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1991/09/24 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 厚生委員会 第7号
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1991/09/24 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 厚生委員会 第7号

#1
第121回国会 厚生委員会 第7号
平成三年九月二十四日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十九日
    辞任         補欠選任
     堂本 暁子君    日下部禧代子君
 九月二十日
    辞任         補欠選任
     庄司  中君     篠崎 年子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田渕 勲二君
    理 事
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                竹村 泰子君
                高桑 栄松君
    委 員
                岩崎 純三君
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                木暮 山人君
                清水嘉与子君
                田中 正巳君
                宮崎 秀樹君
               日下部禧代子君
                篠崎 年子君
                浜本 万三君
                木庭健太郎君
                沓脱タケ子君
                粟森  喬君
                勝木 健司君
       発  議  者  浜本 万三君
       発  議  者  竹村 泰子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  下条進一郎君
   政府委員
       厚生大臣官房老
       人保健福祉部長  岡光 序治君
       厚生省保健医療
       局長       寺松  尚君
       厚生省生活衛星
       局水道環境部長  小林 康彦君
       厚生省保険局長  黒木 武弘君
       厚生省年金局長  加藤 栄一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        滝澤  朗君
   説明員
       環境庁企画調整
       局企画調整課長  長谷川正榮君
       外務省国際連合
       局経済課長    花角 和男君
       大蔵省主計局主
       計官       渡辺 裕泰君
       通商産業省立地
       公害局環境政策
       課公害防止指導
       室長       湯本  登君
       労働省労働基準
       局安全衛生部安
       全課長      大関  親君
       自治省行政局公
       務員部能率安全
       推進室長     石橋 孝雄君
       自治省財政局調
       整室長      香山 充弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○老人保健法等の一部を改正する法律案(第百二
 十回国会内閣提出、第百二十一回国会衆議院送
 付)
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物
 処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律
 案(第百二十回国会内閣提出、第百二十一回国
 会衆議院送付)
○廃棄物の適正処理等に関する法律案(浜本万三
 君外五名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 先般、堂本暁子君及び庄司中君が委員を辞任され、その補欠として日下部禧代子君及び篠崎年子君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田渕勲二君) 老人保健法等の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○竹村泰子君 それでは、老人保健法等の一部改正について、確認的な質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 老人保健法の改正によりまして患者の一部負担金が引き上げられますが、患者の立場から見ますと、一部負担金とともに保険外負担は深刻な問題でございます。特に付添看護に伴う負担が多額に上っていることは、もう大臣もよく御存じのとおりでございます。政府はこの問題に早急に取り組み、その修正を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
#5
○国務大臣(下条進一郎君) 付添看護につきましては、老人に対する看護が病院の責任ある管理のもとに、その他の医療と一体的に提供されますように種々の施策を講じまして、患者負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
 具体的に申し上げれば、第一に、安易に付添看護に依存し、不適切な患者負担を生ぜしめることのないように、付添看護承認の厳正化、指導、監査の強化等現行の付添看護の取り扱いの適正化を図るとともに、第二には、付添看護を必要としない介護体制の整った病院の拡大を図るため、入院医療管理病院についてその基準や承認要件の緩和を検討いたしました。また第三には、さらに直ちに入院医療管理病院へ移行できない老人病院につきましては、病院単位の考え方を改めまして、新たに病棟ごとの介護体制に着目した入院医療管理病棟制度を導入するとともに、病院の管理下で付添看護にかわる看護サービスが提供される体制を整備するなど、段階的な移行のための方策について検討を行ってまいる所存であります。
 これらの事項につきましては、具体的には関係審議会において検討を進め、速やかに必要な措置を講じていく考えでございます。
#6
○竹村泰子君 また、保険外負担の問題としましては、室料差額の問題があります。不適正な差額徴収の解消に向けてどのように取り組むお考えですか。
#7
○国務大臣(下条進一郎君) 差額ベッドにつきましては、告示上三人室以上の場合の差額の徴収は認められない等のルールを定めてありまして、このルールに沿った運用がなされるよう従来から指導を行ってきているところでありまして、今後ともルールの周知徹底を図るとともに、指導の一層の徹底を期してまいる所存であります。
#8
○竹村泰子君 同じく保険外負担ですが、おむつ代やこの委員会の審議の中でも非常に問題にされましたいわゆるお世話料と呼ばれる費用負担について、依然として不透明な実態が見られます。不適正な負担の是正に向けてどのように取り組むお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
#9
○国務大臣(下条進一郎君) おむつ代につきましては、従来から不適切な額の徴収が行われないよう指導をしてきたところでありますが、今後、領収書の交付等の指導を通じ、その徹底を図ってまいりたいと考えております。
 また、いわゆるお世話料等あいまいな名目での費用徴収が行われないよう、今後とも指導の徹底を図ってまいる所存であります。
#10
○竹村泰子君 老人の患者さんにとりましては、療養上必要性の高いおむつなんですけれども、保険給付の対象として患者負担を解消すべきではないでしょうか。
 私どもは、この審議の中でも強くそのことを要求してまいりましたけれども、このことについて厚生省としてのお考え方はいかがでしょうか。
#11
○国務大臣(下条進一郎君) 老人患者が使用するおむつにつきましては、日常生活上必要なものであることから、その性格上医療保険の給付の対象とすることは困難であります。
 なお、高齢化の進展に伴いまして、常時介護を必要とする状態の老人が大幅に増加すると見込まれ、高齢者のケアのあり方といたしましてどのような対応が必要なのか、また可能なのかについては研究をしてまいりたいと考えております。
#12
○竹村泰子君 次は、今回創設されます訪問看護制度のことについてお伺いしたいと思いますけれども、訪問看護制度というものを創設されました意義は高く評価はいたしますが、訪問看護サービスを老人が利用しやすいようにするためには、利用料が過重なものとならないよう配慮する必要があると思います。大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#13
○国務大臣(下条進一郎君) 老人訪問看護の利用料に関しましては、専門的な観点からの検討が必要でありまして、老人保健審議会の意見を聞いて定めることとしておりますが、その水準につきましては、外来一部負担との均衡等に配慮いたしまして定めることといたしております。
#14
○竹村泰子君 訪問看護サービスを行う事業主体として医療法人、社会福祉法人等を予定しているということですけれども、営利法人について事業主体とすべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
 また、訪問看護が真に老人に必要な質の高いサービスを提供し得るよう十分留意すべきだと考えますが、どうお思いになりますか。
#15
○国務大臣(下条進一郎君) 営利法人につきましては、訪問看護制度の運営の実績や普及の進みぐあい等を見まして慎重に検討することとしておりまして、当面対象にすることは考えておりません。
 また、訪問看護サービスにつきましては、運営基準の策定等を通じ、老人の状態に即し、必要とされる質の高い看護サービスが適切に提供されるよう十分配慮してまいる所存でございます。
#16
○竹村泰子君 訪問看護制度が適切に普及するためには、各地域において存在するさまざまな在宅サービスと十分連携をとることが極めて重要であると考えます。訪問看護ステーションの基本的なあり方について厚生省の考え方はどうでしょうか。
 また、離島など過疎地域において市町村の果たす役割は非常に大きいと考えますが、その辺のところもあわせてお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(下条進一郎君) 老人訪問看護の事業展開に当たりましては、他の保健、医療、福祉サービスと密接な連携が十分保たれるよう配慮する必要があります。このために、訪問看護の運営基準や各市町村における老人保健福祉計画の策定に当たりましては、在宅介護支援センターや高齢者サービス調整チームの活用などにより、訪問指導等の市町村の保健福祉サービスや、かかりつけの医師による訪問診療等と十分な連携が保たれますように配慮し、老人に対しまして適切なサービスが提供されるような体制づくりを進めてまいりたいと考えております。
 過疎地域などにおいては、例えば市町村が中心となりまして訪問看護ステーションと在宅介護支援センターとの一体的な運営を図るなど、地域における社会資源の十分な活用を図りながら、訪問看護ステーションの整備が促進されることが期待されております。
#18
○竹村泰子君 訪問看護ステーションの本来的な役割は、在宅要介護老人に看護サービスを提供することでありますが、将来的にはほかの在宅サービスとも調整を行うような、いわゆる地域でのコーディネート役を果たせるような、そういう機能を有したものへと発展していくことに私たちは非常に大きな期待を持っているわけであります。その点につきまして厚生省のお考えはどうなんでしょうか。
 また、訪問看護ステーションにおける理学療法士、作業療法士、いわゆるOT、PTと言われます人たちの役割は極めて重要であると考えますが、今はその設置が義務づけられてはおりませんけれども、将来的にはどうお考えになりますでしょうか。
#19
○国務大臣(下条進一郎君) 在宅要介護老人に対しまして、必要な保健、医療、福祉サービスを一体として提供していくためには、地域における各サービスをコーディネートする機能が重要であると認識いたしております。現在、在宅介護支援センター等がこのような機能を果たしておりますが、訪問看護ステーションを設置する主体が在宅介護支援センターをあわせて運営することも可能でありまして、また今後、訪問看護ステーションが在宅の要介護老人のケアに関するケースマネジメントの経験を積み重ねていくならば、将来的にはコーディネート機能を発揮することも可能になるのではないかと考えております。
 また、寝たきり予防等の上でリハビリテーションの果たす役割は極めて大きく、その重要性は十分認識いたしております。このため、今回創設を予定している老人訪問看護制度におきましては、理学療法士、作業療法士が行う訪問リハビリテーションも制度の対象としているところであり、今後その円滑な普及に努めてまいる所存であります。
#20
○竹村泰子君 老人医療を公費五割とするべきと思いますが、公費拡大についてどういう方策で、どういう道筋で、どんなふうにおやりになるのでしょうか、御決意を伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(下条進一郎君) 現在の老人保健制度は、社会保険方式を基本としつつも、公費負担割合は実質的に相当の水準となっており、一律に公費負担割合を五割に引き上げることは考えておりませんが、今回の改正により公費負担五割の対象となる病院、施設等を計画的に拡充し、もって将来にわたり公費負担拡大を図る考えであります。
 具体的に申し上げれば、公費負担五割の対象となった施設等のうち、一つには、老人保健施設につきましては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略に基づき、平成十一年度には二十八万床を整備することといたしております。
 また第二には、介護体制の整った老人病院につきましては、入院医療管理病院に関する承認期間の短縮等の誘導措置を講じまして、その普及を図る考えでございます。
 また第三には、老人訪問看護ステーションにつきましては、平成十二年における老人訪問看護ステーションの必要数約五千カ所を将来目標に、看護職員の確保及びその資質の向上、適切な訪問看護療養費の設定などの環境整備を図り、その普及を図る考えでございます。
 また第四には、老人性痴呆疾患療養病棟につきましては、将来的に老人性痴呆疾患患者が急増することが見込まれていることから、その積極的な整備を進めていく考えであります。
#22
○竹村泰子君 今のところをぜひ積極的かつ敏速にお願いを申し上げたいと思います。
 そして、物価スライドの問題ですけれども、私たちは当初、というよりも今も物価スライド制はとるべきではないと強く要求をしてまいりました。しかし、現実の問題といたしましてはそういうふうになったわけでございますけれども、物価スライドにつきまして、物価の高騰により非常に過大な負担となるおそれがありますけれども、そういう場合はどうなさるのか、政府の認識はどうなっておりますでしょうか。
#23
○国務大臣(下条進一郎君) 御質問の趣旨は、スライド率が高くなり、そのままその率が一部負担額に反映されるとお年寄りの過大な負担となるのではないかという御懸念であろうかと思います。
 スライド制につきましては、今回新たに導入される制度でありまして、その影響を慎重に見きわめることが重要であります。御懸念のような事態が生ずるようなおそれがある場合には、国会の御判断を得て、そのあり方を総合的に検討することが必要であると考えております。
#24
○竹村泰子君 物価が三%を超えたら必要な見直しを行い、歯どめ措置を講ずるべきと考えますが、政府はどうお考えになりますか。
#25
○国務大臣(下条進一郎君) 近年のように物価が極めて安定している時期においては、そういう認識もあろうかと考えられますけれども、将来の経済変動につきましては現時点で想定することはできません。
 いずれにいたしましても、御質問の趣旨を十分に踏まえ、過大な負担にならないよう、高齢者の方々の負担能力等を考慮して、国会の御判断を得ながら総合的に検討してまいりたいと存じております。
#26
○竹村泰子君 私どもが提出いたします修正案におきまして、「改定措置の在り方について総合的に検討が加えられ、」、「必要な措置が講ぜられるべきものとする」とありますけれども、それに対する政府としての認識をお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(下条進一郎君) 一部負担金の額が老人の負担能力等を考慮して過大な負担になるおそれが生ずる場合におきましては、国会の御判断を得ながら、スライド率をそのまま一部負担額に反映させずに上限を設けるとか、状況によってはスライド制の是非も含めて検討を行い、その結果に基づいて立法措置を含む必要な措置を講ずることを考えております。
#28
○竹村泰子君 今大臣に種々お答えをいだだきましたけれども、御決意のほどをしっかりと私どもも承りましたし、議事録にも残っております。
 つきましては、高齢者社会を迎えるに当たり、ぜひ御英断を持って、勇気を持ってすばらしい高齢者社会をつくっていただきたい。私どもの心からの願いであり、まだこれからの国会の審議にそれをゆだねたい、そういうふうに思います。
 ありがとうございました。
#29
○高桑栄松君 それでは、質問をさせていただきます。
 まず最初に、老人性痴呆疾患療養病棟というものの定義を承りたいと思います。
 なお、今後の整備計画及び公費五割対象とすることによって生ずる来年度予算の必要経費はどれくらいか。
 以上について伺いたいと思います。
#30
○国務大臣(下条進一郎君) 老人性痴呆疾患療養病棟とは、精神症状や問題行動があり、慢性的に至った患者に対し、長期的な治療を行うことを目的とする施設であり、本年度より整備を行うこととしたものであります。
 この老人性痴呆疾患療養病棟につきましては、将来的に痴呆性老人が急増することが見込まれていることから、その必要性に応じて整備を進めていきたいと考えております。
 また、仮に老人性痴呆疾患療養病棟が千床とすれば、その公費五割対象になることによる国庫の増分は約五億円と見込まれております。
#31
○高桑栄松君 それでは次に、同じ精神病院に老人性痴呆疾患治療病棟と療養病棟とができるわけですが、療養病棟は五割公費負担になり、治療病棟の方は拡大の対象にならない。その理由はどういうことか伺いたいと思います。
#32
○国務大臣(下条進一郎君) 今回の老人保健制度の改正では、今後の重要課題である介護の要素に着目いたしまして公費負担割合を引き上げることとし、その趣旨に合致する施設を対象としたものでございます。
 老人性痴呆疾患治療病棟は、精神症状や問題行動の著しい患者に対しまして短期集中的に精神科的治療を行う施設であります。一方、老人性痴呆疾患療養病棟は、精神症状や問題行動があり、慢性的に至った患者に対し長期的な治療を行う施設でありまして、治療病棟に比べ介護の要素が強いものであると考えております。
 こうした性格の差に着目いたしまして、老人性痴呆疾患療養病棟につきましては、公費拡大の対象に追加されたものと考えております。
#33
○高桑栄松君 次に、公費五割の対象とならないような老人病院などで老人性痴呆疾患療養病棟を設置した場合には、同じく公費五割負担の対象になるのかどうか、伺いたいと思います。
#34
○国務大臣(下条進一郎君) 医療法第二十一条ただし書きの都道府県知事の許可を受けた老人病院や精神病院が老人性痴呆疾患療養病棟を設けた場合には、公費負担五割の対象となるものであります。
#35
○高桑栄松君 それでは次に、一部負担金の額が過大な負担になるおそれが生ずる場合には、必要な措置が講ぜられるべきものとするとありますが、その主体はだれでしょうか。
#36
○国務大臣(下条進一郎君) 必要な措置を講ずる主体は政府であると考えております。
#37
○高桑栄松君 それでは、政府に聞くことになるわけでございますが、一部負担金の額が過大な負担になるおそれが生ずる場合というのは、どの程度をもって過大と判断するのか。私は過大な負担になるおそれというのは消費者物価上昇率が三%以上だと判断いたしますが、政府は何%以上をもってそれと判断するのか、伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(下条進一郎君) 近年のように物価が極めて安定している時期におきましては、そういう状態もあろうと考えられますが、将来の経済変動につきましては現時点で想定することはできません。
 いずれにいたしましても、御質問の趣旨を十分に踏まえ、過大な負担にならないよう、高齢者の方々の負担能力等を考慮いたしまして、国会の御判断を得ながら総合的に検討してまいりたいと考えております。
#39
○高桑栄松君 過大な負担になるおそれを判断する場合に、消費者物価のほかに他の要素も考慮して判断をなさるのか、またその場合にはどのような要素を考えておられるのか、伺いたいと思います。
#40
○国務大臣(下条進一郎君) 御指摘の規定を発動して検討を行う契機となるのは、消費者物価の伸び率の状況であると考えておりますが、過大な負担になるかどうかにつきましては、スライド規定を適用した場合の一部負担金の額や老人の所得、年金などの負担能力の状況を考慮する必要があろうかと考えております。
#41
○高桑栄松君 次に、過大な負担になるおそれが生じ、または過大な負担になったと考えられる場合、だれがどのような手続で必要な歯どめ措置を講ずるのか、お伺いいたしたいと思います。
#42
○国務大臣(下条進一郎君) 一部負担金の額が老人の負担能力等を考慮して、過大な負担になるおそれが生じると政府が判断する場合には、スライド規定を適用した場合の一部負担金の額、医療費に占める一部負担金の割合、老人の所得、年金などの負担能力の状況等を国会に御報告いたしまして御議論をいただき、その判断を得ながら、スライド率をそのまま一部負担額に反映せずに上限を設けるとか、状況によってはスライド制の是非を含めて検討を行い、その結果に基づきまして、立法措置を含む必要な措置を講ずることと考えております。
#43
○高桑栄松君 必ずしもすっきりした答弁とは私はどうも受け取りかねておりますけれども、大臣のお考えのことがよくわかりましたので、しっかりこれをお願いいたしたいと思います。
 次に、付添看護を必要としない看護体制の整った病院の拡大を図るということになっておるようでありますが、具体的にはどういうことか、伺いたいと思います。
#44
○国務大臣(下条進一郎君) 付添看護につきましては、老人に対する看護が病院の責任ある管理のもとにその他の医療と一体的に提供されるよう種々の施策を講じ、患者負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
 具体的には、第一には、安易に付添看護に依存し、不適切な患者負担を生ぜしめることのないよう付添看護承認の厳正化、指導、監査の強化等現行の付添看護の取り扱いの適正化を図るとともに、第二には、付添看護を必要としない介護体制の整った病院の拡大を図るなど、入院医療管理病院についてその基準や承認要件の緩和を検討いたしました。また第三には、直ちに入院医療管理病院へ移行できない老人病院につきましては、病院単位の考え方を改めまして、新たに病棟ごとの介護体制に着目した入院医療管理病棟制度を導入するとともに、病院の管理下で付添看護にかわる看護サービスが提供される体制を整備するなど、段階的な移行のための方策について検討を行ってまいる所存でございます。
 これらの事項につきましては、具体的には関係審議会において検討を進め、速やかに必要な措置を講じていく考えであります。
#45
○高桑栄松君 付添看護の解消策として、付添婦の病院内管理の方向で検討していくということでありますが、患者負担の軽減にこれはつながることになるのでしょうか、伺いたいと思います。
#46
○国務大臣(下条進一郎君) 御指摘のような施策を通じまして、今後付添看護を必要としない介護体制の整った病院への段階的な移行を促進していく考えでありまして、これにより結果として患者負担の軽減が図られていくものと考えております。
#47
○高桑栄松君 付添看護の問題というのは、現場では必ずしも規則のとおりにいっているかどうか、いろいろなケースがありますし、病院と患者と付き添いの間でのコミュニケーションがいろいろ問題になるわけで、いずれも満足してというか、心から喜んで看護ができるような体制を十分に気をつけながらひとつ検討して進めていっていただきたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。
 それでは最後でございますが、室料差額の指導に関して、この指導を強化していくというふうに伺いましたが、ルール違反があった場合にどのように対処するのか、伺いたいと思います。
#48
○国務大臣(下条進一郎君) 差額ベッドにつきましては、告示上三人室以上の場合の差額の徴収は認められない等のルールを定めてありまして、ルールに沿った運用がなされるよう従来から指導を行ってきているところでありますが、今後ともルールの周知徹底を図るとともに、指導の一層の徹底を期してまいる所存でございます。
#49
○高桑栄松君 いろいろとありがとうございました。
 高齢者医療の問題は、これからの非常に大きな問題でございますし、厚生省としても、いろいろな試みがこれからというものが非常に多いようでありますので、しっかりまた検討していただきながら、軌道修正することがあったらちゅうちょなく修正をしていただくという覚悟で、いい制度に持ち込んでいただきたいということを希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#50
