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1991/09/24 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 労働委員会 第3号
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1991/09/24 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 労働委員会 第3号

#1
第121回国会 労働委員会 第3号
平成三年九月二十四日(火曜日)
   午後一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月二十日
    辞任         補欠選任
     二木 秀夫君     佐々木 満君
     小林  正君     庄司  中君
 九月二十四日
    辞任         補欠選任
     川原新次郎君     藤田 雄山君
     佐々木 満君     陣内 孝雄君
     山東 昭子君     木暮 山人君
     田代由紀男君     石井 道子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         向山 一人君
    理 事
                田辺 哲夫君
                仲川 幸男君
                細谷 昭雄君
                山中 郁子君
    委 員
                石井 道子君
                木暮 山人君
                陣内 孝雄君
                平井 卓志君
                藤田 雄山君
                清水 澄子君
                庄司  中君
                対馬 孝且君
                西岡瑠璃子君
                西野 康雄君
                針生 雄吉君
                乾  晴美君
                橋本孝一郎君
                西川  潔君
       発 議 者    対馬 孝且君
   国務大臣
       労 働 大 臣  小里 貞利君
   政府委員
       労働大臣官房長  齋藤 邦彦君
       労働省労働基準
       局長       佐藤 勝美君
       労働省婦人局長  高橋柵太郎君
       労働省職業安定
       局長       若林 之矩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐野  厚君
   説明員
       総務庁行政監察
       局監察官     勝野 堅介君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○積雪又は寒冷の度が特に高い地域における指定
 業種関係労働者の年間を通じた雇用の確保等に
 関する法律案(第百二十回国会対馬孝且君外七
 名発議)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(向山一人君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、川原新次郎君が委員を辞任され、その補欠として藤田雄山君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(向山一人君) 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。小里労働大臣。
#4
○国務大臣(小里貞利君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、職業生活の中でその能力を有効に発揮したいという希望を持つ女性が増加しておりますが、育児、家事、老人介護の負担等、就業する上でのさまざまな制約条件を抱える者が多く、それぞれの就業ニーズに応じたきめ細かな再就職援助措置を講じていくことが必要となっております。
 他方、今後、若年人口の減少に伴って労働力供給の伸びの鈍化が見込まれており、労働力の需給調整を円滑に進めていくためには、女子労働力の積極的活用を図ることが重要な課題となっております。
 このため、労働省としましては、平成三年度において、女子の就業希望登録、離職期間中の職業情報の提供、職業講習、きめ細かな職業紹介サービス等を内容とするレディス・ハローワーク事業を創設することとしております。
 この案件は、レディス・ハローワーク事業を専門的に推進する組織として、公共職業安定所の出張所を東京都及び大阪府に設置することについて、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の御承認を求めようとするものであります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御承認くださいますようお願いを申し上げます。
#5
○委員長(向山一人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○清水澄子君 私は、まず最初に、千葉県松戸市の地下トンネル工事で犠牲になりました七人の労働者の死は、この経済大国とは対照的に労働者の安全や生命がいかに軽んじられているかを象徴する事故であると思います。そして、それはまた今日の労働行政に対する無言の警告だと受けとめておりますけれども、労働大臣はどのようにお考えになりどのように対処なさるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(小里貞利君) 去る九月十九日に、千葉県松戸市の分水路隧道工事現場におきまして、まさに重大災害が発生をいたしました。作業員の方々七名が亡くなられましたことはまことに遺憾でございます。御遺族の方々の心中は察するに余りあるものがございます。事故原因の詳細につきましては現在調査中でございますが、工事の計画段階から施工に至るまでの安全管理体制のあり方につきまして全面的に見直しなどを行いまして、災害防止対策の充実に努力してまいりたいと思っております。
 そこで、特に私どもの出先でございます千葉労働基準局におきましては災害対策本部を設けまして、同時にまた係官を現地に派遣いたしました。また、所轄の柏労働基準監督署では災害調査を今や積極的に実施をいたしておるところでございます。本省におきましても直ちに副主任中央産業安全専門官を現地に派遣いたしました。あるいはまた、九月二十日、労働省産業安全研究所の研究官二名を現地に派遣などいたして、目下鋭意この災害発生事件を重要視いたしましてその詳細を調査中でございます。
#8
○清水澄子君 ぜひ十分なる対処をしていただきたいと思いますし、いつも事故があった後、二度とこういう事故を繰り返さないということをおっしゃるわけですけれども、やはり今日の労働行政が非常に不徹底だということをぜひひとつお受けとめいただきたいと思います。
 次、レディス、ハローワークでございますけれども、私も実は、労働委員になるまでレディス・ハローワークは何のことかわかりませんでした。他の国会議員の皆さんにお聞きしましたけれども、やっぱりみんな何か女の人の女の人のと言うだけでさっぱりわからなかったわけです。どうしてこういう、私たちは日本人なのに、日本語でもっとよいはっきり説明できる私はネーミングがあっていいんじゃないかと思います。
 それからまた、きょうの趣旨説明の中には要旨が書きかえられておりますけれども、職業安定部が二月八日に出されましたこの事業の創設の趣旨説明には、女性労働力を活用していくということが労働政策の非常に重要な課題だ、特に結婚による退職とか育児、家事、介護などは「女性特有の制約条件」であるということの趣旨が、これ大阪や東京に行っておりますね。ですから、このときの御発想は、これらの家庭責任というのは女性特有の問題という御認識だったんだろうと思いますが、きっと指摘をされてこういうふうに直されたんだと思います。直されたことは結構ですけれども、前の文書はこれひとり歩きしております。ですから、この問題についてはぜひ御訂正をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#9
○政府委員(若林之矩君) 女性の方が、中には育児、家事、介護等の負担を抱えておられまして今すぐには就職できない、そういう形で無就業にとどまっている潜在的な求職者が多いわけでございますので、計画的にそういった方々に対する再就職の援助をしようということでこのレディス・ハローワーク事業を実施することにしたわけでございますが、これらの方々の育児、家事、介護等の就業制約要件につきましては、現在の我が国の社会経済環境のもとにおきましては、実態として女性が育児、家事、介護等の負担を抱えていることが多いという傾向でございますので、こういうようなレディス・ハローワークをつくったわけでございます。
 ただいま先生御指摘のとおり、これが女性特有の就業制約要件であるという認識はいたしてございません。これにつきましては、確かにかつて「女性特有の制約条件」という表現を用いたことがございますが、私どもそういう認識はただいま。申し上げたとおりでございますので、自後誤解を招かないようにこういった表現を改めておりますけれども、今後ともそういう形で進めてまいりたいと考えております。
#10
○清水澄子君 そして、この提案にも公共職業安定所の出張所の設置と、やはりそういうことを言わなければこの行政組織としては法律上レディス・ハローワークなんてできないんですね。ですから、そういう出張所に、看板と対象だけは女性ということになりましたときに、もしそこに男性がここは公共職業安定所の出張所かと思って来ましたときはどういう扱いをなさいますか。
#11
○政府委員(若林之矩君) 組織上は公共職業安定所出張所ということでございます。私ども十分なPRをいたしまして、これがただいま申し上げたような趣旨の機関であるということを徹底させていただくつもりでございます。しかし、もし男性の方がおいでになりましたときは、よく御趣旨も御説明をいたすつもりでございます。もとよりそこには男性の方のための求人と申しますか、そういったものは置いてございませんけれども、安定所がたらい回しをするようなことは適当ではございませんので、もしそういうような方がおいでになりましたときはできる限り窓口で適切な対応をしたいというふうに考えております。
#12
○清水澄子君 私は、この離職後の女性の再就職への援助も非常に大切なことだと思いますけれども、まず働いている女性たちが育児や介護で職業生活を中断しなくて済むようなそういう対策を急ぐことが先決ではないかと思います。既に、労働省の婦人政策課が昨年離職者の実態調査をされておりますけれども、その中でも労働時間の短縮とか育児休業とか介護休業の普及と充実、そして保育施設や介護施設を充実すればやめた人の九〇%が今すぐ職場に復帰できるという答えを出していらっしゃる。ですから、労働省は今何をすることが女性の離職を防いていけるか、それから働き続ける条件ができるかということはみずから答えを持っておいでになるわけですね。
 そこで、お尋ねしたいんですが、介護休暇についてお尋ねいたします。
 労働省は、本年七月二十九日に介護に関する企業内福祉制度についてのガイドライン検討会議を設置されました。そして、来年四月を目途にこのガイドラインをまとめると伺っておるわけですが、ここで私は確認をさせていただきたいんですけれども、一介護休暇の権利をどのような担保で労働者の権利として保障なさるおつもりか。それにはまず育児休業と同じく新規立法をつくるという方法があると思うんです。それからまた、労働基準法を改正して介護を明確な休暇に位置づけるということも方法としてはあります。しかし、労働省は法律による規制をしないで企業に対して助成金や奨励金を出して企業の自主努力にゆだねる、こういう方法がずっと最近多いわけですけれども、労働大臣、この今申し上げた三つのうちどの担保によれば最も労働者が介護のための休業を休む権利として保障のできる内容になるか、どのようにお考えになっているか、お答えいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(小里貞利君) 一つのポイントを御指摘いただいたと思うんでございますが、まず概念として私の考えを申し上げまして、なおかつまた必要があれば局長の方から補完していただきたいと思います。
