英語をしゃべれればいいのですけれども実態はそうではないというときに、じゃその辺のアンバランスをどうしていくのか。
 これはもうそのままでいいんだということなのか、いやそうじゃないとした場合に、じゃそうした訪日外客数の実態に合った形の通訳案内業というのを、中国語なり朝鮮語なりあるいはもっとほかの言葉も必要かもしれませんけれども、それをどう考えているのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
#112
○大塚(秀)政府委員 現実問題としまして、通訳案内業が職業として成り立つためには英語というのが一番中心になるので、英語の通訳案内業者が一番多いという実態はやむを得ないと思いますが、最近アジア圏からの訪日客がふえているというような現状にかんがみ、アジア圏の言葉をしゃべれるような通訳案内業者がふえることがこれからますます必要になってくると思います。
 そこで、韓国語など少数言語の合格者数を増加させるために平成元年度以降、通訳案内業の第三次試験、これは日本地理とか歴史などについてでございますが、これについては在日外国人が日本語でなく外国語で解答してもよい、そういう措置をとったところでございます。今後ともそういう適切な対策を講ずるように努力してまいりますので、基本的には韓国語など少数言語の受験者のレベルアップを図りながら合格者数をある程度上げていくことができるんじゃないか。またこれから様子を見て他の対策もあわせて講ずる必要があるかもわかりませんが、当面はそのような形でカバーしていきたいと考えております。
#113
○赤松委員 ぜひそうした方向で中国語、朝鮮語、そしてまた今いろいろな事情がありましてポルトガル語も大変必要だと言われておりますので、そんな御努力をぜひ今まで以上にしていただきたいという要望だけしておきたいと思います。
 さて、今後の外客訪日者の促進というようなことを考えますときに、東京を初め大都市圏内の問題よりもむしろこれは地方の充実が最も大きい課題ではないかというふうに私は思います。大都市圏はもう施設その他についてはほぼ、十分とは言えないまでもある程度の整備が進んでいる。ですから大都市圏で今後やろうとすれば主にソフト面。しかし、地方についてはこうした基本施設等についてもまだまだ整備が十分ということではありませんから、地方についてはハードもソフトも両面で緊急に取り組まなければならないというふうに思いますが、どうですか。
#114
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、地方の国際化という中でこれから訪日外人客がますます大都市以外のローカルなところを訪ねていくという傾向がふえてくるし、またこれは奨励すべきことだと考えます。
 そこで、そういう地域につきまして、最近は地方公共団体も国際観光問題に大変熱心で標識の整備なども自主的に行っていただいているところもありますが、我々としましても、新たに設けられます観光振興事業交付金制度等も活用しつつ地方におけるハード、ソフト両面からの外客の受け入れを充実していくつもりでございます。
    〔今津委員長代理退席、委員長着席〕
#115
○赤松委員 それでは次の問題にいきますが、例えば地方空港への国際線の乗り入れやチャーター便の増加がいろいろと計画もされておりますし、現にこれも非常に多く進んでいるという実態もあります。今後地方空港の国際化が必然的に進行していくというふうに私は思っております。そうしますと、地方空港のCIQの要員、入国審査をする人だとか検疫をする人だとか税関審査をする人だとか、こういうCIQの要員を初めといたしまして人的対応は行政の責任だと宣言えるわけですけれども、どのような計画をお持ちになっておるのか、御説明いただきたいと思います。
#116
○松尾政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり地方空港の国際化につきましては私ども積極的に進めておりまして、地域経済の活性化あるいはたまたま成田空港あるいは大阪空港が基幹空港としての能力が満杯でございますので、運輸省といたしましては従来からこれの促進を図っておるわけでございます。
 現在地方空港における路線展開でございますが、ただいま先生の御指摘のとおり毎年大変着実に進行いたしておりまして、ことしの三月現在で見ますと週間便数で約三百六十便の路線が就航いたしております。空港も徐々にふえまして十四空港に定期便が入っておる、こういう段階でございまして、扱い量も年間約四百三十万人ぐらいにふえております。
 こういう中で、今後とも私ども地方空港の国際化につきましては具体的に推進を図り、また内外の航空企業の運航計画も十分踏まえながら積極的に支援してまいりたいと思います。
 ただいま御指摘のCIQ関係官署でございますが、これは国の特に定員管理に対する厳しい情勢の中で、CIQ各官署とも積極的に御支援をいただいております。今後とも地方空港の国際化に関連いたしましてCIQ各官署に対しまして積極的に私ども御協力をお願いしてまいりたい、このように考えております。
#117
○赤松委員 ぜひ、今御答弁あった以上にこれから進んでいくと思っておりますので、そのあたりの人員配置等については万全の体制で御努力をいただきたいということを要望しておきます。
 さて、今までいろいろと御質問してまいりまして、ホテルの従事員に対する研修はこうだとか、通訳案内業に対するいろいろな施策はこうだとかいうことでいろいろやってきたわけですが、もう一つ大きな要素として、外国からのお客様を受け入れるときに、実際に全部が全部自分でホテルを手配したり通訳を手配したりということをするわけではなくて、これは旅行業者がその仲介をするといいますか世話をするということが通例だと思っております。
 その意味で旅行業従事者の人材育成も当然重要だと思っていますし、これまた大きな課題の一つだというふうに思っていますが、この旅行業従事者の人材育成は今後どのように行っていくおつもりか、お尋ねをしたいと思います。
 特に添乗員につきましては、昨年私も質問しましたが、添乗員問題懇談会という場でいろいろと検討をされておるようでありますし、その点については外へ出る方ですから余り問題ないと思います。問題はそれ以外の普通の、いろいろな手配をしたりあるいは案内をしたり等々の旅行業従事者についての人材育成なりその研修なりは一体どうしていくおつもりなのか、どのように考えておみえになるのか、お尋ねをしたいと思います。
#118
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘のとおり、これから観光産業というのはますます伸びていき、新しい分野の事業もどんどんあらわれているような状況でございます。その際化、これからの観光旅行者の複雑かつ高度なニーズに的確に従業員が対応していくためには従業員の研修というのは極めて重要ではないか。観光産業というのは従業員が担っていると言ってもいいと思います。
 そういう意味で、私どももホテル従業員については法律上従業員の研修ということをテーマにさせていただいておりますが、添乗員については現在添乗員問題懇談会をつくり検討しておりますし、その他の観光産業従業員につきましても研修、資質の向上というようなことについては、それぞれの団体においてこれから十分検討し実施していくように常日ごろから指導しているところであります。
 特に問題の生ずるような、あるいは行政がカバーしなければならないような分野の従事者が出てまいった場合には、また関係者の御意見を聞くような場を逐次設けていくように考えたいと思います。
#119
○赤松委員 関係者の意見を逐次聞いていきたいということで大変前向きな御答弁もいただきまして、ぜひこれについてはまず運輸省なりとJATA、旅行業協会、経営の立場の人たちと、そしてまた観光労連なら観光労連と政労使会議みたいなことも定期的にやりながらいろいろな意見交換をしていくことも私は一つの方法だと思います。また業務の実態から、研修には一体今何が本当に必要なんだというようなことについてこれらの業界代表あるいは働く人たちの代表の皆さん方の意見も十分聞いて、人材育成についてもぜひ御努力をいただきたいということで御期待を申し上げておきたいと思います。
 今の旅行業界の実態を見ますと、大手も中小も大体が日本人が海外に旅行していく、外に出す方の旅行には熱心というか、事実それが多いものですからこういうアウトバウンド中心でインバウンドの充実が極めておくれてきた、実態としてもおくれているというように思うわけでございまして、今後は外国人旅行者、訪日者に対する快適な旅の提供をどう保障していくのか、運輸省としても業界指導をどう考えているのかということについてお尋ねしたいと思います。
#120
○大塚(秀)政府委員 インバウンドの促進のために、運輸省としましては観光交流拡大計画に基づきまして関係機関との連携を図りながら外客誘致活動の強化、ハード、ソフト両面にわたる外客の国内旅行環境の整備などに努めているところであります。
 特に旅行業界に対しましては、訪日旅行が容易にできるために日本向けパックツアーの商品化の促進を要請しておりますし、日本旅行業協会を指導して訪日客誘致促進のための英文キャッチフレーズの募集などを目下行っているところでございます。また関係業界の中でも、例えば航空会社等も以前はその量からアウトバウンドを重視しておりましたが、最近は往航、復航のバランスを考えてインバウンドを大変重視するようになってきて、我々もそれをバックアップしております。
 また今後は、先ほどから申し上げておりますように、地方の国際化の中で外客が地方で日本の文化、生活に接していただくために、郷土芸能といいますか地域の伝統芸能等に着目した魅力ある観光地づくりを通じていろいろな宣伝を行っていきたいと思い、その法律もこの後で御審議いただくことになっておりますので、何分よろしくお願いしたいと思います。
#121
○赤松委員 こうしたいろいろな課題を抱えた旅行業界でございますけれども、この法案に関連してお尋ねをするのですが、最近非常にこの業界で倒産等が多いわけです。これは非常に重要な問題ですから運輸大臣にお伺いしようと思います。
 三月の末にはミヤビワールドツアーズというのが倒産をしました。四月十日には総武トラベルというところもまた倒産。理由、原因もいろいろあるようでございますけれども、利用者といいますか消費者といいますか、実際に旅行に行く人は、原則は旅行の前に旅行費用を払うのは当たり前なものですから旅行費用は払った、あした出発しようと思ったら会社倒産でもう海外旅行には行けない、あるいは国内の旅行も足どめを食ってしまったというようなことで、そんな例もたくさん出ておるわけであります。今後これらの問題、これでもう出なければいいのですけれども、残念ながらそうとばかりは言えませんので、やはり消費者、利用者保護の立場でどういう方策があるのか、大臣としてどう考えるのかということについてお伺いしたいと思います。
#122
○奥田国務大臣 具体的な何か保険制度みたいなものがあるのだったら政府委員から答えさせますけれども、先般あった倒産業者と申しますか、これは非常にお金を払い込んだ人たちに、大変たくさんの人に御迷惑をかけたケースがございました。
 元来、旅行業者に対する登録あるいは毎年の収支報告等々は比較的厳しい体制で行われておるわけでございまして、ほかの業界に比べると、当然とはいえ倒産件数は著しく少ない形で今日まで推移してきております。たまたまそういったケースがあっても日本旅行業協会の積立金、大体積み立ての五倍くらいの弁済保証で賄われておるというケースが多いと聞いております。
 ただ、今先生から御指摘のあったケースは特異ケースと申しますか、テレビなんかを利用してめったやたらに、特にお年寄りなんかを中心にして詐欺まがいの集め方で、そして結果多額の、新聞で見た限りにおいては被害者総数が八千人くらいに及んだというようなケースで、こんなことは余り予想してはいけませんけれども、これに関して、今後類似ケースが出るということになると今日の旅行業界の弁済保証だけではとても賄い切れる金額ではございませんから、今後こういった消費者保護の見地からどういう形の保険制度に持っていったらいいだろうかなという形を今検討を命じておるところでございます。
 しかし、先生御指摘のケースは全く特異なケースで出てきたわけでございますけれども、これに対する対応も今検討を命じておるところでございます。
#123
○赤松委員 次に大臣にお伺いしようと思ったことを先に言っていただいたので、そういうことでいいと思います。
 私どもが聞いておりますのは、この件に関して日本旅行業協会、JATAへ債権申し立てを一般旅行者がしているのですけれども、すべて解決したということを聞いておりません。業界紙等を見ますと、現行のJATAの弁済保証の枠の狭さに問題もあるのじゃないかというようなことも今大臣言われたとおりでございますので、これをどの程度のものにしたらいいのか、どういう基金の拠出の仕方がいいのか等々、これはいろいろな大きな問題がありますから、ぜひこれは関係業界の意見も十分聞きながら、現行でいいということにはならないと思いますので、よりよい方策をおとりいただけるように期待をしていきたいと思います。
 もう一つ、これは考えていただきたいと思いますのは、旅行というのはだれでも行くわけですから、一般のお客さんたちにここの業者だったら信頼して旅行を任せられますよ、ここだったら申し込んでも大丈夫ですよ、ここは悪いですよということは言いにくいでしょうから、そういういい方だけ格付するといいますか差別化するといいますか、そういうことも何らか必要ではないかというようなことも考えます。
 これは御答弁は要りませんけれども、こういう信頼のおける旅行業者というような格付なり差別化なりというようなことも今後はぜひ指導行政官庁としての、監督官庁としての運輸省としても御検討をいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 さて次に、私もこれは資料をちょっと持っているのですけれども、全国に今海外からの旅行者のためのインフォメーションサービスセンターというのが設置されているそうであります。設置の状況と今後の設置計画、また大変残念なことですけれども、いざ外国の人たちがこのインフォメーションセンターへ行っても、十分対応してくれるところもあるのですけれども、中には意が通じないとか言葉が通じないとか、何のためのインフォメーションセンターなのだというようなところも、一部だと思いますけれども、あるということも聞いております。
 そういうところに人を配置するに当たって、いい人材というのをどうやって配置していくのか、育成していくのかということについて、また語学能力についても本当に十分な人が配置されているのかどうか、時間の関係もありますので、現在の設置の状況と、もっとふやさなければいけないというのだったら今後の設置計画の中身と人材育成をどうするのか等々について、一括して御答弁を
 いただきたいと思います。
#124
○大塚(秀)政府委員 国際観光振興会におきましては、東京、これは有楽町のところにございますが、それから成田の国際空港の中、それから京都、この三カ所に総合案内所を設置しまして、日本における旅行についてのいろいろな情報の提供、それから案内を初め、日本の文化、産業、生活などに関して情報を無料で外客に提供しております。
 これらの三カ所の総合案内所と連携する形で、地方自治体などが設置しております全国七十六カ所の観光案内所においても外客に対しまして同じような情報提供、案内を行う「i」案内所制度を運営しているところでございます。
