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1991/09/19 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 運輸委員会 第2号
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1991/09/19 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 運輸委員会 第2号

#1
第121回国会 運輸委員会 第2号
平成三年九月十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     菅野  壽君
 九月十一日
    辞任         補欠選任
     菅野  壽君     堀  利和君
  出席者は左のとおり。
    委員長         峯山 昭範君
    理 事
                鹿熊 安正君
                野沢 太三君
                櫻井 規順君
                中川 嘉美君
    委 員
                伊江 朝雄君
                上杉 光弘君
                狩野 明男君
                片山虎之助君
                谷川 寛三君
                二木 秀夫君
                稲村 稔夫君
                佐藤 三吾君
                渕上 貞雄君
                堀  利和君
                小笠原貞子君
                新坂 一雄君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  村岡 兼造君
   政府委員
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸大臣官房総
       務審議官
       兼貨物流通本部
       長        土坂 泰敏君
       運輸省運輸政策
       局長       大塚 秀夫君
       運輸省鉄道局長  井山 嗣夫君
       運輸省自動車交
       通局長      水田 嘉憲君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       長        堀込 徳年君
       運輸省港湾局長  上村 正明君
       運輸省航空局長  松尾 道彦君
       運輸省航空局技
       術部長      加藤  晋君
       海上保安庁次長  小和田 統君
       気象庁長官    立平 良三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
   説明員
       建設省都市局都
       市再開発課長   高橋 健文君
       自治大臣官房参
       事官       北里 敏明君
       自治省財政局指
       導課長      中里 清敏君
   参考人
       日本国有鉄道清 
       算事業団理事長  石月 昭二君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   岡山  惇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸政策審議会答申と旅客輸送における労働
 力不足対策に関する件)
 (JRの不当労働行為問題に関する件)
 (信楽高原鉄道事故の原因究明、補償、運転再
 開等の問題に関する件)
 (心身障害者等に対する運賃割引等モビリティ
 確保の促進に関する件)
 (茨城県常陸那珂港の整備促進等に関する件)
 (第六次空港整備計画と地方空港の整備、国際
 化の推進に関する件)
 (ヘリコプター事故多発と今後の安全対策に関
 する件)
 (北海道の火山、流氷監視体制の強化等に関す
 る件)
 (リニア・モーターカー山梨実験線建設と実用
 化促進等に関する件)
 (国鉄長期債務償還基本計画の見直しに関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に日本国有鉄道清算事業団理事長石月昭二君及び同事業団理事岡山惇君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#4
○委員長(峯山昭範君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○櫻井規順君 最初に、先般出されました運輸政策審議会の答申、続いて大きな柱として伊豆半島南部の集中豪雨に関連をいたしまして、大きく分けて二つのテーマで質問をさせていただきます。
 最初に、運輸政策審議会の六月に答申されました「二十一世紀に向けての九〇年代の交通政策の基本課題への対応について」、この答申について質問をいたします。
 過去、一九七一年に七〇年代の運輸政策、それから八一年に八〇年代の基本政策、それぞれ運輸政策審議会で出されているわけであります。
 そこで、大臣にお聞きするわけでありますが、今般出されました二十一世紀に向けての九〇年代の運輸の基本政策は、過去の運政審答申の焼き直しであってはならないと思うわけであります。大臣は、その特徴点をかいつまんでどういうふうに御理解されているかお聞きするわけでありますが、平成二年度の運輸白書を見ますと、運輸行政の基本といたしまして、運輸関連社会資本の整備とあわせましていわゆる労働力不足という問題が大きな一つの柱として据えられているわけであります。端的に言って、今度の運政審答申はこのもう一つの柱であります労働力不足という観点の追求が十の答申全体に貫かれていない、こういうふうに私は考えるわけでありますが、大臣の所見はいかがでしょうか。
#6
○国務大臣(村岡兼造君) 一九九〇年代を迎えまして、我が国は国民生活や国民意識が高度化、多様化し、また地域交通の変化や高齢化の進展あるいは国際化の進展などが見られ、経済社会が大きな変革の過程にあります。交通運輸の分野におきましても、このような状況の中で解決を迫られております。数多くの課題が山積をいたしております。
 これらの課題につきまして、二十一世紀を展望した九〇年代の交通政策の基本的方向を確立するために、平成元年十一月、運輸政策審議会に対しまして「二十一世紀に向けての九〇年代の交通政策の基本的課題への対応について」の諮問を行い、昨年十二月から本年六月にかけまして政策課題ごとに全部で十の答申をいただきました。
 これらの答申におきましては、多極分散型国土の形成を促進するための幹線旅客交通システムの整備方策、大都市問題に対処するための大都市鉄道の整備方策を初めとして社会資本整備に関係する各種の政策提言がなされ、また運輸産業における労働力不足問題も極めて重要な課題であるとの認識のもとに、魅力ある職場づくり、省力化の推進などの種々の対応策につきまして提言をいただいております。
 運輸省といたしましては、これらの提言を九〇年代に着実に実現していくことができますように、各答申のそれぞれの政策課題ごとに担当部局において検討を進めているところであります。
 以上であります。
#7
○櫻井規順君 大臣のお話ですが、十の答申のうち、あえて労働力不足、輸送の担い手の問題を系統的に追求されているのは物流だけではないかと私は読んで感ずるわけであります。
 問題は、旅客の輸送業において人手不足というものが目に余るといいますか、果たして二十一世紀に向けてその担い手が継続しているであろうかと大変不安を持つものであります。経済の動きは、いろいろなトレンドを描きながら、国際化、特に二十四時間化という傾向が経済活動で求められているわけであります。しかし、働き手の方から見ますと、もうゆとりの時代でありまして、時間短縮を強く求められているわけであります。そういう中で、旅客輸送、特にバス、タクシーの面で余りにも人手不足問題の長期政策の追求が足りないのではないかと思うんですが、その辺いかがですか。
#8
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸政策審議会の審議過程におきましては、物流分野では、当面特に労働力不足問題が最大の課題であるとの認識でここに焦点を当てて物流部会の答申を行ったわけでございますが、旅客交通の分野、特にバス、タクシーの労働力問題につきましても、先生御指摘のとおり、今大きな課題でございます。
 そこで、運輸政策審議会の答申の中でも、総合部会の答申におきましては、運輸産業全般にわたって労働力確保の困難性及びその対応策について述べておりますし、特にバス、タクシー問題に関しましては、地域交通部会の答申におきましても、バス、タクシーの労働力を確保するために労働時間の短縮、賃金水準の適正化あるいは福利厚生の充実による魅力ある職場づくり、また、対応策の一つとして高齢者及び女子の労働力の積極的な活用などの施策を提言しております。また、この答申におきまして、限られた労働力の有効活用を図るために、列車の増発、深夜急行バス、乗り合いタクシーなどの深夜輸送対策が提言されているところでございます。
 このように、私どもとしては運輸政策審議会の答申をまつまでもなく、バス、タクシーについても今後労働力対策ということを極めて重視して政策を展開していかなければならないと考えているところでございます。
#9
○櫻井規順君 実は、物流対策の人手不足対策という面ではいわばかなりよいテキストを示しているというふうに思うわけであります。しかし、これがテキストで終わらなければいいなという感じを強く持つものであります。
 特に、具体的な施策の面で関連資料をいただきまして見ますと、労働力対策の面で、福利厚生施設の整備にしてもあるいは技術指導の問題にいたしましても、あるいは輸送の効率化という面の対応にいたしましても、概して融資と税制上の措置ということにとどまっておりまして、実際に公的助成でもってこの事態解決を図るための施策というものはゼロに近いわけでありますが、物流の人手不足に対する効率的な運用の問題あるいは直接労働力不足解消の対応にいたしましても、公的助成という面をもう少し持たないと促進されないのではないかというふうに考えるのですが、いかがでしょうか。
#10
○政府委員(土坂泰敏君) 労働力不足が大変深刻化をしておりまして、それが構造的な問題になっておるという認識を持っておるわけでございます。他方、物流に対するニーズというのは非常に質の面で高度化をしておりまして、どうしても物流の効率化ということを進めていかなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。
 そのためのいろんな施策を提言されておるわけでございますが、モータルシフトあるいは積み合わせ輸送、物流拠点の整備、いろんな施策があるわけでございますが、基本的にはやはりこういった対策というものは物流事業者が荷主である産業界の人と一緒になってその自主的な努力で対応していくというのが基本であろうというふうに考えるわけでございます。
 ただ、物流というものが非常に大事な役割を果たしておりますし、御指摘のように労働力不足は大変大事な問題である、先生の御指摘のとおりであると私どもも思います。そういう意味で、こういう物流事業者なり産業界の努力がうまく実っていくように、物流がその役割を十分に果たしてい。けるように、こういう見地から財投、税制などを通じて誘導をする、あるいは支援をする、これが基本の施策になっておるわけでございます。
 ただ、それだけではなくて、やはり物流事業者が自助努力だけでは対応できない分野というのが当然ございます。例えば、港湾であるとか空港であるとか、こういった基盤となるインフラの整備、こういうものはもう物流事業者ではできないわけでございますので、こういったことについては国家予算の措置を通じて進めていかなければならない。そういうことで、いろんな施策を組み合わせて先生の御趣旨を体して一生懸命やりたい、こういうふうに思っております。
#11
○櫻井規順君 大変不満なんですが、物流の方は年間労働時間を二千時間にした場合に、現在の百二十七万という労働者数に対して六十六万人足りない、あるいは千八百時間にした場合には八十六万人足りない、こういうふうな数字が出ているわけです。旅客輸送の方は、特にバス、タクシーの面でございますが、こういう実態調査というのはどんなふうに進められて、結果は数字としていかがでしょうか。
#12
○政府委員(大塚秀夫君) 具体的な数字につきましては、旅客輸送の場合には物流のように全国的に物が運ばれ、それに従事する労働者が一体的に把握される分野と異なりまして、比較的地域的にそれぞれ問題の所在が違うというようなこともあり、全国的な調査というようなことは現在行っていません。定性的には、私どもが定期的にやっております運輸関連企業経営動向調査によりまして、現在各企業が労働力不足か求人難がというようなことを調査項目に入れ、その結果をまとめておりますが、数量的なものではございません。
#13
○櫻井規順君 タクシーの面ですが、昨年の五月以来一連の運賃値上げがあった。それは御案内のように、乗務員の賃金、労働時間の短縮ということを直接的には求めて運賃値上げをしたわけです。実態調査ですが、前国会の運輸委員会で資料を求め、東京管内の実態調査の結果はペーパーとしていただいたわけでありますが、全国的に運賃の値上げをしたブロックの実態調査の進捗ぐあい、それからその結果についていかがでしょうか。
#14
○政府委員(水田嘉憲君) 先生御指摘のとおり、昨年五月の東京・横浜地区の運賃改定以降、全国各地で労働条件の改善を目的といたしましてタクシー運賃の改定が実施されたところでございます。
 運輸省におきましては、その申請の趣旨に照らしまして、運賃改定の認可に際しまして各運輸局長から業界に対し通達を発しまして、労働条件の改善等を強く求めるということとともに、その確実な実施を確保するため、各運輸局におきまして運賃改定実施から一定期間経過後に、その具体的な実施状況につきまして事業者から報告を求めているところでございます。
 今回の一連の運賃改定のうち、最も早い時期に改定を行いました東京・横浜地区につきましては、先般、労働条件の改善状況の集計結果が明らかになったわけでございます。この内容は先生のお手元にもお持ちいたしたわけでございますが、東京特別地区、武蔵野・三鷹ブロックの場合で増収分の約八〇%がタクシー運転者の賃金として還元されておる、年収ベースで約三十六万円の賃金のアップとなるということでございます。この地域の実情に照らしまして、おおむね運賃改定の増収効果に対応する労働条件の改善が進んでいるものと認識をいたしておるわけでございます。
 その他の地域につきましては、実は報告の提出期限が一番早いところでもことしの八月ないし九月ということになっておりまして、その後順次各地域から報告が上がってくるというふうなことでございます。今後、事業者からの報告を集計した上で改善状況のチェックを行っていきたいというふうに考えております。
#15
○櫻井規順君 ぜひ、この旅客輸送の面の全国的な実態調査、特に千八百時間、週休二日制、そういう実施を前提にした将来の人手不足対策を含めまして、その前提としての実態調査をお進め願いたいというふうに思うわけであります。
 あわせてまた、タクシーのブロック別の結果が出ましたらお知らせ願いたいと思いますが、その旅客の方の実態調査の推進についていかがでしょうか。
#16
○政府委員(大塚秀夫君) 今後の労働力不足対策等の検討と相まって実態調査、その点についても私どもの検討課題とさせていただきたいと思います。
#17
○櫻井規順君 いま一つ旅客の方の人手不足の対策、二十一世紀運政審答申に関連をいたしまして、旅客分野の人手不足対策の長期政策を今後重点的に進める必要がある、補足的に提案する必要があるというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
#18
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど御説明申し上げましたように、この運輸政策審議会の答申におきましても、旅客交通分野の労働力不足についてはそれぞれの部会の答申にも触れているところでございますので、このような答申に盛られた事項、また、私ども省内に労働力確保問題についての検討委員会を設け検討した結果、そういうものを総合的に政策に反映していきたいと思っておりますが、今後の検討過程でさらに審議会等における審議が必要であるということになりましたならば、そういうことについても所要の措置をさせていただきたいと思っております。
#19
○櫻井規順君 運政審答申については一時間余の時間を割いてやりたかったわけですが、もろもろの条件でできなくてまことに残念でございます。
 引き続いて、伊豆半島南部の集中豪雨に関連いたしまして質問をいたします。
 最初に、現在、伊豆急行が九月十日の水害、集中豪雨で交通が一部不能になっているわけであります。河津―下田間が不通になっているわけであります。私もこの現場を十五日の日に見てまいったわけでありますが、その損害額がまだ正確に河川、道路との関係で見積もりが出されておりませんが、数十億円になるのは必至であろうというふうに思うわけであります。これは鉄道軌道整備法を、私はいわば陳情的な質問で恐縮でございますが、ぜひ適用されたいと、こういうふうに思うわけでありますが、これは適用の対象になるのかどうなのか。適用の対象に仮にならないとするならばなぜなのか、あるいはそれにかわる救済措置というものが公的補助で可能なのかどうか、その点いかがでしょうか。
#20
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生今御指摘のように、伊豆急が非常に大きな被害を受けまして、ただいままだ不通区間があるわけでございますけれども、鉄道施設の災害復旧につきましては、私どもの基本的な考えとしては、通常の災害復旧は鉄道事業者の責務だというふうに考えておりますけれども、ただ、そう言っておりますとなかなか復旧ができないという場合に、特に営業損失を生じているとか非常に経営が苦しい鉄道事業者の場合、なかなか資金手当ても難しいということで、大規模な災害を受けた場合には、そういう場合の補助制度というのが実は鉄道軌道整備法にあるわけでございます。
 その鉄道軌道整備法の条件が幾つかございますけれども、一番問題なのは、やっぱり災害復旧の額がその路線の年間収入の一〇%以上、かなり大規模だということでございます。それから、やはり経営が悪い。一つの例を申しますと、被災年度の前三カ年度で営業欠損または経常欠損を生じているとか、あるいは全事業でも、ほかの事業も含めましてでもやっぱり前三カ年度で営業欠損か経常欠損だと。それから、とても今これからの事業収入によっては災害復旧費の回収が困難だ、これはお客さんが比較的少ないということで回収が困難だと、こういうような条件が幾つかあるわけでございます。
 ところが、伊豆急行を見てみますと、この会社は非常に頑張っていただいておりますけれども、実はこの六十三年度、元年度、二年度の決算を見てみますと、実は営業損益でも黒でございます。経常損益、昨年も一億数千万の黒字、全事業では九億幾らの黒字でございまして、配当も八分配当をやっていただいている。輸送密度も一日当たり一万二千人ほど運んでいるということで、中小鉄道としては非常にいい部類に入っているわけでございます。そういうわけで、この数字は今までの適用のあれから見ましてちょっと補助対象となるというのはなかなか難しいんではないかと思っております。それに、伊豆急といたしましても自力で資金調達をし、自力で復旧する能力があると聞いておりますし、そういうことも漏れ聞いておりますので、今のところ災害復旧補助費の対象にするというのはできないというふうに判断しております。
#21
○櫻井規順君 いずれにしても、これは善処を求めでおきたいというふうに思います。
 次に、時間がないものですから、気象庁にお伺いをいたします。
 御案内のように、アメダスにもとらえられないる地的な集中豪雨で今度の洪水による被災があったわけでございます。アメダスでとらえられない集中豪雨というのはかなりあるんでしょうか。
#22
○政府委員(立平良三君) アメダスでうまくとらえられない集中豪雨というのは余り数がございませんで、最近の例で申し上げますと、昨年九月十五日に三島市付近でありました大雨につきましてアメダスで一時間雨量四十八ミリ、しかし近くの観測点で七十三ミリ、こういう例がございます。もう少しさかのぼりますと、昭和六十一年でございますが、七月十日に鹿児島市付近に局地的な豪雨がありまして、総雨量がアメダスでは百九十三ミリ、国鉄の観測所では三百二ミリ、こういうふうな例が時々ございますが、この二つの例につきましても、アメダスだけではなくてレーダーによりましても強雨域を監視しておりまして、このレーダーで強雨域を捕捉しておりますので、それぞれ適切に大雨洪水警報は発表されているところでございます。
#23
○櫻井規順君 いずれにしましても、今度の場合は、伊豆の南部の場合はアメダスで把握ができなかったというふうに判断してよろしいかというふうに思います。
 そういう集中豪雨によって公共関係でも二百億円程度の損害があり、人命も四人の死者を出すという結果で、大変な水害であったわけであります。降り出しから降り終わりというよりも、九月十日一日の日量だけでも町の消防団の把握では三百九十九ミリの降雨量があったというふうに把握しているわけであります。それが、例えば気象庁で言いますと、最も集中的に集中豪雨の被災地での降雨量は、時間雨量で五十、六十というふうな雨量が降っているわけでありますが、石廊崎観測所ではその同じ時間で実はゼロ、ゼロと記録されているわけであります。市役所のある同じ下田市の役場でもやはり一けた目盛りの雨量になっているわけであります。ですから、集中豪雨というのはとらえるのが非常に難しいということを今度の災害でまざまざと見せっけられたわけであります。
 そこで、しかしこういう集中豪雨というのは伊豆半島や局部的には、冒頭の御答弁では少ないようでありますが、起こる可能性はあるし、現に起きているし、過去の実績でもあるわけであります。問題は、こうしたアメダスでとらえられない集中豪雨対策をどう進めるかというところにポイントがあるように思います。
 そういう意味では、質問をはしよらざるを得ないのですが、アメダスのメッシュを、今は十七キロというふうに言われているわけですが、このメッシュをいま少し縮めていく方法を持つべきだというふうに思うわけであります。ぜひ改善方の努力をされたいわけですが、いかがでしょうか。
#24
○政府委員(立平良三君) 気象庁では、こういう非常にスケールが小さくてアメダスにかからない集中豪雨に対応するためにレーダーを活用しております。
 レーダーと申しますのは、御承知のように、面的に実質的にはほぼ連続的に観測できるものでございまして、レーダーとアメダスとを組み合わせましてレーダーアメダス合成図というのをつくっております。このレーダーアメダス合成図によりますと、今回の伊豆半島の大雨にしましても、一番強く降ったところで三百六十二ミリというのがレーダーアメダス合成図では観測されておりまして、こういう防災対策にはほぼ満足できる監視体制になっておるのではないかというふうに理解しております。
#25
○櫻井規順君 三百六十二ミリというのはどこの。地点でしょうか。
#26
○政府委員(立平良三君) レーダーとアメダスとを組み合わせましてレーダーアメダス合成図というのをつくりますと、五キロメッシュで五キロごとに雨量が出てまいります。今度の伊豆半島につきまして五キロごとに出てきましたメッシュをずっと見ていきますと、一番多いところで三百六十二ミリという観測値が出ております。
#27
○櫻井規順君 それは結果でありまして、集中豪雨の被害をどう防ぐかということが問題でありまして、九月十日の三時から五時に集中豪雨があったわけです。気象台は三時十五分に洪水警報を出しております。そして、一番被害を受けた象徴的なのが、国道四一四号線にかかっている落合橋という橋と、もう一つ志戸橋というのがあるわけですが、それが落ちたのが三時四十五分です。三時十五分に洪水警報が出て三時四十五分にもう橋が落ちているわけですね。そして、その時点にほぼ人も死んでいるわけであります。ですから、警報が出て三十分しかないわけです。しかし、私は、その三時十五分によく気象台が洪水警報を出したと。石廊崎観測所はゼロですから、観測結果は。よく出したというふうに思うわけであります。それはよく出したというふうに評価をしますけれども、それはなお不十分であるということを指摘したいわけであります。
 そこで、時間がありませんので、自治省にお伺いいたします。
 結局、十七キロメートルのメッシュの気象台の観測ではとらえられなかった。しかし、三時十五分に、洪水の前に警報を出したということはレーダーで把握したからできた。
 問題は、結果的にはわかるにしても事前にわからなきゃ、リアルタイムにわからなきゃ意味がないわけであります。そういう意味で、今度の場合に県は五キロから七キロメッシュで水防のための雨量計を置いてあります。それから、下田市と河津町と南伊豆町はさらに細かく五カ所の雨量計を置いてあるわけであります。一番たくさん雨量を正確に把握したのは、河津町の消防署に置いてあるのがさっき言った九月十日に三百九十九ミリを把握しているわけであります。私は、これはやはり基本的には気象庁の全体的な援護のもとでリアルタイムにとらえて、それに対応するには、市町村にかなり雨量をリアルタイムに測定するテレメーター化による自動測定、それが防災システムに結合しないと対応し切れないというふうに思うわけであります。それが一つ。
 それともう一つは、気象業務法で市町村の気象観測は防災対策業務に直接リンクできないようになっているわけですが、その辺の法律改正というのは必要ではないかというふうに思うわけでありますが、自治省関係者と気象庁に簡単にお伺いしたいと思います。
#28
○説明員(北里敏明君) お答え申し上げます。
 現在、降雨情報を的確に把握するためのシステムというのは個別団体で対応という状態にあるわけでございます。
 質問の御趣旨は法律改正ということでございますが、現行制度そのものについて直ちに改正ということについては私ども考えておりません。財政措置の議論でございますれば、その設置の範囲あるいはつくる場合の所要経費あるいは国、地方の役割分担、それから財源問題といろいろございますので、これらの研究ということが必要だろうと思います。したがいまして、関係省庁から御相談等がございますれば研究をしてまいりたいと、このように考えております。
#29
○政府委員(立平良三君) 県や市町村が行いました雨量観測の結果と申しますのは、これは防災関係機関がその防災対策を行うのに非常に有効なものというふうに理解しております。
#30
○櫻井規順君 ぜひこれは、運輸省・気象庁、自治省とも協力されて、市町村がリアルタイムに雨量観測してそれを防災システムに結びつけられますように助成対象にされるべきであるし、交付税の対象にもまたされるべきであり、法改正が必要であるということを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。
#31
○佐藤三吾君 私は、運輸委員会は初めてでございますから、しかもきょうは時間がございませんので、ごくかいつまんで四点ほど質問をさせていただきたいと、かように思っております。よろしくひとつお願いします。
 まず、運輸大臣にお礼を申し上げたいと思っているんですが、精神薄弱者の運賃割引について四月の予算委員会で取り上げたわけでございますが、まさに答弁どおり十二月一日から実現することができました。十六日に開かれました全国親の会でも、やっと実現したという思いも込めて喜びがひとしおでございます。私を含めて、大臣ほか関係者の皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。
 そこで、細かいことでございますが、あの内容でちょっと不明な点がございますのでお聞かせ願いたいと思うのですが、一つは、子供の場合にどう適用になるのか。それから、介添え者の場合に、例えば施設に迎えに行く。一緒に帰るときには介添え者も同時適用になっておりますが、迎えに行く、送りに行ってから帰る、この場合はどういうふうに理解すればいいのか。それから、対象者の基準というのは、何がどの程度あの中に適用になるのか、ここら辺はいかがでしょうか。
#32
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の割引につきましては、身体障害者割引と同じ制度にするように考えておりますが、現在実施されております身体障害者割引のうち、小児に対する割引につきましては、JR、民鉄、バス、旅客船につきましては小児運賃の五〇%割引が適用されます。航空につきましては、現在小児運賃については身体障害者割引の適用はございません。
 それから、介護者に対する割引につきましては、交通機関の利用に際しまして、重度の障害者に対しては介護の必要があることから介護者の負担ということを考えまして実施されており、介護者が単独で移動する場合には適用がございません。それから、今回の割引の対象者というものは厚生省との調整で手帳を持った方ということになっております。
#33
○佐藤三吾君 手帳というと療育手帳もあれば愛の手帳もある。そういうものを含めてのことでございますね。
#34
○政府委員(大塚秀夫君) 今、先生御指摘の愛の手帳も含めて厚生省と統一しまして、そういう手帳を全部含めてやることにしております。
#35
○佐藤三吾君 これは各自治体ごとに違いがございますから、余りしゃくし定規に線を引かずに、実態に基づいてやるということをひとつぜひお願いしておきたいと思います。
 それから、これは逆に言うと企業に要請して企業の努力で割引させるという仕組みになったわけですね。本番言うなら、やっぱり国も公費で応分の負担を配慮するとかこういう措置というものがとれないと、なかなか企業だけ、企業努力だけでは限界が出てくるのじゃないかという気がしておるんですけれども、その点はいかがですか。
#36
○政府委員(大塚秀夫君) 本来、このような割引というのは社会福祉政策の一環としてやるべきものと考えておりまして、かねてこういう点についても厚生省と協議させていただいておりますが、今回身体障害者と同様な形で割引するということで、当面企業の負担でやっております。今後、このような制度についてはできれば全体の社会福祉政策として考えていくべきものと私どもも理解しております。
#37
○佐藤三吾君 これは、ひとつ大臣も国務大臣という立場からもぜひ配慮して、閣議の中でも御努力をお願いしたいと思っております。
 次に、身障者と精神薄弱者との間に、言いかえれば、この問題一つとってみても大変長い期間、差別があったわけですね。身体障害者の場合にはずっと前から適用になっておったにかかわらず、精神薄弱者については適用除外。このような事例というのは単にこれのみにかかわらず、まだまだございますわね。こういう問題について大臣の認、識と見解を聞いておきたいと思うんです。
#38
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほど先生御指摘されました精薄者の問題については十二月から適用するようにできましたけれども、その後もあると思っております。
 今、運政局長が話したとおり、事業者の負担ということで今までやってきておりまして、社会福祉政策の段階でいろいろな問題がございまして、今後の問題につきましてはまた先生御指摘のとおり、閣内におきましてもそういう趣旨でやっていきたいと思いますが、現状ではすぐまたというような状況にはないと、こう判断しているところでございます。
#39
○佐藤三吾君 大臣の答弁は半分しか答えていないんですけれども、まあいいでしょう。
 これとあわせてひとつお願いしたいと思うのですが、一つは、私が今申し上げたのは、同じ障害者の中で身体障害者と精神薄弱者、この間に差別があるわけです。その典型的なのがこの運賃なんですよ。そのほかにも随分あるんですが、ほかのところでもこういったことは私はあるべきでないと思っているんです。そういう意味で大臣の認識を聞きたかったんですが、これはまたひとつ後ほどで結構だと思います。
 それから、もう一つ聞いておきたいと思いますのは、アメリカでは昨年七月に、障害を持つ米国人法、いわゆるADA法が両院で圧倒的多数を一もって可決され、発効しました。その中で公的サービスの部分で、いわゆる公的機関のあらゆるサービスを受ける、受けなければならないということを前提として、鉄道、バスは新しい車両を購入する場合はリフトを設置するなど車いすの障害者が利用できるようにすべきであると。それから、通勤電車は車いす障害者が利用する車両を五年以内に全列車に一両設けるなど期限つき義務規定を設けておる。こういうことに対して、さっきの認識と含めて運輸大臣のお考えを聞いておきたいと思うんです。いかがでしょうか。
#40
○国務大臣(村岡兼造君) アメリカ合衆国の障害者法、交通関係において障害者が社会参加をする上で不利にならないような措置をとることを定めたものと聞いておりますが、我が国におきましては、心身障害者対策基本法を中心として関係省庁が各種の障害者対策を推進しているところでありまして、交通関係についても交通施設の構造、設備の整備等について適切な配慮がなされるよう必要な措置を講じるという同法の考え方にも沿って障害者の社会参加等、平等の実現に努力しているところでございます。
 先生御指摘のとおり、JRの駅につきましても四千数百、あるいは私鉄につきましても二千弱、年々ここ十年間いろいろやっておりますけれども、正直に申し上げましてエレベーターあるいはエスカレーター、いろんなそういう施設の面につきましても年々ふえてはきておりますけれども、数が多いし費用もかかる、こういうことでまだまだ不十分な点があろうかと思いますけれども、今後指導しながら、こういう障害者の方々が便利に動けるような設備の配置に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#41
○佐藤三吾君 ぜひ、そこら辺は努力していただきたいと思うんです。
 そこで、大臣、今のお答えを聞いておると、ちょっと細か過ぎて無理かもわかりませんが、日本の駅施設等のサービスを見ると、民間や地下鉄、営団とか自治体の公営、こういうところは比較的に身障者対策が進んでおるんですね。ところが、あに図らんやこの間まで国鉄であった運輸省直轄のここが一番おくれておるわけです。
