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1991/09/05 第121回国会 参議院 参議院会議録情報 第121回国会 内閣委員会 第2号
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1991/09/05 第121回国会 参議院

参議院会議録情報 第121回国会 内閣委員会 第2号

#1
第121回国会 内閣委員会 第2号
平成三年九月五日(木曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         梶原  清君
    理 事
                板垣  正君
                田村 秀昭君
                翫  正敏君
                吉川 春子君
    委 員
                大島 友治君
                大城 眞順君
                岡田  広君
                高橋 清孝君
                水野 茂門君
                小川 仁一君
                喜岡  淳君
                谷畑  孝君
                深田  肇君
                三石 久江君
                太田 淳夫君
                磯村  修君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 坂本三十次君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  佐々木 満君
   政府委員
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       管理局長     丹羽清之助君
       人事院事務総局
       任用局長     吉川 共治君
       人事院事務総局
       給与局長     森園 幸男君
       人事院事務総局
       職員局長     大島  満君
       総務庁人事局長  山田 馨司君
       防衛庁装備局長  関   收君
       文部大臣官房長  野崎  弘君
       文部省初等中等
       教育局長     坂元 弘直君
       厚生省保健医療
       局長       寺松  尚君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        原   度君
   説明員
       警察庁警備局外
       事第一課長    漆間  巌君
       大蔵省関税局輸  
       出保税課長    花井 伸之君
       厚生省健康政策  
       局看護課長    矢野 正子君
       厚生省保健医療  
       局管理課長    真野  章君
       通商産業省貿易  
       局輸出課長    鈴木 隆史君
       労働省労政局労  
       働法規課長    長谷川真一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
 査並びに国の防衛に関する調査
 (一般職の職員の給与及び週休二日制等につい
 ての報告及び勧告に関する件)
 (国家公務員の育児休業制度に関する件)
 (武器の不法輸出事件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(梶原清君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題といたします。
 まず、一般職の職員の給与及び週休二日制等についての報告並びに給与の改定についての勧告に関し、人事院から説明を聴取いたします。弥富人事院総裁。
#3
○政府委員(弥富啓之助君) 人事院は、去る八月七日、国会と内閣に対し、公務員の給与及び週休二日制等に関する報告並びに勧告を提出いたしました。本日、その内容について御説明申し上げる機会が与えられましたことを厚くお礼申し上げます。
 以下、その概要を御説明いたします。
 まず初めに、給与に関する報告及び勧告の内容について御説明をいたします。
 公務員の給与の改定に当たりましては、人事院は、従来から社会経済情勢全般の動向を踏まえつつ、公務員の給与を民間給与に均衡させることを基本として臨んでまいりました。本年も、公務員給与に関する判断材料を得るため、民間企業の給与を的確に把握することに努め、また、広く各界から意見の聴取を行い、これらをさまざまな角度から検討いたしました。
 本年の民間給与の調査結果によりますと、民間企業の給与には相当程度の上昇が認められ、官民の給与の間にはかなりの額の較差が生じていることが判明いたしました。これを踏まえ、諸情勢をも総合的に勘案した結果、本年も、職員の給与について所要の改善を行うことが必要であると認め、勧告をいたしました。
 官民給与の厳密な比較の結果、本年の四月時点における官民較差は金額で一万一千二百四十四円、率で三・七一%と算定されました。なお、本年は、この官民較差一万一千二百四十四円のほか、本省庁の特別の事情を勘案した官民対応関係の一部変更による比較結果をも考慮して改善を行うものとし、これによる増加額五百六十二円を行政職(一)の本省庁に勤務する職員を念頭に置いた特別改善に用いることといたしました。
 この結果、行政職に限ってその改善を見ますと、額で一万一千八百六円、率で三・九〇%になり、その配分は、俸給に一万二百六十七円、諸手当に九百円、この改善の手当へのはね返り六百三十九円といたしました。
 改善の内容につきまして順次御説明をいたしますと、まず、俸給表では、行政職俸給表(一)について、民間の動向を考慮して、初任給及び若年層職員の改善に重点を置きました。また、ささに述べましたとおり、本省庁職員を念頭に置いた特別改善を行うことといたしました。その他の俸給表については行政職との権衡を考慮しつつ所要の改善を行うこととし、指定職俸給表については、昨年に引き続き行政職を若干上回る改善を行うこととしております。
 手当につきましては、扶養手当及び通勤手当等について改善を図るほか、期末手当について支給割合の引き上げを行うこととしております。
 扶養手当については、扶養親族である子に配慮して、配偶者以外の扶養親族二人までに係る支給月額を一千円引き上げ、一人につき五千五百円とするとともに、児童手当法に基づき支給される児童手当との調整措置は廃止することとしております。
 通勤手当については、社会通念上通勤圏と考えられる距離内からの通勤については、おおむね手当額で対応できるよう、全額支給限度額を一万円引き上げ、四万円とするなどの改善を行うこととしております。
 期末手当については、十二月に支給される額を〇・一月分増額することとしております。
 次に、本省庁職員の処遇改善の一環として、本
省庁の課長補佐に対して新たに俸給の特別調整額を支給するとともに超過勤務手当等との併給を認めることとし、この措置との均衡等から、課長などの俸給の特別調整額の適用者等が必要やむを得ず週休日などに勤務した場合に支給する管理職員特別勤務手当を新設することとしております。
 さらに、看護婦について、若年・中堅層を中心に俸給月額の特別改善を行うとともに、規模の極めて大きな医療機関の看護部長に適用する七級を新設するほか、俸給の調整額の調整数一相当分を俸給月額に繰り入れることとしております。また、大学の教官につきましても、助教授等の中堅層を中心に俸給月額の特別改善を行うとともに、負担の大きい大学院担当教官等の俸給の調整額の改善を行うほか、評議員等について俸給の特別調整額を適用することとしております。
 なお、このほか、全職種について、昇格した場合に給与上のメリットを付与する措置も導入することとしております。
 実施時期につきましては、本年四月一日からとしておりますが、本省庁課長補佐に対する俸給の特別調整額の支給等一部の措置につきましては平成四年一月とし、昇格制度の改善については平成四年四月から漸進的に実施することとしております。
 このほか、報告におきまして、今後の課題として、官民給与の比較方法及び調整手当の支給割合等の配分の見直しを進めるとともに、高齢社会に対応した人事行政諸施策に関し、一年程度を目途に基本的な方向を策定すべく問題点の把握、検討を進めることを表明しております。
 次に、完全週休二日制等の報告及び勧告内容について御説明いたします。
 我が国の国際的地位にふさわしいゆとりある社会の実現に向けて、完全週休二日制の普及を基本とした労働時間の短縮は、今や最も重要な政策的課題の一つとなっており、昭和六十三年五月に閣議決定された経済運営五カ年計画においても、週四十時間労働制の実現と年間総実労働時間千八百時間程度に向けての短縮という目標が掲げられ、公務員の週休二日制の推進が、完全週休二日制への社会の気運を高めることに資するものとされるなど、社会全体の労働時間短縮についての政策が積極的に進められていると承知をしております。
 このような情勢の中で、公務員の完全週休二日制につきまして、現下の民間事業所における完全週休二日制の普及状況、現在実施されている土曜閉庁の定着状況、交代制等職員の週四十時間勤務制に移行した場合における問題点の把握とその対応策の検討を進めることを目的として行うこととした試行の実施状況その他諸情勢を勘案しますと、この際、できるだけ速やかに公務員の完全週休二日制を実施すべき時期に至ったものと認め、本年、勧告することといたしました。
 なお、完全週休二日制への移行に当たっては、公務の大部分において、試行などを通じて本格実施のための態勢が整っていますが、一部の部門では実施のための準備がおくれており、このような部門については、関係者の適切な努力により、早急に本格実施への態勢を整えることを要請しております。
 今回勧告いたしました完全週休二日制は、一、日曜日及び土曜日については勤務を要しない日とすることを基本とすること、二、そのため、すべての土曜日を行政機関の休日とする完全土曜閉庁を導入すること、三、この完全土曜閉庁方式になじまない部門の交代制等職員の週休二日制については、必要に応じ、弾力的な運用ができるものとすることを内容としております。
 実施時期につきましては、平成四年度のできるだけ早い時期に実施されることを要請しております。
 このほか、今回の報告の中で、年間総実勤務時間の短縮に向けて、年次休暇の使用の促進及び職員の健康、福祉の面からも超過勤務のなお一層の縮減に努力されるよう要請しております。
 また、経済社会や生活構造などの変化に応じた勤務時間、休暇制度のあり方について、引き続き検討を進めることを申し述べております。
 人事院は、本年も勧告に向けて、公務員の勤務条件に関し、中央地方を通じて、広く各界から意見を聴取いたしました。表明された意見によると、人事院勧告に基づき民間給与に準拠して公務員給与を決定する方法は、納得性のある妥当なものであるとの理解を得ていることが認められる中で、公務に有為な人材を確保するためには、採用に際しての競争関係などをも考慮した民間企業の給与との均衡に配慮しつつ、初任給その他の勤務条件の改善に積極的に取り組むとともに、職務の実情に応じた適切な給与配分を推進する必要があるとする意見が多く出されております。また、週休二日制については、社会全体の労働時間短縮の流れを促進するためにも、公務が完全週休二日制を早期に実現すべきであるとする意見が大半を占めております。
 以上、給与及び週休二日制等に関する報告並びに勧告の概要を御説明申し上げました。
 人事院勧告は、申し上げるまでもなく、労働基本権制約の代償措置として、国家公務員法の定める情勢適応の原則に基づき行うものであります。
 人事院といたしましては、職員を適正に処遇することが、その士気の高揚を図り、職場の労使関係の安定に寄与するとともに、有為な人材の確保を可能にし、ひいては将来にわたる国の行政運営の安定に資するものであると考えます。
 内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割及び職員が真摯に職務に精励している実情に深い御理解を賜り、何とぞこの勧告のとおり速やかに実施していただくよう衷心よりお願い申し上げる次第でございます。
#4
○委員長(梶原清君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○翫正敏君 初めに、給与の勧告について御質問いたします。
 今ほど人事院の総裁の方から、今回の給与の勧告についての説明を前半受けました。人勧の制度及びその性格という立場からいって、当然私はこの勧告の早期完全実施というものが必要であるという立場に立って御質問するわけでありますが、先ほど終わりのところでお示しを願いましたけれども、もう一度改めてその性格を踏まえての早期完全実施の必要性について、人事院総裁としての御見解をお述べください。
#6
○政府委員(弥富啓之助君) 人事院といたしましても、委員ただいま御説のとおり、人事院勧告はただいまも申し上げましたとおりに、公務員が労働基本権の制約を受けていることの代償措置でございまして、公務員にとりましては唯一の給与改善の機会となっていること、また、勧告の内容がいわゆる情勢適応の原則に従いまして、本年の四月分の給与についての官民給与の比較に基づきまして四月分からの決定をお願いすることを主たる内容とするものでございますので、人事院といたしましては、官民給与の均衡が時期を失することなく実現されることが職員にとって極めて重要であると考えておりまして、勧告の速やかな実現を関係各位に要請してきているところでございます。
#7
○翫正敏君 では、ただいまの人事院の勧告の説明を受けまして、給与担当の総務庁長官からひとつ現在ただいまのそれを受けての所感とか決意、その辺の一端を述べていただければありがたいと思います。
#8
○国務大臣(佐々木満君) 私は、今も人事院総裁からお話がございましたが、人事院勧告の制度というのは、公務員の労働基本権制約の代償措置という国家にとっての大変重要な基本的な仕組みである、こういうふうに理解をいたしておるわけでございまして、したがって、勧告がございましたならば早期完全実施すべきものだと基本的にそう考えております。
 もちろん政府として、この勧告をどうするかということになります場合には、財政問題とかいろんなことを考えなきゃならぬことは当然でござい
ますけれども、総務庁長官としては早期完全実施に向けて全力を尽くしてまいりたい、こう思っております。
#9
○翫正敏君 でありますと、総務庁長官のお立場ということからいいますと、ここ数年、五、六年の給与法案の成立の日を見ますと、十二月になってから、それも半ば過ぎというようなのがずっと続いているわけですが、こういうのはもう早期完全実施の立場からいくと遅過ぎるぐらいで、もっと早く今国会、臨時国会中ぐらいにこの法案が成立をするというようなことが最も望ましい、こういうお考えであると承ってよろしいでしょうか。
#10
○国務大臣(佐々木満君) 過去のそれぞれの年につきましてはそれぞれの事情があったのでありましょうから、私が今それに対して早かったとか遅かったとか、こう申し上げる立場にはございませんけれども、いずれにしましても、とにかく勧告が出ました以上、早期に検討して早期完全実施ということで処理すべきものだ、こう考えております。
#11
○翫正敏君 わかりました。
 それでは、官房長官にひとつお願いしたいんですが、内閣の責任者という立場から、まず、人事院勧告の給与の問題をお聞きしていますが、早期完全実施についてどのような受けとめ方をして決意しておられるのか、今のお考えをお聞かせください。
#12
○国務大臣(坂本三十次君) 政府としては、人事院の給与勧告を受けて現在取り扱いの検討を進めております。勧告の取り扱いにつきましては、人事院勧告制度尊重の基本姿勢に立って、国政全般との関連を考慮しながら検討する必要があり、現段階で閣僚会議をいつにするかなどのスケジュール等は申し上げかねる状況ではございますが、早期完全実施という人事院勧告、この基本姿勢はできる限り尊重してまいりたいと思っております。
#13
○翫正敏君 ちょっとまた、総務庁長官の方に御質問が戻って恐縮なんですが、いろいろな国政全般のと、こういうことが今官房長官の方からございましたが、その大きな点の一つは、財政見通しというようなことなどもあるのかなと思うんですが、ことしは当初予算に既に一・五%分千三百五十億円が組んであるということから考えてみましても、財政の保障も一部行われているわけでありますから、早期完全実施についての障害は極めて少ない、こう思えるんですけれども、その辺いかがでしょうか。
#14
○国務大臣(佐々木満君) 確かに、先ほども申し上げましたけれども、これを検討する場合に財政事情というのが大変大事な要因であるわけでありますが、お話しのとおり、本年度は給与改善の予備費として一般会計で千三百五十億、一・五%計上しております。
 ただ、今これは計算中だと思いますけれども、本年度の勧告を実施いたしますと、この所要経費は四千億を超えるんじゃないか、こう言われております。ですから、そういう点を早くどうするのか煮詰めまして、そして早期に所要の手続青進めるべきだと、こう考えております。
#15
○翫正敏君 それで、官房長官の方に質問が戻りますが、先ほど早期完全実施ということは大事なことであっても、今国会中にと、いっそれをという明示はなかなかできないというようなお答えだったかと思いますが、実際には給与法の成立というところまでの段取りを順に追っていきますと、勧告取り扱い方針の閣議決定というものがまずなされまして、その後給与法案の閣議決定が行われ、それで国会でこれが審議をされて法案成立と、こういうふうに進んでいくわけであると思います。
 そういうことからいきますと、この第一段階の勧告取り扱い方針の閣議決定がいつになるのかということが当然一番大きな関心になるわけですけれども、今百二十一臨時国会中に決定していただくということが早期完全実施の上では極めて大切なポイントとなると思うんですけれども、その点についてお答え願えませんでしょうか。
#16
○国務大臣(坂本三十次君) 先ほどもちょっと申しましたけれども、今現段階では私の立場からは国政全般をよく眺めてと、そして最大限努力をしたいと申し上げたわけでありますが、その決定の閣議をいつ開くかという時期的なスケジュール、段取りまではまだ私から今申し上げることは難しいということを御了承願います。
#17
○翫正敏君 了承できないという立場でさらにお聞きしたいんですけれども、次期通常国会が来年の一月開会ということで大体固まってきているわけでありますので、今百二十一臨時国会中にこの給与法が成立いたしませんと、来年回しになるおそれがございます。
 それで、最近二十年間ぐちいのこの給与勧告の取り扱いの一覧を調べてみましたけれども、昭和五十七年に財政事情の逼迫のためという特別な事情で、まことに遺憾なことでありましたが、凍結措置がとられましたときを除くと、すべて通常国会であるか臨時国会であるかということを問わずに言えば、通常国会のときが三、四回ありまして、他は臨時国会中の法案の成立になっているわけでありますが、ともかくこの十一月ないし十二月には法案の成立が実現しているわけであります。
 来年一月通常国会の開会ということにをって、しかも今臨時国会中にこの閣議決定、そして法案の提出、成立という運びにならない場合には、来年回しになるという極めて人事院勧告の早期完全実施という趣旨からは年を越してしまうと、こういう事態になるおそれがありますが、そういうことを踏まえて官房長官にもう一度決断を促したいと思うんですが、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(坂本三十次君) 今、給与法改善の法案提出の時期に触れられてどの国会かというようなお話もございました。しかし、先ほども申しましたように、国会提出の時期、これにつきまして私から明確に申し上げるのは今の段階では難しいということはひとつ御理解を願いたいと思います。
 しかし、とにもかくにも、いずれにしても今まで年内完全支給できたんですから、その経緯というもの、それからまたその実績というものはよき慣行として評価されておるわけでありますから、そのことは十分念頭に置きまして、そして国政全般の立場もございますけれども、国民の納得の得られるような結論を出したい、こういうことで御了承願います。
#19
○翫正敏君 大体わかったんですが、もうちょっと念を押させていただきます。
 年内に法案が成立すると、ずっとそういうふうになってきたということを非常に大切な慣行として重んじて、そして今ここで断言はできないけれどもこのことをことしも守る、守っていきたい、年内に法案が成立して給与が支給されるようにしたいと、そういうことに受けとめてよろしいですね。
#20
○国務大臣(坂本三十次君) ただいま翫委員のおっしゃるお気持ちは十分に了承をしておりますが、先ほど申し上げましたように、私からいっの国会のいつごろに出す、今出すということ、ここは申し上げるまだ段階ではありませんけれども、さっき申し上げたような気持ちで、そのいきさつもあれば実績もあるんですから、これはよき慣行だと思っております。
 公務員も人の子ですから、民間準拠でやろうと人事院勧告で言っておるわけですから、そういう気持ちは十分尊重してできるだけ最大限の努力をしますと申し上げております。
#21
○翫正敏君 次期通常国会一月開会ということになりますと、今国会中にこの法案ができませんと、必然的に臨時国会を開会していただいてでも給与を改善していただく、こういうことになるわけでありますので、そのことを重ねて強く官房長官に政府としての早期完全実施の決意を促したい、そういうふうに思います。
 それで、特に重ねて申し上げますけれども、この人事院勧告は直接的には五十万八千人の非現業

国家公務員の給与に対する勧告ということなのでありますけれども、百十七万二千人の国家公務員全体、そしてさらには三百三十三万五千人の地方公務員全体の給与がこの人事院勧告に準じて決められているという実情でありますので、この法案の閣議決定、そしてその国会提出ということ、来年国会開会ということになれば臨時国会の開会、こういうことをしていただいてでも年内に法案が成立してきたというこの慣行、伝統を守っていただきたいということを強く要望いたします。