 ただ、このような全国の観光案内所というのは、実際には日本人相手の観光案内センターの中に語学がしゃべれる方が配置されているというような形をとっておりまして、人員的にも必ずしも十分ではございません。今先生御指摘のように、せっかく配置されているのに十分語学能力がない、あるいは業務内容を知らないというような指摘もございますので、国際観光振興会が中心になりまして、どういう場合にはどう答えるといったような応答のマニュアルをつくりまして、そういったインフォメーションセンターの人たちの参考に供しているところでございます。
 これから地方の国際化を迎えてますますこのような案内所が必要になってまいりますし、単独で設けるのは経費もかかると思いますので、地方の観光案内センターのようなところで外国語もしゃべれるような方が外人のお相手もする、その場合には語学の研修その他についてこれからも交付金の活用などによって必要な研修をやるべく計画し
ていきたいと思います。
#125
○赤松委員 ぜひそんな方向でよろしくお願いをしたいと思います。
 きょうは実は本会議の関係で私の質問はちょうど半分ずつ割れということで、十二時半に終われということでございますので、あと一項目大きな問題、観光交流拡大計画の今後の前進のためにということで何問がありますが、これは午後の部の方で質問をさせていただきたい。
 午前中はあと一問だけ、松尾航空局長お見えですので、これは通告していなくて申しわけないのですが、わかる範囲で結構です。もしわからなければわからないで構いませんが、一点だけ、例の航空運賃の内外価格差の問題ですね。これは私も再三、運輸委員として何回もこれまで指摘をしてまいりました。大分内外価格差については是正されたよということは聞いているのですが、今なおあるということも聞いていますし、もしその辺の実態がわかればお聞かせをいただいて、それで午前中の質問を終えたいというふうに思っております。
#126
○松尾政府委員 国際航空運賃のまず格差でございますが、方向別格差関係は過去数回にわたりまして是正してまいりまして、ヨーロッパ路線、それからアメリカ路線、それからオセアニア路線、ここについてはほぼ同じような実態になってまいっております。ただ東南アジア路線は、いろいろな経緯がございましてまだ二割ないし三割程度の格差はございます。国内航空運賃に比較しては、最近アメリカ航空界の方も集約化が進んで逆に運賃も上がってまいっておりまして、標準的な路線でいきますと日本の国内運賃は決して割高ではなくなっております。
 ただ、営業割引問題でございますけれども、私どもも積極的な導入を指導しておりまして、現在各航空会社の努力によりまして積極的な営業割引制度も導入されまして、利用者にとりまして比較的航空界が利用できるような運賃になりつつあるのではないか、このように評価をいたしておるところでございます。
#127
○赤松委員 内外価格差については大分是正をされてきたというような私自身も認識をしておりますが、むしろ今度は、反対に国内の方の日本発の方の運賃がこれはもう過当競争。湾岸戦争の影響なりあって景気がずっと悪かったものですから、そういう中で非常なダンピング等も一部にある。安くなることはいいことだということも言えますけれども、しかし、反対に業界全体が、どんどんお客を運ぶのにどの会社もみんな赤字だというようなことになってもこれはまた問題ですし、これはまた、時間の関係もありますので別の機会に改めてこの航空運賃問題についてはいろいろとお尋ねもし、また私の御意見も申し上げたいと思っておりますので、そんなことも次回かまたは次々回ぐらいにやらせていただくということを申し上げて、とりあえずこの午前の部は、ちょうど十二時半になりましたので終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#128
○久間委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十二分開議
#129
○久間委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。赤松広隆君。
#130
○赤松委員 それでは、午前中に引き続きまして質問を申し上げたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、今後の観光交流拡大計画を全体として前進をさせるためのいろいろな課題について、約四、五点でございますけれども、大臣並びに局長さんにお尋ねをしてまいり光いと思います。
 私は、昨年の十二月の質問でもさせていただきましたから、もう詳しい中身はあれこれ言いませんが、まず第一は、ゆとり、豊かさの時代で、やはり従業員の福祉旅行の充実ということはどうしても進めていかなければいけない。現行では三泊四日までの旅行であれば国内旅行、海外旅行とも従業員の所得税及び住民税は非課税扱いになっておるわけでありまして、こうした制度が中小企業の人材確保や定着、従業員の国際化社会における国際感覚の涵養等に十分な役割を果たしてきたことは大臣もお認めになっておるところでございます。その意味で、三泊四日じゃ行くところがどうしても限られてくるので、ぜひこの三泊四日を四泊五日にしてもらいたい、させるように財政当局と粘り強い折衝をお願いをしたいということで十二月のときにも申し上げたわけです。
 その折、奥田運輸大臣からは、私たちとしても、税制改正の主要課題として運輸省としても真っ正面から取り組んでおるところでございます、十分認識して取り組んでおります、重点項目として取り組んでおります等々、力強い御決意のほどを聞きまして、私どもも大変期待をしておったわけでありますけれども、残念ながら今平成四年の予算の中では実現がしなかったということでございます。
 今また同じような中身でございまして、例えば永年勤続表彰に伴う報奨旅行、これについても、これは大塚局長だったと思いますが、当時御答弁で、大体一年一万円ぐらいの目安というのを何とか五割増しぐらい、すなわち二十年勤めれば三十万円ぐらいの報奨旅行についてはこれまたそういう非課税の扱いにできるように国税当局と折衝したいというようなお話もあったわけでございます。
 これらについて一体どういうふうになったのか、あるいは例えば四泊五日については平成四年は無理だったとしても、じゃ、来年の予算編成時期に向けて運輸省として、あるいは大臣として今度はどういう決意で向かっていかれようとしておるのか、御決意のほどをお尋ねをしたいと思います。
#131
○奥田国務大臣 先般、平成四年の税制改正をめぐりまして、確かに委員の御指摘に答えて、何としても実現に取り組みたいということで決意を表明いたしました。三泊四日という形になっておるものを何とか四泊五日くらいに段階的にぜひ持っていきたいということで強く主張したわけでありますけれども、残念ながら目的を達することができません。持ち越しということになってまいりました。
 福祉に貢献することはもとよりでございますけ
れども、今日の国際間の相互理解、そしてまた大きな意味で言えば貿易収支の改善、もういろいろな意味においてゆとりある生活実現と同時に、そういった二国間の対経済関係においても大きな貢献を果たすことができるという形で、平成五年度の税制改正を目指してこの福祉問題の最大の重要課題としての認識を持ちまして、せっかく御指摘のとおりの要望に沿うように今後とも実現に努めてまいりたいと存じます。
#132
○大塚(秀)政府委員 その必要性はただいま大臣が申し上げたとおりで、私ども事務方としても今後とも努力してまいりたいと考えております。
#133
○赤松委員 大塚局長にお答えをいただきたいのですが、国税当局と折衝したあるいはするというお話でございましたので、その結果がどうなったのか、その辺のことをこうした公の場できちっと結果を明らかにしてもらわないといけませんので、お願いします。
#134
○大塚(秀)政府委員 前回先生が御質問いただいたときは、ちょうど平成四年度の税制改正要求のただ中でございました。その後も我々この実現について努力はさせていただきましたが、財政厳しい折から、税制につきましても減税額の増額を伴うような制度改正というのは基本的に難しく、またもう一つ、この四泊五日の問題については平成元年に非課税とされる期間が二泊三日から三泊四日に延長されて間もないということもあり、実現に至りませんでした。私どもとしては引き続きその必要性あるいはいろいろな内容のあり方等について知恵を出そうとしているところでございます。
 それからもう一つの永年勤続に伴う旅行の問題でございますが、これは毎年度の税制要求ではなしに通達の問題でございますので、今後とも引き続き機会あるごとに税務当局にこの通達の内容について改善ができないかどうか折衝していくつもりでございます。
#135
○赤松委員 だから大塚さん、僕が聞いているのは、永年勤続表彰に伴うそれはあなたが言うように五割増しになったのかならないのか、税務当局と話した結果こういう結果だった、できたとかできないとか、そういうことをきちっと言ってくれということを言っているのです。そんな細かいことはいいです。
#136
○大塚(秀)政府委員 その後税務当局と話しておりますが、現在のところ増額にはなっておりません。ただこの通達というのは具体的に額が決まっておるのではなしに個別に判断するということになっておるので、私どももいろいろ折衝過程で大体一年につき一万円程度ではないかということを聞いており、それがさらに個別な判断の際にそれよりも相当な額になるという話を聞いておりませんので、引き続きさらに努力していかなければならないと思っております。
#137
○赤松委員 相当な額になるように、ぜひ国税当局と引き続きその問題については御折衝をお願い申し上げたいというふうにしておきます。
 そのときにも明らかになったことですが、これらの三泊四日を四泊五日にふやしても所得税で十四億、住民税で十七億、合わせて三十一億ぐらいの税収減ということにしかならないわけですから、予算総額全体から見ればほんのわずかなことであります。ぜひこれは大臣を先頭にして実現方お願い申し上げたいというふうに思います。
 さて、三つ目の問題ですが、昨今特に、これは海外旅行とは限りませんけれども、海外に仕事で出る人あるいは一定期間居住をする人等々多くの日本人海外旅行者が事故に遭う、あるいは事件に遭遇するということが多いわけでありまして、今後とも日本人の海外旅行者もふえていくわけですから、その安全対策についてどのように行っていくおつもりか。単にこの地域は危険ですよというような情報提供だけではなくて、事件、事故に遭遇した場合に直ちに何らかの対応ができるというようなこうしたアフターケアも必要だろうと思っておりますけれども、それについてどう考えられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#138
○大塚(秀)政府委員 観光交流拡大計画が目標としております海外旅行の質的な向上を図る点につきましては、安全の確保が大前提となるものでございます。
 運輸省といたしましても、従来から安全確保については重点的に取り組んでおり、具体的には外務省と密接な連携をとりつつ行う海外の安全などに関します各種情報の提供、この情報の提供だけではなしに、パンフレットなどによる旅行者に対する啓蒙活動、それから緊急時における連絡体制の整備、例えば海外のツアーオペレーターがツアーオペレーター協会に連絡をするというような仕組み、それから現地の添乗員による迅速な対応、こういったことにつきまして国際観光振興会とか旅行業者とか現地手配を行いますツアーオペレーターなどを指導し、また海外におけるアシスタントサービスつきの海外旅行傷害保険の加入を奨励するなどアフターケアも含めて海外旅行の安全確保に万全を尽くすこととしております。
 今後さらに海外旅行の増大に伴い、治安の悪いところ、あるいは偶発的な事故ということもございますので、先生御指摘のとおり単なる情報提供でなしに、アフターケアについてもいろいろな方策を講じていかなければならないと考えております。
#139
○赤松委員 わかりました。そういうふうによろしくお願いしたいと思います。
 最後の質問になりますが、先ほども申し上げましたように、近くて遠い国、今なお正式に国交のない唯一の国というのが朝鮮半島にあります朝鮮民主主義人民共和国であります。通称北朝鮮と言っておりますが、この朝鮮民主主義人民共和国との定期航路開設について以下四点をお尋ねをしたいと思います。
 既に民間ベースでいろいろな交流も進んでおりまして、こうした中で、定期航路はありませんけれども、いわばその前段の形といいますか、今日まで各地から日本と朝鮮を結ぶ形でチャーター便が数多く出ているということを承知をしております。航空局長もお見えですから、局長の方から今日までのチャーター便の実績等についてわかっておれば御報告いただきたいと思います。
#140
○松尾政府委員 一昨年の金丸・田邊訪朝団が行かれた後でございますけれども、昨年までの実績で、まず両国の政府関係者らの相互訪問による特別便でございますが、これが五便運航されております。それから、商業用のチャーター便でございますが、北朝鮮からのマツタケなどの輸送のための貨物便が十五便ございました。それから、旅客便でございますが、北朝鮮からと日本側からそれぞれ一便運航されております。
 また、本年の一月に日朝間で商業用のチャーター便の運航に関しまして私ども航空当局間同士の取り決めを行いました。これの結果、向こう一年間で双方片道八十便まで運航を行うことが確認されたわけでございますが、本日までのところ日本側から社会党訪朝団のための旅客便二便、また北朝鮮側から旅客便十一便が運航されております。これからもさらに日朝双方の航空企業ともチャーター便の運航計画を有しておりますので、私ども要望に従って手続を進めていく、このような段階でございます。
 金丸・田邊訪朝団の北朝鮮訪問を機会に日朝双方の人的あるいは物的な交流が徐々に進んでいる、このように理解しておるところでございます。
#141
○赤松委員 これは奥田大臣にお尋ねをしたいのですけれども、今局長からも一部お話がありましたが、これらの正式国交回復に向けての、緩やかではあっても一歩一歩確実に正式な国交樹立に向けて今歩みが始まっておるわけでありまして、いわばそのきっかけとなったのが金丸・田邊訪朝団であったろうということはだれしもこれは認めるわけであります。
 そういう中で、奥田大臣としてこの金丸・田邊訪朝団の歴史的な意義というのをどのように考えておられるのか、お聞かせをいただければと思います。
#142
○奥田国務大臣 委員が冒頭に御指摘いただきま
したように、残念ながら戦後久しくまさに近くて遠い国、それが日本と北朝鮮の関係でございました。金丸・田邊訪朝団によって三党共同宣言がなされ、日朝正常化の糸口をつけていただきました。このことによって私たちは北朝鮮との間が近くて近い国にしなければならない、と同時にこの訪朝団によるアジアのみならず世界平和に貢献された実績は高く評価しなければならないと思います。
 目下政府間で正常化交渉が段階的に行われておることも喜ばしい傾向でありますけれども、いずれこれらの成果を待ちまして定期便就航ということも当然実現されることであります。今のところ人の交流、まず人の交流、そういった点においてチャーター便の活用が望まれる。今日は主として名古屋空港を基点にしてやっておるわけでありますけれども、そういった正常化交渉が妥結した暁には、定期便運航という形で両国間がまさに近くて近い国になっていって平和に貢献してくれるであろうということを強く期待を申し上げておるところでございます。
#143
○赤松委員 そこでお尋ねをしますが、今の大臣の見解でありますと、国交が正常化をしないと定期航路の開設はできない、あるいはしないというふうにも聞こえるわけですね。
