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1991/09/26 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 農林水産委員会 第2号
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1991/09/26 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第121回国会 農林水産委員会 第2号
平成三年九月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 八月十七日
  委員本村和喜君は逝去された。
 八月二十日
    補欠選任        大塚清次郎君
 九月十一日
    辞任         補欠選任
     大渕 絹子君     菅野  壽君
     山中 郁子君     林  紀子君
 九月十三日
    辞任         補欠選任
     菅野  壽君     大渕 絹子君
 九月二十五日
    辞任         補欠選任
     谷本  巍君     喜岡  淳君
 九月二十五日
    辞任         補欠選任
     喜岡  淳君     谷本  巍君
      ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永田 良雄君
    理 事
                鎌田 要人君
                北  修二君
                菅野 久光君
                三上 隆雄君
                井上 哲夫君
    委 員
                青木 幹雄君
                大塚清次郎君
                能谷太三郎君
                鈴木 貞敏君
                初村滝一郎君
                星野 朋市君
                一井 淳治君
                大渕 絹子君
                喜岡  淳君
                谷本  巍君
                村沢  牧君
                刈田 貞子君
                林  紀子君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   近藤 元次君
   政府委員
       警察庁刑事局保
       安部長      関口 祐弘君
       外務省経済局長  林  貞行君
       農林水産大臣官
       房長       馬場久萬男君
       農林水産省経済
       局長       川合 淳二君
       農林水産省構造
       改善局長     海野 研一君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     上野 博史君
       農林水産省畜産
       局長       赤保谷明正君
       農林水産省食品
       流 通 局 長  武智 敏夫君
       食糧庁長官    京谷 昭夫君
       林野庁長官    小澤 普照君
       水産庁長官    鶴岡 俊彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        片岡  光君
   説明員
       公正取引委員会
       取引部景品表示
       指導課長     伊東 章二君
       大蔵省主計局主
       計官       田谷 廣明君
       大蔵省関税局輸
       入課長      栃本 道夫君
       農林水産省経済
       局統計情報部長  須田  洵君
       通商産業省生活
       産業局通商課長  木村 文彦君
       建設省都市局部
       市計画課長    林  桂一君
       自治省税務局固
       定資産税課長   堤 新二郎君
      ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (当面の農林水産行政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 本委員会委員本村和喜君は、去る八月十七日、逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。
 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の念を表しまして御冥福をお祈り申し上げたいと存します。
 とつそ御起立をお願いいたします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(永田良雄君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(永田良雄君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一日、山中郁子君か、また、昨二十五日、谷本巍君が委員を辞任され、その補欠として林紀子君及び喜岡淳君かそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(永田良雄君) 農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○大渕絹子君 おはようございます。
 大臣におかれましては、訪欧されまして、ガットのダンケル事務局長とお会いになりまして、日本の米の事情について詳しく会談をされてきたことに対しまして、心から御苦労さまでございました。そして、このダンケルさんとの会談を通しまして今後の未市場開放問題について大臣か率直に感じられたことをますお聞きしたいわけです。
 けさの新聞報道によりますと、農業補助金の妥協かアメリカとECで図られた場合には非常に厳しい状況を迎えるてあろうというような報道もなされている中でございますか、ダンケルさんと会われて率直にどういうふつにお感じになられたかお聞かせをいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(近藤元次君) 先般、国会のお許しをいただいて、十三日にジュネーブてダンケル事務局長にお会いをさせていただきました。私がダンケル事務局長にお会いをしたいと考えましたのは、ことしの初め議長交代ということてダンケル事務局長か農業交渉の議長ということに就任をされてから今日まで、我が国の閣僚レベルで、正式に議長という立場でお話をする機会がなかったものですから、たんだんと技術レベルの会議が進んで、十月末ないし十一月には取りまとめをしようというような情報か入ってまいりましたので、取りまとめる前には我が国の立場を少なくとも整理をしてきちっと申し上げておく必要がある、そう考えましたので出張させていただきました。従来からの農業における我が国の方針、そして諸先生方からいろいろ御毒見をいただいたり国会決議等を踏まえたことをきちっと整理してダンケル事務局長に伝えでまいりました。
 もう一つは、食糧安保について今日までの技術レベルの会合の中で少しも議論がされていませんので、どうしても食糧安保、基礎的食糧というものの議論はぜひ進めてほしいということをお話し申し上げました。関税化の方向に流れておるということの情報が入ってきておりますけれども、関税化について我が国はいかような関税でも対応できません、とりわけ基礎的食糧、生産調整をしておるようなものを関税で扱うということは極めて困難ですとお話を申し上げました。
 それから、技術レベルの会合の中で、どうも三分野の中で輸出補助金の議論が非常におくれておるように思うので、国境措置なり国内支持についても、輸出補助金が先行して議論をして進んでいかないと後の対応が合意できないんではないのか、ですからもう少し積極的に輸出補助金についての議論を進めていただきたい。
 もう一つは、一九八六年からスタートしたウルグアイ・ラウンドが、我が国は極めてまじめに大変な努力をして今日を迎えております。しかし、主要国と言うべきような大国が逆行して輸出補助金を増額したりいろんなことをしておるではないか、一体いつの年度をもって国内支持の削減をしていくという方向を出すのか、そのクレジットが大変大事な問題だと認識をしておりますので、そこは我が国としては一九八六年、これをスタートさせた、約束をした時点を基準年とするべきであるということを申し上げてまいりました。そういうことをお話をさせていただいて帰ってまいりました。
#8
○大渕絹子君 大臣は、帰国された新聞のインタビューの席で、政治的判断で一気に転がるおそれがあるというような発言をなさっているというふうに書かれておりますけれども、これは具体的にどういう中身を指すんでしょう。
#9
○国務大臣(近藤元次君) 前の国会でも答弁もさせていただいたし、私はかねがねそう認識をいたしておるわけであります。今の段階では各国とも自国の立場なりグループの立場を代表して今主張を述べ合っておるというのが今日までの技術レベルの会合でございました。まだ本格的な交渉という話し合いには進んでいないと認識をしておるわけですが、もう五年もこの問題を取り上げてきておるわけですから、どこの国がどういう問題を抱えて、どこのグループがどういう主張をしておるかということはテーブルの上に全部出て、議長としてもあるいは参加国みんなが認識をしておるわけですから、この問題が譲り合い交渉の場でいくとすれば、まあ問題点がはっきりしているだけに、やる気があればやれる。困難性があるからやりにくいという面もありますけれども、そこのところがどう展開をしていくかということは私ども注意をしてきちっと見ていかなければなりません。常々諸先生方からも、私も認識をしておるアメリカとECの対立というこの二大大国なり一つの大きなグループが対立をしておることであって、話が進んでいくということになるとかなりこれが前進していくんではないかということは警戒もしなきゃならないし、注目をしていなきゃならぬことでありますと、この意味を持って私がそう話をしたわけでありまして、決して私が足かな情報をつかんでおるわけでもないし、だれが考えても、私が言っているようなことは諸先生方も認識は等しかろうと思うわけでありまして、そういう意味合いで私はお話を申し上げたわけであります。
#10
○大渕絹子君 食糧安保論についてダンケルさんは、備蓄とか、それから輸入の多角化、輸入協定のような方法で対応できるから、必ずしも日本の食糧安保論に対して是認をするような、同調するような感触ではなかったと言われています。私は当然今まで農水省サイドでも訴えられてきたこととは思いますけれども、きょう改めてもう少し違った視点でこの自由化について日本の立場というようなものを訴えていただきたいということの中で質問をちょっとさせていただきたいと思っています。
 まず、耕作面積の拡大が非常に停滞をしています。新たに開墾をされる耕地が少ないという中でなんですけれども、過度の放牧とか森林の過伐、それから塩類の蓄積による砂漠化などによって、砂漠化をしている面積は年間に六百万ヘクタール、それから経済生産力がゼロとなる面積は年間で二千百万ヘクタールあると言われていますけれども、この数字について農水省、おおむね正しいでしょうか。
#11
○政府委員(川合淳二君) 今御指摘のような数字がFAOなどから発表されております。
#12
○大渕絹子君 こうして年間に二千七百万ヘクタールも砂漠化が進んでいって耕作ができない状況にあるということの事実を今認めていただいたわけですけれども、それに対しまして人口の増加というのは大変すごい勢いで広がっています。一九九〇年、昨年度ですけれども、五十二億九千万人だったのが、これから十年の間に六十三億人に増加するというふうに見込まれています。そうしますと、人口一人当たりの耕作面積は穀物収穫面積でおよそどのくらいになるか、農林省では試算をされていることがございますか。
#13
○政府委員(川合淳二君) ちょっと今手元に資料を持っておりませんので詳細申し上げられませんが、私どももそうした試算もやっております。
#14
○大渕絹子君 その試算によりますと、一九六三年には一人当たりの耕地面積が二十一アールあったんですね。一九八七年にはこれが十四アールに減少している状況でございます。
 日本が輸入している穀物を生産するために必要な海外の作付面積等の試算、これも行っておると思いますけれども、どのぐらいになりましょう。
#15
○政府委員(川合淳二君) 私ども試算しておりますが、これは計算の仕方がいろいろございますが、現在、日本の耕地面積は約五百五十万ヘクタールでございますが、それを上回るものだというような試算もございます。
#16
○大渕絹子君 農林省で出された試算の中で書かれておりますのは千二百十二万ヘクタール、こういう数字が出ておりますけれども、これを仮に信ずるといたしまして、こういう状況の中で日本人が輸入する穀物を外国でそれだけの収量を上げるにはどれだけの耕地面積が要るかということで試算をされた表なんですけれども、それによりますと、これだけ膨大な土地が日本の穀物のために今使われているということになります。
 さらに、日本の国内では耕作の放棄地ですね、もう耕作ができないというか、過疎が進んでいく中で見捨てられている農地というのが非常にふえているわけです。その放棄地が大体どのぐらいになっているかという数字を教えていただきたいと思います。
#17
○政府委員(馬場久萬男君) 耕作放棄面積というのは、私ども平成二年で報告を各県から受けたところですと約十五万ヘクタールというふうに聞いております。
#18
○大渕絹子君 五年前の数字をお願いします。
#19
○政府委員(馬場久萬男君) 恐縮ですが、今手元にございませんので、後ほど。
#20
○大渕絹子君 五年前は九万三千ヘクタールと言われています。五年間で五万八千ヘクタールという増加があるわけです。こうした日本の事情、耕地面積が非常に少なくなっているという国内事情がございます。世界の人々と共生するという視点から見るとき、日本の農地は非常に豊かに作物を生産することができる条件をそろえています、気象的にも。これ以上食糧を外国に頼ることはできないわけでございます。そういう観点からこのウルグアイ・ラウンドの場で日本の主張をされたことがございますでしょうか。
#21
○政府委員(川合淳二君) 今お話がございましたように、世界の食糧事情はある意味では地域的な過剰生産と不足との併存ということだろうと思っております。ウルグアイ・ラウンドの場は、何と申しましても貿易の側面から議論がなされておりますので、ともすればそうした不足問題につきましては議論がなされない傾向にございます。
 御承知のように、ウルグアイ・ラウンドのそもそも始まりました契機が、八〇年代におきます先進国等を中心といたします過剰に基づきます貿易秩序の混乱というところから来ておりますので、どうしてもそういう問題に議論が集中しからでございます。しかしながら、我が国といたしましては、農業の、これは各国ともどもでございますが、持っている多面的な機能あるいは今御指摘のような不足の問題ということから安全保障というような考え方を中心とした提案ないしは主張をしているわけでございます。
 その中で、現在ウルグアイ・ラウンドで議論されている視点といたしましては、輸出補助金という一番大きなテーマがあるわけでございますが、その裏腹といたしまして最貧国と申しますか、発展途上国の中で一番恵まれていない国につきましては、むしろ輸出補助金のついた安い農産物を受け入れるということはそれなりの意味があることでございますので、そうした面で食糧援助というのをどうするかというような議論、そうした視点での議論がなされているのがウルグアイ・ラウンドの場でございます。しかしながら、先ほど申しましたように、我が国といたしましては輸入国の立場、それから発展途上国などの立場も考えまして食糧安全保障というような中心的な概念を持ちまして交渉に臨んでいるところでございます。
#22
○大渕絹子君 もう一つの観点は、米の外圧といいますか、米をあげるという議論というのはアメリカから起こってきたと私は認識をしているわけなんです。そのアメリカがなぜそのようなことを強力に言っているかというと、日本の貿易黒字が根源にあるわけです。一昨年、一九八九年の数字なんですけれども、日本の輸出額は二千七百三十九億ドル、輸入額は二千九十七億ドル、六百四十二億ドルに上る貿易黒字が出ています。
 それではこの中で農産物の占める割合というのはどのぐらいあるかといいますと、輸出額が十億ドル、輸入額では二百九十億ドルとこの農産物に関しましてはもう本当に貿易赤字国なんです。日本は二百八十億ドルも赤字ということになるわけです。こういう観点から私たちは主張してほしいわけなんです。通産省サイドあるいは企業生産サイドで貿易黒字を出した分について農林省サイドでそのツケを払う必要はないと思うわけです。そういう中で、ぜひここは通産省サイドからこの貿易黒字について是正をする方向というのを明快に示す中で米に対する圧力というのをやめてほしいということを主張してほしいわけですけれども、この観点はいかがでしょうか。
#23
○政府委員(川合淳二君) 私ども農業交渉に臨んでいる基本的な立場といたしまして、我が国が世界最大の農産物の純輸入国であるということを常に踏まえて交渉に臨んでいるわけでございます。
 御指摘のように、全体としての貿易問題はさることながら、農産物については世界最大の純輸入国でございます。数次にわたります努力によりまして開放体制という意味でも進んでおりますので、そのことを踏まえて交渉に臨んでおります。したがいまして私どもは、交渉の結果がどうなるかはこれからの問題でございますが、我が国のような輸入国の立場が十分反映されるようなそういう成果を得たいということで全力を挙げているわけでございます。
#24
○大渕絹子君 大臣も先ほど強い決意で関税化には応じられないということでお答えをいただいているわけですので、これから大変な局面を迎えると思いますけれども、ぜひ私たちも頑張りますので一緒に頑張っていただきたいと思います。
 米の自由化問題が国外にある一方で、日本の国内では今大変にせブランド、新潟コシヒカリのにせものが出回っているということで新聞等で取りざたされているわけですけれども、そのことについてお聞きをしていきたいと思います。
 まず、今回のこの事件に入る前に少し前段にお聞きをしておきたいことがございます。新潟コシヒカリの流通量というのは、一説によりますと生産量の三倍ほど出回っているんじゃないかと言われていますけれども、実際に自主流通米の中に占める新潟コシヒカリの比率はどのぐらいになりますでしょうか。
#25
○政府委員(京谷昭夫君) お尋ねの点でございますが、平成二年産の米について推計をいたしますと、いわゆる自主流通米の全国の集荷量、これは検査済み数量でございますが、約四百二十九万トンでございます。そのうち新潟ユシヒカリとして格付されておるものの検査数量が三十一万トンと掌握をしておりまして、比率的に見ますと約七%に当たるということでございます。
#26
○大渕絹子君 七%。ちょっと私の数字と違うんですけれども、まあいいといたします。
 そうすると、国内の米の流通量なんですけれども、自主流通米、それから政府米、そして自由米と言われるいわゆるやみ米、これの数量をちょっと教えていただけますか。
#27
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま御指摘になりました政府が管理している米といたしまして、自主流通米と政府が直接売買に関与する分の二つがあるわけでございますが、平成元年十一月から平成二年の十月までの実績で申し上げますと、政府が直接売買に関与しますいわゆる政府米が百八十九万トン、それから自主流通米で約四百十三万トン、合わせて六百二万トンということになっております。
 それから、三つ目に申されましたいわゆる自由米の世界につきましては、実はまさに不正規流通ということで正確な数値は私ども掌握しかねるわけでございますが、私どもの行っております生産者の米穀現在高調査というのがございますが、この調査結果から不正規流通米と見られる有償譲渡米の数量は、大変大ざっぱに推定をしますと、大体五十万トン程度の数量が推定をされるわけでございますけれども、この数値も大変不確実なものでございます。率直に申し上げまして、いわゆる自由米というものが数量的にいかなる程度にあるのかということは、私ども正確には掌握しかねるという状況でございます。
#28
○大渕絹子君 時間の関係でもう少し率直に早くちょっとお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 先ほど流通量はどのくらいかという問いに長官は四百二十九万トンと答えたんですよ。今自主流通米が四百十三万トン、政府米が百八十九万トンというふうにお答えになって、全く整合性がない数字をこういう席でちゃんと答えられること自体私は不信に思います。
 私の入手した資料によりますと、新潟コシヒカリの全体に占める割合というのはわずか四%しか流通していないということでございます。そして、国内の流通量の総数量を申し上げますと、自主流通米がおよそ四百万トン、政府米が百七十万トン、そして自由米と言われるやみ米が二百から二百五十万トン出回っていると言われています。こういう状況の中で、三分の一が自由米としてやみからやみに流れているという実態をどうぞ認識しておいてほしいと思います。
 そういう認識の中で、農林水産省は、小売店レベルでの米の産地別とか銘柄別流通量の調査などやったことがあるでしょうか。やったことがあったとすれば、その結果等についてお知らせください。
#29
○政府委員(京谷昭夫君) 恐縮でございますが、御指摘のございました小売段階におきます細かい銘柄別の流通量については、私ども掌握をしておりません。
#30
○大渕絹子君 承知をしていないということは、検査を行ったことがないということでございますね。そういうふうに認識をさせていただきます。
 それではその次に、公正取引委員会の方にちょっと来ていただいていますけれども、不当景品類及び不当表示防止法の第四条では、商品の品質、規格その他の内容について、実際よりも著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示はしてはならないことが定められています。これに違反する行為に対しては、公正取引委員会の排除命令や都道府県知事の指示によってこれを是正することができるとなっ
ていますけれども、この不当景品類及び不当表示防止法によって米の表示について是正をさせたという実例があるかどうか。そして、米の表示というものに対して公取委としては関心を持っているか、これから調査をする対象としているかどうか、そこらを。
#31
○説明員(伊東章二君) 先生今御指摘のとおり、景品表示法では、第四条第一号におきまして、商品の品質、その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれのあると認められる表示を不当表示として禁止しているところでございます。
 したがいまして、一般消費者向けに表示されます米の銘柄あるいは産地等につきまして実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認される表示が行われた場合には、それは不当表示となるわけでございます。
 ただ、現在問題になっておりますにせ米事件といいますか、それについて申しますと、流通業者向けに販売される米の表示の問題でございまして、直接に一般消費者向けになされたものではないという場合が多いわけでございまして、こういう場合に一般消費者に誤認される表示が行われたと見るかどうかということにつきましては実態を見て判断する必要があろうかと思っております。
 ただ、景品表示法で不当表示にならない場合でも、独占禁止法で商品等の内容あるいは取引条件につきまして、実際のものよりも著しく優良であると顧客に誤認させることにより顧客を不当に誘引することを不当な取引方法として禁止しておるということでございまして、競争に与えます影響の程度によっては欺瞞的な顧客誘引として独占禁止法の違反になるということでございますが、そういう観点から、我々はいろんな情報あるいは一般消費者からの情報提供等も受けて、具体的な違反事実の情報の提供があれば、景品表示法あるいは独占禁止法として調査する所存でございますが、今までに違反事件として取り上げた事件は現在のところございません。
 以上でございます。
#32
○大渕絹子君 聞くことに端的に答えてほしいわけです。これから調査をする計画があるかどうかとさっき聞いたわけです。
 店頭に行きますと、新潟コシヒカリ一〇〇%という明示の中で大変たくさん積まれています。先ほど計算した数字でいきますと、百袋あるうちの中のたった四袋がまさに新潟コシヒカリで、これしか流通していないのに、米屋さんの店頭に行きますともう山のように新潟コシヒカリが積まれているというような状況の中で、これは明らかに中身と外見が違うということはだれが見てもわかるわけなんです。消費者を守る立場である公正取引委員会がそういうことに対して立入検査を今までもやってこなかったし、これからもやる姿勢がないということに対して非常に私は不満を覚えます。そのことについてこれから取り組んでいくか。今回のにせ米事件のことを私は言った覚えはありません。
#33
○説明員(伊東章二君) 公正取引委員会といたしましては、銘柄、産地等が実際のものと異なっている等具体的な事例に接した場合には、所要の調査を行って景品表示法に照らして厳正に対処してまいる所存でございます。
#34
○大渕絹子君 これちょっと古い資料になりますけれども、一九八九年に暮しの手帖というところがコシヒカリの中身は本当に一〇〇%だろうかということで調査をした資料がございます。この資料によりますと、実際の店頭から買ってきたサンプル二十袋の中で十三袋が明らかに新潟コシヒカリとは違うというそういう検査結果が出ているんですね。米の鑑定については非常にまだ難しい状況の中で、定かに鑑別ができる状況でないということは十分承知をしているわけですけれども、コンピューターが発達をしたり、あるいは食味計などが開発をされていく中で、鑑別は必ずしも不可能ではないということの中で、ぜひこういう調査にも取り組んでいただかなければならないと思っています。
 農林水産省としては、こういう立入検査といいますか、店先、小売店、消費者に渡る直前の検査について御関心をお持ちでしょうか。
#35
○政府委員(京谷昭夫君) 小売段階におきます銘柄表示が、表示と内容が一致しているような状態にしておくということは商品の信頼性を確保する上で大変大切なことであるというふうに考えております。表示法につきましては、一定の基準のもとで都道府県知事が表示法を決めて、これに従うように指導をしておるところでございます。
#36
○大渕絹子君 前向きに消費者保護のための検査体制というのを確立していただかなければならないわけですけれども、ここで一つ問題があります。農林物資については、品質に関する適正な表示を行わせることによって、一般消費者の選択の助けとなるためにJAS規格というのが設けられています。JAS製品については、農林水産省の農林規格検査所が市販品について買い上げ検査であるとか店頭検査を行っていますけれども、米についてはこうした検査というのが生産者から卸売業者に渡る前のところで、入荷させるところで検査が行われていますけれども、それ以外米についての検査機関というのが全く今整備をされていない状況なんです。この生産者の米の売り渡し前の検査だけではとても消費者の保護というのはおぼつかないんではないか、こう思うわけでございますけれども、その点はどうでしょうか。
#37
○政府委員(京谷昭夫君) 御指摘のとおり、米につきましては、集荷段階で農産物検査法に基づく検査を行っておりまして、消費者段階で販売されるものにつきましては、先ほど申し上げました銘柄の表示について内容等のチェックをするという意味で第三者検定機関を使いまして、そのチェックを自主的にするような仕組みを持っております。これは銘柄について、物に即して調べるということはなかなか技術的に難しい点もございますので、原料に使われている米の入荷状況、それのいわば利用状況というものをチェックして、表示が内容と一致しているという点検をしておるような仕組みでございます。
#38
○大渕絹子君 さっきその件を尋ねたときには、そういう検査は余りやっていないような御答弁だったんですけれども、それではそういう機関というのはあるんですね。
#39
○政府委員(京谷昭夫君) ある種の自主検査という仕組みで穀物検定協会という機関を通じてそのチェックを、限界はございますけれども、大型搗精工場については行うことができるようになっております。
#40
○大渕絹子君 できることになっているけれどもやっていないということだと思いますけれども、農産物検査法の第二十条の二に、農林水産大臣は、販売業者や加工業者に対して省令の定めるところにより必要な事項の報告を求めたり、事務所や事業所に立入調査を行うことができると定められています。しかし、この調査に立ち入ろうとすると、大臣、ここで問題なんですよ、この省令がないんです。省令がなくて立入調査ができない現状になっているんです。せっかく農産物検査法という検査をする体制ができているわけですけれども、実際に検査に立ち会ってこれは少し調査の必要があるなと思って、それで調査に行きたいと思うけれども、現に省令が定まっていないという中で立入検査、調査というのができない状況になっているんです。
 だから私は、生産者に検査を義務づけているだけじゃなくて、精米工場とか販売業者に対して、きちんと法律で認められた権限を行使して、立入調査をできる体制というのを早急に確立してもらわなければならないと思うわけです。この件について省令を今まで定めておらなかった理由それからこれからすぐに定めていただけるかどうか。
#41
○政府委員(京谷昭夫君) 御指摘のとおり、農産物検査法二十条の二に定めております検査のための省令が制定されておらないことは事実でございます。これは農産物検査法が主として生産段階における品質の確保、そのことを通じて公正な取引が行われるということを保全することを目的にした法律でございますが、これを実行していく上で、実は大変似たような規定でございますが、食糧管理法第十三条に基づく臨検検査という仕組みがあるわけでございます。
 実は、米についての農産物検査法に基づく農産物検査に従事する検査員は食糧庁に所属する検査員でございますので、実行上は食糧管理法第十三条の規定に基づく検査制度を使ってこの検査をやっておるものですから、農産物検査法二十条の二に基づく調査を現実に発動する実務上の必要性がないということで今日のような状況になっていると理解をいたしております。
