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#1
第120回国会 環境特別委員会 第4号
平成三年四月十七日(水曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上野 雄文君
    理 事
                木宮 和彦君
                森山 眞弓君
                田渕 勲二君
                広中和歌子君
    委 員
                井上 章平君
                石川  弘君
                石渡 清元君
                大島 慶久君
                須藤良太郎君
                原 文兵衛君
                真島 一男君
                清水 澄子君
                山田 健一君
                高桑 栄松君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  愛知 和男君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        森  仁美君
       環境庁企画調整
       局長       渡辺  修君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  加藤 三郎君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  柳沢健一郎君
       環境庁自然保護
       局長       伊藤 卓雄君
       環境庁大気保全
       局長       古市 圭治君
       環境庁水質保全
       局長       武智 敏夫君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        宅間 圭輔君
   説明員
       外務省国際連合
       局経済課長    藤本  進君
       大蔵省主計局主
       計官       浜中秀一郎君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部産
       業廃棄物対策室
       長        三本木 徹君
       資源エネルギー
       庁石油部開発課
       長        望月 晴文君
       運輸省地域交通
       局陸上技術安全
       部技術企画課長  樋口 忠夫君
       建設省河川局開
       発課長      豊田 高司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 (公害対策及び環境保全の基本施策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(上野雄文君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、公害対策及び環境保全の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○山田健一君 おはようございます。
 それでは、きょうは長官の所信等を含めてお尋ねいたしたいというふうに思います。
 当委員会において先般、長官の所信の表明が行われたわけでありますが、この中において「内外の環境問題を克服し、快適で住みよい社会を実現していくためには、社会経済活動を通じた地球環境への負荷を極力少なくし、環境の保全と経済社会の安定的発展の両立を図っていくことが必要であります。」という決意といいますか、を述べられておるわけでありますが、全くそのとおりだというふうに思っております。一言で言えば、今いろいろ言われておりますが、環境保全型の一つの社会経済システム、こういうものを目指していくということに尽きるんだろうというふうに思うわけであります。
 ちょうど時あたかも環境庁におかれましては、去年の七月ですか、環境保全のための循環型社会システム検討会を設置されまして大変熱心に研究されまして、十一月にはその報告書も出されておるようでございます。この中でもかなり前向きに積極的に問題点をとらえ、環境庁として加わっていこうということで最後に五つの施策というのを出されまして、この施策を推進していくためにはどうしても法制度の整備が必要である、こういう一つの基本的な立場というものを明らかにされております。
 そういう一つの立場あるいはまた現実に一つの基本法的なものを目指して環境庁として取り組んでいく、こういうことで私たちも大変期待をし関心も強く持っていたわけでありますが、結果的には、御承知のとおり、この国会には通産そして厚生の再生資源利用促進法案と廃棄物処理法の改正案、この二法案ということに結局なったわけであります。環境庁としての意気込みというのを随分私たちも受けとめていたわけでありますが、結果的には法案化に至らない、こういうことになったわけであります。
 まず、環境庁としてのこの問題、いわゆるリサイクルの問題に取り組むあるいは取り組んできた一つの経過、そしてまた、今国会に提案をされておるいわゆる再生資源利用促進法案あるいは廃棄物処理法の改正法案、これらの二法案に対する環境庁としての見解、こういうものをお尋ねいたしたいと存じます。済みませんが、簡潔にお願いいたします。
#4
○政府委員(渡辺修君) 今委員から御指摘がございましたように、私ども環境庁では、昨年十一月の環境保全のための循環型社会システム検討会からの提言を受けまして、リサイクル法の検討作業に着手をいたしました。リサイクルの促進のためには、各主体、関係者の責務、基本方針づくり、普及啓発の推進等に加えまして、事業者を対象とする再生資源の回収や利用の促進についての具体的措置も盛り込んだ法制度とする必要がある、こう考えまして広く関係省庁に働きかけを行ったところでございます。
 他方、通産省が中心になりまして、資源の有効利用の観点から、事業者に対する措置を主な内容とする法制度の検討が進められ、また厚生省におきましても、現行の廃棄物処理法改正の一環といたしまして、廃棄物の再生利用等の推進が検討されたところでございます。こうした中で政府として調整を図りました結果が、環境の保全、資源の有効利用、そして廃棄物の発生抑制、これを目的とした再生資源の利用の促進に関する法律案がまとめられ、国会に提出をして御審議いただいているところでございます。
 リサイクル法のほかに、廃棄物処理法の大きな改正を内容とする一部改正案も国会に提出されておりますが、この両法案についての私ども環境庁としての立場、考え方でございますけれども、まず
リサイクル法案の方は、再生資源の利用を総合的、計画的に推進するための基本方針の策定、それから国、自治体による普及啓発の推進、さらには事業者に対する措置としてのもろもろの具体的な手だて、こういうものが規定されておりまして、これが成立し施行されますと、リサイクルの促進に大いに役立つと考えているところでございます。
 また、廃棄物処理法の改正案は、廃棄物の分別収集、再生促進という見地を明確にいたしまして、これにのっとって廃棄物処理計画を充実する、あるいは廃棄物再生事業者の登録制度を設けるといった各般の措置が規定をされております。
 この両法が、密接な関係を有しているわけでございますが、これが両々相まってリサイクルの促進が一層図られると私どもは評価をしているところでございます。
#5
○山田健一君 そうしますと、環境庁としての当初の意気込みといいますか、一つのリサイクルに向けての理念、あるいはまた、この報告書で述べられているようなそういう循環型の社会を目指していこうという意向はこの二法に十分反映をされておるというふうにお考えになっていらっしゃるわけですか。
#6
○政府委員(渡辺修君) 端的に申し上げれば、私どもの考え方は主としてリサイクル法の中に大きく生かされておりますし、私どもの考えがその中に十分入っておりますし、廃棄物の減量化、再利用を進める、再生を進めるという点では、厚生省の廃棄物処理法の改正案にもその考え方が生かされていると考えております。
#7
○山田健一君 リサイクル法の中にもというお話が今ありましたんですが、いろいろ経過をお伺いしておる過程で、あるいはまたリサイクル法といいますか、再生資源利用促進法、これの関係で環境庁とのかかわりというものをつぶさに検討させていただきますと、まず目的にしたって、「環境の保全」というのがこの中に入ってはいるわけでありますけれども、それとて間接的な一つの目標という形の位置づけに実はされておる。あるいはまた、環境庁長官としてのかかわり合い方、この問題についても「具体的な基準をつくっていく段階になるとこれはとても手が出せない、こういうようないろんな問題点が私は指摘できるだろうというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、基本的には両法案とも本質は環境問題でありますし、やっぱり何といっても生産から流通、消費、そして廃棄、そしてまた再生資源に利用していく一つの流れの中で循環型社会をつくり上げていく、これが一つの本質でありますから、その意味からいえば、例えば事業者の責務を規定していく事業所管官庁でない、こういうようなことを言われるわけでありますけれども、たとえそうであっても、法的な規制は伴わないにしても、環境庁としてせっかくこれだけの報告書をつくられて、検討がされた、二十一世紀に向けてどういう環境保全型の社会経済システムあるいは循環型の社会をつくっていくのかという一つの方向づけといいますか、ビジョンといいますか、そういうものは示してもいいんじゃないか、私はそういうふうな気持ちがいたしておるわけでありますが、環境庁長官、この二法案で環境庁としての立場は十分事足れりというふうに考えておられるのかどうなのか、お尋ねいたします。
#8
○政府委員(渡辺修君) 大臣からお答えいただきます前に、事務的に一言だけ補足といいますか、お答えをさせていただきたいと思います。
 今おっしゃいましたリサイクルを促進することが環境保全型社会づくりの大きな柱である、そういう理念を環境庁としてしっかり掲げておくべきだと、全く私もそのとおりだと思っておりまして、再生資源の利用の促進に関する法律案の中で定めることとされております基本方針には、まさに環境保全上の見地からするリサイクルの意義、必要性というものをきっちり盛り込んで、その普及啓発に努めていくということが私ども環境庁としてのなすべき大きな事柄ではないか。先生の今のお話は、事務的にそういう考え方でリサイクル法の中に盛り込まれているということを一言だけ申し上げておきたいと思います。
#9