 例えば、車いす用の通路、転落防止さく、この二つを見てもJRは平成元年度でゼロです。ところが民間大手十四社を見ると、車いす用の通路は千百八十六できている。それから、転落防止については八百九十二できている。これは六十三年現在、もっと今は進んでおると思いますが。公営の場合、車いすの通路が四百三十八、転落防止が三百二十五できている。にもかかわらず、その翌年の平成元年度についてJRはゼロなんです。国の対応が全体的に世界的な水準から見てもおくれておるけれども、なおかつ日本の現状の中でも民間と対比してこれだけおくれておる。それが運輸省の管轄、直轄。こういうところに私は非常に問題があると思うんですけれども、この点いかがですか。
#42
○政府委員(井山嗣夫君) 多少数字的な話になりますので、私からお答えをさせていただきます。
 先生、今御指摘のように、確かに我が国の鉄道駅におきます身体障害者の方に関する施設の整備がおくれているのは確かでございます。まあ今まで余り余裕がなかったというのか、そういうこともあるかと思いますが、特にJRについて問題があるのじゃないかという御指摘でございます。
 これは大都市周辺と、それからその他の地域というふうに分けて考えますと、大都市におきましてトータル、マクロで見まして大手民鉄とJRというのはそれほど差はございませんが、地下鉄は確かに先生おっしゃいますように非常に設備が充実されてきております。これは、地下鉄は比較的最近どんどんつくっておりまして、新設駅のときには私どもの指導として、JRも含めてでございますが、必ずこういう種類の設備は完備しろという指導でやっておりますので、そういう意味では非常に充実してきていると思います。一方、JRの方は昔ながらの駅、それから地方の駅が多うございまして、駅の比率といいましょうか、これから見ますといささかおくれた感じになってきておるわけでございます。
 そこで、私どもも先般、総務庁からも勧告をいただきまして、今事業者の、ちょっと俗な言い方をしますと、しりをひっぱたいているところでございまして、かなり意識が高まってまいりまして、相当やってきておるところでございます。
 数につきまして、ちょっと細かくなりますけれども、現在のところ、例えば車いす用の通路でございますと、JRの場合は九百幾らになっております。それから、大手民鉄の場合には千二百幾ら、公営の地下鉄の場合は四百六十二駅というふうなことで、こういう障害者の方の施設、それからエスカレーターあるいはエレベーターの設置も順次進んできております。まだ手ぬるいという御批判もございますので、なお一層よく指導いたしまして、着実に進むようにさせていただきたいと思っております。
#43
○佐藤三吾君 今、あなた数字を言いましたが、私が言った車いす用通路、転落防止措置、これについてはいかがですか、JRは平成元年度はゼロなんですが。
#44
○政府委員(井山嗣夫君) まことに申しわけありませんが、今、私、平成元年度の数字をちょっと手元に持っていないんですが、転落防止さく、これはつい先般、二年度末の数字をかき集めたところでございます。ちょっと前提が違うのかもしれませんが、JRは転落防止さくの設置一千八十六駅という数字がございます。それから車いす用通路が九百十七という数字、これは元年度に四千六百ほどの駅を対象にして調査したところ、今私の手元にある数字ではそうなっております。
#45
○佐藤三吾君 まあ、この問題は後ほど堀さんの方からまたいろいろございましょうからこの程度にとどめますが、いずれにしても大臣、各国との比較を見ましても、それから官と民を比較してみても、これは金があるないじゃなくて物の姿勢ですね、発想ですね。ここら辺が運輸省全体の中に欠けておるんじゃないかと思わざるを得ない数字が出ておるわけですね。
 これについて大臣もやっぱり決意を込めて対応していかないと、全体的に金があるないとかそんな議論じゃなくて、人間が住む社会というものは健康な者だけが住む社会じゃございませんで、障害者を含めて存在するというその原点に立った対応が大事じゃないかと私は思うので、大臣のお考えなりがあればお聞きして、次に進みたいと思います。
#46
○国務大臣(村岡兼造君) 今、先生御指摘のとおり、まあJR、今は会社でございますが、前は国鉄でございまして、御承知のとおり何十兆という財政的な赤字をつけて、例えば新幹線あるいはスピードアップ、そういうところにもお金を回す余裕は一つもなかったこともございまして、ましてや身障者の方々のそういうような今先生がおっしゃるような考え方、大変不足しておったと思います。
 もう健康な者だけが動き回るというんじゃなくて身障者の方々も移動できるような考え方で、官と民というような考え方でなくて、運輸省の方で、今後とも身障者の方々が利便に利用できるような施設の増設ということに最大限の努力をしてまいりたいと、こう思っております。
#47
○佐藤三吾君 まあ、後はひとつ堀委員の方でお願いすることにしまして、今また国鉄の問題が出ましたから、この際ついでに二、三聞いておきたいと思います。
 一つは、国鉄がJRになって、御案内のとおりに民間委託なんかで、昨年の三月末で千五十一名という大量な解雇者が出る、こういう事態で、今、地方労働委員会の方に申請して救済命令まで出ておるという事態が起こっておりますが、この問題については、現況もしおわかりなら御報告を願いたいと思います。
#48
○政府委員(井山嗣夫君) 先生ただいま御指摘のように、昨年の採用に関しまして、採用されなかった方かも各地方労働委員会に救済命令を求める訴えが出されまして、それが今中央労働委員会に行っていることは、確かにそのとおりでございます。それで、中央労働委員会におきましてはただいま御審査を始めかけたというふうに聞いておるところでございます。
 それに対しましてJR各社は、その救済命令が不服であるということで労働委員会でいわば争うということで始まったというふうに認識しております。
#49
○佐藤三吾君 これはたしか、参議院でも審議の際に中曽根総理が、一人の犠牲者も出さないという名文句を吐いた経緯もございますが、私は地方労働委員会というものは約十年ほど委員を経験しておりますが、特に不当労働行為というのは、いわゆる労、使、公益という三者構成の中で公益委員の方が中心になってやっておられるわけです、公正という意味で、そこで判決、いわゆる命令が出るわけです。これは、私はやっぱりある意味では労働裁判の判決に等しいと思う。それを確かにトラブルの中で守らない経営者もございますけれども、そういう経営者というのは今まで社会から非難をされて、そして結果的には命令に従わざるを得ないというのが通例で来たと私は認識しておるんです。
 ところが、事もあろうに政府の機関、いわゆる政府みずからが一つの改革をした結果として千五十一名という大量の救済命令が出ておる。それに対して法律を施行する政府はそれを守らないで、そして中央労働委員会に提訴するという手法をとっておる。これは、私は正直に言うと、法治国家としてあるべき姿じゃないと思うんです。こんなことをやり出したら暴力団と同じじゃないかと言われても仕方ないんじゃないかと思うんですね。
 そういう意味で、非常に私はこの問題について運輸省の態度、政府の態度というものに対して疑いというか疑問というか持たざるを得ない気がしておるわけでございますが、これは大臣、どうでしょう。どこかの調停者がやったといったぐいのものじゃなくて、地方労働委員会が救済命令を出したことについては、これはやっぱり政府としてJRを説得して、そして政府みずからがひとつそれを守る、こういう姿勢は僕は堅持すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#50
○国務大臣(村岡兼造君) 御指摘いただきました件につきましては双方で争っている状況でございますので、現状において私からコメントは差し控えたいと、こう思っております。
#51
○佐藤三吾君 私は、双方で争っておるといったぐいのものじゃないと言うんです。法治国家として、そして政府みずから行った行為の結果出ておる現象なんです。ですから、これについては政府は、今あなたがおっしゃったようなそういう態度であるべきじゃないと私は思うんですけれども、もう一遍聞きましょう、いかがですか。
#52
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほどお答えをしたとおり、現状としては係争中でありますので、コメントを差し控えることが適当だと考えておりますけれども、JRの労使関係が運輸省としても安定することは重要であると認識しておりまして、できる範囲内で環境の整備のために努力してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#53
○佐藤三吾君 まあ、あなたも来月までの任期だから、そうなにだというような思いがあるかもしれません。しかし、私は逆に言うならば、そういう来月までの任期なら任期までにきちっとしたあなたの本当の意味の縛られない良心に基づいた決断をするという意味では、今この問題についてきちっとした処理を考えるときじゃないかと思うんですが、なかなか口が重いようでございますから、もう一つだけ質問して、時間が来ましたから終わります。
 一つは、選挙違反の問題です。
 大臣は、昨年二月の総選挙でトップ当選しておりますが、私設秘書が三名ほど逮捕されておりますね。そうですか。
#54
○国務大臣(村岡兼造君) 昨年の二月でございますか。
#55
○佐藤三吾君 はい。
#56
○国務大臣(村岡兼造君) 今、急に言われましたので……。選挙関係であったと思っております。
#57
○佐藤三吾君 その際に笹山さんという方が次点に落ちましたね。その笹山さんの秘書が、投票の二、三日前に一町村当たり数百万の実弾が撃たれたという情報があったが本当だったと、うちはそれでやられたと、こういうことを新聞報道で言っておられますね。これは私は、大臣の選挙区の問題ですからよくわからないんですが、そういうことは本当ですか。
#58
○国務大臣(村岡兼造君) 笹山さんの秘書が話したかどうか、どこの新聞で言ったか、これは私はわかりません。その選挙で数百万やったとかなんとかということは断じてありませんので、そのように考えております。
#59
○佐藤三吾君 そこで、ちょっと古い資料で大変恐縮なんですが、あなたの秋田の後援会に兼山会というのがございますね。その兼山会の中に――間違ったら言ってくださいよ。秋田土建、伊藤建設、大沼組、長田建設、鈴木技研、山科建設、こういう会社が入っておりますか。
#60
○国務大臣(村岡兼造君) 入っていると思います。
#61
○佐藤三吾君 その中で鈴木技研が、五十八年でございますか二百七十万の献金をやっていますね。これは正式には政治資金規正法の二十二条の二で百五十万が限度であるはずなんですが、違反になると。それから平鹿土建、山科建設、これがやはり五十九年度ですか。それから横山砕石が六十年度、それぞれ二百万、これも違反限度を超えて献金が出ておるんですが、これはどうですか。
#62
○国務大臣(村岡兼造君) 佐藤先生から先ほどは褒められまして、こういうことで指摘を受けているわけでございますが、数年前のことでございますので、今御指摘の点について事実であるのかどうか会計責任者とも相談して調べてみたいと。恐らく先生のことですから記載があったので、質問だと思います。もし調べてそのとおりであれば、後援会の団体二つか三つ私もあるわけでございまして、実ば記載間違いというような状況でなかったか、記載間違いであれば大変もう申しわけないことをしたと、こういうふうに感じているところでございます。
 なお、急の御質問でございますので、詳細は調べさせていただきたいと、こう思っております。
#63
○佐藤三吾君 結構です。調査をした上で、ぜひひとつ私の方にもその結果をお願いしておきたいと思います。
 終わります。
#64
○渕上貞雄君 私は本日は、五月十四日に起こりました滋賀信楽高原鉄道の列車衝突事故についてお伺いをしたいと思います。
 まず、事故の原因の究明についてお伺いをいたしますけれども、今回の事故は信号システムの異常が原因でないか、あるいはまた、当時行われておりました陶芸祭によって電力が多く使われたことによって起きたなどいろいろ言われておりますけれども、運輸省も信楽鉄道の信号保安システムについて再度調査を行ったということでもありますし、前回、閉会中の審議の際に私が質問したときには、依然まだ調査中、全部調査中、こういうことで明快な答えがございませんでしたけれども、現在までの事故の原因調査の進捗状況についてどうなっておるか具体的に御説明願いたいと思います。
#65
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、前の委員会の段階におきまして事故原因につきまして私ども余り具体的な心証を持っておらなかったわけでございます。私どもといたしましては、事故発生直後の五月の十七、十八日の両日、保安監査をいたしました。その後も随時関係者からの陳述を聞いたりなどいたしまして調査を行っているところでございます。ただ、現時点におきましてもはっきりとこれが原因だと私どもが決めつけるという段階にはまだ残念ながら至っておりません。
 ただ、推測が入りますけれども、一番大きな原因といいますか直接の原因というのは、信楽駅から赤信号であったときに異常時の代用閉塞方式をきちんとやらずに出ていった点、それが一番問題ではないかなという、推定でございますが、しております。
 それからもう一つは、信号機が正常に作動していたかどうかという疑いがございます。そこで、これにつきましては、実は信号そのもの全部を含めまして、リレーという、継電連動機と言っていますが、こういうものから信号のケーブルの配線から各信号機の設置場所、それから設置されている線のつながりぐあいといいましょうか、これを全部結線状態などを調べなきゃいけません。ただ、これにつきましてはいまだ警察の方とのあれで差し押さえをされておりまして、ちょっと手をつけてくれるなということで、彼らが捜査中でございます。ただ、近く大体解除になる見込みという話も聞いておりますので、私どもは解除になり次第、本格的な信号系統の機能検査といいますか実態調査から始めまして、機能検査までやる準備を今整えております。
 一方、この信号システムにつきましては、このシステムそのものがよかったかどうかという問題もございますので、学識経験者に集まっていただきまして信号保安システムに関する調査検討会という、これは部内の検討会でございますが、を設置いたしまして具体的なその作業、作動状況がよかったかどうか、システムそのものがよかったかどうかということの勉強を始めているところでございます。
 そういう段階でございまして、今後なお具体的な調査をやらなきゃいけませんが、できるだけ早く事実関係の確認をやっていきたいと思っております。
#66
○渕上貞雄君 国鉄がJRに民営化される。そして、鉄道経営全体を見ますと、経営方針といいましょうかそういうものが、どうももうけ主義といいましょうか商業主義といいましょうか、そういうものに走り過ぎて、その結果、やはり技術に対する理解度といいましょうか、安全を軽視するような事故というのがちょくちょくマスコミで報道されているわけでありますけれども、今回の場合も大方推測されているように信号の保安システムが問題であったのではないか。
 したがって、運輸省は八月の二十二日以来、信楽高原鉄道の信号保安システムに関する調査検討会を開いて信号保安システムについての調査を検討するということになっておりますが、いつごろ調査結果が公表されるのか。先ほどは近々とか近いうちにとかということでございますので、かなり短い時間のうちに発表されると思うのでありますけれども、結果的にその発表されるものというのは、他の鉄道事業者のためにもなるものでありますし、信楽鉄道だけでなくて他の鉄道信号保安システムについても包括的にやはりそういう調査検討がなされるべきであろうと思うわけですが、いかがでございましょうか。
#67
○政府委員(井山嗣夫君) 先生ただいま御指摘のように、この調査検討会でございますが、せっかくこれはたしか大学の先生をキャップとして優秀な方が集まっていただいておりますので、この信楽の関係の保安システムの機能とか作動状況についての調査検討、これがメーンでございますけれども、それに関連いたしまして当然他の事業者の信号保安システムについても検討がなされる場合があると思います。検討の期間につきましては、私どもその実態調査をやった後、それを縦横にクロス分析をするわけでございますが、一応今年度を考えております。それは結局、信楽だけじゃなくてやはり他の事業者の保安システムとの関連も出てまいりますので、ある程度は幅を広げて勉強する余地をつくっておきたい、こういうことで調査をやりながらその調査のやり方をだんだん考えていく、こういうことで考えております。
#68
○渕上貞雄君 事が保安に関する問題でありますので、今言われたように他の鉄道事業者に対してもやはり影響のあることでありますから、十分にひとつ検討をしていただくように、問題が徹底的に解明できるまでやっていただきたいと思います。
 次に、事故原因の究明の調査体制についてでありますけれども、今回の事故の原因究明においても当初は近畿運輸局の保安監査、次に事故対策本部の調査、そして今言われたように信号保安システムについての調査検討会。したがって、本当に運輸省として事故原因の究明をやる気持ちがあるのかどうか、こういういろんなさまざまなものをつくってやらなければならないのかどうか。原因の究明体制がどうも運輸省の中ばらばらじゃないかというような印象を受けるわけでありますけれども、このような状態ではやはり原因の究明が大幅におくれるんじゃないか、こういう気持ちがします。
 ですから、従来、私も前回に申し上げたかもしれませんけれども、交通機関の事故調査の問題について、船舶については準司法的な手続の整った二審制の海難審判制度がありますし、航空機につきましては航空事故調査委員会があって、それぞれ法律に基づいて事故原因の解明を専門的に行って、またそれにゆだねでおるわけであります。そこで、総合的な第三者機関である鉄道事故調査委員会などをつくるべきではないか、また設置をして事故原因の究明に当たるべきではないかというふうに思いますし、刑事事件の立件と同時進行の形で事故の原因究明の体制をつくるべきではないかと思います。
 これらの意見について、さきの委員会の中では非常に消極的なお答えを述べていただきましたが、現に今回の事故でも既に四カ月以上がたっているにもかかわらず、まだ具体的な究明がなされていない。警察に資料を差し押さえられていて運輸省自体の調査というのは、先ほども報告ありましたが、推測でしか物が言えないような状況になっているということではいけないのではないか。また、そういうのが実態であるとすればやはり問題でありますので、第三者機関は難しいかもしれませんけれども、例えば今信号保安の検討委員会が設置された中には第三者の方といいましょうか、大学の方だとか経験者だとか入れてというお話ございました。
 やはり、そういうものを入れられるとするならば、事故の調べは事故原因の究明とともに、先ほど申し上げましたように、同種事故といいましょうかそういう事故をなくしていく。どこに原因があって、それをどうなくしていくかということがやはり重要なことであり、それらのことを勧告していくという重要な任務がそういうところにあると私は思うんですね。ですから、そういうものを設置していくべきではないか。同時に、鉄道のように毎日毎日それこそ大量の人たちを輸送しているわけでございますから、国民に対してやはり安全と安心を与えるためにもこういう事故調査委員会なるものを設置して明らかにして、しかもそれが第三者機関という非常に公平な目で見ていくような委員会を設置して事故原因の究明に当たっていくべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#69
○政府委員(井山嗣夫君) 前の委員会でも先生からるる御指摘をいただきまして、私ども勉強させていただきました。
 ただ、この事故調査委員会につきまして私ども検討した段階で、やはり航空機事故などとは若干ニュアンスが違うのかなという気がしております。これは、航空機事故と申しますと割と専門的な知識が要るとか、あるいは場合によっては海の上に落ちちゃって、何といいますか、跡形もなくなってしまう。海難事故も似たようなところがございます。ところが、鉄道事故あるいは自動車事故というような場合は、証拠物件がかなり多く、通常陸上を走っておりますので残っております。そういう意味では比較的資料が多いということで、いわゆる常設の委員会をつくって常に待機しておりまして、それで何かあったらすぐ飛んでいくというところまでの必要性はないんじゃないかということが一つ考えられると思います。
 それからもう一つは、学識経験者も鉄道に関しては比較的に歴史が古うございましていろんな専門家がいらっしゃいます。それから、研究機関みたいなものも財団法人あるいは私どもの所管の交通安全公害研究所というのもございまして、そういうところの知識もかりられる。それからさらに、大学等で学識経験のある方もそろっていらっしゃるということで、そういう形で事故原因の究明につきまして信頼性を高めるということができるんじゃないかと思っております。
 そういう意味で、前国会でも私ども政府委員の方から、やはりそういう技術的なことについての専門的な知識を有する方についてその方の御意見なり鑑定というものはどんどん活用していきたいという答弁を申し上げたところでございます。今度の委員会もその考え方の流れの一環でございまして、先生の御指摘を受けまして、我々としてはこういう形でとりあえず事故原因の調査を進めていきたい、専門的な知識を得てやっていきたいと、こういうことでつくったわけでございます。
#70
○渕上貞雄君 国鉄のようなときには国全体が責任を持って事故調査をやっていく、しかし、今回のような場合は、例えばJRに分割されているというような状況になってきて、大変私は以前とは違う状況が出てきているんじゃないかというふうに思うわけです。したがって、今考えられておるということは、今回のような大変重大な事故が起きた場合についてその調査検討委員会というようなものを今後設置してすぐさま対応ができるようにやっていくお考えなのかどうか明らかにしていただきたいと思います。
#71
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 これは先生、事故の種類とか態様によっても違うと思いますが、やはり一応第一次的な事故原因の責任というのは我々にあるわけでございます。私どもスタッフの数もそれほど多くはございませんけれども、やっぱり事故の態様によりましてこれは重大であると、単純に言いますと、自分たちの手に負えないとか特に専門的な知識がより必要だということになりましたらすぐ関係の委員会みたいなものを組織してお知恵をかりながらやっていくということは必要だと思いますし、今後はそういうふうにいたしたいと思います。
 信楽の場合は、信号が通常使われておる信号方式でございまして、それほど難しくはないと考えておったのでございますが、いろいろ調べて話を聞いたりしているうちにどうもやはり信号システムそのものについてもう少し専門的な勉強が必要じゃないかということになりまして、委員会をつくらせていただきました。今後はそういうことで進めていきたいと思います。
#72
○渕上貞雄君 それでは、できるだけそういうものを発展させて国民から信頼を受けるようなそういう事故調査委員会というものをつくっていただいて、安心と安全を国民に与えていただきたい。同時に、それに携わる人たちが常に確信を持って安全運行で日常の業務ができるようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、補償問題についてお伺いをしたいと思います。
 現在までの補償交渉の進捗状況につきましてどういう状況になっておるのか、それからどの程度の家族との補償交渉が進み、示談が成立しているのか。もう既に事故後四カ月以上たっているわけでございますが、年内にやはり全面的に解決をしていくということが大切ではないかというふうに思いますし、国としても信楽高原鉄道、JR西日本、それから滋州民県、信楽町などに働きかけてそういう支援体制というものをつくっていくべきではないかというふうに思いますが、いかがでございますか。
#73
○政府委員(井山嗣夫君) その前に補償交渉の体制のことも含めまして御答弁申し上げたいと思います。
 私どもとしましては、この事故の重大さ、それから補償問題が重大であるということで大臣からも直接滋賀県知事にお願いをするなどいたしまして、さらにJR西日本にも協力を求めまして補償交渉の窓口といたしまして信楽高原鉄道の事故御被災者の相談室というものを大津と大阪の二カ所に設置しております。具体的には、四十九日なども終わりまして七月初めから本格的な交渉を始めさせていただいておりまして、現在誠心誠意交渉を重ねているところでございます。体制を申し上げますと、信楽鉄道側からは、主としてこれは滋賀県からの出向者が主体でございますが二十名、それからJR西日本が社員を五十八名出して計七十八名の体制でいわゆる補償交渉を始めておるところでございます。
 これまで四十二名の方が不幸にしてお亡くなりになっているわけでございますが、四十名の方々に訪問をしていろいろお話を始めさせていただいております。ただ、いろいろ聞いてみますと、まだ気持ちの整理がつかないので具体的な話はしたくないとか、そういうお気持ちの方もいらっしゃるようでございます。そういう意味では、いわゆる死亡者の方との間でいわゆる補償交渉がまとまった例はございません。それから、負傷者の方、その後申し出のあった方を含めまして六百十四名の方が対象になるかと思いますが、この方々のうち百九十名の方、今日現在でございますけれども、百九十名の方と示談が成立している、こういう状況にございます。
 なお、鋭意進めさせていただきたいと思います。
#74
○渕上貞雄君 運輸省はこの事故後、第三セクターや中小の民鉄などに経営基盤の脆弱な鉄道事業者を対象として新しい保険制度を七月一日から導入しております。遅きに失したという感はないでもありませんけれども、大臣表明どおりこういうものを設置していただいたことについては、やはり私は率直に評価をしていいのではないかと思いますし、このような制度がつくられるということについては、今後とも事故を契機にして考えていく制度については、大変よかったというふうに思っています。
 しかし、新しい保険制度ができたからといって、今回の事故の場合はその措置にあずかるということにはならないわけでございます。信楽高原鉄道自体が入っているそういう保険については最高限度三億円というふうに言われていますから、賠償能力というのがあるのかどうかというのはもう明らかでございますし、当事者であります滋賀県、信楽町などにも、県の場合は別にしても町には十分な賠償能力はないのではないか。現に、八月二十一日の滋賀県議会の席上で信楽町長は、補償の問題について既に対応能力を失っている、こういうふうに言明していると報じられておりますし、既に救済を求めているわけでありますけれども、国としてこういうような問題についての救済策についてどうなっておるのか大臣の所見を伺いたいと思います。
#75
○国務大臣(村岡兼造君) 御承知のとおり、一般に事故があった場合の補償につきましては、自己責任の原則に基づきまして当事者が行うべきものであり、国がこれに対し補助すべき性格のものではないと考えております。
   〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕
 今回の事故の補償に当たりましては、鉄道事業者である信楽高原鉄道が補償能力がないため、また町の方の町長とも会いましたけれども、正直に言って小さな町でございますし、ないと私ども考えてまして、滋賀県知事においでもいただき、出資者でもありますし、この補償問題についてはお願いをしたいと。あるいは西日本につきましてもそういう示唆をいたしました。滋賀県知事の方としても最大限のことを考えたい。同時にまた、その後参りまして、県としてもいろいろ出した場合に、後から自治省というかそういうところにもいろんな面もお願いしたいと。
 こういうようなことで、内々でございますけれども、これは具体的にも今の補償状況が、先ほど鉄道局長が言ったとおり、まだどういう額だとかそういうものに入っておりませんので、そうなった場合、ひとつまた県に対するいろんなこともお願いをいたしますということは前もって自治大臣の方にも内々は伝えてございますけれども、具体的な問題が出てまいっておりませんので、出てきたときにまたそういうお願いもしなきゃいけないと、こう思っているところでございます。
#76
○渕上貞雄君 今、大臣が言われましたように、認識については私どもとそう変わりありませんので、具体的に信楽町から、高原鉄道の方から相談ございましたときにはひとつ自治省との関係をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。
 それから次に、運転の再開の問題についてお伺いしたいと思います。
   〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
 村岡大臣は、六月十六日の合同慰霊祭の後の記者会見で運行再開の問題について、運輸省に相談なり支援の要請があれば適切に対処していきたい、こういうふうに述べられておりますけれども、そのような要請があったのかどうか。要請があったとすれば、どのような検討をなされておるか大臣の所見をお伺いしたいと思います。また、八月二十二日の交通新聞の記事によりますと、九月中に運行再開準備室を開設して名前に、言うなら道路凍結前に運行再開を目指すと言っていますけれども、運輸省としてはこれらの事実について確認しているかどうか。やはり運行再開と遺族の方々の気持ちというものは私どもとしてもわからないわけではないわけで、可能な限り運行再開というものについて努力をしていただきたいと思いますので、その点についての大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。
#77
○国務大臣(村岡兼造君) 信楽鉄道の運行再開につきましては、知事初めあるいは信楽町から、あの地域は冬凍結するところでありますので、名前にぜひ運行の再開ということで要望を受けておりまして、地元としては運行再開に強い希望を持っていることは十分承知しております。
 運行再開に当売りましては、二度とこのような事故を繰り返さないことが必要不可欠でありますので、安全確保のための万全の対策を講じた上で、一日も早く運行再開が実現できるように関係者を指導してまいりたいし積極的に協力していきたい、こう思っておりますが、詳細につきまして、運行再開についての検討状況その他につきましては鉄道局長から答弁させていただきたいと思っております。
#78
○政府委員(井山嗣夫君) 若干詳細になりますので、私から御説明申し上げます。
 再開につきましては、信楽高原鉄道あるいは滋賀県の方から私どもの方に対しまして、ぜひやりたいのだけれども、技術的なスタッフが非常に不足しているので、ぜひJR西日本の協力を得たいというお申し出がございました。一方、同時に西日本の方にも要請があったようでございますが、私の方から西日本に対しまして必要な支援を行うようにという指導をいたしました。
 その結果、JR西日本は、まず第一次部隊といいましょうか、といたしまして、九月二日でございますが、運行、保安の技術専門家二名、一名はいわゆる総括責任者、まあ役員クラスで技術部門の再開後はキャップになる人ということでございますが、これとその下の部長さんクラスを出しております。この方を中心にいたしまして、本社の中に運行再開準備室というのを設けて具体的な今スケジュールの検討をやっております。また一方、JR西日本は、一種のコンサルティングといいましょうか、人の派遣のほかに、どこがどういうふうに悪いのか、どこを直したらいいのかということをあわせて技術的援助といっておりますが、これをやっております。
 そういう意味で、順次着実に進んでおりますけれども、ただいま大臣が申し上げましたように、やはりやる以上は安全を完全に確認していきたい。例えば、線路も若干補修を加えなきゃいけないということがございます。それから、例の問題の信号機をどうするか。使わないで運行するのか使って運行するのか、使うとしたらどういうふうにしたらいいのかという問題もまだ残っております。
 そういうようなことで、ダイヤの組み方等々もまだございますので、その辺を詰めまして、地元の方では何かできれば年内に再開したいという御希望のようでございますので、私どももできる限りその御希望に添えるよう積極的な協力をしてまいりたいと思っております。
#79
○渕上貞雄君 私どものところにも信楽高原鉄道、信楽町、それから滋賀県から運行再開についての強い要望が来ておるわけでありますから、ひとつどうか、大臣の積極的に協力するという、それからいろんな具体的な措置をとられておるわけでありますので、一刻も早い再開をお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、予算の関係でありますが、運輸省は信楽高原鉄道の事故を契機といたしまして、来年度の予算の概算要求に当たって安全面を重点に置いた第三セクターの助成制度を拡大すると言っていますけれども、鉄道係員等の教育補助金の新設と近代化補助の拡充が柱であると聞いておりますが、その具体的な内容は何なのかを教えていただきたいと思います。また、第三セクター、それから中小民鉄が特殊自動閉塞方式や自動閉塞方式を導入するように、財政補助といいましょうか国としてこういう対策のための予算を講じていくべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#80
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 今度の信楽事故を契機といたしまして、第三セクターを初めとする中小民鉄の安全対策について、やはり経営が苦しいというようなことからやや手抜きがあるんじゃないかという御批判もございました。そこで、私ども来年度予算におきまして二つ考えております。
 先生、今御指摘のとおり、中小民鉄の方々の技術レベルといいましょうか、の向上を図らなければならないんじゃないかということで、一つは専門家を各鉄道会社に派遣いたしまして、職員に対する一種の教育、講習といいましょうか、これをやる。それから、現地の鉄道ごとに個性がございますので、施設などを見まして個別の一種のコンサルティングをやっていく。若干の期間滞在いたしまして、例えば施設、電気、車両というような専門家がついてコンサルティングをやる、こういう制度を設けたいと思っておりまして、これの経費の半分を国として補助したいというふうな要求はしております。
