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1991/09/18 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 災害対策特別委員会 第4号
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1991/09/18 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 災害対策特別委員会 第4号

#1
第121回国会 災害対策特別委員会 第4号
平成三年九月十八日(水曜日)
   午後二時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十三日
    辞任         補欠選任
    乾  晴美君      井上 哲夫君
    三治 重信君      勝木 健司君
    今泉 隆雄君      下村  泰君
 九月十七日
    辞任        補欠選任
     三重野栄子君     渡辺 四郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木 和美君
    理 事
                木暮 山人君
                陣内 孝雄君
                篠崎 年子君
                常松 克安君
    委 員
                青木 幹雄君
                秋山  肇君
                鈴木 貞敏君
                初村滝一郎君
                会田 長栄君
                青木 薪次君
                野別 隆俊君
                渡辺 四郎君
                林  紀子君
                井上 哲夫君
                勝木 健司君
                下村  泰君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  西田  司君
   政府委員
       国土庁地方振興
       局長       小島 重喜君
       国土庁防災局長  鹿島 尚武君
       農林水産大臣官
       房審議官     今藤 洋海君
       中小企業庁計画
       部長       広瀬 勝貞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       大蔵省銀行局保
       険部保険第二課
       長        西川  聰君
       文部省教育助成
       局施設助成課長  大澤 幸夫君
       厚生省社会局施
       設課長      松本 省藏君
       気象庁予報部予
       報課長      櫃間 道夫君
       気象庁観測部管
       理課長      櫻岡  勉君
       気象庁地震火山
       部地震火山業務
       課長       森  俊雄君
       労働大臣官房参
       事官       後藤 光義君
       建設庁河川局防
       災課長      加藤  昭君
       自治大臣官房参
       事官       北里 敏明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (平成三年雲仙岳噴火災害の概要等及び平成三
 年九月十二日から十四日までの台風第十七号に
 よる被害に関する件)
 (雲仙・普賢岳火山災害対策に関する件)
 (平成三年九月十日から十一日にかけての伊豆
 半島南部の豪雨による災害に関する件)
 (災害弔慰金の支給要件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木和美君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、乾晴美君、三治重信君、今泉隆雄君が委員を辞任され、その補欠として井上哲夫君、勝木健司君、下村泰君が選任されました。
 また、昨十七日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として渡辺四郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鈴木和美君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、平成三年雲仙岳噴火災害の概要等及び平成三年九月十二日から十四日までの台風十七号による被害について、政府より報告を聴取いたします。国土庁鹿島防災局長。
#4
○政府委員(鹿島尚武君) 雲仙岳噴火災害につきましてはこれまで御報告をいたしておりますとおりでございますが、ここでは、去る十五日に発生いたしましたこれまでで最大規模の火砕流によります被害状況について簡単に御報告を申し上げます。
 お手元に資料をお届け申し上げております。「平成三年雲仙岳噴火災害の概要等について」という資料でございます。二ページをお開きいただきたいと存じます。
 なお、御参考までに、避難勧告区域等を表示いたしました地図もお手元にお届け申し上げでございます。
 さて、去る十五日十八時四十二分ごろ発生いたしました大規模火砕流は、おしか谷を経由し、水無川沿いに下り島原市の白谷橋、国道五十七号線に四、五百メートルのところでございますが、そこまで達するとともに、熱風は深江町大野木場地区まで及びました。
 このため、ただいまお配りをいたしました資料の二ページの2、「被害・避難状況等」というところを見ていただきますと、物的被害といたしまして、住家四十八棟、非住家百二十八棟、合計百七十六棟が全壊被害を受けたものと思われております。詳細につきましては現在調査中でございます。人的被害についてはございません。
 次に、台風十七号によります被害状況について申し上げます。
 お手元に一枚紙で資料をお配りを申し上げております。「平成三年九月十二日〜十四日までの台風十七号の被害」というものでございます。
 十四日午前五時半ごろ長崎市付近に上陸をいたしまして、九州北部を縦断した後、山陰沿岸を進み、各地に大雨等暴風雨による被害をもたらしたところでございます。
 被害の状況につきましては、九月十七日十二時現在の消防庁の調べによりますと、人的被害は死者十一名、負傷者百二十二名、住家の被害といたしまして全壊二十七棟、半壊百六十八棟、床上浸水四百四十八棟、床下浸水千三百六十三棟となっております。
 現地におきましては、災対本部を県が五つの団体、市町村で百六十二の団体が設置をいたしました。
 災害救助法の適用市町村は一団体、福岡県糸島郡前原町でございます。
 あわせまして御報告を申し上げます。
 台風十二号でございますけれども、八月二十日から二十一日にかけてでございます。大月、奥多摩の地域におきまして死者十一名、不明一名というような人的被害をもたらしてございます。
 台風十四号は、八月三十日から三十一日にかけまして、岩手県におきまして死者二人の人的被害を生じでございます。
 以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。
#5
○委員長(鈴木和美君) 以上で政府からの報告の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○渡辺四郎君 私は、本委員会でも、あるいは小委員会の中でも、各党それぞれ政府に対して要求してまいりまして、災害弔慰金を初め幾つかの問題点について、衆議院段階でも議論をされ、一定の方向が出ておりますので、そういう部分については省略をいたします。
 まず、私は、六月十八日の第一回の本委員会の中で、現在の災害救助法による救助の内容及び期間が風水害を対象とした一過性のものになっているという点で、幾つかの事例を挙げながら政府の見解を伺ってまいりました。
 その第一は、仮設住宅の建設面積と建設費について改善を求めましたが、確かに二十六・四平米が三十平米に拡大されました。若干広げたということですけれども、しかし六畳二間というのは変わっておりません。
 実は私は、二回目も現地にお伺いをいたしまして、仮設住宅に避難された皆さんといろいろとお話をしました。
 ところが、ある主婦の方が私にこういうふうに言いました。御承知のとおり一日に何回も降灰のために掃除機をかけて掃除をしなきゃいけない、ところが掃除機はやっぱり音がするものですからほうきを使っております、と言うある主婦の方のお話がありました。そして、声ははっきり言って筒抜けなんです。ですから、その主婦の方が言っておりましたのは、助けていただいておるから文句は言えませんがという前置きはありましたけれども、十日か二週間程度であれば辛抱もできます、しかしお隊との関係が、姿は見えませんがやっぱりプライバシーは守れませんというような、実は、嘆きの言葉ですか、苦しみの言葉とでも申しましょうか、そういう訴えを私に直接この主婦の方は、五十前の方だったですが、実は訴えておりました。
 それはそれといたしまして、そういう状況であるということをまず一点は大臣もひとつ頭に入れておいていただきたいと思うわけであります。
 そこで、問題は、約一万一千名の方が現在も避難されておる、新たに二地域が警戒区域に指定されました。また、避難者もふえておるわけです。この六月十八日の委員会の中でも私は申し上げましたが、その一万一千名の約半数に近い方たちが、確かにもう郷里を捨てて他に行った方もおりますから一部を除きますが、特に縁故関係で避難をされておる方たちに対して、厚生省が出しておりますあの内容からいきますと、三日間で食事が打ち切りだということを私は申し上げてまいりました。何とかそれは改善ができないかということを申し上げてまいりましたが、その後これが改善されたかどうかというのが第一点です。
 それからいま一つ、私たちが二回目も現地調査に行ってお伺いをしましたが、仮設住宅にお伺いをしたときに、仮設住宅に移ったらその日から食事を打ち切られる、ですから、特に専業農家の皆さんあるいは老夫婦の方二人がこれからどうして生活したらいいんだろうかと非常な実は心配をされておりましたが、後から集団で避難されておる避難所の方へ行きましたら、これが実は大変な問題になりまして、お互いにいわゆる危険区域に指定をされ、そして避難をしておる、国のおかげで仮設住宅を建てていただいた、その避難場所が仮設住宅に移っただけで何で食事を打ち切られるのか、状況は全く一緒ではないか。
 ですから、国土庁を中心に政府、各省庁が大変な実は努力をされてまいりましたけれども、どうしてもやっぱり被災者の皆さんたちがその政府の努力をすっきりと、何といいますか、ありがたいという感じで受け取っていない一番大きな原因というのはそこらにあるんじゃないのか。一日一日三度の食事をするわけです。そうしますと、避難所から移っただけで食料は全部自分たちが出さなきゃいけない。確かに九州電力なんかの御努力で電気料は無料になっておりますけれども、米から野菜から一切買わなけりゃいけない。そういう生活費が要るものですから、専業農家の皆さんとかあるいは老夫婦の皆さんたちとか、これから先、実は非常に不安を抱いておると思うんです。そういうのが一点。
 その二点について、いわゆる三日間で縁故関係を打ち切ってそのままになっておるのか、それから仮設住宅に移った場合はその日から食事を打ち切られるかどうかという点についてお聞きをしたいと思います。
#7
○説明員(松本省藏君) 御説明を申し上げます。
 災害救助法に基づきます炊き出し、食事の供与でございますけれども、避難所に収容された方々あるいは住家に被害を受けまして炊事を現実にすることができない方々、こういう被災者に対しまして臨時応急的に食生活を保護するということを目的として炊き出しか行われるわけでございます。したがいまして、炊き出しというのは最も緊急を要しかつ直接被災者の生存に関する部分ということで、基本的には第一次的応急救助という形で行われるものでございます。したがって、集団生活を強いるような避難所において出すという形になっているわけでございます。
 一方、応急仮設住宅の供与でございますけれども、災害のために住家が滅失した被災者の方々の中でみずからの資力では住宅を確保することができない方々、今回の場合には災害の特殊性にかんがみまして、この資力要件につきましては基本的に問わないという形で、御要望のある方に全部入っていただくというスタンスに立っているわけでございますが、そういう方々に対しまして簡単な住宅を仮設いたしまして一時的な居住の安定を図るということを目的として行っているわけでございまして寸したがいまして、応急仮設住宅に入居した被災者の方々につきましては、災害救助法に基づいては炊き出しは行いませんで、食事等の日常生活につきましてはみずからの手で賄っていただくということになっているわけでございます。そのために、応急仮設住宅につきましては台所等自炊の設備も用意してあるということでございます。
 また、先生からお話のありました親戚あるいは知人の方々のところに避難をされたケースでございますが、そういう親戚、知人の方々のところに避難をしたケースにつきましては、通常の場合ですと食事が一般的には可能であろうというふうに推察されます。したがって、長期間にわたって法に基づきます炊き出しを行うという仕掛けにはなっていないということでございます。
#8
○渡辺四郎君 大臣、ひとつ後から御見解をお伺いしたいわけですが、だから私は、風水害を対象とした一過性の救済の内容になっておるんだということを申し上げたわけです。
 今も政府の方からお話がありましたけれども、被災して避難をしておる、それがたまたま集団避難所なのか、あるいは国の大変な努力で仮設住宅を建ててもらって仮設住宅に入ったのか。十五日前までは自分の家があった。今度、今の報告では四十八戸住宅が焼かれておりますが、おさまれば帰りたいという気持ちはあるわけです。あるいは縁故関係に避難しておる方も、現に家はある。しかし、法律の六十三条の一項に基づいて入っちゃいけませんよという命令が出ておるわけです。だから避難をしておるわけです。
 だから、そういう避難のし場所の違いによって食事を出したり打ち切ったりというのは余りにも私は――風水害であれば、私だってそうですよ、自分の身内が災害に遭っておれば、危ないなら来なさいと言いますよ。しかし、五、六人一世帯連れてくれば幾ら身内だって、三日か五日は黙っておっても、二十日も一カ月にもなれば、お互いに少しは蓄えがあるものですから、幾らか食費は出せよというふうに言いますよ。そうするとどうしても、後ほど申し上げますが、自分のふるさと近くに帰りたいということになってぐるわけですね。帰ればもうないわけですね。一たん避難をされておったわけですから、認めてもらって集団避難所に入れればまだ食事は今の段階では供給されますけれども、そういうやっぱり問題がある。
 ですから私は、政府は大変努力をされたというふうに言われますけれども、実態はそういう実態なんですね。被災者の皆さんも実感として政府の努力を受け取っていない。いかがお考えでしょうか。
#9
○政府委員(鹿島尚武君) ただいま先生から食事の供与の件についてお話がございました。
 今般の雲仙岳の災害は大変多くの人たちの長期的避難を強要いたしておりますし、火山がいつ終息するかわからないというふうな大変難しい状況にございます。そこで、食事、これはもう人間生活の最低の要件でございますので、食事の供与につきまして私ども新たに制度をつくらしていただこうということで、食事の供与事業というものをこれからスタートさせようというふうにいたしておるわけでございます。
 災害に関する法律というのはいろいろございます。被害の実態、災害の特殊性というようなものに応じてそれぞれ決められておるものでございますので、こういった特殊な災害に対しましては、私どもただいま申し上げましたような新たな事業の創設によりましてお役に立たしていただきたいというふうに考えておるところでございます。
#10