 なるほど女子労働者の増大、あるいはまた高齢化の一層の進展等本当におっしゃるように今後介護休業制度の必要性は高くなるものと、これはもう私どももそのとおり事実認識をいたしております。そこで、労働省といたしましては、多少、先生ただいま御指摘しながらお触れいただきましたが、平成二年度よりシンポジウムの開催、あるいはパンフレット等を作成いたしまして配布する、あるいは企業に対しまして直接、間接それらの介護休業制度の導入の促進を強く啓発する、ただいま先生お触れいただきましたが、そういう一連の事業に対しまして積極的に取り組んでいただくように督励もいたしておるところでございます。
 介護休業制度の法制化については、現在その制度の趣旨、あるいはその制度の普及率は申し上げまして一割程度と、そういう状況でもございますので、啓発、広報や行政指導によりまして同制度の普及促進に努めることが現段階において最も必要なことではなかろうか、さような姿勢で当たっておるところでございます。
#14
○清水澄子君 先日のこの委員会でも、同じく同僚議員が介護休暇の法制化を希望しましたところ同じようなお答えでしたけれども、私はそのお答えを聞いていてどこかで聞いたことのある全く同じ文言だなと思ったら、育児休業を要求しましたときに全く同じ文言で時期尚早というのをずっとおっしゃっておったんです。それで私たちは我慢一できなくなって、時代にもおくれますけれども、働く男女の育児とか介護というのは(これははっきり働く人たちの権利としてやはり休暇というものは国際的にも法制化する時代になっているわけですので、その育児休業法も私たちは対案を出したわけですけれども、それも内容も非常に不完全ながらことしそれが法制化された。そのときもそういう権利の内容に対しては大変に消極的な姿勢でいつも私は残念だと思っているわけですけれども、これはまたおくれてしまいます、もっと早く介護休業、休暇というものをぜひ法制化されるよう御検討いただきたいと思います。
 ところで、一方、看護婦やホームヘルパーなど、今度は介護労働力の不足が大きな社会問題になっております。次期通常国会には、厚生省は人材確保法を提出する、労働省は介護労働力確保法の提出をするということが発表されておりますけれども、この介護労働、看護労働は今七K労働と言われている。危険、汚い、きつい、慢性疲労、賃金が安い、結婚できない、子供が産めない、これが看護婦さんたちの七K労働と自分たちが証明しているわけですが、この看護労働の劣悪な労働条件の改善を厚生省の方が第一に取り上げている。そして、夜勤回数を八回以下にするとか完全週休二日制の実施などをうたって、私は大変積極的な政策にむしろ注目させられたわけです。
 看護婦の夜勤の二・八制度、二人で万八日以内、これはもう二十七年前の一九六五年に人事院判定が出されておるわけです。ところが、最近の看護協会の調査によりますと、看護婦の三分の二は既婚者だと。ところが、一カ月九日から十一日も夜勤をやっているというデータが発表されておるわけですね。なぜ二十七年間もこのいわゆる二・八制度が実行されなかったのか。しかも、それ以上に夜勤がふえているというこの現実を労働省はどうお考えになるか。私は、労働省はもっと労働者の人権を確立する、そういう行政にもっともっと力を入れるべきだと思いますが、大臣の御決意を伺いたいと思います。
#15
○政府委員(若林之矩君) 看護・介護労働力につきましては人材養成面の努力は重ねられておりますけれども、全体の需要の拡大に供給が追いついていないという現状でございまして、この原因はやはりただいま先生御指摘のように、その労働の内容がなかなか機械化等で省力化できない、人の力というものは一番基本であるということであろうかと存じます。また、関係事業所、病院等の雇用管理の対応について立ちおくれがあるということが原因であるというふうに考えております。
 私どもといたしましては、こういったような病院とか社会福祉施設に勤務する看護婦さん、保母さん等の労働力につきまして、長時間労働、休憩、休日の確保等につきまして労働基準監督を重点的に進めてまいっておるところでございます。安定所におきましても、折に触れてやはりこういった事業主の方に雇用管理の改善についての指導を行ってきておるところでございます。今後ともそういったような努力を強力に進めていきたいというふうに思っております。
 何といいましても働く場を魅力ある場としなければならないということでございます。そういったような監督を強力に進めていきたいと思っておりますが、さらに、これまで行ってきました監督指導に加えまして、事業主の方が自主的に雇用管理の改善をする、そういった努力を促進するため、自主的なそういう努力に対していろいろな援助をするという方策を現在検討しているところでございます。
#16
○清水澄子君 私は、事業者の自主的な努力も当然それは必要ですけれども、もっと労働監督行政というものを強めるということが労働省の一番基本的な任務じゃないか。これをこの間の十九日の労働委員会のときに皆さんがまず確認なさった、それを実行していただきたいと思います。
 次に、労働者派遣事業に伴う違法行為の増加と指導監督についてお尋ねいたします。
 労働省は五年前に、好きなときに働ける女性の新しい生き方というキャッチフレーズで労働者派遣事業法を制定されました。そして、今派遣労働者数は約四十三万人と伺っておるわけです。ところが、この派遣元事業所、派遣先事業所ともに労働基準法違反、それから社会保険法違反のトラブルが後を絶たないわけです。
 本年の六月に総務庁が婦人就業対策等に関する行政監察結果に基づく勧告を公表されております。ところが、私はそれを見て全く驚きました。労働省の指導監督がいかに不徹底であるかということがこの勧告の中に指摘されているわけです。中でも見逃せないと思いますのは、職業安定所が労働者派遣事業の定期指導を行っている。ところが、その際に労働基準法の違反事項を発見しているにもかかわらず、基準監督署に何ら連絡通報していない。そのために違反が長期に放置されていた。今後は安定所は必ず基準法の違反を見つけたときには監督署に通報しなさいという勧告を受けているんですね。
 これは普通の事業所が受けたならまだ一般的に世の中のこととしてわかります。労働基本権とか労働者を保護するというのが最大の任務である労働省内においてそういう労働基準法違反があっても、労働省の中の職員がそのことを何も気にとめないというこの事実、実態、これは私は、ぜひ労働大臣、この事実をどのように認識なさいますか、お答えいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(小里貞利君) 端的に申し上げまして、責任官庁である行政機関がそのような指摘を受けるということは、極めて私は遺憾なことであると思います。
 特に、ただいま先生がお話しのように、一つは行政監察によりまして定期指導の実施の方法、もう一つは労働基準監督機関との連携等に関する勧告を受けましたことは御指摘のとおりでございまして、今後この趣旨を踏まえまして、さらに地方機関に対する指導の徹底を図ってまいらなけりゃいかぬ、私どもは謙虚に分析と申し上げますか反省をし、そのような努力をさらに一段と強めていかなけりゃならぬと思っております。
 特に、労働者派遣事業の適正な運営を確保する等の観点からは、職業安定機関と労働基準監督機関が相互に協力をする、そして連携調整を図ることがもう極めて肝要でございまして、従来から密接な連携をするように指導してきたところでございますが、今回の総務庁の行政監察によりましてそのような趣旨が徹底していないとの指摘を受けました。来月開催予定の全国課長会議等で再度徹底するように強力に指導し、そしてまた要請をしてまいりたい。さらにまた、十月の苦情相談重点対応月間におきましても、こういう一つの計画もございますので、御指摘のとおり連携体制を整備することといたしておりますので、今後とも御指摘の点を踏まえて努力してまいりたい、かように考えております。
#18
○清水澄子君 同じく労働者派遣事業の会社の中には、労働者が健康保険や厚生年金など社会保険の加入を要求しますと、そうすると本人の賃金から会社の負担分まで差し引く例というのが非常に多いというのは、これは明るみに出ております。ですから、労働省はこのことの多くの訴えを聞かれて、本年三月に日本事務処理サービス協会に対して、この社会保険の適用について文書指導をしておられるわけですけれども、これはどこまで徹底しているとつかんでいらっしゃいますか。
#19
○政府委員(若林之矩君) ことしの三月に社会保険、労働保険の加入につきまして賃金を減額しているというケースについての御指摘がございました。そこで、私ども直ちに三月六日付で事務処理サービス協会に指示をしたところでございます。そのようなものは法三十条の趣旨に照らして問題があるので改善を図るようにということで文書指導をいたしました。そして、協会からは文書によって加盟の企業に対してその指導を行ったという報告を受けております。私どもはさらにそれとあわせて、労働省としても集団指導とか定期指導等の機会をとらえましてこの件についての周知徹底を図ってまいっているところでございます。
#20
○清水澄子君 最近の九月に労働組合の東京ユニオンから、派遣会社の中でこれは事務協会に入っていないアウトサイダーなんですが、しかし派遣業界の中では五つの指に入る大手企業なんです。そこが新聞にちゃんと時給千六百円というこういう広告を出して募集しているわけです。それに応募し就職の契約をした女性は社会保険を希望しました。そうしたらこれは千四百円に賃金がカットされてしまった。こういう例でもって、この業界には何か社会保険というと会社の分まで本人に負担させるということが相変わらず行われておるということで、これの監督について要請文が出されたと思いますが、その後この会社に対してどのような指導をなされましたでしょうか。
#21
○政府委員(若林之矩君) 労働組合東京ユニオンから社会保険加入希望者に対して時間給から一〇%を差し引いて、さらにそこから自己負担分の社会保険料を控除されておるということに対しまして、指導監督して実効ある措置を図るようにという申し入れを受けたところでございます。私ども早速現在関係の地方機関におきまして調査を行うように指示をいたしておりまして、現在調査中でございます。この調査の結果につきまして、不適切な点がございましたら社会保険庁等の関係機関とも連絡をとりまして必要な指導を行いたいと考えております。
#22
○清水澄子君 私は、ここにその会社の、株式会社スタッフサービスというところの給与表を持っています。この給与表は二種類できています。短期の場合の時給と長期の場合の時給の二つがあって、相手が社会保険加入を要求したときには長期雇用契約の時給を使いなさいと、説明書もちゃんとあります。しかし、そのときに時給が下がるというようなそぶりをしてはいけない。もともとこの長期用というのは、本来長期契約なら給料が高いというのはわかります。その方がうんと安くなっちゃうんです。そして短期用と二つ持っていて、あなたはどちらになりますかと、両方は見せないんです。そして相手が、長期ならば社会保険が加入できる、それでは長期お願いしますと言うと、今度その方の時給表でやると。その中に、全部ここには説明のマニュアルがあるんです。そのときには絶対に相手が気づかないように、時給が下がるというような話し方は絶対にしてはいけないといってこういうものをちゃんと用意している。
 ですから、どんなに文書で通達なさっても、やはり次々と社会保険を会社側の負担分まで差し引いて、さらに差し引いた分からまた本人の分を引くという、こういう企業の社会的責任というんですか、こういうことが一向に何らモラルとしても確立しない、それから会社の当然の責任としても感じない、こういう状況が派遣事業の中に非常に多いという、この事実に対して私はやっぱりもっともっと強力な指導をしていただきたいと思うわけです。