 それから第二点は、先生今御指摘がございましたように、従来から中小民鉄の近代化補助というのがございますけれども、これはサービス改善でございますとか経営の効率化の投資あるいは安全対策の投資というのも含まれておりましたが、これは国の補助率が十分の二、それから地方が十分の二ということで、こういう制度がございます。これをもう少し補助率を、特に安全に関するものについては大幅に上げる。できれば半分、二分の一国負担ぐらいにしたいとは思っておりますけれども、これは相手がありますことなのでどうなるかわかりませんが、大幅なアップをいたしまして、皆さんが安全に対する投資をしやすくする、こういうことを考えまして、この二点を予算要求しているところでございます。
#81
○渕上貞雄君 最後でありますけれども、欠損補助の問題について。
 信楽高原鉄道は、昭和六十二年の七月十三日から第三セクターとして開業したわけでありますけれども、従来まではほぼ収支が均衡していたわけですが、平成二年度以降経常疫益では五百万円の赤字が実は出ているわけです。第三セクターでは転換後も五年間の経常欠損の二分の一を国が補助することになっているわけですけれども、信楽高原鉄道では来年度これが切れるわけでございまして、信楽高原鉄道が運行を再開しても補償金等の支払いなどが当分続くというようなことを考えれば、この経常欠損の額というのはだんだん拡大していくであろう。
 そこで、これを契機として欠損補助の期間を見直してはどうかというふうに思います。これはいろいろ環境、状況もありましょうが、ここで思い切って考え直していくべきではないか。補助金が打ち切られるというところは、ただ単に信楽高原鉄道だけではなしに他の第三セクターも同じような状況であるというふうに思いますので、運輸省としてこの問題について考え直して新たな何か方策を考えていくべきではないか。そして、第三セクターを残していくべきではないかというふうに思うわけですが、その考え方はいかがでございましょうか。
#82
○政府委員(井山嗣夫君) 先生、ただいま二つの問題点をおっしゃっていただいたかと思いますが、一つは信楽高原鉄道には補償費につきまして今後も出るので、それについて助成を出すべきかどうかという問題と、もう一つは、一般的に五年間で切れる欠損補助とか運営費補助の制度を延ばすというふうなことも考えたらどうかという御示唆かと思います。
 最初の、補償の経費について国として一種の補助を出すかどうかという問題でございますが、通常に一般にこういう事故がありましたときの補償につきましては、これはほかの業界もそうでございますけれども、自己責任の原則ということで、やはり自己負担というのが通常でございます。それから、国の助成などもこういう欠損補助等をやるときには特別の事情によるものを除いたいわゆる経常損益で考えておるのが通常でございまして、どうも事柄としては、補償費がかかるのでそれを国が補助するというのはなかなか理論的にも難しいんじゃないかなという気がちょっとしておるわけでございます。
 それから二つ目の、特定地方交通線から転換した鉄道のいわゆる運営費補助の延長の問題でございますが、これは具体的に私ども若干各社のいわゆる基金の状況等を調べまして勉強させていただきました。
 一般論でございますけれども、実はこの特定地方交通線は、先生御存じのとおり、開業時にキロ当たり三千万という転換交付金が出されておりまして、この一部が将来の欠損補助のための基金をつくるというようなことで充てていただきたいというのが一つでございます。それから、そのときに、開業後は五年に限って経常損失の二分の一を補助します、それ以上は申しわけないけれども出せませんという話でございました。そこで大部分の方々は、バス転換の道をお選びになった方が多いんじゃないかと思います。しかし、やはり地元の御熱意で、地元が基金をつくりあるいは乗車運動をやって守り立てていくのでぜひ免許をしてくれ、ぜひ鉄道としてやりたいという御希望が強かったところにつきましては、私どもも地元の公共団体の方の一種のお約束といいましょうか確約をいただきまして、それで免許をしたという経緯がございます。
 現在、それでは各鉄道会社の収支状況はどうかということでございますが、今二年度の経常損益、これは三十三社の合計でございますけれども、これはマクロで見ますと十五億の経常損失でございます。それから、いわゆる転換交付金、それから地元がお積み立てになった基金、全部合わせまして二百三十四億、それから今後積み立てる、近々の年度での積み立ても全部入れますと二百八十五億というのが今計画されております。鉄道によってはさらに積んでいくというところがございます。そういたしますと、この運用利益で、マクロでございますが、経常損益というのはほとんど消えてしまう、あるいは全部消えてしまうということになるわけでございます。これは当初からそういう予定でやっていたといえばやっていたのでございますが、そういうことになります。
 そういたしますと、私どもとしてこれを五年間さらに延ばしていってどうしてもやれという理由がなかなか理屈として難しいものですから、今年度のあれでは五年間をさらに延長してくれというのはちょっと言いにくかったと、こういう事情でございます。
#83
○渕上貞雄君 終わります。
#84
○堀利和君 今国会から本委員会に籍を置くことになりました。よろしくお願いいたします。
 まず、先ほど佐藤先生からお話がありましたが、知恵おくれの方々の割引運賃制度がこの十二月の一日から導入されることになりました。私もこれまで社労委員会で、あるいは障害者の福祉推進議員連盟というのがございますけれども、こういったところでも私なりに働きかけをさせていただきまして、ようやく実現するということで本当に喜んでおりますし、感謝申し上げたいと思います。
 各地を回りましても、知恵おくれのお子さんを持っておる親の方々から、この問題を何とかしてほしいというふうに大変要望がございます。知恵おくれの方が、お子さんが出かけるに際しまして付き添っていくというのは当然のことなんですが、それ以上に、例えば親の方が同窓会で出かける際に、二十、三十、四十になった知恵おくれのお子さんを家に置いていくわけにはいかないということで、言うなれば親の都合でお子さんを連れていかなければならない、それにおける運賃というのがやはり負担になるわけですね。そういうことで、ぜひ身体障害者同様運賃割引をお願いしたいなんということを承っておりまして、そういうことで実現したことにつきまして、大臣初め関係者にお礼を申し上げたいと思います。
 私は、これまで二年間社会労働委員会の方に所属しておりました。私自身が障害者であるということで、障害者の問題、福祉の問題ですから中心になるのは厚生省ということで社会労働委員会、労働省関係にも所属していたわけですけれども、御存じのように、国際障害者年のテーマであります障害者の社会への「完全参加と平等」、つまりは完全参加ということから見ますと、厚生省なり労働省の狭い枠の中で障害者の問題、福祉が片づくわけではないわけです。これはもう言うまでもなく、障害者は一人の市民として町に出まずし、社会活動をしますから、単に福祉制度ですべてが片づくことではありません。
 最近、重度の方も電動の車いすに乗って一人で町に出るようになってきました。きょうも傍聴では雨の中を本当に大変なんですけれども、多くの障害者の方々、車いすの方々が見えております。今、手押しの車いすは大体四十五万台出ております。電動車いすが三万三千台なんですね。六十一年には電動車いすが五千四百台出ておりまして、平成二年には八千台ということで、そういうことから見ても重度の障害者がかつては介護者をつけなければ表に出られなかったのですが、今や一人でもうどんどん出るようになってきた、こういう時代になりつつあるわけです。
 私は、社会労働委員会等に所属していたときにも障害者の働く機会、社会参加という観点で取り上げていろいろやりました。議員になる前も。障害者の雇用の問題では、必ずしも職安募集ということではなくて民間の求人情報誌というのがかなり出回っております。ところが、求人情報誌には障害者のショの字もないんですね。そういうことで、ぜひ民間の求人情報誌にも障害者雇用について情報を流してほしいということで要請いたしまして、全国求人情報誌協会という大手十二社がつくっている協会なんですが、こちらの方が九月の障害者雇用月間にはリーフレットをつくりまして啓発活動をする。最近では、情報誌の中にも障害者を企業の戦力にというようなことでやっております。そういうことでは、障害者が働く機会を得る、社会へ参加するということが徐々に徐々に拡大しつつあるわけです。
 ところが、八月の新聞の求人欄をたまたま見ることができたんですけれども、障害者の求人なんですが、都内の商社なんですけれども、そこには、雇用、採用の要件として、通常の交通機関を利用することとあるわけですね、こういう要件が。つまり、通常の交通機関を利用する者でなければ雇用、採用できませんということなんです。労働省でも、障害者が自分で運転して車で通勤する際の駐車場に対して補助、援助として昨年は二万円から五万円に引き上げて、卓で通勤できるようにという策もとっているんですが、現実は駐車場を用意できない会社もあるわけです。土地の値上がり、大変そういった問題がありますから。ということからいえば、働くこと一つとってもやはり交通の問題というのは非常に大きな問題、かなめになると思うんですね。
 そういうことから、大臣に、まず、今申し上げました雇用、採用の要件として通常の交通機関を利用することという、ここについての感想といいますか、どんなふうにお感じになるか、まずお聞きしたいと思います。
#85
○国務大臣(村岡兼造君) 今、先生御指摘の求人広告を見まして感じますことは、身体障害者等の方々が円滑に就労し社会参加をしていくためには、やはりまず公共交通機関におけるいわゆる交通弱者用施設の整備が重要だということでありまして、今後とも公共交通機関における所要の施設整備の推進に向けまして最大の努力をしていく必要があると考えております。
#86
○堀利和君 重ねてお伺いしたいと思いますが、運輸政策、運輸行政というのは大変広く大きな課題だと思うんです。その中で、いわゆる交通弱者と言われる障害者、高齢者を中心にした方々の交通対策というのは、一分野かもしれませんけれども、その大きな交通政策、運輸政策の中でどのように基本的にお考えか、もう一度お聞きしたいと思います。
#87
○国務大臣(村岡兼造君) 運輸省といたしましては、移動に伴う負担が大きい身体障害者あるいは高齢者、外国人旅行者等を交通弱者としてとらえておりまして、これらの人々のために円滑なモビリティーを確保することが重要と考えており、このため、既に策定されておりますがイドラインやモデルデザインに沿って公共交通ターミナルの整備や車両構造の改良を進めていく必要があると考えております。
 具体的には、障害者等交通弱者が公共交通機関を利用して移動する際に、安全かっ身体的負担の少ない方法で移動できるよう、鉄道駅におけるエスカレーター、エレベーターの設置、ホームにおける警告、案内ブロックの設置等、施設の改良整備等について配慮をするよう各交通事業者を指導しているところでございます。
#88
○堀利和君 大臣から、交通弱者と言われる方についての、いわば障害者、高齢者、そして旅行中の外国人とございましたけれども、もう少し交通弱者という定義について詳しくお伺いしたいと思います。
#89
○政府委員(大塚秀夫君) 交通弱者と私どもも一般的に施策をやるときに範疇を設けておるわけでございますが、特にどの範囲という定義があるわけではございませんが、今大臣から申し上げましたように、身体障害者の方あるいは高齢者の方等、通常の利用者に比べて交通施設を利用する場合に負担がかかる、利用しにくいというような方々を対象として、その方々が利用しやすい交通施設はどうあるべきかという見地から検討をしているわけでございます。
#90
○堀利和君 交通弱者の定義につきまして、負担等もございましたけれども、もう少しやはりきちっとした定義で御認識をしていただきたい。
 つまり、ヨーロッパ、イギリス等では八人に一人がモビリティーハンディキャップなんです。つまり、モビリティーハンディキャップというのは、最近、移動制約者というように日本で訳しておりますけれども、障害者、高齢者はもちろんですが、交通機関で移動する際に何らかな制約を受けるということなんですね。したがいまして、妊産婦の方なり小さいお子さんをベビーカーで押して移動している方あるいは外国から大きい荷物を持って日本に来て、エレベーターがなくて階段ばかりで苦労したなんという方もいらっしゃいますけれども、やはりこういう公共交通機関なりを利用する際に、制約、障害、障壁を受ける状態にある人というふうに私はきちっと位置づけて、そういった意味で対策を講じるべきだろうと。もちろん、最もそこに弱者といいますか制約を受ける身体障害者の問題というのは極めて重要なんですけれども、やはりもっと広い概念でとらえていただきたいというように思います。
 したがいまして、いわゆる交通弱者対策というのは、単に身体障害者とか高齢者という狭い人たちが対象ではなく、国民を対象にする広い政策として位置づけていただきたいというように要望したいと思います。
 それで次に、先ほどもアメリカにおけるADAの法律、障害を持つアメリカ人法の話がありましたし、イギリスでは運輸省の中に障害者交通対策室というのもございます。あるいはスウェーデンでも運輸省の中に運輸委員会という、このモビリティーハンディキャップの問題を取り扱う委員会がございます。あるいはフランス、カナダ、ベルギー等では運輸大臣の公的諮問機関としてきちんと審議会が位置づけられているわけですね。
 こういうふうな事例から見て、果たして我が国の運輸省の中ではどういうようにこのモビリティーハンディキャップの問題を取り組むのだろうかということで、七月に組織改正されまして消費者行政課というのができたわけですね。確かに、消費者とか利用者ということを明確に課の名前に出してやったということは大変私は高く評価するわけです。その消費者ということを出してやったというのは大変すばらしいと思うんですが、この消費者行政課のつくられる経過あるいは役割というものをお聞かせ願いたいと思います。
#91
○政府委員(大塚秀夫君) 当省といたしましては、高齢者や身体障害者など、今先生に御指摘いただきましたが、広い意味での交通弱者が円滑に各種交通機関を利用して移動ができるように、それに適した交通施設を整備していくことが重要な政策であると考えております。このような視点から、本年七月に行われました運輸省の大きな組織改革の中で運輸政策局に新たに消費者行政課を設置いたしたところでございます。
 この消費者行政課におきましては、交通弱者用の施設のガイドラインをつくるとか、こういった交通弱者対策一般について政策を展開していくこととしておりますし、また運輸交通サービスの一般消費者の利便の増進や利益の保護、交通機関の運賃・料金等に関する業務を行うこととなっておりまして、こういった消費者行政課の設置を機会に、さらに今後いろいろな角度から交通弱者対策の政策の一層の推進を図っていきたいと考えております。
#92
○堀利和君 期待しておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それで、運輸省がこれまでいわゆる交通弱者対策、身体障害者の対策をどのようにしてきたかということで見てみますと、昭和五十八年に施設整備に関するガイドラインがつくられまして、その後毎年研究が行われ、指針が出たりガイドブックが出たりということで、確かに努力されております。ところが、その昭和五十八年から六年たちまして平成元年の九月に、総務庁の行政監察局から鉄道事業に関する監察結果という報告書が出ました。これは駅舎設備を総点検して、不十分であるからもっと設備をきちっとしなさい、充実しなさいという内容なんですけれども、五十八年から、今言いましたように、毎年研究し報告書を発表しながら、こういった総務庁のいわゆる勧告といいますか報告書が出るという、これをどういうように受けとめていらっしゃるのか、その辺ちょっとお聞きしたいと思いますが。
#93
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生が今御指摘のガイドラインというのは、多分五十八年三月の「公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドライン」のことかと思いますが、これは身体障害者の方の移動を確保するという観点から、いわゆるそういう施設整備のあり方といいましょうかモデルといいましょうか、これを示す基準でございまして、これをもって一般的に鉄道事業者を指導してきたところでございます。総務庁の方は、特に大都市におきます、まあ元年は民鉄版でございますか、民鉄のサービス対策の実施状況ということをいろいろごらんになりまして、中でよくやっているところもあるけれども、一部まだ十分でないものがあるという前提で、鉄道事業者に対して実態を自分たちで総点検してもらう、特に必要性の高い駅を中心に施設の整備充実を図れと、こういう御指摘があったわけでございます。
 私どもとしても、確かに従来から身体障害者の方の施設整備を一応行政指導してきたところでございますけれども、やはりまだ不十分なところがあったのではないかというごとで、もう一度指導をし直しまして、事業者にみずからの施設を全部総点検してもらう。それで、その結果を参考にいたしまして、必要性の高い駅を中心に順次整備を進めるということでやってきたつもりでございます。そういう意味では、従来から比べますと我々自身の認識、鉄道事業者の認識も非常に高まってきたというふうに考えております。
#94
○堀利和君 まだまだ不十分だと答弁の中でございました。私は行政指導ということで運輸省も努力されているとは思いますけれども、やはりその辺のところが明確に義務づけということで、強制力、実効性を上げるためのそういった義務づけ、強制力がないのではないだろうかと思うんですね。その辺についてはいかがでしょうか。
#95
○政府委員(井山嗣夫君) 私どもにあります行政手法の場合に、いわゆる法律で義務づけるというやり方と、行政指導と俗に言われているものとがございます。法律で義務づけるという場合は、社会的に一般的な規範というものがございまして、これに対しまして社会一般人として当然守るべき準則というものがある、それを明らかにしたのが法律あるいはそれに基づく政省令だと思います。
 今、鉄道施設の身体障害者の方の施設の設置基準というのは、これは義務づけする方法もあると思いますけれども、ただ技術的に大変難しいと思いますのは、すべての駅、まあ駅によっては非常に構造も違います、一日の乗降人員も違います。こういうものを一律にどういう形で義務づけるかという法技術的な難しさもあるかと思います。それから、そこまで鉄道関係事業法、これは主として利用者の、何といいますか運賃だとか免許だとかあるいは安全を守るための技術基準を決める根拠法でございますが、そういうものの体系の中で障害者施設というものを直接義務づけていいのかどうかとか、こういう法技術的な問題が一つあると思います。そういう意味では、私どもは今の段階では行政指導で進めていくということが妥当ではないかと考えているところでございます。
 先生先ほどおっしゃいましたように、なかなか進まないという例で一つだけ簡単に申し上げますと、昭和五十八年と平成二年度末を比較させていただきます。
 エレベーター、これはJR、民鉄、地下鉄等でございますが、を全部含めまして、エレベーターは五十八年当時八十八駅にしかございませんでした。それが平成二年度末には二百四十九駅に設置されたというふうに私どもの調査ではなっております。それから、エスカレーターが四百四駅から六百九十一駅というふうに、遅々としているという御批判はあるかと思いますが、それなりに努力をしているつもりでございます。
 それから、これは例で申し上げますと、事業者の団体であります日本民営鉄道協会がございますが、ここでは駅のホームの点字フロックでございますとかその他の身体障害者の方のための施設がいろいろございます。これの整備を特に大手民鉄を中心にできるだけ早くやりたいということで申し合わせをいたしまして、早いものはできれば平成四年までに完了してしまおうじゃないかとか、こういうことを申し合わせて今努力をしているところでございます。
 そういうことで、いろいろと行政手法はございますけれども、私どもなりに順次進めさせていただいているというところが現状でございます。
#96
○堀利和君 数は当然減るわけなく、ふえるだろうと思うんですね。
 先ほど大臣も、なるべく身体に負担がかからないようにエスカレーター、エレベーターの設置と言われましたが、先ほどの民鉄協が各鉄道事業者に出しました指針の中では、ターミナルにおきましてのエレベーターの設置がないんですね。これは、非常に私は残念だなと思いますので、この点についてぜひ運輸省としてもそれなりのいわゆる行政指導をお願いしたいと思います。
 エレベーターの話が出ましたので、八月の十七日から十八日に起きました熊谷駅の事件といいますか、障害を持った女性が十四時間半もエレベーターの中に閉じ込められてしまった。これは明くる日の新聞でも報道されまして、私自身大変ショックを受けたニュースでした。九月の三日に私も現地調査に行きまして、駅長さん初めいろいろ話を伺ったわけです。調査に行く前は何とひどい駅だろうと思って行ったんですが、駅長さん初め、あるいは建物の構造を見てもまあまあというところで感心して帰ってきたところはあるんですね。それなりに、昭和五十七年に新幹線開通の際の大改造の中で設備が、エレベーターも設置されましたから、まあ進んでいる駅だなと感心したところもあります。
 ところが、いろいろ事情を聞いた中で、なぜ障害を持った方が十四時間半も閉じ込められたのか。これは新聞からもわかりますように、タクシーの運転手と、かぎで操作した交番の警察の方との言葉のちょっとした行き違いでなってしまった。これがきっかけなんですけれども、十四時間半も夜ずっとエレベーターの中に閉じ込められてしまったというこの事件といいますか事故の本質的なものは、やはり根深いと私は思うんですね。通いなれている病院に行って夜帰ってこないということで、御両親が心配していろいろ手を尽くし、最終的に朝彼女が発見されたわけですけれども、これが仮に一人旅に行きますと、二日も三日も行っできますということだったら、家族は二日も三日も捜さないんですね。そうしたら、これは大変なことになるんだろうと私は想像するわけです。
 まあ、そういうことでいろいろ現地に行って事情を見ましたけれども、まず疑問に思ったのは、昭和六十二年、国鉄時代まではエレベーターのかぎは駅が管理していたんです。ところが、JRになりましてからそのかぎの一つを下の交番に預けるようになったんですね。これはなぜ預けるようになったのか、ちょっとその経過をお聞かせください。
#97
○政府委員(井山嗣夫君) 私どもがJRから聞いたところによりますと、ちょうどエレベーターの位置が交番、派出所にごく近いところにあるんだそうでございまして、それで基本的にはJRがもちろん持っておるわけでございますが、派出所の方に、お巡りさん、エレベーターを使いたいんだというお申し込みがたびたびあるものですから、警察の方からも御好意ということでございますけれども、義務ではございません、御好意によってかぎをお預けして必要なときにはかぎを扱っていただいた、こういうことめようでございます。
#98
○堀利和君 いや、私はどうも人減らしの中の策として交番に預けたんじゃないかなというふうに、これはもう見解の違いですからいいです。
 それでは、なぜエレベーターにかぎをかけるのか。つまり、かぎがなければエレベーターが利用できないのか、ここがやはり問題なんですね。
 どことは私は言いませんけれども、これは実際にあった話で、ある公園に障害者用のトイレがつくられたわけです。これも同じようにかぎがかけられているんですね。土曜日の午後、車いすに乗った障害者の方がトイレに行きましたらかぎがかかっているわけです。御利用になりたい方は公園の管理事務所まで来てくれとあったので、公園の管理事務所に行ったんですね。そうしましたら、公園の管理事務所のところには、御用の方は土曜閉庁ですので月曜日に来てくださいと書いてあったんですね。これじゃトイレに行けないですよ。
 つまり、こういう落語のネタになるような話もあるぐらいに、なぜかぎをかけるのかということが問題なんです。これはどうしてかぎをかけるんですか。
#99
○政府委員(井山嗣夫君) これもJRから聴取した話でございますが、まずエレベーターの使用につきましては、JRとしては原則としてあのエレベーターについては社員の方が付き添って利用していただくということを前提としていたわけでございます。
 そこで、なぜかぎをかけたかということなんですが、これは日本人の公徳心の問題なのかもしれませんが、自由にしておきますといたずらが激しいということでございます。それからもう一つは、これは防犯上の見地から、自由にするといろいろ問題が出るということでかぎをかけて、そのかわり使うときには、このエレベーターには前に案内板というのがありまして、御用のときはこの中に電話機がありますので、これをとってお話しください。それでJRの職員が飛んでくる、こういう仕掛けになっております。
 そういう事情で、いたずらと防犯上の観点からかぎをかけざるを得なかったというふうに聞いております。
#100
○堀利和君 いたずらとか防犯というのは確かによく聞くんですよ。なぜいたずら、防犯ということが問題になるかというと、障害者のためとか障害者だけが使う専用のエレベーターということで人目のつかない隅のところに設置してしまうんですね。これをもっと人目につくところ、そしてみんなが当たり前に使えるようになれば防犯とかいたずらというのはないんですよ。これがオープンになってだれもが使えるようになっていれば、十四時間半も閉じ込められることはなかったはずです。だれかが乗るはずです。やはりそこに問題があるんですね、大きな。
 先ほど交通弱者の定義を聞きました、モビリティーハンディキャップ。まさに障害者だけが交通弱者じゃないんですよ。お年寄りもそう、そしてバギーを引いているお母さんもそう、あるいは大きな荷物を持った方。持ってなければ健常者かもしれないけれども、大きな荷物を持ったとき、これはハンディキャップに置かれている、そういう状態にある人なんですね。こういうやっぱり広い概念でモビリティーハンディキャップというのをとらえていただきたいんです。そういうことから、障害者だけにエレベーターを設置するというのは正直言ってもったいないですよ。みんなが使うということが、やはり私はそういったことからいってもいいことであると思うんですね。
 この辺の見解と、そして、熊谷駅のこういった専用エレベーターにしたがゆえに十四時間半も閉じ込められてしまったということ、これを教訓に今後駅舎改善でエレベーターをつける際にはみんなが使えるように、オープンにするように、こういったやはり教訓としてそういった指導をきちんとしてほしいわけです。
 先日、札幌に行きまして、札幌市営地下鉄、昨年開通した東豊線というのがあるんですが、これは全駅にエレベーターがついています。そして、最初は障害者専用ということで設置したわけですけれども、みんなが使ったらいいじゃないかということで、私が乗ったときにもちょうどお年寄りが乗ってきました。私は、これがノーマライゼーションという、ともに生きるといいますか、みんながそのエレベーターを使うこと、これが極めて合理的だと思うんですね。最初は確かに障害者専用ということで、恐らく障害者だけ使うという札が張ってあったと思うんですけれども、その上に紙のようなもので、だれでも御自由にお使いくださいということで張り直しているんですね。大阪なり神戸の方でももう既に、それはみんなが使ってくださいという、使えるエレベーターとして設置しているわけです。やはりこういうような観点で、今改造しようとしている駅、新設する駅、今後しようとするものについてはこういった教訓を生かしていただきたい。
 これは私は、障害者を決して特別に優遇してほしいということをいつも訴えておるわけではなくて、普通に生活したいから当たり前にさせてくださいと言っているわけです。そういう観点から、私は、障害者だけのエレベーター、専用ではもったいないなと、みんなで使うことがいいことじゃないかと思いますが、この辺のこと、見解をお聞かせ願います。
#101
○政府委員(井山嗣夫君) 先生のおっしゃるのはごもっともでございまして、JRの方にも一般の方々も利用できるように工夫はないかということを今検討を求めております。
 そのときに聞いておりましてちょっと問題がなと思ったところは、実はエレベーターの設置の位置によりましてラッチの中か外かという問題がちょっとあるようでございまして、これはラッチの中のエレベーターですとそういう問題はないようでございます。例えば地下鉄を考えていただきますと、ホームの上から上のコンコースの階まで、これはラッチの中ですから自由なんでございますが、物によってはラッチの外とラッチの中を直接結んでいるやつがあるようでございます。この場合はお客様から料金をいただくということで、自由にという観点から仮に自由にいたしますとサツマノカミが結構ふえちゃうんじゃないかというような心配もあるということで、そこら辺をどう考えるかという問題があるようでございます。
 ただ、いずれにしましても、自由にいろんな方に利用していただくという方向はよろしいのじゃないかと思いますので、できるだけそういう方向になるように関係会社を指導していきたいと思っております。
#102
○堀利和君 そういう考え方で本当に指導していただきたいんですね。つまり、かぎをかけずオープンにした方がよりよい理想的なエレベーターになるということで、実際に障害者たちがJR等に要求してもそれを認めないですね。この辺をきちっとしてください、そういう事例が今でもありますから。
 次に、新潟県の越後線の小針駅というところで、やはりこれは八月の中旬なんですが、車いすの障害者が定期券を購入したい、売ってくれと言ったら断られたんですね。この定期券を売らなかった理由といいますか、これは法的に何か根拠があるのか、そのことをお聞きしたいんです。
#103
○政府委員(井山嗣夫君) これは実態問題も若干御説明を申し上げないといけないのかと思いますけれども、私どもがJR東日本に確認いたしましたところ、この方は従来から越後線の小針駅を週一回ないし二回御利用なさっていたようでございます。そこで、この方は電動式の車いすで、ちょっと特別仕様で割と重い目のやつなんだそうでございますが、これを御利用になっておりまして、お乗りになるときには駅員と、それからそのほか一般の利用者の方の助けをかりまして、乗っていただいたまま階段をかついで上げていたと、こういうことでございます。そこで、駅員がこの駅は最大でも日中三人、利用者の数からして三名配置でございますので、駅員だけではちょっと対応ができなかったということがございます。
 そこで、この方が八月に入りまして小針駅で定期券を買いたいというお求めがあったようでございます。そこで、小針駅の方は、実は定期を利用される時間帯は割と込んでいるというようなこともありまして毎日お世話できるかどうかわからないということで、はっきり申しまして御購入は遠慮いただきたいというようなことを言ったようでございます。それで、結果といたしまして販売を拒否したということに、これは事実としてそのとおりでございます。これはJR東日本の本社の方も知らなかったので、大変申しわけないということで平謝りに謝っているところでございます。
 ただ、そこで、法律問題と先生おっしゃいましたけれども、そのときにJR東日本の関係者が鉄道営業法の六条一項二号を援用いたしまして、これで拒否できるんじゃないかというような説明をしたようでございます。この規定は、例えば特別の負担を求められるような運送の場合は運送を拒否できるという、これは原則は貨物の規定でございまして、これを旅客輸送にも準用するという規定でございます。
 この規定は、例を申しますと、貨物輸送について、その貨物を運ぶのに特別な荷役設備が要るとかいうことで普段はないやつをどこかから持ってこなきゃいかぬ、こういう場合には拒否できると、こういう趣旨だろうと思います。旅客の場合、本件の場合はそういうような事例であったかということ、準用できる範囲であったかということを検討しますと、私自身は極めて疑問がある、むしろ拒否できる事由に当たらないんじゃないかという考えを持っております。
 そういう意味で、東日本の職員がそういうことを申し上げたとしたら、これは間違いと私は判断しております。
#104
○堀利和君 国会でもこの鉄道営業法の六条は決着ついているんですよ。つまり、特別な負担、責務を要求する際には乗車を拒否できるという。しかし、これは障害者は規定外である、それには当たらないということがもう国会で決着ついていることなんです。ですから、今言われたことの見解でいいと思いますから、これはJRの方に徹底してください。そういうことの理由で、誤った、間違った認識の法律解釈で定期券を売らないなどということは二度とないように、そこはきちっとしていただきたい。
 私は、九月十三日に現地に調査に行って、東日本の新潟支社の部長さん方々にもいろいろ聞きました。ちょっと事実が違いますね。
 時間がないですから簡単に言いますと、まず昨年の五月に、同じ方ですよ、電話で定期券を買いたいということを言いましたら、小針駅の駅員の方々が本社といいますか支社の方に電話して、こういう事情だけれども、定期券を売っていいかと、そうしたら、いやだめだという返答があったわけです。それから一年たって、この八月にもう一度やはり本人は買いたいということで行ったわけです。そうしたらやはり同様に、駅員の方では一年前のことがありますから、いや売れないということを言って、それから改めて支社の方にまた電話で、こういうことがあったけれども、どうだ。それもやはりだめだと。それはやはり法律の誤った解釈で断ったと思うんですけれども、そういったことで事実は違うんです。全部知っていたんですね支社が、本社といいますか。そこがありますから、そこはきちっと、ただ聞くだけじゃなくてきちんと確認をしていただきたいと思います。
 乗車券では買えるのに、売ってもらえるのに定期券はだめというのが、これは理屈がよくわからないんですけれども、これはどういうことですか。
#105
○政府委員(井山嗣夫君) 私もちょっと、当事者じゃないのでどうしてそういう解釈になるのかよくわからないんですけれども、これは背景事情から、まことに私個人の推察でございますが、多分定期の時間帯、利用者の方が多い時間帯にはなかなか手が回らなくてお世話がしにくいというようなことを考えたのかなという――想像でございますけれども。法律的には先生おっしゃるとおり、定期券も乗車券もいわゆる営業法上は乗車券ですから差はないと思います。
#106
