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1990/04/11 第120回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第120回国会 平成三年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号
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1990/04/11 第120回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第120回国会 平成三年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号

#1
第120回国会 平成三年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号
平成三年四月十一日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
平成三年四月十一日本協議委員は、衆議院議長の
指名で次のとおり選任された。
     渡部 恒三君     増岡 博之君
     近藤 鉄雄君     大石 千八君
     鹿野 道彦君     二階 俊博君
     谷川 和穗君     中島源太郎君
     与謝野 馨君     中村正三郎君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 渡部 恒三君
            副議長 増岡 博之君
同日本協議委員は、参議院議長の指名で次のとお
り選任された。
     稲村 稔夫君     佐藤 三吾君
     菅野 久光君     角田 義一君
     安恒 良一君     及川 順郎君
     白浜 一良君     吉岡 吉典君
     粟森  喬君     足立 良平君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 安恒 良一君
            副議長 及川 順郎君
    ─────────────
 出席協議委員
  衆議院
   議 長 渡部 恒三君
   副議長 増岡 博之君
     近藤 鉄雄君     大石 千八君
     鹿野 道彦君     二階 俊博君
     谷川 和穗君     中島源太郎君
     与謝野 馨君     中村正三郎君
  参議院
   議 長 安恒 良一君
   副議長 及川 順郎君
     稲村 稔夫君     佐藤 三吾君
     菅野 久光君     角田 義一君
     白浜 一良君     吉岡 吉典君
     粟森  喬君     足立 良平君
 協議委員外の出席者
  衆議院事務局
        委 員 部 長 平野 貞夫君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
  衆議院法制局
        第 一 部 長 内田 正文君
  参議院事務局
        委 員 部 長 黒澤 隆雄君
        予算委員会調査
        室長      宮下 忠安君
  参議院法制局
        第 四 部 長 石橋 忠雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成三年度一般会計予算
○平成三年度特別会計予算
○平成三年度政府関係機関予算
     ─────・─────
   〔渡部恒三君議長席に着く〕
#2
○議長(渡部恒三君) これより平成三年度一般会計予算外二件両院協議会を開会いたします。
 くじによりまして、私が本日の両院協議会の議長を務めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
 なお、参議院の協議委員議長には安恒良一君、副議長には及川順郎君、衆議院の協議委員議長には私、渡部恒三、副議長には増岡博之君がそれぞれ当選されておりますので、この際、御報告を申し上げておきます。
 両院協議会は、国会法第九十七条の規定によりまして、傍聴を許さないことになっておりますので、協議委員並びに協議会の事務をとります職員以外の方は御退席をお願いいたします。
 まず、平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算の三案について、各議院の議決の趣旨について御説明を願いたいと存じます。
 先ほどの両議院の協議委員議長及び副議長の打合会の申し合わせに基づきまして、最初に衆議院の議決の趣旨の御説明をお願いいたします。鹿野道彦君。
