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#1
第120回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
平成三年二月二十七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田  英夫君
    理 事
                大木  浩君
                平野  清君
                深田  肇君
                白浜 一良君
                古川太三郎君
                足立 良平君
    委 員
                合馬  敬君
                狩野 明男君
                川原新次郎君
                鈴木 省吾君
                永田 良雄君
                星野 朋市君
                向山 一人君
                本村 和喜君
                菅野  壽君
                西野 康雄君
                福間 知之君
                三重野栄子君
                中野 鉄造君
                神谷信之助君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        大平 芳弘君
   参考人
       電気事業連合会
       専務理事     高木  勇君
       日本ガス協会副
       会長専務理事   柴崎 芳三君
       日本石炭協会副
       会長専務理事   高瀬 郁弥君
       新エネルギー・
       産業技術総合開
       発機構副理事長  岩崎 八男君
       東京大学工学部
       電気工学科教授  茅  陽一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (派遣委員の報告)
 (エネルギー供給構造のあり方に関する件)
    ─────────────
#2
○会長(田英夫君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 産業・資源エネルギーに関する調査を議題といたします。
 まず、派遣委員の報告を聴取いたします。深田肇君。
#3
○深田肇君 委員派遣の概要について御報告申し上げます。
 去る二月五日及び六日の二日間にわたり、田会長、大木理事、白浜理事、古川理事、足立理事、平野委員、神谷委員並びに私の八名のほか、西野委員及び福間委員がそれぞれ現地参加されて、兵庫県、大阪府において、産業・資源エネルギー問題に関し、通産省地方機関及び大阪府等より概況説明の聴取、エネルギー関係施設の視察等所要の調査を行ってまいりました。
 以下、その概要について申し上げます。
 最初に、近畿通商産業局管内における経済動向及びエネルギー事情について申しますと、我が国経済に占める近畿地域のシェアは昭和六十三年の製造品出荷額等が約五十二兆円に達するなどおおむね二〇%、対全国シェアでは従来からの低下傾向から近年ようやく下げどまりの方向となっております。
 しかしながら、管内における経済活動は内需拡大傾向で推移しており、先行きについても一部の不安要因を除き個人消費が依然として根強く、民間設備投資も引き続き積極的であり、当面は堅調に推移することが見込まれるとのことでありました。
 一方、当管内における昨年四月以降十二月までの総需要電力量は、好景気と猛暑による冷房需要の増大を反映して八百七十八億キロワットアワー、対前年同期比で八・一%増で、一方、これを賄う関西電力の発受電電力量は一九年度末で千二百三十五億キロワットアワー、うち、原子力のシェアが全国平均より高く四〇・六%となっております。
 なお、今後の需給見通しは、平成二年度推定実績で需要電力量千二百億キロワットアワー、対前年度七・五%増、最大需要電力で二千六百八十二万キロワットアワー、対前年度比一二・五%と着実に増加することが想定されております。
 また、平成元年度の一般ガス生産量は約四十七兆キロカロリーで全国の約三〇%を占めておりますが、最近における地球環境問題に的確に対応するため、家庭用、産業用分野での都市ガス需要の開発、地方ガス事業者への広域供給の促進等によりLNGの普及進展と需要の安定的増大が見込まれております。
 次に、未利用エネルギーの活用については、関係省庁等から成る調査委員会を設置し、熱供給プロジェクトの実現に努めているほか、産業・民生両部門を中心に具体的な省エネ対策を実施するとともに、湾岸危機対策として現在その徹底状況等に係るアンケート調査を行っているとのことでありました。
 なお、関連して大阪府においては、従来から太陽光など未利用エネルギーの活用、地域冷暖房システムの導入に努めておりますが、現在稼動中のものは、太陽熱、風力、下水処理、ごみ焼却熱等二十一カ所、計画または実験中のもの二カ所となっております。特に、昨年四月以降環境負荷低減効果に着目した「地域冷暖房システムの導入に関する指導要綱」を実施しておりますが、これらのシステムの開発利用のための技術開発、情報交換及び財政措置等の総合的施策について国による一層の拡充強化を要望されました。
 次に、六甲新エネルギー実験センターにおきましては、関西電力及び電力中央研究所が昭和六十一年度から新エネルギーの共同研究を行っており、その試験研究用設備の最終規模としては太陽光発電六百キロワット、風力発電三十キロワット、燃料電池千キロワット、合計千六百三十キロワットを目指しております。
 また、これらの分散型新発電設備による系統連系試験研究のうち、昨年七月以降約六ケ月間の発電実績は、太陽光約五万六千キロワットアワー、風力約六千八百キロワットアワー、燃料電池約十三万七百キロワットアワーで、これを一日一台当たりの発電時間に換算すると燃料電池発電の場合が最も効果的となっております。
 次に、関西電力堺港発電所におきましては、LNGを主要燃料として二百万キロワットアワーの火力発電を行っておりますが、現在、電源構成のベストミックスの一環として炭酸ガス排出量の増加を抑制することとしております。このため、排ガス中に占める炭酸ガスが多量でかつこれを分離・回収するには種々困難が伴うことにかんがみ、長期的観点から技術開発に取り組むこととし、炭酸ガスを加熱することにより吸収液から当該ガスを放出させて分離する排煙脱炭技術に関する小規模基礎試験のほか、回収された炭酸ガスを固定・処分するための基礎的な研究開発を行っておるとのことでありました。
 次に、大阪ガス泉北製造所第二工場におきましては、関西電力契約分を含めて年間三百万トンのLNGを受け入れて、同社生産量の五〇%に相当
する都市ガスを製造しております。また、平成元年の用途別需要動向を見ますと、家庭用四七%、産業用三二%、商業用一四%で、最近五年間の産業用の比率が年平均伸び率一〇・四%を占めておりますが、同期間におけるガス冷暖房機設置容量については新築ビルの多くが採用するなど、電力消費の集中緩和に貢献しているとのことでありました。
 なお、LNGのマイナス百六十度Cという超低温の冷熱に着目して、冷熱発電、冷凍食品製造、液化炭酸製造等種々の形での有効利用が行われ、特に冷熱事業への利用率が五〇%に達しているほか、低温材料の検討、設備開発、異常診断システムなど種々の技術開発が進められているとのことでありました。
 次に、松下電器産業本社技術館におきましては、二十一世紀を展望したヒューマンエレクトロニクスを企業スローガンとして基礎研究から製品開発までの生産技術、半導体、エネルギー・照明など家庭電化製品の分野における新技術の開発状況のシステムなどを含めてその成果を紹介しているとのことでありました。
 最後に、今回調査いたしました新エネ及び未利用エネルギーの開発に当たっては、今後とも技術開発、情報交換並びに財政措置等の総合的施策について国等による一層の指導あるいは拡充強化に努める必要があると考えられますが、一方、省エネ・効率化の観点からは、地域冷暖房システムとしてのガス冷熱発電などの積極的活用と地球環境保全の観点からの排煙脱炭等の技術開発が特に緊要な課題であろうかと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
#4
○会長(田英夫君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
    ─────────────
#5
○会長(田英夫君) 次に、エネルギー供給構造のあり方に関する件について、参考人から意見を聴取いたします。
 本日は、お手元に配付の参考人名簿のとおり、電気事業連合会専務理事高木勇君、日本ガス協会副会長専務理事柴崎芳三君、日本石炭協会副会長専務理事高瀬郁弥君、新エネルギー・産業技術総合開発機構副理事長岩崎八男君及び東京大学工学部電気工学科教授茅陽一君に御出席いただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本調査会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 参考人の皆様から、エネルギー供給構造のあり方について忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。
 議事の進め方といたしましては、各参考人からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただいた後、委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、高木参考人からお願いをいたします。
#6
○参考人(高木勇君) ただいま会長から御紹介賜りました電気事業連合会の専務理事、高木でございます。
 日ごろは先生方に電気事業に対しまして殊のほかの御支援、御理解、あるいは御鞭撻というものを賜っておりますことを、この席をかりまして厚く御礼申し上げます。
 それでは、早速でございますが、「電力需給の現状と将来について」という資料に基づきまして御説明させていただきます。
 まず、電力需要の動向でございますが、資料一をごらんいただければと思います。これは一九六五年、つまり昭和四十年を一とした場合のそれ以降の相対値を示しておる図でございます。これで読み取れますように、総エネルギーの伸びは一九七三年、つまり昭和四十八年の第一次オイルショック以降ほぼ横ばいだったわけでございますが、最近はやや上昇傾向にあるということが読み取れます。さらに、これに対しまして電力は、民生用需要の伸びによって堅調に推移してきてございまして、この傾向は今後も続くものと考えられます。電力は、安全、クリーン、便利な使いやすいエネルギーであるものでございますから、総エネルギーの伸びに比べまして電力の伸びの方が大きいということでございまして、総エネルギーに占める電力のウエートは今後も増大していくものと考えております。
 次に、資料の二と三を交互に御参照いただきたいと思うのでございますが、資料二は一九七三年、昭和四十八年以降の電力量、つまりキロワットアワーの実績と、それからそれが一九九九年、平成十一年までの予測のグラフでございます。資料三は、これが最大電力、つまりキロワットの年度別推移というものをあらわしておるわけでございます。
 民生需要につきましては、熱機器需要の堅調な増加や長時間稼働ビルの一層の増加が見込まれておりまして、産業用需要につきましても内需主導型経済への移向などによりまして、輸送機器など加工組み立て産業はもちろんのことでございますが、鉄鋼、セメントなどの素材型産業におきましても生産水準の拡大が見込まれておりますことなどから、安定した伸びが続いていくものと考えております。キロワットアワーで一九八八年度、昭和六十三年度から一九九九年度、平成十一年度までの需要電力量の伸びは年率三%を想定しておるわけでございます。また、キロワットの方でございますが、最大電力は、電力を安定供給するために電源設備等をどの程度確保しておく必要があるかを見るこれは指標でございまして、一九八八年度から一九九九年度までの伸びは年率三・一%と想定してございます。
 なお、昨年の夏の最大電力が非常に話題になったわけでございますが、記録ずくめの猛暑によりまして冷房機器の稼働増、これは増分の約七割が冷房機器の稼働増によるものと推定されるわけでございますが、これに加えまして好調な景気が残り増分の三割程度を反映したものと考えられまして、あらかじめ予想した前年からの伸び率五・一%よりも六・九%ふえたというような実績でございました。現在、来年度、平成三年度版の長期計画を検討しているところでございますが、昨年の増分を加味いたしまして若干上方修正することになる見込みでございます。
 次に、資料四と五でございますが、電力供給つまり電源開発計画についてでございます。
 まずその長期的見通しでございますが、資料四と五は平成二年六月の、つまり昨年の電気事業審議会需給部会中間報告というものにおいて示されました電力供給と電源構成の目標でございます。
 これで見ますればおわかりのように、二〇〇〇年におきましては、この資料四で、供給力の方は九千四百六十億キロワットアワー、それから次の資料五でございますが、二〇〇〇年においては電源設備は二億二千七百七十万キロワットというものを見込んでございます。さらには、二〇一〇年におきましては、この資料四の方の供給力では一兆一千九十億キロワットアワー、それから資料五の方の電源設備の方では二億六千七百万キロワットを見込んでおりまして、原子力を中心とした電源の多様化を図っていくということになっております。特にこのうち、原子力は二〇一〇年で、資料五にありますように七千二百万キロワットを目標としておりまして、今後二十年間で四千万キロワットを開発していくという目標になっております。そして二〇一〇年での原子力のシェアは供給力の四三%、電源設備の二七%を占めるという目標になっております。
 次に電源の多様化につきましてでございますが、電源の開発は、電力供給のセキュリティー、経済性あるいは環境に与える影響度合い、供給の弾力性など、各電源の特性を総合的に考慮して進める必要があると存じております。この観点から、今後とも、先ほども申しましたように、原子力を中心にして電源の多様化ということを図っていくわけでございますが、それぞれの電源の考え方といたしまして、まず原子力でございますが、
これはウランという燃料の供給源が先進国にございまして、すぐれた燃料供給及び価格の安定性、経済性それから非化石燃料であることの環境特性等に着目いたしまして、この資料六を見ていただきますと、ここにありますように、いわゆるベース供給力として位置づけまして、安全確保を最大のテーマにその開発を進めてまいるという所存でございます。
 次に、石炭でございますが、この資料六の原子力の上の方に書いてございますが、これは世界的に賦存をしまして、供給源が先進国であるというすぐれた供給安定性それから経済性を持っておりますものですから、多様化電源の一つとして一定量の依存はするということでございますが、地球環境問題への対応などから、流動床燃焼技術とかそれから石炭ガス化発電技術といったようなものを推進していき、発電効率の向上を図り、原子力とともにベース電源、なおかつミドル電源として活用していく予定でございます。
 LNGにつきましては、これはSOxとかCO2の発生量が他の石炭とか油よりは少ないというすぐれた環境特性を持っておりますことから需要地近傍型の電源として導入を継続することといたしまして、ミドル、ピーク電源として位置づけるわけでございますが、長期安定的なLNG調達に配慮しながら導入を進めていくという予定でございます。水力や地熱につきましては、CO2等の環境負荷の点ですぐれており、また純粋に国産エネルギーとして極めて高い供給の定定性を持っておるわけでございます。したがいまして、経済性に配慮しながらこれは着実に進めていくということでございます。石油火力などでございますが、石油火力の新増設はこれはIEA、国際エネルギー機関の国際合意で一応禁止されておるわけでございますが、この辺に留意いたしまして、この依存度は低減していくということに努力していきますけれども、その運転特性に期待いたしましてピーク電源ということに対応させたい、需要の急増等に対応していきたい、そういう位置づけでやっていくと同時に、バッファー機能も果たすということで適正量を今後とも確保していくという予定でございます。
 さらに、今後導入が予定される分散型電源というものでございますが、これは燃料電池、太陽光発電、風力発電といった新エネルギーを考えているわけでございます。これら新エネルギーにつきましては、現在のところコストが高くまた信頼性に欠けるなどの多くの課題がございます。技術開発を積極的に行って、その解決状況を見きわめながら新エネルギーの特性に適した地点への導入を図っていくという考えでございます。
 次に、環境問題への取り組みでございますが、これは資料七と八にございますように、日本の電気事業の火力発電所の環境対策推進状況というのは、排煙、脱硝、脱硫装置の設置などによりまして世界最高水準にあると考えております。今後とも火力発電の熱効率向上、送配電ロスの低減など総合効率の向上に努め、結果的にSOx、NOx、CO2の低減化に努めていくという所存でございます。この七と八は、一応現時点での日本の発電技術の他先進国よりもすぐれている実績を示している資料でございますが、しかし、やはり地球環境問題解決の大きなかぎとなるのは原子力推進ということを除いては考えられないということでございまして、現にこの七と八の資料でも化石燃料への依存度が低い、つまり原子力推進国のフランスとかあるいは水力に依存する度合いの大きいカナダなどは非常にいい成績を上げているということにもなっておるわけでございます。
 それから次は、安全確保を大前提としました原子力開発でございますが、まず我が国の原子力発電の現状と将来計画でございます。原子力発電につきましては十分御案内の先生方たくさんいらっしゃると思いますが、改めて整理する意味でお話しさせていただきたいと思います。
 その前に関西電力美浜発電所二号機の件について若干触れさせていただきたいと存じます。
 今度の件につきましては、原子力発電を推進しようとする私どもにとりましてはまことに残念な事態でございますが、今までにわかったところでは、原子炉の自動停止や冷却装置などの安全システムが設計どおり作動いたしまして周辺環境への影響はなかったというふうに聞いております。原子力発電の推進には安全確保が絶対条件でございますので、関西電力さんの徹底した原因究明と再発防止策で、地元の皆様を初め不安の解消に努められるとともに、その教訓として日本の全電力が再発防止に努めてまいらねばならないと考えております。
 先週二十日の電気事業連合会での九電力社長会議におきましては、原子力発電所の運転に当たり安全の確保がすべての前提であることを改めて再確認いたしますとともに、異常の兆候につきましては常に厳しく受けとめて安全サイドに対処することなどの申し合わせをいたしたところでございます。
 それでは、資料九をごらんいただきたいと存じます。この図は、下の方の棒グラフで原子力発電の設備容量の推移を示してございます。また、折れ線グラフが設備利用率の推移を示しております。設備利用率は、年間発電所をどれだけ利用できたかを示すわけでございますが、折れ線のうち白い四角のマーク、これが全設備の総合利用率すなわち平均となるものでございまして、一九八三年度に七〇%を超えまして以来、昨年度まで七年間引き続いて七〇%台で推移しております。一年間の運転で約三カ月の定期点検というのが実施されますので、この七〇%という数字はかなり高い水準であると言うことができると思います。
 次に、トラブルの発生頻度でございますが、これは資料十に示しております。資料十をごらんいただきたいと思いますが、この表は、私どもから通産省へ報告いたしました件数と、一基当たりの報告件数を表にしたものでございます。通産省への報告には、電気事業法や原子炉等規制法に基づく法律対象のトラブルと、軽微なものも報告するようにとされた大臣通達に基づくものがございます。これらを合計した件数をその年の運転基数の一基当たりの報告件数が表のうち下の段でございまして、ここ数年一・〇から一・四と小さい値となっております。
 資料十一をごらんいただきたいと思いますが、資料十一には各国の原子炉の計画外停止頻度の比較を示してございます。トラブルなど計画外の、つまり定期点検以外の停止を見ますと、我が国では一基当たり年間〇・四回でございまして、これは図でわかりますように諸外国の三分の一から十分の一ぐらいの低い値となっておりまして、運転状況は我が国は世界でもトップクラスのいい状況になっていると言えるのではないかと思います。
 原子力発電の現状を見てまいりましたが、原子力発電に御理解を得るためには、何と申しましても安全確保と安全運転の実績を示すということが最大の基本であると思います。とりわけ故障、トラブルの低減に努めることだと私どもは考えております。そのように努力してまいる所存でございます。
 次に、建設計画でございますが、資料十二をごらんいただきますと、原子力発電所の運転・建設状況を示しております。運転中は三十九基、三千百四十八万キロワット、建設中は十一基、約一千八十九万キロワット、電源開発調整審議会などで電源開発基本計画に組み入れられております建設準備中のものが三基、約三百五十四万キロワットでございます。これらを加えますと、約四千六百万キロワットとなります。さきに見てまいりました二〇〇〇年五千万キロワット、二〇一〇年七千二百万キロワットという見通しは、私どもといたしましてもぜひとも達成しなければならない努力目標であると考えております。
 現在我が国の原子力発電サイトは十六カ所でございますが、これら既存の地点の増設のみでは二十一世紀への展望はございません。新規の立地点
の確保・打開のために、電力各社がそれぞれ努力を重ねているところでございます。これら電力各社に協力する体制といたしまして、電気事業連合会、中央電力協議会では、先般、原子力等の電源開発に関する施策及び広域運営などを検討する需給安定・原子力等立地推進会議というものを各社筆頭副社長をメンバーとして設置したところでございます。私どもはまだまだ努力が足りないと思いますが、安全確保のもと、原子力開発の推進に一段の努力を傾注していく所存でございます。
 次に、原子燃料サイクル施設の現状でございますが、若干触れさせていただきますと、資料十三原子燃料サイクル施設の概要でございます。御案内のとおり、青森県六ケ所村でこのプロジェクトは現在推進中でございます。このうちの濃縮事業につきましては、ここにございますようにもうすぐ操業開始というところまで進んでございます。低レベル貯蔵施設も着工にこぎつけることができました。再処理施設につきましては目下国の安全審査を受けている最中という状態でございますが、これも原子力のかなめとなるバックエンド対策でございまして、私どもも地元の御了解を賜りながら計画どおり進めさせていただきたいと思って努力しているところでございます。