○沓脱タケ子君 それでは、簡単にお伺いをいたします。
 まず最初は、公費負担の拡大についてお尋ねしたい。
 現役労働者の負担が大変増加をしております。これは質疑時間がなかったので詳しく言えなかったんですけれども、厚生省の資料によりますと、退職者医療拠出金分も含めますと平成二年が合わせて三〇・九%、それが平成二十二年になりますと五六%になる。これは政管健保です。組合健保ですと、両方合わせまして平成二年が三四・一プロ、平成二十二年には五八プロ。国保は退職者医療拠出金がありませんから率が少し低いですけれども、そういう状態になっておるところを見ますと、限界を超していると思うわけです。
 本改正案の質疑を通じましても、今後増大する老人医療費の負担のあり方というのがいろいろな角度から検討されてまいりましたけれども、第一義的にやはり国が責任を持つべきである、この柱をしっかり据える必要があるというのは非常に多くの一致した御意見、認識であったと思うわけでございます。老人保健審議会あるいは各党の御意見、健保連その他国民各層の御意見がほぼそういう点では一致して、せめて公費負担の五割をというのが一致した認識のように見受けられます。
 政府は、この方向を老人医療対策の基本に置くべきであると私は思いますけれども、これをやれば老人医療の一部負担金をわずか引き上げるというようなことをやらなくても済むわけなんで、そこに基本を置くべきだと思いますが、大臣の御見解を伺いたい。
#51
○国務大臣(下条進一郎君) 現在の老人保健制度では、社会保険方式を基本としつつも、老人医療に対する公費負担割合は既に実質的には相当の水準に達しておりまして、税財源から充当される公費負担の割合をさらに引き上げることにつきましては、どのような点に着目して公費を充当するか、慎重な検討が必要であると考えております。
 今回の老人保健制度の改正におきましては、今後の重要な課題である介護に着目いたしまして公費負担割合を引き上げるとともに、平成二年度に創設されました老人保健基盤安定のための国庫助成措置を拡充したところでありますが、今後ともふえ続ける老人医療費については、国や地方も老人自身も現役世代も、その負担を適切に分かち合うことによりまして制度を安定的に運営していくことが重要であると考えております。
#52
○沓脱タケ子君 次に、不合理な保険外負担の解消、これは各党各派から御意見が出ておりました。これは高齢者にとっても家族にとっても切実な問題であります。
 ただし、私は、それだけでは老人医療のひずみ、いわゆるひずみのある医療を拡大するだけだなということを心配しております。不合理な保険外負担の解消に努力すると同時に、よりよい医療、看護のために、看護料や入院料等の引き上げなど必要な手だてがとられないと、いや付添看護はできるだけ廃止すをようにします、いろいろおっしゃっても、これでは保険外負担の解消という形で悪かろう医療にお年寄りの医療が陥るおそれがありますので、その点について御見解を伺いたいと思います。
#53
○政府委員(岡光序治君) いわゆる保険外負担の問題につきましては、従来からさまざまな指導等を通じ、その不適正な負担の是正に努力してきたところでございます。
 付添看護につきましては、老人に対する看護が病院の責任ある管理のもとにその他の医療と一体的に提供されるようさまざまな施策を講じてまいりました。また、室料差額につきましては、ルールに反した不適当な差額徴収が行われないよう指導の徹底を図りますとともに、いわゆるお世話料等あいまいな名目での費用徴収やおむつ代につきまして、不適切な額の徴収が行われないよう指導を徹底してまいりたい、こういうふうに考えておりまして、今後とも不適正な保険外負担の是正にさらに一層努力してまいる所存でございます。
 また、御指摘がありましたいわゆる入院医療管理料の問題であるとか、あるいは入院時の医学管理料あるいは看護料の引き上げ等の問題でございますが、これは老人の心身の特性にふさわしい医療を提供するということを念頭に置きまして、これまでも内容の拡充に努めてきたところでございますが、今後とも適正で効率的な医療の確保のため適切に対処してまいる所存でございます。
#54
○沓脱タケ子君 次に、附則第二条に、本法では評価を含む包括的な医療費の算定のあり方を検討し、必要な措置を講ずるというのが法制化されるということになっています。従来から、心身の特性に応じた医療という名で今日の老人医療の医療差別というんですか、年齢による医療差別の拡大がやられてきたわけでございますが、法制化されるということになると、さらにこれが老人に対する医療差別を拡大する根拠法になると同時に、すべての医療機関に拡大する法的根拠を与える結果になると思うわけでございます。
 私どもは、年齢のいかんにかかわらず病気になったときはだれでも十分な医療が保障できるということが、本来基本的な問題であろうと思うわけでございますので、私、質問の中でも言いましたけれども、こうした老人に対する診療内容の差別、あるいはさらに附則第二条、こういうものは改めるべきであると思いますが、御見解を伺っておきたい。
#55
○政府委員(岡光序治君) 御老人に対する医療が適切に行われているかを評価いたしまして、医療の現場にそれを反映させていくということは、老人の心身の特性に合った医療を供給していくという上で非常に大切なことであるというふうに考えております。特に出来高払いにおきましては、いわゆる薬づけとか検査づけとか、こういったような不必要な診療行為を防ぐための方策が必要になってまいりますし、それからいわゆる定額方式をとります場合は、粗診粗療とならないような医療の確保が重要になってまいるというふうに考えております。
 このために、改正法の附則第二条の規定をお願いしようとしているわけでございまして、この規定に基づきまして、保険医療機関等や老人保健施設における医療その他のサービスにつきまして、投薬や検査、看護、介護、リハビリテーションなどの個々の行為や入退院の適否などにつきましての評価方法を確立したい。それからまた、保険医療機関等に対して支払われる費用につきましても、老人の心身の特性を踏まえて看護、介護面等に配慮したものとすることが重要でありますので、保険医療機関等における医療に要する費用の額の算定のあり方についての検討を行うことといたしておるわけでございまして、こういった結果に基づいて診療報酬等所要の措置を講ずるというのを内容にしているところでございます。
 したがいまして、御指摘のように差別医療の拡大ということには当たらない、むしろ老人の心身の特性にふさわしい医療を確保する、そういうことを行うための検討規定であるというふうに認識をしているところでございます。
#56
○沓脱タケ子君 時間がもうありませんので、最後に言いますが、出来高払いで不必要な医療をなくするためになどとおっしゃいましたけれども、これは前回の質疑の中でも申し上げましたが、病院に入院していて七十歳の誕生日を迎えたら、同じ点滴注射をしても六十九歳までは七百五十円、誕生日の翌日からは二百円というようなやり方はやっぱり改めるべきです。これを助長するような附則第二条については絶対に認めることはできません。
 以上です。
#57
○粟森喬君 今回、一部負担について衆議院で修正をされて、消費者物価にスライドをすることになったわけでございますが、急激な物価上昇の場合にはスライド制そのものの発動を見合わせるべきではないかと考えますが、見解を求めます。
#58
○国務大臣(下条進一郎君) 御質問の趣旨は、スライド率が高くなり、そのままその率が一部負担額に反映されると、お年寄りの過大な負担となるのではないかという御懸念であろうかと思います。
 スライド制につきましては、今回新たに導入される制度でありまして、その影響を慎重に見きわめることが重要であります。御懸念のような事態が生ずるようなおそれがある場合には、国会の御判断を得て、そのあり方を総合的に検討することが必要であると考えております。
#59
○粟森喬君 スライド制のあり方を総合的に検討するという場合の検討の仕方ですけれども、何が含まれて、それはスライド制の是非を含めて検討し直しをするという意味なのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#60
○国務大臣(下条進一郎君) 状況によりましては、スライド制の是非も含めて検討する場合もあり得ると考えております。
#61
○粟森喬君 老人の負担能力を考慮しまして、過大な負担になるおそれが生ずるというのは、私どもの理解では物価上昇率が三%を超えた場合というふうに理解をしていますが、それでよろしいのかどうか、答弁を求めたいと思います。
#62
○国務大臣(下条進一郎君) 近年のように物価が極めて安定している時期におきましては、そういう認識もあろうと考えられますが、将来の経済変動につきましては現時点で想定することはできません。
 いずれにいたしましても、御質問の趣旨を十分に踏まえ、過大な負担にならぬよう、高齢者の方々の負担能力等を考慮いたしまして、国会の御判断を得ながら総合的に検討してまいりたいと存じております。
#63
○粟森喬君 保険外負担の中でお世話料やおむつ代が一番問題になっておりますが、本来、老人医療体制の中でおむつが必要であるという医療体制が大きな問題だと思います。そういうことを総合的に考えて、おむつ代を保険給付の対象としなければ、今後おむつの要らない医療体制を確立するためにこの過程は通らなければならないと考えますが、見解をいただきたいと思います。
#64
○国務大臣(下条進一郎君) 老人患者が使用するおむつにつきましては、日常生活上必要なものであることから、その性格上医療保険の給付の対象とすることは困難であると考えております。
 なお、高齢化の進展に伴いまして、常時介護を必要とする状態の老人が大幅に増加すると見込まれまして、高齢者のケアのあり方としてどのような対応が必要なのか、また可能なのかにつきましては研究してまいりたいと考えております。
#65
○粟森喬君 保険外負担のもう一つの問題は、付添看護の問題でございます。これまた、今の医療体制の中で看護婦の不足であるとか、看護基準のあり方が問題だと思いますが、付添看護の是正に関する具体的な方策とプロセスはどうやっていくのか、お伺いをしたいと思います。
#66
○国務大臣(下条進一郎君) 付添看護につきましては、老人に対する看護が病院の責任ある管理のもとにその他の医療と一体的に提供されるよう種々の施策を講じ、患者負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
 具体的に申せば、第一には、安易に付添看護に依存し、不適切な患者負担を生ぜしめることのないよう付添看護承認の厳正化、指導、監査の強化等、現行の付添看護の取り扱いの適正化を図りますとともに、第二には、付添看護を必要としない介護体制の整った病院の拡大を図るために、入院医療管理病院についてその基準や承認要件の緩和を検討いたしました。また第三には、さらに直ちに入院医療管理病院へ移行できない老人病院につきましては、病院単位の考え方を改め、新たに病棟ごとの介護体制に着目した入院医療管理病棟制度を導入するとともに、病院の管理下で付添看護にかわる看護サービスが提供される体制を整備するなど、段階的な移行のための方策につきまして検討を行ってまいる所存でございます。
 これらの事項につきましては、具体的には関係審議会において検討を進め、速やかに必要な措置を講じていく考えでございます。
#67
○粟森喬君 以上で私の質問を終わりますが、最後に一言申し上げておきたいと思います。
 今回の老人保健制度の改正は、負担と給付のバランスを変えるためにとった措置でありますが、私ども、今現実にお年寄りに負担がふえるということに対して痛みを大変感じている立場でございます。したがって、この問題を解決するためには、同僚議員からも問題提起がございましたが、公費負担の拡大をする中でこの問題を解決する以外に道はないと思います。
 このことについて、今回の論議を通じて一定の修正があったことを私たち、余りその部分だけでは評価できないわけですが、これからその道筋がここから開かれるというふうに考えております。そういう意味で、ぜひとも厚生大臣を初め関係者の皆さんが公費の拡大をさらに進め、そして私が質問した内容についてもさらに具体的に充実していただくことをお願い申し上げまして、私の発言を終わります。
#68
○勝木健司君 確認質問をいたします。
 まず第一点は、老人医療は福祉的な要素が多いわけでありまして、国や地方は現在以上に負担すべきであると思います。公費負担割合を五割とすべきであると考えますが、この公費拡大につきましてどういう方策で、どういう道筋でやられるのか明らかにしていただきたいというふうに思います。
#69
○国務大臣(下条進一郎君) 現在の老人保健制度は、社会保険方式を基本としつつも、公費負担割合は実質的に相当の水準となっておりまして、一律に公費負担割合を五割に引き上げることは考えておりませんが、今回の改正によりまして、公費負担五割の対象となる病院、施設等を計画的に拡充し、もって将来にわたり公費負担の拡大を図る考えでございます。
 具体的には、公費負担五割の対象となった施設等のうち、一つには老人保健施設につきましては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略に基づきまして平成十一年度には二十八万床を整備することといたしております。
 また、第二には、介護体制の整った老人病院につきましては、入院医療管理病院に関する承認期間の短縮等の誘導措置を講じましてその普及を図る考えでございます。
 また、第三には、老人訪問看護ステーションにつきましては、平成十二年における老人訪問看護ステーションの必要数約五千カ所を将来目標に、また看護職員の確保及びその資質の向上、適切な訪問看護療養費の設定などの環境整備を図り、その普及を図る考えでございます。
 第四には、老人性痴呆疾患療養病棟につきましては、将来的に老人性痴呆疾患患者が急増することが見込まれておりますので、その積極的な整備を進めていく考えであります。
#70
○勝木健司君 第二点でありますが、在宅の老人への必要な援助として訪問看護制度の創設は私どもも高く評価をいたしますが、訪問看護利用料につきまして、だれでもが必要なとき利用できまして、またその負担を余り心配しないで済むように、外来一部負担との均衡を十分考慮した額を決める旨確約をしていただきたいというふうに思います。
#71
○国務大臣(下条進一郎君) 老人訪問看護の利用料を設定する際には、法律案においても規定されているとおり、外来一部負担金の額等を勘案して定めていく所存であります。
 なお、具体的な利用料に関する基準につきましては、専門的な観点からの検討が必要でありまして、老人保健審議会の意見を聞いて定めることといたしておりますが、御指摘の点も十分踏まえることといたしたいと考えております。
#72
○勝木健司君 次に、第三点でありますが、老人訪問看護事業の実施に当たりましては、現在看護婦不足の折から、潜在看護婦の掘り起こしによります数の確保など、マンパワー問題の解決が重要でありまして、また、難しい点も多いと考えます。厚生大臣の事業実施に対する決意のほどをお伺いいたします。
#73
○国務大臣(下条進一郎君) 老人訪問看護は、老人の在宅療養を支える重要なサービスとして大いに期待されるものでありまして、その適正な事業運営が確保されるよう看護職員の確保及びその資質の向上に努めますとともに、運営基準や訪問看護療養費の設定においても十分配慮してまいる所存でございます。こうしたことにより老人訪問看護事業の積極的な推進を図り、老人に対しまして適切なサービスが提供されるような基盤づくりを進めてまいる所存であります。
#74
○勝木健司君 次に、第四点でありますが、厚生省の調査結果を見ましても、おむつ代等の保険外負担は二万円を超えておりまして、さらに付添看護料は月十万円とも三十万円とも言われております。こうした保険外負担の実態を把握するとともに、速やかにその解消策を確立し実施するのが喫緊の課題であります。これについての大臣の見解をお伺いいたします。
#75
○国務大臣(下条進一郎君) 付添看護につきましては、老人に対する看護が病院の責任ある管理のもとにその他の医療と一体的に提供されるよう種々の施策を講じ、患者負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
 具体的には、第一に、安易に付添看護に依存し、不適切な患者負担を生じせしめることのないよう付添看護承認の厳正化、指導、監査の強化等現行の付添看護の取り扱いの適正化を図るとともに、第二には、付添看護を必要としない介護体制の整った病院の拡大を図るため、入院医療管理病院についてその基準や承認要件の緩和を検討いたしました。また第三には、直ちに入院医療管理病院へ移行できない老人病院につきましては、病院単位の考え方を改め、新たに病棟ごとの介護体制に着目した入院医療管理病棟制度を導入するとともに、病院の管理下で付添看護にかわる看護サービスが提供される体制を整備するなど、段階的な移行のための方策について検討を行ってまいる所存であります。
 これらの事項につきましては、具体的には関係審議会において検討を進め、速やかに必要な措置を講じていく考えであります。
 また、おむつ代につきましては、従来から不適切な額の徴収が行われないよう指導してきたところでありますが、今後、領収証の交付等の指導を通じ、その徹底を図ってまいりたいと考えております。
 また、いわゆるお世話料等あいまいな名目での費用徴収が行われないよう今後とも指導を徹底してまいる所存であります。
 さらに、差額ベッドにつきましては、告示上三人室以上の場合の差額の徴収は認められないとのルールに沿った運用がなされるよう従来から指導を行ってきたところでありますが、今後ともこのルールの周知徹底を図るとともに、指導の一層の徹底を期してまいりたいと考えております。
#76
○勝木健司君 最後の五点目でございますが、現在の年金制度では、高齢者になって以降に寝たきりあるいは痴呆となったときには十分に対応できておりません。そこで、次回の年金再計算の際に、高齢者障害加算制度を創設することを確約していただきたいというふうに思います。
#77
○国務大臣(下条進一郎君) 高齢者障害加算制度の創設につきましては、厚生省としても今後の介護対策を考える上での重要な課題と認識いたしておりまして、現実の介護の充実にどのように結びつけることができるか、年金の給付システムの中でどのようにしたら的確に対象者を把握できるか、あるいは今後ますます厳しくなる年金財政の中で、その財源をどのように確保していくかといった幅広い観点から検討していく必要があると考えておりますが、いずれにいたしましても、できるだけ速やかに検討を進め、結論を得たいと考えております。
#78
○勝木健司君 終わります。
#79
○委員長(田渕勲二君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(田渕勲二君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について前島君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。前島君。
#81
○前島英三郎君 私は、本案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、修正の要旨を申し上げたいと思います。
 第一に、老人医療の公費負担割合を三割から五割に拡大する対象として、精神病院のうち痴呆性老人の心身の特性に応じた適切な看護が行われるものに係る給付に要する費用を加えることとし、平成四年四月一日から施行すること。
 第二に、老人保健法の規定による一部負担金の額の改定に当たって、一部負担金の額が老人の負担能力等を考慮して過大な負担になるおそれが生ずる場合においては、一部負担金の額の改定措置のあり方について総合的に検討が加えられ、その結果に基づき、必要な措置が講ぜられるべきものとすること。
 このほか老人保健法による老人保健制度については、老人保健制度の目的を踏まえ、その実施状況、老人医療費の動向、社会経済情勢の推移等を勘案し、給付及び費用の負担のあり方について検討が加えられるべきものとすること。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#82
○委員長(田渕勲二君) ただいまの前島君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。下条厚生大臣。
#83
○国務大臣(下条進一郎君) 老人保健法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としてはやむを得ないものと考えます。
#84
○委員長(田渕勲二君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#85
○沓脱タケ子君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の老人保健法等の一部を改正する法律案並びに自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合共同提案に係る修正案に反対の立場から討論を行います。
 老人保健法の第二条第一項はこう述べています。「国民は、自助と連帯の精神に基づき、自ら加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、老人医療に要する費用を公平に負担するものとする。」、要するに国民は自分の健康は自分で守れ、そして老人医療費は負担せよというものであります。この思想が国際的な水準や、老人福祉法に言う「生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障される」という理念に比べても、恥ずかしいほど貧弱であり、憲法二十五条の精神にも反することはだれの目にも明らかであります。
 私の反対理由の第一は、二年後には、外来の一部負担が一カ月八百円から千円に、入院では一日四百円から七百円へとはね上がることであります。この上入院すれば数万円の保険外負担も加わるのです。またスライド制の導入は、老人負担に定率制を導入するものであり、かつ、国会の審議権をないがしろにするからであります。
 第二は、高齢化社会のためという名目で消費税を導入し、一方で老人に過酷な負担を強いながら、逆に国の負担を大幅に減らしていることであります。老人医療費に占める国庫負担割合は、制度発足以来八年間で約一〇%も引き下げられ、六千億を超える減額をしております。仮にこれを二%戻すだけで千二百億円の財源ができ、患者負担の値上げもスライド制導入も撤回が可能なのであります。
 第三は、訪問看護制度が営利を目的とする者の参入を禁止していないことであります。営利を目的とする者の参入を許すことは、医業全体に営利を持ち込むことにつながります。また利用料は、低所得者への減免制度もありません。
 第四は、老人医療について包括的な評価を含む医療費の算定のあり方を検討する規定を盛り込んでいることであります。これは老人の医療内容そのものを規制して、既に行われている差別診療を、すべての医療機関に拡大する法的根拠をつくるものです。
 修正案は政府原案の部分的手直しにすぎず、高齢者に負担と犠牲を強いる老人保健法の本質を少しも変えるものではありません。このような修正案に、我が党は反対であります。老人医療をもとの無料に戻し、保健事業の拡充と増加する老人医療費を主に国の責任で解決する方向を確立することこそが、国民が合意できる道であり、我が国が進むべき道であることを強調いたしまして、私の討論を終わります。
#86
○委員長(田渕勲二君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより老人保健法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、前島君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#87
○委員長(田渕勲二君) 多数と認めます。よって、前島君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(田渕勲二君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、竹村君から発言を求められておりますので、これを許します。竹村君。
#89
○竹村泰子君 私は、ただいま可決されました老人保健法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    老人保健法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
   高齢者ができるだけ地域において自立した生活を送ることができるよう、保健、医療、福祉の連携の緊密化を図るとともに、総合的な介護体制を早急に確立することは、本格的高齢社会の到来を目前に控えた今日、ますます重要な課題となっている。よって、政府は、次の事項について速やかに適切な措置を講ずべきである。
 一、今後の高齢社会における医療・介護体制の充実を図るとともに、今回の公費負担の拡充の趣旨も踏まえ、要介護老人の実態や高齢者保健福祉推進十か年戦略の進捗状況に応じ、老人保健施設の整備を促進することとし、また、いわゆる介護力強化病院、老人訪問看護事業等の普及を促進するため、必要な措置を講ずること。
 二、老人医療におけるいわゆる保険外負担の軽減・解消については、特に付添看護につき、早急にその適正化を図ることとし、また、ルールに反した差額室料の徴収、「お世話料」等のあいまいな名目による費用徴収やおむつ料について不適切な額の徴収が行われないよう、行政指導の徹底を図ること。
 三、老人訪問看護制度の実施に当たっては、市町村の老人保健福祉施策との連携に十分配慮すること。また、訪問看護婦等の確保、その資質の向上について特段の配慮を払うこと。
 四、営利法人を老人訪問看護の事業主体とすることについては、事業の性格、事業運営の実情、普及状況等に照らし当面慎重に対応すること。
 五、老人訪問看護の利用料の水準については外来一部負担金との均衡に格段の配慮を払うこと。
