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1991/09/26 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 商工委員会 第2号
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1991/09/26 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 商工委員会 第2号

#1
第121回国会 商工委員会 第2号
平成三年九月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 政光君
    理 事
                前田 勲男君
                松尾 官平君
                福間 知之君
                井上  計君
    委 員
                秋山  肇君
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                梶原 敬義君
                角田 義一君
                吉田 達男君
                広中和歌子君
                三木 忠雄君
                市川 正一君
                古川太三郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   中尾 栄一君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       越智 通雄君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      梅澤 節男君
       公正取引委員会
       事務局経済長   糸田 省吾君
       経済企画庁調整
       局長       吉冨  勝君
       経済企画庁調査
       局長       小林  惇君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   渡辺  修君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        麻生  渡君
       通商産業大臣官
       房審議官     榎元 宏明君
       通商産業省通商
       政策局長     岡松壯三郎君
       通商産業省立地
       公害局長     鈴木 英夫君
       通商産業省機械
       情報産業局長   熊野 英昭君
       通商産業省生活
       産業局長     堤  富男君
       資源エネルギー
       庁長官      山本 貞一君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        末広 恵雄君
       中小企業庁長官  南学 政明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局動力炉開発
       課長       柴田 治呂君
       労働省労働基準
       局賃金時間部分
       働時間課長    鈴木 直和君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (景気の現状と今後の経済見通しに関する件)
 (証券不祥事に対する公正取引委員会の対応に
 関する件)
 (人形峠の放射性物質の汚染防止に関する件)
 (地域中小零細企業への景気振興策に関する件
 )
 (環境保全に配慮した貿易政策に関する件)
 (産業廃棄物の再生利用と消費経済システムの
 転換に関する件)
 (美浜原子力発電所における事故に関する件)
 (古紙利用に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、厚生委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(岩本政光君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○梶原敬義君 経済企画庁長官は、去る二十四日の月例経済報告閣僚会議におきまして、日本経済は緩やかに減速しながらも引き続き拡大しているというような月例報告を提出されたということ、新聞記事にも出ておりますが、我が国経済の今日の現状と先行き見通しについて最初にお伺いをいたします。
#7
○国務大臣(越智通雄君) 梶原先生御高承のとおり、経済は一種の生き物でございまして波が出てくるのは当然でございますが、現状もう四年を超す景気の長さという点からいきますと、その次に来る谷をどういうふうに迎えるか、これが一番経済政策としては念頭に置いておかなきゃいけないことかと思っておりますが、昭和六十二年、六十三年、平成元年とかなりスピードの速い実質成長率五%を超える経済運営が結果として行われてまいりました。
 したがいまして、昨年平成二年からこれをスローダウンしていくということで運営が図られたわけでありまして、昨年の四半期ごとのペースで申しますと、実質成長率で一・六、一・四、一・一と、これ大体乱暴な計算ですが四倍していただくと年の成長率になるわけですが、うまいこと大体四%切るあたりに持ってきていたのでございます。
 御高承の湾岸紛争で、去年の十―十二月、これが大変に落ち込みまして〇・六、四倍すれば二%ちょっとの年率の成長までいきまして御心配いただいた向きもあるんですが、私どもはこれは非常に、実力行使が始まったらどうなるかわかもぬという、何と申しますか恐怖心理というか、そういうところからかなり経済が停滞したんであって、必ず戻してくるとは見ておったんです。
 ちょっと戻りが徹しゆうございまして、湾岸紛争がああいう格好で思ったより早目にと申しますか、終わったということで、ことしの一―三月は二・七という思いもかけぬ高いペースになってしまいまして、これがまた反動を食らって四―六が〇・五という大変波の大きな経済運営になってしまって本当に申しわけなく思っております。
 一つには湾岸の問題がございますし、殊に今彼が大きく見えましたのはGNPベースでございまして、その中の国内分だけを取り出しましたGDPという数字があるのでございますが、これで見る限りは大体一%ぐらいで動いておりますので、国内経済要因は大体年四%ぐらいの成長のペースで今働いていると思います。それに、海外要因が大きくプラスに立ってみたりマイナスに立ってみたりということで変動いたしております。
 その後の七―九は、まだトータルの総合的な指数は何も出ておりませんが、個々のばらばらの指数から考えますと、七月はまた景気はいささか取り戻してきていると考えておりまして、ただ八月あたり、この九月にかけまして多少思ったより冷夏ということが響いてくるかなということと、やはりこの証券・金融にかかわる問題が影を落としてくるんじゃないか。私どもとしましては、かなり減速が効いてきた。五%以上の成長してきたものが年率で四%を切るあたりに来ておりますものですから、かなり減速感は、ブレーキを踏んでいるという感じは強く出ておりますけれども、まだ谷には入っておらない。
 御高承のとおり、日本のGNPというのは一年を通してみれば、昭和四十九年に前年よりも下がったことはございますが、その他の年は全部前年よりGNPそのものは必ず上がっておりまして、その上がり方が著しいときと緩いときとで、緩いときを不況といいますか不景気と呼んでおりますので、英語で言うとリセッションじゃなくてスローダウンという経済現象でございますものですから、そのスローダウンをなるべくやわらかくして持っていきたい。
 ただ、今梶原先生から先行きどうかというお話がございましたが、先日来九月に入りまして十九人のエコノミストと議論いたしますと、この次に来るであろう谷、もしかするとエコノミストによってはもうそろそろ谷に入ってきたよという人もいるんですが、これは非常に浅くて短いという見方が一般的でございまして、一年未満、成長率にすると三%前後の谷になるんじゃないか。
 これは、外国から見るととんでもない話かもしれませんが、日本の場合に谷と称しているのは、今まで高いのでは三・九というのを谷と称しております。私どもは、三%を切って二%に近くなってくるとかなり不況感が強くなると思いますが、従来三%段階でも谷と称したこともあるものですから、今度もそのくらいのものかな。
 相なるべくは、願わくんば、それが一年未満、例えば七、八カ月かつ三%ぐらいでございますと、あえて谷と言わなくても、一種の言葉のあやでございますが、踊り場ぐらいの感じで、そしてその次の成長期へうまく持ち込めたらいいな。その難しい判断の時期がことしから来年にかかって来ているだろうな、こんなふうに見ているわけでございます。
#8
○梶原敬義君 通産省は、通産大臣の談話並びに棚橋事務次官の記者会見の談話等が新聞に出ておりましたが、この辺の見方について通産省と経企庁の見方とは少し違ったところがあるんじゃないかという気がしておるんですが、いかがでしょうか。
#9
○政府委員(榎元宏明君) ただいま私どもの景気に対する見方についてお尋ねがあったわけでございますが、基本的なことを申しますと、先ほど経企庁長官がおっしゃられましたとおり、月例経済報告に書いてある認識で、あの時点と申しますか、七月までのデータをそろえてそこに整理されているわけでございますけれども、その時点の問題としてよろしいのではないかと思っている次第でございます。
 もう少し申しますと、最近の状況では住宅の投資は引き続き減少傾向にある、設備投資が鈍化しつつあるといったような状況がございますけれども、拡大しつつ緩やかに減速していると申しますか、あるいは緩やかに減速しながら拡大しているという状況だと認識をしている次第でございます。
 しかしながら、より私ども最近の時点での景気の把握をしたい、足元の状況を見たいということで、八月二十日の時点で主要産業百四十社、それから中小企業四百社の動向をアンケート調査等で調べました。また、各社のその他ヒアリングもさせていただいたわけでございますが、そういった情報によりまして把握いたしますと、全体的に申しますと、特徴的には生産、出荷等がやはり弱含んできているのではないか。また、意図せざる在庫増も含め在庫水準が高くなってきているんではないかといったことが一つございます。
 また、これは先行きの問題でございますが、需要の減退とかあるいは先行きの資金繰りの困難化といったことなどを理由にいたしまして、設備投資の下方修正というものが電気機械であるとかその他の産業で見受けられるようになってまいりました。水準そのものはなお七・五%といったようなことで高こうございますけれども、そういう傾向が出てきているというわけでございます。また、御案内のように乗用車販売の減少、これは軽乗用車を含めまして七カ月マイナスを続けているといったようなこと、あるいは販売統計の伸びの鈍化など、消費の伸びもやや気になってまいりまして、いわば懸念される材料が出てきているという状況だと思っております。
 そういう状況でございますので、今後の景気対策のあり方につきましては、私どもより息の長い内需の拡大を続けることができるようにということを腹に据えまして、きめ細かく景気の情勢をまさに細心の注意を持って見守っていかなきゃならない、こういう状況だと認識をしているわけでございます。したがいまして、経済運営も文字どおり機動的な経済運営が必要だという気持ちで対処していかなきゃならないと思っている次第でございます。
#10
○梶原敬義君 榎元審議官も前に紙業課長をされて、麻生さんも紙業課長をやっておられましたが、私、業界のことを少し聞いたんですが、大昭和製紙がもう製品価格が非常に落ち込んで、そして経営には斉藤了英さんの問題というのが絵を買っていろいろあるようですが、主力工場も閉鎖をして、二千人労働者を首切る、こういうような話が週刊誌等で伝えられておりますし、大王製紙というのが秋田に工場をつくるというような計画もあったけれども、これはもう御破算にするというような話が伝わってきております。
 そういうように、これは一つの例ですが、今審議官から話がありましたように、在庫がふえ、そして設備投資が抑えられてくるという傾向は、特に装置産業においてこれからやはりそういう傾向が目立ってくる。私は、確かにリセッションではなくて景気のスローダウンとはいうけれども、景気のやはり落ち込みというのは、どうも我々がいろんな中小企業の皆さんとも話をしてみますと、想像以上に厳しくなってくる可能性があるんではないか、そのように見ております。
 そして、今までの傾向ですが、下がり出すとどんどんどんどん下がって、そしてこれは上がり出すとまたずっと上がってくるんですが、非常に困るのは、日本の経済の運営というのはやはり急にブレーキを踏む、そしてがくっときて落としていく、それからどうしようもならなくなって、今度はアクセルを踏んでまた上っていく、そういう非常に極端な経済運営が過去ずっととられております。
 中曽根さんが総理大臣のときに、私どももう少し早く財政出動をするならして経済運営をじわじわ上げていった方がいいじゃないか、いや増税なき財政再建、財政は経済を主導してはいかぬ、民一括でいくということをどんどんどんどんやってきました。しかし、最終的には六兆円ですか、アメリカとの約束等もあってやらざるを得なくなる。そして、ちょっとでも上がってくるのにまた六兆円ぶっかけていって、現在のような状況になってくる。だから、そういうように極端な経済運営でなくて、今度のやはり金融の総枠を抑えてくるようなやり方あるいは高金利政策、これらは結果的には大変厳しい状況を招いてくるんではないかという懸念をしております。
 そこで私は、住宅についてだけは、景気がよくても悪くても、これは余り国民が金利が上がったからもう住宅を建てないというようなことのないような政策をぜひとっていただきたい。きょうの新聞には、住宅ローンの引き下げで変動型の金利が七・五から六・五に利下げされているというのが載っていて、非常にいいことだと思いますが、しかし六・九%、七%ぐらいの利息というのは払う者にとってはやっぱり大変な額ですから、住宅においては景気調節の弁にしないようにそういう経済運営をやっていただきたい、このように常々考えておりますから、経企庁なり通産大臣の御指導をお願い申し上げたいと思います。
 そこで、大蔵省は、一九九二年、平成四年度の税収見込みは伸びが大分落ち込むんじゃないか、こういうような数字も新聞で発表されておりますが、来年度税収の試算では六十五兆三百億円よりマイナスになるんではないか、このようなことを試算されておると思いますが、経企庁としては、来年あるいは再来年今のような経済運営を続けていった場合にどのように税収がほぼ見込まれるめか、大ざっぱに考え方だけ長官の考えを伺わせていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(越智通雄君) 税収に関しましては専ら大蔵省でございますので、全く私の方から経企庁長官として申し上げるのは難しい問題でございますが、あえての御質問と伺いましたものですかも、私個人としての感触で申し上げさせていただきますと、現在一般会計の税収は、六十一兆円が平成三年度の予算でございまして、そのうちの両横綱が所得税と法人税でございまして、所得税が二十五兆、法人税が十九兆。
 七月現在までの収入状況を見ておりますと、所得税の方は源泉申告等もほどほどに伸びておりますが、何としても大きいのは法人税の伸びが前年よりも二割以上伸び悩んでおる、要するになかなか当初予定線の十九兆が入りそうもない状況に今のところ見えておりますが、まだただ年度が始まったばかりでございますので、なかなか読みにくうございます。あと、そういう意味ではちょっと収納率のよくないのが石油ガス税と取引所税それから有価証券取引税というあたりでございますが、これらはいずれももっとこの数字が余り大きい数字ではございませんので、せいぜい一兆とか何千億の話でございますので、税収の大勢はこれからの法人税の伸びいかんか、このように見ているわけでございます。
 ところで、法人企業統計では営業利益が、ずっとよかったんですが、五月ごろからやや悪くなっておりますが、その主たる原因は、中身を見ていきますとやはり製造業にかかわる大企業のところで一三%落ちておりまして、その他のところではまだ営業利益にはそれほどの障りは出ておりません。ただ営業外と申しますか、いろいろ金利や何かの負担とか、これが上がってきておりますので、経常利益としてはかなりきっいようでございますので、そうした面がこれから先の税収に響き、あるいは来年の財政にどういう影を落としていくか、これは今大蔵省の方で慎重に真剣に検討されているんではないかと。
 私ども経企庁としましては、税収を離れまして、経済全体を何とか来年の後半にはまた何と申しますか、明るいような感じのする方へさらに引っ張っていきたい、それが先ほど申し上げましたことしの冬から来春へかけてぐっと持ち上げていって、収入の方には来年後半は明るい感じが出るように経済運営をと願っているゆえんでもございますが、ぜひそのようにさせていただきたいと思っております。
#12
○梶原敬義君 先ほど来年度と申しましたが、今年一月の大蔵省の中期展望として、九二年度の税収見込みの試算が六十五兆三百億円、これをどうも下回るだろうというのが大蔵省の発表のようですから、そこは訂正させていただきたいと思います。
 いずれにしても、証券、金融、不動産、この辺の法人の税収がこれはやはり相当落ちると思うんですが、今までは大蔵省の当初見込みよりも大幅に税収が何年も伸びてきましたが、今度は逆、逆にいくような可能性がありますが、そういう心配があります。
 特に、私いろいろ聞いてみたら、中小の不動産会社というのはほとんど瀕死の状態。それで、どういうことに一体なるんだろうかということをいろいろ聞いてみますと、やはりある程度この状況の中で自然淘汰されていく、そして中小が持っている物件やなんかというのは銀行等が中に入り大手の財力のある不動産会社が肩がわりするような形になる。そして、何年かしたうちに結局もうかってくるのは、ここで財力を蓄えた、中小の物件等を手中にした、そういうところが何年か先にまたもうかるというようなことに恐らくなるだろう、このように見ております。
 そこら辺の問題もありますが、要は国民生活がどうすればよくなるかですから、特にこういうときに限って国や地方自治体が少し不動産を持って、そして公共のマンションとかアパートとかそういうものをどんどん手がけるような政策をとってほしいな、このように希望を申し上げておきます。
 通産大臣、最後に公定歩合の問題で大臣も記者会見されておりますが、大臣のお考えを伺い、私も当然大臣が考えておられるようにやはり公定歩合はこの際下げる必要があるんじゃないかと、このように考えるんですが、お伺いをして次に移りたいと思います。
#13
○国務大臣(中尾栄一君) 私は、この発言に対しましては、当然日銀が専管事項になっておりますので手控えさせていただいておったわけでございます。
 しかし、さはさりながら、産業構造というものの責任を持つ省庁といたしましても、当然のことながら各産業界の意見はそのまま吸い上げていくという責任があろうと、こういうことで大企業で千数百でございましょうか、中小企業も数千にわたるグループから吸い上げていくという作業は地味ながら続けたつもりでございます。そういう中にあっての大半の声を選択肢の一つとして考えられていく要素もあるんじゃないのかと、こういう御提案を申し上げたと、こういうわけでございまして、決して主管を侵害するような発言として受けとめていただきたくはないと、こう思っているわけでございます。
 まず、公定歩合につきましては日銀の専管事項であることは申すまでもないんですが、景気動向そのものを考えますると、生産、出荷等が弱含みであると、こういうことはもう既に経企庁の方からもそれとなくいろいろの面で月例報告会議等で聞き及んでおりました。それからまた、資金繰り等を理由とした設備投資そのものの下方修正というものが見られるということもこれも実態でございましょう。
 それからまた、先行きというものに対して懸念を持っているということは何も日本だけではございませんで、昨今アメリカあたり等のボスキン諮問委員会委員長でございますとか、あるいはまたグリーンスパンFRB連銀総裁であるとか、現実に秋口以降の見通しというものを聞いてみますると、どうもアメリカのこの双子の赤字問題等、あるいはまた景気の先行きなどを見ましても、明るい見通しというよりは、向こうの言葉ではロコモーティブという言葉を使っていましたが、いわゆる牽引車といいましょうか、ロコモーティブそのものがグリーンスパンさんの御意見などでは牽引車が現実的に見当たらない、こういう言葉を使っております。ボスキンさんあたりは、確かに牽引車はあるんだ、あるけれどもどの牽引車もまだ出発していないんだ。こういう言葉のニュアンスの違いはそれぞれありますけれども、後半二から三%の経済成長率であるということにおいては一致した御意見だったんではないかと思います。
 そういう中にあって、先行き不透明感は日本だけではない、むしろアメリカあたりのこの問題点をとらえましても、それの与えられてくる、打ち返されてくるインパクトというものは、これはもう否定しがたいなという観点を持ちますると、私も多少なりとも日本の経済先行きというものに先行き不安を感ずることの点においては、先生の御指摘は私自身も本当に的を射た点もあろうかなというように感じておる次第でございます。
 そこで、物価は安定してきておりますものの、息の長い景気拡大というものをどうしても持続せざるを得ない、こういう観点からいきますると、先ほども経企庁長官がその方向づけの中にあらゆる定石を打っていかなければならぬ決意のほどを表明していただきましたように、機動的な弾力的な政策運営というものを図ることが必要であるということは申すまでもないわけでございまして、こうした考え方について金融政策当局にも十分認識を賜りたい、こういう意味における選択肢の一つとして私も申し上げたということもここであえて申し上げさせていただきたいと思っている次第でございます。
#14
○梶原敬義君 ありがとうございました。
 次に、公正取引委員会にお尋ねをいたしますが、これはまあわかり切ったことですが、公正取引委員会の位置づけ、これを最初に承りたいと思います。位置づけ、よって来る法律、根拠。
#15
○政府委員(梅澤節男君) 公正取引委員会の法律によって課されております使命と申しますのは、これは独占禁止法の第一条に独占禁止法の目的が規定されておりますが、私的独占、カルテル、不公正な取引方法を禁止し、経済力の過度の集中を排除して、公正で自由な競争、市場経済秩序を守る、そのことを通じて消費者の利益を確保し、ひいては国民経済の健全な発展に資するというものが公正取引委員会の持っておる使命であるというふうに考えております。
#16
○梶原敬義君 公正取引委員会の組織及び権限、これは二十七条から始まるんですが、この辺について簡単に解説をしていただきたいと思います。
#17
○政府委員(梅澤節男君) 御案内のとおり、公正取引委員会は国家行政組織としては合議体の委員会でございます。私ども公正取引委員会の任務を的確に遂行しなければならない立場の人間といたしまして特に念頭に置いておりますのは、ただいま委員が御指摘になりました条文等との関連で申し上げますれば、公正取引委員会が法律によって認められている職権の行使についてはあらゆる機関の指揮監督を受けない独立の権限を行使する。それを担保する意味で、私も含めまして委員が五人おりますけれども、いずれも国会の御承認を得て内閣総理大臣に任命される。同時に、身分保障と申しますか、独立して権限を行使するだけの身分保障も制度上与えられておるということかと思います。
#18
○梶原敬義君 大体今公取委員会の事務局は何人いらっしゃるんですか、委員五名の下に。
#19
○政府委員(糸田省吾君) 公正取引委員会の事務局の職員の数でございますが、現在四百七十八名でございます。
#20
○梶原敬義君 これは、今いろいろな問題があって大変でしょうが、数としては、事務局の今言われた数の四百七十八名は、日常の調査をやるに当たりまして非常に不自由をしているような人数ですか、それともまあまあというところなんですか。
#21
