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#1
第120回国会 環境特別委員会 第3号
平成三年四月九日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上野 雄文君
    理 事
                木宮 和彦君
                森山 真弓君
                田渕 勲二君
                広中和歌子君
    委 員
                井上 章平君
                石川  弘君
                石渡 清元君
                大島 慶久君
                須藤良太郎君
                原 文兵衛君
                真島 一男君
                清水 澄子君
                篠崎 年子君
                松前 達郎君
                高桑 栄松君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  愛知 和男君
   政府委員
       公害等調整委員
       会事務局長    高岡 完治君
       環境庁長官官房
       長        森  仁美君
       環境庁企画調整
       局長       渡辺  修君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  加藤 三郎君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  柳沢健一郎君
       環境庁自然保護
       局長       伊藤 卓雄君
       環境庁大気保全
       局長       古市 圭治君
       環境庁水質保全
       局長       武智 敏夫君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        宅間 圭輔君
   説明員
       林野庁林政部木
       材流通課長    小畑 勝裕君
       水産庁海洋漁業
       部遠洋課長    森本  稔君
       通商産業省貿易
       局輸入課長    林  洋和君
       通商産業省生活
       産業局文化用品
       課長       島田 豊彦君
       運輸省航空局飛
       行場部計画課長  小坂 英治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、平成三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、平成三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(公害等調整委員会、環境庁))
○連合審査会に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(上野雄文君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 去る三月二十九日、予算委員会から、四月九日午前の半日間、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会及び環境庁について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○清水澄子君 まず、環境庁長官にお尋ねをいたします。
 環境庁長官は、地球環境問題は全人類の生存基盤に関する問題として世界各国の重要な政策課題であって、我が国として世界の主導的役割を果たしていくことが期待されていると所信表明で明確におっしゃっております。そしてそれは、内外の環境問題をどう克服していくかということに至りましては、快適で住みよい社会を実現していくためには、社会経済活動を通じた地球環境への負荷を極力少なくして、そして環境の保全と経済社会の安定的な発展の両立を図っていくことが必要だ。さらには、環境保全は、平和国家を標榜する日本が世界に貢献するに最もふさわしい分野である。経済社会構造を環境保全型に変えていくことを世界に提唱して、そして国際的地位にふさわしい積極的な環境外交を進めていくとともに、世界に先駆けて環境保全型社会の実現に邁進したい。このように所信表明で述べられておられるわけですが、これらの考え方が大臣の環境行政に対する基本認識であるというふうに受けとめてよろしいでしょうか。
#4
○国務大臣(愛知和男君) 環境行政には多くの課題が山積をいたしております。特に社会経済活動の高度化に伴いまして、国民一人一人の生活が地球環境あるいは地域環境と大きなかかわり合いを持つに至っておりまして、「地球規模で考え、地域から行動を」と、こういうキャッチフレーズを立てまして、私ども環境庁としましては包括的な環境対策を進めていかなければならない、このように認識をいたしているわけであります。
 最近おかげさまで多くの国民の方々がこの重要性につきまして認識を深めていただいておりまして、これは国民一人一人、市民生活もとよりでございますが、産業界等におきましても同じような認識を深めていただいておりますことは大変ありがたいと存じております。
 具体的に内外の幾つかの問題を申し上げますと、地球環境問題に関しましては、オゾン層の保護や地球温暖化防止、こういったような課題がございます。我が国といたしましては、世界の主導的役割を発揮するとともに、我々のライフスタイルそのものを見直すことによりまして、環境保全型の経済社会構造へと転換を図っていく必要があるのではないかと考えております。このために、具体的には昨年の十月に策定をいたしました地球温暖化防止行動計画、これの着実な実施。地球環境に関する調査研究の強化、この点につきましては国立環境研究所の強化を中心に考えております。さらに、温暖化防止、森林保全等のための国際的な枠組みづくりへの貢献、こういう問題。さらに、途上国支援の強化という点、この具体的な一つの例といたしましては、UNEPつまり国連環境計画、ここの地球環境保全技術センターを日本に設置するということなどを一つの軸にしまして、発展途上国支援をさらに強化をしていく。こんなことを具体的には考えております。
 国内的な問題で申しますと、まず大都市における窒素酸化物による大気汚染の問題がございます。この問題について各般の施策を強力に推進していきたいと思っております。それから生活排水による水質汚濁、これもなかなか解決が難しい面もございますが、いろんな知恵を出してこれに対応していきたい。こういう問題はいわゆる都市生
活型公害ということでございますが、これらの問題に対する対策が大きな課題であると同時に、自然との触れ合いの増進など生活環境の質的向上を図ることも重要でございまして、そういう面での施策も講じております。
 私といたしましては、先ほど委員お触れになりましたとおり、我が国の国際的な地位にふさわしい積極的な環境外交を進めるということは平和国家を標榜する我が国にとって最もふさわしい役割ではなかろうか、こういう認識のもとに一つ一つの課題についてきめ細かく対応してまいりまして、世界に先駆けて環境保全型社会の実現に努力をしてまいりたい、このように考えております。
#5
○清水澄子君 今おっしゃられた政策的な課題とかその考えには私も全く同感でございます。しかし、それらの理念並びに政策課題を実際に遂行していくための予算的な措置を見ました場合に、今日環境行政に求められているグローバルな規模または非常に多様な課題が山積しているにもかかわらず、余りにその落差が大き過ぎはしないでしょうか。それで私は、本当にこれで果たして、環境庁長官になられる方はここに来られるとそういう所信表明をなさるんですけれども、日本の政治全体の中で見た場合に、政治首脳部は今日の地球規模の環境問題、この問題に対して本当に十分な認識をお持ちなのかどうか大変疑問を感ずるわけでございます。
 そこで、まずお尋ねをしたいわけですけれども、資料を配っていただきましたけれども、今年度の一般歳出合計に占める環境庁の予算は五百三十八億円ですね。これは昨年も、大体ここの委員会は皆このことについては共通の認識で少な過ぎるということを指摘していたわけですけれども、この五百三十八億円のうち約四二・四%は公害健康被害補償対策費なんですね。そうしますと、実際に使える事業費といいますか、政策経費はずっと余りふえていないと思うんですけれども、これで果たして今大臣がおっしゃったようなそういう政策が本当に全うできるのかという点につきましてどのように考えておられるのか、御意見いただきたいと思います。
#6
○政府委員(森仁美君) 計数的なところがございますので、私からお答えをさせていただきます。
 環境行政は、御承知のとおり、各省庁の施策の中にいろんなことが反映されながら総合的に進められていくという大変重要な側面を持っている行政でございます。そういう中にありまして、環境庁が独自に当庁の予算として計上しておるもの、これがまさに今お話のございました、ただいま御審議をいただいております平成三年度の予算額では五百三十八億円余でございます。この額は、前年度に比べますと八・三%の増額ということでございまして、私どもこれまでの経過、経緯から見ますと、かなり大幅な増額になったのではないかと思っているところでございます。このことは、一般歳出の伸びが五・三%という状況にございまして、大変厳しい状況の中で環境庁に計上する予算というものにもそれなりの目配りをしたものになったのではないかと考えているところでございます。
 ただいま大臣が申し述べましたように、いろんな施策をやっていくことになるわけでございますが、平成三年度におきましては、特に地球環境保全関係の施策を展開するこれに必要な経費、あるいは自然公園等の施設整備等に対する経費というものも増額をいたしたところでございます。ただいまお尋ねにございました公害健康被害補償対策費、これが占める割合が昨年度は二百二十八億円、総体に占める割合が四五・八%でございました。これが今年度、平成三年度の予算案では、絶対額では二百二十八億円でございますが、総体の伸びがございますものですから占める割合は四二・四%と、昨年の四五・八%に比しまして約三・四%ウエートが小さくなって、その分だけ他の行政経費に振り向けられるものがふえている、こういう実情にございます。
#7
○清水澄子君 毎年そういうお返事をいただくわけですけれども、大体金額が少ないわけですね。それと、国の予算も全体がふえているわけですから、ただ前年度だけでお比べになるんじゃなくて、今ここに一覧、昭和五十九年度ですか、ここから八年間ぐらいの分の表を出してみました。そうしますと、一般歳出に占める環境庁予算というのはそんなに、ことしは〇・一五%でして、昭和六十二年度も〇・一五ですから何もこの辺のところは、〇・〇何%がふえているだけで、これでもって非常にふえましたと言っておられるようではふえないと思いますね、環境庁の予算は。この数字を見ましても変わってないということが明らかです。