 例えば、通信がいい例でございまして、やはり人の交流等がどんどん進んでいく中でどうしても正式な国交正常化に先駆けてこれはやらなきゃいけないというようなことで、今通信衛星等を使ったこうした通信網の確立ができているわけでありまして、その意味で今、年間八十便というようなお話もありましたけれども、チャーター便のこうした実績を踏まえながら、定期航路開設については、さらに国交正常化を促進させる意味でもやはり国として、運輸省として、また大臣として積極的に私は推し進めるべきではないのかということを思いますが、その点についてはいかがでございましょうか。
#144
○奥田国務大臣 現在、相当双方にとっては、いわゆる八十便ずつでございますから、これらのチャーター便によって人、物の交流はほぼ目的を達せられる状態にあるということは言えると思います。
 委員御指摘のように、国交正常化に先立って定期航路の開設に踏み切ったらどうかという、そういった形の御要望であると思います。お気持ちはよくわかりますけれども、やはり正常化交渉がはっきり言ってもうことしの年内を目途にして着々とやっておられるわけであります。もちろん途中に問題点も出てきて、難航しておるような形にもなっておりますけれども、しかし、基本的な線は前進をして、そういった方向に向かいつつあります。
 したがって、定期航空路線開設の方を正常化交渉に先立ってやったらどうかという形にはちょっと、私としても政府の正常化交渉に重点を置いて、そちらの結果を待って航空交渉締結に持ち運びたいと思っております。
#145
○赤松委員 これは最後でございますけれども、今後こうしたいろいろな政府間交渉もそうですし、それからこれらの実際に定期便の開設なんということになれば航空協定も結ばなければいけない等々進んでくるわけであります。
 ただ、先ほど大臣言われたように、近くて遠い国からいわゆる近くて親しい国になれるように、そのベースになるのはやはり私は自由民主党、日本社会党、朝鮮労働党の三党宣言ではないだろうかというふうに思っております。
 その意味で、大臣も私も、それぞれ所属する党は違いますが、その三党のいわゆる共同宣言を結んだそれぞれのグループに所属をする一員として、その重みというのはやはり、大臣という立場ではありませんけれども、違いますけれども、その一員としての重みはぜひ感じていただきたいと思っておりますし、これは私自身についてもその三党宣言のやはり重みというのを十分に認識しながら、こういうことを心の一つの基本として、これらの日朝両国間の正常化に向けてそれぞれがやはり努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
 その意味で、この三党共同宣言の重みを奥田先生としてどのように考えておられるのか、またもっと広い意味で日朝間の正常化に向けて政治家奥田敬和先生としてどのように考えておられるのか、お考えをお聞きをして、時間が少し前ですけれども、質問を終えていきたいと思っております。
#146
○奥田国務大臣 全くこの問題に関しましては先生のお気持ちと同じ気持ちだと思います。重みを感じて三党共同宣言の趣旨に従って正常化交渉を後押ししてまいりたい。一日も早く近くて親しい国、そういった関係になるように努力をいたしてまいりたいと存じます。
#147
○赤松委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。
#148
○久間委員長 草川昭三君。
#149
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。
 本日は、国際観光ホテルの整備法でございますが、人間というものが生活空間を移動する、大変楽しいときもあるわけでありますが、また苦痛もあるわけであります。これは先回のJRの事故等に出る問題であります。あるいはまた健常な人ばかりではなくて、障害を持った方々が旅行をする、その場合に我々が頼るべき宿舎、旅館あるいはホテルあるいはまた日常さまざまな生活の中で障害者の方々がホテル等を利用していろいろと話し合いをする、そういう場合における不便さ、こういうものをきょうは中心に取り上げてみたいと思うのです。
 この整備法の一部改正に関する質疑の前に、実はこの五月六日のJR東海道新幹線「のぞみ」の事故でたまたま私もその状況の中に巻き込まれまして、地元からこちらに上がってくる間、四時間近く洗面所に立ちっ放しになったという大変な私自身の事故との闘いがあったわけでございます。後でいろいろと報告を聞いてまいりますと、モーターの取りつけボルト四本のうち二本が装着されていない状況で運行された、こういうようなことを言っておるわけですが、車両の納入時に問題があったのではないか。これを今運輸省は調査中だと言っておりますが、いつごろ解明できるのか、見通しを前にお聞かせ願いたいと思います。
#150
○井山政府委員 お答え申し上げます。
 先生も含めまして利用者の皆様には大変御迷惑をかけたことで、大変申しわけないと思っております。
 今先生御指摘の車両の納入時の話でございますが、確かにマスコミ等の論調では、やはり納入時にもう少しチェックをきちんとしたらどうだ、こういう御指摘があるのはそのとおりだと思います。
 そこで、JR東海におきましても、つくりましたのは川崎重工でございますが、この両社に対しまして、まずはなぜこういうことが起きたのかということを徹底的に究明しろという指示をしております。ただ両方とも、JR総研などに持ち込みましてかなり細かくチェックをしておりまして、だんだんわかってはきておりますが、もう少し時間をいただきたい。特に、振動によってねじが緩むというようなことが具体的にどうやったら起こるんだということをぜひやりたいということで、揺すってみたりしますので時間がかかるとは聞いておりますけれども、とにかく一日も早くこういう事故の原因がわかるように努力させたいと思って、今鋭意督励をしているところでございますので、もう少し時間をいただきたいと思います。
#151
○草川委員 今回の事故は締めつけミスではないだろうか、メーカー側に責任があるかのような発表になっておりますが、受け取った側のJR東海側にも責任はあるのではないかと思うのです。その点はどうでしょう。
#152
○井山政府委員 その受け取るときの検査の話であると思いますが、実は実態を少し御説明させていただきたいと思います。
 通常、車両をつくりますときには設計図を鉄道
事業者からメーカーに渡しまして、そこで契約をして順次につくっていくわけでございますが、通常、鉄道の車両というのは部品が大変多うございます。それでこれを順番に組み立てていくわけでございますが、このいわゆる製造管理といいましょうか生産管理といいましょうか、この責任は原則メーカー側の責任ということにされております。これは先ほども申し上げましたようにたくさんの部品によって構成されているために、でき上がった後で個々の部品の組みつけ状況を全部チェックするというのはなかなか難しゅうございます。そこで、製造のある段階、段階ごとにメーカー側でチェックリストを持っておりましてチェックをしていくというのが適当であるということで、従来こういう方式でやっております。
 こういうようなことを前提にいたしまして、契約上、メーカーが鉄道事業者に引き渡すときに必ず鉄道車両として必要な検査とか試運転をメーカー側がまず行います。一方、鉄道事業者の方も、私どもの新幹線の運転規則というのがございますが、これで新製した車両については検査とか試運転を行うということが義務づけられておりますので、結局は納入の前に両者がいわば共同で検査とか試運転をやっているわけでございます。そこで所定の機能とか性能が発揮できるかどうかをチェックいたします。そこで確認して大丈夫だということになったときに正式に鉄道事業者に引き渡す、こういうことが一般的でございます。
 ただ、鉄道事業者によりましては、製造過程の段階におきましてメーカーの工場に行って時々立ち会いといいましょうかチェックをしているということはあるようでございます。たまたまJR東海につきましてはこのチェックは今のところやっていない、いわゆるメーカーに全責任を持たしてあるし、メーカーを信用しているといえばそういうことなんでございますが、他社では時々立ち会いといいましょうか、そういう生産管理、製造管理のチェックをやっているという例もございますので、私どもとしてはJR東海に対しまして、そういう他社の例も参考にして、それでそのメーカーの中の検査体制をチェックする、あるいは自分のところの社内の検査体制の見直しをする、こういうことを少し検討してみようということを指示しているところでございます。
#153
○草川委員 そのあたりは次の一般質問の中で私どもも少し踏み込んで議論をしたいと思います。
 いずれにいたしましても、今回の事故について異常時の連絡体制あるいはまた旅客案内に大変問題があったのではないか、私はこう思います。運輸省の見解を求めたいわけですが、特に車内電話もパンクでございますし、ホームの電話もほとんど十人とか二十人並んでしまう、こういう状況で、連絡が我々でもできませんでした。
 私ども東京の方で、その列車の番号がわかっておりますので東京駅のテレホンセンターに電話をしたところ、電話で受け付けるべきテレホンセンターで、それはうちはわかりませんからJR東海に聞いてくれ、こういう返事なんです。そういうことが一般的に行われるということについて、JRというのは一体危機管理ができておるのかどうか、それに対して運輸行政というのはどういうような指導をしておるのか、大変私は不親切だったと思うのですが、答弁を願いたいと思います。
#154
○井山政府委員 お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘のとおり、当日の事故が発生してしまった以降でございますけれども、たまたまその事故原因といいましょうか、乗務員自体は通常の、リセットと言っておるようでございますが、もう一度セットし直すと動けるだろうということで、とりあえず床下の機器が壊れているところまでチェックできないものですから、ある意味で割と甘く考えていたところがあるようでございました。そこで割と手間取ってしまったということがございます。
 それからもう一つは、先ほど先生おっしゃったように、名古屋駅を初めとする各駅におきまして旅客に対する情報提供がおくれたということは明らかにあるようでございます。大変申しわけないことだと思います。
 それからもう一つは、東京にありますテレホンセンターでございますが、実はこれがJR東日本のテレホンセンターでございました。そういう意味で、当然もちろん新幹線の情報も入ってきてはおりますけれども、問い合わせが大変たくさん集中したわけでございます。担当職員の話によりますと、運行再開がいつごろかというのが皆さんの非常に多い御質問でございました。ところが、新幹線はJR東海の方が指令を持っておりますが、その見通しがなかなか明らかにならないということもありまして、お客さんに対してきちんとした対応ができなかったのではないか、これは私どもも十分反省をしているところでございます。
 そこで、JR東海に対しましては、こういうような場合に駅やテレホンセンターにどうやって情報を一番早く流したらいいのか、それから応答する職員に対してマニュアルといいましょうか、こういう場合にはこういうふうにきちんとお答えをするという教育訓練ができているのかどうかということを再点検しろ、これはJR東海だけではなくて、関係するJR東日本のいわば案内、テレホンセンターもそうです、逆にJR西日本の方にも同じような問題があるのではないかと思うわけです。
 そういう意味で、こういう相互乗り入れといいましょうか、やっているところにつきましてはぜひもう一度そういう連絡体制の見直しと案内方法の改善を至急検討するということで、今大きな宿題を与えているところでございます。JR東海も、私の方には、必死になって今何とかしますということで努力をしているところでございますので、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
 いずれにしましても、大変御迷惑をかけたことをおわび申し上げます。
#155
○草川委員 奥田大臣にこの際お聞きをしたいと思うのですが、今回のこの事故について今のような局長の答弁がございますけれども、利用者にとりましては大変不安かつまた不信感をJR側に寄せた事例だと思うのです。大臣の見解を求めたいと思います。
#156
○奥田国務大臣 先生が御指摘いただきましたように、危機管理体制が万全であったのかどうかということになると、これは文句なしに頭を下げておわびしなければならぬ事態だと深刻に思っております。原因がどうあれ、メーカー側に対してでもJR東海自体やはり自分の責任という形の中で今後の危機管理体制に万全を期すべきであろう。
 わけて、それぞれ各JR東あるいはJR東海、それは企業効率をねらってそういった意味での企業の増益体制に全力を挙げておる、あるいは乗車のお客さんのスピードに対するそういった魅力、こういったものを過大に売り物にする形で、最大の眼目である安全という面について抜かりがなかったかどうか、こういった点、今回の事故は反省させられるべきものがたくさん含まれておると思います。
 特に、JR各社間の企業のサービス競争はいいけれども、そういった安全面に対する連絡において、これはお互いに企業間の別なく徹底した形で体制を一遍検討し直すべきであろうという形で、厳重に指導してまいるように申しつけておるところでございます。
#157
○草川委員 本問題は、先ほど言いましたように次回に移してまた質問したいと思います。
 では、国際観光ホテル整備法についてお伺いをしますが、今般の改正は、ずっと見てまいりますと登録制度の見直しに非常に力点が置かれているように思います。問題は、我々が指摘をしたいのは、この際施設の整備についてもっと指導があってしかるべきではないか、あるいはまた指針があってしかるべきではないか、こう思うのですが、その点はどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#158
○大塚(秀)政府委員 今回の国際観光ホテル整備法の改正は、国際環境の変化に伴いまして我が国を訪れる外客の宿泊に対するニーズが相当多様化
してきていることから、ホテルなどに係ります登録基準をハード面、ソフト面、両面から見直すことを内容とするものでございます。
 先生御指摘の宿泊施設の整備につきましても、私ども施策の重要な課題だと考えておりまして、特に最近は東京付近のホテルというのは登録ホテルで利用率が八十数%、ビジネスホテルに至りましては九〇%近くいっております。八〇%で満杯というような感じでございますので大変利用率が高いといいますか、込んでいるというような状況でございます。
 そこで、大都市圏を中心としたホテル等の不足という事態にかんがみまして、今後とも国税につきましての耐用年数の特例措置、地方税につきましての不均一課税の規定あるいは開発銀行の融資、こういった支援の制度を十分に活用してその拡充を図っていきたいと考えております。
#159
○草川委員 最近アジア地域からの来訪者も非常に多くなった、あるいはまた多様化したニーズにこたえなければいけない、こういう答弁もあるわけでありますし、方針の中にそう触れられているわけです。しかし、最近いろいろな方とお会いをしておりますと、有名観光地を網羅したいわゆるゴールデンルートというのですか、それが従来の旅行者の希望であったようでございますけれども、最近は必ずしもゴールデンルートに限らなくて、地方の生活ぶりだとかあるいは日本様式の古い旅館に泊まってみたいとか、あるいは伝統、文化、歴史に関心を持ちたい、そういう本当に日本を知りたいという方々、そういう旅行者が非常にふえておるように我々は聞くわけであります。その点運輸省はどのように把握をしておみえになるのか、お伺いをしたいと思います。
#160