 それから、最後でございますが、世界の動向でございます。資料十四でございますが、原子力発電をめぐります世界の動向というものは、一九八九年十二月末で運転中が四百二十五基、三億三千五百六十八万キロワット、建設・計画中合わせて百七十七基、一億六千六百三十七万キロワットの原子力発電設備がございます。このように世界的には原子力は依然として推進されつつあるわけでございまして、運転中ではアメリカが最大で百九基、フランス、ソ連とそれに続きまして、我が国は現在のところ第四位でございます。主要諸国の動向といったようなものはその表に示されているとおりでございます。
 また主要国の総発電量に占める原子力発電の割合というのも資料十五に書いてあるとおりでございます。特にフランスが七五%ぐらいを原子力に依存している、なおかつイタリーとかその他EC諸国内に原子力発電によって発電した電力を輸出しているというような状況にございます。チェルノブイリ事故を起こしましたソ連でございますが、これは今後チェルノブイリ型の原子炉の建設は取りやめまして、日本で広く利用されている軽水炉でいくということで積極的に原子力を進めております。また、最近話題となりました二〇一〇年までに原子力を全廃しようとしているスウェーデンでございますが、果たしてそれが可能であるかどうかという疑念が国内にも生じまして、多少この見直し機運に現在なっているというところでございます。
 私どもは再三申しますように、何よりも安全の確保と国民の皆様の原子力に対する不安感というものを何としてでもこれはできるだけ解消していく努力を懸命に重ねまして、今後この目標を達成するのが私どもの国家的な使命であるというふうに存じておる次第でございます。どうぞよろしく御支援のほどをお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
#7
○会長(田英夫君) どうもありがとうございました。
 次に、柴崎参考人にお願いをいたします。
#8
○参考人(柴崎芳三君) 御紹介にあずかりました日本ガス協会の柴崎でございます。
 ガス事業の運営に関しましては、予算、財投、税制の面で日ごろ大変御配慮いただきまして、この席をおかりいたしまして心から御礼申し上げたいと存じます。
 本日はお手元にお届けいたしました「液化天然ガスの導入促進について」ということで御説明申し上げたいと思います。
 まず、LNG導入の経緯と今後の見通しでございます。都市ガス業界では一九六九年、すなわち昭和四十四年でございますが、その十一月に電力業界と共同でLNGの導入を進めてまいりました。当初のLNG導入の主な目的は、当時大変深刻な状態にありました大気汚染問題を解決しようということで、端的には東京に青い空をよみがえらせようということで導入されたわけでございますが、一九七三年の第一次石油ショックに伴うエネルギーの供給の不安定な時期に供給の安定性に大変すぐれておりますこのLNGというものが大きな役割を果たしたことから、その後、原子力、石炭と並びまして石油代替エネルギーの三本の柱の一つとして位置づけられまして、国のエネルギー政策としてその導入が促進されてまいりました。これによりまして我が国の一次エネルギーに占める割合は、天然ガスのシェアでございますが、国産天然ガスを含めましてLNG導入前には一%台でございましたが、平成元年度には一〇%台に達しまして基幹的エネルギーとして位置づけられてまいったわけでございます。参考表の真ん中ごろに天然ガスという欄がございますが、ここにその比率の推移が年次別に掲げてございます。
 これからの見通しでございますが、去年の六月に総合エネルギー調査会は資源・環境面での制約がより厳しくなりつつある状況を踏まえまして「地球規模のエネルギー新潮流への挑戦」という中間報告を取りまとめられましたが、この答申の中で、天然ガスについては供給の安定性が相対的に高いことと、それから燃焼時のCO2の発生量が化石燃料の中では優位にあるという二点を取り上げまして、これから大いに導入を促進することが適当であるという評価を下されまして、二〇〇〇年及び二〇一〇年にはそれぞれ一次エネルギーの供給に占める割合を一〇・九%、一二・〇%に引き上げることが織り込まれました。ただし、それと並行いたしまして今後導入の場合解決すべき課題として三つの点が指摘されまして、その第一の点は、契約形態の弾力化と新たな価格形成の構築という問題、第二番目に、LNGタンカーからパイプラインに至るインフラの整備、輸送用等の新規用途の拡大、さらに地方の都市ガスの天然ガス化の推進等の条件の整備、三番目には、供給安定性向上に資する供給源の多様化及び我が国資本による資源開発という三つの点が克服すべき点として取り上げられたわけでございます。
 この長期エネルギー需給見通しの総括表をここに掲げてございますが、下から三行目に天然ガスという項目がございまして、これは石油換算のキロリッター表示になっておりますが、これをトン表示で申し上げますと、一九八八年の実績は三千百十万トンでございます。それから二〇〇〇年には四千五百万トン、それから二〇一〇年には五千五百万トンということでございまして、シェアは先ほど申し上げましたように二〇〇〇年で一〇・九%、二〇一〇年で一二%ということが計画されたわけでございます。
 この中間報告が発表された後でまたエネルギー情勢は非常に急激に変化いたしました。その変化の度合いに応じまして天然ガスに関する再評価が行われました。その経緯を御説明申し上げたいと思います。
 昨年の報告の後で湾岸危機が起こりました。したがって、中東石油への過剰依存の危険性が強く認識されたわけでございますが、環境問題におきましても、IPCCの報告書の発表なりあるいは世界気象会議の開催等によりまして、地球温暖化の問題への関心が国際的に高まる中で、天然ガスの特徴が再評価される方向がはっきり打ち出されたわけでございます。
 天然ガスの再評価される特徴を三つに取りまとめて御報告申し上げたいと思います。
 特徴の第一は、環太平洋エネルギーであるという点でございます。天然ガスの確認埋蔵量は百十三兆立米、これは石油の確認埋蔵量の約四分の三に相当いたしますが、可採年数は約五十六年と評価されまして、石油に比べて十年ほど長くなっております。また、環太平洋地域を初め世界各地に広く分散し賦存しているほか、石油に比べて開発が進んでいないので、今後とも埋蔵量の増加が期待できるわけでございます。丸グラフで掲げておりますのが、左が天然ガス右が石油でございまして、天然ガスを見ていただ
きますと、埋蔵量の中東への比率が三〇・七、共産圏が三八・三となっておりますが、この共産圏の大部分はソ連でございまして、ソ連の中で東シベリア地区の比率がこの約半分、二〇%前後というぐあいに推定されております。したがいまして、アジア・太平洋地区の七・一と北米の六・五、それからソ連の東シベリア地区の二〇%を加えますと約三三%から三四%になりまして、これが環太平洋という概念でくくられることになろうかと存じます。
 この天然ガスの資源の賦存状況を背景にいたしまして、我が国向けのLNGの主要な供給ソースは環太平洋地域にありまして、中東依存度が極めて低く、供給の安定性にすぐれているということが明瞭に言われるわけでございます。四ページにその関係の表を示してございますが、我が国のLNGの輸入状況、これは一九八九年度で見ますと約三千三百万トンでございますが、インドネシアで約五〇%、次いでマレーシアの約二〇%、ブルネイの一六%というようなぐあいになっております。
 この中で、都市ガスが使っておるLNGでございますが、その下の表を見ていただきますと、七百二十三万トンということでございまして、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスの三社が直接に輸入しておるわけでございますが、地域の分散はトータルの分散度よりもさらに広まっておりまして、インドネシアの二百四十六万トン、これは比率にいたしますと三四%でございます。マレーシアの百九十四万トン、これは比率にいたしますと二六・八%、次いでブルネイの百七十一万トンが二三・六ということで、ガス業界といたしましてはできるだけ地域を分散いたしたいという努力を続けましてこのような形が実現しておるわけでございます。
 二番目の特徴は、環境に優しいエネルギーであるという点でございまして、天然ガス自身ほとんど不純物を含まない性状を持っておるわけでございますが、LNGの場合にはさらに液化に先立ちまして、ちりとかあるいは硫黄分とか、そういったものを前処理で取り除いておりますので、よりクリーンなエネルギーとなるわけでございまして、このため、硫黄酸化物やばいじん削減の決め手として導入が開始された経緯を有するわけでございますが、CO2の排出原単位も低くなっておりまして、現実的な地球温暖化防止対策として非常に高い評価を得ておるわけでございまして、昨年十月に策定された政府の地球温暖化防止行動計画の中にもその導入促進が取り上げられております。ここにSOx、NOx、CO2に関しまして化石エネルギーの中で天然ガスをほかと比べた場合にどういう程度の排出量であるか、その表を掲げておりますが、CO2に関しましては、仮に石炭を一〇〇にいたしますと五七というような比率になってくるわけでございます。
 三番目の特徴は、都市ガスという形で供給する場合に非常に適したエネルギーであるということでございまして、LNGをガスのパイプラインで供給する場合に、需要地点までの総合効率は九九%、ほとんど漏れはございません。非常に効率性にすぐれておりまして、加えて従来の製造ガスに比べますと二倍強の熱量を有しておりますので、導管能力も実質的に二倍以上になるということで、都市ガスの合理化の決め手になっておるわけでございます。
 次に、LNGの導入促進についてどういう方策がとられてきたかという点について御説明申し上げたいと思います。
 総合的なエネルギー政策のポジションの中での導入策を振り返ってみますと、石油危機後の我が国のエネルギー政策は、石油の備蓄法、省エネ法等の施行や、代エネ導入指針の策定あるいは省エネルギーセンター、NEDOの設置など、エネルギーの安定供給の確保なり、脱中東石油を中心とした施策から出発したわけでございます。その後、複合エネルギー時代の幕あけとともに、コストセキュリティー間のバランス、需要家ニーズへの適合性といった視点から、さらに昨今では地球環境問題、湾岸危機等の新たな要素が加わりまして、そのかじ取りはより多面的な対応を要するようになっておるわけでございます。その中で、天然ガスは石油代替エネルギーという特徴と、またそのクリーン性から地域の環境に加えて地球全体の環境にも優しいエネルギーであるという性格をあわせ持っておるために、一貫してその積極的な導入が推進されてまいったわけでございまして、先ほど御説明申し上げました昨年六月の長期需給見通しの中にも、はっきりそういった考え方が織り込まれておるわけでございます。
 都市ガス事業について申し上げますと、都市ガス事業における天然ガスの導入については、LNGの受け入れ基地なりあるいは輸送導管の建設に加えて、末端のガス消費機器を天然ガス仕様にする、すなわち高カロリー化する必要がございます。東京ガス、大阪ガスの二社は既に一連の作業を完了させており、東邦ガスについても平成五年度に完了させる計画でございまして、これから地方のガス会社の高カロリー化を進める段階にございます。
 このお手元の表を見ていただきますと、東京ガスは一九七二年から熱量変更作業を開始いたしまして、一九八八年すなわち十六年間かかりまして約七百万戸の需要家の熱量変更を完了いたしました。大阪ガスは七五年から九〇年にかけて十五年間で約五百二十万戸の需要家の熱変を完了いたしました。東邦ガスは七八年から始めまして現在進行中で、一九九三年に完了する予定でございますが、現在進捗率は九〇%でございます。そのようなことで、天然ガス化率は一九六九年の一一・四%から八九年には七二・五%まで進みまして、二〇一〇年にはこれを八五%まで持っていくという形で努力をしておる最中でございます。
 今後の対策として重要な二つの点を御説明申し上げたいと思います。
 一つは、三大都市圏内での天然ガス需要の一層の組織化という問題でございまして、現在大都市圏の中での業務用、工業用需要家向けの需要が大変ふえておりまして、これらの需要を合理的なパイプラインで結びまして、合理的な形で天然ガスを供給するということで、エネルギーの効率化と同時に環境問題に対する効果をねらうべくいろいろ対策を考えておるわけでございます。これらの点に関しては、七ページ目に入りますと、国のエネルギー政策として既に前から取り上げられておりまして、工業用需要家向けの代エネ導入指針の中では、天然ガス系都市ガスの導入に努めなければならないという提言がなされておりますし、また業務用冷房需要家向けのガス冷房が都市ガス・電気の負荷平準化に貢献する、それだけではなくて、LNG導入の促進にも貢献するということで、昭和五十五年に総合エネルギー対策推進閣僚会議及び代エネ導入指針においてもその必要性を大いに強調されておるわけでございます。
 ちなみに、冷房の関係で現在の状況を御報告いたしますと、現在全国で二百八十万冷凍トンのガス冷房が普及しております。一冷凍トンは電気に換算いたしますと約一キロワットに相当いたしますので、二百八十万キロワットの冷房が夏場に稼働しておるというぐあいに言えると思います。例えば東京では、東京ドームあるいは国技館あるいは帝国ホテル、最高裁というところはすべてガスの冷房が導入されておるわけでございまして、二〇〇〇年には大体一千五百万冷凍トン、すなわち一千五百万キロワット程度の能力を都市ガスとしては持っておりまして、そういう形で現在の冷房の普及に努力しておるところでございます。
 今後三大都市圏内での天然ガスの需要の一層の組織化を進めるためには、このような経緯を踏まえながら、都市ガスを利用した未利用エネルギーの活用システムとか、あるいは燃料電池等のコジェネレーションの普及促進にも努めることが必要となってまいります。このため、各事業者の企業努力に加えまして、税制、財政面等での助成策の一層の整備、強化が期待されておるわけでございます。
 地方都市ガス事業の天然ガス化の問題でござい
ますが、先ほどの総合エネルギー調査会の答申では、中小都市ガスの天然ガス化等によりLNGの割合を七一%から八五%に上昇させることを課題として取り上げておるわけでございますが、天然ガス導入にはLNGの受け入れ基地や天然ガス導管等の建設にあわせまして、需要家一件当たり約八万円程度のコストを要する器具の高カロリー化という作業が必要でございます。したがって、経営規模の非常に小さい事業者には大変大きな負担になっておるわけでございます。このような状況に対処しまして、地方都市ガス事業の天然ガス化を推進するために、昭和六十年の八月に天然ガス導入促進センターが設立されまして、資金面での負担の緩和、技術面での援助等にかかわる諸施策が展開されておりまして、昨今のエネルギー価格や人件費等の上昇傾向のもとで地方ガス事業者の財政状況はより厳しくなっておりますけれども、こういったセンターの助成を通じまして懸命に努力しておる最中でございます。
 次に、LNGをいかに安定的に確保するかという対策について御説明申し上げたいと思います。
 本来、都市ガス事業の基本的な命題は、安定供給の確保とガス料金の長期安定にあるわけでございます。このために、特にガス化原料の主役であるLNGについては、長期的な観点からコスト低減を前提に安定的な供給の確保に努める必要がございます。LNGの導入のためには、天然ガスの生産・液化から海上輸送、受け入れ・再ガス化に至るまでのいわゆる一貫したLNGチェーンという一つのつながりのシステムが必要になるわけでございますが、輸出サイド、輸入サイドの両方が巨額の設備投資を行う必要がありまして、このために、LNGは一般に長期契約に基づいて導入されておるわけでございまして、また我が国の主要な供給ソースは環太平洋地域であることから、石油に比べて供給安定性にすぐれたエネルギーであると見られるわけでございます。
 このLNGの需要動向を見ますと、一九八九年にはLNGの貿易量は前年に比較いたしまして六・八%増加いたしまして、六百四十六億立米、LNG換算四千六百八十万トンという数量になっておりますが、この中で、我が国は全体の貿易量の三分の二を輸入しておるわけでございまして、世界最大のLNGの輸入国となっております。この参考表の真ん中ごろに、輸入国の筆頭に日本という形で表示してございますが、数量並びに比率がここに掲上してございます。今後とも、我が国のLNGの需要は堅調な増加が見込まれておりまして、今回の長期エネルギー需給見通しでは、先ほど申し上げましたように、二〇〇〇年で四千五百万トン、二〇一〇年で五千五百万トン程度を予想されておるわけでございます。日本の近辺の各国で、台湾並びに韓国でもLNG化が非常なテンポで進んでおりまして、韓国で二百万トン、台湾で百五十万トンが既にインドネシアとの間で契約が結ばれておる状況でございまして、今後さらにふえる可能性がございます。
 こういった需要の増大に対して供給力の方はどういう形になっておるかという問題でございますが、LNGの供給国は、これまでのプロジェクトの操業実績を踏まえまして、供給余力の活用あるいは操業率の向上等によりましてLNG供給量の増加に努めるとともに、次いで既存のプロジェクトのインフラを活用した液化プラントの増設にも取り組んでおるわけでございまして、こういった既存プロジェクトの供給増加量は、現在の見通しで大体千五、六百万トン程度と見込まれておるわけでございまして、当面の需要増を賄うことは十分可能であると考えております。一九九〇年代の後半には、現在の既存のプロジェクトでは若干間に合わなくなる可能性がございまして、新しいプロジェクトのスタートも予想されるわけでございますが、参考表に掲げましたとおり、カタール、ヤクーチャ、サハリン、ボナパルト湾、これは豪州でございます。海南島、アラスカというようなところが現在検討中のプロジェクトとして浮かび上がってきておるわけでございます。
 供給サイドはそういうことでございますが、国内の受け入れ体制についてもまだまだ大きな問題が残っております。LNGの受け入れについては、受け入れ基地、天然ガス導管等の国内受け入れ体制の整備をしなければならないわけでございますが、既に具体的な取り組みといたしましては、東京、大阪、名古屋の東邦以外に、北九州の西部ガスにおきまして平成五年度をめどに福岡に新たなLNG基地を建設いたしまして、マレーシアからLNGの受け入れをする計画を進めております。さらに、天然ガス導入促進センターでいろいろ検討いたしました結果、北から申し上げますと石狩新港、それから中部地方の清水港あるいは中国地方の広島港等々、これらの優良な港に中規模のLNG基地をつくりまして、将来の需要に対して国内の体制をつくり上げたいということでいろいろ現在計画が策定されておるわけでございますが、何分にも多額の資金を要しますので、この点、国の一層の御支援、御配慮をお願いしたいと考えておる次第でございます。
 また、天然ガス流通の未整備地区、パイプラインを考えましてもなかなか天然ガスが行かない地域が当然出てくるわけでございますが、これらの地域にも都市ガスが大分数多く存在するわけでございますので、これらの都市ガス事業者に関しましては、プロパンガスに空気を混合いたしまして天然ガスとほぼ同等の燃焼性を確保できる技術が開発されましたので、これをプロパン十三Aと称しておるのですが、そういった形で高カロリー化に努めるとか、あるいはLPGとかナフサを活用いたしまして代替天然ガスをつくるとか、そういった対策で全体としての天然ガス化あるいは高カロリー化を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 都市ガスの安定供給に関しまして、LNGをいかに安定的に導入すべきかという点。さらにもう一言申し述べますと、現在この供給源の多様化ということには大いに努力しておるわけでございますが、さらにそれに加えまして、大手三社といたしましてはLNGの相互融通体制という考え方で、その体制の構築を現在考えておる次第でございまして、緊急時には相互に扶助することによりましてそれぞれ緊急時の対応体制を整えるわけでございますが、三社それぞれにナフサ、LPGから天然ガスと同品質のガスを生産するSNGのプラントを保有しておりまして、このプラントの能力はLNG換算年間百万トン程度でございまして、緊急時には相当有効に働く体制が現在つくり上げられておるわけでございます。
 最後に、以上の御説明を総括いたしますと、明治五年、一八七二年に横浜に照明用の石炭ガスの供給を開始して以来百十数年ガス事業の歴史というものはあるわけでございますが、全国二百四十六の事業者が現在二千百万件の需要家に都市ガスを供給しておるわけでございます。都市ガス事業者の原料は長く石炭で賄われておりましたが、戦後のエネルギー革命の中で主要原料は石油となり、次いで四十年代半ばからLNGへの転換が進んだわけでございます。
 現在、三大都市圏でのLNGへの転換はほぼ終息段階にございますが、今後一層の天然ガス導入を促進するためには、海外におけるLNG調達から受け入れ基地の増強などの供給体制の整備、天然ガス需要の組織化に至るまで、各段階における課題の克服が必要となっております。したがって、この天然ガス化を業界の主要課題として位置づけまして、LNGの導入促進にはLNG供給国やその他のLNG消費国との国際協調の推進、あるいは全国的な規模での天然ガス流通網の強化、整備など幅広い対策を必要とする問題が多いわけでございます。今後とも一層国の御支援、御指導をいただきたいことをお願い申し上げまして、私の説明を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#9
○会長(田英夫君) どうもありがとうございました。
 次に、高瀬参考人お願いいたします。
#10
○参考人(高瀬郁弥君) 石炭協会の高瀬でございます。
 日ごろは石炭関係、特に国内問題で大変お世話になっております。今後ともよろしくお願いをいたします。
 それでは、時間が二十分ということでございますので、要点だけをかいつまんで御説明させていただきます。早速本題に入らせていただきます。
 石油代替エネルギーの主要な柱ということで石炭が位置づけられたのでございますが、近年、国際的な景気拡大に伴いまして需要が世界的にも着実に増大しております。最近の国連の統計を見ますと、一九八〇年を一としますと、一九九〇年は三三%の増加ということで、数量で言いますと二十六億トンから三十六億トンにふえているというのが現状であります。特徴的なことは、特にアジアの伸び率が高いということでございまして、これが五八%ということでアジア中心で需要が拡大しているということでございます。
 今後の見通しでございますが、石炭の利用技術がかなり進んでまいりましたが、一方環境問題が出てまいりまして、そういう制約もありますものでございますから、二〇〇〇年では一九九〇年の二七%増の四十四億トンということになっているわけでございます。これに対しまして日本の国内需要でございますが、総合エネルギー調査会の資料によりますと、環境負荷に対して相当の努力をするということを前提で考えましても、一九八八年の一億一千四百万トンに対して二〇〇〇年では二四%増の一億四千二百万トン、それ以降はほぼ横ばいにとどまるだろうという特徴になっております。
 その内容でございますが、コークスをつくる原料炭につきましては、粗鋼生産が全般的に減少傾向にある、それからまた原単位の改善があるということで、原料炭については減少の方向をたどるのではないか。それに反しまして一般炭でございますが、電力需要の伸びが大きい、それから一般産業の油から石炭への転換が行われておりまして、当面は着実に増加する。しかし、ほかの代替エネルギーの開発等もございまして、また環境負荷の問題もあるということで、長期的には緩やかな伸びになるというのが全体的な見方でございます。
