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1992/03/18 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 大蔵委員会 第9号
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1992/03/18 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 大蔵委員会 第9号

#1
第123回国会 大蔵委員会 第9号
平成四年三月十八日(水曜日)
    午後五時二分開議
出席委員
  委員長 太田 誠一君
   理事 井奥 貞雄君 理事 中川 昭一君
   理事 村上誠一郎君 理事 持永 和見君
   理事 柳本 卓治君 理事 小野 信一君
   理事 細谷 治通君 理事 日笠 勝之君
      浅野 勝人君    石原 伸晃君
      岩村卯一郎君    衛藤征士郎君
      狩野  勝君    亀井 善之君
      久野統一郎君    小林 興起君
      佐藤謙一郎君    坂本 剛二君
      関谷 勝嗣君    戸塚 進也君
      林  大幹君    前田  正君
      山下 元利君    池田 元久君
      佐藤 観樹君    佐藤 恒晴君
      沢田  広君    仙谷 由人君
      富塚 三夫君    中村 正男君
      早川  勝君    堀  昌雄君
      元信  堯君    渡辺 嘉藏君
      東  祥三君    宮地 正介君
      正森 成二君    中井  洽君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 羽田  孜君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  村井  仁君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    日高 壮平君
        大蔵省主計局次
        長       小村  武君
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        大蔵省関税局長 吉田 道弘君
        大蔵省証券局長 松野 允彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        大蔵省国際金融
        局長      江沢 雄一君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   土居 征夫君
 委員外の出席者
        通商産業省生活
        産業局文化用品
        課長      島田 豊彦君
        日本輸出入銀行
        総裁      山口 光秀君
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十八日
 辞任         補欠選任
  江口 一雄君     佐藤 謙一郎君
  河村 建夫君     坂本  剛二君
  堀  昌雄君     元信   堯君
  菅  直人君     阿部  昭吾君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤謙一郎君     江口 一雄君
  坂本 剛二君     河村 建夫君
  元信  堯君     堀  昌雄君
  阿部 昭吾君     菅  直人君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三七号)
 国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律
 及び米州開発銀行くの加盟に伴う措置に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三八
 号)
 日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第三九号)
     ――――◇―――――
#2
○太田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、関税定率法等の一部を改正する法律案、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び米州開発銀行くの加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。東洋三君。
#3
○東(祥)委員 公明党の東でございます。
 今議題となっております三法案に関連して質問させていただきますが、その前に、先日も既に我が党の日笠議員を初め他の議員の方々からも質問が出ておりますが、企業財テクの評価隠しの手法として使われているいわゆる飛ばしなどをめぐっての訴訟が起きております。この訴訟の件数あるいは総額については既に答弁がありましたので、投資家と証券会社との間の民事調停の実態は現在どうなっているのか、件数並びに総額はどれぐらいになっているのか、把握している件数及び金額について答弁いただきたいと思います。
#4
○松野(允)政府委員 民事調停につきましては、訴訟と違いまして、私ども組織的にといいますか、報告を自動的にとる形になっておりません。
 御質問のあれを受けまして、四大証券について、現在民事調停が行われて話し合いが行われている件数を報告を求めたわけでございますが、それによりますと、現在民事調停中のものは大手の証券四社で十九件ございます。これはもうほとんど個人投資家との間のものだというふうに報告を受けております。金額は、合計で約二十八億円ということでございます。
#5
○東(祥)委員 十九件、総額で二十八億円というふうに答弁があったわけですが、これには解決済み、和解済みの件というのは含まれていないというふうに理解してよろしいですか。
#6
○松野(允)政府委員 含まれておりません。
#7
○東(祥)委員 これは四大証券に限られているということで、四大証券以外の企業も含めればもっと多くの件数に達する、さらにまた額も当然多くなる、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#8
○松野(允)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、私ども自動的に報告をとる仕組みになっておりませんので、全社について調べるということはなかなか時間がかかるわけでございますが、これ以外にも全くないというわけではないと思います。やはり株式市場が御存じのような状態でございますので、顧客との間にはトラブルがかなりたくさんございます。その中では、この民事調停手続で行われているものもあるのではないかというふうに考えます。
#9
○東(祥)委員 ぶつ切りに問題をとらえていくとなると何が何だかわからなくなってしまう。また、ある意味で、こういう数字を言っていただくことによって数字がひとり歩きする、こういう側面もあると思いますが、基本的にはその訴訟が起こっているもの、また調停、そしてまた和解及び解決済み、ある意味でワンセットでもって考えなければならないのではないのか、このように思っております。四大証券以外の現在調停で係争中のもの、そしてまた既に和解が成立しているもの、またそういう全体についてぜひ調査をしていただきたいと要望しておきます。
 次に、関税定率法との関連について幾つか質問させていただきます。
 まず初めに、昨年の大蔵委員会において既に日笠議員の方から税関職員の職場環境改善、とりわけ集じん機の改善について、集じん機の設置を要求いたしました。その成果は現在どうなっているのか、それについて答弁願いたいと思います。
#10
○吉田(道)政府委員 昨年、日笠先生からこの関税関係法の御審議の際に御質問がございましたいわゆる空気清浄器、集じん機の関係でございますが、そのときに先生から御指摘がございましたのは、少なくとも神戸、大阪の外郵の集じん機ぐらいはちゃんと整備しろということでございました。それでその後直ちに調べまして、現在の状況を申し上げますと、神戸外郵出張所につきましては平成三年度、去年の四月以降に六台更新しておりますし、大阪の外郵出張所につきましては更新を五台しまして、さらに増設を三台して八台にしております。
 その際に、当時の橋本大蔵大臣から、その二出張所以外についても調べて御報告するということを申し上げておりますので、その他の点についても御報告申し上げますと、門司の外郵につきましては更新一台、下関についても更新一台、博多の外郵につきましては増設を一台、長崎の外郵に更新一台、さらに、もうあと十日ほどしかございませんが、今年度中に東京外郵に更新七台、博多外郵に一台という形で、全体で二十六台の空気清浄器を設置ないしは設置する予定になっております。
#11
○東(祥)委員 どうもありがとうございます。ただ、更新しなければならないところはまだ残っているんでしょうか。その二十六台ですべてカバーすることができるんでしょうか。
#12
○吉田(道)政府委員 一応現在のところ、今申し上げたもの以外にも大きな税関の支署としましては成田とか横浜とか京都、名古屋等ございますが、これらについては既に設置されておりますし、状況に応じまして順次必要であればやっていこうということで考えております。
 空気清浄器以外にも、例えば立ったまま作業できるようなベルトコンベヤーとかそういうものの設置についても、郵政当局とよく相談しながらやるという形で話を進めておるところでございます。
#13
○東(祥)委員 さらに一層の改善が施されることを期待いたします。
 次に、税関業務との関連でございますが、もう既にこの十年間に税関業務が増大し複雑化している。具体的に言えば、出入国者数はこの十年間で三倍、一千万人から三千万人にもなっている。また、航空貨物に関しても二・五倍さらにまた海上貨物にしても一・五倍という急激な増加、そしてまた業務内容も複雑化している現状下において、迅速かつ適正な処理が要求される極めて難しい仕事をされている税関職員の方々に敬意を払います。その他ワシントン条約違反品目ほか麻薬、覚せい剤、鉄砲など不正品目を水際で防ぐ、特別用語ですが、関的機能というのですか、これを果たすマンパワーの充実が一層必要であると認識いたしております。この一年間の対応に関しては心から敬意を表しますが、今後さらなる職員の増加、定員確保、処遇改善、職場環境の充実などに努力していただきたいと要望いたしますが、大蔵大臣、御決意をお願いいたします。