○政府委員(梅澤節男君) 公正取引委員会の事務局の定員なり陣容の問題でございますけれども、行政機関といたしまして的確な仕事を遂行する上で、私どもは今以上の定員の充実を念願しておるわけでございます。
 ただ、国全体として国家公務員の定員規制は非常に厳しく行うという基本方針がございますので、ただその中におきましても、特に両三年間と申しますかにわたりまして、政府部内各方面の御理解も得、国会の御承認も得まして、特にこの違反を摘発する部門の定員をこの二年間で三割増員を認めていただいております。しかも、この三割の人間はほとんど実際の調査のフロントに立つ人員でございますので、この限界効果と申しますのは、三割ふえただけで仕事をこなす量が三割ふえたということではございませんで、むしろ昨年二年度の違反摘発の件数を見ますると、前の年の三倍ぐらいの数字になっております。
 来年度におきましても、ただいま概算要求の時期でございますけれども、政府の定員削減の基本方針には沿いながら、その範囲内で極力増員を認めていただくように努力をしているところでございます。
#22
○梶原敬義君 例えば、今度の証券不祥事、一連の補てん問題等に対する調査を仮に開始するという場合の手続ですね、聞きましたら、事務局が端緒といいますか問題を把握してそしてこの委員会に上げてくる、こういうことのようですが、そういう段取りについてどのようになっているのか、これは初めてでありますので、少し教えていただきたいと思います。
#23
○政府委員(梅澤節男君) 独占禁止法違反被疑事件につきまして、公正取引委員会が法律で認められております諸権限を行使するに当たりましては、当然のことながら最終的に委員会として決定をいたします。どういう事案を取り上げるか、これは事務局各部門に情報収集する部門がいろいろございまして、それから常日ごろ事務局の方から一般的な動向等の報告も受けながら、しかし個別具体的に例えば強制調査権限等を発動するというような事案につきましては委員会で最終的に決定をいたします。
#24
○梶原敬義君 証券の損失補てんの問題につきましては、事務局の方から、委員長を初めとする五人の委員会にそういう問題の判断を仰ぐ上申というんですか、それはあったやに聞くんですが、いっなされたのですか、どういう内容で。
#25
○政府委員(梅澤節男君) 部内の決定手続の問題でございますので詳細を申し上げることは御勘弁をいただきたいわけでございますけれども、ただいま問題になっております損失補てんをめぐる証券会社の不公正な取引について独占禁止法上の対応をどうするかという点につきましては、これまでもそれから現在もあらゆる角度から委員会で事務局担当部門を交えて論議を交わしております。
#26
○梶原敬義君 証券特の方で梅澤公取委員長の答弁を何度も私も聞きましたし、会議録を一通り読ませていただきました。繰り返しになるかと思いますが、この損失補てん問題等に対する公取委員会の認識、そしてどのように対処をしようとしておられるのか、もう一度簡単に御説明をお願いいたします。
#27
○政府委員(梅澤節男君) これまで国会の各委員会におきまして公正取引委員会としてこの問題について考え方を申し述べてきたところでございますが、繰り返しになって恐縮でございますけれども、その要点を申し上げます。
 まず第一点は、今回の証券会社によるいわゆる損失補てんないし損失保証というものは、独占禁止法上は、正常な商慣習に照らして不当な利益によって顧客を誘引するという不公正な取引方法の一つとして、行為の態様いかんによっては独占禁止法違反行為と考えられる余地があるということでございます。
 ただ、第二点といたしまして、翻って考えてみますと、損失補てんというのは本来証券取引の規制の領域内において、つまり損失補てん自体が直ちに投資家の公正な取り扱いに反するということで規制されるべき領域でございまして、今回のような損失補てんの問題につきましては、何よりも第一義的には所轄庁において規制されるということが有効でありかつ適切である。
 それは、もう一つは行政機能の重複を避けるという観点もございます。したがいまして、我々としては、第一義的に所轄庁の大蔵省が検査に着手しそれに基づいて厳正な措置を講ぜられるであろう、その措置の状況を見守って最終的に公正取引委員会としていかなる措置を講ずるべきかということを判断したいと考えておるわけでございます。
 ただ、この問題につきましては、たまたま一昨日でございましたか、二十四日の日に国会において大蔵省から中間検査結果の報告が行われまして、同日私どもの方にもその連絡がございました。それから、同日発表されました証券業協会の公表リストなるものも既に入手をいたしております。
私どもは、このような事態を受けまして、今後公正取引委員会として独占禁止法の観点から、この事態の究明に早急に着手するという体制を整えております。
 もう一つ付言をいたしますれば、私どもが行政機能の重複を避けると言ってまいりました意味は、一つは、今回のように損失補てんという行為が証券取引法上の問題と独占禁止法上の問題として重複をするわけでございます。その場合に、なるべく行政コストをかけずに的確に行政機能を発揮するという意味で我々は所轄庁の検査結果というものを待っておったわけでございます。
 したがいまして、今後の問題については、予測の域を出ないわけでございますけれども、新たな違反事件として新規立件する場合に比べて今後の我々の事態の究明というのは、かなり効率的に行われる、しかもなるべく時間をかけずに行い得るという予測を持っておりますし、またそうでなければならないと考えております。
 しかし、いずれにいたしましても、最終の措置はあくまで、既に国会において大蔵省の方から今回の損失補てんについて厳正な措置をとるということが表明されておりますので、措置の結果を見まして、公正取引委員会としてなおこれに加えて措置を講ずる必要があるのかないのか、行政機能の重複をもたらすものであるかないかということをよく見きわめて判断をいたしたいと考えております。
#28
○梶原敬義君 まだ、委員長のその答弁聞いておりまして、特別委員会のときもどうも納得がいかなかったんですが、今のお話を聞いていても納得がいかない。独占禁止法と証券取引法というのは別個の法律ですから、警察あるいは検察庁が何らかの疑いで捜査をするのと証券取引法の関係でどっちかを待つとかいうのと何か同じような感じを受けてならないんですよ。独禁法と証券取引法とは別個ですから、別個の角度で、それぞれ独立しているんですから、まあやってもらいたいと思うんです。
 そういう何といいますか、衆議院の民社党の伊藤さんの質問のときにも、朝日新聞ですが、新聞社の社説に相当強く、腰を引いている問題について、あなたが大蔵省出身、あるいは大蔵省出身の委員がもう一人いる、それから事務局長も大蔵省出身だ、そして企画課長も大蔵省出身だというようなこともある、そういう点も類推されてどうも腰を引いているんじゃないかというようなことが報道をたびたびされている。それに対して、衆議院の伊藤さんの質問に対して非常にあなたが激しい答弁をされているのを読みましたが、どうしてもっと思い切って独禁法の関係で自主的にやることはやる、こういう態度というのは出てこないんですかね。
#29
○政府委員(梅澤節男君) 先ほどから繰り返し申し上げておるわけでございますけれども、二十四日に大蔵省の検査の中間報告というものが出まして、その件について大蔵省から正式の連絡もあったわけでございます。先ほども申し上げましたように、この事態の究明を独占禁止法上の立場から早急に進める、それは今の時点から進めるというのは私は行政効率という観点から的確な判断であったと考えております。
#30
○梶原敬義君 それでは経済部長ですか、聞きますが、大和証券が一九八九年の十一月に損失補てんの問題が出たでしょう。あのときに、これは不公平な取引だ、公取としては独禁法にかかる、このように恐らく判断をするのが当たり前で普通の考え方なんです。このときに一体どのような対応を内部でしてきたのか、その経過を報告してください。
#31
○政府委員(糸田省吾君) ただいま委員御指摘の新聞報道は、私どもも十分承知しております。
 その問題につきましては、当時大蔵省の方で大和証券に対しまして社内における自粛措置といったようなことについてかなり厳しい措置を行っておられたようにも伺っておりますし、また間髪を入れずただいまいろいろと問題となっております損失補てんを禁止する通達を出されて、またそれの徹底に努められているということでもございましたので、私どもといたしましてはその当時この問題につきましては独占禁止法で問題となるかどうかということを検討するまでにも至らなかった、そういった状況にあったわけでございます。
#32
○梶原敬義君 至らなかったといっても、それは見逃していたんじゃないですか。普通あの記事を読んで、一般の人は損したってそれは保証されない。そういうのを見て、公取は、それは梅澤委員長今言われますように、今大蔵省の検査が入って、それを待って、それはわかりますよ。しかし、八九年の大和証券の問題が起こったときに、そのときにそういう対応をしているならあなたの言う理屈というのは聞いてもいいけれども、前々の八九年の十一月に大和証券の問題が起きたときにそれはほったらかしにしておいて、そのときから一連の流れです。公取は眠っていたんじゃないの。
 だから、公取というのは非常に易しい問題、小さな問題なんかのときにはぱっと対応するけれども、こういう大きな政治的な問題も絡むような問題については非常にやっぱり対応が鈍い。横須賀あるいは横田基地のあのアメリカの方から指摘をされて、これほどうも独禁法違反だ、不公正取引だということで談合が指摘されたときには、あなた方その後入っていって課徴金をかけましたね、二度とも。前もってやることはない。
 しかし、今度の大和証券のあの事件が起きたときに、本来なら公正取引委員会としては立ち上がるべきなんです。行動を起こすべきなんですよ。反省しておりませんか。
#33
○政府委員(梅澤節男君) ただいまの御指摘について、私どもは言いわけをする意味ではございませんけれども、私どもの考え方をはっきり申し上げたいと思うわけでございます。
 これは冒頭にも申し上げましたように、証券の不公正な取引というのは証券取引の規制の中で、つまり自己完結的な規制であるべきであるというのが我々の基本的な考え方でございます。これは諸外国の法制等から見ましても、例えばアメリカ等に証券の不公正な取引というものが発生いたしました場合に、連邦の取引委員会、日本の公正取引委員会に当たるものでございますが、こういうものが関与した事例はないわけでございます。今回のもちろんいろんな反省に立って、国会で今後証券取引法の規制を一段と強化し万全を期するということの検討、御審議が今行われておるわけでございますけれども、私どもは、証券会社の損失補てんというのは、損失補てん自体がこれは投資家保護の観点から証券取引の規制では許されない行為、そういうものとして規制される行為でございます。
 一方、この問題を独占禁止法の問題として取り上げます場合には、その損失補てん行為が証券業者間の競争に不公正な弊害を生じたかどうかという観点から、場合によっては違反になるし、場合によっては違反にならない、こういう領域の問題であるわけでございます。そこは問題の性質を厳密に区分して考えなければならない。
 ただ、現行の証券取引法の規制のもとで大蔵省が今後とる措置が、独占禁止法上の観点からもし違反行為と認定されます場合にとり得る排除措置によってさらに補完されるであろうという場合におきましては、現行法体制のもとで公正取引委員会として必要な任務は遂行しなければならないと考えておりますけれども、損失補てん行為自体はあくまで第一義的には証券取引法の規制の領域で規制されるべきである。これは、今後の我が国の社会経済システムを考えた場合でも、そういうシステムをきちんととっておくことが私は必要であると考えておるわけでございます。
#34
○梶原敬義君 まあ平行線になりますがね。あの問題が起きたときに一般の人はどう言うたかというと、そんなにたくさん金を持っている人、あるいはたくさん証券会社と取引のある人は保護されて、一般の人には何にもないのかな、こう言ったんですよ。これが普通の人の感覚じゃないですか。独占禁止法であなた方がこれは疑いがあると言うならそれは当然疑いの段階で、白黒はその後つければいいじゃないですか、調査をするならして、もう少し積極的に立ち上がって、だから感覚があなたの言っていることと別でわからないんですよ。証取法は証取法、独禁法は独禁法じゃないですか。
 今まで金融・証券にかかわる事件というのは三十年前ぐらいは割とたくさんあったけれども、最近はほとんどこういう独禁法の関係で取り上げられているケースというのは少なくなった。こういう点では、もう少し本当の大きな問題に対しても敏感に立ち向かうような公正取引委員会の姿勢というのは私は不足をしている、あなたがどんなことを言っても。世論がそうなんだから、公取委おかしいんじゃないのと言うんです。
 先ほど聞きましたように、独占禁止法があり、そして二十七条かに「公正取引委員会を置く。」となっている。それで、公正取引委がしかじかこうやるとなっている。疑わしき問題があれば立ち上がるべきじゃないですか。もう一度あなたのあれを聞いて、これはもう商工委員会ずっとこれから続きますからきょうはこれでやめますが、もう一度あなたのお考えだけ伺わせていただきたいと思います。
#35
○政府委員(梅澤節男君) 私も、委員の御指摘の趣旨は十分理解しつつお答えを申し上げているつもりでございます。
 先ほども申し上げましたように、行政効率という観点から私どもは今まで大蔵省の所管省としての措置を見守ってきたわけでございます。現時点におきまして、二十四日の中間報告の結果の連絡もございまして、独占禁止法の立場から事態の究明に早急に着手するということを繰り返し申し上げているわけでございます。
#36
○梶原敬義君 もう答弁は要りませんが、私はやはり大和証券が一九八九年の十一月に問題の起こったときに、速やかに事務局としては委員会に、これはやっぱり専門的に考えると独禁法にひっかかると、危ないと、疑いがある、だからそういう問題に着手をすべきだったと。それをほったらかして、今回の事件がどうなのかと言ったら、行政の重複を避ける、効率を上げるために所管の大蔵省の調査を待ってと、こう言う。しかし、これは合わぬですよね、前のものをほったらかしておって、そして今度はやるというそういうような言い方は。だから僕は、あなた方が幾らそういう言い方をしても、それは私は許せるものではない、このように考えておりますから、また今後とも一緒にこの問題については議論をしていきたいと思います。
 次に、時間がなくなりましたが、ゴルフ会員権の販売問題について、御承知のように茨城カントリークラブのゴルフ会員権の乱売に端を発して次々に報道されておりますが、これは通産省の所管のようですが、一体通産省のどこが所管をして、そしてどのように対応されてきたのか、そして今後どのようにこの問題をさらにまた重視をしていかれるのか、この点をお伺いしたいと思います。
#37
○政府委員(麻生渡君) 通産省の中では、このゴルフ場の問題は産業政策局のサービス産業課が所管をいたしております。
 それから、通産省が今までこのゴルフ会員権の問題についてどのような対応をしてきたかということでございますが、これにつきましては、第一にはやはり業界の自主的な努力を促すということをやってまいりまして、日本ゴルフ場事業協会、これの設立を促し、そのもとでモデル約款の作成あるいは倫理綱領の作成、業界内の普及というようなことを指導してまいったわけでございます。
 さらに、やはり会員権を実際に販売します場合には訪問販売形式をとる場合もございまして、トラブルも多かったということがございますものですから、昭和六十三年の訪問販売法の改正によりましてサービスの販売も対象にするということにいたしまして、このゴルフ会員権の販売も訪問販売法の規制の対象にいたしておるというようなことでやってまいっておるわけでございます。
 さらに、今後の問題でございますが、今御指摘がございましたように大変遺憾なことでございますが、茨城カントリークラブについては大量の会員権を発行いたしまして非常に大きな問題を起こしておるわけでございます。これにつきましては、通産省といたしましては、この会員権のあり方そのものにつきましていろんな問題がございますものですから、一つは、早速来月早々から各界の学識経験者あるいは事業者を集めまして早急に検討会を設置いたしまして、現在のトラブルの分析及び今後の対応、特にトラブルを防止しますための情報提供、ディスクロージャー、あるいはその背後にございます消費者啓蒙、あるいは販売業者によります相談の体制等の点をまず早急に検討をいたし、具体的な方策を考え、また県、地方公共団体とも連絡をとりながら何らかの効果のあるような方策をとってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#38
○梶原敬義君 茨城カントリークラブの場合は、これは十八ホールですか、二千八百人のところの大体理想的な規模。それが四万九千人に会員権を売った。そして、水野商法はあちこち関係ゴルフ場にそういうのがたくさんありますが、これは氷山の一角ではないかという気もいたしますね。
 全国で千八百ですか今ゴルフ場がありますが、ゴルフ人口が千五百万とも言われておりますが、通産省としては一体ゴルフ場の実態把握をされるつもりはないか、それから会員権あたりはどのゴルフ場は一体幾ら発行しているか、そういう全体の調査をする必要がこの段階であるんではないか、このように思うんですが、いかがでしょうか。
#39
○政府委員(麻生渡君) 通産省といたしましては、現在のゴルフ場がどういう状況になっておるかという意味で、現在開場していますゴルフ場及び各県から開発の承認を受けて開発途上にあるゴルフ場の数等につきましては、昨年の九月末の段階で調査をいたしております。
 その数字が、先ほどもちょっとお話がございましたように、ゴルフ場の数といたしまして千八百弱、それから開発途上にありますものが約三百強あるというような状況でございます。さらに、ここから踏み込みまして各ゴルフ場の会員数を把握するかどうか、あるいは把握いたしましてこれについて何らかの踏み込んだ形の指導なりなんなりをするかどうかということになりますと、これはなかなか実は難しい問題でございまして、よく適正会員権なんかにつきましてモデルを示したらどうかとかいうような考え方もあるわけでございますが、立地条件とかコースの地形の問題とか、あるいは会員の利用頻度、あるいは実は最近会員も、関東のクラブを関西の方が買うとか、非常に広範囲になっておるというようなこともございまして、なかなかモデルというのは示しにくい問題でございますが、この点については一つの検討課題であろうというふうに考えております。
 さらに踏み込んで、今後どういうふうにしていくかという問題につきましては、先ほども申しましたけれども、いろんな角度から検討を今内部的にも加えておりますし、外部の方々の御意見もお伺いしたいということで検討会を組織しておるという状況でございます。
#40
○吉田達男君 景気について経企庁長官に質問をしようと思っておりましたが、梶原委員が相当深く御質問があって、減速下であるけれども長期の好景気は継続するという明るい展望でありました。何しろケイキチョウというぐらいでありますから、明るい話でありました。
 しかし、通産大臣の方は、これは経済運営を実践しておられる立場でありますから、具体的府問題についてどう対応されるかということは、これはまさにその個々にわたって目を光らせておられると思います。月例経済報告や第二・四半期の国民所得統計速報などによりましても、民間の設備投資は伸び率が〇・〇〇、あるいは機械の受注はマイナス〇・七、あるいは産業連関などで寄与率の高い住宅建設の戸数でいつでも昨年対比マイナス二〇%というし、あるいは自動車なんかも連関の寄与率は高いんですが、昨年対比ではマイナス六というようなことで、なかなかその数値を見ると問題が多いと思うんです。最近では、受注残があると思っておりましたところ、受注の取り消しか続いている業種もある、業種間のばらつきもあります。バブルがはじけた現在の中で、このような状態をどう評価されて、これにどう対応されるかということは通産大臣としては大切なお仕事でありますから、通産大臣のこの辺の見解をまず伺っておきたいと思います。
#41
○国務大臣(中尾栄一君) 委員のお答えになるかどうかわかりませんが、いずれにしましても、私も産業構造全体として目を配らなければならぬ立場といたしまして、今のような御指摘の問題点については注意深く目を光らせていかなければならないなと、そういう点ではほぞを構えて考えておる次第でございます。
#42
○吉田達男君 先ほど梶原委員の御質問に対する御答弁の中で全体的な見解の表明がございましたから、あえてそれからは伺いませんが、実際問題として、受注がとまってもまたそれのキャンセルに対する違約金をもらうというような体制にない、やっぱり次の契約を欲しいということがありますから。若干の見込みを立てた見込み生産をやるということになると在庫を抱える、そうすると金利の負担がかかってくる。あるいは設備についても、鈍っているとはいえ、生き延びていくためには、その製品を特化しながら設備を近代化し合理化していかなければならぬということになると、またその設備の金利圧迫がかかってくる。
 金利の低いことを求めるのはだれも当然でありまして、それを横目に見ながら損益分岐点を求めて投資をするんでありましょうが、今金融市場がいろいろ様子が変わってきておる。金融の自由化が片方であると同時に、証券市場において、現在の情勢でありますから、新株を発行するとかあるいは社債を発行したり転換社債で低金利の設備資金の長期のものを導入するということが難しくなってきた。こういうことに対しては通産大臣はどういうふうに手を打つのか。
 あるいは、業種間のばらつきのうち、まあたくさんありますが、例えば私の辺では水産加工なんかは多いところでありますけれども、これはすり身の輸入がキロ当たり四百円ぐらいが八百円ぐらいに高くなったりして、材料費率が六〇%になるに及んで全国的に大変なことになっておるんですね。これはもう構造的な対応をせざるを得ないぐらいになっておる業種もあちこちあるんです。こういうようなものに対しては、具体的にどう対応するかは、現場の指揮官でありますから、お考えをいただかなければならぬと思います。
#43
○国務大臣(中尾栄一君) まず、先ほどのバブルの問題等も含めまして、私の個人的見解も多少含めまして申し上げさせていただきますならば。これはもう私も当時マクロ経済の方の担当の経済企画庁もやらせていただいておりましたころから、多少なりともこういう虚業といいましょうか、本当の意味における実業ではない、すなわち虚業的に、自分がある物件を担保して、そしてそれを銀行に預けることによって、銀行もそれによって、リゾート開発であるとか、多様化していくその大きな意味における発展的な事業としてとらえるよりは、時には、これは全部とは言いません、中にはそれを担保物件に預かることによって、そして言うなれば金を貸すという形もあったでしょう。
 そういうことによって、ある意味における、土地を転がすということだけにおけ至言葉をバブルというような形で言うならば、それによってさやを稼ぐだけの虚業、こういうものをはびこらせたということは、これはもう万般、ある意味における問題点は包蔵しておったと、否定することができ得ない問題点は大いにあろうかと思います。それだけに、このバブルにおける問題点というものは注視していかなければならぬことではございましょう。
 しかし、現今の段階で、先ほど先生御指摘のとおりに、いろいろと分析してみますると、多くの中小企業、なかんずく大企業とは言わない中小企業の中に非常に多くこの金利負担に耐え得ない、実業をやっていながらも非常に苦しいということの声というものも、これは吸い上げていかなければならぬのは私どものこれまた使命ではないか、こう思うのでございます。
 何せ私どもの主管ではございませんので、一つの選択肢の、考え方の一つとしてこういうことを提案するということは私の使命かと思いまして、これは私どもの通産省の中におきましても、私は自分の通産省の者に対しては十分に目を光らせ、十分に産業構造の行方というものを見守り、またそれを守っていくという使命感に徹しろということを下命していることだけは事実でございます。そしてまた、そういう中においての私の発言につながっていったことも事実であるということも先生に御了解願いたいと思っておる次第でございます。
#44
