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1991/09/06 第121回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第121回国会 建設委員会 第1号
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1991/09/06 第121回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第121回国会 建設委員会 第1号

#1
第121回国会 建設委員会 第1号
本国会召集日(平成三年八月五日)(月曜日)(
午前零時現在)における本委員は、次のとおりで
ある。
  委員長 桜井  新君
   理事 金子 一義君 理事 木村 守男君
   理事 北村 直人君 理事 笹川  尭君
   理事 渡海紀三朗君 理事 木間  章君
   理事 三野 優美君 理事 吉井 光照君
      遠藤 武彦君    金子原二郎君
      瓦   力君    塩谷  立君
      島村 宜伸君    高橋 一郎君
      武村 正義君    東家 嘉幸君
      中島  衛君    野田  実君
      山本 有二君    石井  智君
      上野 建一君    貴志 八郎君
      鈴木喜久子君    松本  龍君
      山内  弘君    伏木 和雄君
      薮仲 義彦君    辻  第一君
      菅原喜重郎君
―――――――――――――――――――――
平成三年九月六日(金曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 桜井  新君
   理事 金子 一義君 理事 木村 守男君
   理事 北村 直人君 理事 笹川  堯君
   理事 木間  章君 理事 三野 優美君
   理事 吉井 光照君
      遠藤 武彦君    金子原二郎君
      塩谷  立君    島村 宜伸君
      高橋 一郎君    武村 正義君
      東家 嘉幸君    中島  衛君
      野田  実君    山本 有二君
      石井  智君    上野 建一君
      貴志 八郎君    鈴木喜久子君
      松本  龍君    薮仲 義彦君
      辻  第一君    菅原喜重郎君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 大塚 雄司君
        国 務 大 臣 西田  司君
        (国土庁長官)
 出席政府委員
        国土庁長官官房 藤原 良一君
        長
        国土庁長官官房 石川 嘉延君
        審議官
        国土庁計画・調 田中 章介君
        整局長 
        国土庁土地局長 鎭西 迪雄君
        国土庁地方振興 小島 重喜君
        局長
        国土庁防災局長 鹿島 尚武君
        建設大臣官房長 望月 薫雄君
        建設省建設経済 伴   襄君
        局長
        建設省都市局長 市川 一朗君
        建設省河川局長 近藤  徹君
        建設省道路局長 藤井 治芳君
        建設省住宅局長 立石  真君
 委員外の出席者
        法務省民事局参 寺田 逸郎君
        事官
        大蔵省主税局税 尾原 榮夫君
        制第一課長
        国税庁課税部所 日高 正信君
        得税課長 
        農林水産省構造
        改善局建設部防 岡本 芳郎君
        災課長
        気象庁地震火山
        部地震火山業務 森  俊雄君
        課長
        建設大臣官房技 豊田 高司君
        術審議官 
        自治省行政局選
        挙部政治資金課 井戸 敏三君
        長
        参  考  人
        (首都高速道路 佐藤本次郎君
        公団理事)
        参  考  人
        (東京都建設局 長  裕二君
        道路監)
        建設委員会調査 杉本 康人君
        室長 
    ―――――――――――――
八月五日
 住宅基本法案(吉井光照君外二名提出、第百二
 十回国会衆法第三号)
 総合保養地域整備法の一部を改正する法律案
 (木間章君外十名提出、第百二十回国会衆法第
 一一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○桜井委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設行政の基本施策に関する事項
 都市計画に関する事項
 河川に関する事項
 道路に関する事項
 住宅に関する事項
 建築に関する事項
 国土行政の基本施策に関する事項
以上の各事項について、本会期中国政に関する調査を進めたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○桜井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○桜井委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として首都高速道路公団理事佐藤本次郎君及び東京都建設局道路監長裕二君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○桜井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○桜井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笹川堯君。
#7
○笹川委員 質問に先立ちまして、長崎県雲仙・普賢岳の噴火、火砕流、土石流により多くの方が亡くなったわけでありますが、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りを申し上げます。そしてまた、遺族の方々にも、心からお見舞いを申し上げるわけでございます。また、噴火によりまして、被災者となられた方々にもお見舞いを申し上げます。なお、警察、消防初め諸関係団体の皆様が大変に努力をしていただいております。この点につきましても、心から感謝と敬意を表する次第であります。
 国土庁にお尋ねをいたしますが、普賢岳は昨年十一月、二百年ぶりに噴火をし、周辺に大きな被害をもたらしたわけであります。特に、六月三日には大規模な火砕流が水無川流域を襲い、死者、行方不明者四十三名を出す大災害となったわけでありますが、島原市及び深江町においては、警戒区域の設定等により今なお二千八百十四世帯、一万三百四十九人という多くの住民が、長期間にわたりまして不自由な避難生活を余儀なくされております。西田国土庁長官は、本部長として非常災害対策本部を設置し、二度にわたりまして政府調査団を派遣するなど、被災者等の救済対策を決定されたわけでありますが、内容についてお尋ねをしたいと思います。また、国土庁長官は現地に何回くらい視察に赴かれたのかをお尋ねをいたします。
#8
○鹿島政府委員 六月三日、大規模な火砕流によりまして、先生仰せられましたとおり、四十三名のとうとい命をなくしたわけでございます。
 政府におきましては、六月四日直ちに非常災害対策本部を設置いたしまして、被災者等の救済のための対策の樹立、そしてまたその実施を今日まで図ってまいりました。中間的には、七月九日まで四回の会合を開きましてその施策の大綱を決めたわけでございますけれども、その考え方につきまして申し上げてみたいと存じます。
 火山災害の特性にかんがみまして、地元地方公共団体等の要望も十分踏まえまして、まずもって人命第一という見地から、避難の対策を徹底してやったわけでございます。続きまして、こういう避難をされた方々に対しまして、住宅対策、そしてまた民生の対策、それからまた生業の対策ということで、農林漁業、中小企業、それからまた雇用、そしてまた教育といったような、二十一の分野の。八十三項目にわたりまして被災者の救済対策というものを講じて、今日まで実施をしてまいっております。私どもといたしましては、前例のない迅速、そしてかつ総合的に一覧できるような施策の大綱を決め、わかりやすくこれを実施してまいったところであろうと考えております。
 しかしながら、火山噴火とこれに伴います住民の避難がさらに長期化しつつある状況等にかんがみまして、さきの両院におきます国会の決議、また地方公共団体等からの要請を踏まえまして、去る八月二十三日でございますけれども、さらなる特別措置というものを追加して、まとめを行ってございます。これによりまして、雲仙岳噴火に向けまして三十項目を超えるような新しい制度的な措置を含めまして、予測し得る必要な措置につきましては十分対策が講じられたというふうに考えております用地元地方公共団体も同じ考え方に立っておるわけでございまして、今後はこれらの二十一分野九十項目にわたります救済対策というもりを、国、県、市、町一体となりまして鋭意これを推進して、対策の万全を期してまいりたいというふうに考えております。
    〔委員長退席、木村(守)委員長代理着席〕
 ただいま先生から、国土庁長官は何回現地に赴いたかというお話でございました。今日まで、五月三十日、六月五日、六月九日、合計三回現地に赴かれておられます。
#9
○笹川委員 国土庁長官が三回行かれたそうでございますが、長期間にわたっておりますので、なるべくひとつ時間を見て現地を訪問し、被災者の方々を激励してあげていただければ大変ありがたい、こう思うわけであります。
 次に、建設大臣にお尋ねをいたします。
 災害のときの災害公営住宅でございますが、大変急いでお建てになったということも新聞記事で拝見をいたしております。一応この対応についてお尋ねしたいと思いますが、被災者の方々は全員入居されておりますか、あるいはまだ不足をしておるか、その点ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#10
○立石政府委員 お答えいたします。
 雲仙岳噴火に係る被災者の方々への住宅対策といたしましては、応急仮設住宅千四百五十五戸が建設されておるところでございますが、公営住宅の関係といたしましては、まず第一には既設の公営住宅の空き家等を活用することを考えておりまして、長崎県、島原市を指導いたしまして、既に空き家について百九十四戸入居しているところでございます。
 また、避難が長期化しているということを踏まえまして、中長期の対策として、災害公営住宅を含む公営住宅百六戸について七月より建設に着手したところでございまして、この九月、十月にはどんどんと入居できるような状況になっているところでございます。現在のところ、この百六戸の災害公営住宅である程度需要には対応しているというように見ているところでございますが、今後とも地元の要望をよく聴取いたしまして、災害公営住宅等必要な住宅供給について措置を講じてまいりたいと思っております。
#11
○笹川委員 今御答弁をいただいたわけでありますが、ぜひひとつ地元の要望にこたえて、少なくとも一番大事な住宅問題について被災者の皆様方に心配をかけないように、最善の努力をしていただけるようにお願いをいたします。ここに、九月二日の読売新聞の夕刊でありますが、「気疲れの避難生活三か月」というふうに書かれております。「水入らずの生活を」こういう記事もあるわけでございますので、住居につきましては、自治体あるいはまた国の協力を切に要望をしておきます。
 次に、国土庁にお尋ねをいたしますが、災害によりまして国道の二百五十一号線それから五十七号線が遮断されまして、島原半島地域全体の住民生活に深刻な影響を与えております。学生さんも何か船に乗って通学をしているというようなことも記事で読んだわけでありますが、この地域が三万海に囲まれた地域でありますので特に深刻だ。特に、災害はまだ終息をしないわけでありますが、災害が終息した後、防災、振興あるいはまた町の活性化等についてどのように取り組んでいくつもりか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
#12
○鹿島政府委員 今回の雲仙岳噴火災害は、住民の避難が長期化しております。また、市街地に比較的近接した地域におきましてそれが発生をしております。こういったことによりまして、当該地域の生活環境あるいは経済活動に多大の影響が及ぼされていることは御承知のとおりでございます。このため、噴火活動が鎮静化した段階におきまして、防災に配慮した地域づくり及び周辺市町村を含む地域の振興、活性化等を講ずることが必要であることは、先生仰せのとおりでございます。私どもといたしましては、災害終息後の防災、振興、活性化等の地域づくりについて、地元地方公共団体の意向を十分伺いながら、計画の策定はもとよりでありますが、その実施につきましてもでき得る限りの支援をしてまいりたいというふうに考えております。このような見地から、八月二十三日追加いたしました「とりまとめ」の中におきましても、まず第一にこのことが掲げられております。まずもって必要な的確な災害復旧の事業が進められることは当然でございますけれども、こういった将来の振興策につきまして調査検討をし、そしてまた地方を指導してまいりたいというふうに考えております。
 なお、国土庁といたしましては、このような見地から、つとに官房長をチーフにいたしましてプロジェクトチームを発足させました。地方からの御意見も十分伺いながら、今後の対応について御相談をして推進してまいりたいというふうに考えております。
    〔木村(守)委員長代理退席、委員長着席〕
#13
○笹川委員 ただいま官房長を主としてプロジェクトチームを組んで対応しているということでありますが、どうかひとつ地元の方々の要望に十分こたえられるように努力をしていただきたいと思います。
 次に、建設省にお尋ねいたします。
 河川の問題でありますが、火砕流等により水無川が土石で埋まってしまって本来の川の役目をしない、こういうことを私どもも伺ったわけでございますけれども、この川を将来掘り起こしてもとの姿に直すのか、あるいは別の何らかの形のものをつくるのか、この対策をぜひお伺いしたいと思います。
#14
○近藤政府委員 この雲仙岳噴火後、火砕流発生以前におきましては、私ども、河川の災害復旧事業あるいは砂防の災害関連緊急砂防事業等によりまして、上流においては砂防ダムに堆砂した土砂の徐石あるいは河床に埋塞しております土砂の除去等の事業をやっておったわけでございますが、不幸にして火砕流が発生した状況で立ち入れない状況になりました。したがいまして、私ども今、一応ある程度の予算を確保して、立ち入られるようになりましたらいつでも土砂の除石に努めたいというふうに考えております。また、避難区域外につきましては、湯江川等三河川について砂防ダム等を着工すべく、一部は既に着工したところでございます。
 なお、今後の長期的な視野に立ちましては、火山砂防の持ついろいろな問題点、例えば噴石の土砂によって無限に土石流の材料が出てくるというようなものを含めまして、総合的な砂防施策の中で安全な地域づくりに寄与するよう努力してまいりたいと考えております。当然ながら水無川も、復旧後におきましては、調査の結果によると思いますが、河川の災害復旧事業等によって除石してまいりたいというふうに考えております。
#15
○笹川委員 今、河川についてお答えをいただいたわけでありますが、この災害がいつ終息するかわからない、これが終わらない限りはなかなか根本的に取り組んでいけないと思いますけれども、どうか、治山治水というわけでありますので、相手が自然でありますからなかなか計算どおりいかないと思いますが、ぜひひとつ最大の努力をして地元の方々の要望におこたえをしていただきたいと思います。
 次に、引き続いて建設省に、長良川河口ぜきについて質問するわけであります。
 御承知のように、治山治水というのは政治の要請でございます。特に中部地方におきましては、さかのぼれば伊勢湾台風という大変大きな台風がありまして、私も台風の翌日、半田、常滑、津へ参りましたが、国道も遮断されて通行できなかった、多くの方々が亡くなった、あるいは立派な堤防をつくったけれども、その堤防も突破してしまって、大きな艦船が堤防の上に鎮座しておったということも目の当たりに見たわけでありますが、そういういろいろなことを考えながら、皆様方は長良川の河口ぜきをおつくりになっているのじゃないかなという気がいたしております。
 ところで、自然の環境を守れというのは大変大切なことであります。同時に、我々が文化的な生活をし、災害から自分たちを守らなければならぬということも事実でございます。調和をとることが大変難しいわけであります。どんなことをしても自然の環境を全く破壊しないというわけにはいかないと思いますが、地域住民の方々の意思を尊重することは当然でありますが、その点建設省で、反対の方々の御意見とか反対の方々の陳情とかいろいろあると思いますけれども、まずそれについてお尋ねしたいと思います。
#16
○近藤政府委員 長良川沿川は濃尾平野になるわけでありますが、この濃尾平野は、全国のゼロメートル地帯千百方キロのうち四百方キロという、全国の中でも有数の治水上悪条件の地域でございます。したがいまして、古来より水害に大変悩まされてきた地域でございまして、先生がおっしゃいました昭和三十四年の伊勢湾台風、あるいは三十五年、三十六年と大きな出水を見て、治水上も極めて危険であるということが非常に顕在化しておる河川でございます。
 これらを抜本的に防ぐための計画といたしまして、治水計画を改定し、従来の計画高水流量四千五百トンを七千五百トンに拡大したわけでありますが、その対策といたしましては、河道を大規模にしゅんせっすることが必要となったわけでございます。河道を大規模にしゅんせつした先例としては利根川がございますが、利根川におきましては、その結果、昭和三十三年の渇水のときに約三万ヘクタールの大規模な塩害を発生したわけでございまして、これらの先例に倣いまして、潮どめ機能を持つ河口ぜきを建設することといたしたわけでございます。あわせまして、全国の地域の中でも発展を期待されております中部圏の将来の発展の水資源としても重要なものとして、水資源開発も含めた多目的なせきとして建設することといたしました。
 このせきの建設につきましては、環境上のいろんな影響も考えられますので、着手する昭和四十三年に先立つ五年前から徹底的な環境調査を行い、その結果については地元の皆さんにも御説明を申し上げ、長い間地方公共団体あるいは漁業関係者、あらゆる住民と十分な調整を図りまして、昭和六十三年に漁業関係者の了解も得たところで本体工事に着手したわけでございます。
 それ以後に、特に自然保護という立場あるいは魚釣りを旨とする方、いろんな方の反対運動が新聞紙上等で騒がれるようになりました。私どもは、従来進めてまいりました環境調査の結果、またこれに対応して、環境保全のためのさまざまな施策をとってきたことも、十分地域住民に対して説明に努めておるところでございます。例えば、呼び水式魚道とかロック式魚道、あるいはサツキマスの人工種苗技術の開発等を実施しておりまして、環境の保持には十分努めつつ、治水の安全度を早期に確保するよう努力しておるところでございます。
#17
○笹川委員 中部圏の皆様方の御期待に沿えるように、なお一層努力をし、工事の進捗もおくれないようにぜひ争ってもらいたい、こう要望をいたしておきます。
 次に、建設省にお尋ねをいたします。
 建設省で、これは仮称でありますが、不動産コンサルタント制度の創設をしようという話があるそうでございますが、この内容をちょっと読ましていただきましたが、何となくまだはっきりその概要がつかみにくい。今まで、専門職の宅建の取引主任者だとか建築士だとか不動産鑑定士だとか、俗に言う不動産にはいろいろな人が縦割りに絡んでおる。ところが、総体的にアドバイスする人がいないというのも事実であります。例えば、銀行でいえば不動産部だとか信託部門だとかいうものがあるわけでありますが、特に税制については、専門の税理士、公認会計士がやっておるわけでありますけれども、どうも内容がよくわからぬものだから、反対陳情が業界からそれぞれ来ておる。こういうことで、私も心配をいたしておりますので、何と何をやるのかということをよく業界の方々と話し合いをしてもらって、内容についてしっかりわかるように、少なくとも自分の職業を侵されるんじゃないかというような心配のないようにぜひしていただきたいと思うんです。
 そこで、建設省からいただいた、「制度創設にあたっての考え方」「新たに不動産コンサルタント業を創設するものではない。」こう書いてある。下の方には「専門分野についての業務を行うことがあってはならないことは当然でありこ今までのところの専門は全くやらないんだということをまず位置づけておいて、今度不動産コンサルタント制度をつくるという。何かよく私も実は理解ができませんので、その辺みんなが理解をできるようにぜひしていただきたい。ですから、余り慌てずに、じっくりと各業界の意見を聞いていただきたいということにつきまして、何かお答えがあればしてください。
#18
○伴政府委員 お答えを申し上げます。
 今先生御指摘の、現在検討中の不動産コンサルタント資格制度でございますが、これにつきましては、最近不動産業に対しましていろいろな要望がございます。特に土地所有者等につきましては、自分の土地の有効利用をどうやって図ろうかといったようなことで、顧客から多岐にわたる相談を受けるわけでございますが、そういったいろいろな助言とか提案を求めるニーズに対しまして、これにこたえるような高度な、幅広い知識とかノーハウを持った人材を育成したいというので、このコンサルタント制度が考えられているわけでございます。
 実は、これは財団法人の不動産流通近代化センターが不動産コンサルタント制度研究会を設けまして、そこから中間報告的に、本年四月にその制度のあり方について答申をもらったものでございます。したがいまして、これを参考にしつつ、今具体的な内容について検討を行っているところでございますが、いずれにいたしましても、いろいろな要望にこたえた資質の向上、人材育成、それから特に不動産業務の内容のレベルアップといったようなことを心がけておるわけでございます。
 その不動産コンサルタント、相談の中身はいろいろなものがございますが、そのアドバイスの中身としましては、一つは、お手持ちの不動産等の調査とか分析といったようなこともございますし、それからどういう事業手法でやったらいいかとか、事業収益性の検討だとかあるいは資金計画だとかいったようなこともアドバイスする必要があります。それから、テナント募集とか不動産経営をどうやったらいいかといったようなアドバイスがあるわけでございまして、したがいまして、各般にわたる非常にいろいろな知識が必要なわけでございまして、御指摘のとおり、例えば不動産鑑定士とか公認会計士、税理士、弁護士、建築士等の、いろいろな資格を持った方との業務の関係が出てくるわけでございますけれども、こういったそれぞれ法令に根拠を持ちます専門分野の方につきましては、一定の業務について独占的に行うというふうに法律で規定されております。したがいまして、そういうふうに一定の独占的に行われている業務は対象にしないというようなことでやらせていただいております。そういうつもりでおります。
 いずれにいたしましても、今検討中のものでございまして、これからこういった資格者の業界団体と十分な御相談を、意見交換を申し上げたいと思っておりますし、それから、むしろそういう方とも十分な連携を保ってこの仕事をやっていくということに心がけたいと思っております。
#19
○笹川委員 何か総論賛成で、各論になってくるといろいろな専門分野に入ってくるので、言うことはやさしいけれども実際実施するのは非常に難しい、こう思います。
 そこで、建設大臣にお願いしておきますが、ひとつなるべく慎重に、そしてまた各業界の方々と摩擦の起こらないように、不動産で起こるトラブルというのが特に税制面においては非常に大きいと思います。また、これには相続も絡んでまいりますので、ぜひひとつ慎重に建設大臣に対応していただきたい、こう思います。時間が少なくなってきましたが、国土庁にお尋ねをいたしますが、国土法についてでございます。
 御承知のように、今金融業界では総量規制、個別規制あるいはまたノンバンクの規制等々、国土庁と車の両輪でやっていただいているおかげで、地価も非常に下がるところは下がってきた、下目で安定をしてきた、こういうことでありますが、知らない人にしてみると、国土法で売らなければいかぬというふうに理解している人が大変多いということであります。国土法はあくまでも最高でございますから、それ以下で幾ら売買してもいいのでありますから、地価が下がったらぜひひとつそれなりに国土法を下げてもらいたい、私はいつもこう申し上げておりますが、それについて大蔵省の方は、もう景気が非常に落っこちてきたのでぼちぼち総量規制を解除していかないと間に合わない。役所の統計というのは大体三カ月おくれですから、役所の言うとおりやっているとどうもブレーキにロックがかかってしまって急停車をする、こういうようになりかねないところでございますので、ぜひひとつ国土法の運用についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
#20
○鎭西政府委員 国土利一用計画法におきます価格審査の「著しく適正を欠く」場合というのは、ただいま委員が御指摘になりました不適切な価格ということでございまして、通常、それ以下であればもちろん取引が可能なわけでございますので、私ども十分そういう性格の価格であるということを窓口で申請者の方に指導する、一般的な周知を図っているところでございます。特に、昨今のように価格が鎮静化ないしは下落傾向にある時点におきましては、マイナスの時点修正、傾向的に価格が下がっているのだということで、相当な価格と届け出価格との間の比較をやる場合に十分その傾向が反映されるようなそういう時点修正というのを行うように強く審査庁を指導しているところでございまして、去る三月に改めて通達も発しましたし、その後いろいろな会合をとらえまして、機会あるごとに周知徹底を図っている、かような状況でございます。
#21
○笹川委員 今お答えいただいたわけでありますが、まさに国土法というのは、これからの日本の地価対策だけに限らず、経済への影響そしてまた住宅あるいはそのほかにも大変関連がありますので、ひとつしっかりやっていただきたいと思います。
 最後の質問になりますが、俗に言う駐車場法といいますか車庫法の改正が七月一日から施行をされたわけでありますが、私の地元でも、この間県営住宅の大変立派なものが建った。横を通ってみたら、もう違法駐車がいっぱいあるわけです。考えてみますと、入居した数の車は当然必要なわけでありますし、買っているわけですから、そういう意味では、何かつくったときから連法駐車をするような県営住宅がなというような気がするのですが、なかなか駐車場の土地を確保するということは難しいことはわかりますが、今は簡便なもので二重に駐車するとかそういう施設がありますので、ひとつ建設省として、私がいつも言っているように、マンションをつくるときはマンションの世帯数だけは駐車場がなかったら、アメリカのようにもう建築基準で許可しないのだ、それぐらいのことをぜひ考えてくれということを常に申し上げておりますが、その点についてお考えがあったらお聞かせいただけるとありがたいと思います。
#22
○立石政府委員 住宅団地をつくりますときに、その駐車場についてしっかりとした計画が必要であるとの先生の御指摘、そのとおりだというふうに思っておるところでございます。先ほどの御紹介があったところでございますが、最近の公営住宅の団地におきましては、地域の駐車場需要に対応いたしまして駐車場の整備を図っていくこととしているところでございます。この場合に、地域の交通事情によりまして二戸に一台以上整備してほしいという要望の強い地域、群馬県なんかも割と強い方と思っているところでございますが、そういうような地域では、例えば公営住宅を建設するに当たって一〇〇%ないしそれに準じた高卒の駐車場整備を目標としているというような現状になってきておるところでございます。