 ところで、ちょっと変わるんですけれども、人事院勧告は、社会情勢、経済情勢全般の動向を踏まえつつ民間給与との均衡を図ることを基本とし、広く各界から意見聴取を行うなど、さまざまな角度から検討された官民較差をもって公務員の給与改善を図るものであることでありますけれども、今郵政、林野、印刷、造幣の国営企業、いわゆる四現業の職員の賃上げ率というものを最近六、七年のものを見てみますと、これが勧告の改善率というものをいつも下回っているということが目につくわけであります。過去六年間の人事院勧告の改善率と四現業の賃上げ率というものを比較してみますと、昭和六十年には、勧告が五・七四%に対しまして四現業の方は二・五八%、六十一年は、勧告が二・三一%に対して四現業が二・〇二%、六十二年は、勧告一・四七%に対して四。現業が一・一二%、六十三年は、勧告二・三五%に対して四現業が一・九九%、平成元年は、勧告三・一一%に対して四現業が二・七七%、平成二年は、勧告三・六七%に対して四現業が三・五八%、こういうふうになっております。
 これの差をちょっと計算してみますと、昭和六十年がマイナス三・一六%、同じく六十一年がマイナス〇・二九%、六十二年がマイナス〇・三五%、六十三年がマイナス〇・三六%、平成元年がマイナス〇・三四%、平成二年でマイナス〇・〇九%と、こういうぐあいに差があるわけでございます。
 こういうことにつきまして、労働省の管轄のことだと思いますので、労働省の方から、こういう数値を私学げましたのが間違ってないかどうかを確かめていただいた上で、認識、見解をお聞かせ願いたいと思いますが、お願いいたします。
#22
○説明員(長谷川真一君) 先生御指摘のとおり、四現業、いわゆる郵政、林野、印刷、造幣の賃上げ率につきまして、人事院勧告と若干差がありますことは承知しております。先生が先ほど申されました数字のとおりでございまして、これは定昇を除きましたベースアップの数字でございますが、昭和六十年からの数字はそのとおりでございます。
 しかしながら、四現業と非現業国家公務員の間におきましては給与体系も違います。また、昇給昇格等のシステムの違いが見られるところでございます。また、賃金決定方式、四現業の場合には、ここのところ仲裁裁定という形で賃金が決められておるわけでございますが、また非現業国家公務員については人事院勧告ということでございますが、その対象となります賃金の範囲につきましても、仲裁裁定が基準内賃金で出されるものに対しまして、人事院勧告がその他の手当もすべて含んで出すというようなさまざまな違いがございます。
 表面上の数字は、そういうことで差があるわけでございますが、以上申し上げましたような事情にかんがみますと、両者の間の賃上げ率にはおおむね差がないものと考えております。
#23
○翫正敏君 率が違うけれども差がない、金額において差がないと、簡単に言うとそういう御説明だと思いますが、例えば一番最初の初任給というようなものがあって、そのもとに差があれば、賃上げ率が同じだとだんだん差が開いていくということになりますし、逆にそれを調整しようとすれば差を設けていかなきゃならないということになる。こういうこともあると思います。そういうようなことがあって、初任給というものは一体この四現業の方たちと他の国家公務員の方たちと違うのであろうかと調べてみたわけでありますけれども、確かに五年ぐらい前の統計を見ますと若干の差があるようにも見受けられるわけであります。つまり、四現業の方が若干初任給だけ比べると高いと。しかし、これもここ一両年というものを見ますと逆転をしている。そういう現象もありますし、大体同じぐらいになっている、こういうふうにも見ることができます。
 それからさらに、初任給ではなくて賃金全体の現状というものを数字で比較してみましても、四現業の職員の給与が四十・二歳でありますと二十五万三百五十円というようなことであります。一方、非現業国家公務員の方は三十万二千八百五十一円、これは三十九・九歳の平均でございますが、これを比較してみますと、年齢においては〇・三歳低い、年齢が若い方が五万二千五百一円賃金が高いということになるわけでありまして、やはり四現業の人たちの賃金の方が現状低いと、こういう実情だと思います。
 官民格差ということで人事院勧告がなされるわけですから、民間企業と比べてそれに追いつこうということで公務員の給与が上げられる、そのときに四現業の人たちの給与がそれに追いついていかないという現状は一つの差別と、こういうふうにも思えるわけなんですけれども、この辺についてどういう見解なのか再度お尋ねしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#24
○説明員(長谷川真一君) 今、先生の方から初任給また平均賃金のことを申されたわけでございます。
 平均賃金につきましては、先生のおっしゃいますように四現業職員全体の平均では四十・二歳で二十五万三百五十円、非現業国家公務員につきましては三十九・九歳で三十万二千八百五十一円でございます。ということで、年齢がほぼ変わらないにかかわらず平均賃金にしますと五万円違うということでございます。しかしながら、これは賃金全体の職員の平均でございまして、各現業または非現業国家公務員の間で給与体系のみならず、職員構成あるいはやっております仕事の内容、職務に応じます職員の数等々違いがございますので、平均の数字をもって一概に比較することは妥当なことではないというふうに考えております。また、この比較をめぐりましては労使間におきましてもよく議論になっているところであるというふうに承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、私ども、そういう職務等々の各般の違いを考えますと、先ほども申し上げましたように、給与の賃上げ率につきましてはおおむね差がないものと考えております。
#25
○翫正敏君 数字で差があるところを差がないとおっしゃるので、なかなか議論がかみ合わなくて困るんですが、しかし理念的なことで言えば勤労意欲の問題、人材確保の面、さまざまな公務員の仕事の立場のことから考えてみましても同一賃金ということが原則であると思います。
 そういう意味で、賃金の差別があって、そして非現業国家公務員の方は何とか人事院勧告が実施されれば官民格差は埋められてきているわけだけれども、現業の方はその点について一〇〇%埋められない。こういうふうになっていることは非常に残念なことなので、先ほどの実情についての見解は少し違っておりますので、私の方も数字とかそういうことについては再度研究をしまして、また次の機会に追って数字の面は詰めていきたいと思います。
 とにかく、理念の上といいますか、原理的に考えてどうなのか、私が申しましたように賃金にそういうふうな差があってはいけないということについての御見解をお述べいただきたいと思います。
#26
○説明員(長谷川真一君) いわゆる四現業の国営企業職員の給与につきましては、国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法という法律がございましてこの規定を受けておるわけでございますが、この第三条にお一きまして、職員の給与は非現業の「国家公務員及び民間事業の従業員の給与その他の事情を考慮して定めなければならない」というふうにされております。今後とも
この基準に従いまして、非現業の国家公務員の給与の動向等も踏まえまして適正に給与が定められるものと考えております。
#27
○翫正敏君 一応給与の勧告のことについては終わりまして、次に週休二日制の勧告について質問いたします。
 まず、人事院総裁にお聞きをしますが、完全週休二日制の実施について、勧告では「平成四年度のできるだけ早い時期」、こういうふうに表現されているわけでございますが、これは四月にこの実施を勧告しているものと、このように受けとめてよろしいでしょうか。
#28
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまお話しの完全週休二日制の実施時期でございます。
 これは、ただいまのところ、御承知のとおりに交代制職員の週四十時間勤務制、これは試行をいたしておりますので、これについても考慮しなければならない。また、現在までに試行を終了した部門、これは順調に試行されておりまして、これは完全週休二日制に向かって条件整備は図られつつあると理解をしておりますが、御承知のとおりに、国立大学の附属病院やそれから国立大学附属学校等試行がただいま実施中の部門、それからさらに、これから実施する準備を進めているという部門もございまして、ただいま勧告の時点におきましていつというふうになかなか申し上げることが困難でございました。
 しかし、ゆとりある社会、ゆとりある国民生活というものの今最大の課題になっております完全週休二日制の重みを考えまして、これらの条件整備が整っていないところも一日も早く整って、一律に完全週休二日制に向かって動いていただきたいという願いを込めまして「平成四年度のできるだけ早い時期」というふうに表現をさせていただきましたので、平成四年度のできるだけ早い時期は、まあ申すまでもなく四月から始まるわけでございますので、それも含めまして我々の念願するところはそこにあるということを御了解願いたいと存じます。
#29
○翫正敏君 できるだけ早い時期というのは、四月一日がどうかはともかくとして、やっぱり四月実施ということが念頭にある、このように受けとめさせていただきたいと思うんです。
 今ほど人事院総裁の方からの御説明の中にもありましたが、現に交代制の職場での週四十時間の勤務の試行というふうなことが行われているところ、これからのところというふうにあって、ここに実施対象職員が二十一万六千人、そのうち試行未実施の職員が五万三千人と、こういうようにありますので、そのことをどういうふうにするか後でちょっとさらにお伺いしていきたいと思っているところでありますが、総務庁長官の立場からこの試行を実施したところの、まだしていないところは別として、したところに立って何か問題点や障害というふうなことがあらわれているかどうか、それをお答えいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(佐々木満君) 順調に試行を終わったということでございまして、格別の問題点は聞いておりません。
#31
○翫正敏君 問題は、未実施の職員の部分は国立病院、そういうところがある。こういうように考え、受けとめたいと思います。試行したところについてはこれは問題ないと、こういうふうに承りました。
 それで、ちょっと新聞の切り抜きで恐縮なんですけれども、ある大新聞の社説を、勧告が出ました明くる日の八月八日を読んでみますと、部分ですが、こういうふうに論じておりまして、
 問題は、学校の週五日制と国立病院である。学
 校については、国公立での実験校がまだわずか
 だが、そこでの父母は積極的な姿勢に変わりつ
 つあるようだ。病院・診療所関係は統廃合問題
 もからみ、週休二日の試行がまだ行われていな
 い。
  しかし、混乱なく週休二日が可能な公務部門
 が圧倒的なのだから、やってみることだろう。
 その流れの中で、問題の出ている部門も早期実
 施に努める方向が望ましい。
と、こういうふうに論じておりますし、同日付の別のある大新聞の社説の一部をちょっと読みますと、さらにこういうふうに論じております。
 政府は、昭和六十四年から隔週の土曜閉庁を実
 施しているが、そろそろ完全実施に踏み切ると
 きだ。
  もとより、サービスの低下や不都合が生じな
 いよう、入念な対策が必要だ。また、国の機関
 だけでなく、地方自治体でも実施が望まれる。
 実行く向けて、準備を急いでほしい。
このように大新聞は、二社紹介しましたが、論じているわけでございます。
 こういう点を聞いていただいたところで、総務庁長官の方から御見解を再度承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
#32
○国務大臣(佐々木満君) 私は、この週休二日制への移行というのは、本当にできれば全部門すべての公務員について同時にスタートすべきものだ、その方が望ましいと、その方向へ努力すべきだ、こう考えておるわけでございます。
 先ほど申しましたとおり、終了したところについては格別の問題はございません。今やっておるところ、これからかかっていただくところ、こういうところにつきましても、なるべく早く中身の濃い試行をやっていただきまして、足並みをそろえて移行できるようにぜひ努力してもらいたいものだなと、こう今念願をいたしております。
#33
○翫正敏君 政府の責任者の立場での官房長官としては、この週休二日制の完全実施についての勧告を受けとめられ、さらに総務庁長官の今の御発言、さらには大新聞に代表される一つの世論というようなものを受けとめられて今どのようなお気持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(坂本三十次君) 週休二日制ということは、職員の勤務の改善の上からも、また労働時間を短縮してゆとりのある国民生活を実施するという観点からも基本的に望ましいということは間違いはありません。
 政府としては、経済運営五カ年計画において、公務員については完全週休二日制を実現するよう努めるとしておりまして、また平成二年四月からは国家公務員の完全週休二日制の実現に向けた検討の一環として、交代制職員の週四十時間勤務制の試行を実施してきております。先般の週休二日制に関する人事院勧告を受けまして、政府としては直ちに週休二日制・閉庁問題関係閣僚会議を開催いたしまして、取り扱いの検討に着手したところでございます。今後は、交代制職員の週四十時間勤務制の試行の状況、国民世論の動向等を勘案しながら、人事院勧告制度の趣旨を尊重しながら国家公務員の完全週休二日制をできるだけ速やかに実施できるよう検討をしてまいりたいと思っております。
 ちなみに、ただいま担当大臣、総務庁長官からのお話しのように、公務員の勤務時間の短縮については、従来から原則としてすべての職種を一体として取り扱うというふうに取り組んできたところでございまして、現段階においては完全週休二日制についてもできるだけ足並みをそろえて実施することが望ましいというふうに考えております。
#35
○翫正敏君 前半部分におっしゃったことはまことに同意できるのでありますが、最後の部分のところがどうしてもやっぱりちょっと納得がいかないので、もう一度お尋ねします。
 試行未実施の部門が少しあるということで、既に試行しているところについては問題点は出ていないと、こういうことでございます。国民世論の動向を考えるということでございますが、大新聞の社説が世論がどうかについてはもちろんいろいろ御異論もおありかもしれませんが、やはり全国紙の世論も、こういうふうにできるところから直ちにやった方がいいというように書いております。私もまさに、この難しいところ、まだ試行中のところ、これから少し試行していかなきゃならないところというものは一部にあるわけです。これが半分以上で、そして半分ぐらいがしていてということなら、やはり全体足並みをそろえるまで
少し待たなければならないというこの考え方もやむを得ない、こういうふうに思いますけれども、ほとんどはいけるようになっている、そして世論のバックアップもあると、問題点もないということでございますから、やはり私は官房長官に強くお願いをして、お答えいただきたいのです。
 大方のところはできると、こういう実情に立って見るならば、やはり早期に週休二日制を完全実施するということについては、万やむを得ず、一部の未実施のところは少しおくれてもやむを得ないから、大部分で実行できるところは直ちに実行する、四月から実施をする。こういうことが今求められているのではないか、世論の方向でもないか、私もそういうふうに思う。こういうことなのですけれども、理想的には皆国家公務員ですから一緒に用意ドンでスタートができるということが一番望ましいということについて、望ましい論ということであればそうかもしれませんけれども、現実に立って言うならば、やはり大方できるようになったところはやるということが、これが今の世論の流れなのではないか、実情でもないかと思うのですけれども、官房長官、そういうふうにお考えになりませんでしょうか、いかがでしょうか。
#36
○国務大臣(佐々木満君) せっかく今試行に入って一生懸命やってもらっておりますし、また近く入って一生懸命試行をやろう、こういう状態が現在の状態でございますので、私どもはそれをひとつ急いでもらって、そうしてできればそれこそ平成四年度のなるべく早い時期に全部そろって移行したいものだ、こう思っているわけであります。
 現段階では、まず試行を急いでもらう、これが私の今の考えでございまして、私は、今の時期からできないできないといって決めてしまうのはどうかな、そう思いまして試行を急いでもらう、こういうことでまいりたいと思います。
#37
○翫正敏君 官房長官にちょっとお聞きしたい、お答え願いたいのですが、試行を速やかにまだ未実施のところはやるということについて、これに私は何も異論を唱えているわけではございません。なるたけ速やかに試行に入っていただきたい、こう思うわけでありますが、その全体の足並みがそろうまで待つということではなくて、最終的にやはり政治決断というものをしなければならないと私は思うのであります。
 そういうところから考えて、早期に実施をするに当たっては、試行が済んでもう問題がない大方の部門というもの、ここをひとつ思い切って完全週休二日制に踏み切ると、こういう政治決断が求められているのではないかと思うという立場で、先ほどから新聞の紹介などしながら私の意見を述べているところでございますので、官房長官としてぜひひとつお願いしたいと思うのですが。
#38
○国務大臣(佐々木満君) 官房長官の前に申し上げたいと思いますが、私はさっき申し上げておりますとおりのことなので、どうしても移行できない、そういう部門が出た場合には、私はおっしゃるとおりある時期には決断が必要だろうと思います。しかし、現段階では試行をやってもらっていますし、またこれからやろうという状態でございますので、現段階で決断をする時期では私はないと思います。今のうちはひとつ試行を一生懸命やってもらいたい、こういうことで対処すべきだなと、こう思っております。
#39
○国務大臣(坂本三十次君) ただいま総務庁長官から申し上げた方針に私は賛成であります。
 例えばどうも稚拙でありますけれども、小学生の遠足があった、一部だけれども足が遅いぞと、しかし何とかして元気つけて一緒に歩いていってもらいたい。そういう気持ちで今試行もやったりして、何とか早く一緒にしたいという努力を今一生懸命に担当大臣がやっておる最中だからもう少し見てくださいと。どうにもならぬときは、そのときはそのときでまた判断をいたしますということでございますから、ひとつ政府の方針として、ただいま総務庁長官の申されたような方針でここのところは努力をするという方がいいのではないでしょうか、そう思った次第であります。
#40
○翫正敏君 ただいまの官房長官の遠足の例は私はそのとおりだと思います。やはりおくれた人を残して後回しにするというのはまずいと思うのですが、挙げられました遠足の例はやはりこの場合にはちょっと当てはまらないのではないか。やはり週休二日制については、試行が大体進んできて問題がないということになっているという現状、そして世論の動向等々踏まえて、やはり政治決断というものが求められる、そういう時期に今きていると思うんです。
 もう少しやってみて、その辺最後のところでは政治決断が必要かと、こういうふうに今総務庁長官はおっしゃっておられますが、私はもう政治決断のときは近づいている。きょうだとはもちろんお答え願えないような気がしますけれども、きょうできれば決断していただきたいし、そしてなるたけ早い時期にそういう意味の政治決断をしなければならない、私はこういうふうに思うのですが、政治決断がやはり必要だというところの確認だけひとつ官房長官からお願いしたいのですが。
#41
○国務大臣(坂本三十次君) ただいま総務庁長官の申された方針が政府の方針ということでございます。私は担当ではございませんから詳しいことは存じませんけれども、本当にできたら一緒にしていきたいなと、そういう人情というものはこれはだれも変わりはないと思います。特に、試行もやってみたし、まあ大丈夫というところは早くやればどうだというお気持ちも、なるほどそういう点もあるかなと思います。
 私は、そう詳しいことは知りませんけれども、今やっても大丈夫だというようなところはまずまあまあ体制が順調に動いておるようなところであります。特に今問題になっておるのは看護婦さんたちのところでしょう。そうすると、一番今人手は足らんわ、大変御苦労しておられる。その人を、おまえのところは難しいから積み残しして、そしてあと無難なところは先に進めるというのは、まだちょっと早いような気がしまして、その辺のところを先ほど総務庁長官がるる申し上げて、そして試行を一生懸命やって、それでもなおかつ決断すべきときは決断をする。私はこの考え方が正しいのではないかなというふうな気持ちがいたします。
#42
○翫正敏君 ぜひ早期の政治決断を強く求めておきたいと思います。
 次に、国家公務員の育児休業制度のことについて総務庁長官にお尋ねしますが、法案の準備はどのようになっておりますでしょうか。問題点か何かがあっておくれているのか。今臨時国会中に法案が提出できるという見通しなのか。その辺の現状を概略御説明ください。
#43
○国務大臣(佐々木満君) 国家公務員の育児休業法案の国会提出につきましては、私は、この前の通常国会の内閣委員会等で早急に提案する、また提案できるというような意味合いの答弁をしてまいりました。しかし、その後いろいろ検討を進めてみますと、これは私の不明を恥じなければなりませんし、おわびをしなければならぬわけですけれども、意外に手間がかかっておるわけであります。今はまだ提案する状態に至っておりませんが、なるべく早く成案を得て提案いたしたいと思っております。
 どういう点が問題になっておるかと申しますと、これは御案内のことなんでございますけれども、私どもは一般職の国家公務員について仕組みをつくるわけでありますけれども、裁判官等につきましてはこれは法務省でまた別個の立案作業が必要である。また、地方公務員につきまして一緒にやりたいということでございますので、これは自治省の方で作業をしておられる。こういうことなんでございますが、さらにこうしたいろいろな法律の中で命令に委任しなきゃならない事項も相当出てくる。つまり、人事院規則、あるいは政令に対する委任の条項、あるいは最高裁判所規則へ何を委任するか、どういう中身の委任をするか。それから各地方自治体の団体の条例にどういう委