#14
○羽田国務大臣 今お話がありましたように、輸出入の貨物が大変増大しておるということ、あるいは出入国旅客が大変増加しておるということ、またいわゆる社会悪物品といいますか、そういったものですとか、あるいは知的所有権の侵害物品またワシントン条約の該当物品とか、そういったことが非常に大きな問題になってきております。
 加えまして、迅速な通関をするようにということで、年々いろいろな国からも実は要請があるということでございまして、その割に定員というのは、五十五年あたりが八千数百人だったものが今七千八百九十六人に今度の予算が通りますとなるということでありまして、仕事の量はふえておりますけれども、確かにいろいろな点で効率化を図るための機器等導入しておりますけれども、それでもやはり担当の皆さん方は大変厳しいという事情がありますので、今御指摘がございましたことを私どもも念頭に置きながら、これからも改善を図るために努めてまいりたい、かように考えております。
#15
○東(祥)委員 大蔵大臣、よろしくお願いいたします。
 次に、関税率について質問させていただきますが、国民生活の安定、そしてまた国内産業の保護、また対外関係という側面からこの関税率についても考えなければならないのだろうと思うのですが、特に国内産業保護という観点から暫定税率を下げないもの、これはどのようなものがあるのか。
 特に、私事になりますが、私の住んでいる地域というのは皮革製品あるいは革靴、こういうものに従事している方々が大変多うございます。そういう意味で、革靴あるいは皮革製品等は暫定税率がそのまま維持されるのかどうか、この辺を特にお伺いしたいと思います。
#16
○吉田(道)政府委員 今御審議をお願いしております関税定率法、暫定措置法等の中で今年度期限を延長していただこうということをお願いしております品目は約六千弱でございます。これにつきましては、現在の税率をそのまま延長させていただく。
 今御質問ございました革靴につきましても、そのまま現在の税率を維持しておりまして、もしこれが失効するような場合には非常に低税率になって、輸入が急増するような状況でございます。したがいまして、継続延長していただきますと今の税率をそのまま維持できるということでございます。そのほか生牛につきましても、暫定税率で今一頭七万五千円になっておりますが、これが失効しますと無税になってしまうというふうなことがありますので、引き続き継続するべくお願いしているところでございます。
#17
○東(祥)委員 次にワシントン条約関連について質問させていただきます。
 ここに「フォト」という写真雑誌がございますが、これは大蔵大臣に見ていたたこうと思うのです。希少動植物の国際的な取引を規制したものがワシントン条約でございますが、この関連で、任意放棄された動植物、これは一体どのように処理されているのか、まずその説明をしていただきたいと思います。
#18
○吉田(道)政府委員 ついせんだっても京都でワシントン条約の会議がございましたが、この関係で私どももこういう禁止された物品が国内に持ち込まれることを減らすべく非常に努力しておりまして、平成三年度におきますと約二千六百件の取り締まり、差し押さえがございました。これにつきましては、原則として物資所管をしております、物資所管といいますか、これは外為法でやっておりますので、貿易管理令の関連で通産省に引き継ぐことになっておりますが、その一部等につきましては私どもも保持しましていろいろ教育用といいますか、こういうものを持ち込むと差し押さえの対象になりますというふうな展示等で使わせていただいております。
#19
○東(祥)委員 きょうは通産省の方、呼んでいないのですが、もうちょっと質問させていただきたいのですが、これは最終的にどうなってしまうんでしょうか。税関で任意放棄されたものがある、一応税関の方でそれを受け取る、そして特に取引関係あるいは外為法との関連でいけば通産省の方に行ってしまう。最終的にこれらのものというのはどういうふうになってしまうのか、この点についてもし御認識あれば説明していただきたいと思うのです。
#20
○吉田(道)政府委員 ワシントン条約関係は、生きたものとそれから製品になったものとございまして、生きたものにつきましては私ども管理できませんから、直ちに通産省に引き継ぎます。通産省では、私ども伺っているところ、例えば動物園でございますとかそういうところで飼育するという形で管理していただいていると聞いております。
 それから、製品になったものでございますが、これは通産省に引き継ぐということで、私どもと通産省で話し合いまして合意できておりまして、今お願いしております、御審議をいただいております今度の予算の中で新たに予算措置ができましたので、その管理等、私どもが引き継げば通産省が管理するわけでございまして、通産省等で、先ほど申し上げましたような展示等で使われる以外のものは恐らく廃棄処分、一般的に申しますと焼却するという形になろうかと存じます。
#21
○東(祥)委員 焼却してしまうものもあるということですが、大変もったいないというふうに心から思うのです。今局長の説明にもありましたとおり、生体、生きているものに関してはそれは動物園に持っていっていただければいいな。ただ、剥製あるいはそういうものだけではなくて、例えば時計のバンド、クロコダイルのバンドだとかコートだとかこういったものもワシントン条約によれば規制されているものがたくさんあるわけですね。ところが、概して私たちは、こんなものまで規制されているのかとわからない面というのが多々あるんじゃないのか。そういうふうに思いますと、一千万人以上の人たちがもう世界に日本から今出ていくという時代です、何とか任意放棄されたものを教育の一環として使えないのか。例えば成田空港にも何十回と行っておりますけれども、多分イミグレーションを出た、くぐった後にちょこっとあるんですけれども、ほとんどお気づきの人はいな小ぐらい余り目立たない。そういうことを考えますと、本来ならば空港の出発ロビー、到着ロビーにあっても意味ありませんから、出発ロビーだとかあるいは成田エクスプレスの中に広告を載せるだとか、あるいはまた旅券発行所の中にそういうものを展示して幅広く多くの人々に見せる、こういうことをやられた方がいいんじゃないのか、このように思うんですけれども、大蔵大臣、いかがでしょうか。
#22
○羽田国務大臣 今お話がありましたように、任意廃棄というのですか、こういったことで焼却されてしまうということなんですけれども、しかし、まずこれを入れないということがあれなので、御指摘のとおり出国する皆さん方がそういったことを十分承知して旅行され、お土産にそういうものを買ってこないということが一番重要なことであろうと思っております。
 今御指摘のありました点につきましては、空港の出国ロビーなんかの税関の資料展示室ですとか全国の各地における税関展、あるいは該当の物品及びパネルの展示を行うなどワシントン条約のPRというものに努めてきたり、今御指摘があったようにパンフレットなんかもできるだけ配るようにしておりますけれども、今ロビーにおける常設展示場の設置につきましては、やはり一番有効な方法であることは間違いなかろうと思っております。現在は成田と伊丹空港において該当物品を展示することを行っておるようでございますけれども、今後ともこのワシントン条約というものを徹底するために、空港においての展示場所の確保ですとかあるいは展示物品の管理などの問題、こういったものも考慮しながら、私どもとしてもさらに検討していきたいということを申し上げておきたいと思います。
#23
○東(祥)委員 よろしくお願いいたします。
 続きまして、累積債務問題について少し質問させていただきたいと思います。
 今回の法案の中にもありますけれども、輸出入銀行そしてまたIDBの中のMIF、多数国間投資基金ですか、こういったものがありますが、その中に、発展途上国における累積債務国の需要にどのように対応していったらいいのか、こういうことが業務の中に明確に書かれているわけでございますが、累積債務問題、現代の世界経済におけるガンとまで言われた問題でございますが、融資国日本との関係でいえば現在どうなっているのか。
 特に、例えば一九八二年から累積債務問題で一躍名をはせたメキシコがあります。日本のメキシコ債権保有銀行だけでも二十九行、約百億ドルの債権残高を抱えて、九〇年三月期の決算では不良債権償却額が約九百億円に達したと私は記憶しておるのでございますが、現在この累積債務問題、一体どうなっているのか、この点について御説明願いたいと思います。
#24
○江沢政府委員 御指摘のとおり、中南米を中心といたします累積債務問題が八〇年代の世界の非常に大きな問題であったわけでございます、この問題につきましては、国際的な協調体制のもとでその処理に当たってきたわけでございまして、まず開発途上国がIMF・世界銀行と十分協議をいたしまして、経済改革に前向きに取り組むことを前提として、公的債務の返済の繰り延べですとか、あるいは民間銀行債務の負担を軽減するというような政策をとりまして、国際的に支援をしてきたところでございます。
 こういう国際的な支援が進んできたこともございまして、全体として見れば債務状況は改善傾向を見せております。かつての重債務国と言われておりますメキシコ等の国がインフレを鎮静化させまして実質経済成長を達成するというところまで来ておるわけでございまして、先生御指摘のメキシコについて申し上げれば、一九九〇年にブレディ・プランの新債務戦略を適用いたしまして、その後マクロ経済状況も好転をしてきており、かつてメキシコから逃避をしておりました資本も今還流してきておるというふうな状況でございます。例えばメキシコのデット・サービス・レシオ、輸出に占めます元利返済の割合でございますが、これが一九八七年には四〇%ございましたが、これが九〇年には二八%ぐらいまで減ってきておるとか、また債務のGNPに対する割合も、同じく八七年の八二%から九〇年末には四二%に落ちるとか、そういう債務指標も非常に顕著に改善をしておりますし、また同時に、マクロ経済の面でも、GNPの成長率が八七年は一・七%だったものが昨年は回ないし四・五%になるというふうなことでございます。また、インフレ率も、八七年当時の一六〇%ぐらいのインフレ率から昨年は二八%ぐらいに落ちたというふうに見込まれておりまして、こういうメキシコの例に見られますように、国際的な支援によりまして債務問題がかなり好転をしてきておるということは申し上げられると思います。
 今後とも、各債務国が経済改革に真剣に取り組み、経済の健全化に努めてもらいたいと思っているわけでございます。
#25