 先生御指摘のとおり、今後この省令の制定の必要性について、私どもとしてもよく検討してみたいというふうに考えておるところでございます。
#42
○大渕絹子君 長官は今米に限って食管法で補てんされているからということでお答えになりましたけれども、米だけじゃないんですね。農産物についてすべてこの法律でやられるわけですから、こういう不備な法体系の中で消費者保護を幾らうたってみても、これは全くだめだということになるわけですので、早急に取り組んでいただきたいと思います。
 それでは次に、新潟それから長野、全国を巻き込んでいるんですけれども、にせコシヒカリが出回っているということで、大変私たち新潟県の生産者は迷惑を受けている状況なんですけれども、このことについて警察庁の方から大まかで結構です、もう時間がありませんので、今回の事件の概要についてお知らせください。
#43
○政府委員(関口祐弘君) お答えを申し上げます。
 先生お尋ねの事案でございますけれども、若干捜査の経過を申し上げますと、本年の九月三日に新潟の食糧事務所の方から新潟県警察の方に告発がございまして、これは有印公文書偽造、同行使事案ということでございます。これを端緒といたしまして新潟県警察で捜査を開始いたしまして、六日に関係場所の捜索等をいたしてございます。その後、十九日でございますけれども、関係の被疑者四名を逮捕し、現在鋭意捜査を進めているというところでございます。
 現在、新潟県警察で把握しております容疑事実の概要を申し上げますと、長野県の上田市にございます飯塚米穀という会社の社長、役員ら四名が共謀いたしまして、産地の異なる米を新潟産コシヒカリと偽って販売するに際しまして、偽りの検査証明を付した三十キログラム入りの米袋三百六十袋を作成いたしまして、平成三年七月ごろ、大阪にございますアサヒ通商という会社を介した上で東京の山種商事の指定する倉庫に搬入をしたということでございます。
#44
○大渕絹子君 事実関係だけをちょっと確認させていただきます。
 その飯塚米穀は米穀集荷の指定は受けていませんね。米穀小売という許可だけしか受けていませんね。その卸売の資格のない人がアサヒ通商に卸しているというその事実がまずあると思います。それから、アサヒ通商は同じく米の卸業の資格がないのに山種商事に卸している、山種商事も米の卸業の資格がないのに山種産業に卸している、こういうことになります。山種産業はやみ米と知りながらそれを小売店に卸した、こういう事実があるわけでございます。これは明らかに食管法に違反をしていると思いますけれども、いかがでございますか。
#45
○政府委員(関口祐弘君) ただいま先生、細かい点についての御指摘でございますけれども、現在新潟県警察では、ただいま私が御説明申し上げたように、告発がございました有印公文書偽造、行使という事案について当面捜査を進めているという段階でございまして、ただいまの御指摘のような部分がどのような捜査になっておりますか、私どもいまだ報告を受けていない段階でございます。
#46
○大渕絹子君 私は新潟県警に行ってきましたけれども、報告は逐次本庁の方に行っていると私は聞いてきておりますので、報告を受けていないということは全くうそだと思います。
 刑法の二百四十六条に詐欺罪というのがあるんですけれども、私たち一般的に考えますと、にせのものをつかまされて、そしてお金を払う、だまされるということは詐欺罪に該当するんではないかと思いますけれども、そこらあたりはどうでしょうか。
#47
○政府委員(関口祐弘君) 詐欺罪云々という話でございますけれども、いずれにしても警察としましては刑罰法令に反するというふうな事案というものにつきましては、力を尽くしてこれを解明するということかと思います。現在の段階で詐欺罪が成立するかどうかということにつきましては、捜査中でございますので答弁を差し控えさせていただきます。
#48
○大渕絹子君 山崎誠三さんとおっしゃる方のことでちょっとお聞きをしたいわけです。
 全米の商連協同組合の理事長をしたり経団連の米問題の部会長をなさったり、あるいは自主流通米の価格形成機構の中の運営委員をなさっておられる公職にある方なんですけれども、この公職にある方が関連をしている企業がこういうかかわりがあったという不正流通事件というのは非常に責任が重いと思うわけです。そのために公職は辞任をされていますけれども、やめてしまえばそれでいいということにはならないと思うんです。この山崎誠三さんを公職の任につけた責任官庁というものにも非常に責任がある、責任を問わなければならないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 警察庁の方には、逐次事実が判明次第的確に対応していただく中でぜひ全容を明らかにするようにこれからも全力で取り組んでいただきたいと思います。
 さて、食糧庁の方にお聞きをします。
 先ほど警察庁の方が、告訴をされないから食管法についての起訴というようなことをまだしていないというようなことを言っていますけれども、食糧庁としてなぜこれだけ食管法に抵触をしている事実が判明しているのに告訴をしないんでしょうか。
#49
○政府委員(京谷昭夫君) 私ども、先ほど警察庁の方からお話がございましたように、本件については九月三日に有印公文書偽造及び同行使で告発をしたわけでございますが、その際に、食糧管理法に違反する疑いを持っておったわけでございますが、私どもこの食糧管理法に基づく告発の要件として二つの条件がやはり必要であろうというふうに考えております。
 その第一は、違反行為を行っている者が特定をしてその違反行為の概要が掌握されているということ。それから二つ目には、その掌握された事実関係の概要に照らしまして捜査なり司法手続を経まして罰則を適用することが適切であるかどうかということをよく吟味をした上で決める必要がある、この二つの点について検討を行ったわけでございますけれども、実は当事者についていろいろ事情聴取等した時点では違反行為の概要というものがまだ十分に掌握されていなかった、そしてまたこれを捜査、司法手続に乗せて罰則適用を図るということが適当かどうかという判断について結論が得られなかったということでこの告発をしなかったわけでございます。
 一方で有印公文書偽造、行使という大変私どもの業務運営にとって重大な、現実に偽造された袋が存在をし、それがまた偽造であることが我々の調査でもかなり明確に掌握され、しかもそれが使われたということをもちまして、これを放置するということになると大変重大な影響もあるし、また証拠隠滅のおそれもあるということで刑事案件として告発を行ったわけでございます。
 実は、この告発しました後においては、私どもの調査は捜査当局の捜査を優先させまして中断をしておるという状況でございます。
#50
○大渕絹子君 大変失礼なんですけれども、時間がなくてごめんなさい。急がせていただきます。
 食管法の形骸化が進んだことが今回の事件の最大の原因だと私は思うわけです。もうけ主義の企業体質が露呈してやみ米ルートが大がかりな組織的犯罪として浮かび上がっている。しかし、それを取り締まる食管法というのがなし崩し的に規制緩和をされてきている。そして消費者はその中でにせ米を高く買わされているというこういう弊害。まじめな生産者は大きく信用を失っていく、傷つけられるということで、このにせ米事件というのは、農林省の責任というのは非常に大きいと思うわけでございます。将来に向かって再発防止をするためには、何としても食管制度というものをもう一度立て直しをして、先ほど私が農産物検査法の法体制を確立してくれというふうに申し上げましたけれども、そうした検査体制をきちっとしていただく中で、消費者にも生産者にもきちんと正しいものが流通をするというようなそういうシステムを早急につくり上げていっていただかなければならないと思います。
 それで、大臣に最後にお尋ねをいたします。こうした事件の再発の防止策と、そして農林水産省のこの一連の事件に対する責任というようなものについてお考えを聞かせてください。
#51
○国務大臣(近藤元次君) 今長官からるる申し上げましたような経過でまいりましたが、私が報告を受けたときかなり悪質だという感じを受けたし、私どもの職員ではこれはとても捜査ができないほど複雑多岐にわたっておるから、警察権もございませんし、警察に告発をしたわけであります。
 その後も、私が考えておる印象と同じようなかなり質の悪いやり方ではないか、そのように認識をしておりますので、調査が進んだ段階では食管法違反も出てくるのではないだろうか、こういう感じでおりますから厳重にひとつ対処をしていきたい、もちろん再発防止についても再検討していきたい、こう考えております。
#52
○大渕絹子君 もう一つだけ、先ほどの農産物検査法の省令は、大臣お約束をしていただけますか。
#53
○国務大臣(近藤元次君) そのことも含めて検討させていただきます。
#54
○大渕絹子君 ありがとうございました。
#55
○一井淳治君 私は、まずガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉に関しまして大臣に質問をさせていただきたいと思います。
 八月の二十二日の衆議院の予算委員会におきまして、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉に関連いたしまして、関税化と米の自由化の問題に関連いたしまして、海部総理大臣が「関税化ということがイコール自由化というふうに即断できるのかどうか、私には、必ずしもそう直結しておるとは思いません」、そのような答弁があったわけでございます。しかし、このガット・ウルグアイ・ラウンドの場での関税化と申しますのは、もう言うまでもないことでございますけれども、アメリカの方から持ち出した関税化でありまして、国境措置を関税に置きかえる。お米の問題について言いますと、七〇〇%の関税に換算してこれをだんだんと減らして五〇%以下に持っていくという、言うなれば関税化とは米の自由化にはかならないというふうに思うわけでございますけれども、その点についての大臣の御所見をお伺いしたいわけでございます。
 私は、この海部首相の答弁というのはあくまで一般論、抽象論であって、本件の農業交渉に関する考え方ではない、そのように考えるべきものであるというふうに思いますけれども、大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(近藤元次君) 海部総理から質問にお答えをして、関税化は恐らく総理の念頭にはいろいろあるというようなことで一般論でお話をしたんではないかと私はそばにいて聞いておりましたので、誤解を招くと悪いから農林大臣から答弁をさせますということで総理から指名を受けてそのつなぎを私がやったわけでありますけれども、その答弁に際して質問者に、質問はお米のことですかということで確認をしたら、辻委員の方から米のことだと、こういうことでありましたから、米だということになれば、これは我が国は関税化では対応できません、その関税化で対応できないということは、日本が関税に置きかえたことが極めて非常識な高さになっていくわけであります。これは関税化でも、幾らでも高くていいということになれば、ある意味では国境措置が十分とれるかもわかりません。その高さが非常識であったのでは、それは今後許されるような状況ではないという判断をいたしておりますから、そういうものでは対応できません、こういうことで答弁を申し上、げたわけであります。
 総理も、その後の参議院予算委員会で、米であれば関税化では対応できませんというようなことで明確にしておるところであります。先生の今御指摘のとおりのことであろう、こう思っております。私も認識を同じくしておるわけであります。
#57
○一井淳治君 十六日からジュネーブでの交渉が始まりまして、二十日で終わったようでございますけれども、新聞記事などマスコミの報道を見ますと、技術的な詰めはほとんど進展しないまま終わったということが報道されております。十六日から二十日までの交渉内容についてはここでは時間がありませんので質問はいたしませんけれども、ダンケル事務局長は、伝えられるところによりますと、十月末から十一月初めにかけて合意の。原案を提示するということが報道されております。また、そのころにはブッシュ大統領の訪日ということも予定されておりまして、政治的にも関税化の受け入れに対する一層の圧力が迫ってくるんではないかというふうなことで、この秋こそこういう問題についてはまさに正念場ではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 そこで大臣に、今後の米の自給を守るという立場で一層御努力いただきたいというふうに思いますけれども、今後の国際的な交渉にどのように当たっていかれるのか、決意のほどを含めて御質問いたしたいと思います。
#58
○国務大臣(近藤元次君) 十六日からの技術レベルの会議は一応終わりましたけれども、まだ継続をされて、十月の初旬と中旬と二度にわたって技術レベルの会合を継続するということになっておるわけであります。その後に技術レベルの会議を終了させたい、そしてダンケル議長としてはペーパーを出したいということが言われておるわけであります。その段階から本格的な交渉が始まるわけでありますけれども、その段階から後どのレベルで会合をやるかということはまだ決まっておりませんけれども、常識的に言って高級事務レベル会議というようなことの予想はされるわけであります。
 いずれにいたしましても、私が今回ダンケル事務局長にお会いをさせていただいて、関税化では対応できないということを三度にわたって話をしてまいりましたし、来月行われる技術レベル会議でもどのような基礎的食糧、食糧安全保障の議論がなされるかということで、あるいは輸出補助金というのが今日の状況では従来と急激に変わってまいりまして、東ヨーロッパから安い農産物がECにも入ってくるような状況にもなってまいりましたし、ソ連に対する支援に対しては、信用保障を含めて輸出補助金を増額しなきゃならぬというようなアメリカの国会の議論もあるように聞いておるわけであります。
 そういう世界の情勢が変わった中で、アメリカとECが輸出補助金についてこれから技術レベルの会合でどういう話し合いがなされるかということも大変注目をしておかなければならないことだと思うわけであります。そういう意味からして、我が国とアメリカと食糧安全保障問題等についての議論が基本的に違っておるということで私は認識をいたしておるわけでありまして、その基本的な認識の違いの中で話し合いをしていくには、なかなか合意をすることは困難であろうということも踏まえて、輸入国の立場が反映をしていかなければ実効性が上がっていかないものだ、こう思っておるわけであります。
 違いは、要点だけ時間がありませんから簡潔に申し上げると、世界の食糧を安定させるということが長期的に見た場合に、日本の国の私どもの主張は、それぞれの国が自給をしていくということに対して支援、協力をしていくという、必要なものを支援していくということであって、アメリカは、世界が自由化になることによって世界の食糧の安定が図られるという二つの論点で、先般も私がヨーロッパヘ行って、世界食糧理事会で行った演説の基本的な骨子は、双方ともそこに違いがあるということが明確になっております。そういう点では我が国の主張を貫いて、特に食糧安保につながる基礎的食糧につきましては自給をしていくという方針を貫いていくというのが私の演説の趣旨でもありますし、そういう気持ちで対処していきたい、こう考えております。
#59
○一井淳治君 次に、農協の問題に関して質問をさせていただきます。
 通常国会提出予定法案を見ましても農協法の改正ということが書かれておるわけでございますけれども、将来のあるべき農協の姿を考えていくことは非常に大きな課題ではなかろうかというふうに思います。そういった中でもう少し農協に活力を持たせる、そして農協のリーダーの方々の多様なアイデアを生かしながら地域で本当に役立っていく農協にしていくということも大切ではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 そういった中で、私はもう少し農協が農地を所有し得る範囲を拡大していったらいいんじゃなかろうかという考え方を持っておるわけでございます。いろんな事情がありますけれども、例えば農協が現在合併を進めていこうとしておりますけれども、障害になっている最大の事情は、農協が固定負債を抱えているという問題でございます。特に中山間過疎地の場合には、担保となっております農地は買い手がつきませんし、また田舎の閉鎖社会におきましては、かつての風習からして近所の人間が他人の農地を弱みにつけ込んで買うということはとてもできないことでございまして、農協は農地を持つ組合員である債務者に対しても固定負債の回収はできないというふうな状況で、組合長さんあたりからも農協が一応一時農地を買い取るという形で固定負債の処理ができればいいんだがなと。
 その場合に、一応農協の場合であれば草をはやさないように土地の管理ができる、現在ある農地保有合理化促進事業の範囲では余りにも縛りが厳重過ぎてだめなんだけれども、もう少し緩やかにやっていただければいいんだがなというふうな話も聞きます。
 また現在、農業公社や農地委員会等のルートで後継者のための土地の集積ということも進められておりますけれども、農地委員会の方の御意見を聞いてもちょっと自信がないような答弁も聞くわけであります。
 そういうことでもう少し農協に農地を所有し得る範囲を拡大して、農協の活動を地域でもっとできるようにしたらいいんじゃないかというふうに思うわけでございますけれども、その点の御見解をお伺いしたいと思います。
#60
○政府委員(川合淳二君) 今先生御指摘のように、私ども昨今の農協をめぐる事情、農業をめぐる事情の変化に対応して農協法改正の検討に入っているわけでございますが、今先生の御指摘の点もその検討の一つの課題であると思っております。
 今先生も御指摘がございましたように、農地保有合理化促進事業の枠内では、公社が今のような農地につきまして取得しまして、担い手農家などに再配分するということをやっているわけでございますけれども、農協はこうした公社への土地の売り渡しに際しまして、あっせんというような形で関与しているというのが実情でございます。
 これにつきましては、今先生御指摘のような御事情がある一面、やはりそうした農地は担い手といいますか、それの受け手もなかなか見当たらないというような地域で生ずることが多いものですから、農協が買い取った後、それの処分につきましてリスクが非常に大きいというようなこと、そうしたことからなかなか踏み切れないでいるのが実情だろうと思っております。状況もいろいろ変わってきておりますが、やはりそうした地域で起こりがちでございますので、そのリスクをどういうふうに考えるかということが一つの大きな問題ではないかというふうに考えております。
#61
○一井淳治君 ただいまのリスクの問題につきましては、これはまた農協の機構改革の問題にも関係してくると思いますけれども、農業公社が買い取るという一つの方法がありますけれども、農業公社もリスクを背負いたくないということで逃げ腰でございますし、各都道府県に農業公社は一カ所県庁所在地にあるだけでありまして、過疎地まで行くと片道二時間もかかってしまう。確かに旅費等は助成がされるようでございますけれども、しかし、現実には農業公社による合理化促進事業というものは機能していないということが言えると思うんです。
 やはり身近にあって小回りのきく農協が、農協内にもこれはいろんな考え方があると思いますけれども、一つの考え方を持って進めていこうというふうな農協がある場合には、その農協の考え方で進められるように農協にある程度の自由を与えて、農協の考え方である程度地域に影響力を与えながら前進していけるというふうなことを考えるべきではなかろうかと思うわけでございますけれども、どうでしょうか。
#62
○政府委員(川合淳二君) あくまでも農協が一時的に農地を持ちながら担い手なりその受け手を探していくということになろうかと思いますので、その間、特に先ほども申しましたように、そうしたことが起こりがちな地域というのはなかなか担い手あるいは受け手も見つからないというのが現状であるわけでございます。したがいまして、厳しい状況にある農協の中にあってそうしたことが負担し得るかどうかということも考えなければいけない一つの大きな要素でございますので、この辺も踏まえていろいろ勉強してみたいと思っております。
#63
○一井淳治君 もう一つ、農協の関係で私ども考えながら、こういうふうになったらいいがなというふうに思いますのは、農協に農業を営めるような権限を与えたらどうかということでございます。現在でも組合員のための農作業ということはできるわけですけれども、農協自体が農業をするということは農協法の建前からしても認められていない。しかし、原始的に考えれば農協は農業を営んでもいいんじゃないかということを、特に最近のように農協がどうも流通農協化しているということの中で、農協も農業を営めるような権限を与えるべきではなかろうかというふうに思うわけでございますけれども、御見解を伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(近藤元次君) 先生、農協の経営等に御心配をいただいて大変ありがたいと思うんですけれども、今日的な農協のあり方についてもう一度見直して改善をすることがまず最初に必要なことでないだろうかな、こう考えておるわけでありますけれども、今農協みずからがみずからの改善計画というものを検討していただいておるものですから、私どもが指導するよりも、みずからその意識になってやっていただいておるものですから、それができるのを待たせていただいておるというのが今日の事情であります。
 少なくとも今日、農業関係でも流通の問題が複雑過ぎるというか、生産者手取りと消費者ということの価格差というようなものがどこに一つの問題点があるのかというようなことで、農協みずからも三段階制を二段階制へというようなことも今言われておるわけでありますし、そういう問題を一応は、これから将来に向かう農協のあり方というものに対してひとつ検討しておかなきゃなりません。そしてマイナスが出てもサービスしなきゃならぬ分野もありますけれども、経営を困難にさせるというようなことがあってはなりませんし、とりわけ今日金融の自由化という新たな問題が発生をしてきておるものですから、金融問題についても、購買、販売事業についても、それぞれ今日的な問題点を抱えながら将来どうするかということも検討していただかなければならないだろうと思っておるわけであります。
 今局長からお話のございましたような点も大変心配するところでありまして、農協は組合員のための営農をするということはできるんですけれども、農協自身がみずから職員を雇って営農していくというところまで踏み切れるかどうかということになると、給与レベルや、いろんな時間的な労働環境や、そういうところで人が雇えるかどうかという問題も一つは出てくるだろうと思うし、一つの理想的なあり方ではあろうかと思いますけれども、農協とも相談をしなきゃなりませんが、内部でも検討させていただきたい、そう思います。
#65
○一井淳治君 最近聞いたところによりますと、全国には営農指導を一切やっていない農協も少なからずあるということを聞いておりますし、現在の農協が信用中心とか、あるいは流通中心の農協になっておるのも、一つには現在の農協法がそういうふうに押しやってしまっているということもあるというふうに思うわけでございます。そういったことで、あとしばらくしますと農業の後継者がいなくなってしまって、内部から農業が崩壊しようとしている。ほっておったら耕作する人がいなくて農地が荒れ果てていくということも考えられるような状況でございます。そういった中で、地域の農協の立場というのは非常に重要性を帯びてくるのではないかと思いますけれども、ひとつ自分のところでやろうというふうな意欲を持つ農協があった場合には、それができるようにしてやったらいいんじゃなかろうかというふうなことも思いますので、御検討を賜りたいというふうに思います。
 次に、これも農協法の関係でございますけれども、どうも現在の農協の姿を見ておりますと、もたれ合いと申しましょうか、執行責任体制が明確になっていない。そこで強力な指導というものもできかねておるような側面があるというふうに思います。また、活性化という理想から見ますと、どうもいま一歩であるんじゃなかろうか。内部からの提案や起案や監視というものがどうも強力に行われていないというふうに思うわけでございます。したがいまして、理事会とか、あるいは代表理事というものの内容についてはやはり農協法で法定化すべきではなかろうかというふうに考えます。また、理事について、理事個人の責任も含めまして権限や責任範囲を明確化していくこと、また監事の権限の見直し、監査機能の強化、理事の行為の差しとめとか、少数組合員による計算書類の閲覧、謄写、検査請求、これは会社法の方にございますけれども、そういったものも取り入れながら、内部の牽制体制を確立すると同時に、内部からいろんな提案等が上層部に上がっていくというふうなことも考えていかなければならないんじゃないかと思います。
 そういったことで、機構についても農協法の改正に当たってはぜひとも考えていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
#66
○政府委員(川合淳二君) 現在の農協法の制定された、あるいはこれまで改正された過程におきます前提とされました農協は、今日ある農協の状況とやや異にするのではないかというふうに思います。状況も複雑になっておりますし、例えば先ほど大臣からも指摘がございました金融の自由化などの対応ということを考えましても、今の組織体制あるいはそれを裏打ちする法制度というものが十分であるかどうかというのは大きな課題であると思っております。
 今先生が御指摘なさいましたいろいろな点は、他の組織法の執行体制にかかわる諸制度、会社法あるいは事業協同組合法などが参考となるわけでございます。先生御専門の分野でございますので短絡して申し上げますけれども、そうしたものと農協の現在の状況とを照らし合わせて責任体制の強化あるいは相互チェック機能の強化というような観点から、どういう制度が適当であるかということを検討してまいりたいと思っております。そうした際に十分参考にさせていただきたいと思います。
    ―――――――――――――
#67
○委員長(永田良雄君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、喜岡淳君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
    ―――――――――――――
#68
○一井淳治君 飲用乳価対策について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 現在は、大ざっぱに言いますと加工原料乳と飲用乳に区別できるというふうに思いますけれども、この二つを指定生乳生産者団体において用途別にはっきりと区別する、そして加工用の牛乳については加工用の牛乳として一定の値段で売る、飲用乳については飲用乳の値段で一定の値段で売るというふうにはっきり区別をしていくことが必要ではなかろうかと思うわけでございます。といいますのは、例えば雨が降って飲用乳の売り上げが困難な状況になってまいりますとメーカーの方からいろいろ苦情が出まして、指定生乳生産者団体の方は、飲用乳を、加工原料乳の保証価格よりは高いからいいんじゃないかということで、通常の飲用乳の価格より相当安く売るというふうになるようでございます。
 そういたしますと、安い飲用乳がスポット的に末端に流れていく、そういったものを量販店が使って牛乳の安売りをする、これが牛乳の小売価格の引き下げにつながっているというふうなことが言われております。公正取引委員会の方に聞いてみましても、実際にスポットの安い牛乳が入っておる場合には何ともいたし方ないというふうなことを聞かされておるわけでございます。
 そういったことで、現在、酪農等振興法の十八条によりますと、契約書を早期に文書で提示するというふうになっているわけでございますけれども、加工原料乳と飲用乳とはっきり区別して、きちんとした価格を決めてどっちかで売るというふうな契約書を早期につくるということがこの飲用乳価対策として非常に大切ではなかろうかと思うわけでございますけれども、農水省の御見解を伺いたいと思います。そのような御指導をいただきたいど思うわけでございます。
#69
○政府委員(赤保谷明正君) 生乳の取引でございますけれども、市乳の需給実勢あるいは生乳の需給事情、そういうものを勘案しながら、いわゆる指定団体と乳業メーカーとの間における自由で対等な交渉によって行われるということが基本でございまして、指定団体の生乳受託販売に係る販売価格、いわゆる生乳価格でございますが、この約定の方法につきましては、不足払い法の規定に則して用途別に設定するよう従来から指導をいたしているどころでございます。
 この場合に、契約の文書化のことですが、文書化が取引を近代化する基本であるという考え方から、生乳取引契約の文書化についても、国としても従来からそういう方向でその文書化の推進に努めてきたところでございます。
 なお、飲用牛乳市場でございますけれども、牛乳消費が季節とか天候によって変動しやすい、その上に過当競争体質にある、そういうことからともすれば価格面で混乱が生じやすい、そういう性格を有しているのは事実でございます。このために飲用牛乳市場の正常化を図る、そういうことが重要でありまして、私どもとしましても従来から指定団体の生乳需給調整機能の整備だとか、あるいは飲用年乳プラントの過剰の解消、それから余剰貯乳施設の効率的な利用、さらには量販店の秩序ある販売、それから消費拡大、そういったもろもろのことを推進しているところでございます。
#70
○一井淳治君 私が特に申し上げたいのは、飲用乳が特定の場合に安売りをされる、指定団体が安売りをする、他方バターや脱脂粉乳は国内では不足して外国から輸入しなくちゃならないというふうな状況になっておるわけでございます。本来からいえば飲用乳の安売りはしないでこれを加工原料乳としてバターや脱脂粉乳に加工して、外国からの輸入はしないで国産で持っていく、そして飲用乳の方も下げないということでいかなくちゃいけないのに、飲用乳は下がって農民は困る、しかし他方では本来安売りされるものは加工用に回るべきであるのに、加工に回らないためにバターや脱脂粉乳は輸入までしなくちゃならないというこ
とで、非常に悪い循環になっておるというふうに思うわけでございます。
 したがって、加工原料乳と飲用乳とをきちんと用途別に区別して、飲用乳が仮に余った場合には安く飲用乳として売るんではなくて加工原料乳の方に持っていくというそういう指導、これをはっきりと契約書に書いておけばそれが守られるというふうに思うんですけれども、飲用乳が安く買いたたかれないようにするという立場で、契約書の文書化というこの酪農等振興法の十八条を使いながら農水省でうまく御指導いただけないかというふうに思うわけでございます。