○渡辺四郎君 新たな創設というのは、各党の方からも大変な要望が政府に出されて、一番早いのが百日過ぎておるわけですね。今からこれに対して新たな制度をつくる、そのお気持ちはわかりますよ。法律つくらなきゃいけないということはわかりますが、さっきから何回も申し上げますように、被災者の皆さんの実感としては、政府の対策、手当ての方法が非常に手ぬるい、非常に冷酷だというふうに受け取っておるということをまず申し上げておきたい。
 時間がありませんから、それでは次に入っていきます。
 私、九月四日の本委員会の小委員会の中でも、政府はだれもおられなかったわけですが、政府はだれもおられなくてもいろいろと議論してまいりましたし、あるいは要望もしてまいりましたが、その中で特に小委員会に配られた政府の「とりまとめ」の内容についていろいろとお聞きをしてまいりました。その中で実は私の主張も申し上げてきたわけです。
 その中で私は、当面想定される緊急措置としては大筋了解をする、しかし中長期対策については、現に火山噴火が続いておる、災害は進行中だ、だからこの分はやっぱり区別をして新たに特別立法をつくるべきではないかという観点から、いろいろと御質問あるいは御意見を申し上げてきたわけです。
 九月四日のあの時点と今日と変わったのは、先ほど報告がありましたように、新たな火砕流が水無川でなくて反対の方向に流れ出した、新たな警戒区域が設定をされたというのがあの時点から見れば変わった状態なんですね。そして今現にマグマの噴出量は一日三十万立米、また、きのうの推計で二千万立米以上が既に堆積をしておると推定をされておるわけです。そうしますと、ドームそのものは毎日毎日変形をしておる、風化すれば岩となってかたくなっていく、そうすればどうしてもやわらかい方へ流れていく。こういう方向で走るものですから、どちら向きに火砕流が流れてくるかこれから先わからないというのが現状たんですね。
 ですから、地形も変動する、あるいは地質も変動する、そういうふうに災害が現に続いておる状況の中では、いわゆるあの「とりまとめ」の中に「この問題の決着を図る」というようなことが書いてありましたけれども、私は最大譲歩しても、これほど事情変更が起きておるわけですから、現段階で想定される部分については大筋了解をしても、「この問題の決着を図ることとする。」ということについてはどうしても私自身は理解ができない。事情の変更が非常にある。今申し上げましたように進んでおる。そういうことについて私が主張しておる部分について政府の方で理解がいただけるかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
#11
○政府委員(鹿島尚武君) 八月二十三日に取りまとめをいたしました特別措置は、それまでに講じてまいりました被災者等救済対策と合わせますと二十一分野九十項目に及んでおるわけでございます。これらによりまして、私どもといたしましては、現時点で予測し得る事態への必要な対策は講じられたものというふうに考えております用地元におきましてもそのように御理解をいただけているというふうに承知いたしております。
 ただ、現時点で全く予測し得ない不測の事態への対応の可能性までを私どもは否定するものではもちろんございません。
#12
○渡辺四郎君 それでは、事情変更がある場合には当然再検討するということで私も理解をしておきたいと思うんですが、今言いましたように、私も政府の努力は評価をしております。二十一分野九十項目の問題について努力をしてきた、そのことはそのことで評価をするけれども、先ほど私が申し上げた食事一つの問題をとってみても、被災者の実感から見れば非常に遠いかけ離れた救助の実態があるんじゃないか。こういう問題を一緒に入れて解決すべきじゃなかったのかということを当初から実は私は申し上げてきておるところです。
 次に入りますが、私は、この間の小委員会の議論の中でも、長期避難者に対する食事供与事業の実施について、避難開始から二カ月以上経過した場合には実施をするというふうに、これは私の聞き違いがあったかもしれませんが、私はそう受け取ったんです。ですから、雲仙・普賢岳は既に二カ月を超しておるから直ちに実施になるというふうに私は判断をしたんです。
 その中で私は、日本は火山列島だ、いつ噴火が起きるかわからない、火山災害が発生するかもわからない、しかしあの苦しい避難生活というのは一カ月以上もすれば大変なことですよ、だから二カ月じゃなくて一カ月以上にしたらどうですか、そういうことを小委員会の中でも実は申し上げてまいりました。まあいろいろ言っておってもなかなか結論が出ないという状況等がありますから、これは委員長の方で、本日の委員会で結論を出すようにひとつお取り計らいを願いたい。これは委員長にお願いしておきたいと思うんです。
 それから次に、農水省に一点、農作物の特に永年作の果樹の問題についてきょうはお尋ねをしたいと思うんです。
 御承知のとおり、島原半島は半島全体として非常に果樹栽培が盛んな地域であるわけです。そして、永年作の中ではミカンとかブドウが主力になっておりますが、この永年作の果樹に対して、今度の場合、半島全体が非常な降灰と、それと一緒に日照不足です。非常に収穫も減退をする、あるいは果実そのものの商品も非常に落ちておるというような実態があるわけです。特にその中で、先ほどから申し上げております法律の六十三条一項に基づいて立入禁止区域に指定された中で、島原と深江町でミカン園が合わせて三十四・二ヘクタールあるわけですが、七十戸の農家がこの被害に遭っておるわけです。
 御承知のとおり、ブドウは収穫期を過ぎましたが、ミカンはこれからが収穫期です。ミカンは収穫期のちょっと前、今、病害虫防除をやらなきゃいけない。病害虫というのはカミキリムシなんです。このくらいの幼虫なんです。一匹一匹この幼虫を殺さなければならない。ところが、こういう永年果樹というのは、一年病害虫の防除を怠ればその翌年からしばらくは果実がとれないという実態もあるわけです。ところが、このカミキリムシというのは一番悪質なんです、木のしんに食い込むわけですから。そうし。ますと、枯れてしまうわけです。しかし、気にはなりますけれども、あるいは収穫期を迎えておりますけれども、六十三条一項で立入禁止区域に指定をされておって入れない。こういう問題について農水省として何か補償問題をお考えかどうか、まずお聞きをしたいと思います。
#13
○政府委員(今藤洋海君) 今お話がございましたように、警戒区域におきましてはミカン等を中心に三十四ヘクタール程度の果樹被害が出ておるわけでございますが、それらの一部につきましては既に焼失あるいは埋没、さらには枯死しているといったような状況になって、大変私ども憂慮もいたしておるところでございます。
 これらにつきましては、私どもといたしましても、今後、農地の災害復旧をまちまして適切な改植等の措置に必要な果樹植栽資金といったような、農林漁業金融公庫資金でございますが、こういったものの活用によりましてまた果樹農業が振興できるように指導をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#14
○渡辺四郎君 ちょっと発想を変えていただかなければあれですが、結局、立入禁止になっておるものですから、木は枯れてしまうわけです。私、天災融資法も勉強させてもらいましたが、これは農水省、今度の機会に法律改正を絶対やってもらいたい。私らが特別立法を準備する理由はそこにもあるわけです。
 例えば、天災融資法によって融資をしますと、果実の種類に関係なく、返済の据置期間は一定、三年なら三年。昔から「桃栗三年、柿八年」と、こう言うでしょう。果実が収穫できる前から返済しなきゃいけないわけです。そうしますと、全面積がいかれた中で、幾ら融資の制度があって三年間据置期間があっても、収穫ができなければ返済する金がないわけですよ。ですから、これはぜひ今度の機会に、果実の種類によって据置期間を私はやっぱり変更すべきだ、こう思う。果樹であれば、「桃栗三年、柿八年」と、こう言いますから、八年間据え置き、それから返済に入っていくとか。
 これは昨年の福岡県の災害のときにも私は申し上げました。あそこもミカンがやられたんです。島原の場合はミカンとブドウです。収穫までかなり時間がかかりますから寸これはぜひひとつ要望しておきたいと思うんです。でなければ、今、私の方も特別立法を検討中でありますから、そこらについて政府と一緒になって検討してみたいと思っております。
 もう時間が間もなく来ますから、たくさん準備しておりましたけれども、最後に大臣に。
 これは通告してなかったわけですが、火山噴火による災害問題で、島原の市長さんにしても深江の町長さんにしても、いわゆる六十三条一項の禁止区域設定という非常に責任の重い、しかし、これは人命尊重ですから、自治体の首長としてはやっぱり第一義にしなけりゃいけない。しかし、その後の補償は全く自治体の首長にはないわけです。ないといいますか、金がないものですからできないわけです。ですから、そういう点についてはぜひひとつ、法律の六十三条一項に基づいて禁止区域を設定して立ち入っちゃいかぬというふうに決めたわけですから、そういうものについての補償のあり方というのは、風水害の災害の被災者の皆さんも大変ですけれども、命令によって入っちゃいけない、その期間が百日以上にもう既になっておる、こういうものはやっぱり、火山列島日本でありますから、私はそれに対応するための救援、救助のあり方、あるいは期間のあり方等々を新しい立法で準備をすべきじゃないかという気がしてなりません。
 同時に、先ほど申し上げましたように、果樹の問題だってそうです。今の法律では何も補償がないわけです。命令に基づいて入っていけない、作業もできないという中で、鎮静化すればまた農作物ができるかもしれませんけれども、現に例えば既にミカンはほぼだめにたってしまっておる、あるいはブドウはだめになってしまっておる。労働省に通告してなかったわけですが、雇用保険だって、あるいは雇用主の方の助成金だってそうです。期間が決まっておるものですから、もう十月初めには雇用保険が切れます。事業主の方は何とかやっぱり労働力は確保しておきたい。しかし、助成金も打ち切られる。そうすると、現在営業していないものですから、どうしたらいいかということで非常に迷っておるわけです。そういう問題等々、今の法律の範囲では救済できないわけです。
 いろいろ申し上げましたが、そういう部分でぜひひとつ最後に大臣の御見解をお伺いしたいと思うんです。
 私は、最後に申し上げておきますが、この間の小委員会の中でも、今度新しい特別措置として実施をされます食事の供与の問題についても、六カ月以内に災害が終息するまでの間に限るという期限を切った問題についても、いろいろ意見を申し上げました。しかし、各党いろいろと協議もされておるようですからとりたててはくどくど申し上げませんけれども、やっぱり被災者の立場を考える必要がある。国民のだれ一人として悪いと言う、人がおるでしょうか。あんなにたくさんの救援金が集まっておりますから、何とか被災者の皆さんに手厚い援助をやってくださいというのが私は国民の声ではないかと思うんです。
 最後に、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#15
○国務大臣(西田司君) 今回の雲仙岳噴火災害が大変長期間にわたりまして、私どもも非常に心配をいたしておるわけでございます。特に今次災害の重大性、それから長期化、そういうことを考えまして、去る八月の二十三日までに行ってまいりましたもの、さらにその時点におきまして追加しなければいけないもの、防災局長から御報告いたしましたように二十一分野九十項目にわたる対策を立ててまいりました。その中で三十項目以上は、従来の制度ではなくて全体的な枠の問題、それから上限を引き上げていくという問題、あらゆる対策を講じてきたところでございます。
 私どもは、さらに今進行をいたしておりますので今後の状況というものを見きわめてまいらなければいけませんが、新しい状況というものが発生すればそれはそれなりに対応、対策を速やかにやっていかなければいけないと考えております。現時点におきましては現行制度の中で、十分とは言えないまでも、今回の当面の対策というものは行われておると考えておるわけでございます。
#16
○青木薪次君 私は、まず最初に、先ほど防災局長から説明のありました岩手県の局地的に激甚な災害を受けた市町村に対して特別の財政援助に関する法律が速やかに適用されるように特段の配慮をしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 一昨日、私は同僚議員六人とともに伊豆南部の集中豪雨について調査をいたしてまいりました。実は考えたよりも物すごい惨状でありました。
 九月十日九時過ぎから一斉に伊豆南部に雨が降りまして、私ども何の変哲もない通常の雨だと思っておりました。そのとおり、石廊崎の気象庁の測候所によれば、曇り後雨ぐらいの程度でありました。その後若干の修正が加えられましたけれども、市町村も個人も何の対策も立てていなかったということだと思います。
 しかし、十三時ごろから十四時ごろまでに時間雨量七十五ミリ。県の方から、十五時十五分、県の防災警報による大雨警報が出されて、伊豆の南端の下田市等におきましては今度は十五時二十九分、十四分おくれまして大雨警報が出されたのでありますが、災害の発生は、十四時ごろ市民からの通報で河川の異常な増水ということが電話であったのでありまして、そして国道四百十四号線の志戸橋が落橋をいたしまして、それから次いで落合橋が落橋をいたしました。国道のコンクリートの橋が落橋したわけでありますから、もう奥へは入れないという状態になりました。
 私どもが現地調査をした十五日に、下田市の落合地区の死んだ人が四人、これを含めまして、河川の方が道路よりうずたかく積もっておる。河川の方が高いのであります。そういう状態が全体の姿でありました。鉄道はあめの棒のようにくねくねねじ曲がっておりまして、トンネルがあるけれどもトンネルの中に土砂がいっぱい入っておるというような状態でありまして、今現在、伊豆南部の市町村は死活の問題として、観光客についてはこれがほとんど来ない、それから予約した人は全部キャンセルというようなことでありまして、観光地帯でありますので何とかしてくれという悲鳴とも受け取れるような陳情が、今、相続いているのでございます。
 こういう中で私ども雨量の調査にいたしましても、五百メートルぐらい離れたところで、消防署では時間雨量を含めて全体で七十一ミリ、あるいはまた片方では県の土木事務所では八十一ミリ、その向こうのちょっと離れたところでは何と二十三時ごろまでに四百六ミリ。七十一ミリと言ったと思ったら四百六ミリ。空からじょうろでまき散らしたなんというものじゃありません。それはもうまるで消防車のあの筒が全体として地上へ向かって流し込まれたということでありますので、大したことはないなと思っておりましたところが、裏山が崩れて山津波になって押し流されてきた。それで、河床が道路よりもずっとうずたかく何キロも積もっている、これが今、河津町といい下田市といい、現在の実態だと思います。
 全然入ったことのないところへ私どもは入ってまいりました。各党の皆さんもここに集結をいたしております。そういうような状態でありますが、このことについて、局地激甚の災害の指定という問題についてはどういうふうになっているか、お答えいただきたいと思います。
#17
○政府委員(鹿島尚武君) ただいま青木先生から、台風十四号そしてまた伊豆南部の大雨による被害につきまして、局地激甚の指定の見通しいかがというような趣旨の御質問がございました。
 いずれにいたしましても、この指定を行うということになりますと、被害の実態の把握がとにかく必要でございます。現在、関係地方公共団体そしてまた関係省庁におきまして鋭意調査を進めてございますので、確定的な数字がまとまりますまでにはいましばらく時間がかかるだろうというふうに考えております。
 今後、私どもといたしましては、所管省庁の方からの被害の取りまとめを報告を受けます。そして、それが指定基準に該当する場合におきましてはもちろんこれを指定すべく適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#18
○青木薪次君 それはひとつ、一般災害なり施設災害、あるいはまた激甚災害、それぞれ原形に復旧するというよりか、むしろ改良復旧するということを中心として御検討を願いたい、こういうように考えておる次第でございます。
 時間がありませんからはしょりますけれども、気象庁にお願いしたいと思います。
