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1992/02/27 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第2号
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1992/02/27 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第123回国会 地方行政委員会 第2号
平成四年二月二十七日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 中島  衛君
   理事 岡島 正之君 理事 福永 信彦君
   理事 古屋 圭司君 理事 増田 敏男君
   理事 谷村 啓介君 理事 中沢 健次君
   理事 小谷 輝二君
      井奥 貞雄君    狩野  勝君
      田邉 國男君    谷  洋一君
      中谷  元君    西田  司君
      野中 広務君    森田  一君
      渡瀬 憲明君    遠藤  登君
      小川  信君    北川 昌典君
      北沢 清功君    小林  守君
      山口 鶴男君    山口那津男君
      吉井 光照君    吉井 英勝君
      神田  厚君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     塩川正十郎君
 出席政府委員
        警察庁長官   鈴木 良一君
        警察庁長官官房
        長       井上 幸彦君
        警察庁刑事局長 國松 孝次君
        警察庁刑事局保
        安部長     関口 祐弘君
        自治政務次官  穂積 良行君
        自治大臣官房長 森  繁一君
        自治大臣官房総
        務審議官    滝   実君
        自治省行政局長 紀内 隆宏君
        自治省行政局選
        挙部長     吉田 弘正君
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
        自治省税務局長 杉原 正純君
        消防庁長官   浅野大三郎君
 委員外の出席者
        厚生省健康政策
        局総務課長   伊原 正躬君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  石橋 一弥君     狩野  勝君
同日
 辞任         補欠選任
  狩野  勝君     石橋 一弥君
    ―――――――――――――
二月二十七日
 地方交付税制度の堅持に関する請願(平沼赳夫
 君紹介)(第一六七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡島正之君。
#3
○岡島委員 まず初めに、塩川自治大臣に、当面の一番大きな課題であります政治改革の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 先週末でありましたか、宮澤総理が、自民党の政治改革本部の幹部の皆さんからいろいろ党内の今の検討状況等を聞かれ、また、各界の有識者を集めまして懇談をされたという報道がなされたわけでありますけれども、総理の政治改革に取り組むいわば姿勢というものが示されたわけであります。大臣もその席に同席をされたというふうに言われておりますけれども、その際総理から、自民党の政治改革大綱の基本理念に立って本年の十一月までに政治改革の全体像を取りまとめ、当面の緊急課題として衆議院の定数是正の問題、政治資金の問題、さらに政治倫理の問題、あるいはまた国会等々の改革の問題等の具体的な四つの項目が三月の中旬ごろまでに党内合意をとられるような指示がされたと言われております。今、自民党におきましても、五つの部会を中心としてこれらの問題がいろいろ検討をされているわけでありますけれども、何としても政治の信頼回復の中で最も大きな課題が政治改革であろうと思います。
 そこで、選挙制度あるいはまた政治資金の問題等を所管いたします自治大臣として、これからの政治改革に取り組むいわば基本的な姿勢といいますか、そういうものについてまずお聞かせをいただきたいと思います。
#4
○塩川国務大臣 この問題につきましては、先刻御承知のように、前国会におきまして政府が提出いたしました政治関係三法案というものはすべて廃案となってしまいました。その廃案になりますときに、各党間の合意といたしまして、政治改革は緊急必要の課題であるから、できるだけ速やかに各党間の基本的な合意を得た上で、改めてその改革の実を上げていく法案を審議する、こういうことになっておることは御承知のとおりでございます。
 つきましては、現在各党間の協議をしていただく場所といたしまして政治改革協議会が院内に設置されておりまして、そこでまず各党間の合意について御審議いただくことが当然でございますが、さりとて自治省といたしましてはやはり政治改革関連の法案の取りまとめの責任者でもございますので、政府として、まあ政府・与党一体化という体制の中にございますだけに与党と入れまして、実は政治改革の基本的な考え方について意見の交換をいたしたというのが去る二十一日の会合になったわけでございます。
 その席におきまして、総理が党内におきます協議の中で申しましたことは、政治改革のやはり抜本改革が必要である。しかしながら、この抜本改革については、各党間の基本的な合意というものを得られない以上は、そこに直接我々として、つまり政府側としては物を言うべきではないので、できるだけ早く各党間で基本的な方針を決めていただきたい。そのためにはやはり時間をかけて御審議いただくことも必要であろう。しかしながら一方においては、国民の多くの方々は、そういう選挙制度の改革とあわせて一票の格差の是正というものに対して非常に強い期待がかかっておるのではないか。この違憲状態とも言われる状態をやはり速やかに解消していくということが我々としての大きい責任ではないかと思うので、このことについては政治改革の中でもやはり優先してひとつ御審議を再開してもらえないだろうかという希望を申し上げました。
 そして同時に、今問われておるのは政治家と金とのかかわり合いでありますので、この問題についてもより以上に、現在以上に、政治資金の性格の明確化なりあるいはその透明度について御協議いただきたい。そして、政治資金からまつわるところの政治不信というものに対しては的確にこたえていきたい、こういう希望を強く言っておりました。
 そして第三番目の問題としては、やはり政治倫理の問題が必要なんではないか。このことは、かねてからいろいろと政治家の身分の問題について御審議がございますけれども、これはしかし選挙制度等と絡んでまいりますので、いわばそれと並行して御審議いただきたい。
 そしてさらに四番目の問題といたしまして、党なり国会なりの運営についてより一層合理化、近代化を進めていただくようにお願いしたい、こういうことを申し上げたのであります。
 そこで、十一月をめどにと申しましたことは、総理が就任いたしましたときに、こういう政治改革についての基本的な考え方は各党の合意を得た上でさらに推敲を重ね、十一月をめどにしてこういう抜本改正全般の政治改革の方策を決定したい、こういうことは十一月めどに、こう言っております。しかし、何としても当面必要とされておるのは、政治資金の問題であり、いわゆる政治とお金との関係であり、そして一票の格差是正、政治に参加する国民の権利の調整というもの、これはやはり緊急の課題ではないだろうか。そうであるとするならばやはりそのことについて重点的に各党間の合意を進めていただきたい、こういう希望をさらに改めて申したという次第でございます。
#5
○岡島委員 各党協議の問題がお話がございましたが、いずれにしても緊急の課題についての討議、さらにまたそれらの方向づけが決まるように心から願っているわけであります。
 次に、地方財政の問題について四点ほどお伺いいたしますが、時間の関係で一括御質問申し上げますので、よろしくお願いをいたします。
 地方団体は、今日、時代の変化に敏感に対応していくために多くの課題を抱えているわけであります。特に、従来から言われておりました東京一極集中の是正と地方の活性化の問題、あるいはまた生活関連等公共投資基本計画の達成の問題、ゴールドプラン等福祉の問題など、内政における大きな役割を果たしているわけでありますけれども、しかし一方では財政問題は、極めて厳しい状況にあるわけであります。必ずしも楽観できないし、また三千三百の地方自治体の財政は多様化、多元化しておりますから、そのために厳しい状況にありますが、この地方財政基盤の強化充実が必要であることは論をまたないわけでありますけれども、特に地方税、地方交付税等の一般財源の安定的な確保が大事であります。
 昨年の暮れに交付税率の引き下げ論議が話題となっていたわけでありますが、あの際、塩川自治大臣が極めて明快に、独立、共有の地方の財源である交付税についてはその確保を言明をされたわけであります。そのことにつきましては多くの地方自治体の皆さんが拍手を惜しまなかったわけでありますけれども、大臣の地方自治に関するいわば崇高な理念について私どもも深い感銘を受けたわけであります。
 そこで、まず第一にお伺いをいたしたいのは、平成四年度の交付税の問題につきましてはさきに大臣の所信表明がなされました。大臣は、現下の国の財政状況を踏まえて八千五百億円を減額する特例措置を講ずるというお話がございましたが、地方団体のこれからの円滑な財政運営の面でどのようにお考えであるか、まずこのことが第一点。
 二番目には、公共投資の基本計画が既に発表されておりますけれども、過去十年間の実績を考えましても、七〇%が地方団体が実施をした、あるいはまた六〇%が地方団体の負担であった、四〇%が地方単独事業だったといったような数字が出ているわけでありますが、これから地方団体の果たす役割は大きいわけでありますけれども、その必要な財源の措置をどうされるお考えか、この点が第二点。
 第三点目には、景気の冷え込みがいろいろと言われておりますけれども、先般宮澤総理が自治大臣に指示されたと言われております地方単独事業の前倒しの問題について、どのようにお考えがあるのか。特にまた、平成四年は一一・五%、国の約七兆円の倍の十四兆円以上の公共投資が行われるわけでありますから、そういう面からのお考えをお聞かせいただきたい。
 第四点目は、高齢化社会の中でゴールドプランの推進が行われておりますけれども、地方団体の福祉政策についてその支援体制、それらについてのお考え。
 以上、財政問題について四点お伺いをいたしたいと思います。
#6
○塩川国務大臣 質問が非常に多岐にわたっておりますので、詳細にお答えする時間はないと思うのでございますが、後で必要ございましたら、それぞれ担当の部署の者が来ておりますので、さらに御追加をいただければ結構かと思いますが、四点ございました。
 一つは交付税特例措置に関して財政は大丈夫なのかという見通しの問題がございましたが、実は平成四年度で八千五百億円の国への貸与をいたしました。これにつきましては、非常に苦しい中でいたした選択でございますが、国と地方とがやはり相呼応して円滑に財政運営ができるためには、国が非常に強く求めておりました一兆円に対して、我々としてはぎりぎり応じられる範囲内といたしまして八千五百億円という決定をしたわけでございます。この八千五百億円は安易に我々が切り込んだものでも何でもないのでございまして、実はこの八千五百億円、貴重な財源であったわけでございます。しかし、国からのたっての要請がございましたので、一応本年度に限ってはこういうようにいたしましたが、これは十年間にわたりまして返済を求めるものであるということは申し上げておきたいと思っております。
 そこで、根本的な問題といたしまして、この数年間に基準財政収入額の構造が非常に変化してまいりました。御承知のように、消費税の問題があり、たばこ消費税の問題があり、あるいはまた利子配当課税の配分の問題もいろいろございましたし、そういう基準財政収入額の構造が変わったに伴いまして、当然基準財政需要額の方もそれに伴って変化していくはずでございますが、そこに若干の年次的なずれが起こってきておりますこと、これを一刻も早く調整して収入と支出のバランスをきちっと明確にとるべきである、こう思っております。その間において一応非常に検討を要しますことは、基準財政需要額が、非常に地方自治体に対する期待が大きいだけに、多様化、複雑化、そしてまたいろいろな、国際化、情報化いたしておりますので、それに対応する財政需要額のいわば展開を進めていかなきゃならぬと思っておるところであります。
 それから、投資問題についてお尋ねがございましたが、この四百三十兆円の国と地方との分担につきましてまだ明確なものが出ておりませんし、ましてやそれに対する財源の付与ということも決定したものではないのでございますけれども、一応今までの公共事業の実績を基準にいたしまして、我々はそれなりの財源的な措置を講じていかなければならぬ、そういう手当てはしております。その際に、いろいろな資金を多様化したものでこれに充当させていきたい、こう思っております。
 それから、単独事業の前倒してございますが、これは総理からも特に要請の強いものでございます。御承知のように、平成四年度におきましては対前年度一一・五%の大幅な増額を図ったのでございまして、これは地方団体も非常に大きく歓迎してきております。これにさらに上積みをということでございますので、それにつきましては、単独事業の対象範囲並びに事業の性質等、新しいアイデアを積極的に与えていくことも必要ではないか、こう思っております。したがって、地方自治体がその自律性と独立性を確保しながらその地方の新しい道を求めるために、いろいろなアイデアの研究も自治省としては自治体と共同して進めていきたい、それが単独事業を拡大していく道であり、そのことを通じて地方の振興が図れるのではないか、こう思っておりまして、積極に取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、高齢化社会についてでございます。これは、厚生省との間にはいろいろと協議も重ねてまいりまして、厚生省自身の予算の中において進めにくい、いわば負担の大きいものがございましょうが、それにつきましては地方団体でできるだけカバーする、その地方団体がカバーするものを自治省といたしましては交付税措置等を通じまして補完していくという措置をいたしていきたい、それによりまして、福祉ゴールドプランの戦略が円滑に推進するように万全を期していきたいと思っております。
#7
○岡島委員 いずれにいたしましても、地方団体、いろいろな要請に従ってやっていかなければならないわけでありますから、自治省としてさらにひとつ積極的な支援体制を願っているわけであります。
 次に、地域振興の問題について一、二お伺いをいたします。
 平成二年の国勢調査の結果が発表されまして、前回の国勢調査の結果と比較しますと、東京圏の人口の膨張あるいはまた逆に地方の人口減少、そういう点が極めて顕著になってきたわけであります。そういう中で、自治省を初めとして関係省庁で今回、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案、いわゆる拠点都市法案が提出をされているわけでありますけれども、今回のこの法案の内容を見ますと、まず地方拠点都市地域の面的な整備と過度集積地域からの業務施設の移転など、いわば地方の自律的な成長の促進を考えておられるわけでありますが、この中で、従来の地域振興とは違った、国の役割をあくまで基本方針の策定にとどめて、主役は地方であるという考え方を強く打ち出しているわけであります。このことも、昨年十二月の行革審の第二次答申にもある考えに沿っているわけでありますが、極めて斬新的な仕組みであり、画期的なものである、こう考えておりますけれども、このことについて大臣としての御所見をまずお伺いしたいと思います。
 二番目には、けさのテレビでも大臣が何か言われたということが報道されましたが、国の縦割り行政についての弊害の問題がいろいろと言われておられました。今回のこの法案の特徴を考えますと、関係各省が従来のばらばらではなくてまさに一体となって共同提案の形で出されている異例のものだろう、こう思っているわけでありますけれども、これから法案の成立後の運用につきましては、各省庁の協調がそのゆえにさらに大事であろうと思います。主導的に法案の作成に当たってまいりました自治省の立場から考えましても、地方拠点地域整備振興の整備の面につきましても積極的な支援対策を講じていくべきだろう、こう考えておりますから、その意味において支援策等の用意をどうされておられるのか、この点についてもお伺いをいたしたいと思います。
#8
○紀内政府委員 御指摘にもございましたけれども、地域の活性化を図っていく上では、地方の自主性を重視していく必要があると考えておりまして、今回の法案におきましても、その目的、第一条に掲げてございますように、地域の創意工夫を生かして地方の自律的成長の促進を図るということを主眼としております。
 このことから、その仕組みにつきましても、従来の地域振興立法とは異なりまして、主務大臣の関与を最小限のものとするということで、通常のスタイルでございますと、知事が計画を策定し、主務大臣がこれを承認するという形のものが多いわけでございますけれども、今回の場合には、知事が関係の地域を指定して、関係の市町村が共同して計画を策定して知事がこれを承認する、ここで仕組みが完結する、こういうスタイルをとっております。このことによって都道府県なり市町村の自主性が最大限に発揮できるよう仕組みの上でも配慮したわけでございます。もちろん、法成立の暁におきましては、その運用に当たりましても地方の自主性が最大限に発揮されるよう配慮してまいりたいと考えております。
 また、各省協調してこの目的を達成するように努力すべきだというお話でございましたが、まさにそのとおりでございまして、関係省庁寄り集まりまして緊密な連携をとりつつ事を進めております。
 自治省として現在考えております支援策につきまして、もちろんその細部にわたりましては今後に残されている部分がございますけれども、概要を申し上げますと、一つは、市町村が共同して行う計画策定に対する支援でございまして、これは地方交付税において支援の措置を講じてまいりたいと考えております。二つは、地方公共団体が実施する事業に関する支援でございます。これは、ハードとソフトに分かれますけれども、まずハード事業につきましては、その基本計画に位置づけられた事業につきましては地方公共団体の財政事情の中に適切に位置づけるということにいたしまして、特に地方単独事業のうち一定のものにつきましては、地方債と交付税を連動させた仕組みによって支援をしてまいりたいと思っております。また、ソフトの事業につきまして、これは一部事務組合を構成して行う仕事に関するわけでございますけれども、人材の育成であるとか地域間交流というふうな広域的なソフト事業の財源とするために基金を設置する場合、それに地方債及び交付税を活用した支援策を講じてまいりたいと思っております。
 それから、この法律の中に盛り込んだ支援措置といたしましては、一つは、この法律にございます拠点地区、重点的に整備する地区でございますけれども、拠点地区で行われる民間事業、これは産業業務施設あるいは教養文化施設等ということでございますけれども、これに対する支援といたしまして、まず地方税、固定資産税、不動産取得税でございますが、その不均一課税を行った場合に一定のものについて減収補てんを行う。
 次に、地方債の特例といたしまして、一定の民間事業者が行う一定の事業に対する補助、出資等の財源として地方債を認める。
 それから、地方税の特例措置といたしましては、特別土地保有税、事業所税、不動産取得税につきまして非課税等を考えている、こういうことでございます。
 また、同じくこの法律の中におきまして、一部事務組合によって行う場合の共国運営の確保の工夫を若干しておりまして、都道府県あるいは都道府県の機関がその事務を一部事務組合に委託することができる。具体的に申しますと、そういうふうに拠点として一つの仕事をやろうとしている場合に、そこに県の施設などが設置される場合には、それをその組合に委託をして管理運営をさせる、こういう例でございましょうか。それから、職員の派遣の配慮というのを考えておりまして、一部事務組合の管理者が知事に対して職員の派遣の要請を行った場合には、知事は支障がない限り適任者の派遣を行うように努力をする必要がある、こういうことにいたしております。
#9
○岡島委員 次に警察の方で、暴力団等の問題についてお伺いをいたします。時間の関係もありますから、大変恐縮ですが、五点ほど御質問を申し上げますので、お答えをいただきたいと思います。
 昨年の五月に暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、いわゆる暴対法が成立をいたしまして、いよいよ三月一日から施行されるわけでありますけれども、この法律につきましては国民、市民、大きな期待を持っているわけでありますけれども、それらについて幾つかの御質問を申し上げます。
 まず一つには、暴力団対策法の施行に当たりまして警察はまずどのような体制で臨まれようとされているのか、この点をひとつお伺いをいたします。
 二番目には、指定暴力団の指定の方針について、これが今一番関心があるわけでありますけれども、この方針についてお伺いをいたします。
 その方針に基づいてこれからいろいろと行われていくわけでありますけれども、当面のスケジュール等について三点目にお伺いをいたします。
 それから四点目には、暴力団の指定がされた暴力団についてはそういう対応ができるわけでありますけれども、全国三千三百の暴力団の団体がある、八万八千人以上の暴力団員がいるという中で、指定されない団体、暴力団があるわけでありますけれども、これらについては暴力団の地下潜行の問題等も一つの話題としてなっているわけでありますから、そういう中で、指定されない暴力団については警察としてはどのように対応されていくのか、このことを四点目にお伺いをいたします。
 それから五点目には、暴力団排除活動の中核となってまいります団体の結成が全国的にそれぞれ今進められているわけでありますけれども、特に暴力追放運動推進センターの指定が具体的に進められていると思いますけれども、全国的にどのような状況になっているのか。また、これらの全般的な見通し、特にその中で財団法人の設立の状況、そういうものについて五点目にお伺いをいたします。
#10
○國松政府委員 順次お答えを申し上げます。
 まず、暴対法の施行に当たりましての体制でございますが、各都道府県におきましては、暴力団の指定や、その前に聴聞というものを行わなければなりませんので、その準備の万全を期しているところでございます。この施行の時期というのはやはり総合的な暴力団対策を推進する絶好の機会でもございますので、警察力の重点的な再配分を行いまして所要の体制強化を図りながら、暴力団対策法の施行はもちろんでございますけれども、それとあわせまして、暴力団犯罪の検挙を徹底するということ、それから、暴力団排除活動を積極的に推進することなど暴力団総合対策を強力に推進することといたしております。
 なお、警察庁の体制につきましては、これから御審議をいただくことになると思うのでございますけれども、警察法の一部を改正する法律案におきまして、刑事局に暴力団対策部を設置していただくことになるわけでございますけれども、そうした体制の整う間、暴力団対策法施行推進事務局というものを警察庁に設置いたしまして、全国警察の指導調整に遺漏のないようにいたしたいと考えておるところでございます。
 それから、指定暴力団の指定の方針ということでございますが、私どもといたしましては、要するに一言で申しますと、より強大な暴力団を上の方から、トップから指定をしていくという基本方針でございまして、まず、最近寡占化の大変著しい大規模暴力団であります五代目山口組、それから稲川会、住吉会、これは私ども警察庁の重点対象団体と呼んでおるわけでございますが、これはもちろん指定を行います。これとあわせまして、それに準ずる大きな広域の勢力を持っております、京都に本拠を持ちます会津小鉄、それから山口に本拠がございます合田一家、それから福岡に本拠を持ちます工藤連合草野一家、それから広島にございます広島の共政会といったような大規模団体を中心に重点的に指定をする考えでございます。また、今申しました重点指定三団体の傘下団体のうち、特に悪質なもので指定の必要性、緊急性の高いものにつきましても順次指定をしてまいるつもりでございます。