#71
○政府委員(赤保谷明正君) ただいま牛乳については計画生産をしておりまして、需給計画をつくっておる、御存じのとおりです。輸入をいたしておりますけれども、季節によりまして、年度の初めが不足する、夏場を迎えて。後半が余る。そういうことで、乳製品の場合は当初から一定の輸入を予定しておるわけです。ところが、需要あるいは供給、両面からの天候その他の要因がありまして、さらに緊急輸入をするというような事態になっておるわけですが、今先生のお話にありました余っているときにはそれを処理、加工に回す、そういう形で乳製品の国内での供給をしたらどうか、そういうことも確かに一つのお考えでございます。そのためには、やはり中小処理業者のそういう加工処理施設の整備とか、いろいろのことを検討しなければいけないと思います。御参考にさせていただきたいと思います。
#72
○一井淳治君 今おっしゃいましたこの加工処理施設をつくるということは酪農民がみんな考えておることでございますけれども、常時余った牛乳が出るわけではないんで、採算割れになるんじゃないかということでおそれておってそういうふうなプラントができないでおるわけで、農水省としてそういったふうなプラントを各地でつくっていただいた場合には飲用乳の値下がりということはないというふうに思うんですけれども、しかし現実にはこのプラントがない。そうすると、はっきりと契約書で飲用乳の値段はこうするということが書かれて、その契約書どおり守られるというふうにしないと、雨が降って飲用乳が余ってくると極端に飲用乳が安くなってくる。そういうふうなのがたびたび出るものだから、どうしても牛乳の消費者価格、小売価格が非常に安くなってしまって、そのために農民も困るし、またメーカーの方も二%まさに割るような状況になって非常に困っているわけでございまして、その辺の御指導を篤とよろしくお願いしたいと要望を申し上げておきたいと思います。
 次に、指定生乳生産者団体の機能が十分に発揮されていないために飲用乳価が下がっているんじゃないかというふうに思うわけで、その点の質問をさせていただきたいというふうに思います。
 本来からいけば、個々の農家、あるいは農協が指定生乳生産者団体に対して無条件で委託をする。現在の受託規定もそのようになっておって、もう無条件委託になっているはずなんですけれども、しかし現実にはあのメーカーに売ってくださいとか、その他過去のしがらみから無条件委託が実行できない。そのために指定生乳生産者団体が、例えば高いところに売ろうと思っても足を引っ張られるということで、指定生産者団体が存分に腕を振るって乳価を上げようと思ってもそのような動きがとれないような実態があるように思うわけでございます。したがって、この指定生乳生産者団体がその権限を十分発揮して、安いとこるには売らない、高いところに売りますということができるようにその辺の御調査なり、あるいは御指導なりを賜りたいと思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
#73
○政府委員(赤保谷明正君) 指定生乳生産者団体につきましては、都道府県ごとに単一の生乳生産者団体が指定されるものでありますけれども、その目的は、もう御存じのとおり、この団体が都道府県の生乳の一元集荷を行うことによりまして、取引の相手方である複数の乳業メーカーに対する価格交渉力を強化するというところにあるわけでございます。このような価格交渉力の強化によりまして生乳の安定的生産と円滑な供給を実現しよう、そういうものでございます。国としましても、このような制度のもとで指定生産者団体が都道府県内の生乳のすべてを実質的に取り扱いまして、適切な受託販売を行い得る体制を整備することが必要であると考えております。
 今、先生おっしゃいましたような実情があることも承知をいたしております。とにかく指定団体のまとまりをよくするということが大事だろうと思います。そのために指定生産者団体の行う生乳の生産あるいは需給動向に関する情報の収集、分析等に必要な助成をする、それでそういう事情を明らかにさせる、そういうことをやりますればおのずと団体のまとまりもよくなるでしょう、そういうような形で必要な助成なり指導を行っているところでございます。
#74
○一井淳治君 ただいま言われたように、一元集荷をして、各県の指定生産者団体が腕を振るえるようになっておるのが本来の姿でございますけれども、いろいろのしがらみがあってそうはなっていないというのが現実の姿であるというふうに思いますので、その辺の近代化のために一層の御指導を賜りたいというふうに思います。
 また、もう一つ飲用乳価について質問いたしますけれども、酪農家は大変厳しい状況に置かれていることはもう中すまでもないことで、本当に待ったなしの状態であるというふうに思いますけれども、現在八、九、十の三カ月は、平均キロ当たり二円の助成金といいましょうか、援助金をいただいておるようでございますけれども、十一月から後はこれが切れるというふうな状況になってまいります。酪農家の収入をふやすためには副産物も含めて収入が上がるようにしなくちゃならないわけでございますけれども、最近のぬれ子やあるいは老廃牛の値下がりなどを見ますと、一キロ当たり十円ぐらいの損失になっているというふうに思えるわけで、非常に酪農家の将来に対する希望もなくなってしまって、最近の報道によりますとこの二年間の間に八千人ぐらいの酪農家の方がやめておられるというふうなことも聞くわけで、非常に心配しているわけでございます。そういった中で、いよいよ十一月が来てそれから後どうするかということでございますけれども、牛乳が保存がきかないために量販店の安売りに引きずられておる。そのためにメーカーの方も、平均的に言いますと、もうかっているメーカーもあるようですけれども、平均的には利益率が昨年は一・五%ぐらいまで下がっている。乳価の引き上げは非常に困難であるというふうなことも言われております。そういう中で酪農家も将来良質の牛乳が消費者に提供できるようにならなきゃなりませんし、また乳業のメーカーも今後存続しながらよい牛乳を消費者に提供でぎていかなきゃならないわけですけれども、現在の価格体制ではとてもそれが望めないような状況でございます。価格というものは自由で公正な交渉によって成立すべきものでありますけれども、現在の状態はとても公正な交渉が行われておるような状況ではありませんので、やはり現状打開のために適切な関係者に対する農水省の御指導が必要ではなかろうかと思うわけでございます。農水省の御所見を承りたいというふうに思います。
#75
○政府委員(赤保谷明正君) 生乳取引につきましては、指定団体と乳業メーカーとの間で、先生おっしゃいましたように自由な対等な交渉によって行われることが基本でございます。ことしの飲用乳価交渉につきましては、御承知のとおり七月中旬まで生産者団体と乳業メーカーの主張が対立をしておりまして膠着状態であったわけですが、七月下旬に至りまして、大手乳業者から八月から十月までの三カ月間、夏季対策として二円程度の奨励金を支払うという提示がなされたところでございます。
 十一月以降の飲用乳価の取り扱いについてでございますけれども、指定団体と乳業メーカーの間で、ともすれば過当競争に走りがちな飲用牛乳市場の正常化を念頭に置きつつ両当事者間で交渉が行われていくものと考えておりますけれども、私ども農林水産省といたしましても、両当事者間でお互いに誠意を持って十分話し合いがなされるよう必要に応じて指導をしてまいりたい、赤ように考えておるところでございます。
#76
○一井淳治君 公正な、妥当な価格が形成されるような強力な御指導をぜひとも賜りたいというふうに思います。
 次に、森林法がさきの百二十国会で改正されたわけでございますけれども、流域を新しい単位として民有林、国有林を通じて森林の整備や担い手の育成、機械化の促進、流通の改善等が図られていくことになっております。
 そういった中で、流域林業活性化協議会というものを設けて、そこでしっかりした基本方針を策定して強力に森林・林業の復活を図っていくという予定がされているわけでございますけれども、この森林法の趣旨が県や市町村あるいは関係団体。に十分に浸透していかないとこれが地域で有効に機能することはない、これが地域で有効に機能しないと森林・林業の復活はないというふうに思うわけで、改正森林法がずっと強力に浸透して改正森林法の理想に従って前進していくということが期待されておるというふうに思うわけでございますけれども、この改正森林法を地域で十分浸透させるというためにどのような御処置をとられ、あるいは今後どのようにしておいきになるのかということをお尋ねいたしたいと思います。
#77
○政府委員(小澤普照君) ただいま先生の方から御質問がありますように、私どもさきの第百二十国会で森林法の改正をさせていただいたわけでございますけれども、これの周知徹底に努めてまいりたいというように考えております。この改正森林法につきましては施行が七月の二十五日でございます。そこで、都道府県なりあるいは関係団体に対しまして法改正の趣旨さらにまたその運用方針につきまして通達をいたしますとともに、各種会議を開催いたしまして、都道府県等への説明、指導を行っているところでございます。また、この改正森林法に基づきましてまず全国森林計画の策定を行っているわけでございますけれども、これが八月九日に新たな全国森林計画を策定いたしまして、そしてこれを都道府県への通知あるいは都道府県の担当課長会議の開催などを通じまして、まずその周知徹底を図っているところでございます。
 そこで、先ほど先生のおっしゃいましたいわゆる流域の林業活性化の問題でございますけれども、この問題につきましては、今後地域の林業関係者で構成いたします流域林業活性化協議会の場等を通じまして、新しい考え方でございます森林の流域管理システムの確立等を図りまして、森林法改正の趣旨が十分達成されますように適切な指導に努めてまいる所存でございます。今までも概括的な説明等は行っておりますけれども、これからはさらに集中的に、あるいはまた非常に濃密な周知徹底方法を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#78
○一井淳治君 これは非常に重要な問題でありますし、また日本の国土保全と申しましょうか、あるいは環境を守るためにも非常に重要なことでございますので、林野庁だけではなくて、農水省全体で当たっていくというぐらいのお覚悟でお取り組みをいただきたいというふうに要望いたしておきます。
 次に、森林で働く労務者の方々の賃金に関係してお尋ねをいたしますけれども、労災対策を十分に考えた上でそういったものを含めて作業員の賃金を算定していただきたいというのが要望の趣旨でございます。例えば植林の現場ですけれども、きつい傾斜地の場合には人間が転んで落ちるというところもあるわけでございます。植林の方法によっては転んで落ちないようにいろいろ防止設備をしているところもありますけれども、しかし前の立木の切りようによってはきつい傾斜地の場合は転んで相当、死亡事故とかあるいは重傷を負うということも現実にあるわけでございます。そういった場合には、これはめったにないことなんですけれども、やはりロープをかけるとか、あるいはネットを張るとかの対応が必要である。そういったふうなロープを張ったりネットを準備しておりますといろんな手間がかかりますから、例えば一日に百六十本とか二百本とか植えるということでしょうけれども、その植えるのも半分ぐらいになってしまうのじゃないかと思います。そういったことで労災対策を考えながら作業員の賃金を算定していただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでしょうか。
#79
○政府委員(小澤普照君) 先生御指摘のように、林業労働は確かに傾斜地で作業しているということでございますので、事故の危険性も高い分野であるというふうに言われておりますし、我々もこの点につきましては十分意を用いていかなければいけないということで日ごろ対応をさせていただいているところでございます。
 この林業労働全体を見ますと、私どもの方でいろいろ発注等を行っているものにつきましては、治山事業、林道等の工事、それから先生おっしゃいました造林の仕事というように大まかに三つぐらいに分かれていると思うのでございますけれども、その仕事の内容等によりましても事故の程度等も違うということもございまして、それぞれに対応した対応策を考えているわけでございます。
 賃金の中に労働対策を織り込むべきじゃないかという御指摘ではございますけれども、賃金の方の決め方というのはいろいろと賃金の実態等から算出されておりますので、そういうものを適用しておるのでございますが、事業を発注する際に、いわゆるその発注の内容におきまして労働の安全対策を見込むというようなことをやっておりまして、当然これは労災保険等の経費の積算でございますとか、あるいはさらに必要に応じて安全対策費を工事費といいますかそういうものの中に盛り込むというやり方もやっているわけでございます。そのほか事業者に対する安全指導とかいうような部分につきましても考えておるところでございます。
 なお、御指摘の造林事業につきましては、治山工事等に比べますと事故の程度は低いというような判断でございますとか、あるいはまた、先生もおっしゃいましたけれども、非常に広範な中で移動して仕事するという観点から、ロープ等を張ってということも実態上なかなか難しい面もございます。しかし、事故発生の防止に努めるということは徹底してやる必要がございますために、ここのところは私どもも実態もいろいろ見ながら、危険な作業箇所はむしろ避けていく方がいいのか、あるいは一定の措置をしつつ作業する方がいいのかというようなことも、現地の実態によって状況も異なるのではないかとは思いますけれども、これにつきましてさらにまた実態も調べながら対応してまいりたいと思うわけでございます。
#80
○一井淳治君 この高所作業の場合、労働安全衛生規則の第何条でどうなっているか御存じでしょうか。簡単にお願いします。
#81
○政府委員(小澤普照君) これは私どもの方の治山工事等でもやっていることでございますが、命綱をつけるとか必要な措置を講じてやるというように私ども認識しているところでございます。
#82
○一井淳治君 労働安全衛生規則の五百十八条に、高さが二メートル以上の箇所については作業床を設置しなさい、作業床ができない場合には安全帯あるいは防網、ネットを張るとか、安全帯というのはロープですけれども、それをつけなさいというふうになっているわけですけれども、過去の先例を見ますと、勾配が三十五度から四十五度の場合に事故があったというときに、四十度以上の傾斜面については、縦方向が高さ二メートル以上になった場合はこの安全衛生規則を適用するんだというふうになっておるわけでありまして、こういったところは少なからず現実にあるわけで、万々が一労災事故が発生すると基準監督署からいろいろとおしかりを受ける、あるいは処罰をされるということが起こるわけです。しかし、そうかといってネットを張る料金あるいはロープの代金というふうなものは賃金に含まれておりませんの
で、現場の経営者の人たちは十分なことをしてあげたいんだけれどもできないということがあるわけです。非常に森林関係は労災事故が多いわけですけれども、やはりそういう細かいことを配慮していかなければ森林事故は減らないんじゃないかというふうに思うわけで、強くその辺の御考慮を要望しておきたいと思います。
 それからもう一つ、森林労働者の賃金につきましては、前年度の統計数字を使って今年度のいろんな労務賃を算定するというふうなことも行われているようでございますけれども、最近一年間に十数%も賃金が上がっているという中では、そういうふうな計算方法では、人手不足にもかかわらず賃金が上がらないというふうな状況もあるように思いますので、そういった点も含めて作業員の方々の労賃の向上ということで御配慮を賜りたいと思いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#83
○委員長(永田良雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時四十五分まで休憩いたします。
    午前十一時四十五分休憩
     ―――――・―――――
    午後零時四十六分開会
#84
○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#85
○村沢牧君 ガットの農業交渉で食糧安全保障が諸外国に認識され、我が国の主張が現実に生かされることが我が国にとっては最重要な課題であります。六月に出されたダンケル事務局長のオプションペーパーは、各国の主張の違いを選択肢として列挙しており、ガットの規制、規律に食糧安全保障を明示すべきか否かの文言がありますが、八月に出された補遺にはガットの規制、規律の検討や食糧安保には言及していない。また、今日までの交渉において詰めた論議がされておらない。このことは、食糧安保についての認識が薄いことを物語っているのではありませんか。今までの交渉を通じて、また大臣との会談でダンケル事務局長は食糧安保についてどういうことを言っているんですか。
#86
○国務大臣(近藤元次君) 食糧安保の問題につきましては、従来から我が国が主張してきたところでもありますし、食糧安保そのものについては各国とも理解をしていただく国が多い、そういうふうに認識をいたしておるわけであります。しかしながら、先般も、委員今御指摘のように、今日までの技術レベルの会合において食糧安保、基礎的食糧というようなものが議論をされていない、そう私も認識をいたしまして、ダンケル事務局長にはこの問題を議論をしてもらうように、しかも基礎的食糧の条件というようなものは我が国が提案をいたしておるわけでありますから、これを議論していただかなければ困りますということを主張してまいりました。よって、今回十六日からの技、術レベルの会合では議論をしていただくことになったわけであります。
 ただ、私がそれを主張したときに、ダンケル事務局長においては、食糧安保についてはやり方が幾通りもあるではないか、一つは備蓄を十分にすること、あるいは予約的な貿易を行う方法、もう一つは多国間の貿易をしておくこと、そういうことが食糧安保としてのやり方にも通じていくんではないか、そういう話がございました。
#87
○村沢牧君 外務省、ダンケルは、すべてを国内で生産することが食糧安全保障ではないというようなことを言ったり、あるいは今大臣から話がありましたような開放的な貿易体制が食糧安保を実現するというようなことを言っているわけです。
 そこでお伺いしたいんですが、世界の人口の増加やあるいは食生活の向上によって中長期的には食糧不足が予測されるということですね。また米は、世界的に見てもその生産量や輸出量が限定されている中で、金さえ出せば日本人の主食である米はいつでも確保できるという保証があるのかどうか、外務省の認識を伺いたい。
#88
○政府委員(林貞行君) 先生も御指摘のとおり、世界の食糧需給については、中長期的に見ますとなかなかきついという見通しがFAOからも出ております。我が国は、これまでも多くの産品につきまして輸入アクセスを拡大してまいりました。その結果といたしまして、自給率が極端に低い状況になっております。そういうことを踏まえまして、食糧安全保障への関心というものは国民の皆様の間にも深いという認識で外務省もおります。
 そういう観点から、基礎的食糧につきましては、所要の国内生産水準を維持するために必要な国境措置をとることが認められるべきであるという提案をウルグアイ・ラウンドの中でやっておりまして、農水省とも密接に協力しつつその実現に努力しているところでございます。
#89
○村沢牧君 私が指摘をしたように、金さえ出せば日本人の主食である米は確保できる、その保証はありませんね。
#90
○政府委員(林貞行君) そういう絶対的な保証はあるとは思いません。
#91
○村沢牧君 今答弁があったように、世界的な情勢から見ても、我が国の食糧を確保するという保証はない。同時に、食糧安保は一国の食糧、農業の保護のためだけのものではなく、経済大国が金に物を言わせて食糧を買いあさるとするならば、飢餓に苦しむ途上国の食糧を奪うことになります。また、冷戦構造の崩壊によりまして、安全保障の重点が軍事から経済に変化しているとき、大国の食糧支配を避けるためにも食糧安保は地球的規模で取り組むべき問題だと思う。我が国の実情は、申すまでもなく、最低の自給率、世界一の食糧輸入国あるいは減反の強化、そのことによって農村は崩壊している。したがって、我が国はガットの交渉においても食糧安保を絶対貫かねばならない。大臣の決意を改めて伺いたい。
#92
○国務大臣(近藤元次君) 金に物重言わせてという御発言がございましたけれども、その問題を中心にして、輸出補助金の問題も含めて、いろいろ各国から、開発途上国を中心にして輸出補助金で安い農産物を受け入れたいという国もあれば、輸出補助金が将来における世界の食糧安定にはつながらないという我が国のような主張もあれば、また輸出禁止をしておる国も実はございます。輸出を自由にするということは、金に飽かせて大国が食糧を買っていったら自国の食糧も危険になるので、輸出禁止の法律も私たちは解消することには同意できないという主張をしておる国も開発途上国にあるということを考えてみるときに、先生の今お話のあったような問題というのは起こり得る可能性が十分にあるということも認識をしておかなきゃならない、こう思っておるわけであります。
 午前中もお話し申し上げましたように、私を含めて我が国の今日の主張というのは、各国はそれぞれ自給をしていくということが世界の将来の食糧の安定につながっていくことで、それを支援、協力をする、これが世界食糧の安定に通じていくんだという主張をしておるわけです。アメリカは、世界を自由にしておくことが食糧安定に通ずるという基本的な問題の認識が違うところでありますので、私は、食糧の安全保障というのは、今日起きておる問題を踏まえても必要性をなお一層感じておるというそういう気持ちで対処しておるわけであります。先生と大体同じような理解ではないか、こう思っておるわけであります。
#93
○村沢牧君 大体同じということのお話がありました。私の言うことは正しいと思いますから、よく認識しておいてください。
 そこで、外務省にお伺いいたします。
 昨年のヒューストン・サミットの経済宣言では、我が国の主張が取り入れられ、農業交渉は、食糧安全保障についての関心を考慮する枠組みの中で行われるべきであるとされています。また、OECDの閣僚理事会コミュニケでも、同様趣旨の文言が使われております。
 ところが、本年のロンドン・サミット経済宣言では、農業について、食糧安全保障が忽然と消えてしまった。そこで、非貿易的関心事項を考慮するという文言にかわってしまったことは御承知のとおりであります。
 非貿易的関心事項という幅広い観念では食糧安保の持つ意味が薄くなってしまう。外務省は、非貿易的関心事項の中には食糧安保も入っていると言いたいでありましょうけれども、今まで入っていた食糧安保という文言を盛り込むために外務省は一体どういう努力をしたんですか。あわせて非貿易的関心事項という言葉の定義だとか概念、意味について伺いたい。
#94
○政府委員(林貞行君) 非貿易的関心事項でございますが、これは日本、韓国、スイス、オーストリー、北欧等食糧輸入国として強い関心を有する食糧安保、それから環境保全、農村社会における雇用の確保、地域開発と申しますような農業の多面的な役割を踏まえた概念でございます。
 そもそもこの非貿易的関心事項という言葉は、八九年四月のウルグアイ・ラウンド中間レビューにおきまして、我が方の大変な努力によりまして、食糧安全保障を含むものとして言及されたわけでございまして、その後、OECD、サミット等でも使われている言葉でございます。
 外務省といたしましては、農林省とも協力しつつ、機会あるごとに食糧安全保障を含む非貿易的関心事項の重要性について主張しておるわけでございまして、先ほどから大臣が申されておりますように、なかんずく、食糧安保の重要性ということは繰り返して述べているところであります。
 昨年のOECDの閣僚会議におきましては、非貿易的関心事項ということでありまして、ヒューストン・サミットではそれが安全保障という言葉になりました。ことしにつきましては、OECD閣僚会議、それからロンドン・サミットともに非貿易的関心事項という言葉になっております。先ほどから申し上げておりますとおり、非貿易的関心事項といいますのは食糧安保を含む概念でございまして、との点は、我が方の主張は全く貫かれているというふうに考えます。
#95
○村沢牧君 非貿易的関心事項に食糧安保を含む、そういう解釈をする人もありますけれども、昨年のサミットまでは、食糧安保という言葉が経済宣言に入っておった。ことしは消えた。それを入れるように努力をするのが外務省の務めではないですか。どういう努力をしたんですか。
#96
○政府委員(林貞行君) 非貿易的関心事項に食糧安保が入っているかぜうか、これはそういう解釈もあるというお話でございますが、先ほどの繰り返しになりますが、中間レビューにおきまして、非貿易的関心事項というものは食糧安保を含むものであるということがきっちり規定されておるわけでございまして、問題は、非貿易的関心事項という言葉を使うか、食糧安全保障という言葉を使うかではなくて、そういう概念がきっちり入っているということでございまして、そういう意味においてことしのサミットも、昨年のサミットも、それから二つのOECDの閣僚会議も全く違いはないと考えております。
#97
○村沢牧君 私は、外務省は食糧安保という言葉も経済宣言に入れるように努力したのかどうか、そんなことは全然しなかったのかということを聞いているんですよ。
#98
○政府委員(林貞行君) コミュニケを作成する段階におきまして、私どもの関心が食糧安全保障であるということは明確に述べております。
 他方、ほかの国といたしましては、例えばOECDにいろんな国がありますが、非貿易的関心事項といいますのは、例えばスイスとオーストリー、北欧という国も主張している食糧安保も合一む農業の多面的な役割を指したものだということを申し上げましたが、日本はもちろん食糧安保であると、それからほかの国は、食糧安保以外にも環境保全とか、そういう地域開発というものに関心があるということで、それを含む概念として、それじゃ非貿易的関心事項というものを使おうじゃないかということでことしのOECDになりまして、サミットはそのOECDの文言をそのまま使った、こういうことでございます。
#99
○村沢牧君 私がマスコミなどを通じて承知しておる限りにおいては、例えば諸外国が環境だとか国土保全などに関心を持つ欧州の力をかりて非貿易的関心事項という幅広い概念を盛り込んだ。外務省の外交姿勢が極めて弱いと私は思うんです。
 そこで、外務省はその非貿易的関心事項の中に米が含まれているとするならば、今後の交渉の中で食糧安保の重要性、これは絶対貫きますか。
#100
○政府委員(林貞行君) 貫いていく所存でございます。
#101
○村沢牧君 食糧安保について大臣にひとつ苦言を呈し、また要請もしたいと思うんです。
 ガットヘ行っては食糧安保と言いますね。しかし、農水省の「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」では、従来から主張してきた食糧安全保障という文言が消えてしまっている。近藤農水大臣、あなたがここで平成三年の所信表明を行ったわけでありますが、ウルグアイ・ラウンドについていろいろ述べていますが、食糧安全保障なんということは一言も言っておられないんですね。こんな首尾の一貫しないことで本当に我が国の主張は通せるんですか。
#102
○国務大臣(近藤元次君) 表現はさまざま出てくるわけでありますけれども、当然だと思うときに当然の言葉を言わないときもありますし、いるい一ろ表現は実はあると思うんですが、少なくとも農業交渉において食糧安保の中心になるべき基礎的食糧というものについて、我が国がどのようなものを食糧安保と言うかという定義を提案をしていることをもって先生から御理解をいただければありがたい、こう思っておるわけであります。きちっと定義づけて提案をいたしておるわけですから、それを議論してほしいという要請をしてきておるわけなんであります。漠然と食糧安保の論議をしてほしいということだけを言っておるわけじゃありませんので、お願いをいたしたいと思います。
#103
○村沢牧君 そういうことだったら、国民によくわかるように、食糧安保というのはこういうものだ、だから米は自由化してはいけないということをもっと宣伝し、PRし、普及しなければいけないと思うんです。
 そこでダンケル事務局長は、マスコミを通じて、各国との話し合いで関税化の方向がますます浸透してきている。日本が関税化を受け入れるかどうかではなくて、関税化をどのような範囲で適用するかだなどと言っていますが、大臣との会談におきましてもこういうことを言っているのですか。
#104
○国務大臣(近藤元次君) その表現は朝日新聞の質問に書簡をもって答えた文面ではないだろうか、こう思うわけでありますが、私が行ったときにはそういう表現はありませんでしたが、私はその表現はいい表現だ、こう理解を一つはしておるわけなんです。どこまで関税でカバーできるかということは、裏を返せば全部はできないという認識を一つしていただいておるんではないかな、そういう意味合いでは一定の評価をして、私はその評価をしていることも伝えてまいりました。
 向こうからは念を押して、農業という。問題ではありませんけれども、ガットというものはそれ自体が関税化を原則としておるものですという表現が実はございました。私が冒頭に、関税化の対応は我が国としては全くできませんよと。また言いましたから、基礎的食糧や生産調整をしておる部分については日本の国としては関税化で対応はできませんとはっきり私の方から明言をしてダンケル事務局長にも伝えました。もう一度最後に、少なくとも一定期間であろうとも、あるいは将来にわたるようなことであづても、短期のものであっても、いかような関税であっても受け入れることはできませんということを三回にわたって、私はこのことは念を押してダンケル事務局長に話をしてきた中心のポイントであります。
#105
○村沢牧君 関税化は絶対に我が国としては受け入れることはできない。それでは大臣、部分自由化も応ずることはできない、見解と決意を聞きたい。理由はいいです。
#106
○国務大臣(近藤元次君) そこが食糧安保、基礎的食糧の議論を詰めていただきたいということなんであります。先生御承知で内容は言いませんでしたけれども、少なくとも…………
#107
○村沢牧君 内容はいいですよ。決意だけ。
#108
○国務大臣(近藤元次君) それはもう国内産で自給するという国会決議もあるわけでありますから、従来の方針に変わりなく対処していくという決意で頑張っております。
#109
