くにさくロゴ
1991/09/26 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 厚生委員会 第8号
姉妹サイト
 
1991/09/26 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 厚生委員会 第8号

#1
第121回国会 厚生委員会 第8号
平成三年九月二十六日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月二十五日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     田代由紀男君
 九月二十六日
    辞任         補欠選任
     篠崎 年子君     菅野  壽君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり
    委員長         田渕 勲二君
    理 事
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                竹村 泰子君
                高桑 栄松君
    委 員
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                木暮 山人君
                清水嘉与子君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
               日下部禧代子君
                浜本 万三君
                木庭健太郎君
                沓脱タケ子君
                粟森  喬君
                勝木 健司君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  下条進一郎君
   政府委員
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  小林 康彦君
       厚生省薬務局長  川崎 幸雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        滝澤  朗君
   説明員
       警察庁交通局交
       通指導課長    人見 信男君
       環境庁水質保全
       局海洋汚染・廃
       棄物対策室長   木下 正明君
       外務省経済局海
       洋課長      斎賀富美子君
       大蔵省主計局主
       計官       渡辺 裕泰君
       文部省初等中等
       教育局中学校課
       長        福島 忠彦君
       文部省初等中等
       教育局教科書課
       長        矢野 重典君
       通商産業省立地
       公害局環境政策
       課公害防止指導
       室長       湯本  登君
       通商産業省生活
       産業局紙業印刷
       業課長      増田 達夫君
       労働省労働基準
       局安全衛生部安
       全課長      大関  親君
       自治省行政局公
       務員部能率安全
       推進室長     石橋 孝雄君
       自治省財成局調
       整室長      香山 充弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物
 処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律
 案(第百二十回国会内閣提出、第百二十一回国
 会衆謝院送付)
○連合審査会に関する件
○議案の撤回に関する件
○麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法
 律案(第百二十回国会内閣提出、第百二十一回
 国会衆議院送付)
○国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を
 助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向
 精神薬取締法等の特例等に関する法律案(第百
 二十回国会内閣提出、第百二十一回国会衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十五日、岩崎純三君が委員を辞任され、その補欠として田代由紀男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田渕勲二君) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御番言願います。
#4
○日下部禧代子君 まず最初に、清掃職場の安全衛生につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 清掃事業を進める上で清掃現場において労働災害の発生率が非常に高いということは、二十四日本委員会における浜本先生の御質疑におきましても明らかにされたところでございます。
 例えば、私自身実際に調査に加わりました事故がかなりございますけれども、その中の一つで、昨年の十月、仙台市の今泉工場での爆発事故というのは、五人重傷、一人死亡、そして今なお二人が入院していらっしゃるという事故がございました。実際に現場に調査に参りましたが、真っ黒に焦げたというよりも溶けてしまった洋服の破片などが壁にこびりついているというふうな、大変な状況でございました。また、昨年兵庫県の香住におきまして、焼却炉に作業員が落ちてしまったという事故もございます。
 清掃事業というのは日進月歩で進んでいるにもかかわらず、標準的な作業方法などについて示している清掃事業における安全衛生管理要綱というのは昭和五十七年につくられたものでございます。廃棄物の内容も生活様式、消費パターンなどの変化によって常に変化しております。さらに、今後、廃棄物処理法が成立するとすれば、分別収集、リサイクルなどの新しい作業が加わることになります。今述べました仙台の今泉工場の爆発災害は、施設を施工した業者ですら予想できなかったというふうに言っております。したがって防爆装置も全然ついていない工場でございました。
 安全対策が後手後手に回っているのではないかということを、私その現場を拝見いたしまして非常に感じたわけでございますが、清掃施設の構造基準の見直しというものをこの際抜本的に見直すというふうなことはお考えになっていらっしゃいませんでしょうか。
#5
○政府委員(小林康彦君) お答えいたします。
 廃棄物処理事業におきます労働安全衛生対策につきましては、労働安全衛生法規により必要な規制がなされているところでございますが、厚生省といたしましても、従来から地方公共団体に対しまして通知を行いまして安全衛生対策の徹底を図ってきたところでございます。
 また、お話もございましたように、施設の構造に関しまして、ごみ処理施設構造指針及び廃棄物処理事業における事故防止マニュアルを策定いたしまして、それに基づき必要な措置を講ずるよう指導しているところでございます。特に、ごみ処理施設に特有な安全対策の一つとして防爆対策がございますが、その防爆対策にも配慮し、例えばメタンガス等の爆発性ガスについての酸欠場所に準ずる換気、検知器の設置などの対策を講ずることとしております。今後ともこの構造指針及び事故防止マニュアルの周知徹底を図り、安全対策に努めてまいりたいと考えております。
#6
○日下部禧代子君 現場をごらんになりますと、大変な災害が起きているなということを本当に実感なさると思います。ぜひともこれから抜本的にその構造的な面での改善ということをよろしくお願いしたいと思います。
 次に、ことしの七月でございますが、板橋区で、これは民間の清掃業者でございますが、収集車に巻き込まれて死亡するという事故がございましたことも御存じと思いますが、ごみ収集車に巻き込まれるという災害が相変わらず発生しております。昭和六十二年につくられました機械式ごみ収集車の構造等に関する安全指導基準というのが今どの程度守られているのか。具体的に、いわゆる緊急停止装置、赤外線ランプなどの緊急停止装置を備えた収集車というのは、これは台数を明らかにといいますよりも、収集車の何%ぐらいがそういう緊急停止装置を備えているのかということをお尋ねしてみたいと思います。
#7
○政府委員(小林康彦君) ごみ収集車両の労働安全衛生に対しまして、お話のような状況もございまして、事故防止対策として六十二年二月に地方公共団体あてに安全指導基準を通知いたしまして、その充実を図るよう指導しているところでございます。市町村では、その通知を受けまして、緊急停止装置が装備をされました収集車両の整備を行う等事故防止対策を講じているところでございます。
 一般的にこみ収集車両の耐用年数は五年程度でございますので、現在稼働しております収集車両はほとんどこの緊急停止装置が装備をされているものと考えております。
#8
○日下部禧代子君 それでは、今例に挙げました板橋区の事件の場合は、これは緊急停止装置が備わっていたものというふうに考えてよろしゅうございますか。
#9
○政府委員(小林康彦君) お尋ねの件につきましては、私、今確認できる状況にございませんので、調べまして先生の方に御報告したいと思います。
#10
○日下部禧代子君 それでは、ぜひともその点を明らかにして、後でお知らせいただきたいと思います。
 次に、厚生省の廃棄物処理事業における事故防止対策マニュアルについてお尋ねしたいと思います。
 このマニュアルというのは、清掃職場の安全体制を確立するための最低条件を備えているというふうにとらえられております。ところが、収集作業というのは、先日の二十四日の浜本議員の御質疑にもございましたけれども、積み込み作業というのは通常二人以上で行うことになっているとお聞きしております。また、運転手も手伝うことができるというふうな御答弁がその際あったように思います。
 ところが、道路交通法の第七十一条を見ますと、そこには「車両等を離れるときは、その原動機をとめ、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」というふうに述べられておりますけれども、実際に収集革が作業いたしますときには、ほとんどが機械式であり、原動機を運転しながら作業しているということでございます。そういたしますと、積み込み作業を運転手が原動機をそのままにして、とめないで作業を手伝うというふうなことは、これは道路交通法第七十一条に違反するということにはならないのでございましょうか。
#11
○説明員(人見信男君) お答え申し上げます。
 ただいま先生が御指摘ございましたように、道路交通法の七十一条の第五号は、車両等の運転者が「車両等を離れるときは、その原動機をとめ、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」と規定されておるところでありますが、車両から離れたときに当たるのか、あるいは車両を停止の状態に保つために必要な措置を講じていると言えるか否かは、ごみ収集作業の具体的な状況等を勘案しまして個別、具体的に判断する必要がありまして、ごみ収集作業中にエンジンをかけたまま運転席を離れたことをもって直ちに道路交通法七十一条五号に違反すると解することはできないものと考えております。
 以上でございます。
#12
○日下部禧代子君 これは私、調べてきてはおりませんけれども、ブレーキをかけてはいたけれどもエンジンをかけたままで、収集車が後退をして、そして後ろで作業をしている作業員をひき殺した、そういう事故もあったかに記憶がございますけれども、そういう場合も明らかにあるわけでございますが、いかがでございましょうか。
#13
○説明員(人見信男君) 私、先ほどお答え申し上げましたように、運転席から離れてエンジンを切らなかったということだけをもって直ちには違反とは言えないというだけで、いろいろ個別、具体的な場合に応じて七十一条五号が適用される場合もあろうとは思います。
#14
○日下部禧代子君 それでは違反にはならない、ケース・バイ・ケースである、だから違反になることもあるというふうにとらえてよろしいのかしら。
#15
○説明員(人見信男君) 法の適用に当たりましては、個別、具体的に考えさせていただきたいと思います。
#16
○日下部禧代子君 わかりました。どうもありがとうございました。
 それでは、厚生省にお伺いいたしますけれども、運転手が一人で作業員が一人ということで、エンジンをかけたまま作業を手伝うということ、そういうことも今の作業員の配置基準によりますと起き得るということでございますか。
#17
○政府委員(小林康彦君) 厚生省に設けました市町村あるいは作業従事者、学識経験者から成ります廃棄物処理事業における事故防止対策検討委員会の報告書におきまして、事故防止の観点から、廃棄物処理事業の運営管理上留意すべき事項の一つといたしまして、「収集作業は二人以上で行う。」との事項が明記されているところでございます。それぞれの市町村におきますごみ収集にかかわります実際の乗車体制は、労働安全衛生面の確保を前提にいたしまして、住民サービスの確保、収集、運搬の効率的運用等の観点から、それぞれの市町村の実情に即して総合的に決められるべきことでございますので、一概には言えませんが、一般的に運転手が収集作業に加わる場合には運転手を含め二人以上、加わらない場合には三人以上の乗車となるものでございます。
 厚生省では、この委員会の報告に基づきまして労働安全衛生対策の充実が図られますよう、地方公共団体の指導に努めているところでございますが、今後とも必要な指導を行いまして、廃棄物処理事業に伴います事故防止の徹底に努めてまいりたいと考えております。
#18
○日下部禧代子君 そうしますと、運転手はそのまま座席にいて、そのほかに作業員二人、そういうケースもあるということだというふうに思います。そういたしますと、最初に述べましたような運転手一人、作業員一人でやるというふうな場合と、それから運転手さんは運転席にいて、そして作業員が二人でやる、つまり三人でございますね。そういった二つのケース、いわゆる最初のAのケース、それからBのケースというふうに分けますと、その両方のケースともマニュアルにおいては二人以上という意味でとらえてよろしいの。でございましょうか。
#19
○政府委員(小林康彦君) そのとおりでございます。二人以上、二人と言っておりますのは、まず「重量物は、二人で慎重に積み込む。」という規定を置きまして、それから「収集作業は二人以上で行う。」、その収集作業に従事をいたします人が運転手であるかどうかということは、ここは問うておりませんので、運転手が収集作業に従事をいたしますとぎはさらにプラス一人計二人、運転手が加わらない場合には収集作業それのみに携わる方が二人、こういうことで二人あるいは三人のケースがあろうと思っております。
#20
○日下部禧代子君 そういたしました場合には、運転手さんが一人で作業員一人、二人というふうな形と、それから運転手さんは座席にいて作業員が二人という場合、どちらが労働災害という観点あるいは安全ということから考えましたならばよりいい方法であるのか、方法というのはおかしいですね、よりベターであるかということになりますと、これはもう明らかだと思います。その点いかがでございましょうか。
#21
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の排出の形態でございますとか、その地域の交通事情でございますとか、廃棄物を集積してあります条件でございますとか、それらの条件を考えながらの判断でございますので、労働安全衛生の確保を前提にしながら、そうした地域の実情に応じて市町村長が適切に判断をされるべき事柄というふうに考えております。
#22
○日下部禧代子君 さまざまな状況によってというふうにはおっしゃいましたけれども、基本的に考えて、運転者は運転席にいて、そしてそのほかに作業員が二人、合計で三人ということがより安全だというのはどなたが考えても常識的に考えることだと思いますが、その点もう一度お聞きいたします。
#23
○政府委員(小林康彦君) 安全確保という点では、お話のように運転手が運転席にいるのは、これがいかなる場合にも対応ができるという点で安全性は高いものと思いますが、その地域の実情によりまして、運転手が運転席を離れても労働安全衛生が確保できるという状況もございますので、それぞれの市町村の判断で安全が確保できるものと考えます。
#24
○日下部禧代子君 先ほども申し上げましたように、安全であるというふうに考えられていても、収集車というのは原動機をとめないで収集作業をするということが前提である以上、やはり危険率は非常に高いということがあると思います。全く安全であり得るということはないわけでございまして、その点を考えて、それは地域別、状況によりけりというふうなただし書きを取り除いて、運転手は運転手、その他に二人以上ということを、これから厚生省としてはその方向で進めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#25
○政府委員(小林康彦君) 具体的にどういう職員の従事体制をとるかといいますのは、労働安全衛生を前提としながら、やはりいろいろの条件がございますので、市町村長の判断を尊重すべきもの、安全確保が最重点な案件であることは御指摘のとおりと考えます。
#26
○日下部禧代子君 それでは、今のお言葉、それ以上をなかなかお聞きすることは難しいと思いますけれども、実際にさまざまな事故が起きてからでは遅いのでございます。したがいまして、安全対策というのは、予防ということを考えますと、万全の人員配置がきちんと確保されねばならないということをつけ加えまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、今回審議されております廃棄物の処理及び清掃に関する法律案に関します質問に移らせていただきます。
 まず最初に、大臣にお尋ねしたいというふうに思います。
 現在、日本はいわゆる使い捨て社会というふうに言われております。大量消費、大量廃棄型の社会の仕組みになっておりまして、いわば世界のあらゆる資源を日本が食いつぶしているというふうなことも言われております。膨大な資源の採掘や採取とともに、廃棄物の投棄などによって地球環境に日本は大きな悪い影響を及ぼしていると言われております。また、多くの発展途上国の貧困と環境破壊の原因が日本を含めた先進国の利益に偏った国際経済の構造にあるというふうにも言われております。
 このような悪循環を断ち切って、また国際的に貢献していくためにも、国の経済政策における環境保全が最優先のことはもちろんのこと、企業の責任による廃棄物の減量化、再資源化の徹底、リサイクル型の消費生活そのものの推進を図ってい。かなければならない、そういう時期に来ているわけでございますが、グローバルな見地から廃棄物の問題を厚生大臣はどのようにとらえていらっしゃいますのか、厚生大臣のいわば哲学というようなものをお聞きしておきたいと思います。
#27
○国務大臣(下条進一郎君) 委員御指摘のように、廃棄物を取り巻く環境はまことに厳しいものがあるわけでございます。そういう状況に対応するためには、出てきた廃棄物を単に燃やして埋めるという従来の方法から、排出量をまず減らす、そしてできる限り再生利用をしていこうという考え方に立って、それでもなお残ったものの処分にまた配慮してまいるというような、幾つかの段階において少し考え方を突き詰めて取り組んでまいりたい、こういうことでございます。
 今回お願いしております廃棄物処理法の改正は、こういうような方向に向けての第一歩である、このように認識しておるわけでございます。今後は、改正法が真に実りあるものとなりますように、廃棄物問題の解決に必要不可欠なまず国民の理解と協力を得ながら、新しい廃棄物行政の積極的な推進に努めていく考えであります。
 また、経済活動と環境の関係について御指摘でございますが、この点は人類の将来の発展基盤である環境を損なうことなく開発を進めることが重要であるという考え方に立ちまして、経済政策と環境政策との連携の強化等を通し、環境保全と経済的発展の両立を図っていくことが必要である、このように考えております。
#28
○日下部禧代子君 どうもありがとうございました。
 ところで、今回の廃棄物処理法の改正案というのは、昨年十二月十日の生活環境審議会の答申が下敷きになっているというふうに理解しております。生活環境審議会の答申は、国民運動の展開によって再資源化によるごみの減量化、また、大型家電製品等の処理困難物を指定し自治体が製造業者にその製品の引き取りを求める、あるいは処理費用を負担させる、また、最終処分場周辺の環境整備を図る、オフィスの紙ごみ等を産業廃棄物とする、産業廃棄物の最終処分場建設には自治体も積極的に関与するというような主な柱を立てて、リサイクル社会の構築によってごみの減量化を提言しているものと理解しておりますが、この答申を買いている考え方について、厚生省はどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。
#29
○国務大臣(下条進一郎君) 昨年十二月の生活環境審議会の答申におきましては、廃棄物の発生抑制や資源化、再生利用の推進、中間処理の徹底などを図ることが必要であり、生産、流通、消費に至る経済活動のそれぞれの段階において廃棄物を減量化することが述べられておるのであります。
 したがいまして、改正法案におきましても、答申の趣旨を踏まえ、廃棄物の減量化にはリサイクルの一層の推進が重要という観点から、法の目的といたしまして廃棄物の分別、減量化、再生を明記することにいたしておりますし、また、市町村の一般廃棄物処理計画に排出の抑制、減量化、分別収集に関する事項を定めておりますし、また優良な廃棄物再生事業者を知事登録といたしまして、再生に協力させること等を盛り込んでいるところでございます。
#30
○日下部禧代子君 ありがとうございました。
 ただいまリサイクル社会の構築ということを申し上げましたけれども、リサイクルというのは、個人的な消費過程を終了した製品、つまり廃棄物をごみとして捨てるのではなくて再び生産過程に戻す、そして原料として再利用するということでございます。しかしながら、生産過程ではいわゆる処女資源とか国外から輸入される再生資源と価格の点で競争というものが次第に激しくなっている、そういう現状に今なっているのではないかというふうにとらえておりますけれども、そういうことの結果、例えばちり紙交換というのも町から姿を消してしまっております。回収しても価格の点で処女資源や輸入された再生資源と太刀打ちできないということも現実としてあるように思えるのでございますが、この点について厚生省としてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
#31
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物のリサイクルに当たりまして、市場の安定した確保というのは極めて重要な案件であると考えております。お話がございましたように、古紙などの資源ごみの再生利用につきましては、市況が円高等の経済情勢に大きく左右され、不安定な状態にありますこと、再生品の販路が十分に確立されていないことなどによりまして、停滞をしている状態にあることは御指摘いただいているとおりでございます。
 廃棄物の再生利用を進めます上で市況の回復が期待されますほか、それぞれ所管の省庁がございますので、関係省庁におきまして再生品の利用促進が図られるような措置が講じられることが望ましいところでございまして、厚生省としてもその方向での努力を重ねたいと考えております。
#32
○日下部禧代子君 例えばその努力というのは、どのようなことを具体的に考えられていらっしゃるのでしょうか。
#33
○政府委員(小林康彦君) 別途再生資源利用促進法も制定されておりますので、企業内部あるいは企業活動内部でのリサイクルの促進のほか、今回の廃棄物処理法におきましては、再生事業者の知事への登録制を設けましてこの分野での活動の活発化を図るなど、あるいは市町村によりましては、市町村ごとの市場安定のための努力もされておりますので、それら全体を含めまして厚生省としての支援策を強化してまいりたいと考えております。
#34
○日下部禧代子君 今お言葉にございました廃棄物再生事業者の育成というものに対して、どのような育成措置を講じていらっしゃいますか。
#35
○政府委員(小林康彦君) 今回、廃棄物再生事業者の登録制度を設けておるわけでございますが、廃棄物再生事業者による資源ごみの回収は、住民団体などが行います集団回収及び市町村の行います分別収集と密接な関係を持っておりまして、ごみの減量化、資源の有効利用に大切な役割を果たしているものでございます。
 ただ、昨今の再生事業の不振からその支援措置を講ずる必要が生じておりまして、このため、例えば一部の市町村におきまして分別収集等に協力を行っていただける事業者に対して、廃棄物のストックヤード、保管場所をお貸しするなどの措置を講じている市町村がございます。今回の改正法におきまして、再生事業者の知事への登録制度を設けまして、一般廃棄物の再生に関して市町村との連携が一層密になるよう図ったところでございますが、この登録業者に対しまして、その保有するストックヤードの特別土地保有税における非課税措置を講ずることとしておるところでございます。
 また、平成四年度の予算要求におきましても、地方公共団体に対する再生事業者に関する情報システムあるいは育成、研修のための補助金を新たに要求しているところでございまして、今後とも廃棄物再生事業者の支援のために必要な努力を払ってまいりたいと考えております。
#36
○日下部禧代子君 今、予算措置というふうに言われましたけれども、それはどの程度の予算措置で、具体的にはどのようなことになるわけでございますか。
#37
○政府委員(小林康彦君) 市町村の普及啓蒙活動及び都道府県のこの面での活動及びハード面、施設整備等全体を含めまして、廃棄物処理総合対策事業費といたしまして八十四億円を要求しておるところでございます。
#38
○日下部禧代子君 それでは次に、リサイクルの問題についてもう少しお伺いしてみたいと思います、
 いわゆる再資源化促進法、これは通産省によりますものでございますが、その再資源化促進法における「国民の責務」というものと廃棄物法における「国民の責務」というものではどのように違いがあるのでございましょうか。また、リサイクルにおきまして、再資源化促進法では市民の参加というものが位置づけられていると思いますけれども、両方の法案におきますいわゆる市民の参加の位置づけ、国民の責務というものに関しまして、厚生省と通産省にそれぞれ伺いたいと思います。まず厚生省からお願いいたします。
#39
○政府委員(小林康彦君) 今回の改正法におきまして、その「目的」に「廃棄物の排出を抑制し」、さらに「廃棄物の適正な分別」、「再生」という言葉を加えまして、廃棄物の抑制及び再生を図るという方向を明示したところでございます。
 そして「国民の責務」といたしまして、「国民は、廃棄物の排出を抑制し、再生品の使用等により廃棄物の再生利用を図り、廃棄物を分別して排出し、その生じた廃棄物をなるべく自ら処分すること等により、廃棄物の減量その他その適正な処理に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。」ということで、国民みずから減量化に取り組むとともに、市町村が講じます廃棄物処理計画、この中には減量化の計画も含んでおりますので、その減量化の計画あるいは資源として回収するための分別収集の施策、これらに対する国民の協力の規定を置いたところでございます。
#40
○説明員(湯本登君) 再生資源利用促進法第五条におきまして、「消費者は、再生資源の利用を促進するよう努めるとともに、国、地方公共団体及び事業者がこの法律の目的を達成するために行う措置に協力するものとする。」という規定を置いているところでございます。
 具体的な内容としましては、再生資源の利用促進という観点から、再生資源を原材料として用いた製品、例えば古紙を利用した再生紙の使用に努めること、あるいはリターナブル飲料容器についてできるだけ傷つけずに大切に使用することにより、容器の回収利用が円滑に行われるよう消費者として協力すること、さらに、市町村や地域単位で実施する古紙、瓶、アルミ缶、スチール缶等の分別回収の取り組みに協力すること、そういったものを念頭に置いているものでございます。
 このような消費者の幅広い協力は、リサイクルの促進にとりまして必要不可欠でございまして、国としましても、教育活動、広報活動等を通じましてリサイクルの促進に関する国民の理解を深めること等に努めてまいることとしているところでございます。
#41
○日下部禧代子君 それでは、リサイクルという観点におきましては、再資源化促進法あるいはただいま審議しております廃棄物法案におきましても、やはり市民の参加というのは同じような位置づけというふうにとらえてよろしいのでしょうか。厚生省と通産省にお伺いいたします。
#42
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法におきましては、国民の立場及び市町村の廃棄物処理行政の立場を立脚点としておりまして、国民みずから、あるいは地域ぐるみでの活動、あるいは市町村におきます廃棄物の再生、減量化への施策、これらを軸としておるものでございます。再生資源利用促進法とは法律の目的、観点が多少違いますので、一部重なるところがございましても、私どもは廃棄物処理法の観点からの取り組みを中心にしておるところでございます。
#43
○説明員(湯本登君) リサイクルの促進という観点につきましては、基本的には廃棄物処理法と再生資源利用促進法における考え方は同様というふうに考えております。
#44
○日下部禧代子君 いずれにいたしましても、廃棄物の問題におきましては、一番底辺、一番基本的なところには市民の参加ということがなければ、幾ら法律をつくりましても、これはなかなか具体的に日本全体を巻き込んでいくということにはならないと思います。そういった点で、どちらの法律がどうということにかかわらず、市民参加の位置づけというのはきちんとしておかねばならないと私は思います。その点を重ねて申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、いわゆる業者が行う回収とボランティアが行うリサイクル活動というものの、これは分担があるというふうにお考えなのでしょうか。業者というのは、プロというのは営利を目的にして行っておりまして、一方はいわゆる奉仕活動ということではございますが、この調整というものをどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#45
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物のリサイクルにつきましては、いろいろの形態がございまして、企業を中心にして行われますもの、あるいは学校等の地域単位で行われますもの、市町村が積極的に音頭をとりまして再生事業者等が市町村と協力をして回収いたしますもの、あるいは市町村みずから直営方式で資源になります廃棄物を回収いたしますもの、あるいは収集をいたしました後に処理の過程から廃棄物の中から有価物を抽出してまいりますような作業、いろいろな形態がございます。
 これら全体を考慮しながら、市町村では一般廃棄物処理計画を策定するということにしておりまして、今回一般廃棄物処理計画にこのような再生に関します視点、事項を入れまして、全体的な基本的な計画を市町村が取りまとめ、整合性のある形でリサイクルが推進をされるようにということで法律の規定を整備したところでございます。
#46
○日下部禧代子君 同じ質問を通産省にもお願いいたします。
#47
○説明員(湯本登君) 再生資源の利用の促進という観点で、そういった回収業者の果たす役割というのは非常に重要な役割を果たしているというふうに認識しております。また同様に、地域地域におけるボランティアのさまざまな活動というのも大変貴重な役割を果たしているということで認識をしております。両者の関係につきましては、それぞれの持ち場持ち場で適切にリサイクルの促進に同じ方向に向けて一層の努力をされるということが適当ではないかというふうに考えているところでございます。
#48
○日下部禧代子君 それでは次に、再資源化法におきますリサイクルの率につきまして、厚生省の側としましてはどのようにコミットしていくというふうに考えていらっしゃるのでしょうか。例えばアルミ缶だとかお酒の瓶等、そういった具体的な例でお示しいただければと思います。
#49
○政府委員(小林康彦君) 再生資源利用促進法に基づきまして、製造業者等の事業者が再生資源の有効利用を図ることは、廃棄物の減量化、再生利用を推進する上でも重要であると私どもも認識をしております。
 このような観点から、再生資源利用促進法と廃棄物処理法とがいわゆる車の両輪として相互に補完するよう、今回の改正案におきまして、厚生大臣が事業所管大臣に対しまして製品、容器等の材質またはその処理方法を表示させることを初め、必要な措置を講ずるよう求めることができることとしております。この規定を適切に運用することなどによりまして、再生資源利用促進法に基づきます事業者の取り組みについて、厚生省としても廃棄物処理の観点から必要に応じて関与していくこととしております。
 廃棄物処理法が成立をいたしましたら、例えば御指摘のありましたものにつきましても、厚生省としての考えをまとめていきたいというふうに考えております。
#50
○日下部禧代子君 次に、いわゆる再資源化促進法における回収業者と廃棄物処理法案における処分業者とめ関係がどうなっているのかということについてお聞きしたいと思います。
 今回提出されております廃棄物法案では、廃棄物の運搬業者と処理業者が分かれて規定されるということになっておりますけれども、その中で、処理業者というのは、その中間処理を行う際には有価物として回収に適する物が出てくるというふうには考えられますが、再資源化促進法案では、この回収業者との関係をどのようにとらえればよろしいのでございましょうか。処理業者と回収業者との連携というものがございますればあるほと再資源化ということもより一層促進されるのではないかと思いますが、これも両省にお聞きしたいと思います。
#51
○政府委員(小林康彦君) 今回、廃棄物処理業につきまして、御指摘のような区分を行ったわけでございますが、これは排出事業者が委託をいたします場合に適切な委託ができるように、かつそれぞれの業が健全に育成、活躍できるようにという観点からでございます。