 国としての指導の仕方についてでございますが、地域によりまして駐車場の必要性の程度が異なること、あるいは駐車場の用地の確保がいろいろと難しいところと易しいところがあるというようなことから、一律の設置基準を設定することは困難だと考えてはおりますが、本年度から公営住宅団地の駐車場整備に対して国も補助をする制度を創設したところでございまして、補助対象としておりますのは、例えば大都市の既成市街地では三〇%、大都市の郊外地、近郊整備地帯等では五〇%に、その他の地域では七〇%というようにしているところでございますが、こういうような制度を活用して、地域の実情に即した駐車場整備を行うように、事業主体を今後特に強く指導してまいりたいと思っております。
#23
○笹川委員 それでは、時間が来ましたので質問をこれで終わります。ありがとうございました。
#24
○桜井委員長 次は、木間章君。
#25
○木間委員 最初に、大塚建設大臣の政治姿勢について少しただしておきたいと思うのであります。
 先般のニュース報道で、大臣の政治姿勢とファミリー企業との関係が大きく報道をされました。正直言ってびっくりしておるところでありますが、そのときに、同時に、短い文章でございましたけれども、大臣の所見も述べられております。所見の扱いは三行広告みたいなものでして、私どももなかなかすとんと落ちないわけでありまして、そういったこともありますので、ぜひこの機会に大臣の所見をお尋ねしておきたいと思います。
#26
○大塚国務大臣 まず、貴重な御質問の時間にこのようなことで時間を割かれることにつきまして、まことに遺憾に存じます。そして恐縮に存じます。
 今のお話でございますが、実を申しますと、既に当委員会におきましても、また参議院の予算委員会あるいはまた建設委員会におきましても既に御質問をいただき、お答えをした公団住宅の問題に関連した私の関連企業のことについてでございますが、その折にも既にお話をいたしました。ともかく社員と秘書が兼任をしておるということにつきまして、不明確ではないか。したがいまして、私は、三月この御指摘を受けて以来、自主的に会社の社長に、税務当局と御相談をして的確な処理をするように指示をいたしました。その後、税務署とお話をいたしまして、新聞報道にございますように約七千七百万円の三年分の経費について否認をする、したがいまして申告漏れというよりは話し合いで修正申告をいたしまして五月に納税も済ました、こういうことでございまして、そのことが最近になりまして記事になったわけでございます。
 実は、その経緯を若干申し上げませんと御理解をいただけないと思いますが、私は都議会議員をやっておりました。その前は再開発の仕事を東京でいたしまして、公団の職員をやめて以来、いわゆるオリンピック道路で青山の道路が広がるときに、その跡地におられるいろいろな職種の方々と一緒に共同でビルを建てる、共同で敷地をつくって、その上に公団住宅を乗せて、減っていくであろう夜間人口の確保をしながら、そしてまた商業をおやりになっている方々が引き続きその地で商売をしていけるようにしようということを指導をいたしまして、今日では再開発という言葉になりましたが、まだ当時はその草創期でございまして、権利者の調整であるとか資金の調達であるとかあるいはまた賃貸料の策定であるとか、そういういろいろな面倒を見てまいりましたことが仕事の発端でございます。
 実はそのときに、当該委員の島村先生の御尊父も千住に大きな土地をお持ちになりまして、当時の私のところにおいでになって、君がそういう再開発をやっておるから、うちの土地についても相談に乗ってくれ、私の秘書であり社員である者が、それこそ公図をとりに参りましたり謄本をとりに参りましたり、いろいろな計画をつくって、このようにされたらいかがですかというような報告を出したこともございます。これは別に東京に限りませんで、全国からいろいろお問い合わせがありましたから、それを業とするようになりまして、結局は、個人でやっているわけにもまいりませんから、会社を創立したわけでございます。その所員であり、また社員である者がだんだんとふえてまいりまして、私の事務所には今日でもそのようなことを依頼される方が非常に多いわけであります。
 当時、島村先生のお父様も、これだけやってもらったんだから費用を取れとおっしゃるので、私は政治家ですから、これをいただくとしても先輩からいただくわけにはいきませんと申し上げたのですが、どのくらいの基準が適当かというようなことから、会社で基準をつくりまして全社の収入といたしました。したがいまして、私の秘書であり社員は、その仕事を両方兼ねているという向きもありまして、その辺が非常にあいまいであったことが誤解のもとになったことを大変に残念に思っておりまして、今回、この問題をきちっと整理をいたしまして、税務署の御指導に従って納税をいたした、こういうことでございます。
#27
○木間委員 この問題で大塚大臣とちょうちょうはっし長い時間をかけようとは思っておりませんけれども、今開かれております国会は、私どもを含めた、まさにそういった政治家の姿勢が問われている極めて重要な国会でもあるわけです。海部総理大臣は政治改革に政治生命すべてをかけるんだ、こうおっしゃっておいでるわけでありますから、私たちは毅然としていかなきゃならないと思っております。
 本来、企業というのは、大きかろうが小さかろうが、やはり社会を構成しております極めて重要な公器であろうと私は思っております。大臣も、国会に出られるまで、あるいは政治の場に入られるまで、随分とこの企業を育ててこられたでしょうし、今日も幾ばくかの関係はお持ちなんでしょうけれども、やはりきっぱりとしていただかなきゃならぬわけです。企業というのは登録もされまして、そして従業員を雇い入れて税金も納めておいでるわけでありますから、立派な公の器になるわけでありますから、公私混同も甚だしいと言わざるを得ませんし、そういった問題についてこれから毅然とした姿勢でお互いにやっていかなきゃならない問題であろう、実はこう思っておるところです。ですから、かねがね問題になってきましたリクルートの問題やあるいは証券・金融の問題にいたしましても同根の問題ではないだろうか、このことを、この機会に改めて指摘をしておきたいと思います。
 国土庁長官が少し遅れられておるようでありますから、雲仙の問題は後に譲りまして、豪雪問題でお願いをしたいと思います。
 豪雪問題に際しましては、それぞれ豪雪地域の住民はもとより、自治体挙げて努力をされておりますし、また本省におきましてもそれぞれ努力をしてきておるところでございますが、豪雪地帯対策特別措置法が制定をされて今日運営をしておるのであります。私たちが気を配っていかなきゃならないのは、例えばその法第十条に、事業計画は大臣が毎年定めると実は記載をされております。そこで、昭和三十七年にこの法律制度ができたわけでありますが、本省においても既にもう三十年近く努力をされてきておりますが、地方でも、発足当時は別といたしましても、この三十年間地元住民の皆さんの機微に触れた取り組みをされてきております。したがいまして、この機会に、事業計画は大臣限りの任務になっておりますが、ぜひ地方計画も盛られるように法文の整理をされてはいかがなものか、このように考えるものでございますが、国土庁のお考えをお示しいただきたいと思います。
#28
○小島政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの御指摘の点でございますが、お話しのように豪雪法ができましてもう三十年たったわけでございます。国並び仁地方公共団体、いろいろと努力をいたしまして、当時と比べますとかなり除雪状況もよくはなっておりますけれども、豪雪である、あるいは雪国であるという実態は依然として変わらないわけでありまして、こういう点、私どもも、今度豪雪法が本年度中に期限切れになるものですから、私どもの国土審議会の豪雪対策特別委員会におきまして、現在、これからの豪雪対策のあり方について検討をいたしておるところでございます。
 同委員会に設けられました小委員会におきまして、八月二十一日付で、今先生が御指摘になったように、やはり国だけの計画ではなくて地方の計画もつくってもっと地域に密着したものにすべきではないか、このような考え方が示されたわけでございまして、私どももできるだけそのような方向になりますように努力をしていきたいと思いますので、どうかまたいろいろと御指導、御尽力のほどをお願い申し上げます。
#29
○木間委員 いま一つ、局長の方からもちょっとお示しいただいたわけでありますが十四条、十五条のことでございます。本来この豪雪法は永久法でございますけれども、十四条、十五条、この二カ条につきましては時限立法をとっておるわけであります。明年三月三十一日に日切れ法になるわけでありまして、この十四条、市町村の幹線道路について県が代行しようという制度とか、あるいは十五条、小学校、中学校の新改築についてはぜひ高いレベルの助成をしようとか、地方にとっても極めてかけがえのない制度でございますので、この日切れ法が失効しないように、再延長できるようにぜひ御配慮をいただきたい、このように申し上げるところです。お願いをいたします。
 それで、この豪雪問題のいま一つの問題は、雪害費用の税法上の位置づけの問題でございます。大蔵省にもお願い包しておるところでありますが、雪国の皆さん方は屋根雪おろしの始末など、雪の害から生活を守るために特別な支出を余儀なくされておるのでありまして、その費用は莫大なものになるわけであります。五六豪雪を経験いたしました私にとりましても、雪といろいろな行政制度とのかかわりを一つ一つ掘り起こしてみたわけでありますが、今引退されました新潟の小林進代議士とチームを組んで全国を駆けずり回りながら、実態調査をしながら、建設委員会や災害特別委員会でも論議に参加をしたところであります。その結果、ようやく雪害費用が所得税法の中に必要経費として見ていただける制度が誕生していったわけです。
 ただ、その扱いは雑損失控除の中でとどめられておるところに、雪国の悲哀を私ども感じ取っておるところです。雑損失控除というのは、御承知のとおり火災に遭ったりあるいは泥棒にやられたり、そういったときに所得税法で必要な経費を見ることになっておるわけでありますが、この火災とか盗難は人為的な事故であります。ところが、雪との関係はまさに自然との関係で、人為的にはどうにもならないものでございます。したがいまして、そういった制度をせっかくつくるに当たっても、雑損失という扱いでは、私たちは大きな不満を当時も意思表示しておったわけでありますが、それから既に十年の歳月がたちました。先ほど国土庁の方からもお話がありましたが、雪に対する諸制度はそれなりに前進をしておりますが、前進をしていないのはこの雪害費用の扱いの問題が残っておろう、私はこのことに着目をしておるところであります。ですから、この雑損失控除から切り離しまして雪寒控除として独立をさせていくべきではないだろうか。このことはまた、私たちだけではなくて、全国の市町村で構成をしております全国特別豪雪地帯市町村協議会からも毎年のように陳情を本省に寄せられておるはずでありますから、こういったことについてぜひ前向きに、積極的に検討をお願いしたいと思うのです。
 まだ真夏の残暑の厳しいときに雪の問題を取り上げて大変恐縮なんですけれども、こういったときにこそそういった問題に真剣に取り組んでいかないと、間もなく訪れる雪の時期にまたどういうような災害が起ころうともわかりませんので、万全な処置を要望、要求するものであります。大蔵省から御答弁をお願。いいたします。
#30
○尾原説明員 今の先生のお尋ねは、豪雪地帯の地域的な事情を考慮して特別な控除を創設せよというお尋ねかと思います。
 しかしながら、納税者の方と申しますのは、それぞれ異なった地理的条件、社会的条件に置かれていることは事実でございます。しかし、例えば暑いところにお住まいの方は当然冷房費がかかるということ一になりましょうし、また物価の高い都市部に住んでおられる方はどうするのか、こういうふうになってまいります。そういたしますと、地理的な条件や社会的条件の差異に着目いたしまして新規の控除をつくっていくということは、税制をいたずらに複雑にしていくのではないか、また、そのような条件の差異に基づきます特定の支出というものを考慮していくのにも限界があるというのが、税制調査会の考え方でございます。
 そこで、先生今お話がございましたように、豪雪の場合でございますが、住宅の倒壊を防止するためという趣旨から、屋根の雪おろし費用あるいは住宅の外周りの雪の取り除き費用あるいはそれに直接関連する雪捨ての費用というのを、災害関連支出の金額として雑損控除の適用範囲を拡大するという措置を講じたわけでございます。これは、盗難や横領ということで設けられているのが雑損控除ではございませんで、災害というのも前から対象になっていたわけでございますが、そのような御指摘を踏まえまして、この雑損控除の中の災害関連支出という金額の中に、雪の関係の費用を認めていくということを講じたわけでございます。
 そこで、他の制度とこの制度を比較させていただきたいわけでございますが、現在の雑損控除の足切りは五万円ということになっております。同種の控除を見ますと、例えば医療費控除というのがございますが、これは足切り限度が十万円ということになっております。そういうバランスから見てまいりますと、今の水準というのは税制としてもぎりぎり配慮されている姿になっているのではないかというふうに考えております。
#31
○木間委員 到底納得するわけにはまいらぬわけです。課長はどこの御出身かはわかりませんけれども、我が国の五二%が豪雪・積雪地帯であるわけです。しかも、ある先生の調査によりますと、年間五百億トンの降雪を見ておるのでございまして、まさに私どもの生活上、水資源として極めて重要な財産であろうと思います。ところが、一たん豪雪に見舞われますと、産業活動はもとより、市民生活は全くお手上げの状態でございまして、今のような他の類似の諸費用の支出などなどと比較をしていただいても、私どもは到底納得できないわけであります。仮に奥多摩に雪が積もらなかったら、東京の皆さんは一体水資源にどのように苦渋をされるでしょうか。このことを一つはとらえていただきたいのであります。五六の当時、国会でも大蔵省の判断は、日本列島は災害列島であります。後ほど雲仙の問題でも触れようと思っておりますけれども、この問題についで軽々に扱ってはいかぬのであります。そういった意味で、ぜひもう一遍これらの問題について真剣に考えていただきたいのです。
 私どもの雪国からも、東京へあるいは各省庁に、十分御活躍をされておる先輩の方々もおいでるわけでありますが、一たんトンネルをくぐって都会へ出てきますと、雪国のことをお忘れになりがちであります。このことも正直言って指摘しておかざるを得ないと思うのです。また、冬の時期になりますと、兼六公園の雪つりなどもブラウン管に映し出されます。あの幾何学模様は極めてきれいに映るわけでありますが、雪国はそうではなくて、庭木一本にいたしましても雪から守ろう、そういった心血を注いだ結晶があのようにあらわれるわけでありまして、決して物見遊山的に扱ってはいけないのであります。
 このことを十分に指摘をしておきたいと思いますし、同時に除雪費用を見積もるときの問題は、領収証が伴うかどうかということが極めて大事でございます。私も毎年、屋根雪をおろすわけでありますが、雪国のほとんどの皆さんは自分で手前の住宅周りの雪との対峙があるわけでありまして、そういったときには領収証はついて回りません。他人を雇って初めて領収証が誕生するわけでありますけれども、そういったときに、その領収証なしでも必要経費として見積もられるようにぜひ門戸を開くべきだ。当時も議論を申し上げましたけれど、も、今どのように処理をされておるか、明らかにしていただきたいと思うのです。当時も申し上げましたけれども、例えば日誌あるいは家計簿で支出をされておる向きがあればそれをぜひ認めろ、こういった議論もしたわけでありますが、このことについて、この機会にもう一遍確認をしておきたいと思いますから、お願いをいたします。
#32
○日高説明員 雪おろし費用につきまして雑損控除の通用を受けます場合には、先生お話しのとおり、政令でその雪おろし費用に係る領収証を確定申告書に添付するか、または確定申告書を提出する際に提示しなければならないということになっておるわけでございます。したがいまして、私ども、領収証の添付または提示を求めることとしておるわけでございますが、ただいま先生御指摘のように、領収証の交付を受けることについて困難な事情がある場合もございますので、そうした場合におきましては、領収証にかえまして、支払い年月日、支払い先及び支払い金額を記載した家計簿等々によりまして支払いの事実の確認ができれば、私どもとしては認めることとしておるところでございます。
#33
○木間委員 後ほど会議録を精査いたしまして、この大蔵省の姿勢について再度質疑を要請することもあろうと思いますが、先へ進みます。
 国道の問題に若干触れておきたいと思います。
 我が国の国道は、道路法第三条で高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道から成りまして、一大道路網を構成しておるのは御承知のとおりであります。そこで、一般国道についてお尋ねをするわけですが、全部で四百一路線を今日指定してきておりまして、総延長四万四千三百キロほどでそれぞれ整備に努力をされておるところであります。過去の国道指定の状況を見ておりますと、おおよそ五カ年に一度見直しをされておるところでありますが、最近の指定は、昭和五十六年に見直しをされまして以降十年間たっておるわけであります。今日、道路問題について、特に国道問題について、企業活動あるいは住民の活動について、地方においても欠くことのできないような位置づけになっておるわけでありまして、その整備の要望は各地で強く求められておるわけです。そこで、建設省の今の対応はどうなっておろうか。既に十年たとうとしておるわけでありますが、ぜひ今の皆さんの検討状況をただしておきたいと思います。
#34
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、十年前に国道の再編、調整をいたしまして以来、もう約十年たっております。現在道路延長、現道延長で四万四千三百キロ、弱でございます。確かに、これだけでもって全国の交通の総需要の三二%になっております。言ってみれば、四%強の道路延長で三二%の車を扱っているというぐらい、非常に地域にとって重要な役割を果たしております。
 そこで、現在全国から百八十路線、一万二千キロ余の追加をしてほしいという御要望が出ておりまして、これを一本一本私ども、交通量の現状、あるいは県等々がどのようにその地域の道路網で位置づけておるか、あるいはその周辺の振興計画と具体的にどのようなかかわり合いでその要望路線が出ているかといったことを一本一本調査をいたしまして、そうしてそれの素案もでき上がっております。
 そこで、現在、その中でいろいろな要件がございます。その要件の中にはかなり古くなった要件もございますし、離島のように新しい要件もございます。しかし、半島法の問題あるいはテクノポリスの問題等、地域立法も個々に出てきております。そういうことから、開発のおくれている地域の将来の振興を図る観点、あるいは逆に交通需要も多くて国道網がふくそうしているけれども、そういうものの国道網はどういうふうに再編成するかというような両極端の問題等について、それぞれの路線を今もう一度見直しといいますか再チェックをし、そして採択基準が十分かどうかというようなこともあわせて、詰めの精度を上げている状況でございます。
 その中で、国道網の将来規模が昭和四十年代につくられておりまして、これは現在おおむね五万キロというような目標で考えられてまいりました。しかし、先生御指摘のように、確かに地方こそ車社会になっておりますし、四全総という中でこういう規模についての見直しも極めて重要になってまいりました。道路審議会の基本政策部会でもそのような御議論をいただいております。
 そういうことで、こういうものが今どんどん最後の詰めの段階に入ってきておりますので、道路法第五条の第一項に定めております法定要件等踏まえながら、私ども三年度中のなるべく少しでも早い時期にこの国道網の再編成を行いたく、その際には地域の声が十分反映できるような努力も、再チェックもしながらまとめさせていただきたいと思っておりますし、そうしませんと、平成五年度から新しい五カ年計画を立てる際のベースになる道路網でございますので、そういうことで今最後の詰めをさせていただいている、こういうことでございます。
#35
○木間委員 局長もちょっと触れられましたけれども、五万キロ構想の中で進められておるわけでありまして、四万四千三百キロ、あと五千七百キロほどのすき間があるわけですが、これは昭和四十二年度に五万キロ構想を立てられたわけでありまして、それから既に二十五年たっておるわけであります。したがいまして、産業活動、市民生活が急テンポで発展をしておる昨今でありますから、ぜひこの五万キロ自体の再検討もその機会にあわせてお願いをしておきたいと思います。
 国土庁長官が着席されておりますので、雲仙の普賢岳問題で、少し私の意見も申し上げながら国土庁のお考えをただしたいと思うのです。
 先に、たくさんの犠牲者を出しまして、亡くなられた方に心から御冥福をお祈り申し上げながら、今日百日余も避難生活に呻吟をされておる長崎県の皆さんにお見舞いを申し上げるところであります。
 それで、私も地元に帰りまして時々経験をする問題があります。消防自動車のサイレンを聞きますと、どこが火事だろうか、どの程度だろうか、すぐ消防署に確かめることがあるわけですが、サイレンの音が大きいと外へ飛んで出るのも、これは人間の常としてあるわけでありますが、何か事故とか事件が起こりますと、正確な情報を提供することが今日ほど求められておる時期はないだろう。うわさはうわさを呼び、やがてはデマにも広まっていくわけでありまして、不安を伴うようなものは、より早くそして的確に示していかなきゃならな、いのであります。
 今度の雲仙・普賢岳の噴火は、私たちに自然災害の恐ろしさを実は経験させたのであります。火砕流の流れの速さあるいは熱の高さ、これらについては、研究されておる皆さんは恐ろしいことはわかっておられるのでありますが、一般住民は認識しておりません。そこで、災害が起きたときに情報の提供が、最小限に食いとめるためにも即刻示されなければならないところであります。それで、今度の火山活動についても、特別措置法第二十一条では情報を早く通報しよう、こういう取り決めになっておるわけでありますが、普賢岳の場合にどのような措置をされたのか、気象庁お見えになっておると思いますが、御報告をお願いいたします。
#36
○森説明員 お答えさせていただきます。
 気象庁では、雲仙岳の火山活動に異常があった場合には雲仙岳測候所から臨時火山情報を発表することとしており、これらの情報を直ちに島原市や島原振興局等の関係地方公共団体、警察、報道機関に伝達しております。火山情報は、これらの機関を通じ一般住民に伝達されることとなってございます。特に生命、身体に被害が生じた場合または生じるおそれがある場合には、活動火山対策特別措置法に基づきまして火山活動情報を長崎県知事に通報するとともに、関係地方公共団体、警察、報道機関にも伝達してございます。
#37
○木間委員 先日気象庁にもお聞きをしたわけでありますが、気象庁としては的確に連絡をした、このようなお話でございますけれども、それじやそれを受け取った市や町は住民に周知徹底できただろうか。これも新聞記事で大変恐縮なんですけれども、住民に不安を与えるやもしらない、こういって実は市も町も住民に広報をしてい、なかったようで、あのような大惨事を食らったわけであります。ですから、役所の方はそれぞれの部署で的確にその都度情報の提供などなどされておったということでありましょうが、それを受けた地元の関係団体は、まだまだ古いタイプが残っておるといいましょうか、そのような状況であった、このように実は紙面に載っておるわけです。
 そこで、国土庁でも防災会議をその都度やっておいでるということも資料で知っておりますけれども、幹部どころだけの会合に終わっていやしないだろうか。やはり地方にはまだまだ認識の甘さ、あるいは古い考え方があるとしたら大変なことであります。ですから、この防災会議のあり方にい、たしましても、もう一遍皆さんの方で見直していただいて、徹底的に末端まで周知するように、そして的確な判断でやちれるようにお願いしたいのでございます。
 もう一つ、今北海道の十勝岳周辺でもハザードマップ、活動火山の危険マップが整備をされておりまして、この前の十勝岳の噴火に際しても、十分住民に徹底をしたおかげで犠牲者は出なかった、こういう報告も実はされておるのであります。そこで、火山列島と言われるくらいに全国に八十三の活火山を今持っております。この火山の情報などなどについて、ハザードマップがどのように整備をされておるのか、また、これからどのように末端まで知らせていくための諸政策を進められるのか、このことをお尋ねしておきたいと思います。
#38
○鹿島政府委員 いわゆる火山に関しますハザードマップにつきましては、現在十勝岳におきまして先生仰せられましたように実績がございます。昭和六十年から六十二年にかけまして、上宮良野町、美瑛町につきまして作成をしたということでありますが、泥流をテーマにつくったものでございます。さらにまた、先例といたしましては、駒ケ岳につきましても、森町初め三町一村につきまして岩層雪崩、軽石流等につきましてこういうものをつくっておるわけでございます。雲仙岳の災害に当たりましても、砂防・地すべり技術センターの方のシミュレーションに従いまして、その結果を活用したわけでございます。避難の態勢をこれによりましてとりましたことにより、六月三日の火砕流の後は、おかげさまで大きな成果を上げておるわけでございます。
 国土庁におきましては、実は昭和六十三年度からでございますけれども、四つの火山をモデルにいたしまして、火山噴火災害危険区域予測図作成指針、いわゆるハザードマップの作成マニュアルというものの策定に取り組んでございます。四つの火山と申しますのは、樽前山、浅間山、富士山、桜島といったような過去の噴火の経歴のある火山をとらまえまして、その災害の要因等につきまして分析をしながら、それぞれの火山に適用可能なハザードマップのマニュアルづくりを進めておりますが、平成三年度末を目途に現在作業をいたしてございます。このマニュアルができました後は、火山周辺自治体にこれを配付をいたしまして、説明を十分いたします。そして、周知徹底を図ることによりまして、各火山周辺の自治体におけるいわゆるハザードマップの作成につきまして、指導助言に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#39
○木間委員 時間が迫っておりますので、私の意見だけ一、二申し上げて、最後に一点お尋ねをしたいのであります。
 一つは、集団移転の問題です。集団移転は、現行制度では十戸以上が新たな地区に移転をする場合という制約がございますが、私は、三千世帯を考えてみますと、一戸だってどこか移転する場合があるんじゃなかろうか、こう思っております。いま一つは、移転をされたときに、旧の跡地の処理の問題でございますが、衆議院、参議院災害特別委員会の会議録を読んでみても、現況で買い上げます、つまり、火山が噴火する以前の価格ではなくて、火山灰やあるいはいろいろ山積みにされたその現況で買い上げますという答弁がされております。大変不満です。しかし、これはまた次に譲りまして、一点だけ。
 今度の噴火によりまして被災を受けておられる皆さんに特別交付金制度をつくったらどうか、そしてお見舞いを差し上げたらどうだろうか、こういう提案でございます。災害が発足いたしまして既に百日、いつ鎮静するか、衰えを見せていないのであります。また、この避難住民の皆さんは、着のみ着のままで公民館てごろ寝をし、コインランドリーで洗濯をするという生活を余儀なくされておりますし、また立入禁止がしっかりとされまして、お巡りさんが見張りをされておりますから、墓参りにも実は行けないような生活ぶりでございます。
 私ども、この間選挙区へ帰りますと、政府は湾岸戦争で九十億ドル出したじゃないか、だから同じ国民が苦しんでおるのになぜ政府はきっぱりと姿勢を見せないのか。先ほど防災局長は、あらゆる制度を駆使して、あるいはさらにそれを拡大してやって万全を期しておる、こういう御答弁もあるわけですが、私はその姿は目に焼きついております。よくわかっております。しかし、被災住民の皆さんの胸にはすとんと落ちないのです。一般の国民の皆さんにもすとんと映らないわけであります。それで、この雲仙の救済については、少々増税があっても私どもは協力をしますから、何とか政府はこういったお見舞い金の制度をつくるべし、こういう要請が私の地方でもあるわけであります。また、雲仙の人たちにも、これからどの程度長期になるだろうか、火山の鎮静が仮にあったとしても、いつかは来るんでしょうが、あったとしても、あの土石流が処理をされない限りは、雨のたびに逃げ延びなければならないという生活が続くわけでありまして、これからのことを考えても、大変な状況だと言わざるを得ないわけであります。
