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#1
第120回国会 平成二年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会 第1号
平成二年十二月十七日(月曜日)
    午後六時十一分開会
    ─────────────
平成二年十二月十七日本協議委員は、衆議院議長
の指名で次のとおり選任された。
     越智 伊平君     近藤 鉄雄君
     佐藤 信二君     原田昇左右君
     宮下 創平君     谷川 和穗君
     越智 通雄君     中村喜四郎君
     中村正三郎君     神田  厚君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 越智 伊平君
            副議長 近藤 鉄雄君
同日本協議委員は、参議院議長の指名で次のとお
り選任された。
     稲村 稔夫君     佐藤 三吾君
     菅野 久光君     角田 義一君
     安恒 良一君     山本 正和君
     及川 順郎君     片上 公人君
     吉岡 吉典君     池田  治君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 安恒 良一君
            副議長 及川 順郎君
    ─────────────
 出席協議委員
  衆議院
   議 長 越智 伊平君
   副議長 近藤 鉄雄君
     佐藤 信二君     原田昇左右君
     宮下 創平君     谷川 和穗君
     越智 通雄君     中村喜四郎君
     中村正三郎君     神田  厚君
  参議院
   議 長 安恒 良一君
   副議長 及川 順郎君
     稲村 稔夫君     佐藤 三吾君
     菅野 久光君     角田 義一君
     山本 正和君     片上 公人君
     吉岡 吉典君     池田  治君
 協議委員外の出席者
  衆議院事務局
        委 員 部 長 平野 貞夫君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
  衆議院法制局
        第 一 部 長 内田 正文君
  参議院事務局
        委 員 部 長 黒澤 隆雄君
        予算委員会調査
        室長      宮下 忠安君
  参議院法制局
        第 四 部 長 石橋 忠雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二年度一般会計補正予算(第1号)
○平成二年度特別会計補正予算(特第1号)
○平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)
     ─────・─────
    〔越智伊平君議長席に着く〕
#2
○議長(越智伊平君) これより平成二年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会を開会いたします。
 くじによりまして、私が本日の両院協議会の議長を務めることになりました。どうぞよろしくお願いをいたします。
 なお、参議院の協議委員議長には安恒良一君、副議長には及川順郎君、衆議院の協議委員議長には私、越智伊平、副議長には近藤鉄雄君がそれぞれ当選されておりますので、この際、御報告申し上げておきます。
 両院協議会は、国会法第九十七条によりまして、傍聴を許さないことになっておりますので、協議委員並びに協議会の事務をとります職員以外の方は御退席をお願いいたします。
 まず、平成二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)の三案について、各議院の議決の趣旨について御説明を願いたいと存じます。
 先ほどの両議院の協議委員議長及び副議長の打合会の申し合わせに基づきまして、最初に衆議院の議決の趣旨の御説明をお願いいたします。佐藤信二君。
#3
○佐藤信二君 衆議院における平成二年度一般会計補正予算(第1号)外二案の議決の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 本補正予算は、災害復旧等事業費、国家公務員の給与改善費、地方交付税交付金、湾岸平和基金拠出金、貿易保険特別会計への繰り入れ、大店法規制緩和関連対策費など、特に緊要となった事項について措置を講じているものでありまして、これらの内容は妥当と認め可決いたしたものであります。
 もとより、本補正予算は、国民生活ばかりでなく国際的な責務を果たす上でも極めて重要なものであり、その成立が急がれているものであります。
 両院協議会といたしましては、衆議院の議決どおり意見の一致を見ますよう、御賛同をいただきたく、お願い申し上げる次第であります。