 それから他の省庁との調整費ですね、他の環境保全経費というところも、環境庁だけじゃなくて、環境関係とか公害の防止等にかかわる費用は他の省庁の合計をいつもおっしゃるわけです。他の省庁の合計というのを一応それを認めるとして見ましても、じゃ、一般歳出に占める環境保全経費というのはふえておりますか、この八年間。むしろ、昭和五十九年度の方が三・一八%ですし、ことしは三・〇一%ですから一番少ないんじゃないですか。ですから全然ふえていない。やはりそのところを私は冒頭に述べたわけです。
 結局、予算配分といいますか、その考え方が、もちろんこれはやっぱり同じくシーリングで抑え込まれていると思います。しかし、他の省庁もシーリングなんだと言われるのでは、今日の全政策の中で環境行政の位置づけというのが大きく変わらなければならないこのときに、この予算の状況を見ましたときに、その考え方というのは、いわゆる環境行政の位置づけが従来とは変わっていないということがこの予算の上に明確にあらわれているんじゃないかと思います。ですからその点を質問したいと思います。
#8
○政府委員(森仁美君) ただいまこの配付された資料によりお話がございました。
 先ほど申し述べましたように、この環境保全経費というのは、ただいま提出の資料では各省庁に計上されているものの総体をあらわしているものと思っております。それから環境庁予算は、先ほど申しましたように、私ども環境庁として予算上計上されているものでございます。金額自体が先ほど言いましたような増という形をたどりつつあるわけでございます。
 私どもは、具体的に施策を推進していくために必要な予算は重点的に確保するという考え方で対応してまいりましたわけでありまして、今後とも予算の確保には十分努めてまいりたいと考えております。
#9
○清水澄子君 それでは、最近地球環境をめぐる重要な国際会議が非常に頻繁に行われていると思いますけれども、特に来年の六月には環境と開発に関する国連会議が開かれますね。それに対して環境庁は、この事前の準備会議等の参加を含めて、職員の派遣費等はこの予算の中では十分に手当てされておるのでしょうか、お尋ねします。
#10
○政府委員(加藤三郎君) 今先生お尋ねの来年六月にブラジルで開かれます国連環境開発会議でございますが、これはまさに近年におきますいろんな地球環境問題を中心といたします環境問題のいわば総決算的な大事な会議でございます。別名地球サミットとも言われておりますように非常に大きな会議ということで、日本のみならず先進各国あるいは途上国も皆注目して、これに向けていろんな準備を国内的にもまた国際的にもとられているものでございます。
 したがいまして、先生もお触れになられましたように、この来年六月のブラジルでの国連会議に向けましていろんな準備がなされております。国連自体としてもやっておりますし、それからまた、これをめぐりましてあるいはある国が、例えば日本政府が、あるいは他の国がこれに向けてのいろんな会議を開いてございます。しかし、この国連環境会議自体は正式の準備委員会というのを設けておりまして、その準備委員会がスケジュールに従ってこれまでも開かれてまいりましたし、この後、来年の六月に向けても開かれることになってございます。
 もうちょっと具体的に申し上げますと、昨年の三月でございましたが、この準備委員会を組織するための会合というのが開かれまして、その後、昨年の八月、そしてことしの三月から四月にかけて二回、来年六月のブラジル会議に向けての正式の準備委員会が二回、それから組織会合を含めますと全部で三回開かれております。もちろんこの過去の三回の会議に対しましては、環境庁及びその他の関係する省庁から、環境庁はもとよりでございますが、外務省その他の関係する省庁から職員が出て、この準備委員会に積極的に参加をいたしてきておるわけでございます。私自身も昨年の八月の準備委員会には出てまいっております。
 それから、今後これがどういう状況で開催されるかと申しますと、現在予定されている限りではあと二回ほど、すなわちことしの八月と来年の三月から四月ごろにかけて、まだ日程は正式に決まってございませんが、あと少なくとも二回開かれるということになってございます。先ほど申し上げましたように、過去の会議には全部環境庁は出席いたしておりますし、今後の会議に向けましても当然出席し、必要な貢献を十分にしたいというふうに思っておりまして、そのための外国出張に要します旅費につきましては確保できているというふうに考えております。
#11
○清水澄子君 よく新聞に環境庁は予算がなくて環境関係の国際会議の出席を断念したということが出ているわけですけれども、今のお話を聞きますと、もう十分事足れりというふうな感じがして、何か私たちの方が心配をしているわけなんですが、どうも当局の皆さん方というのは非常に切実感がないように思います。
 一昨年パリで開かれましたアルシュ・サミットのときは、まさにこのテーマは地球環境問題であった。そのときに日本から九十人もの政府代表団が参加されて、総理を初め大蔵大臣、外務大臣、通産大臣という閣僚が行かれて、そして大蔵省、外務省、通産省、農水省、経済企画庁と五つの省庁の幹部が行かれたんですけれども、環境庁はそのときお金がなくて、ようやく一人加藤保健企画課長の出席を見たという、こういう経過もあったと思うんです。そのことは、地球環境問題をテーマにした国際会議にさえその所管大臣が参加できなかったという、そういうふうな問題が現実に予算の上からあらわれているんじゃないかと、こう思うわけです。
 それでことしの、皆さんのところにもう一枚資料をお配りしたと思うんですけれども、環境庁の外国旅費を見ましたときに、年間三千四百七十六万円であるわけです。よく私は、通産省がいつでもたくさん環境関係の会議とか化学物質を検討する会議なんかに、むしろ本当は環境庁が出ていなきゃいけないのに通産省の方が出ておられるというのをおかしいなと思っていまして、それでちょっと旅費を計算してみたわけです。そうしましたら、仕事の関係が違うとはいうものの、通産省では三億四千三百三十二万円ですから、環境庁はその十分の一にしかすぎない。ここを見ますと、他の省から見ていかに少ないかということがはっきりすると思うんです。そしてさらに、定員でこの予算を割ってみましたら、環境庁は一人当たりが三万七千三百七十六円ですね。こういう予算になる。そうすると、農水省や通産省とは性格が違うんだということをおっしゃるならば、同じような調整官庁である経企庁や科学技術庁から比べても非常に少ないわけなんですね。
 ですからそういう意味で、一体これで本当に国際的な会議というものに対して、私は会議に行くことだけがいいというわけではないんですけれども、今日の環境問題というのは従来のものとは質的に非常に違って、政策的に違っているという中で、日本の場合はお金がなくて行けないということになりますと、それこそ国際的な経済大国、金満大国日本と言われていながら、そして今最も世界で大きな政治の、政策の中心が軍縮とか環境行政に移っているときに、予算の面で環境外交がこれではできないんじゃないだろうかというふうに私は見るわけです。ですからその点で、大臣は環境外交というのをとても高らかにうたわれたんですけれども、一体どうなんでしょう、本当にこれでうまくやれるという御自信はありますか。
#12
○国務大臣(愛知和男君) 先ほど予算全体の問題につきまして官房長お答え申し上げました。私も、率直に言いまして環境庁の予算が十分だとはとても思っておりません。先ほど官房長、前の予算に比較して今度は非常に伸びたと。これは事実そのとおりでありまして、事務当局が非常に頑張って前の予算に比べて大分伸ばしたことは事実でございますが、しかし、それじゃ十分かといいますと、決して十分ではない、このように思います。
 これにはいろんな理由があるわけでございまして、環境庁の歴史がまだ、ちょうどことしで御承知のとおり二十年ということで若いということもございますし、日本の行政のやり方そのものの問題点もございましょうし、また、その中で環境庁の位置づけというのが総合調整官庁というそういう位置づけになっておりますので、そんないろんな理由で予算としても必ずしも十分ではないと、こういうふうに思うわけでございます。私個人としましては、今日までの事務当局の努力は多とするといたしまして、しかしこれでいいとは毛頭思っておりませんで、これから私なりに、予算の獲得もちろんそうでありますが、単に予算の額をふやすということだけではなくて、環境庁の持つ、その所掌する分野をもっと広げていくというようなことを含めて、ひとつ積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 なお、今御指摘の海外出張の問題につきましても、担当する事務当局からいえば、とにかく一生懸命やっておりますという答弁になるんだろうと思うのでありますが、これまた私の目から見ますと、事務当局もこれはえらい苦労をしておりまして、委員は御承知だと思うんですが、大変なやりくりをいたしております。そういう中で、日本として何とかかんとか恥ずかしくないといいましょうか、必要最小限といいましょうか、それに出席をしてそれなりの役割を果たしているということで、大変な苦労が裏にあることは事実でございまして、決してこれで十分だと思っておりません。
 今回の予算につきましては、これまた特に事務当局が大変な努力をいたしまして、旅費の問題につきましても前の年に比べますと非常な伸び率ということで、ふやしたことは事実なんでありますが、しかし国際的に、国際会議その他がそれよりももっと大幅なスピードでふえておりますし、それから日本の果たすべき役割というのもまた急速にふえておりまして、ちょっとやそっと予算をふやしただけでは追いつかないというのが実は現状でございます。これに関しましても、その辺のことにつきましては財政当局を初めといたしまして精いっぱいその必要性を説いておるわけでございますが、これにつきましても抜本的にふやしていく、予算をふやすということを中心にして、環境外交を推進できるような体制をつくっていきたいと思っておりますが、先ほど申し上げましたことと関連をしまして、幾つかの壁がございましてなかなか思うようにいかないというところもございます。しかし、あきらめずに、またこのことは環境庁の問題だけじゃなくて、国として大変大事なことだと私自身は認識をいたしておりますので、今後精いっぱいの努力を続けていく決意でございます。
#13
○清水澄子君 ぜひひとつ努力していただきたいと思います。私ども環境委員も、ただこちらから意見を言っているだけではやっぱり済まないという、そういう一つの責任を感じながら、一緒に何とかこの状況を打破しなきゃいけない、そういう観点から申し上げておりますので、ぜひひとつ大臣、頑張っていただきたいと思います。
 そこで、だけれどもお金がないということはいろんな問題がやっぱり起きると思うんですね。実は四月五日の新聞で見たわけですけれども、環境庁は今月、JICAの資金でサウジアラビアに十人前後の野生生物の保護活動に当たる専門家を派遣する計画を立てておられたと。しかし、JICAの資金の対象になるそういう活動でないために
予算確保のめどが立たなくなって、それで獣医ボランティアの人たち三人分の旅費をアムウェイという私企業の資金に頼ったといいますか、そういうことが記事に出ていたわけです。ですから、そのことは本当に事実ですかということをお尋ねしたいんですが。
#14
