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1992/05/12 第123回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第8号
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1992/05/12 第123回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第123回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第123回国会 地方行政委員会 第8号
平成四年五月十二日(火曜日)
    午前九時四十分開議
出席委員
  委員長 中島  衛君
   理事 岡島 正之君 理事 小坂 憲次君
   理事 福永 信彦君 理事 古屋 圭司君
   理事 増田 敏男君 理事 谷村 啓介君
   理事 中沢 健次君 理事 小谷 輝二君
      井奥 貞雄君    岩屋  毅君
      狩野  勝君    佐藤謙一郎君
      田邉 國男君    谷  洋一君
      西田  司君    野中 広務君
      星野 行男君    森田  一君
      渡瀬 憲明君    遠藤  登君
      小川  信君    北川 昌典君
      北沢 清功君    小林  守君
      山口 鶴男君    山口那津男君
      吉井 光照君    吉井 英勝君
      高木 義明君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 塩川正十郎君
 出席政府委員
        北方対策本部審
        議官      麻植  貢君
        大蔵省主計局次
        長       田波 耕治君
        自治政務次官  穂積 良行君
        自治大臣官房長 森  繁一君
        自治大臣官房総
        務審議官    滝   実君
        自治大臣官房審
        議官      遠藤 安彦君
        自治大臣官房審
        議官      石川 嘉延君
        自治省行政局長 紀内 隆宏君
        自治省行政局公
        務員部長    秋本 敏文君
        自治省行政局選
        挙部長     吉田 弘正君
        自治省財政局長 湯浅 利夫君
        自治省税務局長 杉原 正純君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    井澤 俊正君
        国土庁地方振興
        局総務課長   斉藤 恒孝君
        外務省欧亜局ロ
        シア課長    小町 恭士君
        大蔵省主計局主
        計官      原口 恒和君
        文部大臣官房審
        議官      岡村  豊君
        文部省生涯学習
        局社会教育課長 鬼島 康宏君
        文部省初等中等
        教育局特殊教育
        課長      霜鳥 秋則君
        文部省高等教育
        局医学教育課長 喜多 祥旁君
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 吉澤富士夫君
        厚生大臣官房厚
        生科学課長   松田  朗君
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部老
        人福祉計画課長 中村 秀一君
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部老
        人福祉振興課長 大田  晋君
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部老
        人保健課長   伊藤 雅治君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 辻  哲夫君
        運輸省運輸政策
        局観光部旅行業
        課長      梅田 春実君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     西岡 武夫君
同日
 辞任         補欠選任
  西岡 武夫君     井奥 貞雄君
五月十二日
 辞任         補欠選任
  石橋 一弥君     狩野  勝君
  中谷  元君     岩屋  毅君
  野中 広務君     星野 行男君
  森  喜朗君     佐藤謙一郎君
  神田  厚君     高木 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  岩屋  毅君     中谷  元君
  狩野  勝君     石橋 一弥君
  佐藤謙一郎君     森  喜朗君
  星野 行男君     野中 広務君
  高木 義明君     神田  厚君
    ―――――――――――――
四月二十四日
 道路交通の安全と輸送円滑化に関する請願(赤
 松広隆君紹介)(第一七九九号)
 同(上田利正君紹介)(第一八〇〇号)
 同(緒方克陽君紹介)(第一八〇一号)
 同(小林恒人君紹介)(第一八〇二号)
 同(左近正男君紹介)(第一八〇三号)
 同(関山信之君紹介)(第一八〇四号)
 同(常松裕志君紹介)(第一八〇五号)
 同(細川律夫君紹介)(第一八〇六号)
 同(山中末治君紹介)(第一八〇七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二五号)
 地方財政の充実強化に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。遠藤登君。
#3
○遠藤(登)委員 まず、特に地方にあっては、国民健康保険制度の問題でありますが、御案内のように大変な過疎あるいは人口の減少、高齢化等が加速に加速を重ねているという状況にありますが、そういう状況の中で国保税関係の財政は極めて厳しい状況にあるわけであります。当局におかれましては、それぞれの対応を重ねられてきているのでありますが、それでも今日大変な状況にある。その実態、あるいは最近の国保財政がどのような状況に推移されているかというような点についてお聞かせをいただきたい。
#4
○湯浅政府委員 国保財政の状況でございますけれども、平成二年度の決算で自治省で調査したところでは、財源補てん的な一般会計からの繰り出し金というようなものを調整いたしました再差し引きの収支で見ますと、全体で五百八十五億円の赤字となっております。赤字団体が五百二十二団体、赤字団体だけの赤字額で申し上げますと二千四百六十二億円という巨額に上っておるところでございます。昨年、前年度に比べますとこの赤字額は二百五十八億円減少いたしましたし、あるい
は赤字団体数も百団体ほど減少しているということでございますけれども、やはり国保財政は引き続いて厳しい財政運営を余儀なくされているのではないかというふうに考えております。
 それから、国保会計に対する一般会計からの繰り出し金、このうち本来制度的に出さなければならないものを除きましたいわゆる財源補てん的な繰り出し金の状況は、三千二百三十九億円に上っておりまして、前年度に比べて二百三十億円の増加となっているところでございます。
#5
○遠藤(登)委員 次に、国保関係は本来、国民の保険料負担それから国費で賄う、そして国の責任で財政運営が行われるということが建前とされてきているわけでありますが、今回国保関係の国庫負担金を一般財源として対応した、そして地方負担に転嫁をしたという、その理由についてお聞かせをいただきたい。
#6
○湯浅政府委員 国庫補助負担金の問題につきましては、かねてから、地方の事務に同化定着しているものについては地方団体の自主性を高めるという観点から一般財源化していく方がいいという考え方で、これまでも関係省庁と話し合いをしてきているところでございます。
 この中で、平成四年度の地財対策を検討するに当たりまして、国保につきまして、国費の国保のうちの事務費の負担金、このうちの人件費相当分について一般財源化をしたいということでございます。既にこの国保事務というものが市町村の事務として同化定着していることは申すまでもございませんし、特に人件費の補助というものにつきましては、臨調あるいは行革審の答申でございますとか、あるいは地方制度調査会の答申とか、地方財政審議会の御意見の中でも指摘されておりますように、人件費の補助というものはできるだけ一般財源化していった方がいいのではないかという御意見もございまして、今回、国保の事務費のうちの人件費相当分につきまして一般財源化を図ったものでございます。こういうことを踏まえて、地方の自主性、自律性というものを今後とも高めていくべきではないかと思っているところでございます。
 また、国保の事務費の人件費以外に、助産費補助金も一般財源化いたしました。この助産費補助金につきましては、既に全市町村が助産費の支給をやっておりますし、そういう意味で市町村の事務として定着化しているということもございましたので、これを一般財源化することにいたしました。と同時に、この支給基準が、従来の基準が非常に低かったものでございますので、これを他の保険と同じくらいの支給基準に引き上げるということをいたしました上で、さらに国保で負担する部分をなるべく少なくする、こういうようなものも含めて措置を議したところでございまして、今回国保につきましては、この事務費のうちの人件費部分と助産費補助金につきまして一般財源化したものでございます。
 この財源につきましては、地方団体の財政運営に支障の生じないように所要額を地方財政計画に計上いたしまして、これを交付税の基準財政需要額に算入をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
#7
○遠藤(登)委員 交付税措置などによって地方の負担にならないような配慮をされている、こういう状況でありますので、そういう地方財政が過重な負担にならないような配慮をぜひお願いをしたい。
 次に、いろいろ長期にわたって問題とされてきた助産費の支給額の改善の問題でありますが、これもいろいろな経過を経ながら再三指摘されてきておりますが、最近とにかく出産率の低下が大問題になっている。これは国の将来を左右する重大な問題だというふうに問われている問題でありますが、国保関係において助産費の支給基準が大幅に改善をされたとただいまお話ありましたが、他の保険も引き上げられたわけでありますが、他の保険並みに改善をされたということについて高く評価をしたいわけでおりますが、その内容等について少し具体的にお示しをいただきたい。
#8
○湯浅政府委員 先ほども申し上げましたとおり、助産費補助金、国の補助金につきましては今回の地方財政対策によりまして一般財源化をしたところでございます。この補助金が、既に全市町村で助産費補助金、助産費の支給を行っているということで、市町村の事務として定着しているということを踏まえましてこれを一般財源化したわけでございますが、それにいたしましても、ただいま御指摘のように国保の助産費につきましては、従来支給基準が非常に低うございましたので、これを一般財源化するときにあわせまして改善をしたいということで、支給基準額は従来十三万円でございましたけれども、これを他の医療保険と同水準の二十四万円までに引き上げたいということが一点でございます。
 それから、この引き上げに当たりまして国保会計の実質負担がふえないように、保険料で負担する割合、これは従来三分の二を保険料で負担していたわけでございますけれども、この割合を三分の一に引き下げる、こういう措置を講じました。これによりまして三百二十億円の所要額が必要でございましたけれども、これを平成四年度の地方財政計画に計上いたしまして交付税の基準財政需要額に算入することにしているところでございます。
#9
○遠藤(登)委員 とにかく子供の出生率を高める、安心して子供を産める環境、それから安心して子供を育てる環境、あるいは安心して教育される環境、あるいはそれぞれが安心して生活できる環境をいかにつくるかということが問われているのではないだろうか。これは総合的な分野で言えるわけでありますが、十分な対応を求めたいというふうに思います。今回の大幅改善については高く評価をしたいというふうに思います。
 次に、国保財政の安定化支援事業が創設をされて地財計画に一千億を計上されているということであります。この内容についてお示しをいただきたい。
#10
○湯浅政府委員 平成四年度の地方財政計画におきまして、今回新たに国保財政安定化支援事業という項目を起こしまして、約一千億円の経費を一般会計から国保会計に繰り出す措置を新しく計上いたしております。
 この問題につきましてはかねてから、先ほどからも御指摘のように、この国保会計というものが非常に困難な状況に陥っておりまして多額の繰り出し金を余儀なくされておりまして、これが制度的なものではないというだけに市町村財政に非常に圧迫をしているという問題がございます。さらに、地域間の保険料負担につきましてもかなり格差があるというようなこともございまして、やはり地方財政の立場からも一定の支援措置を講ずるべきではないかということで、基本的には国保というものは国費と保険料で賄うという基本原則というもの、この基本原則は基本原則として今後も踏襲すべきではございますけれども、その基本原則を踏まえながら、例えば保険者である市町村の責めに帰することができない各種の事情によってどうしても国保財政がうまく運営できないという面に着目いたしまして、一定の財政支援を地方財政から行ったらどうだろうか、こういう考え方でございます。
 具体的には、被保険者が低所得者層が非常に多い市町村がございます。こういう地域につきましては保険料負担能力が非常に乏しいという問題もございます。これはやはり保険者である市町村が努力をしてもどうにもならない問題である。あるいは、その市町村において病床数が他の市町村に比べて非常に多いというような場合がございますが、こういう場合にはどうしても医療の給付費がかさんでくるという問題もございますので、こういう点に着目をいたしまして、一定の客観的な指標を用いまして地方の一般会計から国保会計に繰り出す仕組みというものを考えたわけでございます。そういう仕組みというものを考えた上で、その所要額を地方交付税の基準財政需要額に算入する、こういうことにしたわけでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたとおり、この支
援措置というものはあくまでも、何と申しますか、地方財政の立場からやむを得ざる措置としてやっているものでございまして、国保財政というものはやはり基本的には国の責任によって運営すべきものである。また、医療費の適正化の問題でございますとか、あるいはほかの医療保険との給付と負担の均衡の問題とか、いろいろな問題がこの国保問題には基本的な問題として横たわっているわけでございまして、こういう問題についてはやはり引き続いて国において検討していただいて、改善をしていただかなければならないというふうに考えているわけでございまして、その基本的な問題の解決までの間、地方財政でやむを得ざる点について一定の支援措置を講じなければならないだろう、こういう趣旨で行ったものでございます。
#11
○遠藤(登)委員 その理由はわかるわけでありますが、例えば負担格差の問題にしましても、保険料負担の格差が約七倍もある、それがさらに拡大をするというような状況があったり、大変な状況にあるわけであります。過疎あるいは当初申し上げましたように人口の減少や高齢化などによって、市町村、特に町村によっては、地方によっては大変な状況にある。
 国保の財政運営、そういう意味から理解をされるわけでありますが、また一面、実態を踏まえて、場合によったら町村だけではもう国保財政はやれないという村や町も出てきているのではないか。そういう意味では一面、広域的な部分とか、大体都道府県単位ぐらいに財政調整をする必要があるのではないだろうか。その財政につきましても、国がきちっと財政的な配慮をして各都道府県内の国保財政を調整していくということが必要なのではないか、あるいは国の段階でも各県の状況を全国的な状況に立って、もちろん財政調整は不可欠な課題だと思いますが、国の責任において、そういうことも検討する必要があるのではないかというふうに思うのでありますが、これは自治省なり厚生省の見解などもお聞かせをいただきたい。
#12
○湯浅政府委員 ただいま御指摘のように、国保の財政運営を行うに当たりまして一番大きな問題と考えられますのは、今御指摘のような保険料負担の格差が非常に大きい、こういう点があることは私どもも十分承知しているわけでございます。
 これは、市町村単位にこの国保制度というものが運用されているということから、やはり市町村ごとに医療費の状況が違うという点がございますし、ただいま御指摘のような被保険者の高齢化の状況とか、あるいは所得の状況、あるいは資産の状況というものが大幅に違ってくるというようなことでこの保険料の格差というものが生まれてくるのではないかと思うわけでございます。
 こういう極端な保険料の格差というものは、地域地域の保険の状況というものを考えた場合ある程度はやむを得ないかもしれませんが、極端に負担の格差が出てくるということは、これはやはりいろいろな点で問題が出てくる。特に今後医療保険を一元化していこうということを方向として考えられているとするならば、やはり保険料というものもだんだんと平準化していくべきではないか、こういうふうに考えるわけでございます。
 そういう点で今回の一千億の支援事業も行ったところでございますけれども、今御指摘の国保というものを都道府県段階で実施したらどうかという問題とか、あるいは都道府県段階でもう少し財政調整をしていったらどうだろうか、あるいは国庫負担のあり方というものをもう少し検討すべきではないか、いろいろな問題が確かにあろうかと思います。これはやはり今後の課題として引き続いて検討していくべき問題であろうかと思いますし、伺うところによりますと、今回厚生省におきましても、健康保険法などの改正によりまして社会保険審議会を医療保険審議会に改組いたしまして、そして、従来国保制度について審議会の御審議という場がなかったようでございますが、今回は国保その他の医療保険を含めました問題全般について医療保険審議会で御審議をいただくというようなお話も伺っておりますので、そういう場をかりて医療保険全体の問題を幅広く総合的に検討していただくということを私どもとしても期待をしているところでございます。
#13
○辻説明員 厚生省としてお答えいたします。
 御指摘のように医療費の水準の格差が非常に大きいということで、この点につきましてさらに対応が必要であるという認識を持っております。国といたしましては、定率四割ということで給付費の四割を国庫負担するほか、給付費の一割を財政調整交付金ということで、全国的な公平という観点に立ちまして被保険者間の財政の調整を行って、市町村間の運営に大きな格差が生じないように配慮しておりますが、申しましたように現行の保険料の格差というものはさらに合理的に平準化が必要であるという認識に立っておりまして、国保についてはさまざまな検討課題があるわけでございますが、この一環として今後とも引き続き検討してまいりたいと考えております。
#14
○遠藤(登)委員 厚生省、先ほども話が出ました医療保険審議会、いわば一元化の問題を含めて制度の抜本的な改善の方向について、どのような対応方向にあるのか、お聞かせをいただきたい。
#15
○辻説明員 医療保険審議会及びその審議の方向についてのお尋ねでございますが、現在国民健康保険につきましては専門審議会というものがございませんので、このたび健康保険法等の一部改正を通していただきまして、これによりまして現行の社会保険審議会を発展的に改組いたしまして、健康保険、船員保険に加えて国民健康保険につきましても審議会で審議をする、そして医療保険制度全般についてこの審議会で審議をするという方向を決めていただいたところでございます。審議会の施行期日は、健康保険法等の一部を改正する法律の公布、三月三十一日でございましたが、この後三カ月を超えない範囲内とされております。
 審議会の内容につきましては、関係者の御意見が十分反映されるように委員の構成を決めていくといったようなことを通しましてこれから決まるわけでございますが、御指摘の一元化、私ども医療保険制度の給付と負担の公平化というふうに言っておりますけれども、さらに国保を含めましてこの点についてどのようにするか、これにつきましては関係者の間にさまざまな御意見がございますので、現時点において、いつ諮問をする、あるいはいつ答申がいただけるというようなことは申せないわけでございますが、いずれにしろ国保を含めまして医療保険審議会において十分御議論いただきまして、この議論を踏まえて厚生省としての考え方を取りまとめてまいりたいと考えております。
#16
○遠藤(登)委員 非常に重大な問題であり、また早急に計画的に対応しなければならない課題だと思いますので、十分な対応を求めたいというふうに思います。
 次に、ゴールドプランが策定をされた、高齢者保健福祉推進十か年戦略、平成元年の十二月に三大臣の合意によってスタートしたということでいろいろ努力をされてきている経過がありますが、事業費総額六兆円を超える。
 それで、第一番に在宅福祉対策の緊急整備、これはホームヘルパーの問題から一連の計画がトータルとしてあるわけであります。二番目には寝たきり老人ゼロ作戦の展開、三番目は施設の緊急整備、四番目は高齢者の生きがい対策の推進、五番目は長寿科学研究推進十カ年事業、六番目は長寿社会福祉基金の創設、七番目は二十一世紀健康長寿の町づくり事業などの基本計画が策定をされて既に三年目を迎える、こういうことでありますが、特に在宅福祉対策の整備の関係、寝たきり老人ゼロ作戦の展開の関係、施設の緊急整備の関係、それから国立長寿科学センター設置の構想、今いろいろこの構想が策定をされて事業化に向けて準備がされているという状況をお聞かせいただいているのでありますけれども、その具体的な構想などについて、その進捗状況についてお示しを
いただきたい。
#17
○中村説明員 ただいま先生からお話のありました高齢者保健福祉推進十か年戦略、いわゆるゴールドプランでございますが、お話のありましたように高齢化に対応いたしまして、すべての国民の皆様に安心して老後を送っていただけることができるような施策充実を図るために、平成十一年度をゴールといたしまして、従来のさまざまな整備目標を上回る目標を平成十一年度までに設定いたしまして、在宅福祉の充実、施設福祉対策の推進、寝たきり老人ゼロ作戦等について進めているところでございます。
 先生のお話のとおり平成四年度、三年度目に入っておりますが、私の方からは、在宅福祉、施設福祉、それから寝たきり老人ゼロ作戦、三点につきまして進捗状況を御報告申し上げたいと思います。
 全般に申し上げまして、在宅福祉対策、施設福祉対策、確定値が出ておりますのは初年度の平成二年度まででございますが、順調に推移いたしております。例えばホームヘルパーにつきましては、平成二年度三万五千九百五人という目標を設定いたしておりますが、三万八千九百四十五というふうに目標は一応上回っております。
 施設福祉対策につきましても、特別養護老人ホーム、目標を上回る十七万五千床の確保、あるいは老人保健施設も予算上四万七千八百施設というふうに設定いたしておりますが、ほぼそれを達成する四万五千施設の整備が進むなど、順調に推移しているのではないかと考えております。
 寝たきり老人ゼロ作戦につきましては、これまで、寝たきり老人になってしまうと一生寝たきりで治らない、あるいは寝たきりであるということを前提として施策が展開されていたわけでございますが、我が国は海外に比較しても寝たきりが多いというようなデータも出ておりまして、寝たきりは適切な予防や、あるいは脳卒中など起こっても適切なリハビリをすることによって寝たきりを防げるということで、寝たきりは防げるのだということをまず国民の皆様に知っていただくという意味で、啓発活動を第一の柱といたしておりまして、寝たきりゼロ推進本部を全都道府県に設置することといたしております。
 それから寝たきりにつきましては、脳卒中や骨折が原因になりますので、その予防のための健康教育、健康相談、脳卒中を予防するための健康診査等の充実、それから、不幸にして脳卒中などになりましても、その後適切なリハビリテーションとか医療福祉サービスを受けることによって早期の回復ができますので、そのような施策のための情報網の整備、脳卒中情報システムの整備、これは十五県でやっております。そういうものでありますとか、機能訓練等などの在宅サービスの充実などを十か年戦略に従って実施しているところでございます。
#18
○松田説明員 お尋ねの国立長寿科学研究センターについてお答えいたします。
 まず、基本的な構想でございますが、これは現在愛知県の大府市に国立療養所中部病院というのがございまして、その病院に、長寿科学の医療等を推進するための中核的あるいは総合的な機関としまして、研究部門と診察部門の両方を備えました施設を整備しようという構想でございます。
 建物の規模でございますが、約八千平米という規模を想定しておりまして、今年度、平成四年度の予算といたしまして五億九百万円を計上したところでございます。したがいまして、本年度は、実施設計を行いまして、一部施設整備に着手するということでございます。
 目標といたしましては平成七年度中の運営開始を予定しているところでございます。
#19
○遠藤(登)委員 このゴールドプランはほぼ順調に推移しているということのようでありますが、これは大変な課題を背負っているということでありまして、単純にしても十カ年で六兆円ということであれば年平均六千億をということになるわけでありますが、総体的に順調に推移しているということは言えないのではないかというふうにも思います。この実効性を確保するためにやはり財政計画をきちっと立てて、これは年度計画を立てるべきじゃないか。そして、時代の変化等によって一定の見直しも必要だということでありますから、例えば三年度ごとに見直すとか、そういう見直し年度なども設定をして、着実にこれを上回る保健福祉社会をつくるために真剣に対応する必要があるのではないか、こういうふうに思うのであります。
 これを確実に実効性のあるもの、あるいは達成をしていくために、年度ごとの予算を確保するということも大事だと思いますが、その点の対応についてお聞かせをいただきたいと思います。
#20
○中村説明員 高齢者保健福祉推進十か年戦略の着実な達成についての先生の御指摘でございますが、高齢者保健福祉推進十か年戦略、申し上げましたように福祉サービスあるいは保健医療サービスにつきます地域から積み上げる作業が必要になる、こういうふうに考えております。
 先生から御指摘ありましたように、平成四年度、三年度目に入っておりますが、私どもこういう十か年戦略を着実に達成するため、平成二年六月に老人福祉法を初めとする福祉関係八法の改正もさせていただきまして、まず地域において高齢者の保健福祉が連携がとれて地域のニーズにこたえられるように、ニーズを把握して進めていく体制をとりたいと思っております。私どもといたしましては、まず第一にそういうニーズのくみ上げを行って、それにこたえられる保健福祉の推進体制を市町村で整備する、こういうことが一番大事ではないかと思って法改正をさせていただきまして、実は、平成五年四月からこの改正法が本格的に実施されまして、全国の市町村で老人保健福祉計画を策定していただく、こういう状況になっております。
 私ども、十か年戦略の推進に当たりましては、この市町村においてつくられます市町村老人保健福祉計画などの下からの積み上げ作業状況なども踏まえまして、その十か年戦略の推進とあわせて両方の関係をよく調べて、これからまた十か年戦略のあり方について十分精査してまいりたい、こういうふうに思っております。
 進め方といたしましては、そのような事業の進捗状況ですとか地域におけるニーズのあり方の推移、こういったものを踏まえながら必要な予算を確保し、進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#21
○遠藤(登)委員 それは極めて重要な観点だと思います。したがって、福祉八法の改正や市町村の保健福祉計画の策定、あるいは都道府県単位の計画の策定ということが既に始まっている状況にあるわけでありますが、それを達成をしていく、地方の要求、地方のニーズに合って、しかも都道府県あるいは国全体で計画的に対応していく、その達成は何といっても財源手当てが極めて重要な課題だ。しかもそれが計画的に地方も取り組めるような、取り組みやすいような財政手当ては極めて重要な課題になってくるわけでありまして、この点、後で自治大臣の方からも御意見をお聞かせをいただきたいと思いますが、十分な地方のいわば計画達成のための財政手当てということに総合的に配慮していただきたい。また、この補助率等の制度の改善なども含めて検討されるように強く要請をしておきたい。
 ただ、このゴールドプランの一例を申し上げますれば、特にホームヘルパーの確保、これは平成三年度、三万五千人に対して計画を上回る三万八千人を超える人員の確保がなされているということがあるわけでありますが、この雇用の実態をいろいろ調査しますと、全くもう十以上の雇用形態があるんですね。ほとんどが一年更新ですね。毎年三月に更新の問題が出てくるというのが大半なんですね。それは、社協の職員があったり、社協の嘱託職員があったり、公社の職員があったり、公社の嘱託職員があったり、役所の職員があったり、役所の嘱託職員があったり、施設の職員があったり、施設の嘱託職員があったり、パートがあったり、民間企業のいわば職員もいる。
 そして、一例を言いますれば、これは市町村が実施主体になっているわけでありますが、国が一定の基準を決めているということがあります。国の補助、国の財政体制もあるわけでありますけれども、この制度が発足して約二十年になるわけでありますが、二十年勤めて実質月十三万。それが一年更新ということがあったり、年間百六十一万ですね、それは何の手当もない、退職金もない、各種保険制度もないというところも、まちまちなんですね。そして国の方では、平成三年度は、家事と介護に分類をした。家事の場合は百六十万、あるいは介護の場合は二百五十二万何がしというようにして、平成四年度は、今度それをプールにした。三百十八万。その内容なども具体的にひとつお聞かせいただきたい。
 まずその制度の体系的な改善、体系的な制度を確立する必要があるんじゃないか。市町村が実施主体にしても、一定の基準を、それから給与を初めそれぞれの待遇改善を、これは制度改正、体系的な整備とあわせてきちっと一定程度の方向を確立をしていくということが必要なんではないか。
 その改善の方向などについて、これはマンパワーの確保を初め、在宅介護の問題が重視されているということを含めて重要な課題だと思いますが、これはゴールドプランの重要な一つの課題として、実態はこういう状況にある、この改善の方向などについてお聞かせをいただきたい。
#22
○中村説明員 ホームヘルパーをめぐりますさまざまな問題につきましての先生のお尋ねでございますが、先生からお話もございましたとおり、私ども、ホームヘルパーにつきましては、高齢者保健福祉推進十か年戦略の中の最重点でございます在宅福祉、それの中核的な事業として何としても目標を達成していかなければならない重要な事業というふうに認識してまず取り組んでいるところでございます。
 お話にもございましたとおり、ホームヘルプ事業と申しますのはホームヘルパーさんの確保がまず基本的な前提になるわけでございまして、今厚生省の方でも、保健、医療、福祉のマンパワーの確保は最大の課題だということで、現在法案も国会の方に提出さしていただいてその確保対策も図っているところでございます。
 ホームヘルパーの状況につきましては、先生からお話がありましたような実態がこれまで地域においてあったということは私どもも十分承知いたしております。問題点といたしましても、ただいま申し上げましたマンパワー対策、省内にも本部をつくりましたが、そのマンパワー対策本部の中でも、これまでのホームヘルパー対策につきましては、給与、福利厚生面でも国の補助が、定まった額、定額の手当方式になっておりまして、先生からお話がありましたように、経験が反映された補助基準になっていない問題でございますとか、社会保険とか退職金制度等、福利厚生面での処遇も不十分であった、こういうふうに私ども認識いたしまして、方針といたしましては、ホームヘルパーにつきましては、先生からお話がありましたように、地域のいろいろな実情に応じまして多様な勤務形態が今ございますので、そういった多様な勤務形態を踏まえて、常勤、非常勤の別、そのほかホームヘルパーさんの勤務の実態に応じた給与体系のあり方を見直すべきである、私どもこういうふうな観点に立ちまして、平成四年度、ホームヘルパーの手当の改善に取り組んだところでございます。
 一言で申し上げますと、今までの国のヘルパーの給与基準が非常に低かった、これがあらゆる意味でホームヘルパーの確保について、あるいはホームヘルパーさんの処遇について問題があった、こういうことを認識いたしまして、基本的にはホームヘルパーさんの手当、常勤につきまして、平均でございますが五一・八%の引き上げを行いました。
 先生からお話があった三百十八万円というのは一種の平均基準でございまして、例えば、今まで介護型のヘルパーさんでありますと二百五十三万円でございましたが、その方の給与は従来ベースでいぎますと三百六十二万円になる。さらにこれに六十三万円の主任ヘルパー加算もつくというようなことでいろいろ加算をしていきますと、国の基準だけでも平均値で四百万円を超えるヘルパーの基準になる。さらに、これは一種の基準でございまして、施設の職員の方の給与と同じように平均値でお払いしておりますので、地域の実情に応じまして、勤務年数が長い方に対して高く支払っていただく場合には高い支払いもできるような弾力的な執行も行う、こういうような改善も図ったところでございまして、この国の基準が地方公共団体の方で実施していただけるならば、今先生が言われたような現場での問題というのはほとんど解消するのではないかというふうに私ども考えております。
 それから、家事型、介護型の一本化のお話も、平成元年度に、これからはホームヘルパーさん、寝たきり老人の家庭に行っていただいて家族の方の介護を支援していただくのも大きな仕事だということで、介護を従来より重視していこうということで介護型を創設いたしまして、従来の家事型の一・五倍の賃金を設定したところでございますが、現場からは大変評判が悪くて、特に常勤のヘルパーさんの場合は家事援助の家庭にも行くし介護援助の家庭にも行く、これは現場で混乱をもたらすのでぜひ一本化してほしいというのが現場からの御要望でございまして、私ども、その現場の声を十分取り入れまして、非常に希望の強かった家事、介護型の一本化をする、しかも一本化する際には高い方に合わせるということで、いわば圧倒的に数の多い家事型の方につきましては、改善率でいきますと九〇%アップくらいの給与の改善になるというような改善をさしていただいたところでございます。
 そのほか、退職金の問題ですとか、いろいろ社会保険料の問題ですとか、今まで国の基準が低かったために大分現場では御迷惑をおかけしましたが、ただいま申し上げましたような補助基準の改善が行われましたので、私ども実態調査などに基づいてこのような改善をいたしておりますので、これが地方公共団体で実施していただけるならば、かなり従来問題とされていたことについては改善がなされるのではないかと思っております。
 ただ、最後に一つ先生からお話がありましたいろいろな雇用形態があるというようなお話でございましたが、私どもこういうふうに国の補助基準としていわば一律のものを、一定のものを定めさしていただいておりますので、むしろ雇用形態につきましては、ホームヘルプ事業は市町村の事業でございます。もちろん市町村が直接雇用される形態もございますが、また老人福祉法の方で適切な主体に委託することも認められておりますので、むしろ地域におけるサービスの供給主体の状況とか、そういうものを踏まえていただきまして、雇用形態につきましては多様な形態を、地域の実情に合った形態を取り入れていただく。ただしその処遇については、国の方でもきちっとした処遇基準をつくって、ホームヘルパー個々人の方に御迷惑がかかることのないようにしてまいりたい、こういう方針で制度の改善を図っているところでございます。
#23
○遠藤(登)委員 大変な御努力に敬意を表するわけでありますが、やっぱりその実施主体者の裁量によるということがあるし、財政措置がされて市町村がなにをした、ごまかすというわけでもないんですが、そういうことがあってはならないということがあるし、財源手当て等やっぱり実施主体で相当なむらがあるということについては一定の指導を強化する必要があるんじゃないかということを含めて、その対応のあり方を強めてもらいたいというふうに思う次第であります。その点は強く、これはゴールドプラン推進上の一つの例として、問題点として強く要請をしたいというふうに思います。
 それから、このゴールドプランを推進する上について特に感ずるのは、地域にあって、これは福