 したがいまして、廃棄物として収集、運搬あるいは中間処理、最終処分を業として行います場合には、それぞれの許可が必要でございまして、その処理の過程から有価なものが出てまいります場合も、廃棄物として処理をするという前提でありますと、廃棄物処理法の規制がかかるわけでございます。再生資源利用促進法の観点から制度がございます場合は、そこから再生資源利用促進法の制度もかかってくるというふうに理解をしております。
#52
○説明員(湯本登君) 再生資源利用促進法におきましては、「資源の有効な利用の確保を図るとともに、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資する」ことを目的としておりまして、このような観点から再生資源の原材料としての利用確保を図ること、取り扱われる製品が再生資源として利用されやすくすること、表示により分別回収がなされやすくすること、副産物が利用されやすくすることを具体的に法律において規定しているところでございます。これらの措置はいずれも製品の製造、加工、販売等の事業者を主として対象としたものでございまして、再生資源利用促進法におきましては、御指摘の回収業者につきまして特段の規定を設けておらないところでございます。
 以上でございます。
#53
○日下部禧代子君 それでは、処理業者と回収業者とは連携ができ得るというふうにとらえてよろしいのでございましょうか。両省にお伺いいたします。
#54
○政府委員(小林康彦君) その業の形態によりまして、十分連携ができるものと考えております。
#55
○説明員(湯本登君) 処理業者と回収業者が連携してリサイクルに取り組むことは大変好ましいことというふうに考えております。
#56
○日下部禧代子君 それでは、厚生省にお伺いいたします。
 いわゆる企業に対するリサイクル協力依頼について、厚生省というのはどのような具体的なことをお考えになっていらっしゃるでしょうか。具体的に言うと、例えば厚生大臣が直接企業のトップにお会いになって協力要請をなさるとか、そういうふうなことは考え得ることなんでございましょうか。
#57
○政府委員(小林康彦君) 現在の廃棄物処理法におきまして、既に事業者の責務といたしまして、事業活動に伴って生じます廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量等に努めることが定められており、これに基づき、使い捨て製品の自粛等について企業に対して必要な要請を今までも行ってきたところでございます。
 今回の改正法案では、新たに「廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。」との規定が追加されておりまして、現行法の事業者の責務規定と相まちまして、リサイクルを含む適正処理の推進について今まで以上に協力を求めやすくなったと考えております。
 さらに、改正法案におきまして、廃棄物行政を所管いたします厚生大臣から、物の製造、加工、販売等の事業所管大臣に対し、その所管にかかわります製造者等に表示その他の必要な措置を講じさせるよう求めることができることとしております。したがいまして、今後は企業に対して廃棄物の減量化等について、従来どおり直接要請を行いますとともに、必要な場合には事業所管大臣に要請することによりまして、より効果的な企業の指導を行ってまいりたいと考えております。
#58
○日下部禧代子君 今のお言葉にございましたが、所管大臣を通じてということがございますけれども、所管大臣を通じないで直接企業のトップと厚生大臣がお話し合いになるというふうなことは考えられないことでございましょうか。
#59
○政府委員(小林康彦君) 厚生大臣が直接要請を行うというのは今までも行ってまいりましたし、その方向、やり方というのは改正法においてもそのまま継続しておるところでございます。その上にさらに実効を高めるため、それぞれの事業所管大臣に対します要請の規定を入れさせていただいたところでございます。
#60
○日下部禧代子君 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 ことし四月の十六日の再生資源の利用の促進に関する法律案の連合審査会におきまして、私質問をさせていただきましたが、その際、再生資源ではなく廃棄物と言って再資源利用促進法から逃れて、一方また再生資源であるからと言って廃棄物処理法から逃れる、そういう合法的に言い抜ける根拠を提供するような懸念はないかというふうな御質問をさせていただきました。なかなか納得のいくお答えをいただかないで、どうもわかりませんというふうな私の言葉で次に移っているのでございますが、そこで、きょう改めて廃棄物の定義についてお伺いさせていただきたいと思います。
 厚生省の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について」という環境衛生局環境整備課長通知というのを拝見いたしますと、「廃棄物とは、占有者が自ら、利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になつた物をいい、これらに該当するか否かは、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものであって、排出された時点で客観的に廃棄物として観念できるものではないこと。」というふうな定義がなされております。
 これが現在の廃棄物に関する政府の定義というふうにとらえてよろしゅうございますか。
#61
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の定義に関するお尋ねでございますが、廃棄物処理法におきまして、「「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃えがら、汚てい、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のものをいう。」と定義をされておるところでございますが、その後、社会的な状況等もございまして、お話しのような通知をしてお岩ところでございます。
 具体的には、客観的には廃棄物とは言えないようなものでございましても、環境保全上支障がある方法で廃棄されて問題となりましたり、逆に客観的に見れば廃棄物でございましても、有償で購入され、環境保全上支障がない方法で再生利用される場合が出てきた、こんなような状況もございまして、昭和五十二年にただいまお読みいただきましたような考え方を示し、それに沿って取り扱われることとさせたものでございます。
 廃棄物を適正に処理いたしますためには、今後とも廃棄物であるか否かの判断を的確に行う必要がございますが、廃棄物につきましては、その性格上、特に最近のように社会活動が複雑になり、かつ経済活動が盛んだ、こういう状況のもとでは、画一的な定義が困難な場合がございますので、その範囲につきましては、事例を積み重ねていくべきものと考えております。今後、必要に応じまして個別事例について明確にいたしますとともに、地方公共団体の担当者等への周知徹底について十分配慮してまいることとしております。
#62
○日下部禧代子君 今読みましたのは、現在の定義でございますが、その前には廃棄物の定義というのは、同じ厚生省の環境衛生局長の通知によりますく「廃棄物とは、ごみ、粗大ごみ、汚てい、廃油、ふん尿その他の汚物又はその排出実態等からみて客観的に不要物として把握することができるもの」というふうになっております。それが、「客観的に廃棄物として観念できるものではないこと。」というふうに変わってきております。これがいわゆる主観説と客観説というふうに云々されているゆえんだろうというふうに思うわけでございますが、この廃棄物の定義というのが客観説から主観説と言われるものに変わったその最大の理由というのはどういうところにございますか。
#63
○政府委員(小林康彦君) わかりやすい例で申し上げますと、例えば新品のワイシャツがごみ置き場にあるといたしますと、かつてはこれは遺失物というような形で、廃棄物ではないだろうという目でまず扱ったものでございますが、近年の経済活動の活発化に伴いまして、新品がそのまま廃棄物として市町村のステーションに出ましたり、処分場に持ち込まれたりと、こんな事例も多くなってきておるわけでございます。したがいまして、物を見ただけではそれが廃棄物なのか廃棄物でないものなのかの識別が非常に困難になったという状況がございますのと、それから先ほど申し上げました処理についての問題のある実態等もございまして、五十二年の通知になったものと理解をしております。
#64
○日下部禧代子君 再生資源の利用の促進に関する法律では、再生資源というのは次のように定義されております。「「再生資源」とは、一度使用され、若しくは使用されずに収集され、若しくは廃棄された物品又は製品の製造、加工、修理若しくは販売、エネルギーの供給若しくは土木建築に関する工事に伴い副次的に得られた物品のうち有用なものであって、原材料として利用することができるもの又はその可能性のあるものをいう。」、これも何かちょっとよくわからないんですが、というふうにされております。
 廃棄物と再生資源というのは、競合している部分というものがあるということがわかりますけれども、つまり一つの物が廃棄物になったり、再生資源になったりするわけでございます。また、有価物であっても、原材料として利用することができないもの、またその可能性のないものは再生資源ではないというふうなことになるわけです。廃棄物、有価物、そして再生資源、この三者の関係をもう少しわかりやすく御説明をいただきたいと思うのでございますが、特に、廃棄物という考え方と再生資源という考え方が競合することがあるのかないのか。厚生省と通産省、両方の御見解をいただきたいというふうに思います。
 厚生省には重ねて、再生資源という概念の設定によって、廃棄物の概念というものが従前より狭くなったというふうなことはないのでしょうか、そのこともお聞きしたいと思います。
#65
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法と再生資源利用促進法の定義の部分につきましては、先ほど来お読みいただいておるとおりでございます。そうした定義、概念によりまして廃棄物あるいは再生資源を規定しておるわけでございまして、廃棄物と再生資源とは画然と区別されているわけではございませんで、再生資源でございましても、廃棄物処理法に規定をいたします廃棄物に該当するものがあると想定をされておりまして、廃棄物処理法で言います廃棄物に該当するものにつきましては、再生資源利用促進法の措置の有無にかかわりませず廃棄物処理法により規制されるものでございます。
 廃棄物処理法におきます廃棄物の範囲、定義といいますのは、再生資源利用促進法ができました前後におきまして内容的に変化はございません。
#66
○説明員(湯本登君) 再生資源につきましては、先ほど先生読まれましたとおり、再生資源利用促進法におきまして定義をされておるところでございますし、また廃棄物につきましては、廃棄物処理法におきましてその法目的に従った形で定義がされているところでございます。このように、それぞれの物につきましては、異なる法律で別個に定義がされているものでございまして、廃棄物であるから再生資源に該当しない、あるいは再生資源であるから廃棄物に該当しないといったような排他的な関係にはございません。
 なお、一般的に両者の関係について申し上げれば、これは一般的な例でございますが、使用された物品や副産物が資源として有効に利用されるか否か、そういった観点で再生資源と廃棄物というのが区分されるのではないかというふうに考えております。
#67
○日下部禧代子君 ただいま御説明を承りますと、それぞれに定義というのがございますけれども、実際の場面におきましては、やはりこれが廃棄物処理法の方にとらえられるのか、あるいはまたこれは再生資源かというふうなことで、その両方の網の目をくぐるということがこれからも非常に出てくるのではないか。
 私は、連合審査のときには豊島のミミズとそれから有害廃棄物の問題を申し上げましたけれども、そういった現状がこれからもたびたび出てくるのではないかということを非常に懸念しております。したがいまして、定義はこれはいわゆる概念としてとらえられますけれども、現場におきましてそういう二つの法の網を逃れることのないように、ぜひともよろしくお願いしておきたいと思います。
 次の質問でございますが、実際に原材料に使用するかどうかということを判断してということでございますが、最終処分場以外のところで放置されている廃棄物あるいは再生資源、そういったものはだれがどのような手続を踏まえて、これが廃棄物、これが再生資源だというふうに判断をなさるのか、どのような手続をするのか、その点をわかりやすくお伺いさせていただきたいと思います。
#68
○政府委員(小林康彦君) ある物が廃棄物であるか否かにつきましては、その物によりまして取り扱いあるいは判断というものが個々ばらばらでございます。一般的に、市町村の廃棄物の集積場所に出されておりまして、特別な物以外はそこに出されている物は廃棄物と観念をして市町村が収集するというのが通常でございますが、例えば昨今問題になっておりますような放置された自動車のようなものを想定いたしますと、それが廃棄物であるか否かにつきましては、いろいろな観点から総合的な判定をして廃棄物として認定するという手順あるいは方法が必要であろうと思っておりまして、その放置された自動車を見て即廃棄物として認定できるかどうか、今後の課題として少し残しておるところでございます。
#69
○説明員(湯本登君) 個々の物資が再生資源に該当するか否かにつきましては、再生資源利用促進法の定義を踏まえまして、当該物資の製造、販売等の事業を所管する大臣が、その利用状況等を踏まえた上で適切に判断するということになっております。
#70
○日下部禧代子君 具体的にというふうにお伺いしたんですけれども、やはり余り具体的にはイメージがわかないのでございます。これは傍聴席にいらっしゃる皆様方、どうでございましょうか。私は頭が悪いのか余り具体的によくイメージがわかないのでございますが、実際の現場におきまして一体どうなるのかということになります。
 例えば自転車だとかいろんな廃棄物、ごみ捨て場に置かれているものを、私の友人の外国人などはこれはごみではないというふうに思いまして、早速自分の家に持って帰りまして非常にきれいに磨き上げまして、どこで買ってきたの、すばらしい骨とう品じゃないのというふうなものを日本の方たちのごみ捨て場から拾ってきていらっしゃいます。これはどっちのどういう概念になるのか、かつての廃棄物の概念でございますと、放置されているものではなくていわゆる遺失物になって、窃盗罪になるのかもわかりませんけれども、実際には具体的にさまざまにそういう混乱というのが起きるような気もいたします。ただ、混乱なら笑い話で済みますけれども、法の網の目をくぐるというふうなことにならないようにぜひともよろしくお願いをしておきます。
 次の質問に移らせていただきます。
 いわゆる適正処理困難物というものについての質問をさせていただきたいと思うんですが、適正処理困難物という制度は、もちろん御承知のように現行法にもございます。「事業者の責務」の中に、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行なうことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」というふうに言われております。
 事務次官通知によりますと、「事業活動に伴って生産される生産物が最終的には住民の手から廃棄物として排出されることにかんがみ、地方公共団体は、事業者に対してその製造、加工等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合において処理が困難となることのないように勧告するものと。し、必要に応じて回収その他の措置によって市町村の清掃事業に協力させる等の指導を行なうことができる」とされております。
 こうなりますと、今までにどのような廃棄物を適正処理困難物として地方公共団体に指導とか助言を行っていらしたのでしょうか。適正処理困難物の例、そしてまた地方公共団体による指導、助言の件数が統計として把握されていらっしゃいましたら、ぜひお知らせいただきたいと思います。
#71
○政府委員(小林康彦君) いわゆる適正処理困難物につきましては、廃棄物処理法第三条第二項に基づきまして、製造事業者等に対して市町村の清掃事業への協力を指導できる旨、法制定時の昭和四十六年に厚生事務次官及び環境衛生局長から通知されておりまして、また昭和六十二年には、事業者がその製品等の廃棄物処理困難性を自己評価するためのガイドラインが水道環境部長から通知をされているところでございます。
 ここで想定されております処理困難性は、処理技術の向上とともに変遷するものと考えられておりますが、法制定当初はプラスチック製品が、ガイドライン設定時は大型家電製品などが想定されているところでございます。また、このガイドラインの趣旨に基づきまして、地方公共団体と事業者の間で連携をとりつつ製品等の評価が推進をされているものと考えております。
#72
○日下部禧代子君 この適正処理困難物の指定というのは、厚生大臣がいわゆる事業所管大臣の意見を聞いて指定するということでございますが、その指定を行う際に、事業所管大臣の意見を聞かなければならないわけでございますが、この事業所管大臣の意見が非常に消極的であった場合、厚生大臣はどういうふうになさるのか。
 また、市町村長というのは、適正処理困難物の指定に係る製品の製造等を行う事業者に対して、その処理に関して必要な協力を求めることができるようになっておりますが、厚生大臣は、事業所管大臣に対してのみ市町村が事業者の協力を得ることができるよう必要な措置を要請することができるようになっております。廃棄物行政の責任者でいらっしゃいます厚生大臣が直接事業者に要請することができないというふうな法律の構成になっているわけでございますが、適正処理困難物の指定に際しても事業所管大臣の意見に妨げられるということもあり得ると思うわけでございます。事業者に対する要請も直接できずに事業所管大臣を介して行うということになりますと、廃棄物行政の責任官庁の大臣でいらっしゃる厚生大臣といたしましては、この辺のところをどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか。
#73
○政府委員(小林康彦君) 今回の改正法で入れました適正処理が困難な廃棄物の指定につきましては、市町村におきます一般廃棄物の処理の状況を客観的に調査いたしまして、一定の要件に合致するものについて行うこととしております。こうしたことから、指定につきまして事業所管大臣の理解が得られるものと考えております。
#74
○日下部禧代子君 やはりそれはどうしても間接的でありまして、直接に厚生大臣のお考えといいますか、力が及ばないということにもなるのではないかと懸念するわけでございます。
 では、次の質問に移ります。
 いわゆる廃棄物の区分につきまして、生活環境審議会は、事業系一般廃棄物と家庭系廃棄物を区分すべきだというふうに述べておりますが、今回の法案ではそうなっておりません。どうして答申どおりの区分ができなかったのでございましょうか。
#75
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物と産業廃棄物の区分の見直しにつきましては、市町村の廃棄物処理行政などに与えます影響が極めて大きいものでありますことから、慎重な検討が必要であると考えております。
 廃棄物の区分を家庭系と事業系に区分して、一般廃棄物は家庭系に限定するなど廃棄物の区分の基本を見直す、こういう考え方もございますが、生活環境審議会の答申にもありますように、地方公共団体の廃棄物処理行政に与える影響あるいは処理業者の処理の現状、これらに留意をしつつ中長期的に検討していくことが適当であると判断をしたところでございます。
#76
○日下部禧代子君 いわゆる産業廃棄物というのは廃棄物のほとんどを占めているというふうになっておりますが、その産業廃棄物の定義について見ますと、現行法も改正法む変わっておりませんけれども、生活環境審議会の答申におきましては、「廃棄物の区分の見直し」として、「とくに、オフィスから排出される紙くずや建設業に係る紙くず、木くずなどについては、産業廃棄物とする方向で検討する必要がある。」「少なくとも、これらについては回収や処理コストの負担を排出事業者自身に求める必要がある。」というふうにしておりますけれども、この点につきましても答申どおりではございませんが、なぜこのようになったのか、お聞かせいただきたいと思います。
#77
○政府委員(小林康彦君) 昨年十二月、厚生大臣に提出されました生活環境審議会答申におきましては、オフィスからの紙くず等を「産業廃棄物とする方向で検討」すべきであるとの御提言をいただき、検討をしたところでございますが、事業系一般廃棄物は既に一般廃棄物としての処理ルートが整備されておりまして、現行の処理体制の急激な変更はかえって混乱を招くおそれがあることなどの理由から、答申におきましても、「少なくとも、これらについては回収や処理コストの負担を排出事業者自身に求める必要がある。」と述べているところでございますので、この提言を踏まえまして、事業系一般廃棄物としての事業者責任の強化を図ることとしたものでございます。
 一般廃棄物と産業廃棄物の区分の見直しにつきましては、市町村の廃棄物処理行政などに与える影響が極めて大きなものでございますので、慎重な検討が必要と考えておりまして、その結果、事業者責任の強化という方向を選んだものでございます。
#78
○日下部禧代子君 第十二条の二第一項では、特別管理産業廃棄物について、事業者がみずから運搬、処分を行う場合には、政令に定める基準に従わなければならないとなっておりますが、これに違反した場合には罰則はどのようになっておりますでしょうか。
#79
○政府委員(小林康彦君) 特別管理産業廃棄物の処分基準違反行為につきましては、排出事業者及び特別管理産業廃棄物処理業者のいずれの場合におきましても、処分基準違反行為の態様がさまざまでありますことなどの理由から、直接の罰則は設けていないところでございます。
 しかしながら、処分基準に違反をしました行為に対しまして、都道府県知事が排出事業者に対してだけでなく、特別管理産業廃棄物処理業者に対しましても「保管、収集、運搬又は処分の方法の変更」等の措置を命ずることができることとし、この命令に違反をしました行為者については、「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」こととしております。
 なお、処分基準違反の態様が著しく不法投棄に該当すると判断をされます行為につきましては、不法投棄として直接的に同様の罰則を処することとしております。
#80
○日下部禧代子君 それでは次に、産業廃棄物につきまして御質問したいと思います。特に産業廃棄物の実態把握について御質問をさせていただきたいと思います。
 昭和五十六年の四月二十八日、ちょっと古くなりますけれども、参議院の運輸委員会におきまして、広域臨海環境整備センター法案が論じられましたときに、そこでの質疑で安恒委員が質問なさっておりますが、その際、政府はいわゆも産業廃棄物の不法投棄の実態の把握、処理の現状、そういったものに関して警察庁のデータ以外にはお持ち合わせではない、そのような議事録を私は見たわけでございますけれども、これは大臣もそのことを認めていらっしゃいます。調査、チェックはしていないということを認めていらっしゃるわけでございますが、それからもう十年もたっております。今現在、この産業廃棄物の実態把握というのは警察庁の統計のみではなく、厚生省としてはどのように実態把握をなさっていらっしゃいますでしょうか。
#81
○政府委員(小林康彦君) 不法投棄に関します数字といたしましては、警察庁の統計によるものがございますが、それ以外に厚生省といたしまして、無許可業者の実態につきましての調査につきましては、環境衛生指導員等の充実で努めてきているところでございますし、処理施設の整備状況、各都道府県におきます行政措置の状況等につきましては、毎年厚生省として調査をし、その実態把握に努めているところでございます。
#82
○日下部禧代子君 いわゆる政令都市の中には所管の地域内に一カ所も最終処理場を持たない市もあるわけでございます。ところが、産業廃棄物というのは大体その都市の中で処理されるのではなくて、地域外で処理されているわけでございますね。産業廃棄物が一体どこへ出されたのかという、そのような追跡調査あるいはクロスチェックというものはなされているのでございましょうか。
#83
○政府委員(小林康彦君) 厚生省でも大都市圏を中心にいたしまして、広域的な移動の把握に調査によりまして努めているところでございます。今回、改正法におきまして、産業廃棄物の適正処理を推進いたしますためにマニフェスト制度が設けられ、その実施に伴いまして産業廃棄物に関する情報の収集、活用等の管理を行うことの必要性はますます重要になっております。
 このため、廃棄物の情報管理につきましては、平成三年度の予算におきまして、産業廃棄物適正処理・再生利用推進費の中に適正処理情報管理推進費四千五百万円を計上してございまして、排出事業者、処理業者、処理施設、再生などに関するデータベースの作成を行うこととしております。この予算の執行に当たりまして、産業廃棄物の広域的移動の実態に対応して必要な情報、再生を推進するために必要な情報の種類を吟味をいたしました上、幅広い活用が可能な情報管理システムの整備をしていきたいと考えております。
#84
○日下部禧代子君 今、実態調査をなされているというふうにおっしゃいましたけれども、もし、その実態調査とかあるいはクロスチェックというものがきちんと行われていましたならば、例えば福島県の常磐炭鉱の廃鉱跡に何万本ものドラム缶が不法投棄されていて、またにせの処分証明書というのが横行しているなどといったことは起き得ないのではないかと思うのでございますけれども、そういう不法投棄に対する抜本的な対策ということに対しまして、今おっしゃいましたことのほかに、いわゆる広域的な対応をするためにも広域情報管理センターというふうなものを設置する、そして情報を的確に把握する、そういうお考えはございませんでしょうか。
#85
○政府委員(小林康彦君) 不法投棄の予防に関しましては、マニフェストの制度化のほか、処理業者に対します規制の強化あるいは委託基準の強化、罰則の全般的な強化あるいは改善命令の拡充等の措置を入れているところでございますが、お話がございましたような、広域的な情報管理センターのような組織につきまして、将来はそうした方向をにらみながら、当面は都道府県に報告をされます情報をベースとして総合的な情報管理を進めてまいりたいと考えております。
#86
○日下部禧代子君 今マニフェスト制度とおっしゃいましたけれども、このマニフェスト制度におきまして、例えば社会党などが主張しておりましたマニフェストの伝票につきまして、一枚を都道府県等への提出ということを義務づけることがいいのではないかということに対しまして、衆議院の質疑におきましては、それは不可能であるというふうなお答えが出ておりますけれども、それが不可能な理由はどのような理由でございましょうか。人手が足りないのでございましょうか、あるいは業者の協力が得られないのでございましょうか。
#87
○政府委員(小林康彦君) 改正法案では、排出事業者が特別管理廃棄物にかかわりますマニフェストに関する報告書を都道府県知事に提出すべきことを義務づけております。マニフェストすべてにつきましてという考えがないわけではございませんが、全く問題のない場合もすべてのマニフェス上の個票そのものを知事に提出させること及びマニフェストに関します報告書に個票を添付させるということにつきましては、マニフェストの使用量が膨大なものでございますので、排出事業者が知事に提出をいたします書類の量及び知事が一枚一枚を確認する事務量、この事業量を考えますと、マニフェスト制度がスタートしたばかりであることの観点もございまして、現時点で適当でないと判断をしたところでございます。
 しかしながら、都道府県知事は立入検査及び報告徴収をする権限を持っておりますので、事業者、処理業者にマニフェストを一定期間保管させておきますれば、必要があります場合にはこれらの権限によりマニフェストの個票そのものを見、あるいは提出させることができますので、御指摘のような機能は果たせるものというふうに考えております。
 改正法が成立いたしましたならば、特別管理産業廃棄物の排出事業者及び処理業者の帳簿の記載、保存義務、排出事業者のマニフェストに関する知事への報告義務、これを十分に果たせるよう必要な事項につきまして措置をいたし、マニフェストの実効が上がるよう指導してまいりたいと思っております。
#88
○日下部禧代子君 どうもお話を伺っておりますと、事務量が非常に膨大であるというふうなことも理由に挙げていらっしゃいますけれども、いわゆる人手が足りないということでございましたら、これは大切なことでございますから、環境保全ということ、その立場から考えますと、やはりそこに人手を投入するということは当然なことではないかなというふうに考えます。
 それからまたマニフェストの問題で、これはいわゆる特別管理産業廃棄物管理票ということで、特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストシステムが導入されているわけでございますが、産業廃棄物全体についてこのシステムを導入する、あるいはまた百歩下がりまして、マニフェストの対象品目をいわゆる有害であるとバーゼル条約で定められております四十七品目にまで拡大する、そういうお考えはございませんでしょうか。
#89
○政府委員(小林康彦君) マニフェストシステムは、排出事業者によります廃棄物の流れの把握及び廃棄物の性状等に関します情報の正確な伝達を目的として導入したものでございますが、今回の改正案では、廃棄物処理に要します事務的負担が過大なものとならずに合理的な範囲にとどまる必要があると考えましたこと、及び諸外国におきますマニフェストシステムの適用が有害物質、有害廃棄物の処理に限られていること、これらを勘案いたしまして、産業廃棄物のうち人の健康または生活環境にかかわる被害を生ずるおそれがある特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストの使用を義務づけることとしたものでございます。
 なお、その他の産業廃棄物につきましても、従前から行っております行政指導により引き続きマニフェストの使用の普及、定着に努め、その普及、定着の状況を踏まえまして、今後この制度の適用範囲についてさらに検討してまいる所存でございます。
 また、バーゼル条約の廃棄物リストに掲げられている廃棄物につきましては、年次計画を策定いたしまして調査を行い、必要なものにつきまして特別管理廃棄物として指定するという考えでございまして、これらの措置によりまして、マニフェスト制度やより厳格な処理基準の適用によりまして適正な処理を確保してまいりたいと考えております。
#90
○日下部禧代子君 今のバーゼル条約に規定されております四十七品目について、年次計画をお立てになるというふうにお答えでございましたが、具体的にはこれはどのような形になりますか。
#91
○政府委員(小林康彦君) バーゼル条約の批准に伴います国内法制度の整備につきましては、現在関係省庁とも検討をしている段階でございます。バーゼル条約の内容そのものを今後詰めるべき点もございますので、諸外国の動向も見ながら年次計画を立て、検討してまいりたいと考えております。
#92
○日下部禧代子君 産業廃棄物の不法投棄、そして有害物質の不法投棄ということに関しましては、まさに環境破壊、環境保全というその観点から非常に重要なことでございますので、ぜひ早急に、そしてまた積極的にお進めいただくようにお願いしておきます。
 時間も来たようでございますので、最後に厚生大臣にお伺いしたいのでございますが、ごみの問題、つまり廃棄物の問題というのは、個人個人の問題、そしてまた一つ一つの家庭の問題、そしてコミュニティーの問題、またさらに日本全体だけではなくて地球全体の問題、グローバルな問題でもございます。それはまた個人の生き方のレベルのみならず社会の仕組み、経済の仕組み、社会の価値基準、社会のあり方そのものが問われる問題でもあるというふうに私は考えております。一つの家庭で、その家のごみを見るとそのうちがどんな生活をしているのかがわかるというのはよく言われることでございますが、ごみ、廃棄物とのかかわり方におきまして、その社会の文化の程度がわかると言っても過言ではないのではないかと私は思うわけでございます。
 この法案に対しましては、いつも命の危険と背中合わせで日夜ごみと闘っている清掃現場の人々、そしてまた全国各地で空き瓶や空き缶や古新聞古雑誌などを回収している、地道でたゆまないリサイクル運動、ボランティア活動をしていらっしゃる方々、特に女性の方々、そういった方々の願いと期待が込められているわけでございます。したがいまして、できる限りの理想的な形に近づけていく、そういった法案をつくり上げていくべきではないかと思います。
 次の若い世代へ美しい地球を残していきたい、そういった我々日本国民の思いがこの法案にもかかっているのではないかと思うわけでございますが、最後に厚生大臣の御決意のほどを伺いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#93
○国務大臣(下条進一郎君) 委員がしばしば御指摘していらっしゃいますように、廃棄物が国民生活に極めて重要な影響を及ぼすものになっておりますし、またそれが国民生活の変化に伴って深刻化しているということも事実でございます。そういうことで、廃棄物を取り巻く一般的な国民の認識をやはり改めていくということがまず前提として必要でございます。そういう観点から、まず排出量を抑制していく、皆さんに協力をしていただくこと、それからまたそれに対する排出量の抑制の一つといたしましてリサイクルを重視していく、それからさらにまたその後の廃棄物の管理あるいは処分等についての各自治体の協力、あるいは排出者、事業者の御協力を強力にお願いいたしまして、全体的に廃棄物の取り組み方を国民的な運動の一つとして取り上げ、ひとつ徹底してまいりたいというのが今回の法律の趣旨でございます。
 そういう意味におきまして、この法案を可決していただいた上におきましては、我々としては法案の趣旨にのっとりまして最大限の努力をし、国民生活が廃棄物によっていろいろな問題の生ずることのないように努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#94
○日下部禧代子君 どうもありがとうございました。
#95