○吉田達男君 この問題ばかり言っておれませんが、そこで大臣に、こういう情勢であるから個別対応についてはきめの細かいことを願わなければならぬ、落ちこぼれもできていますからね。それは本気でやってもらいたい。そういうような制度も現在あって、予備的に融資枠の残っているものもあろう、こういうものの機動的な運用については格別な目を光らせて対応願いたい。
 二つ目は金利について、さっき言いましたけれども、金利は現在の動静もありますが、率直に言って生臭いところは大変厳しくもう血が出ておるところもあるわけですから、現場の指揮官はそれはセクションは日銀だということではありましょうけれども、経済の運営、経営者にかわって日本の国の経済を指導してやらなければならぬという立場からいえば、こうだということは識見を持ってこれはおっしゃっていただきたい。
 それから三つ目に、バブルの問題で、今お答えありましたから、ちょっと経営者に対してどういう指導をなさるか、お考えをお聞きしたいと思う。バブルの時代は、本業でもって一生懸命稼ぐけれどももうからなかった、もうからぬけれども営業外収支でもって会社の利益を回していく、そうするとこの社長はやり手だなと、こういうような雰囲気があって財テクが言われておった。この経営哲学というものについて、大臣はどういう見解をお持ちでございますか。
 三点お伺いします。
#45
○国務大臣(中尾栄一君) 三点いろいろと問題を提起されたと思いますけれども、一つ一つというよりはまとめてお答えさせていただきますれば、私に言わせますと、大体経営者たるべき者、やはり国家の「負として、その企業体の何人かの生命を抱えながらやっているのでありますから、それはもうけに徹しろという哲学の社長もおりましょうが、しかし、金がすべてだ、もうけるためには手段を選ばない、こういう角度で物の経営の任に当たるような経営者というものは、私は少なくとも日本のこの国際的レベルの中におけるいわゆる経営者の価値観としては疑わざるを得ない気持ちでいっぱいであります。したがいまして、私は、人物にもよろうかと思います、人間性にもよろうかと思います。そういう点においては、しかと通産省がその所管の任に当たるならば、そういういわゆる峻別というものをはっきりさせてそして考えていくという姿勢もこれまた大事である。
 ときに、世に言う政治は何やら二流とか三流とか、経済が一流であるとか、こういうような言葉も一時期言われたようなこともございました。私は、そのようなことを言われること自体が政治家の不名誉であるというよりは、言うべき価値観というものがあなた方にもあるのかという、この問う姿勢こそもこれまた政治家としても、また同時に我々のような任に当たる者がげに行政の長として必要でありまして、そういう点においては私は厳然とした態度で、先生がただいま御指摘なさったことの一つ一つ――先ほど梶原先生が申されましたゴルフのような問題におきましても、私は四十のときにゴルフ亡国論なんという本を書いてしまったものですから今もってゴルフをやったことがございませんだけに残念なことでございますけれども、全くそういう意味においても、このようならんちき的にただただ自分のもうけ主義だけに徹していくというようなやり方というものにおける峻別と見きわめとそれに対する対処の仕方、これだけは私自身はしかと心の中で受けとめておるつもりでございます。この点だけを申し上げさせていただきます。
#46
○吉田達男君 大臣の意のあるところを伺って私も我が意を得たりと思っております。
 産業界では、九月の二十日に経団連が企業行動憲章を発表されて、反社会的な行為を排除してモラルある企業の運営を責任を持ってやるということを明らかにされました。大臣もおっしゃったように、日本の国の中で経済に対して不信がある、外国がまた日本の経済に対して、日本に対して不信がある、その不信を取り除くということは大臣の最も緊急な大きい課題であると思うんです。
 特に今指摘しなければならぬのは、暴力団の企業に忍び寄る影をいかにして払拭するかということだと思うんです。かつて、暴力団あるいはそれに類似した者が総会に来るとお金を出して帰ってもらう、寄附を求めてくる、多少出しで帰ってもらうというようなつき合いをしておった折から、仕手戦をやって経営者の中に入ろうとする、あるいは企業に入り込んでその業界のいろいろな仕事の中に参入する、あるいは公共の事業の中に紛れ込んで入札にも参入しておる。そういうようなことを外国が見たらどうなのか。暴力団は、今や経済やくざといってホワイトになってきたりしており、企業舎弟といってまたその中で新しい関係を展開しようとしておる。こういうことに対しては組織的に対応して、行政としては、この疑われている現在の経済に対して、あるいは日本の全体の名誉のために手をつけて対応しなければならぬと思う。これについては具体的な対応を願いたい。
 決意は伺いましたが、それについては、どういうふうにこれから展開をされるお考えか、お答えをいただきたいと思います。
#47
○国務大臣(中尾栄一君) 今回の一連の事件の中に暴力団が介入した、こういうことはまことに残念なことでありまして、外国のいろいろと新聞等々も読ませていただきますると、特に暴力団の介入という問題を非常に大きくクローズアップして書いてあることも事実でございます。同時にまた、少なくとも冠たる名誉ある経済界のいわゆる主筋がやるような問題点ではなかろうと思いますし、同時にまた形を変えた暴力団がそういう中に潜入してくるということも、一つの彼らの生きる便法かもしれませんが、げに邪道であることも事実でありましょう。
 そういう点を考えてみますると、それに対応するのには、決意だけではなくやはり一つ一つの事項にわたって我々も対応していかなければなりますまいが、また同時に、どういう行政指導をしていくかという前に、これに臨むに不退転の決意といいましょうか、暴力団だからといってたじろぐというような姿勢が万が一つにもあってはならぬ、これがまず第一の我々の決意でありまた試みの一つでございましょう。
 その上に立って、一つのこれに対する考え方というものも生まれてくるわけでございましょうから、私は、通産省の内部においてこういう問題においては一つ一つを丹念に洗い、なおかつどのような対処方法があるかということを現在検討させておる次第でございまして、これは私自身のところにも間もなくそのいわゆる構築した健全なる姿というものの報告もあろうかと思います。私は通産のメンバーに対しては、国家観とか使命感とか世界観とかというものに対しては厳然としてやれ、それに対しては私が責任をとるということだけは絶えず申し上げておりますから、その点においては私のところにもしかるべき報告はあろうかと考えております。
#48
○吉田達男君 それでは次の質問に移りたいと思いますが、人形峠というところにウランの鉱脈がありまして、これを採掘しておったことの経過の中で、その残土を処理するというテーマでございます。
 これは一九五〇年代の後半に、日本の中でウランが出るということはゴールドラッシュのように一つのブームでありまして、鳥取県と岡山県の境にあります中国山脈の花崗岩の母岩の中に発見された。その当時は、経過があって、今の動燃の前身であります原子燃料公社が探鉱をして採掘されたんです。その鉱石をとった後の鉱滓、ズリについては、その当時としては放射能レベルが合法的なレベルでありましたから放置をしておったというとそのとおりになるわけであります。およそ二十万立米ほどあったわけでありますが、あちこちにあるわけであります。
 国際的に放射線に対する関心が高まると同時に、その危険性に対する対応も法制が変わってきまして、合計五回にわたってレベル改定がなされて、三年前にはその廃棄されておるズリが放射線量において放置できないということになって、通産省の方では指示をなさって、動燃の方で措置をされるべく現在に至っておると思う。もう三年になります。
 しかし、現実にはそのことの解決がなされないままに不安があり、放射線の汚染が続いておる、こういう状況であります。これをきちっと願いたい。通産省の方では現場では中国四国鉱山保安監督部が担当をされますけれども、これは日本に一つしかないウラン鉱の後始末でありまして、大変大事な時事的な課題でもありまして、通産省の本省におけるこれについての指導の経過を伺いたいと思います。
#49
○政府委員(鈴木英夫君) ウランの堆積場の問題でございますけれども、ただいま委員からお話がございましたように、一九七七年のICRPの勧告等に基づきまして、平成一年に私ども保安法の省令を改正させていただきまして、現在のいろんな措置を講じさせていただいておるわけであります。
 特に、鳥取県の東郷町の堆積場の問題につきましては、鉱山保安法に基づきます。辺監視区域、いわゆる立入禁止区域でございますが、これも四カ所ほど残っておりましたけれども、本年の三月十三日に周辺監視区域を設定いたしまして、住民の方々に対します放射線防護措置がとられておるわけでございます。特にこの周辺監視区域の外側でございますけれども、中国四国鉱山保安監督部がサーベイメーター等によりまして測定を行っておりまして、現在のところその測定の結果から見まして、先ほどの保安法に基づきます基準値、つまり年間一ミリシーベルトというものを下回っておるということを確認いたしておりまして、現在のところ必要な防護措置がとられておるというふうに認識をしております。
 私どもといたしましては、今後とも堆積場の管理あるいは放射線防護策に万全を期すように動燃事業団を指導してまいりたいと考えております。
#50
○吉田達男君 放射線の発生源があって、そこに一定の距離を置いて、それで九ベクレルのところでその位置を決めて入らぬようにする、そうすれば違法なものが合法になる、こういう化け方であります。しかし、放射能はあるわけであります。放射線量は出ておるわけであります。そこで、そのようなものが住民の居住区の生活環境の中にあって、今は変わりましたけれども、それがあったために変わりましたけれども、上水道の水源であったり下流の水田であったり、そういうようなことから撤去しろと、こういうことになったわけですね。
 動燃と八月三十日に、昨年になりますが、撤去のかたい契約がなされて、いまだ施行されておらぬわけであります。そのためにいろいろ問題が起こる。これについては、動燃がそういう契約をして根本的な解決を図るという約束をしているんだから、一年以上もたっているんだから、これは速やかに撤去させるべきじゃありませんか。どうなんですか。
#51
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども鉱山保安法に基づきます行政をさせていただいておるわけでございますけれども、保安法上の規定、つまり先ほど申し上げました放射線濃度の基準値を現在のところ下回っておりまして、私どもは鉱山保安法上の問題は基本的にはないものというふうに考えております。
 したがいまして、残土の移動等につきましては、やはり基本的には動燃事業団で対処していただくべき問題であるというふうに考えておりまして、私どもの権限といいますかの範囲内では、特に動燃に対して指示をするといったようなことはなかなか難しいというふうに考えております。
#52
○吉田達男君 そういうことだから、約束をしても運び出さぬ。
 そこで、あなたがさっきから言われておることについて、私は疑義があるのでちょっとただしたいんです。あなたは、そこの残土のズリがあるところについて、これはくいを打って立ち入りさせないようにしているからこれで法はクリアしておると、こう言っておるんですが、それを地元の人は納得していないのでありますが、それはどうなんですか。
#53
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども保安法上は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、周辺監視区域ということで立入禁止措置をとりまして住民の方々に対する放射線防護措置をとるように指導させていただいておるということでございまして、そういった意味で、法的にはこの周辺監視区域周辺の基準値を満足しておることによって保安法上は一応クリアしていもというふうに考えている次第でございます。
 ただ、もちろん通産省といたしましても、今後ともこの堆積場の管理あるいは放射線防護策につきましては万全を期すように、厳正なる法の適用という観点から、動力炉事業団に対して指導を行ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#54
○吉田達男君 そこの人様の土地に無断でそういう放射性の物質を置いておくということは、これは天下国家に対して行政のあるまじきことなんですよ。
 この点については、あなたが先ほどから強弁をしておるから、私は資料を持って、契約書を持っていますから言いますが、この方面の残土の協定の中には、あくまで残土撤去の作業のために堆積場の一部の土地の一時使用とロープを張っていることを認めたのであって、この契約は堆積場の管理のための契約ではない、貸借契約ではない、こういうことなんですよ。
 その証拠に、契約書の第七条では、「堆積場の土地賃貸契約については、甲」、これは方面の自治会ですが、「が残土の撤去状況、その後の管理条件等を総合判断し、周辺の環境等において放射能による不安はひとまず改善されたものとする時点で地権者の意志を確認の上、乙」、これは動燃ですね、「と契約期間、賃貸料等話し合い決定する。」ものとする、こういうふうに七条に書いて去年の八月に交わしておるんですよ。
 この交わしておる内容から、あなたは人の土地に黙ってそういう放射性物質を置いておいて、それが合法だからいいというようなことは、そんな詭弁は通らぬじゃありませんか。そんな報告をそれでは動燃がやっているんですか、あなたのところに。あなたはそれを確かめていないんですか。
#55
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、地権者との土地の貸借の問題、それから地元住民の方々に対するこういう措置に対します御理解を得るというような点につきまして、動燃事業団は地元の住民の方々との間でたびたびの話し合いを行っておられるというふうに伺っておりまして、そういった意味でやはり住民の方々の健康の保護といいますか、住民の方々に対します放射線防護措置等も含めまして話し合いで御理解を得るように努められておるというふうに伺っております。
#56
○吉田達男君 努めていないとは言いませんよ。言いませんが、あなたの感覚が違うんです。あなたは放射性物質がそこから放射能を出しておる、出しておるから危ない、健康のためだといって役所でくいを打って立入禁止にする、あなたはそれで十分だと言っておるんでしょう。この土地は人の土地です。賃貸料ももらっていません。それを永久にそういうようなことにしよう。四十五億年ですからね、ウランの崩壊の半減期は。そういうようなことをして、合法で村の人と話しているからいいと、そういうような感覚がおかしいじゃありませんか。
 あなたのうちだったらどうするんですか、あなたのうちからたまたま放射能が出るものが出た、だからそのカウントのところまで下がれ、そこにくいを打って立ち入らぬようにする、それで役所としては結構ですと、あなたはそう言ったでしょう。そんなことが許されるんですか。ちゃんと納得するようにしなきゃならぬ。だから、問題が大きくて知事は上京をして当局と話すと言っておるでしょう。おとといの地元の県議会でそう表明しておるんです。それほどの事件なんです。そういうことを、うその報告があなたのところに行っているのか、あなたはそれを承知で答えているのか、どうなんですか。
#57
○政府委員(鈴木英夫君) 知事がお見えになるお話はまだ私伺っておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、私ども保安法上必要な措置について指導監督をするという立場から動燃を指導しておるわけでございます。もちろん、この地元の方々の健康の保持ということが一番大事でございますから、私ども必ずしも法令に基づいたことだけをやっておればいいというふうに考えているわけではございませんけれども、ただやはり当事者の動燃とそれから地元の方々の対話ということが非常に大事であるというふうに考えておりまして、今後ともそうした意味で管理、放射線防護策に万全の措置をとるように動燃事業団を指導してまいりたいというふうに考えております。
#58
○吉田達男君 放射線の管理についてはわかりました。しかしあなた、憲法があって、所有権があって、それは民法上の権利として保護されているわけです。そういうものが前提になっていろんな法律の組み合わせがあるんです。あなたのセクションでそこにくいを打ったら事が足りるということじゃ不十分だ、少なくとも不十分だ、このことはおわかりかと思う。
 したがって、あなたも現場に来てもらいたい、私が案内しますから、いいですね。また、地元の者が知事を初め当局に会わしてもらいたいと議会でもそういうふうに答弁をしたり議論が交わされておる。上京したらあなた会いますね。
#59
○政府委員(鈴木英夫君) 今先生の御指示、御示唆の点につきましては、十分誠意を持って対応させていただきたいと思います。
#60
○吉田達男君 それでは次の質問に移りますが、このウラン残土が問題ではあるんですけれども、放射線を放出するものにはいろいろあるわけです。
 ラドンというものがありまして、このラドンは常温では気体、ガス状に広がっていくものであります。今一番問題になっているのは、そのラドンが肺がんの原因になるということで外国の鉱山では最もこのことについて神経をとがらせておる。日本でもそのラドンによるいろんな汚染については、例えば大きいビルの中でもそういうラドンについてとがめるような雰囲気もあるぐらい注視をしています。
 そこで、このラドンが検出をされたんですよ。どのくらい検出されたかというと、京都大学と大阪大学の教官の指導を得て地元の人たちも参加して一定の方法で調査をしたところ、その坑道の一号坑、これは七千五百ベクレルから三万五千ベクレルであります。普通が五ベクレルということですかも、普通の状態の千五百から七千倍の濃度のラドンがそこでは検出されておるんです。その下流の谷側の方では、堰堤の上方で二千六百ベクレル、これは五百二十倍です。そういうものが気体としてだんだんと下がって汚染をしておる。合流点では百六十から二百七十、ナシ畑では八十六から二百十、民家では三十四から二十六とだんだん少なくなっているけれども、その上流の方からラドンが汚染して、谷を伝って押し寄せてきておるという状況がわかります。
 これは、ラドンというものについても十分気をつけなければなりませんが、放射線を取り扱っておる者の規制について、原子炉等の規制法あるいは放射線障害防止法等によると、そこの中で仕事
をしておる者でも千ベクレルですが、これは職業上のものでありますけれども、放射線の周辺管理区域についても九ベクレルです。九ベクレルしたら立ち入りできない、あなたはこう言ったでしょう、九ベクレルでも立ち入りできない。五ベクレルが世の中のあり得べきカウント、こういうことになると今言った数値は大変なものであります。
 ということになると、汚染されておる状況から私は極めて憂慮いたしますので、当局でもこれを調査されて対策をとっていただきたいと思いますが、これについてはどうでございますか。
#61
○説明員(柴田治呂君) 御指摘のラドンの濃度の問題でございますが、これは一部市民グループと大学の先生を含めて調査されておるわけですが、この調査の測定につきましては、従来確立しております調査手法とは異なって、大学の先生方が独自に開発したような測定方法を持っております。したがいまして、現段階で、今いろいろな数字を申されましたが、この数字が正しい、また十分な確度を持っているかということを評価することは、当方としてはできない段階であるというふうに考えておるわけでございます。
 このデータにつきましては調査をいたしました先生方も、これは学会等で発表して、調査の仕方、測定の仕方について検討するということでございますので、そういうような検討の結果を見ました上で、実際のラドンの濃度というようなものがどのレベルにあるのかというのを吟味していくことが必要ではないかと考えております。
 それから、現時点で申しますと、鳥取県等におきましてもラドンの調査をやっております。これの中でも、専門家等が十分な吟味をした結果でございますが、今御指摘のような数字ではなくてかなり低い数字が出ております。
 そして、一般的にラドンという問題につきましては最近新しく出てきて注目されている問題でございまして、世界各国がラドンというのはどういうふうな挙動をとるのか、またその測定法をどうするのかということで十分な研究を進めている段階でございます。ラドンは空気中でございますので非常に流動しやすい、日によっても時間によっても湿度によっても異なり、またその計測法によっても異なるということでございますので、今後この辺の点を十分に評価していく必要があると考えております。
#62
○吉田達男君 検出する方法が一定の規格でなされるべきだと思うが確立していない、新しいラドンという物質については世界的な注目の中でまだその全体について定説を得ていない部分もある、こちらの方で調査した資料についてもその点で相対的な疑義がある、こういうことのようであります。ならば、あなたの方で検出されたデータを示してもらいたいと思いますが、そのどの検査法でやったのか、これはいいですから、どの検査法でやって――検査法によって結果が違いますからそれは承知ですから、その検査法を示して検査をした結果をお知らせいただきたい。
#63
○説明員(柴田治呂君) 現在動燃で行われておりますラドンの調査という問題は緒についたばかりでございまして、いわば試験的な段階であるというふうに考えておりまして、体系的な調査ではございません。したがいまして、公表というものに対しては少し慎重にならざるを得ないというふうに考えております。
 そこの点につきましてはそういうところでございますので、動燃事業団といたしましては、測定いたしましたデータを鳥取県または岡山県等に御連絡いたしております。鳥取県、岡山県が専門家会議、自分たちが鳥取県で行ったものまたは動燃で行ったものをまとめまして、地方自治体としてのその問題についての公式な見解を発表しておりますので、私どもはそのような現段階の数字が一番よろしいのではないかと考えております。
#64
○吉田達男君 人の検査した方法にけちをつけておいて、炭素吸着法でやったんでしょう。これは一つの方法で、発明したんじゃないですから、世界でやっておるわけですから、そういう方法もあるわけです。あなたの方の方法はどうなんですか。
#65
○説明員(柴田治呂君) 多少専門的になりますが、二つ方法がございまして、名前はTLD素子を用いました静電捕集法と申しますTLD法というようなものが一つございます。またもう一つは、硝酸セルロースフィルムを用いました静電捕集型モニターはCN法、こういうものがございます。現在、日本でもTLD法とかまたCN法とかこういうようなものをいろいろ調査しておりまして、それがぴたり一致するのかどうか、またデータにどういう関係があるのか、いろいろ調査している段階でございます。
#66
○吉田達男君 そういうようないろいろな方法があるならば、それは国でありますからこれでやろうということをあなたの方が決めなきゃいかぬのじゃないですか。人がやったのはいかぬけれどもうちにはいろいろ方法がある、そのデータは示さない、お知らせしない。県にこっそり知らせておるのかしらぬ。
 これは原子力基本法の二条では、安全、民主、自主、公開、四原則が書いてありますね。これによればやはり公開でありますから、それは公開をして当然じゃありませんか。どうしてそれを示さないんですか。検査方法に疑義があるというのだったら、こちらからいえばあなたの方のにも疑義があるわけですから、それは一緒に調べようじゃありませんか、一緒に。その方法で結構ですから。いいですね。
#67
○説明員(柴田治呂君) ラドンの調査方法につきましては、私どもはTLDとCN法、また幾つかの機関もそのような方法を用いておりますが、先ほども申しましたとおりラドンについての精密な測定、これは標準の校正機器が日本にはございません。
 そういうことでございまして、今先生のおっしゃるようにいろいろ測定をしているということ、これを一つにせよということでありますが、これはそういうような学会等の議論を経た上で日本としてのおおよその方向がまとまっていくということの段階だろうと思いますのですので、その段階をなるべく早めつつ、また一方で動燃が得ましたデータは関係の地方自治体等に御説明し、また通産省等に御説明し御評価をしていただきたいというふうに考えております。
#68