○国務大臣(愛知和男君) 私どもといたしまして、いわゆる理念だけの法律をつくっても、この効果を考えた場合には、やはり今回のように事業所を所管している省庁と一緒になりました法律の方が実際の効果が上がるという判断もございまして、今度のようなこの法案で国会に出させていただいたわけでございます。この中で、基本方針を打ち立てるところに環境庁としての意思を十分反映することができると思っております。
 また、今回のこの法律は第一歩でもございますので、しかし大きな第一歩と、こういう認識を持っておりまして、これをぜひ成立させていただいて、それを運営していく中で私どもの考えを十分反映させていきたい、このような決意を改めて持っております。このことを申し上げさせていただきます。
#10
○山田健一君 気持ちとしては、この二法作成の過程において、ある意味では環境庁が一つの体系的な法案をつくり上げていくという意味で、むしろ総合的な調整役としてイニシアチブなり、そういうものが十分発揮されたのかどうなのか、こういうことを私どもとしては実は危惧しておりまして、先ほどのような環境庁としての基本的な考え方といいますか、この二法との関連での気持ちを今お伺いしたわけであります。できればそういう形で二十一世紀に向けての一つのビジョンといいますか、そういうものを、基本法的なものを示していただきたい。
 あるいはまた、私たちもできればそういう方向で努力をしたいということでいろいろ準備もさせていただいておりますけれども、基本的にはそういう立場を踏まえながらも、じゃ仮にそうだといたしまして、現実には政府も、今環境庁の方も言われましたように、厚生省案あるいはまた通産省案、リサイクル法案そして廃棄物処理法の改正案、言ってみればこれは車の両輪だと、こういう言い方で今日まで来られたわけですね。廃棄物の排出の抑制をする、適正処理をしていく。そして、一方では資源の有効利用をやる。これが両々相まって、一体的な運用がされて初めてそういった効果が発揮できるんだという言い方が現実にはされてまいりました。
 現在の国会の状況から申し上げまして、できればこれが同時に成立をするということになれば環境庁としては一番望ましいわけでしょうけれども、現実の今の動きはそうなっていないですね。そうなっていない。再生資源利用促進法の方は、これはもう衆議院を通過しておりまして、近々のうちに参議院でも、きのう連合審査が行われたようでございますし、一方の廃棄物処理法の改正案の方は、これは四月二十三日というふうに聞いておりますが、衆議院での趣旨説明が行われるということになりますと、とてもこの国会は無理だということになりまして、この再生資源利用促進法の法律だけがひとり歩きをしていくということになりはしないか。
 言われておりましたように、この両方の法案でいわゆる一つの循環型社会を目指していくという気持ちからすれば、現状というのはいろいろ問題を残してくるんではないか、このまま推移をしていけばですよ。このまま推移をしていけば、いわゆる循環型ではなくなってくるわけですから、法案の形としてはそういう形になってくる。こういった国会の今の動き、そしてまた法案の状況、もし仮にそういうことになればどういう支障が生じてくるのか。いろいろと心配もいたしておるわけでありますが、この辺について環境庁として現状の動向をどう受けとめておられるのか、お尋ねをいたします。
#11
○政府委員(渡辺修君) まさに御指摘のように、再生資源の利用の促進に関する法律案の方は、廃棄物になる前のリサイクルの促進を定めたもの、特に事業者によるリサイクルの促進を定めたものでございます。それから廃棄物処理法の改正の方は、廃棄物となった後、再生利用できるものは再生利用をするというものでございまして、両者相
まって完全な形になると思っておりますけれども、仮に再生資源の利用の促進に関する法律だけが先に実施をされるということになりましても、何か決定的にこの条文の一部の施行ができないというような形での支障は生じない。しかし、全体として循環型社会を形成していくためには、廃棄物になる前にもリサイクルを進める、なった後にもできる限りリサイクルを進める、こういう形が望ましいわけでございまして、余り間を置かずに、できれば同時に施行ができるようにしていただきたいと願っております。
#12
○山田健一君 そういうお気持ちだろうというふうに思いますし、私もやっぱり、片一方が成立して片一方が成立しない、現実に法が動き出すということになれば、再生資源の方はどんどん進んでいくと。言われたように、廃棄からそして再生資源を回収していくというところが、その前段がきちっとしていないと、幾らやるといったって、それじゃ環境保全上のある意味ではチェックはどこがやるんだ、どういうふうになっていくんだという一つの心配が当然私は出てくるだろうというふうに思っております。仮に再生資源利用促進法が今成立をしていくということになれば、環境庁とのかかわりで言いますと、私はどういうことになるのかなと。
 例えばこの中で、いわゆる再生資源利用促進法の関係で言いますと、例の事業者の判断基準、さらには表示の標準、ここらあたりも結局、特定事業者、第一種、第三種、これは主務大臣、いわゆる通産大臣が判断の基準を示していく、あるいは第二種ですか、これは表示の標準を示していく、こういうことになってくるだろうというふうに思いますと、まるで環境庁の関与する部分がない。現実にそうだろうというふうに思うのであります。
 そうなってきますと、今までいろんな自治体でかなり一生懸命先進的に取り組んでおられるところ、あるいはボランティアでいろんな活動をやっておられるところ等々あると思うのでありますが、こういったところでかなり思い切ったといいますか、あるいは国の基準を上回る一つの施策の協力の要請ということになっても、法律で一定の基準が定められておれば企業の協力が得られないというような状況だって現実にはあり得るわけでありまして、そういった意味からいえば、再生資源利用促進法がまず歩いていくということになれば、言ってみれば事業者を優先した一つのリサイクルという形になるんではないか、こういうふうに私も思っているわけでありまして、この辺についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#13
○政府委員(渡辺修君) 再生資源利用促進法の中に定められております事業者に対する措置はいろいろございます。一つは、再生資源を原料として大いに使っていこうじゃないか。それから一つは、先生おっしゃいましたように、製品を製造する段階で材質ですとか構造ですとかを再利用しやすいように工夫をする。さらには回収ルートを確立していくというのが第一種の製品でございますし、第二種は表示に関するものでございます。最後、四番目の措置は副産物の活用ということでございます。
 私はこの中で廃棄物処理法と最も関係が深いかなと思いますのは、ごみの分別回収との関係ではないかと。そこが接点になるのであろう。この点は確かに廃棄物処理法の改正案で分別収集、分別回収に関する点を自治体の廃棄物処理計画にきっちり書くというような改正がなされておりますが、現行法でも事実上相当多数の自治体でそういうことが行われておりまして、これは法律がなければできないというものではございませんので、その点は大いにこれから必要な分別回収を自治体でやっていただくように厚生省にもお願いをしようということで、仮に実施時期にずれが生じても再生資源利用促進法の方に支障が生じないように配慮をしていかなければいけない、こう思っておるところでございます。
#14
○山田健一君 それと関連をいたしまして、私もこの経過の中で環境保全上の環境庁の出番といいますか、環境庁がどうかかわってチェックをしていけるのか、長官の位置づけを含めてそうでありますが、ここら辺に非常に強い関心を持って実はこの経過を見てまいりました。どうも、主務大臣の中に取り込まれているわけでありますが、環境保全の目的規定にしても「環境の保全に」という間接目的になっている。
 こういう状況の中で、環境庁が調整役としてもう一歩前へ出られないか、こういうことをずっと考えてきたわけでございまして、その意味からいえば環境庁設置法五条、この関係でいいますと、長官が環境の関係で必要があるという場合には環境保全上に関する重要事項については勧告をする権限が実は与えられているわけでありまして、その勧告をしたときはその措置について報告を求めることができるというようなことについても設置法の中で規定をされております。むしろこの環境庁設置法の環境庁長官の言ってみれば権限といいますか、そこら辺を行使しながら、活用しながらこういった両法案に対する一つの環境庁としてのかかわり合い方、こういうものはできないものかなというふうに考えておるのですが、この点についてはいかがでございますか。
#15
○政府委員(渡辺修君) 設置法五条の関係はちょっとおかせていただいて、再生資源利用促進法の法案のつくり方といいますかその精神は、私は、事業者の再生資源の利用の努力を最大限に引き出そうというところにある、何か強制的な措置をもって無理やり引っ張っていくということよりは、そういう規定は確かにございますけれども、基本的に事業者の認識を高めていただいて、事業者みずからリサイクルに努めるということを前提につくられた法案だと思っております。
 環境庁は従来からリサイクルあるいは環境保全型社会づくりの必要性というものを唱えておりまして、そのためだけではございませんけれども、国民一般の間にも、それから企業、事業者の間にもそういう認識が深まってきた、大きなそういった流れを背につくられた法案でございます。したがいまして、事業所管大臣が、それぞれの省、通産省だけではございません、六つの省があるわけですが、それぞれの省が所管する事業者については最も詳しく知っているわけでございます。実情にしてもその他もろもろのことについて詳しいわけでございまして、その事業所管省が適切な指導をしていっていただけるということを私ども期待して、個々の措置については環境庁が一々物を言うという仕組みになっていない、これはもう御指摘のとおりでございます。その点はしかし、事前にわかる環境保全上の留意事項、こういう点を留意すべきだと考えられるものについては基本方針にしっかり織り込みたい、こう思っております。
 設置法の条文との関係で申しますと、あれはやはり相当に問題の個別ケースが起きたときに発動されるということが予定されているものと思っております。なるべくならばああいう規定は発動しない方がいいんじゃないか。しかし、環境庁としては必要があれば、どうしても環境保全上必要だという事態になれば、環境庁としてしっかり物を言っていくということで私は実効を上げることが可能だというふうに今考えております。
#16
○山田健一君 基本方針の中にしっかりと意向を盛り込むということなんでありますから、そういうことをひとつ私も期待をしたいというふうに思っておりますが、同時に、確かに言われるように事業所管官庁でない一つの限界というものも一方ではありますし、そしてまた一方では、やはりこういう時代でありますだけに、環境庁に対しての環境問題そのものに対する国民の期待、これも高まっておる。私たちも、この時期ですからぜひしっかり頑張っていただきたい、こういう気持ちも一方である。
