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1992/05/15 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 大蔵委員会 第13号
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1992/05/15 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 大蔵委員会 第13号

#1
第123回国会 大蔵委員会 第13号
平成四年五月十五日(金曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 太田 誠一君
   理事 井奥 貞雄君 理事 中川 昭一君
   理事 村上誠一郎君 理事 持永 和見君
   理事 柳本 卓治君 理事 細谷 治通君
   理事 日笠 勝之君
      浅野 勝人君    石原 伸晃君
      江口 一雄君    衛藤征士郎君
      狩野  勝君    亀井 善之君
      河村 建夫君    久野統一郎君
      左藤  恵君    戸塚 進也君
      林  大幹君    前田  正君
      山下 元利君    池田 元久君
      佐藤 観樹君    佐藤 恒晴君
      沢田  広君    仙谷 由人君
      富塚 三夫君    中村 正男君
      早川  勝君    渡辺 嘉藏君
      東  祥三君    宮地 正介君
      正森 成二君    中井  洽君
      菅  直人君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 羽田  孜君
 出席政府委員
        総務庁長官官房
        審議官     陶山  晧君
        大蔵政務次官  村井  仁君
        大蔵大臣官房会
        計課長     志田 康雄君
        大蔵大臣官房審
        議官      小川  是君
        大蔵省理財局長 寺村 信行君
        大蔵省証券局長 松野 允彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        国税庁課税部長 坂本 導聰君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局経済部企
        業課長     和泉沢 衛君
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 証券取引等の公正を確保するための証券取引法
 等の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇
 号)
 金融制度及び証券取引制度の改革のための関係
 法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七三
 号)
     ――――◇―――――
#2
○太田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案及び金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律案の両案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柳本卓治君。
#3
○柳本委員 ただいま、私は、自由民主党を代表いたしまして、証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案及び金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律案の審議に当たり、大蔵大臣に質問をしてまいりたいと思います。
 まず私は、今回の金融・証券二法の審議に当たり、その歴史的な意義を思うときに、身の引き締まるものを覚えます。というのも、この二法案こそは、現行の金融・証券制度を戦後四十数年ぶりに土台から見直す重要法案であると考えるからであります。わけても金融制度改革は、これまで実に六年もの歳月をかけて各界の御意見を聞きながら検討してきたものであり、私は、まずもってここに、その検討、論議に当たられた方々の御苦労に対しまして心から感謝とねぎらいの意を表明するものであります。
 さて、我が国は今新しい時代を迎えようとしております。新しい時代はまた、必然的に経済的にも一大転換期を伴うものであります。
 思えば、私たちの先人や先輩たちは、かような長い歳月にわたり、資源すら乏しいこの小さな日本列島の上で、勤勉さと創意工夫とをもって営々と奇跡の経済大国を築き上げてきました。文字どおり、汗と涙の経済国家建設を行ってきたのであります。その結果、今日では日本は世界に冠たる経済的繁栄を得て、我が国の金融市場もニューヨーク、ロンドンと並んで世界の三大市場の一つに数えられるまでになりました。
 私たちは、こうした先人や先輩たちに感謝しつつ、この豊かな富を今度こそ真の国民生活上にも生かすべく、各種の社会的な基盤の整備のために長期的かつ効果的に投下して、真の意味での豊かな国づくりに向かうことと、同時に、国際的にも指導的な貢献を積極的に果たしていくという、まさにこの二点こそ新しい時代を迎えるに当たっての二大柱と考えるのであります。
 そのような新しい時代への移行を前に、不幸にも日本経済はいわゆるバブル時代を経験をいたし、今もその余波にあえいでおります。昨年夏以来の一連の証券・金融不祥事は、我が国証券・金融市場に対する内外の信頼を損なったものであり、まことに遺憾なことでありました。このような不祥事を機に、我が国の証券市場は、ニューヨーク市場の活気とは裏腹に未曾有の軟調かつ低調な状態を続けております。このバブル経済の崩壊は今でも一般経済にまで影響を及ぼし、日本経済の現状を眺めてみた場合に、一部の住宅建設には回復の兆しか見られる一方、設備投資は伸びが鈍化し生産は停滞しているなど、我が国経済は依然として調整過程にあります。
 だが、バブル経済の反省は十分になされました。今こそ日本経済は、その繁栄の上に新しい希望と充実の時代へと力強く進んでいかなければなりません。豊かな国づくり、国民生活づくりと国際的な貢献の輪を積極的に推進していかなければならないと考えるものであります。その持続的な安定成長に向けて、金融・証券的にもここできちんとバブル時代の体質改善と構造改革を急ぎ、新しい時代に即した健全で発展的な金融・証券システムを構築することこそ目下の急務であります。この意味で、今回の金融、証券二法案は極めて歴史的な法案であります。
 我が国は今、バブルの苦しい調整の中で、一日も早く証券市場が内外ともに信頼性を回復し、同時に、金融面においても国際化と自由化をより一層進めなければならないという、つまり、金融・証券的に三つの課題が同時に重なり合っているという難しい局面にあるわけであります。
 私は、この金融・証券二法案が証券・金融改革に有効に機能することを切に念じまして、以下、順に御質問をしてまいりたいと思います。
 まず初めに、大蔵大臣にお伺いをいたします。
 大臣は、今回の金融・証券二法による金融制度、証券取引制度の改革というものが日本にとって歴史的にどのような意味を持っていると考えておられるのか。時代の大きな転換期とも言われる今、その基本的な認識について御見解を伺いたいと思います。
#4
○羽田国務大臣 今委員の方から冒頭にお話がありましたように、まさに一つの歴史的な転換、これは、時代もそうでありますし、また、金融あるいは証券取引につきましてもそういうことが申せるんじゃなかろうかと思っております。特に、日本の金融・証券関係は、専門制あるいは分業制、これを特色として、今日まで日本の経済復興あるいはその後の高度経済成長、こういうものを支え、我が国の経済の発展に大きく貢献してきたものというふうに考えております。
 しかし、その後金融の基調というのは、かつてのいわゆる資金不足、これから資金余剰と言われるような時代へと変化してきております。こういう中にありまして、現行の縦割り制度というものが、金融・資本市場の著しく発展した現在では、むしろ既得権益を擁護して資金の効率的配分、これを妨げる可能性というものが大きくなっているんじゃなかろうかというふうに考えます。
 今回の金融制度及び証券取引制度の改革は、こうした歴史的な認識のもとに、現行の縦割りの金融制度を見直して、金融・資本市場における有効かつ適正な競争を促進することによって市場の効率化を図り、ひいては、国民経済の安定、発展を図っていくものになるであろう、まさに歴史的な一つのものであろうというふうに認識をいたしております。
#5
○柳本委員 次に、今回の金融・証券二法によりまして実現しようとしている金融・証券市場の新しい姿というものはいかなるものであるのか。続いて、今回の金融・証券二法には、昨年の夏以来の金融・証券に関します。一連の不祥事に対する反省がいかなる形で生かされていると言えるのか。
 大蔵大臣の御見解を伺いたい。
#6
○羽田国務大臣 まず第一の、金融・証券市場がどのような姿になるのかという点についてでございますけれども、今回の二法案は、我が国の金融・資本市場におきます有効かつ適正な競争、これを促進をいたしますとともに、公正な取引を確保することによりまして、一つとして、金融自由化への対応ですとかあるいは国際化への対応、そして信頼の回復という、金融・証券をめぐる課題にこたえるものとなっておるというふうに考えます。この二法案に基づきます制度改革によりまして、先ほど申し上げましたように専門制、分業制、これに基づきますところの業態間の垣根というものが実質的に低くなろうというふうに考えます。我が国金融・資本市場は、一層公正かつ効率的なものにこういった措置によってなろうというふうに私どもは予測をいたしております。これによりまして、内外の利用者のニーズに対応した多様な金融商品・サービスの提供が可能となるだけじゃなくて、先ほど申し上げましたように、国民経済の安定的な発展というものを期することができるであろうということを期待いたしております。
 なお二点目の、一連の不祥事について反省がどのように反映しているのかという御指摘の点でありますけれども、不祥事の原因といたしましては、いわゆる金融・資本市場におきますところの適正な競争の欠如、あるいは金融機関の自己責任意識、あるいは内部管理、これが不十分であったというふうに思われます。また、もう一点は、取引の公正の確保にかかわる法令等の遵守の状況を監視する機能というものが十分でなかったんじゃないのかということも指摘されると思います。そういうことを考えまして、この法律案におきましては、業態間の相互乗り入れを図りまして適切な競争をしていくということ、あるいは自己資本比率規制の根拠規定の新設ですとか、あるいはディスクロージャー規定の整備なんかによりまして、金融機関の自主規制と自己責任、これを尊重して経営の健全化を図っていくということがうたわれております。
 それから、証券取引等の監視委員会を設置するほか、証券業協会などの自主規制機関、これの機能の強化、これを図ることができるようにするなど、こういった一連の問題が不祥事の反省という中からこの法律の中に反映されておるものであるということを申し上げることができると思います。
#7
○柳本委員 次に、証券、金融それぞれから、個別にお尋ねをしてまいりたいと思います。
 まず、現在の証券市場について、二、三お尋ねをいたします。
 まず、現在の株価というものをどのように見ておられるのか。日本経済のファンダメンタルズ等、実体経済に照らしてみまして現在の株価は低過ぎるんじゃないかと考えておりますけれども、大蔵省は適正な株価水準は幾らぐらいと考えておられますか、お伺いをいたします。
#8
○羽田国務大臣 確かに、本年に入りましても我が国の株式市場というのは軟調に推移しておるということでありまして、特に四月の九日には一万六千五百九十八円と最安値、これをつけておるところでございました。その後も依然として見送り気分というのが強い中であったわけでありますけれども、一万七千円台を挟みまして一進一退、これがずっと続いておりました。ただ、五月に入りましてから、海外株式市場の堅調ですとか、あるいは円高基調、また債券高などの外部環境の落ちつきですとか、あるいは景気の底入れ観、こういったものが経済指標によりまして出始めておるというようなことから、買いの意欲というものが最近では強まっておりまして、一時期はもう売買がおよそ二億を割るようなこともあったのじゃなかろうかと思っておりますけれども、最近では四億株前後というふうに増加して、昨日は、たしか四億五千万ほどあったのじゃなかろうかと思っております。そして、株価も一カ月ぶりに一万八千円台、これを回復するような堅調な動きとなっておるということを申し上げることができると思います。
 ただ、やはり株価というのは市場の需給というものを反映しながら決定されていくものでございまして、適正な株価水準について大蔵省でどうこうということについては、これはひとつ遠慮をさせていただきたいということをお許しをいただきたいと思います。
#9
○柳本委員 相場は相場に聞けという格言があるわけでございますけれども、ここら辺にいたしまして、株価の低迷の原因の一つとして、端的にNTT株の低迷が一般投資家の証券市場に対する信頼を失わせたことがあると思います。そこで、このNTT株の推移というものを大蔵省はどのように考えているのか、さらに国民感情を考えれば、例えば株式分割など何らかのNTT株価対策を講じるべしとの声もありますけれども、あわせて御見解をお伺いをいたします。
#10
○寺村政府委員 NTTの株価の過去の推移についてのお尋ねでございますけれども、具体的に株価を定める。いろいろな要因がございますので、売却当事者として、どういう要因がということは発言を差し控えさせていただきたいと思いますが、市場関係者で言われているいろいろなことにつきまして一応御説明させていただきます。
 一つは、六十三年夏以降に表面化しましたリクルート事件の影響による企業イメージの悪化という問題がございます。もう一つは、平成元年秋以降のNTTのあり方問題、いわゆる分割論議をめぐって不透明感が生じたこと、それから最近に至りまして、市外通話新規参入業者との競争激化によります市外通話のシェアの低下によるNTTの業績の低迷、こういったことがNTTの固有の要因として指摘されているところでございます。
 それから一方、NTT株価は六十二年の二月に上場をいたしまして、同年の四月に最高値三百十八万円をつけました以降、低下傾向をたどっているわけでございますが、この間に、先ほど申しましたいろいろな個別の事情が出てきたことも事実でございますが、同時に、証券会社、信託銀行、東京電力、東京ガスあるいはKDDといったいわゆる大型株とか金利敏感株と言われておりました銘柄も、いずれもちょうどこの四月にNTTと同時に最高値をつけまして以降、現在に至るまでNTTとほぼ同じような低下傾向をたどっているという、そういう市場の要因もあるのではないかと思われます。
 以上が、NTTの株価の推移についての市場で言われておりますことの御説明でございます。
 それから、NTTの株主還元策等についてのお尋ねでございますが、投資意欲を向上させるために、NTTに対し、株主への利益還元策を行うべきではないかという声がございます。当省としても、政府保有株式の売却当事者としての立場から、NTT株の魅力向上策については関心を有しているところでございます。この問題は、基本的にはNTTがその経営状況にかんがみ、自主的に判断すべき事項であるということは言うまでもございませんが、NTTが株主への利益還元策を実施されるということでございますと、政府としても、平成二年三月の政府措置の趣旨にかんがみ、こうしたNTTの意向は十分配意すべきではあると考えておるところでございます。
#11
○柳本委員 株価の低迷に関しまして、先物市場が現物市場の伸びをとめている、いわゆる先物取引との関連が指摘もされておりますけれども、今回の法改正と同時に、例えば先物取引等のもう一段のディスクロージャー化を図るなど、現行の市場システムの問題点も早急に改革、整備する必要があると思いますけれども、この先物取引の規制についてどのように考えておられますか。
#12
○松野(允)政府委員 いわゆる先物、特に株価指数先物取引でございますが、これはもともと株価変動に対するリスク管理のニーズということで、それに対応して昭和六十三年に導入されているわけでございます。そのニーズが非常に高くて、非常に取引量がどんどんふえてまいっております。一方、現物市場の方は非常に低迷をきわめておりまして、一時は先物取引の取引高が現物市場の取引高の十倍を超えるというような、非常に極端に両市場のバランスが崩れるような状況が見られたわけでございます。そういうような状況の中で、両市場を利用したいわゆる裁定取引というのが活発に行われまして、その結果、現物の株式市場ということから見ますと、個々の株式の個々の銘柄の値動きというものが必ずしも個々の銘柄の事情によって動かない、非常に先物取引によって引きずられて動くというようなことで、株式市場への個人投資家の参入を非常に妨げるというような指摘もなされたわけでございます。
 そういったことを踏まえまして、私どももこの先物市場と現物市場のバランスを回復するということが必要だということで、現物市場が拡大をすればそれが一番いいわけでございますが、なかなかそれが望めないという状況のもとで、先物市場の取引規模をある程度抑えるという政策をとってまいっております。例えば、先物取引に係る証拠金を引き上げるあるいは手数料を引き上げる、あるいは御指摘がございましたディスクロージャーを充実するというようなことで、いろいろな手段、措置をとってまいったわけでございます。その結果、最近は先物市場の規模は現物市場の二倍強ぐらいまでバランスが回復してまいっております。アメリカ並みというふうにおおよそ言えると思います。
 ただ、いずれにいたしましても、この先物市場につきましては、株価指数先物について、特にその商品の問題、日経二二五平均というものがどうかとかいうようないろいろな問題が指摘をされておりまして、現在大阪証券取引所と東京証券取引所でいろいろと協議をし、大阪証券取引所においては、商品性のあり方も含めて研究会が発足されております。私どもも、今申し上げたように、一連の措置をとりましたことによって、少なくとも現時点では、先物市場が現物市場に悪影響を及ぼすというようなことは大分緩和されてなくなってきているというふうに考えるわけでございますけれども、やはり基本的な問題というものも今申し上げたようにあるわけでございまして、関係証券取引所の検討の進捗を期待をしているわけでございますし、また御指摘がありましたディスクロージャーの充実につきましても、さらに一層検討をしたいというふうに考えているわけでございます。
#13
○柳本委員 現在、世界経済の牽引力とも期待されております日本の株式市場が、海外市場に比べても極端に低迷しているわけでありますけれども、この株価低迷の脱国策というものはどのようなものなのか、具体的な見解がありましたらお伺いをいたします。
#14
○松野(允)政府委員 株式市場の低迷に対する具体的な対策でございますが、これはやはり今低迷している原因をどういうふうに分析するかということにかかわっているわけでございまして、私どもの考え方では、やはり何といいましても、一つは昨年来のいろいろな不祥事による証券業界あるいは証券市場に対する信頼、特に個人投資家の信頼が失われたのがまだ回復してないというような問題、あるいは昭和六十二年度から平成元年度にかけて行われました大量のエクイティーファイナンス、株式を利用した資金調達というものが需給関係に影響を与えているという問題、その中で株式の投資魅力が非常に低下をしております。これは配当が非常に少ないというような問題もございます。そういうものに加えまして一企業業績の悪化というようなものがあるわけでございます。
 そういった原因につきまして、まず一つは、信頼回復のための措置を考える必要がある。そのためには証券会社の営業姿勢あるいは投資勧誘方法を適正にするということが何よりも必要なわけでございます。あわせまして、昨年度証券取引法を改正していただきまして、損失補てん等を禁止すうど小うことで、それを本年一月から施行しております。それから、あわせて今回お願いしております証券市場の取引の公正性あるいは透明性を確保するというようなための一連の所要の法律改正ということも信頼回復のための一つの措置であるというふうに考えるわけでございます。
 また、大量のエクイティーファイナンスによる需給の崩れにつきましては、現在エクイティーファイナンスは事実上とまっております。それに加えて投資信託などによる需給バランスの回復というようなことも考えているわけでございますし、投資魅力につきましては、これは企業の配当政策の見直しというようなことを要請をして、新たな利益配分ルールというものを証券業協会で策定をしたところでございます。あわせまして、三月末に緊急経済対策が行われまして、経済対策ということで公定歩合の引き下げというものも行われたわけでございます。
 こういったようなことで、いろいろな措置、なかなか効果が上がるのには時間がかかる面もございますが、先ほど大臣からも申し上げましたように、五月に入りまして株式市場は一時に比べるとやや明るさを取り戻し、かつ取引高もふえているという状況にあるわけでございまして、さらにこの経済の先行きに一層の明るさが出てまいりますと、今申し上げたような一連の措置と相まって株式市場にも好ましい影響を与えるのではないかというふうに期待をしておりますし、またいろいろな諸施策を着実に実施をしていくということが株式市場低迷に対する具体的な方策であるというふうに考えているわけでございます。
#15
○柳本委員 昨年の一連の証券・金融不祥事を契機に、証券・金融行政のあり方、特に証券会社と証券市場に対する検査・監視体制のあり方が大きな議論の対象となりましたが、今回政府の提出した検査・監視体制の見直しの基本的な考え方はどのようなものなのか、お伺いをいたします。
#16
○小川政府委員 今回の法案におきまして証券取引等監視委員会の設置を含む体制の見直しをお願いいたしております。その基本となる考え方といたしましては、まず証券取引につきまして、基本的にこれが市場において多数の参加者を得てルールにのっとって価格形成が行われる取引である、こういった点から、何よりもこうした市場ルールが遵守されるということが極めて重要であるというふうに考えられるわけでございます。昨年来の国会におけるさまざまの御審議あるいは行革審の答申その他の御批判というのは、このような市場ルールの遵守といった基本的な原則がきちっと守られていないのではないか、またそうしたチェックの体制が適切でないのではないかという御批判でございまして、その中には、特に証券行政が、市場参加者として重要な一翼を担う証券業者を監督する一方でこうしたルールの遵守状況を判定するということが市場の公正という観点から見て問題があるのではないかということであったと存じます。行革審答申は、そこのところを端的に指摘をされ、新しい委員会の設置を提言されたものだと心得ております。
 私どもは本来、証券会社の検査を含めまして、行政が行う検査というのは行政上の監督責任を全うする手段であるということから、監督行政と検査というものは表裏一体のものであるというふうに考えておりますが、ただいま申し上げたような御批判を受けとめまして、異例ではございますけれども、大蔵大臣のもとに、こうした市場ルールの遵守状況を検査・監視するための委員会を新たに設け、この委員会について行政部門からの独立性、中立性を保つということを眼目にいたしまして、改革案を御審議をお願いをしている次第でございます。
#17
○柳本委員 次に、政府が提案しております証券取引等監視委員会についてお伺いをいたします。
 まず、この委員会は、具体的にどのような組織でどのような事務を行うのか、具体的にお伺いいたします。
#18
○小川政府委員 委員会の組織でございますが、委員会は、委員長を含めて三名で構成することといたしております。委員会の事務を処理させるために専属の事務局を置くことにいたしておりますが、事務局には事務局長と次長というものを置くほか、証券会社に対する立入検査を行う課及び強制調査を行う課と二課を設けることを予定いたしております。 そこで、この委員会の所掌事務といたしましては、大きくは、まず一つ、取引の公正の確保を図るために、証券取引に係る犯則事件の調査、第二に、証券取引に係る諸規制の遵守状況についての証券業者への検査といった、調査、検査が主要な業務でございます。
 そして、こうした調査、検査の結果、必要がある場合には、犯則事件ありという場合には告発を行いますし、また行政処分等を必要とすると考える場合には大蔵大臣に勧告を行う、そういった事務を所掌することを予定いたしております。
#19
○柳本委員 この証券取引等監視委員会はいわゆる八条委員会ということでありますけれども、一方で、公取のような三条委員会もあります。
 そこで、この八条委員会と三条委員会の相違点ほどのようなものか、またなぜ証券取引等監視委員会を八条委員会にしたのでありますか、お伺いいたします。
#20
○小川政府委員 一般的に、国家行政組織法上の、法律の第三条に基づく委員会と第八条に基づく委員会との大きな差異といたしましては、三条に基づく委員会は行政権のほかに準立法権などを有し、何らかの形でみずから国家意思を決定あるいは表示する権限を有している点にあるというふうにされております。
 ところで、今回の証券取引等監視委員会について考えてみますと、この委員会の調査、検査事務が有効に機能するためには、行政部門との日々の密接な情報交換あるいは連絡調整を図るということが何よりも欠くべからざることでございますし、また他方において、こうした委員会の職務の性格を考えますと、委員会から行政部門にその調査結果を渡す、あるいはその情報を提供するという、そちら側からの連絡調整というのも大変重要でございます。そうした相互の連絡調整あるいは情報交換の重要性といったようなことからいたしますと、この委員会を、三条委員会としてではなくて、大蔵大臣のもとに、いわゆる第八条に基づく委員会として設置させていただくというのが適当であると考えた次第でございます。
#21
○柳本委員 次に、今回の証券取引等監視委員会とアメリカのSEC、証券取引委員会との相違点は、どういうところがあるのですか。
#22
○小川政府委員 我が国と米国では、例えば行政制度が我が国は議院内閣制をとっている、アメリカは大統領制をとっているとか、さらに、とりわけ司法制度についてもさまざまの相違がございますので、委員会とSECというものを比較することはなかなか困難でございます。
 ただ、私どもの承知する限りで幾つかの類似点、相違点を御説明させていただきますと、まず行政機能についてでございます。
 今度の監視委員会は、先ほど申し上げましたように検査あるいは調査ということを行うわけでございまして、別途証券局が証券行政を預かるわけでございますから、みずからそのような行政を行うわけではございません。SECの場合には、証券取引が公正に行われているかどうかという検査・監視を行うほか、証券業者に対する監督であるとか、あるいは証券に関する政策の企画立案も行っているということでございます。
 それでは検査あるいは監視機能についてはどうかと申しますと、当方の委員会につきましては、行政処分権は有しないものの、先ほど申し上げましたように、犯則事件についての調査あるいは告発ということが行えるわけでございますし、また証券業者につきまして、ルールの遵守状況についての検査また必要に応じて勧告を行う、そして大蔵大臣はこの勧告を尊重するということになっておりますので、証券取引の監視という機能から見ますと、SECと委員会は大きな差はないのではないかというふうに考えるわけでございます。
 次に、組織の点におきましては、SECはアメリカに多数ございます行政委員会の一つとして置かれております。これに対して、我が国は、大蔵大臣のもとに八条委員会として置かれているわけでございますが、委員長あるいは委員につきましては、SECと同じように我が国でも両院の同意を得て任命する、また職権の行使については、今度の法律上、独立して行使をするということが規定されているわけでございます。そのほか、調査の手法、強制調査の手法といったところは、アメリカの司法制度と日本の違いといったようなところはございますけれども、その実効性という意味におきましてはSECに今度の委員会は類似するところがあるというふうに考えております。
#23
○柳本委員 今回提案されております証券取引等監視委員会は大蔵大臣の管轄下に置かれており、委員会の独立性が保たれないとの指摘があります。この点、委員会の独立性は制度上十分に確保されているのかどうか、お伺いいたします。
#24
○小川政府委員 御指摘の、委員会の独立性は今回の改革の中の一つの最も大きな眼目でございます。
 まず、その独立性につきましては、何よりも合議制という組織体を委員会が持っているということ、これがこの委員会の独立性を考える上で最も大きなポイントであろうかと思います。さらに、構成員である委員長及び委員につきましては、先ほど申し上げましたように、任命に当たって両院の同意を得ることになっておりますし、また、これらの委員長、委員は、職権を行使するに当たって、独立してこれを行うということを法定しているわけでございます。さらに、具体的な調査、検査を行ったその結果に基づきましてみずから告発をする、あるいは行政処分の勧告を大蔵大臣に対して行うことができるようになっております。その上、大蔵大臣は、この勧告を受けたときにはこれを尊重する、そしてその結果を委員会に報告するという形になっているわけでございます。透明性という観点から見ても、こうした組織あるいは人事あるいは職務の執行といった観点で、委員会の独立性に配慮が十分になされているというふうに考えているわけでございます。
#25
○柳本委員 次に、今回の証券取引等監視委員会の設置は制度的には規制強化でもあるわけでありますが、この規制強化によって株価の一層の低迷のおそれはないのか。また、金融制度的に、規制緩和の中での委員会の設置という規制強化と、それに伴う人員の増加策は逆行しているとの指摘もあるところでございます。この点についての所見をお伺いいたします。
#26
○松野(允)政府委員 この株価の低迷、株式市場の低迷の原因につきましては、先ほどお答え申し上げましたようないろいろな事情がございます。
その中に、やはり大きな問題としては、証券業界あるいは証券市場に対する信頼が失われて回復していないという問題があるわけでございます。
 私どもは、監視委員会の設置というのは、この株式市場におきます取引がより公正に行われるということを目的としたものでございまして、そういう取引の公正さというものが十分確保されるということになりますと、今申し上げましたような失われた市場に対する信頼を回復するという意味でも非常に好ましい影響があるというふうに考えるわけでございます。もちろん、株式市場低迷の原因にはほかにもいろいろございますけれども、少なくとも市場の取引の公正を確保するということが市場の低迷を脱するためにやはり一番必要なことではないかというふうに私どもは考えております。