 それから、施行後のスケジュールでございますが、指定事務につきましては、やや事務的な話になりますけれども、指定暴力団の指定要件の一つてあります犯罪経歴保有者要件の該当性の確認ということをやらなければなりません。そういうことを行いました後、早ければ三月中旬にも指定に係る聴聞の通知を行いまして、四月の初旬には聴聞を実施してまいりたいと考えております。その後、法律の定める手続がございますので、国家公安委員会に設置されます審査専門委員の意見を聴取いたしまして国家公安委員会における確認を行うという作業をいたしました後、順調にまいりますれば五月中には関係都道府県公安委員会による指定の公示を行いたいというように考えておるところでございます。
 なお、そういった指定暴力団というのができてくるわけでありますが、指定を受けない暴力団も暴力団には違いないわけでございまして、組織の威力を示して市民生活に大きな被害を与えているというようなことには間違いのないところでございます。そういったものにつきましても、あらゆる法令を活用して従来同様徹底した取り締まりを行っているところでございますが、特にこの施行の時期、三月から五月につきましては、先ほど申しましたように総合的な暴力団対策を推進する絶好の機会ということで、全国的に取り締まりを強化をいたすことにしておりますが、その場合にはもちろんのこと、指定する団体もされない団体も全部暴力団として、指定、非指定に関係なくやってまいるつもりでございます。
 それから暴力追放運動センターの件でございます。これは、そうした暴力団排除活動のための財団法人につきましては既に十その県でできておりますが、大体ごとしじゅうに全都道府県において設立される予定でございます。暴力団対策法の施行を機会に全国的に暴力団排除の機運が草の根から大変盛り上がっておるということでございまして、大変ありがたいことと私ども考えております。全国で大体ごとしじゅうにでき上がるというような大変な勢いで進んでおるわけでございますので、私どもといたしましては、そうしてでき上がります財団法人を中心にいたしまして市民社会から暴力団排除を一層活発化して行っていただくように、私どもとしても十分な支援を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
#11
○岡島委員 時間が参りましたのでこれで終わります。ありがとうございました。
#12
○中島委員長 中沢健次君。
#13
○中沢委員 今ほど自民党の筆頭理事をされております岡島委員が三十分質問をされました。私どもの会派の大先輩山口委員も私に助言がございまして、少なくとも自民党の筆頭理事が質問をされるときには、大体我が会派は出席状態はよろしいのですけれども、こういう状態ではやはり問題があるのではないかと、私は後輩としてそのことをしっかり受けとめて、これからまた理事会等の中でもいろいろ協議をしたいと思います。しかも大臣に対する一般質疑でありますから、ぜひひとつ、忙しいのはお互いさまでございますので、与党としてしっかりまた出席を督励するなり、ぜひそのことだけはお願いをまず申し上げておきたいと思います。
 さて、きょう一時間半時間をいただいておりますので、せっかくの機会でありますから自治大臣を中心にして多方面にわたる質問をしたいと思うのです。
 まず最初に政治改革問題であります。一昨日も予算委員会で証人喚問と参考人の事情聴取がございました。国民も大変な関心を持ってテレビあるいは新聞を見ていたと思います。さらに奈良の参議院の補欠選挙、多くは申し上げませんが、結果的に連合の候補が勝利をする、自民党が大敗を喫する、こういう冷厳な事実があるわけでありまして、いろんな見方はあるのでしょうけれども、私は率直に言いまして、リクルート事件あるいは北海道の三区出身の代議士を中心にした共和事件、そしていよいよ佐川にも火がついた。もう日本の政治は、かねてから経済に比べて政治は三流だというような非常に残念なレッテルが張られている。そういう状況の中でますます政治腐敗が進行して、もう国民の中には政治家は信頼ができない、やはりこの際徹底的に疑惑を解明して、解明するにとどまらず日本の政治をもっときれいに、言葉だけではなしに政治改革を断行してもらわなければ、政治の主人公の国民としてはもう納得がいかぬ、こういう具体的なあらわれとして奈良の補選の結果。一昨日は相当国民全体としては、ああいう放映でありますのでいら立ちを含めて国民の中にはあると思うのですよ。
 それで、岡島委員の方からも指摘がありましたけれども、いよいよ宮澤総理は官邸に陣を構えて政治改革をやろうとしている。私は総論的にはそのことは大変結構なことだと思うのです。問題は、具体的に何をやろうとしているか、いつまでやろうとしているか、国民の本当の今申し上げましたような期待にこたえてやろうとしているのだろうかと、いささか疑問があるわけでありまして、私の所属をする日本社会党も決して一〇〇%十分な力を持っておりませんが、しかし今の政治の現状を打破して腐敗政治を変えていこう、そういう観点で、名称は別にいたしまして、日本の政治の腐敗を防止するために新たな角度から政治改革の関連法案、今一生懸命法案を作成中で、できるだけ野党が足並みをそろえて、与野党協議の場に正式に持ち出して国会でも議論をしたい、こういう準備をしているところでございます。
 そこで大臣、官邸中心のいろいろな動きあるいは自民党の動きもそれなりに承知しておりますけれども、先ほどもお話がありましたように、やはり選挙制度あるいは政治改革の責任の大臣でありますから、総理の意向を受けて大臣として、どういうスケジュールでどういう内容で国民の期待にこたえるのか、決意のほどをまずお聞かせいただきたいと思います。
#14
○塩川国務大臣 まず、お尋ねの政治改革に取り組む手順でございます。これは先ほども岡島委員の御質問にお答え申し上げましたように、現在基本的な考え方につきましては各党間で合意を得るということがやはり前提になってきておりますので、できるだけ早い時期に各党間の協議を開始していただきたい。実は宮澤総理から自民党の執行部に対しまして、三月中旬ごろにはぜひひとつ各党協議を開始していただけぬだろうか、そのためには、そこに至るまでには自民党の方でも何か協議会に申し上げるべきことの合意をやはり党内においても取りつけていただきたい、こういうことを要請した次第であります。そこで、私たち自治省の立場として非常に関心を持っておりますことは、昭和六十一年五月におきまして国会決議がございます。この国会決議は各党合意をして決議をしたものでございますだけに、これがやはり非常に大きい重みを持って現在この解決の糸口になってきておる、こう思っております。したがって、この国会決議をどこまで尊重して、どういうぐあいにこなしていただくかということが、やはりこの協議が各党間で優先解決の見出しをつけていただかぬと前へ進めないのではないか、こう思っておりまして、一にかかって当省といたしましては各党間の合意を待っておるということでございます。
 しかし、ただその時間をそれだけで過ごしているわけにまいりませんので、各党が資料等を要請され、あるいはいろいろな計数をケースによって検討をされるという場合にはどんなお手伝いでもさせていただきたいと思いまして、いろいろな案を自治省としては用意をいたしておりますので、ぜひこのいわば資料の活用等につきましても積極的にしていただければ結構かと思っております。
#15
○中沢委員 私はテレビで拝見をしたのでありますが、先週のたしか日曜だと思いますけれども、官邸に自治省の選挙部長や、あるいは警察庁の、きょうもお見えでありますが刑事局長が呼ばれていろいろお話があったようであります。今大臣からありました大臣の決意と同時に、やはり事務方のいろいろな意味での協力体制を万全にとっていただいて、くどいようですが、やはり国民の一番求めているのは、政治腐敗を徹底的に明らかにしながらも、そしてそれを政治改革にきちっと結びつけて、国民の期待に早くこたえるような国会に、あるいは国会議員になってもらいたい、これは率直な国民の期待だと思うのですね。その期待にさらにこたえていかれますように、大臣としてもさらに積極的な、本当に前向きな、しかもこれは余り時間をかけてはいろいろまた問題があるわけでありますから、早急にやる、そのことについては改めてまた指摘をしておきたいと思います。
 さて、二つ目の問題について、主として地域振興を中心にして幾つかお尋ねをしたいと思います。
 昨日も首都の移転の懇談会が開催されている。人口が六十万規模で、あるいは移転に必要な経費が十一兆ぐらいかかるのではないか等々のマスコミ報道もございます。私もかねてからこの委員会で東京一極集中について、その裏返しをすると、日本の全体的な多極分散型の国土の形成について指摘をしてまいりましたけれども、きょうはやや哲学的なといいましょうか、言葉はともかくとして、先ほどもありましたけれども、今度の国会で地方拠点都市関係の法案、いわゆる地域振興の法案の一つだというふうに私は考えますけれども、提出が予定されている。しかもその内容を、昨日私どもは党の関係者集まりまして、自治省の担当課長からも改めてヒアリングをいただきました。
 内容は、いろいろありますけれども、従来の地域振興立法と違いまして、性格的に、地方自治に対する自主性といいましょうか自律性、これを法的にも相当程度保障している、これは際立った特徴であって、党としては評価をしたいと私は思うのです。
 ただ、仄聞するところによりますと、これは自治省を初め六省庁の共管の法案であって、建設省が中心で、法案そのものは恐らく建設委員会が中心になって議論をするんではないか、こういう話を承っているわけでありまして、私自身も昨日課長にも指摘をしましたけれども、せっかく自治と分権と言われている時代の中で、地方の自主性、自律性を尊重する新しい地域振興立法を出すのであれば、もっともっと自治省がリーダーシップをとって、自治省が中心になって最終的に法案をまとめてこの委員会で審議をする。もちろん各省庁にまたがりますから連合審査という技術的な問題はあるでしょうけれども、やはり自治省がそういうことで本腰を入れて、大臣も含めて、関係の行政局も含めて、そういう具体的な国会における審議もやはり地方行政委員会を中心にやるべきではないか、法の趣旨からいってそれが当たり前ではないか、そういう指摘を行いました。
 それについて、まず大臣、どういう決意あるいは考え方をお持ちであるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#16
○紀内政府委員 新法の目的につきましては、政府の各省庁がすべて力を合わせてその達成に努めるべきものというふうに考えております。御指摘にもございましたけれども、自主性と創意工夫を尊重する、こういう考え方から、新法の目的達成に寄与するような新しい施策を法律事項として用意したところが主務大臣として参画する、こういうスタイルをとっております。自治省も当然主務大臣として位置づけられているわけでございます。
 その内容におきましても、まずその目的において、創意工夫を生かした自律的成長の促進ということを標榜しておりますし、都市と周辺市町村を一体とした地域の振興を図るということにしてございます。また、自主性を担保するために、そのスキームにおきましても従来とは全く異なった方法をとっているということでございまして、当省の主張を法案の中に十分盛り込んでいるところと考えています。
 法案提出の過程までは、その法案の中に技術的な関連からの規定が非常に分量が多い建設省がたまたま便宜窓口となってはおりますけれども、このことによって建設省が中心になるというものでは全くございません。建設省ももちろん重要な地位を占めておいでになりますけれども、いずれが主、いずれが従ということではなく、それぞれ相協力してやっていくべきことかというふうに思っております。この法案審議の過程におきましてもあるいは法案成立後の運用の過程におきましても、関係省庁一体となって十分な連携のもとに仕事を進めてまいりたいと思いますし、その際当方の主張については十分腰を据えてやってまいりたいと思っております。
 なお、法案の審議についてのお話ございましたけれども、国会での審議の手順等につきましては両院でお決めになることでございますので申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、法案の具体的な付託がどのような格好になろうとも当委員会で十分に御議論をいただきまして、いろんな観点から私どもが御指導をいただく機会を得ることは大変結構なことだ、こういうふうに考えております。
#17
○塩川国務大臣 今の御質問は非常に政治的な問題を含んでおると思っておりますのでお答えをいたしたいと思っております。
 おっしゃるように、事業としては確かに建設省関係が多いのでございまして、先ほど紀内局長が言っておりますように、法案を作成しましたその根本的な思想というものは、この際地方自治体に責任を負わした拠点づくりをやらそうということが発想でございますのでございますから、この事業のフォローアップはやはり最終的には自治省が責任者になるものだ、こう思って、財源的な措置等につきましても、各省庁間でその協議をして、その際の中心は当省において行いたい、こう思っております。
 それで、法案の審議につきまして、私も、今おっしゃいましたので、なるほど、法案の審議のことまで実は先週閣議で決定した段階でございますので思い至らなかったのでございますが、いいサジェスチョンをいただきましたので、早速国対並びに議運の委員長と相談いたしまして、これはやはり法案の趣旨から申しまして皆が、各省が協力して審議できるような態勢をきちっととりたい、こう思っております。
#18
○中沢委員 今大臣から極めて政治的な判断も含めて積極的なお答えをいただきましたから、そのことをひとつ期待をして、これからまた法案が出たときに具体的な内容についても議論さしていただきたいと思います。
 さて、角度を変えまして、ふるさと創生事業につきまして少しくお尋ねをしたいと思うのです。
 これは当時の竹下総理の時代でありますから昭和六十三年度から始まったいわゆる地方における町づくり村おこしとでもいいましょうか、言葉はふるさと創生ということでありますが、それが今でも若干形は変えておりますけれども、例えば交付税の財政的な措置としてもずっと続いている。それを一つの起爆剤にして、所によってはいろんな事業がずっと積み上げられてきている、こういう状況が一つあると思うのですよ。
 で、昭和六十三年度から年間で約三千三百億くらい交付税措置をしておりますから、五年度にまたがっておりますが、実質四年度。そうすると約一兆三千億くらいいわゆるふるさと創生で国としては財政的なてこ入れをしてきた。それを受けて地方ではいる。いろアイデアを凝らして特色を生かしてやってきた、これは一つ一般論として、総論としては押さえていいと思うのです。その場合にやっぱり自治省として約五年間にわたってふるさと創生事業を、担当の課も決めてやってきたわけでありますから、まあ一区切りがついておりますので、ふるさと創生という事業についての総括を、それほど膨大な総括は私は必要でないと思いますけれども、やっぱり特徴的な内容を含めて、もっと言えばあるいは自治省が把握をしていない隠れたふるさと創生事業というのはたくさんあると思いますから、そういう内容も含めてほかの自治体が参考になるような、そういう総括をきちっとやっぱりやる時期ではないか。まずそのことについてどのようにお考えであるかをお聞きをしたいと思います。
#19
○滝政府委員 お話しのように、実質四年足かけで五年、こういう経過をふるさと創生事業発足来たどってまいったわけでございます。したがって、私どもといたしましても、これは塩川大臣就任以来、方針として取り組んでいるのでございますけれども、少なくとも今までの事業の成果を整理いたしまして次の段階への一つの方向づけになるような格好で問題の整理をやってみたい、こういうことで取り組ませていただこう、こう思っております。したがって、少し年度末までには間に合いませんけれども、平成三年度の事業が終わった段階でそういうような取りまとめを全体としてやってみたい、こういう状況ではございます。
#20
○中沢委員 それで、昨年の七月に当委員会で初めて私の出身の夕張にも視察においでをいただきました。実は夕張は炭鉱の町でありましたけれども、一昨年の三月で最後の山が閉山になりまして、もう炭鉱の町ではなくなった。人口も十二万から二万に減って、もう大変な超過疎地帯という状況にある。おいでをいただいた党派を超えた各委員とも状況については十分御認識をいただいて、それにしても夕張市長を含めてよく頑張っている、こういう激励やいろいろなお話なんかをいただいたということをよく覚えているのであります。
 実は夕張では国際映画祭というのをやっています。国際という名前のついた映画祭をやっているのは、私の知っている範囲では東京国際映画祭と夕張の国際映画祭、あとは九州の湯布院の映画祭なんかはそれぞれ有名のようでありますが、そんなに国際という名前のついた映画祭はやられていない。時間がありませんから多くは申し上げませんが、やはり夕張のような炭鉱都市がこれから新しい都市づくり、明るい展望に向かってどうするかというのは、そういう意味では非常に明るいいろいろな行事、イメージチェンジというのがどうしても必要だ。そこから発想としてこの際国際映画祭ということで、日本の映画人あるいは諸外国の映画人の、正直言って大変なボランティアの協力もいただいて、ことしも三回目をやりました。相当お金はかかるのです。しかし、外国からいろいろな監督だとか俳優が来ましても、飛行機賃は差し上げますけれども、それ以外は一切無料で結構だ、つまり半分くらいはボランティア、したがって約一億七千万くらいで国際映画祭なるものができている。
 その中で自治省がどういうかみ方をしているかというと、先ほど指摘をした交付税のふるさと創生で初年度一億夕張にも来ている。それ以降若干金額が減っておりますが、約九千万台の交付税措置がされている。それを中心にして、夕張の財政は大変厳しいのでありますが火の車の財政の中で二千万円の一般財源を出して、あとはいろいろな団体からの寄附を仰いで約一億七千万くらいの規模でやっている。これはまだ意外と自治省の皆さんも全国の皆さんもよく知っていないというか、夕張的にいえば宣伝不足なのでしょうけれども、私はこの種の内容はほかの町にも、別に映画祭をやっているという意味ではなくて、隠れたふるさと創生事業というのはたくさんあると思うのですね。
 ですから、今総務審議官から話がありましたように、これからの運動というかふるさとの創生事業に参考になるような一つのまとめをしたい。私はぜひやってもらいたいし、そういう中で自治省も積極的に都道府県を通じ、あるいはそういう情報を十分把握をしていただいて、一生懸命頑張っている、すばらしい、やや隠れたそういうふるさと創生事業についてきちっとピックアップをする。そして私の希望としては、そういう非常に財政が苦しい中で一生懸命頑張っているような自治体には、この際交付税措置で何らかの財政的ながさ上げ、てこ入れをやっていただきたい、これはやや陳情になって恐縮でありますけれども。恐らくそういうことがほかの全国的な町村の中にも幾つかあると思うのですね。それはひとつぜひやっていただきたい。大臣自身が映画が好きかどうかということは別にいたしましても、ふるさと創生事業というのはそういう展望を持って、みんなが一生懸命やって、なけなしの財布をはたいて金を出している、自治省もそれには制度的にはもう一定のてこ入れもやってきたんだ、そういうことを十分ひとつ考えていただいて、そういうところについての財政的な改めてのてこ入れを、ぜひお願いをしたいと思うのです。
 あわせて、今やっている事業については平成四年度でとりあえず一区切りをつけたいという話もちょっと聞いております。私は、先ほど言いましたように、この種の事業というのは相当長くやっていかなければ地元にも定着をしないし、政策的な効果は出ないと思うのですね。ですから、平成四年度で見直してそこで打ち切るなんということが絶対ないように、そこのところをひとつ大臣の決意も含めてぜひ明らかにしていただきたいと思います。
#21
○塩川国務大臣 私も映画が好きでございまして、よく昔の思い出深いものをテレビでやられますと、夜遅うまで見ておるようなときがございます。確かにテレビと違って映画は、それだけ芸術性といいましょうか文化性が非常に高いものがあって、やはり心に訴えるものがありますので、私は好きであります。それだけに今お聞きして、どういう事業をやっているか詳細は知りませんけれども、そのように国際的なつながりの中に開催しておられる事業等は、これからも我々としてもやはり何かお手伝いできるものがあれば積極的に推進したいと思っております。
 最近、各市町村が国際都市提携をしておられまして、シスター契約をしておられますが、そういうようなものをもっと活発に行うように、あるいはまた、児童交換とかいうことを通じまして教育交流を推進しておられますが、いろいろ聞きますのに、やはりそれだけ地元の負担というのは言うに言えぬ大きい負担がかかってきておる。といって、それをただ単にボランティアだけではなかなかインパクトが出てまいりません。
 そこで、そういうようなものが何かないかとおっしゃって、私たちに対する要望が多いのでございます。つきましては、これは私は前々から私個人として考えておるのでございますが、国際交流基金のようなものは実際はある、政府、外務省の外郭団体としてあるのでございますが、それなんかと一回話をして、国の行う事業じゃなくて市町村が交流をしていく、そういうものに対する助成――これは非常に多様化しておりますから、これに対して一々それを支援する補助金だとかそういう考え方だったら、とてもじゃないけれども、なじむものじゃないと思うのですね。ですけれども、そういう事業を、国際交流をやるようなところに対して奨励的なことをぱっぱっとやれるような基金なんかがあってもいいんじゃないかなということを私は前から思っておるのですが、一度役所の中で相談して他省庁との関係もつながりをつけてみたい、こう思っております。
#22
○中沢委員 時間があれば、非常にハンディキャップを持っております夕張の関係も含めてまだいろいろ申し上げたいのでありますが、いずれにしても、今大臣から国際的な視野も含めてというお話がありました。地方自治も国際化の時代というふうによく言われておりまして、それに必要な地方財政計画ですとかあるいは交付税措置、改めてその必要性は私もあると思います。ただ、平成四年度で限っていいますと、言葉では自治省側から出されておりますが、内容的には決して十分だと思っておりませんので、この際、かって地域福祉基金だとか土地基金だとかいろいろ基金を交付税制度でずっと導入をした、それと同じような一つの発想で、国際化に通用するような、この際やはり地方財政計画あるいは交付税制度の中でも国際交流基金的なものを改めて導入をしていく。これは議論としては私もこの後で残しておこうと思いますけれども、そういうことも必要ではないかというふうに特に大臣のお答えを聞いて痛感をしておりますから、これはまた残された課題ということで、後ほど恐らく法案の審議でまた議論できると思いますけれども、そのことだけは申し添えておきたいと思います。
 さて、地方財政問題について幾つかこれからお尋ねをしたいと思います。
 先ほど岡島委員と大臣といろいろやりとりをやったことにも関連をするのでありますが、やはり景気そのものは残念ながら後退をしている。もっと言うと、北海道のように非常にああいう特殊な構造を持っているところは景気後退は早く来る、そうすると地方財政あるいは地方における公共事業も、景気を刺激をする手段としては非常に有効である、これはもう言うまでもないと思うのです。
 そこで具体的にお尋ねをしたいのは、今度の地方の単独事業でいいますと、昨年よりも一一・五%、約一兆五千億大幅に引き上げをして、そういう内容で提案をされている。規模は十四兆になる。これはやはり地方の景気刺激には相当役立つ。時あたかも今地方では議会を一斉にやっておりまして、地方の予算も大体まとまってくる時期、国会は予算はまだああいう状態でありますが、問題はやはり地方単独事業についての前倒しについて、前倒しという中身はいろいろありますけれども、前倒しについてはやはり地方的にいうと非常に強い希望が私はあると思うのですね。
 たまたま毎日新聞だと思いますけれども、閣議で総理から塩川大臣にそういう話があった。それに対する事務次官談話というのが出されておりました。私はその記事も持っておりますけれども、この事務次官談話を見る限り、前倒しについては極めて慎重な談話だったのですね。しかし先ほど大臣は、岡島委員の質問に対して非常に前向きに、積極的にやりたい、こういう御答弁のようでありますから、私は大臣の発言をしっかり受けとめておきたいと思いますけれども、ぜひひとつ改めて大臣の決意と、自治省内部の事務方についてきちっとその辺はいい意味での指示、指導を徹底していただきたい。改めてそのことをお尋ねしておきたいと思います。
#23
○塩川国務大臣 事務方と私らの方とは別にそこを来しておるわけじゃないと思っております。言い方といいましょうか、慎重に言うのと積極的に言うのとの話であります。