祉士とか療法士とか、いろいろ資格者の養成の問題あるいはその確保の問題、それを十分に生かすという問題もさることながら、やっぱりその地域の中で健康な社会づくりのために重要な役割を果たしている柔道の整復師の先生方とか、はり、きゅう、マッサージの先生方とか、こういう先生方も、健康な地域福祉、保健福祉社会をつくっていくためにもっと大事に、これを組織的にあるいは個々の分野の位置づけを明確にしてこれを生かしていく必要があるのではないか。この点も十分ひとつ御配慮をいただきたい。そしてこの十か年戦略が、計画を上回る健康な保健福祉社会が必ず形成、達成できるように、十分な対応を要請をしていきたいというふうに思います。
 このゴールドプランの最後に、何といってもこれは、市町村が取り組みやすい環境をつくる、財源手当てが極めて環境づくりの基本として大事な課題でありますが、これは自治省としても万般の保健福祉、豊かな地域福祉社会をつくっていくために重要なかかわりを持っているわけでありまして、この強力に推進をしていくという方向について、自治大臣の見解などもお聞かせをいただきたいと思います。
#24
○塩川国務大臣 お尋ねの福祉ゴールドプランを中心といたしました福祉対策事業に対しましては、従来から自治省は全力を挙げてその協力をしてきたところでございまして、福祉十カ年計画に盛られておりますところの補助対象になっておる事業につきましては、ほとんどこの対象として取り上げ、財政的な措置もしたところでございますし、なおその不足の部分はいろいろと補足しなきゃならぬものも相当あろうと思っておりますが、それらにつきましては単独事業をもってそれの補てんに充てていくということで今日まで努力してきたところでございますが、なお、福祉は幅が広くて深いものでございますから、我々はこれで十分とは思っておりません。
 しかし、この福祉事業というものの最初の責任者は何としても、国でもなければ何でもない、市町村中心になってくるだろう、こう思っております。それに対しまして府県とか国が具体的に応援しやすいように対処する。そのためには、私たち一番気にしておりますのは、市町村間におきまして福祉の大きい格差ができてはいかぬ、これを非常に気を使っておるところでございますが、そういうものにつきましてのこれからの一層の指導は、府県を通じて確実に均衡をとっていくようにいたしたい、充実を図っていきたいと思っております。
#25
○遠藤(登)委員 格差の問題を含めて、財源手当ての問題、調整の問題、重要だと思いますので、強力な対応を求めたいと思います。
 次に、地域福祉基金が創設をされてきているわけでありますが、まさにこれは当を得た問題であります。市町村で十分このゴールドプランの達成を初めとして保健福祉社会が形成されるために有効な活用源として期待をされているこの福祉基金の問題、これはいろいろな問題もあろうかと思いますが、これに対して、積み増しの問題を含めてどのような対応方向にあるのか。これはもっと増額をして対応すべきではないかという声というか、そういう期待も強いのでありますが、この件について自治省等の御意見をお聞かせいただきたい。
#26
○湯浅政府委員 地域福祉基金につきましては、前年度の平成三年度の地方財政計画におきまして初めてこれの措置をしたわけでございます。平成三年度では二千百億円を計上したわけでございまして、これを踏まえて平成四年度の取り扱いをいろいろ検討したわけでございますけれども、地方団体からもこの基金については非常に高い評価をいただいているという点もございますし、また、当委員会におきましても特別決議をいただきまして、今後の充実について御意見もいただいたところでございます。そういうことを踏まえまして、平成四年度におきましては三千五百億の積み増しを行うということで、合計でこの二年間で五千六百億円の基金が措置をされたわけでございます。財政計画上これを措置いたしまして、県と市町村の基準財政需要額に算入いたしました。
 各自治体におきましては、この地方財政計画、基準財政需要額を踏まえまして積極的に対応していただいたところでございまして、その運用についてもいろいろと、その地域地域におきます福祉施策に活用していただいているというふうに理解をしているところでございます。
 こういう点を踏まえて、今後の積み増しか必要かどうかという点について、よく関係方面の方々の御意見もいただきながら将来の検討課題とさせていただきたいと思っております。
#27
○遠藤(登)委員 大きな期待がありますので、十分に対応強化をしていただきたいということを要請いたします。
 次に老人クラブの問題でありますが、活性化の問題。これは全国に十三万クラブというふうに承っております。約一千万人。この人たちが貴重な経験、識見をもって、これをまず大いに活性化して健康で頑張ってもらう、そこに生きがいを求めてもらうということが保健福祉社会の進展の上に極めて重要な課題ではないか。
 時間がありませんから端的に申し上げますが、この組織の再編を図って活性化への比重というものをもっと考え直す必要があるのではないか。極端に言うならば、六十歳から人生八十年時代ということでありますが、これを一つの組織体にするということもさることながら、大体七十歳以上、これは人によって決めることができないのでありますが、まず敬老のクラブに値するのではないか。そして、それぞれ頑張ってもらうという分野があるのではないか。そして、最も活力に富んだ六十歳代の皆さんがそれぞれの経験や識見を生かして活躍できるという組織体に再編をしていく必要があるのではないか、こういうふうに思うのであります。
 それから、市町村にあっても都道府県にあっても、大体老人クラブ連合会の事務局などというのは部屋の隅っこにあって、職員が二人か三人ですね。これはもっと財政措置をして事務局体制を強化する必要があるのではないか。
 それから、それぞれ専門家がいるわけでありますから、これは指導員という委嘱をするか推進員という委嘱をするか、もっと市町村の枠を越えてこういう大先輩を積極的に生かしていくということを考えるべきじゃないのか、こういうふうに思うのでありますが、その点について、その対応方向についてお聞かせをいただきたい。
#28
○大田説明員 お答えいたします。
 先生から御指摘のとおり、老人クラブは現在、団体数におきまして十三万、会員数にいたしまして約八百五十万を擁する非常に大きな組織でございます。レベルといたしましては、全国レベルで一つ、都道府県、指定都市というところで五十九、さらに市町村老人クラブというレベルで三千二百。十三万というのはその最先端の地区老人クラブであることは御承知のとおりでございます。
 この八百五十万の方々、おおむね六十歳以上ということで会員資格を決めておりますけれども、全く御指摘のとおり、非常に元気な方とそうでない方に大きく分かれることは事実であります。先生からの御提案の、敬老クラブというイメージの一つの団体、それから活動クラブという団体、大きく二つに分けるという考え方は一つあろうかと思いますけれども、何よりもこのクラブ自体、国が主導権を持ってつくっているものではございません。自主的な地域からの、会員の自主性、独立性、主体性というものから成り立っているということから、クラブにおきましては、実態上そういった活動を二つに分けてやっておるような例もございます。
 そういった意味から、御指摘の点は私どもも非常に興味深く受けとめていきたいと思いますが、全国老人クラブにおきましても、昨年一年かけまして「二十一世紀に向けての新たな老人クラブづくり」という提言がまとまっておりまして、この中におきましては、御指摘のとおり高齢者のベテ
ラン性、人生の蓄積、経験の蓄積というものを生かした社会参加ということがとりわけ強調されているところでございます。
 こういった団体につきまして、事務局体制の強化あるいは事業費の拡大という御指摘がございましたけれども、私どもといたしましても現在、総額で約三十億円の国庫補助をこのクラブ全体に対して行っております。これが十分か不十分か、いろいろ御意見はあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、各クラブの主体的なあるいは活発な自主的な活動というものを支援するという、その基本的な仕組みは侵してはならないという気がいたしております。
 さらに、最後の御指摘でございました高齢者のお持ちになる社会の指導員というふうな点につきまして一つ御報告をしておきたいと思います。
 それは、今年度の新しい事業といたしまして、都道府県・指定都市クラブ連合会、都道府県のレベルで、高齢者相互支援事業という新たな制度を創設いたしました。一言で申しますと、高齢社会づくりというものを高齢者自身が積極的にかかわるという、極めて当たり前のことでございますが、それを実現するために、元気な高齢者がそうでない方の介護も含めたお世話をする、そういった事業のための必要な研修について国といたしましても応援をする、こういった事業を創設いたしました。
 先生の非常にお詳しい山形県上山市あたりは先駆的に類似の制度に取りかかっておられまして、私たちといたしましても、そういった自主的な先駆事例を参考にいたしながら、高齢者の持つ能力、経験というものを最大限社会に還元していただくということで、なお一層努力してまいりたいと思います。
#29
○遠藤(登)委員 時間が参りましたので終わりますが、要請をさせていただきます。
 国際障害者年がことしで最後だ。それで、これはゴールドプランの推進の問題もありますが、二十一世紀にかけて重要な課題でありますので、国内障害者の十カ年行動計画を策定して、障害者もその行動にみずから参加をしていくという体制をつくっていく必要があるのではないかということを強く感ずる次第であります。ぜひ御検討をいただきたいということを強く要請させていただいて、残された課題はいつかの機会に譲らせていただきまして、質問を終わります。
#30
○中島委員長 山口鶴男君。
#31
○山口(鶴)委員 昭和四十年代、塩川さんと一緒に地方行政委員会の委員をやったり理事をやったりいたしました。あれからもう二十年たつんじゃないかと思いますが、久しぶりに地方行政委員会に来まして、しかも同僚だった塩川さんとこうして議論ができることを大変うれしく思います。
 そこでまずお尋ねしたいんですが、最近の新聞あるいは文芸春秋等に細川新党のことが出ております。熊本県知事であった細川さんが新党の提唱をしておられる。私、文芸春秋を見たんですが、要するに、一九五五年体制、そして政権を担ってきた自民党政権では、政界、官界、財界のいわば集権的な国家システムができた、そうしてこの中央行政組織が持つ巨大な権限、財源をめぐって、国会議員や業界がそのおこぼれにあずかるためにいろいろうろうろしておる、いわゆる族議員だ、そういうことに国会が熱中しておるから「利益誘導と集票・集金のための「小政治」に没頭する」、そうして「政治の本来の責務である国家意思の決定という「大政治」をほとんど放棄してしまっている。」こう言い切ることについて、若干私も異論はありますけれども、一面的を射ている意見ではあると思います。そういうところが政治不在とかあるいは政治腐敗というものがはびこる原因だ、こう指摘をしています。
 そこで、私はともに地方行政委員会で議論してきた者として塩川さんにお尋ねをしたいと思うんですが、地方行政委員会では前からそういったことをかねがね指摘してきたわけですよね。そうして、中央の持っている許認可権限、あるいは財源あるいは税源というものを極力地方に移譲すべきだ、地方自治本来の自治体づくりに努力をすべきだということを主張してきたわけです。
 残念ながら、地方行政委員会ではそういう意見は与野党を通じて私は一致していると思うんですが、なかなか国会全体のものにならない。したがって第二臨調以来行政改革等いろいろ言ってきていますけれども、結局、中央・地方のこの行政、財政、税制の再配分というような問題は、有効な解決を今日まで見ていない。そこに私は問題があると思うんです。そこを、せっかく今塩川さん自治大臣やっておられるわけで、与野党一致してこれを積極的に解決していけば、何も細川新党などというものができる必要はないわけです、これは。また、その存在理由というものも消滅するんじゃないかと思います。
 今こそそういう意味では真の地方自治というものを確立するために自治省も頑張っていただく、与党も努力をいただく、そうして私ども野党もそれに向かってともに努力をするということが必要じゃないか、こう思うんです。それが真の政治改革ではないか、政治不信の解消ではないか、こう思うんですが、その点、いかがですか。
#32
○塩川国務大臣 確かに、政治改革の一つの視点として見た場合、おっしゃるとおりだと思っております。久しぶりで山口節を聞きまして、私もいい機会を与えていただいたと思います。
 私は、最近政治家として考えておることでございますが、憲法第四十一条に「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」こう言っておりますが、これが国権の最高機関としての機能を果たしておるかということが最大の問題ではないか、政治改革の焦点はまさにここに当てるべきであると思っておりまして、そのことが、機能を、政治としての、政治機能を発揮していないのは何が原因なのかということ、それは、おっしゃるように議員のあり方の問題もございましょうし、それからまた役所のあり方というものもいろいろ問題があると思っております。
 その中の一つの問題として、おっしゃるように自民党の中で族議員化してきておるということ、これも、いわば国会とかあるいは役所の縦割りの行政の中に重点を置き過ぎてしまった結果こういうことが出てきておると私は思いますが、同時に、五五年体制の中でおっしゃるならば、私は、野党の皆さん方も、余り観念論的な思考をいつまでも固執されるのではなくして、政策の面においてもう少し具体的、現実的な転換をしていただきたい。
 私は今見ておりますのは、抽象的な国民というとらえ方と具体的な国民というとらえ方と、この相克の中に政策が動いておるように思うんです。私は、今までは確かに抽象的な国民というものにおける議論というものは国会の中で相当ございましたけれども、今日、いわばソビエトの崩壊から見まして、もうその議論よりは、現実的な、具体的な国民の問題というものを政策の課題として考えていくべきだ、こういうふうに思っております。
 そうした場合に、やはりその中心は地方行政の担う仕事が大きいのではないか、私はこう思っておるのです。ところで、一方から見まして、国の行政システムからいいまして、今の官庁はどうしても、一方においては政策スタッフとしてのいわば企画、指導という面に重点を置いておる役所もございますが、同時にその役所が事業実施機関として持っておる。ここに日本の政治のいわば難しさがある。
 それはどこから来たのかということを私ずっと考えてみますと、せっかく戦後の発足のときに、地方行政の自治の本旨というあの思想を確立して自治と国政というのを分けたにかかわらず、明治以来続いてきておる習慣というものがそのまま法律とは別にして制度の中で生きてしまった。つまり、中央集権機構の中の出先としての地方団体というものに戦後発足してしまった。そこがこれから手間暇かけてでも根本を変えていかなければならない。
 私は今言っておりますのは、地方自治の意識の転換がなくては本当の地方自治の確立はないのではないか、そのように思っておりまして、そういう点から、今おっしゃるように、細川さんが提案してきておるパイロットプランを中心とした自治体の新しい自治の創成といいましょうか、これこそ本当の自治の本旨に基づく運動へ帰れということだと思うんですが、これに対しましては私は賛同しておるものでございますが、一遍にそこはなかなかいかない。けれども、いろいろあると私は思います。それは例えば一つは、単独事業の使い方なんというのは、これを実際にうまくやっていきますと私は相当独立したものに持っていけると思っております。
#33
○山口(鶴)委員 私も細川さんに来ていただいて、細川新党を提唱する前ですよ、いろいろお話は聞きました。細川さんが行革審の地方分権の委員会で非常に苦労しておられるということはよく承りました。問題は結局、行革審の審議委員の専門委員というのは、各省の、ここにも少し役所の皆さんおるけれども、事務次官OBの諸君がみんな出ていって、そして、いかにして自分の古巣の役所の権限を守るか、許認可権限や指導の権限や、それから補助金の今日までの既得権をいかに守っていくかというようなことを極めて熱心に議論するから、審議会のまともな方向というのがなかなか出てこないということを嘆いておられた。確かに問題が一つそこにあると私は思います。
 同時に、そういった審議会ばかりに任せないで、やはり私ども政党が、そういう意味で地方分権をもっと積極的に進めていく。
 例えば、今問題になっている首都機能の移転の問題があります。国会を移転する。当然国会だけ移転して行政機関がそのままというわけにはいかぬです。ただ行政機関、今の霞が関全部をほかへ持っていこうといったってこれはなかなか大変だ。そうなれば当然行政機関をスリム化しなければいかぬ。今お話のあったように、各省庁は実施機関も持っている役所もあるわけですよね。そうじゃなくて、いわばこの国会と関係の深い政策立案の機能をやっている部分だけに省庁は限定して国会と一緒に移転をするということになっていけば、当然省庁をスリム化する。さらに進んで権限を自治体に移譲していく。
 それから、まだ自治体が十分単独事業もこなせないんじゃないかというような趣旨のことをちらっと言いましたけれども、私はそんなことはないと思うんですよ。塩川さんと地方行政委員をやってからもう二十年たつわけであって、あのときから見れば自治体は能力的にも随分飛躍的に向上していると私は思うんです。何も補助金で一々指図をしなくても、自治体が一般財源として金を受け入れて、そして自治体の仕事として処理できる能力が随分高まっていると私は思います。
 やはり今それを積極的にやる時期じゃないですか。国会移転もやる、そうして首都機能も移転をする、行政機関をスリム化する、そうして塩川さんも多年の主張であった分権をきちっと確立をしていく。いかがですか、一緒にやろうじゃないですか。
#34
○塩川国務大臣 非常に心強い呼びかけで、私も、そういう方向は間違ってないし、そういう方向に行きたいと思っております。
 首都機能移転の問題につきまして、私は非常に興味を持って関心を持っておりますのは、ドイツであります。ドイツのコール首相が言っておりますのに、東西ベルリンの壁が破られましたあのときにまず言いましたのは、やはりドイツ民族の統合の場所としてベルリンを考えるべきだと言って、それを受けて国会が、まずベルリンヘ国会を移転しようというようなことを言っております。十年計画で首都を移そうというようなことを言っておりまして、何かその計画がどんどんと進んでおるように聞いております。その順序、つまり官庁がどういう手段で変わっていくかという順序と、それからどういう方法で移転していくかということの議論が相当進んでおるように私は聞いておるのです。この資料を、私は少し暇になりましたら、大臣をやめたら一回やってみたいと思っておるんです。これは私もお互いにやってみたらと思っております。
 それと同時に、地方分権の問題について、パイロットプランが出てまいりました。きょうも百八項目についての行革審の意見が出ておると聞いておりますが、具体的に一回精査してみて、でき得るものから移していくような方法をとってみたいなと思って努力はしてみたいと思っております。
#35
○山口(鶴)委員 お互い地方行政委員会の中で、憲法にもある地方自治の本旨をいかに確立していくかということで汗を流してきた、そういう意味では私は同志だと思っている。そういう意味で、今私が提起した問題について、やめてから勉強しょうなんという消極的なことじゃなくて、自治大臣としてやっているうちにできることは積極的にやるという決意でひとつやっていただきたいなということを申し上げておきましょう。
 それから次は、また八千五百億円特例減額をするというようなことが問題になっておるようであります。私はこのことは大変遺憾だと思うんです。
 昭和四十四年の四月十七日、地方行政委員会で当時の福田大蔵大臣に出席を求めて質問いたしました。そのとき塩川さんは、自民党の地方行政の理事だった。そうして財政局長は、その後横浜の市長をやって亡くなった細郷君でした。それから、大蔵省の主計局次長は相沢君です。現在の相沢代議士ですね。そういう人たちだったですが、私が、交付税は地方の固有の財源ではないかということをお尋ねしたわけです。そのとき福田大蔵大臣、これは初めて、交付税は国税三税の三二%であって、法律で決まっており、地方に行く金である、地方自治団体の権利のある金であって、地方の固有の財源であり自主財源であるということを明確におっしゃった。地方から見て権利のある金なんてそういうけちなことは言いませんでした。地方自治団体の権利のある金であるということを福田さん明確に言い切ったのであります。
 そしてさらにその際に、昭和四十三年に四百五十億特例減額をいたしました、そうして四十四年に六百九十億円またぞろ特例減額をやった、けしからぬじゃないか、昭和四十三年及び四十四年度においてとられた特例措置はその後自治大臣――自治大臣は、現在の経企庁長官の野田君の義理のお父さんの野田さんが自治大臣だった。自治、大蔵両大臣の覚書で、この昭和四十三年及び四十四年にとられた特例措置は今後避ける、こういうふうに明確にしておる。したがって、今後はそういうことはしないね、こう聞きましたら、さようである、こうはっきりお答えになりました。
 そうして、結局、今後しないということになれば国と地方の財源調整というのはあり得ないですね、となれば、今後財政調整をするとすれば、自治体がそれぞれの立場で年度間調整をするか、あるいは自治省が自主的な立場で調整をする以外にないがどうかと言いましたら、福田さんは、交付税についてはまさにそのとおりだ、補助金ではいろいろ問題があるけれども、交付税ではまさにおっしゃるとおりであって、そのとおりであるということを明確におっしゃった。
 ですから、財政調整、今度の特例減額なんというのはするはずがない、しかも、塩川さんと福田さんとは特別な御関係であって、塩川さんは福田さんを尊敬しておられるわけでしょうから、そしてそのときの議論も自民党の理事さんとして聞いておったわけだから、今回新聞等で一兆円特例減額をするとかどうだこうだとありましたから、塩川さんが自治大臣でいる限りそんなことはない、私は信用しておったんだが、残念なことに八千五百億特例減額ということになった。
 おかしいんじゃないの、塩川さん。そこに大蔵省代表もおるだろうけれども、そういうことはおかしいと思いませんか。いかがですか。
#36
○塩川国務大臣 四十四年四月でございました
か、その当時確かに福田大蔵大臣はそういうふうにおっしゃいまして、それは私も十分記憶しております。この金は地方自治体の権利のある金なんです、そういう意味において固有の財源であり、また自主財源である、こう言って差し支えないと思います、これはそのとおりはっきりと記憶に残っております。私もそれは覚えております。
 そこで、財源調整をしてはいかぬということはこの中からは出てないのです。御質問の中にございましたけれども、その当時としては、こちらの方でいわゆる減額はあったけれども、その二、三年後、確かに私は覚えておりますのは、四十八年であったかと思うんですけれども、そのときには今度、自治省の方が金貸せというので大蔵にねじ込んでいった、そのときに私たちがやりましたことは、金貸せの話じゃなくて、税率を上げろだったんです。税率を上げろ、それを三五にしろと言ったんですが、聞かなかった。そのときに大蔵が公式の意見として出ましたのは、金は幾らでも要る金は貸しましょう、だからこれは勘弁してくれ。
 こういうことになってしまいまして、それ以降は貸したり貸さなかったり、そのたびごとに法律で処理しましたから、もう頭痛うて何が何やらわけがわからぬようになってしまって、結局ごまかされているんじゃなかろうかと思いながら今日まで来ているんですが、しかし、これは両省きちんと、頭のいいやつらが皆役人になっておりますから、こういうのはきちんと精査してやっておるんだろう、間違いないだろうと思っておりますが、まず石油ショックの、あのときからの問題が崩れてきたと私は思っておるんです。
#37
○山口(鶴)委員 塩川さんがおられたときの議事録でも、私がさっき申し上げたとおりです。昭和四十三年及び昭和四十四年度においてとられた特例措置を今後は避けるということを両大臣の覚書で明確にしたんですね。したがって今後はそういうことはしないということですね、福田さんは、そうでありますということをお答えになっておるわけであって、その後財政調整するとすれば、自治体が自主的にやるか自治省がやるか方法はないではないかということを言って、それもそのとおりということになっておるわけです。
 その後、地方が苦しいときに、交付税率の三二%を引き上げるという要求をしたが、大蔵省の方が認めなかった、そこでやむなく今度は自治体の方が借りたという弱みがあるからというようなことをおっしゃったわけです。私は、交付税率を上げるべきときにはきちっと上げたらいいと思うんですね。そうして、今後こういった貸し借りはやらないと決めた以上はそれはきちっと守るというのが当然じゃないかと私は思うんです。
 そこでお尋ねしたいと思うんですが、去年もやはりこの五千億円の特例をめぐってやりとりしていますね。当時の財政局長さんは今の事務次官ですか、その当時の考え方と今の財政当局の考え方、同じですな。
#38
○湯浅政府委員 昨年五千億の特例措置を講じた考え方と基本的には同じわけでございます。それは、先生四十年代のお話をされましたが、その後五十年代に入りまして、オイルショックによりまして地方財政も極めて厳しい状況がずっと続いだということを踏まえまして、借入金が非常に膨大なものになった、その分の一部を国に肩がわりしてもらおうとかということの経過を踏まえまして、昭和五十九年には、現在の地方交付税法の附則第三条におきまして、交付税の総額の特例措置についての規定を設けさせていただいているわけでございます。この特例措置に基づきまして、この昨年の措置、それから今年度の措置を講じさせていただいているということでございまして、その間にいろいろと御議論があったことは私ども十分承知しておりますが、この附則第三条の規定というものを踏まえまして運用をさせていただいているということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#39
○山口(鶴)委員 昨年の小林さんの答弁は現在の財政当局としても当然だというお話でございました。
 私は、調査室を通じましてここ三年間ばかりの地方行政委員会のこの問題に関する論議のやりとりを調べてもらったのをずっと読んでみました。そうしましたら、小林さんは次のように答えているんですね。昨年の四月十六日ですか、今回の措置は地方財政に実損を与えるものではない、いずれかの時期には返さなければいけないものについて、形式的には残るわけであるが実質的には交付税特会の繰り上げ償還にかわるものであり、その意味からいって、この答弁、答弁というのは福田さんの答弁、あるいはその後福田さんが四十九年にいたしました答弁、それからそのときの附帯決議の趣旨に反するものではないのではないかというふうにお答えになっておられる。
 財政局長、去年とことし、違うんじゃないですか。去年は確かに一時会で借りておったんですね、それを逐次返さなければならぬ、一括四千五百億ですか、その他含めて五千億返した。ところが今回は、借りているものを何も償還して返したんじゃないでしょう。この前は、だから去年は、返すべきものをまとめて返したんだから、大蔵大臣の答弁それから附帯決議というものには反しないんですよ、こう言っている。そうすれば今度は、違うものについて八千五百億お貸ししたわけですから、去年の答弁と違うんじゃないですか。去年と同じだと言ったけれども、おかしいじゃないですか。去年と同じだというんなら、今度八千五百億貸す理由はないですよ。いかがですか。
#40
○湯浅政府委員 昨年度の交付税の特例措置を講ずるに当たりましては、今お話しのような国に対してお貸ししている分、その分を繰り上げ償還をしてもらう、それとの差し引きというような形で特例措置を講ずるという、実質的な理由におきましては仰せのとおりでございますが、そのやり方といたしましては、やはりこれは交付税法の附則第三条の規定に基づきまして特例措置を講じたということでございまして、そういう措置のやり方につきましては、これはやはり附則第三条の規定に基づいて今年度の減額措置も講じたわけでございます。
 仰せのとおり、昨年度の場合には、貸しと借りの帳消しという問題で実質的な問題はないという御答弁がございましたけれども、今年度の場合にはそういう点での実質的な理由はございません。それはそうでございますが、しかしやはりこの措置のやり方というのは、この附則第三条の規定に基づいた特例措置という形でやらせていただく、それを明年度以降一定期間の中で実質的には返済をしていただく、こういう形で、交付税の中長期的な観点から見ればその総額を確保するという点について私どもは努力をしたわけでございますので、この点も御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#41
○山口(鶴)委員 答弁にならぬですよ、そんなことは。
 昨年、ここにおいての中沢さんが質問した。そうしたら、小林さんが答弁していますよね。「四千五百二億につきましては、交付税特別会計に残ります借金の残高に相当する金額でございまして、これにつきましては、平成四年以降十年間で地方が国に返すという約束になっておったものでございまして、これに相当するものを減額いたしまして、その償還につきましては、償還計画に見合いまして国の方から交付税に加算をしていただきまして返すというようなことで話がついたわけでございます。この措置は、地方交付税の総額の安定的な確保という見地から許容されることではなかろうか、」
 それからさらに、公明党の河上さんですか、同じことを御質問になった。そうしたら、先ほど私が引用したように、「今回の措置は、先ほども申し上げましたように地方財政に実損を与えないものでございます。いずれかの時期には返さなければいけないものにつきましてこ「実質的には交付税特別会計の繰り上げ償還にかわるものでございまして、その意味から申し上げまして、ただいま
御指摘がございましたような答弁こ昭和四十四年の大蔵大臣の答弁、四十九年の答弁、「答弁、附帯決議等の趣旨に反するものではない」、こうお答えになっているんですよ。
 結局、借りたものをまとめて返すんだから福田大蔵大臣の答弁や附帯決議に反しないんです、こう言っている。だからいいんです、こう言った。そのとおりだと言ったでしょう、あなた。ところが、今度は違う理由でこの八千五百億をあれしたではないですか。ということは、去年はこういう理由だからいいと言ったのに、その理由ではないわけですからね、今度は。ですから、冒頭、去年の答弁とことしの答弁は違うではないかと言ったら、同じだと言うから、だからおかしい、こう言っているんです。だめです、そんなことは。今のような答弁では話になりません。
#42
○湯浅政府委員 私が申し上げたのは、やり方といたしまして交付税法の附則第三条の規定に基づく特例措置という形でやらせていただいたという点で昨年と同じやり方をさせていただいたと申し上げたわけでございます。
 実質的な理由につきましては、私も申し上げましたとおり、昨年は貸しと借りの帳消しというような形でやったわけでございますので、この点については、今年度の場合にはそういうことはないわけでございますから、これは違う点は先ほども私申し上げましたとおりでございまして、しかし、この八千五百億については明年度以降一定期間の中にそれを実質的に返済していただくことも今回の法律の中に規定をしておりますので、この点で御理解をいただきたいということで申し上げたわけでございます。
#43
○山口(鶴)委員 予算委員会なら、だめだと言ってそのままとまりですよ、今の答弁では。ただ、地方行政委員会、ここでとめて皆さんに御迷惑をかけても悪いから。
 塩川さん、どうですか。結局、去年の答弁は、借りをまとめて返したんだからいいじゃありませんか、大臣答弁や附帯決議に反しないですよ、こう言った。今回違うことをやったんですから。したがって、去年の答弁と今回やったこととはこういう意味で一致しておるんですという、自治省としての、自治省の財政当局としての正式な統一見解を文書で出してください。
#44
○塩川国務大臣 わかりました。去年とことしの理由、これは私は実際はこの席で統一見解について出せということについて、ちょっとこれはやはり役所の中の意見の取りまとめもしなければならぬと思いますので、しばらく時間をかしていただいて……(山口(鶴)委員「出しますな」と呼ぶ)後で出します。
#45
○山口(鶴)委員 じゃ、それは統一見解を出していただくということで、出たときにまた改めて議論することで一応おきましょう。
 では、その次は、前から地方財政計画と決算とには著しい乖離があるということがよく問題になりました。今回も、一番新しい決算は平成二年ですか、ですから平成二年度を中心にして決算と地方財政計画との問題についていろいろ調べてみました。
 そこで、ちょっとやはり不親切だなと思うのがあるんですよね。「地方財政の状況」という決算のこんな厚い説明書がありますよね。そこに歳入歳出、出ております。それと、予算の際のあるいは交付税論議の際の地方財政計画、歳入歳出、その項目とちょっと違うんですよね。そうしますと、比較するのに非常に比較しにくいんです。細かいことは言わなくたって財政当局はわかっておるはずだ。今後そういうのは統一して、素人でも見やすいように親切にしたらどうですか。
#46
○湯浅政府委員 仰せのとおり、地方財政計画におきましての歳出は性質別で一応計上しているわけでございますけれども、決算統計におきます性質別とはやや計上の仕方が違っている面もございます。この点は、分析をする際にはそれをきちっと入り組みを整理をいたしまして決算と計画との乖離を比較するということをやっているわけでございまして、できるだけそういう方向で比較のしやすいような措置をこれからも講じていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#47
○山口(鶴)委員 ぜひそうしてください。
 そこで、大蔵省が五月六日に一九九一年度の国際収支速報というのをお出しになったんですね。これを見ると、経常収支黒字が九百億八千四百万ドル、かつて一九八六年経常収支黒字がGNPに比べて四・四%であったが、今回はGNP比で二・六%に上昇したということを発表いたしております。こうなりますと、また日本政府に対して世界各国から内需拡大をせよという厳しい要求が来るだろうと思います。現に来ています。それからまた、国際公約である本年度の経済成長三・五%、これは完全に達成しますねということも、これまた世界各国から、あるいはサミット等があれば各国の首脳からその点が念押しされるでしょう。
 そうしました場合、一体どうしたらいいか。
 国の予算でも、国がやるところの直轄事業あるいは国の補助金というものはほとんど伸びていない。今年度予算でも、地方の単独事業費が十四兆七千九百七十二億円、一一・五%伸びている、ところがこれに対して直轄、補助事業費は九兆六千六百八十三億円、二・二%しか伸びていないという状況でしょう。
 そうなりますと、今後国際的な公約を実現をしていく、さらにはアメリカとの日米構造協議の中で四百三十兆円の公共投資をやるということを政府は言明をいたしております。これにつきましても結局地方の単独事業を積極的に伸ばしていかなければ、この四百三十兆を消化するということも不可能でしょう。そういうことを考えていけば、私はこまいことはもう時間がないから余り申しませんけれども、塩川さんがおっしゃっている地方財政計画、特に基準財政需要額を見直してこれを積極的に伸ばしていかなければいかぬということは、まさにそのとおりだと私は思うんです。
 結局、今言った経済状況、それから国際的な政府の公約、世界各国の日本に対する注文等々を考えました場合、まさに自治省が大蔵省とも大いに議論をしていただいて、そうして地方財政計画を伸ばす、単独事業を伸ばす、そのための基準財政需要を飛躍的に伸ばしていく、こういうことがまさに国家的に重要だという時代だと私は思うんです。
 塩川さんは今の宮澤内閣ではナンバーツーの地位におられるわけであって、自治大臣がそういう地位にあるのは大変結構だと思うんですが、そういうあれにふさわしいひとつ頑張りをしてみたらどうですか。
#48
○塩川国務大臣 実は私ナンバーツーでも何でもございませんが、一生懸命取り組んでまいります。
 実は予算が成立いたしました後、直近の閣議がございまして、宮澤総理から予算に対する協力のお話がございました。そのときに私の方からも、実は七五%前倒してやる、それに対しては計画以上のものをやる、また、予算全体についても単独事業を初めとして公共的事業に対する取り組みは積極的にやるが、ただ、一つは各省庁、中央省庁がやはりそれに合わせて早く箇所づけ等をしていただかないと、実際地方団体の予算化がおくれてしまう、せっかく本省の方で前例しをやりましても、自治体の予算がおくれてしまったのでは所期の目的を達しないので、そこをひとつよろしく頼むということを、協力を閣議の席でお願いしたことがございます。
 各省も、六月までには前倒しの分の決定をできるだけ急いでそれまでに終わらず、こういうことでございますので、いわば内需主導によるところの持続的成長を引っ張っていく牽引車、私はその役割は果たしていけると思っておるんですけれども、私は後半が問題だろうと思っておるんです。