 石炭が石油代替エネルギーとして重要なものということに位置づけられました理由は、供給の安定性と経済性にすぐれたエネルギーであるということでございます。石炭は他のエネルギー資源に比して可採埋蔵量が相当豊富でございまして、かつ環太平洋を中心に広く分布している。埋蔵量につきましては各機関からいろいろな数字が出ておりますけれども、世界エネルギー会議の一九八九年の資料によりますと、可採埋蔵量は一兆三千億トン。そのうち歴青炭と無煙炭が一兆七百億トン程度、それに亜歴青炭と褐炭が二千三百五十億トンということになっておりまして、歴青炭と無煙炭はこれは燃焼用に主として使われるということでございまして、亜歴青炭、褐炭、これは石炭の液化とかガス化に使われる方向で動いております。これを国別に見ますと、やはり可採埋蔵量が一番多いのが中国でございまして、中国、アメリカ、ソ連という順序になっております。この三国で大体全世界の約八〇%を持っているということになっております。
 先ほど御説明しましたように、総体的に申しますと、地球に広く賦存しているというほかに、総じて先進国に多く賦存しているというのが特徴でございまして、したがって、インフラも比較的整備されていることが特徴でございます。これも先ほどございましたように可採年数で比べてみますと、石油は四十三年、天然ガス五十六年、石炭はこれは歴青炭、褐炭を含めまして三百二十八年という大きい数字になっておりまして、以上の観点から見て、石炭は人類にとって貴重なエネルギー資源であるということに位置づけられております。
 続いて、生産量と石炭貿易の関係でございますが、生産量はIEAの統計によりますと、全世界で三十三億トン程度でございまして、一番大量に出しているのは中国の九億八千万トン、アメリカの八億トン、ソ連の五億トン、それからインドがかなり出ておりまして約二億トン弱、南アフリカも二億トン弱ということで、次にポーランドという順になっておりまして、かなり石炭エネルギーに依存している国が多いということでございます。
 次に、世界の石炭貿易でございますが、一九八八年の貿易量というのは三億七千万トンということで、生産したものの総量はほとんど自国内で使われていて、輸出用等に使われるのは極めて小さいという特徴になっております。第一の輸出国というのはオーストラリア、これは一億強、その他アメリカが八千六百万トン、南アフリカ四千三百万トン、ソ連三千九百万トンということになっておりまして、かなり先進国からの輸出が多いということが特徴になっています。
 輸入国という立場で見ますと、日本が一億百万トンで全体の二七%を占めておりまして、次いで韓国が二千四百万トンということで、日本が最大の輸入国というところに特徴があるわけでございます。それから、そのほか大きく輸入をしておりますのはイタリア、フランスでございまして、ヨーロッパもかなり輸入がふえてきているというのが実情でございます。アジアの輸出を見ますと、輸出国の中心は中国の千六百万トン、それからインドネシアの二百万トンということで、発展途上国を見ますとかなり小さい数字になっているのが特徴でございます。
 一方、先ほど御説明しましたように、供給の安定性及び経済性にすぐれていると言いましたが、デメリットがかなりあるわけでございます。まず、固体であるということでハンドリングの問題がございます。それから灰処理の問題があります。加えてばいじん、SO2、NO2、さらにはCO2の問題が今後出てまいります。これらにつきましては、現在のところ利用技術、公害防止技術によって克服されているものもございます。今後の重点課題となるのはやはり硫黄酸化物じゃなくて、二酸化炭素問題ではないかということでございます。利用技術を発展するということは、石油代替エネルギーとしての石炭の消費を拡大させるばかりでなくて、効率化により省エネ対策にもなるという特徴がございます。
 続いて環境負荷の問題に絞って述べますと、地球規模での環境問題としてクローズアップしているのが酸性雨問題と地球温暖化問題の二つになるかと思います。
 酸性雨問題というのは、化石燃料の燃焼によって生じた硫黄酸化物、窒素酸化物等の汚染で起こりまして、雨なり雪になって地表面に落ちるという現象でございます。これにつきましては、我が国は世界最高の排煙処理技術を確立しておりますし、また設備も普及しておりますので、環境負荷の問題は国内においてはほぼ石油並みを達成しているという状況でございます。問題は、石炭の消費が多量である中国なんかが例になるんですが、脱硫、脱硝の設備を有していない国がたくさんございます。これに対する技術移転をどうするか、今後のその資金対策をどうするかということが重要課題になってくるかと思います。この問題は今後の国際協力における留意すべき一大ポイントでないかと考えております。
 次に、地球温暖化問題でございますが、これは地球が温暖化した結果地球の温暖化問題が発生するわけでございますが、化石燃料のうち一番温暖化の原因になると言われているものは石炭でございます。この問題につきましては、現在のところそのメカニズムは科学的に一〇〇%わかっておりません。しかし、その可能性を否定できないということで、これは国際問題ということで重要な課題になっております。まず、この問題に取り組むためには発生を抑える利用率の向上を考えなきゃいかぬ、それからこのCO2を固定化する技術を開発しなきゃいかぬということでございますが、まだこれは試験、実験段階ということでございまして、その早期完成が待たれるというのが実情でございます。
 以上、石炭の需要、供給の安定性、特性について概略述べましたが、石炭は今後とも石油代替エ
ネルギーの柱として引き続き利用の円滑化を図ることが適当であるということに考えられております。
 このような世界的な背景の中で、国内炭につきましては七次政策実施後エネルギー事情が大きく変わった、それから内外炭価格差が二・六倍と拡大した、それから需要業界の動向等ございまして、産業構造調整の一環として策定されました八次策、現在その線に沿って生産の集約化を図っているというのが実情でございます。現時点でも現状認識は八次策とほとんど変わらないだろう。したがって、引き続き構造調整に対応して、私企業として自立安定を図るため経営の多角化を図りたいということで基本的な方向を進めているわけでございます。しかしながら、現時点では具体的には石炭鉱業審議会において多角的に検討されておりますので、その結果を待ちまして業界として具体的な対応を図りたいというふうに考えております。
 一方、海外炭の輸入は、先ほど御説明いたしましたように、着実に増加することは間違いございません。平成元年度は一億二百万トン弱に達しました。この結果、前述のとおり、我が国は石炭貿易量の二七%を占める輸入最大国になっているわけでございます。これは輸入量を国別に見ますと、豪州が五三%、カナダ一八%、アメリカ一一%、この三国で全体の八二%を占めているということでございます。これを国別、炭種別に見ますと、原料炭も豪州、カナダ、アメリカの順で、この三国で八四%を占めているということでございまして、かなり一国に偏ったような形になっておりますので、供給先の分散化を図るということが今後の大きな問題かと思います。
 さらに、石炭輸出国の輸出量に占める我が国への供給割合は、豪州は五〇、アメリカが一〇、カナダ六〇ということになっておりますので、この辺も是正しなきゃいかぬだろう。それから、この場合特に留意しなければならないことは、我が国の需要動向及び輸入政策が国際市場のみならず、二国間関係に大きな影響を与えるということでございまして、その辺のことを今後十分注意しなきゃいけないというふうに考えております。
 次に輸入の内容でございますが、単純輸入という形と開発して輸入するという二つの大きい区分がございます。
 単純輸入は、言うまでもなく、長期契約なりスポットで買うということでございまして、開発輸入に比べまして供給の安定性に欠けるという点が欠点でございます。このため昭和四十年代から商社、ユーザーによる開発輸入が順次行われておりまして、さらに五十二年度から現在のNEDOによる支援体制ができまして、したがって広く各業界が参加するようになってきております。現在のところ、開発輸入量というのは全輸入量の四割弱を占めるということになっておりますが、先ほど申しましたように豪州、カナダに偏っており、これを解決するのが今後の課題の一つであります。一口に開発輸入といっても形態がございまして、既存の炭鉱に投融資をするとか増産にお金を貸すということがございます。それから、新規開発につきましては投融資並びに技術協力という点を配慮しなければならないかと思います。
 新規開発プロジェクトというのは、発掘から探査、インフラ整備を含む計画、開発工事を経まして出炭までにかなりの時間がかかる、さらに相当のお金がかかるということでございます。また探査、計画の段階で断念せざるを得ないようなリスクもございます。そのほか価格、販売、カントリーリスク等の問題がございまして、この辺をどう戦略的に整理するかということが今の問題になっております。
 今後の輸入のあり方でございますが、石炭の需給は二〇〇〇年において新たに三千ないし四千万トンの供給の増加を必要とするわけでございますが、国内炭の状況から判断しまして、これらはすべて海外炭で手当てをしなきゃいかぬというふうに考えております。
 先ほど御説明いたしましたように、原料炭は横ばいないし若干低下ということでございますので、この増加するものの全部は一般炭が中心になると考えております。この場合、商業ベースによります単純輸入に頼るということは極めて不安定であり、かつ困難であると思います。したがって、輸入ソースの多様化に加えて、さらに近年アジア地域の発展途上国を中心として石炭需要、生産がふえてまいりますので、資本、石炭関連技術、経営面での協力、支援を順次図っていかなきゃならないと考えております。したがいまして、今後の石炭輸入は、長期的な観点に立った低廉な石炭の確保のため炭種をどうするかという問題がございます。それから、調達区域をどうするか、これは多角的、複合的な調整を図っていくということが石炭戦略の決め手になるのではないか。したがって、今後の輸入形態は開発輸入を重点的に指向していく方がいいんではないかと私どもは考えております。
 この場合、やはり相手国がございますので、信頼関係の確立、これを長く維持していくという対応が必要と考えておりまして、政府におかれましても既にクリーンコール、コールルネッサンス、コールフロンティアということでこの政策の展開を今構築中でございますので、我々としましてもその政策を念頭に置きながら今後開発輸入を重点にしていきたいと思っております。
 私ども石炭業界も経営多角化の一環として石炭関連の経営資源、これは百年間ためたわけでございますが、この技術ノーハウ、人材をもって海外の石炭開発に臨みたいということで今いろいろな検討をしております。その第一弾としまして、昨年石炭開発技術協力センターという財団を設立いたしましたので、今後の経営の多角化についてこの際御支援のほどを得なければというふうに考えております。
 最後に、供給構造の問題になりますが、今後整備すべき問題を申し上げます。石炭の輸入価格というのは生産費と輸送費の二つで決まるということでございまして、石炭産業というのは半分以上が輸送業という形態を連想していただければいいかと思います。
 まず、輸送方式でありますが、我が国へは海を渡って持ってくるわけでございまして、やはり経済性を考えますと、大型の石炭専用船、高速専用船、そういうものをかなり用意しなきゃいかぬだろう。今後は今実用段階に入りつつありますCWMとかCOMを海外で製造しまして、その専用船で運んでくるということも考えなけりゃいけないのじゃないか。そういたしますと、今後CWM、COM専用船の建造が新たな輸送手段として起きてくるのではないかというふうに考えます。そうしますと、もちろん専用船の接岸できるバースと荷役設備が当然のことながら必要になってまいります。また大量の貯炭量を有する中継基地、そういうものの整備も必要になってくると思います。また最近、新しい技術ということで小型ロットのためにCCS、コールカートリッジシステムといいまして、石炭を粉にして短距離輸送をするという技術の開発もできておりますので、これと中継基地との間をどう結ぶかというような問題も今後起こってくるだろうということでございます。
 それから、海外炭の輸入に伴いコールセンターが必要になってくるわけでございますが、現在のところコールセンターは八カ所ございますが、その受け入れ能力というのは全体で千七百万トン程度でございますから、三千万トンなり四千万トンの増加を考えますとその辺の対応が必要で、その具体策について今検討を行っているというのが実情でございます。
 時間が余りなかったのではしょった点がございますが、以上をもって私の陳述を終わらせていただきます。
#11
○会長(田英夫君) どうもありがとうございました。
 次に、岩崎参考人にお願いいたします。
#12
○参考人(岩崎八男君) 岩崎でございます。
 日ごろ本調査会の先生方には、私どもの仕事につきまして格別の御関心、御理解、御支援を賜っ
ておりまして厚く御礼を申し上げます。こういう環境にございますので、私どもの仕事もますます重要だとこの責務を痛感しております。ぜひ今後ともよろしく御支援賜りますようお願い申し上げます。
 この資料に即しまして、今私どもが何をやっているか、どういう問題があるかということを概略御説明申し上げたいと思います。
 一ページ目に、私どもの組織の概要がございます。名称が非常に長いので常にNEDOと言っております。おかげさまでNEDOという言葉で国外にもようやく知られてくるようになったと思っております。これは五十五年、第二次石油ショック直後に石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律に基づきましてつくられた特殊法人でございまして、資源エネルギー開発の中核的な推進母体という役割を担っております。ところがその発足時は、事業内容はまさに第一にあります石油代替エネルギーの開発、それから石炭鉱業合理化事業団から引き継ぎました三番目の石炭鉱業の合理化・安定化業務でございましたけれども、その後五十七年に、四番目の工業用アルコールの製造事業を国から移管を受けました。
 それから、六十三年になりまして、二番目の産業技術一般、通産省が行っております大型プロジェクトあるいは次世代プロジェクト等産業技術一般につきましても私どもの方でこれを推進する状況になりまして、非常に業務内容が多岐にわたっておりますけれども、依然やはりこの新エネルギー部門というのは私どもの中核的な活動でございまして、六番にありますように、平成二年度予算で私どもの予算額千二百四十七億のうち新エネルギー部門が六百七十四億というような形で運営されております。
 昨年通産省で策定されました長期エネルギー需給見通しによりますと、御承知のとおり新エネルギー二〇一〇年で日本国の一次エネルギーの五・三%、それに地熱を入れますと六・二%をこの分野で依存するような形というものが策定されております。私どもは非常に難しい課題だと思いますけれども、その方向に向かって懸命に努力していかなければいかぬというふうに思っておる次第でございます。
 NEDOの新エネルギー関係の開発の体系が二ページ目にございます。
 太陽エネルギー、特に太陽光発電これが一つ。もう一つが石炭エネルギーの石炭液化・ガス化の技術開発と石炭の資源開発、それから地熱エネルギーの地熱発電と地熱の資源開発、それから燃料・貯蔵関係の特に燃料電池あるいはスーパーヒートポンプの開発、こういうようなもの。それからその他としましては、風力発電、超電導電力の応用あるいはこういう分散型の発電の全体としての体系の中での実証試験、こういうものを行っているわけでございます。大きく言うと太陽エネルギーあるいは石炭エネルギー、こういうものが通産省で行っておりますいわゆるサンシャイン計画の具体的内容になります。それから、燃料・貯蔵関係、これがいわばムーンライト計画、つまり新しいエネルギーを開発することとエネルギーの効率的利用ということを考える、こういうものがおおよそこの体系の中に入っているということでございます。
 本日は、このうち太陽光発電、石炭液化、地熱、燃料電池、こういう現時点において新エネルギー関係の大宗をなしております技術開発を中心に御説明を申し上げたいと思います。
 次の三ページからがそうでございます。ちょっと字が細こうございますけれども、第一が太陽光発電の関係でございます。これは、技術の内容は、半導体を用いて光を直接電気、直流に交換する技術でございまして、その用いる半導体の種類によりまして単結晶型、多結晶型、アモルファス非結晶型あるいは化合物半導体型というような区分で分けて、その技術開発をしておるということでございます。もちろんこの太陽光というのはクリーンな自然エネルギーというものでございますが、ただデメリットとしては、この四番にありますように天候に左右される、あるいは昼間のみ発電が可能であるというような、もちろんこれは基本的な宿命がございますし、また密度が薄いということで、今地表面一平米当たり太陽光のエネルギーは電力換算一キロワットと言われております。したがって、そうしたいわば希薄なエネルギーをどうやってまとまった形で活用するかということがこの面での弱みになるものでございます。
 現状の技術開発、最右欄になりますけれども、これは一つがこの変換効率の向上、それからコストの低減、この二つでございます。現状では、この結晶系の太陽電池では変換効率が一五%。これを四年度で一八%ぐらいに持っていこうということで今一生懸命やっておりますが、一五%ということは先ほど申し上げましたように、一平米一キロワットとしますと、一平米当たり百五十ワットあたりの電力ができる、こういうことですが、ただそれがもちろん夜はできませんし、曇りになるとさらに落ちる、こういうことになります。
 それから、アモルファス非結晶型の変換効率は現状一〇%程度でございますが、これを一二%程度に上げたいというのが当面の目標でございます。ただ、太陽電池の場合、この電池そのもののほかに直流を交流に変換するためのインバーターとかあるいは太陽電池を支える架台と言っておりますが、そういう面のコストというのが太陽電池とほぼ同じぐらい現状かかります。したがって、そういう周辺機器の低コスト化なりあるいはもう太陽電池そのものが屋根の機能と同一化するとか、架台といった分けた形でないとか、そういった周辺技術の開発、これもまたコスト低減という意味では非常に大きな課題でございます。
 いずれにしろ、今、日本の太陽電池メーカーはかなり輸出もしております。むしろ海外に出している部分が多いんですけれども、これを何とか工業生産ベースに持っていく。大量生産ということで、ああいうLSIみたいな非常に急速なドラスチックなコストカーブは実現が期待できないでしょうけれども、それでもそうした工業生産あるいは量産というような形でのコスト低減効果というものを何とか期待できないかというふうに思っておる次第でございます。それから今、日本でも、例えば白馬山荘とかああいう独立電源としては使われておる例がありますし、琵琶湖でも琵琶湖のいろんな水質調査等をやるその電源はすべてこの太陽電池でやるようなシステムがつくられたりしております。
 私どもの中期の目標としては、西暦二〇〇〇年に発電コストをキロワット当たり二十円から三十円に持っていきたい。今までにコストはこの十年間で十分の一ぐらいになったと思いますが、それでもなお今キロワット百四十円から二百円というような感じでございますので、これでは到底実用化ということのめどが立ちませんので、これをさらに今の効率の向上と量産というコスト低減によりまして、十年後にキロワット当たり二十円から三十円というふうにしたい、それを目標に今から努力していきたいというふうに思っております。
 それから第二が燃料電池と称するものでございます。これは水に電気を通しますと水素と酸素に電気分解、よくやります。それの逆でございまして、水素、まあ水素の豊富な天燃ガスでもメタノールでも石炭でも石油でもよろしいわけですが、それを燃料とした水素と空気中の酸素を反応させることによりまして逆に電気が得られる、こういうのが原理でございます。
 これの特徴は非常にエネルギー効率が高い。燃料電池そのものは四〇%ぐらいの効率で、現在の石炭火力が三八%ぐらいとしますと、それよりも高いぐらいの発電効率もありますのですけれども、その反応段階で熱が出ます。したがって、燃料電池は同時に熱を併給できるという特徴がありますので、熱の全体の効率としては八割。したがって、消費するエネルギーの八割が電気もしくは熱として取り出せるという意味で、これは非常に効率が高いものであるというのが特徴でございます。それから比較的クリーンである、騒音、振動もないというようなことで、これは分散電源型、
つまりビルの地下の機械室にこれを置いて、そのビルだけの電気需要及び熱需要を賄うというような形で、非常に早期の実用化が有望視されておるものでございまして、これも電解質に何を用いるかということで、ここにございますように三つあります。
 一つ目が電解質として燐酸を用いる燐酸型。二つ目が溶融炭酸塩型。三つ目が固体電解質型というようなことで今研究を進めておりますけれども、この燐酸型というのは日本が一番進んでおりまして、実用の見込みが近いというのはこの燐酸型でございます。あるいはごらんいただいた先生もおられると思いますが、大阪のプラザホテルで今これの実験をしているものでございます。これが多分九〇年代の燃料電池として実用化をするというのが一番いいのではないかというふうに私ども思っておりまして、そういうホテルとか病院とかビルとか、そういうようなものの電源、熱源という形で実用化していくものと考えております。この分は平成五年度には一部商用化されるというふうに今企業が動いている面がございます。
 それに比べますと、この溶融炭酸塩型あるいは固体電解質型というのはもっと実は熱が高うなりまして効率がいいんですけれども、またその分だけ技術的に難しいということで、米国あたりはむしろ溶融炭酸塩あるいは固体電解質等を一生懸命今やっておりますが、これから特に固体電解質型になりますと発電効率も四五から六〇%あたり期待できると言われておりますけれども、千度以上千三百度といった高熱になりますので、まだ要素研究の段階でございます。この面でも日本がおくれているということはございません。
 それから、第三番目が石炭利用、特に石炭の液化でございます。特に水素をたくさんくっつけさせまして石炭というものを石油と同じ性状のものにいたします。これを私ども二つ今やっておりまして、一つが褐炭。褐炭というのは、御承知のようにそのままではもう今利用の仕方がない低品位炭でございます。賦存量は非常に多いんですけれども、水分が多い、自然発火しやすいというようなことで非常に利用は限られておる。これを液化するというということで、この一番右にございますように、この十年来オーストラリアのビクトリア州の褐炭の上に、その露天掘りの上に、ドライベース日量五十トンのパイロットプラントをつくり、研究をしてまいりました。ようやく昨年十月一応その研究が終わり、今後三年間かけて解体研究、データ解析等をやっていくということでございまして、千七百時間の連続運転も実証しましたし、油の収率も五〇%以上というような目標をクリアした成果を上げております。