○東(祥)委員 こういった債務国に対しての新しい金融支援の枠組みを考えていく上で、基本的には明確なる戦略というものを考えなければならないのじゃないのか、このようにまず思うのですが、なぜ私たちは、債務国、特に発展途上国に現在多いわけでございますが、こういった国々に対して関心を持たなければならないのかという素朴な疑問に対して、まずどういうふうに答えるのか、金融面そしてまた政治的な側面からいろいろ考えられることがあるのだろうと思うのです。
 一つは、金融的な側面から考えるならば、少なくとも邦人の銀行が債務国に対して多額の貸し出しをしている。そのままほっておけば大変なことになってしまう。さらにまた、日本が現在世界における資本力が最も大きな国に成長している。世界の資金需要にこたえられる国というのはなくなってきている。そういう側面からもひょっとして考えられるのかもわからない。
 また、今度政治的な側面から考えた場合どうなるのか。日本が最大の資本輸出国になっている。そこで、先進諸国のみならず発展途上国ともっと緊密な関係を持っていけば、これはさらに日本にとっては利益になるのじゃないのか。
 いろいろ考えられるわけでございますが、今局長の方から、現段階においては累積債務問題というのは改善している方向にある。端的な例が、先ほど御説明になられたデット・サービス・レシオというのを見ても、八七年と九〇年、それは大きなる改善が見られますが、基本的に発展途上国で起こっている、とりわけラテン・アメリカで起こっている債務国というのは、八〇年代に初めて起こってきた問題なのかといえばそうではなくて、独立した以後、ある意味で頻繁にこの債務問題というのは歴史上起こっているわけですね。発展途上国の経済の歴史を見れば、これが頻繁に起こってきている。そういうことから考えますと、何と申し上げたらいいのでしょうか、現在まで行っている公共資金の投入額、こういったものは今はこれだけで済んでいるかわかりませんが、今後膨大な額に達していくということを当然とらえておかなければならないのだろう。
 さて、その上で、もしそうであるとすれば、その援助戦略というものを明確に考えなければならなくなるのじゃないか。一つは、独自路線を行くという輸出入銀行はそういうことを考えられているのかわかりません。もう一つは、国際機関を通じてやっていくということも考えられる。第三番目の方法として何があるのかわかりませんけれども、何か第三の方法があるのかもわからない。
 ところが、独自路線ということでまず考えますと、今文で援助している国々が本当に満足のいく援助をした例というのはほとんどないのだろうというふうに僕は思います。マーシャル・プランを除けば、ほとんど援助している側にもその援助に関して不満あるいは失望感というのは漂ってきている、こういうことを認識した上で独自路線を進まなくちゃいけない。あるいはまた国際機関を通じて日本の援助というものを強化させていく場合でも、国際機関といっても基本的には欧米あるいは欧米諸国のメンタリティーでできておりますから、日本の発言力を増していくというのもこれは極めて難しい、そういう問題点をはらんでいるのだろうというふうに思うのです。
 こういう問題意識の上に乗っかって、大蔵大臣、日本の援助戦略というものをどのようにお考えになっているのか、この点について御答弁願いたいと思います。
#26
○羽田国務大臣 ただいまの件につきましては、まず私どもが援助をいたしますときは、やはり考え方の基本に立ちますのは、日本が今日ここまで来た、これは戦後いろいろな国の理解あるいは協力というものがあったのであろうということを私どもはまず前提に考えなければいけない。そして、ここまで来た日本というのは、世界の中にそういった役割の分担というものも果たさなければならない時代が来ているのだろうというふうに思っております。特に私どもが援助をしなければならない場合に、発展途上国の場合には、発展途上国というのは健全に発展するということ、このことがまた世界の発展につながっていくのだということを前提に私たちは考えなければならぬということを考えましたときに、やはり基本的には人道的な配慮というものが大事であろうということ、そして特に民生の向上といいますか、こういったものに役立つもの、こういったものを念頭に置きながら対応をしていかなければいけないのじゃなかろうかと思っております。
 そして、今お話がありましたように、マーシャル・プランを除いて余り成果がないのじゃないかという御指摘もあったわけでありますけれども、確かに幾つかのものについてはいろいろな指摘があることは、私どもも今までの協力の中で承知をいたしております。ただ、私どもも途上国等を旅をしながら、本当に日本の協力に対して地域の住民たちが喜んでおるというもの、こういうものがあるのじゃなかろうかと思っております。
 そういうことで、今現在バイでやる場合なんかに特にあれしますことは、念頭に置かなければいけないことは、よく大統領ですとかあるいは強権を持った皆さん方が、一つの大きな記念塔といいますか、そういった思いなんかでつくりたいというような気持ちなんかもかってはあったようでありますね。ですから、そういうものでは、確かに大きなプロジェクトであってその国と日本との間というのは非常に際立って見えるのですけれども、さあそれが本当に民生のために役立っているのかということになると問題があるだろうということでございますから、向こうの国がどうしてもこういったことをやりたいということがあったときに、まず私どもはそういったものをよく調査しながら、本当にその国あるいはその地域にとって仮に立つものであるのかどうかというフィージビリティースタディーというものを徹底してやることが必要であろうということ。そして、あるときには助言をしながら、そんな大きなものよりは、例えば私がちょっと知ったあれでは、大きなダムをつくりたいという話があったのですけれども、しかしよく調べてみますと、その地域はダムよりは小さな池といいますかそういったものをつくった万がプラスになるということで、それぞれの地域に小さなものを幾つかつくってあげる、それが非掃に効果をあらわしておったということであります。そういう意味で、その効果の発揚というものについて一体どうであったのか、事後調査というものもやりながら今後の協力に気をつけていく必要があろうというふうに思っております。
 また、今お話がございましたように、これから協力をしていく場合には、当然バイでやる場合もございましょうし、またマルチでやる場合もありましょうし、また国際機関というものの関係ということを、これは今まで国際機関のあり方についてもいろいろな議論があったところでありますけれども、しかし最近見ておりますと、そういう専門の人たち、しかも中立公正な立場で物を見ることができるように、また機関もだんだんそう成長してきていると思うのですね。ですから、こういった機関が中に入りながら、これから被援助国に対して一体?どいうプランで、どんなものを考えながら経済の発展というものを目指しているのか、こういったものを互いに話し合ってもらう、そういうデータをもらいながら、また、そういう機関が、この国の場合にはこういうことをやっているよ、方向、プランニングもきちんといくよということを見きわめた、そしてそういった機関も少しでも協力しましょうというものに対して我々もお手伝いをしていくということなんかも効果があるのかなというふうに思いまして、私どもこういった国際機関というものも大事にしていかなげればいけないのじゃないのかな。それと、バイてやる場合と、あるいはマルチでやる場合も、あるいは多国間が一緒になってやっていく、例えば一つの国なんかに、私たちいろいろと話しておりますと、余りにも大きな、要するに大きくしなかったら話にならぬわけですね、例えば港湾をつくってほしい、しかし倉庫も必要である、いや、今度倉庫があったら、各地方の方に物を運ぶための道路が必要であると小うような非常に大きなインフラを整備しなきゃならぬということもあります。ということになりますと、日本一国でやるよりは、あるいはそういったことについてそれぞれの国の強いノウハウを持ち寄るということも大事なことであろうというふうに思っておりますので、いろんなやり方を模索しながら、本当にその地域あるいはその国、これに役立つ支援というものが必要なのかということを今改めて思っております。
#27
○東(祥)委員 大臣が広範な角度からそれぞれについてお考えになっていることはよく理解させていただきました。ただ、私が申し上げたマーシャル・プランの例を引かせていただいたのは、それ以外のもので援助国側そして被援助国ともに評価し合える例というのはなかなか探し出すのに難しい。ともすると援助している側に援助疲れというのが起こってくる、そしてまた失望感も高まってくる、絶望感もひょっとして起こるかもわからない。そういったことを踏まえた上で、なおかつやっていかなければいけない問題じゃないんですかという視点で話をさせていただいていますので、どうぞ誤解のないようにお願いしたいんです。
 その上で、それではラテンアメリカについて、今大蔵大臣は全般的な、グローバルな視点でもっておっしゃってくださいました。ラテンアメリカについての日本の援助戦略、この場でいいますと債務、要するに金融支援とのかかわりですね、その戦略というものは果たしてお持ちなのか。四億五千万人以上の人々がそこに住んでおります。なぜラテンアメリカの方に今日本はさらに出ていこうとするのか。ある方は、東南アジテ、アフリカに比べると支援の比率が低い、だから行くんだ。これは全然戦略でも何でもないわけですね。説得力が全く感じられない。そういう視点から考えますと、なぜラテンアメリカの方に日本は援助しようとしていっているのか、これは基本的に国際機関を通じて、この関連でいえばIDBでございますが、その点についてお伺いしたいと思います。
#28
○江沢政府委員 我が国の援助は、先ほど大臣から答弁がありましたように、我が国と世界との相互依存ということを一つの理念にしておるわけでございまして、そういう意味で従来から近隣のアジア諸国に対する援助が非常に多かったわけでございます。しかし、我が国がここまで国際的な役割を高めてまいりますと、アジア以外の地域に対しても近年支援の要請が強まってきておるわけでございます。
 一九八〇年代、中南米諸国は累積債務問題に直面をいたしまして、IMF等と協力をいたしまして、市場経済への移行あるいは民主化を行ってきたわけでございまして、我が国もそれに相応の支援を行ってきております。今先生御指摘のように、非常に多くの人口を抱えます中南米諸国、また資源も豊かな中南米諸国が経済的に安定していくということは、世界全体の政治経済の安定にも寄与するものだというふうに考えております。
 さらに、我が国にとって中南米がどういう意味で重要かということを考えてみますと、まず一つは、やはり先ほど来お話のございます累積債務問題に中南米諸国は直面しているわけでございまして、中南米を支援することによりましてこの累積債務問題が改善し、我が国との経済金融関係が正常化していくということが望ましいということが一つあると思います。