○堀利和君 余り想像や推測で私答弁いただきたくないんです。これはもう質問するということがわかっているんですから、きちっと調べていただきたいと思うんですよ。本来だれにでも買えるはずの定期券を特定の人には売らないというのは、これは差別ですね。許されていいのかなと私は思います。もうこれ以上言っても想像や推測で話されては困りますから、とにかくこういうことが許されていいと私は思いません。
 じゃ、現実に実態はどうかというときに私も調べてきました。この問題はこの問題で当面といいますか、今とりあえず決着していただきたいということで大臣に答弁といいますか御見解を伺いたいんですが、先ほどアメリカの障害者法の話が出たときに、大臣は、日本にも心身障害者対策基本法があると指摘されました。その対策基本法の「個人の尊厳」という第三条には、たしか「すべて心身障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するものとする。」という、こういう条文なんですよ。これは非常にすばらしい条文なんですね。個人の尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するということなんです。これは権利を有しているんだけれども、保障されてないんですよね。
 実態はどうかといいますと、なぜ定期券を買おうとしたのですかと言ったら、彼は、いやいつも駅員に切符を買ってもらうのが心苦しいから、定期券を買えば、首に下げていけばそれだけでも負担にならないからというわけですね。線路を挟んでホームが二つあるわけです、相対式といいまして。彼は新潟駅と内野駅の間の小針駅というところから乗って、行き先は内野に行くんですけれども、その小針駅で内野に行く方面では確かにすぐは改善できないほど階段が高いです。これは民有地と市の土地を含めて話し合って協議して改善しなきゃならないなということがわかりました。だから、こちらはすぐは改善できません。
 しかし、今度は新潟方面、内野と反対の新潟方面のホームを見ますと、ホームと道路と同じ高さのところがあるんです。道路が傾いていますから、高い方は無理ですけれども、端っこの方は同じ高さになるんです。ここのさくを少し手直しして、出入り自由じゃまずいですからかぎは要りますけれども、出入りできるように戸というんですかさくを直せば、彼はそれで定期券を売ってもらえれば、一たん新潟まで行って折り返しのダイヤ、電車を見て、そのまま乗っておれば折り返して内野に行くのだと、こういう不便はやむを得ないから、我慢はできるからとにかく定期券を欲しいと、一人め駅員の手で何とか乗れるのだと。こちらの南口ですか、内野方面の直接のホームですと四人、五人で持ち上げなきゃいけないんです、確かに。だから、こちらだと一人で何とか済むからそういうふうにしてほしいというんですよ。
 私はその話を聞きまして、これは運輸政策の大きいところから見れば重箱の隅をつづくように小さいことのように大臣は思われるかもしれませんけれども、ぜひ今すぐ彼が定期券を買って乗れるようにしていただきたい。これはJRの勝手でしょうで、やるのはJRだというんじゃなくて、ぜひ大臣、今すぐにそういう形で働きかけていただきたい、お願いしたいのですが。
#107
○国務大臣(村岡兼造君) 今、堀先生、小針駅のお話をされました。現地も見られているようで、私実はまだ小針駅の状況わかっておりませんので、報告を受けた答弁をするわけでございますが、JR東日本としては身障者用の出入り口を今月末に設置する、こういうことで対応するようでございますので、そうなればこれによって当面の問題は解決されるものと考えております。
 なおまた、小針駅ばかりじゃなくて、身体障害者の方々から申し出があれば定期券の発売をいたしますし、その際また乗車時間等の打ち合わせもしたいというような話も来ておるところでございます。現状では身障者の方の御協力と御理解を賜りたいと考えておるところでございます。
#108
○堀利和君 ぜひこの問題はこの問題として、とりあえず乗れるように大臣の方から強くJRの方に働きかけていただきたいということをお願いしたいと思います。
 私、小針駅の例を通しまして、大都市にある大きいターミナル等はガイドラインに沿って改善しなきゃならないと思いますが、いわゆる地方の小さい駅の場合というのは人の顔と同じように一つ一つの駅によって少しずつ構造といいますか地理を含めた位置が違うんですね。そうしますと、今小針駅の例のようにさくを少し手直しすれば何とか乗れるようになるという、こういうやはりホームなり駅舎の構造というのも各駅によっていろいろやっぱりあると思うんです。そういう点では莫大な金をかけてすぐうまく乗れればいいんですが、それは一つの希望として、今すぐ駅が利用できるように、やはり住民、障害者たちとJR、鉄道事業者とが、あるいは自治体を交えて話し合って、おらが駅を今最善の努力の中でどう使えるのか、ある意味で金をかけなくて使えるのか、お金を少しかけて直せば使えるのか、こういう話し合いというのを私はやるべきだろうと思うんですね。こういうことについて運輸省としては行政指導といいますか働きかけはできないんでしょうか。
#109
○政府委員(井山嗣夫君) 先生先ほどおっしゃいましたように、駅のいわゆる本格的な改良というのは大変金がかかることでもございますし、またなかなか地元のいろんな都市計画との関係とかで難しいところがございます。ただ、先生が今おっしゃいましたように、それほど金をかけないで、小さな直しといいましょうか、こういうものでできるものがあれば早目にやるべきではないかというお話、ごもっともだと思います。
 そこで、そういう場合に鉄道事業者が福祉問題を担当する地元の公共団体などと話をしまして、それで利用者の御意見も反映させる、そういう工夫をするというのも一つの方法ではないかと思います。ひとつ検討させていただきます。
#110
○堀利和君 地方の駅ですと、従来、列車が走っていましたからホームが低いんですね。電化されて、電車ですからホームと電車との高さに四十センチぐらいの段差がありますね。車いすの方が、自分のところの訳なんですけれども、それに乗るのに鉄板を持っていかざるを得ないから鉄板を持っていったわけです、電動車いすは重たいですから。それで、乗ってまた帰ってきて、鉄板を預かってもらえないかと駅員にお願いしたら、いや持って帰ってくれと言うんですね。やっぱりこういう鉄板をだれか盗んでいくかどうかそれはわかりませんけれども、隅のどこかに立てかけておいてもらって、利用するときにちょっとそれを使ってという、それを一々重たい鉄板を持って帰れというようなことも実際あったんですね。
 ですから、やっぱりそういうところは話し合って、少しのお互いの話し合いの中で解決するところがあればしていってほしいということで積極的に運輸省としては働きかけていただきたいと思います。
 次に、視覚障害者の歩行といいますか駅舎利用の安全のことで伺いますけれども、これまたことし五月に国立身体障害者リハビリセンターの職員の中途失明で全盲の方、この方は皮肉にも視覚障害者の移動の安全、都市交通システムの研究をなされている専門家なんです。この田中一郎さんという方が井の頭線の浜田山駅のホームから転落して電車に接触して亡くなられたんですね。私もこのホームを見てきました。確かに狭いホームで、危険だなというふうに思いました。
 最近はかなり点字ブロックがホーム上にも敷設されておりますけれども、この国立リハビリテーションセンターの研究所の専門家グループの方々が調査を実施したアンケートによりますと、六十四名の方に聞いたところ、そのうちの十名がホームからの転落の経験がある。二度落ちた方も含めて、延べといいますか、十三名、十三回といいますかが転落をしたんだということがあるんです。私は、点字ブロックはないよりはもちろんあった方がいいけれども、点字ブロックがあれば絶対安全か、一〇〇%大丈夫かというと、そうは思わないんです。この数字からいいましてもわかりますように、単に個人の不注意ではなくて、やはりそこの安全性というところから見ると若干問題を感じるわけです。
 そういうことから、今運輸省としてホーム上の点字ブロックの安全性というのをどのように考えておられますでしょうか。
#111
○政府委員(井山嗣夫君) 先生ただいまおっしゃいましたように、ホームの点字ブロックというのは目の悪い方に対して注意を促すという効果はあるんだろうと思いますが、物理的に転落を完全に防止するという機能を持っているわけではございません。そういう認識でございます。
 ただ、ホームというのは、先生御承知のように、列車への乗降客が非常に日本の場合は多いわけでございますから、今のようにオープンといいましょうかの形になっております。これをお客さんの転落を物理的に防止しなければいけないとなりますと、いわゆるホームドア、ホームの外れにドアをつけまして、列車が来てぴったりドアとドアが合ったときにあく、これをつけなければ、全駅をそうしなきゃだめでございます。そういうことで、地下鉄などで一部最近のもので採用しようかということでやっているところがございますが、実はほとんどの駅は今全部オープンスタイルでございます。これをやりますと乗降に時間がかかるとかいろいろな問題がございまして、それと全駅につけるというのは物理的に私は不可能だと思います。
 そういう意味で、ほかにもっと効果的な方法がないかということは今後の検討課題だと思いますけれども、今の時点で物理的に転落を防止するという施設は、申しわけございませんが、ないと思います。
#112
○堀利和君 確かに、ドア式というので防護さくですか新幹線の駅にもありますけれども、あそこまできちっとやっていただければ本当の意味で安全なんですけれども、ラッシュといいますか人の多いところであれが実際どうかということになると、難しいところがあると思うんです。
 点字ブロックではなくて何らかの方法を御検討していただけるようなことが答弁にありましたけれども、私の経験からいいますと、数年前、私は品川駅を利用しているんですが、ちょうどホームを拡張するというので幅を広げる工事をしていたんです。その広げる部分だけ工事中は板だったんですね。ちょうど幅一メートルか一メートル五十センチぐらいですかね。知らないでそのホームを歩いていましたら、板だということがすぐわかるんです。板といいますか、今までのコンクリートでつくられたホームと違って板なんですね。これだったらもうよくわかる。ですから、ホームの端の一メートルなり一メートル五十センチのところを板なりゴムなり、何が一番適切かわかりませんけれども、つまり通常のホームのコンクリートと違って私たちが足ですぐわかるような材質のものでやっていただければ、点字ブロックですとうっかりまたいでしまうこともあるわけですから、そういうところをぜひ研究していただきいということをお願いしたいと思います。
 転落事故で言えば、視覚障害者のことだけではありません。ここ四、五年のデータを調べますと、健常者でも都内だけで年十七、八人が転落事故を起こしているんですね。中には不幸にして亡くなった方もいらっしゃいます。つまり、視覚障害者が落ちて亡くなるということだけでなく、いわゆる目の見える健常者も落ちるんですね。これが都内だけで今言いましたように年十七、八名程度の事故。それに出てこない転落というのもあるかもしれません、大きな事故にならなかったということで。
 ということから考えれば、過密ダイヤ、そしてラッシュの通勤ということからいえば、私はまず落ちないようにするということが大前提、第一なんですが、仮に落ちてしまったときに、そこに大きなやっぱり安全対策というのも重要だと思うんです。転落検知装置というんですか、これの普及を図っているようなんですが、民鉄協でも、来年、カーブしているホームにはそういった装置をつけなさいということで各社に指導しています。指針を出しています。JRを調べますと、飯田橋駅と東京駅の新幹線にあるんですね。これはどういう装置か私も詳しくはよくわかりませんけれども、ホームから仮に落ちた場合、線路とホームの間に検知マットというのがありまして、そこに四キロの重さだと言っていましたが、落ちたら駅員のところで警報機が鳴り、赤ランプがつくというんです。それから今度は駅員が赤信号にするために操作をして、赤信号になって電車がとまるということのようなんですね。
 私は、落ちてから電車がとまるまでの時間を考えたときには、これはもうあってないに等しいような安全装置ではなかろうかと思うんです。これは御検討、御研究願いたいんですけれども、例えばセンサーといいますか、それをうまくホーム部分の線路上に張りめぐらして、仮に子供なりの大きさの物体が落ちたときには同時に電車のブレーキがかかり、もういわゆる人の手を省いて自動的に百メートル、二百メートル手前でそういったことが察知されればブレーキがかかるような装置なりを、費用面を含めて、技術面含めて、そういった何らかのもっと安全な対策をとっていただきたいと思うんですけれども、その辺の研究をお願いしたいと思うんですが、どうでしょうか。
#113
○政府委員(井山嗣夫君) 今、先生るる御説明いただきましたように、確かにホームと車両の間が離れてカーブした駅がございまして、そういうところではJRの飯田橋駅、それから東北新幹線の東京駅のホームに今設置しておるところでございます。ただ、この装置の問題点は、先生も今おっしゃいましたように、落ちたときに既に列車が極めて近くまで来たというときはやはりだめなんでございます。
 そこで、先生今御指摘のように、ほかの方法でもっと効果的なものはないだろうかということは確かにおっしゃるとおりでございまして、私どもも転落防止あるいは転落した場合の検知等については今後の技術的な検討課題の一つだと考えております。
#114
○堀利和君 ぜひお願いしたいと思います。
 そろそろ時間なので終わりますけれども、先ほどの定期券の問題で小針駅に行って、その隣の寺尾駅でもやはり乗る時間によっては断っているという例がありまして、その断られた本人とも会って話を聞いてきたんです。
 彼は、新潟市内に用があるときには電動車いすで二時間余りかけて通っていたんですね。新潟ですからもちろん寒い日もありますし暑い日もあって、そのわきをバスが通り過ぎていくというんです。バスにはシルバーシートがあるんですね。ところが、自分はそういうバスには乗れないものだというふうに思い込んでいたというんです。当然寺尾駅で乗って新潟に行く越後線も、あれは自分が乗るものではない、乗れないんだというふうに思い込んでいたというんです。ところが、やはり二時間以上もかけて寒い日も暑い日も通うのはどうもおかしいんじゃないかということで、最近、週に一回程度か利用し始めた。そうしたら、そういうふうに朝はやめてくれとか十一時までは来ないでくれと言われたんですけれども、やはりバスや電車の中にシルバーシートがあっても、そもそもそのバスなり電車そのものに乗れない者がいるということ、この辺も考えていただきたい。
 私たちは何も障害者のためとか障害者だけのことではなくて、その転落事故の問題を見ても、視覚障害者が転落しやすいから落ちないように、また落ちた際の安全というのは、言うなれば健常者も安全に、安心して利用できるということだと思うんです。そういうことも含めまして、その安全、安心、利便という点から交通政策を考えていただきたい。
 大臣にはまことに失礼かと思いますけれども、一度車いすに乗って乗車を経験していただきたい。ぜひその辺をお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほど来、先生がいろいろな事例を御指摘されました。交通弱者の方々のこういう施設はまだまだ不十分なところがあるということは私どもも十分に認識をしておるところでございまして、車いすの方々はいろいろ不便を味わっているということは私も認識いたしているところでございます。
 したがいまして、車いすを体験するかどうかは別にいたしまして、今後とも先生から御指摘いただいたような問題点を十分に認識いたしまして、運輸行政に反映させてまいりたいと考えておるところでございます。
#116
○堀利和君 先日、熊谷駅へ視察に行ったときに聞いた話では、市長が以前車いすに乗ってホームの階段をおりて怖かったというふうに聞いたんです。やはり、できれば大臣も体験なさっていただきたいということをまたお願いしまして、終わりたいと思います。
#117
○委員長(峯山昭範君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十一分開会
#118
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#119
○狩野明男君 きょうは時間の関係上、三点だけ質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、茨城県の常陸那珂港の問題でありますけれども、茨城県では筑波と並んでこの港湾については非常に重点開発地域として整備を進めているわけであります。
 御承知のように、茨城県は日本一長い海岸線を持っているために四つの重要港湾があり、鹿島港、日立港、大洗港、そして今整備が進められている常陸那珂港と、この四港が重要港湾になっておりますが、その今度の常陸那珂港は北関東の流通拠点として非常に鹿島港の工業港に並んで商業港として重要に位置づけられているわけでありまして、現在まで東京湾や横浜港から物流が放射状に伸びていたのが、今度は栃木、群馬に向かって北関東の環状に物流が流れるというようなことで、そういう意味でも非常に重要な港湾整備となっているわけであります。そして、現在もう既に大きな国家的プロジェクトである常陸那珂港は、自動車安全運転センターの整備、それから今度の十月五日に国定公園が開園されます。そして、流域下水道、さらにまた火力発電所、こういうものが順次つくられているわけでありますが、何といってもその中心をなすものがこの港湾整備であります。
 そのような中で、今度この夏に概算要求として五兆七千億という港湾整備五カ年計画の要求がなされており、その中にも含んでいるわけでありますけれども、今度の第八次港湾整備五カ年計画においてその常陸那珂港が現在進められている整備の状況と今後の整備スケジュール等について要領よくひとつ御説明願いたい。
#120
○政府委員(上村正明君) 常陸那珂港の整備の基本的な目的といたしましては、ただいま先生が御指摘されたとおりでございまして、私どもといたしましても北関東における外国貿易及び国内貿易の拠点といたしまして、茨城県を初めとする北関東地域の経済発展に資するとともに、首都圏における物流の東京一極集中を緩和いたしまして、また同時に東京湾内における海上交通の安全確保にも資するというものであると考えております。
 整備の内容といたしましては、まず陸岸からおよそ二・五キロ離れました沖合の水深マイナス二十五メーター付近にこの港の骨格となります防波堤、これは私ども東防波堤と呼んでおりますが、これは六千メーターを建設いたしまして、内側に広大な静穏海域をつくってまいりたいと考えております。そして、その静穏な海域の中に五万トン級の大型船舶が係留可能な水深マイナス十四メーター岸壁を初めといたしまして所要の係留施設を建設するとともに、それと関連して必要となる埠頭用地、あるいはこれらの係留施設と関連して機能を発揮します港湾関連用地等、一連の用地造成を行うこととしております。また、先ほど先生も御指摘になりましたけれども、エネルギー供給基地といたしまして二百万キロワットの火力発電所の稼働に必要な施設が整備されることとなっております。
 工事につきましては、既に平成元年度より着手しているところでございまして、本年度は引き続き平成五年完成を目途に作業基地の整備を進めてまいりますとともに、新たに先ほど申しました東防波堤の現地工事に着手することといたしております。港湾管理者でございます茨城県を初め地元の皆さんから平成十年には第一船が入港できるようにという強い要望もあることでありますので、私どもといたしましては、現在策定中でございますが、第八次港湾整備五カ年計画の期間内にできるだけの整備を図るべく最大限の努力を傾けてまいりたいと考えているところでございます。どうか御了承いただきたいと思います。
#121
○狩野明男君 今、大変力強い建設に向かってのお話を聞きまして地元としても大変喜んでいるところであります。
 次に、やはりこれも大きな意味においては国家的な問題であろうかと思いますが、常磐線の輸送力の増強の問題であります。
 この問題につきましては、既に何回か昭和六十三年からJR本社等々に陳情を重ねてきている問題でありますが、常磐線の今取手までの快速電車を土浦まで延伸してほしい、こういうことであります。
 御承知のように、今東京、首都圏から常磐線及び五方面にわたって東海道とか中央線、上越線、東北本線とか各地に向かって新幹線等々の建設が行われておりますが、常磐線が非常におくれているような感じがしてならないわけであります。特に、常磐線取手までは土浦に電留基地があるのでかなり整備されているわけでありますけれども、土浦までの延伸がその地域の住民によって今望まれているところであります。
 さらにまた、それは私が国家的問題だと言っているのは、東京における地価の高騰によって一般め勤労者、サラリーマンがとても家屋敷を買えない、土がある自分の住みかを買えないというような状況であり、せめて土のある住宅を欲しいというところで、そのためにはかなり遠くにまで土地を求めなくちゃならない。幸いに、常磐線沿線はまだまだ土地が安いところがかなりありますので、東京への通勤時間さえ非常に短ければずっと先まで行って、そこで住宅を求めることができるというような、土地対策上も大きな問題であろうかと思っているわけであります。
 そこで、この地域住民、また都心へ通っている方々によってたくさんの、十万一千名の署名を集めて昭和六十三年に続いて平成三年の七月に至るまで陳情を重ねてきたわけであります。陳情先は当時の佐藤運輸大臣、それからJR東日本の住田社長、水戸支社長の長井さん。それから、この七月十一日には再びJRの住田社長、それから総合企画本部の投資計画部長である夏目さん等々に土浦の地区長連合会、それから土浦商工会議所青年部、土浦青年会議所、土浦商工会議所、それから牛久とか藤代とか、あの茨城県の県南地域の大勢の方々によって陳情が行われてきているわけであります。
 そして、これについては、現在取手等の乗車率は一五〇%という非常に過密状態にもなっているし、その過密通勤をなくすためにも、また今申し上げたように、一般庶民の住宅対策上も、通勤できる時間帯、朝とか夜とかそういう時間帯に快速電車をもっと増発してもらいたい、こういう強い要望があるわけであります。それについて何回かの折衝の中で、地磁気研究所の問題とか直流を交流にかえる問題とかいろいろお話を聞いたわけでありますけれども、この点、この問題を解決するためには、土浦までの快速電車、俗に言う青電延伸についてどのような方針を持っておられるか。また、できるだけ早くこの対策を講じてほしいと思っているものですから、その辺のところを要領よく御回答願いたいと思います。
#122
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 先生、今御指摘のように、地元の皆様からは、いわゆる先生おっしゃった青電ですね、これを土浦まで持ってこられないかという御希望が強いことは私どもも承知しておりますし、JRも十分承知しておると思います。
 現在の運行系統でございますが、青電はいわゆる直流の電車でございまして、今のところ取手までしか行けないというところでございます。土浦―取手間は交流電化をされておりますので、電気方式が違うわけでございます。現在、常磐線の取手―土浦間の輸送力増強につきましては、平成二年度のラッシュ一時間の運行本数、十五両編成の、いわゆる中電と言っておりますが、中距離電車が七本走っております。混雑率が一四四%というふうに私ども報告を受けておりましたが、平成三年三月のダイヤ改正におきまして、いわゆる通勤快速を土浦から上野まで一本増発いたしまして、七本だったものを結局八本にしたということで、輸送力の増強はそこで行ってきたというところと聞いております。
 今後の輸送力の増強の問題でございますが、沿線の、先生おっしゃったように、住宅開発等によります利用者の増加などもございますし、これら増加動向を見ながら適切に対処するようにJR東日本に対して指導してまいりたいと思っております。
 ただ、最初の直流、交流の問題につきましては、これは地磁気観測所の問題等もございますので、いま少し時間が必要かと思います。
#123
○狩野明男君 東海道新幹線などは、通勤費の税制上の、何と言うんですか免除と言うんですか、そういう上限が五万円までになったためにかなりこれで通勤している方々もいる。今の時代は距離じゃなくて、時間で通勤可能な地域に住んで都心部へ仕事に来る、こういう傾向になってきている。そして、なるべく豊かな感じを持つために土のあるマイホーム型の家を欲しいというのが最近の勤労者の方々の願いのようでございますので、ぜひとも通勤者の便宜を図るために、またそういう願いをかなえるために、国として、運輸省として、政府としてこの対策をできるだけ早く講じてほしいと思うわけであります。
 大体、常磐線は二百七十車両ぐらいあるそうでありますけれども、今すぐにできるのは、地磁気研究所を向こうへ持っていくのは容易じゃないけれども、要するに直流、交流、両方走る車両をつくれば簡単なことでありまして、今JR東日本は五百億円も年間利益を上げているわけですから、古い車両の交流だけのやつをなるべく早く直流と交流と両方の機能を持った電車に切りかえてほしい。そして、青電延伸をなるべく早くやってほしい。
 それと、JRの方としては、今筑波の新線ですか常磐新線、あれとのにらみ合いでなかなか古い車両を新しい直流と交流と両方使えるやつに切りかえないで眺めているんだなんという話も聞いているわけでありますので、その辺、常磐新線は十年かかるわけでありますから、その間今もう混雑もひどいし、そのほか先ほどから申し上げているように、サラリーマンの住宅が欲しいというそういう願いを我々かなえてやることが大切なことではないか。現在、常磐線で使っているのは、ほかのところで使ったやつのお古を使っているのが現状のようだと聞いておりますので、この常磐線というのは非常にまだ距離的にも都心部に近いし、時間的にも通える範囲でありますので、ぜひともこういう対策を、そして今後の新しく製造した直流、交流両方使える車両を配車してもらって、そして、この常磐線の土浦までの延伸をできるだけ早く図ってほしいと要望しておきたいと思います。
 それから最後に、第三番目でありますけれども、道路交通法における保管場所の問題について質問したいと思います。
 これは多分、運輸省というか、自治省か警察庁、建設省、そういう関係だと思いますけれども、車庫法というのが昭和三十七年にできて以来、最近また百十八国会において自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案、こういうものが成立して七月一日から実施されることになったわけでありますけれども、これがまた非常に、いろんなところで聞きますと、大変な問題になってきつつある、大きな社会問題になりつつある、こういうようなことが聞かれるわけであります。
 現在、非常に交通事故が多発しております。道路の状況で夜間の団地周辺及び道路上で保管場所のない自動車が道路を占有し交通事故や道路の渋帯を引き起こしたり、それから商店街の真ん中などへ勝手に自動車をとめて商店街の活性化を妨げている。それから、消防車だとかその他緊急自動車の交通を妨げている。そういうことでこのたび改正が行われたわけでありますけれども、今度の改正の主な点は、自動車を持っている者が保管場所を二キロ以内に持つこと、軽自動車について東京二十三区及び大阪、これはきちんと届け出ることとか、それからこの法律に触れた場合には車両運行の制限措置だとか行政上の処分があるとか、かなり今までにない厳しい保管場所に対する法律ができたわけであります。これが今マイカーを持っている方々にとって非常に大変な問題になってきている。
 それは、申すまでもなく大勢の庶民の方々が家を持ちたくても家が持てない、せめてマイカーでも持ちたいといってマイカーを買っている。さらに、自動車というのは今やテレビ、電気洗濯機と同じように家庭の中に入っている、いわゆる生活の一部分になってきている。それだけに保管場所を確保して自動車を持つということは非常にもう自分の生活そのものである、そのように言っても過言ではないと思っているわけでありますけれども、今保管場所を見つけるといっても、最初から住宅団地をつくる場合にそういう場所を確保していかなくちゃならないし、地価の高騰によって非常にそういう場所を見つけるのが大変だと。家も買えない自動車も持てない、自分たちの楽しみもなくなってしまう、こういうことで非常に問題ではなかろうかと思っているわけであります。特にこういった東京とか大阪とか都心部、それから地方都市の中心部の方々にとってこれは大変な問題になっているわけであります。
 この間ちょっと聞いたところによりますと、もう東京とか大阪とか、こういった大都市では駐車場を確保するのに、二万円なんというのはずっと一時間か一時間半も遠くに行ったところでなくては保管場所がない、二万円ぐらいのところがない。この間聞いた話では、六本木で月決め駐車場料金というのは何と十三万円になった、こういうような状況です。山手線の外側でさえも七、八万円出さないと保管場所がない。こういうことで、駐車場といいますか保管場所といいますか、非常にこれを見つけるのが大変だ。家のローンを払うだけでも容易じゃないのに、さらにまた自動車駐車料金もこんな高い値段であると、これはもうまさに大変なことだと思います。
 そこで、前から、建設省でしょうか、地方自治体とか商店街とか商店振興会とか、それから町内会とか第三セクターの何とかとか、そういう相手に対して補助金とか助成とか金利の負担とかいろんなことをして、駐車場に対してはかなりの配慮を行ってきているところでありますけれども、これからもそういった駐車場問題はもう大変な問題だと思いますので、この整備に関する融資制度、それからあと金利の補助とか、そのほか例えばそういう駐車場をつくる場合の税制面における優遇策といいますか、特別割り増し償却とか、これは所得税と法人税等でありますけれども、こういう割り増し償却の限度額を引き上げるとか、それから減税特別措置として土地の取得税、固定資産税なんかのそういった特別措置を設けるとか、そういうことを――法律は改正して厳しくなった。しかし、その反面、やはりやってあげるべきところはやってあげなくちゃならない、そういうのが政治であり行政ではなかろうかと思いますので、ぜひともそういうものに対して今まで以上の対策を講じていただきたいと思います。
 マイカーはまさに今市民の夢であって、庶民生活の一部分でありますので、そういう方々のささやかな夢を消さないためにも、いろんな対策をしていただけるように行政面で研究、努力してほしいと思うわけであります。
 ちなみに、三十七年に車庫法ができたときの保有台数というのは二百六十万台ぐらいであったのが、今四千二百五十万台ぐらいに、保有率として一五%ぐらいだったのが五〇%ぐらいに上がっている、そういうときでありますので、保管場所、駐車場の問題というのは非常に重大な問題と私は受けとめております。したがって、こういうものにこれから積極的にどういう対策を行っていくか。
 それから、この間も新聞に出ておりましたけれども、例えば国有財産の中で国鉄用地の跡地売却の問題なども出ておりますが、そういう跡地を使うとか、それから駅ビルの地下を使うとか、公園、駅周辺の地下を駐車場にするとか、それからあとは山手線とかそういうJRの高架線の下に駐車場を積極的につくっていくとかいろんな対策を講じて、そしてコンベンションセンターとか集会所だとかホテルだとかなんというのはなるべく湾岸の方へ持っていって、そういう今国民が一番要望している駐車場とか自動車保管場所等の問題について各省庁が積極的に前向きに努力していただきたいと思うわけであります。
 その辺、建設省からお答え願いたいのと、最後に大臣からちょっと御感想をお願いいたしまして、質問を終わります。
#124
○説明員(高橋健文君) 建設省としましては、一般公共の用に供する駐車場の整備につきまして、従来から公共と民間の役割分担のもとに地方公共団体や民間の方が行います駐車場整備に対する各種の融資制度を実施してまいりました。それ以外にも、市街地再開発事業等の面的な市街地整備によりまして整備される駐車場に対する補助、こういったことをやってきたわけでございます。さらに、先国会におきまして駐車場法を改正していただきまして、総合的計画的な駐車場整備を推進するために、国と地方公共団体についてもその責務を明確化しまして、駐車場整備地区におきます市町村による駐車場整備計画策定の義務づけなどを行うこととしているわけでございます。改正駐車場法はこの秋に施行する予定でございまして、現在その準備を進めているところでございます。
 また、予算面でも平成三年度から、例えば商店街におきまして民間の方が共同で整備する駐車場に対する補助制度を創設いたしましたし、また道路事業としまして道路管理者が駐車場の整備をする制度もできているわけでございます。また、税制面におきましても、先生御指摘のように、地下式、立体式の都市計画駐車場等に対する所得税、法人税に係る割り増し償却制度の創設だとか、あるいは固定資産税、不動産取得税等の特例措置の大幅な拡充を行ったところでございます。
 今後とも、これらの施策を活用しまして駐車場整備の推進を図ってまいりたいと考えているわけでございます。
 特に、建設省の場合は、そういう公共駐車場を中心に進めております。また一方では、車庫法に規定されますいわゆる自動車の保管場所としての車庫対策につきましても、今年度から公営住宅団地の車庫整備に対する国の補助制度でございますとかあるいは車庫が全戸数設置された集合住宅団地につきまして、建設資金あるいは購入資金に対して住宅金融公庫の割り増し貸付制度を設けるとか、そういった対策も講じているところでございます。
#125
○国務大臣(村岡兼造君) 今、運輸省として駐車場関係を担当しておりませんので、今建設省の方がお話し申し上げたとおりでございますが、一般的にいろいろ高いとかそういうようなことのないように考えていきたいと、こういうように考えておるところでございます。
#126
○狩野明男君 それじゃ、ちょっと最後に要望だけ。
 この駐車場問題は先ほどから何回も大きな社会問題じゃなかろうかと言っておりますが、例えば自動車メーカーの統計によりますと、前年対比でこの法案ができてから大体二割方の販売減になっているということを聞いております。自動車産業等は我が国の産業の牽引車でありまして、これは経済界に与える影響もかなり大きなものになるかもしれないというようなおそれもあります。そういうわけで、これからもこの問題については各省間で十分に検討されて、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