 もし原油の価格が三十ドル台で安定して今後推移するというような状況になりますと、こういう液化ということが商業ベース、多分数千億、一兆円に近い投資が要ると思いますので、いや一時五十ドルになったけれどもまた十五ドルに下がっちゃったというような状況の中ではまだそういう商業化ということは不可能ですけれども、原油が三十ドル台でずっと今後も続かざるを得ないという事態になりましたら、石炭を液化して石油として使う。これはもう石油と同じ性状、むしろ軽中質留分は多いようなものでございますので、従来の石油の供給ネットワークの中にこれを組み込めるということになるのではないかと思います。
 ただ、これまでやりました私どもの実験はこの褐炭の液化でございましたので、もっと亜歴青炭あるいは歴青炭一般に通用する液化技術というものを確立したいということで、平成三年度からこれに着手することにいたしております。日量百五十トン処理するというようなパイロットプラントを建設し、これについては既に一トン・パー・デーぐらいの実験プラントで、NEDOL法と称しておりますが、NEDO独自の一つの方式というものをつくり上げておりますので、パイロットプラントでそれをエンジニアリング的に実験していくということを今後の課題としておるものでございます。それから石炭はもう一つがガス化発電という面で、これも従来の蒸気タービンだけじゃなくて、石炭を高温のガス状で一回発電し、もう一度その余熱で蒸気のタービンを回して発電する、これを複合発電と称しておりますけれども、技術の特徴の三番目にありますけれども、そうしたガス化発電によるいわば石炭利用の効率化ということで非常にこれは効果があるということで、勿来にこれのパイロットプラントを建設しておりましたけれども、これがようやく完成いたしまして、この四月から実験運転を開始する予定になっております。二万五千キロワット級のものでございます。これが石炭関係の現在私どもがやっております技術開発の主力でございます。
 四番目が地熱でございます。これはもちろんクリーンな自然エネルギーであります。今までにも二十七万キロワット日本国では地熱発電が行われております。しかし、日本国はこんなに火山国でございますし、地熱というのは非常に豊富にあり得るわけでございまして、この地熱の開発というものは私ども今後さらに力を入れていかなければいかぬというふうに思っております。私どもは従来技術のほかに、この地熱の開発の今後のいわば多様化、高度化の方向として、右にありますように二つの技術開発をしております。
 一つは、熱水を利用するバイナリーサイクル発電実証プラント、つまり今までは地熱の蒸気が噴き上がってくるそれを利用してタービンを回して地熱発電していたわけですけれども、蒸気ではなくて熱水が下にある、それがしかし噴き上がってこないというようなものについて、ポンプでその熱水をくみ上げまして、その熱で蒸気にしてタービンを回して地熱発電しよう。ところが、そのためにはそういう何百度という高温の中で作動し得るポンプが必要であります。そのポンプをダウンホールポンプと言っておりますけれども、その開発を現在やっております。この開発によって熱水利用ということでの地熱発電を進めたい。もう一つが、蒸気も水もない、しかし高温の岩体がある、岩の塊がある、その高温を何とか取り上げて発電に供したい。これを高温岩体発電システムと称しておりますけれども、この面も今実地にあるフィールドでそれが有効に取り出せるかどうかの研究をしておるところでございます。
 ただ、日本国でどういう地熱の分布があるのかということもまだ詳細に我々知り尽くしておりません。したがって、これはもっとより実践的に地熱発電を進めるためには、(2)にあります地熱探査ということが今後非常に重要になってくるということで、この面に力を入れたいと思います。地熱というものはやはり地下でございますので、どれくらいの容量があるのかというようなことがなかなかわかりにくい。それからやはり最後は減衰していくからまた別の井戸を掘らぬといかぬ。いろいろな問題がございまして、それからもう一つ、我が国では地熱というのが国立公園内にある場合が多うございます。したがって、その自然環境との調和というような形で地熱の開発をいかに進めていくかということ、これは非常に社会一般の理解を得ながら何とかそこの面での調和を図っていかなきゃいかぬ、この地熱開発についての大きな課題でございます。
 以上四つでございますが、その他風力発電、これは御承知のように、アメリカではカリフォルニア等でやっておりますけれども、日本では土地が狭いあるいは風向が一定しないというようなことでなお余り発展しておりませんけれど、何とかこれも効率的な風車開発というものでもっと現実に……。それから日本では風力がどのように分布しているかという調査もありません。したがって、そういう面も私ども今後調査に力を入れて、風力についてもできるだけの開発をしていかなきゃいかぬと思っております。それから、スーパーヒートポンプというのはこれはいわゆるヒートポンプのより効率的なもの、何とか開発をしたい。これは何にでも使えますが、その開発をしております。
 それから、次のページではいわゆる効率的な蓄電池、これを何とか開発したい、あるいはセラミックガスタービンの開発、それから超電導電力応
用、これも蓄電にも可能性があるわけですけれども、そういう研究もやっております。それから、第六が分散型、これからはこういう燃料電池にしても太陽電池にしても、オンサイト型の、分散型の電源になります。そうすると、それを広範な電力系統、配電系統、これとどう調和させてつなげるかというのが非常に大きな実用化の面での課題になります。そういう分散型の電源の電力系統への調和、そういうことについて今神戸の六甲で実験をしておりまして、先日諸先生方に一部御視察いただいたものでございます。
 それから、私どもとしてはこのエネルギーについての国際交流という面、これはもっと今後力を入れなくてはいかぬと思いますけれども、IEAとの連携、これは逐次深まっております。それから、プロジェクト協力という意味では豪州との褐炭液化もございますし、タイとの燃料電池あるいは中国の石炭資源開発あるいはインドネシアにおける太陽電池による村落電化、そういうことを今までやってきておりますけれども、これはもっと今後力を入れていかなければいけない分野だというふうに考えております。
 非常に簡単でございますが、以上、私どもの主要な部分を説明させていただきました。
#13
○会長(田英夫君) どうもありがとうございました。
 次に、茅参考人にお願いいたします。
#14
○参考人(茅陽一君) 東京大学の茅でございます。
 今、ほかの方々がそれぞれのエネルギー源ないしは技術につきましてお話がございましたので、私は少し違った面からお話を申し上げたいと思います。何かと申しますと、地球環境面からの制約という点について少し申し上げたいと思います。
 現在、湾岸戦争がございまして、供給面からの制約というのがエネルギー問題の中でかなり大きい問題であるという意識が人々にあるかと思いますが、長期的に見ますと、より大きな制約はやはり地球環境の問題であろうかと考えております。この地球環境問題というのは、環境庁の分類によりますと九つほどあるようでございますけれども、エネルギーという問題に対しまして直接的に関連が深いのは酸性雨の問題と温暖化の問題でございます。酸性雨問題に関しましては、少なくとも我が国につきましては、先ほどほかの参考人の方がおっしゃいましたように、問題はかなり解決されておりますので、温暖化の問題がやはり焦眉の急かと思います。
 この温暖化の問題というのは、先ほども御説明がございましたように、主として我々が排出いたします炭酸ガスが大気中で増加して、それによって地球の下部の大気が温暖化するという現象を指すわけですが、現在、世界的にこの問題が大きな問題として取り扱われております。この二月の初旬から約二週間、ワシントンでこの問題に対しましての最初の条約審議が行われました。この会議に関しましては、正直言いまして中身は余り決まらなかった。ただ、二つの作業部会を決めることになったという点だけがはっきりした結論でございまして、具体的な審議は今後になろうかと思いますが、今の予定でございますと一九九二年六月、ブラジルで行われる予定の第二回世界環境会議、これまでに条約についての合意を得たいということのようでございます。そういう意味で、この問題に関しましては今後一年半が審議の重要な期間になろうかと思われますが、昨年の後半から各国がいろいろな形での行動計画というのを発表しております。
 お手元にお配りしました資料の三枚目をごらんいただくとよろしいのですが、ちょっと最初の二、三枚はページが消えておりますので、ごらんになりにくいんですが、三枚目でございます。「世界主要国のCO2排出量抑制目標・見通し」というのが出ております。これがいわば一覧表でございます。細かいことは避けますが、読み方だけを申し上げますと、左側に国の名前がずっと並んでおりますが、そこに丸印がついておりますのは基準とする年でございます。例で申し上げますと、イギリスの場合、一九九〇年を基準点として考えるという意味でございまして、右側にさらに言葉がついてございますが、イギリスの場合には二〇〇五年までに一九九〇年のレベルで炭酸ガスの排出量を一定化するという意味でございます。あとは大体似たようなものでございますから、ごらんいただければよろしいと思います。
 いずれにいたしましても、こうした形で各国が行動計画というものを発表しておりまして、その前提条件で世界的にこの問題をどう扱うかという議論がなされているわけですが、大きなポイントは先進国間だけでかなり意見の相違があるという点でございます。西ヨーロッパ諸国の場合には、大体この問題に対しては非常に積極的でございまして、排出量を現在レベル程度に抑える、そして将来的にはさらに減らすという考え方を提示しておりますが、アメリカ政府の場合にはこの問題に対してはかなり消極的だと言うことができます。
 アメリカ政府の場合には、具体的に炭酸ガスそのものの抑制目標ということを提示することは避けておりまして、全体の温室効果ガス、これは炭酸ガスだけではなくて、フロン、メタン、その他も俗に温室効果ガスという場合も含むんですが、こういったものの総合効果を考えたときに、二〇〇〇年までに現状以上にはしないという考え方を出しているわけです。ですが、実はこの中の重要な一つのファクターと考えられておりますフロンにつきましては、世界的に二〇〇〇年までに全廃ということが定められておりまして、そういった側面から考えますと、アメリカ政府の場合には二酸化炭素、炭酸ガスの削減についてはかなりまだ消極的であると言った方がよろしいかと思います。ソ連の場合には、この問題に関しては現在公的な態度を打ち出しておりません。具体的に削減目標ということについて政府の人間が意見を言ったということはほとんど皆無かと思われます。
 我が国の場合には、お手元の四枚目、三ページと書いてございますが、そこにございますような地球温暖化防止行動計画というものを昨年十月二十三日に閣議決定いたしております。これは大ざっぱに申しますと、一人当たりの二酸化炭素の排出量を二〇〇〇年までに現状レベルに抑えるという目的でございまして、詳細はそこに書いてございます。
 この意見の差というものは実はいろんな要因がございますが、最大の要因は二酸化炭素、炭酸ガスという温室効果をつくり出すと考えられる主要なガスが、我々文明のほとんど必然に近い排出物であるということからきていると思われます。つまり、これを抑制しようといたしますと、いや応なしに我々の産業、エネルギー構造、さらにひいては経済に大きな影響を持つことになりかねない。アメリカ政府がこの問題に対して大変消極的なのは、この問題についての知識がまだ十分でないという側面もございますけれども、最大の原因はやはり経済に対して悪影響を与えるという見通しが強いためだと言われております。
 そのことをお考えいただくためには若干例をお話しした方がよろしいかと思いますが、一例だけを申し上げますと、その次に二枚ほど英文で書いたものがございます。四ページ、五ページでございますが、これはドイツ政府が公表いたしましたドイツの行動計画でございます。
 ドイツ政府は統一後、昨年十一月に閣議決定の形で行動計画を定めまして公表いたしましたが、それによりますと、二〇〇五年、現在から十五年の範囲で二酸化炭素の排出を二五%削減するという目標を公表いたしました。大変野心的な計画だと思いますが、内容を詳しく見ますと非常に大変な目標であるということがよくわかります。その四ページのところに実は細かい数字がいろいろ書いてございますが、炭酸ガスを減らすための方策を幾つかの要因で分けて数字で書いてあるものでございまして、それを見ると今の意味がわかるわけです。
 下の方に二つございますのは経済と人口でございます。GDP・パー・キャピタ、これは御承知のように経済成長でございますが、これが東ドイ
ツの統合もございまして、今後十五年間で五四%ぐらい伸ばしたい、かなりこれは高い目標だとは思います。人口はほとんど制御ができませんで、これはむしろ日本と違ってマイナス成長で一・六%減るということになっておりますが、エネルギーという側面からしますとその上にある二つ、C・パー・Eと書いたものとE・パー・GDPと書いたこの二つがポイントかと思います。C・パー・Eと書きましたのは実は単位エネルギー当たりの炭素集約度でございまして、簡単に申し上げますとどの程度炭素分の多い燃料をエネルギーの中で使っているかという指標でございます。その次のE・パー・GDPと書きましたのは、単位GDP当たりどれだけエネルギーを使うかという意味でございまして、エネルギー効率をあらわしております。
 そこに出ております数字は、十五年間でどれだけその値が変化するかということをあらわしたわけでございますが、C・パー・Eという炭素集約度を見ますとマイナス四・五%で、つまり四・五%低減するということになります。これは過去の値に比べますとかなり低いんですが、どういう意味かと申しますと、ドイツの場合石炭を大幅に低減することは十五年ぐらいの範囲ではなかなか難しい、といって原子力を大幅に伸ばすことも非常に難しいということから、現実にエネルギーの炭素集約度が余り下げられないということがあらわれておるわけです。そういたしますと、もう一つのエネルギー効率しか答えはございません。これが幾つになるかというと、そこにあるように四七・九%でございまして、これは年率に直しますとその次のページにございます絵のようになります。
 その絵は、各国の数字を表にまとめたものでございまして、十年ぐらいの長期にわたる年率を書いてあるものです。一番上は先進諸国の長期動向でございまして、大体年率一%ぐらいで改善されていくというのが過去の動向です。我が国はオイルショックの後十数年間で大変な改善を行いまして、これが年率にいたしますと二・八%になりますが、これは言うならば世界記録でございます。ドイツの今回の数字はその一番下にございます四・三%という数字になりまして、非常に大きな数字になります。つまり、ドイツのような二五%二酸化炭素削減という目標を実現しようとしますと、かつての我が国の輝かしい成功はおろか、それの一・五倍ぐらいの大変な省エネルギーを実現しなければいけないということになりまして、だれか考えてもこれは容易ならざる目標だということになります。そうした意味で、我々が抱えている炭酸ガス抑制という問題は非常に難しい目標だということがおわかりいただけるかと思います。
 その次に、もう一つ六ページというのがございますが、じゃどうすればよろしいのかということについてのもう少し計量的な計算の結果が出ております。これは何かと申しますと、先ほど私が申し上げましたように、世界各国、そして我が国が温暖化抑制のための行動計画をつくっておりますが、そういうことを現実に実行しようとするとどのぐらいできそうかということを別な形であらわしたものでございます。
 電力中央研究所はこれは民間の九電力出資の研究所でございますが、そこでエネルギーモデルを使いまして具体的にどれだけのことをしたらどれだけ二酸化炭素が抑えられるかという計算をしたわけです。これでございますと、左側に基準シナリオと書いたように、何もしない場合どうなるかという結果と、具体的に二酸化炭素の排出を抑えるために炭素税、つまり単位炭素量当たり幾らという税金をかけたらどうなるかというそういうシナリオの結果と、両方が書いてございます。炭素課税のシナリオの場合には、二酸化炭素の排出量が十五年ぐらい先でも現在と同じ、ふえないという設定になっておりまして、そのために必要な額が書いてございます。
 そこにございますように、毎年四千円・パー・カーボントンずつふやしていきまして、最後の二〇〇五年では六万四千円・パー・カーボントンになります。カーボントンで申し上げますとちょっとおわかりになりにくいと思いますが、一万円・パー・カーボントンという単位は、原油で申しますと大体一リットルの原油に八円税金をかけるというのと同じでございます。したがいまして、六万四千円というのは相当に高い税金であるということがおわかりになろうかと思います。このぐらいかけると初めて、そこにあるようにCO2の排出が現在とほとんど変わらない値になる。その場合、省エネルギー率は約〇・七%それから炭素集約率が約〇・六%、何もしない場合に比べて改善されるという結果が出ております。これはあくまでも一研究所の一モデルによる試算でございますから、このとおりになるかどうかは必ずしも言えません。ただ、一般的に二酸化炭素の排出を抑制するということが相当に大変なことであるということをこういった例でおわかりいただければと思います。
 我々の場合、もう一つの大きな問題といいますのは、短期的に二酸化炭素の排出を抑えることではなくて、長期的に温暖化をとめるということにあると考えております。そのためには、単に二酸化炭素の排出をこれ以上ふやさないということではなくて、減らさなければいけないというのが国際的な大体の意見になっております。どのぐらいかということでございますが、例えば現在の気候、これをこのままの形で保持したいという要請が仮になされたといたしますと、二酸化炭素の世界全体での排出量は六割以上減らさなければいけないというのが大体科学的な合意になっております。さっき申し上げましたような現在レベルで先進国で二酸化炭素の排出量を安定化することが相当に大変だというのに比べますと、非常に難しいターゲットであるということは言えるかと思います。したがいまして、これを実現しようといたしますと、我々は長期的なかなり思い切った努力をしなければならないということになります。
 七ページに絵が一つ出ておりまして、地球再生計画と書いてございます。これは御承知かと思いますが、通産省が提案いたしまして昨年六月のサミットに提出されたものでございます。そこにございますような形で二酸化炭素の排出を減らしていく必要がある、そのためにいろいろな努力をすることが必要だという絵でございますが、じゃ何をすればよいのかということになります。私が申し上げたいのは、こういったことを実現するためには従来以上に思い切った技術、長期的な技術についての技術開発が必要だということでございます。
 八ページをごらんいただきたいんですが、八ページにそのための方策が幾つか書いてございます。
 エネルギー技術につきましては、先ほど岩崎参考人の方から御説明がございましたので、詳しいことは省かせていただきますが、そこにございましたような技術だけではなくて、より長期的な技術も必要かと思います。例えば太陽光発電、現在の段階では、その発電した地点で使うという形ですべて考えられておりますが、実は先進諸国のロケーションというのは中緯度地帯でございまして、太陽光の利用効率は非常に悪いわけです。したがいまして、長期的にはより太陽光がたくさんとれると言った方がよろしいと思いますが、場所、具体的に申しますと南の砂漠あるいは海洋、さらに長期的に言えば宇宙空間といった形で太陽のエネルギーを採取いたしまして、それを利用地点に輸送するという技術も必要かと思います。これについては現在の段階でいろいろなサーベイが行われておりますが、コスト的にはもちろん現在の段階ではかなり高くなります。しかしながら、そういった長期の技術も現在の段階から開発を進めるのが必要かと思います。
 その次にございます二酸化炭素回収処理技術というのは長期でございますけれども、数十年のスパンのものだと私は思っております。つまり、未来永劫続けるべき技術ではないが、少なくとも百年の範囲ではどうしても使わざるを得ない技術ではないかということでございます。と申しますの
は、我々現在エネルギーの九〇%弱を化石燃料に仰いでおりまして、特に先ほどもお話にございましたように、中国、ポーランドといった発展途上にある国々はほとんどのエネルギーを石炭に仰ぐという状況が続いております。こうしたときに温暖化という理由で直ちに石炭を取り上げることは不可能に近い。となると、やはり排出された二酸化炭素を何らかの形で回収処理しなければ答えにならないわけです。
 この技術はかなり大変な技術でございますが、現在いろんな形での検討が始まっております。最大の問題点は、回収だけではなくて、具体的にどこに回収した二酸化炭素を投棄するかという問題になりますが、現在深海溝、例えば日本の場合ですと日本海溝といった場所になりますが、そういった海とそれから廃ガス田、廃油田といったものが想定されております。詳細は省かせていただきますが、我々の算定からしますと、数十年の範囲ではかなり実用化できる技術ではないかというふうに考えております。
 そして、さらにその下にございますように、長期的には我々自身の持っているエネルギーシステムの形全体を大きく変えていくことも必要ではないかと考えております。つまり、化石燃料というものを中心にして築き上げてきた我々の文明でございますけれども、この化石燃料から排出する二酸化炭素が温暖化を促進するということになるならば、やはり化石燃料中心の今までの形を変えざるを得ない。そのためには都市の形態も変えなければいけないかもしれないし、家の形態も現在よりもより太陽のエネルギーを利用できる形に変えなければいけないであろう。そういった形でいろんな部分でシステムの改革ということが必要になります。
 これにつきましてはいろいろな現在アイデアがございまして、次のページにございますのはパッシブソーラーハウスと言われまして、太陽のエネルギーをいかにより有効に使って住宅としてのエネルギーを減らすかというシステムの例でございます。
 一番最後に、そういったことを考えますとどんな形で将来の我々の文明がエネルギーを供給されるかというコンセプトだけを書いてございます。これはあくまでも私の個人の見解でございますので、どの程度このようになるかはわかりませんけれども、現在の我々の置かれた状況を考えますと、こうした数十年ないしそれ以上という超長期のエネルギー開発というものに我々は真剣に立ち向かうべき時期に来ている、こう考えております。
 以上でございます。
#15
○会長(田英夫君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#16
○会長(田英夫君) 速記を起こしてください。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#17
○菅野壽君 本日は、我が国におけるエネルギー供給構造のあり方について、それぞれ供給側を代表されまして参考人の皆さん方から忌憚のない御意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 前もってお断りしておきますが、私の質問申し上げることが先ほどの御説明と重複する点があると思いますが、よろしくどうぞお願いいたす次第であります。