 そういう中で、それじゃ一体どう環境庁として対応していくのか、これが一番今回の場合も問題だろうというふうに思っておるわけであります。例えば私たちも、これはやっぱり一つの基本法的なものが必要だと、こういう立場でいろいろ審議
会を設置して基本計画をつくるとかというような案を実は今いろいろ勉強させていただいているわけでありますけれども、こういった法案が無理にしたって、例えばせんだって、御苦労されまして地球環境の温暖化防止、これの行動計画というような一つの目標づくりといいますか、一九九〇年レベルでというような一つの方向づけといいますか、そういうものもやっておられるわけでありましょう。したがって、例えば法案は無理にしても、今回のこういうケースでリサイクルの目指す二十一世紀に向けての一つの達成すべき目標といいますか、大体どういう時期にどの程度のものをというようなものはなかなかできないものなのかどうなのか。せめて法案化が無理とすれば、そういった形での環境庁の姿勢を示していくというのはいかがなものだろうかなというふうに思っているわけでありますが、この点はどうですか。
#17
○政府委員(渡辺修君) この再生資源利用促進法の基本方針の中でも、「再生資源の種類ごとにこれを利用し、又は利用すべき者の利用の目標」、こういうものは定めるということになっております。先生が今おっしゃいましたのは、恐らく再生資源利用のトータルとしての目標数値のようなものかと思います。
 正直申しまして、私どもこの法案を考える過程でいろいろ検討してみたのでありますが、現時点でなかなかトータルとしての数字は目標として出しにくいなというのが実情でございます。しかしながら、私どもとしても有識者の考えというのは、昨年の夏から秋にかけての検討会でちょうだいしましたように、これからも折に触れて有識者にお集まりいただいて有用な御意見をお聞かせいただき、それを環境行政に反映していくということは大いに考えていきたいと思います。
 それから、お触れになりました地球温暖化防止行動計画でございますが、これは今考え得るあらゆる温暖化防止に役立つ施策のメニューを示したということでございます。あの場合の九〇年レベルで二〇〇〇年以降炭酸ガスの排出を抑制していく、安定化していく、これはIPCCという国際的な舞台あるいはその他もろもろの国際的な場で議論されまして大きな収れんを見つつある線でございまして、リサイクルに関してそれに類する数字が現在ないのは大変残念でございますけれども、今後そういうものが得られないかどうか、そこはまた有識者のお考えもいただきながら十分検討はしていきたいと思っております。有識者の識見というものはこれからも最大限活用していきたいと考えております。
#18
○山田健一君 トータルとして示していくというのはなかなか難しいんでしょうけれども、先ほど言いました循環型社会システム検討会の中でもかなり議論され、一定の報告が出されておるわけでありまして、これから見れば、今言われるように有識者の皆さんの英知を拝借しながら一定の目標というものもできないわけはないなという気もいたしておるわけでありまして、そういった意味でのぜひ努力を要請しておきたいというふうに思います。
 かなり意欲的に環境保全のための循環型社会システム検討会の報告書、これをまとめられているわけでありまして、この中身はなるほどという、本当に私たちも読んでベストだとは言わないまでも、これは大変な意気込みも感じられていたわけでありますが、せっかくこれをやられて、結局一つの法体系が必要だという形で今回のこの二法に結実をしていったということになるならば、これはもうこれで役割が終わってしまうのかもしれませんけれども、そうじゃないと思うんですね。せっかくこれだけ環境庁として取り組みをなさった。非常に苦労された跡も読み取れるわけでありまして、その意味では、これをもっと具体的な施策といいますか、できる範囲の中で生かしていけないものだろうか、こういうふうな気もいたすわけでありますが、この検討会の報告書について今後の施策にどのように反映をさせていこうとされておるのか、その辺についてもあわせてお尋ねいたします。
#19
○政府委員(渡辺修君) 環境保全のための循環型社会システム検討会報告書につきまして、私ども大変これは意義のある御報告であったと考えておりまして、その提言についてはできるものから順次施策に反映をさせていきたいと思っております。
 具体的に申しますれば、今御議論をいただいております二つの法案、国レベルの基本方針をつくる、あるいは事業者に対する指導上の判断基準を設ける、あるいは優良な再資源業者を支援する、こういったものは二つの法案に盛り込まれておりますし、税制改正の必要なものについて、古紙脱墨装置等の特別償却制度を設けるということもいたしました。それから法案に入っておりませんが、エコマークの充実ですとか環境保全型社会経済づくりについての普及啓発の推進は、これは法律に基づかなくても大いに強化をしていくべきものでございまして、法案に入れる、税制改正をする、それから取り組みを強化するといった形で、実施可能な対策から順次リサイクルの促進に努力をしていきたいと思っております。
#20
○山田健一君 せっかくのこの貴重な報告書をまとめられたわけでありますから、ぜひ今後の施策においても、やはりこういう循環型社会システムを形成していく、基本的なそういう立場に立って御活用をいただきたいということも申し上げておきたいと思います。
 最後に、長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、確かに環境庁が設置されて二十年経過をいたします。七〇年代のいわゆる公害国会と言われた時代から若干政策的な問題を含めて今日まで、課題はたくさんあったわけでありますが、とりわけ最近の状況というのは、環境問題というのが非常に大きなウエートを占めてきておることも事実だと思っておりますし、私自身も二十一世紀に向けて一つのキーワードといいますか、平和、環境、人権、こういったところがキーワードかなというふうに考えているわけであります。
 いずれにいたしましても、環境問題ということに対しての特に国民の関心の高まり、あるいは環境庁に対する期待というものも十分あるわけであります。こういうものを踏まえながら、来年は国連の地球環境会議ということになるわけでありますが、ここら辺もにらみながら、地球環境全体をもにらみながら、環境庁としての基本的な、ちょうど今回こういう二法の問題が国会で議論をされるという状況になっているわけでありますが、そういった環境保全型の社会を目指していくという立場、こういう観点から環境庁長官としての今後の施策展開に当たっての決意というものをひとつお伺いいたしたいというふうに思います。
#21
○国務大臣(愛知和男君) 先生御指摘のとおり、一番基本的に大切なことはこの社会を環境保全型社会に変えるということでございまして、これは容易なことではないと思いますが、とにかく社会全体のこのあり方を変えていく、ライフスタイルを変えていくということがどうしても必要であります。これは日本だけではなくて、世界で、やはりライフスタイルを変えていくという認識が世界じゅうに高まらなきゃならない。その中で、まず日本が率先して社会全体のあり方を変えていきましょう、こういうことでございまして、その大きな一歩だと、このように思っております。それだけの重要なことだと認識をいたしている次第でございます。
 なお、この法律も非常に大切でございますが、最終的には国民一人一人がそういう認識を持っていただくことが大切でございまして、そのために環境庁としても率先していろいろな施策を講じていかなきゃいけない。また、国民に対する普及啓発活動なども大変大事なことであろう、このように考えております。そのために環境庁といたしましては、全国の都道府県及び政令指定都市に地域環境保全基金というものを造成いたしまして、この基金を地方公共団体で活用していただきまして、地域に根差したリサイクル活動に対する支援、リサイクル推進のための啓発広報等の事業を推進いたしております。
 私も、実際にどういうことが行われているか、実地に視察をすることが大切であろうと思いまして、一昨日でございますが、目黒区のリサイクル運動を視察させていただきました。地域の御婦人の方々等大変熱心にリサイクルをやっておられる様子を拝見いたしまして、大変感銘を受けたわけでございます。それでもまだ目黒区の中の一割ぐらいの世帯でこのリサイクルが普及したということ、まだまだということのようでございますが、今後ともこういう皆様方の御活動をなお環境庁としてもバックアップしていくことも十分考えていかなきゃいけないと考えておりますが、いずれにいたしましても、今度の法律のみならずいろんな方策を講じまして、社会全体が環境保全型の社会に変わっていくようにその旗振り役を務めてまいりたいと、このように考えております。
#22
○山田健一君 長官の決意を決意として受けとめて次にまいりたいと思います。
 同じく所信の中で、「経済社会構造を環境保全型に変えていくことを世界に提唱し、国際的地位にふさわしい積極的な環境外交を進めていくとともに、世界に先駆けて環境保全型社会の実現に遇進してまいる所存であります。」、大変立派な決意が所信の中で述べられておりまして、全く同感でありますが、この「積極的な環境外交」に関連をして二、三お尋ねをしたいというふうに思っております。
 当面、例の中東湾岸の環境汚染対策なりあるいはまた地球環境対策、いろいろとグローバルな問題として提起をされておる問題がありますが、とりわけこういった積極的な環境外交を展開するに当たっても、言ってみればその裏づけといいますか、予算の確保ということがやっぱり必要になってこようというふうに思うのであります。
 先般、三月八日から十九日まで政府の湾岸調査団が派遣され帰国をされまして、長官が湾岸危機対策本部会議で発言をされておるということで、大変環境庁としての一つの貢献策といいますか、そういうものをお示しになっていらっしゃるわけであります。その中でUNEPの緊急行動提案、これは三月十五日に国際会議で了承されておると、環境庁としてもこの提案を支持し、大気、海洋の汚染対策、野生生物保護等の分野で国際協力に積極的に貢献していく方針であるという立場をお述べになっているわけでございます。
 その後、いろいろと検討がされたんだと思いますが、これは四月五日付の記事なんでありますけれども、湾岸の協力の一環だと思うのでありますが、「生物保護の専門家派遣 予算確保できず民間に支援要請「湾岸」で環境庁」と、こういう見出しで新聞に載っているわけでありますが、専門家を派遣する、獣医を三人三カ月間派遣する予定であったけれども、結局予算が確保できず民間にお願いをしなきゃならぬ、こういう記事の中身になっているわけであります。大変さっきの話じゃないけれども意気込み、あるいはまた国際貢献、これはしっかりやっていかなきゃならぬ、こういう立場で何とかしようという姿勢はわかるんでありますが、さあそれじゃ具体的に派遣をするということになるとこういう問題ということになったのでは、国民のサイドからしてみれば、一体これどうなっているのと、こうなるわけですよ。ここら辺についてまず環境庁、これは一体どういうことなんですか。