○大塚(秀)政府委員 最近の関係機関によります外客に対する調査におきましても、日本の実際の生活に触れてみたい、地方を知りたいというようなニーズが高まっているのは先生御指摘のとおりでございます。そこで我々としましても、従来のように京都とか奈良のような観光地に限らず、地方の都市も訪ねていく、あるいは田舎にも行っていただく、そういった外国人観光客にとってのルートの多様化に努めなければならないと考えております。
 そこで運輸省としましても、地方における外国人観光客の受け入れ態勢の整備を進めるために、海外に誇り得るすぐれた観光資源を備えました地方の観光地を中心に国際観光モデル地区を指定して、そこのモデル地区におきましては外国人旅客向けの観光案内所や、外国語の案内標識の整備等を行って、外国人観光客が地域をひとり歩きできるような環境づくりを進める、こういった施策をやっております。またホームビジット制度により、日本の実際の生活に触れていただく、そういう機会の増大にも努めているところであります。
 それから、これからまた法律を御審議いただきます地域の伝統芸能、伝統的な風俗、慣習、こういったものを活用する行事を振興いたします際にも、外人観光客にそのような伝統的な日本文化に接していただくということを一つの目標にしたいと考えている次第です。
#161
○草川委員 いろんな外国人のお客さんばかりではなくて、国内の旅行もそうでございますが、ホテル等の宿泊料金が非常に高いというのがあるわけです。でございますから、後ほど御質問しますが、いろんな年金基金を利用したような建物等の利用も非常に多くなってくるわけであります。その低廉性を重視をする外人客も多いと思いますが、かかる宿泊施設の現状はどうなっておるのか、お伺いをしたいと思います。
#162
○大塚(秀)政府委員 最近の円高傾向の定着、交通費が安く、その分宿泊費の割合が高くなること等から、その低廉化を求める近隣諸国からの外客の増加によりまして、外客が宿泊料金について低廉性を重視する傾向が出てきているのは先生御指摘のとおりでございます。
 比較的低廉な宿泊施設としては数々のものがございますが、今般の登録基準の見直しによりまして新たに登録の対象となり得ると考えられるホテルとしましては、全日本ビジネスホテル協会加盟のビジネスホテルが約四百軒ございます。それから、その他のチェーンホテルが四百軒あり、これらの宿泊料金は、平均的にいいますればシングルユースでおおむね一万円前後と考えられます。
 また、旅館につきましては、今般の新しい登録制度の対象となり得るものが、日本観光旅館連盟の加盟旅館を中心に約五千軒ございまして、これらの宿泊料金は一泊二食でおおむね一万円程度と考えられます。
 このほか、登録ホテルではございませんが、旅館業法上のホテル、旅館の営業許可を受けているホテルが約三千軒、旅館が約六万八千軒ございます。これらの宿泊料金はおおむね一万円以下であると考えられます。
#163
○草川委員 最近、外国人客がお見えになって非常に喜ばれている宿泊施設としてジャパニーズ・イン・グループというのがあるわけであります。私もお伺いをしてまいりますと、家族で経営をしてみえる、そして十室とか本当にわずかの部屋でございますが、お客さんに家族ぐるみで有名観光地を案内するとか、非常に喜ばれているわけであります。
 このジャパニーズ・イン・グループを砂漠の中のオアシスだ、こう言っている外人客もいるわけですが、運輸省としてはどのように対応をされておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
#164
○大塚(秀)政府委員 ジャパニーズ・イン・グループと申しますのは、我が国を訪れる外国人旅行者に対して低廉な宿泊施設を提供することを目的にしまして、一九七九年に会員によって自主的に結成された中小の旅館から成る全国組織でございます。現在、料金が八千円以下、もちろん部屋によっては四千円ぐらいのところもございますが、そういった七十その旅館が加盟しているところでございます。
 私も、泊まったことはございませんが、最近テレビ等で上野のジャパニーズ・イン・グループに属している旅館が紹介され、大変外国人客にも好評を博しているのを承知しております。
 これらのジャパニーズ・イン・グループにつきましては、施設面で今回の法律改正によりましても登録基準を満たさないものが多いことから、登録の対象にはならないと聞いております。しかし、これらの旅館に対しましても、従来から中小企業金融公庫あるいは環境衛生金融公庫などによります融資制度を活用してその整備を支援するというようなことも行っておりますし、これらジャパニーズ・イン・グループの会員の旅館につきましては、情報提供、こういう旅館があるということを外人客にお知らせするという形で、国際観光振興会のツーリスト・インフォメーション・センターや海外宣伝事務所でパンフレット等によって周知していくことにしておりまして、今後ともこのような支援措置についてはその充実に努めたいと考えております。
#165
○草川委員 そこで、実はこれは今局長も大変高い評価をしております。事実、外国人客も喜ばれている。大変日本のいい点あるいはまた問題点を勉強して帰られていく。本当の国際交流の接点、第一線ではないか、こう思います。
 しかし、残念ですけれども、例えば今お話がありましたように、上野なら上野、新宿なら新宿というところにあるわけでありますけれども、相続の問題で、非常に高い相続税が払えないために廃業をやむなくせざるを得ない、こういう旅館業の方がもういっぱいいるわけであります。事実減ってきておるわけであります。外国の方がもう一回来ようと思っても、廃業してしまった、理由は何か、相続ができないからだ、こういう問題なんですね。
 ですから私は、きょうは大蔵省に来ていただいておりますけれども、現行では何ともなりません、それはここだけ特別にしろというわけにまいりませんが、例えばかつておふろ屋さんが非常に少なくなったときに、特別扱いにしようじゃないかということも行われたわけですよね。だから私は、特別な配慮というのを考えるべきではないか
と思うのですが、そういう前提でひとつ大蔵省の方から、主税局に来ていただいておりますので、特別扱いができないのかどうか、どういうことがあるならば考え得るのか、現状の説明は結構でございますので、ひとつ問題点をこの際教えていただきたい、こう思います。
#166
○窪野説明員 御説明いたします。
 旅館が廃業いたします理由、原因につきましては、一概に相続税の負担だけというわけではありませんで、経営者が高齢化されるとか後継者が不在であるとか、あるいは経営自体が不振であるとか経営意欲を喪失したとか、実態をいろいろ伺っておりますと、どうも非常に多様な要因があるように考えられております。
 相続税の問題でございますが、相続税はやはり財産課税でございますので、取得した財産の価値そのものに対して負担を求めるというものでございますので、すべての財産を平等に扱うことが課税の公平上重要でございます。したがいまして、こういう税の性格から、特定の財産あるいは特定の事業につきまして特別の何か優遇措置がというわけにはなかなかまいらないものであるということを御理解願いたいと思います。
 なお、つけ加えますと、今回土地の相続税評価の適正化を行いまして、それに伴う相続税の負担調整についての相続税等の改正法案を今国会で御審議をいただき、成立したところでございますが、そこにおきましては、負担調整のための課税最低限の引き上げあるいは税率区分の幅の拡大といった措置に加えまして、事業用の小規模宅地につきましての特例減額割合を六〇%から七〇%に引き上げる、こういう措置を講じておりまして、これらは旅館だけではございませんけれども、中小企業の事業承継の円滑化にも資するものではないかと考えている次第でございます。
#167
○草川委員 これは運輸大臣、また後ほどで結構ですが、今の答弁はそれは現状の答弁でそのとおりなんですよ。またそのために我々も、中小企業の方々の事業を引き継ぐという意味で今度の国会で改正案を出したわけです。しかし、現実に今一番国際交流の接点となるような小さな旅館が残念ですけれども廃業をしておるというのは事実ですから、ひとつ別途これは御検討をしていただきたいということを強く要望して、次に移りたいと思います。
 そこで、今回の登録ホテルの設備でございますけれども、身障者用の設備というのが非常に不備であります。私は実は平成二年のこの運輸委員会でも、身体障害者の方々が宿泊できる部屋というのは一体ホテルにどれぐらい具備されているのか、あるいはまたいわゆる公共的なスペースの中における、ロビーの中のお客さんが使える障害者の方々の車いすのトイレというのは一体どれだけあるのかということを平成二年のときにも申し上げました。それ以前のときにも言っておるわけでありますけれども、なかなかうまく進んでおりません。
 今般の本改正案によって登録の対象となるホテルを含めて、今後どのように指導をされていくのか、お伺いをしたいと思います。
#168
○大塚(秀)政府委員 登録ホテル等におきます身障者の方々の受け入れ施設については、私どもも従来からその整備の促進について指導してきているところでございますが、先生御指摘のとおりいまだ必ずしも十分ではないと考えております。
 今回の改正におきましては、まず情報提供において、身体障害者の方々が利用できるような施設を持ったホテル、旅館、そういった内容についても周知できるような情報を収集し提供するつもりでございます。また、この法律の遵守事項等において、改造その他の機会において身障者の方々の施設が整備されていくような何らかの手当てを検討したいと考えております。
#169
○草川委員 この登録ホテル等において盲導犬を連れた盲人の方々が例えば宿泊できる、あるいはまた当然のことながらそこで食事ができる、あるいはまた外来の方々とお話ができるというようなことについて、自由に利用できるホテルというのが非常に少ないのでございますが、受け入れの状況を運輸省はどのように把握をされているのかお伺いをします。
#170
○大塚(秀)政府委員 これも徐々にふえつつはございますが、いまだ登録ホテル等において盲導犬が入館可能なものはホテルで五五%、旅館で二三%という数字になっております。
#171
○草川委員 それで問題は、今お話がありましたように盲導犬利用の方々の非常な不便というものが相変わらず残っておるわけでありますが、私は実は昭和五十三年、今から十四年前でありますけれども、社会労働委員会でこの盲導犬の利用というもの、盲導犬を連れた盲人の方々の不便がないようにという問題を取り上げたときに、実は運輸省の観光部整備課長の川手さんの答弁があるのでございます。ちょっとこれを読んでみたいと思うのですが、この盲導犬の利用をホテルで自由に行うべきだということ、盲導犬を連れた盲人の方々が自由にホテルを利用することができるという趣旨に対してこういう答弁をしておるわけであります。
 この川手観光部整備課長が外国を調べてみたというのですよ。そうしたら、「フランスの場合には宿泊は可能」だ、ただし犬は部屋に入れないが別のところでお預かりをする。「ドイツも全くオーケーでございます。それからイギリスも、もちろんオーケー、」でございます。自分の部屋に盲導犬を連れて宿泊することができる、こういうことです。イタリアも宿泊可能で、余りこういうこと自体が問題になっていないんだ、こういうことを運輸省が言っているんですよ。「また東南アジアの例として香港を調べましたが、香港も同様でございます。ホテルに関しましては、世界の大勢としてこういうふうになっておる。「外国の場合が皆オーケーで、日本の場合断っているというのは、やはりそこに商慣習というか、」観念的な問題があって、今後我々は啓蒙したい、こういうように答えているわけであります。
 私が言うのではなくてこれは今の課長が言うのですが、「盲導犬の場合には先ほどのお話にもありましたように、」いわゆる一般の犬だとか猫とかというペットとは異なり「目の御不自由な方の手となり、足となり、いわば体の一部というようなものでありますから、しかも十分に訓練されていると伺っておりますのでこ普通のペットと区別をして考えなければいけないということを十四年前に運輸省の観光部整備課長が答えておみえになるわけです。
 しかも、私がこの運輸委員会で平成二年、二年前でございますが、身体障害者の宿泊施設をもっとホテルに完備すべきだということを申し上げたときに、都内四十のうち十一あるということでございました。今の御答弁を数字にかえてまいりますと十二というふうに一つだけふえているんですよ、二年の間に。この資料は社団法人日本ホテル協会会員のホテルを調べたのですが、東京都内の会員が四十三あるんだそうです。帝国ホテルから丸ノ内ホテルからという一流のホテルですよ。四十三のうちに、二十三区内にあるところのホテルというのが二年前から一軒ふえまして四十一軒になりました。四十が四十一になりまして、ハンディルームをつくっているところは十一から十二。二年間てたった一つしかふえていないのです。運輸省の観光部というのは、こういうことに力を入れていただいて今度の法律改正にも対応していただきたいと私は思うのです。
 盲導犬の受け入れについても、今五五%というお話がございましたが、これも盲導犬の受け入れについてそれぞれマル・ペケがございますけれども、我々が調べた三十一のホテルのうちで九軒ですよね。盲導犬受け入れ不可のホテル数というのは三〇%なんです。こういうのを見ると私は非常に残念に思いますし、パブリックスペースというのですか、いわゆるロビーにおける障害者の方々の車いすのトイレも二年前に比べまして全然ふえておりません。四十一のうち十個しか車いす用のトイレというのはありません。しかもその車いす用のトイレというのは、前回も触れましたけれど
も、男なら男性用トイレの中にあるわけですよ。女性の方が入れるわけがないでしょう。あるいはまた付き添いの方が男性と女性で食い違った場合に、女性の介添え人が男の場合だったらその方は女性のトイレに入れないでしょう。
 私は、こういう基本的なところが我が国としては非常に恥ずかしいと思うんですよ。少なくともヨーロッパなりアメリカにおいてはこの障害者の方々のトイレの利用等については全く問題なく行われておるわけであります。この点についてはひとつ局長、大臣からはまた後で答弁を求めますから、今のような数字ではなくて、局長としてどのように今後指導されるのか、改めてお伺いをしたいと思います。
#172
○大塚(秀)政府委員 昨年の十月アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれました世界観光機関の総会におきましても、九〇年代における障害のある人々のための観光機会の創出に関する勧告が承認され決議されたところであり、私どもこういう国際的な勧告、決議内容も十分踏まえてこれから一層事業者を指導していかなければならないと考えております。
 なかなか身体障害者の方々の施設というのも現実にふえていきませんが、これは事業者の方々の理解、あるいは盲導犬の場合のようにそれを利用する方々の理解が必要でございますので、そういう点についても機会あるごとに周知を図るということを含めて指導を続けていきたいと思っております。
#173
○草川委員 誤解のないようにしていただきたいのですが、盲導犬を伴った盲人の方あるいはまた障害を持った方々の車いす利用の方の指導は何も必要ないのですよ。間違えないでくださいよ。いいですか、受け入れ側の指導をしていただきたいという根本原則を間違えますと、今の答弁を聞いておりますと何か利用者がしっかりと周囲にPRをしろとか理解をしろというふうにとられますので、もう一度答弁し直してください。
#174
○大塚(秀)政府委員 今申し上げましたのはそういう趣旨ではございませんで、一般国民、つまりホテル、旅館を利用する一般の方々が盲導犬に対する理解をもっと深めれば自然にこの問題は解決するという意味で申し上げたわけでございます。