 まず、高木参考人からお伺いしたいんですが、現在我が国の石油輸入の七〇%を依存しております中東における湾岸戦争を契機として国民のエネルギーに対する関心が非常に高まっているものと考えます。そこで、長期エネルギー需給においては原子力による電力供給目標を、一九八八年度のシェア二七%から二〇〇〇年度には三五%、二〇一〇年度には四三%の実現を目指すと言われておりますが、今後原子力発電は、計算上は確かに年間二基、約二百万キロワットの新設をすることになっております。これは事実上不可能ではないかという説もありますが、業界としてどのように対応していかれるのか、ちょっと承りたいと思います。
#18
○参考人(高木勇君) 確かに菅野先生おっしゃいますように、今の我が国の社会情勢が原子力に対して非常に厳しい環境にあるというのは偽らざるところがございまして、私ども電力業界としてもこれを本当に厳しく受けとめております。
 ただこの目標は、先ほど来参考人の諸先生方のおっしゃるいろいろな側面からも、ぜひとも達成しなければならない私どもの使命だと深く認識しておる次第でございます。ともかくこれを達成しなければ私どもの責任が果たせないんだ、二十一世紀につながらないんだというような深い覚悟で石にかじりついても何とか達成したい、このように思っている次第でございます。そのためには、基本的には各個別電力がそれぞれの計画に従って立地を推進していくというのがあくまでも基本でございますが、業界全体としてもどのようにこの原子力についての御理解を賜っていけるかということをやはり絶えず協議しながら、知恵を出し合いながら何とか達成していきたい。そのためには、何と申しましても私ども業界の信頼をかち得ることというのがこれはもう最大のポイントだと思っております。
 したがいまして、原子力問題というのを、原子力だけではなくて、今までもるる御説明がありました日本のエネルギーあるいは世界のエネルギー、それから環境問題その他いろいろな大きな面からの一つとして原子力をとらえまして、国民の皆様とともに問題点を赤裸々に情報公開いたしながら、どうすればよいかということを一緒に考えていただくというような謙虚な姿勢で何とか原子力に対するパブリックアクセプタンスを得たい、そして目的を達成したいと思っているところでございます。そのためには、何と申しましても安全運転の実績の積み重ね、安全性についてはもうどこまで厳しくやってもこれで十分ということはないんだと思われるぐらいの配慮というのを加えて、何とかこの目標を達成していきたい、このように思っている次第でございます。
#19
○菅野壽君 次に、最大電力需要の年度別推移を見ますと、平均伸び率も三・一%と見込まれております。仮に一時的にせよ供給が追いつかないような場合を想定して、最近の最大電力需要に対する供給量のアローアンス、電力各社間の融通量及び一定の条件による産業用の電力使用停止などの現状、電力需要平準化のための措置とその効果についてお伺いしたいと思います。
#20
○参考人(高木勇君) これは昨年の夏がかなり厳しい状況でございましたので、その時点の実態を申し上げることでお答えになるかと思います。
 昨年の夏は異常な高気温でございまして、電力需要は従来の予想を上回る伸びになったわけでございます。八月七日でございますが、全国最大一億四千二百七十万キロワットというのを記録したわけでございます。昨年の夏の全国供給予備率というのは九・八%ということにして確保することで計画がなされていたわけでございますが、当日、この猛暑による需要の伸びに対しましては、一応この予備力を活用することで乗り切ることができたわけでございます。予備率は三・四%まで下がったわけでございますが、一応乗り切ることができた。そして、当日は全国から東京電力、中部電力に向けましてこれを中心に応援の融通を行いまして、最大で六十万キロワットの融通で対処したわけでございます。
 ことしの夏につきましても、需給両面にわたるいろいろな措置を講じつつ電力需給の安全確保に万全を期する所存でございます。
 大規模な産業用需要を対象といたしましては、電力会社の需給状況によりまして緊急に大幅な負荷の抑制を図っていただける制度もございます。例えば、電力会社からの当日の通告によりまして緊急に負荷調整を行っていただく緊急時調整契約、昨年はこれもかなり活用したわけでございますが、全国で現在約二百万キロワットの契約をい
ただいております。つまり、通常は料金はこのために少し安く割り引いておいて、こういうときに緊急に対応していただくという制度でございます。
 このような緊急の場合以外でも、ベース的に季節間とか昼夜間の電力格差を縮小するためにいろいろな料金制度の充実というものに努力しているところでございます。例えば、昭和六十三年からは大口の産業用需要に対しまして季節別時間帯別電力料金制度といったようなものも導入しておりますし、そのほか最近では、昨年十一月に家庭用を対象といたしました時間帯別電灯料金制度というのを設けたところでございまして、これからもいろいろな面でこの負荷平準化というものに努力していく所存でございます。
#21
○菅野壽君 次に、電力の供給側から見た場合、熱効率の改善と既存施設の更新、容量の拡大、さらには蓄熱技術の開発が必要と考えられますが、これらの点について現状及び将来の取り組み方をひとつ教えていただきたいと思います。
#22
○参考人(高木勇君) 電力の供給側から見た場合の熱効率の改善でございますが、化石燃料を使用する火力発電所は絶えず熱効率の向上を最優先に技術開発を進めてまいりました。既に現状の火力発電所は熱効率が四〇%ぐらいで頭打ちになっているわけでございますが、さらに熱効率を向上させる技術といたしまして、従来の蒸気タービンとガスタービンを組み合わせましたコンバインドサイクル発電方式の導入というのを昭和六十年ごろから進めてきております。このコンバインドサイクル発電と申しますのは、熱の多段階利用によりまして熱効率が四三%程度となっているわけでございます。さらには、千三百度Cぐらいまでの高い温度のガスタービンを使用することによりまして熱効率が四七%以上期待される高効率コンバインドサイクル方式というのを九〇年代半ばには導入、実用化できる計画になっております。
 一方、古く経年化が進んでいる火力発電設備でございますが、これはIEAの国際的申し合わせで新規電源立地は制約されているわけでございますが、既設火力の有効活用というのを図っていくことが今後の課題となっているわけでございまして、このために既設火力設備の活用を検討する場合、最新の技術を駆使しまして熱効率の向上と出力の増強が同時に得られる方策ということで、既設設備を最大限有効に使用すると同時に、ガスタービンを追設してコンバインドサイクル化するといったような技術の適用といったようなものに取り組んでおります。
 そのほか、既設設備の更新、容量拡大ということでは、これは水力の更新による容量アップとか、それから燃料転換、石油からLNGとか石炭に燃料を転換しての容量アップというようなものも実施いたしております。それから蓄熱技術の開発でございます。これは長い目では先ほどNEDOの岩崎参考人からもいろいろお話があったわけでございますが、都市部における熱需要に対応するためには、ヒートポンプによる排気ガスとか地下鉄の排熱あるいは河川水などの未利用エネルギーの利用技術と、それから燃料電池を中心といたしました熱電併給システムの開発、普及といったようなものを進めようとしております。
 需要面におきます省エネルギー対策といたしましては、電気自動車だとかスーパーヒートポンプなどのエネルギー有効利用機器システムの開発、普及というものを進めまして、国全体の省エネルギー対策に貢献していきたい、このように努力している次第でございます。
#23
○菅野壽君 次に、柴崎参考人から承りたいんですが、長期エネルギーの需給見通しによりますと、二〇〇〇年度及び二〇一〇年度の天然ガスは一九八九年度のシェア一〇%から一〇・九%、一二%と増加することを予想されておりますけれども、また導入に当たっては契約形態の弾力化と新たな価格形成の構築、輸送体制の整備、供給源の多様化、資源開発などが課題とされております。今後とも長期安定的に供給を確保するためにはいずれも解決しなければならない重要な問題があると考えますが、現状と将来の対策についてお伺いしたいと思います。
#24
○参考人(柴崎芳三君) 御説明申し上げます。
 まず、契約の弾力化の問題でございますが、テイク・オア・ペイというLNGの契約に特有の条項が組み込まれておることは先生御承知のとおりでございますが、何分LNGの契約というのは二十年ないし二十五年という大変長い契約でございますし、また生産側も受け入れ側も大変な設備投資を要する大きなプロジェクトになっておるものですから、生産側では投資の回収という点に非常に重点を置きまして、また受け入れ側では供給の安定性という点を重点に考えておりますので、それらの考え方が結びついてテイク・オア・ペイという条項も挿入されておるわけでございます。これは見方によりますと、入手の長期安定という意味で非常に役に立つ条項でございまして、特に石油危機の段階ではその条項が働きまして大変安定的な供給に役に立ったわけでございます。
 しかし、ある面では非常に拘束的な性格も持っておるものですから、受け入れ側としても生産側といろいろ御相談をいたしまして、現在ではこのテイク・オア・ペイの運用について相当の緩和がされておるのが実態でございます。我々これをテイク・オア・ペイのアローアンスというぐあいに言っておるわけでございますが、もし取引がなくても払うというのがベースになるわけですが、年間の取引量について数%ないし一〇%以内のアローアンスがございまして、現在までこのテイク・オア・ペイの条項で入手しなくて払ったというケースはございません。そういう意味で双方の了解のもとに契約の弾力化ということはどんどん進んでおります。
 また最近では、アルジェリアからの輸入あるいはインドネシアからの増量輸入についてはテイク・オア・ペイの条項は入っておりません。そういう意味で双方の努力によって目に見えて改善されておるというのが実態でございます。
 それから価格の点でございますが、価格は一応石油価格と連動しておりまして、日本に入着する石油価格の総平均と連動してLNGの価格も決まるということになっておるわけでございますが、その点につきましていろいろ相対的な価格でLNGが高過ぎるという御意見もございます。したがって、そういう点についてはまた生産側と十分相談いたしまして、例えば輸送方法についていろいろ合理的な方法を考えることもできるわけでございますし、あるいは生産側の気化設備その他についていろいろこちらからの技術の提供というようなことも考えられまして、そういう相互の合意に基づきましてできるだけ絶対的なコストを下げる方向で現在努力しておる最中でございまして、そういう効果も徐々にあらわれてきておるのが実態でございます。
 また輸送方法につきましては、海上輸送については生産側の方から、今までは大体生産側の船で送られてきたんですが、受け入れ側の方で船を用意してほしいというような要望もございますので、徐々にそういう体制をつくるべく、受け入れ側の方でも現在体制を整備しておる最中でございまして、今後割合近い将来そういう形で輸送の合理化が行われることになろうかと思います。
 また、国内に受け入れてからの輸送方法でございますが、パイプラインで輸送するわけでございますが、現在、東京、大阪、名古屋の基地の周辺のパイプラインは相当程度完成しておるわけでございますけれども、その範囲をさらに広げた、いわゆる周辺地域に対するパイプラインはまだ非常に不十分でございますし、また相互につながるパイプラインも不十分でございます。これらは今後の非常に大きな問題として解決しなければならないわけでございますが、何分にもパイプを道路に敷くという問題は日本の狭い国土では大変難しい問題がありますので、国のいろいろの対策をぜひ要望したいわけでございます。
 それから多様化の問題につきましては、先ほど御説明いたしましたように、環太平洋ということで最大の努力をいたしまして、この点については
相当の効果が上がって安定しておるということは言えると思います。
 それから資源の開発につきましては、現在までまだLNGについてはアップストリームに対する資本参加という点は余り行われておりません。しかし、これから長い将来を考えた場合には生産国と共同の上でアップストリームに対しましても日本の資本を投下いたしましてやる必要があるということで、これは石油公団その他とも非常に密接に関連のある問題でございますが、政府の関係方面の御指導を得まして、そういう形で解決していきたいと考えておる次第でございます。
#25
○菅野壽君 次に、地方都市ガス事業の天然ガス化を促進するため天然ガス導入促進センターが設立されています。それで所要の税制、財政措置等が講ぜられておりますが、しかし、ただいまお話があった受け入れ基地・輸送導管建設、器具の高カロリー化作業など、小規模事業者にとっては過大な負担となるため助成策の強化が必要とされておりますが、現状とその見通しについて伺いたいと思います。
#26
○参考人(柴崎芳三君) 御説明申し上げます。
 天然ガス導入促進センターは昭和六十年に発足した財団法人でございまして、三つの大きな仕事をやらせていただいております。一つが利子補給という仕事でございまして、これは天然ガス転換をする場合に一戸当たり約八万円かかりますので、それを銀行から借り入れて実行した場合に金利の部分について三%補助をしましょうということで、三%の補助をやっていただいております。
 それから第二の点は技術の援助でございまして、地方ガス事業者は技術的にまだ非常に転換に関しましても不十分な点が多分にあるものですから、天然ガス導入センターには東京、大阪、東邦の大手三社を中心にして優秀な技術屋さんに出向してもらいまして、その出向者を中心にいたしまして転換作業のあらゆる点について技術指導をする。その出向された人員については人件費を相当程度国で補助していただくという対策がとられておるわけでございます。
 それから第三点としては、いろいろ基本的な調査をいたしまして、地方ガス事業者が天然ガスを導入する場合にどの地域をどういうぐあいに組織化したら一番合理的にいくか、あるいはその周辺にある大口需要家に対してどういう形で供給体制をとったらLNG転換で投下した資本が回収でき、かつその需要家にもメリットを還元できるかというような調査を克明にやりまして、委託調査費を相当多額に支出していただきまして調査を進めておる。
 この三つの柱で地方の都市ガス事業者の天然ガス転換を大いに奨励しておるというのが実態でございます。
#27
○菅野壽君 ありがとうございました。
 次に、高瀬参考人にお聞きしたいんですが、近年我が国における石炭の生産量は減少傾向を示しております。平成元年には九百六十三万トンでございましたが、輸入は一億一千万トンとなっております。このため業界として海外炭の開発、新規事業開発など構造調整に努力していらっしゃると聞いておりますが、具体的にはどんな内容でございますか、伺いたいと思います。
#28
○参考人(高瀬郁弥君) お答えします。
 石炭業界は既に六百万トンの海外炭を取り扱っております。そして、それをベースにして今後プロジェクトを進めていきたいというふうに考えております。各社は現在、入れておるのは豪州、アメリカ等でして、今後は、現在かなりの手持ちのプロジェクトがございますのでそれを実現していきたい。それからまた、業界としてはやはり単独ではかなり問題もあるものがありますので、協業という形でやっていこうということで考えておりまして、その辺についての考え方の整理を今行っているところでございます。
 それから国内の経営の多角化でございますが、これは山元の周辺にたくさん工業用地がございます。したがって、そこで既存事業の拡大、それから新規事業の創設をしたいというふうに考えておりまして、その内容はいろんなことになっておりますが、当面は公共一般土木とか採石を含む建材、それから炭鉱設備を活用した事業がかなりできますので、それをやる。それからホテルを含むレジャー産業へ進出するということで考えておりまして、政府の方の産炭地対策の一環ということで助成策の強化をしていただいておりますので、将来実現の可能性が出てくるというふうに我々は思っております。
#29
○菅野壽君 ありがとうございました。
 次に、岩崎参考人にお伺いしたいんですが、石油に対する依存度の軽減を図るための代替エネルギーに関する技術開発は、現在我が国のエネルギー対策にとって最も期待されておるところでございます。最初に、新エネルギーあるいは再利用エネルギー技術開発などのうち、現在最も実用化のテンポが速く、しかも経済的にすぐれているものはどういうものでしょう。現状とまたその課題と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
#30
○参考人(岩崎八男君) やはり規模がどの程度かというのはまた今後の進展にもよりますけれども、実用化という面では私ども一番期待しておりますのは燐酸型の燃料電池でございます。これを今ホテルプラザでの一種の運転の安定性といいますか、そういうことをいわば実証しておるわけでございますけれども、コスト的には十分実証さえできればペイするものだというふうに思っておりますので、これをできるだけ独立電源として利用できるようにする。いろいろ問題はございます、そういう場合に電力系統とのつながりをどうするのか。やはり全く独立してということになりますと、緊急時の不安定さがありますので、どうしてもそういう系統電力にも依存しなきゃいかぬ。そのときに、系統電力にそのために必要ないわば発電増というもののコスト、それを通常は払わないわけですから、そういう面での電力料金体系等の問題にもなってまいりましょう。
 したがって、この分散電源、独立電源というものを意味あるウエートのものにしていくためには、いろいろ制度的にも今後担当官庁等で御配慮いただかなきゃいかぬ問題が多いのですけれども、燃料電池、それから地熱もこれもまたいろいろ実際問題としては偏在をしております。我が国で言えば北海道なり九州なりというのが多く、中部、中央地区というのは比較的まだ少ない。これは今後むしろそこの可能性をより調べぬといかぬと思っておりますけれども、これもそういう制度的な要因あるいは知見の増加さえあれば、ある程度今後ふやしていけるものだと思っております。
 太陽電池については、ややそういう意味ではまだコスト的に近づきがたい面があるというふうに思いますけれども、これも逆にまた需要がないから大量に生産できないという悪循環面もございます。したがって、最初の起動力としての需要をどうつけてやるかということでどの程度コストが下がるのかということをもうちょっと考えていかぬといかぬと思いますし、そういう需要というのは必ずしも国内だけではなくて、先ほど茅先生もおっしゃったように、国外で、日本みたいにこんなに系統電力が発達していないところで、例えば発展途上国の無線通信の連係というようなものは当然今でも独立電源で太陽電池という発想あるいは需要が発生しておりますし、あるいは砂漠に大きな太陽電池の発電ステーションをつくるということだって考えられないことではございませんし、いずれにしろこれは技術の開発と、もう一つはそうした一つの工場で十万キロワット・アワーぐらい太陽電池をつくるぐらいのそういう規模のまとまりというものがどうやってできるかというようなことも課題かと思っております。
#31
○菅野壽君 次に、茅参考人からお伺いしたいのです。
 環境問題についてお伺いしたいのでございますが、地球温暖化を含めた環境問題を解決するためには、ライフスタイルを変更してエネルギー、水等に対する環境税のような課徴金を創設して環境保護に充てる。それから、熱効率が五〇から六〇%以上の革新的なエンジン、空調システムの開
発、あるいは欧米と比較して三十年もおくれているとも言われている地域の冷暖房システムへの燃料電池の導入等、社会システムの構造なども決め手であるという意見もありますが、他にどのようなお考えを持っておられるか承りたいと思います。
#32
○参考人(茅陽一君) まず最初の環境税というお話でございますが、先ほど申し上げました炭素課税、炭素税というのは実際には環境税の一つであると考えてよろしいかと思います。ただ、厳密に申しますと環境税というのはほかのタイプの環境問題に対してもかかるわけでございますので、その意味ではやや広義の概念だと思いますが、私個人としては、いずれにいたしましても何らかのそういった税制を導入しないと、現実には今の温暖化のような問題に対しては対応できないのではないかというふうに考えております。現実に現在ヨーロッパ諸国ではこの炭素税、環境税とまで言っているところはそれほど多くないんですけれども、そういった議論をしているところはかなりございます。またスウェーデンはたしかことしから導入しようと考えておると聞いておりますが、そのようなことで我が国でもこの問題は早急に議論をすべき問題だと考えております。
 それから、二番目の社会システムの構造変化という問題でございますが、これは私も同意見でございまして、先ほどちょっと申し上げましたように、我々が今問題としております温暖化の問題というのは、炭素燃焼という、人類がプロメテウスの昔から味わってきたやり方、これを変えろと言われていることに等しいわけです。その意味で言いますと、今までのライフスタイル、今までの都市の構造、住宅の構造、そういったものを何にも変えないで対応できるとは正直言って私は思えない。その意味で今後はいろいろな形での社会構造の変化というものが必要になってくるかと思います。
 お話にございましたような効率の改善というのは当然のことでございますけれども、それだけではなくて地域冷暖房、これが最近大分はやり出してはおりますけれども、こういったものを積極的に推進することも必要でございますし、私がそれ以上に大事だと思っておりますのは、今後の新しい町あるいは住宅というものをもっと自然調和型につくっていくべきである、そのためのさまざまな技術的な開発と同時に政策的な対応も考えていってほしいというふうに考えております。
#33
○菅野壽君 終わります。
#34
○平野清君 参考人の皆さんには大変お忙しいところを貴重な御意見をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございます。
 資源エネルギーの問題ですけれども、ますます増大する需要、例えば車の数はどんどんふえる一方ですし、大型化が要求されてきている。それからテレビも大きくなる、それからエアコンもどんどん発達してまいりますし、家庭にも乾燥機などが入ってまいりますし、それからワープロなどもどんどん入ってまいります。そのように需要がどんどん進んでまいりますから、その供給というものが大変大きな問題になってくるわけですけれども、その反面で地球の温暖化を防がなければいけないという表裏一体的な問題が今起きているんだろうと思うんです。
 まず、参考人の皆さんにお一人お一人聞きたいんですけれども、時間が制約されまして御指名できない場合があると申しわけありませんので、これはもう大変失礼な言い方ですが、どなたでも結構ですが、これは自分の問題だというんで手を挙げてお答えいただきたい。ということは、さきの日米構造会議で、日本は今後十年間に生活関連のいわゆる社会資本充実ということで三百四十兆円もの支出を約束しているわけですね。それで、私企業の方もいらっしゃる、財団の方もいらっしゃる、教職にいらっしゃる方もいらっしゃいますけれども、生活関連の社会資本充実の中で、今資源エネルギーの問題でこれだけは社会資本充実のために政策的にやるべきものがあるんじゃないかということがありましたら、率先して手を挙げていただいてお答えいただきたいのですが。