#23
○政府委員(加藤三郎君) 先生もお触れになられましたように、確かに政府調査団、三月八日から十九日までサウジアラビア、カタール、それにアラブ首長国連邦と調査をしてまいりまして、私もその一員として行ってまいりました。そして、その調査結果を踏まえましていろんなことをしてきたわけでございます。
 ちょっとどんなことをしてきたかということに触れさせていただきますと、私どもが調査に行くに先立ちまして既にオイルフェンスを相当分サウジアラビア等三カ国に空輸によりまして提供し、それに加えましてオイルスキマーとかそういった機材も提供いたしてきております。それから今回の行動計画、私どもの調査を踏まえまして、先生もお触れになりましたUNEPの行動計画づくりに財政的に支援するために百十一万ドルの支出も政府として決めております。
 ついでに申し上げますと、これに加えまして国際海事機関、IMOというのがございますが、それに対します湾岸での油汚染災害対策基金へも百五十万ドルほどの拠出を決めておるわけでございます。そのほかに、今回の調査の結果といたしまして、あの地域にまだ相当原油、そういったものが残っておるということで原油回収支援チーム、さらにサウジなどで非常に重要な施設でございます海水を淡水化するプラント、そういったものの保全のためのチームもこの三月の末に全体で約三十名ほど送っているわけでございます。
 こんなぐあいにこの調査団の派遣前後に政府としていろんなことをしてまいったわけでございますが、さらに加えまして、調査の結果といたしまして幾つかのまだやるべきことが残ってございます。例えば一つを申し上げますと、クウェートで油田が炎上いたしておりまして大変な大気汚染が発生しております。それに伴います健康影響というものが非常に心配されておりまして、そういったものに対するチームを派遣すべきではないか。あるいは、これはもう既に新聞、テレビ等でも随分報道されまして国民的関心を持たれ、かつまた今先生お尋ねの野鳥などのあの地域での野生生物を保護するためのチーム、そういったものの派遣ということでございます。
 今先生がお触れになられました野生生物の保護のチームでございますが、これはサウジアラビアのジュベイルというところに野生生物のレスキューセンターというのがございまして、ここで私どもが調査に行きました時点で約二十五名ぐらいの方が働いておりました。その中にアメリカ及びイギリスからボランティアベースで数人の方が来ていらっしゃいます。そういうことがだんだん新聞、テレビ等で報ぜられるに従いまして、日本国内でもボランティアで行きたいという人が民間の獣医さんなどで出てまいりました。それに加えまして、ありがたいことに民間企業からもそういうものに基金を拠出してもいいという企業も幾つか出てまいりまして、私どもに御相談がございます。
 私どもといたしましては、政府としてやるべきことはきちっとやらなくちゃいかぬ。国費を使ってやるべきことはきちっとやる。環境庁として環境庁の予算でできることは当然やる。しかしながら、例えば野生生物の保護といったようなことでボランティアベースでできる、またそういったものに支援したいという企業が出た場合に、そういったものを仲介することはこれまた一つの日本としての貢献のあり方ではないかということで、新聞には何か予算がないためにそうなったという報道がされましたけれども、そういうことではなくて、むしろ民間のそういった活力、そういったものを活用するのも一つの道ということで、国費として当然やるべきことに加えましてそういうことを考えたということでございます。そういう仲介をさせていただいているところでございます。
#24
○山田健一君 いろいろ前段の部分でお聞かせいただきましてありがとうございました。
 そうすると、今言われた話だと、生物保護の専門家の派遣というのは、これは民間ボランティアレベルでやれる、環境庁としてこういうものはタッチをしなくてもいいんだと。本来であれば私は環境庁が、例えば獣医さんなら獣医さんにお願いをして、政府の施策に協力してくれということで言われるんだろうというふうに思っていたんですが、それはていよく言えば民間活力の活用ということになるかもしれませんが、要するにこれは政府の支援策の一環としてやるのであれば、環境庁としてきちっとそこら辺の庁としての予算措置を講じていくべきだ。これが普通常識じゃないですか。
#25
○政府委員(加藤三郎君) 私の御説明があるいは不十分だったのかもしれませんが、先ほど来繰り返してお話し申し上げておりますように、当然政府ベースでやるべきもの、政府の専門家が行くべ
きもの、例えば私どもの環境保健の研究者が当然タッチすべきもの、そういう部門がございます。そういうものにつきましては当然それの公的費用でもってそういう貢献をしていくということでございます。
 たまたまこの野鳥の問題につきましては、油にまみれた野鳥の姿が新聞、テレビ等で何度も何度も国民の目に触れる機会がございまして、国民の中からそういうものに支援をしたいという申し出が環境庁の方にございました。また一方で、最近民間企業の中にも環境保全、特に地球環境保全にいろんな意味で協力したいという企業もありがたいことに出てまいりまして、そういういわば一方で資金提供者が出、一方で民間でやりたいというものが出てきて、しかも野鳥を保護するというそういう事の性質上これは一つのタイプではないかということで、私どもとして、環境庁としてそういう仲介をさせてもらったということでございます。
#26
○山田健一君 今の説明は理解をするわけでありますが、例えばこういった今回の湾岸の環境汚染に対して、緊急に対策をとらなきゃならぬというような状況で、そういった面では予算的な措置を十分して待っておるというわけになかなかまいりませんから、その意味では大変苦心をなさっておる部分があるんではないかなというふうにも理解をしておりますけれども、同時にあわせて、もう時間がありませんから最後に一点だけ。
 きょうは大蔵省からもおいでいただいておりますね。実は以前から旅費の問題が指摘をされております。環境庁としての外国旅費の関係でありますが、他の省庁に比べて非常に低い、こういう現状が指摘をされております。事実、そういう状況だというふうに思います。
 これから、先ほども言いましたように、来年のいわゆる国連の地球環境会議に向けても、大変な一つの世界的に注目を浴びておる状況でありまして、国際会議もある意味ではメジロ押しだという状況の中で、これはもう既にお読みになっただろうと思うんですが、ことしの一月八日の朝日の記事でありますけれども、「環境庁の外国旅費は三千五百万円。通産省の十分の一にも及ばない。同省のように旅費をねん出してくれる外郭団体もない。他省庁なら飛行機のファーストクラスに乗る局長級が、エコノミークラスの中でも格安のパック旅行切符で節約し、一人でも多くの旅費をひねり出している。それでも足りない。外国には「変な金満国ニッポン」と映らないだろうか。」と、こういう指摘なんであります。
 多少それは誇張されている部分があるかもしれませんが、いずれにいたしましても、現状のこの外国旅費等々含めて、旅費がないがゆえに思い切って国際舞台で活躍できないというようなことになったんでは、これはまた大変な問題でありますし、ここら辺の要求は要求として環境庁の方もなさっておるはずだろうと思いますが、各省庁ともこれを見ますとそれぞれ旅費がかなりばらばらになっておりますね。
 それぞれ基準なり事情があるのかもしれませんが、ここら辺の事情、そしてまた、国際的にも今、国際環境会議等々、いろんな角度で検討がされておる。それに職員を派遣しなきゃならぬ、こういう状況の中で、こういう旅費がネックになるというようなことのないような体制だけはつくっていただきたいと、こういうふうに思うわけでありますが、ここら辺について大蔵省としてどう認識をされておるのか、今後の対処方針を含めてお聞かせをいただきたいということであります。
#27
○政府委員(森仁美君) ただいまのお尋ねでございますが、環境庁の予算に計上されているものでございますので、その分に限りまして私からお答えをさせていただきたいと思います。
 環境庁の旅費の計数につきましては、ただいまお話のございました平成三年度予算額では三千四百七十六万円ということでございます。この額につきましては、昨年と比べますと一五%強の増ということでございまして、この額自体につきましては、私ども所要の国際会議等への出席費が賄えるものということで三年度に計上いたしております。しかしながら、これは年度当初でございます。これから先いろんなことが予想されますので、これに見合ったものがまた必要になることもあり得るかと思いますが、これはいろいろその執行の段階で工夫をしてまいるということでございます。
 なお、全体的な流れといたしましては、これまで、ただいまお話にちょっとございましたように、環境庁の外国旅費は昭和六十三年度までほぼ横ばいでございました。前年指数で見てまいりますと、大体ずっと一〇〇とほぼ伸びがないという状態でまいりましたが、世の中の関心の高まりにつれ、また国際社会におきます環境問題の重要性ということに伴っての国際会議の開催の状況にかんがみまして、平成元年度からは一二%あるいは八%、一五%とかなりの伸びを示してきているわけでございます。そういう実情にございます。なお今後とも、必要な旅費につきましては確保するように努力をしてまいりたいと、こう思っております。
#28
○説明員(浜中秀一郎君) 地球問題の国際的な取り組みが近年急速に活発化している、また我が国は環境問題にこれまで長く取り組んできた経験を有しているところから、国際社会における我が国への期待も高まっているところでございます。
 ただいま環境庁の官房長から御答弁いただきましたように、この数年、外国旅費につきましては着実に増加を図ってきているところでございまして、この予算を適切に執行していただきたい。特に平成三年度におきましては、大変窮屈な財源事情の中で予算編成をいたしまして、また湾岸協力等の関係もこれございまして、予備費等も非常に圧縮されているというような状況でございますが、環境庁の外国旅費につきましては三千五百万余りを用意しているところでございまして、執行をよろしくお願いしたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#29
○山田健一君 もうこれで最後ですが、再度大蔵省の方にお尋ねをいたします。
 平成三年度は確かに三千四百七十六万円という形で、これは資料をいただいておるわけでありますが、その適正な執行はもちろんなんでありますけれども、さっき言いましたように、来年度に向けていろいろ国際会議等もこれありという状況の中で、ぜひそういった来年度に向けての予算上の措置も十分配慮していただきたいということを先ほど申し上げたわけでございまして、今後の一つの対応方というものもあわせてお示しをいただきたいと思います。