○村沢牧君 外務省、農水大臣は今お聞きのとおり、また当委員会でも米の関税化はもとより部分開放にも応ずることができない、こういう決意を表明しているんです。外務省の決意を聞きたい。
#110
○政府委員(林貞行君) 関税化につきましては農水大臣のおっしゃったとおりでございまして、私どもも基礎的食糧、それから生産調整をしている産品についての関税化はできないという立場で主張しております。
 米の問題につきましては、国会の決議等も踏まえまして、国内産で自給するとの基本的立場を貫くということで交渉に臨んでおります。
#111
○村沢牧君 関税化のことはよくわかります。部分開放というか、部分的自由化ですね、これもできないと農林水産大臣は言っているんです。外務省どうですか。
#112
○政府委員(林貞行君) 農林水産省と外務省との間に考え方の違いはございません。
#113
○村沢牧君 そこで、我が国は食糧安保を貫いて米の関税化にも部分開放にも応ずることはできない。ダンケル事務局長は、十月末にも一定の方向性を示した合意原案を示すようでありますが、そうだとすれば、我が国はガットの規制、規律にどのようなことを盛り込ませ、多国間交渉でそれを貫き通そうとするのですか。
#114
○政府委員(川合淳二君) 私どもの提案は、先ほど大臣からも触れられましたように、ガットの規則の中に特別の規定を盛り込むべく提案しているわけでございます。
 具体的には、二十一条に「安全保障のための例外」という条項がありますが、その次に二十一条の二として食糧安全保障のための例外、この条文を追加するよう提案しているところでございます。
#115
○村沢牧君 ウルグアイ・ラウンドが重要な時期を迎えてくるということは大臣から答弁があったとおりであります。政府部内では、米国とECが譲歩すれば日本も譲歩する用意があるというような意見が聞かれるんです。しかし大臣、どういう時期に至るとしても、アメリカとECがたとえ妥協したとしても、日本としては基本路線は絶対に譲歩してはならない、そういう決意はお持ちですか。
#116
○国務大臣(近藤元次君) これからの交渉の過程でありますので、少なくともこの五年間に日本が最も自由化を先行しできておる問題でありますし、国境措置も一番少ない品目になっておるわけであります。妥協がどういう変化でどうなってくるかは予測がつきにくいわけでありますが、今の基本線というものは守り抜いていかなければならない、そう考えて対処していく方針であります。
#117
○村沢牧君 そういう決意はわかりますけれども、我が国は我が国の主張があるんです。アメリカとECが対決していることは、私も昨年ベルギーのブラッセルへ行ってよく承知しているんです。しかしそういう中にあっても日本は譲ることができない、日本は日本の主張がある、そのことをあくまで貫いて、両国があるいは両ブロックが妥協したから日本もそれに倣っていくなんということはやっちゃいけないと思うんです。改めて決意を伺いたい。
#118
○国務大臣(近藤元次君) 両国の対立している視点と我が国が対立している視点というのは違った視点で今のところ対立していることは先生御案内のとおりでありますから、妥協があることで日本が譲歩するという考えは持っておりません。
#119
○村沢牧君 そのことも確認しておきましょう。
 そこで外務省、サミットの経済宣言では、各国首脳は、もし相違点が最高レベルでしか解決できない場合には、相互に介入しつつ引き続きこの過程で個人的に関与するとされていますが、これはどんなことを想定してこのような文言になったんですか。
#120
○政府委員(林貞行君) 御指摘のサミット経済宣言の文言でございますが、これはウルグアイ・ラウンド交渉の本年末までの成功裏の妥結についての政治的決意を表明したものでございまして、二国間協議等何か具体的なものを想定したものではございません。
#121
○村沢牧君 もちろんガットはウルグアイ・ラウンドで多国間の場で協議をする、よく承知しています。しかし現実には、二国間で協議ではないけれどもいろいろ圧力もかかってくることも事実。総理も米はウルグアイ・ラウンドで協議をすると言っておりますけれども、そう言っている総理が、首脳が時によって介入することがあるなんてことはこれはガットの今までやってきたことと矛盾するんではありませんか。年末に向けて山場が来たときにこのサミットの宣言によって総理による政治的決着の介入があるというふうに思いますか。あるというか、こういうことになればやってもいいということになるんじゃないですか。
#122
○政府委員(林貞行君) ウルグアイ・ラウンドというのは、国際貿易に関する秩序づくりということで我が国にとっても大変重要な交渉でございます。そういう意味からいいまして総理は、ウルグアイ・ラウンドの各主要な段階において事務当局からも報告を聞いておられますし、必要に応じて御指示を出しておられます。したがって、各首脳が個人的に関与するということは、まさに海部総理がこういうことをやっておられることでございます。それからまた、例えば今おっしゃっていましたように、二国間協議等の場があればそこで世界の重要問題の一つとしてウルグアイ・ラウンドが協議されることがあるわけでございます。そういうことでありまして、これによって何か新しいことが出てくるということではございません。
#123
○村沢牧君 ですから、農産物、米問題についてはウルグアイ・ラウンドでやるんだ。したがって、その過程において首脳が個人的に介入をしてくる、政治決着を図る、この経済宣言の文面の中ではそういうことは意味していないということですか。
#124
○政府委員(林貞行君) 米の問題、食糧安全保障の問題、それから農産物の問題、これはウルグアイ・ラウンドの十五項目の一つでございます。したがいまして、全体としてウルグアイ・ラウンドで決着を図るというのは当然のことでございます。他方、国際経済秩序にかかわる重要な問題でございますので、いろんな場で二国間の非公式な話し合いが行われる、それから、国内においても首脳が関心を持ってその対処ぶりをごらんになるということはまた当然のことであろうと思います。
#125
○村沢牧君 二国間で交渉もあるような答弁ですけれども、米についてはウルグアイ・ラウンドでやるんだと。これは日米二国間で話ができているんです。そのことは当委員会でもたびたび歴代大臣が答弁しておるんです。米の問題について二国間で協議をする、首脳が介入をする、そのようなことがあってはならないと思う。外務省、どうですか。
#126
○政府委員(林貞行君) 二国間で決着するというようなことはあり得ないわけでございまして、米の問題は、先生も御指摘のとおり、ウルグアイ・ラウンドで決着するということは日本政府の基本方針でございますし、それは日米ともそういうことでございます。
#127
○村沢牧君 重ねて外務省に伺いたいが、アメリカは我が国に米の関税化や、ひいては自由化を求めていますが、みずからはどうか。みずからは牛肉を食肉輸入法で輸入制限をしたり、ウエーバー条項によって十四品目について輸入制限の特権を有しているんです。また、九〇年農業法は輸出促進政策を強化して現に補助金つき輸出を実施しているんです。日本にはこういう強硬な姿勢をとり
続けながら自分の国の農業は保護を強化している、こうした行動について外務省はどのような考えをお持ちですか。こういうことについてアメリカに言ったことがありますか。
#128
○政府委員(林貞行君) これは、八六年にウルグアイ・ラウンド交渉が始まったわけでございますが、それからの措置をどういうふうに考えるかという問題かと思います。私の承知しております限り、農水大臣がダンケル事務局長にお会いになったときも、八六年以降の日本の自由化努力というものは交渉の妥結に当たっては十分考えてもらわなきゃいけない、これはガットではクレジットと言っていますが、そういうものを考えてもらわなきゃいけないということを強く申されたというふうに私は聞いております。農業分野につきましては各国とも困難な問題を抱えているということでございまして、先生御指摘のとおり、アメリカとしてもそんなに威張れた政策ではありません。アメリカとしても困難な問題を抱えているわけでございます。
 他方アメリカ政府は、各国が同様な措置をとることを前提といたしまして、みずからのウエーバー品目についても関税化する旨、それから今先生が御指摘になりましたみずからやっているいろんな輸出補助金の問題、これも十年間で九〇%削減するという提案を文書の形で出しているというのがアメリカの立場でございます。もちろん私どもの考え方といたしましては、ガット上認められたウエーバーといっても、その輸入制限効果というものは、そうでないものと比べて変わらないわけでございまして、それは交渉上全く同じに扱わなければならないということが私どもの基本的な立場でございます。
#129
○村沢牧君 アメリカはいろいろな形で、私どもから見れば日本に対して圧力あるいは内政干渉みたいなことをやっているわけです。現にアメリカ大使館のパーカー農務担当公使は、日本国内のあちこちで、日本は米を自由化せよ、アメリカの提案は日本の米農家に十分な保護を与えるものである、ウルグアイ・ラウンドでは多くの輸入食品の関税を引き下げることを期待しているなどとの講演をしているんです。こうしたことについて外務省は内政干渉だと思いませんか。
#130
○政府委員(林貞行君) パーカー農務官の話が出ましたが、外交官として発言に当たっては当然その任国の事情等を十分踏まえた発言でなければならないと思います。
 他方、今内政干渉という言葉をいただきましたけれども、相互依存の関係が非常に強まっているのが今の国際経済の現状でございまして、そういう観点からは、お互いの国内的な制度にかかわるようなもの、十年前、二十年前では貿易交渉の対象とならなかったようなものがお互いの話し合いの場に上るということもこれは現実の問題でございまして、そういう意味から、アメリカはウルグアイ・ラウンド交渉で非関税的な制度をすべて関税にしようというようなことを言っているわけでございまして、これについての日本の態度は先ほど来農水大臣から言われているとおりでございますが、そういうアメリカの考え方についてアメリカの農務官が、その発言の仕方は別としまして、日本でお話しになるということ自体は、これは一つの農務官の役割としてはあり得ることではないか、こういうふうに考えております。
#131
○村沢牧君 アメリカの公使が日本国内のあちこちで演説する。そうだとすれば、日本のアメリカヘ行っている大使館の諸君も、アメリカの国内で、国益を守るために、国会決議を守るためにやるべきだと思うんです。そんなことをやる決意はありますか。
#132
○政府委員(林貞行君) 我が方のアメリカ大使館には農林省からの出向者もおられますし、それから経済班、そのほかにもいろんな人がおります。それで、私も随分昔に勤務をしたことがありますが、いろいろな館員がセミナー。とか講演会に出まして日本の立場を主張しておるわけでございます。そういう意味からいきまして、日本の食糧安全保障の考え方、基礎的食糧の考え方につきましては、我が方としてもいろんな機会を通じて、特にアメリカにおいて広報には努力しているつもりでございます。
#133
○村沢牧君 農水省もこういうことを知っておるというふうに思うんですが、これは黙って見ておったんですか。
#134
○政府委員(川合淳二君) 私どもは、今御指摘のアメリカの外交官が各地でいろいろなお話をしているということは承知しておりますが、その表現あるいは物の言い方と申しますか、そういうことについてはやや礼儀を失しているものもあるので。はないか、あるいは外交上やや問題があるものもあるのではないかということを感じておりまして、いろいろな機会をとらえて直接、間接に物を言っているところでございます。
#135
○村沢牧君 農水省は、この農務担当公使の発言の内容についてもいろいろ間違っておる、向こうは間違っていないと思うかもしれませんが、いろいろ抗議もしておる、文句を言っておると。外務省もそのくらいの態度を示されませんか。
#136
○政府委員(林貞行君) 先ほど申し上げましたように、事実が違っておりましたり、それから表現が不適切なことはやはりやるべきではない、こういうふうに考えます。そういう観点から今特定の外交官の発言についてのお話がありましたが、私どもとしても行き過ぎがあれば注意するということをしてまいりたいと思います。
#137
○村沢牧君 この問題についてぼちぼち終わりたいと思うんですが、せっかく外務省に来てもらっておりますから最後に一つだけ申し上げたい。
 先ほど来答弁がありましたように、政府は一体である、米の関税化も、もちろん部分開放もやらない、今後そういう態度でもってさらに貫いていくというような趣旨の答弁があったんですが、改めてこの決意をお伺いし、確認をいたしたいと思います。
#138
○政府委員(林貞行君) 私どもとしましても、農業の重要性、それからその上に占める基礎的食糧の重要性は十分わかっておるつもりでございます。今後とも農林省と密接に協議しながら、ウルグアイ・ラウンド交渉に当たっていきたいと思います。
#139
○村沢牧君 そこで外務省、局長がそういう態度で当然のことだと思いますけれども、時折外務省の中には国会決議や内閣の方針に反するような、水を差すような発言をする官僚がおるんですよ。ですから局長、せっかくこの委員会に出たんですから、そのようなことを今度やったら私絶対許しませんから、よく省内徹底しているように思いますけれぜも、そうした面において外務省の統一した意思をさらに深めてもらいたい。要請します。答弁を求めます。
#140
○政府委員(林貞行君) 御趣旨のとおりやりたいと思います。
#141
○村沢牧君 次の問題に移ります。
 政府は、去る五月、新しい食料・農業・農村政策に関する検討本部を設置いたしましたが、マスコミは農地解放以来の農業制度の大改正と報道しているわけです。しかし、検討しようとする基本的な課題や項目は抽象的に述べておるだけでよくわからない。この政策は現在検討中でありますが、新政策の内容についてはいずれ詳細に質問いたしますけれども、本日は以下の項目について問題意識と検討の報告を説明してください。
 一つは、減反政策と食管制度について。一つは農地所有と利用の方法、農地制度との関係。一つは地域活性化と条件不利地域、言うなれば中山間地対策。四つ目には後継者あるいは担い手対策。
#142
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま省内で検討しております新政策検討本部の作業状況、後ほどまた御報告もあろうかと思いますが、現在のところ一まだ総論段階という認識を私ども持っております。
 課題といたしまして、ただいま先生から御指摘のございました減反問題と食管制度というふうな形での課題設定は今のところ具体的にしておりませんが、土地利用型の農業をいかに安定した形で発展をさせていくかということを検討するに際し
まして、従来からの大変大きな課題でございました水田農業確立対策が平成四年度で後期を終わるわけでございます。五年以降、こういった政策というものを、米の需給をにらみながら、土地利用型農業の中心をなす水田農業というものをどういうふうな形で展開をし、またそれをサポートしていくか、こういう課題に取り組まにゃいかぬ。
 その議論をするに際しましては、当然のことながら米の需給管理のあり方、これは当然価格問題ということも関係をしてくると思いますが、そういった意味で食管制度問題についてもどういう議論をするかということをよく検討しなければならないという認識を持っておりますけれども、具体的にまだ、ただいま申し上げましたような課題についてどういう切り口で検討をしていくかというところまでは立ち至っていないというのが現在の状況でございます。
#143
○政府委員(海野研一君) この農地所有と利用方式につきましても、基本的な視点としては、現在の後継者不足の中で安定的かつ持続的な農業経営が可能になるような多様な担い手を育成していくという視点から、どのような担い手を育成していくか、またその中でどのような手段で育成していくかということも、検討の一環として農地制度のあり方というものも検討に入ってまいりますが、まず担い手の姿なりそれへの道筋というものが先行いたしますものですから、それに応じて農地制度のあり方も考えていくというようなことになろうかと思います。
#144
○政府委員(馬場久萬男君) そのほかの問題でございますが、特に地域政策の関係でございます。
 農村地域の重要性は申すまでもございませんけれども、その中身が御案内のとおり、例えば平地農村、中山間、いろいろ特徴がございまして、それぞれの地域の置かれている条件あるいはそこにおいて進行している現実の問題、例えば過疎化でありますとか高齢化でありますとか混住化でありますとか、いろいろな要素がございます。
 したがいまして、それらの地域についてこれからどういう形で、例えば地域の形をそれぞれ分類をしまして、その中でどういうことが要求されているか、混住化を秩序立てた形で進めていくか、あるいは定住の条件をそろえていくか等々の問題がございますので、それらについてこれから検討いたしたいと思いますが、先ほど食糧庁長官が申しましたように、まだ総論的な議論をしている段階でございまして、今後の方向等についてはこれからの問題だと思っております。
#145
○村沢牧君 そんなに煮詰まっているとは私は思いませんが、しかしこういう本部をつくったときにマスコミは、これからの減反は農家の自由意思を尊重するんだ、減反に応じた農家の米は政府が最低保証価格で買い上げる、そういうことを報道しています。それは食管法にもつながってくる。また、農地所有については、所有と経営を分離して法人、企業の参入も許すようにする。これは農地制度との関係にもつながってくる等々報直しているんですが、これはマスコミが勝手にそういうことを描いたことですか、皆さん方の口からそんなことが出たんじゃありませんか。代表して答弁してください、もう一回。それも選択肢の一つですか。
#146
○政府委員(馬場久萬男君) マスコミの皆さんがどういうことを期待して書かれたかわかりませんが、私どもの方では、今先生のおっしゃったような具体的な話をしたことは一切ございません。
#147
○村沢牧君 それは具体的な話もまだ詳細に出ているわけではないというふうに思いますけれども、そういうことも今後検討する一つの選択肢だというふうに見ていいですか。
#148
○政府委員(馬場久萬男君) 現在、内部でいろいろ検討しておりますし、また外部の方々のいろいろな御意見も伺っております。そういう点においては、今後もいろいろなお考えがあるいは出てくるかもしれませんが、先生のおっしゃるように選択肢というような形で私どもそれは考えておりませんで、いろいろな御意見があるということは拝聴いたしますけれども、我々が政策を選択するものということではとらえておりません。
#149
○村沢牧君 重要な問題でありまして、私たちも関心を持っているということじゃなくて、私たちも一つの法律をつくろうということで今準備をしています。したがって、マスコミで報道されているようなこととは私どものつくろうとする法律は違いますから、その点も十分皆さん方も配慮しておいてください。
 そこで私は、農政の最大の使命は、国民の生存に不可欠な食糧を安定的に供給することであろうというふうに思うんです。そのためには十分な食糧自給率が確保されなければならない。しかし、我が国の食糧の自給率は御承知のとおり百六十四カ国のうち百四十五番目というような低さ。したがって、農政の当面する最大の課題を検討しようとするならば、この新政策の基本としても食糧自給率をどうするのか、これを考えなければならないと思いますが、今農水省が考えておる項目の中にはこうしたものが入っておらない。新政策に取り組む政府の姿勢について誤っているんじゃありませんか。
#150
○政府委員(馬場久萬男君) 食糧の自給率につきましては先生御案内のとおり、昨年の一月に閣議決定をいたしました西暦二〇〇〇年を目標とします農産物の需要と供給の見通しのところにおきまして、供給熱量で現在四八%のものを五〇%台に乗せたいという目標を掲げているところでございます。
 新政策の場合におきましては、むしろその自給率向上に向けての具体的な方策として、当時から申し上げておりましたが、例えば米につきましては良質米や加工用米の供給など需要に即した生産を進めていく、あるいは大豆、小麦等につきましても品質、コスト面での改善を図りながら生産の拡大を進めていく、あるいは畜産についての飼料基盤の拡充を図っていく等々の具体的な施策を進めていく上で、例えば担い手をどうするか、あるいは生産の組織をどうするか、さらには生産基盤の整備をどうするかという問題を進めていくわけでございまして、おっしゃるように自給率向上そのものを新政策の中身にしておりませんが、新政策の内容になるものはいずれもそれに結びつくものであるというふうに考えています。
#151
○村沢牧君 その点は十分重要視してやるべきです。なるほど平成十二年見通しの自給率は立てたけれども、これを達成するのは容易なことではないと私は思います。ですからそういう立場に立って検討してもらいたいと思う。
 次は、にせ米の問題については先ほど大渕委員からも質問のあったところでありますが、これは警察当局に任せておくんじゃなくて、食糧庁が積極的に真相究明に取り組まなければならないと思うが、どうですか。
#152
○政府委員(京谷昭夫君) 今般の事件につきましては、私どもも大変遺憾な事態であり、食管行政の立場からも事実究明をしていきたいと考えておるわけでございます。
 ただ、率直に申し上げまして刑事案件がオーバーラップをしておるわけでございます。そしてまた、そういった問題についての事実究明能力について私どもに限界があることも事実でございますので、現時点では、午前中にもお話し申し上げましたとおり、刑事案件として捜査当局の事実究明を見守っておる状況でございます。
 調査の対象が、この案件に関する限り、人間あるいは地域等必要な資料も共通のものであります。現在、刑事捜査のために捜査活動が行われておりまして、私どもの調査がオーバーラップして御迷惑をかけないようにしておりますので、先方とも連絡して現在中断しておりますが、捜査の進展状況に応じまして捜査当局から情報提供を受ける、あるいはまたいろいろ御意見も聞きながら私どもの調査もしかるべきタイミングで実施をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#153
○村沢牧君 警察当局に任せるのではなくて、こういうことが発生した多くの原因は、農水省に重大な責任があるんですよ。それは時間がありませんから一々申し上げませんが、例えば自由米が年間二百万トンと言われるけれども、これは目をつぶってきた。それから不正規流通米は、農家だけではなくて、正規のルートに乗った後でも、集荷、卸、小売の段階から大量に出回っていると見られるんです。自主流通米が七割も占めて、流通段階の規制が緩和されたからこういうことになったんです。午前中も答弁があったように、消費段階で検査の仕組みはあるけれどもやっていないじゃないか。あなたたちにも責任があるんですよ。そのことを十分自覚しなければいけない。
 そこで、いろいろ米の流通について食管法違反を振りかざしたならば至るところで違反だらけで収拾がつかなくなる、こうした現実を解消することができないとするならば、すなわち食管制度を見直して、法律制度を現実に合わせる以外ないではないか、こういう意見がありますね。食糧庁はそんなぶざまなことを考えているんですか。
#154
○政府委員(京谷昭夫君) 不正規流通がいろいろな形で存在しているのではないかという御議論、私どもも認識をしております。食糧管理制度の枠組みの中で、私ども市場の変化に応じまして流通の活性化、弾力化もしてきておるわけでございますが、そのことが実は今回の事件の直接的な原因になっているとは思いませんけれども、先生からお話がございましたように、制度の運営について私ども自身がさらに努力をすべき点も多々あろうかと思います。事実究明の中で得られた状況に応じて、私ども自身が正すべき点は正していきたいと思いますし、また、こういった現実の状況に応じて食管制度そのものを直すべきであるという御意見があるやのお話でございますが、私どもは今度のような状況で現実に合わせて食管法を直すというふうな考え方は全く持っておらないところでございます。
#155
○村沢牧君 そこで私は、詳細に質問したり追及する時間がありませんが、いずれにしても今回の事件に関与した飯塚米穀あるいはアサヒ通商、山種商事、山種産業、これは食管法が規定をする集荷業者の指定だとか販売業者の許可に違反するものだ。流通段階でもそうだ。こんなことは警察が調査をしなくたってわかることじゃないですか。資格要件から違反をしたらば食管法としてこれを処分、処理する。行政処分だけじゃない。その決意があるのかどうか、そのことだけ伺っておきたいんです。
#156
○政府委員(京谷昭夫君) 私どもはこの不正規流通の実態に合わせていろんな是正措置をする必要があると考えておりますけれども、その判断をするための事実究明がまだ十分に行われておる状況ではございません。捜査の結果も踏まえて、かつまた必要な我々の調査も重ねた上で事実を解明し、その事実の結果に従いまして、御指摘のございますような処分を考えていくべきだろうと思います。いろいろ関係者の関与している状況に応じまして行政指導あるいは行政処分、具体的には経営改善措置命令あるいは営業停止、許可の取り消しというふうなものが考えられますが、そういう行政処分、また、場合によっては司法手続に沿って罰則の適用を進めるということが可能かどうか、そういったことについて十分検討の上、対処していきたいというふうに考えておる次第でございます。
#157
○村沢牧君 そんななまぬるいことだからだめなんですよ。食管法違反なら違反で、それは食管法違反として処置をすべきじゃないのか。そんなことは調査をしないでもわかるんじゃないですか、この業者は資格があるのかないのか、流通はどう、か。そんなことをやっているから食管法は全く形骸化してしまっているんですよ。強くそのことを指摘しておきましょう。
 時間がないから次の問題に移ります。
 さきの国会で国有林改善特別措置法が一部改正されて、多年の念願であった財政再建に一定の方向づけを行った。そこで具体的にお聞きをしたいんですが、累積債務処理計画、それから民有林並みの助成、平成四年度どのような概算要求を行ったか、数字をもって答えてください。
#158
○政府委員(小澤普照君) 平成四年度の一般会計関係の要求額でございますけれども、国有林に対する繰り入れの総額は、生活関連重点化枠分も含めまして三百十二億円、対前年比では……
#159
○村沢牧君 いや、そんなことを言っているんじゃないんです。時間がないから、累積債務は幾らあって、それで一般会計からどれだけ負担をして、それから自助努力をどうするのか、経常事業部門については民有林との差がどれだけあって、そうして幾ら要求したのか、そういうことを聞いているんです。
#160
○政府委員(小澤普照君) 御質問が二つに分かれておりまして、累積債務問題とそれから経常事業関係とでございます。
 まず累積債務につきましては、総額で二兆二千五百十一億円というのは御承知おきのことかと思いますが、これに対する対策要求でございますけれども、累積債務対策にかかわる一般会計繰入要求額は百三十六億五千一百万円ということでございます。ちなみに、前年は百億でございます。
 それから次に、経常の分につきましては、造林・林道の事業を実施いたします際に、民有林とのバランスという意味で、これの要求額は百五十七億円でございまして、法案の御審議の際にどのくらいの差があるかというふうなことがございまして、あのときはたしか九十数億というふうになっていたかと思いますが……
#161
○村沢牧君 いいです、もう時間がないから。民有林との差は九十四億。概算要求では二十七億でしょう。間違いありますか。
#162
○政府委員(小澤普照君) 二十七億円でございます。
#163
○村沢牧君 累積債務について一般会計に負担を求める。自助努力は、累積債務が二兆二千五百億ある中で一兆三千億ぐらいやる。あと一兆円は一般会計で持ってもらうんだ。しかし、金額も膨らみます。それは平成十二年までやる。一般会計から一兆円以上も出してもらうのに、もっと出してもらわなきゃならないのに、一年間に百三十六億の概算要求で、一体この問国会の質問をしたとおりの形になるのかどうか。ならないでしょう。民有林並みの助成に必要な資金は九十四億。ところが概算要求は二十七億しかしていない。大臣は、この法律審議のときに、平成四年には民有林並みにやります、また、うんと一般会計から導入しますと答弁していますね。法律改正のときにはこういうことを言ったけれども、概算要求は一体何だと。どうですか、簡単に答弁してください。
#164
○政府委員(小澤普照君) 債務処理の問題につきましては、今回の法律で仕切っていただきましたのは、まず経常事業と区分するということでございましたけれども、その中で、この債務につきましては、今先生おっしゃいましたように、一兆三千億円は自己資産処分をもって充てるということを御説明しておるとおりでございます。それからなお、将来生ずるであろう剰余金をもって充てるということも申し上げておりまして、それで不足するものにつきましては別途財政措置を講ずるという閣議了解に基づいて、私の立場としてはこれはお願いする立場でございますけれども、経営改善を着実に実施しながらこの分につきまして対応をしていかなければならないということでございます。
#165
○村沢牧君 そこで、大蔵省は、平成四年度の予算でもシーリング方式をとって、昨年の予算の何%減だとやっていますね。しかし、この間に新たな法律ができて、新たな財政負担を伴うものができたんですよ。それはシーリングで抑えるのではなくて、やっぱりシーリングの枠外にすべきだと思いますが、どうですか。
#166
○説明員(田谷廣明君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のシーリングの問題でございますが、概算要求基準と申しますのは十分御理解いただいたと思いますが、各省庁いろんな要求があるわけでございますが、その要求の総枠を例えば何億円というぐあいに限度を決めているわけでございまして、各省庁それぞれ毎年法律改正を含みますいろんな制度改正がございまして、それに
伴って財政負担の増減があるわけでございます。それらをみんなひっくるめまして、いわばめり張りをつけた上で御要求をいただくというのが概算要求の制度でございますので、私どもはそういった要求を踏まえて、また年末まで予算編成の過程で適切に対応していきたい、こういうふうに考えております。
#167
○村沢牧君 これも時間がないからそれ以上申し上げませんが、大蔵省、法律改正したんですよ。しかし、私が指摘したように、平成四年にはこれぐらいやりますと、だけど概算要求が少ない。これは概算要求が少ないといえば、農水省や林野庁は何やっていたんだとこうなる。しかしそれは大蔵省が抑えていたからそうなる。だから予算決定の際にはそういうことを踏まえてやってもらわなきゃいけない、そのことだけ申し上げておきましょう。