○政府委員(加藤三郎君) お尋ねのアムウェイの件につきましては自然保護局長の方から御答弁いただくことにいたしまして、その前に湾岸についてちょっとだけ触れさせていただきたいと思います。
 ことしの一月末から、湾岸におきますペルシャ湾でのイラクによる故意の油の多量の流出、それからまた、クウェートにおきます油井の炎上といったいわば陸海空に及ぶ非常に広範で前例のない環境汚染というのが生じまして、これを何とかしなくちゃいかぬと。これは世界じゅうの人たちが心配をいたしまして、特に日本でも環境につきまして多くの方が御心配になりまして、かつ政府部内といたしましても、これに何とかして日本としてもできる対応をすべきじゃないかということで、まず、三月八日から十九日までの十二日間、政府としてのこの地域に対する調査団というのが行ってまいりました。実は、私自身もその調査団に入りまして行ってまいりました。
 そして、あの地域の状況を見てまいった結果といたしまして、調査団を派遣するだけでなく、また、それに先立ちまして日本政府は、先生御高承だと思いますけれども、オイルフェンスあるいはスキマー等々の資材を、サウジアラビアを中心といたします影響を受けている国あるいは受ける可能性のある国に資材の供与を既に事前にしておったわけでございますが、今回の調査団の調査結果を踏まえまして、さらにこの地域に対する環境協力を続けるべきだということになりまして、早速三月三十日にあの地域へ、原油を回収するチーム、それからさらに、サウジアラビア等々の国々は水を海水の淡水化に頼っている面が非常に強うございますので、海水の淡水化装置が油によって汚染されますと飲み水あるいは工業用水等々に非常に影響が出ますので、そういう面で防御するチームを送りました。加えまして、先生のお尋ねになりますような野鳥を保護するチーム、さらにクウェートにおきます援助をするチーム等々について必要な専門家を送るべく今鋭意やっているところでございます。
 今まで申し上げましたもののほとんどは政府のスキームで行くわけでございますけれども、野鳥保護に関する部分のみは、これはいわば技術を援助する、技術を相手に伝達するといいますか、そういうことよりはむしろ助っ人として、あの地域で油にまみれております野鳥あるいはウミガメ、そういったものを洗浄したり救ってあげる、そういうレスキュー的な作業に直接加わるという意味で、ちょっと技術を相手国に伝達するという意味の専門家派遣というスキームにはなじまないということで、JICAのスキームではなくて民間のということになったわけでございます。
 ちょうどそのころ、幸いにいたしましていろんな民間団体もボランティア的にこの地域の環境協力に民間としてもいろいろと協力したいというお話があり、その中には民間会社も幾つか出てきているわけでございますけれども、そういう中でアムウェイということになったわけでございまして、それにつきましてはちょっと自然保護局長の方にお許しをいただきたいと思います。
#15
○清水澄子君 事実かどうかだけ言ってくださればいいんで、時間がなくなるのが心配です。
#16
○政府委員(伊藤卓雄君) 経緯はそういうことでございますけれども、私どもといたしましては、野生生物の保護に関しましては大変関心を持っておりますし、実はこの案件が生じまして以来、企業や団体から大変心配をいたしまして善意の寄附の申し入れ等もございました。ただ、それをそのままつなぐということもできませんで、先ほど申し上げましたような実態を調べた上でということにしておったわけでございますが、やはり政府ベースではなかなか難しいというところになりましたので、この際、民間団体の方にもお話をしてみようということでございました。
 それで私どもとしては、いろいろあります一つといたしまして、民間の自然保護団体にそういったものを集約し、あるいは御紹介をするという形をとっておるわけでございますけれども、お尋ねの企業につきましても、かねてからこういった点について大変関心があるということを承っておりましたので、打診をいたしまして協力をいただくといったような方向での御検討をお願いしたわけでございます。
#17
○清水澄子君 ちょっとお答えの時間が長過ぎて、私の聞いたことだけ、経緯はみんな知っているわけです。
 これで私がお尋ねしたいのは、民間の私企業に頼まれた、それはやっぱり資金がなかったからだと思うんですけれども、ただその場合に、今回いろんな消費者から電話がかかってきているわけですけれども、このアムウェイの商法といいますか商業行動といいますか、その辺のところにやっぱり一つの問題があると思うんです。確かにアムウェイというのは、一昨年、アメリカでも植樹運動にお金を出したとか、そういうことで国連の環境功績賞を受賞していることは事実なんですね。しかし、日本でアムウェイの環境基金キャンペーンのやり方というのが問題になっているわけです。
 それは、もともとアムウェイは、例えば環境に優しい製品をつくっているかというと、むしろ日本では禁止されている有燐の合成洗剤も出しているわけなんです。私はそこのところを今追及するわけではないですけれども、そういうふうに環境に優しい製品をつくろうと言っているところでこういう有燐の製品をつくっていたり、それから非常にこれはマルチまがいの商法のやり方でいろんな被害があちこち出ていて、いろんなところで、日弁連とか消費者団体で二、三年前からずっとマルチ商法の中でのこのアムウェイの問題がいろいろ取りざたされていたわけですね。
 そのアムウェイが今度、ずっと今まで、去年の十二月から環境基金キャンペーン、これは毎回するんですが、何か環境基金キャンペーンを売り物にして、自分たちの売った製品の利益から出すんじゃなくて、この環境基金のときには一銭も販売には、手数料おろしません、満額よこしなさい、そしてどれだけ売りなさいという形で別の製品を売るわけです。そして、十二月に五千万円の基金をつくっていたのに、今回また再び「環境庁の緊急な要請で、」という文書が出ているんですね。「ペルシャ湾岸地域における野生生物救済のための特別基金キャンペーンを実施することを決定いたしました。」ということで、また一千万円のあれを出しているわけなんです。そして、そういう環境庁の要請によりというのが文書になって出ている。
 ですから、こういうことでむしろ商売に、何かアムウェイというのは非常に環境に協力している企業であるというイメージで実にうまく宣伝をされている。そういうふうな企業の宣伝に私は利用されるというのはまずいと思うんです。ですから本当に環境庁が、これからは国際的な環境の救済、国内もそうですけれども、そういうふうな意味での活動をするために基金制度をむしろ設置されるならむしろ設置をされて、そこにいろんな企業からも資金カンパ、資金を得ると。それをプールされたものとして使われるというのであれば、これは私は問題ないだろうと思うわけです。しかし、現在のアムウェイのように、私企業の宣伝に使われている、そのことがむしろ国民から、消費者から不信を買うというふうな環境行政のあり方が果たして正しいのかという点で、私はこの問題につきましては、職員の方は一生懸命何とか派遣したいということで工夫されたんだと思います、お金がなくて。その点は理解はできるんですけれども、しかしそれだけに、やっぱり私は今回のような、とくに湾岸戦争後の環境復旧のこういう派遣、環境協力の派遣ですね、こういうふうな費用というのは民間企業におねだりをしているというような問題ではないと思うんです。
 ですから、こういうものは本来環境庁自身の予算で補っていくものであって、大臣が大蔵省とか外務省と折衝して予算をつくってくるべきではなかったかと、私はそう思うわけです。そして、基金というのはまた別に、そういうものはやはり政策的につくり出されたらいいんじゃないか、そういうふうに思いましたので、あえてこの問題、私非常に消費者からたくさんの不満とあれをいただいておるわけですから、ここで環境庁の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#18
○政府委員(伊藤卓雄君) ただいま御指摘の点は、私どもといたしましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、政府である基金を設けていただいて処理するということはできませんので、ほかのケースでもそうでございますけれども、民間の自然保護団体を紹介したり、今度の場合は野生生物についての仕事をやっておる団体を紹介して、そちらを通じてお願いする、派遣をするというような仕組みを考えております。
 これも先ほど加藤部長が御説明申し上げましたように、必ずしも政府のスキームに合わないものもございますし、一方では、非常に最近は関心が高まって、自分たちでお金を出そうあるいは人力を派遣しようというようなところもあります。そういったものをつなぐ仕事としては、そういった民間団体への御紹介あるいは助言といったようなことがあろうかと思っております。なお、せっかくの善意がそういう形で、御指摘のような形で、ある御不満なりなんなりにつながってもこれまた心外なところかと思いますので、その点は十分気をつけてまいりたいと思います。
#19
○清水澄子君 次に、今度リサイクル法案との関係についてお伺いします。
 私は、昨年十一月に環境庁から出されました環境保全のための循環型社会システム検討会の報告書を読みましたときは、大変この時代に即応した適切な政策提起をされていると見て非常に感心をいたしました。そして、そこには明確に、今までの大量生産、そして大量消費、大量廃棄、そういう価値観に支えられてきた社会経済や社会のあり方を地球の生態系に適合したものにしていくのだと。そのためにはすべてのものを廃棄していくということじゃなくて、リサイクル化を進めて資源の利用効率を高めながら廃棄物の量を抑えていく、そして環境に対する負荷を極力小さくしていくための循環型社会を目指すのだと、非常に明確な方針が出されているわけです。そして、そのためには法律上の根拠を持って体系的な取り組みが必要であるということが出されていまして、私これ当然環境庁から環境保全の立場に立ったリサイクル法案が提出されるものとばかり期待をしておりました。
 ところが、それは意外にも通産省から再生資源利用促進法が提出をされたわけです。これは最初、環境庁は主務大臣の対象からさえも外されていたと思います。それで、ぎりぎりのところで滑り込んだわけですけれども、そこには通産、建設、農林、大蔵、厚生、運輸という事業所管大臣の後にようやく一人、七大臣の中の一人として調整大臣の環境庁長官が主務大臣に加えられたという、こういう経過があるわけですけれども、この法律での環境庁長官の権限は、基本方針を書くことしかこの法律の中では任務がありませんが、環境庁はこの基本方針の中でどういうことをお書きになるおつもりですか、ちょっと簡単に言ってください。
#20
○政府委員(渡辺修君) 再生資源の利用促進のためには、国、自治体、事業者、国民、関係者すべてが共通の理解と目標のもとに一体となって取り組むということが不可欠でございます。そういう意味で、再生資源の利用を総合的かつ計画的に進めるための基本方針が重要だと、まず基本方針の意義を私どもは重要なものと考えているわけでございます。