#127
○片山虎之助君 それでは、航空問題から質問をさせていただきたいと思います。
 最近における航空需要の急増というのは御承知のとおりでございまして、成田空港に行っても羽田空港に行っても普通の地方空港に行ってもごった返している。そういう意味で、私は本当に身近な交通機関に飛行機がなったと思うわけでありまして、この傾向はさらに二十一世紀に向かってもっともっと強くなると。
 「第六次空港整備五箇年計画の基本的な考え方」ですか、昨年八月に出されましたそれを見ましても、現在の特に旅客の航空需要が、例えば国内だと今約六千万人旅客需要があるわけでありますが、これが二〇〇〇年、二十一世紀には一億三百万になる、一・七一倍になる。それから国際的な旅客需要、これは現在約三千万人弱でありますけれども、これが二十一世紀には五千七百万人、一・九〇倍になる。それから貨物の方も大体倍になる、こういうわけなんですね。ところが一方、空港というのはヨーロッパなんかに比べてかなり少ない。いろんな指標があるんですけれども、約七割ぐらいじゃないかということがあるわけでありまして、この航空需要の急増にどう対応するか。
 いろんな考え方があると思うんですが、私は、ハブ空港というんでしょうか大都市圏の大空港や地方ブロックの拠点空港だけでは対応が十分にいかなくなる、こう思うんですね。地方空港間、地方都市間でのやはり航空のネットワークを組むということが私はどうしても国内需要の上での対応としてあると思いますし、国際需要の方からいいますと、国際定期便というのを成田や大阪や博多や札幌ということだけじゃなくて、やっぱりこの国際定期便を地方空港に分散していく。みんなで役割分担というんでしょうか責任分担というんでしょうか、そういうことをしていくことが私は必要になると。国内的には多様な地方間の航空ネットワークをつくる、国際的には地方空港が定期便を出していく、分散していく。こうすることが四全総の言う私は多極分散型の国土の形成にもなるし、あるいは国際的に言うと地方の国際化が促進される。いろんなことから一石三鳥か何かになるんじゃなかろうかと、こう思っているわけでございます。
 そこで、我が国のそういう状況を見たときに、空港空白地域というのがあるんですね。かなり枢要な地域で空港がないという地域があるんです。
 それについてまずお伺いしたいんですが、束の方で見ますと静岡なんです。これは六次空整にぜひ入れてもらいたいというので地元の関係者の方はいろいろやっていると思うんですが、あれどうなるんでしょうか。静岡、藤枝の西の方に静岡空港をつくる。これは東京が相手じゃありません。札幌や福岡を中心に国際的にも出ていく。東京から百七十キロだそうでありますから、新幹線はある、東名は今ある、第二東名もできる。何か聞いてみますと、山の上で、その下に新幹線が通っておるから地下駅というんですか、そういうものをつくってもいいと、こういうこともあるようでありまして、場合によっては成田や羽田の補完的な機能も、そこまでいくかどうかわかりませんが、果たせる可能性もあると。関係者の方は一生懸命やっている。こういうのが一つあるわけであります。利用圏は八百万人あると県の人は言っておりましたが、そんなにあるかどうか私もわかりませんが、かなりの利用可能な空港にはなるだろうと。
 それから西の方で言いますと、これまた滋賀県のびわこ空港、これは大津の東――南の方になるんでしょうかが一生懸命おやりになっていると。これは滋賀県だけじゃありませんで、京都府だとか奈良県、それから岐阜県の西の方、三重県の北の方、五府県ですか、関係の県が一生懸命やっておりまして、これも名神が通っている、第二名神ができる、あるいは新幹線も近くにある。名神のサービスエリアみたいなものをインターにするともうすぐだと、こう言う。これも六十分で五百三十万ですか四十万の利用が可能になると。
 ここは古都京都のすぐ横ですから、しかも、国家的な大プロジェクトである関西研究学園都市構想もありますし、まあこれはローカルプロジェクトかもしれぬけれども、琵琶湖サイエンス何とかという計画あるいは鈴鹿何とかと、こういう中小のプロジェクトもある。京都のゲートウェーですから、そういう意味でも、これまた東京とつなぐんじゃなくて地方のいろんなところとつないでいく、国際的に出ていく、こういうふうに考えれば、私は相当に意味があるんじゃなかろうかと、こう思うわけであります。
 そこで、今私が申し上げましたような基本的な考え方について大臣はどういうふうにお考えになるか、あるいは第六次空整をおまとめになるわけでありますから、その基本的な考え方はどうなのか、あわせて言っていただいて、ついでに静岡空港、びわこ空港のような有力地方空港の六次空整への盛り込みというんでしょうか新設を認知するというんでしょうか、そういうことについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 分けて、基本的なところだけ大臣で、あとは航空局長で結構です。
#128
○国務大臣(村岡兼造君) 今、片山先生からいろいろ地方空港の考え方について御質問ございました。
 御承知のとおり、航空需要は相当ふえてまいりまして、もう今後十年間で貨物あるいは旅客とも二倍にふえるんじゃなかろうかと、こう予想をいたしておるのでございます。なおまた、この第六次の空港整備五カ年計画、六六%程度増の計画をいただきましたけれども、全国から新設の空港十一カ所程度、あるいはまた、現在空港はやっておりますけれども、手狭で新設したいというのが五カ所、あるいは現在やっております滑走路の延長というのが十七カ所で、近来にない大きな要望が来ておるわけでございます。
 航空審議会の中間取りまとめに示されました考え方に基づきまして、航空需要の増大に対応した機材の大型化やジェット化のための整備及び地方拠点空港のより一層の活用を図るためのターミナル地域の整備の推進をするとともに、必要に応じまして、ただいま御質問の地方空港の新設や地方空港の国際化に対応した整備等を進め、国内、国際航空ネットワークの一層の充実、多様化を図ってまいりたいと思っておりますし、先生の御趣旨には私も同感でございます。
 静岡、びわこ空港の問題につきましては、航空局長が来ておりますので、航空局長から答弁をさせたいと思います。
#129
○政府委員(松尾道彦君) 今、片山先生の方から静岡空港並びにびわこ空港について具体的な御質問があったわけでございまして、地元空港の空白県の一つでございまして、非常に強い御要望が参っておるわけでございます。
 これにつきましては、航空需要あるいは航空企業の路線就航の見通し、さらには地域開発との関連性など、検討項目が幾つかございますし、特に静岡につきましては防衛庁の静浜空港に近隣しておりまして、空域調整問題などがあるわけでございまして、こういった課題につきまして、将来の設置管理者でございます静岡県あるいは滋賀県の方で具体的な検討を今行っていただいている段階でございますので、この辺の検討状況の進みぐあいを見て今秋の六次空整での取り扱いについて十分検討してまいりたいと、このように考えております。
#130
○片山虎之助君 大臣、どうもありがとうございました。基本的な点では私と同じ考え方のようでございます。
 今、航空局長から話がありましたが、いろんな問題点はクリアをできるだけ県の方でも努力してもらって、ぜひ前向きに運輸省として新規採択というんでしょうか認知というんでしょうか、それをぜひやっていただきたいと思います。
 そこで、今度は国際定期便の方なんですが、これを地方空港に分散するというとなかなか難しい問題あるんですね、これは政府間の二国間交渉で物が決まるわけですから、政府の方として地方空港はもう一つ能力がないからやっぱり大きいところだと、こうなるとぐあいが悪いものですから、できるだけ運輸省も地方空港を育てながら国際定期便を分散していく。
 私は地元が岡山なんですが、岡山空港が六月からソウルとの定期便を大韓航空で始めたんですが、大変成績がいいんですよ。八月なんか利用率が八六・一%ですよ、八月だけでね。六、七、八をとっても七三・何%なんだ。というより、潜在的なそういう私は国際的な航空需要あると思うんですよ。やれば、これはかなりいけるんです。そういう意味で、ぜひ二国間交渉で地方空港への国際定期便というのを頑張っていただきたいと思いますし、それから岡山は、自分のところだからコマーシャルめきますけれども、瀬戸大橋ができて高速道路体系ができれば拠点になるわけ、東西南北交通の。そういう意味でも国際的な一つの地方における拠点空港として育てていただきたい。
 そのためには、御承知のCIQというんでしょうか、国際空港の要件ですよね。建物をつくるだけじゃなくて、人の配置も十分お願いいたしたい。それは運輸省の所管じゃないよと言われるかもしれませんが、運輸省がその関係のところに言ってもらわなきゃいけません。それをぜひお願いいたしたいと思いますし、また、今回山空港は二種じゃなくて三種なんですよね。これが準国際空港くらいになるとすれば、二種空港への昇格というんでしょうか格上げというんでしょうか、そういうこともあわせて御検討いただきたいと思いますが、航空局長いかがでございましょうか。航空局長も岡山ですから。
#131
○政府委員(松尾道彦君) 地方空港の国際化でございますが、これは地域の振興に直接つながりますし、また現在成田、大阪が手いっぱいでございますので、どうしても外国エアラインの要望を受け入れるためには地方空港の国際化によって進める必要がある、こういうふうに考えておるわけでございます。
 その結果、今片山先生からも具体的に御指摘がございましたが、具体的な路線で若干申し上げますと、毎年度着実に新規路線の開設を行っておりまして、昨年の暮れでございますが、週便で過当なり二百五十便というのが地方空港に入っておりまして、現在の日本の国際路線で見ますと約二割近いものが地方空港の方で処理していただいている、こういう状況になっております。私どもは、今後とも航空当局間協議におきまして、地方空港の国際化という。ことで積極的にPRをし、交渉を行っていきたいと、このように考えております。
 また、今片山先生の方からCIQをしっかりやれという御指摘でございまして、関係省庁で具体的に協議をして進めていただいておりまして、岡山空港について申し上げますと、国内線ターミナルビルの一部を今暫定的にCIQ施設として活用させていただいておりまして、現在岡山空港、二千五百メートルの滑走路延長工事中でございますので、これが平成四年度予算をいただければ大体完成する手はずになっておりますので、その段階でCIQ施設の整備もあわせて行っていきたい、このように考えておるところでございます。
#132
○片山虎之助君 二種空港への格上げ、三種の。
#133
○政府委員(松尾道彦君) 失礼いたしました。
 今の岡山空港でございますが、地方空港という立場でございますので、現在の時点においては県管理の三種空港としての機能を発揮していただき、それで何とか路線の就航についても、国際線も入ってくる段階でございますので、空港利用という観点からいきますと、今の状況で何とか対応できるんではないかなと、このように考えておるところであります。
#134
○片山虎之助君 どうも最後のところは歯切れが悪いですけれども、まあよろしい。
 そこで、今の岡山空港は移ったんですね。前の空港があるんです、千二百メートルランウエーが。それを岡南空港と言っているんですが、ここを小型飛行機の空港にしたらどうだろうか。今、小型飛行機、小型航空機というのも急増しているんですね。今その基地というんでしょうか、その専門の空港というのは調布と八尾にしかないわけですよね。そういう意味で、もっとふやさにゃいかぬのです。そこで、岡南空港を小型航空機の一つの基地にしてもらう、あるいはそこで操縦士や整備士も育成してもらう。運輸省は、来年度の予算でゼネラルアビエーション空港として認めて、国庫補助をいろんな施設整備にしていただけるというようなお話なんですが、ぜひそれは頑張っていただきたいと思いますが、決意はどうでしょうか。
#135
○政府委員(松尾道彦君) 今、先生の御指摘のとおり、いわゆる小型航空機の就航する飛行場でございますが、御指摘のとおり数が少のうございます。岡山の岡南飛行場という県管理の飛行場がございまして、現在、回転翼あるいは小型飛行機がかなり就航しておるわけでございまして、今後こういった大都市周辺における小型航空機の使用というものは増加する傾向にございますので、全国初めての事例というふうなことで来年度予算要求をさせていただきまして整備を進めさせていただこうと、このように考えておるところであります。
#136
○片山虎之助君 ぜひ、その点もよろしくお願いいたします。
 そこで、もう時間が余りありませんので、次の問題に移りたいと思います。
 岡山県、岡山市、財界その他が集まってチボリ公園というのをぜひ誘致して建設しようと、そのための用地として清算事業団のお持ちの岡山操車場跡地を適地だと、こういうことでやってきたわけでありますが、いろんな経緯がありまして、もうくどくど申し上げませんが、三者がトロイカ方式で進んでおりましたうちの岡山市が、まあ市長がかわったこともあるんですが、百周年記念事業として操車場用地を市が取得してチボリ公園の建設管理主体に提供するということからおりたい、撤退したいと、こういうことをまあ正式に表明いたしたわけであります。それをまあ市長が言い、市議会も認めたような格好になっております。
 そうなると、トロイカの中で一つ抜けたものですから、あと財界と県がどうやるかということなんですが、これはいろんな議論を積み重ねながら今月の十三日に、九月定例議会で知事が、チボリ公園は国際的な問題もある、要望もあるのでやりたいと。やりたいけれども、チボリ公園建設予定地としては操車場跡地でなくて倉敷の、民間の企業の名前を出すのはどうかと思いますが、倉紡の工場用地でやりたい、ここに絞って物を考えたいと。まだ倉紡の方がオーケーを出しておりませんけれども、そういうことを県議会で正式に表明いたしたわけでありますね。今までの運輸省さんや清算事業団さんがお聞きになっていることとは状況が大きく転回したわけであります。
 その背景をまず申し上げただけでありますが、そこで、国鉄清算事業団に正式に地元からの、市なり県な刀からの、もうあそこはやめますという意思表示があったのかどうかをまずお伺いいたしたいと思います。
#137
○参考人(岡山惇君) 岡山市の方かうは平成三年の八月二日に安宅市長みずからが来られまして、チボリ公園用地としての取得を断念する旨の正式表明がございました。また、岡山県の方からは平成三年の九月十七日に河合副知事が参られまして、チボリ公園計画は倉敷市で実施したい旨、県議会で十三日に知事が表明したという説明がございました。
#138
○片山虎之助君 はい、わかりました。県なり市からそういうしかるべき人が来ての意思表示があったと。
 そうなると、いずれにせよ操車場跡地でのチボリ公園建設ということはなくなったわけですね、可能性がなくなった。こういうことになりますと、それは地元の方もいかぬと思いますよ。いかぬと思いますけれども、いろんなことがあってこうなった。
 そこで、清算事業団としてはそれを当てにしておったわけでありますから、これは当てが外れる。ここで、こういう新しい状況で清算事業団としてはどういう対処をするというお考えでしょうか、それをお聞かせいただきたい。
#139
○参考人(石月昭二君) 私ども事業団は膨大な債務を抱え、年間一兆五千億、一日四十二億の金利を払っている状態であることは先生御存じのとおりでございます。したがいまして、土地処分は時間との競争だということで非常に急いでやっているところでございます。
 本件につきましては、岡山市からその土地売却の要望がございましたのが六十二年の十二月でございますので、既に四年を経ております。この時点に至りまして地方公共団体の一方的事情で計画を中止したと言われたのでは非常に困るわけでございます。そういう意味で、岡山市並びに岡山県に対しては、早急に利用計画を立てまして土地を購入することを考えてくれということを強く申し入れているところでございます。
#140
○片山虎之助君 まあ、理事長さんのお考え、お怒り、よく私もわかります。
 そこで、これはやや私の個人的な意見にもなるんですが、あの操車場跡地というのは岡山市にとって残された大変貴重な高度利用可能な、私はすこぶる有用な土地ではなかろうか、こう思っているんですね。私はそういうことを公式、非公式にも若干言っているんですが、そういう私と同じような考え方の方もいろいろおるわけであります。早急にそういうところの考え方を詰めてみよう、詰めた結果、必要なら清算事業団の方に話をしてということになるかもしれない。そういう申し出があった場合に、今の理事長のお話なら渡りに船というごとになるのかもしれませんが、もう最大限尊重し適切な対応をしていただけるかどうかお伺いいたしたい。
#141
○参考人(石月昭二君) 大変ありがたいお話で感謝しておりますが、もう既にこの土地につきましては公園を主とする都市計画が決定されております。したがいまして、この都市計画に沿った線であれば私ども至急に対応したいと、このように考えておりますが、それ以外の場合には、もう一遍これは土地利用計画を練り直して資産処分審議会にも語らなきゃいけませんし、都市計画決定にも相当の時間がかかるかと思われます。
#142
○片山虎之助君 それじゃ理事長、あれですか、公園以外の場合には手続のやり直しということになるわけですね。その土地利用計画は事業団主導でおつくりになる。その点をちょっと。
#143
○参考人(石月昭二君) 従来から土地利用計画を決定いたします場合には地元公共団体の方々も参加いただきまして、その他学識経験者等入っていただきまして、私どもの資産処分審議会の地域計画部会というところで事業計画を練ります。その練った結果、資産処分審議会の答申が出るわけでございますが、大体都市計画はこの資産処分審議会の答申の線に沿って決められているのが実情でございます。
#144
○片山虎之助君 理事長、どうもありがとうございました。理事もありがとうございました。ひとつよろしくお願いいたします、今後の展開においてよろしくお願いいたします。
 次の問題に移ります。
 時間がございませんが、新線建設、鉄道新線の問題でございまして、現在六線が日本鉄道建設公団によってつくられておる。いずれもそれは田舎ですから、その新線ができることを地方活性化の切り札にしたいと大変期待している。ところが予算が百五十億なんです、もう五十六年以降毎年。物価が上がっているのにもかかわらず予算が伸びないわけですね。したがって、開業予定年次というのがずっとあるんですけれども、まだ残事業が八百億ぐらい残っていると私は思うんです。百五十億で計算しますと六年近くかかる。みんな二年後、三年後、四年後の開業を当てにしているんですよ。ところが百五十億では、今言いましたように五年から六年かかるんですね。
 この辺について運輸省は、予算獲得あるいはその他のうまい知恵があるのかどうか、新線建設促進のための。投資の効率化からいっても、ちょびちょびやっても全部出るわけでありますから、大変非効率であります。その辺をどういうふうにお考えなのかお答えいただきたい。
#145
○政府委員(井山嗣夫君) 先生ただいま御指摘いただきましたように、いわゆるAB線でございますが、現在五線六区間で工事を進めているところでございます。この補助金は全額国庫負担という割と珍しい補助金でございまして、なかなか例がないと思います。現在の財政状況、非常に厳しゅうございまして、私どもいろいろ考えておりますけれども、実際問題としまして建設費の増額というのはなかなか難しい情勢でございます。
 それで、先生今、それじゃ当初の完成予定がどうなるんだという御指摘がございました。私どももできるだけその当初の完成予定に合わせてやりたいところでございますが、あるいは若干おくれが出るかなという気がいたしております。それで、できるだけ御迷惑をかけないように努力いたしますけれども、今のところ百五十億を大幅にふやすというようなことは大変難しいという見通してございます。
#146
○片山虎之助君 いや、もう来年度あなた百五十億で要求しているんだから、それ以上のことはとっても無理ですよね。だから、平成四年度はともかくとして、平成五年度以降予算をふやすことが一番いいんですが、それができなければ何か先買いやなんかをうまくやるとかいろんな知恵をひとつ出していただいて、場合によったら地方財政措置の方と連動しても私はいいと思うんです。だから、そういうことを少し研究していただきたいということを御要望しておきます。
 もう時間がだんだんなくなってまいりました。次の問題に入ります。
 御承知の、旅行社のパック旅行、今これが大変これまたはやっているわけでありまして、国内で言いますと、大体年間千二百万人がパック旅行に参加している。海外旅行で言いますと、年間六百万人が参加している。我々も参加することもありますし、恐らく委員会の委員の先生方の御家族や御親族の方も皆参加している、こう思うわけでありますが、いろいろ問題があるということを聞くわけですわ。
 というのは、大変な過当競争なんですよ、価格引き下げ競争になっている。安いにこしたことはありませんが、それが高じますと旅行内容の手抜きになったり、あるいはツアーに行くともうしょっちゅう土産物屋にばかり連れていく。もう大変なそこで癒着関係が経済的な面を含めてある。あるいは、弱い旅館やホテルは国内旅行の場合はしわ寄せを受けるなんというようなことを聞くわけでありまして、やっぱりこれは業界自身の倫理にも関係すると思いますけれども、私はしっかり運輸省の方で指導していただかにゃいかぬと思います。時間がありませんから、それが一つ。
 それからもう一つは、どこの旅行社も同じ内容なんですよ、海外も国内も。個性が一つもないです。みんな画一化されている、その方が安いのかもしれませんけれども。これじゃこれからの物から心への時代だとかゆとりだとかなんとかいう時代に私はふさわしくないと思う。それならおまえ、家族や個人で行けと。これはなかなか行けないです、面倒で。
 そこで、やっぱりそういう多様な今の国民の嗜好に合ったようなパック旅行というのを私は旅行社に考えてもらいたい。そこまで向こうの、民間の仕事だから言えないということかもしれませんけれども、ぜひその辺の御指導もちゃんとやっていただきたい。これについていかがでしょうか。
#147
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま御指摘のパック旅行の内容の適正化につきましては、今後追って、旅行業者はもちろんのこと旅行業協会など関係団体を通じまして十分な指導をしていきたいと考えておりますし、今後の旅行動向から見まして、旅行商品を豊かにする、旅行内容の多様化というのは極めて重要な問題でございまして、これも関係者で懇談会等を設けまして充実強化を図っていくつもりでございます。
#148
○片山虎之助君 最後の一問。
 今、私の地元でも倉敷地区が自動車の検査登録事務所のブランチを岡山から分けてつくれと、そういうことを盛んに言っているわけでありまして、それは地元のことですからさておきまして、我が国は車が相当ふえている、減らない、先ほども質問ありましたが。そういう中で、やっぱり自動車の検査登録事務所の増設のブランチをつくれという要請は、私は大変多いと思うんですね。
 そこで、大ざっぱな状況と、それに対する対処の方針だけお伺いして私の質問を。終わります。
#149
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のとおり、自動車の台数に伴いまして全国から登録事務所の設置要望がたくさん出ております。近場では神奈川県の湘南などがございますが、予算の制約もございましてなかなか要望にこたえられない現状にございます。
 私ども新設の事務所を設けるときにおきましては、まず当該陸運支局の中で検査コースの増設、あるいは移設等によりまして対処できないかということを一義的に考えまして、それで対応できない場合に限りまして新設の事務所を検討している段階でございますが、現在では、新設しようという地域の業務量、車両数あるいは地域遠隔性、経済性あるいは利用者の利便というようなことを総合的に勘案いたしまして検討しているところでございます。
#150
○片山虎之助君 はい結構です、時間が来ましたから。
#151
○中川嘉美君 まず、ただいまも出ておりましたけれども、空港整備に関連をして二、三伺っておきたいと思います。
 運輸省においては本年度を初年度とする第六次空港整備五カ年計画、これについてこの秋の閣議決定に向けて作業中というふうに聞いているわけでありますが、現在の進捗状況と、それから閣議決定のめどについてまず簡単に御説明をいただきたいと思います。
#152
○政府委員(松尾道彦君) 第六次五カ年計画でございますが、三兆一千九百億円ということで本年三月閣議了解いただいたわけでございまして、この規模を前提といたしまして今個別空港についての勉強に入っておる段階でございまして、今御指摘のとおり、本年秋ごろ航空審議会の答申もいただき、関係省庁とも協議の上、決定させていただこうと思っておる段階でございます。
 中身につきましては、最近非常に航空需要が増大しておりますので、いわゆる三大空港プロジェクトを中心にやっていきますけれども、地方空港の整備についても重点的に行っていこう、こういうことで現在整備を勉強中という段階でございます。
#153
○中川嘉美君 今、地方空港の整備の問題も出たわけですが、この地方空港のそれではあり方について運輸省の方針を若干伺っておきたいと思います。
 かつては一県一空港というような考えのもとにこの地方空港整備が進められてきて、昨年末で全国に八十二の空港が整備されたわけであります。そのうち四十その空港でジェット機の発着が可能となるなど、質とか量、こういった面で相当の整備が進んできているわけであります。しかしながら、空港新設の要望ということになりますと、これはもうまだまだ数多いわけでありまして、それが実情でありますが、第六次空港整備五カ年計画で新設要望の強い地方空港、どれもこれも強いに違いないと思いますけれども、特に強い地方空港ですね、これはどんなものがあるかお答えをいただきたいと思います。
#154
○政府委員(松尾道彦君) 地方空港については各地から大変御要望がございますが、特に新設空港、今まで空港のない県でございますが、北から順番に申し上げますと、秋田県の大館・能代空港、静岡空港、滋賀県のびわこ空港、それから神戸空港、さらには、中部新空港などございますし、また南の方では北九州新空港がございます。
#155
○中川嘉美君 特にこの要望の強い空港で、今言われました中部新国際空港ですね。これについては運輸大臣も積極的な発言をされたり、来年度の予算要求では一億円の調査費を要求していくというふうに言われておりますが、今御答弁にあった大館・能代あるいは静岡、びわこ、それから神戸空港、おっしゃったとおり、今非常に誘致運動が盛んであることはもう我々も承知のとおりなんです。
 そこで伺いますけれども、ただいま申し上げた中部に関しての大臣の発言、非常に積極発言と我々は受けとめているわけですけれども、こういった積極発言をしてこられた理由ですね、それはどういうところにあるのかお答えをいただきたい。
#156
○政府委員(松尾道彦君) 中部新空港でございますが、今年度一千万の調査費を計上していただき、来年度予算で一億円の予算要求をお願いいたしておるわけでございまして、中部圏における非常に大きな経済圏の立場からいくと中部地区に新国際空港の要望が強いというのは非常によく理解できますので、その辺を考えまして調査費として一億円の予算要求をお願いしたところでございます。
#157
○中川嘉美君 本年度はこの一千万ということで、一億というのは当然これは十倍に当たるわけですね。今御答弁いただいたわけですけれども、この十倍に及ぶ調査費ということになりますと、これは本年度と来年度の違いが余りにも大きいわけで、この辺の理由は、今お答えいただいたわけだけれども、どういうところにその十倍になる理由があるのか、この辺をもっとはっきりとさせておく必要があるんではないかと。もう一度御答弁いただきたい。
#158
○政府委員(松尾道彦君) 中部新空港につきましては、昨年八月の航空審議会におきまして、需要あるいは整備の内容、採算性と費用負担、アクセス、空域等の諸問題について関係者が連携して調査を進めるという基本的考え方をいただきまして、これに基づいて予算要求いたしておるわけでございますが、来年度につきましては空港計画の基本的問題について調査をしていきたいと、このように考えております。
 なお、受け入れ側の愛知県等におきましては、例えば補償問題なんか将来なるわけでございますけれども、海上空港の予定ということでございますので、現地におけるそういった諸調査というのは膨大な格好になるわけでございますので、まず基本的な基本計画づくりというものを国の方で勉強したいと、そのための調査費でございます。
#159
○中川嘉美君 今申し上げた、先ほど触れました大館・能代、静岡、びわこ、神戸、御答弁の中でも大体このような順序で述べられたと思いますが、この辺の空港ですね。これに関しては第六空整で果たしてどのような位置づけになるのか、関連した御質問が先ほど出ておりましたけれども、第六空整の中でどのような位置づけになるか、また調査費については果たしてどの程度のものが考えられるか、この辺はいかがですか。
#160
○政府委員(松尾道彦君) これらの地方空港につきましては、地元の県にとりまして大変重要な課題ということで強い要望が参っております。私どもは、航空需要あるいは航空企業の路線就航の見通し、空域調整を含めた空港計画の熟度、さらには投資効率、地域開発、こういった諸問題が多数ございますので、これらの課題につきまして、将来の管理者となる、大体県でございますが、公共団体の方で具体的な調査検討を踏まえて、その検討状況を前提にして今回の五カ年計画に組み入れられるかどうかというものを中心に検討してまいりたい。まだ具体的に調査費を幾ら要求するか、そういう段階ではございません。
#161
○中川嘉美君 第六空整がまさに量から質への大きな転換期を迎えているということは十分理解できますし、また今後の空港政策を方向づけるものであるということも当然理解をすることはできるわけでありますが、やはり誘致運動が盛んな空港に関しては、地域住民の期待に最大限にこたえ得るように真剣な取り組みというものを続けていくべきではないかと、このように考えますけれども、大臣この点いかがですか、ひとつ御答弁をいただいておきたいと思います。
#162
○国務大臣(村岡兼造君) 地元から要望が強いところに真剣に検討を加えていくべきでないかというような御趣旨でございますが、そのとおりだと考えております。
#163
○中川嘉美君 私も、約一年にわたって委員長を務めさせていただいた間も非常に多くの関係先からの陳情を受けているわけで、どうかひとつただいまの御答弁を踏まえて十二分に御努力をいただきたいことを要望しておきたいと思います。
 それで、さらに一つだけ具体的な問題として東京都の大島空港、この拡張問題について伺っておきたいと思うわけですが、現在の滑走路、これを千二百メーターから二千メーターに延ばすほか幅も五十メーター広げる、このような地域住民からの要望が来ているわけで、この要望を考えたときに、第六空整への組み入れは一体どういうことになるのか。また、今後の方向性についても確認をしておきたいと思うわけですが、この点はいかがですか。
#164
○政府委員(松尾道彦君) 現在、大島空港はYS就航路線で、御指摘のとおり千二百メートルでございまして、東京都の方から二千メートル、ジェット化を図りたい、こういう要望がございます。特に、離島空港という立場から民生安定にも大変寄与する空港でございますので、これから十分検討いたしまして、六次空整に組み入れられるかどうか勉強してまいりたいと思っております。
#165
○中川嘉美君 非常に前向きな答弁と受けとめ得るようなことでありましたけれども、やはり将来の大島を考えるときには、離島としてあるいはまた観光地として、いかに空路というものが大切かということを住民の方々も認識をしながら積極的な活動を展開しておられるわけであります。また、本年一月三十日には、議会に大島空港の拡張整備に関する空港対策特別委員会、こういったものを設置して取り組んでおられるわけです。したがって、何とか住民の要望を最大限に生かせるように、今後とも前向きな検討と努力がなされることをここでは要望をしておきたいと思います。
 次に、同じ航空関係ですが、コミューター航空の中のヘリコプター事故、このヘリコプター事故と今後の安全問題について若干触れてみたいと思います。
 昨年はヘリコプターの事故が多発をしまして、三十二名の死亡者を出したわけであります。また、ことしも八月五日には兵庫県で八名が死亡するという大きなヘリの墜落事故が発生しております。
 そこで、まずことしに入ってからのヘリコプターあるいはまた小型機、これも含めての事故の発生状況について簡単で結構ですが、ちょっと説明をいただきたいと思います。
#166
○政府委員(加藤晋君) お答えいたします。
 今、先生、ことしからとおっしゃいましたけれども、最近三年間のヘリコプターの事故件数は、昭和六十三年には十二件、それから平成元年には九件、平成二年には十六件でございまして、今御質問のことしは、九月十八日現在ヘリコプター十五件でございます。
 それから、小型機につきましては、ことしは七件というふうになっております。
#167
○中川嘉美君 ですから、非常に件数からしても想像を絶する多くの事故が起きているわけで、八月に事故を起こした阪急航空、これは昨年九月にも実は宮崎県で十人の死亡者を出す大事故を起こしているわけであります。
 このような点も踏まえて運輸省では阪急航空に対しては立入調査を実施したと、こういうことですけれども、この調査結果についてまず御報告をいただきたい。さらに、昨年の朝日航洋のような業務改善勧告ですね、こういうような措置を果たしてとるのかどうか、方針が決まっていれば示していただきたいと思います。
#168
○政府委員(加藤晋君) お答えいたします。
 今、先生御指摘のとおり、ことしの八月五日に兵庫県におきまして阪急航空が旅客輸送中にヘリコプターが墜落いたしまして八名が死亡する、それから昨年また、十名が死亡するという重大事故を惹起いたしたわけでございますけれども、同社の事業免許を行っております大阪航空局では八月八日から八月二十日までの間にこの阪急航空に立入検査を実施いたしております。現在、大阪航空局では立入検査の結果を取りまとめ中でございます。近日中にこれは取りまとめを終わりまして、同社に対する所要の措置を行うことといたしております。
#169