 それから二番目には、最近世界経済のブロック化が一部で懸念されておるわけでございますが、中南米諸国が開かれた市場として成長していくということは、多角的な自由貿易体制を志向しております我が国にとって非常に重要なことではないかという点がございます。
 それから、さらに三番目には、中南米諸国はブラジルを初めといたしまして多数の日本からの移民がいるわけでございます。北米地域と並びましてこの中南米諸国は大規模な日系人社会があるわけでございまして、ペルーで日系人が初めて大統領に選出されるというふうなこともあり、我が国との関係も近年ますます緊密になってきているということがあろうと思います。
 こういう我が国と中南米との関係にかんがみまして、我が国としても応分の協力をしていくという必要があるのではないかと考えております。
#29
○東(祥)委員 ありがとうございます。
 より具体的に質問させていただきますが、IDBを通じて、MIFを通じて、これはたしか一九九〇年六月のブッシュ大統領の中南米構想の一環から出てきているものだと理解しておりますが、このIDBを通じて日本はラテンアメリカに一層コミットメントしようとしている、その意義はどういうところにあるのか。今の局長のお話というのはバイの関係で考えた場合よくわかるのですけれども、今度は国際機関を通じてコミットしようとしている、その意義はどういうところにあるのでしょうか。
#30
○江沢政府委員 MIF、多国間投資基金は、中南米におきます民間投資の促進を図るということを目的といたしまして、中南米諸国に対する技術協力あるいは人材の育成あるいは中小零細企業の育成というふうなことを目的としております。
 中南米諸国は、比較的所得の高い国もございまして、公的な資金のみならず民間資金が経済の開発に非常に重要な役割を果たすという国でございまして、我が国も中南米諸国へ投資をすることによりまして、日本の経営なり技術のノウハウを移転していくということもできるわけでございまして、そういう観点で、アメリカのイニシアチブによって設立されましたこの基金に対して、我が国としても応分の協力をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#31
○東(祥)委員 今IDBに日本の職員というのはどれぐらいいらっしゃるのですか。全体に占める割合というのはどれぐらいになっているのでしょうか。
#32
○江沢政府委員 このIDBにおきまして日本人職員は、特に上級職員ということでは現在四人でございます。
#33
○東(祥)委員 済みません。もっと、全部言ってくださればいいのですが、全体何名でしょうか。
#34
○江沢政府委員 失礼いたしました。
 米州開発銀行のいわゆる上級職員としましては九百八十一人おります。これは昨年の三月末の数字でございますが、それに対しまして日本人が四人ということで、比率としては〇・四%でございます。
 私どもといたしましては、国際機関に対する日本人職員の増加を図ることが重要であるというふうに考えておりまして、この米州開発銀行のみならず世界銀行、アジア開銀等々国際機関に対しまして日本人職員の増加を働きかけておるところでございますが、語学の問題もございまして、適切な人材と語学力が必ずしもマッチしないというふうなこともあって、現在十分な日本人職員の数になっていないということは事実だと思います。
#35
○東(祥)委員 ぜひ御尽力されて、もっと日本人の職員が入れるようにしていただきたいと思いますが、ただ日本の職員がふえればすべていいのかと言ったら、必ずしも私はその線にくみしている者ではありません。少ないより多い方がいいだろう、大事なことは、日本の一つの発言といいますか、物の見方、考え方なりがIDBの中に反映されていって、かつその被援助国に対して我々が考えている、また国際社会から考えていて活性化されるような方向に行けばいいんであろう、こういうふうに思うのです。
 そういう視点から考えますと、このIDBのボードですね、理事集団といいますか、そういう中に日本は入っているのか。もし入っていなかったとするならば、入るための条件は何なのか、拠出額に応じるのか、そういう点について御説明願いたいと思います。
#36
○江沢政府委員 我が国は、米州開銀におきましてはいわゆる域外国というグループに属します。域外国は、国がグループをつくりましてまとまった形で一人の理事を出すという形になっておりまして、日本はフランス等と一緒に一つのグループをつくっております。それで、理事は各国持ち回りで就任することになっておりまして、ちょうど今はほかの国が理事をやっておりますが、来年から日本が理事のポストを占めるというめぐり合わせになってまいります。
#37
○東(祥)委員 これは、拠出額を高めれば域外の国であったとしても理事会における発言力というのは高まるというふうに理解してよろしいですか。
#38
○江沢政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、我が国は域外国であるということで米州開銀における出資シェアが一・一%でございます。実は協定上、域外国の全体のシェアが八%以下ということに決められておりまして、日本がこのシェアを拡大するためには協定の改正が必要でございます。
 私どもは、米州開銀に対する協力を拡大していくためにはやはり発言権もふやす必要があるということで、この協定を改正して日本のシェアを高めるように要請をしておりますが、まだその実現に至ってないという状況でございます。引き続き米州開銀あるいはほかの加盟国に対して私どもの立場を主張してまいりたいというふうに考えております。
#39
○東(祥)委員 例えばIDBが援助をする場合、先ほど大蔵大臣がおっしゃってくださった基本原則といいますか、戦略と呼べるのかどうかわかりませんが、例えば民生重視あるいはまた日本の援助の、まだ原則にはなっておりませんが、指針の段階だろうと思うのですが、有名な四原則というのがありますけれども、そのうちの一つの考慮事項として武器を輸出していないだとか、そういう国々に対しては資金援助をしないというような一札は入っているのかどうか、おわかりですか。
#40
○江沢政府委員 米州開銀等の国際金融機関におきましては、一般的に融資の決定に当たって、政治的要因によって左右されてはならない、経済上の考慮のみに基づくべきであるということが定められております。しかし国際機関は融資に当たりまして、借入国において軍事支出等の非生産的な支出が行われることはその国の経済にとって適当でないという場合がございます。そしてインフラの整備等生産的な支出に重点を置くべきであるということを奨励しております。したがいまして、我が国もこういう考え方について支持をしておるわけでございまして、先生御指摘の問題についても十分配慮をした上で融資決定が行われているというふうにお考えいただきたいと思います。
#41
○東(祥)委員 本日は、大変お忙しい中、山日本輸出入銀行総裁にも来ていただいております。ありがとうございます。済みません、時間を費やしてしまいまして、残るところあとわずかになってしまったのですが、日本輸出入銀行に対して幾つか質問させていただきます。
 一昨年十二月に坂本官房長官より、旧ソ連邦に対する緊急食糧支援のために一億ドルを限度として輸銀融資を行う用意がある、こういう公表をなされましたが、昨年末ソ連邦は崩壊してしまいました。一体この件はどうなっているのか、御説明していただけますか。
#42
○山口説明員 ただいま仰せになりましたとおりの経過でございます。一昨年の十二月でございますから、ちょうど一年前の冬を越せるようになるべく早く要請品目などを出してくれということを申しましたが、それが出てまいりましたのが三月の今ごろでございまして、それについてもいろいろ紆余曲折がありまして、昨年の七月ぐらいに大体こういう品目だなというところが固まりました。その後、相手国の受け入れ先の銀行等々につきまして議論を重ねてまいりましたが、今仰せのとおりソ連邦がなくなりました。そこで、だれを相手方にしたらいいのかということで再び振り出しに戻ったような格好になりまして、現在ではロシア共和国連邦を相手に、そのロシア共和国連邦り対外経済貿易銀行というのを窓口にするということで話を進めております。
 旧ソ連を形成する国々は大変外貨事情に困っておりますので、債務の支払いが困難でございます。それにつきましてはG7諸国と相談して、元本だけ、デファーラルと申しますけれども、一時棚上げするという措置を講じてまいりました。金利につきましては払ってくださいということを申し上げておったのでございますけれども、いまだ金利が滞納状況にあるということでございまして、その面も障害になっております。まず政府間で交換公文について交渉をしていただき、その調印を得た後に私ども融資承諾をする手続を踏みたいと思っております。まだ、いつというめどが立たないような現状でございます。その次に、昨年の十月にコミットと申しますか意図を表明いたしました五億ドルという緊急支援もあるわけでございますから、私どもとしましては、まず一億ドルについて一日も早く決着することを期待しております。
#43
○東(祥)委員 もう当然考慮に入っている問題なんだろうと思うのですが、一億ドル支援の前の状況というのは十五共和国を包含した旧ソ連邦だった。今のお話ですと、ロシア共和国を窓口にしてやる。そういった場合、当然他の共和国といいますか、独立国家の集合体みたいなことになっているわけですから、当然他の地域にもこの支援が及んでいく、こういうふうに理解してよろしいんですか。ロシア共和国だけやってしまうと、他の地域からも、話が違うではないかということになるんじゃないのか、こういう素朴な素人の疑問が浮かんでくるんですけれども。
#44
○江沢政府委員 この輸出入銀行の融資につきましては政府ベースでも議論をしておりますので、便宜私からお答えさせていただきます。
 当初交渉いたしましたときには、この一億ドルの輸銀融資はソ連邦を対象にしておったわけでございます。そういうことで、従来からずっとソ連と交渉してまいりました経緯、それからロシア連邦が旧ソ連邦を継承したということもございまして、ロシア連邦を中心とする方向で融資を行うように先方と折衝中でございます。
#45
○東(祥)委員 時間がないので次にいきます。最後の質問でございますが、輸出入銀行に関してですが、今環境問題が全地球的レベルで大きく取りざたされてきておりますし、輸出入銀行でも環境問題審議役というのですか、審議役を置かれている。環境問題に関してどのような配慮在されて融資しているのか。いやしくも、例えばの話ですが、フロンガスを製造する企業だとか、言うなれば環境に優しくないものを製造している、こういったところには融資していないというふうに言い切れますでしょうか。それを最後に終わります。
#46