 そこで私どもの方で今しておりますのは、自治省の方で、これはやはり牽引車にならざるを得ないだろう、そのこと自体がやはり地方の、先ほど山口先生おっしゃる分権を進める意味において
も、地方自治体が景気も引っ張っていっておるということが大事だと思いますので、とりあえず六月の末を一応のめどにしまして、単独事業なり公共事業全般がどの程度まで計画し着工されておるかという実態把握をしていく。そこにおいて必要なものの箇所づけの再配分も考えなければならぬ。
 と同時に、今からこんなことを言うたらまた不都合な発言になるんですけれども、財源不足は当然起こってくる。起こらなければいいが、その分に対してはどうするのか。ゼロ国債で賄うのか、あるいは起債枠をふやしてやるのかというようなこと、あるいは補正で対応するのかということがあると思うんですが、それは一回ぜひ六月の締め切りを見て、締め切りというか調査を見た上で決断していきたい、私はこう思っております。
 私は、こんな際にこそ地方がより一層積極的に取り組んでくれること、補助対象事業との関係が全部出てまいりますから、そのことが逆に中央を動かしていくようになってくると思っておりますので、一生懸命その点についての追跡をしていきたいと思います。
#49
○山口(鶴)委員 八月には明年度予算の概算要求を締め切って、どうするかということがあるでしょう。それからまた、当然政府は補正予算を組まなければならぬという事態になると思いますす。最近はどうも少しけじめがなくなって、予算審議中に補正予算なんということを言う閣僚がおって、あれはけしからぬと思うんですけれども、それだけだらしかなくなったのかなとも思っています。まあ予算は通ったから堂々補正の話をしてもいいでしょう。当然補正を組む。
 ところが、地方財政計画は、補正というのはやらないですね。私はいかがかなと思うんですよ。やはり地方財政計画の補正というものをやる、あるいはそれをやらなくとも当然、今言ったように地方が牽引車にならなければならぬのですから、そういう意味では、起債云々というような話もされましたけれども、地方自治団体が国の補正に合わせて、しかもまだ、地方独自の単独事業でもさらに伸ばしていけるような知恵を絞る必要があるんじゃないですか、今大臣がおっしゃった以上は。その点はいかがです。
#50
○塩川国務大臣 地方財政計画では補正はございませんが実は各自治体がこれをやっておるような状況なんですね。そこで質問の中に出ておりましたように、地方財政計画の予算と決算の乖離が余りにひどいというこの原因は、一つはそこにもあると私は思うんです。
 私は知事なんかにもよく言うんですけれども、いわば政治的な配慮から当初予算に組まないで補正に出しちゃうんですね。この分は地方財政計画からはみ出して出てくる。それはそれなりでその地方にとっては意味があるからとやかく言うものじゃございませんけれども、そういうようなものをどこかで調整しないと、さっきおっしゃった乖離を埋めるわけにいかないんですね。こういうことはどうしたらいいか、一応こちらの方も研究してみたいと思っております。
 そこで、ことしの分については財源をどこに見出すか。国の方は恐らく平成四年度は相当大きい歳入欠陥が起こるんじゃないかなと、今そんなことを言ったらえらいことだけれども、実際のところそれを当てにしての補正を考えるべきじゃないので、そうじゃなくて、地方自治体は自治体としての対応を考えておかないと、余り国オンリーに頼っておってのいわば牽引車的役割ということはいかないんじゃないか、そこをどうするかということを私たちはこれから概算要求までの間に考えてみたいと思っています。
#51
○山口(鶴)委員 これはまだ六月二十一日まで国会の会期もあるわけですから、地方交付税法が参議院に行きました後でもまた衆議院で、今年度における課題を一体どうするか、明年度予算編成に関して我々地方行政部会としては一体どうするのかというような形でひとつ議論をすべき課題だ。これは委員長がそういうつもりで今後の委員会運営をやっていただくようにお願いしておきます。
 それから、乖離は単独事業ばかりではありませんで、人件費についても相当乖離があるんですよ。見ますと、教育関係職員の乖離が一番大きいんですね。これは平成二年度になりますが、教職員は、地方財政計画では百三万六千百四十七人、これに対して実際には百三十万二千百九十五人、二十六万六千四十八人も差があるわけですよね。それから一般職員の方は、地方財政計画は百十三万二千七百十四人、これに対して実際は百十四万二千七百五十六人、差が一万四十二人ということです。あと消防職員、警察官、それぞれ六千四百四十八人の差、三万二千十二人の差というのがあるわけですが、とにかく教育関係職員が非常に多い。
 これは、文部省もおると思うんですが、定数法で義務教育職員は計算する。高等学校職員も定数法で計算する。そうして義務教育職員は、それが補助金対象にもなるし自治省の方の基準財政需要の算定にもなる。高等学校の方は、補助金がないわけですから、すべてこの基準財政需要の算定の基礎になるということなんでしょう。したがって、その定数法の見方が悪いと私は思うんですよね。文部省、そこはもう少し考えたらいいと思うんです。
 それで、特に私はこの際申し上げたいのは、今、在留外国人が非常にふえているんですよね。これは我が国が国際化時代に入れば当然起きる現象だと思うんです。特に、出入国管理法が改正されまして、日系のブラジル人とか日系のペルー人とか日系のアルゼンチン人とか、こういう方々が非常にふえているわけです。
 ブラジルでは言葉がポルトガル語ですよね。日本では英語、その次はスペイン語でしょう。ところが、ポルトガル語を解する方というのは非常に少ない。また、ポルトガル語を話す方々に対する養成機関というのも非常に乏しいという状況の中で、群馬県でも実は非常に困っているわけです。
 しかも、そういう人たちの子供さんが学校に入るわけですからね。小中学校、当然教職員もふやしてもらわなければいかぬし、またふやしても、言葉がしゃべれる人を採用するというのは至難なんですから、結局言葉を通訳するような方、教員免許状がなければ、結局こういう方はいわば指導員みたいな格好で協力をいただかなければならぬということになるわけでしょう。こういったものについて、私は文部省が定数法の加配等で当然考慮しなければいかぬと思うんです。
 何か聞きますと、全国で二百六十人ばかり加配をしておりまして、群馬県、多いものですから三十三人加配がいっているそうでありますが、しかしこれで十分ではない。当該の市長さん方は非常に困っておられました。ですから、もっと加配を考えたらどうですか。それから、教員以外の補助員の方がないとこれほどうにもならぬわけなんですから。
 それから、何も子供ばかりじゃなくて、こういう大人の方々の住宅の問題あるいは労働の問題、医療の問題、自治体ではさまざまな用があるわけですから、そういうものに対して言葉が話せるような方々、十分面倒を見られるような体制というものについて、自治省は当然基準財政需要で私は考える必要があるだろうと思うんです。それがやはりこれからの国際化社会に向かっての我が国の必要な仕事ではないかと思うんですが、自治省、文部省の御見解を承りたいと思います。
#52
○岡村説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、昨年、外国人子女の就学状況の調査をいたしましたけれども、小学校で約四千人、中学校で千五百人、そしてその母語とする言語は四十三言語、こういう状況でございます。
 それで文部省では、今年度からこういった外国人子女に対する日本語指導を中心とする対応に必要な教員といたしまして、そういう子供の多い学校に教員を加配するということで、全国で二百六十人を措置したわけでございます。
 今後、外国人子女の教育のための教員の定数については、実態等を踏まえて十分検討して対処
さしていただきたいというふうに考えております。
 なお、定数法で措置しておりますのは、小中学校についてはすべて常勤の教員でございます。したがいまして、常勤の教員だけでこの四十三という言語に対応するということはなかなか難しゅうございますので、どうしてもボランティアとか、あるいは、外国に行っておられて帰ってきた方に非常勤講師みたいな格好で学校で仲立ちをしていただく、こういうような工夫をしている市町村が多いというふうに聞いております。これについては、いわゆる定数法で対応することは難しゅうございますので、関係の県あるいは市町村の教育委員会に実態等を十分お聞きした上、必要であれば自治省さんの方に財政面等の対応方をお願いする、こういうことになろうかと考えております。
#53
○湯浅政府委員 ただいま文部省からのお話のとおり、この外国人の子女教育について標準定数法上きちっと措置をされるということになりますれば、交付税は教職員数を測定単位にしておりますから、ずばりこれは人件費が措置されるということになるわけでございます。
 問題はむしろ、そういう形ではなしのボランティア的な形の方々に対する経費をどうするかという問題になろうかと思いますので、そういう問題については、現在でもいろいろ国際交流関係の経費について基準財政需要額で充実をするということをやっておりますし、これからもこういう問題については考えていかなければならない問題でございますので、そういう点からも検討してまいらなければならぬと思います。よく関係省庁とも御相談して適切な対応をしてまいりたいと思います。
#54
○山口(鶴)委員 時間がありませんので、細かい議論をこれ以上するのはちょっと遠慮しておこうと思います。
 いずれにせよ、問題の重要性というのは自治省も文部省も理解をいただいておると思います。ですから、定数法で見るべきものは見る、また、定数法で見られぬものについては基準財政需要で措置すべきものは措置する。また文部省は、とにかく四十数カ国語あって大変なわけですから、養成機関ということもこれはやはり考えていただかなければいかぬと思いますが、そういったものも考えていただくということを注文として申し上げておきましょう。
 最後に、ギャンブルのことをお伺いしたいと思います。
 私は、我が党がかつて公営ギャンブルはすべて反対と言うのを、それはやはりよくない、自治体の財政事情というのがある以上、ギャンブル自体は我々は認める、しかしその運営についてはやはり公正、公平、いやしくもまた暴力団その他の関係のないようにきちんとやることが必要だ、そういう意味で十分注文していこう。先ほど塩川さんが、社会党も何か現実的になんて言いましたが、そういうことは私は一生懸命やってきたので、この際申し上げておこうと思います。
 問題は、これが当初は戦災復興のというようなことだったでしょう。今はもうそういう時代じゃないわけですね。ですから、施行団体についてどんどん均てん化の方向を進めていただきたいと私は思うんです。一部事務組合でいろいろふやしていく方法もあるでしょう。方法はいろいろあります。要するに、できる限り多数の自治体に均てん化する方向を考える。
 それからいま一つは、ちょうど私が地方行政をやっているころ公営企業金融公庫ができました。大蔵省もなかなかこれを粗末に扱っておったんですが、最近はそれでも大分よくなったようでありますが、これに対して納付金、一・二%ですか、という形で均てん化をいたしまして、そうしてこれは、公営企業のみならず河川とか道路とか、そういった自治体の単独事業の起債の金利を下げるためにもこれが活用されている。私は非常に結構だと思うんです。これをもっと拡充強化する必要があるんじゃありませんか。〇・五%から始まって今一・二%のようですが、これをもっとやはり引き上げるということも一つの均てん化の方法だと私は思うんです。
 これは総理府ですか自治省の見解をひとつ承りたい。
 それからいま一つは、中央団体がありますね、自転車振興会、日本船舶振興会ですか、そのもとの全国モーターボート競走会というのがいろいろあるんですが、モーターボート以外は全部特殊法人なんですね。どういうわけかモーターボートだけが社団法人で、役員で会長を決めるから同じ人がずっと万世一系やっておるわけですよ。片方は大臣の任命ですからしょっちゅうおかわりになる。私はこういったギャンブルにかかわる団体の責任者が何十年も同じ人だということはよくないと思います。もちろんこれは法律にかかわる問題です。私はこれはやはり改めるべきだと思います。
 これは自治大臣の考え方をひとつ承っておきたいと思います。
#55
○湯浅政府委員 大臣の御答弁の前に、まず施行団体の均てん化の問題、あるいは収益の均てん化の問題につきまして申し上げたいと思います。
 この点につきましては先生のおっしゃるとおりでございまして、特に、昭和五十四年の六月に総理府の総務長官の御意見を聞くという形で公営競技の問題の懇談会が開催されまして、ここにおきまして一定の意見が集約されております。その中にも、この公営競技というものを適正に運営するということ、それから、弊害の除去をするために明るい環境の整備をしていくというようなことと同時に、収益をできるだけ均てん化していく問題、あるいは施行団体を均てん化していくという問題、これもいずれも指摘をされているところでございます。
 そういう意味から、私どもといたしましては、施行している自治体の意見もよく聞きながら、できるだけ施行団体の均てん化も進めていかなければならないというふうに考えております。
 さらに、収益の均てん化については、今御指摘のように、公営企業金融公庫に売り上げの一・二%の納付金をしていただいておりますけれども、この納付金が公営企業なり道路、河川というような貴重な事業の金利の引き下げに大変役立って、これが結果的には収益の均てん化につながるわけでございますから、こういう点について今後とも努力をしていかなければならないというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
#56
○塩川国務大臣 今の御質問、二つ問題があったと思っております。
 山口先生はもう昭和五十年ごろから公営競技の方を一生懸命社会党の方の責任者になってやっていただいておって、私らも一緒にやってまいりました。その間に、うちの方の主張は終始一貫、均てん化、独占してはいかぬという趣旨でございました。それに沿って細郷さんがああいう均てん化の方法として公庫に入れようという、あれは非常によかったと思っておりますが、先ほども言っておりますように、均てん化の方法につきましては、財政局を中心にしてさらに一層勉強さすようにいたします。
 それからもう一つの問題は、一つの公営競技の関係の団体が独占的な状態でやっておるというのはいかぬではないかというお話でございまして、これは私たちも再三にわたりまして議論をしてきた経過がございます。
 これは、各公営競技がそれぞれ発足いたしました経緯が実はございまして、おっしゃるように、競輪、競馬というのは地方競馬でございますから、それは戦災復興から三角くじなどと一緒に発足したといういきさつがございます。ところがモーターボートにつきましては、そうじゃなくて、最初にあったものをこっちに地方財源に使おうということもあった、引っ張り込んできたという経緯等もございまして、つきましては、それぞれこれを担当しております省庁がございますので、省庁とよく相談をしながら、こういうことがいわば独占、寡占的な構造にならぬように、その
弊害が起こらないようにすることが大事だろうと思いますので、各省庁と協議しながら十分に注意を払って進めていきたい、こう思っております。
#57
○井澤説明員 お答えいたします。
 施行権とか収益の均てん化の問題につきましては、先ほどの答弁とダブるところがございますが、昭和五十四年に出されました公営競技問題懇談会の「公営競技の適正な運営について」の意見書におきましても、その均てん化を進める方向でできるだけ配慮する必要があるとされたところでございます。この意見書を踏まえまして、公営競技問題関係省庁連絡会議の場で各省庁とともに情報交換や連絡を図りながら、それぞれの省庁において適切に対応がされてきたところでございます。
 これらによりまして、例えば一部事務組合の設立によりまして施行権が均てん化されてまいりましたし、それから、公益の増進を目的とする事業のための交付金につきまして、全国的に事業を行う団体を優先的に取り扱うというような対応がなされてきたところでございます。
 今後のさらに均てん化を進める問題につきましては、先ほど来の議員の御議論につきまして、これを関係省庁連絡会議の場等を通じまして関係省庁に十分伝えたいと思います。
#58
○中島委員長 中沢健次君。
#59
○中沢委員 社会党が現在八名この委員会に籍を置いておりまして、ただいまの大先輩の山口委員を含め、それぞれ質問に立たせていただきました。私は社会党の立場ではしんがりでございまして、今のさすがに山口大先輩、大所高所から、しかも昭和四十四年という非常に伝統のある委員会のいろいろな議論などを改めて指摘をされまして、私どもとしても大変勉強になりました。私自身は、今申し上げましたように党としてはしんがり、最後の質問でありますから、正直言いまして、先ほどの山口質問で大きな山を越えたような感じが率直にしております。しかし、大蔵大臣質疑の残された課題、あるいはまだ十分解明できていない幾つかの重要な問題がありますので、そういう内容を中心にしてこれから質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に大蔵の方にお尋ねをしたいと思いますが、四月十六日の大蔵大臣質疑、いろいろありました。大臣答弁をめぐって、私の方としては十分納得ができない、扱いについては理事会にげたを預けまして、理事会でもいろいろ協議をしていただきましたが、最終的に本日、大臣と相談をした上で大蔵省から最終的な見解を示す、こういうことで私どもとしては了解をいたしました。
 残された課題は二つあったと思います。きょうは時間がありませんから、前回の議論は蒸し返しません。改めてまず一つ簡単に再質問しておきたいと思いますが、地方交付税の性格論というふうに言っていいと思うのであります。これについてまた改めて簡単に質問をしたいと思います。
 大蔵大臣質疑で言いますと、随分いろいろな議論をいたしましたが、私自身も議事録を改めて読み返しをいたしまして、私の指摘をしたことについてはやや玉虫色でありますけれども、かなり大蔵大臣も私の意見に接近をしている、こういう感じは持っておりますが、しかし依然として不明な点もある。同時に、ただいま山口委員の方から指摘がありました、昭和四十四年当時の福田大蔵大臣の答弁ということも具体的な事実として存在をしている。
 この辺を念頭に置きまして端的にお尋ねをしたいのは、地方交付税の性格、つまりは固有財源論について大蔵省の最終的な見解を改めて示していただきたいと思います。
#60
○田波政府委員 さきの委員会における御指摘の点を踏まえまして、ただいま御質問のあった点については、羽田大蔵大臣とも御相談した上で、私から答弁をさせていただきます。
 昭和四十四年の福田大蔵大臣の国会答弁以来、歴代の大蔵大臣が御答弁申し上げているように、地方交付税については、特定の国税の税収の一定割合が国から地方に交付されることが決まっていることから、地方から見ていわば権利のある金であり、そういう意味において固有の財源と言っても差し支えないものと考えております。
#61
○中沢委員 今、次長の方からお答えをいただきました。
 実は、私自身も四十四年の議事録を全部読んだわけではありませんが、先ほどの議論を改めて聞きまして、今の答弁で、特に国税の税収の一定割合が国から地方に交付されていることが決まっていることから、地方から見ていわば権利のある金、つまり、地方から見てということは非常にやはり問題ではないか。これは改めて、きょうの委員会で直ちに大蔵省としては再答弁ができればしていただきたいわけでありますが、できなければ、また後日、例えば今度参議院でこの法案の審議等がありますから、そういう場では我が党の方としては、地方から見てということについては、正確に言えばやはり文章的に削除を求めていく、こういうことになろうと思いますから、改めてそのことは正確に指摘をしておきたい。きょう再答弁があれば聞いておきたいと思います。
#62
○中島委員長 ありますか。――中沢君。
#63
○中沢委員 それでは、再答弁ということでは今ちょっと用意がないようでありますから、今申し上げましたように、非常に重要な問題として私どもとしては残して、恐らくもうこの委員会ではなかなか具体的な議論ができないと思いますので、改めて参議院で正式にそのことについてはきちっとさせていきたいと思います。
 もう一つの問題は、八千五百億の特例減額をめぐってでありますが、これも端的に申し上げますと、この間の大蔵大臣答弁では、私自身は、今度の八千五百億の特例減額をまとめたというその理論的な背景は、自治省は、大臣も含めて、公経済のバランス論である。我々としては、そのことであれば、この法案についてはいろいろあるけれども論議の余地がある、このことは明確に申し上げておりました。
 ところが大蔵大臣は、八千五百億の特例減額は、地方が財政に余裕がある、つまり、地方財政余剰論である。こういうことで随分繰り返し繰り返しやりまして、大蔵大臣も最後のところは大分私の見解や自治省の見解に近づいてまいりましたが、しかし依然としてそこのところは非常に不透明。
 これは非常に大事な問題でありますから、あえてそのことを、改めて大蔵省としての最終的な見解を示していただきたいし、特にあの際も指摘をしましたように、予算の説明書の中で、特例減額をやった理由に、明確に財源余剰があるからだということを説明をしておりまして、ついこの間も指摘をしましたように、本来的にはあれはやはり文章的にも撤回をすべきだと思っております。しかし、ここまで来ておりますから、仮に撤回をしないにしても、少なくとも来年度以降、この種の文章表現は極めて不適切である、来年度以降は改めるべきである。
 改めてそのことを指摘をして、それも含めてお答えをいただいておきたいと思います。
#64
○田波政府委員 国と地方は公経済を担う車の両輪であり、両者が協力しながらバランスのとれた運営を行っていくことが必要なことは当然であります。
 平成四年度予算編成においては、地方財政の円滑な運営に支障を生ずることのないよう、所要の交付税総額を確保した上で、非常に厳しい国の予算編成状況のもとで、公経済のバランスを勘案しつつ、関係者の御理解、御努力を得ながら、地方交付税法附則第三条に基づく地方交付税の特例措置を講じたところであります。
 なお、来年度の「予算の説明」における説明ぶりにつきましては、今回の当委員会での御審議を念頭に置きつつ研究したいと考えております。
#65
○中沢委員 きょうのところはそういう答弁を受けておさたいと思いますが、しかしいずれにしても、公経済バランス論ということについて実質的に大蔵省がそういう見解に立つということと、同時に、そういう見解に立つ以上はあの「説明」の
文章表現そのものは整合性を含めて全く出てこないわけでありますから、私自身は、とりあえずきょうの委員会でそれを受けるということは、少なくとも来年度以降ああいう説明をしない、地方財政余剰論ということとあの説明については事実上撤回をした、このように受けとめておきたいと思うのです。
 この問題が仮に再燃をしてまいりますと、もちろん来年またこの委員会でもやるわけだし、もっと言えば、この種の問題というのは非常に国政上の大問題にもなってくると思いますから、私は、本委員会もそうでありますが、場合によっては予算委員会も含めて、社会党は文字どおり党を挙げて徹底的に対決するときは対決をする、このようになろうかと思います。そうならないためにも、今私が指摘をしたようにきちっとけじめをつけていただきたい、このことをまず申し上げておきたいと思うのです。
 もう一つありますのは、今の説明の中で、所要の交付税総額を確保した。これはかねてから我が党としては、これは自治省にもそうではない、大蔵省にもそうではない、もともと、この所要の交付税総額を措置をしたということは、確かに現在の法律の枠組み等々から見ればそう言えるかもしらぬけれども、本来的には、もっと地方の行政需要はたくさんある、もっと言えば、基準財政需要額がもっともっとふえて当たり前だ。
 それを、自治省や大蔵省が、やや権力をかさに着てと言っては語弊があるかもしれませんが、必要な基準財政需要額や行政需要については抑え込んで、それで結果的には所要の交付税総額を措置をしたから、そして八千五百億の特例減額をするだとか、こういう言い方につながってくるわけですね。
 ですから、私の方はあえてくぎを刺しておきたいと思いますけれども、所要の交付税総額を確保したということについては、私を含めて、少なくとも我が党としてはそういう見解には立たない、立てない、そのことをくどいようですが改めて指摘をしておきたい、このように考えます。これについては特別大蔵省の方からのきょうの答弁は求めません。
 さて、次の問題に移ってまいりたいと思いますが、実は北方領土のビザなし交流問題、少し時間をいただいて取り上げてみたいと思います。
 外務省と総務庁の関係者もおいでをいただいておりますが、実は北方領土のビザなし交流については、これは国家的ないろいろな大事なことでもあるということで、少なくとも各会派の国会議員の皆さんはそれなりの情報や事実認識をお持ちだと思うのです。ただ、私も北海道の出身でありますから、少しく最近の具体的な事実も含めて、以下関係省庁にお尋ねをしたいと思うのであります。
 ロシアとの間のビザなし交流という話が昨年の十月に外交ルートで正式に両国間で合意をいたしまして、そしてことしに入りましてから、実は先月ロシア側の方から、つまり北方四島に住んでいらっしゃるロシアの国民が北海道を正式に訪問されました。これは十九名でございます。そして昨日から十七日まで、今度は日本側から北海道の関係者、旧島民、報道関係四十五名、第一陣ということで船をチャーターいたしまして、昨日花咲の港を出港して現在北方領土を訪問中なわけであります。
 もっと言いますと、北海道的な計画で言うと、日本側からの訪問団はことしまだ二回考える、七月百三十五名、十月四十五名、こういうことが、具体的な実績も含めて、今年中のビザなし交流の計画が既にある。もっと言えば、ロシア側から今年中にどういう訪問があるかということは、これからいろいろ両国間でまた協議をするということでまだはっきりしておりませんが、恐らく出てくると思うんですね。そうしますと、北方領土返還というのは、我が日本の国にとっては長い間の運動の積み重なった国家的な悲願であるということはもう言うまでもない。ビザなし交流というのは、やはり北方領土返還のための雰囲気づくりといいましょうか条件づくりということが非常に大事な国家的な事業である、私はそう思うのです。
 そのことを前提にして、具体的に外務省と総務庁、そして自治省にお尋ねしたいのは、問題は、その種の交流についての財政がどうなっているか。一言で言えば、受け入れをする経費も派遣する経費もすべて北海道という地方自治体が責任を持っている、これは非常におかしいと思うんですね。もっと正確に言えば、北方領土のいろいろな運動の関係で百億円の基金が既に積み立てられておりまして、その百億の基金の五分の四はたしか国が責任を持つ、五分の一が北海道が責任を持つ、基金の果実については、それなりの一般的な返還運動の費用には充てておりますが、ビザなし交流についてはその種の果実も一切使われていない、こういう現実があるのです。
 さて、そこで外務省にお尋ねをしたいと思いますが、ロシアから訪問をされた、既に十九名訪問された。道に聞きましたら、受け入れ費用で北海道が負担をしたのは四百九十万円である。金額はそれほど大きくはない。この種のことがこれからずっと継続をすると結構莫大な道の持ち出しになるのではないか。やはり本来この種の経費は外務省が責任を持って財政措置をすべきではないか、なぜ平成四年度予算措置ができないのか、あるいは、四年度どうしてもできなかったのであれば平成五年度に向けてどうするのか、この辺を外務省に聞いておきたい。
 総務庁には、今度は日本の国民が北方四島を訪問する、先ほど言いました既に第一陣が出発、第二陣、第三陣を含めてかなり大勢の方が行く。聞きましたら、一回に約二千五百万くらい北海道の持ち出しかある。これも同じように国家的な北方領土の返還という至上命題に向かってのビザなし交流であれば、その種の費用をなぜ総務庁が持たないのか、こういう率直な疑問を持つ。平成四年度とうなっているか、平成五年度に向けてどうするか、これを総務庁に聞いておきたい。
 それと自治省に聞いておきたいのは、それは外務省と総務庁の答弁次第でありますけれども、実際問題としては平成四年度もう始まってまして、その種の予算措置は現実的にはそう右から左簡単にはいかないと思うんですよ。しかし、結果的には北海道が受け入れと派遣の、送り出しの費用を全額持っている。年間通しましてそれだけで恐らく一億は超えるんではないかと思いますね。これは単年度限りであればまた話は別ですよ。しかし、この種の事業というのはやっぱり北方領土が戻ってくるまで相当長く、粘り強くやる必要がある事業でありますから、そうなれば、私流に言えばやっぱり地方財政に被害を与えている。これはやっぱり自治省としては黙って見過ごすわけにいかないんではないでしょうか。
 例えば普通交付税で、これは後で一般論として取り上げますけれども、地方の国際交流の時代であればその交付税にどういうカウントができるのか、あるいは北海道のやや特殊的な事情であれば特別交付税でどのように措置がされるのか。そういう内容について、これは外務省と総務庁の答弁次第でありますけれども、自治省からもお答えをいただいておきたいと思います。
 以上です。
#66
○小町説明員 お答えいたします。
 今先生御指摘の北方領土住民とのビザなし交流の第一陣、ロシア側から計十九人の方がおいでになったわけでございます。これにつきましては、今先生御指摘のように北海道が中心となって受け入れをやっていただいたわけでございますけれども、外務省としても、その滞在に当たりまして一部レセプション経費等を持つ等の努力はさしていただいたようなことはございます。ただ、今年度、四年度まだこれから行われますので、我々としてもさらにどういう御協力ができるか、今部内で検討しておる段階でございます。
 五年度の概算要求との関係につきましては、この四年度のビザなし交流の実施状況をにらみながら鋭意検討していきたいというように考えており
ます。
#67
○麻植政府委員 お答え申し上げます。
 北方四島との交流の枠組みにつきましては、訪問を希望する団体が自発的に渡航することを前提に設けられたものでございまして、その訪問に伴います渡航費用は、原則として訪問団において負担していただく性格のものであるというふうに考えておるところでございます。
 総務庁といたしましては、平成四年度予算におきまして、我が国からの訪問団が行う北方四島での交流を支援するために、啓発用パンフレットでありますとか、あるいはロシア語パネルの作成等に必要な経費を盛り込んだところでございます。
 今後さらにどのような支援を行う必要があるかどうかにつきましては、北方四島との交流の進展状況を見守りながら、あらゆる角度から慎重に検討いたしてまいりたいというように考えておるところでございます。
#68
○湯浅政府委員 ビザなし渡航の関係につきましては、基本的には国の問題が非常にかかわってきているわけでございますので、国と地方との経費の負担区分のあり方という問題をやはりこの際きちんと整理をしておく必要があるのではないかという感じがするわけでございます。
 そういう点もございますし、先ほど先生も御指摘のように、北方領土隣接地域の振興等基金というものもございますから、こういうものが現実にあって、この基金の運用益の活用方法という問題もやはり検討の対象になるのではないかというふうに考えておりますので、そのあたりの経緯というものを十分見きわめた上で、私どもといたしましても、道がやはりどうしても必要な経費として措置をしなければならないということになった場合には、これに対する財源措置を検討してまいらなければならないと考えているところでございます。
#69
○中沢委員 自治大臣に政治家として、少しく見解も聞いておきたいと思います。
 今、外務省と総務庁と自治省の方からお答えがありました。特に私は、総務庁がこの種のビザなし交流というのは一般的な事業であるかのような答弁であって、極めて心外です。例えば北方の墓参団というのはもうずっと前からやっておりまして、そういうものと同一視をすること自体問題がある。北方領土返還という国家的な大目標に関係するビザなし交流である、私はかねてからそういう持論を持っています。本当から言えば、これは外務委員会だとか河北あたりの特別委員会で基本的に議論をしなければなりませんが、大臣は閣議に毎回出ておりますから、少なくともきょうの委員会で社会党の方からそういう指摘があったと。これはやはり、外務省もそうだけれども総務庁も含めて、国家的な事業の一環としてとらえ直しをして、ビザなし交流のいわゆる枠組み、性格づけについて言えば、もう一度改めて閣議として責任を持って議論をしてもらいたい。これについて大臣としてどういうふうに考えておられるか、それが一つ。
 もう一つは、具体的な問題として、今自治省の方からお答えがありましたことで一般論としては私は理解をするのでありますが、やはり北海道もいろいろ事業をやっておりますけれども、北方領土返還運動というのは最大の力を入れてやってきた。正念場を迎える。国家的事業であるけれども、その辺はとりあえず割り切って、北海道が財政的にもひとつ責任を持ってやろうと、私はこういう意欲はそれなりに評価をしたいのですけれども、そうはいっても、いつまでも北海道だけということ自体やはり基本的に問題がある。例えば船を雇うにしても、一回につき一千二百万かかる。これから頻繁に行ったり来たりした場合に、この際だから政府の専用船でもつくったらどうだ。専用機二機買うぐらいであれば、北方領土のビザなし交流用の専用船をつくったらどうだ、あるいは政府が責任を持ってその船はチャーターする、その金は国が持つ、例えばそういうことを、やはり具体論としても自治大臣としてぜひひとつ決意を固めていただきたい。そうしなければ、これから平成五年度の予算要求の際に、私どもも同じ立場でこれからいろいろ関係方面に要請しますが、恐らく与党の関係者の方からも同じような声が出てくると私は思うのです。
 その辺も含めて、政治家としての大臣の見解を聞いておきたいと思います。
#70
○塩川国務大臣 北方領土のビザなし交流というのは、私はこれはやはり一地域の問題ではないと思います。確かにこれは外交問題だと思います。
 そこで、この経費がどのぐらいかかっておるかということについて、私は無関心であったなと、今お聞きして、なるほどこれは大変な金がかかるということがわかりました。
 ついては、ちょうど昭和五十四、五年であったかと思うのでございますけれども、政府が金を出しまして、北海道庁の方も出しまして、北方四島の基金をつくりましたね。あれをどういうぐあいに使っておるのか。私もちょっとうかつで認識なかったのですが、この問題もございますし、それから、この交流事業が実際今後どのように外交的問題として展開していくかという、その将来の展望、これも私はわかりませんし、要するに、外務省それから総務庁、こういうところと一回よく相談しまして、おっしゃる趣旨はよくわかりました、わかりましたので、私なりに一回努力してみまして、御期待に沿うようにしたいと思っております。
#71
○中沢委員 そんなことで、我々も地元の問題という意識ではなくて、国家的な問題だ、こういう意識でまたそれぞれ頑張っていきたいと思いますが、ぜひひとつ大臣も一生懸命力をかしていただきますように、改めてお願いを申し上げておきたいと思います。
 次の問題に移りますが、特会の直入論について、少し角度を変えまして、具体的に私なりの提言も含めて若干質問をしたいと思うのでございます。
 もともと交付税特会に交付税について直接入れろ、私どももかねてから随分そういう議論を言ってきました。自治省も同じ立場に立っている。現状においては大蔵省はそのことについては全く見解を異にいたしまして、非常に長い間平行線のままずっと来ていると思うのです。今度の法案審議に当たっても、同僚あるいは関係の委員の方から同じような指摘があって、自治省はそう思うのだという答弁がある、ところが大蔵省はそうではない、こういうことで依然として平行線があると思うのです。
 それで、ない知恵を少し絞りまして考えたのでありますが、やや次善の策というか、ワンクッションを置いてということで、こういうことではどうなんだろうかということをこれから具体的に申し上げたいと思うのです。それについて自治省側と大蔵省側の見解を改めて明確に示していただきたいと思うのです。
 こういう方法はどうかということですが、特会直入が困難であると。現状においては我々もその主張は下げませんが、では現状においてどういう方法があるか。そうすると、直入が困難であれば、ひとまず交付税原資というのを一般会計に持ってくる。そして今度は一般会計から交付税の原資を全額特会に繰り出してくる。そして今度特会の中で、国に貸すのか貸さないのか、貸し借りをはっきりさせていく。こういう、ワンクッション方式といってもいいと思うのでありますが、大蔵省もそれなりに乗りやすい、自治省も、いろいろ不満であっても、これであれば現状よりも一歩前進をする、私は自己流にそういうふうに考えたのでありますが、そういうことではどうかなと思うのです。
 もっと言いますと、大蔵省は直入論に反対する論拠としては、四月の交付税配分ができませんよと。それから、予算規模が交付税を抜かれるとその分くっと縮小されて、それは困るのだ。それから、全体的な歳入の見通しがなかなか立てられない。この三つぐらいが交付税特会直入論に反対を