 ですから、特別立法を措置をしてこれらの姿勢を明らかにするのも、行政の皆さんも立法府の私どもも、この住民の皆さんにできる一つの手法でないだろうか、このように考えるわけでありますが、国土庁のお考えをお示しいただきたいと思います。
#40
○鹿島政府委員 雲仙岳噴火災害に伴いまして多くの方々が苦渋をしておられるということは、私どもよく理解をいたしてございます。そのために、六月の四日、非常災害対策本部を設置いたしまして、今日まで五回にわたり本部会議を開催いたしました。人命第一の見地から、まずもって避難の対策を初めといたしまして、住宅、民生、農林、漁業、中小企業、雇用等にわたります二十一の分野、九十項目にわたりまして私ども対策を講じてまいっております。中でも、三十項目を超えます新しい施策を講じますとともに、従来の火山噴火の災害に際しましてとった措置に加えて、全く新しい措置として十数項目これまたその中に項目を備えておるわけでございます。私どもこういった措置によりまして、地元公共団体等の御要望にも沿いながら対応が十分できるというふうに理解をいたしてございまして、今一番肝要なのが、このそれぞれの施策をとにもかくにも早く実施をする、これによりまして民生の安定を図ってまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
 時間が長くなりまして恐縮でございますが、一、二具体に例を申し上げさせていただきますと、避難が長期化しているというような状況にかんがみまして、八月二十三日でございます。二つほど例を申し上げさせていただきたいと思いますが、施策を講じました。二カ月以上避難生活が継続をし、収入が途絶えている世帯に食事の供与、これは従来になかったことでございます。これをやる。あるいはまた、食事の供与にかわります金銭の給付を県が行う場合に、国が補助をするという制度をひとつ確立させていただこうと考えております。二つ目は、警戒区域等の中に居住する方々が生活安定資金を望む場合に五年間無利子で据え置きをする、そういう新しい貸付制度を県が行う場合に、国がこれを補助をするというようなことを新しく決めたわけでございます。こういったことによりまして新しい救済対策を幾つか実施をさせていただく中で、被災者の救済対策に万全を期させていただきたいというふうに考えてございます。
 先生御提案の見舞い金の一律交付というようなことにつきましては、個人が災害を受けられた場合に、従来から自主的な回復というのを原則といたしておるわけでございますし、自然災害による回復不能の痛ましい人的被害に限りまして、現在、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づいて見舞い金の給付が行われております。大変恐縮でありますが、これを超えて国が見舞い金を支給するというようなことにつきましては、非常に困難であるというふうに考えます。
#41
○桜井委員長 木間君、時間ですから簡潔に願います。
#42
○木間委員 確かに、事務当局は、この間の活躍には目覚ましいものがありますし、また、いろいろ諸制度を駆使してやっておいでの姿も私は知っております。
 ただ、私も理屈を言わせていただきますと、へ理屈だとお笑いになるかもしれませんけれども、あの普賢岳の噴火口は一体だれの所有なんだろうか。恐らく国有地であろう。国有地でありますと、日ごろから皆さん防災のために水をかけたり、なでなでしてやったりして、もっとかわいがっていただければ暴れないと思うのですよ。自然災害でございますから、まあいろいろのことがありましょうが、やはり思い切った措置をとることが私どもに求められておるのじゃなかろうか。
 私はある人にお伺いしたのでありますが、一千万ぐらいの見舞い金を出したらどうだろうか。三千世帯でありますから三百億円であります。九十億ドルを出したじゃないかという国民の声もあるわけでありますから、一千万はいいか悪いかは別といたしましても、いろいろの制度を駆使しながらも、やはり国民生活を守るために、安心していただくためにもこのような特別な配慮が、特殊な災害でございますから必要ではないだろうか、このように考えて先ほどから訴えておるところであります。長官の御決意を最後にお尋ねして終わりたいと思いますが、長官どうですか。
#43
○西田国務大臣 被災者を初めといたしまして、国民の皆様方に大変御心配をかけておるわけでございます。今回の災害の甚大さ、特殊性、そういうものを十分踏まえまして、政府におきましてもでき得る限りの対策というものを立ててきておると思うわけでございます。
 第一点は、先ほど防災局長もお答えを申し上げましたが、現在取り決めております二十一分野九十項目を、現実にこれを実行していくということが最も大切だと私は考えておりますので、そのことに総力を挙げて関係省庁と取り組んでおるところでございます。
 それから、もう一つの問題点でございますけれども、私は現在まで、当面の応急対策に焦点を絞ってやってまいりました。さらに、あの災害というものが終息をいたしますと、今後あの地方の復興という問題が持ち上がってくるわけでございます。復興ということになってまいりますと、ただ単に災害復旧ということだけでなくて、あの地方の町づくりあるいは防災都市、そういうことを総合的に考えていかなければいけませんので一御指摘の問題等については、十分その復興段階において私どもも検討をさせていただきたい、このようにお答えをいたします、
#44
○木間委員 私も、これからも議論に参加させていただきたいと思いますが、ぜひ被災県民の皆さんの納得のいくような措置をお互いに見出しながらやっていこうじゃございませんか。よろしくお願いします。ありがとうございました。
#45
○桜井委員長 木間君の質疑は終了いたしました。
 次に、貴志八郎君。
#46
○貴志委員 借地借家法の関係につきまして、まず質問をいたしたいと思います。
 今開かれております臨時国会は証券・金融国会とも呼ばれておりますし、海部総理に言わせれば政治改革国会にしたい、あるいはPKOの問題もある、世間の注視は、日本全体の国民の目はそういったところに向けられておりますが、なぜか前の国会で継続審議になった――継続審議になったというのは、賛否両論なかなか意見の一致が見にくい条件にあるからでございますけれども、この借地借家法案をなぜ急いで、これだけ臨時国会の目的と言われる問題が山積みされながらこんなに急いで審議にかけなければならないのか、その真意は一体どこにあるのか。本当は、法務大臣に聞かなければその辺のところはわからないのだろうと思いますけれども、まずそういった点について解釈をお伺いいたしたいと思います。
 さらに、この法案が成立をいたしますと、一体民間の賃貸住宅がこれでふえるのだろうか、家賃は下がるのだろうか、あるいは土地の代金は、地価は一体どのように変化をしていくのだろうか、この法律の波及効果についてどのような予測をお持ちになっておるか、まずその点についてお伺いをしたいと思います。
#47
○寺田説明員 まず私の方から、借地借家法案を提出いたしましたいきさつ、その趣旨について御説明申上げます。
 借地借家法案は、御指摘のとおり本年の三月十九日に通常国会に提出されまして、その会期、五月とともに継続審議の扱いになっております。現在、この臨時国会でも法務委員会におきまして御審議をいただいておるところでございます。
 この借地借家法案は新法の形をとってございますが、大正十年にできましたいずれも古い法律でございますけれども、借地法及び借家法という二つの法律、これと並びまして、この二つの法律に密接な関係を持ちます建物保護ニ関スル法律、この三つの法律を廃止して、あわせて新しい現代語の平仮名の法律にする、こういう趣旨の法律でございます。この法律は、したがって新しい法律でございますが、実質的には改正に当たるものでございます。この改正は、昭和六十年から民法の関係を扱ってございます法制審議会の民法部会というところで慎重な審議を経まして、昭和六十三年には関係各界の意見を聞くということでございまして、本年の二月に御答申をいただき、この答申に基づきまして法律を出している、こういう関係でございます。
 なぜこの時期に借地・借家法の見直しをするに至ったかというところが次の御質問であろうかと思われますが、この借地・借家法は、先ほども申しましたように大正十年に制定されたものでございまして、その後昭和十六年に、法律家の間では非常に有名な条項でございます正当事由条項というのを設けまして、借地・借家それぞれにつきまして、期間が終わってもそれだけでは終了しない、さらに更新を自動的に求める権利を借り主の方に与える、こういう改正ができた。それ以後は、しかし基本的な法律の骨格には手を触れられないまま今日に至っておるわけでございます。
 実は、昭和三十年ごろからこの借地・借家法につきましては、もうそろそろ時代の変化に伴って見直しをしてはどうかという御提案が各界からございまして、昭和三十年代の前半に私どもの当時の法務省の担当官を初めといたしまして、学者の先生方で一度総合的な見直しをした機会がございました。これが昭和四十一年に一部取り入れられたわけでございますが、当時は基本的な改正というのはなかなか難しかったわけでございます。その後、さらに時代が進みまして、最近に至りますと、従前の借地・借家関係、特に借地関係が現在問題になってございますけれども、現在の法律にどうも適合しない状況が世の中に出てきております。
 その典型的なあらわれは、従前は借りたらできるだけ長く使いたいというのが典型的な借り主側のパターンでございまして、借り主というのはほぼ常にそういうものだと考えて法律をつくっておけばいい、こういう状況にあったと認識されていたわけでございますが、昭和四十年代以降、特に五十年代に入りましていわゆる特別借地方式というようなものも登場いたしまして、借り主の方がむしろ一定期間を限って土地を借りたい、こういうようなニーズも実は出てきたわけでございます。現に住宅・都市整備公団では、七十年のような期間を区切りまして土地を借り上げる、七十年後には必ずお返しします、こういう形で土地をお借りになって公団住宅をお建てになっておられます。こういうようなものは、現行法下では実は全くの紳士協定でございまして、悪く言えば脱法行為ということでございます。こういうようなものが数多く出てくるという状況は、私ども法律を担当する部局としては見過ごせないということで、民法学者の間でも非常に問題にされていたところでございます。
 そこで私ども、昭和六十年から、これは特に借地関係について少し見直しを行う必要があるだろうということで見直しを行いまして、先ほど申しましたように、現在国会に御提出いたしております借地借家法案というものにその成果を取り入れまして、法案として提出させていただいているわけでございます。したがいまして、今回の借地借家法案には、借地部分におきましてはかなり従前の借地の扱いと異なる、新しい類型の借地を多く設ける等の相当の措置がされております。これに対しまして、借家については、現在の状況が供給の面から見ましても私どもの問題意識としてはそれほど問題はないということで、結論としては見直しは行いましたけれども、最終的にはいわゆる借家の部分につきましてはそう大きな改正をしないということで、現在の借地借家法を提出させていただいたところでございます。
#48
○大塚国務大臣 法務省から借地・借家法の改正についての経過等お話がございました。
 私ども建設省といたしましては、今度の改正は、賃貸借当事者双方の公平な利害の調整の確保や合理的な借地・借家関係の確立というところに目的があると理解をしておりますし、この改正によって定期借地権あるいは確定期限付借家の特例が導入されるわけでございまして、ただいまも公団の住宅の例がございましたが、そのような制度が導入されることによりまして、賃貸人の土地や建物の返還にかかわる不安が多少なりとも解消されていくということによりまして、供給に資するところが大きいものと期待をいたしておるところでございます。
 このことによりまして、結果的に土地の供給がふえ住宅の供給がふえれば、それだけそれなりの効果が出てくる。直ちに地価が安くなるとか、そういうところへの因果関係は相当広範な施策の展開によって生ずるものでございまして、この改正によりまして住宅供給は一層進むものと期待をいたしておるところでございます。
#49
○貴志委員 建設大臣の期待は期待としてお伺いいたしますが、実はこのような形で法律が改正されますと、以下質問申し上げていくような内容によりまして、土地そのものを貸すことによって今までいわゆる借地権の価格というものがかなり見られておったわけでありますけれども、それが幾分縮小されていく傾向にこの法律改正のためになっていくわけですから、むしろ土地を持つことの利益というふうなものがふえますから、逆に土地の価格が上がっていく促進剤になるのではないかという懸念を私は持ちます。
 それはともかくといたしまして、今度の借地・借家法の改正は、もともとこの法律そのものが民法の特別法ということで、自由契約のままにすれば持てる者と持たざる者、すなわち地主、家主は借家人、借地人よりも強い関係にあるから、これをある意味では弱い方の立場の借地・借家人の地位を安定化させる、実質的な対等な契約関係を結ぶように保障する、これが法律の趣旨であったと思うのであります。今度の法改正は、この対等契約という趣旨をいかにして守るかということではなしに、むしろ、どちらかといえば土地を貸す方、家を貸す方の権利を強くする、そういう意味の内容を持っておるのでありますから、私は、本来の法律の持っておる趣旨から、むしろ持てる者の方に軸足を乗せた改正である、このように理解をせざるを得ないのであります。
 私はここで、時間が余りありませんので、具体的な問題に早速入ります。こういう具体的な問題についての懸念を晴らさなければ、どうしてもこの法律改正を私どもは手放しては賛成できない、いや反対をしなければならないと思います。
 まず第一番目にお伺いをいたしたいと思いますのは、この法律は、今度の改正は従前の借地・借家関係への適用は全くないということになっておりますけれども、現実の問題としては、現在借りておる人が契約期限が切れる、特にこの法律が制定された二、三年後あるいは五年後、六年後に切れるというふうな借地・借家人の契約更改に当たって、地主やあるいは家主、それを代行するベテランの不動産業者、現場においてはそういう人々との対等のやりとりの中で契約が更改されるわけでございますから、恐らく借地・借家人は丸め込まれてしまって、新しい法律を盾に振りかざされた中で不利な契約更改を押しつけられる、そういう可能性は極めて強いと私は心配をいたしております。特に、零細な借地・借家人等におきましては、常に法律の改正やら法律の中身を勉強する機会がございません。片一方の不動産業者や家主の方は、きちんとそれを知っておるわけです。そういう懸念について一体どのようにこたえていくのか、ぜひお答えをいただきたいと思います。
#50
○寺田説明員 御指摘のように、この借地法及び借家法というのは、大正十年にできました際は、それ以前の現象といたしまして、例えば借地におきましては三年とか五年というような極めて短い期間の契約があり、立ち退きの強制がされるというような現象が起こりましたためにつくられたものでございまして、まさに御指摘のように、両当事者の実質的に対等な関係を実現するために民法に特則を置きまして、これ以下の契約をしてはいけないというような形で枠をはめる、いわばそういう強行規定のセットになっている法律でございます。
 まず、借地と借家につきましてははっきり分けていただきたいと思うのでございますが、先ほど申しましたように、今回の改正におきましては、借家についてはほとんどいじっておりませんので、実質的には前と大きな変更はございません。そこのところはひとつ御理解いただきたいところでございます。次に、借地につきましては、更新後の期間を初めといたしまして若干の手直しをいたしておりますほか、定期借地権制度を新たに導入するという、先ほどの御説明を繰り返させていただくことになりますが、そういう改正もいたしておりますために、借地におきましては多少の変更がございます。
 しかしながら、こういう借地の変更につきまして、既存の権利関係に既に入っておられる方々は、それはその対価を含めましてそれなりの権利関係として安定している状況にあるということから、いろいろな反対もございましたけれども、私どもといたしましては最終的には既存のものには一切これを適用しない、更新関係についての規定は一切適用しないということで、従前のものは従前どおりの法律のもとにあるという法律上の規定を明文で置いてございます。これは法案の附則に置いているわけでございますが、このことによりまして、法律上は既存の借り主、現在のコンテクストで申しますと借地人でございますが、そういうものに安定性を従前どおり維持しようという趣旨でございます。
 ただ、この改正論議が始まりましたのは、先ほど御指摘になりましたように昭和六十年でございまして、その当時は非常に地上げその他地価の高騰というような問題が多数生じておりましたために、この改正がそういう地上げを促進するのではないか、あるいは逆に、この改正によって従前追い出しか非常に難しいような借地関係につきまして、あっさり追い出せるようになるかというような期待がございました。これは私どもにとっては甚だ心外でございまして、私どもとしてはそういうような趣旨で法改正をすることはないということを、報道機関等に再三申し入れをしていたところでございます。
 最終的な結果をごらんいただければおわかりになりますように、私どもといたしましては、そのような地上げを促進する、あるいは立ち退きを容易にするというような内容の法律では決してございません。先ほどまさに委員御指摘のとおり、大正十年にできて、その後昭和十六年に強化されたその枠組みは、基本的には維持する。しかし、新たにニーズに対応するために部分的にはその枠を外すということでございまして、新しい関係が決して不利になるわけではございません。他面、不安感を考慮いたしまして、先ほどのとおり従前のものには適用をしないという扱いをしたわけでございますが、そういう扱いをするにつきましては、なお趣旨の徹底がないために一部で混乱が生じ得る、そういう状況にございます。
 したがいまして、私どもとしてできることは、今後あらゆる機会を通じましてこの本当の内容、昭和六十年当時に騒がれた内容ではない実際の法案の内容、正当事由条項その他を含めまして、そういうものを広く国民の方々に知っていただくための広報、あるいは紛争処理機関であります典型的には弁護士さんの団体でございますとか、あるいは都道府県市町村の紛争処理窓口、そういうようなところにこの趣旨を徹底することによりまして、非常に相談がしにくくてなかなか表に出ないような方々にも入っていただいて、御相談にあずかる際に本当の内容を知っていただく、こういうような体制をぜひ実現したいと思って、仮に法律案が成立いたしましたときには、そのような努力を一層したい、そのように考えているところでございます。
#51
○貴志委員 まあ答弁ではそのようにおっしゃるわけなんですが、実際に借家人、借地人の人々は大変な懸念を持っているのです。私は、それは容易に想像できると思うのです。従来の地上げ屋が金を出したり脅迫をしたり、やくざを使ったり、いろいろな点でやってきました。それはしかし、借地・借家法という法律があったればこそ、そういう圧力の中でも何とか耐えることができたわけです。しかし、今度法律が改正されて正当事由というふうなことで、お金で解決できるというふうな方法が法律でも認められたということになってまいりますと、今まで地上げをされる側にあった方の人々は、今度の法律改正では大変なことになるという気持ちを持つのは当然であります。先ほど、マスコミがそういう地上げを助ける法律改正ではないか、それに対する否定の話がございましたけれども、しかしこれは客観的に見て、だれが見ても李下に冠を正す、地主の方の側に有利な改正である、このように受け取られるのは当然だと私は思います。
 私は、言いたくないけれども、きょうの新聞で不動産業界が政治献金の第何番目かにランクされるほど献金をしておる。借地・借家人は政治献金はできていない。だから政治の場の中で、借地・借家人よりも不動産業界や貸し手の、力のある側の方に有利な法律改正をするのではないかという疑念を持たれるのは当たり前じゃないか、私はそのように思います。時間があればもっと論議をしたいのでありますけれども、そういった点について私は強く申し上げて、もしそれに対するお考えがあるならば聞いておきたいと思います。
 この問題のもう一点。やっぱり老人の世帯、身障者の世帯あるいは母子家庭の世帯、そういったところの人々が、幸いにして借地ができて家を建てた。いろんな条件の中で年をとる、あるいは母子家庭になる、身障者の世帯になる、そういうところの人が三十年、仮に三十歳にして土地を借りて家を建てた。借地の問題が中心だというのであったら、それで聞きましょう。六十歳、定年の年です。地主と交渉して何とか更改して十年延びることになる、七十歳。七十歳になってから、もう一遍更改の手数料をよこせと言われても、もう年金生活に入ってどうにもならぬ。身障者や母子家庭でも同じことであります。そういったところの人々をどうやって救済するという、そういったことをイメージしないでこの法律ができていくということになってまいりますと大変なことだ、それこそ庶民に目を向けない政治だと非難されても仕方がないんじゃないか、私はそのように思うのです。
 もちろん、公団住宅の建てかえ問題やお年寄りになったときの家賃の問題など、現在でも問題が、官民の間でも問題があるのに一民民の間ではさらに深刻な問題になっているということを考えていないのかどうか、この一点に絞ってお答えを願いたい。
#52
○寺田説明員 先ほども申し上げましたとおり、借家法におきましては、現行法どおつ正当事由の条項を残してございます。
 この正当事由の条項は、昭和十六年に導入された際は、自分が使いたい場合、これは家主の場合でございますが、家主さんが自分が使いたい場合には必ず返してもらえるという条項だったわけでございます。これをしかしその後、最高裁は住宅事情その他を考慮いたしまして、借り手の側の事情も十分考慮の上、この借り手の側の事情の中には借り主の経済的な状況ということも当然入るわけでございますが、そういうような判例法を発展させてまいりました。今回、私どもが借家法の正当事由の中に現行法と違う要素を持ち込んでございますことは、最高裁が現在扱っているいろいろな要素をつけ加えるという形で加えたものでございまして、決して現在の借り主が保護されているレベルを低くするものではございません。
 これは、実は改正の内容をどうするかということは非常に難しい問題でございますけれども、再三長い論議の結果そういうことにまとまったわけでございまして、そこの内容は、実は私どもも、借り主の立場が現在非常に弱いということは十分意識の上そのような結論に立ち至ったわけでございますので、そこは御理解を賜りたいと思います。
 ただし、この理解が十分に行き渡ってないということが非常に問題なのでございまして、これは先日、四日に衆議院でも公聴会が行われた際に、正当事由の内容につきましては、専門家の間ではこのように変わってないというところに見解は一致したわけでございます。しかしながら、その理解が行き渡っているかどうかにつきまして非常に意見の差ができまして、それが反対、賛成の結論を分けるところになっております。したがいまして、私どもといたしましては、今後この趣旨の理解に一層励んで、本当に借り主を守るという立場で徹してこの法案に対処をいたしたい、このように考えている次第でございます。
#53
○貴志委員 いずれにしても、現実の問題を想定すれば、これは悪質なベテランの業者が間に入って、一そしてどちらか言えば余り知識のない、余り法律を知らない方の人が押し切られる、これは、現場はやはり一対一なのですよ。我々が、皆さん方が考えているようにそう甘くない、これだけはしっかりと胸に刻んでおいていただきたい。
 それから、地代家賃の増減の手続について、調停前置主義というのですか、調停事項に服する書面提出を図るというふうな制度をとろうといたしておりますけれども、これはやはり借りる方、貸す方の合意というものが前提でありますし、その合意の前にやはり完全な理解というものが必要でありますから、このままでこの項目を決めてしまうと、先ほどから何回も申し上げております現場でのやりとりの中では、調停が出ればどうしてももうそれに従わざるを得ないというふうなことを押しつけられてしまう、そして決められていく、こういうケースが容易に想像ができます。
 それで、こういうことをどのような方法で防止をしていくつもりか、借り手の側をいかにして守るかということについて、この法律はどのような予測をし、そしてそれを防止するための方法を考えているか、ぜひお伺いをしたい。
#54
○寺田説明員 ただいま御指摘になりましたのは、民事調停法の一部を改正する法律案の中の調停前置主義と並んで、調停条項による裁定の制度を導入するということの是非についてでございます。
 この制度は、実は現在もう商事調停等で、鉱害調停等で認められている制度でございますけれども、当事者が調停、これは原則として話し合いによって解決するという、まさに地代家賃にふさわしい紛争の解決方法だと考えているわけでございますが、それに入りましてもぎりぎり現実の問題といたしましては、例えば二万五千円で借り主が主張する、貸し主は三万円で主張するということで、デッドロックに乗り上げてしまうというようなケースがございます。このようなケースにおきましては、調停委員といたしましてはできるだけこの調停が成立するように話し合いを促すわけでございますが、それでもどうしようもないというケースがかなりあるのが現実でございます。
 このような場合に、仮に調停が不調になりますと訴訟ということになりますが、訴訟は御承知のように相当正式の手続でございますので、金銭の負担も非常にかかりますし、同時に時間的にも非常に長くかかるというわけでございます。そういう事実を前に当事者が、仮にそこまで詰まりましたけれども間がなお当事者間で埋められない、それでは調停委員会の先生方がもしその間で適当な解決案、例えば二万七千円でございますとか二万七千五百円、こういうような案を出してくださるなら自分たちも従いましょう、こういうような状況に立ち至った場合には、調停委員がそれに従いまして、二万五千円から三万円の間でこれではどうでしょうということで解決策を出して、それを当事者がのむ、こういうことを調停条項の裁定によって認めようとするものでございます。
 ただいま御指摘になりました点は、簡単に書面に判こを押させられてそれに従うということになるのではないかということでございますが、これは現在も商事調停等の運用で扱われておりますけれども、最高裁の民事調停規則の中に、いざそういう二万五千円から三万円でデッドロックに乗り上げた、こういうような状況に立ち至った場合に、調停委員会の方で、では本当に調停条項による裁定を当事者が求めるんだという再確認をいたします。この再確認を保障するのが今の最高裁の民事調停規則の中に現に認められている制度でございまして、私どもといたしましては、この民事調停法が仮に借地・借家、地代家賃調停につきましてもそのような制度を導入することになりました場合には、最高裁の方でそのような制度を検討するというように承っておりますので、運用は、実際問題としては、全く今御指摘になりましたように当事者の意向をよく聞いて、当事者が納得した上でこういう制度を運用する、そういうような運用になる、これは必ずなるということでございます。
#55
○桜井委員長 貴志君に申し上げます。
 後で本会議の予定がございますから、一、二分でやめてください。
#56
○貴志委員 今の答弁について、決して納得するものではありません。いずれにいたしましても、この問題は大変大きな問題でありまして、土地政策や住宅政策にも本当は突っ込んでお話もしたかったわけでありますけれども、する時間がございませんでしたのでこれで終わりますけれども、委員長にお願いをいたしておきたいと思うのです。
 こういう問題について、もっと当委員会としても深く掘り下げて論議をする必要があると思いますので、ぜひ法務委員会との連合審査ができるようなお取り計らいをお願いをいたしたいと思います。
 以上で終わります。
#57
○桜井委員長 貴志八郎君の質疑はこれで終わりました。
  この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十七分開議
#58
○桜井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。上野建一君。
#59