#3
○鹿野道彦君 衆議院における平成三年度一般会計予算外二案の議決の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 平成三年度予算は、内外の諸情勢を踏まえ、内需を中心とした景気の持続的拡大の維持に配慮するとともに、来るべき本格的な高齢化社会に対応できる財政上の基礎を確立することを基本に編成したものであり、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ、歳出の徹底した見直し・合理化を行う等、現状において編成し得る最良、最善の予算であると考えるものであります。
 以下、政府原案を可決した主な理由について申し述べます。
 その第一の理由は、財政改革に向けて引き続き真剣な努力が払われていることであります。
 人口の高齢化や国際社会における我が国の責任の増大等を考えた場合、財政がこのような変化に弾力的に対応し得る本来の力を一刻も早く取り戻す必要があります。平成三年度予算におきましても、引き続き、さらに歳出の徹底した節減合理化に努めた結果、特例公債を発行せず、公債依存度もさらに低下させるなど、財政再建に向けて一段の前進が図られており、高く評価するものであります。
 第二の理由は、国民生活の質の向上、活力ある福祉社会の形成に向けて十分な配慮がなされていることであります。
 公共事業関係費は、公共投資基本計画に沿って編成されたもので、前年度に比べ六%増の高い伸びを確保しており、十カ年計画の初年度にふさわしいものとなっております。また、新たに設けた生活関連重点化枠を通じて、国民生活の質の向上に結びつく分野への配分に重点を置くなど、生活重視という質的面への配慮も払われており、極めて時宜を得た措置であると考えるものであります。
 さらに、社会保障関係費においては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略を実施するための経費が計画に沿って計上されており、また、児童手当制度の充実を図るなど、国民にとって身近な施策についてもきめ細かな配慮が行われております。
 第三の理由は、節度ある防衛予算が計上されていることであります。平成三年度の防衛予算は、昨年末に策定した中期防衛力整備計画を踏まえ、最近の国際情勢等をも勘案し、効率的で節度ある防衛力の整備に努めております。防衛関係費の総額は、前年度当初予算に比べ五%の増加となっておりますが、これは、隊員の生活環境や情報、通信等の後方分野の一層の充実を図ったことによるもので、主要装備については専ら更新・近代化に重点を置いたことから前年度予算を下回っており、冷戦時代の終えんといった最近の国際情勢をも十分に反映した妥当な規模になっていると考えるものであります。
 第四の理由は、国際社会への貢献を積極的に推進するための予算措置が図られていることであります。
 平成三年度の政府開発援助予算は、量的には、国際公約である第四次中期目標の達成に向けて、前年度に比べて八%増の高い伸びを確保するとともに、質的にも無償資金協力の増額や実施体制の充実が図られております。また、地球環境保全のための予算も大幅に増額されており、国際社会への貢献を最重要政策とする我が国の姿勢を内外に示したものとして、高く評価するものであります。
 以上、政府原案を可決した主な理由について申し述べました。
 平成三年度予算は、国民生活にとって欠くことのできないものであり、一日も早い成立が望まれているところであります。
 両院協議会といたしましては、衆議院の議決どおり意見の一致を見ますよう、御賛同をいただきたく、お願い申し上げる次第であります。
 以上であります。
#4
○議長(渡部恒三君) 次に、参議院の議決の趣旨の御説明をお願いいたします。佐藤三吾君。
#5
○佐藤三吾君 参議院側が平成三年度一般会計予算外二件を賛成少数で否決した議決の趣旨を申し上げます。
 否決の第一の理由は、平成三年度予算が防衛関係費突出、社会保障関係費後退の予算となっていることであります。
 まず防衛関係費については、その伸び率が五・五%増と一貫して一般歳出の伸びを上回っており、東西の冷戦終結後の国際的な軍備縮小、軍事予算削減の潮流に逆行しております。我が国は平和国家として世界に先駆けて防衛費の抑制と圧縮を実現すべきであり、さきの本予算の内閣修正による防衛費の減額も十分とは申せません。
 また、社会保障関係費については、五・一%増と、高齢化社会への対応や生活福祉予算重視の方向とは逆に、低い伸びにとどまっております。
 特に、高齢者に対し、医療費にスライドする診療費の引き上げなどの負担増は、老人を医療の場から排除するもので断じて認められません。