#30
○説明員(浜中秀一郎君) 平成三年度予算につきましては、ただいま御説明申し上げたとおりでございますし、ようやく成立させていただいたところでございまして、この予算の適正な執行にこれから取り組んでまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
 平成四年度以降につきましても、環境庁のいろいろ抱えている諸問題に積極的に取り組んでいく必要があること、それはそのとおりでございますが、何せ来年以降の予算につきまして発言することができない苦しい立場でございますことを御理解賜りたいと思います。
#31
○山田健一君 終わります。
#32
○清水澄子君 私は、まず長官にお願いをしておきたいと思います。
 きのう連合審査で我が環境委員は、今山田委員も申し上げましたけれども、今回のリサイクル法には非常に環境保全上の配慮が弱いんじゃないか、そして環境庁の意見反映の機会が大幅に阻まれているんじゃないかという危惧を持って、さまざまな面から環境庁がもっと関与できるようにと、そういう強調をしてまいりましたが、長官のきのうの連合審査におけるところの発言というのは大変姿勢が弱くて、私どもは非常に残念に思いました。やりにくいことは私ども皆よく理解をしております。しかし、今もおっしゃったように大変重要な環境保全という問題、むしろこれから政策の中にも社会の中にも積極的に進めていかなきゃならない重要な問題であることはよく御認識なんですから、やはりこの場合、環境庁長官はもっ
と積極的な姿勢で環境行政を推進するんだという、そういう決意を持っていただきたいということを最初に申し上げておきたいと思います。
 引き続いて質問に入りますけれども、長官、まず有害廃棄物の越境移動問題は重要な環境問題であると思いますが、どのようにお考えになっておりますか。
#33
○国務大臣(愛知和男君) 有害廃棄物の越境移動問題をどう認識しているかという御質問だと思いますが、近年アフリカや中南米諸国でヨーロッパやアメリカからの有害廃棄物の越境移動に伴う環境汚染事例が多発いたしましたことから、UNEPによりましてバーゼル条約が策定され、一九八九年三月に採択された、御承知のとおりでございます。
 私どもも、この問題は地球規模で環境汚染を引き起こすおそれがある問題であるとともに、国際的取り組みによりまして発展途上国の環境保護を図るべき問題であることから、まさに地球環境問題の一つであり、環境保護分野における我が国の国際責務を遂行する観点から極めて重要な問題であると認識をいたしております。
#34
○清水澄子君 それでは環境庁の方に、時間が非常に少ないので、簡潔にこの条約のポイント、特徴をお話しいただきたいと思うんです。あわせて、この条約に加入するためにはどのような国内措置法が必要なのか、お答えください。
#35
○政府委員(武智敏夫君) このバーゼル条約につきましては、ただいま長官から御説明しましたとおり、一昨年の三月にUNEPで採択されたものでございます。この条約につきましては、有害廃棄物の国際移動なりあるいは処分を適正に管理することによりまして国を越えての環境汚染、とりわけ発展途上国等での環境汚染を未然に防止することをねらいにいたしたものでございます。
 内容的には、廃棄物は原則としていわゆる自国で処理するということを前提にいたすわけでございますが、そういったことを前提にしまして四点ぐらいございます。一つは、廃棄物の発生経路なりあるいは含有成分等で定義されます四十五種類の有害廃棄物と、それから二種類のその他の廃棄物を条約の対象とするという定義をまずしてあります。それから二つ目には、有害廃棄物、原則としては自国で処理することが前提でございますけれども、いわゆるリサイクル物も含んでおりますので、一定の場合には越境移動が認められるというような条件も定めております。それから三つ目には、輸出に際しまして相手国、いわゆる輸入国なりあるいは通過国の同意を要する、そういった事前通報なり同意を要するというような手続。それから四つ目には、輸出されたものがその国におきまして適正に処理されないような場合にはいわゆる輸出側が再輸入する義務といったようなものが決められておるわけでございます。
 それから二点目の、条約に対応するためにはどのような国内措置が要るかというお尋ねでございますが、これも今申しましたようなことに対応したものが要るわけでございまして、一つは、条約の対象となります四十五種類の有害廃棄物なり二種類の廃棄物について新たに定義を起こさなければならない。それから二つ目には、有害廃棄物の輸出入に当たりまして国の審査なりあるいは関係国への事前通報なりあるいは同意を取りつけることを明確にしなければならない。それから三つ目には、環境保全上適正な処分を確保するための処分基準の設定なりあるいは荷物が動くときの移動書類の添付といったようなことを義務づける必要があろうかと思います。それから四つ目には、不法な越境移動等が行われました場合に再輸入させるというようなことを内容にいたしました新しい制度を整備することが必要であろうというふうに考えております。
#36
○清水澄子君 昨日の連合審査におきましても、日本の廃棄物に含まれている有害物質がそのまま放置されていることとか、それから不法投棄とか最終処分場の問題とか、国内でも有害物質の規制の必要性というのが大きな社会問題になっているわけですけれども、特に今長官もお話しになりましたように、有害廃棄物の管理というのは今や地球環境保全のための国際制度づくりという、そういう大きな課題になってきていると思うんです。ですから、私はこの条約は一日も早く批准をする必要があると思うわけですけれども、そのためにはやはり環境庁が責任を持ってこの国内法の整備を進めていっていただきたいと思うわけです。
 もう既に取り組みが進んでいるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その取り組み状況はどうなっておるんでしょうか。そして、もし進行中ならば、その整備の時期はいつごろをめどにしていらっしゃるかということをお聞かせください。
#37
○政府委員(武智敏夫君) この問題につきましては、一九八八年にナイジェリアでココ事件という非常に大きな問題が起こったわけでございますが、その際にも調査団に環境庁から職員を派遣するといったような国際協力もやってきておりますし、それからUNEPでこの条約を採択いたしたわけでございますが、そのUNEPの条約策定作業にも積極的に参画してきたわけでございます。そういったことも含めまして、条約に対応しましたいわゆる国内制度を整備する必要がございますので、昨年の十二月に中央公害対策審議会から既に答申をいただいております。「有害廃棄物等の越境移動対策の在り方について」という答申をいただいておりますので、現在この答申を踏まえまして国内制度を検討いたしておる段階でございます。
 いつまでにというお尋ねでございますが、このバーゼル条約につきましては、二十カ国が批准した後九十日目に発効するというようなことになっておりますし、現在のところヨルダン、サウジなど十カ国が批准をいたしております。外務省の情報によりますと、大体今年度中には二十カ国に達するんじゃないかというような見通しもございますので、そういったような状況ですとか、あるいは冒頭大臣から申し上げましたような地球的規模での環境問題への貢献の必要性といったようなことを考えましたときに、できるだけ早く国会に手続を進めるべきであるというふうに考えておりまして、現在外務省で条約の批准のための手続を進めております。それで環境庁におきまして、この条約を国内で執行するために必要な国内法を提出するために、現在関係省庁と調整を行っておるというような段階でございます。
#38
○清水澄子君 外務省の方にお尋ねしたいんですけれども、外務省はこのバーゼル条約の発効時期をいつごろと考えておられますか。今環境庁は今年度中じゃないかと言っておりました。そしてまた、日本がこの条約に加入していない場合にどのような不利益が生ずるのか、主に貿易上の問題になると思いますけれども、その点について御説明ください。
#39
○説明員(藤本進君) お答え申し上げます。
 先ほど環境庁からのお答えのとおり、現在十カ国が締約国となってございます。そのほかにも締結に向けまして準備を進めている国がございます。ただ、その時期につきましては、それぞれの国の事情にもよるということで明確な見通しが立てにくいわけでございますけれども、先般ございましたOECDの環境委員会の廃棄物グループ第三十三回という会合がございましたけれども、そこにおきまして、UNEPから大体説明がございましたわけでございますが、それによりますと、来年三月末までには発効するという見通しもあるというぐあいに承知してございます。
 第二点でございますが、日本がバーゼル条約発効時点で未加盟であった場合どういう不利益が生ずるかということでございますが、まずバーゼル条約の規定によりますと、同条約の締約国は非締約国との間で条約の対象となります廃棄物の輸出または輸入を原則として行えないということになってございます。したがいまして、条約が発効しました時点で我が国が条約を締結していない場合には、その締約国との間では特に合意または取り決めを結びません限り条約対象廃棄物の輸出入ができないということになってまいります。ただ、
逆に発効時点におきまして我が国が本条約に加入している場合、そういう場合におきましては、今度は逆に非締約国との間では原則として条約対象廃棄物の輸出入ができないということになってまいります。
#40
○清水澄子君 ですから、日本は非常にたくさんアメリカから輸入をしているわけですし、このことはもうお尋ねしないからいいんですけれども、やはり貿易上のさまざまな不利益が生ずるということは事実ですね。これは御返事いただかなくて結構です。
 そこで、私は外務委員会でもこのバーゼル条約の批准について質問をしてきたわけですけれども、外務省のお答えは、政府全体のコンセンサスが得られないんだというふうなお答えでありました。だけど環境庁は、今お聞きになったように、この条約の主務官庁として国内法の整備に努力しておられるわけですし、この条約加盟に向けて外務省ではどのような検討をなされているのでしょうか。そして、もしそれが、検討作業がおくれている理由というのがあれば、それは何かということをひとつお話しください。
#41
○説明員(藤本進君) お答えいたします。
 国内法の整備等のためには、条約上我が国が負うことになります種々の義務及びその履行を担保するための国内法令等の整備がどういうものが必要かということを明らかにしながら、それを所管していただいております関係各省庁の体制の整備についての合意を形成しつつやっていく必要があるわけでございます。このために現在外務省では、関係省庁の参加、協力も得ながら、関係省庁間の合意形成の促進に努めているところでございます。
