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1992/04/03 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 商工委員会 第5号
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1992/04/03 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 商工委員会 第5号

#1
第123回国会 商工委員会 第5号
平成四年四月三日(金曜日)
    午前九時五十四分開議
出席委員
  委員長 武藤 山治君
   理事 逢沢 一郎君 理事 井出 正一君
   理事 自見庄三郎君 理事 額賀福志郎君
   理事 山本  拓君 理事 竹村 幸雄君
   理事 和田 貞夫君 理事 森本 晃司君
      甘利  明君    新井 将敬君
      石原 伸晃君    岩屋  毅君
      植竹 繁雄君    浦野 烋興君
      尾身 幸次君    梶山 静六君
      佐藤 信二君    佐藤 守良君
      斉藤斗志二君    住  博司君
      田辺 広雄君    谷川 和穗君
      中山 太郎君    仲村 正治君
      星野 行男君    増田 敏男君
      山口 俊一君    大畠 章宏君
      岡田 利春君    加藤 繁秋君
      後藤  茂君    鈴木  久君
      安田 修三君    安田  範君
      吉田 和子君    権藤 恒夫君
      二見 伸明君    渡部 一郎君
      小沢 和秋君    川端 達夫君
      江田 五月君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  渡部 恒三君
 出席政府委員
        通商産業大臣官 内藤 正久君
        房長
        通商産業大臣官
        房商務流通審議 麻生  渡君
        官
        通商産業大臣官 中田 哲雄君
        房審議官
        通商産業省立地 鈴木 英夫君
        公害局長
        資源エネルギー 黒田 直樹君
        庁次長
        中小企業庁長官 南学 政明君
 委員外の出席者
        林野庁業務部業 伴  次雄君
        務第一課長
        林野庁業務部業 川村秀三郎君
        務第二課長
        商工委員会調査 山下 弘文君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十六日
 辞任         補欠選任
  川端 達夫君     米沢  隆君
同日  
 辞任         補欠選任
  米沢  隆君     川端 達夫君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  新井 将敬君     江崎 真澄君
  岩屋  毅君     奥野 誠亮君
  植竹 繁雄君     亀井 静香君
  奥田 幹生君     長谷川峻君
  斉藤斗志二君     坂本三十次君
  田辺 広雄君     小渕 恵三君
  増田 敏男君     熊谷  弘君
同日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     新井 将敬君
  小渕 恵三君     田辺 広雄君
  奥野 誠亮君     岩屋  毅君
  亀井 静香君     植竹 繁雄君
  熊谷  弘君     増田 敏男君
  坂本三十次君     斉藤斗志二君
  長谷川 峻君     奥田 幹生君
四月三日
 辞任         補欠選任
  奥田 幹夫君     住  博司君
  佐藤 守良君     星野 行男君
  中山 太郎君     石原 伸晃君
  武藤 嘉文君     山口 俊一君
同日
 辞任         補欠選任
  石原 伸晃君     中山 太郎君
  住  博司君     奥田 幹生君
  星野 行男君     佐藤 守良君
  山口 俊一君     武藤 嘉文君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第三一号)
 中小企業流通業務効率化促進法案(内閣提出第
 六三号)
 特定債権等に係る事業の規制に関する法律案
 (内閣提出第七四号)
     ――――◇―――――
#2
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。植竹繁雄君。
#3
○植竹委員 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案について、自民党を代表して質問いたします。私に与えられた時間は二十分でありますので、簡潔にお答え願いたいと思います。
 まず、法案の審議に入ります前に、非鉄金属産業対策についてお伺いいたしたいと思います。
 銅、鉛、亜鉛等非鉄金属産業は、私ども幾多産業の基礎資材としまして不可欠な重要資源の安定供給を図る産業であります。私ども日本におきましてもこの産業の開発の歴史は古く、奈良時代から金、銀、銅、水銀等といったものが採掘あるいは製錬されておりました。こういう非常に長い歴史の中にありまして、この産業は常に私ども日本の産業の中枢としまして、国民生活にとりまして必要欠くべからざる産業として国民生活発展の基盤を築いて、また支えてきたのであります。日本のはえあるこういう長い歴史のもとに、反面、戦後の貿易あるいは為替の自由化、二度にわたる石油の危機を乗り越えてまいりまして、今日いろいろと合理化等によりこの産業が支えられてきたのだと私どもは承知しておるわけでございますが、ここ数年来、この非鉄業界の状況につきましてはまことに厳しいものがあるわけでございます。昭和四十年代におきましては、それまでこの非鉄業界が銅を中心としまして非常に発展してまいりました。五十年代に入りましては、これがやや下降ぎみといっても徐々に伸びているというような状況でございました。そして平成二年度、いわゆる一九八〇年代の後半になってまいりまして、またこの非鉄産業というものが大きく需要構造が変わりまして伸びてまいったわけでございます。しかしながら、こういう状況のもとに、この現況また成長率の低下とともに大変厳しい状況になってきたのであります。
 こういう状況の中にありまして、やはり資源の安定供給という点において国内鉱山の開発というものは非常に重要だと思っておるのであります。特に国内鉱山の資源の開発ということを通じまして資源の安定供給という点から考えますと、やはり海外における鉱山の技術開発とかあるいは今後日本の中の経済発展における資源確保といった面でもって人材の育成ということを考えましたときに、国内鉱山の開発というものが引き続き重要だと思っておるのでございます。しかしながら、今の産業状況から見まして国内鉱山というものは、かつて三百九十九もあったのが今二十六鉱山ぐらいになってしまった、大変厳しい状況でございます。もちろんこれは、資源の枯渇とかあるいは国際価格、つまりロンドン・メタル・エクスチェンジといったそういうところで決める価格が国内に大きく影響をいたしておりまして、その国際的な不況とか輸入鉱石によるコスト高という点から国内鉱山というものは非常に縮小してきた、こういうことでございますので、国内鉱山の経営というものが非常に難しくなってきた反面、やはり長期的に見ましてはこういう鉱山を維持していくことが大変重要だと思っておるところでございます。
 したがいまして、今後通産省としましては国内鉱山の安定経営というものについての対策とか措置についてどう考えておられるか、まず第一番目にお伺いしたいと思います。
#4
○渡部国務大臣 今植竹先生からお話がありました非鉄金属、まさに我が国経済の基礎素材でありますから大変重要でございます。それが、今先生がお話しのように急激な国際化、自由化、こういう中で厳しい環境にあることも先生御指摘のとおりであります。そういう厳しい情勢の中で、やはり何とか頑張っていきたい、こうやって頑張っておられる皆さん方が今残っておるわけでありますし、また我が国の探鉱技術また鉱害等に関する技術、これは非常にすぐれたもので、今後海外に出て国際社会にも貢献できるのでありますから、私ども先生御指摘のとおりできる限り頑張って、残っていけるものは残っていただきたい、こういうことで、今回お願いしておる法案もその一環でございますが、まさに先生御指摘の問題点については私も同感でございます。
#5
○植竹委員 大臣から大変ありがたいお話を伺いましたけれども、やはりこういう鉱山対策、特に、私は国内の銅鉱山はほとんどといいますか、海外製錬所を持っておる鉱山については山に入りまして現場を見ておりますので、日本の鉱山開発技術というものについては非常に優秀だと思っておるので、ぜひいろいろと対応願いたいと思います。
 それで伺いますのは、この地金製錬につきまして問題となるのは、やはりガット・ウルグアイ・ラウンドにおきまして関税交渉で銅、鉛、亜鉛等の地金の関税引き下げが大きな問題となっております用地金関税は、休廃止鉱山の坑廃水処理対策、あるいはほかの国の非鉄金属産業における地金の特殊なコスト要因を抱えており、海外の鉱山に対する地金等の価格、それに対する我が国における特殊なコスト要因というものを比較するときに、このウルグアイ・ラウンドの関税問題というものが非常に重要になってくるわけでございます。そういう点におきまして、産業界ではこの交渉の経過あるいは今後の成り行きというものを非常に注目しておるところでございます。
 私どもは常に貿易の自由化という問題の一翼を担っておるのでありまして、この関税の問題は対応が非常に難しいということは考えられるわけでございますが、現在の交渉の状況及び今後の見通し等についてお伺いしたいと思うのであります。
#6
○渡部国務大臣 ただいま植竹先生から御指摘の市場アクセス交渉は、まさに御指摘のとおりウルグアイ・ラウンド交渉の不可欠な部分をなしており、自由貿易体制の維持強化の観点から我が国としても積極的な貢献を求められております。中でも、この銅を初めとする非鉄金属の分野は米、加が強い関心を有し、現在非鉄金属全体の関税について相互撤廃を提案しており、またECとの間でも銅地金関税は三十年来の問題になっております。
 我が国の非鉄金属鉱業が鉱害などの困難な問題を抱えておる実情はまさに先生御指摘のとおりでございまして、各国に対し我が国の厳しい事情を今十分に説明しておるところでありますが、我が国としては各国の関税を協調して引き下げるというハーモナイゼーションの提案を行いまして、交渉は今大変厳しい状況にございます。今後とも我が国の非鉄金属産業の抱える困難な状況、及びウルグアイ・ラウンド交渉全体の進捗状況を踏まえ、これは非常に難しい問題ですけれども、先生の意を体して適切に対処してまいりたいと思います。
#7
○植竹委員 ぜひそのように対処していただきたいと思います。
 ところで、法律案についてお伺いしたいと思います。
 休廃止鉱山におけるいわゆる坑廃水による鉱害の問題、特に私どもは田中正造翁の足尾鉱毒事件を地元に持っております。これは委員長も同じでございますが、そういう観点で、この坑廃水の処理というものは本当に私どもの生活に大きな影響を与えるものでございます。そういうような経験から、今回の法改正について大臣初め関係の方にお伺いしたいと思います。
 今回の対策が恐らく坑廃水にかかわる鉱害防止対策の最終的なものということになると思われますけれども、採掘権者といたしましては、基金への拠出額が余りにも大きい、負担も大きいことを考えれば、まずこうした段階で決着する前に採掘権者の坑廃水処理費用の低減化等について努力し、政府としてもいろいろ支援していかねばならないと思うのでありますが、この点について政府のお考えを伺いたい。また、この基金への拠出という段階になったときにおきましては、拠出が採掘権者にとって重大な負担となり経営に大きな影響を及ぼすということにならないよう、補助金あるいは拠出に対する融資制度の創設、あるいは採掘権者等の事情を勘案しました弾力的運用の負担軽減措置を講じる等考えるべきでありますけれども、この点についてどういうふうに通産省としてはお考えになるか、お答えいただきたと思います。
#8
○鈴木(英)政府委員 今回のこの法律改正の目的を確実に達成し、鉱害防止対策を万全のものとするためにも、先生御指摘のように採掘権者等の負担軽減は非常に重要な課題であると私ども認識をしておるわけでございます。特に、この基金への拠出額は結局坑廃水処理費に連動して定まるということになっておりまして、このため、処理費の低減をいかに図るかというのがまず第一のポイントになろうかと思っております。
 したがって、まず第一段階といたしまして発生源対策の段階で採掘権者による処理費用の低減を図るという努力をしてもらうのが効果的であるというふうに考えておりまして、より効率的な発生源対策に対する鉱害防止資金融資の活用でありますとか、あるいは金属鉱業事業団で技術開発をやっておりますが、そういうものの適用あるいは指導等、できる限りの支援をしていくことが必要であるというふうに考えております。
 第二に、その上で必要な基金への拠出につきましては法律上最大六年間の分割拠出を認めるとか、あるいは税制面においても損金算入の特例制度を認めるというようなことで負担の軽減を図り、かつ弾力的運用が図られるようにしてまいりたいと考えております。
 さらに、御指摘の補助金につきましては、現在休廃止鉱山の坑廃水にかかわる補助金制度がございますけれども、これによって鉱業権者の負担軽減を図っておるわけでございますが、引き続きこの拡充を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、以上によりまして鉱山業界に対するヒアリングにおきましても当面所要の拠出は可能である、当面は大丈夫だというお話でございますけれども、万が一今後の経済情勢の変化等によりまして何らかの措置が必要になることもあり得るというふうに考えられますので、その際には拠出金に対する事業団の融資制度等、そういう新しい制度も含めて適宜検討させていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#9
○植竹委員 また、指定機関においては、将来にわたる安定的な坑廃水処理対策を行うために、事業団による坑廃水処理にかかわる技術開発、特に処理コストの低減のための技術開発を加速的に行っていかなければならないと考えますけれども、技術開発の現状及び今後の対応方針というものをお伺いしたい。
 さらにまた、やはり指定機関の経営の安定化あるいは人材確保のために、魅力ある職場づくりというもののために、指定機関は廃水処理事業のほかに鉱害防止技術についての研究開発やまた海外の技術協力等の事業、さらには鉱山が廃止になった後の後処理といいますか、利用した事業地域等の振興に係る事業も考えていくべきじゃないか、こういうふうに考えますので、あわせまして技術開発の現状及び今後の対応とさらに今の点についてお答えを願いたいと思います。
#10
○鈴木(英)政府委員 ただいまの金属鉱業にかかわります鉱害防止技術につきましては、昭和五十年度から金属鉱業事業団におきましていろいろな調査研究を行ってきておりまして、発生源対策あるいは坑廃水の中和処理技術等を含めまして積極的な研究を行っているところでございます。現在までに、例えば中和でできました殿物を坑内に還元する技術でありますとか、あるいは殿物の量を少なくするための技術、あるいは微生物を利用した処理技術、こういうものの研究も進められておりまして、そうした成果が既に多くの休廃止鉱山の坑廃水処理に活用されておるという状況になっております。
 ただ、この坑廃水処理につきましては、処理コストが非常に多額に上るというようなこともございまして、今後技術的に解決すべき課題もたくさんございます。今後とも、金属鉱業事業団を中心として技術開発を鋭意進めてまいりたいというふうに考えております。
 また、この指定機関の問題でございますけれども、この指定機関が今後半永久的に事業を円滑に実行していくということでございますので、もちろんこの指定機関に働いている方々に希望を与えるというようなことも含めまして、鉱山跡地利用等の地域社会に根差した事業を実施するということが将来指定機関にとっても地元にとっても非常に重要なことではないかというふうに基本的に考えておる次第でございます。
 したがいまして、もちろんこの指定機関は公益法人でございますので、その許される範囲内におきまして、地域の振興の事業に参画しますとかあるいは海外協力に貢献をしていくというようなことを目指しまして、できる限りの支援をしてまいりたいというふうに考えております。
#11
○植竹委員 もう時間がありませんので、いずれにしましても、非鉄金属産業というものは国民経済発展の上に今後とも重要な産業でございますので、通産当局におかれましても本当に十分な対応策を要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
#12
○武藤委員長 次に、安田範君。
#13
○安田(範)委員 まず、法案の質問に入ります前に大臣に、ただいまお話ございましたけれども、一言所見を伺いたい、かように思います。
 それは、非鉄金属鉱業、この実態というものが今日非常に厳しくなってきている、これは御案内のとおりであります。四十年代を大体契機にいたしまして、それまでは相当の急速な伸びを示していたわけでありますが、その後大変な鈍化、そしてまた、海外鉱石等の輸入の関係もありまして今非常に厳しい経営が展開されている、こういう状況であります。
 特に銅の関係につきましては、昭和四十年に四二・〇%、こういう供給の状況であったわけでありますけれども、これが平成二年にはわずかに〇・四%、こういうふうな状況であります。さらにまた、鉛につきましても四九・一%が今日一四・〇%、さらには、亜鉛につきましては六一・二%が一七・九%、これはもう、ちょっと想像以上の大変な状況ではないのかな、厳しい状況ではないのかな、こういうふうに感じられるわけであります。
 特に、この状況と軌を一にいたしまして非鉄金属の鉱山数も、昭和四十年には三百九十九、そして平成三年の四月にはわずかに二十六鉱山、こういう状況になってまいりました。それに働いている従業員、これも、昭和四十年当時は四万六千六百四十三名、これが今日の状況におきましては、わずかにと言ってはなんですけれども、二千四百四人、こういう状況であります。これを、数字を見ただけでも今日の非鉄金属鉱業の実態というものははっきりとわかると思うのです。
 こういう面から考えまして、私どもは、先ほどもお話がございましたように、日本の基礎的な資源、こういうこともあります。同時にまた、それに従事をしている従業員、家族、こういうものも含めましてまさに憂慮すべきような状況になってきている、かように考えるわけであります。したがいまして、大臣としましては、この現況についての認識、同時にまた日本における非鉄金属鉱業等の将来の展望、どう見通したらいいのか、このことについてひとつ御説明をいただきたいと思うのであります。
 それからまた、この見通しの中におきましても、この法案の提案に当たりまして、将来の日本の、特に海外についての探鉱のたくさんの問題がありますけれども、そういうものも少々は承知をしているつもりなんですけれども、そういうことも含めまして今後の将来展望、特に幅の広い展望というものをお聞かせいただきたい、かように考えるわけであります。
#14
○渡部国務大臣 今安田先生からお話がありましたが、国内金属鉱山の過去を振り返りますと、私のところも実は銅山がありましたが、三十年前は二千人近い人たちがそこで働いて、まさにいんしんをきわめておったものですけれども、これは今跡形もなくなってまいりました。お互い大変胸が痛む思いでございます。
 ただ、国内金属鉱山が資源供給に占める割合は、まさにお話しのとおり少なくなりましたけれども、我が国の鉱物資源の安定供給確保上最もすぐれた供給源として、また、今後海外における鉱物資源開発を推進していく上での技術の涵養、人材育成の場として極めて重要な位置を占めておると私は考えております。
 ところが、国内金属鉱山はその経営が、今お話がありましたように、国際市況、為替相場などの動向に大きく左右されるという脆弱性のみならず、鉱床という消耗性の資産を経営の基盤とするという特殊性を有しており、国内金属鉱山の存続のためには国の支援が必要であります。このため通商産業省としては、金属鉱業事業団による国内資源調査、企業探鉱に対する補助金及び低利融資制度、減耗控除制度などの国内探鉱の支援促進策を推進するとともに、国内鉱山の経営安定化のための超低利融資制度である金融鉱業経営安定化融資制度の適切な運用等を図り、何とか、先生御心配の国内鉱山の存続、発展を図ってまいりたいと存じております。
#15
○安田(範)委員 答弁としてはわかるわけなんですけれども、実はこれは通産大臣だけで対処できる話ではありませんけれども、今も大臣の地元の話がございましたけれども、私も実は栃木県でありまして、栃木県には御承知の足尾銅山があるわけであります。一番最盛期、大正時代から昭和の初期にかけましては、大体人口二万人から三万人と言われていた時代があったわけであります。それが今日は、人口わずかに、多分四千七百名程度に減ってしまうわけですね。これは、企業城下町といいますか、そういう名前がありますけれども、一つの企業に依拠をいたしましてどんどんその地域が膨らんでいく、その企業が倒れるということになりますると、一挙にゴーストタウンといいますか、大変悲惨な状況になってしまう、こういう実態が各所にあると思うのであります。そういう面から考えますると、これは通産だけで対処できるわけではありませんけれども、まず過疎化してしまってどうにもならない、今でもそれぞれの自治体なんかで大変な苦慮をしながら、道路をつくったりあるいは観光開発をしたりというようなことを盛んにやっておりますけれども、なかなかそれでも若者が住みつかない、残ったのはお年寄りだけ、こういうような実態もあるわけであります。そういうことを考えますると、例えば鉱業所が後どうなっていくか、こういうものについては、やはり所管は通産省でありますから通産省の方でしっかりとそういうものを見きわめて、関連する省庁と十分連携をとりつつ、過疎対策等についても意を用いる必要があるのじゃないか、かように考えるわけでありますが、この点いかがでしょうか。
#16
○渡部国務大臣 これはおっしゃるとおりでございまして、この前石炭の話があったときも若干私は申し上げたのですけれども、かつて金属鉱山でいんしんをきわめた地域が、非常に大きな我が国経済再建の役割を果たしながら、今急激な国際化、自由化の波の中で過疎の道をたどっておる地域がございます。これはおっしゃるとおり通産省だけで解決できる問題でありませんが、私が通産大臣に就任する前にやっておりました自治大臣のときに、竹下先生と一緒に掲げたふるさと創生事業、これが今地域推進事業とかいわゆる拠点都市構想とかいろいろな形になっておりますけれども、かつて大きなこの国の経済発展に役割を果たした地域、これをまた再び新しい時代に合った経済、生活のニーズに対応して活力を持たせるような方法を講じていくことは国全体の責任であり、その中で私どももできる限りのことをしてまいりたいと存じます。
#17
○安田(範)委員 なかなか答弁は答弁でという話になっては大変困るわけでして、過疎地域につきましては、いろんな面で自治省なんかも中心になりましてそれなりの活性化対策はやっておりますけれども、特に、例えば鉱業等におきましてこういうような後の状況というものは、言葉は悪いのですが、大変悲惨だというような状況になったことにつきましては、やはり通産省としてももっともっと誓言力を強めて、実際に事業化できるような措置というものを探求していってもらいたいな、このことを非常に強く思うわけでありまして、これはひとつよろしく今後お取り計らい願いたい、かように思います。
 それと、鉱山経営が大変厳しい、したがって、いろいろな手だてをして国の方で援助をという話の中に、金属鉱業事業団法があるわけですが、これなんかの融資を通じてという話がございました。私もいろいろこの事業団法の中の鉱山についての融資の問題で少々調べさせていただきましたけれども、なかなか率直に言って、この事業団が考えているというか、規定をされている融資の部分、これが鉱山には円滑に流れていかないような関係がありそうであります。これはまた後で法案の質疑の中で触れたいと思うのでありますが、ぜひこの事業団の融資の関係につきましては、一層積極的に運用してもらうように、これは特に、冒頭でありますが、お願い申し上げておきたい、かように考えるわけであります。