○吉田達男君 一番心配しているのは地区住民なんですよ。そういうことで、国の一定の検査規格が決まらないから云々と言っておる間に肺がんになって死んでいる人もいるんです。あそこの部落で六人いますよ、がんで亡くなったのは。私も追跡していますから。それは、例えばチェルノブイリでも肺がんは大きい心配課題になっています。それは、検査方法が国際的に確立しないからそのようなものははっきり言わない方がいいとかしない方がいいというようなことにはならないでしょう、人命にかかわって進んでいるわけでありますから。
 そういうことになると、私は提案でありますが、どの方法がいいかについては任せますから、一緒に立ち会いで検査をすれば私が言っているように坑道から谷を伝って集落に向けて汚染が続いておるということが傾向としては明らかになる、その事実が明らかになればやはり手を打つべきだ、こういう結論になると思いますから、それについては御同意いただけますか。
#69
○説明員(柴田治呂君) 先生が今おっしゃいましたように、ラドンが発生源から住居地区、川と川ですからその谷沿い、そういうふうに流れていくということが確認されたというような御指摘でございますが、先ほど来私ども申し上げておりますように、その測定方法について、それとまた測定というのは大変難しいものでございますので、現段階でそういうふうにラドンがはっきりと普通の通常の放射能水準以上にしかるべく流れているとかということを断定することは我々なかなか難しいと思っております。
 そのために、鳥取県におきましてもこれはラドン温泉で有名な三朝温泉またはその周辺地域におきまして観測を続けており、そしてそれら地方自治体が放射能の観測ということを真剣に取り上げておりますので、そういう活動と一緒になってひとつこの問題を考えていくというのは非常にいいことだと考えております。
#70
○吉田達男君 どうも私は仕事に熱心でないんじゃないかと思うのですよ。そういう事実があって、だから検査方法を確立するのは国の責任だからやりましょう。それはなかなかやらない。それじゃ幾つかあるからその方法で、あなたの選ぶ方法でともかくもやりましょう。これはやらない。人がやったのにはけちをつける。それでこのデータについては公表しない。これは原子力基本法に違反しているんじゃないですか、そういうような扱いは。誠意も感じられませんしね。そういうことではやはり地元の人は納得しないのじゃありませんか。それじゃ、健康を守るということがうたい文句だけになってしまうのじゃありませんか。
#71
○説明員(柴田治呂君) 動力炉・核燃料開発事業団におきましても、得られたデータにつきましてはそれを測定した当人等、科学的な根拠としてしかるべきものがあると考えたものにつきましては学会等の場においてしかるべく発表するということを考えております。
 また、そういうことでございますので、現段階は我々としてはラドンというものが非常に重要であるということは認識し、世界的にもし始めて、日本としても最大限一生懸命努力をして調べておるということであり、またそのおっしゃるような点については国民の皆さんにわかるべく、これは一つは学問の世界での問題でございますので、誤った認識ではいけませんので学会等においてしかるべく発表する、こういうふうに考えております。
#72
○吉田達男君 大臣、お聞きでございますね。このように現実的な対応が速やかになされないまま、問題の撤去を求めてから三年になって、撤去をするという約束をしてから一年を過ぎて、そしてまたこのような問題がなされてもなお検査をしてみなければはっきりしないと言ってやらないんですよ。大臣としてはこのようなことで原子力行政がスムーズに進んでいると、今日本の中で原子力の重要さについてはみんなが認識をして時事的な課題にあって、青森にあってもまた人形峠の技術が濃縮工場として移転をしておるわけですが、そういうような場所でありますから、これについては迅速な対応を願いたいと思うんですが、お聞きのとおり進まない。大臣としてはこれを促進するように御努力願えませんか。
#73
○国務大臣(中尾栄一君) 私もまだ的確に内容のほどを詳細にわたっては存じ上げませんが、先生のただいまの御指摘は正しい御指摘でございますから、原子力行政において速やかに進めるべきものは必ず責任を持って進めさせたいと思います。私の責任においてやらせます。
#74
○吉田達男君 それでは次の質問をいたしますが、坑道の入り口は異常に高い反応を示しておった。その坑道の中の状況はどうかというと、一九五七年のころは坑夫が働いておったんです。だから、そこのところで働いていた坑夫は被曝をしておるわけですね。当然、その坑夫の人たちは被曝バッジをつけて、そのデータを保存していなければならぬ。
 ですから、私は、そこで働かれた人たちも含めて、幾つもある鉱山の各ラドンの濃度、それからそこの働いた人の被曝線量、こういうものを知らせていただきたいと、こう求める次第でありますが、これについても資料を提出いただきたい。よろしゅうございますね。
#75
○政府委員(鈴木英夫君) 先生御指摘の労働者の被曝線量のデータでございますけれども、私ども中国四国鉱山保安監督部に問い合わせておりますけれども、監督部におきましては当時の鉱山労働者の名簿等、データにつきましては保有しておらないということでございます。
#76
○吉田達男君 それはおかしいんですよ。これは、放射性物質を預かり、監督しておるものとして、余りにも無責任じゃありませんか。
 私の知っている坑夫は幾人もおりましたが、六十過ぎると大抵坑夫というものは死んでしまいますから、それは鉱石でけい肺になるケースの方が多いんですが、ほとんど死んでいるんです。しかし、その中でがんで死んだ人は幾人かあります。それだけに、防護については安全を期して鉱山保安監督部が指導しておるはずなんです、監督しておるんです。そこにデータがないというはずがないんですよ。動燃にあるか、どちらかにある。それは示してもらいたい。これは公開の原則に基づいて、基本法に保障されておるわけでありますから、提出をいただきたい。
#77
○政府委員(鈴木英夫君) 中国四国鉱山保安監督部が動燃に対しまして監督をいたし、所要の措置を講ずるような指示等も出しておりまして、当時の状況につきましてはさらに、先生の御指摘でもございますので、調査、確認をしました上で、別途回答させていただくことをお許しいただければと思います。
#78
○吉田達男君 非公式には私は、そのデータの全容ではありませんが、相当部分があるところを伺っております。それは動燃が知っています。これは出していただきたい。この場で請求をするのでありますから、また原子力基本法の公開の原則といいますか、根拠に基づいて求めているんですから、それを別に私が個人的に振り回すとかそういうものじゃもちろんありませんですからね。それは大事な資料は大事な資料として、日本においてラドンが今後どのような課題をまいた場合にどのように対処すべきかという極めて価値の高い資料でありますから、大事にいたしたいんですが、提出を願いたい。
 そこで、そのような事実があちこちありますと、さくをしてそこからそこの中に入らないようにという指導をなさっておられて、その措置でこられた現在、これでいいのだろうか。これは、また覆土するとか、植生するとか、物によっては撤去するとか、こういうふうに半減期の四十五億年という長い放射性物質を抱えておるものであり、かつそこからラドンが崩壊して出てくるというものでありますから、措置についての見直し、検討をされてしかるべきだと思うのでありますが、この辺についての御見解を聞かせていただきたい。
#79
○政府委員(鈴木英夫君) 先ほど来の御指摘でございまして、私ども周辺監視区域を設けまして立入禁止措置をとらせていただいておりまして、今のところは鉱山保安法で定めます放射線の濃度の基準値、こういうものをさくの外側ではクリアをしているというふうに考えております。
 ただ、もちろん将来いろんな問題が出てくることも予想されますので、そういう場合には誠心誠意法の定めるところに従いまして対応させていただきたいというふうに考えております。
#80
○吉田達男君 それでは、この問題については御検討をいただきたいと思います。
 最後に、去年八月三十日に撤去を約束したものについて、撤去すべきいろいろな方途を立てておられることは承知をしております。道路も着工されて搬出できるように段取りを進めておられます。しかし、搬出先がはっきりしないものですから皆が不安に思っているわけであります。
 この搬出をすべしということは、作業としては動燃にしてもらわなければならぬ。それを命令するのは通産省であります。先ほどから何となく動燃に身内のような。かばい方がちょっと感じられる。特に科学技術庁は直接の所管でありますが、プレーヤーとレフェリーと一緒になったような感じでどうもはっきりしない。大蔵省と証券業界みたいな感じでありますね。そういうことでは本当に人命は守られませんので、これは時間も来ましたからこれで終わりますが、必ず約束を守らせて撤去させる、こういう指導をするということを御答弁をもって確認していただきたい。
#81
○説明員(柴田治呂君) 捨て石の問題は大変重要な問題でございまして、従来、動燃事業団は、鳥取県、また岡山県、または通産省の御指導を受けながら一生懸命努力してまいっておるところでございます。
 多少時間がたちましたが、現在その捨て石を撤去すべく道路をつくっておりまして、道路がなければ捨て石も撤去することができません。それで、そういうような準備を着々と進めておりまして、最大限この捨て石撤去に努力するという姿勢で科技庁もまいっておりますし、そういう姿勢で動燃事業団を指導してまいりたいと思います。
#82
○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#83
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#84
○松尾官平君 しばらくぶりで質問をさせていただきます。
 中尾通産大臣、先般は四極貿易大臣会合、大変御苦労さまでございました。慌ただしい日程だったようでありますが、大役をこなされて御帰国のようでございます。おめでとうございます。
 貿易の自由化が論議されている一方で、最近はEC統合や米加墨自由貿易協定等の地域統合の動きが見られるわけであります。保護主義の台頭も大いに懸念されるところであります。しかし、考えてみますと、それぞれの国々が置かれている立場あるいは諸条件、環境等を考慮した場合に、我々がかつて習ったいわゆる原始的な経済原論といいますか、アダム・スミスの言う見えざる手が必ずしも現実的なものではないと思うわけでございまして、今後自由貿易体制がどういう形で進展するかということは大変大事なことになろうかと思います。
 我が国が多角的な自由貿易体制の維持強化を図り、世界経済の健全な成長を確保するために、そういう中で積極的な役割を果たすことが極めて重要視されるわけであります。このような観点から、我が国としては現実的な効果的なウルグアイ・ラウンドの早期決着を願うものでありますが、我が国がそういう中で経済大国としてイニシアチブを発揮することがまた不可欠であると考えるわけであります。
 今回の四極貿易大臣会合を踏まえまして、通産大臣として、今後のウルグアイ・ラウンドの展開をどのように展望しておられ、どのように取り組みを考えておられるか、まず簡単にお答え願いたいと思います。
#85
○国務大臣(中尾栄一君) 大変御懇篤なる御質問を賜りまして感謝申し上げたいと思います。
 先ほど委員申されましたように、四極の貿易会合が開かれまして、皆様方のお許しを賜って出かけてまいりました。四極と申しましても、この四極の集まりが全世界の貿易量の三分の二というものを占めておるということからいたしましても、その中における自由貿易の一番大きなメリットを享受しているのはなかんずくその中でも日本だということを考えますると、これはいやが上にも大事な問題点としてとらえなければならないことは申すまでもないと思っておる次第でございます。
 今回の四極貿易会合におきましては、ロンドン・サミットで合意をされましたウルグアイ・ラウンドの年内終結ということの問題に目標を定めた、その点をあと一回再確認しよう、具体的な問題点も取り上げていこう、こういう課題が中心であったと思うのでございます。
 このためには、すべての交渉分野に総力を挙げて取り組む必要がございまして、閣僚の一層の関与が必要であるという点においても意見、見解が一致したことは事実でございます。かといいまして、閣僚レベルだけでいつも会うということは容易ならざることでございますから、相当そのネゴシエーターにもある程度のフレキシビリティーと申しましょうか、交渉権を与えまして、そしてお互いに詰めていくことはつい先般の月曜ごろから始めた、こういうわけでございまして、年内交渉に向けての取り組み方はみんな一致点を持っておる、こう言っても差し支えないと思います。
 具体的には、十一月というものを交渉の収れん期といたしまして、四極の間で政治的決着を図るための臨時四極貿易大臣会合を必要に応じて開催をいつでもできるように、俗にオンコールという言葉でこの間は言っておられましたが、いつでも会える態勢に仕組もうということでこの間は合意をしたというわけでございます。
 また、これに呼応するかのように、ガットのダンケル事務局長も十一月初旬までにはすべての交渉分野について包括的交渉文書の作成を図るという方針を打ち出されておるところでございまして、ジュネーブにおける交渉はいよいよ本格化してきたと申し上げても差し支えないと思うのでございます。
 以上、雑駁ながら報告仁かえたいと思います。
#86
○松尾官平君 ありがとうございました。
 一応のといいますか、最終的と言ってもいいタイムリミットが設定されたというぐあいに聞きましたが、そうであればあるほど我が国のウルグアイ・ラウンド決着に向かう姿勢というものが大事になってこようかと思います。ぜひひとつ、大臣におかれましては、慎重な上にも毅然とした態度で臨んでいただきたいと思うわけであります。
 大臣はイングリッシュに堪能でありますから、通訳の訳せないような微妙なニュアンスもつかんできたと期待しておりますので、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、現在の世界経済を概観しますと、先進国を中心に若干停滞傾向があると言われているわけでありますが、我が国の経済はそれに比較しますと良好な状況を維持しておりまして、貿易収支、経常収支とも大幅な黒字を計上しているわけであります。かかる状況の中で、これまで世界経済の成長の恩恵に浴してきた我が国は、今後各国との協力関係を一層深め、世界経済の発展のために積極的な役割を果たしていくことが求められているわけであります。
 特に日米両国は、極東地域のみならず世界の経済面、安全保障面の安定を確保する上で極めて重要な関係を有しており、両国が自国本位の論理に陥ることなく、一致して世界の平和と繁栄の実現に寄与することは極めて重要であると考えるわけであります。
 かつて、アメリカの経済がくしゃみをすれば日本の経済が風邪を引くと言われていた時代もあるわけでありますが、米国の財政赤字は今空前の赤字となっているわけであります。今年度、マスコミの報ずるところによりますと、四百二十六億ドルも財政赤字がふえた、現時点では二千六百九億ドルと発表されております。そしてまた、これが来年度は三千五百億ドルに達するであろうということも言われているわけであります。このことは、この財政赤字の問題が必ず対日貿易赤字の問題とも絡んでくるのではないかということが憂慮されるわけであります。
 ところで、我が国では関税、非関税障壁が撤廃されていわゆる自由貿易体制が確立されるならば、たとえ米国との貿易収支がプラスになろうがマイナスになろうが、ルールさえ確立すれば問題はないんだとする論者もいるわけでありますが、果たしてそうであろうかと私は多少疑問に思うわけであります。御承知のゲッパート民主党院内総務らによりますと、どんなルールをつくっても、どんな約束をしても、結果として対日貿易赤字が減らなければそれは意味がないんだということで盛んに強硬なアドバルーンを上げているようであります。
 しかし、仮にも冷静に見ていただきたいわけでありまして、昭和六十三年度五百二十四億ドルの対日貿易赤字が翌年には四百九十四億ドル、また平成二年度には四百十八億ドルと漸減しているわけでありまして、こういうことを大いにひとつ強調して、この赤字も次第に解消の方向に向かっているんだということを声を大にして論じながら、また一つの考え方として、海外経済援助ですか、ODA関係で物資調達する場合にアメリカの製品を日本で調達して開発途上国に援助するというようなことを少しルールを変えても私はやるべきではないだろうか。
 かつて、私がIPUの会議に出てトーゴというアフリカの共和国に参りました際に、ODAで輸送力増強援助ということで自動車が日本から供与されておりました。御承知のとおり、トーゴという国は旧宗主国がフランスであり、日本人はほとんどいない国であります。そこに日産のトラックやいすゞのバスが提供されているわけであります。聞いてみると、ルールは自由競争入札で調達したんだと、しかも日本の商社がそれを落札して日本の自動車を供与したんだと。
 日本の宣伝にはなるわけでありますけれども、果たしてああいう国にわざわざ日本の車を持っていかなくても、例えばフランスの車なんかを調達して提供する方がいろんな意味で効果があるんじゃないかというようなことも考え合わせまして、きょうちょうだいしました経済協力の現状と問題点という本、冊子を見ましても、一般商品の購入、供与なんというのもたくさんあります。こういうのをひとつアメリカ製品を日本に輸入して、日本の中小企業者をいじめるだけではなくて、そういう方面にも積極的に方策を立てるべきじゃないか、こう思うわけでございます。
 経済、産業面において、アメリカを初めとする世界各国との周で今後どのようなグローバルな協力関係を構築していく方がいいのか、私のような若干保護主義的な考え方では通らぬのかどうか、関係の局長からお伺いしたいと思います。
#87
○政府委員(岡松壯三郎君) 先生の御指摘の点は大きく分けて二つあったかと思うのでございますが、具体的な御質問のございました日米貿易収支の改善のためにODAの中で米国物資の調達ができないかという点でございますが、先生既に御存じのことでございますけれども、ODAの資金協力と申しますのはあくまでも途上国に対して資金の供与をいたしまして、実際の物資の調達というものは供与を受けた発展途上国がみずから入札を実施するというのが大原則になっておるわけでございます。また、そこの縛りをしないようにする、すなわちアンタイド化するというのが世界的な流れになっているわけでございまして、我が国としてはできるだけアンタイド化を進めるということで、最近の数字で言いますと約八割近いものがアンタイド化されているという状況にございます。
 我が国のODAの対象案件について、先生御指摘のように米国の企業等から受注することになれば確かに米国の対外貿易収支の改善にも資することになるわけでございますが、あくまでもODA資金というものは、供与を受けた途上国が最も効率的、有効に活用するということが大切であるという原則で運用をいたしておるわけでございます。
 さはさりながら、先生前段で述べられましたように、現時点における日米の問題というのは非常に大きな課題であることは申すまでもないわけでございまして、さきの四極の後大臣が訪米された折にも、全体的な日米の問題というのを先方要人と議論をしてまいったわけでございますが、やはり御指摘のように貿易収支の対日赤字が次第に減ってきているという現実にございます。ところが、アメリカの全体の対外収支の減り方に比べると日本の減り方は少ないというところから、米国の対外収支の赤字に占める対日赤字の比率が七割から八割ぐらいになっているという非常に高い比率にあるものですから、米国からこれについて懸念の表明が行われているという状況にございます。
 私どもといたしましては、従来から内需の拡大という経済運営に努めますとともに、輸入促進税制の創設等を皆様方にお願いいたしまして抜本的な輸入拡大策をとっているわけでございますが、今後もさらにこれらの対策を充実していくとともに、来年度からは投資、貿易分野における国際交流促進策というものを抜本的に強化すべく総合的な政策の整備の準備を進めておるところでございまして、このような対策を講ずることによって、日米収支、ひいてはアメリカの貿易収支の改善に資していくという形で努力をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#88
○松尾官平君 時間がございませんので、次の問題に進ませていただきます。
 国内問題でありますが、我が国の経済動向は、昭和六十一年以来長期間にわたりまして着実な拡大を遂げてきたわけでありますが、最近足元不透明というような言葉で心配な向きも出てきておるわけであります。すなわち、住宅着工件数の減少や自動車の消費の伸びが低下したり、経済全般に及ぼす影響が懸念され、とりわけ金融面での制約が企業マインドに悪影響を及ぼすことが気がかりな状況になってきております。
 こういう中で、中小企業の景気動向についても、最近の調査では、生産、出荷の頭打ち傾向、利益の減少傾向など先行き不透明感が強まっているようであります。こうした短期の景気動向もさることながら、中長期的に見ても、労働力需給の逼迫傾向の中で中小企業の労働力不足問題の深刻化、大店法の規制緩和などに典型的に見られる内外の大企業との競争の激化、バブル崩壊による産業資金需給のタイト化に伴う中小企業金融への懸念の高まりなど、中小企業を取り巻く環境は構造的に厳しいものになってきていると考えられるわけであります。
 特に、東京圏一極集中排除が叫ばれている中で、地方の地盤沈下は急速に進んでいるのが現状ではなかろうかと思うわけであります。地方の中でも特に圧倒的な多数を占める町村部を回ってみますと、地域の商店街の中でシャッターをおろしたまま、店を閉めたままの店舗が増加しつつあるわけでありまして、私ども、まことに憂慮にたえない現状であります。
 先般の大店法対策としては、小売商業活性化対策等が次々と打ち出されており、この点については大きく評価でさるわけでありますが、それらの対策にも乗れないボーダーライン以下の小規模業者が実は問題になるわけであります。倒産件数の発表等もいろいろなされているわけでありますが、その倒産件数に入らない小規模な負債一千万以下のような小さな倒産はもう続々と今発生しているわけでありまして、地域経済にとってはまことに深刻な状況になるわけであります。
 これらを救い、地域の活性化を図るためには、何といっても東京圏一極集中の排除ということが基本的な問題として取り上げられなければならないと思います。そういう中で、今言われておりますのは、東京圏一極集中を是正して多極分散型の国土を形成するようにと、こうなっているわけでありますが、中央と地方に綱引きをさせても地方が弱いことはもう歴然としているわけであります。そういうことから、東京圏一極集中是正ではなくて粉砕をするぐらいの強力な態勢をとることによって地方経済の底上げを図るしかないと私は考えるわけであります。地方経済を活性化していくには、何としてもバックグラウンドが大切になるわけであります。
 一昨日、我が党の沢田一精先生が欧州評議会議員会議に御出席になって帰ってまいりました。お話を聞きますと、開発途上国は口をそろえて、第一次産品を輸出している国はその産品が安く買い上げられて、我々が輸入する工業製品はすべて高いんだ、何とかしてくれというのが開発途上国の議員連中の異口同音の発言だったと聞きました。まさに我が国の中央と地方を象徴しているようにも思われるわけであります。
 そういうことからしても、何としてもこの東京圏一極集中を打破なり粉砕なりするということ。そのためには、通産大臣も大変農政にはお詳しいわけでありますが、第一次産業にてこ入れをしながら公共事業の傾斜配分をしていくことがすべての地方経済を下支えしていく基本になると思うわけでございまして、こういう情勢をどのようにとらえ、これから強力な小企業施策を講じていってもらいたいと思うわけでありますが、一極集中排除については大臣から一言お答え願いたいと思いますし、小規模事業対策については長官から御答弁願いたいと思います。
#89
○国務大臣(中尾栄一君) 松尾委員のまさに御指摘のとおりでございまして、東京への人口、諸機能の過度な集中の裏返しの現象と言ったらいいんでしょうか、地方においては若年層の地域外への流出がございましたり、あるいは地場中小企業の疲弊等によりまして地域活力の低下というのが確かに問題になっているわけでございます。東京一極集中というものを、先ほど粉砕という言葉をお使いになりましたが、まさにもう極力この是正に努めまして、そして国土の均衡ある発展を図るということは、一刻の猶予も許されない喫緊の課題であると申し上げることができると思うのでございます。