 最後にもう一点だけお伺いします。
 地域農業を確立するために、農業生産体質強化推進対策事業なんというものを行っていますが、この事業はメニューを示して補助金を支出している。このメニューは農水省の判断で画一的に決めるのではなくて、私は、地域の重要農産物であって、その地域にとって必要な作物については地域の要望にこたえてこれは採択すべきなんだと、せっかくこういう事業をつくったんだから。
 そこで、一例を申し上げますが、果樹の防霜ファンというのがあるんです。これはこの事業のメニューに入っておらない。ただしリンゴとブドウと桃については特認事項として防霜ファンをつくるっていいと認めている。ところがナシについてはだめだというんですね。なぜナシはだめなのか。ナシ園とリンゴ園が隣接している、お隣のリンゴ園では補助金をもらってこの防霜ファンをやる、ナシはだめだというんです。ナシのところには霜がおりてこないんでしょうかね。ナシは霜に強いというのか。こんなことぐらいで農水省は一体なぜこんな厳しいことをするんだ。来年もこうした事業をやるようでありますけれども、どうですか。
#168
○政府委員(上野博史君) 農業生産体質強化推進事業をさらに拡充して来年も実施すべく要求をいたしております。その中で防霜ファンの問題でございますけれども、私どもとすれば、ナシにつきましても、リンゴやカキに準じまして適用対象になるものだというふうに考えておりますが、ただ、具体的には、限られた財政資金の中でどういうような補助対象にその金を投入するかというような問題については、それぞれの地域のプライオリティーといいますか、総合的な判断があってのことだろうというふうに考えております。
#169
○村沢牧君 考えておっちゃだめなんですよ。今申し上げたように、そんなことがあるんだから地域の要求にこたえていきなさいということを強く言っておきましょう。
 終わります。
#170
○初村滝一郎君 私は、雲仙・普賢岳の火山活動に伴う漁業被害対策についてお尋ねをいたします。
 島原半島周辺は、クルマエビ、ヒラメ、カレイなど高級魚の宝庫と言われておりますが、長引く普賢岳の火山活動によって漁場環境等に大きな影響が出ておると思います。特に九月から十月にかけてノリの養殖の準備を終了しておる。例えば支柱設置とか種つけ等が終わっておるわけです。そこで、十月から来年の三月にかけてノリの摘み取りをするわけでありますが、これへの影響が非常にあると思うんです。
 このために水産庁では、去る七月六日から有明海周辺の関係各県と連携して、水質検査を中心とした漁場環境影響調査を実施したと聞いておりますが、どのような調査を行ったのか、調査項目、調査方法、調査期間等について簡潔に説明を願いたい。また、調査の結果がまとまっていればあわせてお伺いをしたいと思います。
#171
○政府委員(鶴岡俊彦君) 水産庁におきましては、九州漁業調整事務所の取締船を活用いたしまして漁場環境の調査を行っております。調査項目につきましては、水温、塩分、水の色、透明度、濁度、画、漂流物等につきまして、おおむね月二回調査を行っております。七月の六日から九月の十日まで五回の調査を実施したところでございます。
 調査の概要でございますけれども、木片等の漂流物は確認されましたけれども、水温とか塩分、水の色、透明度、濁度、胆のいずれにも、調査した地点におきましては、火山活動によると思われる異常は認められていないというような報告を受けております。
 また、福岡、佐賀、熊本、長崎各県でも調査を行っておりますけれども、各県からの報告によりましても火山活動によると思われる異常は認められていないというような報告を受けております。
 それからノリの養殖関係でございますけれども、長崎県からの報告によりますと、島原市、有明町、深江可及び布津町におきまして、ノリの糸状体の培養、種の培養を五名で行っているようでございますが、降灰によりまして培養場の採光用の窓に火山灰が堆積しましてその除去に手間を要していると聞いていますが、養殖施設及びノリの糸状体の生育自身に直接被害が出ているというふうには報告はされていません。いずれにしましても、本年のノリの採苗はこれらの地区におきまして十月上旬に開始される予定というふうに承知しております。その状況につきましては注意深く見守っていきまして、必要があれば適切な対策を講じたいというふうに考えております。
#172
○初村滝一郎君 水温、塩分、濁りの拡散など水質検査を中心に調査して異常なしという報告が来ておりますけれども、水質の調査だけで漁場へ一の影響を判断するのはいかがなものかなと思います。火山灰による漁場への影響は、海水の汚染調査のみでなく、汚泥の堆積状況など総合的な調査が必要であろうかと思います。
 また、環境影響調査は、今年度いっぱい毎月二回のペースで実施されるようでありますけれども、火山活動は終息のめどが立っておりません。したがって、その意味からも火山活動が終息するまで継続して調査を実施する必要があるし、調査項目についても再検討すべきであると思うが、水産庁のお考えはいかがでしょうか。
#173
○政府委員(鶴岡俊彦君) 雲仙岳の火山活動は依然として活発でございます。御指摘のように土石流とか火砕流の流入、火山灰の降下等によります海の漁場環境の悪化の危険性は現在も引き続きあるというふうに承知しているわけでございます。そういうことから、また、有明海沿岸各県で行っておる漁業のうち、ノリ養殖が重要な地位を占めているということで、ノリ養殖につきましては、先ほどお話がありましたように、九月から三月までが漁期であるというようなこと等も考えまして、当面今年度いっぱい漁場環境影響調査を実施することといたしております。その後の実施につきましては、今後の火山活動の推移を見ながら検討していきたいというふうに考えております。
 それから、調査内容につきましては、水産庁と各県が連携をして行っておるし、今後も行っていきたいと思います。特に汚泥等の堆積状況につきましては長崎県において調査中でございます。いずれにしましても、今後とも県と連絡をとりながら適切な調査を実施していきたいというように考えております。
#174
○初村滝一郎君 七月に実施した漁場環境影響調査では、漁場の具体的な被害状況については調査しなかったようですが、火山活動の長期化に伴って漁場への影響が出始めていることは事実なんです。私が地元漁協等を通じて調査したところによりますと、頻発する火砕流や土石流によって多量の火山灰が有明海に流出し、移動性の乏しいアサリあるいは魚のえになるゴカイ、こういうものが生き埋めになっておる。そしてまた、漁礁にも影響が出ているとの報告を受けております。こうした状況を考えると、今後漁場整備や漁場復旧事業を積極的に実施する必要があるのではないかと考えます。したがって、これに対して水産庁ではどのような対策を考えているのか、計画があればお
答えを願いたいと思います。
#175
○政府委員(鶴岡俊彦君) 現在、漁場の具体的な被害状況につきましては明らかでないわけでございますけれども、私どもの方でも、水無川河口付近の一部の漁場に土砂等の流入があり堆積しているという報告は受けているわけでございます。
 いずれにしましても、漁場整備や漁場の復旧事業につきましては今後の火山活動の動向を見守る必要があろうかと思いますけれども、それを見ながら具体的な被害状況を把握した上で、県当局とも十分相談しながら検討していきたいというふうに考えております。
#176
○初村滝一郎君 今回の雲仙岳噴火災害に際しては、水産庁も現地に係官を派遣するなど県の漁業担当者と協力していろいろな対策を幅広くやっておりますことは地元漁民としても大変喜んでおるわけであります。
 しかしながら、一方、火山活動の長期化に伴って観光客が非常に減った、魚の需要も減った、その上に魚価まで安くなっておるというようなことから操業意欲が非常に減退しておるという傾向も見受けられるわけであります。また、漁民の中には出稼ぎに行く人も出ておるというようなことも聞いておるわけであります。
 このような状況にありますので、水産庁としても引き続き漁業被害の実態把握に努め、漁業者の生活が成り立つような適切な対策を講じていただくよう強く私は要望したいと思います。このことについて長官の心構えをお聞かせ願って私の質問を終わります。
#177
○政府委員(鶴岡俊彦君) 御指摘のように、噴火活動に伴いまして観光客が減少するなどによりまして水産物に対する需要が減少し、価格が安くなる、あるいは交通が不完全であるというようなことによる出荷難等から漁業者の操業意欲が減退しているという傾向が見られるという報告を受けています。
 それからまた、先ほど申しましたように、水無川河口付近を中心として土砂の堆積等が見られ、漁港施設等への影響も懸念されているというふうに承知しているわけでございます。
 既にそういうことに対処するために、既往の貸付制度資金の償還条件の緩和でありますとか漁業収入が減少し経営が困難になった漁業者の方々に対しては経営安定資金の貸付限度額を引き上げる、あるいは被害を受けた施設を復旧する、これはこれからのことでございますけれども、農林漁業施設資金の貸付限度額の引き上げとか、あるいは貸付金利の引き下げ等の措置を講じて漁業者の経営の維持、再建を図ることといたしております。また、今後も情勢を見ながら適宜対応していきたいというように考えております。
#178
○星野朋市君 農林大臣に、ガット・ウルグアイ・ラウンドについて三点ばかりお聞きをいたしたいと思います。
 先ほどの御答弁の中に、ダンケル局長が、基礎的食糧安全保障に対してはこういう形で対応できるのではないかというお話を御披露なさいました。一つは備蓄、二国間における予約、それから多国間交渉ですね。ところが、そのうち第二点目の二国間の予約ということに関しては非常に問題のある事象が今出ていると思うのです。一つは、オーストラリアにおける小麦の減産、日本に対する割り当てがあるいは減らされるのではないかという心配があります。同時に、世紀末の十年というのはいつも気象条件が悪いという歴史的な経緯がありまして、ことしもそのほかにソ連の穀物が約五千万トンぐらい減産になるのではないか。それからブラジルの干ばつ、近くでは中国の大洪水、こういうような不安定な要素が頻発しておるわけでございまして、そういう意味では我が国の唱えているいわゆる基礎的食糧安保、こういうことはもっと強く世界に披露して、これの支持を取りつけるということが大事なことだと思いますが、いかがでございますか。
#179
○国務大臣(近藤元次君) 先生お話しのとおり、当面オーストラリアで小麦の干ばつ不作で日本との約束を実行できるかどうかということが私どもを不安にしておる一つでありますから、予約等で対応できるというようなことはとても応ずるわけにはいきません。いずれにしても基礎的食糧というのは、我が国が提案している定義というのは、自国のカロリーベースの相当部分を支えておる部分、生産調整をしておる部分、輸出しないで他国に迷惑をかけていない部分、そしてそれが国会、公的機関で決議をして担保されておるというようなものを基礎的食糧としてはいかがなものかということで定義を提案をいたしておるわけでございまして、そこは米という表現ではございませんけれども、この基礎的食糧というものは、こういうものを基礎的食糧として各国が抱えておったら、それに該当するものが基礎的食糧としてガットの定義にも認められていることで対応してはいかがなものかということで、そこが明確になってくれば私はそれで対応ができるものだ、そう理解をしておるわけであります。
 それは我が国の提案でありますから、これらの議論の行く末がどうなるかということ、基礎的食糧というものを認めるか認めないかという前段の議論はありますけれども、食糧安保というものに対して大方同意をしておるのだ。やり方、内容についての議論が本格的に技術レベルの会合でもなされていないまま今日まで来ておるということでありますので、そこを明確に我が国の定義がまとめの段階で反映できるように当面は努力していかなければならない。また、他国から提案が出てくれば、それが我が国の基礎的食糧を守り得るものかどうかという判断に基づいて議論をしていかなければならない、そういう判断をいたしておるわけであります。
#180
○星野朋市君 第二点は、農業の環境に及ぼす影響でございまして、欧米を中心にして、具体的に言うと水源地に影響を及ぼすような農地に対しては今までのような土地収奪的な多収穫の農業を少し控えようというような、リサというのですか、そういうような概念が出てきていると思うのです。日本においても農業の環境保全に対する認識というのは次第に高まりつつあると思うのです。これはたしか三菱総研が、日本の水田の保水能力、これで公的な機能をどれぐらい果たしているかという試算をしまして、たしか十一兆八千七百億ですか、約十二兆円の効果がある。米の年産が約三兆円ですから、それの四倍に達するような公的な機能を持っておる、こういうような試算もなされておるわけでございまして、そこら辺の認識といいますか、そういうのが国内外について比較的まだ知られていないことだと思うのですが、農水省としてはこれからそういうことをもっと一般の国民にもPRすべきだと思いますが、いかがでございますか。
#181
○国務大臣(近藤元次君) 今三菱総研の話がでましたけれども、農林水産省でも計算をしておりますので、経済局長から答弁をさせていただきます。
#182
○政府委員(川合淳二君) 米の持つ格別の重要性、それはまた水田稲作の持つ重要性でございます。そうした水田稲作、ひいては日本の農業の持つ公益的機能の計量化ということについてはなかなか難しい面がございますが、私どもも取り組んでいるところでございます。
 ガット・ウルグアイ・ラウンドにおきますこうした観点は、先ほど来申し上げておりますように、どちらかというと貿易の面に重点がありますものですからその点が軽視されがちでございますが、大臣からたびたび申し上げておりますように、基礎的食糧というものを私どもが安全保障の観点から主張しておりますのは、まさにこうした農業の持つあるいは水田の持つ公益的機能が重要だということも一つの大きな論点になっているわけでございますので、確かにそうしたことについて理解が十分進んでいない面はございますけれども、私どもはこうした点を内外に向けていろいろな形で説明しているわけでございます。今後とも計量化などの数字も使いながら理解を求めてまいりたいと思っております。
#183
○星野朋市君 ということで、貿易の面が表に出てきているということになりますと、今問題になっているいわゆる対ソ支援の問題、これをどう解釈するかということであります。
 先ほど申しましたように、今年度のソ連の穀物生産が昨年度に対して五千万トンぐらい減産だと。それで御存じのような状態でございますので、ソ連のことしの冬の状況はどうなるか。これに対してEC、アメリカ、カナダは積極的な対ソ支援を行うという形で、アメリカは当初十五億ドルですか、それから近々になって約二十億ドルの信用供与を与える。これは実際には、万が一不履行になったときに銀行に全額返ってこないということで、銀行がやや不安がっているようですけれども、いずれにしてもそういうような大きな額の対ソ穀物支援というのが行われる予定になっております。
 そういたしますと、これはそれぞれの国が抱えている過剰在庫の減少といいますか、そういう形のものが裏にあると思うのですけれども、午前中の大臣の御答弁の中にもありましたいわゆる輸出補助金の問題について、まだウルグアイ・ラウンドで議論が煮詰まってない、まさしく今度のソ連への穀物輸出についてはこの問題が大きな影響を及ぼすと思います。このEC、カナダ、アメリカ、これの対ソ穀物支援に関して、その輸出補助金の問題と絡んでウルグアイ・ラウンドでどういうふうな展開をみせるのか、農水省はどういうふうにお考えですか。
#184
○政府委員(川合淳二君) ソ連をめぐる食糧援助問題は、今先生御指摘のように確かに二面性があると思います。一つは人道的と申しますか、食糧援助ということから緊急にやらなければいけないという面があることは当然でございますが、その裏側として、過剰農産物を抱えているところにつきまして、国あるいは地域はこの機会にその輸出を伸ばしたい、あるいは援助を伸ばしたいということがあろうかと思います。
 私ども確認していない情報でございますけれども、アメリカは対ソ農産物の輸出の信用保証、これ先生今御指摘のように、若干の部分、信用保証を元本の九八%までやっておりましたし、金利もやや低いというようなことで、保証が十分で扱いということから、元本を一〇〇%あるいは金利を若干引き上げるというような措置をするというような情報もあります。これは、ウルグアイ・ラウンドではこの信用供与自体が輸出補助金がどうかということにつきまして議論がございます。アメリカはこれは輸出補助金に当たらないという主張をしておりますけれども、大方はこれはまさに輸出補助金ではないかということでございまして、その面ではガットの場でも早くも一つの争点になっているわけでございますが、その二面性をどういうふうに考えるかということが大きな問題でございます。
 これは先ほども申しましたが、最貧開発国と申しますか、についてはいずれにしても安い物が入ればいいということがございますので、それは輸出補助金を是認する話になりかねないわけでございますが、援助と輸出補助金というのはやはり峻刑されるべきではないかというのが私どもの考え方でございます。
 今後今の二面、裏の方から見ればまさに輸出競争、輸出補助金の増額競争でございますので、この点につきましては、私どももウルグアイ・ラウンドの場でこの問題を議論するときには十分問題意識を持って臨んでいかなければいけないと思っております。
#185
○星野朋市君 ウルグアイ・ラウンドの件につきましてはそのぐらいにいたします。
   〔委員長退席、理事北修二君着席〕
 次は食糧庁にお伺いしたいんですが、八月十五日の作柄指数というのは既に報告をいただいております。それから一月たちまして、既に九月十五日の作柄指数というのは実際にはできていると思うんですが、まだ発表の段階ではございませんか。
#186
○説明員(須田洵君) 八月十五日現在の作況につきましては、おっしゃいますように作況指数九九の平年並みということで、これが我々の公表ベースでの今年産水稲の最も新しい情報でございます。それ以降の作柄につきましていろいろ影響を及ぼす要因を幾つか考えますと、まず第一に気温とか日照時間とかといった系統でございますけれども、八月の前半におきましてはかなりの低温状態もございましたけれども、そのことに関しては解消しているといいますか、その状況を抜けた状態になっておるということでございますが、その反面、相次ぎます台風の来襲といいますか、大小数本来ておるわけでございます。特に西日本を中心にいたしまして、ついこの間参りました第十七号台風等を初めとしまして、そういう台風によります、その風雨によります水稲の倒伏といったような被害といいますかそういうような発生がやはり見られると。
   〔理事北修二君退席、委員長着席〕
それから三点目といたしまして、東北地方を中心といたしましたいもち病の被害ということにつきまして防除に最大限努めておりますけれども、やはりある程度の被害というものは避けられないんではないか、そういった要因が考えられるわけでございます。
 九月十五日現在の調査は目下鋭意やっておりまして、三十日に公表する予定でございます。今申し上げましたような気象の推移あるいは病害虫の発生状況等いろいろ情報収集に今努めまして、分析検討を行った上で作況情報を出すという予定でございます。
#187
○星野朋市君 実はそれをお聞きいたしましたのは、昨年の作柄指数が一〇三を上回っておる状況で、政府のいわゆる管理下にある持ち越し米というのをたしか昨年は相当量上乗せするという計画だったはずなんです。実際に今推計で資料を見てみますと、ようやく十万トンふえるかどうか。そうすると、作柄が一〇〇であった場合、平年作であった場合はふやすというわけにいかないんですね。昨年は大体千五十万トン。五十万トンというのは他用途米に使っちゃいますからね。
 その中で政府管理米と自家飯米、それから要するに政府の管理にない米、こういうふうに分けられますと、いわゆる政府管理米における持ち越し在庫量というのは、その状態において十万トンやっとふえるかどうか。今度来年の十月にはどうなるんだろうか。いわゆる食糧安保という基本的な考えを持っておるなら、今現在政府が管理している持ち越し米百十万トン程度では私は少な過ぎると思うんです。もう少し在庫をふやすべきだ、そういう観点から作柄の問題を聞いておるわけですが、これについてはどうお考えですか。
#188
○政府委員(京谷昭夫君) まさに食糧安保といいますか、米の需給安定という観点で、食管制度のもとで政府が管理する、これは御承知のとおり現在自主流通米と政府米があるわけでございますが、その双方において適切な持ち越し在庫を持つということが大変重要な課題であると考えております。ただ、この持ち越し在庫水準をいかなるレベルをもってよしとなすかということにつきましては、御承知のとおり作況がその年の気候条件等々によって大変左右されやすい作物でありますので、その平年作況というものを見通して一定の設計をして、若干の作況変動にたえるような需給操作をしていくということをやってきておるわけでございます。
 同時にまた、先生御承知のとおり、過去に大変膨大な在庫を持って大変な財政負担も行ったという経過もございまして、水田農業確立対策の枠組みをにらみながら毎年の需給計画と申しますか、米穀の基本計画をつくって、現実的な集荷計画、販売計画を動かしておる状況でございます。
 平成三年、ことしの作況については、先ほど来統計情報部長から御報告申し上げておるとおりでございまして、現在のところ若干一〇〇を割り込むレベルが見通されておるわけでございますが、そういう作況のもとで、来年の十月にかけての米穀年度における供給にそう不安がでる状況ではないと思っておりますが、来年の十月末、つまり米穀年度の移行期の持ち越し在庫がどの程度になるかということについて若干懸念を持っております。
 ただ、これを今後の作況の推移、ことしの十月までの需給状況等々をにらみながらよく慎重に検討する必要があると思いますが、その状況いかんによっては恐らく平成四年の作付、つまり平成五米穀年度に使うお米の作付というものをどういうふうに考えていくか。来年のいわゆる水田農業確立対策の設計の仕方についていろいろ工夫を要するという事態が起こり得るのではないかということでございますが、いずれにしましてもことしの作況の最終的な状況、来年度の米の需給見通し、それから再来年にかけての在庫確保というふうなことで、来年の水田農業確立対策の枠組みを考えていかなければいけないという問題認識で現在、事の推移を見ておるという状況でございます。
#189
○星野朋市君 続いてもう一回食糧庁にお聞きいたしますが、ちょうど昨年いわゆる自主流通米価格形成機構というのができまして、ほぼ一年たつわけでございますけれども、この間における入札回数、何回行われて当初の予定どおり、扱い量、それから機能的にはねらいどおりであったかどうか、要するに一年たちますので、そういう御報告を総括的にお願いしたいと思います。
#190
○政府委員(京谷昭夫君) お話のございました自主流通米価格形成機構でございますが、昨年の八月に設立をされて十月から活動を開始したわけでございます。昨年におきましては、年間東京、大阪でそれぞれ四回にわたります入札を行いまして、総量としては五十五万トンの取引、価格水準については多少銘柄ごとに凹凸がございますけれども、大体想定された値幅の中で推移をして、そ
 のことがまた生産側へそれなりのシグナルを送っているのではないかということで、所期の機能が発揮されておるというふうに評価をしております。
 本年に入りましてから七月に早期米の入札を行いまして、これは大阪で一回やったわけでございますが、通年玉についてはこの九月に東京と大阪でそれぞれ第一回目を行って、今後さらに年間締めて五回でございますから、残った四回それぞれ東京と大阪でやるつもりでございます。総量の予定としては六十五万トンということで一応予定をしておりまして、ことしに入ってからの価格の状況なり取引の状況もそう昨年の状況と大きな変動はなく、私どもとしては、こういった仕組みを定着させて自主流通米の価格形成に透明性、公平性を持たせていくという所期の目的、そしてまたここで形成される銘柄別の価格というものが産地側にいろいろなシグナルを送って生産に対する新たな刺激を加えるというメカニズムが徐々に定着をしていくのではないかということで、この機能発揮に一層の期待をかけておるという状況でございます。
#191
○星野朋市君 これが発足当初、自主流通米の約四百万トンのうちの二五%に当たる百万トンという御計画だったようですが、大体百万トンに達するのは平成何年ぐらいになりそうですか。
#192
○政府委員(京谷昭夫君) なかなか難しい問題でございますけれども、ここでの上場数量あるいは取引の際の値幅制限のあり方等については一定のルールをつくってスタートしておるわけでございますが、御指摘の上場数量も含めまして去年、ことしの実績を踏まえて、この機構の運営委員会等におきまして売り手側買い手側、両方のサイドからまた常時意見交換が行われております。その中でそれなりのレベルというものをこれから具体化していくことになると思いますけれども、量を少し増加させるとか、あるいは値幅を少し弾力化するというふうな議論も行われておるようでございます。当事者間の話で決まる問題でございますので、余り予断を持って私どもが云々するのもいかがかと思いますので、できるだけ当初の機能発揮に支障が生じないように、十分に機能が発揮されていくように当事者間の話し合いを今後見守っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#193
○星野朋市君 少し話題を変えます。
 同じように昨年の四月から自由化された非かんきつ果汁の件についてお尋ねをいたします。
 大体こういう新しい制度がとられる前はいろいろ議論して騒ぐわけですけれども、経過したあとは聞かなければ農水は答えないんです。データはあるわけですよ。今の委員会方式からいくとしょうがないんですけれども、一年半たってこれも当初考えていたとおりの輸入数量でおさまっているのかどうか。私が調べたところでは、平成元年度は特別に枠を拡大して入れたリンゴ果汁を含めて、平成二年度は、自由化が実施されたときは、平成元年度に対して約倍の輸入果汁が入っているわけですね。しかもリンゴの果汁に関しては一〇〇%もしくはそれよりも濃縮されたもの、ここら辺はキロリットルで計算していますからわがらないんですけれども、要するに膨大な量のものが入ってきている。それで、これが国産果汁にどんな影響を及ぼしているのか。実際には需要増でもってそれが吸収されてしまったのかどうか。普通ならばこれだけの量が入ってくればかなりな影響があると思うんですけれども、それについて農林省はどういうふうに調査なさっておりますか。
#194
○政府委員(上野博史君) 昨年の四月以降自由化の状況に今なっているわけでございますけれども、非かんきつ果汁のリンゴ果汁とブドウ果汁とパイナップルの関係があるわけでございます。一応分けてお話を申し上げてみたいと思います。
 まず、リンゴ果汁でございますけれども、昨年度、平成二年度の輸入量は対前年比二・八倍ということでございまして、かなり大きな数量一のものが先生おっしゃられましたように入っておるわけでございます。ただ、この数字は濃度の点がわかっておりませんで、ストレートであるのか濃縮されたものであるのか、それは全体としてひっくるめた数字になっておるというふうに見られるわけでございますが、内訳についてはわからないわけでございます。今年度に入りましてから輸入は次第に落ちついてまいっておりまして、前年ほどの輸入には至っていない、前年同期比で大体七割ぐらいの水準にとどまっているという状況でございます。この間、消費の面では余り伸びを示しておりませんで、対前年比九七%ぐらいというようなことでございまして、需給状況からいえば緩和基調にあるというふうに言ってよろしいかと思います。したがいまして、大変大きな輸入がございました関係で、輸入品は在庫が非常にふえているわけでございます。
 しかしながら、私どもの国産リンゴ果汁というのは混濁ジュースでございますけれども、これについては品質が輸入品に比べていいということもございまして、国産果汁への需要というのは堅調な状態にございます。したがいまして、概して申し上げて大きな影響はないと言ってよろしいのではないかというふうに思っております。
 価格的にこれを見ますと、国産の原料価格も元年産に比べまして若干低下をいたしておりますが、これは輸入果汁がふえたというその面の影響も確かにあるの尤ろうと思いますけれども、原因の大部分は風害によりまして原料の出荷量が多目であったというようなことによるものではないかというふうに考えているところでございます。この価格関係の変化につきましても、大体過去にもある程度の通常の価格変動の範囲内にあると言っていいのではないかというふうに考えております。
 それからまた、基本的な問題でございますけれども、果汁の原料仕向けといいますのはリンゴ全体の生産量の約二割程度でございまして、残りの大半の八割というのは生食向けでございます一生食向けのリンゴの値段というのは非常によかったというようなことで、農家への影響というのはこの点でも少なかったんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
 ブドウ果汁につきましては余りふえは見られません。元年産に比べまして大体二割増ぐらいの程度でございます。ことしになりましてから逆にちょっと大きな増加が見られて、対前年比一四〇%ぐらいの増加ということになっておりますけれども、これは輸入ブドウ果汁の原料を用いました新しい果汁飲料が消費者に受けているというような事情があるというふうに聞いておるところでございます。
 国産の果汁向けへの影響につきましては、大体果汁向けの仕向け量が二%強程度でございまして、やはりこれも生食向けの価格が割によかったということでございまして、農家への影響は余りなかったんではないかというふうに考えております。
 それからパイナップルの関係につきましては、これは元年に比べまして非常に大きくふえまして、七倍を超える増加になっております。今年度に入りましてからもさらに引き続き対前年五割増しぐらいのペースでふえておりますが、国産の果汁の方も結構売れておりまして、順調だといってよろしいんじゃないかと思っております。この国産果汁というのはパイナップルの缶詰を製造する過程の副産物という形で出てまいっておるものでございまして、農家への直接的な影響というのはそれほど大きくないんじゃないか、かように考えているところでございます。
#195
○星野朋市君 私が言いたかったことは、新しい方策なり新しいことがとられて一年たったらその結果はどうだったか、こういうことがしかるべく報告があってほしい、こういう趣旨で質問したわけでございます。