 次に、法案について若干質問をさせていただきます。改正された内容の中におきまして、第四条と第五条、特に第四条につきましては基本方針の改正があるわけであります。第五条につきましては鉱害防止事業計画の作成、二つの柱があるわけでありますが、この改正の趣旨についてひとつ御答弁をいただきたい、かように思います。
#18
○鈴木(英)政府委員 お答え申し上げます。
 現行の金属鉱業等鉱害対策特別措置法は、まず、坑道の閉塞でありますとかあるいは堆積場の覆土でありますとか植栽、水道工事等の、主に発生源対策を着実に実施をするということによって坑廃水問題を解決できるという考え方に基本的には立っておったわけでございます。したがいまして、今御指摘の国の基本方針あるいは採掘権者等の鉱害防止事業計画の対象もこの現行法の施行前に使用を終了している特定施設に限定をしておりまして、したがいまして、法律の施行後に使用を終了します施設については、積立金制度と鉱山保安法上の義務履行によって鉱害防止が担保し得るというふうに考えておったわけでございます。しかしながら、現実には、この採掘権者等によります発生源対策を終了した後におきましても、坑廃水処理が半永久的に必要になっておるという現実を生んでおりますし、またこの法施行後の非鉄金属鉱業を取り巻く環境条件が非常に変化をしておるということもございまして、現行法では、採掘権者自身による坑廃水処理の継続的実施が困難となった場合に十分対応ができないのではないかという問題が生じるに至ったわけでございます。
 このため、半永久的に続く坑廃水処理への対応といたしまして、鉱害防止事業についての国の基本的考え方を示します基本方針並びに採掘権者の届け出る鉱害防止事業計画につきまして、その対象範囲を現行法施行前に使用を終了している特定施設だけではなくて、使用を終了している特定施設すべてに拡大し、坑廃水の恒久的処理体制を確立しようとするものでございます。
#19
○安田(範)委員 今回の改正案の内容というものは、ただいまお話がございましたように、一つは坑廃水の処理問題、これに対してそれぞれ義務者から基金を拠出をしてもらう、これが一つの柱であろうと思うのです。もう一つのものは、新しく処理事業というものを一元化をする、こういうことで事業団を設置してまいろう、こういう二つの考え方になっていると思うのですが、その中で私の心配いたしますのは、PPPの原則、これはきちっと踏まえていかなければならない問題だ、こういうふうには考えるわけでありますけれども、ただ、基金の拠出が例えば一年間の坑廃水の処理に対する費用の二十倍、言うならば二十年分と申しまするか、これを六カ年で分割をして基金を積み立てる、こういう状況になってきていると思うのであります。これまではもちろん毎年毎年そういう処理事業というものを継続してやっているわけでございますけれども、いつまでという限定つきじゃないものですから、鉱業者と申しますか、義務者につきましては大変な、苦労の多い話である。したがって、これを一つの限定的に、これだけ基金を出せば後は心配ありませんよ、こういう形で今回の措置がなされた、こういうふうに理解はするわけでありますけれども、実はこの拠出というものが非常にそれぞれの企業に負担過重になるんじゃないか、こういう心配は実は強く持つわけであります。
 と申しますのは、坑廃水の処理ですから、言うならば再生産につながらない、収益にかかわりのないところに基金を拠出をしてまいる、こういう事情になってくることは当然ですね。したがって、そういう面から考えますると、二十年分を六年間で積み立てる、実質的には五年ということになろうかと思うのですが、そういうことは大変な厳しい状況ではないかな、こういうふうに考えるわけでありますけれども、その負担が大変重い、こういうふうな印象を私ども持つんですけれども、いかがでしょうか。お答えいただきたいと思うのです。
#20
○中田政府委員 確かに委員御指摘のとおり、鉱山各社にとりましては相当の負担になるわけでございますけれども、現時点で私ども各社からヒアリングをしてまいりましたところでは、当面拠出は差し支えなく行われるということでございます。ただ、これから先の経済事情の変更等々もあるわけでございますので、税制上の措置でございますとかあるいは必要な金融上の措置についても検討していくというようなことを考えているわけでございます。
#21
○安田(範)委員 それでは、率直に一言で言えば、それぞれの義務者、こういう方々と話し合いをした結果心配ありません、大丈夫です、こういう結論に至った、こういうことで理解してよろしいのですか。
#22
○中田政府委員 現時点ではさように考えております
#23
○安田(範)委員 それでは、別のことをお聞きしたいんですけれども、今の坑廃水処理につきましては、言うならば義務者負担分、もう一つは国の補助金、これは地方自治体も一緒でありますけれども、その二つの分野に分かれておるわけですね。義務者負担分についてはもちろんこれは義務者がということになるわけでありますけれども、言うならば自然汚染あるいはまた他者汚染、今日まで自然汚染、他者汚染につきましては、四分の三が国、地方自治体は四分の一、こういうことで処理をしてまいったという経過だと思うのですけれども、この義務者が負担する分ともう一つは国が補助金ということで出しているそのお互いの持ち分と申しますか、負担区分と申しますか、その辺の区分の仕方というものは今日までどういうふうにやられていたのか、同時にまた、この負担区分の割合について、今日までの義務者の方々の感触といいますか、どういうふうに受けとめておられたか、ちょっとその辺を述べていただきたいと思います。
#24
○中田政府委員 鉱山の坑廃水の自然汚染分あるいは他者汚染分につきましては、鉱業を実施いたします前と実施後の地下水面の状況でございますとか、あるいは過去の稼行実績などを勘案しながら、科学的な算定基準に従いまして客観的に算定をいたしまして補助金を交付しているところでございます。
 やや難しい話になりますが、最初に、今申し上げましたようないろいろな要素によりましてシミユレーションをいたしまして、人為汚染分、この比率を求めまして、その上でこの人為汚染分の中での現在の鉱業権者がどのくらいの比率で負担をすべきか、これを求めます。現在の実際の汚染量からこの人為汚染分を引いたものが自然汚染分、かような計算の式になるわけでございます。
 現実にこの自然汚染分、他者汚染分につきまして、鉱山の各社がどのような感触をお持ちかという点につきまして個々に伺っているわけではございませんけれども、これまでこの補助金制度が定着してきておるということで私どもそれなりに評価をしていただいているのではないかというふうに考えている次第でございます。
#25
○安田(範)委員 今、今日までの経過を踏まえて、言うならば定着している、こういうふうな表現をされたのですけれども、なかなか通産担当の方には、おれのところはちょっと負担が重過ぎるよ、こういうような表現というものは使いにくいのじゃないかと思うのですね。いろいろあちこちの状況なんかを聞いてみますると、今科学的に、客観的にという言葉を使われましたけれども、なかなかやはりそこのところが十分な合意に達していない、こういうふうな状況もあるようであります。と申しますのは、言うならば自然汚染あるいは他者汚染、この分まである部分この鉱業権者が負担をしている、こういうふうな印象を持っておられる方が決して少なくない、こういうふうにも言われているわけです。これはわかりませんよ。あなたのところへ言いにくいから言わないというふうなことで言ってこられない。言ってこられないんで、これは今日までの経過で定着しているんだよというふうに考えておられるという状況なんでしょうが、なかなか実態はそうでもなさそうであります。
 したがいまして、これについてはもう一遍お互いに、特に今後の計算の基礎になるわけでありますから、基金の計算の基礎になってまいる、こういうことも考えますると、その額というのは決してばかにならない話だと思うのですね。したがって、この負担区分につきましては、もう少ししっかりした調査をもとにして、そしてそれぞれの義務者と話し合いをする、このことを継続をしてやってもらいたい。できるだけ軽減をしてもらう。先ほど大臣も答弁したように、国もこれから一層強力な支援をしていかなきゃならない、こういう意思表明をされておるわけでありますから、そういうことを踏まえて積極的に国の方でも支援の方向、こういうことを含めてこの持ち分につきましてはさらに検討していただきたいなというふうに思うのですが、この辺いかがですか。
#26
○中田政府委員 今後とも鉱山の実態に即しました適正な算定をしていきたいというふうに考えております。
#27
○安田(範)委員 それにつきましてはわかりましたが、ぜひひとつ負担区分のさらに厳密性といいますか、適正なものを確立してもらいたい、このことを加えて申し上げておきたいと思うのであります。
 それと同時に、そのことをきちんとやるためには、やはり予算をきちんと確保しておかなきゃいけないわけですね。原資がないものですから、この分はやはり何とかやってもらわなきゃしょうがない、こういうふうな印象がやはり通産側に強かったのじゃないかな、こういうふうな気持ちも私としてはするわけであります。したがって、この自然汚染、他者汚染にかかわる分の予算については大臣を先頭にしてしっかりと確保をする、このことをひとつお約束をいただきたいと考えます。よろしいですね。
#28
○中田政府委員 今回法改正をお願いしております基金制度につきましても、御指摘の補助金制度と相まちまして初めてまたこの実効も上がるというふうに考えているわけでございまして、そういう意味でも、この補助金制度、大変に重要な制度であるというふうに認識しているところでございます。御指摘の点も踏まえまして、今後とも必要な予算の確保について努力してまいりたい、かように考えております。
#29
○安田(範)委員 基金のことについてもう一つ心配があるのですが、余り短期間に、というのは五年ということになりましょうか、そして二十年分をということになりますると、相当やはり莫大な費用負担をしなければならない。ということになりますると、これは義務者の存在、不存在ということが御案内のとおりあるわけでありまして、存在の場合はもちろん基金を出してという話になるんですが、不存在の場合は全部国と地方自治団体が持つという今日までのケースなんですね。したがって、どうもぐあいが悪い。そう悪意のある方があるとは思いませんけれども、やはりどうも負担しにくい、こういうような状況になってしまいました場合にはやはり会社を解散してしまう、こういうことだってあり得るのではないかと思うのですね。したがって、過重負担といいますかな、そういうことが高じますると不存在という形に追い込んでしまう、その不存在を促す、こういうふうな状況になりはしまいかという心配があるのですが、この辺はいかがですか。
#30
○中田政府委員 基金への拠出が採掘権者等であります企業の経営に非常な支障を及ぼす、それによりまして基金の拠出というものができなくなるということになりますと、鉱害防止対策の今後の円滑な実施のために非常に重大な支障を及ぼすわけでございます。御指摘のようなことのないように真剣に取り組んでいかなければならない、かように考えております。
#31
○安田(範)委員 それでもう一つお伺いしますけれども、これは国税の徴収と同じようなレベルで取り扱うということになっておるわけですな、基金につきましては。言うなれば、強制執行でも何でもやりますよ、こういう状況になっているのですが、やはり今回の基金の積み立てについては、実態に応じて少々弾力的な取り扱いというものができないものかどうか、この辺についてお考えはどうですか、審議官。
#32
○中田政府委員 法律の制度の枠内で適切な運用をしてまいりたいと考えておりますが、委員御指摘の税制の点につきましてもいろいろな工夫の余地があるわけでございまして、国税当局とも御相談をしてまいりたいというふうに考えております。
#33
○安田(範)委員 今の審議官の考え方で理解したいと思うのですが、弾力的なということがいいのかどうかわかりませんけれども、ぜひ国税当局と十分に相談をされて、できるだけ実態に合わせて、過酷でないような形でこの基金というものがきちっと造成されるように、この辺についてはひとつ留意をされて今後運用していただきたい、かように考えます。
 もう一つの関係なのですが、この基金の拠出金につきましては、損金算入の制度が創設されるわけですね。損金算入ということになるわけですけれども、これは特に中小の鉱業権者にとりましては、損金算入の額というものもやはリ結構大きい額になってくるのではないかな、かように思うのです。これが六年間でということになりますると、配当原資、こういうものにも相当影響が出てくるというような関係もありますし、同時にまた企業の経営それ自身にもいろいろな影響を与えてくるのかな、こんなふうな感じがするのでありますけれども、この辺についてはどうなのでしょう。経営の健全性、こういうものを損ねることのないように、大蔵省当局とも十分な話し合いが必要で、例えば損金算入の時期というものを少々延長するとか、そういう措置はとれないものかどうか、これについて審議官の説明を求めたいと思うのです。
#34
○中田政府委員 御指摘の拠出金の損金算入の繰り延べ等の措置につきましては、国税当局が御判断になる問題ではございますけれども、当省といたしましても、必要があれば、拠出金を負う企業の経営に影響を与えないようにということで、国税当局との調整を進めていきたいというふうに考えております。
#35
○安田(範)委員 ぜひそういうことで繰り延べについて措置をしてもらう、こういうことで理解をしたいと思うのであります。
 さらにまた、基金の拠出の関係で、日本鉱業協会とかあるいはまた非鉄金属産業労働組合連合会、さらには資源産業労働組合連合会、こういうそれぞれの団体から、基金拠出のための長期、低利の融資、こういうことの強い要望があるわけであります。これは当然必要だなというふうに通商産業省としてもお考えである、さっきの大臣答弁もあるわけでありますから、十分理解をするのですけれども、そこで、ちょっと冒頭触れましたけれども、金属鉱業事業団法の十八条十二号の規定があるわけであります。この規定は基金の拠出金融資の対象になるのじゃないか、こういうふうに私は判断をするわけであります。このことについていかがでしょうか。
#36
○中田政府委員 御指摘の金属鉱業事業団の業務、十八条一項第十二号でございますけれども、この拠出金がこの貸し付けの対象になるかという点につきましては、法制的には可能ではないかというふうに私ども考えております。(安田(範)委員「可能ではないか」と呼ぶ)はい。(安田(範)委員「可能だ、こういうふうに言ってください。」と呼ぶ)まあ、実行上はそれぞれの原資措置その他が必要でございますので、今後状況を見ながら、こういう金融制度につきましても拡充を検討していきたいというふうに思っております。
#37
○安田(範)委員 審議官はそういうふうにお答えされているわけなんですが、原資の関係ということになると大蔵省ということになるんでしょうな。そんなことを含めて、今までのずっといろいろな機会を通じて考えてみますると、この基金の拠出金につきましては大蔵省が極めて厳しい、言うならば渋いというわけですな。なかなかその対象にしてくれないというような印象を私は非常に強く持ったわけであります。したがって、今の審議官の答弁、さらっと聞いてしまうと、同じような形で流れていくな、こういう印象を強くしているわけなんですよ。したがって、この辺につきましてはやはりきちんとした対応というものが今求められている、こういう認識で、ひとつ大蔵省とも十分な折衝をする、こういうことにしていただきたいと思うんです。法律がせっかくできていてもその法律が適用されないなんて、そんなばかな話はないだろうと思うんですね。何のために法律があるのか、こういうことになるわけでありますから、これはひとつ肝に銘じてここのところは審議官に理解をしてほしいと同時に、努力をしてもらいたいと思うんですが、もう一遍答弁をしていただけませんか。
#38
○中田政府委員 先ほど申し上げましたとおり、現在拠出を想定しております企業からのヒアリングによりますと、当面の拠出は可能であるというふうに私ども判断をしておるわけでございますけれども、今後とも企業の経営の実態あるいは経済情勢、こういったものを十分考えながら、大蔵省ともこの融資制度の拡充について御相談をしていきたいというふうに考えております。
#39
○安田(範)委員 次に参りますが、現在義務者不存在の鉱山で地方公共団体が実施している坑廃水処理についてなんですけれども、これも今度新しくできます指定鉱害防止事業機関、これで一括してやったらどうなのかな。せっかく一元化するわけでありますから、これは市町村が事業主体になっている分についてもやはり一括をしてやる。これはもちろん条件としてはそれぞれの自治体の意思というものが前提になることは当然でありますけれども、もし自治体が事業団の方でひとつやってもらいたい、こういうようなことになった場合には、それらも含めて事業団の方で事業実施、こういうことにならないのかどうか、御説明いただきたいと思うんです。
#40
○鈴木(英)政府委員 この指定鉱害防止事業機関として設立が予定されております指定機関でございますけれども、これが一元的に実施をできないかという御指摘でございます。
 具体的に予定されております指定機関につきましては、現在のところ、日本鉱業協会に属します鉱山各社の出捐によって設立をする財団法人というふうに考えておりまして、特定施設を有します義務者の存在鉱山、すなわち出捐する各社に所属しております鉱山について金属鉱業事業団の基金の運用益の交付を受けて坑廃水処理を行うため設立される、こういうことでございます。したがいまして、こういう出捐各社と関係のない義務者不存在の鉱山の坑廃水処理を行うということは、基本的には私ども予定はしておらないところでございます。
 ただ将来、先生御指摘のように、この財団法人の体制に余裕ができる、あるいは地方公共団体からの御要望があるというような場合には、委託を受けてそういう坑廃水処理を行うことはあり得るのではないかというふうに考えている次第でございます。
#41
○安田(範)委員 せっかくの答弁なんですけれども、仮称でありますが、資源環境センターというものが今度新しくできるわけですね。従来のそれぞれの場所でやっておりました事業というものを一元化をしてまいる、こういうことですから、率直に言って期待が大きいわけですし、同時にまた、これは後で触れたいと思うのですが、資源環境センターの実態というものはどういうものになっていくのか、これによっても事業内容は大分変わると思うのです。ただ、今の答弁のように余裕ができたらやりましょうというような非常に消極的な形のものではなくして、もうちょっとやはり前向きに、積極的に、事業団の体質を強化をする、あるいはまた主体性を強化をする。こういう意味で、もっともっとそれぞれの鉱業権者等にも理解をしてもらったり、あるいはまた地方自治団体にもそれらの期待感を持ってもらう、こういうことが一番必要なんではないか、こういうふうに私は考えているわけであります。ぜひその辺については、ちょっと答えてくださいますか。
#42
○鈴木(英)政府委員 この指定機関につきまして、余裕ができたらということを申し上げましたけれども、私どもの真意は、まずこの指定機関が与えられました任務を遂行するということが一番基本でございますので、与えられた役割に応じて坑廃水処理を恒久的に実施していくという体制をつくり上げるということが、まず第一ステップとしては大事ではなかろうか、こういうことでございます。
 ただ、この指定機関が将来、ここに働く方々の意欲というようなものも守り立てていかなければいけないということもございますし、あるいは、坑廃水処理をいたします地域社会との密接な連携というようなものも当然必要になってまいります。そういった意味で、例えば地域開発事業といったようなものにある程度参画をしていく、公益法人の枠内でいろいろな新しい仕事をしていく、あるいは国際協力みたいな分野でこの指定機関が相応の役割を果たしていくということは、この指定機関を健全な形に育てていくためにも非常に重要なことであろうかと考えておりますので、そういうことも含めて今後検討、指導をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。
#43
○安田(範)委員 ただいまのお話に関連をするわけなんですけれども、新しくできるこの指定鉱害防止事業機関、名称はすばらしいですな、資源環境センターというのですから。これはもう、さて何をやるのかなと考えてしまうぐらいすばらしいあれなんですけれども、このことは別にしまして、この資源環境センター、一元化をするということで言われてきているのですが、イメージがどうもちょっとわいてこないわけなんですよ。例えば、どの程度の規模、とれは職員がどのくらい必要かなとか、まあこれはわかっていると思うのですよ、今日まで実際に処理をしている経過があるわけですから。これを一元化しようというのですから、これはきちんとわかっているはずだと思うのです。構成であるとか事業の内容は、今お話がありましたように坑廃水の処理というものがメインでありますけれども、その他付随する事業としてはどうなのか。こういうようなことについてもやはりイメージとしてさっと受けられるような説明をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
 特に、その中において技術者の確保、これが最大の問題であろうと思うのです。ただ、そこで想定されますのは、今までの休廃止鉱山の中で働いている方々、休廃止鉱山の中でその事業に当たっている方々ですね、この方々は、恐らく若い人はそういないのじゃないかという気もするのですが、こういうのもをも含めてどういうふうな陣容をつくっていこうとするのか。これについてひとつ細かく御説明いただきたいと思うのです。
#44
○鈴木(英)政府委員 現在、この指定機関につきましては、ことしの三月一日付で日本鉱業協会が設立準備委員会を設けまして事業形態等を検討中でございまして、またどのような絵姿になるのか、特に具体的な人員等につきましてはこれからの検討が必要であるというふうに考えておる次第でございます。
 ただ、この指定機関に一元的に坑廃水処理を行ってもらうという一つの趣旨として、今各鉱山会社が、鉱山会社ごとにあるいは鉱山ごとにばらばらに行っております坑廃水処理を一元的にやることによりまして、人員的にもかなり効率化された機関になり得る、処理体制になり得るということもこの設立の趣旨の一つに入っておりまして、そういった意味で各地の坑廃水処理をやっておられる方々を糾合して合理的な処理体制をつくっていく、こういう姿になるというふうに考えておる次第でございます。
 もちろん、この機関は永久といいますか、今後恒久的に坑廃水処理を行っていく、そういう中核的な機関になるということを目指しておりますので、技術者特に若い人材についても登用していく必要があろうかと思っておりまして、そういう面も含めまして、この鉱業協会で今検討しておられます設立の青写真といいますか、そういうものに期待をしている次第でございます。
#45
○安田(範)委員 今検討中という話ですから、そういう意味ではなかなか明確に御答弁いただけないのはやむを得ないと思うのです。
 ただ、それでは申し上げておきたいと思うのですけれども、今日までそれぞれの鉱業所においてこの坑廃水の処理に当たっていた技術者の方々、こういうものにつきましては可能な限り吸収をしてまいる。言うならば、一元化をされたのでということで画一的に人員がどうなっていくのか、そういう人員の確保以上の問題として、安易に職を失うというようなことがあっては大変なことだと思うのです。こういう面については特段の配慮をしていかなければいけないのじゃないのか。
 同時にまた、今後、事業団の職員の身分ですね。これについても、やはりきちんとした身分というものを保障をするように、これはもう最大限努力をしていただきたい、かように思います。身分保障の問題は、例えば公務員に近いとか、そういうこともあるでしょう。公務員並みだとか、そういうことを想定したいと思うのですが、こういうものについてどのようなお考えか。ちょっとその辺お答え願います。
#46