 集中豪雨常襲地帯には雨量計を増設しないと大変なことになる。国と県と市が全然発表が違う、片方は七十一ミリ、片方は四百六ミリ、こんなばかなことがあるかと今現地では大変な立腹状態にあるわけであります。したがって、こういう情報をリンクいたしまして一元化する必要ということを感ずるけれども、この点についてどういうことか。それから、情報をテレメーター化して防災同報無線の体制をしっかりとってもらいたいということを要請したいと思います。
 それというのは、例えば富士山のレーダーがある。それからアメダス雨量計がある。これがメッシュ十七キロということを言われているけれども、レーダーとアメダスの両方を総合いたしますと五キロメッシュになる。五キロメッシュになるけれども、五キロのメッシュのその間に集中豪雨が三カ所ばかり重なったわけであります。したがって、私も気象庁の速報のデータを見せてもらいましたけれども、全然これが適合していない。これでは困るのでありますが、気象庁はどう考えておりますか。
#19
○説明員(櫻岡勉君) 現在のアメダス気象観測網でございますが、これは観測点の間隔等につきましては事前に十分技術的な検討を行って定めてございますが、さらにレーダー観測等をあわせて用いることによりまして精細かつ的確に集中豪雨等の監視を行っておるところでございます。
 また、県で保有しております資料等も活用いたしまして防災に努めておりますが、今後ともさらに部外機関のデータを利用することに努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#20
○青木薪次君 私は伊豆半島のこの地図を持ってきましたけれども、この記録図のようになっております。これが何ミリ何ミリと全部ここに記録してありますが、気象庁のはこれとは全然違う。これは県の土木事務所あるいは市町村の方で扱ったものでありますが、気象庁の方の調査というものは全然関係のない天城の方の情報とかその他遠隔地の情報とかまるっきり役に立っていない。このことについては雨量計をもっと増設しないとこれからも大変なことになってしまう。私も災害に携わるようになって随分長いのでありますけれども、集中豪雨の常襲地帯については雨量計をもっと増設しなければ大変なことになる。第二、第三の災害が必ず起こるであろうということを予測いたしますから、こういう予報体制というものについて気象庁のひとつ決意を聞きたいと思います。
#21
○説明員(櫃間道夫君) お答えいたします。
 予報体制ということでありますが、今先生おっしゃいましたのは、現在のアメダス雨量計ではそういう強い雨が把握できないかという御指摘だと考えますので、その線でお答えいたします。
 先ほど観測部管理課長の方からもお答えいたしましたように、確かに雨量計そのものは十七キロメッシュですが、レーダーエコーと合成することによって実質的には五キロメッシュ、なおその中の細部のこと、非常に局地的な雨をも含めて五キロメッシュの雨量として把握できております。それをもとに降水短時間予報期間というふうな手法で予報しておりますので、当日の雨量についてもほぼ的確な把握ができたものと考えております。すなわち、レーダー・アメダス合成図によりますとピークでは四百ミリ近い数値を算出しております。
#22
○青木薪次君 今予報課長の言ったことはここに出ているんですよ。おたくのはここに。今あなため言ったことと違っているじゃないですか。四百ミリなんて一つも書いてない。
 ただ自分たちのやったことをこれは大丈夫だと合法性ばかり唱えるん。じゃなくて、五キロメッシュだったら五キロメッシュの中のその範囲内に五、六百メーターの、片っ方は七十一ミリ、片っ方は四百ミリも降るようなこれをとらえなきゃ困るんですから、ですから、そういう点についてはぼ適法にやられているなんというようなことを言われたんじゃ困る。今、南伊豆方面の人たちは大変立腹いたしております。したがって、私は、集中豪雨の常襲地帯については雨量計をもっとふやすということでないと大変なことになってしまうということを言って、今後の善処をお願いしたい、こういうことです。
#23
○説明員(櫃間道夫君) 先ほど四百ミリ近いというふうに申し上げましたが、正確に言いますと三百六十二ミリという数字は私ども把握しております。
#24
○青木薪次君 これに書いてないじゃない。書いてないですよ、おたくの出したのに。
#25
○篠崎年子君 雲仙・普賢岳災害につきましては先ほど渡辺委員の方からも質問があっておりましたけれども、ちょっと後戻りいたしますが、私もお尋ねしたいと思います。通告をいたしておりませんでしたけれども、仮設住宅のことについてお尋ねしたいんです。
 実は私は、十六日に社会党の田辺委員長と一緒に島原市へ参りました。六度目でございますけれども、まだ森岳公民館とかあるいはいろいろな公民館、体育館で避難生活を送っている方々がいるわけですね。そのときにそういう方々にお尋ねいたしてみますと、仮設住宅にはいろいろ問題点がありますけれども、やはりプライバシーということと安心して家族が暮らせるということから考えると、どうしても仮設住宅に入りたい、そういう気持ちが非常に強いわけです。
 そこで、今後の仮設住宅の建設計画はどういうふうになっているのかということについて、まずお尋ねいたしたいと思います。
#26
○説明員(松本省藏君) 県におきましては現在一千四百五十五戸の仮設住宅を建設予定ということでございまして、そのうち現時点で一千四十三戸について既に完成をしております。そして、そのうち一千三十二戸につきましては入居済みになっているわけでございます。現在建設中の四百十二戸につきましては十月上旬までにすべて完成するというふうに見込んでいるわけでございますが、九月十日に千本木地区が新たに警戒区域に設定されたわけでございまして、またそういう状況をも踏まえまして、九月二十四日までの期間を区切りまして県におきまして応急仮設住宅の入居募集を現在やっているところでございます。
 したがいまして、現時点におきましては、この募集状況の推移を見守りながら、私どもとしては県ともよく連携をとりながらその後の対応を適切にしてまいりたいと考えているところでございます。
#27
○篠崎年子君 警戒区域、避難区域ともに含めましてまだ要望が十分に満たされていないと思いますので、できるだけ早く町民、市民の要望にこたえるように仮設住宅の建設を急いでいただきたいと思うわけでございます。
 次に、精神薄弱児施設についてお尋ねをしたいと思います。
 あるいは老人福祉施設も同じですが、深江町の中に精神薄弱児者の施設が一つございます。それから老人福祉施設が二つございます。今ここの中にいる人たちはそれぞれの地域に分散をしているわけです。例えば、精神薄弱者の施設について言いますと、有明町に三十二人、加津佐町に四十五人、布津町に六人というふうにばらばらになっているわけです。ところがこ精神的に弱い立場にある人たちですから、なかなか人にもたれにくいし情緒が不安定でございますので、できるだけ早く一カ所にまとめてもとの生活に戻してやりたい、これが施設長の願いでございますが、仮設の施設をつくるにしましても少々大きいものが必要でございますので、十分な資金が必要になってまいります。ところが、その資金の面についてもなかなか十分なことができないということです。
 こういう場合に、国が何とかその施設、応急施設でもよろしいから建設をするときに助成をしてもらえないだろうか。これは老人福祉施設も精神薄弱児者施設も同じでございますけれども、この点について国がどのような対策をとっていただけるでしょうか。
#28
○説明員(松本省藏君) まず事実関係でございますけれども、現在警戒区域が設定されているわけでございますが、その中に存在いたします社会福祉施設は、保育所を除きますと、特別養護老人ホームが一カ所、精神薄弱者の施設が三施設、それから養護施設というような形であるわけでございます。
 従来、社会福祉施設の全面改築のためにとりあえず仮設の施設をつくるというような場合は施設整備の対象にはなっていないわけでございますが、ただ、今回の火山災害は非常に長期間にわたりまして施設入所者の方々に避難をお願いしているという実情にございます。私どもとしても何らかの措置を前向きに講じなければいけないと考えているわけでございまして、精神薄弱者の援護施設等につきまして、先生おっしゃられましたように仮設施設を建設したいという要望があることは県を通じまして私どもも承知しております。したがいまして、詳細につきましては県と十分連絡をとりながら前向きに対応していきたいと考えております。
 それから特別養護老人ホームの方でございますが、県からの報告では、仮設施設をつくるという形ではなくて、むしろ移転改築をしたいという希望のようでございます。厚生省といたしましても、特別養護老人ホームという施設の特性から入所者の身体的状況を考えますと、仮設の施設を整備するという形よりも移転改築により施設の整備を図っていくという方が適当ではないかと考えておりまして、その線で県と十分今後連絡をとっていきたいと考えているところでございます。
#29
○篠崎年子君 その点につきましては、要望が出されました節はどうぞよろしくお願いします。助成の分についてできるだけ国、県、特に国が大きく援助の手を差し伸べなければ、県としましてもなかなか今こういう状況の中でございますので十分なことができないと思いますから、十分な援助をお願い申し上げたいと思うわけでございます。
 次に、学校施設のことについてお尋ねしたいと思います。
 十五日の大火砕流で思いがけなく大野木場小学校が、建物はそのまま残っていたけれども中の施設が全部、机や腰かけ等も全部燃えてしまった状況でございまして、これは新聞にも「通い慣れた校舎残がいに肩落とす児童たち」というふうに、こう出ております。
 こういうことを考えてみます場合に、ここも警戒区域の中ですから、もとのところに建てるか建てないかということについてはいろいろな問題点があるかと思いますが、しかし、一日も早くどのような対策をとったらいいかということについて考えていかなければならないわけです。こういった場合、新しく学校を建てなければいけない、新築ということになるかと思いますが、特に災害によって新築をしなければならないという場合には国から三分の二の補助が出るかと思いますが、特にこういう場合には三分の二を通り越して百分の百ぐらいの援助ができないものだろうかと思います。この点についてはいかがでございましょうか。
#30
○説明員(大澤幸夫君) 御説明を申し上げます。
 公立学校の施設がこのたびのように噴火等により被害を受けた場合につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法等の関係の法令に基づきまして、復旧に要する経費について通常の場合におきます校舎等の新築事業にかかわる国の負担割合よりかなり高率の割合で国が援助する、こういう制度が設けられているわけでございます。今先生からお話ございましたように、補助の割合が三分の二、こういう制度になっているわけでございますが、一万また、いわゆる義務教育施設等の災害復旧の場合につきましては、これは直接は自治省さんの方の所掌になるわけですが、地方財政措置におきましても特に通常の場合よりは高率の財政支援措置が講じられているというふうに承知をいたしておるところでございます。
 したがいまして、このたびの場合につきましても実質的には復旧に要する事業費のほとんどの部分について国から財政上の援助がなされる、こういう仕組みになっておるところでございます。
#31
○篠崎年子君 ただいまの件については、財政援助が十分に行われますようにということで要望いたしておきます。
 次に、全体的に見ました場合に、先ほど申しましたように、十六日に島原に参りましたときに、町の中は本当に火山灰でほこりだらけで、車が走りますと前が全然見えたくなるくらいのほこりでございます。一軒一軒の家が水をまいておりますけれども、それがすぐ乾いてしまいますので、大変大きな災害。島原新港にずっとお店が出ておりますけれども、店は全部シャッターを閉めておりまして、ちょうど無人の町を行くような、そういう感じでございました。たまに店をあけているところはもうしょっちゅうはたきで灰を落とさなければいけないということですし、また、家の前には灰が積もっていて、人が通るときに滑ったりしている。
 そういうことを考えますときに、この状態か六月三日から三カ月余り続いているわけなんです。先ほど来十二号、十四号、また十七号台風の被害の話が出ておりまして、日本列島は南から北へとずっと災害が続いているわけですが、そのような災害もなるたけ早い救済の手が差し伸べられなければならないと思うわけですが、雲仙の被害の場合には、これが今までになく長期にわたっているということ、そして広い範囲にわたっているということ、こういうことを考えます場合に、生活をどういうふうに立てていったらいいかということについては、町民、市民の皆さん、これは島原市、深江町だけではなくて、その周辺の町々にも非常に大きな影響を与えているわけです。
 ですから私たちは、この際、島原半島全体を包む災害に対処できるような特別立法というものを考えなければいけないんじゃないだろうか、そういうふうに思うわけです。この特別立法というのは何も一地域の人たちの生活を守るというだけではなくて、噴火によって影響を受けている周辺の人々全体にかかわってくる問題でもございますので、ぜひとも特別立法ということに踏み切っていただけないだろうかということが皆さんの強い願望でございますし、また私たちも、これから先のこういった災害を考えてまいります場合にも、この際ここに一つの特別立法をつくるということは、今後国民が安心をして政府に頼れる、そういう道を開くことになるのではないかと思うわけでございますが、最後に長官の御答弁をお願い申し上げたいと思います。
#32
○国務大臣(西田司君) 今、委員のお話にございましたが、災害というものは、それが集中豪雨であれ、火山であれ、津波であれ、災害に変わりはないわけでございます。いろいろ名前は変わっておりますけれども、しかし、被害を受けられたという方々は、これは火山災害も水害も同じでございます。そういうことを念頭に置いて現在の災害対策に対する法体系というものはつくられておる、このように理解をいたしておるわけでございます。
 今、先生は大変重要なことを御指摘になったわけでございますが、私どもといたしましても、今後の火山活動の終息あるいは状況というものをいち早く把握いたしまして、そして特に県、市、町、地方公共団体と密接な御相談を申し上げながら、今お話がございましたように、防災に強い町づくり、あるいは地域の活性化、それからもう一つは広くあの地方の振興ということを念頭に置いてあの地帯というものを復興させていかなければいけない、このように私は考えております。
 今、特別立法のお話がございましたけれども、特別立法を今やりますとかやりませんとかというようなことでなくて、災害の状況というものを把握した段階で判断していくべき問題である、このように考えて取り組んでまいります。
#33
○初村滝一郎君 私は、台風十二号、十四号、十七号による人的被害、死者十一名の方の御冥福をお祈りするとともに、負傷者百二十二名に対して心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 今回の雲仙・普賢岳噴火災害は過去に例のない長期かつ激甚な災害であり、その特異性から地元地方公共団体では国に対しまして多くの被災者救済対策の要望を続けてまいったところであります。これに対して、政府はすぐさま非常災害対策本部を設置するとともに、これまで二十一分野、九十項目に及ぶ特別措置を決定し、その実施に努めておるようであります。地元選出議員としてまことに感謝にたえません。心から厚くお礼を申し上げる次第であります。
 さて、普賢岳の火山活動については、いまだ衰えを見ません。むしろ八月下旬ごろからは新しい溶岩ドームが北東側に向かって成長し崩落を繰り返すなど新たな展開を見せておりますが、特に九月十五日夕刻には、北東斜面でこれまでで最大規模の火砕流が発生して、深江町の大野木場小学校が燃えました。そしてまた、推定で百七十六棟の家屋が焼失するという大きな被害が出ております。
 このように一向に衰えない火山活動に地元住民は不安を募らせておりますが、最近における火山活動の状況についてまず気象庁にお尋ねをしたいと思います。
#34
○説明員(森俊雄君) お答えさせていただきます。