 その内容につきましては、法律で再生資源の種類ごとの利用目標を定めるのが第一点。それから第二点としては、環境保全の観点から再生資源の利用促進の意義なり普及啓発活動について定める。その他必要な事項と、こういうことでございますが、これらは今御指摘のとおり、環境庁長官を初めて七省庁の主務大臣が共同してつくる。それで、最後に申しましたその他の事項も大変重要でございまして、私どもは共通的、横断的な事項として冒頭に申しました各関係者の役割というものをなるべくわかりやすく、しかし基本的な事項を取り上げて記載をしたい。また、リサイクルを進めるに当たって、環境保全上の見地から配慮すべき事項、こういうものも定めたいというふうに考えているところでございます。
#21
○清水澄子君 それじゃ、その基本方針が個々の具体的な事業所にどのように反映されるとお考えですか。
#22
○政府委員(渡辺修君) 立案の経緯にも関係をいたしますが、私ども環境庁で当初考えておりました法案は、環境保全型社会形成のためのリサイクルの基本方針、あるいは国、自治体、事業者、国民等の関係者の責務、こういうものを中心にした立案を考えていたわけでございます。他方、通産省を中心に事業所管省庁では、それぞれが所管する事業について、事業者に対して必要な指導、必要な措置を講ずる、リサイクルのために必要な措置を講ずるということでございまして、法案作成の過程で政府部内で十分協議をいたしまして、その総論的な部分と各論的な部分をまあ一本化したわけでございます。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、その各論については、基本的にその事業の内容について詳しく知っております事業所管担当大臣が担当をする。そこで、両者のつながりはまさに先ほどの基本方針にあるわけでございまして、環境保全の見地から必要な事項を定める基本方針にのっとって各事業所管大臣がこれを反映しながら個別の措置を講じていく、こういうことになっているわけでございます。
#23
○清水澄子君 そういう法律のもとで、大臣は、所信表明でおっしゃっているような循環型社会システム化が進むとお考えですか。
#24
○国務大臣(愛知和男君) 今回のこのいわゆるリサイクル法をまとめ上げる過程でいろいろ政府の中で協議をいたしました経緯、今局長申し上げましたとおりでございます。したがいまして、そういう中ででき上がったいわば妥協の産物という側面もなきにしもあらずでございますが、しかしとにかくこういった法律ができますのは初めてのことでございますから、そういう点で極めて大きな意義を持つと、このように思います。したがいまして、これが成立の暁には、この運営に当たりまして私ども環境庁精いっぱいの努力をしてまいりたい。そういうことによりまして、いわゆる環境保全型社会をつくり上げていく非常に大きなきっかけ、促進になると。今までなかったことでございますから、そういう意味で新しい出発をしたということの意義をぜひ御理解いただきまして、またそういう経緯の中で、問題でも出てまいりましたら見直すということもあるいはあるかもしれませんが、とにかく今回の法案というのはいろんな形ででき上がりました経緯の中で、私どもとしましてはひとまず満足すべきスタートを切ることができたと、このように考えております。
#25
○清水澄子君 だけれども、衆議院における商工委員会での通産省の答弁を見る限り、皆さん方が何かその中で少しでも環境保全の立場からできる方策を探りたいという、そういう面はほとんど全く考えられませんよね。すべてそういうリサイクルについての問題は、それは事業所管大臣がやることですとはっきり言って、そして環境庁というのは知識の普及にかかわる事項でありますということが明確に答弁をされているわけですね。ですから私はそういうふうに、あの法律の構成の中では、本当に環境保全という立場からリサイクル法案が出たわけではないわけですから、そこには私たちが本来期待したもの、それから本当に必要なものが目的の中からも、言葉が一文字だけ入っていますけれども、しかし本来目的の中にもそれが明確に位置づけられていないと思うんです。個々の事業所に対してどのような判断基準を示してい
くかとかそういう問題につきましては、事業所等ととりわけ深い関係にある通産省とかそういうところで厳しい基準を示すということは、今まででも非常に無理だったと思いますね。
 特に、例えば古紙を何%回収をしていくことによって再生紙をふやしていく、そのことによって熱帯林の伐採をこういうふうに少なくしたいんだとか、それからまた、自動車を分解したときにその部品が再資源化しやすいように組み立てていく、そういうふうな事業所に対する判断基準を示したり、それからアルミ缶なのかスチール缶なのかという表示の標準、そういうものを示していく場合には、やはりこういうものは環境庁がグローバルな視野と、そして全体の環境の面からそういう問題を提起していけるような、私は政策の意思決定の場にもっと環境庁が参加できるということが非常に重要なことだと思うわけです。ですから、事業所管大臣が作成した判断の基準や表示の標準の設定に対して、もっと意見が反映されるようなそういう措置をぜひ、私どももそれは努力いたします、だけれどもぜひ環境庁側ももう少し、環境庁というのは今もっと前面に出る積極的な姿勢が必要じゃないか、こういう点で私はあえて意見を申し上げておきます。
 そこでお尋ねいたしますけれども、先ほどから来年は地球サミットと言われる地球環境の総仕上げと言われるような重要な会議が開かれるということもおっしゃいましたし、そして地球環境問題が今や二十一世紀に向けての人類の共同の課題になっているわけですよね。そして大臣もおっしゃったように、これはこれまでの価値観といいますか、経済のあり方からそれぞれの社会のあり方から教育のあり方から人間の生き方、ライフスタイルから、文化総体を転換しなければならないという大きな問題に私は世界の人類全体が共通して直面しているときだろうと思うわけです。
 それを考えましたときに、日本の環境行政は、ことし環境庁設置二十年になると思うんですけれども、やはり二十年前の公害防止と自然保護を目的とした個別課題的な環境保護行政にとどまっているんじゃないか。そのことが今日的な地球環境の視点に、状況に対応するには余りにも環境庁自身の置かれた、調整官庁であるということも含めて、やはり基本になっている法律そのものがもう今や枠組みが非常に古くなってきているんじゃないか、そういうふうに考えるわけです。ちょうど環境庁創立二十周年ですし、それから来年はそういう国際的、世界的な地球環境問題が論議されるこの時期を最大限にひとつ生かしていただいて、大臣は公害対策基本法とかそういう問題の枠組み全体を一度総点検して、そして今日的な新しい法律や制度の枠組み、これ環境庁の昇格ですね、そういう問題を来年に向けて検討され提起されていくお気持ちはないですか。ぜひその抱負をひとつ伺いたいと思います。
#26
○国務大臣(愛知和男君) 委員御指摘のとおり、環境問題につきましても、従来のような公害防止と公害の発生源に対する対応というようなことから非常に大きくなってきて、環境行政の役割というものが大きく変わってきたのではないかということは、まさに私どももそのような認識を持っております。そういう点で、法体系のあり方を考えたらどうかということに関しましては、私どももこれは検討に値する課題だと認識をいたしておりまして、これは来年とかというような時間的なことはちょっと今申し上げられませんけれども、今後十分検討してまいりたい、検討するに値する課題であるとの認識は持っております。
#27
○清水澄子君 そういうものはひとつぜひ急いでいただいて、そして来年度の予算には何らかの形があらわれていくような、そういうことをやはり今からひとつ御検討いただきたいと、そのようにお願いしておきます。
 これは最後なんですけれども、最近の読売でしたかね、四月五日に今年度の環境白書について記事が出ておりましたけれども、これを読みますと、今年の環境白書の最終案に戦争による環境破壊の深刻さが訴えられているということは今までにない内容であると。そして、環境破壊を戦闘の手段に用いないという国際的合意づくりの必要性が強調されているということが書かれておりました。私は、本当にそれは全く賛成ですし、特に長官は衆議院の環境委員会でも、戦闘行為それ自体が環境破壊である、だから戦争そのものが環境破壊であると、戦争と環境という問題について非常に私は明快な答弁をしておられるのを読みまして、これも全く同感をしているわけです。
 ですから私は、そのときに当たりまして、先ほどから何回もお聞きしているんですけれども、所信表明の中でも大臣が「環境保全は、平和国家を標榜する我が国が世界に貢献するに最もふさわしい分野である」、そしてそれが「国際的地位にふさわしい積極的な環境外交を進めていく」ことを非常に強く強調しておられるわけですが、私は今までは予算的な面でそれは全然そういうことが裏づけられていないじゃないかということを御質問して、そしてまた、環境行政の位置づけ全体が法的な意味も含めて今基本的な枠組みを検討するときが来ているんじゃないかということを申し上げたわけです。
 私は最後に、今そういう、環境白書がいつでも時代を先取りして問題を提起されるというのは大変いいことだと思います。そういう中で、これは私の方の提案ですけれども、今回の湾岸戦争に伴う環境破壊というのは、これは非常に国際的にも、今先ほど報告がありましたように、大きな問題になっていたと思います。ですから、本当にこういうことに対してこそ私は、日本のやはり憲法の理念に則した貢献というのは、まさにこういう環境保護への貢献というのが一番できることだと思います。ですから、いつでも自衛隊の海外派遣ばかりが議論されているわけですけれども、むしろ今こそ国際的に、こういう環境復旧のために、または環境保全のために日本がどういう役割を果たせるかということを、もっとこの面も私は根本的な政策を打ち出すときにきていると思うわけです。
 私の方の提案は、まず、国内でも常設の地球環境レンジャーを創設することができないか。今国立公園にはそれを管理するレンジャーが百人ちょっとおられるわけですが、それの地球環境版をつくったらどうなんでしょうか。そして、必要なときにはいつでも環境調査を目的とした環境ミッションを派遣する。そして、環境復旧を目的とした環境レスキュー隊の派遣ができるような、そういう機動的な国内体制をきちんと組織的にも制度的にもつくっておく。こういうことをひとつ環境庁は真剣に考えられたらどうだろうかと思うわけです。
 同時に、今度国際的、国の外においてでは、日本はやはり国際社会において地球的規模の環境保障を制度化していく、そういう努力をしていく役割があるんじゃないかと思います。特に、国連では戦争の問題に対しては安全保障理事会というのがあるわけですけれども、環境保障理事会というのを国連の中に設置して、その環境保障理事会の日本は常任理事国なんかを引き受けて、そして世界にこの分野で貢献していく、ひとつもう少し大きく発想を広げて、そういう提案をぜひ国連の中に提起していったらいいんじゃないだろうか。そのことをやはり国内では環境庁が提起していかない限りなかなか、私外務委員でもありますので外務委員会でもそういう問題を提起したわけですけれども、やはり今国連機構の見直しが叫ばれているわけですし、それですから恒久的な環境保障制度を確立していく、こういうことこそ本当に私は、日本がやれることですし、またそれは日本の使命ではなかろうか、このように考えております。ですから、環境庁の積極的な環境外交を望む一人として、私は最後に長官の御所見をお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(愛知和男君) いろいろと大変有意義な御提案をいただきましてありがとうございました。