○鈴木(英)政府委員 もとよりこの指定機関が設立されましたときの人員配置等につきましては、これは各社さんあるいは鉱業協会の人事政策の問題であろうかと考えております。ただ、今先生の御指摘がございましたように、従来坑廃水処理をやっておられた方が職を失ったりあるいは身分が保障されなかったりということはぜひとも避けなければいけないという問題でございますので、鉱業協会のこの検討の内容につきまして、私どもそういう観点から気がついたことがあれば指導をさせていただきたいというふうに考えております。
#47
○安田(範)委員 大体時間が参りました。
 それで、これは特にやはり大臣に最後に申し上げて意見も聞きたいと思うのですが、先ほど来話がありましたように、今回の資源環境センター、この新しい設立については一元化ということで技術の開発であるとか多くの面で効率的に作用する、こういうふうに私どもは期待をするわけであります。したがって、坑廃水処理といいながら新しく資源環境センターという名称も付して新しい出発をするわけですから、そういうことにおいては先ほど申し上げましたようにセンターの内容を精いっぱい充実をして、特に資金面につきましてはODAの資金なんかも活用するというようなことも考えつつ、例えば東南アジアとかそういうそれぞれの関係の深い諸国、特に鉱山等について日本の技術が役に立つというようなところについては精いっぱいの協力をしていく、国際貢献なんという言葉がありますけれども、協力をしてまいる、あるいは援助をしてまいる、このくらいの強い気持ちでこのセンターを充実していく必要があろう、かように考えるわけであります。したがって、これはただ単にセンターの運営の問題という狭い、坑廃水処理という、言うならば後ろ向きですか、今までにたまったものをどうするかという問題ですから、そうじゃなくて今度は前向きのセンターですね、こういう姿勢で資源環境センターというものを運営していってもらいたい。国際的にも大変貴重に、そしてまた大変な評価が受けられるようなそういうセンターにしてもらいたいということを非常に強く思うのですけれども、大臣いかがでしょうか。最後に一言御発言いただきたいと思うのでございます。
#48
○渡部国務大臣 先生たびたび御指摘のように、資源の確保また環境の維持、これは今後我が国が生きていくのみならず、世界、地球全体にとって大変大きな問題でありますから、我が国の技術が国際社会にこれらのために役に立っていく国際貢献というのも私どもに与えられた今後の大きな課題であります。先生の御指摘の前向きの方向、これを十分に配意をしながら今後の運営強化に努めてまいりたいと思います。
#49
○安田(範)委員 答弁ありがとうございました。ぜひ十分期待をさせていただきまして、時間でありますので私の質問を終わります。
#50
○武藤委員長 鈴木久君。
#51
○鈴木(久)委員 私は、この法案が提案をされてから以降なんですけれども、地元にある八茎鉱山を改めて視察をして、坑道の中に入っていろいろと勉強させていただきました。八茎鉱山も銅やタングステンなど割と歴史のある、ずっと戦前から掘って八茎に移ったのは最近なんですけれども、そういう鉱山でして、しかし現状は稼働鉱山にはなっておりますけれども実質的には休廃止鉱山に近いような状況でございまして、まことに環境は厳しいというふうに思っております。現在は一部石灰岩の採掘を行っていますけれども、ほとんど跡地利用に経営をゆだねている、こういう鉱山でございます。まさに資源の枯渇等鉱山が持っている宿命みたいなものを背負って現在そういう厳しい環境の中でも経営努力をされているというふうに見てまいりました。こうしたことを十分に参考にしながら、あるいはいろいろ踏まえてこれから法案の問題について質問をしていきたい、こういうふうに思っております。
 非鉄金属鉱山の歴史というのは、今議論されておりますように大変古い歴史があるわけでございまして、この間特に資源の乏しい我が国にとってはそれなりの役割というものを果たしてきたように思っております。しかし、現在に至ってまことに自給率はもうほとんどなくなってしまうという残念な状況でございまして、高度成長時代、特に重厚長大の産業が花形の時代は金属鉱業の鉱山もその意味では盛況を呈したわけでございますけれども、資源の枯渇の問題あるいは外国とのコストの問題等考えまして大きな産業構造の変化という荒波の中で今日の状況を迎えたのだ、こういうふうに認識はいたしておりますけれども、とりわけ四十年代、五十年代の激しい合理化があって今日の休廃止鉱山の運命というのがあるんだろうと思います。
 そこで、こういう休廃止鉱山に対する、特に鉱害問題では昭和四十八年にこの立法がされて以来いろいろな努力をされてきたと思います。しかし、今日事ここに至って、まさにその後始末法というのか、言葉は悪いですけれども安楽死法に近いような特別措置法を提案せざるを得ないというのは情けないなという感じがしておる次第でございます。
 そこで、まず質問の第一は、現在稼働している鉱山の数、特にこの法の対象になっている鉱山というのはどの程度のものかということと同時に、将来日本のいろいろな環境の中で非鉄金属鉱山として残り得るというのはどういう鉱山があるのかということについてお尋ねをしたいと思います。
#52
○鈴木(英)政府委員 現在の稼行鉱山でございますけれども、金属鉱山等の稼行鉱山は七百七十三鉱山あるというふうに認識をしております。ただ、この中には金属あるいは非金属、石灰石あるいは石油というような鉱山も含まれておりまして、金属、非金属の稼行鉱山はそのうちで三百四十九鉱山という状況でございます。さらに、このうちこの特借法の対象になっておって稼行中の鉱山が六十三鉱山ということでございます。そういう状況になっております。
#53
○鈴木(久)委員 それで、今の鉱山全体の数とかなんかはお示しいただいたのですけれども、将来とも日本の中で残り得るといいましょうか、鉱山として存続でき得る鉱山というのはどういうものかということについてお示しいただきたい。
#54
○黒田政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、自給率というのは大変落ちてきているのが現状でございます。しかしながら、我が国におきましても先生御案内のように世界有数の高品位の金鉱床を有します菱刈鉱山でありますとか、あるいは鉛なり亜鉛の鉱山といたしましても豊羽鉱山であるとか神岡鉱山等優良な鉱山が存在いたしているのが現状でございます。
 今後の状況の推移というのはなかなか見通しが難しいわけでございますけれども、私どもといたしましてもこうした鉱山を含めまして国内鉱山をできるだけ維持、存続のために経営の安定化であるとか、あるいは探鉱の促進等に力を入れてまいりたいと考えているところでございます。
#55
○鈴木(久)委員 国内の鉱山の存続という意味ではこの後始末をするだけでなくて、しっかりとした対策を立て、援助し、残していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 鉱害の問題でございますけれども、この鉱害対策の問題についてもかなり古い歴史があるわけでございまして、まさに鉱山鉱害の苦渋に満ちた歴史といったらいいのでしょうか、特に足尾銅山等大きな被害を出して、あるいは闘いになり、そういう歴史を踏まえて金属鉱山の鉱害に対する対応というものが積み上げられてきたというか、現在に至っているのだと思います。
 それで、特に昭和四十八年のこの法律が制定された時点というのは、こういう金属鉱山のカドミの鉱害や砒素の問題やそういうものがたくさんあって大きな被害を出す、あるいは世論がそういうものに対して厳しい批判を加えるという中でこの鉱害対策がいよいよ本格的に示されてきたのだと思います。特に、第二次大戦中、重要鉱物増産法というのがあったそうでございまして、これでかなり強制的に乱掘をした、そういうものを含めて鉱害の蓄積というのがあったようでございます。こうしたことを含めて昭和四十八年の法制定というものがなされたと思うのですけれども、端的に言ってこの四十八年の法制定の中身というのはどういうものであったのか、改めて確認をする意味で御質問をいたしたいと思います。
 何時に、この法律が制定されて以降、これまで鉱害防止のための発生源対策それから坑廃水処理、こういうものに投入された金額というのはどのぐらいになりますか。特に、これは義務者の存在している分と不存在の分と両方に分けてお示しいただきたい。同時に、金属鉱業、企業の側がこういう対策に必要なために融資を受けてやってきた融資額などについてもお示しいただきたいと思います。
#56
○鈴木(英)政府委員 御指摘の昭和四十八年のこの特別措置法の制定でございますけれども、これはやはり基本的に鉱山の閉山あるいは休止ということが相次ぐようになってまいりまして、したがいまして休廃止後の危害防止についての措置を万全に図ってまいろう、こういうことで法律が制定されたわけでございます。この法律は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、基本的に例えば坑廃水処理につきましては発生源対策を主体に講じていくことが大切であるというような観点から法律が組み立てられたわけでございます。
 そこで、この四十八年の法施行以来の経緯でございますけれども、義務者存在分と不存在分がございます。
 まず、義務者不存在の休廃止鉱山につきましては、四十八年の法施行以来平成三年度までに約四百七十億円の鉱害防止工事実績がございまして、このうち国の補助金は約三百五十億円支出されております。対象鉱山は百七十七鉱山でございまして、そのうち百二十六鉱山の鉱害防止工事が終了しているところでございます。
 また、義務者存在の休廃止鉱山につきましては、同じように平成三年度までの鉱害防止工事額が約百七十億円、これは融資制度、義務者が存在しておりますと先生後段の御指摘の融資制度になりますけれども、そのうち国の融資が約百十億円行われておるわけでございます。これの対象鉱山は二百五十五鉱山でございまして、二百二十六鉱山の鉱害防止工事が終了をしております。
 以上、申し上げましたことをひっくるめて申し上げますと、全体の休廃止鉱山四百三十二鉱山のうち、これは工事を行いますことによってかなりの成果があったと考えられるわけでございますけれども、特に現在四百三十二鉱山のうちで坑廃水処理を必要としておりますのは七十八鉱山ということでございますので、それなりの発生源対策の成果が上がったものだと私どもは認識している次第でございます。
#57
○鈴木(久)委員 そういう四十八年から今日までの坑廃水発生源対策をやってこられて、それでも今度新たに法改正をして坑廃水処理をしなければならない最大の理由というのは、提案理由にもいろいろありますけれども、今ほとんどのところは成果が上がっていた、それでもなおかつ今回の法律になったという最大のポイントは何ですか。
#58
○鈴木(英)政府委員 この現行の金属鉱業等鉱害対策特別措置法は、坑道あるいは堆積場等の発生源に対する鉱害防止工事、この対策を着実に実施することによりまして基本的に坑廃水処理が解決できる、問題を解決できるという考え方に立っておったわけでございます。したがって、現行法の立て方は、基本的には発生源対策に主眼を置いたものとなっております。しかしながら、現実には、一方で採掘権者が一定の発生源対策を終了した後も坑廃水処理が必要となっておるという休廃止鉱山が存在をしますし、他方で鉱山業を取り巻く環境の変化が著しいということで採掘権者自身による坑廃水処理の実施が困難となる場合も想定し得るようになったということで、今回の法改正をさせていただくことになったわけでございます。
 これは、本当は坑廃水問題を生じないような基本的な対策技術というものがありますとこの問題は解決するのでございますけれども、一般的に鉱山を一度採掘いたしますと、その採掘跡に雨水がしみ通ってそれが出てぐるというようなことでございまして、完全にその水をとめてしまうということは技術的に非常に困難な状況にございます。かつ、雨水等の浸透あるいは湧出経路、こういったものは採掘跡が非常にひどくて複雑であるというような問題から、本当は水と採掘跡を分離できれば、接触をしないようにすればいいわけでございますけれども、そういう接触遮断することも現実的になかなか困難であるということでございまして、発生源対策を講じた後もなおかつ一定の坑廃水が出てくるという状況に至っておると認識をしております。
#59
○鈴木(久)委員 その意味でも半永久的に坑廃水対策をしなければならないというふうに言われておるのですけれども、鉱害処理の原則は、先ほどからお話が出ておりますけれども汚染者負担の原則というのがある。これにのっとってこれまでもその対策を進めてこられた、こういうふうに思いますけれども、発生源対策でずっとこの間やってきて、それでも坑廃水、鉱害はとてもだめだということで今回の法改正になったわけでございますけれども、坑廃水の処理技術というのは、この間ずっと、これほどやってきても、中和剤を投入して処理をする、これ以外に道がないというのは、どうも極めて、言葉は余り適切でないかもしれませんけれども、何というのでしょうか、原始的というか、それ以外に方法がないとすれば、これはずっと将来もあれでしょう、事業団をつくって基金をためて中和剤を投入する、この仕事でしょう。ちょっと能がないのじゃないかなという気がしてならないのですよ。
 ですから、この坑廃水処理の技術的な問題等々、これはやはり、今回の後始末法でいろいろ中身を見る限りでは今のような状況なんでして、発生源と坑廃水処理の抜本対策のために、大臣、何かもう少し知恵を出したり研究をしたりするということはできないのですかね。今までのいろいろな経過を踏まえてこれしかない、こういうことなんですか。
#60
○鈴木(英)政府委員 この坑廃水処理の技術につきましては、発生源対策のための技術とそれから坑廃水処理のための技術というのがございまして、これだけ世の中が進歩してなお、こういう問題を解決できるような技術がないのかということであろうかと思います。
 私ども、金属鉱業事業団に昭和五十年からいろいろ鉱害防止技術の開発研究をやってもらっておりまして、この中では坑廃水の処理につきましても各般の技術開発をやり、それが現実の鉱山に適用されているという例もあるわけでございます。例えば殿物を、中和しますとどうしても殿物が出てまいりますのでそれを坑内に還元する技術、こういうものにつきましては、北海道の余市鉱山でありますとか上北鉱山でありますとか、十九ぐらいの鉱山でその技術が利用されておりますし、それからさらに、その殿物をつくりますときに造粒技術で容積を少なくするというような技術開発も行われて、これも幾つかの鉱山で適用されているというような実例はございます。
 ただ、この中和処理につきまして、石灰だけで未来永劫にやっていくのかねという御指摘でございますけれども、最近は御承知のバイオ技術というようなものも非常に発達をしておりまして、バクテリアを使って処理をする技術でありますとかそういうものも含めて現在技術開発を推進しているところでございまして、世の中の技術の進歩に適合した新しいアイデアを取り入れながら、こういう技術開発をさらに推進をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#61
○鈴木(久)委員 ほとんどが休廃止鉱山になっちゃった、鉱業権者は、この制度ができていわゆる基金制度ができた、指定機関ができて鉱害処理はそっちで主にやりますよという仕掛けになる。私は、なおさら今のようなことについて積極的に事業者がやるとは思えないのですね。どうですか、大臣。ここのところは通産省がもう少しそういう意味でしっかりと対応していかないと、恐らく、まあいろいろ言っておりますけれども、中和剤をやってずっと終わりかなという感じになってしまうんですよ。どうですか。その辺のことについては、今後の対策としてはかなり重要なんで、ほとんどが休廃止鉱山になっていく、そのうち鉱業権も放棄する、そして後は全部自治体あたりが背負うという格好になったら、これはいろいろな意味で大変な負担の出るところがたくさん、しわ寄せがそっちに打っちゃうんですよ。どうですか。その辺の今後の決意みたいなのを聞かしてください。
#62
○渡部国務大臣 今鈴木先生から、政府委員といろいろやりとりがありましたけれども、率直に言ってこれは本当に難しい、またやるせない思いもする問題で、これはどんどん今鉱山が発展していっておる過程ならなんですけれども、ほとんど休廃止鉱山になっておる、その中で汚染者負担の原則は貫いていかなきゃならない。まさに技術的な方法を工夫されて、これでこの休廃止鉱山の汚染問題はこのすぐれた技術によって解決したというような技術が生まれてくれば、ノーベル賞を差し上げてもいい問題だと思うのですけれども、なかなか生まれてこないために、今回のように基金をつくってやっていくというような方法が、今通産省で出せる知恵では最高の知恵、私より頭のいい者ばかり集まっているわけですから、この者たちが工夫して出した今回の案よりなかなか私がもっといい案を出せない、こういうことで、今これをお願いしているわけでありますけれども、工業技術院等、今工業技術院の院長は鉱山の方の権威者でありますので、大いに督励して、すばりと解決できるような技術開発の努力をしてもらいたいと思っております。
#63
○鈴木(久)委員 その問題はやめます。
 稼働鉱山についてのことなんですけれども、これまでずっと鉱害の処理に積立金を積んでまいりましたね。発生源対策や坑廃水処理のための鉱害防止積立金制度というのを導入されて、現在この積立金というのはどの程度になっているのか、そして将来休廃止になった場合の稼働鉱山の鉱害対策費としてこれが十分なものなのかどうか、この点をまず伺いたいと思います。
#64
○中田政府委員 平成二年度末の積立金の残高は、二十三鉱山で約三十三億円でございます。
 現在稼行しております鉱山の閉山後におきます鉱害防止対策のうち、坑道の閉塞あるいは堆積場の覆土、植栽などのいわゆる発生源対策につきましては、現在の積立金制度で対応できるというふうに考えております。
#65
○鈴木(久)委員 そうすると、これは主に発生源対策の積立金だということで、例えばそういう稼働鉱山が休廃止鉱山になって、この法律に今度は四十九対象鉱山がありますけれども、新たに幾つかの鉱山がこの措置法の中に入る、こういうように言われておるのですけれども、そうすると、いわゆるその積立金というのは今度の基金制度との連動というのはしないんですね。もう少し具体的に言いますと、積立金は発生源対策だ、今回のは主に坑廃水の基金として積み立てるので、今まで積み立ててきた積立金というのは基金との運動というのはほとんどない、こういうふうに考えてよろしいですか。
#66
○中田政府委員 現在の積立金制度の中にも水処理対策の分があるわけでございますが、半永久的にこの処理を進めていきますためにはこれだけでは十分ではございません。先ほど申し上げましたように、発生源対策の工事のための積立金としては十分であろうかと思っておりますけれども、水処理につきましては十分ではないだろうということで今回の基金制度をお願いしているところでございます。
 この積立金制度のうち、水処理の積立金と今度の基金との連動の問題でございますけれども、水処理にかかわる積立金につきましては、まず閉山後の基金制度に移行するまでの間の坑廃水処理費用に充当する、基金制度の移行時にそれがまだ余るということになりますとこれを鉱業権者が取り戻しまして基金への拠出に充てることができるようにということで、連動するように措置したいというふうに考えております。
#67
○鈴木(久)委員 これからこの法律が実施されれば鉱害対策にそれなりの負担が多くなるわけですから、その連動という問題については十分に考慮していただきたいというふうに思います。
 それで、この積立金制度が稼働鉱山すべてで行われているのかどうかということなのです。それは今発生源対策と言いました。あるいは坑廃水の対策のためにやる、こういうふうに言われておりますけれども、それだけじゃなくて、例えば有害な坑廃水が出ない鉱山。私がこの間入った地元にある八茎鉱山などは水としては有害物質が出ないというふうに言われております。しかし将来、その坑道を閉塞したりあるいは鉱澤の堆積場を維持管理していくというのは大変なお金がかかっていくわけですね。
 そういうことを考えますと鉱害対策という、いわゆる長期にわたって悪い水が出る、そのために対策をするというだけじゃなくて、休廃止になった後始末、そういう問題に対する管理やそういうものを考えますと、この基金制度というのはそちらの方までの運用というのは考えておらないのか。あるいは坑廃水を考えることのないような鉱山というのはやってこなかったのかどうか。この辺のところをちょっとお聞かせいただきたい。
#68
○中田政府委員 鉱害防止以外の目的で積立金を積むということでございますけれども、こういう鉱害防止以外の目的といたしましては危害の防止といったようなことなどが考えられるわけでありますけれども、閉山後につきましては、一般に鉱山労働者も減少しておりますし、そのためにまた特別の対策の必要性も少なくなっている、工事も大きなものが想定されないというふうに考えられるわけでございます。
 そういうために、この辺を考えますと、危害防止などのための強制的な積立制度というものは現時点ではこれをつくる必要性は少ないんじゃないかというふうに思っているところでございます。
#69
○鈴木(久)委員 鉱害対策上だけじゃなくて、これから休廃止鉱山がどんどんできるという場合の残された施設管理等々、私は、鉱業権を放棄した後などいろいろな問題を惹起するのではないか、こんなふうに思えてならないのですね。今度の法案審議ではありませんからこれ以上はやめますけれども、必ずそういう問題が出てくる。特に鉱滓を堆積した場所などが崩壊をするとか、これはそういう問題のときには鉱業権を放棄して五年くらいは原因者負担といいましょうか、そういうものがあるそうですけれども、完全に放棄しちゃってなくなっちゃった、後どこかに移管をするなんということになった場合の負担というのは、恐らくこれはその地域でかぶっちゃうのかなということなどを考えますと、これはお答え要りませんけれども、今後そういう問題についても私は、そろそろいろいろと手当てをしておく必要があるんじゃないだろうか、こんなふうに考えておりますので、今後の検討課題としていただきたいと思います。
 法改正の問題についておただしをいたしたいと思います。
 基金を三百億円とした根拠ですね。それと、この基金を運用して坑廃水の処理をするということになっていくわけですけれども、三百億円にした根拠と同時に坑廃水処理費の算定というのは、これは各鉱山別に――対象になった四十九ですか、今度の鉱山は。対象別にすべてこれから行われるのですか。今もう既に行われたのですか。そこら辺を含めてお答えいただきたい。もちろん鉱山別の処理費用をもし算定したとすれば、Aの鉱山は例えば三十億かかる、こっちの鉱山は十億しかかからない、こういうふうに算定が出たとしますと、基金の負担割合はその費用に応じて負担するというふうになるのでしょうか。
#70
○中田政府委員 まず、約三百億円と考えております基金の根拠でございますが、現在この基金拠出対象として四十九鉱山を想定しておりますが、ここでの坑廃水処理費用が平成二年度末で約二十一億円ございます。このうち鉱業権者の負担による分が年間約十五億円でございます。この十五億円を基金の運用益として確保するということでございますので、基金の運用利率を仮に五%と想定して算定をいたしますと、約三百億円の基金が必要となるということでございます。
 それから、二点目の基金にかかわる坑廃水処理費用の算定は鉱山別に行うのかという点でございますが、基金への拠出額は各鉱山の指定特定施設ごとに鉱山保安監督局部長が算定することとしているわけでございます。この指定特定施設ごとに算定したものによりまして拠出がなされるわけでございますので、鉱山あるいは施設によりましてその金額が変わってくるということになるわけでございます。
#71
○鈴木(久)委員 現在行っている鉱害処理の費用から算定した、こういうお話でございますけれども、そうすると、まだ鉱山別の処理費用、対象施設別の処理費用というのは正確に算定されてないのですか。
#72
○中田政府委員 今後、各鉱山からの届け出等を十分チェックいたしまして、その上で拠出額を算定していきたいというふうに考えております。
#73
○鈴木(久)委員 そうすると、その三百億円の根拠というのは必ずしも正確に、これからの鉱害対策をしていくに当たって科学的な根拠なのかどうかというのは、どうもちょっと疑問になるのですね。というのは、現在行われている金額からはじき出した、しかし対象になった四十九のこれからの処理費用というのはまだ正確に確認をしてないということでしょう。これはそうすると、三百億円の基金で十分に対応できるかどうかという確信みたいなのはあるのですか。
#74