 第二の理由は、生活関連社会資本整備に重点配分すると言いながら、公共事業関係費の配分率が改められていないことであります。
 政府は、平成三年度予算の概算要求において生活関連重点化枠二千億円を設けて、国民生活の質的向上を図るため、生活関連分野への重点配分の予算編成を掲げられました。しかし、公共事業関係費全体で見た配分率も、また本年度からスタートする公共事業長期計画で見た配分率も改められてはおりません。
 政府は、我が国の社会資本整備水準が欧米先進国に比較し、一般的に低いので、特定分野への重点配分が困難であるなどの立場を表明されましたが、これでは住みよい、生活者重視の社会資本の整備は遅々として望めないことになります。
 第三の理由は、政府の税収見積もりに疑問があるほか、税収見積もりの積算内容がつまびらかでないことであります。
 平成三年度の税収の伸びは、六・五%増、三兆七千六百八十億円と、ここ数年の一三%台、六兆円ないし七兆円の増収から一転半減しております。景気の減速から税収の伸びが低下する方向にあることは理解できるとしても、名目経済成長率は二年度の七・二%から三年度は五・五%へ一・七ポイント程度の低下で半減にはなっておりません。さらに「租税印紙収入予算の説明」における法人税の積算で使われている数字からも、申告の税収入見込み額が大幅に減少しているのは納得できません。
 我々はここ数年にわたり、政府の税の過小見積もりを再三指摘すると同時に、国会提出の審議資料の改善を強く要求してまいりました。これに対し、大蔵大臣は、税収見積もりの見誤りにおわびをされ、適正見積もりをその都度約束されましたが、本予算でも適正見積もりはなお不十分と言わざるを得ません。また、「租税印紙収入予算の説明」についても、申しわけ程度の数字の追加掲示は行われたものの、税目別の見積もりの適否を国会が審査できるためのものとしてはほど遠いままになっております。
 第四の理由は、平成三年度の租税及び社会保障負担率が昭和六十三年三月の政府の「国民負担率に関する仮定試算」の目標値に十年早く到達していることであります。
 平成三年度の租税負担率は二七・六%、社会保障負担率は一一・三%、合わせて三八・九%の負担率となっております。政府が言う、高齢化社会の二十一世紀の国民負担率を四〇%半ばを目途に抑制するとの政策目標が実現される見込みがほとんど立たないのに、これに対する政府の対応調整策は示されませんでした。
 高齢化社会に向けての国民負担率が不安定、不透明なままでは、暮らしがたい社会となることは自明のところであります。
 第五の理由は、国民が撤廃ないし構造的欠陥是正を求める消費税が、導入時そのままの内容で組み込まれていることであります。
 消費税については、不公平税制の是正を基本とした税制のあり方や消費税の持つ欠陥是正のため、与野党で構成する税制問題等両院合同協議会で検討されてまいりましたが、昨年暮れの平成三年度予算編成直前において、政府・与党の決断がなされず、平成元年度に実施された欠陥の消費税が見直されないまま存続しております。
 政府は消費税は定着したと言っておりますが、消費者は消費税の納税を法律で強制されているのであって、税制不信を含めた国民の消費税に対する意識無視も甚だしいと言わなくてはなりません。
 否決の第六の理由は、特例公債依存脱却の第一段階の財政再建に引き続き、第二段階の財政再建を実施することが政府の責務であるのに、その推進が足踏みしていることであります。
 第二段階の財政再建について大蔵大臣は、国債依存度を引き下げる、百六十八兆円に上る巨額な国債残高の累増を防止するため国債の早期償還を行う、国鉄長期債務等隠れ借金の処理を行う、と何度となく答弁されております。
 しかし、本年度予算においては国債発行額を前年度当初比四千億円減額すべき目標が、二千五百二億円の減額にとどまっているほか、巨額の累積する国債の早期償還も、隠れ借金も何らの手もつけられておりません。税収の伸びが低下する中で、第二段階の財政再建の前途に不安を覚えざるを得ません。
 否決の理由は、このほか広範多岐にわたりますが、両院協議会としましては、参議院側が指摘した平成三年度予算に反対する諸事項を除去することによって、本予算三案が成立できるよう、御協力、御賛同いただきたくお願い申し上げる次第であります。
 以上であります。
#6
○議長(渡部恒三君) これにて各議院の議決の趣旨についての説明は終わりました。
 これより協議に入ります。
 順次御発言をお願いいたします。白浜一良君。
#7
○白浜一良君 概括的には今述べられたとおりでございますが、つけ加えて我が党の立場を踏まえまして若干述べさせていただきます。