#35
○参考人(高瀬郁弥君) 我々のところも今、構造調整に従ってかなり産炭地域の開発問題を議論しておりますが、産炭地域は基盤整備が若干というより非常におくれております。したがって、産炭地域の基盤整備事業にかなり傾斜をかけていただければこの産炭地域に企業が立地でき、地方都市も人口減に悩むことなくそういう問題を解決する基盤になると考えておりますので、ぜひ産炭地域への傾斜をしていただければ我々の転換は早くいくというふうに考えております。
#36
○参考人(高木勇君) 一つだけ申し上げますと、これからやはりいろいろクリーンエネルギーというものをできるだけ利用していかなければならないということで、未利用エネルギー、先ほどの都市の排ガス、地下鉄とかあるいは河川水とか、そういったようなものをできるだけ利用するためのいろいろなインフラの整備というようなものにもぜひ御利用いただければと思っております。
#37
○参考人(柴崎芳三君) 先ほども触れましたけれども、LNG、天然ガスを普及させるためにパイプラインが必要なのでございますが、およそ欧米各国と比べて産業施設で一番おくれておるのはこのパイプラインシステムであろうかと思います。それは、我が国に天然ガスというものが資源として存在していなかったためにパイプラインの必要性というものが今までは余りなかったわけでございますが、これから省エネルギーなりあるいは環境問題と取り組むために天然ガスの必要性がますます高まるとすれば、それを一番合理的に運ぶ手段はパイプラインでございます。
 したがって、これは現在の東京、大阪、名古屋の周辺のパイプラインを整備すると同時に、その間を結ぶパイプライン、ナショナルパイプライン的なものでございますが、その二つの需要がございまして、非常に多額の金額を要するものでございますので、公共的な性格というものも取り上げていただければ、生活関連という形で多分対象として適格になるような性格を持っておると思うのでございますが、この点ぜひ御検討願いたいと思うわけでございます。
#38
○参考人(岩崎八男君) いずれも我が田に水を引くようでございますけれども、私は公共事業という概念自体が固定化し過ぎているんではないかと思っております。長期の技術開発、これはいずれも十年前後かかるものでございますけれども、そういう技術開発というもの、そういうソフトの分野、そういうものを公共事業と同じような発想の中に入れるということがございましたら相当国の政策も自由になってくるんじゃないかというふうにかねがね思っております。
 公共事業が何で景気対策その他に使えるかというと、ダムでも道路でも、調査段階のものが何十ある、土地買収段階のものが何十ある、実施段階のものが何十ある、こういうことで非常に重層的かつ長期的な計画がありますものですから、じゃ今度ここまでやろうという加速や減速が比較的やりやすいということで、すぐそういうハードウェアの公共事業に今までなりがちだったと思いますけれども、やはりこういう技術開発も各分野分野で長期計画というものを国でむしろ認めておいていただきまして、これはもうブループリントができておる、これはもう部品発注ができておるとか、そういうものが体系的に全省庁的なものができておりますと、これを総括的に加速、減速するようなことが可能ではないかと思っておりまして、ぜひそういう公共事業というものの概念みたいなものを少しソフトの部分にも広げて考えていただければなというふうに思っております。
#39
○平野清君 四方から思わずお答えいただきましたので、申しわけありませんが、教職におられる茅先生としては今の問題にはどう……。
#40
○参考人(茅陽一君) 私は、やはり自分の田に水を引くことになってしまうのかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、長期的に我々の抱えているエネルギー、環境問題を解決するためには、やはり民生用のエネルギー、都市・住宅というもののエネルギーをもっと自然から使わなけれ
ばいけないと考えております。そういった意味では、現在の都市、現在の住宅というのは自然から遊離した形になっておりまして、非常に長期的なビジョンから見ますと、はっきり言えば望ましくないと考えております。
 その意味では、最近建設省が環境共生住宅というコンセプトを打ち出しておりますが、それに限らず何かもっと自然との調和をねらうような都市あるいは住宅というものの開発にやはり政府としても乗り出してほしい、その意味では少しでも新しい町づくり、住宅づくりの中にそういったコンセプトを入れることに投資を割いていただきたい、そういうふうに考えております。
#41
○平野清君 ありがとうございました。
 この調査会というのは普通の常任委員会と違いますので、大変貴重な御意見をいただきまして、私、個人的には何とも申し上げられませんが、ほかの委員の方ともお話しして、ぜひ中間報告なりにそういうお考えを入れるように努力していくべきだなというふうに今痛感しました。
 それでは、電力の高木参考人にお伺いいたします。
 先ほどから原子力発電の重要性、これから増設をしなければいかぬということを大変力説されました。原子力発電の占める割合というものはこれからますます大きくなると思うんですが、不幸にしてああいう美浜事故みたいなのが起きてまいりますと、国民の不安というのはそれに伴って増大するのは当然だろうと思うんですけれども、この間の十二月発表の総理府の世論調査によりますと、原子力の必要性は大方の国民が認めているわけですね。ただし、原子力に対する不安は九〇%の人が持っているという数字が出ております。
 そこで、私ここへ来るちょっと前にポストに入っていたので持ってきたんですけれども、ある電力関係の政策研究会のリポートなんですが、美浜原発二号機の事故についてマスコミの過剰反応にどう対応するか、かねて原子力発電の事故の報道に熱心な○○新聞――これははっきり名前を書いてあるんですが、ここでは申し上げません。○○新聞のごときは、連日トップでこれを取り上げている、非常にマスコミの対応はおかしいというようなことまで出ているんですが、その原子力発電に対する国民へのPR、それからマスコミへの対応をどういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
#42
○参考人(高木勇君) 当事者といたしましては、なかなか大変難しいお答えにならざるを得ないと思うのでございます。
 いずれにいたしましても、先ほどもちょっと触れましたように、エネルギー無資源国の日本とまことにそういう点では似ておりますフランスなどは、オイルショック以後、全政党、政府、それから国民、それからいろいろな広報機関、全部ナショナルセキュリティーというものを最優先させまして、これはミッテラン大統領かあるいはジスカールデスタン大統領か、ちょっと忘れたのでございますが、アラブの指導者よりも自国の科学者、技術者を信ずるというようなことまで言っております。現在は電力の七五%まで賄えるような原子力を推進して、まあチェルノブイリだとかTMIの事故というのはこれは論外なのでございますが、そのような事もなくやっておられるという実態などを見ますと、またほかの諸国もいろいろと推進しております。
 そういう意味では、日本というのは非常に先進民主主義国と申しますか、言論の自由とか国民のいろいろな意見が十二分に反映できるというこれはすばらしい国なんだろうと思います。それだけに、非常にいろいろと原子力の開発、推進といったようなものについては相当のやはり努力もしなければならない、PAの努力も必要とするというのはこれはもう代償として当然なんだろうと思います。
 私どもはその推進、開発を進める当事者といたしまして、あくまでも謙虚に、誠心誠意すべての情報公開、先ほど申しましたように国民の一人一人に考えていただくというようなことを主眼に、原子力の運転につきましてはもう何はともあれ安全第一の姿勢というものを理解してもらうように努力を積み重ねてやること以外にはないと思っておりますし、必ずそれでだんだんとやっていけるんではなかろうかという自信を持って取り組んでおる次第でございます。
#43
○平野清君 ぜひPRに力を入れていただきたいと思うんですけれども、ただ安全だ安全だと言っても、一般の市民にはどこが安全なのか、どこまで安全なのか、ちょっと大変わかりにくいと思うんですね。今後もあらゆる機関を使って一般市民にわかりやすい広報をしていただきたい。
 それから私、これは素人考えですけれども、原発の事故が起きたりなんかして空中写真やなんかでテレビに出ますけれども、どの原発工場を見ても何か物すごくいかめしいんですね。やっぱり空からぼんとこれが原子力発電工場だというと、おっかないような気がするんですが、ここをもうちょっと何か考えて、設計面とか立地面とか、もう少し時代に即応した建物というのは、素人的な質問で大変申しわけないんですけれども、そういうことはあり得るんでしょうか。
#44
○参考人(高木勇君) 大変貴重な御意見を賜りました。設計とかデザインとか、あるいは色彩とかいろいろな、緑化等ではできるだけそういう努力はしているのでございますが、親しみのあるサイトというものを今後とも心がけてまいりたいと思います。
 それから、今先生おっしゃいましたように、わかりやすくということ、これにもちろん私どもこれから最大の努力を傾注していきたいと思っております。
#45
○平野清君 どうもありがとうございました。
 それでは、ガスの柴崎参考人にお尋ねをいたします。
 液化天然ガス、いわゆるLNGの輸入がどんどん拡大してこれから大きな主力になるというお話ですけれども、ちょっと素人的に不思議に思うのは、その輸入価格ですが、石油、いわゆるオイルと値段が連動しているということをこの間の調査に行ったときにお聞きしたんですが、確かに中東戦争なんか起きてオイルが足りなくなってくれば、足元を見られるというか、そういう言葉がちょっと当たっているかどうかわかりませんけれども、天然ガスの値段が上がっていく。長期的に契約していて値段だけが常にオイルに連動していくということにちょっと疑問があるんですよね。もうちょっといろんな輸入国もある程度結束して産油国とうまく値段交渉なんというものができないのかどうか、その現状と今後の見通しということについてお知らせいただければありがたいと思います。
#46
○参考人(柴崎芳三君) 原油と連動するという考え方でございますが、これはやはりその用途を考えますと、同じ用途に対してLNGと石油というものが供給される形をとっておりますので、世界的な市場原則に基づきますとやはりカロリー当たり幾らという考え方が当然出てくるわけでございまして、ただ単にカロリー等価ということではなくて、LNGの方が非常に、環境等問題を考えますとその質が石油よりは若干メリットがある性格を持っておるものですから、カロリー当たりで比べるとLNGの方が若干高い場合があるわけでございます。しかしやはり市場原則ということからいいますと、いかに長期契約であろうとも、石油に対して全然飛び離れた価格で取引されるということは実際上不可能でございまして、できるだけ石油がぐんと上がったときには余りそれにすぐそのまま反映するような形ではなくて、いろいろ緩和措置という程度のことは考えられると思いますけれども、基本的に連動するということは現在の制度上ちょっと否定すべからざる性格であろうかと思います。
#47
○平野清君 続いてお尋ねいたしますけれども、都市ガスのことなんですが、例えば五十万都市がありますね、その隣に十万都市がある。五十万都市には都市ガスが導入されておる。隣の十万都市はすぐ隣接しているんですけれども都市ガスが導
入されない。常に石油業者なりお米屋さんが車へ積んできてプロパンボンベを運んでいる。東京ガスとしては、電力の場合は全国をずっと九電力でくまなく供給していますけれども、ガスというのは非常に中小企業も零細企業もプロパンガスもあるわけですが、そういう都市ガスの拡張計画とか、それから拡張することに当たってそれがなかなか進まない要因とか、そういうものはどこにあるんでしょうか。
#48
○参考人(柴崎芳三君) 二つ要因があるかと思います。
 一つは、地方のガス事業者の場合には、資本的にも技術的にもなかなか弱い点がございまして、需要家の需要に応じて直ちにそういう設備投資をやれない事業家もたくさんおられます。それが一つの面だと思います。
 もう一つの面は、既にそういう地域については大体シリンダーのLPGが供給されておるわけでございますので、その既に供給しておるLPGの業者の皆さんとどういう形で調和をとるかという問題がございまして、LPG業界では自分の供給範囲を守りたいという考え方が当然ございます。で、ガス事業者の方としては需要家がそれを希望するならばできるだけ需要家の希望に応じたいという意思はございます。その間、通産省の指導によりまして、できるだけそういう場合でも、ただ単に需要家の希望があるから引くということではなくて、事前によくLPG業者と相談して、いろいろの条件があるだろうからその条件を満たすような形で都市ガスの供給範囲を広げたらどうかと。これはすべて供給区域の拡張とか、あるいは供給規定の改定ということで通産大臣の許可認可にかかわる問題でございますので、通産省が当然そういう権限に基づいて指導することはやるわけでございますが、なかなか個別のケースですと順調に進まないことはございます。それが第二の要点でございます。
 都市ガスサイドとしては、できるだけ需要家の希望に応じまして、資本力、技術力の弱いところはガス協会の方でもいろいろ金融機関のお世話をしたり、あるいは大手事業者の技術をかりたりということでそういった面の対策は講じておるわけでございますが、主たる原因は第二の原因で停滞する場合が非常に多いということでございます。
#49
○平野清君 仄聞するところによると、お米屋さんの票を全部外してしまうと市長選に落っこっちゃうから都市ガスは引かないんだなんていうような話さえ伝わってくるわけで、今さっき茅先生が、新しい住宅、新しい地域ということを考えれば、毎日毎日プロパンで、まあ毎日ということはない、月に一遍でも週に一遍でもガチャガチャガチャガチャプロパンガスを運んでくる都市というのは非常に何か奇妙だと思うんですね。何か、住民サイドの要求をもう少しガス業界が積極的に中小都市開発のために通産省あたりをつっついてくださるとありがたいと思います。
 それから、LNGは現在電力用が四分の三、都市ガス用が四分の一というふうにお聞きしていますけれども、このほかに何かその特典を利用してこれからお使いになる需要がおありになりましょうか。
#50
○参考人(柴崎芳三君) 現在鉄鋼メーカーがLNGを導入する場合の基地の造成その他、第三セクター的な会社に出資いたしまして、鉄鋼メーカーが直接使っておるケースがございます。したがって、現在直接輸入して使用しておるのは電力、ガス、鉄鋼ということでございますが、それ以外の形で輸入するということは今のところそういう具体的な考え方、具体的なプロジェクトというものはございません。もしLNGが必要であるならば、主として都市ガスを通じまして供給するという体制が今のところ主力になっておりまして、長期需給見通しの二〇一〇年に五千五百万トン入れた場合には、今の二五%のシェアが都市ガスに関しては約三〇%のシェアまで拡大するというような形になっておりまして、できるだけ合理的な形でそういう需要に対応したいということを考えておる次第でございます。
#51
○平野清君 もう一つお伺いしたいんですが、例えば東京近郊の多摩ニュータウンとかああいう大きな造成がございますね。そういうときにガス冷房とかいろんな需要が共同で使うことができると思うんですが、設計段階からガス協会としてはそれに参画しているんでしょうか。それとも、要請がなければそういうものは仕方がないということで積極的には対応していないんでしょうか。
#52
○参考人(柴崎芳三君) ガス業界といたしましては、そういう大規模のプロジェクトに対しましては技術的にも十分自信があるものですから、そういう計画がある場合には設計段階からデベロッパーその他、あるいは設計屋さんと緊密に接触いたしまして、ガス冷房のよささなりガス冷房の技術なりというものを理解していただいて営業活動を盛んにやっておるわけでございまして、現在の冷房が二百八十万トンに達しておるその一つの重要な理由は、そういう設計段階でいろいろ御理解をいただいてやっておるということが非常に大きなファクターになっておると思います。
#53
○平野清君 茅先生にちょっとお伺いしたいんですが、CO2を排除するのに、先生のお話を聞いていますともう大変な努力が要る、大変なお金も要る。もう時間的にも相当な、ちょっとお聞きしていると絶望的かなというような気もしたんですけれども、それをやるには国際的な協力ということが一番必要だと思うんですが、そういう意味で、地球温暖化を防ぐ例えば地球再生国際基金とかいうようなものをつくったらどうかなというような気もするんですけれども、そういう場合に国連主導でやるべき問題なのか、それともそういうエネルギー問題を担当する環境的な政府機構というものがやった方がいいのか、その必要性と機構というものを考えられるとしたらどういうことがおありでしょうか。
#54
○参考人(茅陽一君) 大変難しい御質問でございまして、私は工学部の人間なものですから、具体的にどこがいいかというのは私よりもほかの方の方が多分まともなお答えができるかと思うんですが、素人なりの返事を申し上げます。
 実際問題として、温暖化を本当の意味でこれ以上進まさないということは不可能だと思っております。英語で温暖化防止という言葉は使っておりませんで、温暖化を和らげる、ミティゲーションという言葉を普通使っておりますが、そのことは、今言ったように温暖化そのものをとめてしまうということは今までの段階ではほとんど不可能だろう。ただ、その進行の速度をおそくするのが現実的だという見方を反映しているんだろうと私は考えております。
 そうは申しましても、子々孫々まで温暖化のツケを回すわけにはまいりませんので、先ほど申しましたような長期の対応が必要になろうかと思いますが、その場合何が必要かということになりますと、私はお金も大変大事なことだと思うんですが、実は国際的な合意がやっぱり一番大事だと思っております。特に現在アメリカ、ソ連、それから発展途上国がこの問題に対しては必ずしも協力的ではございません。アメリカとソ連だけで世界のCO2の四〇%を占めているわけですので、この国々が何らかの意味で協力をするという姿勢になることが何よりも大事で、お金はその次ではないかと私は考えております。
 ただ、発展途上国がこの問題に対して対応できるとすればやはり熱帯林の保全という問題なんですが、この場合には、この問題がいわゆる開発問題と絡むだけに単にお金をためて熱帯林を保全すればいいというんではなくて、発展途上国の開発をいかに効率的によくするように援助するかという問題かと思います。したがいまして、資金というのは単純な環境基金ではなくて、いわゆる発展途上国に対するODAの問題ではなかろうかと私自身は考えております。その意味でこの温暖化の問題というのは単純なエネルギー問題、環境問題という以上に複雑な社会問題だというふうに思っております。
 以上でございます。
#55
○平野清君 どうも大変ありがとうございました。これで終わります。
#56
○白浜一良君 きょうはお忙しいところ、貴重な御意見をありがとうございます。時間が非常に押しておりますので、簡単に御質問をさしていただきたいと思います。
 まず高木参考人にお伺いしたいと思いますが、先ほど意見も出ていたんですけれども、いわゆるエネルギーの需給の見通しで原発がベースになっているわけですね。二〇〇〇年で五千五十万ですか、二〇一〇年で七千二百五十万キロワットですか、この資料によりましても、実際現在準備中のものを含めて四千五百万ぐらいしかないわけですね。ですから、二〇〇〇年まで考えてもあと五百万キロワットぐらいの原発が要るということになるわけですね、計算上は。
 そうした場合、先ほど話も出ていましたけれども、なかなか日本の場合は非常に立地が難しいというか、どうしても立地するためには当然地域住民の合意というものが一番ベースでございまして、それを補完する意味で徹底した安全管理というか、そういうことが大事なんですけれども、そういった面でいいましたら、既に稼働しています原発の事故、ちょこちょこ新聞、テレビ等で報道されるわけですね。先日も関電の美浜、おっしゃいましたけれども、事故がございまして、その事故に関しまして通産省から、「二次冷却水の放射能濃度の二〇%上昇に伴い、原子炉を早期停止するように」、こういう新基準が示されたということなんですけれども、それに関しまして地元の関電のある副社長さんが、こういう新基準では運転するよりとめた方が安全というようなものだというような御意見を、まあ後で訂正されたんですけれども、これはぽろっと出るのが本音でございましてね。ですから、こういう方がおっしゃったという報道をされていたんですけれども、協会の責任者としてこういう事実をどのようにお考えになっておりますか。
#57
○参考人(高木勇君) 大変厳しい御指摘でございまして、私どもも深刻に受けとめております。
 この問題につきましてはいろいろ言葉足らずというようなこともございましたようでして、当副社長は翌朝改めて訂正謝罪の記者会見をしたとお伺いしております。
 また、これにつきまして先ほども申しましたような、先週二十日九電力の社長会議がございまして、ここでもこの問題を厳しくお互い受けとめまして、その後の電気事業連合会那須会長の記者会見では、やはり大変不用意な、また誤解を与えるまずい対応であったというふうに厳しく反省をしております。
 いずれにいたしましても、原子力につきましてはもうエネルギー資源のほとんど大部分を輸入に頼らなければならない我が国といたしましては、やはり一つのエネルギーソースに頼り切るということは、今回の湾岸戦争などの例を引くまでもなく、大変これはナショナルセキュリティーの上で非常に問題でございますし、電源の多様化とエネルギー資源の多様化というのは避けて通れないのではなかろうかと思います。
 そのためにも国産エネルギーとかそれから新エネルギーというのはあくまでも国産でやれるわけでございますから、これはもう十二分に研究開発し、これを従来の水力、地熱その他国産エネルギーは徹底して使うと同時に、それだけではどうしても足りないのでやはり準国産エネルギーともいえる供給の安定性、非常にそういう点ではすぐれている原子力というものもやはり基軸に据えざるを得ないと同時に、先ほども申しましたように、日本政府が決めました地球環境問題に対する行動計画、これも先ほど来るる申し上げておりますような原子力がこのぐらいできるということを前提に初めて行動計画が成立することになっておりまして、そういう意味からも世界に向けて公約した地球温暖化防止に対する我が国の行動計画というものに寄与するためにも、私どもはやはり原子力のこの目的をあらゆる謙虚な姿勢で対応していかなければならないと心に決めておるわけでございます。
 ただ最近高度に言論の自由の我が国でございますから、なかなか業界当事者が安全の問題とか原子力の優位性とかいろいろなことを言うのも、多分に業界自身が言うと余り振り向かれないと申しますか、そういう意味では第三者のいろいろな方々あるいはマスコミももちろんなのでございますが、そういう団体とかあるいは評論家の方とか、そういう方々にぜひこの私どものこれを訴えまして、そういう方々の言論を媒体にいたしまして御理解を得ていく手段も必要かな、そっちの方にもいろいろと努力をしなければいかぬかなと、このように思っている次第でございますので、何とぞよろしく御支援のほどをお願いしたいと思います。