する大蔵省的な理論的な根拠ではないか。私が今言ったような方法であれば、大蔵省もこの三つの反対をする根拠をかなり失っていくのではないのか。ですから乗りやすいのではないか。自治省はもともと僕らと同じ意見でありますけれども、この際だから大蔵省と自治省が話をしてまとめるということであれば、私は、そういうことも検討に値するというふうに言っていただけるとは思いますが、繰り返しませんが、それについて自治省と大蔵省の見解を聞いておきたいと思います。
#72
○湯浅政府委員 御指摘のように、本来の地方交付税の分をまず一般会計から特別会計に繰り出してもらって、それでその後で貸し借りを決めていく、こういう御提言というふうに理解いたしますが、確かにそういう形でやりますと、地方交付税の固有財源としての性格というものはこれは明確になるという点では非常に貴重な御意見だと思います。財政当局と十分御協議した上でのお話でございませんので、実際上の予算編成に当たっておられる立場からどういう問題点があるのかという点について、私どもちょっとまだ十分検討ができていないということもございまして、会計処理上どういう問題点が出てくるのかなという点について、もう少し私どももお時間をいただいて、可能かどうかという点も含めて検討をさせていただければというふうに考えているわけでございます。
#73
○原口説明員 お答えいたします。
 地方交付税は、国が地方に交付する交付金でございまして、一般会計の歳出に計上しているものでございますが、一般会計におきまして、加算もしくは減額の特例措置が講じられる場合には、講じた後の地方交付税を計上することとしており、従来から一貫してこういう取り扱いを行ってきておるところでございます。
 これを変更することについて御提案あるわけでございますが、毎回申し上げるようにいろいろな問題点があるのではないかというふうに考えております。具体的には、御提案の方法によりますと、特例措置の分が歳入歳出の両方に計上されるということになろうかと思いますが、こういう点についての是非、またこれと関連いたしまして、そうしますと、当年度におきます国・地方の財源配分、予算での一覧性というのが損なわれないかとか、またあるいは予算の連続性といった面で、規模の比較とかいうような問題も含めて、連続性が保てなくなるのではないかといったような点で問題が多いのではないかと考えております。
#74
○中沢委員 私はこの問題で言えば、くどいようですけれども、特会直入論ということの旗はおろしているつもりはないんですよ。ただ、もう十数年来同じ議論をして平行線、先ほど大臣から野党ももう少し現実的なという話がありまして、別にそのことに誘発されたわけじゃありませんが、私はもともと極めて現実派でありまして、この委員会でも相当現実的なことをずっとぶつけてきました。今お答えがありましたような内容は、今直ちに私の具体的な提案についてわかりましたというほど物事は簡単ではない、それは私は百も承知の上で質問をしているのでありますが、やはり私の提案も一つの現実的な、両省間の溝、社会党や野党の、あるいは党派を超えたこの委員会の附帯決議の趣旨からいって、これも一つの現実的な歩み寄りの接点に私はぜひ取り上げていただきたい。
 従来から速球を投げていましたけれども、この問題で言えば変化球でありまして、大分打ちやすいのではないかと思いますので、その辺は、きょうのところはもう時間がありませんからこれ以上やりませんが、ぜひひとつ私としては参議院段階でも少し議論もしてもらいたいし、本格的には来年度の法案審議にまた我々的にももう少しきちっと理論武装も必要であればして、本格的な議論を今私が提案したような内容でやっていきたいと思いますから、今後の検討課題としてぜひ重要に受けとめていただきたいと思います。
 さて、もう一つの問題は地方財政計画の基本的な問題でありますが、これは従来から同僚議員や先ほど山口大先輩の方で取り上げました必要な交付税総額の確保という、具体的に言うと基準財政需要額を見直しをして、本当に今国際化だとか情報化だとか高齢化、新しい行政需要が地方の段階でどんどんふえてくる、こういう時代にマッチしてどうするか。
 非常に大きなテーマでありまして、先ほど大臣からも改めて決意のほどが示されました。私は、やはり我が委員会の共通の問題としてこれが非常に大きなテーマで、少なくとも平成五年の地方財政計画、地方交付税、連動しましてこれが一段階上に行かないと、国家的な立場で言っても、非常に大きな問題を残すのではないか、時期としても失してはならない、こういう思いを特に強くしておりまして、改めて具体的な各論はやりませんが、必要な地方交付税の総額の確保、必要な基準財政需要額の確保、改めてこれは大臣から決意のほどを、簡単で結構であります、示していただきたいと思います。
#75
○塩川国務大臣 私は、現行の基準財政需要額の確保につきましては、来年度も、あるいは近い将来におきまして、そんなに不安は感じておらない、これは絶対確保できると思っております。
 ただ、問題は、私は今非常に解決しなければならぬ問題として浮かんでおります問題は、今までの補助対象事業になっておったものの中の、あるいは国庫負担になっておった事業、それをいかにして一般財源化していくかということ、これをやはり並行的に考えていかざるを得ないのではないか、これを忘れることはできないのではないか。この分と、それから新しい意味におきますところの基準財政需要額のいわば発掘と申しましょうか開発と申しましょうか、これとの関係をどこで財源的にどう調整していくかということが、これは将来にわたる大問題ではないか。
 その努力は絶えずすることによって地方分権への道を確実に少しずつでも前進していける、私はそう信じておりますので、今の御質問にございましたように、今後その基準財政需要額の確保について確実に努力していきたいと思っています。
#76
○中沢委員 それでは、今大臣からいみじくも一般財源化問題が出されました。私も全く同意見でありまして、かねてからやはり、補助金について言えば一般財源化という方向でと。ようやく平成四年度一千五百億一般財源化という大きなステップがそこにあったと思うんですね。
 ついこの間建設委員会で地方拠点都市法の審議の際にも、大臣にもあの法案に関連をして申し上げて、大臣からも答弁もいただきました。やはり自治と分権という時代は、裏返しをすると、国の権限をどうやって地方に移すか、財源的に言えば、補助金から一般財源化をどうやって進めていくか、こういうことに尽きると思うんですね。今までも随分そういうことをやってきたけれども、なかなか難しかった。ようやく平成四年度、内容は言いませんが、トータルをすると一千五百億一般財源ということにした。権限もそれなりに地方に移る。しかし、私はこれだけではまだまだ不十分だと思うんですよ。
 例えば、先ほどビザなし交流の問題を取り上げました。あれに関連して言えば、我が国の地方自治体が諸外国の地方自治体レベルといろいろ交流をやっているわけですね。姉妹都市をつくったり人的な交流をやったり、あるいは文化的な、経済的な交流もやっている。そういう時代だと思うんですよ。そういうことは特別、権限には直接関係ないにしても、そういう角度からやはり地方財政を見直しする、そして今ありましたように、縦割り行政の中でしっかり権益として持っております補助金について言うと、この際だから、やはり時代の流れだ、その方がいい、こういうことで一般財源化をしていく、こういう雰囲気づくりというよりも条件整備をこれから少なくとも平成五年度に向けて相当程度規模を広げて、テンポを速めてやっていく必要があると私は思います。
 例えばこの省のこういう事業ということは今支障がありますから言いませんが、総論として今大臣ちょっと発言がありましたけれども、やはり補
助金の一般財源化というのは、単なる一般論だけではなしに具体的な問題も含めて大事だ、平成五年に向けてなお一層自治省としては決意を固めて頑張る、こういう立場に立った見解を確認の意味で改めて聞いておきたいと思います。
#77
○塩川国務大臣 私も努めていきたいと思っております。これは総論賛成なんですね。各論は反対になってきまして、これは与野党ともこの問題については頭の痛い問題を抱えておると思うんですが、ただ、その点どこで割り切っていくかということは、結局これは我々の不断の努力しかないのではないかと私は思っております。
 同時に、地方自治体、特に府県レベルにおきます地方自治体の問題が相当あるわけでございますから、ここらが絶えずそういう意識を喚起してもらうようにしてほしい。私は非常に奇異に感じますのは、肝心の地方自治体のところが、要するに、自分らの自治よりもむしろ頼みに行った方が、どう言うたらいいですかね、お願いしますと言って中央省庁の方へお願いに行ってしまうようなことの方が多いものですから、どうしてもそうなってくるんですね。ここらを、私はいつも言っていますが、意識の転換がやはり先行しなければいけないのではないか。両々あわせて努力していきます。
#78
○中沢委員 今大臣から改めて決意がありました。我々も、地方の陳情行政というのは弊害があって、長年それにすっかりなじんでしまって、悪ずれをしている、表現が悪いかもしれませんが、そういう批判もしております。しかし批判をしていただけでは物事は解決しませんから、したがって我々も努めて建設的に、自治大臣も、今お答えがありましたように建設的に、確かにいろいろ壁があることはわかりますが、一般財源化に向けて今後もまた全力を挙げて頑張っていただきたいと思います。
 もう余り時間が残っておりませんので、あとは具体的な問題について幾つかお尋ねをしてみたいと思いますが、一つは地域づくり推進事業の関係であります。ふるさと創生が始まって、いろいろな経緯があって、いいところもあるし若干の問題もある。改めてそのことは繰り返しをしません。
 さて平成五年度以降どうするか。三年間で一つのけじめをつける、平成五年度以降はどうするか、これが大きな課題として残ると思うんですね。同僚議員もいろいろ指摘をしておりました。私も指摘をしてまいりましたけれども、平成五年度以降の自治省の具体的な対応について、どういう見解を持っているか。少なくとも、やはり大蔵省との間の話ということは当然出てくると思いますが、きょうのところは自治省としての対応についての決意を改めて聞いておきたいと思います。
#79
○滝政府委員 地域づくり推進事業について五年度以降の問題について御心配をいただきました。私どもは、前にも申し上げたと思うのでございますけれども、過去実質的に三年間の実績と申しますか、そういう上に立って、来年度の予算要求と申しますか、そういう段階までにひとつ新しい観点から問題の整理をいたしてまいりたい、こういうふうに実は考えておりまして、現在これにつきまして調査中、一口で言えば調査中ということでございます。
 そういう中で私どもとしましては、基本的には現在の自主的、主体的な地域づくり、こういう基本的な考え方というものは平成五年度以降も当然必要である、こういうようなことでございますので、そういう観点から、今申しましたように過去三年と申しますか四年と申しますか、そういう中での実績を少し整理いたしまして、基本的な考え方というものを骨格にした具体策をまとめたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#80
○中沢委員 一区切りをつけるということでは我々としても理解をしますが、しかしこの種の事業というのは非常に重要であって、内容はいろいろあるのでしょうけれども、やはり実質的に平成五年度以降も必要な事業である、改めてそのことだけを指摘をして、課題としてはまた残しておきたいと思います。
 さて、各論の二つ目でありますが、環境保全対策の問題について簡単に質問しておきたいと思います。
 従来いろいろ議論がありまして、平成四年度の今度の法案に関連して新しい制度を導入して、金額にして一千億交付税措置がされました。私は、国際的にもあるいは国家的な立場で言っても、環境保全というのは非常に大事な政治テーマである、それだけに交付税としてそれをしっかり支えようということで、金額は決して十分満足はしませんが、新しい制度で一千億計上した、これは評価をしておきたいと思います。
 ただ、今度の法案審議に当たりまして同僚委員の方からかねがね、例えば山村地帯の非常に広大な森林を持っているところ、自然破壊が著しい、災害も含めて、あるいは開発も含めて、そういうところの緑をどうやって守るか、自然環境をどう守るか、これは今の基本的な交付税の配分、地方財政計画は不十分だから抜本的に基本的にそういう観点で見直しをすべきだ、こういうことを繰り返し繰り返し指摘をしてきました。それなりの答弁があったと思うのですけれども、この際、確認の意味で私の方からも改めて指摘しておきたいと思います。
 しかし、いずれにしても、地財計画、交付税という角度から言えば、そういう市町村に対する特別なあるいは抜本的な制度改正が必要だ。これはぜひ平成五年度で、単なるスローガンというか言葉だけではなくて、具体的な内容として示していくように、これから自治省を中心に全力を挙げてもらいたい。ブラジルで国際会議のある年でもあるし、長く国会の歴史に残る、我が委員会としてはあの年にこういう議論があって、平成五年からそういう内容についての交付税の相当抜本的な改正があったんだなという後世に残るような思い切った制度改正をやっていくべきだ、改めてそのことを強く指摘をして、お答えをいただいておきたいと思います。
#81
○湯浅政府委員 森林につきまして、従来の単なる林業という見地からだけではなくて、国土保全とか自然環境の保全とか、あるいは水資源の保全というようないわゆる公益的機能を相当果たしている、こういう観点からこの森林問題について見直すべきではないかという議論が最近出てきております。同時に、林業の収益性というものをこれからどういうふうに確保していくか、それから、その地域の山村の人口流出でございますとか高齢化の問題というものにどう対応していくか、いろいろな問題が派生じてきているというふうに考えております。
 そういう意味で、今御指摘の点は、私どもも何とか自治省としても対応できないかということで、林野庁、国土庁と一緒になって今検討会を持って、現地にも既に何回か行きまして、そしてこの問題についてどう対応したらできるかという点を具体的な問題として今検討を進めているところでございます。平成五年度だけですべての問題が片づくというようなものでもないかもしれませんが、当面、ともかく明年度に向けてどんなことができるか、あるいはさらに中長期的な見地からどういうことができるか、こういうことを含めて積極的に検討してまいりたいというふうに考えております。
#82
○中沢委員 きょう現在はそういうことはひとつ受けとめておきまして、とにかく強く期待をしておりますから、今後ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 各論の三番目の問題になると思いますが、国際交流の問題に関連して、簡単に指摘をしておきたいと思います。
 私の出身の夕張の国際映画祭の話はきょうはいたしません。先ほどビザなし交流の話をしました。国家的な事業ということも含めて自治体が国際交流をやっている、あるいは自治体レベルの責任で国際交流をやっている、たくさんあるわけで
すね。確かに今の交付税制度では、それなりの財政措置という仕組みがある。しかし私はこれは規模から言って、とてもじゃないけれどもこの程度の財政措置ではやはりもう時代おくれた。大臣も、ついこの間指摘をしたときに、これからはやはり思い切って自治体レベルの国際交流についても財政措置の必要性はあります、こういうお話がありました。
 そこのところをもう一度確認をしておきたいことと、それに関連をすると思うのでありますが、先ほど山口大先輩の方が取り上げました在留外国人の新しい地方の行政需要をどうするか、これはやはりやや国際交流と同質の問題だと私は思うんですね。国内的な国際交流と言っていいと思うのです。この観点が恐らく今までちょっと欠落をしていたのではないか、いろいろな議論をしたと思うのでありますが、少なくとも交付税措置という角度で言えば、ここのところをほとんど見落としている、私の反省も含めて。
 したがって、そうなるとこれからどんどん国際化が進む、自治体レベルでもたくさんの在留外国人が住んでいる、そうすると、自治体のサービスの中でそういう方々に対する行政サービスというのはこれからいや応なしにふえていくと思うんですね。であれば、必要な行政需要に対する交付税措置、地方財政計画の見直しがあって当たり前だと思うのです。ただ、当たり前の話が正直言って、今まで余りこの委員会では具体的に取り上げられていない。
 したがって、そういう内容も含めて相当真剣に、平成四年度、仮にもう間に合わないにしても、少なくとも平成五年度、そのことも大事な課題として受けとめて交付税の制度の見直しをやるべきだと私は思うのですけれども、一般的な国際交流と内なる国際交流と言っていいと思うのでありますが、そういう在留外国人に対する具体的な交付税措置についてどういう基本的な考え方を持っているか、示していただきたいと思います。
#83
○滝政府委員 ただいま国際交流につきまして二点お話がございました。
 第一点の海外支援の問題でございます。
 これにつきましては、地方団体も最近はこの問題にかなり積極的に取り組んでまいりました。従来は、法律上の問題もございまして、どちらかというと海外支援というのは消極的な点もあったのでございますけれども、地方公務員の海外派遣法という法的な制度ができましてからかなり積極的になってまいりました。こういった関係で、現在行われております方式は、主体はあくまでも国際協力事業団の事業に乗っかって海外に技術専門家を派遣する、あるいは海外からの研修生を受け入れる、こういうことが一つの流れでございますけれども、当然今のお話にございますように、地方団体によりましては国際協力事業団の事業に乗りにくい性格のものもかなり取り組んでおります。
 これは地方団体が熱心だというよりも、そういうようなことをやらざるを得ないという面があろうかと思うのでございますけれども、そういった点における交付税措置の問題というのがやはり新たな問題として出てくる、こういうふうに考えておりまして、平成四年度のこの交付税法の御審議をいただいておりますけれども、その中で県分につきましては、そういった観点から海外協力事業団の事業に乗りにくいもの、わずかでございますけれども、計画としていただく、こういうようなことを現在考えているわけでございます。
 それから二点目の、在留外国人に対する問題でございます。
 これも、事業といたしましてはかなり先導的な事業ということで、昭和六十一年から平成元年にかけてやった経緯があるわけでございますけれども、国際都市整備ということでリーディングプロジェクト事業という格好でやってまいりましたけれども、これはあくまでもモデル事業ということでございまして、全国的に普及するというような性格のものではないものでございますから、現在やっておりますのが、交流の町推進プロジェクトということで、具体的にその地域地域における国際交流と申しますか、外国人の町づくりをどういう格好でやっていくかということをそれぞれの地方団体で御計画いただく、こういうようなことで実験的に、金額はわずかでございますけれども交付税で措置をいたしまして、現在やっているわけでございます。
 この辺につきましては、今後の実績を見てまいりまして、私どもも、そういう実態を反映するような格好で、できるだけこういった問題がスムーズに一地方でも受け入れられるような措置を国際交流の立場から推進してまいりたい、こういうふうに考えております。
#84
○塩川国務大臣 外国人問題と絡んで、先ほど山口先生のときに私も答弁しようかなと思っておったのですけれども、時間が制約されておったので省略させていただきましたが、あわせてお答えしたいと思っておりますのは、実は地方自治体全部で今交付税措置というのは、国際交流関係全部で約五百億ほどなんです。これは府県関係でいきまして百六十億で、市町村関係で三百四十億、大体こんなようになっているんですね。これは本当の交流のことでございまして、それぞれの事業化になっておらぬ予算金額なんですね。ところが、今日外国人労働者問題というよりも外国との交流ということがいろいろな面で社会問題、経済問題、非常に密接に関係してまいりますと、こういうのはどういうふうに一体地方自治体が当たっていっていいのかということは私は大きい問題だと思うんです。
 実は私の方に、私は今国家公安委員長を兼ねておりますので、警察の方も通訳の確保に困っておるんです。そういうことで、この措置を何とか講じていかなければいかぬ。ところが、これは先ほども話が出ておりますように、日本はみな中央集権で各省縦割りでございまして、それはおれのところの領分だ、こう言われるとこっちは手を出しょうがないということがある。
 したがって、私の方から、自治、文部、外務と大蔵に呼びかけまして、総理府もございますが、一回この問題、事務的に総合的に各省集まって話し合いをする場を呼びかけてつくっていきたい、こう思っておりまして、それをもって対策を立てていきたいと思っております。
#85
○中沢委員 もう時間を超えましたから、あと予定されておりましたけれども、やめますが、ただ、先ほど山口委員の方から、経済緊急対策等の問題などがやはり課題として残っているのではないか、簡単に言えば、改めて自治大臣に対する一般質疑の時間をとったらどうだという御指摘と私は受けとめておりますから、後ほどまた理事会等の中でもぜひ協議もさせていただきたいと思います。
 いずれにしても交付税法案、いろいろ問題がありますが、随分議論をしてまいりました。改めて党の態度を後ほど明確にいたしますけれども、自治大臣以下関係者、それぞれ積極的な答弁とやや消極的な答弁がありましたけれども、大変御苦労さまでした。
 以上をもって私の質問を終わらせていただきます。
#86
○中島委員長 この際、暫時休憩いたします。
 なお、本会議散会後、直ちに再開いたします。
    午後零時五十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十七分開議
#87
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。吉井英勝君。
#88
○吉井(英)委員 まず、地方財政が多額の財源不足を生じたときにとられた補てん措置について、二月二十八日の本会議で、かつては地方財政が非常に苦しいときは、国から多額の御支援をいただいて交付税を財源確保してきたということもございますし、今回は特例措置をもって八千五百億円の措置をせざるを得なくなりました、こういう答弁がありました。「国から多額の御支援」という
ことが言えるかどうかということがまず問題だと思うのです。
 本来交付税率の引き上げを行うべきところを、交付税特会からの借り入れと地方債の増発という、大半が結局地方の借金で穴埋めという形をとりました。このときの地方債の増発が今でも地方財政の重荷になっておりますし、国が負担したのは特金借り入れの半分ですね、地方が半分ですから、それも、今回の地方財政対策を見ますと、最終的に国が負担するかどうか非常に危なっかしいといいますか、そういうところが見受けられます。
 財源補てんの方法については、実は地方団体はもとより野党すべてがこのとき批判をしました。そして当委員会では、交付税率を四〇%に引き上げるという修正案が可決されたこともあります。自治省でも、八一年度までは大蔵省に対して交付税率の引き上げを要求しておりましたし、それが実現しないことについては、これは八四年の石原財政局長の答弁なんですが、「我々といたしましては、そのときどきの状況によって、要求すべきものは要求し、主張すべきは主張してまいりましたけれども、残念ながら我々の期待するような改革は実現していないというのが現状でございます。」これが当時の答弁です。ですから、自治省でも満足な財源補てんだったとは言っていないんですね。
 ところが、せんだっての大臣の答弁によりますと、国から多額の御支援をいただいたという、かなりよくやってもらった、そういう話なんですが、大臣の認識が本当に本会議で答弁されたような認識だったら、私はこの補てん措置については非常に大変な問題だと思うんです。そのお考えを改めてもらわなければいかぬと思うんですが、この点についてまず自治大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
#89
○湯浅政府委員 大臣の御答弁の前に私からちょっと申し上げたいと思いますけれども、昭和四十年代の話は別にいたしましても、昭和五十年代になりまして、オイルショック以後かなり財源不足が出てきたということがございまして、その財源をどういうふうに調達するかという点は、今御指摘のようにいろいろ大きな問題があったと思います。
 本来でございますと、それは税と交付税という形で調達をして、地方の一般財源をきちっと調達することが一番望ましかったわけでございますが、現実の問題として増税も難しい、あるいは国の財政の伸びというものを考えましてもそれほど大きな伸びは期待できないということになりますと、勢い当面は借入金というような形で、そういうことをかなり繰り返した結果が、地方財政にとっては多額の借入金残高を残すというような格好になってしまった。
 そういうこともあって、国におきましても、その借り入れ、特に特別会計の借入金の残高については国で応援をいたしましょうという形で、約二分の一を応援してもらったというようなこともございますので、そのときどきで見ますと、確かに年度年度では、もう少し地方の立場から見れば必要だったということもあったかもしれませんが、しかし国と地方とでお互いに交渉事で決まってくる問題でございますから、やはり完全に地方がよかったというわけにもなかなかいかなかったことも事実だったと思います。
 しかし、何とか地方財政も支障なくここまで来れたのも、そういう折衝過程におきまして、国からの借り入れ、特別会計における借り入れとかというようなものも大きく寄与したことも事実であるわけでございますので、こういうところもひとつ評価していただきまして、この今までの地方財政、国と地方の関係についての国からの協力を得たという点についても、私どもとしてもやはり評価すべきところは評価しなければいかぬのではないかと思っております。
#90
○塩川国務大臣 どういう認識を持っているか、つまり、国から借り入れたことがありがたいと言うのはおかしいではないか、当然ではないか、こういうことだろうと思うんですが、しかし私は率直に言いまして、お互いが、今度は国がありがとうございましたと言っているんですから、やはりお互いがそのときそのときに応じて、これは外交修飾辞というんでしょうか、よく言いますと、大阪で言うと、おおきにとよく言うではないですか。あれ、別に感謝という意味ではなしに、やはりそういう意味なんでございまして、初めから、国が貸してくれると言うんだから当たり前ではないか、そういうものではない。
 そこで私もまあまあそれではありがたいこったくらい言っていますけれども、これは要するに、ありがたい、ありがたくないとか、そんな話ではなくて、公経済のバランスをとるのだということから起こってくる一つの措置だと私は思っておるのです。そこは全面的にこれはこれでいいんだという意味ではありませんが、やむを得ざる措置なんだという意味で言っておるということでございますので、御理解、あるいは誤解のないようにひとつお願いしたいと思います。
#91
○吉井(英)委員 儀礼的なごあいさつは別として、法律上は、これは地方交付税率の引き上げで対応するか、それとも制度の改正によって対応するか、いずれにしても地方に借金をさせてとか、そういう形で解決するというものではないという点は、ここは一番原則的に大事なところだと私は思いますので、この点だけは、くどいようですが大臣の御認識をもう一度伺っておきたいと思います。
#92
○塩川国務大臣 私はそれは断一言的にできないと思うのです。
 といいますのは、それでは基準財政需要額が景気動向、税収の動向に応じて伸縮自在にできるのかといったら、これはできないのであります。基準財政需要額は一応設定しましたら、そんなに硬直的なものではないとはいうものの、いわば固まった数字を持っておりますから、またこれを不安定な状態に置いておくわけにいきません。ですから、一つの基準、だから基準なんでございますが、基準として位置づけていかなければなりません。
 ところが一方において、税収が変わりますと特別会計の内容にもいろいろと誤差が出てきたりするのは当然なんです。ですから、長い歴史の中で地方交付税特別会計の中で調整してきておるんだったらいいんですけれども、その調整能力は十分な余裕もございませんから、だから単年度単年度で調整してこざるを得ないという状態でございます。
 その点について、私はおっしゃる趣旨はわかっておって、特別会計自体で処理するようには、できるだけそうしなきゃなりませんが、しかし、だからといって一銭も法定額以外に絶対に増減がないような状態でいくということは、これは私はなかなか難しいことだろう。でもそれに近づけるようにはしなければならぬ、これは当然でございますけれども、だからといって、絶対にそれを動かしてはいかぬ、借り入れしてつじつまを合わすべきでもないし貸してもいかぬ、そういうものでもないだろうという考えは私は持っております。
#93
○吉井(英)委員 その財源不足が生じたときに、結局地方交付税法六条三の二項によって、これは交付税率の変更によって、あるいは制度の改正によって国の方でやはりそこは補いをつけていく、そういう立場に立つのか、それとも、足らぬ前は地方で借金をして特金借り入れ、それから起債の増発、地方の責任でそこは解決をしていきなさい、こういう立場に立つのかということは、私は法律上はきちっとした原則的な対応というのをしていかないと、そこをあいまいにして、ここのところをちょっと儀礼的なごあいさつであいまいにしてはいかぬと思うんですが、この点、もう一遍伺っておきたいと思います。
#94
○湯浅政府委員 仰せのとおり地方交付税法の建前から申し上げますと、六条の三の第二項の規定によりまして、地方財源が大幅に不足する場合には交付税率の引き上げあるいは制度の改正を行う、こういう仕組みができているわけでございま
すから、この仕組みを前提にしていろいろ議論をしていく、これは当然の話ではないかと思うわけでございます。しかし、そういう中で、そのやり方については、必ずしも交付税率の変更ということだけではなしに、全体的な地方制度の改正というものも含めてこれはやるようにということ、その条項の中にうたっているわけでございますから、それらを全部ミックスしながらそのときどきで適切に対応できるようなやり方でやっていく、こういうことで今までも来ていたわけだと思うわけでございます。
 建前として、これは自治省も含めて国でございますから、国として地方に、地方の財政が円滑に運営できるような、そういう努力をしていくことは当然でございますが、各省間の話ということになりますと、これは国同士の話で、国の内部の話でございますから、そこでお互いに主張をぶつけ合って最終的に一定のところに決められていくということで今までも来ていたわけでございますから、そこをひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#95
○吉井(英)委員 間接課徴金形式による地方の税なんですよね。その地方の税でもって地方の基準財政需要額というものを賄っていくわけなんですよね。それがその三二%というものが固定的なものではなくて、やはり穴があいたときには、そこは税率の引き上げその他で対応するということを法律としてはうたっているわけですから、そのときそのときの都合によってそこをあいまいにしてしまったら、この地方交付税法を考える一番大事な原点が揺らいでしまったのでは、これから後の議論がさっぱりおかしなことになってしまう。これはまず一番目に大事な点だということを私は重ねて申し上げておきたいと思うんです。
 少し具体的に伺っていきたいと思うんですが、特例減額の問題です。なぜ八千五百億円なのか、これを伺いたいと思います。
#96
○湯浅政府委員 平成四年度の地方財政対策を検討するに当たりましては、四年度の地方財政が円滑に運営できるようにするための措置をどういう形にするかということで、いろいろ議論をいたしました。かねてから御説明いたしましたとおり、地方の単独事業を大幅に引き上げるとか、あるいは地方のソフトの福祉経費をどうするかとか、その他いろいろな問題について地方財政が抱えているいろいろな問題点を適切に対応できるような、そういう財政需要というものを一方では予測しながら、他方では歳入面において、地方税収の動向あるいは国税の動向というようなものを踏まえて詰めていったわけでございます。
 そういう過程の中で、国家財政においては非常に税収の鈍化が地方以上に厳しいということもあって、臨時的な増税というようなものをやった上でもなおかつ相当の財源不足が出るということで、地方財政に対して一定の協力をお願いを申し上げたい、こういうお話があったわけでございますが、これに対しては我々としては、地方交付税というのは、かねてから申し上げましたとおり地方の固有財源でございますから、これを安易に減額するというようなことは難しいということで折衝を続けてきたわけでございます。
 最終的に、地方の財源とそれから国の財政運営を支援していかなければ結果的に予算編成ができないという形になった結果、かねてからお話のあります公経済のバランス論という立場から、地方だけがよくなってもなかなか財政がうまく回転しない、国と地方の財政というものが密接なつながりで動いているわけでございますから、地方だけがうまくいっても国がうまくいかなけれはこれは全体として機能しないということになりますので、そういう点も考慮して今回は八千五百億円を交付税から特例的に減額をいたしまして、これを明年度以降の一定の時期までにお返しをいただく、こういうことで大蔵省とお話を詰めたところでございます。
#97
○吉井(英)委員 公経済のバランス論とかいろいろおっしゃったんですけれども、要するに八千五百億円がなぜなのかという、そこの具体的な根拠というのはさっぱり今のところはっきりしていないんですね。
 自治省の平成四年度地方財政対策の概要というのによりますと、八千五百億円というのは交付税特別会計借入金の国の負担分八千五百三十億円におおむね相当する額であるとわざわざ説明しているわけですね。つまり、結局国が返すべきものを地方の負担で返すんだ、だから特会借入の国の返済額八千五百億円がまず先にあって、それに見合う分として特例減額の八千五百億円が出てきた、これが八千五百億円の根拠ではないですか。
#98
○湯浅政府委員 そういう数字というのは確かにあるわけでございますけれども、私どもは、今回のこの八千五百億円を協力したのは、地方交付税の所要額をどういう形で確保するかという問題、それから国の財政状況、そういうものを全体を総合的に勘案した結果で八千五百億円という数字を出してきたわけでございまして、今御指摘のような数字というものを前提にしてこの数字が出てきたということではございません。
#99
○吉井(英)委員 それでは、私は少し観点を変えて伺いたいと思います。
 新聞紙上では、大蔵省は一兆円の減額を要求したということが報道されておりました。この一兆円がなぜなのかということ、それがまた八千五百億円がなぜなのかということにもなるわけですが、この八千五百億円が特例減額で、同時に今度は国保を初めとする事務費の一般財源化が大体千五百億円ですね。合わせでちょうど一兆円。つまり、大蔵省の方は一兆円の減額を要求してきた、自治省はそれに抵抗した、こういうお話はありましたけれども、結局、結果として出てきたのは大蔵が求めた一兆円の減額そのままになったというのが実際の姿ではありませんか。
#100
○湯浅政府委員 昨年の暮れから大蔵当局とは随分何度も事務的に折衝を重ねてきたわけでございますが、その過程で私どもに一兆円という話は一切出ておりません。新聞紙上ではそういうことがいろいろと出ていたわけでございますが、私どもは直接的に大蔵当局から一兆円協力してくれということは一切ございませんでした。
 そういうことで、今回のこの八千五百億というのは、先ほど申しましたように全体的なものを総合的に勘案した結果出てきたものでございまして、一般財源化の問題は、これは平成四年度限りの問題ではございません。これは永久に続く問題でございますから、この一般財源化と交付税の特例措置というものを一つにして合わせて一兆円、こういう発想は私どもはできないわけでございまして、一般財源化というのは、やはり国庫補助負担金の整理合理化という立場から、別の角度から進めていくべき問題でございまして、これと交付税の減額と合わせて一兆円、こういう発想は私どもには全くなかったものでございます。
#101
○吉井(英)委員 私は、総合的判断とか勘案というのはなかなか便利な言葉だと思うんです。しかし、形としては結局そうなっているんですよ。八千五百億円の根拠は何ですかといったら、これまた総合的判断であって公経済のバランス論であって、結局具体的根拠というのはないんですね。一兆円の報道をされたのは、私は必ずしも報道機関がうそを書いたわけだとは思わないんですよ。やはりそういう話をちゃんと取材もして書いていると思うんです。数字の上では大蔵が求めたとおり一兆円の減額ということになっているということが現実の姿だ、これは明らかだと思うんです。
 将来的には国から繰り入れられるということなんですが、九二年度の減額された八千五百億円に加えて、当該年度に加算されるはずの附則四条に基づく三千三十五億円、自治、大蔵両大臣の覚書に基づく二千九百二十八億円が先送りということですね。この加算分の先送り分、この総額は三兆三千三百四十八億円になるわけですが、年度間調整といっても、実際に交付税総額の二割にも達するものというのは余りにも大き過ぎるというふうに私は思うわけです。さっきも言いました間接課徴形式による地方税なんですから、本来地方団体