○中川嘉美君 したがって、昨年来の事故の多発、これを受けて運輸省ではヘリコプター運航の安全対策検討会、こういったものを設置して、四月には中間取りまとめを出しておられるわけです。その中でも、人員輸送を行っている会員制クラブ等を対象に安全運航のためのガイドラインを作成し指導する、あるいは羽田−成田間に計器飛行方式による飛行経路を設定するというような安全確保のための施策が打ち出されているわけでありますが、この中間取りまとめて打ち出された施策そのものは今後どのようにこの安全対策に生かされあるいは反映されていくのか、こっちの方が非常に大事だと思うんですが、この点どうですか。
#170
○政府委員(加藤晋君) 今、先生の御指摘のとおり、昨年のヘリコプター事故の多発と申しますか、死亡事故が多かったものですから、ヘリコプターの安全対策検討会というのを航空局内に昨年設置いたしまして、そこで今先生御指摘のとおり、ことしの四月に検討結果中間取りまとめというものを出しました。まだ中間取りまとめでございますが、その中で先生おっしゃいましたように、安全運航のためのガイドラインとか安全意識の徹底とかそういったことを出しております。そういったものを含めて最終的な結論を申しますか、こういったものは年内を目途に取りまとめを行うことになっております。
 したがって、これを取りまとめた上で、これを受けて実行すると申しますか促進すると申しますか、そういった形で取り組んでいくことになっております。
#171
○中川嘉美君 検討中であるとか、あるいは今の御答弁の中で年内にはというような、こういうことですけれども、やはり何といってもとうとい人命というものにかかわる以上、一日も早い安全性の確保ということが必要じゃないかと、こういうふうに思います。したがって、再び次の犠牲者といいますか事故といいますか、こういったものが出ることのないように、しかるべきひとつ対応がなされることをここで要望しておきたいと思います。
 ヘリコプターではここ数年、機数が大幅に増加してきているわけですね。ですから、その使われ方自体も、従来の農薬散布とか資材運搬とかそういったような作業から、むしろ企業内の人員輸送あるいはコミューター航空として不特定多数の旅客輸送、こういった分野での活躍が目立ってきている。このように大きく変わってきているわけです。
 そのために、再び触れるようですが、昨年九月の宮崎県の日向で旭化成の社員輸送に当たっていたヘリが墜落して十人が犠牲になった。あるいは今年八月には、兵庫県でのコミューターの実験的な運航として旅客輸送を行っていたヘリが墜落して八人が犠牲になる、事故も非常に大型化してきている。機数もさっき言ったようにふえていることは事実ですが、発生したら非常に大きな事故につながっている。
 このようなヘリコプターの利用形態の変化、これを踏まえて、安全確保の観点から現在のヘリの運航にかかわる安全規制のあり方自体、これを再検討する必要があるんじゃないかなと、このように考えますけれども、この点はいかがですか、お答えをいただきたい。
#172
○政府委員(加藤晋君) お答えいたします。
 今、先生御指摘のとおり、最近になってヘリコプターの使われ方と申しますか、それから機体も大型化、高性能化しておりまして、やはり事故が起きますとたくさんの方がお亡くなりになるという形で死亡者の数もふえてくるという、大変従来とは事故の形態、機様が変わってまいりました。したがいまして先ほど申し上げましたように、昨年来、この傾向の変化と申しますか、こういったことに着目いたしまして私ども検討委員会をつくりまして、中で検討いたしております。
 今、先生の御質問の趣旨でありますけれども、この委員会の中でそういったこともすべて含めていろいろと検討いたしております。たびたび申し上げて恐縮でございますけれども、年内を目途にこの最終的な取りまとめを決めまして、それで対応していこうと思っております。
#173
○中川嘉美君 関連して言うならば、最近では各地域でコミューター導入の動き、これが非常に盛んなわけですけれども、特にヘリコミューターについては計器飛行方式を義務づけるとかあるいは救命無線機の設置を義務づけるとか、もっと行政面からきちっと安全確保のための規制を整備すべきじゃないだろうかと、このように思いますけれども、この点はいかがですか。
#174
○政府委員(加藤晋君) 今御質問の、二つございましたけれども、救命無線機の件につきましてですが、まず救命無線機は、何遍も申し上げますけれども、私ども検討会におきまして検討を進めておりまして、これの搭載の促進方、どうするかということを今検討しております。
 それからもう一点の計器飛行方式を使ったらどうかという御議論でございますけれども、通常ヘリコプターはやはり自由に飛行するというのがその特性上いいわけでありますが、決められた飛行経路を飛行する場合には計器飛行方式を利用することができるわけであります。計器飛行方式の飛行につきましては、既存の地上の航空保安無線施設等を利用いたしまして、これまた騒音問題等もございますので、そういったものを配慮いたしまして飛行経路の設定等を行うことにしておりますけれども、さらにこれにヘリコプターの機体側で必要な機器類の整備とか、それから操縦士が計器飛行証明を取得していなきゃならないといった問題がございまして、現時点において一律に計器飛行方式を義務づけることは現実的でないと考えております。
 しかし、今先生おっしゃいましたように、コミューターでお客をたくさん運ぶとかそういった場合につきましては、これはそれぞれの路線と申しますか、路線というのはちょっと言葉が過ぎますが、コミューターで飛行する経路、そういったものが具体的に決まりまして、それについてニーズと申しますかそういったものがきちっと決まりまして、先ほど申し上げましたようないろんな条件が当てはまればこれを検討することはやぶさかではございませんが、ただ一律に義務づけというのはなかなか現実的じゃないというふうに考えます。
#175
○中川嘉美君 御答弁の中にあったヘリコミューターについてのこういったものの義務づけというものは、これは今言われたように、全部に対してということはあるいは最初からは無理かもしれない。しかしながら、人命をとうとぶという意味においても、これはやはりしょっちゅうこのコミューターは使うわけですから、どうかひとつそういった意味で、積極的にできるものからどんどんその義務づけをしていくべきじゃないだろうか、このように思うことも一つここで申し添えておきたいと思うわけです。
 次に、コミューター会社の経営状態について伺いますけれども、運輸省はどの程度その実態を果たしてつかんでおられるか。七社ありますね、全部で。七社の中で何社が赤字で、それぞれその額はどのぐらいなのか。この辺をつかんでおられるかどうかちょっと御答弁いただければと思いますが、いかがですか。
#176
○政府委員(松尾道彦君) 今御指摘の七社でございますが、これによりまして二十二路線が運航されておりまして、特に最近利用者のニーズも高まっておりますので、こういう方向での動きになっています。年間で約二十八万人御利用いただいているということでございます。
 それで、平成二年度の経常収支でございますが、黒字が二社、赤字が四社というふうになっておりまして、黒字会社は日本エアコミューター、長崎航空の二社だけでございまして、他は数億円の赤字を計上している会社もございます。
#177
○中川嘉美君 現在の赤字の内容あるいは規模から考えて、今御答弁いただいた各社とも安全確保の対策を講じるところまでは手が届かないんじゃないだろうかというふうに私は思うわけですが、この辺はどうですか。
#178
○政府委員(松尾道彦君) こういった小会社といえども安全確保が大前提でございまして、安全確保について落ち度があるようなことにはならないように十分指導しておりますが、何しろ旅客の面で若干利用度がまだ十分普及されておらないというふうなことで、経費節減あるいは旅客の誘致、こういうものを含めて収入面の向上を積極的に図っていき、またいろんな助成措置、開銀融資とかその他の支援措置も考えておるところでございます。
#179
○中川嘉美君 利用する人々のデータですね、これを示す搭乗率は三〇%。これはもう本当に我々もこの数字を見て唖然としたわけですが、三〇%前後ということで料金も高いわけですね。こういう現状は決して放置できる状態ではないはずであって、この点について具体的に改善のめどが立っているのかどうか。
 また、先ほども業務改善勧告の話が出たわけですけれども、やはり経営方針そのものにまでも、何といいますかもっと立ち入ってチェックしていかなければならないんじゃないかというふうに考えるわけです。例えばですけれども、部品が老朽化しちゃっていて、それにもかかわらず使用を継続せざるを得ない、あるいはまた悪天候、この事故のいろいろデータ見ますと、やはり悪天候による墜落が多いんですよ。ですから、悪天候にもかかわらず無理な経営のもとでもうどうしても発進せざるを得ないとか、まあ大丈夫だ打っちゃえというような感じで、営利優先というんでしょうか、発進せざるを得なかったというこんな状況に追い込まれていること老考えますと、やはり安全性の確保というものはもう到底考えられない。
 これらの点に果たして今後どう対処されるか。現実にそういう問題が起きているわけですから、それに対して運輸省としてはどう考えておられるのかお答えをいただきたい。
#180
○政府委員(松尾道彦君) ただいま先生の方から具体的な御指摘があったような点が確かにございます。私どもは、ヘリコミューターあるいは一般のコミューターもまだ創成段階でございますので定着はしておらないという立場から、積極的にこういった事業についての展開も援助していく必要があろうかと思いますが、また予算補助という形でなくて総合的な立場での、例えば乗員問題あるいは機材問題あるいは税制問題、そういった立場からの支援を行うことが必要かと思います。
 いずれにしても企業でございますので、自助努力というものが大前提であることはもちろんでございます。
#181
○中川嘉美君 本件について大臣に一つ伺いたいと思うんですが、今申し上げたとおり、赤字各社の現状から見て人命を保障するには余りにもお粗末な実態にあるんじゃないか、こんなふうに思うわけです。
 そこで、運輸省として採算割れのコミューター事業に対して、自治体任せではもう解決できない内容を含み過ぎている、このことを前提に今後どう育てていくのかという方向性、これが非常に私は大事じゃないかと思います。したがって、一日も早い政策の再点検といいますか、こういうことが必要じゃないか、このように私は考えるんですが、運輸大臣にその方針について、今後の孝之方といいますか、伺っておきたいと思います。
#182
○国務大臣(村岡兼造君) 中川先生、先ほどからヘリコプターの事故が非常に多いと、あるいはまたヘリコプターばかりでなくコミューターの経営の状況その他というような御指摘をされました。私も、このヘリコプターの機数が増大し、その関係だけではないんですが、近年大変事故が発生いたしておりますことに留意をいたしております。
 技術的なことは私専門家でないわけでございますが、例えば天候の悪いのを無理して飛ぶと。これは、まあお客さんが要求してやむなく行ったようなこともございますし、あるいはまたパイロットの方が自信越剰で行くような状況、あるいはまたお客さんを乗せておりませんけれども、農薬散布なんてこれまた企業でございますが、お酒を飲んでいたとか、もう根本的な概念が違っているようなこともございまして、先ほど来技術部長もお話を申し上げましたけれども、この検討委員会でヘリコプターその他が事故が起きないようなものを早急にやっぱりやるべきじゃないか。何とかことしいっぱいでそういうことも出したいということで進めてまいりたいと、こう思っております。
 それからまた、コミューター空港の問題でございますけれども、先ほど黒字の方の会社が少なく赤字が非常に今度は額が大きいと。私も素人でございますが、航空関係者にお聞きをいたしますと、根本的には大きな飛行機で長距離を飛ばせば利益がある、小さな機体で距離が短いというのは根本的にはなかなか経営が容易じゃない、こういうふうに聞いておるわけでございますけれども、兵庫県で今コミューター空港なんかをつくっておりまして、いずれできてくるわけでございますが、補助とか何かというのは現状ではなかなか国としては容易じゃない、地方で何とか対応していってもらえばと、こういうふうに考えているところでございまして、現状では先生の御指摘に沿えるかどうか、地方のコミューター空港、地域でそういう補助とか何かということしか当面はまだできないのではなかろうかと、こう思っているところでございます。
#183
○中川嘉美君 いずれにしても、こう言っている間にまたどこかで事故が起きるかもわかりませんので、一日も早い検討をお願いしたいと思います。
 それから、鉄道事業における身障者対策、もうけさほどから多々質問が出ておりますので、できるだけ重複を避けたいと思っておりますが、本件に関しては当然、長年私たちとしても叫び続けてきた件があります。それは例の先ほど出ました運賃割引制度。身障者、精神薄弱者に対しても十二月一日から実施されるということになって、全国の三十七万人の方々にも言ってみれば朗報ということになったわけですが、その概要について、すなわち運賃割引制度の拡充内容について御報告をまずいただきたいと思います。
#184
○政府委員(大塚秀夫君) 各交通機関の身体障害者の割引制度につきましては、JR、民鉄、バス、旅客船は五〇%、航空は二五%、タクシーは、実施されているのは六大都市等に限られますが、一〇%の割引率となっております。また、それぞれについて重度の方が介護者の付き添いのもとに利用される場合は介護者の方も割引になります。
 なお、JR及び民鉄につきましては距離制限がございまして、単独利用の場合には、JRは百一キロ以上の場合のみ割引するということとなっております。
 なお、今回、十二月一日から精神薄弱者に対しましても身体障害者と同様の割引制度を導入する予定でございます。
#185
○中川嘉美君 この割引率については、そうしますと今後もその条件がさらに緩和をされて、対象者の負担が少しでも軽くなるようにさらに検討もしくは推進を図るべきじゃないかと私は思いますけれども、今後の見通しはどうですか、そのように考えてよろしいですね。
#186
○国務大臣(村岡兼造君) 現在、身体障害者に対する運賃・料金の割引制度は、割引による減収を一般的に他の利用者の負担によって賄うことにより実施されておるということになっております。
 精神薄弱者につきましては、交通機関を利用する際に、基本的に常時介護者による付き添いを必要とすることについて身体障害者と同じ状態にあるため、バランス上、精神薄弱者に対しても身体障害者と同様、運賃割引制度を適用すべきものと判断したものであります。
 しかしながら、割引率の拡大、対象の拡大等につきましては他の利用者の負担を増大させることとなる点に非常に問題があり、社会福祉政策の一環として位置づけて解決していくべき問題であると現状は考えておるところでございます。
#187
○中川嘉美君 このテーマに関連して、鉄道を利用する高齢者あるいは身障者の対策についてですけれども、これもまたけさ出ておりましたJR東日本の熊谷駅の問題です。
 私は、ここで問題なのは、けさほどはいろいろエレベーターのかぎの問題等が出ておりましたが、やはりもう一つは、ボタンに現実に手が届かなかった、こういう点にもあると思うんです。このようなお年寄りとか身障者の利用するエレベーターについては、これはもう設置方法とか工法上の基準等が当然決まっているんじゃないんですか、この点いかがですか。
#188
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸省では、昭和五十六年の国際障害者年などを踏まえまして、身体障害者の方が社会活動に参加する上で重要な課題となりますモビリティー、移動を確保するために、「公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドライン」を昭和五十八年三月に作成し、駅などにおける身体障害者用施設などの整備に際しましてはこのガイドラインを参考とするように鉄道事業者などを指導いたしております。
 ただいま先生御指摘の事故のありました熊谷駅のエレベーターは、このガイドラインの規格に適合しないものでありました。JR東日本は、このエレベーターを含めて管内のすべてのエレベーターについて操作盤の設置またはエレベーターへのインターホンの設置など必要な改善措置を講ずることとしております。
 私ども、このようなガイドラインについて、エレベーターに限らず、今後さらに高齢化社会を迎える等も考慮しまして来年度に充実させていきたいと考えております。
#189
○中川嘉美君 熊谷駅の身障者用エレベーターは、行き先月のボタンが床から一メーター三十センチ、それから開閉ボタン、これは一メーター四十三センチ、こういった高さにあるわけです。非常用のボタンに至ってはそれよりさらに高い一メーター五十九センチ、こういうような数字が出ているわけですが、運輸省はこうした施設の総点検を指示された結果、どのような実態といいますかどのような状況が明らかになったか、ひとつ詳細報告願いたいと思うんです。
#190
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 熊谷駅の事故は大変申しわけない事故でございました。たまたま、今運政局長からもお話がございましたように、つくったときにこのガイドラインの前にできておりまして、その後改善がなされていなかった。少なくとも、インターホンをすぐ使える低いところに置いてあれば閉じ込められたときに何らかの手が打てたということでございまして、早速JRの方は直したようでございますけれども、そういうことでございました。
 それで、この事故にかんがみまして、私どもの方はその後すぐに全国のJRと民鉄の会社に対しまして、約百五十社ございますが、エレベーターを設置している場合にはこのガイドラインに合っているかどうか。それから、合っていない場合にはどういうふうな形で直す計画があるかということを調査しておるところでございます。
 まだ結果がまとまっておりませんので、まとまり次第またそれを見まして対策を考えたいと思っておりますが、今先生の御質問に対しましては調査中でございますというお答えしかできはせん。
#191
○中川嘉美君 この昭和五十八年三月に策定されている「公共交通ターミナルにおける身体障害者用の施設整備ガイドライン」、これによると、「操作盤」は高さ「一千ミリ前後」、一メートルですね。前後だから、アローアンスがプラス・マイナスどのくらいか、ほんの少しだろうと思います。こういうふうに定めてあるのに、実際のエレベーターはこのガイドラインを守っていなかったという、こういう事実ですね。
 さっきの御答弁の中では、こういうのができる前だというお話なんで、ちょっとこちらも今そのことは初めて伺った実は形ですが、そうすると、ガイドラインができる前、要するに、じゃ、もうメーカーに任せて、製造業者に任せて適当にひとつそれはここら辺でということでメーカー自身もやったものか、そうとしかもう考えられない、このガイドラインができる前のそういう作業ですね。だから、初め私は、なぜ守れなかったのか、その理由をむしろお聞きしたかったぐらいなんだが、そういうようなガイドラインの前であるということになると、これはちょっと首をかしげざるを得ないわけですが、このガイドラインについて、それじゃ今後業界に対する指導徹底ですね、これは具体的にどう図っていかれるのか、その改善策を伺っておきたいと思います。
#192
○政府委員(井山嗣夫君) 今申し上げましたように、私ども必ずしも正確に実態をすべて把握しておりませんので、調査結果を見次第、改善の措置について指導をすぐ開始いたすつもりでございます。
 一つ考えられますことは、JR東日本の管内でエレベーターが相当数ございまして、これにつきまして一部やはり昔つくったやつで先生今おっしゃいました操作盤が高いやっとかがございます。これにつきましては、操作盤をいきなり全部がえてしまうというのもなかなか時間とお金がかかるということもありまして、少なくとも、車いすの方が座ってしゃべれるようにインターホンを中に設置して、緊急のときにはすぐそういうことで駅員を呼べるというような形のものをすぐ手当てする、これは遅くとも今年度中に全部完了しろと、こういうことで今進めておりますし、もし全国的な集計ができましたら私どももそういうような形でどんどん改善を指示していくようにしたいと思っております。
#193
○中川嘉美君 念のために伺っておきますけれども、熊谷駅に設置されたエレベーターの製造業者、この業者が今回の事故をどのように受けとめておられるかということです。
 確かに先ほど、これができる前だということはおっしゃられたわけだが、今後のことも含めて、このガイドラインをめぐって何か取り交わしか事故の発生した以後行われたのかどうか、将来の設置を含めてどのような指示をそれじゃ具体的に出されたのか。いろいろ検討中検討中が非常に多いわけだが、製造業者との間に何かそういう取り交わしかあったのかどうか、あるいは何か指示をしたのかどうか、この辺もちょっとついでに聞いておきたいと思います。
#194
○政府委員(井山嗣夫君) 今、先生の御質問は、具体的に熊谷駅のエレベーターについて製造業者との関係の御質問でございます。
 実は、やはりこれはあくまでも設置するのはJRでございまして、製造業者はその意向を受けて設計をして設置するということでございますので、これはやはりJRの考え方次第だろうと思います。
 多分、この熊谷の事故を起こしましたエレベーターをつけました当時は、想像でまたしかられるかもしれませんが、それほど身体障害者の方が御利用になるということを深く考えないで、通常のエレベーターとして考えたんじゃないかと思われるんです。これは想像でございますので、JRのそのときの設計者に確かめたわけじゃないのでございますけれども。したがいまして、今後ともそういうことで、古いエレベーターでやはり問題があるやつがあるかと思いますので、これは先ほど来申し上げましたように、相当数直さなきゃいけないと思いますので、厳しく指導していきたいと思っております。
#195
○中川嘉美君 JRの問題だということで簡単におっしゃるけれども、やっぱりそういうことは大事なわけで、果たしてそれじゃJRがどのような指示を、指示というか、その業者との間に取り交わしかあったのか。もう今この時点できちっと握っていなきゃいけないと私は思うわけです。どうかひとつその点を。
 このガイドラインで一言言わせていただくならば、エレベーターの「設計上の施設標準」の中にいわゆる開閉扉が透明な部分というのが出ていない。エスカレーターを見ると、「乗降口水平部」とか「床仕上げ」とか「停止装置」とか「くし板」ですか、こういうのが出ているが、いわゆるよくありますね、デパートじゃないけれどもエレベーターの外からガラスで透き通って中に乗っている人がわかる、見える、そういうような開閉扉、透明な部分を備える云々という点がここにないわけですね、このガイドラインの中に外から見れば、何か事故があづたらしいぞということがあればすぐわかるわけです、電話の話も出ていますけれども。
 事実このときの、これは「A子さん」という表現になっていますが、「気付いてもらえず、心細かった。こんな結果になりましたが、いつも周囲に助けられて感謝しており、だれかを責めるというつもりはありません。ただ、もっとボタンの位置が低く、エレベーターに窓がついていたら良かったと思います」、こうなっているわけですね、本人は。それはそうでしょうな。もうどうしていいかわからない、十四時間。窓があればだれかがそこを通るだろう、ここをたたくこともできるだろう。
 そういうようなことで、このガイドライン見ますとそれが全く触れられていないんで、やっぱりそういうことも、一般の方は別としても、少なくとも、特に身障者云々ということになりますとそのぐらいのまた配慮も必要なんじゃないか、この辺について抜本的な改正をやはり行うべきじゃないか、織り込むべきじゃないかと思いますが、これはどうですか。
#196
○政府委員(大塚秀夫君) この五十八年に策定しましたガイドラインにつきましても、その内容は身体障害者の方々の御意見も踏まえていろいろ参考にしながらっくったものでございますが、その後最近のような事故が発生しているという状況もあり、中身についてまた関係者の方々の御意見を聞いて、このような形にした方がより適切であるという部分については内容を充実、改正していきたいと考えております。
#197
○中川嘉美君 仮に新しい改正ということを考えたときに、来年度予算措置として具体的にどのように措置されるか。
 あわせて伺いますが、このガイドライン、新しい改正のガイドラインができる日程的なめどはいつごろと読んでおられるか、この二点について。
#198
○政府委員(大塚秀夫君) 来年度の予算におきましては、身体障害者の方を初め高齢者の方あるいは外国人の方あるいは小さなお子さんを連れた母親等、いわゆる交通弱者の方々から見て、今の交通施設にどういう問題があるかというようなことをできるだけ御意見を聞いて検討委員会で検討していくというような予算要求をしておるわけでございますが、こういう御意見も踏まえて、ガイドラインそのものは平成四年度、五年度の二カ年で内容を見直したいと考えております。
 ただ、緊急性のあるものにつきましては、その都度ガイドラインの中に入れますかあるいは別に指導いたしますか、そういうことは適宜やっていくつもりでございます。
#199
○中川嘉美君 私は、たしか本年の一月だったと思いますが、関西の大手私鉄六社のいわゆる身障者対策の現状というものをつぶさに視察してきたわけですけれども、この設備に関してはあちらの方の関係者は、もう間違いなく西高東低ですと胸張っているわけです。データもちゃんとある。とにかく見事に車両の中に車いすもきちっと入るスペースが設けられそいる。まあ、これは関東に全然ないとは言いませんけれども。とにかく非常に充実していることを目の当たりにしてまいりました。なぜこのような格差を生んでいるのか、運輸省としてどのような所見を持っておられるかお答えをいただきたい。
#200
○政府委員(井山嗣夫君) 私ども印象として、先生と同様に、西高東低と言われていることは、何かそういうふうな話も聞いております。数字的にもそういう傾向にあるように感じられます。
 ただ、そういう意味では西の方の方が意識が高かったというんでしょうか、そういう感じかと思います。東の方は比較的お客さんがふえておりまして、たくさん運ぶのに、そっちの方に一生懸命気がいっていまして、こういう弱者の方の対策ということについて余り気が回らなかったという傾向にあるんじゃないかと思います。
 今後、私どももそういうことを踏まえまして、関東の各社に一生懸命やってもらうように努力してもらいたいと思っております。
#201
○中川嘉美君 御答弁としてはちょっとふざけていると思うんですね、今のは。とんでもない話です、そんなのは。そうでしょう。西高東低、なぜ西とそんなに違うんだと、もう少しまじめに答弁してもらいたいと思う。
 いずれにしても、今後策定し直されるところのガイドラインとともに、運輸省は通達でエスカレーターとかエレベーターの整備指針というものを出しておられるわけですけれども、「遅くとも概ね十年程度以内」あるいは「利用者の多い駅から順次計画的に」といった整備のめどを示しておられるわけですが、問題は各鉄道会社の対応であるわけです。現在その整備のための後押しというものが果たしてどうなっているのか。融資制度あ多いは内答、金額ですね。十年間で整備できる制度は完備しているものと果たして考えておられるのかどうか。さらに今後検討、充実を加えていく点があるとしたならば、どのような点に手を加えていかれるつもりか、この点もあわせて御答弁をいただきたい。
#202
○政府委員(井山嗣夫君) ただいまは大変失礼いたしました。ちょっと実態をつかんでおりませんので失礼いたしました。
 今、先生の御質問でございますけれども、事業者によっては若干助成なり融資の考え方が違っております。
 まず、地下鉄でございますが、新線建設を行いますときに、これは必要施設としてエスカレーターとかエレベーターとかそういうものをつけましたときは建設費補助の対象にすべてしております。
 それから、JRはいわゆる特段の特別な助成制度は今のところはございません。一般的な開銀の融資等でやっているところでございます。
 それから、民営鉄道につきましては、これも設備の輸送力増強とかサービス改善工事につきまして開銀の融資がございますし、それから新線建設をいたしますときに鉄道建設公団が受託をいたしましてつくっている制度がございます。これにつきましては、鉄道建設公団がつくった後民鉄に譲渡いたしますが、そのときに金利の五%を超える分を補給するという制度でございます。
 こういうような制度で現在施設整備を進めているわけでございまして、今後十年間で私どもこの整備指針に合うようにエスカレーター等を整備してもらいたいと思ってやっておりますけれども、これにつきましては一応融資、それから必要な助成等でやっていけるものと考えております。
#203
○中川嘉美君 次に、最後になりますが、信楽の問題で若干また触れさせていただきます。
 死者四十二名あるいは負傷者六百十四名を出した大変大きな事故ですが、私も実は冒頭にこの事故原因の究明状況云々を聞きたかった。しかしながら、けさほどの御答弁を聞いている限りにおいては、やはりこれは私として印象に残っているわけですが、調査を行っているところであるとかあるいは究明できていない部分がある、あるいは推定の域を出ない段階であるとか、そういうような言葉がどうしても頭に残っているわけです。信号機に関しては差し押さえられているのでこれからなんだとか、これについてだっていつ解除になるか具体的な時期すらわからない。さらには、この事実関係の確認をできるだけ早くと言われ、そういうようなのは早くいたしますという御答弁ではあるわけですけれども、どうもそこにもう一つ具体性に欠けている。そういうことを考えますと、五月末に当委員会で信楽問題をやりましたが、事答弁に関して言うならば、あのときから一歩も前進していないような私には印象にとれたわけです。
 事故原因の究明がこんなにおくれる主たる理由というものは何なのか、あるいはその直接の原因は一体何だと思われるか。運輸省として具体的にどうこの問題を克服しようとされるのか。いわゆる再発防止にむしろ直接関係があるだけに、こういったことはやはり明確にしておかなければならない、このように思いますが、この点いかがですか。
#204
○政府委員(井山嗣夫君) けさほども御説明申しましたように、先生の御印象では余り進んでいないという御印象でございますが、私どもも鋭意やっているつもりでございますけれども、やはり私どもが原因として断定する場合にいろんなデータを集めてそれを総合して一種の断定を下すわけでございますが、現在のところ、そこを完全に断定するだけのデータが若干足りないという感じでございます。
 そこで、第一原因は何かということなんですが、これは推定と申し上げますとまた遅いと言われるかもしれませんが、やはり第一のこの事故の原因で私どものつかんでいる事実関係から判断いたしますと、やはり異常時といいましょうか、たまたま信号機が赤から青にならなかった。そのときに代用閉塞というのを当然やらなきゃいけないわけですが、そのときの手続といいましょうか、これに欠けるところがあったのではないかというのが一番大きな原因だと思います。
 それに至る遠因といいましょうか、じゃ、その前の信号機の故障というのが直接この事故につながったかというと、そこが疑問があるところでございまして、そういう意味で信号機の故障あるいは機能障害があったのかどうかということは、実は、何回も繰り返して申しわけございませんが、今現在差し押さえをされておりまして、私どもが直接手を触れて機能試験などができない状態にある。そこは時間をちょっといただきたい。準備は私どもも整えております。いつでもできるような体制にはしておりますけれども、という時間待ちでございます。
 そういう意味で、直接の原因、あるいはそれに至る間接原因といいましょうかその前の原因といいましょうか、この辺の断定をすることにつきましてはもう少し時間をいただきたいというのが正直なところでございます。
#205
○中川嘉美君 あと一、二問で終わりたいと思いますが、信楽高原鉄道は最高でも三億円分しか保険に入っていない。また、営業収入も年間一億円程度で、この点から見ても支払い能力が全くない。滋賀県等、関係自治体の支援がもうぜひとも必要であるということなんですけれども、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律、この第三条で地方自治体は法人の債務への保証を禁じられており、県が信楽高原鉄道の債務を肩がわりするのは条文上は難しい、このような報道があるわけです。
 この点についてまずどのような所感を持っておられるかということと、私の知るところでは、滋賀県として、かつて水俣病の賠償責任を負ったチッソに対して熊本県が県債を発行して資金を貸し付けて救済をした、こういう例を参考に責付金方式なども検討している、このように聞いておりますが、滋賀県の信楽高原鉄道への支払いが果たして可能であるのかどうか、可能であるなら現在どのように進んでいるものか、この点を伺っておきたいと思います。
#206
○説明員(中里清敏君) 信楽高原鉄道事故の補償問題の関係でございますが、最初にございました法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の問題でございますが、この第三条の規定によりますと、地方団体が法人に対して債務保証することは一般的に禁止されていることは御承知のとおりでございます。
 ただ、滋賀県の方におきましては信楽高原鉄道にどのような支援措置を講ずるのか、これはこの法律の有無とは関係なく既に六月議会等において信楽高原鉄道に適切な財政支援をしなければならないと、する方向で検討するということを表明しているわけでございます。
 具体的にどういうようなことが検討になっているかということでございますが、ただいま御指摘い。たたいた点も滋賀県の方では念頭に入れているようでございます。ただ、それも一つのやり方としていろいろ県並びに信楽町そして信楽高原鉄道等々の関係者の間で今鋭意検討が進められているというふうに聞いているわけでございますが、まだ具体的に最終的な詰めの段階に至っていない状況でございます。そんな状況を聞いてございます。
 先走るようでございますが、自治省といたしましては県から具体的にどういうふうな財政支援を信楽鉄道に対して行うのか、行いたいのか、そういうことが固まりませんと私どもも適切な対応ができないという状況でございますが、いずれ種々相談に乗っているわけでございますので、固まり次第適切に対応していくと、そういうことでございます。
#207
○中川嘉美君 信楽高原鉄道は二十人の社員のうち五人の方が亡くなっている、四両ある車両のうちの二両を失うり非常に大打撃を受けて営業再開の見通しが全くなっていない、こういう現状ですが、いずれにしても二度とこのような事故が起こってはならないわけで、事故からの教訓を受けとめて運輸省は再発防止のためにどのような対策を講じてきたのか、あれ以降ですね。