 以上であります。
#4
○議長(越智伊平君) 次に、参議院の議決の趣旨の御説明をお願いいたします。佐藤三吾君。
#5
○佐藤三吾君 参議院側が平成二年度一般会計補正予算(第1号)外二件を賛成少数で否決した議決の趣旨を申し上げます。
 参議院側が本補正予算に反対する第一の理由は、財政法第二十九条の補正予算の編成要件から見て、妥当性を欠く経費が計上されているということであります。
 まず第一は、多国籍軍への追加支援の十億ドル相当額の千三百億円の計上であります。これは、湾岸危機に伴う多国籍軍支援という米国の要請に、政府が周章ろうばいして約束した、計上の根拠並びに積算内訳不詳の経費であります。さらに、その使途は多国籍軍、特に米軍の軍事費に使われる危険が濃厚であります。よって、認めるわけにはまいりません。
 第二は、日米親善交流基金及びスポーツ振興基金の計上であります。この二つの基金は、特段、本補正に計上する緊要性に乏しいほか、基金の創設については、政府の予算編成の基本方針であります概算要求基準(通称シーリング)によって、平成二年度及び平成三年度当初予算では経費の計上が困難であるために補正に計上するという姿勢が見られ、問題なしといたしません。
 平成元年度補正の際、参議院側は、この種の基金づくりに対し、その是正を政府に強く求めたところでありますが、再度同じ誤りを犯しております。
 第二の理由は、政府の言う特例公債依存脱却後の第二段階の財政再建の踏み出しに早くもつまずきが見られることであります。
 我が国財政は、本年度当初予算において、特例公債依存脱却を達成したものの、公債残高百六十四兆円、国債費が歳出の二割を占めるなど、依然厳しい状況にあることは周知のところであります。
 このため、政府は、公債依存度の引き下げ、公債残高の縮減、隠れ借金の処理など第二段階の財政再建に最大限の努力を傾けることを再三にわたり公約されてきました。しかるに、本補正においては、第二段階の財政再建が全く手つかずになっているばかりか、七千五百億円の四条公債の増発が行われており理解できません。百歩譲っても、災害復旧事業費相当額を超える公債の増発は精査すべきが当然であります。
 税収増の追い風で達成できた特例公債依存脱却の第一段階の財政再建とは異なり、今後税収の大きな伸びを期待できない状況下での第二段階の財政再建を実行するためには、これまで以上に厳しい財政運営が求められておるのに、政府の公約破りの、安易に国債に依存する姿勢は認められません。現状では財政再建の先行きに不安を抱かざるを得ません。
 第三の理由は、補正後予算には、国民が一たん撤廃ないし凍結を求める消費税が組み込まれていることであります。
 消費税については、一たん撤廃ないし凍結して、不公平税制の抜本改革を中心とした国民合意の税制改革を進めることが重要な政治、財政上の課題であります。
 百十八国会終了後、消費税の取り扱いについて与野党の税制担当者による両院合同協議会で検討が行われておりますが、国民から強い改善要求が出されている諸項目について、政府・与党の消極的な対応から結論がおくれ、今日の事態を招いたことは極めて遺憾であります。
 第四の理由は、本補正により、防衛関係費が対GNP比で一%を超えることであります。
 平成二年度当初予算における防衛関係費は、四兆一千五百九十三億円、対GNP比〇・九九七%と一%以内におさまっておりましたが、本補正予算で防衛関係費は約一千億円増加し、四兆二千五百八十九億円となり、その結果、政府の当初経済見通しベースの対GNP比は一・〇二一%と一%を突破いたします。
 こうした状況において、政府が講ずべき措置は、防衛関係費の中の既定経費を減額し、補正後対比でもGNP比一%の歯どめを守ることであります。しかるに、政府はその努力を放棄しており、賛成できません。
 このほか、本補正予算に対する否決の理由は多岐にわたりますが、両院協議会といたしましては、参議院が指摘しました補正予算三案に反対する諸事項を除去することによって、本補正予算が成立できますよう、御協力、御賛同いただきたく、お願い申し上げる次第であります。
 以上であります。
#6
○議長(越智伊平君) これにて各議院の議決の趣旨についての説明は終わりました。
 これより協議に入ります。
 順次御発言をお願いいたします。片上公人君。
#7
○片上公人君 既に趣旨説明において述べられておりますが、さらに若干補足させていただきます。
 一つは、防衛費についてであります。
 東西冷戦が終わり、国際的に軍縮が潮流となっているにもかかわらず、政府は補正予算で防衛費を追加し、その対GNP比一%枠を突破させておりますが、こういうことで国際的な理解を得られるのか、私は懸念を抱かざるを得ません。防衛費の補正追加の作業において、防衛費が対GNP比一%を超えることが確実となれば、既定の歳出経費を削減してでも一%以内におさめる努力をすることが必要だったのではないでしょうか。それにもかかわらず、政府はただ人件費を上乗せしており、防衛費を抑制しようという姿勢が見られません。