 それから、時間がございませんので、最後に話題を少し変えまして、私は昨年、農業基本法の問題について、もう農業基本法が成立したときとすっかり時代が違っておる、内容もかなり異なっておるということで、これは見直すべきじゃないか。そのときに、よくわからないまま、正直申し上げますとそうなんですが、要するにポスト農構法の問題について、これは農業の集約化、大型化による生産性の向上とか、新しい品種の開拓による創業者利益の獲得であるとか、それから、いわゆる環境農業についてこういうふうなねらいをすべきではないかという大胆な提言を行ったわけですけれども、近藤大臣になってから、今三十年たって研究をなさっておるという御発言を聞きまして、我が意を得たりと思っておったわけです。
 それを踏まえてだと思うんですが、五月二十四日付で、新しい食料・農業・農村政策検討本部というのが発足いたしました。先ほど村沢委員から個々の問題についてちょっと御発言ございましたけれども、これの総括的な御方針、それを承りたいと思います。
#196
○国務大臣(近藤元次君) 前段のこれを見直すというのは、先生今お話のございましたようなことでございますので省略をさせていただいて、今作業しておる内容について御報告をさせていただきたいと思います。
 今お話がございましたように、五月に、新しい食料・農業・農村政策検討本部というのを事務次官を長にして設置させていただきました。この問題は、背景としては、後継者がいなくなるとかあるいは国民食糧の環境が変わってきたとか、あるいは経済中心で農業が見られるところに、先ほどお話のありましたような環境の役割を果たしている条件不利な地域があるとか、あるいは耕作放棄面積が増大をしてくるとか、いろんな背景がございますけれども、そういうものを総括して、今切り口としては多様な担い手をどうつくるかということを後継者と生産体制を含めて考えておるわけであります。
 何といっても日本の国の農業で一番問題になるのは、土地利用型の農業というのがまだまだ不十分であるという観点から、これについて切り口を一つ見出してまいりました。新たな生産調整政策と需給管理のあり方等についても一つの切り口としてとらえさせていただきました。また新しい地域政策をどうするかということで、農業をやる人たちが農村の環境なり生活なりというものがよくならなければ、そこに住んで農業をやるということをこれからの若い人たちはどうしても考えられないんではないかということで地域政策、農村政策を挙げさせていただきました。
 もう一つは、国土の環境保全に資するための農業、農村の確立というものを切り口にさせていただきました。もう一つは、初めて農林水産省としてトータル的に物を考えるときに、食品産業なりあるいは流通なりあるいは消費者対策という観点からこの新しい検討本部の中に切り口として取り上げさせていただきました。
 こういうものを全体を考えていくと、その一線で組織をしておる農協のあり方も一遍考えてみなきゃならぬのではないだろうかな。もう一つは、それを行う段階でいろんな機関があるわけですから、その機関も見直す必要があるし、それを見直すという立場になれば我が省も行政としてのあり方についても一度検討してみよう。トータルとしてはこういう切り口で実は今検討を進めておるわけでありますが、そう時間もかげておられませんので、来年の春をめどにして政府として出したい。しかし、我が省の専門家だけでやっているとどうも小さなものができたり専門家主義になっちゃいけませんので、ここに意見を求めるとして、各界各層の幅広い立場で懇談会というものを設置させていただいて、経済界の方も入っていますし、金融の方も消費者の方も学者の方も評論家の人もあらゆる階層の人たちが、これからの農業なり農村なり食生活なりというものを、そういう観点で意見をひとつ出していただくということで、今ちょうど総論が終わって、きょうかあすあたりから今度はこの切り口分野に個別問題で審議をすることにさせていただいておるわけであります。
 結果として、これが出てくると新しいこれからの食糧問題なり農業の問題なり農村の問題なりというものがトータル的に、個別の制度について今ある制度を見直したり、今ある制度に追加をしたり新しい制度をつくったりという作業はその後に行わせていただこうと思うものですから、個別の農地法を改正するとか食管法をどうするとか何をどうするとかいうことは、今それを視点として審議はいたしておりません。そういう立場で今鋭意検討をさせていただいておるというのが中間的な報告であります。
#197
○星野朋市君 その中に比較的こういう場では話題にならないいわゆる流通機構の問題がございます。今年度たしか食品流通機構が発足するわけですけれども、これがそういう新しい農業のあり方の中で十分な機能を発揮できるように希望して、私の質問を終わります。
#198
○刈田貞子君 午前中から熱心な御討議を伺っておりまして、一番最初にウルグアイ・ラウンド交渉の問題をお尋ねしようと思いましたが、既にたくさんの方々からの御質問がございまして、私は重複を避けるために一部カットをいたしますが、しかし、せつかく大臣が外国までお出かけになっていらっしゃいますので、その成果についてお尋ねをしたいというふうに思うわけでございます。
 一つは、この八月二十二日の予算委員会のときに、これは衆議院だと思いますが、大臣が非常に丁寧な御説明をなさっていらして、まだまだ我々の努力が足りなくて理解が十分得られてないものですからということを前置きしながら、世界の食糧難が来たときに、いわゆる世界の食糧安保という考え方についてアメリカは、世界の食糧難についてはこれを解決するために自由化をもって対応するというそういう考え方を持っているんだ、食糧難を回避するということの手法にしていると。しかし、我が国ではそれぞれの国が自給率を上げていくことがそうした世界の食料難を回避していくことにつながるんだ。その食糧安保という問題はテーマとしてありながら、その回避の仕方が違うように思うというような答弁をなされておられて、ここのところを十分理解してもらわなければいけないということをこの八月におっしゃっておられました。
 それからもう一つ、その後段では、さっきの食糧安保論につながる前段の基本としてのいわゆる基礎的食糧の概念について、先ほど未定義を一生懸今おっしゃっておられましたけれども、この基礎的食糧というものが非常に各国にそれぞれの国の農産物によってそれぞれの歴史がいろいろあるのでということで、ここら辺のところを鋭意努力して基礎的食糧というものに対する理解を得てこなければいけない。この二点を大変わかりやすく予算委員会で御説明なさっていらっしゃいます。これが八月の段階でございますから、今回訪欧なさいまして、大臣はこの辺のところも含めて事務局長初め関係者から理解が得られたというふうに御認識がどうか。それが成果だというふうに私は思うんですけれども、この点いかがでしょう。
#199
○国務大臣(近藤元次君) ウルグアイ・ラウンドの場は、世界食糧を論ずるという場でなくて、貿易ルールを論ずる場所なもんですから、話としては出ていくんですが、それを視点にして話し合いをするという場所じゃないもんですから、私が話をしたのは、その前にヨーロッパヘ行って世界食糧理事会で私が演説をした要旨に基づいて、我が国とアメリカの農務長官の発言の基本が違うということを紹介を申し上げながらその自給率の話を申し上げたところであります。
 基礎的食糧につきましては、今回何としても食糧安保、その中の中心の基礎的食糧というものに我が国が定義を出しておるわけですからそれを議論をしてもらわなければ困ります、今までの過程においては技術会合でそれを全く議論しないで来ておるじゃないですか、そこをひとつ議論をしてください。こう話をしたわけでありますから、その基礎的食糧なり食糧安保というものについての理解はしておるんですけれども、そのやり方において日本の立場がわかったという理解はまだ不十分だ、私はそう思います。
 いろんなやり方があるということで、ただ、ダンケルさんは交渉の相手でなくて私は調停役だという立場なもんですから、そうたくさんのやりとりはいたしませんけれども、そういう立場で、日本の立場で議長さんが戴いてくれるというところまではまだいっていないんではないかなと。日本の立場がわかったということと基礎的食糧について議論をしてくれたという経過から見れば、行ってきたことはよかったな、こう思っていますし、輸出補助金を先行して議論することが国境措置なり国内支持について大切なことであるということも、これも理解をしてくれて、これに対しては会議の中でなるべくならアメリカとECはこれを先行したくない立場でありますから、議長が促してなおこれを先行させたという経過から見て、私はそれも行ってきてよかったな、今十六日からの技術的レベルの会合の後を振り返ってそういう認識をいたしておるわけであります。十分な理解が得られませんけれども、議長という立場でありますので、日本の主張の理解は十分してくれたと思うんです。各国それぞれ手法について違う部分があるということだけはまだ現実の問題として残っておる、こう思います。
#200
○刈田貞子君 それから二つ目の問題は、十月末には事務局長が合意原案をつくって進めていくというようなことで、今出ているオプションペーパー補遺ですか、こうしたものがたたき台になっていくだろうというふうに思うんですが、実は私は前々からこうした交渉の経緯を見ながら難しいなと思われる幾つかの問題を考えておりまして、その一つが先ほど星野委員が出された穀物の対ソ支援の問題で、実は自分の中で頭に考えていたことがございますので、それを先ほどおっしゃっていただきました。
 もう一つの問題は、これは私の意見ですので聞いていただきたいんですが、九二年のEC統合を初めとして、それから北米自由貿易圏構想ですか、というような問題、それからアジアにはアジアでそれぞれ、私非常に関心が深くて調べていく中ではいわゆる経済のブロック化という傾向が非常に感じられるわけです。
 実はそのブロック化というのは保護主義に向かっていく方向なのではなかろうかなという思いを持っているんです。だから一方でそういう保護主義に固まりつつあるから急いでニューラウンドを成功させて、そして新ルール化に早く取りかからなきゃいけないという言い分もあるけれども、反面ではまたそれがあって本音の交渉をしているんかいねという思いもなくはないのであります。そこのところの分を大臣、現場で事務局長とも会われだし、またそういう現場に触れられてそこら辺のところは一体どうなんだろうかということを実はお伺いしたい。
#201
○国務大臣(近藤元次君) 対ソ支援の問題の輸出補助金の問題が恐らく大きく背景となって議論されていくだろうと思うんです。信用保証は輸出補助金ではないというのと輸出補助金だという議論が一つありますし、もう一つは、食糧の制裁というのが今まで行われてまいりましたけれども、アメリカが食糧の制裁を行うときには今までガット加盟国でない国にしかしてこなかったわけでありますから、そういう意味では、ソ連はガット加盟国じゃございませんのでまたどういう議論をしてくるかということはわかりませんけれども、そういうことが過去にあった事例であります。
 ただ、ECの統合と今度のウルグアイ・ラウンドというのは関係はあると思うけれども、代表は関係ないと、こう言っておるわけなんです。そして関係ないと思うことを若干裏づけするのは、今回私は世界林業大会にもせっかく出張したものですから、フランスの農業大臣とも会ってまいりました。フランスの農業大臣にECの農業改革どこのウルグアイ・ラウンドをどうつなげて考えるのかと言ったら、本来ならウルグアイ・ラウンドが終わって、それを背景にしてECの農業改革をやる予定であったのが、ウルグアイ・ラウンドが一年延びちゃったものだからこちらの方が出てしまって、そして競合してやるようなことになりました、こういうことでございました。ですからECの経済統合と、ブロック化がなかなかできるかどうかわかりませんけれども、アメリカ、メキシコ、カナダという自由貿易はこれは一つあるわけですけれども、アジアのブロック化なりほかの方のブロック化というのはなかなか貿易上はできないんで、ECの場合は統合してしまうわけで一つにしてしまうわけですからできますけれども、ほかのところを一つにするということは非常に困難だ、こう思いますから、それとウルグアイ・ラウンドの交渉が急ぐとか急がないかということにはなかなかならぬだろうと思います。
 ただ、ECの農業改革とウルグアイ・ラウンドというのは、EC十二カ国の中で輸出国、輸入国があるし、それぞれ生産調整をして輸出補助金までつけてやるなら、輸出補助金の金を国内の生産調整にやった方がいいというドイツみたいな国もあるし、輸出補助金でやるべきだというフランスみたいなのがあって意見がなかなかまとまってはおりません。これとのかかわり合いというのは出てくるだろうけれども、ほかとのブロック化の傾向とウルグアイ・ラウンドの交渉の日程とは余り関係がないんではないだろうかな、そう私は見ておるわけであります。
#202
○刈田貞子君 ECの輸出補助金問題なんかもなかなか結論が出そうで出ないのは、ECという国は一つではないというような問題からも、私は大臣とは少し違った見解を実は持っているんですけれども、自由貿易とは言えども、お互い自国の問題を抱えつつ世界統一経済圏をつくっていく、自由経済圏をつくっていくという問題の中では、私は大変難しい複雑な事情が絡み合っているように思っております。
 その問題は、御通告いたしましたものは、午前中、午後にかけて同僚の方々の御質問で全部私自身クリアさせていただきましたので、あとはカットさせていただきます。
 次はお米の問題でございますが、これも午前中から食糧庁長官引っ張りだこでございますが、私も実はこれについてお伺いをしたいわけですが、これは先ほど同僚の大渕委員が質問をなされた続きだと思って聞いていただければいいと思うんでございますけれども、私は、今回のこのにせコシヒカリ事件というのは、特色としては、舞台が不正規流通米の市場であったということ、かなりの大物が動いたということ、それから三つ目には、
主役は特定米穀集荷業者であったということ、この三つが特色じゃないかというふうに思うんです。
 まずお伺いをしたいのは、一般的には自由米というような形で堂々とまかり通っているわけですけれども、こうした自由米市場というようなものができ上がる、ないしは不正規流通米が発生する原因と背景について食糧庁ではどんな御認識を持っておられるのか、まずお伺いします。
#203
○政府委員(京谷昭夫君) この不正規流通米の問題は、私どもも必ずしも実態解明が十分進んでおるわけではないわけでございますが、形態的に言いますと、生産者段階から物の流れが始まるわけですけれども、その段階か石野に不正規のルートで物が動くという形態と、それから、一たん生産者からは正規の集荷ルートに乗って、その後正規の流通過程のある段階で不正規のルートにいわば横流れをしてしまうという二つの形態に大別されるような感じがいたします。
 それから、最初のこの第一の形態の場合には、かなりいろいろな意味での経済的な要因が根深くあるような問題があろうかと思います。一つは、私ども、米の需給安定のために大変厳しい生産調整をやっておること、先生御承知のとおりでございます。そういった生産調整の仕組みに決してアウトサイダーがいないわけではございませんので、そういう形での生産が最初から不正規のルートで流れてしまう、こういう問題が一つあると思います。それからまた、正規のルートでの売買条件というものがなかなか生産者にとって受け入れがたいというふうな要素が働く場合もあろうかと思います。
 それから、第二の形態の場合には、一たん正規のルートに乗った物が横道にそれるという現象でございますが、この正規の流通ルートにも集荷、卸、小売という大変多くの関係者が従事しておるわけでございますが、いろいろな経営上の問題で在庫品をどうしても処分せにゃいかぬような事態が起こったとか、いろんな経営上の変動に伴います対応のために急いで物を処分するために不正規ルートに乗せざるを得ないというふうな要因が働いているのではないか。大変おおざっぱなあれでございますけれども、そんな認識を実は内々持っておるところでございます。
 ただ、それが実態的にどの程度であるかということについては、まさに不正規流通なるがゆえに必ずしも十分に私ども掌握しかねておるところでございます。ただ、今回発覚をしております事件は、ただいま私が申し上げましたこととは全く違った性格を持っている一面があろうかと。けさほど大臣から、大変質の悪い案件であるというお話を申し上げたわけでございますが、特に良質の米を生産流通させる基本として、私ども国営の農産物検査を行っておるわけでございますが、この農産物検査をあたかも受けたかのごとき形態をつくって、まさに売却の相手方を欺瞞して米を売るという行為、これは私ども率直に申し上げますと、ルール以前の問題だと、いわば商業モラルに反する問題であるというふうな評価を実はしておるところでございます。
 大変大ざっぱで恐縮ですが、私どもの認識を申し上げました。
#204
○刈田貞子君 去年の七月の毎日新聞系の雑誌で、大阪正米市場の近藤さんが言っている話が載っているんです。それを見ると、この自由米市場というのは、いわゆる未検査米というのは五十万トンぐらい、それで正規ルートからやってくるのが二百万トンぐらいだと、こういうふうに本人が言っているわけです。これを信じるか信じないかは別といたしまして、こういうことがあるわけです。それでさまざまな出方も言っています。値段もおっしゃっています。
 私は知っている上で申し上げるんですが、しかし、いつもこの不正規流通米がこうした事件の主役になっているというのは間違いない事実じゃないかなというふうに思うのは、大変さかのぼって申しわけないんだけれども、六年前の山形食糧事件、あれは私も当時は大変ショックを受けました。それは先ほど申し上げたように、舞台が不正規流通米市場であるということ、それから、かなりの大物が動かれたということ、そして、さっき言ったように特定米穀集荷業者だったということ、これは今回のこの問題と同じ条件のものだったわけです。
 私がなぜ山形食糧事件の問題をもう一度ひっくり返して一生懸命調べてみたかと申しますと、そのときの食糧庁の対応がどうだったかということを知りたくて私は一生懸命この山形食糧事件というものを調べたわけであります。多くのマスコミがこれについてかかわり、そしていろいろ書きました。食管法のほころびが切れたとか、あるいはまた、いわゆるマネーロンダリングならぬライスロンダリングというようなことまで書かれて、やっぱり食糧庁もあのとき相当ショックだったと思うんです。
 ところが、あの山形食糧事件に対して食糧庁のとった措置というのは、四週間の販売停止と二週間の販売停止で終わらせているわけです、食管法違反ということでやってはいるわけですけれども。私はそのときの処置がそんなものであってよかったのかどうだったのか、それがやはりこうした温床をさらに育てていくことにつながっていってるんじゃなかろうかというふうに思って、今山形事件を一生懸命また調べておるわけでございます。そこから今回のにせコシ事件、性格はおっしゃったようにいささか違います。違いますけれども、舞台が舞台である、主役が主役であるということにかかわって言えば、私は共通項の方が多いように思います。この山形事件の処置についてはどのように考えられますか。
#205
○政府委員(京谷昭夫君) お話がございましたように、たしか昭和五十九年であったと思いますが、山形県におきまして、未検査米が特定米穀の集荷販売の許可を受けている業者を通じまして、これはたしか埼玉県下の無許可の販売、米の取り扱いの営業を許可されていない人の手元にこれが動いておるという事件が発覚をしたわけでありますけれども、この際に御指摘のとおり、事実を掌握した上、翌年の六十年の三月に最終的な処分をしたという記録を私も承知をしております。
 食管法に基づくこの種の不正事件に対する対応の仕方というものは、まさに事実関係に応じていろんな形態での対応の仕方があるわけでございますが、一番軽度のものが、類型化して申し上げますれば、警告書の発出という形での行政指導、それによってそういった不正規の状態というものを直してもらうという事実上の行為であります。
 それから第二の形態が行政処分という形でございまして、この類型に入る処分の種類としては、御承知のとおり、許可を受けている事業者のいわばその営業の立ち居振る舞いについて業務基準を決めておりますので、その業務基準に違反をしているようなものほかくかくしかじか直しなさいということを具体的に提示をした業務改善措置命令というものを出す形態が一つございます。それから、ただいまこの山形の例について適用いたしました期間を定めた営業停止処分です。それから行政措置の一番重い形態としては許可の取り消してございます。これはもう営業ができなくなる、ここまでが行政処分。
 それから三つ目の形態が司法手続に従っていわば裁判に、もちろんこれは起訴手続が要るわけでございますが、十分法廷維持ができるに足り得るような証拠を固めて、罰則を適用させるための司法手続をとる。これも裁判所の判断いかんによっていろいろな判断の形態があるわけでございますけれども、最近においてそのケースもあったわけでございますが、残念ながら証拠不十分というふうなケースで、立件はしたけれども有罪の判決を得られなかったというケースもあるわけでございます。
 そういった処分形態の中で、山形事件についての事実なり、それからとられた措置は、先生の御判断もあるわけでございますが、私どもの理解ではやはり事実に即して適正な処分であったのではないかというふうに私どもは認識をしておるわけでございます。
 もちろん違反した内容に対して当事者がどんな認識を持ち、自分の経営についてどういう考え方を持っているかということをよく問いただした上で、一定の事実上の処罰をしておるという形をとっておるわけでございますけれども、これがあながち軽さに過ぎたというふうな認識を私どもは持っておらないところでございますので、御理解いただきたいと思います。
#206
○刈田貞子君 全糧連というのは六五%か七〇%ぐらいの日本の米を扱っている大きないわゆる米卸しの業界でしょう。そこの会長さんの系統の会社がやみ米にさわったって、これに対してたった四週間の営業停止ぐらいの処分でよかったのかどうなのか。私は食糧庁のその認識が後々のこういうものを生んでいく土壌につながっているというふうに思います。それは長官の立場もあるかもしれませんけれども。
 私はその当時新聞が書き立てたのを全部広げて読みました。そうしたら、全糧連というところには食糧庁からたくさん天下っている人がいる。そして食糧庁次長まで行っている。だからよしなに扱ったみたいなことまで書かれているんですよ。そんなふうなことが書かれるような処分の仕方をしておいて、そして今度はまたにせコシ事件が起きたということの中で、今回の処分を食糧庁がどういう形でしていくかはかなりの人が見ています。これはしっかりと取り締まるべきだというふうに思います。さっき刑事事件とオーバーラップしているからとおっしゃっていたけれども、刑事事件の方なんかに遠慮しないで、食管法違反で、食糧庁は食糧庁で堂々と処分してください、こういうふうに思いますので申し上げておきます。
 それで、今回の事件で生産者も大変傷つけられたと思う。魚沼の生産者はえらい悔しい思いをしたと思いますよ。もう一つは消費者です。さっきちょっと話も出ましたけれども、消費者は、一体自分が食べていたのは魚沼じゃなかったんかいねと、こういうことですよ。私もその一人でえらく弱っているんです。私、袋を持ってきました。はい、これ。(袋を示す)魚沼産を買ったの。十キロ六千四百円。それで限定品と書いてある。ほんまだったんでしょうか、これ。だけれども、それを確かめるあれがどこにもないんです。
 そこで、私が消費者の立場から申し上げると、さっき検査所の話が出ました。これは表示を何とかしてほしいという声が消費者団体からみんな出てきました。今お米の表示はいわゆる一括表示、これはさっきおっしゃったように都道府県がみんな要領をつくってそれぞれの形でしております。私がかつてこういう問題で聞いたところでは、東京都の例が一番いい、べ夕ーだというふうに言われている。そのベターな東京都がこんな書き方しかしていないんです。これは私はいささかお粗末だと思うし、ここに書いてあるここのところの部分は、これはいわゆる必要表示事項なんです。それからこの上の赤字の部分は任意表示事項なんです。東京都の要領でも書くのは新潟産コシヒカリまでしか書けない。この魚沼というラベルは実は違反なんです。同じコシヒカリでも県産名までしか出せないのが今実情でしょう。これは食管法に三点セットでそうなっているから、だから各自治体もそれをなぞって、みんなそういう要領でつくっているわけですけれども、皆さんはこれがやっぱり欲しいと言い出したんです。表示をきちっと魚沼であるのかないのかがわかるように、新潟県とことこ産まで出してくれと。これからいっぱい食糧庁へ陳情に行きますよ。どういうふうに答えられるかはそちらのあれになるわけです。
 もう一つは、ここでは1類八〇%になっているんです。つまり1類八〇%というのは二〇%は何かがブレンドしてあるわけ、混米してある。いつか私は一時間ぐらいかけて当委員会で米のブレンドという問題について議論したことがあるんです。そのときに、都会のお米というのは、新潟コシヒカリ一〇〇%などというものは拝みたくても拝めません、あったら床の間に上げたいようですというふうに私は申し上げたことがあるくらい、都会の人は米はブレンドで味が決まると。つまり生産者が一生懸命おいしい米をつくってもそれはストレートに消費者の口には入ってこない。実は消費者が食味する米の味というのは、大型精米機でブレンドして、そして研米、磨いて光らせてまで消費者の手元に届けるお米を食味しているというのが都会の消費者の実態なんです。
 そこで、このブレンドされている中身を1類だけが八〇%入っていると書かないで、そのほかの二〇%もどう入っている、こう入っていると。百種類ぐらいの米が都会の大型精米機で生産できるというふうにみんな卸の人たちが言っているわけです。現地で生産するお米よりもブレンドしてつくるお米の方がおいしくて、そしてそこで新たな米が加工されて出てくるんだというのが実態なんです。
 そこで、私たち消費者として知りたいのは、ブレンドの実態を、何をどのぐらいまぜているかを表示できるような表示の方法に変えられませんか。
#207
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生から精米の表示について大変具体的なお話がございました。仕組みについて先生が御理解なさっている点、全くそのとおりでございます。
 ただ一つ、御指摘の中にございましたように、現在の玄米段階での産地表示というのは県単位を原則にしております。それで、農産物検査法に基づく検査によってチェックできる仕組みというのは実は現在そこまでになっております。したがいまして、県をさらに細分化するということになりますと、その内容をチェックするために検査段階での対応がまず必要になってくるのではないかという認識を持つわけであります。要するに検査段階で、ある県のある条件を持った地域だけに限定して、そこでできたものだということをチェックするようなことを現在の農産物検査ではやっておらないわけでありますから、新たにその仕組みをつくらなければいけない。今度はまた、そこでいわば差別化されたものが流通するためにそれなりの形態をとらなければいけないという問題があろうかと思います。
 事実上、先生ただいまお話がございましたように、新潟コシヒカリの中でそこまでは我々の検査制度の中でもチェックできるわけでありますけれども、それを地域別に細分化して魚沼と表示した場合には、私どもの行っております農産物検査は必ずしも裏づけがない表示になってしまうわけであります。私どもは決して好ましいこととは思っておりませんけれども、実は現実の商慣習でそういうものがあるということを私どもも情報としては得ております。そういう問題がありますので、これはやはりそういった形で、産地を都道府県単位からさらに細分化するかどうか、取引の単位を。そういう銘柄をつくるかどうかについて生産者の意向、それからまた需要者側の意向というものをやはり合意させるということがどうしても必要なわけでありますが、その条件が現在まだ整っていないということであります。
 それからブレンドの問題でございますが、先生おっしゃるとおり、一定の条件下でブレンドをすることを許容しております。その表示の仕方についても、先生御指摘のような仕方で各都道府県ごとにルールを決めてやっております。これも今の仕組みというものを関係者の間でいろいろ議論をした上で今のルールが決まっているんだろうと思います。御指摘のように、主たる、つまり五〇%以上を占めるものについての産地銘柄を表示すればよいということになっているものについて、残りのものについても何らかの格好で説明が欲しいという御意見でございますけれども、全体のルールをどうするかということも絡みますので、一つの検討課題としてひとつお預けをお願いいただきたいと思うわけでございます。
#208
○刈田貞子君 そこで、これも山形県の、これは大変すてきな話なんですけれども、ササニシキの「美し国」という有機米、これを生産者が自分の名前と写真を袋に張りつけて、そして去年の五月一日から売り出すということで発表したところ、食糧庁から、生産者の表示をしたりするのは食管法上問題があるので困りますということでこれに待ったをかけられた、こういうことなんです。
 ところが、私たち消費者にしてみれば、顔が見える食糧というのが一番すてきな食糧なんです。何が入っているかわからないよりは一番いいわけ。だけれども、それに待ったをかけた。これ、その後どういう采配をなされたか私はわかりませんけれども、写真入りで自分の名前を書いて、そして「美し国」とすてきな名前をつけて、山形産の有機米だということで売り出そうと。これも今言った三点セット、食管法で言われている品種と産地と産年しか書けないこの表示の枠にひっかかって結局アウトになっちゃっているんじゃないですか。私たち消費者にしてみれば、これほどいい生産者の顔が見えるお米というのはないんですけれども、これはその後どうなったでしょうか。
#209
○政府委員(京谷昭夫君) 先生からただいま御指摘のあった仕組みというのは、平成元年から一応の制度がスタートしております特別表示米という制度について、山形県の方から、この制度を活用して御指摘のような生産流通をしたいというお問い合わせがあったようでございます。当時あったルールと必ずしも一致しない点があったので、ちょっと検討をするので時間が欲しいというところで別れて、どうも先生御指摘の新聞記事になったようでございます。実は食糧庁内部で県とも連絡をとってルールの一部改善を行いまして、県庁を通じましてその特別表示米をこういう形で実行することについてその条件を守っていただければ実行可能なようにしましょうということで、この問題については一応解決を見ておる。たしか問題が提起されたのが平成二年の四月のことであろうかと思います。四月に問題になりまして、事後の処理が五月の十日過ぎに県を通じまして要件を整えてオーケーを出した。それで、その結果でございますが、平成二年十月からことしの四月までに御要望のあった特別表示米の販売量は約七十五トン程度になっておる、こういう報告を聞いております。