#58
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。
 柴崎参考人にお伺いいたしますが、いろいろお話が出ておりますので、重複を避けまして一点だけ、ガス冷房のお話がございまして、いわゆる電力ピークの夏、それを緩和する意味でも非常に意味が大きいと思うんですけれどももう少し突っ込みまして、例えば電力とか石油とかガスとか、それを使用目的といいますか、こういうものには要するにガスを使った方がいい、こういうものには電力がいいとか、そういうものを、非常に難しいと思うんですけれども、何か政策的に考えるような考え方といいますか、どうでしょうかね。
#59
○参考人(柴崎芳三君) 冷房の問題でございますか。
#60
○白浜一良君 いや、そうじゃございません。いろいろそういうエネルギー源として電力とか石油とかガスとかあるわけですね。主にこういう使用に関してはガスを使った方がいいとか、こういう利用には電力を使った方がいいとか、そういうものをある程度大枠政策的に何か決められるような考え方があるかどうかということですね。
#61
○参考人(柴崎芳三君) 政策的にそういう各原料別のシェアをはっきり決めたという指針は現在のところ存在しないと思います。
 ただ、業界それぞれの立場でそれぞれの構想を持っておることは事実でございまして、ガス業界としての構想を申し述べさしていただきますと、今のエネルギー全体、一次エネルギーの使用量の中で有効に使われておる比率はどれくらいかという点を、通産省のある審議会の部会で出されたデータによりますと、有効に使われておるのは大体三分の一、三分の二は全然有効に使われないでロスとして放置されておるわけでございます。
 したがって、このロスの部分をいかに有効に使うかというのがガス業界としても非常に大きなターゲットでございまして、ガス体エネルギーを使用した場合には、革新的な技術でこのロス率を下げることができるであろう。言葉を言いかえてみますと、例えばガスを燃やしますと千五百度くらいの熱になります。それで今お湯を沸かしているわけでございますが、我々が入るお湯は四十度から四十五度でございますので、何も千五百度のガスを燃やしてお湯をつくる必要はないだろう。
 千五百度を燃す場合には、これが一番有効に使われるのは動力として使うことであるということで、動力は例えばガスエンジン、ガスタービン、そういうガスエンジン、ガスタービンを回しまして電力を発生することもできますし、あるいはコンプレッサーを回してヒートポンプに使うこともできます。その部分をそういう動力に使いまして、動力に使う場合には当然廃熱が出ます。その廃熱でお湯を供給したりあるいは冷腰房をしたりすれば、熱の利用形態としては非常に高度な利用形態になるわけでございまして、将来ガス事業がそのシェアを伸ばす具体的な方向としては、そういう形でガスタービン、ガスエンジンを回しましてコジェネレーションということでシェアを伸ばすか、あるいはヒートポンプに使いまして非常に効率のいい冷暖房、給湯という問題に進出するか、その辺が大変な目標になっておるわけでございます。
 しかしその場合に、電力さんとの分野をどういうぐあいに調整するかという問題は当然出てきますので、電力という大変立派なエネルギーが存在
するわけでございますので、これとまともに競争するということは不可能な面が多分にございます。その辺はまた両業界でよく話し合いながら、それぞれ最も通した分野というものを探り当てていくというようなことが今我々の業界から見た一つの考え方でございます。
#62
○白浜一良君 どうもありがとうございました。
 高瀬参考人にお伺いしたいんですが、先ほどからのお話でもありましたように、いわゆる石炭そのものの需要は今後伸びる予定なんですよね。ところが、コスト面等で当然輸入炭が中心になるんですけれども、やはり石炭協会ですから当然国内炭が非常に大事だと思うんですね、コスト面だけでは考えられないというか。そういった面で、要するに石炭協会としていわゆる国内炭そのものをどのように位置づけされているのか、この点だけお伺いしたいんですが。
#63
○参考人(高瀬郁弥君) 現在八次策という路線で走っておりまして、それは構造調整の路線で議論をしていくという形で進んでいまして、その間約五百万トンくらい生産が落ちるということになります。しかし、現在の状況を見ますと、内外炭価格差、それから需要の設備、主として電力でございますが、それの将来の耐用年数等々を考えていきますと、どうしても最後の段階ですけれども構造調整路線をやっていかなきゃいかぬと。
 それからもう一つは、現在の状況をずっと続けますと累積赤字がどんどんたまるような状況でございまして、したがってその間に経常収支の改善のめどはほとんど現状の体系でいって皆無だと。したがって、経営の多角化によりましてある程度経営の自立を図っていくということが正しいんだろうというふうに考えています。今、この件につきましては、石炭鉱業審議会で我々の意見もそのように述べまして、その中でいろいろ議論がなされているところでございまして、近くというか、今年中には結論が出ると思います。その結論が出た段階で具体的な対応を考えていきたいと、こう思います。
#64
○白浜一良君 先日もこの石炭問題を論じたんですけれども、過去の日本の歴史ということもございますし、貴重な国内資源ということもございますし、輸入炭がやはりベースになっているんですけれども、きちっとした対応を協会としてもお願いしたいと、このように申し上げておきたいと思います。
 岩崎参考人に御質問いたしますが、私、素人考えなんですけれども、電力を考えましたら、要するに原発にしましても石炭、石油にしましても、いわゆる大型発電というのはどうしても消費地から遠いところになるわけですね。私も大阪に住んでいますけれども、たまたま南港とかそういうところに火力発電所があるんですけれども、原発は大半がこれは若狭湾にかたまっておりまして、そういう大型のエネルギー電力をつくっても長距離で電気を運ばなあかんわけです。物すごくロスが大きいわけですね。
 そういった面で、やはりできるだけ消費地に近いところで発電するという、まあ分散型とおっしゃっていましたけれども、私は地域発電主義という言葉を使っているんですけれども、できるだけ消費地に近いところでエネルギー、電気をつくった方がいいというそういった面で、燃料電池というのは、参考人御自身が非常に有望なエネルギー源だとおっしゃっておりましたが、この二〇一〇年で新エネルギーというのは五・二%の比率になっているわけですね。実際この燃料電池というのは今からどんどん開発されまして、この五・二%のうちどのぐらい占める予定ですか。
#65
○参考人(岩崎八男君) この電気事業審議会の中間報告によりますと、電気事業用と自家発用がございます。電気事業用として二〇一〇年で三百十万キロワット、それから自家発、ビルその他、それが二〇一〇年で二百七十万キロワット、合わせて五百八十万キロワットというような感じの報告がございます。
#66
○白浜一良君 最後に茅参考人にお伺いしたいんです。
 いわゆる経済成長とCO2の問題なんですけれども、当たり前に考えたら経済成長をしていくほどCO2はふえていくんです。だけれどもよほど技術革新されないと難しいというか、今政府も一応のベースは両方図っていくということになっているんですけれども、この点に関する先生の御意見を伺いたいと思います。
#67
○参考人(茅陽一君) 先ほどちょっと例をお示しいたしましたが、その例にも若干その点は触れておりますけれども、二酸化炭素というのが、これは世界の話ですが、現在の九割を占める化石燃料を燃やしますといや応なしに出てしまうものですから、現状では化石燃料を抑制する以外にその排出を減らす方法がないわけですね。その意味で非常に経済に影響を与えやすいわけです。
 これに対して、何とか経済への悪影響を防いだ形で二酸化炭素を減らせないかということが議論になるわけですが、短期的にはやはり省エネルギーしかないと思います。ただ、その省エネルギーにいたしましても、実行しようという場合に一般の人々あるいは産業がその努力をしてくれないと困るわけですね。その場合に、政府のかけ声だけでは私はやはり相当難しいと思います。やはり何らかの形で自然にエネルギーを使う産業あるいは人々が実行できるようなインセンチブを入れなければならない。それはやはり今の段階では価格しかないと私は考えておりまして、その意味では何らかの形で課徴金のようなものを導入することがやはりある程度二酸化炭素を抑えるかぎだろうと思います。
 その場合に経済成長がどのぐらいになるかということなんですが、経済成長そのものは思ったより下がらないというのが従来から言われている結果です。と申しますのは、課徴金を入れますとその分の税収もございますので、その税収がほかのものに使われるわけでございますね。したがいまして、その意味ではマクロに見ました経済成長が途端に大幅に下がってしまうということはないかと思いますが、かなり大きな税金をかけませんと、今言ったような二酸化炭素の抑制ができませんので、やはり経済構造自体に対してはかなりいろいろな影響があると思います。それがどのような形になるかというのは今後もう少し検討しなければいけないと私は考えております。
#68
○白浜一良君 どうもありがとうございました。終わります。
#69
○神谷信之助君 先ほどから五人の参考人の皆さんに貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。時間の関係ですべての皆さんに御意見をお聞きするということができませんので、最初にお断りをしておきます。
 先ほどからも出ておりますように、私ども調査会で先般調査に行きました。関電でとりわけ原子力発電の問題についてはその安全性について非常に強調をされていたわけです。それをお聞きして帰ってきた途端に美浜原発のあの事故が起こりまして、一体どうなっておるんやというのを率直に感じたわけです。
 この安全性の確保、とりわけ安全神話が横行しているという問題について私どもは非常にこれを重視しているんですね。核分裂が研究室の実験で発見されて、そして確認をされたのが一九三八年ですか、それからわずか五十年余りの間に原子力の利用が広がってきたわけですね。その開発を支えてきたのが戦争という要因、これが推進力になってきたことは事実です。したがって、この核融合の問題、原子力発電についての何といいますか危険といいますか、まだまだ科学的に解明されていない、技術的に明らかでない部分というのが多分にあるという状況の中でどんどん開発の方が進んでいっている。そういう技術的な研究の立ちおくれがそのままにされながら、片一方で原子力発電所の建設だけがどんどん進んでいくという、これは極めて我々は危険な方向だというように思っています。
 同時に、そういう現在の到達点でいろいろな欠陥があるからといって、将来原子力の平和利用を全く否定するような立場というのは我々は間違っ
ていると思っています。クリーンなエネルギーとして原子力が安全に利用をされるということが必要だというそういう見地から我々は特にいろいろな問題を提起しているわけです。
 この間の関電の話でも、原発反対のいろんな動きやら住民の皆さんのいろんな意見、これが一つ安全性を担保している力になっていますという話がありましたけれども、まさにそういう点では謙虚に受けとめてもらいたいと思うのです。ただ、この間の事故が加圧水型の原発で起こっている。そうすると、沸騰水型の方は四社が使っていますけれども、こっちの方はうちとは関係ないというのがあるのですね。
 これは二月十四日付の朝日新聞ですけれども、「蒸気発生器は加圧水型に固有の装置。」なので「事故が起きたといっても、沸騰水型原発では技術的な対応は必要ない」、これは中部電力のコメントとして報道されているのですが、沸騰水型の原発でも何でも事故は起こっているので全く安全とは言えないわけです。したがって美浜原発の事故というものを真剣に受けとめて、沸騰水型の方の原発でも、今問題になった例えば定期検査のあり方の問題とかあるいは社内マニュアルの再点検とかいろいろなことが今言われ出してきていますけれども、当然そういうことについても真剣に取り組む必要があるんじゃないだろうか。あの事故はうちとは型が違うのだということで、のほほんとしているわけにはいかぬというのが一点です。
 それからついでにもう一つ、高木参考人が中電の出身ですからお伺いするのですけれども、例の浜岡原発の一号機ですね。これは去年の暮れの十一月十二日付の電気新聞によりますと、燃料集合体からの放射能漏れが認められた浜岡一号機について、「1号機の全燃料三六八体を調査することにしているが、これまでのところ三一五体の調査を終え、そのうち七八体で燃料集合体被覆管表面の付着物および酸化被膜の一部にはがれが生じていることを確認している。このはがれと燃料漏えいの因果関係については、現在調査中。」、こういう報道があるのですけれども、もしその結果がその後どうなったのかおわかりでしたら一緒にお聞かせいただきたいと思います。
#70
○参考人(高木勇君) 大変厳しい御指摘でございまして、先生おっしゃるとおりだと思います。
 ただ、先ほど来再々申し上げておりますように、私ども美浜のあの問題を決して軽い受けとめ方はしていないのでございまして、先週の直後の社長会の中でも、ちょっと先ほど簡単に触れさせていただいたのでございますが、一応次の五項目を大体確認し合ったわけでございます、九電力の社長同士で。
  その第一。各社は、原子力発電所の運転に当たり、安全の確保が、すべての前提であることを改めて再確認し、本社原子力部門並びに発電所に、その徹底を計る。
  第二。具体的には、発電所の運転に当たっては、異常の兆候(予兆)ついては、常に厳しく受け止め、安全サイドに対処する。
  第三。重要な安全関係設備については、至近時点の定検などの点検記録などを改めて評価、再確認する。
  第四。定期検査に当たっては、特に安全系の部分について、一層入念な検査を行う(それぞれの検査方法の特徴を十分に踏まえて検査をし、その結果を評価することを厳密に行う)。
それから第五でございますが、
  情報の相互交流について、さらに努力することに加え、それぞれの技術的検討の成果について、可能な限り情報交換をし、その共有化を図る。
つまり、お互いに役に立てようということでございまして、PであれBであれ、加圧水型であれ沸騰水型であれ、これはもう我々共通の問題であるという認識をいたしまして、厳しく受けとめ、さらに自戒、努力するということを申し合わせております。
 したがいまして、中部電力での先ほどの先生御指摘のコメントというのが、実はこれ私、確認しておりませんですが、そういうようなことには受けとめておらない、やっぱりBWRを持っている会社もあらゆる面でこのPの美浜の事故というものを十分厳しく受けとめ、大いに参考にすべきところは参考にするということでございます。
 それともう一点、厳しく受けとめていることについては再々申し上げているんでございますが、ただ、先ほど冒頭ちょっと私も触れたのでございますが、私どもがこれを余り強調すると非常に立場上好ましいことじゃないのかもしれませんが、一応緊急炉心冷却装置、これが働いたと。これも二系列三段階ございまして、その第一段階で十分作動したわけでございますし、このECCSをさらに超えてのいろいろな安全設計、安全設備というのもあるわけでございます。その前段階からのいわゆる原子炉の自動停止だとか冷却装置などの安全システムが一応設計どおり作動して、そして周辺への放射能の影響というものはほぼ皆無に近かった。
 皆無ではないのでございますけれども、言ってみれば、いわゆるオーソライズされた周辺への放出管理目標値というのがございますが、気体でいきますとそれの約四十万分の一でございます、それから液体の方でいきますと約一万分の一。放出管理目標値というのはこれはもうずっと安全サイドを見積もった環境への放射性物質の放出管理目標値でございますが、それのそういったような値のものしか放出されなかったということでございまして、そういうことから地元の美浜も即時安全宣言を出されたというふうに理解しております。
 しかし、我が国で初めて、余り例のないECCSが働いたという事象につきましては、私ども再々申し上げておりますように、大変厳しい事態であると受けとめて今後大いに自戒をしてまいりたい、さらに今後の安全管理の上で十分参考にしていきたい、このように思っている次第でございます。
 と同時に、浜岡の山号機の問題でございますが、これ、私事務屋でございまして、なかなか詳しいその技術的なことはわかりませんし、今その詳しい知識をちょっと、資料も持ち合わしておりませんので、いずれこれははっきりした時点で何らかの格好でお答えさせていただければと思います。
#71
○神谷信之助君 突然のことですから結構です。
 最初の方ですけれども、結局緊急炉心冷却装置が動いたからよかったんで、動かなかったら大変なことなんで、だから専門家もがけっ縁でようとまったというように言っている方々も多いわけですね。だから海部総理も、今まで一度も作動することのなかったECCSの作動に至ったということ、これは十分に心して受けとめなきゃならぬという答弁を予算委員会でもやっておられますけれども。
 それに関連してちょっと茅参考人の方にお伺いしますけれども、これは二月十日付の朝日の報道ですが、その中にコメントが出ていまして、「「原発には何重にも安全システムの網がかぶせられており、技術的には十分な安全性を持っている。今回も、緊急装置などはきちんと働いており、フェイルセーフが機能して、環境への被害を食い止めたわけだ」と、安全性はゆるがないとの意見だ。」という報道があるんです。報道ですから、先生の真意を伝えているかどうかわかりませんし、この機会にちょっと御意見を承っておきたいと思います。
#72
○参考人(茅陽一君) 一番最後の安全性が揺るがないということは私は言った覚えがないんです。それは多分つけ加えたんであろうかと思いますが、基本的にはそこに書いてあることはそのとおりだと思います。
 ECCSの問題につきましては、今高木参考人の方から御説明がございましたようなことで、今回日本で初めて働いたわけですけれども、その幾つかのステップがございまして、その最初で、しかも並列の形にあるものの一つが働いたということでございます。私としては、むしろ今までECCSが全く働かないで済んだということが従来の
日本の炉の安全性を示す一つの証拠ではないかと考えております。もとより、ECCSが永久に働かないで済むという事態の方が望ましいことは明らかでございますが、仮にそこに至るまでのことが起きたとしても、ECCSというバックアップがこれだけがっちりとできている、これがやはり工学というシステムの持つ望ましい性質で、その意味で私は日本の原子炉については少なくとも今回の事故によって安全性が揺らいだとは考えておりません。
 また、危機一髪という言葉は、私自身はややECCSというものの見方を違えているのではないか。ECCSというものが全くないところでこの事件が起きるということであればよくわかるんですが、こういうことが万が一起きてもこれだけのことをするというバックアップができているわけで、それが東海原子力発電所が初まって以来三十年で初めて働いたということは、いかに日本のシステムというのが安全という意味でほうまく機能しているかを示すものだと私は考えております。
#73
○神谷信之助君 私どもは、今先生おっしゃいましたが、原子炉の構造そのものに炉心溶融などの重大事故の発生する危険がある、だからそれを予想して対策を考えなきゃならぬという状況にあるというその不安定性の問題、いわゆる構造技術上の欠陥がまだ克服されていないといいますか、存在しているというところに原子力のさらに利用の拡大を抑えている問題があるので、ここのところを抜きにして、そしてそういう事故の発生を抑えるいろいろな装置のみでやっているところに一つの問題があるというように思っていますが、これはもう時間がありませんので。
 茅先生、もう一つ別の問題でちょっとお聞きしたいんですが、先ほどおっしゃいました環境の行動計画なんですけれども、その第一段階の目標は、我が国のCO2の排出量は一人当たり排出量を一九九〇年レベルで安定させるとか、第二段階で、総排出量総量で九〇年のレベル、こういうことなんですけれども、その環境庁の報告の中についている資料を見ますと、石油危機以後の一人当たりの排出量というのは大体現状で安定をしているグラフが出ていますね。「石油危機以後の我が国のエネルギー消費の動向」という表なんですけれども、――先生のやつじゃないですよ、行動計画の出ている報告についている資料です。ですから、そうすると、さほど日本の場合は努力をしなくとも一人当たり排出量の水準ではもう安定的なレベルを大体維持できるという状況になるんじゃないのかと。
 それからもう一つ、第二段階で今度は総量の問題でいく、このレベルの点では、何といいますか、予想される以上に早期に、それから大幅に技術革新が進まないとだめだという問題がある、条件がついていますね。だから、第二段階はもうある意味ではそういう条件ができなかったらだめなんですよと書かれてはおるけれども、本当に努力するのかどうかわからぬような感じもするんですが、この辺についてはどういうようにお考えでしょうか。
#74
○参考人(茅陽一君) まず最初の問題でございますが、過去においてCO2の増加量がフラットであるから将来このままやっていけるのではないかという御質問だと思いますが、これにつきましては、確かに一九八六年時点まではおっしゃるように日本のCO2の排出量というのはほとんど横ばいできたわけです。ところが八七年以降日本のエネルギー需要というのは急激に伸び出しまして、昨年に至るまでエネルギー需要はかなり大きく伸びてきております。このために二酸化炭素の排出量も、例えば二年前に比較いたしますと、これは数字は今ここで申し上げると間違えるかもしれませんが、私の記憶ではたしか六%ぐらい伸びていると思います。つまりここ三年ぐらいの傾向とそれまでの傾向とはかなり大きく変わっております。
 この理由は、一つは省エネルギー努力というものが産業の中で随分行われまして、ほぼ一段落してしまったということ。もう一つは、やはり石油価格が低値安定いたしまして、一般の方々が余り省エネルギーということに関心を持たなくなったということかと思います。したがいまして、この状況でいってしまいますと、どうしてもエネルギー需要は伸び、二酸化炭素の排出もふえる。これを抑えるためには、何らかの形で、例えば石油の価格が上がるとか、あるいは場合によっては規制がされるという形で、別なインセンティブが入らないと二酸化炭素の排出を抑制することができないだろうというのが私がさっき申し上げた趣旨でございます。
 それから、一人当たり排出量と総量との問題でございますが、厚生省の研究所の予測でございますと、現在から二〇〇〇年ぐらいまでで人口増加率はほぼ五ないし六%と予想されております。したがいまして一人当たり排出量の現状レベル安定化という意味は、総量で大体五ないし六%十年間で伸びてもよろしいという意味に解釈できるわけですね。これも先ほど私がお見せいたしました電力中央研究所の予測の場合よりもかなり楽な状況になります。したがいまして、こちらの方は実現性は難しいとは思いますけれども、可能性は私はあると思っております。