 六、今後の高齢社会における保健医療・福祉サービスを担うマンパワーの確保のため、勤務条件や処遇の改善、養成力の強化、就業の促進、社会的評価の向上等について、各種施策を総合的に実施するとともに、所要の法的措置を講ずること。
 七、アルツハイマー病を含む痴呆性老人の適切な処遇体制の確立を図るため、病態の解明、専門病棟の整備、特別養護老人ホームや老人保健施設の増設、各種保健サービスの充実等、諸施策の推進に一層努力すること。
 八、在宅の要介護老人に対する支援のための各般にわたる方策について検討に着手し、速やかに結論を得ること。
  右決議する。
 以上でございます。
#90
○委員長(田渕勲二君) ただいま竹村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#91
○委員長(田渕勲二君) 多数と認めます。よって、竹村君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、下条厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下条厚生大臣。
#92
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#93
○委員長(田渕勲二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(田渕勲二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#95
○委員長(田渕勲二君) 次に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案並びに廃棄物の適正処理等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。下条厚生大臣。
#96
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の経済規模の拡大とともに、産業構造の変化、技術革新が進む一方、生活様式の多様化や消費意識の変化が進んでおり、このような状況を背景として、廃棄物の発生量が増大するとともに、その種類も多様化しております。
 一方、増大する廃棄物を適正に処理するために必要な最終処分場等の廃棄物処理施設の確保は困難となってきており、廃棄物の不法投棄等の不適正な処理が大きな社会問題となっております。
 こうした状況を踏まえ、二十一世紀を目指した廃棄物対策を確立するために、現行の廃棄物処理制度を基本的に見直すとともに、現行の廃棄物処理施設整備計画に引き続き平成七年度までの廃棄物処理施設整備計画を策定するために、本改正案を提出した次第であります。
 次に、改正案の主な内容について御説明申し上げます。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正につきましては、第一に、法律の目的に、廃棄物の排出の抑制及びその処理の一形態としての分別、再生等を明記することとしております。
 第二に、廃棄物に関する国民、事業者並びに国及び地方公共団体の責務について、所要の規定を設けることとしております。国民及び事業者につきましては、廃棄物の適正処理に関する国及び地方公共団体の施策への協力の責務を設ける一方、国及び地方公共団体につきましては、国民及び事業者の意識の啓発に努める責務を設けることとしております。
 第三に、廃棄物の計画的処理を推進することとしております。廃棄物の減量等の観点から、市町村の一般廃棄物処理計画及び都道府県の産業廃棄物処理計画の内容を充実するとともに、市町村長または都道府県知事は、多量に廃棄物を排出する事業者に対し、廃棄物の処理に関する計画の策定を指示できることとしております。
 第四に、廃棄物の減量化及び再生を推進することとしております。市町村の一般廃棄物の減量等の施策に協力するために廃棄物減量等推進審議会、廃棄物減量等推進員制度及び廃棄物再生事業者の登録制度を新たに設けるとともに、市町村の処理手数料については、一般廃棄物の特性、処理に要する費用等を勘案して定めることとしております。
 第五に、廃棄物の適正な処理を確保するために、廃棄物処理業について許可要件の強化、許可の更新制の導入等を行うとともに、廃棄物処理施設については設置の許可制、施設使用開始前の検査制の導入等により地域に信頼される施設の整備を推進することとしております。
 第六に、製造者等の廃棄物処理に関する協力であります。市町村における適正な処理が全国的に困難であると認められる一般廃棄物を厚生大臣が指定し、その一般廃棄物となる製品の製造者等に対し、市町村が協力を求めることができることとし、厚生大臣は、廃棄物となった場合の適正処理の観点から、製造者等がその製品に必要な事項を表示すること等を指導するようその事業所管大臣に要請できることとしております。
 第七に、爆発性、毒性等のため人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある廃棄物として、新たに特別管理廃棄物という区分を設けることとしております。特別管理産業廃棄物については、事業者に、特別管理産業廃棄物管理責任者の設置、処理を委託する場合の特別管理産業廃棄物管理票の発行等を義務づけるとともに、特別管理産業廃棄物の処理を業として行う場合には、新たに特別管理産業廃棄物処理業の許可を要することとする等その適正な処理を確保するための施策を講ずることとしております。
 第八に、廃棄物処理センター制度の創設であります。厚生大臣は、特別な管理を要する廃棄物等の適正かつ広域的な処理の確保等を目的とした民法法人を廃棄物処理センターとして指定し、特別管理廃棄物、適正な処理が困難な一般廃棄物の処理等を業務として行わせることとしております。
 このほか、不法投棄等により生活環境保全に支障が生じた場合の原状回復等の命令の発動要件の緩和、罰則の強化等の改正を行うこととしております。
 廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正につきましては、計画の期間を平成七年度までに改めるとともに、地方公共団体が行う廃棄物処理施設整備事業に、廃棄物処理センターが地方公共団体の委託を受けて行うものを加えることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して九カ月を超えない範囲内で政令で定める日としておりますが、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正のうち計画の期間を平成七年度までに改める改正につきましては、公布の日から施行することとしております。以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#97
○委員長(田渕勲二君) 次に、廃棄物の適正処理等に関する法律案について、発議者浜本万三君から趣旨説明を聴取いたします。浜本君。
#98
○浜本万三君 ただいま議題となりました廃棄物の適正処理等に関する法律案につきまして、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 最近、有害廃棄物や産業廃棄物の不法投棄事件が、不法投棄列島と呼ばれるほど頻繁に発生し、国土全体にわたって廃棄物による環境汚染が憂慮される事態となっております。また、日本は、世界の資源とエネルギーを大量に消費しており、地球環境の保全という観点からも、廃棄物の減量化などに取り組むべき国際的な責任があると思います。
 したがって、この国会の課題は、国の経済政策における環境保全の優位性を確立し、廃棄物の減量化、再資源化に関する企業責任を明確にするとともに、自治体と市民による資源循環型の消費生活の推進を図ることによって、大量生産、多消費型の経済社会構造の変革に向けた第一歩を踏み出すことであります。
 このような観点に立って、この法律案を提出した次第であります。その内容については、委員各位に配付されました本案の要綱及び本日の議事録に掲載される条文を御参照いただきたいと思います。
 次に、本案の特徴でありますが、第一に、製造事業者の基本的な責務として、その製品が廃棄物となったときの処理困難性に関する事前評価や回収、再生利用などの努力義務を明示したこと。第二に、排出事業者の責任を厳格にし、例えば原則としてすべての産業廃棄物を対象とするマニフェスト制度を確立したこと。第三に、有害物質の完全管理体制を目指し、環境に放出すべきでない特定の有害物質については、製造事業者または排出事業者による管理保管システムを確立したこと。第四に、自治体主導による共同処理システムを目指し、都道府県に一つ指定される廃棄物処理センターは、自治体が二分の一以上出資したものに限ったこと。第五に、廃棄物の放置、放出によって環境に支障が生じた場合、知事が支障除去の代執行に要した費用を原因者だけでなく、これに処理を委託した排出事業者に求償できるようにしたこと。第六に、処理施設の環境管理を徹底し、設置者による環境アセスメントその他の措置を明確にしたこと。第七に、生活系一般廃棄物の処理については、市町村が直営でこれを行うよう努力規定を設けたこと。第八は、市町村の一般廃棄物最終処分場及び都道府県や市町村が設置する産業廃棄物処理施設を国が補助することができる対象に加えたこと。およそ以上であります。
 なお、本案は、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、進歩民主連合の五会派が共同して立案したものでありますが、いわゆる政府案との刺し違えにならないようにするため、あえて社会党単独で提案したものであります。
 何とぞ慎重に御審議くださるようにお願いをいたします。
 以上で提案の趣旨説明を終わります。
#99
○委員長(田渕勲二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 午前の審議はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十分開会
#100
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#101
○浜本万三君 政府提出二法に対して質問をするわけなんですが、その前に一言申し上げておきたいことがございます。
 先ほど私が代表して提出いたしました廃棄物の適正処理等に関する法律案の経緯につきましては、その提案趣旨説明の際申し上げましたとおりでありますが、引き続き四党の皆さんの政審事務局担当レベルで協議をいたしまして、政府案をさらに補強、修正する立場で共同修正案要綱の骨子を取りまとめられました。
 私の本日の質問は、その趣旨に沿いまして質問をさせていただきたいと思いますので、御了解をいただきたいと思います。
 まず最初に、事業者の基本的な責務規定の補強の意味で質問をいたしたいと思います。
 提出されております共同修正案、お手元にお配りしておりますが、その第一に現行法第三条第二項の事業者の責務を補強し、製品等が廃棄物となった場合における処理の困難性をあらかじめ評価するよう努力すること、また、適正な処理が困難とならないような製品等の開発をするよう努力すること、さらに適正な処理の方法について表示するなど情報の提供に努めること、以上三点を明記するように求めているところでございますが、これに対する政府の見解をただしておきたいと思います。
#102
○政府委員(小林康彦君) お尋ねの点についてお答えをいたします。
 現行法の第三条第二項にも規定してありますとおり、製品の製造者等が製品等が廃棄物になりました段階でその処理が困難とならないようにすることは、廃棄物の適正な処理の円滑な遂行を図る上で極めて重要なことと認識をしております。このような考え方から、製品等の処理困難性の事前評価及び適正処理が困難とならない製品等の開発につきまして、昭和六十二年に、事業者による製品等の廃棄物処理困難性自己評価のためのガイドラインを示しまして、事業者に対し、その製品等の処理困難性についてあらかじめ自己評価及び自己評価を踏まえた対応策の検討などを行っていただくよう指導してきたところでございます。
 また、適正な処理方法の表示等につきましては、今回の改正法案におきまして、厚生大臣から事業所管大臣に対しまして、事業者が製品の材質または処理方法の表示等を行うよう指導を要請できるように規定しているところでございます。
 厚生省といたしましては、これらの方法によりまして事業者の責務が的確に果たされるよう今後とも事業者の指導に努めてまいることとしております。
#103
○浜本万三君 ただいまは、事業者の責務を拡大することにちょっと消極的なんではないかというお答えがございました。現行法の第三条第二項ですら「製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」と規定されております。しかし、このような現行法における事業者の責務規定は、適正処理が困難とならないようにする事業者の方法について一切例示がありません。これは製造業者に対して極めて不親切な条文ではないかと思うわけでございます。
 これに対して私どもの提案は、その方法をもっと丁寧に例示しようとする意味であります。このような視点から、これを補強することについて政府としても検討する余地があるのではないかと私は思いますが、いかがでございましょうか。
#104
○政府委員(小林康彦君) 御指摘いただきましたように、事業者が製品等の処理困難性をあらかじめ評価するように努めること、あるいは適正処理が困難とならない製品等の開発に努めること、あるいは適正な処理方法の表示等の情報提供に努めること、これらは廃棄物の適正処理の円滑な遂行を図る上で極めて重要なことと私どもも認識をしておりまして、事業者が法第三条第二項の事業者の責務を果たす場合の代表的な形態であろう、こう考えております。
#105
○浜本万三君 もともとこの第三条は基本的な責務であって、言いかえますと、努力の方法を理念的に示したものであると思います。したがって、ここに例えば製品アセスメントを例示したところで、政府は従来同様健全な企業活動を阻害したり企業に過大な負担をかけるような行政指導は行わないのではないかと思うわけなんです。ですから、私どもが言うようにこれを改正いたしましても何ら問題はないんではないか、かように思いますが、いかがですか。
#106
○政府委員(小林康彦君) お話のございましたように、第三条第二項の事業者の責務は基本的な責務を定めたものでございます。この条項は、事業者に対しまして法律上の厳格な義務を課すものではないことから、事業者の健全な企業活動を阻害いたしましたり、あるいは企業に過度の負担を生じさせるものであってはならないと私どもも理解をしております。
 いずれにいたしましても、今後とも法第三条第二項に基づきますがイドラインの定めるところによりまして、事業者による製品等の処理困難性の自己評価の適切な実施が図られるよう事業者の指導に努めてまいりたいと思います。
#107
○浜本万三君 一九八四年だったと思いますが、社団法人全国都市清掃会議がまとめました廃棄物処理事業における事故防止対策マニュアルでは、収集作業員は二名以上で行うとされ、厚生省の行政指導にもなっておるわけでございます。しかし、実際は運転手一名、収集員一名という例が多いと言われております。この実態は一体どうなっておるのか、もし調査されておる資料があればお示しを願いたいと思います。
#108
○政府委員(小林康彦君) 御指摘のマニュアルは、厚生省に設けました市町村、作業従事者、学識経験者から成ります廃棄物処理事業における事故防止対策検討委員会、この委員会の報告をもとに資料等を追加いたしまして、昭和五十九年度に社団法人全国都市清掃会議が取りまとめたものでございます。この報告書におきまして、事故防止の観点から廃棄物処理事業の運営管理上留意すべき事項をまとめておりまして、その中の一つとして、収集作業は二人以上で行うこととの事項が明記されております。これによりますと、運転手が収集作業に加わります場合には運転手を含めて二名、加わらない場合には三人以上の乗車となるものでございます。
 収集に従事しております職員数、収集車の数に、つきましては毎年調査を行っておりまして、その結果から見ますと、市町村の保有する収集車両一台当たりの収集に従事する職員の数はここ数年ほぼ横ばい、ほぼ二・六人という値で推移をしておる状況でございます。
#109
○浜本万三君 市町村の処理体制の整備努力の補強について伺うわけなんでございますが、今の問題はちょっと置きまして、別な観点から質問をさせていただきたいと思います。
 その一つは、政府案は、市町村の責務として新たに、一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図ること、それに、一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずることの二つを努力義務として追加されました。これは当然なことだったと思います。ごみの減量のための「住民の自主的な活動」とは、分別排出や再生利用に向けた努力であると理解してよろしいかお伺いをいたしたいと思います。
#110
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の減量化、再利用の促進は今回の改正法案の柱の一つでございまして、その効果的な実施を図るためには住民の協力が極めて重要であると認識をしております。このため改正法案では、国民の責務といたしまして、廃棄物の排出抑制、再生利用、分別排出などを行うことによりまして、廃棄物の減量その他その適正な処理に関し国または地方公共団体の施策に協力しなければならないと、こういう規定を設けたところでございます。
 したがいまして、改正法の第四条第一項、ただいま御指摘のございました「住民の自主的な活動」につきましては、御指摘のとおり、排出抑制、再生利用、分別排出などに向けました自主的な活動であるというふうに理解をしております。
#111
○浜本万三君 今の御答弁のようだとすれば、このたびの政府改正案によって市町村の廃棄物処理の従事者はその業務範囲が拡大したことになると思います。つまり、分別、再生といった業務が新たに加わったばかりでなく、住民が自主的にそれに取り組むよう日常不断に働きかけなければならないということになると思います。この理解でよろしゅうございますか。
#112
○政府委員(小林康彦君) 市町村におきまして、今後分別収集、各種再生利用に関します事業を積極的に推進することが重要であると認識をしております。それぞれの市町村におきまして、どのような方法で対応するかは別にいたしまして、分別収集や再生利用などに関します。務が市町村の廃棄物処理業務に加わるということは事実でございます。
 厚生省といたしましては、いずれにいたしましても、市町村の一般廃棄物の処理に関する責任を明確にしつつ、適切な分別収集、再生利用が促進されるよう努力してまいる所存でございます。
#113
○浜本万三君 いずれにいたしましても、市町村のごみの処理量は飛躍的に増大をしております。それからまた、さきに確認いたしましたように、その業務の範囲が拡大をしておりますにもかかわらず、これに従事する職員の数は減少傾向にあると思います。
 その傾向をお調べであるならば、数字で示してもらいたいと思います。
#114
○政府委員(小林康彦君) ごみ、し尿を中心にいたします。般廃棄物処理事業に従事をしております市町村の職員数につきましては、昭和五十八年度は全国で九万七千九百九十五人、昭和六十三年度には九万二千四百三十七人となっておりまして、この厚生省の調査によりますと、五カ年間でほぼ五千五百人程度減少した、こういう実績でございます。
#115
○浜本万三君 その理由は、恐らく直営比率というものが極めて減少しておるのと、臨調等で増員できないという理由があるのではないかと思考いたしますが、いずれにしましても、ごみが飛躍的に増大し、その処理量が非常にふえておる上に業務の範囲が拡大をしておるということになってまいりますると、職員の数が減少するということは大変仕事にとって困難を来たすのではないかというふうに思います。
 これを解決する方法をどのようにお考えか、お答えをいただきたいと思います。
#116
○政府委員(小林康彦君) ごみの処理は市町村の事務にとりましても大変重要なものでございますが、これが適正に処理されます体制につきましては、それぞれの市町村が状況を踏まえながら適切に整備されていくべき事柄というふうに考えております。
#117
○浜本万三君 どうもはっきりしたお答えにはなりませんが、支障のないように職員の増員について配慮をいただきますように自治省の方に連絡、協議をいただくように希望しておきたいと思います。
 それから、現行法の第四条第一項は、市町村が「職員の資質の向上、施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めなければならない。」とされております。
 そこで、私は、私どもの共同修正案要綱第二項の趣旨を生かしまして、条文に書かれております「その能率的な運営」とあるところを「能率的かつ職員の労働安全衛生を十分配慮した運営」というように改めるのが妥当ではないかと思うわけでございますが、これに対する厚生省の御見解を承っておきたいと思います。
#118
○政府委員(小林康彦君) 清掃業務はなかなか困難な性格を有しております。務と考えておりまして、御指摘のございましたように、労働安全衛生の確保が重要な課題であると厚生省としても考えているところでございます。
 廃棄物処理法におきましては、廃棄物の適正処理という観点から必要な規定が設けられているものでございまして、清掃事業、清掃業務に従事をいたします職員の労働安全衛生に関しましては、労働安全衛生法によって必要な規制がなされており、事業者の責務につきまして、同法において、事業者は「快適な作業環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。」と定められているところでございます。したがいまして、廃棄物処理法の中で事業者である市町村の責務として労働安全衛生の配慮、これをあえて規定する必要はないのではないかと考えております。
 しかしながら、厚生省といたしましても、労働安全衛生法規に従うことは当然でございまして、これら法規に従いまして清掃事業に従事をいたします職員の労働安全衛生の確保に一層努めてまいりたいと思います。
#119
○浜本万三君 先ほど全国都市清掃会議がまとめました事故防止対策マニュアルについて御説明をいただきましたので、それに関連することをお尋ねいたしたいと思います。
 自治体におかれましては、清掃業務を民間の業者に委託しておられるケースが多くなっておると思います。その場合、十分な安全衛生対策はとられていないように思うわけでございますが、例えば具体的に例を挙げますと、東京都内においてごみピットに収集車が転落をいたしまして運転手が重傷を負っておる、それは二トン車に五・七トンの過剰積載が原因しておるというふうに言われております。また、収集車に運転手一人で作業をしていて、収集車のごみ積み込み回転板に巻き込まれまして、ほぼ即死状態になったという例も報告をされておるのでございます。
 このようなことを考えますと、清掃事業の安全管理要綱や厚生省の安全マニュアルを委託契約のときに守らせるように業者に義務づける必要があるのではないか、こう思いますが、いかがですか。
#120
○政府委員(小林康彦君) 清掃事業に従事いたします者は、それが直営であれ委託であれ、労働安全衛生が守られることは極めて重要なことだと考えております。
 お話のございました安全マニュアルにおきましても、例えば安全管理体制組織として直営の例と委託の例、これを二つに分けて記載をいたし、あるいは市町村が委託業者に対して、また委託業者が作業者に対して行います教育・指導に関する記載などを織り込んでおりまして、民間委託をしている場合の安全衛生対策にも十分配慮した内容になっていると考えております。
 厚生省では、従来からこのマニュアルを守ることにつきまして市町村を指導してきたところでございますが、委託業者等が行います収集、運搬業務につきましても、生活環境保全上及び労働安全衛生上の観点からの配慮が十分なされますよう今後とも必要な指導を行ってまいりたいと思います。
#121
○浜本万三君 安全はもう非常に大切なことでございますから、次のことについて希望しておきたいと思うんです。
 まず、清掃工場の建設から工場の運転まで安全かっ適切に管理できる職員を配置することが大切でおると思います。そのためには関係省庁の財政。も含めた対応をすることが必要であると思います。特にこの場合、厚生省は自治省と協議をいたしまして十分な措置をとっていただくように希望いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#122
○政府委員(小林康彦君) 施設の建設から運転管理までをできる限り一貫してできる体制の整備の方法につきまして、必要に応じまして関係の省庁とも相談するなど、よく勉強させていただきたいと思います。
#123
○浜本万三君 労働省の方見えてますか。――次は労働省の方に対しまして、質問をいたしたいと思います。内容は、清掃事業における労働災害の防止と安全衛生対策についてでございます。
 まず最初に、労働災害の現状認識について伺いたいと思います。
 ごみ問題の本質を理解するためには、清掃現場で働く労働者の実態を知る必要があると思います。例えば廃棄物処理業については、産業別労働災害率を例にとりますと、災害発生の頻度をあらわす度数表、これは死傷者の合計でございますが、この数字を見ますと、平成元年で二一・五七となっております。調査産業の合計の二・〇五を大きく上回っております。度数率の一番悪い業種と思われるわけでございます。また、死亡災害につきましても、民間清掃労働者の方が自治体労働者を上回る形で被災しておるのも現状でございます。清掃労働者の労働条件は極めて劣悪なものとなっておると言わなければなりません。
 清掃労働者の労働災害の状況について、労働省はどのように認識をされておるのか、伺いたいと思います。
#124