 雲仙岳におきましては、先生御指摘のとおり、八月中旬ごろから成長が始まりました西側の新しい溶岩ドームから崩落が起こりまして、火砕流を頻繁に発生しております。九月十五日には規模の大きな火砕流が発生いたしまして、北東のおじが谷を通って水無川流域に到達いたしました。これまでの火砕流の堆積物によりましておしか谷が埋まりつつありますので、今後、規模の大きな火砕流が発生した場合には、水無川方面へのほか、千本木方面への流下の可能性もあると考えられます。
 今後の見通しにつきましては非常に困難でございますけれども、マグマの供給は依然として続いておりますので、雲仙岳の火山活動は活発な状態が続いております。
 気象庁といたしましても、今後とも関係機関と緊密な連携をとりまして、引き続き厳重な監視を続けてまいりたいと存じております。
#35
○初村滝一郎君 今、気象庁から説明がありましたように、事態は極めて流動的で、火山性地震や火砕流が頻発しておるわけであります。このために、この九月十日には島原市の北千本木可及び南千本木町が新たに警戒区域に指定され、また上折橋の一部に避難勧告が出され、合わせて百七十六世帯、六百六十四人が避難したところであります。こうした新しい事態に対応して、例えば応急仮設住宅の建設計画などこれまでの政府の対策を見直す必要があるんではないかと思いますが、政府の見解を賜りたいと思います。
#36
○政府委員(鹿島尚武君) 雲仙岳噴火災害対策につきましては、去る八月二十三日に、それまで推進を図ってまいりました各般にわたる被災者等救済対策に加えまして、火山噴火とこれに伴う住民の避難が長期化している状況等にかんがみまして、地元からの対策の取りまとめ要請等を踏まえさらに追加の特別措置を決定いたしました。一これら合わせまして二十一分野九十項目に及ぶ被災者等救済対策を国、県、地元市町が一体となりまして現在総合的かつ強力に推進をいたしているところでございます。
 御指摘のとおり、先般島原市の南北の千本木町が新たに警戒区域に設定され、避難対象地域が拡大する等の事態が生じております。既に決定いたしております被災者等救済対策に基づきこれらにつきましては対応可能だと私どもは考えておりますが、地元、県等とも連携を密にいたしまして、例えば応急仮設住宅も含めまして必要な住宅を確保する等適切に対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
#37
○初村滝一郎君 今、国土庁から説明があったんですが、住宅は生活の基盤でありまして、避難住民が最も強く望んでいるところであるのですが、仮設住宅の建設を急いでもらいたい。先ほども同僚委員から仮設住宅についてお尋ねがありましたが、この進捗状況、それからまた、先般、予定どおり九月下旬には入居できるであろうということでありますが、大体いつごろになるのか、その見通しをお聞きしたいと思います。
#38
○説明員(松本省藏君) 先ほどもお答えをいたしましたが、県におきましては現在は千四百五十五の仮設住宅を建設するということを目標にしているわけでございまして、既に千四十三戸について完成し、千三十二戸について入居していただいているという状況でございます。
 今、先生お話のありましたとおり、当初は現在建設中の四百十二戸につきましても実は九月中に建設を完了するという予定だったのでございますが、台風十七号の影響によりまして工期が若干おくれてしまいました。県に問い合わせましたところ、完成はどうしても十月上旬にずれ込まざるを得ないという現状にございます。したがいまして、そういう状況を踏まえまして、完成次第遊やかに入居手続をとるということにいたしているわけでございます。
#39
○初村滝一郎君 この八月二十三日に追加決定された特別措置については、長期避難者で収入の途絶えている方々に対して食費を現金で支給できる制度が創設されるなど、地元住民から特に要望の強かった措置が一応認められまして、地元住民は大変喜んでおるわけであります。
 ただ、今回千本木地区が警戒区域に指定されたように、警戒区域の設定時期がまちまちになったり、また収入面に着目して支給対象者を選定すると同じ避難場所に避難していながら食事供与の措置が適用される世帯とそうでない世帯が同居する形になるわけであります。避難されている方々の感情としては割り切れないものが残るんではないかなと私は思います。
 したがって、食事供与事業により生活自立を支援するという観点に立って対象者の選定条件等はできるだけ緩和する必要があると考えますが、政府の考え方はどうでしょうか。
#40
○政府委員(鹿島尚武君) 食事供与事業は、今回の災害が長期化し、かつ多数の住民が今なお避難している状況にかんがみまして、避難所における応急救助対策としての食品の供与等が講ぜられた後におきましても、災害の継続により本来の生活拠点における収入の道が絶たれ本格的な生活や事業の再建活動を開始できない方々に対し、一定期間または災害の終息までの間食事の供給を確実にするための措置を県が講ずる場合に、国がこれに係る経費の一部を補助するというものでございます。
 したがいまして、本事業の対象者につきましては、このような補助事業の趣旨に合致するように、ただいま国と協議の上、実施主体であります県が具体的な事項を鋭意詰めているところでございます。その場合におきまして、所得要件等どうしても必要なものがあることはやむを得ないわけでございますので、御理解をちょうだいいたしたいと存じます。
#41
○初村滝一郎君 次に、中小企業に対する金融対策についてお尋ねをしてみたい。
 被災地では、災害の長期化に伴い、警戒区域の立入禁止による休業あるいはまた売り上げ減少のために経営が苦しくなり、長期低利資金の融資や担保条件の緩和等に対する要望が非常に強く出ておるわけであります。特に商工中金等の政府系中小企業金融機関の災害融資については、激甚災害法の第十五条に基づいて融資限度額が一千万円となっておるのでありますが、この限度額を撤廃してもらいたいという要望があるわけでありますが、これに対する考え方。
 また、激甚災害融資の不足を補うために中小企業体質強化資金を利用する道もありますけれども、激甚災害融資の利率が三%に対しまして、今申し上げた体質強化資金の利率は五・四%と聞いております。結局、二・四%高い。被災者の負担軽減を図るために、雲仙岳噴火災害対策特別貸付枠の利率については激甚災害並みの利率に低減すべきであると考えるが、いかがなものでしょうか。
#42
○政府委員(広瀬勝貞君) 先生御指摘のございましたように、今回の災害は前例を見ない長期かつ激甚な災害でございまして、私ども中小企業庁といたしましても、中小企業対策に最大限の努力を払わなきゃならぬというふうに考えていろいろやっているところでございます。
 御指摘の中小企業関係金融機関による災害融資につきましては、激甚災害法に準じて、激甚災害法ではいろいろ要件が厳しゅうございますし、かつまた直接被害だけを対象にしておりまして間接被害の救済がないというようなこともございますので、むしろこれに準じて閣議決定で行っているのでございまして、限度額が一千万円ということでございます。本件につきましては、激甚法の方で限度額と金利が決まっておるものでございますから、私どもその限度額を超えてというところまではなかなかいけないというのが現状でございまして、今のところ最大限努力をさせていただいておるというふうに考えております。
 なお、こういう中小企業三金融機関による災害融資のほかに、今お話にもございましたけれども、中小企業体質強化助成制度というのがございましで、これによって運転資金一千万円、設備資金を加えますと二千万円までの利用が可能ということでございまして、合わせまして何とか対応していただければというふうに考えておるところでございます。
 次に、体質強化資金の金利に関する御質問でございますけれども、この金利につきましても、実は通常ですと六・九%の金利になっておるところを、長崎県とも協力をいたしまして何とか五・四%まで引き下げておるというのが現状でございます。ただし、この金利につきましては、地元でもいろいろと高過ぎるというようなお話がございまして、七月でございますが、長崎県において市町を通じまして利子補給という制度を設けておりまして、今被災者の方には利子補給によりまして、警戒区域等の中の方には実質二%、その他の被害の大きかった方々には三%にして融資ができるということになっておるところでございます。
 私どもといたしましては、今後とも長崎県当局ともよく連絡をとりたがら適切な対応を進めてまいりたいというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事陣内孝雄君着席〕
#43
○初村滝一郎君 ありがとうございました。
 そこで、限度額や利率と同様に融資枠の確保についても特段の配慮をしてもらいたい。特に災害の長期化、被災地の拡大に伴って資金需要が増大しており、融資枠の不足が非常に心配されるので、そこで、融資枠の機動的な拡大を図ってもらいたいと思うが、お考えはいかがでしょうか。
#44
○政府委員(広瀬勝貞君) 先ほども申し上げましたように、融資制度については二つございまして、中小企業体質強化資金助成制度と政府系金融機関による災害融資がございます。
 体質強化資金助成制度につきましては、六月二十日から実施をしてござい室すけれども、既に七月に四十億円に、さらに九月に六十億円に枠の拡大をしてございます。ただし、先生御心配のとおり、九月十三日現在既に七百十三件、五十四億円の実行が行われておりまして、今後長期化すれば資金の枠が足りなくなるということも考えられます。そういう場合には、中小企業の資金需要に応じまして、御指摘のとおり、適切かつ機動的に引き続き対応してまいりたいというふうに考えております。
 なお、政府系中小企業金融機関による災害貸し付けにつきましては、今の制度の中で十分な枠がございますので対応は既に可能だというふうに考えております。
   〔理事陣内孝雄君退席、委員長着席〕
#45
○初村滝一郎君 災害の長期化に伴って島原半島全域の社会経済に大きな影響が出ておるわけであります。このために、噴火活動終息後、これは余り早いとは思えぬが、早目に終息してもらえればこれが一番いいと思うんだけれども、現在の見通しはなかなか半年や一年でどうでしょうかというように思うんだけれども、先走って考えるに、終息後に実施される地域の振興、活性化対策が重要となると私は思うんです。
 そういう意味において、今回の災害の激甚性、特殊性を考慮し、災害復旧事業一関連事業についてはこれを優先的にやるんだというような、島原半島の総合的な防災都市づくりに国として特段の配慮を願いたいと思うが、建設省並びに国土庁のお考えを賜りたいと思います。
#46
○説明員(加藤昭君) 建設省といたしましては、これまで砂防事業、災害復旧事業につきまして応急対策を中心にして実施してきているところでございます。
 砂防事業につきましては、水無川及び中尾川流域において、災害から地域住民の生命、財産を守るため火砕流・土石流監視システムを設置するとともに、北東斜面の一部渓流におきましては災害関連緊急砂防事業による砂防ダムに着手しているところでございます。また、災害復旧事業につきましては、五月十五日及び十九日に発生した水無川の河道閉塞土砂について排土を実施したところでございます。
 今後、噴火活動が終息した際には、長崎県及び関係機関と十分調整を図りながら砂防事業、災害復旧事業及び関連事業について早期に着手することとしており、防災都市づくりの基盤である地域防災対策に万全を期してまいりたいと考えております。
#47
○政府委員(鹿島尚武君) 雲仙岳周辺地域の復興につきましては、長崎県において既に復興室を設置なさいまして検討を開始しておられるというふうに聞いております。
 政府といたしましても、火山活動の鎮静化を待って被災施設の復旧等に万全を期していくとともに、この地域の防災、振興、活性化等の地域づくりを積極的に進めてまいる所存でございます。
 このため、長崎県に対し、国と地元市町と緊密な連絡をとって、雲仙岳噴火活動の終息後直ちにこの地域の災害復旧が的確に行われ、また住民の方々等が将来の展望を持って生業や生活の設計ができるよう、具体的な災害復旧計画の策定等事前の準備を急ぐとともに、将来の防災地域づくり、地域の振興と活性化について調査検討を進めるように指導いたしまして、また必要な支援も行っておるところでございます。
#48
○初村滝一郎君 この島原半島地域の振興事業を迅速円滑に推進する財源の安定確保のために災害対策基金の設立が望まれておったわけですが、今回それが認められたことは大変結構である、かように考えるわけであります。
 したがって、長崎県が設立しようとする三百億円の災害対策基金は、二百八十億円が県の貸付金、二十億円が県出資で構成されると聞くが、基金の特色、業務、また国の財政支援の内容についてお伺いしたいと思います。
#49
○説明員(北里敏明君) お答え申し上げます。
 今回、長崎県が設置をしようとしております雲仙岳災害対策基金でございますが、住民等の自立復興支援等の事業で通常の行政では行えないきめ細かな一歩踏み込んだ事業を弾力的かつ迅速に実施をしようとするというのが目的でございます。財団法人の設立により基金を設置することとなります。
 県が検討しております事業内容といたしましては三つの柱から成っております。
 第一には、住民等の自立復興を支援する事業といたしまして、災害関係の制度融資の無利子化等のための上積み利子補給、また国の食事供与事業に加えまして生活雑費の支給等の事業を考えております。
 また第二に、農林水産業に係わります災害対策事業及び復興事業といたしまして、被災農家のための代替営農地の貸し付け、あるいは代替漁場整備のための魚礁設置に係わります地元負担の軽減等がございます。
 第三には、商店街活性化あるいは観光振興事業といたしまして、商店街の共同施設の新築等に係わります地元負担の軽減、あるいは大型観光イベントの開催等を予定しているということで、被災者の救済あるいは負担の軽減対策が中心になっていると聞いております。
 また、この基金に対します国の財政支援措置でございますが、先生御指摘のように、三百億のうち運用財産二百八十億は県が貸し付けをいたします。それにつきましては政府資金で県に貸し付けをいたしますが、それは地方債措置ということで許可をいたします。また、その利子につきまして交付税により措置をすることとしております。その措置率は、公共災害復旧事業債の償還費並みのいわば最高の九五%という措置率を予定しているところでございます。
 以上でございます。
#50
○初村滝一郎君 私は当初、最低五百億というもくろみを聞いておったんです。だから、この災害が長くなればなるほど基金が足らなくなると思うんです。
 そこで、もし県がどうしても追加するから面倒を見てやってくれというようなお話があればそれに応ずる気持ちがあるかどうか、お尋ねしたいと思います。
#51
○説明員(北里敏明君) 県が今回設置します基金は、国あるいは県で実施をいたします各種の災害救助あるいは災害復旧事業がございますが、それとは別にそれを補完するために住民等の自立復興を支援する事業等を行うというものでございまして、今後国や地方団体が実施します復旧事業等の財源につきましては、別途国庫補助金あるいは地方債、交付税など既存の財政制度により手厚い措置が講じられるということになるわけでございます。
 ただ、以上のような前提のもとで現時点で必要と県が考えております単独事業として行うべき事業、それに必要な金額ということでいうと三百億でよいというふうに今県でもお考えだというふうに聞いておりますが、今後の災害の状況変化等によりまして県から事業の追加等によります基金規模の見直し要望というものがありますれば、その時点で十分御要望を伺い、相談をしてまいりたい、そのように考えております。
#52
○初村滝一郎君 よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 最後に、この雲仙・普賢岳噴火災害対策については、これまで政府が講じてきた多くの救済対策を迅速かつ総合的に実施する必要があります。特に災害の長期化や被災地の拡大にいかに対処していくかが重要だと考えます。引き続き万全の支援等を講じられるよう特に要望をして、最後に国土庁長官の御意見を聞いて私の質問を終わります。
#53
○国務大臣(西田司君) 先ほど来、各委員のいろいろ貴重な御発言を承りました。
 私どもは、当面の対策に加えて、この噴火災害が鎮静化を見るに至りましたならば、御指摘がございましたように、この地域の活性化、町づくり、防災対策、さらには島原半島の地方振興というものを十分念頭に置きまして全力を挙げて地域の復興に取り組んでまいりたい、このような決意を持っておる次第でございます。