 実は、総理の方から、自治省が一一・五%単独事業を伸ばしてくれたということに対しまして、これは事務次官を官邸に呼びましてお褒めいただいたのです。そのとき事務次官に対しましても総理は非常に丁重で、であるけれども、なお積極的に前倒し等についても考えてほしい、そこまでの話だったのです。その後、閣議が終わりまして何日かたって、閣議の後で総理が私に、実は単独事業を非常に大幅に伸ばしていただいて結構だ、ついては将来の景気対策上考えると、各地方によってばらばらであって、都会中心の景気対策になりそうなことを心配するので、地方も潤うようにするのには単独事業が非常に有効だと思う、しかも地方自治の本来の姿に返ってやるんだから、これはひとつ積極的に前倒しをやってくれぬでしょうかということで、具体的な数字も総理からこのぐらいはどうでしょうかという話も実はございました。それは総理、承りました、結構なことで、私も一生懸命努力しますと。大蔵大臣も横におりまして、できるだけ協力をしようということで話は終わったのです。
 そこで、事務方の方といたしましては、これだけ一一・五%を積み増しするということは相当財政的に無理をしているということはもう御承知いただけると思うのです。さらに前倒しで努力するとするならば、まず第一に、単独事業の対象をどこまでとるのかということが一つ問題だろう。それと資金ソースをどこに求めるかということもあるだろう。だから、そういうようなものを総合した上で、その方針に対して何も反対しているのじゃなしに、そうじゃなくして、それを具体的にするのにはどうしたらいいだろうかなということがやはり気になることは事実でございまして、私もそこは非常に気にしておるところなんでございますが、それらはこれから鋭意努力していきたいと思うのです。
 ついては、前倒しやとかなんかいたしましても、その議論をしていただくのは結構でございますけれども、本予算が、肝心の本予算が上がらぬようなことじゃこれはどうにもなりませんので、これは与野党の責任というよりも今は皆さん方の方がむしろそのキャスチングボートを握っておるような形でございますので、ぜひその予算が、国家予算が一刻も早く成立しますようにひとつ一段の御努力をどうぞこの席をおかりいたして……。
#24
○中沢委員 前向きな御答弁はしっかり受けとめたいと思いますが、国の予算の関係でいいますと、予算委員会もそれなりの事情で苦労しているようであります。ただ、我が党としては別に故意に予算審議をおくらしているなんてことは全くないわけでありまして、もう十分御案内のように政治腐敗問題を中心にして証人喚問、自民党の方さえ、与党の方さえ決断をすれば、もう直ちに予算委員会はスムーズにまた議論が始まって、本当に国民や地方の関係者が期待をするような七十二兆の予算、そしてこの関係でいうと十四兆の地方単独事業を含めた地方財政計画、交付税が決まっていくわけでありますから、それは両々相まって、私どもも努力の余地があればやりますけれども、ぜひひとつ大臣や、きょうは与党の委員の方もいらっしゃいますけれども、お互いにひとつ努力をしていくべきではないかと思うのです。
 さて、そこでもう一つ、話題を変えまして、地方財政問題でいいますと、多く申し上げませんが、平成四年度をめぐりまして大蔵側は地方交付税の交付税率を引き下げる、あるいは、この際相当規模の大きい特例減額を自治省側に求めよう、これは公式、非公式にいろいろな動きがあった。私も何回も委員会でも指摘をし、しかも十二月の予算の最終的な編成の最終局面で、社会党のシャドーキャビネットの五十嵐代議士ともども大臣に直接お会いをして、当時は交付税率の引き下げは大蔵省も断念をした、私どももそういう状況把握をしておりました。しかし問題は、特例減額の規模がどうなるか。昨年は、くどいようですが、五千億、正確に言うと四千五百億、ことしその倍の一兆円を超すようなことがあれば、正直言って社会党は断固としてやはりこの関係法案も含めて賛成をするわけにいかない。これは本音なんですね。したがってそういう本音も含めて、大蔵大臣と自治大臣の政治的な折衝に自治大臣としてはぜひ、私どもの意向だけではなしに地方全体のやはり切なる思いだから頑張ってもらいたい、こういう激励も含めてお会いをして、結果的には特例減額八千五百億、交付税率の引き下げはとりあえず無傷になる、こういう状況になったと思うのです。
 そこで、具体的にお尋ねをしたいのは、かねてからこの委員会でも議論をして、昨年の交付税の法案を上げる際に決議を具体的な中身につけて、あるいは社会党は社会党として大臣に具体的な申し入れもしています。私も委員会で具体的な要望や指摘をしてまいりました。例えば国保財政というのは地方財政に大変な被害を与えている。今までやっていないけれども、この際交付税でそのうちの国保財政についての財政的な支援についてやるべきではないか、あるいはせっかく創設をした地域福祉基金、大幅な積み増しか必要ではないか等々について、決議もそうでありますけれども、いろいろ申し上げてまいりました。
 いずれ法案審議のときには具体的にやりたいと思うのでありますが、大臣としてそういう一連の動きの中で、今度の地方財政計画あるいは交付税法案では我々側がといいましょうか、地方側も含めて期待をし指摘をしたことをどうやって受けとめて、目玉として何をやった、こういうことが原案で入っている、そういう特徴点について二、三ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
#25
○塩川国務大臣 まず交付税の問題でございますが、御指摘ございましたように、先ほども申しましたように基準財政収入額の構造が変わってきた、それに的確に基準財政需要額の方が対応していないような感じが私はいたします。これをいかにして一致させていくかということが、これが地方財政の今後に対する最大の課題ではないか、実は私はそう思っております。したがって、基準財政需要額の見直しをこの際積極的にやっていきたいと思っております。
 その見直しの中に、この決議、平成三年四月十八日でございますか、この中に指摘されておりますように、今後、公共事業、公共投資計画を四百三十兆円、これの地方の負担というものは明確になっておらないということでございますから、これをきちっとやはり把握していくということが大事だ。それからもう一つ、五番目に出ておりますが、高齢者保健福祉対策でございますが、これにつきましても、やはり地方自治体が主体であることはもう事実だと思うのですが、どこまでの負担を積極的にやっていくのかということ、そういう問題をやはりきちっとこなしていかなければ、でなければ交付税問題の額にしても率にしても本題に入るわけにはいかぬと私は思っております。
 その点につきましての今までの御支援を、地方自治体の財政確立、そして地方自治体の独立性維持のためにもひとつぜひお力添えを今後ともいただきたいと思っております。
#26
○中沢委員 きょうはやや総論的な議論で終わると思いますので、今大臣から、とにかく必要な地方の財政需要についてはきちっと確保する、そのための大胆な見直しも含めてこれからも頑張りたいという趣旨の発言でございますから、私どもはそのことについては十分評価をしておきたいと思うのです。
 地方財政計画や交付税の中にもかなり今までと違った角度で幾つか評価をすべき点もありますから、これは後ほど法案審議でも触れたいと思いますが、ただ、一つ非常にやはり私どもとしては気がかりなというかどうも納得のいかない問題が、やはりこの特例減額の八千五百億。金額も大きいということが一つ、しかも昨年に続いて二年連続であるということ。黙っていたら、この特例減額が単年度措置とはいいながら、それがずっと繰り返されて制度的に結局は無理強いをされて定着をしていくのではないかという危惧、当然私も持つし自治大臣もお持ちだと思うのですね。
 しかも、自治省側のいろいろヒアリングを聞いておりますと、実はこの八千五百億というのは少なからず根拠があるという説明を私は受けました。ところが、その八千五百億の根拠をいろいろ聞きますと、故事来歴は言いませんが、大変な地方財政が逼迫をした時代に国からお金を借りてきて、結果的にそれをどうやって返すかというときに、国と地方が折半負担をする。地方財政では、既に議論もありましたように、大体繰り上げ償還もして、その借金、約五兆ぐらいありましたけれども、これはもう地方財政としては借金はほとんどなくなっている。国は、昨年度からようやく借金返しを始めて、ことしはその二年度であって、二年度で返す金額がたまたま元金と利息を含めて約八千五百億である、こういう理屈づけを自治省はして我々に説明をしている。
 その理屈について、仮にそういう理屈であれば、これから少なくとも九年間は国の財政が国債費に戻す必要な財源をその当時のいろいろ政治折衝も含めて大蔵と自治はやる、我が委員会でもいろいろ取り上げるけれども、そういうことでこの八千五百億を自治省側が納得をするということでは、私はとてもじゃないけれども承服ができない。理屈の問題としても、これはもう全然見当違いじゃないか。もっと言えば、専門家でありますから多く申し上げませんが、交付税は少なくとも地方の共通する固有財源であるというのは、もう党派を超えて我が委員会、あるいは大蔵大臣なんか来てもそのことを指摘すると全くそうだと言っておりますから、少なくとも国会レベルとしては一つの共通的な理念だというふうに私は確信を持っているわけです。
 ですから、やはりこの八千五百億円の特例減額、金額も大きいし、その具体的な内容についても非常に問題がある。これは自治省内部でも改めて、私流に言えば理論武装をしていただいて、本当に今年度限りで臨時的な措置である、こういうことをきちっと明確に答弁をしてもらっておかなければ、正直言って、これは法案審議の中でもいろいろやりますけれども、きょうの大臣の一般質疑の中でそこのところは非常に大事な問題ですから、ぜひ明らかにしていただきたい、このように考えます。
#27
○湯浅政府委員 地方交付税の基本的な性格につきましてはただいま中沢委員のおっしゃるとおりでございまして、私どもも、そういう地方交付税の基本的な性格を踏まえまして平成四年度の地方交付税の所要額をどのように確保するかということで論議をしたところでございます。
 この八千五百億を国に協力するに当たりまして、先ほど御指摘のような国の借入金の元利償還金の予定額に見合うものだというようなことではございませんが、これはあくまでも明年度の地方団体が必要とする地方交付税の所要額あるいは国の財政状況というようなものを総合的に勘案いたしまして大臣に御判断いただいたものでございます。この際、そういうものも一つの判断の目安として頭の中にもあったわけではございますけれども、これはあくまで目安としてという意味でのものでございまして、全体の財政状況を踏まえた上で総合的にこの八千五百億というものを判断したものだと御理解いただきたいと思うわけでございます。
 ですから、そういう意味で、今後ともこれに見合う額が地方交付税の総額から常に減額されるというようなことではないと私どもは考えている。もちろん、国に対してこういうことで毎年度行うということを約束したことは一切ないわけでございます。そういう意味で、今後の地方財政対策におきまして、先ほど大臣からもお話しのように、今後の地方財政需要というものを今後とも的確に捕捉をし、そして地方財政に支障のないような財源措置を行うということをしていかなければならないと考えているわけでございます。そういう意味におきまして、私どもも、先ほど御指摘の御心配というものがないような、そういう努力を今後とも続けていかなければならないと思っているところでございます。
#28
○中沢委員 大臣、どうですか。
#29
○塩川国務大臣 先ほど答弁いたしましたように、八千五百億円の根拠というものが昭和五十九年における国と地方との交付税の貸し借りの負担、国が総計として五兆八千二百七十八億ですか、負担した。その中の償還計画と利子分相当額で約八千五百億ちょっとになるのですが、その分だ、これは確がに私は理屈づけはすごくしたのだろうと思いますけれども、そのことをもって八千五百億円の貸借をしたということには絶対ないということだけは、ひとつ御承知いただきたい。
 といいますことは、その当時大蔵が言っておりましたが、一兆円切ったら税率へいくんだ、こういうことはいっちょおどしよった。そういうおどしで済むものと違うよということは何遍も話をしておったのです。ですから、大蔵省が言っておりますのは、あくまでも一兆円を言っておったのです。私たちは、できれば少しは応援しなきゃならぬだろうという気持ちは、率直に言いまして持っておりました。半分ぐらいでどうなんだろうという気持ちは持っておったことは事実でございますが、そこの折り合いをしましたのが八千五百億円ということであって、これが根拠があって、ここに根拠を置いて八千五百億円という議論をしたということではございません。ただ、事務方の方で、若い職員なんかがこういうようなことを聞いておりますと、こういうような数字があるじゃないかというようなことが出たのかもしらぬと思いますけれども、私たちの交渉の中ではそんな話は全然なかったということであります。
 したがって、これからこの問題に関係してまいりますのに、先ほど何遍至言っておりますように、例えば自治体の国際交流をどうするかということは一つの大きい財政需要なんでありますから、こういう財政需要を的確に掘り起こしていってというか開発していくというか、それをやはり自治省と地方団体との間で積極的に協議をして開発していかなければいかぬ、その財政需要を見た上でないと交付税問題の議論に入ってはいかぬ、こういう気持ちで終始、一貫しております。
#30
○中沢委員 大臣の方からそういうお話があったことは信頼申し上げておりますから受けとめますが、ただ、正直言いまして、地方財政計画ですとか交付税のいろいろな説明は、国会内においては各党間にそれぞれされている。そういう説明も私どもも受けている。もっと言えば、地方六団体ですとか、地方に対しては案外そういう話が相当程度されていて、私はやはり大変な誤解をこれから先生むんではないかという心配をするのですよ。ですから、きょうの委員会であえて私が取り上げて今局長と大臣から答弁をいただいたこと、それは素直に受けとめたいわけなんですけれども、やはりこれから先の非常に大きな問題でもありますから、変な話、大臣から、下は直接交付税課の担当職員に至るまで、この問題についてはきちっとした統一見解的なものを持っていただいて、いたずらに誤解が広がっていかないように、少なくとも、大蔵省がああ結局はまた来年もこれを武器にしてやれるんだな、そんなことを思われないように、ガードをきちっと固めてぜひやっていただきたい。改めてそのことを指摘をしておきたいと思うのですよ。
 もう一つ、やはり見方としてはいろいろあるのでしょうけれども、八千五百億というのは国の隠れ借金であって、もっと厳しく言えば隠れ国債でもある。そういう認識を少なくとも私は持っている。そのぐらいやはり重要性を、我が委員会の党派を超えた、いわゆる大臣を含めた自治省側も我々側も持っておかなければ、恐らく日を改めて大蔵大臣にも来ていただいていろいろやりとりやりますけれども、相当我々側がガードを固めて、地方六団体とも一緒になって交付税率を守って、おっしゃるように基準財政需要額についていうと積極的な見直しをやって、今までやりたいこともできないようなそういう自治体の財政構造をやはり見直しをしていく。そういう地方の時代、自治と分権の時代に必要な財政の裏づけをしていくんだという、そういうことを今までどちらかというと消極的にしか言ってきませんでしたけれども、この際、大臣を先頭にして、自治省側は全国にいろいろ威令が行き渡るわけでありますから、そういう態度で、基本的な、地方に向けての自治省側の顔についても、簡単に言えば化粧直しをする、そのくらいの重要な一つの転機でもあるというふうに、重ねてそのことは指摘をしておきたいと思うのです。
 関連してもう一つ地方交付税の関係でいうと、入り口だとか出口だとか、あるいは国の財政と地方財政の貸し借りの問題なんかあって、今度の八千五百億の問題なんか、普通考えますと、結果的に交付税は実額も含めて昨年よりも減ったのではないかという印象を持っている方もいる。これは表向きの数字はそうなっているのですね。しかし実際は、今度は交付税は実額ではふえている。これはやはり交付税特会をどうやって我々サイドでうまく技術的に利用しながら会計処理をするかという問題にもぶち当たっていくのではないでしょうか。
 ですから、かねてから委員会でも議論をしてまいりましたけれども、この際、国と地方の貸し借りが比較的はっきりわかるように、今度の八千五百億の問題を契機にして、交付税特会をきちっと経由していく、そういうふうな技術的な問題の検討もやるべきではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#31
○湯浅政府委員 地方交付税の基本的な性格を踏まえて、交付税特別会計に一般会計を通さないで交付税をそのまま繰り入れるべきじゃないか、こういう議論は随分古いときから繰り返されております。昨年も、実は地方制度調査会でこの地方交付税制度の基本的な考え方についての御意見をいただいておるわけでございますが、ここにおきましても、かねてから地方交付税の総額というものは、その本質にかんがみまして、国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接交付税譲与税配付金特別会計に繰り入れる措置をとるべきである、こういうことを御指摘もいただいておるわけでございます。
 この点については、私どもはかねてから大蔵省にはこういうことを指摘をしているところでございますが、遺憾ながらまだこの点についての実現を見ていないところでございます。いろいろな技術的な問題もあることはあるわけでございますけれども、基本的な考え方としてかねてから地方制度調査会からもこういう御指摘をいただいておりますので、この線に沿いまして今後とも努力をしなければならないというふうに考えておるところでございます。
#32
○中沢委員 大体私なりに時間割りをした時間に来ましたから、この問題はまた具体的に法案審議等の中では改めてやりたいと思います。
 財政問題の最後のところで、産炭地補正につきまして簡単にお尋ねをしておきたいと思うのです。
 全国的に炭鉱閉山がずっと続いて、自治体財政が大変である、昭和五十一年度以来今まで十六年間交付税措置で産炭地補正というルールが制度化をされている。改めてその資料をいただきましたら、この十六年間で全国ベースで七百七十億の交付税措置がされて、とりわけ制度そのものでいいますと、炭鉱閉山をして離職者が地域に滞留する、いわゆる滞留型の福岡には厚くという趣旨でありましたから、結果的に、七百七十億のうち福岡県内で約六百億、全体の八〇%の交付税措置がされている。北海道の閉山というのは、比較的地元滞留じゃなくて、新しい職場を求めてそこから転出をしてしまう、こういう型なものですから、結果的に全体の五%の三十九億という交付税措置がされている。私はこの是非を論議をするつもりはありません。
 ただ、産炭地補正という制度そのものがだんだん縮小されて、来年度で補正という制度をなくする、こういう自治省の方針でありますから、この時期でありますので、私は産炭地補正をそのまま継続をしろということを言うつもりはないのです。先ほど、夕張の国際映画祭のときにちょっと指摘をしましたように、夕張に限らず九州地区もやはり最近閉山が起きているところもある。一言で言えば、今の産炭地自治体の財政というのは、急速に人口が減ってきておりますから、今までやった事業の借金を少なくなった人口で負担をしている。俗な言葉で言えば借金で首が回らない、これが一つの実態だと思うのですね。自治省はそのことはよく押さえていると思うのです。しかし、そうはいいましても、やはり町おこし、地域おこし、ふるさと創生という観点からいうと、新しい事業も含めて必要最小限の公共事業も発注しなければならない、しかし手元に金がない、こういうジレンマに陥っている、これも事実。これは自治省もよく把握をされている。
 私は、担当の方に、この際石炭政策も、私は午後からまた石炭の委員会で質問をしますけれども、石炭政策もこの四月から十年間の新しい制度に入っていくわけですよ。残っている山をどう残すか、炭鉱がなくなった自治体をどうやって振興させるか、こういう政策がこれから十年間続くのです。ですから、産炭地補正という言葉と中身はともかくとして、そういう現実の姿、借金で首が回らない、しかし新しい事業も当然自治体としてはやっていく義務がある、そこに新しい角度で新しい時代にややマッチをした新しい産炭地補正という制度がどうしても必要ではないか。
 自治省でも、内部的に研究会を持って関係のところといろいろ相談が始まったようでありますが、私はあえて、例えば北海道で言えば北海道庁、もっと言えば私の出身の夕張を含めて、あの近隣に閉山や合理化で大変な財政状態に陥っている自治体が五市一町もあるわけでありますから、そういう現場の本当に苦労している人力を入れてこの際共同研究をやって、私の希望としてはぜひ平成五年度以降、あるいはもっと早くそういう制度がきちっとつながっていくように、やはり早急に関係者と協議をして新しい産炭地補正という制度をつくる必要があるのではないか。そのことを一つお尋ねをしたい。
 あわせて、短期人口急減補正ということも単年度措置でずっと昭和六十二年からやっていただいている。これは産炭地に限らず、不況業種と言われておりました当時の鉄鋼や造船地区、超過疎の農山村に、それなりの交付税措置が短期人口急減補正でされている。私は、単年度措置とはいいながらも、平成四年度改めてこの制度については内容を充実してやるべきではないか。
 この二つ、簡単で結構でありますからお答えをいただきたいと思います。
#33
○湯浅政府委員 炭鉱閉山によりまして人口が流出をいたしましたり、あるいは産業がなくなって税収が落ち込んでくるというようなことで、産炭地域の振興というものは大変重要な課題であることは私ども十分認識をいたしております。
 そういう趣旨から、今御指摘のように、地方交付税におきましては産炭地補正あるいは短期急減補正というような形で基準財政需要額に算入いたしてきたわけでございますけれども、産炭地補正につきましては、やはり一つのできたときの経緯というものがございますから、これは徐々に減らしていくということがこの制度の趣旨であったわけでございます。しかし、そうはいいますけれども、今御指摘のように、ではそれで産炭地の振興が既に終わったのかということになりますと、決してそうではないわけでございまして、既に法律は十年間延長されて、これからまだ振興を続けていかなければならない。
 こういうこともございますから、そういうことを踏まえて、産炭地補正あるいは短期急減補正というようなもの全体を含めて、この産炭地域に対する地方交付税のあり方というものを積極的に勉強してまいりたいと思っております。今御指摘のように、直接地域の方々からの御意見をいただくということも当然必要だと思います。関係の自治体ともよく御相談をしながら、この問題につきましては対処してまいりたいと思っているところでございます。
#34
○中沢委員 地元としては非常に切実な問題でもございますので、自治省もそのことはよく承知をされていると思いますが、今お答えいただきましたような趣旨でこれからひとつ積極的に取り組んでいただきますように、改めて指摘をしておきたいと思います。
 さて次に、警察庁の関係者も出席をしていただいておりますので、三月一日からいわゆる暴対法施行ということがもう目前でございますので、それを一つの前提にして、いま一つは、ことしに入りましてから毎日のように佐川グループと暴力団との関係、既に事件になったことも含めて新聞の報道がある。これは企業と暴力団との黒い関係にとどまらず、ひょっとすると政界にも飛び火をして、先ほど言いましたように、それでなくても政治腐敗について大変な国民の批判をこうむっている中で、さらにこれに拍車がかかってくる危険性があるのではないか、そのことを非常に危惧をする、そういうことも前提にして、あと時間の許す限り、その問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 ついこの間も刑事局の方から、法施行を前にして刑事局として諸準備を進めているという内容についてのお話を改めていただきました。先ほども岡島委員の方からもお話があったのでありますけれども、まずテーマの一つとして暴対法関連で幾つかお尋ねをしたいと思うのです。三月の一日から法施行になる。改めて警察法の改正ということではこの委員会にも法案が提出されている。刑事局に暴力団対策部を新設して必要なスタッフ、陣容は整える。そのことは法案審議でやりたいと思います。
 問題は、平成四年度に全国的に、とりわけ都道府県警察として――警察庁としての一つの陣容をきちっとするということは当然ではあるけれども、それと同じように現場として、やはりこの問題について暴力団と面と向かって対決をして実際やっているのは都道府県警察であり市町村警察なわけでありますから、その辺の新しい陣容についてどういうことになっていくのか。人がふえるのだろうか。あるいは地方的に暴力団対策の一つの機構がつくられるのか。暴力追放の推進センターの問題はよく承知をしておりますけれども、直接の警察のそういう現場の関係がどうなるか。これは時間があれば具体的にいろいろ聞きたいのでありますけれども、全国的な一つの共通する問題、特徴的な問題で結構でありますから、お示しをいただきたいと思います。
#35
○國松政府委員 先ほども御答弁申し上げましたけれども、この法の施行を契機にいたしまして、全力を挙げて暴力団対策を推進するということで、警察力の重点的な再配分を行いまして、いろいろ体制の強化には努めているところでございます。
