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1991/09/27 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第3号
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1991/09/27 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第3号

#1
第121回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第3号
平成三年九月二十七日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         伊江 朝雄君
    理 事
                高木 正明君
                稲村 稔夫君
                矢原 秀男君
                橋本  敦君
                磯村  修君
                足立 良平君
    委 員
                石井 一二君
                沓掛 哲男君
                小川 仁一君
   政府委員
       国土庁計画・調
       整局長      田中 章介君
       国土庁大都市圏
       整備局長     西谷  剛君
   参考人
       京都大学工学部
       教授       天野 光三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○国会等の移転に関する調査
    ―――――――――――――
#2
○委員長(伊江朝雄君) ただいまから国会等の移転に関する特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国会等の移転に関する調査のため、本日、参考人として京都大学工学部教授天野光三君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(伊江朝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(伊江朝雄君) 国会等の移転に関する調査を議題とし、参考人から御意見を承ることといたします。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 天野教授には、御多忙中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 本日は、教授から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず参考人から二十分程度御意見をお述べいただき、その後、約三十分程度各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 それでは、天野参考人にお願いいたします。天野参考人。
#5
○参考人(天野光三君) 京都大学におります天野でございます。
 こういう私の意見を述べさせていただく機会をお与えいただきまして、まことにありがとうございます。
 私、昭和三十六年ごろ、もう三十年ほどになりますが、このまま東京に首都機能がますます集中していけばどういうことになるか非常に心配である、どうすればいいかということで、首都機能は移転をすることが一番いいのではないかということを言い続けてまいりました者でございまして、そういう立場から意見を述べさせていただきます。
 お手元に資料を三種類ほど準備してまいりましたが、「〔1〕東京の課題」と書いたのがございます。こういう流れでお話をさせていただきたいと思います。
 まず1でございますが、東京の地価高騰は最近鎮静化している。確かにそうでございます。しかし、それはその根源的な問題が一体解決された上での鎮静化であろうか。私は決してそうではないと思うわけでございます。世界都市東京の潜在的成長力というのは、まだまだ何一つそれがとまってというそういう傾向はなくて、まだまだ政治、経済あるいは文化、情報、技術、そういったものの中枢部門は東京あるいは東京圏へ集まろうとしている。その場合に、土地の需給のアンバランスということが地価高騰の根源であろうと思うわけでございます。
 現在、その下に書いてございます2の中にございますが、監視区域がつくられて金融の自粛が行われております。これはいわばせきどめかあるいは熱冷まし、そんなことを言いますと、私自身京都で監視区域とかそういった土地利用の審査会の委員をしておりまして、大変皆さん方が苦労していらっしゃる、あるいは金融においても御尽力があることはよくわかりますけれども、これはその根源を直す手当てではないと思うわけでございます。例えば熱が出たり、せきが出る、そのときにお医者さんへ行ってその薬をもらうだけでは気管支にある炎症というのは治らないわけでございます。そういうことしかやっていないではないかと。
 それに対して、地価が上がるのは供給が足りないから上がるんだ、だから供給をふやそうという考え方がございます。しかし、土地の供給をふやすということは、そこへさらにオフィスビルの床が供給されるあるいは住宅が供給されるということで、すなわち東京集中を促進していることである。もろ刃の剣であるという一番根源的な問題点があるわけでございます。