 したがいまして、今回の証券取引等監視委員会の設置というのは株式市場にとって非常に好ましい影響を与え、市場の健全な発展を確保するものであるというふうに考えるわけでございます。
#27
○柳本委員 次に、自主規制機関の機能強化についてお伺いをいたします。
 今回の法案においては、証券業協会、証券取引所という自主規制機関について、その機能強化を図るための規定が盛り込まれておりますけれども、この自主規制機関の機能強化につきまして、大蔵大臣の御見解をお伺いいたします。
#28
○羽田国務大臣 お答え申し上げます。
 自主規制機関の機能の強化につきましては、昨年の九月の、行革審、あるいは十月の国会決議、そして本年一月の証取審報告におきまして、証券取引等は高度の専門性を有し、また状況の変化に弾力的に対応する必要がある等の特性を持っており、証券市場等の規制については、市場関係者による自主的な取り組みが行われることが望ましく、自主規制機関の機能強化を図る必要がある旨、この御。指摘があったところでございます。
 私どもといたしましては、こうした指摘を踏まえまして、今回の法律改正におきましては、自主規制機関の機能強化を図る観点から、現在、民法上の社団法人になっております証券業協会を証券取引法上の法人とすることによりまして証券業協会の自主規制機関としての位置づけを明確にすることといたしましたと同時に、外務員の登録事務などを証券業協会に行わせることにいたしまして、所要の規定の整備を図ったということでございます。
#29
○柳本委員 以上で証券関係の質問を終わり、次に金融制度改革面からお尋ねしてまいります。
 まず初めに、今回の金融制度改革が実現すれば国民生活にどのようなメリットがあるのか。あわせて、金融の国際化という観点から、今回の法律案に盛られた我が国の金融制度改革とはいかなる意義を持つものなのか、お伺いをいたします。
#30
○土田政府委員 まず国民生活に与える影響についてのお尋ねでございますが、このたびの制度改革案は、金融制度調査会及び証券取引審議会におきまして長期間にわたり消費者を初めとする利用者の立場、投資者の保護、それを主眼として審議がなされまして取りまとめられた答申、報告書を踏まえたものでございます。
 これが実施されることによりまして私どもが期待しておりますのは、具体的にはまず金融機関及び証券会社が、多様で良質な金融商品の提供とか各種の手数料の引き下げとかのサービス面の向上が可能となるであろうということ、これが一つでございます。また、利用者にとりましては、自己のニーズに合いました金融機関及び証券会社を選択することができ、地方の住民、中小企業、農林漁業者等にとっても金融サービスが享受できることになると考えられる、これが一つでございます。そしてさらに、金融資本市場の全体としての効率化を通じまして国民経済全体の効率化が図られる、その面からも国民生活について大きなプラスになると考えております。
 また次に、国際性の観点でございますが、御高承のように、情報通信技術の発達などによりまして世界各国の金融・資本市場の一体化が急速に進んでおります。そこで、当然それぞれの諸外国では、自分の市場を内外の利用者に対して一層使いやすいものにするためにそれぞれ制度改革を行っているわけでございます。我が国の市場も、今や世界の主要金融センターに数えられる存在になりましたので、その責務を果たしていくためには国際的に調和のとれた金融制度及び証券取引制度を構築していく必要があると考えております。このたびの金融制度改革が実施されますことによって我が国の金融・資本市場が競争促進的な市場となり、諸外国の制度と調和のとれたものとなるということを期待しておるわけでございます。
#31
○柳本委員 次に、金融業務の自由化の観点から伺いたいと思います。
 今回の法案には金融業務の自由化のための方策が盛り込まれておりますが、こうした金融の自由化の進展によって金融システムの安定性を損ねるといった事態は起こらないのか、お伺いをいたします。
 また、これとの関連で金融機関のディスクロージャーの充実が求められておりますが、新聞等で報じられている金融制度調査会の作業部会での検討はいつごろ開始されるのか、また検討のテーマはどのようなものなのか、あわせてお伺いをいたします。
#32
○土田政府委員 このたびの改革案によつまして業務の自由化が一層進展することになると思うわけでございます。そこで、このような業務の自由化、業務の多様化が講じられることにりまして、各金融機関が経営上の創意工夫を発揮する、それからみずからの特性を生かして金融環境の変化に対応した業務を展開するということが可能になると考えております。これはやはり一面ではいろいろな新たなリスクを負うことになるという面もございますけれども、適切な業務管理を行うことによりましてむしろ各種リスクの分散が可能となるという面もあると考えております。
 その際に、特に大きな着眼点と申しますか、それは、ただいま委員御指摘がありましたようなディスクロージャーの問題でございまして、法令によりまして他方で自己資本比率規制などの健全経営を担保しますと同時に、それぞれの金融機関が進んで経営内容を開示するということが大事になると思います。
 そこで、このディスクロージャーに関する金融制度調査会の検討でございますが、ここにつきましてはいろいろの技術的問題、専門的問題、検討を要する点も少なくございませんので、金融制度調査会にディスクロージャーに関する作業部会を設けて専門的な立場から検討を進めていただきたい、そして開示内容の一層の充実を図っていく方途を見出したいと考えております。
 ただいまお尋ねのスケジュールでございますが、この作業部会は第一回会合を六月五日に開催する予定でございます。また、検討のテーマとしては当面、利用者にわかりやすいディスクロージャーのあり方などをお願いしたいと考えております。
#33
○柳本委員 次に、今回の金融制度改革は、地域及び地域経済の活性化にも貢献するところ大なるものがあると聞いております。それはどのようなことであるのか、その内容について、また中小企業との関連においてお伺いをいたします。
#34
○土田政府委員 今回の改革案を作成するに当たりまして、地域住民、地域社会のニーズに対応するということも一つの重点としていろいろ検討したわけでございますが、この観点から申しますと協同組織金融機関、具体的には例えば信用組合などが公共債の窓販を行うことが可能となるように規定を整備いたしますとか、協同組織金融機関による外国為替業務や社債等の受託業務などの新たな業務に関する規定を設けたいというふうに考えております。また、地域の金融機関、これは地方銀行以下各種ございますが、そのような金融機関が駅前開発などの都市開発に信託のスキームによりまして参画できますように土地信託などの信託業務に関する規定を設けたいというようなことも考えておるわけでございます。このような地域金融機関の業務範囲の拡大によりまして地域住民、中小企業、農林漁業者等に対する金融サービスの均てんとか地域間格差の是正などに対する地域金融面からの貢献とかを通じまして地域の活性化に資するものであろうと考えております。
 同時に、地域の活性化を論じますときに、中小企業金融の円滑化というのはやはり非常に重要な一着眼点でございまして、今回の法案では、ただいま申しましたような信用組合などによる外為業務とか信用金庫などによる社債の受託ないしは私募の取り扱いなどを可能にする措置を織り込んでおるわけでございます。このようなことで、地域金融機関が中小企業の資金調達にきめ細かく対応することが可能になるというふうに考えておるわけでございます。
#35
○柳本委員 次に、今回の金融制度改革によっていわゆる子会社方式による相互参入を促進させることで証券と銀行など業態間の垣根を低くすることに大きなねらいがあるとも聞いております。この点につきまして大蔵大臣の御見解をお伺いいた、します。
#36
○羽田国務大臣 ただいま御指摘がありましたように、まさに垣根を低くするということでございまして、これによりまして金融と資本市場におきますところの有効かつ適正な競争を促進いたしまして市場の効率化、活性化を図るとともに、より多様で良質な金融・商品サービスの利用者への提供を可能とすることにあろうと思っております。業態別の子会社方式はそのための手段の一つでございまして、金融秩序の維持及び投資者保護の徹底を図りつつ改革の目的を達成する、こういう観点からこの方式を採用したということを申し上げることができると思います。
#37
○柳本委員 今回の金融制度改革との関連でノンバンクの問題について二、三お尋ねをいたします。
 今回の金融制度改革に当たっては、いわゆるノンバンクについては全く手がついていないようでありますけれども、近年ノンバンクの我が国金融システムに果たす役割の重要性は質量ともに高まっているにもかかわらず、今回の金融制度改革の枠外にあるのはいかがなものか、大蔵大臣の御見解をお伺いいたします。
#38
○羽田国務大臣 今御指摘がありましたように、ノンバンクというのは量的にも大変拡大したというようなことでございまして、まさに社会的な存在というのは非常に大きくなっておろうと思っております。その結果、ノンバンクが担う資金の仲介機能のあり方ですとかノンバンクの経営問題は金融システムの安定及び健全な発展を図る上で大変重要なものになっておるということであります。
 私どもは貸金業規制法の所管官庁でございますけれども、ノンバンクに対しましては銀行等に対するような一般的な指導監督を行う権限は認められておりません。しかしながら、今申し上げましたような認識を踏まえまして、昨年議員立法によって改正をされました貸金業規制法のもとでノンバンクの自主的な協力を前提にできる限りの実態把握に努めておるところでございます。
 いずれにいたしましても、ノンバンクの指導のあり方につきましては、議員立法でこれを進めていただいたということもございますので、立法府の御議論というものを十分踏まえつつ、私どもといたしまして検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#39
○柳本委員 時間がありませんので、簡潔に御回答をお願いいたします。
 ノンバンクの融資実態についてお尋ねいたします。
 ノンバンクの不良債権はどの程度あるのか。それから、不良債権の増大によって経営上問題が発生しているノンバンクが多いと聞いておりますけれども、どのように対応していくのか、お伺いいたします。
#40
○土田政府委員 私どもはノンバンクから直接に計数をとる方法は甚だ限られており、また権限も限られておるわけでございますが、ノンバンク上位三百社に対するアンケート調査によりますと、一カ月以上の延滞債権が二〇%あるノンバンクが全体の約三割であるというような結果が出てまいりました。
 そこで、一般的に、いわゆるバブルの崩壊に伴いまして不良債権が増大し経営上問題が発生しているノンバンクがあるということは承知しております。これらにつきましては、関係の金融機関の協力を得た上でそれぞれのノンバンクが経営の再建に向けての努力をしていくものと考えておりまして、このような努力によりまして、ノンバンクの経営破綻、ひいてはそれが金融システムに悪影響を及ぼすというようなことが回避されることを期待しておるわけでございます。
#41
○柳本委員 最後に御質問いたします。
 今回の金融制度改革との関連で、特に金融機関の中小企業向け融資についてお尋ねをいたします。
 今回のバブル崩壊とともに、金融機関の融資姿勢は抑制的になっており、特に中小企業向け融資が細っているとの声を聞いております。その実態はどうなのか。そして、現在のバブル崩壊現象の陰で、健全な生産活動に汗水を流している中小企業まで金融機関から融資が受けられないとすれば大問題であると考えます。中小企業に対する金融の円滑化に配慮するよう金融機関を指導できないものかどうか。そして、あわせて中小企業への融資については国民金融公庫や中小企業金融公庫といった政府系金融機関は民間を補完してその円滑化に努めるべきであると思いますけれども、以上の件につきましてお伺いをいたします。
#42
○土田政府委員 先ほど地域金融機関の業務の多様化についていろいろ工夫をしておると申し上げたわけでございますが、御高承のとおり昨今中小企業向けの融資は、銀行から中小金融機関に至るまで融資全体の中に占める残高が着実に上昇しており、そこで、中小企業向け融資について従来から積極的に取り組んでいるということが全体としては申せると思うのでございます。
 ただ、そこで最近の景気動向との関係ということでございますが、これは一部の金融機関からヒアリングをした結果などによりますと、一面では中小企業が借り入れ抑制傾向を強めているということはあろうかと思われます。ただ、金融機関側といたしましては、主力の中小企業との金融取引を非常に重視しておるということは間違いございませんし、それからまた最近の日本銀行の短観とか各種の中小企業景況調査にょりましても、特に借りにくいというようなアンケートがふえているという感じではございません。
 しかし、中小企業に対する金融の円滑化は非常に重要な問題でございますので、先般も緊急経済対策の中で、中小企業金融対策として民間金融についても中小企業金融の円滑化について配慮するよう要請するとされたところでございます。また、これを受けまして、私どもは、全銀協等の各金融団体に対してその旨の周知徹底方を図るように求めたところでございます。さらに、御指摘のように国民金融公庫、中小企業金融公庫などの政府系金融機関が、民間を補完するという形でございますが、必要な資金を中小企業に供給するということはやはり非常に重要な問題でございまして、昨今、国民公庫等に対する資金の需要がかなり強いと聞いておるわけでもございますが、今後ともそのような政府系の金融機関をも含めまして、中小企業者に対する金融の円滑化について適切に配慮してまいりたい、これは非常に大事な課題であると私どもは考えております。
#43
○柳本委員 以上で終わります。
#44
○太田委員長 池田元久君。
#45
○池田(元)委員 法案の質問に入る前に、昨日も同僚議員が本会議で指摘いたしましたが、法案のミスについて一言申し上げたいと思います。
 この二法案にはミスが、つまり誤って記載された部分が合わせて二十二カ所もございます。前例のない多さでございます。訂正の仕方にも問題があったことは、昨日も指摘されたとおりでございます。官僚の皆さんは優秀だと言われておりますが、こうした多数のミスが再び起きないように注意していただきたいということを冒頭申し述べておきたいと思います。
 さて、本日は証券取引。法の改正案を中心に質問をいたしたいと思います。本来は日本の証券市場のあり方ですから、しかも大蔵省は、後で述べますが、当事者の一人でございますから、内閣の問題として内閣に対して質問するのがまず出発点として当然あろうかと思いますが、いろいろ都合もございましてこういうことになりました。羽田大蔵大臣も国務大臣として答弁していただきたい、このようにお願いしておきたいと思います。
 まず現状認識からでございますが、不祥事が発生した日本の証券取引市場の現状と問題点についてどのように認識しておるか。事務当局で結構でございます、簡単に答えをお願いいたしたいと思います。
#46
○松野(允)政府委員 一連の不祥事が発生をいたしまして、その再発防止に取り組んでいるわけでございますが、現在のそういう不祥事が発生いたしました証券市場、特に株式市場を中心といたします市場の問題点といたしましては、私どもとしては、その仲介業者であります証券会社というものの営業姿勢の問題、あるいは、ひいては暴力団問題にも見られますモラルの問題、あるいは特に法人営業でいろいろな問題が起こっております。その場合にはやはり法人との関係、さらには法人自身の株式投資に対するいわゆる自己責任原則の認識の欠如というようなものも見られるわけでございまして、現在の証券市場を取り巻く問題、非常にそういう意味では証券会社の仲介業者としての一つの自覚といいますか、それに欠けていたという点があるわけでございます。
 これにつきましては、もちろん私どもも免許制のもとで免許業者として監督をしてまいったわけでございまして、免許行政に対する御批判というものも私ども深刻に受けとめているわけでございます。
 そういったものについてどうするかということをいろいろと総合的な対策を考えているわけでございますが、問題点というお尋ねでございますので、申し上げたような免許業者としての問題あるいは免許行政としてのいろいろな問題があったということをお答え申し上げることにしたいと思います。
#47
○池田(元)委員 免許行政にいろいろ問題があった、このような答弁でしたけれども、昨年九月の行革審答申では、一連の不祥事の発生は明確なルールのもとでフェアな取引を行うといった基本原則が業界の保護育成的な行政のもとで徹底していなかったあらわれである、このように述べております。そして、今回の不祥事は一過性の事故ではない、これを契機として大蔵省の証券行政と業界の体質が問われている、このようにも述べております。
 これまでの証券行政のあり方について今御答弁がありましたので、次に現在の証券市場にとって何が一番大事かということを一言申したいと思うのですが、一番の大事なポイントは、証券市場というのは言うまでもなく企業にとっては資金を調達する場、それから投資家にとっては資金を提供する場ということです。いずれにしても、市場に参加者がいなければ市場は成り立たない。やはり企業や投資家が参加しやすい市場であることが何よりも必要である。市場参加者、利用者の立場に立つことが何よりも緊要である、このように考えます。そして、このような考えのもとにかどうかわかりませんが、大蔵省の行政は転換する必要があるということも行革審の答申では述べております。行政のあり方についてもう一度答弁をお願いしたいと思います。
#48
○松野(允)政府委員 いろいろな御指摘を行革審あるいはいろいろなところで受けているわけでございます。私どもも、まさに御指摘のように証券市場に参加する資金調達者あるいは資金運用者、提供者というものが安心して参加できるような市場にしなければならないというふうに考えているわけでございまして、そのための一つの最大の問題は、やはり公正で透明な市場をつくるということにあろうかと思います。そのための監視委員会、ルールの監視機能を強化する、あるいは業界自身が自主的にそういうルール、公正な市場を維持するような機能を果たすように期待をしたいというようなこともございますし、さらには免許制のもとにおきましても適正な競争を促進することによってその市場における公正さ、あるいは効率性を維持するということが必要ではないか。そういうような観点から、公正な取引を確保するためのいろいろな諸施策、それから証券市場におきます競争を促進するための新規参入を初めとするいろいろな諸施策、こういうものをやることによって証券市場に対する信頼を回復し、証券市場の健全な発展を確保していきたいというのが基本的な考え方でございます。
#49
○池田(元)委員 行革審の答申でも、業界の保護育成から競争原理の活用、投資家保護の徹底を中心とした行政に改めるべきである、このように述べております。
 羽田大蔵大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#50
○羽田国務大臣 まず、当初に御指摘ありました、私ども歴史的なと申し上げながらもあのようなミスを犯したことにつきましては、心からおわびを申し上げたいと思っております。
 今るる御指摘があったわけでありますけれども、やはり証券市場というのはこの自由主義市場経済の中にあっては最も重要なものであろうというふうに考えておりまして、私どもといたしましても、そういったものの目的を果たすためにも、やはり信頼される市場を確保することが何といっても重要であろうというふうに思っております。そういった意味で、このたびの証券取引法というものが信頼を回復するためのものにするために、ルールをきちんと守れるような体制はつくる必要があろうということで証券取引委員会、これを設置するということで、証券業協会自体もやはり自主規制機関としての所要の整備をする必要があろうということで、そういったものを進めることによりまして公正な市場というものを確保していくことができるであろうと考えておりまして、私どもはそういったつもりでこれからも対応していきたいと思っております。
#51
○池田(元)委員 問題の論議の中心であります新機関についてお尋ねしたいと思います。
 いわゆる検査・監視の機関といいますが、私は、この新しい証券市場行政を担当する機関というのは検査や監視といったそういった活動だけでなく、先ほど申し上げましたが、利用者の利益に立った市場行政全般を担当する機関であるべきだ、このように考えております。
 その前に、この新機関の性格といいますか、それについて若干の質問をしたいと思います。
 いわゆる利益相反について取り上げたいのですが、大蔵省は御存じのように国債を発行したり、国有企業の民営化の際には発行体となって、いわば市場に参加する当事者ですわ。それが市場ルールの審判者ということになると、これはもうだれが見ても利益相反が起こるわけでございます。やはりプレーヤーとアンパイアは別のものであるべきだというのが社会の常識でございますが、その辺どのように考えていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
#52
○小川政府委員 御指摘ございましたように、証券取引におきましてはこの取引に係るルールの遵守ということが市場の公正、公平という観点からまことに重要でございまして、これらの各種のルールにつきましては市場の参加者が、先ほどお話がございましたような資金の調達者あるいは運用者としての立場が政府であるかあるいは民間の企業その他政府以外のものであるかということを問わず、ひとしく適用されるべきものでございます。また、その遵守状況に対する監督に当たっては、その対象によって差をつけることは考えられないわけでございます。お話のありました国債の発行であるとかあるいはその他、国が一般の人々と同じような立場で、例えば国有の株式を市場において売却するといった問題につきましては、これはそれぞれの資本、資金の調達の際あるいは有価証券の市場における売却の際の一般的な取引の手順にのっとって行われているものでございまして、単に大蔵省の中で証券行政が行われているからということで関係者の利害を害することにはならないと存じます。
 したがいまして、御指摘にありましたような利益相反という問題が生ずるとは考えられないわけでございますが、もし万が一そのようなことが問題にされるときには、先ほども申し上げましたように新しい監視委員会は大蔵大臣から独立して調査、検査に当たる機能を有するわけでございますから、その機能を十分に発揮して市場メカニズムを損なうようなルール違反の有無をチェックすることは当然であるというふうに考えております。
#53
○池田(元)委員 先ほども申し上げましたけれども、当事者の大蔵省に利益相反が起こるかどうかと聞くのも、ある意味ではちょっと、ナンセンスとは言いませんが、そういうことで聞いておりますので、そういう意味からいいますと、違った第三者に聞く機会が当然これから出てくると思いますので、その際にもお尋ねしたいと思います。
 要するに、行司が回しを締めるとよく言いますね。この場合は回しをつけた者が行司になる感じではないかということを感じております。こういった利益相反からいって、大蔵省が市場ルールの審判者それからさらには発行体とか、そういった関係で利益相反が起こるということはもう紛れもない事実ではないかと私は考えます。
 次に、投資家にとっていわゆる資本市場、証券市場はますます広がっております。グローバリゼーションというのはもうとうとうたる流れですから、国際的にも広がっている。それから、金融商品の範囲も物すごく広がっているわけですね。大蔵省の管轄範囲を超えていることに注目しなければならないと思います。新しい証券が登場しております。いわゆる資産、金融などのセキュリタイズということが進んでいるわけです。証券化の対象となる不動産やリース債権等は建設、通産などのほかの省の管轄のもとにある、大蔵省だけそういった金融商品を管轄しているわけではないということでございます。この辺の認識を大蔵省に伺いたいと思います。短くお願いします。
#54
○小川政府委員 証券取引法は、投資者間を流通する可能性のある有価証券を対象にしまして、何人をも対象とする不公正取引の規制等による投資家保護を行っているわけでございます。一方、今お話のありました他の省の所管する、通産省あるいは農林水産省の所管するセキュリタイゼーションに伴う新商品につきましては、私どもの承知いたします限りでは、流通性がない、あるいは不特定多数の投資者に広く転々流通することは想定されていないと承知をいたしております。そうした性格のものは、証券取引法で対象にしている転々流通する有価証券の取引ルールあるいは投資家保護ということとはまた別の角度からの規制が行われるものであろうかと思います。
 今回のこの監視委員会は、ただいま申し上げました不特定多数の投資家間で取引が行われるもの、そしてそれに伴いさまざまな取引ルールがあるものの遵守状況を見守る、検査・監視をするという機能を持つものでございます。
#55
○池田(元)委員 確かに株式等の市場は大きい、新しい商品は狭いのが当たり前でございまして、しかし世界的な傾向としてそういったセキュリタイゼーション、これがますます加速する傾向にある。したがって、市場も変化するということは明らかではないでしょうか。
 今、利益相反と市場の広がりという点からお尋ねしましたが、横断的な市場行政機関ができないとすればどういうことになるかといいますと、省庁間の縦割りの壁が市場を分断するおそれがある、このようなことが言われております。縦割り行政の弊害がこういうところにもあらわれるおそれがある。話はちょっと飛びますが、羽田大蔵大臣ですから、私は、大蔵委員会ですからそういうことは余り申したくはないのですが、自民党の政治改革大綱、これは他党のことですけれども、選挙制度の部分以外はかなりよくできていると思っておりますが、その中に縦割り行政の弊害を書いてあります。そういった意味からいっても、大蔵省のもとに新機関を設けるというのは問題がある。
 今申し上げましたように、大蔵省が担当すれば利益相反が起きる、さらには大蔵省が担当している証券だけではないのだ、この二つからいっても、大蔵省にこの新しい機関を統括させるのは大変問題がある。これはだれが見ても明らかではないでしょうか。国務大臣としての羽田大蔵大臣の正確な答弁をお願いしたいと思います。
#56
○羽田国務大臣 確かに御指摘のございますように、今それぞれの分野におきまして新しい商品というものが、昔は考えられなかったような商品というものがたくさん出てきておるということは、私たちも認識しなければいけないと思っております。ただ、今小川さんの方からもお答えをいたしましたように、今度のいわゆる委員会というものが設置されたということは、要するに不特定多数の人たちをということで、一つの商品の特性というものをとらえながらされたものであろうというふうに考えております。
 そういった点で、確かに縦割り行政というものについては考えなければいけない点でありますけれども、ともかく今我々としては、現在起こっておる、起こったような問題に対してもやはり速やかに対応する必要があろうということで、今お話がありましたようなそういった特性に目を向けながら今度のこの法律をつくるということを御理解をいただきたいというふうに思っております。
#57
○池田(元)委員 羽田さんのせっかくの答弁でございますが、プレーヤーとアンパイアが別になるべきだ、それから市場が広がっている、これはだれでもわかる理屈でございまして、そういったことがあるにもかかわらず大蔵省のもとにどうしても置かなければならないという理由はないと思います。その点についてはこれからも述べますけれども、そこは世間の常識というか一般の常識で判断すれば一見明白ではないか、このように考えます。
 大蔵省がよく言われております証券業とか金融業に対する監督行政、いわゆる業者行政についてちょっと取り上げてみたいと思います。
 証券については業者行政というものは必要かどうか、必要とすればなぜ必要か、その辺の基本的な考えを簡潔に答弁していただきたいと思います。
#58
○松野(允)政府委員 証券業といいますのは証券市場におきます仲介業を営んでいるわけでございまして、証券業、証券市場の健全な発展を図るためには、やはり一定の高い信頼を有する者が仲介を行うということが必要ではないか。特に、証券市場は非常にオープンな市場でございます。そこにおける仲介業ということでございますので、やはり公正かつ中立的な立場で行う必要がある。
 日本の場合には、御存じのようにかつて登録制を採用したわけでございますが、その時代には非常に営業基盤、経営基盤の弱体な証券会社が乱立をいたしまして、あるいは廃業に追い込まれるというようなことで、投資家の被害も多発をしたわけでございます。そういったことにかんがみまして、免許制を導入して、免許によって不適格者を排除する、さらに開業後の監督行政を行うということをやってきたわけでございます。
 もちろん、免許制のもとにおきましても競争を促進するということは必要でございまして、新規参入を抑制したりあるいは業界、業者の保護行政へ偏るというようなことになりますと、これはやはり問題でございます。免許行政といえども、競争の促進あるいは取引の公正確保というためにいろいろな施策を講じてまいらなければならないわけでございますが、基本的には、今申し上げましたように証券市場というものの性格、非常にオープンな市場でだれでも参加できるというところで取引の公正を確保しようということを考えますと、登録制で失敗したということから免許制を導入をしているわけでございまして、やはり証券業者に対する監督行政というものが必要であるというふうに考えるわけでございます。
#59
○池田(元)委員 免許行政を続けたり、あるいは多少手直しして行政を存続するという立場からすれば、そういった議論も一部出るかもしれませんが、なぜ本当にそういった業者行政が必要なのか、これはやはり原点に立ち返って考えてみなければならないと思うのです。
 証券取引は直接金融と言われています。この直接金融では、証券が発行され、証券市場にそういった証券が放出されてしまえば、資金の仲介機関であります証券会社がどうなろうとも、市場さえ機能していれば投資家の資金に対するリスクはないわけです。これに対して、銀行が預金者からお金を集めて相対取引で企業に貸し出す間接金融では、資金仲介機関の銀行が倒産しますと預金者の資金が損害を受ける、これは明らかです。銀行経営の健全性は大変重要ですね。信用秩序の点からいっても、間接金融に対する業者行政にはそれなりに存在理由があると私は思います。しかし、直接金融である証券については業者行政は基本的には必要ではないのではないかと私は考えますが、その点のお考えを伺いたいと思います。
#60