○竹村泰子君 二十四日の浜本万三委員の質問に対する政府のお答えを伺っていまして、納得できない点、なおさら疑問を深めた点についてお尋ねをしたいと思います。私も野党の共同修正案要綱の各項目の順にお尋ねしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、事業者の基本的な責務規定の補強ということですけれども、野党の共同修正案要綱には、第一に事業者の責務を補強し、製品等が廃棄物となった場合における処理の困難性をあらかじめ評価するように努めること、適正な処理が困難とならないような製品等の開発をするよう務めること、適正な処理の方法について表示するなど情報の提供に努めること、以上三点を明記することを求めております。
 これにつきまして、厚生省の見解は何となくわかったようなわからないような気がするんですけれども、要するに、このような努力の内容を例示することに格別抵抗はないと受けとめてよろしいですか。
#96
○政府委員(小林康彦君) 事業者の責務につきましては、改正案の中で明確に方向づけを行っておるところでございまして、私どもとしてはそれに沿いましての法執行を適切にと考えているところでございます。
#97
○竹村泰子君 よろしいわけですね。
 これに対して、通産省の立場がよくわかりませんでした。もう一度聞かれたことにきちんと答えていただけますでしょうか。
 通産省としては、この法律の事業者の責務規定をこのように補強されてくることに対してどのような不都合が生まれるのか、どのような差しさわりが出てくるのか、それとも不都合や差しさわりが全てないのか、お聞かせいただきたいと思います。
#98
○説明員(湯本登君) 製品の事前対策の内容につきましては、製品の特性等を踏まえ、事業者が自主的に適切な対策を講ずることが基本というふうに考えております。製品の膨大な種類数、製品の特性の多様性等にかんがみますと、すべての製品について事前の評価、製品の開発、適正な処理の方法についての情報の提供を一律に義務づけることになりますと、製品によりましては事業者に無用な負担を課することにもなりかねないというふうに考えております。特に中小零細な事業者にとっては過大な負担ともなりかねないということでございます。
 現行法第三条二項は、事業者にそれぞれの製品の特性等を踏まえた適切な対応を求めており、とるべき措置を個別、具体的に列挙いたします共同修正案のような形につきましては、製品の多様性等に応じました事業者による弾力的な対応をかえって阻害することにもなりかねないというふうに考えているところでございます。
#99
○竹村泰子君 事業者の保護ということでいろいろとお述べになりましたけれども、通産省にお願いしたいんですが、昨年十二月十日に出されました生活環境審議会の答申では、製造者がその製品の処理困難性をあらかじめ評価することについてどのような答申になっておりますでしょうか。そのくだりを、本当は厚生省にお出しになった報告書ですから、厚生省にお読みいただかなくてはならないんですけれども、特に通産省にちょっと読んでいただけますでしょうか。
#100
○説明員(湯本登君) 生活環境審議会が昨年十二月に厚生大臣に提出しました答申では、「製造者等は、その製品等が廃棄物となった場合の処理の困難の度合い、資源化の可能性等についてあらかじめ評価し、必要な対応を講じていくことが必要である。」旨指摘されたところと承知しております。
 また、昨年十二月に通産大臣に提出されました産業構造審議会廃棄物処理・再資源化部会答申におきましては、できるだけ具体的かつきめ細かな対策を講ずることが必要との観点から、個別の製品ごとに事業者が遵守すべき基本的事項をガイドラインとして提示されたところでございます。このガイドラインにおきましては、製品の特性に応じまして、生産段階での廃棄物減量化、再資源化、処理の容易化のための事前対策が必要な製品につきましては、個別にその旨明記しているところでございます。
#101
○竹村泰子君 私が最初にお聞きしましたときもそうですし、また今も大変長々いろいろとお答えになりましたけれども、まさにこの処理困難性等の評価という報告がされております。今お読みいただきました「製品等が廃棄物となった場合の処理の困難の度合い、資源化の可能性等についてあらかじめ評価し、必要な対応を講じていくことが必要である。」と簡潔に述べられていることに尽きるのではないかと私は思うんです。通産省はいろいろおっしゃるけれども、このことだけを答えていただいて十分だという気がいたしますので、今後そのようにお願いしたいと思います。
 次に、市町村の処理体制の整備努力の補強ということについて、二項についてお尋ねいたします。
 市町村のごみ処理量はどんどん増大しています。しかも、この法律改正によって今後再生利用を目標とした分別収集の徹底や廃棄物のリサイクルがその業務範囲に加わってきます。ところが、廃棄物処理業務に従事する市町村の職員は減少の傾向にあり、先日の答弁を聞いておりますと、およそ五年間で五千五百人減少を見たとされています。
 そこで、厚生省と自治省にお尋ねをしたいのですけれども、この減少は一体何が原因で、何のためにこのような減少が起きているのか、はっきりした分析をなさるべきだと思うのですが、されておられますでしょうか。
#102
○政府委員(小林康彦君) 御指摘のとおり、一般廃棄物処理事業に従事をしております市町村職員数につきましては、昭和五十八年度から昭和六十三年度の五年間で五千五百人程度の減少となっております。これは、財政事情等市町村を取り巻きます諸情勢の変化によるものと考えております。
 厚生省といたしましては、生活環境の保全上支障が生じないよう廃棄物を適正に処理することを基本といたしまして、行政サービス水準の維持、市町村の責任体制の明確化、労働安全衛生の確保に配慮しつつ地域の実情に応じた最適な方法を採用すべきものと考えておりまして、今後ともこの考えに基づき地方公共団体を指導してまいりたいと考えております。
#103
○説明員(石橋孝雄君) ただいまお尋ねの清掃の職員数でございますが、御指摘のとおり減少しておりますが、これは、業務を民間に委託する団体が増加をしていること等により減少しているものと思われます。いずれにいたしましても、各団体におきましては、業務の執行に当たりまして、住民サービスが低下することのないよう十分配慮されているものと考えているところでございます。
#104
○竹村泰子君 厚生省、財政事情と市町村を取り巻く状況の変化とおっしゃいましたけれども、財政事情はともかくとして、市町村を取り巻く状況の変化というのはどういうことなんですか。
#105
○政府委員(小林康彦君) ごみ、し尿の排出形態でございますとか、その収集形態、廃棄物の増大を直営で処理をするか委託ないし許可で処理をするか、そうしたもろもろの事柄がこの職員減の背景にあるものと考えております。
#106
○竹村泰子君 今度は、労働省と自治省にお尋ねをしたいのですけれども、廃棄物処理業は、労働災害によって亡くなったりけがをしたりする方が非常に多いと報告されました。死傷者を合計した発生率を見ますと、私の持っている資料によりますと、トップなのでしょうか、第二位とも読めるんですが、いずれにしても一位か二位という状態なんですね。地方公務員について見ても、公務災害認定件数を見ると、清掃職員は警察に次いで第二位と高い水準にあるようですが、一体このような状態をもたらす原因はどこにあるのですか。その分析のための調査研究はいつ、どのようにされたのですか。また、それに基づく改善措置はどのようにされましたでしょうか。
#107
○説明員(大関親君) 清掃事業における平成二年度の休業四日以上の死傷災害を分析すると、ごみ収集車等から墜落、転落が二百七名、道路上での滑り等による転倒が百八十三名、ごみ収集車のテールゲート等による挟まれ、巻き込まれが百六十四名、動作の反動、無理な動作が百四十名となっております。
 清掃業におきましては、労働災害の大半はごみ及びし尿収集作業において発生しており、この原因としては、管理の十分及ばない事業場外で移動しながら、不安定な姿勢で行う作業などが多いことが大きな要因と考えております。
#108
○説明員(石橋孝雄君) 清掃部門におきます主な災害の内容を見てみますと、清掃工場等におきますごみ処理作業中の収集車や動力機械に挟まれる、あるいは転落、やけど、それからごみ収集作業中のガラス、異物等の危険物によります負傷、疾病、あるいは移動中や作業中の交通事故、それから収集車のテールゲートや回転板に挟まれるというような災害の内容でございます。
 それで、地方団体の清掃事業につきまして、自治省といたしましても、毎年死亡事故等重大な公務災害が発生しておることを重視いたしまして、これまで三回にわたりまして事故防止のための調査研究を行ってきておるところでございます。
 事故事例を収集整理をいたしまして、事故原因を分析するとともに、同種の災害の再発防止策を検討したところでございます。このような調査研究をいたしました成果を地方公共団体に提供いたしまして、指導を行ってきておるところでございます。また、最近の事故事例の概要あるいはそれに対する対応策、こういうものにつきましても、取りまとめをいたしまして、地方公共団体に通知をするなど情報の提供を行いまして、絶えず注意を喚起いたしておるところでございまして、安全衛生管理一の一層の充実を図るよう指導の徹底を図っているところでございます。
#109
○竹村泰子君 大臣、どのようにお思いになりますか。非常に労働災害の多発といいますか、発生率の高い業務であるということで、厚生省を所管される大臣として、どのようにこのことはお考えになっておられますでしょうか。
#110
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま両省から御報告がありましたように、非常に大事なごみ処理の第一線の方々がかなりのけがをしていらっしゃるということは、まことにお気の毒なことであり、何とかその未然防止の策についてはこれからも力を入れていかなきゃならない、このように考えております。
 そこで、労働災害防止のためには、第一に事故防止対策マニュアルの策定をやってまいりますし、それからまた、社団法人全国都市清掃会議により定められた「廃棄物収集運搬車両に係る労働安全衛生対策の手引」の周知徹底等の措置を講ずるとともに、折に触れた指導を行ってきております。今後ともそれらの徹底あるいはまた関係官庁の御協力を得て労働災害の一層の防止に最大限の努力を傾注してまいりたいと考えております。
#111
○竹村泰子君 厚生省は、寝たきりゼロ作戦、高齢者対策十カ年戦略とかがん対策十カ年戦略とか、十カ年戦略というのがなかなかお好きなように私思うんですけれども、こういった労働災害についても、私たちの生活、暮らしのすぐ回りにある本当に大事な、物を食べたらごみが出るという、非常に大切な部分の労働者の方たちに、このような労働災害の発生率が非常に高いということについて、ひとつ力を入れていただいて、例えば地方公務員の労働災害ゼロ作戦とか十カ年戦略とか、そのようなことをお立てになったらいかがでしょうかと思います。
 それはしっかり考えていただくことにして、労働省や自治省のなさった努力の結果はどのような効果をもたらしておりますでしょうか。
#112
○説明員(大関親君) 労働省といたしましては、清掃事業における安全衛生管理要綱及び機械式ごみ収集車に係る安全管理要綱をお出ししまして、その周知徹底を図ってきたところでございます。清掃業における度数率の推移を見ますと、昭和五十八年には二八・八九、でございましたが、平成二年には二二・三六となり、徐々にではございますが減少してきております。
#113
○説明員(石橋孝雄君) 五十四年度と平成元年度、十年間でございますが、公務災害の認定件数を比較いたしますと、全体では約一二%減少しておるわけですが、清掃部門におきましては約二七%の減少、こういうことになっております。災害対策については一定の成果が得られているんではないかなというふうに理解をいたしておるところでございます。
#114
○竹村泰子君 私の持っておりますグラフによりましても確かに下がってはいるんです。少なくなってはいるんですけれども、しかし、ほかの産業でもそこそこの改善を見ていますので、比較すれば清掃事業の分野が断然やっぱり悪い状態に未るということは全く変わりがないのではありませんか。どうですか。労働省、自治省。
#115
○説明員(大関親君) 清掃業におきます労働災害全体に占める割合は平成二年で〇・五%でございますけれども、清掃業における度数率は平成二年で二二・三六で、全産業の一・九五に比べて高いというふうになっております。
#116
○説明員(石橋孝雄君) 先生御指摘のとおり、清掃部門での災害は減少はしてきておりますけれども、確かに依然少ないというようなことは言えない状況にあろうかと思います。したがいまして、引き続き地方公共団体を指導するとともに、先ほども申し上げましたように、最近の事故事例の概要あるいはその対応策、そういうものについて取りまとめをし、各団体に通知をするなどの情報提供を行いまして、絶えず注意を喚起していく必要があると思っております。そして、安全衛生管理の一層の充実を図るように指導を徹底してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#117
○竹村泰子君 これは私たちの働いている仲間にとりましては、非常に真剣な命がけの問題なんです。こういう危険な業務に従事をしていて、そしてしかも事故発生率が死亡も含めて一位とか二桁とか、そういう状態にある業務に従事している人々の家族を含めた気持ちを考えますと、いいかげんなことでは済まないなと、非常に大きな責任を私どもも感じるわけですけれども、ぜひ今後一層の努力をお願いしたいところてす、
 労働省にもう一つお伺いいたしますが、廃棄物の収集、運搬作業を危険有害業務として取り扱わない理由について、先日からも何回かごの場で同僚の議員がお聞きしておりますけれども、もう一度お尋ねします。明らかにしてください。
#118
○説明員(大関親君) 労働省におきましては、清掃事業における安全衛生管理要綱及び機械式ごみ収集車に係る安全管理要綱におきまして、労働安全衛生法第五十九条第一項に定められている雇い入れ時及び作業内容変更時における教育を実施する際には、ごみ収集車の操作、運転などに関する教育について配慮するよう指導しており、これにより機械式ごみ収集車によるごみ収集業務に関する安全教育がなされていると考えております。
 なお、清掃業における労働災害の発生率が高いという状況を踏まえまして、今後とも安全衛生管理要綱の徹底を図るとともに、関係省庁と連携しながら清掃業における労働災害の防止に努めてまいりたいと考えております。
#119
○竹村泰子君 聞いたことに答えてください。私、そんなこと聞いてないです。安全教育をしていらっしゃるのはわかっております。危険有害業務に取り扱わない理由を聞かせてくださいと言ったんです。
#120
○説明員(大関親君) 労働安全衛生法において危険有害業務に関します諸規定がございますけれども、危険有害業務として規定されているものは、非常に危険有害性が高く労働災害発生のおそれが多いというようなものにつきまして規定をしております。
#121
○竹村泰子君 おかしいですね。非常に危険な業務ではないのですか、この発生率から見たら。
#122
○説明員(大関親君) 先生御指摘のように、発生率としては高い率でございますけれども、その作業の内容あるいは発生の状況を勘案いたしまして、現在のところ危険有害業務としての指定は行われておりません。
#123
○竹村泰子君 どうも聞いていますと、おとといからも聞いていたんですけれども、危険有害業務と認めたくない、扱いたくないというふうに聞こえるんです。その気持ちは私たちもわかりますよ。例えば私の身内だとか知っている友人とかがこういった仕事につこうとするときに、非常に危険有害業務だよというふうに特定されていない方がきっと応募もしやすいかもしれないと思うんです。
 ですから、労働省の気持ちはわかるんですけれども、これだけの発生率を見ていて、仲間たちがどんどん死んでいったりけがをしたり、狭まれたり巻き込まれたりしている中で、危険有害業務、何というか、なぜもっと危機感といいますか、そういうものを労働省は持ってくださらないのかなと思うんです。あらゆる手だてを尽くすことによってこれは防止するべきだ、事故ゼロにするべきだと私は思うんです。
 例えば、これはちょっと言葉としてはどうかと思いますが、労災事故率の低減化目標とか、そういうのをお立てになって実行していただきたい、ぜひこのことはしっかりとした目標の中で、事故ゼロを目指して実行していただきたいと強く思いますが、いかがですか。
#124
○説明員(大関親君) 私どもといたしましては、労働災害全体につきまして五カ年計画というものを策定いたしまして、清掃業も重点対象として計画的な災害の減少を図っていただくようにお願いをしております。
 なお、各事業者におきましては、それぞれの事業内の実態に応じまして施設の改善であるとか作業の改善であるとか、具体的な低減目標を定めて活動していただくことが必要と思います。労働省といたしましても、現状を踏まえましてさらにその指導徹底に努めてまいりたいと考えております。
#125
○竹村泰子君 ぜひ徹底をしていただきたいと思います。
 それでは、三番目の国の責務として廃棄物関係情報の収集の補強という項に移りたいと思います。
 野党の共同修正案要綱では、国が廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用に努めることを提唱しております。生活環境審議会の答申ではこの点についてどのように指摘しているか、またちょっとお読みいただけたら幸いです。
#126
○政府委員(小林康彦君) 昨年十二月答申をいただきました生活環境審議会の当該情報管理システムの整備についてのところでございます。
 「廃棄物の排出、移動、処分に関する情報管理システムを整備して、広域的処理に対応した施策を実効あるものとすべきである。また、再生利用が可能な廃棄物や再生品に関する情報の拡大により需給のミスマッチを少なくするとともに、再生利用技術に関する情報の円滑な流通を図っていく必要がある。」と述べられております。
#127
○竹村泰子君 もう一カ所あるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。二十五ページです。
#128
○政府委員(小林康彦君) 「また」以下でございましょうか。
#129
○竹村泰子君 そうです。
#130
○政府委員(小林康彦君) 「地方公共団体が、これら特定管理廃棄物の処理の状況を確認できるような情報システムの構築も検討する必要がある。」。
 以上でございます。
#131
○竹村泰子君 ありがとうございました。
 今御紹介いただいた内容を厚生省は今度の改正案にどのように盛り込まれたのでしょうか。
#132
○政府委員(小林康彦君) 生活環境審議会の十二月の答申は、「今後の廃棄物対策の在り方について」の基本的方向を示されたものでございまして、法律事項と実行上措置すべきものとが含まれていると理解をしております。
 御指摘の事項につきましては、実行上措置すべきものと理解をしておりまして、必要な予算の確保等を通じて対応してまいりたいと考えております。
#133
○竹村泰子君 厚生省は、今お読みいただいた二カ所のうち、片方にしか対応しておられないという気がするんですけれども、政府の改正案では、生活環境審議会の答申にありますように、廃棄物に関する総合的な情報管理システムを整備するという条文をなぜ置かなかったのでしょうか。
#134
○政府委員(小林康彦君) 今回の法改正におきまして、特別管理産業廃棄物へのマニフェスト制度の導入、最終処分場の台帳調製等廃棄物に関します情報の管理の強化に関する具体的規定を織り込んでおりまして、これらの情報の体系的な収集、整理及び活動につきましては、実行上対応することとしたものでございます。
#135
○委員長(田渕勲二君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#136
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、篠崎年子君が委員を辞任され、その補欠として菅野壽君が選任されました。
    ―――――――――――――
#137
○委員長(田渕勲二君) 休憩前に引き続き、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#138
○竹村泰子君 続きをいたします。
 政府がやはり廃棄物減量化の目標を設定すべきではないかということで質問をさせていただきたいと思うんですけれども、少し修正案要綱から外れるかもしれません。
 平成二年版の厚生白書によりますと、「我々の大きな問題意識は」「廃棄物が増え続けるから問題なのではなく、廃棄物が減少していかないことが問題である」というふうに書かれております。続けて、「国土の狭い我が国では、廃棄物は「燃やして埋める」ことを基本としてきた。しかしながら、最終処分場のひっ迫をはじめとした厳しい状況を踏まえれば、現在のやり方では限界にきており、単に廃棄物の増加を抑制するだけではなく、減少させていくことこそ必要である。」「国民や産業界が知恵を絞り努力することで、廃棄物を減量させることも決して不可能ではない。」というふうにお書きになっておられます。
 ところが、今回の法案には廃棄物減量化の具体的目標値が設定されていないばかりか、国レベルの廃棄物減量化計画すらないのでございます。厚生省は廃棄物減量化のための目標値を持っているのでしょうか。
#139
○政府委員(小林康彦君) 今回お願いをしております廃棄物処理施設整備緊急措置法に基づきまして第七次の廃棄物処理施設整備五カ年計画を策定することとしております。現在はその原案の段階でございますが、国民一人当たりのごみの排出量の伸び率を年一・五%といたしまして、平成七年度のごみ排出量を全国で五千六百三十七万トンに抑制することを計画における減量化目標としておるところでございます。
 この結果、平成七年度時点におきまして、現状のまま推移をいたしました廃棄物の発生量に比べまして四百二十八万トンの減量を達成することが必要となるわけでございます。この目標を達成いたしますために、改正法案の内容に従いましてごみ減量化、再生利用対策を積極的に推進する必要があると考えております。
#140
○竹村泰子君 その目標値及び減量化計画はいつお立てになって、どういうふうに発表されておりますでしょうか。
#141
○政府委員(小林康彦君) 原案といたしましては、ことしの春公表をしてございますが、計画そのものは緊急措置法が成立をいたしました後閣議決定をもって定めるということになっておりますので、正式な目標の提示はこれからでございます。
#142
○竹村泰子君 今後の廃棄物発生量の推計作業をなさっておられますでしょうか。
#143
○政府委員(小林康彦君) 同じく第七次五カ年計画の作業におきまして、平成三年度から七年度にかけましてこの計画期間中五年間の間のごみの排出量は、施策を講じない場合には年三%程度の伸びになると推定をし、この自然の伸びでいきますと、平成七年度のごみの排出量は全国で六千六十五万トンになると予測をしておるところでございます。施設整備に当たりまして、ゴミの減量化を図ることによりまして平成七年度まで伸び率を一・五%にし、五千六百三十七万トンに抑制をする計画を立てようとしているところでございます。
#144
○竹村泰子君 市町村の一般廃棄物処理計画と都道府県の産業廃棄物処理計画というのがありますが、私は国レベルの廃棄物処理計画というものを余り目にしたことがなかったのですけれども、例えば、市町村長は多量に一般廃棄物を生ずる者に減量計画を策定させることができることになっておりますね。また、都道府県知事は多量に産業廃棄物を生ずる事業者に処理計画を策定させることができるごとになっております。しかし、ここに言う「多量」というのは一体どれだけの量を「多量」というのでしょうか。
#145
○政府委員(小林康彦君) 市町村は一般廃棄物処理計画を、都道府県は産業廃棄物処理計画をつぐることになっておりますが、この計画の策定に当たりましては、廃棄物の発生量及び処理量の見込みのほか処理施設の整備状況等を勘案いたしまして市町村あるいは県において作成をする、こういう状況になっておりますので、これらの計画策定に当たりまして、国としては適切な助言、指導を行ってまいりたいというように考えております。
 市町村長あるいは都道府県知事が多量の排出事業者に対して個別の減量計画あるいは処理計画の作成を指示できる、こういう規定を今回置いたわけでございますが、その「多量」の判断は、市町村や都道府県におきます廃棄物の発生量あるいは処理体制の状況に応じて決められるべきものでありまして、全国一律に決めることは現状では困難であると考えております。しかし、市町村長あるいは都道府県知事に対しまして、「多量」と判断をする際の参考となるような要素あるいは考え方につきまして、検討の上、指示、提供してまいりたいというように考えております。
 なお、計画の作成を指示する事業者の選定は、このような要素や考え方をもとに市町村長や都道府県知事が行うもの、こういう規定であり、その趣旨に沿っての運用を考えているところでございます。
#146
○竹村泰子君 大体わかりましたが、環境庁の環境保全のための循環型社会システム検討会の試算によりますと、今後十年間に一般廃棄物の排出量は約三三%、産業廃棄物の排出量は約一八%ふえる見込みだそうです。厚生省の試算とは大分開きがあるように思いますが、その結果、廃棄物全体の排出量は二〇〇〇年には約二〇%増加することが予測されております。
 また、二〇〇〇年までに、工場や事業場の努力により産業廃棄物を予測排出量の八%、家庭やオフィスなどの努力により一般廃棄物を一二%、リサイクルなどで減量することができれば、一人当たりの処理をしなければならない廃棄物の量を一九九〇年、今のレベル以上にはふやさないようにすることが可能などのことです。これだって十分ではなく、今だってもうごみがあふれている状態ですから、したがって、増加の抑制だけではなく、減量するためにはこの数字以上に厳しい目標を設定しなければならないと思います。
 廃棄物の減量化を推進するためには、まず全国レベルでの目標値を設定して、市町村が策定する一般廃棄物処理計画の中の廃棄物発生量の見込み、都道府県が策定する産業廃棄物処理計画の中の産廃発生量の見込みをブレークダウンしていく、こういう作業が必要になると思いますが、事業者を初め消費者に至るまで国民はどのくらいの努力をすれば廃棄物が減量するのかという目安を示してもらいたいと願っていると思うんですね。国は、まず廃棄物減量化計画を策定して、国民にこれをもっとわかりやすく提示するべきではないでしょうか。国民の責務を言うのはそれから後の話ではないでしょうか。「隗より始めよ」です、国から始めていただきたい。
 私は、それこそ厚生省のお好きな十カ年戦略、また申しますけれども、十カ年戦略を策定していただいて減量化の指標にしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#147
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の将来予測につきましては、その推計手法によりまして幾つかの結果が出るわけでございますが、環境庁から発表されております数字及び廃棄物の成長といいましょうか、発生量をゼロ成長でとめるためにどれくらいの量を減らさなければいけないかという数字が示されていることは私ども承知をしておるところでございます。
 廃棄物の減量化に当たりまして、全国的にまず目標を立てて市町村がそれに従って個別の計画を立てていく手法がよろしいか、あるいは廃棄物の処理に責任を持っております市町村がそれぞれの地域の実情を考えまして、まず個々の市町村ごとに減量化の目標を立て施策を組み立てていくのが適切であるか、両方の考え方があるかと思いますが、私どもは廃棄物の一般廃棄物につきまして市町村の業務ということで整理をしている点もございまして、まず実効の上げられる目標をそれぞれの市町村ごとで立てていただく、この点に力を注ぎ、全国的に実施可能なレベルその他につきましては、それらの状況を見ながら検討させていただきたいというように考えております。
#148
○竹村泰子君 何か逃げ腰のような、厚生省の本腰を入れた減量化なんだということが見えないんですけれどもね。
 我が国の廃棄物行政は、我が国がいかに資源やエネルギーを浪費して経済活動を営んでいるかという反省がないのではないか、廃棄物行政は産業政策に口出しすることは許されないと、そういうことから、生産、流通といったいわゆる川上産業に対して無力であったからではないかと私は思うんですね。大変地球規模の環境破壊が指摘される中で、これはいわゆる縦割り行政というか、そういう弊害が出ているような気がしてならないんです。
 我が国ではリサイクルによる再生資源の使用率はエネルギー資源の全使用率の約八%にすぎないんですね、まだ。環境庁で出しておられます「みんなで進めよう リサイクル」という、こういうパンフレットがありますけれども、この中にあるんですが、「古紙一トンをリサイクルすると直径十四cm高さ八mの立木二十本が守れるという試算があります。」、「紙、アルミ、スチール、ガラスびんなどはリサイクルされた原料から再生産した方が少ないエネルギーで」生産できることはもうよく知られております。「節約されるエネルギーは、例えばアルミ缶一個で四十Wの電球が約半日つきっぱなしになる」というふうにこの五ページに書いてあるんですけれども、エネルギーが節約できるということはエネルギーの消費に伴って発生する二酸化炭素の量を減らすということを意味します。温室効果ガスである二酸化炭素などの削減を通じて、つまりはリサイクルは地球温暖化の防止策にもなるわけです。
 また、リサイクルが進みますと、工場でのエネルギー使用量や水使用量が減りますので、工場から出される大気汚染物質や水質汚染物質を減らすことができます。リサイクルされた原料を使うことによって天然資源の採取量が減りますので、鉱山などから出される廃棄物の量も減らすことができるわけです。
 しかし、もうこれらはよく知られていることですが、しかし、市町村によってはやっぱりリサイクルは分別して、それをより分けて、そして人手を使ってお金を使ってリサイクルをして、大変これは面倒くさいと嫌がる市町村もあることは聞いております。
 ここに私は一つの例を申し上げてみようかと思いますが、川口市という町がありますね。ここは人口四十三万人、世帯数十五万戸です。この川口市のリサイクル運動で昭和五十四年から平成二年までの実績、有価物の回収総量が十一万七千五百四十八トン、売却代金、これを売却したお金が七億三千百七十三万円、ごみ処理料の節約は何と三十二億九千百三十八万円になったという計算が出ております。売却代金と両方合わせますと四十億二千三百十一万円の節約になっているわけですね。
 これは一つの例にすぎないかもしれませんけれども、こういうふうにして一つの市で、あちこちの市で今こういう例がございますけれども、川口市ぐらいの市で四十億のお金がこの五年間に節約ができたということは非常に大きいことではないかと思うんですね。こういうことを少しはっきりと厚生省も本気で減量化をお図りになるならば、環境庁や自治省などとも御協力なさって、こういうデータをきちんとお示しになった上で減量化を進められたらいかがだろうかと思うんです。
 そこで、資源循環型の経済社会を形成するために厚生省はどのようなリサイクルを考えでおられるのか、そのための方策は何か、お伺いしたいと思います。
#149
○国務大臣(下条進一郎君) 今回の法律改正の中の一つは、そういう廃棄物が出る最初からそれが抑制されていくという体制づくりとあわせまして、分別収集に伴う効果を出すためにリサイクルにつなげようと、こういう構想が盛り込まれているわけでございます。廃棄物の事後的な処理にとどまらないで、廃棄物の再生利用、さらには排出の前段階からのリサイクルを念頭に置いた社会経済システムを構築することが極めて重要であるという認識に立っておるわけであります。
 このため、御提案申し上げております改正法案におきましても、法の目的といたしまして、廃棄物の分別、減量化、再生を明記したり、市町村の一般廃棄物処理計画に排出抑制、減量化、分別収集に関する事項を定め、廃棄物再生事業者の知事登録制度を設け、優良な再生事業者を再生に協力させることなどを盛り込んでいるところであります。
 また、厚生省におきましては、リサイクルを推進するためにこれまでにも市町村が実施する市民レベルでの活動への支援やリサイクルのための施設整備に対する補助を行ってまいりましたが、平成四年度の概算要求におきましても、さらに市町村がこの再生利用のためのシステムづくりや資源ごみの分別収集を推進するための事業などに対する補助の大幅な充実を要求しているところであります。
 今後、改正法案の趣旨に沿いまして、国民の理解と協力を得ながらリサイクルの一層積極的な推進に努めてまいりたいと考えております。
#150
○竹村泰子君 大臣のそのお言葉に期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは修正案に戻りまして、五番目のマニフェスト制度についてお伺いしたいと思います。
 野党の共同修正案第五項は、いわゆるマニフェスト制度の適用対象を将来段階的に拡大する方向で検討せよとあるわけです。これに対しまして社会党案は、原則としてすべての産業廃棄物をマニフェスト制度の対象にしています。生活環境審議会はこの問題についてどんな答申をされましたか。また、恐れ入りますが、見ていただきたいと思います。
#151
○委員長(田渕勲二君) 早くやってくださいよ。
#152
○政府委員(小林康彦君) 失礼いたしました。
 マニフェストの部分でございますが、「この特定管理廃棄物については、排出事業者に管理計画の策定や国家資格に基づく廃棄物管理責任者の設置を義務づけるとともに、廃棄物の最終処分までの処理ルートを確認するためのマニフェストシステムの制度化や、委託基準、処理基準の強化などを図る必要がある。」。
 以上と存じます。
#153
○竹村泰子君 私がお願いをしておきましたところと違うのですけれども、「廃棄物の適正な処理の確保」というところで「特別な管理を要する廃棄物の規制」というところがありますね、二十四ページの5の(1)です。
#154
○政府委員(小林康彦君) 5の(1)「特別な管理を要する廃棄物の規制」、そこを読ませていただきます。「有害性、爆発性、感染性などの特性を有するため処理、処分に特別の配慮を要する廃棄物や不法投棄などにつながりやすい廃棄物が増大している状況に鑑み、これら特別な管理を要する廃棄物を、たとえば特定管理廃棄物というように区分して、処理の適正化老図っていくことが必要である。」。ここまでが特別管理廃棄物の表現でございます。
 先ほど読みましたのが、それに引き続いてのマニフェストの提言というふうに思っております。
#155
○竹村泰子君 今読み上げていただきました答申によれば、有害性、爆発性、感染性などの特性を持ったものばかりではなく、不法投棄などにつながりやすい廃棄物を含めて「特別な管理を要する廃棄物」としているわけですが、これ間違いありませんね。
#156