に属する三兆円を超える財源を国が途中で配分を留保するやり方というのは、まず原則的に大きな問題を持っている、そういう運用の仕方というのは法律の趣旨に反すると私は思うんです。
 今地方団体は、公債費比率が一五%を超える団体が四割近くになっているわけですから、その地方財政の状況を考えるならばまず地方団体に配分するべきだ、そういうふうに思うんですが、この点はどうですか。
#102
○湯浅政府委員 基本的には、今おっしゃるように当該年度に出てくる交付税の総額というものを地方団体に配分をして、そしてそれぞれの自治体において年度間調整をするということが一つの方法かもしれないと思います。
 しかし、現在のように交付税の総額というものが国税正税の一定割合を踏まえて決定されるという仕組みがあり、片っ方では毎年度毎年度の財政需要というもの等を積み上げていくということになりますと、これはどうしてもそこの間に差が出てくることはある程度やむを得ないわけでございます。
 また、今回の今御指摘のような翌年度以降に送られているものの多くは、補助率の是正、補助率を改正したときに約束されたものでございますとか、そういうものが多いわけでございますので、そういうものはできるだけ後年度以降の財政需要に充てて、安定的に交付税の総額を確保する方が得策ではないか。
 特に、公共投資の問題につきましては、この十年間で四百三十兆円という巨額の投資を予定している、しかもその中の非常に大きな部分は生活関連施設ということになりますと、地方団体がこれは嫌でもやっていかなければならない公共投資でもございます。あるいは高齢者の福祉対策というようなものを考えましても、地方団体の受け持つ分野はこれからいよいよ大きくなってくる。こういうものが、それぞれみんな十年間の期間で決められているわけでございますから、そういう計画にそこを来さないような財源を地方団体に確保していくためにも、やはり中長期的な見通しと申しますか、そういうものを考えていかなければならないのじゃないか。
 そういう観点からの今回の措置であるということも御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#103
○吉井(英)委員 地方の固有財源を国の意思で左右するという、ここが問題だというふうに私は思うわけです。地方財政危機のときには、税率の引き上げとか制度改正によって対応をしなければならないときに、それをしないで地方の借金でもって切り抜けておく。今度国の財政上の必要が出てくると、地方交付税の特例減額をしてみたり国の借金返しに充ててみたりとかいう、こういうやり方そのものに原則的に問題があるんだということを私は今言っているわけなんです。
 今、将来の財政需要のお話もされました。私はそれについても、実は次に伺おうと思っていることなんですが、この八千五百億円の特例減額などの根底には、国は大変だ、しかし地方財政には余裕があるんだという、やはり結局は大蔵が主張しているところにどうも自治省も乗っていらっしゃるんじゃないかというふうに感じざるを得ないんですよ。
 そこでまず最初に聞いておきますが、交付税の基準財政需要額の算定に当たっては地方の財政需要を的確に算定している、これはたしか過去もそういうふうに言っておられたんですが、現在もその立場には変わりはないと思うんですが、まずこの辺から確認しておきたいと思います。
#104
○湯浅政府委員 交付税の基準財政需要額を的確に算入するということの前段階では、まず地方財政計画というものを、どのように毎年度毎年度の規模を確保するかという問題があろうかと思います。その地方財政計画の中で、いろいろな経費を積み上げた結果で今年度の計画というものを一定の規模に決められますと、その規模の範囲内で基準財政需要額というものを算定していく、こういうことにならざるを得ないわけでございます。
 そういう観点からいって、今までの地方財政計画に計上された需要、歳出規模というものが果たして今までのとおりでよかったのかどうかという点については、私どももこれから検討をし、充実すべきところは充実していかなければならない。その上で、それを確保した上で基準財政需要額をふやしていく、そのためには地方の財政需要というものを的確に捕捉していく必要がある、こういう観点から、ここのところでも、平成四年度の場合もそうでございますけれども、地方の単独事業をできるだけ充実していくということが、これが地方財政計画を拡充し、そしてそれを基準財政需要額に反映することができるものだ、こういう観点から各種の単独施策について努力をしてきたところでございます。
#105
○吉井(英)委員 的確に算入しているという、この立場は当然とられると思うんですよね。とっておられるわけですが、歳出決算額に対する一般財源充当額、この一般財源充当額に対する交付税の基準財政需要額の割合というもの、これを比べてみると、既に自治省の方から資料をいただいておりますからそれは数字で出ているわけですが、この約十年間ずっと低下してきているんですね。その低下してきている理由は何ですか。
#106
○湯浅政府委員 交付税の基準財政需要額と、それから地方財政計画上の一般財源とを比較するということになりますと、これは御案内のとおり交付税の基準財政収入額は、道府県の場合には収入見込み額の八〇%しか計上しておりません。また、市町村分については収入見込み額の七五%しか計上してないわけでございますから、これはその分は地方が独自に財政運営がやりやすいようにということで、わざとその分をあけてあるわけですから、この分は基準財政需要額が詰められるのは当然のことでございます。そういう仕組みでやっているわけでございますから、そこのところの制度の前提を踏まえて基準財政需要額というものを考えていかなければならない、こういう問題も一つあろうかと思います。
 それから今お話しの、決算額に比べて、決算額の一般財源に対して基準財政需要額が不足しているじゃないか、非常に率が低下しているじゃないか、こういう問題につきましては、これはある意味では地方財政計画における収入の見込み方というものが、ある年度によっては大きかったり、ある年度によっては小さくなる、この点はやはりあることは、これは否定できないと思います。自然増収の非常に大きい年、経済的に活況の時期で自然増収の大きい時期は、これは決算における一般財源と基準財政需要額を比較いたしますと、地方財政計画は補正というものがございませんから、これはやはり率が低くなってくる。逆に、地方財政計画まで税収を確保することができなかったという時期もあるわけでございますが、そういうときには逆に率が高くなってくる。
 こういうことでございまして、この自然増収をどういうふうに考えていくかということが、今御指摘の一つのポイントになってこようかと思います。できるだけ的確に当初から歳入というものを、税収というものを見込むことをしなければいけないことは当然でございますけれども、経済というものは生き物でございますから、どうしてもそこに差が出てくる、見通しとの間に差が出てくる、そこが結局、今御指摘の基準財政需要額と地方一般財源の決算額との差という形で出てくるというふうに御理解いただければと思うわけでございます。
#107
○吉井(英)委員 随分長い御答弁いただいたんですけれども、地方財政計画と決算額との乖離は、これまたこの十年ほどずっと大きくなってきているんですね。ちょうど今は税収の自然増その他のことを云々されましたけれども、やはりこれは八二年から特に顕著に変化が出ているんですが、臨調第一次答申が八一年ですね。「地方財政運営の指針となる地方財政計画において、一般歳出の伸びを国の一般歳出と同程度に抑制する。」歳出抑制を打ち出しているんです。それから八二年には臨調三次答申で、「地方公共団体の財政運営の指
針となる地方財政計画においても、地方の歳出が節減合理化される必要があるが、これに併せて、国の一般会計における地方財政関係費の見直しを行うべきである。」そして、「国、地方公共団体を通ずる行政の減量化の観点から、地方財政計画における歳出については、国の歳出抑制に準じて抑制する。」つまり、歳出抑制というのが打ち出されて、そして臨調の五次答申、これは八三年になりますが、「地方財政の制度・運営の合理化・効率化のため、地方財政の自律機能の強化、地方公共団体間の財源調整の充実、地方財政関係費の抑制等を図る。」
 こういうふうにもともと、地方財政関係経費の抑制をずっと答申をしてきて、それにこたえたことをやってきたからこそ、今こういう結果になっているんじゃないですか。
#108
○湯浅政府委員 これは地方財政だけではなしに、国の財政も含めまして、国の歳出を適正な規模に抑制をしていくべきだという議論は、確かに行革審あるいは臨調の答申の中にあったわけでございます。これは、やはり一つには、我が国の国民負担率というものをヨーロッパ諸国の水準よりもかなり低い水準に抑える必要があるんじゃないか、こういうことから考えまして、国・地方の財政規模というものを抑制していく、そういうことによって財政というものを円滑に運営していく必要があるんじゃないか、こういう考え方でこの行革審答申などが出ていることは事実でございます。
 そういう趣旨から、中長期的には財政規模というものは、国もそうですが地方も名目成長率の範囲内でやったらどうかということでございますが、しかしそれは、一つの方向づけと申しますか考え方であるわけでございまして、毎年度毎年度の財政におきましては必ずしもそういう形で今までも動いてきたわけではございません。一つの率というものを前提に決めましてその率の中に抑え込んでしまうというようなやり方で地方財政計画をっくったこともございませんし、恐らく国の方もそういうやり方でやったことはないと思います。
 現実に、毎年度つくられます経済見通しの名目成長率よりも高い予算規模あるいは地方財政計画の規模を決めたことは、この臨調の答申以後もあるわけでございますので、これは決してそういう観点からやったものではなくて、一つ一つの財政需要というものを積み上げた結果で、毎年度毎年度の財政需要というものを積んでいく、しかし根底には先ほど申し上げましたように余り国民負担率が高くなってくるということは我が国の経済の運営を阻害していくという問題もございますので、そういう点にはやはり注意はすべきだよという御意思だというふうに私は理解しております。
 そういう意味でこの答申も、中長期的に見てやるべきであるとか、あるいは適度の経済成長率が維持されていることを前提にしてというような形で、今御指摘の名目成長率以下にすべきだという点についてもそういう留保つきで指摘されているものだ、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#109
○吉井(英)委員 これは、自治省自身が予算委員会に提出された資料でも、歳出を極力抑制したということはちゃんと明記しておられるんですね。それで地方財政計画の歳出を圧縮する、基準財政需要額の圧縮にもちろんこれはつながるわけで、そしてこの臨調答申の翌年、一九八二年から、この八二年をマックスとして、最高として一般財源充当額に対する基準財政需要額あるいは歳出に対する基準財政需要額はずっと低下してきたというのは事実なんですから、やはり私はこの点では、臨調答申に沿って随分基準財政需要額の抑制をしてこられた、今一生懸命言いわけされたけれども、このことが数字の上ではきっちり出ているんだということを指摘しておきたいというふうに思うわけです。自治体の単独事業はもとより、やはり財政需要を的確にカウントすることが今こそ必要なときだと思うんです。
 先日の参考人質疑のときにも、福岡県の知事、熊本市長ともにこの点については切実な訴えをしておられました。特例減額どころか、圧縮していた基準財政需要額の的確な算入ということが今こそ非常に大事なときだと私は思うんですよ。これは参考人の方も強くそのことを指摘しておられました。仮に臨調前の水準で基準財政需要額と一般財源充当額の比を出して現在の比と比べますと、ちょうど臨調の時点で八〇・五%、現在七三・四%ぐらいに下がっていますから大体七%この率は落ちているんですね。この率を一般財源充当額約五十兆円に掛ければ大体四兆円になるんですね。だから需要額の上積みを四兆円ぐらいやって臨調の答申が出たころの水準に戻るという、若干ラフな計算であるにしてもそうなるわけですよ。
 ですから私は、今特例減額どころか本当に抑え込んできたものをやはり的確にカウントする、そういう立場に自治省として立ってもらわなければいけないと思うんですが、この点、大臣どうですか。
#110
○湯浅政府委員 先ほども申し上げましたとおり、基準財政需要額と決算における一般財源との比率が昭和五十七年ごろに比べて下がってきたということ、これは計数的にまことにそのとおりでございます。それは先ほどもちょっと申し上げましたように、昭和五十七年度から六十年度、六十一年度ごろまでは、経済が非常に停滞して税収が非常に鈍化していた時代でございまして、自然増収などもほとんどなかった時代でございます。
 そういう意味からいきますと、基準財政需要額と決算一般財源というものが当初予定したものとほぼ同じぐらいになるということは、ある意味では税収が見通しどおりだということであればそういうことになるわけでございますが、その後、昭和六十二年から三年にかけまして経済が非常に好況になりまして、国も地方も多額の自然増収が出た。地方の場合にもかなりの自然増収が出たわけでございます。こういうものは基準財政需要額の算定においてはカウントしなかったわけでございますから、その率が下がってくるということは、ある意味ではやむを得ないところで六十一年を境にしてこの率が急に下がってきたということでございまして、私どもは需要の捕捉というものはもちろんこれからもやっていかなければなりませんけれども、今回下がった大きな原因の一つとして税の自然増収が多額にあったということも背景にあるということを御理解いただきたいと思います。
 もちろん、これたからといって基準財政需要額の捕捉はもうこれ以上必要ない、そういうつもりではございません。これからも積極的に新しい地方の財政需要というものを掘り起こして、そしてそれを的確に地方財政計画に計上し、基準財政需要額に算入していく努力を怠らないようにしなければならないと思っております。
#111
○吉井(英)委員 税収についてはいろいろな時期があったにしても、基本的にまず財政計画の歳出の数字を抑え込んで、需要額を抑え込んで、一方、税収というのは減ったときもあればふえたときもあるわけで、税収が状況がよくなってふえてきても抑え込んでいるものですから、見かけ上は地方財政余裕だ余裕だといって、今度は特例減額だといって召し上げてしまうというのは非常に乱暴なやり方だ、私はそういうことではそれは納得できる話じゃないということを申し上げておきたいと思います。
 次に進みたいと思うんですが、この委員会でも森林の問題について議論がありますが、自然林の保護について一問だけ伺っておきたいと思います。
 金剛生駒国定公園の中で金剛山に豊かな自然林が二千九百ヘクタールあります。そのうち千早赤阪村の中に千四百九十二ヘクタールがあるんですが、国有林が九十一ヘクタールで、圧倒的多数は数多くの方たちの民有林、これは千四百一ヘクタールあるわけです。森林の管理がやはり今大変なんですね。この委員会でもいろいろ議論があり
ましたけれども、既に大分県のさきの台風による風倒木の問題なんかが今深刻な事態ですが、大阪でもやはり先年の雪害で木が随分折れて深刻な被害が生まれました。
 自然林といっても、やはり適度に手を加えたものでないと豊かな自然林というのは守れないわけなんです。間伐とか枝打ち、下草刈りとか、これはやはり必要でありまして、現在、防災上の観点、それから森林の持つ公益的機能に着目した検討がなされ出しておりますけれども、それは伺っておりますが、実際には、造林や育林の補助金プラスその補助裏として、森林面積に林業振興の単位費用を掛けた交付税、これが大阪府に入る、そして府から千早の森林組合に林業振興費として入ってくる、こういう形になっているわけです。
 大体間伐をやるときの費用というのはかなりなもので、一ヘクタール当たり十万八千円ぐらい、大体十一万円ぐらいかかるんですね。かなりなものです。府経由で国から入ってくるお金が七十九万五千円。これに対して、村の単独事業としてその一〇%、七万九千五百円を組んでいるというのが、これが現実の姿なんですが、この単独事業には地方交付税はつかない。
 ですから問題は、事業費が、千四百一ヘクタールのところで大阪府経由で入ってくる七十九万五千円とか、それから村には地方交付税措置がないということは、私はやはり実態に合わないと思うんですね。それで、これは国としても実態に合ったものにしていくというこの検討や取り組みというのはぜひ進めていただきたいと思うんですが、この件については、時間大分たちましたので、一点だけ質問しておきたいと思います。
#112
○湯浅政府委員 今御指摘のように、林業関係経費については抜本的な検討を今やっておりますけれども、今仰せのように、補助裏について基準財政需要額の算入をしている、ほかにやはり単独的な施策についても、私どもとしてはこれは算入しているつもりでございます。
 ただ、これが目に見えて林業関係のこの部分で入っているというような形でないものですから、これはなかなかわかりにくいわけでございますが、それぞれの費目ごとにそういう経費を個別に積んでいくということが、交付税の技術的な限界からなかなか難しいという点もあって、例えばその他の諸費の包括算入だとか、そういうような形で算入してしまうという点もございます。
 そういう点を反省して、特に林業関係についてはそういう実績というもの、あるいは林野行政を必要としている地域、そういうようなものに的確に基準財政需要額が算入されるような、そういうやり方もこれから努力して計算をしてまいらなければいかぬというふうに考えたいと思っております。
 なお、先ほどの一般財源の決算と需要との関係で、一般財源に対して基準財政需要額の比率が低いから財政の余裕があるという見方をされてしまうのではないかという点については、私はそういうふうには実は考えないわけでございまして、自然増収で出てきたお金というのは、これは地方財政計画上の外の数字として扱われて、これはそれぞれの自治体で年度間調整なりあるいは独自の施策に使われたものでございますから、我々が大蔵当局と議論をするときにはあくまで地方財政計画ベースの規模で議論をするということを考えますと、自然増収で出た部分というのはその外にあるものだというふうに考えますから、これで地方財政に余裕が出たとか出ないとかという議論は、私はないのじゃないかというふうに思いますので、ちょっとつけ加えさせていただきます。
#113
○吉井(英)委員 時間があれば、今おっしゃった後半の方をもう少しやりたいんですが、それはまた改めてということにしておきます。ただ、言っておられることについては、私の方はそこをわかって前段で議論をしておりますから、また改めてそこはやりたいと思います。
 次に、地域文化財保全事業ということで、自治省の方でも交付税つき起債許可という、今それで文化財などについても自治省としても対応していこうということを考えていらっしゃいます。
 そこで自治省に伺う前に、私はちょっと文化庁の方に伺っておきたいんですが、先日全国的にも大きく報道されました峯ケ塚古墳ですね。どういう貴重な成果が調査の中で得られたのか、これを最初に伺いたいと思います。
#114
○吉澤説明員 今回の峯ケ塚の調査は、将来古墳を整備する際に必要な古墳の外形を確認するというために行われたわけでありますけれども、調査中たまたま盗掘墳が発見されまして、その盗掘によって撹乱されている土を除いて調査したところ、竪穴式の石室が確認されたということで、また多くの副葬品が発見されたわけでありますけれども、例えば太刀、鉄鏃、ガラスの小さい玉、それから魚佩といわれるもの、それから三叉形の垂れ飾りなど、約二千点が発見されたわけであります。
 これらの発見されたものにつきましてはこれから詳細な分析、調査を行わなければならないというふうに思っておりまして、その調査結果の評価については、これから総合的に判断、そうした学術的な調査、研究をまって行うものであるというふうに考えております。
#115
○吉井(英)委員 ここは五年前に史跡指定をして、全面買い上げをやり、歴史公園として整備が始まり、第一次調査として二重堀の環濠部の発掘調査が行われてきたわけですね。そして今回は二次調査ということになるわけですが、竪穴式石室の一部のみがやられたわけですね。まだ全面的にやられたわけじゃありませんが、レーダー探査で横穴式石室の存在もあるんじゃないかということも先にわかっていてやられたわけですが、かなり羨道部分についてははっきりとその存在が浮かび上がってもいるようにもうかがわれます。
 問題は、竪穴石室の一部で調査がストップして、そして横穴式の石室の調査は、その存否も含めてその調査の計画があるのかどうかとか、これからはいわば第三次調査とか、どのように学術調査を進めていかれるのか、その辺のところもあわせて伺いたいと思います。
#116
○吉澤説明員 峯ケ塚古墳につきましては、羽曳野市の教育委員会が、過去の発掘調査によりまして、墳丘全長が九十メートル、周囲に二重の堀と堤を持つということが確認されておりまして、将来史跡公園という話があるわけですけれども、現在、それの資料を得るため、羽曳野市の教育委員会がその予備的な確認調査を行うというところでもあります。
 平成三年度の発掘につきましては、墳丘の後円部の構築状況を確認するための調査であって、たまたまその過程で盗掘壙が発見されたということでありますけれども、新聞などではこれについて大分大きく報道されたわけでありますけれども、先ほど申しましたように、多くの出土品が出ておりますので、まずこれの整理分析、さらに、発掘したいろいろな形状等についての資料がございますので、これをまず分析してきちっとした処理をするというところがまず重要ではないか。それで、横穴式をどうするかというのはその後の問題ではないかというふうに思いまして、当面、現在出ているものについての十分な分析、調査、学術的な研究が行われる必要があるというふうに考えております。
#117
○吉井(英)委員 この地域は、羽曳野から藤井寺、富田林、そして太子、河南といったあたり、いわゆる近つ飛鳥といわれるところですね。これは日本の四世紀、五世紀、六世紀という、このころの古代国家成立の過程でまだ十分解明されていないいわばなその部分といいますか、未解明の部分を解明していく上で非常に大きな意味を持つ文化財をたくさん秘めた地域なんですね。
 二重堀という大きなものですから、これは大体大王級の古墳というふうに思われますが、通常は、宮内庁管理になりますと全く学術調査もできないんですね。ですから、大陸との交流であるとか、当時の権力機構がどのように推移していったとか、文化とか生活の面から、解明できないわけ
ですね。ところが、ここの場合には、これは宮内庁管理のものではありませんから学術調査ができるわけですね。それだけに学者、専門家の皆さんの非常に大きな期待が今高まっております。
 この点で、この学術調査を引き続いてやっていくという、今まず調査、分析をやっておられるんですが、そういう立場なのか、それとも、一部報道によると、もうこの間の調査でもって中止なんだ、発掘調査そのものを禁止といいますか、拒否といいますか、文化庁はそういう立場に立っているとも伝えられているんですが、その点はどうなんですか。
#118
○吉澤説明員 ただいまの峯ケ塚の古墳の発掘につきましては、そもそもの目的が公園を整備するということで、墳丘の外形やそうしたものを調査するということであったわけでありまして、その限りにおいては所期の目的というものは達しておるというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたように、その墳丘外形や石室に関するデータの整理、二千点に及ぶ出土品の調査というものがございますので、これについて十分調査、研究をしていくことがまず重要ではないかというふうに思っております。
 それから、墳丘部の主体部について発掘するということにつきましては、発掘自体がそもそも史跡の破壊というものになるわけでありまして、発掘ということは、特に石室等に、極めて重要なところに対して傷をつけるということにもなるわけでありまして、ほとんどの史跡等が既に盗掘されているということで、未盗掘と思われるものはわずかしかない。考えれば、文化財の保護法の目的というのはまず史跡を守るということでありますので、まず確固とした学術的な研究の緊急な必要が生じるという以外につきましては、将来にきちっとした形で残しておくというのが文化財の目的ではないかというふうに思っておりまして、発掘等につきまして、そういうものの発掘については慎重にしていかなければならないというふうな考えを持っております。
#119
○吉井(英)委員 慎重にするということであって、学術調査をしないとか禁止するということはないということですね。
#120
○吉澤説明員 先ほどお話しいたしましたように、基本的には、文化財というものはそのまま後世に引き継ぐということが基本でございます。将来の学問的な研究、調査技術の発展というものもございます。基本的には、発掘はかなり破壊になるということでありますれば、その古墳の主体部の発掘については相当慎重に検討しなければならないというふうに思っております。
#121
○吉井(英)委員 慎重に検討するということで、学術調査を禁止もしないし、今直ちに学術調査をやりますということも言わないという、そういうことなんですね。
#122
○吉澤説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
#123
○吉井(英)委員 引き続いて、近つ飛鳥のところにあります一須賀古墳群については、文化庁はどのように価値を認識しておられますか。
#124
○吉澤説明員 一須賀古墳群につきましては、これは、大阪府の南河内部の太子町葉室及び河南町一須賀に存在する群集墳でございます。六世紀中ごろから七世紀前半にかけて、約二百数十基以上の古墳が築造されております。数基の方墳以外は直径二十メートルに満たない小円墳が中心であります。内部の施設は横穴式石室を主体といたします。
 調査により出土した副葬品の中に金銅製の馬具やミニチュアの炊飯具など特徴的な遺物が多く、渡来系の氏族、特に百済、漢人系の氏族との関係が推測されております。また、当地は蘇我氏の本拠地でもあることから、蘇我氏との関連を推測する考えもございます。
 なお、その北の方には大型の円墳や前方後円墳などがあります磯長谷古墳群がございますが、これとの関係も推定されるという古墳だというふうに考えております。
#125
○吉井(英)委員 今おっしゃったように、六世紀から七世紀前半にかけての当時のまさに日本の古代国家の形成の過程におけるなその部分を解明する上で、やはりここもまた非常に大事な学術的な価値を持ったところなんですね。しかも今おっしゃったこの古墳群というのは、二百数十基の古墳があるんですね。これは全国的にも非常に珍しいんですね。そんなにあちこち多くあるわけじゃありません。
 そして、これは大阪府議会の会議録等を読んでおりましても、大阪府の文化財保護課の方が、一須賀古墳群として貴重であるとともに、密集していなくても、個々の古墳としても重要なものだという認識をしている。それから、学術的に見てこれは重要なものだと認識しているんだということを地元の大阪府の文化財保護課は言っておりますが、文化庁も大体見解はこれと一緒でしょうね。
#126
○吉澤説明員 先生がおっしゃったとおりでございます。
#127
○吉井(英)委員 実は、府立の博物館の建設が今その近くで始まろうとしております。この博物館の敷地造成に当たって周辺部を発掘調査してみたら、全然わからなかった古墳が新たに十九基見つかったんですね。ところが、この工事を請け負った業者がそのうちの十四基を破壊してしまった。これは、博物館を建てるところの――まあ建物を建てるのに邪魔だから調査をした上でやむなく壊すということも、これはあるかもしれない。開発ということを考えたとき、全部保存といったら確かに博物館すら建たなくなるということも言えるでしょう。しかし、博物館を建てるところじゃなくて、離れたところで十四基の古墳をつぶしてしまったんですよ。
 そこで私は伺いたいんですが、文化庁はこの十四基の破壊を許したんですか。
#128
○吉澤説明員 大阪府はこの一須賀古墳群の一部をかって買収をいたしまして、ここに近つ飛鳥風土記の丘史跡公園というのを公開しております。その後各方面から、この古墳群の理解を深めるため、古墳時代の全体像を展示、解説する博物館の建設の要望が出され、近つ飛鳥古墳博物館、これは仮称でありますけれども、建設されることになったというふうに聞いております。
 これを受けて大阪府教育委員会は、平成元年度に博物館の建設予定地と進入路で試掘の調査を行いました。試掘の結果、六基の古墳がそこで確認されております。この結果、これらの古墳については、博物館の建設位置を変更するということで、これについては現状の保存を図ったわけであります。
 それで、試掘調査の結果古墳がないと判断された部分については、平成三年八月から博物館用地の造成工事に着手したわけでありますけれども、念のため造成工事に対して立ち会いを行いましたけれども、そこで平成三年の十月に新たな古墳が十四基発見されたわけであります。
 このため、急遽発掘調査を平成三年十一月から平成四年二月にかけて行ったわけでありますけれども、新たに発見された古墳はこの博物館を建設するというために破壊されたということではございませんで、私たちが聞いておるところでは、既に水田の造成時に削平されておったということで、墳丘は既に失われていて、石室の基底部が辛うじて残存するということで、残りが極めて悪いというふうな報告を受けています。
 大阪府教育委員会は、これらの古墳の取り扱いについては、工事の設計変更によりまして一基を現状保存し、二基の石室を風土記の丘へ移築保存するということで、ほかは記録保存するという方針を決めておりまして、文化庁といたしましても、この取り扱いについては了承しているところでございます。
#129
○吉井(英)委員 さっきは文化財は保存が原則とおっしゃったでしょう。今度は、博物館を建てる、その建物のところの敷地を壊さぬとできないんだったら私はそれはまだわかると言っているんですよ。建物ができるところでないところで十四基壊したんでしょう。それを文化庁が欠陥、失点
を追認したとなればそれ自体問題じゃないですか。何ということを言うんですか。
 これは、十九基発見されたうちの十四基の古墳を全面破壊した下請をやった業者ですね、実は、今私ここにも持ってきておりますけれども、この同じ業者が、暴力団あるいはえせ同和団体を使って、この周辺の地主さんに対して土地を売れ、売るか賃貸契約に応じろ、土地を貸せというおどしをかけているんですね。私も現場は見てきましたが、弁護士さんの方から、そういう強要をするなという広告も立っているんですよ。そういう業者がそうして土地を借りたりしてゴルフ場計画を今試みているわけでしょう。博物館のところでも未発見のものが十九基あったんですよ。新たに十九基わかったんです。今二百五十基ほどある中にプラス十九基だったんですが、ゴルフ場予定地だって、発掘調査をやったら何基出てくるかわからないというのがあの地域なんですね。ところが、このゴルフ場のコースでまずつぶしてしまう。それから、クラブハウスの建設や、二百台から三百台の地下駐車場をつくろうとしているんですね。これは今、全面的に古墳群を破壊しようとしているわけです。
 私は、これは早く史跡指定をして、国なり大阪府なりで買い上げをして、この貴重な文化財については全面保存を図るということが大事だと思うんですが、文化庁はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
#130
○吉澤説明員 一須賀古墳群につきましては、昭和四十年代の前半ごろから宅地開発が計画されまして、これに対して、文化庁の指導により、大阪府教育委員会がこれら開発と古墳群の保存との調整に努力してきたところであります。
 まず大阪府では、先生御存じのように、昭和四十五年から五十年にかけて古墳百二基を含む約二十九ヘクタールを買収し、文化庁の国庫補助によりまして近つ飛鳥風土記の丘を建設し、公開しておるわけであります。
 また、風土記の丘の地域以外の地域につきましては、昭和六十年代の初めごろからゴルフ場の開発が計画されておりまして、大阪府教育委員会では、これまでこの計画と古墳群の保存との調整を行ってきているところでございまして、文化庁としましては、地元の調整結果を待って対応していきたいと思っております。
#131
○吉井(英)委員 文化庁はさっきは保存が原則と言ったじゃないですか。ここになったらなぜ、地元の調整だとかなんとかいうことでもって、ちっとも史跡を指定して買い上げをしようと――買い上げをするとか、これは当然地権者、地主さんの利益を損わないような形をいろいろ工夫しなければいけないと思うんですよ。しかし、肝心なところがその姿勢を持たなかったら、この業者は、博物館建設の造成工事を請け負っただけでも新たに十四基の古墳を平気で破壊した業者ですよ。何をやり出すかわからないでしょう。そういうことについて文化庁は余りにも対応が甘いと私は思うんです。
 そこで私は、きょうは塩川大臣に伺っておきたいんですが、大臣も地元のことですからよく御存じのところです。この件については、文教委員会とかその他の委員会で、予算委員会も含めて何度か取り上げられてまいりました。これは一九八七年の文教委員会で、塩川文部大臣の時代です。石井郁子委員が近つ飛鳥のこの一須賀古墳群の質問をしたときに、大臣は当時こういうふうに答弁されたんです。
  いい質問をしてくれました。ありがとうござ
 いました。
  これは私ども本当の地元のところなんです。
 これで何と五年かかっているのです、本当のと
 ころ。十分御存じだと思うのです。これはなぜ
 こんなことになってしまったかというと、大阪
 府教育委員会もふにゃふにゃ、ふにゃふにゃ
 やっていてふがいない、ちっとも決めようとし
 ない、文部省に相談に行っても、文部省も地元
 で地元でと言って逃げてしまう、それがこう
 なってしまって、途中で土地が何遍も転がしに
 なってきた、こういう状態なんです。そして、
 残っている方々は、これは下手なことをしたら
 おれたち売るにも売れず何にもならぬぞ、その
 土地を殺してしまわなければならぬだろうとい
 う不満がある、不信がある、そういうのが交錯
 しておるのです。
  これはいい質問をしてくれたので、私もまた
 これをきっかけに大阪府を呼んで、早急に片を
 つけるようにしましょう。方針をそうしましょ
 う。これはいい質問ですよ。こんなものをほっ
 といて――本当にほうってあるんだ、無責任
 な。これがもしつぶれてしまったら、おっしゃ
 るようにこんな貴重な史跡は戻りません。
  私はよくわかっております。やりますから、
 これは百遍の答弁よりもどうするかということ
 なんです。
これは文部大臣として塩川大臣に御答弁をいただいているものです。
 私はこの点では大臣と同じ立場なんです。文化財というのは全部つぶしてはいかぬなんということを僕は言っているんじゃないんです。やはり開発の中でなくなるものもあるでしょう。しかし、残せるものについては最大限の努力をするというのが文化財保護の基本的な姿勢だと思うんです。
 そしてその点について、何も山の中に――地価もうんと安いんですよ。バブルもはじけてうんと安いんです。本気になって買い上げをやろうと思ったら、文化庁は八割でしょう。仮に限られたところを国が指定して買い上げをやっても、さらにその周辺部の買い上げを大阪府が府の文化財保護条例に基づいて指定して、そして買い上げをやろうという場合には、自治省の方では今度、さっき言っておりました交付税つき起債許可の制度をつくられたんですね、この制度の活用はここでもできるはずなんです。ですから、本当にその気になるかどうかということが一番大事なところだと私は思うんです。
 私はこの点については、まさに文化庁も大阪府も相手に責任を振り合っているだけで、ふにゃふにゃふにゃふにゃ言っとらんと、そんなふにゃふにゃ言っている間にだんだん事態は悪くなってきているわけですから、今こそ私は、ここで大臣に伺いたいんですが、確かに文部大臣はもうかわられたわけです。しかし、政治家としての答弁はやはり残っていると思うんです。今度は自治大臣としてまさに頑張っていただける分野なんですから、私はぜひ自治大臣としてまた、一須賀古墳群の保存という点で、それからさっき言いました峯ケ塚古墳の学術調査についても、本当に近つ飛鳥といわれるこの地域ですね、日本の古代国家の成立の過程のなぞを解くかぎを秘めたところですから、これの保存や学術調査という点では、ぜひ大きな力をあなたにも尽くしていただきたいと思うんですが、この点では塩川大臣のお考えを聞いておきたいと思います。
#132
○塩川国務大臣 まず峯ケ塚の問題につきましては、大阪府教育委員会なり羽曳野市教育委員会等が中心となりまして、これからの善後策といいましょうか、保存の方向でどういうふうにやっていくかということについて、文部省と今鋭意協議しておりますし、文部省の方も非常に積極的に取り組んできておりますので、今こうするという結論は出ないと思いますけれども、その方向に向かっておることは当然であろうと私は高く評価しております。
 もう一つの一須賀古墳についてでございますが、吉井さんもよく御存じだと思うんですが、ついこの前まで、この問題をめぐりまして町が二分する町長選挙が行われておった。御存じだと思うんです。それに大部分の精力がかかってしまっておって、この春の四月の選挙で大体方向が出まして、要するに、穏便な、開発しながら保存をしていこうというか、保存をして開発していこうというのですか、その町長の方針が大体町民に認められてきたと思っております。