 東京湾を埋め立てすればいいじゃないかと。ある朝、目が覚めたら東京湾が一挙に陸地になっていた、そうなれば東京の地価はあるいは暴落するかもしれません。しかし、埋め立ての技術的、経済的な限界もあって、年間数百ヘクタール、そこまでいくのは大変でございます。そうすると、これは小出してありますから、むしろ火に油を注ぐ結果になるのではないか。その供給のテンポというものも非常に地価には大きな要素になると思うわけでございます。供給をふやすということによって需要とバランスさせようということは、東京あるいは首都圏に関して言えばこれはもう極めて困難でございます。
 それではどうすればいいかということになりますが、私は需要を鎮静化させる、需要が今後ますますふえていくということを何とかおさめていく以外に方法はないと思うわけでございます。一つの例でございますけれども、治水をする。堤防を高くして水があふれないようにしようと。堤防はどんどん高くなっていきます。そういう方法というのは治水の愚策でございますのでは、何がいいかというと、上流に木を植える、降った水が一挙に流れてこないようにする、上流にダムをつくる、流れてくる水を少なくする、あるいは放水路をつくる、そういう形で水の流れてくる量を減らす。それを考える以外に方法がない。それと同じことが東京で言えるのではないかと思うわけでございます。
 三番のインフラ不足でございます。
 東京における社会資本の供給が追いつかない。東京は物すごい経済的バイタリティーがあって、
日本じゅうの総生産、国民所得の何十%を東京が占めているんだ、だから公共投資は全部東京へ持ってこい、そういう議論をされる方がよくございます。しかし、私が申したいことは、東京における公共投資というのは総資本の効率が非常に悪いということでございます。その極端なわかりやすい例は、道路を一キロつくるのに一兆円かかるということでございます。一兆円の道路のうち九九%は用地買収費でございます。実際に道路施設をつくるのは、一キロでしたら恐らく三十億円もあればいいわけでございまして、三百倍が土地代に費やされる。一兆円のお金があれば地方の高速道路は三百キロぐらいつくれます。ですから、東京にそういう公共投資のお金をつぎ込むということは非常に効率が悪いんだということを言いたいわけでございます。
 そうしますと、いや大深度地下を使えばよろしい、大深度地下で新宿から新橋まで道路をつくったら十分で行けるようになると。計算上はそうなりますが、新宿から地下に入った自動車は新橋で地上へ出なきゃいけないわけですね。地上へ出るところで道路が渋滞していっぱいになっていたら出られないわけです。トンネルの中が見る見るうちに車でいっぱいになります。そういう状態が東京の現状ではないか。大手町を歩いておりますと、背中に輪急便と書いた人が自転車を押しているんですね。これは書類をどこのビルヘ届けてくれと、車で走るより自転車の方が速いというそういう状態でございます。
 もう一つの例は空港でございます。わかりやすい例でございますが、成田あるいは羽田、首都圏で二千八百万から九百万人の人口がありますと、成田、羽田クラスの空港は十幾つないと世界の一人前の都市だとは言えないわけでございます。非常に公共施設が足りない。しかし、だからといって道路をもっとつくれ、飛行場をつくれと、それは私はできないし、またそれをやったらますます際限のないブラックホールのような国費の浪費になっていくのではないかという心配をするわけでございます。
 それで、多極分散ということをしなければならない。それで大宮とか千葉、立川あるいは横浜MM21、そういったところへ首都機能を移転しようとしていらっしゃいます。だけれども、これは地方から見ますと、東京と千葉、東京と立川、東京と大宮というのは別のところの多極分散であるというふうには見えないのでございます。地図で見ましても、まあ地図の縮尺にもよりますが、三センチから四センチぐらいしか離れておらないわけでございまして、私どもの地方から見ておりますと、これをもって四全総にうたわれている多極分散の基本的精神に乗っているというふうには思えないわけでございます。
 いろいろ申しましたが、「都市はいつかは衰退する」というのは後ほどOHPで見ていただきます。
 それから首都機能のセキュリティー、これは大地震が来たらどうなるかという問題でございます。
 九番の「西ドイツの鮮やかな分散」、これもOHPで見ていただきます。
 次のページの十番でございますが、「市民生活のゆとりとうるおい」と書いております。二十一世紀は心の時代、潤いとゆとりの時代になる。しかし、東京はますますビジネス機能を都市に集中して、住宅は郊外に広がっていって、通勤が二時間かかる。しかもすし詰め満員である。そういうような状態をさらに促進しようとしていっている。これは世界に逆行しているというふうに思うわけでございます。
 「東京一極集中の弊害」という図がございますが、これもOHPで見ていただきます。
 それから次の三ページ、多極分散をしていく方法ということでございますが、東京集中の根源はやはり私は中央集権にあると思います。「中央集権の現状、陳情と天下り」と非常にトラスチックな表現をいたしておりますが、フランスも随分地方分権が最近進んでいっております。そういう意味で、世界の先進諸国の中で日本は非常に目立った中央集権の国に今やなってしまっているということと、それが東京問題あるいは日本の均衡ある国土ということを解決する上に大きな原因であり、ネックになっていると思うわけでございます。