 政府は、正面装備に係る経費で当初計上の新規の国庫債務負担行為や継続費の初年度歳出化分を削減することにより、防衛費を対GNP比一%以内におさめるべきであります。
 以上、簡単ではありますが、反対理由の補足説明とさせていただきます。
#8
○議長(越智伊平君) 吉岡吉典君。
#9
○吉岡吉典君 趣旨説明で第一番目の反対理由として多国籍軍への追加支援の問題が述べられました。この中で「計上の根拠並びに積算内訳不詳の経費」だということが指摘されておりますけれども、それにつけ加えて、私、きょうの質問でも問題にした点ですけれども、何に使ったかということを国会で報告もできない、こういうことでありました。わからないで報告できないのではなく、わかっているけれども国会に報告するわけにはいかないという答弁でありました。こういう積算根拠も何も示せない、しかも何に使ったかも示せないという予算を、千三百億円、十億ドルというものを計上するということは、この趣旨説明でも述べられておりますように認めるわけにはいかないということを、私はきょうの質問を通じても特に強調しておきたいと思います。
 あわせて、この多国籍軍への千三百億円の支出ということが国民の生活を犠牲にして行われているという問題を重視せざるを得ません。例えば生活保護費の五百八十億円が削減されております。十億ドル、千三百億円という金は、国民の生活上のいろいろな切実な要求を念頭に置いてみますと、例えば国会でも繰り返し論議になりましたが、被爆者援護法が実施されたらどういうことになるか。三十六万人の被爆者の切望する被爆者援護法に係る予算というのは千二百六十億円ですか、ですから、この多国籍軍への支出だけで十分に賄うことができる額だ。そのほか、国民の中からいろいろ出されている障害者の要求その他、私ここで一々数字を挙げませんけれども、そういう問題にすぐにこたえられる。
 そういう方には目を閉ざして、アメリカの要求には一発で満額回答という言葉までマスコミで述べられている、こういう補正予算というのは国民犠牲でアメリカの多国籍軍に協力するものだという点で、この趣旨説明の第一にも述べられている点を私は強調して、この予算に賛成できない、強く反対するという意見を述べておきたいと思います。
#10
○議長(越智伊平君) 次に、池田治君。
#11
○池田治君 本補正予算には日米親善交流基金とかスポーツ振興基金等の基金の創設がたくさん盛られております。私は、これらの基金は特段補正予算に計上する緊要性に乏しいので、平成三年度予算に回してもよいのではないかと思っております。財政法二十九条では、義務的経費とか特に緊要性のあるものに限定されているわけでございますから、これを越えて補正予算を組むというのは財政法律主義に反する。財政は法に従い、法に基づいた予算編成でなくてはならないと思っております。この政府の予算は、法治主義を誤った原理に立った編成ではなかろうかと思っております。
 特に、基金創設については、予算編成の基本方針である概算要求基準によって、平成二年度及び平成三年度当初予算では経費の計上が困難であるために補正を組んだということは、まことに愚かな補正の仕方だろうと思っておりますので、反対をいたしておる次第でございます。
 以上です。
#12
○議長(越智伊平君) 次に、宮下創平君。
#13
○宮下創平君 参議院側の反対する理由は四点に集約されると思いますけれども、前半の三点について私から申し上げ、最後の一点については民社党の神田委員の方から御説明を申し上げたいと思います。
 まず第一でありますが、湾岸平和基金拠出金と日米親善交流基金、スポーツ振興基金は、財政法二十九条に言ういわゆる「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費」に該当しない、こういうことのようでございますけれども、湾岸平和基金拠出金につきましては、御案内のように、九月十四日に政府は中東貢献策の一つとして平和回復活動に対する協力ということで、十億ドルを上限として追加的に協力を行う旨表明したものでございまして、今回はこの追加的協力を、可及的速やかに時宜を逃さず拠出を行う必要があるということで計上したものでございまして、指摘は当たらないと存じます。
 また、日米親善交流事業につきましては、日米間の、特に安保条約三十周年記念等々のこともございまして、日米親善交流基金の早期創設という機運がこの機会に高まってまいりまして、政府といたしましてもその必要性から追加出資を決定したものでございます。本年度の可能な限り早い時期からこの交流事業を始めたいということでございます。
 スポーツ振興基金につきましては、先般のアジア大会における不振等を起因といたしまして、JOCからも緊急行動計画が出されておりましたし、また民間からも同基金の早期設立の提唱がございまして、民間資金拠出の表明もございました。これはもう早期にやるという必要がありましたので、計上したわけでございます。