 そこで、通産省におきましては、これまで生産部門を中心としておりますいわゆる分散誘導対策というものを行いまして一定の成果を上げてはまいったものではございますけれども、近年における東京一極集中というものが主に産業の業務部門の過度集中によってもたらされているということを考えますならば、これまでの生産部門を中心とした分散誘導対策のみで対処したのでは不十分ではないのか、新たな視点に立ったより強力な一極集中是正策を講ずる必要があるんじゃないのか、これを認めざるを得ないという気持ちでございます。
 現在、通産省としましては、産業・業務機能の全国的な適正配置というものを図るための対策を検討しているところでございまして、東京一極集中是正は、政府が一丸となって、通産省だけがどんなに張り切ってもどうにもなるものではございますまいから、政府全体としての対応、あるいはまた諸官庁との横の連携、こういうものにおきまして打って一丸となって取り組むべき問題ではないのかという認識でございまして、関係省庁間の協力、連携によるところの相乗的な政策効果というものの発揮という点にもこれまで以上に配慮をしながら、真に効果的な対策というものの実現、推進というものを図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
 あと残余の問題点は、関係の長官から答弁させたいと思います。
#90
○政府委員(南学政明君) 先生御指摘の小規模企業の問題でありますが、御指摘のとおり今小規模企業は大変厳しい環境変化に直面いたしておりまして、もろもろの困難に直面をいたしております。我が国の企業の約八割の約五百万の企業がいわゆる小規模企業でありますが、その経営の安定と振興を図るということは日本経済の活力を維持していく上でも私どもは極めて重要であると認識しておりまして、このような認識に立ちまして、小規模企業者を対象に、今経営指導員が全国で約一万九千名おりますが、この経営指導員の活用により、経営改善普及事業等を強力に推進いたしているところであります。
 来年度の要求におきましても、この経営指導員の増員であるとか、あるいは地域小規模事業情報化推進事業を新しく創設するなど、小規模事業対策をこれからも大いに拡充し、その安定と発展に尽くしてまいりたいと考えております。
#91
○松尾官平君 時間がなくなりましたので、もう一点だけ簡明にお伺いしたいと思います。
 この八月一日から、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律という長たらしい名前の法律が施行になったわけでありますが、国全体としても人手不足が言われておりますが、中小企業は中でも苦しんでいるわけであります。また、建設業界におきましても季節労働者等の確保には大変頭を痛めているわけでありますが、実は労働省におきまして四、五年前だったでしょうか、季節労働者にも有給休暇を与える方向で行政指導に踏み切ったはずであります。
 ところが、今青森の方で集団選考会が開かれておりますが、私行って実は一部ちょっとこの募集要項を持ってきました。約百事業所ぐらいある中で、有給休暇のことをうたっている企業はたった二つぐらいしかないんです。先般証券不祥事問題が出まして、大蔵省の通達違反だということで、証券業界が今おしかりを受けているわけですが、こっちはもっとひどいんです。もう五年たってもほとんど有給休暇の制度が受け入れられていないわけでありまして、強力な御指導をお願いしたいと思うわけであります。これは、労働省と中小企業庁と一緒になって進めていただきたいと思うわけであります。
 この要項をチラシなんかで見ますと、季節労働者の募集で賃金が一カ月四十万ないし二十七万保証とか、三十万ないし十八万保証とか、こういうチラシが安定所の窓口にまかれているわけです。もし、その季節労働者がこの三十万、四十万に引かれて就職した場合、最低の方の二十七万、十八万だったら損失補てんしてくれって言い出すかもしれないんですよ。こういう金額、金だけで労働者をつるというのは、私は余りいい方法ではない。やはり有給休暇を与えるというような制度上のきちっとした対応をして、今後労働力不足解決に当たってもらいたいと思うんですが、時間が参りましたので、ほんの一言答弁していただければ結構です。
#92
○説明員(鈴木直和君) 今御指摘の有給休暇の問題でございますが、これにつきましては御指摘のように六十三年の三月に通達を出しまして、その中で継続する就労ケースが三カ月以上六カ月未満の場合には三日程度、それから六カ月以上一年未満の場合には六日程度の有給休暇を付与するように指導を行っているところでございます。
 この現状につきましては、建設業に対する全国的な監督指導を行った際にその実態把握に努めておりますが、それによりますと平成元年の場合には全体の一四・六%がそういった有給休暇を付与しております。それから、平成二年には二六・六%でございます。こういうことでふえてはおるんですが、御指摘のようにまだ十分ではないということで、さらに指導を強めてまいりたいと考えております。
#93
○広中和歌子君 よろしくお願いします。
 ベルリンの壁の崩壊後のポスト冷戦の世界は、湾岸戦争やその後のソ連内部における連邦と共和国の力関係、なかんずくロシア共和国との力関係のシフトによって非常に流動的になっております。こうした中で、西側陣営でもこれまで彼らを結束させてきた外からの力、つまりいわゆる共産主義の脅威が取り除かれたことによって、その結束の形にも変化が見られるように思われます。
 これからは東西間の軍事競争の時代が西側間の経済戦争の時代になるなどとドラマチックに表現する人もあるほどですけれども、大臣はポスト冷戦後の日本と諸外国との経済関係、なかんずく対米、対ECとの関係をどう見でいられるか、お伺いいたします。
#94
○国務大臣(中尾栄一君) まさに広中委員の御指摘のとおり、世界の激動はこの長い歴史の中におきましても考えられないような大きな変化をもたらしておるわけでございますが、現在の世界情勢につきましては、ソ連においてクーデターの失敗後民主化あるいはまた市場経済化に向けての改革というものが進められておりますけれども、政治的経済的不安定要素がいまだに存在していることは事実でございます。また、湾岸戦争終結後、中東和平会議の開催に向けましての動き等、中東地域の構図がこれまた大きく変化をもたらしていると考えるものでございます。一方、EC統合や北米自由貿易圏の形成の動きに見られるように、地域統合の動きもこれまたあることも事実でございます。さらに、地球温暖化等の地球環境問題などの地球規模の問題もこれまた発生していることも御案内のとおりかと思うわけでございます。
 このような状況に対応いたしました新しい世界秩序が模索されておるところでございまして、例えば経済面では保護主義の動きに対抗いたしまして自由かつ多角的な貿易体制の維持強化を図っていくために、年内成功裏の終結を目指してウルグアイ・ラウンドに積極的に取り組んでいかなければならないと思っておるわけでございます。また、著しい発展を示しておりまするアジア・太平洋地域ひいては世界経済というものの健全な成長を図るためにも、APECの積極的な推進等が不可欠ではないのかという、こういう認識に立つものでございます。さらに、環境ないしエネルギー等の地球規模の課題解決に対しましてもイニシアチブをとって積極的に寄与することも不可欠なことと思います。
 委員の御質問でございますので率直に申し上げますが、この間私もアメリカでゴア議員に会いました際に、来日したときに委員から環境問題でも大変含蓄の深い示唆を受けたと、こういって強く言っておりましたこともお伝え申し上げたいと思います。
 いずれにいたしましても、世界ではグローバリゼーションあるいはボーダーレスというような問題、不安定な動きというものが複雑に交錯しておりまして、このような中で我が国としましては、二国間の協調ないしはパートナーシップというものの推進と、これまたあわせ両輪相まって新しい国際的な政治経済システムの構築のために、戦略的なおかつ積極的な役割を果たしていくことがもう必要欠くべからざるものである、このように確信するものでございます。
#95
○広中和歌子君 これまでというか、かつてと言ったらいいでしょうか、通産省が戦後ずっと我が国の経済の発展の過程で多大な指導力、リーダーシップを発揮され、その結果諸外国との間に経済摩擦を生む、そういう面もございますけれども、現在の経済大国日本の形成に大いに寄与したということは、内外ともに評価されているところでございます。
 しかしながら現在は、大小の企業、かつては通産省に指導を仰いだそうした企業も独自の展開をこの国際化の中で行っている。そして、強過ぎる競争力、強過ぎる企業ということで、そうしたことが先ほど同僚委員からも指摘されましたように多大の黒字を我が国の方に生んだり、それから例えば国内投資を難しくしている、我が国への投資を難しくしているとかさまざまな点があるわけでございます。そういう中でいかにバランスのある経済発展を我が国が遂げていくかということに関して、もう少し詳しく具体的にお話を伺いたいと思います。
 つまり、問題が起こってからではなくて、その前に新しいビジョンで取り組んでいかなければならないわけで、保護主義をやめて輸入をふやしていく、具体的に輸入をふやしていかなければならない。それから、企業などがよく言いますけれども、ブーメランが恐ろしいということで技術移転を渋るという傾向がありますけれども、それなども説得していかなければならないでしょうし、また空洞化を恐れずに投資を促進していく。そしてまた、多少の危険があっても、例えばソ連地域への投資も含めまして、果敢に企業に行動してもらわなければならないということもある。それからノーブレス・オブリージュというんでしょうか、経済援助も積極的にしなければならない。こういうようなことをどうやって企業に説得していけるか。それは痛みを伴うものでございますから、言うはやすしで非常に実際には難しいわけです。そして、企業自身も非常に力がついて独自の行動をするようになっている。そういう現状の中で、どのような具体策をお持ちでいらっしゃるのか、どのような指導力を発揮していかれるのかお伺いいたします。
#96
○政府委員(岡松壯三郎君) 大変広範な視点からの御指摘でございますが、確かに従来の企業の行動とは違った新しい情勢に応じた企業の対応が求められるわけでございます。
 先ほど大臣の答弁の中でも申し上げましたように、グローバル化、ボーダーレス化の中で企業としてどういうふうに行動していくのか、また企業も、企業の社会的責任ということを言うわけでございますが、それを超えて国際的貢献という次元での企業の行動ということも求められてくるわけでございますが、その場合には、企業としては単なる利潤の追求という面から見ると痛みを伴うという先生の御指摘がございましたが、そういう側面もございます。しかしながら、企業も新しい時代の中でそれぞれの立場を自覚して行動をし始めているというふうに私たちも考えたいと思っておりますし、そのような方向で今後とも機会あるごとに産業界に対して指導をしてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#97
○国務大臣(中尾栄一君) ただいまの岡松局長の答弁にちょっと補足させていただきますならば、思いついた具体的な問題点ではございますけれども、もう今や理論を超えて具体的に考えていくべきだ、こういう発想の中にございましょう。お互いに両国その点では歩み寄りがございまして、例えばイギリスにおきましてもプライオリティージャパンであるとかオポチュニティージャパンであるとかというような言葉を引用しながら、むしろイギリスにおける企業体をエンカレッジいたしまして、そして日本の企業体と結びつく産業、こういうものも今既に非常に振興しております。
 アメリカにおきましても、そのような日本に対する輸出、すなわち日本では輸入促進策といいましょうか、そういうものも相当商務省と私どもとの間で極めてきめ細かく詰め合っておる、こういう段階でございます。その点におきましてはヨーロッパにおいては、イタリーもそのような傾向、フランスもあのように比較的に国としてまとまっていく国ではありましても、昨今は非常に日本の国に積極果敢に売り込みを始めていったり、また輸出入のお互いの振興というものを共存共栄の形でやっていくべきだ、こういう思想に燃えてきつつあるということは大変結構なことではないか。そういうことをさらに私どもがエスカレートさせていくということが大事なことかなと、このようにも思っている次第でございまして、一つ一つ丹念に丁重に、スローではあるけれども、ステディーにやっていこうという考え方であることも申し添えておきたいと思います。
#98
○広中和歌子君 私もことしの夏にドイツなどヨーロッパ諸国を回りまして多少の勉強をさせていただいたんですけれども、最近のECの態度というのは日本を排除するのではなくて一緒にやっていこう、特にハイテクの分野でもそのようなことで日本側のオープンな協力をというようなことを口にしていらっしゃる方もあったようなので、大いにその分野でも期待しております。
 一方、国内的にでございますけれども、ドイツなどと比べましてよく指摘されることでございますけれども、日本の労働時間というのが非常に長い。少なくとも二割五分ぐらい長く働いていて現在の日本があるわけでございますけれども、労働時間の短縮なども求められております。そういたしますと、サービスの減少を招く、そういうことで国民も不便を感じるということもあるわけで、経済成長の鈍化とかそうしたサービスの減少、そうしたことで国民への説得も必要ではなかろうかと思います。ゆとりのあるといったようなことで多少通産省主導でPRはなさっているんではないかと思いますけれども、具体的にそういう方向をお持ちでしたらば今お聞かせいただきたいと思います。
#99
○政府委員(榎元宏明君) 今お話のございましたように、ゆとりある社会をつくってまいりますと、これまでいろいろ供給されていた財であるとかサービスであるとかそういうものがかなり変わってくる。与えられた資源の中でそういうものを時間短縮をしたりあるいはより豊かさを追求していくということを同時並行的にしてまいるわけですから、そういう問題が起きてくるのは先生がおっしゃるとおりでございます。
 私ども現在、典型的に申しますと、時間短縮を推進するためのいろんな課題あるいは方策を研究する研究会を今設けているところでございますけれども、そういった研究会の中でも今先生が御指摘なさったような問題が指摘されているわけでございまして、これから企業あるいは産業、もちろん私ども国もかかわりますし、それから御家庭の方々あるいは一般の消費者の方々にも新しい時代のあり方というものを見ていただきまして、それぞれしかるべく御協力をいただくということになっていくのではないか、将来の展望ではございますけれども、そのように思っております。
#100
○広中和歌子君 豊かになった日本はリーダーシップを発揮すると同時に非常に寛大であってほしいというような希望が海外からあるわけでございますけれども、国内においてもメセナというんでしょうか、企業などがまたは個人も含めまして大いに寄附をしてそして社会のために貢献する、そういうことが求められているわけでございます。そういう中で、経団連の一%クラブというのが非常に評価され歓迎されたわけでございますけれども、私が数カ月前に伺ったところでは、そういうクラブは発表されたけれども具体化はまだだということだったんですが、いかがでしょうか。
#101
○政府委員(榎元宏明君) 御指摘の経団連の一%クラブでございますが、これは経団連の前斎藤会長が御提唱されまして、平成元年に個人会員の募集を始めたというふうに伺っております。一年間募集をされまして平成二年の十一月に正式発足をいたしました。そして、その後さらに法人会員を募集中、こういうところでございます。
 具体的にはこの趣旨といたしましては、みずからの所得の最低一%を毎年寄附していくことを自主的に約束する、そういう任意の組織であるというふうに伺っております。会員の資格でございますけれども、一%クラブの趣旨に賛同の上、社会的貢献活動を続けている団体などに寄附することを約束し、個人の場合は可処分所得の一%以上、企業の場合は経常利益の一%以上を毎年寄附することを約束する企業及び個人ということでございまして、組織は任意の団体、そして入会金、会費はこれはもちろん無料でございまして、現在個人会員は百五十三名、それから法人会員は二百二十九名ということになっているというふうに聞いております。
#102
○広中和歌子君 これは、税制上の問題はどうでしょうか。税控除というのは受けられるんでしょうか。
#103
○政府委員(榎元宏明君) 現在、特に法人の寄附に関する税制につきましては、先生御案内のように、所得と資本金額の一定割合まで損金算入されるという制度がございます。
 簡単に申しますと、所得では二・五%、それから資本金では一定の計算の仕方があるんでございますが、ベースとしては〇・二五%を一定の計算法で計算したそれを損金算入できるというようなことでございます。さらにその枠のほかに、文化の向上であるとかあるいは社会福祉への貢献など公益の増進に著しく寄与する公益法人に対します寄附につきましては、同額別枠で損金算入が認められるという制度がございます。
 さらに、このほかに特に緊急性のあるものという形で、大蔵大臣が指定するものへの寄附につきましては別途全額損金算入を認められる、こういう形になっておりまして、現在お話の一%クラブの会員の方々もこの制度を利用されているというふうに聞いております。
#104
○広中和歌子君 私、この税控除の問題については予算委員会などでも質問するわけですけれども、大蔵大臣は、税控除の枠を全部使い切っていないんだからこれ以上法人の認可とかそれから公益法人の数をふやすということは必要ないというようなお考えなんですけれども、私はそれには到底納得することができないんです。
 やはりもっと身近なところで、例えば今住民運動などいっぱいあるわけでございますけれども、最初の法人認可が難しいために社会的認知が非常に少ない。ですから、活動する資金にも事欠いているというようなことで、しかし一方では善意の個人というのがいっぱいある。そういう中で、もちろん税控除がなくても寄附をしてもいいわけでございますけれども、税控除というのは非常に一種のプロモーションの役割をする。
 かつて、通産省がよくお使いになりましたけれども、税制上の恩典を与えることによっていろいろな産業を盛んに振興なさったということから見ましても、やはりこういう税問題というのはいわゆる国民また企業の貢献する姿勢を助ける上で非常に大切なものだと思うんですが、通産省サイドからぜひもっと法人認可を易しくするような方向にしていただきたい。
 今どきですと二億か三億最初にないと認めてもらえないとか、非常に制限が厳しいんです。大蔵省の態度は非常にかたいんですけれども、通産省の側からも、今時代は変わってそして国民の中にもボランティアスピリットなんというのが出てきているわけですから、ぜひそういうものをくみ上げ、そしてこれは国内だけではなくて国際的な貢献もできるように、そういうようなおおらかなシステムをつくっていただきたいとぜひお願いしたいところでございます。何かコメントがあったら。
#105
○政府委員(榎元宏明君) 税制の利用のあり方といいますか、そういった問題でございますけれども、確かに私どもも先生の御趣旨のような気持ちでこの問題をレビューしてまいりますと、大蔵大臣が申しますように、現在の現行制度の利用状況でございますね、それは損金算入制度の実態はやはりまだ低い利用状況にある、利用割合であるというふうに言わざるを得ないのではないかと思います。したがいまして、この状況がさらに利用が拡大されていくといいますか、積極的に活用されていくという方向で物事を考えていきたいというふうに思っているわけでございます。
 それから、公益法人でございますけれども、公益法人につきましては一点考えておかなきゃならない問題点がございまして、これは特に任意の法人の方あるいは個人といったような場合を考えますと、寄附をする、その寄附が税法に書かれている目的に照らしてそのとおりきちっと実施されるかどうかといった担保の問題がございまして、そういう観点から公益法人であることが現在の税法で必要とされているわけでございます。そういう意味で、現在の考え方ではなかなか公益法人ではなくするということは難しいのではないか、このように思います。
 それからさらに、一般論として、公益法人の設立認可を容易にしろといいますか、そういった問題にもなりますけれども、一方では、公益法人につきましては眠り法人の問題とかその他いろいろな公益法人監督上の問題で御指摘を別途受けておりまして、その辺の兼ね合いを考えていかなきゃいけないのではないかと思いますので、できるだけ現行制度の利用促進ということで、その辺のところからこの問題をスタートしていくのがよろしいのではないかと今考えておりますが、できるだけ関係者の御意見等を踏まえまして検討されていかなきゃいけない、このように思っております。
#106
○広中和歌子君 私、気がつくんですけれども、何か一つ悪いことがありますと九十九いいことがあっても全体がだめであるといったような異常な警戒心が働くということ。特に官庁の制度の中に多いような気がするんですね。せっかくいいことをするそういう公益法人、例えば環境団体とかいろいろあるわけですけれども、そういう団体がいいことをして、しかも公正にやっているのがほとんどであるにもかかわらず、幾つかのそれを悪用することを恐れて認可を行わない、認可に対して非常に厳しいというのは大変残念なことだと思います。それは、マスコミも悪いでしょうし、我々議員も悪いかもしれない、国民にも責任があるかもしれませんけれども、もうちょっとおおらかな態度で官庁としてはこうした問題を扱っていただげないかなというふうにお願いしたいところでございます。
 地球環境のことについてお伺いしたいわけですが、通産大臣は四極通商会議に出席されて、環境と貿易の調和を図るための日本側の四原則を提案されたわけですが、この四原則についてちょっと御説明ください。
#107
○政府委員(岡松壯三郎君) 四極貿易大臣会合の際に貿易と環境の問題を議論するということになったわけでございますが、その際、中尾通産大臣から提唱いたしました四原則と申しますのは、以下の四点でございます。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
 まず第一に、環境保全のためにとられるべき貿易制限が正当化される基準は何かということなんでございますが、第一点は、明白かつ現存の危険があること、またはそのおそれがあること。それから第二は、国内規制措置がとられていること。第三点は、より貿易制限的でない他の手段が存在しないこと。それから国際的な合意があること。以上の四つを四原則ということで提唱したわけでございまして、これにつきましては、当四極会合におきまして一定の評価を得まして、今後これらを土台にしながらガットの中にワーキングパーティーをつくって議論をさらに深めていこうということになったものでございます。
#108
○広中和歌子君 私は大変すぐれた提案だろうと思いますけれども、しかしながらこの環境問題が、環境が保護主義の口実に使われないかといったようなこと、特に農業問題なんかに関しましてそうした危惧もあるやに伺っているんですが、ECとかアメリカの反応はどうだったんでしょうか。もうちょっと具体的にお話しください。
#109
○政府委員(岡松壯三郎君) 環境保全のための貿易制限措置をとる必要な場合という、必要な場合があることは認めるのでございますけれども、やはり御指摘のように環境保護の名目のもとで保護主義的なことが行われることは許されないという考え方でございます。
 現在一つ話題になっておりますのが、アメリカが決めましたキハダマグロの輸入制限問題というのがございます。これは、メキシコの漁民がまき網漁法ということでキハダマグロをとると一緒にイルカをとってしまう、これはイルカがかわいそうなので、イルカをとっちゃいけないというんではなしにキハダマグロの輸入を制限する、キハダマグロの缶詰の制限をする、そういう形で貿易制限を図ることによってイルカを保護しようじゃないか、こういう動きでございます。
 これは、ガットの場でパネルが設けられまして議論されました結果、まだ結論は出ていないのでございますが、一応まとまったペーパーが各メンバー国に回されているところによりますと、これはやはり貿易制限として行き過ぎであるということになっておるわけでございまして、先ほどの四原則に照らしてみますと、より貿易制限的でない他の手段があるのじゃないのかという点がパネルの一つの考え方になっているようでございます。そういったようなことも含めまして、やはり環境保全を目的とする貿易制限について、ルールを明確化していく必要があるということが大方の考え方であるということでございました。