 特に機構ということでお話がございましたけれども、これはまだ確定的にできているわけではございませんし、県会なり県知事当局との折衝ということもありますので確定的なことは申すわけにはいかないのかもしれませんけれども、各県におきましても暴力団対策課あるいは暴力団対策室というようなものをつくって体制を強化しようという動きがあるようでございまして、私ども報告を受けておりますことでも十一の都道府県におきましてそういった新しい課をつくって陣容を整えていこうというところがあるようでございます。
#36
○中沢委員 いずれにしてもやはり、必要な人員の配置ですとか機構の見直しというのは当然だと思います。さらにその辺の徹底を特に指摘をしておきたいと思います。
 二つ目には、暴力団の指定の作業であります。
 第一次指定については、固有名詞を挙げてこういう暴力団を第一次指定で考える、そういうお答えがございました。しかし、暴力団は大変な数があって、その組員も膨大に上る。私もかねて小委員会などで指摘をしましたように、物理的な関係があってすべて直ちに指定ができない。そうすると勢い第一次指定はこうする、それはよくわかりました。問題は、第二次指定以降の指定作業のめど、もっと言えば、やはり全体が法の網の目をかぶせるという必要性は言うまでもないと思いますので、そういう作業のめど、あるいはそれに向けての警察庁としての決意、改めて聞いておきたいと思います。
#37
○國松政府委員 第一次と申しますか、私ども重点的にやっていこうというものにつきましては先ほどお答えをしたとおりでございます。その後のことと申しますと、先ほど申しました重点対象、特に山口組、稲川会、住吉会といったようなものには傘下にかなり大きな団体がございます。こういうものについてどういうような扱いをしていくかというのが一つ次に問題になってまいるわけでございますが、そういうものにつきましても、特に悪質なものからその指定の必要性あるいは緊急性といったようなものを判断いたしましてやってまいるつもりでございます。
 いずれにいたしましても、私どもで全国三千三百と言っておるわけでありますが、そう全部が全部要件に該当するわけでもございませんし、全部が全部なかなか事務的にはかどらないということでございますので、私どもとしては、とにかくより大きな団体から、より上からと申しますか、上の方から順次網をかぶせていく、そして強大な暴力団のブランドを消していくと申しますか、そうすると山口組とかいったような大きな暴力団の威力が使えないようにしていくことでやってまいる予定でございますけれども、二次、三次、四次といったその後のめどにつきましては、何せ相手の出方もございますので具体的にはございませんが、そういった基本的な方針で、より大きなものから、より上から指定をしていくということを基本方針にしてやってまいりたいと考えておるところでございます。
#38
○中沢委員 そこで、テレビをごらんになった皆さんも大勢いらっしゃると思いますが、私もたまたま見ておりました。二十三日の日曜日、TBSの「報道特集」、暴力団の特集を約一時間やっておりました。会津小鉄の会長もテレビで登場する、國松刑事局長もテレビで登場する、こういうことがありまして、私なりに関心がありましたからずっと見ておったのであります。
 問題は、暴対法の施行を前にして、もう去年来でありますけれども、暴力団側でもそれなりの自衛手段を講じてきている。例えば暴力団サミットをやった。これは、サミットをやることはいいんでしょうけれども、そういうこともやっているし、あるいは顧問弁護士を中心にしてさまざまな勉強会をやっている。もっと言えば、代紋外したとか組事務所の看板を外して株式会社にしたり、あるいは法人格を持ったいろいろな組織に衣がえをして、つまりはカムフラージュというのでしょうか、偽装工作をしている。これは警察庁も、あるいは出先の都道府県警察も含めて、実態はかなり把握をされていると思うのですね。
 ですからこれは、暴力団の指定作業ということも大事だけれども、その種の偽装工作に対してどういう具体的な対処をされてきたのか、されるのか、これも非常に大事なことだと思います。これについてはどうなんでしょうか。
#39
○國松政府委員 委員御指摘のような動きがあることは私どもも関心を持って情報を集めておりまして、何とかその実態をまず把握するというのが大切なことであろうというように思います。特に山口組は、ことしの一月の初めから直系の組長に対しまして株式会社を設立するようにという指示を流しまして、それに従いまして、今六十をもう超えていると思いますが、各直系の組が株式会社を設立をいたしております。
 まあ会社などというものは内容的にはいろいろなものがあるわけでありまして、その実態をまず私どもは把握するという必要があると思いますが、これを指定との絡みで申しますと、その設立の目的なり届け出の目的といったようなものが果たして一体どういう実態があるのかということを十分に把握をいたしまして、そして、その結果、その暴力団が暴力団としての実態は依然として変わらないというようなことであり、その法の指定要件を充足していると認められるのであれば、これはもう当然指定をしてまいるというつもりでございます。
 彼らのそういう偽装工作を私どもは決して軽く見るつもりはございませんが、困ったことになったなという認識は全く持っておりません。
#40
○中沢委員 いずれにしても、非常に重要な問題でもありますから厳正にやはり対処をしていく、言うまでもないと思いますが、その辺をひとつぜひ指摘をしておきたいと思います。
 それから、最近暴力団員の更生についていろいろな話を私も聞いております。恐らく、いろいろな話はもちろん警察庁の方にも来ていると思いますが、やはり暴力団から抜けていこうという人も結構いると思うのですね。その場合のその更生について、今度の暴力団新法でいうと特別に、正直言って大きくウエートを置いたということは余りないのかもしれませんけれども、あるいは私の理解が違えば正していただきたいのでありますが、やはりこれも非常に重要なことだと思うのですよ。ですから、地方の公安委員会を中心にしてセンターをつくるわけでありますから、そこのところをひとつ受け皿としてしっかり認知をして、暴力団員の更生についてもやはりこの政策全体の中でも十分重点を置いてやっていく。改めて、そのことも含めて確認の意味で聞いておきたいと思います。
#41
○國松政府委員 暴力団対策を推進する上におきましては、暴力団犯罪の検挙などの措置を積極的に講ずることが重要であることは、これはもう当然のことでございますが、その一方におきまして、委員御指摘のとおり、暴力団員の組織からの離脱を促進するとともに、離脱する意思を有する者に対する必要な援助活動を行うということも大変大切なことであるというように私ども考えております。
 こうしたことから、暴力団対策法によりまして整備されることになります暴力追放運動推進センターにおきましては、「暴力団から離脱する意志を有する者を助けるための活動を行うこと。」ということも事業活動の一つといたしておるわけでございまして、こうした活動を通じまして暴力団員の更生というものが図られることを、私どもといたしましても大いに期待をいたしておるところでございますので、警察といたしましても、できる限りそのセンターのそうした事業活動というものを支援を行ってまいりたいというように考えておるところでございます。
#42
○中沢委員 非常に大事な問題でありますから、今後さらに重点的に取り組んでいくべきであるということも改めて指摘をしておきたいと思うのです。
 新法絡みで言えば、最後の質問でありますが、さきの国会で麻薬二法が成立をして、麻薬関係で不当な収益を上げたところについては法的な規制をすることができる、これは一歩前進だと思うのですね。しかし、やはりこの種の暴力団に関係する犯罪的な行為というのは、刑事事件にとどまらず、今度のような行政関係も出てくる。もっと言えば、広く言えばグレーゾーンという問題が出てくる。私もかねて小委員会でも指摘をしました。この際アメリカの一つの立法を学んで、マネーロンダリングだとかRICO法だとかいう法律、つまりは、暴力団絡みの経済行為、そこから得た収益、これは法的にやはり収奪できる、ここのところまで踏み込んだ立法措置がやはりこれから必要ではないか。
 今度の暴力団立法の中で、結局は暴力団は偽装をして株式会社をどんどんつくってしまう、こういうことに恐らくなっていくと思うのですね。株式会社ということになってくると、形の上では合法の組織であり社会的には認知されてしまう、ますます暴力団絡みの関係が地下に潜ってしまいかねない、こういう危険もやはり一方ではあるのではないでしょうか。ですから、直ちにそういう経済行為を含めての収益の没収ということは、いろいろ立法の段階でも難点があるとは思いますけれども、その必要性は私はあると思うのですね。ですから、できるだけ早く必要な立法措置をやるように、この際ぜひお答えをお願いしておきたいと思います。
#43
○國松政府委員 御指摘ございましたように、昨年暴力団対策法をつくります場合に、いろいろな暴力団の違法不当な行為から得られた収益を収奪をする、没収をするという規定につきましては、立案の段階で先に見送るということになりました。それにはいろいろと理由もございました。ただ、そういう彼らの得た不正利益を取らなければならない、没収しなければならない、そういう必要性は今でも十分感じておるところでございます。
 したがいまして、この問題につきましてはもう既に今でも関係の省庁と協議をいたしておるところでございますけれども、剥奪の対象とすべき不正収益の範囲をどうするのか、これは大変問題になるわけでございますし、あるいはその剥奪の仕組みというものも刑事、行政にまたがる大変難しい問題がございます。そういうものにつきまして、そういった基本的な問題をいろいろと検討しながら、御指摘のございましたような麻薬二法におきまして、若干その道筋といいますか、仕組みのようなものにつきましての参考になる点が含まれておりますので、そういったものも参考にしながら、不正収益剥奪の規定を何とか暴対法なり、あるいはその他のところにもなるかもしれませんけれども、そういった暴力団の違法不当な行為から得られた収益というものを剥奪するという規定を何とか設けられないかということで検討はしてまいりたいと思いますが、なかなか難しい問題を含んでおりますので、すぐにというわけにはなかなかいかぬという点は御理解いただきたいと思います。
 なお、株式会社をつくって彼らがいろいろと行うということでございますが、彼らが株式会社をつくっていろいろ活動するにいたしましても、結局カムフラージュでございますと、もとの暴力団といいますか、暴力団としての威力を利用して合法を装っていろいろな経済取引をやるということがあるわけでございます。したがいまして、そういう場合に、指定をされた暴力団の威力を利用して暴力的要求行為を行うという実態がございますれば、株式会社の名において行われることでありましても、これは当然暴対法は適用していくというつもりでございますので、かなりの部分は、そういった暴力団の経済取引への介入行為というものはこの暴対法で規制していくことができるというように私は考えておるところでございます。
#44
○中沢委員 いずれにしても大きなテーマでありますから、今後の課題として私どもの方としても残しておきたいと思うのです。
 時間がありませんから、最後の質問に入っていきたいと思いますが、佐川急便グループと暴力団の黒い関係について二つほど具体的な事実の確認、それからお尋ねをしておきたいと思います。
 東京佐川急便の渡辺前社長あるいは早乙女前常務、特別背任で逮捕になって完全に事件になっている。これはもう全く表面化をしておりますからあえて具体的な答弁は必要がないと思うのです。ただ、この中で、例えば暴力団の稲川会の、もう既に死去されたのでありますが、石井会長との関連がいろいろ言われている。東京佐川急便が全体的な債務保証あるいは転貸しですとか直接融資を含めて約五千億に上る、これも表面化、事実も確認をされている。その中で、暴力団絡みでいうと二つの会社、名前は北洋産業、北東開発、それにそれぞれ一千百四十二億、東京佐川マネーと言われているものが流れている。
 その中で、従来からいろいろ警察庁の皆さんと話をしている際に、小委員会でも議論になりましたが、企業舎弟という言葉がよく使われているわけですね。新聞ですとかテレビでも企業舎弟と言っています。私どもの聞いている話からいうと、恐らくこの北洋産業だとか北東開発というのは文字どおり企業舎弟だと思うのですね。それについてのお答えを正確にいただきたい。それから、東京佐川急便という会社自体は、私は企業舎弟だとは思いません。しかし、全体の債務保証の五千億のうち稲川会に一千百四十二億も流れているのです。私は素人でありますけれども、企業舎弟的な色彩が強いのではないか、こう思うのですよ。ですから、改めてそのことについてまず明確に示していただきたい。
 それから、いろいろ疑惑として、うわさとして飛んでおりますが、佐川マネーがいろいろ形を変えて政界に流れている。例えば一千百四十二億の佐川マネーが稲川会に流れた。普通の債務保証は三%の手数料をもらう、場合によってはそれが一割だ、このようにも言われている。仮に三%にしても三十億、一割であれば百十億と莫大な金額が、つまり裏金としてあるいは表も含めてキックバックをされてくる、そういう構造になるのではないか。既に特別背任で逮捕されて、今いろいろ取り調べをされておりますから捜査上のことで云々ということが恐らくあるのでしょうけれども、しかし、普通の我々素人が考えましても、そういう疑惑は当然持っておかしくない。しかも、莫大な何十億、何百億という金が結果的に政界に流れていたんでは、これは大変な政治不信につながる。
 そのように私は非常に危惧をするものですから、企業舎弟という言葉の中身、今申し上げた三つの会社についてどういう認定といいましょうか判断をしているか、そして暴力団絡みの佐川マネーの内容についてどこまで取り調べをされているか、そこのところをお答えいただきたいと思います。
#45
○國松政府委員 まず企業舎弟という言葉でございますが、実はこれは私ども警察の内部の隠語でございまして、さらにさかのぼれば実は舎弟という言葉はそもそもやくざの使う言葉でございまして、割と私ども気楽に使っておりましたら、一般の方々も大変お使いになるようになりまして、やや当惑しておるといいますか、私ども必ずしも明確な定義づけのもとに使っている言葉ではございません。舎弟といいます以上、私どもとしては、暴力団そのものではありませんけれども、合法的な企業を装いまして、その企業活動をやりながら暴力団の威力を背景としつついろいろな利権をあさるというものをおおむね企業舎弟という言葉で呼んでおったわけでございます。若干言葉が不明確ですので、少し考え直さぬといかぬのかなというようなことも考えているところでございます。
 そういう形でまいりますと、御指摘のございました北洋産業あるいは北東開発といったようなものは企業舎弟かと言われますと、北洋産業、北東開発の後に稲川会があるということは大体わかっていることでありますけれども、稲川会の、暴力団の威力を利用してやっているのかどうかということになりますと、なかなかその辺は難しいところがございまして、企業舎弟とまで言い切れるのかどうかわからないというところがあるわけでございます。ただ、私どもとしては、北洋産業にいたしましても、北東開発にいたしましても、それは暴力団稲川会とつながりのある企業であるというようには考えておりますし、そこへの金の流れ、そこからの金の出につきましては、当然暴力団稲川会と関連があるのではないかということで捜査の対象にしていかなければならぬ、実態解明の対象にしていかなければならぬということに考えております。
 さらに言えば、東京佐川急便というのは、やはり企業舎弟というような言葉の範疇でとらえるのはいささか無理があると思いますが、これにつきましても、結局そこからの金の流れが、北東開発なりあるいは岩間開発なりというようなものを通じて暴力団稲川会の方に流れているという可能性があるわけでございますので、今まさにその点をいろいろと追及しておる。東京佐川急便の事件につきましては、私どもとしては暴力団への金の流れ、一体どういう実態で金が流れているのかという点に一番関心を持ちながら、現在警視庁で具体的な捜査に着手をいたしておりますので、その捜査をこれから遂行してまいりたいというように考えておるところでございます。
#46
○中沢委員 やや答弁漏れみたいなのがありますけれども、時間がありませんから、最後に一つだけ質問し、一番最後のところで国家公安委員長として大臣の決意も聞いておきたいと思うのです。
 もう一つ佐川関連で言いますと、佐川会長の土地問題、これも既に事件になっている。ただ、これはいろいろあるようでありまして、もともとは佐川コンピューターシステムという会社の森内という役員が特別背任で捜査をされた。それがきっかけで佐川清会長の土地問題が発覚をした。そして、その土地問題もことしの二月十四日、強制捜査を受けている。ただ、昨年の十一月に、佐川会長が福岡県警から事情聴取をされて、土地問題でいえばいろいろあったのでしょうけれども、嫌疑を厳正に受けとめるという上申書を出している、こういう報道も一部あるわけであります。
 しかも、新聞報道によりますと、京都に本拠地を持っております暴力団の会津小鉄といろいろ関係がありまして、十数年にわたって用心棒代を払っていた。金額は延べにして十五億だ。私は、普通、暴力団におどかされて用心棒代をよこせと、出す方は被害者だと思うのですね。しかし、佐川グループでいえばいろいろ疑惑が持たれておりまして、会社の経営上のトラブルの処理を暴力団に頼んでいたのではないか、その見返りとして積極的に用心棒代を払っていたんではないかとさえ言われている。真偽のほどは私はよくわかりません。しかし、今度の暴対法の立法の趣旨からいうと、この種の用心棒代についても法の十条で規制をする、法律違反だ、明確にしているわけですよ。
 今申し上げましたような事実について、一つは刑事局長からその内容についてしっかり答弁をお願いしたいし、最後に大臣の方から国家公安委員長として、予算委員会でもいろいろお答えいただいておりますけれども、やはり、暴力団対策という非常に大事な国家的なことをやる中心の国家公安委員長でもあるし、法に照らして違法なものはきちっと厳正に処分をするし、同時に、いろいろ今疑惑の持たれている政治腐敗、佐川マネー問題が本当に政界に流れているのかどうか、こういうことは非常に大事な問題でありますから、関係当局を督励してきちっとやはり調べて真相を明らかにしていく、そういう指導をぜひ強化をお願いしたいと思います。
 時間がオーバーいたしましたけれども、以上で質問だけは終わっておきます。
#47
○國松政府委員 佐川清会長と会津小鉄の関係、あるいはその土地をめぐるいろいろな問題ということにつきまして、いろいろと報道のあることは存じておるところでございますが、現在福岡県警におきまして公正証書元本不実記載という容疑で捜査をしておるところでございますので、佐川会長の取り調べを行ったかどうかというような点を含めまして、具体的なことにつきましては、事柄の性格上、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、用心棒代のことにつきましては、事実関係につきましては今の答弁のとおり、具体的にここで申し上げるわけにはまいらないわけでございますけれども、御指摘のとおり暴力団対策法はその十条におきまして、「何人も、指定暴力団員に対し、暴力的要求行為をすることを要求し、依頼し、又は喫してはならない。」という規定があるわけでございますので、仮に指定暴力団員に、用心棒代であれ何であれ金品を提供いたしまして、何らかの暴力的要求行為を依頼するなどの行為があれば、当然同法の規制の対象になってくるということになるというように考えております。
#48
○塩川国務大臣 今國松刑事局長がお答えいたしましたように、現在捜査中でございますしいたしますが、もしそういうことで刑罰に抵触するようなことがあるといたしましたならば、これは看過するわけにまいりません。厳重に処分、処断いたしたいと思っております。
 と同時に、この佐川問題等を含めまして一連の刑事問題で、政治家と金との関係については、決して我々も安易な気持ちで取り組んでおるものじゃございませんで、大部分のまじめな政治家の方々がこれによって非常なダメージを受けておられるということに対しても、非常に申しわけないと思いますし、したがいまして、こういう問題等は、我々立場にあります者は、厳正に、しかも厳重に処断していきたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#49
○中沢委員 終わります。ありがとうございました。
#50
○中島委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
#51
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小川信君。
#52
○小川(信)委員 ちょうどきょうが私たちにとっては議員になって初登院二年目でございます。そういう意味では非常に意義ある日に質問させていただくことを光栄に思っております。
 私、山口の一区という本州の西の端から出ておる者で、常にこの委員会で地方から行政といいますか政治を眺めてきた者だけに、きょうは大臣の所信表明に対して、そういう立場から御質問させていただきたい、このように思っております。
 その前に一つお尋ねをしたいことがございますが、昨日政府は、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉問題について、保護削減の国別表の問題についての提出期限前に、米、麦、乳製品、でん粉等を白紙の形で出すということの方針を決められた。言うなればこれは、例外なき関税化を日本の国は拒否するという姿勢を示されたものと思います。
 私は実は、五年前の牛肉・オレンジ・果汁の自由化問題について、ちょうどそのとき佐賀県で参議院の補欠選挙がありました。その選挙のときに、時の総理でありました竹下さんは、絶対自由化をしないということを言明され、佐賀の選挙の補選にもその形で臨まれたわけですけれども、選挙が終わった二カ月後に牛肉・オレンジ・果汁の自由化が決定されたという苦い思い出がございます。米の問題についても同じようなことになりはしないかという危惧を持っております。
 御存じのように、地方六団体挙げて米の輸入自由化反対の決議をしておりますし、また国会決議も行われておるわけでございます。具体的に言えば、これが自由化されることによって日本の産業の生産減少額は十一兆とも言われておりますし、また雇用喪失は百六十三万人と、このように言われております。こういうふうな状況を踏まえて地方六団体の強い反対の決議が行われたと思いますが、自治大臣として、この問題についてどのような御見解、御決意をお持ちになるのか、その辺をまずお伺いさせていただきたいと思います。
#53
○塩川国務大臣 私の所管事項ではございませんので、立ち入ったことを申す立場にもございませんし、またこの問題につきましては、私は小川さんほど詳しくはないものでございますので、一国会議員として考えておりますことは、米は確かに日本民族にとっては他の国の方々が見ておるものとは全く違うんだという事情、ここはやはり諸外国に十分理解をしてもらう必要があるだろう、こう思っております。それと同時に、この米の政策をいろいろなことを考えます場合に、それだけに国民的合意を得るということがやはり大事なんではないか、こう思っております。
 だから、農業を、つまり米作をしておられる方々の御主張も確かにこれは聞かなければなりませんし、国民の意向も聞かなければなりませんし、そういうところで、国民の合意を得て実施していくべき性質のものだろう、他の農産物なんかとは格段に違った事情にあるということは私は十分に認識しておりまして、今回政府がとっております、関税率を明記しない、白紙で出すということに対しまして、私は、関係者が決定されたことにそのまま全面的に賛意を表しておるところでございます。
#54
○小川(信)委員 議員としてまた自治大臣としてのお考えをいただいたわけですけれども、先ほど申し上げましたように、かつて五年前の牛肉・オレンジ・果汁の自由化のときにあったようなことの絶対ないように強く求めておきたいと思います。
 続いて本題でございます。
 地方行政委員会で先ほど自治大臣が所信を表明されましたけれども、このことについてまずお尋ねしたいと思います。
 私、先ほど申し上げましたように、山口県に生まれ育ち、住んでおる者からの立場ですけれども、実は、地方というものが今どういう状況かといいますと、いろいろな調査が行われております。