○説明員(大関親君) 労災給付データによれば、平成二年の労働災害による休業四日以上の死傷者数は一千七十九名で、全産業では減少する傾向にある中で、清掃業では増加の傾向にございます。また、度数率で平成二年を見ますと、清掃業では二二・三六で全産業の一・九五に比べてかなり高い値を示しております。
 一方、自治体関係の清掃事業における不休災害を含む公務災害の認定件数は、地方公務員災害補償基金のデータによれば、昭和六十二年度が五千三百五十六人、平成元年度では四千八百二十四人となっております。
 このことから、労働省としても清掃業における労働災害については、全産業に比べその発生率が著しく高いものと認識しております。
#125
○浜本万三君 非常に高いという御認識でございますので、引き続いて労働省と、自治省の方おいでですか、自治省の方に同じ質問をいたします。
 清掃職場は先ほどのように自治体職場の中でも最も公務災害が多いと言われております用地方公務員災害補償基金の公務災害認定受理件数の発表を見ましても、千人率で清掃は五六・三、続いて警察が二四・二、その次が消防で一四・八、全体では八・八という数字が出ております。これを見ましても、いかに清掃職場は災害が多い職場であるかということがわかるわけでございます。
 この際、これらの職場に対する災害をなくするための具体的な対策について、両省にお伺いをいたしたいと思います。
#126
○説明員(大関親君) 清掃事業における労働災害の防止については、昭和五十七年に清掃事業における安全衛生管理要綱を定めてその徹底に努めており、廃棄物の収集、運搬業務についても同要綱に基づき労働災害の防止を図っているところでございます。今後とも同要綱の徹底指導により労働災害の防止に努めてまいりたいと考えております。
#127
○説明員(石橋孝雄君) 地方公共団体の清掃事業につきましては、自治省といたしましても、毎年、先生御指摘のとおり、非常に死亡事故等重大な公務災害が発生をしているということを重視いたしまして、これまで三度にわたりまして事故防止のために調査研究を行いまして、その成果を地方公共団体に提供いたしまして指導を行ってきておるところでございます。
 その結果、基本的な安全衛生管理の施策については一定の成果が得られたというふうに考えておるわけでございますが、なお依然として事故が後を絶たない、こういう状況でございます。したがいまして、これらの研究の成果をもとに引き続き各地方公共団体に対しまして指導を行っておるところでございます。特に事故が発生した場合、その事故の概要なりあるいはその対応策につきまして、各地方公共団体に通知をいたしまして情報提供を行う、そして注意を喚起するというようなことをいたしております。今後とも安全衛生管理の一層の充実を図るよう指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#128
○浜本万三君 続いて、労働省だけに伺いますが、ごみの収集車による収集、運搬業務におきましては、挟まれるとか巻き込まれるとか、こういった事故が絶えないのが現状でございます。そこで、清掃事業における、例えばごみ収集車による収集業務については、労働安全衛生法において危険有害業務として指定されるべきではないかという私は問題意識を持っておるわけでございます。
 この際、収集業務を危険有害業務として指定するわけにはいかないでしょうか、労働省の見解を承りたいと思います。
#129
○説明員(大関親君) 清掃事業における労働災害の防止につきましては、先ほど申し上げました清掃事業における安全衛生管理要綱とあわせまして、機械式ごみ収集車に係る安全管理要綱も定めまして、これまで指導を行ってきたところでございます。また、安全管理者の能力向上教育の推進も行っているところでございまして、これらの対策をさらに徹底してまいりたいというふうに考えております。
#130
○浜本万三君 ちょっと答弁が非常にやわらかいようでございまして、不満でございます。
 それで、労働省に対する労働安全衛生対策上の問題については、引き続き質問すればよろしいんですが、後で質問をさせてもらいたいと思いますので、ちょっと待っていただきたいと思います。
 次は、国の責務としての廃棄物関係情報の収集、これを補強する意味におきまして、質問をいたしたいと思います。
 まず最初に、野党の共同修正案要綱では、「国は、廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用に努めること。」を提唱しております。これは産業廃棄物のマニフェストシステムの実効を上げるためにも、また一廃とか産廃を問わず最終処分場の跡地管理のためにも、関係情報を総合的に管理するシステムが必要だという考え方に基づいたものであります。政府もその方向を否定することはできないと思いますが、厚生省はいかにお考えでしょうか。
#131
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の排出量が増大をしてまいりまして、質も多様化する一方で、その排出経路も複雑化しております現状にかんがみますれば、廃棄物に関します情報の収集、整理及び活用はこれからの廃棄物行政においてますます重要になってくるものと考えております。
 今回の法改正におきましては、特別管理産業廃棄物へのマニフェスト制度の導入、最終処分場の台帳調製等、廃棄物に関します情報の管理の強化を行うこととしておりますが、これらの情報をできる限り体系的に収集、整理及び活用することが必要であることは御指摘のとおりと考えております。
#132
○浜本万三君 最近の情報によりますと、OECDでは産業活動が地球環境に及ぼす影響について指標化するための調査研究が進められておると聞いております。これは経済成長率が高ければよいという風潮を修正しない限り地球と人類が危ないという認識に立った取り組みだと思います。このような調査研究を進める上で、廃棄物の量及び質について経済と環境をつなぐ主要な参考指標にする方法を開発できないかと思うわけでございますが、国立環境研究所などで検討が行われておるのかどうか、環境庁がおいでならば環境庁に伺いたいと思います。
#133
○説明員(長谷川正榮君) 環境庁より御説明申し上げます。
 経済政策に環境への配慮を織り込んでいくための環境指標の開発については、アルシュ・サミット等の要請を受けましてOECDで検討作業が進められているところでございます。
 その検討状況といたしましては、現在森林や水などの自然資源の状況を把握するためのデータが収集されている段階でありまして、廃棄物の取り扱いがどうなるかを含めまして、この環境指標の全体像がどのようなものになるかはまだ明らかになってございません。したがいまして、先生御指摘の廃棄物の量、質を参考指標に使えるかどうか見通せないものではございますけれども、私どもといたしましては、今後ともこのOECDにおける検討作業に積極的に参加してまいりたいと考えております。
 なお、国立環境研究所におきましては、これまで環境の状況の指標化に関する研究を行ってきておりまして、その成果を踏まえ、環境政策と経済政策を統合するための指標に関する研究に取り組むこととしてございます。
#134
○浜本万三君 廃棄物の量と質に関する情報の収集と整理は、地球環境と産業活動といったグローバルな視点に立つと活用される可能性が増大をしております。
 そこで、産業廃棄物の排出量やその中身の分析は、これまで厚生省が都道府県の協力を得て五年に一度調査してまいりましたが、今後はこれを毎年実施するばかりでなく、法律に基づくいわゆる指定統計ないし政令による承認統計とするなど、位置づけを明確にすべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#135
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の情報の整備につきましては、産業廃棄物行政を推進するために極めて重要な事項であると考えております。このことから法改正を契機といたしまして、産業廃棄物についての情報をより的確に整備をいたしますため、これまで五年ごとに一回行っておりました実態調査を、その調査期間の間隔を詰め、かつ詳細に行う方向で検討したいと考えております。
 なお、御指摘がございました指定統計、承認統計とすることにつきましては、直ちにそれにいたしますには困難な面もございますので、当面、行政調査として確度の高い調査結果が得られるよう調査方法等につきましても検討を進めてまいることとしたいと思います。
#136
○浜本万三君 なお、これと関連いたしまして、廃棄物をめぐる調査研究機関の充実が必要になっております。
 厚生省の機関といたしましては、国立公衆衛生院の衛生工学部がこれに当たっているそうでありますが、その中で廃棄物関係の研究職員はわずか五名程度と報告をされております。飛躍的に拡充する必要があるのではないかと思います旧また、環境庁の国立環境研究所、通産省の公害資源研究所などのスタッフと提携をいたしまして、廃棄物の研究プロジェクトチームをつくって努力をすべきではないか、かように思いますが、いかがでございましょうか。
#137
○国務大臣(下条進一郎君) 廃棄物の適正な処理を進める上で、技術開発は非常に重要な意味を持ってまいるわけでありまして、そのために廃棄物についての研究体制を整備する必要があることは、ただいま委員の御指摘のとおりでございます。
 そこで、平成二年四月に出された国立試験研究機関将来構想検討会の報告の趣旨にのっとりまして、国の研究機関としての国立公衆衛生院における廃棄物分野の研究体制の充実強化を検討いたしておるところでございます。
 また、厚生省では、国、地方公共団体、民間企業等すべての関係者の参加のもとに研究体制の充実が図られますよう、研究開発推進の中核となり、かつ調整的機能を果たす機関といたしまして、財団法人廃棄物研究財団を平成元年八月に設置したところでありまして、廃棄物分野の研究体制の充実強化に取り組んでおるところでございます。
 また、続いてお尋ねがありました他省庁との協力の関係でございますが、廃棄物の問題を解決するためには、工学、化学、農学、医学等の科学技術のみではなく、社会科学の分野も含めた研究者の総合的な協力が必要であると考えております。昨年廃棄物学会が設立されたところでもあり、御指摘のような総合的な取り組みの機運が高まってくることを期待しておるわけでございます。御指摘のような共同研究プロジェクトがどのような形で可能なものとなるか国立公衆衛生院に検討させたいと考えております。
#138
○浜本万三君 大変前向きな答弁をいただきました。ますますひとつ積極的な取り組みを期待しておきたいと思います。
 環境庁の方はもうそれでよろしゅうございます。
 それから次は、事業系一般廃棄物の有償原則の問題について、二つほど質問をいたしたいと思います。
 まず最初は、野党の共同修正案要綱の第四項は、いわゆる事業系一般廃棄物の収集、運搬及び処分に要する費用は、条例で定めるところにより排出事業者負担とすることを提起しております。これについて、政府も実質的にはほぼ同じ方向を目指しておられると伺っておりますが、そのとおりと理解してよろしいでしょうか。
#139
○政府委員(小林康彦君) おおむねそのとおりの方向でございます。
#140
○浜本万三君 事業系一般廃棄物につきましては、ある量を超えて大量に排出される傾向にある事業所からは有料で収集する一よう指導する方針と理解しておりますが、これもそのとおりでよろしゅうございますか。
#141
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物を多量に排出をいたします事業者に対しまして、今回の改正法案では市町村長が減量計画の作成を指示できることとして、減量等による市町村の処理事業への協力を求めているところでございます。
 さらに、処理料金につきましても、市町村が一般廃棄物の収集、運搬及び処分に関し手数料を徴収する場合には、事業系一般廃棄物についてもその処理費用を勘案して手数料を定めなければならないとの規定を新たに追加したところでございまして、この改正法案の成立を受けまして、法の趣旨に沿って地方公共団体を指導してまいりたいと思います。
#142
○浜本万三君 非常に明快に答弁をいただきましたので、次に移りたいと思います。
 次は、マニフェスト制度適用対象を段階的に拡大していただくように検討してもらいたい、そういう立場から質問をいたしたいと思います。
 まず最初に、厚生省と通産省に同じ質問をさせてもらいます。
 野党の共同修正案第五項は、いわゆるマニフェスト制度の適用対象を将来、段階的に拡大する方向で検討せよとしてあります。このような検討条項を設けることにどのような不都合があるのでしょうか、伺っておきたいと思います。
#143
○政府委員(小林康彦君) マニフェストシステム、日本語では積み荷目録制と言っておりますが、このマニフェストシステムは、排出事業者によります廃棄物の流れの把握及び廃棄物の性状等に関する情報の正確な伝達を目的として導入したものでございます。
 今回の改正法案におきましては、諸外国においてもマニフェストの適用が有害廃棄物の処理に限られていること、これらのことから、産業廃棄物のうち、人の健康または生活環境にかかわる被害を生ずるおそれのある特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストの使用を義務づけることとしたものでございます。
 その他の産業廃棄物につきましても、従来から行っております行政指導によりまして、引き続きマニフェストの使用の普及、定着に努め、その状況を踏まえまして、マニフェストに関する制度の適用範囲についてさらに検討してまいる所存でございます。
#144
○説明員(湯本登君) 産業廃棄物全般に対しますマニフェスト制度につきましては、厚生省の指導に基づき現在実施されているところでございますが、まだその利用は緒についたばかりでございます。当面、このような形での利用を進める中で、廃棄物の特性を踏まえた効果的かつ効率的なものとなるようさまざまな一層の工夫を図っていくことが重要ではないかというふうに考えております。そういった点で、政府案にございますとおり、マニフェストの義務づけにつきましては、特別管理産業廃棄物に限定して実施することが適当ではないかというふうに考えております。
 なお、今後のことにつきましては、マニフェスト制度の運用の実績を十分見きわめた上で、厚生省とも十分御相談をしてまいりたいというふうに考えております。
#145
○浜本万三君 両省のお答えが、まだその時期でない、したがって、廃棄物については、何か有害物質を含んだ特別なものだけにしかしてないというお話なんですが、ただ、そうおっしゃいますが、バーゼル条約は四十七品目の有害廃棄物については国境を越えて移動してはならないようにしようという条約になっておると聞いております。したがって、これを批准するためには、これらの有害物質を含んだ廃棄物移動の実情を把握するためマニフェスト制度の対象としなければならないんではないかと思います。
 ところで、政府案のマニフェスト対象は、今お答えのとおり政令で定める特別管理産業廃棄物に限られておるわけであります。しかし、四十七品目の中には特別管理産業廃棄物としてくくれないものが含まれておると言われております。したがって、政府案のままでは批准の準備ができないんではないかと私は思うわけでございますが、どのようにお考えかということ。
 もう一つは、批准のためには、今言ったように問題があるんではないかということを私は指摘しておるんですが、問題があるとすれば、役所の方で考えられて、どういう点が問題なのか、それをどうしようとしておるのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
#146
○政府委員(小林康彦君) 特別管理廃棄物につきましては、国内におきます有害廃棄物の規則を強化するために改正法案で新たに区分を設けたものでございます。
 一方、バーゼル条約は、この条約のリストに掲げております廃棄物の国境を越えての移動、すなわち輸出入の手続や移動書類の添付等を規定したものでございますが、改正法により特別管理産業廃棄物に適用されておりますマニフェストとバーゼル条約に規定される移動書類が同一のものになるとは限りませんので、バーゼル条約の廃棄物リストに掲げられている品目をすべて特別管理廃棄物に指定することを批准の条件とするものではないと理解をしております。
 バーゼル条約の内容につきましては、現在外務省等の関係省庁と検討を行っているところでございまして、最終的にどういう国内法体制が必要かはまだ確定しておりませんが、条約を批准いたしますためには国内の廃棄物処理と整合性のとれた廃棄物の輸出入の手続、移動書類の添付等に関する法律上の手当てが必要であると考えておるところでございます。
#147
○浜本万三君 それだけですか。
#148
○政府委員(小林康彦君) 主たる整理をすべき事柄は今の二点であろうと思います。このための国内法制の整備につきましては、ただいま鋭意検討を関係省庁ともどもしているところでございます。
#149
○浜本万三君 今のお話ではちょっとはっきりしないんですが、私が伺っておるところでは、どうも条約を批准する立場から考えると、日本の法律も改正していかなければならないんではないかというような情報を得ておるんですが、そうではないんでしょうか。
 もしそうだとするならば、この参議院の段階で修正をされて、マニフェスト対象としては、特別管理産業廃棄物その他政令で定める廃棄物であると改められるように提案されたらどうかというふうに思うんですが、いかがですか。
#150
○政府委員(小林康彦君) バーゼル条約を批准いたしまして、それに参画をいたしますためには、廃棄物処理法の改正と新たな法律上の手当てが必要との認識に立ちまして、現在作業をしているところでございます。
 現在提案をしております改正法案では、特別管理産業廃棄物だけをマニフェスト制度にしておるところでございます。バーゼル条約につきましては、この条約上の有害廃棄物についての輸出入の規制あるいは移動書類の添付等を定めたもので、これらにつきまして国内で整合性のとれた体制を整備する必要があるわけでございますが、先ほども申し上げましたとおり、バーゼル条約での移動の書類と今回予定をしておりますマニフェストとは必ずしも同一でなければならないとは理解をしておりませんで、そこに多少の差はあり得るものというふうに考えております。
 このため、バーゼル条約を前提といたしました輸出入の手続あるいは移動書類に関する規定の整備、これらは関係省庁との調整を終えました後に行うこととなりますので、今回の改正法案におきましては、それらを前提とした規定を設ける必要はない、改めてそこの部分は御議論をいただきたいというふうに考えております。
#151
○浜本万三君 わかりました。それでは、いずれにしましても、関係省庁と御相談の上で見直さなければならないというふうに私は理解をいたしますので、共同修正案要綱のように、いわゆる見直し条項を明記してもらったらどうかというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
#152
○政府委員(小林康彦君) 先ほどもお答えをいたしましたとおり、マニフェストの適用対象につきましては、諸外国の例を参考にし、産業廃棄物のうち人の健康または生活環境にかかわる被害を生ずるおそれがある特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストの使用を義務づけることとしたものでございます。
 その他の産業廃棄物につきましても、従来から行っております行政指導により、引き続きマニフェストの使用の普及、定着に努めまして、その状況を踏まえてマニフェストに関する法制度の適用範囲につきましてさらに検討してまいりたいと考えます。
#153
○浜本万三君 次は、マニフェスト制度における知事の指導、監督措置の強化の問題についてお尋ねをいたします。二つお尋ねをいたしたいと思います。
 一つは、野党の共同修正案要綱第六項は、排出事業者の知事への報告のあり方や、いわゆるマニフェスト伝票の保存期間を定める旨の内容であります。
 この関連でお尋ねしたいと思いますのは、政府案がマニフェスト伝票を知事に提出しなくてもよいシステムにされておりますが、その理由はなぜでありましょうか。また、知事への報告書を提出されるとき、伝票の写しを添付するような規定もなければ、またそのように指導される方針もないと聞いておりますが、その理由とあわせて明らかにしていただきたいと思います。
#154
○政府委員(小林康彦君) 改正法案では、排出事業者が特別管理産業廃棄物にかかわりますマニフェストに関する報告書を都道府知事に提出すべきことを義務づけております。全く問題ない場合につきましても、すべてのマニフェストそのもの、その伝票を知事に提出させること及びマニフェストに関する報告書にマニフェストの個票を添付させることにつきましては、マニフェストの使用量が膨大なものになりますし、排出事業者が都道府県知事に提出する書類の量及び都道府県知事が一枚一枚を確認する事務量が相当大きなものになると思われますことから、マニフェスト制度がスタートしたばかりであるということも考慮いたしますと、適当ではないというふうに判断をしております。
 それから、前段にございました保管等でございますが、都道府県知事は立入検査及び報告徴収を行う権限を有しておりますので、事業者、処理業者にマニフェストを一定期間保管させ、マニフェストそのものが必要な場合には、これらの権限により提出させることもできますので、一お話の趣旨は現行法でも十分全うできるというふうに考えております。
 改正法を成立させていただきましたならば、特別管理産業廃棄物の排出事業者及び処理業者の帳簿の記載、保存義務、排出事業者にマニフェストに対する知事への報告義務を十分に果たせるよう必要な事項につきまして措置をし、マニフェストの実効が上がるよう指導してまいりたいと考えております。
#155
○浜本万三君 今の御答弁では、伝票の写しの添付報告義務には多少否定的なお考えを答弁されておるようなんですが、そうだとすれば、せめて何か事故が生じたときだけは伝票を突き合わせるぐらいはできるようにしたらどうかというふうに思うわけですよ。伝票を突き合わせるようにするためには、排出業者並びに処理業者に伝票の保存義務を課しておかなければならないと思うわけであります。それがないのに厚生省令で保存期間を定めてみましても実効が上がらぬのではないか、かように思いますが、いかがですか。
#156
○政府委員(小林康彦君) 特別管理産業廃棄物管理票につきましては、排出事業者によります廃棄物の流れの把握及び廃棄物の性状等に関する情報の正確な伝達という目的を十分に果たせるように制度を運用することが重要であると考えております。そのため厚生省令におきまして、排出事業者から都道府県知事に提出をいたします管理票に関する報告、この報告の中にその処理の状況に関する事項を記載させますとともに、お話のございましたように、管理票を二正期間保存させること、また必要に応じまして都道府県知事等が報告徴収や検査をマニフェストにさかのぼってできるようにすること、こういうようにしたいと考えております。
#157
○浜本万三君 それでは、次に不法処分等の原状回復方策について検討をしたらどうかということを考えながら、以下質問をしてまいりたいと思います。
 まず、廃棄物の不法な処分等によって生活環一塊に支障が生じた場合、その原因をつくった処理業者などに原状回復を命じようとしても、既に倒産をしてしまってその事業者が存在しない場合でありますとか、また存在をしておるとしましても、負担能力が全然ないという場合、その支障をどのようにして除去されるのか、具体的に伺いたいと思います。
#158
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法におきましては、都道府県知事は不法投棄等の原状回復につきまして、原因者及び委託基準に違反した排出事業者に対して命じることができるとなっております。
 今回の改正法案におきましては、従来の規定に加えまして、措置命令の発動要件を緩和したこと、処理業者の許可に当たりまして経営基盤を確認するようにしたこと、事業者の委託基準の強化を図ったこと、これらによりまして原状回復が早急に行われるよう、また原因者の責任を追及しやすいよう措置したところでございます。
 なお、産業廃棄物の不法投棄を行った者を確知することができない場合の都道府県の措置命令及び行政代執行につきましては、廃棄物処理法に特段の規定は置いておりませんが、都道府県知事は必要に応じまして民事訴訟法に定めます送達の方法により不法投棄産業廃棄物の除去等を命じ、これが履行されない場合には行政代執行を行うことができると考えております。
#159
○浜本万三君 そう言われますが、例えば除去費用が何十億円もかかるために都道府県も手が出せないまま何年も放置されておる例が多いのではありませんか。この場合、社会党の提出いたしました廃棄物の適正処理等に関する法律案では、その原因をつくった処理業者などに処理を委託した排出業者についても費用負担の責任を負わせることとし、それでもなお十分その費用を回収できないときは国が補助できるようにしておるところであります。
 また、野党共同修正案要綱の第七項では、このような場合の原状回復が迅速に行われるような検討条項を設けるという提案をいたしているわけでございますが、これに対する政府の見解をお尋ねいたしたいと思います。
#160
○政府委員(小林康彦君) 不適正な処分が行われました場合の原状回復の重要性につきましては、私どももよく認識しておるところでございますが、その費用につきましては、あくまでも不法投棄をした者や排出した者にその費用負担を求めるべきでございまして、国が不法投棄廃棄物の回収費用を補助しますことは、合理的な根拠がないばかりでなく、原因者の責任を不明確にし、不法投棄をかえって助長するおそれがあるという意見もありますことから、不適当ではないかというふうに考えております。不適正な処理がありました場合、原因者だけでなく委託基準に違反をしました排出事業者に対して命じることができることになっておりまして、先生御指摘の前段につきましては取り組んでおるところでございます。
 これに加えまして、措置命令の発動要件の緩和、処理業者の許可の際の経営基盤の確認、事業者の委託基準の強化等を図りまして、原状回復が早急に行われるよう、また原因者の責任を追及しやすいよう措置しているところでございます。