#175
○草川委員 これは基本的に障害者に対する姿勢という問題だと思うのです。何のために国際障害者年というのに我々が取り組んだのか、しかももう十年になるわけでありますから、私は観光行政というもの、あるいはまた運輸行政あるいはまた旅館等を統括する厚生省行政、それぞれがもっと真剣にこの問題に取り組んでいかなければいけないと思うのです。
 そこで、きょうは厚生省なり労働省なり、それから国民宿舎の関係の環境庁にも来ていただいております。
 厚生省にお伺いしますが、国民年金、厚生年金関係の施設について身障者の方々を受け入れる部屋数というのはどのくらいあるのか、あるいは盲導犬を伴う盲人の方々の利用というのはパーフェクトなのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#176
○川邊説明員 お答え申し上げます。
 国民年金、厚生年金保険の各施設及び大規模年金保養基地のうち宿泊可能な施設が全国で百四十三ございます。
 その中で身障者の方用の部屋といたしましては七十二室を備えておりまして、これにつきましては車いすの方に配慮した構造となっております。また盲導犬を伴った利用者につきましては、一般の利用者と同様すべての施設を利用できることとなっております。
#177
○草川委員 今の答弁、これは厚生年金等も含めて総部屋数で一体幾つ身障者の方々が利用できる部屋があるかといいますと、トータルで割りますと非常に少ないのです。〇・○○幾つになってしまうのです。部屋数は確かにそういうところがあるわけでありますが、総利用数に比べると非常に少ない。ですから私は、ハンディを持った方々が一番利用しやすい年金関係の宿泊施設でもっと自由にこれが利用できるようにお願いをしたいと思うのです。
 労働省の方は雇用保険を中心とした雇用促進事業団が運営をしている宿泊施設がありますけれども、この身体障害者用の設備状況はどのようになっておるのか、お伺いをしたいと思います。
#178
○野寺説明員 労働省の関係では、宿泊施設を持っております施設はハイツ、いこいの村といったようなものがございますが、これは雇用保険の附帯事業で建設しております。中小企業の勤労者の福祉増進ということを目的に設置いたしておるわけでございますが、現在全国で六十三カ所ございます。
 そのうち、車いすでそのまま利用可能な施設が五十カ所ございまして、さらに障害者用のトイレということになりますと、うち五十五施設に障害者用のトイレがございます。また、部屋数で申しますと、障害者専用の部屋というのは全室千七百八十一のうちの七十五、したがって五%程度かというふうに思っております。
 ちなみに盲導犬をお連れになります障害者の方につきましては、もちろん受け入れる前提でございますが、常日ごろ職員が正しい理解を持ちまして懇切に対応するように指導しているところでございます。
#179
○草川委員 労働省は、聞きますと大体毎年二カ所か三カ所、障害者用の宿泊施設をつくるようにという指導をしておるようでございますが、ぜひこれも一層の増進方を要望したいと思うのです。
 環境庁の方は、国民宿舎あるいは休暇村を管理しておみえになるわけでありますが、実はきょう傍聴に来ていただいておる方々で栃木の盲導犬協会の方、あるいは神奈川の平塚市の方から来ていただいておる日本盲導犬協会の方、あるいは中部の盲導犬協会の方々、一カ所ではなくて三カ所の代表の方に来ていただいておるわけでございますが、この日本盲導犬協会の方は、愛媛で国民宿舎の利用を申し込んだけれども電話では断られた、こういう話なんです。それで盲人の方々がたくさんグループを組んで行かれて、盲導犬を利用されておみえになるわけですから、離されて大変御不自由な思いをした。
 国民宿舎こそもっと盲人の方々、障害者の方々、あるいは盲導犬に対する理解を全国的に広めるべきだと思うのでございますが、その点もあわせて御答弁を願いたいと思います。
#180
○山口説明員 御説明申し上げます。
 国民宿舎につきましては、今先生からお話がございましたように、広く国民一般の方々を対象にいたしまして保健、休養の場を提供するということと、自然公園や温泉地等で低廉かつ快適な宿泊施設を設けていくといったようなことを趣旨といたしまして、昭和三十一年から設けられたものでございますが、大部分の施設が昭和三十年代から四十年代に設備されたということでございまして、身体障害者の方々の御利用に対する配慮が必ずしも十分に行き届いているという実態ではございません。
 しかしながら、比較的最近設けられた施設につきましては、身体障害者の方々の利用に供するためのおふろであるとかトイレであるとかといったものも設けておりまして、今後ともこういった施設の整備に努めていただくように指導してまいりたいというふうに思っております。
 そこで、先生からお話のありました身体障害者の方々の利用できる施設でございますが、部屋数につきましては手元に現時点で適当な数が把握できておりませんが、国民宿舎で申し上げますと、二百九十施設のうち、身体障害者の方々が御利用していただくためのトイレを設けている施設というのが四十八カ所施設されております。今後ともこれらの数がふえるように指導してまいりたいと思います。
 それから、盲導犬のことでございますが、先生から今お話のございました愛媛県の件につきましては、現時点で詳細な事実を、大変失礼でございますが、把握できておりません。調査中でございまして、十分実態を踏まえて今後そういうことのないように指導してまいりたい、身体障害者の
方々の利用にも十分対応できるような対応を考えてまいりたいというふうに思っております。
#181
○草川委員 これはきょうは呼んでおりませんけれども、国家公務員共済の保養施設は、大半盲導犬を連れた盲人の方々の利用を断っておるんだそうです。私は、そういう点では公務員関係の方々が運営をされておみえになります共済会の運営について大変疑問を持っております。また改めてその問題について申し入れをしたいと思っておりますが、また運輸省の方としても、そういう方々との連携をする場合には、ぜひ指導方をお願いしたいと思うのです。
 そこで問題は、実はきょうも盲導犬協会の方々とお話をしていたわけでありますが、この方々も当然のことながら盲導犬を利用して、連れて、同伴をして海外旅行をするわけでありますけれども、成田空港のタクシーはほとんど盲導犬を利用する盲人の方々に乗車拒否をするんだそうです。それで非常に強く頼んで、それで乗ると、会社からこういう命令は聞いていないとか、大変困ったというお話を私は本日お伺いいたしました。
 運輸省の方は、車いす利用者及び盲導犬を連れた盲人の乗り合いバスの乗車等について、昭和五十三年の四月に通達を出しておみえになるわけです。いわゆる公共機関についての利用についての指導が出ております。これは五十三年であります。私は、いま一度このタクシー会社等にも、盲導犬を連れた視覚障害者の方々の利用についてそごのないように念を押してもらいたいと思うのであります。その点について運輸省はどうでしょう、どういう御答弁になるんでしょうか。
#182
○大塚(秀)政府委員 先生ただいま御指摘のように、鉄道、バスについては、そのような通達によって現在とのバス、どの鉄道にも乗車できるようになっておりますが、タクシーにつきましてそういう問題がある点について、今後至急勉強させていただきたいと思います。
#183
○草川委員 これは成田空港だけではなくて、温泉地で盲人の方々が盲導犬を連れてマッサージ等の業務をやっておみえになる方が多いわけでありますが、どうしても遠隔地から呼び出しかあった場合はタクシーに乗らざるを得ないというときに、同じようにこの観光地におけるタクシー会社が盲導犬の乗車を非常に嫌う、こういうことについて事例があるわけでございますので、ぜひそういうことのないようにきちっとした御指導を運輸省は行われたいということを強く申し入れておきたいと思います。
 なお、先ほど宿泊の話もありましたけれども、レストランに盲導犬を連れていきますと、毛が飛び散るとかあるいは食品衛生上問題があるといって断られるケースが多いわけであります。その点について、これはきょうは厚生省の生活衛生局にも来ていただいておりますが、保健所としてどう対応するのか。ペットはもうだめだという指導をしておることは事実でございますけれども、ペットと盲導犬は違うということを運輸省の観光部整備課長が既に国会で答弁をしておるわけでありますから、その点どのように厚生省は受けとめて対応されるのか、お伺いしたいと思います。
#184
○織田説明員 盲導犬につきましては、その行動に関し十分訓練されていることから、視覚障害者がこれを帯同してレストラン等を利用することにつきましては、食品衛生法上問題があるとは考えておりません。さらに、盲導犬はいわゆるペット動物とは異なり、視覚障害者の第二の目としてその行動を助けるという重要な役割を果たすものであるため、関係方面の理解と協力を求める旨通達をもって指導を行っておるところでございます。
 今後とも視覚障害者の社会参加を促進していく上で、盲導犬の果たす重要な役割につきまして関係者の十分な理解と協力が得られるようなお一層の周知徹底を図ってまいりたい、このように考えて、おります。
#185
○草川委員 今厚生省の方から盲導犬を伴う視覚障害者の旅館、飲食店等の利用について、これは昭和五十六年の一月三十日に指示があるわけでありますが、いま一度これの徹底方をぜひお願いしたい。現実にはレストランで盲導犬は断るという例が、たくさんそういう事例があるわけでありますから、本当に盲人の方々、視覚障害者の方々の手足の一部だという理解をしていただきたい。
 もちろんこの盲導犬については、大変な長期間の訓練が要ります。約一年間は生まれた子犬をボランティアの方々に育てていただく。そして、ある程度大きくなってから訓練センターで八カ月なり一年近い期間をかけて訓練をいたしますのでございますから、どんなすばらしい音楽会に行こうと、世界で一流のシンフォニーを聞こうと、盲導犬はその盲人のいすの下に入って、何も音を立てたり他人に迷惑を与えようとしない。だから、ヨーロッパでは最高の音楽会でも盲導犬の利用というのは常識として認められているわけであります。あるいはまた、レストランにおいても同様であります。
 いわゆるハンディを持った方々に対する見方というのは、当然のことながら毛が散るとかということでなくて、また事実そういうことのないように盲人の方々は大変気を使って、この盲導犬と一体となって歩いておみえになるわけでありますから、先ほどの局長の答弁ではありませんけれども、社会の我々が盲導犬というのを利用しなければなりません。きょう遠くから、栃木から、あるいはまた名古屋からおみえになっておられますけれども、新幹線の中でも座席の下にきちっとしておるわけであります。
 かつてソウルのオリンピックの後に障害者オリンピックというのが開かれたわけでありますが、日本から二十四人の盲人の方々と二十四頭の盲導犬を連れて、我々が一頭韓国に盲導犬を差し上げたわけでありますけれども、その韓国の利用者の方々と合わせて二十五人が、ソウルのあのオリンピック会場でオープンのセレモニーのときに、一番最後に日本と韓国の盲導犬の大行進を行いました。
 私も、大変恐縮でございますが団長という立場に立って歩かせていただきましたけれども、韓国の方々からは熱狂的な拍手でありました。そして、障害者の方々の意思のとおりに動く、こういうガイドをする犬があるとは知らなかった、韓国も障害者年の一年目として今後盲導犬の育成に努力をしたいというようなことを言っておみえになりまして、真の日本と韓国の友好に役立たせていただいたと自負をしております。
 ところが、日本の盲導犬の育成状況というのは非常に弱いわけでありますが、厚生省として盲導犬の育成状況についてどのように考えておみえになるのか、お伺いをしたいと思います。
#186
○松尾説明員 お答えいたします。
 盲導犬の育成につきましては、道路交通法施行令で指定されました団体、日本に現在八団体ございますが、毎年育成を行っておりまして、視覚障害者に提供いたしております。これは、国の助成事業としまして各都道府県、指定都市において実施する障害者の明るいくらし促進事業というのがございまして、このメーン事業の中で盲導犬の育成事業を実施しております。
 平成元年現在、三十一都道府県、指定都市でこの盲導犬育成事業を実施しておりまして、一年間に九十頭が育成されております。現在、約七百四十頭程度が実働しているというふうに承知しております。
 さらに、盲導犬育成に関する国の助成事業でこの一頭当たりの金額でございますが、大体百五十万円程度で実施しておりまして、今後この盲導犬育成事業をますます充実させていきたいと考えております。
 以上でございます。
#187
○草川委員 今盲導犬もふえて七百四十頭だといって答弁がありましたけれども、視覚障害者の方々は、推定でございますが三十万を超しているわけです。三十五万に近いと思うのです。盲導犬を希望される方は二千人から三千人です。要するに白杖、白いつえをついておられますと非常に手に神経が集中せざるを得ない。それで怖いわけですよ、歩くこと自身が。ところが、盲導犬を使う
と非常にすいすいと歩いていく。うちの中に閉じこもらなくて、外で大手を振って歩かれるという意味で、人間自身としても非常に明るくなる。だから、盲導犬を一たん利用したらもう放すことができないと皆さんおっしゃっておみえになるわけであります。
 二千人も三千人も利用希望者がおっても、まだまだ提供ということは非常に不十分であります。なぜかというと、盲導犬協会というのは全国にわずかしかございません。六カ所か七カ所しかない。しかも、訓練士の方々の月給なんというのは月に十万円ぐらいの全くのボランティアなんです。だから街頭募金をせざるを得ない。今、国からの御支援があると言いますけれども、それはえさ代だとか本当の事業費の実費だけですから、運営費ではございませんから、だからどうしても一般の寄附を求めざるを得ない。
 私は、英国のロンドンへ行ってまいりました。ロンドンへ行って一番最初に盲導犬センターへ行きたいと言ったら、どこですかと言う。何カ所もあると言うんですね。そのうちの近いところをと言ったら、上野の山一つぐらいの訓練センターですよ。
 五分前ですからもうやめますけれども、そのように対応の仕方が違うわけなんで、ぜひ盲導犬育成団体に対する寄附金についての税法上の優遇措置を設けるべきであると思うんですが、この際厚生省の見解を求めたいと思います。
#188
○松尾説明員 お答えいたします。
 先ほど申し上げました八団体のうちの一団体は社会福祉法人でございまして、これは大阪の法人でございます。これにつきましては、社会福祉法人というのは税制上の恩典がいろいろあるわけでございますが、その他の団体は財団法人でございますので、一般の財団法人の寄附金の手当でしかない状況でございます。これにさらに特定公益増進法人の制度があるんですが、これは自然科学の分野等に限った運用がなされておりますので、非常に従来から難しいというふうに理解をしております。
 先生御指摘のとおり、我々もこういう団体の運営の活動については鋭意努力したいと思いますので、今後とも相談等について努力してまいりたいと思っています。
#189
○草川委員 そこで、最後に運輸大臣、私がきょうこのホテル法の改正について長々と申し上げたのは、一つは、まずソフトの面で力を入れたいとおっしゃっていましたけれども、基本的に施設整備について、特に障害者用の対応というのが非常におくれている。ですから私は、少なくともこの際、登録されるようなホテルには必ず車いすを利用できる男女別のトイレをまず基本的に設置をするというぐらいのことを最低の条件にしてもらいたいと思うんです。もちろんお金がかかりますよ、それは。倍ぐらいのトイレになるわけですから。扉も横開き、高さも大変難しい、車いすのまま利用できるわけですから。しかし、そういう設備投資に要したせめて利子補給ぐらいは将来運輸行政は考えても、先進大日本として恥ずかしくない観光行政ではないか、あるいはホテル行政ではないかと私は思います。