○中田政府委員 現在、基金の拠出を想定しております鉱山につきましては、坑廃水の処理費用が長期的に安定しているというふうに私ども考えているわけでございまして、この点からいきますと、これまでの処理費用の中長期の実績というものが今後の処理費用の根拠になるというふうに考えているわけでございます。
 そのような観点から試算をいたしますと、大体先ほどのような前提で金利等を考えますと三百億円ほどあれば当面やっていけるというふうに考えているわけでございます。
#75
○鈴木(久)委員 それから、対象鉱山四十九鉱山、鉱業権のあるものとないものとあるそうでございますけれども、将来特に鉱業権をこの期間中に放棄して、これは六年間積み立ての期間がありますから、途中で鉱業権を放棄した、拠出金を、基金を積み立てることができないというふうな事態というのは予想されませんか。
#76
○中田政府委員 拠出の途中におきまして鉱業権を放棄するという場合も、場合によりますと将来あり得るかもしれないわけでございますけれども、そのような場合には、坑廃水の問題を引き起こした原因行為者ということで鉱山保安法第二十六条に基づく命令を発するということによりまして、いわゆるみなし鉱業権者として拠出金の徴収を行うということになろうかというふうに思っているわけでございます。さらに当該原因行為者が倒産等によって不存在となったということになりますと、現在御審議をお願いしております新法の第十四条第五項という規定がございますが、この規定に基づきまして拠出が終了したというふうにみなされることになります。拠出済み基金の運用益をもって鉱害防止事業を実施することになるわけでございます。この場合不足分が生ずるわけでございますが、不足分につきましては義務者不存在の場合の補助金制度の適用ということを検討することになるというふうに考えております。
#77
○鈴木(久)委員 先ほど同僚の安田議員からも、この基金の拠出のためにいろんな配慮をしてほしい、すべきである、こういう議論がございました。特に長期の低利融資のそういう制度もとるべきだろう。あるいは特に中小鉱山の場合に、負担をするのに今までも鉱害処理にお金をかけてきている、その上に今回の基金、こういうことになるわけでございまして、その意味では厳しい経営状況というものも出てくる。今のお話のように途中でこの基金の積み立てが危うくなるかもしらぬということが出ないともいえない、こういうお話でございます。ですから大臣どうですか、今までも議論はありましたけれども、いろんな新しい制度を駆使してできるだけ負担軽減、税制上の問題、こういうものを今後法制定後、鉱山関係者の意見を十分聞いて対応していくべきなんじゃないか。例えば六年間の問題も、必ずしも六年とぴたっと決めるのかどうかということなども含めて、どうなんですか、少し柔軟性を持たせる。もちろん基本的には基金をしっかり持って運用していくということがこの法律の一番大事なところなんですけれども、しかし同時に厳しい経営状況等々のことを考えたりしますと、そういう弾力的な運用というものを各方面いろいろ能力を出してやるべきなんじゃないだろうか、こんなふうに思うのですが、いかがですか。
#78
○渡部国務大臣 鉱害防止には万全を期していかなければならない、また今の汚染者負担の原則ということで、しかも鉱山が国際的な急激な変化の中で経営が非常に変動している、これらを総合した中で今回の対策をお願いしておるわけでありますから、今まで政府委員から答弁されましたように、できるだけ負担の過重にならないように分割とかあるいは税制とか融資とかいろんな工夫を重ねておるわけでありますけれども、この非常に難しい問題に対処しての難しい対応を適切に、円滑に進めることができるように、先生の御意見等も十分考慮してこれから進めてまいりたいと思います。
    〔委員長退席、和田(貞)委員長代理着席〕
#79
○鈴木(久)委員 時間がありませんけれどももう一つ、今度の法律とは直接は関係ないんですけれども、休廃止鉱山の跡地の利用の問題について時間の範囲でお尋ねをしたいと思っています。
 平成二年度に通産省の委託を受けまして総合調査研究として鉱山立地地域の再開発に関する調査研究委員会というのが持たれて、平成三年の七月にその報告が出ております。私も見させていただきました。鉱山地域の一つは再開発のメニューをつくるということ、再開発計画の立案のための指針をつくるということ、それからいろいろな事業を推進していくための方策を考える、こういうふうなことについて五十六の休廃止鉱山の跡地再開発の可能性というものをいろいろな形で探って報告書が出ております。
 鉱山地域というのは、文字どおり広大な土地あるいは地下の空間を含む、ある意味ではそういう資源活用ができる可能性を持っている。既にもう観光の坑道などということで小規模な施設をつくって観光コースにしたり、あるいは産業廃棄物の処理場に活用したり、あるいは工業団地等々に活用したり、こういうことが行われておるわけでございまして、特に事業主体も自治体がやったり民間の業者がやったり、あるいは第三セクターがやったり、こういういろいろな形態があるようでございますけれども、今後いずれにしても再開発推進という問題が、通産省でもいろいろと知恵を絞っておられるようであります。
 まず、この報告書をどのように今後生かすのか。もちろんこれは基本的には今議論をいたしました鉱山保安法にきちっとのっとって、鉱山の鉱害を万全の対策をした上に立ってなおかつこういう地域を活用する、こういうことだろうと思うのですね。どうですか、大臣のところへ報告が出されたと思うこの跡地利用についての大臣の考え方、決意というものをまずお聞かせいただきたい。
#80
○渡部国務大臣 今回お願いしている法律とはちょっと別個の問題になりますけれども、今先生から御指摘の前向きの対策、特に鉱山跡地というのは過疎地域が多いあるいは広大な土地がある、そういったような条件を今後その地域社会の発展のために前向きに活用していくことが極めて大事なことだと思います。
 これは私のことを申し上げて恐縮ですが、私の町では大きな鉱山が三十年ぐらい前に非常にいんしんをきわめ、二十年ぐらい前だんだん難しくなったということで、十五年ぐらい前ですか、これは閉山になってしまいましたけれども、今青少年旅行村というようなことで大都会の人たちがリゾートに来てくれるというような活用などが工夫されておるのを今思い出したわけであります。
 これは通産省の枠を超えていかなければならないと思いますが、政府全体の中で今後鉱山跡地が、昔ここに大変な鉱山が栄えておったけれども、残念ながら鉱山はこのようなことになってしまった、しかしこの地域が今度はこういうようなことで非常に地域発展のために役に立っているというような活用法というものは、これは政府全体というよりは鈴木先生にもぜひいいアイデアがあったら考えていただいて、これは政治全体で進めてまいりたいと思います。
#81
○鈴木(久)委員 この間私が入った八茎鉱山なんかも、今のところは石灰岩を掘った空間に火発で出るフライアッシュを投入する産業廃棄物の処理業をやってございますね。これは坑道を埋めるのにもかなり有効だ、こんなふうに言われでございます。そういうことをやったり、新たに処分場をつくろう、こういう動きもあるようでございます。それにしても、鉱業権を持っている稼働鉱山ですか、そういう場合、その鉱業権を持って稼働している鉱山に新たに鉱山とは全く別個なものを、そういう仕事をするという場合に、鉱業を指導している通産省のそういう鉱業権者が守らなければならないいろいろな法律がございますね、制約がありますね。そういうものの範囲の中で所有権を移転して別な事業をやるとか、そういうことなんかの場合に大変いろいろな隆路があるのだろう、こんなふうに思うのですけれども、それにしても鉱山の鉱業権を持っている人と自治体やあるいは民間のそういうものを開発しようとする人たちの協力援助体制というのをつくらないとできませんね。ここら辺のところで、この報告書に基づいて今後いろいろな指針をつくっていただけるのだろうとは思うのですけれども、ぜひ各地域で、その地域は特に今まで大きな影響を与えてきたところが休廃止になってなくなっていって疲弊をしているという地域でございますから、通産省サイドからもそういうものが生かされるように私は強く求めておきたいと思うのです。
 もひと具体的に言いますと、例えばこの八茎鉱山などは、学術的にも坑道を残したい、製錬所なども残したい、そして観光的にも利用したいという地元の意向、商工会やあるいは地学を研究している先生方や郷土史の研究をしている先生方なども一緒になってそういう要望をつくって出している。しかし、経営的には成り立たないかもしらぬ。そういうときにやはり第三セクター方式とか鉱業権者を含めたそういう新たな活用計画というものを出さなければならない。しかし、現在はまだそういうための条件が十分整ってないと私は思うのですね。協力体制、そういうものに対するあり方、ほとんど行政サイドからの援助や助成というものが十分でない、こういうふうに思うのです。いろいろな法的制約もあろうかと思いますけれども、そういう問題についての今後のこの報告を生かした指針づくり、方策、施策の推進という意味で、最後にお答えをいただきたいと思います。
#82
○鈴木(英)政府委員 この報告書は、先ほど先生御指摘のように五十六鉱山を選びましていろいろな跡地について研究してまいったわけでございますけれども、さらに平成三年度には代表的な三つの鉱山についてケーススタディーを行いまして、どんな地域開発があり得るのかというような具体的な研究をしてみよう、こういうことになっているわけでございます。かっこの報告書の中には、どういう場所にはどういうものが適するかというようなメニューも示されておりまして、こういうものを鉱山会社あるいは地方自治体が共同して利用してアイデアをつくっていっていただくということが非常に大事であろうと思います。また、鉱山会社にとりましても、鉱山跡地というのは、かつてその地域に鉱山会社がお世話になったところでございますので、そういう意味で地域開発にいろいろな面で協力をしていくということも非常に大事なことではなかろうかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、地域開発のための制度、施策というのは、全省庁合わせますと、かなりいろいろなメニューが用意されておりまして、現に例えば和歌山の紀州鉱山のようにいろいろな制度を活用して跡地利用をしておられるというようなところもあると伺っておりますので、政府一体となった取り組みというのを検討してまいりたいというふうに考えております。
#83
○鈴木(久)委員 終わります。
#84
○和田(貞)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十四分休憩
    午後零時二十一分開議
     ――――◇―――――
#85
○武藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。後藤茂君。
#86
○後藤委員 もう既に安田委員と鈴木委員が本法律案につきまして詳細にわたって当局並びに大臣に対して御指摘申し上げておるわけでありますが、私は、少し角度を変えまして大臣にお答えをいただきたいと思うわけであります。
 私は、まず最初に、大臣が就任されまして通産省当局から今度の国会にこの法律案を提案するその説明を受けたときに、大臣はどういう感慨をお持ちになられたか。この金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案を今度の国会に提案するんだ、この法律案の説明を受けたときに、大臣はどのようなお考えをお持ちになられたか、それの印象を最初にお伺いをしたいわけであります。
#87
○渡部国務大臣 後藤先生御承知のように、かつて我が国の鉱山は非常にこの国の経済の近代化、国民生活の発展に役立ち、また経営そのものも大きな利益を上げて、いんしんをきわめた時代がございました。しかし、その後国際情勢が急激に変化し、内外価格差が大きく広がっていく中で、我が国の鉱山経営は大変に厳しいものになってまいりました。同時に、我々が豊かな生活を確保するためには、環境を守っていく、美しい自然、美しい地球、美しい我々の毎日毎日の生活が安全でなければならない、こういう鉱害防止、これが政治の最大の課題になってまいりました。そういう中で、汚染者原則というものを貫きながらこの環境対策を進めていかなければならない、非常に大事なことでありますけれども、また鉱山側の負担というのも大変なことであります。そして、それが一体これからいつまで続いていくのだろう、こういうような中で、今回の対策は皆さん方に御負担をお願いし、一つの鉱害対策に対する方向、目鼻、これをつけていくために今回通産省が工夫に工夫を重ねたものでございますので、いろいろそれぞれこれからその地域の人たち、自治体の人たち、鉱山の経営者、またこれに携わる人たち、いろいろの過去の思いに至りながら私も非常に感慨深いものがありましたけれども、この中で今回お願いしておる法案は、当面しておる社会的な国民の要求の中でこれ以外に考えられなかったということで法案を提案いたしましたので、ぜひ御審議を賜りたいと思います。
#88
○後藤委員 大臣にもう少し日ごろの惻隠の情あふれる御答弁をいただきたいなと思ったのですが、実は私は今度の法律案を見まして大臣、法律というのは大変無機質なものだなということを強く感じました。もちろんその法律をつくる過程においてはいろんな努力がなされているわけでありますけれども、法律というのはこんなに、何といいますか、心がなかなか通いにくい文面になっているのかなということを実は感じたわけです。それからもう一つは、私たち政治家もそうでありますけれども、どうも長期、中期といいながら視野が大変狭いな、こんなことも今度の法律案を拝見して実は感じたわけです。
 それで、私は昭和五十三年に、ちょうど円高不況があったときにこの商工委員会の中にエネルギー・鉱物資源問題小委員会というのができておりまして、今建設大臣をやっております山崎拓大臣が当時小委員長をやっている。それで、円高不況で全国の鉱山が疲弊をしたわけです。そこで緊急に金属鉱業鉱山問題に対しての勉強会を持ちまして、昭和五十三年に第八十四回国会で非鉄金属問題に対してこういうような日程で実は取り組んだのです。
 四月二十日には参考人を呼びまして、そして金属鉱山の状況をお聞きをいたしました。大変な事態に立ち至ってきておったわけです。それからさらに四月二十七日にもまた第二回目の小委員会を開き、そして五月二十三日から二十五日にかけて夜行で秋田に行きまして、そして釈迦内あるいは小坂、尾去沢の鉱山を見たわけです。そしてまた夜行で帰ってまいりました。そしてその後五月二十六日には小委員会第三回目を開いて、決議案文をつくり上げて、さらに商工委員会の派遣報告をいたしまして、この派遣報告は当時の公明党の松本忠助委員が派遣報告をしたわけでありますし、さらに山崎小委員長が小委員会の取りまとめに対しまして委員会に報告をする、こういう状況で実は取り組んだ。これが昭和五十三年であります。
 ところが、そのときには緊急融資のための制度を確立いたしました。その後さらに、先ほど来各委員が指摘をいたしております鉱害対策について、自然汚染なりあるいは他者汚染に対して鉱業権者にその責任すべてをかぶせるというのはいかがかということで、国、自治体がこれに対する補助をしていくということになったのは昭和五十六年ですから、そこに約三年間時間がたっているわけですね。緊急といいながら、そしてしかも現地をつぶさに調べて関係者の切々たる実情をお聞きしながら、しかしこれが、大臣先ほどやるせないと言っておりましたけれども、やるせない気持ちで三年間たつわけです。その間に耐えられなくなって、鉱山が閉山していくという状況に来ているわけですね。
 こういったことを、私は今度の法律を見ながら、何て法律というのは無機質なものだろうか、そして的確に対応する即応性というものは何と遅いものだろうかということを実は痛感させられたわけでありますが、大臣、いかがでございましょうか。
#89
○渡部国務大臣 これは大変難しい御質問で、私が大臣でないと後藤先生と同じような話ができるのですけれども、大臣でございますから……。法律というと、いつも私は二十数年の国会議員の生活の中で考えさせられることがあります。これは役所の人たちが起案して、今度は国会を通らなければなりませんからいろいろ根回しをする。与党の方も根回しをしなければなりませんし、野党も根回しをしなければならないし、あるいは関係自治体であるとか関係業界であるとか関係団体であるとか、そういうもので時間がかかっておりますと、特に経済政策の場合は去年円高だったのがことし円安になる場合もありますから、そのときはこれほど重要なことはないと思って立案し、やっとでき上がった法律が通るころは逆に正反対の、熱を冷ます薬が必要になってしまうなんということは随分今まで経験しておることであります。
 議会民主政治というのはその辺のところがプラスとマイナスで、なかなかすぐに即応できない。しかし、即応はなかなかできないけれども大きな過ちは犯さない。この辺のところで、確かに先生おっしゃるように、常に法律というものが現実の時代の進行の中に、特に今のようなスピードの速い変化の激しい時代の中におくれをとったのではないかというようなおしかりを受けることが往々にしてある。しかし、そのあるについてはいろいろそれなりの事情があるということも御理解賜り。たいと思います。
#90
○後藤委員 今私がそう申し上げたのは、実は金属鉱業が抱えている問題というのは大きく分けて三つあるだろうと思うのです。
 一つは、これは田んぼで種をまいて肥料をやって、そして自然環境に恵まれて作物ができる、こういうものではないわけです。地球は長い間かかって、四十億年五十億年かかりながら私たちに大変有用なメタルをつくり上げてくれている。ところが、これは掘ってしまいますと、鉱量がなくなると、鉱山は閉山をしていかなければならない。したがって、一定の産業を維持していくためには、限られた資源あるいは恵まれない資源でありますけれども、どうしても探鉱をしていかなければならない。今は確保しているけれども、その次のところ、その次のところというのをあらゆる努力を払って探鉱していかなければならぬ。その制度は、資金的には、予算的には十分ではありませんけれどもつくられている。この探鉱をさらにこれからも努力をしていくということがないと、減耗産業ですから、鉱山はもうなくなるわけであります。
 それからもう一つは、厄介なことにその製品というものは、銅、鉛、亜鉛、ベースメタルと言われておりますけれども、これもロンドンのLMEであるとかあるいはPPの国際価格で決まっていく。したがって、比較的品位の高い良質の銅、鉛、亜鉛を仮に出したといたしましても、国際価格が乱高下いたしますので、価格が下落してしまいますと立ち行かないわけですから、あすからでも閉山の憂き目に遭っていく、売れば売るほど赤字が出るということになるわけでありますから、こういうものに対して価格を安定させるための何らかの制度が必要であろう、これが二つ目の問題として金属鉱業にはあるわけであります。もう一つは、きょうも議題になっております坑廃水、鉱害の問題です。これは先ほども申しましたが、長い歴史の中でどなたかが鉱山を掘っておった、そこで汚染をしておる鉱害もあるわけだし、それから、自然環境の中で汚染をしておる、重金属を水に溶かしてそれが汚染をしているという坑廃水の問題、もちろん鉱山を稼行いたしますと、そこから出てまいります鉱害もあるわけです。
 大きく分けまして、これからは常に探鉱を怠ってはならない。しかし、それは大変リスキーな産業でありますから、企業としてよほど内部蓄積を留保しており、あるいは減耗産業としての租税控除をきちっとしてもらったとしてもなかなか手が出しにくいですから、これはやはり国が探鉱を進めていく。それからまた、国際価格の乱高下に対しまして、価格が上がったときにはひとつ拠出させようじゃないか、価格が下がったときにはその基金から出動しようじゃないか。そして、鉱脈がまだたくさんあるあるいは品位も比較的高いというものをみすみす閉山に追い込まないようにしていくという制度もできている。そしてこの鉱害問題です。これは今初めて私たちが気がついた問題ではないのですね。
 私は今これを申し上げますのは、五十三年に尾去沢へ行ったときに、たまたま尾去沢で閉山式にぶつかったのです。山崎団長以下、そこで鉱山長と労働組合の委員長が涙ながらに、私たちは尾去沢というのが発見されたのは千数百年首なんです。そして、長くあそこで尾去沢鉱山として地域にも大きな影響を持ってきた。これを今閉山する。こういうことがもう二度とないようにしてもらいたいということとあわせて、実はこれから閉山はするが、あと尾去沢の鉱害の処理のためにこれからは半永久的にしていかなければならないのだ。こういう訴えを受けまして調査団は、日程にはなかったのですけれども、急遽尾去沢の坑廃水の処理場に行ったのです。そして帰りのバスの中で、どうだ、これは全部鉱業権者が負担をしていくべき性格のものかというと、いや、実は自然汚染というものもあるし、また、古い歴史を持っている鉱山であればあるほど他人の汚染もある。何とかこれは私たちの負担が軽くなるようにできないだろうかということでバスの中で協議をいたしまして、先ほど申しましたような制度が確立をされてきた。
 繰り返しになりますけれども、金属鉱山というのは減耗産業ですから、そういった探鉱を繰り返し進めていくということと、それから価格安定のための制度をつくり上げていくということと、それからそこから発生する鉱害というものに対して、これは単に一企業の責任ということを超えて大変大切な資源でありますから、しかも地球が何十億年もかけてつくり上げた資源を私たちは使わせていただいているわけですから、そういうものに対して当然随伴して起こってくる鉱害に、もちろん企業もPPPの原則でやらなければいけませんけれども、国がバックアップ態勢をとるということが必要なわけです。そのことが構造的にわかっているわけですから、冒頭大臣に申し上げました、この法律案を見てどういうお考えをお持ちになられたかと質問したのは、そういう構造を持っているものに対して私たちの対応というのは余りにも遅い。そのために、せっかくの資源がまだ残ったままで閉山をしていかなければならないという状況が生まれてきているということを私たち政治家としては心しておかなきゃならぬ。
 例示的に申し上げますと、あの小坂の内の岱が、黒鉱の、国際的にも黒鉱という言葉が国際語になっておるような、そういうすばらしい鉱山も、これは去年でしたか閉山になったわけです。あるいはこの三月三十一日で釜石の銅の鉱山の部分は閉山になっている。そうすると、日本は銅鉱石を掘るところがもうなくなる。鉛、亜鉛だけになってしまう。私は今も鮮やかに覚えているのですけれども、明延の鉱山に入ったときにすずの鉱脈を見まして、あるいは内の缶の金びょうぶのような黒鉱を見ましてすばらしいなと思ったのですが、そのすずの鉱石もそのまま閉山で埋められてしまうわけですね。
 こういうことを何とかできないかというのが実は私の思いなんです。大臣ひとつ、答弁書にはそんなことはないでしょうから、大臣のお考えをちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。
#91
○渡部国務大臣 炭鉱、これから大変これは大事でございますけれども、残念ながら、何遍も繰り返しておるように、今経済は国際化の中で、世界全体の中で動いておる状態でありますから、日本の国の持っておる特性、狭い国土である、資源エネルギーも極めて乏しい、また条件的に不利なものが多いということで、本来国内産でこれらのものが自給できれば最も望ましいわけでありますけれども、現実的には、今先生御指摘のように、ついこの間まで地域の経済に大きな役割を果たしておった鉱山が閉山の余儀ない状態にされてしまっておるのが今国全体のほとんどの地域であります。
 実は、私の町にもかつて非常に栄えた銅の鉱山がありましたが、ついに閉山になってしまったとき、これを見てまさに後藤先生と同じような深い感慨に思いをはせたことがございます。ただ、これが時代の波だということで片づけてしまったのでは政治はないわけでありますから、そのために通産省としても、鉱山会社の経営安定化のための超低利融資制度である金属鉱業経営安定化融資制度をつくったり、また先生と商工議員を一緒にやっておったころだと思いますが、第二次産品の備蓄とかレアメタルとか、いろいろなことをきょうまで先生方の御努力でやってきた記憶があります。