 ついては、吉村町長の方から今後開発と保存とを調和する方法について現在大阪府と協議してお
りますので、私もこれがおくれたについて絶えず激励し、しりをたたいてやらしておるんですけれども、なかなか地権者の間の話がうまくいかないようなんです。そこで、町長選挙も終わったことでもありますしいたしますから、町議会も幸いにして保存と開発をテーマにしてきちっとした意見の取りまとめをもう図ろうとしておるときでございますから、私、さらに一層、これをお手伝いをする立場から、地方行政としての立場、ここからお手伝いをするような立場になったということから、ひとつ督促をしていきたいと思っております。
#133
○吉井(英)委員 工業団地づくりでつぶされようとしたところでも、吉野ケ里遺跡ですが、立派に保存できているわけですね。ましてここは地価がうんと安いところで、大阪の中ではただ同然ですよ。
 それで、地権者の皆さんのこれからの就労対策とかいろいろなことも含めた対応策というのは、別段これはゴルフ場でつぶさなくても、一大歴史公園として整備することによってちゃんとやることもできるわけですし、私は、歴史上それほど、まあその価値についてあれこれするのはうまくないでしょうけれども、どこでもかしこでも全部ということを言っているんじゃないです。この一須賀古墳群という日本の歴史上非常に貴重な部分について、これは一遍破壊してしまったらもう取り返しかつかないんですから、しかもそれは、そこの土地を今持っている地権者だけの問題じゃないんです、日本のいわば民族的な文化財なんですから、それが軽々に結論が出されたんじゃ困るわけであります。
 ですから、私は、おっしゃったように選挙もあったでしょう、少々かっとなっていた人も選挙も済んで少し頭が冷えたところで、別にゴルフ場でなくたって、本当に国なり府が全面的に買い上げをすれば、一大歴史公園として整備をして、その中で地権者の人たちのこれからの暮らしをどうするのかとか、仕事をどうするのかとか、これは考える道がちゃんとあるわけですから、現によその地域でもあるわけですから、ぜひこれは、ひとつ高度の政治的な立場に立って大臣の方にお考えをいただきたい。
 だから、先ほどの答弁というのは、まあそれはそこまでとしても、本当は私は、大臣としてはもう少し高度な判断をしていただきたいと思うんですが、もし何かその点でございましたら、お聞かせをいただければと思います。
    〔委員長退席、岡島委員長代理着席〕
#134
○塩川国務大臣 私も、選挙は終わりましたし、町長が近く上京してくるように言っておりますので、十分にその事情を聞いて、吉井さんの思っておるような方向で  地元としては保存をしたいんだ、しかしながら、そういう売った人たちの意向というものは開発にあるものだから、だから、そこの調和をどうとっていくかということが難しいんですという町長の話でございました。町長としては、どうするか議会とよく相談して来ると言っておりましたので、その結論を見て対処したいと思います。
#135
○吉井(英)委員 売った人、地権者、それから、現在は賃貸契約だけれども土地に権利を持っている方とか、当然こういう場合はどこでもみんな複雑な事情を抱えているんです。しかし、それを一つ一ついわば高度な政治的判断を下しながら、民族の文化財なんですから、これをやはり立派に保存していく、守っていくという点では、しかもその中でその地域の人たちの業がちゃんと成り立つ道も考えられるわけですから、そういう方向でぜひ考えていただきたい、このことを申し上げまして、今度は、養護学校、養護学級における学校五日制問題について伺いたいと思うんです。
 ことし九月から月一回の学校五日制が導入されますが、このことについては文教委員会を中心にいろいろ議論が行われました。また、実際、五日制に伴う地方自治体の財政措置については交付税で措置するということで、既にそういう措置の内容についても通知されております。
 問題は、少し具体的に伺っておきたいのは、先日も報道等もありましたが、都立の聾学校、盲学校、養護学校のPTAを対象にしたアンケートの結果を見ておりましても、五日制にすることによって何か学校に要望がありますか、要望があるという方が六四・九%なんですね。あるとすればどんな点ですか、それは、土曜日に学校を開放して子供たちにいろいろな活動をしてほしい、三六・八%ですが、圧倒的にその声が多いんです。し制度を見てみると、養護学級を持つ小学校や幼稚園では、一園あるいは一校について一人、そして、養護学校では各学校に十人程度の指導員を配置、それを交付税措置をしていく、こういう予定になっているんですね。
 ところで、アンケートによりますと、土曜日に学校を開放していろいろな活動をしてほしいと答えたこの方たち、三六・八%なんですけれども、例えばこれが百五十人の養護学校であったとすると、大体三割余りですから本当は五十人ぐらいになるんですが、仮に四十人以上の子供が学校へ来るとしても、各学校に十人の指導員ということでた、学校教育法七十五条に規定する養護学級について少しデータを見てみ打ずく小学校の精薄養護学級の在学者のIQの調査状況というのがありますが、一九七二年でIQ五〇以下が一八・一%という調査結果に対して、全日本特殊教育研究連盟が八四年に調査したところでは四八・九%、つまり、養護学級における重度化や重複化が進んでいるというのが今日の現実の姿です。今回の指導員の配置についても、こういう現場の養護学校や養護学級における実態に合わせた配慮というのがなされているのかどうか、この点が少し懸念されるところなんです。
 文部省の方に伺っておきたいんですが、今のお考えになっているようなことで親の期待にこたえられるんだろうか、これはどういうふうに考えておられますか。
    〔岡島委員長代理退席、委員長着席〕
#136
○霜鳥説明員 ただいまお話しの養護学校の学校五日制の関係でございますが、これらの子供たちにつきましても、休業日となります土曜日には、児童生徒は家庭や地域社会において主体的に生活するということが基本になるというふうに考えてございます。しかしながらそれが困難な児童生徒に対しましては、まず学校等が中心となりまして、当面、必要に応じて、遊びあるいはスポーツ、文化活動などを学校や地域社会において行っていくことが必要だと考えておるところでございます。
 このための財源措置につきましては、地方交付税におきまして、指導員の謝金などの人件費、必要な場合のスクールバスの運行、推進のための委員会の設置などにつきまして必要な経費を措置することといたしまして、本日、その措置に係る地方交付税法等の一部を改正する法律案について御審議をお願いしておるところでございます。
 そのうち、お話にございました指導員の措置につきましては、今まで約二年間の研究指定校における実績等を勘案いたしまして、これらの子供たちのうち学校等が実施する活動に参加する割合というのを三〇%、三割と設定いたしまして、三人の児童生徒に対して一人の指導員を措置するということなどを考えておりまして、手厚い措置を講じておるというふうに考えております。
 文部省といたしましても、今後とも、各都道府県におきまして、その地域の実態に応じて適切な対応措置が講じられるよう指導してまいりたいと考えておるところでございます。
#137
○吉井(英)委員 今おっしゃったのは養護学校の方ですね。養護学級の方はどうなんですか。対応できますか。
#138
○霜鳥説明員 小中学校に置いております特殊学級でございますが、先ほどお話し申し上げましたのは盲学校、聾学校、養護学校というような学校の点でございますけれども、基本的には特殊学級におる子供たちというのは、比較的軽度の障害の子供たちというものを対象としている学級でございまして、これらの子供たちの多くは家庭や地域社会において主体的に生活することが可能であり、学校に来る場合も通常の対応で足りるのではないかというふうに考えておりますので、通常の小学校等に措置しておりますような対応ということで、養護学級に対して特に何らかの措置ということは考えておりません。それぞれの教育委員会におきまして、地域や学校、子供の障害の実態を踏まえまして適切に対応していただきたいというふうには考えておるところでございます。
#139
○吉井(英)委員 そこで、さっき申し上げましたようおに、養護学級につおて重度化、重複化が進んでいるというのが現実の姿なんですね。それで、実はせんだっても、三月の参議院の文教委員会で坂元初等中等教育局長も、指導員一人ではなかなか対応はできないであろう、これは答弁の中ではっきり認めていらっしゃるんですね。
 私は、まず出発するんだから、その出発するときにつくられた制度についてあれこれけちっけているのではないですよ、まずこれをやろうという、それは大事なことなんですから。ただ問題は、やはり必要な人員と財源を今後もっと拡充していく必要があるのではないか、そういう意味を込めて、対応できますかということを聞いているんです。初等中等教育局長はこれは一人では対応できないだろうと言っているんですから、これは今後の問題としてはもう少しちゃんと前進させるんだというお考えかどうか、ここのところをちょっと答えていただきたいんです。
#140
○霜鳥説明員 先生お尋ねのこの問題に関しまして、私どもも、ことしの九月から、二学期になりまして月一回の学校五日制がスタートするわけでございますが、当面自治省の方とも御相談いたしまして、先ほど申し上げましたような措置を考えておるところでございます。
 今後の問題につきましては、先生お話しのようにあるいはいろいろな問題が出てくる可能性もございますし、また、将来的にも学校五日制の推進という問題もありますので、少しずつ進めながら、そのときに必要な対応措置というのは私どもとしても前向きに考えていきたいと思っておるところでございます。この件につきましてはまた自治省の方とも御相談しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
#141
○吉井(英)委員 同時に、これは学校開放だけの問題じゃないわけです。地域の教育施設の活用も大事であります。
 この点で、これは私の大阪の方の府立と大阪市立の養護学校のアンケート調査によりましても、父母の方の声として、五日制実施に当たってどのような条件整備を望みますかというのに対して、身障スポーツセンターなど公的な社会教育施設の充実を求める、それから、障害児対象の学童保育や学童クラブの充実を図ってほしい、こういう要望が出されております。さらに、皆さんお考えの中には、学校開放だけじゃなくて公民館、図書館等の既存施設の活用を進めるように指導するというふうにしておられるんです。ところが、アンケート調査によると、障害を持つ子供が参加できる施設の場所が地域のどこにあるかわからないとか、そういう障害者施設がちゃんと準備されているかどうかわからない、このわからないという答えが五四%に上っているんですね。
 そこで私は、障害を持つ子供たちの利用できる施設の整備とその場所を知らせる、まずそういう手だてから進めるということが今非常に大事になっていると思うんです。非常に初歩的な話なんですが、こういう手だてを自治体がとるようにどんな指導や働きかけをやっていこうとしておられるのか、これも伺っておきたいと思います。
#142
○鬼島説明員 障害児の学校外の活動ということで、社会教育施設などを利用してそこで活動を行うということがいろいろございますけれども、今お話しのように、どこにそういう施設があるかということがわからないというアンケート調査結果のお話がありました。そういう点ではまだまだPRが足らないという状況もございますが、施設の整備に当たりましては、公民館、図書館、あるいは青少年の施設、いろいろございますけれども、障害児が十分利用できるような形で整備を進める、例えばスロープでありますとか車いす用トイレ、エレベーター、点字案内板、さまざまな対応がございますが、そういう整備を進めるように私どもは指導をしておるところでございます。具体的に公立の社会教育施設を地方公共団体が整備する場合に、文部省といたしましてはその補助、助成をいたしておりますけれども、その際に、身障者に対する配慮を十分行うようにという指導をいたしておるところでございます。
#143
○吉井(英)委員 そういうお話なんですが、しかし、文部省の社会教育調査報告書、六十二年度のものですがこれによりますと、今おっしゃったスロープにしても、これはまず図書館しか文部省の方では調べてないんですが、図書館が全国千七百九十九の中でスロープの設置されている図書館は七百三十六。ことしは国連・障害者の十年の最終年ですね。福祉のまちづくり要綱をつくらせたりいろいろな取り組みをしてこられたはずなのに現実にはおくれているし、第一、文部省の取り組み自身が図書館のデータしかまだないんですね。
 全国的に公民館、児童館等、スロープその他はどういうふうに整備されているかということはまだ調査もされていない。これが現実なんですから、スロープ等をつけさせるように努力しておりますという答弁では私は済まないと思います。養護学校で学校五日制を実施したときに、土曜日、日曜日の受け入れを社会的に受け入れる、それがなかったら、テレビばかり見てごろごろしていることが多くなるのが心配ですという父母の方の心配というのが本当に私は切実なものとして胸に迫ってくるものがありますよ。だからこういうものについては、やはり通り一遍の答弁ではなくて本当にそれが進むようにやっていただきたいと思うんです。
 最後に大臣に要望しておきたいんですが、学校五日制の実施については、この九月から、今のところは月一回。二回、三回とだんだんなっていくと思うんです。学校開放を続けるのは当然なんですが、回数が多くなればなるほど地域で子供が過ごすことが多くなります。そうすると、地域の公共施設の整備が今以上に要求されることになります。どんなにおくれているかは今聞いていただいたとおりなんですが、図書館、博物館、体育館、児童館、児童センター、それから学童保育とか公民館とか、これは文部省や厚生省や、また自治省所管のものとか各省庁にまたがるわけです。一方、文部省は官房長名で学校五日制実施についての要請を関係省庁に行っておられますが、これらのものを九月に向けて本格的に推進する体制というものを政府としてバックアップしていくなり、あるいは推進委員会のようなものをつくってでも推進していく体制というのが今求められるときじゃないかと思うんです。
 これについては大臣としてのお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#144
○塩川国務大臣 御期待に沿うよう全力を挙げて、その準備に懸命の努力をいたします。
#145
○吉井(英)委員 終わります。
#146
○中島委員長 山口那津男君。
#147
○山口(那)委員 私からは、何点か今回の問題の点について、各論的なテーマについてお伺いをいたしたいと思います。
 まず初めに、都市の基盤整備ということについて大臣にお伺いをいたします。
 御承知のように、我が国は昭和三十年代、四十年代、急激な都市化がなされました。例えば国勢調査の記録で見ますと、昭和二十五年の都市部と郡部の割合というのが、都市部が三七・三%、それに対して平成二年、直近の国勢調査によりますと七七・四%ということになっております。特に、昭和五十年代後半落ちついていた流れが、バブルの影響だったせいでしょうか、近年また都市化が進んでおる、こういう状況であります。昭和三十年代、四十年代の町村合併による見かけの数
字の移動、こういうものを捨ましたとしても、この都市化の流れというものは一般的な傾向であると言わざるを得ないと思うのです。
 そこで、行政のあり方としては、国土のバランスのとれた発展を図るということは当然のことでありますが、どちらかというと、イメージ的には過疎地域に対する対策がクローズアップされていたのではないかと思うわけであります。しかしながら現在、七七%の方々が都市部に居住されているわけでありまして、この都市の基盤整備というのは非常に重要な課題である、このように思います。
 そこで、そのあり方に対して、例えばアメリカとの構造協議の中で、公共投資を四百三十兆円の総額でなそうという、こういう方針も示されたわけでありますが、その投資のあり方に対して、関西学院大学教授の林さんという方の試算によりますと、この配分を従来と変更して、産業基盤に対する投資額を一〇%減額をする、そしてそれを生活基盤に回す、こうした場合には、成長率の点からいっても、また厚生水準の点からいっても格差が是正される、相対的にはその水準がアップする、こういう試算をされているわけであります。また、首都圏に対する投資分を二〇%減額をしてそれを他の地域に配分する、そうした場合には、さらにこの厚生水準がアップして地域格差が縮まる、こういう試算をされているわけです。この当否は別にいたしまして、その投資のあり方によっては、この基盤整備の着地点というものが大きく変容するというふうに思われます。
 今後の都市基盤整備のあり方に対して、大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、増田委員長代理着席〕
#148
○塩川国務大臣 今の四百三十兆円の公共投資計画と関連をするわけではございませんけれども、それをにらんでの話といたしまして、私は都市の基盤整備と申しましょうか、都市機能を充実するための基盤整備でございますが、これには従来からも、都市としては、我々自治省としてもそれなりの努力をしてきたと思っております。ただ、私は、今になって非常に不足しておるなと思いますのは、交通機関に対するいわゆる基盤整備というものが若干出おくれてきておるように思うんです。
 これは、どう見でもやはり私たち不思議に思いますのは、中央省庁の縦割り行政がもたらしてきた一つの弊害がここに出てきているように思うんです。例えば、これだけ都市化が進んでいるのにかかわらず、連続立体交差が割と進んでおらないんですね。これが都市を非常に汚くし、また交通停滞を招いておる一つの原因ではないかと思います。それから、駐車場、駐輪場というものが、これだけ自動車、自転車が発達しておるのにそれに対する措置が全然おくれてきておる。こういうものを見ますと、皆交通問題なんですね、要するに都市基盤のおくれというものは。
 そういうものに対しまして特別の措置を講じなければならないと思いまして、私は就任早々でございましたけれども、都市生活環境整備特別対策事業というのを創設いたしまして、さっき言いました駐車場、駐輪場、それから連続立体交差、それを容易にするための特定道路の整備ですね、これらの事業を自治省サイドで、つまり自治体サイドで始めるということにいたしたようなことでございます。それにつきましては、それぞれ建設省、運輸省との関連をこれから深めていって、それが実際に都市基盤整備に役立ってくれるようにしたいと思っております。
#149
○山口(那)委員 具体的に平成四年度の地財計画で、この都市の生活環境整備という面、産業優先か生活優先がと問われれば、私はもちろん、これからは生活基盤の整備、厚生水準のアップということに努力をしなければならないと考えておるものでありますが、この平成四年度の地財計画の中で、この都市生活環境整備のために具体的にどのような措置がとられたか、概要を御説明いただきたいと思います。
#150
○湯浅政府委員 ただいま大臣からも御答弁ございましたように、都市におきます生活環境整備というものは非常に重要な問題だということで、大臣からの御指示もございまして、都市の財政需要というものを地方財政計画の中でもきちんと計上するようにということでございました。
 いろいろ検討いたしました結果、新しい事業として都市生活環境整備特別対策事業ということで、初年度でございますので千五百億円を計上いたしまして、駐車場、駐輪場の整備でございますとか、あるいは電線類の地中化の問題とか、あるいは都市緑化の整備の問題とか、あるいは連続立体交差を支えるための基礎的な基盤整備だとか、こういうような仕組みをつくったわけでございます。
 そのほか、既存の事業といたしまして、交付税におきまして、都市におきます基盤整備を図るための財政需要を捕捉できるように、関係費目の単位費用を充実いたしております。具体的には、都市計画費でございますとか、あるいは下水道費でございますとか、あるいはその他の土木費だとか、こういう都市の財政需要を的確につかめるような費目の基準財政需要額の増額に配慮したところでございます。
#151
○山口(那)委員 先ほど大臣から、特に都市基盤の中では交通網についての対策がおくれておる、こういう御指摘がございましたけれども、私も全く同感でありまして、都市における道路の整備というのはもう限界に来ているわけでありまして、慢性的な渋滞が運送あるいは燃料消費についての非効率を招いておりますし、また環境の悪化というものも著しいものがあるわけであります。ですから、都市部においては、鉄道を使った公共交通、地下鉄あるいは地上の電車あるいは新交通システムというようなもの、こういう公共交通の整備が非常に重要であると思うんですね。先ほどおっしゃられた既設のものを立体化するということはもちろんのことでありますが、やはり新規の設置ということにも力を入れていかなければならないだろうと思います。
 私の地元、これは足立区、葛飾区、江戸川区という東京の東部でありますが、いわゆるデルタ地帯でありまして、一級河川によって地域が分断されております。そうした関係で非常に交通渋滞を招いているわけであります。その解消策として、例えば常磐新線ですとか、あるいは地下鉄、これは営団の延伸が二カ所予定をされております。それから、新交通システムとして舎人新線というようなものも予定されているわけでありますが、いずれも資金的な面でのネックがありまして、容易に実現をしない。運輸審議会の答申ですと、平成十二年までに運行開始する、こういう目標になっておるわけですが、現状では到底困難であろう、こう心配をしているわけであります。
 そこで、この財源のあり方として、基本的にこういう鉄道については独立採算、その背景には受益者負担ということがあるんでしょうが、そういう原則があるんでしょうが、道路の整備と比較してみますと、道路そのものの設置というのは全額税金でなされるわけでありますね。しかしながら、鉄道についてはそうはいかない。そして、しかし道路と鉄道の機能ということは相通じる面もあるわけでありますから、鉄道に対しても税金の負担というものをもっともっと推し進めることをしないと、容易に促進されないという面があろうかと思います。最近では道路についても、高速道路については料金制で使用者から回収をするというのが基本になっておりましたけれども、建設省の方でも、インターチェンジについては各自治体が負担をしたらどうか、税金で負担をしたらどうか、こういう構想も持ち上がってきているわけであります。
 道路の場合、利用者がなかなか特定しにくいとかという問題があろうかと思います。それに対して、鉄道は利用者が特定できる。その点での使用者負担になじむかどうかという問題点はあろうかと思いますけれども、高速道路におけるそういう考え方の変化というものも出てきているわけでありますから、例えば鉄道の設置に対しては、大部
分税金を投入する、そして運営については利用者の負担に帰する、こういう柔軟性があってしかるべきだろうと思うんですね。
 この点について、今後の都市の公共交通の整備に対する大臣のお考えを伺いたいと思います。
#152
○塩川国務大臣 山口さんの論に反発するようで恐縮でございますが、私は道路もやはり地方財源でやってきたと思っております。税金とはいいましても、一たん税金の形で負担しておりますけれども、ほとんど原因者負担で、だから道路特別会計というものをやりまして、あれが道路を整備させてきた大きい原因になった、要するに要因になったと思っております。私も腰ための話でございまして恐縮でございますが、全国の市町村道路も全部入れまして、やはり特定財源が六〇%くらい負担しているのではないか、あと四〇%が一般財源で負担しておるのではないかなという感じがいたします。
 でございますから、道路は、いわば自発的な構想でどんどんと進めていく。鉄道の方は、それは確かになかったのです。あらゆる種類の税金を入れるということが本当に少なかった。しかし、最近運輸省も非常な努力をいたしまして、鉄道整備基金というようなのをつくったりいたしまして、これからようやく入れようということになっておりますし、また公共事業として、先ほど私が申しましたような連続立体化によるところの交通の効率化を図ろう、そして都市の有効利用ということを図ろうとしておりますし、新線につきましても、例えば料金の中で事前に積立制みたいなことをいたして、それを一つの呼び水として融資を図っていくという措置とか、あるいは特別償却を進めるというような面から、要するに外側からではございますけれども、そういう対応をとってまいりました。
 でございますから、直接の税金の直入というものはそれほど大きいものではございませんけれども、かなり鉄道に対しても目が向いてきたな、やっと向いてきたなという感じでございますが、これからは一層、おっしゃるように鉄道の整備に力を入れていかなければいかぬと思います。
 そこで、日本全部、全国、問題になりますのは、そういう鉄道の整備、新線の整備でありますが、それをやる場合にどうしても東京中心ということになってくるのが、これが東京の一極集中排除等の問題とどのように関係してくるのか、ここらがかえって集中を強化しておるのか、あるいはそれがために分散の効果が出てくるのかという、この問題が行ったり来たりしてなかなか結論が出なかったというのが従来からの議論の経過ではないかと思っておりますが、要するに、都市基盤の整備拡充という一点から見まする場合には、鉄道の整備のおくれというものは、私はこれは否定することはできないし、これからその整備を図っていかなければならぬ。それにはやはり財政資金を入れていくということを中心に整備計画を進めていくべきだということを痛感しております。
#153
○山口(那)委員 これから一極集中をどう打破するかというのが重要な課題でありますが、既に計画がなされておるものに対して財政的な問題がネックになっておる。そこを打開するためのもう一歩の強力な施策というものが必要であるということは論をまたないところだろうと思います。ぜひ御努力をお願いしたいと思います。
 さて、もう一つの都市の生活基盤で重要なものとして下水道がございます。これは幸い東京都においてはかなり整備が進んでおりまして、残る地域はごくわずかとなってまいりました。しかしながら、地方中小都市中心になかなか整備が進まないという面もあろうかと思います。
 そこでこの点についても、下水道の設置の方式にもよるのでしょうけれども、例えば雨水と汚水を分けた場合に、この汚水の方の処理が利用者の負担に帰せられている、こういう場合もあるわけですね。これも税金で賄うべきか、あるいは利用者の負担に帰すべきか、基本的な問題になるわけでありますが、この下水道普及の促進という観点から、財政措置と今後の方策に対するお考えをお聞きしたいと思います。
#154
○石川(嘉)政府委員 我が国の下水道の普及率は、御指摘のように現状では大変低うございます。平成二年度末で見ますと四四%ということで、諸外国に比べまして非常に低いということでございます。下水道は、地域住民の生活環境を向上し、文化的な生活を営むためにも必要不可欠な社会資本でございますので、今後ともその積極的な普及促進を図っていく必要があろうと考えております。
 自治省といたしましては、その円滑な普及を図るために、下水道事業の健全な経営を維持するという観点から、利用者に適正な使用料負担を求める一方で、資本費や維持管理費にかかる負担を軽減するために、高資本費対策や高度処理に要する経費等につきまして公費負担といたしまして、地方財政措置を講じてその充実に努めてきております。しかしながら、今後中小の市町村におきまして下水道の整備が進んでいくことになるわけでございますが、これらの団体におきます料金水準が、整備の進んでおります団体と比べまして著しく均衡を欠くことがないように、財政措置の拡充を検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
 今年度におきましては、地方財政計画におきましても、下水道の繰り出しの充実を図っておりますし、また地方債計画におきましても、地方団体の事業が円滑に執行できますように、必要な枠の確保をいたしておるところでございます。
 今後とも努力を重ねてまいりたいと思っておるわけでございます。
#155
○山口(那)委員 続いて、先ほど生活基盤の整備のところで、電線類の地中化について言及がありましたけれども、これもこれからの公共事業の中心的な課題の一つだろうと思います。この電線地中化による都市づくりのメリットというのは非常に高いと思うんですね。景観の面からいっても、空間の利用あるいは消防等の安全の面からいっても、非常にメリットがある事業だろうと思います。
 さて、これについて新たな財源措置をつくられたということでありますが、従来は電力会社とかあるいは電話会社とか、この電線類を管理する会社との関係で費用負担の面で促進がなかなかできないような要素があったかもしれませんが、この新しい措置によって、この民間の負担と公共の負担の割合、それから、実際にジョイントで事業を進めていくわけですが、この事業の進め方、事務の進め方、協力のあり方等について、若干細かい話で恐縮ですが、概要を説明いただきたいと思います。
#156
○湯浅政府委員 御指摘のように電線類の地中化の問題は、これからの都市基盤の整備の上で非常に重要な問題だと思います。
 従来は、国庫補助事業といたしましてこの電線類の地中化事業が行われたわけでございますけれども、これはかなり対象事業が限定されておりました。例えば、一平方キロ当たりの電力需要が非常に大きいところ、いわば電力会社にとっては採算性のいいところ、そういう地域で行うというようなことが一般的でございまして、しかも、キャブシステムと申しますか、地中化する場合に溝を掘るわけでございますけれども、その溝をつくるのにも、電力の電線と電話の線とかというように、いろいろなものを複数のケーブルを入れるような高度なシステムをキャブシステムと呼んでいるわけでございますが、このキャブシステムの部分についてだけ国庫補助を導入する。それで、その国庫補助に対して地方も一定の負担をして、それとさらに電力会社なり電話会社というものが自分の施設についての負担をして、それで事業をやっていく、こういうことでございました。
 国庫補助の対象が非常に限定されていたということもございますし、今御指摘の電話会社あるいは電力会社の負担というものも非常に大きいということもございまして、必ずしも事業が進捗してなかったということがございましたので、今回
は、一つは平方キロ当たりの電力の需要が余り多くないところ、電力会社にとりましては余り採算性のよくない地域、そういうところでキャブシステムをやる場合にも地方の単独事業としてこれを実施することができないか、それから、キャブシステムというような複数のケーブルを入れるのではなしに、道の狭いところでは単数の電力の線なら電力の線だけを入れるやり方、これを管路方式と呼んでおりますが、こういうものについても地方の単独事業で実施することができるように財政措置をしたところでございます。
 と同時に、電力会社等の費用負担につきましても、そういう採算性の悪いところでございますし、そうかといってこの施設というのはやはり道路管理者にとりましてもいろいろとメリットのある事業だということで、一部、本来電力会社が負担していたものについても地方で負担をして、それでこの事業を進捗させようじゃないか、こういうシステムを今回関係省庁とも御協議をしてつくりまして、これをこれから進めていくわけでございます。
 この進め方に当たりましても、全国を十ブロックに分けまして、地方団体、道路管理者、それから電力会社などの関係者で構成いたします電線類地中化協議会というものをブロックごとにつくりまして、この場におきまして電力会社との調整を図りながら各地域の実情に応じて地中化を進めていこう、こういう協議の場をつくりました。
 そういうことで、これからは地方の単独でもいろいろとできるということもございますし、今までは補助対象ということで縛られていたものがそういうこともなくなってきたということで、これからはかなり事業の進捗が進むのではないか、こういうことで私ども期待しているところでございます。特に、大きな道だけでなしに細い道でもそういう必要性が出てくるという場合もございますので、そういうところには先ほど申しました管路方式といいますか、キャブシステムのような規模の大きなものではないものでもできるようなシステムをつくりましたので、これからこの事業を進捗させたいと思いまして各市町村にも、こういうシステムができたということを今PRをいたしまして、事業を進めるようにお願いしているところでございます。
    〔増田委員長代理退席、委員長着席〕
#157
○山口(那)委員 今の御説明のように、かなり手だても広がりましたし、おぜん立てができつつあると思うんですが、全国で一遍に展開するわけにもいきませんので、おのずから優先順位というのがあろうかと思います。それもいわばメリットの高いところ、効率のいいところから順にやっていくということは当然のことでありますが、少し観点を広げまして、町づくりの一環としてこういうものが出てくるというのは当然のことであります。
 そこで、この町づくりを自治体がやるに当たってさまざまな規制が行われている。国レベルでのいろいろな規制がある。つまり権限が各省庁に分散をしておって自治体独自の事業としてやりにくい面がたくさんある、また固有の財源にも乏しい、そういうネックがあるわけであります。これらの規制を一つ一つ地方自治体に移管していこう、こういう主張も非常に強くなってきておるわけであります。行革審の中でも例えばパイロット自治体という構想もあるわけでありまして、これらの流れも視野に置いて、町づくりのための権限移譲、地方分権の進め方等について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#158
○紀内政府委員 一般的に申し上げまして、行政事務というのは、できるだけ住民に身近なところで民意を反映しながら地方公共団体の責任によって行われるということが適当であると考えております。また、行政の総合性という見地からしましても、できるだけ総合行政主体であるところの地方公共団体の手によって行われることが必要ではないかというふうに考えております。
 お話にございましたように、国土の均衡ある発展を図るという観点、個性豊かな地域づくりや町づくりを進めていくという上でも地方公共団体がその創意工夫を十分に生かすためには、その機能をできるだけ拡充していくことが必要であるというふうに考えております。
 このような観点から私ども、権限移譲につきましてはかねてから、例えば一括整理法等によっても行っておりますし、また実際に毎年度行われる法令の新しい制定あるいは改廃の際にも、できるだけ権限移譲を行う、あるいは国の関与というものを少なくするように努力を重ねているところでございます。
 なお十分ではございませんが、今後とも一層努力を重ねてまいりたいと考えております。
#159
○山口(那)委員 時間もありませんので、次に、高齢者の福祉についてお伺いをいたしていきます。
 福祉十か年戦略、ゴールドプランができまして年次ごとに実施をされておるわけでありますが、平成四年度における地方の負担額、財政措置が具体的にどうなっておるのか、概要を御説明いただきたいと思います。
#160
○湯浅政府委員 ゴールドプランの平成四年度の地方負担でございますけれども、四年度の事業費全体が五千七百億円ということになっておりまして、このうちの地方負担が千八百億円でございます。この地方負担に対しまして、一部は地方債で、ハード面の方は地方債で実施することができるわけでございますので、この千八百億の地方負担に対しまして三百八十億円を地方債で対応いたします。そして千四百二十億円を地方交付税の基準財政需要額に算入いたしまして、国のゴールドプランの事業の地方負担に対しましては全額措置をすることにしたいと思っておるところでございます。
#161
○山口(那)委員 そこで高齢者の福祉について具体的にお伺いいたしますが、我が公明党の東京都本部で、ことしの二月から三月にかけまして、六十五歳以上の高齢者を抱える家族に対して、介護の実態調査というのをやりました。有効回収票が千三百九で全部面接調査によって行ったわけであります。
 それによりますと、寝たり起きたりの状態、あるいは寝ている方が多い、こういう方々が合わせて四四・九%ありました。今度は、介護する側から見た場合に、常にだれかがいなくてはならないというのが二七・八%、四六時中目が離せないという方が六・九%、合わせて七九・三%という実態であります。そして、この介護に携わる方々はほとんど女性という結果も出ております。そして、中心的介護に当たる方々が自分自身の時間を持てるか、こういう調査では、余り持てないという方が四〇・一%、ほとんど持てないという方が二四・八%、合わせて六四・九%、こういう状況であります。一方で、高齢者福祉のいろいろなサービスの周知度というものを調べてみたわけでありますが、これが、余り知らない、ほとんど知らないという方を合わせると三三・二%と、結構知らない方が多いわけでありますね。そこで、これらの方々が福祉行政に対してどういうことを要望されているかという問いに対しては、一番多かったのがホームヘルパー、訪問看護婦、入浴サービス等の人的支援を充実してほしい、こういう方が五五・二%に達しております。次に多いのが特別養護老人ホーム等の施設の増設、これを望む方が五三・二%いらっしゃいました。