 基本的には私もそういうことができれば非常にいい、あるいはそういうことができるように日本
が積極的な役割を果たしていくということは大変意義のあることだと思います。現実問題として、そういうレンジャーを創設するというのがすぐ可能かどうか、あるいは国連の中にそういう理事会をつくることが直ちに可能かどうかという問題は別にあろうかとは思いますが、しかしその意義はまことにそのとおりだと思いますので、機会あるごとにその意義を強調していくということを私自身もやりたいと思っております。
 それから、私はかねてから、環境破壊を戦闘行為としてそういうことをやらないという国際的な合意、これをつくるべきではないかというようなことを提唱しておりまして、これは総理もそのことを取り上げてくれまして、この五月に京都で国連の軍縮会議があるわけですが、そういう場でもできたらそういうことを自分からも提唱してみたい、こんなことを総理も言っておりますが、こういうようなことを機会をとらえてどんどん発言していくということがまず第一歩だろうと思います。そんなことをこれからも努力を続けてまいりたい。
 いろいろ御提案に関しましては大変感謝を申し上げます。よろしくお願い申し上げます。
#29
○清水澄子君 ありがとうございました。これで終わります。
#30
○広中和歌子君 ただいまの清水委員の御質問と重なりますけれども、大変有意義なことをおっしゃいましたので、私もちょっと重ねて繰り返させていただき、要望にかえさせていただきたいと思います。
 地球環境は今や世界の外交のメーンテーマになっていることを踏まえて、環境庁の職員の海外派遣への予算の配慮、そして長官御自身の国際会議への積極的な御出席の必要性を非常に痛感しております。これを心から要望させていただく、これがまず一点でございます。
 それから、湾岸戦争が一応の停戦を見た今、世界最大の、そして緊急の対応を要する課題というのは、イラクのクルド族の難民化であり、そしてペルシャ湾への石油流出とともに油井火災の消火でございます。これは大変な問題でございまして、世界じゅうで関心が高まっているわけですが、環境担当大臣として閣議で早急にこの二つの問題を提案され、取り上げていただくようにお願いしたいということ。この二つをお願いさせていただきます。
 それから、地球環境貢献でございますけれども、ODA予算の中でどのようにふえているかということ、そしてふえることが非常に必要である、そして別枠で考えていただきたいということ。そして、環境庁はこの分野でどのように積極的にかかわっていくか。時間がございませんので具体的なことは予算の増加の点以外についてはございませんけれども、長官のこの三点についての御決意をお伺いさせていただきたいと思います。
#31
○国務大臣(愛知和男君) 積極的に国際会議などに出席をするようにと、こういう御趣旨、大変ありがとうございました。私どももその決意を持っておりますが、せんだっても、一月の末でございましたが、OECDの環境大臣会議というのがございまして、ぜひ出席をしたいと思っておりましたところが、ちょうど国会で予算の審議の最中ということで、大臣全部そろって出席をしなければいけないと、こういうことでなかなか難しかったのでございますが、たまたま一日余裕ができましたので、国会のお許しをいただきまして、日帰りでございましたが行ってまいりました。こういう努力は今後とも、いろんな制約条件があろうかと思いますが、最大限の努力を続けてまいりたいと考えます。
 また、職員の派遣につきましても、先ほどお話のとおり、いろいろ予算の制約もあることはございますが、これもいろいろやりくりをいたしまして、またいろいろ知恵を出しまして精いっぱい対応してまいりたいと考えます。
 また、湾岸の後の問題、油あるいは油井の問題等のことでございますが、地球環境関係閣僚会議というのが内閣に設置をされておりまして、その場で実は例の地球温暖化防止行動計画などを決めたわけでございますが、そういう場もございますので、閣議並びにそういう場を通じまして政府の対応、今までもいろんな機会にこの話は出ておりますが、なおそういう場なども活用いたしまして、政府全体としてそういう問題に積極的に取り組むことを続けてまいりたいと考えます。
 それからODAの問題につきましては、これは御承知のとおり、いわゆる環境ODAということで、ODAの中でも環境関係のODAをふやしてまいりました。アルシュ・サミットで国際公約をしたという経緯もございましてふやしてまいりました。これをいわゆる最初から別枠にするかどうかという問題につきましては若干運営上問題もあるようでございますが、しかしODAの中での環境の分野をふやしていくということに関しましては、これは大変意義のあることでございますし、直接は外務省の所管をすることではございますが、私ども環境庁の立場からも大いに意見を申しまして、ODA予算を増やしていくように、またそういう部分で世界に貢献をしていくという方針で精いっぱいの努力を続けていきたいと思っております。
#32
○広中和歌子君 私、今非常に心配していることの一つに、東南アジアの熱帯林が猛スピードで破壊され、かつ大規模に減少しているという事実、それにつきまして我が国が世界一の熱帯林の輸入国として大きな責任を持っていることでございます。日本は、世界の人口のたった二%にもかかわらず、世界の熱帯林の総貿易量の三〇%、丸太だけなら五〇%を独占し、最大の輸入国になっているわけでございますけれども、大臣、熱帯林の伐採による環境破壊についてどのような認識をお持ちでいらっしゃいますか。
#33
○国務大臣(愛知和男君) 熱帯林が急速に減少しているということにつきましては、非常にこれは大問題だという認識は私も持っております。
 その原因が何かということに関しまして、これは日本の輸入ということももちろんあるわけでございますが、それだけではなくて、やはり現地の人たちの貧困とかそういう問題もあるわけでございまして、これが一方的に、じや日本が輸入をやめればいいかと。そうすると、その現地の方々の貧困がさらに進むということもあるものですから、解決策は簡単ではないと思います。しかしながら、熱帯林というのはそこの地域の人たちだけではなくて地球全体、人類の問題でもございますので、その熱帯林の減少が進まないようにあらゆる方策を講じていくということが大事ではなかろうか、そんなような認識を持っております。
#34
○広中和歌子君 私も、日本の輸入、日本だけではございませんけれども、そういう輸入そのものが最大の原因というふうに言われるのはどうかとは思いますけれども、もちろん現地の焼き畑農業とか伐採、そうしたものが原因であることも存じておりますけれども、しかしながら我が国に責任がないとは言い切れないということは事実ではなかろうかと思います。
 最近の丸太の輸入実績、その輸入量と価格の推移についてちょっと政府委員の方お願いいたします。
#35
○説明員(小畑勝裕君) 熱帯からの木材、丸太の輸入量でございますが、過去三年間の輸入量を見ますと、昭和六十三年が千百八十二万立方メートル、平成元年が千二百四十二万立方メートル、平成二年が千百二十万立方メートルとなっておりまして、二年は対前年比九〇%と減少をしてきておるところであります。
 また一方、価格でございますが、こうした資源的な状況もございまして数年上昇傾向にあるということでございまして、数字を申しますと、平成二年の平均の価格、製材用と合板用と分けてお話ししますが、製材用は一立方当たり五万三千九百円で、前年より二・七%上昇しております。合板用は一立方当たり二万七千八百円ということで、これは一・五%の上昇になっております。
#36
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 次に、木材貿易による伐採行動基準に基づく輸入規制が、一九九〇年五月の林野庁長官の私的諮問機関熱帯林問題に関する懇談会による中間報告の提言に示されております。政府は、この行動基準の設定と輸入についての基本ルールを策定なさいましたが、それをどういう形で関係企業に周知徹底しているか、お伺いいたします。
#37
○説明員(小畑勝裕君) この中間報告の中では、熱帯木材の貿易につきまして、熱帯木材の製品の多様化、付加価値化を図ること、それから二番目に熱帯木材利用の合理化、効率化を図ること、三番目にマーケット情報の整備を図ることというような方向をお示しいただいております。
 これらにつきまして具体的に林野庁の方でやっておりますことを御説明させていただきますならば、まず生産国の方で所得を確保しないと伐採量が減らないわけでございますので、例えば未利用の資源を活用するであるとか、あるいは造林をされている木材もあるわけでございますから、そういう資源を利用すること、そのようなことについての技術的な、あるいは情報面での援助をいたしたいと思っております。
 それから、二番目の消費の面で木材の利用を効率化するということにつきましては、最大の需要先であります合板でございますが、これも熱帯木材製品から造林木であるとかあるいは針葉樹であるとかという方向に原料転換するためのいろいろな技術的な研究であるとか、あるいはその具体的な進め方について業界とこれも相談を進めておるところでございます。また、過剰な輸入をするということはまことに資源的にもったいないことでございますから、適正な輸入をしようということで、本年度からですが、輸入商社から毎月輸入量の情報をとることにいたしまして、これをフォローアップいたしたいと思っております。
 また、最終的にはITTOの方で、国際熱帯木材機関ですが、こちらの方でも言われておりますけれども、西暦二〇〇〇年までに持続的に生産をされている木材だけを貿易の対象にするんだということが言われておりまして、これが実現できますようにこのITTOに対しても資金的に技術的に協力をしていきたいと思っております。
#38
○広中和歌子君 これは熱帯林の問題ですけれども、また国内の問題から見ますと、我が国は安価な輸入材のために国内材の消費率が減少しておりまして、結果として林業が落ち込み、林業地帯の過疎化が進んでいると、そういうことはよく言われているところでございます。それで、輸入抑制を図るということ、さまざまな数量規制とか輸入課徴金をかけるとかといったような、いわゆるガット体制に反するようなことを行う必要があるんじゃないかという考えを持っているんですが、これは時間の関係で商工委員会で私は質問いたしますけれども、それについてもしお考えがあったら聞かせていただきたいということ。
 それからついでに、林野庁は、今国会において森林法の改正、国有林野事業改善特別措置法の改正案を提出し、環境保全、国土保全、自然保全のための森林整備をしようとしていらっしゃいますけれども、これらの法整備によって国内材の消費は伸びるのでしょうか、この点についてどういう戦略を考えていらっしゃいますか。
 それで、この私の考えでございますね、輸入抑制、それから課徴金によって外材の値段を意図的に上げるということ、そのことも積極的にお考えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
#39