 ちょっとOHPをごらんいただきたいと思います。
 お手元の図と同じでございますが、いろいろ原因がございますが、右の方に二重括弧にして社会不安の醸成。土地を持っている人と持っていない人の不公平あるいは土地保有と税制のひずみがございまして、社会不安の醸成が起こるのではないか。二番は、都市施設が不足をしまして、都市機能が劣化していく。市民生活のレベルが低下していく。それから四番目が社会資本の効率低下から国富の浪費が起こる。それから五番目が国土の非有効利用でございます。特に水資源あるいは人的資源の非効率でございます。それから地域格差の促進。下が首都機能のセキュリティー欠如ということでございます。
 それで、その次にその方策、対策でございますが、下が現在東海道新幹線「ひかり」で東京−名古屋間が二時間、それから名古屋−大阪間が一時間でございますが、リニアモーターカーができますと大阪が立川の位置まで来るようになります。そうしますと、東京、甲府、名古屋、大阪が一つの都市圏になるというふうに考えていいのではないか。こういう考え方を提案いたしております。
 東京の霞が関、丸の内地区、それから甲府市がありまして、そこから少し離れた更地に甲府特別区、それから名古屋市の市街地がありまして、その郊外に特別区三百ヘクタールずつぐらいを探しまして、こういうところにリニアモーターカーの駅を持ってくる。そこから、例えば大蔵省と外務省の前に通りがございますが、そこから階段をおりますと、ここでこのリニアモーターカーに乗れる。甲府まで二十分、名古屋まで二十分、大阪まで二十分というような形にすれば、これだけをまとめて一つの四つ子都市といいますか、大阪まで一時間で行けるならばもう立川にあるのと同じだから、そういうことができるのではないか。現在、十二省八庁ございますが、そのうち幾つかをこういうふうに分けてくるというふうなことを考えてはいかがなものかという案でございます。なぜこういうことを考えるのか、いろいろ説明がありますが、時間が大分なくなりましたので省略させていただきます。
 この図は、都市は必ずいつか衰退するということを世界の古今東西の歴史から見たもので、メソポタミアで群落が起こり、初めての都市というのはメソポタミア、チグリス・ユーフラテスでございます。エジプト、ギリシャ、ローマというのは千年ずつ続いたわけでございます。それから時代が下りまして、ロンドン、パリ。これはもう世界じゅうの文化あるいは学問、政治、経済、あらゆるものがロンドン、バリに集まった時代がございます。世界の中心であった花の都の時代、これは三百年でございます。
 その次がニューヨーク。今から二十年ぐらい昔にはニューヨークの繁栄が衰退するというようなことは恐らく考えられなかったことだろうと思うのでございますが、今や東京の時代になってきている。どんどんその繁栄の時代、世界で最も輝き続けている期間というのが短くなっていっている。東京といえどもそのうちやはりどこかの都市に先を越される。そういう時代は世界の歴史が教えているんではないだろうか。それがベルリンなのか北京なのか、どこになるのかそれはわかりませんが、そういうことを考えますと、予防医学を今からしなきゃいけない。
 では、東京は何で足元をすくわれることになるか。私は、社会資本の不足ということではないかと思います。しかし、では、そんなことができるか。あらゆる機能が東京に集まっておりますが、それを分散するというようなことができるか。私はできると思うんです。その理由は、西ドイツにその例がございます。ボンがここにございます
が、ここにかいてありますのは、いろいろ向こうの大手の産業の本社がどこに立地しているか。一つの例でフォルクスワーゲンは人口十五万の都市に本社があります。それからベンツはシュツットガルトでございます。それから、BMWという自動車の会社はミュンヘンにございます。首都のボンには本社が一つもないのでございます。それぞれ自分の生い立ちの都市に本社をいつまでも置いているというのが「西ドイツの鮮やかな分散」であると思うわけでございます。
 これは首都移転の問題について、私は、第一期の東京問題、第二期の東京問題、それから第三期の東京問題が六十年以降にあったと思うわけでございますが、昭和六十年以降の東京問題というのは、リニアモーターカーが考えの中に入っているということが特徴であると思うわけでございます。実は私、昭和三十六年に首都を御前崎に移せというふうに、非常にまだまだ若僧でございましたけれども、そういうことを言ったことがございます。
 それから、時間が参りましたのでもうあと簡単にいたしますが、首都移転と同時に地方分権を行うべきである。昭和二年に、田中義一内閣のときに州庁案というのが出されて提案されております。昭和三十年には道州制、関西経済連合会。あるいは臨時行政調査会などでも三十八年に地方庁構想というのが出ております。こういう流れです、地方分権というものは。
 国会移転というのは首都機能移転よりももっと重みのある、国権の最高機関でそういう議決をされているということの意味を私は非常に貴重なものであるというふうに思っておりますが、それと同時に、その行政機能でございます。これは当然附帯して考えていただかなければならないものと思うわけでございますが、今言いましたような地方分権の形態でございます地方庁、地方制、自治州、連邦制と逐次その自治権が大きく地方に譲られていっているわけでございまして、この辺になりますと西ドイツとかアメリカのような連邦制に近いものを考えております。