 反対の理由といたしまして、まず第一に生活者中心の政策になっていないということでございます。よく言われることですけれども、戦後四十六年ですか、どちらかといいますと、やはりいわゆる産業中心の政策、生産者中心の政策というものを重点にとってまいりまして、その結果経済大国と言われたわけでございますが、今国民的課題というのは生活をどう豊かなものにしていくかということが中心でございまして、そのためには福祉の問題、住環境の問題、さまざまな課題があるわけで、取り組みが不十分である。特に我が党からいいましたら、いわゆる土地政策に無策で、非常に高騰しまして、住宅が非常に十分でない。公共住宅の取り組みもまだまだでございますし、やむを得ず民間住宅、賃貸住宅に住まれている方も、非常に高額で負担が大きい。それらに対する補助というのが足りない。特につけ加えておきたいと思います。
 第二点目には、行財政改革への取り組みが非常に弱いということでありまして、赤字公債の脱却というのがもう既に達成したと言われておりますが、百六十八兆円残高があるわけでございますし、また特に本年度の政府の経済成長の見通しが三・八%、それで歳入見積もりをされているわけでございますが、民間の調査によりましたら、もっと低く出ておりました。実際、歳入欠損が出た場合に、建設国債の幅、すき間というのは八千億もないわけでございます。本当に大きく歳入欠損が出た場合に、また国債問題が出てくる。それへの取り組みが非常に弱い。また行政改革もよく言われていることですけれども、縦割り行政とかまた許認可権、補助金行政で非常に膨らんでおります。そういうものに対する取り組みが非常に弱い、このように思うわけでございます。
 三点目には、若干述べられましたが、消費税の改善に対する取り組みでございまして、当然廃止という我が党の立場でございますが、少なくともこの四月一日から若干の改善がなされる予定でございましたが、実際それを盛り込むことができなかった。そういうことに関しまして、反対の立場を表明しておきたいと思います。
#8
○議長(渡部恒三君) 吉岡吉典君。
#9
○吉岡吉典君 補足的に、第一の理由に述べられている軍事予算の問題について意見を述べさせていただきます。
 世界的に見ますと、軍事支出が八九年にわずかではありますが前年より二%減少するということが統計によって明らかにされています。そういう世界的な趨勢の中で、我が国は新しく二十二兆七千五百億円を投じて新中期防で軍拡を継続する。初年度予算でも五・五%増の四兆三千八百六十億円が計上されているということは、私どもの容認できないところであります。日本の軍事費は既に世界第三位ということが言われております。
 特にアジア諸国との関係で見ますと、アジア諸国から、この日本の軍事力の増強、軍事費の世界三位という状況は、日本の軍事大国化への不安というものを強め、多くの批判も出ております。そういうアジア諸国の批判が出てくるのには、それなりの根拠があると思います。日本の軍事費は、中国を除くアジアすべての国の軍事費総額に匹敵するという状況であり、アジア各国との比較を見ますと、韓国の軍事費ではなく国家予算総額の〇・七九倍、フィリピンの国家予算総額の二・六三倍、マレーシアの国家予算総額の一・四三倍というのが日本の軍事費だという数字もあります。こういう日本の軍事費の状況にアジア諸国がいろいろな不安を抱くということは当然だと思います。
 日本政府も、最近軍縮ということは強調しております。軍縮ということを口にするならば、まず軍事予算をふやすのではなく思い切って削減するという事実をもって示すべきであり、このことがアジア諸国の不安と批判を取り除く道でもあると思います。
 なお、駐留米軍経費の負担増という問題に至っては、地位協定で言う取り決めが全く空文化してしまったという状況について我々は指摘しておかなくてはなりません。
 以上、多くの問題がありますが、私は軍事予算の面から補足的な意見を述べさせていただきました。
#10
○議長(渡部恒三君) 粟森喬君。
#11
○粟森喬君 本日の新聞報道などによれば、大蔵大臣が、景気の見通しが厳しいことなどを理由にして、歳入欠陥が生ずる懸念がある、したがって経費の節減をまだ平成三年度予算が成立しないにもかかわらず言明しています。これは私どもとしては不謹慎だと考えます。
 さらに歳入見通しについても、平成三年度の税収は、平成元年度、二年度と三年続けて一三%台だったのを、一転して六・五%にしたわけでございます。景気について減速傾向ということについては認めますが、実質成長率ではなく名目経済成長率で税収の見通しを立てるわけでございますから、三年度の五・五%というのは二年度の当初見込みよりかなり高い、五・二%より高いし、二年度実績の七・二%に比べても一・七%の低下で、半減にはなっていません。景気の減速傾向を過剰に税収見積もりに反映させていて適切ではないというふうに考えます。