 ただ、いずれにいたしましてもこれはこの四極におきまして初めて議論されたテーマでございますので、先ほど申し上げましたように、今後ガットにワーキングパーティーをつくって、そこでさらに議論を深めていこうということになったものでございます。
#110
○広中和歌子君 私も非常に関心のあることなんですが、先進国の中には、日本は含まれていないかもしれませんけれども、熱帯林の減少に対して非常に心配して、環境保護の理由から途上国が熱帯林を輸出することを禁止するといったような動きもあるわけです。
 こうしたようなときに、例えばサーチャージをかける、輸入関税をかける、または輸出関税をかけるというようなことも、こうした大臣の四原則が検討される中で考えられるんじゃないですか。関税化というのも一つの方法として考えられますでしょうか。つまり、例えば日本が熱帯林を輸入する場合に高い関税をかける、その部分を輸出国にお返しすることによって、そして植林をしてもらうといったような考え方ですけれども、ガット違反にはならないかどうかということが非常に関心のあるところなんです。
#111
○政府委員(岡松壯三郎君) 具体的な御質問でございます。
 先ほどの四原則に照らしてどうかということになりますと、まず第一原則の明白かつ現実の危険があるのかどうか。すなわち、熱帯雨林が本当に枯渇といいますか絶滅されてしまうのか、あるいはこれは地域を限って、この地域においての熱帯雨林が枯れていってしまう、これは問題だということがはっきりしているかどうかという原則に即して考えなきゃいけないという点が一つ。
 それから第二に、先ほど四点申し上げましたが、第二原則の吟味が要るんではないかと思うのでございますが、それを当該国が国内規制措置で熱帯雨林を切らないことということを決めているのかどうか。それにもかかわらず、切り出してしまってそれが日本に輸入されるというのであれば、これは貿易的措置をとるということになるかと思いますが、まずその原則が当てはまるかどうかということかと存じます。
 さらに、第四原則の国際的合意があること、すなわち熱帯雨林というものは保護しなきゃいけないという国際条約があるかどうかというものも一つの吟味の対象になるのかなというふうに思うわけでございます。
 原則に即してということでございましたのでそのようなことかと思いますが、いずれにいたしましても、そういう輸入制限をするということと、それからそこで取った関税を戻すというのは、ちょっとこれはまた別な話かと思うのでございますけれども、輸入制限措置につきましては、今の四原則に照らして御指摘のケースについて判断をいたしますと、そのようなところが吟味の対象になるかというふうに考えます。
#112
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。私自身も勉強してみたいと思います。
 今度は海外進出企業の行動指針についてお伺いいたします。
 新聞によりますと、日本企業が海外に進出する際の行動指針、マニュアルを大幅に見直すというふうに報道されております。かつて平成元年の産業構造審議会によれば、「海外事業展開に当たって期待される企業行動(十項目)」のうち九番目に、「投資先国での環境問題について、十分配慮する。」と明記されております。前国会の参議院環境特別委員会で私どもは、日本企業の海外進出等における環境への配慮に関する決議をいたしまして、環境に対して十分な配慮をするようにということを決議させていただいたわけでございます。
 そういう中で、この行動指針はいつ見直しがされるのか、そして明年のブラジルで開かれます環境会議UNCEDまでに体制づくりをなさるおつもりなのかどうか、大臣に御意見を伺います。
#113
○政府委員(榎元宏明君) 先生が御指摘されました「海外事業展開に当たって期待される企業行動(十項目)」、これは平成元年五月に産業構造審議会のグローバリゼーション分科会の御意見をいただいて策定したものでございまして、通産大臣の方から百九団体に対して文書で周知徹底を図ってきたところでございます。その中には、技術・ノーハウの移転であるとか、現地調達を計画的に推進するであるとかいろいろな項目がございますが、九項目目に、「投資先国での環境問題について、十分配慮する。」という項目もあるわけでございます。
 これらの十項目につきまして、最近海外に進出した私どもの企業を取り巻く環境はかなり変わってきております。雇用問題であるとか、御指摘の環境問題であるとか、その他いろいろございまして、そういった新しい環境の中で個々のケース、いろいろな問題が発生しておりますから、それらを点検、見直しをいたしまして、この十項目そのものの見直し、あるいは必要があれば新しい項目を追加するといったことを考えてまいりたい。今内部で検討を進めているとこでございます。
 そういったことで、その個々の一つ一つの事象、事案を見ながら全体を進めでまいるものですから、少しこの検討は時間がかかるのではないかと今思っております。早急にこの検討色進めまして、成案を得るように努力したいと思います。ちょっと時期的なことは今明確に言えないのでございますが、そのようなつもりで進みてまいりたいと思います。
#114
○広中和歌子君 現在のマニュアルによれば、「投資先国の環境上の基準を満たすことを前提とし、可能であれば、それ以上の環境上の配慮を行うこと」というふうになっているんですけれども、ちょっと甘いような気がいたします。こういう中でたまたま環境被害などが出ましたときに、仮にそれは一つの事件でありましてもかなり日本の企業姿勢が問われるといったダメージが大きいわけでございますので、ぜひこういうことは起こらぬ先に前向きにやっていただきたいとぜひお願いしたい次第でございます。
 もう少し地球環境対策について伺いますけれども、通産省は来年度予算に地球環境対策の推進ということで発展途上国に対する環境のエネルギー支援対策として二十九・五億円計上されております。来年度から途上国へ環境技術移転に向けてどのような対応をなさるのか伺いたいわけですけれども、予算の内容ですね、どのようなことをなさるのか、そして具体的に技術移転というのはこの範囲でどの程度のことができるのかお伺いしたいと思います。
#115
○政府委員(鈴木英夫君) 地球環境関係の予算でございますけれども、私どもといたしましては、我が国がこれまで非常にすぐれた環境対策技術等を蓄積しておりますので、世界の地球環境問題に積極的に貢献していくためには、やはりこうした技術を発展途上国に積極的に移転を図っていくということが非常に大事であろうと考えておるわけでございます。同時に、将来の環境問題を考えますと、やはり革新的技術開発を並行してやっていくということも非常に大事だということで、途上国に対します技術支援と革新的技術開発、二つの柱で予算を要求させていただいておるわけであります。
 ただいま御質問の前者についてでございますが、御指摘のように二十九・五億円を要求しておりますけれども、この中身は二つございまして、第一には直接的な技術支援といいますか、特に発展途上国の地球温暖化でありますとか、酸性雨対策への技術支援、あるいは脱硫設備の技術支援あるいはエネルギー使用効率化、新しいクリーンエネルギーの活用といったような各分野におきまして、現地における技術の実証調査あるいは実証開発、こういうものを行いますために十四億七千万円の要求をさせていただいております。
 それから第二番目には、これは従来からもやっております制度の積極的な活用ということになろうかと思いますが、研修生の受け入れを促進する、あるいは専門家を派遣する、あるいは途上国におきますいろんな開発調査の協力を行う、そういう経済協力の総合的な枠組みの中でメニューを用意いたしまして、政策対話の成果を踏まえながら適切な施策を実施する、こういう観点から十四億八千万円の概算要求をいたしておりまして、両方合わせまして二十九億五千万円ということになっております。
#116
○広中和歌子君 大変結構だと思いますけれども、私は専門家じゃありませんので、これで十分なのかどうかわかりませんけれども、この方向で大いに努力していただきたいと思います。
 特に我が国にとりましては中国大陸、そこが発生源となって起こります酸性雨の問題、非常に関心があるところなんでございますけれども一時に中国湖北省の工業都市武漢は酸性雨が日常的に発生しているということでございます。中国全土でも酸性雨の被害が広がっており、広東省でも林業被害だけでも毎年十数億元になるそうでございます。日本にもうすぐ迫ってくるような感じなんですけれども、この主な原因は石炭燃焼に伴う硫黄酸化物の大量発生と公害対策の立ちおくれということでございます。中国に対してはもう早急に何か行動を起こさなければならないと思うのでございますけれども、その実態はどうなんでしょうか。
 北京で開かれました最近の環境会議によりますと、中国を中心としてこうした国々が、先進国の要請で環境への配慮を押しつけられることを拒むといったようなそうした宣言が盛り込まれていだというふうに聞いているんですけれども、こうした問題も含めまして中国の環境問題についてお伺いいたします。
#117
○政府委員(鈴木英夫君) 委員御指摘のように、中国では酸性雨の問題が大変深刻といいますか、大きな問題になっております。
 それで、私どもこの環境技術の移転といいました場合に、やはりできることから実効の上がる手段でやっていくことが必要である。それと同時に、やはり受け入れる方の国がその意識になっていただかないとなかなかできないものですから、発展途上国のコミットメントといいますか、そういう意識になっていただくことが大事である。
 したがいまして、まず意識の点につきましては、今後とも中国政府あるいは民間レベルも同様でございますけれども、対話を十分やりながら、やはりそういう意識になっていただくということが非常に大事な前提になるのではないかというふうに考えております。
 それから、具体的な技術の問題につきましては、これは環境設備といいますか、例えば脱硫設備をそのままつければいいといったぐいの話ではございませんで、むしろ工場全体のプロセスといいますか、そういう中で原料の効率化あるいは燃焼技術の効率化、ありとあらゆる効率化を行いまして、最後どうしても取り切れないSOxを脱硫設備で取っていく。そういう意味では、産業の全体のシステムという点からの協力が必要であろうかと思っております。
 先ほど予算の規模の点についてお話がございましたけれども、そういうことも考えてまいりますと、やっぱり中国において適正な技術は何かという技術開発も並行的にやらなければいけないということで、若干時間はかかりますけれども、それが地道ではありますが実効が上がる方法ではないかと考えておりまして、特に予算につきましては初年度であるということもございますし、それから普及可能な技術の実証調査から始めなければいけないということもございまして、先ほどのような数字の要求額をお願いしているところでございます。
#118
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。よくわかりました。
 最後に、残された時間、産業廃棄物の回収についてお伺いいたします。
 さきの国会でリサイクル法が成立し、再資源の活用に動き出しているわけですが、また今国会では廃掃法が審議されております。この二法によりごみの処理とリサイクルが進むものと期待しているわけですが、産業廃棄物の排出に際して再生資源率はどの程度確保されるのか、そういうデータがあればお知らせください。
#119
○政府委員(鈴木英夫君) これは物によって随分数字が違いまして、ただ全体として、ただいま私どもが把握しております数字によりますと、昭和六十二年度ベースで産業廃棄物の総排出量、これにつきましては二億五千三百万トンぐらいございますけれども、そのうち再生資源として利用されました量は一億一千万トンばかりでございまして、全体の四三%が再生利用されております。そのほか、再生利用といいますよりも、むしろ中間処理によって廃棄物が少なくなる目減り分がございまして、これが約一億トンぐらいございますので、最終的に廃棄物として処分されています量は全体の七分の一ぐらいというような数字になっております。
 将来、これから先につきましては、いろいろ古紙の利用でありますとか、あるいはガラスカレットの利用の促進でありますとかいうことを計画しておるわけでございますけれども、例えば紙につきましてはリサイクル55計画ということで、現在の実績が再生利用率の五〇%ぐらいのものを平成六年度には五五%ぐらいまで高めていきたいというようなことで、それぞれ産業界に対応をお願いしているところでございます。
#120
○広中和歌子君 今度の廃掃法の中で、オフィス用紙は産業廃棄物に組み入れられることがなかったわけでございますけれども、もし産業廃棄物に指定されますと、どちらかというとリサイクル率が高まるのではないか、そのようなことを言う人があるんです。
 これはNHKで七月十日に放映された「ゴミが環境をおびやかす」という大変すぐれたドキュメンタリーがあったんですけれども、そこで、木くず、木くずというのかしら、おがくずじゃなくて、建築廃材の中の木の部分、それを産業廃棄物に指定したところ、再利用率というんでしょうか、リサイクル率が非常に高まったということが報道されておりまして、大変感銘を受けたんですが、現に家を壊した後などへ行ってみますと、今業者がきれいにより分けてやっております。
 ですから、紙の場合五五%まで再利用の方向にということでございますけれども、いずれは産業廃棄物に指定しなければならないといったような状況になるんじゃございませんか。今非常にふえておりますよね、この紙が。
#121
○政府委員(堤富男君) 産業廃棄物は、先生御存じのように、厚生省の所管する廃掃法で指定されておるわけでございまして、現在一般オフィスから出てくる紙は産廃には指定されていない状況でございます。この説明は、必ずしも私のところの所管でございませんので、私がするのは本当はおかしいのでございますが、お話を伺いますと、ルートが既に確定しておること、それから性状から見て一般廃棄物と同じである、それからもう一つは、今後費用負担を市町村が必要とあれば受けられるというようなことがありまして、産廃としては指定されていないわけでございます。
 ただ、通産省といたしましては、先生のおっしゃるように、やはり古紙というのは我々にとっては都市にある森林資源だというつもりでおりまして、これをなるべく回収するということで、一つはかねてからやっております古紙再生促進センターというのをつくりまして、実際にはいろいろマニュアルをつくりまして、モデル地区を選んでこの地区ではこういうふうにやってほしいと。そうしましたら、オフィス町内会というか、大変楽しい名前でございますが、そういう名前でビルが何軒かまとまりまして町内会をつくってちゃんと古紙の回収をするというようなことを考えているわけでございます。
 古紙回収率、それから利用率とも実は日本は世界一でございますが、これを自慢するわけではございませんが、それに安住せずにさらに頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。
#122
○広中和歌子君 時間が押してまいりましたんですけれども、産業廃棄物と有価物の定義、定義というか、違いを簡単におっしゃってください。
#123
○政府委員(鈴木英夫君) 産業廃棄物と有価物の違いは、総合的に見てまだ経済的価値が残っておる、つまりほかに対して販売が可能である、端的な例は自動車のスクラップのようなものでございますけれども、これを解体しながらいろんな部品をまたほかに販売することができる、こういうものを一般的に有価物と言っておると理解しております。
#124
○広中和歌子君 私の質問自体が多少矛盾するようなことにもなりかねないんですけれども、有価物であれば廃掃法の適用除外となり、結果として例えば私有地に野積みされても、産業廃棄物として取り扱いされておりませんから許されるわけです。つまり、産業廃棄物を捨てる場所であれば許可制でございますけれども、そうじゃなくて、自由に私有地であれば持ってきて野積みにしておくこともできるということで、全国至るところに有価物と称して放置されている状況が目につきます。
 ここから成田の空港に行く途中でも自動車が積まれていたりする。これは、通産省の所管ではないかもしれませんけれども、本当に無造作に捨てられていて、何年も置きっ放しの状態。環境の視点からも、本当に周辺の住民の方がよく文句をおっしゃらないなと思うんですけれども、これはちょっとこれから問題にしていい点じゃなかろうかと思います。実態調査を行って、悪質であればぜひ改善命令、回収などを指示できるよう指導していただきたいと思うんですけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。
 これからは、特にいわゆる有害といった視点だけではなくて、住環境の視点も、豊かな日本にふさわしい住環境の美しさというんでしょうか、そういうものもぜひ通産省の守備範囲の中に入れていただきたいと思っておりますので、御質問いたします。
#125
○政府委員(鈴木英夫君) 自動車のスクラップが道路際等に放置されているということでございますけれども、この大部分が先ほど申し上げましたように財産価値があるものでございまして、逆に言いますと所有者がございます。特に解体業者さんがこういうものを持っておられるわけですけれども、片一方で美観上好ましくないという理由もございますが、片一方でやはり私的財産権を不当に制約することになるんではないかというような御議論もございまして、現に在庫として持っておられるものが多いものでございますから、私どもそこは非常に解体業者さんの権利をどう考えるかということでいつも悩む点なんでございます。
 そんなことがございまして、なかなか一朝一夕というわけにはいかないと思いますけれども、当省としてもこの辺の議論は十分に詰める必要があると思っておりまして、慎重に対応させていただきたいと思っております。
#126
○市川正一君 我が国のゴルフの人口は数千万人とも言われ、広く国民の中に普及しております。大臣は、午前の論議の中で、ゴルフをなさらない、またゴルフ亡国論の立場をとっていると伺いました。
 きょうはその話は別として、これは横に置きまして、ゴルフはほかのスポーツと同じようにルールとマナーを守ってスポーツマンシップを酒養する近代的スポーツとして発展してまいりましたし、また我が党もその健全な発展を願っているところであります。しかし、ゴルフをめぐる現状は、本来のスポーツのあり方に反する事態となってきております。例えばゴルフ場について言えば、開発に伴う環境破壊、地域経済への影響などなどがありますが、本来のスポーツ施設であることからかけ離れて、会員権の預託金制度を悪用して投機やマネーゲームに使われたり、目的外に流用して不当な利益を上げる手段に使われたりしております。またそのために、汚職、腐敗、背任などさまざまな犯罪やトラブルを引き起こしております。
 商務流通審議官の私的諮問機関であるスポーツ産業研究会の報告、審議官もお手元にお持ちのようでありますが、この四十四ページ、スポーツ産業の使命と役割のところで、「人々のスポーツに係わる多様なニーズにこたえながら、質の高いスポーツ供給を展開し、国民のスポーツライフを支援するスポーツ産業は、まさに文化産業であり、その営み自体が文化的な性格を持つものである。」、あるいは「スポーツがゆとりと豊かさの時代における新しいライフスタイルを構成し、クオリティ・ライフの中核となる生活必需品的性格を持つことによって、必然的にスポーツ産業は公益的性格を持つ。」、こう述べております。
 スポーツ産業の一つであるゴルフ場事業の現状は、この研究会報告書とは甚だしく乖離していると思うんです。スポーツ産業の振興を推進してこられた通産省として、その実態とまたその責任をどのように認識されているのか、まずお伺いしたいと思います。
#127
○政府委員(麻生渡君) 今後のスポーツ産業のあり方につきましては、今先生の方から御指摘がございましたように、ビジョンをつくり、健全なスポーツ産業ということで振興してまいりたいということでございます。スポーツは、やはり今後の豊かさあるいはゆとりのある日本の社会を築いていき、健全な、心身ともに発展した国民の生活という点から見まして、非常に重要であるというふうに認識をいたしております。
 他方、ゴルフ場の問題でございますが、今御指摘がございましたように、ゴルフ場は今千七百強あるわけでございますが、一部のゴルフ場では非常に残念なかっ遺憾な事態が起きておるわけでございまして、この点につきましては私ども非常に残念に思っておる次第でございます。
#128
○市川正一君 そこで、引き続いて伺うんですが、もう一つの問題は、ゴルフ愛好者が増火する中で一般の勤労者がプレーを楽しみたいと思っても、おっしゃったように現在千七百強ほどあるゴルフ
場の九割が会員制で、気軽にプレーができぬのです。また、一般勤労者にとってビジターでのプレーには一回で三万円前後の費用がかかり、月に一度がせいぜいで、多くは企業の接待の手段に利用されていると言っても過言でないんです。
 我が党は、先日スポーツ政策を発表いたしましたが、その中で、ゴルフだけでなしに国民に親しまれている野球やサッカーなどのグラウンド、コートなど、だれもが安く利用できる公共スポーツ施設をつくるために国の予算を大幅にふやすことが根本であるという提起をいたしております。ゴルフについて申せば、イギリス、アメリカ並みにパブリックコースを導入して、愛好者が安くできるようにすべきであると考えるんですが、先ほどのこの報告書などの見地から、通産省の担当審議官としてどうお考えでしょうか。
#129
○政府委員(麻生渡君) 一般に、日本の場合にはスポーツについての公共施設の供給がおくれておるということはございます。
 特にゴルフの場合には、アメリカを中心にパブリックコースが非常に発展をしておるという中で、日本の場合にはパブリックコースは非常に少ないということがございます。したがいまして、もっと公共的な供給がふえるということ自体は非常に望ましいと考えておりますけれども、他方実態といたしましてこのゴルフコースの建設には非常に大きなお金がかかりまして、これを今の公共団体の財政的な中から投資をしていくということも現実の問題として難しいということがございます。
 そういう中で、実態といたしましてはこの預託金方式というのがとられて整備が行われておるということでございまして、望ましいのはそのとおりでございますけれども、実際には大きなお金がかかっておって、パブリックコースの整備が実際にはなかなか進まないという現状でございます。
#130
○市川正一君 金がかかる、だから何とかせんならぬ。
 後学のために、審議官はゴルフはやられますんですか。
#131
○政府委員(麻生渡君) ゴルフは大好きでございます。
#132
○市川正一君 それならば話を続けますが、今大きな社会問題になっておる茨城カントリークラブの事件です。この事件は、スポーツ産業のあり方を厳しく問いかけていると思うんです。
 警視庁は、今月十日に常陸観光開発や三輝など、茨城カントリークラブ事件に関係した事務所などを訪問販売法に定めるクーリングオフの不告知を理由に強制捜査いたしましたが、これは通産省が告発したんでしょうか、どうですか。
#133
○政府委員(麻生渡君) 本件は、通産省が告発する以前に、警察の方が具体的な捜査に踏み切ったものでございます。
 私どもの方にもこの茨城コースにつきましては消費者相談窓口等に話が寄せられておりましたけれども、私どもが調査した限りにおきましてまだ十分に訪販法違反であるといういろんな証拠を固めることができない以前に、警察の方が行動を起こしたという状態でございます。
#134
○市川正一君 先を越されたという感じの答弁ですが、やる気があったら僕はやれるはずだと思う。スポーツ産業の健全な育成、発展を担当してこられた通産省が、当然こういう不祥事はまずもって告発手続をすべきだと思うんです。
 大臣にお伺いしたいんですが、若干説明しながらの問いかけですが、このゴルフ場の場合、募集会員数は正会員千八百人、平日会員千人、合わせて二千八百人と言いながら、実際は五万から六万人の会員に販売しておるんですね。これは訪問販売法に限って言っても、第五条の二に定める禁止行為に違反し、一年以下の懲役または百万円以下の罰金に該当する違反行為です。また明らかに詐欺行為です。