#210
○刈田貞子君 特別表示米。
#211
○政府委員(京谷昭夫君) はい、特別表示米という仕組みです。
#212
○刈田貞子君 それをつくったんですか。
#213
○政府委員(京谷昭夫君) 既にあったようでございます。
#214
○刈田貞子君 そしたら、その特別表示米という制度を使ってすべての生産者がそういう顔の見える米を都会に出すことはできるわけですね。
#215
○政府委員(京谷昭夫君) 全体的な流通形態というのはやはりいろいろな米があるわけでございまして、平成元年から私どもが始めておりますこの仕組みというのは、化学肥料とか農薬を使わない、あるいは非常に少ないというふうな条件で、生産者がそういう特殊な栽培方法をとって、まさに生産者の顔がついた栽培方法をとっているようなものを特色にして、産地の生産者とそれから消費地の自家用の需要が結びつく、これが特別栽培米ということであるわけです。
 それから、今度は同じような考え方をベースに置きながら正規の流通ルート、生産者から御承知のとおり集荷団体を通じて、農協系統であれば全農に販売委託をするわけです。それをまた卸、小売といって販売される、それの顔つきのものが特別表示米という仕組みで動いておるわけでございます。これはもちろん無条件ではございませんで、まさに顔で表示できるような特殊性がちゃんと保証されるということが当然条件になっておると思います。ここでいろいろまたるるするのはあれですから、後ほどまた要すれば資料を添えて御説明に参上させていただきたいと思います。
#216
○刈田貞子君 お米には大変執着を持っておりますので、後でまたしっかりと説明していただきたいというふうに思います。
 大臣、いずれにいたしましても、今回のこの事件で自分の食べているものは何だったのか、何なのだろうという思いを確かに消費者が持つようになったんです。そしてさらに、今私のお米は六千四百円ですけれども、そうしたら価格が適正だったのかどうだったのかというところまで思いがいくようになってしまいまして、こうした事態が生産地にも、そしてまた消費地にも起きたということは、これは非常に重大なことだというふうに思います。
 この名誉を回復して、生産者と消費者の信頼関係を回復するためにも、食糧庁はしっかりとここでもって問題に関係した人たちの処置あるいはまたその後のPR等も含めた環境づくりに努めていっていただきたい、このように思います。
#217
○国務大臣(近藤元次君) ただいま御指摘の件につきましては、いずれにしても悪質の刑事事件と食管法違反の事件でありますだけに、一般的には食管法の形骸化とか食管法に対するいろんな批判がございますし、また自由米というようなものが世にまさに言われておる事柄でもございます。
 今回の処置いかんによって大変食管法そのものの運命を左右するというような認識を私は持っておるわけでありますので、今回の問題は、刑事事件の捜査と食管法違反の捜査というものは、警察当局でやられておることになお不十分な点があれば食管法違反は農林水産省で続いて調査をして、全容が明らかになったら厳正な態度で処分をしていきたい、そう考えておるわけであります。
 今度の事件に絡んで、今また表示の御指摘がございましたけれども、表示は商行為の一つの過大表示になってもいけませんし、私ども検査体制からいうと新潟県産米の検査はできるわけでありますけれども、地域地域の検査がやれないものですから、新潟コシヒカリとは書いても魚沼米という検査をしておるわけじゃありませんので、ここまで農林水産省として表示をしてよろしいということになると、それが魚沼米といっても、その魚沼とあぜ一本離れたところとどう違うかというような、また検査のやり方等がいろいろございまして、そこまで私どもが表示をするべきだということには相ならぬかと思います。
 ただ私は、それはできないけれども、今お話を聞きながら、生産者の住所と名前ぐらいは、これは責任体制でありますからより明確になるので、その辺のことが何とかできないものだろうかなということを事務当局に指示して検討させようかと、こう思っております。
 そういう関係がありますので、先生が言われることすべてができ得るかどうか、検査体制とも絡んでおりますし、生産者一般の組織の中にもやはり地域を特定できるということがなかなか困難なものですから、そういう意味合いではどこまでいけるかわかりませんが、つくった人間が明確になるということでどの地域のお米がということを消費者から判断してもらう、つくった人の責任がある。何か疑念があればつくった人にまた問い合わせもできるということが消費者により安全性を高めるかなという感じはしておるんです。ブレンド米と表示をしたものについては、ブレンドの内容を明示させたい、こう思っております。
#218
○刈田貞子君 済みません。時間がなくなっちゃって、私まだもう一つ大事な質問を抱えているんですが、実は九月十日からスタートし始めた生産緑地法の問題についてどうしてもお伺いしておかなければなりませんものですから、大変早口で質問だけ先にやってしまいますので、後で御答弁をお願いできるとよろしいと思います。
 まず、まとめて申し上げますが、今回平成四年度末までの間で、生産緑地に置くか、つまり、農地で置いておくか宅地化するかという区別を農民自身がしなければならない、百九十指定都市の中の農家がその必要に迫られることになりました。そこで、今私どもが住んでおります多摩二十六市の議会等では、この九月議会はもうこのことでけんげんごうごうでございます。
 そこで、私がお尋ねしたいのは、農水省に尋ねることは、生産緑地として希望して農地で残したところの分については、これはそこで何を生産させるように営農指導していくのかどうなのか。これまでのように栗の木一本というわけにはいかない状況になりますので、どういう指導をしていくのでしょうかということが一つであります。
 それから建設省、自治省の方には、例の公園と幼稚園の体験農園の問題ですけれども、これが市との契約で農園の形で使っていた。だけれども、今度これを生産緑地にするのか、あるいは宅地化してしまうのか決めなければならないわけです。ところが、農家がもしそれを宅地化する場合には取り上げられてしまうわけです。そこでこれを取り上げられた場合の税金の問題です。非常にややこしい問題で、三分や五分じゃできないんですけれども、事例を挙げましょう。
 農地の一部を近くにある幼稚園の畑にと、わずかな料金を取ってお貸しいたしましたある農家が、生産緑地法の指定を受けるために返還を迫ってくるので幼稚園は大変困っているという事例があります。この農家は、結局固定資産税及び相続税等の関係があるから、これを返還してもらって、そこで農地として自分が使っていかなきゃならないということなんだけれども、この場合の固定資産税等の減免ができないのかという問題、これはどうなのかということです。
 それから駐車場もいっぱい取り上げられています。ここで三鷹市の例を挙げますと、農地だったんだけれども、今まで市と契約して駐車場に使っていた。だけれども、今度はそれを生産緑地にするか宅地化するかどちらかにしなければいけないわけですね。それでほとんどがみんなそれを返還してくれというふうに言ってきているわけです。公益性のあるこういう駐車場のようなものに対しては何らかの措置がないのかどうなのかというような問題、これを伺わせていただきたい。
#219
○政府委員(馬場久萬男君) 生産緑地制度のもとで何をつくらせるかというお話でございますが、もちろんこれは各自治体あるいは地域の農業団体等が指導するわけですが、一般的に申しますと、やはり都市近郊ですと蔬菜類、野菜の生産等に適しているだろうということが一番言えると思います。もちろん花とかその他のものもございますけれども、作物としてはそういうものが適切ではないかと思います。
#220
○説明員(堤新二郎君) 都市計画上生産緑地としての指定を受けますと、その農地につきましては当然農地並みの課税がなされるわけでございますので、建設省から先ほど出されました通達におきましても、できる限り積極的に市民農園についても生産緑地としての指定を行うことが望ましいとされておるわけでございます。
 ただ、生産緑地にならない、指定を受けない場合であっても、市町村との間で、例えば市町村に無償で貸し付けまして、市町村がそれをきちっと公園でありますとか、あるいは市民農園として公共の用に供するということであれば、これらの固定資産税は非課税という道もございますし、また市町村に無償で貸し付けていない場合でも、農地の所有者との間で公園とか児童遊園とか一定のそういうものに使用させるということがはっきりすれば、市町村の条例に基づきまして固定資産税は減免するという方法もございます。
 ただ、事実上無償で使わせておるから固定資産税をまけてくれということにはならないわけでございまして、今言いました都市計画上生産緑地としての指定をきっちり受けるとか、あるいは市と無償契約をして市の方へそれをはっきり公園として貸し付けるとか、何らかの制度的な担保がなければ固定資産税をまけるということはできないと思います。
#221
○説明員(林桂一君) 今自治省の固定資産税課長のお話しになったことと大体同じでございますが、今先生の御指摘になりました事例で、幼稚園に土地を貸している、そこで園児が農作業とか何かに使っているというお話ですので、個別のケースですので、やはり具体的には市の方で認定していただかないといけませんが、今お話を伺った範囲で一般的に言えば、子供が使ってはいますけれども、そこは農地は農地であるというふうにも考えられますので、そこは生産緑地の対象に十分なり得るのではないかというふうに感じております。
 ただ駐車場の方は、これはちょっと農地とは話が違いますので、御要望を取り入れるのは難しいと思います。
#222
○刈田貞子君 どうもありがとうございました。
#223
○林紀子君 私は、本日は養蚕問題に限って質問をさせていただきたいと思います。
 最近の生糸価格はキロ当たり一万一千円台まで下落して、養蚕農家が手にする繭価格はキロ千七百円程度となり、農水省が発表しております三千四百七十円という生産費のおよそ半分にも満たない水準となっています。こういうことから、養蚕農家はもちろんのこと、蚕糸業者、製糸業者など関連業者にも大きな影響を及ぼしているのが実態です。
 私は先日、日本一の養蚕県である群馬県に参りまして、養蚕農家や製糸業者、県養連の方々と懇談をいたしました。また、前橋の乾繭取引所も視察してまいりましたが、きのう群馬県では晩秋蚕の仮渡金を千七百円と、昨年比五十円安で決めたというふうに伝えられております。
 また、ことしの収繭量は晩秋蚕が前年比一八%減、年間では一六%減の二万一千トン余りと予想されています。これは養蚕団体の方も言っていらっしゃいますが、養蚕農家が生産意欲をなくした、これが原因ではないかと思うわけです。
 そこで、最近の生糸価格暴落の一つの要因として、くず繭と偽って乾繭が不正に輸入され、取引所で四等格など下級繭として受け渡しか行われているのではないか、こういう報道がされております。
 大蔵省にお伺いいたしますが、「輸入商品の分類実務」というものによりますと、くず繭、繰り糸に適しない繭とは、全体の五一%がくず繭で、残りの四九%が下級繭、比較的品質がよくて繰り糸可能な繭、こういうふうになっているわけですが、税関ではこのくず繭の輸入をどのようにチェックしているのでしょうか。五一対四九というのを見分けるというのはかなり技術が要ると思うわけですし、繭専門にチェックする人というのがいるのか、その人員はどのくらいで、どういうふうに配置をされているのか。調査の方法はサンプル調査、抜き取り調査ということなのか。そしてこの結果、不正輸入というのがあったのかどうか。そして、農水省からくず繭の不正輸入を厳正にチェックするようにという異例の申し入れがあったと聞いておりますが、これに対してはどうおこたえになるのかということをまずお聞きしたいと思います。
#224
○説明員(栃本道夫君) お答えを申し上げます。
 税関におきましては、くず繭に関しまして従来から申告の内容、資料、情報等に照らしまして問題があると認められるものに重点を置いて精いっぱい検査を行っているところでございまして、今後とも厳正に対処してまいりたいと考えておるわけでございます。
 ただいまお尋ねの検査の具体的な方法でございますが、その前に、先ほど五〇%ということをおっしゃっていましたけれども、要するに輸入されます場合に、くず繭といわゆる繰り糸が可能な繭が混然一体となって、混合物となって輸入されているというものが確かにございます。こういう混合物の取り扱いにつきましては国際的な基準がございまして要するに多い方、例えばくず繭が五〇%を超えている場合には多い方のくず繭の分類として扱うというのはこれは国際的な基準でございますので、それに従って私どもも、これは一般的な基準でございますが、それがこの繭についても混合物である限りは適用になりますので、これを適用しておるということでございます。
 検査の具体的な方法でございますが、例えばコンテナに詰めて繭が参ってくるというようなことがございますが、そういう場合、私どもが検査するときは、コンテナの前の方とか、真ん中辺とか、後ろの方とか、まんべんなく袋を選びまして、さらにその袋の中についても、上の方のもの、中ごろのもの、一番下の方のものというように、できるだけそういう偏りのないような形で検査標本を取り出しまして、これを具体的に、その形状でございますとか色でございますとか、汚れぐあいでございますとか、それから手に持ったときの重量感、こういったものを確かめることによりまして、具体的な検定の標準がございますので、それとこの検査の対象となっている物品とを比較するという形で行っております。さらに、特に慎重を期す必要があると思われる場合には、専門家による鑑識を行うというようなケースもございます。そういうような形で、私どもとしては検査に鋭意努めてございまして、具体的に水際で検査をした結果、くず繭ではなくて繭が多いというようなものにつきまして輸入をストップさせる、輸入を許可しなかった、そういう例が幾つかございます。
 私どもとしては、今後とも精いっぱい頑張ってまいりたいと思っておりまして、その体制についても今御質問がございましたわけでございますけれども、これ繭だけでなくていろいろなものが税関の窓口に入ってきますので、正直申し上げまして繭ばかりを検査するというわけにはまいりませんが、輸入の通関の部門でそういう商業貨物として入ってきます輸入物品を検査する、そういう業務に従事している職員の数ば全国で大体約千六百人ぐらいという体制でございますが、精いっぱいやらせていただきます。今後とも頑張りたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
#225
○林紀子君 今千六百人というお話もありましたが、それは繭ばかりではなく、全部の輸入品ということでチェックをする人員だということですが、くず繭の輸入価格というもの、これは大蔵省の輸入通関実績によりますと、ことしの一月から六月までの平均単価がキロ当たり八百三十四円、ことしの四月には九百八十六円にまで上がっておりまして、中国産のものは千三百二十円という値段をつけているときもあります。ところが国内の取引価格というのは、くず繭は高くてもキロ当たり百五十円、平均が百円だということなんです。そうしますと、この輸入価格は、くず繭といっても日本の国内のものの八倍から十倍もの値段で輸入をされている。ですから、これはくず繭と偽って良質な繭を輸入している疑惑というものの裏づけになるのではないかというふうにも思うわけです。
 そこで、農水省にお聞きしたいのですが、本来輸入された乾繭というのは、くず繭にしろ、繰り糸可能な良質の繭にしろ、国内で生糸として消費される、そのために輸入されているものであって、投機の対象として乾繭取引所の供用品にするためのものではないと思うわけですね。このことについてどのように農水省では指導しているのか。また、昨年度では千五百トンの乾繭の輸入割り当て数量を決めているということですが、これはどのように国内で消費されているのか。その辺を明らかにしていただきたいと思います。
#226
○政府委員(上野博史君) まず、御質問の中にございましたくず繭の値段の差の問題にちょっと触れさせていただきたいと思いますけれども、今お話のございました輸入のくず繭の値段といいますのは、先ほど大蔵省の方から御答弁がございましたように、いいものと悪いものがぎりぎりですと半々近いところまであるという、言うなれば繰り糸の対象になるような繭を含んだものでございます。それに対しまして、国内のくず繭の値段でお述べになられましたものは、これはいわゆる生繭と言われているものでございまして、まず加工の段階の一つ前の段階、乾燥を経てないものの値段でございます。しかもこれについては繰り糸できるものをほとんど含んでいないというようなものでございまして、内容的に品質の上で相当大きな違いがあるというのは、これはやむを得ないところではないかというふうに考えております。
 それから、くず繭の輸入の件でございますけれども、くず繭につきましては、今先生お話がございましたように、国内の製糸業者が国産の繭で原料として足らない部分に必要最小限に限って輸入をする。したがいまして、本来、製糸の用に直接供されるものに限って輸入を認めるということで運用いたしているわけでございまして、先般の本年の五月の輸入公表に際しましても、この点についての、乾繭取引所等への流用はしないというようなこと等につきまして条件をつけるというようなことによって、横流れの防止を特段注意をしてやっているところでございます。
 それから、くず繭の利用の状況につきましては、昭和六十三年に輸入されたものについて、一部非常にこの年国際的に品質の悪いものがあったというようなこともございまして、入れてはみたけれども使えなかったというような事情があったようで、横流れがなされたというようなことも聞いたわけでございますけれども、平成二年度に入りましてからにつきましては、私どもの特段の指導のこともございまして、今のところ予定どおりに製糸原料として使われているというふうに我々理解をいたしておるところでございます。
#227
○林紀子君 昨年度の千五百トンの輸入割り当て数量、それがどのように生糸という形で消費されたのかということは統計をとっているという話を聞いたんですが、その辺はいかがですか。
#228
○政府委員(上野博史君) 千五百トンの内訳でございますけれども、これは平成二年の五月から輸入が開始されまして、三年の三月までに輸入がなされております。このうち三年の七月末現在で約千四百トンが消費をされて糸になっておりまして、在庫は約百トン程度あるというふうに聞いておるところでございます。
#229
○林紀子君 そうしますと、今のお答えですと、輸入の繭は、平成二年のときは少々横流れしたものがあったけれども、乾繭取引所では原則的には受け渡しされていないということになるわけでしょうか。
#230
○政府委員(上野博史君) 在庫でたまっているということにつきまして払お話し申し上げましたが、乾繭取引所の中にこれが今のところ継続して出ているというふうには聞いておりません。
#231
○林紀子君 しかし、輸入繭が取引所で受け渡しされているというのは関係者の間では常識、また数々の事実が示しているということなんですね。こうした輸入繭の受け渡しか生糸価格の暴落を招いている一つの要因になっている、こういうふうに言われているわけです。
 私も農水省から資料として「乾繭取引受渡しの手引」というのを、これちょっとコピーですがいただいたんですが、この中で、工務格差については、「輸入繭の大部分が該当する四等時A、特Bについては二カ月の猶会期間を経て、理事会の決定で変更できる制度を設けてあります。」ということで、この四等時A、特Bというのは輸入繭が大部分だということをこの農水省の文書によっても示しているわけですね。
 乾繭取引所では二等を標準品に、優等、一等、二等、三等、四等と等級格差を設けて、そして価格差を設定している。特に四等については解舒糸長というんでしょうか、その品質によって特別格差としてA、B、さらに特A、特Bと四つの格差を設けている。このうち四等と言われるものは、今申し上げましたようにほとんど輸入繭ではないんでしょうか。
#232
○政府委員(上野博史君) やはり品質の悪い等級のものにつきましては、先ほど言いましたように国産の分野でもくず繭というものがないわけてはございませんで、輸入繭、国産繭両方あり得るというふうに聞いておるところでございます。
#233
○林紀子君 私も群馬に行って伺ってきたわけですけれども、いわゆる国産品で四等というのは全体の〇・六%ぐらいにしかすぎない。群馬の繭は、今までいろいろお話がありましたけれども、米でいえばコシヒカリがほとんどなんだということを言っていたわけですね。ですから、確かに国内の四等というのもあるとは思いますけれども、その割合というのは大変少ないわけでして、今乾繭取引所で取引されている四等繭、特にA、B、特A、特Bというところでは輸入品が大部分じゃないかと思うわけです。
 先ほどのお話では、輸入割り当て数量を決めて、国内に入ってきた繭については、ですから糸になる繭については乾繭取引所には渡さないで、それはちゃんと製品にするようにという行政指導をなさっているわけですね。ところが、今お話のあったくず繭と称して、確かに国際的な規格でいうとくず繭なのかもしれませんが、ほぼ半分がこの取引所に持ち込めるようなそういうもので、そこから大量にこの取引所に持ち込まれている、それが非常に先ほど申し上げましたように価格を押し下げている、こういうことはどうしても厳重に取り締まっていかないと、千五百トンの方だけはきちんと行政指導をしてもしり抜けになってしまうのではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#234
○政府委員(上野博史君) 生糸の価格が低下をした原因の一つとしてこのくず繭をどう考えるかというところの問題なんだろうと思うわけでございますけれども、くず繭は先ほど糸として使えるものが半分近くあるというふうに申し上げましたんですけれども、やはりそうではあるんだけれども、汚れているもの等それなりに品質的にはよくない原料でございまして、これを使って普通の生糸ができてくるというふうにはなかなか考えにくいわけでございます。やはり生糸とすれば品質の悪いものができてくるということになるわけでございますので、このくず繭によります生糸価格への影響ということについてどれだけのことがあるのかどいうことについては若干今申し上げたような点を考慮して考える必要があるんじゃないか、こういうふうに思っております。
#235
○林紀子君 実際の生糸にどういう品質でなるかどうかということよりも、乾繭取引所に持ち込まれて投機の対象になるということが非常に大きな問題だと思うわけです。ですから、この輸入繭が乾繭取引所で受け渡しをされないようにいろいろ関係業界には行政指導をされているわけですけれども、そうした輸入繭が乾繭取引所に入り込めないようなそういう制度をつくっていくということが歯どめになるのではないかというふうに思うわけです。
 きょうの「商品投資特報」という業界紙を見せていただきましたら、乾繭取引所では受け渡し供用品の格差を是正して四月限から採用する。改正される格差は、優等格が三百円アップして八百円に、一等格は百五十円アップして二百五十円に、三等格は百五十円ダウンしてマイナス二百五十円、四等格は三百円ダウンしてマイナス八百円、こういうふうに報道されておりますが、これは事実でしょうか。
#236
○政府委員(武智敏夫君) 乾繭取引につきましてのお尋ねでございますけれども、最近、受け渡し供用品として定められておりますいわゆる等級間格差に比べまして、現実の取引されております格差の方が大きくなっておるというような実態になっておるというふうに聞いております。そんなことで、現在乾繭を扱っております前橋と豊橋の二つの取引所におきまして、受け渡し供用品の等級間格差の見直しをしておるというようなことを聞いておりまして、きょう場合によれば結論が出るというようなことも聞いておりますが、現時点では私はまだ掌握いたしておりません。
#237
○林紀子君 私はこういう等級間格差を拡大して、特に四等に輸入繭を受け渡ししてもそれがもうけにならないという状態をつくっていくということは、確かに輸入繭を取引所に流さないようにするという意味では一つ前進だとは思うわけですけれども、しかしこうした格差是正だけで終わってしまいましたら、生糸価格の暴落による養蚕農家の苦しみや下級繭を引き取らなければならない製糸業者の苦しみを本当に解決するものにはならないと思うわけです。
 今問題になっているのは、くず繭と称して輸入された下級繭が大量に乾繭取引所に受け渡しされている、しかも投機の対象にされているという疑いが極めて強いわけですから、この輸入繭が受け渡しされないように、下級繭を対象とした四等の格付、A、B、特A、特Bというここのところをどうしてもなくしていくという形で是正をするように農水省としては指導するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#238
○政府委員(武智敏夫君) 先生も御承知のとおりでございますけれども、先物取引の果たしておる役割でございますけれども、これは実際に取引されておりますいろんな品質のものがあるわけでございますが、そういった現実の取引に伴います価格変動のリスクをヘッジするというのが商品取引の本来の機能でございます。
 乾繭について見ますと、乾繭全体の流通量を勘案しまして、いろんな品質の現物取引が行われておるわけでございますが、なるべく多くの供用品を受け渡しできるようにしておくようなことが必要であるというふうに我々考えておるわけでございます。
 最近の乾繭取引所におきます現物の受け渡しの状況について見ますと、御指摘の四等の特Aと特Bの規格の占める割合が一五%。ぐらいになっております。そういったようなこともございますので、これを逆に縮小いたしまして、排除するということになりますと、現実の取引に伴います価格変動のリスク回避ができにくくなるというような意味で、我々の商品取引を預かる立場からしますと非常に難しいというふうに考えております。
 なお、乾繭取引所の受け渡し供用品につきましては、品質によりましてやっておるわけでございまして、それが国産であるか輸入品であるかということにつきましては区別をしていないというのが現実でございます。
#239
○林紀子君 時間の関係で、もうちょっとお聞きしたいんですけれども、通産省に来ていただいておりますので、擬装絹織物の輸入の増大というのが市況圧迫の一因とも言われているわけですが、簡単な刺しゅうを施したり、水に漬けたら消えてしまうようなそういうような擬装絹製品、これを厳正に取り締まっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#240
○説明員(木村文彦君) 最近問題となっておりますような絹織物に簡単な刺しゅうを施す等によりまして刺しゅう布として輸入する、こういう脱法行為がございますのは先生御指摘のとおりでございまして、この九月一日から通産省としましてはこのような脱法は原則として認めないということにしております。
 また、今後ともこうした刺しゅう布問題に限らず、このような二国間協定、これは御案内のように日中、日韓につきまして協定を結んでおりますけれども、こういった協定の趣旨に反するような脱法的な事例につきましては、引き続き厳正な取り扱いを行いまして、我が国の絹関連産業の健全な発展に支障のないように厳正な対処をしてまいる所存でございます。
#241
○林紀子君 最後に、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、繭生産量の推移を見ますと、一九八五年度には養蚕農家は十万戸、収繭量は四万七千トンもあったのですが、その五年後には半減をしてしまった。農家数は五万二千戸、収繭量も二万五千トンに落ち込んでおります。最低でも現在の生産の水準を維持するためには、どうしても価格対策というのが必要ではないかと思いますし、輸入のものが大きく農家を圧迫しているということも確かだと思います。繭価格の堅調な推移で収益性の改善を図ることなしには後継者難も解決されないと思うわけですが、この伝統ある養蚕の灯を消してはならないという本当にその強い思いを私も群馬で聞いてまいりました。このことについて農水大臣はどういう御決意をお持ちかお聞きしたいと思います。
#242
○国務大臣(近藤元次君) 養蚕は山村や畑作地帯における重要な作物で、地域経済にも大変大きな影響を及ぼすところでありますから重要視をいたしておるわけですが、近年だんだんと繭生産農家も高齢化をしたり、所得が低収益だというようなことが問題になりまして、今我々もその改善のために努力をいたしておるところであります。
 いずれにいたしましても、生産性の向上を図っ
たり、低コストという観点に立って今後努力をいたしたいと思うわけでありますけれども、桑以外のものを食べる広食性の蚕であるとか、あるいは人工飼料であるというようなことの研究も進められておりますので、このようなことを併用しながら先進国型の養蚕業としての構築をしていかなければならない、そういう認識に立って努力をさせていただきたいと思うわけであります。○政府委員(上野博史君) ちょっと委員長、一点発言の修正をしたいと思います、恐縮でございますが。
#243
○委員長(永田良雄君) 簡潔にお願いします。
#244
○政府委員(上野博史君) 先ほど乾繭取引所へ流用しないようにという指導をしているものとして、私くず繭というふうに申し上げたかと思うのでございますけれども、繰糸できる繭を乾繭取引所に回さないように、流用しないようにということでございますので、ひとつお許しをいただきたいと思います。
#245
○井上哲夫君 私は、きょうは二十七分あるということなので、まず大臣に米の自由化の問題に関してお尋ねをしたいと思います。
 きょうは午前中からお聞きをしておりまして、大臣がダンケル事務局長の方まで出向いていかれて、日本の米に関連しての立場を強調されてみえたと、大変御苦労さんであったと私も敬意を表するところであります。
 その中に、大臣がおっしゃったのは、五年間、六年間やってきて交渉というテーブルにはまだいっていないんだと。しかし、これが交渉というテーブルに入った途端一気がせいに舞台は展開することも憂慮といいますか、考えなきゃならぬ。そういうことを考えると、これからもますます重大な関心を持って私どもも見守らなければならないということがよくわかったわけであります。
 この米の自由化の問題について私は常々少し疑問に思っていたのは、日本のマスコミはもうあたかも交渉の最終段階に来ているようなとらえ方をして、国民はそのとらえ方にさもありなんと、もうこれは外圧で最後はズドンと落ちるのじゃないかとか、やむを得ないとか、この辺が大きな誤解といいますか、国民の思っていることとこういうところで議論をしているところの乖離にもなっていると思ったわけです。