 そういう中で、時代の変転の中で今日のような状態になっておる。しかし、これは我が国の国民生活、経済のために貴重な資源でありますからできる限りこれは残していかなきゃならないし、なお一層大事なのは技術で、これをなくしていくわけにいきませんので、ビデオで撮るとか、いろいろこの技術を残す方法を考えているわけですが、やはり稼行炭鉱で初めてこの技術が残っていくので、できる限りそのときそのときの為替の変動とか相場の変動とかで閉山されてしまうというようなことのないように、これ一たん閉山してしまえば、市況が回復しても鉱山の再開はまさに難しいわけですから、これは努力していかなければならないと思いますし、またすぐれた我が国の鉱山を探鉱する技術もそうですけれども、またこれがもたらすところの鉱害対策の技術もすぐれたものでありますから、これらは今後国際社会、国際貢献ということで世界に役立たせていただきながら、我が国のこうした技術が残り、またさらに発展していく、そういうようなことで今後も努力してまいりたいと思います。
#92
○後藤委員 今の技術の継承発展の問題ですけれども、こうやって鉱山がだんだんなくなってしまいます。そういたしますと、今度は鉱山で働きたい、そこにロマンを求めて就職して活躍したい、こう思う人々が、まず高校あるいは大学からもうそこを離れてしまうという傾向が今生まれてきているわけです。この間も、お聞きしますと秋田の大館工業高校の採鉱科を出た人は鉱山への就職はゼロだ、こういうわけです。あるいは、ちょっと資料を取り寄せてみますと、北見工業大学から北海道大学、室蘭工大とずっと各大学に資源開発工学科とか開発工学科、こういうようなのがあるわけです。わずかに秋田大学に鉱山学部があるのですけれども、ほとんどが資源開発工学科に名前を変えている。そしてこの資源開発というのはどちらかというと地質学的な方向になって、従来の鉱山学科あるいは採鉱とかそういうようなところのカリキュラムがだんだんなくなっていっているわけです。これは三月三十日現在ですから多分去年のデータだと思うのですけれども、こういった資源工学科等の学部を出た人が金属鉱山に就職しているのは六%です。そして大学院から出て就職しているのが一〇%、つまりりようりょうたる状況になってきている。鉱山で働いていこうとかいう人が非常に少なくなってきている。これは国内鉱山がなくなっていくという、つまり展望がなくなってきているというところに私は原因があるだろうと思う。
 もちろん、先ほども申しましたように国内鉱山は採掘して鉱量がなくなればやめていかなければならぬわけですけれども、これからはエネルギーの問題とか、あるいはこういう資源というのは安定してそして良質のものを安価に確保していかなければならぬということになりますと当然海外の鉱山の開発、これは自主的な開発もあるでしょうし、それからまた技術協力をしていくのもあるでしょうし、あるいはジョイントでやっていくのもあるでしょうけれども、そういう技術者が完全に枯渇するということになりますと、海外でできた地金を輸入していけばいいということになってしまいまして、国内の製錬の需要も疲弊をしていくわけであります。
 こういうような実態になってきているわけですから、私はやはり伝統産業と同じように、技術を継承するのは学校でありますから、国内鉱山というものはどこでももう少なくなってしまっておりますけれども、大切にしていくと同時に、こうした技術者を継承して養成をしていくという、そういうグラウンドをつくり上げていくために大臣ぜひ努力していただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
#93
○渡部国務大臣 まさに後藤先生と私も思いは一つであります。国際社会におけるコスト、これはやはり自由主義経済の中で見逃すことはできませんけれども、そういう枠の中で、国、地方団体、私どもできる限り残せる鉱山は残すべく努力してまいりたいと存じますし、また今の人材養成それから技術、これは非常に大事なことで、先生の方が私よりよく御存じと思いますけれども、海外、中南米あるいはカナダあるいはその他で我が国のすぐれた鉱山の技術、また探鉱の技術、これらが今国際貢献の中で活躍しておるわけでありますから、これらがさらに活躍していく舞台を広げてあげる。また、もう世界は一つなのでありますから、もう日本の鉱山はだめになったから鉱山の勉強をしても将来がないなどという近視眼的な考え方でなくて、長い歴史の中で、地下資源の開発とそこから生まれてきたすぐれた資源が今日の我々の豊かな生活をつくり上げ、さらに将来にわたってもそのことに変わりはないわけでありますから、若い人たちが鉱山を学ぶことに誇りを持ってくれるような環境整備を考えてまいりたいと存じます。
#94
○後藤委員 国内鉱山の問題とあわせて海外の鉱山開発の問題について、これは政府委員の方にお聞きしたいと思うのですが、最近どうも海外の探鉱投資が低迷をしている、最近少し上向きになってきているということで百件ばかりのプロジェクト等も上がってきているというようにお聞きしているわけですけれども、海外の、特に発展途上国の探鉱なりあるいは開発なりの日本への要請というものの状況は一体どういうようになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#95
○黒田政府委員 海外からの探鉱等についての要請、最近のあれでは大体年間百件ぐらい来ているのが現状でございます。
#96
○後藤委員 それは主にODAの方の資金で行われていくわけですか。
#97
○黒田政府委員 そのとおりでございます。基本的にはそういうものが多うございます。したがって、具体的には現地の政府から日本の大使館等を通じて要請が参る、こういうものでございます。
#98
○後藤委員 大臣、このODAですけれども、これは私どもも常に言っておるわけですが、ひもつきにしちゃいかぬ。しかし、相当膨大な資金を投下してODA資金で海外経済協力、あるいは技術協力を進めていくわけでありますけれども、探鉱等で仮に有望な鉱山が見つかった、鉱脈が見つかったとしても、日本がODAを通じて資金供与をしたとか、あるいは探鉱のための努力をしてきた、そこで開発をするときにじゃ日本の企業にと、なかなかそうはまいらないというように聞いているわけです。それがなかなか難しいところであります。
 この点でぜひ大臣にお伺いをしたいわけですけれども、私は、国際入札はしていくが、お互いの信頼関係、企業ももちろんそうでしょうけれども、それ以上に我が国とそうした発展途上国なり資源国との友好信頼関係が深ければ、おのずからまた日本の高い技術、後でまた申し上げますけれども、いわゆる鉱害防止のための技術等も生かされてくると思うわけです。大臣は最近各国の要人とお会いをされておる。いろいろな経済協力の要請も受けていると思いますし、また、各国を歩いておられるわけでありますから、そうした資源国の要請の状況というものは一体どういうものがあり、こうしたODAを通じて、年々ODA予算というのはふえているわけですけれども、これを使っていきながらお互いの友好関係を深めていく、そして相手国の経済、民生にも大きな貢献をする、もちろん我が国もそのことによって利益を得るということにつなげていくためには、どういうようにしていったらいいかということをお聞かせをいただきたいと思います。
#99
○渡部国務大臣 これは今先生のいろいろなお話を承って、実は私もODAについていろいろなことを考えている中で、今先生のようなお話、提言をしようと思っておったのですけれども、やはりこのODAの本質は、日本からの経済協力によってこういう仕事をやった、そのことが十年あるいは五十年、百年後までその国の地域の人たちに喜んでいただけるものであることが望ましいし、その国の国民の生活を豊かにしたり、経済を発展させるものでなければならない。ところが、必ずしもそうでないようなものも出て、今ODAの使途、今まではただ金額をふやすということでしたけれども、その使い方を、やはり国民の皆さん方のとうとい税金をちょうだいしてやるのでありますから、本当に世界の人たちから感謝されるものでなければならない。これはもう今の大変な政治の問題で、その中で技術移転、これは大変大事なことです。実は私がトルコに最初に行ったとき、あのアンカラが、石炭をただ燃やしておるために空気が汚れて人がどんどん倒れていくということで、帰ってきて環境協力ということを、特に技術面で申し上げた。この前トルコの代表が来られて、おかげさまで今非常にアンカラの空気がきれいになりました、こう言われて、こういうことが大事なんだなと考えさせられました。
    〔委員長退席、和田(貞)委員長代理着席〕
開発途上国のそれぞれの国々が資源開発ということで日本の協力を求めておりますから、これは技術と資金と心と、これが一体になって本当にその地域の人たちに喜んでいただけると思います。
 また、これはODA対象国ではございませんけれども、対ソ支援、今ロシアという言葉を使わなければなりませんが、これもこれからの大きな問題になって、何遍も私のところに、新生ロシア共和国あるいは新生ロシア連邦、この自由化、改革を成功させたという熱意を持ってこられた方々がほとんど異口同音に言われることは、新生ロシア連邦は広大な面積と無限の資源を持っておる、この資源を世界のために役立たせ、また新生ロシア連邦が改革に成功するために日本に協力してくれという話がありますので、我が国がきょうまで持ってきた鉱山技術等はこれらの問題にも今後対応できるのであって、まさに先生御指摘の問題をこれからの我が国の国際貢献の非常に大きな柱であると考えて進めてまいりたいと思います。
#100
○後藤委員 今、旧ソビエトの話も出てまいりましたが、モンゴルあるいは北朝鮮さらに中国、資源がまだ未開発の地域がたくさんあるわけです。そのためにも、繰り返しになりますけれども、大切に国内鉱山を発展させていく、残された鉱山を発展させていくだけじゃなしに、これからベースメタルの大きな鉱脈を見つけ出すということは難しいでしょうけれども、今確保いたしております。辺を徹底してひとつ探鉱、探査をしていくということをお願いしたいわけです。
 それから、発展途上国の場合というようなものは鉱害等を垂れ流しにしている面があるわけでありますけれども、ことしも国際環境会議も開かれるわけでありますし、そういうような鉱害の垂れ流しをさせていかないためには、やはり日本の技術というものを移転していくといいますか、協力していくということが必要だろう。
 この間もテレビを見ておりますと、アマゾンで金鉱石を採掘する、そして随伴して出てくる水銀があのアマゾンを汚染をしているということが相当深刻に伝えられておった。こういうことに対しても、日本の技術をそこで使っていきながら鉱害防止のために努力していくということが大切であろうと思うし、それからチリの方はある程度治安がまだいいようですけれども、ペルーも、この間フジモリ大統領見えましたが、どうも資源国が治安がよくないところで、企業も進出をしたくても、協力をしたくてもなかなかできない、そういう厄介な問題がありますが、これは裏返して見れば、私は、経済協力をしていく、技術協力をしていくことによって、その経済発展あるいは民生の安定につながっていくということもあるわけですから、治安がよくなってから出ていくということではなしに、そこのところは国のバックアップ体制が強くなければならないわけでありますから、こういった資源国に対して、発展途上国に対しての、おっかなびっくりでちゅうちょしているということではない姿勢を大臣にぜひ持っていただきたいという、これは御要望を申し上げておきたいと思います。
 時間が大分なくなってまいりまして、最後にもう一つ、ウルグアイ・ラウンドの地金の関税に対する問題がございます。
 これにつきましては、大臣、たくさんございます。米の問題もあれば、私も今タッチいたしております皮革、靴の関税の問題もあって、先般も大臣に要請を申し上げましたけれども、この地金は、もしゼロになるということになりますと、二、三百億円の大きな負担になってくる。そうしますと、またこの鉱害防止のためのこの基金が出てこないということにもなってくるわけでありますから、ウルグアイ・ラウンドに対しましての金属鉱山関税交渉、特に銅、鉛、亜鉛の地金の関税引き下げの問題に対しまして、政府として大臣どのような決意で臨んでおられるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#101
○渡部国務大臣 私が大臣就任後、アメリカからヒルズ通商代表が訪ねてまいったときに、この非鉄関税の問題等も何遍か話題に出てまいりました。そのたびに、私も後藤先生と同じに非鉄金属には長い長いかかわり合いの歴史がありますので、今先生御心配のようなことが脳裏を走ったわけでありますけれども、ただ、先生に御理解をいただかなければならないのは、基本的な我が国の進むべき方向としては、我が国は自由主義経済によって、世界が平和であって、世界のすべての国々と自由に貿易することによって繁栄をしてきたわけであります。したがって、ウルグアイ・ラウンドは成功させなければならない、この前提は先生も私も共通した哲学に立っておると私は思うのですけれども、その中で非常にこの市場アクセス交渉はなかなかいろいろ問題を含んでおります。
 中でも銅を初めとする非鉄金属の分野は、アメリカ、カナダが強い関心を持っており、現在、非鉄金属全体の関税について相互撤廃を提案しております。また、ECとの間でも銅地金関税は三十年来の問題になってきておるわけです。我が国の非鉄金属鉱業が鉱害等の困難な問題を抱えておる実情は、今申し上げたとおり、先生も私も思いは同じで、これは先般来私も各国の人たちに我が国の事情というものを申し上げておりました。我が国としてはこうした中で、各国の関税を協調して引き下げるというハーモナイゼーションの提案を行ったところでありますが、交渉は、先生御承知のように、なお厳しい状況に率直に申し上げでございますが、今後とも我が国の非鉄金属産業の抱える困難な状況及びウルグアイ・ラウンド交渉全体の進捗状況、こういうものを踏まえながら、何とか我が国の鉱山がぎりぎり頑張っていただけるような解決策はないものかと、今頑張っておるところでございます。
#102
○後藤委員 重ねてそのことについては申し上げておきたいのですけれども、国内鉱山はもちろんでありますが、製錬所もどんどん減ってきているという状況でございます。一方において、海外で手当てをしていかなければならないということになってまいりますと、今度は国内の製錬所をどのように維持発展していくかということになりますと、このウルグアイ・ラウンドの問題が大きなこれまたハードルになってくるわけでありますから、やはり農業、米と同じ問題を一方において抱えている。これは国際的にもいろいろそれぞれの内部事情もあるわけでありますが、ECとの三十年戦争であるとか、アメリカ、カナダとのワンパッケージの問題等もあるようでありますけれども、これはもう性根を据えてひとつ、一方において自由化の方向を進めていかなければならぬと同時に、それぞれ抱えている問題の解決のためには、努力をしていただきたいということを強く申し上げておきたいわけであります。
 きょうはもっとたくさん申し上げたいことがあったわけでありますけれども、安田、鈴木両委員が法律案につきましてはすべて詳細にわたって指摘をいたしております。後でまた附帯決議等で議論になるかと思いますけれども、やはり採掘権者が基金への拠出額というものを出していく場合に、これがいろいろな予測しがたい要件等によって、たくさん出していかなければならぬということになっていく場合、それが企業経営に大きな負担を来さないような措置に対しまして、これはひとつ特段の努力をしていただきたいということを申し上げておきたいと思いますが、大臣、ここの問題に対しまして、ひとつその基金の拠出が容易になるような必要な措置を講じていく、そのお考えをお聞かせいただいておきたいと思います。
#103
○渡部国務大臣 ただいまの先生のお話、十分に承って今後に対処してまいりたいと存じます。
#104
○後藤委員 最後に、繰り返しになりますけれども、やはり私たちは非鉄金属鉱業が抱えている問題というのは十分に承知しているはずでありますから、私が御指摘いたしましたような探鉱なり、それは同時に海外も含みますけれども、それから価格安定、鉱害対策、そしてレアメタル等の備蓄、こういうことについてこれからも真剣な取り組みをしていただく。そして、この鉱害が環境に大きな影響をもたらしていかないように特に技術の面を、やはり技術開発に対する予算が大変不足していると思うのです、そういう技術開発の面、そして、これから将来の技術者等が鉱業、メタルマインに対して希望とロマンを持って就職していきたいというような環境をつくるということは、これは政府の責任であるしまた私どもの責任だと思いますので、その決意を最後にお伺いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#105
○渡部国務大臣 まさに後藤先生と私の思いは一つであります。政治には愛情がなければなりません。先生の今までの心のこもった提言を身に受けとめて今後に対処してまいります。
#106
○後藤委員 終わります。
#107
○和田(貞)委員長代理 権藤恒夫君。
#108
○権藤委員 四月二十二日はアースデー、それから六月の初旬でございますか、国連によります地球環境サミットが開かれていくわけでありますが、これは現在の地球環境につきましてどういうふうに保全をしていくのかということが具体的に真剣に討議されるわけであります。早急に環境対策を講じていかなければ、もしも環境容量を超えた汚染というものが蔓延していきました場合は、自然の浄化作用を超えて生態系を崩壊させてしまうということも十分に考えたことだろうと思うわけでございます。このような状況の中で、この休廃止鉱山の坑廃水処理等の恒久対策が法の見直しのもとになされていくということは、時宜にかなった意義あるものと理解をするものでございます。
 そこでお聞きしたいわけでありますが、これまで国として、鉱業を実施しております企業に対しまして長期間にわたって鉱害防止対策をとらせてきております。これは大臣の所信表明にもございました、地域住民の健康をどうして保護していくか、また地域社会の生活をするための環境をどういうふうに保全していくかということもあるわけでございますが、ただ現在の置かれております企業の立場も十分に考慮していく必要があるのではないかというふうに思っております。私も一、二のところをどういう状況か、実情はどうかということで関係者の方々と視察をしてきたわけでありますけれども、企業には企業の言い方がたくさんあるようであります。
 それはそれといたしまして、大臣、今日こうした鉱害防止が必要となった最大の原因はどういうところにあるとお考えになっておりますか。また、国の施策に誤りはなかったのかということをお聞きしたいわけでございます。
#109
○鈴木(英)政府委員 この休廃止鉱山におきます鉱害防止対策につきましては、先生御指摘のように国としても長い間対応してきておりまして、特に昭和四十年代半ば以降は鉱山保安法に基づきまして採掘権者等に対して適正な坑廃水の排出規制を実施したわけでございます。また、昭和四十六年には休廃止鉱山の鉱害防止の工事費の補助金制度を創設させていただきました。四十八年には金属鉱業等鉱害対策特別措置法を制定いたしまして、積立金制度あるいは融資制度等の対策を実施してまいったわけでございます。その結果、私どもといたしましては、休廃止鉱山における鉱害防止対策が発生源対策を中心といたしまして一定の成果を上げてきているというふうに考えておる次第でございます。
 ただし、坑道あるいは捨て石堆積場あるいは鉱滓の集積場、こういうものが汚染水の発生源となりまして鉱害防止対策を依然として必要としているわけでございますけれども、やはり何と申しましてもこの鉱害発生源に雨水等が浸透いたしまして鉱体と接触する、それによってカドミウムとか砒素等の重金属が溶出するというようなことでありまして、なかなかこれをとめるということが今の技術では難しいことも事実でございます。したがいまして、閉山後の鉱害防止工事等の発生源対策による解決が図れないという場合にはやはり継続して坑廃水処理対策を実施せざるを得ない、こういう状況になっておると認識をしておるわけでございます。
 非鉄金属鉱業を取り巻く環境条件は極めて厳しいものがあるわけでございますけれども、今回お願いしております法改正によって義務者存在の休廃止鉱山の坑廃水処理について資金確保と実施体制の整備を図る、こういうことで、休廃止鉱山の鉱害防止対策をさらに充実したものにさせていただきたいとお願い申し上げる次第でございます。
#110
○権藤委員 今説明がございましたが、そのとおりであると思うわけであります。私が聞きたいのは、鉱山は鉱山としての採掘に対する技術、ノウハウは十分持っておるわけでありますけれども、国策に応じて乱掘せざるを得なかった、そういう実情もあるのではないかということを指摘しておるわけであります。私のところも実は炭鉱地帯でありまして、昭和十六年から戦後二十六、七年まで、石炭を掘った後のことを考えない、むちゃくちゃに掘りまくった、そういう実例があるわけであります。そのために今日までなお陥没が続いて、その後処理のために莫大な費用を要しておるわけであります。金属鉱山につきましてもまさにそのとおりであったと思います。家庭にありますやかんからつり鐘まで供出をさせられたというような経験を持っておるわけであります。したがいまして、地下資源というものが非常に大事でありましたから、そういう後のことを構わずにむちゃくちゃに採鉱していった、そのために今日の鉱害が起きているというふうに私は思っておるわけでありますのでありますから、そのことも十分認識した上で対応してほしいと言っておるわけでございます。
 そこで、水質改善の方でございますが、資料等をいただきましてつぶさに検討しました。被害はないようでございますが、全国約九十数カ所の処理をしておるわけでありますけれども、その後の被害状況につきまして、どういうふうになっておるか御説明をいただきたいと思います。
#111
○鈴木(英)政府委員 現在この鉱害防止対策が必要となるといいますか、特別措置法の対象となる稼行中の鉱山は六十二ございまして、そのほか、休廃止しておりまして抗廃水処理をせざるを得ないというのは四十九鉱山ほどございます。先ほども申し上げましたけれども、これまで発生源対策に対しまして国としても措置を講じてまいったわけでございます。かつその成果というのは一定の成果を上げて、それぞれの鉱山も努力をされまして、地域に対する環境条件の整備ということについても努力をされておるというふうに考えておりますけれども、なお抗廃水が出ております鉱山もございますので、こういうものについて適切な対応をしていく必要があると考えておる次第でございます。
#112
○権藤委員 それから、将来この鉱害防止対策が必要となる鉱山でございますが、大体どのくらいになるのか、そのうち今度新しく創設されます基金でございますが、この基金制度の対象となる鉱山はどのくらいあるのでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
 それと、年間十五億くらいの処理に対する経費がかかっておるようでございます。この十五億円を運用益で上げていこうということでありますが、金利五%、公定歩合が下がりましたからずっと下がっておるようでありますけれども、三百億円の基金で十分にこの処理ができるのか、その見通しについてお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
#113
○鈴木(英)政府委員 基金制度の対象となります鉱山は、休廃止鉱山、現在四十九鉱山がございますけれども、これがまず基金制度の対象になるというふうに私ども考えております。さらに、現在稼行中の鉱山のうちで鉱害の発生源工事あるいは坑廃水の処理という鉱害防止対策が今後必要となるであろう鉱山は、現在十八ほどございます。そのうち今回の基金の対象になります鉱山、すなわち発生源工事等を行っても半永久的に坑廃水処理が必要になるであろう、これは今の段階ではあくまでも推定でございますけれども、そういったものが四鉱山あるというふうに理解をしております。
 それから、お尋ねのこの基金の規模等でございますけれども、基金の規模が今私ども、三百億円くらいというふうに言わせていただいておるわけでございますけれども、実はこれもある程度推定でございまして、基金制度の対象となります休廃止鉱山の使用済みの特定施設ごとに具体的に必要な費用の内容を精査して算定したというものではございませんで、現在の採掘権者等が現状において実施しております坑廃水処理の費用、これをベースに、平均の運用利率を五%と想定いたしまして概算で求めたものでございます。この法律を成立させていただきました場合には、今後対象となる施設ごとに精査をいたしまして、基金の額を個別に決めていって、トータルとして基金の額が結果的に形成されるというふうに考えておりますけれども、その額の設定に当たりまして、例えば運用利率につきましては、過去のインフレ率であるとか金利動向を基礎といたしまして、通常予想されない大きな経済変動、これは別でございますけれども、それ以外の要素を十分勘案の上、適正に設定させていただく予定でございます。