 私は、通産省としても、きちんと告発すると同時に、こういう事態を今後引き起こさないための具体的な措置を検討すべきではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(中尾栄一君) 冒頭に、まず私の二十年前の青春時代でございます四十の若げにつくりましたゴルフ亡国論、これは私の選挙区にまいてしまったものですから、私もなかなか今になってやりにくいものだなと、こういう感じでございますので、ゴルフの本当の愛好者に対しては失礼でございますけれども……
#136
○市川正一君 いえ、大臣がさっきおっしゃったからで、了解しております。
#137
○国務大臣(中尾栄一君) さて、そこで今の問題点でございますが、ゴルフ場そのものが千七百とか今言いましたが、ゴルフ人口は、何か一年総体的に見ますると、一億人という数がローテーションでやっておるようでございます。
 そういうことを考えますると、それを悪用、乱用して、そしてある意味においては千八百人くらいあるいはまた二千数百人の、今先生御指摘のような人数に限られているものが、何万人という形でやるということは悪質なことでございまして、これは今詐欺という言葉が出ましたが、まさに類するものであろうと私も感ずる次第でございます。
 したがいまして、こういうことは厳に慎むべきものであろうと思いますし、そのような方向において今から監督を厳しゅうすることには、私も通産省を所管する者といたしましてこの問題点は厳しく律するつもりでございます。
#138
○市川正一君 通産省がスポーツ産業としてのゴルフ場の正しい振興をうたうならば、私は最小限善良なゴルフ愛好家のプレーを保証する責任があると思います。今大臣もお述べになりました。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
 振り返ってみますと、一九七二年の第七十一国会から七十二国会にかけて、ゴルフ場事業の規制に関する法律案というのが当時の衆議院の商工委員会理事のメンバーによって議員立法で提案されたことがあります。御記憶だと思います。これは実りませんでしたけれども、二十年前からこういう規制の必要性が広く認識されておりながら、通産省としては必ずしも積極的な対応を行ってこられたとは言いがたいんです。
 今日多く見られる、さっき審議官が申しましたが、金がかかる、だからゴルフ場の預託金会員制クラブというのは、スポーツクラブの形式をとっておりますけれども、実態は企業であります。そして、今やその弊害が目に余る現状では、ゴルフ場事業というのは法律で必要な規制を行い、少なくとも許可制にすべきであると思いますが、通産省の見解はいかがですか。
#139
○国務大臣(中尾栄一君) ゴルフ会員権をめぐる消費者トラブルは重要な問題と認識しておることは先ほど申し上げたとおりでございますが、通産省としましては、学識経験者であるとかあるいはまた消費者等から構成されまする研究会を設けまして、トラブルの実態の把握を行うとともに、会員制事業をめぐるトラブルの防止のあり方について鋭意検討を行うこととしておる次第でございます。
 その際に、トラブル防止のあり方としては、消費者啓発や、また消費者に対する情報提供の充実、あるいは業界団体による自主的な規制というものの強化等につきましては、まず検討を行うことが必要と認識しておる次第でございまして、御指摘のような法律の制定とか、そういう問題点につきましては現在のところは考えておりません。
#140
○市川正一君 これは、もう一歩突っ込んで研究をしていただきたいんです。
 と申しますのは、今触れましたように、ゴルフ場のほとんどが預託金会員制になっております。そういう状況のもとでは、ゴルフ場事業者にとってこの預託金は、当然建設費などに充当をすべきものであるにもかかわらず、これは無期限で無利息です、しかも法的にはその使途に何の制限もないために、財テクにこれを利用したり、あるいは今回の茨城カントリークラブのように詐欺まがいの資金集めに利用されることに現になっておるんです。その結果、被害者はプレーができないばかりか、払い込んだお金も返ってこぬ、まさに泣き寝入り、踏んだりけったりです。
 そこで、ゴルフ場の設置に当たっては、建設資金に占める自己資金と預託金の割合とか、預託金の保全、募集する会員の種類別の数や払い込み金額、建設計画などに関する基準を初めとして、プレーヤーはもちろん、そこで働くキャディーなどの従業員の安全確保、環境保全などの基準をきちんと守っていく。かつ十分な対策も期待できる。
 さらにもっと言えば、暴力団関係者や悪徳商法の前歴のある者などがかかわっているかどうかというようなことをチェックできる、そういう厳格な審査の上に許可をするというような、そういういわば対応を、必ずしも私は法律つくれというふうにストレートには言いませんけれども、そういうふうな基準を設けていくとか何らかの対応をしないと、私は通産省が果たすべき、また期待されている役割から見て、これはこのままではいかぬのじゃないかという点で、重ねて通産大臣の積極的な御見解を承りたいと思うのであります。
#141
○国務大臣(中尾栄一君) 私も、ゴルフ場の建設というのはどういうプロセスを経てやるかということは、先ほど申し上げたような理由もありまして、余りよくは知りません。しかし、承りますところによりますと、町村あるいはそれから県に上がり、なおかつそういう形で上程されて許可をもらうというようには承っておりました。私は、そもそも通産省が全部ゴルフの問題までも監督する省とは思っておりませんでしたものですから、本当に実は驚いたのであります。
 しかし、現実にそれを知り、なおかつこういう事態がある以上は、先ほど先生御指摘のように、やはり正邪というものをはっきりさせて、そして物事におけるけじめというものもはっきりさせて、少なくとも二千数百名のものを、自分の金を利益を得るがために何万人かを募集するなんということはとんでもないことでありますから、こういうことの二度とあり得ないような方向づけにおける監督というものは十分に勉強させて、そして頑張らせてみたい、このように私は通産省全体に下命したいと思っております。
#142
○市川正一君 中尾通産大臣在任中にただいまの御決意が実るように私も大いに鞭撻させていただきますので、ひとつ実現方をよろしくお願いいたします。
 さて、時間が進んでまいりましたので、原発問題について伺いたいんです。
 関西電力美浜原発二号機の問題でありますが、何度か本委員会でも私は取り上げてまいりました。SG細管の破断メカニズムについて、最近複数の新聞がこういう報道を行っております。当該細管と支持板の間にさびなどの不純物が完全に詰まっていて固定状態だった、これにAVBの取りつけミスによる振動が加わって破断に至った、要旨そういう新しい事実として報道をされておりますけれども、これは事実なんですか、まずお聞きしたい。
#143
○政府委員(末広恵雄君) 美浜二号機の事象につきましては、通産省におきまして調査特別委員会を設置いたしまして、その意見を踏まえつついろいろと調査を進めてまいりました。六月には、原因の推定及び再発防止対策の方向ということを取りまとめまして公表したところでございます。
 その後、この事象に関しまして、蒸気発生器等につきましていろいろ調査をやってまいりました。例えば、破断した細管の周辺の伝熱管の抜管とかあるいは管の支持板を切り出しまして、それを調査するとかいろいろな試験をやってまいりましたが、その中で、亀裂が発生しましてから破断に至るまでの時間的経過等についていろいろ検討を進めたところでございます。
 これまでの調査によりますと、破断いたしました管、これは振れどめ金具が設計どおりの範囲まで入っていなくて、大きくずれていたわけでございますが、そういったことで流力弾性振動という特殊な振動が発生した可能性があるということは六月六日の報告書で公表しておりますが、それに加えまして、管支持板のところで固定支持の状況にあったというふうに考えておりまして、これらのことが破断の原因であった可能性が高いというふうに考えております。
 今後さらに詳細な調査を進めまして、この破断のメカニズムについては解明していくという状況にございます。
#144
○市川正一君 私が聞いているのは、今までの経過を全部おさらいやってくれとは言ってないんです。それは時間がないんですから。そういう不純物で固定状態になったという新しい報道があるけれども、それは事実なのか、そしてそれはいつの時点でわかったのですかということ、この二点をはっきり言ってほしいんです。
#145
○政府委員(末広恵雄君) 六月以降に管支持板の部分を切断いたしまして取り出しまして、ずっと調査をやってまいりました。その中で、そういったさび等が付着している箇所があるということが明らかになりました。
#146
○市川正一君 そうすると、当該SGを分解して、支持板やそれと当該細管の接触部分を目視して、目で見て確認したん。ですか。
#147
○政府委員(末広恵雄君) 目視とか、あるいはいろんな測定装置を使って検査いたしております。
#148
○市川正一君 それは実態から言っても、また理屈から言っても合わぬ話ですよ。あなたも今言われたように、当該細管は破断面を観察するために抜管したと言うんでしょう。管を抜いたと言うんですよ。それからまた、いろいろそういう切断をしている。それがどうして不純物で固定状態になったということがそれで証明できるんですか。理屈が合わぬですよ。
#149
○政府委員(末広恵雄君) 細管とそれから管の支持板の穴との間には微小なすき間が従来ございます。今回、管の支持板を取り出しまして、そのすき間といいますか穴のところに何か付着物があるかどうかということを観察したわけでございます。それで、一部のものにつきましては、そういったさびといいますかさび等に代表されますスラッジが詰まった状態にある、つまり固定支持の状態にあるというふうに推定したわけでございます。
#150
○市川正一君 固定支持、不純物で固定状態という問題は、これは判断の問題じゃなしに、事実の問題できっちりせんならぬと思いますね。
 私はここに中間報告の該当部分を持ってきましたけれども、それじゃなぜ中間報告の段階でそういう点の報告がないんですか。それどころか、中間報告ではこう言っています。これは九ページの破断管のdの部分ですが、「各管支持板管穴内面は黒褐色を呈していたが、著しい腐食は認められなかった。」、こう述べています。スラッジなどがたまっていて、固定状態にあったというふうな記述は全く見当たらぬのです。どうしてにわかにそういう議論が出てくるのか、極めて不可解です。この点ひとつわかるように解明してほしい。
#151
○政府委員(末広恵雄君) 六月の中間的な取りまとめにおきましては、蒸気発生器の二次側から小型カメラで調査をいたしまして外観検査した結果を記載したものでございます。ここで、「著しい腐食は認められなかった。」と記載してございますが、これは管支持板自体をそういった外観で見ましたところ、目で見えるような変形はしていないということでございます。
 その後、六月以降にこの当該管支持板を切り出しまして詳細に観察いたしましたところ、いわゆるスラッジ等が詰まっている状況というのが確認できたわけでございます。
#152
○市川正一君 同じくこの中間報告のbには、「破断管近傍の点検の結果、破断の原因になり得るような異物は認められなかった。」というくだりもあります。
 だから私は、今おっしゃるように本当に不純物で固定状態になっていたというのであれば、それを証拠づける支持板及び細管の写真、データを資料として提供していただきたい。これは、再発防止のためにも大事なデータになると思いますので、提供をお願いいたします。
#153
○政府委員(末広恵雄君) この管支持板等の調査、観察につきましては引き続き継続しておりまして、そういった調査が進みますと、最終的には報告書という形で取りまとめますが、そういう中で先生の御指摘のような資料につきましては取りまとめて公表してまいりたいと思っております。
#154
○市川正一君 最終報告出してからやったら間に合わぬのですよ。伝えられるところによると十月末までに最終報告を出すと聞いておりますけれども、それまでに私どもも再発防止という意味からも、また今度の原因が何なのかということからも、ぜひ資料を要するに公開していただきたい。私にちょうだいしたい。
#155
○政府委員(山本貞一君) ただいま審議官からも答弁いたしましたが、今のこの事案についての調査検討は私どもでつくっております調査特別委員会で調べておりまして、ここには学識者十八名お願いいたし、その検討の途中でございます六月六日に中間的な報告をいたしまして、その後今申し上げましたように実際に抜いてそれを顕微鏡で調べるといったような子細な調査をし、今その検討の途中でございます。
 先生今十月とおっしゃいましたが、今鋭意進めておりまして、十月というふうにまだはっきりしておりませんけれども、できるだけ早いうちにまとめたいと思っております。従来、節目節目に私どもはできるだけ多くの資料をそろえて公表しております。この件につきましても、今審議途中でございますので、そのあたりが少しまとまった時点でまとめて必要な資料は公表したいと思っております。
#156
○市川正一君 その時期についてはここでやりとりしてもなんですから、やはりできるだけ早い時期にちょうだいできるように引き続くお話し合いをさせていただきたいと思います。
 一つだけ聞きますけれども、これまで破断は金属疲労によるものとして、ストライエーション、しま模様の写真が公表されました。あのしま模様は何本あったのか、これは伺えますか。
#157
○委員長(岩本政光君) 時間が来ておりますので、簡単に答弁をしてください。
#158
○政府委員(末広恵雄君) 破断面につきましては、引き続きまだ評価、いろいろ検討しておりまして、しま模様が幾らかというのをなかなかこれ数えることができませんで、今のところそういった数字は持ち合わせておりません。
#159
○市川正一君 時間が参りましたので、最後に、本数はこれ顕微鏡で見ればわかるんですから後で知らせていただきたいと思いますが、私は今度の事故に至るいろんなデータというのは非常に大事な問題だと思います。ですから、私は改めてこの設計図、工程表、製作図面、検査状況などについての資料を正式に要求いたしますので、改めて御検討を願いたいと思います。
 なぜきよう私がこの限られた時間でこれだけの問題を取り上げたかと申しますと、最終報告が近い、十月末でという説もありますので、早くこの問題について本委員会で何度も取り上げてきた者として明らかにしていきたいと思うんですが、たまたま最初取り上げた複数の新聞報道というのは日経新聞と朝日新聞です。この二紙が先ほどのさびの問題を報道いたしました。ところが、通産省はこれはマスコミが勝手に報道したということであいまいにしようとしておられるんですね。しかし、そんを言い分は通らぬのですね。
#160
○委員長(岩本政光君) 市川委員、簡単にお願いいたします。
#161
○市川正一君 結局そのねらいは、前の国会でSG細管破断の原因としてAVBの取りつけ不良を挙げてそれに限定しようとしたけれども、破断しなかった細管もあるために論理的につじつまが合わぬ。それを合わすために、こういう新しい問題を出してきたというふうに思わざるを得ぬのです。
 しかし、本日は残念ながら委員長の方からもお声がかかっておりますので、次の機会に改めて資料をちょうだいした上できっちりといたしたいと思いますので、本日はこれで質問を終わらせていただきます。
#162
○古川太三郎君 我が国は、世界の人口で二%、GNPは一三%もある。特にアジアの中で見れば、非常にGNPがダントツである。韓国、中国、台湾、ベトナム、そういったアジア地域を含めても日本のGNPの方が大きい。こういうことでありますと、いろいろの問題が出てくるだろう。現に出てきております。大きな問題、これは経済難民もこれから多くなるだろう。
 そういうようなことで、こういうダントツのGNPを維持していくことが本当に世界の平和のためになるんだろうか、あるいはまた日本の経済もそのような形で発展していけると思っていられるのかどうか、こういったところから産業を掌握しておられる通産省のお考えをまず聞きたいと思います。
#163
○国務大臣(中尾栄一君) 古川委員の御指摘の答えになり得るかどうかわかりませんが、いずれにしましても確かに戦後四十数年、全く廃墟の中からこれだけの経済を構築してきたということは、世界から見るとちょっと異常ではないかと思われるような節もあろうかと思います。しかし、自由貿易あるいはまた民主主義を定着させながら今日までの鋭意努力がございまして、日本の国がこのような世界に冠たる経済大国になったことは事実でございます。これを維持でき得るかどうか、そういう御質問になりますると、現時点の段階で悲観的な局面はございませんので、堅実になおかつ方向性の誤りなきを得るならば、私は相当な中長期的にも可能性としては偉大なものがあるのではなかろうか、このように感ずるものでございます。
 ただし、私は、一つたがが緩んでいくような形が生まれてみたり、あるいは国内的な不安定要素が生まれたり、また経済は不透明度の部分もまだまだ数限りなくございますから、そういう点などが醸成されたりいたしますると、これまた不安材料というものが経済の破綻を来していかない保証はどこにもない、こういうことも考えざるを得ないと思うのでございます。それだけに、我々行政にあずかる者は、慎重の上にも慎重に、なおかつ正すものは正していく、この姿勢をやはり堅持すべきではないか、このように考えるものでございます。
#164
○古川太三郎君 大臣のおっしゃる気持ちから見ても、私は、今日本がこういう大きな経済大国になったと、それが本当に経済援助だけでいいものかどうか、これは大きな問題だと思うんですが、むしろ、少なくともアジアの中でGNPを日本が配分するような経済構造というものを考えていただきたい、こういうように思うわけなんです。単に物を上げるとか、あるいはそういう援助をするとか、そういう発想そのものが、これはもう大きな地域の中での平和を維持していけないし、また産業自体もこれからは発展が難しいだろう、そう思うんですけれども、御意見をお伺いしたいと思います。
#165
○国務大臣(中尾栄一君) これは、もうまさに古川委員のおっしゃるとおりでございまして、もう今や世界の中において孤立して生き得ることのできないというこの現実はもう事実でございます。日本だけが繁栄をし他の国はどうなってもいい、このような考え方はほとんど通用するものではありますまい。それだけに、私どもがともども共存共栄できる道、その道のりというものは遠いかもしれませんが、やはり今盛んに先進国たらんとしている発展途上国、こういうものに対しても温かい気持ちを持って、大きな抱擁力を持ってくるんでいく。それに、死に金ではなく、生きていく方向における技術援助あるいはまた人材育成、そういうことも大きく資する道になりましょう。
 また、ソ連の問題等でも考えられますように、現時点では、日本の国としてファンドの応援はしないまでも、少なくとも技術交流あるいは人材育成の道のりを考えまして、一年間に百人、向こう十年に千人くらいの言うならば技術者養成というものを引き受けていくというような、そういうあらゆる形におけるODAを時には利用し、時にはある国においては軍民転換をお互いにやり合い、また指導もさせていただいたり、そしてまた大いに人材育成に寄与する、こういう道のつもこれまたある意味においては世界のお互いに繁栄でき得る、共存共栄の道になり得るのではないか、このように私は考えるわけでございます。
 それだけに、委員のお言葉にまだまだ足らざるところはたくさんございますけれども、お答えとしては足らざるところがございますけれども、そういう一つ一つを丹念に取り上げながらこれを十分に育成し、醸成し、しかも実らせていくという方向に私どもは献身努力をささげたいと思っておる次第でございます。
#166
○古川太三郎君 きょうの読売新聞に出ていたことなんですけれども、日本の国民の多くが、四人に三人が環境問題に最も関心がある、そして十人に六人が環境保全のためなら生活水準を十年以上前のレベルに落とすのもやむを得ない、こういうような世論調査が出ておるようです。私もこれには同感をしますけれども、今までは産業の育成という見方で通産省もおやりになってきたと思うんですけれども、産業の発展と環境問題について、いま一つ御意見をいただければありがたいと思います。
#167
○国務大臣(中尾栄一君) まず、昨今の私の体験から申し上げてもみたいと思うのでございますが、四極の前に私はオーストラリア並びにシンガポール、タイ国と、タイ国で特にアナン首相等とも会った後、政策演説をさせていただいたことがございました。それは環境問題でございました。
 すなわち、従来からの考えでございますと、少なくとも発展途上国が経済繁栄をしていくという段階の中に環境まで含めて考えていくべき問題なのか、こういう疑念が私の心にはなかったわけではございません。ところが、いろいろと地元における通産省のお役人あるいはまた外務省のお役人あるいはジェトロ等々の情報をとりますと、どうしても環境問題と両立させたい、日本の繁栄はある意味においては経済の黙々たる、営々たる繁栄と同時に、その陰には環境問題の行く末があったという戦後の歴史を顧みても、我々もその道のりを歩みたい、こういう気持ちが満ち満ちておるということを伺いましたので、私も特に政策演説の中に三分の二はその環境問題に触れまして政策演説をさせていただいたつもりでございます。これは、自画自賛をするわけじゃございませんが、大変に反響を呼びまして、タイ国でも大きなリアクションがございましたし、また非常に私どもに感謝もいただいた次第でございます。
 事ほどさように、ある意味においては発展途上国におきましても環境と経済の発展というものは車の両輪のごときものである、こういう気持ちが満ち満ちておりますから、先生の意も体しまして、ますますその自信を深めながらも、我々はその道に向かって頑張ってみたいと思っておる次第でございます。
#168
○古川太三郎君 大臣の御意見がそういうことであれば非常に安心でございます。
 今度は具体的な問題になってきますけれども、今までのGNPの成長、こういったことを考えますと、非常に大量消費社会というものをつくり出してきたことは事実でございます。
 そこで、今非常に身近な問題ですが、産業廃棄物の量が非常に多くなってきておる。一般家庭廃棄物のような廃棄物よりも、これはもう一けた多い部分で排出されています。また、そのふえ方も非常に早くなってきておる。そういう中で、やはり大量消費というような経済システムを転換していかなきゃならない、私はそう思うわけなんですけれども、これについての通産大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#169
○国務大臣(中尾栄一君) 国民全体というものが再資源化に現在取り組んで、あるいはまた省資源と資源の再利用を織り込んだ経済社会を形成するということは、ある意味においては資源の有効利用を促進するということにもつながり、また同時に快適な生活水準と経済活動を維持し、なおかつかけがえのない地球を廃棄物による環境悪化というものから守るために不可欠であると考えておる次第でございます。
 このためには、行政、産業界はもとより消費者の幅広い協力に支えられました国民全体の運動によりまする問題解決を図っていくことが、これまた肝要であると考える次第でございます。
 通産省としましても、従来から省資源、省エネルギー対策というものを実施してきたところでございますが、今後も再生資源の利用の促進に関する法律の施行を含めまして、再資源化のなお一層の推進等各般の対策に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#170
○古川太三郎君 リサイクル法で、生産、流通、それから消費、処分というところから、川上に上がるような形で方向は転換されてはきておりますけれども、せっかくそのような方向の転換でありながら、今度の廃棄物処理施設の緊急措置法とか清掃に関する法律というふうなものを見てみますと、各自があるいは自分の区域で自分で処理していかなきゃならぬ、そういったことが大きく変わったように感じて、広域で処分するような、こういう発想のむしろ逆の転換、発想が逆になっているんじゃないかというように思うんですけれども、こういったことについてはいかがお考えですか。
#171
○政府委員(鈴木英夫君) 委員御指摘のように、ただいま事業活動に伴って排出される産業廃棄物の排出量というのが増加傾向にあるわけでございますけれども、我が国の国土が狭いということに加えましていろんな問題がありまして、特に大都市圏を中心といたしまして廃棄物の処分場の不足でありますとか、いろんな問題が深刻化しておるわけでございます。