 さらに、「租税印紙収入予算の説明」でも、景気動向の影響を受けやすい法人税の積算基礎に使われている生産の割合が、二年度一〇四%から一〇五%へ高まっていますし、物価の割合は同じと見込んでいるなどから判断しても、法人税の申告見込み額が二年度に比べ減少するということは理解できません。また、申告分の収入歩合も九八%で昨年度とほとんど変わっていませんし、還付見込み額も二年度の三千四百十億円から、三年度は四千七百八十億円、千三百七十億円ふえているだけです。
 以上、申し述べた理由などによって、三年度の税収伸び率が六・五%に低下するのはとても納得できるものではありません。したがって、参議院の意向に基づき、もし景気の動向に厳しいものがあるとするならば、本予算案を不成立として出し直しをすべきだということを申し上げます。
 以上です。
#12
○議長(渡部恒三君) 足立良平君。
#13
○足立良平君 それぞれ反対理由が述べられておりますが、私は簡単に四点だけ指摘をいたしておきたいと思います。
 第一点目は、これは先ほど公明党の白浜議員からも指摘をされましたけれども、生活といいますかそういう面を優先した予算に切りかえていかなければならないのではないか、このように民社党の私どもも考えているわけでございますが、その実が成り立っていないというふうに思っております。とりわけ、社会資本の整備ということで二千億円のこの関連予算というものを別途設けているわけでありますが、結果としては固定的といいますか、硬直的に従来の配分比率というものはほとんど変わっていないということは極めて遺憾なことだ、このように考えております。
 それから第二点目といたしましては、消費税の欠陥是正という問題、あるいはまた政策減税というものについて全く手をつけていないということが第二点目の理由でございます。
 それから第三点目の理由といたしまして、民社党は今日まで特に行財政改革というものを大変強く主張してきたところでございますけれども、これらの問題につきましての取り組みというものは極めて希薄だ、このように判断をいたしております。
 それから第四点目といたしまして、湾岸戦争問題を契機にいたしまして、改めて日本の国際的な役割というものが問われているわけでございますけれども、そういう観点からいたしまして、我が国の明確な外交理念、あるいはまたそれの態勢というものがこの本予算の中にあらわれていないのではないか、このように考えざるを得ません。特に、我が党といたしましては、資源も、あるいはまたエネルギーも、あるいはまた食糧におきましても、その全部あるいはまたほとんどを輸入に頼っているわけでありますから、そういう面では国際平和をみずからどのように模索していくかという主体的な外交戦略と、それに裏打ちされる予算というものが必要不可欠と、このように判断をいたしておりますが、そういう点については極めて希薄なものだ、このように考えております。
 以上四点からこの本予算については反対せざるを得ない、このように考えております。
 以上です。
#14
○議長(渡部恒三君) 大石千八君。
#15
○大石千八君 ただいまの反対の理由に対しまして反論をさせていただきながら、政府原案に賛成の趣旨を述べさせていただきます。
 平成三年度予算におきましては、引き続き行財政改革を強力に推進しつつ、真に必要な財政需要に適切に対応し、限られた財源を社会経済情勢の推移に即応して重点的、効率的に配分するよう努めております。
 防衛関係費につきましてもいろいろお話ございましたが、今回策定された中期防衛力整備計画を踏まえ、最近の国際情勢、財政事情等を勘案し、国のほかの諸施策との調和を図りつつ、効率的で節度ある防衛力の整備に努めることとし、必要最小限の経費を計上しているところでありますが、その後の内外諸情勢にかんがみ、先ほど鹿野議員からも申し上げましたように、正面装備は経費として昨年度を下回っております、契約ベースで七%ダウン。そして後方支援に、隊員の生活環境とか情報、通信等の充実が見られているために全体で五・五%の増になっているところでありますが、国際情勢の変化というものを十分にかんがみて、今回改めて政府においてさらに厳しく精査を行い、ぎりぎりの努力を行ったところであります。
 次に、社会保障関係費につきましては、二十一世紀に向かって活力ある福祉社会を形成していくことが重要な課題でありまして、給付と負担の適正化、公平化等を図ることにより、将来にわたって安定的かつ有効に機能する制度を構築していく必要があり、このような観点から老人保健制度の見直しを行うこととしております。
 また、すべての国民が安心してその老後を送ることができるよう、高齢者保健福祉推進十カ年戦略を着実に実施するとともに、児童が健やかに生まれ育つための総合的な環境づくりを推進するため児童手当制度の充実を図るなど、国民に身近な施策についてきめ細かな配慮を行っております。