 いずれにいたしましても、現段階の見通しては、基金の運用益によりまして坑廃水処理事業を十分円滑に実施できる水準に設定してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#114
○権藤委員 先ほども質問があっておったようでございますけれども、ウルグアイ・ラウンドでこの非鉄関税引き下げが確実になっていくのではないかというふうに思っております。このようなことによりましていろいろと影響が出てくると思うわけでありますが、それにしても、企業の経営環境が相当に厳しいのじゃないかというふうに思っております。この基金へ拠出するわけでありますけれども、採掘権者等である企業の経営を圧迫することがないような特別の配慮も必要じゃないかというふうに思うわけであります。
 と申しますのは、六年間というふうに言われますが、基金への積み立てをしていかなければならぬ、その間の坑廃水の処理は従来どおりしていかなければならぬ、いわば二重に出費がかさむということであるわけでありますから、その点についての何か御配慮があるのかどうか。それから、直ちに拠金できる企業、会社はどのくらいあるのか、それと基金の拠出に当たっては、やはり鉱山ごとの個別事情を十分に考慮することが大切じゃないかと思うのですが、その点についてのお考えはいかがなものでしょうか。
#115
○鈴木(英)政府委員 先生からもただいま御指摘がございましたけれども、この拠出につきましては、一応今回の法律案では、指定された日の属する年度から六年を超えない期間に拠出をしてもらう、こういうことになっておりまして、一時的に過重な負担を強いることがないよう配慮するということでございます。さらに、平成四年度の税制改正で、この基金の拠出に対しまして損金算入の特例制度を設けていただくことになっておりまして、そういう意味でも負担の軽減を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。今回対象となります企業が約三十社あるということでございますけれども、この負担能力を、いろいろ私どももヒアリング等によりまして具体的に把握をいたしまして、その結果を踏まえておるわけでございますけれども、基本的には、このヒアリングの結果によりましても、この分割拠出とそれから税制上の措置、こういうものがあれば大きな問題は生じないだろうと現段階では考えているわけでございます。
 ただ、御指摘のように、最近非鉄業界を取り巻く経営環境が急速に悪化する兆しか見えているというようなことも周辺環境としてあるわけでございまして、今後とも、企業の経営を圧迫することのないよう基金制度の適切な運用に努める、あるいは、場合によってはまた必要な支援策の検討にも努めるということで対応させていただきたいと考えております。さらに、この基金に対しまして、現時点で直ちに拠出させることが可能と考えられる特定施設を有する会社は、現在十四社、鉱山数にいたしますと十九鉱山であるというふうに考えておるわけでございます。
#116
○権藤委員 したがいまして、先ほど申し上げましたように、個別の事情をよく把握して配慮をしていってほしいと思います。
 それから、現在、四十九鉱山あるわけでありますが、その中で九鉱山、坑廃水に係る補助金が出ていないところがあるようであります。そのうち、自己汚染の分が四鉱山、あとは、五鉱山というものは補助金がないようであります。この分だけ企業が過重な拠出負担となっておるようであります。せっかく法改正するわけでありますから、このようなものをきちっと整理する必要があるのではないかと思いますが、その点についてのお考えはいかがでしょうか。
#117
○中田政府委員 御指摘の五鉱山につきましては、閉山後まだ間もないために、特定施設に係る坑廃水の水質あるいは水量等が安定していないといったような事情があるわけでございまして、自然汚染分あるいは他者汚染分が算定できないために補助金を交付していない、そういう状況にあるわけでございます。これらの鉱山につきましては、水質、水量が安定していないわけでございますから、坑廃水の処理費用もまだ安定していないわけでございます。このために、基金の拠出対象の適否の判定でございますとか、あるいは拠出額の算定等もできない段階にございますので、当面、基金への拠出対象にすることは難しいのではないかというふうに考えております。
 今後、坑廃水の水質、水量が安定してまいりまして、処理費が確定してくるということになりますと、補助金の対象にもなるわけでございますし、基金の拠出の対象にもなり得るだろうというふうに考えております。
#118
○権藤委員 それから中小鉱山の拠出金の問題でございますけれども、やはり融資をする制度を創設する必要があるのではないかと思います。そういうことについては金属鉱業事業団がその任に当たっておられるようでありますけれども、そういうお考えがあるかどうか、ひとつお尋ねをしたいと思います。
#119
○中田政府委員 先ほど局長からお話し申し上げましたとおり、私ども行っております企業ヒアリングによりますと、当面各企業拠出が可能というふうに考えておりますけれども、今後の経済事情の変化等によりまして、何らかの措置が必要となることもあり得るわけでございます。その際には、金属鉱業事業団によります鉱害防止貸付制度の拡充を含めまして、必要な措置を検討していきたい、かように考えております。
#120
○権藤委員 そこで、もう一つ鉱害事業団にお願いがあるわけでありますけれども、企業は企業として鉱害防止のための自己努力は懸命にやっておるようでございますのですけれども、先ほどから説明がありましたように、現段階では完全に出水をとめるとかという技術には至っていないようでありますが、これから先も事業団は、鉱害が地域住民に影響を及ぼさないように十分な技術開発等についての研究、努力を一層要請しておきたいと思います。
 それから現在の補助金制度は自然汚染、他者汚染ですか、算定されておりますけれども、その全額が補助金として交付されていないところもあります。けれども、実際、処理をしておるわけでございますから、その分だけは企業が超過負担をしておるような実情でございますのでありますから、何回も言うようでありますけれども、一時的なものではありません。これはとにかく恒久、永続的なものでございますから、企業は資源がなくなれば閉鎖していかなければならぬ、けれども後の処理は永久的に続けていかなければならないわけでありますから、今回の法改正を機にして、やはり納得のいくような、将来に禍根を残すことのないような、そういう補助金の制度のあり方を確立する必要があると思うわけであります。やはりPPPの原則によりまして汚染者が一生懸命に浄化のための努力をしておるわけであります。この企業が、先ほども冒頭に申し上げましたように、やはり閉山になっておりますところの大部分は、戦前、戦中、戦後、このあたりの鉱山が多いわけであります。私は、後のことも考えずに採鉱させた、当時の鉱山統制令といいますか、そのようなものの責任はあると思うわけでございます。したがいまして、企業もやっておるわけでありますから、その企業努力が報いられるような国の対応をこの際整備をしておく必要があると思っております。もう一度その点についての御答弁をお伺いしておきたいと思います。
    〔和田(貞)委員長代理退席、委員長着席〕
#121
○中田政府委員 鉱害防止業務を支障なく推進してまいりますためには、補助金の的確な運用が必要であることは御指摘のとおりでございます。今後、予算の額の確保あるいは予算単価の適正化等を含めまして、必要な予算措置に努力をしていきたいというふうに考えております。
#122
○権藤委員 手稲鉱山がございます。そのほか五カ所ほどあるようでございますが、その義務者が不存在の鉱山であるわけでありますけれども、このようなものは当然国、地方公共団体で後の処理をしていかなければならないのではないかと思っておりますのでありますけれども、その旧鉱業権者が実際はこの坑廃水の処理をしておるようであります。ところが、実際はしなくてもいいんだけれども、やはり責任をとってやっていらっしゃるわけでありますが、そういうところも義務者が存在をしておるというような考えで、自然汚染、他者汚染の分までも  他者汚染の分だけしか補助金が交付されておらない。小さなことであると思いますけれども、これは大事なことだと思っておりますのでありますから、これから先この法改正の中で、このようなあいまいなところについてこの基金制度の中できちっと指導していくようにするのか、あるいは特別措置法の例外として取り扱っていくのかお伺いしておきたいと思うんです。私の考えですと、この際きちっと整理をして心配のないようにする必要があると思うんですが、その点についてはいかがなものでしょうか。
#123
○中田政府委員 御指摘のケースのように、鉱山保安法上の義務者が不存在であるというような場合につきましては、義務者でない旧鉱業権者に基金への拠出金の拠出を義務づけることはできないというふうに私ども考えております。
 ただ、このように、旧鉱業権者が、義務者が不存在化した後も鉱害防止に貢献するということは、地域のためにも好ましいことであるというふうに考えているわけでございまして、私どもといたしましても今後ともできる限りの助成、支援はしていきたいというふうに考えております。
#124
○権藤委員 それから、天災その他やむを得ない事由が発生した場合は、そのときはそのときで鉱業権者にその責任を云々というようなことが法案の中にあるようでありますけれども、やはり天災でありますから、これは鉱業権者の責任に帰さないのではないかというふうに思います。したがいまして、何らかの事情によって地域住民や環境に影響が出るようになったときには当然国の責任において十分対策をしていく必要があるのではないかと思うわけであります。まあ、これは想定の話ですからここで結論めいたことを要求するつもりはございませんけれども、このやむを得ない事由というようなことはどの程度のことで、だれがどういうふうに判断をするのかということもあると思うわけでありますので、その点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
 また、この基金の拠出を完了いたしました後、鉱業権を放棄したときにはどういうふうにしていくのか、その辺についてもお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#125
○中田政府委員 特定施設の坑廃水によります鉱害の防止は、採掘権者等の鉱業の実施によって坑廃水が生じております以上、採掘権者等が責任を持って処理するのが基本ということでございます。したがいまして、天災その他やむを得ない事由により坑廃水処理コストが増大した場合におきましても、原則として採掘権者等がその費用を賄えるように追加的な拠出をしなければならない、かようなことになるわけでございます。ただ、やむを得ない事情が生じまして、自然汚染分または他者汚染分と見なされるようなものが増加したというような場合には、その部分につきましては補助金制度の活用等を検討していかなければならないということでございます。
 なお、天災その他やむを得ない事由でございますけれども、鉱害防止業務を永続的かつ確実に実施するために必要な費用の財源をその運用によって得ることができなくなった場合ということでございまして、天災あるいは人為的な制度変更、例えば環境規制の強化等でございますが、こういった場合、あるいは予想し得ないような経済変動、こういったものを想定しておるわけでございます。具体的に追加拠出が必要となるかどうかという点につきましては鉱山保安監督局部長がその都度判断するということにしております。
 なお、拠出が終わりました後で採掘権者等が鉱業権を放棄した場合には、一般的には拠出の義務も完了しているということでございますが、鉱業権消滅後五年間は、鉱害防止上必要があれば鉱山保安法第二十六条第一項に基づく命令によりまして、当該採掘権者等であった者を義務者として位置づけまして追加拠出等を求めることもあり得るという立て方になっているところでございます。
#126
○権藤委員 次に、税制と企業会計は切り離して考えていく必要があるのではないかということでございます。それはその配当に与える影響等も考えれば、拠出期間が六年間、こういうふうになっているわけでありますが、それを超えて損金処理できるような配慮はする必要があるのではないかと思います。
 それから、資金負担能力のない子会社が義務者である場合、親会社が現在処理費用の負担をしておるわけであります。と同様に、今回の拠出金の負担につきましてもやはり親会社の負担になってくるのではないかと当然考えられるわけであります。したがいまして、税制上の恩典も十分に得られるように考慮していく必要があるのではないかと私は思っておりますが、そのようなお考えがおありでしょうか、お伺いしておきたいと思います。
#127
○中田政府委員 御指摘の税制上の損金処理の繰り延べの問題あるいは親会社が資金負担をした場合の損金処理の問題等につきまして、私どもとしても非常に重要な点であろうというふうに考えておりまして、今後研究し、かつまた国税当局とも御相談をしていきたいというふうに考えております。
#128
○権藤委員 次の質問でございますが、この問題は重複するのではないかと思いますけれども、あえて質問をいたしたいと思います。
 今後、貴重な資源の安定供給源としての国内鉱山の対策をどのようにしていかれようとしているのかということでございます。これは単に資源を供給するということだけではなくして、先ほど大臣の答弁もあっておりましたけれども、やはり日本の優秀な技術をもってそして海外に協力をしていくということは極めて大切なことであろうと思っておるわけであります。しかし、鉱山の実情は相当に厳しいものがございます。したがいまして、国内の資源が枯渇してまいりますと当然それは技術の低下につながってくるわけでありますから、この点は十分にひとつ考えていく必要があろうかと思っておるわけでございます。現在秋田県の方に資源大学校等かございます。JICAが仲介をして二十一、二、三カ国技術者の養成をしておるようでありますけれども、将来に極めて希望のないようなのが実情であろうかと思っておるわけであります。探鉱する、あるいは開発する、そして採鉱していく、そのためには優秀な人材が必要であります。技術も集積をされておるわけでありますから、日本がこれから先国際的に協力をしていくためには非常に大事なことであろうと私は思うわけであります。ところが、鉱山の経営につきましても、もうみずからの生きていく道を懸命に探っていくことに精いっぱいのようであるわけであります。気持ちの上では海外協力のことも随分念頭にあると思うわけでありますけれども、実際はそこまで動きがとれないということは大臣もよく御承知だろうと思うわけであります。ですから、今できる範囲で鉱山が企業活動がより進んでいくような対応の仕方をする必要があるのではないかというふうに思っておるわけであります。
 その一つに機材の減価償却の問題もあるようであります。建設関係の機材等の減価償却期間は大体三年ぐらいだろうと言われておるわけでありますが、鉱山はちょっと期間が長いようでございますのでありますから、いろいろな方法はあろうと思うけれども、そういう国の制度の面で配慮していってほしいな、こう私は思っておるわけでございますが、そのことについて何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#129
○黒田政府委員 国内鉱山の重要性につきましては、先生御指摘のとおりいろいろな面で重要な役割を果たしているわけでございまして、そういうことから、私どもといたしましても金属鉱業事業団を通じます国内の資源調査あるいは企業探鉱についての補助金なり出融資制度あるいは今先生御指摘ございましたような税制上の制度などによりまして探鉱活動を促進すると同時に、先ほど来御指摘もございますような非鉄金属の価格というものが国際価格あるいは為替レートによって左右されるという特殊性にかんがみまして、短期的な市況の変動によって企業が非常に苦しい状況に追い込まれないように、あるいは閉山に追い込まれることがないようにという観点から金属鉱業経営安定化融資制度という長期低利融資制度を設けているところでございます。今後ともこの維持存続を図りながら国内の鉱山の支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 また、先生いろいろな何か工夫の余地はないのかという御指摘でございますが、諸外国の制度等もいろいろ勉強しながら今後とも研究を続けてまいりたい、このように考えております。
#130
○権藤委員 アメリカですとかカナダですとか日本とは資源の埋蔵量が全く違うわけでありますから、そのとおりにというわけにはまいちないと思います。けれども、やはりこの貴重な鉱山というものを育成して国際的に貢献していく、そういう位置づけの中からは私は大切なことだろうと思っておりますから、そのことも十分に考慮した上で対応をしていってほしい、こういうふうに思っております。
 次に、指定鉱害防止事業機関として設立が予定されております財団法人でございますが、それの事業形態、それから出資金、施設、体制等についてどうするのか。私どもの考えではもう少し国が積極的に出資をする必要があるのではないかというふうに思われます。また、地方公共団体が今実施しております義務者のいないところの鉱山の坑廃水の処理でありますけれども、この坑廃水処理につきましても財団法人に実施させていく方がより有効で実情に合うのではないかと思っておりますが、そのことについてどういうお考えがあるのでしょうか、お伺いしておきたいと思います。
#131
○鈴木(英)政府委員 指定機関として設立が具体的に予定されていますものは日本鉱業協会に所属いたします鉱山業界各社の出捐による財団法人が考えられておりまして、ことしの三月一日付で鉱業協会が設立準備委員会を設けて事業形態等を検討中の状況にございます。私ども、この指定機関はあくまでも民間による運営ということを考えておりまして、国の出資等については今のところ予定はしてないわけでございます。特に、指定機関として予定されております財団法人が出捐各社に所属する鉱山につきまして坑廃水処理を行う、こういうことで設立されるものでございますので、こういう出捐各社と関係のない義務者不存在の鉱山の坑廃水処理を行うということは今のところ予定しておりません。ただ、将来、先生御指摘のように地方公共団体がやっております事業につきまして公共団体から要望があって、かつ体制上もそれが受けられるという状態になりましたときには、そういうものについて委託を受けて処理を行うということは十分考えられるのではないかと考えております。
#132
○権藤委員 地方公共団体の方からも強い要望もあっておるようであります。したがいまして、今後十分検討していく必要があるのではないかということを重ねて要望しておきます。
 それから、現在処理をしております会社から財団法人に身分が移行していきます現場の職員の待遇についてでございます。私もいろいろとお話を伺ってきたわけでありますが、そういう方々というのは鉱山技術については超一級の専門家であるわけでありまして、単に坑廃水を処理するそういう技術者だけではない、もったいないような気がするというふうに私は感じた次第でございます。こういう方々が財団に身分が移行した場合不利にならないように十分な配慮をする必要があるのではないかと思っております。
 また、先ほどの話に重複するかと思いますけれども、こういう技術というものは、重複しますから重ねて申し上げませんけれども、発展途上国、開発途上国あたりにはその技術というのは大変有益なものだろうと思うわけでございますから、ただ坑廃水の処理をするというだけじゃなくしてもっと事業を拡大して広い分野で活動ができるように、そういう配慮をする必要があると思うわけでございますが、そういうことについて何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#133
○鈴木(英)政府委員 この指定機関の設立につきましては、今準備委員会でいろいろ組織とか体制についても御検討中であるというふうに承知をしておりますけれども、特に指定機関が今後半永久的に健全な機関として事業を円滑に実施していきます上で人材の確保、そのための活力のある職場づくり、そういうことが非常に大切であろうと思っております。こういう観点から考えますと、やはりここに働く人たちの待遇あるいはこの機関の将来の仕事、公益法人という枠の中でできるだけ、例えば国際貢献というような仕事あるいは地域開発に参画するというような仕事をやっていくことも非常に大切な命題ではなかろうかと思っておりますので、私どもとしてもできる限りの支援をしてまいりたいと存じます。
#134
○権藤委員 最後になりますが、産炭地振興施策といいますか、今相当の資金を提供して活性化のための計画が実行されておるわけであります。この休廃止鉱山の跡も何かそういうふうに考えていけばいいんじゃないかというふうに思うところも随分あるようであります。佐渡金山あたりに行きますと、それこそごった返すようなそういう観光客が来ておるわけでありますから、もっと跡地を再開発に利用するようなことについても国は支援をしていく必要があるのではないかと思いますが、そういう考えがおありかどうか。
 それから、今回の新制度の成否は、先ほど大臣も申されましたように恒久的に地域住民の健康を保護する、そうして環境を保全をしていく、そういうことであろうと思うわけであります。そのためには、何回も申し上げますけれども、業界が万全の体制が臨めるように十分配慮をしていく必要があると思っております。何回も申し上げて恐縮でございますけれども、あの戦時中の乱掘というものが今日大変な後処理に尾を引いておると思うわけでございますから、国の責任の上からも積極的に助成をして、いい環境の中で事が進んでいくようなそういう配慮をぜひ実行してもらいたい、その点につきましての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#135
○渡部国務大臣 先生、産炭地域の御出身でございますが、非鉄金属にしてもそれから石炭にしても、長い間この国の経済そして生活、これを支えてきた貴重な資源でありました。しかも、いずれも国際化が急激に進む中で内外の価格差、自由化という中で衰退をしてきておるわけであります。石炭の方は特定財源がありましたが、この鉱山の方は特定財源がありませんでした。予算を確保するにも大変国難であったわけでありますけれども、そういう中で、また鉱害の問題、いずれも起こって、これからさてどうするかということで今回の法律の御審議をお願いすることになったわけであります。
 一番目の御質問、地域振興、これは私は非常に大事なことで、特に大体、鉱山のあったところは、これは過疎地域になっておりますから、私は通産大臣に就任する前に自治大臣を務めてふるさと創生、地域振興事業というものを訴えてきたわけでありますけれども、その中にはこういうものの跡地を新しい時代のニーズに合ったものに活用することによって次の夢を持ってもらう。かつては地下資源の開発というものに大きな我々夢を抱いたわけですけれども、それが歴史の変化の中でこのようなことになってしまった。その地域に二十一世紀に向かっての新しい夢をつくるような施策、これは非常に大事なことだと思います。
 さっきもちょっと私は答弁したのですが、私の町にも二十年前までいんしんをきわめた銅山があって、これが閉山になってしまいましたけれども、これは京浜葉地域の学校と青少年旅行村というような取り結びをして今リゾート地域として新しく活性化の道を探っておるわけでありますけれども、それぞれの鉱山跡地にはそれぞれの条件があると思いますので、それらの条件を生かしながら次の新しい繁栄を探っていくことは、私は地方自治体そして国の責任であると思っております。
 また、今回の制度でありますが、半永久的に続く坑廃水処理問題の解決という今回の法改正の所期の目的を確実に達成するためには、今権藤先生おっしゃったとおり、非鉄金属業界に安心して協力をしていただける、こういう条件をつくっていくことが前提でございますから、私としても制度運用に万全を期してまいりたいと思います。
#136
○権藤委員 以上で終わります。
#137
○武藤委員長 小沢和秋君。
#138
○小沢(和)委員 まず、大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 今回、非鉄金属鉱山の鉱害問題について勉強をして痛感をさせられましたことは、金属鉱物採掘の歴史は環境破壊と悲惨なイタイイタイ病や水俣病患者などの大量発生の歴史でもあったということであります。私は、こういう悲劇を二度と繰り返さないために、本法のように関係する鉱山の廃水処理を恒久的に実施する体制を確立することは非常に重要だと思います。