 ただ、総量でやるという場合に、行動計画では幾つか条件が入っておりますね。それは御指摘のとおりなんですが、それがどのぐらい実現できるかということは私にも何とも申し上げられません。ただ努力をしてほしいとは思っております。
#75
○古川太三郎君 きょう各参考人の方々の御意見を聞いておりますと、エネルギーというのは限りなく無限定性なものがたくさんある、あるいはまた限りなく低コストに近づく、また無公害、安全性、こういったものが本当に達成されれば、これは夢のような話なんですけれども、経済はおろか政治まで変わってしまう、戦争もなくなるでしょうし、そういうような非常に大事な問題であることはよくわかったわけなんで、それにはどうして近づこうかということだろうと思うんです。
 よくベストミックスという言葉がありますけれども、これは電源の多様性のときにお使いになっているような言葉ですが、先ほど白浜委員も質問されましたことですけれども、季節別とかあるいは時間帯別だとかあるいは需要家別とかあるいは地域別、こういうような一つの需給の関係でのきめ細かい形で考えればエネルギー効率が非常に高くなるんじゃないか、それだけでも省エネになっていくんじゃないかというようなことも考えるわけなんです。ガス業界とか電力業界あるいは石炭、石油業界、こういったエネルギーの業界でこういうエネルギー効率の問題について話し合う場というのがあるんですか、ないんですか。そのことをちょっとお聞きしたいと思ったんですけれども、どなたでも結構ですが。
#76
○参考人(高木勇君) 昨年、政府の総合エネルギー調査会の中間報告がまとめられる過程におきまして、いろいろな業界あるいは学界、言論界、そういったところからたくさんの委員が選ばれまして、委員会とか部会でいろんな討議を何回も重ねまして、それの結論がずっと積み上げられてあの中間報告がまとまったわけでございますが、その中で省エネルギーにつきましてのいろいろなものをそれぞれの立場から一緒になって討議する部会というのもございました。
 そのほか、恒常的にはいろいろな技術研究組織というのがそれぞれの業界にございまして、担当者あるいはその上のマネージャークラスの業際間の研究会あるいは検討会というようなものも機能していると私は理解しておりますが、具体的にどういうものがあるかというのはちょっと資料を持ち合わせていないので正確にはお答えできませんが、そのように理解しております。
#77
○古川太三郎君 もしあるとすれば、エネルギー効率の問題として十分に討議していただきたい、こういう希望を持っています。
 いま一つ、岩崎参考人にお聞きしたいんですが、新エネの開発、NEDOですけれども、これが政府の予算では新エネ開発には六百七十四億円、これはほかのことを考えますと非常に低い予
算しかない。先ほど申しましたように、このエネルギーをクリーンなものとかあるいは低コストとか無公害とかたくさんあるとかいうような形で、本当にいいエネルギーを使うのが非常に大きな私は世界的な問題だと思うんですけれども、そういう中での六百億とか七百億とかいう金額で、本当に二〇〇〇年のこととか十年後、二十年後のことが展望できるのかどうか。
 もっとお金があれば、もっともっとその開発のことが短縮できるんじゃないか。あるいはお金だけでなくてやっぱり人員も要るでしょう、技術もそれに合うかどうかわからない、しかし技術とか人員とか、そういったことを総合的に判断してやっぱりお金が足りないというようなことであってはいけないと思うんですが、そこら辺はうまく総合できるような形になるとすればどのぐらいの予算が必要かということをお聞きしたいと思います。
#78
○参考人(岩崎八男君) 本当に、むしろ私どもなりあるいは私どもの努力を裏づけてくれております通産省なりの力不足だということにならざるを得ないんですけれども、もっとこの面での開発資金があれば、それはもっとスピードアップできる部面は多いと思っております。
 もちろん研究にはそれなりの時間という要素もございますけれども、逆に金がないからあらかじめ研究のスピードを七年なり十年なりにセットしてしまうという面もございまして、それからまた、先ほどちょっと申し上げましたけれども、七年も十年もかかるのに予算というのは形式上は毎年確定するわけでして、五年で何十億、何百億と、こう確定してできるという面もないという不安定さもございます。だから、この十年は特に財政事情厳しい中で、その中では私どもこの分野を比較的守っていただいたとは思っておりますけれども、なかなかむしろ絶対額は増加していないというようなことがございまして、残念に思っております。
#79
○古川太三郎君 そのことについてはできるだけ努力するように………
#80
○参考人(岩崎八男君) よろしくお願いしたいと思います。
#81
○古川太三郎君 高木参考人にお聞きしたいのですが、私は福井県の小浜なんですけれども、そういう意味で近くで非常に今度は福井県そのものが何といいますか、イラクだとかクウェートと同じぐらいに有名になってしまって困っているんですけれども。
 いただきました参考資料の十一のところですが、「原子炉の計画外停止頻度の推移」というこれを見ましても、日本では相当確かにこういう意味では信頼性はあるだろうと思うんですけれども、報告事項というのはこれは世界共通のレベルで行われている事項なんですか。それとも日本だけはその報告事項は非常にもっと厳しいんだとかあるいはもっと緩やかなんだとかいうようなことがあるんですか、ちょっとお聞きしたいのですが。
#82
○参考人(高木勇君) これは各原子力発電を推進している個々のいろんな国の実態というものを逐一詳細に参考にしたわけではございませんが、日本の場合すべて世界一シビアな基準というふうに理解しておりますので、この報告基準というものも恐らく他の国よりも厳しい基準ということになっているんではなかろうかと、これは推測でございますが、私はそのように考えております。
#83
○古川太三郎君 そういうことの比較をなさりたわけではないですね。
#84
○参考人(高木勇君) はい。ただ、何によらず安全基準につきましては、日本の場合には世界一厳しくなっております。これは当然のことながら、原子力というもののかかわりの歴史的な経過、並びに先ほど来申しましたような日本の開かれた民主主義国というところから当然のことだと私は思っております。
#85
○古川太三郎君 そうおっしゃいますけれども、これから比較をしますと情報公開が一番おくれている国も日本じゃないかなと、こう思うわけなんですね。そういう意味で、原子力の本当に安全性について学者の方が政府機関で議論なさっていると、そういうような議論の中身までやっぱり公開できるような情報公開をなさらないと、どうしても信頼性がわいてこないというようなことになろうかと思うんです。
 ギロチン破断のこの問題も、これは絶対あり得ないというようなことも言われておりましたし、それが日本でも一度議論されたというようなことも過去にあったように聞いております。そういったことがほとんど日本では公開されてなかった、情報が。という意味で、信頼性がその分だけやっぱり低下するわけなんですね。信頼してくれ、信頼してくれだけの話ではやっぱりまずいんじゃないか、こういうように思うんですけれども、いかがですか。
#86
○参考人(高木勇君) おっしゃるとおりだと思います。不安に感じておられる一般の国民の皆様に対して私どもが幾ら安全だ安全だと言っても、これは通用しない話なのでございまして、やはり私どもの真摯な安全に対する姿勢並びに実績を積み重ねると同時に、できるだけわかりやすいPAの努力を重ねることによりまして、まずその不安感というものをなくしていただくということが私どもの最大の課題だと思っております。
 ちなみに原子力のPAにつきましては、立地地域でございますね、既に原子力が立地されている地域の皆様方とそうでない地域の皆様方とでの意識調査の面では、立地地域の皆様方の不安感あるいは原子力に対する信頼性といったようなものは高いという実績が出ております。したがいまして、できるだけそういったところも実際に見てもらい、あるいはその地域の自治体なりあるいは住民の皆様方との交流といったようなものも有効なPAの一つの手段ではなかろうかと思っております。
 現に青森県の六ケ所村で核燃料サイクル施設のプロジェクトが進んでおりますが、青森県の方々でも、東海村の実態、動燃事業団の再処理工場とか、日本原子力発電株式会社の原子力発電所等を実際見学され、また東海村あるいは農協、そういった東海村へ行ってのいろいろなそういう実態に触れますと、かなり安全性とかあるいは重要性と申しますか、大変御理解が進むという強い実績もございます。それも一つの手段でございますが、何はともあれ、そういうことで私どもは真摯に謙虚にやっていかなければならぬと自覚しております。
#87
○古川太三郎君 今立地の問題が出ましたのでちょっと思い出したんですが、過疎地ばかりじゃなくて、今、大深度地下鉄が通ってもいいというぐらいに地下を掘る技術も十分だというようなことで、東京のど真ん中に、東京湾でもいいですが、百メーターぐらいの下に原電を持ってくるとかいうようなお考え方はないですか。
#88
○参考人(高木勇君) 私、土木技術屋ではないんで可能かどうかわかりません。私は、多分無理すれば技術的には不可能ではないんではなかろうかと個人的に思っております。
 ただ、何によらず原子力発電所は強固な岩盤の上に直接原子炉を構築するというのが基本でございます。火力発電所などは、埋立地あたりにコンクリートパイルなどをたくさん打ち込んで、その上につくっているのが多いのでございますが、原子力発電所だけは物が物でございますので、原子炉は強固な岩盤の上に直接つくるということでございまして、そういう意味でいきますと、大都市周辺というのは河川の流域でございまして、大分その岩盤が下の方にあるということで膨大な掘削並びに今言いましたようなこと、土木工事が大変なことになります。と同時に、地価も高うございます。それで経済性、これはやはり国民の皆様方がお望みなら、安定供給と同時にできるだけ安い電力料金というのもこれはもう当然の御要求でございまして、それと膨大な管理区域という土地も必要でございます、原子力発電所のサイトには。そういう面から、いろいろな点からいきますと、どうしても今のような形態というのが一番合理的なのかなというふうに思っております。
#89
○古川太三郎君 ありがとうございました。
#90
○足立良平君 民社党の足立です。
 私に与えられておりますのが十五分くらいの時
間しかございませんので、まず固めてちょっと申し上げて、それぞれ考え方を教えていただきたいと、こう思うわけであります。
 まず、このエネルギー問題というものを考えてみますと、ちょうどあの一九七三年の石油ショックまではエネルギーというものはある面によっては豊富であるし、ローマ・クラブまでの動きなのかもしれませんけれども、比較的価格も安いしということであったと思います。そして、一九七三年の石油ショックを契機にして、このエネルギーというものが石油にかわるエネルギーをどのように確保していくかということがある面によっては国家の戦略としてあった。そして、第三段階といたしましては、結局一九八九年前後を境にいたしまして地球環境の面からエネルギーとそして産業構造のあり方、あるいはまた社会的なシステムのあり方、あるいは人口問題、そういうものをトータル的に考えていかなきゃならない時代だというふうな状況になってきたんじゃないか。ちょっと独断と偏見ですけれども、私はエネルギー問題というものを大きく言って三つの段階に分けて今把握をいたしているわけであります。
 そうしますと、その前提に立って考えてみましたときに、まずこれは岩崎参考人にちょっとお聞きをいたしたいと思うんですが、岩崎さんのところで皆さん研究されております内容というのは、ずっと拝見いたしますと、結果として地球の温暖化問題というものを解消することにはなりますけれども、言ってみるなら、石油にかわるエネルギーをどのように確保するかという視点でいわゆる技術開発というものがされているような感じを私は受けるわけであります。これはこれからのこのエネルギー問題というものを考えると、まさに地球環境の面から新しい技術革新なり開発というものをもっともっと積極的にやっていく必要があるのではないかという感じを受けるわけでありまして、その点についてのお考え方をちょっとお聞かせ願いたいと、このように思います。
 それから第二点目は、茅参考人に考え方をお聞かせ願いたいと思うわけでございますが、このCO2の削減というのは、先ほど来大変難しい問題だと、温暖化の問題と、こういうふうに御指摘なりましたし、私もそのとおりだとこのように思うわけでございますが、そういう点から考えてみましたときに、茅参考人に二つお聞きいたしたいと思いますのは、一つは日本のこのCO2の排出量というのは、いわゆる効率面からしますと大変低い状態であります。それは世界的に見ましても、むしろただ一律にCO2を削減すべきだというふうな動きもございますし、そういう面からするとある程度までずっと技術開発で削減を効率的にしておりますから、さらにそれを一律的に削減するということは相当難しい。特にアメリカとかソ連とか中国とか、割合ラフにもうどんどん出しているところから比べますと大変難しい問題に遭遇するのではないか、技術的に。その点がちょっと気がかりなものでございますから、それについての考え方を一点目にお聞かせ願いたいと思います。
 それから二つ目に、原子力問題の安全の議論があるわけでありますが、このECCSが働くということはある面におきましては大変なことでありますが、このECCSが働くに当たりましても、ECCSの設備的に見ますと、複数の安全装置というものが行われているやに私ちらっと聞いたことがあるわけでありますけれども、そういう面で単にECCSというのは緊急に水がざっと出るだけでなしに、そういう点の複数における安全装置というもの、これは一体どういうものか、ちょっと簡単に御説明を先生の立場でお聞かせを願いたい。
 それから第三点目として、これは高木参考人にお聞きをいたしたいと思うわけでございますが、私、新聞等を見ておりまして実は大変奇異な感じを正直言って受けたわけであります。それは何かといいますと、一次冷却水という言葉、この美浜の事故のときに大変よく出てまいります。一次冷却水が二次冷却水に漏れたということですね。ところが、一次冷却水という言葉ですが、我々の生活実感からいたしますと、この一次冷却水の実態というのは百五十七気圧くらいでしょうか、しかもそれは三百度くらいの温度、そのくらいですか、何か相当高い温度、それが一般的に一次冷却水というふうな表現を使うということは、生活実感からすると全然合わないという感じを受けるわけです。
 例えば美浜の事故が起きましたときに、私はお聞きをいたしたいことは、マスコミ等ちょっとはっきりした記憶はないわけでありますが、例えば五十億ベクレルの放射能が排出されたとかいうふうな表現がなされております。五十億ベクレルといいますと、これは一体チェルノブイリの二の舞かという感じを受けるわけでありますけれども、先ほど高木参考人が陳述をされましたように、これは本当に自然放射線からいたしましても実は何十万分の一程度の放射能の排出にとどまっていたということでありますから、そうすると、こういうふうな言葉の使い方、そしていたずらに原子力に対する不安感というものを助長するがごとき単位の表現の仕方というのはこれはいかがなものかなという感じが率直に言ってするわけでありまして、そういう点について高木参考人の御意見をまずお聞かせ願いたい、このように思います。
#91
○参考人(岩崎八男君) 本日は新エネルギーの技術開発に絞って御報告をいたしましたのでそういうことになりましたんですが、実はNEDOは環境問題についても既に手を染めておりまして、一つが環境負荷物質の除去といいますか、軽減といいますか、例えばフロン、いろんな今のフロンというのはCO2以上にそのもの一単位としては温暖化効果が強いものでもございますと言われております。フロンにかわるべき冷媒というものの技術開発を今やっております。それから、これはいわば別の環境負荷ですが、プラスチック、これの生分解性プラスチックの開発ということも今懸命にやっております。
 それからCO2、これは何せ茅先生もおっしゃったように二十年、五十年かけて解決すべき問題だと思いますが、CO2についても昨年というか本年度、二年度から、一つが微生物利用、いわば藻類にCO2を固定化させるという技術開発に着手いたしました。もう一つが接触水素化反応でメタノールに変えるというような技術開発、それから海洋と大気のCO2の循環メカニズム、これについて地球的な調査をやるというのも着手しております。
 ただ、何せ一年間に世界で五十五億トン、日本だけでも二億数千万トンCO2が出ているわけですから、それを固定化した後の処理をどうするのか。硫黄というのはせいぜい百万トンベースのものでございます、脱硫して出てくるのがですね。数億トンのものが出てきたときに、固定化するのはまあできたとしても、最終的にどう処理するのか、こういう問題がございまして、このCO2問題というのはかなり長期にこれは研究開発していきませんと直ちに問題が解決するということではないと思っております。
 もう一つは、先ほど申し上げましたような私どもの現在の技術開発自体も実はCO2のいわば軽減の非常に大きな要素になっておると思っておりまして、例えば石炭の発電にしても、ガス化発電にして一割もし効率が上がるということは、一割石炭発電から生ずるCO2の発生量を減らすことになります。だから、現在の私どもの新エネルギーの開発そのものがまたそういう環境問題への寄与する視点であるという意識でやっておるものでございます。
#92
○参考人(茅陽一君) 最初に、今岩崎参考人がおっしゃったことについてちょっと一つだけ敷衍きせていただきたいんです。
 それは何かというと、従来やっております新エネルギー技術と二酸化炭素対応技術との関連でございます。我々といたしましても、二酸化炭素の対応というのは新しいエネルギー技術の開発と非常に関連が深いということでいろいろな努力を考えておりますが、例えばやっていただきたいという例としてはこういうことがございます。
 先ほど燃料電池の話が大分出まして、燐酸型が一番商用に近いというお話が出ました。まさにそのとおりでございますけれども、もし二酸化炭素対策ということを考えるならば、それだけではなくて溶融炭酸塩のタイプもやはり同じようにやっていただきたい。と申しますのは、溶融炭酸塩の場合には石炭のガス化したものが使えるわけです。しかも高温で使えるものですから、従来石炭をガス化した場合には低温でないとなかなか使いにくいという欠点があって、そこで効率が落ちた。それが高温で使えるということで、大変石炭が有効に使えるということで、世界の中で資源としての石炭の位置が今なお高いことを考えますと、そういった技術も今後ぜひ開発していただきたいと考えるわけです。これはちょっと先ほどについての補足でございます
 それから、省エネルギーの問題でございますが、御指摘のように、日本は従来かなり努力をいたしておりまして、言うなれば削り代が少ないということがございます。例えば産業で申しますと、鉄鋼業の中で相当省エネルギーが行われておりますが、日本でかなり取り入れられているものにコークスの乾式ガス回収装置というものがございます。コークス・ドライ・クェンチング、CDQと略称しておりますが、これはかなり高い設備でございます。日本では八〇年代にほとんどの製鉄会社が導入いたしましたが、世界的にはまだそれほど導入されているわけではないんですね。そういった意味で、日本は相当に産業界では省エネルギー投資を行っている。さらにそれ以上やれということになりますと、正直言って削り代が少ないことは事実だと思います。ただ今後を考えた場合、全くそういった新しい可能性がないかというと、もちろんそうではございませんで、幾つか挙げることができます。
 私どもとして言いたいのは、ただ技術開発に頼れというだけではだめで、やはりそういったことを実現するような経済的な動機づけをしてほしい。そうしませんと、結局産業界もやらないし、さらにそれ以上に重要ないわゆる民生部門でもやってくれない。そういった意味で、何らかのやはり市場的な動機づけが必要かというふうに私どもは考えております。
 最後のECCSに関する御質問でございますが、実は私も参議院のこの参考人というのは前にも出たことがございますが、そのときのことから判断いたしまして、私、実は原子力の専門家ではございません。若干ECCSについては存じておりますが、今ここでお答えをして間違えますとちょっと大変まずいものですから、ここでのお答えは控えさしていただきます。もし必要があれば後ほど改めて御連絡申し上げます。
#93
○参考人(高木勇君) 足立先生おっしゃるとおりでございまして、私も事務屋で原子力PAに腐心している一人でございますので、先生の御指摘のとおり非常にそのとおり感じております。恐らくこれは外国語の翻訳とか特殊な技術サイドの用語が使われているだろうと思いまして、それを一般の国民の皆さんにわかりやすい例などをとりながら実際のPAには使っていかなければいかぬかなと思っております。
 ベクレルにしましても、これは従来のいろんな単位があったわけでございます。キュリーとかレントゲンとかレムとかいった単位があったんですが、国際単位系に変更するということが、平成元年の四月からその国際単位系の新単位系で表示することというふうに決まったものですから、国際単位でいうとキュリーのかわりにベクレルということで、これは何か一ベクレルというのは一秒間に一個原子核が壊変する放射能の量というのだそうでございまして、私ども別に学者じゃない者についてはちんぷんかんぷんなのでございます。したがって先ほど申しました美浜の例で、大気中に放出されたと推定される放射性物質のこの放射能は五ギガベクレル。そのギガというのは十の九乗でございますから、五ギガベクレルというのは五十億べクレルと、こういうことでして、五十億べクレルということになるわけなんだそうでございます。
 ところが、放出管理目標値というのは二・一掛ける十の六乗ギガベクレル、つまり二百十万ギガベクレルでございますから、言ってみれば二百十万分の五ということで、先ほど四十万分の一程度というふうに申し上げたんでございますが、いずれにしましても、わかりやすいような表現でPAはやらないといかぬなと、マスコミの方にもできるだけそのようにこれからお願いしていく必要があろうかと思っております。
#94
○会長(田英夫君) ありがとうございました。
 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆さんに一言お礼を申し上げます。
 参考人の皆様には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。ただいまお述べいただきました御意見につきましては、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。本調査会を代表して厚くお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
 なお、本日、参考人から御提出いただきました参考資料のうち、発言内容把握のため必要と思われるものにつきましては、本日の会議録の末尾に掲載させていただきたく存じますので、御了承いただきたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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