 さらに同じくスタッフサービスです。これは今月号の日経ウーマンです。日経ウーマンには「あなたにとって一番いい派遣会社はここだ」というのでずっとこういうふうに各会社の給与が出ているわけです。ここには一時間二千円とか千何百円と物すごい高い給与になっているわけです。しかし、その終わりの方を見ますと、そうすると社会保険にはほとんど入っていない、二〇%とか一五%になっているわけです。しかも、この日経ウーマンのこれを見まして、先ほど問題になっていますスタッフサービスの広告がここにちゃんと出ているんですが、あなたの有給休暇は千五百時間働けば五日間どれますと書いてあるんです。これは労働基準法違反じゃありませんでしょうか。
#23
○政府委員(佐藤勝美君) 年次有給休暇につきましては、まず一年勤続してその八割を勤務した場合に翌年において労働基準法の最低要件でありますれば現在原則十日付与される、こういうことになっております。ただいま先生がおっしゃった例ですと、その前の年の勤務状況がどうなっているかという具体的なところはちょっとわかりませんので判断しかねますが、制度としては今申し上げたようなことでございます。
#24
○清水澄子君 労働基準法第三十九条では、年次有給休暇というのは労働日で換算するとなっているのであって、労働時間で足して換算するとはなっていないわけです。ですから、こういうふうな基準法違反のことが公然と広告で宣伝されている、こういう実態が私はやっぱり千葉県で起きた事件とまさに共通する。こういう今の大きな何万人と働いている会社でこういうことに何ら責任を感じない、しかも労働省がありながら堂々とこういうものが売られていくというこの事実については、私はやはりもっと厳しい対処をしていただきたいと思うわけです。よろしいでしょうか。
#25
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘くださいました事実も踏まえまして十分に調査をいたしたいと思っておりますし、またそういうような情報誌につきましても十分指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。
#26
○清水澄子君 そして、さらにこれを見ましても、雇用保険の加入率というのは七%とか二〇%とか大変少ない、ずっと出ているんですけれども。やはりこういう不安定な職業につく人ほど私は雇用保険というのは非常に必要だと思うんです。その場合に、雇用保険法では一年以上継続して勤務する見込みのある人には今は加入資格を与えていると思うわけですけれども、この派遣労働者にも一年見込みという解釈、この適用をぜひ実行していただきたいと思いますが、いかがですか。
#27
○政府委員(若林之矩君) 雇用保険の加入の状況でございますけれども、特定労働者派遣事業及び一般労働者派遣事業における常用雇用労働者の場合につきましてはほとんど派遣労働者も加入していると思いますが、問題は一般労働者派遣事業におきます登録型の常用労働者以外の派遣労働者の場合でございます。
 これにつきましては就業形態が多種多様でございまして、断続的に就労する者が多いということがございまして、雇用保険の適用対象とならない者も確かに相当いるということは言えるわけでございます。私ども、この雇用保険の適用状況の把握につきましては、三年後の見直しにおきます中央職業安定審議会労働者派遣事業小委員会報告に基づきまして昨年十月に事業報告の様式の改正を行ったところでございまして、平成三年度以降その適用状況の報告を求めることにいたしております。こういったものを踏まえまして指導してまいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、登録型の派遣労働者につきましても所定労働日数でございますとかあるいは所定労働時間数が一定以上であるなどの反復継続して派遣就業する者であること、こういうような所定要件がございますが、こういった所定要件を満たす場合につきましては被保険者として取り扱うということでございますので、こういったような被用者につきましては、加入手続がなされていない場合はただいま申し上げましたような適用状況報告などを踏まえまして指導したいというふうに思っております。
#28
○清水澄子君 労働省は十月に重点対応月間を設定されておりますけれども、そのチェック項目は何なのか。それからその結果を、受けつけた苦情とか相談の件数とか内容をぜひ新聞等で公表していただきたいということを要望しておきます。
 この派遣法には禁止や義務規定を定めてはおりますけれども、どういうふうに違反しても罰則がないというのがこの法のそこが一番弱点ではないだろうか。そういう中で、この人材派遣の広がりとともにこういう問題がどんどん露呈してきている。しかし、労働省は法改正の必要なしという結論づけをされたわけです。そうであるならば、派遣労働者をめぐるこの労基法違反や社会保険法違反あるいは人権侵害など、きょうは時間がなくて申し上げられないんですが、いろんな問題が非常に多く出ております。ですから、その現状を打開するためにぜひガイドラインを策定されて、そして業界にもっともっと周知徹底を図っていただきたいと思いますが、労働大臣、その実行を約束していただきたいと思います。
#29
○国務大臣(小里貞利君) 先生ただいまお触れいただきましたように、派遣事業法の適正な運営を確保するために、労働省といたしましても派遣法の趣旨なりあるいは内容の周知徹底、そしてまた派遣元事業主あるいは派遣先等に対しまして、集団、組織団体、あるいはまた企業個別の指導なども計画的に実施いたしておるところでございますが、ただいま先生からそれぞれ御指摘ございましたような問題点なり、あるいはまた新たに一つの措置も考えなければならないような状況もあろうかと思います。
 特に派遣先につきましては、昨年十月に派遣労働者の適正な派遣就業の確保を図るため派遣先が講ずべき措置に関する指針を策定いたしました。そして、この指針に基づきまして指導を行っておるところでございますが、ただいまのお話なども参考にさせていただきながら、一層そのガイドブックを作成配付する等によりまして、周知徹底を図ってまいりたいと思っております。
#30
○清水澄子君 終わります。
#31
○西岡瑠璃子君 西岡でございます。よろしくお願いいたします。
 先ほど同僚の清水委員の方が冒頭申されました千葉県松戸の労働災害の件でございますが、図らずも私の高知県出身の方もおります。二度とこのようなことのないように、私は本当に胸が痛む思いで申し上げておきたいと思います。
 私はかつてマスコミ労働者として三十六年間、労働界の最前線で働きます中で、国際婦人年あるいは国連婦人の十年運動など体験してまいりました。現在、日本の雇用総労働者数に占める女性の割合は三七・三%。私の地元高知は四五%。働き者が多いんです、高知は。このように、女性が大量に職場進出するようになった背景には、日本の経済成長による労働力の需要が逼迫したことももちろんですけれども、女性自身が一人の人間として社会参加をするという自立の精神で男女平等社会の実現を強く希求したからにほかならないと思うわけでございます。このことを前提にしながら、私は質問を進めてまいりたいと思います。
 まず最初に、レディス・ハローワーク事業関係ですけれども、このレディス・ハローワーク事業の創設の趣旨、そして従来の職業安定所との基本的な相違点はどうでございましょうか。お教えいただきたいと思います。
#32
○政府委員(若林之矩君) 女性の方々の就業希望の高まりは顕著なものがあるわけでございますが、就業の能力、意欲をお持ちでありながら、育児、家事、介護等の就業上の制約条件を抱えているというようなことで無就業にとどまっている女性の方々が相当数に上っているということは指摘されているとおりでございます。そこで、レディス・ハローワーク事業は、こういった潜在的な女子求職者の方々の再就職を援助いたしまして、その能力を発揮していただくと、こういうことを目的として実施するものでございます。
 レディス・ハローワークと一般の職業安定所との差でございますけれども、一般の安定所におきましては、御承知のとおり、今すぐ就職するという状態の求職者の方を主として対象にいたしているわけでございます。これに対しましてレディス・ハローワークの方は、今はいろいろな制約条件をお持ちですぐはできないけれども、そういうような制約条件がなくなれば働きたいというような方につきましていろいろなサービスを提供しようというものでございまして、具体的には就業希望の方の登録をいたしましたり、あるいは登録をされた方に適時いろいろな情報をお届けする、あるいは必要な場合には職業講習を行う、こういったようなことによりまして、若干期間を長くと申しますか、計画的にと申しますか、そういった形でいろいろなサービスを講じて再就職の援助をしていこう、こういうものでございます。
#33
○西岡瑠璃子君 先ほどもお話ございましたけれども、大阪と東京に設置をする、その場合に掲げる看板はレディス・ハローワーク事業の何とかというふうには掲げないわけですよね。そこはいかがですか。
#34
○政府委員(若林之矩君) これは大阪も東京も公共職業安定所の出張所でございます。したがいまして、いろいろ正規の手続と申しますか、そういったものは公共職業安定所の出張所でございますけれども、しかしやはり多くの方々に親しんでいただき、またよくわかっていただくということのためには、公共職業安定所の出張所ということではなかなかかたい感じもいたしますし、親しんでもいただけないだろうということでレディス・ハローワークという名称にしてあるわけでございまして、参りますと当然その看板はレディス・ハローワークというような看板を掲げて仕事をさせていただくというようなことでございます。
#35
○西岡瑠璃子君 ネーミングは公募なさったそうでございますけれども、逆説的に申しますと、女子労働者専門の公共職業安定所という看板を掲げるということは、逆に男女雇用平等の観点から問題が残るのではないか、そうお思いになりませんか。
#36
○政府委員(若林之矩君) このレディス・ハローワークは、ただいま申しましたように再就職を希望しておられる方々に対する援助でございまして、確かに女性の方々だけを対象にいたしておりますけれども、そういった女性の方々のためにいわば援助をするということでございますので、私どもとしてはこれはいろいろな議論をいたしたわけでございますけれども、そういった面では問題はないものというふうに考えまして、こういったものの開設をお願いしているわけでございます。
#37
○西岡瑠璃子君 この事業は、女性の雇用機会の確保という観点から申しますと一歩前進ではあると思います。
 通産省の産業労働問題懇談会が去る五月二十二日に、女性や高齢者が勤労を通じてゆとりと豊かさのある生活を実現するための提言をまとめて発表しておりますように、より重要なことは女性の職場進出を容易にするため、企業における多様な雇用形態の導入、そして職場環境の整備、また能力開発を支援する環境あるいは保育所等の機能の充実が望まれると思います。
 労働大臣にお伺いしたいと思いますけれども、女性の職場進出を容易にし、職業生活と家庭生活とを両立させ得るようにするには、労働時間の短縮はもちろんですけれども、育児休業制度のほか家族の看護・介護休業制度の法制化、そして良好な就労機会としてのパートタイム労働の保障そして立法化、そして男女の雇用機会均等の促進、これが重要であると思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(小里貞利君) 先生ただいま結びのところで、日ごろ各位様の御意見などをお聞かせいただきながら、私ども各項目にわたりまして不可欠の施策として数多くの施策を項目を並べて推進いたしておるところでございますが、ただいま列挙なさいましたような既成事業も推進いたしておるところでございます。しかしながら、先ほどからいろいろ御指摘がございますように、私ども自身も内面的に基礎的な一つのなれと申し上げますか、そういう一つの既成事業に対する満足感というものがあるいは怠慢を導いてもいけないわけでございまして、絶えず反省、叱曹オながら、同時にまた、ただいまもお話がございましたように、社会情勢を初めそれぞれ変化も激しいわけでございますから、適切機敏に施策を展開してまいらなけりゃならない。特にただいま後段で御指摘になりましたようなことは十分留意しながら心得ていかなけりゃならぬ、かように考えております。