 それではもう少し続けさせていただきます。一番地方分権の進んだ姿で西ドイツ。西ドイツというのは今やドイツになりましたけれども、西ドイツのころは十一州でございました。それで、そういう考え方を同じように入れてまいりますと、九州で一つの州、瀬戸川、近畿州、これは私の甚だ勝手な考えでございますが、例えばこういうふうなことを考えたといたします。そういたしますと、そのそれぞれの州の経済的実力でございます。横軸が人口でございまして、縦軸がそれぞれの州の総生産でございます。そうしますと、九州は人口千五百万人で年間千五百億ドルでございまして、オランダとちょうど同じになるわけでございます。オランダ一国の力を持っている。それから東北六県でございますが、人口とそれから経済的な力というのはベルギーとかスウェーデンに近い。それから北海道はデンマークとかノルウェーに大体匹敵をいたします。
 こういう形でございますから、この地図でごらんいただきますと、九州がオランダと同じである、東北がベルギーと同じである、信越州というふうなところがオーストリアとかスイスに大体近い。北海道はデンマークと同じくらいである。こういうふうな形になりますと、ECの国と日本というのはよく似た、これ縮尺はそろえてございまして、関東地方だけでフランスに相当するというぐらいのものでございます。オランダは一つの国として立派にその国の経済、文化で自立したものを国際的な社会において役割を果たしていっている。ですから、これは連邦制というふうな形を取り入れて考えてもいいのではないか。
 そういった一つのプロセスというふうなものも考えてみているわけでございますが、これは現在の中央の税収で見たわけで、国税でございます。これは地方税でございます。そういう形が先ほどの四つの首都になりますとこういう形になりまして、それで大体四つ子首都完成、一部道州スタートで九州と東北と北海道が道州スタート、その次が道州制完成というふうなこんなプロセスを考えてもよいのではないかというようなことを、これは同じような考え方を雑誌に書いたものでございます。
 以上、時間がございませんで、甚だ簡単にさせていただいたのでございますが、首都機能の移転が大事である。国会の移転ということは、私は必ずや首都機能の移転を伴ってこなければならないものであろうと思いますし、また遷都だけでいいのか。首都機能の移転だけでいいのか。そうじゃなくて、やはり地方分権という形と同時に、遷都オア地方分権ではなくて、遷都アンド地方分権というものを適宜組み合わせていくということを考えなければいけないのではないかというふうに思います。
 いろいろ言い残したことがあると思いますけれども、以上でございます。
#6
○委員長(伊江朝雄君) どうもありがとうございました。
 それでは、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願いたいと思います。――大変貴重な興味のあるお話で、もっと時間をいただきたいのでございますけれども、残念ながら先生の御都合もあることでありますので、これから質問によって補っていただくという意味でどうぞ活発に御発言願いたいと思います。
#7
○矢原秀男君 では、一点だけお願いいたします。
 先生のリニアと拡都構想の中で、この四つ子の首都に非常に興味を持ったわけでございますが、これは十二省と八庁というものは、この四つの都にどういうものの分割を具体的に考えていらっしゃるのか。
#8
○参考人(天野光三君) 具体的に何省がどこへということまでは私実は考えておりませんで、それは例えば国会で先生方がお考えいただくべきことだと思うのでございます。
 私が申しておりますのは、できるならば最も効果的に東京問題を解決するその方策として、例えば何といいますか、一番地方分散の影響力の大きなのはやはり大蔵省とか通産省とか経済企画庁。そうしますと、それに関連いたしまして日本銀行とか輸出入銀行とか特殊法人の政府に関連した、それ以外にも公社公団が十三あると思います。それから何々機構というのが十八あると思います。それから金庫とか何々センターとか、そういった関連したものは関連する省庁について同じところへ行くべきであろうと。
 東京で新しいオフィスビルを建てようと思って新しい土地を手当てして、大変なお金がその土地代にかかります。そういうものが新都市に準備をされているということであれば、その場合に、ではどこに新しい本社を持っていこうかというときの非常に大きな吸引力になり得るであろうと思うわけでございます。ですから、その辺をお考えになりまして、例えば労働省とか農林省とか、各省がそれぞれどこかというのは私はそこまでは考えておりません。
#9
○橋本敦君 先生の四つ子の首都論でございますけれども、首都を移転するということではどこか一カ所へという考え方もあり得るわけですね。そうじゃなくて、先生が今おっしゃった四つの地点に分散していわゆる四つ子首都ということを構想なさったというのは、どこか一カ所へ行けばまたそこが集中してしまうということを避けようという意味なのか、ほかに意味があるのかということをお伺いしたいのが一つでございます。
 それから、今おっしゃった四つに分けた場合に国会はどこにあるのが適当だろうか。例えば統一ドイツの場合は、下院はここへ行って、上院はベルリンに行くかボンに残すかというような議論もございますね。だから、国会はどこにあるのが機能的にはいいというように四つ手首都論ではお考えなのかということが第二点。
 それから第三点としては、道州制と結合しなければということと四つ子首都論との関係がもう一つ、どこで結節する議論になるのか。