#54
○初村滝一郎君 ありがとうございました。
#55
○木暮山人君 引き続きまして自民党の木暮山人が、雲仙・普賢岳噴火災害に対する質問を国土庁と自治省にさせていただきます。
 まず第一間としまして、政府が雲仙岳噴火災害に対して決定し講じてきた救済対策は、二十一分野九十項目に及ぶ広範で総合的なものになっております。一つの災害の対策をこのように体系化し実施しているのは災害対策史上初めてのことであり、それだけに政府の措置を高く評価いたしたいと思っております。
 そこで、この救済対策の基本的な考え方と、この中で今回の災害で初めて講じられた画期的な施策は何か、このような問題につきましてまず国土庁にお伺いいたします。
#56
○政府委員(鹿島尚武君) 二十一分野九十項目にわたります救済対策は、今回の噴火災害の状況、特殊性にかんがみまして、地元地方公共団体等の要望を踏まえ、あらゆる角度から検討をいたしまして、避難・住宅対策を初めとして民生、農林漁業、中小企業、雇用、教育等被災者救済に係る各般の対策を盛り込み、その万全を期するとの基本的な考え方で決定をいたしまして、現在、各機関によりましてその総合的な推進を図っているものでございます。
 今回の災害対策で初めて講じられた画期的な施策といたしましては、八月二十三日に追加をいたしました特別措置として、長期避難者に対する食事供与事業、警戒区域等内の居住者に対する生活安定再建助成資金の貸付事業、雲仙岳噴火災害対策基金を県が設置する場合の地方財政措置、雇用調整助成金の支給等の雇用保険の特別措置、仮設校舎の建設に対する助成等が挙げられます。近年発生いたしました大規模な火山噴火災害、例えば昭和五十二年の有珠山の噴火、そしてまた五十八年の三宅島の噴火、六十一年の伊豆大島の噴火等の災害におきまして実施されました対策との比較で見てまいりますと、多くの新しいものを含んでおるわけでございます。
#57
○木暮山人君 どうもありがとうございました。
 被災地の皆さんの生活を安定させるには対策の早期実施が何よりも重要である。その意味からも、八月の二十三日に追加決定された特別措置についても早急に実施する必要があると思います。追加特別措置の中に盛られた対策の実施時期について国土庁はどのように予定しておいでになるか、お伺いしたいと思います。
#58
○政府委員(鹿島尚武君) 御指摘のとおり二十一分野八十三項目にわたります被災者等救済対策の中で、政省令、規則、基準等の新設、改正、制度の弾力運用等に係るものは三十項目に上っておるわけでございます。これにさらに八月の二十三日に決定をいたしました「雲仙岳噴火災害に係る特別措置のとりまとめ」におきまして追加をいたしたものがございますが、幾つか申し上げてまいります。
 火山噴火とこれに伴う住民の避難がさらに長期化している状況等にかんがみまして、地元地方公共団体からの対策の取りまとめ要請等を踏まえ決定をいたしたものでございます。
 そのうち食事の供与事業並びに五年間の据置期間中無利子の生活安定再建資金の貸付事業につきましては、避難住民の生活に係るものであるため、早期の実施に向け事業主体である長崎県と鋭意細部を詰めているところでございます。
 土石流避難対策施設につきましては、雲仙岳の噴火活動が終息して多数の住民がもとの居住地に戻る時期に間に合うよう諸準備を進めたいと考えております。
 なお、政府関係金融機関の災害貸付金の据置期間中の利子の支払いを年一回とする措置につきましては、関係各省より金融機関に対して措置を行うよう指導済みでございます。
 また、雲仙岳噴火災害対策基金につきましては、長崎県において早期に設置できるよう九月の定例議会に補正予算案を提出すべく準備中であるというふうに聞いております。
#59
○木暮山人君 どうもありがとうございました。
 この追加措置の中で実現した食事供与事業は、災害救助法による応急救助段階を過ぎ生活自立過程に入った避難住民への支援策として極めて当を得たものであると考えます。対象者の選定は、従来の生活拠点から避難したため収入が途絶えた点に注目し選定することになっているが、この事業の実効性を上げるためにも、避難住民の所得や資産による制限を課すべきではなく、また本人の自助努力によるアルバイト収入も考慮に入れないで生活自立を支援していくべきだと考えるが、どのような御意見をお持ちですか。
#60
○政府委員(鹿島尚武君) 食事供与事業は、雲仙岳噴火災害によりまして避難生活を長期に余儀なくされている住民の方々で本格的な生活あるいは生業の再建活動を開始できない方々に対しまして、食事の供与を行うことによりみずからの努力によります生活の自立を支援をすることを目的としているものでございます。したがいまして、今回の災害の発生により収入が途絶えた方々を対象とすることといたしておりまして、避難生活中のアルバイト収入、避難開始前における所得や資産による制限につきましても、先生の仰せられましたような趣旨に沿いまして検討をしてまいりたいと考えております。
#61
○木暮山人君 引き続きまして、この食事の供与事業に対しましてはこれをさかのぼって実施すべきなどの意見があります。しかし、食事供与事業は、その名が示すように、過去にさかのぼって実施するような性格の事業ではないと考えますが、いかがな御所見をお持ちですか。
#62
○政府委員(鹿島尚武君) この食事供与事業は、避難生活を余儀なくされておられます住民の方々に食事の供与を行うことを事業内容といたしており、金銭の給付もあくまでこれにかわるものということでございます。したがいまして、さかのぼって実施をするということは、お尋ねのとおりできない性格のものでございます。
 今後、住民の方々の御要望にこたえられますように、実施主体である長崎県ともども早急な事業開始に向けて細目の詰めを行ってまいりたいと存じます。
#63
○木暮山人君 次に、生活安定再建助成資金は十年間のうち五年間無利子据え置きで百万円まで借りることができるすぐれた特別融資措置であると考えます。その趣旨からすれば、貸付対象の選定に当たっては所得や資産の制限を私は課すべきではないと考えておりますが、どのような御所見をお持ちですか。
#64
○政府委員(鹿島尚武君) 雲仙岳噴火災害におきましては、現在多数の住民が長期的な避難生活を送ることを余儀なくされております。経済的かつ精神的に相当の負担を強いられているところでもございます。
 こういったことから、これら長期避難者に対しまして生活安定再建助成資金の貸し付けを行うことにより当該避難者の生活再建を支援し、生活意欲の増進を図り、ひいては当該地域におきます活力の低下の防止等に資することができるわけでございます。したがいまして、本事業の対象者としては警戒区域の設定等により二カ月以上の避難生活の継続を余儀なくされている世帯を考えておるわけでございまして、所得、資産による制限はお尋ねのとおり考えておりません。
#65
○木暮山人君 次に、自治省に質問させていただきます。
 長崎県が国の地方財政措置に裏打ちされて設立を決定した三百億の基金は地元住民に大変喜ばれております。これにより国の施策を前提としつつ地域のニーズと実情に応じたきめ細かい措置が講じられることになると思うが、基金の特色と具体的な事業内容を明らかにしてい。ただきたいと思います。
#66
○説明員(北里敏明君) 先ほど初村委員にもお答えを申し上げたところでございますが、今回長崎県が設置しようとしております基金は、住民等の自立復興支援等の事業で通常の行政で行えないきめ細かな一歩踏み込んだ事業を弾力的かつ迅速に実施しようとするという点が特色でございまして、財団法人の設立により設置されることになります。
 県が検討しております基金の事業内容としましては、災害関係融資の無利子化等のための上積み利子補給、あるいは国の食事供与事業に加えまして生活雑費の支給等、さらに代替農地の貸し付け、あるいは商店街の共同施設の新築、改築に係わります地元負担の軽減等が予定をされておりまして、被災者の救済あるいは負担の軽減対策というのが中心になっておると聞いております。
#67
○木暮山人君 どうもありがとうございました。
 あと二、三問ございますが、先輩議員の初村先生のと重複いたしますので、これで質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#68
○常松克安君 一日も早く雲仙・普賢岳の災害が終局されますことを心よりお祈りいたします。
 本日、私は、単なる提言、陳情、要望ではなくして、強烈に政府に対して要求をいたします。
 その案件は、災害弔慰金の支給という問題についてであります。
 過去の例を一応ずっと勉強いたしましたら、自然災害に起因して死亡した者同士で、一方は今までは三百万支給され、片方は支給されていない。これはもうまさしく法のもとにおける行政の公平さを欠く、こういうふうな考えに立脚して申し上げるわけであります。
 なお、六十一年度は百四十八人亡くなられて百十一件、六十二年は六十九人亡くなられて十四件、六十三年が九十三人亡くなられて三十一件、平成元年は九十六名亡くなられて二十六件、こういう差異が現実の数字の上に出ておるわけでございます。これは亡くなられたといわれても、消防の方、国家公務員の方、警察官、これは当然もう別であります。あるいは労働災害の基準、これは別であります。あくまで民間の方。あちらで一人亡くなられる、こちらで自然災害で亡くなられる、ところが出ないという場合がある。それはなぜかというと、弔慰金を支出していく要件が三つあるわけであります。この要件というのは四十九年の次官通達の中でア、イ、ウ、こういう三段構えで出されておるわけです。
 例えて一つ申し上げますと、その集落あるいは市町村で五軒全滅してしまう、消滅してしまう、そういうところで亡くなられた方は出る。ところが片一方では、土砂崩れで一家十人が万が一にも亡くなってもその地域において五世帯に足りなければびた一文も、これはこの基準から外されるわけでございます。そして第二番目には、都道府県全体、一市町村に救助法が適用される、こういう場合に、その市町村を含む都道府県内の違ったところで亡くなられてもいい。こういうふうに弾力的になるたけ多くの方々にこの法の趣旨が伝わるようにしたい、こういうふうな趣旨なのであります。そして第三番目には、これはちゃんと逃げてあります。非常に温かい行政の立場で、厚生大臣が災害で亡くなられたことを特例中の特例と認める場合もあり得る。過去にはこの例に従って豪雪地帯で亡くなられた方も支給これあり。実際にあるわけです。
 そうしますと、今回こういうふうな提出の案件からいきますと、非常にここに矛盾というものが感じられるわけでございます。まずこの矛盾につきまして、厚生省一の頭の切れる松本施設課長さん、御答弁願います。
#69
○説明員(松本省藏君) 御説明を申し上げます。
 災害弔慰金が支給されるその対象となる災害の規模につきましては、今、常松先生から御説明いただきましたように、一定の制限があるわけでございます。
 災害弔慰金の対象となる災害の規模のいかんにつきましては、昭和四十八年に議員立法で弔慰金制度ができたわけでございますけれども、大変たくさんの議論が行われております。そして、この法律に基づく制度の前身でございます市町村災害弔慰金補助制度の要綱というのがございます。これで制度が先行したわけでございますが、その要綱に基づく弔慰金の支給の災害の規模と申しますのは、国民全体の同意が得やすいという程度の相当の大災害に限定されておりました。
 具体的に申しますと、自然災害により災害救助法が適用された地域、この地域の中での補助対象市町村、救助法適用の市町村、これが弔慰金の支給補助の対象となっていたわけであります。もうちょっと具体的に申しますと……
#70
○常松克安君 済みません、三十二分までしか持ち時間がありませんのでもっと簡潔に。勉強しておりますのでわかっておりますから……
#71
○説明員(松本省藏君) 要するに、災害救助法が適用される最低限の条件といいますのは、いろいろあるのでございますが、住居が三十戸つぶれたという規模なのでございます。そういう一定規模以上の災害を対象とするという考え方を踏まえながら、なおかつもう少し小規模の災害まで弔慰金制度に乗せていこうという両様の考え方を踏まえまして、この法律制度ができるときに住居が五世帯つぶれたという場合にはこれを対象としましょうという形になったわけでございまするるそういう検討の経過を踏まえまして議員立法によりましてこの制度ができたわけでございまして、原則として一定規模以上の災害、全壊世帯五以上という基準を定めたわけでございますので、そういう事情があることをぜひ御理解を願いたいと思うわけでございます。
#72
○常松克安君 それをよく勉強した上で要求を申し上げておるわけでございます。
 例えて申しますならば、伊豆について先ほど委員の方から御指摘がありましたが、これについては調べますと支給が可能であります。ところが近々の例では、山梨県大月市で七名亡くなられております。そのうちの一名は家の周りを見に行って土砂にやられました。あとの二名の方は、ぽかんと道路が陥没したのがわからずそこへ突っ込んじ。やいまして、水が来てそこで即死状況。あとの四名の方は、乗車中に不運にして土石流につぶされて車の中で亡くなっているわけでございます。ところが、その地域というのは災害救助法適用の五世帯もない。そうすると、この弔慰金というのは、いつもそちらから、特に局長から指摘されますが、個人災害についてのそれは考えられないのか。
 これは災害の補償を求めているわけじゃないんです。ところがまたそっちの方から、それは道路管理者の方に訴えてもろうたらいいじゃないかと。これでは、一つの事件に遭遇したときに案件が二つも三つも道路法の事項においても重なってまいります。あくまで第一義的に土砂崩れでやられてしまった、わざわざそこへ突っ込んでいるんじゃないんです。自然災害によって亡くなってしまっているわけであります。
 それはそれとして、弔慰金の方の趣旨からするならば、これは当然特例中の特例としての考えがあってもしかるべきではないのか。要件の一だと言っているわけじゃないんです。当然こういうふうに一人の人が少なくとも死んでいる。家は金をかければ建つかもしれませんが、人の命は一回こっきりであります。その人命がなくなっているわけであります。国民感情の上からいっても、金をもらえるもらえないというよりも、公平さの上からいってもこれは当然大きく違ってくるわけであります。そういうふうな面でこれは考え直していかなきゃならないのではなかろうか。こういうことで、大臣並びに局長にこの全体の細かい見直しということも並べて言っておるわけであります。
 ほかの委員の方からありました八百円の食事でもそうであります。一つ言いますならば、ここに法務局が出しました「大村収容所のしおり」というのがございます。ここには難民救済については幾らの食事を出すか金額が明記されております。そして、それの的確な基準をちゃんとカロリー計算で年齢別に出しております。ところが、今度は厚生省の方へそれを聞きますと、カロリーなんてそんたものはございません、それは物価スライドを考えて毎回考えております、こうおっしゃる。日本の国民が被害を受けたときには、適正な基準、整合性とおっしゃいますけれども、片っ方の方では明確にして片っ方にはない。これはいかがなものか。こういうふうになってくるわけでございます。
 細かく言えばいろいろございましょうけれども、この辺のところの課長のお考えをもう一度お願いします。そういうふうな事例、案件、これはもうケース・バイ・ケースで皆違ってくるわけであります。
 もう一度言っておきますけれども、そちらはそれは市町村がやるべきだとおっしゃいますけれども、市町村がやるといったって、案件の承認はそっちが権限を持っていらっしゃる。こっちの方から気の毒だから出してくれんかいと言ってもあかんのですよ。ところが、実務の業務というのは市町村なんです。しからば、大月市の市議会で弔慰金の枠に入れてくれという議決があれば、そちらとして受けられますか。お答えください。
#73
○説明員(松本省藏君) 先ほど御説明したことに加えまして、先生今お触れになられましたけれども、弔慰金制度の基本的な立て方についてもう一度御説明させていただきますが……
#74
○常松克安君 もうよろしいです。問うたことだけ答えてください。
#75