 こういう調査結果の概要なんでありますが、東京都でこの特別養護老人ホームの待機者の実態を調査したことがございます。これが、平成三年十月現在で都内で六千九百七名という大変な人数に上っておるわけでありますが、この時点での東京都における特別養護老人ホームの数というのは約二百三十カ所であります。とてもこの待機者を収容できる状況にはない。当然のことなんでありますが。
 そこで、特別養護老人ホームの待機者の全国的な状況、そして施設の設置の状況、これについて全国平均あるいは地域的な一定の傾向が見られるかどうか、これらについて厚生省にお伺いいたし
ます。
#162
○中村説明員 特別養護老人ホームの整備の実態と今先生からお話のありました入所待機者数についてお答えを申し上げます。
 特別養護老人ホームにつきましては、高齢者の施設福祉対策の中核的な施設といたしまして従来からも整備してまいりましたけれども、高齢者保健福祉推進十か年戦略の中でも、平成十一年までの整備目標を定めましてその整備に当たっているところでございます。
 まず、待機者の状況でございますが、先生は東京都について平成三年度の数字を挙げられましたが、全国的な数字として集計できておりますのは平成二年の数字でございますが、二万九千四百四十五名、これは都道府県から御報告いただいているものを集計した結果でございます。そのような、約三万名の待機者の状況になっております。
 地域的な傾向を見ますと、基本的に言えるのは、東京を中心とした大都市地域、あるいは名古屋を中心とした中部の大都市地域、それから大阪を中心とした関西の大都市地域等、東京都など都市部の待機者の数が比較的多い、こういうような状況になっております。
 施設の整備の状況でございますが、厚生省の統計で平成二年度の数字が出ておりますが、全国で施設数は二千二百六十、定員が十六万一千六百十二名、このような状況になっております。十か年戦略に従いまして毎年大体一万床ずつ整備をいたしておりますので、現在では、平成四年度いっぱいでは十八万から十九万ベッドが特別養護老人ホームで整備できる、こういうような状況でございます。
 最近の整備の状況についてでございますが、昭和六十年の定員を一〇〇といたしまして平成二年までの伸びの指数をとってみますと、全国平均では一三四・八ということで、三四・八%の増加になっております。先生の御指摘にございました東京都について申し上げますと、東京都全体では、六十年を一〇〇とした場合平成二年の定員数の指数は一四九・一ということで、都では大分努力をして整備を急いでいる。特に東京都の場合は、二十三区が少なくて部かの施設が多い、逆にお年寄りは二十三区が多くて部かに少ない、この需要と供給のアンバランスがございますので、東京都の方では、二十三区に特別養護老人ホームを集中してつくろう、こういう政策を続けられておりまして、区部につきましては、昭和六十年の定員数を一〇〇とした場合、区部の定員数は平成二年で一九三・六と倍増しているというような状況でございます。
 全国的に見ますと、なお都市部について特別養護老人ホームの整備がおくれているという状況でございますので、私ども十か年戦略に沿いまして、特別養護老人ホームの整備拡充を進めるとともに、待機者につきましても、都道府県からいただいております数字の中で、実は病院に入っておられる方も大分含まれておりますので、待機者の実態でございますとか、それから特別養護老人ホームに入所された方でも、その後の経過を見ますとかなりホームのお世話がよくて体力的に回復される方もございますので、そういった方については一度退所されてまた自宅に戻られるというような方法もあるのではないかと思いまして、平成四年度にそのような待機者の実態調査でございますとか在宅と施設の福祉対策の連携を強化するようなモデル事業もやってみたい、こういうことを計画しているところでございます。
#163
○山口(那)委員 今御指摘がありましたように、特に都市部での整備が著しくおくれているということが明らかであります。その原因は一にかかってやはり用地の取得難ということにあるわけでありまして、これに対するさまざまな工夫あるいは措置が必要だろうと思うのです。それにつきまして、用地ばかりではなく設備そのものをどう確保するかということも含めまして、この大都市における設置の促進策というものについて現状をお伺いしたいと思います。
#164
○中村説明員 ただいまお答え申し上げましたように、都市部で施設整備が大変苦戦をしておるような状況でございますので、一つには何と申しましても都市部での整備を進めるためには、今用地の問題がございましたが、用地の有効活用を図るということが重要ではないかと思っております。
 都市部での特別養護老人ホームの整備につきましては、例えば中学校と特別養護老人ホームの整備、それから保育所と一緒に建設するというような既存施設との合築、こういったものが有効ではないかというふうに考えておりまして、平成三年度から既存施設と合築する場合の優遇措置、例えば補助対象面積を八%拡大するとか、融資の優遇を行うとか、こういうような施策を講じたりしているところでございます。
 もう一つは、やはり狭い土地の上に施設を建てるということになりますと、高層化をすることが必要になってきます。高層化しますと、いろいろな意味でのデッドスペースが出てまいりまして、余分な面積が必要となるということで、そういった場合の補助対象の面積の割り増し、三階建て以上八%の割り増しを行うとか、それから、都市部でやはり建築単価が高こうございますので、都市部で社会福祉法人立の施設をつくられるような場合につきましては、その施設に対しまして割り増し単価を適用する、このような措置を、これは平成四年からでございますが講じようとしております。
 しかし基本的には、これらは用地が取得できた場合の措置でございますが、用地取得自体が非常に困難でございますので、一つには、従来社会福祉法人など特別養護老人ホームの八割は社会福祉法人立のものでございますので、社会福祉法人立の特別養護老人ホームの設置促進を考えなければならないわけですが、従来は社会福祉法人が土地を自分で持っていなければ、社会福祉法人の設立そのものを認めないというような方針でございましたけれども、都市部などにありましてはそのようなことが不可能でございますので、施設用地の自己所有の原則の例外を認める。例えば地方公共団体から無償貸与しているような場合についても、社会福祉法人の設立、それから特別養護老人ホームの設置を認めるというようなことをやっております。それから、用地取得費につきまして社会福祉・医療事業団の低利融資を行う、こういうような措置をとっておりますけれども、なおやはり土地問題が基本でございますので、地方公共団体の公有地の優先活用をお願いするとか、他のいろいろな既存の施設との合築をお願いするとか、そういう用地対策をやってまいりたいと考えております。
 なお、用地について、用地取得についても補助すべきではないかという御議論も先生からもありましたけれども、土地が永久資産でありますことから、用地取得費への補助ということにつきましては難しい問題があります。また我々は、都市部の用地取得をどうやっていくかということについては引き続き勉強をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
#165
○山口(那)委員 特別養護老人ホームと並んで、老人保健施設という治療と居住とあわせた機能を持つ施設がありますが、これの整備がまた大都市では著しくおくれておる。例えば東京都で言えば、現在はたった一カ所しかございません。しかしこの十か年戦略で言うと、特別養護老人ホームの方は二十四万床が最終目標でありますが、この老人保健施設は二十八万床、むしろ養護老人ホームよりも多い。しかしながら整備状況は著しくおくれておる。いずれもやはりスタッフの確保難と用地の取得難というのはネックになっているわけでありますね。
 ですからこの点について、今後この目標に到達するためにどのような促進策、見通しをお持ちか、御答弁いただきたいと思います。
#166
○伊藤説明員 御指摘のように、大都市におきまして老人保健施設の整備が進まないのは、先ほどから御議論になっておりますように、用地の確保の困難ということが一番大きな原因でございま
す。
 私どもは、この十か年戦略に掲げた目標、特に大都市部での整備の促進を図るために施設整備費の国庫補助金がございますが、これにつきまして平成二年度から大都市地域の整備費の加算でございますとか、さらに高層化に対する割り増しなどを行っているわけでございます。さらに国庫補助のほかに、社会福祉・医療事業団の公的低利融資制度がございますが、これにつきましても建築資金及び用地取得費に対する融資が実施されております。平成四年度から、特に大都市に設置する施設につきまして、新築資金の融資限度額を大幅に引き上げたところでございます。
 これらの施策とあわせまして今後特に、施設の高層化でございますとか複合化のほかに、税制上の優遇措置でございますとか、既存の病院の病床の転換、例えば現在大田区で整備中のものは結核病床を転換するわけでございますが、そういういろいろのことを試みてまいりたいと考えております。
 なお、この件につきましては東京都ともいろいろ相談をしておりまして、現在のところ開設しているところは一カ所でございますが、平成三年度におきまして建設中のところが二カ所、さらに平成四年度におきましては五カ所の整備が予定されておりまして、目標到達にはさらに努力を要しますが、特に東京を中心にいたしました大都市部の整備に全力を挙げてまいりたいと考えております。
#167
○山口(那)委員 施設の整備と並んで大事なのがマンパワーの確保ということでありますが、ホームヘルパーと看護婦さんが中心になろうかと思います。特に在宅に携わるホームヘルパーの方、十万という目標ですが、これも進捗率は決してよくないだろうと思うんです。やはり処遇の改善というものを強く進めていかない限りはなかなか確保されないという状況もあろうかと思います。
 そこで、この処遇の改善における本年度の措置と十万人目標に対する現在の達成率、そして今後の目標に到達するための施策ということについて、あわせて簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#168
○中村説明員 ホームヘルパーの整備の進捗状況でございますが、平成十一年度までに十万人のホームヘルパーを確保するということで、平成二年度から十か年戦略に従ってその整備を推進しているところでございます。
 平成二年度の三万五千九百五人という整備目標に対しまして、三万八千九百四十五人ということで計画自体は上回っている状況でございますが、三年度、四年度、また増員の計画を立てておりますので、例えば四年度いっぱいで四万六千四百五人まで増員をするという計画を立てておりますので、その達成のために全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。こういう計画に従いまして平成十一年度には十万人を達成するということを目指しているところでございます。
 平成四年度にとりました措置につきましては、ホームヘルパーさんを確保するということにつきましては何といっても給与の改善が最大の問題であるということで、平成四年度予算におきまして、常勤のホームヘルパーさん、それから非常勤のホームヘルパーさんもいらっしゃいますので、そういう常勤、非常勤の勤務形態の実態に応じた給与の改善を図るということで、常勤のヘルパーさんにつきまして百八万円の手当の増額、五一%のアップを確保したというのが基本になっております。
 今後どのようにホームヘルパーを確保していくかということにつきましては、何といいましても手当を中心とする処遇の改善が一つの柱であると思っております。勤務時間の問題もございますので、そういった労働条件の整備をするということ、それからやはりホームヘルパーに対します社会的な評価のアップを図っていかなくてはならないということで、この点につきましてはホームヘルパー自身の努力も必要ではないかと思っておりますが、私ども、先ほど先生のお話にありましたように、なかなか福祉サービスについて周知徹底が図られていないということもございますので、そういった状況も踏まえまして、よりホームヘルパーの実態について、またサービスについて知っていただき、また理解していただいて社会的な評価のアップも図っていく、それに従ってまた処遇の改善も図る、こういうことでその確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#169
○山口(那)委員 きょう五月十二日はナイチンゲールの誕生日でありまして、看護の日ということでPRのための一つの手段となっているわけであります。自治省では、公立の看護大学の整備の財源措置を充実しようという計画をお持ちでありますが、これが実施された場合に、平成五年度以降この公立の看護大学及び短期大学の整備が具体的にどのように予定されているのか、その申請の状況とか整備の目標とか、これについてお答えいただきたいと思います。
#170
○喜多説明員 お答えいたします。
 看護系大学、短期大学でございますが、現在大学が十四校、短大が六十二校ございます。そのうち公立てございますが、大学が一校、短大が十七校でございます。
 文部省といたしましては、看護教育の充実と不足しております看護教員の養成を図るという観点から、大学学部レベルでの看護婦養成というのが極めて重要なことであるというふうに考えておるところでございまして、看護系大学、短期大学の設置につきましては国立、公立、私立を通じまして積極的に対処してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 平成五年度の設置に向けまして、現在公立大学が三校、それから短期大学が二校設置認可申請がなされておるところでございます。また平成六年度以降につきましては、公立の看護系大学、短期大学の設置につきましては、現在大学、短期大学合わせまして十数校の相談を受けておるところでございまして、文部省といたしましては、これらが実現できるよう積極的に指導等を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#171
○山口(那)委員 さて、地方自治体の独自の福祉施策というものをどんどん進める必要があるわけでありますが、その一環として地域福祉基金というものが設定されております。本年度で二年度目に当たるわけでありますが、この基金の地方団体の評判がどうなのか、それから、不交付団体においてどの程度自主的に設置をされておるのか、それから、その基金の活用の例としてどのような事業が行われておるのか、その点について簡潔にお答えいただきたいど思います。
#172
○湯浅政府委員 地域福祉基金につきましては、平成三年度から地方財政計画で計上したわけでございますが、この基金に対しましては、地方団体からも非常に高い評価をいただいております。また、当委員会におきましてもこの積み増しについて御決議をいただくということで、大変私どもにとりましてはありがたいと思っているところでございます。
 この積立額につきましては、現在の段階では、平成三年度の財源措置に伴った分でどの程度かということを調査しているわけでございますけれども、今御指摘の不交付団体だけというのは、ちょっと私ども今手元に資料がございませんが、全体といたしまして、都道府県は四十六団体で積み立てておりまして七百十五億円、それから政令市は十団体で二百六十億円、それから市町村は三千百五十一団体で千四百九十七億円ということで、合計いたしますと三千二百七団体で二千四百七十二億円が現段階で積み立てられております。財源措置いたしましたのが二千百億円でございますので、計画計上額に比べまして三百七十二億円上回る実績が今のところ出ているところでございまして、恐らく四年度におきましても、今回積み増した分につきまして各自治体で積極的に対応していただいているものと期待しているところでご
ざいます。
#173
○山口(那)委員 かなり評判もいいようですし、どんどん積み立てが進んでいるようでありますから、これは本年度では昨年の倍の金額を財源措置したかと思います。そこで、来年度以降もこの積極的な積み立てに、ぜひ施策を練ってほしいと思います。
 さて次に、時間もありませんので、文化財の保存に関してお伺いをいたします。
 今年度の自治体の財源措置に対しては、自治省としては有形の文化財に対して措置を行った、このように伺っております。それに相呼応して、地域の伝統芸能を活用していこう、こういう法案が今たしか運輸委員会で審議をされておるだろうと思います。この新しい法案も、地域の文化財を一つの地域活性化の手段として大いに活用していこうということで、その背景あるいはその目的自体は非常に時代のニーズに合ったものがあるのではないかと私は評価をいたしております。
 そこで、この地域伝統芸能の活用法案について、この中身が、国または地方公共団体が実際にどのような支援を行っていくのかということについて、その仕組みの概略を御説明いただくと同時に、その今回の法案の中で、いわゆる法律事項といいますか、法律で規定しなければできない事項がどういうものなのか、この点について概略を御説明いただきたいと思います。
#174
○梅田説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の法案は、若干長うございますが、地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律という名前の法案でございます。
 この法案のねらいでございますが、各地には、踊りとかあるいは話とか、あるいは祭りといった、その地域の民衆の中に受け継がれた伝統的な芸能あるいは風俗慣習というのがございまして、これを活用して行事を実施する、そのことによって、地域固有の観光魅力を生かした観光の振興、あるいは地域の特性を生かした個性豊かな地域商工業の振興を図ろうというのが今回の法案のねらいでございます。
 そのために、具体的にはどういう仕組みかど申しますと、活用行事の実施による観光あるいは特定地域商工業の振興のために、国、これは具体的には運輸大臣、通産大臣、自治大臣、農林大臣、文部大臣でございますが、基本方針を策定いたします。また、地方公共団体が具体的な基本計画をつくるということにしております。そういたしまして、地方公共団体の方で、これは都道府県でございますが、都道府県が国の方に協議をしていただきまして、協議が調ったものにつきましては活用行事の確実かつ効果的な支援措置を準備しております。
 その支援措置の中身は幾つかございますが、一つは、通訳案内業法の特例を設けまして、特例ガイド制度を設けたいと考えております。と申しますのは、この法律によりまして外国人の誘致を図りたい、国際観光の振興に資したいというねらいがございます。そういう観点からの支援を一つやりたいと思っております。
 それから、中小企業信用保険法の特例措置を設けたいというふうに考えております。中小企業者が金融を受けやすくする道を開きたいということでございます。
 また、民間団体による活用行事等の支援に関する事業の推進ということで、支援事業実施機関を指定いたしまして、そこで具体的な資金の支給その他のイベントの支援、助成をやりたいというふうに考えております。
 また、国による必要な助言その他の援助について具体的な支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 したがいまして、先生の御質問で、国が実施主体にどういう支援を行うのかということでございましたが、今申し上げましたように支援措置がその中身でございます。
 とりわけ私どもで関心を持っておりますのは、政府を含む関係者がその地域その地域の観光のキャンペーンにつきまして一体となって宣伝、あるいは国際観光振興会を通じまして外国に対してこういったイベントの宣伝をやっていこうというようなのがその特色でございます。また、地方公共団体におかれましては、実施主体に対しまして助言、指導その他の援助のほか、地方債の特例措置が設けられております。
 それから、御指摘の法律事項でございますが、法律事項といたしましては、通訳案内業法の特例措置あるいは中小企業信用保険法の特例措置でございます。これらは、いずれにおきましても法律で規定しなければならない事項でございますので、私どもこの法案におきまして法律上の手当てをしたところでございます。
 簡単でございますが、御説明とさせていただきます。
#175
○山口(那)委員 この法案でやっている事業というのは、もう現在各自治体では、自治体といいますか各地域では自発的にいろいろ実施をしておるところでありまして、自治体もそれなりの援助をしておるということだろうと思います。その中で、地方債について特別な配慮を行う、こういう制度もあるようであります。しかし、地方債において特別な配慮というのは、これは一体具体的に何をやるのかというところが必ずしも定かではありません。
 そうすると、この法案で実際にやる仕事というのは、この事業を実施する支援団体といいますか、財団をつくるというところと、それから商工業者に保険の手当てをするというようなこと、あるいは通訳の認定を緩和する、このようなことだけであります。しかし、それだけのために果たして新しい法律をつくらなければならないものかどうか、これについては私は若干の疑問があるわけであります。
 かねて大臣は、日本の法律は数が多過ぎる、千五百余りもある、こういうふうに御指摘になられまして、もっと簡潔、簡素であるべきではないか、こういう行政の軽量化ということを御主張されていると思うんです。その自治大臣もこの法案のいわば主管大臣になっておられるわけでありますが、この起債について特別な配慮をするということが実際にどう実効性のあるものになるのか、それからまた、この法案の本当の必要性があるのかどうか、あるいはこの法案が果たして実効的なものになるのかどうか、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#176
○塩川国務大臣 これはやはり法律ができましたらそれなりの効果はあると私は思っております。
 しかしおっしゃるように、これは流行なんですね、地域振興とこういう法律をつくって。これは一つは、役所の設置法の中に所管事項がふえるんです。権限もふえる。そうすると、人員の獲得がしやすいんですね。それと予算の取り方も、取りやすいですよ。これは一種の流行なんです。やはりそこらは考えなければいけないなという感じがして私もこれは実は閣議で提案したんですけれども、閣議では取り上げてくれなかったですね。
#177
○山口(那)委員 なお一層の御健闘をお祈りいたします。
 これで終わります。
#178
○中島委員長 高木義明君。
#179
○高木委員 私は、民社党の立場からただいまから若干の質問をいたしますが、まず、地方交付税の件につきましてはかなりの議論がなされておりまして、私たちは地方固有の財源である、こういう主張をしておりますけれども、こういう立場を明確にしながら、今回は地方交付税につきましては割愛をさせていただきます。
 そこで、最近地方におきまして第三セクターによる事業等が活発に行われておりまして、私はこの第三セクターの問題を取り上げてみたいと思います。
 地方公共団体が提供する行政サービスの拡大あるいは多様化、こういったことに伴いまして、それを効率的かつ機動的に仕事をするため、事業実施に当たっては第三セクター方式ということをと
ることが多くなってまいりました。確かに第三セクター方式をとることは、議会の制約を受けない、秘密の保持と迅速な処置ができる、あるいは地方債の許可制度による資金確保の困難性ということが解決できる、こういったメリットがあるわけであります。しかしその一方で、一部に第三セクターは天下りの先になっておるのではないかとか、あるいは住民監視、住民参加が排除されている、あるいは官民の癒着構造になりつつあるのではないか、あるいはまた、何か経営上の問題が起きたときにはその責任の所在が不明確である、こういった数々の問題点も指摘されておるのが事実でございます。
 自治省として最近多くなりましたこの第三セクターについて今の現状をどうお考えであるのか、この点をまずお伺いをしておきたいと思います。
#180
○滝政府委員 第三セクターにつきまして、基本的にメリット、デメリット等をただいま伺いました。そのような点が第三セクターと称するものの中にはあるということは私どもも認識をいたしております。
 ただ、先生がおっしゃいますように、数年前からこの問題は行革審でも取り上げられている問題でもございますし、私どもも省内でこの数年来、第三セクターのあり方についてどういうような方針をとるべきか、こういうようなことで研究会をやってまいったのでございますけれども、平成四年度におきましては従来の研究結果を踏まえましてひとつ総合的に、行革審でも指摘しているような基本的な方針と申しますか、そういうものを平成四年度でできましたらつくりたい、こういうことで、現在国の予算でもその調査費を平成四年度では予算化をいたしまして、これにつきましての基本的な方策をひとつまとめよう、こういうような段階に来ているのでございます。
#181
○高木委員 私は先ほども述べましたように、この第三セクターについては、それらが取り組む事業については公共性が強い事業が多いにもかかわらず、住民のチェックが届きにくいとか、あるいは経営上の問題点が生じた場合には、その責任のなすり合いといいますか所在が不明確だ、こういうことで、結局は地方自治体がその後始末をしなければならない羽目に陥ってしまう、そういう問題点があるわけであります。しかし、第三セクターの活用が地方振興にとりましてはある意味では一つの方策でございまして、私はこれをすべて否定するわけではございません。また、そういったものをコントロールして介入をしていくべきだという気持ちも持たないわけであります。
 そこで、いわゆる住民参加ということと、それから責任の所在、こういったものをさらに明確化する何らかの対策が必要ではないか、このように思うわけでございます。
 その一つには、現在地方自治法の二百四十三条の三の二項で規定されております。この規定は、五〇%以上の出資等をしている法人につきましては、毎事業年度、政令で定めるその経営状況を説明する書類を作成し、議会に提出しなければならない、こういう条文があるわけでございますので、この条文をフルに活用して、今日ある提出書類をさらに充実するとか、あるいはわかりやすくチェックができる、そういうものにしていく、こういうことを改めるべきではないかなと思うわけでありますが、自治省として、この辺についての御指導をするお考えがあるのか、今どのようにこの問題点についてお考えであるのか、この点についてお尋ねします。
#182
○紀内政府委員 仰せのとおり、現在地方自治法二百四十三条の三の第二項によりまして、地方公共団体が資本金等の二分の一以上を出資している民法第三十四条の法人あるいは株式会社、有限会社等につきましては、毎事業年度、政令で定めるその経営状況を説明する書類を作成して、議会に提出するということに相なっております。
 じゃあ具体的に政令で何が定まっているかと申しますと、政令では、当該法人の毎事業年度の事業の計画及び決算に関する書類、こう言っているわけでございまして、具体的には事業の計画に関する書類としては、当該法人の事業計画なりあるいは予算等に関する書類が考えられますし、また決算に関する書類としては、貸借対照表、損益計算書に加えまして、事業の実績報告書等に相当する書類ということになろうかというふうに思っております。
 この二百四十三条の三の第二項の規定の趣旨というところは、お話にもございましたけれども、当該団体とは一応別の法人によって行われるというところにメリットもありますし、また下手をするとデメリットも生じかねない問題でございますけれども、いずれにしても地方公共団体が大きな財政的な負担をしょわされる可能性を持っているという関係にございますものですから、地方公共団体の長なり議会なりにおきまして、当該法人の経営状況というものを把握して、経営の適正化を期するために最小限度の関与を行おうという趣旨を入れたものでございまして、先ほど申し上げましたような具体的な書類によりまして経営の状況については実質的に把握できるものというふうに考えております。
 なお、個々の書類につきましては、地方公共団体の長が法人それぞれの経営の形態なり、そこでやっている事業の内容に即しまして作成すべきものでございますけれども、この規定の趣旨を踏まえながら一方では、御指摘にもございましたようにその内容の把握しやすさというような点にも配意しながら、経営の状況が十分把握できるような資料の作成に努めるべきだ、こういうふうに考えております。
#183
○高木委員 ひとつこの点につきましては、やっぱり最小限度の関与というこの方法について、私は、もう少し考慮いただいて適切な方策をとることが必要ではないか、このように思っております。さらにひとつ御検討をいただきたいと思います。
 そこで、既に御案内でありますが、先日、浦和地方裁判所におきまして、この第三セクターに関連をした裁判がございました。いわゆる第三セクターに派遣をした市職員の給与を市が負担するのは違反であるという判決が下されたわけであります。これは上尾市ですが、これに類するような、それぞれの自治体も非常に苦慮をしておるという話も聞いておりますが、これに対する自治大臣としての御見解を改めてお伺いしておきたいと思います。
#184
○塩川国務大臣 この案件につきましては控訴中でございますので、見通しはまだ何ともこちらの方から申し上げるわけにいかないと思うのでございますが、この裁判の趣旨は、私たちも十分にその中身は承知はいたしておりますが、もう少し裁判の進行を見守って発言をさせていただきたいと思っております。
#185
○高木委員 第三セクターに職員を派遣する問題につきましては、それぞれのケース・バイ・ケースということでいろいろなやり方があると思っておりますが、第三セクターに派遣した職員の給与を地方公共団体が支出するということについて、自治省としてはいかがお考えなのか、この点について私はただしておきたいと思います。
#186
○秋本政府委員 今御指摘ございましたように、浦和地裁におきまして上尾市の件についての判決があったわけでございます。この件につきましては、今大臣からも御答弁ございましたように、控訴されておりますので、なお今後の推移を見守らなければならないと思いますが、この上尾の例に見られますように、第三セクターに職員を派遣し、その給与を負担する例、これはいろいろなケースがございますので。今御質問の中でも御指摘ございましたようにさまざまなケースがあって、これを一概にどうということは難しかろうと思います。
 ただ、先ほど来たびたび御指摘ございますように、第三セクターへの職員の派遣というケースが地方公共団体の中で相当な数に上ってきておる。地方団体はそれぞれいろいろな工夫をしながら派遣をしておるというのが実態でございまして、そ
ういったことにつきまして、地方公共団体からいわゆる第三セクター、公社等も含めまして外郭の団体に派遣されております職員の身分、取り扱いなどにつきましては、制度のあり方について私どもとしても検討する必要があるだろうと考えております。
#187
○高木委員 裁判の行方はそれはそれといたしまして、まだ今後時間もかなり要すると思います。しかし、それを待ってどうのこうのということもどうかなと私は思うわけであります。したがって、こういったことですっきりしたものはいかにあるべきかということにつきましては、積極的な検討をしていただいて、ある意味の指針を示した方が今後に混乱がないだろう、このように私は思うわけです。
 現在、地方公共団体が第三セクターに派遣をした一般常勤の職員のうち、統計によりますと、四四・九%、約四五%が職務専念義務免除という形、三二・五%が休職という形、二二%が職務命令という形、〇・五%が退職という形でそれぞれ派遣をされております。
 しかし、この職員の身分については、現行の地方公務員法に照らしてみましても大変不安定であります。さきの違法判断とあわせまして、現行制度下における第三セクターへの地方公共団体職員の派遣制度のあり方については、私はこの際真剣に検討すべきであると思いますけれども、いかがでしょうか。改めてお伺いをしておきたいと思います。
#188
○塩川国務大臣 これは当然我々としても検討しなければならぬ問題だと思っております。ただ、おっしゃるように、私も、多少第三セクターに派遣するということを安易に考えておった点は、確かにあったと思っております。
 といいますのは、市あるいは自治体の当然の事業というものと第三セクターの事業というものとの本質的に違ったものもございますし、監督のために行っておるというのだったら、それなりのまた第三セクターにおける職務についておるということもありましょうけれども、そこらの点がどんな仕事、一般の仕事、事務員として行っておるというのであれば、やはりこちらの方の身分を離れていくということが必要であろう、休職か何かの措置をとっていく必要があるだろうと思うたりいたしますし、先ほども公務員部長が言っておりますようにいろいろな態様がございますので、一概に、ようかんをかみそりで切ったようにこれはだめなんだ、こういうわけにいかないとは思いますけれども、そこらに一つのガイドブックとなるようなもの、指針といいましょうか、そういうものは当然自治省の方として方針を打ち出すべきだと思っておりまして、私も前からこの問題は関心を持っておりますので、できるだけ早い時期に役所の中で一回意見の取りまとめをいたしたいと思っております。
#189
○高木委員 確かに第三セクターは、計画性が確保されて事業の公共性が保たれるという利点、あるいはまた、資金、経営能力を含めた民間活力の導入ができるということ、それから、議会の介入がないので予算制度、行政制度のある意味の硬直化を回避できる、こういう利点も持っております。したがって、公共と民間の長所を兼ね備えて運営をしていくということから行政効果を出して、住民福祉サービスに寄与しよう、こういうことからの制度でございますので、そういう意味をさらに踏まえて、今後第三セクターの利点を最大限に引き出すためには、私はこの制度というのは当然存続をすべきだと思っております。
 しかし、個々でその検討の中でやはりこういった欠陥を是正するためには、仮称でございますけれども第三セクター法という新しい法制度を今回制定をしてまでもその辺のことについて対応すべきではないかと思っておりますが、この法制定についていかがお考えでしょうか。
#190
○塩川国務大臣 法制定は、まだ私もそこまで積極的に踏み切っておるわけではございませんが、とりあえず、第三セクターというのはおっしゃるように利点が大いにございますから、これを生かすために自治省としてもこの制度はできるだけ、自治省に限らず役所全体としては、やはりこの制度を行政合理化の線に沿って活用すべきだと思っております。
 活用すべきでありますが、その間における人事上のそういう措置というものを正確にやらないでやった場合にかえってマイナスの面も出てくるおそれもございます。したがって、各事業ごとあるいは業務ごとに、派遣する態様等に応じた身分の扱いについてのガイドブックを明示していくべきが至当だろうと思っております。
#191
○高木委員 大臣、ガイドブックをつくって今後対応していきたいということで前向きの答弁でございますので、私はその先を走る法制定ということを申し上げたわけでございますけれども、ひとつそういった趣旨に照らし合わせた前向きの御検討をお願いをしておきたいと思います。
 次に、私はリゾート問題について触れてみたいと思いますが、リゾート法が六年目を迎えまして、バブルの崩壊あるいは自然保護の問題から、最近あちらこちらでこれについての問題点が出てきておりますし、関心を呼んでおるわけであります。
 そこで、リゾート法審議当時の提案理由では次のように言っております。既に御案内でございますけれども、「国民がすぐれた自然条件の中で滞在しづつスポーツ、教養文化活動などの多様な活動を行うことができる地域の整備を、民間事業者の能力の活用に重点を置きつつ進めるための総合的な措置を講ずることにより、ゆとりのある国民生活のための利便の増進並びに当該地域及びその周辺地域の振興を図り、もって国民福祉の向上並びに国土及び国民経済の均衡ある発展に寄与することを目的とする」、こういう説明がされております。
 また国土庁におきましても、総合保養地域整備に関する基本方針の説明におきましても、総合保養地域とは、滞在するということ、多様な活動を行うということ、この点で従来の観光とは異なるということが述べられております。また、これは地域振興の切り札になるのだ、こういう高らかな期待と呼び声の中でもてはやされたわけであります。
 そこで、先ほど申し上げました今日的なバブル崩壊での工事の計画の断念とか、あるいは資源、環境保護の問題点とか、こういうものがありますが、現在実施されておりますリゾート基本構想が先ほど私が述べましたその趣旨にふさわしいと思っておるのかどうか、この際、国土庁、それから地域振興の面で自治省、それぞれに御見解をお聞きをしておきたいと思います。
#192
○斉藤説明員 ただいま御指摘もございましたように、総合保養地域整備法の制定の目的は、余暇時間の増大等に伴う国民のリゾート需要の高まりに対してゆとりある国民生活の実現の場を整備するとともに、リゾート地の整備による新たな振興施策を展開するということにあったわけでございます。
 この総合保養地域整備法に基づく総合保養地域の整備につきまして、全体としてはまだ緒についたところでございまして、各道府県とも地域の実情に応じまして総合保養地域の整備に取り組んでいるというところでございます。
 現在、この法律に基づきまして三十五道府県の基本構想が承認されておりますけれども、これらの基本構想の承認に当たりましては、法律の趣旨それから基本方針を踏まえまして検討がなされておりまして、基本的には法の趣旨に沿った内容になっているものと考えているところでございます。