 この改正案を成立させていただきましたら、これらの措置が円滑に運用されますよう都道府県を十分指導してまいりたいと考えておりますが、これに加えまして、不法に処分をされた廃棄物による生活環境保全上の支障の除去の重要性にかんがみまして、諸外国の例も参考にしつつ、廃棄物が不法に処分をされました場合の原状回復が適切かつ迅速に行われますための方策のあり方につきましては、今後さらに検討を深めてまいりたいと考えております。
#161
○浜本万三君 その例を一、二申し上げまして、次の対策についてお伺いをしたいと思うんですが、何か香川県の豊島というところや福島県のいわき市の産業廃棄物の不法投棄事件というのがよく言われておるわけなのでございますが、こういう事件はもっと早く発見をし、もっと少量のうちに原状回復措置をしておれば少ない費用ですぐに解決できたのではないかということが考えられるわけでございます。そうするためには、現行の環境衛生指導員の増員でありますとか、あるいは再教育でありますとか、再研修でありますとかいうことも非常に重要な施策だと思うわけでございますが、今後これをどのように続けていかれるのか承りたいと思います。
#162
○政府委員(小林康彦君) 御指摘のように、不法投棄等につきましては、早期発見、早期対応が重要でございます。現行法におきましても、都道府県知事及び保健所を設置する市の長は、事業者及び廃棄物処理業者の事務所や事業所に立入検査を行わせましたり、廃棄物の処理に関する職務を行わせたりするために一定の資格を有します職員を環境衛生指導員として任命することになっております。
 環境衛生指導員は、平成元年十二月末現在、全国で三千七百九十七名が任命されておりまして、さらに平成二年度の地方交付税措置によりまして環境衛生指導員の増員の費用が手当てされたところでございます。
 環境衛生指導員等につきまして、厚生省の国立公衆衛生院が廃棄物処理コースを設けまして五週間にわたる教育訓練を行っており、その資質の向上を図っているところでございます。
 厚生省といたしましては、今後とも必要な環境衛生指導員の量、質両面にわたります確保について関係方面に働きかけてまいりたいと考えております。
#163
○浜本万三君 なお、私どもから見まして、産業廃棄物の不法投棄でありましても、当事者に言わせますと、再生資源を保管しておるんだと言われることがあると思います。廃棄物処理行政のアプローチを拒否する例が、そういう主張であるんじゃないかと思います。このように、排出事業者または処理業者が、他人に売れるもの、すなわち有価物を抽出し別に保管している場合、廃棄物として適正に保管させるべきではないかと思いますが、厚生省の見解を承りたいと思います。
 また、通産省に伺うんですが、このようにして保管中の有価物は、通産省から見まして再生資源と言えるのでしょうか。非常に問題のあるところでございますから、両省からのお答えをいただいておきたいと思います。
#164
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法におきます廃棄物とは、みずから利用し、または他人に有償で売却することができないために不要となったものをいっておりまして、これらに該当するか否かは占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきとされております。
 廃棄物であるかどうかは、個別、具体的な事案に沿って判断することとなるわけでございますが、仮に保管をしております者が売却する予定と主張いたしましても、そうした見込みがない場合、または排出事業者から無償または実質的に処理料金を受け取って引き渡されたような場合には廃棄物と解するのが妥当と考えております。したがって、このような場合には廃棄物処理法の規制の対象となりますし、適正な保管が必要となりますので、保管基準に照らして厳正に対処していくこととなります。
#165
○説明員(湯本登君) 再生資源につきましては、再生資源利用促進法におきまして、「一度使用され、若しくは使用されずに収集され、若しくは廃棄された物品又は製品の製造、加工、修理若しくは販売、エネルギーの供給若しくは土木建築に関する工事に伴い副次的に得られた物品のうち有用なものであって、原材料として利用することができるもの又はその可能性のあるもの」というふうに定義されております。
 したがいまして、御指摘の場合につきましては、そのものが実際に原材料として利用されるものか否かによりまして、再生資源に相当するか否かを判断することになるというふうに考えております。
#166
○浜本万三君 厚生省、通産省、双方ともこのようなケースは両省のダブルゾーンとして認めておられるような御答弁をいただいたんですが、そのとおり理解してよろしいですか。
#167
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法に言います廃棄物に該当いたしますものは廃棄物処理法の規制の対象でございます。
#168
○説明員(湯本登君) 再生資源につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、使用された物品や副産物について、それが廃棄物として処分される前に原材料として有効に利用できるもの、あるいは廃棄物として処理過程に入った後に原材料として再び取り出され利用されるものでございます。
 したがいまして、再生資源には廃棄物であっても原材料として利用することができるものは含まれることになりますし、また同様に再生資源でありましても、廃棄物処理法の対象となる廃棄物に相当する場合には廃棄物ということで廃棄物処理法の適用を受けることになるわけでございます。
#169
○浜本万三君 よくわかりませんが、いずれにしても通産省と厚生省が責任のかけ合いでは、これは国民はたまったものじゃありませんので、よくこれは両省が調整をしていただきまして、国民に迷惑をかけないようにいわゆる廃棄物の処理を適切に行っていただくようにひとつ御指導を願いたい、これを申し上げておきたいと思います。
 それから、もう一つ通産省にお伺いするんですが、産業廃棄物から有価物を抽出し保管している場合、産業廃棄物として知事の指導監督のもとにあることをお認めになられるわけでしょうか。
#170
○説明員(湯本登君) 産業廃棄物から抽出されましたものが依然として廃棄物処理法に規定する廃棄物に該当する場合には、廃棄物処理法に基づく知事の指導監督の対象であるというふうに考えております。
#171
○浜本万三君 よくわかりませんが、いずれにしても答弁がよくわからないということだけ申し上げておきます。
 それから次は、国庫補助の範囲を拡大してもらいたいと、こういう私たち気持ちを持っております。その問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。
 野党の共同修正案要綱第八項は、一般廃棄物の最終処分場の設置に要する費用に対する補助等、国庫補助の範囲拡大について検討条項を設けよという趣旨になっております。私どものこういう趣旨に対しまして、厚生省はどのようにお考えでしょうか。
#172
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物最終処分場につきましては、昭和五十一年の廃棄物処理法改正によりまして一般廃棄物処理施設に加えられ、それに対します国庫補助は予算補助として措置されたところでございます。それ以来市町村が行います最終処分場の整備につきましては、法律補助でございますごみ処理施設と同様、国庫補助及び起債、交付税による地方財政措置によって円滑に行われてきておる状況から、国庫補助の範囲拡大についての検討条項を設ける必要があるとは考えておりません。
#173
○浜本万三君 大蔵省、たった一問でおいでいただきまして相済みません。非常に重要なことでございますからお尋ねをしておきたいと思います。
 先ほどのお話のように、最終処分場はなぜか法律の上で国庫補助の対象となっておりませんが、しかし予算上は最終処分場だけが冷遇されるということでなく、同じ補助率四分の一の補助が行われております。それならばこの際、法律を現状に合わせて改め、最終処分場も国庫補助できるようにすべきではないかと私は思うのでございますが、何かそういたしますと大蔵省にとって不都合なことがあるんでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。
#174
○説明員(渡辺裕泰君) お答え申し上げます。
 廃棄物処理施設整備費補助金のような奨励的な補助金につきましては、予算補助、法律補助いずれの場合でございましても財政の運用上の区別はございません。したがいまして、法律に例として明示しておくかどうかは立法政策上の問題でございますので、まず厚生省でお考えいただくべきことというふうに思っております。
#175
○浜本万三君 一般の市町村では、法律に明記されてないから非常に心配をしておるわけなんですが、今のような御答弁であるならば、市町村の皆さんに心配ないんだからということをあなたの方で明言されて、まず安心をしてもらうような措置はとる必要があると思いますが、どうですか、そこは。
#176
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物処理施設のうち……
#177
○浜本万三君 いや、ちょっと待って。厚生省でなしに大蔵省ですよ。
#178
○説明員(渡辺裕泰君) 最終処分場の補助が予算書補助であるからということで、焼却施設のような法律補助の対象になっているものとの区別がないということは、私どもも厚生省と協力しながら市町村に御理解をいただくように周知徹底をしてまいりたいと存じます。
#179
○浜本万三君 はい、わかりました。
#180
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物処理施設のうち、ごみ処理施設につきましては昭和四十六年から法律補助として、最終処分場につきましては五十一年度から予算補助として計上されてきたところでございますが、予算補助、法律補助の間に運用上の区別はなされておらず、予算補助だからといって特に支障を生じていることはございませんし、助成効果も十分発揮されていると考えております。したがいまして、一般廃棄物の最終処分場を法律補助にする必要があるとは考えていないところでございます。
 お話のございました周知徹底につきましては、従来とも私ども努めてきたつもりではございますが、一般廃棄物最終処分場の適正な整備に必要な予算の確保に努めるとともに、最終処分場につきましても、ごみ処理施設と同様の補助が行われていることにつきまして、市町村に対し再度周知徹底を図っていきたいと考えます。
#181
○浜本万三君 もう一回重ねてお尋ねするんですが、法律上は明記されていないが、現実に補助の対象になっているんだから心配をするなと、こう申されるんですが、他の処理施設はいずれも法律上の補助になっておるわけですね。これだけはそうじゃない。他が全部なっておるのなら、これも法律上の補助にしたって不都合はないんじゃないかというのが我々の一般常識なんですよ。それを検討していただけるかどうか、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。
#182
○政府委員(小林康彦君) 予算補助だといって現在特に支障を生じているということはございませんし、助成効果も十分発揮されていると考えておりますので、法律補助にする必要はないと私どもは考えております。
#183
○浜本万三君 大蔵省、結構ですから、どうぞ。御苦労さんでした。
 それでは次に、廃棄物処理センターの公共性、公平性の確保の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。共同修正案要綱にはございませんが、衆議院の附帯決議第八項について厚生省はどう理解をされておるのかお尋ねをするという趣旨であります。
 それは、「廃棄物処理センターについては、公共性・公平性が確保されるよう配慮すること。特に、最終処分場の確保その他の業務並びに跡地管理が適正に実施されるよう、指導監督及び必要な支援について十分配慮すること。」と書かれております。センターの「公共性・公平性」とは一体何のことを指しておられると理解されておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#184
○政府委員(小林康彦君) 新しく創設をされます廃棄物処理センターは、民間での処理施設の確保が困難になっている、こういう状況にかんがみまして、公共が持っております信用力を活用し、特別に管理を要する廃棄物や産業廃棄物のモデル的処理を図ろうとするものでございまして、公共性の確保が不可欠でございます。また、このセンターは処分の効率性等の観点から必要な広域的処理に対応するものでございまして、市町村や事業者等の関係者に公平に開かれたものであることが必要でございます。
 厚生省といたしましては、このように理解をいたし、御指摘の点も踏まえまして、センターの業務が円滑かつ適正に行われますよう、改正法案の権限等を駆使してその指導監督に努めてまいりたいと思います。
#185
○浜本万三君 このセンターは、自治体の出資率いかんにかかわらず、知事に対する報告義務、そして知事の立入検査権などが明記をされております用地方自治法による出資率二分の一以上の公益法人と同様の指導監督ができると理解してよろしゅうございますか。
#186
○政府委員(小林康彦君) 地方自治法第二百二十一条の規定によりまして、地方公共団体が二分の一以上出資をしております公益法人につきましては、当該地方公共団体の長の報告徴収、調査等の権限が及ぶことは御指摘のとおりでございます。
 廃棄物処理センターにつきましては、地方公共団体の出資割合の大小を問わず、民法上の公益法人としての地方公共団体によります指導監督及び改正法の規定で明記をされております指定法人としての厚生大臣によります指導監督、これらのことによりまして地方自治法に基づく権限と同様の指導監督が及ぶものでございます。
 また、廃棄物処理センターにつきましては、その運営が円滑かつ適正に行われますために、公共性が確保されるとともに関係者に公平に開かれたものであることが不可欠でございますので、厚生省としましても、民法や改正法案の権限等を駆使いたしまして、センターの指導監督に努めてまいりたいと思っております。
#187
○浜本万三君 今度の質問は厚生省と自治省、同じ質問をいたしますので、お答えをいただきたいと思います。
 知事による指導監督権限があるからといって、それだけでは安心できないと思います。なぜならば、産業廃棄物の不法投棄が目に余る現状になっております。これも既に現行法で知事の監督指導下にあったことであります。ついでに言えば、最近起きております証券スキャンダルだって大蔵省の監督下で起こったことでございます。だから、監督下にあるということで安心できないというふうに思います。
 法律上の指導監督権限を強めることも大事ですが、廃棄物処理センターのようないわゆる第三セクターをつくるときには、自治体がその経営権を握って、モデル的な廃棄物処理をやってみせることが必要ではないかと私は思います。その立場から、社会党の案では、自治体が二分の一以上出資したものに限って厚生大臣が指定することにしておるわけでございます。これにつきまして、厚生省及び自治省の御見解を承っておきたいと思います。
#188
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理センターは、民間での処理施設の確保が困難になっている状況にかんがみまして、公共の信用力を活用して特別に管理を要する廃棄物や産業廃棄物のモデル的処理を図ろうというものでございます。このため、改正法案におきまして、廃棄物処理センターは地方公共団体の出資を要件とするとともに、その運営につきまして厚生大臣や都道府県知事が指導監督を行うこととしております。
 センターに対しまして、先ほど申し上げましたとおり、地方公共団体の出資割合が二分の一以上あるか否かにかかわらず、厚生大臣や都道府県知事の指導監督が及ぶものでございますし、センターに対する指導監督に当たりましては、改正法等の規定の趣旨を踏まえて、産業廃棄物のモデル的な適正処理が行えるよう配慮してまいりたいと考えております。
#189
○説明員(香山充弘君) お答え申し上げます。
 廃棄物処理センターは、その業務といたしまして一般廃棄物と産業廃棄物、この両者あわせて処理することを予定しておるわけでございます。
 産業廃棄物につきましては、法律工事業主側がみずからの責任において処理することとされておりまして、したがいまして、個々のセンターにおきます地方団体の出資割合につきましては、このセンターにおきまして一般廃棄物と産業廃棄物がどのような割合で取り扱われるか、あるいはそれらを含めました地域の処理の実態等に応じて各地方団体におきまして自主的に定めるものが適当であるというふうに私ども考えておる次第でございます。
#190
○浜本万三君 自治省に引き続いてもう一つだけ伺っておきたいと思います。
 都道府県によりましては、自治体二分の一以上出資というセンターの例も出てくるかもしれません。その場合には、その県の積極的な姿勢を評価し、これを尊重し、できるだけ支援をする姿勢をとるべきだと思いますが、自治省の御見解を承っておきたいと思います。
#191
○説明員(香山充弘君) センターへの出資割合につきましては、先ほど申し上げましたように、産業廃棄物の処理責任が一体どこにあるか、こういう基本問題と深い関係がございますので、私どもといたしましては、国の方から地方団体にのみそのような比率の義務づけがなされるのはいかがか、こういうふうに考えておる次第でございますけれども、逆に地方団体がみずからの判断によりまして二分の一以上出資される、これは一向に差し支えないことでございまして、私ども例えば一般廃棄物の広域的処理、そういったことをセンター業務として前面に出されまして、二分の一以上出資される、そういったケースは十分あり得ることであるというふうに考えております。それはそれで何ら問題はないわけでございまして、そのような場合に対しまして、自治省として必要な財政支援措置を講じてまいる考えでございます。
#192
○浜本万三君 厚生省に伺うんですが、厚生大臣の指定に当たりましては、共同で出資する自治体がセンターの経営権を掌握するといった意欲を見せているものを十分評価、尊重して指定をしてもらいたい、こう思いますが、いかがですか。
#193
○国務大臣(下条進一郎君) 廃棄物処理センターは、特別に管理を要する廃棄物や産業廃棄物について公共関与のもとに広域的処理を行うものでありまして、都道府県や市町村がこれに積極的に取り組んでいくことは大変歓迎すべきことだと考えております。廃棄物処理センターについては、そのような機能にかんがみ、公共的性格が確保されるとともに、関係者に公平に開かれたものであることが不可欠でございます。このため、センターの指定に当たりましては、地方公共団体の関与の度合いを参酌いたしまして行うことといたします。
#194
○浜本万三君 労働省の方に伺います。よろしいですか。
 清掃事業における労働災害の防止と労働安全衛生対策については、これまでどのように取り組んでこられたのか、御説明願いたいと思います。
#195
○説明員(大関親君) 清掃事業における労働災害の防止につきましては、従来より酸素欠乏症及び硫化水素中毒の防止を主眼に安全衛生管理体制の確保、作業主任者の選任と職務の履行、安全衛生教育の徹底、保護具等の点検整備を図るために監督指導を実施してきたところでございます。
 さらに、清掃事業における安全衛生管理要綱を昭和五十七年に策定し、都道府県の環境衛生主管部局との連絡会議の実施、清掃事業の団体等に対する集団指導の実施を通じてその周知徹底を図ってきたところでございます。
 また、ごみ収集車による労働災害につきましては、先ほど申し上げましたように、機械式ごみ収集車の構造上の安全基準、使用上の安全基準等を定めた機械式ごみ収集車に係る安全管理要綱を策定し、清掃事業者、ごみ収集車のメーカー、その他の関係者に対してその要綱の徹底を図ってきたところでございます。
 今後とも清掃事業における労働災害にかかる情報の収集に一層努めるとともに、関係省庁と密接な連携をとりながら清掃事業における労働災害の防止に努めてまいりたいと考えております。
#196
○浜本万三君 清掃事業における安全衛生管理要綱というのは昭和五十七年七月に策定されたものであります。もう大分時間がたって状況も変わっておりますので、この要綱を見直すおつもりはありませんか。
#197
○説明員(大関親君) 最近、ごみ処理場などにおきまして新しい施設などもできております。そのような問題も含めまして、安全衛生上どのような問題があるのか関係省庁とも連携しながら研究してまいりたいと考えております。
#198
○浜本万三君 この管理要綱には、清掃事業としてごみ収集作業、ごみの積みかえ作業、ごみ処理及び処分場における作業、焼却作業、し尿作業、酸素欠乏危険作業などを挙げて標準的作業方法を示しておられるわけですが、今日ではこのほかにごみの分別センター、ごみの破砕工場、コンポスト、流動床炉、高温溶解炉など多くの新しい施設ができておるわけでございます。
 これに対しての安全衛生対策は立てられないというところに問題があると思います。現場の労働者の意見も聞き、現場調査も行って検討してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#199
○説明員(大関親君) 新しい問題でございますので、関係省庁等と連携を図りながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#200
○浜本万三君 次は、安全衛生法上の危険有害業務の範囲の指定の効果という問題についてお尋ねするんですが、まず一般的に伺いたいんですが、現行の労働安全衛生法上危険有害業務としてはどのようなものが指定されておりますか。また、指定された場合にはどのような効果があり、対策が講ぜられることになっておるのですか、その点ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#201
○説明員(大関親君) 労働安全衛生法上は、労働災害が発生するおそれが特に高い業務を危険有害業務としてその業務に応じた対策を講じているところでございます。
 そのような業務として、例えばクレーンなど危険を伴う一定の機械設備の操作等の業務、一定の化学物質など有害性の高い物質を扱う業務、著しく高温である、あるいは騒音にさらされる作業環境など有害な業務などが定められております。
 このような業務に関して労働者の生命、健康を確保するため、一定の危険な業務に労働者がつくためには一定の免許、資格あるいは講習の受講が必要とされております。また、一定正の危険または有害な業務につかせるときには、事業者は特別な安全衛生教育を実施することとされております。その他一定の有害な業務を行う作業場所につきましては、作業環境の測定を行うこと、さらに安全衛生管理体制の強化を図ること、このようなことが定められております。
#202
○浜本万三君 具体的な強化策についてお尋ねするんですが、基本的な考え方といたしまして、ごみ収集車による収集業務に関しましては、特別の安全衛生教育の実施、一定の作業従事資格の付与、事業主の安全配慮義務の強化などの施策の拡充を図ることが大切であると思います。
 なお、具体的に申し上げますと、一つは、安全衛生法第五十九条第三項では、「事業者は、危険又は有害な業務で、労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは」、途中を飛ばしますが、「当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。」とされております。ごみ収集車による収集業務について特別の安全衛生教育を必要とする業務とすべきではないかということです。
 それからもう一つは、労働安全衛生法第六十条に基づく職長等の教育を行うべき業務として廃棄物処理業を指定すべきではないか。二つの問題を指摘し、お伺いをいたしたいと思います。
#203
○説明員(大関親君) ごみ収集車による収集作業につきましては、御指摘のとおり労働安全衛生法五十九条三項に関しまして、特別の安全衛生教育の対象とはなっておりませんけれども、安全衛生管理要綱におきまして、ごみ収集車の押し込み装置の操作、ごみ収集革の運転の業務などに対する教育につきまして定めてございます。この中で、ごみ収集作業における標準的な作業方法を労働者に徹底させるということも表現してございます。これらの安全衛生教育等によりまして、労働者に安全確保のために必要なことを教えることができるものと考えており、事業者がこれを確実に実施するよう指導してまいりたいと思います。
 次に、労働安全衛生法第六十条に基づく職長等の教育を行うべき業種でございますけれども、これも清掃業におきましては職長教育を行うという決めはございません。ただし、六十条の二項に準じて行うという規定もございますけれども、これの定まる以前より私どもの関係団体でございます中央労働災害防止協会において、各事業場でこの教育を担当する者を対象とした清掃業における職長等教育に準じた教育のトレーナー養成研修を実施しております。このトレーナー研修を受けた者が各事業場において職長教育あるいは作業者の教育などが行われるということになります。
#204
○浜本万三君 あと三分ありますから、急いで二つだけ質問をいたします。
 労働安全衛生法第六十条の二第二項に基づき労働大臣が公表した「危険又は有害な業務に現に就いている者に対する安全衛生教育に関する指針」におきまして、「教育の対象者」としてごみ収集車による収集業務に従事する労働者の取り扱いはどうなっておるのでしょうか。教育の対象となっているのであれば対象とすべきではないかと思いますが、いかがですか。