 ちょっとここの点が私お伺いしたいという三点
です。よろしくお願いいたします。
#10
○参考人(天野光三君) まず第一点、ちょっと済みません、メモをするのを忘れました。
#11
○橋本敦君 四つに分けるという、意味ですね、どこか一カ所にするということじゃなくて。
#12
○参考人(天野光三君) わかりました。
 それは、先生がおっしゃいました一カ所にすればそこがまた大きくなり過ぎるではないかということも一つだと思います。しかし、それ以上にその一カ所を決めるということが、これは非常に何といいますかそれぞれの地域で綱引きがあるとか、そういうことを決めにくい事情があるのではないだろうかというふうなことを考えました。
 それからもう一つは、一カ所に集めますと大変に広い更地が必要でございます。これは恐らく何千ヘクタール、そこに新都市をつくるという社会資本整備、このお金が高くつくのではないかというふうなことなども考えました。
 それから、この四つ子首都にしたときに国会をどこに考えているかということなのでございますが、私は四つのどこであっても構わないと思うのでございます。一つの案としては、真ん中の二つでございますね、そこに衆議院と参議院があると。それだったら離れて不便で困るとおっしゃるかもしれませんが、二十分で行けるのであれば私はそれはそんなに不便であるということを考えなくてもいいと思うわけでございます。その前提条件は、リニアモーターカーの駅のすぐ直近のところに国会あるいは政府機関があるということをやるべきであるし、またそれはできるのではないかということでございます。
#13
○橋本敦君 第三点は、道州制と結合しなければ四つ子首都論というのは成り立たないのか、必ずしもそうでないのか、ここのリンケージですね。
#14
○参考人(天野光三君) 四つ子首都をつくる時点までは道州制を前提にしなくてもできますし、またそれなりの効果があると思います。その次の時点で、今度はまた四つだけに集まってしまう。そうなりますと、今度は中国、四国とか九州、北海道の方々が、真ん中ばかりいいじゃないか、均衡ある国土の発展ということからすれば東京−大阪間だけになるという御心配があるのではないか。その場合に例えば札幌が、現在の地方の持っております権限は小さいものでありますが、その場合に現在中央省庁の持っております権限のどれだけの部分に当たりますか、そういうものが仮に札幌だとかあるいは九州のどこか中心都市、そういうところに集積がありますと、これはそれなりの発展が地域でできるような条件がつくられると思うわけでございます。それをすることによって東京―大阪間だけではないという形を日本の国土に取り入れていくべきではないだろうかと思うわけでございます。
#15
○橋本敦君 ありがとうございました。
#16
○磯村修君 連合参議院の磯村でございます。
 三百ヘクタールくらいの土地に新しい都市、首都をつくるわけですね。それは人口的には大体どのくらいの都市になるわけなんですか。
#17
○参考人(天野光三君) まず最初は、現在霞が関地区の国家公務員は三万人ぐらいかと思うのでございます。そのうち、四つでございますから仮に四分の一といたしますと、六千人ぐらいでございますね。その六千人ぐらいの方の家族とそれから生活関連の商業、当面はそれぐらいの規模でもよろしいのでございます。その国家公務員の御家族が生活していかれるだけのサポートができるような商業と、工業も都市型工業というのがあると思いますが、それからその後は大手の企業のオフィスビルが立地を始めていくということによりまして、その都市の規模がどんどん大きくなっていく。一番最初はそんなに大きくなくてもいいと思いますし、それによって何よりも住環境が東京に立地するよりも非常に恵まれたものになり得るだろう。そういうことの魅力もございますので、どんどんその都市の人口とかあるいは活動のスケールがなるべく早く大きくなっていってくれるような効果的なものにしていきたいのでございますが、最小限と言われますと、これは全く大胆な大きな仮定が入っておりますけれども、人口は六千人に家族数を四倍といたしますと二万四千人でございますか、それに同数ぐらいの人数を考えますと五万人ぐらいでございましょうか、そういうことでよろしいんじゃないかと思うのでございます。
#18
○磯村修君 それと、四つ子の都市をつくっていくんですけれども、この二十分、二十分、二十分というのは、つまり東京を起点に甲府、名古屋、大阪と、駅はこの四カ所につくるという構想なんですか。
#19
○参考人(天野光三君) いや、そうじゃございません。そのほかにも何十キロに一カ所ぐらいという駅は、当然既成の都市がございますので。ただ「ひかり」と「こだま」のように、その四つしかとまらない超特急もあってもいいかと思います。
#20
○磯村修君 そして、新しい都市と古い都市がありますね。それは、やはり先生のお考えではいわばこの基幹になるリニアと枝になるリニアというふうなことも考えているんですか。
#21
○参考人(天野光三君) はい、考えております。それはもう密接な連絡ができるような、コミュニケーションができるような交通施設、通信施設を完備しなければと思っております。
#22
○稲村稔夫君 社会党の稲村と申します。