○松野(允)政府委員 確かに御指摘のように、証券業と金融業というのは全く違う機能を営んでいるわけでございます。しかし、証券業といいましても、先ほど申し上げましたように、やはり証券市場における仲介業務を行うわけでございまして、その仲介業務が証券市場にありますルールに従って適正に行われているかどうかということが問題になるわけでございます。証券取引法には投資者保護のための措置が幾つかございますが、その中には、大きくは、一つはディスクロージャー、情報提供の問題、もう一つは不正な取引が行われないように取引のルールを決めているというようなことがあるわけでございまして、その適正な市場ルールに従って適正に証券取引行為が行われるということが、証券市場の健全な発展のためには必要不可欠なものだろうと思うわけでございます。
 そういった観点からいいますと、証券業務、仲介業ではございますけれども、証券市場全体の信頼を確保するという観点に立ちますと、やはり証券業に対する監督というものも必要ではないか。国によっては登録制、免許制、いろいろございますが、我が国においては、先ほど申し上げましたような経緯で登録制から免許制になり、その免許制のもとで証券市場の発展を図っていくというような考え方をとってまいっておりますし、その中で必要な免許行政の運用上の改善ということはあろうかと思いますが、基本的な考え方としては、免許制のもとでの監督を図ることによって証券市場を発展させていくという基本的な考え方はやはり必要ではないかというふうに考えるわけでございます。
#61
○池田(元)委員 今証券局長がおっしゃいましたディスクロージャーとか市場ルールの決定とかというのは、それこそ新しい機関がやるべき問題でございまして、そのルールについては自主規制機関でももちろん関与する、そうすれば済む話です。別に業者行政を維持する理由にはならないと私は思っております。今現状、業者行政があるから存続するんだということであれば、これは論理でも何でもないということを申し上げたいと思います。
 きのうから、なぜ大蔵省のもとに新しい監視委員会を置くのかということに対しての説明として、きょうは私に対してはそういった説明がなかったのですが、要するに市場行政での検査結果を業者行政に反映することが必要なんだというようなことを大蔵省はきのうの本会議の答弁でも、きょうの先ほどの答弁でもおっしゃっておりました。
 しかし、この話、ちょっと考えてみればおかしなことはすぐわかると思うのです。市場行政での検査結果を業者行政に反映すると言いますけれども、そもそも証券についての市場行政については、先ほどから申し上げておりますように、基本的なところで根拠が薄い。仮に、当面最低限の業者行政を続けるとしても、それは検査・監視行政と一体化すれば済む話なのです。ですから、事務の連絡調整とかいろいろなことを言っておりますが、原点に返ってといいますか、普通に考えればそれを一緒にやればいいわけですよ。論理でも何でもない、論理の破綻ではないか、厳しく言いますが、そのように考えております。いかがでしょうか。
#62
○松野(允)政府委員 その検査・監視によって得られた情報を行政で使う必要があるということを私ども申し上げているわけでございます。やはりルール違反、検査・監視というのはそのルールが適正にちゃんと守られているかどうかということが中心になるわけでございますが、仮にその検査あるいは監視においてルール違反行為というものがあり、それによって投資家が被害を受けるというような事態が出てきた場合に、一つの考え方としては、そういうものをそれだけで対応していく、そういうものが出た都度対応していくという考え方もあろうかと思います。
 しかし、我が国の場合には、それよりは、そういうものももちろん対応はいたしますけれども、そういうものが再び繰り返されないように予防するということによって、同じような被害が投資家に出ないようにしていくという予防行政というものも必要であろうかというふうに考えるわけでございます。
 アメリカの場合には、御存じのように摘発行政にやや重点が置かれております。しかし、日本の場合には免許制というもとでルール違反というものを見つけるということと、情報を利用することによってそれを予防するという二つの考え方が併存しているわけでございます。
 今御指摘がございました、それじゃ行政と検査・監視とを一緒にやればいいではないかということ、これも一つのお考えだろうと思います。ただ、私ども今度この新しい委員会をつくりましたのは、行政と検査・監視機能が同じところで行われているとどうも検査・監視によって見つかったものが適正に処理されていない、つまり、ルール違反が見つかってもそれに対して適正な処理が行われていないのではないかというような批判があったわけでございまして、そういうものを受けとめまして、ルール違反というようなものについては適正に処理をする。それにはやはり、行政部門から離れたところで独立の検査・監視機能を営む機関をつくり、それの検査・監視の事実を踏まえて行政で対応するというような考え方にしたわけでございます。
 SECは、先ほど御説明申し上げましたように、これは検査・監視・行政を全部やっているわけでございますけれども、アメリカの場合には、先ほど申し上げたように摘発的な行政が行われている。これは登録制ということもございます。日本の場合には、免許制のもとで、やはりルール違反に対応するだけではなくて予防もする、あるいは行政と検査との関係を少し距離を置いて、検査が十分行政に反映できるようにするというふうな考え方を今回とって、そういう新しい委員会をつくるということでお願いをしているわけでございます。
#63
○池田(元)委員 簡潔にお願いしたいと思います。
 国務大臣である羽田大蔵大臣に再度聞きたいのです。
 先ほどから申し上げましたように、プレーヤーとアンパイアは分けるべし。それから、市場は大蔵省の管轄範囲を超えている。さらに、今申し上げましたように証券に対する業者行政というのは余り存在理由がない。仮に、もし業者行政が必要であったとしても、検査・監視と一体化すればいいではないか。そうしますと、大蔵省のもとに置く必要はないわけですよ。大蔵省のもとにその新しい機関をなぜ置くのか。その三つのことを申し上げましたが、そのことによっても、これはやはりもっと広い横断的な内閣のもとに置くのが一番いいのではないか、このように考えます。いかがでしょうか。
#64
○羽田国務大臣 確かに、そういうお考え方というのは一般的にあれしますとあると思うのです。しかし、私どもといたしまして、今局長の方からずっとお答えを申し上げておりましたように、やはり行政を通じて得られた資料の情報、こういったものを活用するということは、やはり不可欠であろうと思っておりますし、またこの証券業界というのは大変幅広く、まさにこの証券業界そのものがおかしくなるということになりますと、これもまたいわゆる消費者の皆様方にもいろいろな迷惑を与えてしまうということになります。そういう意味で、双方がやはりお互いに牽制し合いながらやっていくことがいいだろうというふうに思っております。
 ただし、やはり独立性ですとかあるいは中立性というものは保たなければならないという一つの大きな視点がございますから、これを合議制の機関であることにしたり、あるいは委員長及び委員の任命を両院の同意を得て、職権を独立して行使するということですとか、あるいは勧告というようなことができるということ。それと同時に、やはり委員の任免につきましても、これを大蔵大臣がどうこうするということについてはできない。そういったことで、やはり独立性あるいは中立性というものは保たれておるということでございまして、私どもは、今度の措置は適正に運営していくであろうということを考えておることを申し上げたいと思います。
#65
○池田(元)委員 運営面をしっかりやるというのは当然でございます。ぜひそうしてほしいと思うのです。
 答申では、新しい機関の設置に関して、大蔵省に残す検査組織は必要最小限のものとするというのが入っております。しかしながら、法案の委員会には定員八十四人ですか。大蔵省の官房検査部には百七人が残るという結果になったわけです。答申が尊重されたのかどうか、お尋ねしたいと思います。簡潔にお願いします。
#66
○小川政府委員 新しい委員会と本省に残る検査部局との定員配置につきましては、既存の検査関係の事務のあり方を見直しました上で、それぞれの部局が担当することになる事務量を適切に反映するという観点から定員配置をすることにいたしました。その結果、委員会が八十四人、それから官房金融検査部局が百七人ということになったわけでございます。
 繰り返しになりますが、この人員の配置につきましては、それぞれの担う事務量等を適切に反映させた結果でございまして、この結果は、行革審答申の言う現行の証券局、銀行局及び国金局の検査部門を統合・再編し、大蔵省に必要最小限度の組織を置くこととするという答申の趣旨に沿ったものであるというふうに考えております。
#67
○池田(元)委員 必要最小限という日本語は、正確に理解すればもうだれでもわかることでございます。そういう答申をいただいたけれども、努力したけれども、だめだった。このような正直な答弁の方が僕はいいんじゃないか、そんな感じがいたしました。
 さて、処分権の問題についてお尋ねしたいと思います。
 法案の監視委員会では、準司法権のうち調査権と告発権のみを有している。独自の行政処分権は持たない。審議会でも、最終段階で処分権が落とされた。処分権を持たないで調査、告発しても迫力がないと思うのですが、その辺の効果、効力に大変危惧を感ずる次第でございます。その辺に対する考えを簡潔にお願いいたします。
#68
○小川政府委員 検査あるいはそれに基づく処分と監督行政の関係でございますが、本来、監督行政を行う当局が、監督の一手法として、検査を行った結果処分をするということがあり得るわけでございます。したがいまして、行政の一体性を考えますと、監督行政を担う者が検査を行い、そうして処分をするというのが我が国の行政制度の筋道であると存じます。今回の委員会の位置づけは、そうした行政の一体性を保ちながら、しかし検査あるいは監視がより公正に行われるということを担保するというのが一点、もう一つは、その結果の処分が的確、確実に行われるということを確保するという点に眼目がございます。
 そして、今お尋ねの処分が的確に行われるかという点につきましては、調査、検査を担当します委員会は、必要に応じ大蔵大臣に勧告を行う、大蔵大臣はその勧告を尊重するということが定められておりますし、その処分の結果について委員会に報告をするということになっているわけでございます。こうした形によって、実質的な処分というものが目的に沿って確保されるものと考えております。
#69
○池田(元)委員 この処分権の問題ですけれども、大蔵省は、監督行政にかかわる行政処分は、処分権をもし委員会が持てば二重になるというような議論もしているようでございます。しかし、そもそも証券についての業者行政の存在理由はあいまいで薄い。業者行政が仮に一部必要としても、市場行政に統合して行政処分権を持たせればそれが一番すっきりするのではないでしょうか。そのようなことをここで強調しておきたいと思います。
 時間がありませんので次に移りたいのですが、委員長、委員の人選問題について取り上げたいと思います。
 新委員会が大蔵からどのぐらい独立性を持てるか、一つのかぎは委員長、委員の人事だと言われております。行革審の鈴木会長は、最高裁長官や検事総長のような経験者を持ってきてほしい、また大蔵省首脳は当時、委員には大蔵OBは起用しない、このように言っております。羽田大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
#70
○羽田国務大臣 現段階におきましては具体的な人物というものを念頭に置くわけではございませんけれども、今ちょっと鈴木行革審会長からの話を例でお出しになりましたが、私どもといたしましても、例えば法曹界ですとかあるいは官界ですとかその他の法律または経済に関する専門知識、こういったものをお持ちになる方で中立的な立場にある方々をひとつ考えていきたいなということを考えております。
 なお、前回の国会でもたしか橋本大蔵大臣の方からもお答えになられたというふうに存じておりますけれども、当然大蔵省のOBでも適当な人があるということであれば委員に選任する、こういう御意見があることも私ども承知しておりますが、今回のこの法律をつくるあるいは委員会を設置することといたした経緯というものを考えましたときには、少なくとも当面は大蔵省関係者を委員に充てることはやはり見合わせるべきじゃないのかということを私も率・直に思っておることを申し上げたいと思います。
#71
○池田(元)委員 委員長の人事と並んで事務局長の人事も大変重要です。事務局長の人事権は委員長が持つのかどうか、持つのが当然だと私は思うのですが、その辺の考えをお伺いしたいと思います。
#72
○小川政府委員 事務局長あるいは次長その他の事務局の職員は一般職の公務員でございます。したがいまして、その人事権はその所轄にある大蔵大臣にあるわけでございます。
#73
○池田(元)委員 部内の公務員のあれからはそうかもしれませんが、この機関の性格からいって事務局長はかなめの部分ですから、委員長が実質的に持つのが当然ではないか、このように私は主張しておきたいと思います。
 時間がございませんのでもう一点聞きたいのですが、検査・監視を行いますけれども、不祥事が去年の夏も次々に起きました。そういった面でのディスクローズもなかなか十分ではありません。去年のような不祥事の、あのような大きな問題のある検査結果については公表されるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#74
○小川政府委員 委員会が行いました調査あるいは検査の状況、それからそれに基づいてとりました告発であるとか勧告であるとか、また大蔵省の金融検査部の方で行う検査について、その実施状況を委員会が報告を聞くことになっております。こうした全体の委員会として行いますさまざまな事務の処理状況につきましては、これを取りまとめて公表をするということを新しい設置法の二十二条に規定をして御提案しているところでございます。
#75
○池田(元)委員 それは法案に書いてありますから当然でございます。私が聞いているのは、個別の不祥事について発表する用意があるかどうか。特に、昨年あのように次々に不祥事が起きましたが、それについてやはり発表するのが国民に対する筋ではないかと思うのです。いかがでしょうか。簡潔にお願いします。
    〔委員長退席、持永委員長代理着席〕
#76
○小川政府委員 一つは、委員会がみずから行う検査あるいは調査につきまして、どのような形で委員会として内容について発表していくかというのは、ただいま申し上げました新しい法律の規定その他の制度を勘案して新しい委員会でお考えいただくことだと存じます。しかしながら、例えば取引に関係した方のプライバシーを守るとかその他の公益を阻害しない範囲内で、もとよりこの委員会の活動状況を明らかにしていくということは基本的な考え方であるというふうに存じます。
#77
○池田(元)委員 橋本前大蔵大臣も、あのような不祥事が起きたら発表する、このように記者会見でおっしゃったようですから、ぜひ新機関でも、もし仮に新機関ができたらそのようにしていただきたいと思います。
 きょうは最初は、この問題の発端といいますか、時系列的に言うと、まず総理が行革審に諮問をして、答申を受けて、大蔵省が検討して法案を出した。行革審の問題から入ったかったのですが、時間がありませんので、この最後のところで行革審の問題、これは大変重要ですが、お尋ねしたいと思います。
 今回の法案のもとになったのは行革審の答申です。そこで大筋決まったと言っていいと思います。本来なら、行革審というのは大きな問題ですから内閣と行革審の責任者に質問すべきことなんですけれども、いろいろ都合がございまして行革審の事務当局に来てもらいました。いらっしゃいますね。行革審の事務当局に聞くよりもその諮問者に本来は聞くべきことでございますが、行革審のメンバーの顔ぶれとその中に金融の専門家がいたかどうか、一言答弁をお願いいたします。
#78
○陶山政府委員 行革審は、御承知おきのとおり、鈴木会長を初め行政全般にわたりまして豊富な経験と高い識見を持たれる九人の委員から構成されております。御出身の分野で申しますと、経済界が三名、労働界二名、官界二名、有識者二名、ということになっております。今回の証券問題の審議に当たりましては、これら九人の委員の方々に加えまして、経済問題や企業実務に経験の深い三人の専門委員の方々にも参画をしていただいたところでございます。
 お尋ねの件につきましては、証券問題の専門家の方もいらっしゃいますし、また、行政組織の問題につきましても行政経験豊かな官界出身の委員に加えまして、組織管理部局である私ども総務庁が事務当局として審議の補助に当たったという経緯でございます。
#79
○池田(元)委員 行革審のメンバーの見識については私は疑問を別に投げかけているわけではございません。金融の専門家はいないのですね。東証の理事長、それは確かに大蔵省のOBでございますが、いわゆるそういった今の証券取引、実際経験してそれで見識を蓄えてきた。今の証券市場は、先ほどから申し上げているとおりグローバリゼーションで大変に変わりつつあります。時代を知る専門家を集めて検討を求めるべきではなかったか、これはそもそも行革審に諮問するのが適当ではなかったのではないか、やはりそういった知識を持つ者に検討を依頼するとか、それからまたこれは立法府の問題ですから、立法府でもそういった問題を鋭意検討すべきではなかったか、このように考えております。
 さて、審議の仕方でございますが、行革審の審議期間と審議した日数について一言答弁をお願いします。
#80
○陶山政府委員 審議期間は平成三年の七月三十日から九月十三日まで一カ月半でございます。審議回数は十回でございます。
#81
○池田(元)委員 ヒアリングはそのうち六日行われているわけです。その六日間のヒアリングのうち四回が大蔵省のヒアリングなのです。大蔵以外では証券業協会、警察庁、法務省、経団連、大変大蔵省に偏っている。短い期間で答申をまとめるためには一面やむを得ない面もあったかもしれませんが、拙速ではなかったかという感じがいたします。行革審の会長に聞きたい問題ですから答弁は要りません。
 次に、行革審の中で、三条機関、いわゆる国家行政組織法の三条に言うところの行政委員会、これはどうも憲法上に問題があるという議論がなされたやに聞くのですが、それはどういう議論だったか、簡潔にお答え願いたいと思います。
#82
○陶山政府委員 答申では、委員会と行政部局との関係のあり方につきまして、御承知おきのとおり、委員会は公正で権威の高い第三者がこれを統括し、行政部門からの独立性、中立性を確保する必要があるが、この場合でも監督のための資料の収集という行政の機能を勘案すると、両部門間の連絡調整が維持される必要がある、こういうふうに述べております。委員会のこういう性格にかんがみますと、委員会と行政部局との間に一定の距離を確保しつつも、大蔵大臣の管轄のもとに置くことが適当であるという判断に立って八条機関たる委員会の設置が提言されたものでございます。
 そこで、お尋ねの問題でございますが、いわゆる行政委員会といいますのは、行政権限を内閣から独立して行使する合議制の行政機関というふうに言われております。このような行政委員会の独立性につきましては、憲法六十五条が「行政権は、内閣に属する。」と規定しておりますし、また七十二条に「内閣総理大臣はこ「行政各部を指揮監督する。」と定めている趣旨から見てその存在自体疑義があるということで、かねて国会等を初め各方面の御議論がございます。行革審の議論におきましても、ただいま申し上げましたような観点から、三条機関としての委員会の設置につきましては慎重に考えるべきであるという議論が大勢であったと承知いたしております。
#83
○池田(元)委員 大勢であったというのは今初めて聞いたのですが、行革審はそもそも最初は三条機関というのが大勢であったというのが大方の報道でもございました。
 三条機関に憲法上問題があるという議論が一部あることは私も承知しております。しかし、今の学界の定説では、現存の行政委員会、今八つありますね。公害等調整委員会とか公正取引委員会とか、そういった現存の行政委員会を一律に違憲と断定するような学説はないわけです。大勢は合憲であるということでございます。その理由といいますか、根拠の一つは、内閣の指揮監督権に服さない行政機関も憲法の字句からいっても許されているのだ、行政の分野の中には性質上内閣による統制に適しないものがある。政治的な中立を要求されるとかね。これは国家公安委員会。それから、今度の証券取引に対する監視のような準司法的な権限も持たせるような機関については内閣による統制に適しないものがある、このような意見もございます。特に、独立の行政委員会の設置は、当の行政を行政権者の恣意から排除しようとするもので、三権分立の精神にかなうものである。時代の流れは分権でございます。権力の集中排除ということが今言われております。今や独立の行政委員会は、占領期の一時的な改廃はございましたけれども、むしろ積極的に見直したらどうか、このような意見も一般にはあります。
 これは大蔵じゃございませんが、放送のいわゆるチャンネルプラン、電波の割り当ての問題、大変戦後の電波の割り当ての歴史というのは問題がございます。これは一つの省庁にそういったものを割り当てるのではなくて、アメリカのFCCのような機関で、放送行政委員会といったようなものをつくって割り当てるのが一番よかったのではないかといった議論が今でも行われているわけでございます。独立の行政委員会のレーゾンデートルといいますか、存在理由は十分ある、このように考えているわけでございます。政治改革についてお詳しい羽田大蔵大臣の御見解を一言賜りたいと思います。
#84
○羽田国務大臣 私ども先ほどからるる御説明申し上げてまいったわけでございますけれども、しかし、この委員会というものが機能をし、そして独立性あるいは中立性、これが保たれるということについては、やはりこれは重要なことであり、またそれが一番の本旨であろうというふうに考えておりますので、この法案をぜひ御理解をいただきまして、私どもとしては今いろいろと御指摘のあった点を踏まえながらきちんとした対応をしていきたいということを申し上げたいと思います。
#85
○池田(元)委員 これまで新しい機関のあり方、行政の中でどのような位置づけが市場参加者、利用者、国民にとって一番望ましいかという議論をしてきましたが、この法案にある監視委員会、大変疑義があるということがおわかりいただけたのじゃないか、このように考えます。私は、やはりこの新しい機関は、大蔵省からもほかの省庁からも独立した市場行政組織として創設する必要があるので世ないか。まず第一には市場の監視を行う、それから発行企業の情報開示も行う、さらに市場のルールの決定も行う、そういった三つを柱とする内閣に直属する組織としてスタートするのがいいのではないか。それはアメリカのSECのような二千人を超す人員で初めからスタートする必要はございません。業者行政を整理して、初めはスリムな形でも、徐々にやはり金と人を出して、この日本の証券市場の公正さを保つためにも、また国際的にも日本だけ異質ではないと言われるためにもそれが必要ではないか、このように考える次第でございますが、最後に羽田大蔵大臣の御答弁を賜りたいと思います。
    〔持永委員長代理退席、委員長着席〕
#86
○羽田国務大臣 るるそういう御指摘があったことは私どもも念頭に置きたいと思っておりますけれども、私どもは、こういった今御説明申し上げましたようなこの委員会がちゃんと機能するものだということを、またこの審議等を通じながら国民の皆様の御理解をやはり得ていかなければいけないだろうと思っております。
 確かにSECの働きというのは、やはり大統領制と日本の制度と違うということもありますでしょうし、また登録制と免許制というものの違いがやはりあるであろうということがありましょう。ですからその辺の違いはある。しかし、日本だけがSECと違うから全然異質なものであるかといいますと、英国等に比較いたしまして、私どもは比較的似ておるのじゃなかろうか。そして、英国の方の機関というものが、やはり一つの長い証券市場というものを持つ英国、こういった中でやはり機能しているんじゃないのかなというふうに思いまして、そういったものもせっかくこれからも議論を通じながら勉強させていただきたいと思っております。
#87
○池田(元)委員 SECが取り締まりに偏っているというようなキャンペーンもなされたやに聞いているのですが、SECも、もう御存じのように単なる監視だけではなくて、ディスクロージャー、それから市場ルールの決定、いろいろな、そういったさまざまな活動もしているわけでございます。とにかく去年以来のあのような事態を反省して、拙速でやるのではなく、本来の市場とはどういう姿であるべきかというところから出発して、さらにまた市場参加者の立場にも立ってこの問題に取り組まなければならないと思います。
 市場行政組織はやはり各省庁から独立したものにすべきである、これがこの問題を検討した方々の大方の意見ではないか。私も、詳しくは申し上げませんけれども、独立した市場組織の創設を提言しまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#88
○太田委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五分開議
#89
○太田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案審査のため、来る二十日一参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○太田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#91
○太田委員長 質疑を続行いたします。佐藤恒晴君。
#92
○佐藤(恒)委員 提案されております二法のうち、特に監視委員会の問題を中心にお尋ねしたいと思います。
 金融をめぐる環境につきましてはもうるる述べられているわけでありますが、自由化とか国際化とか、あるいはまた証券化とか言われておりまして、その中でさまざまな規制緩和なり、あるいはまた金融・証券が隔絶されている中での垣根の取り払いの問題であるとか、さらにはまた競争激化の中でのリスク管理を含めた自己資本の充実等々、さまざまな課題が横たわっておるわけであります。
 こういう中で、昨年の九月に行革審が答申を出したわけでありますが、その中で、証券不祥事に続いて金融界においても連続して不祥事が発生しているということを指摘した上で、証券行政とはかなり違うけれども、異なるけれどもという前提を置きつつも、証券、銀行の融合化が進む中で証券・金融あわせて取り上げるということでこの課題に取り組んだ、こういうことを実は述べているわけであります。
 そこで、制度改革の問題は後日に改めてお尋ねをすることといたしまして、私はこの第四十号についてお尋ねをするわけでありますが、本論に入る前に若干伺っておきたいと思います。
 それは、今度の金融制度改革法案の編成といいますか、組み立ての問題でありますが、六年余にわたって制度改革の検討をやってきたということでありますけれども、協同組合金融機関については、五十四年以後のいわゆる金利の自由化あるいはまた財形の創設、そしてまた給振制度の拡大、あるいは都銀からさらには外銀、地銀まで至るそれぞれの機関の消費者金融への進出、こういったような状況の中で、中小、とりわけ協同組合金融機関については、業務範囲の拡大あるいはまた経営主体の確立というような点ではかなり規制といいますか、思うに任せずに苦しんできたというのが実態だろうと思います。
 今回農協法の単独改正の中で、いろいろな項目がございますが、その中で若干取り上げてみますと、例えば員外理事の枠の拡大あるいは信用事業の全部または一部の譲渡に関する決議の部分、さらにはまた員外貸出枠の一部の拡大、こういったことについては単独法で実は提案をされ、既に審議が行われているわけであります。あるいはまた、貸出金利の最高限度等に関する総会決議の問題等々が実は出されているわけであります。
 しかし一方、先ほど申し上げたように、非常に競争が激しい中で、中小金融機関の問題について言えば、例えば一括法の中で、制度改革の中で信用組合の総代会における合併決議ができるといったような問題。これは農協法では既に法文化されている。あるいは理事の員外枠の拡大あるいは労働金庫協会の法文化の問題こういう問題が今度の制度改革の中に包含されているということであります。
 私は、この現下の厳しい環境のもとでそれぞれの金融機関が主体的な経営努力をしていくに当たって、例えば垣根の問題であるとかいわゆる合併転換法といったような根本的な制度改革に触れるような問題と、それからそれぞれの単独法において改正をして、それぞれの零細金融機関が、中小協同組合金融機関が自助努力をして経営の主体を確立していくという、そういう範囲とはおのずと対応の仕方が異なってもいいのではないか、こんなふうに思うわけでありまして、一括してあれもこれもという形で込みにした法案というのはやはり現在の情勢に適合した対応の仕方ではなかったのではないか、こんなふうに思うのでありまして、この法案の編成の仕方について大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#93
○羽田国務大臣 お答えを申し上げます。
 今回の制度改革法案は、金融の自由化、国際化に対応いたしまして、金融・資本市場における有効かつ適正な競争を促進して市場の効率化を図るとともに、より多様で良質な金融商品あるいはサービスを利用者に提供することを可能とするものであろうというふうに考えております。
 協同組織金融機関におきましても、国民の金融ニーズの多様化を踏まえ、中小企業あるいは個人等に対して多様な金融商品や的確かつきめ細かいサービスの提供と地域経済への貢献が求められているのじゃなかろうかと思っております。
 このために、金融制度調査会の報告書における指摘を踏まえまして、協同組織の原則を損なわない範囲で金融環境の変化やあるいは地域経済の実情に即しまして、金融機関としての組織やあるいは業務の弾力的な運営が可能となるような適切な対応を行うことが必要でありまして、信用組合や労働金庫等における業務規制の緩和とその組織のあり方の見直しは密接不可分なものであろうというふうに考えておるところでございます。
#94
○佐藤(恒)委員 私は、密接不可分だということについてはわかりますけれども、六年余も検討してきたいわゆる根本的な制度改革の問題と、それからそれぞれの金融機関が単独法で部分的な改正を行っても何ら差し支えのない、つまり制度改革などという大げさなことではない、差し支えない部分については単独法でそれぞれの業界との協議の中で速やかな改正を行うという姿勢があってしかるべきではなかったのかということを実は申し上げているわけであります。
 委員会の問題に入りたいと思います。
 今度の委員会の性格とかあるいはまた機能等々の問題につきましてはいろいろ出されてまいっているわけでありますが、言うまでもなく、この業態別の相互乗り入れ問題を含めて、今度は、さきにも明らかになったわけでありますけれども、保険審議会の最終報告案なるものを新聞等で拝見をしたわけでありますが、こうなってまいりますと、銀行、証券だけではなくて、これはもう生損保も含めていわば金融あるいは市場の相互関係が密接になってくる、こういうふうに実は考えられるわけであります。