○説明員(松本省藏君) 弔慰金の支給制度は市町村の固有事務という構成をとっておりまして、基本的には、災害の発生状況というのは非常に地域性か高いこと、あるいは現実に災害が発生したときの状況把握あるいは調査の事務というのは市町村が行うことが適当であるということ、あるいは住民の死亡に対して弔慰をあらわすというのはより地域の結びつきの高い精神的な共同性に基づくものであるというようなことから、この制度自体が市町村の固有事務という形で構成されているわけでございまして、それに対しまして国あるいは県が一定の財政負担をするという構成になっているわけでございます。そのメルクマールとして先ほど申しましたような住戸の全壊が五世帯というようなメルクマールなどがあるわけでございます。
 それから、厚生大臣が具体的な個別の事情を勘案じて弔慰金が支給できるような仕組みもあるではないかというお話でございますが、確かにそういう仕掛けになっているわけでございますけれども、この規定が適用されましたのは、直近で申しますと昭和六十一年のときの豪雪でございました。非常に広範囲の都道府県におきまして豪雪がありました。ただ、豪雪でございますので、家が五戸つぶれるということはなかった、さらに救助法も適用されなかった、しかしながら五十八人が亡くなったということもありまして、特別に取り扱ったということでございます。
#76
○常松克安君 御高説ありがとうございます。
 納得いたしませんので、もう一度要求を深くいたします。これは今後いろいろな形で起こり得る問題であります。単純であります。片方はいただけて片方はいただけない、これはまことに理解に苦しむ。このことを明確にして、あわせて要求をいたしておきます。
 あえて申し上げるならば、弔慰金というものの要件に住宅五戸以上の減失ということがありますが、人の命より住居の方の基準が大事なんですか。人の命は地球より重たいと大臣もおっしゃる。災害は人命救助が第一番です。人の命がなくなっているんです。その御遺族のお気持ちを考えて、そこに行政がしかるべきことをする、二十年前は、そんなことを言って次から次へ出したら財政的に何億と金が要ると。しかし、過去の実績からいったってこれで十億も五十億も百億も要りますか。要りません。使っておりません。日本は災害列島で、予知とか、予算をつけてとうとい人命をなくさぬように皆さんが努力していらっしゃるじゃありませんか。もっともっと減っていくでしょう。少なくとも国民である限り人の命のとうとさの上に立って平等にこれは考えていくときではなかろうか。
 大臣、この辺のところで、最終の終局でお言葉をちょうだいできますか。通告していないからあかぬとおっしゃいますか。いかがでございましょう。大事なことなんです、これは。よろしくお願いします。
#77
○国務大臣(西田司君) 大変真に迫った御発言でございまして、十分お伺いをさせていただきました。
 御承知のように、弔慰金法は厚生省所管でございますから、私の方からそのお答えを即座に申し上げることはいかがなものかと思います。
 ただ、先生が御指摘になった点は非常に重要な問題であるということを受けとめさせていただいたということでお許しをいただきたいと思います。
#78
○常松克安君 以上です。
#79
○林紀子君 私は、まず財源対策についてお聞きしたいと思います。
 これは決して手続の問題ではなくて、どの水準まで政府の対策がとられているのか、それを見る上で大変根本的、決定的なことだと思うのでお伺いしたいと思うわけです。
 政府の二十一分野九十項目にわたる救済対策のうち、まず、地元の長崎県、島原市、深江町ではどれだけの経費を既に支出しているのか、各省庁にわたってお伺いしたいと思うわけですが、時間の限りがありますので、厚生省にお伺いいたします。
 災害救助法などによる炊き出し代、応急仮設住宅の設置、体育館などの避難施設の経費等々あると思うわけですが、これは地元ではどれだけ支出をしているか、そして国が負担すべき額はそのうちどれくらいに当たるのか、お答えいただきたいと思います。
#80
○説明員(松本省藏君) 御説明申し上げます。
 災害救助法に基づく避難所の設置あるいは応急仮設住宅の建設などの救助の措置は、平成三年の五月二十九日に救助法を適用いたしまして以来、島原市と深江町で現在まで継続して実施をされてきているところでございます。
 これらに要しました費用は、今まだ最終的に県からの申請その他がありませんので正式にはお答えできないのでございますが、私どもがとりあえず八月三十一日時点というところを仮に切りまして、三十一日で切るといった場合に応急仮設住宅は一体幾つまでを計算するかなかなか難しいのでございますが、とりあえず概算で、八月三十一日の時点で既に六百六十二戸の応急仮設住宅が完成し入居済みになっておりましたものですから、それを一つのメルクマールといたしまして、先ほどの避難所の設置あるいは炊き出し等を含めまして概算いたしますと、約十八億円程度というふうに考えているわけでございます。
#81
○林紀子君 このうち国が支出すべき額というのはどれくらいになるわけですか。
#82
○説明員(松本省藏君) 精査してみないとわからないわけでございますが、災害救助法の救助の措置ということでございますれば、その二分の一を国が負担するという形になります。
#83
○林紀子君 そうしますと、八月末現在で十八億円以上、国はほぼ九億円を支出しなければならないということになるわけですが、これは既に厚生省では支出しているわけでしょうか。当初予算というのは二億円しかないというふうに伺っておりますが。
#84
○説明員(松本省藏君) この救助に要しました費用につきましては、救助法の規定に基づきまして都道府県がとりあえず全額を支弁する形になっております。国としては県から災害救助費の国庫負担金の概算交付申請がなされ次第速やかに審査を行って救助費用を長崎県に対して概算交付するという段取りになるわけでございます。まだ申請がないわけでございますが、県に対しても交付申請をできるだけ早くこちらの方に出してもらうように指導をしているところでございます。
 予算の関係でございますが、今先生がおっしゃられました二億円と申しますのは、災害救助費負担金が二億円でございます。それから災害弔慰金等負担金が一・四億円、それから災害援護貸付金が五億円、合計八・四億円の災害救助等諸費というのを組んでいるわけでございます。これはその間で流用が可能でございますので、トータル財源としては八・四億円と御理解いただきたいと思います。これはもう毎年同額を実は予算で組んでいるんでございます。それは、その年にどれだけの災害が起こるかわからないからでございます。
 先ほど申しましたように概算で計算しましても国として九億円必要になるわけでございますので、予算の不足が当然見込まれます。これに対しましては予備費の使用等を行うという前提で準備を進めているところでございます。
#85
○林紀子君 確かに地元が一時立てかえをするというのは災害救助法の第四十四条にあるというふうに見ましたけれども、この市町村負担の「一時」というのはどれくらいの期間というふうにお考えになっていらっしゃるわけですか。
#86
○説明員(松本省藏君) 先ほど私がお答えを申し上げましたとりあえず都道府県が支弁をするという仕掛けは、救助法の三十三条でございます。
 もう一つの仕掛けとしては、とりあえず都道府県知事が救助の実施機関になりますけれども、現実にその事務を市町村に委任している場合には市町村が作業をするわけでございまして、その場合に市町村がまず先にお金を出すという仕掛けがあるわけでございます。その職権委任をいたしまして市町村長が繰りかえ支弁という仕掛けでお金を出していく仕掛けがあるわけでございます。
 したがいまして、今回の救助の措置については市町村が現実にはまず先にお金を出しているという形になっておりますが、現在、市、町から県に対してその繰りかえ支弁額について請求を出してもらうように県が市町村に話をしているところ、こういう形になっているわけでございます。県の方としては市なり町からその請求があり次第速やかに支払う、こういうふうに言っているわけでございます。
#87
○林紀子君 その「速やかに」ということですけれども、確かに立てかえ支弁ということがあるわけでしょうけれども、しかし、これだけの大きな額を、既に五月二十何日からといいますから四カ月近くになりますでしょうか、立てかえているわけですから、市町村、県の負担というものは大変なものだと思うわけですね。
 一万人以上に及ぶ人々がこういうふうに長期にわたって避難するという異常な事態が続いている中で、今お話のあったお金というのはもう現金で日々出ていくわけですね。厚生省の関係では十八億円余り、さらに文部省関係ではプレハブ校舎やクーラー設置の経費としておよそれ億四千万円余り支出をしているという資料も私はいただいております。半分または文部省関係では三分の二、これだけを国が負担しなければならないのに、そういう形では、今速やかにすると言いながら既に四カ月もたっているということなわけですね。
 国土庁では八月二十三日に、先ほど来お話がありましたけれども、特別措置というのも決められたわけです。これもまた財源上の措置というのがすぐ迫って必要なわけだと思いますけれども、この財源上の措置も含めまして、国がこうした財源措置というのを本当に速やかに、もう今でも速やかにとは言えないと思うんですけれども、速やかに果たすためにはどういうふうにするのか。予備費というお話も出ましたけれども、厚生省は予備費を考えている。それでは国土庁、文部省、そのほかはどういう形で対処をしていくのかということをここでぜひお聞きしたいと思うわけです。
 私はさきの小委員会の席上でも大蔵省に直接お伺いいたしましたけれども、大蔵省の方からは一切私に理解のできるような返答というのはなかったわけです。ですから、長官にお伺いしたいわけですけれども、責任者の国土庁長官から、どういう形でこれは国が支弁をしていくのか、きちんとこれを払っていくのか、そのことを責任を持ってここでお答えをいただきたいと思うわけです。
#88
○政府委員(鹿島尚武君) 恐縮ですが、私から御説明を申し上げます。
 一般論でございますけれども、災害の発生に対処するための所要の経費につきましては毎年予算に計上されるわけでございますが、現在、予算の不足によりましてその対策の執行がおくれている、さわりがあるというようなことは、私どもといたしましては聞いておりません。
 ただ、これから先、新たな制度も創設をいたしてまいります。今後追加的に必要になる経費の財源措置につきましては、予算の執行状況等を見て適切に対処していただくわけでございますけれども、先ほど厚生省から言われましたとおり、予備費もその財源措置の一つというふうに考えたいと思っております。
 それから地方の財源につきまして、もちろん資金需要に支障があってはならないわけでございます。自治省におかれまして地方交付税の繰り上げ交付といったような措置を既に講じてまいったというふうに聞いておるわけでございまして、これによりまして適切に財源対策は講ぜられているものというふうに理解をいたしております。
#89
○林紀子君 それでは国土庁の具体的なお話としてお聞きしたいのですが、八月の二十三日に決められた「特別措置のとりまとめ」、この二の(1)と(4)につきましては国土庁の予算というふうに伺いました。これは新しい措置ですが、国土庁は当初予算に組んでいるわけですか。
#90
○政府委員(鹿島尚武君) これは国土庁で新たに予算措置をこれから講じてもらう種類のものでございます。したがいまして、その財源は予備費によりますか、あるいはこれから先、資金の出のぐあいによりまして補正によりますか、そういった措置につきましては財政当局と相談をしてこれから詰めてまいりたいと思っております。
#91
○林紀子君 確かに二十一分野九十項目を並べていただきまして、それは本当に評価する部分もあるわけですけれども、その裏づけのお金というのが出ないということでは、県、市町村はもちろんですけれども、地元の方たちもお金が出て初めてやってもらったということになるんじゃないかと思うんですね。
 ちなみに、東大新聞研究所が世論調査を行って九月十四日にその結果を発表しておりますけれども、次の組織や団体の活動をどう評価するかという問いがありまして、市役所、町役場はよくやってくれた、「評価する」が六九・五%という形でずらっといろいろな団体があるわけですが、国はどのくらいやってくれたと評価するかという地元の方たちへの問いに対して、何と「評価する」は三・二%、「評価しない」が六五・三%。これは私が申し上げるのではなくて、地元の方がこういう形で世論調査に答えているということなんですね。
 やはりお金という問題ではないかと思うわけです。そこのところをぜひよく考えていただきまして、先ほども申し上げましたが、本当に可及的速やかにというには余りに遅過ぎますが、予備費をすぐ措置していただきたい。その御決意のほどを長官から伺いたいと思います。
#92
○国務大臣(西田司君) せっかくの御指摘でございますけれども、若干先生のお考え方と私の考え方とに食い違いがございます。
 特に災害にかかわりますお金というのは、今お金がそこへ出ていったからこれが実行された、こういう解釈でなくて、災害対策本部を中心といたしまして各省庁で決定いたしましたことは、先ほど御説明がありましたように、これは予備費あるいはどうしてもそれで足らないということになれば補正予算、そういうことで対応ができますし、これは一般論として申し上げるのでございますけれども、当面の財源というものが必要であるならば、資金運用部から一時借入金を市町村なり県なりがやりまして、そして災害にかかわるいろいろなものを整理、精査した段階において国の方から交付税等でちゃんと補てんしていく、こういう仕組みであるから、今直ちにお金が出ていないからそれで市町村や県が対策が立てられないという性質のものではない、こういう理解をいたしております。
#93
○委員長(鈴木和美君) 時間でございます。
#94
○林紀子君 最後に、今長官からお話がありましたけれども、それは市町村に全部責任を押しつけるということではなくて、国が率先してやるんだというその態度を示すためにもぜひ財政的な措置をきちんとしていただきたいということを再度お願いして、終わります。
#95
○井上哲夫君 私の質問時間は十五分でございますので、質問通告の順序を少しずらして質問したいと思います。なるべく簡潔にお答えの方もよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず初めに、この前の小委員会でも私はお尋ねをしたことなんですが、今回の雲仙の噴火災害に関しまして、損害保険会社の火災保険等の建物に対する保険金の支払いはこれまでの把握で一体どの程度なされているか、あるいは農協共済もやはり火災保険でございますが、建更と呼ばれる共済金の支払い状況がこれまでどのように支払われているか。農協共済の農作物被害についての支払いについては二十一分野九十項目のところにも書かれておりますので、もしそれもあればお聞かせを願いたい。大蔵省の方からお願いをいたします。
#96
○説明員(西川聰君) 損害保険会社の額についてお答え申し上げます。
 八月三十一日現在で、去る六月三日、八日発生の火砕流及び六月三十日発生の土石流によります損害に対する保険金の支払い状況は、地震保険につきましては、支払い対象件数が二十四件、うち十二件が支払い済みでございます。総額は支払い対象全体で一億一千四百九十万円ということになっております。火災保険につきましては、八十九件、支払い保険金見込み額で総額二億五千百十六万円でございます。うち五十二件が現在支払い済みでございますけれども、残る三十七件につきましては罹災証明が発行され次第支払うという形になっております。
 以上でございます。
#97
○政府委員(今藤洋海君) 農協の建物更生共済につきましては、火山の噴火によります損害に対しましては損害額の五〇%を支払うという仕組みになってございます。今回の雲仙岳の噴火災害に伴います建物更正共済の共済金の支払いにつきましては、九十一世帯に対しまして六億二千万円の支払いを、これは七月二十二日でございますが、完了いたしておるところでございます。
 また、農作物等に対します農業共済金の支払いにつきましては、七月十九日までに約五千六百万円の支払いを終了したところでございます。
#98
○井上哲夫君 きょうの委員会の委員の質問の中にも出ましたが、政府は貸付金等の融資制度で非常に知恵を絞っていただいておる。しかし、現実には保険とか共済の方は被害の実情の確かな調査が事実上できないということで、先行といいますか、前倒し的に支出をしているわけですね。