○上野委員 どうも御苦労さまでございます。第一の私の質問は公団住宅の問題でございますが、前に公団住宅の家賃の値上げに際していろいろ問題点を出しまして、また私ども提案も申し上げたわけでありますが、そういう中に、公団住宅建てかえの際にこれを円滑にすることも含めて公営住宅を併設すべきである、こういう提案を申し上げ、大方の賛同を得て、その後建設省は早速プロジェクトチームをつくられてその検討をなされて、そして来年度予算については予算も含めて大蔵省と折衝中であると聞いておりますけれども、これに対する建設省、どのような考え方でこれからどういうふうに進むことになるのか、その点をまず第一にお聞きいたしたいと思います。
#60
○立石政府委員 まず、公団賃貸住宅の建てかえ事業に際しましては、従前居住者に汁しまして家賃の激変緩和措置を講じる、さらに七十歳以上で所得の低い高齢者の世帯について、建てかえ後の家賃を十年間住宅扶助限度額以下とする、そういう特別措置を講じてきたところでございます。これに加えまして、公営住宅を活用する方法といたしまして、平成元年度から、公団の建てかえ事業に伴いまして公営住宅への優先入居を行えるように措置を講じてきたところでございます。
 今先生の御指摘のことでございますが、これに加えまして、居住者の中には引き続き同じ地域に居住を希望するという方も多いところでございます。そこで、大規模な公団団地の建てかえに当たりましては、公団の敷地の一部に高齢者等で特に収入の低い方を対象といたしまして公営住宅の併設を可能とするように、また、それらを地方公共団体が建設するときには、国としても援助していきたいという措置を講じまして建てかえ事業の円滑な推進に努めたいということで、現在構想を進めているところでございます。
#61
○上野委員 そこまでで終わってもらっちゃ困るので、その構想を明らかにしてもらわなきゃ、私、質問する意味ないじゃないですか。その構想と、それから現実にどう動いているのか、ひとつお願いします。
#62
○立石政府委員 平成四年度の予算要求におきまして、先ほど申しましたように、まず基本的には公団住宅と公営住宅を総合的に建てかえを推進していくということで、公共賃貸住宅建てかえ十カ年戦略というのを現在策定をする準備を進めているところでございまして、国、都道府県等においていろいろと戦略あるいは計画を立てて、全体としてどういうように進めるかということを勉強していきたい、戦略を立てていきたいと考えております。それらの一環といたしまして、各地域でどの程度の建てかえ計画があるか、また、どの程度総合的に建てかえていくかという目標を設定し、また重点団地等を指定していきたいと考えております。
 具体的な推進に当たりましては、特に居住者に対しまして、公営住宅への転換居住者に対しまして、家賃対策補助等を充実するということを大きく内容としまして、各種の助成を進めたいというように考えております。また、四年度予算の要求とは別に、具体的にこれまでも公団住宅の建てかえを計画している団地等につきまして、公営住宅を現在の段階でももう入れる計画を立てたらどうかということで、例えば住宅・都市整備公団あるいは東京都等と国も入りまして協議も進めているところでございます。
#63
○上野委員 例えば、私は簡単に申し上げた方がいいと思いますので単純化して申し上げますと、大きな公団住宅を建てかえる際に、その一部に市営住宅ないしは県営住宅を建ててもらって、そして公団住宅の中で公営住宅の条件に合う方々に、希望者に移ってもらう、すると同じ団地の中でなお引き続いて居住ができるのじゃ」ないか、こういうのがそもそもの発想であり、そのことが公団住宅を建てかえる場合にも都合がいいじゃないか。あちこちで条件が変わるので、どうしてもここに住みたいんだという人たちが条件が合わない、建てかえられれば家賃は高くなるしいろいろな変化があるということで、それならばということで、そういう新たな条件をつくったらどうだということだったわけですから、その点が可能だということに理解してよろしいですか。
#64
○立石政府委員 公営住宅、公団住宅それぞれいろいろな事業主体がございまして、また団地の状況等によりましていろいろな状況の変化があろうかと思っております。こういう問題を具体的に解いていくために、国としても助成措置を講じでできるだけ話がつきやすいように、また協力して建てかえ等を進められるようにしていきたいというように考えているところでございます。
#65
○上野委員 はっきりしないところがあるのですけれども、私が申し上げたようなことを進めるためには、いろいろな難関があるというふうにも受けとれるのですね。今あなたの方で、こういう困難性がありますよ、壁がありますよという点があったら、この際明らかにしておいていただけませんか。
#66
○立石政府委員 そのうちの二、三について御報告させていただきますと、まず具体的な住宅・都市整備公団の住宅が、団地が何戸ぐらいあって、そのうちの何人ぐらいがそういうことを希望するかどうか。そしてまた、その希望する世帯数が、例えばある程度のまとまりがなければその団地に公営住宅を供給する意味がなくなるかもしれませんので、そういうどのくらいのまとまりがあるのか。そしてまた、公団の団地の中に公営住宅を建てますときに、その用地については例えば譲渡するのか、借り上げるのか、建設主体はだれになるのか。そして工事費がどのくらいになり、家賃がどのくらいになるのでどの程度の援助をしなければならないのか等々、いろいろな具体的な案件がございますが、これらは具体的な事業主体間で協議をしてもらい、国としては助成をすることによってそういうものが推進できるように指導してまいりたいということでございます。
#67
○上野委員 大分いい方向に進んでいるようで、ぜひこれからもその点で御努力をいただきたいし、大体県も市も都市部のところでは土地がなくて困っているのですね。市営住宅、県営住宅を建てるにも、いい場所に土地がない。住宅整備公団の土地というのは、昔はもう町外れだったのですけれども、今や大体中心部になりつつあるので、そういうところに市営住宅、県営住宅が建てられれば、これはもう希望者は相当多くなるだろうと思いますが、ただ問題は、公団の建てかえとの関連もありますので、今おっしゃるようないろいろなことを詰めていかなければならぬ点があるだろうと思います。ぜひやっていただきたいし、今度は逆に、私は交換でもいいと思いますけれども、例えば県営住宅の建てかえのところに、場合によっては公団住宅との関連をしてやるという手もあるでしょうし、何かそこら辺も深く考えていただいて、ぜひこれを本格的なものにしていただきたい。特に建設大臣、大蔵省との何かいろいろ折衝が多少あるらしいのでぜひ頑張ってもらって、大蔵省が予算をつけないなんということのないようにひとつお願いしたい。この点、要望いたしておきたいと思います。
 今の場合に、少し要望申し上げますと、公営住宅には一種、二種という区別がございまして、その区別が表面上見えないように細かい配慮をいただきたいというのが一つです。
 それから、これから一人になる場合が多いですから、一人でも住めるようなものをつくっていただきたい。これはもう一人で住みたいという人はいないのでしょうけれども、やむを得ずそうなってしまいますから、そういう条件がこれから高齢化とともに進んでまいりますので、その点をひとつお願いしたい。
 それから、これはもう当然のことですけれども、永住できるように、ひとつそういう配慮をお願いしたい。特に、これから高齢化してまいりますと収入がなくなる、そういう事態に対する対策も考えなきゃならぬと思います。もちろん公営住宅ですから、そのところはまた福祉住宅との関連において、市町村やあるいは県段階とのいろいろなこれからの対策が必要だろうと思いますが、その点も含めて、ぜひこれからの推進に一層努力をしていただきたい、こう思います。
 そして、その中で今具体的な問題として出ておりますのは、この高齢者住宅ということで実は六十歳以上の方にいろいろな対策をやられているわけですけれども、入居するときに、建てかえのときに、これは建設省の指導の中でやっていただきたいのですが、六十歳で約束しますと、入るのが六年後ということになると六十六歳になってしまうのですね。そこのところを、六十歳の時点でこの垂オ込み基準が、申し込みしたときから六年後、入居するとき建てかえますから六年後に入居となりますので、問題は、入るときにせめて六十三歳あるいは六十歳でも入れるという年齢の引き下げですね、これを何とかならぬだろうか。これはもう建てかえの説明会でそういう話になっておるんですけれども、そうすると、建てかえの完成したとき入居となると六十六歳になるんですね。だから、申し込みの時点で六十歳であると六十六歳になってしまう、こういうことですから、この年齢の問題を、簡単に言えば六十歳を超えたら入居できるように、高齢者の場合にはそうお願いしたい、こういうことなんですが、その点はどうでしょうか。
#68
○立石政府委員 高齢者対策の一環といたしまして、公営住宅につきましては、高齢者が入居しやすいようにする選定基準を設けており、かつまた高齢者が生活しやすいような、例えば福祉行政の一環として供給するような住宅等の建設も進めているところでございます。
 今先生の方から、計画のときから入居までの間sに相当の期間がかかる場合の措置の弾力的な措置の御要望があったわけでございますが、この点についても今後前向きに検討していきたいと思います。
#69
○上野委員 それでは、この問題については御努力をお願いして、次に移らせていただきます。
 まず、建設業における労働時間の短縮の問題、この点についてお伺いいたしますが、この労働時間の短縮というのは、これはもう今社会の大勢になっておりまして、当然、働く意欲とかあるいは創造力に富んだ人材を集めるとか、仕事の効率化、さらには産業の活性化などという非常に多くの問題を持っておるわけでありまして、労働時間の短縮、週休二日制が相当定着をしてきておるんですけれども、建設業の現状ではなかなかそれが困難である、この点がございます。建設業というのはただでさえ三Kと言われて、汚いあるいは危険であるとか老ついとか、その三Kで嫌われている職場、今日それで労働力が足りなくなる大きな原因なんですけれども、やはり中では、労働時間の短縮によって若い労働力と、それから建設業に労働力を集めよう、こういうことになっておりますし、それから日本全体の経済の問題から考えましても、建設業の持つ役割というのは大変大きいと思います。
 殊に私は、きょう問題にするのは、大きな企業はほっておいても社会の大勢に準じていろんなことをやり得るわけですけれども、中小零細な企業、そういう場合には、例えばゼネコンと言われるような総合建設業はほっておいても何とかなる。しかし、サブコンと言われる専門工事を請け負う小さいところ、そういうところは大変基盤が弱いものですから実際問題できない、こういう実態がございます。そこで、それを解決する方法がそれではないのかというと、私は、建設省のやり方いかんによってはかなりの点でこれをカバーできる、こう思いますので……
#70
○桜井委員長 静かに願います。
#71
○上野委員 その点の対策をお伺いをいたしたいと思うわけであります。
 まず、この時間短縮との関連で見てみますと、昨年、一九九〇年においては、二千二百十三時間の労働に平均するとなっております。ところが、全産業の平均では二千五十二時間。ここで百六十時間労働時間が長くなっている。全産業のこの平均自体も大変問題なんですけれども、それよりも一年間百六十時間も多く働いているという実態があらわれております。そういう中で若い労働力の確保をするとかいうことは非常に困難であるし、さらに従業員が高齢化している、こういうことでありますので、一つはまず、時間短縮をしてもやれるような設計段階からの対策が重要なんじゃないだろうか。
 そういう意味で考えますと、まず一つは、仕事が平準化していくことが大事だ。もう忙しいときはえらい忙しくて、仕事がないときは全然ないというような状態が今日あります。例えば、四月から八月までは余り仕事がない、ほとんどない、特に国とか県とかの仕事がない、そして九月から三月までに集中しているというのが建設業の現状、公共事業の場合は特にそうであります。そこから時間短縮ということが難しい、平均的に仕事をするというのがなかなか難しい、こういうことであります。したがって、その弊害というのは、単年度で仕事をやるということになっているので難しいんじゃないだろうか。したがってそういう意味では、単年度じゃなくて、何か四月から八月までにも仕事が出るようなことはできないものかどうか、これが第一点であります。単年度のこの弊害が何とか直らないか、その工夫をできないかということであります。
 それから二番目は、工事計画ですね。設計段階、その中で週休二日制を織り込んだ稼働日数、そういうものが立てられるべきではないか。したがって、工期の設定が今のままでは短過ぎていかぬということだろうと思います。そこら辺のことをどうするのか。特に、零細な場合には人材確保の意味からも大変問題があるので、いわゆる発注者が時間短縮の意義を十分理解をした上で仕事をやらないといかぬじゃないかというのが、二点目であります。
 それから三つ目は、特に今の大体の建設業を見ますと、大きいところがますます大きくなって、小さいところは全部もう下請で使うという形が強まっております。これは残念ながら県段階でもそういうことになっておりまして、企業基盤がますます中小零細の場合には弱くなっている。この点については、総合建設業であるいわゆるゼネコンが、下請やあるいは専門の工事の職人の人たち、そういうものを支援することが必要なんじゃないか。これは単なる経済的な問題じゃなくて、技術的な養成その他も必要なんじゃないだろうか、こういうふうに思います。
 したがって、そういうことをやると同時に、四つ目は工事の単価。やはり何といってもこの単価が低いですね。したがって、今は一部、全部とは言いませんけれども、仕事を公共事業はやらないようにしようと逃げて歩いているところもあるぐらいなんですね。そういうところまで来ている。前にも私はいろいろなところで申し上げてまいりましたが、この単価を決めるのは年一回やっておりますけれども、これは年一回しゃだめじゃないか。前は二回やってもらったことがありましたね。だから、これをやはり恒常化して、十月にやってまたさらに二月くらいにやらないと、物価も上がったり、それから労賃なんか特に上がっていますから、その点があります。それから、その単価を決める場合に問題なのは、例えば東京の場合でも真ん中辺と端の方では大分違うのですね。私どもの千葉県なんかでも、房総の先の方と東京に近いところでは相当な違いがあります。ところが今の単価の決め方は、これは二緒になっているのです。ですから、その県内一カ所主義といいますか、一カ所でいいところもあるかもしれませんが、そういう都市化された場所あるいは過疎のところ、いろんな条件を考えて単価を決める場合の検討をする必要があるんじゃないか、こう思いますので、とりあえずこの四つの点についてお伺いしておきたいと思います。
#72
○大塚国務大臣 ただいま委員から、金産業平均よりは百六十一時間も長い建設業の実態を御指摘になられまして、四つについて御質問がございました。
 私からは基本的な姿勢をお答えしておきたいと思うのでありますが、四百三十兆円の公共投資、この十年間の計画を進めるためには、建設業の皆さんの力が非常に大事でございます。しかし、御指摘のとおりでありますから、労働時間の短縮というのは今後の労働力確保の上でも、また若者に魅力ある産業を目指す方向としても不可欠なこどである。したがいまして、本年も二月から四月にかけまして、建設産業の労働時間短縮推進キャンペーン等を全国的に展開をするなど、努力をいたしておるところでございます。そしてまた、工事の平準化も昨年、一昨年、二年にわたってゼロ国債六千億を確保しましたり、また今年度も債務負担行為にもかなりの額を計上いたしまして、御指摘のような点を解消するために努力をいたしておりますし、また道府県、地方自治体にも二十一県でゼロ県債、一政令指定都市でやはり御協力をいただいておるわけでございまして、今後も工事の平準化を一層進めまして、先生の御指摘に対応をしていきたい。
 以下四点につきましては、局長からお答えをいたします、
#73
○望月政府委員 基本的なことを大臣から御答弁申し上げましたので重複を避けますが、先生お話しのように、本当に建設業あるいは建設業に働く建設労働者の方々の労働条件を向上させ、あるいは安定化させるということのためには、おっしゃるような意味での発注の平準化、むしろ施工の平準化ということは大変大事だということを一我々もっとに認識しているところでございます。一方で、予算の単年度主義というものの中でいろいろと知恵を出しておるわけでございまして、今も大臣から御答弁申し上げましたけれども、その一つの有力な手法として、御案内のようにゼロ国債という制度を活用させていただいております。これも昭和五十七年から始まっている制度でございますが、当初はずっと総合経済対策として行われていたものでございます。これを平成元年度、二年度といわゆる補正の段階でそれぞれ六千億円ずつのゼロ国債を計上させていただいていますが、その際には、発注、施工を平準化するという視点を入れながらのゼロ国債を計上しているわけでございまして、こういったものを今後とも我々はできる限っ続けていきたいな、こんなふうに考えております。
 と同時に、もう一つは、御案内のような工事にかかわる国庫債務負担行為の活用でございまして、平成三年度の例で申しますと、公共事業費は一般的に六%の国費増でございましたけれども、いわゆる工事を通年的に施工する支えになる国庫債務負担行為は、二〇%建設省関係は伸ばさせていただいております。こういったものも通年施工に非常に有力な手法である、こう考えております。
 また、今大臣から公共団体におきますいわゆるゼロ県債の導入ということもお話がありましたけれども、ともかく現行財政制度のもとでできる大きな知恵、として、私どもはこういった手法をさらに引き続き強力に進めていきたい、こんなふうに考えておりまして、あわせてまた、発注に当たって設計等が粗相のないように、支障のないようにということで、そういった頭での設計業務の適切な実施というふうに努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
#74
○豊田説明員 週休二日制に伴います労働時間の短縮についてお答えいたしますと、この問題は労働環境を改善し、施工体制の確保を図るためには大変必要な課題であるというふうに考えております。
 建設省におきましては、発注に際しましての工期を設定するわけでありますが、この場合、建設労働者の休日日数を、降雨日、出水期などにおきます作業の日数などを勘案いたしまして、適正なものとすることとしておるわけであります。この場合、休日日数として考えておりますのは、官公庁の土曜閉庁日、日曜日はもちろん夏季及び年末年始の休暇等を見込んでおるところでございます。
 また、建設省では昨年から週休二日制を試行いたしまして、モデル工事を実施しているところでございます。このモデル工事は、週休二日制の導入などの労働時間短縮に関しましてこ上期設定等の実施上のいろいろな課題がございます。この課題を明確にすることを目的として行っているものでございまして、契約事項として、土曜日、日曜日さらに祭日を休業といたしまして、完全週休二日制により実施しているところでざいます。また、これにあわせまして、官民から成ります検討委員会を設けまして、課題に対する対応策について検討しているところでございます。
 平成三年度には、このような種類のモデル工事を全国的に実施してまいっているところでございます。今後とも、このモデル工事などにおきまして明らかになりました課題等を検討を行いまして、週休二日制を考慮した工期設定につきまして適切な対応を行うよう努めてまいる所存でございます。
#75
○伴政府委員 お尋ねの中小専門工事業者が非常に企業基盤が弱い、特に大手ゼネコンとの関係での御質問がございました。私ども、その問題意識は十分持っておりまして、特に現在やっております建設業の構造改善推進プログラムの中では、この中小専門工事業のレベルアップをいかに図るかということを非常に大きな重点として置いております。今までとかく元請、下請というようなことを言われておりましたけれども、これからは元請、下請という言葉もやめて総合管理業、専門工事業という名前で呼ぼう、単に名前を変えるだけではなくて、お互いに対等なパートナーとして仕事を分担していくということでやろうということで、昔は元請・下請指導要綱などと言っておりましたけれども、最近は建設生産システムの合理化指針というのを出しまして、しかもそれを絵にかいたもちで済ませないように、建設生産システム合理化推進協議会という、元請関係の団体と下請関係の団体、学識経験者それから行政界も入りまして、そういう推進協議会を設けて実行に移していくということをやっているわけでございます。
 そのほか、中小建設業の経営基盤の強化のために、簡易財務診断をやってみたり、あるいは後継者育成のための研修をやってみたり、あるいは業種別の経営改善指針を設けたりしておりますし、また御案内のとおり、公共工事におきましては中小建設業者への発注の配慮ということで目標率を決めまして、契約をなるべく中小に落とすようにするというようなこともやっております。以上のようなことをやっておりまして、今後とも中小専門工事業の育成、振興に努めてまいりたいと考えております。
 それから、工事の単価の問題でございますが、材料費の方は、御案内のとおり、毎月出ております物価版等で、一番最新の資料でやっております。恐らく御指摘なのは労務単価の方だと思いますが、これもここ二年間ほどは年二回やっておりまして、ことしも年二回、したがって六月と十月に調査をやりまして、その結果を年二回改定するということにいたしたいと思っております。それから、労務単価のこの調査に当たりましては、一番最近の賃金動向が的確に反映できるように賃金台帳等を調べておりますけれども、先ほど先生おっしゃったような、地域の実情もよく反映した適正な調査によって労務単価を設定したいというふうに考えております。
 以上でございます。
#76
○上野委員 問題は、今言われたことをさらに実行してもらえると大分違うと思いますけれども、それはやはり建設省の段階から、国の段階から地方自治体の公共事業その他にもぜひ波及するようにお願いしたい。特に地方自治体に行きますと、余り設計変更なんかやらないで、面倒くさいものですから、この次面倒見るから我慢しろというようなことの方が多いのです。そこのところを少し厳格に御指導をしていただいて、公平化を期していただきたい、こう思います。
 それから仕事の面でも、これはきょうは答弁要りませんけれども、例えば東京湾横断道などの仕事がどのような配分で実際仕事がなされているかということについて、やはり検討してみる必要があるのではないでしょうか。本四橋なんかの橋の場合なんかでも、大部分がゼネコンでやられていまして、本当の専門業のところだけ一部地元の企業がやっているというような状態ですから。これはきょうは聞かないで、後で次の機会にじっくりお聞きしたいと思いますので、そこら辺のところも含めて、いわゆる仕事の面でも大事にしていくようにぜひお願いしたいと思います。
 それで、時間がほとんどありませんので大急ぎにもう一つだけお聞きしておきますが、昭和六十二年、一九八七年に建設業法の改正が行われました。一つは、特定建設業の許可基準の改正が行われ、二つ目は経営事項審査制度の整備、それから三番目に監理技術者制度の整備ということで、二年間の経過措置があって、一昨年から全面的にこれが実行されています。
 ところが、その制度になったために、この主任技術者とかいろいろ監理技術の点で専門家を雇わなければならぬことになった。いわゆる資格を持った者を主任技術者、監理技術者どこの二つに分けて、監理技術者というのは大臣の許可を得てやる、そういうことになったのですが、簡単に言いますと、小さいところは、中小企業はこの技術者を置けないものだから仕事がとれない、こういう事態が生まれています。例えば、そういう意味で下請がますます下請化される。今お話があったのでは、下請、元請の関係じゃない、こういうことをおっしゃいましたが、しかし、業法の改正によって下請がますます下請化の方向にある、こういうことですので、今土木工事の中で下請は二千万円になっている、建築工事は三千万、それ以上は監理技術者がいないとできないということになっていますね。そうなると大変なんで、問題は、下請の場合でも五千万円、それから建築業では一億円以上に引き上げることができないのか、この点がどうなんだろうかということが一つであります。
 それから技術者の問題、監督者ですね。主任技術者、監理技術者、これも小規模工事その他含めておりにもこういうことを実行される上、中小企業はいよ、いよ下請化されて、あとはつぶれるしかない。こういうこともこの面からも言えるわけでありますので、この点について改めて是正を考えることができないかどうか、これを最後にお聞きしておきたいと思います。
#77
○伴政府委員 お尋ねの件でございますが、そもそもこの監理技術者を建設業法の最初の改正から置いておったわけでございますが、先生御指摘の昭和六十二年の改正では、この監理技術者を、施工技術が非常に総合的であり複雑である土木と建築と管と鋼構造物と舗装、この五業種に限りまして、その監理技術者は一級の国家資格者と、大臣認定もございますけれども、そういう者を置くようにしたわけでございます。
 このねらいは、御案内のとおりでございますけれども、やはりこれから建設業が技術と経営にすぐれた企業が成長してほしい、その技術にすぐれた条件整備としてこの監理技術者を置くということで設けたものでございます。ただ、急にそれを言われてもなかなか容易にはそろわないということもございまして、昭和六十二年に改正されたときには、もう既に許可を得て建設工事を適正に施工して、しかも誠実に営業している建設業者については継続して営業していただけるように、その実績に配慮して今の大臣認定等で技術者を救ったところでございます。
 今の金額の点でございますけれども、最初はこれも建設業法制定当初は一千万でございましたけれども、それを二千万に上げ、それから建築工事も三千万に上げたわけでございますが、現在のところを見ますと、資格の保有者は五十万人ほどおります。それから一方では、こういう資格者証の必要な工事件数は五万件程度でございまして、全国的な数からいえば十分足りでいるという関係になっておりまして、問題は、もしそういう資格者が偏在しているとか、あるいは中小建設業で不足しているというようなことがあれば、むしろそのレベルアップを図る意味で技術者を補てんしていく、あるいは引き上げていくということに重点を置くべきではないかなというような考えは持っておりまして、そういう面で建設技術者の不足にそういう意味の支援をしたいというふうに考えておるところでございます。
#78
○上野委員 時間が参りましたので要望だけ申し上げておきますが、今のお話はちょっと冷た過ぎるのですよ。技術者というのは、もう統計をとってもらえばわかりますように、そういう技術者は大きなところにみんなとられてしまっているのです。そういう現実をもうちょっと見た上で、それでは中小でもそういう技術者を持ってやれるようにするにはどうするのかということを、もう一昨年から二年たっているわけですから、その現実を見て、実態を見て新たにやはりいろいろなことをしてやらないといかぬのが今日の状態だと思うのです。いろいろな工事をやる場合に、実際に仕事をやっているのは職人であり、中小のあれが下請になってみんなやっているわけですから、先ほど申し上げましたように、工事全体がもう下請化の方向にさらに進んでいます。あなたは、下請、元請の関係じゃなくてと言う。言葉の上ではわかりますよ。字を変えたからといったって実態が変わるわけじゃないんだから、そこの点をひとつ十分検討されて、血の通った建設行政をやっていただきたい。この点を要望申し上げ、また次の機会に申し上げたいと思いますので、以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#79
○桜井委員長 これにて上野建一君の質疑は終了
 いたしました。
  この際、本会議のために暫時休憩いたします。
    午後二時十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五十一分開議
#80
○桜井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。一鈴木喜久子君。
#81
○鈴木(喜)委員 まず初めに、私は、建設大臣にいろいろ御意見、御所信を伺いたいと思います。