 また、先ほど来盲導犬を利用する視覚障害者の悩みの一端を申し上げましたけれども、少なくともどこへ行ってもタクシーに乗って不愉快な思いのないようにしていただきたい。それからまた、ホテルの利用等についても、わかりましたと言うぐらいにしていただきたい。外国の、少なくともヨーロッパなりアメリカのホテルへ行って、障害者の方々が、視覚障害者の方々が盲導犬を連れて宿泊を申し込みをして断るということがまずないんですよ。断ったらそれはペナルティーになるわけですよ。日本の場合は、断ることによってほかのホテルと違うという逆ステータスが私はあるように拝見をするわけでありますが、それはもう基本的に間違っております。
 あるいはまた、一流ホテルで入り口のフロントというのですか、玄関口に段差がないというホテル協会の資料がございますが、私もずうっと回ってまいりましたら、一センチなり二センチなり三センチの段差があるんです。三センチの段差があったらもう車いすは上がれないんですよ、よほど力を入れないと。後ろ向きになって大きな車の輪っぱで上がるならいいんですが、前の小さな輪では二センチの段差は上がりません、私も利用しましたけれども。
 だから、そういう点で、ひとつこのホテル法の改正の抜本的に弱い方々の条件ということをしっかりと念頭に置いて、ハンディキャップというのは一体何のためにそういう言葉があるのか、私はそういう方々をきちっと念頭に置きながらの改正をしていただきたいと思うんですが、大臣の答弁をいただきまして質問を終わりたい、こういうふうに思います。
#190
○奥田国務大臣 先ほど来、身障者の皆さんに対する先生の深い愛情と申しますか、特に視覚障害者の手となり足となっている盲導犬対応について大変感銘を受けて聞いておった次第でございます。タクシーのそういった乗車拒否のようなお話を聞き、早速これは業界に適切にまた強力に指導してまいりたいと存じます。
 ホテルにおいても、私は五〇%と聞いておったわけでありますけれども、今先生の御指摘によるとそれだけの数字はとても行っていないという状況、我が国の現状と照らして大変この面においてはまだ立ちおくれておるなという感を深くいたしております。
 今回の法改正におきましても、何とか身障者に優しいホテル、旅館、これが一つの登録の条件ではなかろうかということで強く要望したことは事実でございます。しかし、段階的に緩和するという条件と同時に、はっきり申しまして、先生も御指摘ございましたけれども、身体障害者の皆さん方に直ちに利用できるという通路、構造等々において、これを法的に明文化していくというような形ではとても条件的に非常に現状では難しいんじゃなかろうかということでございました。
 ですけれども、これは今後の改築、新築はもちろんのこと、改善指導という形で、むしろ身障者の皆さん方にマル通と申しますか、そういった形で公正な情報提供によって利用していただくという形に、利用しやすいような方向で努力しようと思います。
 と同時に、利子補給等々の導入を通じましてこれらの改善を早急に促していくという形は、明文化はしませんけれども、それに準じた形で今回の法改正の基本的な姿勢として指導してまいりたい。そういう形で頑張ってまいります。
#191
○草川委員 以上で終わります。
#192
○久間委員長 佐藤祐弘君。
#193
○佐藤(祐)委員 法案の前に、六日に起きましたJR東海の「のぞみ」型車両の事故の問題で若干お聞きをしておきたいと思います。
 原因究明、強く指示しているという先ほど御答弁がありましたが、けさの報道、きのう記者発表などがあったようですね。それによりますと、つけ忘れていたんではないかというモーターを取りつけるボルト二本は、最初はついていたが途中で落ちたようだとか、新たに六本のボルトの締めつけが不十分であることがわかったとか、ちょっとぞっとするような現時点での調査結果が報道されておるわけです。
 私は、本当にこういうことはあってはならない重大な問題でありますから、徹底したメーカーに対する指導、この車両の場合は川崎重工のようでありますが、指導をやるべきだということが一つであります。同時に、メーカーの責任は責任として、JR東海にもやはり大きな責任があるというように思うのです。
 こういうことをきょうあえて言いますのも、事故直後からのJR東海の対応を見ておりますと、車両はメーカーの責任施工でつくられておって、責任はもう川崎重工にすべてあるんだ、JR東海にはない、どういいますか、責任回避といいますか、そういう姿勢が非常に強く見えるんですね。これは大変私はおかしいと思うのです。乗客の安全、万全を期していくという立場で当然JR東海
としてもこの問題に真剣に取り組む必要があると思うのですが、そういった点について運輸省としてどう指導しておられるか、まずお聞きしたい。
#194
○井山政府委員 お答え申し上げます。
 先生ただいま御指摘のように、JR東海のこれは発表そのものと新聞記事の扱いにもよるとは思いますけれども、JR東海としては、当初からやはりこのボルトがないということについていろいろな点から調べて、初めはついていなかったんじゃないかということを考えたようでございますが、その後その雌ねじの方の穴をチェックいたしましたところ、どうも一回ねじが入ったことで山がつぶれているということを確認いたしまして、やはり一回は入った、しかしその後何らかのことで抜けたんではないか、こういうことを新聞記者の皆さんの御照会に応じてお話をしているようでございます。
 必ずしも自分の責任がないというようなトーンで申したかどうか、その辺は私どもも現実に確認しておりませんが、いずれにいたしましてもお客様との関係ではやはりJR東海が当然対応すべきであって、メーカーと鉄道事業者との間は、これは内部求償関係といいましょうか、これていくべきだ、こういうふうに考えております。
 ただ、納車するときにどこまで検査をするかというのは、先ほどもちょっと御説明申し上げましたけれども、鉄道の部品というのは細かい部品が多分何万点とあると思います。これを順次組みつけて形をつくっていくわけでございますが、そのすべての段階でチェックするというのはなかなか難しいだろうということは容易に想像されるわけでございます。そこで、今のところは契約上はすべてメーカーが引き渡すまではメーカーの責任で製造管理をやる、これはどの会社も同じでございますが、こういうことでやっております。
 ただ、他の社の例で今先生ちょっと、先ほども申し上げましたけれども、ほかの社の例では、途中の段階でメーカーのその生産管理といいましょうか、製造管理がちゃんと行われているかどうかを時々立ち会いで見に行くという会社もございます。ですから、そういうことがJR東海についても採用できないのか、こういうことも含めまして車両の検修体制といいましょうか、受け取るときの体制をもう少し考えたらどうだ、こういう指導を今しているところでございます。
#195
○佐藤(祐)委員 あの事故が起きた後、私ほとんど毎日利用している東武鉄道に早速聞いてみました。あそこの場合も、もちろん製造過程で社員を派遣して検査をするということもやっておりますが、完成品として搬入されてきた段階でもなおその検査、チェックをしているということなんですね。
 JR東海の場合は、きのうも実は東海の方に来ていただいて聞いたのだけれども、台車と車体が別々に海から入ってくるのかね、今回の場合は。そこで載っけるということですから、そこは検査がしやすい条件はあるんですが、しておられない。一方、聞きました東武の場合には、完成品でJRのレールで搬入されるらしいんですよ、レールを通って陸送で。しかし、どういいますか、車を検査するとき下に穴を掘ったような場所に置いてやるのがありますね、下回りの検査。それをやってボルトまで全部チェックしているというのですよ。製造段階で派遣するだけではなくて、製品として納入されたときにそこまでチェックしている。
 私はこれが当然だろうというふうに思うのです。歴史的にはむしろ国鉄のやり方を私鉄も導入したということで、大方の私鉄ではそういうやり方が現在行われている。ところが、どうもJRの方は、JRになってから以前やっていたような念入りなチェックを省力化しちゃったという問題が大きいと私は思うのです。ですから、その辺も含めて厳格に指導をしてもらう必要がある。
 といいますのも、やはりけさの報道で、これは新幹線鉄道事業本部の副本部長という方ですか、こういう人が、今後の検査体制について、これはある新聞報道ですけれども、「車両製造メーカーに年一回担当者を派遣し、品質管理が実施計画通りきちんと行われているかどうかチェックする」ようにしたい、こういうふうに言っておられる。これだけで十分かどうかという問題もありますが、非常に奇異に感じましたのは、問題だと思いましたのは、「JR東海自身による品質検査の必要性については「メーカーの責任施工でいいと思う。チェック個所が多すぎて当社では検査できないし、やる必要もない」」こういうふうに断言しているのですよね。
 私は、これはとんでもないことだというふうに思うのです。現に重大な事故が起きたわけですから、鉄道事業者としての乗客に対する責任、これは当然JR東海にあるわけですから、構造上の問題がメーカーにあったとしても、鉄道事業者として乗客の安全を保障していく、こういう立場での検査、チェック、これは当然JR東海の責任で万全を期さなきゃならぬというふうに思うのですね。だから、そういう構えがかなり弱いのではないか。もう車両のことはメーカーだからメーカーの責任でございますということで、特急料金を払い戻せば済むという問題じゃないのですよね。
 そういう点を厳格に指導してもらわなきゃならぬ、重ねてその点申し上げたい。民鉄の状況などはよく調査されて、JRの場合も国鉄時代はどうだったのか、国鉄時代はやっていたのですよ、そういう検査も。それをいわゆる利益第一主義といいますか、その中でそういう点を合理化、省力化してきたというところにも大きな背景としての問題はあるので、そういうところまで踏み込んだ指導をやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#196
○井山政府委員 国鉄時代と現在のあれでございますけれども、国鉄時代もたしか四十年の半ばぐらいまでは会社に人を派遣しまして、それで必要の都度チェックをしていたことがあるようでございます。
 その後、メーカーの方の何といいますか技術力もかなり上がったということで、国鉄もたしか四十五年か六年ぐらいだと思いますが、それ以降は任意の何といいますか立ち会いといいましょうか、それでやってきたというふうに私ども聞いております。もう少しこれは調べたいと思います。
 JR東海になりましてから、それもいわゆる立ち会いといいますか、時折行く立ち会いはやっていなかったというふうに聞いておりますので、先ほど申し上げましたように、そういうこと、例えば年に一回かどうかというのはそれは私は非常に問題があると思いますけれども、必要の都度行くというようなことも一つの方法ではないかと思います。
 それから私鉄の方でございますが、今私ども全部をつかんでおるわけではございません。会社によって区々でございまして、確かに昔国鉄がやっていたと同じようなことをやっている会社も、いまだに続けている会社もあるのではないかと思いますが、一般的に聞きましたところでは、いわゆる必要に応じて立ち会いといいましょうか、こういう形で、いわゆる検査という形ではやってない。
 ただ、発注主が行きますとやはり工場の方も非常に何といいますか締まるというのでしょうか、非常にきちんとやる、こういうことの効果もあるようでございましたので、そういうことも含めましてJR東海には今宿題を投げかけて、そういう体制をきちんとするようにという指導をしておるところでございます。今後とも続けてまいりたいと思います。
#197
○佐藤(祐)委員 次の機会にまたより詳しくやりたいと思いますが、新幹線鉄道運転規則などでもこの検査についてはいろいろな規定があるのですよ。これはやるわけだよ、そういうときには。年四十五万キロとかそういうときには。モーターというのは最初に出てきますよ。ですから、これがやれないということではなくてやる必要がないというのは、私は傲慢きわまりないというふうに思っています。
 この問題では最後に大臣にぜひ要請をしたいの
ですが、大臣も先ほどの答弁で、肝心なのは安全だ、それが抜かりがなかったかどうかとおっしゃったけれども、まさにこの問題だと思うのですよ。何といっても新幹線、東海道新幹線だけで年間に一億三千万人ですからね、運んでいる人の数は。大変重要な交通機関ですから、やはりこれの安全が万全に保障されるように、メーカーはメーカーとして、事業者は事業者として、いろいろなこれまでの経験にも学んで見直すべきは見直して、十分な検査なりそういうことをやっていくという方向で指導を強めてもらいたい、そう思いますが、いかがですか。
#198
○奥田国務大臣 先ほど草川先生にも同じ問題指摘で御答弁申し上げましたけれども、やはり今おっしゃいましたとおり、危機管理体制というのが果たして万全であったかということになると、今回の事故は大変な反省教訓を与えてくれたと思っております。効率化、スピード化、サービス化、そっちを第一に考えて、先生の言われるように安全、そういったチェックの面を省力化、合理化とかいうような形になっているとしたら、それはもうまさに公共輸送機関としての原則と申しますか、大前提というものを本当に大きく誤ったことであろうと思います。
 また、責任所在に関しましても、メーカーであれ、運行責任であれ、JR東海であれ、双方今後ともチェック体制を厳重にして、今の先生の御発言の趣旨にこたえるような対応を図っていくように指導してまいりたいと存じております。
#199
○佐藤(祐)委員 非常に重要な安全の問題ですから、厳格な指導を重ねて要求しておきたいと思います。
 さて、法案ですが、法案の関連する詳しい中身についてはけさ以来かなり質疑がありました。余り重複しないようにと思うのですけれども、これまでは、俗に言えば登録旅館というのは一流ホテル、一流旅館ですね、それをもっと広げようということなんですが、そういう対象になるだろうと思われる旅館の方、箱根などでいろいろ状況もお聞きしたのです。
 そうしましたら、何といっても今一番困っているのはやはり人手不足の問題だということなんですね。ちょうど五月、六月、七月というのは募集のために全国に散っているそうですよ。なかなか一般の募集だけでは集まらないということで、本当にこれは深刻で、しかも労働組合があるところは比較的労働条件も確保されている。それから労働組合がないようなところでは一日十二時間というような労働が普通になっているようですね。極端な例を聞きましたら、朝六時から始まって、早朝の朝食とかその他朝の用事がありますよね、途中中休みはあるけれども午後十時まで仕事をする。それから休日もほとんどとれない。そういうことがまたこの人手不足の原因といいますか、人がなかなか集まらない、こういうことにもなっているのですね。
 だから、今回の改正については私たちは基本的に賛成なんですが、こういう実情を本当によくつかんで改善をしていくようにしないといけない。大事なのは心だという質疑もありました。その旅館の方も言っておられました。応対した旅館の人の印象がよかったかどうか、親切だったかどうかというのは非常に大きな要因になるんだ、こういうことですね。それがやはり劣悪な労働条件の中でではなかなかそうはいかないという問題も出てきますから、何といってもそういう実情の改善、これをぜひ進める必要があるというふうに思うのです。
 そういう点についてはどういうふうにこの現状をつかんでおられるのか、また指導をしようとされておるのか、聞きたいと思います。