 そういうことを思い続けてきている中で、たまたま私は七月にアメリカの方に、情報自由法のアメリカ制定二十五周年を迎えてその実態調査ということで超党派で行ってまいりまして、ついでにというのはなんですが、カリフォルニア州とアーカンソー州のいわば米どころを回ってきまして、アメリカの農家の率直な声というのを聞いてまいったわけです。そうしましたらアメリカの農家の、もちろん米だけではありませんが、農家の声というのは、向こうは農家というより経営者でございますが、日米の生産者が互いに敵対し合って会いるというようなことはばかげたことだし、そういうつもりはない、むしろ米問題は政治家の政治カードになっている、そういう感じがするというふうな率直な声も聞いてまいったわけであります。
 そこで、たまたまこの九月の十九日付で日本経済新聞の夕刊のコラム記事で、以下ちょっと御紹介するような記事が出たことにあわせてお尋ねをしたいと思います。それは何かといいますと、伊藤忠総合ファイナンスの石田さんという社長さんの投稿でございますが、要するに日本の今の米に対するとらえ方は交渉の経過とその見通しに偏っている、実際に国民的な米の問題についての合意が必要ならば、本当ならば交渉の経緯と見通してはなくて、その前提の問題そのものの置かれている客観的事情、あるいはその問題が置かれている事実についての正し小情報、こういうものを国民の前に開示して、そして大きな議論をもって、日本における基礎的食糧である米についてはアメリカやEC諸国にこれだけのことはどうしても理解をしてもらわなければならないんだ、そういうふうにどうして持っていけないんだろうということをおっしゃってみえるわけです。
 私自身きょうの午前中からのお話を伺っていても、大変言いにくいことですが、どうも質問をする側のつかんでいる数字と農水省の答弁をいただく数字が重大な点で食い違っている。どちらが正しいのかわからないにしても、例えば午前中に大渕委員の質問に出ましたように、やみ米と俗称されていますが自由流通米、これが農水省の方のお答えでは五十万トン、そしてそのことで新潟コシヒカリは七%。一方質問者の方は二百万トンないし二百五十万トン出ているじゃないか、したがって新潟コシヒカリは全体では三%にすぎないのじゃないか、そういう大きな数字の違いがきょうの委員会でも出てきておる。
 さちに、例えば先ほど来出ておりますにせコシヒカリ事件についても、食管法の違反をとがめる点はまあまあ今のところ司法捜査当局の調査を待って考えますと。しかし、山形県の事件を刈田委員はおっしゃいましたが、あるいは大潟村の事件でもそうですが、食管法が形骸化していることは国民も薄々といいますか感じておる。そういう中で、今回のにせコシヒカリ事件について肝心の食糧庁なり農水省が司法捜査の行方を待ってみてそれからだというようなそういう姿勢が国民から見高とわかりにくいというか、あるいは食管法についてはもう行く行くはどうなっていくのだろうというふうな不安を与える面もないわけではない。
 そういうふうなことを考えますと、国民の広い範囲の議論を起こさせるとい、つためには、そこで今までのような姿勢といいますか、今までのようなスタンスを何とか変えていただけたらどうだろうか。ガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉のさまやどうなっていくのかという展望についてジャーナリズムがどんどん書き込むけれども、実際にはアメリカやECや日本の食糧事情はこういうふうに違っているんだとか、統計的にこういう問題あるんだと。後継者問題で言えばアメリカだって後継者問題で悩んでいる。そういうふうなことの問題をもっと役所の方から正確な情報を出していただいて、もちろん農水省の方では正確な情報、間違いない情報ということでこれは出しておるとおっしゃると思いますが、そういう情報をたくさん国民の前に与えて、米の自由化についてはこういう問題点があるんだという議論が多くの人から沸き起こるようなそのような方法はないんでしょうか。
 と申しますのは、最近御承知のようにフォーラムとかシンポジウムとかいろいろあります。何か昔は、また難しいことを言いますが、ギリシャのアテネでは、毎晩ソクラテスや哲学者が弟子を集めてシンポシオンとか言って食事と酒とで議論を一して、それが現在のシンポジウムという言葉の起こりだそうですけれども、やはり国民的な合意を得るための大きな議論を起こす場を役所の方でも何か考えていただけないだろうか。そしてその中で、きょう私が御紹介した財界人には珍しい伊藤忠総合ファイナンスの石田さんの投稿では、やはり日本は米の自由化は待っただという結論をおっしゃってみえる。そういう形の結論が出れば、ウルグアイ・ラウンドは外国との交渉の問題ですが、本格的交渉に至ってもやはり腰が据わった形で私どもも国民も農水省の頑張りを評価できるんではないかと思うわけでございます。この点、大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
#246
○国務大臣(近藤元次君) 先生のお話のとおりでありますけれども、広報活動に努力はいたしておりますけれども、日本のマスコミの中で基本的な問題を資料を提供したり、私が記者会見なりその他でお話をしても余り報道していただけないというのが現実の実情でございます。米を少し何か単語が違うことだけ言っただけでもでかくは書いてくれるんですけれども、そういう意味では大変残念だと思うし、また我が省の広報活動というのは、役所の広報活動というのは極めて弱いずっと流れがあって、私は別な部分でも、もっと農林水産省がやっている仕事そのものを国民に理解をしてもらうためにも、また制度を認識してもらうためにも、広報活動というのは今日的な行政といえども必要性を痛感をいたしておるわけでありまして、体制を十分とっていきたいと思うわけであります。
 一つは、どちらかというと生産者寄りになっている自由化反対運動でありますけれども、私はいろんなところで講演を頼まれたり何かするときは、生産者の問題であるがより消費者の問題です、国際的に総生産の三%しかマーケットに出ていなくて、十年間も最低で百九十ドル、最高で五百十五ドルという我が国が主食としておる農産物がこんなに量的にも価格的にも不安なものというのは、生産者よりむしろ消費者の方が認識を改めて自由化にひとつ反対協力をしてもらわなきゃならぬということをお話は私はするんですが、私が話しするのはもう限界でありまして、こういうものがテレビか何かに乗って、あるいは新聞で報道されてくれたらいいな、こう思ってできるだけわかりやすくは話をしておるわけであります。
 言わずもがな国内生産は三〇%の生産調整ということは大変深刻な問題でもございます。行政価格も内外価格差ということを問われて、国民所得から見ればそんなに高いものじゃないんですけれども、内外価格差を比較すれば、単純比較であれば当然高いことはだれが見てもわかるわけです。しかし、主食である米はそんなに国民所得から見れば高くない。十分の一のタイの米をタイの国民の所得で買うのと日本の国民の所得で十倍の米を買うのと、どちらが余計買えるかを役所の人に計算をしてもらったら、十倍だと言われておる日本の米が日本の国民所得で買えば倍以上の量が買えるということを考えると、物というのは品質とそれぞれの国民の所得に関連性があるということも国民からは理解をしてもらわなきゃならないような話はするんですけれども、こういうことは残念ながら記事にしていただけないというのが現実であります。
 伊藤忠のどなたかが書かれておるというようなことを書いていただけたことは大変結構だと思うけれども、どれだけ大きな扱いになっているかということもまた一つは心配でございまして、そういう意味では、今後また私たちはそういう基本的な認識と理解を求める努力はしていかなければならないことは先生のおっしゃるとおりだと思います。
 農産物が日本が閉鎖的だというときには、英文で外国に関係者に広報活動をさせていただきました。アメリカの人たちも、関係者が、こんなに日本はたくさんアメリカから買っていただいておるのかという理解を示した人が圧倒的に多かったという報告を聞いておりますので、そういう面では、国際交渉の中では、そういう国民底辺からのそれぞれの理解がなければ私は物事がうまくいかないんだなということを痛感をいたしておるわけでありまして、先生のお話のことは拳々服膺して、今後まだこれからの省内の広報活動に努めさせていただきたい、そう思います。
#247
○井上哲夫君 どうもありがとうございました。
 何か意見広告を外国に出すというのもなされたということですが、聞くところによると、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの意見広告の広告料は朝日新聞や日本の大手の新聞の広告料に比べて一けた安いということで、もっと安いかもしれないということなので、もっともっと広報活動に内外ともに努力をしていただきたいとお願いを申し上げます。
 次の質問でございますが、もう一つの質問は、畜舎の悪臭公害についてお尋ねをしたいと思います。
 今年とか豚、鶏の畜舎が大変悪臭がひどくてハエも多数出ている。これは前にも私は質問をいたしたわけでございますが、この畜舎の悪臭について全国でいろんなことが起こっていると思うので、それを全部掌握するというのは大変難しいと思うんです。
 この「ポケット 農林水産統計」なんかを見ましても、牛や豚や鶏の頓死といいますか事故死あるいは保険、それにまつわる補償、そういうことの資料はちゃんと載っている。しかし、家畜を飼ってみえるいわゆる生産農家とそれからその近隣に住む住民との間のいろんな苦情なり紛争なり、そういうものについてどういう形が出ているか。あるいは生産農家においてはどういう改善努力をしているか、さらにはそれが最悪の事態にはどういうふうな展開になっているとかいうことに関する資料というのは全くない。それは環境庁のやることだとは言えないと思うんです。
 私の地元の三重県でも、実は最近町が住民と一緒になって鶏を飼っている業者を裁判で訴えた、こういう記事が出ました。普通は近隣の住民が生産農家と悪臭問題でいろいろ紛争を起こすというのは別に珍しくもないわけですが、長年、町が業者に改善命令を出しても、改善勧告を出しても聞かない、もう最後は裁判所から改善命令を出してもらう以外方法がないということで、住民と町が共同申請で仮処分申請を出したなんということがでかでかと新聞に載ったわけでございます。
 私自身もこの業者のことは知らないわけではないわけですが、これはひどい例なんで、一体ほかの生産農家はどうしているんだろうということで、尋ねることができるところを訪ねてみると、涙の出るくらい努力をして見事に悪臭をクリアしているというところがあるわけです。非常にまあまあのコストの問題もあるからということで、努力をして何とか住民との問題もエキサイトしないような形でやっている、そういう生産農家が多いと。しかし、私が一軒見つけた三重県のある豚を千五百頭飼っているところでは全くにおいかない、ハエも一匹もいない、大げさな表現だと言われるかもしれぬが、事実そういうところがあるわけです。
 ところが、そのところへ行きまして、その構造、からくりをじゃほかの生産農家の人がまねをしたらいいじゃないかというと、まねをするということで見に来た人が全部失敗をする、そして畜産技術センターというんですか、県や国のそういう指導をすべき立場の人も、からくり解明に今から手をつけてやりますと、これから数年かかるかもしれませんというふうで、なかなか対応がおくれているなと。それは統計資料もないということにもつながるわけですが、現在、こういう畜舎の悪臭公害に関して農水省の方がどういう形で実例の把握をし、かつその新しい方法で成功しているところについてそのシステム解明のためにどういうことをやっているか。さらに、今後このような問題についてどういう形でアプローチをしようとしてみえるかについてお尋ねをしたいと思います。
#248
○政府委員(赤保谷明正君) ただいまの畜産公害、特に悪臭の問題について非常に深刻だというお話がございました。
 私は、畜産局長になる前一年間関東農政局長をやっておりまして、あっちこっち歩きまして農家の方とお話をしたことがあります。確かに深刻な問題でございます。私どもの大臣も、公害問題をきちっとやらぬとこれから大変だよと、特に私、局長になってから御指示をいただいております。また、先生からこのたび貴重な資料を提供していただいてありがとうございます。
 そういうようなことで、非常に公害問題というのは重要な問題になってきておる。都市化が進む、混住化が進む、先住民族である畜産農家が追い出されると言うと変ですけれども、そういう形になっている。昔は同じ農家の間であれば農民意識というのがあったと思うんです。今は同じ農家でも疎外感を受けている、本当に切実な問題だと思います。
 国としてもいろんな公害防止の事業も仕組んだりなんかしておるわけですが、それはそれなりにやっております。詳しく御説明してもよろしゅうございますけれども。今先生おっしゃいましたような民間でそれなりの効果を上げている事例もあるようでございまして、私どもも承知をいたしております。
 ただ、客観的にその効果が評価できるかどうかというとまだいまいちというようなところもございまして、私は本省に来てからも、地方農政局長会議で、国もいろいろ試験研究をやっておりますけれども、民間の方々が御努力をして、今先生おっしゃいましたように、かなりの成果を上げている事例があるでしょうからそれをぜひ教えてくれ。それで、今ほかの方は失敗したというお話がございますけれども、どういうところを気をつけてその輪を広げていったらいいのか。そういうような形で国でも試験研究を進めておりますし、民間の優良事例を掘り起こし、その輪を広げるというような形で進めていきたい。
 それと今、お言葉ですけれども、畜産公害についてのデータ、今の資料にはございませんかもしれませんけれども、畜産局独自で調査をいたしておりまして、ちょっと申し上げますと、年間畜産経営に起因する苦情発生件数ですけれども、平成二年度で三千四百件程度ございます。そのうち悪臭問題、これが二千五百件程度、それから水質汚濁が千八百件程度、ダブっている問題がございますが、後ほど資料をお届けいたしたいと思います。
#249
○井上哲夫君 きょうは五時からパーティーがありますので、余りこういうことをお尋ねし続けると皆さん方に御迷惑をかけると思いますので。
 ただ、今もおっしゃったように、先住者が追い出されるケースというふうなことですが、こういう今の時代になってくると、昔のように先に住んでいる者の権利だから何を言うかということはもう通用しなくなっている。後から住んでいる人の快適な生活を侵害されると、それはその改善なり排除にだんだんその声がひどくなるということはやむを得ないことだと思います。
 それで、こういう民間の成功例なり失敗例というものを一度大がかりに拾うといいますか集めるといいますか、そういうふうなことは考えられないんでしょうか。と申しますのは、これは住民からアンケートをとれというと寝た子を起こす、そういう表現はまずいかもしれませんが、大変いろんなことで気配りをしなければならないでしょうし、そのことをやるということになると関係者の意見を聞かないとなかなか大変だということは私も理解できるん、ですが、むしろ生産農家でどういう点で困ってどういうことをやったけれども失敗をしたとか、あるいはこういうふうなことで今のところうまくいきそうな目鼻がついているがまだだとか、あるいはそういう知識について改善指導者といいますかアドバイスをしてくれる人が少ないので困っているとか、いろんなことが出てくるんではないか。したがって、一度そういう形の調査をやっていただくのも大事なことじゃないかと思いますので、その点お願いを申し上げまして、五時からのことを考えまして終わります。ありがとうございました。
#250
○喜屋武眞榮君 私は、大臣初め関係者の皆さんに念を押すという気持ちで時間の間でお尋ねをいたしたいと思います。
 まず一つは、大臣にお尋ねしたいことは、さきの四極通商会議では、ウルグアイ・ラウンド交渉の年内終結に向けて十一月までに交渉分野全体にわたる包括附な合意について一致したと報道されております。そこで、我が国としても包括合意形成に向けて作業が開始されるでありましょうが、その際、農林水産省としてはどのように取り組むつもりなのか、その取り組み姿勢をお伺いすると同時に、また、関税化提案が農業交渉の軸となれば、我が国の基礎的食糧である米の市場開放に道を開くことになります。米の市場開放に対しては三度にわたる米の完全自給の国会決議があることは今さら申し上げるまでもございません。関税化提案には断じて応じないという大臣の決意を改めてお伺いいたしたい。
#251
○国務大臣(近藤元次君) 後段の方からお答えいたしますと、国会決議を尊重しながら国内産で自給していくという米の問題の方針には全く変わりはありません。四極通商閣僚会議での話は私は参加しておらないわけでありますけれども、それ以前に、サミットにおきましても、年内合意に向けて努力をするということは関係国すべてが一致をしておることでございますので、我が国としてもウルグアイ・ラウンドの交渉には積極的に参加をするという姿勢を示しておるわけですし、今日もまた我が国の立場を主張しながらまとめていく方向に努力をしてきておるところであります。
 作業に入るといっても、既にオファーは出しておるわけでありますし、基礎的食糧、生産調整というようなものにつきましては関税化では対応できないということも明確にしておりますし、また十一条二項の同につきましても、既にガットで裁決が出されておりますけれども、まだ十一条二項の(c)の明確化をするために我々は提訴もしておるところでありますので、その辺の勘案と同時に、我が国のこの交渉の結果について立場が反映できるように努力をしていきたい、そう考えております。
#252
○喜屋武眞榮君 わかりました。
 次にお聞きしたいことは、本年度から農業基盤整備費が農業農村整備事業費と名称変更になったわけでありますが、予算上の項が再編されております。そこでまず、今後の農業農村整備に対する政策のあり方、さらに農業農村整備事業費のあり方について農林水産省はどのように考えておられるのか、これまた大臣にお聞きしたい。
#253
○国務大臣(近藤元次君) 予算に伴ってのことでありますけれども、今年度は生活関連枠というのが新しくその予算枠の中に設けられましたし、来年度につきましては公共事業二千億という新たな予算枠が設定されたわけであります。生活関連枠という関係では、我が省の行っておる事業について必ずしも対応が生活関連のその予算枠の制度になじみにくいという状況で、決していい成績で今年度の予算ができたとは私は思っておりませんけれども、逆に、今回出されたものについては、農業、農村について我が省にとってはその内容に適合するものが多いという判断をして、平成三年度の予算より平成四年度の予算で名誉挽回をするつもりで予算当局を督励して概算要求をさせていただいたところであります。
 とりわけ農村環境につきましては、集落排水を中心にしながらも、なお美しい村づくりということで全国七十カ所ないし八十カ所を新しく認定して、生活の環境とあわせて農村の環境をよくしていくということで積極的に取り組みたいと思って、約八十億ほど予算を新しい視点で要求いたしております。
 当然のことながら条件不利な地域がやや対応がおくれてきた感がなきにしもあらずということで、中山間地対策ということで、総合的ないわば中山間地の山村を農業を通して活性化していきたいということで、軽い負担によって農村なり農業の整備をしていこうというようなことで、これは全国的に非常に人気が高くて、予算でどう対応できるかという一番心配をしておる部分でございますけれども、これらに向けて積極的に条件不利中山間地に対しての新たな、新しい制度といっても一昨年から発足の制度ではありますけれども、まだ生まれたての制度でありますので、それに逆に圧倒的に希望が多いということは、そういう条件不利な地域でも農業をやっていこうという皆さん方の意欲があることに私は本当に感謝をしながら、これにできるだけ速やかにこたえていきたいという気持ちいっぱいで、これも予算要求をさせていただいておるところでおりますので、また諸先生方からの御支援をお願いいたしたいと思っておるわけであります。
#254
○喜屋武眞榮君 ただいまの大臣の姿勢とも関連するわけでありますが、次にお尋ねしたいことは、日本の農業を見直すために農業構造改善事業はどのように進めておられるか、また進めようとしておられるのか。その中で日本にとって唯一の亜熱帯地域農業、いわゆる沖縄県の農業構造改善に関連してどのように考えておるのか、また進めようとしていらっしゃるのかお聞きしたい。
#255
○政府委員(海野研一君) 沖縄の場合、全般的に農業生産の基盤整備がおくれておりますし、流況の安定した河川がないというようなことから、特に利用可能な水資源が少なく、農業用水の安定的な確保という点で非常に問題が大きいわけでございます。そういう意味で、従来から重点的にかんがい排水事業の推進を計っているところでございまして、平成三年度予算におきましても、全国は二%弱の伸びのところで、沖縄のかんがい排水事業は九・二%の伸びという格好でやっております。ただ、それにしましても、依然として畑地かんがいの整備率は全国平均一三%に対して沖縄は一一%とまだ低いわけでございます。
 そういう意味で少しでも早く安定的な農業用水の確保を図るために、継続地区の早期完了、早期効果の発現を図ると同時に、新規地区につきましても計画的な事業化をするというようなことで、地域の状況を踏まえながらかんがい排水の円滑な整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
#256
○国務大臣(近藤元次君) 今局長から答弁を申し上げたような実情の中でございますし、まあ正直、私のところに陳情に来られる沖縄の方に、当面やはり花というものに一つの注目をして営農計画を立ててみたらいかがですかということは私の方からも指導したりしておるわけでありますが、いずれにしても水の問題が最大の問題でありますので、今局長から答弁をさせていただいたような方向で進みたいし、また大規模なダムだけが水源、かんがい排水ではないんで、もう少し規模の小さいものが数がようけあってもある意味ではいいのではないかというふうな感じもしないわけではないんで、私も土地カンがないものですから、十分なそういう意味での私の意見を申し上げることは不十分でありますけれども、少なくとも沖縄からいろんなことの問題を持ち込まれていることについては積極的に取り組んでいくように、特に気象条件ということでは、水以外のことについては十分農業に適しておるところでありますし、でき得れば北海道と沖縄が国際競争力を持つ日本の国の農業地帯として発展をしていただくということが土地条件からすれば可能な適地ではないだろうか、そう判断をいたしておるわけであります。
#257
○喜屋武眞榮君 政府の立場からはいわく言いがたしと言う。言ってもらえば沖縄は名実ともに日本の唯一の亜熱帯地域としてそれこそ楽園になるかなと。それを阻んでおるのは何なのかというと、今度大田県政が生まれたのは、結局一切の平和と経済発展を阻んでおるのは基地の存在であるということなんです。基地を避けて云々するということはこれはまさに片手落ちであると私はいつも心ひそかに憂えておるわけでありますが、その基地があるがゆえに沖縄の経済発展が大きく阻まれておるという県民の声が盛り上がって、それで大田県政が誕生したわけです。基地撤去という方針をもう打ち出してありますよ。今まではそういうことが言えなかったんです。
 ところが、現実の問題として基地の整理縮小という現実に立って、その整理縮小の面で、合同委員会で決まったことさえもまだ実行していないような政府の態度に対して、ますますフィリピンのあのアメリカの基地から嘉手納基地に移駐しておる。基地の強化をする、そして県民の生命、財産、人権への脅威がますます加わりつつあるというこういう現状で、沖縄こそ本当に亜熱帯地域としての宝の島である、日本にとってそのことが沖縄自体の繁栄、発展に間違いなくつながる。こういう意味で、基本的には沖縄を本当に楽園にしていくのを阻んでいるのは基地の存在であるということをせめて農水大臣の口からでも言ってもらえばいいがなと私は心ひそかに期待も申し上げておりますが、しかしそれはもうこれ以上は求めません。
 そこで、沖縄の今の農業形態をどうしても変えていかなければいけない。ところが、今までは変わるべき内容を見出すに困っておられた、政府も、県自体も。ところが、最近ほうはいとして変わるべきものがあらわれてきた。私が言う前に、もしそのためのお考えがありましたら聞かせてもらいたい。いわゆる沖縄の農業の今のような形態を変わるべきものに変えることによって、あるいは一〇〇%変えるのか、あるいはその一部を変えるのか、それはお考えのところでいかがですか。
#258
○政府委員(海野研一君) 先生の思っておられるのと同じじゃないかもしれませんが、先ほど大臣が申しましたような花でございますとかその他果菜類とか、これまで乾燥地であるがゆえにできなかった、例えばサトウキビであるとかそういう干ばつに比較的強いものしか植えられなかったところが水が来ることによって自由に作物が選択できる。そういう中で商品性の高い作物に変わっていけるというようなことではないかというふうに推測いたします。
#259
○喜屋武眞榮君 こういうことなんです。県民の声として、いわゆる沖縄の基幹作目というのはサトウキビ、パインでしょう。そのサトウキビの面積在縮小して、その余白を熱帯果樹の栽培をやることによって経済的に十何倍の収入が上げられるという事実はもうおわかりだと思うんですよ。そこに着眼してもらわなければ、本当に前向きに亜熱帯気候における沖縄の農業はどうあるべきかということを、イージーゴーイングで依然として百年河清を待つような姿勢ではだめということなんです。どうか思い切ってキビ作を縮小して、その余白を亜熱帯果樹の栽培に切りかえていく。キビは縮小するというと面積が狭くなるわけで、そのかわり品種の改良、土壌の改良、かんがい施設、病害虫の問題、こういうことを政府が前向きで取り組んでもらうことによってキビの収入も決して減るどころか倍加しますよ。こういうところにひとつ目をつけてもらってくださるならば、本当に県民はそれでこそ我が政府と、こう言いたいわけなんです。どうかそういうふうに県民の期待にこたえてください。私を初め、ありがとうと言いますよ。どうかひとつその点を念頭に置いていただきたいと思うんです。
 それから次にお尋ねしたいことは、沖縄県は来年の三月で二次振計が終わるわけですが、二十年たってもいまだにその目標に達せないところかむしろ引色離されておるというこの経過を踏まえてしっかり考えてもらわなければいけない。そこで、今沖縄県では第三次振興開発計画案に沿って、去る七月に平成四年の重点施策を決定しておりますね。この中には水産についても幾つかの新規事業が盛り込まれておることも御承知ですね。その一つに養殖モスク保管用の冷蔵施設の整備があります。この沖縄のモスク養殖は全国生産の九〇%を占めており、沿岸漁業者の大きな支えになっておる。本土の消費者に健康長寿づくりの食生活としていその香りと風味、歯ごたえのある沖縄のモスクのよさを味わってもらおうじゃありませんかというのが私の切なる願いなんです。その養殖モスクの安定流通に向けて冷蔵施設の整備を急ぐ必要が今あるんです。
 ところで、沖縄ではこのモスク冷蔵施設の例からも明らかなように、一般に水産流通関連施設の整備の立ちおくれはもうどうにもならない現状にあるわけなんです。そこでこのおくれを取り戻すために国において強力なてこ入れをする必要があると私は思うんです。そこで水産庁長官のお考えとその行動を結びつけて御所見を承りたい。
#260
○政府委員(鶴岡俊彦君) 沖縄県におきましても、先生御案内のとおり六十年度から新沖縄県水産業構造改善特別対策事業ということで、専用冷蔵施設でありますとか、荷さばき施設等々、流通関係の施設の整備を進めていただくとともに、また、ただいま御指摘がありましたように、モスクについては、先生御指摘のとおり、全国生産の九割を占めるということで、沖縄県にとって重要な特産品であるということはもう十分承知しておるところでございます。これまでも加工施設について整備を進めてきたところであります。新構造改善特別対策事業が本年をもって終わるということになっておるわけでございますけれども、水産庁といたしましては、水産流通関連施設の整備を含めまして、沖縄県の水産業の活性化のため、モスクの振興等を含めまして水産業活性化のための対策を引き続き講じてまいりたいというふうに考えております。
#261
○喜屋武眞榮君 次は、森林の問題でありますが、沖縄県の森林は水資源の涵養としての社会的要請が特に強く、また特殊野生生物保護のための自然環境保全の面から社会的関心が非常に高まりつつあります。これは従来から重大な関心がありますが、いつも基地に阻まれてそのことが立ち消えにされようとしておる宿命があるわけであります。特に特殊野生生物保護のための自然環境保全の、もうこれだけ申し上げればその内容は、世界的な生物が沖縄におるということ、東洋のガラパゴスと言われておるゆえんもそこにあるわけです。そこで、このことについてひとつ政府、林野庁は具体的な方策を示してもらいたい。そして予算化して実行してもらいたい。
#262
○委員長(永田良雄君) 答弁は簡潔にお願いします。
#263
○政府委員(小澤普照君) 沖縄県の森林あるいはここに生息します生物は大変貴重なものだということは、私どもも重々承知をしているところでございます。したがいまして、こういうような生物対策としましては、事例で申し上げますと、例えば林道の側溝につきまして虫が落ちてはい上がれないというのは困るというようなことで、私どもその改良もやらせていただきました。なお、これからは、やはり森林全体の整備ということをやりますので、これにつきましては十分にその辺を念頭に置いた森林の整備を図ってまいります。
 なお、今回森林法の改正に伴いまして、いわゆる流域別に活性化をするということでございますから、林業の振興と同時に、森林の整備をあわせて行ってまいりたい、このように考えております。
#264
○喜屋武眞榮君 いろいろと短時間に要望を多く申し上げましたが、結論としてどうかいま一つお考え願いたいことは、私は基幹作物のキビを縮小して熱帯果樹を広げてもらいたいということを申し上げたわけです。熱帯果樹は沖縄でできる。あるいは世界の薬草も沖縄で栽培できます。ほとんどの熱帯果樹が沖縄で栽培できる。その最近の最たる一つはマンゴーであります。マンゴーは世界を相手に競合できる色よし、妹よし、太さよし、しかもきょうもいだものがすぐきょう東京や大阪の市場に二、三時間の間に運べるというこういうすばらしいマンゴーが今沖縄で盛んにつくられつつあります。召し上がったかしれませんが、どうかひとつそのことも、言葉だけで我慢していただきたいんだが、ぜひひとつ味わっていただきたい。お願いいたしまして終わります。
#265
○委員長(永田良雄君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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