○説明員(小畑勝裕君) 木材は、これは余計な御説明になるかもしれませんが、環境の資源であるとともに再生できる経済資源でございます。それから、先ほど大臣もお話しになりましたが、生産国の方から見ますと、国家経済あるいは地域経済の中で重要な地位を占めておるわけでございます。したがいまして、一律にその輸入を減らすということよりも、私どもといたしましては、先ほども御説明いたしましたが、管理された持続的に生産される木材を貿易の対象にする、あるいはそういうものを利用して長く使っていくというような方向でこの問題には対処をいたしたいというふうに思っております。
 それから、国産材の方も簡単にお答えをさせていただきますと、確かに木材需要が景気の拡大の中で増加しておるわけですが、その中で国産材がだんだんとウエートを下げてきておるのは事実でございます。これは基本的にはいろんな要件がございますが、外材に比べまして、質の問題、それからロットがまとまっていないという問題、そして価格の問題というような対抗力、いわゆる競争力の問題じゃないかと思っております。それで今回、先生もお話しになりましたが、森林法の改正で流域の単位にいたしましてその供給ロットをまとめていこうということを法律改正の中でもお願いをしておりまして、そんなことで外材に勝てるような競争力というものを高めていくことが重要だと思っております。
#40
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 ただ私は、この課徴金を国内で使うのではなくて、相手国の環境保全あるいは貧困の解消のために、つまりある種のODAとして使われればいいと、そういう考えを持っております。ですから、相手国の経済に対する配慮がないわけではないのでございますが、それにつきましてはまた次回の委員会などでも御質問させていただきます。
 次に、ワシントン条約についてお伺いしたいのですが、ワシントン条約を日本は一九八〇年に批准なさいましたけれども、この条約は野生動植物の国際取引を規制することによって絶滅のおそれのある種の保護をすることを目的としているわけです。我が国はマッコウクジラなど十種類について留保しておりますが、その理由、そして見直しを考えてはいらっしゃいませんか。もう十年たったわけです。
#41
○政府委員(伊藤卓雄君) ただいま御指摘のワシントン条約の留保品目の見直しの問題でございますけれども、我が国の留保品目が多いということはこれまでいろいろ指摘されているところでございまして、近年ジャコウジカ、イリエワニ等四品目を順次留保を撤回してまいっておりまして努力を重ねてきておるところでございます。私どもといたしましては、なお留保問題の早期解決という観点に立ちまして、関係省庁と協力していきたいと考えているところでございます。
#42
○広中和歌子君 ちょっと最後のところもう一度おっしゃってください。
#43
○政府委員(伊藤卓雄君) 留保問題の早期解決に向けまして、関係省庁と協力をして努力していきたいということでございます。
#44
○広中和歌子君 商工委員会などでも私も伺ってみるつもりでございます。どうぞ頑張っていただきたいと思います。
 最近象牙の密輸が報道されましたけれども、この事実関係についてお伺いしたいと思いますが、卸や小売に対してモニタリングというのがあるのでしょうか、デパートでいっぱい判ことかなんか象牙の製品を見るのですが。
#45
○説明員(島田豊彦君) 象牙の国際的な取引については、八九年十月のワシントン条約締約国会議においてII類からI類に分類された関係で取引ができないことになっておりますが、国内取引については特に禁止措置はございません。これはワシントン条約のII類からI類への移行以前に国内に輸入された在庫量が相当あるということで、主に国内の印章業界あるいは美術品工芸業界においてその取引が行われております。ただ、違法な輸入と禁止前の輸入物とを区別するために業界で自主的にSEシールというものを設けておりまして、これによって正当なものと非合法なものを区別する努力をいたしております。
#46
○広中和歌子君 そのことは存じませんでした。大変すばらしいと思います。
 一九八〇年以降のワシントン条約の違反の取り締まりにつきましての実態、そして違反の状況、それについてお答えください。
#47
○説明員(林洋和君) 平成元年におきまして、例えば輸出許可証が添付されていないとかこういうことによって輸入を差しとめられた件数は千八百
一件でございます。平成二年は二千三百五十五件、こういう状況になっております。
#48
○広中和歌子君 ぜひ水際規制をよろしくお願いいたします。これは前年度でしたか、当委員会でもいろいろ検討したことだと思います。
 次に、鯨の試験捕鯨は大変国際世論を刺激しているわけでございますけれども、そうした世論に配慮し、広い意味での国益の点から一時やめ、目視調査だけにとどめることが必要だと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#49
○説明員(森本稔君) お答え申し上げます。
 我が国は、国際捕鯨取締条約の締約国の一つとして、国際捕鯨委員会、IWCと呼んでおりますけれども、このIWCによります鯨資源の科学的な保存、管理に貢献することを目的として、南氷洋におきまして捕獲を伴う鯨類調査を現在実施してきております。IWCは、世界で最も多数の鯨が生息する南氷洋において、その実態を明らかにするために一九七八年から毎年大がかりな目視調査を実施しておりまして、我が国はこの目視調査に対しても、調査員であるとか調査船、調査経費を全面的に協力してきているところでございます。この結果、商業捕鯨時代に我が国が捕獲対象としておりました南氷洋のミンククジラ資源は七十六万頭以上も生息しているという極めて健全な資源であるということがIWCの科学委員会で明らかになってきております。
 しかしながら、このような目視調査のみでは、このミンククジラ資源の大きさはわかっても、今後この資源がふえていくのかあるいは減っていくのかといった増減傾向が明らかになりません。鯨を捕獲いたしまして、年齢であるとか雄雌の性比、あるいは妊娠率とかそういうことを調べまして、出生率、死亡率を推定いたしまして増減傾向を明らかにしておるわけでございます。したがいまして、適切な鯨資源管理のためには、科学的に見て必要な限度において捕獲を伴う調査が不可欠であると考えております。また、毎年この捕獲調査の実施に当たりましてはIWCに調査計画を提出しております。過去の調査結果及びIWC年次会合における議論等を踏まえつつ、国際捕鯨取締条約の規定に基づき行っているわけであります。
 なお、参考までに申し上げますと、現在行っている三百頭程度の捕獲規模であれば、南氷洋ミンククジラ資源の保存には何ら悪影響を与えることはないというふうに承知しているところでございます。
#50
○広中和歌子君 最後に、私も三百頭が資源全体に影響があるとは全然思っておりませんけれども、しかしながら試験捕鯨、試験という名目で三百頭とることが国際世論を非常に刺激しているということが一点と、しばらく停止しておりますれば鯨がどの程度ふえるかというのは目視で十分なわけでございまして、どのくらいふえるかとかと数学的なモデルとかなんかを今なぜ日本がしなければならないのか、そういうことを申し上げているわけでございます。
 そして、日本は環境行政で一生懸命やろうとしております。しかしながら、この鯨のために、そして熱帯雨杯の破壊、それから流し網でしたか、幾つかのために日本が非常に不利な立場に立たされております。日本が環境に熱心だと言うと、ふんと笑う人もいるわけです。本当に残念なことだと思いますので、大臣、最後にこうした点に関しまして、なぜ三百頭にこだわるかということも含めまして、ちょっとお答えをいただきたいと思うんです。
#51
○委員長(上野雄文君) 時間ですから簡単に願います。
#52
○国務大臣(愛知和男君) 委員おっしゃいますとおり、日本は環境問題に対しては非常に熱心に取り組んでまいっておりますし、国内でも環境問題についてはいろいろな公害その他を克服してまいりましたし、世界でそれを、環境問題で貢献をしたいというそういう気持ちを非常に強く持っておりますにもかかわらず、そういう幾つかの例を例示として取り上げられまして逆なイメージになってしまっているということは私もいろいろな機会に感じておりまして、体験もしておりまして、非常に残念なことで、これは一つにはPRその他の不足ということもあるんでしょうが、国全体から考えますと非常に残念なことでございますので、ここで直ちにその鯨の問題、すぐやめるべきかどうかということにつきましてはコメントは控えさせていただきたいと思いますが、国全体としてのイメージを上げるように、また、何といいましょうか、つまらないことといっては、この鯨の例ではございませんけれども、ほかの、ワシントン条約にも幾つか留保が多いとかそういうようなことも含めまして、イメージを損なうようなことを少しでも減らしていくという努力をしていくべきだと、このように思いますので、そういう方向で私も大いに努力をさせていただきたいと思います。
#53
○沓脱タケ子君 それでは、大変限られた時間でありますので端的にお尋ねをしたいと思います。
 去る三月二十九日にいわゆる西淀川の公害裁判の判決がございました。提訴してから十三年間、原告被害者は毎日のような苦しい思い、それから腹立たしい思いをしながら命がけで十三年間頑張り抜いたわけでございます。その間には三十七名の原告の方々が既に死亡するという大変な事態の中で判決が行われたわけでございます。判決について云々を特にしようと思ってないんですけれども、私は、国の公害対策が本当に信頼できる体制にあったらこういう裁判まで地域住民がやらなくちゃならないということにならないと思うんで、そういう点では大変残念だと思うんです。
 しかし、判決ではとにかく、複数の加害企業が連帯責任で営業によって出しておる公害が明らかに原告の被害者の健康と命を損なった、したがって賠償責任があるということで賠償責任を明確にしたわけでございます。もちろん判決の中では不十分さがありますが、今日なお続いておる公害の状況、それの主役である自動車排ガスの問題は避けておるという点が非常にマスコミでも大問題にされておりますけれども、そういった点も含めまして、しかし共同不法行為だという点の断罪というのは極めて重要な判決であったのではないかなと思いますが、これにつきまして環境庁長官といたしましてはどういう御見解をお持ちになっておられるか、それをまずお聞きしておきたいと思います。
#54
○国務大臣(愛知和男君) 判決につきましては、控訴がなされておりますこともございまして直接コメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、環境庁といたしましては、大都市における大気汚染問題を環境行政の重要な課題と受けとめておりまして、これまでも環境基準の達成、維持に向けて各種対策の推進に努めてきたところでございます。今後とも関係省庁との連携を図りつつ諸対策を一層推進してまいりたい、このように考えます。
#55
○沓脱タケ子君 それで私は、そういう中で問題になるのは、判決によっても不法行為だということで賠償責任を負わせたという状況ですね。今日、公害による健康被害補償法の認定患者というのは今なお、これは十万一千二百五十八人ですかね、ことしの三月で。公害健康被害補償法の指定地域解除後、六十三年三月から新規認定はストップをしておりますけれども、それらの地方自治体で非常に不十分な形で、年齢制限とかいろいろありますが、不完全、不十分でありながら医療費助成等を受けている人たちが九〇年の十二月末で四万一千六百三十人、大阪では九千二百八十九人ということになっておるのが現状で、やはり被害のひどさというのが、被害患者というのが増大しているということで端的に示していると思うんです。