 また、JRが乗り入れている第三セクター鉄道の列車に対する同一周波数の無線機の設置、こういったことはあのとき非常に問題になったわけですが、どれだけ進んだか、この点はどうですか。
#208
○政府委員(井山嗣夫君) 前国会の議論でも列車無線というものを整備して安全度を高める必要があるのではないかという御指摘をいただきまして、私どもも列車保安の本体といいますか、原則はやはり信号設備だろうと。ただ、その列車無線というのは客扱いの利便とか異常時等において連絡をとるというようなときに非常に有効ではないかということを考えておりまして、整備について検討を進めているところでございます。
 それで、具体的に各社におきましては私どもの指導に基づきましていろいろ考えているところでございます。現に、既に私の方に無線を設置するということの工事の認可申請を出してきているところもございます。それから、具体的に方式が決まりまして、いわゆる機種選定を進めているところ、その他数社ございまして、あるいは乗務員無線を持たせてやるというところ等、相当数がその列車無線を設置することについて前向きにやっております。
 今後とも、私どもも指導を進めていきたいと思っております。
#209
○中川嘉美君 最後に、大臣に伺いたいと思います。
 遺族、被害者への補償問題にちょっとまた戻りますが、今後ともこういった補償問題、種々難航が予想されるとは思いますけれども、これらの方々に対する対応そのものが、ただ単に見通しが立たないんだということでは、やはり行政側として余りにも無責任生言わざるを得ないと私は思うわけで、一日も早くそれなりの見通しを立てるためにも、具体的にどのような方策が考えられるのか。また、これは一口で言うのはもう大変至難だということはわかりますが、どのような対応が講じられるべきなのか、大臣の御決意とあわせて最後に伺っておきたいと思います。
#210
○国務大臣(村岡兼造君) 中川先生、補償問題に関する今後の取り組みいかんと、こういうことであろうと思いますが、現在、信楽高原鉄道とJR西日本が誠心誠意補償交渉を行っているところでございまして、運輸省といたしましても、引き続き被災者の補償に遺漏なく対処するよう関係者を指導してまいりたいと、こう思っているところでございます。
#211
○中川嘉美君 終わります。
#212
○小笠原貞子君 まず最初に、気象庁関係の問題を伺わせていただきます。
 雲仙・普賢岳、もう九月半ば過ぎておりますのに活動のレベルはどんどん上がって、しかも既に長期化、今後も長期化するという様相を呈して、毎日のニュースでも一番心を痛めて国民は聞いていると思います。非常に憂慮すべき事態と言えると思います。こうしたことからもう本格的な監視・観測体制を整備すべきであり、雲仙岳を阿蘇や桜島と同様に精密観測火山に指定すべきではないかと、こう考えておりますが、いかがでございますか。
#213
○政府委員(立平良三君) 気象庁では、現在、雲仙岳の周辺に地震計五台、傾斜計二台などを配置しまして監視を強化しておるところでございますが、今後とも火山の活動の状況をよく見まして、火山機動観測班を活用するなどしまして、適切な観測体制を維持していきたいというふうに考えております。
#214
○小笠原貞子君 今後の事態を見て適切な課題を検討していくというふうに承ってよろしいですわ。
#215
○政府委員(立平良三君) さようでございます。
#216
○小笠原貞子君 北海道、私の地元なんですけれども、ここには十四の、御承知のように火山がございます。そのうち活動的な火山である常時観測火山で五つの山あります。例えば、十勝岳は八八年、八九年に噴火して火砕流が発生し、住民が避難するということが起こりましたし、その前に有珠山も七七年に噴火をいたしまして、このときは死傷者まで出しました。
 ところが、この常時観測火山と言われるこれらの山に、地震計というのは一カ所しか配置されておりません。これでは火山周辺に地震が発生してもとの位置がということがわからない。本来、周辺に相当設置しておくべきであるのに一カ所だと。せめて最低三カ所にすべきであるというふうに私は要求したいと思いますが、その点いかがですか。
 また、地中温度の常時監視のための地中温度計の隔測化という問題があります。
 それから三つ目には、雌阿寒岳なんですが、ここも常時観測の山の対象になっているんですけれども、ここはどういう観測をしているかといいますと、釧路地方の気象台から双眼鏡で、目で監視しているというわけなんですね。距離は約五十キロメートル離れております。御承知のように、釧路は霧が大変多い地方でございまして、七、八月は一月に一、二回見られるかどうかというようなときもあると具体的に伺いました。有珠山、樽前山、これは大変観測しにくい、見にくいというようなことなどがございまして、こういうことを考えますと、地震計を三カ所くらいはせめて置きたい。地中温度計の隔測化、それから、今どき双眼鏡で見ていますなんて、まことに昔ながらのよき伝統かもしれませんけれども、これをもうちょっと近代的に観測ができるような体制をとってもらいたい。
 そうすると、やっぱりテレビカメラなどを設置して、そして、この五つの山の監視強化の拡充を図るべきではないかと、そう思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#217
○政府委員(立平良三君) 先生の御指摘のありました火山につきましては、地震計一台で常時監視しておるわけでございますが、その地震計で火山の活動に異常が認められましたら直ちに火山機動観測班を派遣しまして、地震計を増設するあるいは必要に応じてテレビカメラをつけるというふうな観測体制を強化するということで対応していきたいというふうに考えております。
#218
○小笠原貞子君 それは、そうやって一生懸命やっていらっしゃるということ、私はもう一生懸命やっていらっしゃるんだなと、そう思いますけれども、ちょっと気象庁おとなし過ぎるのよね、私に言わせれば。今までいろんな問題取り上げたんだけれども、非常に控え目でいらっしゃる。私はもっと積極的に観測体制を充実すべきだという立場なんです、私が申し上げたいのは。
 目で見る、これは噴煙の高さを見ます。そして、流れの方向を観測する。これが遠望観測と、こういうふうに専門的に言われているようです。これは一日三回定時に常時観測火山で毎日やっていらっしゃるわけでございます。先ほども言いましたように、雌阿寒岳では遠望観測と、いっても、実際は見えない日がある。これでは観測にならぬ、見えなきゃ観測になりませんからね。噴煙の高さ、量、色、流れなどがどうなっているかわからないという結果になるわけです。これでは火山情報を正確に敏速に発表できなくなる危険性があると言わざるを得ないと思うんです。火山遠望隔測装置としてテレビカメラをぜひ配置してもらいたい。何かあったら機動班が行くんだよというのではなくて、やっぱりカメラを配置すべきではないか。
 その機動班なんだけれども、札幌管区気象台の機動班のことをいろいろ伺わせていただきましたら、関係機器も非常に古いものになっていて更新されていない。更新したいということは希望としてありますね。ひどいのになると部品がない機械もある、こういうことなんですね。そしてまた、観測に出かけるというその旅費なんかを考えますと、これにも制約というのがございます。十分な観測ができないというような問題、いろいろ私は改善すべきだという問題がここに入っていると思うんですね。
 現地観測を伺うと、年三回やることになっている。こうなっているんですけれども、まあ行ったはいいけれども、天候が荒れてきたとか雨が降ったとかというようなことで観測時間が十分とれない。そうすると、きちっと観測するためには日にちを延ばさなきゃならないというような問題があるんだけれども、そういった場合の予算措置がないというようなことになると、本当に観測の仕事が不可能になるという問題がございますね。
 そういう具体的な問題を考えると、やっぱり機動班が行くんだからいいよというだけではなくて、機動班の性能もよくしなきゃならないし、観測に行った場合にも十分観測できるような、そういう体制というものの裏づけが私は必要だと、そう思うんですけれども、いかがでございますか。
#219
○政府委員(立平良三君) 御案内のように、火山の活動と申しますのは間が非常にあくことが多うございますので、常時監視というのは異常をまず発見するのに使う。それで異常を発見したら直ちに観測を強化するというふうな体制で対応させていただきたいというふうに思っておりますが、北海道札幌管区気象台の機動班の現状につきましては、もし札幌管区気象台の火山機動観測班でまだ力が足りないというような事態がありましたら、気象庁本庁にまたもっと充実した火山機動観測班を置いてございますので、それをまた派遣して増強する、こういうふうな体制で進めたいと思っております。
#220
○小笠原貞子君 それじゃ、今度は氷の方の流氷の観測について伺いたいんですけれども、オホーツク海、宗谷、根室海域周辺、流氷というものがよく問題になります。漁船などの船舶の航行、そして沿岸の水産物や漁業施設にも重大な障害をもたらすことがございます。ところが、気象庁独自の観測は海岸からのこれも目で見る目測観測と、それから「ひまわり」からのデータでございます。他の部外の機関に頼っているというのが現状でございますね。
 保安庁からは船で毎日一回、航空機から週一回、自衛隊からは週一、二回と、こういう報告を受けてカバーしていらっしゃる。最も重要なレーダーは北大からということになるんですけれども、この北大からのレーダー、一日一回データをもらうだけなんです。しかも、このレーダーはオホーツク沿岸だけしかカバーができません。宗谷、根室海域、太平洋沿岸は観測ができないわけでございます。
 こういった海域は流氷の動きが速く、船舶の航行の安全に支障が生じやすい、産業にも大きな影響を与える問題。「ひまわり」も雲があれば見えない。まことにお寒い監視状況を考えますと、こういった状態を脱するためには、一つは自前のレーダーをきちっと持っていたださたい。道内には函館、札幌など三カ所レーダーがございますけれども、これで十分とは言えないんですね。例えば北海道の北部地域、宗谷、上川等の地域はレーダーで探知できないというような状況になっております。
 こういうこととあわせまして、レーダーを配置すべきだと、そしてそのレーダーで全部がカバ「できる。ような、そういうレーダーをきちっと持っていただきたい。持ちたいとお思いになりますでしょう。私は持ちたいというお気持ちだろうと思うんですよ。
 また、情けないですね、気象庁にはヘリコプターが一機もない、こういうような状態でございます。火山噴火があっても独自の飛行機で調査、監視ができないということでございまして、雲仙・普賢岳の問題からやっぱり今の日本の気象庁の置かれている役割を考えたら、私はこれはもうもっともっと積極的な対策を気象庁としても考えていただきたいと、そう思うわけなんです。
 そのためには予算というものが伴うと思いますけれども、目先の問題のそろばん勘定だけで政治やっていたらだめだと思うんですね。やっぱり、いつ起こるかわからない。だけれども、長期的な観測の積み上げが正確な情報を出すということになると思いますので、今私が言いましたように、独自のレーダーをつくるというようなことなど積極的なお考えをお持ちでないかどうか伺いたいと思います。
#221
○政府委員(立平良三君) 海氷を観測するレーダーというものは、普通気象庁で使っております気象用のレーダーとは特殊なものになっておりまして、レーダーで必要とされる海域の海氷をカバーするというのは、これは非常に困難なことかと思います。
 それで、気象庁としましては、静止気象衛星「ひまわり」の画像、それからそのほか軌道衛星がいろいろ地球上を回っておりますが、そういう画像を積極的に収集する。さらに関係方面に飛行機観測を依頼しまして、これは非常に協力的に依頼に応じていただいておりますが、そういうことでこの海氷情報につきましては対応していきたいというふうに考えております。
#222
○小笠原貞子君 大臣、お聞きになっていらっしゃると思いますけれども、非常に大事なお仕事なんですね、気象庁が抱えている問題というのは。それにしては機械が古くなったとか部品がない機械もあるとか、観測もきちっとできるようなそういう予算の裏づけもなし、そしてそこに携わっている人たちというのは本当に優秀な学者であり、技術者なわけですよ。
 そうすると、先ほども言いましたけれども、今起こった問題をどうするかというんじゃなくて、やっぱり今の日本の経済大国と言われている中で気象庁の果たす役目というのをどういうふうに位置づけるか、それにふさわしいような財政の裏づけというものも考えていただきたい。
 大変、気象庁はいつでも私取り上げるたびに控え目で謙遜でいらっしゃいますので、何かやろうと思っても予算がないからできないんだ、こういうふうな空気になっておりますので、大臣としてもこの気象庁の問題について目を向けて、そしていろいろの御支援をお願いしたいと思いますが、大臣としての御見解はいかがでございますか。
#223
○国務大臣(村岡兼造君) 気象庁の観測体制の強化ということであろうと思いますが、自然災害に見舞われやすい我が国における防災行政上の重要な施策の一つとして認識しておりまして、限られた予算の中で平成四年度概算要求におきまして、第一に台風、集中豪雨雪等観測予報体制の強化、第二に地震、火山対策の強化、第三に海洋気象観測船の整備等、観測体制の強化を重要事項として要求しているところでありまして、今後とも気象庁からもよくお聞きをいたしまして、観測体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
#224
○小笠原貞子君 それでは次の問題として、海難救助対策というのについて伺いたいと思います。
 海難救助では海上保安庁が任務に当たるということになっております。同時に、公益法人の日本水難救済会の救難所員が救助に当たっております。ところが、この人たちには身分保障がないまま奉仕活動に近い形でございます。明治二十二年に創設された当時の崇高な精神によるボランティアから始まったものでございますが、今や国が行うべき救助活動を十分補完する重要な役割を担っているし、その時期にきたのではないかと、そう思うわけです。
 救済会の所員により救助された人命、最近調べてみましても、六十三年二百四十五人、九十四隻、六十二年四百十六人、百五十二隻と、毎年こういった数が積み重なってまいりますと、明治二十二年から考えてみますと、何千、万に近いという、そういう数字が出てくるのではないかと、そう思います。命がけの救助活動が単にボランティア活動として済まなくなってきている今だと、そう思います。
 身分保障制度の早急な法制化が今それらの方々から直接要求されておりますし、私たちから見てもそれは当然身分制度を保障すべきではないかと、こう考えるわけでございますが、その点についてお答えください。
#225
○政府委員(小和田統君) ただいま御質問の日本水難救済会の所員の方々、確かに毎年二、三百人、あるいは年によっては四百人を超すこともございますけれども、そういう人命救助に携わっていただいているわけで、私どもとしても大変感謝し評価しているわけでございますが、この方々の身分保障のために法制化をすることが適当であるかどうかということになりますと、救難所員の方々は水難救済会の設立目的に賛同されまして奉仕精神に基づいて救助活動を行ってくださっているボランティアの民間人であるという基本的な性格があるわけでございます。
 よく救済会の所員とのかかわりで消防団員が話に出ることがございますけれども、消防の場合には、他の家の火災、これはもちろん大変気の毒だからということもございますけれども、これを放置しておけば次に自分の家に飛んでくるかもしれない、あるいは近辺が類焼するかもしれない、そういう種類の災害に対してみんなで共同して何とか火災を食いとめようと、こういう考え方に基づいて法律なり条例なりでいろいろなことを決めている一わけでございます。
 これに対しまして海上の災難、海難につきましては、非常に割り切った言い方をしますと、海難に遭っている人は直接的には自分とは無関係、自分にそれが影響を来すという関係ではございませんけれども、しかしやはり同じ海で働く者として見過ごしてはおけない、そういう自発的なまさにボランティア精神に基づいて仕事をしていただいている。そういう意味で、消防の方とこの海難の場合とは少し事情が違うんではないか。
 それから、仮にこれを法制化ということを考えました場合に、今申し上げましたような事情に基づきまして、消防組織法とかあるいは条例とかそういう関係の法令におきましては、消防団員に対して出動義務とかあるいは……
#226
○小笠原貞子君 済みません、要約してください。
#227
○政府委員(小和田統君) はい。
 懲戒とかいうふうな法的な負担も一方でかかっております。これに対して海難の場合は、海が荒れているというような状況もございますので、これに対する一方的な法的な負担を課すことが適当かどうかということも考えなければいけない。したがって、私どもとしては、手当とか補償とかそういう実体的なことにつきましては他とのバランスを失しないようにできるだけの努力をしてまいりたいと思っておりますけれども、この法制化という問題につきましては今申し上げましたようなことを踏まえて慎重に考えさせていただきたいと思っております。
#228
○小笠原貞子君 ごめんなさいね、時間がないんですよね。だから、もう簡潔に要点をお答えいただきたい。
 救助活動に欠かせない救難器具の整備など相当の財政が必要になっております。例えば、北海道の救難所では毎年約一千数百万円が要望されております。しかし、国の援助は極めて乏しい。海上保安庁は、救済会全体に救助用品の無償貸与としてわずか百七十万円の援助をしているにすぎません。結局、あとは寄附金、自治体、漁協などから援助を受けて現在まで頑張ってきたというわけです。保障制度もなく奉仕活動であるとの位置づけしかないからこうしたことになるわけで、水難救済会の運営に対しても国が責任を持った対応になっていないところが私は問題だと思うわけです。
 このことは、今から十二年前に我が党の立木議員が質問し、当時の長官は、「お金を出して強化したらどうかということは当然の問題である」「救助活動をしたときの費用の一部を補助する 国から出せないだろうか 検討してみたい 努力してみたい」と十二年前に述べていらっしゃるわけです。十分な援助ができないなら、やっぱり身分保障という制度化をして、それを裏打ちしておいて国として対策を立てるべきではないか。器具の整備だとか運営費などの補助というのもこれの当然対象になってくると思うわけでございますので、それについてお考えをお聞かせください。
#229
○政府委員(小和田統君) 確かに、先生おっしゃいますとおり、海上保安庁の予算で補助をして食器材を用意しておりますものはそう大きな金額ではございません。二百万足らずのものでございますけれども、ほかに郵政省の方から年賀はがきの配付金をいただくとか、あるいはまた海事関係の団体からかなりのものをこの水難救済会の仕事に出していただくというような形で、実質的には相当なことをやっているわけでございます。
 また、出動手当とか災害補償等につきましても、先ほど申し上げましたように、消防の場合と現在バランスのとれた対応をしていると考えております。
 なお、今後ともそういう実体的な点につきましてはできるだけ努力していきたいと考えております。
#230
○小笠原貞子君 大臣、お聞きになっていたと思いますけれども、やっぱりもうこれだけの人命救助をするという大事なお仕事をされてきて、自分たちもボランティア精神でやっていくという気持ちはもう十分持っている、歴史も持っている。しかし、やっぱりこれはほかのいろいろと消防団員に比べて肩並べるようになったといったって、出てくるお金はお年玉はがきなどのお金でしょう。みんなよそからもらって充実しているんですよね。
 私は、人命救助の大きな仕事をしていらっしゃるこういう方々にとって、もうやっぱりボランティア活動ということでほっておく、ボランティア活動でいいんだということはちょっと残念だと思いますが、大臣として御見解を伺いたい。ぜひ今後の問題として検討していただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
#231
○国務大臣(村岡兼造君) 今、先生のやりとりを聞いておりました。
 日本水難救済会において出勤手当、賞じゅつ金等の支給に関する制度が整備されておりますけれども、額が少ないとかなんかということもあろうと思います。そのアップについては財政基盤の充実を図ることにより改善が図られるように努めてまいりたいと、こう考えているところでございますが、またよく聞きまして検討していきたいと、こう思っております。
#232
○小笠原貞子君 最後に、今度は障害者の問題なんですけれども、来年は国際障害者年の最終年になる。大臣にはいろいろもうお力をいただいて、大変障害者の方々喜んでいらっしゃいます。
 そこで伺いますが、エスカレーター、エレベーターの設置についての第八次五カ年計画では、大手私鉄十三社で、エスカレーターは二百十七駅六百三十二基、エレベーターは三十八駅六十五基、合計いたしますとそういう数になりますね。時間がないから、一つ一つ分散しないで合計の数を確認したい。
#233
○政府委員(井山嗣夫君) 今、先生、十三社の計、私、今手元に十五社の数字と両方持っておりますが、先生のおっしゃった数字でよろしいと思います。
#234
○小笠原貞子君 そこで、私鉄は出ているんですよ、細かく各地方、会社ごと。ところがJRは出ていないんですね。
 そこで、私は問題だと思うんですけれども、大体、エスカレーター、エレベーターの整備指針というのをお出しになったわけですね、お出しになったと。それで五メートル以上の段差があるところだとか、それから五千人規模だとかというのを整備指針としてお出しになったのよ。お出しになって受けたのは私鉄だけで、JRは全然何にも出さないんですよね。一体どうなっているんですか。やる気があるのかどうか。
 時間がないから伺いますけれども、やる気があるのかどうか。そして、いつまでに具体的にどういう方法で検討して答えを出せるのか、ちょっと簡単に。
#235
○政府委員(井山嗣夫君) 私鉄の場合は、従来から何カ年計画というのをつくってやっております。その一環としてこのエレベーター、エスカレーターも計画をつくっております。それから、JRの方は従来そういう計画は実はないんです。今までそういう、やったことがないものですから、彼らに今計画的にやるように強く指導して、なるべく早く計画をつくれということを指導しております。
#236
○小笠原貞子君 六月に出しているんですよね。六月十七日です、指針出したの。七月、八月、九月、三カ月過ぎたんですよ。早くやれと言うだけじゃなくて、いつごろをめどにというふうに考えていらっしゃるかということをお答えいただきたい。
#237
○政府委員(井山嗣夫君) 私、今何月までにという期限は実は切っておりませんので、ここで何月までにということは言えませんが、とにかくできるだけ早くということで頑張っていただきます。
#238
○小笠原貞子君 自分で出しておいて、私鉄はちゃんと出してもらっておいて、そして肝心のJRの方はまだ調査していません、これからなるべく早くなんて、本当にJRやる気があるのかないのかと、私本当に腹が立つんです。だから、なるべく早くなんというのも、できるだけ至急検討して、いつごろまでにそういう計画を指示して出させるかということを、今お答えできなければ、私の方に後で至急に検討した結果を持ってきていただきたいと思います。
 もう時間がありませんから一言申し上げますけれども、これは大臣もお聞きになっていたんですが、四月十六日の委員会で、障害者の方々が私鉄の場合には半額になったら小児の自動販売機で買えた。ところが、JRの場合には全部このごろ合理化で整理しちゃって、そして窓口がみんなもうなくなってしまった。そして一つくらいで、ぐるぐる回っていかなきゃならないと。だから、私鉄でできることをJRでなぜやっていただけないのですかと。私鉄と同じように、半額割引だったら小児の自動販売機で買えるようにという問題を提起いたしまして、そのとき大塚さんだったけれども、これは考えなきゃいけないと、検討課題になっていましたね。検討課題になって、これ四月だったんですが、今どういうことになっておりますか。早急にそれをまとめていただきたいと思います。
 そして、四月の二十三日に、これも大臣お聞きになっていたんですけれども、高校生が定期券購入するときに、生徒手帳についている身分証明書だけではだめだと。校長が在籍証明する通学証明というものを出してもらわなきゃならない。大変煩雑な仕事になっているわけですよね。これもこの前申し上げましたJR四国から始まってJR九州もそういうことになっているわけなので、これもJR全体に広めていくというふうなことを御検討くださいと。これも検討いたしますということでございましたが、その検討の結果がどうなっているかということを伺って、質問を終わりたいと思います。
#239
○国務大臣(村岡兼造君) 第一点の自動券売機でございますけれども、JRは、技術的な部面もございまして当面の実施は困難であるといたしておりますけれども、運輸省といたしましては、各方面からの要望を踏まえ、今後ともJRに対して前向きな検討を求めてまいりたいと考えております。
 第二点の、高校生が通学定期を購入することでございますけれども、高校生が通学定期を購入する際、通学証明書の提示を必要としているのは、一般用より高率の割引を行っている観点から厳正を期するため必要としてきたところでございますけれども、JR九州やJR四国では通学定期乗車券購入兼用の身分証明書の提示による簡易な手続による発売を認めていることから、JR西日本においても通学定期の発売実態や各学校の意見等を踏まえ検討を行っているところであります。
 運輸省といたしましては、実施していないJR会社に対し、引き続き前向きな検討を求めてまいりたいと考えております。
 なお、JR西日本では一部の地域、福井県では実施、JR東日本及びJR東海は検討中であります。
#240
○小笠原貞子君 はい、わかりました。どうもありがとうございます。
#241
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。
 運輸委員になりまして初めての一般質疑ということで、一般的な運輸行政全般にわたる話と、リニアモーターカーについて若干突っ込んだ質問をさせていただきたいと思っております。
 今、国民所得一人当たり本当に二万ドルに達しようとしているという大変な成長をしておりまして、過去のいわゆる物がない、食べられないという時代から、非常に豊かな中で国民生活をどういうふうに充実していくかという時代に移っていると思います。
 運輸省もこのほど、今までやっておりました業界の育成指導という形から、いわゆる許認可行政から政策省としての、一つのブレーン集団としての省に脱皮していきたいということで、この憂いわゆる組織の改正をされたというふうに聞いておりますけれども、省の改正だけでなくて、国民にとって機構、組織の改正が実際どういうような豊かさということに影響し、夢を与えてくれるのだろうかというところがいま一つわからないということでございますが、ひとつ運輸大臣の出席を得ておりますので、いわゆる政策省として脱皮して、これを国民生活にどういうふうに反映させようとしているのかということを最初に伺っておきたいと思います。
#242
○国務大臣(村岡兼造君) この七月に組織改正をいたしまして、今九月でございますから二、三カ月たっておるわけでございますけれども、我が国の経済社会は国際化、情報化、高齢化等か進展し、国民の意識も生産の量的拡大を目指すという生産重視から生活の質の向上を図るという生活重視にその重点を移しつつあると考えております。
 運輸行政を遂行するに当たりましても、このような変化を踏まえて、住みよい国土の形成、国際社会への貢献、ゆとりある国民生活の実現、交通利用者の利便の増進等の課題に取り組んでいく必要があると考えております。
 今回の組織改正に当たってもこのような見地から、総合的なかっ強力な国際運輸行政の展開、運輸審議官を創設したわけでございます。いろいろ国会等ございますと、私を初め局長は国会ということでございますが、既に運輸審議官は各国を回りまして、航空行政のいろいろな調整に回っている、大変もう運輸審議官の意味合いは大きいと私考えております。
 また、総合的な政策推進体制の確立、効率的で国民にわかりやすい政策実施体制の確立、まあ前の組織ではちょっと国民の方から見ればわかりにくいような名称を、例えば鉄道局とか自動車交通局とか海上交通局とかと、こういうふうにしたわけでございますが、利用者にわかりやすい、直結した運輸行政の展開を図るための組織の整備を行ってきたと考えております。
#243
○新坂一雄君 運輸政策審議会の答申でも、やはり一番最初に利用者の立場に立った交通政策、運輸政策ということを挙げているわけでございまして、今組織改正の中での担当官とかあるいは省の模様がえをお話しになりましたけれども、国民の月から見まして、やはりこれはもう異常と思えることが常識になっている。
 というのは、例えばサラリーマンの朝晩のラッシュアワー、これはもう直らないものじゃないかというのが何か常識化していて、非常にアブノーマルな状態がずっと続いていて、これが何とかならないのかというのは、基本的にやっぱりサラリーマンとしては皆さん考えていると思うんです。
 それから、やっとマイホームを持った途端にニュータウンに行く。ニュータウンになると帰りのやっぱり便がなくなるわけですね。
   〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕
バスの便も時間が長くない。そうすると、最寄りの駅に着いたけれども、そこからやっぱり構内を百メートル競走するわけですね。なぜそんな走りをするかというと、タクシーに乗るために、待っているタクシーに乗らないと、いわゆる一サイクル、ニュータウンヘ行って戻ってくるまで三十分なり二十分なり待たなくちゃいけないということで競走するわけですね。朝晩駆けっこしているような状況。これは全体から見ると大変なエネルギーロスになっているんじゃないかという気がいたします。
 そういう本来今まで解決できないところで常識だと思われたものを、やはり非常に所得も豊かになって、あるいは国民生活の転換を図る節目でございますので、その辺の根本的なところにやっぱりメスを入れていただけるような組織改正に沿った政策をとってほしいなというのが私たちの願いでございます。
#244
○国務大臣(村岡兼造君) 新坂先生から異常な混雑とか深夜の状況を言われました。これは運政審から出されましたいろいろな複々線とか地下鉄とかそういうものを鋭意頑張っているわけでございますけれども、正直に言いまして一キロ二百億から三百億かかる、あるいはまた用地買収に大変な年数。したがいまして、四十キロ、五十キロ、六十キロつくるのに早くても十数年あるいは二十年ということですが、今も鋭意やっておるのでございます。その証拠に、二十年で二倍ぐらいの輸送力の増強はしてきたのでございますけれども、急激な一極集中、そういうことで正直に言って追いつかない、こういうのが実情でございます。しかし、この数年ぐらい前から見ますと、少しは混雑率が落ちているけれども、まだ実感としてわいてこない。
 私も、いろいろ鉄道局長や運政局長とも相談をいたしまして、今混雑率が二五〇%のところなどもありますが、実は朝の一時間程度でございます。時差出勤三十分程度ということで今総務庁が、東京の場合で百七十万人でございますが、そういうことをやっているわけでございます。これを三十分じゃなく一時間ないしは一時間半あるいは二時間、働く時間を縮めようということもありますし、しかもこの朝の一時間以外を見ますと、平均ですと混雑率は四〇%か五〇%なんでございます。
 それから、鉄道の事業者からお聞きをしますと、混雑率を下げるために新線をうくると、なるほど朝は大変二〇〇%ぐらいその新線のところで込みますけれども、普通になりますと三〇%弱だ、これではなかなか大変だと、こういうような話も聞きまして、今運政局あるいは鉄道局に、ひとつこれは総務庁とも相談をしなきゃならないんですが、会社も官公庁もこれは協力してもらわなきゃいけないんですが、混雑率、当面いろいろ新線をつくることもしなきゃいけないし、ホームの延長も設備改善もしなきゃいけない、本数も出すこともしなきゃいけないんですけれども、それらも今検討をしていただいているところでございます。
   〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
 また、深夜のタクシーでございますが、これは多少駅の状況で遅く、便利にするものでございますが、逆に言いますと、正直に言って、例えば二時、三時までもというのはどうかという意見もございまして、これまた検討させていただきたいど、こう思っております。
#245
○新坂一雄君 いずれにしましても国民の立場に立った、生活の立場に立ったやっぱり交通政策をやっていただきたいというのが希望でございます。
 それから、次の質問でございますが、リニアの関係でございます。
 いよいよ高速鉄道の実用化実験ということで、山梨でこの間起工式をやって実用化へのスタートになったわけでございます。この実用化を進めるに当たっていろいろと課題があると思うんですけれども、いわゆる土地の問題とかそれからこの実用化実験をするためのいろんな課題があると思いますが、その辺どういうふうな見通しを持っておられるかお聞きしたいと思います。
#246
○政府委員(井山嗣夫君) 先生御指摘のように、超電導のリニアモーターカーでございますが、山梨の実験線の建設に着手しておりまして、平成五年度から具体的な走行実験を実施したいということで進めているところでございます。
 新実験線でどういうことが課題になるかといいますと、まず一つはすれ違いをするとき、特にトンネル内ですれ違いをするときにどういうデータが得られるか、これ試験の一つでございます。それから、機器の信頼性、それから耐女性の確認のためには高速で連続走行させてみなければわからないというようなことがありまして、そういうことを順次計画的に実験を経まして、平成九年度までに何とか実用化のめどを立てるという方向で今やっているところでございます。
#247
○新坂一雄君 やっぱり一番基本になるのは土地をどういうふうに確保していくかという話になると思いますが、その辺の見通しはこれからでございますか。
#248
○政府委員(井山嗣夫君) 確かにおっしゃるとおり、まず土地を確保しなけりゃなりませんで、この件につきましては鉄道建設公団等関係者がやりますが、やはり山梨県の方々の御協力を得まして具体的に取得を進めていくということで、県にもお願いをして今鋭意進めているところでございます。