○政府委員(小林康彦君) 答申では、ただいま先生お話しのような内容の答申をいただいておると思っております。
#157
○竹村泰子君 政府案は、特別管理廃棄物をマニフェスト制度の対象にしています。ここに言う「特別管理廃棄物」には、審議会の答申で指滑された「不法投棄などにつながりやすい廃棄物」という概念は含まれますか、どうですか。
#158
○政府委員(小林康彦君) この点につきましては、諸外国におきましてもマニフェストシステムの適用が有害廃棄物の処理に限られていることなどから、「不法投棄につながりやすい廃棄物」ということのみをもって法的にマニフェストの対象とすることはしていないところでございます。
 なお、今後の状況につきましては、マニフェストにつきまして、現在行政指導によりましてその使用の普及、定着を図っている部分がございますので、その普及状況を踏まえまして、今後法制度の適用範囲につきましてさらに検討していくこととしております。
#159
○竹村泰子君 「不法投棄などにつながりやすい廃棄物」というのはどのようなものなのでしょうか。不法投棄事件に占める主要な廃棄物は何でしょうか。
#160
○政府委員(小林康彦君) 警察庁の調べによりますと、平成元年の産業廃棄物の不法投棄による検挙件数は二百四十六件でございまして、不法投棄されました産業廃棄物の種類は、建設廃材が七十五万二千トンで全体の八六・六%を占め、建設業関係の不法投棄が多いのが現状でございます。産業廃棄物の排出量から見ますと、建設廃材の不法投棄の量の割合が多くなっているという状況でございます。
#161
○竹村泰子君 つまり、厚生省は、せっかくのさっきお読みいただきました審議会の答申を、一番多い建設廃材、これについては建設省の圧力によってねし曲げてしまったのではないですか。それでも答申を尊重したと言えるんでしょうか。この点に関しては、尊重しなかった、できなかった、圧力があった、はっきり認めた上で、そうせざるを得なかった理由を明らかにしていただきたいと思います。
#162
○政府委員(小林康彦君) 有害性、爆発性、感染性などの特性を有します廃棄物については、その処理を適正に行いますために、特別管理廃棄物として区分をし、特別な処理業の許可、処理基準の厳格化、マニフェストの適用等の規制強化を一連のものとして行うこととしたものでございますが、「不法投棄などにつながりやすい廃棄物」につきましては、必ずしもこれら規制をすべて行う必要がないところから、特別管理廃棄物の範囲には加えませず、別途不法投棄防止という観点から規制の強化を図ることとしたところでございます。
 不法投棄防止対策として具体的に規定をいたしましたのは、廃棄物処理業者に対する規制の強化、事業者及び処理業者にかかわる委託基準の強化、措置命令の発動要件の緩和、罰則の強化などの措置を講じているところでございます。
 なお、マニフエスト航度につきましては、不法投棄防止対策としても重要な方策であると考えられますので、行政指導によりますマニフェストの使用の普及、定着に努めまして、その状況を踏まえて今後その適用範囲についてさらに検討することとしておるところでございます。
 建設廃材を今回マニフェストの対象にしませんでした理由は、諸外国におきましても特別の管理を行っておりますのは有害廃棄物だけであるというような状況を勘案いたしまして、建設廃材すべてを特別管理廃棄物とする制度とはしなかったわけでございます。
#163
○竹村泰子君 建設廃材は無害なのですか、有害ではないのですか。
#164
○政府委員(小林康彦君) 建設廃材の中には有害の部分がございますが、これは有害性の方の観点からの定義、規制で特別管理廃棄物としての規制を受ける、こういう制度になる予定でございます。
 具体的に申し上げますと、飛散性のアスベストにつきましては特別管理廃棄物としての規制を予定しておるところでございまして、それらにつきましては建設廃材の中でも特別管理廃棄物になるものが出てくるであろう、こういう予想をしております。
#165
○竹村泰子君 不法投棄を何とか取り締まらなくちゃ、なくさなくちゃという、現場の中で最も量が多く、そして何と申しますか最も悪質と言っちゃいけないかもしれないけれども、現実の中ではもう目に余るものが多々あるわけですね、一々例を申し上げませんけれども。その建築廃材をこうして野放しにしておられる。まあ野放しということはないけれども、有害廃棄物の中には入れられなかったということです。
 今、私が次にアスベストのことをお聞きしようと思ったら、先にお答えになってしまいましたけれども、このアスベストのくっついている廃材というのがたくさんあるわけで、一昔前の建築廃材を壊したうちなんかにはほとんど一緒にあると考えられるのではないかと思いますが、今飛散性のフヌベヌトとおっしゃいましたけれども、どういうものを飛散性というのですか。
#166
○政府委員(小林康彦君) 現在アスベスト処理廃棄物処理ガイドラインを策定いたしまして、それに基づいて指導しておるところでございますが、このガイドラインでは飛散性アスベスト――軽く接触したり気流があったりするだけで材料に含まれているアスベストが空気中に飛散するおそれのあるものとしまして、具体的には吹きつけアスベスト除去物、保温材、多量のアスベストが付着しているおそれがある仮設養生プラスチックシートなどがそれに該当するものとしてとらえております。
 改正法におきます特別管理廃棄物の検討に当たりまして、このガイドラインに沿い検討をしたいと考えております。
#167
○竹村泰子君 ちょっと今おもしろいことをお答えになったんですが、風が吹いて空気が動いたり、あるいはちょっと触れたくらいでアスベストが飛散するものはあれなんだけれども、例えばじゃ子供がそこら辺に遊びに行って、その廃材の上にぽんと乗ったりなんかして飛び散る場合はどうなるんですか。
#168
○政府委員(小林康彦君) まず、廃棄物の保管、処理に当たりましては、みだりに関係のない方が入らないような措置を講ずるということにしておりまして、アスベストにかかわらず廃棄物の処理過程、いろいろの処理の状況がございますので、お話のように廃棄物の上に子供さんがという状態をなくすというのがまず第一というように考えております。
 アスベストの飛散性につきましては、アスベストの毒性、影響を考慮いたしまして、健康に影響を与えるおそれがある状態というところで、飛散性というところでガイドラインをつくっているところでございます。
#169
○竹村泰子君 人が入らないようにするのが原則でありとおっしゃるけれども、そういうふうにはなってないでしょう。空き地にぼんぼん捨てられているでしょう。私の北海道なんかではもうあちらこちらにぼんぼん投げ捨てられて野山にほうりっ放しになっているわけですよ。そこにアスベストは必ずあるんですよ。
 そういうところの現実を見ようとしないでそんなふうにお答えになるということは、私は非常に無責任なことだと思いますが、大臣、今後審議会の答申を踏まえてできるだけ早い時期に法律を改正して、不法投棄などにつながりやすい廃棄物、最も数の多い廃棄物、これをマニフェストの対象にする意思がおありになるでしょうか、どうでしょうか。
#170
○国務大臣(下条進一郎君) 先ほど来本件につきましては、事務当局からお答えもしておりますが、マニフェストの適用対象については、諸外国の例を見て参考にいたしまして、産業廃棄物のうち人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストの使用を義務づけることといたしたわけでございます。
 なお、その他の産業廃棄物につきましても、従前から行ってきている行政指導により引き続きマニフェストの使用の普及、定着に努め、その状況を踏まえましてマニフェストに関する法制度の適用範囲についてさらに検討してまいる所存でございます。
#171
○竹村泰子君 法律の対象にしなくても行政の指導によって実質的に法律の対象にしたと同じ効果を上げるのだとお約束していただけますね。大臣、いかがでしょうか。
#172
○国務大臣(下条進一郎君) 法律の点は今のようなことでございますが、マニフェストの使用については、排出事業者による廃棄物の流れの把握及び廃棄物の性状等に関する情報の正確な伝達を確保するという目的で、従来から行政指導により対応してきているものであります。排出事業者が制度の趣旨をよく理解し、本来の使用方法に従ってマニフェストを使用するよう指導することにより、法律に基づくマニフェストの場合と同様に実効性が確保されるよう努めているところでございます。
 ただ、従前から行政指導を行ってきたマニフェストについては、すべての排出事業者が正確に使用できるようにするだけの実態がまだ十分に確立していないことから、今回の改正法案では、産業廃棄物のうち人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストの使用を義務づけることとしたものであります。
 今後、その他の産業廃棄物についても、従前から行ってきております行政指導により引き続きマニフェストの使用の普及、定着に努め、その状況を踏まえましてマニフェストに関する法制度の適用範囲についてさらに検討をすることにいたします。
#173
○竹村泰子君 マニフェスト関連でもう少しお尋ねいたしたいと思いますが、下条厚生大臣は去る二十日の衆議院厚生委員会でバーゼル条約批准について答弁をなさいまして、次の通常国会をめどに必要な国内法を整備できるよう関係省庁と相談するとおっしゃいましたね。
 この際、批准に必要となる国内法整備に向けた主な検討事項、朝も日下部委員の質問にも大分お答えいただいておりましたけれども、主な検討事項、それから生活環境審議会への諮問の時期など、およそのプログラムを具体的にお答えいただけますでしょうか。
#174
○国務大臣(下条進一郎君) 有害廃棄物の越境移動及びその処分の管理に関するバーゼル条約につきましては、ただいま委員の御指摘のとおりの答弁を衆議院でもいたしました。
 地球環境保全に積極的に貢献し、廃棄物の適正処理を国際的に確保する観点から、廃棄物の輸出入に関する関係各国の動向も見つつ、批准のための検討を進めることといたしておるわけであります。
 条約の内容につきましては、現在外務省等の関係省庁と検討を行っているところでありまして、条約の批准に当たり国内の廃棄物処理との整合をとりつつ廃棄物の輸出入の管理を適正に行えるよう、次期通常国会を目途に関連の国内法体制の整備に向けて関係省庁と相談を今しながら努力しているところでございます。
#175
○竹村泰子君 事務方の方から何か具体的なプログラムといいますか、私がお尋ねした点についてお答えありますか。
#176
○政府委員(小林康彦君) バーゼル条約批准のための国内法体制の整備でございますが、まずバーゼル条約の内容について正確に検討をすること、それから輸出入に関します規定をどのように置くか、それから輸出入に当たりました場合に国内の処理体制あるいは情報管理をどのようにするか、このような内容の検討が必要でございますので、現在関係省庁と検討を進めておりまして、ただいま大臣が御説明いたしましたスケジュールを念頭に置きながら作業をしているところでございます。
#177
○竹村泰子君 鋭意御努力をぜひお願いしたいと思います。
 マニフェスト伝票についてもう少し申し上げます。
 野党共同修正案要綱の第六項は、いわゆるマニフェスト伝票等の取り扱いに関するものでございます。厚生省は、その保存期間について政省令で定めると答弁されました。しかし、浜本委員も提起されましたように、排出事業者にも処理業者にも伝票の保存義務がないのだから、保存期間を守らなくたってどうということはないのではありませんか、どうですか。
#178
○国務大臣(下条進一郎君) 特別管理廃棄物のマニフェストについてでございますが、排出事業者から処理業者へのマニフェストの交付、処理業者から排出事業者へのマニフェストの回付、マニフェストに関する排出事業者から知事への報告など、基本的な事項はすべて法律に定めることといたしております。したがって、マニフェストの交付や回付を受けた処理業者や事業者がマニフェストを保存すべきことは、マニフェストの交付や回付を受けた以上当然のことであり、保存義務をあえて法律上規定する必要はないものと判断しております。
 マニフェストの運用に当たりましては、厚生省令においてマニフェストの保存期間を定め、必要に応じ都道府県知事が報告徴収や立入検査によってマニフェストを確認できるようにしたいと考えて、諸手続の整備はそれで裏打ちができる、このように考えております。
#179
○竹村泰子君 現行法でさえ、一般廃棄物も産業廃棄物も処理業者は、帳薄の記帳をしたり、また保管義務があるわけですよね。必要が生じたとき行政による報告徴収ができ、また立入検査ができるというふうなことを今大臣おっしゃいましたけれども、肝心のマニフェスト伝票が保管されていなければ効果はないのではないかと思いますが、いかがですか。
#180
○政府委員(小林康彦君) マニフェスト伝票の保管につきましては、決偉の組み立て上、大臣がお答えしたとおりでございまして、厚生省令におきましてその保存期間を定め保存させることとしております。保存されておりますれば、知事の報告徴収あるいは検査の際実物に沿っての調査が可能になるわけでございます。
#181
○竹村泰子君 保存期間を定めできちんと保存をしなさいという義務づけがされているわけですか。
#182
○政府委員(小林康彦君) 省令で示しますれば法律上の義務となります。
#183
○竹村泰子君 行政指導でということですが、伝票の保存義務を政省令で定めるということはできないのではないでしょうか。厚生省の答弁は法治主義という基本原則に反するのではありませんか。ここが立法府であるということをわきまえて答弁をしていただきたいと思いますが、立法府の一員でもおありになる下条厚生大臣、御所見をお伺いしたいと思います。
#184
○国務大臣(下条進一郎君) ただいまの件でありますが、その保存期間を定めるということにつきましては、都道府県知事が必要に応じ報告徴収や検査を行って確認できるようにしたいということの考え方とあわせまして、それらの措置をこれから法律の通った後実効性が上がるように運用してまいりたいと考えております。
#185
○政府委員(小林康彦君) ただいまお尋ねの件につきましては、改正法の案文でございますが、第十二条の三で特別管理産業廃棄物管理票の規定を置いておりまして、その交付の義務等ございまして、第六項に「前各項に定めるもののほか、管理票に関し必要な事項は、厚生各令で定める。」となっておるわけでございます。
 したがいまして、保存期間につきましては、法律に基づく厚生省令で定め得るもの、それから全体の基本的事項は法律本文に書き込んでおりますので、保存期間につきましては厚生省令で定めて差し支えないもの、こういう解釈をしております。
#186
○竹村泰子君 保存義務を厚生省令で定めることができるというお答えですね、今のは。
#187
○政府委員(小林康彦君) そのとおりでございます。
#188
○竹村泰子君 どうもそれは私釈然としないお答えなんですけれども、このことはまたいずれ折を改めてやりたいと思います。
 それでは、次の七項にあります原状回復方策の検討条項についてお尋ねしたいと思います。
 不法投棄など不適正な処理の原状回復の方策、とりわけその費用負担のあり方について、また申しわけないんですが、生活環境審議会はどのような答申をされているか、該当箇所をまたお読み上げいただけますでしょうか。
#189
○政府委員(小林康彦君) 「不法投棄等不適正処理の防止対策」といたしまして、「不法投棄をはじめとする不適正処理を防止するために、無許可営業や一般廃棄物も含めて不法投棄に係る罰則を強化するとともに、特別な管理を要する廃棄物の規制の強化にあわせて、排出事業者に係る罰則の強化、処理基準違反に係る改善措置や不法投棄された廃棄物の原状回復のための行政措置の強化、排出事業者の民事上の損害賠償責任の強化などの検討が必要と考えられる。また、不法投棄の防止という観点から、監視体制の充実が重要であり、環境衛生指導員の増強のほか、民間人を不法投棄チェックのモニターとするような制度の検討も必要である。さらに不法投棄者が明らかでない場合などの原状回復に備えるため、公共と民間の共同による基金の造成などについても検討する必要がある。
 以下、「地方廃棄物処理センターの設置」の部分がございますが、こちらもお読みいたしましょうか。
#190
○竹村泰子君 はい。
#191
○政府委員(小林康彦君) 「また、この「地方廃棄物処理センター」に製造者等や排出事業者、処理業者など民間などの拠出に基づく基金を設けて、前述したような、@適正処理が困難な廃棄物や資源化、再生利用可能な廃棄物についての共同処理や処理費用の共同負担、A原因者不明の場合の不法投棄に係る原状回復処理の共同負担、B廃棄物処理施設の同辺環境の整備など、幅広い事業を行うことができるような方策を検討すべきである。」。
 以上でございます。
#192
○竹村泰子君 ありがとうございました。
 今読んでいただいたように、審議会は排出事業者の民事上の損害賠償責任の強化や公共と民間の共同による基金づくりについて検討することを提起しておられます。厚生省は答申が出された昨年十二月以降九カ月、これらについてどんな検討をされたのでしょうか。
#193
○政府委員(小林康彦君) まず、第一点の排出事業者の民事上の損害賠償責任の強化でございますが、特別管理産業廃棄物の処理の委託についてマニフェストの使用を義務づけるとともに、政令で定めます委託基準で処理業者の処理能力の確認を義務づけること等の措置を講じることとしております。委託基準に従い許可を受けた専門業者に処理を委託しました場合においても、当該業者が不法行為を行いました場合について排出事業者が責任を負うこととすることは、排出事業者の法的地位を極めて不安定なものとすることになり、かつ自己の管理責任外の独立した第三者の行為について責任を負担させることとなり、現行法の体系になじみにくいとの意見が強く、改正法案では規定しないこととしたわけでございます。
 また、第二点の廃棄物処理センターへの原状回復基金の設置についてでございますが、こうした基金につきまして原因者の責任を不明確にし、不法行為をかえって助長するおそれがあるとの意見があったことから、改正法案には規定しないこととしたわけでございます。
 なお、不法に処分されました廃棄物による生活環境の保全上の支障の除去の重要性にかんがみ、諸外国の例も参考にしつつ、廃棄物が不法に処分されました場合の原状回復が適切かつ迅速に行われますための方策につきまして、今後さらに検討を深めてまいりたいと考えております。
#194
○竹村泰子君 答申にあります大事な、何を守ろうとしているのか、どこを守ろうとしているのか、何を直そうとしているのか、そういう一番中心的な大事な部分が私は不足をしていると、政府案には。あえてかあるいは偶然か知りませんけれども、抜け落ちでいるという気がしてならないのですね。現状そういうふうに不法投棄やいろいろな有害廃棄物が捨てられて一番困るのは住民であり周辺に住む人たちなんですよね。その人たちを守らなければならないお役目の厚生省がこういう形で答申を、さっきから言っていますように、違う方向に持っていかれるというのは大変私は不満です。
 参議院で政府案の修正をしたいと考えておりますけれども、新たにいわゆる検討条項を設けて審議会答申で指摘された内容を検討の対象とすることに何か不都合がおありでしょうか。
#195
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物をめぐります現状を踏まえまして、二十一世紀を目指した廃棄物対策を樹立すべく生活環境審議会に検討をお願いし、昨年十二月に今後の廃棄物対策のあり方について答申をいただき、その答申に沿いまして廃棄物処理法の改正を検討してきたわけでございますが、答申で提言をされております内容はおおむね廃棄物処理法の改正案に盛り込むことができたというように孝之ております。
 一部残しておる課題があることは事実でございますが、御提言の中の法律で措置すべき事項には政府部内の調整の過程で改正法案に規定するまでは踏み込めなかったものもございますけれども、その中で法制化することは時期尚早として見送られましたものや、広範な見地からさらに議論を深めるべきものとして法案に盛り込めなかったもりにつきましては、今後の検討課題として引き続き検討していきたいと考えております。
#196
○竹村泰子君 何かよくわからないお答えですが、審議会の答申では不法投棄のチェックには環境衛生指導員の増強のほか、民間人をモニターとするような制度の検討も必要と指摘しておりますね。その後どのように検討されていますでしょうか。このようなことは法律改正を待たずに都道府県に積極的に呼びかけていただいてはいかがかと思いますが、どうでしょうか。
#197
○政府委員(小林康彦君) 不法投棄を事前に防止し、あるいはその被害の拡大を早期に最小限に抑えるためには、不法投棄の早期発見あるいは現場の監視が重要なことでございまして、既に幾つかの県で不法投棄モニターというような形で実施されていることは私どもも承知をしておるところでございます。厚生省といたしましても、その実施状況等を見ながら、御指摘の趣旨も参考にいたしまして不法投棄対策のあり方を検討し、地方公共団体に対してもその内容を周知徹底してまいりたいと考えております。
#198
○竹村泰子君 どのぐらいのところでどのぐらいの方たちがモニターとして働いておられるか、これはちょっと通告しておりませんので、おわかりであれば教えていただきたいと思いますけれども、おわかりですか。
#199
○政府委員(小林康彦君) 全体の人数は把握をしておりませんが、お話しのようなモニターを採用しておりますのは、岡山県、鳥取県、福島県、栃木県、さらに市町村等も加えまして千葉県、熊本県、これらの県でモニターの制度あるいはそれに準ずる制度を既にしいておるところと承知をしております。
#200
○竹村泰子君 結構実効が上がっているのでしょうか。
#201
○政府委員(小林康彦君) 県の担当者から聞いておりますところでは、それなりの効果、特に都道府県の区域広うございますので、そうしたモニターによります情報提供というのは大変役に立っているというように聞いております。
#202
○竹村泰子君 県レベルでは大変広過ぎてとても難しいと思いますので、例えば、今高齢化社会と言われますけれども、お元気なお年寄りの方たちがたくさんいらっしゃるんですよね。そういう方たちにお願いをして、シルバーパワーなど、大いに元気で働いていただいて、市町村レベルでもぜひそういうモニターの方たちに働いていただけるように積極的に呼びかけていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#203
○政府委員(小林康彦君) 一つのお考え、御提言として私ども受けとめさせていただきまして、今後、こうしたモニター制度の内容を充実し、かつ都道府県あるいは市町村に対する情報提供の中で十分検討させていただきたいと思っております。
#204
○竹村泰子君 時間がなくなってしまいましたが、それでは国庫補助の範囲拡大、修正案の第八項になりますが、一般廃棄物の最終処分場を国庫補助できる対象に加えようとしています。
 これに対する先日の政府答弁は、一つには今予算で補助しているのだからあえてそうする必要がないこと、もう一つはそのような法律を改めるかどうかは財政上の問題ではなく立法政策上の問題であることとお答えになっていますが、このように理解してよろしいでしょうか。厚生省、大蔵省お願いします。
#205
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場につきましては、昭和五十一年の法改正で一般廃棄物処理施設に加えられ、それに対する補助は予算補助として措置をされ、市町村はこの補助制度に基づきまして施設整備を行ってきたわけでございますが、補助のほか起債、交付税等によります地方財政措置の制度もございまして、現在までのところ円滑に行われてきたというように考えておりまして、法律補助とする必要があるとは考えていないところでございます。
#206
○説明員(渡辺裕泰君) お答えいたします。
 補助金には、先生御承知のとおり生活保護のような義務的経費に対する補助金、いわゆる負担金の性格を持ったものと、廃棄物処理施設に対する補助金のようなもともと市町村の個有事務に対する補助金、いわゆる奨励的補助金とがございます。
 補助規定を法律に明示しておくかどうかの意味は、その補助金がどのような性格のものかによって異なるというふうに考えております。生活保護の国庫補助の占。つな負担金につきましては、法律に補助規定を置くことが当然でございますし、財政上の取り扱いもそれによって規定されることになっております。
 ただいま問題になっております廃棄物処理施設のような奨励的な補助金につきましては、法律補助でございましても、予算補助でございましても、財政の運用上の取り扱いについては異なることはございません。したがいまして、奨励的な補助金につきまして、法律に補助規定を置くかどうかは立法政策上の問題というふうに考えております。
#207
○竹村泰子君 それで、厚生省にお尋ねしますが、予算補助の実績もある、大蔵省だって法律で書くのはやめてくれとは言わない。それなのになぜ法律で書きたくないんでしょうか。その理由は一体何なのですか。
#208
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場の補助につきましては、現在円滑にその運用がなされておりますので、国庫補助を法定化することにつきましては、補助金の予算措置の実態から見ますと、必ずしもその必要性はないものと考えておるところでございます。
#209
○竹村泰子君 必要性がないと考えるというお答えはちょっといただけないんですが、予算のシェアの問題もあることは確かにわかるんですね。水道と廃棄物で全体の三%くらいしかない、そういうことも聞きますと、私たちもぜひ応援して、全国の自治体の熱い期待もあり、国庫補助に関しては厚生省を応援して何とか予算のシェアを少しでも多くしたいものだと、応援隊だと思っていただければいいんですけれども。しかしそれにしても、こういったことを法律できちんと決めることが必要がないというふうなお答えはどうもいただけないのですけれども、大臣、いかがなものでしょうか。
#210
○国務大臣(下条進一郎君) ただいまお答えいたしましたように、法律で規定しなくても予算上の措置が行われるというような状態でございますので、特にこれを改正するということは考えておりません。
#211
○竹村泰子君 申請すれば幾らでも補助をしていただけるなら、それはそれで結構ですけれども、なかなかそうは現実はいかないということがございますので、私お伺いをしているわけですが、どうしてもそれは法律にはそぐわないということになるわけですね。
#212
○政府委員(小林康彦君) 現在の最重要な事柄は、適正な施設整備に必要な予算の確保というように考えておりまして、最終処分場につきまして国庫補助を法定化することにつきましては、必ずしもその必要性はないと考えているところでございます。
#213
○竹村泰子君 わかりました。
 もう時間がほとんどありませんので、最後に大臣に一つお伺いしたいと思いますが、適正処理困難物の指定について、政府案では大臣が指定することになっております。衆議院で大臣は、個々の市町村において処理が困難な廃棄物について行われる施策は尊重されるべきものと考えていると答弁をされました。これは、それぞれの市町村が厚生大臣指定の適正処理困難物とは別に地域的な実情を配慮して、独自に適正処理困難物の自治体リストを持って住民や事業者に働きかけることがあったとしてもそれを尊重する、阻んだり介入したりはしないという意味に理解してよろしいですね。
#214
○国務大臣(下条進一郎君) 今回の改正法案におきましては、適正処理困難物を厚生大臣が指定することとしたのは、多くの市町村で適正な処理が困難となっている廃棄物については、全国的な観点で定めることが製品等に係る事業者の協力が円滑に得られるという趣旨であることから、個々の市町村において適正処理が困難な廃棄物についての施策を講じたとしても、その施策は尊重さるべきであり、厚生省としてこれに関与したり阻むことは考えておりません。
#215
○竹村泰子君 それでは、最後に一つ提案をして終わらせていただきたいと思いますが、大臣による指定に当たっては、やはり大臣があちこち聞き多かれるわけにはいかないのですから、市町村長や関係職員を主なメンバーとする適正処理困難物対策審議会のようなものをおつくりになって、これに語るようにと提案をしたいと思いますし、市町村の意向の反映の仕方については検討していきたいと大臣もお答えになっておりますので、現在の生活環境審議会の中の一部に部会でも設けて、こういうことに実に細やかに対応していただくことをお願いしたいと思いますが、検討の方向をお示しいただけませんでしょうか。
#216
○国務大臣(下条進一郎君) どのような形で市町村の意見を吸い上げていくかということにつきましては、これから検討してまいりたいと思います。
#217
○木庭健太郎君 それでは、質問をさせていただきます。
 今回の法案というのは、廃棄物が急増する中で、しかも最終処分場がもうほとんど満杯になっているという状態で、何としても廃棄物問題の解決と環境保全のための循環型社会を構築しようということは大きな課題でもございますし、その意味では、改正案が出てきたということは廃棄物問題の解決への糸口ではあろうと思っております。しかし、この前の論議、きょうの論議を見ておりましても、改正案というのは昨年十二月の生活環境審議会の答申と比べてみてもどうしても後退しているというような感じをぬぐうことはできませんし、それから問題点も幾つかあると思っております。
 まず、一番最初にお伺いをしたいのは、廃棄物ということの定義の問題でございます。午前中同僚委員の方が今の厚生省の廃棄物の定義についてお述べになっておられました。私もこれを読んでよくわかりませんでした。特に厚生省の通知の最後の部分の「占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものであって、排出された時点で客観的に廃棄物。として観念できるものではないこと。」と、非常にわかりにくいことになっているわけでございます。
 厚生省自身は、以前はこの廃棄物の問題については極めて明確でございまして、以前は客観的に汚物ないしは不要物と見られるものを廃棄物とするという客観説をとっていらっしゃったわけですから、わかりやすかった。でも、今非常にこれがわかりにくくしているんじゃないかと思います。
 先ほど部長はこの問題で御答弁をされておりましたけれども、部長の話を総括してみると、結局こういうふうに客観説を捨てて今のような形に変えたのは、廃棄物の範囲を結局少し広くしたい、時代の状況によっても変化があるので広くしたいというようなことじゃなかろうかと推測されるわけでございますけれども、しかし、このことがどういうことになっているかというと、いろんな問題を生じてきているんじゃないかと思っております。一番感じるのは、客観的に私たちが見ても不要なものであっても、売れれば廃棄物ではないという論法が今まかり通っておりまして、例えば産業廃棄物の問題で言えば、海岸に山積みしていても、置いたというふうにその人が言ってしまえば、ごみでなくて売るためのものになってくるわけですよね。
 そういう矛盾があるし、最近、東京の建設会社と思いましたけれども、建設廃材の処理のためにフィリピンの民間会社に建設廃材を売却する、国外搬出という計画を立てた。ただ、これも有料で輸出するんだから廃棄物の国際移動ではないというような理由になっておりました。この問題はたしか輸出はストップがかかったと思うんですけれども、この辺も私は重要な問題だろうと思うのでございます。反対に、これも午前中部長がおっしゃっておりましたが、例えば新品のワイシャツにしても何にしても、デザインが変わったりいろんなことが変わってくると、それをその人たちが廃棄物と思ってしまえば、新品であっても廃棄物になるというようなこともおっしゃっておりました。しかし、こんなことをするから、結局、新品が全然中間処理もされずに大量に山積みされるわけでしょう。最終処分場の不足の問題というのは、こういう廃棄物をどう考えるかという問題が背景にあるんじゃないかなと思っております。
 こういった問題を含めて、厚生省として廃棄物の定義についてもう一回きちんとした形で見直して考えなくちゃいけない時期に来ているんだろうと思いますけれども、お考えをぜひお伺いしておきたいと思います。
#218
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法におきまして、「「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃えがら、汚でい、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のものをいう。」と法律上定義をされておるところでございます。しかし、現実的な問題といたしまして、お話にもございましたような客観的には廃棄物と言えないようなものでございましても、環境保全上支障がある方法で廃棄されて問題になりましたり、逆に客観的に見れば廃棄物でありましても、有償で購入され、環境保全上支障がない方法で再生利用がされる場合が出てきましたり、こういう状況がございましたので、昭和五十二年に「廃棄物とは、占有者が自ら、利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になつた物をいい、これらに該当するか否かは、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきもの」との考え方に立って取り扱われることとされたものでございます。時代が複雑になりましたので、個別の案件だけで判断ができず総合的に勘案という立場をとっているところでございます。
 廃棄物を適正に処理いたしますためには、今後とも廃棄物であるか否かの判断を的確に行う必要があることは御指摘のとおりでございますが、廃棄物につきましては、その性格上、画一的な当てはめが困難な場合がございますので、その範囲につきましては事例を積み重ねていくべきものと考えておりまして、必要に応じまして個別事例について明確にいたしますとともに、地方公共団体の担当者等への周知徹底について十分配慮してまいりたいと考えております。
 諸外国との関係につきましては、廃棄物の輸出入につきましては、その有害なものにつきましてバーゼル条約の批准という問題を抱えておりますので、国際的に対応する輸出入の部分の定義につきましては引き続き検討していくことにしていきたいと考えております。
#219
○木庭健太郎君 きょうは一つ一ついろんなことを聞きたいと思っております。
 次は、建設残土の取り扱いの問題でちょっと一問お聞きします。