 とりわけ、この一連の不祥事ということにかんがみまして、単に証券の流通市場の問題だけではなくて、発行という市場の問題、さらにはまた銀行における、例えば言われるところの架空預金証書の発行によってこの資金がノンバンクその他不動産業者に回り、かつ株の取引等々に流れていく、そういうことで大手の都銀と言われる銀行がさまざまな不祥事件にかかわり合いを持っているというようなことを考えてまいりますと、今度の委員会が証券市場の問題に的を絞った、つまり任務を持った機関であるというようなことに実はなっておるわけでありますけれども、答申の趣旨では、これは証券・金融をも視野に入れた委員会ということが望ましいという見解を出していると思うわけであります。私は、今申し上げたような一連の不祥事は単に株式市場、流通市場だけではなくて銀行業務等々においてもこれに密接にかかわっているというような観点から、どうしてこの証券だけに的を絞ったのかということについてお尋ねをしたいと思います。
#95
○小川政府委員 証券取引につきましては、これは市場において不特定多数の市場参加者がルールにのっとって価格形成を行い取引を行うという市場でございます。これに対しまして、金融取引の場合には、基本的には資金の提供者及びこれをとる者の間の取引はいわゆる相対取引でございまして、そこにおける預貸の条件等も市場の価格形成メカニズムというものとはおのずから異なっているわけでございます。
 先般、昨年の九月の行革審答申におきましては、こうしたことを踏まえまして、「自主規制機関による自主規制機能の充実、強化を行った上でこ「市場ルールの遵守を行政が検査・監視する体制と仕組みを確立することが必要である。」ということを述べ、そして新しい委員会の創設を提言しておられるわけであります。それにのっとりましてこの監視委員会を御提案しております。
 それでは、一方で答申で言っていた金融あるいは為替といったようなものを視野に置くべきであるという点につきましては、これらの検査は従来どおり本省の金融検査部で統括をして行うことにいたしておりますが、この検査について監視委員会でその結果を聞く、あるいはそのやり方について意見具申を行うという形で視野に入れることにいたしているわけでございます。
#96
○佐藤(恒)委員 そういう不特定多数の顧客を相手にするとか銀行は相対であるとかといったような形式論議はもう結構なんでありまして、申し上げる必要はないと思うんですね。興業銀行、東洋信金、ノンバンク、尾上の株取引といったように、その他東海、旧埼玉、住友、三和、信託銀行を含めてさまざまなケースを取り上げてみましても、その相対取引であるはずの銀行が実は不特定多数の取引と言われる証券市場とのかかわり合いにおいてさまざまな問題を起こしてきたという点がら、私は、もう少しこの委員会の守備範囲といいますか視野というものは角度を変えてっくるべきではなかったのか、こういうことを申し上げているわけであります。とにかく、証券会社が免許制という制度のもとで、それじゃ免許制度であるけれども免許権者である大蔵省が十分に監督機能を果たしてきたのかどうかということになると、私はそこには問題がある、こう思います。
 また、公取委も直接、非常に難しい分野であるけれども金融の分野についても公取委もそれなりのさまざまな検討なり見解の発表などをいたしておりますけれども、しかし金融事案についてはなかなか問題があって難しいという状況があるようであります。
 したがって私は、ここで三条か八条かといったような議論を重ねてやる考えは全くありません。しかし、いずれにいたしましても、設立される委員会はより中立性が保たれて、独立性があって、かつ機能性のあるものでなければならないというふうに思うわけであります。
 そこで、私はお尋ねをしたいわけでありますが、委員会が確信を持って検査、調査を行うという場合には、今日までの不祥事に対して証取法第何条の適用は難しかったとか、あるいは百二十五条の適用をやろうと思ったけれどもいろいろ検討したがしかし立証ができなかったとか、さまざまた言いわけによって結局は証取法のそれぞれの規制部分が適用されておらないということを考えてまいりますと、私は、やはり市場の公正を害するものというのはどういうことなのかということを明確にすること、つまり法文化、規定化あるいはまたルール化することによって、この適用が明らかであるゆえに委員会の活動も機能も生きてくる、あるいはまた投資者、大衆も事件の報道などがあればよくわかる、こういうことに実はなると思うのでありまして、法文、規定あるいはルール等についての明確化という点についてどのようにお考えがお尋ねをしたいと思います。
#97
○松野(允)政府委員 この証券を取り巻きます一連の不祥事の反省の中に、従来ルールが必ずしも明確ではなかったのではないかというような御指摘がございます。私どもそれを受けまして、ルー
ルといいましてもいろいろあるわけでございますが、主として従来通達行政ということで行われていた部分につきまして、通達を全面的に見直しをいたしております。その中には、基本的なルールであって法律に規定すべきもの、これは法律に規定をするということで、今回お願いしております改正法案の中にも入れているわけでございますが、それ以外に、やはり業界の自主的な規制というものに期待する部分というのもあるわけでございまして、そういうものにつきましては、証券業協会あるいは証券取引所という自主規制機関のルールということで明確に規定をしてもらうということで検討を進めております。
 いずれにいたしましても、御指摘のように、確かにルールを明確にするということが何よりも重要でございまして、その明確になったルールに基づいて、新たな委員会が強制調査権も持っているわけでございまして、そのルールの厳格な運用を図るということが可能になってくるというふうに考えるわけでございます。
#98
○佐藤(恒)委員 「証券営業ガイドライン」という新しいのをちょっといただいて見てみたのでありますが、法律も改正になったので、ひとつ営業マンは問題を起こさないようにやってほしいというパンフレットのようであります。この中を見ますと、私など素人が読んでも、よくわかる説明とわからない説明があるんですね。つまり、わからない説明というのは、やはり投資者の立場に立って書いておらないということです。そういう部分があるのです。こういうものは、やはり営業マンとかあるいは証券会社の皆さんは、つまりのみ込んだ上でつくっておりますから余り問題を感じないのだろう。しかし、素人が見ますと問題を感ずる。こういうようなガイドブックでお仕事をされておれば、いずれまた、後でも指摘したいと思いますけれども、いろいろな事件が続発するということではないのか、こう実は思うので、後ほどこれは申し上げたいと思うのです。
 ところで、この法律案では、犯則事犯の調査対象につきまして政令で定める、あるいは、調査等の報告等の徴収についても政令で定める、実はこういうふうになっておるわけであります。こういうふうになってまいりますと、非常に新しい試みの法案でありますから、やはり政令とか、あるいはそれによってやがて出されるであろう省令といったようなものについて、我々は、ある程度概念的なものを書面で見ながら、法文との関係を見ながら、あるいは運用上の問題がどうなっていくのかということを見ながら審議をしなければ、私は、こういう新しい法律の十分な審議にはならないのではないか、こんなふうに実は思うわけであります。そういう意味で、私は、幾つかの問題点があるわけでありますが、先ほどは法文をきちんと明確にしたらどうかという質問を申し上げましたけれども、例えばSECの場合には、インサイダー取引や損失補てん等についても、詐欺的行為を禁ずる一般的な規定を弾力的に運用しながら、いわば疑わしきを罰するという形で証券監視業務が行われているというようなことを考えてまいりますと、我が国の場合にはきちんとした法文になっておって、それには該当しないという、該当しないことを探すようないわば調査になっているという点で、非常に問題があるのではないか。
 例えば、答申の中でも一番引用されております。「誘引する目的をもってこという、この「誘引する目的」という言葉の使い方ですね。他の条文にも「目的」という言葉が、すべてというか多く使われているわけです。となってまいりますと、目的があったかどうかという立証という問題になってまいりますから、非常に難しいわけです。私はやはり、目的があったかどうかではなくて、その行為によって株価操作と言われるふうな状況が発生してくるとか、そういう状況をどのように見るかというような視点での、条文の、あるいは規定の定め方というものをやっていかなければ、これはもういずれも、委員会ができても立証は難しいという形に終わっていくのではないか、こんなふうに実は思うわけでありまして、特に、例えば五十八条等の関係では、いわゆる行為者の問題だけについて書いてありますが、証券会社の行為等については明確な規定がないわけであります。こういう点を見ていきますと、先ほど申し上げましたように、政省令等のいわゆる考え方をあわせて出していただいて審議をしないと十分な審議にならない、こう思いますけれども、これはいかがでしょうか。
#99
○松野(允)政府委員 今御指摘のございました特に相場操縦の問題でございます。これは、具体的には証券取引法百二十五条二項一号という規定でございますが、これにつきましては、昨年のいろいろな問題を踏まえまして、私ども、証券取引審議会で議論をしていただきまして、その運用の基本的な考え方を取りまとめていただいたわけでございます。
 その中で、今御指摘のありました、例えば誘引目的という、目的というものの立証の問題については、余り重きを置かないといいますか積極的な意思の立証までは必要がない、これは判例にも、そういうふうな指摘といいますか、そういうことが言われているわけでございますけれども、そういったようなことで、やはり行為、売買取引の形態を見て、それからある程度誘引目的というものが立証できるのではないかというような考え方を明らかにして。いただいております。こういったものに従いまして、私ども、これから百二十五条の相場操縦については、積極的に活用をして運用をしてまいりたい。あわせて、監視委員会がこれについて強制調査権限もあわせて有するわけでございますので、従来以上に百二十五条の運用については積極的に対応できるのではないかというふうに考えるわけでございます。
 なお、あといろいろ御審議をお願いしております法律案の中には、政令あるいは省令にゆだねている部分もございます。技術的な問題、あるいは市場の状況に応じて対応しなければならない問題、あるいは全く手続的な内容のものというふうにいろいろあるわけでございますが、これらにつきましては、この法案の御審議の中で私どもも考え方をまとめていくものもございますし、あるいは、必要に応じてその中身について御説明をさせていただければというふうに思うわけでございます。
#100
○佐藤(恒)委員 私は、今度の法文に対応して技術的、手続的なことはこの審議の中で取りまとめていきたいというようなお話でございますけれども、しかし、この法文を実際にどう運用されるのかということをあわせて想定しながらやらなければいかぬ。特に、市場監視だけではなくて、先ほど来お話ありますように、この委員会の中立性とか独立性とかそういったような問題も含めて、具体的に法文がどのように生かされていくのかということを審議するためには、私はやはり、少なくとも省令の考え方ぐらいは出していただかなければ、審議の中でまとめていきたいなどということ、しかも、それは技術的、手続的なことについてなどということでは十分な審議にならない。しかもこれは、何かありました法律の一部改正案ではございませんので、新しい法律で、八条か三条かという大議論を本来は引き起こすような案件でありますから、そこのところはやはり書面で出していただくということでなければ審議が十分にいかない、こう思いますので、再度伺いたいと思います、
#101
○小川政府委員 委員会の関係で政令に幾つかゆだねておりますもののうち、例えば大蔵大臣から委員会に委任されるいわゆる立入検査権につきましては、その立入検査等の具体的な事項であるとか、それから、強制調査の対象となります、犯則事件の調査対象となるのが相場操縦であるとか、あるいは損失補てんといったようなものに係る規定であるとか、あるいは、委員会の事務局の内部組織につきまして大蔵省の組織令において次長を置くとか、あるいは二つの課を設けるといったようなことを政令で定めることを予定をいたしております。その政令事項のうち、御審議の参考となるようなものにつきましてはできるだけその骨格がお出しできるように、鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
#102
○佐藤(恒)委員 速やかにひとつお願いをしたいと思います。それから、委員長の方でも、ひとつ今の答弁の部分はよろしくお願いをしたいと思います。
 それから、昨年の九月の答申の中で、証券市場の効率性、公正性を確保するには適正な競争が必要であるという立場から新規参入を積極的に図る必要がある、こういう答申の趣旨になっているわけですね。
 ところで、報道によりますと、来年の四月から総合証券については現行の最低資本金三十億円ですか、これを百億円にするというようなことであります。これは、これから決定されるかもしれないいわゆる子会社についても適用する、こういうような報道があるわけであります。今期の、三月の決算状況は、野村証券を除いてはすべて欠損を抱える、こういうような決算予想も新聞等で拝見をしているわけでありますが、そういう状況のもとで、新規参入を積極的に図るということとそれから資本金を百億円にしていくということが一体どういうかかわり合いを持ってくるのか。少なくとも経営の状況を概念的に見れば、現在一の経営の状況あるいはまた決算の状況からは、資本金の引き上げというのは、その企業の経営の体質を強いものにするという意味では一般論としては理解できますけれども、現状としては非常に問題を抱えるのではないか、こんなふうに実は思うところであります。そういう意味で、生保は現在三千万円、あるいは銀行は十億円以上とかということになっておるわけでありますが、こういうことで問題を起こさないのかということが一つ。
 さらに、こういうことが進んでいきますと、実際、現在の株式市場の状況などからは、あるいは銀行の経営状況からは、子会社をつくるといってもなかなか難しいのではないか。一部の雑誌等には、興銀証券と野村銀行きりできないなどというようなやゆした記事もございますけれども、いずれにしても、そういう非常に限定された話が出てきているわけであります。つまり、場合によっては寡占の体制を生むのではないかということも実は考えられるわけであります。
 そういう意味で私は、証券業界の合理化という問題も、それぞれの会社において行われていると思いますけれども、実際には店舗の統廃合等々含めましてかなり合理化を進めながらいわば業界の再編成というような状況もあるのではないか、こんなふうに実は思うところでありまして、この資本金の引き上げの問題と業界の再編成という動向についてどういうふうにお考えになっておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
#103
○松野(允)政府委員 御指摘の総合証券会社と言われておりますすべての種類の免許を持って幹事証券としての業務を営んでいる会社でございますが、これの最低資本金は現在三十億円ということになっております。この最低資本金の水準は昭和四十三年に免許制に移行して以後変更なされないで現在まで来ております。その間、証券市場の規模あるいは証券会社の業務の規模も非常に拡大をしておりますし、また物価水準も上昇し、いわば。最低資本金の実質的な水準が低下しているというようなことが指摘をされていたわけでございます。
 そういったことを背景にいたしまして、これも証券取引審議会でいろいろと議論をしていただいたわけでございますが、今申し上げたように四十三年以降変更されていないという事情を勘案し、証券会社の財務基盤の充実という観点から、やはりある程度の引き上げが必要である。証取審の御指摘では三倍程度、大体百億円程度にするのが適当であるというふうな御意見をいただいているわけでございます。
 ただ、これにつきましては、現在存在いたします証券会社、総合証券会社と称されておりますのは、三十億円以上になりますと総合証券会社になるわけでございまして、それを直ちに百億円に引き上げるということは、これはなかなか困難な問題がございまして、既存の証券会社に対してはやはり、仮に引き上げるといたしましても一定の経過期間を必要とするというふうに考えるわけでございます。現在私ども、証取審の意見を踏まえまして、資本金の引き上げについてはまだ検討中でございます。
 それから、こういうようなことをすれば再編成、特に最近証券会社の経営状況が非常に悪いわけでございますので、再編成を促すのではないかという御指摘でございます。
 既存の証券会社については今申し上げたような手当てを考えておりますし、また、確かにこの三月決算は赤字の証券会社が非常に多いわけでございますが、数年にわたる株式市場の好況のもとで証券会社の財務体質が非常に強化されております。したがいまして、現在のところでは今回の赤字決算が直ちに業界の再編成につながるということは考えにくいのではないか。もちろん、これから自由化が進み、あるいは参入が行われ、競争が激化するという環境がございますので、その辺は各証券会社の経営判断になるわけでございますが、合併等の再編成というのは、これはあくまでも証券会社各社の自主的な判断によって行われるものであるし、少なくとも現状では、一般的に申し上げて、今申し上げたような財務体質の充実ということからいえば、直ちに再編成が行われるというふうには私どもとしては考えていないわけでございます。
#104
○佐藤(恒)委員 再編成が業界の自主的な判断なりその社の自主的な判断で行われることは当たり前でありますから、そのことには異論はないわけでありますが、しかしいずれまた監督行政が入ってくることは目に見えるわけでありますから、注目をしたいと思います。
 しかし私は、幾ら経過措置をとるといっても、総合証券というように言われる三十社ぐらいの証券会社であってもやはり大変厳しい状況に置かれておりますから、現状では、積極的な市場参入というのが逆に縮小して、寡占の体制というのが危険性としてあるということを御指摘しておきたいと思います。
 ところで、この答申におきましては、免許制について検討する必要があるというような短いくだりになっておるわけであります。免許制がいいかどうかという議論はかなり長い時間をさかのぼって決められた問題でありますから、そこにさかのぼった議論をする気はありませんけれども、この答申をどのように受け取っておられるのかについてだけお尋ねをしたいと思います。
#105
○松野(允)政府委員 行革審の答申におきまして、免許制についても中長期的には検討すべきであるという御指摘をいただいております。私ども、それを受けまして、証取審を初めいろいろと議論をしていただいたわけでございますが、少なくとも免許制のもとにおいてもまず競争を促進する、免許の運用の弾力化を図るということが必要であり、それをまず行うべきであるというふうな御意見をちょうだいして、それに基づきまして、新規参入の実現を図る、あるいは免許基準の具体化、明確化というようなことも通じて、免許行政といいますか免許運営の透明性を高めるというようなことを現在検討しているわけでございます。
 証取審におきましても、免許制の問題については中長期的には見直していく、引き続き検討課題であるということではございますが、とりあえずは免許制の運用の弾力化ということで対応すべしということで、私どももそれを受けて現在検討を進めているところでございます。
#106
○佐藤(恒)委員 答申に触れてもう一つだけお尋ねをしておきたいと思います。
 補てん問題が発覚して、国会でも、あるいはまた世間でも大変問題になった時点では、いわゆる売買委託手数料の問題が非常に大きな問題として取り上げられました。これは、自由化することによってのいわゆる功罪というものをそれぞれの立場からいろいろな方々が見解を述べられておりますから、その見解等についてはあえてここで申し上げませんし、また現在のような証券市場の状況のもとで自由化されることが一体何をもたらすのかといったようなことも一つ問題になるところでありますけれども、答申の中にあるこの趣旨ですね、これもあわせて検討を進める必要があるという立場になっているわけでありますが、これについてはどのように受けとめておられるか、お尋ねをしておきたいと思います。
#107
○松野(允)政府委員 行革審の手数料自由化についての御提言を受けまして、私どもも証券取引審議会において議論をしていただきました。手数料の自由化が証券会社のみならず投資家あるいは証券市場に与える影響というものについてはいろいろな御意見がございます。しかし、いろいろ御議論をいただきました結果、やはり適正な競争を促進するという観点からは委託手数料、株式の売買手数料の固定制の見直しというものは避けて通れないということで意見をいただいております。
 ただ、具体的な自由化につきましては、やはり比較的影響が少ないと思われます大口取引の自由化をまず図り、それが市場に与える影響などを見ながらその後の自由化の展望を探っていくということが適当だというふうな御意見でございまして、現在その御意見を受けまして、専門家を含めました作業部会を設置いたしまして検討を開始したところでございます。作業部会の検討は、当面一年程度を目途とするということで検討を始めたわけでございます。
 確かに、御指摘のように現在のような市場の状況のもとで自由化を行うことはどうかという問題もあるわけでございますが、手数料の自由化は、今申し上げましたように中長期的な観点から、やはり適正な競争を促進する見地からは避けて通れないというような御報告をいただいているわけでございまして、作業部会において慎重な検討が行われ、今申し上げたような方向で自由化の道が探られていくということを私どもは期待をしているわけでございます。
#108
○佐藤(恒)委員 大分以前に私どもが認知している状況と変わった答弁がないようでありますから、先に行きたいと思います。
 次に、具体的な問題として実は飛ばしの問題についてお尋ねをしたいと思います。
 いわゆる飛ばしの問題につきましては幾つかの会社が話題になっているようでありますけれども、この法改正、つまり一月一日からの法の実施ということを境にしてこの問題が露見したというような状況になっておりますけれども、決してそんなものではないだろうというふうに私は考えておりまして、かなり以前から乱発されておったというふうに思っております。
 ところで、九一年十二月二十六日に、大蔵省の四大証券に対する五カ月余に及ぶ検査の結果につきまして、利回り保証、東急株の操作あるいは新たな損失補てんというものはすべて認められなかったという結果報告がございまして、まあまあいろいろ問題があったけれども証券会社の業務についてはひとつ健全性の方に向かうのであろう、こういう認識をしておったわけであります。しかし、残念ながら事態は変わりました。二月二十六日の委員会におきまして、松野局長はこの飛ばしの問題につきまして調査をしているという発言をされておったわけでありますが、調査の結果につきまして、できれば書面等で内容と手法について御報告いただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
#109
○松野(允)政府委員 いわゆる飛ばしと言われているものにつきましては、これは証券会社の営業マンが会社に無断で仲介行為を行っておりまして、会社の帳簿に一切記録されていないというようなこともございまして、私ども検査でも把握ができなかったわけでございます。その後、新しい損失補てん禁止の法律が施行され、その結果、いわゆる損失補てんができなくなってトラブルとして表面化をしてきたわけでございます。
 御指摘のように、現在幾つかの証券会社でこの問題をめぐってあるいは訴訟になり、あるいは民事調停あるいは裁判所の和解というようなことで終結をしたものもございます。私ども、その各ケースについて現在事実関係の解明を順次進めているわけでございます。
 それで、先般行政処分を行いました山種証券につきましては、これは事実関係が解明をされまして、山種証券及びその営業マンが行っていた行為の中に、これは証取法改正前の行為でございますが、証券取引法五十条に触れます特別の利益提供を約して勧誘するという行為が認められたということで行政処分を行ったわけでございますし、あわせて外務員の処分も行ったわけでございます。この件につきましては、行政処分の際にその事実関係についてはできるだけ明らかにいたしまして公表をいたしたところでございます。
 それ以外にまだ数社その問題がございます。この点につきましては、現在、会社もいまだに事実関係の調査をしておりますし、私どもも調査をしているわけでございます。営業マンの個人的な行為でございますので、なかなか事実解明が進みません。ただ、私どもとしては、事実解明し次第その外務員の行為に証取法に触れるような点がないのかどうかというようなことも検討し、必要な処分をしていくということで対応したいと思っております。
 したがいまして、御要望のございました事実関係につきましては、今申し上げた山種証券の行政処分に当たって公表いたしましたものについては今直ちに御提出できるわけでございますが、他の会社の分については現在解明中でございまして、解明ができましたら可能な限り事実関係を明らかにしていきたいというふうに思っております。
#110
○佐藤(恒)委員 私は、山種についてはかくかくしかじかであったからこういう処分をして一件落着といったような、結果についてだけ私たちが知ればいいというものではないと思っております。東証は情報の適時開示の手引を見直すということで、四月中にも上場企業に配付をする、こういったようなことを見ているわけでありますが、そういう状況を見てまいりますと、やはりかなり重症であるというふうに東証も理解しているからこういう手引を改めて企業に配付をするということになったのだろうと実は思っております。
 そういうことで、私は、例えば係争中あるいはまた調停中のものであっても、訴状はこういう内容になっている、双方の主張はこういう違いがあるということは、大蔵省が、証券局が把握をしているものを提示をして、そしてこれからの法の運用にどのように生かされていくのか、あるいは規定、ルール化の中でどう生かされていくのかということを審議する材料にすべきだと思うのですね。そういう意味で、私は改めて文書で提示されることを求めた。いと思います。つまり、結論だけではなくて、訴状等で既にオープンになるものについてはそういう中間的な状況を求めたいと思います。
 例えば、もう山種については結論がついたからということでありますが、九〇年の大蔵省検査の時点において、会社の方から、実は飛ばしというものがあるということを報告していたけれども、大蔵省としてはこれに対して適切な対応をしておらないという報道があるわけですね。こういうふうになってまいりますと、先ほど申し上げたように、許可権を持つ大蔵省がいつどのような監督行政をやっていたのかということを私は指摘せざるを得ないわけであります。この報道が誤っているなら別でありますが、一年半前にも検査の時点で報告をしているという報道について、いかに対応してきたのか、後でお答えをいただきたいと思うのです。
 それから、例えばコスモのすかいらーく約三百六十億円、これは無断売買だとは言うけれども、背景には利回り保証があるのではないか。あるいは日興証券の日清食品のグループの問題、これは今回が初めてではないという意味で非常に疑問を感ずるところであります。さらにまた丸万の場合、東急不動産ローンのほか、これは数件丸万の場合あるわけでありますが、約四十億円、これはもう九〇年ごろから実はやっておるわけでありますね。これも実は利回り保証があるのではないか
と言われているわけであります。
 それから、大和証券の場合には、東急不動産に持ちかけをして、九一年の十一月ですか、三十五億円程度、これも利回り保証、株の現先取引ではないか、これはもう八九年の五月ごろからいろいろあったというふうに言われておりまして、もう何回かの発覚だ、こうなっているわけであります。
 それから、東急百貨店の九一年三月、約七百億円、これは大和の仲介によって行われたのではないか。しかも、これが九二年の一月末までに東急グループに転売をするという形で行われたのではないか。
 こうなってまいりますと、九二年一月末の東急の決算のかかわり合いがあって行われたのではないかというふうに疑問を持たざるを得ない、こういうことになってくるわけでありますが、さらにはまた、旭硝子の子会社の問題についても、大和の勧めがあって約百三億円、こういうことで、これも利回り保証があるのではないか、こういうような実は一連の報道があるわけであります。
 こういう報道があるにもかかわらず、依然として結論きり我々は知り得ないということであるならば、検査行政の今後のあり方を今つくろうというときに、その具体的な事実を通してよりよいものをつくり上げるということには私はならない、こんなふうに思うわけであります。
 山種の問題は話がそうなっておりますから結構でありますが、ただ、私がここで改めて指摘をしたいのは、東急系というのが非常に多いということですね。これは余計なことでありますけれども、八六年から九〇年までの社債及び転換社債の発行をやっている会社で補てんを受けた会社、この前の、昨年以来問題になっている損失補てんでありますが、上場企業で百七十六社、このうち八十四社が新聞等で報道されておりますけれども、例えば東急の場合には八一・六%の投資率ですね。いわゆる調達した資金をどれだけ設備投資等に投資しているか。それから、山種と問題になりました阪和興業でありますが、これは昨年七十七億円の補てんを受けているわけですね、損失補てんを。七十七億円の損失補てんを受けている会社が市場から調達したお金を幾ら設備投資に投入をしているか、五・六%であります。これはある新聞の統計でありますが。
 こうなってまいりますと、市場で調達した圧倒的な部分を実は再投資に回すといいますか、いわゆる財テクに回すといいますか、そういうことであろう。設備投資に回しておらないわけでありますからその他のものに回した、こういうことになるわけでありまして、極めて問題があるというふうに実は思うわけであります。
 こういう指摘の中で、とりわけ九二年一月の末までに転売が行われたとかあるいは利回り保証があったというような部分について問題を感じますので、改めて中間状況を書面で把握部分についての御提示をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、井奥委員長代理着席〕
#111
○松野(允)政府委員 今御指摘のありました幾つかのケース、これは私どもも現在、先ほど申し上げましたように事実解明をしているところでございます。
 中には訴訟になっているものがございます。訴訟になりますとこれは訴状が公になりますので、その部分については、事実関係が訴状の中で示されていれば、その原告の主張は明らかになるわけでございます。