 例えば経済的な側面から見ますと、東洋経済新報が、民力度総合係数というようなことで、経済的な豊かさというようなものを県民一人当たりの所得で挙げておりますけれども、こういうようなものを見ますと、全国で山口県は二十九位、それから一人当たりの民力水準、これは朝日新聞の調査によりますと二十四位というように、経済的な側面から見ると山口なんかは非常に低い水準にあるわけですけれども、一面、非経済的な側面といいますか、ゆとりとか文化、教養、安心、安全というような面も含めた豊かさの総合指数とか豊かさの水準、これは日本開発銀行とか社会開発研究所が調べておるものですし、また、経済企画庁がやっておられる地域別の豊かさの総合指数、こういうのを見ますと全国で八位ぐらいの水準にあるわけです。
 本当の意味の地方の豊かさというのは、経済的にも活力があり、そして住みやすさというものが両方重なり合ってこそ本当の地方の、地域の豊かさというものがあってしかるべきではなかろうか、このように思えます。大臣は所信表明の中で、各地域において住民が誇りと愛着を持てるふるさとづくりをする、そして、二十一世紀に向けて時代にふさわしい地方自治の確立を、こういうふうに言っておられますけれども、現実の今の地方は、経済的に非常に活力を失っておる、しかし何かしらん豊かさというものがあるような感じを持っておりますけれども、具体的な数字でいきますと、若者がどんどん大都会に集中して人口は減少してきておるという現実があるわけです。
 こういうふうな、私は自分の住んでおるところの現実から申し上げるわけですけれども、こういう現実をどういうふうに御理解され、大臣として二十一世紀に向けて求める地方というものをどのようにお考えになっておられるのか、所信を聞かしていただきたい、このように思います。
#55
○塩川国務大臣 二十一世紀の地方ということでございますけれども、私はかねてから自分で考えておりましたことは、地方行政といいましょうか、地方自治体並びに地方に住んでおられる方々、この意識を変えるときに来ているんではないか。特に、私は、地方自治体に従事しておる方々、地方公務員並びにその関係の方々にお願いしたいのは、地方自治体というのは中央政府の出先機関のような感じを依然として持っておるのですね。これが私は、やはり三割自治ということを言われておる、そういうことからきたのかどうか知りませんけれども、憲法の九十四条から九十七条の間に四条にわたりまして地方自治の尊厳というものがきっちりとうたわれておるのですが、ところが依然としてそういう意識は、国民の意識は、地方自治体は国の出先機関なんだと、この感じを私はぜひ払拭していただかなければいけないんじゃないか、こう思っております。
 そのためには、やはり国と地方との機関委任事務、いろんな機関委任事務等ございますが、これなんかもやはり行政改革の立場から見ても見直していかなきゃならぬときではないかと思いますし、一万また、財政需要を算定いたしますときにもこの関係を一回根本的に見直さないかぬと私は思っておるのです。そういうことを得まして地方の自律性、主体性というものが本当に確立されていくんだろう、そうしなければ、自分らの住みやすい町づくりだといいましても、それは一つの目標でございまして、なかなかそこに到達するのには道が遠いと思うのです。
 でありますから、私たちとしては、地方自治体が独立した気概に燃えて事業ができるようにいたしたいというのが所信表明の中にうたいました気持ちでございます。住めば都とよく言います。自分がやはり住んだところは一番いいんでございますから、そのいいところにする努力というものを絶えずしていってもらいたい。そのためにいろんな今後創意工夫を生かしていかないかぬ。今までのようないわゆる財政需要の延長線で、地方の真に豊かな、そして個性ある地方づくりということはなかなか難しいことだろうと思いますので、やはりそこに創意を生かしていただきたいと心から期待しております。
#56
○小川(信)委員 今大臣からのお話がございましたが、続いて所信表明の中で、東京一極集中を是正するいわゆる多極分散型国土の形成を促進するために、今おっしゃった地方の自律的成長を引っ張っていく、そうして地方の核になるような拠点をつくっていくということが述べられております。
 確かに地域の経済的な活力を高めていくためには、いわ障る非常に高い都市機能を持っておる拠点的な地域をつくっていくということが必要だ、そういうふうなことは一面私は理解されますし、もう自治省も大分前から新地域経済活性化対策というのをやって、財政的な支援をずっとやってきておられますし、また、このたび出されてきました、先ほどからいろいろお話のありました事業、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律、これなんかがそれを言っておるのだろうと思いますが、実はこの事業を、ここではそのように表現されておりますけれども、いろいろ経緯を聞いてみますと、先ほどおっしゃった地方の機関委任業務、中央の持っておる権限等を地方に移して、そしてこれをやっていくということが言われておりますけれども、このたびのこの法律の原型になったものは、これは行革審の資料でもございますけれども、地方の活性化に関する各省の新規立法ということで、国土庁は地方都市圏整備法、これは仮称ですけれども、というようなものも考えておられる。通産省は、産業業務機能再配置促進法という法律を考えておられる。建設省は、地方拠点都市の開発整備の促進に関する法律というものを考えておられる。郵政省は、情報拠点都市圏整備法という法律を考えておられる。農林水産省は、農業支援機能集積促進法という法律を考えておられる。それぞれがそれぞれの立場で考えられた法律、これを行革審の中で、こういうふうに地方の都市づくりを、町を活力あるものにしていくのに、それぞれ省庁が縦割り、縄張りでやっていくことには問題がありはしないかという形で、行革審の中で私は強く指摘をされたのではなかろうかと思います。
 というのは、行革審の第二次答申の中でも、「自主的・総合的な地域開発政策の推進」という項目で、多極分散型国土の形成のため、地方圏の整備を促進するため振興法制を制定することが必要だ、こういうふうに挙げておりますし、また、この法律というのはできる限り地方の自主性を重視したものにしていく、そして拠点都市及び周辺町村を含めた制度として考えなさい、こういうふうに言っております。さらに、新しい法律は自治体の計画策定に当たっては住民の意思を十分反映させなさい、こういうふうなことも言われております、これが行革審の答申の中で。
 そういうような形でこの新しい法案ができたと思いますけれども、私が知る限りにおいては、建設省それから通産省は、この新しい法律の共管に農水省とか郵政省が入ることを最後まで抵抗してきている。そしてまた、建設省の幹部の方々は、この新しい法律というのは我々がやるんだ、我々のものだ、こういうふうなことを盛んに言っておられるわけですけれども、この辺について自治大臣はどのようにお考えになっておられるか、聞かせていただきたい。
#57
○塩川国務大臣 答弁に入ります前にちょっと、先ほど憲法九十四条と言ったそうでございますが、思い違いでございまして、九十二条から九十五条の間に自治の尊厳ということをうたわれておるということでございます。
 さっきの地方拠点都市問題でございますが、これも御指摘のとおり、役人の一番悪いところが出ておるのです。これはもう本当に私はそこが日本の官僚の欠陥だと思っておりまして、そこを何とかすり合わせしまして六省庁が一つにまとまったということは、これは大変な努力をしたんだなと思っておるんです。おっしゃるように、そこが、自分らの権限確保のために住民を無視した議論が行われておったということは私は言えると思います。それはけしからぬと思います。けれども、こうしてだんだんと一つにまとまってまいりましたので、今後は、まとまった以上、これの執行につきましては、やはりそういう役人の権限争いじゃなくて住民のための政治を、行政をやっていくということに我々も十分に意を用いてやっていきたいと思います。
#58
○小川(信)委員 この問題について先ほど岡島理事それから中沢理事からも質問の中でございましたけれども、やはりそういうふうな長い歴史的な縄張り根性というか、そういうふうなものが現実こうあるわけですので、私は、こういうふうな地方における町づくりを進めていく総合的な計画、そしてそれをもとにしての事業というものの調整は自治省を中心にして進めていかなければならないし、そしてその法律そのものは、この地方行政委員会等が中心になって関係委員会と一緒になって審議をし、つくり上げていかなければ、昔の新産都市とかいろいろなものがありましたけれども、それと同じような結果になってしまうのではないか、そのように思うわけなんです。言うなれば、自治省が強力な調整権限を持ってリードしていかなければ、せっかくつくられた法律が非常にいびつなものになってしまうのではないか、こういうふうな危惧を持っておりますけれども、重ねてその辺について、大臣として、私のところが強力なリーダーシップを持って総合調整をやっていく、そして法の趣旨に基づいた事業の展開ができるようにするという御決意があるかどうか、その辺を聞かしていただきたいと思います。
#59
○塩川国務大臣 法にうとうておりますように、事業の主体は知事に莫大な権限が与えてある、ここが私は一番大事なところだと思っておりますのでございますから、当然知事と自治省の関係でございますので、我々が、財政の面あるいは他市町村、関係する市町村との調整の面、いろいろ絡んでまいりますので、主導的立場においてこの推進を図っていきたいと思っております。
#60
○小川(信)委員 そこで、地域の指定は知事が国と協議して承認になるということですし、計画承認は知事だ、そして複数の市町村が一緒になってこの計画を進めていくわけですけれども、今おっしゃったとおりだと思いますけれども、現実今の制度の中で、国の諸制度の中で地域づくりに関して国がいろいろな形で関与しておりますけれども、地域づくりの国の関与等を私なりに資料で拾い上げてみますと、地方の道路を整備するために国に相談し国の検査なり許可なり承認を得なければならないものが二十一件あります。それから都市計画については二十件、公園とか緑地が六件、下水道関係が十一件、農村の整備関係が二十一件、社会教育、文化、スポーツ施設等が十件、地方の大学等々の設置の問題についても九件、社会福祉、保健医療施設等の整備について三十二件、これだけそれぞれの項目で国にお伺いを立て、そして国の承認なり許可なり了承を得なければやれないのが現実の事業です。
 今大臣がおっしゃったように、計画を立てる承認は知事であり、実施するのは複数の市町村が実施するけれども、実際に事業、計画を進めていこうとすればこれだけのものがあるということなんです。最初おっしゃった、地方が国の出先機関のようになっているというのは、こういうものがあるからじゃないかと思うのです。これを改めない限り、せっかくのこの法律も、本当の意味で地方の住民の意思を反映し、自律的、自主的な事業の展開ができないのじゃないかという危惧を持ちますけれども、そのあたりいかがでございましょうか。
#61
○塩川国務大臣 まさにそれは行政改革の仕事だと思いますが、しかしこういう事態を起こした国会議員の責任というものは一体どうなるんだろう、私はそう思います。これは役人の責任ばかりじゃございませんで、こういう法律が出てくるたびごとに、ぽかんぽかんと承認していったのは国会が承認していったのでございまして、その集積が今日こう来ておるのでございますから、我々の手でできるだけそれを削減して、行革を進めていって、地方、あるいは地方に限らず、事業主体が、事業がもう少し柔軟な姿勢で、考えで対処できるようにしていくべきだと思っておりますが、我々の今後の努力も必要だろうと思います。
#62
○小川(信)委員 これは国会議員の今後の努力だということでございますけれども、私も二年間努力してきましたけれども、行革審の答申の中でもそのような問題は出ております。
 まず第一に、具体的な問題と提起されておるのがパイロット自治体の問題なんですね。これは賛否いろいろあるかと思いますけれども、このパイロット自治体、権限をここに大幅に移譲していってやってみようじゃないか、そして、これをだんだんに広げていっていわゆる地方政府のような権限を自治体に持たせていってもいいじゃないかというのが行革審の考え方だと私は思います。
 このパイロット自治体等の問題について、自治省はどのあたりまで検討され、どの辺まで作業が進んでおるのか、そしていつごろを目途にこれを具体的に取り組んでみようというお考えがあるのか、その辺聞かせていただきたいと思います。
#63
○紀内政府委員 パイロット自治体制度につきましては、御承知のように昨年の十二月十二日の第三次行革審の第二次答申の中に盛り込まれたものでございます。そのねらいとするところは、今お話がございましたように、地方への権限の移譲とか、あるいは財政面での地方分権とか、そういうものがかねてから言われながらなかなか大幅に進まない、いわば閉塞的な状況にあるわけでございまして、ここを乗り越えていくための一つの工夫として考えられたものでございます。
 具体的には、権限の配分とか、あるいは補助金の一般財源化とか、五項目にわたっておりますけれども、内容がまだ具体性を伴っておりません。現在は、それは行革審で作業をしておられる段階でございますけれども、昨年の十二月の段階ではなお抽象レベルにとどまっていたということがございまして、行革審のくらし部会というのがございますが、その中にさらに小委員会を設けて現在審議を開催されているところでございまして、六月ぐらいまでにその具体化に努めたい、このように聞き及んでおります。
#64
○小川(信)委員 今は行革審の段階だ、こういうお話ですけれども、ある意味では、地方自治体が本当に地方自治体としての機能が発揮できる一つの問題が具体的に提起されてきたと私は思うのです。これは言うなれば、このパイロット自治体が広く広がっていくことが必要でしょうけれども、どうも中央のお役所の方々は日ごろいつでも言われるのが、地方自治体は信用できない、それから能力が地方自治体にはない、だから国が方向づけをし指導しなければならないんだということを常におっしゃるわけです。公の場で言われることはまずないのですけれども、言われる。そういうふうな認識、意識が前提になってこの問題はなかなか進まないと思うのですけれども、この辺の物の考え方といいますか、発想を思い切って変えていくということが必要ではないかと私は思いますが、その辺いかがでございましょうか。
#65
○紀内政府委員 地方への権限移譲につきましては、私どもかねてから努力をしておりますし、累次のいわゆる一括整理法等によって進んではいるわけでございますけれども、なお地方制度調査会の答申等から比べれば十分な状況に至っておりません。
 その原因を考えてみますと、御指摘にもございましたけれども、一つは、そのような権限を移譲された場合に、その権限を当該地方公共団体が適切に執行し得るかどうかという点、つまり言いかえればその地方団体の行財政能力ということになりましょうか、そういうものに対しての中央各省庁の判断の問題が一つあるわけでございますね。この点について申し上げますと、地方自治法が施行されて以来もう四十四年を経過しておりまして、その間には格段の力をつけてきているわけでございまして、その地方公共団体が自分で持っている行財政能力をやはり正当に評価すべきであるということを私どもかねがわ申し上げているところでございます。
 もう一つの原因は、中央の各省庁が自分の仕事を非常に大切にする余りと申しましょうか、所管の事務事業につきましてはごく細部にわたるまで自分の手の中に掌握しなければ気が済まない、こういうところがございます。この点につきましてもやはり、国の方は大きな仕組みとか基準の設定とかそういうことにとどめて、地方団体にその具体的な機能の行使はさせる、こういう方向に持っていくべきではないかというふうに考えておりまして、私ども機会あるごとにそれを唱えております。
 したがって、一括整理法みたいな大きな場合には各諮問機関等の御答申を得ながらやっていくわけでございますが、それ以外に、毎年毎年新法の制定あるいは既存の法律の改正がございます、その都度、そのような視点から私ども各省と協議をしておりまして、その意味で、ぼちぼちではございますけれども、そういう観点からの整理が進んでいる、このように考えております。
#66
○小川(信)委員 自治省、ある意味で地方自治体の意思を代表しておられる部分もあるわけなので、関係省庁に対して強力にこのことを主張し、やっていかないと、せっかくの新法、新しい法律をつくっても、私はそれが本当の効果をあらわさないのではないかというふうな危惧をしておるわけです。
 事実、この行革審の中でもその問題が指摘されておるわけですね。新しい法律をやっていくときに、総合的な地域づくりのための関連法律や制度の有機的連携を確保する方法として、計画の実施に必要な都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律、農地法、森林法、公有水面埋立法、河川法、自然公園法等、こういうふうな関係法律、これは全部一体的に処理、運用ができるように考えなさい、こういうふうな提起がされておるわけです。そういうふうなことを考えると、どうしてもこれをやっていかなければ、せっかくの立派な理想的な法律と思って提案をされておるものが生き目のいかないものになってくるのではなかろうか、この辺を十分御検討をさらに重ねて関係省庁に対する強力な発言をしておくことが必要だろうと私は思うのです。
 続いてもう一つの問題は、こういうふうな仕組みを進めていくときに一番問題になってくるのが、地方自治体が自主的に使用できる財源を確保しなければならぬということです。この法律の裏づけとなる自主的な地方自治体の財源確保についてのお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。
#67
○紀内政府委員 御指摘のとおり、拠点整備法をいかに法律の仕組みとしてうまくつくりましても、具体的にその振興整備の実を上げるためには、やはり適切な財源というものが準備されなければいけないと思っております。今回の法律自体に書いてあるわけではございませんけれども、その裏には、例えば関係省庁が公共事業を持っている場合には、それら拠点地域について目的に即して基本計画の実施に資するように重点的に投資をしてまいろうという決意がございます。
 一方、私どもの関係する世界で申し上げますと、これは地方単独事業の充実ということを考えていくわけでございまして、ハードの事業につきましては、現在私どもいろいろな工夫を持っておりまして、地方債と交付税を連動する仕組みは既にございますが、ここにまた一味つけたようなものを現在検討中でございます。また、ソフトの事業につきましても、これは一部事務組合が行う場合に限られますけれども、広域的なソフトの諸活動につきまして一定の基金を積み上げてその果実によって運用できるよう、そのような工夫も現在検討中でございます。
#68
○小川(信)委員 極めて一般的なことであれですけれども、私が特に強調したいのは、各種補助事業、補助金を私は一般財源化することが必要じゃないかということです。それぞれ省庁が持っている補助事業、優先的に貸し付けし、予算配分をするというのは従来の形なのです。従来の形をとったのでは、相変わらず地方自治体は東京に陳情に来なければ一ならぬようになってしまう。こういうことじゃなくて、一般財源化する、そしてこの事業の具体的な実施については、関係市町村長さん方が東京、各省庁に陳情に来なくて済むような、そういう仕組みを私は今考えるべきではなかろうか。それでなければ、先ほど最初に大臣がおっしゃった気持ちが具体化しないのではないかというふうに思いますが、その辺いかがでございましょうか。
#69
○紀内政府委員 お話にございましたように、地方公共団体があらゆる権限、あらゆる財源を全部自分の手のうちにおさめてできることが最も理想的な姿であることは違いがございません。しかしながら、実際に仕事を進めていく場合に、例えば公共事業なら公共事業の世界では、これは全国的な整備との調整ということも物を考えていかなければいけないわけでございまして、地方の自主性に任せてよろしい領域についてはあたう限りそれは地方に持っていくべきだし、しかし、全国的な視野からこれを調整すべきものというものは、国の一定の関与、あるいはそれを誘導するための一定のみずからの補助金、負担金と申しましょうか、そういうものも必要であろうかというふうに思います。
 なお、可能な限り地方の方に自由に使える財源を持っていき、かつ権限を広げていくべきだという考え方は、おっしゃるとおりでございますので、現在行革審なり地方制度調査会なりでいろいろ一般的な形で、一般的な制度として議論がなされているわけでございまして、いずれその方面で成案が得られ、かつ制度化されるというふうな段階になってまいりますと、現在準備しました拠点整備法につきましても、その観点からの見直しなり調整なりということが必要になってくるのではなかろうか、このように思います。
#70
○小川(信)委員 抽象的な御説明は抽象的な意味として理解できるわけですけれども、イメージとして重ねますと、今度地方拠点整備事業としてやるエリアというものは、ある意味ではパイロット自治体と重なり合うところも出てくるだろうと思うのです。そうでないところもあるかもわかりませんし、また、パイロット自治体というのはもっと人口の多い拠点的な都市になるかもわかりませんけれども、考え方としては、そういうふうな重なり合ったような考え方でやっていってこそこれがやれるだろうと私は思いますけれども、例えば、一般財源化してもいい補助金というのは相当あるのじゃないかということです。
 行革審の検討の中でも出ておりますけれども、例えば道路事業関係では地方道の改修費の補助金とかというようなものもありましょうし、都市計画では市街地再開発事業費補助というふうなものもあるでしょう。それから、住宅とか公園関係では公営住宅の建設費の補助金とかというようなものもあるでしょうし、河川関係では河川改修整備の補助金、下水道関係では下水道事業費の補助金というふうなもの、それから農業関係では、農道の整備とかというようなものもあるでしょうし、農村総合整備事業費、これは圃場整備等を含めた土地改良事業ですけれども、こういうふうな問題、それから、今非常に注目を浴びており希望も多い農業集落排水事業というふうなものとか、林道の事業、海岸の保全事業というふうなものなどは、一般財源化したって問題ないのじゃないかと思うのです。
 こういうふうなものを自治省は関係省庁に、これとこの問題は一般財源化してやれ、こういうふうなことをもっと強力にやっていいのじゃないかと思うのです。先ほど局長がおっしゃった考え方は、考え方としてはわかりますが、それを一歩進めて具体化するためには、こういうふうな行革審資料などに挙げられておる、一般財源化してもいいじゃないかというような補助金などを先行させるようにしていったらどうかと思いますが、その点いかがでございましょう。
#71
○紀内政府委員 具体的に個別の補助金に即してお答えできる準備はございませんけれども、私どもこれまでも行革審の答申等を踏まえまして、一つは地方行政の自主性なり自律性の向上、さらには行財政運営の簡素化、効率化というふうな両方の観点から、国庫補助負担金の一般財源化ということには少しずつ努めているわけでございます。特にこの一、二年と申しますものほかなり一般財源化に努めておりまして、平成三年度におきましては、ごみ処理施設の整備の補助金につきまして補助対象の重点化を行い、残りを一般財源化するというような形で取り組みましたし、平成四年度、今から始まることでございますけれども、地財対策でも御説明申し上げておりますように、義務教育費国庫負担金のうち共済追加費用等に係るものとか、あるいは国民健康保険に係る事務費、人件費のたぐいというようなものにつきましては一般財源化を進めているわけでございます。
 その一般財源化に関する受け取り方というもの、各省庁なり地方公共団体の受け取り方というものも最近変わってきております。したがって私どもとしては、こういう関係者の認識が変わっている状況に即して、関係省庁とも十分話し合いの上、自主性、自律性の向上という観点からさらに一般財源化に努めてまいりたい、このように考えております。
#72
○小川(信)委員 今の局長からのお話、漸次やっていこうということですけれども、せっかくこういう時期、まさに政治の大きな転換期であるし、行革審の答申もそれなりに出してこられた、こういうふうな時期、そして、特に東京一極集中を是正しなければいけないというのは内閣の基本方針であるし、自治省としても一番重点に取り上げておられる問題だと思いますが、この一極集中を是正して地方における多極分散型の国土形成をするという上では、権限と補助というのが一極集中をしておる、これを思い切って分散することが、ある意味では非常に大事なことであると同時に一つの重要なポイントとなると思うのですけれども、先ほど大臣のお話を、御決意を聞きましたけれども、この問題について、具体的なことになり過ぎるかもわかりませんが、大臣の御所見はいかがでございましょうか。
#73
○塩川国務大臣 一極集中排除の問題と先ほどの質問とちょっと連携が私はとれないのでございますけれども、先ほど紀内行政局長が答えましたものが実は非常に重大なところだと私は思っております。まさにいいところを質問していただいた。私の立場からいうとそう思うたりするんです。