 同時に考えることは、今は我が国はほとんど金属鉱物資源を発展途上国から輸入しているということであります。これらの国々で日本と同じような悲劇を繰り返させないように鉱害対策の設備や技術を積極的に提供すべきだと考えますが、この点で今どういう取り組みが行われているか、まずお尋ねをいたします。
#139
○渡部国務大臣 海外における鉱害問題については、最近の地球環境への関心が高まっておる中で、鉱山の操業に伴う砒素、カドミウムなどの重金属を含んだ坑廃水の問題あるいは非鉄金属の製錬に伴う大量の亜硫酸ガスの排出の問題など、特にフィリピン、中国、チリ、ブラジルなどの発展途上国において問題になっておることは先生御指摘のとおりでございます。
 通産省としては、資源開発に伴う環境問題は極めて重要な問題でありますから、これは今世界全体が地球規模で取り上げられておる問題でもございますが、従来から、各国から要請のあったそれぞれの案件について、鉱山会社の協力を得て適宜技術協力を行ってまいりました。
 今後も、先ほどから御答弁を申し上げておるように、我が国では非常に狭い国土の中で、乏しい資源を高度な技術で開発し、そしてこの二十年間は、これらに対する鉱害対策についても世界で類例のないような技術をもって対処をしておったわけでありますから、これらの技術を世界のために役立たせるように積極的に努めてまいりたいと存じます。
#140
○小沢(和)委員 以下、法案の内容について若干お尋ねをいたします。
 まず、事業計画は、事業基金を算定し、実際に鉱害防止事業を実施する基礎になるものとして非常に重要だと思います。特に、この事業計画に堆積場や廃水の処理などについて地元自治体や住民と約束した内容が正しく盛り込まれているかどうかを重視すべきだと思います。当然、国は届け出を受理するに当たってその点を確認すべきだと思いますが、どうでしょうか。
#141
○鈴木(英)政府委員 先生御指摘のこの鉱害防止事業計画でございますけれども、これは採掘権者等が作成をいたしまして鉱山保安監督局部長へ届け出る、こういうことになっております。採掘権者等が作成段階で地元の意見にも十分配慮するものというふうに私どもは考えております。
 いずれにいたしましても、事業計画につきましては、鉱害防止のため必要があると認められますときには、鉱山保安監督局部長が変更を命ずることができることにもなっておりまして、円滑な坑廃水処理の実施に十分な計画になるものと考えております。
#142
○小沢(和)委員 今の答弁では、地元の意見に十分配慮すべきものだと思うというお話なんですが、通産省の側がそう思っているだけでは私は不十分じゃないかと思うのですよ。ぜひその点を確認した上で受理をするようにしていただきたいと思うのですが、その点、もう一遍確認をしておきたいと思います。
 それから、もう一つ先の質問もしておきたいと思うのですが、こうしてよく練って決定した事業計画でも、年月が経過していろいろな状況が変化してくると計画そのものをやはり変えなければならないということも起こり得るのではないかと思うのですが、そういう変更の道は開かれておるでしょうか。
#143
○鈴木(英)政府委員 現在、この坑廃水処理のみならず、いろいろな事業をやりますときに、やはり地元の方々の御意見を伺いつつやるということはある意味で当然のことだと私ども考えておりまして、したがいまして、地元の意見が十分に反映される、こういう計画になり得るというふうに考えておる次第であります。
 それから、坑廃水処理を実施していく中で変更があり得るかどうかということでございますけれども、法律案の第五条の四項並びに五項におきまして規定されておりますように、指定特定施設の指定後、坑廃水処理を確実かつ永続的に実施する必要がある場合あるいはまた天災その他やむを得ない事由により坑廃水処理を実施することができなくなったとき、こういうときには鉱山保安監督局部長は鉱害防止事業計画の変更を命ずることができることになっております。
#144
○小沢(和)委員 鉱害防止業務は事業基金の運用収入の範囲内で賄うということが決められております。法の仕組みとしては当然のことだと思いますけれども、最近実施された公定歩合の引き下げなどで運用収入が極度に減少したり、あるいは激しいインフレに直面をしたりというようなときにはどういうことになるでしょうか。
#145
○鈴木(英)政府委員 鉱害防止事業基金の運用は非常に長期間に及ぶものでありまして、短期的に金利水準が低下するということがありましても直ちに影響を受けるものではないというふうにまず基本的には考えられるわけでございます。なお、今回の鉱害防止事業基金の管理を行う金属鉱業事業団は鉱害防止積立金を運用してきておるという実績がございまして、その運用実績は昭和四十九年度以降の年平均で五・九六%となっておりまして、こういうことも参考にしながら拠出金額というのを定めていくということになろうかと思います。そうした過去の実績、いろいろな経験から踏まえまして、基金の運用益から十分な坑廃水処理費用が確保できると考えております。ただし、急激なインフレ、いわゆるハイパーインフレのような場合には、天災その他の予期せざる事由というようなことで新たな拠出を求めるということもあり得ると考えております。
#146
○小沢(和)委員 数日前に、私は本法案を研究するために、公害の原点と言われております栃木県足尾町に行ってまいりました。以下、そこで調査した結果に基づいて若干お尋ねをいたしたいと思うのです。
 地元の人々の一番の不安は、今、中才浄水場の廃滓を投棄しております簀子橋堆積場の安全性であります。この堆積場は町の中心部のすぐ上にあり、中心部から扞止堤がよく見えます。これが万一地震や大雨で崩れたら一分足らずで中心部が廃津の直撃を受け、町は壊滅的な打撃を受けることになります。実際、過去に足尾も含めて堆積場の扞止堤が崩壊したことがある、これは私も調べてみて幾つかそういう事例を確認しました。足尾についても昭和三十三年には源五郎堆積場が大雨で決壊したことがありますし、神岡鉱山は昭和二十年には決壊によって四十万立米という大変な土砂が流れ出したことがあります。さらに、昭和五十三年には、持越鉱山が伊豆大島近海地震でこれも十万立米以上の土砂が狩野川から駿河湾に流出したというような事例もあります。私が最後に挙げた持越のケースなどを契機にしてこの拝止堤の構造の安全基準が大幅に見直されたというふうに聞きますけれども、賢子橋の堆積場の打止堤も補強されたのかどうか。今、地震ならばマグニチュード幾ら、大雨なら何ミリくらいまでは耐えられるというようになっておるのでしょうか。
#147
○中田政府委員 御指摘の簀子橋堆積場につきましても、認可のための技術基準でございます堆積場の建設基準、御指摘のように昭和五十七年に改定をしておりますが、これに基づいて建設されており同基準を満足している状況にございます。
 それから、地震、大雨に対する強度でございますけれども、地震につきましては、ダムの設計基準にも適合しておるわけでございまして、この基準で最も厳しい強震帯、強い地震の帯でございますが、強震帯を想定した設計震度による解析におきましても必要な安全率を十分満足しているところでございます。また、大雨につきましては、場内外排水路は百年確率降水量、これは一時間七十三ミリ程度でございますが、これに対しまして一・七倍以上の能力を有しているところでございます。また非常排水路につきましても、二百年確率降水量に対しまして二・三倍以上の能力を有しているところでございまして、問題がないというふうに確認をしているところでございます。
#148
○小沢(和)委員 地元の人々が特に不安を感じておりますのは、この扞止堤はロックフィルダムの型をなしているわけですが、その中に水がしみ込んでいるのではないかということです。古河が一九八九年末から行ったボーリング調査で地下三十七メートルで水が出ております。古河は、これまでは堤体内には水は浸透していないと言ってきた、これが否定された形になっておるので不安を強めているわけであります。水が浸透すれば堤体は非常に弱くなるのではないかというふうに思いますが、この点どうか。
 それから、地元の人々は、今ダム対策協議会をつくりまして、この問題についての対策として、もうこれ以上この堆積場にスラリー状の廃滓を捨ててくれるなと言っているわけです。これを捨てるとどうしても水がたまって堤体内に浸透することになる、だから、廃滓を廃止された坑道に投棄するようにして堆積場の水を抜けば堤体の安全性が高まると要求をしております。既にそのための実験も行われているようですけれども、結果はどうなのか。私も住民が安心するようにこの方向で国の方から指導を強めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#149
○中田政府委員 堤体の安全性につきましては、平成元年から平成二年にかけての点検によりましても大丈夫であるというふうに確認をされているということでございます。
 それから、スラリーを坑内に充てんすることによりまして堆積場の水を抜いていくという御提案でございますけれども、スラリーを坑内に充てんすることができますと、堆積場の負荷を軽減する観点からも、またこの堆積場にためております中和殿物の処理の合理化の観点からも好ましいことであるというふうに私どもも考えております。このため、鉱山をやっております古河機械金属株式会社におきましても、足尾鉱山におきまして殿物を坑内に還元する実証実験をやっているというふうに聞いておるところでございまして、私どもといたしましても、これを指導、支援していきたい、かように考えております。
#150
○小沢(和)委員 次に、廃水処理の問題でお尋ねをいたします。
 関係者の努力で最近は排水基準がほぼ守られておるということは私も評価したいと思いますが、ただ、群馬県の公害白書を見ますと、大雨、台風などのときには基準値をかなり上回る水が渡良瀬川に放流されており、高濃度の銅、砒素などが検出されております。これを改善するよう知事、桐生市長、太田市長連名で会社に申し入れ、国にも指導を要請しておるというように書かれておりますが、通産省としてどうこの要請にこたえたかをお尋ねをいたします。
#151
○中田政府委員 最近の足尾鉱山は、基本的には排出基準を満たしておるわけでございますけれども、台風等で基準を超えたことがございます。最近では平成三年八月、九月の二回、銅につきまして基準値をオーバーしたということがございましたが、水質分析の結果判明後、より詳細な検査を監督部としても行ったところでございます。
 基準を超えた原因をいろいろチェックしておりますが、堆積場覆土の一部不備あるいは処理施設の能力オーバーといったようなところがあったかと思うわけでございまして、これにつきまして凝集剤の自動添加装置の設置、この凝集剤の投入不足といった原因が一つありますので、これをカバーするための凝集剤自動添加装置の設置あるいは覆土、植栽の実施といったことを指導してきておるところでございます。
#152
○小沢(和)委員 せっかくこのように渡良川流域の水質改善が進んできたのに、その最上流、足尾町松木沢に首都圏の産業廃棄物四億五千万トンを今後五十年間にわたって埋め立てるガイア足尾計画が持ち上がっております。松木沢は足尾銅山の排煙の激甚地としても知られ、他に見られない景観を持っており、足尾町はこれを新たな観光の拠点にする計画も持っております。ガイア計画が強行されれば、これがだめになるだけでなく、その産業廃棄物から有害物質が川に流れ出せば、厚生省の担当者も認めておりますが、約一千万人の下流住民の飲料水が汚染するという深刻な問題を引き起こします。既に足尾町議会だけでなく、下流の桐生、太田などの市議会も反対を決議しておりますが、このような危険な計画は即刻中止させるべきではないか。お尋ねをいたします。
#153
○中田政府委員 ガイア計画というものにつきましてはマスコミ報道等で聞いているところでございますけれども、当省あるいは鉱山会社に提案があったという事実はないわけでございまして、詳細承知していないのでこの計画自体についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ一般論として申し上げますと、鉱山における遊休地等の活国策の一つといたしまして、産業廃棄物の処理を行うということ自体は鉱山の経営の多角化にも資するという面があるわけでございますけれども、あくまで鉱山保安の確保、鉱山における危害、鉱害の防止を確実に図っていくということが最も重要な前提でございまして、この前提のもとに事業の推進が検討されなければならない、かように考えております。
#154
○小沢(和)委員 一般論としてと言われましたけれども、産業廃棄物をそういう約一千万人もの水がめになっているような流域のその一番の大もとに捨てるというようなことは、これは万一のことを考えたら大変なことだと思うのですね。私は一般論としてもそういうようなところに産業廃棄物を投棄するということについては賛成できないということをもう一言申し上げておきたいと思うのです。
 次の問題にいきたいと思うのですが、林野庁、お見えでしょうか。私が足尾で大きなショックを受けたのは、製錬所の煙害の深刻さでありました。かつてうっそうとした森の緑で覆われていたという製錬所の周辺が、川に沿って何キロも黒っぽい岩肌がむき出しになっておりました。煙害で木が枯れ、雨で土まで完全に洗い流されてしまったというのであります。今その緑の復元作業が林野庁の手で根気強く進められております。
 林野庁にお伺いをしたいのは、緑化を要する面積がどれぐらいあるか、これまで国としてどれぐらいの予算を投じて、既にどれぐらい緑化をしたのか、全部復元するのに今後どれぐらいかかって、あとお金が幾らぐらいかかると考えられるか、お尋ねをいたします。
#155
○伴説明員 先生今指摘ありました足尾の煙害地でございますが、明治三十年から復旧に取り組んでまいった状況でございます。しかしながら、従来、煙害が非常に強うございまして、復旧が十分には進まなかったというのが現状でございます。しかし、昭和三十一年に入りまして製錬の施設を改善したことから、復旧の可能性が非常に出てまいりまして、三十一年から本格的に復旧に取り組んでおるところでございます。
 三十一年から始めまして、平成三年までに復旧をした面積でございますが、煙害地全体がおおむね三千二百ヘクタールあります。そのうち大体三分の丁に相当する一千二百ヘクタールほどの復旧が済んでおるところでございます。この間に治山事業として投資をしましたのが、民有林、国有林総計で百四十三億円の投資をしているところでございます。
 今後につきましても、計画的に推進をしていきたいということを考えておるところでございます。
#156
○小沢(和)委員 足尾で聞いた話では、これだけの煙害を与えた古河は全く緑の復旧費を負担しておらないというふうに伺いましたが、本当でしょうか。林野庁、引き続いてお伺いします。
#157
○川村説明員 お答えいたします。
 昭和三十五年度と三十六年度の二カ年にわたりまして、地域を管轄しております前橋営林局が、当時の古河鉱業、現古河機械金属でございますが、そちらの方から国有林野の災害復旧の協力金という各目で約三百二十万円の支払いを受けております。
 以上でございます。
#158
○小沢(和)委員 三百三十万円の協力金ということは、実際上は出してないのも一緒じゃないでしょうか。なぜそんなわずかな金額でいいのか。おかしいとはお思いになりませんか。
#159
○川村説明員 昭和三十五年、三十六年ということで、当時の関係資料が余り残っておりませんので、積算等どういう考え方か明らかでないわけでございますが、時効とかそういった問題もあったというふうに聞いておりまして、当時の状況のもとではしかるべく対応されたものと考えております。
#160
○小沢(和)委員 ではまた通産省に聞きますけれども、今の問題、被害を与えた者がその復旧についてお金も含めて責任を持つというのはこれは当然のことじゃないかと思うのですけれども、今の話を聞いてどうお考えでしょうか。
#161
○中田政府委員 足尾鉱山周辺の緑化の問題につきましては、国有林の関係につきましては私ども承知しておりませんが、周辺の山地につきまして、四百二十五ヘクタールを対象として古河機械金属が毎年七千万円弱を投入して植林をしているというふうに聞いているわけでございます。通産省といたしましても、この古河機械金属が足尾周辺の地域につきまして緑化をさらに進めるように指導をしていきたいというふうに思っております。
#162
○小沢(和)委員 審議官、肝心のことを一言抜かしているんじゃないですか。その周辺の土地を復旧したというふうに言われたけれども、それはもともと古河の自分の土地でしょう。だから、自分の土地を復旧したといっても、私が問題にしているのは、国有地だのあるいは近辺の人が持っておった民有地だのを復旧するのに古河の会社がお金を出してやらなければおかしいんじゃないですかと言っているわけです。この点どうですか。
#163
○中田政府委員 基本的にはPPP原則に沿うべきものであるというふうに考えておりますが、具体的に足尾鉱山の場合に、その辺の因果関係でございますとかいろいろな問題があるのではないだろうか。私も過去の樹林の被害について詳細承知しておりませんが、一般論としてはそのようなことが言えるのではないかというふうに思っております。
#164
○小沢(和)委員 大臣いいですか。今の話を聞いていただいたでしょうか。
#165
○渡部国務大臣 はい。
#166
○小沢(和)委員 今までの議論の経過を聞いていただいたら、今審議官の方はいろいろ問題があったようでということなんですけれども、この煙害で被害を受けている、昔緑で覆われていたこの地域を復旧するのについて古河の会社がほとんど金を出さないというのはこれは理に合わないというふうに私はさっきから言っているのですが、いかがでしょうか。
#167
○渡部国務大臣 先ほどの林野庁の答弁では、昭和三十五年と言ってたかな、昭和三十五年、三百万ぐらい出す。今と貨幣価値はちょっと違いますから、今の感覚で三百万というと何かお見舞い金というような感じですけれども、当時まだ公務員の給与は一万円ぐらいでしたでしょうから、そういう計算でどのくらいで、今私すぐ浮かんできませんが、それが妥当であるとか妥当でないとかいうことはこれは言及を避けたいと思いますけれども、いずれにしても、緑を守っていくということは今やこの国はもちろん世界にとっても大事なことでありますから、それぞれの立場で負担なり責任をとっていかなければならないものと承知しております。
#168
○小沢(和)委員 昭和三十五、六年ごろの貨幣価値が幾ら今よりあったかしれませんけれども、三百万円やそこらぐらい出したからといって、私はあの被害というのは何百億という単位で与えていると思うのですよ。だから、私は今からでも古河に対してもっとその点について責任をとるように国として指導をしていただくことをこの機会にお願いしておきます。
 時間が来たようですからもうこれを最後の質問にしますけれども、足尾に行ってもう一つ考えさせられたのは、私の地元筑豊産炭地に対する政府の施策との違いであります。産炭地も炭鉱の閉山でひどい打撃を受けましたが、三十年にわたり産炭地振興策がいろいろととられてまいりました。足尾だけでなく金属鉱山関係にはそれがほとんどないように思われます。だから、その落ち込みは放置されている感じで、例えば老朽化した鉱山の社宅を建てかえようとしても炭柱改良のような援助策がないために進んでおりません。なぜこういう差が出たのか。今からでも金属鉱山地域について振興策を真剣にとるべきではないか。この点についてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#169
○渡部国務大臣 よく勉強してみたいと思います。
#170
○小沢(和)委員 もうちょっと色をつけなさいよ。
 終わります。
#171
○武藤委員長 勉強した結果は後で聞きましょう。
 川端達夫君。
#172
○川端委員 大臣、御苦労さんでございます。よろしくお願いします。
 本法案に入る前に、日本の非鉄金属政策全般について大臣の御所見を賜りたいというふうに思います。
 きょうの質疑の経過でもう既にお触れになってきた部分もございますが、いわゆる明治よりもはるかに昔の時代から日本の経済を支える大きな根幹であった部分にこの非鉄金属産業があったというふうに思います。そういう意味では日本の産業の草分け、そしてそれ以降今日に至るまで大きな役割を果たしてきた非鉄金属産業でありますけれども、最近は、鉱石自体の自給率は随分落ち込んでしまいました。銅で昭和四十年が四二%が平成二年で〇・四%、実際ないに等しい。鉛で四九・一%の自給率が一四%、亜鉛が六一・二%が一七・九%。従事する人たちの数も、一九七〇年が三万三千八百五十一名が一九九〇年で二千四百六十八名、九十数%減ったというふうな状況であります。
 為替の問題あるいは産地の埋蔵量の問題等々のコスト的な問題で鉱石を海外に頼るという流れは、ある部分では時代の流れということではないかというふうに思うのですが、せっかく今日までの長い間蓄積をされてきたそういう技術というもの、それから技術者というふうな人たちが、このままの状況であれば世界に冠たる技術を持つ部分がなくなっていく。現場としてなくなるということは、これから世界の途上国でいろいろそういうことを教えてあげる、先ほどODAのお話もされましたけれどもそういうふうな場に行くというときに、日本でトレーニングの場もなくなってしまうということになってしまうのではないだろうか。あるいは一万国際的な部分でいいますと、為替の変動以来、随分壊滅的な打撃を受けた大きな要因だと思うのですが、それ以外に、最近ではいわゆるガットのウルグアイ・ラウンドにおいても輸入地金の関税の問題というのが一つのテーマになっております。こういう部分がこれからの交渉でどういうふうに決着をしていくのかというのは今定かではありませんけれども、そういうふうな問題も含めると、この産業、非鉄金属というものを日本としてはどういうふうに位置づけてやっていくのかという根本的な政策というのが不可欠であろうというふうに思います。
 いろんな審議会等々も含めて御議論をいただいているところでありますが、このような重き役割を持っている、そして日本が国際的にこれから貢献するというときの一つの大きな財産であるということも踏まえて、ひとつ鉱山、製錬両方ともにおいてのこの非鉄金属の通産省としての政策というのですか、ビジョンというものをお聞かせいただきたいというふうに思います。
#173
○渡部国務大臣 先ほどからもいろいろお尋ねがあったわけでありますけれども、我が国の非鉄産業の長い歴史というものを振り返ってみますと、今日置かれておる非鉄産業の立場というものには、私も長い間商工委員会に属して、この非鉄産業の国際社会の中で我が国における今日までたどってきた推移を考えると、まことに感慨深いものがございます。
 しかし、今川端先生お尋ねのとおり、非鉄金属産業は経済活動に必要な、不可欠な基礎素材を供給する役割を担っており、その健全な発展が我が国の資源の安定供給を確保する上でも極めて重要であることに変わりはありません。特に国内金属鉱山は、我が国の鉱物資源の安定供給確保上最もすぐれた供給源として、また、今後海外における鉱物資源開発を推進していく上での技術の酒養、人材育成の場としても極めて重要であります。
 このため通商産業省としては、国内鉱山の経営の安定化、国内探鉱の推進などにより国内鉱山の可能な限りの存続を図るとともに、今後海外からの資源の安定供給の確保を図るため、海外における鉱物資源開発への支援などの施策に力を入れるなど、今後とも非鉄金属鉱業に対する施策を着実に推進してまいりたいと思っております。
#174
○川端委員 ありがとうございます。
 それでは、この金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部改正の中身について御質問をしたいと思います。
 御提案の中で、鉱業権者が存在するいわゆる休廃止鉱山における坑廃水処理事業、平成二年度ベースで四十九鉱山、年間事業費二十一億円、そのうち事業者負担額十五億円、国、地方公共団体の補助金六億円、このように言われております。しかし実際、この鉱害というのは非常に特殊な要因といいますかの汚染でありますので、自己汚染と他者汚染というのを区別することが非常に難しいというふうによく言われておりますし、想像するにもそのとおりだというふうに思います。