 さらに、高年齢者雇用対策等の施策を推進することとしておりまして、この結果、社会保障関係費は十二兆二千百二十二億円となり、前年度当初予算に比べて五千九百七十四億円、およそ六千億円増、一般歳出中最大の伸び額の増加となっているところでございます。
 したがって、防衛関係費突出、社会保障関係費後退の予算といった御指摘は当たらないものと考えております。
 次に、平成三年度の公共事業関係費の配分に当たっては、生活関連重点化枠などを通じて、下水道、環境衛生、公園などの国民生活の質の向上に結びつく分野にできる限り配慮しているところであります。
 同時に、公共事業には、生活環境の向上に資する下水道とか公園といった直接的な生活関連事業以外にも、国民の生命、財産の安全確保に資する治山治水といった事業、あるいは国民経済の基盤整備と深くかかわり合いのある農業農村整備、旧農業基盤整備などと言っておりましたけれども、そういった事業、あるいは港湾等、重要な政策的使命を有するものも多く、また、それらの社会資本整備に対して引き続き強い要望があることを勘案すれば、これらの整備を進めていくことも当然要請されているところであります。
 確かにシェアの配分が画期的に変わったということは言えない面もあります。また、一遍にそうすることが無理な面もありますけれども、平成三年度の公共事業関係費の配分に当たっては、以上のように国民生活の質の向上に結びつく分野にできる限り配慮するとともに、こうしたさまざまな社会資本整備に対する要望をも踏まえ、全体としてバランスのとれた社会資本整備の充実を図ることとしているところであります。今後とも社会経済の動向、社会的ニーズ等を踏まえ、中長期的観点から重点的、効率的な配分に持続的に努めてまいる必要があるというふうに考えております。
 それから、毎年度の税収見積もりについては、従来から見積もり時点における政府経済見通しや利用可能な資料等をもとに最大限の努力を傾けて行われているところでございます。
 平成三年度税収の平成二年度補正後予算額に対する伸び率が近年の税収の伸び率に比べて鈍化しているのは、最近数年の税収の好調をもたらしてきた、いわゆる三高二安と言われる一時的な要因の流れが変化してきている等によるものであります。
 また、平成三年度の法人税収については、平成二年度当初予算額に対しては四千四百四十億円の減収となっておりますが、これは平成二年度補正予算において主に金融機関の収益悪化等を反映して一兆七百四十億円の減額が行われたためでありまして、平成三年度の法人税収は、この平成二年度補正後の予算額に対して六千三百億円の増収が見込まれているところでございます。
 さらに、「租税及び印紙収入予算の説明」については、従来より各税目ごとにその見積もり方法について適切な説明を行うよう努力が払われております。平成三年度におきましても、新たな参考資料を添付するなど、税収見積もりについてより一層わかりやすいものとするための種々の工夫がなされているところでございます。
 次に、租税負担と社会保障負担とを合わせた国民負担の今後のあり方については、究極的には国民が必要とする公共支出の水準と表裏をなすものでありまして、受益と負担のバランスを勘案しつつ、そのときどきの情勢のもとで国民的な選択が行われるべき事項でございます。
 今後、高齢化社会の進展等に伴い、国民負担率は長期的にはある程度上昇するものと考えられますが、一方において、第二次行革審の最終答申におきまして、二十一世紀の当初の時点におきましては、国民負担率は四〇%台の半ばをめどにその上昇を抑制すべきであると提言されております。また、高齢化のピーク時、二〇二〇年ごろにおいては五〇%を下回ることを目標とすると提言されております。
 このため、この第二次行革審最終答申の趣旨等を踏まえて、国及び地方の歳出のあり方を常に見直し、その規模の伸びを極力抑制する。公債依存度の引き下げを図り、あわせて特例公債の早期償還に努めることにより、公債残高の累増を抑制し、将来の国債費の減少を図る。社会保障について受益と負担の公平を十分勘案しつつ、絶えず制度、施策の見直しを行う等により、本格的高齢化社会到来時における国民負担率の上昇を極力抑制すべく、今後とも最大限の努力を払っていく必要があると考えております。
 なお、平成三年度の租税及び社会保障負担率が、昭和六十三年三月の政府の「国民負担率に関する仮定試算」の目標値に十年早く達しておるという趣旨の反論がございましたが、これは昭和六十三年にスタートしてから四年目のことしに〇・七%しかふえておりません、租税及び社会保障負担率。したがいまして、このペースでいけば十分に到達できるという計算になろうと思います。もちろん、これからの財政需要が高まる面で不明確なこともありますが、この目標値に十年早く到達しておるということは、いささかちょっと表現として現状とは違うのではないかというふうに思います。