#39
○西岡瑠璃子君 それでは男女雇用機会均等法の施行状況、そして問題点の把握状況を中心に伺ってまいるわけですけれども、近年の出生率の低下などを背景にいたしまして労働力人口の伸びの鈍化が予想される中で女性労働力の活用が叫ばれておりますけれども、単なる人手不足の一時的な肩がわりの形での活用は私は賛成できません。大事なことは、雇用における男女平等を推進する中で女性労働者の活力を引き出し、そしてその能力を発揮できる条件の整備、それこそ必要であると思います。そういう意味で私は、レディス・ハローワークの事業もその観点で推進をしていっていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 そこでお伺いしたいのは、昭和六十一年に均等法が施行されましてことしで丸五年ですね。そしてもう六年目に入るわけですけれども、職場での男女差別は解消されたのでございましょうか、大臣にお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(高橋柵太郎君) 労働省の実施いたしました調査等によりますと、男女雇用機会均等法の施行を契機といたしまして、男女を問わない求人の増加あるいは女子の職域の拡大、女子管理職の増加、男女別定年制の是正等雇用管理を法の要請に沿ったものに改善した企業が多数見受けられるところでございます。しかしながら、一部に問題のある企業もまだ残っていることは事実でございますので、労働省といたしましては今後とも事業主そして労働者の意識の改革等の啓発活動を進めますとともに、都道府県婦人少年室を通じて指導を積極的に推進してまい力だいというふうに考えております。
#41
○西岡瑠璃子君 女性労働者の職場生産点、現場での生の声を把握するための実態調査あるいは意識調査などをなさったことがございますでしょうか。
#42
○政府委員(高橋柵太郎君) 私ども平成三年二月、本年二月でございますが、全国四千事業所で働く約一万二千人の女子労働者を対象に実態調査を実施したところでございます。この調査は事業所におきます女子労働者の処遇等の現状、女子労働者の就業意識等について総合的に把握することを目的としたものでございますが、調査結果についてただいま取りまとめ中でございまして、近く公表したいというふうに考えているところでございます。
#43
○西岡瑠璃子君 私の地元の方の高知でも労働省出先機関の婦人少年室などが県内企業の一応リーダー的立場にいる女性を集めてこういった均等法五年目を迎えて実態をお聞きする会のようなものを持っているわけですけれども、今まで集約されてないとおっしゃったんですが、これを行ったのは六月ですからね、私もうそろそろ中央の方へ上がってこないのがおかしいと思うんです。そこでのいろんな実態というのは本当にすごいんですね。いろいろとありますね。
 例えば、大卒事務職を初め募集の間口は広がっているけれども、大卒の技術系では依然として門戸が狭いとか、あるいは総合職と一般職に区分するコース別人事制度が導入されまして新たな差別の固定化が生じているとか、あるいは女子の中でもごく限られた者しか総合職になれない、男性並みの長時間労働を強いられて退職を余儀なくされている実情とか、あるいは均等法制定の際の労基法の女子保護規定が緩和されまして時間外労働がふえて保育所の送り迎えができなくなったとか、福利厚生の面でもまだまだというふうに新聞では見出しもついておりますけれども、そういうふうにいろいろな実態が出てきております。中でも、たしか禁止規定であるはずの定年制とか退職制度とか解雇とか、こういったのもぼつぼつとあるということもこれは私は本当に均等法が実行されてないというふうに思うわけでございます。
 この均等法の附則ですね。当初できたときに、この法律の施行後適当な時期においてその施行状況を勘案し、必要があると認めるときは検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされております。これまでのいろんな経過とかあるいはこういう実態なんかを受けまして、均等法の見直しと規制の強化について労働大臣としてこれから取り組まれる基本的な姿勢、また法改正へ向けてのタイムスケジュールを明らかにしていただきたいと思います。
#44
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生御指摘のように、男女雇用機会均等確保のための法的整備が行われましてから五年を経過したわけでございまして、雇用の分野におきます男女の機会及び待遇の均等はかなり定着しつつあるものの一部に問題点も見られるところでございます。このため、法令の施行状況等につきまして的確な実態把握を行いまして問題点を明らかにいたしますとともに、実際上の男女の機会均等を確保するための方策につきまして幅広い検討を行っていく必要があるものというふうに現在考えているところでございます。
#45
○西岡瑠璃子君 私は、先ほど地元の実態とか例を申し上げまして差別が現存していることをお話ししたわけですけれども、ちょうど五年という見直しの時期を迎えて見直し事項というものをどのようにとらえていらっしゃるのか。差別解消のための均等法の見直し事項についてお教えいただきたいと思います。
#46
○政府委員(高橋柵太郎君) 先ほどお答え申し上げましたように、的確な実態把握と問題点を明らかにする、この実態把握そしてそれに基づきます方策の検討は、専門家によります研究会的なものにおいて開始をしたいというふうに私ども考えているところでございまして、そのような場で広く問題点を御指摘いただきましてそれを解消するための方策を広く検討していきたいというふうに考えているところでございます。
#47
○西岡瑠璃子君 私の方でこういったことを見直しをしなければならないのではないかというようなことを申し上げますと、男女別の差別募集の是正ですね。技術系に依然として多い差別募集の改善をしなくてはならないのではないか。それから、女子のみの募集も解消しなくてはいけないのではないか。労働省は、現行均等法で男子のみの募集は努力義務違反になるけれども、女子のみの募集は違反にならないという見解を示していらっしゃいますね。結果として、女子を特定の職種に固定して低賃金など不当な労働条件に押し込めているわけです。女子のみの募集も均等法上許されないのではないでしょうか。
#48
○政府委員(高橋柵太郎君) 現行均等法は、雇用の分野におきまして女子が男子と均等な取り扱いを受けていないという現状を改善するという観点から事業主に一定の措置を義務づけているものでございまして、これによりまして女子労働者の地位の向上を図ることを目的に制定されたものでございます。したがいまして、男子が例えば女子と均等の取り扱いを受けていない状態につきましてはもちろん直接触れるところではございませんし、女子に対して男子と同等の募集機会が与えられており、その上に追加的に女子のみの募集等による機会が与えられているということにつきましては均等法の規制の対象としているものではないというふうに考えておるところでございます。
#49
○西岡瑠璃子君 さらに、募集、採用、配置、昇進の禁止規定もしていかなくてはならないのではないかと思うんです。女性の勤続年数が短いことが雇用管理上難しかったということでこれができていないと思うんですけれども、事業主の努力義務から、今回の見直し時期において禁止規定にすべきではないかと思います。御見解を伺います。
#50
○政府委員(高橋柵太郎君) この均等法の制定の際の審議におきましてもいろいろな御見解があったわけでございまして、そのようないろいろな御見解をもとに現行の法規定が、保護と平等というような兼ね合いにおきまして制定されたものでございます。御意見の趣旨は十分承知をいたしておりますけれども、現在の状況におきましては、この均等法の趣旨がより広く定着をするように私ども行政努力によって指導を強化していくべきであるというふうに考えておるところでございます。
#51
○西岡瑠璃子君 なぜ私はそういうことを申しますかといいますと、転勤を伴いながら昇進をさせていくという巧妙な差別の固定化と言わざるを得ないコース別管理制、こういうのがあるわけですね。ですから、募集、採用、昇進昇格での新たな差別がここで生じておるわけですから、適切な運用を図るためのガイドラインの策定をこの際行うべきではないかと思うわけです。
 このことについては労働省は検討中というふうに伺っていますけれども、もしそうでしたら時期とか見通しを教えていただきたい。労働省は指針上も何ら触れておりません。放置されたまま、このまま差別がもっともっと急速に広がっていくのではないかという懸念があるわけですから、このことをどういうふうにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。
#52
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生の御指摘になられましたコース別雇用管理、このコース別雇用管理は各労働者の意欲、能力等に応じまして、総合職、一般職というようなコースに区分して雇用管理を行う方法でございまして、近年、金融・保険業等を初めとして目立ってきているところであります。このようなコース別の雇用管理の運用の実態を見ますと、問題のある企業も見られるわけでございますので、先生御指摘のようにこの制度の望ましいあり方を示す必要があるというふうに考えておりまして、これに基づいてコース別雇用管理をとる企業の望ましい制度づくり、運用を図ってまいりたい。近くコース別雇用管理の望ましいあり方というものを私どもお示しをしたいというふうに考えているところでございます。
#53
○西岡瑠璃子君 ちょっと時間が足りなくなってまいりましたのではしょりますけれども、行政指導の限界をやっぱり感じるわけですね。ですから、婦人少年室長の権限を強化していただかなくてはならないと思うわけですね。例えば資料提出命令権ですとか、あるいは立入調査権など認めるべきではないかと思うわけです。そしてもう一つは、機会均等調停委員会制度もできているわけですけれども、実際本当に救済措置としては極めて実効性に乏しい。ほとんど差別を当事者自身が申し立てることが困難というわけで、仮に申し立てがありましても使用者が協力しない限り前提としての事実把握さえもできませんから、指導に従わない場合の対抗措置もとれないわけです。明らかな禁止規定違反である差別定年制の是正すら長期にわたっているわけですから、何としても救済命令などの有効な救済措置や婦人少年室の指導、勧告に従わない場合の制裁措置なんかも設けるべきではないかと思うわけですけれども、いかがですか。
#54
○政府委員(高橋柵太郎君) 婦人少年室長は、均等法十四条に基づきます女子労働者からの紛争解決の援助を求められた場合に助言、指導等を行うということになっておりますし、三十三条には「必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をする」権限が与えられておりまして、このような規定に基づきまして企業におきます均等取り扱いの推進に努めてきたところでございまするが、これまでのところ九割近くが法の趣旨に沿った雇用管理制度の改善に結びついているところでございます。
 今後、さらに文書によります指導等の積極的な活用によりまして私ども効果的な指導に一層の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
#55
○西岡瑠璃子君 それでは、ちょっと時間がありませんので次に移らせていただきます。
 雇用における男女平等実現のための労働基準法関係ですけれども、女子に対する時間外労働と深夜業規制の緩和の問題についてお伺いしたいと思います。