 大変ユニークな御発想に基づいてのお話だったので、私も大変いい勉敷になっているわけであります。東京一極集中が非常に問題であって、私もこれを何としてもこの辺で何とかしなきゃならない大きな課題になっているというふうに考えて、東京一極集中反対の立場でいろいろとあれしているわけですが、ただ、今のお話の中でさらにもう少しお考えをお聞かせいただけたらと思いますのは、例えば今リニアで結ばせるお話がありましたが、これは人の流れとしてはリニアで確かにいいわけでありますが、都市として発展をしてまいりますと、そこには物流とのかかわりが必ずついてくると思うんですね。その物流の問題というのが道路の問題だとかいろんな形で今後の問題としてはやっぱり大きなことがあるんではないだろうか。それには、確かに人だけは一時間で行き来できるけれども、距離が離れ過ぎているというそういう問題が出てこないだろうかということ。三点ほどあるんですが、それが第一点ですね。
 それからもう一点は、今は情報の集中ということが近代都市にといいましょうか、これが非常に大きな課題になっております。東京でインテリジェントビルはどんどんと建ちますが、地方に東京でできるような例えばああいう大規模なインテリジェントビルなどというのがなかなかできてこないわけですが、情報の管理の難しさというんでしょうか、これは国会とか省庁だけでは解決できない経済の原則に基づくそういう問題があると思うんです。この辺のことは、展都、拡都された場合にどういうふうにお考えになっているんだろうか。これが第二点であります。
 第三点は、何といっても都市ということになると水の問題があるわけでありますが、このごろ私もテレビなどを見ていて、富士山から出ているいろいろなわき水というんでしょうか、その水がかれてきているというそういう問題などがかなり環境問題の観点からいろいろと取り上げられているのを見ます。今これは総体的に日本の産業もあわせて水の消費量がうんとふえているということがかかわっておりますから、その地方地方だけの問題ではないと思いますけれども、水の確保ということが非常に大きな課題になってくると思いますので、それらのことが今の拡都論の中ではどういうふうにお考えになっているのか。
 その三点、恐れ入りますけれども。
#23
○参考人(天野光三君) まず最初の物流はどうかということなのでございますが、現在第二東名、第二名神がつくられようとしております。物流というのは、船でそれぞれの都市圏に直接出入りするものと、それから道路でございます。それ以外にコンテナ輸送というのもございますが、コンテナ輸送は在来線を使いまして、今、急激にといいますか増加しております。ですから、その可能性
も大きいと思うのでございますが、私は道路を使った物流、トラックが今後どれだけ増加していくか、それに対応できるだけの高速道路というのは非常に難しいだろうと思います。
 四つの首都に分けたら四つ子首都、四つの都市相互間に物流がふえるかということなのでございますが、人の流れはふえるんだけれども、物の流ればその四つの都市でそれぞれ独自に物は供給され消費されると思うのでございまして、相互間の物流というのはもうちょっと勉強いたしますけれども、私はそう心配しなぺてもいいように思うわけでございます。
 それから二番目の情報の集中でございますが、これからの時代というのはまさに高度情報化でございまして、私、東京に今あらゆる機能が集まっているということによる情報に関連する社会資本の供給の不足という問題が起こってくるように思うのでございます。
 それから、特に建物というのは陳腐化いたしまして、高度情報化に対応し切れないような、現在の何省何省とかいうのは特に昭和初期の建物が今使われていたり昭和三十年代の建物とか、こういったところに、今地球の裏側とまさにリアルタイムで対応し切れる、二十一世紀も日本が世界政治をリードできるようなそういう形に対応できる施設をつくり得るかどうかという心配をまずいたします。こういう形ができましたら、常時専用の人工衛星を二つぐらい、もうこの四つの首都圏だけで経済機能もそれぐらいのものをやらなきゃいけません。東京のビルがインテリジェントビルになり切れているかといいますと、まだほんの数えるほどでございまして、むしろこれからつくられる新首都、地方都市、地方の特別区といいますか、そういうところにこそ二十一世紀に対応できる本当のインテリジェントビルをつくっていける可能性を持っていると思うわけでございます。
 それと同じことは民間の大手の企業のベッドクォーターに当たるところ、これにつきましてもこれからの二十一世紀の最先端の情報化の機能を取り入れたものを今からつくることができると。継ぎはぎのところで、狭いところで何とかだましだましやっていくよりは、新しいところにいいものをつくられるんではないだろうかと思うわけでございます。
 それから水の問題でございますが、これは非常にこれからの時代で大事な問題なんですが、私がこういうことを申しておりますのも、国土の非有効利用と言っておりますのは、東京といいますと降った雨を使えるのは関東平野でございます。ちょうど山脈が関東平野との境界になっておりますから、そこへ降った雨が首都圏の、企業もでございますが、生活用水になるわけですね。
 ですから、どんどんこれ以上人口がふえていきますと消費量はまさに足りなくなってまいります。富士川から持ってこいとかあるいは最上川とか阿武隈川からもらってこいとかいろいろな意見が出てきておりますけれども、それは人口がふえなくても一人当たりの消費量はどんどんふえていくんです。だから、富士川の水を関東地方にもらってこいというんじゃなくて、それならば消費する人間そのものが、その土地固有の水資源でございますから、そちらに使えるような、人口の均衡ある分散じゃなくて過密なき集中、過密なき集中という言葉が私は好きなんですけれども、過密はよくない。しかし名古屋では集中していなきゃいけない。大阪地区でも近畿でも集中していなきゃいけない。そういう形で水の問題も、例えば木曽、揖斐、長良ですか、あの三川の水量というのはまだ余裕があると聞いております。そういうところに首都機能が行けばその余裕のある水を使える。