 私は、こういう判決を契機にいたしまして環境庁として考えていかなければならないのではないかと思いますのは、やっぱり裁判でも明確に、避けた点なんですけれども、国の責任で、今複合大気汚染という問題が大問題で、その主役がNOx、NO2であるということはもうすべての認識の一致するところなんです。ところが、NO2の被害、NOxとの複合汚染による健康被害というものの
解明というのが私は環境庁怠慢だと思うんですよ。だってもう何年もなるのに、NO2と人体被害との因果関係は明確でないとかなんとかというのが何年続いているかという点が非常に私は大問題だと思うので、環境行政の立場としてそういった点の研究とか解明、これは大いに積極的にやらなくちゃならない。同時に、被害者の救済のために公健法の見直し、そして再指定の問題というのは検討しなきゃならない問題だと思うんです。
 地域指定を解除したときにはNO2が問題じゃなかった。SO2ですね。前段階のSO2の被害の問題を中心にしての、現行法もそのことになっているんですから、そういう点ではぜひともこういう点を、一つはNO2と人体被害の因果関係を鮮明にするためにこれは環境庁が積極的に努力をすると。早くやらなきゃならぬ。一日一日健康被害はきているんですからね。それからもう一つは、そういう立場に立って公健法の見直しをやって再指定をやり、被害者を救済するという立場に立たなければならないと思うんです。そのことが、私は公害基本法の第一章の目的に明確に合致する仕事だと思うんですよね、そういう点では。これは、もう読むまでもないですけれども、「公害対策の総合的推進を図り、もつて国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とする。」という基本法第一条の目的に明確にされている。その立場からいっても今の二点は緊急に必要だと思いますが、それについての御見解を伺いたい。
#56
○政府委員(柳沢健一郎君) ただいま先生おっしゃいました被害患者が増大しているんじゃないかというまずそのお話でございますけれども、御案内のとおり、気管支ぜんそくはアレルギー疾患の一つでございまして、大気汚染のみによって起こるものではないと、こういうことでございます。他の原因、例えば近年非常にやかましく言われておりますのが、ダニによるものであるとかあるいはカビによるものであるとか、そういうことによって起こり得るものでございます。例えば、最近の全国の患者の調査を見ますると、これは大都市を含めました各年齢層でもって気管支ぜんそくの増加傾向が見られると。大都市に限らず、大都市を含めた全国でもって増大しているとか、あるいは特に若年層で増加が顕著であるとか、こういったようなことが統計からわかるわけでございます。こういう傾向を見ますると、地方自治体が独自制度といたしまして対象としている患者の増加、これを直ちに大気汚染に帰するということは難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。
 それからまた、今回の裁判等でもって述べられておりますのは、これは昭和三十年代、四十年代あるいは昭和五十年代の前半までの大阪西淀川地区における慢性気管支炎、気管支ぜんそく、肺気腫の原因がその地域の大もとのSO2等にあったと認めるのが相当であるというふうに示されているわけでございますけれども、これは現状の大気汚染と健康影響の関係について判断がなされたものではないというふうに承知しているわけでございます。
 したがいまして、環境庁といたしましては、昭和六十三年三月の公健法第一種地域の指定解除、これは近年の我が国の大気汚染の状況と、その健康影響にかかわる科学的知見に基づく中公審答申を踏まえて行ったものでありまして、現在におきましてもその妥当性には変わりはないというふうに考えておるところでございます。
 ただし、先生も御指摘されましたように、各種の調査、例えば環境庁では昭和六十二年度から環境保健サーベイランスシステムを構築するための調査研究でありますとか、あるいはさらに、同年度より局地的汚染の健康影響調査手法の検討調査、こういったようなものを今日まで進めてまいっております。これは御指摘の複合汚染の解明等に極めて重要な調査であろうというふうに私ども認識しておりますので、今後とも引き続き調査研究の推進に努めてまいりたいと思っております。
#57
○沓脱タケ子君 時間がありませんから、その排ガス、自動車の排ガス、特にNO2、NOx等に関する御見解は次回に譲って私お聞きをしたいと思います。
 しかし、今局長がおっしゃったような御見解では現地の実相とは大分違う、かけ離れている。だからその点では、公害は終わったなんというのは、SO2が一定の改善をされたということについては、これはデータが示している。なぜSO2が改善をされたか。これは脱硫装置が固定発生源に全部つけられ、総量規制をやり、そういうことで改善をされたんです。それでは現状のNO2に対してどうするのかという問題というのは、国民的課題、特にその地域住民、大都会の地域住民の大変な重要課題になっている。そういう中では、我々にはそんなの関係ございませんなんというようなことを環境庁が言うていたんじゃ話にならないという点だけきょうは申し上げておきます。
 長官、こんな論議はおよそ現地に住まいをする住民にとっては見当違いですよ。何を言うているんやということになる。そこで、大臣は宮城県でしたね。だから東京や大阪の大変な公害激甚地というのは御承知ないと思いますが、一遍ぜひ現地へ御視察をいただいたらどうかなと。私は、国道四十三号線沿線のディーゼル車がたくさん通るところですが、そこのバス停で十五分待っていたら気分悪くなりました。そういう経験をしております。その沿道に民家があるんです。だから、どういう事態になっているかというのは、やはり環境行政を進めていく上で現地を御承知いただくということは非常に大事だと思う。前長官も水俣へお運びをいただいたようですし、ぜひ長官には裁判で問題になっておる西淀川を、あるいは大阪をぜひ御視察いただきたい。そのことを要請したいんですが、いかがでしょうか。
#58
○委員長(上野雄文君) 時間ですから簡潔に願います。
#59
○国務大臣(愛知和男君) 現地を視察するという意義は大変重要だと思います。この時点でどういうスケジュールでいつそれができるかということはお答えできませんけれども、十分検討させていただきます。
#60
○沓脱タケ子君 それじゃ終わります。
#61
○中村鋭一君 選挙の応援で声をつぶしておりますので少しお聞き苦しいかと思います。
 モスバカー・アメリカ商務長官がタイマイの輸入をやめてくれ、こういう御注文がありまして、報道によりますと、二十トンを五トンに減らすということのようですが、どうですか、前に象牙のときにもお伺いしたと思うんですが、思い切ってこれやめたらどうですかね。
 私、去年鹿児島県に参りまして、指宿温泉の長崎鼻といいますか、観光地ですが、あそこへ行きましたら、土産物屋さんに見事にべっこう、タイマイの甲羅がずらっと売り物でかけてありまして、いやたくさんあるなと思いまして、売れますかと聞いたら、いやめったに売れませんと、こうおっしゃっていました。高いものですからね。ですから、タイマイもうこれ輸入をやめてもいいんじゃないかと思うんですが、その辺についての御見解をお伺いいたします。
#62
○説明員(島田豊彦君) 我が国はワシントン条約に昭和五十五年に加盟しました際に、爬虫類関係で七品目留保いたしております。結局これを原材料として加工、販売している業界、これらの業界は特に零細なものが多く、またその代替をする材料がないということで、その輸入が途絶えることは非常に業界に大きな影響を与えるということで留保してきたわけでございます。その後三品目につきましては留保を撤廃したわけでございますが、依然として、特にタイマイにつきましては代替材料がないということで業界は厳しい状況になっております。通産省としましては、ウミガメの資源の賦存管理状況、あるいは良好な国際関係の維持、国内業界の影響等を踏まえて本問題の早期解決に努めてまいりたいと考えております。
#63
○中村鋭一君 ですから、本問題の早期解決とおっしゃる。アメリカはやめてくれと言っているんでしょう。だから、それは留保をやめたらいいん
ですよ、アメリカも喜ぶことですから。二十トンを五トンにするというんじゃなくて、思い切って私はやめたらいいと思いますよ。貿易摩擦もこれで解消するわけですから、少なくともその面におきましては。代替物ないとおっしゃいますけれども、これは象牙だってそうですけれども、眼鏡の枠にしても装飾品として考えても、今タイマイやべっこうが代替品がないから輸入しなければいけないという理屈は成り立たない。むしろ、そのことによって生活している業者の皆さんの生活に影響がありますからしばらくの間御辛抱願いますという説明ならわからないでもないですが。それでもその意義はもう失われつつありますから、私はひとつ思い切ってこれは留保を取り下げたらいいという御提案を申し上げているわけでございます。
 昨年の五月に環境庁が都道府県知事あてにゴルフ場についての農薬規制の指針を発表なさいました。たしか、別口でありますが、あの節、ほぼ同じ時期に農水省も指針を発表したと、こういうことでございましたけれども、その後の推移と、それから現実にそういう指針をお出しになったことによりまして実効が上がったかどうか。新聞報道なんか見ていますと、随分住民運動なんかが盛んになりました結果、日本国内でも幾つかのゴルフ場の建設を取りやめたというような報道がされております。ですから、これは農水省も含めて、そういう指針を発表したことによって現実にゴルフ場の計画が取りやめになったかならなかったのか、それから実効を発揮しているのかいないのか、その辺をひとつお伺いいたしたいと思います。
#64
○政府委員(武智敏夫君) 先生お話しのございましたとおり、昨年の五月にゴルフ場で使用いたします農薬についての暫定指導指針を決めたわけでございます。それに合わせまして、厚生省におきましても同じく水道水の安全性を確保いたしますために暫定水質目標を決めますと同時に、農水省におきましてもゴルフ場におきます適正な農薬指導ということで通達を出したわけでございます。
 これを受けまして関係県におきまして、昨年の五月以降でございますけれども、適正な農薬の使用ですとかあるいはゴルフ場におきます水質の自主調査ですとか、そういったことを内容といたします農薬安全指導要綱というのを大半の県で定めております。これらによりますと、大体国が示しました数値を基準にしている県が圧倒的に多いわけでございますけれども、一部の地域におきましては、地域の実情によりまして、いわゆる上乗せ基準ということで国の基準よりも厳しくしております県もございますし、あるいは横出しと言いまして、二十一の農薬以外についても指針を出して指導しておるというような実態もございます。