 現行の廃掃法を見ましたら、「港湾、河川等のしゆんせつに伴って生ずる土砂その他これに類するもの」及び「土砂及びもっぱら土地造成の目的となる土砂に準ずるもの」というのは適用対象から外したわけでございます。原則的にこういうものは土地造成の材料となる有用物だというような考え方だろうと思うんですけれども、ただ、これが決まった当時と今日とでは有用物かどうかという状況は随分変わってきているんじゃないかなと
 とりわけ現在問題となっていますのが建設残土の問題でございまして、この廃掃法の規定を受けないために事実上野放しになって問題になっているわけです。さらに、これが問題なのは何かというと、その中に建設廃材とか汚泥とか、本来産業廃棄物として処理されるべきものが事実上は一緒になって放置されているという現状があるということだと私は思っております。こういった建設残土の問題は、廃棄物の例外規定でございますから、これをぜひ改めていただいて、建設残土という問題についても廃掃法に基づく規制を行うというような方向で検討を始めなければいけないんじゃないかと思っておるんですが、いかがでございましょうか。
#220
○政府委員(小林康彦君) 自然の状態で存在いたします土砂を廃棄物と解するのは困難ではないかというふうに私ども考えております。しかしながら、事業活動に伴いまして廃棄物として発生いたします土砂、例えば泥状のものでございますと産業廃棄物の汚泥となりますし、土砂の中に廃棄物が混入しておりますれば、その混入しておる方の廃棄物が廃棄物処理法の廃棄物でございますので廃棄物として規制をされているところでございます。
#221
○木庭健太郎君 確かにきちんとまじめに皆さんがやればいいというようなお答えなんでしょうけれども、現実がそうでないということも踏まえた上で、この問題を考えていかないと、また大きな問題になると私は思っておるんであります。
 さらに、もう一つ深刻な問題となっておるのは汚染土壌の問題だと思っております。これも不法投棄が最大の原因ではございますけれども、それによって土壌汚染が生じている実態があるわけでございます。特に古い工場跡地とか工場排水が注ぐ河川の土砂からは随分高度の有害物質が検出された事例というのは幾つもございます。こういう全国の有害物質を含んでいる土砂がこれも廃掃法の規定からは除外されて何の法的遣用も受けずに処分されておるのが現状でございます。こういう汚染土壌の問題については総合的見地から検討する必要もあると考えるんですけれども、ひとまずともかく、有害物質を含む汚染土壌についてもこういう廃掃法の中で適用というものをきちんと考えて適正処理を図る、こういうことも検討しなくちゃいけないんじゃないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
#222
○政府委員(小林康彦君) 自然状態に存在しておりますもの、掘り出しただけという状態のものでございますと、従来廃棄物としては取り扱ってきてはいないところでございます。しかしながら今お話のございましたように、有害物質を含みます土砂につきましては、環境汚染としての問題もございますので、関係省庁ともよく相談をして適切な対策について検討してまいりたいと考えております。
#223
○木庭健太郎君 今は建設残土とか汚染土壌の問題を言ったんですけれども、もう一つ現行の廃掃法の中における大きな問題というのは、一般廃棄物と産業廃棄物の区分の問題だと思っております。産業廃棄物というのは、事業活動によって生じた廃棄物のうち特定するものをいうというふうな規定でございます。しかし、そもそもこの範囲というのは、法律ができた当時、質量面で市町村の清掃事業によって処理されるのは困難だというふうなことから、ある物を産業廃棄物にした。そして企業の自己処理を義務づけたというところがそもそもの発想だと思っているわけです。
 ただ、現実今何が変わってきているか。前回から随分論議になりましたオフィスから出る紙ごみの問題、これはできた当時と現在では全く廃棄物をめぐる状況は変わっているわけです。かえって一般廃棄物の中に大きく問題をはらむものがふえているという現実があるわけです。だから、一般廃棄物の中の何が伸びているかといえば事業系一般廃棄物が伸びているわけです、事実は。ですから、結局その区分を苦したままで変えてないがために、ある意味じゃごみが自治体の収集業務を圧迫したり、中間処理されないままの持ち込みこみが結局自治体の最終処分場にどんと来てしまうというのが現状だと思うんです。
 この事業系一般廃棄物の問題、きちんと見直す、事業系一般廃棄物とは何か、産業廃棄物とは何かという立て方自体が今非常に疑問視されているんじゃないかなと思うんです。そういう意味じゃ廃棄物の区分についてもそろそろ見直しの検討をしていただかないと実情に沿っていないし、逆に言えばこのことがごみ問題の大きな問題だと思っているわけでございます。こういう見直しについてどう考えていらっしゃるかというのをぜひお聞きしたいし、また事業系の一般廃棄物については、その処理費用については事業者が負担するというような原則というものをつくっていかなくちゃいけないんじゃないかと思っておるんですが、この点についてもお伺いしたいと思います。
#224
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物と産業廃棄物の。区分の見直しにつきましては、種々御議論のあるところでございますが、市町村の廃棄物処理行政などに与えます影響などが極めて大きい課題でございますので、私ども慎重な検討が必要というふうに考えております。
 お話のございましたオフィスからの紙くず等を産業廃棄物とする方向で検討すべきとの提言を生活環境審議会の答申でもいただき、検討したわけでございますが、既に一般廃棄物としての処理ルートが整備されておりまして、現行の処理体制の急激な変更はかえって混乱を招くおそれがあるということから、事業系のオフィスからの紙くずを産廃にするという点は見送りまして、答申の後段でございました、「少なくとも、これらについては回収や処理コストの負担を排出事業者自身に求める必要がある。」という当面の施策提言に従いまして、事業系一般廃棄物としての事業者責任の強化を図りますとともに、市町村の一般廃棄物の処理手数料の中でこうした廃棄物に対する費用負担の方向を出すということで措置したところでございます。
 廃棄物の区分につきましては、基本的にそれを見直すという考え方もいただいておるところでございますが、地方公共団体の廃棄物処理行政に与える影響あるいは処理業者の処理の現状等にも留意しつつ、中長期の検討課題ということで検討していきたいと考えているところでございます。
#225
○木庭健太郎君 今お聞きしていて、答申よりも後退してきて、しかもいざやるとき、じゃどれだけ明確になったかというと余り明確になってない部分もある。そういう一番ある意味じゃ今回の問題の中で大きくなっている問題が意外に、もう少し強い姿勢でやっておかないと、本当にせっかく改正しても後で同じような問題を引き起こすんじゃないかなという心配を私自身は非常にいたしているわけでございます。
 さて、改正案の中でちょっとお聞きしたい点がございます。それは、廃棄物の減量という観点から廃棄物の計画的処理を進めることとして、多量に廃棄物を排出する事業者に対し廃棄物の処理に関する計画の策定を指示できることに今回の改正案はなっているわけでございます。しかし、一般廃棄物についてはその減量に関する計画の策定を規定しておりますけれども、産業廃棄物については「産業廃棄物の処理に関する計画」とあるだけで減量について触れてないわけでございます。
 どっちが量的に多いかといえば、圧倒的に多いのは産業廃棄物じゃないかと思います。これにどうして減量という言葉が出てこなかったというのは非常に不思議に思っておるんですけれども、何でなのかということを聞きたいし、多量に産業廃棄物を生ずる事業所を設置している事業者に対しては一般廃棄物と同様に減量ときちんと明記して、減量に関する計画策定の指示というのを追加すべきであると考えますけれども、その点についてまず伺います。
#226
○政府委員(小林康彦君) 事業者に作成を指示いたします産業廃棄物の処理計画には、排出をいたします廃棄物の種類、発生量及び処理量の見込み、廃棄物の減量化、再生利用その他の適正処理に関する事項を定めることとしております。廃棄物の適正処理には減量という概念を含んでいるものと理解をしておりまして、産業廃棄物におきましては減量以外に中間処理、最終処分等廃棄物として最後まで事業者みずから処理をするという部分も多くございますので、減量化を含んでより広い処理の計画を作成させ、適正処理を図るのが適当というところで、一般廃棄物と産業廃棄物と言葉を使い分けているつもりでございます。
#227
○木庭健太郎君 それじゃここで言う「多量」というのは、どの程度の量を想定されるんですか。ついでに聞くと、この多量の排出量というのは、だれがどのように測定することになっているか、教えてください。
#228
○政府委員(小林康彦君) 都道府県等が処理計画の作成を指示することができます多量排出事業者の「多量」の判断基準は、それぞれの都道府県等におきます廃棄物の発生量、処理体制の状況に応じて決められるべきものと考えておりまして、一律に決めることは困難でございますけれども、今後都道府県に対しまして、多量と判断する際の参考になるような要素あるいは考え方につきまして、検討の上指示してまいりたいというように考えております。
 処理計画を作成する事業者に対しまして、このような要素あるいは考え方をもとに、多量の判断といいますものは、産業廃棄物につきましては都道府県、一般廃棄物につきましては市町村が定めるものでございます。
#229
○木庭健太郎君 じゃ、例えば病院から出される医療廃棄物、この場合病院単位で多分やられると思うんですけれども、この場合の「多量」かどうかという判断は、何を基準にしてやるんですか。
#230
○政府委員(小林康彦君) 多量排出事業者の「多量」の判断基準につきましては、その発生量や排出状況等に応じて決められるものでございます。
 医療関係機関に関しまして、一律に病床数等で適用範囲を定めることは適当とは言えないと考えておりまして、去の施行に当たりましては週系音の意見を十分に聞き、都道府県等を指導してまいりたいというように考えております。
#231
○木庭健太郎君 そうすると、単にベッド数で判断するとかそんなことじゃなくて、さまざまな要素、例えば一番廃棄物というか出やすいのは、人工透析とかしましたらいろんなものが出てまいります。また、外来の部分でもいろんな問題が出てくるわけですよね。そういったいろんな要素をきちんと判断していただけるということですね。一律に、何か例えばベッドならベッドというものを決めて、判断するということはしないということで理解してよろしいのでしょうか。
#232
○政府委員(小林康彦君) ただいまお話のございましたようないろいろの要素を勘案し、かつその地域での全般としての廃棄物の発生状況、その中に占めます割合でございますとか、そういう種々の要素を考慮した上で、都道府県あるいは市町村において多量と判断されるよう、適切な情報提供と指導をしていきたいと思っております。
#233
○木庭健太郎君 産業廃棄物の問題で、私たちがいつも疑問に思うというか、量の問題なんかで特に言いたいのは、産業廃棄物の正確な実態調査というのが本当に行われているかどうかということなんですよ。そういうのがはっきりしてくれば、またいろんな意味で論議しやすいんですけれども、それ自体がどうなのかという疑問を呈さざるを得ない。
 なぜかと言いましたら、国の調査は現在五年に一回でございます。その方法というのは、都道府県から出た数字を積み上げていくわけですよね。この都道府県の調査というのも、聞きましたら抽出調査であって、しかも実態調査を行う年次も基準も、独自性に任せているといえば格好いいですけれども、私から言わせればばらばらだということです。この実態調査のやり方が、いろいろ聞いてみますと処理業者サイドから自主申告にゆだねているという話もありますし、本当のこれが実態調査がなという疑問を持っていますし、さらに今一番問題になっている広域にごみが動くという問題についても、状況はつかめてないというような話も聞いております。
 結局、実態というのがはっきりしてなければ、例えば最終処分場をどこへつくるとか、いろんな問題が出てきても、住民は納得できないと思うんですよね。特に、産業廃棄物というのは有害物質を含んでいるという問題がもう以前からずっと言われているわけでございます。ともかく今やらなくちゃいけないのは、この適正処理の推進へ向けてこの法律をつくって実際に運用するときにどううまく当てはめるかと。いう前提としてこういう調査が、正確な実態調査をするというのが私としては当たり前の前提だと思っておるんです。
 ですから、例えば現在通産省が行っている工業統計がありますけれども、この項目に産業廃棄物の排出及び処理処分の状況というのを指定して、全国規模で排出者側の実態を把握するというような方法なんかも考えられると思うんです。もっとより実態に即した調査をやっていただきたいと思っているんですけれども、この点についての見解を伺いたい。
#234
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の排出処理の実態につきましては、お話がございましたように、五年に一回都道府県の調査をもとにいたしまして、産業の業種別に原単位を全国的に算定をし、出荷額等から全国の排出量の把握をしておるところでございます。今後廃棄物行政を進めます上で廃棄物に関します情報の整備は極めて重要なことでございますので、お話のございましたように調査の回数、間隔を縮めること、かつその内容を詳細に行い、より確度の高い実態把握ができるように私どもも検討を進めなければならないというふうに考えているところでございます。
 工業統計に加えてはどうかという御提言がございまして、政府として行われております統計調査には、工業統計を含め各種のものがあることは私ども承知をしておるところでございまして、必要に応じまして御指摘のような点も含めまして今後の実態把握につきまして検討してまいりたいと考えております。
#235
○木庭健太郎君 そして、もう一つ産業廃棄物について大きな問題になっているのは広域的処理の問題でございますし、そういった意味で、まずこれも実態がつかめていないようですから、実態をつかむというのが大前提と思うんですけれども、それと同時に、産業廃棄物の排出者あるいは処理業者は、その処理先の都道府県知事等に対して事前協議を行うというような体制の確立を行うというのも一つの方策ではないかと思うんですが、これについてもお考えをお伺いしたいと思います。
#236
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物はなるべく発生の場所あるいはその近くで処理をされるのが好ましいわけでございますが、現実問題といたしまして、必要やむを得ず県を越えての産業廃棄物の広域的移動が認められるところでございます。広域的な移動につきましては、計画的かつ体系的に行われるべきとの観点から今回の改正法案におきまして、都道府県知事の産業廃棄物処理計画作成に当たり、厚生大臣が必要な情報の提供や助言をすること、特別管理産業廃棄物へのマニフェストの使用の制度化、廃棄物処理センターによる広域的な施設整備の促進等の措置を講じたところでございます。
 都道府県知事は処理計画の策定や、あるいは処理業に対する許可権限を有することで、その区域内の産業廃棄物が適正に処理されるよう指導監督を行っておりますほか、問題があります場合、その予防のために立入検査や報告徴収を行うことができるということになっておりますので、これらの措置を適正に運用いたしまして、広域処理の適正化が図られるようにしていきたいと考えております。
#237
○木庭健太郎君 余りこれはやりたくないというような話ですね、結局。
 次、廃棄物処理施設の確保と管理の問題についてこれから少しお聞きします。
 改正案では、第三セクター方式の廃棄物処理センターが関与する道を開くほか、これまでの届け出制から許可制に改めております。そして最終処分場について災害防止のための計画が定められているものであることを許可の要件とするなど規制は確かに強化を行っておりますけれども、私この問題で一番大事なのは、住民の廃棄物処理施設に対する感情だと思うんです。不信感があります。そういう最終処分場を確保するためには、住民の理解と協力を得て進める努力と方策というのが一番大事だろうと思っております。
 そこで、これから始められる各都道府県一カ所に設置される廃棄物処理センターの問題でございます。これについてもより都道府県の監督権限を強める必要があるのではないか、特にセンター内に廃棄物処理施設をっくっていくわけですけれども、つくる際には、例えば今で言えば環境アセスメントの制度化のようなものが必要だろうし、住民への情報公開に努めて、せっかくそういうものをつくっていくわけですから、ぜひとも住民の理解を得られるような形をとっていただきたいと考えておるんですが、このアセスメントに対する考え方、住民への情報公開についてどうお考えになるかを聞かせていただきたいと思います。
#238
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理センターは民間での処理施設の確保が困難になっている状況にかんがみまして、公共の信用力を活用して特別に管理を要する廃棄物や産業廃棄物のモデル的処理を図ろうとするものでございます。一このため、改正法案におきまして廃棄物処理センターは地方公共団体の出資を要件にいたしますとともに、その運営につきましては民法上の公益法人としての都道府県によります指導監督が及び、さらに改正法案上の指定法人といたしまして厚生大臣の指導監督権限も政令で定めるところにより都道府県に委任することができるとしているところでございます。こうした都道府県知事の権限によりましてセンターに対します都道府県知事の監督が適切に行われるように指導してまいりたいと思っております。
 また、センターが設置をいたします施設の環境アセスメントについてでございますが、環境アセスメントにつきましては、政府全体として昭和五十九年に環境影響評価の実施にかかわる閣議決定を行いまして、それに基づき実施することとしておりまして、その法制化につきましては引き続き検討することとされておりますことから、廃棄物処理施設についても厚生省通知によりまして一定規模以上の最終処分場の環境影響評価を実施するよう指導してきているところでございますので、今後ともこの指導を徹底してまいりたいというふうに思っております。
 産業廃棄物の処理施設につきましては、今回の改正法におきましてその設置を、御紹介いただきましたように届け出制から許可制に改めますとともに、施設の設置に当たりまして地域の特性を踏まえて、生活環境保全上の配慮が必要な場合には、施設の設置の許可に生活環境保全上必要な条件を個別に付すことができるようにしておるところでございまして、産業廃棄物処理施設の設置につきまして信頼性、安全性の向上に努めることにしておるところでございます。
#239
○木庭健太郎君 次は、最終処分場のことでお尋ねします。
 最終処分場の問題というのが今一番、住民の健康被害の問題なんかも挙げられておりまして、いろんな問題が出てきている一つだろうと思っておるんですけれども、産業廃棄物の最終処分場、これについて今どんな種類があるのか、及びその数がどうなっているのか、お聞かせください。
#240
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場には三つのタイプがございます。
 第一は遮断型処分場と称しておりまして、燃えがら、ばいじん、汚泥、鉱淳及び産業廃棄物を処分するために処理したもので有害なものを埋立処分するものでございます。この遮断型処分場は平成元年四月現在三十五ございます。
 第二の区分は安定型処分場と称しておるものでございまして、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず、建設廃材、環境庁長官及び厚生大臣が指定する産業廃棄物、俗に安定型廃棄物と言っておりますが、安定型廃棄物を埋立処分するものでございまして、全国で千二百二十三ございます。
 第三の類型が管理型処分場でございまして、通常の廃油は別で、タールピッチ類に限っての廃油でございます。それに紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残港、動物のふん尿、動物の死体並びに燃えがら、ばいじん、汚泥、鉱滓及び産業廃棄物を処分するため処理したもので無害なもの、これを埋立処分するものでありまして、この管理型最終処分場、全国で九百九十、いずれも平成元年四月現在でございますが、設置されております。
#241
○木庭健太郎君 今おっしゃったように一番多いのは安定型処分場でございます。これは厚生省の見解で言えば最も安全なものだし、ある意味じゃ素掘りでやるだけでいいような形になっているわけでございます。しかし現実は、こういう安定型処分場から有毒物質が漏れだというような話が多いし、土壌や水質の汚染ということももうこれは何回もいろんなケースで出ておるんですけれども、これはなぜなのかということを厚生省としてどう分析されているかぜひ聞かしてほしいんです。それは不法投棄があるからだとおっしゃるかもしれない。結局、こういう安定型の中に廃棄物がきちんと分類をされずにぼんとほうり込まれているようなケースがあります。
 また考えなくちゃいけないのは、今おっしゃった安定した五品目ですよ。この五品目にだって有機物や腐敗するものが付着しているままで完全に区別することは私は難しいと思うんです。こうした状況をずっと続けていけば、安定処分場といいながら、そこから有毒物質が出てくるという危険性が非常にある。安定型処分場のあり方自体を今きちんとしないといけないときにきているんじゃないかなとも思うんですけれども、そう思いませんか。
#242
○政府委員(小林康彦君) 安定型処分場におきまして汚水等が発生をするトラブルが時にございます。その原因についてのお尋ねでございますが、個々の事例によりまして異なると考えますが、安定型処分場に本来投入、埋立処分されるべきでない汚泥や一般廃棄物が埋め立てられている。そのため汚水等のトラブルが生じている、これが原因の一つであるというように考えております。
#243
○木庭健太郎君 それはそのとおりなんですけれども、だからこそ逆に言えば安定型処分場というのが本当にきちんと運営されているのかどうかというのを調べなくちゃいけないと思うし、逆に言えば、本当にそういうものでだめであればやり方というのも考えなくちゃいけないんじゃないかなと私自身は思うんですよ。
 同じように問題なのは何かというと、こういう産業廃棄物の最終処分場のうち一定規模のものについては、安定型で言えば千平方メートルだったですかね、そういうものについては、設置時に基準とか技術上いろんなきめ細かい規制とか指導があるんですけれども、一定規模以下のものについては基準に適合しているかどうかの監視の目が全然行き届いていないと私は思うんです。大体こういった小規模の最終処分場がどれくらいあるか、厚生省として把握されていますか。
#244
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の埋立処分に当たりましては、埋立地の規模を問わず処分する行為についての処分基準を定めているところでございます。
 埋立処分基準につきましては、廃棄物が飛散、流出しないようにすること、処分施設の設置に当たりまして生活環境の保全上支障の生ずるおそれのないようにすること、処分場所には周囲に囲いを設け廃棄物の処分の場所であることを表示すること、埋立地からの浸出液によって公共の水域及び地下水を汚染するおそれがある場合にはそのおそれがないように必要な措置を講ずること、埋立地の外に悪臭が飛散しないように必要な措置を講ずること、埋立地にはネズミが生息し、蚊、ハエその他の害虫が発生しないようにすることを規定しておりまして、これらの処分基準を遵守することにより適正に埋立処分を行わせることとしておることでございます。
 この処分基準に違反をしまして不適正な処分が行われます場合には、都道府県知事は、不適正な処理を行いました者に対して改善命令を発することができるとともに、生活環境の保護上、支障が生じ、または生ずるおそれがある場合には廃棄物の撤去、汚染拡大の防止などの措置命令を発することができることとしておるところでございます。
 施設のうち、一定規模以上を許可対象施設としておるわけでございますが、これは公害対策関係の他の法律と同様、環境に対する影響の大きさを勘案いたしまして、一定の規模以上のものについて現在は届け出、今後は許可としておるわけでございますが、そのすそ切りといいましょうか、規模の限界につきましては必要に応じまして検討を行うこととしていきたい考えます。
#245
○木庭健太郎君 数はどうですか。
#246
○政府委員(小林康彦君) 小規模な最終処分場につきましては、現在届け出の制度がないということもございまして、幾つかのサンプル的な状況については私どもも承知をしておりますが、全国、正確に幾つという数字が把握できる状態にはなっておりません。
#247
○木庭健太郎君 それはやらなくてもいいということですかね。そういったものがどこにどうあるのかという把握はする必要はあるんじゃないですかね。その点どうですか。
#248
○政府委員(小林康彦君) 今後、排出事業者の排出の状況、委託の状況、事故処理の状況等を通じましてなるべく実態に近い状態を把握していく必要があると思っておりますが、不適切な状況が摘出ができ、それに対する指導ができるという状況でございますと、大体の状況が把握できれば全国的な行政としては適切な行政対応ができるものと考えております。
#249
○木庭健太郎君 それじゃ次は、処分場の問題の最後に跡地管理の問題をちょっとお聞きしたいんです。
 現行法上では、最終処分場は埋め立て完了後、一定の期間を置いて閉鎖されて、そして閉鎖後に廃棄物の処理法の適用外となるシステムになっているわけですね。アメリカのラブキャナル事件の問題がおとといの論議のときもちょっとあっておりましたけれども、環境汚染が明らかになるというのは、埋め立てからもう何十年もたった後というケースは結構あるわけでございます。しかも、今みたいに有害物質が複雑多様化しておりますし、そういった意味じゃ、この跡地管理の重要性というのは今後ますます重要なものだと思うんです。
 産業廃棄物の跡地管理について、厚生省はどのような取り組みをされていこうとしているのか。改正案そのものでははっきりしないような気もしますし、その点をはっきりしていただきたいと思います。
#250
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場の閉鎖後の跡地管理につきましては、現行法で課題を残しておるというところもございまして、改正法におきましては、まず埋立処分が終了しましたときはその旨を都道府県知事に届け出なければならないということで、都道府県知事の指導が徹底をできるよう、一つの規定を置いております。
 次に、都道府県知事は、埋め立て終了の届け出を受けました最終処分場の台帳を調製いたしまして、関係人の請求に応じ閲覧させなければならないことということで、最終処分場であったということが将来とも明確に記録に残るようにという制度を入れてございます。こうしたことで、処分場の跡地管理を図る規定を入れておるところでございます。
 また、最終処分場につきましても、届け出制から許可制に改めることにしておりまして、許可にかかわります技術上の基準を整備をすることなどによりまして処分場の安全性、信頼性を向上させることとしております。
 なお、今回の改正法案では、特別管理廃棄物の指定に伴います処理基準の見直し、不適正処理に対します改善命令の強化など、適正処理を確保するための措置を全般的に強化することとしておるところでございます。
 安定型処分場につきましては、先ほど来御指摘いただいております点を踏まえまして、本来埋め立てることができない廃棄物が埋め立てられないよう監視、指導を強化するなど都道府県を指導してまいりたいと考えております。
#251
○木庭健太郎君 ただ、それだけだと、結局不幸な結果ですけれども、有害廃棄物が処分場の周りに流出した場合とか、処分場跡地で環境汚染が起こった場合というのは、台帳はあります、台帳はあった、どこでどうなったかわかった、でも実質的にはだれかが何を入れていた、その会社はもう既にその時点ではそれをきちんとするだけのものを持ってない、そういう事態に対応できるかどうかというのは非常に疑問なわけでございます。
 ですから、不幸にもそういう環境汚染なんかが起こった場合に対して、被害救済制度というのをつくっておく必要があるんじゃないかなと思います。これも先ほど論議になっておりましたけれども、部長はさっき諸外国の例も見ながら十分そういう問題についても検討したいとおっしゃいましたが、事実アメリカにはあるわけです。総括的環境への対応・補償義務法というスーパーファンド法が成立しているわけですよね。それを即まねろとは言いません。でも我が国においてもこういった制度を取り入れて、廃棄物が流出した際なんかに一定範囲の者に無過失責任を認めること、また被害者への補償、原状回復のため、責任を負うべき業者が存在しない場合または負担能力がない場合に備えて排出事業者にも拠出させる基金の制度化というのは検討すべきであると私は考えます。
 今回やるのが本当は一番いいんですけれども、できなければ近い将来でもこれはすぐにもやらなくちゃいけない問題だろうと思います。不法投棄等に関しても、言うならば原因者が不明な場合に原因者にかわって知事が代執行をするというようなこと、及びその費用を原因者ばかりでなく排出事業者にも求めることができるような仕組みというのも検討すべきだと思いますけれども、この点について答弁をいただきたい。
#252
○政府委員(小林康彦君) 最終処分場につきましては、その構造及び維持管理が適正でございますと、周辺環境に対して十分安全性の確保ができると考えておりますが、さらに二重三重の安全性を確保する対応をとるのが適切ではないか、こういう御意見もございまして、お話のございましたような諸外国の基金の例、そういうものを日本でも創設をすべきではないか、日本の都道府県の中でも小規模ではございますがそうした制度を施行しておる事例も出てきております。ただ、こうした基金の造成につきましては、どなたに拠出をいただくか、その補償の範囲、実施者をどうするか等問題がございますので、それらの問題を検討しながら今後慎重に検討してまいりたいと考えております。
 不法投棄につきましてのお尋ねがございまして、不法投棄の原因者が不明あるいは負担能力がない場合、委託基準に違反をしました排出事業者につきましては、都道府県が代執行を行いました場合にその費用を徴収することができるということになっております。不法投棄の原因者が不明の場合の措置の基金の造成でございますが、不法投棄が行われた場合の原状回復にかかわる費用は原因者にその負担を求めるのが大原則でございまして、基金によります回収を行うことは原因者の責任を不明確にし、不法行為をかえって助長するおそれ、がある上の意見もありましたことから、今回の法改正では見送ることとしたものでございますが、この点につきまして最終処分場の基金と同様幾つかの問題点がございますので、その問題点を整理しながら今後慎重に検討してまいりたいと考えております。
#253
○木庭健太郎君 さっきも指摘があっていましたけれども、何か考え方が、どこに基盤を置くかという点でいうと、一番そういうときに被害を受けるのはだれかといえば、そこに住んでいる住民であってみたり、例えばそこが水源地だったらそれを使うその市民であってみたり、だから実際に起きたときに被害を受けている人たちをどうするんだという視点を最初に立ててもらわないと、こういった問題いつまでたっても、じゃ原因者だれだと、それやるまでまた現状と同じようなことを繰り返すわけですよ。
 ぜひこの点、特に廃棄物の不法な処分というのがあった場合、これで生活環境に何か支障が起きたと、住んでいる人たちなりに、そういう場合については適切かつ迅速な原状回復を確保する方策というのをもう絶対やらなくちゃいけないと思うし、この部分に関しては野党の共同要求も出ていますけれども、少なくともこの点については検討していかなければならない。そうしなければせっかく法をつくっても、住んでいる人たち、本当に困っている人たちに対して何ができるのかということになると思います。
 これについてはぜひ大臣から、きちんとこういう問題については検討するんだという決意を聞かせていただきたいと思います。
#254
○国務大臣(下条進一郎君) 不法に処分された廃棄物による生活環境保全上の支障を速やかに除去することは極めて重要な課題であると、このように認識いたしております。
 廃棄物が不法に処分された場合の原状回復を適切かつ迅速に行わせるための方策につきましては、諸外国の例を参考にし、また御指摘の点も踏まえながら、今後さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
#255
○木庭健太郎君 この点については本当、一番強く主張しておきます。何としても検討していくことだけはやっていただかないと、実際もう個別具体的な問題挙げれば幾らでもあるんです。私の近所でもありましたけれども、これについてはきちんと対応していただか。ないとと思っております。
 そしてもう一つ、マニフェストの問題も先ほど同僚議員が詳しくやっておりました。私はこのマニフェストの問題についてぜひ言っておきたいのは、今回は特別管理のもの、有害なものに限ってまず導入する、これはすごいことだと思います。もうやらなくちゃいけないことだと思ったのがようやく制度化され、法律化されるということは評価するんですけれども、先ほど部長は、問題になった建設廃材、いろんな問題がまだいろいろある、それについては行政指導で当分マニフェストを導入するような形でやっていくんだということをおっしゃいました。ただ、その行政指導というのがいろんな意味で本当に問題になっているわけです。
 確かに行政指導というやり方も一つあるでしょうけれども、それじゃなかなかうまくいかない面が、別に厚生省の話ではないけれども、ほかの問題では起きているのも事実なわけでしょう。だから、行政指導じゃなくて、将来的に段階的に、この時期にはこういう形でマニフェストをふやしていくという、拡大する方向だけはきちんと認識していただいて、行政指導というのはあくまで仮の措置だと、将来的にはきちんとこういうマニフェストの制度を定着化させて、より拡大させていくんだということがぜひとも必要だと思っておりますけれども、これについてお伺いしたいと思います。
#256
○政府委員(小林康彦君) マニフェストにつきましては、現在特別管理廃棄物について適用するという改正案にしておるわけでございますが、それに限定しておりますのは、廃棄物処理に要します事務的負担が過大なものとならず合理的な範囲にとどまる必要があること、それから諸外国の例を見ましても有害廃棄物の処理に限られていること、これらから特別管理産業廃棄物についてのみ義務づけたところでございます。