 近畿については東京ほどではない。完全に余裕があるとはちょっと申しかねるかもしれませんが、東京に集まっているよりはそれは解決しやすい問題になっていくのではないかというふうに思うわけでございます。ですから、水の問題も考えてこの案を提案したつもりでございます。
#24
○稲村稔夫君 今、私どもは新潟から水をやるかといって頑張っている方ですから……。
#25
○足立良平君 民社党の足立てございます。
 先生の「西ドイツの鮮やかな分散」というのを先ほどお聞きして、確かにこれから日本の場合に一番重要なことだろうというふうに思うんですが、実は私、大変長い間ずっと大阪におりまして、大阪での企業というのは電鉄会社と地元の電力会社とかガス会社くらいが本社をそのまま大阪に置いていまして、そしてもうほとんどの企業というのは本社機能を東京に移しているわけです。ですから、一般的にちょっと西ドイツのようないわゆる分散している企業の本社とかということでなしに、日本の場合にはすべての企業がもう既に東京に集中している。これは先生のおっしゃった権限集中、中央集権的なものとかいういろんな要因があると思うんですけれども、先生は日本の今の実態といいますか、そういう点をどのように分析されておられるのかということが第一点目。
 それから二つ目に、先ほどもちょっと情報化の問題が出たんですが、私ずっと全国あちこち走っていましてふと思いましたのは、この情報化社会というのは、インテリジェントビルというのは大変大切なんですけれども、高度情報化社会というのは、例えば機械なりコンピューターなりに入らない、インプットされない以前の情報を求めて人間というのは集中してくる傾向があるように思うんですね。機械に入ってしまいますと、これは一種のビジネスチャンスとしての情報の価値はやっぱり相当薄れてくるんではないか。ですから、北海道でありますと札幌にすべて集中しかけていますし、東北は仙台にほとんど集中していますし、関西だったら大阪にほとんど集中していくというふうに、それぞれのブロックの中でも集中化して、しかもその集中がさらに東京一極に集中してくるというこの情報化社会というものの持つ、十分私もまだ勉強し切っていませんけれども、そういうものの持つ魔力といいますか、そういう中で、先生のおっしゃっておられるこれは拡都論というんでしょうか、それとの関係を一体どのように考えていけばいいんだろうかというふうにちょっと思ったりするんですけれども、この点いかがなものでしょう。
#26
○参考人(天野光三君) まず、企業の東京集中をどう思うかということなのでございますが、ある企業のトップの方に話を聞きますと、年間二百回東京へ来るというふうなことで、来ないとやはり仕事にならないというふうなことをおっしゃっております。それはなぜかといいますと、もちろん企業と企業の間の集積のメリットということもありますが、では企業がなぜ東京に集まり始めたのかというのは、昭和三十年代を振り返ってみますと、やはり日本株式会社で、あのころ手持ち外貨が十億ドルとか、それが五億ドルに減って、もうすぐに緊縮、金融引き締めをぎゅっとやって、ああいうころの日本はやはり集中、コントロールを日本国政府としておやりになっていることがよかったのではないかと思うわけでございます。
 ですから、あのころの日本の置かれておりました状況からすれば、日本はそういうふうにあらゆる情報というようなものが集められている状態がよかったと私は思うわけでございます。そういう形がいつの間にやら定着してしまいまして、それで企業がやはり集まり出して、集まってくることのメリットということが出てきておると思うわけでございます。
 それに対してドイツは、私のある知っている人とそういう話をしたんですが、ドイツは日本が本当にうらやましいと思っていたこともあったと。そういった科学技術の進歩、開発にいたしましても、あるいは海外市場への進出といいますかそういったものにおいても、日本のやり方をドイツはできなかったと。だけれども、今になってみれば日本のように集中しなかったことが非常に我々としてはよかったということを言っております。
 ですから、私はこれからの時代は、もうこれだけ日本は大きな経済大国になってまいりましたので、ドイツのようなゆとりのある政治、経済という形のこれからの運用をして初めて本当の意味の
文化も定着していくのではないか。それぞれの地方へ行きますと、本当にそれぞれの地方が特性があって、地方色豊かな市民生活をそれぞれの都市がエンジョイしているような気がするわけでございます。
 それから、機械にインプットされない情報というものを求めて触れ合うんではないかという御質問でございまして、これはちょっと御質問の趣旨にぴったりとお答えできるかどうかわかりませんが、仙台とかあるいは東北にやはり一極集中があるといたしましても、それは東北ならば東北の各県のいわば共通の触れ合い、感性、その共通のふるさと意識、そういったものの中における集中ではないだろうかと思うわけでございます。ですから、秋田も山形も青森も皆東京へ向いているというよりは、やはりまだ仙台に集まって、東北という意識の中で何か皆さん共通のものをそこに見つけられるんではないか、そういう触れ合いというものがあると思えるんではないかと私は思うのでございますが、御質問の趣旨に合っておりますかどうか。