 私ども通産省でも、通産省の政策の柱の一つに、やはりゆとりと豊かさのある生活環境の整備ということが非常に大事だという認識を持っておりまして、こういう廃棄物の問題を解決していきますためには、私どもといたしましては、やはり工場から発生します廃棄物の再生利用の促進ということを通じまして、極力再資源化をして、社会に負荷をかけないような社会を構築していく、そういう努力をしていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#172
○古川太三郎君 今、国土が狭いとか、あるいは都会だから、田舎の方にそういった処分場をつくれというような発想は、これは先ほどの生産、流通、消費、処分というところの川下だけの議論で、まあ日本は確かに国土は狭いです。しかし、そういった発想をすれば、今度は、日本の国土は狭いから国外へ捨てればいいじゃないかと。これは、今ずうっと大臣の答弁にもありましたように、これは日本の非常にわがままな考え方で、それは日本の国内でも是正していかないと、また日本はたたかれる。こういった行儀の悪いことであってはいけないと思うんですが、そのことについて真剣に考えていられるのかどうか、もう一度お伺いします。
#173
○政府委員(鈴木英夫君) 先生御指摘のとおりでございまして、たまたま国土が狭いというようなことを申し上げて失礼をいたしましたが、生産、流通、いろんなサイクルの中でやはり川下と川上両方で最大限の努力をするということが大変大事だというふうに思っております。今厚生委員会で御審議いただいております廃掃法は主としてその川下の方でございますけれども、私どもはいわゆるリサイクル法で川上の方の努力も最大限行うことによりまして、全体として廃棄物の処理が順調にいく。捨てるために海外に持ち出すというようなことはもちろんそういうことがないように、技術と英知をあわせましてこの問題を解決していく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#174
○古川太三郎君 自分の地域のものは自分の地域内で処分するのが原則だということが広域処分に転換していきますと、これはどうしても歯どめが効かなくなる。捨てられる方にすれば、これは嫌だと言う、拒否するむしろ権限がないわけなんですね。それは、いろいろと環境の問題だとか、あるいは一定の基準はこれからおつくりになるでしょうけれども、基準以上のものを要求してこれは嫌だと言う、拒否することができない。まあ違法性を挙証責任があるというような形で、捨てられる方の側としての論理が全然貫かれていない法案だと私は思っておるんですけれども、そういったことの関係ではどうお考えになりますか。
#175
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、そういう捨てる方の立場、捨てられる方の立場の両方を勘案いたしまして、結局のところ、やはり極力廃棄物を出さない社会といいますか、再生資源を利用するようなそういうリサイクル社会を構築することによって、この問題を解決していくということが非常に大事ではないかというふうに考えております。そういうリサイクル社会の構築のために、いろんなプラント類への補助でありますとか、金融あるいは財政上の助成措置も行っておりますし、あるいは省エネ等も通じまして、そういう産業廃棄物を少しでも減らしていくというようなことで対応をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#176
○古川太三郎君 具体的に申しますと、私は福井県の出身でございます。それで、今もう日本じゅうで有名になりましたけれども、ごみの最終の廃棄場ができました。それで東京とか関西からどんどんとごみが入ってまいります。それが捨てる方の姿が全然見えない。捨ててもいいよという契約もせずに、確認もせずに捨てる部分が相当ある。これは企業でも多いしまた自治体にもあるわけなんですけれども、捨てちゃ困るという論理で貫かれた廃棄場というものの許可基準がいま一つこれは突っ込んでなされていない。だから、不法投棄とかいう言葉はどういう概念になっているのか、そのことについてちょっとお答えいただけませんか。
#177
○政府委員(鈴木英夫君) 特に敦賀に大都市圏の廃棄物が大量に持ち込まれているというような御指摘もございます。ただ、基本的には廃棄物処理は、私はやはり排出者とそれの処理をなさる方との合意に基づいて形成されるべきものだというふうに考えておりまして、つまり不法投棄というようなことではなくて、やはり話し合いによってそういう処理体系を構築していただくということがベストではないかというふうに考えている次第でございます。
#178
○古川太三郎君 合意がない場合には、それは不法投棄というような概念ができますか。
#179
○政府委員(鈴木英夫君) ただいま御審議をいただ。いております廃棄物処理法に処理の規定が二ざいますけれども、そういう規定に基づいて適正に処理されているかどうかということが不法投棄であるかないかということの定義になるというふうに考えておるわけであります。
#180
○古川太三郎君 私が聞いているのは、その確約書をつくるように行政指導なさるでしょうけれども、しかしそれは、もう行政指導というのは証券町題でもはっきりしましたように、なかなか業者もそういったことは破ってくる。これはもう裁判でも、宇都宮の裁判所でしたか、ありましたね。もう判例も出ています。そういったことで、せっかく通産省なりが行政指導されても不法投棄は減らなくなる。
 そうなってきたときに、それが不法投棄だと法律に書かれていれば、要するに契約のないところには捨てちゃいけない、私はこれは原則だと思うんです。原則というよりも、もう道徳というようにも思う。証券の補てん問題が、こんなものあってはならないことが起こっているわけなんですね。そういう世の中でありますから、ごみ問題なんてもっと簡単に、あってはならない、道徳さえ守れないようなそういうことからごみ戦争なんて言われでいることだと思いますけれども、そういう約束がないのに捨てる、この場合に違法投棄だと言ってもらえるかどうか、そこをお聞きしたいんです。
#181
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、約束があるといいますか、むしろ廃掃法の方は、先ほども申し上げましたように、私どもの川上でのいろんな製造業サイドでの努力と、それから下流部門での廃棄物処理の努力、これが廃掃法でございますけれども、この二つが車の両輪になって全体のリサイクルシステムあるいは廃棄物処理システムが完成をしていくというふうに考えておりまして、この廃掃法の中で廃棄物処理については新たにいろんな制度を設けまして現在御審議をいただいているところでございますので、この新しい廃棄物処理の考え方に基づいてやはり廃棄物の処理がなされていくということが必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#182
○古川太三郎君 時間もないですので、今ごみの適正な処理のコストというものをやはり企業にしっかりと植えつけなきゃならぬ、私はそう思うんです。そういう中でも、デポジット制度とかいうものが導入されていない現状でございますから、これから通産省として、企業にどういう姿勢で、これはそういう行政指導をなさるだけでは済まされないので、むしろそれがコストにかかってくるような形にでもしない限りリサイクルというのは回っていかないと思うんですが、そこら辺企業に対してどういう態度でお臨みになるか。それから、経済循環みたいな形で、どこにコストを入れていったらいいのか、そういったことのお考えがあればお聞きしたいと思うんです。
#183
○政府委員(鈴木英夫君) 去る四月に御審議をいただきまして再生資源利用促進法というのができ上がったわけでございますけれども、これが十月にいよいよ施行になるという段階になっております。その中で私ども、先生御指摘のように経済原理だけで再生資源利用あるいはリサイクルの問題を解決するのは非常に難しいということでありまして、原材料使用でのリサイクルを高めますでありますとか、あるいはリサイクルが可能となるような製品の構造、材質を工夫してもらうでありますとか、あるいはリサイクルに役立つような分別回収のための表示をしてもらうというようなことで、これはいずれも製造業にとってはコストがかかることでございますけれども、そういう努力をしてもらって企業も負担しあるいは国民の御理解も得るというような形でこの問題に対応してまいりたいと考えている次第でございます。
#184
○古川太三郎君 最後になりますが、四月に成立しました再生資源利用促進法、これはもう半年以内に施行されることになりますけれども、省令、政令、こういった準備はどのくらい進んでいるのか、あるいはまたその内容がどのようなものであるのか、それをお伺いして終わりたいと思います。
#185
○政府委員(鈴木英夫君) 再生資源利用促進法につきましては、ただいま委員おっしゃいましたように十月の施行に向けまして現在政省令の作成等の検討を行っている段階でございます。したがいまして、政省令の内容は現在の段階で必ずしも確定しているわけではございませんが、私どもおよそ次の四点について重要な項目として定めてまいりたいというふうに考えております。
 第一点は、先ほど申し上げました原材料使用でのリサイクル率を高めるという観点から、この法律にございます特定業種といたしまして紙の製造業、ガラス瓶製造業等を指定いたしまして、原材料での再利用の促進を図ってまいりたいということを考えておるわけでございます。
 それから、リサイクルが可能となりますように、設計段階での事前評価でありますとか、材料、構造について工夫をしてもらう。製造の段階でそういう工夫をしてもらうという意味では、自動車及び大型家電製品を指定する予定にしております。
 三番目に、リサイクルに役立つ分別回収のための表示ということでございますけれども、これはアルミ缶とスチール缶の分別が容易になりますように、飲料用の金属缶及び金属缶詰飲料を指定させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 最後に四番目でございますけれども、工場の製造過程での副産物の利用の促進、工場内部でのリサイクルというのをもっと促進をしようということで、これにつきましては、鉄鋼業で発生いたしますスラグでありますとか、電力業界の石炭灰、こういうものを指定いたしまして、それぞれ対応を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 これが現在の政省令の準備状況でございます。
#186
○井上計君 午前から、かなり高度な政治的な問題等についていろいろと質疑が交わされました。私は次元が低い質疑を行いますから、大臣は他に御用事がおありのようで、どうぞ御退席いただいて結構であります。
 廃棄物の問題については、今も古川委員からいろいろと御質問がありまして、また先ほども他の同僚委員からもいろいろとありましたが、現在内政問題の重要な問題の一つは、何といってもやはり廃棄物、ごみ問題だ、このように私も考えております。確かにごみの問題は、一日もゆるがせにできないほど大きな問題になったのは言うまでもありません。ただ現在、ごみ処理について、あるいはごみ問題についてなぜということになってまいりますと、一面では環境保全あるいは自然保護、あるい一は公害問題等々から論ぜられておりますが、また一方で財政的にも大きな問題を抱えておるというふうな、私はそういう認識をしておるわけであります。
 今、我が国で一般家庭用廃棄物は、聞くところによりますと、一人一日平均一キロ強、したがって全国で一日約十三万トンという家庭用一般廃棄物がある、こう言われております。この埋め立てあるいは焼却等の処理に要する費用は、トン当たり四万円だと言われておりますから、驚くなかれ一日約五十二億円を要しておる。とすると、一年間に一兆八千億円でありますから、一兆八千億円という莫大な金をごみの、しかもそれは一般家庭用ごみの処理だけに費やしておる。このほかに約七倍ぐらいと言われる産業廃棄物があるわけでありますから、いかに廃棄物問題が大きな当面の緊急課題であるかということは、もう論をまたぬわけであります。
 そこで、さらに絞りまして局長にお伺いしたいんでありますけれども、先ほどもお話がありましたけれども、先国会で成立をしたリサイクル法について、十月一日からこれが施行されまして、紙とそれからガラスですか、これが指定されていろいろと今省令あるいは政令等について検討されておるようでありますが、この紙の問題、古紙の回収の促進について、さらに古紙利用の状況等について、現在先進国と比べて我が国の状況はどのようになっておるのか、まずお答えをお願いします。
#187
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます、
 紙のリサイクルということを考える場合に、実際に消費された紙のうちどのくらいのものが古紙として回収されているか、簡単に言いますと回収率ということでございますが、これをまず申し上げたいと思います。日本は四八%という数字でございますが、他の国よりは実は大変ぬきんでていいわけでございまして、アメリカ三三%、ドイツ、これは旧西ドイツでございますが、四三%、フランスが三四%、イタリア二六%ということで、この回収をしている率の割合は世界のやはりトップクラスでございます。
 それでは、実際に使われている紙の中にどのくらいの古紙が使われているか、日本全体の消費量のうち古紙の消費量の割合、原料の中でどのくらいのウエートを占めているかということでございますが、これが古紙利用率でございまして、五二%というのが九〇年の数字でございます。米国はこの数字は二七%でございます。旧西ドイツが四五%、フランスが四六%、イタリアが四八%ということで、五〇%を超えている国というのは日本とそのほか消費量の小さい国でございますけれども、これもトップクラスということでございまして、五割近い回収と、実際の紙で使われているものの中の五割以上が再生パルプを使っているということでございます。
#188
○井上計君 我が国の回収率が非常に高い、また再生率が高いということは今御答弁の中で改めて認識をいたしました。
 さてそこで、先ほど申し上げましたけれども、一日一人一キロ強、全国で十三万トンというごみの中に紙のごみと称するものが大体半分程度あるというふうな統計資料があるわけであります。したがって、現在四八%という回収率をもっと高めていくためにはいろんなことが考えられなくてはいけないと、こう思うんですね。それから同時に、回収率を高めても再生率が高まらなければ、これまたせっかく回収した古紙が雨ざらしになって使いものにならない。事実、過去にそういう例もあったわけでありますが、そのようなことになったんでは何もなりませんから、回収と再生とさらに需要というものが適当にバランスがとれなければ、せっかくのリサイクルが何もならぬ、こういうことになってくるであろうと、こう思うんです。
 そのためには、私は一般国民に広く再生紙の需要といいますか、再生紙に対する認識をもっと深めていただく必要がある。現在まだまだ再生紙に対する認識が余りありません。だから、そのようなことについて通産省は今後どのような施策を講じていかれるのか、お考えになっておるのか、それを承ります。
#189
○政府委員(堤富男君) 二点御提起があったと思います。
 一つは、現在四八%である回収率をいかに高めるかということでございまして、これは一般国民、企業、それから官庁、そういうところが自分たちの使った紙をどれだけ回収の方に回すかということでございまして、委員のおっしゃるとおり、これは国民的なやはり努力というものが一あるいは意識というものが非常に重要でございます。もちろん製紙メー力ーにとりましても、今後の森林資源が非常に制限あるものであること、日本の森林資源も制限あるということでございますので、先ほども申し上げましたが、古紙というのが都市の森林資源であるという認識のもとに、可能な限りなるべく古紙の回収をしていくということが必要であろうかと思っております。
 政府といたしましては、具体的にはまず政府広報等を使うということ、それから先ほど申し上げましたように、企業に対してはその使った紙をなるべく回収に回す、そのためのモデル事業というのを東京では昨年十地区をやっておりますが、モデル事業をやっております。それから、一般市民あるいは都市、市町村というレベルにおきましても、この回収ということに対する意識を高めるべく、これも各市町村にお願いをしておる次第でございます。
 そういう形で回収率を高めていくということが非常に必要なわけでございますが、一方で委員御指摘のとおり、回収率というのが上がるということは古紙の供給がふえるということでございます。もし需要のない供給をふやしますと、当然のことながら古紙回収業という業を通じてやる場合には、古紙の値段がどんどん下がって供給過剰になってしまう。そのためには、どうしても需要側の増加をするということがぜひ必要でございまして、需要の拡大というのも大変な私は重要なポイントであると考えております。
 そのためには、我々といたしましてはいろんな施策をしております。まず、通産省も率先してすべてのコピー用紙は再生紙にかえるということでございまして、目には若干よくないような気もすることもありますけれども、率先してやらせていただいておりますし、中央官庁では最近再生紙を使用するところが大変ふえております。政府広報におきましても、再生紙の使用を進めるということで大変御協力をいただいておる次第でございます。
 もう一つ具体的なことを申し上げますと、古紙再生促進センターというところを通じまして、実はグリーンマークというものを出しております。これは生徒が、学生が使いますノート、学習用紙、そういうものにグリーンマークをつけてございますが、このグリーンマークを三百枚集めますと十本の苗木を進呈するというようなことで、子供のごろからその再生紙に使いなれをする、あるいは再生紙というのが最終的には日本の森林資源にどんなに大きな影響を与えているかということを理解していただくというようなこともやっておる次第でございます。おかげさまで、かなりの再生紙の使用の状況が上がってきております。
 段ボールというのはもともとこれはほとんど一〇〇%再生紙でございますが、新聞につきましては、数年前からでございますが、全部再生紙になっております。新聞の輪転機の速さは御想像いただけると思いますけれども、あそこで紙切れしないということを技術的に乗り越えまして再生紙の活用を図っておるわけでございます。これがあったからこそ、私たちは利用率が五割に達成したというふうに考えられるくらい新聞のまた御協力もいただいた次第でございます。一般的に印刷用紙がございます。印刷用紙というのは、そこにございますいろんな本もそうでございますが、例えば週刊誌等は四割ぐらいの混入率になっておりますが、子供のよく読む漫画本は一〇〇%ぐらい使っておりまして、そういう形でだんだん意識が向上してきておることを喜んでおる次第でございます。
 今後とも、再生紙を使う人が知恵のある人である、環境に優しい人であるというような意識をぜひ持っていただくということが必要かと思っております。
#190
○井上計君 再生紙がかなり利用されておる、また理解が深まっている、また深めるためにざらに努力をされる、大変結構であります。
 今局長お話しのように、新聞紙あるいは雑誌等々については一〇〇%使用されております。最近特に、このほかに名刺だとかその他のものに再生紙を利用しておりますと、この紙は再生紙と書いてあります。そうすると、一般の人は名刺でも印刷用紙でもみんな一〇〇%再生紙だと思っている人が多いんです。だから、それらについての認識も変えていかないと、恐らくこの席の同僚委員でもこれは再生紙を利用してありますと書いてあると一〇〇%再生紙だと思っておられるんです。これは、私も実はそう聞いておるんですが、なかなか現実は技術的にもそうはいかないんだということもやはり国民に知っていただかなくちゃいかぬですね。
 それから、皆さんお疲れですから私もこれでやめますけれども、最後に、先ほど古川委員の質問に対する立地公害局長の御答弁の中にありましたが、まずむだな物を生産しない、これが確かにごみを減らす一つの方法ではあるんです。ところが、ここでただ単にむだな物、むだとは何ぞやということになりますけれども、生産を減らせば確かに廃棄物は減ります、簡単に言って。
 ところが、現在の状況を考えますと、これは私なりの考え、私はまた粗っぽい考えでありますけれども、先ほど申し上げましたように一般家庭用廃棄物だけで年間約一兆八千億円の金を使っておるんですが、目方にして一日十三万トン、それからその約七倍と言われるような産業廃棄物があるわけです。それらのものをトータルしますと、仮にそれを全廃したとするとどれぐらいのGNPが減るかということなんです。よくわかりません。
 もちろん、こんな数字は出ませんけれども、生産と流通とそれから販売と、さらには廃棄と廃棄処理、これを入れると莫大な金額だと思うんです。恐らく三十兆円を超えるんじゃないでしょうか。ということは、現在のGNPの七、八%になるわけですね。もちろん全廃することは不可能ですけれども、仮にそれが半分減ったとすると約二十兆円、GNPの五%ぐらいに当たります。とすると、日本経済は途端にマイナス成長になるわけです。
 ですから、生産を減らすことももちろん考えなくちゃいけませんけれども、景気の動向を考えながら、問題は要するに廃棄物を減らす、出た物をできるだけリサイクルするという方向に持っていかないと大きなまた別の問題が発生するおそれがある、私は個人的にはそんなことを考えておるんですが、これは特に質問ということじゃありません。
 したがって、今後ともリサイクルについてはさらに、リサイクルは紙だけじゃありませんけれども、拡大をしていく、そういう中でコストアップの問題もいろいろありますけれども、いわば生産あるいは流通、加工、経済の動向にそういうふうな面での支障がないような形で廃棄物の処理、それからリサイクルを進めていく必要があるんではなかろうか、こんなふうに考えております。
 まだ時間は余っておりますが、皆さんお疲れですからこれでやめますけれども、今私が申し上げたことについて何か局長お考えがあればお答えいただければ結構です。なければもうそれで結構でございます。
#191
○政府委員(堤富男君) 大変に御意見承りまして、我々狭い分野で紙の分野を考えております。紙の分野でなるべく需要を抑制すれば廃棄物は少なくなるということでございますが、一方で紙の消費量は文化のレベルをあらわすものであると子供のころ教えてもらいましたが、したがって、紙の需要を抑制するということは文化を抑制することにもなりかねないという気もしております。
 先ほどお話がございましたが、再生紙というのがどのくらい使われているかというのと、再生紙がどのくらいの古紙を使っているかということは別でございます。
 例えば、私きょう名刺を持ってまいりましたが、今名刺に再生紙を使用しているのは大体数十%だと思いますが、(名刺を示す)実際に使われておりますのはこの白い紙の方でございまして、これは古紙が約六割ぐらい入っております。一〇〇%となりますとこういう色になります。したがいまして、六割ぐらいならお使いいただけるんじゃないか。これまでいくと、かなり覚悟して使っていただかないと使っていただけないということもございます。そういう需要動向をどこまで人為的に押しつぶしていくかというのも問題でございます。
 例えば、印刷用紙というのを先ほど申し上げましたが、新聞紙でございますと、再生紙の利用率はほぼ一〇〇%でございますが、では新聞の中に幾ら古紙が入っているかというと五割弱でございます。これをでは六割にしたらどうかということになりますと、あの高速な輪転機で紙切れをせずに一分間に千メートルも印刷するというようなあの速さに耐える新聞紙を供給するためには、やはりこれは技術的な限界だと言われております。
 したがいまして、そういう需要動向等も全部合わせた中で最大限のことをやっていくというのがこのリサイクルの紙についての運動ではないかと思っておりますので、大変きょうは御理解をいただいてありがたいと思いますが、最後に蛇足でございますが、ぜひ先生方も名刺は再生紙でお願いしたいと思います。
#192
○委員長(岩本政光君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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