○山口説明員 環境問題が世界的に関心が高まっていることはただいま御指摘のとおりでございます。輸銀といたしましても、融資の対象となります事業が環境破壊等の問題を惹起することのないよう十分念頭に置いてやっておるわけでございます。
 具体的には、今御指摘にありましたような内部体制を整えながら審査を行っているわけでございまして、やや具体的になりますが、環境ガイドラインというものをつくりましてチエックポイントを検討しながら審査を行っているわけでござい圭すが、同時に、融資実行後におきましても必要に応じましてフォローアップの調査をするというようなことをやっております。そしてそれは、輸銀のスタッフもおりますけれども、それだけで必ザしも十分を尽くすことができない技術的な問題火あろうかと思いますので、外部専門家の活用を回るとかあるいは国際機関等、例えば世銀でございますけれども、情報交換するというようなこと北やってきております。さように、一件別に万全を尽くしているつもりでございます。なお、最近はそういう環境面への配慮をそれぞれのプロジェクトについて行うという、言ってみれば消極的な面だけじゃなしに、積極的に環境保全のためのプロジェクトというのも出てまいりました。例えば、メキシコの大気汚染対策のプロジェクトというのはそうでございまして、これは我が国が海外経済協力基金の融資と輸銀の融資と向方活用しましてメキシコを支援しているわけでございますけれども、そういう萌芽も出てまいりました。今後におきましても、こういう面への協力の可静性についてさらに検討してまいりたいと思っております。
#47
○東(祥)委員 ありがとうございました。
#48
○太田委員長 正森成二君。
#49
○正森委員 まず、関税定率法等について聞かしていただきます。
 TQが導入の際の法案審議で、私が八六年に大蔵委員会で質問したのですが、通産省の当時の浜岡生活産業局長は「一次枠の運用でございますが、一つは市場アクセスの改善という国際的な要請、もう一つはいわゆる同和対策地域の基幹産業と言ってもいいような産業分野の将来の地位を確保するという、この両方をにらみながら、いわばまた裂きにならないように対応していくというのが基本であろうと思っております。」こういうように答弁をされました。ところが、その後の革靴等の輸入状況を見ますと、当時の新聞は、一次税率枠運用についての政府の方針として、今後五年間にわたって毎年ほぼ一〇%ずつ拡大する、六十五年まで一〇%ずつふやすと報道しておりましたが、実際はそうではございませんで、八六年が二百四十五万足余り、八七年には二百七十万足で一〇%余りの増でしたが、八八年以後は一五%以上輸入されまして、九一年には一七・二三%、四百八十三万足にもなっております。九二年はとうとう二〇%増の五百七十九万六千足、八六年の実に約二・四倍になっておりますが、これでは事実上また裂きになって、同和地域の基幹産業が十分に保護されていないのじゃないですか。
#50
○島田説明員 御説明申し上げます。
 先生御指摘のとおり、一次枠の決定につきましては、基本的には関税率審議会の審議及び国会等の審議によりまして決められるものでございますが、六十一年の浜岡局長が答弁いたしましたとおり、国内産業の位置づけそしてウルグアイ・ラウンド等国際的な市場アクセス改善要求、両方が重要な配慮要因であるということは基本的に変わっておりません。
#51
○正森委員 全然答弁になっておらないのですね。ここに大蔵省の関税局が出しました「関税と税関のてびき」という本があります。それの十ページを見ますと、関税割り当て制度の説明がしてありまして、「一次税率が適用される数量(関税割当数量)は原則としてその物品の国内需要量から国内生産量を差し引いた数量です。」こういうぐあいに説明がしてあります。
 ところが、実際はそうではございませんで、現在では国内の需要の三五%を上回っているのじゃないですか。そして、国内の生産量はかつてのTQが設けられたときから比べましてほとんど百万足近くも減産になっております。ですから、国内の生産量をはるかに上回って輸入が拡大されておる、TQ制度の本質から見て非常に問題があるというように思うのですが、いかがですか。
#52
○吉田(道)政府委員 今先生から一次税率枠のお話が出ましたが、この「関税と税関のてびき」と申しますのは、税関の仕組みを一般的に御理解いただくために比較的簡略に書いているものでございまして、ここのところにも書いてございますように「原則として」と書いてありますのは、実はいわゆる需給調整方式、今先生がおっしゃったような意味のものが非常に多うございます。ところが、関税割り当て制度というのはガットでも一条、ガットの十三条に一項しかございませんで、関税割り当て制度の具体的な仕組みについて国際的なコンセンサスがないわけでございます。現実問題として、日本におきましては大体今先生がおっしゃいました需給調整方式のものが多うございますが、外国におきましては固定方式あるいは一定率増加方式といろいろな形がございまして、必ずしも日本の今やっている仕組みが関税割り当て制度の基本であるという形にはなっておりません。具体的にはまた通産省の方から御答弁いただきたいと思います。
#53
○島田説明員 御説明申し上げます。
 皮革、革靴の関税割り当て数量につきましては、先ほど申し上げましたとおり国内産業としての位置づけ、そして片や諸外国からの市場アクセス改善要求、その両方を勘案して決定するということでやっておりまして、現実にTQ品目であります革靴につきましては、例えばEC等からの要求は、国内シェアを三〇%くらいにしろというようなことを要求されているわけですが、国内産業の現状から考えまして、現状でも内需の大体一〇%以内という水準でその要求との調整を図っているというところでございます。
#54
○正森委員 大臣、ここにアメ横で買ってきた靴があるのですわ。委員長のお許しを得て持ち込んだのですけれども、これ、立派な革靴でしょう。――うなずかれましたからね。ところが、これが運動靴ということで入っているのですよ。スポーツ用品ならこれはTQ枠の範囲外なんですわ。だから、これは外側は完全な革靴で、これ、七千八百二十円で売っているのですよ。それで、これはスポーツ用品だからといって千五百万足も入っているのですよ、こういうのは。これでは幾らTQ制度をつくったって、それは問題にならないんじゃないですか。こんなものがスポーツ用品だということで脱法的に入っているのですよ。
 だから、スポーツ用品というのをもっと制限するか、あるいは何らかの方法を考えないと、委員長のお許しを得ましたから大臣、何なら手にとって見てください。それはだれが見たって革靴だと思うでしょう。
#55
○島田説明員 御説明申し上げます。
 従来IQ制度がありましたときに、そのIQの対象になっておりました革靴がそのまま現在のTQの対象品目となっております。その当時からいわゆる革製のスポーツシューズというのは対象になっておりませんで、その基準については、底の厚さとか先端のかたさ等によって判断することが内規で定められております。ただ、非常に脱法的なおそれのあるものが多いということもございまして、我々としては大蔵省関税局と御相談いたしまして、総合的な見地から内容を判断しているというところでございます。
#56
○正森委員 通産省の役人が幾らいろいろ説明しても、現実にこういう靴をつくっておられる、同和地域が圧倒的に多いのですが、大体従業員が九人以下の零細企業が七〇%を占めていることは御承知のとおりですね。一番最近の調べでは、こういうものがスポーツ用革靴ということで実に千五百二十三万足も入ってきているのですよ。そうしたら、TQの一次割り当てで大体二百四十五万足が一〇%ずつふえるというのが最近は二〇%で、九二年は五百七十九万なんですが、それ以外にま七千五百万も入ってくるということでは、これは国内産業に重大な影響を与えることは当然であると言わなければならないのですね。これ、今持ってきたのは韓国製です。韓国製は千二十四万足も入ってきております。だから、それによって日本のスポーツも含めた革靴、あれがスポーツ靴というのですからね、それが重大な打撃を受けているわけであります。
 そのほかに、革靴の部分品輸入ということで、随分部分品として入ってきて組み立てられているという問題もありますが、通産省それから関税局、お役所仕事みたいなことを言わないで、国内の産業を守るという見地からやはり考えていただく必要があるということを私は心からお願いしたいと思うのですね。
 羽田大蔵大臣、何か御感想ありませんか。大臣でもこの靴だったら買おうと思うんじゃないですか。――肯定しているものな。
#57
○島田説明員 御説明申し上げます。
 スポーツシューズにつきましては、先ほどお見せいただきました靴、あれは登山靴タイプと呼ばれているものですが、そのほかにいわゆるテニスシューズ、革製の白いテニスシューズ等ございまして、これがここ四年ほど一千四百万足台の水準で推移しております。こういう品物がTQ品目と競合するということは事実でございますけれども、片やこれを対象を広げるということはできませんので、そういう脱法的な運用がなされないように注意してまいりたいと考えております。
#58
○正森委員 ウルグアイ・ラウンド交渉の中で政府や通産省は、TQ制度そのものの改悪に踏み切ろうとしていることは非常に重大であります。最近の報道を見ましても、日本政府は一九九〇年の終わりに、二次税率を六〇%から四〇%に引き下げる用意があると提案しました。ECはこれをなお不満としておりますということですが、最近の新聞を見ますと、例えば渡部通産相は「(現行の六〇%の)関税率を三分の一削減する案を軸にEC側と調整する」というような考えを示しているようであります。これは九一年十一月二十六日の日経の夕刊に出ております。
 こういう点については一体どうしようとしているのですか。一次の輸入枠を二〇%にどんどんふやす上に、それを超えた場合に高関税を課せられる、その六〇%を四〇%にするということになれば、一次税率は二七%ですから、その差は一三%しかないようになるのですよ。それじゃTQ制度の意味そのものがなくなるじゃないですか。
#59
○島田説明員 御説明申し上げます。
 先生御指摘のとおり、現在のウルグアイ・ラウンド交渉で二次税率について六〇%を革については四〇%、それから靴につきましては六〇%または四千八百円を四〇%または四千三百円に下げるという提案を行っております。
 ただ、TQ制度につきましては、基本的にウルグアイ・ラウンドで諸外国からそのものを撤廃しろというような強い要求が来ている関係、それから特にウルグアイ・ラウンドの中間合意でタリフピーク、高い関税率をなくせという合意がされているという点に勘案しますと、我が国としてはTQ制度の維持を前提としつつ、ただ批判の強い二次税率についてはある程度の妥協を図ることが必要であるということで、各国に説明を進めているということでございます。
#60