#27
○沓掛哲男君 先生の今のいろいろ構想をお聞かせいただいたわけですが、行政機関を四つに分ける、また国会を二つに分けるということは、我が国においては行政機関の間における相互依存、また国会との関係も非常に密接な関係のあるところが四つに分けられる。それは今リニアモーターカーで二十分なり三十分という先生のお話ですが、それは汽車に乗っているときの時間ですから、ドア・ツー・ドアではなくて、そこへ行ったりあるいはまた待ち時間とかいろいろ入れれはこれはなかなか大変な時間になる。
 ただ、それでもやはり四つにしなきゃならないというのはどういうことなのかというふうに考えてみても、例えば今東京から霞が関だけ移っていっても数万だと。家族を入れたりいろんなものを入れても大体三十万人ぐらいの都市というそういう構想ですから、その一極、例えば甲府がいいかどうかはわかりませんが、この四つからいえば甲府に行政機関や国会機能を全部移してもそんなに過大というか、そういう都市にはならないはずですし、そういうものが四カ所にあると、そこの行政機関同士もさることながら、日本じゅうの人がやはり行政機関を利用しなきゃならない、国会を利用しなきゃならない。そういうときに、四カ所にあってはこれはもう次々と行く、遠いところの人たちとかいろいろこの四地域以外の人にとってみたら非常に私は不便なものになるんじゃないか。
 しかし、それでもあえてやらなきゃならないとすれば、それが新しい都市をつくっても非常に過大になるというんならそうだと思いますが、それほど過大にならないはずだし、またやはり地域開発という面から見ても、東京、名古屋、大阪というのはこれ以上人をふやすところでもないので、この四つで言えば甲府あたりはそういう感じがあるのかもしれませんが、それを四つにあえて分けなきゃならないのは何かということ。
 もう一つとして、いわゆる地方分権のお話もなさいましたけれども、これは確かに西ドイツの場合はボンに政治的には大部分が集まって、そして商業、経済的なものが見事に分割し合っているという形ですし、かの国らでは都市国家で、生い立ちがそういうふうにそれぞれの都市国家が連合していくという形です。日本の場合は単一島国で、そして教育もみんな受けていて、いわゆる貧しきを憂えず等しからざるを憂う、そういう国民ですから、そして地域ごとにできるだけ権限を持って……
#28
○委員長(伊江朝雄君) 沓掛先生、ちょっと時間の関係がありますからはしょって結論を急いでください。
#29
○沓掛哲男君 はい、わかりました。
 独立てきるかといえば、これは税源の問題があるわけですから、どうしても資源の配分ということになると、これはやはり国家の関係を要する部門も非常に多いのではないかというふうに思います。
 ですから、四つに行政機関を、二つに国会を分けるんじゃなくて、やはり今先生のおっしゃったこういう機関を利用してどこか一カ所にしていく方がいいんじゃないか。それを阻害するものは余りないんじゃないかというふうに思うんですが、その辺を教えていただきたいと思います。
#30
○参考人(天野光三君) まず第一点でございますが、四つに分けるという案を提案いたしましたけれども、決して固執をしているわけではございませんで、もし一つの新首都で実現可能であれば私はもうそれで結構だと思うのでございますが、ただその場合には、やはり何といいますか新首都をつくる建設費が非常に大きくなるということと、それとそのコンセンサスが得られるかどうか、あるいはそれだけの広大な更地があるかどうかというふうなことを心配したわけでございまして、問題は、私が申しておりますのは、東京がこのままにしておけばもう本当にどうしようもない都市になってしまう。それがすなわち日本の将来に対する大きな問題になっていく。それができるならば一つの都市であっても私は構わないと思います。ただ、四つにする方がまだ実際に実現性があり得るのではないかというふうに思っただけでございます。
 それから西ドイツは、先生おっしゃいますように、昔はそれぞれ王国であったとか、そういったものが集められておりますので、日本のようにもともと一つの国であったのをこれから分けていくというのとは確かに事情は違います。しかし、そうなりますと、今度はアメリカの連邦制でございますね、それぞれの州が違った法律制度を持ってやっております。そういう形も私は学ぶべきものがある。だから、やろうと思えばできるのではないかと思ったわけでございます。
#31
○委員長(伊江朝雄君) ほかにも御発言の御希望があろうかと思いますけれども、先生は学術会議に間に合うようにお帰りにならなきゃなりませんので、これで発言、御質疑は終わりたいと思います。よろしゅうございますか。――それではそういうことにさせていただきます。
 一言お礼を申し上げたいと思います。
 天野先生には、大変お忙しい中を当委員会のために本当に貴重な御意見でございましたがお述べいただきまして、そしてまた、皆さんの質疑に対しまして御懇切にお答えを賜りましたこと、本当にありがとうございました。一同を代表いたしまして心から厚く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。また、今後ともひとつよろしく御指導を賜りたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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