 結局、私たちは一般財源化を強力に進めていきたいんです。いきたいんですが、それを阻止するのが、やっぱりそこに権限にこだわっておるから阻止してくるのです。これが非常に問題でございます。先ほどおっしゃったような河川法の問題だとか道路管理の問題だとかいろいろございます。だって、バスの停留所一つ動かすのにも地方自治体でどうにもならぬような権限なんでございましょう。でございますから、これは挙げてやっぱり国会もそれに取り組んでいただく。
 片っ方では進めようといたしましても片っ方で反対の陳情が出てまいります。一番いい例が去年の予算編成のときでもそうでございましたけれども、各党からそれぞれ出てまいりました。例えば学校の事務職員を一般財源化して切りかえていきたい、あるいは栄養職の職員を切りかえていきたいといっても、それぞれの各政党からだっとこれは反対だと出てくるわけでございまして、そういうことで、我々は一般財源化を進めたいと思いながらも、そういう各省の持っております権限との争いの中で一般財源化が進めにくい、ここを御理解いただいて、これをどういうふうに合理化して効率化していくかということを同時に考えていただきたいと思っておりまして、まさにいいところを質問していただいて、私はこのことをお互い国会の場として検討していただく機会をつくっていただければ、こう思います。
#74
○小川(信)委員 今からは地方の時代だ、こう言われるわけですから、やはり地方の時代にふさわしい行財政改革をしていかなきゃならぬ、その一番ネックになっているのが、先ほどから何回も言いますように権限の問題とお金の問題なんだ。これを思い切って地方に出す。確かに中央官庁の幹部の職員に比べれば能力の差があるかもわかりません、私はほとんどもうないと思っておりますけれども。そういろいろ危惧される面もあるけれども、やはり思い切ってそれをやっていく、そのリーダーシップを私は、自治大臣そして自治省の皆さん方がやられるべきだろうと思っております。それでないと百年河清を待つというような形になります。
 それと同時に、我々野党の国会議員としても強くこのことについてはやってまいりますけれども、特に与党の議員の皆さん方が、それぞれいろいろな今までのつながり、結びつきがあるかもわかりませんけれども、そういうものを払拭してこれに一丸となって取り組んでいただきたい。特に地方行政委員会の委員のメンバーの皆さん方はそのお気持ちだろうと思っておりますけれども、それをやらない限り、最初申し上げたせっかくのこの拠点都市地域の整備法、これなんかがまた、過去幾つか同じような法律が出た、新産都市の問題とかいろいろあったですけれども、同じようなことになってしまうのではないか。それじゃ余りにも情けないじゃないか。二十一世紀を展望するという所信表明についていかぬのじゃないかという危惧を私は持っておるわけです。この辺をぜひ取り組んでいただきたいと強く申し上げる次第であります。
 特に所信表明の中では、先ほどからお話がございましたように、地方制度調査会、行革審の答申を踏まえて、地方団体の意見を反映して地方分権が一層推進されるよう努力してまいりますと大臣はおっしゃったわけですから、この努力が短期間に実を結ぶように、がむしゃらな取り組みをやっていただきたい。特に大臣は党内においても非常にすごい影響力をお持ちの方でございますので、ぜひこれをやっていただきたい。このことについての御決意を重ねて聞かしていただいて、次の質問に移りたいと思います。
#75
○塩川国務大臣 今後とも極力その方向に進んで努力してまいります。
#76
○小川(信)委員 それでは、余り時間がないようなんですけれども、次の問題に移ります。
 先ほどからいろいろと暴対法関係等々について警察の関係がございました。私も一つ警察行政の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 警察関係の所信表明もございましたし、また予算的な説明もございました。確かに近代警察は、時代の変化に伴っていろいろと近代的な装備なり、それから重点的な配置というようなことも私は必要ではあるだろうと思います。しかし、一般住民にとっての警察というものはどういうものなのかということです。
 実は私が住んでおるところは地方の田舎でございまして、まあ、ある公的な機関といえば、漁協と農協の支所と簡易郵便局があって駐在所があるというようなところに私はおるわけですけれども、一般住民にとっての警察というのは、また違った角度で警察というものを眺めておるということなんです。近代的な装備をされた、そしてテレビなんかのドラマに出てくるような警察とは違うんです、一般的なもの。
 そういうふうなことを考えながら私も思っておりましたけれども、先般、外勤警察官の家族の方々がまとめておられた「赤い門燈」という体験記を私論ましていただきました。本当にいわゆる駐在所におられる警察官の奥さんの御苦労というものは大変なものだと思ったのです。
 私も日ごろ余りつき合いのないところですのであれだったわけですけれども、重ねて考えてみますと、離島とか過疎地域にある診療所のお医者さんの奥さんと同じような状況なんですね。実質的にいって二十四時間勤務だ、パートに出ようと思ってもパートに出るわけにはいかない、こういうふうな状況なんですね。そして、大体駐在所があるのは、離島とか山間の過疎地域それから農村地域というような、余りたくさん人がおらないようなところにあるわけなんですけれども、駐在所勤務の警察官は原則的には日勤勤務だということで、朝の八時から五時までの勤務だということになっておると思いますけれども、実際は日勤勤務ではないわけです。
 例えば、私のところなんか考えてみますと、朝子供たちが学校へ行くときに、交通安全協会の人たちがボランティアで交通整理に出ると、やはり駐在所の方も出なければならぬ。それから、運動会があるといえば、今ごろはみんな近くても車で来ますから車の交通整理に顔を出さなければならぬ。盆踊りがあるといったら、夜、盆踊りが終わるまで交通整理や何かで顔を出さなければならぬ。顔を出すことが地域住民とのコミュニケーションになるかもわかりませんけれども、そういうふうな状況。そして、その間奥さんは、私も一緒にというわけにはいかないというような形で留守を守っておらなければならぬということになるのですね。そういうふうな状況下にある。特に診療所の奥さん方と同じように駐在所の妻というのは、単なる一般的な警察官の妻とは違った役割を結果的に担わされておるということです。
 そしてもう一つは、大体年齢層が三十代から四十代ですから、子供の教育があるのです。そして、三年ぐらいの勤務交代になりますけれども、子供の教育というものに対して非常に御苦労をされておるということです。これは駐在所だけでなくて診療所も同じですけれども、私は「赤い門燈」を読んでそのような感じがしました。
 この妻の役割というものを警察庁はどのように評価しておられるのか、その辺を聞かしていただきたい。
#77
○関口政府委員 お答えを申し上げます。
 駐在所の問題ということでございますが、現在全国に駐在所は約八千八百カ所ございます。そして、地域の治安の活動拠点として、また、先生御指摘のように、地域の住民の皆さん方の安心感のよりどころということで極めて有効に機能しているというふうに考えるところでございます。
 そうした中にありまして、駐在所の夫人、奥さん方でございますけれども、勤務員がパトロールなどで外の業務に出ている間の各種の届け出の受け付けとか、あるいはまた地域住民とのコミュニティー活動等を勤務員と一体となって行っているという実態でございます。
 より具体的に二、三の例を申し上げますと、勤務員が外出中に住民の方が駐在所へ飛び込んでまいりまして、近くの道路で男の人が倒れておるという訴え出がございました。駐在所の奥さん、これは事件ではないかということで、自分の乳飲み子を駐在所に寝かせたまま現場へ急行する。この件につきましては、結果的に酔っぱらいが寝込んでいたということだったようでございます。さらにまた別の例では、同じように勤務員が外出中の出来事でございますけれども、殺人犯が自首してまいりました。奥さん大変慌てたわけでございますけれども、本人の名前を聞いたりほかのことを尋ねながら、またお茶を勧めながら、署と連絡をとる。署の応援が来る間、わずか十分か十五分だったようでございますけれども、大変命が縮まるような思いもいたしたというふうなことも実体験としてあるわけでございまして、こうした話を伺いますと、私ども自身、大変頭の下がる思いがいたすわけでございます。
 こうした駐在所の奥さん方の御苦労に報いるために、駐在所報償費という制度がございます。私どもではこの報償費の増額ということを関係機関に御要望をしてきたところでございますが、その結果、平成四年度の地方財政計画におきまして、現行額では月二万八千円ということでございますけれども、そのちょうど倍額の五万六千円に引き上げられるということでございます。なお、私どもといたしましては、この駐在所の夫人の処遇改善ということで、ただいま申し上げましたような実態を踏まえながら、さらに充実されるように努力を重ねてまいりたい、かように考えているところでございます。
#78
○小川(信)委員 倍額になったということですが、金額的に倍になったからこれでいいかはわからぬといたしましても、先ほど言ったようなバートにも出られないという現実がありますので、報償費という名前がいいのかどうかは別としましても、やはりそれなりに考えてもらわなければならぬと思います。
 それともう一つの問題は、私のかつて部下だった女子職員が駐在所に勤務の警察官と結婚しておって、今はそうでもないのですが駐在所勤務だったことがあるわけですけれども、日本の田舎にある駐在所というのは、どこへ行ってもみんな同じような建物なんですね。特にその中で、小さい子供を抱えたお母さん方の居住部分といいますか、いわゆる生活のスペースが、あれでは私は極めて現時点に合わぬと思うのです。近代的な装備もいいでしょうし、科学警察で金を使わざるを得ないかもわかりませんけれども、第一線で住民と二十四時間接触しておるところの駐在所の居住部分の改善を私は考える必要があるのではないかと思うのです。端的に言って、今どきあれでは私は問題がある。というのは、行くのを嫌がりはしないかと思うのです。家族一緒ですから、奥さん方が私はああいうところへ行って住むのは嫌と、こういうふうなことも私は出てくるのではなかろうかと思いますが、この居住部分の改善についてどういうふうにお考えなのか。お考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
#79
○関口政府委員 お尋ねの駐在所の施設の問題でございますが、全国の駐在所一つ一つにつきまして見てまいりますと、中には居住部分も狭隘の上、老朽化している、あるいは設備面でも不十分なもの、勤務員が家族ともども生活する上では満足できないというものがあることも事実でございます。
 これら駐在所の施設につきましては、各都道府県警察におきまして駐在所勤務員の勤務環境改善の観点から、施設の整備促進ということ、駐在所の建てかえ、新築に当たりましては、勤務員及びその家族がゆとりを持って勤務、生活できるような十分なスペースの確保、あるいは水洗トイレ等の充実ということのほか、事務室部分と居住部分の分離、あるいはまた地域の景観にマッチしたデザインの採用等にも配意しているところでございます。また、既存の施設につきましても、トイレの水洗化とかエアコンの整備等に努めているところでございます。
 警察庁といたしましても、こうした地域の警察の基盤を整備し、かっ勤務員の快適な環境を確保するという観点から、駐在所施設の改善整備が図られますよう、今後とも各都道府県警察に対しまして指導を行ってまいりたい、かように考えます。
#80
○小川(信)委員 最後の質問ですけれども、今地方の農村、漁村、離島等は、だんだんだんだん人間が少なくなって数が減ってきておるわけなんですけれども、数が少なくなったから駐在所等を廃止をするとか統合するとかいうことは、やはり地域住民の安心感からいっていろいろ問題があるわけなんですけれども、ゆめゆめそういうことはないかと思いますけれども、人口減少と戸数が少なくなったからこれは廃止するということが、計画があるのかないのか、そういうことのないように期待しておるのですけれども、いかがでしょう。
#81
○関口政府委員 お尋ねの点は、各地域の実情に合った形でということでございますが、一方におきまして都市部に人口が集中をする、片や過疎化というふうな地域もあるわけでございます。そうした中で、私どもの警察力にも限りありということで、より適正な配置運用ということが必要かと思います。そうした場面で、派出所、駐在所の統廃合ということも一つ問題として提起されるわけでございますが、そしてまたやむを得ないような場面もあろうかというふうにも思いますけれども、そうした仮に統廃合をするというふうな場面におきましては、地域の住民の皆さん方の意見等を十分参酌させていただき、仮にまた統廃合した結果その地域の治安が落ちることのないように、いろいろな手だてを考えてまいりたいというふうに思います。
#82
○小川(信)委員 これで終わります。
#83
○中島委員長 小谷輝二君。
#84
○小谷委員 最初に、共和事件を初め東京佐川急便事件等一連の疑惑事件が発生し、国民には非常な政治不信を抱かせておるところでございますが、国家公安委員長としてこの不信解消のためにも総力を挙げて真相解明に当たるべきではないか、このように思っておりますが、大臣の考え方をお聞かせください。
#85
○塩川国務大臣 一連の政治不祥事件と申しましょうか、政治と金とのかかわり合いに対して国民が疑惑を持っておられます事件に際しましては、鋭意警察庁、検察庁が捜査をしております。私たちといたしましては、もしその捜査の段階において刑罰を適用すべき案件があるとするならば、厳重厳正にこれを執行していきたいと思っているところでございまして、なお関係者に対しましては、一層の督励をいたすつもりであります。
#86
○小谷委員 平成四年度の地方財政対策について、塩川大臣とは昨年の第百二十二臨時国会で議論をいたしました。そのときに私は、基準財政需要額を余りにも小さく絞り込んで、そうして地方財政計画を組まれておる、したがって、ここらに大きな問題があるのではないのか、地方財政計画を根本的に見直すべきではないか、こういう意見を申し上げましたところ、私も同様の意見である、こういうふうに大臣の意見の同意があったわけでございますが、この点について、平成四年度の地方財政計画に対しては具体的にどのようにそれぞれ部署に指示されたのか、基準財政需要額の見直しは財政計画でどのように反映されておるのか、この点、まず御説明をいただきたい。
#87
○塩川国務大臣 まず四年度地方財政計画におきましては、御承知のようにいろいろと議論がございましたけれども、地方交付税におきましては、総額で五・七%増の実質増を確保するように鋭意必要なところは確保いたしました。それと、地方の独自性、自主性というものを発揮するために単独事業を中心にした地方振興策の積極化を進めるということにいたしまして、これに対しましてはいろいろと評価をいただいておるところでございます。
 それと同時に、福祉対策というものに対しましても積極的に取り組んできておるところでございますし、そして同時に、地方財政の健全化を一つのめどといたしまして、土地開発基金であるとか地域福祉基金であるとかいう基金の設定につきましても鋭意努力をしてきたつもりでございます。
 さらに、公営企業関係につきましても、今度は財政投融資計画になるのでございますけれども、これは十分な投資資金の確保ができたと思っておりますし、またこれの資金の質におきましても、質のいい資金の手当てができたと思っておるところでございます。したがって、平成四年度につきましては、これを実効あらしめるようにできるだけ早く実施活動に入れるように手配いたしていきたいと思っておるところでございます。
#88
○小谷委員 地方財政全体的な伸び率等につきましては、これは大臣のおっしゃるとおり、部分的には幾らか伸びたこともこれは承知をいたしております。私が申し上げておりますのは、基準財政需要額そのものの根底からの見直し、これは必要ではないのか、こういうことを申し上げておるわけでありまして、部分的な、さわったりちょっと額をふやしたり、率をふやしたりという点で全体が伸びたことはそれはそれとして評価されるところでありますけれども、要するに、後で申し上げますけれども、基準財政需要額そのものが絞り込んである以上、地方財源は持っていかれるおそれがある、絞り込まれているから持っていかれるんである、こういう議論を申し上げておるわけでありまして、その点、私の質問の趣旨はそういう趣旨でございます。
 そこで、来年度の地方交付税が八千五百億円、これは特例減額されたわけであります。平成三年度は四千五百二億円、これが特例減額されたわけで、これに引き続いて地方の固有財源を国へ持っていかれたということであります。
 そこで、自治大臣はどんな経緯、どんな理由でこういう処置に合意されたのか、この点ひとつ御説明をいただきたいと思います。
#89
○塩川国務大臣 その前に、基準財政需要額の見直しをどこまでやったのかということでございますが、昨年末から本年にかけまして部分的には随分といたしております。おっしゃるように総合的にこれだけという、まだ発表する段階には至っておりませんけれども、例えば街路事業等において、あるいは特定河川等においてそれぞれの財政需要の見直しをしてまいりましたけれども、なおこの平成四年度中に一層の基準財政需要額の見直しをいたしたい、こういう計画でございまして、それぞれの項目につきましては担当部局に対しまして指示を与えてあるところでございます。まだそこまで皆さんにお知らせするところまでいっていないということでございますので、いずれ時期を見ましていたしたい。
 さて、お尋ねの八千五百億円の減額措置でございます。
 これについてのいきさつでございますが、実は大蔵の方としては国の財政は非常に苦しいことは御存じのとおりでございまして、シーリングも厳しい枠をはめております。その中にあってなおかつ所要の額を確保するためには地方財政の方から一兆円の応援をしてくれという申し入れがあったこと、これは諸先生方も御存じのとおり、この一兆円がひとり歩きしたような格好で出ておりましたが、私たちは初めから地方交付税の中の減額措置なんというのは考えておりません。ましてや率の変更なんというのは一切眼中にはなかったわけでございます。しかし大蔵当局からは非常に強くその要望がございまして、それは振り返ってみますと、過去におきますところの交付税というものは、国と地方との貸し借りが頻繁に行われておりまして、地方も苦しいときには多額の借入金をしておることもございましたし、この際にでき得る範囲内のことであるならばそれに応じていこうということで、当初は国が言っております半分ぐらいのところでどうだろうと思っておったのでございますが、だんだんと大蔵の方も泣きが強くなってまいりまして結局八千五百億円というところに落ちついたということでございました。
 その点につきましては、私は国と地方の公経済の円満な運営ということから見てやむを得ない措置であったなと思っておるところでございまして、至らぬ点は自分自身の努力の不足であったと思っております。
#90
○小谷委員 地方団体の当面する課題についてはまず一応財政的な処置を講じた、その上で国と地方の財政調整のために八千五百億円を特例減額した、こういう御説明のようでございますが、平成四年度の地方財政計画を策定する上で八千五百億は削っても支障はない、こういうふうに判断されたのか。本来地方交付税法の規定によりましてこれはもう当然全額地方団体に配分されなければならない地方の財源ですから、このように私は理解をしておるわけでありますが、それを国の予算編成も厳しいということで八千五百億円を国に貸し付ける、こういう結果になったということでございまして、決して僕は自治大臣を責めておるわけじゃございません、むしろ応援団であるつもりでおるわけでございますけれども、まさか地方財政に余裕があるから貸したというお考えはなかったであろうと思いますが、この点いかがですか。
#91
○塩川国務大臣 先ほども申しておりますように、地方財政はやはり依然として苦しいのでありますのでございますから、この八千五百億円の財源があればあれもこれもいたしたいということは十分の予定があってのことでございますが、それをあえて八千五百億円を減額せざるを得なかったということは、いわば公経済両輪がうまく作動するためには、こちらの方も融通すべきことで辛抱できる範囲内のことでいたそうということでやったということでございます。
#92
○小谷委員 昨年この委員会で、この予算審議の中で交付税の特例減額に対しては、委員会決議として特別減額は今後行わないこと、このようにこれは与野党合意の上で一致して決議をしているのです。このことはあえて御存じないとは思いませんが、私はその上で、そのような財源があるのならば、今地方自治体におきましては高齢化社会に向かうに当たりましてお年寄りを大切にという強い地域のニーズ、また地方議会におきましてもかなり高齢化社会に対する財政の配分等に議論が集中しておるわけでございまして、今財政需要はお年寄りを大切にするためには非常に必要であるという状況はもう御承知のとおりであろうと思います。高齢化社会に向かうに当たっての高齢者に対する福祉、医療、看護、また施設、介護、いろいろな面から財政需要がかさむわけでございます。
 これらに充てるために、例えば、高齢者福祉特別交付税等を各自治体に、お年寄り一人に対して一般財源として何ぼという金額、少なくとも、今度は八千五百億を特別減額したわけでございますけれども、五千億配分するとすれば、平成二年度の国勢調査によりますと七十歳以上のすべてのお年寄り一人に五万円余りに相当する額が、それぞれの市町村に、お年寄りを大切にする資金として、予算として、それぞれの地域に合った一般財源として使うことができる、こういう要するに高齢者福祉特別交付税という形の創設をも将来考え、お年寄りに対して血の通った温かい対応ができるような処置を考えてもいいのではないのか。
 これは一つの例でございますけれども、大臣いかがですか。
#93
○塩川国務大臣 いろいろとそういうふうなアイデアもございますし、また一方、自治省としては、財政特例債の償却を六千百億円からの予定もいたしておったのでございますが、そういうようなものもあえて辛抱して八千五百億円というものを国に融通せざるを得なくなったという事情、ここはひとつ御参酌いただきたい。
 今小谷さんのおっしゃるように、確かに福祉にそういうものを我々も使いたいな、一つのアイデアとしておっしゃったのだと思いますが、そういう気持ちは多分に持っておりますのでございますから、まず財政基盤を確立して、そういう多様なアイデアを各省と、これもやはり厚生省との間のいろいろな問題も起こってまいりましょう、特に自治省としては地域福祉基金というのを積み上げておりますし、それの活用との関連も起こってくるでありましょうし、そういうようなものもいろいろ整合性をとりながら財源の確保、そしてその財源を有効に利用するという方向で一層の努力に努めていく覚悟であります。
#94
○小谷委員 私は、今地方財政は国に貸すほど豊かではないという認識をいたしております。依然として厳しい状況にある、こう考えております。この点は大臣も同じだろうと思いますが、自治体の財政の健全化の一つの目安として、それぞれの自治体の公債費の負担比率、この度合いを問われてきたところでございますが、自治省、最近の比率はどうなっておりますか、説明してください。
#95
○湯浅政府委員 公債費の負担比率の最近の五年間の推移を見ますと、昭和六十一年度が一四・二%、それから六十二年度が二二・五%、六十三年度が一二・四%、平成元年度が一一・三%、それから平成二年度は、これはまだ見込みでございますが、一〇・九%ぐらいになるのじゃないか。こういうふうに見てまいりますと、一時期に比べますと公債費の負担比率はやや低下傾向にあることになっております。
 それから、個々の地方自治体の状況を見ますと、普通交付税の基準財政需要額には、ここ数年、特例的に発行しました地方債の繰り上げ償還の基金なども入れておりますので、こういうものを調整いたしましたいわば実質的な意味での公債費負担比率で見ますと、この公債費負担比率の方が一五%以上、いわば警戒信号と私どもは考えております一五%以上の団体数が平成二年度で千二百三十二団体、おおむね四割近くの団体がいまだにそうなっているというような状況でございます。
#96
○小谷委員 四割近くですか、黄色信号、危ないところが。これは大変な。私は三割前後だと思ったのですけれども。逐次負担比率が減少していることにつきましては好ましいことでございますけれども、負担率が一五%以上、これが四〇%近くもある。要するに、昔一五%以上といえばこれはもう要注意、これはもう財政再建団体に近い、このように警告を発せられた数字ですね。こういう自治体が全体の四〇%近くもある。また借入金の残高というのはびっくりするような数字で、七十二兆円にも達しておる。これでは地方の財政の健全化とはどの角度から見ても言えない、こういうふうに思うわけですけれども、大臣、いかがですか。
#97