 ことしの六月、総務庁の婦人就業対策等に関する行政監察結果に基づく勧告におきまして、妊娠、出産に係る母性保護規定を除く女子保護規定については、男女雇用機会均等の推進の観点から基本的なあり方について検討を進める必要があると指摘をいたしまして労働省に勧告をしたと聞いております。総務庁にお伺いいたします。そして労働省のお考えはどうなのか、お伺いしたいと思います。
#56
○説明員(勝野堅介君) お答え申し上げます。
 婦人就業対策等に関する行政監察結果に基づく勧告でございますが、この勧告は、雇用における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るという観点に立ちまして総務庁が行いました関係行政機関や事業所等の調査結果、事業者団体、労働団体等の意見等を総合的に勘案して取りまとめたものでございます。
 労働基準法の女子に係る規定のうち、妊娠及び出産に係る母性保護規定を除きました時間外労働、深夜業等の女子保護規定につきましては、男女が同一の基盤のもとで均等な処遇等を一層推進する観点から、さらに緩和すべきであるとする意見がございまして、また意欲、能力のある女子労働者に均等な雇用機会と待遇を確保するためにはこれらがネックとなっている状況が認められたわけでございます。
 以上のような状況から見まして、この労働基準法の女子保護規定のあり方につきましては、労働時間等男子を含む全体の労働環境の動向を踏まえつつ検討される必要があるわけでございますが、雇用における男女の均等な機会及び待遇を実質的に確保するという観点から、この女子保護規定のうち女子の時間外労働、深夜業等の規制の基本的なあり方について検討を進めるよう労働省に対して勧告したところでございます。
#57
○西岡瑠璃子君 労働省はどうなさいますか。
#58
○政府委員(高橋柵太郎君) 基準法の深夜業の女子保護規定等につきましては、六十年の法改正におきまして、男女の機会均等を確保するために男女が同一の基盤で働けるようその労働条件の法的枠組みを同じくする必要があるという観点から、将来的にはこれを解消するという展望に立ちながら、現実には女子がより重く家庭責任を負っていることを踏まえて現行の規定になったものでございます。
 こういう経緯を踏まえましてこれらの規定のあり方を考えます際には、男子を含めた全体の労働者の労働条件、労働環境等も勘案しつつ行う必要があるというふうに考えておりまして、ただいまお話のございました総務庁勧告の労働時間等男子を含む全体の労働環境の動向を踏まえつつ検討される必要があるという御指摘もその趣旨であるというふうに理解をしているわけでございます。これらの規定につきましては、さらに各労働環境の動向等の把握に努めながら、必要に応じ検討を加えていきたいというふうに思っております。
#59
○西岡瑠璃子君 私は、深刻な人手不足を女性の手で埋めようという企業寄りの思惑が勧告の背景にあるのではないかという気がしてなりません。そして、労働省の進める時間短縮の促進への障害にもなるというふうに思うわけです。労働時間は賃金とともに最も基本的な労働条件の一つでございます。人権保障、国際的潮流である男女平等の実現という二つの観点からこの点は見るべきであると思います。男女ともに職業を持ちつつ家庭生活を担うことのできる労働時間でなければなりません。
 日本では男性労働者に対して、三六協定によって野放し、青天井の所定外労働が可能とされております。このような過密労働のもとで人間らしい生活を犠牲にされている男性の労働者の労働時間を、むしろ女性労働者の保護基準のレベルに私は引き上げるということこそ今必要ではないかと思うわけでございます。そういった点で、行政監察の指摘では母性保護規定を除く女子保護規定の見直しを言われるけれども、私はむしろ母性保護もさらに強化をすべきであるというふうに思います。
 時間もございませんので、私の方ばかりしゃべってあれですけれども。
 五月に行われました日弁連の機会均等法見直しに関する決議にもございます、我が国の妊産婦の死亡率は世界の主要国のそれと比べて非常に高いわけです。こういった実情を踏まえまして、現行の産前六週間産後八週間の休業期間を産前八週間産後八週間に改正すべきではないかという点と、もう一つは、私は育児時間の延長もぜひお願いしたい。
 それはなぜかといいますと、さきに成立をいたしました男女ともの育児休業法は、来年四月一日から官民同時施行の実現がなされるということで期待されているわけですけれども、この法の考え方からいたしましても、育児を実質的に男女ともに分担するというこの観点で、育児時間の男性労働者への付与についても私は検討されるべきではないかと思っております。少なくとも一日一時間三十分から、あるいはできれば二時間ぐらいの範囲で育児時間を男女ともに付与していただきたい、このようにお願いしたい、よろしくお願いします。どうぞ、お答えをいただきたいんです。
#60
○政府委員(高橋柵太郎君) 御指摘の第一問でございますが、母性保護規定の強化の問題。母性の保護につきましては、女子自身の健康のためだけではなく、次代を担う国民の健全な育成という観点からも重要であるというふうに考えておりまして、六十年の労働基準法の改正におきまして産前産後休業等の母性保護に関する規定を拡充いたしたところでございます。その際、現行の産前休業の六週間につきましては、これを変更する積極的根拠は見当たらないということの基準法の委員会の専門委員報告が出ているところでございまして、それを踏まえての婦人少年問題審議会による建議におきまして特に触れられなかったこと等を踏まえたものでございます。以上の点から、現在産前休業を特に延長するという考え方は持っておりません。
 それから、第二の育児時間でございますが、基準法六十七条、これは一つは、産後と考えられます女子労働者の母性を保護する観点からこれが規定されているという趣旨もおるわけでございまして、この規定の趣旨から考えますと、その時間の延長の必要性というのは現在のところないというふうに考えております。
#61
○西岡瑠璃子君 時間がございませんので、今後も引き続き均等法につきまして質問の機会を持たせていただきたいということを申し上げて、今回はこれで終わります。
 ありがとうございました。
#62
○針生雄吉君 レディス・ハローワークというネーミングはニックネームであり、愛称であると思いますけれども、若い人にはアピールしそうな一面もありますけれども、年齢の高い方にとっては抵抗もありますし、いわゆる和製英語特有のあいまいさがあるということを一言申し上げておきたいと思います。
 若林局長に確認をしたいと思うのでありますけれども、今回の法案は、要するに女性専門の職業安定所を設けて、結婚とか子育てとかその他制約条件があって専業主婦などの形で家庭に入っている女性のマンパワーを引き出して活用したい。そして、今現在はさしあたって就職する意思はないけれども、近い将来二、三年の間に再就職の活動を再開したい。そういうような女性の方を登録しておいて、ダイレクトメール方式で求人側の情報を提供したり、あるいは各種の職業講習や職業訓練などの案内もし、さらにはサポートサービス情報も提供しようと、こういう趣旨でございますね。
#63
○政府委員(若林之矩君) 今回の事業の実施の趣旨は、就業の能力と意欲をお持ちでありますけれども、ただいま先生御指摘のように育児、家事、介護等の就業上の制約条件を抱えておられて無就業にとどまっておられる女性の方々がたくさんおられる、そういう方々に再就職についてのいろんな援助を申し上げるということでございます。その基本的な考え方は労働力不足であるので、そういったような潜在的な労働力、求職者を掘り起こしていこうということではございませんで、基本はあくまでもただいま申し上げましたように、そういったいろんな事情を抱えておられて現在再就職ができない方々に援助を申し上げて、そういう方々が働きやすい環境をつくっていくということが基本であるというふうに考えておるわけでございます。
#64
○針生雄吉君 ありがとうございました。
 さて、非常に初歩的な質問で恐縮でございますけれども、今度設置することになったレディス・ハローワークのみならず、従来からの職安業務も含めて求人側、求職側のお客さんに対する窓口サービス、接客サービスというものを真にお客さんのニーズにこたえられるものにするためにどのような努力をしてこられたか、また、これから改善のためにどのような対策を講じておられるかということをお聞きしたいと思います。
#65
○政府委員(若林之矩君) 私ども公共職業安定所においでになります求人者の方、求職者の方々にそれぞれのニーズに応じてできる限りのサービスを提供するというのが基本であるわけでございます。
 従来、ともすると職安というものについては暗いイメージがある、どうも行きにくいというような御指摘もいただいてまいりました。そういったことで、まず一つのイメージという点でございますけれども、一昨年、ニックネーム、愛称を公募いたしまして専門の先生方に選んでいただきまして、ハローワークという愛称で昨年から仕事をしているところでございます。これは愛称をつくったということでイメージを変えたわけではございませんで、それを機会にやはり質的にも私どもサービスを向上していかなきゃならないというふうに考えておるところでございまして、現在、全国の安定所でこういったような業務の改善と申しますか、こういったものに取り組んでおります。職員が一人一人参加をいたしまして、どういうような形でニーズにおこたえをするかということで業務の改善を実施いたしているところでございます。
 そういった形で、私ども具体的にはハローワーク・ガイダンス事業などをいたしておりまして、事業主の方々と求職者の方々を一堂に集めて職業紹介を実施するなど、そういったような一種の何と申しますか、事業を行っておりますが、さらに大きな展開といたしましては、高齢化社会が進展する、あるいは女性の方々のニーズが高まってくる、あるいは就業ニーズが多様化してくる、あるいは国際化が進展してくるということでございますので、それぞれに対応した職業安定所の展開を図る必要があるだろうというふうに考えているところでございます。
 具体的には、このレディス・ハローワークが女性の関係で一つでございます。さらにパートバンク、パートサテライトというようなものを展開いたしておるところでございます。また最近では、国際化という観点で日系のブラジル人の方、こういった方々の就労経路の適正化を図るために専門の相談機関を設置させていただきました。また、先ほどお話し申し上げましたように、介護の問題は大変大きな問題でございます。こういったような介護の労働力というものの需給調整のために福祉の重点のハローワークを設置するというようなことも現在検討しているところでございまして、こういったようなニーズに応じまして安定所の展開を図っていくということも考えているところでございます。
#66
○針生雄吉君 いろいろな施策を準備して誠意を持ってやっておられるということでございますが、求人側、求職側ともにいろいろな事情、条件あるいは性格が企業とか個人によって違っておりますので、対応する行政の窓口の方々も容易なことではないと思います。何といっても忘れてならないことは、人と人との触れ合いが窓口の命でございますので、人間性あふれる温かみのあるきめ細かな対応ということをぜひ忘れないように皆さんで確認をし合っていただきたいと思います。一般職安の窓口にいたしましても、相談に訪れる求職のお客さんというのは縁故関係でも余りはっきりしたものがない、あるいは就職情報誌だけでは直ちに判断できないという事情であるとか、あるいは性格的にもなじまないというふうな方も多いわけでありますので、そういう人に対する対応というもの、特に人間的な対応というものを要望したいと思います。
 最後に、今回のレディス・ハローワーク事業による女子のみの求人の促進というものが実質的には男女の雇用機関均等の趣旨に反することになりかねないかどうか、そういうことについて政府の御見解をお尋ねしたいと思います。
#67