○正森委員 さすがの通産省もTQそのものを撤廃する考えはないというように今お答えになりましたが、そもそも六年前にこのTQ導入の際に、我が国は非常に大きな代償措置をとったでしょう。その代償措置を簡単に説明してください。時間がないから、簡単でいいです。
#61
○吉田(道)政府委員 今おっしゃいましたように、六十一年にはガットでクロの裁定を受けまして、皮革、革靴のTQ制度を導入したわけでございます。その当時百九十九税目の関税率を引き下げまして、その減収額は約二百億円でございました。
#62
○正森委員 今二百億円だと言われましたが、二百億円だけじゃないでしょう。関税収入の減収見込みは、もろもろのものを入れますと、アルミがあったでしょう。アルミが翌年から行われたのを入れると大体五百億円上回ったんじゃないですか。アルミを除外したらいかぬです。
#63
○吉田(道)政府委員 この当時の代償として出しましたのは二百億円、この百九十九品目でございました。それにもかかわらず、米国は満足しませんで、米国の我が国から輸入される皮革・革靴、同じ品目の分類の中身でございますが、それについて四〇%まで関税率を引き上げたということがございまして、今もそのままになっております。
#64
○島田説明員 ちなみに、その対米輸出の減少額でございますけれども、履物につきましては、八五年が一千三百万ドル程度あったものが、その翌々年には四百万ドル、現在では九十万ドル程度に落ち込んでおります。それから、皮革につきましても、六百万ドルあったものが現在では十万ドル以下になっております。
#65
○正森委員 だから、アメリカの言い分も入れた全体で見れば五百億円をはるかに超えたのですよ。いや、アルミを入れれば超えているじゃないですか、彼が言うたのを全部入れれば。あなたが言うたのは、当時の工業品目八十八品目の関税率の引き下げ、それから百十六品目の譲許税率をアクションプログラムに係る原則二〇%引き下げ税率と同一水準まで引き下げるということについては、大体二百億円ぐらいだった。ところが、アメリカはそれに満足しないでさらに要求を出してきて、それを入れるとああいうように大きな損害を我が国としては受けているということ、通産省が認めているじゃないですか。それぐらいの大きな損害を受けてこのTQ制度を導入したのですよ。ところが、それでも足りないでまだああしろこうしろということを言ってきて、我が国の皮革産業というのは重大な影響を受けているわけであります。
 そして、我が国の靴産業は、先ほども言いましたけれども、従業員九人未満の事業所が七〇%以上を占めております。ここに資料を持ってまいりましたが、靴工組合の大会の報告によりますと、平均年齢が五十一・五歳、本人の労働時間は、十時間以上十二時間未満が二七・二%、十二時間以上十四時間未満が四四・二%、十四時間以上十六時間未満が二二・四%、十六時間以上が一・二%、つまり、十時間以上働いている方が八六%に及ぶという状況で、やっと生活しているのですよ。
 ここに、私のところに、靴工組合に加入した方から手紙が参っております。この手紙を見ますと、「私は今年五十五歳になる靴の底づけ職人として働いている男性です。昭和三十一年私が二十歳の時に東京浅草に出て来て靴職人として請負い仕事を始めました。朝八時から夜九時頃まで十二時間ぐらい毎日働きました。夜ねるだけの生活に驚きました。私も五十五歳になると体力もなくなり、この先退職金もない靴職人では不安でなりません。世間では景気のよい時もあったようですが、靴職人らは昭和六十三年頃から年々悪くなる一方のような気がします。六年前の工賃と現在の工賃は変りないのに物価の方は年々上るし、世間並みの給料を取るには、一日十二時間働いてもおいっきません。どうか靴工たちみんなが将来に希望のある世の中になってほしいと思います。」云々という手紙をよこしているのですよ。
 だから、昭和六十三年ごろから一層大変になったというのは、このTQ制度が実質どんどん悪くなってきたときに照応しているわけであります。私は、こういう点を政府としては考慮していただく必要があるというように思います。
 そこで、羽田大蔵大臣にお伺いいたしますが、あなたは、入閣直前のインタビューで、米の関税化について、「関税化は、絶対に受け入れられませんか。」との問いに、「当初は輸入しにくい高率関税にしたとしても、日本のようなガット受益国はすぐに「関税率を下げろ」といわれる。これまでも、その歴史を繰り返してきた」。これは九一年十一月一日の朝日新聞であります。こういうお答えをされまして、ここににこやかなお顔で載っておりますから間違いないと思いますが、大臣は、米の輸入関税化について、高関税率なら当分入ってこないと思って受け入れても、それはすぐに関税率を下げろ下げろと言われるというので、大体反対のニュアンスで物をおっしゃっているのです。これはちょうど靴を見たら明らかじゃないですか。初めはTQで六〇%にするから大丈夫だと言っておってもどんどんと下げていかれるということですから、靴に関連して言うのもいかがかと思うのですが、米の問題もよほど慎重にしていただかなければいかぬと思うのですが、いかがですか。
#66
○羽田国務大臣 今の新聞のあれはそのとおりでございますし、また私がちょうど入閣する一カ月ほど前に、アメリカあるいはドンケル事務局長をジュネーブに訪ねましてお話をいたしました。
 そのときにも、私は、みずからがほかの問題でもずっとこういったものを扱ってまいったものでございますから、日本のように受益国、あるいは大きな貿易国というのは、どうも去年下げても、またことし下げなさい、また下げなさいとやられる。結局、せっかく高い関税を上げますと今言われても、あなたがおやめになったら一体どうするのですかというようなことを申しまして、我々としては、そういったことについての歯どめとかそういったものは一体どうなっているのですか、そうじゃないと、実際に関税化でまとめなければならない、あるいはみんなが合意をしなければならない、するためには関税化で包括的にやることが一つの道だろうというその考え方はわかるけれども、しかし、それの対象品目になったものは大変なことになるのですよというお話をしながら、そういったことがきちんと理解されるようなものをしてもらわないと困りますということをずっと申し上げてきたところでございます。
 いずれにいたしましても、我々の方としては、いわゆる国会の決議なんかもございます。そういう中で、今農林水産省あるいは外務省なんかも一緒になりながら、よくそういった事情というものをガットの場で発言をされておる、厳しい交渉をしておるということであります。
#67
○正森委員 時間がございませんので、IFCとMIFについて一言だけ質問をさせていただきたいと思います。
 読売新聞の九一年九月二十六日付を見ますと、九一年度の世銀の貸付実績について、「東、中欧に貸し付けが集中し、東、中欧全体の合計貸し付けは前年度の十八億ドルから二十九億ドルに増えた。」というように述べております。また、昨年十月バンコクで開かれたIMF・世銀総会でも、「アフリカ、中東、アジアなど発展途上国の国々から「ソ連・東欧への資金対策に重点を置き過ぎている」との批判」を出されているようであります。これは九一年十月十七日の毎日新聞等に載っております。
 今必要なことは、IFCは、収益性の高い民間企業に対して民間資本、民間金融機関と協調して融資するという性格から、最も援助を必要としている国々よりも比較的豊かな国への融資が多いようでありますが、今必要なのは、生きるための最低限の援助を必要としている国々にひものつかない温かい援助の手を差し伸べることではないかと思いますが、いかがですか。
#68
○江沢政府委員 世銀の貸し付けにつきましては、いろいろな候補案件の中から個別プロジェクトの緊急度あるいは経済性を十分審査した上で実行することになっておりまして、地域的な配分枠があるわけではございません。確かに先生御指摘のとおり、九一年度の中・東欧向けの世銀の融資は承認ベースで二十九億ドル、全体の一八%に上昇しておりますが、これはポーランド、チェコ、ブルガリア等が加盟をいたしまして、これらの貸し付けがたまたまふえたというふうに考えております。
 中・東欧につきましては、既に欧州開銀が業務を開始しておりますし、また世銀の資金的な余裕も現在のところは比較的あるわけでございまして、中・東欧向けがふえたからといってほかの地域に金が回っていかなくなるというふうには私ども考えておりません。
 先生御指摘のとおり、アフリカ、ラテンアメリカ、アジア地域からの援助要請というのが非常に高いことは事実でございまして、私どもはそういう中・東欧以外の地域の援助のニーズにも十分こたえていかなければいけない、その点は十分配慮していきたいと考えております。
#69
○正森委員 米国は、レーガン時代、二国間援助重視、国際機関を通じての援助軽視から、IMF・世銀活用へと戦略転換して、IMF・世銀が政治色を強めていると言われるようになりました。こういう中で、ブッシュ大統領が提唱をいたしましたMIFにEC諸国が冷ややかで、一国としてはせいぜい三千万ドル程度の出資しかしていないのに対して、我が国が米国と並んで五カ年で五億ドルというけた違いの出資をするというのは、戦略的な米国の援助政策に我が国が世界に率先して加担するということになるのではありませんか。
#70
○江沢政府委員 中南米地域は日本にとっても非常に重要な地域であると考えております。
 それはまず第一は、世界経済の安定的な発展にとりまして、中南米諸国を中心といたします累積債務問題の解決が非常に重要である。また、日本の金融機関がアメリカに次ぐ巨額の債権残高を抱えておるというふうに言われておりまして、このMIFによりまして中南米諸国における民間投資が拡大をし、輸出が増加し、海外からの資本が流入してくるということになれば、累積債務問題の解決にも好影響を与えるというふうに考えております。
 それから二番目には、このMIFによりまして中南米諸国に対する域外からの投資が拡大をし、これら諸国の経済が開かれた市場として成長をしていくということは、世界経済がブロック化のおそれがある状況のもとで、多角的自由貿易体制を志向する我が国にとって重要な課題ではないかということでございます。
 それから第三番目には、中南米諸国は、ブラジルを中心といたしまして多数の日本からの移民を受け入れているわけでございまして、北米地域と並んで大規模な日系人社会をつくっております。ペルーのフジモリ大統領が日系人として初めて大統領に選出されるというふうなこともあるわけでございまして、我が国との関係も近年ますます緊密になってきておるというふうに考えております。そういうことで、私どもといたしましては、中南米諸国に対して応分の協力をしていくということが必要ではないかと考えております。