 問題は、訴訟係属中の場合に一体それをどう評価するかという問題があるわけでございまして、私どもは、証取法違反があったかどうかという観点からこの事実関係を評価するわけでございまして、そういったことから申しますと、訴訟係属中の場合に、なかなか事実関係を確定しそれに証取法を当てはめて評価をするということができないわけでございます。明らかに証取法違反行為があれば、これは私ども厳正に対応するわけでございまして、そういった観点から、先ほどの山種証券の場合には既に裁判所の和解とかが成立しているわけでございまして、ただ、今御指摘をいただきました幾つかのケースにつきましては、まだ事実関係が当時者間で争われているものもございますし、あるいは事実関係がまだ必ずしも明確でないものもございます。
 新法下での利回り保証といいますのは、これは損失補てんの禁止の一つの態様でございまして、損失補てんのための利回り保証を法律で禁止をしているわけでございますが、改正前の行為でございますと、それは先ほど申し上げましたように、特別の利益提供を約した勧誘という行為で法律を適用するということになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、私ども、営業マンの個人行為であるということで、会社自身も相手方の主張に対して営業マンの言い分というものもあってなかなか事実関係を確定しがたいというような事情があるわけでございまして、そういった訴状で明らかになっている部分につきましては、これは私どもも、訴状に書かれた事実というものは、原告の主張として客観的にそういうものが訴状に出ているということで明らかにできるわけでございますが、最終的に、どういう事実関係があって、それに対して証取法をどう適用するかという問題になりますと、なかなか事実関係の確定をするのに時間が残念ながらかかるわけでございます。
 中間段階でというお話でございますが、今のような事実関係をめぐって争っているという場合に、行政当局として、なかなかどちらが正しいのかというのがわからない状態でその事実関係を示すということはなかなか難しいということは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#112
○佐藤(恒)委員 私は、大蔵省が、裁判等に出されている問題で結論が出ていない問題を予断を持って評価をして出しなさいということを言っているんじゃないんですね。現在問題になっていることが既にもう報道されておって、こういう訴状になっている、これに対して会社側がこういう反論をしているというような事実がどんどん報道されているわけですから、そういうものの中間状況ぐらいは、把握している中間状況をそのまま客観的に報告することがなぜ問題なのか。私はよくわからないのですがね。そういうことを、中間状況を報告してほしい、こう言っておるわけですよ。
 とりわけ、例えば東証の場合にこう書いていますよね。新聞報道ですけれども。つまり、「東証では業績予想が三〇%以上変動するような場合は情報を公開することを求めているが、企業の認識の甘さを指摘される例が目立つ。大和証券と東急百貨店の間の「飛ばし」問題でも、お互いの業績に大幅な影響を与えた調停結果の情報開示が遅れ、強い批判を浴びた。」などというようなことが、これが東証の一つのいわゆるガイドラインみたいなものを出すに当たっての新聞の報道でありますが、こういう報道が一方ではなされているわけですよね。しかし、これは四月十九日の段階の報道でありますが、私は、この東急百貨店の問題は三月段階のものきり持っておりませんから、その後どのように結論を得たのかわかりませんけれども、少なくとも、九二年の一月末段階において関係グループに転売をしたということまで報道されている。そういう状況をどうして報告できないのか、私は極めて不思議でならないわけであります。
 時間がありませんから、そのことは改めてまた機会を見てお尋ねをすることにいたしまして、先にもう一つ御質問申し上げたいと思います。
 実は、昨年の委員会におきましても、私は、地銀生保住宅ローン問題についての御質問を申し上げたわけでありますが、最近の住宅金融ですね、八社、大変経営が悪化しておって、この八社がそれぞれの関係金融機関あるいはまた関係証券会社、つまり、メーンといいますか、そういうところに支援を求めるという動きが非常に強まっております。改めてこの住宅ローン会社の借入残高等については言う必要がないと思いますけれども、おおよそ十兆円とも十四兆円とも言われておるわ
けてあります。こういう中で、再建のためには、幾つかの、例えば地銀生保ローンのように数多くの銀行株主を抱えた会社もありますけれども、銀行が一社であるというローン会社もあるわけであります。そういうところでは金利の負担にたえかねる、こういうことから金利減免を行うということになれば、減免分の課税問題をどうするのかということが起こってくる。こういうことで、非常に難しい経営の再建に関する問題がそこに起こってきているということになっておるわけであります。
 そこでお尋ねをしたいのは、この金利の、利息の減免をやることはそれぞれの取引の関係でありましょうけれども、しかし課税の問題まで、つまり税の減免まで行うということになれば、これはいろいろ新たな問題を惹起するのではないか、このように思いますので、そのあたりについてどのようにお考えになっておられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
 それから、いわゆる住宅金融ローン会社約八社、これは銀行局の年報にもその経営状況が示されておりまして、私どもいただいている年報では、まだ二年度までの決算きり載っておりませんけれども、経常利益が元年と二年では極端な減少状況に、トータルで三四%マイナスですね。ですから、三年の決算というのはそれよりもまたさらに厳しい状況になるであろう、こんなふうに実は思えるところでありまして、そういう中でこの住宅ローン会社を、大蔵省肝いりでつくった会社も実はあるわけでありますから、これを縮小、再編成しようかというようなことも考えているやに聞くわけでありますが、そういうことを実際にお考えになっておられるのかどうか。いずれにしましても、大蔵省のかなりの肝いりでできたというような、当時の設立時期のそういう状況があるとすれば、やはりこの経営指導についてはかなりの責任を問われるのではないかと思いますが、この税の減免問題及び再編成の問題についての見解をお尋ねしたいと思います。
#113
○坂本(導)政府委員 委員のお尋ねの件は、八社という個別の事項でありますので具体的な答弁は差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますと、法人が子会社等に対する貸付金の金利を減免した場合、その減免額は子会社等に対する経済的な利益の供与として、寄附金課税の対象となるというのが一般的な事例に適用される考え方でございます。しかしながら、法人がその子会社等に対して無利息融資を行った場合においても、その融資等が、例えば業績不振の子会社等の倒産を防止するために緊急に行う融資等で合理的な再建計画というものに基づくものである等、その無利子融資等を行ったことについて相当の理由があるというふうに認められる場合には、その融資等は通常の正常な取引条件に従って行われたもの、つまり寄附金課税にならないという取り扱いになっております。したがって、個々のケースに応じて具体的に判断をするということになると思います。
#114
○土田政府委員 住宅金融専門会社の経営状態についてのお尋ねでございますが、やはりバブル経済の崩壊後の不動産市況の低迷などによりまして、一部不動産関連業種の業績が悪化しております。それが原因になりまして、その不動産関連業種に対する融資が相対的に高い割合を占めておるノンバンクでは、全体的に延滞債権が増大しておるというふうに見ております。それで、この住宅金融専門会社につきましても、その融資先であります住宅開発業者の業績悪化に伴いまして、住専、いわゆる住宅金融専門会社の通常経営に影響を与えるものと思われます。
 しかしながら、その経営の健全性というのは、それはかかってそれぞれの会社がみずから維持していくべきものでありますし、それぞれの会社ごとにこの会社の成り立った経緯なりいわゆる母体と申しますような金融機関の状況なり、さまざまでございますので、その中の幾つかの、八社の中の幾つかのものについては、関係金融機関の協力を得ながら経営の立て直しに向けて努力がなされているところであると聞いておりますけれども、これの具体的な集約、再編成などのような話に至りましては、私ども、現在全く聞いておりません。私どもの立場といたしましては、この個々の住宅金融専門会社の経営に直接口を挟む立場にはございませんけれども、金融システムの安定と健全な発展に悪影響を与えることのないよう、まずその実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
    〔井奥委員長代理退席、委員長着席〕
#115
○佐藤(恒)委員 時間がなくなりましたので、終わらせていただきますが、ただいまの住宅ローン会社の問題につきましては、昨年もお尋ねいたしましたが、今回もまた似たように、いわゆる権限が及ばないような意味の答弁でございますけれども、出資法に基づいて調査に入っているというような報道もございまして、これもまた報道が誤りであれば別でありますけれども、そういう報道もあるわけでありますから、出資法に基づいて調査に入っていることの結果に基づいて、きちんとした把握をしていただきたいし、またこの減免の問題については、一般論として私はお尋ねしているのではなくて、やはり大蔵省が肝いりでかかわり合いを持ってきたということとか、あるいはまた、それぞれローン会社が本業を離れて株式運用やその他の不動産融資に走って経営に問題をもたらしたということからするならば、一般的な規定を道用することによって他の国民の不利益に連動するような問題があってはならない、こういうふうに思いますから、その点は厳格にやってもらいたい、こう思います。
 最後に、先ほど委員長にお願いいたしました政令等の考え方についての書面については、速やかに提出いただくようにお願いをしたいと思います。
 終わります。
#116
○太田委員長 富塚三夫君。
#117
○富塚委員 昨年の証券スキャンダル発生以来、証券業界や行政当局に対する国民の不信感は極度に達している、こう言われています。国会での多くの審議あるいは第三次行政改革審議会の答申、また証券取引審議会の審議の動向などを受けて、今回の法律改正の提案になったものと思います。
 また、現状、日本の株価は完全に自律回復を失って、平均株価は大台を次から次へと割り込んで、泥沼化の株式市場になったとも言われています。この過程で、当局、つまり大蔵省の判断のミス、対応のまずさが株式市場をめちゃくちゃにしたのではないかとも言われています。証券業界が悪いと決めつけてきたといって、証券業界から大蔵省に批判が集中して、両者の信頼関係が極めてまずくなっていると聞いていますが、そのことについてどのように大蔵省、受けとめておられるか、現状についてひとつお聞かせいただきたい。
#118
○松野(允)政府委員 現在の株式市場の低迷につきましては、いろいろな原因が考えられます。その中にはもちろん昨年来の一連の不祥事に伴いまして、証券業界、証券市場ひいては証券行政に対する批判あるいは信頼の喪失というようなものがあるわけでございます。そういうものを踏まえまして、私ども、業界と一緒になりまして、その信頼の回復策というものを図っているわけでございます。損失補てんの禁止あるいはその損失補てんの禁止を具体的に実効あらしめるための業界の自主ルールの策定、さらに営業マンの営業姿勢、投資勧誘方法の適正化のためのいわゆるガイドラインの作成等々、業界としても証券市場の信頼回復のためにいろいろな努力をしておりますし、私どももそれに対して適当なアドバイスなり支援を行政当局としてしているわけでございます。もちろん、それだけにはとどまらず、公正な市場を確保するという観点から今回の法律改正案をお願いをしておりますし、あるいは競争の促進による市場の活性化というようなことも考える必要があるというふうに思っているわけでございます。
 御指摘のように、大蔵省と証券業界との関係がどうかということでございますけれども、これは今申し上げましたように、私どもとしては、業界と一緒になって証券市場、特に株式市場の信頼回復のためにお互いに努力をして、行政として法律改正をお願いするところはお願いをしておりますし、あるいは業界として自主的にやるべきことは大いにやっていただく、あるいは私どもはそれを支援するということでやっております。
 株式市場の低迷の原因、ほかにもバブル経済の問題とかいろいろございまして、なかなかそういう努力が実を結ばないということは事実でございますが、こういうことをやることによって市場の信頼を回復していくことがやはり一番正当な方法だし、また結果的には近道になるのではないかというふうに考えているわけでございます。
#119
○富塚委員 過般、大蔵省と証券業界の癒着の構造などが大変さきの国会でも問題とされました。また、投資家保護という観点からこの法改正という問題も出てきているわけですが、私は、その関係機関や投資家の信頼関係が、同時に進めていくということにならないと、法律を改正して今提起されているような組織をつくってもこれは十分に機能していかないのではないかと懸念する一人であります。あれもだめ、これもだめと言って、何か証券スキャンダルを契機に大蔵省はがんじがらめに証券業に規制、組をかけて、しかもそれが一貫性がないようなことが盛んに言われているわけですけれども、現実に市場は無気力になり、絶望感だけが残っているとも見られて、非常に投資家の不信感も募らせている状況でありますから、そういった問題を、つまり信頼関係を同時に回復していくという観点に立って法改正の問題を考えていかなければこれはうまくいかないのではないかという点で、大蔵大臣の所感を伺います。
#120
○羽田国務大臣 もう今御指摘がありましたとおりでございまして、やはりいろいろなことがございましたけれども、それから全体的にバブルの崩壊等々ありましたけれども、やはり株価の低迷の基本、底流にあるものは、何といっても投資家の信頼を失ったということが一番大きな問題であろうというふうに思っております。
 今松野局長の方からも御答弁申し上げましたように、私どもといたしましても、一番の大事なことはやはり投資家の皆さん方の信頼を取り戻すことである。そのためには今お願いをいたしておりますような法律、こういったものをつくりながら、不明朗な取引がないということをやはりきちんと示すことが信頼を取り戻す、あるいは活況を取り戻すための一番の近道じゃないかという表現があったわけでありますけれども、私も全くそのとおりであろうと思っておりますし、今富塚委員からお話がありましたように、この組織というものがきちんとでき上がって、そしてそれを機能させて、投資家のそのものの信頼を回復させていくということが何といってもやはり大事なことであろうというふうに考えておりまして、この法律を一日も早く通過させていただきまして、そしてきちんと機能させながら、公正で透明な証券市場、これを確立するために私どもも万全を期してまいりたい、かように考えております。
#121
○富塚委員 次に、証券取引の新しい今度の委員会をつくるという意味で、どのようなイメージといいましょうか、そういうものが投資家や国民の間で出てくるかという点で、アメリカのSEC、すなわち証券取引委員会は独立機関としてあるわけですが、新たに大蔵省に設置する証券取引等監視委員会というものの相違点、基本的な考え方というものについてお伺いをしたいと思うのです。
 アメリカは一九三三年に制定した証券法及び一九三四年に制定した証券取引所法の中で、証券法は投資家のための情報の開示、また証券取引法は証券売買に関する規制が柱になっていると言われていますが、新設の証券取引等監視委員会というものは、アメリカの証券取引委員会と比較をして基本的にどのような立場に立つ見方に立った方がいいのか、つまり国民や投資家のイメージとしてどういうふうにとらえた方がいいのかという点についてお尋ねをいたします。
#122
○羽田国務大臣 お答え申し上げます。
 まず、アメリカのSECとの違いということでありますけれども、これは我が国とアメリカとでは議院内閣制と大統領制という行政システムがやはり異なっているということがあります。さらには司法制度そのものにも相違があろうというふうに思っております。ですから、証券取引等監視委員会と米国の証券取引委員会、いわゆるSECとを直ちに比較するというのは非常に困難であろうというふうに思っておりますけれども、今しかし委員の方から御指摘のございました、いわゆる米国の証券取引法の制度におきまして情報開示を通じて投資者保護を図るというこのディスクロージャー、この規制が一つの大きな柱となっておりまして、これがまたやはり一つのイメージといいますか、大きな、何というのですか、大切なところであろうというふうに思いまして、全くそれは御指摘のとおりであろうと思っております。
 我が国におきましても、米国と同様、投資判断に必要な情報というものを開示させることによりまして投資者保護を図る観点から、ディスクロージャー制度がやはり証券取引法上の重要な柱の一つとされておるところでございまして、ディスクロージャー制度につきましては、特に近年において時価情報あるいは関連当事者間の取引情報の開示などの充実に努めてきておりますけれども、今後とも必要に応じながらディスクロージャー制度の充実というものを図ってまいらなければいけないというふうに思っております。
#123
○富塚委員 さきの国会の審議の中でも、大蔵省は、証券業への参入が登録制のアメリカと免許制の日本とは事情が違うという意味でさまざまな見解が述べられてきたことは承知をしています。しかし、このアメリカの証券取引法にありますように、投資家の保護のための情報開示といい。ましょうか、いわゆる有価証券の概念も明らかにして証券取引法による投資家保護を広く及ぶようにしたいと大蔵省は言っていますが、企業の実態などを正確に知らせるようなそういう問題についてやはり十分考えるべきだと思うのですけれども、そういう点についてはどのように考えておられるでしょうか。
#124
○松野(允)政府委員 我が国の現在の証券取引法も戦後つくられまして、基本的にアメリカの証券取引法をある程度受け継いでいるところがあるわけでございます。
 御指摘の投資者保護のための情報の開示ということは、我が国の証券取引法におきましても非常に大きな投資者保護のための柱になっているわけでございます。そういったこともございまして、今回お願いしております法律で、例えば有価証券の定義の整備をする。つまり証券取引法が適用される有価証券を、弾力的にといいますか、新しい証券が出てきた場合にそれを適用するということの一番大きな理由の一つに、今申し上げたこの証券取引法が適用されるということは、その有価証券の情報が十分投資家に開示されるということで投資家保護が図られるということが非常に大きな柱になっているわけでございまして、御指摘のように、正確な情報を投資家に提供し、投資者が自己の責任において投資判断をするというのが我が国における証券取引法においても基本的な考え方であるというふうに考えているわけでございます。
#125
○富塚委員 新設の証券取引等監視委員会は、お話あったように、証券市場の健全性保持を目的としたSECと同じように、企業に対する財務諸表の提出要求やあるいは市場取引の監視のほかに不正行為を摘発するための強制捜査の権限、こういう問題について、大蔵省の提案を見ると、アメリカの委員会に準じたような形の提案になっていますけれども、これは大蔵省の今回の提起されている、大蔵省の中にできる証券取引等監視委員会というのも実態的にはSEC型と同じ権限を持たせるというふうに見てよいのでしょうか。
#126
○小川政府委員 新しい委員会は、御指摘のとおり、取引の公正を害するようなものにつきまして強制調査を行ったり、あるいは証券業を営む者がルールに違反していないかどうかということを検査するわけでございます。それに基づいて、告発であるとかあるいは行政処分の勧告というものを行うわけでございます。したがいまして、その中において、お話にありましたように、SECと同じょうに、例えば有価証券報告書等への虚偽記載の疑いなどがあれば、その企業に対して当然報告書の内容を検討するための資料の提出を求めることができるわけでございますし、また市場取引を監視し、あるいはインサイダー取引等の不正行為を摘発するといった権限も与えられているわけでございます。
 こうした権限を実行いたしてまいりますと、SECの場合には当然司法制度を異にしておりますので、我が国で今度お願いをしておるような、いわゆる我が国流の強制調査権というようなものは持っておりませんが、それにかわる仕組みを持っておりますので、結果においては、調査の実効性という意味では我が国の委員会もSECも類似するところがあるというふうに考えております。
#127
○富塚委員 一口に言って、全くアメリカ型の委員会と同じような機能、権限を考えている、こういうふうに見ていいわけですね。
#128
○小川政府委員 SECと我が国の今度お願いをしております委員会と非常に違っております点は、ただいまの強制調査あるいは検査というところは類似をしているわけでございますが、SECの場合には、そうした取引の公正性の検査・監視のほかに、証券業者の監督あるいは証券に係る政策の企画立案といったようなこともその所掌事務としているわけでございます。我が国の場合には、そうした行政は証券局の仕事でございますから、いわば証券局とこの監視委員会の仕事をあわせたところでSECになる。しかし、取引の公正性を検査・監視するというところについてはSECと我が国の委員会とがほぼ似たような機能を営むことになる、こういう関係でございます。
#129
○富塚委員 これから審議が続けられていく問題だと思うのですけれども、私が言ったのは、冒頭に言っておるように、新しくできる委員会のイメージというものはどういうものなのかということについて大蔵省当局に言うと、それぞれの具体的な項目の問題をいろいろ考えられている点はあるのですけれども、やはり登録制と免許制の違いというものはあっても、現実にアメリカ型の証券取引委員会を参考にするという話は大分議論の中であったわけですから、国民にわかる、投資家にわかるイメージというものをはっきりしないと、何となくあいまいに、準じてやる、まねてやるみたいな形のものだけではちょっといただけないんじゃないかという感じがいたしますから、これは今後の審議の問題になっていくでしょうけれども、大蔵省もひとつその点は十分に、一口に言って国民にどうわかるのか、投資家にどうわかるのかというイメージについてひとつ考えてもらいたいと思います。
 それで、今度はスタッフの問題も、アメリカのSECなどは、ワシントンに本部があって、九つの地方の局と八つの支局ですか。委員会は議会が承認して大統領が指名した五人の委員会、任期五年で構成して、職員の数は約二千人、うち七百人が摘発部門に充てられているということを聞いているんですけれども、この今の提案されている問題は、まさにこのスタッフでは、この態勢では十分な機能を果たすことができるのかどうかという点で私は疑問を持つ一人なんです。三人委員会と八十四人が摘発部門に準備をしておられるようなことを言っているのですが、これは、もっとこの点の問題は大蔵省自身が前向きに、例えば一定期間実施をして検討するとか、そういう問題にはなっていかないのでしょうか。どうも当初からの組織的な内容、スタッフを考えるとそういう点を感じさせられるのですが、その点はいかがでしょうか。
#130
○小川政府委員 新しい委員会は、先ほど申し上げましたような証券業者に対する検査あるいは犯則事件の調査を行うことにいたしておりますが、そのスタッフは、お話にございましたように八十四人ということを予定いたしております。このほか、もとより各地方の事務を行うために財務局にも委員会の仕事を行う要員を持っているわけでございます。それを合わせますと、約二百名ぐらいということになるわけでございます。
 このスタッフを持ちまして委員会の行うべきイメージとしては何かと申し上げれば、やはりルールの違反のないように、そのルール違反を見出すということでございますが、そうした機能を効率的に営んでいくものと思っているわけでございます。証券市場の発展あるいは経済情勢の違い、司法制度等の違いがございますので、SECと量的に単純に比較するわけにはいかない。また機能的な違いもございますが、先ほど申し上げたようなルールの遵守状況、犯則事件の調査という観点からいたしますと、これだけのスタッフを持って発足するということで、効率的な調査、検査が期待できると考えているわけでございます。
#131
○富塚委員 かけ声ばかりで中身がなくて何か及び腰になるようなことのないように、ここも真剣に政府は、大蔵省は考えているということが国民や投資家にわかるようにやはりすべきではないかという点で、恐らく今後の審議の問題点にもなると思いますけれども、私から要請をしておきたいと思います。
 次に、この証券取引等監視委員会と証券業業界の協会の自主規制機関の機能強化という役割と相互の関係についてちょっと御質問をいたしたいと思います。
 公正を確保するための大蔵省の指導、これはそれぞれ、監視委員会になされる。業界の方は自主的な規制を考えていこう。聞くところによると、大蔵省もかなりの数の通達を法制化をしていかなければならないという問題もあるようですし、あるいは、さまざまな指導体制の強化という点で考えられていくのだと思うのです。業界の自主的な規制という問題が、業界の保護を優先をするような形になっていきやせぬかという懸念、ここのところはどうか。そのことは、裏を返しますと投資家保護を軽視するような形になっていくみたいなことになりはしないかという点で、自主的な規制という点の概念と監視委員会の設置とのかかわり合いについて、どうも業界にはこうお願いをする、こっちはこう考えるというみたいなことで、両者もたれ合いみたいな一つの対応を考えているように受け取れる節もあるのですけれども、その点はどうでしょうか。
#132
○松野(允)政府委員 今回の改正案におきまして、監視委員会を設けるのとあわせまして、自主規制機関、証券業協会あるいは証券取引所の自主規制機関の強化をお願いをしているわけでございます。
 私どもの考え方は、やはり証券取引には専門性等もございまして、証券業協会、これは証券会社をメンバーとするわけでございますが、そういうところで業界が自主的に公正な取引を確保するためのルールをつくり、それを守るということがやはりある部分で必要である。もちろん、法律で規定をする部分もあるわけでございます。そういうことで、今回の法改正案では特に証券業協会につきまして、証取法上の法人ということで、はっきりと自主規制機関としての位置づけを明確にしたいというふうに考えております。
 御指摘のございましたそういう証券会社をメンバーとしているとどうしても業界の利益優先になって、投資家保護が軽視されるのではないかというようなことでございますが、これにつきましては私ども、今回の改正案におきまして、今申し上げたように証券業協会の自主規制機関としての位置づけを明確にいたしますとともに、万が一証券業協会が、例えばそのメンバーであります証券会社の自主ルール、協会ルール違反というようなものに対して何も措置をとらないというようなことをしている場合には、大蔵大臣がその協会に対して必要な措置をとることを命ずることができるというような規定を入れることによりまして、自主規制機関がその機能を十分発揮できるように、必要な場合には大蔵大臣が是正をするというようなことを考えているわけでございます。
 こういったようなことを通じまして、こういう規定が実際に発動されるというのは実は好ましくないわけでございまして、そういうことにならないように、証券業協会が、自分たちのメンバーであります証券会社がルールをちゃんと守るように自主規制機関としての機能を十分期待したいわけでございますが、万が一の場合の備えとして今のような規定を入れているわけでございます。
#133
○富塚委員 大蔵省の証券取引等監視委員会の参考資料に図表がかいてあるのですけれども、一番最後に「法令・自主規制ルールの遵守状況の考査」というものが証券取引所の側に書いてあります。片方の証券業協会の方は「監査」ということを書いておるわけですね。この「考査」と「監査」ということの問題、素人的に我々から考えると、証券業協会も取引所も同じ土俵の上にあるのではないかというふうな感じもするのですけれども、「考査」と「監査」というものの概念について、ちょっと教えていただきたいと思います。
#134
○松野(允)政府委員 御指摘のように、協会の方は協会員に対しては監査をするという言葉を使っておりますし、証券取引所の方は考査という言葉を使っております。私どもは検査というふうに言っております。
 言葉は確かに違うわけでございますけれども、協会あるいは取引所が行います監査あるいは考査は、主として協会のルールあるいは取引所のルールを中心にして証券会社を監査し、あるいは考査をしております。もちろんその過程で法令違反についても常に念頭に置いて監査、考査をしているわけでございますが、たまたま経緯論がございまして監査、考査という別の言葉が使われておりますけれども、基本的には自主規制ルールの遵守状況とチェックをし、その自主ルールの遵守が確保できるようにするための監査であり考査であって、そこには基本的にはそれほど大きな違いがないというふうに私どもとしては考えております。
#135
○富塚委員 この大蔵省資料によりますと、委員会がまずある。大蔵大臣の権限として、協会員の規約違反等にかかわる所要の規定の整備をする。また先ほど申し上げましたように通達を十本ぐらいの法律に変えていくことにしたいということで、とにかく証券取引所に厳しい枠をはめるというふうな立場に立つ大蔵省、それを受けての委員会ということになると思うのですね。ところが、証券業協会は自主的な規制をいろいろ考えて対応していくということの問題になると思うのですが、一般の投資家はどういうふうな構図でこの形の中に生きていくのかということがちょっとわかりにくいのです。私は、監視委員会ができて、公正な立場に立って監視を厳しくしていく、それで業界も自主的なルールをつくる。では投資家はどういう観点に立って考えられていくのかということの問題をやはりもっと明らかにする必要があるのじゃないか。と同時に、委員会の中立性みたいなことが、つまり投資家と業界との間の中立性、公正さを保つという観点での視点の問題がやや欠落しているのじゃないかと思うのですが、そういう点ほどうなんでしょう。
#136
○松野(允)政府委員 まず、その自主規制機関の機能といいますか、自主規制機関がつくっておりますルールをいかにメンバーに守らせるかということでございますが、この自主規制機関のっくりますルールにつきましては、これは大蔵省の方に届け出を出し、あるいは重要なルールについては大蔵大臣の認可を要するというようなことになっております。そのルールはあくまでもやはり証券取引が公正に行われるということを確保するためのルール、あるいは不公平なことが行われないというようなためのルールでございまして、御指摘にありました投資家はどこにいるのかということになりますと、今申し上げたルールというものが、そもそも投資家が安心して証券市場に入ってくるようなルールをつくるということが主眼になっているわけでございます。