 こういうことを考えますと、例えば活火山、精密観測火山あるいは常時観測火山によって被害が及ぶかもしれない地域の住民に対して一種の強制保険制度のようなものを考えることはできないかどうか。
 今おっしゃいました保険の中には、損害保険会社の場合には、地震、津波等の場合にあえて出す火災保険、それから、そうじゃなくて普通の火災保険で五%の見舞い金を出すという地震特約保険がある。ところが、農協の建更と言われるのは、噴火のような災害でも火災保険の二分の一を上限として一律に出すというような、かなり仕組みは農協共済にしても違うわけですね。
 そうしましたら、今回の雲仙の災害について、特定地域の住民に、避難命令に基づいて窮屈な避難生活をしている間、例えば一日幾ら――がん保険でございますね、入院一日五千円とか。これは民間会社が危険率を勘案して掛金をとっていわば営業ベースに乗ったものでございますが、営業ベースに乗らなくても、国と地方自治体と住民とが拠出をして、噴火等本件のように一過性でなくいつ終わるかもしれない場合の特定地域の住民の避難生活の場合に、例えば最長三カ月とか六カ月とか限界をつけて、生活の足しにすぐさま支払いができるものを払う、こういうふうなものを考えることは全く余地がないかどうか。
 今回の雲仙の災害で海部総理は、我が国では自然災害は自力救済だと。しかも政府側は、長官も含めてそのことを繰り返し申されております。しかし、この二十一世紀を目前にした日本の今の状態で、自然災害は自力救済ですということで現実に多くの国民は納得するかどうか。むしろ、全面的補償とか全面的被害の回復はできないにしても、当座の生活不安をなくするための何らかの安心できるものがあらかじめあっていいのではないか。
 例えば避難生活をして一日の食費が八百円のところを千五百円まで弾力的に運用しましたといってもそれでも不満は残るし、あるいは今回の特別措置で十二万円を上限とする食費支給、政府にとっては清水の舞台から飛びおりたような特別な措置をとっても現実にはまだ今日でも支出がなされてないということは、仏つくって魂入れずじゃないけれども、避難住民の人から見ると、もらえるはずだけれどももらってないということで、今、東大新聞のアンケートが出たようでございますが、国には何にもしてもらってないということになりやすいんではないか。
 私も特別にこのシステムを調べたわけじゃございませんが、聞くところによれば、ニュージーランドには何かそれによく似た制度があるとか。考えてみれば、一定の日数上限、給付上限、あるいは被害適用の上限、下張、こういうものを限定すれば、今回の雲仙の噴火被害を教訓にして、日本の活火山なりによって同じようなこれから起こる被害に対するいわゆる新しいシステムを考えることができないかどうか。
 長くいろいろ申し上げましたが、その点についてお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#99
○政府委員(鹿島尚武君) 自然災害に関します共済制度は、ただいま先生から御披露がございましたとおり、農業関係とかいろいろあるわけでございます。ただ、一般的な個人災害の共済制度というものにつきましては、かつて国会におきましても御議論を賜り、行政の方でも勉強をさせていただいたことがございますが、給付の目的の内容を絞るのが大変難しいとか、あるいはまた、強制加入の方式をとらざるを得ないということになりますのでその点の難しさがいろいろあるというようなこと等々、制度化するのが大変難しいというようなことであったかと思います。
 御指摘のような制度につきましては、結局、掛金の支払いをなされるというのは限られた住民の方々になろうかと思います。また、国、公共団体によります公的な助成ということにも限界があろうかというふうにも考えられるわけでございますが、せっかくの御提案でもございますので、私どもといたしましても、関係方面の御意見もいろいろ聞かせていただきまして、勉強をさせていただきたいというふうに考えます。
#100
○井上哲夫君 ありがとうございます。
 時間が追われますので、もう一つ別のお尋ねをしたいと思います。
 雇用保険の適用の弾力的運用ということでこれまでいろいろ御説明を伺っておるわけですが、その雇用保険の適用の中で、一つは雇用調整助成金の支給、これは多くの方が既にその適用を受けていると思うんですが、問題は、この助成金の支給の期限があります。期限をこの先どのように考えているかということ。
 それからもう一点は、失業給付の仮支給といいますか、そういう形で再雇用の予約のもとで弾力的運用に基づく現実の適用をやっていただいておる。それについても、例えば受給が最短といいますか九十日の方ですともう切れている場合もあろう。あるいは近く切れる方もある。そういう場合に、その延長といいますか、あるいはさらに特別な技能をつけていただくという名目での訓練というふうなことによる延長、そういうふうな方法が可能性としてあるかどうか。これは再雇用の予約ということと真っ正面からぶつかるわけでございますが、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#101
○説明員(後藤光義君) お尋ねのうち雇用調整助成金につきましてお答えを申し上げます。
 現在、雇用調整助成金につきましては八月、九月の二カ月間につきまして支給しているわけですけれども、十月以降につきましては災害の状況を見ながら必要に応じて延長措置も講じたい、このように考えておりまして、現在検討中でございます。
#102
○井上哲夫君 最後に、ほかの通告していたものは時間が来ましたのでできないと思いますので、長官にお尋ねをしたいと思います。
 今、マグマの活動がまた活発化、つまり依然として活発である、したがって今後なお長期の警戒態勢と住民の大変窮屈な生活が続くであろう、こういうふうなことで対応に大変苦慮されているということはもう十分理解をし、むしろお体に気をつけていただきたいという気持ちでございます。
 今私が御質問させていただきました新しい共済といいますか、新種の保険といいますか、あるいは一時的な生活をしのぐというシステムについては、例えば住民が一日一人一円積み立てていっても、これ、三百六十五円できるわけであります。だから、国や地方自治体及び住民が一定の割合の掛け率に基づくものを積み立てて、そしてそれで活火山の限定地域に何かできないだろうか。これは憲法上の住民の同意がないと法律はできないかもしれませんが、そういうことで、政府の方におかれましては自力救済のみだというところを一つハードルを乗り越えていただきたい、乗り越えられないかというふうなことを私自身は考えておるものですから、ぜひ検討をしていただきたいという意味で、御通告をしなかったんですが、お答えをいただければと思います。
#103
○国務大臣(西田司君) 自然災害に対する基本的な考え方は、先ほどもお話をいたしましたように、災害というのはいろいろ性質が異なっておりますけれども、これは台風であれ地震であれ火山であれ、被害は同一なものだという認識に立っておるわけでございます。
 そういう考え方からいたしますと、やはり災害対策というものは基本的には公平、公正性というものを崩してはいけないということを私は考えております。ただし、それは災害の性格、性質というものによって、規模の大きいもの小さいもの、長いもの短いもの、こういうものがありますから、できるだけ現行制度の中で弾力的に運用をして、そして苦労をされておられる方々を救済していかなければいけない、これが政府の使命である、こういう認識をいたしておるわけでございます。
 ただ、今新しい御提案というか御意見があったわけでございますが、そういう問題も、世の中のいろいろ変化や進歩やそういうことの中で、火山国と言われる日本においてやはり研究をしてみなければいけない問題かもしれない、こういうことをお話を伺いながら感じた次第でございます。
#104
○井上哲夫君 ありがとうございました。
#105
○勝木健司君 雲仙・普賢岳でございますが、この九月十五日に最大規模と思われる火砕流が発生して、学校の校舎、住宅、家畜小屋などが焼き尽くされたわけであります。百余日を経過いたしまして今なお鎮静化の兆しか全くないということで、被災者の方々の日々の生活を思いますと、私も隣の県人として何とかしてやらねばならないという思いで胸が締めつけられるわけであります。
 政府は先般二十一分野九十項目の特別措置を取りまとめられたわけでありますが、今後、決定いたしました施策のすべてを国と県と地元市町が一体となって推進することとなっております。このうち追加の特別措置として、二カ月以上避難生活が継続し収入が途絶えている世帯に県が必要と認めた場合に月当たり四人家族で十二万円支給できることとなったわけでありまして、またこれに県が三万円上乗せをして合計十五万円支給ということになるわけであります。
 しかし現在、災害救助法で食費については実費相当額で対応をしているわけでありますが、このような事業を予算補助あるいは予算措置で行っていくことについては限度があるのではないかというふうに思うわけでありまして、このような事業については災害救助法できちんと措置をしていくべきではないかと思うわけであります。あくまでも食費に対する補助という概念で十二万円を支給するのであれば、やはり災害救助法を改正して対応すべきではないのかというふうに思うわけでありまして、救助法を改正しない理由は何なのかお伺いをしたい。
 また、厚生省が食費については一括して担当してきたわけでありますが、この十二万円支給される世帯と災害救助法で対応する世帯の区分はどうするのか、あわせてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#106
○政府委員(鹿島尚武君) まず、災害救助法におきましては、災害に対する応急的一時的な救助の措置の一環といたしまして、日常の食事に支障が生じている被災者に対し炊き出し等による食品の給与を行うというようなことが定められております。これに対しまして、今般、食事供与事業におきまして考えておりますのは、雲仙岳の災害が長期化いたし、そしてまた多数の住民が長期の避難を余儀なくされております状況にかんがみまして、災害救助法によります応急救助の階段を過ぎまして、仮設住宅に入居するなど生活の自立過程に入った方々につきまして、災害が継続し本来の生活拠点における収入の道が断たれている、また本格的な生活や事業の再建活動を開始できない、こういった方々に対しまして一定期間、災害の終息までの間、食事の供給を確実にするためにそういった措置を県が講ずる場合には国がこの経費の一部を補助しようというようなことでございます。
 したがいまして、臨時的と申してよろしいと思いますが、雲仙岳の噴火災害の特殊性にかんがみて緊急に臨時的にその対策を講ずるというものでございますので、予算の補助によりましてこれを実施をしようという考えでおるわけでございます。
#107
○説明員(松本省藏君) 今、防災局長がお答えしたとおりでございますが、私の方からは今の食品の供与事業と救助法に基づく食品の供与、この関係について申し上げます。
 救助法に基づきましては、基本的には炊き出しと申しておりますが、この言葉自体非常に古いとも言われておりますけれども、避難所に収容された方々あるいは住家に具体的な被害を受けまして炊事をすることができない方々、こういう方々に対しまして臨時応急的に食生活を保護するということを目的として炊き出し等の食品の供与をやっているわけでございまして、具体的に申しますと、この第一次的応急救助は避難所に集団で入っていただいた方々に対しまして食品の供与を行うということにいたしているわけでございます。
#108
○勝木健司君 私は、この十二万円が支給されることによりまして救助法での対応を取りやめられるということで、救助法とこの特別措置との関係が極めてわかりにくい。要するに、救助法による対象者どこの特別措置の助成対象者がそれぞれ違うんじゃないかということ。救助法による食費の助成は法の趣旨からしても当然継続してしかるべきだというふうに考えておるわけでありますが、時間の関係で次に参りたいと思います。
 そこで、この十二万円の補助という特別措置は収入のたい人に限定されるようでありますが、そうすると、被災者の間で収入のある人とそうでない人とのアンバランスが発生するように思います。したがってこの際、二カ月以上避難を余儀なくされた被災者には全員私は支給すべきじゃないかというふうに思いますが、お答えをいただきたいというふうに思います。
 また、災害救助法で食品の給与ができるにもかかわらず、特別措置として食費の助成ができるのなら、被災者に対し災害弔慰金、災害障害見舞金、災害援護資金に加えまして、一定の人に対して災害見舞金の支給もできるんじゃないかというふうに思うわけであります。この災害見舞金の支給についても検討しておられるのかどうか。また、特別措置としての食費の助成と災害見舞金の支給とでは、被災者の生活を補てんするという観点では同じように思うわけでありますけれども、あわせてお伺いをしたいというふうに思います。
#109
○政府委員(鹿島尚武君) ただいま厚生省の方の御答弁にございましたとおり、災害救助法におきましては、避難所におられる方々に対しまして応急一時的な救助の措置の一環として日常の食事に支障が生じているという状況にかんがみまして炊き出し等の措置を講ずるものだという趣旨の御答弁がございました。
 今般、私ども講じさせていただこうと考えております食事の供与事業につきましては、既にこの避難所から仮設住宅等に移られた方々に対しての措置を考えております。二カ月以上の長期にわたる避難を余儀なくされております被災者につきまして、本来の事業所あるいは事業地における収入が途絶えてしまっている、そして本格的な生活、事業の再建活動を開始できないでいる、そういう方々に対しまして食事という私ども人間生活の基本的な行為を確実にしていただくために行うものでございますので、これによりまして被災者の自立を支援しようというような目的に立脚するものでございます。そういった意味におきまして、避難をしていても収入が継続してある方々につきましては、自活が可能であるわけでありますから、本事業の対象とするということは適当でないというふうに考えたわけでございます。
 それからまた、災害見舞金につきましてのお話がございましたが、私ども、この食事の供与事業と災害見舞金はもとより同じ趣旨というふうに考えるわけにはいかないと思います。
 災害見舞金につきまして、個人補償というような意味でございますれば、災害により私有の財産、事業につきまして被害を受けた場合に、従来から何度も申して恐縮でございますけれども、個人によります災害というものは自主的な回復を原則といたしてございます。そしてまた、災害対策基本法に基づきます避難の勧告または指示の権限及び警戒区域設定権というようなものは、結局、住民自身の生命、身体の安全を確保するものでございまして、他人あるいは公共のために行われるものではないわけでございますので、補償といったような考え方にはそぐわないというふうに考えたわけでございます。
 それからまた、災害見舞金の趣旨が単にお見舞いの観点に立つというようなことであるといたしましても、まずもってそういった災害は自主的な回復を原則としておるわけでございますし、また災害による回復不能の死亡等の痛ましい人的被害に限って社会全体の見地から弔慰金法等によります給付が現在行われておりますが、これを超えて見舞金を支給するというようなことはこれまた困難でございます。
 今回の食事供与の事業は被災者の自立を支援するということでございますので、見舞金と同じように考えるというのはいかがかというふうに考える次第でございます。
#110
○勝木健司君 時間も余りありませんので、最後に、今回の政府が実施しております二十一分野九十項目にわたる救済対策措置につきましては、各般にわたって弾力的にあるいは拡大解釈によって運用している面が多いわけであります。このことは前回の小委員会でも私は指摘したわけでありますが、法治国家で何かあった場合に拡大解釈等で適用ないし運用されては今後禍根を残すことにもつながりかねないと思うわけでありまして、今回の経験も踏まえて災害対策関係の諸法律につきましても見直しをしていくべきだというふうに考えるわけであります。見解をお伺いしたいというふうに思います。