 ちなみに、我が国の地域開発金融機関に対する出資あるいは拠出の累計を見ますと、アジア開銀に対しましては七十五億ドル、それから、アフリカ開銀に対しましては二十六億ドルを出資あるいは拠出しておりますけれども、米州開銀に対しましては、今回の五億ドルを足しましても全体で十三億ドル強にすぎないということで、ラ米偏重というふうには私どもは考えていないわけでございます。
#71
○正森委員 これで終わらせていただきますが、大蔵省は、今度の平成四年度の予算が通りましたら、貿易不均衡是正策の一環として、米国車を初めて一台官用車として購入するそうであります。ところが、八五年から八六年に米国車を一台買った外務省は、故障が多くて部品の手当ても十分にできなかったため現在はその車は使っていないと、九二年二月二十八日の東京の夕刊で報道されております。こういう経験にかんがみても、なおかつアメリカから買うのですか。――答える人いないのか。それじゃ、答えなくていいです。
#72
○太田委員長 中井洽君。
#73
○中井委員 法案の質疑に入ります前に、簡単に二、三、現行の景気についてお尋ねをいたします。
 私は、株というのはやはり景気を見る鏡の一つだ、こんなふうに考えておりますが、昨日来からいろいろと現行の株価について御答弁がありました。しかし、今の株の商いの薄さあるいは株価の安さ、こういったことを考えると、もっと、ああいう期末的なものだとかそういうことじゃなしに、景気対策の面で真剣に受けとめていかなけりゃならないんじゃないかと考えていますが、大臣、いかがですか。
#74
○羽田国務大臣 確かに、二万円を割ってしまったという現実、我々はこれはやはり重く受けとめなければいけないと思っております。これについては、もう御案内のとおり、ちょうど決算のときを迎えておるというようなことで、それぞれの企業なんかがみずからの持ち株を放出しておるというような現状がやはりあった。それが特に、たしかきのうあたりですかの株の扱いも、この一カ月間を振り返ってみますと、割合と大きなものが実は扱われておるというようなことでございまして、売りが非常に多かったということがあろうと思っております。
 それと、日本の場合には、景況等が、それぞれの機関によって発表されたもの、これが割合と景気の減速感が広がっておるという現状の中にあろうというふうに考えておりまして、私たちは、こういったものをやはり重く受けとめながらそれぞれ対応していく必要があろうというふうに思っております。
 ただし、有効求人倍率なんかも今一・二八と、多少下がっておりますけれども、しかし、しっかりとしておるということ。あるいは物価等も割合としっかりしておるということ。それともう一つは、やはり大きくバブルで膨れ上がったという状況の中でそういうものが崩壊したということになりますと、どうしてもやはり、何というのですか、在庫調整を初めとして調整局面というものが必要であろうというふうに思っておりまして、そのあたりをやはり十分見きわめながら対応していきたいというふうに思っております。
 なお、自民党の方からもいろいろと話がございまして、先ほども関係経済閣僚あるいは党の役員等が総理のもとでいろいろと議論をされておりまして、こういった中で、私たちもよく冷静に見きわめながら、必要なものについてやはり機敏に、的確に対応していく、これが大事なところであろうというふうに考えておりまして、ただ、今の株価の動きというだけでなくて、全体を見きわめながら対応していきたいということを申し上げたいと思います。
#75
○中井委員 そうしますと、ここ一カ月余りで円が随分安く、円安という形で推移しております。この動向については、大臣、どうお考えですか。
#76
○羽田国務大臣 対外的な関係というのが非常に強いということがございますし、アメリカが割合と住宅ですとか一部のデータがいいものが出てきたということが言えます。しかし、まだ緩やかな足取りであるわけでありますけれども、案外そういったものが評価されてドルが高くなる、それにつれて円が安くなっておるということが言えるんじゃなかろうかと思っております。
 それともう一つ、やはり日本の方の景況というのが余り明るいものが見えてないということで、日本の円が安くなっておるのだろうというふうに見きわめております。
 いずれにしましても、私どもはG7でもこの問題についてもいろいろと話し合っておりまして、各国がお互いによく状況等を連絡し合いながら、その都度協調して対応していきましょうということになっておりますので、私どももこの成り行きについてはやはりよく見きわめていきたいというふうに思っております。
#77
○中井委員 アメリカが確かに少し明るさが出てきたというのは事実であろうかと思いますが、まあそれでも回復してもせいぜい一%台の成長じゃないでしょうか。日本は、皆さん方は三・五だと、こうおっしゃるが、まあまあ悪くてもそれは三%前後いく成長は間違いないとたれしもが思っておる。そういう状況で大臣等がお答えになるファンダメンタルズがしっかりしておると言いながら、この円安へじりじりと進んでいく。このことはやはり物価にも影響が出てくる。ことしの春の賃上げもそう大したことは望めない。失業率の問題がありましたけれども、あれが高いからといって、雇用がどんどんふえているわけでもありませんし、企業マインドが冷え込んでいるのと同じく、やはり消費者の冷え込みというのも出てくる。そうすると私は、かなり思い切った景気対策をやっていかないと、日本の三%台の成長、あるいは世界に対する貢献、こういったことも不安面が出てくると思います。いろいろと冷静にというお話もございましたが、時期的なことを間違いなく御対策いただけることを重ねて要望をいたしておきます。
 それからもう一つ、簡単にお教えをいただきたいと思うのですが、昨日ペルーのフジモリ大統領が本会議でスピーチをなさいました。これに対して国として無償資金協力三十五億円、それから米州開発銀行と協調融資の形で円借款一億ドル、発表なさいました。これは例えばもう既に予算化されておるものなんですか、それとも別にお出しになるのか、米州開発銀行と協調融資というのはどういう形で行われるのか、ここらのことをちょっと参考までにお教えをください。
#78
○江沢政府委員 このペルーに対します円借款は、海外経済協力基金の今年度の融資計画の中から一億ドルということで実行するわけでございます。これは米州開発銀行がペルーに対します構造調整融資を行いますので、それに協調する形で融資をするというものでございます。現在の海外経済協力基金の事業計画の中から実行するものでございます。
#79
○中井委員 無償協力は。無償資金の方は。
#80
○江沢政府委員 無償資金も外務省の予算でございますが、無償援助の枠の中から……(中井委員「今年度ですね」と呼ぶ)はい、実行するものでございます。今年度実行するものでございます。
#81
○中井委員 この対外援助を日本がやれるようになった、また、世界でも有数の援助国になれたということ自体私どもは誇らしく思いますし、これからも世界経済の安定と平和のために大いにやれぽいいと思います。
 しかし一方、このペルーの問題は別にしまして、大臣や総理大臣が行かれるたびに、どこどこの国へ幾ら援助を、こう新聞に大きく見出しで出る。国民から見ると、よくあんなお金あるな、そんなばらまいてというか、よその国へやるんだったら税金まけてくれ、年金何とかしろという話も、率直に言いまして随分あるわけであります。この海外に対する、今回法案で出てまいりましたような国際金融機関への出資、こういったことを含めて莫大な金になっておる。これらに対してやはり国民の理解というものを十分得ていく、このことも考えていただきたい、これが一つであります。
 同時に、私どもからしますと、日本の経済力の外形から見てこれだけ出さなければならない、義務感みたいに出していくものもあろうかと思いますが、国際金融機関にほとんど二番目ぐらいの出資をさせていただいておる。一向、何か感謝してもらってないなという率直な気持ちが私どもにはあります。私どもは、本当に何もお礼ばかり言ってほしいというわけではありませんし、義務として出すべきだとも考えておりますが、何も感謝されないというのは、先ほどから御議論ありましたし、また私も昨年の委員会でも議論したと届うのですが、これらの機関等へも、あるいは国連へも含めて、やはり人的貢献というのが足りないんじゃないか。先ほどは英語、語学力の問題だなんて言いましたが、それは皆さん方政府の、文部省の教育の方針が悪いのか何か知りませんが、しかしもう少し人的貢献というのを、PKOじゃありませんが、考えないと、私どもは去年の湾岸戦争で本当に貴重な経験をしたわけであります。そういう意味で、去年からことしにかけて、国際金融機関の中の日本人、こういったものがちっともふえておらないという現状、これはもう少し考えて、きちっとふやしていくんだという方針のもとに政府としてお取り組みをいただきたい、この二つの点を要望いたしますが、いかがですか。
#82
○羽田国務大臣 今御指摘のありました点につきまして、特に感謝されないというお話があるわけでありますけれども、私が大臣に就任して以来大変な数の、多くの国の方々が来られました。そして率直にいろいろとお話ししておりますと、これに対してやはり感謝の声というのはあることはある。ただ問題は、大臣ですとかあるいは大統領ですとか、そういった方々から感謝されるだけではいけないので、やはりその国の、あるいはその地域の皆さん方から感謝される、本当の心からの感謝というものでなければいかぬだろうということで、私たちはそれを心がけなければいけないというふうに思っております。
 私は、かつて難民対策の方の責任者をやっておりましたときにあちこちの国を回りましたけれども、英国なんかでは、例えば児童基金なんという基金が病院をバスでつくっておりまして、そこにちゃんと英国のフラッグを立てましてそれでやっているんですね。これが物すごい評価されているんですね。ところが、UNHCRを通じてお金を出しているのはどこが一番出しているかといったら、日本なんであったのです。
 それから、タイのバンビナイというところに行きましたときに、あそこのUNHCRのタイのお嬢さんが我々をずっと案内してくれたんですけれども、そのときにしみじみと言ったことは、日本が一番お金を出してくれていることは私が一番よく知っているんです。ところが、どうもみんなにぱっと評価されないんですよね。ごらんなさい、あそこにはどこどこのキリスト教の教会のあれが、もうどこどこの国ということをきちんと出しながら、それで一生懸命やっている姿。しかし日本の人たちの場合には、また来てくれる人は物すごいよくやってくれるんだけれども、よくみんなにわかるように、しかし、ただ宣伝するというんじゃなくて、本当に動く中でみんなに理解されるやり方というのがどうも余り上手じゃないので、私はいつもアジアの人間としてじだんだを踏んでいるんですというようなことを実は言っておられまして、私どもも、今言われたのはもっと広い意味で言われたんだと思うんですけれども、ただお金を出すということではなくて人的な貢献というもの、やっぱり人がそこに行くということになるとそこに心のつながりができてくる。その心のつながりというのは物すごい広く広がるものなんですね。だから、そういう意味では、まあ今PKOをここで出すのはどうかと思いますけれども、そういった問題も含めて、やっぱり人的な貢献あるいは技術を交換するための貢献というものもしていかなければいけない。ですから、きょうも実はペルーのフジモリ大統領ともお目にかかりましてお話をしたわけでありますけれども、今度はただお金というだけではなくて、向こうから人を、技術者たちを養成しましょうということのためのお手伝いで大変な数の人を受け入れましょうというような話し合いも実はできたということであります。