 どういうところがポイントになっているかということでございますけれども、先ほど環境庁の方からお答えがございましたように、このバーゼル条約に対応いたしますためには、国内における廃棄物の排出抑制の問題、適正管理の確保に加えまして、輸出入に関する規制措置、それから国際的な不法取引に関する措置等につきまして非常に広範に対応が迫られておるわけでございまして、そういうものに対しましてどういう体制でこれの履行を担保するのが一番いいのかということにつきまして、現在鋭意その調整を進めているところでございます。
#42
○清水澄子君 一九八九年にこの条約が採択されたときに日本は署名もしていないわけですね。先進国で署名をしていないのは日本とイタリアだけなんです。だからこういう点でも私は非常に世界の不信を買うだろうと思いますけれども、外務省はこの条約発効までにぜひ本当に内部の、政府部内の調整もしていただいて、環境庁ともよく話し合いをしながら、ぜひこの条約の批准にこぎつけていただくように努力していただきたいと思いますが、お約束していただけますか。
#43
○説明員(藤本進君) 外務省といたしましては、地球環境保護の観点から国際制度づくりというのは非常に重要でございまして、このバーゼル条約というのはその重要な一環であるというぐあいに認識しております。でございますので、本条約の締結に向けまして現在鋭意作業を進めております。政府都内におきます調整が了すれば、できるだけ早期に本条約の締結の承認をお願いしたいと考えております。
#44
○清水澄子君 ぜひよろしくお願いいたします。
 ところで長官、このバーゼル条約を本当に批准に持ち込もうとすれば、やはり環境庁がもっと主体になって、積極的に他の省庁との調整を図っていっていただかないと、これはなかなか進まないと思います。そしてまた、このバーゼル条約を批准する中で、有害廃棄物の越境移動に関するあらゆる仕事はやっぱり環境庁がそれを進めていくんだという意気込みで、この問題についてもっと環境庁の存在感がはっきりするような形で私は取り組んでいただきたい。そして、ぜひ条約の加盟に向けて努力していただきたいと思いますが、長官の御決意をいただきたいと思います。
#45
○国務大臣(愛知和男君) 冒頭にも申し上げましたが、この問題の重要性は十分認識をしておるつもりでございまして、局長も御答弁申し上げましたが、今日までも精いっぱいの努力は続けてはまいりましたが、なお一層の努力を続けてまいりたいと思います。
 外務省も、今御答弁ございましたとおり、積極的に対応していただいてはおりますが、外務省にいろいろ条約が何か山ほど積んでありまして、なかなか外務省の陣容で対応し切れないという部分があるんだそうであります。その中で優先順位を上げてもらいたい、こういうことを特に外務大臣などにもお願いを申し上げておりまして、そのとおりできるだけやると、こういうお約束はいただいておりますが、なお引き続き精いっぱいの努力を続けさせていただきます。
#46
○清水澄子君 それでは外務省の方、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。
 次に、私は長良川河口ぜきの追加調査についてお尋ねしたいと思います。
 環境庁は、長良川の河口ぜき建設に伴う環境アセスメントの追加調査について、建設省と四月四日までにいろいろ今後の調査の項目とか方法などについて合意をされたと聞いているわけですけれども、その合意内容、そして新たなシミュレーションの調査の結果にいろいろ問題が生じた場合、環境庁はどのように対応なさるか、どんな措置をとられるのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
#47
○政府委員(武智敏夫君) 先生お話ございましたとおり、去年の十二月に前の北川長官が見解を出したわけでございまして、その見解に基づきまして、その後、建設省なり水資源開発公団といろいろお話し合いを進めてきたわけでございますが、結果として先般、学識経験者の指導も得まして、一つは河口ぜきを設置した後の水質がどういうふうになるか。今一ppm、一ミリグラム・パー・リットルぐらいでかなりきれいなわけでございますが、それがその後どういうふうになるかというようなことが一つ。それから二つ目には、せきを設置いたしますと、当然水質なり流況も変化するわけでございますが、そういったときにカジカのたぐいの遡上、いわゆる川を上るわけでございますし、それから降海、海に下るわけでございますが、そういったような生息に及ぼす影響についての調査。それから三つ目は、今後工事が予定されております高水敷におきます貴重な動植物の生息に及ぼす影響といったような三つにつきまして、補足的といいますか、追加的といいますか、そういった調査、検討をしてもらうということで合意を見ております。
 これらの追加的な調査をやった上で、今まで建設省でかなり膨大な調査もやっておりますので、そういった今までやりました水質なり回遊性魚類等の調査結果と新しくやりましたのをまとめまして、平成三年度末に公表をいたすということにいたしております。
 これからやるわけでございますので、結果がどうなるかは今の段階で何とも申し上げられないわけでございますけれども、いずれにいたしましても長良川は良好な環境が保全されておるわけでございますので、その時点においてとり得る最善の措置が講じられるように努力してまいりたいというふうに考えております。
#48
○清水澄子君 そこで、今度調査されるシミュレーションの方法は、客観的評価にたえ得るよう第三者の学識経験者のアドバイスに基づいた手法でやりたいと。その人選はもう済まされているんじゃないかと思うんですね。今月中に人選をされて、そして来年の三月までに調査を終わりたい、こういうことだと思うんですけれども、どういう方を人選なさるのか。というのは、客観的評価にたえ得るよう第三者の学識経験者というのはどういう人たちかなというふうに思うんです。
 それはもう既に日本生態学会とか日本魚類学会とか日本陸水学会とか、ここの中には非常に多岐な専門にわたる人々が、多数研究者、学者がこの中に入っておられて、そしてこれらの学会がそろって、この河口ぜきの建設は非常に生態系への
いろんな影響があるということで、やはりもう一度きちんと環境アセスをやるべきだ、そのためにも建設を一時中止をしたらどうなんだろうということを求めておられますね。そうすると、そういう人々はもうあれでしょうか、客観的評価にたえ得るような第三者の学識経験者には入らないということになるのでしょうか。
 ですから、そういう場合にはどのような学識経験者を指すのか、その点について環境庁のお考えと建設省の方のお考えを伺いたい。
#49
○説明員(豊田高司君) 御説明申し上げます。
 学識経験者ということにつきましては、昨年の十二月に長良川河口ぜき建設事業に関しまして前の環境庁長官の見解が発表されたところでございますが、その際に建設大臣と環境庁長官との会談が行われまして、その会談におきまして、学識経験者とは専門的な知識、経験を有し、かつ公平な立場に立つ者として両省庁間で相談の上定められる者というようなことが確認されておりまして、専門的知識を有した学者を考えているところであります。現段階では具体的にはまだ決定していないわけでありますが、今後環境庁と調整を図りながら決めていきたいと考えております。
#50
○政府委員(武智敏夫君) ただいま建設省からお話があったとおりでございまして、これから人選を進めていくわけでございますが、我々環境庁としまして、例えば国立環境研究所の水質の専門家といったような人を含めるなどいたしまして、建設省とこれから相談していきたいというふうに考えております。
#51
○清水澄子君 公平というのは、皆さんの方から公平と言われても社会的に見た場合には、逆な意見を出している学者の皆さんの中からもやはり意見を聞く、またその学識経験者の一人に加えていくということがなければ本当の公平にはならないと思いますので、建設省の立場から公平というだけではこの問題についてはむしろ私たちは、市民は納得しないだろうと思います。ですからその点ぜひ、この人選につきましても、だれが見ても本当の意味で社会的公平性というものが保証されるようにお願いしたいと思います。
 そこで、今度環境アセスをもう一度やられるわけですけれども、私は、環境庁が出されました去年の環境白書に環境アセスメントとはどういうものかというのが実に見事に書いてあったと思うんです。それは、「環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業の実施に際し、その環境影響について事前に十分に調査、予測及び評価するとともに、その結果を公表して地域住民等の意見を聴き、十分な環境保全対策を講じようとするものであり、環境汚染を未然に防止するための有力な手段の一つである。」というふうに明確に書かれているわけですね。
 ですから、これだけの調査をなさるならば、むしろ本来ならば事前に十分に調査をするわけですから、工事をしながらというのは非常に問題があると思います。やはり建設を一時中断をして、そして本当にきちんと調査をする、そういうことが本来の環境アセスメントだと思うんですが、環境庁いかがですか。
#52
○政府委員(武智敏夫君) 先生お話しされたとおり、アセスメントと申しますのは事前にやるわけでございますけれども、この事業が始まりましたといいますか、一番に計画されましたのは四十三年でございます。したがいまして、その後いろんな経過がございまして着工したのはこの二、三年前でございますけれども、事実上事前にやることができなかった事案でございます。
 そういうことで、去年の十二月に前長官が現時点でということで、本来であれば事業の前にやれば一番いいわけでございますが、それができませんものですから現時点でということで追加的な調査に踏み切った次第でございます。
#53
○清水澄子君 ですから今度なさる場合は、事前の、一番最初はもうできないわけですから、新たにやられるときにはやはり工事を一時中断して事前の形での調査をするというふうにお願いしたいと思いますけれども、建設省はその点はいかがですか。ぜひ私は、これまでいろんな問題が出ているわけですから、むしろ調査をやり直すという真摯な立場に立って、まず工事を一時中断してその調査結果を待つという態度をお示しいただきたいと思いますが、いかがですか。
#54
○説明員(豊田高司君) 長良川河口ぜきの事業につきましてはかねてから御説明しておるところでございますが、これは沿川住民の皆さんの生命、財産を守り、また将来の中部圏の発展に不可欠な水資源を確保する上で極めて重要な事業であります。また、流域市町村からの促進決議を初め、地元三県など多くの団体からも強い促進の要望がなされております。この地域の抜本的な治水対策は地元住民の長年の悲願である、こういうことから治水対策等の早期完成は一刻も猶予がならないものと考えておりまして、一時中断は一切考えておりません。