○政府委員(若林之矩君) 男女雇用機会均等法におきましては、雇用の分野における男女の均等在機会、待遇の確保を促進いたしますために、国が女子労働者及び妊娠、出産、育児を理由として退職した女子に対する必要な職業指導、職業紹介、職業能力の再開発の措置等を講ずる必要がある旨を規定しておるわけでございます。レディス・ハローワーク事業におきましては、ただいま申しましたように女性の中でも特に就業上の制約条件を抱えるために潜在労働力化している方々を主な対象として、一般求職者以上にきめ細かな措置を講じてその再就職のお手伝いをしようというものでございまして、この法律の趣旨に反するものではないと考えておるわけでございまして、今後の事
業の推進に当たりましてもこの趣旨に沿って進めてまいりたいというふうに考えております。
#68
○針生雄吉君 いずれにいたしましても、今回の事業が職場における男女の役割分担を一層固定化するような方向に働かないように的確な運用を求めるものであります。
 以上、終わります。
#69
○山中郁子君 本案件の承認に当たりましては幾つか解明しておかなければならないことがあるのですが、とてもきょうの質疑時間ではそのことには触れてはおられませんので、具体的に重要な問題の一つである、これによって変化を生じると予想されている労働条件の問題についてお伺いいたします。
 既に大阪でこの提案が試行されているわけですけれども、大阪では十時から六時半までの勤務時間として試行されているというふうに伺っております。東京ではどのような形で行われる御計画か、伺いたい。
#70
○政府委員(若林之矩君) レディス・ハローワークにおきましては、就業を希望しながら育児、家事等のさまざまな制約条件を抱える主婦の方々等を対象にいたしまして、そのニーズに応じてきめ細かな職業紹介、職業相談を行うわけでございます。したがいまして、具体的なサービスの提供に当たりましてもこういった方々の日常的な生活空間でございますとか時間を十分考慮した効果的な業務展開を図ることが重要であるわけでございます。このため開庁及び閉庁時間につきまして一般の公共職業安定所より繰り下げることも検討いたしておりまして、この七月から試行を実施いたしております大阪におきましては、職員団体と合意のもとに開庁時間を午前十時から午後六時半までとして試行いたしているところでございます。
 東京及び大阪のレディス・ハローワークの勤務時間をどのようなものにするかということにつきましては、今後利用者へのサービスと勤務する職員の労働条件の両側面を十分に考慮いたしまして、試行の結果を踏まえながら検討いたしまして、職員団体とも鋭意話し合いをした上で決定していきたいというふうに考えております。
#71
○山中郁子君 東京の場合には、渋谷公共職業安定所宇田川町出張所ということになっておりますけれども、これは渋谷の西武デパート内だと伺っております。そういたしますと、そのことの確認も含めてですが、西武デパートの営業時間に合わせて基本をそこに置こうと思っていらっしゃるのかどうか伺いたい。
#72
○政府委員(若林之矩君) ただいま申しましたように、御利用になる方の生活空間と申しますか時間、こういったものを総合的に考えることが必要でございます。また、職員の労働条件にかかわることでございますから、それを全体として考えていくということでございまして、今後さらにこの点は、ただいま申しましたように職員団体とも鋭意話し合いをして決めていきたいというふうに考えております。
#73
○山中郁子君 具体的な問題が見えてこないんです。目前に迫っているのよね、東京における開始も。
 それで伺いたいのですが、デパートは日曜日はお休みではありません。定休日がそれぞれ別にあります。したがって、具体的にお答えいただきたいんだけれども、執務時間もデパートの開店時間に合わせるというおつもりですか。そういうお考えをお持ちなんですか。
#74
○政府委員(若林之矩君) 開庁時間及び閉庁時間を含めました業務執行体制のあり方につきまして、先ほど来申しましたように職員団体と話し合いを続けているところでございまして、日曜日、祝日の開庁とこれに伴う勤務体制をどうするかという点が現在話し合いの最大のポイントでございまして、鋭意話し合いを続けていきたいというふうに思っております。
#75
○山中郁子君 鋭意話し合いを続けていると言ったって目前に迫っているわけよね。
 それで、私が申し上げたいのは、一つは職安、つまり職業安定事業というのは、そこで従事している職員の方々も含めて労働行政の大きな柱ですよ。基本的には今まで職安の業務というのは、昔の言葉で言うことになるんですが、いわゆる官報勤務ですね。常日勤ですよね、常日勤の勤務だったわけですよね、基本が。若干の例外みたいなものがあるということについての御説明をいただいておりますけれども、基本はそうなるわけでしょう。それで、そこの点が大きくさま変わりする糸口にこの問題がなるんじゃないですか。
 もう既に大阪の場合には十時から六時半ということになってきているわけなのね。しかも、今度はデパートの中だから週休日の問題も絡んでくる。そこのところで私どもは職員団体とおっしゃっている労働組合の皆さんの御意見も伺ってきておりますし、それからまた、大阪での実情についても労働省の方からの調査も伺っているし、実情についても非常にオーバーワークが多くなってきているとか、そういういろんな問題点を伺っているんですけれども、ここのところをやはりかなりきちんと労働団体、職員団体とよく話し合ってというふうにおっしゃっているけれども、そこがちゃんとした合意がつくられなければ、労働組合なりあなた方がおっしゃっている職員団体の意向が踏みにじられるような形で強行されるような、業務が開始されるということであっては絶対にならないと私は思っておりますので、このところはぜひどうぞ大臣からの責任ある御答弁をちょうだいしたいと思います。
#76
○国務大臣(小里貞利君) 先生の御指摘になっておられるところは趣旨としてよくわかります。
 先ほど局長が答弁申し上げましたように、何と申し上げましても当該事業者の客体である女子労働者の皆様方あるいは就業を希望せられる皆様方の便宜を図るということが大事でございます。また、劣らず、その業務を執行する、計画を推進する業務体制の中心は職員でありますから、職員のその勤務条件に同意を得るということも極めて大事なことでございまして、先ほど先生が言外に若干触れておいでになるかなと感じました当該事業所をデパート内に置くからというお話でございますが、私は、デパート本来の固有の業務に先ほど申し上げました二点の重要な基本事項というものは拘束されてはならぬ、そういうふうに考えております。
#77
○山中郁子君 大臣にもう一回。今デパートの先ほどお話があった二点の業務に拘束される、ちょっと意味がわからなかったんでもう一度教えてください。
#78
○国務大臣(小里貞利君) デパート本来の固有事務というのは、ある意味では第三者でございますから、あくまで基本は、まずその当該事業所を活用する国民、婦人労働者の皆様方が最も合理的に便利に利用しやすいように、同時にまた、そこでお働きになる職員の勤務条件等についての同意を得ることが一番大事だ、これを最優先して考えるべきである、このことをきちんとあっさり申し上げたわけでございます。
#79
○山中郁子君 そうすると、デパートの中にたまたま置くからといって、デパートの業務に左右されるというか拘束されるというか、そういうことではないということに受け取ってよろしゅうございますか。
#80
○政府委員(若林之矩君) 先ほど先生が大阪の試行の例をお示しになりました。大阪におきましては六時半まで業務を行っております。そして、皆様方の評価は大変高いわけでございまして、利用される方の評価は高いわけでございます。こういうことも非常に重要なことであろうと思います。
 いずれにいたしましても、私ども、いろいろな試行を繰り返しながらこの仕事を進めていかなきゃならないというふうに思っております。勤務時間の問題につきましても、やはりそういったような状況をいろいろとトライしながら進めていかなきゃならないというふうに考えているわけでございまして、進めるに当たりましてはただいま大臣がお答えになりましたようなことを基本として試行を進めてまいりたいというふうに考えており
ます。
#81
○山中郁子君 私がさっき大臣にお尋ねしたのは、だからデパートの業務に左右されるものではないと。あくまでも職員の労働条件というものは合意の上でということについてはお約束いただけると、このように理解してよろしゅうございますね。
#82
○国務大臣(小里貞利君) 全くおっしゃるとおりでございまして、私が先ほどデパート本来の固有の業務に拘束されることを第一義としない。我々はあくまで先ほど申し上げました労働者の合意を得ること、同時にまた、本来この事業所を設置いたしました目的が最も十分に合理的に達成しやすいことの枠組みをつくることが最も大事だと、かように申し上げておるところでございます。
#83
○山中郁子君 そこで、やっぱりもう一つ詰めなきゃいけないことは、職員の労働条件ということと、本来これをつくったニーズにこたえるものとの間の矛盾というのはないわけじゃないのよね。それが二つのことだというふうにおっしゃると、二つの間の矛盾というのがあるわけ。ですから、私はもう本当に限られた時間だから、この際、最初に申し上げたように、今鋭意職員団体とお話ししていますとおっしゃっているから、私はそのことに限って、ちゃんとした合意の上でおやりになるんですねということのお約束を、局長はいい、大臣にお答えいただきたい。
#84
○国務大臣(小里貞利君) 先生御発言の趣旨は最高に尊重しながら、鋭意折衝に当たってまいりたいと思います。
#85
○山中郁子君 もう一点だけ伺います。
 今後のこうした設置の展望だとか、あるいはパートバンクとの関係だとかという今後の見通しの問題についてお考えがありましたらちょっと伺っておきたい。
#86
○政府委員(若林之矩君) 今後の展開の問題でございますけれども、やはりこういったような求職者の方の数は大都市圏で多いだろうというふうに思っております。したがいまして、基本的には大都市圏においてさらに増設ということが検討されるべきではないかというふうに考えておりますが、また一方では、各地方において大都市圏以外におきましても同様のニーズがあるわけでございまして、こういったところにおきましては、それぞれの重点と申しますか、中核的な安定所と申しますか、こういったところで処理するということも含めまして検討していきたいというふうに思っております。
#87
○山中郁子君 終わります。
#88
○乾晴美君 私、このレディス・ハローワーク事業の創設については基本的には反対ではないわけなんです。
 先ほど同僚議員の針生議員の方から、労働力の不足のために女性を引っ張り出してくるのではないかという質問に対しましては、そうではないと、いわゆる労働権は基本的人権であると、女性も働くことができるんだという趣旨のもとでこれが出てきたということなんです。
 労務行政研究所が実施しました主要企業の在籍率の調査によりますと、入社後五年で、大卒男子は約八〇%の在籍率であるのに対して、女性の場合は五〇%強ということで、約半分が退職しているということのようであります。また、女性の年齢別労働力率を見てみますと、M字形のいわゆる就労構造であるということはこれはよく知られているわけなんですが、私は、このレディス・ハローワークの機能がこのM字形の後半の部分の山を高くするということには効果はあると思います。
 しかし、重要なことは、M字形の後ろの山を大きくするというのでなくて、下がっている谷をどう上げられるのかということだろうと思うんですね。それはやっぱり女性が働き続けられなくてMになっているということなんですけれども、働き続けられないというその原因をどのように究明しているのか。そして、労働省の方は御見解をどのように持っておられるかということをお聞かせ願いたいと思います。
#89
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生御指摘のように、女子労働力率を年齢階級別に見ますと、二十歳―二十四歳層の七五・一%と四十五歳―四十九歳層の七一・七%、これを左右の頂点といたしまして、三十歳―三十四歳層の五一・七%を底とするM字形曲線を描いているわけでございます。その背景といたしましては、女子労働者の中で、結婚、出産を契機に労働市場から退出し、その後、子育ての負担の軽減とともに労働市場に再参入することが多いということが挙げられると思います。また、結婚、出産を契機に労働市場から退出する者の多い理由としては、育児等について現状では女子の方がより多きな負担を負っていること、あるいは子育て期にはそれに専念したいという者等がいることなどが考えられるわけでございます。