 委員会の関係につきましては、委員会が行います検査あるいは調査、強制調査、これもあくまでもやはり証券市場の公正性を確保するということになるわけでございます。その中立性という点につきましては、これはこの委員会があえて行政部門から独立した形で設けられ、かつ委員会が独立して行動できるというようなところでその中立性を確保し、それによって委員会の検査あるいは調査が、投資家が安心して入ってこれる公正な証券市場を確保するための機能を十分発揮できるというようなことにしているわけでございます。
 なお、ちなみに投資家といいましてもさまざまございまして、例えば非常に悪質な投資家がいるというような場合につきましては、委員会が新たに持ちます強制調査権限の対象にもなるわけでございまして、そういう株価操作等の悪質な行為を仮に投資家が行うという場合には、委員会の権限の発揮が十分期待されるわけでございます。
 いずれにいたしましても、委員会の検査、監視、調査、あるいは協会、取引所の監査、考査、いずれにいたしましても投資家が証券市場において公正に取り扱われる、つまり公正な取引が行われるということを担保するものであるというふうに考えているわけでございます。
#137
○富塚委員 やはり基本は業界と投資家の信頼関係をどうつくっていくかというところに立脚をしていかなければならない。そして、監視委員会が変な形が起きないようにいろいろ監視をする。大蔵省も監督をする。さまざまなことを考えていかなくてはいけないんだと思うのですけれども、協会は、業界みずからの公正取引、投資者保護の規定の整備を行っていく、こうありますね。これからつくっていく。私は、やはりそこのところで業界はみずからの業界を保護するような流れになっていくことも出てくるんじゃないかという懸念を一つは持ちます。大蔵省は協会員の規約違反等にかかわる所要の規定の整備をする、こういうふうになるわけですね。そうした場合に、業界と投資家の信頼関係をどうつくっていくのかという基本的な問題が委員会のいわゆる組織の基本的な問題になっていかないといけないという意味で、この委員会という構成が、組織がどういう方向に向いていくのかということをわかるようにしないと、やはりイメージが出てこないんではないかというふうに考えるわけです。
 私が言いたいのは、これからのそれぞれの規定の整備に向けてそういう問題点を十分に考慮に入れて対処していかないと、大蔵省は大蔵省で法律をつくって、そして規約違反には厳重に臨むとかという、そして委員会に負託をする。また片方は、自主規制の問題はやはり業界保護の視点を大事にしながら、形だけの規制をやるような形になったのでは投資家と業界との信頼関係が出てこない。何か大蔵省、委員会はにらみをきかせるけれども、実際は空洞化したことになっていきはせぬかと懸念をするものですから、これからの法的ないろいろな規定の整備の上にそういう問題点をひとつ考慮に入れて対処してもらいたいと私は思うのです。特に、考査と監査という問題などを考えてみると、どうも言葉の問題になってしまって一体どういう実効力が出てくるのかということがなかなかイメージとして浮かんでこないという点があるものですかも、私はそういうことをこれからそれぞれ規定を整備されていく中でそういう問題点をきちっと整理をしてもらうようにお願いをしたい、こう思っているわけです。
 そこで、最近こういう事件について私のところに持ち込まれておりますので、こういう問題を考えるときにこの新しい法律改正はどうこれにかみ合っていくのかという点でいろいろ実態を申し上げて御所見を承りたいと思います。
 ちょっと紹介しますと、平成元年の二月にOという中堅の証券会社の投資顧問のKさんが有限会社を経営するI氏に、お金を銀行に預けるのはばかばかしい、銀行の利息は五%ないし六%しかない、おれは元本保証の上に一四%は必ずもうけさせてあげる。再三にわたり執拗に株の信用取引を勧誘した。このI氏はO証券会社のS支店に信用取引口座の開設を行って保証金として一億円を預託をした。預託は一年だけで一年後には少なくとも預託金の金額は全部返してくださいということで投資顧問をしているK氏と約束をした。平成元年の五月に、この投資顧問であるK氏の言辞に不審を抱きまして、顧問の税理士などの助言を受けて、信用取引はやめてほしい、現物取引に変えてほしいと申し入れしたが、断固としてこれはできないと拒否をK氏にされたという問題。そして、その預託金が平成元年十一月には一億が八千九百万となり、十二月は七千九百万、一月は七千八百万、二月は六千万、三月は三千八百万、四月は大暴落ですべてがパアになってしまった。あれよあれよという間に下降線をたどって大損害を受けてしまったということなんです。この間、十月三十日に株取引を清算したいと強硬にK氏に申し入れたら、千五百万なら返せると言って千五百万を返してきた。I氏の通帳に振り込まれてきた。その後K氏は行方不明になっていない、幾らやってももう通用しない。
 しかも、私はびっくりしましたのは、平成三年十二月三十日にこういうあいさつ状が当人に来た。当業界の不祥事、銀行、商社に関する事件が余りにも多く、株式市場にとっては困難と苦しみにあふれた一年でした。何とか来年は脱出を願うばかりです。世の中の流れに対処できないことが多過ぎたとはいえ、皆様に多大の苦しみと御損をかけました。それにもかかわらず、皆様方より励ましの言葉をいただき、この上なくありがたく感謝とおわびの気持ちでいっぱいです。明年前半も多くは望めませんが、最大努力して少しでも利益の出るように頑張ります。何とぞよい正月をお迎えください。
 証券会社のその当事者から損害を与えた人にこういう一通の手紙を出したままで、すべてそのことにかかわってくれないという問題が今私のところに持ち込まれておるのです。こういうことを考えてみたときに、本当にこういう実態をどのようにこれから直していくのか、是正していくのかということの問題を庶民的な投資家の立場に立って考えていくようにしていただかなければ、これはどんな法律をつくってどんな委員会をつくっても信頼されないというふうに私は思うのです。
 そうした意味で証券局にお尋ねするのですが、このような証券不祥事の中で、弱い立場にある一般の投資家の苦情というものは一体どのくらい来ているんでしょうか。先ほどもちょっとお話がありましたけれども、大口投資家の一部損失補てんはされたという問題はいろいろありました。しかし、このように泣き寝入りさせられている個人投資家がかなり多くいるという問題で、裁判に持ち込んでもなかなか勝算がない。言った、言わない、約束した、しないみたいなことで、お金だけ持っていってやっている、こういうことは許されていいと思わないのですが、こういった苦情は一体どの程度来ておるのでしょうか、掌握しているのでしょうか、お尋ねいたします。
#138
○松野(允)政府委員 証券取引をめぐりますトラブル、苦情は、特に株式市場が低迷をしてまいりました時期からふえておりまして、これは証券業協会に苦情相談室というところがあるわけでございますが、この苦情相談室が受理をいたしました苦情の件数を私ども把握しているわけでございますけれども、平成二年の三月期には一年間で千二十九件だったものが、三年三月期には千六百十九件にふえまして、四年三月期にはそれの倍以上の三千五百二十六件という件数に上っております。こういう苦情の中には、今御披露がございましたような、いわば非常に不適切な営業あるいは投資勧誘方法というようなものがうかがえるものもあるわけでございます。
 私どもは、こういう問題に対して、一つには外務員、証券会社の営業マンが不適切な行為をする、それでお客に損害を与えた場合には、証券会社が当然その使用者としての責任を負うということがあるわけでございまして、それは証券事故ということで大蔵大臣の確認を受けることによってその顧客が救済を受ける道が開かれているわけでございます。これは、証券取引法を改正いたしましたけれども、損失補てんの例外的な場合としてそういう救済を受ける道を開いているわけでございます。具体的な案件がこの証券事故に該当するかどうかという点につきましては、事実関係を確認、調査した上でなければ判断できないわけでございますが、いずれにいたしましても、こういう協会の苦情処理という問題が非常に件数もふえております。
 今回お願いしております法律の中におきましても、この協会の苦情処理体制の充実強化というのも一つの柱になっておりまして、こういったことによって何とか苦情について投資家の救済が十分できるように手当てをする必要があるというふうに思っております。また反面、この違法、不当な行為を行った外務員に対しましては、外務員の登録を取り消すなどの厳正な対処をしていく必要があるのではないかと考えているわけでございます。
#139
○富塚委員 ぜひ大蔵省に、当面はこういう問題について具体的にこういう被害を受けている人たちの要請があったときには、それを受けとめるということと調査するという問題を考えてもらいたいというふうに、これは証券局長、ひとつぜひ考えてもらいたい。
 こういう事例、泣き寝入りしている人はたくさんあるだろうと僕は思うのです。だから、その点はぜひひとつ調査する方向で検討していただきたいと同時に、新たにできる委員会の中での、先ほど情報の開示の問題もいろいろ言いましたけれども、こういう問題を取り上げて対処していくようなことを、やはり具体的にきめ細かく投資家、庶民の立場に立って対処するということを考えていただかなければならないと思うのですが、どうでしょう。
#140
○小川政府委員 苦情処理の問題につきましては、今般の証券取引法改正案の中で、自主規制機関の機能の充実強化の一環として、証券業協会にこうした機能を新たに持たせることといたしております。協会は、その苦情に係る事情の調査とともに、協会員に対してその苦情の内容を通知して迅速な処理を求めることを行うことになると存じます。
 苦情処理と新しい委員会との関係でございますが、そうした情報が果たして証券会社にルールの違反、遵守の違反があったかどうかといったような情報の端緒ということは十分あり得ると存じます。そういう意味では協会あるいは行政部局を通じてこうした苦情に関する情報が委員会の一つの調査あるいは検査の参考になる、そういう意味で是正方が期待されるというふうに考えられるわけでございます。
#141
○富塚委員 今回設置される証券取引等監視委員会は、一つは検査権等の委任、二つは犯則事件の調査等を目的とするというふうに明記されているわけですよね。まさにそれは公正さによる投資家の保護を最大の目的としていると思うのでありますけれども、このようなことが起きたときに、具体的な例、一体どういう罰則を機能に加えようとするのか。あるいはこういった不当な証券マンに対してどのような処罰をしようとするのかということ、これはどういう歯どめをかけていこうとするのかということがはっきりしないといけないと私は思うのですけれども、国民の前に、投資家をだますような犯則行為があったときの調査とその手順、そしてそれに対する罰則をどう加えようとするのかということなどの問題について、これからのいわゆる規定をつくっていく上でこれは幾つかのケースを想定してそういうことは考えられるのでしょうか、その点いかがでしょう。
#142
○松野(允)政府委員 苦情のケースで多いのは、やはり営業マンと投資家との間のトラブルでございます。その中には、御披露のありましたように営業マンに場合によっては証券取引法違反の行為がある、非常に不適切な投資勧誘方法があったとかいうようなことになりますと、これは営業マンに対して外務員としての資格を剥奪するという処分がございます。これは、登録取り消しというふうに法律上はなっておりますが、その外務員としての資格を取り消しまして、一度取り消されますとその人は、その営業マンは五年間外務員活動に従事できないということになっております。そういったことで、外務員の違法な行為、証券取引法に触れるような行為については、そういうものが見つかった場合には外務員としての資格は剥奪されるということになりますし、またそれが場合によって証券会社自身がそれを見逃している、あるいは証券会社自身がどうもいろいろ問題がある、経営体制あるいは営業管理体制に問題があるということになりますと、これは証券会社自身に対しても我々としては行政上の指導をし、あるいは場合によっては行政処分をするというようなこともあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、このトラブルはいろいろ多岐にわたるわけでございまして、なかなか一律に申し上げることはできないわけでございますけれども、いろいろなケースについて一般的に申し上げますと、今申し上げたように証取法違反行為があれば外務員としては資格を剥奪されますし、場合によっては証券会社にまでその責任が及ぶということで我々一としては対処してまいっておりますし、今後委員会ができますと、先ほどお答え申し上げましたように委員会がその端緒をつかんで検査に入るというようなことも十分考えられるわけでございます。そうなりますと、より今申し上げたようなことについての実効性が担保でき、確保されるのではないかというふうに考えるわけでございます。
#143
○富塚委員 一般的に、投資家が証券勧誘員をだましたりすることはないと思うのですね。やはり投資家がだまされるというのが、もうこれは社会的な通念ですよね。当然そういうふうになってくる。そうすると、この事件なんかは投資顧問がトンズラしてしまうなんという最もひきょうな例ですけれども、取引時に、言った言わない、口約束があるない、こうした論争をするケースが非常にやはり多くなってくるというふうに見なければならないと思うのですね。やはりそういうのに歯どめをかける、例えば検査、臨検、捜索、差し押さえ、いろいろな裁量権の問題が委員会の職員の方々に負託されるということになっても、結局は委員会の摘発する機能が十分に働かなくなってしまうということになる。これは一面では、裁判の問題と同じ、証拠があるなしの問題になってくると思うのですけれども、私は、約束を証拠づけるようなルールをつくるということについてやはりこれから考えていく必要があるのじゃないかというふうに思うのです。幾ら自主規制の問題が出てきても、こういう問題は、証券業界が競争の中に置かれるということの中では、やはり幾つかのこういう問題がまた多発してくる可能性は十分あると私は見るわけですけれども、そういった幾つかのケースの証拠づけをどういうふうに考えていくかという点で、業界をきちんと規制をするというやり方を私はすべきだと思うのですけれども、どうでしょうか。
#144
○松野(允)政府委員 確かに個々のトラブルの場合にその証拠を見つけるというのは非常に難しい問題がございます。大体において口頭でやりとりが行われるわけでございます。御指摘のように、お客が営業マンをだますというケースはないのじゃないかということでございますが、最近は実は投資家もかなり悪質な投資家がおりまして、そうでない場合もかなり我々は聞いているわけでございますけれども、やはりいずれにいたしましても、確かに営業マンの営業行為というのは、証券会社から外に出て投資家と接触をしておりますので、口頭で何を言ったか言わないかというような、なかなか難しい問題がございます。それについてどういうふうに証拠づけるかということを考えることも、確かに御指摘のように一つの方法だろうと思うわけで、なかなか難しい問題ではございますが、私どもも検討してまいりたいと思いますけれども、やはり基本的には投資家の方の自己責任原則の認識というものを高めていただくということがどうしても必要になるのではないか。明らかにだまされるということになりますと、これは証取法違反でもありますけれども、詐欺の問題が出てくるわけでございまして、やはり証券投資が自己責任において行われるということの基本的なところをいかに認識を深めていくかというのは、私ども非常に重要ではないかというふうに思うわけでございます。
#145
○富塚委員 最後に大蔵大臣にお尋ねいたしますけれども、この法律改正によって、所要の規定の整備とか、これからいろいろな形で進めていくことになると思うのですね。いろいろな角度から問題を拾って進めていくことになると思うのですけれども、またそれぞれ、行革審の意見や取引審議会の中の意見でも、独立性の問題とか処分権の問題とかいろいろな意見があったことも事実ではありますが、私は、やはり投資者をどう保護するのかという現実のそういう感覚に立って、この問題の新たな改正の問題を考えていくようにしていただきたい。もちろん大蔵省もそのことは申されておりますけれども、とかく実態的な問題というのは、やはりなかなか知らされていないケースが多いと思いますね。だから、私はもっと一般庶民、投資家の立場に立って、新設される委員会とあるいは自主規制機関との関係などをやはり考えてもらうという点で、まだこの法案が提案されて審議が始まったばかりでありますから、私も幾つかの問題点を提起をいたしましたけれども、やはり国民が期待をしている問題ですから、積極的にそういう点を考えていただいて、対処していただきたいということを申し上げて、大蔵大臣の決意をひとつお聞かせいただければありがたいと思います。
#146
○羽田国務大臣 今るるお話があったわけでございますけれども、私どもといたしましても、今御指摘がございましたように、この法律をお願いを申し上げます基本というのは、もう何といってもやはり投資家の保護ということ、消費者の保護ということでございますから、そういった点をこれからの審議を通じながらきちんとしていくということと、また、株、投資というのはどうしてもリスクを負うものであります。ですから、まず自己責任ということは大事ですけれども、やはり投資に参加する人たちもこういう心構えでやってほしいというようなことについても理解をしていただけるような活動というものを、また協会もあるいは取引所としてもやっていただく、そんなことも大事であろうと思っておりまして、いずれにいたしましても、今御指摘のございました点につきまして、私どもよく念頭に置きながら対応していきたいと思っております。ありがとうございます。
#147
○富塚委員 ありがとうございました。
#148
○太田委員長 日笠勝之君。
#149
○日笠委員 昨日、本会議で証取法と金融制度改革法の趣旨説明及び政府からの質問に対する答弁がありました。進水式がきのう終わったそうでございまして、きょうからは船の艤装工事をやらなければならないわけでございますが、まず何点か証券取引関係についてお伺いをしたいと思います。
 こういう論議をする前に、前向きの議論じゃないのですけれども、昨年来の証券・金融不祥事の審議に携わった者として、どうしてものどに刺さった小骨が今もって存在をするわけなんですね。それは、いわゆる野村証券と日興証券の子会社と言われておるノンバンク、すなわち野村ファイナンスと日興クレジットからトータルで三百六十二億円というとてつもない、想像もできないほどの金額を稲川会の故石井進前会長に利益供与した。便宜供与した。しかし、その後その三百六十二億円の債権回収が進んでいるという声は聞きません。昨年、両証券会社の幹部の方の証人喚問がありました。私も日興証券の岩崎社長でしたかね、聞きただしたところ、早急に回収をするようにしたい、こういう証言もあったわけですが、それ以降何か秋ごろには回収するとか、またそれができないので、今度は岩間開発の方に東急電鉄株を供与して、そしてそのかわりに債務を肩がわりしてもらう、こういうようなことで、石井前会長も亡くなったということもありまして、本年三月中には何とかしたい、それがまたできませんで、再延長で本年六月末、こうなっておるわけでございますが、この両ノンバンクの債権回収の見込みとか、またもしこれが回収できなければ、野村証券、日興証券本体の経営にも、こういう株価低迷のときでもありますし、影響が心配をされるわけでございますが、どのような認識、どのような対応をされておりますか、まずお聞きいたします。
#150
○松野(允)政府委員 御指摘の野村ファイナンス及び日興クレジットからの稲川会前会長石井氏に対する百六十億円あるいは二百二億円の融資でございますが、これは昨年の九月に石井氏が死亡されまして、その後相続人四人がこれを引き受けるということになり、さらに岩間開発株式会社が債務引き受けを行ったわけでございます。さらに昨年の十二月には岩間開発から土地を追加担保として受け入れておりますが、株式市場の低迷からこの担保株券の価格が非常に下落をいたしまして担保不足の状態になり、本年の三月三十一日には非常に担保不足が生じていたわけでございます。そのような状況の中で、この二社がいろいろと検討した結果、金利の前払いを条件にいたしまして、融資期日を六月末まで延長したということになっております。
 私どもも、こういう融資の性格上できるだけ速やかに回収をするように指導しているわけでございますけれども、債権回収の見通し等を踏まえていかに債権を損失なく回収するかという問題につきましては、これはあくまでもやはり二社の判断に属するところでございまして、大幅な担保不足、大幅な回収不能が起こるというような状況の中であえてそれを行うべきであるということを我々行政として指導するにも限界があるわけでございます。そういったことで、結果として六月末までさらに融資の期限が延長をされております。引き続きできるだけこの回収に努力をし、その回収不足額というものをどういうふうに処理するかということもあわせて検討を要請してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
#151
○日笠委員 ことし四月一日から新暴力団法も施行されておりますし、今後いわゆる暴力団への証券会社の一つのけじめということのシンボルにもなると思いますので、注意深く成り行きを見守ると同時に、六月末までに何とか本体の経営にまで影響が及ばないように証券局としてもきちっと指導をやるべきである、このように申し上げておきたいと思います。
 続きまして、証券取引等監視委員会の具体的なお話について何点がお聞きしたいと思います。法律事項には見当たらないわけでございますので、全体の像がどういうものになるのかということを少しでも知るためにもお答えをいただきたいと思います。
 まず第一は、この委員会のいわゆる事務局は具体的にどこへ設置する御予定なのか、これからまずお聞きしたいと思います。
#152
○小川政府委員 新しい委員会の設置に係る法律案を御審議いただき成立いたしました場合には、新しい委員会が八十数名という人数を持つものであることから、大蔵省の事務室を置いております中央の合同庁舎第四号舘に設置してはどうか、内々の心づもりとしては現在そういうことを考えている状況でございます。
#153
○日笠委員 合同庁舎でございますね。わかりました。
 それから、委員長一人、委員二人の三人の委員会ということでございますが、この三人の委員長、委員のうち、司法関係者、警察とか検察、告発権もあるわけですから、こういう関係者も念頭に置いた人選が考えられるかどうかお聞きしたいと思います。
#154
○小川政府委員 委員会は、検査を統括するとともに強制的な調査を実施する等重要な任務を担っております。また、私企業等に関する高度かつ広範な秘密に属する情報を知り得る立場にあること、こういったことを踏まえまして、専門的な知識に加え公共性、中立性を確保すも観点から慎重に人選を行う必要があると存じます。
 現段階においてはまだ具体的な人物を念頭に置いているわけではございませんが、より具体的なイメージとして申し上げれば、例えば法曹界、つまり司法関係、あるいは官界、そのほか法律または経済に関する専門的知識を有する中立的な立場にある方などのうちから選任をすることとしてはどうかというふうに考えているわけでございます。いずれにいたしましても、法案が成立し、人選をした上で両議院の同意を求めて委員の人選が終わるということになるわけでございます。
#155
○日笠委員 その次は、この監視委員会の業務に必要な経費はいかほど計上されておりますか。また、その積算根拠についてもお聞かせ願いたいと思います。
#156
○志田政府委員 お答え申し上げます。
 委員会の直接活動に必要な経費といたしましては、人件費は別でございますが、九千八百万円計上いたしております。その内訳でございますが、約半分が調査等の旅費でございます旧それから、その残りの半分は証券市場の監視等に要する情報機器の整備等のための庁費ということで計算をいたしております。
 以上でございます。
#157
○日笠委員 新委員会ですから多いか少ないかはわかりませんが、もっとも七月一日からの予定だそうでございますから、果たしてこの予算で本来の委員会の使命を果たせるのかなという心配もするわけです。
 監視委員会は予算が足らないぐらいばんばん仕事が出れば、またこれは困ったことでございますが、万々が一とても九千八百万円のこの必要経費で足らないというときにはどのようにされるのでしょうか。
#158
○志田政府委員 委員会の業務に直接必要な経費としては、先ほど申し上げましたように平成四年度予算におきまして九千八百万円を計上しておるところでございます。先生の方から御指摘もございましたようにこれから活動するということで、我々としては委員会の業務の遂行に支障を来すことはないというふうに考えているところでございます。したがいまして、委員会の予算の執行もまだ開始していない現時点において、直接当方から予算の不足について言及することは差し控えさせていただきたいと思いますが、委員御指摘の点について一般論として申し上げさせていただきますれば、流用による手当ても考えられるというふうに思っております。いずれにいたしましても、予算の執行に当たっては委員会の業務の遂行に支障を来すことのないよう万全を期す所存でございますので、御理解を賜りたいと思います。
#159
○日笠委員 念のために大蔵大臣にちょっと聞きますが、余り仕事をせぬようにというので兵糧攻めにするようなことはないでしょうね、流用は認めないとか。これは恐らく大臣の許可が要るのです、流用も。大丈夫ですね。ちゃんと公平、公正な監視委員会の業務ができるようにきちっと予算の手当でもする、こういうことで間違いありませんか。
#160
○羽田国務大臣 その点は、せっかくつくる委員会でございますから、きちんと機能するように我々も必要なものはやはり確保しなければいけないと思っております。
#161
○日笠委員 それから、東京、合同庁舎に八十数名の事務局体制ですと、証券取引所も全国に散らばっておりますし、証券会社そのものも地方にもたくさんあるわけですね。そうなってくると、先ほども同僚から御質問がありましたけれども、地方は地方なりにやはりきちっと公平、公正な監視をしていかなければならないと思うのですが、地方の監視委員会を支える、サポートする体制、例えばどういうところにどういう名称の人を配置するとか何人ぐらい予定しているかとか、そういうものについてお答えいただきたいと思います。
#162
○小川政府委員 お答えします。
 委員会が所掌する事務の地方における態様でございますが、全国にございます財務局長のもとにこれを専担する組織を設け、財務局長が委員会からの委任あるいは指揮監督を受けて検査あるいは調査を行うことにしたいと考えております。
 具体的な事務組織につきましては、各財務局、すべての財務局に証券取引等の監視業務の責任者である証券取引等監視官を置きまして、その下に証券取引検査官というのを置きます。これはいわゆる証券会社に対する一般的な立入検査を主たる任務にするわけでございます。そのほか主要局といたしまして、関東、近畿、東海の財務局につきましては、今お話がございましたように場合によっては強制調査ということもございますので、これを担当する証券取引特別調査官を配置するということを考えているわけでございます。
 全体といたしまして、委員会の事務局が八十余人、財務局が百二十人ぐらい、全国的には合わせて二百人ぐらいになるわけでございます。
#163
○日笠委員 その証券監視官とか言われた地方のサポートする方々はほかの業務と一緒にそういう業務をされるのでしょうか、それとも専門官といいましょうか、専門的にその監視をするメンバーになるのでしょうか、どちらでしょうか。
#164
○小川政府委員 ただいま申し上げました証券取引等監視官及びこの下に配属される約百二十人近くの者は、これは委員会系統の事務に専念するものでございます。同時に、理財部を再編いたしまして、本省で官房に金融検査部をつくるように、検査部門を統合して行政部門と区分することにより検査の効率化もあわせて図りたいというふうに考えております。
#165
○日笠委員 その次に、具体的な法案の中身に入っていきたいのですが、証券子会社が参入ということでできるわけですね、つくれるわけです。と同時に、銀行子会社も信託子会社も市場参入ということでできることに今度なっておるわけですね、条件は当然ありますが。ただ、まだ審議の途中、きょうから実際に始まったということで、まだ明確になっていない場合がございます。それぞれこの免許審査に当たっての運用の具体的基準というのは一体いつごろ、わかるといいましょうか公表されるのか。実際に関係団体の皆さんは、すりガラスで物を見ているようで何にもはっきりしない、大変大きな問題なので、我が社にとれば問題なので少しずつ準備をしたいのだけれども、この運用の具体的基準、免許基準等々がはっきりしない、こういうふうな声も出ておりますが、この点はいかがですか。
#166
○松野(允)政府委員 銀行がつくります証券子会社につきましては、私どもは、今回の法律におきまして、銀行がつくる証券子会社に加えまして、それ以外のものがつくります子会社も予定をしているわけでございます。そういった観点からいいますと、現在並行いたしまして免許基準の具体化、明確化という作業を進めております。
 現行法の免許基準というのが抽象的に書いてあるわけでございますけれども、これを具体的にどういう運用をするか。例えばいわゆる経済条項と言っておりますけれども、ある地域でその証券会社が必要かどうかというようなことが免許基準には書いてあるわけでございますけれども、これは証取審の議論などでも、それの使い方によっては非常に競争制限的になりかねないということで、通信手段も発達した状況でそういうものを考慮すべきではない、できるだけ競争制限的には運用しないようにというような御意見をいただいております。
 あわせまして、今回お願いしております法律の中にも、免許の審査に当たっては公正な競争が確保されるように行うべきであるというような条項が入れられているわけでございまして、そういった観点で、その免許の具体的な運用については現在運用の基準を考えておりまして、法律が施行されるのに合わせてできるだけ早く、具体的にどういうふうな条件を満たせば証券子会社の免許が与えられるかということを明らかにしたいと思いますし、当然のことですけれども、弊害防止措置というものの中身も法律あるいは政省令で明らかにしなければならないわけでございまして、そういったものをこの法案の審議の中でもできるだけ明らかにしてまいりたいと思いますし、また一般の人にも、法律が成立した後では免許がどういう条件なら与えられるかということがわかるようなできるだけ透明な手続というものをつくり上げていきたいというふうに思っております。
#167
○日笠委員 先ほど同僚議員からもお話がありましたね。法律が通った後施行に間に合わせてでは、これじゃ審議の具体化、いわゆる深みがなくなるわけですね。ですから骨子みたいなもの、こうこうこういうものを運用の具体的基準にしたいとか、する予定であるとか、そういう声があるとか、何かそういうものを出していただきたいな、それをまた我々も見ながらもう少し詰めたいな、こう思うのですが、まだたっぷり時間はあるのですから、これから審議は濃密にやるということが理事会で決まっておりますから。この点はどうでしょうか、衆議院の審議の段階で、骨子的なようなものでも結構ですがお出しいただけますか。