○湯浅政府委員 ただいま申し上げましたとおり、公債費の負担比率を見る限りでは、一五%以上のところが約四割近くもある、あるいは借入金残高が七十二兆円ということは、ことしの地方財政計画とほぼ同じぐらいの金額がまだ借金の残高として残っておるというようなことでございます。またさらに、最近の景気の減速感が広まっているということになりますと、これからの地方税の税収の傾向というものもかなり厳しくなってくるんじゃないか。現に今度の地方財政計画の中でも、特に都道府県の税収におきましては、法人関係税がかなり落ち込んできているということも予想されているわけでございます。
 他面、先ほど来お話しのとおり、社会資本の整備のための経費だとか、あるいは高齢化社会の進展のためのいろんな必要経費というものがこれからどんどんふえていくというようなことを考えますと、これはなかなか容易なことではないというふうに考えているわけでございまして、決して地方財政が余裕のあるというような状況にはないということは御理解いただきたいと思うわけでございます。
 私どもはそのためにも、この公債費の負担をできるだけ今後に軽減していくというためにも、特例的に発行いたしました地方債というものをできるだけ早く繰り上げ償還する必要があるのだろうということで、この数年間そういう基金を、減債基金的なものを財政計画でも計上いたしましたし、平成四年度におきましても臨時財政特例債の繰り上げ償還をするための経費を約一兆二千億計上させていただく、こういうことで財政の健全化にも今後努めてまいらなければならないと思っておるところでございます。
#98
○小谷委員 大臣、今事務当局の方で御説明あったとおりでございまして、私は地方財政、決して国の方に貸し付けるような状況にないという判断をいたしております。また、歴代の自治大臣の所信表明や決意、また塩川大臣も、地方の自主財源の充実強化につきましては所信にも述べられてきたところでございますが、新たにどんな自主財源を考えておられるのか、また財源の充実強化、どの点をどんな形で強化しようとされておられるのか、大臣のお考えを教えてください。
#99
○塩川国務大臣 自主財源の強化というよりも財政の合理化という点だろう、こう私は解釈いたしまして申し上げますと、一つは、一番根幹となりますのは、やはり行財政改革というものを、特に行政改革、行政の合理化をして、それで財政に弾力性を持たしていくということが一つの方策であろう、こう思っております。
 それともう一つ、最近地方行政の中でよく私たち言われますことは、受益者負担の考え方というものを改めた新たな観点から、何も負担増をするというのではなくして、公平さを期するためにおいて、そういう受益者負担の見直しをすべきではないか。その結果として一つの財政の節約ということにつながっていけばと、こう思うたりいたします。一般に安易な増税によるところの財源強化ということは私は今のところ頭に考えておりません。
#100
○小谷委員 地方財源強化について二、三点申し上げておきたいと思います。
 国と地方の租税の配分が二対一である。それに対して実質配分では逆に一対二と逆転している。これは今までもずっと言われてきたことでございます。特に都市的税目である法人住民税につきましては、法人所得税の市町村への配分割合が八・二%ですね。一〇%にもこれは満たない。極めて低い。これに対して今後拡充を図っていく考え方は、事務当局、ございますか。
#101
○杉原政府委員 都市税財源の充実につきましては、今お話しの法人住民税のみならず、地方税制度全体の中で、さらには交付税制度といったことを通じまして、従来からその充実強化に努力を重ねてきたところでございまして、今たまたま御指摘の市町村民税の法人税割につきましても、まさに都市税源の充実を図るという観点から、過去数回にわたりまして税率の引き上げを行ってきておりまして、現在、御案内のとおり市町村が一二・三、県が五・〇、こういう形になってきているわけでございます。
 それで、今後の国、地方団体あるいはその地方団体相互間におきます法人所得課税の配分はどうあったらいいかということにつきましては、税収の伸長性をとるのか安定性をとるのかといったことが、県、市町村といった地方団体の種類、性格とも関連づけて適正な税源配分というものを考えなければいけないだろうと思っておりますし、さらには国、都道府県、市町村の行政事務の配分のあり方とも大いに関連するわけでございます。こういった点を勘案しながら、各種税目を通じまして総合的な見地から検討してまいるべきものであろうと思っております。
 なお、御案内のとおり市町村は、住民に最も身近な行政主体として、日常生活にいわば不可欠なサービスを景気の変動にかかわらず安定的に提供するという役割を有しているわけでございますので、そういった形の市町村の財源であります税といたしましては、都道府県と比較いたしますと、より普遍性、安定性に富んだ税の方が望ましいのではないだろうかということも考えられるわけでございまして、そういった観点からいたしますと、景気の大変いいときは大いに伸びるのでございますけれども悪くなるとすとんと落ちるといった法人所得課税のウエートを、余りにも市町村に偏ってしまうということはいかがなものだろうかというような懸念もございます。そういった点も含めまして、今後とも大いに検討してまいりたいと思います。
#102
○小谷委員 原則非課税から原則課税になりました有価証券譲渡益、これは所得税が課税されるわけでありますけれども、申告の仕方によっては住民税が非課税になる。これは何回か当委員会でも指摘いたしましたが、この有価証券の譲渡益に対して課税できるように制度改正を求める、こういう考え方はありますか。
#103
○杉原政府委員 ただいまお話ございましたように、株式等の譲渡所得、いわばキャピタルゲインに対します課税が、六十三年の税制改正によりまして、個人住民税といたしましては平成二年度からでございますが、所得税で申告分離納付されたものにつきましては、地方の場合は六%課税できるようになったわけでございます。ただ、お話のように、源泉分離選択をされますと、所得税の方は五%のいわばみなし利益に対して二〇%という税率で源泉分離で終わってしまうわけでございまして、市町村あるいは都道府県、地方税としては課税できない形になっているわけでございます。これは、源泉分離選択をしたものにつきましても、地方税、住民税の方は例えば申告分離という形で納付させるということが一つはできないかと思いますが、これにつきましては、所得税の申告分離納付の場合もそうでございますが、証券会社等から支払い調書といったようなものが出される必要がございます。しかし、これを全市町村にということになりますと、大変な膨大な手間暇がかかるということでなかなか協力を得られない、そういった課税の技術上の理由によりまして、所得税で源泉分離のものを住民税で申告分離といったようなことで課税するということはできない状態にございます。
 それでは、所得税で源泉分離したものについても、市町村住民税としても源泉分離というような形がとれないかというお考えがあるいはあるかもしれません。それは例えば現在利子割につきましてやっているような形が想定されるわけでございますが、そうしますと、申告分離といった選択をした場合には、いわば住所地の地方団体に納付されるわけでございますけれども、源泉分離で現在の利子割方式ということになりますと、課税の簡便性といった観点から、現在いわば証券会社の所在地課税ということで県に一たん入ってしまう、こういう形になります。そうすると、同じキャピタルゲインでありながら、納税者の選択によって、金融機関所在の県に納められるのか、住所地の地方団体に納められるのか、そういった二つの選択がなされるということは税制としてなかなか組み立てが困難である、こんなことで、現在所得税で源泉分離選択されたキャピタルゲインにつきましては、住民税の方は課税できないといった状態になっておるわけでございます。
 しかし、これは確かに問題がございます。そこで、御案内のとおり、六十三年十二月の地方税法改正法の中に規定もございますように、所得把握の環境整備の状況等も配慮しながら、総合課税への移行問題を含めました利子所得に対します地方税のあり方の見直しかなされることになっておりますので、これとあわせまして、この有価証券譲渡益に対します課税のあり方につきましても十分この見直しの中で検討させていただきたい、かように考えております。
#104
○小谷委員 十分検討に値するのではないかと思います。また、ほかの市町村の道路の目的財源とか、これは住民生活に密着した道路整備等に要する財源でありますけれども、ここらが非常に著しく立ちおくれておるということも事実でございますし、ここらの財源の配分割合、これらの引き上げも必要ではなかろうか。こういう点についてはまだ各自治体からも強い要望が出されておるところであります。こういうふうな一連の地方財源の確立をもっともっと意欲的に進めるべきではないのかということを申し上げておきたいと思います。
 時間がございませんので次に移りますが、大臣、このカードはお見かけになったことはございますか。こういう小さい一枚のカードでございますけれども、これを見てください。このカードは非常に小さい一枚のカードですけれども、厚い電話帳、あの電話帳一冊分のデータが記録できるというものだそうでございます。これは今国民健康カードということでいろいろ研究が進められております。この健康カードは、日本医療用光カード研究会普及会という会、この代表者は、東京医科歯科大学の椎名教授によって進められておるわけでございますが、このテレホンカードと同じぐらいの大きさのカード一枚で、ICとか光記憶媒体等先端技術を活用して、市町村で行っている健康カード、健康診断書、健康診断によるところの血圧とか血液型、心電図、またかかりつけの医師の病院とか特定な薬によるところの副作用の有無とか各種検査、診療の記録というのがすべて入れられる、なおかつ健康保険証として活用もできる、こういうふうに非常にこのカードの利用は大きいわけでございますが、この健康カードにつきまして厚生省の平成四年度の予算の取り組み、またそれの概要について厚生省の方で今検討されておる内容をまず御説明いただきたいと思います。
#105
○伊原説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話しいただきましたカードを利用いたします健康管理システムというのは、国民一人一人の健康管理を進めていくためには非常に有効な方法であると考えておりますが、これを全国レベルで普及を考えていきます場合、そのカードヘの情報の出入力をどのようにするかといったような点でいろいろ問題もございまして、今後の検討課題がたくさんあるかと思います。
 そこで、厚生省の方では、昭和六十二年から平成元年度まで、保健医療カードシステムにつきましてモデル実験を行ってまいりまして、平成三年度からは新しいカードシステムの研究開発を開始しております。これによりまして、カードの配付対象の拡大とか、あるいは医事会計システムなどほかのシステムとの連携につきまして、実験を行おうというふうに考えております。
 最後になりますが、予算でございますが、平成四年度におきましてはフィールド実験を予定しておりまして、そのための所要の経費として五千七百七十九万四千円を計上しているところでございます回
#106
○小谷委員 既に導入もして活用されておる市町村があると聞いておるわけですが、この状況について御説明ください。
#107
○伊原説明員 お答え申し上げます。
 私どもの方で把握しておりますカードシステムの普及状況でございますが、財団法人医療情報システム開発センターの調べによりますと、平成四年一月現在で、市町村、病院等、全国で十一カ所でカードが発行名れておりますが、カードの数の多いところについて申し上げますと、一千枚以上の保健医療カードを住民に配付している市町村は、出雲市など四カ所となっております。
#108
○小谷委員 島根県の出雲市を初め兵庫県の五色町とか、厚生省のいろいろ指導、委託を受けたりして実施されておるようでございます。また、全国各地方議会におきましても非常に議論されつつあるところであるように伺っております。
 地方自治体が、住民の健康づくりだとか、また医療、福祉、こういうふうな面から、総合的に先端技術を生かして、国の行政に先取りして行政サービスを進めていこう、大臣、こういう動きがあるわけです。地方自治体の動きに対して、これは非常に全国的に共通なもので、同じカードで同じようにどこでもこれが、この記録が読み取れるという制度によることによって、非常に効率がいい。例えば、大阪の人が東京に来て事故に遭った。言葉は言えなくとも、そのカード一枚で血液型から血圧からすべてわかり、その人の持病、今までの病歴も診断もわかっていくということで、直ちに有効な適切な治療処置ができる。こういうふうなことで、これは地方自治体を通して、全国的に国民の健康管理のためにも前向きに取り組むべきではないか。
 このカードも、そう高くないのだそうです。全体的な読み取り機、また、これに付随するいろいろな一つのセットであっても、現在でも三百万くらいでできるということであります。これは量がふえればまたかなり単価も安くなる。こういうふうな国民健康カードというものが今考えられつつ、またいろいろなところで研究されつっあるわけですが、自治大臣、この健康カードについての御所見ありましたら、お聞かせください。
#109
○塩川国務大臣 実は私の選挙区に羽曳野市というのがございまして、羽曳野市でも、そこの市長が積極的にその研究をしたのを担当のところに命令をおろしたそうでございます。市会の懇談会の中でいろいろ議論出ましたのは、議員さんの方から出ましたのは、その中心はプライバシーの保持ということができるのかどうかということと、それを紛失した場合どのように処理されるのかという、紛失に気がついていない場合がある、そういう場合どうするのかとか、あるいはまたえらい卑近な例でございますが、それを担保に金を貸してというようなことがまた起こってきはせぬだろうか、そういうようないろいろな問題が起こってまいって、議論されております。
 しかし、その市長の意見として、市の意見としては積極的に進めていきたいという意向だそうでございまして、私の方にも相談ございまして、私もそれは非常にいいシステムではないか、一回積極的に研究してみたらどうだということを話し合ったことがございます。
 それ以上の知識はこちらもございませんので、合いなやの返事はちょっと申しかねるということでございます。
#110
○小谷委員 自治省はこの件について、それぞれの市町村で、今研究課題として何かの処置をとっておりますか。
#111
○滝政府委員 平成三年度におきまして、私どもは、地域カードという立場からこの問題を取り上げて実は研究に取りかかっているところでございます。地域カードと申しましても、現在やっておりますのは平成三年度で五団体でございまして、山形県の米沢市ほかの団体でございますけれども、この団体に取り上げまして、今のような健康管理も含めた、そういう意味での地域カードということで、この開発を中心にした、健康カードと申しますか、その他一般の住民票の問題でありますとかそういうようないろいろなものをその中に織り込むという格好でやっているわけてございます。
#112
○小谷委員 確認しますけれども、自治省、これは特別交付税を交付して、そして実験的に導入をさせている市町村、どことどこですか、明確に言ってください。
#113
○滝政府委員 具体的には、この地域カードだけに限定いたしますと、山形県の米沢市、それから茨城県の北茨城市、京都府の日吉町、岡山市、同じ岡山県の成羽町、この五団体でございまして、ほかに図書館とか公共施設とかいろいろな問題があるのですけれども、この健康管理が入ってくる地域カードというのはその五団体。
 それで、この財源は特交でもって措置するということでございまして、大体一千八百万からそこらの資金を特交の中に盛り込む、こういうような財源措置を考えているわけでございます。
#114
○小谷委員 大臣、自治省の方も研究を進めておるようでございます。おっしゃるように、プライバシー保護の問題、技術的にはわかりませんけれども、これもあるようでございます。
 いずれにしましても、これは全国ベースで各自治体が中心になって行われるということになれば、当然交付税対象のものではないかな、国が、自治省が面倒見ていくべき性格のものではないかなという感じがするわけでございますが、いかがでございましょうか。
#115
○塩川国務大臣 確かに、有効な住民サービスにつながるものであれば、当然地方財政計画の中で考えていっていい問題だと私は思います。
#116
○小谷委員 警察庁にお尋ねをいたします。
 暴力団新法がいよいよ三月一日から施行されて、これはかなりそれぞれの地域で反響を呼び、非常に国民の期待も大きいところであります。
 ところが、午前中にも質問がありましたように、私は暴力団が暴力行為、また威圧、また脅迫等によって企業から金を取る、これに対する規制は今度の法律で明確だろうと思いますが、暴力団に対して資金援助をしたり支援をしたり協力したりする企業とか個人がもしあった場合には、これに対する処罰、罰則というのは今度の新法ではできますか、どうですか。
#117
○國松政府委員 お説のような、暴力団に資金を援助するといったような形態だけがある場合につきましては、今度の暴力団対策法はその対象には考えておりません。したがいまして、今までの刑罰法令を運用して、違法行為があればこれを取り締まるということになろうと思います。
#118
○小谷委員 これは例にはならないかもわかりませんが、総会屋の取り締まり、これは依頼した方、金出した方、もらった方、すべて処罰の対象になるということで、非常に現実的にこの法律は生きてきた、こういう問題はかなり整理できてきたということであります。中には、今回の佐川事件に見られるように、年間に数百万また数千万と膨大な資金援助があったり、また、暴力団とはっきりわかっておりながら、この暴力団に対して援助をし協力をする。この暴力団新法のねらいは、要するに暴力団の資金源を断つことに大きな主眼があって、暴力団に資金が集まることによって組織が大きくなり、それが地域に与える影響は大きいということで、そこにメスを入れることが一番目的であった、こういうふうに思っているわけでございますけれども、ここらに、金を出してそれで暴力行為を期待したり、また用心棒として、それは対象として規制できると思いますけれども、それではなくして、そうして暴力団に資金を援助したり応援したり協力したりする、これも対象にすべきではないのか。本来、今まで暴力団を養ってきたというのはそこらの企業が養ってきた、資金援助をするから暴力団は大きくなってきた。建設業界についてもしかり、証券業界にしてもしかり、こういうことが言われてきているわけです。ここらにきちっとした歯どめをかけるべきではないのか。大臣いかがですか。
#119
○塩川国務大臣 私も、その考えに賛成であります。
#120
○小谷委員 まだちょっと時間があるようで、国庫補助負担金制度の改善についてでございますけれども、国庫補助負担率は平成五年度まで暫定措置として引き下げが行われるわけでございますが、いずれにしましても国から地方へ負担の転嫁をしてきたところであります。この措置は、本来昭和五十九年度ペースに復元することが当然でございますけれども、大臣、どのように認識していらっしゃいますか。
#121
○塩川国務大臣 当然我々としても早く復活を図るべきだと思って努力しておるところであります。
#122
○小谷委員 まず補助負担金制度の中で一番問題なのは、いまだに超過負担というのが残っているわけでございまして、特に今回さわられた国民健康保険事務費、これは被保険者一人当たり年額六千四百六円、これが要するに政令都市の実施見込み額、ところが今まで厚生省が見ておりましたこの補助基準額というのはわずか二千五百八十七円、六千四百円に二千五百円しか見ていない、あと全部これは超過負担ということで、市町村の国保の財源の厳しい中、大変な中、なおかつこのような超過負担をなされてきたということでございます。
 そこで、平成四年度から一般財源化として交付税で見ることになった、こういうことでございますが、超過負担は解消されることになりますか。
#123
○湯浅政府委員 平成四年度から国民健康保険の事務費のうちの人件費について、御指摘のように一般財源化をしたわけでございます。平成四年度につきましては、厚生省で予算要求をしておりました平成四年度の国費の相当額をベースにいたしまして、これをそっくり地方財政計画に計上したということでございまして、その間に実際の超過負担がどの程度あったかということにつきましては、正直に言いましてこの点の検討はしておりません。
 そこで、五年度以降におきましてこの経費が果たして妥当かどうかということを詰めたいと思っておりますが、標準的な団体、地方交付税における標準団体においてどの程度実態と乖離があるかということを捕捉いたしまして、この実態と措置との乖離が生じないように措置をしてまいりたいというふうに考えております。
#124
○小谷委員 超過負担の解消に努めてもらいたいと思います。
 以上で終わります。
#125
○中島委員長 吉井英勝君。
#126
○吉井(英)委員 いよいよ一日から暴力団対策新法が施行ということになりますが、昨年四月のこの法案を審議したときのこの委員会におきまして、きょう来ていただいております警察庁長官それから当時の吹田国家公安委員長の方から、暴力団新法をつくるに当たって、まず暴力団というのは壊滅させるんだ、資金源は断つんだ、これが基本的なスタンスなんだということを乱やまた同僚委員の質問に答えていただいておりますが、新しく国家公安委員長となられた塩川大臣の方に、この点についてのまず大臣の基本的なお考えを最初に伺っておきたいと思います。
#127
○塩川国務大臣 今回の暴力団対策法というのはまさに根絶をねらったものであると思っておりまして、その方向に向かって鋭意努力してまいります。
#128
○吉井(英)委員 それで、けさほど来議論もありましたように、せっかく新しい法律もっくって、そして本当に根絶をしようというときに、今回の東京佐川急便、佐川急便全体でそれが問題になるわけでありますが、特に東京佐川でありますが、暴力団の稲川会へ一千億円に上ると言われている資金が流れている問題、あるいは、京都の方の佐川会長自身が暴力団会津小鉄会ヘトータルで十五億円を超えるだろうと言われておったり、あるいは広大な土地を譲渡しておった問題とか、そういったことが伝えられております。
 きょうも他の委員の方からこれらについて質問がありまして、質問をやっておりますと捜査の具体的内容に触れることについてはということで、我々必ずしも司直の手にかかっている問題についてあれこれ議論しようというわけじゃなくて、これは佐川急便の今回の壊惑の全貌を、やはり国政の舞台で解明すべきことを聞きたいということなんですが、捜査の内容に触れることにはということでなかなかお答えいただきにくいわけでありますが、そこできょうは、私は答えていただきやすい形でいろいろきのうから工夫してみたのです。この解明を進める上で、まず佐川急便に警察庁の側に遠慮があるように思われることがあってはいけませんから、そこでそういう点でひとつ伺いたいのです。
 具体的に、既にマスコミ等でも紹介されております赤塚普和雄元警視監ですね。この方が一九八一年八月に警視監になられて、そして八二年に佐川急便へ総務部長として、ほどなく常務取締役として就職しておられるわけですね。それは、御本人のお話では、警察庁のあっせんといいますか、再就職の御紹介を得てということでありますが、これはどういう経過で警察庁の幹部の方が佐川急便に就職されることになったのか、ここのところから伺いたいと思います。
#129
○國松政府委員 突然のお尋ねでございますので、私詳しくは存じないわけでありますけれども、赤塚さんおやめになるといいましたときに、御縁があって東京佐川急便の方に就職をなさったということであろうと思います。
#130
○吉井(英)委員 渡辺広康社長から警察庁の方に推薦のお願いがあって、そして私は就職することになったんだ、これは御本人も語っておられるし、この話は随分前に報道されておりますので、それ以来当然警察庁の方でもどういう事情であったかということはつかんでいらっしゃると思うのです。
 そうすると、御縁はあったにしても、本人が行かれるときにどういう判断で警察庁の方としては推薦をされたのか、あるいは御相談を受けたときにどういう判断で、どうぞ行きなさい、こういうふうな判断を下されたのか、そこのところを少し伺いたいと思います。
#131
○國松政府委員 東京佐川急便というのは一般の交通と申しますか運輸事業をやっているわけでございますので、その安全対策というのは大変に重要なことになるわけでありますが、そういったものにつきまして赤塚さんのそれまでの御経験を生かすというようなことであったように私は伺っております。
#132