 なお、労働安全衛生法第六十一条では「事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働基準局長の当該業務に係る免許を受けた者又は」「技能講習を修了した者その他労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務につかせてはならない。」とされております。ごみ収集車による収集業務に従事する労働者についても、一定の免許、技能講習修了、一定の資格を必要とすることについては労働省はどのような見解をお持ちでございましょうか。二つの質問を一括していたします。
 なお、労働省に要請をしておきたいんですが、清掃労働者の安全衛生対策への労働省の積極的な取り組みを要請いたしまして、私の質問は時間が参りましたので、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#205
○説明員(大関親君) 六十条の二第二項に基づく指針におきましては教育の規定は含まれておりません。ただし、昭和五十九年に清掃業における職長等に準じた教育を実施しているところでございます。
 それから、第六十一条の「就業制限」につきましては、ごみ収集車による収集業務につきましては、清掃事業における安全衛生管理要綱による安全衛生教育等が実施されれば、これらの業務に必要な知識を修得できるものと考えております。
 なお、清掃業における労働災害が多発していることにかんがみ、労働省といたしましても今後一層その徹底に努めてまいりたいと考えております。
#206
○浜本万三君 終わります。
#207
○高桑栄松君 それでは、質問をさせていただきますが、私は廃棄物の中でも特に医療廃棄物を取り上げて質問をさせていただきます。前に社会労働委員会の時代にも質問いたしましたが、今回は廃棄物の法律の一部改正がありますので、改めてまた質問をさせていただきたいと思います。
 まず、医療廃棄物の最近の処理状況について伺いたいんですが、一日に出る医療廃棄物の量、そのうち感染の危険があると思われるものはどれぐらいの量が出ているか、そして医療感染事故のような事故が起きた例がどれくらいあって、場合によると訴訟にまで行ったというような例があるかどうか、この辺を伺いたいと思います。
#208
○政府委員(小林康彦君) お尋ねの件にお答えをいたします。
 昭和六十三年に行いました調査から推計をいたしますと、医療行為に伴って排出されるいわゆる医療廃棄物は一日当たり全国で千八百十トン、このうち感染性の廃棄物が三百五十四トンでございます。その後、国民医療費、医療用具生産金額等の伸びを勘案をいたしますれば、感染性廃棄物の排出量は今の数字よりは増加をしているものと考えております。
 次に、廃棄物に起因し感染症に罹患をしました事例は私ども承知しておりませんが、使用済みの注射針、廃注射針により市町村の清掃作業員や子供等が傷を受けたという事件は私ども聞いております。
 また、廃棄物に起因をいたしました感染事故により訴訟となった例はあるかとのお尋ねでございますが、厚生省といたしましては承知をしていないところでございます。
#209
○高桑栄松君 そうすると、今おっしゃった六十三年以前というと、六十二年の七月に三重大学でドクターが二人劇症肝炎の感染で亡くなられた以後、そういう医療事故的なものは特に起きてないということですね。それはそれでよろしいと思います。
 それで、今申し上げた三重大学の事件を契機として医療廃棄物に対するガイドラインができたというふうに承知しているわけですけれども、そのガイドラインができたのが八九年かと思いますが、そのころの処理状況について何かデータがあったようでありますが、どれくらいの処理がどのように行われているか、簡単にひとつお示し願いたいと思います。
#210
○政府委員(小林康彦君) 感染性廃棄物の処理対策につきましては、廃棄物処理の上でも重要な案件でございましたので、平成元年十一月に医療廃棄物処理ガイドラインを取りまとめまして、都道府県を通じまして関係者を指導しているところでございます。
 このガイドラインでは、感染性廃棄物につきまして医療関係機関におきます管理の方法、処理業者への委託の方法、焼却等による滅菌処理などを定めておるところでございます。また、このガイドラインでは、感染性廃棄物の取り扱いに注意を促すため、感染性廃棄物の種類に応じたバイオハザードマークという表示を容器等に表示するよう定めております。
 昭和六十三年の調査では、病院から排出される感染性廃棄物につきまして三八%の病院が院内で処理を行い、四八%の病院が廃棄物処理業者に委託をし、一七%の病院が市町村に処理を委託している、こういう状況でございました。医療廃棄物処理ガイドラインの普及、定着状況につきましては、都道府県の報告をまとめますと、中間段階の集計ではございますが、病院におきましておおむねこのガイドラインに従って処理が行われているというように承知をしております。なお一層都道府県を通じまして関係者の指導の徹底を図ってまいりたいと思っております。
#211
○高桑栄松君 同じく九一年、ことし二月のアンケート調査というのがある病院の先生が全国一千のホスピタルについて行ったというのがございましたが、そのデータをお持ちですか。もしあったら簡単にひとつ御説明願いたい。
#212
○政府委員(小林康彦君) 私ども都道府県を通じての調査を行い、先ほど申し上げた数字とあわせて実情の把握をしておるところでございますが、病院関係のただいまのお話につきましては、正確のところ今ここに持ってきてはおりません。
#213
○高桑栄松君 それでは、私がメモしてきたのをちょっとお示しいたしますと、ことしの二月のアンケート調査、一千病院で回答が三二%というから回答率が余りよくないということが一つあります。しかし、回答してくる方は多分してもいいと思ってしているので、だめな方が多分余りしていないのではないか、これは推測でございます。その三二%、三百二十施設のデータで注目すべき点を挙げますと、管理規定を作成した率で五九%、していないのが四割ということであります。それからバイオハザード使用率が五一%、半分は使用していない。それからマニフェストは三九%、約四割、六割はやっていないということでございましたが、バイオハザード使用というので、私も実物を見たことがないので、皆さんの御参考までにちょっとそれを見せてもらいたい。
#214
○政府委員(小林康彦君) お尋ねのございましたマークでございますが、(図表掲示)バイオハザードとして赤色のものが液状または泥状で血液等を含有しておるものでございます。それからダイダイ色でございますが、血液が付着をしたガーゼ等固形状のものでございます。それから黄色のものでございますが、注射針等の鋭利なものを含んだものでございます。
 一応この形をバイオハザードと言いまして、こういう色で区分をするようにという指導をしておるところでございます。
#215
○高桑栄松君 こちらから見ておりますと、注射針なんかは黄色い色というのは見えませんね。だから、安全だと思うおそれがあるということでございます。バイオハザードというのはWHOが推薦をしたもののようでありますが、黄色い色というのはどうでしょうね。あれはやっぱり見えませんでしたね、こちらからですと。それはそれとしまして、今言ったデータを勘案いたしますと、ガイドラインは出ておりますけれども、なかなか十分な処理が行われていないのではないか。厚生白書平成二年版でも、これは文言で認めているということがうかがわれるわけでございます。
 私が特に申し上げているのは、同じ医療関係者といたしまして私残念でもあるし、それから医療従事者が、何か起こったときにそれを予防しなければいけないのに、これはどうしたらいいのかなというのがありますので、特に私は再々取り上げているわけで、決して医療関係者を非難するとかというのではなくて、いかにして医療事故を予防するか、それで医療従事者だけではなくて、廃棄物を取り扱う人たちも同じ感染の危険にさらされるのではないかということでございます。特に注射針ですと肝炎あるいはエイズ、こういったウイルス性の感染が大変問題になるわけでございますので、そこの辺を注意する必要がある、こう思うわけで、私は、ですから今回のこの廃棄物の法律の一部改正に当たりましては、特に医療廃棄物にポイントを置いてお話を伺いたいと思うわけです。
 そこで、今のガイドラインでありますけれども、法案における処理ガイドラインというものの位置づけについて伺いたいのですが、今度の法案にガイドラインは十分に取り込まれているのでしょうか、どうでしょうか。
#216
○政府委員(小林康彦君) 現在このガイドラインに基づきまして管理責任者の設置、ほかの廃棄物との区別、特別のこん色あるいはその後の処理につきまして規定をし、指導しておるところでございます。改正法案におきましては、感染性の廃棄物を特別管理廃棄物として指定をいたしまして、ガイドラインに沿いました処理、これを法律の規定に基づくものといたし指導を徹底する、こういうねらいでございます。
#217
○高桑栄松君 処理業者の御意見かと思いますけれども、ここで新聞に載っていたものをちょっと御紹介いたしますと、八九年十二月でありますが、立場はしっかりしたお方でございます。これのヘッディングでは、「困った医療廃棄物処理基準――事故の原因増やすだけ」と、こういう見出しなんですね。見出しというのは驚かなくてもいいんで、中を見て本当かどうかということでございますから。
 そうではありますが、ポイントを挙げてみますと、焼却炉やオートクレーブヘ入れるまでの過程で危険があるのであるということを言っております。滅菌ばかり強調しているのではないかと。ひとつ御参考にしてほしいと思うわけです。それから、医療廃棄物は種類が複雑で、分別をすること、つまり分別して排出するのは非常に困難であるということを言っておられます。それから、定期的に消毒するとなっているけれども、感染性のものはその都度消毒するのが本当ではないか。そして、結論でありますが、実態に合わないガイドラインの諸項目は再検討を要する。
 これは今度の法律のちょっと前でございますから、これに対してのコメントがございましたら、伺いたいと思います。
#218
○政府委員(小林康彦君) 感染性の廃棄物につきましては、その排出段階の区別あるいは保管、その後の無害化の処理、それぞれの段階で注意をすべき点があることは御指摘のとおりと考えております。従来からのガイドラインでも、関係の方々の御意見によりまして、そういう点につきましての注意を入れておるつもりでございますが、お話のような御注意も受けまして、特別管理廃棄物の管理運営につきまして間違いのないような規定にしていきたいと考えております。
#219
○高桑栄松君 これは私はいろいろ説明を承って一応は理解いたしましたが、すぐ忘れるといけませんので、ここで伺っておきます。医療廃棄物というのは一体分類をしたら何に入るのか、一般なのか産廃なのか。これがすぐ忘れちゃうのですね。本当に困っちゃうのですが、その辺をひとつ伺いたいと思います。
#220
○政府委員(小林康彦君) 結論から申し上げますと、一般廃棄物もあり産業廃棄物もあるというのが通例だと思います。医療機関から排出されます廃棄物のうち、医療行為に伴いますものを通常医療廃棄物と言っておりますが、医療廃棄物には、廃プラスチック、金属くずなど、これは産業廃棄物に該当いたします。それ以外のガーゼ等一般廃棄物とございまして、一般的には産業廃棄物の占める割合が高い、そういう状態で排出をされていると考えられております。
#221
○高桑栄松君 今のお話でわかりましたが、そうすると、そういうものの取り扱い基準というのは政令で決めるということですか、ガーゼだとか注射針だとかなんとかだとか。
#222
○政府委員(小林康彦君) 政令及びそれの具体的内容につきましては指導通知等で周知徹底を図る、こういうことになろうと考えております。
#223
○高桑栄松君 いや、私は実は大抵はまさか産業というのじゃなくて一般廃棄物が多いのかと思っておったものですからね。そうすると、医療産業という言葉が正しいのかなと思ったりしているわけです。しかし、両方あるというんだから、私も間違ってもいなかったんだなと思います。
 そこで、一つ例を挙げますと、動物の死体というのは、例えば屠場から出てきた場合、ペットが死んだ場合とかというのは一般なのか産廃なのか。それから実験動物の場合はどう扱うのか。それから感染性の実験をした場合とそうでない、例えば私なんかは疲労実験なんかでマウスを使ったりいたしますが、それはどういうものに当たるんでしょうか。
#224
○政府委員(小林康彦君) 動物の死体につきましては、畜産業に伴って生じますものにつきましては産業廃棄物でございます。それから食料品製造、医薬品製造業または香料製造業において原料で使用した動物または植物にかかわる固形状の不要物、これも産業廃棄物でございます。ただ、お尋ねのペットのような一般家庭での動物の死体は、これは一般廃棄物として区別をしております。実験動物につきましては、感染性疾患にかかりましたものにつきましては、特別管理廃棄物の中で特別管理一般廃棄物という区分をつくっておりますので、特別管理一般廃棄物として特別な管理を行うことを検討していく予定でございます。
#225
○高桑栄松君 そうすると、感染をさせない実験の場合はどうなりますか。
#226
○政府委員(小林康彦君) 実験動物の場合には一般的に一般廃棄物に該当するものでございます。
#227
○高桑栄松君 それでは、大体わかったような気がしておりますけれども、処理センターをつくられるわけですが、処理センターの中で医療廃棄物というのはそういった特別な状況下にあるわけですが、それ専門の処理施設を処理センターの中に置くのかどうか、伺いたいと思います。
#228
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理センターは特別管理廃棄物をその業務の対象として創設することを予定をしております。処理施設につきましては今後の検討でございまして、一般の他の廃棄物と混合して焼却をするという場合も想定されますし、状況によりましては専用の処理施設を持ってという形態も想定をされますので、それぞれの地域の排出の状況、処理のレベルの必要性、他の廃棄物の処理状況、これらを考えまして個々のセンターごとに最も適切な処理施設の計画を立てていくようにしていきたいと考えております。
#229
○高桑栄松君 ここで御紹介いたしますのは一昨日の新聞でございまして、北海道で新聞に載っておったものですからちょっと御紹介いたしますが、今の北海道のは、これはこの法律の改正と無関係に、もう完成したと書いてありますので、御参考までに。
 「医療などの焼却排ガスの安全性が問題」という見出してございまして、歌志内で民間の医療・化学系廃棄物処理施設「北海道セフティ・サービス」というのが完成した、こう書いてあるんです。ポイントは、排ガス洗浄塔が必要だと。これはアルカリ性溶液でガスを中和して排出させるものである。もしそうでないと、ダイレクトに出てくるとその排ガスは危険であるというようなことが書いてありまして、中和して出すというのがポイントのようでありますが、ただし、コストはこれだけで約三千万円で、処理能力は一日三トンと書いてありました。
 既存の処理施設では電気集じん機からいきなり排ガスが出るケースが多い、それが問題になっているというので、どういうような問題なのかわかりませんが、そういう排ガスに中和しなければいけないということがポイントのようでした。これはコメントは要りませんよ、そう書いてあっただけですから。北海道が進んでいるのではないかという御紹介をちょっとさせていただきました。
 そういう意味を含めて、処理センターの中に医療・化学系の廃棄物というのはやっぱり別に何かセットしなければいけないのかな、一般にただ焼却してしまえばいいというのではないのではないかということが出ておったものですから、私はこれは自分では詰めていないのでどうかなとわからなかったんです。一応急いで御紹介をいたしました。
 そこで、感染予防対策でありますが、これは厚生省の人は見つけたろうか、注射針の件。――見つけてないらしい。私はこれは新聞で見たんですけれども、厚生省関係は何だか今度忙しくなってきたでしょう、調べている暇がなくてわからなかったけれども、間違いなくありました。割合最近なんですけれども、注射しますと、注射針を取りますとその先のところに何かかぶさってシャッポがかぶるらしいんです。そうするとこれでつつくことはない。これは何か二割か三割高いらしいんですが、安全性を考えればこれは非常にいいというので、たしかどこか国立の病院か何かでもうテスト的に使っているようでございましたが、御存じなかったんですね。
#230
○政府委員(小林康彦君) そうした注射針が開発されているということは聞いておりますけれども、具体的にどこで使ってみたというような話は今の段階でちょっと承知しておりません。
#231
○高桑栄松君 これは外国だったと思います。ですから、いろんなものが開発をされる必要があるので、厚生省もそういうことを考えて研究してもらうとか、何かそういう点で別な方向で安全性が確保される。どうも注射針にキャップをかぶせるときにうっかり刺してしまう、こういうのがあるんです。それがむしろ多いかもしれない。ですから、抜いたらもうその針は大丈夫なんだという、これは非常にいいと思いました。考えてみれば、人から聞いてみればそれの開発ぐらいできそうな感じがしますものね。ですから、そういうことも一つ大事だと思うんです。
 それから私は、そういう意味で処理業者の資格とか教育とか、それから事故責任が起きたときにどうなるかなと思うので、その意味で医療廃棄物のそういう業者の資格、教育、事故責任等について承りたいと思います。
#232
○政府委員(小林康彦君) まず、予防対策と技術開発でございますが、医療廃棄物によります感染予防対策の充実に資するために、感染性の医療廃棄物を今回の改正法で創設をされました特別管理廃棄物に指定をいたしますとともに、指定をされました医療廃棄物について排出から処分に至るまでの管理の徹底、特別の処理基準の設定等により適正処理の確保に万全を期すこととしております。都道府県等におきまして医師会、医療関係機関、市町村が協議する場を設けまして適正処理の指導助言を行うなど、感染性廃棄物の適正処理について関係者への周知徹底を図り、医療系廃棄物の適正処理の確保に努めてまいることとしております。
 廃棄物処理技術の開発につきましては、御指摘の点も含めまして今後とも努力することとしております。
 専門業者等の資格等についてでございますが、医療機関から排出をされます廃棄物の中で、病棟で発生する給食の残渣でございますとか古くなったシーツなど、こうした生活系のものが通常大きな割合、量を占めておるわけでございますので、これらについては通常の廃棄物処理業者あるいは市町村によって処理をされているところでございます。
 また、感染性廃棄物につきましては、ガイドラインを示したということもございまして、専門の業者も育ってきつつある段階でございます。例えば保冷車、低温での管理ができます自動車を用いまして病院から感染性廃棄物だけ収集、運搬をいたします専門業者でございますとか、あるいは感染性廃棄物を専用に焼却する炉、施設を持っております。者など感染性廃棄物の処理システムが整備をされているところでございます。厚生省といたしましては、改正法案の特別管理廃棄物の一つといたしまして感染性廃棄物を指定いたし、その適正な処理を確保したいと考えておるところでございますが、それとあわせまして、御指摘のように人の点が非常に重要でございますので、感染性廃棄物の処理業者の質の向上なども図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#233
○高桑栄松君 それでは、この医療廃棄物関係のことで大臣に伺います。医療従事者の医療事故予防を含めまして、医療廃棄物の処理をしっかりお願いしたいと思いますが、大臣の御決意というか、お考えを承りたいと思います。
#234
○国務大臣(下条進一郎君) 医療関係者の感染事故ということはこれを未然に防止しなければなりませんので、このMRSAの問題につきましては、既に二カ月ばかり前に厚生省の直轄の国立病院・療養所に通知を出しまして、状況を一番新しいところで把握するようにということで今調査をいたしておりまして、まず現状認識を正確にいたしたいということで取り組んでおります。この状況に基づいて順次一般の病院の方の状況も調査し、できるだけ早く未然防止の対策を講じてまいりたいと考えております。
 それからまた、医療廃棄物が原因となる感染事故の防止の見地からも、既にもう管理方法あるいはマニフェストなどを内容とするガイドラインも策定できておりまして、各都道府県及び医療関係団体を通じて関係者への周知徹底を図っております。並行的にいたしております。
 また、今国会に提出いたしました廃棄物処理法の改正案では、感染性廃棄物を特別管理廃棄物として指定いたしまして規制を強化することといたしております。
#235
○高桑栄松君 それでは、次は、これも前に連合審査だったと思いますけれども、私は質問をしたんですが、水銀乾電池の問題を取り上げたいと思います。
 私は、水銀乾電池を処理するのに二つの目的があって、一つはリサイクルというのが目的の一つである、もう一つは健康影響ですね、環境汚染問題があるということかと思うんです。今度の法律では減量と再生というのがうたってありますが、もちろん健康に関する環境影響もちゃんと入っているんでしょうね。
#236
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の適正処理の中には廃棄物の再生、原料として積極的に活用することとあわせまして、人の健康を守り生活環境を守るという大きな理念、目的を掲げております。
#237
○高桑栄松君 それでは、水銀乾電池の回収、特に水銀にウエートを置いて伺うんですが、ごみとしてのまず乾電池の回収体制がどうなっているか、そのうちに中で水銀はどのように取り扱われているか、それから水銀の量としてはどれくらいのものが回収利用されているか、ついでに北海道のイトムカでの操業状態について伺いたいと思います。
#238
○政府委員(小林康彦君) 乾電池につきましては、社会的に関心があるということもございまして、市町村の中では乾電池だけ分別して収集している市町村が幾つかございます。
 具体的には、平成二年六月現在、対策を講じております市町村二千四、市町村数にしまして六二・三%の市町村におきまして分別収集をしておるところでございます。別に分けました乾電池につきましては、全国都市清掃会議が策定をいたしました広域回収処理計画に従いまして、お話ございました北海道にございます水銀回収施設に送りまして、そこで適切に処理しているところでございます。
 乾電池の中の水銀の使用量等がどう推移しているかという点でございますが、まず昭和六十年に生活環境審議会の専門委員会の報告が出まして、対策の第一として、乾電池中の水銀含有量の低減化を図るという方策が提言をされたわけでございますが、関係省庁と相談をしながら業界に対する指導を行ってまいりました結果、乾電池一つ当たりに含まれます水銀の含有量は順次低減をされてきたところでございます。マンガン乾電池につきまして、既に平成三年四月より水銀の含有量がゼロとなっておりますし、一アルカリ乾電池につきましても、平成三年度じゅうには水銀含有量がゼロとなる予定でございます。さらに、水銀電池、通常ボタン型をしておる電池でございますが、水銀電池につきましては、水銀を含まない空気電池等代替の電池に切りかえるように指導しておるところでございまして、関係業界においてその実施に向けた努力が行われているところでございます。
 これらの努力の結果、国内で流通をしております乾電池の中に含まれる水銀の総量といいますのは、昭和五十八年に六十一トンでございましたが、平成二年には二十七トンに減少している状況でございます。
#239
○高桑栄松君 ついでに、二十七トンのうちの約一割、三・五トンですから一三%が水銀として回収されていたとつけ加えさせていただきます。つまり、私が申し上げたのは、一割が回収されておって九割は回収されていないということを申し上げたので、水銀を使う量が減ったというのはそれなりの意味が非常に大きいと思いますが、今の一九八五年、昭和六十年の安全宣言というのは今も厚生省は安全だと思っておられるのかどうか。
#240
○政府委員(小林康彦君) 通常のごみの中に乾電池がまじって入っている状態で焼却をし、その残灰を埋め、あるいはそのごみを埋め立て処分する、そういう状況におきましては、周辺環境に悪影響を及ぼすような状態には至っていないという専門委員会の報告がございまして、厚生省といたしましても、その認識の上に施策を進めておるところでございます。しかしながら、市町村がその判断におきまして乾電池だけ別に分別をするという方針をとられるところもございまして、現在六割ございますが、そうした市町村に対しましては、その適正な処理が図られるよう積極的な支援策を講じてきたところでございます。
#241
○高桑栄松君 新聞論調にも出ておりますが、私も一つはそう思うんですが、安全宣言、いわゆると、厚生省もそうおっしゃると思うので私もいわゆると思って言っているんですが、安全宣言というのが出たその意味は何であったのかということなんです。
 一つは、一般のボランティア活動の中でせっかく有害物を分別して回収して、しかもそれを再利用するという一石二鳥のような考え方でボランティア活動が高まってきたのに一挙に水を差すような表現ではなかったかということがございました。そして、それについて今お話しの生活環境保全上に問題がなかったということについて、私は疫学者の立場で私のコメントを申し上げたいと思います。
 皆さんはガイドラインとか恕限度とか許容量とかという言葉を御承知だと思いますが、私は昔、大気汚染問題のところで、北海道でのことでありますが、理工系の人と話をしてびっくりしたことがある。これは大気汚染、亜硫酸ガス〇・一ppmとかというのが出てきます。理工系の人はそこまで出してもいいと思うんだな。びっくり仰天いたしました、いかに我々医学系、健康を考える人間との理解の度合いが違うのかと。あれは、とりあえず直接の健康障害を起こすワンステップとして、ここまでは何とかしろということでありまして、中毒学とか健康の勉強をしている我々は有害物はゼロに持っていくというのが目標でございますから、お間違えのないように。したがって、安全ということはあり得ない。有害物であれば安全ということはあり得ないんです。