 今もって地元では特別立法をつくるべきなどの要望が大きいわけであります。市町村長は警戒区域を設定し、当該区域への立入禁止あるいは立ち入りの制限を人命尊重の観点から行えるわけでありますが、しかし、この警戒区域内の経済行為がストップしてしまい地域経済が麻痺する。そういう意味で、例えば警戒区域が六十日以上になるような場合は、今回行った二十一分野の事項のようなものが弾力的な運用ではなく自動的に行われるようにするために新規の立法をつくるべきではないかというふうにも思うわけでありますが、長官の見解をお伺いして質問を終わりたいというふうに思います。
#111
○政府委員(鹿島尚武君) 恐縮でございますが、私から説明をさせていただきます。
 先生御案内のとおり、災害に関する法律というのはたくさんございます。一人一人の個人の権利義務を制約するというよりは、むしろ災害に遣われている方々の救済というものを早く講じようという趣旨でいろいろできておるものと私は考えております。
 そこで、政府といたしましては、雲仙の噴火災害に対しましても、まずもってどのような措置を講ずれば民生の安定、地元の被災者の方々等に役に立つかということを考えまして、かねて御案内のとおり、災害の緊急性あるいは特殊性、長期にわたる状況等を踏まえまして、地元公共団体からの要望等を十分聞かしていただきまして、あらゆる角度から検討いたしまして、住宅、民生、農林漁業、中小企業、雇用など二十一分野九十項目にわたります救済対策を確立し、今日実施を鋭意いたしておるところでございます。こういった措置を総合的かつ迅速に実施をすることによりまして、関係法律の見直しといったものを行うまでもなく対策の万全を期することができるというふうに考えておるわけでございます。
#112
○勝木健司君 長官、どうですか。
#113
○国務大臣(西田司君) 今、防災局長の方から内容についてはお答えを申し上げたわけでございますが、私どもはこの雲仙噴火に伴う大災害というものの重要性を非常に強く受けとめておりまして、しかもそれが長期化するという状況の中であらゆる対策を講じていこうということで今日までやってまいっております。
 今後、事態というものが大きく変化するということになれば、これはまた別問題で速やかに対処をしていかなければいけないと思うのでございますが、先生のせっかくのお言葉でございますけれども、現時点において特別立法をもってこの問題に対処しようという考え方には至っておりません。
#114
○勝木健司君 終わります。
#115
○下村泰君 普賢岳の被害がむしろだんだん広がっているような現状の中で、避難生活をされていらっしゃる方々も日にちがたつに従って大変な心中であると思います。察するに余りあるものがあります。
 先ほどからずっと伺っておったんですけれども、現在ある法というものをいかに運用するかということにお悩みでございましょうけれども、超法規的なお答えが一つもない。黙って聞いておると、普賢岳というのは一体外国なのか日本なのか、日本人を救うために会議が開かれているのであろうになというようなことも感じました。こんな状況では私の質問にはとてもじゃないけど期待するような答えは出てこないというふうに半分失望しながら聞いておりました。しかし、委員会でございますので、質問はさせていただきます。
 さきの予算委員会でもお尋ねいたしましたが、障害を持った方々、難病の方、高齢者の方、いわゆる災害弱者、私は弱者という言葉は余り好きじゃございませんけれども、こういう用語が用いられておりますのであえて使わせていただきますけれども、災害弱者と言われる方々が多くおられます。その避難についてもう少し詳しく伺いたい。
 避難先におけるそれぞれの生活状況というのはどうなっているのか、これがまず一点。ほかの施設に分散入所したり、避難してもマンパワーが不足したり、設備面でも不足したりしているといいます。ある知恵おくれの方々の施設では、クーラーもなくて窓を閉め切っているため中は蒸しぶろ状態だといいます。そこでクーラーを頼むと、正月まで待ってくれと言うんですね。正月になれば自然クーラーになりますね。こういうのを感覚すれ症候群と言うんですね。また入浴カー、リフトカーなども全く不足している。厚生省は、この島原市にリフトカー、入浴カー、こんなものが合わせて何台あるか、そしてその運行状況はどうなっているのか、御存じなんでしょうか。
 それから、仮設住宅などに移られた在宅の方、要介護の方々へのケアサービスの状況はどうなっているんですか、御報告いただきたいと思います。日に日にぐあいが悪くなる方もおられると聞いております。
 以上の点をどうぞひとつ答弁漏れないようにしっかり答えてください。
#116
○説明員(松本省藏君) 警戒区域内で先生がおっしゃられましたいろいろな意味での社会的な弱者の方々がどの程度いるかということだけまず御報告をさせていただきたいと思いますが、ひとり暮らしあるいは寝たきりの六十五歳以上の要援護老人と言われる方々が、在宅で九十四名、それから特別養護老人ホーム入所者百三十四名、この施設一数は二カ所でございます。――先ほど、篠崎先生のときに私間違いました。謝らせていただきたいと思います。二カ所でございます。重度の身体障害者の方、この方々が在宅で百十六人、施設はございません。それから精神薄弱者の方々は在宅で六人、施設は三カ所でございまして、そこに入っておられる方々が八十九人ということでございます。
 それで、まず在宅関係のことについて申し上げますと、在宅の重度身体障害者あるいは要援護老人の方々につきましては、集団生活を行う避難所というところではなくて、それぞれ一軒ございます応急仮設住宅、公営住宅あるいは親類、そういう個別の家の方に避難をしていただいているわけでございまして、さらに援護の必要なこれらの方々に対しましては、応急仮設住宅等で対応が困難な場合にはショートステイ等の優先利用というようなことで対応しているわけでございます。今後ともこういう在宅の要援護者に対しましてはできるだけ配慮していくように県を通じ指導し、また対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、施設関係につきましては、社会福祉施設が六施設あるわけでございますが、この入所者につきましてはそれぞれ警戒区域の外の同種の施設に分散して避難をしていただいているところでございます。受け入れた施設にとってみますと、その分入所者の数がふえるという実情にございます。いろいろと御苦労をかけているかと思いますけれども、県当局とも十分連絡をとって、できるだけ処遇水準の低下を来さないような努力を私どもとしても継続してやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
 なお、入浴カーあるいはリフトつきの車等の数については、恐縮でございますが、手元に資料がございません。
 それから、ヘルパーの数でございますけれども、島原市で身障のヘルパーの方が一人、老人のヘルパーの方が五人、深江町の方では身障のヘルパーはおりませんで、老人のヘルパーの方がお一人ということでございますが、私ども県の方に確認いたしましたところ、ヘルパーさん等に対して特段の御要望があるというふうには今のところつかんでいないところでございます。
#117
○下村泰君 この間の八月二十七日の予算委員会でも同じようなお答えをなさったですね。あのときはたしかテレビ中継がありました。そうしましたら、地元からこういうふうなものを送ってこられたんです。
 厚生省は何もわかっていかい、現地はこれこれこうである、我々はボランティア活動もしておる、ボランティア活動をしているけれども全部自分のお金、自費で賄っている、もうこれ以上もたないから帰りますというようなことも言ってきました。ですから、今あなたがおっしゃったように県の方でどういう体裁のいいお答えをしているか知りませんけれども、現実は全然違う。
 殊にこの中に、養護施設の太陽寮というのがあるんですが、入所人員が六十二名。小中学校が三十六名、高校生が二十一名、幼児が五名。この人たちが今どこにおるかといったら、災害直後は半数が寮長の自宅と深江町のお寺住まい。その次が寮長宅と小さな南柏野公民館。今は何と料亭の空き家で宴会用の長机を並べて住んでいる。これが現状です。
 そして、既にボランティア活動をしていた方たちの中には、疲れ果てて今入院している方がいる。この太陽寮の養護施設の子供さんたちは、南柏野公民館に住んでいるときは、近所の方々に申しわけないと思い、小さな子供たちがどぶ掃除や道路掃除、草むしり等の奉仕をした。そうすることによって近所の方々と上手にコミュニケーションをとっていた。こういうことです。この施設というのは、大学に全員合格しておりますし、一流企業にも入社している子供たちもいるという大変すばらしい施設たんです。
 そしてもう一つ、これは特別養護老人ホームですが、眉山荘、ここの方々も、特殊入浴設備が不足して入浴バスやリフトバスがない、そのために大変困っているというふうに、これも来ています。夏休みの間は島原中央高校の福祉コースの高校生が数多く来て手伝ってくれたのはいいんですが、今ではさっぱりだめ。
 ほかにもまだあります。時間がなくなりますからやめますけれども、こういうふうな状況になっているんです。
 それから、東大新聞研究所の広井助教授という方がいらっしゃいますね。この方が雲仙・普賢岳噴火における住民の対応についてのアンケート調査をしていますね。これを見ますと、
  まず火砕流が頻発して危険が高まっていた五
 月下旬で「火砕流という言葉を知らなかった」
 人が五四%。とても危険と思っていた人はわず
 か九%で、研究班は火山学者らの警告が住民に
 的確に伝わっていなかったと指摘している。
  火砕流でけが人が出た五月二十六日、気象庁
 雲仙測候所は「火山活動情報」を発表した。こ
 れは人的被害が予想されうる「警報」に当たる
 もの。火山情報にはもうひとつ「臨時火山情
 報」があり、火山に異常が認められるときに出
 す「注意報」で、緊急性は低い。
  調査では「臨時」の方が緊急性が高いと思っ
 ていた人が五三%で、正解は一七%と少なかっ
 た。
  六月三日の大火砕流の発生直前に火砕流が頻
 発したが「大きな火砕流が起き、被害が出るか
 もしれないと思った」のは二四%で、四人に一
 人しか被害まで危険をイメージできなかった。そして、
  広井教授は「火山情報の緊急性などについ
 て、名称を含め検討する必要がある」としてい
 る。
 さあ、そうなりますと、先日の厚生省の答弁で、視覚・聴覚障害者、知恵おくれのいわゆるコミュニケーション障害と言われる方々への情報伝達に十分配慮するように指導いたしております、こう言われましたけれども、具体的にどんな方法で指導したのか、これがえらい心配になってきます。厚生省の方でもこの視覚・聴覚障害者、知恵おくれの方々それぞれについて、当然こういう方たちの状態を知った上での答弁であったとは思いますけれども、もう一度ひとつお答えください。
#118
○説明員(松本省藏君) 長崎県におきましては、視覚障害者、聴覚障害者などの方々に対する避難情報の提供に当たりましては、その情報伝達について十分配慮するように指導をしてきているところでございます。
 具体的な情報伝達に当たりましては、島原市及び深江町におきまして、福祉事務所の職員それから身体障害者相談員と十分連携をとり合いまして、町内会責任者や避難場所責任者を通じまして視覚あるいは聴覚の障害者の方々の居住する世帯に災害情報について確実に伝達をしているということでございます。
 なお、島原市及び深江町とも、障害者世帯及び知恵おくれの方々の世帯につきましては、避難先等を確実にその市及び町で把握をいたしておりまして、保護者に適切に情報を伝達するよう連絡体制を確保しているということでございます。また、障害者の単独世帯はありませんで、すべて健常者との同居世帯であるということでございますので、同居家族の方々から確実に情報が伝達されるよう指導もしているということでございます。さらに今後ともその情報伝達につきまして、特にこういう方々に対しまして遺漏のないように努力をしていきたいと考えているところでございます。
#119
○下村泰君 災害弱者対策の課題というのを広井助教授あたりからも提出があると思いますけれども、国土庁は今後どういうふうに対策をお考えになっているのか、ちょこっと聞かせてください。
#120
○政府委員(鹿島尚武君) 私どもは、災害弱者という言葉を使わせていただきまして、近年高齢化が進んでまいりましたので、高齢者というものをまず頭に置きながら障害者、傷病者及び罹病者、あるいはまた外国人といったような情報あるいは行動に関しまして弱い立場にある方々を総括してくくってございます。
 こういった災害弱者のための対策につきましては、災害発生時にまずその弱者の方みずからが独力で避難すること、そしてまたそれができない場合におきましては速やかに援助を受けられる協力体制を確立すること、これが必要であるというふうに認識をしております。
 具体的には、災害弱者の避難を容易にするために、災害弱者を考慮した避難地、避難路、建築物、防火安全施設等の防災施設を整備する、それからまた、災害発生時に独力で避難するなど、災害弱者自身の対応能力を高めて的確な行動をとれるようにするために訓練や普及啓蒙活動を行う、それから、緊急事態が発生した場合において消防機関と外部の者に通報するための災害弱者の対応能力を考慮したシステムの構築を図っていく、そしてまた、災害発生時に消防防災関係機関が現場に到達するまでの間、初期消火や応急救助が行えるよう、地域住民の協力による隣保共助体制づくりを進める、こういったような対策づくりが必要であるというふうに認識いたしております。
 このような認識のもとに、関係省庁、地方自治体等におきまして災害弱者との情報伝達システムの整備、いろいろ福祉の電話、ミニファクス等あるようでございますが、そういったシステムの整備、そしてまた災害弱者の避難誘導等を含めた訓練実施等によりまして日ごろの備えをしておくというようなことを含めまして、関係省庁と連携をとりながらその推進に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#121
○下村泰君 結構です。
#122
○委員長(鈴木和美君) 本日はこれで質疑を終わるわけでございますが、この際、委員長から一言申し上げます。
 本日の委員会において各委員から、政府が八月二十三日に取りまとめた「雲仙岳噴火災害に係る特別措置」については、これをそれなりに多とするとの意見が述べられましたが、なお、細部について幾つかの重要な指摘がありましたので、委員長として以下三点について特に政府の見解を求めたいと存じます。
 第一点は、取りまとめの前文にある「この問題の決着を図ることとする。」との文言の意味は、あくまでも現在の段階で考えられる措置ということで、当然に事情変更の原則が適用されるものと考えますが、いかがですか。
 第二点は、長期避難者に対する食事供与事業の実施時期については、これまでの質疑の経緯を踏まえ、直ちに実施すべきものと考えますが、いかがですか。
 注釈を加えますが、速やかとか早急とかいろんな言葉がございますが、直ちにというところに重みがあることを政府として考えおきください。
 第三点は、政府取りまとめの特別措置の実施に当たつ一では、本日、各委員から出されました被災者に対する救済措置についての要望をしんしゃくし万全を期すべきと考えますが、いかがですか。
 以上三点について政府の見解を求めます。
#123
○国務大臣(西田司君) まず、政府が八月二十三日に取りまとめました特別措置は、それまでに講じてきた被災者等救済対策と合わせて二十一分野九十項目に及んでおり、これらにより予測し得る事態への必要な対策は講じられたものと考えております。
 なお、現時点で全く予測し得ない不測の事態への対応の可能性まで否定をするものではございません。
 次に、食事供与事業の実施時期については、現在食事供与事業の細目を精力的に詰めているところでございますが、お尋ねの意を体し、事業主体である県と所要の協議を急ぎ、早急な実施を図ってまいりたいと考えます。
 また、委員各位の要望については、既に御答弁をしたとおり、政府において追加の特別措置を含め二十一分野九十項目の施策を総合的かつ速やかに推進しているところでございます。
 このような考え方に立ちまして、今後全力を挙げて努力を払いたい、このように考えます。
 以上でございます。
#124
○委員長(鈴木和美君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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