 私が建設委員に入りまして、そして建設大臣が大臣になられてからまだ一年たっていないわけですけれども、その間に、新聞の社会面等にいろいろな意味で大臣のお名前が、政策とか政治の面とはかかわりのないところで何回も出ました。記憶に残っているところでは、大きいところで三回あると思います。そしてそのたびに質問するのをどうかなというふうに思いながら来たのですけれども、三回となりますと、もう一回小さいのがあったかもしれませんが、やはりこの問題についてきっちりとした大臣からのお答えと事実の確認をしておかなければいけないというふうに思いまして、今回、政治姿勢も含めまして、先ほど木間委員の方からも一応ございましたけれども、ダブる部分もございますが、お聞きしたいと思います。
 まず、これは七月二十一日ですか、そこで出た問題がたしかあったと思います。一つが、土地の買収で港区長に業者を紹介して協力を要請したという問題であったと思います。毎日新聞では七月二十一日、それから二十二日にわたりまして出ました。また、ほかの新聞にも七月二十二日付で同様の問題がありまして、毎日新聞ではこれは朝刊のトップに出まして、大塚建設大臣が口添えをして、業者と同行して区長に面会して、新橋の土地売買の国土法の審査にかかわられたというふうなことでありました。
 中身についてもいろいろと書かれてありますけれども、この中で私が一番犬変だと思いましたのは、国土法によりますところの価格の審査というものは国民がみんなひとしく興味を持っているところでございます。そしてその結果によって、例えば売りたいと思っている者にとっては、どのくらいで売れるその上限であるかということは非常に関心のあるところで、幾らかでも高く売りたいと思うのが人情でありましょうし、また業者にとってはどのくらいのところで買えば一番いいのかということで、非常に関心を持っているところだと思います。
 そして、その問題について、もしそこに不正な形での認定とかそういうものがあるようなことがありますと、これは国土法でなぜこういうふうな形をとって網をかけてやったかといいますと、地価の抑制を図ろうという一つの大目的があって大きく網をかけた中でこうした問題をやっていくわけでございますから、それがもしもその審査等に手心が加わったり何らかの圧力が加わるようなことがあったら、国民がこうした行政に非常に不安と不満を持ってしまう、これから先それが守られていかなくなってしまうではないか、このおそれが一番感じられました。ですからこの点について、事実とともに建設大臣の御意見等々を伺いたいと思います。
#82
○大塚国務大臣 まず、先生と私は同じ選挙区でございまして、鈴木先生にまでもこのような御質問をしていただくことになりましたことは、まことに遺憾に存じますし恐縮をいたしております。
 ただいまのことにつきましては、先生同じですから御承知だろうと思いますが、我々の選挙区は夜間人口が次々に減少をいたしております。都議会や区議会の定数も削減をする、あるいは我々の議席も減らされるか合併するかというような取りざたをされているほど、いわゆる一極集中の弊害で夜間人口が減少いたしております。この当該地区の問題は、昨年の七月でございますが、たまたま福田赳夫先生の秘書をやっておった中沢さんという方がエスティティという会社の社長さんでございまして、ゴルフ場やあるいはお菓子の会社をやっている社長さんですが、たまたま新橋の駅前の地区に用地を買ってくれというお話があり、そこで再開発をしたいというので土地をお買いになった。ついてはどのようなことをするかということについて、御相談もございました。
 私は、少なくとも夜間人口が減少する港区では、三千平米以上のビルを建てるときは附置義務として住宅を建ててくれという行政指導をしているので、夜間人口がふえるようなことをやりなさい、ついては区長にお会いをしておいた方がいいでしょうというので、私がたしか七月ごろ区長室にお連れをして、指導を受けるようにいたした次第でございます。そして、その後国土法の届けをしたようでありますが、その新聞の報道には全くその届け出た数字だけが出ておるようでありまして、後で調べてみますと、お届けになったのが八月十日、そしてその間に価格の引き下げの指導を受けまして、結果的に区の指導に従って届け出をし、不勧告通知をいただいた、こういう経緯のものでございます。
 私は十年前に、ここには国土庁長官もおいででありますが、国土政務次官を歴任いたし、ちょうどそのころ国土利用計画法ができ、そのころから土地の届け出制というものがあることは十分承知しておりますし、土地問題につきましても私は一定の見識を持ち、今日までもいろいろと意見を申し述べてきた一人でございます。国土法のことについて、その担当にいろいろな方がいろいろなお願いをするようでありますが、この審査に当たっては極めて厳格でございまして、どなたが持ってまいりましても、いわゆる公示価格や鑑定評価によって決めるものでございますから、このことは幾らお願いをしてもいささかも変わるものでないことは私も十分承知をいたしておりますし、先ほど来申し上げましたように、私がそんなお願いをした事実は全くございません。むしろ、そのように引き下げの指導が行われたということをもってしても明らかでございますが、なぜかそのような報道をされましたことについては大変に不愉快にも思っておりますし、憤りを感じておりますけれども、そのときの記者会見でも明確に申し上げまして、これらのことについては各社ともよく理解しているものと私は判断をいたしております。
#83
○鈴木(喜)委員 もう一つの問題の前に、今の問題についてもう少しだけお伺いをしたいと思います。
 国土法の価格審査という方法には幾つかの方法があって、そして、引き下げの指導を受けるということが途中でありますと、そこではほとんどの場合に、実務上の取り扱いとしては不動産の鑑定評価ということを採用する。ですから、例えば単に取り扱いの人だけの一存で決まるものではないのだというふうに聞いておりますけれども、この点、国土庁の方にちょっと伺いたいのです。
#84
○鎭西政府委員 国土利用計画法におきます価格審査のやり方につきまして、簡潔に御説明いたしたいと思います。
 ただいま委員の御指摘がございましたように、まず国土利用計画法によりまして届け出が出てくるわけでございまして、その届け出にいわゆる予定対価の額というのが記載されておるわけでございますが、その額、それと近傍類地の取引価格等を考慮して算定いたしました当該土地の相当な価格というのを、これは審査庁が判定するわけでございますが、その価格に照らしまして著しく適正を欠くものであるかどうかという観点から、審査庁でございます県知事あるいは政令指定都市の長が行うということになっております。
 そういたしまして、その審査庁でございますけれども、届け出に係ります。その予定対価の額が著しく適正を欠くというぐあいに判定をいたしたときは価格引き下げの指導というのを行いますし、一般的にはその指導に従っていただけるわけでございますけれども、相手方が納得をされずに指導に従わないというときには、各審査庁に置かれております土地利用審査会、これは国土利用計画法に基づきまして設置されているものでございますが、その審査会の意見を聞きまして勧告をする、かような仕組みになっているところでございます。
#85
○鈴木(喜)委員 この際ですので、これからもあることですから一応きちんと伺っておきたいと思いますけれども、引き下げ勧告をいたしました場合に、そこで例えば取引の価格を一億円でいかがでしょうかというふうなことがあった場合に、これは著しく高い、そうすると、ではこれを八千万にしなさいよというふうな指導をされると思うのですが、その八千万というのは、結局その取引価格の中の一番の上限というところがわかるわけですよね。そのとおりでよろしいのでしょうか。
#86
○鎭西政府委員 ただいま御説明いたしましたように、届け出の予定対価の額が審査庁が判定いたします相当な価格に照らして著しく適正を欠く価格であるというのは、いわゆる上限を突破している価格ということでございまして、相当な価格の上にいわゆる許容範囲という幅がございまして、この幅につきましては、それぞれの地域におきます価格水準あるいは地価の動向等の実情に応じて審査庁が定めているところでございますが、それぞれの審査担当部局の主観的な判断というものが入りますと問題でございますので、その判断の安定性あるいは合理性等を確保する必要性から、あらかじめ先ほど申しました土地利用審査会の意見を聞きまして、統一的な運用方針というのを定めまして審査に当たっているということでございます。
#87
○鈴木(喜)委員 そういうことを聞いているんじゃないのです、今言ったのは。勧告をしなくちゃならない、引き下げの勧告があった場合に、一番上側の方のことを言うのですかと聞いたのです。価格を言うわけでしょう、幾らですと。八千万にしなさいとかこのぐらいまで下げなさいと言われるときには、本当の相当な価格というのが仮に六千だとした場合に、その相当な価格六千にお下げなさいよというのではなくて、幅のある、例えば八千なら八千のところをお示しになるのでしょうと聞いただけです。イエス、ノーで答えていただければ結構ですが。
#88
○鎭西政府委員 個別審査庁におきます窓口指導のあり方は、一般的には恐らく上限価格を示しまして、それ以下で契約をしなさいという形の指導をやっていると承知しております。
#89
○鈴木(喜)委員 それを伺いたかったのです。そうしますと、その場合にはその上限ということが業者に非常にはっきりわかるということです、限界か。
  それからもう一つは、相当な価格という線が一体どの辺なのかということについては、まだ非常に裁量の余地のあることであるというふうに私伺いました。要するに相当な価格を幾らに定めるか、そこからのある程度のキャパシティーというか幅の部分についてはきっちりした一つの幅が決められるとしても、標準のところにある分についてはまだわからないという部分と、それからかなり高い金額で言ってきた場合には上限がそこで業者の方に明らかになり、その相場の中では一番高い部分になることは今の形でも避けられないものなんだということだと伺いましたけれども一間違いがありませんか。
#90
○鎭西政府委員 届け出に係ります土地につきまして一つの価格を示しまして仮に指導されたといたしましても、審査庁が判断をしております相当な価格の水準というのは届け出者にはわからないわけでございますので、その審査庁におきます許容範囲を何%にしているかというのはわからないということでございます。
#91
○鈴木(喜)委員 別に今何%にするかがわかってもわからなくてもよくて、上限の金額がわかるかどうか、その点については避けられないだろうということだと思います。
 この問題だけに終始しているわけにいきませんが、当該大塚大臣の御紹介になったところの場所でございますけれども、私も同じ選挙区ですからもちろんよく承知している場所でございます。新橋駅前のたくさん商店のある、本当に一杯飲み屋さんが一坪、二坪というそういう土地のあるところなんですが、ここの価格の算定ということについて、その金額に非常におかしい、こんな高い金額がこの時期になってから出るわけがないという価格になったというふうに新聞には書いてあるわけです。ですから、その点についではどうなったかはわかりませんけれども、その一括して会社が買ったという土地は非常に細かいところを虫食いのように買っておりますから、地形として見ますと長方形なんというものじゃありません。でこぼこのある、その土地だけを見たらば大変不思議な形の土地でありますし、また真ん中に私道が縦横に六本か七本入っていまして、もしこれ全部が一括して土地になっていて、そして私道も廃止されているのならば、土地として非常にいい土地になって大きな価格になるとは思いますけれども、今こうやって見ただけでは、そういう意味では価格としては余り高くならないであろうという地域であることは間違いがないと思います。
 ここで不動産屋さんの相場というのがせっかく一坪当たり四千万台に下がったという、それが七千三百万になった、こういうふうなことで一般の人たちが非常に不安に思っている。しかし今お聞きすると、上限がわかって、仮に初めのときに八千何百万かで申告をされた、それが七千三百万で。落ちついた、こういうことらしいのですけれども、こういうことは上限が七千三百万であったということなんだろうとは思いますが、この点非常に不明瞭な分が残る、これが新聞記事の大綱であると思います。大臣、この点いかがでしょうか。
#92
○大塚国務大臣 先ほどもお答えしましたように、私はその土地の価額まで立ち入った話は実は一切いたしておらないのでございます。先生御指摘のように、あの地域には私の友人で区議会議員をやった岡村さんという方がおりまして、亡くなられました。相続でやむを得ず土地をお売りになったそうでありますが、かなり相続税も高くて、お売りになったお金では代替地が買えないといって随分悩んでおられたようであります。我々の地区にはそういう方々がたくさんおって、国土法の届け出をしなければ売れませんから、相続税が払えないといって泣いている方も随分おります。そういう御相談もありますが、それでも私はこのことについては、先ほど申しましたように国土庁の政務次官もいたしましたし、国土行政、いわゆる土地の問題についてはそういう御要望には応じられないと常々お断りもしておりますし、中には六カ月という期間でおりないので早くしてくれという御要望もございますが、区の担当に聞いてみますと、それぞれ国会ばかりではなくて都議会、区議会の諸先生が皆さんいろいろとお持ちになってくるけれども、厳正、公正にやっております、こういうことでございますので、御信頼をいただきたいと存じます。
#93
○鈴木(喜)委員 この問題で、今大臣がおっしゃったようなことかどうかということについては、まだまだ疑問は残るのです。要するに、岡村さんという名前もこの中の土地の中には出てまいります。そこを直接、問題でありますこのエスティティという会社がお買いになっている部分もあります。これは登記簿で調べましたけれども間違いがありません。そのほかの部分については、やはりほかの会社が大分地上げといいますか固めてきまして、それをエスティティという会社がまとめて買った。そこでの金額はどうしても高くなければいけないという事情があった。しかしその事情について、こんな高い価格ではとても国土法でおりないだろうと言っていたものがすっとおりて、さすがは大塚議員であるという評価があったというふうに港区の方で言われているということを私聞いたのですけれども、そういうことがあったら非常に困る七思います。もう一度後で、それはそうじゃないと御否定になることだろうと思いますけれども。
 もう一つ、港の区議会の方でも建設委員会で問題になったということがあるようですが、そのときにかかわりました前の地価調整課長という方がどういう認識であったかということについて答えておられるらしいのです。これは議事録ではないところでの話だということで私も聞いたところなんですけれども、電話で区長室に呼ばれた。どうして呼ばれたのかというと、その理由は、今後大規模な開発があるのだ、そしてしかも、そのために土地を取得する作業があるのだということで国土法の届け出があるのだろうということを認識した、こういうふうなことを言っておられる。相手が地価調整課長でございますから、そういう人が大塚先生のところに呼び出されて、一緒に区長室に呼ばれていったら、これは一体何を意味す各のだろうなということについて、ほかのことで呼ばれるわけはないであろうと思うことは確実で、しかもこれから取得する作業があると言われれば、これは国土法のことかなと思ってしまうのは、相手の勝手だとはいいながら当然無理からぬことであろうと思うのです。こういうところに、大変力の弱い私が行ったって、全然そんなこと思ってもらえません、同じ選挙区ですけれども。しかし、大塚先生が行かれたらばそこでこういうふうなことがあるのだということで、李下に冠を正すような行為はこれから慎んでいただきたいというふうに切に思うわけでございます。どうぞよろしくお願いいたします。一言だけよろしく。
#94
○大塚国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、私は価額のことについては一切触れておりません。
 なお、今後恐らく明らかになってくると思いますが、そのような虫食い状態になって取り残されたものあるいは地上げをされたもの、その土地の利用については、やはり港区の基本計画に沿った利用をしなければなりませんし、しかもあの場所には環状二号線という汐留に通ずる道路の計画がございまして、これは東京都もその会社から、東京都の道路用地として一部買ってほしいという逆に依頼もあるなど、公的な性格を持った再開発をやりたいと熱願をしておるようでございますので、今後ともぜひ委員もお見守りいただきまして、私と一緒に指導をしていただけたら大変にありがたい、このように思っておるところでございます。
#95
○鈴木(喜)委員 一緒にやるかどうかは別といたしまして、地元でございます。その土地がどういうふうな形でどのようなこれからの開発がされ、そこの中で、ここでの問題が一体あのときはどうだったのだろうかということが国民の目の前にも明らかになってくる問題ではないかと思いますので、その点はこれからも見守っていきたいというふうに思います。
 もう一点が、それからまたすぐ日ならずして出た問題でございますが、九月になりましてから、先ほども問題になりました八千万円の修正申告という問題でございます。これは、事情については先ほどお述べになりましたけれども、こういうつもりでございますというふうなことではなくて、明らかにやられたことというのはいけないことではないか。要するに、秘書さんのお給料というものを会社に肩がわりをしてもらっているということ自身が、政治資金規正法の方ではどういう形になるのだろうか。私は一年生の議員になりまして、だけど大変錯綜している仕事がある中で、二人の秘書ではとてもやり切れないということで、もう一人を自腹を切って雇うことにどれだけ苦慮して、清水の舞台を飛びおりたつもりでなければもう一人をふやすことができないというかい性のない議員でございます。その中で、何人も十何人もの秘書をお使いの方は本当にうらやましいなと思いました。
 しかし、八人の方がファミリー企業と言われている中で、そこでお給料を持ってもらっているというようなことは、政治資金規正法の問題にもひっかかる問題で、税務上の問題ばかりではないのではないかというふうに思うのです。この点自治省の方に、私どもがそういうことをしよう、ああ、ああやっているのだから私もやってみようということでやったとすれば、一体どういうお扱いになるのか伺いたいと思います。
#96
○井戸説明員 政治資金規正法におきます秘書の方々の企業からの派遣等の問題のお尋ねでございますが、政治活動に関する寄附につきましては、金銭によるものに限らず、職員の派遣でございますとかの労務の提供につきましても寄附に当たる場合もあるというふうに考えております。ただ、具体の事例に即してそれぞれ判断されるべき問題であろうかと存じております。ただ、従来から私ども、例えば企業等が研修や訓練のために職員を派遣されるような場合にまで必ずしも寄附と言えることではないのではないか、このように申し上げてきたところでございます。したがいまして、政治資金規正法上の具体の事実に即して判断する必要があろうか、このように考えておるところでございます。
#97
○鈴木(喜)委員 今秘書の問題を一つだけ取り上げましたけれども、事務所の使用はどうですか。自動車はどうなんですか。名義が企業のものであったら、一体どういうことになるのですか。それから、その他の什器・備品ですね。このごろはOA機器もたくさんあります。高価なものもたくさんあります。また電話も、ただ単に電話というだけではなくいろいろな形で向こうからとるものを、ただで情報を流すというような回線を持っておられる方もあると思います。そういった電話の使用ですとか、そういったことについてもそれぞれみんな自分の名前ではなくて、しかも自分のところのものではなくて企業の名前を使ったり、今言ったようなファミリー団体、そういったものを使っているという場合、それはどうなりますか。
#98
○井戸説明員 お答え申し上げます。
 政治資金規正法におきまして寄附と申しますのは「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のもの」、いわば対価性のない無償提供の財産上の利益を言うというふうに定義をされております。したがいまして、先ほど申しましたように、金銭によります形態だけではなくて、企業等が、寄附をする目的で金銭によらないで、ただいまお尋ねになりましたような事務所の提供ですとか備品ですとか、あるいは電話の提供でございますとか、金銭以外のいわば現物でもって寄附をするという目的で、金銭にかえて寄附をなさっているというような場合には、寄附に該当することが多いのではないか。ただ、その場合におきましても、今私、抽象的に申し上げましたので、どのような形態で提供されているか等々につきまして、十分個別に判断をする必要があるのではないかと考えております。
#99
○鈴木(喜)委員 非常に何回も目的、目的、寄附の目的ばかりをおっしゃって、こういう目的がなければいいような形でおっしゃいますけれども、それはみんなそういう形で言い逃れをされてもいいということに受けとられかねない御答弁であったと思うのです。こういうものがいいのですか悪いのですかといったら、やはりこれは寄附として扱われざるを得ないものだと思います。今、大臣のところで問題になりましたのは、たまたま秘書さんの問題でございました。しかし、そのほかにも事務所の問題もございました。そして自動車の問題から電話の問題、自動車で使うところのガソリンの問題まで含めますと、たくさんの問題がございます。こういった問題についても、もっと徹底的にそれぞれの方々が申告なりをなさって、これからやっていかなければならない政治改革の大きな柱になるところだと思います。
 ところが、この問題については、御答弁されたところの当の自治省、その大臣でありますところの自治大臣までが、吹田さんまでがこういった形で同じように申告漏れがあったという事実がありますと、私たち国民の側からしますと本当に心寒くなる思いがするわけです。今おっしゃっていたようなところをどうやって取り締まりをするかという、一番の指針になるところのその一番の長の方がそういうことをされていたというのでは、これは本当に大変なことだと思います。こうなりますと、何もお二人の大臣だけで済まないのではないか。どなたもどなたもまだたくさんあるのじゃないかという疑惑がわいてきてしまいます。私は本当に今ここに自治大臣も呼んで、そしてお話も聞きたいというところなんですが、これは所管が違うからということで断られてしまいました。
 ですから、大塚大臣にだけしか伺えないのですけれども、この点についてももう一度、大塚さん、いろいろなことについてどう考えていらっしゃるかをはっきりとお示しいただきたいと思います。
#100
○桜井委員長 所管外ですから簡潔に願います。
#101
○大塚国務大臣 先ほど木間委員にもお答えをいたしましたが、私の場合は、仕事と政治の仕事が大変ラップをしている部分がありましたためについ甘くなっておったことを反省いたしまして、修正をし申告をしたものでございます。事実、今先生いみじくもおっしゃいましたけれども、我々は国会から二人の公設の秘書がありますけれども、それ以外の方を雇うということは、あくまでもポケットマネーで雇う以外に方法はございません。実際には我々も何人かそういう者もおりますけれども、その人たちの保険はどうするか、失業保険はどうするかといった問題等もありますので、恐らく皆さんは相当なお苦しみを先生のようにされておるのだと思います。ただ、私の場合はたまたまそういうようなラップする面がありましたので、会社の仕事をする者と秘書が一緒だったために多少逸脱したところがあったと思いますが、それを直ちに直したわけでございまして、どうぞ今後も、悪いことは悪いこと、いいことはいいこと、御信頼をいただけるように全力を傾けてやってまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。
#102
○鈴木(喜)委員 今、これから政治改革をやっていこうという機運の盛り上がっているときでございます。そういった意味で、大塚大臣、どういう形でけじめをつけられるのか、はっきりと後でもお示しいただきたいし、行動でも態度でもあらわしていただきたいと思います。
 次の問題に移ります。
 これはJRの方に伺いたいと思うのですけれども、小田急のところの問題なんですが、小田急線の連続立体交差化事業というのがありまして、その事業についての今準備段階というか、住民の意見を反映するための公聴会が開かれた段階であるということが新聞の記事に載っておりました。
 このことについてちょっと伺いたいのでございますけれども、この公聴会、住民説明会が八月二十一日から二十八日まで行われたというのですが、非常に――JRと申しました。済みません。これは東京都に伺った方がいいんだと思います。そのときの公聴会の様子というものについて御存じでいらっしゃいましょうか。非常に形骸化して、業者がたくさん来て住民がなかなか入れなかったというような状況があったと聞いておりますが、いかがでございましょうか。
#103
○市川政府委員 小田急線の喜多見駅付近から梅ケ丘駅付近までの六・四キロメートルを連続立体交差化する計画につきまして、ただいま御指摘ございましたような日にちにおきまして、地元住民に対しまして計画の周知徹底を図るための説明会が催されております。六地域に分けまして、鉄道の構造あるいは関連側道等の計画の素案について説明したものでございまして、多くの質疑応答がなされたと聞いております。
 私ども建設省都市局といたしまして、この問題を所管しておるわけでございますが、東京都からそういう報告を受けております。今後とも地元住民の理解を得るため努力するようにという指導をしてまいりたいと考えておる事案でございます。
#104
○鈴木(喜)委員 今伺ったのでは、そういう会があったというのは当たり前なんですけれども、そこで、そういった形骸化といいますか、たくさんの住民がそこに入れなくて、業者の人たちが何十人も前列を占めちゃって、本当の意味での、公聴会という意味をなさなかったのではないかという質問でございます。あった事実はよくわかっているのですけれども、そこはどうかという問題でございます。これが一つです。
 時間がありませんので、もう一つそれに加えていきます。
 この小田急線については高架化ということで地上の高架でいく計画だというのですが、住民は、高架ではなくて地下を通した方がいいのではないかという意見を持っている人がたくさんいるわけです。これを高架だという形で結論づけるところに至ったわけでございますけれども、その点の調査報告書というものがあるはずでございますけれども、六十一年度、六十二年度、このあたりのところを、住民になぜ高架がいいのかという意味合いも込めまして発表していただきたいと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
#105
○市川政府委員 まず地元説明会でございますが、大体六カ所、各回とも約三百名程度ずつ参加者があったようでございますが、いずれもそれぞれ地元の小学校あるいは中学校で開かれておりまして、ちょっと私どもの情報と先生の情報があるいは違うかもしれませんが、五百名ぐらいの席のあるところで行われて三百名御出席というような感じで私どもは報告を受けておる次第でございます。
 それから、構造面についてでございますが、これを地下方式でやるか高架方式でやるかという構造形式の問題は極めて重要なテーマでございまして、いろいろ、地形等の自然条件とか道路や河川等との交差状況、あるいは鉄道の構造の計画条件、さらには事業費がどれぐらいかかるか、工期がどれぐらいかかるかといったようなことを総合的に勘案する必要がございまして、そのための調査が東京都におかれまして六十二年から六十三年にかけて行われております。それで最終的に、千歳船橋駅から祖師ケ谷大蔵駅間は環状八号線をまたいで高架化が既に昭和四十六年に完成しておりまして、部分的な地下化を採用しますとまたいろいろと地域分断等生ずるという面がございます。あるいは事業費や工期の観点から高架方式と地下方式と比べますと、事業費が約倍、半分の関係になりまして、十七カ所ある踏切をすべて解消するために、できるだけ早く解消することが地元の要請としてもあり得るというような判断もいたしまして、高架方式でやることになった調査結果も受けておりまして、私どもは、そういったような東京都の判断に対しまして妥当な判断と考え、それを了解し、東京都の事業推進にできるだけ協力してまいる、こういう考え方で取り組んでおるところでございます。
#106
○鈴木(喜)委員 このものについて、調査の報告が国に対して出されているというのですが、その報告書を国は受けておられますか。
#107
○市川政府委員 調査結果につきましての報告書という形での正式な文書を受理はしてございませんが、極めて具体的な調査報告をかなりの期間にわたりまして詳細に聴取しているわけでございます。
#108