 なお、平成三年度の概算要求基準に窮屈だから計上したというものでないことは、もう申すまでもございません。
 なお、参議院側の第一の反対理由の中で、湾岸危機に関しまして「政府が周章ろうばいして約束した、計上の根拠」というような表現がございますが、多少穏当を欠くのではないかということでありますので、政府の名誉のために弁明させていただいておきます。
 それから第二の点は、七千五百億円の四条公債の増発についてお触れになりました。そして、災害復旧事業費を上回る公債の増発はちょっといかがなものかという御指摘がございましたけれども、今回の補正予算においては、この経済情勢、ここ数年来のような大幅な税収増は期待し得ないわけでございまして、今回災害復旧費が六千億強、それから御審議いただいた各種の出資金ですね、今の日米親善交流基金とかスポーツ振興基金も出資でございますが、このほか大店法の関係の出資等もございまして、これらを合わせましてぎりぎりの選択として七千五百億円の公債の追加発行をしたものでございます。
 なお、今後もやはり財政全般の徹底した節減合理化に努めまして、中長期的な財政運営の努力目標を示していることでもありますので、なお今後公債依存度の引き下げについては努力してまいりたい、こう思っております。
 それから第三番目は、消費税の問題につきまして触れておられます。消費税は、もう申すまでもなく我が国の高齢化社会を展望しての非常に必要な税でございまして、実施がされておるわけであります。これを撤回することは考えておりません。
 なお、この件につきましては、御案内のように、両院の合同協議会におきまして是正の協議が重ねられてまいりましたけれども、多くの点について実質的な見直し、是正が合意されたのにもかかわらず、一部の野党の反対でこれが実現できないということは、まことに残念なことでございます。
 以上、私の方から三点を申し上げました。賛成の民社党の神田委員の方から第四番目の理由について御説明をいただきます。
#14
○議長(越智伊平君) 次に、神田厚君。
#15
○神田厚君 参議院側の否決の理由の第四番目に、「本補正により、防衛関係費が対GNP比で一%を超える」こういうふうにございます。この補正後の防衛関係費につきましてあえて対GNP比を計算するとすれば、名目GNPの平成二年度実績見込みをもとに、ベースを合わせて算出するのが最も適切であると考えられます。現時点ではその計数は把握できておりません。
 仮に、先般公表された六十年基準による元年度名目GNPをもとに、二年度経済見通しの名目成長率五・二%を用いて機械的に試算すれば、補正後予算額は対GNP比〇・九九七となります。
 なお、昭和六十二年一月の閣議決定にありますように、「節度ある防衛力の整備を行う」という精神を引き続き尊重していくことは言うまでもありません。
#16
○議長(越智伊平君) それでは、速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#17
○議長(越智伊平君) 速記を起こしてください。
 この際、参議院側、衆議院側双方から発言を求められておりますので、順次これを許します。まず、参議院及川順郎君。
#18
○及川順郎君 参議院側の意見を申し述べます。
 参議院側としましては、趣旨説明及び開陳されました意見を踏まえまして、この平成二年度補正予算三案に何らかの修正ないしは削除を加えることが必要であります。
 両院の議決が異なった場合、何らかの解決策を策定するのが両院協議会の目的であります。ぜひ、そうした取り運びを願いたいと存じます。
#19
○議長(越智伊平君) 次に、衆議院原田昇左右君。
#20
○原田昇左右君 お話は承りました。
 衆議院側としては、到底参議院側の御要請に応ずるわけにはまいりません。
 この補正予算は、国民生活に深い関係がありますし、また、我が国の国際的な責務を果たす上で極めて重要と存じます。
 よって、我々は、憲法第六十条に基づき、国会法等の定める手続に従い、衆議院の議決どおりでお願いしたいと存じます。
#21
○議長(越智伊平君) それでは、いろいろ御協議をいただいたのでありますが、意見の一致を得る見通しがないものと認めざるを得ません。
 つきましては、協議会といたしましては、成案を得るに至らなかったものとして、これを各議院にそれぞれ報告いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(越智伊平君) 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたします。
 これにて協議会の議事は終了いたしました。
 協議委員各位の御協力によりまして議長を無事務めさせていただきました。ありがとうございました。
 これにて散会いたします。
    午後六時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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