任をするか等々、委任事項というのがあるわけでございまして、そういうことにつきましては、我々はやっぱり中身の骨格、委任事項の中身について共通の認識を得ておく必要があるのではないか、こういう問題が一つございます。
 それからもう一つは、現在看護婦さんとか特殊な方々に育児休業制度がございますが、それを今度廃止して新法の中へ取り入れることになるわけでございまして、その関連のことも若干ございます。そういうことは私は弁解にも何にもなりませんけれども、全く私の不明なんですが、お許しをいただきまして急いで作業を詰めてなるべく早期に提案を申し上げたい、こう思っております。
#44
○翫正敏君 今国会中の法案提出ということをお約束願えませんか。
#45
○国務大臣(佐々木満君) これは、できるだけ早くそうさせていただきますので、合いつというふうには申し上げられませんが、私どもは、いずれにしましても民間の方々と一緒にスタートしたい、四月一日ということを考えておりますので、なるべく早く所要の手続をとってまいりたいと思います。
#46
○翫正敏君 四月一日からということになりますと、準備等々を考えると、先ほどの人事院勧告の給与の実施の法案ではございませんが、年内にやはり法案の成立を図らなきゃならない、こういうふうに考えられますが、年内であると、こう受けとめてよろしいですね。
#47
○国務大臣(佐々木満君) 努力をいたしてまいります。
#48
○翫正敏君 それはわかりました。
 次に、変わって恐縮なんですが、日本航空電子工業の武器不正輸出事件について、あと残り少しの時間御質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、通産省の方からお願いしたいんですが、日本の武器輸出三原則というこの原則の内容を明確にしていただきたいと思います。お願いいたします。
#49
○説明員(鈴木隆史君) お答えいたします。
 武器輸出三原則とは、次に申し上げます三つの場合には原則として武器輸出を認めないという政策でございます。一つは、共産圏諸国向けの場合でございます。二つは、国連決議により武器等の輸出が禁止されている風向けの場合でございます。三つは、国際紛争当事国またはそのおそれのある国向けの場合でございます。
 また、三原財対象地域以外の地域につきましても、昭和五十一年二月に、武器輸出についての政府の方針としまして武器の輸出を慎むもとする旨明かにしているところでございます。
#50
○翫正敏君 官房長官、ただいまの通産省からの武器輸出三原則の内容説明でございますが、これの内容は間違いないか確認をいただいた上で、その政治的な位置づけというものを御説明願いたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
#51
○国務大臣(坂本三十次君) ただいまの説明で間違いないと思いますが、我が国としての政策の位置づけということになりますれば、これはもう平和国家として、我が国の立場から武器輸出によって国際紛争などを助長するということは回避するということでありまして、これは政府としては重大な政策でございます。歴代総理の中には国会答弁で、これはもう平和国家としての国是だと言われた方もおられますが、それほど重要な政策だと、そういうふうに受け取っております。
#52
○翫正敏君 一内閣の方針というようなものではなくて、国是と言ってもいいくらいの国の基本政策である。そして、これは日本国憲法の平和主義の原理に深くかかわるものである、このように理解してよろしいですね、確かめたいと思います。
#53
○国務大臣(坂本三十次君) はい、おっしゃるとおりだと思います。
 五十一年二月というのは、三木内閣のときの政府統一見解でございます。それ以前の三原則をもっときちっと明確に厳しく定義をしたというふうに私は受け取っております。
#54
○翫正敏君 通産省から、今度の武器不正輸出事件に関連しまして、この事件についての説明ということではなくて、一般論として御説明願いたいんですが、外国為替及び外国貿易管理法四十八条に基づく輸出管理の仕組み及び違反したときの罰則内容、これを簡単に説明してください。
#55
○説明員(鈴木隆史君) お答えいたします。
 輸出に関する規制につきましては、外国為替及び外国貿易管理法第四十八条第一項によりまして、「国際的な平和及び安全の維持を防げることとなると認められるもの」につきましては、輸出貿易管理令第一条に定めるところにより、輸出に当たり通産大臣の許可を必要としております。規制品目といたしましては、武器、原子力物資、化学兵器原材料、ココム対象品目等がございます。違反した場合の行政制裁でございますけれども、最高三年間の輸出停止が定められております。
 以上でございます。
#56
○翫正敏君 では、大蔵省の関税課の方から武器を輸出する場合の手続について御説明いただき、違反したときの罰則についてもあわせてお願いいたします。大蔵省関税課の方からお願いします。
#57
○説明員(花井伸之君) お答え申し上げます。
 ただいま通商産業省の方から御説明ございましたように、武器の輸出につきましては、外為法に基づきます通商産業大臣の輸出の許可が必要でございます。税関におきましては、当該貨物の輸出の申告の際に、私どもの関税法第七十条という規定がございますが、この規定に基づきまして通商産業大臣の輸出の許可を取得しているかどうかということを確認することとされております。
 したがいまして、輸出する人が武器を輸出しようというような場合には、事前にこの貨物に係ります通商産業大臣の輸出の許可を取得した上で税関に輸出申告を行って、税関におきましては当該申告が適正なものであるかどうか、これを審査しまして関税法に基づきます輸出の許可を行うということでございます。
 この罰則の方でございますが、税関の輸出の許可を受けないで輸出するということになりますと、三年以下の懲役というような規定がございます。
#58
○翫正敏君 では、警察庁の方から今回のこの日本航空電子工業の武器不正輸出事件の捜査状況、これを御説明願いたいと思います。
#59
○説明員(漆間巌君) 日本航空電子工業の不正輸出事件の捜査状況でございますが、本年の七月五日に、警視庁がこの会社の役員らがF4ジェット戦闘機に装備されますミサイルの部分品を税関長及び通商産業大臣の許可を得ずに、最終仕向け地がイランであることを知りながらシンガポールに向けて不正輸出をしていたという容疑で同社などを捜索を行いまして、その後所要の捜査を行いました。そして事件を立証していく上で必要と認められましたので、八月二十八日に同社の前社長ら四名を逮捕いたしまして関係箇所の捜索を行いまして、さらに八月三十日に逮捕者四名とその共犯者四名、これを証拠資料とともに東京地方検察庁に送致いたしまして、現在事案の解明に向けて鋭意捜査を推進しておるところであります。
 以上です。
#60
○翫正敏君 警察庁としては、現在の捜査の実情にかんがみて、これは日本航空電子工業という企業、会社ぐるみの犯罪の疑いがある、こういうことで捜査をしている、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#61
○説明員(漆間巌君) お答えいたします。
 会社の当時の最高幹部の承認のもとに行われていたものと判断して、現在捜査を進めております。
#62
○翫正敏君 前社長が逮捕されている、また幹部の取締役も逮捕されている、そういう状況から見て、少なくとも企業ぐるみ犯罪の疑いは極めて強い。こういうふうに私は判断するわけなんですけれども、そういう判断に立ってよろしいでしょうか。
#63
○説明員(漆間巌君) 企業ぐるみをどう定義づけるかによりますが、当時の最高幹部が絡んでいた
という意味で、そのように受け取られてもやむを得ない面があるだろうというふうに理解しております。
#64
○翫正敏君 そういうことなんですけれども、官房長官にひとつ政府としてのこの事件の受けとめ方、これをお伺いしたいんですが、よろしくお願いいたします。
#65
○国務大臣(坂本三十次君) 先ほども武器輸出三原則の我が国の政策についての重みの大きさということは申し上げたわけであります。これは、歴代内閣においてもやはり非常に重大な国策として重んぜられてきたことは申し上げたとおりであります。
 現内閣におきましても、海部総理がロンドン・サミットでも申しましたし、それからまた、この間京都の国連の軍縮会議ですか、ここでも訴えましたように、武器輸出については国連への報告制度を取り入れて、そして武器の拡散を防ぐ、紛争当事国に対して武器が流れるようなことがなくて、また平和が乱されるということのないようにと、世界に訴えたいというくらいの気持ちでおるわけでありまして、今後とも重大な政策としてこれは維持していかなければならぬ。現行法はちゃんとあるわけでありますから、これを厳正にやはり実施いたしまして、またそうならぬように念には念を入れて一層厳格に指導を政府としてもやっていく、こういう方針でいきたいと思っております。
#66
○翫正敏君 次に、防衛庁の担当局長にお聞きをしたいんですが、防衛庁へ武器ですね、装備品と言った方がいいのかもしれませんが、これを納入している企業は平成元年度で八百十一社ありまして、そのうち日本航空電子は金額にして七十六億円を納入している。平成二年度では、八百二十一社が納入しているうち日本航空電子は六十九億円を納入している。いずれも番付表をつくって並べてみますと上位五十社以内に入っている。こういう事実でありますが、日本国の国是、また基本政策でもある武器輸出三原則を堂々と無視するような、企業ぐるみ犯罪を犯すようなこういう企業にずっと防衛庁の仕事を受注させてきたという事実、これを今防衛庁としてどのように受けとめておられるのか、お答えいただきたいと思います。
#67
○政府委員(関收君) 先生御指摘のとおり、私ども防衛庁は、外為法でありますとかあるいは関税法の運用という視点というよりは、契約当事者の一つとして日本航空電子と取引があることは御指摘のとおりでございます。
 先ほど来お話がございますように、現在関係御当局でいろいろ調査あるいは捜査をしておられる段階と理解をいたしておりますが、先般同社の関係者が逮捕されたあるいは送検されたといったような事実につきましては、私どもとしても非常に重大に受けとめておるところでございます。
#68
○翫正敏君 どのような行政処分を考えておられみのかお聞きしたいん。ですが、通産省の立場でいきますと、一番重いのが三年間の輸出停止と、こういうことであり、また、刑罰の方で言えば三年以下の懲役刑というのが一番重いと、こういうことなんですが、私は、これは最も重い行政処分を防衛庁としても科すべきではないか、こういうふうに思うんですが、こういう納入企業に対する行政処分としてはどんなのが一番重いのか、そして日本航空電子に対してはどのような行政処分をすべきだと現時点で考えておられるのか、やがて状況が変わってきたらまた変わるかもしれませんが、現時点ではどう考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。防衛庁です。
#69
○政府委員(関收君) 私どもの立場は、先ほども申し上げましたように、契約当事者ということでございまして、その契約は会計法令に従って実施をするということでございます。したがいまして、現在捜査、調査はまだ進行中でございますので最終的なことは申し上げられませんが、この事案が、会計法令上の契約上の例えば指名資格を取り消す等々の事由に該当するかどうか必ずしも明らかになっておりませんので、今後事実が明らかになりましたならば、その事実に応じて対応をしてまいりたいと思っておるところでございます。
 なお、先ほど御紹介ございましたように、七月以降警察の方が捜索をされ、また通産省の方からも告発がなされたという事実に基づきまして、私どもといたしましては、調達に当たりまして慎重な対応をするように、慎重な対応と申しますのは、緊急に契約をいたしません場合には、隊務に重大な支障を来すという場合以外は契約を見送るという措置を今なお継続いたしておるところでございます。
#70
○翫正敏君 最も重い場合は指名を永久停止にするという場合もある。こういうふうに理解をして今まで聞いたわけですけれども、やはり防衛庁としての行政処分も今後の捜査の状況によってということになると思いますが、厳しく対応するということがないと、この企業ぐるみという今回の事件についての処置にはならないのではないか、そのように思うわけであります。
 次に、通産省にお聞きしますが、通産省としては、現状ではどのような行政処分を、一番重いのは先ほど聞きましたけれども、どのようなものを今考えておられますでしょうか。
#71
○説明員(鈴木隆史君) 現在は不正輸出事件の詳細につきましては調査中でございまして、いずれにいたしましても、当省としては今回の事件を重大に受けとめておりまして、七月十七日に警視庁に対し本件輸出容疑について告発したところでございます。今後容疑事実が確認された場合には、現行法にのっとり厳正に対処したいというふうに考えております。今この時点で何年かということはまだ白紙でございまして、今後厳正に対処してまいりたいということでございます。
#72
○翫正敏君 後日また質問をします。それまでには捜査の状況もまた進んでいくと思いますので、それを踏まえて後日に時間をとらせていただいて質問したいと、そのように思います。
 それで、先ほど官房長官の方から政府としての政治責任の問題について若干のお答えがありましたけれども、私は、先ほどの官房長官からの御説明にもありましたように、海部総理は五月二十七日、京都で開かれた国連軍縮会議で大変立派な演説をしておられるわけであります。また、七月十六日のロンドン・サミットでも大変高い見地からの演説をしておられたわけでありまして、ちょっと一部紹介をしますが、武器不正輸出事件という犯罪企業が我が国から出たという事実、こういう総理の立派な演説というものは、私は余りにもかけ離れていて恥ずかしい気持ちもするわけでございますが、政府としてはこの総理大臣の高い見地からの立派な発言と、日本国内においての、それも政府と直接契約を結んでいる有力企業の中に起こったこととの矛盾といいますか、こういうものをどんなふうにとらえておられるのかお答えいただきたいんです。
 ちょっと一節だけ読んで、二つのうち時間もありませんので、国連軍縮会議、五月二十七日に京都で行われたもの、その一節だけちょっと読みます。
 本年三月、我が国は、いわゆるミサイル関連枝
 術輸出規制の東京会合を主催しました。この会
 合において、ミサイル関連の機材・技術に関す
 る輸出規制を更に強化していく重要性が再確認
 されるとともに、我が国のイニシアティヴに基
 づき、全世界の国に対しミサイル関連機材・技
 術等の輸出規制のガイドラインを採用するよう
 訴える共同アピールが採択されましたことは、
 時宜を得たものであったと考えます。我が国と
 しては、ミサイル拡散防止のために積極的に努
 力していくとの見地から、引き続きミサイル技
 術保有国に対し、厳格な輸出管理を実施するよ
 う働きかけていく考えであります。
 ロンドン・サミットのは読みませんが、具体的には今度の事件はミサイルの部品が明らかにミサイル以外には使うことができないものを、ミサイルではない流量計であると偽って、偽ったのはもちろん政府ではございません、企業でございます
が、日本国の企業、そういう政府と契約を結んでいる企業、こういうことに立って政府としてどういう今お気持ちかお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。官房長官からひとつお願いします。
#73
○国務大臣(坂本三十次君) 先ほども申し上げたかと思いますけれども、こういう事件はまことに遺憾でありまして、これは今後とも厳重な輸出管理を実施して、二度とこういうことがないようにいたさなければなりません。現行法の厳正な適用あるいはまた業界に対する指導強化、とにかく輸出管理を厳格に行うということで対処してまいらなければならぬと思っております。
#74
○翫正敏君 終わります。
#75
○小川仁一君 官房長官にお聞きいたします。
 国会は来年一月の召集ということがほとんど決定的な状況でございます。人事院勧告の実施という問題が、一月召集になりますと年内支給ということが非常に困難になります。しかし勧告の趣旨からいって、当然勧告された年内に支給することが筋だと思いますので、一月召集を決定するに際して、年内支給を行うという政府の意思決定をいただきたいものと考えております。そういう立場からの官房長官の御決意を伺いたいと思います。
#76
○国務大臣(坂本三十次君) 政府としては、人事院の給与勧告を受けて現在取り扱いの検討を進めておることは御承知のとおりであります。
 勧告の取り扱いにつきましては、人事院勧告制度尊重の基本姿勢に立って、国政全般との関連を考慮しながら検討する必要があり、現段階において閣僚会議などの今後のスケジュール等について申し上げかねる状況にあることは御理解をいただきたいと思いますが、引き続き最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
#77
○小川仁一君 来年度から一月召集になるという衆参の議決が二、三日中に行われるというわけですから、その関連で来年度以降の人事院勧告をどうするのか、こういう点でございまして、ことしのことを聞いているのではありませんからはっきり御決意のほどをお願いしたい、今どうするじゃなくてもいいです。
#78
○国務大臣(坂本三十次君) これは、せんじ詰めれば国会召集の時期と国会提出の時期ということになろうと思います。ですから、給与法の改正案など、これは一月召集になるから、いつごろ国会に法案提出をして年内支給せい、こういう御趣旨だろうと思いますが、この国会提出の時期ということになりますると、今、ここで私が現段階で明確に申し上げるということは難しい情勢だということだけは御理解をいただきたいと思っております。
#79
○小川仁一君 参議院の議院運営委員会にも政府においでをいただいて、一月召集における最重要事項としてお考えを聞く予定になっておりますけれども、臨時国会等を開いてでも、勧告のあった年内に公務員の人事院勧告の支給という問題は解決する、こういう御意向、御意思があるものと考えてよろしゅうございますか。
#80
○国務大臣(坂本三十次君) 私が臨時国会だとかなんとかということを今申し上げるのは、これは臨時国会召集ということは国政の全般の立場から決定されるべきでございましょう。しかし、この給与法の改正案、これを国会に提出する時期はいつだというふうにおっしゃいましても、今の段階では私が明確に申し上げるということは難しいということは御理解をいただきたいと思います。
 しかし、いずれにしても、とにかく従来から年内支給というようなことをしてきたといういきさつもありますし、またそういうよき慣行もよき実績というものもあります。これらを十分に念頭に置いて、できるだけ早期に財源の見通しなども詰めて、世論の納得の得られるような結論を出したいということだけは申し上げておきます。
#81
○小川仁一君 では、今の最後の段の御決意のほどを承って、ぜひ実現をするように御努力をお願いしたい、こう申し上げます。
 次に、五月十日の閣議で中央官庁職員の優遇問題が話し合われたと聞いております。そして人事院にも申し入れだということですが、これは閣議の決定ですか、それとも全閣僚の合意という形なんですか、あるいは何人かの閣僚がお話しになった、こういうものでしょうか。この閣議の話し合いの持つ意味というものについて官房長官のお考えをお聞きしたいと思います。
#82
○国務大臣(坂本三十次君) 今のお話は閣議の了解事項だとか、まして決定だとか、そういう問題ではありません。
 各閣僚は、国務大臣として国政全般にわたって関心を持っておりますから、こういう給与に関しては国政全般から見ても、人材確保などというような面から見ても、閣僚がこうしたらいいだろうというそういう具体的なものではなしに、一般的な意見として申されるということは、これ間々あることでありまして、それを取り上げて閣議の了解事項にするなどというときはそれなりに別途そういう手続をいたしますが、いろいろ自由に意見を言う、そしてそれを聞くというようなことは間々行われていることであります。
#83
○小川仁一君 一般的なお話し合いと理解をいたします。
 ところで、この際給与担当大臣として総務庁長官がどういう御意見を述べられたのかお伺いしたいと思います。
 例えば、人事院に申し入れをなすっておりますが、給与改定作業中に人事院に対して一部の職員の優遇などという申し入れをなすったことは歴代内閣で海部内閣が初めであります。したがって、総務庁長官はこういう点をお話しなされたのか、あるいは人事院というものは中立性、独立性、科学的な調査、こういったような性格を持っているものでございます。そういうものの性格をこのお話し合いの中でお話しなさったのか、それをなすった上で人事院に申し入れたと思いますが、この点、給与担当大臣の御意見を伺います。
#84
○国務大臣(佐々木満君) 私が人事院総裁に、申し入れというお言葉でございますが、お伝えを申し上げた内容はこういうことであります。
#85
○小川仁一君 それを聞いているんじゃない。
#86
○国務大臣(佐々木満君) 中身でしょう、申し入れの内容。私が……
#87
○小川仁一君 ちょっと言います、もう一回。
 閣僚会議の中でどういう発言をなすったか、私が申し上げたようなことをお話しなすったかどうか、こういうことを聞いているんです。
#88
○国務大臣(佐々木満君) 私が閣議で申し上げたことはこういうことでございます。ちょうどその後の記者会見で申し上げたメモがございますので、こういうことを閣議で申し上げました。
 それは、閣議でこのような御発言があったということを人事院総裁にお伝え申し上げておきます。また、総理府の人事課では各省庁の人事担当者の会議を毎年持っておりまして、そしてそこで給与の改善策等についていろいろ御相談をいただいて、その結果に基づいて必要があれば人事院に申し入れをしておることがあるようだと。したがいまして、私はきょうの閣議でそのようなお話があったことは総裁にお伝えをしますが、それと並行して事務的に必要があれば総理府の人事課を中心に御検討いただいたらどうかと、こういうことを閣議で発言したわけであります。
#89
○小川仁一君 人事院が作業に入っておりますよね、改定作業に。作業に入っている最中に、一般的な話し合いの後、給与担当大臣が申し入れるなんていうのは不見識じゃありませんか。今までの内閣に前例があったというのならわかりますよ。前例のないことをおやりになった。したがって、そういう認識があって閣議に臨んで発言をされたのかどうか、そういう認識は全然なかったのかどうか、ここだけお聞きすればいいんです。
#90
○国務大臣(佐々木満君) 今まで私は前例は聞いておりません。しかし、人事院ではいろいろ勧告案を検討なさる段階で各方面の御意見を幅広く伺っておられるというふうに聞いておりまして、それならば閣議でこういう話がありましたよということをお伝えすることは私は構わないんじゃないか、こう理解をいたしましたし、今もそう思っ
ております。
#91
○小川仁一君 それは一般論としてあります。確かにルール上も各省庁の人事官会議やなんかを持って各省庁からの意見を人事院は吸い上げている。しかし、人事院というのは労働基本権を制約した代償措置としてでき上がったものだ。したがって、権威性もあり独立性もある。こういうものに閣議の話し合いを持っていって一部の部分だけを引き上げさせるようなやり方ということは、私はどうしても納得できない。
 これは人事院に対する極めて不当な異例な介入だと、こう思うんですが、給与担当大臣は人事院の性格というものをどんなふうに考えておられたか、この際御認識を伺いたいと思います。
#92
○国務大臣(佐々木満君) 人事院は、これは先ほど来申し上げておりますとおり、労働基本権制約の代償措置として設けられた大変大事な機関だ。と、こう理解をしております。ただ、私も給与担当でございますし、いわば国家公務員の使用者の立場にあるわけであります。したがって、使用者の立場として気がついたことがあれば人事院の方へ意見として申し上げることは私はむしろ適当なことじゃないだろうか。私もいろいろ人事行政をやっておって気がっくことはたくさんございます。そういうことについては申し上げなきゃならぬと思っておりますし、これまでも申し上げてきたわけでございます。
#93
○小川仁一君 使用者の立場だからこそ私は申し上げている。閣議の合意事項のような印象を与えるようにして一方的に人事院に申し入れた。人事院も人事院で、自分たちの権威を投げ捨ててそれに従って部分的な調査をやった。こういう何かしら使用者というものが物を言ってもいいのか、気がついたら人事院に圧力をかけて中身を変えさせてもいいのか、こういう問題になると問題の本質が違ってくると思います。
 したがって、むしろ各省庁から集まった人事官会議やなんかで皆さんの各省庁が出した意見に、それを十分聞いているのにさらに加えて出す、こういう使用者としてというよりも権力的な態度で物を申したことについては非常に遺憾なことだと思います。制度上疑問を感じなかったとすれば、私は、給与担当大臣としてもう少しお考えおき願いたい面があるし、不見識な発言ではなかったかと、やや言葉が過ぎますけれども、今回の事態に対して強く反省を求めますが、いかがでございますか。
#94
○国務大臣(佐々木満君) 権力的な云々などというお話でございますけれども、決してそういうものではございません。さっき官房長官が申されましたけれども、いろんな意見があった、そういうことを素直にお伝えする、私はこれは何もおかしいことではないんじゃないか。気がついたことがあれば申し上げて、御専門の立場から検討していただくというのがむしろ私は適当でないだろうか、こう思います。
 いろいろまたおっしゃいましたから、それはよく先生のお言葉をもう一遍考えてみますけれども、私は現段階ではそのように思っておるわけです。
#95
○小川仁一君 国家公務員法が制定されて人事院の勧告制度ができ上がって、その経過というものは私自身よく知っております、スト権制約でございますから。したがって労使で話をするというんならいいですよ。中立機関にすぐ一方的に言うということの問題を私は指摘しているんです。ですから、ぜひこういうふうな形のものは給与担当大臣としてもう一度あり方について御検討をお願いしておきます。人事院にお伺いしますが、人事院というのは内閣の所轄事項ではあっても、内閣の補助部局であるところの法制局とか、あるいは安全保障会議といったようなものと異なった性格を持っております。人事院は、人事行政の公正、スト権制約の代償機能性あるいは調査の専門性、こういうものを持った極めて独立性の高い機関である。賃金の決定の調査方式、算定基準等にも自信を持って今までやってこられた、人勧もまた確信を持って出してこられたと思うのですが、そういうことについて人事院の総裁の御見識を伺いたい。
#96
○政府委員(弥富啓之助君) 委員よく御承知のとおり、例年人事院が勧告を出す場合に当たりましては、労使その他の関係団体等から広くいろいろな要望を受けているところでございます。さらに今言われましたように、人事院といたしましては、第三者的な中立的なそれこそ機関でございまして、国家公務員法に決められた重要な責務を負っている機関でございます。それでやはり広く各界から意見を聞く、これはもう既にやっておるところでございます。
 それから、こんなことを申していいのかどうかわかりませんが、各大臣個人でみずから人事院の方にいろいろなことを要望に来られる場合もないわけではございません。去る閣議決定の場における議論ということでございますが、これも私は広義にとれば使用者とか任命権者としての要望の一つかなというふうにそのとき感じたわけでございます。今、官房長官あるいは総務庁長官からも言われましたように、閣議の決定とか了解事項、そういうものであるということであるならば、これはもう人事院としては勧告の前でございますから、そういうことを言われることはもう万々考えたこともありませんし、法制上あるわけのことでもありません。万が一そういうことがあればお断りするよりほかはないわけでございまして、この間の総務庁長官が私のところに来られましたお話はそういうことではなくて、閣議でそういうふうにいろいろ今人材確保が問題になっている。それでそういう意見があることを念頭に置いて人事院で今後検討、研究をしてみてくれないかというようなお話で、しかも短時間のお話でございました。
 それが、閣議でのお話が出たということは念頭に入れるといたしましても、勧告その他人事院が権限を持って行う場合は、最終的にはこれはあくまでもその責任と判断で人事院が対処をいたしているところでございまして、自主性やあるいは独立性を害されたと私はただいまのところは考えておらないということを申し上げたいと思います。
#97
○小川仁一君 新聞記事その他によれば、閣議の意向だから重く受けとめるとおっしゃったのは総裁自身だというふうに伝えられております。その結果、内閣の意向を受けて、中央省庁優遇措置を特別な調査を新しく設けて今回勧告に入れたのです。あなたの考え方からいうと、非常に不見識な話だと思うが、どうですか。
#98
○政府委員(弥富啓之助君) 私もそのときいろいろな新聞記事をとったわけでございますが、いろいろニュアンスがあると思いますけれども、総務庁長官のお人柄もあり、私もそのときは、まあせっかくそういうことでしたら、今後研究をしてみましょうかというようなことをお答えしたと思っております。
 ただ、本省庁職員の特別改善というのは、これはもう長年にわたりまして各省庁側のかねてからの要望でもございます。これはどういうことかといいますと、本省庁におきまして近ごろとみに人材確保ができなくなってきている、そのことが背景となっているというような話でございまして、これは長年、私もちょっと五年ほど前から各省庁の人事管理官会議の要望事項を見ましたけれども、ずっと同じようにその要望がございました。それらの要望を踏まえまして閣議でもそういうお話になったのかというふうに思いましたが、確かに公務員試験の申込者あるいは受験者も減っております。これは緊急性を要するのではないかということで、一定の改善を講ずることとしたわけでございます。
#99
○小川仁一君 人材確保の問題は何もこの五月に始まった話じゃないんです。前からあったら前からルールをつくって調査をすればいい。どんなことを言ったって、申し入れを契機にして新しい調査をしたこと、この事実には間違いがないはずだ。みずからルールを破るような人事院というのは情けない、哀れだというふうな印象さえ私は
持ったんですが、どうですか。
#100
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまのように人材確保の問題、これは長年ある問題でございます。確かに閣議の話、これが全然私の念頭になかったと申し上げるつもりはございませんけれども、近年の人材確保の問題、これは非常に問題でございまして、中央における採用の場合、それから地方から人材を中央に持ってくる場合になかなかうまくいかない。それではやはりとりあえず暫定的に中央の本省庁関係の改善をまずやってみようということでございますので、ひとつ御了解をお願い申し上げたいと存じます。
#101
○小川仁一君 このようなルール破りといいますか、人事院の独立や公平性に対する介入、こういったようなことは二度とあってはならないことなんです。ちゃんと人事管理官会議やなんかでもって各省庁の意見は十分吸い上がっているというルールがあるんですから、そのルール破りを今後やらないということを給与担当大臣にお伺いしたいが、いかがですか。
#102
○国務大臣(佐々木満君) いや、ルール破りをやらないと、私はルールを破ったつもりはもちろんございませんで、それはやっぱりそれぞれの正式な機関があって正式なことをやっておりますけれども、私だって大臣として総務庁はもちろんのこと、各省庁の人からいろんなことを聞きますよ。私も労働団体ともしょっちゅう接触をしておりますが、いろんなお話を伺いますよ、労使双方から。任命権者の方から団体の方から、いろんな労働組合の方からもいろいろ伺います。
 そういうことを踏まえて、適当なときに適当な方法で、我々はそういったって素人ですから、専門的な第三者機関である専門の方でお調べをいただいて善処してもらいたいなということはこれからも私は申し上げてまいりたいと思っておるわけであります。ルールを破ったことはございませんので、ひとつ御理解を賜りたいと思います。
#103
○小川仁一君 認識の相違ですけれども、労働基本権問題、人事院制度についての基本的な論争はこれで避けます。しかし、本当に必要なら改定作業に入る前に言えばいいんです。作業に入ってから作業を混乱させるようなやり方を含めて私は指摘しているということだけを申し上げておきます。
 次に、給与勧告について、職員の今の優遇措置について御質問いたしますが、本省庁の官民対応関係の一部増加分の五百六十二円、これは行(一)の本省庁を念頭に置いた改善措置だと思いますが、先ほどの閣議の話も念頭にあると思いますが、対象は霞が関の中央官庁の職員ですね。
#104
○政府委員(森園幸男君) ただいま総裁も申し上げましたとおり、いわゆる本省庁職員の処遇問題と申しますのは、かねてからいろいろ問題提起があったわけでございますが、ことし……
#105
○小川仁一君 質問に端的に答えてください。
#106
○政府委員(森園幸男君) 改めてつらつら考えますと、本省庁の職員とそれ以外の職員というのを峻別いたしまして、本省庁職員だけに特段の措置を講ずるという方法というのは現段階においてはなかなかうまい方法というのはあり得ないという結論に達しまして、しからば本省庁職員の処遇ということでどういうことでそういう問題が起こるんだろうと考えますと、公務員各級とりましてもそうでございますが、どの級をとりましても比較的年齢の若い層が年齢の高いところよりも官民の開きを感ずるのはこれは経験的な事実でございまして、そういう事実を踏まえまして俸給表の上で比較的若いところ、十号俸程度ぐらいまでのところに重点的に配分をしようということでいたしたわけでございまして、比率的には本省庁の方が余計いくかもしれませんが、形式上本省庁だけという措置ではないわけでございます。
#107
○小川仁一君 本省庁以外は、例えばどういう場所があるんですか。お答えを願います。
 それから次は、実際にこの号俸が適用される人は何人で、紋別の人数、さらにそのうちT種合格者は何人か、本省庁は何人か、地方の機関は何人かということ、これは後で結構ですから資料を提出していただきたいと思います。
 それで、地方の対象職員を言ってください。聞いたことに端的に答えてください。
#108
○政府委員(森園幸男君) 四級以上が中心でございまして、三級にも俸給表構造上及ぶわけでございますが、各俸給表およそ十号ないし十号強というようなところに配分したわけでございまして、ただ俸給表のつくり方としまして、号俸分布というのは本省と地方ではかなり違いますので地方職員にも相当及んでいるわけでございますが、数量的な面については今御指摘のとおり後にさせていただきたいと思います。
#109
○小川仁一君 では、資料は後で御提出願いたいと思います。
 閣議での話でも結局はキャリアが対象で、勧告もその意を受けておるようでございます。T種合格者はそうでなくても他の人たちに比べて随分優遇されております。今回の勧告でも初任給を見るとT種とV種では調整額を含んだ額で四万七千四百十円の開きがあります。現行で四万四千円だから、ここでもまた新たに三千円以上の差が出てくることになります。そのほかにも優遇措置がありますが、これはキャリア優遇の差別的賃金、これをつくり上げた結果になるのではないかと思いますが、いかがですか。
#110
○政府委員(森園幸男君) 初任給につきましては、T種は民間企業の主要企業の初任給、それからV種につきましては高卒の初任給ということの事実をできるだけ反映しようとしておるわけでございまして、差別という意識で対処しているわけではございません。
 それから、今回の措置が職員の採用の入り口の種類によって特定のところに偏っているかどうかという御指摘でございますが、細かくは今数字を持ち合わせておりませんが、比率的に見ますとT種よりもはるかにT種以外の職員の方に余計及んでいる。要するに、何級何号ということで分布していれば、T種であるかどうであるかは関係なく適用されるわけでございますから、そういう結果になっているはずだと思っております。
#111
○小川仁一君 この論争も一応やめておいて、これを機会に一九五七年、昭和三十二年のような中央地方の二本立ての給与表をつくるなどという考え方はないでしょうね。人事院総裁、いかがでございますか。
#112
○政府委員(森園幸男君) 本省問題という端的な問題といいますのは、非常に中枢的な部分で独特の仕事をしている部分についてはかなり各界からもそういう評価がなされるわけでございますが、全体として本省と本省以外という区分けをした給与制度といいますのは、現状におきましてはなかなか困難で適当ではなかろうというふうに考えております。
#113
○小川仁一君 総裁に聞いているんです。二本立ての給与表を中央地方でつくるような気があるかどうかと聞いているんです。
#114
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまの御質問でございます。
 私は、本来、中央地方、これの行政事務の例えば軽重の差とかそういうことはあるはずがないわけでございまして、公務全体として統一的な組織的な一体を持っているわけでございます。
 ただ、今申し上げましたように、本省庁において人材確保が非常に困難になっているという場合には、やはり地方と本省とどういうふうな差を設けるべきか、これはもう地方と本省の給与を二つつくるなどということは、これは私は到底公務の世界ではやっぱり納得性のある合理的なその理由が見当たらないのではないかというふうに考えております。
#115
○小川仁一君 安心しました。公務全般、公務員全体というものを考えてやっていただくことに何ら異存はございません。
 しかし、この場所にいるから、この地域にいるからといったら、地域なり調整額なりで処理できると思いますが、本俸の中にいろいろな形で組み込むということは今後おやめを願いたいと思います。
 なお、今回実施した二十三区内の企業規模五百人以上の本店従業員と対比した調査結果、勧告の参考資料の中には入っておりません。今後、法案が出てまいります際の審議に必要ですから、後で結構ですから御提出を願いたいと思います。
 そこで、今回は結局二つ調査をしたわけであります。これまでの民間給与実態調査が正しく官民の較差を反映し得なかったということをみずから認めた結果になっているわけであります。五月十日の閣議でも、中央省庁の待遇改善だけではなく、民間企業の規模のとり方も問題になっているはずであります。こういうことでございますから、労働組合の長年の主張である官民給与の比較方法の見直し、これは今回の勧告の中にも考え方として出ておりますが、来年の勧告作業には間に合うように早急におやり願いたいと思いますが、いかがでございますか。
#116
○政府委員(森園幸男君) 比較方法の問題につきましては、労働団体等からもかねていろんな御要望、御意見がございます。また、労働団体以外のところでは、逆にもっと小さいところも入れたらどうかという意見も過去ございましたのも事実でございます。
 そのように非常に多様な意見があるわけでございますから、私どもはその比較方法の見直し、検討を進める場合にはいろんな方面から意見を聞いて、納得ある結論を得て対処したいと思っております。現時点において来年に絶対間に合うかどうかということはちょっと申し上げにくい状況でございます。
#117
○小川仁一君 五十大規模従業員と五百人本社従業員と随分違うわけですね。この二つの種類の調査を考えながら、もっと適正な規模が労働組合その他と話し合われてつくり上げられることを希望いたして、次の質問に移ります。
 参考資料の生計費についてお伺いいたしますが、公務員のほとんどの方が自分たちの子供に大学を修了させようと考えておられます。教育費に多額の支出をしておられるのが実態でございますが、人事院が出しておられる参考資料、ページで言いますと六十五ページ十四表、この雑費Tの中に教育費が含まれております。
 そこで、お聞きしますが、十四表の四人世帯、教育費の算定金額は月額幾らですか。
#118
○政府委員(森園幸男君) 私どもが標準生計費を算定いたします場合には統計局の家計調査等に基づいておるわけでございますが、この標準生計費の段階では雑費Tの中のさらなる仕分けの内数というものはございませんで、計算過程の途中で一緒になってしまっております。したがいまして標準生計費の中ではございません。ただ、家計調査の中では教育費についての調査があるわけでございますが、比率的には近年教育費のウエートが伸びておるというふうに理解をいたしております。
#119
○小川仁一君 私、文部省から資料をいただきました。教育費にかかる割合です。公立小学校で月額一万六千七亘三十九円、中学校で二万六百三十八円、高校で二万六千二百五円、こういったような調査が出ております。これは文部省です。こういう資料というふうなものをお使いになる気はありませんか。これが一つ目。
 それから、今それをもとに計算をしてみますというと、四人世帯で仮に中高の子供さんを持っておられる公務員家庭では雑費Tにあと残り二万円しか残らなくなる。東京の場合で四万円ぐらい残ります。ところが、雑費Tの中身を見ますと、医療、交通・通信、教育、教養娯楽と入っております。これではやっぱり教育費に対する思いやりといいますか調査が不十分なような感じがします。やはり学歴を持っておられる公務員の皆さんは、子供にどうしても大学を終わらせたいということになると、かなりお金がかかります。今、生計費の中で教育費が占める割合というのは非常に大きいわけですから、教育費について今後文部省資料を使うとか、その他を使って慎重に御検討願いたいと思いますが、いかがでございますか。
#120
○政府委員(森園幸男君) 御指摘の文部省の資料は、統計局によります雑費Tの教育費と必ずしも範疇が同じではないようでございまして、例えば食料費の中に学校給食費が統計局の場合には入っていたり、若干の出入りがあるようでございます。
 私どもは、世帯形成時以降の家計を勘案いたしまして、例えば扶養手当を充実していくというような場合にはそういう消費の実態等に目を向けながら配慮しているつもりでございますが、その場合に、現在のところ家計調査あるいはそれに基づく標準生計費等を念頭に置いておりますが、さらに手広くいろんな材料を勉強してまいりたい、こういうふうに考えております。
#121
○小川仁一君 語尾がはっきりしませんでしたが、教育費について重大な関心を持っておられるというふうに理解して聞いていいですか。
#122
○政府委員(森園幸男君) 今年扶養手当におきまして、久しぶりでございますが、子供に目を向けた改善をお願いいたしておるわけでございますけれども、そういう措置をお願いいたしておりますのも先生の御指摘のような背景といいますか、同じような気持ちを持っていることは事実でございます。
#123
○小川仁一君 それは考え方が違いますよ。教育費と養育費は違います。子供を育てる養育費としての手当、それはことし上がりました。政府でも児童手当を考えています。これは養育費に該当するものです。私の言っているのは教育費という意味ですから、その点を間違わないようにお願いをしたいと思います。次に、総務庁消費者物価指数調査によれば、ことし五月で全国で三・四%、東京で三・〇%の上昇になっています。三・〇%以下の号俸ごとの引き上げは、結果的には賃金の切り下げになります。このような状況は、人事院勧告の公務員の待遇改善策には当たらないと思います。
 一つの例を申し上げますと、例えば人勧の俸給の引き上げ率を見ますと、引き上げ率が二・九%、二・八%という箇所が俸給表のうち十一俸給表ございます。級で見ますと十六の級に存在します。号俸で見ますと百一の号俸に及んでおります。これは物価の上昇率に追いつかない引き上げ率でございます。そのうち、教育職は各級にわたっており、号俸数を勘定してみましたら五十八カ所ございました。これは全体の五七%に当たります。研究職が十三カ所ありますから、これを加えますと六七%も三%以下の号俸引き上げ箇所があるわけでございます。これは教育職軽視、こういう批判を受けざるを得ないでしょう。なぜ教育職だけ五〇%以上もの箇所にこういう状況があったのか、理由をお聞かせ願います。
#124
○政府委員(森園幸男君) 近年初任給の上昇が続きまして、若年層に非常に手厚い配分をせざるを得ない状況でございます。これは民間企業も全く同じでございまして、昨年の日経連の提言あたりでは、かなり賃金体系上問題だという御指摘等もありましたけれども、ことしもまた相当の初任給の上昇等ございました。そういう情勢下では、各階層全部について相当程度の引き上げということはなかなかしにくいわけでございます、改善原資枠というのがございますから。したがいまして、一般的に上位の号俸につきましては金額的にも引き上げ額でもおおむね一万円を超える程度でございますから、率で言うと消費者物価指数の上昇に必ずしも見合わないということは間々あり得るわけでございまして、できるものならばもうちょっと上げてやりたいわけでございますが、改善原資枠ということである程度やむを得ないというふうに理解をいたしております。
#125
○小川仁一君 間々あることがあったとしても、教育職に五七%も存在するというのはどういう理由ですか。これは総裁からお聞きします。教育職をどう考えているかという問題も含めてお答えを願いたいと思います。
#126
○政府委員(弥富啓之助君) 今、給与局長の方から申しましたように、やはり改善原資というものの限度がございます。しかし、教育職、これはもう国の教育というのは国のもとでございますの
で、私の父も教育者の端くれでございましたけれども、とにかく教育職というのは、我々行政職ではわからないいろいろな御苦労を重ねておるわけでございまして、やはりそれなりに待遇はいろいろと、ことしにおきましても国立大学の方でございますが、国立大学の教官その他について特別な配慮はいたしておるわけでございますけれども、なおやはりそういうふうな御指摘があればこれから十分に検討をしていかなければなるまい、かように考えておるところでございます。
#127
○小川仁一君 ぜひ教育職だけが五〇%を超えるというふうな状況にならないようによろしくお願いを申し上げておきます。
 それからもう一つは、やっぱり物価上昇率以上最低でも上げることが至当だと考えますから、この点も念を押しておきます。そして、そういう矛盾があるなら、何も来年を待たなくても、秋にでも矛盾点を直して勧告するといったようなことが考えられますか、どうでしょうか。
#128
○政府委員(森園幸男君) 私どもの全体としての賃金水準は、あくまで民間準拠ということでございますので、内部の配分におきましてもうちょっと上げてやりたい部分がありましても、公務員全体としてはほぼ均衡しているはずでございますから、次回の機会のやはり検討材料とさせていただくということしかしょうがないんじゃないかというふうに考えております。
#129
○小川仁一君 そう言われますと、ちょっとまた反論したくなる。
 民間準拠、物価調査、さっきは総務庁の家計調査をお使いになった。そのときそのときの答弁に都合のいいような調査を引き出されては、私らの方でも大変物を申すのに都合が悪いから、今後は総合的にお考えおき願いたいと思います。
 昇格制度についてちょっとお伺いしますが、今回の改善は行(一)四級以上の昇格時に一号アップすることになりますが、この改善のねらいは何ですか。
#130
○政府委員(森園幸男君) 現行制度におきましては、御承知のとおり、昇格をいたしました場合に原則としては対応号俸、同じ額があれば同じ額の金額から始まるわけでございますけれども、やはり昇格というのはより高い職員を与えて勤務していただくということでございますから、しかるべき給与上のメリットをその際付与するのが適当だろうという考えでございます。
 ちなみに、民間企業の給与の一般的な扱いといたしましては、そういう昇格相当時に、その際に相当給与の上昇があるというふうに承知をいたしておりまして、私どもの給与制度でも同じような考え、制度を取り入れる必要があるんではないかということに基づくものでございます。
#131
○小川仁一君 このやり方を具体的に教職員に比較をしてみますと、行政職では十一級まで全員が到達できます。いや、みんなが行くというわけじゃなくても、七ないし八級までは到達するわけであります。したがって昇格時ごとに五回の昇格メリットがある。ところが、教員の場合は教職員給与表が別でございますから、ずっと教諭である限り二級に存在する、一回も昇格メリットという存在がないわけです。金額にすると相当の差になります。これに対する対応策がございましたらお伺いしたいと思います。
#132
○政府委員(森園幸男君) 御指摘のとおり、俸給表の種類によりまして職務の級の数に違いがございますから、何らの特段の措置を講じないとすればおっしゃるような結果になってしまいます。そこで、その級の数の少ないところ、あるいは実態として生涯同じ級にいるに近いところ等いろいろございますので、その実情といいますか、そういう事実を踏まえまして、結果として、平均的に行政職の職員が昇格することに伴うメリット、それと同等程度の水準は維持できるような措置を講じていきたい、こういうふうに考えております。
#133
○小川仁一君 わかりました。先ほどから教職員の不利な点だけを申し上げましたが、教育職も非常に大事に考えていただきたいと思います。
 次に、医療職俸給表(三)の改善問題についてお伺いしますが、昨年の十二月の衆議院の内閣委員会で、北川委員が看護婦給料表の拡大を来年の勧告で行うべきという質問に対して、適切な対応をするという給与局長の答弁がございました。七月二十一日の日経では、勧告前ですが、「「副看護婦長」級を新設」などという記事も出されていますが、今回七級という役付者の級の新設にとどまった。一般看護婦に対しての適切な待遇というものが見えないようですが、七級新設の意味をお聞きしたいと思います。
#134
○政府委員(森園幸男君) 現在までのところ、医療(三)の最上位級は六級でございましたが、病院の運営上、通常言われます事務部門あるいは薬剤部門、看護部門という三者の関係を見ましたときに、やや格落ちのきらいがあるという指摘がかねがねございまして、したがいまして六級の上に七級というのをつくりまして三者の関係をできるだけよくしたいということで、特に規模の大きい医療機関の看護部長をそこに格付するということを講じたわけでございます。そういうことでございます。
#135
○小川仁一君 そうすると、七級が新設されたというのは、役付者以外の看護婦にも昇給といいますか、あるいは号俸増といいますか、そういうふうなメリットが該当し、拡大するものと理解してよろしゅうございますか。厚生省からもお聞きします。
#136
○政府委員(森園幸男君) 各俸給表とも職務給という原則で構成をされておりますので、七級をつくったからそれぞれが自動的にすり上がっていくとか、あるいはそれに近い現象が自動的に起こるというものではございません。医療(三)全体につきましては、二級を中心に各級にわたる相当な水準の向上を図っておりまして、それで相当な改善になっておるものと考えております。
#137
○小川仁一君 そうすると、七級職の新設というのは管理職の等級を拡大しただけということになりますか。
#138
○政府委員(森園幸男君) その部分だけで申しますと、まさにそのとおりでございます。
#139
○小川仁一君 そうしますと、役付以外の看護婦が二級から三級に一般的に言えば渡るというような状況は考えられていないんですか。長い間の経験年数や勤続年数で級を渡らせるという考え方を配慮しておられないでしょうか、どうでしょうか。これは人事院と厚生省と両方からお聞きします。
#140
○政府委員(森園幸男君) 職務給の原則ということは堅持をいたしておりまして、例えば婦長になるとかあるいは主任看護婦になるとかというようなことを通じて昇格することはありますけれども、いわゆる平の看護婦のままで三級になるということは講じておりません。
#141
○政府委員(寺松尚君) 今、人事院の方からお答えがございましたが、私ども、御承知と思いますけれども、国立病院・療養所等の平成三年度におきます三級の者につきましては、総数は二千百四十人であります。その内訳を申し上げますと、看護婦長と申しますのが千三百五十人、それから副看護婦長というのが七百九十人でございます。したがいまして私どもは、この副看護婦長というものを看護婦長の補佐役といたしてできるだけ拡大を図っていきたい、こういうふうに努力してまいりたい、このように考えております。
#142
○小川仁一君 意見として申し上げますが、先ほど官房長官でしたか、看護婦さんが足りない、大問題だというお話をなさっている。人材を集めるために職務給だけでものを持っていったら人材は集まらぬじゃないですか。いつまでたっても定員が不足になる。待遇改善と、こう言いますけれども、例えば婦長などの役付者以外は医療職(三)の一、二級まで。今回の勧告ではどう改善されたか。例えば看護婦の特別改善と言われているところの俸給の調整額の調整数一を俸給月額に繰り入れというのが、実質的には賃上げではない。これはごまかしです。
 どうかひとつ看護婦の特別改善などということを口になさるなら、今言ったように二級から三級に渡る、あるいは四級にまでも渡る、経験年数や勤続年数で待遇することによって、現在の社会的問題になっているものを解決しなきゃならないと思いますが、この点についての人事院総裁並びに厚生省のお考えをお聞きしたい。
#143
○政府委員(弥富啓之助君) 看護婦さんの問題につきましては、いろいろと問題を指摘されているところでございまして、人事院といたしましては、御承知のとおりに、去年の勧告におきましても看護婦の夜勤手当でございますか、それとか二級あたりの高位号俸あたりを上げたと思っております。
 ことしの勧告におきましても、御存じのとおりに、一級の高位号俸、それから二級は全体的に底上げをしている。それから七級を新設したということでございまして、ただ、看護婦さんにつきましては職名給と申しますか、今御指摘のとおりに、何か段階がないと上に上がっていかないというようなことは指摘されているところでございまして、それは所管庁の方においてお考えをいただくことが適当ではないかと思いますけれども、やはり看護婦さんの人材確保の問題、これは常々申しあげているところではございますけれども、単に給与の問題、これはもちろん待遇の問題でございますから、給与の問題も大切でございますけれども、やはり勤務条件なり勤務環境というものも、これはそれぞれの関係の各省庁におかれましても十分に考えていただきたい、かように考える次第でございます。
#144
○政府委員(寺松尚君) 厚生省といたしましても、先ほど先生の御指摘の看護職員の確保という問題、これは緊急かつ重要な問題と、こういうふうに認識をいたしております。
 特に、国家公務員によります看護婦の問題は、他の民間の看護婦さんの問題につきましても非常に関連が深うございますので、その待遇等については今後も努力をしてまいりたいと存じております。
 それで、先ほども人事院の方からもお話ございましたように、給与だけではもちろんございません。そのほかにもいろいろ宿舎の問題あるいはその他勤務環境といいましょうか、そういうようなものも充実を図っていかなきゃならぬと考えておりまして、その辺も私ども意を用いていきたい、こういうふうに考えております。
#145
○小川仁一君 お話で聞いていると立派に聞こえているけれども、まだ週休二日制を試行もしてないのは厚生省じゃないですか。それで賃金その他勤務条件なんといったって、知っている者は笑うだけですよ、何言ってるんだといって。そんな言葉でごまかしなさんな。
 それで、私はこの機会に申し上げておきますが、来年の勧告でもいい、あるいは厚生省、ことしの運用でもいい、二級から三級への渡り、これを運用なり制度化して、二級の後半の改善を含めて看護婦給料表の抜本的な見直しをしていただきたい。週休の問題はまた後で聞きます。こういう考え方はいかがでございましょうか。
#146
○政府委員(森園幸男君) 看護婦の給与改善一般につきましては、先生と意見を異にするものではございませんが、渡り問題については見解を異にいたしております。
#147
○小川仁一君 今何と言った。おしまいが聞こえなかった。
#148
○政府委員(森園幸男君) 同じ職責にありながら、勤務年数等の経過によって上の級に渡っていくという制度につきましては、過去も一部地方団体等においていろいろ批判を受けたことでございますから、私どもは看護婦の職種といえどもそこはやはりやるべきことではないというふうに考えております。
#149
○小川仁一君 それなら、もっと職種を設ける等のことをしなければ非常に困ったことになると思うんです。人材確保という観点からいったら、閣議でお話を願わなきゃならないほど今重大な問題になっているから、給与局長、ひとつ何かの機会に看護婦人材採用問題について閣議でお話をお願いしたいと思います。
 以上でその問題を終わりまして、次に週休二日制問題、これはできるだけ早い時期と言っていましたが、これは四月一日から実施することは間違いないですか。
#150
○国務大臣(佐々木満君) 平成四年度のなるべく早い時期ということでございますので、もちろん実施をするためにはいろいろな手続をクリアしなければなりませんが、私はやっぱり四月一日を目標にして努力すべきものだと、こう思っております。
#151
○小川仁一君 では、四月一日をぜひ頑張っていただきたいと思います。
 ちょっと文部省の方にお伺いしますが、この勧告の中で教育公務員、これは公務員の平等の原則から他の公務員と同時実施が不可欠であると思います。教育公務員の完全週休二日制の実現は学校五日制と不可分であると思うんです。文部省も積極的に試行に入っておりますが、九二年三月までに予定していた検討結果をこの秋にまで引き上げて、何とか四月一日から同時に実施できるような御努力を願えないんでしょうか。
#152
○政府委員(坂元弘直君) 先生の御指摘のとおりに、平成元年八月から私ども学校五日制に関する調査研究協力者会議を発足させまして、さらにその調査研究に必要な実証的な資料を得るために、平成二年の四月から九都県、六十八校で月一回ないし月二回の学校五日制の試行の研究を行ってきているわけでございます。
 学校五日制の試行をやっておる調査研究協力校におきましては、授業時数の取り扱いなどの教育課程のあり方、休業日となる土曜日における学校の対応、それから学校と家庭の地域との連携のあり方など実施上の諸問題につきまして幅広い研究を進めているところでございます。
 協力者会議では、この調査研究協力校の研究成果を踏まえまして、やはり教育水準の維持の問題、それから教員の勤務形態など学校運営のあり方、それから学校外における子供の生活への対応のあり方、さらには国民世論の動向などにも配慮しつつ現在検討を進めているところでございまして、一応協力者会議が発足した段階では、平成三年度、本年度の末までに一応の結論を得るということで現在検討を進めているところでございます。
#153
○小川仁一君 世論的な傾向を見ますと、実験校のある地域は学校五日制に対する理解度が非常に強いんです。実験校のないところが低いんです。こういうことを考えてみますと、これからでも実験校をふやして拡大してみるということをお考えになりませんか。
#154
○政府委員(坂元弘直君) 確かに、実験校が九都県の六十八校でございますので、数が少ないわけでございますので、実験に取り組んでもいいというふうに手を挙げていただいた学校及びその学校が設置されている地域全体が、どちらかというと学校五日制に比較的前向きに取り組もう、あるいはそのためには社会教育関係の活動を活性化しようというような意欲が比較的ある地域でございますので、学校五日制を試行している学校の父兄に対するアンケート調査などによりますと、試行前と試行後のアンケート結果については、一応学校五日制に理解を示したようなそういう数字が出ていることは事実でございます。
 私ども、そういう意味では九都県ということでは少ないので、来年度は全都道府県で学校五日制の試行をしていただこうということで、概算要求を現在大蔵省にしているところでございます。
#155
○小川仁一君 来年度も試行でやるんですか。それだったら政府の方針と全然違いませんか。ことしじゅうにでもやって早く結論を出すというのが今の週休二日制に対する政府の考え方なのに、文部省は来年度試行をふやすなんて言ってたんでは、これは世の中に取り残されますよ。どうなんですか、これは。
#156
○政府委員(坂元弘直君) 先ほど申し上げましたとおり、学校五日制についての一応の結論は本年度末までに調査研究協力者会議の結論をいただきまして、私どもとしても適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。ただその場合に、現在の調査研究協力者会議で各界の、教育界だけではなくて中小企業団体あるいはPTA団体、社会教育団体の関係者等、幅広い有識者に集まっていただいて議論をしていただいておりまして、その議論の過程の中で学校五日制に消極的な委員もおりますし積極的な委員もおります。ただ積極的な委員の御意見も、仮に学校五日制を導入するとすれば段階的に、漸進的に導入すべきだろうという御意見が大半でございます。
 そういうことを考えますと、協力者会議の最終的な結論がどう出るかということは軽々に判断できませんけれども、段階的に導入するというような結論になった場合に、私どもとしましてはさらにその一歩先の研究も進めなければいけないだろうということで、来年度につきましても全都道府県で学校五日制についてのさらなる前進のための研究を進めていただこう、こういう考え方でございます。

#157
○小川仁一君 文部省さんに言っておきますが、政府の方針は週休二日制を実施する。こういう基本方針でございますから、のんびりゆっくりしておったんじゃ間に合わないということだけ申し上げておきますし、有識者有識者とおっしゃるけれども、政府の有識者というのは御自分の都合のいいのだけを集めておられるような傾向が今までのいろんな審議会の中にもあるようでございますから、これは職員団体、日教組もございます、その他の団体の意向も聞いて、政府方針に沿うように進めていただきたいということを申し上げて終わります。
 厚生省関係の試行問題は、これはもっとひどい、ことしの九月から始めるというんですから。これ日本の政府の中に存在していないんじゃないかとさえ思うほどの怠けぶりでございます。よくまあこれだけ怠けているもんだと感心をいたしておりますが、これをやるためには定員増が必要ですが、定員増問題を含めてやっておられますか。
#158
○政府委員(寺松尚君) 私ども政府の方針といたしまして、予算はふやさない、定員はふやさない、それから行政サービスは落ちないようにというような注意に従いましてやっていく所存でございます。
 それで、今、先生御指摘でございますけれども、私ども老いろいろとおくれておることにつきまして何とか早くやらなきゃならぬということで、先ほども御指摘いただきました九月の末から試行に入ろうということで今準備を進めておりまして、その施設等の点検もやっておる最中でございます。
#159
○小川仁一君 これはあと一点だけ申し上げておきますが、国立病院や何かでは定員増なしに勤務時間を週四十時間にするとか週休二日にするということになると、有給休暇もとれな。い、休みの時間もなくなる、こういったような具体的事実が出てきているんです。それを厚生省の役所の中にいて御存じないわけはないと思いますから、必ず定員をふやしてサービスを落とさないようにということをお考えの上、このことについて今後御検討を願いたい。特に九月からで時間がありますから、お考えおきを願いたいと思います。
 最後に、全体的な問題として週休二日制について、まず来年の四月から実施をしていただきたい。これはあらゆる情勢を勘案して絶対に必要だと考えます。特に、国立病院の試行が終了しないからなどということを理由にして、公務員が一体化だなどというふうなお話をなさるということは、これはやらないことに対する弁解の口実でしかあり得ません。ですから今回は、まず第一に、九二年・四月から実施をするということを早急に決定していただきたい。その上で、各部門がそれに向けて実施の準備を進めてもらう。定員増を含めて政府全体でおくれているところに対して最大の協力をして、一日も早くこの体制をつくり上げるように協力体制をとってもらいたい。そして、どうしても四月一日に間に合わないというときは、それはそれなりの特殊条件があるものと思って、特殊条件という存在で時期的に少々おくれてもそれ以外のところは実施をしてもらいたい。四月一日実施を強く要望いたして、次に出てくる給与法案を期待いたします。
 以上、終わります。
#160
○太田淳夫君 官房長官、記者会見のお時間があるでしょうから、またかと思われるかもしれませんが、私ども、この人事院勧告に基づきますところの給与法案を早期に提出されて、そして完全実施を年内に必ず行う、そのことをぜひとも確約していただきたいと思うんです。
 いろいろなまた問題等々も、先ほど官房長官もおっしゃっておりましたけれども、確かに財政的な問題も、最近の経済情勢の変化等によりまして非常に厳しい面も今あるんじゃないかという感じがします。かってそういう財政状態等の問題からこの完全実施が見送られたときもございました。そういうことのないように私たちは願っておりますし、今まで年内実施ということでずっとやってまいりました。先ほども何かよき実績の励行ということでおっしゃっておられましたので、官房長官のおっしゃったことでございますから、これはまた次もずっと続けておやりになっていただけるんでしょうか、官房長官。そういうこともいろいろありますけれども、中にはこういう公務員の皆さん方の給与の問題については歴代厳しい姿勢の方もおみえになりました。しかし、坂本官房長官は非常に理解のある方だということで私たちも考えておりますし、ぜひとも先ほどお話があったような年内完全実施を実現していただきたい、そのことで一言お願いします。
#161
○国務大臣(坂本三十次君) 同じことを繰り返すようでございますけれども、人事院総裁から給与に関する勧告の提出を受けて、政府としては当日早速給与関係閣僚会議を開きまして検討の着手、スタートしたわけでございます。
 勧告の取り扱いにつきましては、政府としてはこれまでも人事院勧告制度尊重の基本姿勢に立って対処してきたわけでありまして、今年度につきましても、国政全般との関係は考慮しながらも、引き続いて最大限の努力をいたしたいと思っております。
 そう申し上げれば、いっ閣議決定するんだとか、どの国会に出すんだとか、それは時期はいっだとか、こうおっしゃりたいところでございましょうけれども、その点について、私の立場としては現段階で明確に申し上げるということはできかねますので、どうぞひとつ御理解をいただきたいと思っております。
 いずれにしましても、従来から年内支給というふうなことをしてきたいきさつもございますし、それからまたそれなりの実績というものもございますから、十分その点を念頭に入れまして、できるだけ早期に財源の見通しなどをいたしまして、世論の納得の得られるような結論を出したい、最大限の努力をいたしたいと思っております。
#162
○太田淳夫君 今、時期のこともおっしゃったわけですが、八月七日にこれは提出をされたわけでございまして、臨時国会といってもまだ一カ月あるわけでございますから、何回となく閣議も開かれるんじゃないかと思うんですね。ですから、今から一カ月間まだあるわけですから、その間に、やはり私たちとしましては閣議決定をぜひともして、次の法案づくり、また次の国会がいつ開かれるか、それはいつかわかりませんけれども、そのときにはもう早期に提出をされる、ぜひともそういう段取りを踏んでもらいたい、こう願うわけですが、その点どうでしょうか。
#163
○国務大臣(坂本三十次君) おっしゃるお気持ちはよくわかりますけれども、先ほども申し上げましたようにいろいろ手順もございます。今具体的にその手順をいつごろというわけにもまいりませんので、先ほど申し上げたように誠心誠意努力をするということでひとつ御理解を賜りたいと思います。
#164
○太田淳夫君 くどいようですが、誠心誠意努力をされてこの一カ月間のうちにまとめてもらいた
い、閣議決定はこの一カ月間のうちに終わってもらいたい、これは私たちの要望でございます。お時間もあるでしょうから、どうも御苦労さまでございます。
 総務庁長官としてはいかがでございますか。もう勧告も出されまして、閣議決定がまだされていないのでございますが、法案の準備等は万全の体制でいらっしゃるでしょうね、どうでしょうか。
#165
○国務大臣(佐々木満君) 私の方の立場というのは、もう本当に早期完全実施ということでございますので、そういうことで努力をしてまいりますし、準備も進めていかなきゃならぬと思っております。
#166
○太田淳夫君 それでは、人事院勧告の内容にちょっと入らせていただきます。
 今回提出されましたこの勧告でございますが、極めてたくさん内容が含まれておるわけでございます。その多くは突然出されたんじゃないか、そういう感じもするようなものがございます。今回のこの勧告に当たりまして、人事院ではどのような基本的な姿勢でこれに臨まれたのか、またどうしてこのような盛りだくさんの勧告内容になったのか、その点一言お願いします。
#167
○政府委員(弥富啓之助君) 委員、当然御承知のとおりでございますが、人事院の公務員給与の勧告というのは従来からそうでございますが、社会経済情勢の動向やあるいは広く各方面の意見をお聞きいたしまして、それを踏まえながら民間給与との均衡を図るということを基本としてまいってきているわけでございます。
 本年は、例年にも増しまして、各種各層の職員のそれぞれの事情を考慮して適切に対処する、処遇を確保しようとするのに気を配った結果、ただいま委員が言われましたとおりに盛りだくさんになったということでございまして、例えば一、二を挙げますと、民間給与の動向、これを調査いたしますと、初任給、若年層の給与の改善を図る必要がまだことしもあったということが一つでございます。
 それから、先ほど来お話のありました本省庁職員問題に起因した給与表上の特別改善を図ったこと。これも先ほど来から御説明いたしましたように、これは長年の間本省庁の方からの要望もありまして、いろいろと何回となく計画をしたところでございますが、そういうのも本年は人材確保の緊急性から考えまして、一部手直しをしてそれを図ったということ。
 あるいは生活関連手当でございますけれども、先ほどもお話がありました扶養家族の事情を考慮して、子に係る扶養手当というものを増額したり、あるいは長距離通勤というものの実情等を大分考慮いたしまして、通勤手当の充実を図った。あるいはまた、これもお話がありました看護婦や大学教官について、処遇の現状等を考慮して幾つかの措置をセットして特別改善を図った。それから奨学制度の改善も図った。
 これらの課題につきましては、今、委員の御指摘がございましたけれども、これは何度も申し上げて恐縮でございますが、かねてからこれは調査研究をしてきたものでございまして、勧告までの過程におきまして、これはいろいろ各省庁及び職員団体に対して相談をいたす、意見を聴取する等の機会を持ったものでございまして、決して我々といたしましては唐突に出したものではない、このように御理解を願いたいと存じます。
#168
○太田淳夫君 確かに、今お話がありましたように、この委員会でも人事院勧告をされるたびにいろいろと問題として提出をされた問題の一つ一つが、その解決の端緒につかれたんだなという感じはするわけでございます。それだけ一歩も二歩も前進されたなと、こう思うわけでございます。
 やはり、肝心の給与の改善という点ですね、官民較差の調査と申しますか、これは人事院勧告の場合を見てみますと、この前も委員会で私ちょっと申し上げたと思いますが、まだまだ民間の中の調査の対象が十分じゃないんじゃないかという気がするわけです。皆さんはどういう調査をされているか、調査の質もいろいろありますけれども、まだ皆さん方の手の触れられないような部分の手当とかいろんなものがあるんですね。そういうものは人事院の調査によってはまだ限度があるような感じもするわけでございます。
 その点も含めまして、今回のあれを見てみますと、従来の民間準拠に修正を行っているんじゃないかという気がします。新聞なんかを見ますと、かえって民間よりも公務員の勧告の方がことしは率がいいようなことをちょっと書いてある。民間は下がっていますが、公務員の皆さん方の勧告はパーセントが上がっているように書いてありますが、実態はそんなものではないと私は思っております。
 しかし、そういった民間準拠に多少修正を加えられたかなという感じがしますし、今までは公務員の給与制度に比較的平等とかあるいは一律とか、そういう傾向が見られたわけでございますが、積極的に較差原理と申しますか、そういうものを導入しようということも感じられるわけでございますけれども、その点でいろんな風評によりますと、私は公務員の皆さん方の給与の方が民間に比べてまだ低いと思うけれども、いろいろな新聞等のあれを見ますと、逆になっているんじゃないかという点もありますので、その点よく人事院として、この勧告の中でも拝見しますと、今回これを取り入れたことについてのいろいろな説明と申しますか、理解を得るような努力が足りないような感じがしますが、その点かえっていろいろな風評から公務員の皆さん方の姿勢の方に悪影響が出てないかという心配もしておりますが、その点どうですか。
#169
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまの御指摘はいろいろと我々も心してこれからやってまいらなければならないと思っております。
 御承知のとおり、民間調査の場合には、全国で四万ぐらいの事業所のうち七千七百カ所というものを対象といたしまして精密にやっているつもりでございます。それが、常用の従業員で言いますと全国で大体六割以上カバーしているということで、現在の方法でずっとやってきたわけでございますけれども、今度の勧告、報告の中にも書いてありますように、官民比較の方法あるいは配分の問題等について将来考えていかなければならないなということもちょっと言及させていただいております。
 ただいま先生の御指摘の点をいろいろと心にとめまして、完璧な民間調査のためにやっていきたいな、かように考えております。
#170
○太田淳夫君 週休二日制の問題につきましては、先ほどから同僚委員からもお話がございました。また、長官の方からも四月一日からの実施を目標とするということでお話もございましたが、人事院の考え方もやはりそれと同じように、これから試行されるところもあるようでございますけれども、完全週休二日制の実施につきましてはやはり基本的には全員一律が望ましい、こういうお考えなんですね、どうですか。
#171
○政府委員(大島満君) 完全週休二日制の実施に当たりましては、先ほど来いろいろ申し上げておりますように、交代制等職員の週四十時間勤務制の試行を実施中の部門と、試行の実施に向けて準備を進めている部門がございますので、これらの試行状況あるいは試行に入った場合の試行状況というものを見きわめる必要があるわけでございますが、本院といたしましては、従来からできれば全員一律に実施することが望ましいと考えておりまして、できるだけ早く本格実施ができるように試行を通じて早急に必要な条件整備が図られることを期待しております。
 しかしながら、試行を通じての条件整備がおくれた場合には、人事院といたしましては、既に本格実施移行可能な部門に配慮して結論を出す必要があるときも来るんじゃないか、そのように考えております。
#172
○太田淳夫君 参議院議長に提出されましたこれを拝見しておりましたら、十四ページですか、「社会の変化に対応した勤務時間・休暇制度」ということで御意見が出ておりますね。この中に
「心身のリフレッシュや創造性の増進を図り、社会の高齢化、核家族化の進展や女性の職場への進出などに対応するため、新たな休暇制度の導入についても検討していくごととする」と書いてありますが、人事院総裁がこのようにおっしゃっておりますところの新たな休暇制度の導入、これはどのようなお考えであるんでしょうか。
#173
○政府委員(弥富啓之助君) ただいま御指摘の点でございますが、去年夏季休暇三日の勧告をしたわけでございます。やはり今時短の問題、これはゆとりある社会のために、労働時間を短縮するというふうな一つの国民的な課題のためにいろいろ休暇制度を考えていかなければならないのではないか、この問題意識は持っているわけでございます。
 ただ、いろいろ介護休暇とか、あるいはその他女性の社会進出に伴いまして家庭の責任との両立とかいろいろなことを考え、あるいは高齢社会のための問題、いろいろなそれに対処するために休暇制度を考えていく問題意識はございますけれども、民間との準拠というものがこれはどうしてもなければいけないということで、スクリーニング休暇とかいろいろあると思いますけれども、やはり民間の実情を調査いたしましても、パーセンテージがちょっとまだ準拠してそれを勧告するまでには至っていない。でも、これからはやはりそういうゆとりある社会に向けましてそういうのが当然問題になってくるわけでございますので、人事院といたしましても常に目配りをきかしていきたいなと、かように考えている次第でございます。
#174
○太田淳夫君 確かに、先ほど厚生省の方もお述べになりましたけれども、私たちもかってスウェーデンヘ参りましたときに、病院の方々といろいろと懇談しておりましたけれども、夏季には法律でもう一カ月間の休暇をとらなきゃならないということで、そういう制度もできているようでございまして、どうか公務員の皆様方のよき休暇制度の導入を目指して研究を進めていただきたい、また実施もしていただきたい、このことを申しまして質問を終わります。
#175
○吉川春子君 総務庁長官、端的にお伺いいたしますが、人勧の年内実施ということを考えた場合に、今国会に給与法の改正案が提出されることが必要と思いますが、今国会に提出される可能性はいかがでしょうか。
#176
○国務大臣(佐々木満君) これは、私はもうとにかく政府部内で早期完全実施のために一生懸命に努力する立場でございまして、そのほかに財政事情とかいろいろ考える立場の人がおられるわけでありますから、私から何とも申し上げられませんけれども、とにかく私は総務庁長官として、一日も早く完全実施ができるように引き続き努力をしてまいりたい、こう思っております。
#177
○吉川春子君 その答弁は何遍も聞きました。
 それで、それを踏まえて伺っているんですが、今国会の法案の提出はできますかどうか。一言で結構です。
#178
○国務大臣(佐々木満君) それは、政府を代表して官房長官がさっき答弁されましたが、現段階では申し上げられないということだったと思います。しかし、官房長官も最大の努力をしたいと、こう申しておりましたので、私はそういうふうに理解をいたしております。
#179
○吉川春子君 昭和四十八年に、人事院勧告が八月九日に行われて、そして法案の閣議決定が九月の二十一日、国会提出が同日、そして改正法成立が九月の二十六日という例があります。これは五十六年三月の人事局報によりますと、こういうふうに行えたのは「政府が勧告の早期処理について特段の努力をしたこと、国会が開会中であったことがあいまって、従来になく早い時期に関係法律案が改正されることとなった」と、こういうふうにされておりまして、例もあるわけなんで、十分可能性はあると思うんですね。
 私、中身についてはこれから質問いたしますけれども、早期実施とか、四月にさかのぼって年内実施ということになれば、今国会の法案提出ということが国会法の改正とも相まって避けられないと思いますが、今の過去の事例との関係で、どうですか、一言答弁お願いいたします。
#180
○国務大臣(佐々木満君) それぞれの年にはそれぞれの事情があったと思いますが、いずれにしましてもそういう方向に向けて努力をいたします。
#181
○吉川春子君 次の質問は、先ほど同僚議員が行いましたけれども、総務庁長官は人事院へ今度の人勧の前に申し入れを行ったということですが、これについて人事院総裁は、佐々木長官の申し入れを受けて、そして本省の職員の給与改善を行ったということは否定されませんでした。
 人事院は、言うまでもなく、政治的勢力その他の情実が公務員制度に介入することを排除し、人事行政の公正、中立性を確保することを使命としている。また、労働基本権制約に対する代償措置として、労使いずれにも属さない第三者として公平に機能することが求められている。その独立性が強く保障される必要があり、国家公務員法も人事院に高度の独立性を与えているわけなんですね。今度の総務庁長官の人事院への申し入れは、この人事院の独立性を侵す疑いがあるんじゃないですか。仮に政府がことしは予算がないから人勧の凍結などと、こういう申し入れをされたらどうするんですか。人事院総裁が、「話はよく分かった。検討する」と新聞の報道にもありますけれども、これは余りにも独立性をみずから投げ捨てた行動と言わざるを得ません。
 私は、長官と人事院総裁お二人に要望いたしますけれども、このような人事院の独立性を侵すようなことを絶対にしない、そういう答弁を求めます。
#182
○国務大臣(佐々木満君) 申し入れをしたというようなお話でございますけれども、先ほど来お答えを申し上げておりますとおり、そういうことではございません。とにかく閣議でこういう話がありましたよ、こういうことをお伝え申し上げたということでございます。
 私はもちろん、人事院というものの権限と申しますか、そういうものを侵すつもりは全然ございませんで、ただ、私も使用者として、あるいは任命権者の一人として、あるいは給与担当大臣として、いろんな方々からいろんなお話を伺いますし、私自身も考えることもございますので、それぞれの機会にそういう私の考え、あるいはお聞きして気がついたこと等をお話し申し上げる。これは私は何も悪いごとではないと思うので、今後もそういうことは続けてまいりたい、こう思っております。
#183
○政府委員(弥富啓之助君) 先ほどのお話にもございました、既に総務庁長官の方からお答えございましたように、あれは今お話しのように、閣議決定とか閣議了解とかそういうことで私のところに来られたとは私も全然思っておりません。そのときの新聞記事をちょっと見てみるわけでございますが、いろいろありまして、「「よく研究してみましょう」と答えるにとどまり、改善の確約は得られずじまい」と書いているところもあれば、「話はよく分かった。検討する」とか、あるいは全然私の答えも書いていないところもあるようでございます。
 やはり、この間の五月十四日でございましたか、総務庁長官がお見えになりましたときにも、私は、内閣の閣議の意向を持って来られたわけではなくて、やはり使用者のお話、使用者の意見としてこういうのを研究してみられたらいかがでしょうかというようなお話であったと思います。それで、長官のお人柄もあり、私もちょっとそれをお話しして、余り私自身圧力などということは全然考えておりませんで、ほかの話の方が多かったように記憶しております。
 それはそれとして、人勧の凍結と。かそういうお話ではなくて、人事院勧告について、勧告自体の作業中に内閣からいろいろなことを言われるというような、これは法律的にそういう筋合いはございません。しかし、勧告を出して、それは政府の方でどうお取り上げになるか、我々の方では早期
完全実施を心から願うわけでありますが、それとはちょっと違う、そういう状態であったということを申し上げておいて、またそれで、それによって人事院の独立性、自主性を損なったという考えは私今持っておらないということを申し上げさせていただきたいと思います。
#184
○吉川春子君 新聞記事どれを見ても、人事院は独立しているから干渉は受けないんだというような毅然とした態度は感じられないということははっきりしています。私は、もう繰り返しませんけれども、そういうことはやる方もやる方だし、わかりましたと言う方も言う方なんですね。人事院の法的な問題については、私たちいろいろ意見はありますけれども、もっとやっぱり人事院というものが持っている独立性というものを大切にされて対処されるように強く要望しておきます。
 それで、その次に、本省の課長補佐に俸給の特別調整額六種八%を今度つけるということで、人事院からいただきました資料により計算してみましたら、昨年もう既に優遇措置ができました一時金も加えますと、八級の六号、八級の十三号で九十万円以上の増額になるんですよね。こんな優遇措置をどうして課長補佐にだけやるんですか。
#185
○政府委員(森園幸男君) 今、御指摘の九十万幾らというのは恐らく年収の数字がと思いますが、そういう計算はしておりませんので、それはさておきまして、本省職員の処遇というのを何かやはり改善する必要があるんじゃないかという問題、先ほど言いました俸給表上の問題を省きまして課長補佐問題に限って申しますと、従来から本省庁の職員の改善という問題のときには、本省課長補佐というのはやはり中心的な話題でございました。
 これは、やはり現実におきましても、実務上の仕事の事実上の中心となって働いておるという実情がございますし、また、同等でございます管区機関の課長等は既に管理職手当、いわゆる特別調整額が支給されている。場合によっては、本省の課長補佐に復帰いたしますと固定給が下がるという例もあるというようなことなどからこういう問題提起があったわけでございまして、この際、本省の課長補佐には、同等であります管区機関の課長等との均衡を考慮して特別調整額を支給することといたしたわけでございます。
#186
○吉川春子君 従来、特別調整額、管理職手当を支給される管理職は職員団体のメンバーとなり得ないとされていました。今回管理職手当を支給されることになった課長補佐は、こういう職員団体のメンバーになり得ない管理職になるんですか。
#187
○政府委員(森園幸男君) 前者で御指摘のあったことは吉川委員の誤解かと思います。私どもの現時点におきます特別調整額の支給範囲と、いわゆる職員団体におきます管理職員の範囲とは決してイコールではございません。今回の措置も給与上の措置にとどまるわけでございます。
#188
○吉川春子君 ちょっと時間の関係で省略して言っているんですよね。要するに、「等」がついているからいろんなものがあるんですが、今度課長補佐が管理職手当をつけられるということは、即職員団体のメンバーになり得ない管理職にはなれないという、そういう答弁と見ていいですか。
#189
○政府委員(森園幸男君) 今回特別調整額を支給されることとなります課長補佐が、そのことによって職員団体制度上の管理職員等の中に入ることにはなりませんということでございます。
#190
○吉川春子君 将来的にはやっぱり課長補佐も職員団体に入らないようにしていく布石ではなかろうかと私は思うんですが、しかし、それはともかくとして、現に管理職手当を支給されるとなると意識も職員団体から離れていく、そういう効果もねらっての措置じゃないでしょうか。
 それで、時別調整額は今まで超勤手当の代替的な機能をも持っているとされていたんですけれども、今度は超勤手当、管理職員特別勤務手当の支給をあわせて行うということは、管理職手当の性格を変えていくんですか。
#191
○政府委員(森園幸男君) まず第一点ございますが、職員団体制度におきます管理職員等とする布石という意識は毛頭、かけらも持っておりません。
 それから第二点、特別調整額の性格が変わったかどうかということでございますが、特別調整額につきましては給与法の十条の二にございますような要件がございますので、私どもは、今日の課長補佐の職務の実態を見ますと、要件にかなうものという認識をしたわけでございまして、基本的にその性格が変わるということではございません。
 ただし、超過勤務手当との関係で申しますと、従来概括的に超過勤務手当を代替されていたということは事実でございましょうが、今回の課長補佐に対する措置自体は、課長補佐について何らかの給与上の優遇措置を講じようとします場合に、かえって管理職手当を支給しますと減収になるという例が多々出てまいるものでございますから、これは減収にならないような措置を講ずる必要がある。ちなみに民間企業におきましても、下級管理職に役付手当を支給する場合にあっても残業手当を併給する例が多いという事実もございます。
#192
○吉川春子君 苦労しているのは課長補佐だけではありませんで、もう定数削減のもとで係長以下みんな苦労しているんですから、課長補佐だけ優遇すると、そういう方法は本当におかしいと思うんです。
 それでもう一つ、本庁職員の特別改善問題について伺いますけれども、この措置の対象となる人数独行(一)適用職員が二十二万四千人ほどいますけれども、その中の一三%弱ぐらいですね。イエスかノーでいいです。
#193
○政府委員(森園幸男君) 端的にイエスかノーで非常に答えにくい問題でございまして、この改善原資をもって若い号俸から十号程度までを意識しながら改善したというのは事実でございますが、そのちょうど境目あたりのところは百円刻みの金額でもございますし、いろんな調整あるいは前後の職務の級間のそごを来さないような扱いということも大事でございますので、絶対的にどの号俸までが優遇対象だというほど限界がはっきりしているわけじゃございませんので、数字的な面で今正確に何人というような程度までにわかにお出しするのは大変難しいわけです。
 およそかたいところでどのくらいかというのは、また追ってお知らせできる機会があるかと思います。
#194
○吉川春子君 まあ大体遠からずというところだと思います。
 それで、特別改善を受けられないのは、例えば三級以下のすべてと四級以上でも数の多い号俸にある人は受けられないわけですが、これには比較的勤務年数の多い人あるいは女性などが含まれるわけですけれども、エリート職員ではない一般の職員の退職前の到達級と言われる六、七級では、この措置の対象となる職員は一割に満たないわけですね。一方、本省庁の課長や部長などいわゆるキャリア組と言われている職員が多くを占めている九から十一級では対象者は四割前後に達している。だからこうした職員には手厚い特別措置だという批判は当然だというふうに思うわけです。
 それで、ちょっと女子のことで伺いたいんですけれども、女子職員は三級以下が約六割で、この六割の人は今度の改善の対象から全く外されているし、四級以上も若いところよりは数の多い号俸に女子が固まっているわけです。今度の改善措置と言われる中で女子職員が対象になるのは私は六%ぐらいと算出したんですけれども、どうですか。
#195
○政府委員(森園幸男君) 今度の措置は男女という性を全く意識はしておりませんので、私どももそういう面からはじいたこともございません。ちょっとにわかにはお答えいたしかねるわけです。
#196
○吉川春子君 そこが問題なんですよ。この間も男女を全然意識しないと言いながら一時金の加算も女子を外しているわけです。やっぱり給与改善
するときは女子を意識してやらないといけないんですよ。こうやれば女子はもっと格差がっくかどうか、そういうところも念頭に置かないで人事院勧告をやるというのは何事ですか。人事院総裁、女子のことは念頭になくていつも人事院勧告をやっているんですか。
#197
○政府委員(弥富啓之助君) そんなことは毛頭ございません。
#198
○吉川春子君 何が毛頭ないんですか。女子のことは毛頭念頭にないということなんですか。
#199
○政府委員(弥富啓之助君) 女子を念頭に置いて女子を殊さら不利にする、そういうような考えは毛頭ございません。
#200
○吉川春子君 そうじゃないんですよ。女子を念頭に置いて、女子が今低いんだからそれを下げないようにむしろ女子を優遇するように、そういう立場で人事院勧告すべきで、女性のことは毛頭念頭になくて今度の措置をやったなどという答弁はおかしいと思うんです。訂正してください。
#201
○政府委員(森園幸男君) 各級各号俸には男女いろんな分布をいたしておるわけでございまして、公務員制度上は男女の差別をするということは禁止されておりますので、私どもは手段としても女子だけをどうするということは持ち得ないわけでございまして、要するに級号俸という名目でやったわけでございますから、その中に入っておれば優遇される、入っていなければそうじゃない、それだけのことでございます。
#202
○吉川春子君 現に女子は下の方に固まっているわけなんです。だからそういうこともちゃんと視野に入れながら人事院勧告をしてほしいと、そういうものを引き上げるための人事院勧告を要求しておきます。
 それで、週休二日制問題ですが、時間がなくて駆け足ですが、最も困難な国立病院を含めて公務一体で平成四年度早期実施を求めた人事院勧告が行われているわけですが、問題が二つあります。
 まず第一に、試行に入る二十五施設の大部分で土曜休診で行うわけですから、これは政府の三ない主義の立場からいってもサービスの低下につながるんじゃないですか、どうですか。
#203
○説明員(真野章君) 国立病院・療養所、先生御指摘のとおりこの九月二十九日から二十五の施設で試行に入りたいというふうに今鋭意準備を進めております。御案内のとおりいろいろな難しい事情がございまして、そういう面からも土曜日を原則休診させていただきまして試行に入りたい。
 なお、先行されております国立大学の附属病院におきましても、土曜日の原則休診で試行に入られているというような状況も勘案いたしまして、またできるだけ地域の医療に御迷惑をかけないように、地域の医療との連携を保つような御理解をいただくための努力をしているという状況でございます。
#204
○吉川春子君 国立病院の土曜休診ということは、その地域のサービスの物すごい低下につながるわけで、救急医療はもちろんのこと患者、地域住民、地方自治体、関係労働者、医師会、そういう医療関係者や住民の理解と合意を得て進めるのは当然のことなんですね。私はこういう土曜休診というのは大きな問題があるというふうに思います。
 それから、政府の三ない主義のあとの二つの原則のあおりを受けて看護婦さん初め医療労働者が権利をすごく侵されているんです。そもそも人事院では、完全週休二日制というのは労働者の時短が目的で、勤務時間が月曜から金曜までの五日間において割り振るものとする、そして交代制勤務において週休二日制については必要に応じ弾力的な運用ができるとしていますが、あくまで週休二日、土日は休日なんですが、今度の試行実施二十五施設のうちそれにならないところ、四週六休とか四週七休とかいうのはどれぐらいありますか。
#205
○説明員(真野章君) 私ども、二十五の施設で原則形でございます四週八休の対応をとれるところが試行に入っていただきます方々の八五%、そしてその一つ手前の四週七休の形態が一四・五%ということで大部分原則形で試行に入れるというふうに考えております。
#206
○吉川春子君 だから、一五%が四週八休じゃないわけですね。しかも今度試行に入る二十五施設は比較的やりやすいところをビリクアップして試行に入るわけですね。そこで、そういう数字ですからやっぱり週休二日制を取り入れて住民サービスの低下も来さないということであれば定数の増、これは避けて通れないんですね。閣議了解の三ない主義の、定数はふやさない、予算はふやさない、こういうやり方はとんでもない。私は、定数をきちっと確保して、そして週休二日制に移行すべきだということを強く要求しておきます。
 もう時間がないので残念ですが、もう一つ最後に聞きます。
 総務庁長官、育児休業制度、この法案の提出、これも国会法の改正と相まって来年になりますと四月一日実施が間に合わないわけなので、これも今国会に必ず提出してほしい、そのことを、最後に大臣のかたいかたい決意をお伺いしたいと思います。
#207
○国務大臣(佐々木満君) これは本当に私どもは、民間とあわせて来年四月一日からスタートしたいというふうに思っておるわけでございまして、現在人事院からいただいたこの意見具申の中身に格別問題を持っているわけではございません。全く立法作業がおくれているということでございます。
 今、いろいろお話ございましたが、国会の開会等その他いろいろなことがございますので、もろもろのことを踏まえて来年の四月一日から実行できますように最善の努力をしたいと思います。
#208
○吉川春子君 終わります。
#209
○磯村修君 議論も次第に尽きてきているようでありますけれども、給与改善の問題をお伺いしたいと思います。
 今回の勧告では人材確保というところに観点が置かれておりまして、この中で四級以上の一けた号俸に、官民給与対応関係の二部変更によって生じますところの平均五百六十二円ですか、これを充当するというのでありますけれども、それによって実際に民間並みにアップされるのかどうか。
 それからもう一つは、こうした措置はこれからも実施していくのかどうか。さらに、実施していくとすれば、続けていくとすれば、この層に限って行っていくのか、まずその点からお伺いしたいと思います。
#210
○政府委員(森園幸男君) 行政職全体から見て、一人頭五百六十二円に相当する原資を使って、今御指摘のありましたような号俸を中心的な視野に入れた特別の改善をしたのは事実でございますが、高くて例年より数千円程度上がったにすぎませんので、今おっしゃったように民間並みといいましょうか、比較をしたようなところと、いわゆるそこの部分だけで賃金がそのぐらいに達したのかという御質問であれば、なかなかそうはなっていないだろうと率直に申さざるを得ないわけです。
 それで、今後この措置を続けるのかということでございますが、公務部内の改善の配分につきましてはいろんな利害が錯綜するわけですね、受益者側におきまして。したがって、私どもはやはり改善の必要の強いところを重点的にやっていく姿勢は維持しなきゃならないとは思っておりますが、いろんな職員層の意見にも謙虚に耳を傾けて、できるだけ納得されやすいような環境の中でそういう重点的な配分、可能な限りの配分ということはやる必要があろう、こういうふうに思っております。
#211
○磯村修君 やはりこういう措置をとってちょっと心配になることは、そのしわ寄せといいましょうか、影響、波及というものが、例えば号俸の数の多いクラスを見ますと引き上げ率が下がってきております。最低二・八%ですか、そういうふうなところを見ますと、先ほどもお話がありましたけれども、どうしても全国の消費者物価指数の平
均と比べてみても大変下回っている、そういうふうな実態が浮き彫りにされてくるわけなんですけれども、そういう意味合いにおいてどうしても日の当たる部分と陰になる部分が出てくるわけですね。そういう意味合いから、陰の部分の人たちに対するこれからの手当の対応といいましょうか対策といいましょうか、そのお考えがありましたらお伺いしたいと思うんです。
#212
○政府委員(森園幸男君) ことし春の各労働団体の御要望の中にも、昨年に引き続き初任給について十分な配慮をせよという御意見があると同時に、やはり初任給ばかりじゃなくて中堅層もということはよく言われておるわけでございます。私どもは、改善原資の中での話でございますのでおのずと限界がございますが、可能な限りそういう気持ちを持ちながら配分に当たったつもりでおりますけれども、改善原資の許す範囲内でそういう気持ちは引き続き持ち続ける必要はあろう、こういうふうに思っております。
#213
○磯村修君 そういうことから、そういう日陰の部分の層に対する改善ということもこれから十分に留意しながら進めてほしいと思うんです。
 今回の勧告は、先ほども申し上げましたように、人材確保というようなことで一つの特質があるわけなんですけれども、どうしても民間と賃金を比べてみて較差がある。そのために中央省庁、官庁に、役所に人材が集まってこない状況もあるというふうなことなんですけれども、実際に人材が集まらないと言われてはいるんですけれども、実態はどうなのか、それを知りたいんですけれども、お願いします。
#214
○政府委員(吉川共治君) 国家公務員の採用、1種試験ですが、受験の申込者の数を見てみますと、これは民間の採用の意欲が非常に強うございますし、受験者層の就業意識の変化もございます関係で、昭和五十四年をピークとしまして減少の傾向にございます。それで、過去の五年間で見てみますと、昭和六十二年度の申込者数が三万二千三百八名でございますが、これが本年度、平成三年度の数字では三万百二名ということで六・八%減少しておるということでございます。
#215
○磯村修君 それから、中途でやめていく方はどういう状況でありますか。
#216
○政府委員(吉川共治君) 中途でやめていく人の人数ということでございますけれども、私ども調査をしておりますのは俸給哀別、紋別で調査をしておりまして、例えばT種試験についてどういうふうにやめていっているかというような数字は把握をしておりません。
#217
○磯村修君 実態がわからないわけなんですね。
#218
○政府委員(吉川共治君) そうでございます。
#219
○磯村修君 つかみにくいということはどういうことなんですか。
#220
○政府委員(吉川共治君) 給与哀別、級別で調査をしているということでございます。あえて先生お尋ねの点について申し上げますと、行政職の(一)、大体これが給与法適用対象職員の半分近くでございますけれども、これの十級、十一級というのが課長クラスだと思います。そこの中で自己都合でやめていく人、これは必ずしも民間に抜けるということだけではありませんで、自分で弁護士になるとか自由業をやるとか、あるいは家業を継ぐ、そういったものがあろうかと思います。そういう自己都合でやめていく人数というのは大体年間十数名というところでございます。
#221
○磯村修君 人が集まらないというふうな点から申し上げまして、だんだん減少してきているというふうな状況のようではありますけれども、人材を確保するというのはやはり給与面だけではなくて、例えば仕事の面での魅力性といいましょうか、そういう問題もあるのではないかというふうな感じもするんですけれども、仕事の魅力ということにつきまして人事院ではどういうふうなお考えをお持ちですか。仕事の魅力というのはどういうふうに御理解されていますか。
#222
○政府委員(吉川共治君) 確かに、人材を確保する場合に勤務条件をよくするというのが一つ重要な柱でございますが、同時に、委員御指摘のように、仕事を魅力的なものにするということが非常に重要でございまして、これにつきましては、人事院で何かするというよりも各省でやはり勤務の環境をよくするとかあるいは仕事自体に魅力を持たせる、そういうことが非常に重要なんではなかろうかということで、これは各省にもお願いをしていきたいというふうに考えております。
#223
○磯村修君 それから、給与の面でもって現行制度とその運用から見て昇格していく機会を見た場合、どうしても給与改善というと、目に映るものが中央のいわゆる一般的に言われておりますところのキャリア組に対する有利な措置というものがあって、一方においては先ほどお伺いしたように日陰になってくる部分も出てくる。特に地方機関の職員に対する不利益性というものがあるんではなかろうかというふうな印象もあるんですけれども、特にそうしたことが今回の人勧の中にも見られるわけです。そういう意味で、中央に比べていわば地方の人たちが冷遇されているというふうなことも感ずるんですけれども、こうした措置、これからどういうふうに具体的にお進めになっていくのかお伺いしたいと思います。
#224
○政府委員(森園幸男君) 今回、本省庁問題等が起こりまして、中央地方という認識で受け入れられがちでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、俸給表上の措置につきましては形式上、本省、地方という仕分けではなくて、級と号俸をもって対処したということでございます。
 ただ、比率的にはどうかとおっしゃると、中央省庁の職員の分布からいたしましてそちらの方に余計行くだろうということは認識はいたしておりますが、どの階層であれ、私どもはいろんな意味合いでの給与改善の必要がある部分については、それに必要な円滑な手だてを講じていくということが大事であろうと思っておりまして、本省、地方というそういう区別ということではなくて、どういう理由でどういう部分の給与水準がどういうところとの比較で改善しなければならないのかどうかという点については、これからも緻密に精査をしていく必要がある、こういうふうに思っております。
#225
○磯村修君 先ほども一部答弁がございましたけれども、改めてお伺いしたいんですけれども、俸給表によっては級の数自体が少ない面もあります。そういうことから昇格制度改善といいましょうか、なかなか昇格していく面で機会が少なくなってくるというような面もあります。
 教育職のように、教頭あるいは校長にならなければ昇格しないという場合も出てくる。そういう非常に不均衡な面もあるという感じもあるんですけれども、こうした同じ公務員に対する処遇というものをこれからどういうふうに考えるのか、改めて伺います。
#226
○政府委員(森園幸男君) 私どもは、今回の昇格制度の改善を考えました場合に、今御指摘の問題はまず最初に考えなければいけない問題と認識いたしました。そこで、職務の級の数の違い、あるいは数以上に実態として、例えば高等学校の先生がなかなか教頭以上に小中学校の先生以上になりにくいとか、そういう事実も私どもは十分認識する必要があると考えておりまして、行政職におきます平均的な昇格メリットの享受ということとの均衡は全体として何らかの姿で維持する必要があろうということで、これから具体策を考えていきたいと、こういうふうに思っております。
#227
○磯村修君 今回の勧告のもう一つの特徴として、看護婦さんとかあるいは医療職の改善があるんですけれども、一つ伺いたいことは、医療職(三)でもって平均九・二%引き上げられている。この数字自体が、この対象者のほとんどに支給されておりますところの俸給の調整数のうち一を本俸に繰り入れた後の数字だということになります。そうしますと調整数は繰り入れた一の分が減額される、そうするとメリットは余りないんじゃないか。実際にそうした繰り入れ分を除いた本当の意味の本俸の引き上げ率というものがどのくらいになるのか伺いたいと思います。
#228
○政府委員(森園幸男君) ただいま御指摘のとおり、改定前の俸給表と改定後の俸給表、これを比べますと形式上は九・二%の改善ということになりますが、私どもは実質九・二%の大幅改善をしたというような認識なり宣伝なりを毛頭するつもりはございません。九九%の職員について俸給の調整額が支給されておりまして、この位置づけは制度論としましてもおかしいわけでございますので、俸給に繰り入れることといたしたわけでございますが、その効果といいますか、構成部分が約三・九%ございます。したがいまして九・二から三・九引いたものが実質的な医療(三)の平均改善率、こういうことに相なるわけでございます。
#229
○磯村修君 大体実質的には五%くらいのものですね。そうすると、九・二%と五%ということになると、実際面から見ると、ちょっと九・二%というと何か大幅な感じがするんですけれども、実際はさほどでもないというふうなことにもなりますね。そういうことで看護婦の不足というものを解消できるんだろうかというふうな疑問も出てくるわけなんですけれども、その辺いかがですか。
#230
○政府委員(森園幸男君) 単純に引き算をいたしますと五・三%程度になるわけでございます。俸給表、一般的にいいましてことし三・七一というのが標準的な数字と一応考えますと、相当違うといえば違う、程度問題ではございますけれども。私どもは、その看護婦の今回の改善はこれで終わりという認識は毛頭ないわけでございまして、やはり単年度の改善という面につきましてはいろんな職種間の一応の許容範囲といいましょうか、これは感覚的なものでございますが、そういうものもございますので、引き続き改善措置は講じていくつもりでおります。
#231
○磯村修君 もちろん給与改善だけで看護婦不足というのが解消するものではないと思うんです。
 そこで、厚生省にお伺いしたいんですけれども、基本的にはやはり働く条件、職場の労働条件といいましょうか、そういうものを基本的に改善していかないとなかなか人は働きにくいところへはみんな就職したがらない、そういう面が出てくるわけです。やはり根本的には勤務条件の改善、人員配置基準の改善と申しましょうか、あるいは夜勤条件の緩和、こういう本当に人の足りないところには人を充てていくというふうな基本的な問題を改善することが必要であろうと思うんですけれども、この点厚生省はどのようにお考えになっていますか。
#232
○説明員(矢野正子君) 看護職員の確保を図るというためには、御指摘のありましたように働きやすい職場をつくるということが非常に大事なことであるというふうに思っております。こういう観点から看護婦確保対策を充実強化してきているわけでございまして、平成三年度の予算につきましては約四割の増ということで、今申しておられますような労働条件の改善等を含めまして、養成力あるいは院内保育のための助成の強化とかそういうことを図ってきております。
 それからまた、国立病院・療養所、そちらの方につきましては、夜間看護手当をことしから上げておるとか、そしてまた働きやすい職場ということで、実際の業務の内容でありますとかあるいは勤務体制とかそういうものにつきましても今検討している最中でございます。
 それからもう一つ、医療法の人員配置の基準になりますけれども、これにつきましては個々の病院の状況にかかわらず一律に決められておるということがありますので、この見直しにつきましては慎重にしていかなくてはいけないというふうに考えております。また、診療報酬上の基準看護制度等もありますが、これは患者の病状に応じて適切な配慮が行われるようにしてきているというふうに思っております。
#233
○磯村修君 今度の看護婦の給与改定、医療職の給与改定等が民間の方にも影響を及ぼすことになろうかと思うんですけれども、民間と公務との賃金較差というものがだんだん広がってくる。しかし、民間も上げたいんだけれども、なかなか財政的な問題でもって上げにくいというふうな場合も出てくると思うんですね。そこで、そうした事態を少しでも和らげていくために、例えば看護婦の処遇改善に直接つながるような診療報酬の見直しということも検討課題ではなかろうかと思うんですけれども、特にこれからだんだん高齢化社会が進んでいく中での看護婦不足というものは大変深刻な問題だけに、今のような実効ある措置というふうな点につきましてどういうお考えを持っているか、お伺いしたいと思います。
#234
○説明員(矢野正子君) 診療報酬につきましては、これは医療機関が通常の医業経営を行うに当たりまして必要な経費を全体として手当てするという仕組みになっておりまして、例えば今の御指摘のような給料とか、そういったことで支出の方法を個別、具体的に規定する性格のものにはなっておりません。また、給与に関しましては、原則として個別のそれぞれの医療機関の状況を踏まえまして労使間で決められるという性格のものであろうというふうに考えられますので、御指摘のような仕組みをつくるということについては基本的に困難ではなかろうかというふうに考えております。
 しかし、今お話がありますように、看護職員を確保していく上で働きやすい職場をつくっていくことは非常に重要でありますから、労働条件の改善でありますとか、夜勤を含めましてそういう指導を行うとか、あるいは先ほど申し上げましたような予算の措置でありますとか、あるいは国立病院につきましてはそういった、先ほど申し上げましたような手当の増とか、それからさらに診療報酬につきましても、この前の改定におきまして賃金の動向とかあるいは労働時間の短縮、そういった動向を踏まえまして看護料の大幅な引き上げを図ってきているという状況でございます。
#235
○磯村修君 官房長官がお見えになりましたので要望だけしたいと思うんですけれども、先ほど来給与の支給の実施時期等につきまして、長官は、これまでの経緯と実績はよき慣行として念頭に置いて納得が得られるように最大限努力する、このような趣旨のことを御発言になっております。ぜひこれは年内支給というふうなことでもって解決してほしい、このようなことをお願いしておきたいと思います。