 それから、この間ADBの総裁、そしてつい最近でカムドシュというIMFの専務理事、この皆さん方が私どものところをお訪ねいただきましてお話をいたしましたけれども、あの人たちも、日本の職員というのは非常によく働いてくれると言うんですね。そして、私たちと一緒に仕事をする仲間あるいは幹部の中にもそういう人が欲しいし、若い人も欲しい。だから、ぜひそれぞれの分野に対して日本人がチャレンジしてもらいたい。私たちはその人たちを受け入れる用意というのは本当にあるんですよと、心から実は言っておられたわけであります。ただ、処遇の問題ですとかいろんな問題なんかがありまして難しさはあるんですけれども、しかしそういうことを、そういう国際機関が受け入れようとしているんだよということをもっと国民にも知らせると、若い人は、ただ、今お金が少し余計に入るからということよりは、そういうところで働いてみたいという人は日本人の中で私は多くあると思う。そういうことをこれからもよくPRすると同時に、国際機関にもきちんと日本人が入っていけるような環境づくりを私どもはやっていきたいというふうに思っております。
#83
○中井委員 大変行き届いた答弁を賜りましてありがとうございました。私どもも、党は党の立場でいろんな機会にそういったことを国民にPRをしていきたいと思いますが、政府としても格段のお取り組みをお願いいたします。
 これまた税関の職員の待遇問題について、後で附帯決議等でも盛られますし、毎年のことでありますが、私も去年少し質問をいたしました。関西国際空港の開港を目前にしまして、これが開港されますと二十四時間空港になりますので、去年こういったことを踏まえてこの職員の配置あるいは人数、一年や二年で職員が育つわけではありません、おやりをいただきたい、こういうことをお願いをいたしました。現実にもうこういう二十四時間空港ができる。それに対して税関職員等含めましていろいろと準備があると思いますが、大蔵省においてはこの税関職員対策というものが十分この二十四時間空港に向けて進んでおる、このように理解してよろしいですか。
#84
○吉田(道)政府委員 関西新空港につきましては、現在の見込みとしましては平成六年の夏ごろ完成ということが言われております。私どもとしましてもできるだけ早くそういう要員の養成をしたいわけでございますが、今現実の行財政事情からいたしますとなかなかそういう先付的な定員というのはいただけない。昨日も御質問がありまして御説明申し上げましたが、ことし久しぶりに純増二十人という増員をいただく予定になっておりますが、それがつきましてもやはり現在のところ、まあ当面の成田二期のターミナルビルが完成するというものの増員でございまして、そこまではいっておらないのが実情でございます。いずれにしましても、やはりそういう問題も含めまして、私どもはできるだけ今ある定員の中でも機械化等をしましてできるだけ効率化をする、その上で足らない部分につきましてはさらに増員をお願いするべく最大の努力を続けたいと存じております。
#85
○中井委員 次に、この石油関係の関税等の改正で一つだけお尋ねをいたします。
 今回また、十年間この関税率、変更しながら延長になるわけであります。エネルギー政策の大転換でありましたからこういった措置が今日までとられてきた、やむを得ないことだ、こう思います。しかし同時に、日本では、一つの制度というものをつくる、そうするとなかなか一遍には廃止にいかないものだなという実感を感じております。漢方薬のようにじわじわといくのか、外科手術みたいにすぱっといくのかという手法の違い。どうも日本は政治の面においては漢方薬でいかなきゃならないか、しかしこの漢方薬も余り長いと高くつくなという感じも実はしないでもありません。これは今回十年で二段階にわたって引き下げるわけですが、十年でもって終わる、このように理解をいたしますが、間違いありませんか。
#86
○小村政府委員 後ほど通産省からも御答弁があると思いますが、私ども大蔵省といたしましては、今後の石炭勘定のことであろうかと思いますが、それにつきましては各年度の予算編成過程で検討してまいりたいと思いますが、先生御案内のように、平成三年六月の石炭鉱業審議会の答申にもございますように、九〇年代を国内石炭鉱業構造調整の最終段階と位置づけるということがございまして、こうした趣旨を踏まえて御要求があろうかと思います。私どもはそれに対して適切に対応してまいりたいと思います。
#87
○土居政府委員 ただいま大蔵省次長からお話がありましたように、石炭鉱業審議会の答申によりまして、石炭鉱業は九〇年代を最終段階として構造調整を進める。それから鉱害対策、これは戦時中の増産等によりまして非常に今でも残っておりまして、四千億近い鉱害が残っておりますけれども、これについても十年間で終了ということで、この十年間で石炭の構造調整対策を完了するということとしております。
#88
○中井委員 それじゃ、時間ですのでもう一つだけお尋ねをして終わります。
 輸出入銀行法の改正の中で、法律が変わりまして、ツーステッブローンの中で日系の合弁企業等に、しかも日本企業の一〇〇%子会社を融資先として追加をするということが盛り込まれております。この目的は、要は日本企業の子会社が海外進出をしやすくするということでお考えになったのか。これらの目的はどういうことであるのか。同時に、輸銀が外国の銀行等へ金を貸して、そして現地の日本企業の一〇〇%子会社に融資をするということになると、逆にこの融資が日系企業ばかりに偏るということはないのか。そんなことを心配いたしますが、いかがですか。
#89
○土田政府委員 今度お願いしております輸銀法改正の中で、いわゆるこのツーステップローンの貸付先に日本企業の一〇〇%子会社を追加するということを提案させていただいておりますが、これは、従来からこの日本企業の現地合弁企業に対しましてその投資、ツーステップローンの業務を行ってまいりましたところ、最近途上国などにおきまして、外資規制の緩和によりまして外資一〇〇%での進出が認められるケースが増加しておるということにもかんがみまして、この一〇〇%子会社をツーステップローンの対象に追加するという趣旨でございます。ただいま申しましたが、従来から日本企業の現地合弁企業につきましてはツーステップローンの対象とされてきたものでございまして、私どもは、今回の改正によってこの現地との合弁企業よりも制度的にこれを特別優遇することにはならないというふうに考えておる次第でございます。
#90
○中井委員 終わります。
#91
○太田委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#92
○太田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに各案について採決に入ります。
 まず、関税定率法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#93
○太田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#94
○太田委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、井奥貞雄君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。中井洽君。
#95
○中井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 世界経済における我が国の立場を踏まえ、多角的自由貿易体制の維持・強化と世界経済の安定的な発展に引き続き貢献するとの観点から、ウルグアイ・ラウンドが成功裡に終結するよう努めること。
 一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易の動向等を踏まえるとともに、国内産業、特に農林水産業及び中小企業への影響に十分配慮しつつ、国民経済的観点に立って国民生活の安定に寄与するよう努めること。
 一 国際化の著しい進展等による貿易量、出入国者数の伸長等に伴い税関業務が増大、複雑化するなかで、その迅速で適正な処理に加え麻薬、覚せい剤、銃砲、不正商品、ワシントン条約物品等の水際での阻止が国際的、社会的要請として一層強まっている税関業務の特殊性にかんがみ、新たな業務処理体制による税関業務の一層効率的、重点的な運用に努めるとともに、中長期的展望に基づく税関職員の定員の確保はもとより、その処遇改善、職場環境の充実等に特段の努力を行うこと。
以上であります。
 何とぞ御賛成賜りますようお願い申し上げます。
#96
○太田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#97
○太田委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。羽田大蔵大臣。
#98
○羽田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#99
○太田委員長 次に、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び米州開発銀行くの加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#100
○太田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#101
○太田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○太田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#103
○太田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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