 その事件はラブキャナル事件でおわかりだと思うんです。安全だと思って埋め立てをして、そこに家が一千戸ぐらいも建った。三十数年たって有害であることがはっきりして全員を移住させた。日本では移住させる場所がないからどうしようもないですけれども、そういうことがあるんです。したがって、この埋立地問題というのは、私は前から言っているのはそこなんですが、台帳をつくれと。ようやくこれは土地台帳らしいものができるようになったのでありますけれども、したがって、お間違えになっていただきたくないのは、恕限度というのは、許されるんだから出してもいいのではなくて、これはとりあえずのワンステップである。そこまでは何としてでも守れ、その下はゼロですよ、これが有害物に対する我々の考え方でございます。
 それから、放置をした場合にどうなるのか。あれはごみはそのままほっておけという話でございますが、どうも質問時間がなくなってレクチャーみたいになって申しわけありませんけれども、ちょっと聞いていただきたいと思います。
 焼却炉の排気、排ガス中にどれくらい出ているのか。WHOのガイドラインは十五マイクログラムパー立米でありますけれども、厚生省調査のデータの平均値でその十倍は出ている。平均値であります。したがって、そのもっと十倍、つまり百倍も多いのもあるはずであります。そういうので、局地的には排ガス中には厚生省調査でもガイドラインの十倍であります、そのガイドラインというのは焼却炉のことを言っているわけじゃありませんから。
 そして、東京都の環境科学研究所が調査をした結果が出ておりましたのは、一九八五年の十月のデータでありますけれども、東京都の市街地の地表の土から自然環境の六ないし七倍の水銀があることがわかったというのです。その理由はこう書いてあるんです。それは、焼却炉で一緒に水銀乾電池が焼却された、どんどん大気にガスが出ますね。水銀ですから常温でもベイパー、蒸気になりますから、それが東京じゅうを覆って、そしてそれが雨だとか雪だとかそういうもので下へ落ちてきて、そしてそこへたまったものであろうという推測が書いてあります。六ないし七倍であります。これは確かにデータを読みますと、そういうふうになります。
 そして、埋立地ではどれぐらいになるかというと、三ppm程度になるのではないかというのであります。厚生省の調査で埋立地の表土からはそんなのはないと、〇・三ppmぐらいになっておったかと思うんですが、これは表土を取ったってだめなわけです。埋立地というのは、表土というのはノーマルの土を持ってきて埋めちゃうんですから、そこを取ったってだめなんで、やはり二十センチとか三十センチとか、埋め立てしたそのものの土を掘り起こさなきゃだめだ。
 それから、これは本当かうそかわかりませんが、反論があるかもしれませんが、三・八ppmというデータが出たのを異常値であると言ってネグったというのが出ておるんですね。厚生省はそんなことはなさらなかったと思いますが、出ている。三・八ppmというのがネグられたというんですから、上の方をネグれば下の方だけになっちゃいますからね。これは多分そんなことは厚生省が意図してやったことじゃないと私は思いますけれども、しかし科学的なデータとしては困るわけであります。ですから、恐らく現在では今までの埋立地は地中には三ppmくらいはもうたまっているのではないか。そういたしますと、土の中にはバクテリアが幾らでもあります。今の水銀は無機水銀でありますから、それは有機化することはこれも実験的にも確かめられていますから、だから土の中でほっておきますと有機水銀ができる。そうすると、それがもし入っていきますと水俣病になるわけですね。ですから、これはやっぱりほっておけない問題であるというのが私が今主張しようとしたことでございます。
 しかも、せっかくのボランティア活動を有効利用し、有害物であることは間違いないですから、有害物を取り除いて、そしてそれを再利用するといううれしい気持ちでやっておられる市民活動に水を差した。ばかばかしいんじゃないか。安全だからもうほっておいてもいいのかと。そんなら紙はどうするんだ、紙なんかほっておいたって、燃やしたって炭酸ガスになるだけじゃないか、ほっておいてもいいのにどうして回収するんだというへ理屈みたいな理屈がありますよね。いや、へ理屈じゃないな、これは僕が考えた理屈なんです。そういう反論があってもいいと、こう思ったからです。有害物もほっておけと言うぐらいだから、無害であれば何ぼでもほっておいてもいいじゃないか、こういうことが言えるのではないか。
 まだいっぱい言いたいんですが、レクチャーの時間が減ってまいりましたので、町田の何とかというのがあったんですが、全部飛ばしまして、まず一つ大臣に伺いたいのは、処理困難物に指定をするというときに、所管大臣の意見を聞いて厚生大臣が指定すると書いてありました。私の日本語の解釈は、聞いて指定するんだから、聞かなければ指定できない、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。もしそうであるとしたら、私は厚生大臣が直接指定ができるようにしてもらいたいということでございます。
#242
○国務大臣(下条進一郎君) 特別管理一般廃棄物は、人の健康や生活環境に被害を生ずるおそれがある一般廃棄物を指定し、厳格な管理を行おうとするものでありますが、先ほど来いろいろデータが出ております廃乾電池をその対象とするかどうかにつきましては、有害物質の含有量や排出の状況等を勘案して検討を進めてまいりたいと思っております。また、適正な処理が困難な廃棄物を厚生大臣が指定するいわゆる適正処理困難物としての要件に必ずしも合致するとは考えられないが、適正処理が全国各地で困難であるか否かという観点から、調査の対象とすべきかどうか検討してまいりたいと考えております。
 なお、適正処理困難物としての指定された後において、製造事業者等への指導の観点から、事業所管大臣の協力も必要であるために、指定に際しましては事業所管大臣の意見を聞くこととしておるのでございます。
#243
○委員長(田渕勲二君) 時間が来ておりますので……。
#244
○高桑栄松君 今のことをもうちょっとすっきりしたいんですけれども、所管大臣の意見を聞かなければ指定できないんですか。そこを伺ったつもりなんで、そうであるとすれば、そうでないように、直接指定ができるようにしていただけないかというのが私の希望なんです。
#245
○国務大臣(下条進一郎君) それぞれの物質の管理をしている所管大臣がおりますので、それらの形状とか生産の過程とか、あるいはそれに伴うところのいろんな影響等をそれぞれ熟知していらっしゃるわけですから、それらの御意見を聞いて我々の方で指定する、こういうことでございます。
#246
○高桑栄松君 どうもありがとうございました。
#247
○沓脱タケ子君 それでは、お伺いをいたします。
 まず、今回の改正案ですが、分別収集を制度化し、事業者に対して廃棄物の減量と適正処理への協力義務を求めたこと、それから特別管理産業廃棄物に限られたもののマニフェストシステムを導入したこと、
   〔委員長退席、理事竹村泰子君着席〕
それから廃棄物処理施設の設置を届け出制から許可制に改めたことなどは、一定の前進である生言えます。しかし、改正案は国民世論の求めるところからいたしますとまだ極めて不十分であります。特に、生活環境審議会の答申を大幅に後退させ、適正処理困難物の事業者による引き取り義務の設定を行わない、また激増している事業系紙ごみの産業廃棄物の指定を見送ったこと、これなどは極めて重大であると考えるわけでございます。
 きょうはわずかな時間でございますので、問題を限って質問したいと思っております。
 最終処分地、とりわけ産廃の最終処分地というのは大変逼迫をいたしております。そういうこともありまして不法投棄というのが後を絶たないというのは極めて残念な事態であります。私は、きょうは瀬戸内海国立公園内のごみの島として有名になりました香川県豊島に限ってお伺いをしていきたいと思っております。
 瀬戸内海国立公園の美しい島です。ところが、中へ入ってみますとごみの山、その処理場の中ほどの水たまりは本当にどす黒い水がどんとたまって悪臭がぷんぷんと立ち込めております。しかも、堆積物はどんどんあふれて海岸までせり出している。そして基準値を上回る鉛、ばいじん、カドミ、砒素、トリクロロエチレン等水質汚染が広がってきているということ、さらには住民の健康被害が出てきているという問題で大変深刻だと思って、私も現地を見せてもらいました。
   〔理事竹村泰子君退席、委員長着席〕
 そこで、お聞きをしたいんですけれども、この処理業者であります豊島総合観光開発株式会社ですか、ここの豊島観光というのが去年の十一月十六日に兵庫県警の摘発を受けましたですね。そして、ことしの七月十八日に有罪判決を受けております。香川県は昨年の十二月二十八日、産廃処理業者の許可の取り消しをやって、全面撤去に対する措置命令というのを出したというのが現地の状況のようでございますが、その後の状況はどうなっているのか。果たして香川県のお出しになった措置命令どおり産廃物質が撤去されているのか、そのことはどうなんですか。
#248
○政府委員(小林康彦君) お尋ねの香川県豊島の事件でございますが、廃棄物処理業としてはミミズによります汚泥処理に関する許可だけを持っております。者が、金属回収を行うための有価原料である、こういう名目でシュレッダーダスト等の廃棄物を自己所有の船を使用して大量に豊島の中の自己所有の土地に持ち込んだものでございます。本事件につきましては、香川県から報告を求めるほか、担当官を現地へ派遣し、その実態の把握に努めてきたところでございます。豊島に持ち込まれました廃棄物は、シュレッダーダスト約十七万トンのほか、廃油ドラム缶万百二十五本、汚泥約千六百トン、燃えがら約五千六百トン、水砕がらみ約一万トン、鉄の精鉱約六千トン等でございまして、このうち廃油等については一部搬出済みでございます。
#249
○沓脱タケ子君 それで、県の措置命令というのは十九万八千トンのシュレッダーダスト、これは二万トン減ったから十七万八千トンのシュレッダーダスト、これを撤去せよというのが措置命令の内容であったと思いますが、それはどうですか。
#250
○政府委員(小林康彦君) シュレッダーダストの相当部分は現状においてまだ豊島にございまして、関係する方面が多いこともございまして、香川県のほか関係をいたします県、市及び排出事業者も含めましてこれらの処理について鋭意協議、指導しておるところでございます。
#251
○沓脱タケ子君 それで、これは厚生省も産廃物質としては認めておられるんですね。これは経過、いきさつからいいますと、先ほど同僚委員から御指摘がありました産廃物質なのか有価物質なのかということで、長い間香川県は有価物だということでこれは対処してきたわけです。ですから、住民から苦情がたびたびあっでおるんですね。本来この問題が起こった、住民から意見が出たのは昭和五十年ころからなんです。その後、裁判まで行われて、町や県に対してたびたびの苦情申し立てがやられておりながら、総計二十五万トン、今部長がおっしゃったとおりですが、シュレッダーダストにいたしまして約二十万トン近くが搬入された。
 私は、この事態を非常に重く見たいと思っていますのは、そういう事態でありながら、兵庫県、他の県の県警の摘発でやっと現地の営業が停止されるということになったんです。これは大変不思議なんですよ。こういうことが起こるというのは一体なぜなんだという問題、これはやっぱり一つ問題点だ。産廃の不法投棄というのは住民には大変被害甚大ですから、こういうことが繰り返されてはならないと思うんですけれども、まとめて伺いますと、それじゃ、今回の法改正によってこんなばかげたようなことが規制できるのか。できますか。
#252
○政府委員(小林康彦君) 御指摘のような事件を背景といたしまして、廃棄物の不法投棄は大きな社会問題となっておりまして、その防止を図ることは極めて重要というふうに認識をしております。そのため、今回の改正法案でも不法投棄防止策といたしまして、第一点は、特別管理廃棄物制度を創設いたしまして、マニフェストを制度化いたしましたこと、二点目といたしまして、廃棄物処理業者に対する規制を強化いたしましたこと、三点目といたしまして、事業者及び処理業者にかかわる委託基準を強化いたしましたこと、四点目といたしまして、罰則を強化しましたこと、これらの措置を講じることとしているわけでございます。これらの措置を的確に運用いたしまして不法投棄の防止に努めてまいりたいと考えております。
#253
○沓脱タケ子君 この事件で私が非常に不思議だと思いますのは、処理業者であります豊島観光が摘発されて有罪が決定されてるんです、ところが排出事業者というのは何にも責任を問われていないんじゃないですか。その点どうですか。
#254
○政府委員(小林康彦君) 現在のところ警察あるいは裁判所では処理業者にとどまっておるところでございます。制度から申し上げますと、生活環境保金上重大な支障が生じました場合は、委託基準違反があれば排出事業者に対しても措置命令を行うことができるとされておるところでございます。豊島の事件につきましては、委託基準違反があるかどうかについてさらに事実関係を明らかにしていく必要がございまして、排出事業者に対する措置命令は今のところ行われていない状況でございます。
 しかしながら、原状回復はできる限り速やかに行う必要がありますことから、産業廃棄物の処理についての排出事業者の責任を踏まえまして、排出事業者等に対し、シュレッダーダスト等の廃棄物の搬出等を含めた原状回復措置について指導を行っているところでございます。
 改正法におきましては、爆発性、毒性、感染性等の性状のため特別の管理を要する産業廃棄物にマニフェスト使用義務をつけますとともに、廃棄物の処理を委託する場合の基準を強化するなど、排出事業者に対して責任を強化することとしておりますほか、指導命令につきましての発動要件の緩和、あるいは期限を定めて発動できる等の規定を整備をいたしまして知事の権限の強化を図ったところでございます。
#255
○沓脱タケ子君 それで、委託基準の違反があるかどうかわからないので事業者らは今のところは何もやっていない、処理業者だけが摘発されて有罪判決を受けた、こういうことなんですね。十一府県三十社に及ぶというふうに言われています。これは全部わかりますか、三十社というその排出企業はわかりますか。
#256
○政府委員(小林康彦君) かなりの程度まで明確になってきております。
#257
○沓脱タケ子君 それが不思議なのは、この処理業者というのは、それこそミミズの養殖の産廃の処理業者であったんですね。だから、本来廃棄物処理業としては無許可なんです。無許可の処理業者に対して三十社の人たちが委託をしていたということになれば、これは排出業者は責任がないですか。これだったら委託基準もヘチマもないじゃないですか。それはどうなんですか。
#258
○政府委員(小林康彦君) 出しましたものが廃棄物で、その適正処理が図られない状態が明白な形で契約をしているとしますと、これは明らかに委託基準違反でございます。ただ、現状としてはいろいろの形態があるようでございまして、委託基準に違反した状態での排出があったかどうか、そこのところはなお詳細に詰めるべき部分が少し残っておりまして、現在香川県等を中心にそこの検討を行っているところでございます。
#259
○沓脱タケ子君 これはやはりきちんと詰めてもらわないといけないと思うんです。私はちょっと考えてもおかしいなと思うのは、いわゆる公害基本法あるいは公害規制のことを考えますと、これは公害の発生源者が責任を持つ、それによって被害が出た場合には被害の救済はちゃんとやらせる、そして環境破壊が起こったら当然原因者がその環境を復元するというのが普通のルールなんです。特に不法投棄の場合でもそのことがはっきりしていないですね。だって、運んでいる業者が違反だったといって摘発されて有罪になった、頼んだ人はだれも責任を問われていない、こんなことは困るんで、やはり製造者あるいは排出事業者の責任を問うという建前のきちんと原則に立たなければならないのではないかと思います。これは新しい改正法ではきちんとできますか。
#260
○政府委員(小林康彦君) 豊島のケースにつきましては、責任の所在とともに排出事業者によります処理をさらに進めるために、香川県、関係府県市が廃棄物ごとに排出事業者と協議をする場を設けまして具体的な問題の解決に向けて積極的に対応することとしております。
 今回の改正法につきましては、委託基準の明確化あるいは処理業者の許可に種類分けをしましたこと、それから原状回復についての認定の条件を緩和いたしましたことというところで、こうした問題に対するより迅速な対応、より明確な責任を問えるような規定にしたところでございます。
#261
○沓脱タケ子君 それじゃ、これからそういうことはなくなるということですね。そういうふうに伺ってよろしいですか。
#262
○政府委員(小林康彦君) 事前防止のために最大限の努力をしていくというつもりでございます。ただ、世の中には悪いことをする人というのがゼロにできるかどうかにつきましては、これは状況がいろいろでございますので、そういうことが最大限起こらないような制度及びその運用を図るという方針でまとめておるところでございます。
#263
○沓脱タケ子君 私は、約三十社と言われている排出事業者、これは特別管理廃棄物だけではなくて、廃棄物の範囲を広げてマニフェストの制度をきちんと適用しておかなければならないんじゃないか。それをやっていたらもっと早く事前防止もできたと思うんですが、それはいかがですか。
#264
○政府委員(小林康彦君) マニフェストが不法投棄防止のために有効であり、あるいは事故が起こりましたときの責任の追及に有効な方法であるということは承知をしておりますが、諸外国での適用範囲等の事例も見まして、今回の改正法におきましては特別管理産業廃棄物に限りましてマニフェストを法律上義務づける、こういう制度にさせていただいているところでございます。その他の廃棄物につきまして、必要なものにつきまして行政指導によりましてマニフェストの普及定着を図ってまいりたいと思います。
#265
○沓脱タケ子君 これはちょっと危ないなという気がします。
 時間がありませんので、特に住民の強い要求もございますし、厚生省としては大体いつまでに撤去させることを指導しておられますか。
#266
○政府委員(小林康彦君) 関係者の協議の場を設けましたり、指導を強化することによりまして、極力迅速に原状回復が行われるように努力しているところでございます。
#267
○沓脱タケ子君 極力極力ではいつかわからぬのですが、実際上何か十七億円ぐらいかかるそうですね。業者に運んでもらったら五十億ぐらいかかるというんですね。通常の処理のやり方で運び出すという通常のやり方で十七億ぐらいかかるというんですが、これは豊島観光はそれにたえられますか、やれますか。
#268
○政府委員(小林康彦君) 豊島総合観光開発株式会社がどこまでの能力があるかという点も含めまして、今後の解決策につきまして香川県を中心に検討を加え、協議の場を通じまして原状回復の方策を検討しておるところでございます。
#269
○沓脱タケ子君 去年の十二月二十八日です、県が措置命令を出しているのは、いつまでたってもそんな話では、これは住民に対して厚生省は一体何をしているんだということになりますから、そういう点でいつまでに撤去させるということをきちんと期限を決めてやらしていく。こんな協議や協議や言って、三十社、どこやらわからぬのを探して回っていたら一年や二年すぐたちますからね。そうではなくて、期限を決めて撤去させる、そういう状況が整わないならば県に代執行をさせる、代執行させてでも、こういった不法投棄の典型みたいなものについては、厚生省は断固として解決をするという姿勢を示すべきではないかなと思うんです。
 時間ですので、最後に大臣にちょっとお伺いしたいんです。ここ、まできたら、こういう法改正の時期でもありますし、本当に厚生省はこういう不法投棄は断じて許さないんだということをきちんと住民、国民に対して示すために県に代執行をやらしてでも、きちんといつまでに全部取り除くかどうか、取り除かせるということを示すべきであると思いますが、それについての御見解をお伺いしたい。
#270
○国務大臣(下条進一郎君) 香川県の豊島事件につきましては、その規模の大きさ、また関係者の多さ等から見まして深刻な不法投棄事件であり、厚生省といたしましてもその推移に重大な関心を持っているどころでございます。
 このような事件については、廃棄物処理法等に基づきまして都道府県知事が必要な措置を講ずることが基本であり、香川県を中心として関係する府県市における広域的な対応が重要であると考えております。このようなことから厚生省といたしましては、関係府県市を厚生省に招集いたしまして連絡調整会議を重ねてきたところでありまして、この会議において関係府県市に対し原状回復及び法の厳格な運用について連携を強化して当たるよう指示してきたところでありまして、その結果、処理業者や排出事業者による廃棄物の撤去も行われているところでありますが、今後とも早急に原状回復が行われるよう強力に指導をしてまいりたいと考えております。
#271
○沓脱タケ子君 それじゃ、ぜひ実現させてほしいと思うんです。
 ただ、一つだけ言っておきたいのは、今日でも二月二十日、三月七日には電線の処理作業、電線のくずがいまだに運ばれているんです。そういう処理作業がなお続けられているというふうに現地から聞いております。そういうことも含めまして、ぜひ大臣の御決意を実現させていただきたい。お願いいたします。
 終わります。
#272
○粟森喬君 今回の法改正に当たりまして、国民の責務を新たに規定したわけでございます。
 そこで、お尋ねをしたいんですが、この法案で第二条の二において、国民の協力に当たって一般廃棄物としないで単に廃棄物とした理由は何なのか。これは産業廃棄物に関する国民の協力を求めるということを想定しているのかどうか。と申しますのは、第三条の事業者の責務、そして新設して事業者に対する協力の条項がございます。ここで国民と言われる人たち、すなわち一般的に申し上げれば生活者といいますか、家庭生活を営むという国民の規定を私はここで書いてあるんだろうと。企業や法人などの責任をここで、責務という意味とは多少意味が違うんだけれども、なぜここだけ一般廃棄物とも産業廃棄物とも規定していないのか、この理由についてお尋ねをしたいと思います。
#273
○政府委員(小林康彦君) 国民の責務と並びまして事業者の責務、国及び地方公共団体の責務を並べておるわけでございますが、第二条の二で言います国民には事業者も含まれる、そういう広い意味の国民という理解で規定をつくっておるところでございます。
#274
○粟森喬君 三条で事業者の責務が一方でちゃんと書いてあるわけです。それで、一般的に国民と言われるときに、例えば法人格であるとか企業であるとかこういうものが入るのはごく常識的にわかるのですが、この法案の中では第三条の中で事業者の責務を明確にしてあるのでございますから、ここで言う国民の責務の中で、いわゆる廃棄物の処理責任について、例えば産業廃棄物まで入るような表現をしているというのは不適切ではないかということをお尋ねしているんです。したがって、この部分についてもう一度見解を求めます。
#275
○政府委員(小林康彦君) ここでの国民は生活者としての一人一人の国民と、それに加えまして事業者のような集団、あるいはそういう活動をする者も含んでの規定でございます。したがいまして、単に日常生活で出てまいりますごみだけに限らず広く廃棄物につきまして排出の抑制あるいは原料としての使用等まで、その方向を明記したものでございます。
#276
○粟森喬君 同じ答弁で単なる言い逃れにすぎないと私は思います。この辺のところはこれからの見解の中で明確に、いわゆる国民と規定をしたときには一般生活者としての国民の責務、後で具体的に今度新しくつくるボランティア活動といいますか、そこでもお尋ねをしたいと思いますが、産業廃棄物に対する一般国民の責務というのは私はないというふうに理解をしていますから、これからの論議の中でそこは明確にしておいてほしいと思います。
 次に、事業系の紙ごみの処理といいますか、整理の仕方の問題でございます。私もこの問題について調査やそれからいろんなことをやっていったわけですが、一般系ごみの中にいわゆるオフィスから急激に出されてきている紙ごみが統計上も明確な区分がない。この間、厚生省がこの種のことについて処理の基本でかなり大きな間違いと言うと、省庁というのは必ずそれはそんなことはないというふうに言うのでございますが、何となく私は一般論として理解できるんです。小さな事業所も含めて紙ごみが出され、そしてその紙ごみとして出されたものの処理、これほど急激な社会の変化の中でコピーとかファクスがふえることによって増大をすることの中で、調整の仕方が私はここは大きな問題ではなかったかと思います。
 しかし、今回はその紙ごみを産業廃棄物にも入れませんでした。今後の処理の仕方について、基本的な問題でございますから、いわゆるオフィスから出される紙ごみの扱いをこれからどういうふうに基本的に考えていくのか、見解をお尋ねしたいと思います。
#277
○政府委員(小林康彦君) 事業系の紙ごみを現在のまま一般廃棄物に置くか産業廃棄物に区分がえをするかといいますのは、法律の問題というよりは政令での問題でございます。しかしながら、それをどう整理するかが改正法の内容を検討する上で極めて影響の大きい事柄でございますので、政令でどう扱うかも含めまして議論をしてきたところでございます。
 生活環境審議会におきましては、大量に出ます事業系の紙、これを産業廃棄物に区分をするというのが将来の方向として一つあり得るではないか、もし今回そこまでいかないにしてもその処理の費用を排出事業者が的確に負担をするように、こういう二つの方法を審議会答申で示していただいたところでございます。この審議会の答申を受けまして、オフィスから出ます紙ごみ、最近の廃棄物の増量の中では極めて大きなウエートを占めておるものでございますので、それにつきまして私どもは関係者とも十分な協議を進めてきたわけでございます。