#200
○大塚(秀)政府委員 これは運輸省が所管する運輸事業一般に言えることでございますが、最近、労働力不足で労働力の確保が難しい、それぞれの事業が労働力の確保のために労働環境の改善等に努力しているところでございます。
 観光産業、なかんずくホテル、旅館についても、その職場環境は必ずしも恵まれているとは言えませんので、私どもといたしましても快適な職場になるようにいろいろな面から事業者を指導していく、それによって労働力が確保され、快適な職場であるということが利用者にとってよいサービスが提供できるもとになると考えておりますので、そういうものは今回の法律上の問題でなくても、いろいろな面で今後指導を強化していかなければならないと考えております。
    〔委員長退席、村田(吉)委員長代理着席〕
#201
○佐藤(祐)委員 法案に即してもう一つお聞きしておきますと、外客接遇主任者とか外国語習得従業員のお話がありました。大体英検三級程度でいいのだとかという話があったのですが、英語をこの機会に習得したいという人もいると思うのです。思いますが、今言ったような人手不足状況もある。なかなか思うようにいかないという面も出てくるのではないかという気もするのです。
 ですから、そういうことに関連して、一軒一軒の旅館では本当に初歩的な会話程度ができればいいということで、より十分な会話が必要な場合には地域ごとに援助する体制、ある地域の旅館組合なり観光協会なりで、一定のボランティアでもいいですが持っていて、必要に応じて派遣する、そういう形があると助かるというような声も聞いたのですが、そのあたりはどう考えておられますか。
#202
○大塚(秀)政府委員 私どもが現在考えておりますのは、登録旅館の属します事業者団体、国際観光旅館連盟とか日本観光旅館連盟において、複雑なといいますか現場の人の外国語ではなかなか通じないような苦情は電話等を通じて受けてもらうような仕組みをつくったらどうかと思っておりますが、ただいま先生御指摘のような地方の観光協会等を活用するということも一つ確かに考えられますので、その辺も検討させていただきたいと思います。
#203
○佐藤(祐)委員 先ほど障害者の方の盲導犬の問題、視覚障害者の問題で御質疑がありましたが、私は車いすの身体障害者の方の問題でお尋ねをしたいと思うのです。
 外国から日本への観光客は年々ふえているわけですが、実は車いす利用の外人は少ないのですね。これはヨーロッパ、アメリカなどへ行きますと、よく外国人の観光客が車いすで自由濶達に町を歩いておられるという情景にぶつかるのですが、日本では外国人の車いす観光客というのはほとんど見ないですね。日本人もなかなか動きにくい。全体に大変おくれているということだというふうに思うのです。
 今度の法案に関連しても、日本のホテル、旅館の身障者対策、受け入れ設備、こういうものを備えていくことが当然必要だというように私は思いますが、まず現状はどうなっているか、お聞きしたいと思います。
#204
○大塚(秀)政府委員 現在の登録ホテル、登録旅館におきます身障者受け入れ施設の整備状況につきましては、車いす用のスロープなどを設置しているものがホテルで二九%、旅館で一九%、車いすで利用可能なトイレを設置しているものがホテルで二七%、旅館で九%、点字案内を設置しているものがホテルで三%、旅館で一%であり、全体に必ずしも十分でないと考えておりますので、先ほどからお答えしておりますように、今後指導を強めていかなければならないと思います。
#205
○佐藤(祐)委員 今の数字はどの範囲の数字ですか。これは実態からいってパーセントが高過ぎないですかね。
#206
○大塚(秀)政府委員 旅館、ホテル全体じゃなしに、登録ホテル、登録旅館の数で申し上げました。
#207
○佐藤(祐)委員 今の登録ホテルといいますといわゆる一流ホテルですよね。そうでしょう。先ほどもこれは質疑があったとおりですね。
 私も資料をいただいておりますが、これは二九%になるのかな、四十一ホテルで十二では。この数字よりは低いのではないかなという気がしますが、それにしても世界に誇る日本の一流ホテルがこれだけの貧弱な体制だという問題、この問題は、外国人の観光客の必要もありますが、国内の
日本人の身障者にとっても切実なんですよ。
 先日、養護学校の先生からいろいろお話があったのですが、養護学校の修学旅行をやるわけです。ところが最近は、いろいろ修学旅行先を探して京都とか岡山とか連絡をされるのだけれども、断られることが多いというのです。その一つの理由としては、障害者対策が進んできて以前よりも重度の方が学校に来ておられる。以前は学校にも来られんかったような方が来ておられる、そういうこともあるというふうに言っておられたけれども、それで大変困っているということなんです。
 実際に箱根とか京都とか個別にも聞きましたけれども、先ほど挙げられたのはいわゆる一流ホテル、登録ホテルですね。ここの数字はそういうことですが、それ以外の地域ではそういうものがあるところははるかにけた違いの低い数字にしかならないのです。だから、ある箱根のホテルでは、車いすの方が来られたら板を用意しておって、玄関へも二、三段あるとか絶えず小さい階段があるところが多いのですが、そういうところに板を渡してスロープのようにして車いすを通すとか、いろいろな工夫もされているところもあるようです。
 私は、この機会に全国的、全面的に、国際障害者年の最終年にことしなりましたけれども、それで終わったというのではなくて、いよいよこれは本格的に重要なわけですから、そういう身障者が健常者と同じように旅行も楽しめる。政府の行動計画でも交通、移動という項目はあるのです。これは運輸省も、私たちも質問もしていますが、駅のエレベーターとかエスカレーターの問題とか一定の努力はされている。しかし、ホテル、旅館の場合にはほとんどそれがやられていないというのが実情なんです。ですから、ここの改善をぜひやる必要があると思いますが、いかがですか。
#208
○大塚(秀)政府委員 確かにハンディキャップを持たれた方々の行動におきまして、交通については以前から我々も十分関心を持って指導してきたところでございますが、宿泊施設を含めた観光施設についてはそれよりなおおくれている面もございます。
 今後は、旅行というのは単に交通機関だけではなしに宿泊施設もその一部に含まれているということを十分念頭に置きながら、身体障害者の方々の施設の整備等についても指導を充実強化していくよう努めたいと思います。
#209
○佐藤(祐)委員 いかに欧米と日本で差が大きいかというお話はさっきの盲導犬のお話でもありましたが、私も同じような話はたくさん聞いているのです。
 例えば、これは世田谷のあるお母さんだけれども、高校二年の肢体不自由の女のお子さんと一緒に先日、去年ですが、ロサンゼルスへ行かれたというのですね。ロサンゼルスの方が日本よりもうんと歩きやすかった、こうおっしゃっているのです。
 例えばどんなふうかというと、ホテルがありますね、ホテルの玄関の一番近いところに身体障害者、車いす利用の車のスペースが確保されているというのです、十台から二十台分。あの車いすのマークがありますね、あれがちゃんと記されているというのですね。そこはそういう車専用のスペース、ほかの一般の車両がとめることは禁じられているというふうに聞きました。それから、玄関を含めてすべてスロープになっている。階段のあるところは必ずわきにスロープがある。ホテルはそうなっていますし、バス、トイレなどもそうです。
 非常に象徴的だと思いましたのは、劇場に行ったそうですよ。劇場に行きましたら、車いすの方は優先的に一番見やすいところに案内されるのです。日本ではどうかというと、たまたま劇場へ行っても迷惑がられて邪魔者扱いされて、一番後ろのところで遠慮して見なければならぬ。まるで違うというふうにおっしゃっていますね。ラスベガスには身障者専用のカジノまであるのです。
 つまり、本当にハンディを持つ人が社会人として自由に生きられる、生活できるような町づくり、宿泊施設ということがもう徹底しているといいますか、だからやはりこの日本のおくれというのは相当なものだと思うのです。部分的には始まっておりますが、ほんの微々たるものだという状況ですね。ですから私は、運輸大臣にも発想をもっとしっかり変えていただいて、抜本的な対策の強化をやっていただきたいなと思います。
    〔村田(吉)委員長代理退席、委員長着席〕
 念のために政府の障害者年の行動計画、後期重点施策も皆改めて見直してみましたが、宿泊設備については一言もないのです。国際交流とかそういうことはあるのですが、宿泊に関してはまるでないのです。ところで一方、昨年から話題になっていますアメリカの障害者法、これを読みますと、民間事業体によって運営される公共性のある施設及びそこでのサービスというのが第三章にありまして、そこで具体的に真っ先に出てくるのが旅館、ホテル、モーテルなのですね。あるいはレストラン、バー、映画館、劇場、コンサートホールとか、そういうところですべて障害者が差別されずに利用できるようにしていなければならない。もしそうなっていなければ、それは違反事項で罰金の対象なのですよ。それほど徹底した対策がとられているという状況です。こういう点も大いに参考にしていただきたい。
 ディズニーランドのことも言っておられたな。あそこにディズニーランドがありますよね、日本の。あそこは、車いすで行きますと車いすの人はだめよというのが幾つかあるそうですね。ところがアメリカの、本場のディズニーランドはあらゆる乗り物とかなんとか一切全部参加できるのです。それで、人が長蛇の列で並んでいる場合には別に車いすの方の専用の入り口があって優先的に入れるようになっているのです。本当にこれはうらやましいというようにそのお母さんは言っておられた。
 だから、この落差というのは本当に大変なものですが、全面参加、平等というのはやはりこういうことを本当に保障していかなければならぬということだと思うのですね。こういう点で、今度の法案の中にはこれは直接的にはないし、いろいろな形で指導していきたいとはおっしゃっていますが、抜本的な強化策、発想の転換が私は必要だと思うのですね。何かつけたりでちょっとつけておけばいい。東京のホテルのさっきの二九%とかなんとかいうのも、例えば帝国ホテルではハンディルームは一部屋しかないのですよ。ほかも大体そうです、一部屋以上あるところはほとんどないですよ。京王プラザだけはハンディルームが十五室あります。だから全面的ではないのですね、ほんの少しだけはやっていますよという程度にすぎないのです。だから、ここはそういう状況を本当によくつかんで、改善、施設の設備の指導をなさるべきだと思いますが、まず局長、いかがですか。
#210
○大塚(秀)政府委員 昨年の世界観光機関の決議の内容にもありますように、今後宿泊施設における身体障害者の方々の施設の整備というのは重要な課題だと認識しております。
 宿泊施設の対象としましては、運輸省が所管しております登録ホテル、登録旅館のほかにも旅館業法に基づくもの等多様にわたっておりますが、我々が行政の対象としております登録ホテル、登録旅館については、今後遵守事項その他何らかの形で改築時その他の状況に応じでそのような施設が整備されるような工夫をしていく必要があると考え、これから努力させていただきます。
#211
○佐藤(祐)委員 最後に大臣に、大事な問題ですからお聞きしたいのですが、私が今言ったのは趣旨です。政府の行動計画にもまだちょっと抜けておったような問題で、しかし切実な課題、これからますます重要な課題です。
 大臣としてぜひこれは力を入れていただきたいし、ホテル、旅館における障害者用施設整備のガイドラインといいますか、そういうものもまとめて推進していく、そういうことが必要だというふうに思いますが、大臣の見解をお聞きして質問を終わりたいと思います。
#212
○奥田国務大臣 今、欧米先進国の実情紹介をさ
れまして、確かに日本の現状との間に率直に落差があるということは反省しなければならぬと思っております。
 今回の登録ホテル・旅館についても、身障者の皆さんがもう健常者と全く変わらない形で御利用いただくということが最終目標でなければならぬと思います。したがって、今回の法改正においても身障者にやさしいホテル、旅館、それがやはり登録に際しての重要な要素ではないかということの指摘もいたしたわけでありますけれども、段階的に改善の方向を強く指導していくという形で、今回はそういった目標を立てて、そしてまたそれらに対する助成措置等も具体的にやはり考えなければなりませんから、幸いに観光事業振興助成交付金等も新しい発足を見たわけでありますから、これらの資金等も活用してまいりたいと思っております。
 ただ、先生先ほど言われましたように、段階的ではありますけれども、登録旅館の中で将来そういった形を完備するとしても、現実にもう既にそういった形で目標に達したという形には、御指摘あったように車いすマークなんというのはなかなかおもしろいアイデアだな、こういった形のアイデアも関係団体に示しまして、身障者の皆さんの御利用が比較的できやすい情報サービスの提供にもなるんじゃなかろうかなと思いますので、その面についても努力したいと思います。
#213
○佐藤(祐)委員 終わります。
#214
○久間委員長 高木義明君。
#215
○高木委員 私は民社党の立場で若干の質問をいたしますが、それぞれポイントにつきましては朝の方から議論がされておりますので、確認あるいはまた念のために重要な点につきましてお尋ねをいたしてまいります。
 まず第一点ですけれども、今回の法改正によります、現在既に登録されておるホテル、旅館と法改正後の登録ホテル・旅館との差異についてお尋ねをいたします。
 現在二千数百の登録ホテル・旅館があるわけですが、これが法改正によりますと約五千にふえることになります。しかも、その際の基準というものが大幅に緩和されるということになりますと、現在までに登録をされておるホテル、旅館と新規の登録ホテル・旅館との間にどういった区別を設けていくかというのが重要な問題になります。
 旅館の御主人などにお話を聞いてみますと、現在政府登録のホテル、旅館につきましては、例えばバス、トイレの写真から何から何まで、本当に細かい部分まで資料の提出が必要になっているということでございます。そういたしますと、新旧の登録ホテル・旅館においてある意味の区別が出されなければ、現在の登録ホテル・旅館は納得しないのではないか、こういうこともあり得るのではないかということが考えられますけれども、この点について運輸省としていかがお考えであるのか。
#216
○大塚(秀)政府委員 今回の改正によりましてハード面、施設につきましては一般的に緩和されております。したがいまして、今までの登録ホテル、登録旅館に比べて拡大される部分については、施設面で今までより緩和された基準になるわけでございますが、法律上は、以前の登録ホテル、登録旅館と新規拡大部分の登録ホテル、登録旅館は区分がございません。また、このような問題については業界でも当初いろいろ誤解もあったわけでございますが、十分説明をして、今では特に問題点としては提起されていないと理解しております。
 ただ、このような差というのは、施設のサービスというようなところで差が出てまいりますので、情報提供の中身としましては、おのずからこれは昔からの登録ホテルだなというようなことがわかるような内容の情報提供が行われるであろうと私ども思っております。
#217
○高木委員 助成基準等につきましては何か区別的なものはないのでしょうか。
#218
○大塚(秀)政府委員 現在、法律上、租税特別措置法で具体的に定められますが、減価償却資産の耐用年数に対する特例と固定資産税に関する不均一課税が税法上の恩典として規定されておりますが、これにつきましては、平成四年度の税制措置におきまして、旧来の範囲内の登録ホテル、登録旅館にのみ引き続き優遇措置が適用されるということで、その点では差がございます。