 その他の産業廃棄物につきましても、マニフェストが必要及び有効な分野がございますので、従来から行っております行政指導を引き継ぎまして、マニフェスト使用の普及、定着に努めてまいる所存でございます。
 将来マニフェストの適用範囲をどうするかにつきましては、この行政指導によります普及、定着の状況を踏まえまして、今後検討することといたしたいと考えます。
#257
○木庭健太郎君 今後検討するというのは、そういう方向としてはもちろん行政指導で進めていくけれども、それの状況を見ながら、きちんと法律化するような方向に持っていきたいと考えているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#258
○政府委員(小林康彦君) 関係者もございますので、そうした方向も大きな選択肢の一つということで検討してまいりたいと考えております。
#259
○木庭健太郎君 選択肢とおっしゃいましたけれども、選択肢じゃなくて、ある意味ではそういった方向をどれだけ広げられるかという問題の方向で、基本が大事ですから、どうやって考えるかという、そういった方向をとっていただきたいと要望しておきます。
 次に、ごみ施設の整備にかかわる補助金の拡充の問題についてお伺いしたいと思います。
 これも前回の審議のときに少しお話があっておりましたけれども、私も新聞報道を読みまして大変だなと思いました。新聞報道読みましたら、自治体からの補助金の要望額が千二百五十億ぐらいあるのに対して、今年度の予算の補助金総額が約八百億円ぐらいですか、結局四百五十億円ぐらい不足して、今年度完成するはずだった、全国でいえば八十四施設がすべて来年度以降に延期されていると。今後ももっとふえるというようなお話でございまして、全国のごみ処理施設の整備がどんどんどんどんおくれるんじゃないかというような報道でもございました。
 これについて、厚生省としてどんなふうに認識されているか、どういう現状なのか、明らかにしていただきたいと思います。
#260
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理施設の整備につきましては、昭和四十年代後半に整備をいたしました施設が更新期を迎えておりますこと、それから近年ごみの排出量が急激に増加してきたことを背景にいたしまして、市町村からの要望額が予算額を上回る状況にございます。このため、平成三年度の継続事業の一部につきまして、先送りを前提とした内示を行わざるを得なかったところでございます。
 しかしながら、廃棄物処理施設の整備は緊急を要する事業でございまして、多くの市町村から継続事業のうち、先送りをすることとしております部分についてぜひ本年じゅうに事業を予定どおり実施をしたいという要望が極めて強い状況にございまして、厚生省としてもそれにこたえるべく現在各省庁とも鋭意協議を進めておるところでございます。
 具体的な内容といたしましては、地方財政措置によります対応を含めまして、市町村のごみ処理施設等の平成三年度の整備事業に支障が生じない方策を現在検討しているところでございます。
#261
○木庭健太郎君 とにかく法律改正するのも結構ですし、それで一つの糸口ができていくんですけれども、肝心な方、結局処理施設の整備というのがそういう状況だったら、これは持ち込まれてもどうしようもなくなるわけですよね。しかも、おっしゃったとおり、四十年代につくったものがどんどん老朽化して、老朽化以上に何か燃える温度の問題が随分変わってきて大変だというようなことも聞いておるわけでございます。
 結局、今回の問題とリンクする中で一番大事な問題は、じゃ施設は本当に大丈夫なんだろうかなということだろうと思うんであります。自治体から申請が殺到しているわけですから、本年度の積み残しの分を含めるとどうなるんですか、来年度の必要額は本年度の二倍以上みたいな額になるんじゃないかと思うんですよね、もし丸々やるとするならば。そういった意味でも、これも要望出ていましたけれども、これは予算とるしかないわけです。
 たまたま大臣は大蔵省の御出身でもありますし、そういう意味じゃ大蔵省の実情もよくわかるし、逆に言えば大臣が一生懸命頑張ればこれはかなりふえるんじゃないかなと、次の大臣じゃだめで、下条大臣でなきゃできないというようなぐらいの決意を持っていただいて、ぜひこの件については、これやらないと本当どうしようもないという現実をぜひ踏まえていただいて、今一番適任の大臣が座っていると思いますんで、私たちも一生懸命応援したいんです。地方自治体も悲鳴を上げていますので、強い決意を、抽象的じゃなく強い強い決意を聞いておきたいと思います。
#262
○国務大臣(下条進一郎君) 大変力強い激励のお言葉をいただきましてありがとうございます。
 廃棄物処理施設は、快適で豊かな国民生活の基盤とも言うべき重要な施設であり、生活環境の保全及び向上のため一層の整備促進を図っていく必要があります。したがって、必要な予算の枠を確保することが極めて重要であると認識いたしております。この点は全く委員と同じでございます。このため厚生省としては、平成四年度概算要求におきましては、他省庁計上分も含め、廃棄物処理施設整備費として八百九十一億円の要求、生活関連重点化枠百二十七億円の要望、合わせて千十八億円を要求、要望しておるところであります。来年度の予算確保に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#263
○木庭健太郎君 もう少し頑張ってほしいんですけれどもね。ちょっとこれでも足りないなという感じもしているんです。
 もう一つ、補助金のかかわる問題で言うと、最近はごみの焼却場だけじゃなくて、焼却のやり方でも例えば焼却して出てきた灰ですか、この灰というのも単にそのまま捨てると結構な量になりますんで、この焼却灰を溶解する、溶かすというような方法をとって、これが再利用できてみたり、容積でいうと大体三分の一ぐらいになるというような方法が開発されているそうで、実際に使っているところもございます。
 今最終処分地、どこに捨てるかという問題でどこも困っているわけですから、全国の自治体ではこういう新しい方式、新しい処理方法というものについても取り組みがいろんなところで始まっているわけでございます。こういった焼却灰の処理を含めて、いろんな新技術に対しても国として応援をしてやることが、ある意味ではより安くお金をかけずにきちんとできることになるんじゃないかと思います。こういった点についても、いわゆる補助事業の対象というようなことを考えられないのかと思いますけれども、この辺どんなふうに取り組むおつもりなのか聞きたいと思います。
#264
○政府委員(小林康彦君) ごみ処理施設から排出をされます焼却灰の処理に当たりまして、その減量化及び安定性の観点から灰固型化設備という設備がございますが、この設備につきましては、ごみ処理施設の附帯設備として昭和五十七年度から補助を行うことでその整備を促進してきたところでございます。さらに、平成四年度の概算要求におきまして、新たに灰の固型化施設を焼却炉から独立をして整備をします場合、先ほどの附帯をしております場合既に補助制度がございますが、独立をして固型化施設だけを整備する場合でございましても補助の対象といたしますとともに、この焼却灰溶融固化等によりまして、建材等の再生施設を整備いたします場合にも補助対象とできるよう、現在要求を行っているところでございまして、先生お示しの方向で私ども努力をしてまいりたいと考えております。
#265
○木庭健太郎君 最後に、ダイオキシン対策の問題で二、三点お伺いをしておきたいと思います。
 清掃工場におけるダイオキシンの問題ですけれども、去る九月五日でしたか、柏市の新清掃工場のダイオキシン測定値が、一気圧一立方メートル中百六・四〇ナノグラムであったというふうに公表されました。これは三月末の測定値と比べると二・六倍に当たっておりますし、厚生省が決めております、今週以降にも計画する新焼却炉のダイオキシン類期待値でしたかね、これはたしか〇・五ナノグラムだったと思います。そうすると、それを二百倍以上も上回る数値なわけでございます。しかも、柏市の環境部は、以前、市議会でたしかダイオキシン問題について国のガイドラインに沿っているので心配ないと思うというような答えをしていたと思います。これではせっかく昨年十二月に厚生省がお示しになったガイドラインの内容自体が疑われるものにならないかと思うんです。厚生省としてこの問題をどうとらえているか、お伺いしたいと思います。
#266
○政府委員(小林康彦君) 御指摘のガイドラインにつきましては、昭和五十九年に廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議で出されました提言を踏まえまして、その後実施してきました研究成果をもとにいたしまして、平成元年、五カ年間の調査結果を踏まえてダイオキシン類発生防止等ガイドライン検討会におきまして取りまとめたものでございます。
 このガイドラインにおきましては、我が国の廃棄物処理にかかわるダイオキシン類の現状は、これまでの実測データを見る限り、人の健康に影響が生ずるといった状況ではないものの、ダイオキシン類の環境中への排出は極力抑制することが望ましいとの観点に立ちまして、連続炉、バッチ炉などの炉の型式及び新設、既設の別、それぞれごとに講ずべき対策をまとめたものでございます。
 御指摘の排ガス中のダイオキシン濃度〇・五ナノグラム・パー立方メートルの値は、ガイドラインにおきまして健康影響の観点から定められたものではございませんで、全連続炉最高水準の技術を用いて今日建設する場合に期待をされる量でございまして、健康影響の観点からは非常に大きな安全率がかかっている数値でございます。御指摘の柏市の施設はガイドラインが示されます以前に整備をされたものでありますので、既設炉としてガイドラインに沿った、実施可能な改善が図られるべきものでございまして、市におきましてそのための検討が行われているというように承知をしております。
#267
○木庭健太郎君 私たちというか市民にとってみれば、何かそういう答弁を聞いていますと、ダイオキシンの問題というのを非常に過小評価しているような気もするんです。本当に取り組んでくれているのかなと思うところも出てくると思うんです。いつも厚生省、こういう清掃工場におけるダイオキシン問題が表面化するたびに人体に影響のある基準値を大幅に下回っているから大丈夫だと何回もおっしゃっているわけでございます。
 ただ、例えば五十九年でしたか、廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議報告で示された「人への影響に関する評価指標」は、報告自体がたしか「早急に評価する必要性にかんがみ、限られた知見をもとに暫定的に設定」したもので「今後とも論議を重ねていくことを希望する。」というふうになっていたと思います。問題は、こういう暫定指針が示された以降にこの指針について何の検討も行わずに、ただ安全だと言っているようにも聞こえるわけでございまます。それについては見解をお聞きしたいと思います。
 あと、海外を見ましたら、スウェーデンを初めとして欧州の一部の国ではこのダイオキシンの発生量に一定の目標値を設定しているところもございます。ごみ焼却施設に対する排ガス中のダイオキシンの制御目標値を〇・一ナノグラムと定めているところもあると聞いておるわけでございます。
 何か起こって、本当に大変になるという以前にできるだけ少なくするという目標を立てるとともに、こういう多くの量のものが出た場合はどうしたらそれを減らせるかということを真剣に考えていただきたいし、これクリアしているから大丈夫だと、二百倍であろうと三百倍であろうと、それは理想値なんだから構いはしないというようなことじゃ、国民にとっては非常に心配になると逆に思うんですよね。そういったことも含めてこのダイオキシンの問題、もう少し真剣にやっていただきたい気持ちもあるんですけれども、いかがでしょうか。
#268
○政府委員(小林康彦君) まず、状況から御説明をいたしますと、昭和五十八年十二月に厚生省に設けられました廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議におきまして、廃棄物にかかわるダイオキシン問題を評価、考察するために設定をされた評価指針がございます。この報告書の中で御指摘がございましたように、その後の知見の集積を踏まえながらさらに検討を続けるようにという留意もいただいておるわけでございまして、厚生省でこれを受けての調査研究、その御留意を常に念頭に置きながら調査研究をしておるところでございますが、毒性学、公衆衛生学等の専門家によります判断として出されましたこの指針値、現時点においても適正なものと考えております。
 諸外国において定められました数値としては、一から百ピコグラム・パー・キログラム・パー日の範囲のものがあると承知をしておりまして、必ずしも我が国と同じレベルの評価基準、同じ意味でのものではございませんけれども、日本だけ特に甘い状態というふうには考えていないところでございます。しかしながら、ダイオキシンにつきましては、その毒性の発現機構など依然として不明な点も多いと認識をしておりまして、また、国際的にも定まった評価がないのが現状でございますので、今後ともその科学的知見の収集等に努めるとともに、ダイオキシンの発生のレベルの低い処理、ダイオキシン発生の抑制がより効果的に行えるための方策につきまして、ガイドラインに沿いまして今後廃棄物処理施設の安全対策に万全を期してまいりたいというように考えております。
#269
○木庭健太郎君 先ほど話が出ていましたように、これからごみの施設というのがどんどん新設されていくわけでございます。そういう意味では、こういう機会にぜひダイオキシン対策というのを新設の清掃工場では具体化していかなければならないと思っているんですけれども、それについてどうお取り組みになるつもりか、最後にお聞きして質問を終わりたいと思います。
#270
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理に伴いますダイオキシンの抑制につきましては、まずできるだけ完全燃焼を図る等の燃焼管理が重要でございますし、あわせて排ガス処理施設への流入ガス温度を下げる等を主な対策としております。施設面では、バグフィルターの活用も対策の一つと位置づけられているところでございます。廃棄物処理施設の整備及び改良工事に当たりまして、厚生省といたしましても、バグフィルターを含めまして、ダイオキシン対策に関連をいたします部分について国庫補助の対象とすることにしておりまして、市町村から補助金の申請が出されました場合には、できるだけそのダイオキシン対策の施設整備にこたえていけるよう努めてまいりたいと考えております。
#271
○木庭健太郎君 ありがとうございました。
#272
○沓脱タケ子君 今回の廃掃法の改正案といいますのは、厚生大臣の諮問機関であります生活環境審議会が昨年の十一月に出した答申、この答申が経済界等の圧力によって企業責任が軽減をされたという結果になっているということが国民の中でも大変批判が強いわけでございます。
 まずその一つは、「一般廃棄物と産業廃棄物の範囲の見直しを行う必要がある。」と、こういう指摘があるわけでございますが、今廃棄物の激増の中、でそれの占める割合というのは産業廃棄物というのは非常に量が多いし、しかもその増量のテンポというのが産廃物質の方がはるかに高いわけでございますから、国民の生活者の立場から見てまいりますと、一般廃棄物と産業廃棄物の範囲をきちんと見直してもらいたいというのがこれは基本的に要求をするところであります。
 審議会の答申でも、これは「一般廃棄物と産業廃棄物の範囲の見直しを行う必要がある。とくに、オフィスから排出される紙くずや建設業に係る紙くず、木くずなどについては、産業廃棄物とする方向で検討する必要があると思われる。」ということが明確に指摘をされているわけでございます。そのことが今回の法案では産廃物質として指定をされていないわけですが、去る九月の二十一日のこれは報道でございますが、東京都が新たに指導要綱をつくったというわけですね。
 その指導要綱というのは、一定床面積以上の大規模事業所に対して、ごみの再利用・資源化計画書を作成して都に提出すること等を義務づけている。計画書を提出しなかったり改善勧告に従わなかった事業所は、清掃工場や埋立処分場へのごみの受け入れを制限し、名前を公表するという強い姿勢を盛り込んでおって、施行は十月一日だと、こういうことなんですね。
 しかも、東京都のデータによりますと、東京都のごみは昨年度の場合、四百八十一万トンのうちOA紙ごみなどを中心とした事業所のごみが六割以上を占めているということが指摘をされておるわけでございますが、こういうはるかに一般の家庭ごみより多いOA紙あるいはOAの紙くず、あるいは問題になっております建設業にかかわる紙くず、木くず、こんなものをなぜ指定しなかったのかというのは、いろいろ説明を何回も聞いておりますけれども、いや市町村で一遍に体制を変えたら混乱が起こってはならぬとかなんとかという御説明なんですけれども、それはちょっと理解しにくいです。
 例えば、こういうものが東京都では実施されている、十月一日からやると言うんですね。こんなことをやらなくても済むんですよね、産廃物質として明確にすれば。これはどうなんですかね。範囲の見直しをちゃんとやっておればわざわざこんなことをしなくても済んだのではないかと思いますが、いかがですか。
#273
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物と産業廃棄物の区分の見直しにつきましては、その市町村の廃棄物処理行政などに与える影響が極めて大きなものがございますので、慎重な検討が必要であるというように考えております。
 昨年十二月に厚生大臣に提出をされました生活環境審議会答申におきまして、オフィスからの紙くず等を産業廃棄物とする方向で検討すべきであるとの御提言をいただき、検討したところでございますが、事業系一般廃棄物は既に一般廃棄物としての処理ルートが整備をされており、現行の処理体制の急激な変更はかえって混乱を招くおそれがありますことなどの理由から、提言において後段に述べていただいております「少なくとも、これらについては回収や処理コストの負担を排出事業者自身に求める必要がある。」、この方策に沿いまして、事業系一般廃棄物として事業者責任の強化を図ることとしたものでございます。
 廃棄物の区分を大きく見直すという考え方もございますが、生活環境審議会の答申にもございますように、「地方公共団体の廃棄物処理行政に与える影響や処理業者の処理の現状にも留意しつつ、中長期的に検討していくことが適当」であり、廃棄物の適正処理という観点で区分を検討することが緊急の課題という認識のもとに整理をしたところでございます。
#274
○沓脱タケ子君 しかし、法律案が産廃と一廃との区分を明確にしなかったということもあって、東京都はこういう指導要綱をつくって、市町村の、あるいは府県の段階でそういう対応をお示しになっておるわけですが、私は国民の側から言うたら非常に不愉快ですよ。産業活動によって生み出されるごみは原則として産廃物質として扱うということでなければ、特に市町村の清掃事業の中で市民の税金によってやっているわけなんで、その辺は明確な区分というのが何よりも望まれるところなんです。
 そういう点で、必要な費用は取るんだからということなんですけれども、こういう要綱をつくってそれに対応するということになれば、事務量も人手も要るわけですよ。そういうものが全部負担としてかぶってくるわけで、その辺はできるだけ早く、今回やれなかったというのは非常にぐあいが悪いと思いますけれども、やれなかった理由というのは、もういろいろ言われておりますように、産業界等の圧力によってやれなかったんだというふうに言われてもしょうがないんですよね。だから、そういう点は、今回私どもは何とかして区分をしてほしいなという一番大きな願いであったんですが、これはやる気がないようですから、できるだけ早くそういった国民的な期待にこたえてもらいたいと思うわけでございます。
 それから、いろいろ申し上げたいことがありますが限られた時間でありますので、もう一つは、これも各委員からもう既に出ておりますけれども、一般廃棄物の処理困難物の問題ですが、これも審議会の答申では、これは「大型テレビ、冷蔵庫やタイヤ、自動車、オートバイなど市町村の通常の行政サービスでは処理が難しい一般廃棄物については、できる限り生産、流通、販売ルートを通じた回収システムを促進していく必要がある。」と、それで「厚生大臣が指定しこ云々というのがありますがわ。私はこれも、生産、流通、販売のルートを通して回収システムを促進するということで、回収させるということを当然義務づけられるものであろうと考えていたわけですが、それが今回はまた見送られたということになっております。
 御承知だと思いますけれども、横浜市では放置自動車及び沈船等の発生の防止及び適正な処理に関する条例の制定というような条例案の提案をしておられますね、まだできてないんだと思いますが。こういうものをつくらなければならないということになるわけですね。そうなった場合でも、本来、御説明や新法によりますと、厚生大臣が指定した品物はその品物の所管大臣を通して引き取りを協力してもらうということになっているようですけれども、例えばそういうことになるのであれば、この横浜市の条例制定の提起のように、市町村が全部処理困難物については条例で決めていくというのが当たり前になってくるわけですね。そういうふうに考えていいんですか。
#275
○政府委員(小林康彦君) 生活環境審議会の答申で、「市町村の通常の廃棄物処理では処理の困難性が高いものについては、たとえば厚生大臣が指定し、一定の要件の下に、市町村が製造者等に引取りを求める、または、市町村の処理費用の一部について負担を求める、あるいは、市町村が製造者等の協力を求めて処理にあたることができるような新しい制度の創設を検討すべきである。」どの提言をいただいたところでございます。
 この答申の趣旨を踏まえまして、改正法案におきまして、市町村によります処理が全国各地で困難となっているものとして厚生大臣が指定した一般廃棄物につきましては、事業者に対し市町村長がその適正な処理に要する費用の負担や回収ルートの整備を含む協力を求めることができること、厚生大臣は、適正処理困難物等の処理を行うこと等を業務とする廃棄物処理センターへの基金の出捐について、事業者等に対し、必要な協力を求めるように努めること等の規定によりまして、製造事業者等に対し必要な協力を求めることができることとしておるわけでございます。これによりまして、適正処理困難物の処理が適正に行われますよう、事業者に対する指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。
#276
○沓脱タケ子君 例えば、横浜がこういう条例を提案している。各市町村が皆そういうふうに条例を出して独自に指定できるという考え方で進めるということなんですか。
#277
○政府委員(小林康彦君) 全国的に問題のありますもので要件に合致をいたしますものについては、厚生大臣が指定をいたしまして、協力のあり方について現実、適当なものについての提案を行っていきたいというふうに考えております。
 それ以外につきまして、市町村が独自の判断で行われます措置につきましては、その措置を尊重してまいりたいと考えております。
#278
○沓脱タケ子君 そうしますと、厚生大臣の指定する物品というのは一体何なのか。これは全国的規模でとおっしゃったんですが、答申に例示されているような物品の程度は全部指定をなさる御方針ですか。
#279
○政府委員(小林康彦君) 適正処理困難物の指定に当たりましては、まず全国的な調査が必要でございます。どういう廃棄物あるいは製品を調査いたしますかにつきましては、これからでございますが、全国の廃棄物を扱っております市町村の団体でございます全国都市清掃会議から、大型テレビ、大型冷蔵庫等の大型家電製品、スプリング入りマットレス、タイヤ等が要望として出されておりまして、これらも参考にしながら調査の対象を決めていきたいと考えております。
#280
○沓脱タケ子君 全国規模というふうにおっしゃっておられますが、全国規模の指定をしていく場合にも、市町村によってそれぞれ状況の違いがあろうと思いますので、そういう点では、市町村長あるいは職員等の方々が参加をした審議会などで大臣が指定していく品物についての協議をしていくということが一番よいのではないかと思うんですが、そういうことをお進めになるお考えはございますか。
#281
○政府委員(小林康彦君) 指定に当たりましての調査におきまして、市町村の意向は十分聴取する予定でございますし、市町村からの御要請があります場合には、十分その意向も聞きながら調査にかかりたいと思っております。
 その指定の過程におきまして生活環境審議会等、手続をどうするかにつきましては、今後の整理にかかわるところでございますが、市町村長の意見も聞きながらという基本線のもとで整理をしていきたいと考えております。
#282
○沓脱タケ子君 念のためなんですが、市町村が製造業者に引き取りの協力を求めた場合にこれが拒否されるというような場合ですね、政府としてはこれを援助していくというんですか、支援するというふうなことは当然やられるんでしょうね。
 例えば、東京の町田市では、一九七七年から乾電池は水銀を含んでいるんで危険だとして、自主的に回収、分別収集をしてきたんですね。市側からは、再三にわたって引き取り要求をしたんですけれども、メーカーは依然として拒否をしているというのが現実にあるんですね。だから、法律で義務づけられればこんなことを断るということにはならないと思うんです。今回は、これは危険有害物質で特定管理廃棄物に入るでしょうから、話は別になろうと思いますけれども、自主的なこういう積極的な活動がメーカーの拒否によって水をかけられるという結果が出ているんですが、この種のことはなくなるでしょうわ。
#283
○政府委員(小林康彦君) 改正法案におきまして、市町村による製造者等への協力要請の実効性を確保することなどを念頭に置きながら、事業者の一般的責務といたしまして新たに「国及び地方公共団体の施策に協力をしなければならない。」旨の規定を設けたところでございます。
 また、適正処理困難物の指定に当たりまして、一般廃棄物となる前の製品等の製造等の事業を所管いたします大臣の意見を聞いた上で行うこととしておりまして、事業所管大臣によりまして有効かつ責任ある指導が行われるものと考えております。
 なお、仮に製造者等がゆえなく市町村の協力要請に応じない場合には、改正法案の規定に基づき厚生大臣から事業所管大臣に対して必要な指導等を要請してまいるつもりでございます。
 乾電池につきましては……
#284
○沓脱タケ子君 それはいいですわ、わかっていますから。
 大臣ね、私、多くの例を時間的に出せないですけれども、
   〔委員長退席、理事竹村泰子君着席〕
こういう一番大事なところが今後の新法による運営で問われるところだと思うんですね。だから、せっかく審議会からそこそこ国民的期待にこたえられる答申が出たのに、法案は骨が抜かれたという、結果としてこれがあらわれないような今後の行政上の非常に大きな責務があろうと思うんですが、そういう点で大臣の御決意をとにかく伺っておきたいと思います。
#285
○国務大臣(下条進一郎君) 審議会の意見は、我々といたしましては最大限尊重する立場で検討してまいったわけでありますが、先ほど来政府委員からも答弁申し上げましたように、実情のいろいろな問題もございますので、その調整の中で最大限法律に改正として取り上げられるものは取り入れていくということで処理いたしました。現実は、この法案を通していただいた上で新しい制度の中で最大限努力を払い、御心配のないようにやってまいりたいと考えております。
#286
○沓脱タケ子君 次に、私、県外からのごみ持ち込み問題で、しかもその当該市が拒否をされたという問題で、相当な問題になっております福井県敦賀市の問題について、これを材料にお伺いをしたいと思うんです。
 敦賀市で問題になっておりますK、仮にKと言っておきますが、業者の処理場は管理型の最終処分場なんですが、これは昭和六十二年九月に県が許可をいたしまして、産廃と一廃の両方を受け入れる施設になっております。この処分場は北陸自動車道のすぐそばの山間地で交通運搬上大変至便の場所にございます、これは私も見に行ってまいりました。
 この施設は、六十二年度には六千二百九十三トンだったのが、もう二年後の平成元年には十万トンを超し、平成二年には十二万八千トンを超すというふうにウナギ登りになっているんですね。どこが搬入しているかというと、搬入は自治体なんですね。平成二年度、何と大阪、兵庫、三重、滋賀、埼玉、栃木、山梨、神奈川、千葉、各府県の三十六自治体から送られているんです。
 一般ごみというのは各自治体で処分するのが原則なんですけれども、実際には処分し切れないから県外へ運ぶという事態が起こっているわけですが、敦賀市は、これは厚生省御指導になったのかどうか知りませんが、相手自治体の持ち込み料やごみの内容というようなものを定めて確約書を一年ごとに交わして受け入れをしてきたというふうに言われています。ところが、敦賀の市民が怒り出した。敦賀市は他府県のごみ捨て場ではないということが大問題になり、あるいは浸出液等から汚染があらわれていること等も問題になりまして、これがことしの市長選にも大きな争点になったようです。
 そして敦賀市は、突如としてことしの四月から持ち込みの拒否を決めたんですね。平成三年度は住民と業者の協定が得られて、現在二十自治体に減っているんですね、三十六自治体当初は入っていたのがね。しかし、現在ではだんだん狭くなって業者は処分場の拡張の認可を申請している。これをめぐって住民の反対運動も大きいということが起こっております。市の言い分、直接私も行って聞きました。頭越しに業者と自治体が契約するんでは困る、こう言っていますね。基本的には府県内で調整、処理をしてもらうのが当たり前なんだということを盛んに言っておられるようでございます。
 そういうことで、断られた自治体は一体どうなっているかといったら、捨て場をなくした自治体はごみを抱えて、とりあえず地元に野積みをしているか、あるいは清掃工場にためているんですね。ためておったっていつまで続くものじゃないですね。だから業者に委託してどこへ持っていっているか、敦賀へ行ってなくてもどこかへ持っていっているわけですが、そういうことになっておる。深刻な状態だと思います。
 こういう事態を大変乱、深刻だと思って拝見したんですけれども、厚生省はどの程度事態を御承知になって、どういう御指導をしてこられたのか、ちょっと聞いておきたいと思うんですね。
#287
○政府委員(小林康彦君) お話のございました事例でございますが、最終処分場の設置者でありますお話のKと委託契約を結んだ市町村が昭和六十三年四月に一般廃棄物の搬入を開始しておりまして、これまでの処分場への搬入実績は、六十三年度四万二千トン、自治体の数三十七、平成元年度八万六千トン、自治体数三十八、平成二年度十万四千トン、自治体数三十六、平成三年度六月現在までで一万五千トン、自治体数二十、合計二十四万六千トンと聞いております。
 なお、搬入しております一般廃棄物の種類は燃え殻と不燃物でございます。また、当該処分場は産業廃棄物処理施設の。管理型としての届け出もされておりまして、昭和六十二年十一月から平成二年度末までの搬入量は七万二千トンと聞いておりまして、その種類は燃え殻等の十四種類で、無害なものに限ることとされているところでございます。
 一般廃棄物の処理につきましては、自区域内に最終処分場を確保することが困難な市町村が出現しておりまして、それらの市町村ではごみの焼却灰等の埋立処分等を他の市町村で行う場合がございまして、このような場合には厚生省として受け入れが円滑に行われますよう、事前に関係市町村で十分話し合うよう従来より指導を行ってきたところでございます。今後その徹底を図りますために、廃棄物処理法改正案では、市町村の一般廃棄物処理計画策定に当たりまして、関係市町村の一般廃棄物処理計画と調和を保つよう努めなければならないことを新たに規定したところでございまして、市町村間の調整につきまして一層の指導を行ってまいることとしております。
 さらに、改正法案では民間の処理業者によります処理施設の設置につきまして、現行の届け出制から許可制とすることにしていることから、この規定の適正な運用により処理施設の安全性や信頼性が一層確保され、地域に受け入れやすいものとなるように指導してまいるつもりでございます。
#288
○沓脱タケ子君 大変詳しく把握をされておられるんですが、突然断られて困ったという状態が起こっている。その困ったのが、野積みをいつまでもできないからどこかへ持っていっていますわな。これはその自治体に聞いたってなかなかおっしゃいませんよ。業者委託ですからというようなものですよね。それが通常なんです。
 今度の法改正では、こういうことが起こらないであろうという点でのお話がありましたけれども、聞いてみたら五百キロもごみを積んで、幾ら高速道路が発達したといったって五百キロも積んで走って埼玉とかあの遠方から敦賀まで持ってくる、そんなのあるんですわ。運搬料だけで処理費が随分高くつくだろうなと思いますよ。こういうことを解決しなきゃならないと思うんですが、法改正で一定の規制ができて、できるだけ地域内で一般ごみは処理していくという方針のようですけれども、直ちにそうばならぬでしょう。そういう法律が決まったからいってあしたからそうならぬわけですからね。現にこういう事態が起こっている状況、特に契約続行中の自治体ですね、これは相手の業者との契約ができているわけで、こういう契約続行中の自治体と持ち込み拒否の自治体との関係というのは非常に難しいわけですよね。
 こういう状況になっておる問題について、国として指導なり調整なり労をとっていく必要があるのではないかと思いますけれども、これは関係市町村の御意見を聞いた上で府県に調整をさせていくというような指導なり必要な手だてを打つ必要があろうかと思いますが、厚生省はいかがですか。
#289
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物の最終処分場の確保につきましては、御指摘のように大変長距離移動するような状況になっております。このための基本的な対策といたしましては、市町村みずからあるいは共同して最終処分場の確保を行う、みずから設置、運営をするというのがまず第一の基本でございます。
 大都市圏におきましては、港湾区域での埋め立てによりまして広域的な最終処分場を確保するという施策で広域臨海環境整備センター法に基づきます最終処分場の整備も進めておるところでございますが、現実的にはなお他市町村で処理、処分を行わなければならないという状況がございまして、そのために市町村間での……
#290
○沓脱タケ子君 聞いていることだけ答えてくださいよ。
#291
○政府委員(小林康彦君) はい。話し合いの促進に努めているところでございます。今回の改正法でも、関係する市町村の処理計画との調和を保つように努めなければならないという規定を置いておるところでございまして、県での調整、話し合いの進行を進めてまいりたいと思っております。