 そういう意味で、この法案の仕組みの中では、いわゆる自己汚染分に関して、鉱業権者が自己汚染分を負担していく、それを六年間で二十年分負担をするということになってくるわけでありますから、実際の、例えばそういう出水している部分の合流する河川あるいはそういう地域の汚染というものが、自社汚染と他者汚染というものの区分けがどのようにされるのかによって、例えば処理に一億円かかるときに、六対四で自社と他者なのか、五対五なのかという部分の判定によって、一割違うことが、二十年分を払うわけですから、結果としては随分負担が変わってくるということになって、非常に大きな影響を与えるということがこの法案が出るときに言われていることの一つだと思います。
 そういう意味で、この法案をつくっていくのを機に、今までもいろいろ御苦労はあったと思うのですが、今以上に、国として汚染原因の把握と費用負担の適正化というものを図っていくべきだ、透明化、公正さを確保していくということが必要だと思いますが、この点に関してはどのようなことをお考えになり、どう取り組んでいかれるつもりなのか、お聞かせいただきたい。
#175
○中田政府委員 自然汚染分、他者汚染分の算出の考え方をまず簡単に御説明申し上げますと、最初に人為汚染分、人が汚染した部分でございますが、これにつきまして、鉱業実施前、実施後の地下水面の状況をベースにいたしまして、これによる重金属等の溶出がどの程度進んだのかのシミュレーションを行って算定をいたします。続いて、当該鉱業権者とそれ以外の者の過去の稼行状況、採鉱の状況等から自己汚染分、他者汚染分を算定いたしまして、さらに現在の坑廃水の汚染量からこれら人為汚染分を差し引いて、自然汚染分を算定しているところでございます。
 このように事業者の負担分につきましては、入手し得る限りのデータを活用いたしまして、科学的な算定基準に従って客観的に算定をしておるわけでございますけれども、御指摘のとおり拠出額の基礎ともなります重要なものでございますので、今後ともデータのより正確な把握、さらに適正な算出に努めていきたい、かように考えております。
#176
○川端委員 ぜひともいろいろな資料等も踏まえて適正化にお努めをいただきたい。何分歴史の古い産業でありますので、実施前というのが定かでないものもたくさんあるというふうに思います。そういう部分での適正化にお努めをいただきたいと思います。
 同時に、これは自己汚染分の事業者の負担とそれ以外の自然汚染分に対する補助金というもので成り立つ仕組みでありますので、おのおの算定をし、決定をいただいた部分に、必ず補助金というものはそれを実行するために結果として額が決まっていくものであるべきだと思います。計算値で補てんすべき補助金額が出る部分に実際の予算額が間に合わないということで削られるということはもちろんあってはいけないことであります。そういう意味では、仕組みとして、坑廃水処理にかかわる補助金というものの予算は、先ほどおっしゃいました算定に基づいた額は必ず支出をされるという担保がされていないと変なことになるのではないかなという部分で、この補助金予算の拡充強化という部分に関して、今のことに関連してお聞かせをいただきたいと思います。
#177
○中田政府委員 委員御指摘のとお力、今回法改正でお願いをしております基金制度は、補助金制度と相まちまして、鉱害防止業務が支障なく推進されるものでございます。このために、補助金制度も大変重要な制度であると私ども認識をしているところでございます。
 御指摘のような、例えば予算単価と企業の支出単価に乖離がある、ずれがあるということによりまして、実際に自然汚染分あるいは他者汚染分を算定いたしましても、予算の実行上は各企業が支出したとおりの額にはならないという場合も間々あるわけでございますけれども、これらにつきましても、予算単価を適切に見直していくというようなことを今後とも進めていきたいと考えておりまして、予算の確保に努力をしてまいる所存でございます。
#178
○川端委員 次に、基金の拠出についてお尋ねをしたいと思います。
 まず総論的に、非常に長期にわたって、ある意味では永久的にというくらい坑廃水の処理はやらなければいけない、しかし、企業というものは未来永劫に存続するものではない、しかし、そこの地域の方にとっては大変な問題だといういろいろな中でこの法案の基金というものをお考えいただいたと思います。そういう意味では私は、こういう形を考えて前向きに取り組まれることを高く評価をしたいと思いますが、実際には二十年分をある一定期間で、一方で処理をしながら払え、こういうことでございます。これは事業者にとっても大変な負担でありますが、そういうものに協力をしていこうという体制ができたということで、いろいろ御苦労があったと思うのですが、その部分でも拠出する人たち、そしてその地域で処理をしてもらう人たちも含めて、通産省の並み並みならぬ決意というものがおありだというふうに思います。その部分での関係者に対する大臣の決意をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#179
○渡部国務大臣 川端先生御指摘のように、非鉄金属業界にとって今回の基金への拠出、これは大変な御負担をお願いすることになったわけでございます。したがって、この基金への拠出については六年間の分割拠出、また税制上の損金算入の特例制度による負担軽減措置を講じます。まさに半永久的に続くこの坑廃水問題について、非鉄金属業界に過重な負担をかけることなく円滑に解決できるよう、国としても円滑な制度運用に努めてまいりたいと存じます。
#180
○川端委員 いろいろ税制の御配慮等々をいただいているわけですが、実際にこれから、今まで毎年処理をしておられた事業者にとって、二十年分の負担をしていこうということになると、その算定の基準は、当然ながら今処理にかかっている費用を二十年分出したらその果実で将来ともやっていけるということですから、そうなると新たな観点で、いま一段効率的な低コストの、あるいは高度のというふうな処理の設備投資にかかろう、その結果で二十年の算定をしていただきたいというふうな御希望もあるいは実態もあると思います。あるいは事業者にとっては、企業によっては幾つか複数の鉱山をお持ちの場合に、一度に幾つもどさっとやられますと大変な負担をかぶることになるということでは資金的な部分でいろいろ御配慮をいただきたい。あるいは開始時期に対する弾力的な運用はできないだろうかという御要望も聞いております。
 今、業界として相当な決断を持ってこのことに取り組むという前向きな姿勢をされているわけですが、実際にはなかなか経営としては厳しい実態にある業界であるということも御承知であるというふうに思います。恐らく非常に調子がいいなというのが六年続くことはない業界だと思います。六年調子が悪いままというのはあり得る業界でもあります。そういう意味で、この基金の拠出に関して、先ほど申しました費用の低減対策工事等々を計画しているあるいは実施をしている途中であるというふうなところに対する配慮、あるいは重複して拠出金を持たなければいけないというふうな部分に対する配慮、それから企業の経営状況によって、今は出せると思っていたけれども三年ぐらいしたら非常に景気が悪くなって今すぐには出しかねるということも起こり得るのではないかな。そういう場合のいろいろな弾力的な運用等々に関してのお考えといいますか、御要望としてはいろいろ、方向としては協力をし、出すということにおいては一致をしているわけですから、実態に合わせた運用というのがあってしかるべきだと思いますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#181
○鈴木(英)政府委員 坑廃水処理の基金への拠出を極力少なくして負担を少なくしていくということは非常に大事だと思います。特に発生源対策をうまくやりますとその後の坑廃水処理費用が減る、そのために基金の拠出額も少なくなるということもございますので、まず出発点のそういう発生源対策、これに対します金融でありますとかあるいは技術開発、こういうものについて格段の支援をしてまいりたいと考えております。また、ただいま先生から御指摘のございましたいろいろな場面場面でこれが非鉄金属業界に過重な負担とならないように私どもも弾力的に配慮していく必要があると考えておりまして、円滑な制度運用に努めてまいりたいと考えております。
#182
○川端委員 ぜひともによろしくお願いしたいと思います。
 それから、この法案では、鉱業経営者が基金を拠出し終わった後でも、自然災害やほかのやむを得ない事由によって基金の運用益だけでは鉱害防止業務を実施できなくなった場合、鉱業経営者に対して追加拠出を義務づけられるというふうに仕組みとしてはなっております。ある部分ではその発生者、汚染者という意味では、これを出せば未来永久にその処理を免れるというものではない、考え方としてこういうものがあるということは一応の理解をいたしますけれども、今回のこの大変短期間に長期にわたる部分の負担をしてやっていこうという協力が得られる背景には、やはり事業者にとってはそのことによって定常的な部分は処理を一任できるというメリットといいますか、ということが大きな背景にあったというふうに思います。それがこの追加拠出があるということで、何かうまくいかなかったら。いつでもまた出せよと言われると、無理して二十年分を六年間で出して、またいつでも出すよということがあるという部分では、何か割り切れないといいますか、心配であるのではないかなというふうに思います。
 そういう意味で、追加拠出というものが私は性格上というものでは未来永劫その責任を逃れるという意味ではないという部分でお書きになっていることはわかるのでありますが、どういうときに追加拠出というのは要請されるのか、それからどういう手続でどこで決定をされるのか、そしてその拠出金というのはどういうふうに算定をされるのかというふうなことをお示しをいただきたいし、あるいは今すぐは漠としたものであればもつ少しわかりやすく関係者に周知されるべきではないかな。そしてそれを読めば、よほどのことがない限りはそういうことはないんだなということでないと、何か基金を積み立てていけば基本的にけないと思っていたけれどもまたちょろちょろ出てくるということであってはいけない、この趣旨にも反するではないかというふうに思います。
 そういう意味で、どういうことを想定しておれるのかということと、結果としてよほどのことがない限りこういうことはないという前提あるということをお聞かせいただきたいというふうに思います。
#183
○中田政府委員 基金につきましては、坑廃水の流出量が安定している、そのためにこれの処理容用も安定しているということを前提にして基金制度及びその果実によります事業の施行ということを考えておるわけでございまして、そういう意味では追加拠出がしばしばあるというふうなことを私どもも想定をしていないわけでございます。
 法律で定めております天災その他やむを得ない事由といたしましては、私ども天災でございますとかあるいは人為的な各種の制度が変更になった場合、あるいは予想し得ない経済変動などがございまして、必要な資金、費用の財源を運用で得られなくなった場合というふうに考えているわけでございます。このような事態が発生いたしますと、採掘権者が事態の変更に応じまして鉱害防止事業計画の変更の届け出をされるわけでございます。この届け出の内容をチェックいたしまして、適正な事業遂行ができるような費用がどのくらいかということを見定めをする、その上で一定の物価上昇率あるいは運用利率等を考慮して採掘権者等の自己汚染にかかわる部分について運用益で賄える額を算定式に従って算定して、拠出を求めることになるわけでございます。つまり、追加拠出の手順といたしましては、やむを得ない事由が発生して、それによりまして処理費用が増大をして、それに伴いまして鉱害防止事業計画の変更がなされる、それに基づきまして追加拠出額の算定がなされて通知をする、こういうことになるわけでございます。
 実際の算定は非常にいろいろなファクターを考慮して行われますので、複雑なことになるわけでございますけれども、基本的には坑廃水の中和処理費用、施設の維持管理費用、施設の更新費用の合計額を処理費用というふうに考えておるわけでございまして、この中の変動する部分を的確に見定めながら合理的な運用をしていきたい、かように考えておるところでございます。
#184
○川端委員 出水量がいろいろな自然災害といいますか、自然の変動によって大幅にふえるということなどの理由はよくわかります。ただ、資金の運用が思っていたような果実が得られない、あるいは処理のいろいろな物価の変動等々というものがこういう対象になるというのは、少し理解をしにくいというふうに思います。そういう部分で変動が起こるということは、基金で運用する拠出金に変動を与える要因ではないのではないかなというふうに私は思います。時間が来てしまいましたので、この部分に関してはまた別の機会に譲りたいと思いますが、いずれにしろ計画としては、まさによほどのことがない限りという先の見通しを立てての運用をぜひともにお願いをしたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 それから、もう時間がありませんので最後にしたいと思いますが、今の件にも関連をしますが、運用益でそういう処理をしていくというときに使える額は大体決まるわけですから、実際にそれをいかに効率的にということでは、処理をいかに高度化していくか、低コスト化していくかという技術のバックアップというのがこれから不可欠ではないかなというふうに思います。そういう意味で金属鉱業事業団が果たしていただく役割というのは、基金の管理、処理をしていくという管理運用だけではなくて、技術開発に対して非常に大きな役割をお持ちになっているのではないかな、そういう意味で研究開発の予算を見せていただきました。公害防止費用低減化の予算というのは平成三年からつけていただくようになったということだと思いますが、そういう意味では、こういうことをやろうという位置づけの中で、この公害防止費用低減に対する研究というものを非常に重視していただいたあらわれであろうと思いますが、この部分がこれからこの基金の将来にわたって安定的にできるように、この研究費が長期にわたって安定的に揮下をされるということが不可欠ではないかと思います。その部分に対しての方針といいますか、決意をお聞かせいただきたいのと、同時に、国として、例えば通産省だけでもいろいろな形でいわゆる工業技術の開発ということの部署をお持ちであります。そういう部分では、ここだけではなくて、こういう技術開発に関してはいろいろな研究機関と連携をとる、人の交流もするということでおやりいただくべきではないかと思うのですが、そのことに関しても御所見を伺って終わりにしたいと思います。
#185
○鈴木(英)政府委員 坑廃水の処理の技術につきまして、金属鉱業事業団で鉱害防止技術開発ということでいろいろ努力をしておるところでございます。このような技術ができますとコストも低減されるということでございますので、やはりこれからの時代、いろいろな難問に対処いたしますのに、技術によるブレークスルーといいますか、技術が非常に大事だということでございますので、私ども引き続きこの制度で技術開発をやってまいりたいと考えております。
 ただ、広い意味での地球環境と申しますか、こういった新しい技術、環境に資する技術といいますのは、先生御指摘のようにいろいろな機関で研究開発が行われておりまして、特に私どもの工業技術院でも、資源環境技術総合研究所と新しい名前になりましたけれども、この研究で基礎的な研究を行っておりますし、さらにこれからは環境と経済が両立しなければいけない、そのためには技術が大事だということで地球産業技術研究機構という機構も京都にできることになっておりまして、こういうところでも環境関係の技術開発をやっていく、お互いに連携をとりながら新しい技術に向かって鋭意努力をしてまいるようなシステムを構築してまいりたいというふうに考えております。
#186
○川端委員 終わります。ありがとうございました。
#187
○武藤委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#188
○武藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#189
○武藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
#190
○武藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、額賀福志郎君外四名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。竹村幸雄君。
#191
○竹村委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読をいたします。
    金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 休廃止鉱山における坑廃水処理事業を的確に実施していくため、国の補助金等所要資金の確保に努めること。
 二 鉱業権者に対する鉱害防止事業基金への拠出額の算定に当たっては、鉱業権者の責任の範囲を明確にした上で、的確な算定方式に基づいて必要額の拠出を求めることとし、その場合に、指定特定施設ごとの坑廃水処理費用低減対策工事の実施状況等を十分考慮し、鉱業権者に過重な負担を課することのないよう配慮すること。
 三 鉱業権者の鉱害防止事業基金への拠出開始時期については鉱業権者の自主性を尊重するとともに、その資金調達の円滑化に十分配慮すること。
 四 金属鉱業事業団における坑廃水処理技術に関する研究開発を促進するとともに、特に、坑廃水処理コストの低減化技術の研究開発を積極的に推進すること。
 五 指定鉱害防止事業機関については、その技術経験等を積極的に活用するとともに、そのために必要な支援措置を講ずること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及びその案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#192
○武藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決をいたします。
 額賀福志郎君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#193
○武藤委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、渡部通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡部通商産業大臣。
#194
○渡部国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいります。
    ―――――――――――――
#195
○武藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#197
○武藤委員長 次に、内閣提出、中小企業流通業務効率化促進法案及び特定債権等に係る事業の規制に関する法律案の両案を議題といたします。
 これより両案について順次趣旨の説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。
    ―――――――――――――
 中小企業流通業務効率化促進法案
 特定債権等に係る事業の規制に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#198
○渡部国務大臣 中小企業流通業務効率化促進法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国の物資の流通量は近年急速に増大し、また、配送の多頻度小口化が進展するなど流通業務の内容も一層高度化する傾向にあります。この一方で、運転手を初めとする労働力の不足や道路混雑の激化により、物資の流通に支障が生じております。このような物資の流通をめぐる厳しい状況の変化は、企業活動にさまざまな影響を与えております。中でも、物資の流通の大半を担う中小企業は、経営基盤が脆弱であるため、深刻な影響を受けており、事業活動そのものに支障を来している中小企業も数多く見受けられます。
 このような物資の流通をめぐる経済的社会的事情の変化に対応し、中小企業が健全な発展を遂げるためには、中小企業がみずからの流通業務を効率化することが期待されるところであります。しかしながら、単独の中小企業では、資金調達力が脆弱であること、効率化投資に見合う物資の流通量が確保できないこと等から、中小企業が共同して流通業務の効率化に取り組むことが重要かつ効果的な対応策であるものと考えられます。
 このような中小企業の取り組みは、各中小企業にとっては、投資規模・内容いずれの面でもその後の事業活動の成否に係る重大なものであります。したがって、中小企業がこのような取り組みを円滑に遂行できるよう、事業の内容、方法等に関する基本的な方向を示すとともに、金融面、税制面等からの支援を総合的に行っていくことが不可欠となっております。
 政府といたしましては、中小企業政策審議会での審議結果等を踏まえつつ、中小企業者が共同して行う流通業務の効率化のための措置を総合的、体系的に促進するための法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明いたします。
 第一に、主務大臣が、流通業務効率化事業の実施に関し、基本指針を定めることとしております。
 第二に、事業協同組合等が、流通業務効率化事業についての効率化計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができることとしております。
 第三に、認定を受けた効率化計画に従って実施する事業については、中小企業信用保険法、中小企業近代化資金等助成法、中小企業投資育成株式会社法及び貨物運送取扱事業法の特例措置等を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同賜るようお願い申し上げます。
 次に、特定債権等に係る事業の規制に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、リース産業、クレジット産業において、自己の保有するリース債権、クレジット債権等の特定債権等を小口化して投資者に販売することによって資金を調達する事例が増加しております。一方で、不適切な販売行為が行われた場合等において投資者が不測の損害をこうむる危険も増大しております。しかしながら、現在のところ、こうした債権小口化販売に係る投資者保護のための規制が存在しておりません。
 こうした状況にかんがみ、特定債権等に係る事業を営む者の業務の適正な運営を確保し、もって当該事業を公正かつ円滑にするとともに、投資者の保護を図るため、今般、本法律案を提案したものであります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、リース・クレジット会社等の特定事業者による債権譲渡について、当該債権譲渡計画の届け出及び第三者対抗要件の具備を義務づける等投資者保護のための所要の規制を行うこととしております。
 第二に、特定事業者等から特定債権等を譲り受けてこれを行使する特定債権等譲受業者について、開業時の許可制を導入し、不適格者の参入を排除するとともに、兼業の制限、資産運用の制限、合併・事業譲渡の認可等投資者保護のため、所要の規制を行うこととしております。
 第三に、小口債権を販売する小口債権販売業者について、特定債権等譲受業者と同様、開業時の許可制を導入し、不適格者の参入を排除するとともに、顧客に対する書面の交付義務等投資者保護のため、所要の規制を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださるようお願い申し上げます。
#199
○武藤委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#200
○武藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま趣旨説明を聴取いたしました特定債権等に係る事業の規制に関する法律案につきまして、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#201
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 次回は、来る十四日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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