 いずれにいたしましても、雇用を継続するあるいは就業を継続する、そういう働きやすい条件をどういうふうに整備していくかということでございまするので、先般の育児休業法等の制定もその一環でございますけれども、そういった働く環境の整備に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#90
○乾晴美君 女性の働きやすい場の提供だというお答えのようだったと思いますけれども、いわゆる連合総研ですか、連合の総合生活開発研究所が平成三年七月に発表いたしました平成二年度の新時代の労使関係に関する調査研究というのがあるんですが、特に女性労働者に関する調査研究があるわけなんです。それちょっと読ましていただきますと、企業と女性との間に明らかにギャップがあるわけですね。企業が現行の処遇条件、制度を変えないでそのままの範囲で女性を活用していこうということが非常に浮き彫りになってきているわけなんです。そういうことであれば、企業側の女性に対する考え方ということを変えていかないと、うまく女性が働き続けられないのではないかというように思いますけれども、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(小里貞利君) けさほども、乾先生がそのことをお尋ねになるということで、私も事務当局とちょっと研究いたしたんでございますが、なるほど連合総研、御指摘のような一つの調査の結果も出ておりまして、女子労働者側は、育児が終わると再び職業を持つという再就職型や出産後も仕事を続けるという継続型が多いと。そういう一つの結果に対しまして、企業側は、女性は結婚退職が主流であるとしているというギャップがあり、女性の企業に求める雇用管理と企業とのいわゆる対応のずれが根底となっているという結果であると、こう伺ったわけです。
 職場における意識と実態の差異の問題には難しい面もございますけれども、女性が職業と家庭を両立させてそして働くこと、そして、同時にまた家庭の生活を両立させていけるような職場環境をつくっていくということは極めて重要でございまして、企業において女性の能力発揮が図られるための施策についても今後努力すると同時に、職場の中に見られる男女の固定的な役割分担意識についてはその是正のための機運の醸成を図ってまいらなければならない、かように考えております。
#92
○乾晴美君 ありがとうございます。
 私、男は仕事女は家庭だというような、こういう固定的役割分業意識が払拭され切っていないのではないかというように思っておりましたけれども、ちゃんとそれもやりますというお答えでございますので、うれしゅうございます。
 それでは、続きましてレディス・ハローワークの事業内容を見せていただきますと、パートタイムだとか、またフルタイムパートタイムですか、そういった人の職業紹介も行うということなんですけれども、これはパートバンクだとかパートサテライトの業務と競合するのではないかなというように思いますけれども、いかがでしょうか。
#93
○政府委員(若林之矩君) レディス・ハローワークは、主に育児、家事、介護等さまざまな就業上の制約条件をお持ちで、今すぐにはなかなか働くことが難しいというような事情をお持ちの潜在的な女子求職者の方々に対しまして、さまざまな就業形態に対応した再就職の援助をするというのを基本といたしております。これに対しまして、パートバンクとパートサテライトは、今すぐにパートタイム労働者として就職できる条件をお持ちの求職者の方々の再就職の促進というものを図ることを目的としておるわけでございまして、パートタイム労働者が地域密着型でございますことからも、おおむね十万人以上の都市におきまして地域に密着した展開を図るということで進めております。
#94
○乾晴美君 そのパートバンクの話なんですけれども、平成四年度の概算要求によりますと、パートバンクというのは現在の六十から七十にして十個をふやすということで進み、またパートサテライトについては二十五個から四十個で十五個ふやしていく、こういうことなんですけれども、これは徳島県の場合は、この七十の中にもパートバンクというのは設置できてないんですね。六十の中には、四国からいえば愛媛県が入っているということです。今度七十になりましたら香川県が入るということです。そうしたら、四国は二分の一の県が入ってない、高知県と徳島県と入ってないということなんです。
 そうすると、真新しいというか目新しいことをいろいろしていて、やっていますよということもいいことなんですけれども、過疎県といいましょうか小さな県というか、非常にパートバンクを開きたいといっても開けないというような県もあることをぜひお忘れなくしていただきたいと思うんです。徳島県は平成五年に駅前ビルというのが建つんですね。そこにパートバンクができたらいいのになというふうに私は思っているんですけれども、そこら辺のことをちょっと聞かしていただきたいと思います。
#95
○政府委員(若林之矩君) パートバンクにつきましては、原則として人口二十万人以上の地域労働市場圏の中心都市でございます。パートサテライトは十万人以上でございます。パートバンクは、二十万人以上の地域の労働市場圏の中心都市に対しまして、それぞれの地域の要望を踏まえながら、全国及び各労働市場圏のパートタイム労働力の需給情勢の状況と全国的なバランスというものを判断いたしまして設置いたしているところでございます。ただいま御指摘のように六十所あるわけでございますが、さらに平成四年度は十カ所増設するということにいたしております。
 今後の具体的な設置箇所につきましては、地元の要望を十分踏まえながら、各地域のパートタイム労働市場の分析と、それからただいま先生設置場所についてのお話がございましたけれども、そういったような設置場所等の適否と申しますか、こういったものを総合的に判断して展開をしていくということでございまして、ただいま申しましたように、地元の要望等も十分踏まえて対応していきたいというふうに考えているところでございます。
#96
○乾晴美君 二十万人以上の都市ということで、徳島市は二十六万人数がおるわけでありますので、大丈夫なんだな、じゃ要求すれば可能性があるんだなということで、大変うれしく思います。
 時間が参りましたようなので終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#97
○橋本孝一郎君 レディス・ハローワークは結構なシステムなんですが、いろいろ聞いておりますと、ダブっていないような質問で、まだ通告していないかもしれませんからちょっとそれますけれども、要するに女子労働力のデータを、いわゆる働きたいという意思が厚い人を登録制のもとに的確に把握するということが一つのポイントだと思うんですね。その場合に、今の施行された二カ所、これから将来に向かってスクラップ・アンド・ビルドのシステムで今後大都市中心に設置されていくわけですけれども、そういう労働力を把握する場合に必ずしも大都市と限っていいのかどうかという問題があると思うんですけれども、実際に本当に必要な地域ということになると、もっと融通性があってもいいんじゃないか。
 先ほどデパートの一角というお話もございましたけれども、あるいは地域広報等で移動日を決めて、いわゆる移動式の相談所といいましょうか、そういうものを考えるとか、もっと融通性があって、そしてしかも的確なデータがそろえられる。そうであれば、また求人者の方もそれを頼りにするだろうし、それほどの立派なものができていけば、必ずそれは利用されるだろうと思います。そういう面において、もっと基本的にそういう融通性のある考えがあるのかどうか、ひとつお尋ねしたいと思います。
#98
○政府委員(若林之矩君) レディス・ハローワークの設置につきましては、やはりそういったような求職者の方々が多いところ、一般には大都市圏だと思いますけれども、大都市圏に設置していくということが基本であろうかと思います。しかしまた、大都市圏以外のところでもそういったニードがあるわけでございますので、地方につきましてもやはり中核的な安定所などを活用いたしましてそういったような事業を進めるということも一つの検討の課題ではないかというふうに思っています。
 ただいま先生御指摘のように、移動相談所と申しますか、そういったものを行って求職者の方々のニードにこたえるべきではないかという御指摘でございますが、これも確かに一つの検討すべき課題ではないかというふうに思っております。まず、今レディス・ハロー・ワークを始めまして、そういったところでおいでになる方々のニードでございますとか、あるいは住んでおられる地域でございますとか、こういったものを十分に分析しながら今後の事業展開を進めていきたいと思っておりますけれども、それに当たりましては先生のただいまの御提一言も参考にさせていただきたいと思います。
#99
○橋本孝一郎君 結構です、
#100
○西川潔君 地元大阪で七月にオープンいたしましたハローワークでございますが、たびたび地元では新聞の記事を目にするわけですが、従来の職安のイメージを打ち破ったということで大阪では評判は上々でございますが、お越しになるお客様方、いわゆるお客さんと、お訪ねになる方々をお客さんと呼びながら、こういうふうなお仕事の状態でございます。そしてまた、皆さんは、日ごろ我々も持っておりますが、お役所意識を改革されたということで大変評判もいいようでございます。全国的にもっともっと広めていっていただきたいというのが僕の正直な感想でございます。
 受けてますハローワークというふうに新聞を見せていただいたんですが、七月の一カ月間だけでも三千二百二十七人ものお客様が来られたということで、ただ心配なのは二十代から三十歳代という方が大変多いということでございます。そのお仕事も、比較的少ないコンピューターのプログラマーや薬剤師というふうな専門職に集中しておりまして、求人側のニーズとは必ずしも合致していないようであります。このあたりが今後の課題ではないかというふうに思うんです。
 最近の若い人たちの就職先を選ぶポイントといたしましては、花長風月というんですか、まず花は花形産業へ行きたい、長は長期休暇がある会社に行きたい、風の方は社風がよいところに行きたい、そして月は月給が高いところへ行きたい、こういうふうに若い方々はおっしゃるんですけれども、労働時間の短縮を初め労働条件の改善や雇用管理の面の工夫など企業側の努力を呼びかけておられますが、こうした若年労働者に対して今後どういうふうに指導していかれるのか、対策をされるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(小里貞利君) いわゆる職業意識の変化等に背景にいたしまして、若年者の離転職者と申し上げますか、これが顕著に増加いたしておるという一つの背景をとらえながらのお話だと思うんでございますが、若年者の職業選択につきましてはきめ細かく指導あるいは援助を申し上げる、
その必要性がますます高まっておる、かように基本的に認識をいたしております。若年者の特に働きがいのあるいわゆるそういう就業機会の実現を図るため、特に若年者のいわゆる就業援助の充実等の対策を推進していく必要がある、かように考えております。
#102
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 私もパンフレットもいただいてまいりましたが、「ザ職安」という大変格好のいいものができ上がっております。中身も見せていただきますときめ細かく書いてあるんですが、明るくて親しみやすい雰囲気で、託児所の紹介など若い方や主婦の方々に大変配慮をされたということを強く感じるわけです。現実に大阪レディス・ハローワークでは若い方々が大変多いわけですけれども、私は老人福祉を長年やらせていただきまして、逆に高齢者への配慮は今後どういうふうにされるのかというのも一点お伺いしておきたいと思います。
#103