 一つは、紙ごみにつきましての処理の体系というのは、現在において一般廃棄物の処理業、特に一般廃棄物の許可業の中で定着をしております。一般廃棄物の処理と産業廃棄物の処理、それを担う人も異なっておるという状況がございまして、現在そうした担当を大幅に切りかえてまで紙ごみを産廃に切りかえる必要があるかどうかという点が一つの論点でございます。産業廃棄物で予定をしております有害性あるいは大量という概念からいきまして、紙はその処理につきましてそう難しい処理という部類に入るものではございません。そういう性状の点もございまして、現在の体系の中でその扱いの充実を期す、これが現実的に一番適当な方策であろうということで、事業所から出ます紙ごみにつきまして現行の扱いどおりで進もう、こういう判断をして組み立てたところでございます。
#278
○粟森喬君 私は、政令でできることをやっていないことを行政の怠慢だというふうに指摘しているのでございます。比較的たやすいというふうに言われますが、一般廃棄物としてふえているのはいわゆる紙ごみでございます。紙ごみの処理の仕方も、これは燃やしてやるのか埋め立てに使うのか、そのまま埋め立てに使ったときにどういう問題があるかということも恐らく皆さんの中でも論議をしていて、なかなかその区分がつかないんだろうと思います。これからの問題として、いわゆる生活を原点にしたところで出すごみと事業用で出すごみを明確にしていかないと、これからの費用の問題、財政的な処理の問題、いろいろ出てきますから、ここは重ねて明確な処理区分を今後の問題として求めていくということをお願いしたいと思います。
 その上で、紙ごみの処理をどうするか、排出量抑制をどうやるかということについてお尋ねをしたいと思います。今のように一般廃棄物として処理が行われると、その処理費用は地方自治体が結果として負担をすることになります。費用負担について果たして本当にそれでいいのかどうかということを考えると、私どもは、事業活動の中で出てくるものは原則はその事業者負担という立場でやっていかないと、これからの国家財政の中でもこれは大変な問題になるんではないかという懸念を持っています。
 したがって、排出量の規制とこれからの処理に当たって基本的な考え方、そしてこれをリサイクルするときも、私も古紙取り扱い業者に聞いたんですが、オフィス用のごみは新聞紙ありコピー用紙ありファクス用紙あり、これによって古紙を回収する方もコストというのは相当違うし、またそれを使えるところと使えないところとがあるわけです。この種のことについて、これからの対応の中で非常に大切な問題だと思いますので、お尋ねをしたいと思います。
#279
○政府委員(小林康彦君) 大都市を中心として近年ごみのふえる大きな原因が事業所から出てくる紙ごみであるというのは御指摘のとおりでございます。こうした事態に対処いたしますために今回の改正法におきまして、多量に排出をする者に対しまして減量化計画の策定を指示することができるという規定を置きまして、市町村長が個別に指導を行える規定を入れたところでございます。
 費用の点につきましては、処理手数料の部分でその表現の中に、処理費用を踏まえて適切な手数料を設定するようにということで、先生お示しの方向、事業者がその費用を負担をし適切な処理をするという方向を打ち出したところでございます。
 それから、リサイクルの推進につきましては、廃棄物再生事業者を知事の登録制にいたしましてその存在を明らかにするとともに、市町村の処理行政に協力する体制をつくりまして紙ごみのリサイクルの促進を図ろう。これらの施策を通じまして、お話がございましたように、排出段階から丁寧な区分あるいはリサイクルを考えての分別収集、それから再生利用へのルートに乗せていくこと、これらが適切に図れるように、こういう観点からただいま申し上げたような規定を整備したところでございます。
#280
○粟森喬君 今の点でございますが、今回の法改正で事業者の廃棄物、いわゆる紙ごみに対する責任はどの程度きちんとしたのかまだはっきりいたしません。生活環境審議会の答申では、この部分は明確に区分をして責任を求めるべきだ、特に適正処理困難物の引き取り責任などを含めて、費用徴収を含めて出されたと思います。しかし、私の見る限りではこれは非常にあいまいだ、こういうふうに言わざるを得ません。一般的に、いわゆる家庭生活の中で出されるごみもふえているわけですが、多くはここに一般廃棄物のごみは集中をしているわけでございますから、もう少し責任を明確にすべきではなかったかと思います。何となく答申よりも後退をしたという印象があるわけでございますが、なぜ後退しているのかということが一つ。
 それから、国民の責務で、事業者も国民であるというふうにお答えになったわけでございますが、この部分の理解と責任、それから費用徴収の仕方、これについて明確にしていく必要があるかと思います。そういう意味で、後退をした理由を中心にしてお尋ねをしたいと思います。
#281
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法の改正案におきまして、事業者にかかわる廃棄物の引き取りあるいは費用負担の責任を法の表現上課しておりませんけれども、一つは、市町村による処理が全国各地で困難となっているものを厚生大臣が指定をし、その一般廃棄物につきまして事業者に対して市町村長が適正な処理に関して必要な協力を求めることができること、及び厚生大臣が指定をいたしました一般廃棄物等の処理を行うことを業務とする廃棄物処理センターの基金への出捐について事業者等に対し必要な協力を求めるように努めること等の規定を置き、さらにオフィスからの紙ごみにつきましては先ほどのような規定を置いたところでございます。生活環境審議会も、将来を見まして方策を長期的あるいは当面というような形で選択肢をつけながら御提言をいただいているところもございまして、生活環境審議会の方向に沿っての法案でまとめたという気持ちでおります。
 ただ、一般廃棄物につきましては、地域の実情によりまして扱いに差が出てくる部分もございますので、市町村長の具体的指導の手段を明確に示すことによりまして個々具体的にその地域の実情も踏まえて市町村長が的確な指導ができる、こういう規定が適切ということで、先ほど申し上げた減量化計画でございますとか処理手数料の設定での勘案の要件でございますとか、そういう規定を置いたところでございます。
#282
○粟森喬君 現状の取り扱いが地方自治体ごとに相当ばらつきがあるといいますか、格差がある。同じ法のもとでこれからやっていくときにこの状態、もちろん、例えば大都市とか地方都市によってオフィス用のごみの出方なんかも違いますから多少の違いはあってもいいんだけれども、私はかなりの違いがあることがこれからの大きな問題だと思いますので、そういう意味で問題を指摘しておきたいと思います。
 そこで、次に第三条の事業者の責務の改定で、事業者は「廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。」ということになりましたが、これが実際に廃棄物処理面でどのように効果を発揮するのか。この規定が改定された背景には、前にも申し上げましたように、適正処理困難物に対する事業者の協力を求めるためにつくられたというふうに私は理解をしていますが、この引き取り義務が後退をしたというふうに、明確になっていないということはそういうふうに思うわけでございますが、この事業者の協力という中で義務規定が、特に適正処理困難物の取り扱いについて明確になっていないときに、どの程度の効果をこれから期待できるのか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。
#283
○政府委員(小林康彦君) 全般的に事業者は国及び地方公共団体の施策に協力をしなければならないという規定でございますが、その後の規定の中で具体的に定めておりますのは、適正処理困難物についての協力要請にこたえるという事業者の立場、あるいは一般廃棄物でございますと減量化計画、産業廃棄物でございますと処理計画の策定等、市町村長あるいは都道府県が行います施策に対する協力を求めておるところでございます。
#284
○粟森喬君 最後に、厚生大臣にちょっとこの辺のところの見解と決意をお伺いしたいと思います。
 私は、今回の法律はそれなりに前向きであるし、一定の評価をできると思います。ところが、一番不満というか、不十分というふうに私が考えているのは、一般廃棄物の中に今言ったように事業用のごみが現実に入っている。事業に対する啓発とか単なる協力ではいけないという問題が現実にあると思うんです。そういう企業の側の責任を問うということではかなり不十分な体制になっているんではないか。これからの問題で、いわゆる製造物責任法なども含めていろいろ考えていかなきゃならぬ問題がたくさんあるかと思いますが、厚生大臣として少なくとも経済界に対してそういう問題を強く提起するという考え方はあるのかないのか、その辺についてお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
#285
○国務大臣(下条進一郎君) ごみ処理の一番の第一歩は排出する場合の減量化でございます。このためには、住民啓発活動の実施とあわせましてこれを具体的に推進するためのシステムづくり、必要な施設基盤の整備を進めることが重要でございます。
 また、廃棄物処理法の改正案におきましては、市町村に廃棄物減量等推進審議会や廃棄物減量等推進員を設置することができることとなっておりますと同時に、市町村の一般廃棄物処理計画に排出の抑制、減量化、分別収集に関する事項を定めること、また、今御指摘の多量の排出者に対しましては減量化計画の策定を指示できること等を盛り込んでいるところが今度の改正の主な点でございます。また、平成四年度の概算要求におきましても、市町村におけるごみ減量化のためのシステムづくりやリサイクルのための施設整備などに対する補助の大幅な充実を要求するなどいたしましてその強力な対策を進めてまいりたい、このように考えております。
#286
○勝木健司君 今回のこの廃掃法改正案、また先国会で成立をいたしました再生資源の利用の促進に関する法律によりまして、政府は何とかこの廃棄物の問題の解決を図ろうとしておられるわけでありますけれども、この二つの法律によりましていずれも国の役割や権限というものが増大することは明らかでありまして、廃棄物問題がますます広域的あるいは全国的な性格を強めている状況がその背景にあると思います。
 しかし、廃棄物処理あるいはリサイクルヘの対応は、今後も地方自治体や企業の自主的な自発的な取り組みと、そしてまたさまざまな市民団体あるいは消費者グループの参加に大きな期待をかけないわけにはいかないのでありまして、国の役割というものは、そういった意味では企業、自治体、市民団体あるいは地域社会の廃棄物問題に対する取り組みをより一層活発にしていく、そして実りあるものにすべきであるとの意見があるわけでありますが、今回この廃掃法を抜本的に改正しようとする厚生省の廃棄物行政についてはどのように考えられておるのか、厚生大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
#287
○国務大臣(下条進一郎君) 廃棄物の問題は社会問題化しておりますし、しかも今その処理がいろいろの点で制度上不備があります。そのために、またそれが問題を生ずるというようになっておりまして、私も前に申し上げましたように、この廃棄物の極めて急激な増高と、加えて処理施設の不備等、あるいはまたその管理の不備等が問題になっておりますので、今回ここに法の整備をお願いした次第でございます。
 まず第一には、御承知のように、廃棄物を出すところでこの縮小を図るように協力を要請するということでございます。それから次に、出ました廃棄物がそれぞれのメーカーの段階の御協力を得ながらリサイクルに持っていけるように、廃棄物にならないで、また一般の製品としてリサイクルできるような措置を講じるように措置をいたしております。
 さらにまた、産業廃棄物のような量の大きなものであり、処理がなかなか難しいものにつきましては、それの責任者の責任を明確にするということでありまして、それの処理についての処理業者の許可制を導入するというような手順を設けるなど、さらにまた一般廃棄物の中で処理困難なものにつきましては、これを管理するような形で特別の制度を導入することにいたしました。何を処理困難物とするかにつきましては、この法を通していただいた後で早急に個々の品目を指定してまいりたいと思っております。
 また、産業廃棄物あるいは処理困難な廃棄物の最終的な処理、あるいはまたその他のいろいろな協議をする場といたしましてセンターを設けまして、そのセンターにおいてそれらの難しい問題の処理を、各自治体とそれから関係者との知恵を出し合った形での処理をする体制を整えていくということなど、総合的に勘案しながら今後の増高するごみあるいは廃棄物の適正な処理が行われますようにいろいろな制度を整えてこれに取り組んでまいりたい、これらが私たちの基本的な考えでございます。
#288
○勝木健司君 過去三年間の厚生省の廃棄物処理施設の補助金を見てみますと、平成元年は七百六十億円、平成二年七百八十一億円、平成三年八百八十億円となっておるわけでありますけれども、この予算で果たして廃棄物処理施設の整備がどの程度進んでいるのかお伺いをしたい。
 特に、ごみ処理施設建設のためには国の補助金がその事業を当然整備すると思われるわけでありますけれども、平成二年、平成三年の二年町で予定されていた百七カ所の建設予定のごみ処理施設について、予算不足から完成が来年以降になっておるというふうに聞いております。また、平成四年度以降にも完成予定でありました五十五カ所についても予算不足から補助金を減額せざるを得なかったということで、完成がおくれる可能性が強いというふうに思うわけでありますが、このような状況につきましても厚生省はどのように考えておられるのか、あわせてお伺いをいたします。
#289
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理施設の整備につきましては、市町村からの要望が年々増加しているところでございますが、平成二年度までは市町村が必要とする施設整備はますますというレベルで推進されてきたと考えております。
 廃棄物処理施設の整備につきまして、昭和四十年代後半に整備をいたしました施設が更新期を迎えておりますことや、近年ごみの排出量がふえてきていることを背景にいたしまして市町村の要望が急激にふえてきているという状況でございます。平成三年度におきましては、廃棄物処理施設整備費を対前年度比二二・七%増の八百八十億円を計上したところでございますが、市町村からの要望が大幅に増加をしておりまして、予算額を上回る状況になっております。
 このため、平成三年度の継続事業の一部につきまして先送りを前提といたしました内示を行わざるを得なかったというのが実情でございます。しかしながら、廃棄物処理施設は極めて緊急を要することでございますので、多くの市町村からこの先送り分について本年度の事業実施を求める声も強いという状況にございますので、厚生省といたしましてもそれにこたえるべく現在関係省庁とも協議を進めておる段階でございます。
#290
○勝木健司君 大蔵省にお伺いいたします。
 今ありましたように、廃棄物の発生量が急速に増加しており、また事態が一層深刻なものになっておるわけでありますが、この廃棄物対策は早急に取り組まなければならない問題であるわけであります。そこで、厚生省は来年度の予算の概算要求の主要事項にこの廃棄物対策を九一年度当初予算の一五・七%増の一千十八億円の予算要求をしておるわけでありますが、この予算要求にぜひ私はこたえていただきたいのでありますが、見解をいただきたい。特に、大蔵省は昨年、補助事業の中でも道路整備などについては優遇されておるわけでありまして、特に政治力の介入を排除すればこの予算程度は確保できるのではないかというふうに私は思うわけでありますけれども、お伺いをしたい。
 そしてまた、今年度から始まっております公共事業五カ年計画では、やはりこの土木事業系統が優遇をされておりまして、廃棄物関係は総予算の中でわずか七%余りにしかすぎないわけであります。これもあわせて大蔵省の見解をお伺いをいたします。
#291
○説明員(渡辺裕泰君) お答え申し上げます。
 廃棄物処理施設整備費のまず三年度予算でございますけれども、公共事業費の総額の伸び率五・三%を大幅に上回る一二・七%増の八百八十億円を確保しまして、廃棄物処理施設整備費予算の充実を図ったところでございます。先ほど道路等の方が優遇されているのではないかというお話がございましたが、伸び率からいたしますと道路は五・四%でございまして、廃棄物の一二・七%増というのは大変目立った伸び率になっておると私どもは考えておる次第でございます。
 それからまた、公共事業の五カ年計画のお話がございまして、廃棄物処理施設につきましても、平成三年度から七年度にかけまして五カ年計画を策定いたしたところでございます。この計画倍率も他のものと比べて決して遜色のあるようなものではないというふうに私どもは考えておる次第でございます。
 それから、四年度予算につきましては、概算要求を受け取ったばかりでございます。今後、要求内容等を関係省庁と御相談しながら検討してまいりたいというふうに考えております。
#292
○勝木健司君 次に、今回の改正案で最も注目されているものの一つに、製造者等の廃棄物処理に関する協力があるわけであります。これは厚生大臣が市町村による適正な処理が困難となっている一般廃棄物を指定し、指定を受けた廃棄物になる前の製品の製造者等は市町村の処理に協力をする、また厚生大臣は事業所管大臣に対し、製品の材質、処理方法の表示等について製造者等への指導を要請するというものでありますが、このような協力要請制度は、適正処理困難物を事業者に回収もしくは処理経費負担を求める事業者責任制度というものが一部業界、経済界の反発で後退を余儀なくされた結果であると伝えられておるわけであります。その言い分は、ごみの適正処理、再利用及び減量には積極的に取り組むことはやぶさかではないが、しかしこの種の企業責任を法律によって命ずるのは適切と佳言えず、また実態にもそぐわないというものであったと言われておるわけであります。
 こうした背景を伴います協力要請制度でありますが、その実効性を担保するために厚生省はどのような施策を考えておられるのか、また市町村に協力しない事業者への対応はどうするのであるか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
#293
○政府委員(小林康彦君) 改正法案におきまして、市町村による製造者等への協力要請の実効性を確保することなどを念頭に置きながら、事業者の一般的責務として新たに「国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。」旨の規定を設けたところでございます。適正処理困難物の規定は、厚生大臣が市町村における一般廃棄物の処理の状況を客観的に調査をいたしますとともに、一般廃棄物となる前の製造等の事業を所管する大臣の意見を聞いた上で行うことから、厚生大臣から事業所管大臣へ協力要請をした場合は確実にこたえていただけるものと考えております。
 なお、仮に製造者等が市町村の協力要請に応じない場合には、厚生大臣からの要請にこたえて事業所管大臣によって有効かつ責任ある指導が行われるものと考えております。
#294
○勝木健司君 この廃掃法の条文をよく読んでみますと、廃棄物の処理責任が一体全体だれにあるのか、事業者にあるのか、あるいは地方自治体にあるのかはっきりわからない点があります。そこで、まず一般廃棄物と産業廃棄物とそれぞれの処理責任はだれにあるのか、お伺いをいたしたい。また、今回の改正点でこの点はどう対応されるのか、御説明いただきたいというふうに思います。
#295
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物につきましては、市町村の責任においてその処理計画を策定することになっております。この処理計画に基づいて処理が行われるわけでございます。その形態といたしましては、市町村によります直営での処理のほか、業者への委託により行われるもの、あるいは許可業者により行われるものがございます。産業廃棄物につきましては、事業者がその産業廃棄物をみずから処理しなければならないことが定められております。この場合においてみずから処理することの中には、みずからの費用負担で許可業者や産業廃棄物処理施設を設置しております地方公共団体に委託をして処理することも含まれているところでございます。
 今回の改正法案におきまして、この一般廃棄物及び産業廃棄物の基本的な処理責任の考え方に変更はございませんが、特に事業者の責任を強化するための改正を行っておるところでございます。
 幾つかのポイントがございますが、一つは、多量の廃棄物を排出する事業者に対しまして市町村長や都道府県知事が減量化計画の策定等を指示できること、二点目は、市町村では処理が困難な一般廃棄物を厚生大臣が指定をいたしまして、その処理に当たって市町村が製造業者等に協力を求めることができること、三点目は、特別管理を要する産業廃棄物につきまして管理責任者の設置を義務づけ、その処理の委託に当たりまして廃棄物の流れを管理するためのマニフェスト方式を制度化する、これらの規定を設けたところでございます。
#296
○勝木健司君 廃掃法は第十条で、産業廃棄物の事業者による自己処理責任について規定をしているにもかかわらず、実際は許可を受けた全国約三万とも言われる処理業者に処理を委託している割合が実に多いと言われておるわけであります。
 そこで、まずこの委託処理の割合はどのくらいなのか、また処理業者の企業規模はどのくらいなのか、簡潔にお伺いをしたいというふうに思います。
 また、あわせて、厚生省は産業廃棄物処理業者に対する総合的な振興、育成策を検討しているともお聞きをしておりますので、こうした支援策についてもっと早目に行っておれば今日の深刻な産業廃棄物問題は回避できたというふうに考えるわけでありますけれども、産廃処理業者の振興、育成策をどのように検討しておられるのか、御説明いただきたいというふうに思います。
#297
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法におきましては、産業廃棄物についての排出事業者による処理の原則を十条一項で定めておりますが、その趣旨は、事業者が自己が排出いたしました産業廃棄物をみずから処理するか、みずから処理しない場合にはその者の負担で処理業者等に適切に委託して処理させること、こういうことで事業者責任を果たさせようとしておる規定でございます。
 委託処理の割合は近年高まっておりまして、廃棄物処理法上届け出を要する産業廃棄物処理施設における処理実態から見ますと、委託処理の割合は全産業廃棄物のうちの約四〇%程度に達している状況でございます。
 処理業者の企業規模のお尋ねがございましたが、資本金一千万円程度、従業員数二十人程度の中小企業が多く、他の類似業種の企業と比較をいたしましたときに規模が小さいという状況でございます。
 産業廃棄物処理業者の振興、育成策につきまして、現在の改正法では産業廃棄物処理業について業の許可を更新制、期限をつけるという制度に切りかえますとともに、許可に当たっての欠格条件を強化するなどの措置を図ることといたしまして、悪質な業者の参入の排除に努めますとともに、特別に管理を要する産業廃棄物を処理する業者につきまして、新たに特別管理産業廃棄物処理業という処理業の許可制度を設けまして優良な業者を育成することとしております。
 平成四年度の予算要求におきまして、産業廃棄物処理業者がまとまって総合的な産業廃棄物処理施設の整備を行います場合に低利の融資を行いましたり、税制上の優遇措置を講じられるよう要望しておりますほか、これらの整備のための資金借り入れについての債務保証や利子補給等の事業振興措置を行う財団を新たに設立をいたしまして、その財団に対しまして税制上の優遇措置を講ずるよう要望しておるところでございます。これらの規制及び振興策によりまして、今後とも産業廃棄物処理業者の健全な振興、育成に努めてまいりたいと考えております。
#298
○勝木健司君 もう時間が来ていますので、最後に外務省と厚生省にお伺いしたいと思います。
 バーゼル条約についてでございますが、バーゼル条約は早急に批准すべき条約と思われるわけでありますけれども、次の通常国会で批准する準備はされておられるかどうか、外務省にお尋ねをしたいというふうに思います。
 また、あわせて厚生省に、バーゼル条約を批准するためには国内法の整備が当然必要になってくるわけでありますが、その場合のマニフェスト制度の適用廃棄物は今回の廃棄物処理法の改正の中で適用されている廃棄物以外にも広がる可能性があるのかどうか、お尋ねをいたしたいというふうに思います。
#299
○説明員(花角和男君) 先生御指摘のバーゼル条約につきましては、その重要性を十分認識しているところでございます。現在、政府部内で条約上の義務及びその履行を担保するための国内法令等につき鋭意検討中でございます。外務省といたしましては、国内制度の整備に関する関係各省庁の協力も得まして、できるだけ早期に締結できるよう検討を進めていきたいと考えております。
 時期につきましては、現時点で明確に申し上げることは非常に難しいところでございますけれども、次期通常国会に提出する可能性も含めまして、できるだけ早期に提出したいというふうに考えております。
#300
○政府委員(小林康彦君) バーゼル条約の内容につきましては、現在、外務省等の関係省庁と検討を行っているところでございまして、最終的にどういう国内法体制が必要がまだ確定していない状況でございますが、条約の批准のためには国内の廃棄物処理と整合性のとれた廃棄物の輸出入の管理等に関する法律上の手当てが必要であると考えております。
 特別管理廃棄物につきまして、現在法律の上で規定をいたし、その具体的内容を今後定めていくことにしております。特別管理廃棄物とバーゼル条約で輸出入管理をいたしますものと必ずしも一致する必要はないという予測のもとでの作業を行っておりますが、バーゼル条約で掲げております廃棄物リストにつきましては、年次計画を策定いたしまして調査を行った上で、必要なものを特別管理廃棄物として指定していく方針でございます。
#301
○委員長(田渕勲二君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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