○鈴木(喜)委員 東京都の都市計画局の方だと思うのですが、東京都の方は見えていますね。そのことについて伺いたいのですが、調査の報告というものがあるはずなのでございますけれども、六十二年度、六十三年度、それを住民に公開するということはできませんか、または私にならいただけるということであればいただきたいと思いますが。
#109
○長参考人 連続立体交差事業調査でございますが、この事業化に先立ちまして調査を実施するものでございまして、事業の必要性、緊急性、こういったものを検討するとともに、都市計画に必要な概略の事業計画の基礎的な資料を得る目的としてこの調査を行ったものでございます。
 この調査では、先ほども議論ございましたが、高架、地下等多様な検討をなしておりまして、これをもとに関係機関と総合的に調整を行いながら都市計画の素案を取りまとめ、策定していくものでございます。したがいまして、この調査をそのまま公表するということは、都民にあらぬ誤解を招くものと考えております。この調査はあくまでも連続立体交差事業の計画策定のための事前調査でございまして、行政の内部資料として作成したものでございます。公表すべき性格のものではないと考えますので、御理解をお願いいたしたいと思います。
#110
○桜井委員長 鈴木君、時間ですから簡潔に願います。
#111
○鈴木(喜)委員 はい。時間がありませんのでここでやめさせていただきますけれども、それはちょっと困ると思うのですね。まず、住民というのは一体何をもとにして高架がいいか地下がいいか判断したらいいのですか。皆さん方が、実施される方ではそのほかのさまざまなことを勘案しながら、そこでいろいろなことをまとめました、これが一番よろしゅうございます。これが一番いいのだからあなたたちはそれに従えというのですか。やはり住民は住民たちで考えなければならないこともたくさんあり、そのための資料というものは出していただかなければならないでしょう。それが内部的なものでありますからということでそれを遮断してしまって、しかも公聴会においては、先ほど五百名のところに三百名来た、その三百名の内容について見た場合には、そこの中に建設業者の人たちが前列ばあっととるぐらいの、何百人ぐらいのものについて百人ぐらいがそういう人たちが来ている。こういう状態で、市民には何も知らせないでこういうことを決めていこう。こういった態度が、無用の混乱を起こすというのならそれの方がもっともっと起こし、無用の紛争を巻き起こすその前提になると思うのですよ。この点、今ここでは時間がありませんけれども、次も次もまだありますので、その時にはじっくりと聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 これで終わります。
#112
○桜井委員長 鈴木喜久子君の質疑は終了いたしました。
 次に、薮仲義彦君。
#113
○薮仲委員 私は、本来は、本日は道路行政、住宅問題、都市計画等をしっかり取り上げたかったのでございますが、先ほど同僚委員の借地借家法の質問に対する法務省の答弁に多少疑義がございますので、それをつけ加えますのではしょった質問になりますけれども、御了承いただきたいと思う次第でございます。
 最初に、私は両大臣にお伺いしておきたいことがございます。御承知のように、雲仙・普賢岳があのように火山活動、爆発を起こしまして既に百日、長い方では百日の避難生活を強いられております。きょうのニュースでもまだ活発な火山活動が報じられておるわけでございますが、私は両大臣に、やはり将来に勇気と希望のわくような御答弁をいただきたいと思っておるわけでございます。ここにいるすべての委員の方、もちろん日本国じゅうの方が普賢岳の一日も早い鎮静化を祈っております。ここできょう私が質問したいことは、いずれにしても、今何が一番皆さんを勇気づけられるか。これはやはり、私たちの生活が将来大丈夫だなという確かな手ごたえ、生活設計が確立されなければならないと思います。まだ警戒宣言が解除されておりませんので、とても立入禁止区域には入っていけません。しかし、自衛隊が上空から撮った航空写真は随所に見られておりますし、両大臣とも御承知だと思うのでございます。あの航空写真を専門家が解析すれば、ある程度のことはわかってくる。
 特に私が申し上げたいのは、いわゆる勤務地のある方、サラリーマンの方は、少なくとも鎮静化したら家を建ててもう一度という気持ちを持っていらっしゃるかもしれない。しかし、一番不安なのは、たばこを初め農業で生活を立ててきていらっしゃる方が、私の畑もう一度大丈夫なのかな、こういう不安があろうかと思うのでございます。やはりその辺の見通しを何らかの形でしてあげなければならない。では、絶対あそこは営農はもう不可能なのか、あるいは、もしもこうすれば可能なのか、あるいはまた、ほかの開墾、営農できますよというような土地も大丈夫なのか、そういう点での見通しを立ててあげれば、少なくともあそこで農業を営んでいらっしゃった方は勇気がわいてくると思う。生活の手段として農業をやっていらっしゃった方に、他にかえろといってもこれは困難でございますので、そこで私は両大臣にお願いをしたい。
 今、当面は国土庁長年が前面に出ておやりになっていらしゃっる。しかし、鎮静化したらいよいよ今度は建設大臣がしっかりと、河川の改修はもちろんのこと、道路あるいは必要なところには絶対安全ですよというような、今スーパー堤防という言い方もありますけれども、堅固な堤防あるいは防災、砂防のダムをっくりますよ、こういうことも住民にとってはどれだけ勇気づけられるかわかりません。また、先ほど国土庁長官は、いよいよ復興になったらしっかりやりますよというお話もあった。これも私は伺っておって非常にありがたい、勇気のわくお話だと感銘を受けて聞いておりました。
 そこで、私は両大臣の復興並びに将来に勇気を与える御答弁を聞く前に、やはり一番心配なのは畑でございます。農家でございます。きょう農水省の方にもお見えいただいていると思うのでございますが、ここに私も防衛庁がお撮りになった航空写真を何枚か持っております。当然これは農水省もお持ちだと思いますが、この航空写真から解析して、私が伺いたいのは、いわゆる警戒区域内の農地の被害面積は想定として大体何ヘクタール。ぐらいなのか、そして五メーターも六メーターも火砕流が積もってしまったと見られる面積はどのぐらいなんだろう、あくまでもこれはアバウトで結構でございます。あの有珠山やなんかの例で、降灰をよけて客土して、あるいは掘り返して農業を続けてきた場合もございます。そうしますと、薄い灰ならば取り除いてあるいはまたできるかもしれないし、あるいはまた土壌改良してできるかもしれない。そういういろいろなことを考えると、決して不可能ではない。どのぐらいなのかということがはっきりすれば、農家の方もしっかりとした生活設計の勇気も判断も計画も立ってくると思うわけでございまして、農水省に伺いたいのですが、お見えでございますか――大体、被害面積と一番積もったところはどのくらいで、あと何とかよければできそうだという面積等おわかりでしたら、数字だけで結構です。
#114
○岡本説明員 警戒区域内の火砕流、土石流による農地の被災面積は、航空写真等から推定いたしますとおおむね百五十ヘクタール程度であります。そのうち火砕流が厚く堆積している地域、大体十メーター近く堆積しておりますが、これがおおむね十ヘクタールと推定されるところでございます。
#115
○薮仲委員 余りひどくない面積はどのくらいですか。
#116
○岡本説明員 したがいまして、十ヘクタールを除いた百四十ヘクタールぐらいは、それほど多くない状態だと思っておるところでございます。
#117
○薮仲委員 農水省では代替開墾ということを言いますけれども、代替開墾の適地は、少なくとも今困難だと思った十数ヘクタール以上にあると私は仄聞しておりますが、島原市内でいわゆる代替開墾の適地はもう検討していらっしゃいますか。
#118
○岡本説明員 被災農地の復旧に関する件でございますが、従前どおりに復旧することが著しく不適当な場合は、一定の要件内で代替開墾ということを行うよう災害復旧事業でできます。そこで、長崎県におきましても代替開墾の必要な場合を想定いたしまして、その候補地について現在検討しておるところでございます。ただ、面積につきましては、防災関係施設等との関係もあって一概には今決められないという状況でございます。
#119
○薮仲委員 その辺のところは言うべくして言えないところでございますが、政治的に発言すれば大丈夫だということだと思っております。
 それから、土壌改良とかいろいろな客土をすれば相当現状を営農可能な農業適地にできると思うのですけれども、できるかできないか、いかがでございますか。
#120
○岡本説明員 農地の災害復旧につきましては、堆積が少ない場合にはそれを除去して、その後に土壌改良剤等を投入して復旧するということにしておりますので、十分可能でございます。
#121
○薮仲委員 そこで、両大臣にお伺いしたいのでございますが、今農水省にアバウトの数字を伺いました。約五メーター、六メーターという火砕流が積もって、これを取り除くのは困難だというのが十数ヘクタール。しかし、私が地元から聞いている範囲内では、今おっしゃった代替開墾というのですか、その面積は十分賄えるという見通しも持っていらっしゃるように伺っております。
 そこで国土庁長官に、いずれ自分の生活設計をすべての人が決めなければならない、いつまでもこういう状態ではいられないのかもしれません。そういうことで、災害復旧について、営農の方もその他の方も国として心配のない対策を長官として万全の御配慮をいただきたいと思うのでございますが、西田長官の御決意を伺いたい。
#122
○西田国務大臣 お答えをいたします。
 先ほども申し上げましたように、災害発生と同時に私どもがまず第一番に取り組んでまいりましたことは、人命を第一に考えていかなければいけない、そのために、避難あるいは避難包された方々の生活、そういう当面の応急対策というものに全力を傾注してまいりました。現在、御存じのような状況下でございますので、残念ながらあの地域の詳細な調査というものはできておりません。しかし、御指摘がございますように、あの地域が、地方が死の町や地方になったのではいけないわけでございまして、お尋ねのように、この地域をどのように復興さしていくかとい、つことは極めて重大な政治課題だと私は考えております。
 そのために、政府、関係各省はもちろんでございますが、地方、県、市町村、地方公共団体と一体になって、一つは、二百年ぶりに今回発生したわけでございますけれども、将来に備えて防災に強い町づくりを考えていかなければいけないだろう。それから、先生大変御心配になりますが、あの地域の豊かな農業というものが復興できるのかどうか、こういうことも考えてまいらなければなりません。また、観光地でございますから、商店街の活性化というものをどういう手法でやっていくかというようなこと。これは私は、一市や町や県だけでできるものではない、このように考えております。そういう時期が早く到来いたしましたならば、私どもも関係省庁と全力を挙げてこれらの総合的な復興対策に取り組んでいきたい、こういう基本的な考え方を持っております。
#123
○薮仲委員 地元の方が今ここにいらっしゃれば、相当安心というよりも喜んでくださったと思うのでございます。どうか将来に明るい勇気を持つような、しっかりとした対策を重ねてお願いいたします。
 同時に、建設大臣にお伺いしたいんですが、我々も建設省の九州地建の皆様が昼夜兼行で警戒に、観測体制の強化に努力していらっしゃることは十分承知いたしておりますし、心から感謝と敬意を表しております。そして、あのような危険な中でも、少なくともできる工事はやろうということで、中尾川とか湯江川の砂防ダムの建設も計画を立てて一生懸命やっていらっしゃる。私はそうあってほしいし、なるほどよく頑張ってくださっていると思うのです。しかし、この災害が鎮静化した後のあの砂防堰堤や巨大なダムや、安心して住める、またもとのところへ戻って楽しい生活をしてください、こういうあの辺の災害復旧は、やはり建設大臣がほとんどその掌中にあるわけでございますから、全力を尽くして明るい町づくり、住みやすいふるさとをつくっていくという御決意を改めてお伺いしたい。
#124
○大塚国務大臣 火砕流が発生して以来、災害対策本部長の西田国土庁長官のもとで、建設省も九州地建を中心に全面的に御協力を申し上げてまいりました。まだこの火山の動向が定かではございませんから、長期化することも想像されますけれども、とりあえずは人的な犠牲が出ないようにあらゆる努力をする。特に建設省は監視カメラも現地に設置いたしまして、島原、深江町にも映像を常時送っておりますし、また、その映像は私の大臣室にも映ることになっておりまして、毎日一回は見ながら鎮静化を期待しておるのでおりますが、なかなかにまだ前途不安なものがございます。最近は千本木地区の方に火砕流、熱風がおりてきておりまして、その被害をとめるためにブロック等も運びまして道路に防壁をつくろうといたしておりますが、それがさらに下におりてまいりまして、待機しているような状況でございます。したがいまして、警戒地域以外のところでできる作業はできるだけやって、砂防ダムをつくり、火砕流の今後の動向に備えるということをやっておる段階でございます。
 もちろん、今御指摘のように、将来の災害復旧については、当然のことながらあらゆる手を尽くしまして住民の皆様方におこたえしてまいりたい。しかし、いつ鎮静化するかわかりませんので、今定かにこういうことを具体的にやりますというところは決めかねておりますけれども、とりあえずは国土庁長官とともに協力をいたしまして、住民の皆様方が少しでも安心できるような態勢を続けていくというところに徹してまいりたいと思います。当然のことながら、将来の災害復旧は全面的にやってまいりたいと思います。
#125
○薮仲委員 そこで、国土庁長官に二つだけお伺いしたいことがございます。
 一つは、集団移転の問題でございますが、防災集団移転促進事業ということでございます。この法律は長官の所掌なさるところでございますけれども、適用要件というのがあるわけでございますが、移転戸数十戸以上あるいは相当数、二十戸の場合は半数が移転団地を構成するというような適用要件があるわけでございます。しかし、私は長年災害に直面して思うわけでございますが、現行法体系の中で一番困るのは、現行法体系はこれほど長期にわたる被災に対しての法体系にはなっておりません。極端なことを言うと、一過性の火山とか水害に対しては非常に効くようになっておるのですが、こういう長期には非常に効きにくい問題もございまして、これでいいのかということは同僚の先生方が何回か指摘したところでございます。私は、この要件の枠組みを変えるということは法体系上できないかもしれませんが、しかし、例えば数戸の単位になっても何とかしてあげよう、大丈夫ですよという緩和措置は、大臣の御配慮で適切に運用していただけないか、これが一つです。
 もう一点は、先ほど来復興の話がございますが、被災した方々の自立復興の支援とか地域経済の復興も長官はおっしゃいました。こういうことをやるために、災害関連の緊急事業もございますが、基金をつくろうという構想も伺っております。
 この二つについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、木村(守)委員長代理着席〕
#126
○西田国務大臣 なお細かい具体的な問題については政府委員からお答えさすことにいたしますが、まず最初に集団移転に伴う御質問でございます。
 これは私からお答えを申し上げるまでもなく御存じのとおりでございまして、まずこのことが実現、成功するかしないかということは、地方自治体が中心になり、地域の関係の住民の方々との合意というものがベースになって始まっていく、こういう考え、解釈を私はいたしておるわけでございます。市や町や県でも大変御努力をいただ一いておるようでございますが、そういうことが調ってまいりますとできるだけ弾力的に取り扱ってまいったい、このように思っております。ただし、これは私の勝手な申し上げ方かもしれませんけれども、地域社会には地域コミュニティーというものも必要でございまして、全部がばらばらになってしまうということが果たして将来の地域づくりによいのか悪いのかということも十分検討に値することてはなかろうか、このように考えております。
 それから復興基金の問題でございますが、これから地域や地方、島原半島全体も考えていかなければいけないのではなかろうか、私はこう思っておりますが、そういうことを実行してまいりますためには多くのお金が要るわけでございます。既に長崎県におきましても基金制度をつくる方向で御努力になり、私どもや自治省の方へも御協議をいただいておるところでございます。まだ最終的な問題が私の手元へ入ってきておりませんので、多少の将来変わってくるかもしれませんけれども、約三百億の基金をつくって、その果実をもっていろいろな対策を立てていこう、こういうことを伺っておるところでございます。
#127
○薮仲委員 ただいまの長官の御答弁で結構でございますので、どうか明るいコミュニティーづくりを考えながら、この要件を適切に運用してくださることを期待をいたしております。
 次の問題に移らせていただきますけれども、これは建設大臣、国土庁長官両大臣が大変に御努力いただきまして、かねて私は自然災害から人命を守っていただきたい、ハードの面での治山治水ということは非常に大事ですと。しかし、先般もここで質問がなされたようでございますが、やはりソフト面、いわゆる情報提供という面での、人命をあるいは財産を災害から守るためには、的確な情報が国民の側に提供されてほしい。いつも言うようでございますが、台風のときに気象庁の雲画像とか予報円とか雨量は画像に出てまいります。しかし、やはり一番身の危険を敏感に感ずるのは河川の水量、特に建設省の河川情報センターの持っていらっしゃるすぐれた情報であるとか、それは行政まで行っておるのを末端まで、家庭のテレビにというお願いをいたしました。これは昨年の十九号台風以来、関係省庁の御努力で、NHKの映像に出てきておるわけでございまして、私は大変両大臣の御努力に敬意を払っております。また関係省庁に感謝をいたしておりますが、いよいよこれを建設省としては来年度の河川局の重点施策として全国展開しよう、こういうお話を伺っております。
 私も静岡でございますが、特に静岡などは一つのモデルとしていろいろ研究をしていただいているようでございまして、県の持っているサイポスという中小河川の情報、ここにございます。これはもう両大臣御承知の情報でございますが、こういうものもそろそろ同時に画像に処理していこうというように伺っておりますが、この河川情報の提供については、やはり我々国民にとって、お茶の間のテレビを通じて的確な防災情報を流していただけるということは非常な期待でもあり喜びでも口ざいます。これからの推進について、建設省の考えをお伺いしたいと思います。
#128
○近藤政府委員 河川情報の伝達体制の整備につきましては、かねてから先生がこの重要性についてお述べになっていることに改めて敬意を表する次第でございます。
 昭和六十年十月に河川情報センターを設立いたしまして、翌年六月より河川及びその流域に関する情報を地方公共団体等に提供しているところでございます。現在までに九地方センター、一支所を設置し、全国的に情報提供できる体制を整えているということも、先生十分御承知のことと存じます。
 さらに、こうした河川情報をNHK等の放送機関を通じて一般国民向けにも提供し、有効に利用することが大変有意義ではないかということでかねてから御指導いただいているところでございまして、前回の建設委員会、四月十二日でございましたから、このとき先生から御指摘をいただいた後、関係省庁、NHK等の関係機関の協力を得まして、河川水位情報についてはモデルケースといたしまして、先生が今おっしゃいました静岡県及び富山県において、県内の一級河川の主要地点における水位の状況をあらわす全県水位一覧図、河。川の主要地点における水位を河川横断図に表示した地点水位図及び水位の時間的変化色あらわした地点水位履歴図について、また直轄河川の荒川においては地点水位図及び地点水位履歴図を、本年六月よりそれぞれのNHK放送局から放送できる体制を整えました。これがその後の進捗状況でございます。
 その後、六月末の梅雨前線豪雨時にはNHK富山放送局から、また八月の台風十二号及び台風十四号時にはNHK静岡放送局から放送していただいたところでございます。
 今後これらの三地域での試行結果を踏まえまして、NHK等の放送機関を通じた河川情報の一般住民への提供につきまして、それぞれ各地の放送局等と協力しつつ全国的な展開を図っていくべく、現在その検討を進めているところでございます。
#129
○薮仲委員 これは両大臣初め河川局長、河川局の皆さんのお力で進んでいるわけでございますから、何とぞ全国民が安心できる体制にまで完成させていただきますよう重ねてお願いいたしておきます。
 次の問題に移りたいのでございますが、これは建設大臣と河川局長、特に建設大臣の御決意は伺っておきたいのですが、私は、長良川の河口ぜきについてお伺いしたいと思うのです。
 私も河口ぜきを視察させていただきました。あの国営木曽三川公園も訪問させていただきました。そこで私は、いろんな放映あるいは陳列されているものを見せていただきまして、勉強させていただきました。我々政治の場におる者のよく言われますように、政治の要請は治山治水にあると言われておりますが、あの木曽三川の長良川、揖斐川、木曽川の治水は、遠くは薩摩藩、薩摩の島津藩、苦闘と苦渋の歴史も学ばせていただきました。あのとき、いわゆる幕府側といいますか、対岸は三尺低かるべしというようなこともあって、輪中の中で庶民が苦しんだ。宝暦から明治、そして今日と、治水の歴史はまさに苦闘の連続であったような気がして私はなりません。
 特に明治においては、あの木曽三川の分離という背割り堤をつくって今日に至っておるわけでございますが、あの背割り堤ができたことによってどれほど下流の被害が減少したか。しかし昭和に入っても、我々が記憶に新しいのはあの伊勢湾台風、昭和三十四年。あるいは三十五、三十六年と、梅雨前線や台風で大きな被害が出ました。特に悲しいあの安八の訴訟という問題も、我々この建設の場におる者にとっては大変心の痛む問題でもあります。しかもあの濃尾平野は海抜ゼロメーター、非常に広大な平野でもございます。さらには、海抜ゼロメーターによる塩害という問題もございまして、あの治水には二重三重の困難が重なっているわけでございます。
 そこにやはり自然環境を守ってほしいという御意見のあることも伺っております。あのきれいな背割り堤、百年前はあれは自然ではなかった。人工の背割り堤が、今は本当に自然のすばらしい景観を呈しております。あの自然を大事にしなければならないと私も思います。もちろん、生息しておりますサツキマスと言われますけれども、あの何遊魚の産卵に対する生命力、多少の困難を乗り越えても上流まで行って産卵して生命を終わるあの回遊魚の姿を見ておりますと、多少のことがあっても上っていくのだなということはわかりましたけれども、いろいろな御意見、私はやはり傾聴に値する事柄だと思うのです。
 しかし私は、やはり住民の方が安心してあの大きな河口ぜきという大工事に賛成してくださるということが最も好ましいと思うのです。一つは、自然環境を守ってほしいという声がいまだに消えません。そしてまた、私はあの三川公園も行ったのでございますが、あの河口ぜきのメカニズムをもう少し実感としてわかるような、あそこにはすばらしいマウンドがあって塩害が抑えられておりますけれども、あのマウンドをとる以外に、水位を下げる以外に治水の方法はないんだ、幅を広げることも、天井川ですからかさ上げすることもかえって危険が増します。この意見も私、わかります。でも、住民の方がなるほどこれが最もいい工法なのかなと御理解いただくような、もっと親切な説明の仕方が、模型かモデルかできないものかな。まあ予算の問題もあろうかと思います。しかし、やはり住民の方の不安を取り除くという努力も大事でしょうし、環境を守っていただきたいという切実な声も、私は環境を破壊しているという問題は必ずしも実感としてわきませんでしたけれども、やはり地元の方にそういう不安のあることは耳を傾けて、改めることは改めていくべきが正しいと思うのです。そういう意味で、この河口ぜき、私はやはり治水の上では重要だという認識をしておりますが、そういう御意見に耳を傾けて、皆さんの賛成の中であの立派な大工事が二十一世紀に喜ばれるような工事であってほしいと心から念願をいたしております。そういう意味で、建設大臣の御決意だけ例えば結構でございます。いかがでございましょう。
#130
○大塚国務大臣 ただいま先生から大変御理解あるお話を承ったわけでございます。私も就任以来今日まで、視察も含めましてこの河口ぜきの問題は非常に重要であるという認識のもとで、いろいろな方の御意見も拝聴をしてまいりました。なかんずく、今御指摘がありましたように、昭和三十四年の伊勢湾台風で五千人の方が亡くなられた。雲仙で四十三人の方が亡くなられて、本当にお気の毒だな、その規模からいたしますとはるかに大きな死者を出したことでありますから、二度とそのような災害を起こさないように、自来各界各層の皆様方が知恵を絞りましてやってきたことだと思うのでございます。
 特に、水生生物の問題等につきましては、昭和三十八年から五年にわたっていろいろな学者の方々に調査団をつくっていただいて、水生生物に関して環境影響調査等もやっていただいておるわけで、その上ででき上がってきたこの計画でございます。しかも、治川の三市七町一村の自治体の長の方を初め、議会ももろ手を挙げて、ともかく一日も早く生命財産の安定のためにこの工事を急げ、こういう御意見をいただいておりますから、民主主義のルールからしましても、私は現工事を進めていくことが非常に大事だ、こういう姿勢で取り組んでまいったところでございます。
 しかし一方、今先生からもいみじくも御指摘もございましたように、サツキマスの問題を初め、自然環境を守るということも極めて大事でございます。恐らく、あの治川の方々もあるいは反対をされている方々も、自然を守るあるいは自然を大事にするというような認識は全く同じではないかと私は思うわけでありまして、そういう視点に立ちまして、さらに追加して調査をするものも進めておりますけれども、やはり生命財産を守る、しかも先ほど、洪水情報を先生も大変御熱心に放送等を通じてやろうというお話でございまして、今また台風十五号もやってきているようなわけでございます。したがいまして、あのゼロメートル地帯の四百平方キロにわたる地域の将来のために、この河口ぜきの工事は全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
#131
○薮仲委員 ちょっとここで質問を変えたいと思いますので、国土庁長官、次の方まで退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。済みません。
 ここで、私はかの質問をたくさん持っていたのですけれども、やはり将来のために自分の言いたいことは一回は言っておきたいと思いますので、借地借家法に私は質問を変えさせていただきたいと思います。ほかの問題は、後日また機会があったらやらせていただきたいと思います。
 私はこの借地借家法の今回の改正の中で、特に正当事由にかかわる部分について非常な懸念、また果たしてこれが正しいあり方なのかという疑問を持っております。その意味で質問を展開させていただきたいと思います。
    〔木村(守)委員長代理退席、北村委員長代理着席〕
 建設大臣は、大臣御就任前に土地特の委員長であられて、土地基本法のときの委員長でございました。土地というものがいかに大事であるか、海部内閣としても総合土地政策要綱を推進をしなければならない、地価のあるべき姿をどうするかということがあのときは非常に論議されました。私も土地特の委員でございましたし、党の責任者として論議に加わってまいりました。あのとき一番焦点になったのは何か。海部総理が、持つ者と持たざる者、格差を是正しましょう、これが大事ですというのが私の脳裏から離れないところでございます。まじめに働いたサラリーマンが、片や土地を持っている、片や持っていない。用意ドンで同じ会社に入って十五年、二十年たったとき、土地を持っている方の同僚は億万長者、片や一軒の家も持てないサラリーマンをしているというこの現実を直視して、持つ者と持たざる者の格差を是正しよう、私はこの考え方は正しかったと思います。