○政府委員(若林之矩君) 大阪の試行の状況を見てみますと、おいでになる方の六割程度は二十五。歳から四十四歳の方でございます。しかし、高齢者でございましても同様のサービスは提供いたしておりますし、七月におきます状況を見ますと五十人程度の高齢者の方の御利用がございました。
 高齢の女子潜在求職者につきましては、やはりどちらかというと長い間職場を離れていらっしゃる方もそれだけ多いんじゃないかと思いますし、そういった面で心理的な不安を感じていらっしゃる方も多いかと存じます。そういった方についてはやはり必要に応じまして職業講習等々のサービスも提供いたしまして、できるだけそういった方々のニーズに応じられるような業務展開をしていきたいなというふうに思っております。おいでになりました方の御希望も今後よく分析をいたしまして対応してまいりたいと思っております。
#104
○西川潔君 今局長さんもおっしゃっておられましたが、いろいろメニューがございまして、サタデー号で行こうという、土曜日などは特別にいろいろ講座を開かれていろんなことをやっておられるそうでございますが、これはいいことだと思います。
 もう一点、早口になって申しわけないんですが、お伺いしたいのは、女性職業財団と業務提携を行われるということをお伺いしておりますが、具体的にはこの財団とはどういうふうにどういう関係で実施されていかれるのか、お伺いしたいと思います。
#105
○政府委員(若林之矩君) このレディス・ハローワークの事業を展開いたしますにつきましては、いろいろな団体等との十分な連携を図っていきたいというふうに考えておりますけれども、女性職業財団との連携につきましても、この財団が十月から働く女性のための就業支援事業というものを始めることを予定いたしております。これは、保育園とかホームヘルパー等に関します情報を集めるという事業でございまして、この財団の集めてまいります保育園とかホームヘルパー等に関します情報、こういったものも十分に活用してまいりたいと存じておりまして、こういった面でこの女性職業財団との連携を密にしていきたいと考えております。
#106
○西川潔君 少しでも多くの情報提供ができるように、他の公共機関との連携はぜひとも必要であると思いますので、よろしくお願いいたします。
 そこで、僕が一点お伺いしたいのは看護婦さんの紹介についてでございますが、ハローワークとナースバンクとそれぞれに行われておりますが、この両機関の連携は現在は十分に行っておられますでしょうか。
#107
○政府委員(若林之矩君) レディス・ハローワークとナースバンクの関係でございますけれども、レディス・ハローワークはもとより再就職の援助でございます。したがいまして、これはすべての職種について対応しているわけでございますけれども、看護婦さんの職業紹介につきましてはむしろ公共職業安定所そのものでこれまで実施をいたしてまいっております。しかし、今後こういったような看護婦さんを初めといたします社会福祉関係の労働力、労働者の方々につきまして、その確保につきましては、まず公共職業安定所が中心になりまして、レディス・ハローワークやその他労働大臣の許可を得てナースバンクで無料職業紹介をいたしているわけでございますので、こういったような関係の機関が一体となって仕事を進めていくということが大事では狂いかというふうに考えているところでございます。
#108
○西川潔君 本当に大切な関係ではないかなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 高齢化社会の進展に伴いまして看護婦さんの不足は本当に大きな社会問題になっておりますし、組織が別であるからハローワークに行った場合はそこで持っている情報しか提供できないということではなく、例えばハローワークヘ参りますと厚生省のナースバンクの情報も提供していただける、またナースバンクでもハローワークの情報を提供していただけるようになれば、利用者にとっては本当に選択の幅が広がるわけですからこれ以上のすばらしいことはないと思いますから、ひとつこれをぜひぜひ前向きにやっていただきたいと思うんですが、大臣からも言いただけないでしょうか。
#109
○国務大臣(小里貞利君) おっしゃるとおり、前向きで。進めてまいりたいと思っております。
#110
○西川潔君 最後の質問になりますが、今回レディス・ハローワークを設置されるわけですけれども、平成四年度の概算要求では先ほど局長さんもおっしゃっておられましたが、福祉重点ハローワークの指定も盛り込まれております。今後、公共職業安定所の運営をどのような方法で進めていかれるのか。女性の方は今でもまだ七百八十万人以上の方が働きたいというようなアンケートも出ておりますが、その辺を最後にお伺いしたいと思います。
#111
○国務大臣(小里貞利君) 端的に申し上げまして、公共職業安定所の行政及び業務の関係でさまざまな国民のニーズはますます質、量ともに高まってまいっております。私どもは、本来の業務も大事にしながら、さらにまた適宜、機敏にそれに対応できるように心得てまいらなければならないと思いますが、特に二十一世紀に向けまして、ただいまお話がございました高齢化が進展する中で、いわゆる高齢者の看護を中心とした福祉サービスに対する需要は急速に高まってまいります。そのサービスのいわば担い手でございます福祉労働力の確保、これが喫緊の課題である、さような認識をいたしております。
 お話ございましたように、公共職業安定所では従来から看護婦等の職業紹介を推進してきているところでございますが、平成四年度は潜在福祉労働力確保の拠点となる公共職業安定所をいわゆる福祉重点ハローワークとして指定いたしまして広く潜在的労働力を確保できるように、もちろんその前提として登録をいたしまして、これに積極的な情報提供あるいは啓発、督励、綿密な相談などを行いましてその趣旨の達成に努力してまいりたい、かように考えております。
#112
○西川潔君 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#113
○委員長(向山一人君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山東昭子君、田代由紀男君及び佐々木満君が委員を辞任され、その補欠として木暮山人君、石井道子君及び陣内孝雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#114
○委員長(向山一人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願
います。
   〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(向山一人君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#117
○委員長(向山一人君) 次に、積雪又は寒冷の度が特に高い地域における指定業種関係労働者の年間を通じた雇用の確保等に関する法律案を議題といたします。
 発議者対馬孝且君から趣旨説明を聴取いたします。対馬孝且君。
#118
○対馬孝且君 ただいま議題となりました積雪又は寒冷の度が特に高い地域における指定業種関係労働者の年間を通じた雇用の確保等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 北海道を初めとする北国の冬は、温暖な地方に住んでいる人々の想像を超えるほど長くて厳しいものであります。このため、これらの地域におきましては、冬期に積雪、寒冷などの厳しい気象条件に阻害をされて建設業等の事業活動が著しく低下し、その結果、地域経済活動の停滞、大量の季節的失業者の発生、出稼ぎの増加等さまざまな経済的、社会的問題が生じているところであります。
 例えば北海道を例にとりますと、冬期における建設工事量は夏期の十分の一近くまで落ち込みます。この冬期における建設活動の低下の影響は建設労働者の雇用状況に最もよくあらわれており、建設業における夏期と冬期の雇用者数の差は約十五万人にも及んでおります。この建設業における季節労働者を初め、北海道には約二十三万人の季節労働者が存在をしております。北海道の雇用労働者数が約百九十四万人といわれておりますから、北海道の雇用労働者のおよそ八人に一人が季節労働者ということになるわけであります。
 そして、これらの季節労働者は、その大半が通年雇用を希望しているにもかかわらず、冬期に失業を余儀なくされているのであって、その間、これらの人々は、雇用保険法の特例一時金の受給や預貯金の取り崩しなどによって、かろうじて生計を立てているというのが実情なのであります。なお、この特例一時金の支給額は、北海道の建設業の季節労働者に支払われているものに限ってみましても年度合計で四百億円余にも上っております。
 北海道等におけるこのような問題を解決するためには、通年雇用の確保、通年施工の促進が不可欠であります。この通年雇用、通年施工の問題は古くて新しい問題であり、これまで、雇用促進事業団法による通年雇用設備設置資金融資制度、雇用保険法による通年雇用奨励金制度、暫定措置としての冬期雇用安定奨励金、冬期技能講習助成給付金制度等の種々の対応策が講じられてきたところではありますが、残念ながら十分な効果を上げているとは申せません。そこで、この際、季節労働者の職業及び生活の安定と地域経済の健全な発展を図るためには、新規立法により、通年雇用の確保、通年施工の促進のための諸施策を積極的かつ強力に推進していく必要があると考えられ、ここに本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。
 まず第一に、この法律で対象とする地域は、通年雇用対策地域及び特別通年雇用対策地域の二つの地域としております。
 通年雇用対策地域は、積雪または寒冷の度が特に高いため、季節的にその地域内に所在する相当数の事業所の事業活動に支障が生ずる地域を、特別通年雇用対策地域は、通年雇用対策地域のうち、積雪または寒冷の度が著しく高いため、季節的にその地域内に所在する相当数の事業所の事業活動に著しい支障が生じ、かつ、雇用に関する状況が著しく悪化する地域を指定することとしております。
 第二に、これらの地域における建設業等の指定業種に係る事業所に雇用されている労働者等の年間を通じた雇用の確保等のため、労働大臣は通年雇用対策指針を策定することとしております。
 第三に、通年雇用対策地域においては、指定業種に係る事業所に雇用されている労働者に関し、年間を通じた雇用の確保等の措置を講ずる事業主に対して必要な助成及び援助を行うほか、雇用促進事業団の行う資金の貸し付け、雇用促進事業団の行う施設の設置に関する特別の配慮、積雪または寒冷の度が特に高いために必要となる設備の設置または整備に要する費用等の助成等の施策を実施することとしております。
 第四に、特別通年雇用対策地域においては、通年雇用対策地域に係る施策のほか、季節的な離職を余儀なくされる労働者の再雇用の促進等のための助成及び援助の措置を講ずるとともに、これらの労働者の年間を通じた雇用を促進するための職業訓練、職業紹介等の施策を実施することとしております。
 第五に、国、地方公共団体等は、公共事業の計画実施に当たって、指定業種に係る事業所において通年施工ができるように配慮するとともに、通年施工のために必要な事項に関する研究等を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算をして六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、特別通年雇用対策地域に関する施策については、この法律の施行の日から十年間を限り実施されるものとし、この期間の経過に際し、特別指定業種に係る事業所における事業活動の状況等を考慮して検討を加え、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるべきものとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
#119
○委員長(向山一人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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