   〔理事竹村泰子君退席、委員長着席〕
#292
○沓脱タケ子君 部長、大変御丁寧なんですが、私時間的な都合もありますから、お聞きをしているところだけ伺いたいのです。
 例えば、今トラブっているんですね。契約をしていて、自治体は持っていく予定をしていたけれども、相手の自治体から拒否されたという状況でいろいろ問題があるようでございますから、そういう問題については調整等について問題解決の話し合い等の御援助なりなんなり手を打つ必要がありはしないでしょうかということを申し上げているんで、そのことだけ聞きたいのですよ。だって法律でこれからやるというのは、法律が何ぼ通ってもあしたからすぐ間に合わへんですね。そういうことで厚生省としては何らかの手だてを講じる必要はないだろうかと、こういうことをお聞きしているんです。
#293
○政府委員(小林康彦君) 関係市町村の間の話し合いが円滑に進みますよう、厚生省としても支援をしていくつもりでございます。
#294
○沓脱タケ子君 それで、こういう問題の解決のかぎというのは、今度の法律案で出ておりますごみの減量化、リサイクル化、そういった点が非常に大事でありまして、政府の補助金枠を広げるということが、これこそ大事になってきていると思うわけでございます。
 既に多くの皆さんからも御意見が出ておりますように、今回の改正案の柱というのは廃棄物の計画的な処理、廃棄物の減量化、再生化への推進だと思いますよね。ところが、これらの主体となる市町村の廃棄物処理施設の整備費というのが、たびたび言われておりますように、国の補助金が大変不足している。私どものもとにも全国いろんなところから、数多くの自治体からの要望なり要請が来ております。聞いたら本当気の毒ですよ、時間がありませんから詳しくは申し上げられませんけれども。
 例えば、よく御承知かと思いますけれども、大阪の吹田市の場合は、資源リサイクルセンターの建設で全国初めてのパイロット事業としての性格と緊急性を御賢察いただいて、ぜひ計画どおりやらしてもらいたいと、予算をとってほしいとか。あるいは、これは大阪の寝屋川ですが、これもごみを四分別しているんですね。可燃物、不燃物、資源ごみ、それから臨時収集と、そういう分別を三年前からやっておって、しかもこれは職員が中心となって、シルバー人材センターの人たちも入れて、何もないから暑ければ炎天下で、寒ければ震えながらやっているんで早く施設をつくりたいと、ところが金がないからいって繰り延べされていると。こんなことやられたのではたまらないから何とか予算を確保してもらいたいと、こういう御意見。
 これは皆言うたらきりがないんですが、これは新潟県の津南地区地域衛生施設組合も同じくですね。こういう小さいところで繰り延べをされているんで困る。あるいは、これは兵庫県ですが、浜坂町の温泉町でつくっている一部事務組合ですね、これ何とかしてもらいたいと。本年度五五%、来年は四五%で、工期の延長をしなさいというようなことを言われているけれども、これではたまらぬと、何とかしてもらいたい。この種の問題というのが数限りなく出てきています。
 そして同時に、そういうことが全国町村会あるいは全国市長会あるいは全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会、全部そろえて要望が出てまいっております。
 そういう点を見ますと、これはぜひ予算確保をきちんとやって、せっかく法律を改正していよいよそれではと、こう構えたところに金がないといってやりかけた事業まで繰り延べ色やらされたら水かけられますよ。やろうとして意気込んでおる自治体に対して水をかけると同時に、期待をしている住民や職員の皆さん方に対しても失望を与えるというふうに思います。そういう点で、ぜひこれはそんな繰り延べをどんどんせにゃいかぬようなやり方ではなくて、さっきもお話がありましたが、本年度だって八百八十億で、四百億ほど足らぬのやと。それなら来年はどうするのやといったら、来年の話もちょっと足りませんね、金額からいったら。実際私細かくお尋ねしようと思ったけれども、時間がありませんから細かくお伺いをいたしませんが、せっかく法律の改正を思い切っておやりになって、それに対応する市町村が、それではそれに取り組みましょうということになった意欲を阻害するということにならないように、一番の肝心なところは予算の裏づけだと思うんですよね。
 私、大臣に最後にお聞きをしようと思っておりましたけれども、その点なんですが、公共事業というのは国全体では四百三十兆ですかあるんですよね。四百三十兆の公共事業費というのがね。そんなものは国民の生活と一番密着するこういう清掃関係の施設の拡充のために思い切って使ってもらうということが一番国民にとっては必要なことだと思うんですが、そういう点でひとつ大臣、思い切った予算の措置を確立していただくということが、法律を改正してそれの実効をあらしめる一番大きなもとだと思いますが、大臣の御見解をお伺いしておきます。
#295
○国務大臣(下条進一郎君) 委員の御指摘のとおり、今回の法律の改正によりまして廃棄物のいろいろな懸案の問題を片づけ、解決していくということでありますためには、ぜひとも必要な予算を確保しなければならない。これは私たちの方も十分心得ております。
 このために、先ほど御指摘ありました本年度の処理の問題につきましても、御要望に対して予算が十分に間に合わないという点もございますので、その点につきましては、先ほど他の委員の御質問に対しまして政府委員の方からお答えいたしましたような形で、今年度中に解決できるものがあれば解決してまいりたいと考えておりますし、明年度につきましても、本年度に対して相当な増額で、一千億の大台を超える予算を要求いたしておりまして、最大限の努力をして問題の解決に努めてまいりたいと考えております。
#296
○沓脱タケ子君 一時間が過ぎましたから、終わります。
#297
○粟森喬君 自治体の減量計画に関連をしまして、幾つかの点について質問を申し上げたいと思います。
 一つは、今度の法改正の中で、廃棄物減量等推進審議会と廃棄物減量等推進員という二つのことをやることができるという表現で、「置くことができる。」「委嘱することができる。」という表現になっています。これは生活環境審議会の答申の中で、例えばボランティアであるとか地域社会の協力を求めなければならないということを法文化したんだと思います。
 私があえてここで申し上げたいのは、このことはこのこととして評価をいたしますが、一方では野党が共同修正案要綱を起こして、既に政府もごらんになっていると思いますが、これについては相当厳しいことが言われているけれども、ここは「できる。」という、こういうところではつくれという意味でも必ずしもない。やっているところも既にあるし、「できる。」という表現で、ここはかなり緩やかに入れる、あとのところでは相当厳しい。私は法の根拠としても、入れたことの意味はそれなりに理解をするわけでございます。これからの質問の中ではその辺の扱いをもうちょっと一つ一つのことでお尋ねをするつもりでございますが、ここではこの審議会の役割とその推進員の仕事の中身についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 まず一つは、推進員というのは法文を読みますと、「市町村は、社会的信望があり、かつ、一般廃棄物の適正な処理に熱意と識見を有する者のうちからこと。私はむしろこの種の推進員には、ごみが現実にふえているのは一般廃棄物の中ではオフィスごみと言われるところが多いわけでございますから、この人たちを入れるべきではないか。この表現でいきますと、審議会の中でもボランティアとかそういう人をかなり想定しているようでございますが、本来ボランティアというのは無報酬であります。ところが、行政がこういうことを決めたときに、推進員というのはどんな責任と何を具体的にやるのか、例えばリサイクル運動なんかも含めるのかどうか、そういうことについてこれからの政令等であるいは省令等で決めていくんでしょうが、ここを一つは明確にしていただきたい。
 それから審議会の役割でございます。これまた減量をするのでございますから、最も協力をしなければならないのはもちろん地域社会におけるそれぞれ生活者と言われる住民の方が参加することは当然でございますが、むしろここはそれぞれの業界代表も入れて、自分の出したごみは自分で始末をするといいますか、有料でコストもかかるという認識を持ってもらうという意味を持っているのではないかと思いますが、この審議会と推進員の仕事の中身について、今現在厚生省が考えている内容についてお尋ねをしたいと思います。
#298
○政府委員(小林康彦君) まず、廃棄物減量等推進員でございますが、一般廃棄物の減量化対策を推進するための市町村と住民の間のパイプの役割を果たすものを期待しておりまして、具体的には市町村が行います住民啓発活動への協力、集団回収の世話等市町村の行います廃棄物の減量の施策への協力、地域におけるリサイクル活動の推進などの活動を行うこととしております。このため、廃棄物減量等推進員は、社会的信望がございまして、かつ一般廃棄物の適正な処理に熱意と識見を有する者のうちから委嘱することになるものでございます。
 推進員の人数等につきましては、それぞれの市町村の実情に応じて定めるべきものと考えております。
 性格といたしましては、ボランティアを基本にしておりまして、社会的信望があり、かつ一般廃棄物の適正な処理に熱意と識見を有し、行政の枠にとらわれない幅広い活動を行うことができる者とすることが適当であると考えております。
 お話のございましたオフィス等のごみ、大口の多量排出者につきましては、市町村は別途多量排出者に対します減量計画の策定の指示ができる等の規定を置いておりますので、ここは幅広く住民、地域の協力が得られるようにという観点での推進員としたところでございます。
 次に、廃棄物減量等推進審議会につきましてでございますが、市町村がその区域内におきます一般廃棄物の減量等に関する事項を審議させるために置くことができるものでございまして、その組織及び運営に関しまして必要な事項は条例で定めることとしております。
 審議会の具体的な例といたしましては、学識経験者、住民、事業者、廃棄物処理業者、廃棄物再生事業者等を構成員としておりまして、分別収集の実施方法でございますとか、ごみの減量化、再生利用の推進方策でございますとか、住民啓発の内容等について審議することが考えられております。先生の御趣旨のようなメンバーも地域によりまして必要と思いますが、その具体的な構成員の人選につきましては、市町村の判断に任せる制度になっております。
#299
○粟森喬君 住民の啓発と言われましたが、私はそれぞれの生活者の中でもごみをこれ以上余り出したくないという期待は非常に強いんです。減量計画の推進員というのは、私が申し上げたように、事業者の中で例えば火気取扱責任者みたいなものがあるように、減量に積極的にそういう意味で考える。コストがかかるという、そういう事業者に対する啓発が必要なんだ。その意味で、これからの政省令をつくるに当たってぜひともそういう部分を配慮した表現、それからリサイクルなんかには住民の協力というか、地域社会でいうと町会とかそういうところの協力も当然必要でございますから、そういう配慮がなかったらこの法文をつくった意味が生かされないと思いますので、そういう意味で申し上げたわけでございます。改めて答弁は要りませんけれども、その要望をお聞き願いたいと思います。
 次に、廃棄物の処理計画について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 まず一つは、市町村が一般廃棄物処理計画を定めるに当たって、他の市町村の計画と「調和を保つように努めなければならない。」というふうに表現されています。私は、法律の言葉で「調和を保つ」というのは多少なじまないような感じもするんですが、あえてここで「調和を保つ」という言葉を入れた意味はどういうことなのか。先ほど同僚議員から敦賀の例も出されたように、そういうことを「調和」と言っているのか。この「調和」とは何か。そしてこのことに対して厚生省がいかなる指導あるいは情報提供を行うのか。そういう役割を明確にしてもらわないと、調和というのは言葉としては聞きやすいが中身は何なのかということを明確にしないと問題の解決にならないのではないか、こういうふうに考えますので、答弁願いたいと思います。
#300
○政府委員(小林康彦君) 人口の集中いたしました大都市圏におきましては、廃棄物が多量に発生する一方で、土地利用の高度化等から多くの市町村で最終処分場の確保が自分の区域内では困難となっておりまして、自分の区域内での処理を行おうという努力にもかかわらず、他の市町村での処分を行わざるを得ない場合がございます。このような場合に、受け入れ先の市町村と十分話し合うよう従来から指導を行ってきたところでございます。
 こうした状況にかんがみまして、改正案では、これを徹底し、一般廃棄物の広域処理を行う場合は、その廃棄物の適正な処理を図りますために、処理を他の市町村で行います市町村及び他の市町村の一般廃棄物を受け入れる市町村間相互の話し合いを十分に行い、一般廃棄物処理計画を策定するよう改正案に明定したものでございます。運用に当たりましては、従前にも増して十分話し合いを行い、調整を図るよう指導してまいりたいと考えております。
#301
○粟森喬君 私は、今の話を聞いておって思ったんですが、例えば敦賀なら敦賀が受け入れるときに、それは同意なんであって調和じゃないと思うんです。それをあえて「調和」にしたというのはどう考えてもよくわからないけれども、これはこの法律そのものがこれからも改正をされるときに、市町村のそれぞれの責任なりというものを明確にするという意味ではここは不十分だということをおえて指摘をしておきたいと思います。
 次に、ここは厚生大臣に私ほお尋ねをしたいと思いますが、多量排出者への指示です。市町村長は「事業活動に伴い多量の一般廃棄物を生ずる土地又は建物の占有者に対し、当該一般廃棄物の減量に関する計画の作成」を「指示することができる。」というふうに書いてあります。ところが、作成をしない、指示するということは、指示したけれども指示に従わないという場合があるわけです。現実にその場合の行政側の行政権は、自分たちの実力行使手段としてその事業所のごみは引き取らないとか、そういう行政が別の意味の実力行使をやるわけでございますが、この辺の実効性の担保というのはどういうふうにお考えになっているのか。今回の法律で私どもが再三にわたって言うのは、多量排出者へのかなり法的な拘束力を持ったものを求め、期待をしているのでございます。
 このことについて、実効性の担保というのは果たしてあるのかどうかを含めて、これは厚生大臣にお尋ねをしたいと思います。
#302
○国務大臣(下条進一郎君) 今回の改正案におきましては、市町村長は事業系一般廃棄物の多量排出事業者に対する減量に関する計画の作成、その運搬の方法その他必要な事項を指示することができることとなっております。改正案におきましては、地方公共団体の施策への協力に関する事業者の責務を規定しておりまして、事業者が市町村長の指示に従わない場合、市町村長は報告徴収や立入検査等の権限を駆使して個別指導を行うこともできるので、事業者にこの指示を遵守させることは十分可能であると考えております。
 なお、平成四年度概算要求では、地方公共団体が実施する事業者に対する指導、研修事業に対しまして新たに補助制度を設けるなど多量排出事業者を指導する市町村に対する支援の充実も図っておるところでございます。
#303
○粟森喬君 具体的にわかりましたが、私どもの立場からいえば、立入検査をしたり行政指導するだけでは限界があるのではないか、特に多量の排出者に対する具体的なことではかなり問題を持っているという点で。いずれにせよ再三にわたる政府側の答弁では、急に全部を法的に縛って罰則をつくるということだけでは限界があるという言葉も出ておりますので、そこは多少私なりにそういう部分も受けとめながら、将来にわたってそういう事例に対して厳しい措置ができるようにしていただきたいという要望を申し上げまして、次の質問に入ります。
 適正処理困難物にかかわる問題でございます。第六条の三で、「市町村の一般廃棄物の処理に関する設備及び技術に照らしその遺正な処理が全国各地で困難となっていると認められるもの」をどう想定しているかということをお尋ねしたいと思います。
 生活環境審議会では、大型テレビ、冷蔵庫、タイヤ、自動車、オートバイというふうに例示をされています。これ以外には考えていないのか。そして具体的に類似するものとしては、かなりこれを拡大していく立場なのか、この程度で当面やっていこうとしているのか、その辺のところについてまず答弁願いたいと思います。
#304
○政府委員(小林康彦君) 適正処理困難物の指定に当たりまして全国的な調査を行うわけでございますが、全国都市清掃会議等から要望のあります事例等を参考にしながら調査対象を定めることにしております。今後、調査対象につきましては、必要なものにつきましては適切な調査を行い、制度にのせていくという覚悟で取り組む予定でございます。
#305
○粟森喬君 ここで「全国各地で」という言葉を入れた意味について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 一つの例で申し上げると、乾電池処理問題のとき、昭和五十二年の時点ですか、たしか市町村長会が決議をして厚生省に申し入れたら、安全宣言をした、そして拒否をしたというか、ところが市町村がそれぞれ、水銀なりマンガンも含めて問題だということで、結果的にばらばらでございますが、別処理を幾つかしたところがございます。全国共通制といったときに、このようなケースはもちろんこれからはまずあり得ないというふうに私は思います。その上で、いろんな問題が現実にあると思います。
 例えば、強化プラスチックのレジャーボートなどというのは、これはFRPという略称で言われていますが、この種の生産物というのは、私の見解では適正処理困難物の一つに入ると思いますが、これは全国に海があるわけでもございません。放置されている場所は海岸だけでございます。もちろん山の中へひょっとするとほうってあるのかもしれません。この種の事例でいえばどういう扱いをされるのか、そして「全国各地」という言葉は、いわゆる特定の都道府県というか地域にまたがったものはこの指定の中に入れないということでは問題の解決にならないのではないか、こういうふうに思いますので、これからの自治体の意見なり地方の意見を聴取するに当たって、政府のこのことに対する見解をお願い申し上げたいと思います。
#306
○政府委員(小林康彦君) 改正法第六条の三の規定によりまして、厚生大臣は市町村の一般廃棄物の処理に関する設備及び技術に照らしその適正な処理が全国各地で困難となっていると認められる一般廃棄物を適正処理困難物として指定することとされております。
 お話のございました廃棄されましたFRP製にかかわります船舶につきましては、大きくて重量があり収集も難しい、また中間処理過程におきましても粗く破砕する等の前処理が必要等のため処理が困難、処理上の問題が多いものでございます。このため、今後処理技術の確立が必要なだけでなく、不法投棄に対します対応も含めた処理ルートの整備が必要と考えるところでございますが、適正処理困難物に指定するか否かにつきましては、市町村におきます一般廃棄物の処理の状況調査等必要な手続を行った上で検討してまいりたいと思っております。今回の法改正で適正処理困難物を厚生大臣が指定するということにいたしましたのは、全国的な観点で定めたものでございまして、個々の市町村におきまして適正処理が困難な廃棄物について行われます施策は尊重さるべきものと考えております。
#307
○粟森喬君 適正処理困難物に対してさらにお尋ねをしたいと思いますが、第六条の三の第二項と第三項の関係を少し説明をいただきたいと思うんですが、説明を求める意味は、前段では当該市町村や適正処理困難物に対して一定の協力を求めることができます。しかし、第三項では国という立場で厚生大臣は所管の大臣に協力を求めるというふうになっています。
 私どもは、ここが大きな問題であるというふうに言っているのは、これはかなり困難だという問題もあるんでしょうけれども、例えばある業界がたくさん適正処理困難物を出す、何とかしろというときに、通産省なら通産大臣に厚生省が協力を求める、こういう姿になるだろう。私どもは厚生省の主管の法律なんですから、直接そのことを権限上も明確にするということがこれからの対応の中では必要なのではないかと思いますが、なぜ「協力を求める」という言葉でとめ置いたのか、この辺のところについてお尋ねをしたいと思います。
#308
○政府委員(小林康彦君) 必要な措置につきましては、物の製造、流通の過程からの改善も必要な点もございまして、そうした点も含めますと、その業を所管しております大臣を通じて指導、要請していくのが最も実効が上がることと判断をいたしまして、事業を所管する大臣を経由して要請をするという制度をとったところでございます。
#309
○粟森喬君 私は、依然として適正処理困難物の扱いはまだまだ不十分だという立場で、ここはもう少し具体的に幾つかのことをお尋ねしたいと思います。
 「市町村長は、前項の規定による指定に係る一般廃棄物になる前の製品、容器等の製造、加工、販売等を行う事業者に対し、厚生省令で定めるところにより、当該市町村において当該一般廃棄物の処理が適正に行われることを補完するために必要な協力を求める」、こういうふうになっています。しかし、このやり方で果たして市町村がまたがった場合どういう処理を現実にするのか。製造をするところと廃棄するところが市町村では変わるというのは当然あり得るわけでございますから、製造者に対するというか、事業者に対すも責任というものが広域にわたる場合の処理はどういうふうにお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。
#310
○政府委員(小林康彦君) 適正処理困難物につきましての事業者の協力の内容でございますが、これは物によりまして、地域によりましてさまざまな形態があろうかというふうに考えております。具体的に想定をしておりますのは、製造者等によります引き取り及び処理、製造者等によります住民等への処理ルートの紹介、あるいは製造者等によります市町村の行う収集、運搬への協力、製造者等によります市町村における処分への協力、製造者等による市町村が処理するのに必要な費用の一部負担等が考えられるところでございまして、指定をされます廃棄物の種類、製造者等によります回収処理体制の整備状況、あるいは市町村での対応能力等によりまして異なってくるものでございますので、この検討過程におきまして、厚生省として十分整理をして市町村に提示ができるようにしたいと考えております。
#311
○粟森喬君 厚生大臣にこの際、このことの扱いの中で、第六条の三の第四項で指定を行うに当たっては、所管大臣の意見を聞かなければならない、こういうふうになっています。所管大臣がこれはちょっとやめてくれというふうに言ったときには指定をしないという意味にとるのか、それともむしろ厚生省が主体的に、これは廃棄物処理の観点から見て指定が必要だという場合、どちらを優先するのかということもございます。これがまず一つです。
 それからもう一つは、この適正処理困難物の取り扱いが地方自治体でかなり突出をしてといいますか、みずからのところでもう少し前へ出ていろんな処理を現実にやっています。私は一つの懸念を持っているのは、この種の地方自治体が、国が今度の改正法で一定の基準を決めたんだから、余り先駆けてそういうことをやるなということに通じはしないか。これは地方自治と国の権限の問題でいつも争われる問題でございますが、この種のことを先駆けて少しでも細分化をし具体化する、そういうことについて積極的な厚生省の立場というのをどこかこの法案なりこれからの決議なりに明確に入れていくということが、今後のこの見直し段階で、これからバーゼル条約の批准に伴う幾つかの国内法、この法案そのものの改正をしなければならないときに当然論議になるかと思いますが、この辺のところについて厚生大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
#312
○国務大臣(下条進一郎君) それぞれ物は責任ある官庁との関係があるわけで、産業官庁というのがございますので、指定に当たりまして十分協議をしてやっていくという建前でございますから、協議が整ったものから指定が行われる、こういうことでございます。
 それから、今の個々の市町村に対する厚生省の関係でございますけれども、今回の改正案におきましては、適正処理困難物を厚生大臣が指定することとしたのは、全国的な観点から適正な処理に対応することが妥当であるとの趣旨からでありまして、個々の市町村におきまして適正処理が困難な廃棄物について行われる施策は尊重さるべきものと考えております。
 また、厚生大臣の指定に当たっても、全国的な状況を調査することといたしておりまして、その際市町村の意向を十分把握し、それが適切に反映されるように努めてまいりたいと考えております。
#313
○粟森喬君 次に、第二十二条関係についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 二十二条を見ますと、国庫補助のあり方について明記をしてございます。具体的に国庫補助の範囲を明確にした中で、「ごみ処理施設及びし尿処理施設の設置に要する費用」、二が「災害その他の事由により特に必要となった廃棄物の処理を行うために要する費用」と、こういうふうに書いてあります。
 今回私どもが一般廃棄物の最終処分場の設置に関する費用もこの法案の中の三に具体的に入れるべきではないか、こういうのが私どもの主張でございます。
 先ほどからの答弁の中では、それはいろいろなケースがあるんだから、予算もついているんだからと言いますが、少なくとも法体系で言えばここまで明記をしているにもかかわらず、ここの部分だけなぜ入れられないのかという意味が、実行はしているんだから法律には入れないと。ではこの一と二を入れたことも逆にこれは矛盾することと違うのかと、こういうふうに私は思います。したがって、この一般廃棄物の最終処分場をなぜここに法文上三として入れられないのか、その理由について改めてお伺いをしたいと思います。
#314
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物の最終処分場につきましては、昭和五十一年の法改正によりまして、一般廃棄物処理施設に加えられまして、それに対する補助が予算補助として措置されてきたところでございます。それ以来市町村が行います最終処分場の整備につきまして、法律補助でございますごみ処理施設と同様、国庫補助及び起債、交付税によります地方財政措置によって円滑に行われてきましたことから、法律補助とする必要があるとは考えておりませんで、その考えに基づき整理をしたところでございます。
#315
○粟森喬君 いずれにせよ、今東京はもちろんのこと、大都市それからいわゆる集中した地方都市も含めて、最終処分場の確保が大変難しい問題になっています。特に地価が上がる、そして環境の問題も地域住民の人がかなり強烈な反対運動などをやっていっているのが現状でございますから、この種のことを法的に費用の負担、それからあり方を明確にしていかないと、いずれにしても人間がそこで生き、産業が起きれば、当然これからは単なるごみ処理施設とかし尿処理施設以上に一般廃棄物の最終処分場というもののあり方が問われると思います。今回はそのことの扱いをこれからどうするかということは別にいたしまして、私どもがこのことを強く要望していることを重ねて申し上げます。
 その上でもう一つ、私どもとしてこれからのあり方の中で、ぜひともここは考えていただきたいというところです。国は廃棄物に関する情報の収集が、特に一番問題になっているのは一般廃棄物と言われる中にオフィス用のごみと生活系のごみが一緒になってしまっている。それを私どもも何回か資料要求をしたわけですが、その資料が出てこないというのは、困難であるという事情はわかるんです。もう資料がないということは情報がないというか、例えば私は民間の機関で生活系と、いわゆる紙の量などをかなり分類をいたしまして、最終処分場とか焼却場で紙がどのくらい、そしてそれ以外が、燃やしたものがどのぐらいという情報をきちっと掌握しながら、推定でその紙のうちどのぐらいが生活系でどのくらいがオフィス用だという、ほぼこれができ上がっていると思うんです。
 したがって、私どもこの法案にこの部分が抜けていることについて指摘をしたのは、そういう今の一般廃棄物の類別を、将来何らかの格好で区分をして、その区分の結果によって国の適切な対応を求めるという期待が込められているわけでございますが、このことが抜けた原因と今後の取り扱いについてお尋ねをしたいと思います。
#316
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物の実態、実績につきましては、全国的に集計ができますものにつきましては、私ども毎年度定期的に調査をし、集計をしておるところでございます。しかしながら、ごみの内訳あるいは排出事業者ごとによります排出量のような点につきましては、その基準がそれぞれの市町村ごとにばらばら、それぞれの市町村に任せておるという状況もございまして、現在のところ代表的な事例につきましての調査結果については私ども承知をしておりますが、それを全国一律に集計して動向を整理する段階に至っておりません。
 今後廃棄物の減量化あるいは適正処理を一層進めますためには、廃棄物の実態につきましてより正確な、より詳しいデータを集積し、それに基づく判断が必要というふうに私ども考えておりまして、その点につきましては、今後極力精力的に情報の収集整理及びその集積結果の地方公共団体等への提供に努めていきたい、その必要性が強いというふうに考えております。
#317
○粟森喬君 いずれにせよ、これからの努力をお願いするということと、もう一つ市町村の生活系一般廃棄物の分別収集のあり方の問題で、同僚議員からも何回も意見が出ているところでございます。私は特に市町村のこの生活系の一般廃棄物というのは、原則それぞれ市町村の職員といいますか、基本的には職員がやっていたんだと思います。これは排出物でございますから、その人たちの身分をまず保障すること、そして公務員であるがゆえのさまざ。まな保障とともに、団体交渉といいますか、労使関係の中で相当厳しく制約をしてきた。結果的にその制約が、例えば町中のところでは昼間収集できない。どうしたらいいかと、組合はそのときにそんなものできないという話をしたときに、何となく請負業者がそこで発生をして今の形態みたいなのが生まれたんだと思います。しかし先ほどからの何回もの指摘の中にもあるように、事故が集中しているのは、公務員がやっている部分じゃなく、民間の業者がやるところです。なぜかというと、労使間でその取り決めもないし、丸ごと請負の形態も私たちは十分承知しています。
 そういうことを改善せずに、これからこの地域社会の中できちんとした生活系、地域社会の中でリサイクルであるとか分別処理であるとか、そういうことについて守れなくなるんではないか。私は業者がそこで経営的にやるのはわかるんですが、多少その部分の市町村の役割を拡大していくということなしには、この問題の解決はないんではないか。これは私どもの立場からいえば、市町村が直接処理をするという原則をこれから守っていただきたいこどを特に、時間がございませんので、答弁の必要ありませんが、お願い申し上げておきます。
 以上です。
#318
○勝木健司君 深刻化する廃棄物の問題に対処するための対応策として、廃棄物自体の減量を図るための発生の抑制あるいはリサイクルの促進について新たな対策を講じていこう、そしてまた、地域住民に理解を得られるような廃棄物の中間処理施設あるいは最終処分場の設置促進のための方策を確立していかなければならないわけでありますが、従来とかく迷惑施設と考えられがちでありました廃棄物の処理施設の設置というものは、地域住民の理解と協力を得ながらいかに進めていくかということが課題でありまして、そのためにはまず、施設の立地に当たって生活環境の保全に細心の注意を払わなくてはならないと思うわけであります。
 そこで、廃棄物処理施設の周辺環境汚染についてお伺いをいたしますが、今最終処分場から有害物質が漏れ出しておる、そして周辺環境を汚染しているとの指摘が全国でなされておるわけでありますが、幾ら廃掃法を改正して廃棄物の処理量を減らしていこう、そして減らしてもなお有害物質の問題を解決しないのであれば私たちは安心して生活ができないわけでありますので、最終処分場からの有害物質の流出の実態をどういうふうに厚生省は把握されておるのか、まずお尋ねをいたしたいというふうに思います。
#319
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物及び産業廃棄物の最終処分場の維持管理に関しましては、設置者に対しまして維持管理の基準の遵守等の規制を課しているところでございます。
 また、浸出液、処理設備の放流水の水質あるいは周縁地下水または周辺水域の水質につきましては設置者が定期的に検査を実施するよう指導いたしますとともに、その検査結果についても都道府県において定期的に報告を徴収することを指導しているところでございまして、都道府県におきましてその実態を把握しているところでございます。
#320
○勝木健司君 私は実態をどういうふうに今把握されておるのかということをお尋ねしたわけであります。全国で約二千三百カ所余りの一般廃棄物の管理型処分場がある。それらの基準が法律あるいは政令で規制されておるわけでありますが、処分場の中にはこの維持管理基準を満たしていない不適切な処分場があるというふうに聞いておりますので、これらの不適切な処分場の実態についてどの程度把握をされておるのかということと、これらの実態に対して強い行政指導が求められておるわけでありますけれども、あわせてお伺いをしたいというふうに思います。
#321
○政府委員(小林康彦君) 一般廃棄物の最終処分場の設置、維持管理に関しましては、設置者に対しまして施設の設置の届け出、構造及び維持管理の基準の遵守等の規制を課しております。これらの規制は廃棄物処理法に基づきまして都道府県知事が実施することになっておりまして、都道府県においては環境衛生指導員が置かれ、一般廃棄物処理施設への立入検査及び廃棄物の処理に関する指導を実施しているところでございます。厚生省におきましては、廃棄物処理施設整備のための国庫補助事業に関しまして、技術上の観点から廃棄物最終処分場指針を策定し、これに合致した施設の整備を図ることとしております。
 このような制度及び実態から、一般廃棄物の最終処分場はおおむね適正に設置、維持管理されているものと認識をしておりますが、一般廃棄物の最終処分場について改善命令が出されました例が平成元年度に一件報告されておりますので、今後とも一般廃棄物最終処分場の適正管理につきまして一層指導してまいりたいと思っております。
 次に、こうした不適切な最終処分場についての指導状況でございます。