#193
○滝政府委員 現在のリゾート構想の推進につきまして法の趣旨どおりになっているか、こういうようなお尋ねでございますけれども、ただいま国土庁からもお話がございましたように、基本的にはリゾート開発というのはある程度の長期的な視点に立って進めるべき性格のものでございますから、そういう意味では、具体的な判断をするにはもう少し時間がかかるのだろう、こういう感じを
持っております。ただ、現在構想が決定を見ております三十五地域を全体として眺めれば、それなりに当初の予定をした計画にほぼ沿った格好で進捗をしているのだろう、こういう感じがございます。
 申すまでもなく、先生の御指摘のとおり、中にはもともと多少無理をした計画だという批判もあるところがございますし、また、その後の経済状況の変化によりまして変更を余儀なくされている、こういうふうに伝えられている地域がございますけれども、こういった点につきましてはそれなりに修正、是正する必要があろうかと思うのでございますけれども、全体としては当初の目的に沿った格好でなお地域振興が図られるよう、私どもとしても十分に注目をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#194
○高木委員 マスコミ等におきましてはリゾート開発の失敗例というのが報道されておりますし、私も目にし、耳にしますけれども、自治省、国土庁として、こういった失敗例もありますが、もちろん成功例はあるわけでありまして、成功例、失敗例、こういうものをきちっと把握をされておるのかどうか、この点、いかがでしょう。
#195
○斉藤説明員 総合保養地域の整備には大変長い時間を要するものでございまして、現在各道府県とも地域の実情に応じた総合保養地域の整備に取り組んでいるというところでございますが、御指摘のように、その中で既に供用されているプロジェクト等につきましては、例えば長崎県の伊王島スポーツアイランドですとか、あるいは福島県のみのわスキー場、あるいは三重県の新鳥羽水族館、あるいは長崎のハウステンボスも最近オープンしたところでございまして、このようなものがございますが、数多くのプロジェクトが供用中または整備中となっております。
 また、御指摘のように一部、総合保養地域の整備について、最近の経済情勢の変化等の理由により、当初の計画どおり進んでいないところもあるというふうに聞いておるわけでございます。ただ、そのような場合におきましても、地元ではそのもとの計画につきまして、ディベロッパーが必ずしも予定どおりいっていない場合につきましても、それぞれの地域の整備について大変強い期待を持っておるところもございまして、いろいろな角度で検討が進められているというふうに承知しております。
 このように計画どおり進んでいないような場合につきまして、情勢の変化を踏まえまして道府県の方から基本構想の見直しの相談等があった場合には、関係省庁とも相談しながら適切な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
#196
○高木委員 これは一部の新聞でありますが、これは首都圏の千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、こういった県ではうまく進んでおるものもあるわけでありますが、今後を非常に危惧をされた事例が報道されておるわけです。
 現在リゾート開発と申し上げますと、例えば一番初めに目につくのがゴルフ場、スキー場、マリーナ、ホテル等の建設がメーンであります。やはり収益性という観点からすると、それはそれでそうならざるを得ないのかなということも理解はできないわけではありません。しかし、まさによくいわれるところの金太郎あめ的な開発、どこのリゾート構想も大体そういうことだ。成功している例は例えばハウステンボスとか全国にもかなりの例がありますが、そういう金太郎あめ的な開発につきましては、これが本当に地域振興とゆとりある国民生活、国民福祉に寄与するのかどうかとの声もあります。
 リゾート基本構想をベースに試算をしてみますと、平成二年末現在におきまして、ゴルフ場計画約二百カ所弱、計画面積二十万ヘクタール、スキー場においては、計画約百カ所強、計画面積十五万ヘクタールとなっております。実は、これだけで東京都の面積に匹敵をするということになるわけです。私は、開発をすべて否定するわけでもございませんし、ゴルフ場の拡充についても結構と思っております。しかし、こういったリゾート法あるいはリゾート計画によって日本におけるゴルフ場の総面積が東京都の面積に匹敵してしまうということは、ある意味では異常ではないかな、このようにも思っております。
 したがって、このようなことを見て、計画や構想がリゾート法の本来の趣旨に合っているのかどうかということを私は指摘したいわけであります。この点について、私は、趣旨にそぐわないのではないかという気持ちを持っておりますが、政府の方はいかがお考えでしょうか。
#197
○斉藤説明員 これまで承認されました基本構想の中に、御指摘のようにゴルフ場、スキー場が多く含まれているのは事実でございます。総合保養地域には良好な自然環境が不可欠ということで、その整備に当たっては、自然環境の保全との調和に十分配慮して行うということで進められておりまして、基本方針等におきましてもそのことを十分記しているわけでございます。
 ゴルフ場の開発につきまして、森林等の植生の保存、あるいは農薬等の環境に与える影響の問題について、いろいろ御議論のあるところは承知しているところでございます。
 一方、ゴルフにつきましては、国民的に非常に人気の高いスポーツの一つでございまして、国民だれもが利用できる総合保養地域の整備ということの観点からまいりますと、ゴルフ場についても、その整備は必要ではないかという意見もあるわけでございます。ゴルフ場の会員権の価格は大変高い水準にございます。また、プレーの予約がとりにくい、あるいは利用料が高い、一般の市民にとってゴルフ場の利用がしにくいという声も強いことは事実でございます。
 このようなことから、ゴルフ場についてなお根強い需要があるという見方もあると思っておりますが、一方で、自然環境の保全との調和に十分配慮して総合保養地域が整備されるよう、私どもも十分留意して、都道府県にも注意を喚起してまいりたいというふうに考えております。
#198
○高木委員 リゾート開発に絡みますいわゆる贈収賄事件とか、あるいは自然環境の破壊の問題、これも私は見逃せないと思うのであります。加えて、バブル経済崩壊によってリゾート計画が失敗し、とんざをするということもありまして、地域の振興どころか、むしろ地域の破壊あるいは混乱、こういった悪いイメージが一部に批判としてあるのも事実でございます。したがって、私は、こういったものを払拭するためにも、この際具体的な対策を立てるべきだと思っておりますが、この点についてどうでしょうか。
#199
○滝政府委員 ただいま先生がたびたび仰せになっていることは、私どもも同じような認識を持って対処しなければならぬ、こういうふうに考えております。
 そこで、先ほどから国土庁の総務課長からもお話を申し上げておりますけれども、自然環境の保全の問題それからゴルフ場の見直しの問題等、そういった幾つかの問題も私どもなりにそれは認識をいたしておるわけでございまして、現在、それぞれの地域において、それぞれ計画変更等新たな観点から、多少の手直しをするところ、あるいはもう少し大規模な手直しをするところ、さまざまな動きもございます。私どもとしましては、そういうような各地域におけるそれぞれの検討を踏まえて私どもなりに御相談にあずかっていくというのが一つの対処の方法だろう、こういうふうに思っております。
 それからもう一つは、これは何といってもやはり関係各省で、この問題について、出発しましてからまだ日が浅いものですから具体的な評価までいけるような段階ではございませんけれども、新聞報道等にもございますように私どもなりに問題点も認識しておりますので、そういった観点から、ひとつ現在段階における現状の把握なり、あるいは、ただいま各地域でもっていろいろ見直しの機運もある地域がございますので、そういった点も踏まえて今後のあり方について検討するとか、そういうようなことで関係省庁集まって、研究会をこの四月に発足させたところでございま
す。
 私どもも、そういう機会を通じて、この問題についてはなお鋭意中長期の観点からひとつ私どもなりに検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#200
○高木委員 国土庁は、このリゾート法の問題点に対しては、法律の見直しではなくて、運用の再検討をして見直しを図ったらどうかという考え方のもとで今何らかの準備を進めておると思っておりますが、そのような点につきまして、どのような検討がなされ、どういう内容についてやっておられるのか、この際お伺いをしたいと思います。
#201
○斉藤説明員 御指摘のような点も含めまして、社会経済情勢の変化等に対応して、総合保養地域整備の現状の把握を行い、今後のあり方等について御議論をいただき、今後の整備の推進に資するため、有識者から成る総合保養地域整備の研究会を開催することにしたわけでございます。
 この研究会の場では委員の方々からできるだけ自由な御意見をいただくということを考えておりますが、最近の社会経済情勢の変化等から、個人需要の伸びがなかなか長期休暇がとりにくくて停滞している、あるいは経済情勢の悪化から企業の事業意欲が停滞している、あるいは環境保全へのなお配慮を求める声がある、あるいは地域振興に資するための地域密着型のリゾート整備のあり方、あるいは大衆的な高価でないリゾートの整備が求められているというような指摘がなされているところでございますので、研究会においても、これらの点を含めて御議論がなされるものと期待しております。
 したがって、現時点におきましては、私どもは、この総合保養地域の整備の運用については、いろいろ検討いたしますが、現時点においては、法制定の趣旨に従いまして、自然環境の保全との調和等に十分配慮しつつ、地域の特性を生かした魅力ある地域づくりを着実に進めることが重要であると考えております。
 地域の整備というものは大変長い時間を要するものでございまして、住民のコンセンサスを得ながら、あるいは自然環境等に配慮しながら、十分各都道府県とも地域の実情に応じて取り組むよう、昨年秋にも課長会議を開いて協議を行ったところでございます。
#202
○高木委員 確かに、リゾート法ができまして六年が経過をしております。このバブルの崩壊という大変大きな変化が起きたわけです。したがって、そういう意味でも今の法は見直すべきではないかと思っておりますし、今や自然環境保護というのが大きなキーワードになっておりますから、そういうものに対しても、非常に支障を来すようなものについては規制をかけていくとか、適切な配慮をするとか、そういう意味の法改正をも含めてやるべきでありますが、ただいまのお答えは、そういう法改正を含めて検討するということなのかどうか、その点についてお尋ねをしておきます。
#203
○斉藤説明員 環境が変化して、それに対する対応が必要だということは御指摘のとおりでございますが、総合保養地域の整備の基本構想は、都道府県が自主的に作成して総合的な見地から施策を推進するということになっておりまして、現時点では、私どもは法制定の趣旨に従って魅力ある地域づくりを着実に進めるということが重要であるというふうに考えております。
#204
○高木委員 ぜひそれぞれの問題点を正確に把握していただきまして、適切な思い切った措置をとっていただいて、本当の意味で国民福祉の貢献になり、そしてまた地域の振興につながる、しかも環境には十分配慮したものになるような事業の推進を私は期待しておるわけでありますし、またそういうことで取り計らっていただきたいと要望しておきたいと思います。
 時間も余りありませんので、次に、地方議会の機能にかかわる問題で若干のお尋ねをします。
 今、国会におきましては政治改革というのが大きな政治課題になっておりまして、この進展が大きく国民から注目されておるわけでありますが、国会の、国政の政治改革と同時に、地方議会におきましても、地方政界においても、同じような意味での政治改革が必要であろうと私は思っております。
 そういう中で、この地方の議会、いわゆる住民の民意を代表する大切な議会に当たる地方選挙の立候補者を見てみますと、昭和五十八年の統一地方選挙、これは県会議員でありますが、四千五百五十五人の立候補者がございました。昭和六十二年には四千百十八人、平成三年には三千八百十人ということで、減少の一途をたどっておる。市会議員につきましては、昭和五十八年は一万三千七百三十一人、昭和六十二年には一万一千六百十三人、平成三年には一万一千三百九十八人、こういうことで、これは少しでもありますけれども、やはり減少傾向にあるということが言えると思っています。
 これはそれぞれの立候補者が、ある意味の淘汰ということも言えるかと思いますけれども、やはり莫大な選挙資金、政治資金、こういったものが地方議員においても重要な問題になっておる。したがって、財政的な裏づけがない方々においては選挙は出たくても出られない、こういう一つの大きな問題もあると私は思っております。今や地方議員は、市町村議員に至りましても専門的な要素がふえておりまして、それぞれの調査研究についても物心ともに大変な物量が必要であろう、こういうことは私は一つの認識としては皆さんおわかりだと思っております。
 そこで、地方におきましても、こういった意味で、例えば地方議員の選挙においても、あるいはまた政治活動におきましても、公費負担を拡大するとか、例えばそういう公費負担の拡大でありますけれども、そのほか政治倫理、政治資金、選挙制度、議会改革、こういったことについて私は積極的に討議を進めていくべきだ、そして国民とともに本当の意味の政治改革をなし遂げなければいけない時期にあるのではないかと思っておりますが、この点について、これはもちろん地方自治の問題でありますけれども、自治省としてどのように把握をされて御所見を持っておられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
#205
○吉田(弘)政府委員 政治改革についてのお尋ねでございますが、これは今お話にもございますように、国政に関するものについては現在政治改革協議会の場で各党間で鋭意協議が進められているということでございます。
 あわせて、地方の選挙でございますとか政治活動についてどうかというようなお尋ねでございます。
 御指摘の中にございましたように、最近におきます統一地方選挙等におきましても、競争率の低下傾向ということもございます。また、無投票当選者というのもふえてきているというような現象もございます。やはりその一つとして、選挙と金の問題も一つの理由になっているのではなかろうかというふうに私どもも考えておるわけでございます。
 この問題について、特に選挙と金という件に関しましては、一定の選挙や政治活動に関する経費を節減するための具体的な方策等については、国・地方を通じての問題でございますので、これらについてはまた政治改革協議会の場でも御議論がされておりますし、また、例えば地方選挙を含めた選挙公営の拡大の問題につきましては、これまた現在政治改革協議会で各党が鋭意協議をされているところでございますので、私どもといたしまして、この協議会において今後十分協議をしていただきまして、具体的な結論を出していただけるように期待をしているところでございます。
#206
○高木委員 地方の中小都市の議員の歳費を調べてみますと、月額二十万円を割っておる。年間所得も四百万円を下回っておるというところも少なくないわけでありまして、これでは副業を持たずに議員活動に専念をしろといっても無理な話でございます。
 だからといって、お手盛りで歳費を上げろとい
うことでもございませんで、これはまたそれぞれの地方の実態に合わせて地方自治として決める事柄でございますので、踏み込んだことは私は申し上げられませんけれども、やはり議員活動にそれなりの調査活動とか研究活動が必要である。そのことが議員のやる気とそしてまた機能を高め、地方自治の活性化のためにもつながる。そして、選挙においても、我と思わん人間はどんどん出て、そこで競争する。政策を訴えて、町づくりはどうあるべきか、人づくりはどうあるべきか、そういうことを訴えてやる。そこでは無投票当選などというのも出てこない。そういう中でお互いに切磋琢磨して、地方自治が本来の意味の分権というところに行き着くべきだと私は思っております。
 そういう意味で、議会活動の調査費等もやはりそれなりのものを私は配慮すべきであろうと思っています。これはもうそれぞれの地方自治体の問題でありますが、そういう意味の何か御指導とか、そういうものを自治省として考えておられましたら、この際御所見をいただきたい。
 それから、もう時間も余りありませんが、私は地方政治の改革についても大変必要なことだろうと思っています。今私が申し上げましたことについて、この際、自治大臣として今の地方政治のあり方について率直な御所見がありましたら、ぜひお聞かせをいただきたい。
#207
○塩川国務大臣 私は実は高木先生と若干違う考えを持っておるんですけれども、確かにおっしゃるように議員は競争率がだんだんと低下してまいりまして、無投票地域が相当ふえてまいりました。そのことはもう明確に出てきております。特に町村議員並びに市会議員等において出てきておりますが、一方において、知事であるとか指定都市の市長、あるいは一般の市の市長、町村長という首長の選挙はますます激しくなってきて、競争率も高くなってきておるのです。結局、これを見ますと、首長の仕事はおもしろいというのか、やりがいのある、魅力のあることですが、議員の仕事は魅力がない、なくなってきたということ、そして、やはり本人並びに家族の負担、特に家族の負担、精神的負担が非常に大きい。これなんかが議員を避けていこうという傾向に非常に拍車をかけておるような感じがいたします。
 そこで、この傾向を是正するのに、やはりおっしゃるように選挙のあり方を考えなければいけないのじゃないかと思いまして、これをもっと党においても研究すべきだと思っております。
 それともう一つは、やはり政治に志を持った人材を発掘するということが必要でございまして、地域で推されて自動的になるというような時代じゃなくなりましたので、やはりその中に訓練というものをして、政治家の養成をするということも必要であろうと思っております。
 それから選挙につきまして、確かに地方議員、特に市町村議員等におきますところの公営率というものが非常に低うございます。今、衆参国会議員の公営率と申しましょうか、それは相当なところへ参っておりますけれども、地方議員は少ない。ここらをもう少し公営化できないだろうか。例えばポスターの掲示を統一するとか、あるいは宣伝車の運行をどうする、できるだけのものは、公費で持てるものは持つというようなことも考えてあげれば多少は違ってくるのではないかと思っておりますが、高木さんと同じように私も、地方議員の希望が減ってくるということには、これは何といいましてもやはり民主主義の傾向の低下につながってくると思いますので、憂慮しておる一人でございます。
#208
○高木委員 時間は少々あるようですけれども、採決も控えておりますのでこの辺で私は質問を終わりますが、自治大臣おっしゃられましたとおり、やはり地方政治、地方議員の機能を高めること、これについては勇断をもってひとつ自治省の方で御検討いただいて、具体的な施策を講じて指導していただく、こういうことを私は強く要望しまして、終わります。
#209
○中島委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#210
○中島委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。谷村啓介君。
#211
○谷村委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、賛成の討論を行います。
 昨年度の地方交付税法改正案の審議におきましては、附則第三条に基づく四千五百二億円の特例減額が大きな焦点となりました。日本社会党・護憲共同は、特例減額問題について強く政府の姿勢を批判してまいりましたが、地方財政の充実強化等に関する決議を採択することによって平成四年度以降の措置に歯どめをかけ、ぎりぎりの譲歩をして、交付税額の減額については今回限りの特例とすることもやむを得ないと判断し、賛成したのでありました。
 しかし、今回の政府提出の地方交付税法等改正案におきましては、昨年度の四千五百二億円の特例減額に引き続き八千五百億円の特例減額が実施されており、これは極めて遺憾であります。自治省の説明では、公経済のバランスに配慮して国に協力したこととされておりましたが、特会借入金の発生原因や昨年度の審議経過及び来年度以降を考慮すれば、極めて大きな問題ありと言わざるを得ません。もちろん特例減額分については後年度に国から返済されるとされておりますが、構造的に国の財政難が続けば、過去の例のとおり返済の先送りなどが講じられる可能性もあります。
 このような交付税額の圧縮は、国の財政困難を地方財政に依存して切り抜けようとすることであり、二十一世紀を展望して高齢化対策や四百三十兆円の公共投資などのさまざまな行政ニーズを担う地方自治体にとって、公債費の増大という重圧や自治体間の財源格差、今後の落ち込みが予想される地方税収の動向を考え合わせると、極めて残念な措置であります。
 その上、大蔵省は、いわゆる「予算の説明」の中で地方財政に対し、引き続き大幅な財政余剰があるかのように記述しており、また、先日の本委員会における大蔵大臣質疑の中でも、地方交付税は地方の固有財源ではないかのような答弁を繰り返しておりましたが、本日の最終答弁では、地方交付税の性格は地方の固有財源であること、財源余剰論についても事実上撤回したものと受けとめます。これまでの当委員会における地方自治、地方財政を擁護しその発展を目指してきた与野党共通した議論の経緯を踏まえますならば、これらの点はさらに明確にする必要があります。
 一方、政府案の中にも評価すべき点がないわけではありません。
 その第一は、地方単独事業の大幅な拡大であります。単独事業は、補助事業に頼ることなく自治体が自主的に取り組む事業を豊富化することであり、自治の拡大という点から評価できるものです。
 第二は、従来の公害対策費を一括した上で大幅な増額が図られ、環境保全対策経費が創設されて千七百億円が計上されたことであります。今後とも、森林の維持管理を含めまして、環境問題は大きな問題であり、一層の充実が必要であります。
 第三は、社会福祉のための経費が二兆六千五百億円と大きく拡充されていることであります。こうした措置は、高齢化社会の到来を迎えるもとで、保健、福祉、医療マンパワーの確保等のため、来年度以降も拡充を図っていくべきであります。また、国民健康保険の改善措置や、地域福祉基金及び土地開発基金の積み増しなど、自治体の要望にこたえた措置につきましても地財計画に盛り込まれております。
 このように、政府案におきましては歳出面の一定の前進もあります。また、先日の参考人質疑で明らかになりましたように、地方団体からは本改正案の早期成立の要請もございます。
 したがいまして、日本社会党・護憲共同は、さきに指摘いたしました特例減額につきましては政府の主張を容認するものではなく、あくまでも反対でありますが、交付税減額についての歯どめ措置を盛り込むとともに、これまでの委員会での論議や国会決議を踏まえ、来年度以降の地方財政について、地方団体の意見も尊重して積極的かつ抜本的な改善が図られますことを期待いたしまして、本改正案については、単独決議を採択することをもって政府案に賛成することといたします。
 以上、政府案の問題点と評価いたします点、そして今後への期待について述べましたが、二度とこのような特例減額が行われることのないよう強く訴えまして、私の賛成討論を終わります。
 以上です。(拍手)
#212
○中島委員長 山口那津男君。
#213
○山口(那)委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する討論を行うものであります。
 討論に当たり、昨年度に引き続き適用された特例減額措置について一言申し上げます。
 昨年度の五千億円の減額措置に引き続き、本年度も八千五百億円の特例減額が行われております。言うまでもなく地方交付税は、地方共有の固有財源であるとともに、地方財政において重要な役割を担っております。この特例減額は、国の財政の確保のために交付税を減額するという政府の御都合主義であり、地方自治の確立に逆行するものであると言わざるを得ません。今後、特例減額措置は適用すべきでないことは当然であります。
 議題となっております平成四年度地方交付税法等の一部改正案には、前述のような問題点を含んではおりますが、地方財政への影響と改正案が全体を通じて住民生活充実の方向にあることから、本改正案に賛成するものであります。
 その主な理由を申し述べます。
 第一は、自主的、主体的な地域づくりや社会資本整備の推進、地域経済の活性化のための地方の単独事業費の拡充と、新たに都市生活環境整備特別対策事業や地域文化財保全事業を創設していることであります。
 第二は、地域社会における高齢化の進展に対応するための地域福祉基金の拡充であります。特に市町村に厚く配慮されており、我が党の主張にもかなうものであります。
 第三は、地方の重要課題となってきている公害対策や自然環境の保全等のための環境保全対策経費の創設であります。
 第四に、国保財政の改善や国庫補助負担金の一般財源化としての国保事業費や助産費の上積み、義務教育共済費追加費用等の措置であります。
 以上、本改正案に対する賛成点を申し述べ、問題点を指摘しましたが、地方においても景気後退が懸念されるところから、地方単独事業等の補正を含めて適切な措置がとられるよう強く求めて、討論を終わります。(拍手)
#214
○中島委員長 吉井英勝君。
#215
○吉井(英)委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、八千五百億円もの交付税の減額を予定していることであります。
 昨年の四千五百二億円の減額に引き続き、今年度もまた八千五百億円もの交付税が減額されようとしています。自治省は、地方財政余裕論に対しては地方財政は三千三百の地方団体の総体で財政事情も異なり、その中のほとんどが財政力の弱い団体であり、地方財政に余裕があるというような状況にないと一応は反論します。また、大臣は、交付税は国が地方にかわって徴収する説と、交付税は地方団体の固有の財源との認識を示されます。しかし、交付税が地方の固有財源で、しかも地方に財源的な余裕がないと言うなら、なぜ地方に配分しないのか。全く納得できません。しかも、地方団体の必要な財源は地方財政計画で確保しであるというのが自治省の見解であります。この考え方からすれば、昨年減額された四千五百億円、今年度の八千五百億円は地方団体に必要な財源でないということになるではありませんか。これでは、幾ら地方財政余裕論を否定しても、やっていることは大蔵省の地方財政余裕論と同じ立場に立つものであります。
 第二に、地方財政計画の圧縮に連動して、交付税の基準財政需要額の圧縮が行われていることであります。
 臨調第一次答申が、地方財政計画の一般歳出の伸びを国の一般歳出と同程度に抑制することを求めて以来、その後の臨調答申あるいは行革審答申は、一貫して地方財政計画、地方財政関係経費の圧縮を求めてきました。自治省みずからが、こうした答申を受けて地方財政計画の伸びを圧縮したことを認めていることは、質問で指摘したところであります。そして、地方財政計画の歳出の水準は交付税のそれと同じものですから、当然ながら地方財政計画の圧縮が交付税の基準財政需要額の圧縮につながることになります。数字の上でもそれは明らかです。決算の一般財源充当額に対する交付税の基準財政需要額の割合は、一九八二年度八三・一%であったものが年々低下して、九〇年度決算では七五・九%となっていますが、こうした所要一般財源額に対する基準財政需要額の割合の低下は、地財計画の圧縮に連動した交付税の基準財政需要額の圧縮の結果にほかなりません。
 第三は、増大する交付税の後年度加算額の問題であります。
 交付税法附則第四条による後年度加算額が年々増大し、九二年度末には、地方へ配分される交付税総額の二割に及ぶ三兆三千億円を超える巨額なものになります。こうした交付税の先送りを政府は年度間調整と説明しますが、もともと当該年度の交付税は当該年度に地方に配分することを原則とするものであります。また、仮に国による年度間調整の立場に立って考えてみても、地方の固有の財源である交付税を、その総額の二割を超える額を国が年度間調整として先送りすることは、年度間調整の枠を逸脱しそいるものと言わざるを得ません。
 以上、反対の主な理由を述べましたが、このほかにも、国保事務費や義務教育費国庫負担金のうちの共済掛金の追加費用の一般財源化の問題があります。財源措置を伴う一般財源化そのものは否定するものではありませんが、今回の措置は交付税一兆円減額と一体のものであり、容認できません。
 今後、地方団体には、下水道、住宅、都市公園等、生活に密着した社会資本の整備が求められ、また、高齢化社会に対応して、地域住民の新しいニーズに対応する行政需要の増大が予想されています。こうした財政需要にこたえて、財政需要を的確に算入する基準財政需要額の充実こそが求められています。交付税の減額ではなく、地域住民の求める財政需要に充てることを強く要求して、討論を終わります。
#216
○中島委員長 高木義明君。
#217
○高木委員 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して、賛成の討論を行うものであります。
 我が党は、地方自治の確立のため、特に、地方財源の拡充を最重要課題として取り組んでまいりました。この見地から、今回政府から提出された平成四年度地方交付税法等の一部を改正する法律案については、一応の評価ができるものであります。
 しかし、我が党や地方公共団体の強い反対にもかかわらず、地方固有の一般財源である地方交付税交付金を、平成三年度五千億円に引き続き今回八千五百億円減額する措置をとったことは、極めて遺憾であると言わざるを得ません。
 現在、地方財政は豊かであると一部で言われていますが、景気の減速による影響は地方財政にも及んできており、地方財政の運営に支障が生ずる
おそれも懸念されております。自治省がまとめた平成二年度の都道府県普通会計決算の概要によると、実質単年度収支は実に五年ぶりに八百五十三億円の赤字に転じたことが明らかになっています。
 このような状況下において地方交付税を八千五百億円も特例減額したことは、地方公共団体に大きな影響を与えるばかりではなく、地方の自主性、独自性を阻害するものであります。
 さらに、昨年度の交付税改正案採決の際に決議された、政府は特例措置の「慎重かつ適正な運用に努めること。」という趣旨を無視していると言わなければなりません。
 国の財源が不足をし、地方の財源余剰が表面上続いていることを理由に今後も特例減額を実行するならば、実質的に国から地方への返済は棚上げ、地方交付税はカットされ続けることになり、今後に問題を残すものであります。
 しかし、地方交付税改正案の成立が滞ることになれば、地方公共団体へ大きな影響を与えることは確実であり、ひいては、我が国経済への波及も予想されます。
 よって、我が党は、大局的見地から以上の諸点を指摘しつつ賛成するものであります。
 今後、地方財源の拡充をすることと地方交付税の特例圧縮を実施しないことを強く求めて、私の討論を終わります。(拍手)
#218
○中島委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#219
○中島委員長 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#220
○中島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#221
○中島委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#222
○中島委員長 次に、地方財政に関する件について調査を進めます。
 この際、小坂憲次君外三名から、四派共同提案に係る地方財政の充実強化に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。小坂憲次君。
#223
○小坂委員 この際、地方財政の充実強化に関する件について決議をいたしたいと存じます。
 本件につきましては、理事会等におきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四党間で協議が調い、お手元に配付してあります案文がまとまりました。
 案文の朗読により、趣旨の説明にかえさせていただきます。
    地方財政の充実強化に関する件(案)
  地方行財政の長期的な安定と発展を図り、地方行財政の課題に的確に対応し、地域の振興と福祉の増進を図るため、政府は、次の諸点について善処すべきである。
 一 地方交付税は、国と地方の事務分担、経費負担区分に基づき、国と地方との税源配分の一環として設けられている地方団体の固有の財源であることにかんがみ、国の財政事情の都合によってその税率の変更等を厳に行わないこと。
   また、地方財政計画の策定に際しては、地方団体の意見を反映させ、地方団体が必要としている財政需要についてその見直しに努め、これを的確に計上することとし、より地方の実態に即したものとしてその充実に努めること。
 二 地方交付税法附則第三条に基づく特例措置については、昭和五十九年度改正の経緯及び地方交付税制度の趣旨にかんがみ、地方交付税総額の安定的な確保に資する観点から、その慎重かつ適正な運用に努めること。
   また、地方交付税を国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度を検討すること。
 三 自治・分権を推進し、地方行財政の自主性を高めるため、補助金等については一般財源化を含め、その一層の整理合理化に努めること。なお、存続するものについては超過負担の解消を図るとともに、一般財源化に当たっては地方団体への負担転嫁にならないよう適切な財政措置を講ずること。
   また、公共事業に係る国庫補助負担率の暫定措置については、早急に総合的検討を進め、速やかに結論を得ること。
 四 高齢化社会に対応し、よりきめ細かな地域福祉を推進するため、地方団体が単独で行う社会福祉経費の拡充を図るとともに、地域福祉基金の充実を検討すること。
   また、国民健康保険事業における住民負担の現状にかんがみ、国保財政の在り方についての抜本的な検討を進めるとともに、その改善を図ること。
 五 地域の実情に応じた生活環境、社会資本の整備を推進するため、地方単独事業の一層の充実を図るとともに、これまでの「地域づくり推進事業」の成果を踏まえ、自主的・主体的な地域づくりを更に推進するための財政支援措置を検討すること。地方団体による公有地取得対策を推進するための財政措置についてもその充実を検討すること。
   また、交通、上下水道、病院事業等の基幹的社会資本を担う地方公営企業については、特別会計と一般会計との関係の見直しを含め、その整備運営に関する財源措置の充実を検討すること。
 六 環境問題に対して地方団体が積極的かつ主体的に取り組めるよう、環境保全経費の充実を図るとともに、とりわけ森林を抱える地域の地方団体に対して、適切な財政支援措置を講ずること。
   また、地方団体の行う国際交流、海外支援事業を推進する財源措置を充実するとともに、在留外国人等に関する新たな財政需要に対応するため、財源措置を検討すること。
 七 地方団体における完全週休二日制を推進し、住民サービスの向上を図るための財源措置を検討するとともに、地方財政計画において高齢者福祉、地方単独事業、環境保全等の推進のため、必要となる職員について、適切な人員の確保を図りかつ十分な処遇を行うこと。
 八 現下の経済状況にかんがみ、景気対策を適時適切に講ずるとともに、地方において今後必要がある場合は、財源措置を含め適切かつ十分な措置を講ずること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
#224
○中島委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 これより本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#225
○中島委員長 起立総員。よって、地方財政の充実強化に関する件を委員会の決議とするに決しました。
 この際、塩川自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川自治大臣。
#226
○塩川国務大臣 ただいま決議がございました事
項につきましては、その趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。(拍手)
#227
○中島委員長 お諮りいたします。
 ただいまの本決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○中島委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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