#219
○高木委員 次に、この登録基準の法律から省令への変更についてでございますが、現行の法律事項から省令で定めることに変更されたその理由は一体何かということをまずお伺いしたいのであります。
 また、この登録基準は省令で定められることになったにいたしましても、やはりその性格からいいまして安易に変更されるようなものではないというふうに私は考えております。無論諸般の状況の変化によりましていろいろ見直しは必要だろうと思いますが、私はこの新しい基準案につきましても法律事項と同様な重みを持つものでないといけないというふうに考えております。
 この点について、運輸省としてはいかがお考えであるのか、御見解を賜りたい。
#220
○大塚(秀)政府委員 登録ホテル、登録旅館の登録基準につきましては、現在の法律、昭和二十四年に制定されたものでございますけれども、主なものが法律の別表に定められておりましたが、今回の法改正におきましては、客室、ロビー等の数、構造、こういったものの具体的な中身については省令に委任することとしております。
 これは、最近訪日外客の数が増大し、宿泊ニーズが多様化してまいりましたので、これらに適宜適切に対応するには登録基準をある程度機動的かつ弾力的に運用する必要があるからでございます。
 ただ、先生御指摘のように、これが登録できるかどうかの物差しになるわけでございますので、省令になったからといって安易に変更すみものではございません。したがって、最初の基準を設けるに当たりましても関係者の方々の意見を十分聞きまして、相当今後そのまま運用できるような基準を定めたいと考えております。
#221
○高木委員 そのようなことであってほしいと私は強く要望しておきます。
 次に、この法律によりまして新たに指定登録機関あるいは指定法人というものが存在をし、それぞれの活動をしていくわけでありますが、この趣旨につきましては、行革の趣旨に沿って民間委譲をするということが述べられております。私はまさにこれは当を得たものだと思っております。
 ただしかし、では現在これらの仕事を行っておった運輸省の中央または出先も含めてでありますが、そういう方々はどのような仕事を今後はしていくのであろうか、ここに非常に私は関心を持つわけであります。私は、むしろ前向きに考えまして、いわゆる新たな行政需要に対応できる分野について積極的に取り組んでいく、こういうことがないとこれは本当の意味の行革の精神にも反しますし、本当の意味の民間委譲にはならぬのじゃないか、そういうことを考えますけれども、この点についていかがお考えでしょうか。
#222
○大塚(秀)政府委員 国際化の進展あるいは余暇の増大に伴いまして、国際観光、国内観光とも今後ますます行政需要は増大しております。したがいまして、それほど多い人数ではございませんが、従来登録事務に携わっていた人間が余力が出るとしますれば、今後の新たな分野の観光行政、国際観光振興の問題、あるいは地方の運輸局におきましては地域開発に資する伝統芸能を活用したような観光振興、その他観光地の整備、そういった新たな行政ニーズに積極的に取り組んでいかせたいと考えております。
#223
○高木委員 ぜひ民間委譲という趣旨に合致するような体制をとっていただいて、国民のサービスにこたえていただきたい、このように思います。
 次に、外客接遇主任者についてお尋ねをします。
 この選任要件についてはいろいろあると思います。しかし、この選任要件を厳しくすればいろいろな問題が出てまいりますし、これを余り甘くしますとまた別の問題が出てくるということで、語
学力を含めまして一般的な地元の状況なりあるいはそれぞれの知識なり、こういったものを含めましてどの程度の選任要件というのを考えておられるのか。
#224
○大塚(秀)政府委員 外客接遇主任者の要件につきましては、第一に、ホテル等においてフロント業務など外客の接客に関する業務を一定年数以上経験していることという実務経験を求めることとしております。一定年数というのはこれから関係者の意見も聞きまして省令で定めることになりますが、今のところ私どもの頭の中には三年程度という年数がございます。
 第二に、我が国を訪れる外客が一般に理解するであろう英語に関して基礎的な能力、特に宿泊という場面で通常必要な内容を口頭で表現できることを求めることとしております。英検三級程度の英会話ということになりましょうか。
 ただ、今後登録ホテル・旅館にとってこの外客接遇主任者制度というものが過度の負担とならないように、このような要件と同等以上の資質を備えていると運輸大臣が認める者につきましては、形式要件を満たさない場合でも外客接遇主任者となり得ることとする、その場合には所定の団体等における所定の講習を経るというような別な手続が必要になると思いますが、そういう措置も考えたいと思っております。
#225
○高木委員 この法改正によりましてそれぞれの施策が実施されていくわけでありますが、ホテル、旅館の経営者の声だけではなくて、むしろ直接現場で接客業務をする方々の声をも反映するということが私は大切ではないかと思います。このことが本当の意味で心の通った我が国の観光のあり方であり、そういう意味で、この際、運輸省としてもそういった方々、いわゆる労働組合があるところはそういった方々の意見をも十分聴取をしていただいて、そして抜かりないような施策が講じられるように私はすべきだと思っておりますが、この点についていかがでしょうか。
#226
○大塚(秀)政府委員 今後の新しい登録基準などの省令の策定あるいは情報提供事業の実施方法の決定など、改正法の実施に当たりましてはホテル、旅館業界などの関係者の意見を十分踏まえつつ、この制度が有効かつ円滑に実施されるよう配慮してまいることとしておりますが、関係者の中には当然現場の実務を知っておられるような方、それが労働組合の代表の方ならそういう方の御意見も聞くことにしたいと思います。
#227
○高木委員 時間も限られておりますので最後のお尋ねとしますが、せっかくですので、運輸大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
 こういった法案の審議が今なされておるわけでありますが、私たちは基本的にこの法案については賛成でございます。我が国のいわゆる国際観光の振興あるいは地方の国際化ということから見ても、私はうまくいけば非常にまた効果を出す法律だと思っております。それだけに大きな期待をも持っておるわけでありますが、今後法の趣旨を生かされる運輸行政として、その責任者である大臣の決意のほどをお聞かせをしていただいて私の質問を終わりたいと思います。
#228
○奥田国務大臣 午前中の御質疑にもお答えをいたしましたけれども、まさに旅行は文化であり、ホテル、旅館は日本の文化と心の最初の触れ合いの場であるという基本認識に立ちまして、今後増大するであろういわゆる外国からのお客さんに対して、そういった基本的な姿勢に立って今度の法改正を行ったものでございます。
 したがいまして、ハード面では登録要件を緩和いたしましたけれども、むしろソフト面の、心のサービスを含めたそういった面では、外人客の接遇士制度創設を初め国際交流の振興といわゆる相互理解に大きく役立ってくれるであろうということを強く期待をいたしております。
 先生の先ほど来の御質疑の趣旨を大切にいたしまして、この法案を実効あらしめるように努力してまいりたいと存じております。
#229
○高木委員 終わります。
#230
○久間委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#231
○久間委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#232
○久間委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#233
○久間委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、村田吉隆君外四名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。村田吉隆君。
#234
○村田(吉)委員 ただいま議題となりました国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項につき万全の措置を講ずべきである。
 一 登録ホテル・旅館の対象が拡大されることにより、すべての利用者特に外客に対するサービスが低下しないよう配慮すること。
 二 指定登録機関の行う情報提供に当たっては、その内容が利用者にとって分かり易いものであるとともに、ホテル・旅館にとって不適切な差別を設けるものとならないよう十分配慮すること。
 三 外客接遇主任者の選任に当たっては、本制度が初めて導入されることにかんがみ、ホテル・旅館に過度な負担を与えないよう留意すること。
 四 ホテル・旅館の登録基準等の省令策定に当たっては、関係者の意見に十分配慮すること。
 五 本法の施行により、ホテル・旅館従業員の労働条件が悪化しないよう配慮すること。
以上であります。
 本附帯決議は、当委員会における法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものでありまして、本法の実施に当たり、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにし、外客接遇の一層の充実を図ろうとするものであります。
 以上をもって本動議の御説明を終わります。
#235
○久間委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 村田吉隆君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#236
○久間委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。奥田運輸大臣。
#237
○奥田国務大臣 ただいま国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案につきまして、御熱心な御審議の結果御可決をいただき、まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、運輸省として十分な努力をしてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#238
○久間委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任
願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#239
○久間委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#240
○久間委員長 次に、内閣提出、地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。奥田運輸大臣。
    ―――――――――――――
 地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観
  光及び特定地域商工業の振興に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#241
○奥田国務大臣 ただいま議題となりました地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律案の提出理由につきまして御説明申し上げます。
 我が国がゆとりと豊かさを実感できる生活大国への歩みを進める中で、国民の価値観、ライフスタイルは大きく変化してきており、観光及び商工業においてはこれらの変化への対応が求められているところであります。
 こうした中、地域の活性化、あるいは国際化の観点からも、観光の果たすべき役割は重要性を増しており、地域の特色を生かした魅力ある観光地づくりが求められているところであります。
 地域の伝統的な芸能等は、地域の歴史、文化等を色濃く反映したものであり、これを活用することは、地域の特色を生かして観光を多様化し、観光の魅力を増進するために極めて効果的なものであると考えられます。特に日本の歴史、文化、伝統等に対する外国人の理解を深め、国際観光を振興する観点からも、地域伝統芸能等の活用の意義は大きいものと思われます。
 一方、ゆとりと豊かさを求める消費者のニーズの多様化、高度化が進展する中、地域の特色を生かした個性ある地域商工業の振興が求められております。
 地域コミュニティーの核である地域伝統芸能等を活用した行事の開催は、にぎわいの創出により集客力を高めるとともに、地域伝統芸能等を活用した製品の開発・生産等をその地域において促進することにより、地域の特色ある製造業の振興を図るための重要な手法であります。
 以上を踏まえ、地域伝統芸能等を活用した行事の確実かつ効果的な実施を支援するための措置を講ずることにより、観光及び特定地域商工業の振興を図り、もってゆとりのある国民生活及び地域の固有の文化等を生かした個性豊かな地域社会の実現、国民経済の健全な発展並びに国際相互理解の増進に寄与することを目的とする本法律案を提出した次第であります。
 次に本法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一は、基本方針の作成についてであります。本法における主務大臣である運輸大臣、通商産業大臣、農林水産大臣、文部大臣及び自治大臣は、地域伝統芸能等をその主題として活用した活用行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興、活用行事の実施、活用行事を確実かつ効果的に行うための特定事業等の実施等について基本方針を定めるものとしております。
 第二は、基本計画の作成についてであります。都道府県は、活用行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する基本的な方針、活用行事の実施主体、実施内容等について基本計画を定めることができることとするとともに、その際主務大臣に協議しなければならないものとしております。
 第三は、基本計画の実施のための支援措置についてであります。外国人観光客の誘致を積極的に進める観点から通訳案内業法の特例を設け、運輸大臣の認定を受けた者は、地域伝統芸能等についての通訳案内業を営むことができるものとするとともに、活用行事に係る施設の円滑な整備、地域伝統芸能等を活用した製品の開発・生産等を進める観点から中小企業信用保険法の特例を設けることとしております。
 また、国及び地方公共団体は、活用行事及び特定事業等の実施主体に対し、必要な助言、指導その他の援助に努めなければならないものとするとともに、地方債について特別の配慮をすることとしております。
 さらに、主務大臣は、指定した法人に、活用行事及び特定事業等の実施に関する情報の収集及び提供並びに資金の支給その他の援助等を行わせることとしております。
 第四に、運輸大臣は、地域伝統芸能等についての通訳案内業を営む者に係る認定の実施に関する事務を指定認定機関に行わせることができるものとしております。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#242
○久間委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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