 一般廃棄物の最終処分場からの浸出液によります公共用水域等の汚染を防止いたしますために必要に応じて遮水工、集水設備及び浸出液処理設備を設置することが義務づけられております。また、最終処分場からの放流水や地下水の定期的な水質検査の実施及びその検査結果の都道府県に対します報告が義務づけられておりまして、市町村の一般廃棄物の最終処分場により周辺環境への汚染が生じないよう従来から指導しているところでございます。今後、環境汚染を生ずるような一般廃棄物の最終処分場が出てまいりました場合には適切に対処するよう都道府県、市町村を指導してまいりたいと考えております。
#322
○勝木健司君 一般廃棄物処分場の中には有害物質でありますカドミウム、鉛、水銀などが含まれているようでありますが、処分場のみならず処分場周辺にも環境汚染のおそれがあるわけでありまして、この廃掃法では、有害物質につきましては政令で十一物質を定めておるれけでありますが、化学工業の目覚ましい発展によりまして新しい化学物質が年々増加の一途をたどっておるということでありますので、この中には人体やあるいは自然環境に大変有害な物質も多数あるのではないかというふうに思われます。そこでこの廃掃法上、有害物質はこの十一物質で果たして十分なのかどうか、今後また追加していくことはないのかということで見解をお伺いしたいというふうに思います。
#323
○政府委員(小林康彦君) 御指摘のとおり、近年産業の情報化、技術革新、高付加価値化等に伴いまして、廃棄物の中にも爆発性、毒性、感染性などの特性を有するために収集、運搬、処分等の処理に特別の管理が必要な廃棄物が増加している状況にございます。このため、改正法案では新たに特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の区分を設けまして、その適正処理を推進することとしております。
 特別管理一般廃棄物につきましては新しい概念でございますが、当面ごみ焼却炉の集じん灰、血液の付着しましたガーゼ等の医療廃棄物、使い捨てガスボンベ及びスプレー缶等を指定の対象として検討することとしております。
 また、特別管理産業廃棄物につきましては、現在既に有害産業廃棄物として規定をしておりますカドミウムその他の健康にかかわる被害を生ずるおそれのある物質を含む産業廃棄物、それに加えまして従来からガイドラインを作成して適正処理を指導しております感染性医療廃棄物及び飛散性アスベストを含有する廃棄物などを指定することを考えております。
 さらに、バーゼル条約で国際的に管理を要するということで廃棄物リストが提示をされておりますので、バーゼル条約の廃棄物リストに掲げられております品物につきまして、年次計画を策定して調査を行いました上で必要なものを特別管理廃棄物として指定してまいる予定でございます。
#324
○勝木健司君 次に、リサイクルの促進についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 法律の第四条第一項の改正を読みますと、「市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図り、及び一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともにことなっておるわけでありますが、現在住民団体が行っております紙や空き瓶の回収事業などについて国や地方自治体が支援する制度があるというふうに伺っておるわけでありますが、その具体的内容についてどのようなものがあるのか、お尋ねをいたしたいというふうに思います。
 あわせて、この制度に八十件を超す申し込みが殺到しておるというふうにお聞きをいたしております。予定しておりました三土地区をはるかに上回る人気であったというふうに聞いておるわけでありますが、厚生省はこの受け付けを打ち切り、今回対象にできなかったところは来年まで待ってもらうしかないと説明しておるやに伺っておるわけでありますが、この制度を今後も拡大していく予定があるのかお伺いをいたしたいというふうに思います。
#325
○政府委員(小林康彦君) 厚生省では、市町村におきますごみ減量化のシステムづくりを進めますために、平成三年度から新たに廃棄物減量化促進対策事業費補助金を創設したところでございます。補助事業として具体的に予定をしておりますものは、集団回収のための容器の貸し出し等資源ごみの回収ルートを確保する事業、回収をしました資源ごみを再資源化するための流通経路を確保する事業、廃棄物の減量化に関する住民啓発事業、その他、コンポスターの配付、不用品交換のためのパソコンネットワークの構築等、市町村の実情に応じて実施する事業で適当と認められた事業、これを対象とすることにしてございます。
 本年度から設けられましたこの廃棄物減量化促進対策事業費等補助金につきましては、多くの市町村から要望が寄せられたところでございますが、事業の内容が補助要件に合致しているものにつきましては極力要望に応じていきたいと考えております。
 平成四年度におきましては、従来の補助金を大幅に拡充をいたしまして、リサイクルのためのシステムづくりや施設整備に対する補助金として廃棄物処理総合対策事業費を要求しているところでございまして、その中で、御指摘の事業につきましても対象地区の増も含めた充実を図り、市町村の期待にもこたえていきたいと考えております。
#326
○勝木健司君 現在住民あるいは団体の間でこのリサイクルの機運が高まってきておるわけでありますが、現実問題としてそれを支援していくだけのシステムがまだ不足をしているんじゃないかというふうに思います。そこで、こういう状況を考えますと、少なくとも都市部においてはリサイクルストックヤードの設置を促進すべきじゃないか、そういう施策を講ずる時期に今来ておるんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、御見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
 あわせて、現在厚生省はリサイクルプラザの整備事業を今支援しておるわけでありますが、必ずしも十分でないというふうに思います。その支援策と今後の展開についてもお伺いをいたしたいというふうに思います。
 また、自治省にもこの件について、ごみ問題解決の一環として各地方公共団体に対してもリサイクルストックヤードを設置していくよう指導すべきではないかというふうに思うわけでありますが、お聞きをしたいというふうに思います。
#327
○政府委員(小林康彦君) 市町村が廃棄物の再生利用施設の整備を行うことは廃棄物の減量化推進の重要な方策の一つでありますことから、平成四年度の概算要求におきましてもストックヤード等のリサイクルのための施設整備事業に対する補助の大幅な拡充を要求しているところでございます。
 また、今回の廃棄物処理法の改正法案におきまして、古紙などの回収を行う廃棄物再生事業者について都道府県知事への登録制度を設けまして、一般廃棄物の再生に関して市町村との連携が一層緊密なものとなるようにするとともに、登録を受けました事業者の所有をいたしますストックヤードについて、特別土地保有税、この非課税措置を講ずることとしております。
 厚生省といたしましては、これらの施策の推進を通じまして、廃棄物の再生利用のために必要な施設の整備が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、リサイクルプラザでございますが、市町村におきます廃棄物再生事業のための総合施設でございますリサイクルプラザにつきましては、現在大阪府吹田市において平成元年度より建設中のものがございます。平成四年度の概算要求におきましては、市町村におきます廃棄物の減量化、再生利用施設の整備等に対する一層の財政的支援を行いますために、新たに廃棄物処理総合対策事業費補助金を創設いたしまして、お話のリサイクルプラザのほか、リサイクルセンター、ごみ固形燃料化施設等を含めまして約二百カ所の整備に対して助成すべく、現在要求を行っているところでございます。
#328
○説明員(香山充弘君) 御指摘のとおり、私どももリサイクルというのは大変重要なことであるというように考えております。
 今後、各地方団体でこの面でいろんな取り組みが予想されるところでございますが、自治省といたしましてもそういうリサイクルセンター等の整備に対しまして所要の財源措置を検討いたしまして、補助事業あるいは地方団体が自主的に取り組みをされる場合もあろうと思いますけれども、積極的に支援を検討してまいりたいと考えております。
#329
○勝木健司君 従来清掃事業は、出されたごみを速やかに収集していく、そして運搬し衛生的に処分することを重点に行われてきたわけでありますが、このままごみが増加いたしますと、将来ごみが社会活動に悪影響を及ぼしまして私たち国民生活そのものにも重大な支障を生じかねない問題であるわけであります。廃棄物の減量化並びに再資源化に当たりましては、国、地方公共団体、事業者及び国民の各層がそれぞれ有機的に連携をして取り組んでいかなければならないというふうに思うわけであります。
 そこで、厚生大臣に、今後の取り組みについての決意のほどをお伺いしたいというふうに思います。
#330
○国務大臣(下条進一郎君) 厚生省といたしましては、廃棄物の徹底した排出抑制と再生利用の推進によりましてその減量を図ることは今後の廃棄物処理行政の重要な施策と考えております。委員御指摘のとおりでございます。
 このため、改正法案におきましては法の目的として、廃棄物の分別、減量化、再生を明記すること、市町村の一般廃棄物処理計画に排出抑制、減量化、分別収集に関する事項を定めること、廃棄物再生事業者の知事登録制度を設け、優良な再生事業者を再生に協力させること等を盛り込んでいるところであります。
 また、平成四年度の概算要求におきましても、市町村における資源ごみの分別収集を推進するための事業などに対する補助の大幅な充実を要求しているところでありまして、今後改正法案の趣旨に沿って、国民の理解と協力を得ながら廃棄物の減量化、再生利用の積極的推進に努めてまいりたいと考えております。
#331
○勝木健司君 特に、今回の改正で「国民の責務」ということが規定されておるわけであります。私はこれは重要な規定であるというふうに思います。国民も廃棄物の問題に協力しなければならないというふうに思うわけであります。特に教育啓蒙というのが大切じゃないかというふうに思うわけでありますが、問題は、国民が協力できるように今後国や地方公共団体はどのような具体的な施策を考えておられるのかということが大事なことだろうというふうに思いますが、それについてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#332
○政府委員(小林康彦君) 今後廃棄物処理に当たりまして、関係者それぞれが連携を強め、協力をしながら取り組むというのが適正処理のために不可欠な条件でございます。
 このため、国レベルにおきまして、廃棄物処理の実情を広くお知らせをし、今後の廃棄物処理の方向につきましての啓発活動を強めますとともに、地方公共団体のレベルにおきましても、その処理の実情、処理計画の内容あるいは個別的な減量化、分別収集等市町村の行います廃棄物処理の方策について広くPRをし、住民を初め関係の方々の積極的な協力を得るよう、そのための一助といたしまして今回の法改正におきまして、市町村におきまして審議会でございますとか推進員ですとか、その周辺との接統を図るような制度も入れさせていただきたいということで提案をしているところでございます。
#333
○勝木健司君 次に、マニフェスト制度についてお伺いをいたしたいというふうに思いますが、政府案では特別管理産業廃棄物についてのみマニフェスト制度を適用することといたしておるわけでありますが、確かに現状ではこの産業廃棄物全体にマニフェスト制度を適用することは事業者等に負担が大きく導入は困難であると思われるわけでありますが、マニフェスト制度自体は産業廃棄物の管理、不法投棄防止に効果がある制度でありますので、UNEPあるいはOECDなどの国際機関でも導入が検討されてきておるわけでありますので、我が国におきましても諸条件が整備されれば近い将来導入を検討してもよいのではないかというふうに思うわけでありますが、お答えをいただきたいというふうに思います。
 また、ごみ問題は、結果が出てから対策を立てるのではなく、やはり結果を予測して対策を立てるべきじゃないかというふうに思います。この観点からも、今回の廃棄物処理法の改正の中でマニフェスト制度の適用については、現に不法投棄と管理体制が問題になっており、また事業者が実行可能で、しかも実行した場合に効果的である廃棄物は随時政令で指摘できるというふうにすべきではないかと考えますが、あわせてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#334
○政府委員(小林康彦君) マニフェストの適用対象につきましては、諸外国の例も参考にいたしまして、産業廃棄物のうち、人の健康または生活環境にかかわる被害を生ずるおそれがある特別管理産業廃棄物についてのみマニフェストの使用を義務づけることとしたところでございます。
 なお、その他の産業廃棄物につきましても、従前から行っております行政指導により、引き続きマニフェストの使用の普及、定着に努めてまいりたいと考えております。そして、その普及、定着の状況を踏まえまして、マニフェストに関する法制度の適用範囲につきましてさらに検討してまいるつもりでございます。
#335
○勝木健司君 次に、代執行等々についてお伺いをいたしたいというふうに思いますが、不法投棄物の撤去が容易に行えなかった事例が数多く見られておるわけでありますが、これは措置命令の発動要件が大変厳しかったことによるものというふうに私どもは思うわけでありますが、今回の改正法ではどのように措置をされたのかお伺いをいたしたい。
 あわせて、香川県の豊島の例に見られますように、知事が代執行したくてもその費用がないために代執行ができなかったということもあるわけでありますので、この代執行に対する国庫補助規定を今風の廃棄物処理法の改正の中に入れるべきではないかというふうに思うわけでありますが、御見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
#336
○政府委員(小林康彦君) 御指摘のございましたとおり、現在の廃棄物処理法では措置命令の発動は生活環境の保全上の重大な支障等がある場合に限定されております。しかしながら、改正法案におきましては、不法投棄等廃棄物の処理基準に適合しない方法により産業廃棄物が処分されたため、生活環境の保全上支障を生じ、または生ずるおそれがあると認められたときは、都道府県知事は当該処分を行った者に対して、期限を定めて、その支障の除去または発生の防止のために必要な措置を講ずべきことを命ずることができることとしたわけでございます。御指摘がございましたように、このように措置命令がより機動的に行える、こういう規定になったものと私ども理解をしております。
 次に、代執行でございますが、不法投棄を防止いたしますことは極めて重要な課題でございまして、改正法案におきましても、不法投棄防止対策及び不法投棄が行われました場合の対策について、措置命令の強化等各般の施策を盛り込んだところでございます。
 不法投棄の原状回復にかかわります費用については、不法投棄をしました音あるいは委託基準に違反をした排出事業者にその費用負担を求めるべきでございまして、国が不法投棄廃棄物の回収費用を補助することは原因者の責任を不明確にし、かえって不法行為を助長するという意見もございまして、その理論づけは困難であると考えております。
 不法投棄の原状回復に関しましては、諸外国の例も参考にしながら、廃棄物が不法に処分をされました場合の原状回復を適切かつ迅速に行わせるための方策について、今後さらに検討を深めたいと考えております。
#337
○勝木健司君 今回の廃掃法改正案や、また再生資源の利用の促進に関する法律によってもカバーされない課題といいますと、このリサイクル事業をいかに国際的な視野や規模に基づいて推進していくのかということだというふうに思います。
 例えば、古紙一つを見てみましても、その有効利用は今や国内市場の需給のみによって左右されるべきものではなくて、古紙を多く必要とする開発途上国への協力もあるわけでありますし、また地球規模の木材資源の節約等、あるいは環境保全の見地からもその回収と利用の政策を拡充していかなければならないわけであります。こうした地球規模のテーマというものは、廃掃法等には直接なじまない性格のものかもしれませんが、厚生省並びに通産省は今後いかにこういうことを施策に反映させようと検討しておられるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
#338
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物のリサイクルは、廃棄物の減量と廃棄物の適正処理の観点から積極的に推進する必要がございますが、視野をより広げて見ますれば、先生お話がございましたように、地球規模での省資源、省エネルギーあるいは環境保全の観点からも促進すべき事柄であること、御指摘のとおりと存じます。
 また、その際、国際的にリサイクルを推進すべきという考え方も貴重な御意見として受けとめさせていただき、一方、国境を越えて有害廃棄物による環境汚染の問題から、環境保全のために有害廃棄物の移動についての管理を強化しようという動向もございますので、そうした国際的動向にも配慮しつつ、国際的なリサイクルにつきまして、今後関係省庁も含めた幅広い角度から検討すべき課題の一つとして考えてまいりたいと思っております。
#339
○説明員(増田達夫君) 古紙の再生につきましては、私ども従来からそれを促進したい、特に省エネルギー、省資源という観点から進めてきております。かなり成果は上がっておりまして、例えば十年前でございますと、製紙原料に占める古紙の比率は四一%でございました。現時点では五二%まで高まってきております。しかしながら、今委員御指摘のとおり、地球的規模での視点からの対策も大変重要でございます。特に、最近の国際的な森林資源の保護の動き、また身近なところでのごみの問題等もございまして、私ども一層回収の促進と利用の促進に力を入れていきたいと思っております。
 具体的に申し上げますと、例えば最近話題になっておりますオフィスから出ますごみにつきましては、昨年度からオフィス古紙の回収のモデル事業を進めまして、ことしの五月にはマニュアルをつくって、これを幅広く啓蒙のために呼びかけておる次第でございます。また、再生紙の利用の促進という観点からはグリーンマークという制度を利用いたしまして、ノートですとか、あるいはメモ帳ですとかにマークをつけまして、小中学校でこのマークを幾つ集めると、例えば三百集めると苗木を十本あげるというような形で身近なところから再生紙の利用に対する認識を深めてもらうという対策も講じております。
 また、我が国はアメリカに次いで世界第二位の製紙国でございます。一方で古紙の利用率も五二%と世界の最高水準でございまして、文字どおり古紙利用先進国という立場にございます。既に技術のストックもかなりございますので、国際的視野での協力という観点からは、例えば発展途上国から古紙利用技術に対する協力の要請がございましたら、今持っております私どものノーハウ、技術を使いまして積極的に協力するという方向で対策を進めてまいりたいと思います。
#340
○勝木健司君 これは地球的規模のテーマではありませんけれども、一例でありますが、ある大手流通業者の店舗では、レジのところで渡すビニール袋のかわりにみずから買い物袋を持ってきたお客さんには、会計の精算のときにその都度一回スタンプを押して、それが二十回たまると後で百円引きになるというサービスを行っておるというふうに聞いております。買い物袋を以前のように消費者に持ってきてもらう、そしてビニール製の廃棄物をできるだけ減らしていこうという試みであるわけでありますけれども、しかし実際には、よく買い物をする人に聞きましても、家からわざわざ買い物袋を持って来られる人は少ないというふうに聞いておりますし、また贈答用品の過剰包装にしても消費者の理解がなかなか得られないと、そういうことが必要だというふうに思うわけであります。
 そこで、このようにごみ対策は政府が幾ら企業にハッパをかけても、消費者の主体的な参加が得られなければ、なかなか効果が出にくいんではないかというふうに思うわけでありますので、消費者の一層の関心を喚起するためのきめ細かな政策をとるべきだというふうに思いますが、時間が余りありませんので簡単にお伺いをしたいというふうに思います。
 特に文部省、きょうお見えですか。――文部省にお伺いいたしたいというふうに思いますが、今後環境教育というものが大変重要なこととなってくるど思うわけでありますけれども、現在どのような内容のことを実施されておるのかということと、また、今後どのような施策を教科書の中で、教育の中で考えられておるのかということをお尋ねしたい。環境教育をより効果的なものにしていくためには教科書にも再生紙を使用すべきだという意見も多いわけでありますので、例えば一〇%の再生紙の含有の紙を使うということなども検討してもいいんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、あわせてお伺いをしたいというふうに思います。
#341
○説明員(福島忠彦君) 委員御指摘のとおり、環境問題はやはり人の心の問題でもあると思います。そういう意味で、教育の面というのは非常に重要だと考えております。先般私どもは教育課程の基準であります学習指導要領というものを十年ぶりに改訂しましたが、そこにおきましては、従来の公害教育という視点から地球環境を守ろうという、いわば環境教育の視点へ転換したつもりでございます。
 具体的には、理科、社会、保健体育、道徳等で環境保全の問題、地球と人間の問題、環境と健康の問題、そういうものをテーマに学習することにしております。また、私ども文部省の施策としましては、環境教育の指導資料をすべての中高等学校に配付しました。この指導資料は、表紙に地球の写真を用いておりますし、紙も再生紙を使っております。
 さらに私ども、啓発のためにことしの十一月には滋賀県で環境教育の全国大会を開きまして、学校の先生方に環境教育を一生懸命やってもらおうということで施策を現在進めているところでございます。
 以上でございます。
#342
○説明員(矢野重典君) 教科書に再生紙を利用することについてでございますが、これにつきましては、文部省といたしましてもこれまで検討をしてまいりました。が、現時点におきましては、このことについては幾つかの課題や問題がございます。例えば教科書用紙として必要な品質を確保することができるかどうかといった課題あるいは良質な原料、古紙を安定的に確保できるかどうかといったような課題がございます。また再生紙の方が割高であるといったような問題もございます。
 文部省としましては、再生紙利用の意義につきましては十分認識しておるわけでございますので、今後とも関係業界と連携を図りながら、教科書に再生紙を利用することにつきまして研究、検討を行ってまいりたいと考えております。
#343
○勝木健司君 割高ということよりも、国民の教育という意味からぜひ必要だというふうに私は思います。
 最後に、時間が来ましたので、廃棄物の海洋投棄についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 海洋は地球上で発生した汚染物質の最終的な受け皿だったというふうに言われておるわけでありますが、そして海洋汚染は非常にゆっくりと進行するということで、わかりにくい。わかったときには既にもう重大な事態が起きておるということであります。
 我が国では、陸上で発生した廃棄物の海洋投入処分に関しては海洋投入できる廃棄物の種類、その排出海域及び排出方法が廃掃法等に基づき定められ、海洋環境の保全が図られていると政府は言っておられるわけでありますけれども、海洋汚染が年々悪化する中で果たして環境保全が本当に図られているのかどうか。我が国は他の先進工業国と比較いたしますと、産業廃棄物の海洋投棄規制が緩い、そして海洋投棄量も多いと指摘される状況下であります。なぜ、廃掃法は海洋投棄を認めているのか、規制をもっと強化していくべきではないかというふうに私は思うわけでありますけれども、御見解をいただきたい。
 また、環境庁の平成元年の七月にまとめた有害廃棄物対策研究会中間報告でも触れられておるわけでありまして、その中で「様々な有害物質を溶解している可能性のある廃酸・廃アルカリは、陸上埋立が禁止されている。これは欧米と異なる点であり、これまで未規制の有害物質も含め、地下水や公共用水域の汚染事例を少なくしてきた効果があったと考えられる。しかし、逆に、これらを処理して排水として排出する場合には、排水基準をクリアしなければならないこと、下水道排除基準にも抵触すること、処理費がかかること等から、海洋投入処分への依存を強める結果となって」というふうに触れられて書いてあるわけであります。
 このような理由から海洋投棄がやめられないのであれば、我が国は国内汚染を防ぐために海洋汚染を行っているという逆に諸外国から批判を受けることにもなりはしないかというふうに私は思うわけでありますので、それについての御見解をお伺いしたい。
 そしてまた、国際社会の中で諸外国はこの海洋投棄をどのように規制をしておるのかということもあわせて、それに対して日本政府はどのような対応をしているのかということも、それぞれ環境庁、外務省お越してありますので、お伺いをして私の質問を終わります。
#344
○説明員(木下正明君) まず、環境庁の方からお答えいたします。
 我が国で行われております廃棄物の海洋投棄は、廃棄物処理法及び海洋汚染防止法に基づいてなされているものであります。その原則は陸上での処分を原則としておりますが、やむを得ない場合海洋投棄される廃棄物について、海洋環境保全の観点から定められた基準に従いまして適切な措置を講じた上で行われているものであります。なお、この基準は、廃棄物の投棄による海洋汚染の防止をするための国際的な条約であります廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約、いわゆるロンドン・ダンピング条約にも対応しております。
 なお、海洋投棄の影響を監視するため私ども環境庁は、毎年、投棄海域を含む日本近海におきまして、水質及び底質のモニタリングを実施しておりますが、その結果によりましても特に海の環境汚染の進行は見られておりません。
 また、先生御指摘の中間報告につきましては、廃酸、廃アルカリの海洋投棄量が多い要因として公共用水域への排水基準を挙げておりますが、この基準の趣旨は陸上での処理を適正化するということでございます。
 また、先生御指摘のとおり、今後の海洋環境の保全を進めていくためには、国際的に見ますと、可能な限り廃棄物の海洋投入処分を減らしていくことが提唱されておりますので、地球的規模での環境保全に配慮することもありまして、環境庁といたしましては、産業廃棄物にかかわる海洋投入処分基準について、各国の動向を踏まえつつ今後適切に対応してまいりたいと考えております。
#345
○説明員(斎賀富美子君) 先生御質問の海洋投棄の国際的な規制でございますので、外務省の方からお答えさせていただきたいと思います。
 今環境庁の方からのお答えの中に一部触れられておりましたけれども、海洋投棄は主に一九七二年六月に開かれました第一回国連人間環境会議の勧告に基づきまして、一九七二年十一月に、今環境庁の方から言及がございましたロンドン・ダンピング条約、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約におきまして規制されております。
 この条約は、投棄による海洋汚染を防止することを目的といたしまして、廃棄物その他のものを故意に海洋に投棄することを禁止すること、それから一定の廃棄物について投棄を認める場合におきましても、非常に厳しい制限のもとでのみ認めるということを内容とするものでございまして、これが世界的に現在存在する条約でございます。この条約の締約国は現在六十五カ国でございます。我が国は、国内制度も整備をいたしましてこの条約を一九八〇年に批准いたしまして、その規定に沿った海洋投棄の規制を実施しておりますとともに、ほぼ毎年開催されておりますこの条約の締約国協議会議に、またこの協議会議のもとに開催されております各種専門家会合に積極的に参加しているところでございます。
#346
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法では、「埋立処分を行うのに特に支障がないと認められる場合には、海洋投入処分を行わないようにすること。」という処分基準を定めているところでございます。しかしながら、先ほど環境庁からお話がございましたような状況で海洋投入処分が認められ、かつ一部産業廃棄物が海洋投入処分をされている実情にございます。
 一方、ロンドン・ダンピング条約での決議におきまして、海洋投入に対する規制が一層強化をされる状況にございますので、こうした国際的な動向を踏まえまして必要な措置につきまして検討してまいることとしております。
#347
○委員長(田渕勲二君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#348
○委員長(田渕勲二君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、商工委員会及び環境特別委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することとし、さらに、今後他の関係委員会から連合審査会開会の申し入れがありました場合は、これを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#349
○委員長(田渕勲二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#350
○委員長(田渕勲二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#351
○委員長(田渕勲二君) 次に、議案の撤回についてお諮りいたします。
 去る二十四日に趣旨説明を聴取いたしました廃棄物の適正処理等に関する法律案について、昨二十五日、発議者浜本万三君外五名から撤回の請求がありました。
 本案の撤回を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#352
○委員長(田渕勲二君) 御異議ないと認めます。よって廃棄物の適正処理等に関する法律案は撤回を許可することに決定いたしました。
    ―――――――――――――
#353
○委員長(田渕勲二君) 次に、麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律案並びに国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。下条厚生大臣。
#354
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま議題になりました麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、世界の多くの国々で麻薬、向精神薬等の薬物の乱用が増加してきております。
 我が国では、乱用される薬物に対しては、麻薬及び向精神薬取締法、覚せい剤取締法等により、その輸出入、製造等について厳しい規制を講じてきたところでありますが、世界的な薬物乱用の傾向が我が国へも波及することが懸念されております。
 薬物の乱用防止のためには、その密造や不正な取引を厳しく取り締まる必要がありますが、国際間の人的、物的往来が増大した今日にあっては、薬物の乱用を一国の努力のみで解決することは極めて困難であり、国際的な協力のもとに薬物の不正取引を防止する体制を整備していくことが不可決であります。
 政府といたしましては、以上のような状況にかんがみ、麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約の批准に備え、かつ我が国における薬物の乱用の防止を図ることを目的として、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、麻薬及び向精神薬取締法の一部改正について申し上げます。
 第一に、麻薬及び向精神薬の原料物質の輸出入、製造及び販売を業として行う者について届け出制度を設ける等必要な規制を行うこととしております。
 第二に、外国でみだりに麻薬の輸出入、製造等を行った者を我が国で処罰できるようにする等罰則の整備を図ることとしております。
 このほか、大麻取締法、覚せい剤取締法及びあへん法の一部を改正し、外国でみだりに大麻、覚せい剤等の輸出入、製造等を行った者を我が国で処罰できるようにする等罰則の整備を図ることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、麻薬、向精神薬等の薬物乱用問題は世界的な広がりを見せており、このような問題の根本的な解決のためには、国際的な協力のもとで薬物の不正取引を監視する体制を整備するとともに、薬物犯罪による不法収益を剥奪する等薬物に係る不正行為が行われる要因を除去する必要があります。
 政府といたしましては、以上のような状況にかんがみ、麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律案と相まって、麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約の批准に備え、かつ国際的な協力のもとに規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図ることを目的として、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、薬物犯罪の捜査のために必要と認められる場合には、入国審査または通関の際に、規制薬物を所持する疑いのある者等の上陸等を認めることができることとしております。
 第二に、金融機関等は、その業務において収受した財産が不法収益である疑いがある場合には、必要な事項を主務大臣に届け出ることとし、検察官等はその記録を閲覧することができることとしております。
 第三に、不法収益の発生の原因やその取得等につき事実を仮装し、または不法収益を隠匿した者等を新たに処罰の対象とすることとしております。
 第四に、不法収益である財産につき没収及び追徴の制度を整備するとともに、没収等のための保全及び没収等に関する国際共助の手続を定めることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#355
○委員長(田渕勲二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト