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1947/07/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第4号
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1947/07/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 決算委員会 第4号

#1
第001回国会 決算委員会 第4号
昭和二十二年七月三十日(水曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 竹谷源太郎君 理事 島村 一郎君
      片島  港君    河合 義一君
      高津 正道君    玉井 祐吉君
      辻井民之助君    戸叶 里子君
      大上  司君    中曽根康弘君
      長尾 達生君    西田 隆男君
      松本 一郎君    岩本 信行君
      冨田  照君    平井 義一君
      水田三喜男君    受田 新吉君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   河野 一之君
 委員外の出席者
        會計檢査院長  荒井誠一郎君
        大藏事務官   正示啓次郎君
    ―――――――――――――
七月二十五日
 昭和二十年度藏入歳出總決算、昭和二十年度特
 別會計歳入歳出決算
の審査を本委員會に付託された。
七月二十六日
 建設省設置に關する請願(坂東孝太郎君紹介)
 (第三七號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十年度歳入歳出總決算、昭和二十年度特
 別會計歳入歳出決算
    ―――――――――――――
#2
○竹山委員長 これより會議を開きます。
 本日は二十五日に政府より提出になりました二十年度の歳入歳出總決算及び昭和二十年度の特別會計歳入歳出決算これについて二十六日にただちに委員會を開きまして、會計檢査院長の出席を求むる件等についてお諮りをいたしました。本日は議長よりの要求に基きまして、國會法第七十二條によつて、會計檢査院長が出席をいたしております。これより大藏大臣よりの説明を伺つた上で、荒井會計檢査院長より御報告を求めまして、その後の審議にはいりたいと思うのであります。
 決算の審議にはいりますに際して、私として一言申し上げておきたいと思います。御承知の通り、新憲法のもとにおきまして、それぞれの國會法、財政法、その他新たになりましたこの機會において、從來の國會の財政監督權、決算に對する實情を考えてみますならば、いろいろ思い當ることが多いのであります。戰爭中のことをとやかく言うてもいたし方ありませんが、今日の非常に困難な國情において、一錢一厘といえども國民の膏血によつて賄われておる國家財政がいかに處理せられるかということは、國民の非常な重大關心事であります。戰爭中は印刷された札によつてとかく國民も無關心であり、國會もはなはだ無關心であり、政府もそれによつて非常に私は無關心になり過ぎたと思います。その結果が今日官僚に對する國民の信頼感を失つた大きな原因だと思います。これは政府も十分に考えなければならぬと同時に、國會も國會の新たなる權威において、新しい感覚に基いて、この決算の處理に當らなければならぬと考えるわけであります。從つて今日は新たなる制度に基いて、會計檢査院長の出席を求めた次第でありまして、この點は荒井會計檢査院長にこの席より敬意を表する次第であります。委員會といたしましてもさような心組をもちまして、まつたく新たなる心持によつて、政府に對しましても、また會計檢査院に對しましても、求めることは求めてまいりたい。そうして國家再建のために政府がほんとうに國民の信頼をかち得て、ほんとうにうまく動いていくために、國會としての責任を果したと考えるのであります。從つて今囘提案になりました二十年度の決算は、あたかも終戰のまつたく大旋風の中における決算でありまして、種々困難なる事態であつたということは想像をされると同時に、これに對する處置を一歩誤れば、現在の政府が官僚の種々なる問題に對して、新しい態勢に切りかえていかなければならぬという責任に直面をしている政府としての、これは重大なる問題だと思うのであります。決して過去のことを過去として葬るわけにいかない。現在の官僚に對する心組みを新たにする意味においても、この新しい國會がこの決算に對する心構えとして、政府がこれをいかに處理をされるかということに對しては、重大なる關心をもつているわけであります。どうかその意味におきまして、政府も今後の審査にあつてはこれに應ぜられんことを希望をいたしておくのであります。從つてぜひ今日は大藏大臣の出席を求めて政府の見解を伺つておきたいと思いますが、時間の關係上、一應の説明は政務次官からされるということでありますから、この點は一應了承をいたしまして、説明後におきまして、政府の見解についての應酬は、大藏大臣が出席をした上ですることにして、質問等は留保をいたしておきたいと考えるのであります。以上、私のこの決算審議にあたりまして、委員總員の心持を代表いたしましての見解を申し述べた次第であります。
 なお、説明にはいるにあたりまして、中曽根君から發言の御要求がありますので、これを許します。中曽根君。
#3
○中曽根委員 決算委員會の運營に關して二、三私の所見を申し上げたいと思うのであります。
 まず第一は、決算委員會は政府の會計面というものを監督する役目をもつていることになつておりますが、今までのやり口をいろいろ考えてみますと、大體書面審査の事後審査というものが普通になつておつたようであります。ところが日本の現在の状況を見ると、書面審査で、特に金の面だけを後で審査しても實體はよくわからない。國民經濟というものを實際に運營していく實況を、會計檢査院ととに、國會としてこれを監督する必要があるだらうと思うのであります。そういう意味で、政府の方においては、物の面においては四半期ごとに物資需給計畫をつくつて運營しており、また大藏省方面では資金計畫をそれに相應さして運營しているが、決算委員會としてもやはり金と物とのつり合いというものが、どういうように動いているかということを、その經過の過程において監督する必要がある。これがインフレを抑止する上に相當大きな機能を果すのではないか。財政が放漫になつたり、あるいはその他の點を規制する効果を果すのである、こういうふうに考えます。それを實行的にやるために、やはり私はある程度決算委員が各省所管別に受持つて、その省を擔當して、會計檢査院とともに、ある程度これを監督していく。ときによつては會計檢査院でやる實況調査にこちらもついていく。そういう程度の監督をやらなければ、國會の決算委員會としての機能を十分果せないし、特に今重大の財政インフレを抑制する機能を果せないと思う。この點について決算委員會として、どういう處置をとるか、ひとつお考え願いたい。
 もう一つは今朝の新聞に發表になりましたように、政府が流通機構確立要綱というものを發表しておる。あの中に官廳のやみ行為を嚴禁するという條文が載つておるがこれらについては當面においては警察當局で取締ると同時に、他方においては會計檢査院で當然これを取締るべきだろうと思う。その點に關しては、決算委員會も相當な監督の責任をもたなければならないと思いますので、先ほど申上げたのと關連して、今度の要綱實施に際して、決算委員會として適當なる方法によつてこれを監督する。そういう措置を講ずる必要があるだろうと思います。この點についても決算委員會としての適當な措置を願いたい。
 第三には、決算委員會の權限に關しまして、行政機構を擔當しておる部面をほかの方に移すとかなんとかいうことが論議に上つておるようでありますが、私の考えでは、やはり内閣において法制局が各官廳の新設その他を總合的に勘案して規制しておるように、國會においてもそういう部局がぜひなくてはならぬ。新しい官廳の内容、實體面に關しては、特定の委員會なりによつてやる必要があると思いますが、官廳全體の機構とか、あるいは財政面をにらむとか、そういう點に關しては、ぜひとも決算委員會というもので總合的にこれを把握しなければならぬと思う。そういう意味において、行政機構に關する權限を決算委員會から剥奪するというような動きに對しては、私は絶對に反對したいと思います。以上。
#4
○竹山委員長 ただいま、中曽根君からの御意見はまことに重大た問題と考えます。これの處理につきましては、いずれ理事會に諮りました上で、皆さんと御協議の上決定をいたしたいと考えます。さよう御承知を願います。
 それでは決算に對する大藏省の説明を求めます。
    ―――――――――――――
    〔議案掲載省略〕
    ―――――――――――――
#5
○小坂政府委員 昭和二十年度の歳入歳出總決算及び特別會計歳入歳出決算を、會計檢査院の檢査報告とともに國會に提出いたしましたので、御參考までにその大要を申し上げます。總決算に計上いたしました歳入の決算額は、經常部といたしまして百七億八千三百餘萬圓、臨時部といたしまして百二十七億四百餘萬圓、合計いたしまして二百三十四億八千七百餘萬圓となつております。これに對しまして歳出の決算額は、經常部といたしまして、七十三億八千餘萬圓、臨時部といたしまして、百四十一億千五百餘萬圓、合計いたしまして、二百十四億九千六百餘萬圓となつております。でありますから歳入と歳出との差引を見ますと、十九億九千百餘萬圓の剩餘を生ずる計算が出るのであります。しかるに、この餘剩金額中には、昭和二十一年度に繰越されました歳出の財源に充てなければならない部分が、二億六千三百餘萬圓ありまするので、これを差引きますと、結局昭和二十年度の一般會計決算上の純餘剩金額は、十七億二千八百萬圓と相なります。
 以上申し上げました昭和二十年度の決算を同年度の豫算額に比べますると、歳入におきましては、經常部で三十七億二千八百餘萬圓、臨時部で十九億四千餘萬圓、合計いたしまして五十六億六千九百餘萬圓を豫算額に比べて減少いたしております。歳出におきましては、經常部で、二十五億二千百餘萬圓、臨時部で五十一億三千八百餘萬圓、合計いたしまして七十六億六千餘萬圓を豫算額に比べて減少いたしておる次第であります。
 次に、昭和二十年度の歳出豫算額は、二百九十一億五千六百餘萬圓でありまするから、豫算決定後におきまして、昭和十九年度の豫算殘額を昭和二十年度に繰越しましたために、十億一千三百餘萬圓、政府職員臨時給與等國庫餘剩金をもつて豫算外の支出をしたものがあつたために、一億八千餘萬圓、價格調整補給金、復員諸費等緊急財政處分によりまして、豫算超過及び豫算外支出をしたものがありましたために、四十三億七千五百餘萬圓、合計いたしまして五十五億六千九百餘萬圓を増加いたしましたので、右の歳出豫算額と豫算決定後の増加額を合計いたしますると、三百四十七億二千五百餘萬圓となる計算であります。右のうちの支出濟みになりました金額は、前に申し上げました通り、二百十四億九千六百餘萬圓でありまして、昭和二十一年度に繰返しました金額は、二億六千九百餘萬圓でありまするから、これらの金額を差引きまして、昭和二十年度の歳出豫算の不要となりました金額は、百二十九億六千餘萬圓となる計算でございます。この豫算不用を生じました最大の事由は、終戰に伴いまして臨時軍事費特別會計への繰入れを打切つたために、百一億一千三百餘萬圓が不要となつたことによるのであります。
 なお昭和二十年度の一般會計においての國庫豫備金豫算額は、第一豫備金二億圓、緊急對策費第一豫備金二十億圓、第二豫備金二十億圓、合計いたしまして四十二億圓でありまするから、これを支出しました金額は、第一豫備金二億圓、緊急對策費第一豫備金十八億三千九百餘萬圓、第二豫備金二十億圓、合計いたしまして四十億三千九百餘萬圓となつておるのでありまして、差引國庫豫備金の支出殘額は一億六千餘萬圓となる計算になるのであります。この國庫豫備金支出につきましては、それぞれ先に帝國議會の事後承諾を經ておる次第であります。
 以上、昭和二十年度の決算に關しましてきわめて概略を申し上げました次第でございまするが、その詳細は決算書類によつて御了承願いまして、さらに御不審の點がございますれば御説明を申し上げたいと思います。
 昭和二十年度の一般會計及び特別會計における歳計につきましては、會計檢査院におきまして、これを檢査いたしました結果に基いて、同院の意見が報告せられているのでございます。右會計檢査院の意見につきましては、こちらに檢査院長もお見えになつておりますが、さらに關係各省より別に辯明書によつて所見を申し上げまして、御參考に供したいと考えている次第でございます。何とぞ十分に御審議の上適切なる御判斷を下さいまするよう、切にお願いを申し上げる次第でございます。
#6
○竹山委員長 なお詳細なる説明はまた後から伺うことといたしまして、荒井會計檢査院長の御報告を伺いたいと思います。
#7
○荒井説明員 昭和二十年度歳入歳出決算檢査報告につきまして、きわめて概要を御説明申し上げます。ただいま大藏政務次官から昭和二十年度の決算につきまして御報告がありましたが、その金額につきまして、總決算は歳入が二百三十四億八千七百餘萬圓、歳出が二百十四億九千六百餘萬圓であります。しかしこのうちで檢査を確定いたしました金額と、ある事由のためにその檢査を確定いたしませんでした金額とがあります。確定いたしませんでした金額を申し上げますると、歳入におきまして一億八千八百餘萬圓、歳出におきまして三億六千六百餘萬圓ございます。
 ただいまのは總決算でございまするが、各特別會計の決算につきまして申し述べますると、各特別會計の決算の合計額が、歳入におきまして八百二十九億一千五百餘萬圓、歳出におきまして七百八十三億五千五百餘萬圓であります。そのうち未確定といたしまして今後の審査に讓りましたものが、歳入において四萬六千餘圓、歳出において三千三百餘萬圓ございます。右總決算及び各特別會計の決算額は未確定金額を除きましてこれを檢査確定いたしました。未確定金額がございまするのは、これは證明の未濟の分でございます。また會計檢査院から質疑を發しまして、それに對しましてまだ答辯の來ていないものもございます。これらのために未確定といたしたものであります。その詳細につきましては報告書に掲載してございます。
 なおこの決算におきましては外地における等の特別會計の分は、昭和二十一年法律第二十一號が公布されまして、それによりまして決算が延期になりました。從いまして、この決算報告には掲記いたしておりません。右總決算及び各特別會計の決算確定額の中に、戰災等によりまして證明書類を亡失いたしまして證明不能となつたものが、この檢査報告に記載しておる金額の通りであります。これらの處理につきましては、できるだけ會計檢査の實地檢査の結果を参酌いたしまして、また各般の事情を勘案いたしましてこれが檢査を了したのであります。その金額は一般會計におきまして、歳入におきまして九千五百餘萬圓、歳出において二億五千六百餘萬圓に達しておるのであります。これが終戰に際しまして書類の燒失等がありまして、まことに遺憾ではありますが、こういう處理にいたしたわけであります。
 特別會計におきまして、ただいまの處理をいたしました金額が、歳入におきまして三億八千百餘萬圓、歳出におきまして十億圓という巨額に達しております。
 なお決算額と日本銀行の證明額とを對照いたしてみますと、總決算及び各省決算報告書竝びに各特別會計決算及び各特別會計の決定計算書の金額と、日本銀行の證明額とを對照した結果、左記のものは符合をいたしておりません。その他のものが全部符合をいたしたという結果になつております。
 その符合いたさない金額を申し上げますと、一般會計におきまして、歳入につきましては、決算額が二百三十四億八千七百萬餘圓、日本銀行の證明いたしてまいりました金額が、二百三十四億九千二百餘萬圓でありまして、結局日本銀行の證明額の方が四百八十五萬餘圓多いのであります。また歳出におきましては決算額が二百十四億九千六百餘萬圓でありまして、日本銀行から證明してまいりました金額が二百十四億九千五百萬圓でありまして、結局日本銀行の證明額が四十萬八千餘圓少いのであります。これらの理由につきましては、できるだけこれが解明に努めたのであります。報告書には載つておりますが、あるいは年度を間違えて拂いこんだり、あるいは誤納をいたしたというものもございます。また戰災その他によりまして、これらの不符合の原因が不明なものも相當の金額に上つております。
 ただいまのは一般會計でございますが、特別會計につきましてもまた符合しないものがございます。詳細は報告書に掲載しておる通りであります。
 豫算及び法律違背の事項として報告いたすべきものが、決算報告書に掲記してございます。昭和二十年度歳入歳出總決算及び各特別會計歳入決算として、歳入の賦課徴收、歳出の使用及び官金におきまして、豫算または法律、勅令に違背した事項は、一般會計におきまして、歳入におきましては、取扱いを誤りましたために租税の徴收不足を生じたものが二件、三萬五千餘圓、また職員の犯罪のために租税の徴收に至らなかつたものが一件、三千餘圓、計三件、三萬八千餘圓の金額がございます。
 また歳出におきましては、補助金または奬勵金の交付に關して、措置のよろしきを得ないものが三件ございます。四百十五萬圓の金額になります。物品の購入にあたりまして措置のよろしきを得ないものが一件、八十三萬五千餘圓ございます。工事の施行にあたりまして、經費の年度區分を亂つたものが四件、千二百九十一萬七千餘圓でありまして、計八件、千七百九十萬二千餘圓でございます。
 また特別會計におきましては、歳入におきまして、工事費前拂金の返納に至らないものが一件、五萬五千餘圓ございます。また連絡運輸收入の徴收にあたりまして、措置よろしきを得ませんために收入未濟を生じたるものが一件、二千二百三十一萬七千餘圓ございます。計二件、二千二百三十七萬二千餘圓になります。
 歳出におきましては職員の犯罪によりまして缺損補填をいたしたものが一件、一萬五千二百餘圓ございます。物件の加工または修理代金の支拂にあたりまして措置よろしきを得ず過拂、となつたものが二件、二百二十七萬一千餘圓ございます。概算拂金の清算にあたりまして措置よろしきを得ないものが、一件、十九萬九千餘圓ございます。物品の購入または用地の買收にあたりまして措置の買收にあたりまして措置よろしきを得ないものが二件、三百一萬八千餘圓ございます。工事の施行または物品の購入にあたりまして經費の年度區分を亂つたものが二件、五十九萬六千餘圓、計八件、六百九萬一千餘圓ございます。また官金の取扱いにおきまして、預金部資金の運用よろしきを得ないものが、一件ございます。合計二十二件でございます。これらの詳細につきましては檢査報告書に掲載してございますので、いずれ今後において御審議願うことに相なろうかと存じております。
 豫算超過及び豫算外支出についてはただいま大藏當局から御説明がありましたが、この昭和二十年度總決算歳出及び各特別會計の決算歳出のうち、豫算超過及び豫算外支出で帝國議會の承諾を受けないものはございません。全部承諾を受けております。これは二十年度の分でありますが、それ以前の、すなわち既往年度の未確定金額の檢査を確定いたしたものがあります。それらは詳細、表をもつて表示しておりますので、それにつきまして御了承を願いたいと思います。
 豫算及び法律違背の事項、既往年度の確定額中歳入の賦課徴收及び歳出の使用におきまして、法律勅令に違背した事項がございます。一般會計の歳入におきまして取扱いの過誤によつて租税の徴收不足を生ぜしめたものが九件、十四萬五千餘圓、取扱いの過誤によりまして租税の徴收過を生ぜしめたものが二件、一萬三千餘圓ございます、また歳出におきまして工事の施行にあたつて經費の年度區分を亂つたものが一件ございます。これらの詳細につきましてもまた報告書に記載しておる通りでございます。
 この檢査報告について大要の御説明を終りましたが、なおこの檢査報告はその初めに書いてございます通り、これは元の規定によつて作成されたものであります。改正前の憲法、竝びに改正前の會計檢査院法の規定によりまして作成いたしたものでありますことを附け加えておきます。これをもつて説明を終ります
#8
○竹山委員長 何か今伺いました説明及び報告に直接關連しての御質問があればこの際許します。
 それではいずれ詳細の問題は次の機會にいたしたいと思いますが、委員會として私からこの決算の審議にあたつての根本問題ともいうべき問題の二、三について、政府及び會計檢査院の見解を一應伺つておきたいと思うのであります。政府の答辧はいずれあとからまた見えられたときに願いたいと思いますが、檢査院長から時間がありませんので先に伺いたいと思います。
 その第一點は、從來の議會におきましては、決算の提出は單なる報告の形において、政府が議會に出されておつたごとく考えられております。過去のことをかれこれ論議する必要はないと思いますが、新たなる國會において、國の最高機關としての國會が政府行政官廳の使つた國の決算の最後において、これを單に政府の報告を受けるというようなことであるならば、政府は自分で處理したらいいとも考えられるのであります。會計檢査院が國會法と、また會計檢査院法においてもみずから進んで國會に向つて檢査院の報告をされる。出席をして説明をするということを法律の中にうたつておるという趣旨は、最高機關たる國會が、これに對して最後の決定をすべきものと考えられるであります。これらについて政府及び會計檢査院の見解はいかなるものであるか。從つてこれが單なる報告でないとすれば、現在の政府の決算に對する取扱いが、兩院へ報告書を出して御審議をいただきたいというやり方は改むべきでないかと考えるのであります。豫算同様にまず衆議院にこれを諮つて、しかる後に參議院に諮つて、國會としての意思の決定をすべきもののように考へられるのであります。この關連した問題をいかに考えられるか。
 次に今度の會計檢査院法によれば、もちろん今のお話のごとく、二十年度の決算は舊憲法のもとにおいて處理されるということではありますけれども冒頭において私が申し述べたごとく政治的にはさようなことでは濟まぬと思うのであります。從つて新會計檢査院法に基くがごとく、この決算の不當なる支出、その他明らかに國民の目から見て政府が處理をいたさなければならぬような問題について、その檢査院の權限においても命ぜられなければならぬような問題が、二十年度の決算にもあろうと考えます。これについては政府及び會計檢査院は新たなる制度のもとにおいて二十年度の決算に對してはいかなる處置を考えられておるか。また現在までにおいて處置されたことがあるならばその御報告を伺いたいし、また今後において處置されるお考えであなるらば、その見解も伺つておきたいと思うのであります。以上の點について一應會計檢査院の見解を伺います。
#9
○荒井説明員 會計檢査院の檢査報告がどういう性質をもつておるかということは、これはなかなかむずかしい問題がここにひそんでおると思うのであります。單なる報告であるか、あるいは議案として審議すべきものであるか、これは私どもの一存をもつてきめるわけにいかんと思います。政府竝に國會の方の意見を徴しまして、その御意思に從うべきものと存じております。ともかく會計檢査院は國會の耳目と申しますか、目、耳として國民の金がいかなる方向に向つて注がれておるか、これがいかなる様式において使われておるかということを檢査いたしまして、これを國會に報告するということでありまして、できるだけ檢査の結果が國會すなわち當委員會に映りますように、今後も努めていきたいと考えておるのであります。この檢査報告は二十年度の分につきましては舊法によつて作成いたしましたと、こう申しましたが、しかし今日におきましては新憲法、新會計檢査院法が施行になつておりまして、この條規によつて御審議を願う、また私どももこの條規によつて行動しなければならないと考えておるのであります。從いまして本報告書を作成いたしました後におきまして、新會計檢査院法が施行になりましたので私どもの態度といたしましても、さらに調査を進めたのであります。政府の當局、各省の當局といろいろ交渉いたしまして、責任者について處理を要するものにつきましては自發的に處理を願い、またそのとつた行動について改むべきものははつきり改めるように嚴命を願う。そういう方法をとりまして、その後においてもいろいろ措置をいたしたのであります。從いましていずれ各省からも辯明がありましようが、その辯明におきまして檢査院の意向によつてすでに訂正された分も大分あるのであります。しかしまたその見解において一致しないものもあると思います。これらにつきましては十分委員會において御審議を願いまして、私どもの今後の檢査方針を確定する上におきましても、ぜひ御意見を取入れてやつてまいりたいと思うのであります。私どもの方針といたしましては、過去の事項につきまして、それに對して指摘をするということも、これは一つの職務でありますが、しかしその結果によりまして、將來かかることがないことを期するということが眞の目的であろうかと考えておるのであります。この委員會におきましていろいろ御意見を承るということが、私どもといたしましては最もありがたいことであります、ぜひその御意見によりまして、今後の檢査の方針等につきましても決定いたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#10
○河野(一)政府委員 私から御答辯申し上げまするが、大體檢査院長のおつしやいましたところと同様に政府當局としても考えております。お話の中に國會が決算についての決定權をもつものであるから、豫算と同様に國會としての意思決定をしたらどうか、衆議院に先に提出すべきではないかという御議論があつたと思いますが、現行の新憲法におきましては、豫算につきましては先に衆議院に提出しなければならないという規定はございまするが、決算についてはそういう規定がございませんで、憲法の九十條でありますが、國の收入支出の決算は、すべて毎年會計檢査院がこれを檢査し、内閣は、次の年度に、その檢査報告とともに、これを國會に提出しなければならない。とありまして、衆議院に先に出すというような規定にはなつておりませんで、その精神は從來の舊憲法でも同様であつたのでありますが、そういう精神からいたしまして、兩院に――國會あてに提出しておる、こういうような從來の取扱いを踏襲いたした次第であります。なおその他の點につきましては大體檢査院長のお述べになりましたことと同様に政府としては考えております。
#11
○竹山委員長 政府側にもう一點伺います。財政法にいう四半期ごとに國會に對して報告をする財政の報告でありますが、これは決算委員會としても重大な關心を拂つているのでありますが、いつごろこれの報告がなされるのでありますか。
#12
○河野(一)政府委員 國會及び國民に對して四半期ごとに報告する報告書の問題でありますが、これにつきましては大體案ができまして、數日中に御報告ができると思つております。このやり方につきましては印刷物あるいはラジオその他という規定になつておりますが、官報に公告を出しまして、それとともに必要な印刷物については、國會にも御配付申し上げるという考え方でやつております。
#13
○竹山委員長 私の今伺つた點についての政府及び會計檢査院――檢査院の方は御無理かと思いましたが、その見解はきわめて不明確でありますので、この點は今後また大藏大臣等の御出席を求めて、その際重ねて檢討をいたしたいと考えます。今日はこの程度で打切つて、引續き八月五日まで、各委員の方々とともに提出になりました決算を愼重に檢討をいたしまして、その上で檢査院及び政府の説明を受けつつ審議をいたしたいと思います。
 本日はこれにて散會をいたします。
   午前十一時三十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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