 そこで、今回のこの借地借家法、私も勉強しました。ところが、私は法務省の方にお願いしたい。私の部屋に民事局長初め――きょうも民事局長に来てくださいと言ったら、法務委員会があるのでお見えになれない。御説明になった方は私にこう何回もおっしゃる、これは当事者間の権利、利害の調整で直接土地の政策にかかわるものではございません。私どものところにぺーパーできちんと御答弁をいただいております。しかし、この借地借家法はまさに住宅問題であり土地問題です。周知のように、現行民法というものは契約は自由です。当事者間で契約をどう結ぼうと自由です。しかし、あの民法の六百十七条、法律の専門家じゃない私がこんなこと言うのはおかしいのですが、あの六百十七条では、期間の定めのない賃貸借は各当事者が随時解約の申し入れができるという建前になっているのです。これを何とかしなければいけないというので、契約自由という原則の中にやはりこの弱い立場の借り主、こちらの権利を守ろうということで、特例法として大正十年にできたことはここにいらっしゃるすべての方が御承知です。
 しかし、あの十年にできたときに何が論じられたか。御案内のように、解約の延長がそこでうたわれただけでした。それではまだまだ借り主側が不安定であるということで、昭和十六年に何をやったかといいますと、いわゆる経済的に優位な地主や家主が、解約を理由に賃料の増額を要求したりあるいは権利金を要求するというような事例が多かったものですから、借家人の社会的、経済的な立場が脅かされてはいけない、守ろうということであの正当事由が明定されたことは、御案内のとおりです。あのとき何が大事だったのか。やはり借地・借家人の権利を守ってやらないと我々国民にとって大事な生存の基盤ともいうべき居住権、生活権の基盤の住宅に不安があってはいけない、こういうことであれが明定されたわけです。それ以来今日まで、戦後のあの劣悪な住宅事情の中でも借家人あるいは借地人はそう困らないで生活をしてこられた。借地人、借家人にとって、これは自分の生活を守ってくれた、ある意味では憲法のような本当に居住の権利というものを守った重要な法律だったと思うのです。
 ところが、今回の改正の一番問題点は、この六条、二十八条のいわゆる正当事由ですが、さっき借家には余り関係ないと言いましたけれども、二十八条は借家です。六条は借地です。同じことが書いてあるじゃないですか。あれを聞いていて、私はふんまんやる方なく突然質問に立ったわけでございますけれども、法務省は最近の判例をもとに正当事由に書き加えました。法律の文面は、もう法務省の寺田参事官よく御存じですから申し上げませんけれども、わかりやすく言えばどういうことかというと、正当事由を補てんするために立ち退き料を認めますよ、借家の場合は家の老朽度ということが正当事由に入りますよ、あるいは簡単なことを言えば、銀座のど真ん中に低層木造住宅があったら、周辺の土地の利用状況からしてこれは地主が本来得べき収入を受けていられない、不当に権利が抑圧されている、だからこれについては正当事由の考え方の中に入れましょう、こういうことが行われたのです。建物の利用状況とか老朽化とか、簡単に言えば、イメージしてもらうと、低層木造住宅をどうるすかという話なんです。私は、今の法務省は地上げ屋がやっていることを法律で裏打ちした、法務省は地上げ屋のお先棒をやったのか、このくらいの感じを持っておるのです。
 本当はきょう都市局あるいは住宅局長に伺いたかったのは、建設省は来年度の住宅政策の中で、低層木造住宅を何とかかえていこうということで木賃再生アクションプログラム、あるいは都市計画中央審議会に都市計画の内容をどうするか、いろいろ計画して住宅をつくろうとしている。こんなのを権利の調整でやってもらうのはもってのほかだ。これはまさしく建設省あるいは関係省庁が力を合わせて、低層住宅をどうやってこの都市の中で再生していったらいいのだ、住んでいる方の、権利を損なわないでやるか、これは建設省が本気になってやるのです。借地借家法でやろうなんてとんでもないと私は思うのです。
 そこで、私も戦後の判例をずっと見てみたのです。あの劣悪な状態のとき、戦後社会の住宅事情が悪いとき、借地人や借家人の権利を守るためによく使われた言葉で、一たん貸したら返してくれない、こういう言葉があるように、借地人や借家人の権利を守りました。当時私が、生活の本拠地です、営業の根拠地ですと言えば、正当事由が認められなくて私はずっとそこに住んでいられた、これが基本的にはあるわけです。しかし、私が何を言いたいかというと、参事官も御承知のように、三十八年以降のあの地価の値上がりが始まって、四十年代の判例は変わっているのです。七〇%ぐらいは正当事由を認めているのです。今法務省が入れようとした立ち退き料であるとか、家屋の老朽化とか、使用状況とか、収益の状況とかを、裁判所は認めてきているのです。法律に書かなくたって、裁判官の判断は健全だと私は思うのです。法務省は、社会情勢や経済情勢に法律が適応しない。適応しなかったかもしれないけれども、日本の裁判官の判断は正しかったと私は思うのです。判例を調べてごらんなさい。正当事由をしっかり認めているじゃないですか。社会経済に合ったように認めていますよ。しかも、こんなことを私が言うのもおかしいですけれども、いわゆる地主と家主、借地人と借家人の利益を比較して、ちょうどはかりのてんびんにかけるようにして、法律用語で言えば利益の比較の原則という、このどちらに利益がどうなのかといってんびんにかけて、裁判官はその裁量権の中で時代、社会に合ったようにきちんと判例が如実に示しております。正当事由が、現在の社会情勢に対して裁判所がきちんと機能しなかったか、立派に機能している。
 私は何を言いたいかというと、その四十年代の判例を書き加えることが正しいことかどうか疑問なんですよ。七十年前、あの十月革命というロシア革命が起きた。今はどうですか。ゴルビーさんになってから東西の壁、ベルリンの壁、吹っ飛んだじゃないですか。八月革命と言われるように、あのロシアが三日で吹っ飛んだじゃないですか。時代、社会というのはどんどん変わりますよ。あなたの頭で三日後の世界情勢が判断できるのですか。今あなたが正当事由の中にそういうふうに入れたけれども、時代、社会が変わらないのだったらそれでもいい。私が懸念するのは、時代、社会は変わるのです。今海部。内閣が一番やっているのは何ですか。あの湾岸戦争以来、国際貢献じゃないですか。岸内閣の安保改定のときを考えてごらんなさいよ、国会の周りがどうだったか。とうとい生命が失われたじゃないですか。あのときの憲法の前文と九条は今と変わっていませんよ。あのときナショナルフラッグを立てて、日本の国旗を立ててペルシャ湾に自衛隊が自衛艦を使って行くなんということは考えましたか、考えられないじゃないですか。
 しかし、現状を見てごらんなさい。国会も国民も、憲法の条文は変わっていなくても、時代、社会、世界情勢の変化に合わせてきちんと、国民は賢明です、国会も機能しているじゃないですか。それはツーレートという批判もあるかもしれないけれども、それなりの立場でみんなが一生懸命やってきたんじゃないですか。憲法の条文が変わらなくたって、あの自衛隊をどうするか、今PKOの問題、PKFの問題、当時は全く考えられない問題が真剣に国政の場で論じられているじゃないですか。これは憲法を何にも変えていませんよ。でも、時代、社会、世界情勢の変化を、国会も国民も世界も容認してきてくれているじゃないですか。
 それを考えると、あなたが、法務省が、たかが四十年代の判例がどうのこうの、おこがましい。あしたから時。代が変わらないとあなたが断言できるのか。変わるじゃないですか。それなのに、判例を書き加えてある、この借地・借家法というものを変えなければならない。私も住宅をずっと勉強してきました。じゃ、東京の土地の状態が今どうなっているんだ。持ち家と借家の状態がこの法律をいじらなければならないほど変わっているのかどうか。
 あなたにきょうは勉強していってもらいたいから、時間がないので、土地局長来ていますか、ちょっと数字だけ言ってください。私の要求するのは、東京都の行政面積から国公有地、西多摩、島嶼、農地、山林、原野を除いて宅地面積が何平米か。少なくとも資料に残っているのは、十五年前の一九七五年と一九九〇年の資料があるはずです。これで個人、法人の土地所有の状況は大幅に変わっているのかどうか、数字だけ言ってください。説明は私がしますから。
#132
○鎭西政府委員 東京都の行政面積は二十一万八千二百二十二ヘクタールでございます。うち、ただいま先生がおっしゃいました西多摩、島嶼あるいは国公有地、農地、山林、原野等を除きますいわゆる宅地の面積でございますが、四万九千八百六十二ヘクタールでございます。
 それから所有の状況でございますけれども、一九九〇年と一九七五年、たまたま東京都が公表しております「東京の土地」というものによりまして私ども承知をいたしておるわけでございますけれども、一九九〇年におきましては、土地所有者数は全体で百四十九万九千五百二十四人でございます。うち個人が百三十九万八千二百六十五人、法人が十万一千二百五十九社でございます。十五年前の一九七五年時点でございますと、個人も法人もいずれも現在の方がふえておりまして、合計では百十三万六百二十九人、個人が百五万三千三百五十六人、法人が七万七千二百七十三社、こういうことでございます。
    〔北村委員長代理退席、委員長着席〕
#133
○薮仲委員 今数字を羅列しましたので、これはどういうことかと申しますと、今申し上げました宅地面積の四万九千八百六十二ヘクタール、これは東京都ですね。この中で土地の所有者数、一九九〇年百四十九万九千五百二十四、ざっと百五十万と考えていただければいいと思うのです。今東京都の人口は、住民基本台帳で千百六十四万人です。百五十万ということは、東京の人口の大体一二%です。今土地局長がおっしゃった法人を含めた土地の所有者で一二・九%。一番権利が侵害されるという個人に限って言えば、東京の一千百六十四万人の中で土地持ちが一二%。ということは、法人を入れても八七・一%の人は土地を持っていない。もっと簡単に言うと、東京の土地持ちはわずか一割、九〇%の人は他人の土地に住んでいるんだなということなんですよ。土地が侵害される、地主がどうのこうの、この大東京で本当に地主と言われるのはわずか一割ですよ。あとの九割の人は立場の弱い人ですよ。しかも、この十五年間のあれだって変わっていないじゃないですか。宅造されて土地がある程度ふえたからふえていますけれども、バランスが何も変わっていませんよ。
 もうちょっと詳しく言いましょうか。これを五百平米で分けるのです。なぜ五百平米で分けるかというと、例えば五百平米といえば大体百五十坪程度です。自分の土地に自分の家を建てよう、五百平米、こんな人も少ないですね。本当は三百未満が一番多いんですけれども、仮に五百平米で分けて、五百平米以上の人は何%、五百平米以下の人は何%。これもちょっと土地局長、年代は一九九〇年、五百平米未満の土地の所有者の数、五百平米以上の土地の所有者の数、個人、法人、簡単に数字だけ言ってください。
#134
○鎭西政府委員 これも出典は「東京の土地」でございますけれども、一九九〇年時点におきます土地の所有状況でございますが、五百平米未満の個人所有者は約九二%でございまして、百二十八万六千六百一人でございます。それから法人所有者は、五百平米未満が約七〇%、以上が約三割。数は、五百平米未満が七万九百七十九社、五百平米以上が三万二百八十社、こういう状況でございます。
#135
○薮仲委員 私の方で申し上げますと、五百平米以上の方は、個人で十一万一千六百六十四人なんですよ。八%なんです。他人に土地を貸すであろう人は、土地の持ち主の中の八%、東京都民の中で一割いっていないのですよ。それを法務省は、あたかもススキの穂を見てお化けが騒ぐみたいに言っていますけれども、土地の権利者がどうのこうのということはわずか八%じゃないですか。
 それから、もう時間が余りないから、法務省の方に勉強してもらいたいから言っておきますけれども、これは総務庁の所有関係別住宅数で、これは本当は住宅局長に言ってもらった方がいいのですが、昭和二十三年、戦後の社会で持ち家と借家が比率でどうであったか。持ち家が六七%、借家が三二・九%。それからずっとこの数字読んでいきますと、三十三年にちょっと持ち家がふえて七一・二、借家が二八・七、四十三年は持ち家が六〇・三、借家が三九・六、五十三年は持ち家が六〇・三、借家が三九・四、六十三年は六一・三、三七・四。持ち家と借家の比率は、戦後社会、今日まで、昭和六十三年までのデータしかないのですけれども、この中で持ち家と借家の比率は何にも変わっていないのですよ。何で借地・借家法を変えなければならないのですか。土地の所有者はこれっぽっち、こういう状態。
 しかも、これは住宅局長、ちょっと言ってあげてくださいよ、東京都の住宅の応募倍率。これは東京都営住宅の応募倍率と公団と公社、どれくらいの応募倍率があるか、五十六年から数字だけ言ってください、倍率だけ簡単に。よく聞いておいてください。
#136
○立石政府委員 公営住宅につきましては、昭和五十六年度は十八・三倍、六十年度は二十八・〇倍、平成二年度は五十五・一倍でございました。また公団住宅につきましては、五十六年度は三・四倍、六十年度は九・五倍、平成二年度は四十・三倍と、同じく上昇傾向にございます。
#137
○薮仲委員 これは公社賃貸住宅も言っていただけばいいのですけれども、私の方で言いますよ。出たり入ったり、時間がもったいない。いいですか、法務省の方。都営住宅に入ろうとすると五十五倍ですよ、東京都は。公団住宅に入ろうとすると四十・三倍ですよ。公社賃貸住宅に入ろうとすると二十二倍ですよ。もう少し申し上げましょうか。これを言うと気の毒ですけれども、今、公営一種、二種、あれの住宅に入りたいと思っている――公団のアンケートも言いたいんですけれども、公団の方は永住したいと言っているんですよ。きょうも何人かは傍聴に来ていらっしゃるかもしれないが、永住の希望がふえているのです。だんだん半分近くなってきている。都営住宅には永住できないんですよ。所得が上がると出ていけと言われるのです、収入超過で。どのくらいあるのか、聞きたいのですよ、本当のことを言うと。時間がないから言ってあげますよ。平成二年で公営住宅の収入超過は四二・六ですよ、四二・六。四割の人は収入超過で立ち退きを迫られているのです。しかも、東京都の住居費の負担は、消費支出の中で、平成元年で二一%、全国では一五・五。建設省が大体目標とするところに落ちついているのです。それで、既存の立場の人には影響しませんと法務省の方はおっしゃる。
 私は東京都へ何回も行って、東京都の住宅を勉強させていただいた。一つだけ言います。「東京都住宅政策懇談会報告」、これも真剣に勉強してくださいよ。この中で東京の住宅事情の悪化のことが全部出ている。そこの中で、特にここのところだけは命に刻んでおいてください。高齢、身障者の方にどういう影響が及ぶか、深刻なんですよ。高齢者向け住宅が必要です、こういうことです。
 居住継続の支援
  高齢者世帯や障害者世帯は定住の希望が高いといわれるが、民間賃貸住宅に入居している高齢単身世帯についてみると、最近五年間で住居を移転した世帯の比率が三割を超える。移転理由も、「立退き要求のため」が他の理由を大きく引き離し第一位
である。三割を超えているんですよ。あなたは、法律は弱い立場の人を守る、既契約には影響しないと。どうですか、これは。現行の法体系の中で一番泣いているのはお年寄りと身障者じゃないですか。東京都が、最もこの対策が必要ですと言っているんです。だから建設省は、借り上げ住宅の中に高齢者を入れて、三万円ぐらいで何とかつくろうと努力しているじゃないですか。こんなのが住宅政策ですよ。これは全部地上げ屋じゃないですか。この悲しみがあなたには聞こえないんですか、法務省の方には。
 だから私は、なぜ正当事由を変える理由があるんだ、住宅政策がしっかりして、借地・借家なんてプライオリティーがずっと下ですよ、私に言わせれば。大塚建設大臣とあの土地基本法をやったとき、土地というものは、公共の福祉を最優先にする、投機の対象にしてはいかぬというのです。法務省は何ですか。司法研修所跡地を投機のために売ったじゃないですか、あれは。まあそう言うのもちょっと強烈かもしれませんけれども、競売したじゃないですか。あそこに建った紀尾井町ビルのマンションは幾らですか。マスコミが言っているじゃないですか。月額二百五十万。庶民は入れないじゃないですか、あんなところ。投機の対象と新聞にたたかれたじゃないですか。しかも、あの土地基本法をやったときに、大塚建設大臣も御承知のように、土地は自分の土地だからといって勝手に使わないようにしよう。海部内閣も、資産価値を下げよう、都市計画をしっかりして、原則あの西ドイツのように禁止、都市計画のものから初めに使えるようにしよう。さっき言った都市計画の中で今八つの用途地域を見直しているのは、何とか土地というものは、公共の福祉のために、ある意味では使いにくくしても地価を下げよう。あなた方は間違っているんですよ。
 今、借地・借家をやれば土地が出てくる、そうはいかないのですよ。土地は値段があるんです、値段が。一億も二億もする土地を使って商売ができますか。税法を勉強してくださいよ、法人税法に書いてあるじゃないですか。土地の「使用の対価としての相当の地代」というのはどうか。六%ですよ、基本通達は。六%より以下は贈与税を取られるんですよ、国税庁から。
 住宅局長に聞きたいのですけれども、今この高い土地で、民間がやって本当に我々が住めるような家賃でつくれるか。つくれないんですよ。そこで、昨年一年私は建設省といろいろ協議をして、民間ができないから公共が建築費補助を入れましょう、家賃対策補助を十五年か二十年入れましょう。八万とか十万とか、地方都市で六万とか、これは公共が介入して初めてできるのです。公共が介入しないで民間だけでやったら、高い土地を借りてそんな安い家ができますか。あなた方の一番の錯覚は、権利関係を調整すれば土地が出てくる。あなた、高い地代を払ってコーヒーショップやラーメン屋やクリーニング屋ができますか。
 そんな法律を直すことよりも大事なのは、あの地価税法を苦労してやったのは、あるいは土地基本法を一生懸命やっているのは、何がプライオリティーとして大事なのか。判例にあんなことを書くんじゃないのです。我々ここにいる建設委員の一人一人が、どれほど苦労して国民のために低廉で良質な住宅を提供しようか、どうやって地価を下げて格差を是正しようか、あらゆる苦労をしているんじゃないですか。あんなものは最後にやつていいんですよ。なってないんです、あれは、正当事由をやるということは。私は明確に言っておく。民事局長以下、今の法務省の皆さん方のやったことは、後世の本当に住宅問題を真剣に勉強した人が、最大の汚点であると言うときが必ず来ると思う。こうやって今申し上げたように、東京の九割の都民を苦しめ、悲しませ、お年寄りを泣かせるようなことが法務省のやることじゃないんです。守ると言うけれども、実際は、弁護士に言ってごらんなさい、供託すればいいんだって。何ですか、あの電話一一〇番つくりましたなんというのは。あんなの一本じゃないですか。きのううちの事務所から二本電話させたら、話し中で通じないじゃないですか。一億二千万のために借地借家法のお尋ね一一〇番つくりました、おかしいというんですよ。しかも既存のいわゆる借りている人が影響しない、鬼の首でもとったように言っていますけれども、例えばここから見えるホテルニュージャパンが火災になったとき、ここにいる建設省の皆さんは建築基準法や消防法を徹底的に見直しているじゃないですか。
 しかし法律というものは施行されてがらしか効かないめです。遡及しないのです。あなたの前にいる官房長に聞いてごらんなさい。既存不適格、確かに既存不適格で、法律でなんてできないんですよ、指導はできても。法律が遡及しないのは当たり前じゃないですか。法務省が何を言っているんですか。あんな偉そうに言っていてみっともない。そんなことよりも、お年寄りや身障者や、本当に借地・借家人が二年で泣いているあの実態を知らなければだめだ。私の周りにいる身近な者だって、この東京に住んでいるためたここ数年で四回も変わっているんですよ。二年たつと値上げが来るんです。若い人は出られます。しかしお年寄りは出られません。
 そういうことをしっかり考えて、この問題についてはよくよく考えていただきたい、これだけ申し上げてやめておきます。
#138
○桜井委員長 薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。
 次は、辻第一君。
#139
○辻(第)委員 何点かお尋ねをしたいと思うのですが、まず最初に、大塚建設大臣にかかわる問題で先般来新聞紙上にいろいろと報道をされているわけであります。けさからもこの問題について指摘があり議論もあったところであります。大臣の御所見もその中で伺ったわけでありますが、大変残念な、遺憾なことであったと思います。もうこれ以上時間がありませんので深くは申し上げませんけれども、十分反省をしていただいて、今後対応していただきたいということを指摘いたしまして、次の質問に入りたいと思います。
 住宅の問題でお尋ねをいたします。
 私は、毎回と言ってもいいほど住宅の問題を取り上げてまいりました。これまで衣食住と言われてきたわけでありますが、その中で本当に住宅の問題というのは深刻ですね。殊に三大都市圏では本当に大変な状況だと思います。そういう状況の中で、本当に環境のいい快適な、そして安価な賃貸住宅、公共賃貸住宅を大量に建設されるべきだということを繰り返し繰り返し私どもは主張してまいりました。諸外国の例も引いて申し上げてきたわけであります。ことしの二月の建設委員会でそのことを申し上げたのですが、六期五計で幾らかふやしていただ。いたということでありますけれども、我々の願いからいえばとてもとてもまだという状況でございます。そういう中で、きょうは特に公共賃貸住宅をたくさん建てていただきたいという、そういうことの中で特に公営住宅を中心にして質問をしたいと思います。
 端的に申しますと、五期五計での公営住宅の達成率が約八割というふうに認識をいたしております。ついでに申しますと、大体公営住宅の目標の達成率というのはよくないのですね。今申しました五期が八〇%、第三期が四十五万戸だったのが三十三万戸で七三・八%、第四期が三十二万戸の目標に対して二十三万一千戸で七二%。それに比べますと五期は幾らかよくなっているのですが、それでも八〇%ということですね。もともと少ないのに、それに八〇%というようなことは私は許すことのできない問題だと思うのです。先ほど来御論議がありました中にも、今深刻な住宅事情の中で公共賃貸住宅への国民の皆さん方の要求、東京都では新しいところは六〇%とか、公団でも五十何%、そういうお話がありましたね。そういう状況になっているのです。ぜひ今度の六期五計は一〇〇%やり抜いていただきたい、こう思うのですが、そこで、五期計画の公営住宅の達成率が八割にとどまった原因をどのように御認識になっているのか、まずお伺いいたします。
#140
○立石政府委員 第五期の住宅建設五カ年計画におきます公営住宅等の建設計画におきましては、二十五万五千戸の計画戸数でございましたが、現在時点の実績見込みでは二十万二千戸で、先生御指摘のとおり、達成率の見込みは八〇%程度と見ておるところでございます。
 このような達成率になった理由といたしましては、まず第一に、土地を取得して新規に住宅建設を行う事業につきましては、地価が非常な値上がりをしたこと、そしてまたそれによる用地の取得難が障害になったというように、理由として考えております。また、建設戸数の約六割を占めております建てかえ事業でございますが、従前居住者の合意形成あるいは高度利用を図るための周辺住民との調整というのになかなか難航したところがございまして、これらによりまして達成ができなかったものと考えております。
#141
○辻(第)委員 今土地の取得の問題をお話しになりましたね。私は、確かに土地が高騰するということの中で、その他いろいろな事情もありますけれども、土地の取得が非常に困難だったということもあろうと思います。
 そこで、何で土地が高くなったのか、こんなことを言っていますと時間がなくなりますのでなにをいたしますけれども、新規公営住宅建設促進のためには、用地費補助の新設、こういうことが必要ではないのか。また、学校等の公共用地につけられている土地提供者に対する譲渡所得課税の特別控除、こういう制度がありますね。こういうものも、公営住宅の土地を確保するためにはそういう税制の優遇措置を新たに適用すべきではないか、こういうことを考えるのですが、いかがですか。
#142
○立石政府委員 まず、公営住宅建設事業におきまして用地の取得に対する補助は御指摘のとおり行っていないところでございますが、その理由といたしましては、公共団体が用地を取得しますとその土地は地方公共団体の資産となってしまう、これに対して直接国が補助するのは適当であるかどうかという判断からでございます。しかし、用地費の地代相当分をそのまま家賃に繰り入れると家賃が高くなってしまうということになりますので、家賃収入補助という形で用地の地代相当分に対しては国から補助を行っているところでございます。また、公営住宅の用地の取得のための資金につきましては、起債措置等を講ずることによりまして、取得する資金の不足ということは通常起こらないのではないのだろうかというように私たち考えているところでございます。
 また、税制上の措置についてでございますが、公営住宅用地として土地を提供した場合には税制上の優遇措置が講じられることになっております。具体的には、五十戸以上の公営住宅団地につきましては、地方公共団体に土地を売却した場合の譲渡所得に対して課税の繰り延べをする、または五千万円までの特別控除の措置が講じられるというような措置を講じているところでございます。
#143
○辻(第)委員 今そういう御答弁をいただいたんですが、非常に高騰した土地を地方自治体が本当に取得しやすくするためにもっともっと知恵を出していただいて、いろいろ先ほどの土地というのは地方自治体のものになるんだから云々というのは、そういう考え方もあろうかと思いますが、いろいろな形でぜひ十分な対応をしていただきたい、要望をいたします。
 私は、ここで国の補助基準をいわゆる実額というんですか、それ相当に引き上げるべきだ、こう考えております。これは私ども奈良県の例でございますが、最近建てかえた第一種公営住宅の場合でございます。政府の補助基準額がいわゆる建設実額の六〇%にしかならない。これは用地費を必要としない建てかえでも、そういう事業主体である地方公共団体というのは大変な負担になっているんですね。また、県当局は大変御努力をいただいて、家賃も政策的に限度額より低く抑えていただいているんですね。そういうことで、地方自治体の負担というのは実際大変なんですね。
 そういうことで、もう少し数字で言いますと、先ほどのは一種でしたね。これは三十戸の建てかえだったと思うのですが、事業費の実額が五億三千九百七十八万二千円ですか、補助基本額が三億二千六百六十二万六千円、それで結局その割合は六〇・五%。補助額が二分の一ということになりますね。補助額は一億六千三百三十一万三千円で一すか、ですから実際の事業費の実額ということに比べますと三〇・二五%、こういうことになるんですね。ですから、これではやはり地方自治体としても私は大変だというふうに思うわけであります。
 そういうことで、補助基準額をもっともっと引き上げてもらいたい。それから、そのほかに建てかえ移転費だとかあるいは仮住居借り上げ費とかいうのがありますね。あるいはまた関連公共事業費、こういうものも含めて、その実情、実態に見合うように引き上げて、そして地方自治体が本当にやる気になるというんですか、やりやすいというんですか、本当に責任持ってやれる、そういうことを国としても十分バックアップをする対応をしていただきたい。いろいろ御苦労いただいているのはわかるのですが、その点いかがでしょうか。
#144
○立石政府委員 公共団体の負担を軽減するために、建設省といたしましても補助対象となります標準工事費につきまして、物価上昇等に対応して引き上げに努めてきているところではございます。しかしながら、近年、建築工事費が大都市を中心に急激に値上がりしたために、やや標準工事費が実際の工事費に及ばない傾向が強くなった面もございますが、これまでの努力といたしましては、標準工事費は平成元年に四・九%、平成二年に六一五%、平成三年度で五・一%と、従来に比べて大きく努力しているところでございます。そのほか住宅の規模につきましても、本年度二戸当たりの標準床面積を二・七平方メートル増大する。そのほか移転費、仮住居の借り上げ等についても努力しているところでございますが、まだ平成二年度段階におきましては、大都市地域の建築工事費のアップということもありますが、大都市地域では二〇%程度の、そして地方の方では三%程度の超過負担があるというように考えておりまして、今後とも超過負担をなくすように努力していきたいと考えております。
#145
○辻(第)委員 今私は、そういう土地の問題とそれから補助基準額、この問題を中心に話したわけでありますけれども、どうですか局長、この六期五計、これは完全に目標を達成することができるのですか、そのことだけちょっと、時間がありませんので。
#146