 次に、消費税につきましては、さきの第百十八回国会での法案処理の結果を踏まえ、与野党がその責任を果たすとの立場から税制問題等に関する両院合同協議会を設け、立法府として消費税の問題について結論を得るべく協議を行ってまいりましたが、昨年末の予算編成時点においてはいまだ各党間の合意に至りません。引き続き協議を継続することとされたことから、平成三年度予算は現行消費税を前提に編成されたものでありまして、引き続きこのような協議会で検討するということになっております。
 次に、平成三年度予算におきましては、ここ数年来のような大幅な税収増がなかなか期待しがたい中で、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ、歳出の徹底した節減合理化や税外収入の確保等、歳入歳出両面にわたる見直しを行うことにより、公債発行額を前年度当初発行予定額より二千五百二億円減額し、公債依存度も七・六%に低下させているところでございます。
 公債発行額の減額が二千五百二億円にとどまっており、財政再建の前途に不安を覚えざるを得ないとの御意見がございましたが、公債依存度は、経済社会情勢の動向と密接に関連しており、毎年度均等に引き下げを行い得るといった性格のものではありませんで、我が国財政は、三年末の公債残高が百六十八兆円を超えるなど依然として極めて厳しい状況にあることから、今後の財政運営に当たっては、来るべき高齢化社会に多大の負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本として、まず公債依存度の引き下げを図り、あわせて特例公債の早期償還に努めることにより、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることに引き続き最大限の努力を払っていく必要があると考えております。
 なお、特例的歳出削減措置については、これまでも返済や返済見合い財源の確保等その処理に努めてきたところであり、平成三年度予算におきましても、厳しい財政事情のもとで可能な限りその処理に努めたところでありますが、残る措置についても、今後法律に基づき計画的に処理することとされているものにつきましては計画的に処理を進めている等、それぞれの制度、施策をめぐる状況やこれまでの考え方を踏まえて、適切に対応していく必要があると考えております。
 以上、衆議院議決の予算に対して反論されましたことに対して、反論の反論といいますか、説明を終わらせていただきます。
 よろしく御同意いただきますようにお願いいたします。
#16
○議長(渡部恒三君) それでは、速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#17
○議長(渡部恒三君) 速記を起こしてください。
 この際、参議院側、衆議院側双方から発言を求められておりますので、順次これを許します。まず、参議院及川順郎君。
#18
○及川順郎君 参議院側といたしましては、趣旨説明及び開陳されました意見を踏まえまして、この平成三年度予算三案に何らかの修正ないし削除を加えることが必要であると考えます。
 両院の議決が異なった場合、何らかの解決策を策定するのが両院協議会の目的でありますし、ぜひそうした取り運びを願いたいと存じます。
#19
○議長(渡部恒三君) 次に、衆議院近藤鉄雄君。
#20
○近藤鉄雄君 参議院側の御意見は十分承りました。
 しかしながら、衆議院側としては、先ほどの衆議院側の趣旨説明で述べましたように、平成三年度予算は、現状において編成し得る最良、最善の予算であると考えるものでありまして、到底参議院側の要請をお受けするわけにはまいりません。
 したがいまして、憲法及び国会法等の定める手続に従い、衆議院の議決どおりでお願いいたしたいと存じます。
#21
○議長(渡部恒三君) それでは、いろいろ御協議をいただいたのでありますが、意見の一致を得る見通しがないものと認めざるを得ません。
 つきましては、協議会といたしましては、成案を得るに至らなかったものとして、これを各議院にそれぞれ報告いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(渡部恒三君) 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 これにて協議会の議事は終了いたしました。
 協議委員各位の御協力によりまして議長を無事務めさせていただきました。大変ありがとうございました。
 これにて散会いたします。
   午後一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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