 現在、各都道府県におきましてゴルフ場からの排水についての水質検査をやっておりますが、一応三月末まで、昨年度末まででございますが、この結果は今月いっぱいには報告していただくことになっております。したがいまして、まだ全国的な集計には至っておりませんけれども、例えば愛知県ほかの五県ほどが既に公表しておる数値もございます。これらによりますと、一部でいわゆる指針値以下のごく微量の農薬が検出されてはおりますけれども、いわゆる指針値を超える例はほとんどないというふうに理解をいたしております。したがいまして、まだ一部の例ではございますけれども、こういったことから見まして、ゴルフ場農薬対策はおおむね所期の成果を上げておるんではないかというふうに考えておりますけれども、四月末までに出ましたデータに基づきまして今後どうあるべきかにつきましては検討したいと思っておりますし、引き続き都道府県も指導していきたいというふうに思っております。
 お話しございましたゴルフ場をやめたかどうかということにつきましては、我々もいろんな事例については聞いておりますけれども、このこととストレートに、我々が基準値を示したことと直接は関連ないといいますか、もちろんゴルフ場をつくることによって自然が破壊されたりあるいは水質汚濁されたりというようなことで間接的にはございますけれども、この指針と即ゴルフ場をやめたということとは直接に関連ないというふうに理解いたしております。
#65
○中村鋭一君 今後もさらに実効を上げるようにせっかく御努力をお願い申し上げておきます。
 私が住民運動と言いましたのは、こういった指針について例えば環境庁が非常に積極的であれば、それがこういったゴルフ場はもうやめてくれと言っている住民運動の側を場合によれば大変力づけているわけですから、そのことを申し上げたつもりでございます。
 新石垣空港の建設予算が平成三年度予算でつかなくなっているわけですが、この理由はどこにありますか。それから、今後の空港建設はどのような経過をたどる見通しですか、お伺いをいたします。
#66
○説明員(小坂英治君) 新石垣空港は、現在千五百メートルの滑走路に小型ジェット機が暫定的に就航している現石垣空港がございますが、それにかえまして、航空需要の増大に対処するため本格的なジェット空港として設置管理者である沖縄県により計画されたものでありますが、国としてもこの新空港の建設に係る補助金を予算に計上してまいりました。
 この新空港でございますが、昨年十一月に行われました県知事選挙の結果就任された新知事から、早期建設を図りたいということではございますが、建設場所については少し時間をかけて再検討したいとのお話がありましたので、新空港建設のための予算につきましては年度内に執行できる見込みが立ちません。そういうことでその計上が見送られたものでございます。
 さらに、今後の扱いでございますが、運輸省といたしましては、現石垣空港の現状及び今後の航空需要を勘案いたしますと、本格的なジェット空港である新石垣空港の建設は緊急の課題であるというふうに考えているわけでございます。したがって、沖縄県が新空港の位置を決めるなど適切な空港計画を固めまして地元のコンセンサスを得た上でお話があれば、運輸省としても前向きに対応していきたいというふうに考えております。
#67
○中村鋭一君 そこが問題でして、今緊急の課題だから推進したいとおっしゃいましたけれども、知事さんがかわってちょっと待ってくれとおっしゃっているんですから、余り運輸省もやれ行けそれ行けで県を一生懸命督励して早く場所を決めなさいというようなことは私はしない方がいいと思いますよ。そうですよ。それはやっぱり沖縄県の皆さんが必要度に応じてそうやって知事を選ばれたわけですから、その知事がそういう方針があるわけですから、余りそういうのは積極的に督励せぬようにしておいてください。
 最後に、UNEPの淡水センター、この前環境委員会で視察に参りましたときに滋賀県の方からこれ要望ございまして、滋賀県にひとつ水のUNEPをぜひ持ってきてもらいたいということがあったんですが、これについて国はその後どのように取り組んでおりますか。最後にそれをお伺いして終わります。
#68
○政府委員(加藤三郎君) 今先生からお話がございましたUNEPの施設を本邦に誘致する件でございますが、これはちょうど今から二年ほど前、滋賀県及び大阪市から相前後いたしまして、ぜひそういった施設を日本に持ってきたいというお話がございました。そういったものを受けまして国として、環境庁、外務省、検討してまいりましたが、昨年七月のヒューストン・サミットにおきまして海部総理から、途上国支援の一環としてそういったUNEPの施設を日本に誘致したいという旨の構想を発表されました。それ以来ずっといろんな国際会議、特にUNEPにおきます国際会議等々におきまして、我が国がこの施設を誘致する意向がある、それからまた、それについてのいろんな準備を重ねていることを累次説明してまいってきてございます。幸いにUNEP当局と非常に緊密な話し合いが進んでおりまして、私どもの理解では、本年五月にナイロビで開かれますUNE
Pの管理理事会におきまして本計画が最終的に承認されるよう引き続き努力をしていきたいというふうに思っております。
#69
○中村鋭一君 長官、よろしくお願いします。
#70
○国務大臣(愛知和男君) はい。
#71
○山田勇君 昨年十一月に総務庁行政監察局より湖沼環境保全に関する調査結果に基づく勧告が出ましたが、内容は、湖沼の水の汚れが数年ほとんど改善されておらず、もっと積極的な行政の取り組みが必要であるというのが大筋であったと承知しています。これは水質汚濁防止法、さらに同法の力不足を補うために制定された湖沼水質保全特別措置法、この二つが活用されておればこのような勧告はなされなかったんではないかと考えるのであります。琵琶湖を初め霞ケ浦、印旛沼、手賀沼、諏訪湖、そのほか幾つかの湖沼について汚染対策がおくれ汚れが横ばいであることは、法律の活用でできる規制を控えたり、都道府県への指導が不十分であったり、また長期的視点からの基本方針に欠けるところがあるんではないかと思うんですが、環境庁としてはどのように見ておられるかお聞かせください。
#72
○政府委員(武智敏夫君) お話ございましたとおり、昨年十一月に総務庁から湖沼の水質保全に関する監察が出たわけでございまして、先生御指摘のように内容が多岐にわたっておるわけでございますが、幾つかの指摘を受けたわけでございます。
 現在、湖沼水質保全特別措置法に基づきまして琵琶湖、霞ケ浦を初めとしまして九つの湖沼につきましてそれぞれ計画をつくりましてその防止に努めてきておるところでございます。湖沼といいますのは、もう御承知のとおりでございますけれども、閉鎖性でございますので、一たん汚染されますといろいろ事業をやりましてもその改善が非常に難しいというような特性を持っております。そういったようなことから、確かに改善がはかばかしくないような湖沼も一部には見られておりますけれども、全般的には一応着実な改善が図られてきておるんじゃないかというふうに私どもは考えております。
 この改善のために、関係省庁によります、例えば下水道の整備でございますとか、あるいは合併処理浄化槽の整備でございますとか、あるいは農業集落排水事業ですとか、そういった関係省庁の協力が何よりも大事でございますので、そういった関係省庁ですとかあるいは関係県、当然琵琶湖でありますと滋賀県でございますし、霞ケ浦でございますと茨城県でございますが、そういった県の姿勢にもよるところ非常に大でございますので、そういった関係県、関係省庁ともども今後とも努力を続けていきたいというふうに思っております。
 今年度は五つの湖沼、霞ケ浦、琵琶湖も含めてでございますが、五つの湖沼におきまして当初定めた計画の見直しの年になっております。したがいまして、総務庁の勧告等も踏まえまして、関係省庁あるいは関係県と密接な連携を持ちまして各種の事業なりあるいは規制の強化を図りまして湖沼の水質改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
#73
○山田勇君 次に、富栄養化の要因であります窒素、燐が特別措置法に基づく規制の対象外になっているのはなぜなのか、また、これは将来どうするのか、お尋ねをいたしておきます。
#74
○政府委員(武智敏夫君) 湖沼の水質保全をやっていきますためには、いわゆる化学的酸素要求量、CODももとよりでございますが、窒素なり燐の流入量を抑えていくことが非常に重要であろうというふうに考えております。そういったようなことから、例えばCODにつきましては、四十六年に水質汚濁防止法ができたわけでございますが、それ以来規制をやってきておるわけでございますけれども、それだけでは不十分であるというようなことによりまして、六十一年度から湖沼法に基づきますいわゆる新しい厳しい規制としまして負荷量規制というふうに言っておりますが、そういうことをやってきております。それからまた、窒素、燐につきましては、湖沼の富栄養化の原因となっておるわけでございますので、これも六十年度から水質汚濁防止法に基づきます排水規制を行っておるところでございます。
 今御指摘ございました湖沼法に基づきます窒素、燐の規制につきましては、今言いましたCODの規制なりあるいは水濁法に基づきます窒素、燐の規制の動向等を踏まえまして、今後検討さしていただきたいというふうに考えております。
#75
○山田勇君 水質保全については、下水道の整備また合併処理浄化槽の普及など建設省、厚生省などによる重点的、計画的な事業の推進、それに地域住民、企業、市町村など全般的な協力を必要としますが、私は、これは環境庁が主体的に旗を振って積極的に取り組む姿勢が肝要であると考えます。湖沼の水は、今先ほど局長が言われたとおり、一たん汚れるとなかなか改善されません。自然環境は美しく保全し、子々孫々に残す義務があると思います。環境庁の姿勢をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
#76
○政府委員(武智敏夫君) 御指摘のとおり、湖沼の水質保全を図っていきますためには関係省庁あるいは関係都道府県の協力が不可欠でございます。そういったことから、ことしの一月に既に、御指摘をまつまでもなく、建設省、厚生省、農水省、環境庁とで四者会合を持っておりまして、今後も重点的に下水道の整備なりそれぞれ関係省庁の事業を進めてもらうことにいたしております。
 特に、湖沼の場合には生活雑排水のウエートが非常に高うございますので、下水道なり農業集落排水施設なり合併処理浄化槽の普及が非常に重要な役割を持っております。特に、本年度から下水道につきましては第七次の下水道整備五カ年計画が始まることになっておりまして、一応十六兆五千億というようなことで閣議了解も得ておりますので、これらも重点的に活用さしていただきまして湖沼の水質保全に努めていきたいというふうに考えております。
#77
○委員長(上野雄文君) これをもって、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会及び環境庁についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#79
○委員長(上野雄文君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 再生資源の利用の促進に関する法律案について、商工委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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