○吉井(英)委員 交通事故をなくすので交通事故の非常に多い企業に入る、こういう論法でいきますと、若干飛躍はありますけれども、じゃ暴力団が暴力を使うのをやめさせるために山口組へ再就職はどうか、こういうことになってしまいますので、私はもちろんそんな飛躍した議論をするわけじゃありませんが、特に当時の状況というのは、これは佐川清会長が懲役二年の大阪地裁での判決を受けたほどない後ですね。一九七九年一月二十四日です。それから渡辺広康社長、これは一九七八年十一月二十七日ですか、今度は東京地裁の方で懲役一年六カ月。こういう会長、社長がそろって懲役刑も受けている企業であり、そして交通事故は赤塚さんの話によりますと当時年間五百八十一件ですか、物すごく事故が多い。そして労基法違反から路線免許違反その他の問題については、これは既に随分参議院の委員会などでも議論されているものです。交通事故でも大変だということで九州管区の警察の方で捜査に入られたりとか、そういうふうな業者であったわけでありますし、また、会津小鉄会との関係というのはかなり久しい以前から、我々みたいな余り暴力団のことはよく知らない人間でも耳に入っていたわけでありますが、そういうところへ、赤塚さんのお話からすると、渡辺社長から警察庁へお話があって、その推薦を得て就職したんだ、こういうことであります。
 私は、こういうふうなところへの就職を推薦することもいかがなものかと思いますし、御本人がもしそれに行くとなれば、当然再就職については皆人事の方てっかん一でいらっしゃるわけですから、それは少しぐあいが悪いんじゃないですかと申し上げられたんじゃないかと思うのですが、その点はいかがなんでしょうか。
#133
○國松政府委員 私ども当時の詳しい事情を聞いておるわけではございませんが、先ほどもお答えいたしましたように、いろんな事情がございましょうけれども御縁があって赤塚さんの御意思で御就職になったということであろうと思います。
#134
○吉井(英)委員 御本人は、警察庁を通じて渡辺前社長の強い働きがあったから私は入ったのですと言っておられるわけです。
 なお今の点に関しては、これは少し以前のものですが、群馬県での一九八九年十月の判決の中でもこういうことが触れられていますね。昭和五十三年当時、警察職員には定年制がなかったため、群馬県警では全国の他の警察同様、人事の停滞防止、新規採用の維持などのため、退職を勧奨して再就職のあっせんをするのが慣例になっており、とりわけ所属長クラスの就職については特に人事のローテーションを考えながら、再就職のあっせんを県警の警務部長、課長らの方でやってきた。つまり再就職について全国の県と横並びにやったというのですが、県の警察の幹部の方だったらこれは県警の方でお世話をされる、警視監とか警視総監とかそういうクラスの方になるとこれは警察庁の方で再就職をお世話される、こういうふうに伺っているわけなんです。そうすると、たまたま個人のあれで行かれたんでしょうということでは済まないんじゃないかと思うのです。
 ですから、その点で私が特に聞きたいのは、やはりこういうときにちゃんとした物差しなり基準を持っておって、推薦するに当たっても、それは何ぼ何でも会長や社長がついせんだって懲役刑二年だ一年半だと下っているところ、とりわけ警察が指導している真っ最中に余りにも交通事故がひど過ぎる、そういうところへ行ってもらってはちょっとぐあいが悪いよ、だからこれは御紹介できませんとか、あるいは御本人が行きたいと言ったときに、それはちょっと警察庁の立場もあるから考えてくれよ、私はそういうことになるのが普通じゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
#135
○國松政府委員 もちろん私ども警察庁としていろいろとOBの方を紹介するということはあるわけであります。私どもなりにきちっとした物差しを持って、自信を持ってお薦めすべきはお薦めする、あとは御本人の御意思ということでやっておるところでございます。
#136
○吉井(英)委員 そうすると、きちっとした物差しでお薦めになったときに、この佐川急便は物差しに合っていたわけなんですか。
#137
○國松政府委員 赤塚さんの場合には合っていたから御就職になったんだろうというように思います。
#138
○吉井(英)委員 あなたの前任の方がやっておられたのでそういうことになるかもしれないですが、しかしやはり役所の機構としてはそれではぐあいが悪いと思うのです。
 この機会に伺っておきたいのですが、佐川急便に就職された警察の方というのは何人ぐらいおられるのですか。
#139
○國松政府委員 突然のお尋ねでございますので、手元に一切そういう資料は持ってきておりません。
#140
○吉井(英)委員 実は一九八七年の十月三十日に、これは中京佐川、名古屋ですね、ここの支店長らが暴力団幹部から入手した覚せい剤を回し打ちしていたということがわかって愛知県警保安課などに四人が逮捕されているわけですね。そこで特にこの逮捕される過程で、朝六時半ごろから仕事について夜の十一時、十二時ごろまで働く、そんな時間に家に帰るという状態で、疲れが激しいので覚せい剤を打って元気づけないと仕事にならなかった、そういうことで交通事故等が多いということになってまいりまして、そこで佐川グループ内の警察幹部OBを集めた全国参与会議が、事件が報道されてから三日後の十一月二日に清和商事で開かれて、対策を検討したということになっているわけであります。本当に佐川というのは覚せい剤を打たないと仕事もできないぐらい非常に激しいものだということは、これは佐川の方の話にも出てまいりますが、既に国会の中でもそういう議論がこれまでもありました。
 そこで私は、そういうふうに紹介されているように、佐川の中でもOB出身の方の全国参与会議というのが何か時に持たれたりするようでありますから、この機会に佐川の問題について解明を進めていきたいと思いますので、今お手持ちでないのは結構でありますから、これは何人、そしてどういう方が、退職されるときの役職はどういうところであったのかを含めた資料、リストを御提出いただきたいと思うのですが、これはいいでしょうか。
#141
○國松政府委員 突然のお尋ねで、そういう資料があるかどうか私ども存じませんし、相願わくは、そういう御質問の場合には事前に言っておいていただきますれば、あるなし、お答えできるものはできる、できないものはできないということが言えるわけでございますが、突然のお尋ねで当惑するばかりでございます。
#142
○吉井(英)委員 いや、それは今直ちにまとまったものがなければ、後ほど整理してつくって出していただければ結構です。
 なお、この赤塚さんが常務在任中、昨年の夏ですか、渡辺さんと一緒に首ということになったようでありますが、その時期にまさに警察庁の方で調べていらっしゃったウエスト通商絡みの問題とか、あるいは岩間カントリークラブの買い取りをめぐる問題、そしてこの岩間カントリークラブでの会員資格保証金預かり証八十億円を佐川が引き受けた問題とか、あるいは東急電鉄株買い入れや、また仕手戦に参加した問題、北東開発や北洋産業への融資の問題とか、あるいは債務保証の問題とか、その中には、既に伝えられておりますように、有印私文書偽造に係るものもあれば、それに当たらないようなもの、つまり取締役会として責任のかかってくるものもあると思いますね。
 そうなりますと、これは商法の各規定に関係してくるものでありますが、そういう東京佐川の取り調べの中で、まずこういう商法の上から赤塚さんにも責任がかかるようなものになれば、当然赤塚さんに対しても事情をお聞きになるということが必要だったと思いますが、この事情は聞いていらっしゃいますか。
#143
○國松政府委員 現在警視庁において取り調べ中の事件でございますので、だれを尋ねたとか事情聴取したというようなことにつきましては、答弁を差し控えさせていただきます。
#144
○吉井(英)委員 聞きたいところになると大体取り調べ中ということでなかなかお話しいただけないので、私も質問苦労しているわけです。
 そこで、時間も大体参りましたので、やはり佐川急便の問題については、法律とか通達をゆがめて、そして急成長していったというこういう問題ですね。だから、そこには佐川と行政との関係で国民の疑惑の目が向いているところ、それから佐川と暴力団の問題、これも大きな疑惑を呼んでいるわけです。それからもう一つ、佐川と政治家の問題。そして私は、そういう中で今捜査に当たってもらっている警察庁の方で、佐川と警察との間でいささかなりとも癒着と見られるようなことがあってはならないということで、私はこの点では疑って物を言うということできょう局長に言っておったわけじゃありませんから。まさにこれは解明しなきゃいけない、そういうことで私は今言っているわけです。
 そこでまず、そういう点では再就職問題について、この際もう少しきっちりした対応策を、これは私は警察庁長官の方に。私はなぜこういう問題を今回出したかというと、やはり従来から各省庁で皆天下り問題がいっぱい問題になっているわけですよ。ところが、一向に改められていないですよ。今も問題になっています。特に今回の佐川急便の問題については、赤塚さんの個人の問題で、あれは個人的に行ったんだろう、そんなことでは済まないということは既に先ほど来の御答弁を聞いていても特に痛感しているわけです。私はこの点では、今後の警察庁の幹部の皆さんの再就職問題についてのきっちりした対応をどう進めるかということについては、これは警察庁長官の方から伺っておきたいと思います。
 それからもう一つは、司直の手とは別にやはり国会としての解明というものを佐川急便全貌についてやらなきゃいけないので、私は、その司直の手にかかっている部分についてまでその捜査の内容をどうこうは言っているわけじゃないのです。しかし、この問題の解明についてはやはり大臣としても相当な決意を持って、内閣の一員として取り組んでもらいたい。そうでないと国民に大きな癒着と見られているようなこういう事態とかこういう疑惑、これは晴らすことができない。この点では大臣の決意のほどを伺いまして、そしてなお、これは委員長、今は佐川に就職された警官の方のリストはまだ整っていないにしても、これは整理をしてぜひ提出をしてもらえるように委員長の方からもお取り計らいをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#145
○鈴木(良)政府委員 職員の再就職問題につきましては、これまでも疑惑を招かないようにきちっとした調査をしながら進めてまいりましたけれども、今後ともそういう点を十分注意してやってまいりたいと思います。
#146
○塩川国務大臣 この一連の不祥事件等に関しましては、国会としても、さらにまた我々国家公安委員会といたしましても、究明に厳正に臨んでいきたいと思っております。これによって本当に一生懸命やっておられる政治家の多くの方々がダメージを受けておるということは、私は本当に見るに忍びないような感じがいたします。したがって、これは一層厳重にやっていきたいと思っております。
#147
○吉井(英)委員 終わります。
#148
○中島委員長 神田原君。
#149
○神田委員 まず、地方交付税の総額の特例措置についてお伺いをいたします。
 九二年度の地方交付税交付金は、地方公共団体の強い要望にもかかわらず、九一年度の五千億に引き続き八千五百億円の減額で決着をしています。この措置は地方公共団体に大きな影響を与えるばかりでなく、地方の自主性、独自性を妨げ、地方自治の発展を阻害するものであると考えております。今後地方交付税の圧縮はするべきではないと考え、当然また交付税率の引き下げなどは断固として認められないものというふうに考えますが、大臣の御所見をお聞きします。
#150
○塩川国務大臣 おっしゃるとおり減額措置をいたしましたことは、私としても非常に残念に思っております。貴重な地方の固有の財源でございますものを国の財源に貸し付けるということは私たちのために残念でございますけれども、しかし国も地方も同じくうまく運営を図っていきたいという、その点から見ましてやむを得ざるものであったと思ってはおりますが、今後こういうようなことを積み重ねることのないように、お互いに十分に措置をした上で臨んでいきたいと思っております。
#151
○神田委員 次に、地方税制改正案、特に固定資産税の評価がえについてお伺いをいたします。
 平成六年度の固定資産税の評価がえにおきましては、地価公示価格の七割程度を目標に宅地の評価の均衡化、適正化を推進をする、また、実施に伴う具体的な対応措置については平成五年度税制改正において検討する、こういうふうにされております。しかし、これは本当に実行できるのかどうかという懸念を抱いております。
 現行の公示地価は全国約一万七千ポイント、来年度は約二万五百ポイントの調査によりまして行っておりますが、平成六年度の評価がえに当たりましては、全国約四十万の固定資産税の評価の標準地のうち、公示地価ポイントと国土法に基づく都道府県地価調査の約二万六千ポイントの合計を除く三十五万以上のポイントにつき、不動産鑑定士に評価を依頼し、公示地価と同じ同水準の価額を算定するということになっておりますが、こうした事務的手続は過度の負担を招くのではないか、こういうように考えております。
 それ以上に問題となりますのは、小規模住宅居住者等の急激は負担上昇を防ぐ適切な緩和措置が行い得るかということであります。これが行えなければ固定資産税はまさに追い出し税ということになってしまうのは確実でありまして、投資目的ではない居住用住宅、土地には思い切った負担緩和措置をとるべきだと考えておりますが、いかがでありますか。
 また、公示価格に対する評価額の割合とその地方公共団体の財政力とは密接な関係がありますが、評価割合を一律七〇%に引き上げることは市町村間の財政の格差の拡大につながるおそれがあると考えますが、いかがでありますか。
#152
○杉原政府委員 幾つかお尋ねがございました。
 まず第一点は、地価公示の七割程度を目途に平成六年度評価がえをしようと言っているんだけれども、本当に実行できるのか、負担の面あるいは事務手続の面からの御懸念かと思います。
 この平成六年度の評価がえにおきまして評価の均衡化、適正化を図ろうといたしました最大の目的は、現在の固定資産の評価が市町村によりまして余りにもばらつきがございます。一部を除きましてまたその水準が極めて低い、こういうことがございますことに対しまして、固定資産税の評価もいわば公的な評価でございますので、公的な評価制度そのものに対する国民のやはり不信というものがかなり増幅している、これが土地対策上もいろいろな難点になっているというようなことがあったと思います。評価に対します不信はひいてはやはり固定資産税そのものに対する不信ということになってまいりますと、市町村の住民税と並びます最大の根幹税制であります固定資産税そのものが揺らぐということになりましては大変なことだろうと思っています。したがいまして、まずその固定資産税の評価、それによりまして固定資産税そのものに対します住民の信頼を確保する、それによって固定資産税制といったものをしっかりしたものにしていきたい、これが最大のねらいでございまして、増税あるいは増収といったものをねらったものではないわけでございます。そういったことで、平成六年度地価公示といったものを物差しにいたしまして、七割程度に評価をしつつ均衡化、適正化を図るという方針を立てたわけでございますが、昨年来、地方団体とも十分な意見交換を交わしてまいりました。地方団体の方からも、ぜひ全国一律にやってくれといった要望もございまして、そういった点を踏まえまして、このような基本方針を立てたわけでございます。
 それと、先ほど少し御懸念がございましたように、評価そのものを均衡化、適正化するということ自身が眼目でございますので、増税、増収をねらったものではございませんが、この評価の均衡化、適正化に伴いまして税負担が急激に変動するといったことになりますと、大変住民が不安感を持ちます、納税者が不安を持ちます。そしてまた、それが市町村の当局といたしましても不安感となってきまして、評価そのものにつきまして本当に均衡化、適正化が図れるだろうかという心配がございますので、これにつきましては、まさに当委員会の特別決議もございましたように、税負担につきましては徹底的ないわば配慮を加えるといったことをいたしまして、決して急激な税負担増といったような不安を抱かないような形をとりたいと思っておりますし、また、その方針で地方団体とも十分相談してまいってきておりますので、その面からの不安はないものと思っております。今後とも、十分市町村とも意見交換を行いながら進めてまいりたいと思っておりますので、評価の均衡化、適正化といったものは十分達成可能であろうと思っております。
 それからいま一つ、事務的な手続の面で大変ではないだろうか、こういうお尋ねがございました。
 地価公示の七割程度といいましても、まさに御指摘ございましたように、地価公示地点数は現在一万七千点ほどしかございません。そのほかに都道府県の地価調査などが二万三千点くらいございますので、こういった面ももちろん活用いたしますけれども、さらに標準地、全部で四十万点ぐらいございますので、足らざる部分は市町村におきまして鑑定評価を求めてまいる必要があるわけでございます。また、ぜひそうしていただきたいということで指導しておりますけれども、従来の評価がえ作業におきましても、市町村といたしましては、精通者価格といった形で不動産鑑定士を初めといたします精通者に評定を求めてきたということもございます。また、今後、都道府県の段階で、鑑定評価導入に際しまして、この鑑定士の方々の地域分担でありますとか作業スケジュールなどにつきましても十分調整を行いながら、いわば組織的、計画的な取り組みをしてまいりたい、かように考えております。執行体制の充実強化についても、地方団体にお願いしているところでございます。若干事務手続が増加することはあると思われますけれども、過度なものというふうにはならないものと考えております。
 それから、負担の関係で、特に小規模住宅用地を例におとりになりまして、負担緩和措置をとるべきである、こういう御意見がございました。
 現在も、固定資産税におきまして、住宅用地につきまして二分の一でありますとか四分の一でありますとかいった特例措置を講じておりますし、上物の新築住宅につきましても、一定の条件のもとに二分の一軽減といったような措置を講じております。先ほど申しましたように、六年度の評価がえの結果、それが直接、税負担にはね返って大変な税負担の激変ということになりましてはこれは大変なことでございますので、まさに当委員会の特別決議もございますし、税制調査会の答申にも触れておられますように、住宅用地を中心にいたしまして、軽減措置のさらなる拡充といったものを今後十分検討してまいりたい、かように考えております。
 ただ、評価がえが実際にスタートいたしますのはことしの七月一日の地価調査をいわば待ちましてからでございますので、たまたま現在、大都市を中心にしまして実勢価格が下がりつつあるような報告も受けておりますけれども、本当にこの評価がえの結果、どの程度一体評価上昇になるのかということをよく踏まえまして、それによりまして具体的な負担の調整措置といったことを、十分また各方面の御意見もお伺いしながら、検討してまいりたいと思っております。
 したがいまして、この評価がえの結果、ちょっと御指摘ございましたように、市町村間に大変財政格差が拡大するのではないだろうか、こういう御懸念がございましたが、まだ具体的な内容が現在未定でございますので、現時点で税収の偏在がより拡大するかどうか定かではございません。ございませんが、いずれにいたしましても、そういったさらなるいわば財政格差といいますか、それが拡充するといったことのありませんように、そういった点にも十分配慮しながら、負担の調整措置につきまして今後適切な対応をしてまいりたい、かように考えております。
#153
○神田委員 次に、暴力団新法の関係でお伺いをいたします。
 暴力団新法の施行を目前に控えまして、暴力団が株式会社、各種団体へと名称を変更するケースが目立っておりますが、これらの偽装工作に対しましてどういう対応をしているのか、お聞かせをいただきます。
#154
○國松政府委員 確かに最近、御指摘のような動きがあるわけでございます。特に山口組につきましては、会社設立というような動きが大変顕著でございます。私どもといたしましては、その暴力団の政治団体の届け出であるとか会社設立の動きにつきまして、その実態をよく見まして、その実態を検証いたしまして、その結果、当該暴力団が暴力団としての実態を依然として備えておるというようなことであれば、法の指定要件を充足しているということで、当然に指定の対象にしてまいりたいというように思っております。
 いずれにいたしましても、今後も続くでありましょう暴力団の指定逃れの動きに対しましては十分な注意を払いまして、その活動実態を十分に把握した上で適切に対処してまいりたい、かように考えております。
#155
○神田委員 さらに、佐川問題などにクローズアップされておりますように、暴力団が実質的経営を行いながらも表面は合法的企業である、いわゆる企業舎弟が、一般企業とかかわりを持って資金を集める、こういう暴力団の経営活動への進出も激しくなっております。これに対しましても毅然とした対策が必要だと思いますが、具体策はどういうふうなことになっておりますか。
#156
○國松政府委員 暴力団が関連会社等を設立をいたしまして、一般企業との取引等を通じて資金源活動を行う実態があるということは承知をいたしております。
 こうした活動において、その関連会社等の役職員が指定暴力団の暴力団員であるというような場合は、それらの者が、資金の獲得または運用の過程において、指定暴力団の威力を背景として暴力的要求行為を行えば、暴力団対策法による規制の対象となってまいると思います。また、その役職員が指定暴力団の暴力団員でない場合におきましても、暴力団対策法第十条は暴力的要求行為の要求等の禁止を規定していることから、その事業活動に関して指定暴力団員に暴力的要求行為を依頼するなどの行為をとれば、同法の規制の適用を受けることになってまいります。
 いずれにいたしましても、暴力団がその経営に深く関与している会社等が暴力団の資金源を得るために経済活動に進出する実態はまことに遺憾であると考えておりますので、警察といたしましては、その実態を十分に把握した上で、暴力団対策法の今申しましたような適切な運用を図るとともに、ほかのあらゆる法令を活用いたしまして、経済取引への介入過程における違法行為の取り締まりを徹底してまいりたいと考えております。
#157
○神田委員 次に、暴力団新法の施行を控えまして、また、行政と市民運動による暴力団追放の高まりの中で、小勢力では資金源を断たれ、生き残ることが困難であるということで、広域暴力団の組織拡張運動を要すとしまして、暴力団の淘汰と再編が進行し、重点対策三団体が全暴力団員数の五〇%余りを占めるという状況になってきております。このような暴力団の広域化の傾向が強まっておりますが、対策はどのようになっておりますか。
#158
○國松政府委員 御指摘のような傾向があるということでございます。こうした強大な勢力を擁する暴力団の威力を除去いたしまして、寡占化状態を解体するということが当面の最重要課題であると考え、そこから暴力団対策法が生まれてきたというように言えるのではないかというように考えるところでございまして、暴力団対策法による暴力団の指定につきましては、こうした強大な勢力を持ちます三団体を中心に最重点として指定を行い、規制を強めてまいるつもりでございます。また、暴力団取り締まりの全般にわたりましても、広域化の傾向を強める暴力団犯罪に対処するため、各都道府県警察の連携をより緊密に行いまして、こうした広域暴力団の弱体化に重点を置いて徹底した検挙措置を講じてまいる考えでございます。
#159
○神田委員 最後に暴力団の指定についてでありますが、拡大解釈をしますと、結社の自由を侵害し、合法的な活動を行っている政治団体等に規制が及ぶ可能性もある、この点につきましては慎重な運用が必要と考えられますが、どのようにお考えでありますか。
#160
○國松政府委員 暴力団対策法は、暴力団に特有の性格である威力を利用しての資金獲得活動を行っていることなどを暴力団指定のための要件といたしておりまして、暴力団以外の団体が指定の対象になることはあり得ない仕組みとなっております。また、指定に際しましては、国家公安委員会が民間の有識者から成る審査専門委員の客観的かつ公平な意見に基づいて確認を行うなど、民主的で厳格な手続を定めているところであります。
 なお、結社の自由と暴力団の指定の関係につきましては、指定暴力団の指定が犯罪助長の反社会的団体を対象として行われるものであるとはいえ、これによってその暴力団に何ら具体的な規制がかかるわけではなく、規制を受けるのは、あくまでも指定された団体の構成員が暴力団の威力を示して行う暴力的要求行為でありまして、国民の自由や財産権を侵害する行為であることから、何ら結社の自由を侵すものではないと考えております。もちろん本法成立の際の当委員会の附帯決議を踏まえまして、同法の運用に当たりましては、国民の人権の侵害、事業者の営業の自由を損ねないよう特別の配慮を払うとともに、職権の乱用のないよう、十分その留意をしていく所存でございます。
#161
○神田委員 終わります。
#162
○中島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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