 そういうことで、この事業の重要性にかんがみまして、従来から地元の意見を聞きつつ、既に昭和三十八年から約九十名の専門の学者によります幅広い分野の学識経験者の協力を得まして環境調査を実施しておるところでございまして、その結果につきましては先般公表したところでございます。このように実質的に環境アセスメントを実施したものと考えております。この内容につきまして、先ほど御説明申し上げましたように、環境庁と相談いたしまして追加的な調査をすることとしたわけでございますが、今後とも建設省といたしましては、環境には十分配慮し、万全を尽くしてまいりたいと思っておるところでございます。
 したがいまして、環境庁と合意をいたしました補足的な調査をことしじゅうに終わりまして、それを公表するとともに、地元にも十分説明をして一層御理解を得られるよう努めてまいりたいと考えております。したがいまして、建設工事を中断する必要はないと考えておるところでありまして、今後とも一層地元の皆さんの御理解が得られるよう努力してまいりたいと思っております。
#55
○委員長(上野雄文君) 時間ですからね。
#56
○清水澄子君 時間ですか、済みません、余り長いから。
 そういうお答えを余りいただきたくなかったんです。それならば、私はもう一つお返ししておきますけれども、建設省はそれほど環境を重視なさったならば、なぜあの膨大な調査を公表なさらないんですか。じゃ、それをきょうは公表するということをお約束して帰っていただきたいと思います。
 もう一つだけ、環境庁長官お願いいたします。
 前任者の北川長官が非常に熱意を持ってこれに取り組んでこられました。ですから、その前任者の意思を継いで、ぜひ長良川の環境が本当に保全されるようなそういう努力をお示しいただきたい。ぜひ一度長良川、現地をやっぱり訪問してくださることをお願いしたいと思います。その御見解をいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(愛知和男君) この長良川の問題につきましては、その環境保全のためにとり得る最善の措置が講じられるように環境庁としても最善の努力をしてまいります。私、前の長官に比較して後退だと、何かこう言われて甚だ心外に思っているところもあるのでありますが、前の長官のしかれました路線に沿いまして十分努力をしているつもりでございます。
 視察の問題につきましては、いろいろ日程のこともございますのでここでお約束をすることはできませんけれども、とにかく最善の努力をさせていただく決意を申し上げておきます。
#58
○説明員(豊田高司君) 先ほど御説明いたしました昭和三十八年から約九十名の専門的な幅広い学者によります調査につきましては、既に四十三年度に幅広くシンポジウム等、あるいは地元漁協あるいは地元住民の皆さんに広く公表されているところでございます。また、その後の調査につきましても、地元等に十分説明し理解を得て今日に至っておるわけであります。また、補足的な調査につきましても、調査が終わり次第公表して地元の理解を得てまいりたいと考えております。
#59
○清水澄子君 納得しませんけれども、時間が参りましたので今後の質問にさせていただいて、終わります。
#60
○石渡清元君 私は、大気保全を中心に限られた時間御質問をしたいと思っております。
 まず環境庁長官に、今の大気汚染の現状についてどう認識をされているか、とりわけ窒素酸化物による大気汚染についてはどのような取り組みをされているか、お伺いいたします。
#61
○国務大臣(愛知和男君) 二酸化窒素濃度につきましては、その改善がはかばかしくございませんで、特に大都市地域においては道路の沿道を中心に窒素酸化物による大気汚染が厳しい状況にあると認識をいたしております。
 環境庁といたしましては、これらの対策としまして、平成元年十二月の中央公害対策審議会答申に示されました短期目標を達成するために、本年三月、ディーゼル車を中心とした自動車一台ごとの排出ガス規制の大幅な強化を実施するための措置を講じたところでございますが、同時にまた、同答申に示されました長期目標につきましても、技術開発を促しつつできるだけ早期に達成したいと考えております。また、次の柱としまして、電気自動車などの低公害車の普及及び啓発に努めてまいります。三番目の柱といたしまして、地域全体の自動車排出ガス総量の抑制方策、これにつきましても具体化に向けましてさらに検討を深めてまいりたい。これらの施策を通じまして環境基準の早期達成に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
#62
○石渡清元君 この問題は、急に始まったことではないんですが、なかなか功を奏さないと申しましょうか、むしろ過密化の方が進んじゃっている、こういうような状態ではないかと思います。特に窒素酸化物の場合は自動車排ガス、今御答弁がありましたけれども、具体的な三つの方法という、前の検討会が公表した中間取りまとめの三つの方法に対してこれから各種法整備が必要になってこようかと思いますけれども、どのような手順、スケジュールでこれを進めていくのか、御説明をお願いします。
#63
○政府委員(古市圭治君) 窒素酸化物自動車排出総量抑制方策検討会というところから昨年の十一月に中間取りまとめを発表させていただいたわけでございます。この取りまとめでは、今先生がおっしゃいました三つの方式が提案されているわけでございますが、一つは、工業、事業場ごとに排出ガス総量を割り当てる方式、それから二番目が窒素酸化物排出量の少ない自動車に代替を促進することを義務づける方式、それから三番目は、一定の基準に適合した自動車のみ大都市総量規制地域は走行を許可するという方式等が提案されました。また、これらの組み合わせ方式等もあろうかと思います。
 現在、この中間取りまとめをもとにしまして具体的な制度化の可能性について検討を進めているわけでございますが、何しろ非常に関係するところが広うございますので、制度的な問題や物流等の経済に及ぼす影響、また社会方面に及ぼす影響等について十分検討する必要があると思います。そういうことで、現在、関係者、関係団体等の意見を聞きながら合意の形成に努めておるところでございますが、問題の重要性にかんがみまして早急に具体的な案を取りまとめまして、その法規制というものに向けての作業を急ぎたいと思っているわけでございます。
#64
○石渡清元君 その三つの方策はわかるんですけれども、もう少し具体的に、どのように整備をしていくのかということが質問の趣旨であるわけでありまして、総合的に全庁的に取り組むというのはよくわかるわけです。それだったら逆に、どこがネックで、それぞれ三つの方策というのがどこが一番難しいところなのかということを御説明いただいてもいいんですが。
#65
○政府委員(古市圭治君) それぞれの方式につきまして一長一短がございますが、例えば一つわかりやすく申しますと、シンガポール等幾つかの地域では、そういう地域には乗り入れ規制というものが行われているわけでございます。また、自動車の番号の奇数偶数制、曜日の指定制、しかし、これは調べてみますと非常に限られた地域でございまして、東京都のようなところでそういうものを実施した場合にいろんな面で非常に混乱が起こる。そこで、実現可能な方策はどうかということがあります。
 それからまた、最新規制適合車の使用を義務づける、こう申しましても、結局その適合する義務づけをどの地域に所有する車に限るか。例えば東京都でございますと、大体二割五分ぐらいがよその地域から入ってくる車であり、また東京を通過してよそに出ていくという車がある。そういう場合に、東京都内だけの車にその規制をやった場合に公平性を欠くのではないか、そういういろいろの問題がございまして、そういうものの一長一短を詰めながら実現可能な案に収れんしていく作業を現在しているということでございます。
#66
○石渡清元君 確かに不公平になっちゃう、一部の車だけをねらうということは不公平かと思いますけれども、やはり今自動車排ガスがなぜかということは、固定発生源は割合量的にもつかまえやすいということで、問題は移動発生源である自動車排ガスを今やろうとしているわけですね。
 それじゃ、総量規制関係のお話も出ましたけれども、その地域を少し広げるとか、一つの地域に余り固定しちゃっても、片っ方は自動車ですから動いていますので、地域を広げるとか、そういったような発想はないんですか。
#67
○政府委員(古市圭治君) 現在、御指摘のように総量規制三地域、いわゆる東京、京浜地帯、それから阪神地帯等は固定発生源につきましては既に総量規制をかけているわけでございますが、車の総量規制をやる場合には御指摘のようにその範囲を超えて、例えば千葉、埼玉、そういうところまで広げないと実効が上がらないのではなかろうか。そういう地域の大きさの問題についても問題になっているところでございます。そういうことを含めて現在検討をしております。
#68
○石渡清元君 ですから、今申し上げたのは、固定発生源の指定地域を少し拡大、固定発生源指定地域に割合そういう移動発生源が集まる率も多いわけでありますので、それを広げるのと、もう一つは、やはりその移動発生源の関係の対象事業者、それの規制基準順守の確認作業、事務作業というよりはもう少しかなり広いものがありますけれども、簡単に把握できるようなメニューを事業所に出さないとなかなか数量的な移動発生源の排ガス量というのがつかめないんじゃないかと思うんですが、その辺のところはどのようにお考えなのか。
#69
○政府委員(古市圭治君) だんだんと難しい問題でございますが、今おっしゃいましたように、例えばある地区を限って、ここに所在する車の所有者は今度の規制がかかりますよ、こうやりますと、現在東京都で申しますと、駐車場の問題等がございましてその事業所を外に移すというような行為も行われているわけでございますが、ある地域に規制がかかると、その事業所、車の保管場所をその地域外のところに移して、実態上また東京都の中で営業するということが起こるわけでございます。
 そういうことから、どの範囲内までやればそういう行為も、余り大きく脱法行為が起こらないか、また規制の目的からいって余りにも広げ過ぎるということも問題でございますし、その辺もいろいろ関係団体等の意見も聞いて、専門家の先生にも議論をしていただいているという状況でございます。
#70
○石渡清元君 それともう一つ、窒素酸化物をどんどん追いますと、逆に二酸化炭素の、逆な面が出てきちゃう。いわゆるトレードオフ関係と申しましょうか、窒素酸化物もやらなきゃいけないんですけれども、環境庁が進めている地球温暖化の防止策にも逆な面、マイナス面が出てきている。このような関係についてはどのように取り組んでいきますか。
#71
○政府委員(古市圭治君) 御指摘のように、ディーゼル自動車につきましては、窒素酸化物、
それから黒煙、浮遊粒子等についてはガソリン車よりも非常に悪いわけでございますが、燃費の問題からいいますとガソリンよりはいいというところから、CO2、問題になっております炭酸ガスの排出量からいいますと燃費に比例いたしまして、例えば直噴式のディーゼル車では約三割、副室式では約二割燃費がよくなっている、その分だけCO2の排出は少ないということからディーゼル車の擁護論というのが出ているわけでございます。これは全国的に見ますとそういうことでございますが、大都市地域の対策の問題と、全国を対象とした自動車のガソリンの使用の効率化という問題と別問題でございまして、これは切り離して、両立する対策があり得るということでやっておるわけでございます。