○立石政府委員 第六期住宅建設五カ年計画におきましては、五カ年間で公営住宅等を二十九万戸建設する計画となっております。本年度はその初年度でございますが、平成三年度の予算におきましては、まず第一に公営住宅等を五万八千戸建設を計画しておりまして、その予算枠を確保しております。ちょうど五分の一ということでございます。またそのほか、用地費単価の大幅な引き上げを行いまして、用地の取得の円滑化をしていきたい。あるいはまた、新規の土地を取得しで住宅を建設する場合の家賃を引き下げるための大都市公営住宅供給促進緊急助成事業という制度を創設しております。さらに、建てかえ促進のための従前居住者に対する家賃激変緩和のための補助制度、あるいは土地所有者が建設いたします賃貸住宅を公共団体が借り上げて公共賃貸住宅として使う制度の創設、そういうようないろいろな工夫を行って、この五カ年計画の達成を図るべく制度を整備しているところでございますが、今後とも従前居住者に対する対策の拡充とかあるいは土地所有者の活用とかを図りながら公営住宅等の建設に努めて、第六期五カ年計画を達成したいというように考えております。
#147
○辻(第)委員 住宅の問題というのは、本当に大切な大切な問題であります。この六期五計、完全に目標を達成していただくということは極めて大事なことであります。しかし並み並みならぬ努力が要る問題ではないか、私は現実に即してそう思うわけでありますが、どうかひとつ建設大臣を初め建設省、十二分の対応をしていただきたい、お願いを申し上げます。
 それから、先ほど二・七平米ですか、居住水準の引き上げというお話がありました。本当に居住水準を引き上げるために一層の努力をいただきたいということをお願いをし、それかも、例えば公営住宅で新しい建てかえもありますね。大体見てみますと、家賃が四倍から五倍になっているのですね。確かに広さもうんと変わるのです。一つの例を挙げますと、三十四・七八平米で八千三百円の家賃が、七十二・二平米で四万二千円になるということです。これも一万円ほど県が努力をして家賃を下げていただいているそうでありますが、これでも五倍になるんですね。
 ある公営住宅にお住まいの、これは公団住宅の例ですが、同じことだと思うのですが、専有床面積は四三・〇六平米、畳は十・五畳分しかないのですね。そこへいろいろ家財道具を置かれますと、六畳しか残らぬということになるのですね。ここに二組の布団を敷いて、小学校六年の男の子と五年の女の子が同じ布団で寝る。それから小学校一年の女の子と御夫婦がまた同じ布団に寝る。こういうところでお暮らしになっておられるところがあるのですね。ところが、どうしても三DKに転居したいという御要望があるのですが、敷金の問題や引っ越しの費用や家賃の値上げその他その他見てまいりますと、経済的には満たすことができない。せめて死ぬまでに三DKに引っ越したい、こういうお話も私、直接聞いているわけですね。
 こういうところがたくさんあるわけでありますが、そういう点で、居住水準を引き上げるためにもっともっと努力していただくこと。それから高家賃ですね。家賃が高くなる、そういうことをどうか抑制をするために実効ある措置をとっていただきたいと思うのですが、簡単に、いかがですか。家賃のところだけで結構です。
#148
○立石政府委員 公営住宅団地等の建てかえをしたときの家賃の変更が、特に低所得の方々の大きな負担になることが考えられるわけでございます。平成三年度には従前居住者向けの家賃の激変緩和措置を講じたわけでございますが、今後とも公営住宅団地あるいは公団住宅団地、これらを総合した建てかえ等を考えまして、家賃の激変緩和のために国としても努力していきたいと思います。
#149
○辻(第)委員 これで住宅の問題を終えて、次に琵琶湖の問題でお尋ねをいたします。
 琵琶湖総合開発特別措置法が来年三月に期限切れを迎えようとしております。私も先日琵琶湖を調査してまいったのですが、やはり水質の問題、大変な状況でございます。そういう状況の中で、琵琶湖総合開発計画は、下流三府県に毎秒四十トンの新規利水を確保する、そのためには一・五メートルの水位低下もあり得るということでございます。こういう新規利水による人為的な水位低下ということになりますと、琵琶湖の自然の浄化作用や生物学的バランスの破壊、湖水の汚染、そして上水道として本当に使えるのかという状況になりはしないか、そういうことをいろいろ指摘をされる学者その他の方がたくさんおられるわけでございます。
 そういう状況の中で、いわゆる水出し三原則というのがありますね。これは河川局長にお尋ねしたいのですが、この水出し三原則というのは、公団事業、地域整備事業の完了が一つ、二番目が洗堰の操作規則の制定、三番が県民生活への影響のないことの確認の上で水を出す、こういうふうに私は認識をしているのですが、この水出し三原則というのは本当に尊重さるべきものだ、このように考えるのですが、いかがですか。
#150
○近藤政府委員 琵琶湖開発事業におきましては、その水資源開発に当たりまして、十年に一回程度の渇水時に、琵琶湖の基準水位〇・三メートルからマイナス一・五メートルまでの容量十二億立方メートルを利用し、新規に都市用水毎秒四十立方メートルを下流の府県に提供しようとする事業でございます。このために、琵琶湖総合開発事業を水資源公団で実施するとともに、関連地域の整備事業につきまして関係機関の努力によって整備をしておるところでございます。
 この琵琶湖総合開発事業で新規に生み出されました水資源を利用できるようにするに当たりまして、いわゆる水出しということになるわけでございますが、これにつきましては、昭和五十七年当時に関係県知事あるいは河川局長との間で覚書が取り交わされておりまして、その趣旨とするところは、水資源開発事業の完成、また県民生活へ影響を与えることのないように地域整備事業を完了させること、かつ洗堰の操作規則を策定すること等がこの覚書の中で取り交わされていることでございまして、私どもとしては、今後新規水供給に当たりましては、関係者の意見をよく聴取して、またこの当時の覚書の趣旨を尊重しつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。
#151
○辻(第)委員 今日、下流域の水需要は二十年前の予測を下回っているのではないか、こう思います。水位低下による水質の低下により、湖水が上水道源として大変十分でない状況ということになりますと、近畿一千四百万人の生活基盤が失われることになります。また、水出し時期については、法期限切れが平成三年度末という合意もあるようでございますが、水出し三原則を形骸化させないことはもちろん、今局長申されましたが、県民の合意なしに新規利水の強行を断行すべきではない、県民の合意が大事だと、こう思うのです。それから法期限切れの時期を迎えた今、改めて水位低下の頻度や幅、水質、生態系への影響についてのアセスメントを行っていただき、その結果に基づいて水位の低下の幅、利水計画を再検討すべきだ、このことを要求をしておきます。これは時間がありませんので、答弁は結構でございます。
 最後に、建設省の職員の増員の問題でお尋ねをいたします。
 これも私、何度も何度も当委員会で質問をしている問題でございせすが、端的に申し上げますが、私はこの七月二十九日、同僚の藤田スミ議員や参議院の林紀子議員と一緒に浪速国道工事事務所をお訪ねいたしました。所長さんなどから、事業概要の説明あるいは職場の実態についてお尋ねをしてまいりました。そこで伺ったところによりますと、昭和六十年度に五十一億八千五百万円だったこの工事事務所の事業費が、平成三年度では二百五十億三千百万円、これは道路公団でしたか、受注工事費が百五億あるようであります。このまま全部ストレートに見てまいりますと四・八倍というふえ方、その受託工事費を抜いても約三倍ということですね。仕事が大変ふえております。職員は六十二年に比べて三人ふえておられるんですね、現在六十二人。そして現在、委託労働者とアルバイトをまぜて四十五人ということですね。そして残業時間は月平均四十二時間ですね。そして百時間を超す人もあるということを所長さんから聞きました。
 また、その日の午後、全建設省労働組合の方とお会いをして、いろいろ実情をお伺いをいたしました。この浪速国道工事事務所は、第二京阪国道や関西新空港その他関連事業など大型プロジェクト事業を展開する中で、やはり職員への労働強化が広がっているということであります。超過勤務では年間一千時間を、一千時間ですよ、超える方が三人もおられるというふうに聞きました。その理由は、いわゆる勤務時間中は普通の地元の対応及びコンサルタントとの打ち合わせなんかで追われる、そういう中で本各から命じられた資料の作成なんかはどうしても五時以降になってしまう。そういう状況で非常に労働強化、長時間過密労働ということになるのですね。その他委託。労働者の問題などいろいろこれまで申し上げてきたのですが、時間だけ申しましてもそういう状態ですね。この超過勤務については、当局としても、水曜日に残業のない日というそういうことを庁内放送されている状況で、個別指導が入っていない、仕事の期日のみのチェック、残業せざるを得ない状態ということを私ども聞かせていただいたわけでございます。こういう状態の中で、さらに政府の第八次定員削減計画ということで、平成三年度末二万四千八百七十八人に対し千四百十三人、マイナス五・六八%の削減計画となっておる、こういうふうに聞いております。これは、他省庁平均を上回る大幅な削減計画だと思うのですね。
 私は繰り返し申し上げますが、どうかひとつ、本当に真剣に建設省の第一線の仕事を守っていく、本当に国民の期待にこたえる社会資本をつくっていただくためにも、あるいは労働者の労働条件、生活や健康を守るためにも、ぜひ十二分に増員のために御奮聞いただきたい、こう思うのです。官房長、お越しですね。どうかひとつ、いろいろ御努力いただいているというふうに思うのですが、本当に真剣に御対応いただきたいと思うのですが、御所見を伺いたいと思います。
#152
○望月政府委員 お答えさしていただきます。
 建設省の定員について、先生から今御発言がございました。私ども文字どおり真剣にこの問題は考えさしていただいております。しかしそうはいっても現状、御案内のとおり政府全体として行政改革の一環として定員削減計画というものが現実にある。片方で私どもの仕事は、国民生活の基盤を支える住宅、社会資本整備を着実に進める、こういった中でますますその責務、仕事の重みというものは高まる、こういったことはもう間違いのないところでございまして、現在、御案内のとおり二万五千人の職員が、職場はそれぞれ異なりますけれども、打って一丸となって頑張っているわけです。
 今後を展望しますと、現状でもいろいろともう問題は御指摘のようにあるわけでございますが、今後のことを考えますと、私どもも定員削減計画は削減計画として、やはりしっかりとした要員の確保ということが最大の課題である、こういうふうに受けとめておりまして、私ども八次定則に向かっても可能な限りのあらゆる努力はさしていただきました。率直に言いまして、今おっしゃったような千名を超える、千四百何がしの削減計画というものは決められましたけれども、これはやはり職員の構成等、それぞれの省庁を並べた場合にいろいろな事情がございます。こういったこともそれぞれ点検された上での数字でございますが、ともかく私ども、仕事を的確に実施しまた管理もしっかりとやっていく、片方で事務の合理化もやりながら、限界があるということを踏まえながら、今後の要員確保ということは、具体的に言うと増員要求ということになりますが、こういった面についても引き続きの努力をしてまいりたい、かように思う次第でございます。
 特に、今浪速国道のお話がございました。これについても、基本的には先生おっしゃったような傾向が現実に出ております。それはそれとして、私どもあらゆる合理化の努力も進めますけれども、やはり職員の健康管理、これはもう基本でございます。そういった意味で、六月にも官房長通達も発出しまして、あらゆる職場についてそういった面での配慮をさらにするようにと努めておりますが、基本はおっしゃるように定員の問題、これが避けて通れませんので、引き続き私どもも頑張らしていただきたい、かように考えております。
#153
○辻(第)委員 ぜひ真剣な御努力をお願いして、終わります。ありがとうございました。
#154
○桜井委員長 これにて辻第一君の質疑は終了いたしました。
 次に、菅原喜重郎君。
#155
○菅原委員 質疑に入る前に、大臣に要望をしておきたいと思います。
 今、現場就労者の三Kを忌避する風潮が強まっているわけでございますが、このことのためには、現場の機械化、合理化あるいは施業技術の革新、改良等必要だと思うのですが、請負制度の中で、孫請、ひ孫請、また下なんとなりますと、これまた下への分配を薄くいたしましてこの問題を増長していく、企業みずからの手足を切る結果を生むと思いますので、この三K問題に対する善処、よき指導を大臣に強く要望しておきます。
 さて、我が国は近年経済大国と言われておりますが、道路の整備状況はいまだ立ちおくれ状態であります。第十次道路整備五カ年計画の完全達成を図るためにも、道路整備財源の確保が必要でありますが、五カ年計画の達成状況及び財源確保の見通しはどうなっているか、このことには大臣に十分の働きをしていただかなければならないと思いますので、御質問いたします。
#156
○大塚国務大臣 仰せのとおり、道路の整備は極めて重要でございます。平成四年度の概算要求に当たりましても、一般会計から道路整借特別会計への繰入額を確保するとともに、揮発油税収の四分の一相当の直入、NTT財源の活用を図りますとともに、新たに設けられました公共投資充実臨時特別措置を積極的に活用いたしまして、自動車重量税を含む道路特定財源見込み額二兆七千九百七十七億円を道路整備に全額充当することといたしております。さらに、前年度に引き続きまして生活関連重点化枠の活用を図りまして、事業費七兆六千三百五十五億円、そして国費二兆九千百八十二億伊を要求することといたしました。
 この結果、概算要求時の第十次道路整備五カ年計画の達成率は、調整費を除く計画額五十一兆七千億円に対しまして、九九・三%となっておるところでございます。
 今後さらに、この道路財源につきましては、非常に重要でございますので、私は先頭に立って頑張ってまいりたい、このように思っております。
#157
○菅原委員 次に、地方からの強い要望が出ておりますので御質問いたしますが、三陸沿岸地帯の産業、経済、文化の交流発展を図る上で、三陸縦貫自動車道の建設促進と国道四十五号線の二次改築の促進は必須課題であります。これらの整備の現状と推進見通しはどうなっているのか。
 また、主要地方道大船渡綾里三陸線は、当地域唯一の産業経済路線でありますから、道路改良事業の早期完成を図るべきだと考えます。見通しはどうなっておりますか、お伺いします。
#158
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。
 御指摘の三陸縦貫自動車道、仙台から宮古に至る間、初めて三陸沿岸に時間が読める高速道路が――この構想として生まれたわけでございます。私ども、現在これを一般国道の自動車専用道路という整備手法で整備する方が早いということで整備をいたしております。
 御承知のように、宮城県内の仙塩道路あるいは仙台松島有料道路、鳴瀬道路、矢本石巻道路、岩手県内では大船渡三陸道路あるいは山田道路、いずれも着工させていただいておりまして、これが全体で七十七キロございますから、大体三五%ほど既に着工させていただいております。残された区間が三区間ほどございますが、これも現在基本計画策定に向けて調査をやっております。特に道路構造の調査等、かなり熟度を上げた調査をしております。宮古から久慈の間は実は切れております。この地域につきましては、一般国道の四十五号の二次改築ということで中野バイパス、普代バイパス、こういったことをベースに整備を進めております。いずれにいたしましても、この路線はトラックが非常に多うございます。海産物、水産物等の一種の生命線でございますので、私ども東北道がああいうふうにできた以上、この三陸との格差がこれからふえないように一層推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
 またもう一つ、主要地方道の大船渡綾里三陸線。でございますが、これは先生御承知のように、ちょうど大船渡と三陸町の小さな半島をめぐる道路でございます。幅員が三・五メートルしかないような箇所も含めた非常に厳しいところでございます。そこで私ども、全体の改良率としては八八%でございますが、その中の特に重要なポイントでございました合足地区の清水合足トンネルを含む約三・八キロを完成させていただきました。ざらに元年度から、綾里の石浜地区を迂回する一・四キロのバイパスも着工いたしております。さらにもう一つ、ほかの地区で非常におくれているところもございますので、こういうところを地元と相談をしながら、今まで報われなかったところをこれから一つ一つやってまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#159
○菅原委員 今まで幻の国道と言われるほど放置されておりました国道三百四十三号線の大東町猿沢−東山町横沢間の未改良区間については、平成二年度に新ルートが示され、事業着手されたわけでございまして、これは感謝にたえないわけでございますが、この整備促進についての今後の見通しはどうなっておりますか。
#160
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。
 この三百四十三号、陸前高田と大東町、東山町を経て水沢、言ってみれば東北道と三陸縦貫自動車道とを結ぶ非常に重要な路線でございます。六十五キロほどございます。
 この中で、先生御指摘の大東町の猿沢から東山町の横沢間の七・四キロは、非常に幅員も狭く、また急勾配、急カーブの続出する、言ってみれば山岳道路でございます。冬期間の十二月から三月まで積雪が一メーターにも達して、実際は通行どめ、こういうことで私ども平成二年度からこの地区で、特に鳶ケ森トンネル四百六十五メーターあるいは猿沢トンネル四百九十メーターを含む鳶ケ森工区が一番難所でございますので、これの事業に着手させていただきました。その結果、例えばその区間は現在の道路が十キロございますが、これが完成いたしますと約半分の五キロ六百くらいということで、今こういう一番問題の箇所をやっております。さらに、その後につきましても、これらの進捗を見ながらまだ対応してまいりたいと思っております。
#161
○菅原委員 同様に、国道三百九十七号は県南沿岸部と内陸部の高速交通網を結ぶ最短路線であり、重要な機能を持つ路線ですが、住田町、大船渡市における整備の現状と今後の見通しをお聞きいたします。
#162
○藤井(治)政府委員 三百九十七号は、御承知のように、国道十三号にございます秋田県の十文字町から大船渡に至る、言ってみれば三陸と奥州街道を結ぶ道路でございます。九十五キロと非常に長うございます。
 そこで、大体のところは一応の改良済みにはなってきたわけでございますが、特にその中で住田町あるいは江刺市の市境、種山高原というところがございます。そこにおきまして、五十九年から種山工区ということで八・二六キロの事業を実施させていただいておりまして、平成二年度までに江刺市側の七・八六キロは供用させていただきました。残る〇・四キロにつきまして、栗木トンネルというものがございます。これを今やっております。全体の交通量が千台から六千台に至るというような非常に幅の広い使われ方をしておりますが、これらも地元の状況を見ながらその他についても対応させていただく、そういう考え方を持っております。
#163
○菅原委員 同様に局長に質問するのですが、この国道四号線金田一地区は、大型車両の増加に伴い交通安全上憂慮すべき状況にあります。おかげさまで随分ここの整備も進んでいるわけでございますが、この金田一バイパスの今後の見通し、促進を強く要望しながらお聞きいたします。
#164
○藤井(治)政府委員 この地域は、青森県と岩手県のちょうど境に相当する部分でございます。東北自動車道がございますけれども、払いつも申し上げておりますが、国道が全国の交通量の三二%を負うということで、国道は国道としての道路の利用の状況がございますし、高速道路は高速道路としての利用の実態がございます。そういうことで、この地区、非常に幅が狭うございます。その中で四千二百台も大型車が通っておるというのが現状でございます。
 そこで私ども、金田一バイパスというものを整備すべく、五十四年に実は事業に着手いたしました。逐次金田一大橋を供用する、あるいは国道三百九十五号に至る部分の一・一キロを供用すると段階的にやってまいりましたが、残り今一・五キロほど残っております。私ども順調に進んできたところと思っておりましたら、最近になりまして文化財、縄文式から何か平安時代に至るかなり幅広い文化財が、しかも一カ所ではなくてかなりの箇所にわたって点在しております。そこで、今一生懸命これをやっておりまして、実は平成五年度までこの文化財調査がかかります。そこで、それを見ながら事業の進捗を図って早く供用させたい。何しろ国道四号という四番目の名前がついている道路でございますので、早く完成させたいと思っております。
#165
○菅原委員 次に、大臣にお聞きしますが、実は私のところに、主要地方道江刺千厩東和線の国道昇格の陳情や、青森市−二戸間、主要地方道青森十和田湖線、二戸田子線の国道昇格の陳情等が来ているわけなんですが、今国道昇格についてはこのほか多数の要望があるわけであります。この国道昇格の時期、規模等の見通しはどうなっておりますか。
#166
○大塚国務大臣 ただいまお話しの国道昇格につきましては、ついせんだっても二戸の市長さんを初め地元からも御要望に来られました。御承知のように、この国道は高速自動車国道とあわせまして全国的な幹線道路網を構成するものでございまして、現在、現道延長で四万四千二百五十三キロとなっております。
 最近では昭和五十七年に八十三路線、五千五百四十八キロメートルの追加指定を行っておりますが、自来、相当日数もたっておるわけでございます。その間、高規格幹線道路網計画が策定されまして、また、社会経済の変化あるいはまた国民のニーズの多様化等々、道路交通需要が増大をいたしておるわけでございまして、国道を取り巻く環境も変化をしておるわけでございます。ただいまの御要望等を含めまして、地元からの要望は大変に多くございまして、全国で百八十路線、約一万二千キロというようなものに上っておるわけでございます。
 この追加指定の規模につきましては、現在検討をいたしております国道網の新たな将来構想を踏まえながら、種々の観点から総合的に検討を進めているところでございます。個別の路線等については、道路法第五条第一項に定める国道の要件を踏まえ、国道網の密度あるいは沿道の地域開発の実情等種々の角度から検討を進めまして、その結果に基づきまして、平成三年度中を目途に国道網の編成を行う予定でございます。
#167
○菅原委員 二級河川綾里川総合開発事業の綾里川ダムの建設及び盛川総合開発の根幹をなす腐生ダムの建設促進も強く要望されておりますが、この状況と今後のお見通しはどうなっておりますか。
#168
○近藤政府委員 綾里川ダムは岩手県三陸町の綾里川に建設されるダムでございますが、岩手県が事業主体として、多目的ダムの計画のもとに昭和六十一年度より実施計画調査に着手してまいりました。平成三年度、本年度に小規模生活ダム事業として建設事業に着手したものでございまして、本年度はまだ建設事業着手初年度でございますので、地質関係調査等重点的に事業を実施し、なおかつ用地問題等についても折衝をしておるところでございます。本事業もこの地域の治水、利水上極めて重要な位置づけでございますので、事業の促進を図りたいと考えております。
 鷹生ダムでございますが、岩手県大船渡市を流れます盛川に建設されるダムで、これも多目的ダムでございますが、平成元年度より建設事業に着手したものでございます。平成三年度は事業費五億円でございますが、用地買収に着手するとともに、地質関係調査を継続実施しておるところでございます。これも治水、利水上の重要性にかんがみまして、事業の促進を図ってまいりたいと考えております。
#169
○菅原委員 高田松原海岸コースタル・コミュニティー・ゾーン整備計画、CCゾーン計画と言うようでございますが、これも国の認定を受けた計画でありまして、地域住民は大変な喜びと期待を寄せでおります。このうちの建設省河川局所管事業促進の要望が強いわけでございますが、この見通しを教えていただきたいと思います。
#170
○近藤政府委員 コースタル・コミュニティー・ゾーンといいますのは、海岸事業を核といたしまして建設省所管の道路、下水道、公園等の事業と一体となって地域整備を図ろうとする事業計画でございますが、全国から幾つかモデル的に選定して進めておるものでございます。
 高田松原海岸コースタル・コミュニティー・ゾーン整備計画は、建設省所管の都市公園あるいは市道等の道路、下水道等と一体となって地域整備を図ろうとするものでございまして、平成元年度から整備を進めてまいったわけでございます。
 これの中の事業の一環といたしまして、河川局所管事業では、海岸事業としては海岸侵食対策事業、また河川事業といたしまして二級河川川原川の中小河川改修事業がございますが、これもふるさとの川モデル事業という一つの地域整備の中に川づくりを取り入れた事業としても進めていくことを考えております。また、気仙川の三陸高潮対策事業等もございますので、これらの事業も地域整備の一環として進めてまいりたいと考えております。
 この整備計画によりまして地域の活性化が大いに進められるように、計画の早期完成を目指して今後も事業の推進に努力してまいる所存でございます。
#171
○菅原委員 一関市、平泉町の北上川流域は、カスリン、アイオン台風はもとより、毎年洪水に見舞われている水害常襲地帯であることは周知のところでございますが、どうかこの北上川上流改修一関遊水地事業の一日も早い完成を図るべきであると要望するわけでございます。ついては、ぜひ前向きの御答弁をお願いしたいと思います。
#172
○近藤政府委員 北上川は東北屈指の大河川でございますが、岩手県と宮城県の県境にいわゆる狐禅寺狭窄部と言われる川幅約百メートル、延長約二十八キロにわたる狭窄部がございまして、その上流、岩手県内で集中豪雨がございますと、その県境上流端の一関市、平泉町では洪水のたびに北上川の水位が上昇して、浸水被害が頻発しておるわけでございます。
 これらの抜本的な対策といたしまして、昭和四十七年度に一関遊水地の建設事業に着手したわけでございます。現在までに、三つある遊水地の一番大きい第一遊水地の周囲堤を、戦後発生しました洪水のうちの三番目の水位であります昭和五十六年八月出水対策に対しては一応安全に守れるような高さで概成をいたしたところでございます。今年度からは、戦後第二位の洪水でございますアイオン台風に対応した高さの築堤に着手したところでございまして、今後とも一層本事業の促進に努めまして……
#173
○桜井委員長 お静かに願います。
#174
○近藤政府委員 早期にこの地域の治水の安全度を確保できるよう努力してまいりたいと考えております。
#175
○菅原委員 北上川上流の水系千厩川の改修工事の進捗は、バック堤、バックウオーターに対応する堤防工法、このことは常襲水害の被害をカットできる大工法だと住民も大変な期待と喜びを与えられております。このため北上川上流の砂鉄川改修についても、地権者三百名が全員同意して地権者の会をつくっています。この地元の熱い期待にこたえるためにも積極的に事業を推進すべきだと考えますが、今後のこの対応はどうなりますか、お伺いいたします。
#176
○近藤政府委員 北上川のいわば岩手県内では比較的下流部に合流する各支川は、その地形上から北上川の高い水位、かつ支川は非常に狭いところであるというところから、その河川改修には常日ごろ我々も苦慮しておったわけでございますが、この砂鉄川につきましても、無堤部が多く、したがって洪水のたびに浸水被害が発生してまいったわけでございます。
 平成元年度から用地買収に着手いたしまして、早期に効果発現を図るように下流部から現在順次改修していくこととしておりまして、今年度からは川崎地区において掘削、築堤等の工事に着手したところでございます。今後とも、北上本川の治水の安全度と一体となりまして、一層本事業の促進に努めてまいりたいと考えております。
#177
○菅原委員 要望事項はまだありますが、次回に譲りまして、以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。
#178
○桜井委員長 これにて菅原喜重郎君の質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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