#168
○松野(允)政府委員 今回の二つの法案には政省令に規定すべきことがたくさんございます。証券局関係だけではございませんが、まとめまして、政令事項のうち御審議の参考になるものについてはできるだけ早くその骨子を提出させていただきたいというふうに思っております。
#169
○日笠委員 今のは証券局だけではなくて銀行局もありますから、いいのでしょうね、銀行局も。
#170
○土田政府委員 この政令の骨子その他についてはただいま証券局長からお話し申し上げましたのと同様に考えております。
 先ほど、実は子会社たる、例えば信託銀行子会社などについてもあるいはお尋ねがあるかと思いましたのでございますが、証券子会社につきましては証券局長から御説明をいたしました。
 信託銀行子会社につきまして一、二ごくポイントだけ申し上げますと、今回御提案申し上げております法律案の中で、普通銀行ノ信託業務ノ兼営等二関スル法律の第一条を改正をいたしまして、この兼営の認可の申請があったときには大蔵大臣がどのような基準に適合するか否かを審査すべしというようなことで、具体的な審査基準を法律の規定の中に入れるようにしております。それは法文の中には二カ条ございまして、その第一は、「申請者ガ信託業務ヲ健全二遂行シ得ル財産的基礎ヲ有シ且信託業務ヲ的確二遂行シ得ルコト」。第二が、「申請者二体ル信託業務ノ遂行ガ金融秩序ヲ乱ス虞ナキコト」。これは昭和十八年の法律の改正でございますので、文語体で書いてございますが、銀行法その他とあわせまして、この兼営法につきましても審査基準を法律で明定することにしております。
 その他、いろいろ具体的な業務につきましては、金融制度調査会の答申などについても明らかにされておるところでございまして、具体的に認める信託業務は、法制上はすべての業務とすべきであるとされており、これを受けて、今回の法律案でも、信託銀行子会社の業務範囲の制限は法律上は行っておりません。
 ただ、信託銀行子会社の当初の段階での業務範囲につきましては、金融機関の間の競争条件の公平性の確保などに配慮する必要があるということで、金融制度調査会の答申においてかなり具体的な方向が示されております。すなわち、信託業務につきましては、「貸付信託、年金信託等の金銭の信託等の一部」及び「不動産売買・貸借の媒介に係る業務」は除くという答申があるわけでございます。このような方向づけが示されておりますものを踏まえまして、今後、当初の業務範囲の細部について確定してまいりたいと思っております。
#171
○日笠委員 信託業務の範囲を聞こうと思いましたらば、前もっておっしゃいましたので……。
 先ほど言われましたね、貸付信託、年金信託等。「等」という字がなかったですかね。これはもう貸付・年金信託というふうに限定されるのでしょうか。「等」ということで、ほかにも考えられるのでしょうか。
#172
○土田政府委員 御指摘のように、「等」という文字が答申の中で入っております。「貸付信託、年金信託等の金銭の信託等の一部」云々ということでございますが、この「年金信託等」の「等」というのは、例えば、貸付信託とほぼ同様の機能を有しますところの合同運用指定金銭信託、その
ようなものが考えられると思っております。
#173
○日笠委員 それから、本体で信託業務が今度一部できるわけですが、これも答申によりますと、「土地信託、公益信託等が考えられる。」これも「等」という字があって明確じゃないわけですが、この「等」はまたどういう意味の「等」なんでしょうか。
#174
○土田政府委員 これは、本体で限られた範囲内の信託の業務を扱うことを認める趣旨について若干御説明が要るかと思うのでございますが、今度の場合、原則としては、銀行その他の金融機関は、信託銀行子会社をつくって信託業務を営むことができる、これがいわば一番広い形態でございます。
 しかし、そのような子会社をつくりますということにつきましては、資本的ないしは人的な準備が要りますし、それからその地域その地域で、果たして独立した子会社が採算に乗るだけの需要があるかどうかというのも、必ずしも全国各地で需要があるとも言い切れないわけでございます。
 しかし、そのような場合に、子会社をつくるほどの需要はなく、また採算もとれないけれども、例えば公益信託、土地信託のように、地域の住民の利便を増進する上で非常に、公益的な見地から見ても認めて、その普及を促すべきようなそういう一部の信託がある。そのようなものにつきましては、あえて子会社を設けることを要求せずに、限られてはおりますが、兼営という方法で地域金融機関に信託サービスを開放する。
 さらに、そのほかに、信託銀行の代理店となって、代理店として客扱いをする、そのような方法もある。
 都合三種類の方式によりまして、信託サービスを地域に普及させるというような手段を考えておるわけでございます。
 ただいまのお尋ねは、その中のいわば本体によるところの限られた範囲で行うことができる信託の範囲は何かということでございますが、ただい 一ま委員の方から御指摘がありました「等」というものにつきましては、今後、地域金融機関がどのようなものを希望するか、その他につきましてもなお実情をよく聞きながら考えていきたいと思っております。
#175
○日笠委員 結局、何回も申し上げますように、すりガラスで見るような感じで、具体的業務というものが明確にならないと、新規参入、市場開放といったって、なかなかそれはおっしゃることのイメージがわかないのですね。ですから、せめて「等」などの「等」という意味はここかここぐらいだとかなんとか御答弁いただかないと、余り審議が深まらない、濃密な審議にならないと思うのですが、先ほど局長、三種類、子会社方式、信託子会社と、それから本体でやれる信託業務と代理店制度を言いましたですね。業務提携というのもあるのですね。
 そうなってきますと、地域の金融機関、地方の金融機関の場合は、本体でもやります、代理店もやらしてください、業務提携もやらしてください、三つ全部やらしてください。ないしは、例えば地方のちょっと大きな銀行であれば、信託子会社をつくります、代理店もやらしてください、本体でも当然やらしてください、それからまた業務提携も、物によってはとてもノウハウがないからやらしてください。いろいろなパターンの組み合わせがあるのですが、これはどういうふうなスキームになるのでしょうか。全部オーケーですか。それとも、これとこれはいいけれども、これはだめとか、何かそういうふうなスキームがあるのでしょうか。
#176
○土田政府委員 ただいま御指摘になりましたような、いわばいろいろなメニューがあるわけでございますが、そのメニューというのは、それぞれの金融機関の能力それから体力と申しますか、営業規模なり資本力、そのようなもの、それからさらには、その地域その地域において、一体そのようなニーズがあるものかどうかというようなものによりまして、一々個別に違ってくると思うわけでございます。
 そのような場合に、自分としてはどの方式を中心にしてやりたいと考えるかというのは、第一義的にはその金融機関の経営上の判断、選択の問題でございます。そのような経営上の判断が果たして実際上、その金融機関の経営に大きな負担となることがないかどうか、それからその信託というやや専門的なサービスを供給するに足る人材というものが育っておるかどうか、そのようなことを私どもは具体的な御相談に応じてよく見ていきたいと思っておるところでございます。
#177
○日笠委員 そうすると、信託子会社をつくって、代理店もやりたい、これはできるのですか。
#178
○土田政府委員 信託銀行子会社が、当初の段階では、先ほど申しましたように、業務範囲は比較的限られておりますので、その扱うことのできる業務につきましてさらに自分が代理店になるということは常識的には考えられないところでございますが、ただし、自分が、子会社では扱うことができない、そのようなものにつきまして代理店というものをさらに組み込むことができるかどうか、それはさらに具体的な信託のニーズがあるかどうかというようなことで、その地域金融機関の要望なり研究の成果なども聞きながら相談してまいりたいと思っております。
#179
○日笠委員 そうなってくると、何か恣意的に、免許制度ですから倒れちゃいけないということもあるのでしょうが、やはり金融の自由化というのが大きなテーマでございますから、ある程度そういう幅広い選択肢ができるように、例えば本体で信託業務をやる、代理もできる、業務提携もできる、こういうようなことだって選択の余地があるのじゃなかろうかと思いますね。そういう意味で幅広く、もちろん先ほど言われたいろんな体力ということがありますから一概に言えませんが、幅広くできるだけやらせであげる、こういう自由化への一つのステップでないといかぬのじゃないか、こう思います。
 余りこればかりやると、時間があとなくなりましたので、次にファイアウォールにつきまして、弊害防止措置につきまして、いわゆる銀行の証券子会社の具体的な措置につきましてお伺いをしたいと思います。
 銀行が証券子会社をつくる場合、名称ですね。例えば、さくら銀行という名前を出して失礼かもしれませんが、さくら銀行が証券子会社をつくる、こうした場合にさくら証券、そういうような名前は使えるのでしょうか。
#180
○松野(允)政府委員 名称についてはまだ私どもも検討していないところでございますが、外国銀行が日本に証券会社をつくりますときに、最小限度銀行という名前は使ってもらっては困るという指導をした経緯がございます。しかし、銀行という言葉を使って何とか銀行証券というような相矛盾するような名称というのはまず考えられないわけでございまして、今言われたように例えばさくら銀行の場合にはさくら証券というような名称を使いたいということは考えられるわけでございます。もちろんそういう名称を使うことが、一方では銀行と証券子会社とが一体になって営業するのではないかというようなおそれを高めるという問題もあるわけでございますけれども、そういう問題について私どもは、証取法に規定しあるいは省令に規定する弊害防止措置で十分担保したい、あるいはし得るというふうに考えておりまして、名称について一概に、銀行と同じ名前を使うのは好ましくない、あるいはそれは禁止するというところまでは現在のところ考えておりません。
#181
○日笠委員 これからのまだ検討課題ということなんでしょうね。
 もう一つお伺いしたいのは、店舗ですね。これは共同店舗はだめとか店舗共有はだめということらしいのですけれども、じゃ、どの程度離れておったらいいかとか、一階はざくら銀行で二階がさくら証券、そういうのもいいのかとか、細かい話になってくるのですが、その辺のそれぞれの店舗の関係はどういうふうにお考えなんでしょうか。
#182
○松野(允)政府委員 店舗につきましては、もちろん共用するということは証取審などでも問題になりまして、共用は好ましくないということになっているわけでございます。今御指摘がございました、例えば一階が銀行で二階が証券会社であるというようなケースというのは、いわゆる系列証券会社の場合にはそういうケースがかなりあるわけでございます。ただ、入り口が同じではないとかいうような規制を行ってはおりますけれども、共用しないという限りにおいては今申し上げたような形のものまで規制をする必要はあるのかどうか。もう少し私ども検討してまいりたいと思いますが、先ほど申し上げましたように弊害防止措置というものがきちっと守られるということが大前提でございまして、そのために店舗の一階、二階まで禁止しなきゃいけないのかどうかという点は、一概にそこまで禁止しなくてもいいのではないかというような考えもございまして、店舗についてはまだ検討課題の部分もございます。
#183
○日笠委員 じゃ、コンピューターなんかの共同使用はどうなんでしょうか。例えば銀行の今あるコンピューターを証券子会社が共同利用するとか、こういうふうなことはいいのですか。
#184
○松野(允)政府委員 コンピューターの共同利用につきましては、これもまた余りはっきりした考え方はございませんが、一つ問題になるといたしますと、情報を遮断できるかどうかという問題があるわけでございます。私どもは、弊害防止措置の中に未公開情報を親子関係で流用することを禁止するということを考えているわけでございまして、コンピューターの共同利用ということは、情報遮断ということが果たせるという前提であればそれは一概に絶対的に禁止をしなきゃいけないということはございません。
 話は別でございますが、今回投資信託の業務への参入基準を緩和いたしたときも、コンピューターを初めとするバックオフィスについては必ずしも投資信託会社がみずから行わなくて事務委託をしていいというような考え方を打ち出しました。これは、そういうもののコスト節減という問題の方が、競争促進ということから考えた場合にそこまでは認めていいのではないかというような考え方に立っているわけでございまして、バックオフィスヘの共用あるいはコンピューターの共用についても、今申し上げたような弊害防止が確実に担保されるということであれば認めていくことも考えていいのではないか、これはケース・バイ・ケースで検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#185
○日笠委員 そうすると、どこかの銀行が証券子会社をつくりたい、その場合のコンピューターの共同利用はこういうふうにやります、それを現地へ行って見て、ファイアウォールがちゃんとできておるということで許可をする。一件ずつやられるわけですね。確かにファイアウォールですからそうなくちゃいけませんね。これはまだ検討中だそうですが、大体わかった段階でまた教えていただきたいと思います。
 時間がなくなったのでちょっと飛ばしまして、金融改革の方へ移りたいと思います。
 「諸規制・諸慣行」のところでございますが、三局指導ということがございますね。どういうことなんでしょうか、わかりやすくちょっと御説明いただきたいと思います。
#186
○松野(允)政府委員 この三局指導と申しますのは、銀行局、国際金融局、証券局が共同で行っている指導でございまして、証券取引法六十五条は御存じのように銀行が国内で証券業務を行うことを禁止をしているわけでございます。その六十五条の趣旨を全うするために、日本の銀行の海外子会社が証券業務を行うということがあるわけでございますが、その銀行の海外における証券子会社が日本の企業の海外における起債の主幹事業務を行うことを自粛してほしいという指導をしているわけでございます。
 これはたしか昭和五十年からでございますので、もうかなり長期間にわたるわけでございますが、その趣旨は、日本の銀行の海外の証券子会社が日本の企業の海外における起債の主幹事をするという場合には、往々にしてその親銀行が国内においてその発行会社である企業に接触して六十五条違反のような行為が行われるおそれがあるということで、それを防止するためにこういう指導を始めたわけでございます。
#187
○日笠委員 それは昨年六月の証取審の答申によりますと、三局指導は「今後、その見直し・撤廃を行っていく必要がある。」こういう証取審の答申ですね。それから金融制度調査会の答申は、「三局指導の撤廃」こういうふうに明確に出ておるわけですね。ということは、三局指導はこの金融制度改革法案が通ればもう撤廃をする、こういうふうなおつもりなんでしょうか。
 これは三局ですから三人それぞれにお聞きしなければいけないのですが、これは大臣に聞いた方がいいかな。三局、証券局、銀行局、国際金融局ですから。大臣、三局指導、撤廃になるのですね。
#188
○羽田国務大臣 行政指導等の見直しは、利用者の利便あるいは銀行の子会社による証券業務への参入ということを考えますと、三局指導につきましても金融制度改革と合わせて見直しを行うことが必要と考えられまして、国内社債市場の活性化など、なお考慮すべき事項も残されていることから、その具体的な方法については現在検討が進められておるということまで申し上げられます。
#189
○日笠委員 先ほどからお聞きすると、具体的に検討中とか、すりガラスで見るようでなかなかわかってこないのですね。濃密な議論をして、時間ばかり食ってもしょうがない議論でございますので、後日しっかりまだ時間がとれるようでございますから、そのときまでにひとつ明確な、撤廃をするとかしないとか、大臣、それぐらいのお答えを持って次の議論に臨んでいただきたいと思います。
 それから、中長期の預金の導入でございますが、答申を見ますと、三年超の預金の導入等も考える、検討する、こういうふうなことも出ております。金制の答申の付論には四年物と明確に出ておりますけれども、三年超の預金導入は、金融商品の多様化、また利用者利便のニーズに沿って、こういううたい文句で、改革をしていく中の諸規制、諸慣行の一環で出ていると思うのですが、それじゃ金融機関がそれぞれ四年物、五年物、七年、十年、こういう中長期の預金を導入する場合、今度これは自由にできるわけですか。いかがですか。
#190
○土田政府委員 これは諸規制、諸慣行問題一般に共通する話でございますが、この諸規制、諸慣行の中には金融・資本市場において自由な競争を阻害する要因になっているものがございます。それにつきまして、この数年来この見直しに鋭意取り組んでまいりました。その結果、近ごろではいろいろな新種商品、新種サービスも実現をしているわけでございます。ただ、このような諸規制、諸慣行の存在の背景にはいわゆる業際問題というのがございまして、この業際問題の背景には現在の専門制、分業制の縦割りの金融制度というものがあるわけでございます。そこで、全体としてそのような従来の縦割りの金融制度そのものを見直すということで大方の御承認を得られるということでないと、なかなか個別に一つ一つつまみ上げて、それで垣根を崩していくということは容易ではございません。
 これは実は金融制度調査会の長年の審議の中でも、例えば平成元年に金融制度第二委員会の中間報告というものが発表されたことがございますが、そのときにその金融制度の見直しについて五つの方式を挙げたことがございます。その五つの中の一つに、これはA方式と言っておりましたが、相互乗り入れ方式ということも考えられるといたしまして、現行の業務範囲、業務分野を尊重しつつ、個別のケースをめぐっていろいろとそれを処理しながら相互乗り入れを進めていくというような案も方法としては考えられるが、結局それは実効ある方法とは考えられないというようなことで、法律改正を伴う大幅な制度の見直しが必要であるというふうに議論を進めまして、例えば今回御提案申し上げておりますような業態別子会社方式というようなものに正面から取り組むようにしたわけでございます。したがいまして、この諸規制、諸慣行につきましては、特に法律上の根拠があって禁止されているわけではないのでございますが、それを弾力化していきますには、その背景に大がかりな正面からの金融制度の見直しというものがなければ、なかなかその作業が進まないという状況にあることを御理解いただきたいと思います。
 そこで、具体的に預入期間三年超の中長期預金につきましては、近い将来このような預金が現実に可能になるであろうという期待のもとに、各業界において内々その商品性の研究その他が現在進められておるというふうに仄聞しておりまして、その作業、研究の進捗状況をも見守りたいと思っておるところでございます。
#191
○日笠委員 既に新聞報道でも、これはNHKのテレビでもニュースになりましたが、都市銀行は十年物の長期定期を導入しょうとか、その場合は郵貯と同じような半年複利の利子発生の定額貯金のようなものにしたいとか、変動金利制にしていきたいとか、こういうことがもう既に報道されております。答申にも三年超の定期については導入すると明確にあるわけで、諸規制、諸慣行ですから法律でも政省令でもないわけですから、金融の自由化ということがあれば、その金融機関が私は四年物の定期をあしたでも発行したいと言えば、これはどうなんですか、今現在だったらだめなんでしょう。どうですか。
#192
○土田政府委員 諸規制、諸慣行問題の難しさは今申し上げたようなところでございまして、もともと特に法律上の制限なり禁となりがあるということではないものであっても、例えばそこは従来のすみ分けの考え方を尊重いたします限りにはなかなか新種商品なり新種サービスが生み出しにくい、そういう状況にあるわけでございます。
 そこで、それにつきまして全体的に、例えば現在の金融制度の根本にありますところの専門制、分業制ですら、例えば業態別子会社方式というようなものによって今後は垣根が低くなっていくというような全体の方向が金融界の大勢として承認されますならば、その際には、従来なかなか業界間の折衝などで実現いたしませんでしたような商品やサービスも実際に意見調整がある程度まとまって金融界の中に現実に登場することが可能になるような状況があらわれてくるということでございます。私どもとしては、全体の金融秩序に留意しつつ、また個別の金融機関のリスク管理について十分な配慮を促しながら、極力業務の多様化、自由化を進めてまいりたいというふうに考えております。
#193
○日笠委員 諸規制、諸慣行の中でもう一点、金融債の発行ですね。これは長信銀が資金調達の手段として金融債を発行しておりますが、これも今年限が五年ですか、ただし、東京銀行債は三年物と五年物とあるようですが、今度はこれが自由設計可能になる。いわゆる一年物であるとか三年物であるとか、こういうふうなことにも可能性としてはできるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#194
○土田政府委員 金融債としてどのような商品が現実に市中に登場するかというようなことにつきましても、これはすぐれて市場関係者のいわばそのときどきの話し合いにゆだねられているという感じがございます。その点でも最近はかなり弾力化が進んでおりまして、従来に比べますと、従来は利付金融債は五年、東京銀行が三年というような二種類でございましたが、この東京銀行が昨年十一月から」つの自由化措置としてその五年債を募集するというようなこともあったようでございますし、それから、さらに二年の利付金融債というようなものが登場するというようなこともございました。それから、今後につきましても、それぞれ研究の上、この金融債の種類の多様化が進むということはあり得ると考えております。
#195
○日笠委員 この金融債の発行は、将来は長信銀以外の金融機関なんかにも認めていく方向になるんでしょうか。答申を見る限りでは「金融債の多様化を行う。」とありますが、そういう意味なんでしょうか。いかがですか。
#196
○土田政府委員 金融債は、いわば銀行の中でも長期信用銀行、さらにはそのほか個別の法律によって発行することが認められたような金融機関にその発行が限られておるという特性がございます。
 そこで、端的に申しますと、今度の金融制度改革に当たりまして、この長期信用銀行を子会社として持つということがあり得るかというような問題として、金融制度調査会で議論がなされたのでございますが、その議論の結果は、長期信用銀行というものを、例えば信託銀行子会社や何かと同じような形態で子会社として想定するということはない、そういうような議論でございました。やはり今後の金融債の発行機関につきましては、現在のその金融債をめぐる市場、それからこれまでの発行者が極めて限定されてきたという現実、それからそのような金融債を主たる資金吸収源として活動しております金融機関が、現在、少数でございますが存在するという、これもまた一つの現実、そのようなものを考えていかなければならないと思っております。
 ただし、この債券発行の形式によって資金を調達するということ自体につきましては、金融債以外にもまた他の手段、端的に申しますと、転換社債であるとか社債であるとか、そのような手段があり得るわけでございますし、現にこの限られた、貸付資金の調達という意味ではございませんが、限られた固定資産見合いのようなものの場合には、転換社債などを発行するというようなことも実例が出てきております。
 今後につきましては、これは金融制度の面の議論もさることながら、商法の見直し、それによるところの社債市場の関係の制度の見直しというようなものもあわせ考えていくべき問題であるというふうに思っておりますが、その中の一つの特異な商品としての金融債というものの発行者につきましては、今度の制度改革の結果、その発行者が非常にふえるというようなことは私どもの方では想定しておりません。
#197
○日笠委員 時間がなくなりました。
 最後に、金融不祥事以来社内管理をきちっとするということで、私たちも期待をしておったわけでございます。ところが、突然また協和埼玉銀行の顧客の預金情報の一部が流出した、こういう報道が流れております。プライバシー保護の観点から立ては、まことにけしからぬ話であり、何かコンピューターから打ち出しをされたものである。先ほどのファイアウォールでありませんが、コンピューターを使って情報を引き出してそれをばらまく、流出させる、これも政争の具になっておるというようなことでございまして、まことにもって、一体社内管理が不祥事を反省してきちっと各銀行がなされているのか、もう腹立たしい気持ちですね。
 おまけに、社団法人の全国消費生活相談員協会というところが、銀行に関するトラブルが絶えないということで、十四日ないし十五日から十六日、この二、三日の間、地域によって違うのですけれども、銀行トラブル一一〇番、こういうものを設けて、銀行の社内管理の問題、そういうものについてどんどん情報を下さい、こういう銀行トラブル一一〇番を地域ごとに開設した、こういうふうな報道もされておるわけでございますが、まず具体的にこの協和埼玉銀行の顧客の情報流出と、今後の銀行界全体に対する、こういうプライバシー保護という民主主義国家にとって大変大切な問題が大変なおざりにされておるということで、銀行、金融機関に対する対応といいましょうか、要請といいましょうか、指導といいましょうか、どう考えておられるか、明確にお聞きして終わりたいと思います。
#198
○土田政府委員 まず、その報道もございました御指摘の銀行からは、事実関係を調査中であるという報告を受けております。
 これは私どもから申すまでもなく、金融機関は、預金者とか貸出先等のいわゆる顧客の情報につきまして、顧客のプライバシー保護の観点から、慎重な配慮が必要であるわけでございまして、報道されたようなことが事実であるとすれば、極めて遺憾であると思っております。当然、今後まず事実関係を究明すべきでございますが、その結果、具体的な問題の存在が明らかになりますならば、当然その是正措置を講じ、再発防止に万全を期するよう、私どもも厳正に指導してまいりたいと考えております。
 やや一般的な問題のとらえ方になりますが、このような個人情報の保護その他幾多の経営上重要な着眼点につきましては、これは基本的には金融機関等の自己責任に基づいて、その主体的な判断により進められるべきであると考えておりますが、何分にもコンピューターの利用が進んでまいりまして、その情報処理、それからそれが極めて大量かつ迅速な処理が可能になり、それでその個人に関する情報も転々流通するということも考えられます、このような状況に対応した個人情報の保護の問題は非常に重要な問題でありまして、私どもとしても重大な関心を持っております。このような業界の共通の重要な問題に取り組むということで、これは一つには、関係の業界の合意のもとに自主的に、金融情報システムセンターという財団がございますが、そこの中で個人データ保護専門委員会が活動をし、取り扱い指針を策定ないしは改定を進めておるところでございます。
 さらに一般化いたしますならば、やはり委員御指摘のように、いろいろに金融機関の取扱業務が多様化し、顧客との接点が広がるということによって、これは必ずしも金融機関だけに限ったことではないかもしれませんが、いわゆる顧客とのトラブルというようなものが後を絶たないということがございます。この辺につきましては、毎回申すようでありますけれども、業務の公共性、それからその社会的使命にかんがみて、個々の金融機関の厳格な内部管理体制の構築、またその対顧客関係の良質なサービスの提供へ向かっての自主的な経営努力の発揮、そのようなものを求めたいと考えておる次第でございます。
#199
○日笠委員 厳正に対処されることを望みまして、終わります。
#200
○太田委員長 東祥三君。
#201
○東(祥)委員 公明党の東祥三です。
 大蔵大臣、二問初めに質問させていただきます。
 今回の金融・証券制度改革のための法改正は、いかなるビジョンのもとに行おうとしているんでしょうか。ビジョンがあるのか。もしあれば、日本の金融・資本市場の将来展望も含めてその骨格を述べてください。
#202
○羽田国務大臣 今回の制度改革法案でございますけれども、金融の自由化あるいは国際化、証券化等の一層の進展、これを見通したものでございまして、こういった大きな流れといいますか、これがあろうと思っております。そこで、我が国金融・資本市場における有効かつ適正な競争を促進し、市場の効率化ですとかあるいは活性化、ひいては国民経済の適切な運営、これに資するという長期的な視点に立ってこの法律をお願いをしたいということでございます。
 このことによりまして、利用者のニーズに対応した多様な金融商品あるいはサービスが提供できるようになるほか、我が国金融あるいは資本市場が世界の主要な金融センターとしての責務を果たしていくことになるんではないのか、こういったことを考えながらお願いを申し上げておるということでございます。
#203
○東(祥)委員 続いて大蔵大臣に質問します。
 両法案の改革の眼目は業態別の子会社による相互参入を可能にすることにありますけれども、しかしながら、本来であるならば、現行の各種金融機関の役割評価がまずなされて、その評価に基づいておのおのの将来の方向性というものが決定されていくべきじゃないのか。しかし、その点をもう無視して、それぞれの業態の生き残り策として、言い方は悪いですけれども、生き残り策として初めに業態別の子会社による銀行業務、信託業務あるいはまた証券業務への参入、つまり業態別の子会社による相互参入が初めにありき、これが企図されているように思えてならないのですけれども、この点についていかがでしょうか。
#204
○羽田国務大臣 この問題につきましては、ただ残すということよりは、今まで縦割りといいますか、そういった中でそれぞれの業界があったわけでありますけれども、それは今日までは一つの役割を果たしてきておるであろうと思っております。しかし、先ほども申し上げましたように、非常に国際化してきておるということ、あるいは証券市場といいますか、金融市場というものが全体的にやはり成熟してきておるというようなことがございまして、そういった中で、ひとつまず一歩を踏み出しましょうというのが基本的な考えであろうと思っております。各金融機関、業態間のいわゆる垣根、これを低くすることによりまして、金融・資本市場における有効かつ適正な競争、これを促進して、市場の効率化と活性化をやはり図っていくことが今日重要であろうと思います。
 業態別の子会社方式はそのための手段の一つでございまして、金融秩序の維持及び投資者保護の徹底を図りつつ、改革の目的を達成する観点からこの方法をとったんだということを御理解をいただきたいと思います。