 それから、週休二日制のことを最後にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほどの御答弁の中で総務庁長官は、私どもは来年四月一日からの完全実施ということをお願いしたいわけなんですけれども、試行されている部分もありましてなかなか足並みもそろわない部分もあるんでしょうけれども、どうしても移行ができないところが出た場合には決断も必要である、このようにお述べになっておりますね。
 そういう意味合いを踏まえまして、先ほど文部省の御答弁を聞いておりますと、何か来年四月からの完全週休二日制の実施が困難というふうに私話を聞いておりまして受け取ったんですけれども、そうしますと、決断が必要だというふうな意味合いからも、文部省の方では難しいというふうな受け取りもできるような発言もあるわけですから、とにかくここでもう実際四月一日からできるところからばんと一斉に実施できるように決断するときが来ているんではないか、決断すべきではなかろうか、こういうふうに私理解したんですけれども、そういうふうに話を聞いておったんですけれども、その辺総務庁長官、いかがでしょう。
#236
○国務大臣(佐々木満君) 私も、新聞で文部省のお話はお聞きをしたのでございますけれども、まだ正式に文部省から御説明は伺っておりません。
 いずれにしましても、非常に難しかったんですけれども、この九月から国立病院については試行に入っていただくというところまできたわけでございますので、私は今の段階ではまずひとつ試行を一生懸命やってもらって、また文部省の方でも
いろんな条件を整えてもらって、そして私は初めから四月一日を目標にすべきだ、こう申しておるんですけれども、それに向かって足並みをそろえて条件をそろえてもらいたい。こう念願をしておるわけでありまして、どうしてもできない場合は、これはいつの段階からどうするか、条件のそろったところだけスタートするかという決断が必要になるかもしれませんが、現段階では、これから試行に入ろうというところもあるわけでございますので、まだまだ早いんじゃないかな、こう思って関係省庁にひとつ条件を早く整備するように引き続き努力をお願いしてまいりたいと思っております。
#237
○磯村修君 最後にお伺いしたいんですが、仮に学校の五日制の実施がおくれるということになって、公務員全体の完全週休二日制というものが全体的におくれるというふうなことは大変これは残念なことにもなるわけなんですけれども、そういうことがないように、例えば四月一日から一斉に施行できるような形にしていくための一つの方策として、現在の四週六休制のもとで行っておりますところの方法があります。教職員の週四十時間ですね、こういう四十時間制というものを実施していけば四月一日からの公務員全体の完全週休二日制の実現というものはできるんではなかろうか、こういうふうに思うんですけれども、そういう考えはいかがですか。
#238
○政府委員(大島満君) 学校週五日制につきましては、一義的には教育のあり方との関連で検討されるべき問題でございますが、一方では教員の完全週休二日制を進めるという勤務条件の面から見ますと、その実施が望ましいと考えられまして、人事院といたしましても早期に学校週五日制が実施されるように、文部省で行われます調査研究の成果に期待しているところでございます。
 また、学校週五日制の実施がいろいろな理由でおくれた場合には、学校週五日制による完全週休二日制が実現するまでの暫定的な措置としまして、教員の勤務条件を改善する観点から、関係者の努力によりまして今委員が御指摘のような何らかの方策による教員の週四十時間勤務制が確保されることも期待をしているところでございます。
 このような基本的な認識に立ちまして、本年の勧告では、国立大学附属学校の教員の完全週休二日制につきましては、学校週五日制の調査研究を踏まえてできるだけ速やかに対応することを要請しているところでございます。
#239
○磯村修君 終わります。
#240
○田渕哲也君 まず、先ほども質疑の中で触れられた点でありますが、今回の人事院勧告に先立って、去る五月十四日、閣議でいろいろ議論が出た、そしてその意を体して総務庁長官から人事院総裁に対して公務員の給与の改善方についての申し入れが行われた、このような報道がされておるわけであります。これは全く異例のことのように思われるわけでありますけれども、まず確認したいことは、この閣議で問題になった点、閣議の中で出た問題意識、その点について長官にお伺いしたいと思います。
#241
○国務大臣(佐々木満君) これは、その後で私が記者会見したときのメモでございますから正確だと思いますが、一つは、各省庁の職員とつき合っておるんだけれども、特に霞が関の中央省庁の職員といいますと大変忙しくって、同期で民間に入社した者との給与の比較に大変な較差があるようだ、その認識が一つ。それから、それに対してそのとおりだ、いろいろ意見がございましたけれども、官民較差の比較の方法、対象、規模、こういうものにも若干原因があるんじゃないだろうか、こういう点の話もございました。それから、いずれにしてもこれは専門のところで研究してもらうのが適当だ、こういう議論がございました。
 以上です。
#242
○田渕哲也君 そうしますと、中央省庁の公務員の給与が民間に比べて低いということがクローズアップされているわけですね。
 それから、官民較差の比較の方法に問題があるというのは、これは全般の話で、全般の公務員の給与も低いのではないかという趣旨と解していいわけですか。
#243
○国務大臣(佐々木満君) これは、先ほどの閣議の中身のやりとりはそうきちっとしたものじゃございませんで、その中央省庁の、平たい言葉で言えば同期の連中と比べると低いんじゃないか。それから、いやいや、それはその官民較差の比較の方法、それに問題があるんじゃないか。これは一般のことを言っておるのか、今言われた中央省庁だけのことについて言っておるのか、その辺は閣議で詰めた議論じゃございませんので、この点は御理解を賜りたいと思います。
 それから一言だけ申し上げておきますと、私は申し入れをしたというような、構えたようなことじゃございませんので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
#244
○田渕哲也君 それに対して人事院の総裁はどのように感じられましたか。全く同じ問題意識を人事院としても持っておられたのか、別の意見を持っておられたのか。
#245
○政府委員(弥富啓之助君) 先ほど来大分おしかりを受けたようで恐縮に存じておりますが、本年の五月十四日、長官が私のところに訪問されまして、ただいま長官から御説明になりました閣議の模様がこういうことであったよというようなことを伝えられたわけでございます。
 この本省庁職員に対する処遇改善というのは、先ほど来申し上げておりますように、もう十年余になりましょうか、各省庁から問題提起があったところでございまして、これはもうまさに本省庁になかなか人が集まらないということで、何か本省庁の待遇をどうにかしなきゃいけないんじゃないかというような問題意識があったということで、人事院といたしましても幾度となくこれは検討をしてまいった問題でございます。
 したがいまして、閣議で、ただいまお聞きいたしますと種々議論があったようでございますけれども、これはやはり人材確保についての懸念が広く閣議でも示されたということで、我々もそのような問題意識を持っていたということを申し上げておきたいと思います。
 それから、官民比較の問題でございます。公務員給与の水準が民間の給与の水準とどういうふうに対応させるべきか、これはもう基本的な問題でございますので、今直ちにこれを全部にこれからどういうふうにしていくかということを早急にやるという問題でもなく、これはやはり国民の理解を得るということが第一の問題でございますし、それから今度の勧告にも官民比較の問題は将来の問題としてこれは検討しなきゃならないということも書いてあるわけでございまして、やはり全体的な問題として、我々としても将来問題意識を持って十分に検討してまいりたい、かように考えている次第でございます。
#246
○田渕哲也君 そうすると、中央省庁の給与が低いという意識は人事院も同じように持っておられたということになると思いますが、中央省庁の給与が低くなった理由はどこにありますか。
#247
○政府委員(森園幸男君) 中央省庁の給与が低いというよりも、中央省庁の職員の処遇をもう少し改善する必要があるんじゃないかというような問題認識が各省庁あるいは人事院においてもあったのは事実でございます。
 それは、およそ二つぐらいの理由が考えられるわけでございますが、一つは、職員構成がかなり違いまして、例えばT種試験採用者が約四分の一ぐらいおりますが、本省庁以外には三%ぐらいしかいない。ここらあたりが自分は割に賃金の高い大きな企業に行けたと思っている人たちが多いと思われますので、つい比較するときはそこだけ目が行く、そういうこともあろうかと思います。
 それからもう一つは、本省庁の要員として地方機関、これはT種試験以外でございますが、地方機関から人を本省庁要員として異動させてくるということが従来いろんな省庁で長いこと行われてきておりますが、その異動がなかなかやりにくくなった、なかなか本省に来たがらない、それで悲
鳴を上げているということは常々私どもは各省庁の人事当局から聞いておるわけでございます。今の公務員、民間の賃金といいますのは、これは企業の違いもございますけれども、地域的な差というのも相当大きいわけでございますが、公務員の場合には御承知のとおり調整手当一〇%の差しかない、そこら程度の給与メリットでは東京に来たがらないということもあったり、いろんな要因があろうかと思うんです。
 そういうことで処遇改善の必要があるんではないかという認識は私ども思っておったわけですが、何と比べて低いという具体的なそういう認識は特に持っていたということでは必ずしもないわけでございます。
#248
○田渕哲也君 今のお話を整理しますと、一つは、本省の採用する人は比較的水準の高い人であるし、また仕事の内容も質が高い、それに見合った給料ではない。それからもう一つは、東京は生活費が高い、だから地方から来たがらないというようなことになろうかと思うんです。生活費の問題はこれは調整手当のようなもので処理をすべき問題だと思います。それから、仕事の質そのものがやっぱり中央と地方とで差があるならばそれに見合った給与体系というものにしなければならないと思うんです。大体そのように理解していいわけですか。
#249
○政府委員(森園幸男君) 本省庁の給与、それぞれ素朴に抱く給与の官民均衡感が低く感じられているということについては今御指摘のようなことであろうと思いますが、その措置としまして、仕事の内容が本省と地方ともし違うとするならば、御指摘のような方法論もあろうかと思いますけれども、仕事の内容の違いというのはなかなか厳格に立証といいましょうか、仕分けして顕著に両方比較するということは難しいわけでございまして、これは省庁の地方機関の構成とかあるいは権限委任の実態とかいろんなことがありましょうから、私どもは、そういう任務の面から中央省庁とそれ以外というのを分けた、先ほども出ました例えば俸給表の仕分けというようなことはやはり適当ではなかろう、こういうふうに考えております。
#250
○田渕哲也君 そうすると、同じ学校から来た仲間とかそういう中で比較してみると、やっぱり安さが目立つ。ということは、官民比較の問題が全国一律にやって適用するというところにも問題があるような気もするわけですね。東京だけで官民比較をやるとやはりかなり差が出てくるということではないかと思うんです。今回そういうことを若干反映されて改善が行われたわけですけれども、今回のこの改善で十分その問題が処理されたとお考えですか、あるいはまだまだ不足だとお考えですか。
#251
○政府委員(森園幸男君) 公務員の給与が、全体としてとらえて概括的に官民均衡する中にありましても、部分部分をとらえますと必ずしも比較すべき相互の均衡をとるというのはなかなか難しいわけでございます。
 そこで、じゃ、かなり部分部分という比較をした場合に、相当乖離感のあるところを若干手直しするならばどういう方法で臨むべきか、こういうことになるわけでございます。その場合には問題点が二つございまして、一つは、それじゃ相対的な官民較差の出し方は今でもそうおかしくないけれども、公務部内の配分において、行き過ぎというのはちょっと語弊があるかもしれませんが、相対的に平等化、同質化し過ぎて、もっと力点がいくべきところに余計いくというふうになっていないのかどうかというのが第一点。
 それから第二点は、配分のあり方について大きな問題はないにしても、やはり公務員にいろんな公務員なり仕事がございますから、その比較の相手といいましょうか、部分的にせよ官民較差の出し方を検討する余地があるのではないのかという二点の問題があろうかと思っております。
 そこで、今後この問題を考えていくには、いずれも二面から取り組んでいく必要がある、こういう認識を持っているわけでございます。
#252
○田渕哲也君 それから、人事院勧告の早期完全実施の問題ですが、これはいつも人事院勧告が出る都度委員会でも問題になる点です。今回もいまだにはっきりした答弁が得られない、こういうこと自体が非常におかしなことではないかと思うんですね。特に困難な事情がある場合は別としまして、普通ならばこれは当然のこととして事務的に処理すべき問題ではないかと思うんです。今回いまだにいつ法案が出されるかもはっきりしないというのはどういう困難な事情があるんですか、お伺いしたいと思います。
#253
○国務大臣(佐々木満君) これは、従来のことは余り存じませんけれども、恐らく従来も同じだったと思いますけれども、やはり勧告でございますから早期完全実施したい、この気持ちは政府部内だれも異論はないと思うのでございますけれども、やっぱりいろいろな関連、特に財政事情の検討が一番重要な問題でありますから、そういうことでおくれておるのじゃないか、こう私は思います。
 その他いろいろございます。経済全体に与える経済企画庁的な点からの検討も必要でしょう。ですけれども、私は、やっぱり財政事情の検討が一番重要な問題ではないかな、現段階ではそう思っております。
#254
○田渕哲也君 財政事情と言われますけれども、これは当然必要な経費ですよね。だから本来ならやっぱり予算で見込んでおかないといかぬ。予算ではっきりした額を確定できないならば、予備費でそれが処理できるように当初予算で組んでおかないといけない問題ではないかと思うんです。それがその都度補正予算を組まなければ払えない。そういうことだからどんどんおくれてくるということもあると思いますね。この辺の改善はいつも問題になっておりますが、長官はどうお考えですか。
#255
○国務大臣(佐々木満君) これは、そういう御意見は私ども十分承知しております。そういうことで今年度につきましては一・五%ですか、一千何百億を計上しておるわけでございますけれども、全体が四千億を超えると申しますので、その辺の検討がこれからの詰めになるだろうと思います。
 しかし、考え方としては、人事院勧告というのは人事院勧告制度の趣旨からしまして早期完全実施、したがって必要な経費は見積もれるものならば当初で見積もっておくべきものだ、私はそう思っております。
#256
○田渕哲也君 どっちみちこれ払わないといかぬものです。それならもう当初の予算に組んでおけば、人事院勧告が出れば間髪を入れず実施ができるわけですね。そういう制度に変えていかれるべきだと思いますが、どうですか。
#257
○国務大臣(佐々木満君) 私は、そういうことを推進する立場でありますから、全く同じ意見を持っておるのでございます。政府部内でそういう立場で努力をしてまいらなきゃならぬと思っております。
#258
○田渕哲也君 次に、指定職の給与の引き上げについて今回五%ということになっております。五%になったのは過去のおくれを取り戻すということだと思いますが、同時に官民較差というものについてどのように判断されておるか、お伺いしたいと思います。
#259
○政府委員(森園幸男君) 指定職俸給表につきましては、民間の役員の報酬を参考にして従来基本としてはやってまいったわけでございますが、今御指摘がありましたように過去指定職だけ上げなかったこともございますので、一昨年勧告で触れたところによりまして、昨年から行政職を若干上回るような改善を三年ぐらい続けようという方針でおりまして、ことしもその線上にございますが、なおその線上にある中では官民の役員の報酬との開きは相当ございますので、行政職を上回る改善を三年ぐらい続けることによって少しでも縮めていこう、こういうことでございます。
#260
○田渕哲也君 官民較差のとり方もいろいろありますが、一例として五百人以上の民間企業の役員
と比較した場合に非常に大きな較差があって、ちょっと現実的ではないような気がするわけですね。これはなかなか縮めるといっても不可能ではないか。
 それから、民間企業の役員というのは給与も高いけれどもリスクも負っておるわけで、それと比較して全く同等でなければならないと言えるのかどうか、あるいはもっと高くてもいいという考え方もあるかもわかりませんけれども、その辺はいかがですか。
#261
○政府委員(森園幸男君) 民間役員の報酬あるいはいわゆるボーナス等役員賞与を考えました場合に、こちらの月給ベースと民間の報酬ベースでは非常な開きがございます。しかしながら、年収ベースで見ますとそれがやや接近するものでございますから、私どもは現在のところ年収ベースの比較を頭に置いて考えておるわけです。
 それで、民間役員の規模のとり方についても、これはいろいろ議論がございまして、現在五百人以上、こういうことでやっておるわけでございますけれども、将来的にはそれでいいのかどうかというのもございまして、先ほど一般職員の民間比較法の問題というのも検討課題になっておりますが、それとの関連も全くないわけではございませんので、なお今後研究してまいりたい、こう考えております。
#262
○田渕哲也君 それから、公務員の定年制というのがあるわけですけれども、離職状況を見ますと定年になる前にやめる人が非常に多いわけです。定年退職をする人よりもはるかに多い人が大体五十歳代後半ぐらいでやめる。これは勧奨退職という制度があるからだとも言われますけれども、私は定年制のある限りはやっぱり定年まできちんとやれるようにするのが筋ではないかと思いますね。
 それから、指定職の人も割に若くて退任される。民間の役員なんかは会社の定年制でも一般従業員よりはかなり長くなっている。それが私は非常に中途半端というか、公務員の人は余生をどう送ろうかと常に悩み考えなくてはならない。それが天下りということにもつながっていくと思うんですね。だから、私はやっぱり必要で有能な人はもっと長くやってもらってもいいじゃないか。それから、特に幹部の方々が天下りするのが非常に問題になると思います。役所に対しても影響力を持っておる、そういう人が天下りをすることが問題になるわけでありまして、だから指定職の人とか幹部の方はもっと長く働けるように制度を変えた方がいいのではないかと思いますけれども、この点はどうお考えですか。
#263
○政府委員(丹羽清之助君) ただいま先生お述べになりました天下りとの関係での定年制度のあり方につきましては、お考えを御見識として承らせていただきたいと思います。
 私ども人事院とい火しましては、今先生おっしゃったようなこともございますので、本年の給与勧告の報告でも言及いたしましたとおり、高齢社会の問題への対応は公務におきましても避けて通ることのできないものでありまして、今後の人事行政全般に大きな影響を及ぼす極めて重要なものというふうに考えております。したがいまして、今申しましたような点を、将来を展望しながらこのような問題につきましては適切に対応していくことが非常に重要な問題であろうと考えて、現在高齢者の問題等にも取り組んでいるところでございます。
#264
○田渕哲也君 これはぜひ早急に検討していただきたいと思います。これから高齢化社会を迎えますし、年金財政も非常に苦しいわけですから、やっぱり民間の人でも会社をやめてからも大体六十五ぐらいまでは皆働きたい、また働いている人も多いわけでありますから、公務員だってそれぐらいまでは働こうと思えば働けるというような制度にしておかないとまずいんじゃないかと思いますけれども、人事院の総裁並びに総務庁長官の御意見をお伺いしたいと思います。
#265
○政府委員(弥富啓之助君) ただいま委員御指摘のとおり、これから長寿社会と申しますか高齢社会が各国に例のない速さで進んでいくわけでございます。当院といたしましても、ことしの四月から高齢対策室というのを設けまして、鋭意これからの長寿社会に対するいろんな対応を検討していっておるところでございまして、政府におきまして六十一年でございましたか、閣議で長寿社会対策大綱というのを策定されまして、その中に、たしか当面六十五歳程度の継続雇用というものをうたっておるようでございます。公務員におきましてもそれに倣いまして、いろいろとこれからそういう点につきまして高齢者の任用とかあるいはその待遇とか、それを検討していかなければなるまいと、かように考えておる次第でございます。
#266
○政府委員(山田馨司君) 総務庁におきましてもいろいろ検討をしております。平成元年の三月に「被用者年金の支給開始年齢の引上げについて」の閣議決定が行われまして、そのときに、「共済年金については、その職域における就業に関する制度・運営等にも留意しつつ検討を進め、厚生年金との整合性を図る観点から、上記と同様の趣旨の措置を講ずるよう対処していくこととする」という閣議決定が行われました。これを受けまして、人事局におきましても平成二年度及び三年度に諸外国及び退職した国家公務員の実態調査、それから在職公務員等の意識調査、また高齢者雇用方策の事例調査等を実施いたしまして、種々の実態の把握に努めることといたしております。
 これの関係で、関係省庁の局長クラスを構成員とする検討委員会を設けておりまして、そういったところで今後種々の観点からこの国家公務員の高齢雇用の問題について検討してまいりたいと考えております。
#267
○国務大臣(佐々木満君) お話は私にもよく理解のできることでございます。社会経済情勢の変化をも踏まえながらひとつ勉強してまいりたい、こう思います。
#268
○田渕哲也君 終わります。
#269
○委員長(梶原清君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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