#249
○新坂一雄君 リニアモーターカーの実験は実験として、実用化のためにスタートするということは、一方でやはり東海道新幹線のいわゆる輸送力がかなり限界に近いところにきているんじゃないか。これのやはり代替線といいますかその選択がないと、一方で輸送力もそうですし、それからオリンピックの年に完成したものですから、いわゆる施設なんかの補修、要するにドックも定期的にやらなきゃいけないだろうし、あるいは何かの災害のとき、あるいはよく言われる冬の雪に対してすぐストップしますね、きょうも雨でちょっとストップしているようでございますけれども。何か要するにかわりがあって、そこで大動脈としての輸送が常に保たれているという状況がやはり基本的になくてはならないと思うのでございますけれども、東海道新幹線の輸送の現状というのはどうなっておりますか。
#250
○政府委員(井山嗣夫君) 今、先生御指摘のとおり、大変輸送量が増加の一途をたどっておりまして、JR東海でもダイヤ改正のたびに列車の増発をしておるところでございます。しかし、現在、乗車率が一〇〇%以上、座席よりもお客さんの数が多いという時間帯が一日に六時間ぐらい発生するときがございます。という意味では、輸送力は先生御指摘のように限界に達しつつある。ダイヤ改正で若干の工夫をすればもう少し増発する余地はあるということでございますが、いずれにしてもそんなに長くもっとは考えられておりません。
 その点につきましては、御承知のとおり、輸送力問題につきまして昨年から運輸省の中で学識経験者の皆さんに集まっていただきまして、新幹線の輸送力問題の懇談会ということで専門的な立場から技術的な検討をしております。どれくらいの輸送量の増が必要か、それについて技術的にどこまで対応できるかということでございます。その中の案としては、例えば二階建て車両を全面的に入れるとか編成両数をもっと伸ばせないかとか信号システムをもっと改良して列車の間合いを詰めて少し本数をふやせないかというような検討をしております。
 ただ、これは今検討中でございますが、そういうものの結論が出次第、それぞれに対応していきたいと思っております。
#251
○新坂一雄君 陸といいますか鉄道がだめなら飛行機という手もありますけれども、伊丹−羽田間の輸送の現状というのはどうでございましょうか、かなりこれも逼迫しているような感じも受けますけれども。
#252
○政府委員(松尾道彦君) 東京、大阪の二大拠点の空港は大変今混難いたしておりまして、大体年間の輸送実績で約四百万人弱の利用実績でございまして、これ以上のお客さんの利用はなかなか難しいという観点から今羽田の沖合展開事業、関西新空港の整備をやっておりまして、これが完成すればかなり増大ができると、このように考えております。
#253
○新坂一雄君 一つは飛行機ということもございますけれども、飛行場から都心に入るまでの大変な自動車の込みぐあい、要するに高速道路一つとっても非常に時間帯によって不安定であるということから見ますと、やはり鉄道輸送というのは、それがより確実だと思います。
 そういう意味で、今お話ありましたように、やはり既存の鉄道あるいは飛行機についてもかなり限界に近いところにきているんじゃないかという意味で言いますと、急がれますのは、大動脈にもう一本線を早く引かなくちゃいけないだろうというのがやっぱり基本であろうと思うのでございます。
 既に、昭和四十八年に運輸省告示で中央新幹線が基本計画に載っておるんです。路線の「建設を開始すべき」という告示が出ておりますけれども、これは二十年間近く、この告示が出て以来、まあ現実にはそのまま、悪い言葉で言えばたなざらしになっているのでございますが、何とかしてこういう状況を一刻も早く打開していただきたいというのがやっぱり国民の立場からの願いであると思います。
 それで、高速鉄道のリニア実用化実験というのは先ほど見通しを述べられましたけれども、これは実用化実験ということで、実用化のためのめどが立って、いわゆる昭和四十八年の告示にある中央新幹線はリニア鉄道でいくんだよというような形の乗りかえといいますか、そういういわゆる知らせがあるわけですね。要するに、この告示によれば、その当時リニアなんという発想はないわけですから、既存のいわゆる新幹線という発想であったと思いますが、これはどういう形に、手続になるわけですか。
#254
○政府委員(井山嗣夫君) 先生御指摘の基本計画路線につきましては、これは新幹線方式だとか、当時はリニアはなかったんですが、その他の方式にするか、いわゆる走行方式と言っておりますが、これをぴしゃっと決めたものではないのでございます。
 ですから、今先生御指摘のように、リニアにするとしましてもあるいは従来方式のあれにするにしましても、やはり考え方としては、今の実験線ができまして、それで実用化のめどが立ったときに、例えばリニアを選択するのか、やはり従来の新幹線でいくのかそこを決める、その成果を踏まえながら検討していく問題だと思っております。
#255
○新坂一雄君 ちょっとぼやっとしてよくわからないんですけれども、この告示によれば、その当時にはリニアという発想はなかったと思うんですよ。その後リニアというのが出てきたわけなんで、いわゆる告示のときには既存の新幹線でやろうということで告示されたと思います。
 それで、今リニアが山梨でスタートされておりますけれども、この実用化へのテストでゴーだ、これでいけるということになった場合は、この四十八年の告示の中央新幹線、これはリニアでいくんだよということを要するにはっきりと明言するというようなことは必要ないんですかと言っているんですよ。
#256
○政府委員(井山嗣夫君) 失礼しました。
 この四十八年の告示の中身を申し上げますと、ここでは中央新幹線につきましては、起点を東京都、それから終点を大阪市、あと経過地が甲府市、名古屋市とか書いてございまして、これ自体では従来型の新幹線でやるということを積極的に決めていないんです。逆に今度は、このもとになりました新幹線整備法でございますが、ここの法律で、「「新幹線鉄道」とは、その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道をいう。」と、こういうふうに書いてございます。
 鉄道というものは何かというと、またいろいろと議論がございますけれども、私どもはリニア鉄道もいわゆるここでいう鉄道、広い意味の鉄道の一種と考えておりまして、そういう意味で、先生おっしゃるように、この告示を今度リニア方式にしますとか、ここでは方式を書いておりませんので告示では、リニアということもできますし、新幹線方式ということもできるだろうということを先ほど申し上げました。選択の余地はどちらもあるということでございます。
#257
○新坂一雄君 だけど、それは実験が成功したとして、リニアはすばらしいということになったら、在来線の新幹線でなくてリニア方式でいくんだということを後明言しないと、片一方でまたそれじゃ、在来の新幹線で例えばJR東海が今企画している三百キロくらいのでいこうかという話と並行した形で中央新幹線をつくるということになれば混乱を起こしませんかということを言っているんです。
#258
○政府委員(井山嗣夫君) わかりました。ちょっと言葉足らずで申しわけございません。
 基本計画は、まさに絵をかくところでございます。さらにその次の段階として整備計画というものを運輸大臣が決めて告示をすることになっております。そこで初めて、今までの例で申しますと粘着駆動による電車方式とか、こういうのはその次の段階の整備計画というところで走行方式が決まるわけでございます。ですから、そのときにリニア方式を採用するとしたらどう書きますか、多分、超電導何とか方式による走行方式をとる鉄道にするということが基本計画の次の整備計画の段階で決まってくるということになると思います。
#259
○新坂一雄君 そうすると、それはいわゆるこの実験が成功という段階のときにそういう整備計画へ記録されるわけですね。
#260
○政府委員(井山嗣夫君) そのとおりでございます。
#261
○新坂一雄君 それから、もう一つ確認しておきたいんですけれども、この四十八年の運輸省告示の基本計画で東京から大阪、ここを結ぶために甲府市、名古屋市、奈良市付近を通過すると。これはまだ生きているというか、このとおりでいいのでございますか。要するに、この明示している地域以外を走らすということはないというふうに考えていいのかどうか。
#262
○政府委員(井山嗣夫君) これは途中の「主要な経過地」と書いてございまして、こういうポイントを通っていきなさいということなんです。その途中で若干の、鉄道でございますから多分一番短いところあるいは地形的にトンネルの掘りやすいところ、そういうところを選んでいくと思いますけれども、この「経過地」は通らなければいけないと思いますが、そのほかの地域は常識的な範囲では多少動くことはあり得るのだと思います。しかし、先生おっしゃったように、この地点はこのままでございます、生きております。
#263
○新坂一雄君 これは巷間言われておりますように、リニアで五百キロで東京−大阪一時間ということになれば、効率的には直線で線を引くのが一番理想的なわけなんで、それが蛇行するようなことになればその分だけロスするのは当たり前の話なんです。
 ただ、これからもう実際に現地調査されて、岩盤が固かったりあるいは水が非常によく出るというようなところで路線としてふさわしくないというようなこともそれは考えられるので、若干のカーブはいたし方ないとしても、例えばここにあるところがほかの県の方に行ってしまうとか、そういうような形の揺れといいますかはないというふうに考えていいわけですね。
#264
○政府委員(井山嗣夫君) ほかの県という今あれでございますけれども、先生おっしゃったように、普通は鉄道は真っすぐが原則でございますが、地形とか――仮に甲府から名古屋を考えるとどこかで必ず山を抜かなきゃいかぬわけでございます。そういう意味のあれはございますけれども、そのほかの県といいますか、そのほかの地点に大きく迂回するとかそういうことは考えていないんです、この告示では。
#265
○新坂一雄君 これは段階的にステップを踏んでいくことでございますけれども、最終的にこのリニアがゴーになったという場合には、最終的にはやっぱり財源だと思うんです。これはやっぱり、ことしやっと残っておった三線の整備新幹線にお金を出すための財源プールをつくって大変御苦労。されたということでございますので、普通の一般会計の中から取ってくるのは、大変なこれは財源の大蔵省との査定の競合になると思うのでございますけれども、財源措置というのは、もしゴーということになって中央新幹線をつくるとしたら、いわゆるこの見通し的なものは何か考えておられますか。
#266
○政府委員(井山嗣夫君) リニアにつきましては、現在まさに技術開発中で、やっと今実験に着工したところでございます。平成九年度までに実用化のめどを立てる。それから具体的な路線計画をつくって始めていくわけでございまして、ちょっと今の時点で財源をどうするかというところまでは考えておりません。
#267
○新坂一雄君 やっぱり大変な緊急必要性ということで、東京−大阪間の大動脈が今の新幹線ではとにかくもうバンクするという時点にだんだんなりつつある現状では、やはりこれは緊急処置として何かの、例えばリニア特別立法とかそういうものをつくった上で財源手当てをしていかないと、これはやっぱり告示されてから二十年間近く過ぎているわけですから、何らかの手当て、処置が必要ではないかという気がいたします。それから、これは段階的に踏んでも二十一世紀、二〇〇〇年前後になるかというふうに想像されます。
 やはりその時点になりますと、一つ考えておかなくちゃいけないのは、関西新空港が間もなく完成いたしますね。成田の飛行場は十一時以降は夜間の離着陸ができません。そうすると、やはり二十四時間の海上空港というのが利用価値が非常に強くなって、とにかく夜中の生へのオープンゲートとしては関西空港しかないというような現状になると思います。それが一点と、それからもう一つは、京阪奈学研都市という関西文化学術研究都市、これは筑波学園都市が二十万ですけれども、この関西学研都市は三十八万人のニュータウンになるわけです。これは今調整していただいている国立国会図書館の関西分館を初め国際研究所とか、要するに国際的な価値ある研究所とか企業が非常に多く集まったハイテクのニュータウンになろうとしています。そういう新しい要素が中央新幹線の建設と別の要素としてできてきているというところで、何とか東京と大阪のネットをやはりそういう要素を踏まえた形でつくっていかなくちゃいけないのだろうというふうに思います。
 例えば、私思うんですけれども、学研都市駅というふうな入り口、関西学研都市という京阪奈学研都市に広がるところを例えばターミナル駅にして、学研都市を分岐点にして、一つは大阪の方へ行く線、一つは新関西空港に直通する線というような二またで分岐してやることによって、東京で九時まで働いていたサラリーマンがそのままリニアなり新幹線に乗ることによって、その日のうちの夜の十一時にテークオフできるというようなこどで利用できるようないわゆる新線に整備してもらえないかな、そういうような要素があるということをやっぱり踏まえてやってほしいなというふうに思っておりますが、いかがでございましょうか。
#268
○政府委員(井山嗣夫君) 私、今初めてそういう構想を伺いましてなるほどと思っておりましたが、何分今まさに技術開発を始めたところでございまして、なかなか具体的な、何といいますか路線計画までちょっと思い至っておりません。だんだんめどが立ってまいりましたらそういうことも多分議論になってくるんじゃないかと思いますけれども、そういうことを踏まえまして将来の課題として勉強させていただきたいと思います。
#269
○新坂一雄君 最後に。
 いわゆる四全総でも一極集中の悪弊というのはもう言われるとおりでございます。企業の方もアンケート調査によれば、関西というか大阪の拠点化を図りたいという企業もふえているような現状でございますので、要するに大阪−東京をとにかく一時間でできるだけ至近距離で結べるという大動脈をつくるということがやはりこれからの日本の国民生活の基本になるんじゃないかというふうに考えております。
 もし、大臣ございましたら、最後にお伺いして終わりたいと思います。
#270
○国務大臣(村岡兼造君) 今の先生の御質問やいろいろな観点の趣旨を踏まえてやってまいりたいと、こう思っております。
#271
○新坂一雄君 終わります。
#272
○寺崎昭久君 まず、信楽高原鉄道事故にかかわる賠償問題からお伺いしたいと思います。
 被災者への賠償問題については先ほど大臣からも、滋賀県は出資者でもあり、県に協力を要請している、万遺漏のないよう指導している、そういう旨の御発言がございました。このことは代位弁済を滋賀県に求めていると理解してよろしいのでしょうか。
#273
○国務大臣(村岡兼造君) これは、代位弁済と今急に言われましたが、代位弁済というのかどうかわかりませんが、いずれにいたしましても信楽鉄道では、四十何名の亡くなった方の補償あるいは六百何名でございますか、けがされた方々の補償というのは到底でき得ないことでございまして、保険の額も極めて少ないということで、滋賀県が出資もされておりますので、事故が起きましてから、ひとつ滋賀県知事にお願いをし、また県会議長も参りまして、滋賀県議会でもそれに対応すると、こういうようなお話も聞きまして、その復そういう補償のことにつきまして滋賀県から二十名程度ございますか、あるいは西日本からも五十数名でその事務所を二カ所につくって今補償についての折衝を関始していると、こういう状況であろうかと思います。
 なおまた、滋賀県の方からは、いずれにしても補償について、私どもの地域で起きたことでもあり、誠心誠意をもって当たりたいと。ただ、自治体でございますので、財政負担も窮屈でありますので、ひとつもしいろいろ決まったときには自治省というんですか、そういうところにも運輸省の方からも話しかけていただきたい、こういう話で、非公式的には自治大臣の方に話しておりますが、まだ具体的な補償の額、どういうことでやるかということが決まっておりませんので、これは代位弁済に当たるかどうかということは、ちょっと今ここで御返答をいたしかねると思っております。
#274
○寺崎昭久君 私はこの問題について、その辺をまずはっきりさせなければいけないのではないかと思います。仮に代位弁済を求めて、あるいは滋賀県が行うということになれば、それなりの根拠だとか手続が大事であろうと思うんです。したがって、ぜひ運輸省にはそういう面も含めて今後御指導をお願いしたいと思います。
 それから、この賠償問題に関して今大臣からの御発言もございましたように、自治省にも相談をされている旨伺っておりますが、それは国の財政支出を伴う内容での相談と考えてよろしいのでしょうか。先ほど自治省にも働きかけをやり、そのときは相談するというような趣旨の御発言があったので、運輸省としてお金も含めた相談だという受けとめ方をしているかどうか伺いたい。
#275
○国務大臣(村岡兼造君) 具体的にまだ、先ほど言ったようにどういう方法で幾らというのが決まっておりません。したがいまして、先ほども言いましたが、非公式的にこういう場合がきたときにはお願いいたしますよと、正式ではございませんが、自治大臣には耳打ちをいたしておりますけれども、まだ具体的になってからと、こういう話でございますので、また滋賀県とか、どういう方法でやっていただきたいということが具体的にはきておりませんので、そのときになりましてから向こうの要求、要望というものを聞きまして、また自治省なりその他へ正式にやりたいと、こう思っておるところでございます。
#276
○寺崎昭久君 支援要請内容がはっきりしていないという段階で国が財政支援をすべきかどうか云々を求めることはやめますけれども、あえて申し上げれば、私は、国がもし財政支援を行うべき状況が出たと判断した場合の対応ですが、あいまいにしないで、例えば特別立法で措置をするとかそういうやり方をとっていただきたいと思うんです。地方交付税に紛れ込ませて滋賀県に渡すというような不明瞭なことはぜひ避けていただきたいと思うんです。
 私自身、被災者には十分な補償をしてあげたいと、してあげなければいけないと思っておりますし、いい知恵を何としても出さなくちゃいかぬと思っている一人でありますけれども、措置が不明瞭であれば賠償金をもらった方も割り切れないものが残るんではないか。やはりどこの責任でこれだけの賠償をいたしますということをはっきりさせてあげる必要があるのではないかと思いましたので、この点をあえて申し上げたような次第です。何かコメントはございますか。
#277
○国務大臣(村岡兼造君) 先生からこの補償問題で根拠とか手続、あるいはあいまいなことのあれでやるな、こういう御意見でございますが、私どももなるほどと思っておりまして、自治省その他というようなことを考えましたのも、実は道路で災害がありまして落石したとか、何かいろいろそういう事例がありまして、それで支払いがどこだと、こういうことになって道路の管理者が県だと、こういうことの事例で県がやった。それに対していろいろ交付関係とかということをやった、こういうことでございますが、なるほど先生からそういうあいまいでは困ると、手続なりあるいは法的根拠なつということもしなきゃいけないと。検討してみたいと、こう思っております。
#278
○寺崎昭久君 次に、運転再開の問題についてお伺いします。
 運転再開するとなれば先立つものは資金ということになろうかと思います。だれの責任でどういう方法で調達すべきか、この問題は第三セクターが中心になって考えるべき問題だと思いますのでこの際省略しますけれども、運輸省として運転再開に関してどのような範囲で対応、支援するべきだと考えておられるのか。つまり、お金を出すつもりがあるかどうか、それをお聞かせいただきたいと思います。
#279
○政府委員(井山嗣夫君) 運輸省の方、私どもといたしましては、やはり再開そのこと自体は鉄道会社そのものの責任だと思います。したがいまして、私どもとして具体的にこういう金融支援をするとかこういう助成金をやるという計画は今のところは持ち合わせておりません。
#280
○寺崎昭久君 安易にとは申しませんけれども、やはり経営が成り立つか成り立たないかということも重要な要素だと思いますので、第二の国鉄をつくるというようなことはぜひ避けていただきたいと思っております。
 次に、別の問題に移らせていただきます。
 予算にかかわる問題ですけれども、来年度予算を組むに当たって、運輸省が言ったのかどうかわかりませんが、鉄道の復権に向けた初年度という言い方が新聞等で報道されております。復権というのはどういう意味なのか、具体的にどういう意図があってこういう言葉が使われていたのか、それについてお尋ねし。たいと思います。
#281
○政府委員(井山嗣夫君) 鉄道の復権、マスコミの関係の方が多分言い出したんじゃないかと思います。ちょっと私ども鉄道の復権と言われると面映ゆいような何となく気持ちがするわけでございますが、復権と言う以上、昔何かの権利があって、それがなくなったのがもう一度生き返ったということかと思いますが、復権という感じなのか、そこら辺はちょっと、これはマスコミ用語だと思います。私どもが積極的に復権ということで、何といいますか発表したりしたことはないだろうと思っております。
#282
○寺崎昭久君 まあ、復権という文言で発表されたことはないと言われましたらそのとおりでよろしいかと思うんですけれども、私はもし復権という言葉を使われるんであれば、その前になすべきことがいろいろあるのではないかと思っているんです。
 例えば、今新幹線建設ラッシュが始まろうとしております。しかし、その建設費の約半分ぐらいは結局のところJRが負担することになるわけで、新聞等ではそのために近い将来JRが運賃値上げに走るんじゃないかというような憶測記事も出ております。
 言うまでもなく、株とか土地の売却も思うに任せない昨今、そういう中で、聞くところによると旧国鉄債務というのが少しずつふえてきているというようなことも言われているわけで、鉄道の復権ということを言うんであれば、まず旧国鉄の債務をどうやって返済するのか、とりわけ国民負担をどのように消化していくのか、そういったものをきちっと提示してから、合意をつくってから初めて復権と言うべきではないかと私は思っているわけです。
 そこで、国鉄債務の問題について言いますと、いつまでに返済を予定されているのか。平成元年十二月の閣議決定も承知しておりますけれども、いつまでにというのは望洋としてつかめないわけです。どのように考えておられるのかお聞きしたいと思います。
#283
○政府委員(井山嗣夫君) 今私ども、清算事業団の債務につきましては、清算事業団が持っております資産を処分してそれでできるだけ返す、それてどうしても残ったやつについては国民負担で御処理いただくというのが六十三年の基本方針でございます。
 その場合に、いつまでに財産を処分するかということについては、一応平成九年度ぐらいを目途に財産を処分する、こういう方針を一応立てております。現時点、まだ平成三年でございますので、具体的に九年までの具体的な計画はございませんが、九年というのが一つのターゲットというふうに考えております。
#284
○寺崎昭久君 清算事業団が持っている資産、これがいつ売れるか、幾らで売れるかというのは多分に需給関係、そのときの経済の好不況にも影響して決まる中身だと思います。既に株はなかなか放出できない、土地も思うように売れないというのが昨今の状況であるわけです。
 そういうことを考えてみますと、平成元年十二月の償還基本計画の立て方というのは果たしてこれでいいんだろうかという疑問が生じてくるわけでございます。幾らで売れるかわかりもしない財産処分を当てにして、それが終わってから国民に負担を求めていくというやり方は大変不確定要素があって、むしろ債務を累増させる、そういう懸念すら、そういう中身すも含んでいるんではないかと思うわけです。
 まだこの閣議決定が出て間もないわけですから、今の時点で全面見直しとかそういうことを言うのは軽々かと思います。早急かとも思いますが、私はやっぱりできるだけ早く、国民負担はこれぐらい予定しています、こういう方法で返済したいという全貌を明らかにするべきではないか。そうでなければ、国鉄債務の問題は結局のところ先送りして終わらせようという魂胆にしか見えない、こういう意見も結構あるわけです。
 償還基本計画の見直しの問題について見解を伺いたいと思います。
#285
○国務大臣(村岡兼造君) 国鉄改革の推進のため、昭和六十三年一月の閣議決定におきまして、国鉄清算事業団が「土地、株式等の」「適切かつ効率的な処分を進めこ「極力国民負担の軽減に努める」こととされております。
 現下の不動産及び金融を取り巻く環境は、御承知のとおり大変厳しいものがありますが、運輸省といたしましても、事業団をめぐる現在の状況にかんがみ、最重要課題として事業団用地の早急かつ適切、適正な売却を指導しているところであります。
 さらに、一昨日の事業団の資産処分審議会の緊急提言の趣旨も踏まえ、土地処分制度の改正等を早急に実施するとともに、関係省庁等の協力を得ながら、なかなか難しい面もありますが、処分を促進することにより国民負担の軽減を図っていきたいと考えておるところでございます。
#286
○寺崎昭久君 資産処分の努力というのは今後ともぜひ続けていただきたいわけですが、どの試算を見ても国民負担は結局十兆円は残るであろうということになっているわけです。十兆円を返すというのはそう並み大抵のことじゃないと思います。それだけに私は、少しずつでも返すという努力をできるだけ早くやるべきで、そのために国民負担の限度というのはこれぐらいで考えようという金額を固定するなり特定するなりしながら、何年度からこういう方法で返すぞというのを国民の前に明らかにするのがむしろ新幹線建設に走る前にやるべきことではないのかなと、バブルがはじけますと余計そういう思いが強まるわけでございます。ぜひ今後の中で念頭に入れて御検討の対象にしていただければありがたいと思っております。
 時間も余りないので、具体的なお話を伺います。
 資産処分の中の一つですが、JR東日本、JR東海、JR西日本の三社の業績はこのところ大変好転しているようでございまして、配当その他を見ましても東証の株式上場基準をクリアしているのではないかと思われるわけでございます。八九年の閣議決定によりましても、「平成三年度にはJR株式の処分を開始する」ということがうたわれておりますが、このとおりにいくんでしょうか。閣議決定の見直しを必要とすると考えておられるのでしょうか。
#287
○政府委員(井山嗣夫君) 先生の今御指摘の閣議決定でございますが、元年十二月におきましては、「平成三年度にはJR株式の処分を開始する方向でこ「JR各社の経営動向、株式市場の動向を見極めた適切な処分方法等多角的な視点からの検討、準備を行う。」と、こういうことになっておりまして、そういう意味では必ずしも三年度中に売却するということを決定したものではございませんで、「準備を行う。」、もろもろの準備を進めておけという趣旨と考えております。
 したがいまして、仮に三年度に売却を行わないとしました場合に、直ちに閣議決定を見直すということにはならないんじゃないかと思います。
 それから、株式、先生今御指摘のように、本州三社につきましてはいわゆる上場基準は各社とも満たしております。――失礼いたしました。東と東海はクリアいたしまして、西日本は三年度にクリアの見込みでございます。
#288
○寺崎昭久君 JRの株式上場がおくれればそれだけJRが市場から自由にファイナンスができないという状態になるわけで、場合によっては経営を圧迫するということにもなりかねないと思うんです。したがって、できるだけ早期に上場すべきだと、私はそう思いますし、そのためにいろんな手だてを今から講じておかなければいけないと思うんです。
 次に、五月の二十七日でしたか、JR株式基本問題検討懇談会から株式上場に必要な情報の遣切な開示を進めることが必要だという報告がございました。それなども大事な一つだと思いますけれども、株式上場に関するそうした努力はどのように行われておりますか。
#289
○政府委員(井山嗣夫君) 先生おっしゃいますのは、JRの今後の経営にかかわる重大事項といいますか、これについてはあらかじめ株主さんにお知らせをして、そこで株を買うかどうかの判断の材料にしろと、こういう御趣旨だと思います。
 一つの一番大きな例を申し上げますと、今度の四新幹線をJR各社にお売りする、これの発端がやはりそこら辺にあるわけでございまして、これは東京証券取引所の方の御希望として、もし上場するのであれば、当時四新幹線は新幹線保有機構というのが持っておりまして、法律上はいずれ「譲渡する」と書いてある。ただ、それが有償か無償か、一体どれぐらいの価額でというのは書いてはおりませんでした。いずれにしてもかなりの値段に有償となったらなるだろう。そうすると、将来それだけの債務を負うのか負わないのかというのは投資家にとって極めて重大な問題であると、したがって、今から明確にしていただきたい、こういう御希望がございまして、それが四新幹線を譲渡するということになった発端の一つでございます。
 このように、一情報公開といいますかにつきましては、JRの決算の段階、それから今申し上げましたいろんな施策でもって具体的に公開していきたいと思っております。
#290
○寺崎昭久君 五月のマスコミの記事に、JR東日本が機関投資家に対して一株百万円で九万株、九百億円を購入してほしいと引き受けを打診しているという報道がございましたが、本当でしょうか。
#291
○政府委員(井山嗣夫君) 五月の十日の新聞でございますが、確かにその記事が出ておりました。私どもそれはJRに詳しく確かめたのでございますが、JRの株式につきましては平成三年度には、先ほど申し上げましたように売却処分を始める方向で準備しろと、こういうことがございます。そのためにJR東日本におきましては、近い将来自分の株式が売却されるあるいは上場されるということに備えましていろんな準備をやっていたわけでございます。
 その一環として、確かにことしの夏ごろにいわゆる機関投資家に対しまして、何か上場の際にはあいさつというのがあるんだそうでございますが、上場後の株式保有に関しまして、まあよろしくお願いしますということだと思いますが、あいさつを行って意向を打診したということはあるようでございます。ただ、その際に、一株幾らでおたくが何株買ってほしいというようなことはやっていないというふうに報告を受けております。
#292
○寺崎昭久君 それから、今まで株式が上場できない理由として株式市況との関係を云々されることがございましたけれども、上場にふさわしい市況というのは指標で言えばどういう指標がどういうふうに動いたときふさわしいと判断されるのか。もっと端的に言えば、幾らで株が売れるときふさわしいと言えるのか、その辺の御見解はいかがでしょうか。
#293
○政府委員(井山嗣夫君) 先生の御質問に端的に数字で申し上げるというのはなかなか難しいんだろうと思いますが、私どもはJRの経営基盤の確立とかいろんな諸情勢の準備が整い次第、できる限り早期にかつ効果的に処分をしたいという考えでございます。
 ただ、考えなきゃいけないことは、一たん出しますと、売却対象の株式がかなり大規模になりまして、証券あるいは金融の市場にかなり大きな影響を及ぼすと。その結果、混乱が生じるとか株式市場が売買高とか、平均の株価等から見まして今若干不安定な状況にあるということから、ことしの五月の先ほど先生御引用になりましたJR株式基本問題検討懇談会におきましても、今後の市場の動向を十分に見きわめて弾力的に対応しろと、こういう御指摘がございます。
 そういう意味では、いま少しの間株式市場の動向を見守りたいと思っておりますが、具体的に値段が幾らが望ましいかということにつきましては、私どもとしては、NTTの例でございましたように、あらかじめ入札を行いまして値段を決めていただきまして、それで形成された値段によって売却するというようなことを今考えているところでございます。そういう形でいわゆる適正な値段というのがあらわれてくるんじゃないかと思っております。
#294
○寺崎昭久君 今のお話は、株式売却の方法として一部売却を先行する、そこで出た価格水準をもとにして大量に売り出したいという手順をおっしゃられたんでしょうか。
#295
○政府委員(井山嗣夫君) 今申し上げましたのは、おっしゃるとおり、NTTの例でございました、あらかじめ値決めと申すのでございましょうか、そのための入札をやってその価格をあれして売り出す、こういう方法が一つの方法かと思っております。
#296
○寺崎昭久君 実際にいつになったらこれは上場できるんでしょうかね。
 それと、三社同時に上場されるつもりなのか、逐次上場されるつもりなのか、全然見えてこないんですが。
#297
○政府委員(井山嗣夫君) これは先ほどの株式問題懇談会でもいろんな選択肢、やり方があるということで、三社を均等に分けていく方法、それからどかんと一社ごとにまとめていく方法、それから何といいますか、そのほかの方法と言っておりますけれども、いろんな組み合わせが考えられる。その中で一番いいものを選べというような御趣旨でございまして、そこはいろんな選択の仕方があるという御意見になっているわけでございます。
 私ども株の必ずしも専門家でございませんので、関係の有識者の方々の御意見を聞きながら決めていきたいと思っておりますが、現在のところ具体的にどうしていくということは実はまだ決めておらないところでございます。
#298
○寺崎昭久君 株式の問題、土地の問題、いろいろお聞きしたいことがたくさんあるんですけれども、最後に土地の売却に関して一点だけお伺いしたいと思います。
 中村事務次官が、JR各社に土地を売却することがある、その場合には、「お互いに合意できる価格で、あくまでJRに協力してもらえる範囲内」で売却を考えているという旨の発言をされた記事が載っておりますけれども、これは簿価ベースで譲渡しようと意図されているのか、時価ベースで譲渡されようとした発言なのか。JR各社への土地の売却という問題は、清算事業団の債務の減少とJR各社の損益とちょうどトレードオフの関係になっていると思うんですね。値段については今どういうことを意図されておられるんでしょうか。
#299
○政府委員(井山嗣夫君) 私ども新聞記事を見ましてちょっと驚いたのでございますが、清算事業団法体系におきます値段はあくまでも時価でございまして、JRといえども例外ではございません。
#300
○委員長(峯山昭範君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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