#205
○東(祥)委員 次に、相互参入について、相互参入に当たっての競争条件の公平性ということについて、今回の改正案は何を考慮しているんでしょうか。
#206
○土田政府委員 これまでの金融制度にとかく見られておりました専門制、分業制に基づくところの、まあそれなりに戦後の復興期や高度成長期には有効に機能いたしましたが、今日ではややその弊害が目につくようなところもあるというような問題を見直しまして、相互乗り入れ、相互参入を考えるに当たり、幾多の方式も比較検討したわけでございますが、その中で、ただいま御議論に出ておりますように、今回は業態別子会社方式を一つの主たる手法として我が国に導入したいと考えておるわけでございます。
 この業態別子会社方式には幾つかのすぐれた点がございますが、その中で、やはり競争条件の公平性確保という観点からもすぐれた方式であるということは申せるかと思います。すなわち、非常に規模なり体力なりに格差のある金融機関が、その本体の格差そのものをそのまま反映させながら新しい業務に乗り入れるというようなことであるよりも、やはり、ひとつ本体と切り離した子会社というものを通じまして、そして、その子会社を通じて他の新しい業務に参入していくという方が、既存の業者との関係、さらには大小さまざまな金融機関の競争力の格差との関係から申しまして、公平性確保の観点からすぐれておるというふうに考えられるわけでございます。
 それからさらに、これは証券会社の方の話でございますが、銀行の証券子会社の業務範囲から株式に係るブローカー業務を当分の間除くということを法律案の附則において規定しておりますが、これも中小証券会社の経営に配慮したものでございます。
 以上が、いわば例示として主なものを申し上げたにすぎませんけれども、今回の組み立てに当たりましては、各金融機関、証券会社に対して、競争条件の公平性を確保しながら、そのいずれもが競争機会を拡大することが可能になるように配慮しておるつもりでございます。
#207
○東(祥)委員 具体的に質問させていただきますが、今の局長のお話の中で、規模、体力が異なる業態間での競争はしない、その子会社による競争である、こういうことをおっしゃっているわけですが、銀行の証券業務参入についてそれではお伺いいたします。
 例えば日本の都銀、規模、体力において絶大なる影響力、力を持っている。この日本の都銀は今回の法改正で一体何を失うんだろうか。失うものは何にもないんじゃないか。丸取りと言えるような状態になってしまうのではないのか。都銀と例えば証券会社との差というのは、例は悪いですけれども、オートバイと自転車の差ぐらいあるんではないのか。そういう視点から考えますと、銀行の企業に対する影響力を遮断する必要があるのではないのか、このように考えますけれども、いかがですか。
#208
○松野(允)政府委員 確かに日本の銀行の企業に対する影響力というものにつきましてはいろいろ議論があるところではございますが、証券取引審議会の審議におきましても、我が国におきましては特に銀行が一般的に企業に対して影響力を及ぼし得るような特別の地位を持っている。メーンバンクと称されておりますけれども。そういったようなことを考えますと、その銀行がそういう影響力を行使するということになりますと、これは証券市場に悪影響を与えることになるというようなことが議論されました。
 その中で、例えば、親銀行が影響力を及ぼすことができるような企業が発行する証券をその子会社に引き受けさせるというようなことは規制する必要があるというような指摘がなされているわけでございます。今回の証取法改正におきまして、銀行の影響力を遮断するようないろいろな措置を用意をしているわけでございます。
 例えば、親子関係で信用供与を条件にして証券子会社との取引を求めるとかいうような問題等々があるわけでございます。法律に書いていないこと、証取審でいろいろと議論をされて、こういったような手当てをすべきであるというような点につきまして、我々としては、省令段階等々で必要な手当てをし、できるだけこの銀行の影響力を遮断し、証券子会社の参入による有効かつ適正な競争の促進という目的に沿ったような形で銀行の証券子会社の業務が運営され、市場の公正かつ健全な発展に資して、競争促進を通じてそういうことに寄与していくように、実効ある弊害防止措置を講じていきたいというふうに考えているわけでございます。
#209
○東(祥)委員 証取審の報告書に書かれている点に関しては十分考慮して、それに基づいてやっていかれる、そういうふうに理解させていただきます。
 今回の法改正によって、銀行が証券業界にも入っていく、今でも規模、体力において相当な影響力を持っている、さらにそれが強まっていくんじゃないのか。その背景には、例えば、名前を出していいのかどうかわかりませんが、出しますが、東洋信用金庫に見られるように、大銀行による中小金融機関の救済のために強大な都銀をつくることが今回の制度改革の裏に隠されている真の目的じゃないのか、このように類推するわけですけれども、この点についてはいかがですか。
#210
○土田政府委員 私どもがこの制度改革によって期待しておりますのは、各金融機関、それは大型の都市銀行に限定されるというものでは決してございませんで、各金融機関や証券会社のいずれもが競争機会を拡大することが可能となるようにいろいろと工夫をしたいと思った次第でございます。
 具体的には、協同組織金融機関に多少的を絞って御説明を申し上げますが、協同組織金融機関であっても、その連合会はこの業態別子会社の保有が可能となります。それからまた、証券会社も可能となるわけでございます。
 それから第二に、この協同組織金融機関も含めた金融機関が、また証券会社が、本体で有価証券の私募の取り扱いや証券化関連商品の取り扱いができるということを考えております。
 また第三に、協同組織金融機関の中で、例えば外為、外国為替業務の取り扱いを申しますと、現在法律上は、信用金庫は既にそういう手当てができておりますが、今度の制度改正によりまして、労働金庫、信用協同組合、それから農業協同組合というようなところに法律上外国為替業務を取り扱うことができる根拠規定を設けたいというふうに考えておるわけでございまして、そのような外為業務とか、あるいは公共債に係る証券業務や受託業務を認めるようなことで、法律上かなり銀行の業務範囲に近い業務範囲を確保することを考えておるわけであります。そのような業務範囲の多様化によりまして、大小各種の金融機関や証券会社は経営上の創意工夫を発揮する、そしてみずからの特性を生かしながら、金融環境の変化に対応してさらに幅広い業務展開ができるようにするということをねらいとするものでございます。
 例えば、これはちょっと一つ例示として申し上げますが、信用金庫が外国為替業務を法律上取り扱うことができるようになりましたのは昭和五十六年の法改正であったかと思いますが、現在この信用金庫の中で、外国為替公認銀行としての資格を現に持っており、そういう業務を現実に行っておりますものが約二割に達しております。そのようなことで逐次、やはり業務の多様化が進み、それによって客に対して提供できるそのサービスの範囲も広まるということは、それぞれの中小金融機関の体力強化、経営基盤の安定に役に立つと思っておるわけでございます。決して中小金融機関の救済を主目的にこの制度改革を考えておるというわけではございませんので、その点は御理解をいただきたいと存じます。
#211
○東(祥)委員 中長期的に見る場合と短期的に見る場合、当然絵柄が異なってくるのではないのか。先ほど第三番目に質問させていただいた競争条件の確保、公平性の確保というのはまさにそういう視点から質問させていただいたわけですけれども、今局長るる説明してくださいましたけれども、やはり背景には都銀の力の増大というものが必要なのじゃないのか、何かがあるのじゃないかということを私はまだ払拭することができないわけでございますが、角度を変えて同じ質問をしたいと思うのです。
 現在アメリカでは、銀行の自己勘定での株式保有というのは禁止されております。また、資本関係における銀行、証券の間の役員の兼職も禁止されている。これに対して日本では、独占禁止法の範囲内での株式保有は自由である、つまり五%以内は自由であり、また、いわゆる系列証券と実質的な親銀行との間で人的交流も頻繁に行われているという現実がある。日本では、銀行の証券に関する行動範囲はその意味でアメリカよりずっと広いのではないのか。にもかかわらず、今回、子会社方式によって銀行の証券業務への参入を意図する理由というのは一体どういうところにあるのか、これが同じ質問ですけれども、お答え願いたいと思うのです。
#212
○松野(允)政府委員 確かに御指摘のように、現在銀行の中にはいわゆる系列証券会社というふうに言われているものをグループとして持っているものがございます。系列証券会社という言葉は非常にあいまいな表現でございますし、独禁法上は銀行は五%を超えて株を持てませんので、支配力ということになりますと、五〇%を超えて持つ子会社というものとはおのずから違うわけではございます。
 それと、現実問題として系列証券会社の中には相当大規模なものもありますけれども、大部分がかなり小規模の証券会社であるということも言えると思います。今回、こういう問題、現状を前提とした上で、さらに子会社による証券業務への参入というものを考えだということは、証券行政あるいは証券市場のサイドから申し上げますと、これは一つには、やはり証券業への競争を促進する、やはり証券市場の競争を促進することによってその市場が健全に発展していくことを期待したいという問題、特に、御存じのように現在の証券の発行市場というのは非常に寡占といいますか、四社支配的な状況にあるわけでございまして、やはり適正かつ有効な競争を促進する必要があるというふうに考えているわけでございます。また、証券市場のサイドだけではなくて銀行が証券子会社を持つという側面から考えましても、もちろん我々としては、親子関係がいろいろと証券市場に弊害を与えるということになると困るわけでございまして、それに対する防止策は十分用意をする必要があると思っておりますけれども、全体として、やはり経営の多角化あるいは業務の多角化、
経営選択の多様化というようなことで、金融商品あるいはサービスの多様化というようなことも期待できる、これは証券会社が銀行子会社を持つ場合についても同じようなことが言えると思います。
 そういったような観点で、いわゆる系列証券会社というものが存在するという現状を踏まえた上で、さらに銀行の証券子会社あるいは証券会社の銀行子会社というような形で競争を促進するというのが証券市場にとっても必要であるというふうに判断をしたわけでございます。
#213
○東(祥)委員 そうしますと、筋論の理論的なフレームワークで話をさせていただいておりますが、相対取引で構成される銀行の預金貸出市場と比較しますと、競争力のあるオープンマーケットとしての証券市場とは基本的にメカニズムに違いがあると思います。銀行が証券業務に参入することによって証券市場のメカニズムが破壊されたり、さらにはまた不透明な市場が形成される、あるいはまた銀行の企業支配力が一層強まっていくのではないのか。こういうことはないだろうということが局長の今のお話でしょうか。
#214
○松野(允)政府委員 確かに、銀行業務は証券業務と異なりまして、相対性が非常に強いわけでございます。証券業務の方はオープンマーケットでの取引ということになるわけでございます。しかし、銀行につきましても、御存じのように公共債業務は既に大々的に行っておりますし、今後証券化商品というようなものを考えますと、銀行においても証券業務のウエートが大きくなってくるということも考えられるわけでございます。
 しかし、基本的に銀行業務が相対業務であるということは私どもも十分認識をしているわけでございまして、そういった相対業務になじんだ銀行がその相対業務の手法をもし証券市場に導入するということになりますと、これは証券市場のいわば市場の分断を招くとかいうようなことで、市場の機能がゆがめられることになるわけでございまして、そういったようなことにならないようにやはり必要な弊害防止措置というものを考え、証券子会社がその業務を仲介業者として中立かつ公正に行えるように十分考えていく必要があるというふうに思うわけでございまして、銀行がその証券子会社を持つことによって市場を支配するということになれば、せっかく競争を促進して公正な市場を拡大しようとしているものに逆行することになるわけでございまして、そういう支配力が及ばないようにできるだけの手当てをしたい、あるいはそういうふうにしなければいけないというふうに考えているわけでございます。
#215
○東(祥)委員 まさに御指摘のとおり、理論的にはそのようなことが起こらないだろうと思うわけですが、ただ実態面は何ともわからないわけですね。実態面において銀行の企業支配力が一層強化されないようにしていくにはどうしたらいいのか、これを十分に審議して煮詰めておかなければならない問題なんだろうというふうに思います。
 時間の関係で次に行きますが、これは公正取引委員会にお願いします。
 独占禁止法上の制限については、今回の認可を得れば一〇〇%子会社を設立することが可能になります。独占禁止法、私、経済憲法というふうに思っていますが、経済憲法とも言える独占禁止法が、銀行法そしてまた証取法などの個別業法で実質的に否定されることになってしまうのではないのか、このような危惧を持つわけですが、このような状況があってよいと思うのか、また独占禁止法の運用強化を求めている諸外国の対日批判に対してどのように答えていったらいいのか、この点について説明をお願いします。
#216
○和泉沢説明員 御案内のとおり、独占禁止法ではその第十一条におきまして銀行、証券会社などのいわゆる金融会社に対しまして、あらかじめ公正取引委員会の認可を受けた場合などを除きまして、五%を超える株式の保有というのを禁止いたしておるところでございます。金融制度改革法案の業態別子会社に対する株式保有につきましても、この独占禁止法十一条の規定が排除されるというものではございませんで、業態別子会社方式、これを実施するためには独占禁止法十一条の認可が必要となるわけでございます。
 公正取引委員会といたしましては、個別のケースごとに厳正な審査を行いまして、公正かつ自由な競争を促進するなどの独占禁止法の趣旨、これに反するものでないと認められる場合に認可を行う、認可をするということでございまして、お尋ねの点でございますが、独占禁止法十一条の規制が否定されるというものでもございませんし、また独禁法の緩和といったような対日批判を招くようなものではないというふうに考えている次第でございます。
#217
○東(祥)委員 今こう質問している前提には、ファイアウオールの問題を煮詰めていかなければならないのではないか、そういう視点で質問させていただいているわけですけれども、系列の多い日本企業におって、ファイアウオールが低ければ親銀行の意向やまた指令一つで動いてしまう大金融グループができ上がってしまうのではないか、このように懸念するわけです。一方、ファイアウオールというのは、余りにも高くすると何のための制度改革なのかというのがわからなくなってきてしまう。この調整をどういうふうにしたらいいのか。そこで多分お悩みになっているんだと思うのですけれども、基本的にはファイアウオールというのは高い方が望ましいというふうに思います。
 ただ、大蔵省令ではどの程度のファイアウオールを考えているのか、これはまだよくわからない。先ほど日笠議員の方からも質問がありましたけれども、それに対して具体的にはまだ答えてくださっておらない。例えば先ほどの質問にも出ましたけれども、銀行の店舗で証券会社が兼業することを禁止するつもりなのか。もし禁止するつもりであるならば、別の店舗を構える必要が出てくる。しかし採算がとれないというような状況が起こってくるかもわからない。禁止しないならファイアウオールの意味というのが薄らいでしまう。こういう危惧が起こるわけですけれども、この点についていかがでしょうか。
#218
○松野(允)政府委員 いわゆるファイアウオール、弊害防止措置につきましては、証券取引審議会で種々議論が行われました。その結果、今回お願いしております法律案に明示しておりますのは、親子会社間における取締役等の兼職規制、それから同じく親子会社間におきますどちらかに有利な取引を行うことの規制、それから三番目が、特にこれは銀行の場合が妥当するわけでございますけれども、親銀行の信用供与を条件にして子供の証券会社と取引をするというような、いわゆる抱き合わせ的な取引、こういう三つのものを具体的に法律案に規定をしているわけでございます。
 それ以外に証券取引審議会で議論をされましたときに必要であるというふうなことで、ファイアウオール、弊害防止措置として挙げられておりますのは、例えば親会社が発行する証券を子会社が引き受けてはならないとか、さらに店舗の共用というものもこの中に入っておりますし、あるいは公開されてない情報を親子間で伝達すること、あるいは証券子会社が引き受けた証券を引き受け後一定期間内に親会社が購入するというようなこと、それからこれは銀行の場合が多いわけですけれども、経営不振に陥った企業への親会社の債権回収のためにその企業に証券を発行させて証券子会社がそれを引き受けて売るというような問題、そういったような点について証券取引審議会の報告書では述べられておりまして、そういったものにつきましては、私ども、先ほど申し上げましたように、省令等々においてこれを規定をしていきたい。
 一番実は問題なのは、親銀行が影響力を及ぼすような企業が発行する証券を証券子会社が引き受けるというようなことが問題として挙げられております。この影響を及ぼすことができるというようなものをいわゆるメーンバンクと言っておりますけれども、これを一体どういうふうに定義するかという問題はあるわけでございまして、これはまだ検討をしなければならない問題でございますが、いずれにいたしましても、基本的には証取審報告書に書かれております必要とされる弊害防止措置については、すべて省令等々で手当てをし、証券子会社の業務が公正かつ適正に行われるようにする必要があるというふうに考えております。
#219
○東(祥)委員 一歩具体的になってきたと思うのですが、アメリカでのファイアウオール規制というのは現在緩和されつつあるように聞いております。しかしながら、それはファイアウオールが不必要であるという意味ではなくて、当初はとりあえず厳格な規制を行って、その効果を見きわめるという考えに立った上で、現在はその吟味の段階に入っているにすぎないと私には思われます。我が国においては、いきなり低いファイアウオールではなくて、高いファイアウオールを業界がまず初めに経験して、そしてその規制の効果が上がるのではないのか、このように思われるわけですけれども、この点についてはいかがお考えになりますか。
#220
○松野(允)政府委員 アメリカにおきましては、確かに御指摘のようにファイアウオールを若干緩和する動きがございます。しかし、日本の場合には、先ほどの証取審の議論でも申し上げましたように、やはり日本の銀行は企業に対して影響力を及ぼす特別な地位にあるということは事実でございます。いわゆるメーンバンク制度、あるいは株式を保有することができるということもあるわけでございまして、そういったことからいいますと、少なくとも証券市場に子会社で参入をし証券業務を行うということを考えた場合には、そういう日本におきます銀行の特別の地位というものを十分考える必要がある。したがいまして、私どもとしては、やはり今申し上げましたような必要な弊害防止措置はすべて講ずる必要がある。それを、もちろん法律施行あるいは子会社の業務の実態を見ながら、その実効性が十分図られておれば必要に応じて適宜見直していくということも考える必要はあろうかと思いますけれども、当初においては、やはり証券市場に弊害を与えないという観点からは、必要かつ十分な弊害防止措置を設ける必要があるというふうに考えているわけでございます。
#221
○東(祥)委員 つまり、明確なルールに基づいてやるべきで、恣意的な形でもってファイアウォールを設定してはならない、こういうふうに理解してよろしいですか。
#222
○松野(允)政府委員 ファイアウオールにつきましては、私どもは法律、省令等々で明確に規定をしたいというふうに思っておりまして、恣意的にケース・バイ・ケースというふうな考え方はとっておりません。
#223
○東(祥)委員 次に、私募と公募の概念について少し質問させていただきます。
 証取審の報告、そして今回の法案では、私募が明確にされて、今後はディスクロージャー規制を加えつつ、証券会社も銀行も私募を取り扱えるようになっている。この点は、非常によいことだと私は思います。そこで、公募と私募の問題についてお伺いしたいのです。
 まず、公募。普通社債の発行額の最近の五年間の推移、そしてまた消化構造、だれが買っているのか。同様に私募普通社債の発行額の最近の五年間の推移及びその消化構造について説明願います。
    〔委員長退席、柳本委員長代理着席〕
#224
○松野(允)政府委員 まず、発行額でございますが、最近五年間の発行額を申し上げますと、昭和六十二年度におきましては、公募債が九千百五十億円、私募債が二千四百二十四億円発行されております。それから六十三年度が公募が七千四百九十億円、私募が二千八百七十億円、それから平成元年度は公募が七千二百九十億円、私募が三千四百三億円、それから平成二年度は公募が二兆六百六十億円、私募が八千五百二十六億円、それから平成三年度は公募債が二兆四千二百六十七億円、それから私募債が一兆六千五百三十八億円発行されております。
 これの消化構造でございますが、まず公募債から申し上げますと、公募債につきましても、実は最近はいわゆる機関化現象、機関投資家の成長というものが非常に著しいということもございまして、機関投資家中心の消化になっているというような姿になっていたわけでございますが、今申し上げましたように、平成二年度、三年度におきまして、公募債の発行額が非常にふえております。そういうものを背景にして、最近では個人投資家に対する消化というものも拡大をしてまいっております。
 他方、私募債につきましては、これは機関投資家向けということが私募ということでございまして、そういったことからいいまして、すべて機関投資家に対して消化がなされているということになっております。
#225
○東(祥)委員 済みません、局長、平成二年の発行額、ちょっとわからなかったのですが、もう一度言っていただけますか。
#226
○松野(允)政府委員 平成二年度は公募が二兆飛んで六百六十億円でございます。それから私募が八千五百二十六億円でございます。
#227
○東(祥)委員 今一つの御回答ありましたように、公募市場が平成元年まで鈍化傾向、低落傾向にあって、また平成二年から上に上がっている、微増している。私募は激しい勢いで上に上がっている、このようにとらえてよろしいですか。
#228
○松野(允)政府委員 確かに公募債は平成元年度まで減っておりまして、二年度、三年度で急増しております。これは株式市場が低迷して、いわゆるエクイティーファイナンスができなくなったということで、公募債の方に企業の発行需要がふえてきたということが言えると思います。
 それから、私募債の方も、平成二年度、三年度でこれも急増しております。これは機関投資家向けの機動的な資金調達というのが私募債の特徴でございまして、機関投資家が発達してきた、成長してきたということを踏まえて、私募がこういうふうにふえてきているというふうに考えております。
#229
○東(祥)委員 それから、公募における機関投資家の割合、大体何%くらい占めているか。平成一、二、三年、教えていただけますか。
#230
○松野(允)政府委員 ちょっと全体の数字は手元になくてサンプル調査で申し上げたいと思いますが、サンプル的に申し上げますと、平成三年度におきまして、やはり当初は機関投資家向けの消化が公募債につきましても八割ぐらい、あるいは八割以上を占めていたわけでございますが、平成四年に入りまして、平成三年度の末に発行されたものあるいは平成四年度になって発行されたものの公募債の消化状況を見ますと、個人投資家に対する消化割合が六割を超えるというような状況になってきております。
#231
○東(祥)委員 今回答がありましたとおり、基本的に、公募といってもまだ実質は機関投資家が購入しているというのが現状であると言えるんじゃないか。今回の改正法案においては機関投資家のみを相手とする、つまりプロですね、そのプロを相手とする発行は私募とすることが予定されているわけです。また、銀行も証券会社と同様に私募を取り扱える、このようになっている。多分、これは推測ですけれども、銀行は私募債発行業務の拡大を望んでいるんじゃないのか。そうすると、今回証券会社、銀行が私募市場に乗り出すことによって、この私募市場がさらに拡大していくことが予想されますし、ディスクロージャーしてよい、そういうスタンスの企業が多いならば問題ありません。しかし、どうなんでしょうか。日本の企業のビヘービアというのを考えれば、ディスクロージャーしたくないという企業が多いのじゃないのか。その場合、今まで以上に私募にしたがるケースがどんどんふえていくことになってしまうのじゃないのか。これによって、公募市場の先細りの傾向にひょっとして拍車がかかるのではないのか。このような懸念を持つことを免れないわけですが、この点についていかがお考えですか。
#232
○松野(允)政府委員 確かに、現在、私募がかなり拡大をしております。それは、ほとんどが金融機関の取り扱いになっているわけでございます。ただ現状は、この私募というのは実は証券取引法の全く外に出ておりまして、いかなる意味においても証券取引法が適用されない発行形態になっております。したがいまして、現在、機関投資家向けの私募につきましては、行政指導のベースでいろいろと転売を規制をしたりしているわけでございます。
 といいますのは、私募という形で主として少人数の機関投資家向けに発行されたものが発行後転売をされまして一般投資家の中を転々流通するということになりますと、これはいわばディスクロージャーのしり抜けみたいなことになってしまうわけでございまして、そういったことを防止する観点から、現在は行政指導で転売規制を行っているわけでございます。今回の法律改正案には、その私募を証取法上の証券業務の一つと位置づけまして、あわせて転売規制も法律で明確にするという手当てをしたいということを考えているわけでございます。
 一般的に、私募、公募というものの長短といいますか、いろいろ特色があるわけでございますが、一般的に申し上げますと、公募は、広く一般の投資家を対象に行われますので、大量の資金調達ができ、かつ、その流通性が制約をされませんので、それだけ発行コストが安く済む、ただし、ディスクロージャーが要求される、こういう発行形態でございます。他方、私募の方は、逆に、少数の機関投資家を対象にして機動的に発行するというメリットがある。さらに、ディスクロージャーが免除されているわけでございますけれども、転売が規制されるということで、発行コストがその分だけは高くなるということが考えられるわけでございます。
 いずれにしても、私どもは、今申し上げたような公募、私募の資金調達のお互いのメリット・デメリットというようなものを発行企業が考えて、その中で資金調達手段を選択するというようなことが望ましいというふうに考えているわけでございますけれども、しかし、何といいましても公募市場というものが、不特定多数の投資家がそこに参加することによって価格形成機能というものが非常に期待をされ、それに基づいて資金配分機能が行われるわけでございますので、やはり公募市場があくまでも基本であるということが言えると思います。
 そういったことからいいますと、公募と私募がやはりある程度バランスのとれた形で市場が発展していく必要がある。そのためには、やはり公募市場に現在存在しますいろいろな諸規制、諸慣行、手数料の問題、あるいは商品性の問題、さらには発行限度とか受託制度とかいう法律改正を要する問題もございますが、こういったような問題についてできるだけ見直し、撤廃をして、公募市場における制約をなくしていくということが必要であろう。
 御指摘のございましたディスクロージャーを免れるために私募に走るのではないかということでございますが、私募はもちろん大企業も中小企業も利用しております。中小企業の場合にはこれは公開していない企業もございまして、そういった意味ではいわば非常に機動的な資金調達手段である、一般の投資家にはとても募集ができないというような段階の企業の場合には機動的な資金調達手段として位置づけられる。わけでございます。
 大企業の場合に、私募に行くことによってディスクロージャーを免れるのではないかという御指摘でございますが、大企業の場合には既にほとんどの企業がいわゆる有価証券報告書の提出会社になっております。継続開示が行われているわけでございまして、この私募を行うことによってその継続開示の義務がなくなってしまうということはないわけでございます。
 そういったことからいいますと、大企業が私募を利用するということも、資金調達の機動性という点からはそういうことを選択することがあるわけでございますが、ディスクロージャー制度を免れるためにやるというようなことは、今の証取法の体系あるいは大企業というものが既に何らかの形で募集をしあるいは継続開示が行われているということを考えますと、そういうような動機があるということは考えにくいのではないかというふうに思います。
#233
○東(祥)委員 証取審の十六ページに「資本市場の望ましい姿は、投資者が広く参加できる公募市場が中心となっていることである。私募についての法整備が、結果として、公募市場の機能及びその発展に悪影響を与え、資本市場全体の機能が損なわれるようなことのないようにする必要がある。」これを受けて、基本的に今局長が十分なる説明をしてくださったわけですが、ディスクロージャーするかしないかというのは、それは今局長がおっしゃった角度で、本当にディスクロージャーしない、ディスクロージャーしないために私募に逃げていくのではないのかという私の懸念を打ち消すまでには至っていないわけですけれども、その懸念はあるのかないのか。この点についてはどうですか。
    〔柳本委員長代理退席、委員長着席〕
#234
○松野(允)政府委員 極端に考えればそういう懸念が全くないということを申し上げるつもりはございません。我々としては、公募ができるような段階に至っている企業があえて私募だけを利用するということは非常に好ましくない。これは先ほど申し上げましたように、証券市場にとっては公募市場が価格形成を通じて資金配分機能を果たすという基本があるわけでございますので、そういうような形で公募債を出せる企業があえて公募市場を避けて私募だけに専念するといいますか、集中するというようなことは好ましくないし、そういうことにはならないようないろいろな手当てをやはり考えていく必要があるというふうに思っております。
#235
○東(祥)委員 ありがとうございます。
 十分早いのですけれども、これでやめさせていただきます。
#236
○太田委員長 次回は、来る十九日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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