 ちなみに私どもが検討いたしております案の中で、東京都二十三区だけについて今度最新適合車に切りかえる等の措置を窒素酸化物の総量規制でやった場合のCO2の増加量、ディーゼルをガソリンその他に切りかえた場合に増加する量というものは、試算でございますが、日本全国の自動車の燃料のCO2から比べますと〇・〇数%増加するだけの話でございまして、全国対策をやっていくということでCO2対策をやり、N〇X対策はディーゼルを規制するというところから十分両立するというように考えております。
#72
○石渡清元君 そうすると、今までどおりで、むしろ現在のディーゼルあるいはガソリン車等々できるだけ排ガス技術の向上を促すというような格好になっていくんですけれども、それじゃ低公害車をもう少し思い切ってそちらの方に誘導していく、これもまあやっているんですけれども、なかなかうまく進んでいかないというそんな感がするわけでありますが、低公害車の普及について環境庁長官はどのようにお考えでしょうか。
#73
○国務大臣(愛知和男君) 電気自動車を初めといたしました低公害車を普及させることは大都市の大気汚染対策上有効な新たな手段でありまして、これは中央公害対策審議会の答申などでも指摘されているとおりでございます。このために環境庁といたしましても、低公害車の一層の普及拡大に努めることといたしておりまして、その第一歩としまして、ことしから地方公共団体を中心とした導入助成措置の強化拡充を図ったところでございまして、この点につきましては自治省からも、地方自治体における低公害車導入に対する支援を自治省も大変理解を示していただきまして、公害パトロール車、ごみ収集車、公営バス等における低公害車の導入について地方交付税及び地方債による財政措置が講じられることになりました。
 このような施策による需要の拡大、そのネックになっておりますのはコストが高いということもありますので、このような施策を講ずることによって需要を拡大いたしまして、メーカーにおける生産開発体制の整備を促すなどいたしまして、大量普及へ向けた条件整備、つまり少しでも安くこういうものができるようになりますと普及をするわけでございますから、そういう方策を講じてまいりたいということでございます。
 一昨日、私、実は横浜のごみ処理場へ参りまして、オール電動ごみ収集車を拝見したり、あるいは電気自動車を自分でちょっと運転してみたりいたしましたけれども、大変音も静かであったり、排気ガスも出ておりませんし、ぜひこういうものが少しでも安くできるように、そして普及をしていくように、なお一層努力を続けてまいりたいと考えております。
#74
○石渡清元君 今電気自動車のお話が出ましたけれども、その電気自動車はいわゆる在来車の改造車としてやっているんですけれども、運輸省サイドでの保安基準とか、電気自動車普及のための取り組みについて御説明を願いたいと思います。
#75
○説明員(樋口忠夫君) お答えいたします。
 運輸省といたしましては、自動車の運行における安全性の確保と公害の防止を図るために、道路運送車両法に基づきまして道路運送車両の保安基準を運輸省令として定めているところでございます。その基準につきましては、安全性の確保と公害の防止の観点から必要最小限度の事項について定めておりますけれども、今御指摘の電気自動車等の低公害車にありましても、その基準に適合するということが必要になってくるところでございます。
 運輸省といたしましても、御指摘のように、大都市におきます深刻な大気汚染状況等にかんがみまして、これまで窒素酸化物を中心としました排出ガスの規制強化を図ってきたところでありますが、今後は電気自動車等の低公害車の開発普及というものが重要であるということは認識しておるところでございます。そういった観点から、電気自動車につきましても、電気自動車固有の問題があるとすれば、そういった点を、技術開発の動向でありますとか普及状況等を踏まえつつ、その特性に留意しながら基準の整備というものについて図っていきたい、このように考えております。
#76
○石渡清元君 どしどし進めていただいて、先ほど長官の御答弁の中にもありましたけれども、出身の横浜を御訪問いただいて光栄に存じておるわけでありますけれども、もっと地方自治体に普及するように、さっきごみ収集車とかいろいろありましたけれども、例えば保健所の車とか、他の省庁にも電気自動車を使うにふさわしいものがたくさんありますので、中央の方でも各省庁に広げていただいたり、あるいはどんどんどんどん地方公共団体の方に電気自動車が普及できるような施策をもう少し取り組んでいただくとありがたいと思うんです。横浜の場合、特に自動車排ガス汚染が最悪の地域でもありますので、高いからと言っていられないようなケースにもありますので、その辺のところをもう少し広げていただくようなお考えがあるかどうか。
#77
○政府委員(古市圭治君) 先ほど大臣から御答弁がございましたように、新しく地方自治体に公害パトロールカーを中心として国の助成政策をつくったわけでございますが、このほかにも大都市を中心といたしまして十一都市、各都市二台ずつ二十二台ということで、新しい電気自動車の用途というものを調べてもらうというために私どもの方で予算をとりまして、今年度この事業を行いたいと思っております。こういうことを通じて、自治体へのいろいろ新しい低公害車の導入というものを推進してまいりたいと思っております。
#78
○石渡清元君 そして同時に、民間の方の需要というか利用されるようなそういう方策、また通産等との技術の関係、これもひとつ取り組んでいただきたいと思うんですけれども、例えば民間の場合は、商工会議所だとか法人会、そういったような関係に対するアプローチなどどのようにお考えですか。
#79
○政府委員(古市圭治君) 従来から電気自動車の民間への普及施策としましては、私どもの公害健康被害補償予防協会の基金を利用いたしまして、低公害車の普及助成事業というものを六十三年から行ってきたわけでございます。このほかにもいろいろな諸団体で動きがございますので、例えば神奈川県の生活協同組合で将来数千台を目指して電気自動車化をしている、そういう事業に対してもいろんな意味で支援をしていきたいと思っております。
#80
○石渡清元君 それとあと、先ほどディーゼルトラックの代替策等々のお話もありまして、メタノール自動車の関係、現状、課題等々についてお伺いをいたします。
#81
○政府委員(古市圭治君) メタノール自動車は問題のディーゼル車に比べまして窒素酸化物の排出が約二分の一、黒煙も出ないということで、電気自動車が現状では比較的小さな車両が主体になるのに比べまして、メタノールはかなり大型の車両にも使える、現在のエンジン構造そのままで使えるということもございますので、これの普及は重要な問題でございます。
 こういうことで、運輸省におきましてもフリートテストを行っておりますし、通産省による調査研究というのを行っております。そういうことで、現在までに公害健康被害補償予防協会の基金による助成事業を含めまして百三十台以上の導入が図
られているわけでございますが、今後、これらの普及につきましても、燃料の供給体制の整備、需要の拡大等の解決を図っていく必要があろうと思います。環境庁としてもこの問題にも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#82
○石渡清元君 電気自動車、こういったような問題については、この前環境特でも日産の研究所へ、私も参加させていただいたわけでありますけれども、どしどし環境庁の方も前向きでひとつこの推進方をお願い申し上げる次第でございます。
 次に、この前のサウジアラビア、カタール等々の湾岸の政府調査、その調査結果について簡単に御説明願いたいと思います。
#83
○政府委員(加藤三郎君) 先生お触れになりましたサウジアラビア等三カ国に対する調査、環境庁のみならず関係省庁ともども行ってまいりました。油によります海の汚染、それからクウェートでの油井炎上に伴います大気汚染、いずれもいわば意図的に引き起こされた環境破壊でございまして、そういう意味で類例を見ないものでございまして、その影響たるやまことに甚大、しかも短期的のみならず中長期的にも影響が残るというふうなことが非常に懸念されております。
 私ども見てまいりましたが、幸い油の回収もかなり一生懸命やっております。それから、先ほどのお答えでもございましたように、野生生物などに対する救助活動も現地の関係機関が一生懸命努力をいたしております。それから我が国からもこれまでにたくさんの資材、オイルフェンスその他資材が供与されておりまして、現地では高く評価されておったわけでございます。
 ただ、その一方で、例えば環境モニタリングはほとんどまだ手がついておりませんし、流出原油の拡散あるいは予測、そういった分野での取り組みも必ずしも十分でないということでございます。加えまして、油井の大炎上に伴います大気汚染、これがクウェートの国民のみならずその周辺の国、サウジあるいはイラク、イラン、そういったところの住民にまで甚大な健康影響を与えるんじゃないかということが懸念されておりまして、早急な調査、対策が必要だということを痛感してまいった次第でございます。
#84
○石渡清元君 その調査結果を踏まえて、じゃ環境庁長官にまとめて、特に大気関係についてはこれからどのようなことを指示され、湾岸の方ですよ、どういうふうに取り組みを進めていこうとされるのか、ちょっとお願いします。
#85
○政府委員(加藤三郎君) 先ほどお答えさせていただきましたように、類例を見ないような大変重大な環境破壊でございます。したがいまして、これまでもいろんなことを、日本政府としてできることをやってまいりましたが、加えましていろいろなことができるのではないか。特に先ほど触れました油田の炎上に伴います健康影響に対する対策チーム、そういったものをできるだけ早く派遣して、日本のこれまでの経験を生かしてあの地域での健康対策に資したいというふうにも思っておりますし、それからUNEP、これは国連の環境庁でございますが、UNEPが行動計画をつくりまして、さらにそれを実施しようとしたりしております。そういったものに対しまして専門家の派遣あるいは資金面での支援、そういったものをしてまいりたいというふうに思っております。
 さらに、あの地域の消火活動、炎上しておりますあれに、消火活動に対しましても、そういうものを容易にし、促進するための何か国際的な協力ができないかどうか検討しているところでございます。
#86
○石渡清元君 時間があれですのでもうこれ以上あれしませんけれども、被害は甚大であるとか、検討しているんだ検討しているんだ、この答弁だけれど、よその国はもうある程度対策チームをつくって取り組みを始めているわけですので、そこで日本は何をするのかということを聞いておるわけです。特に石油公団とかあるいは石油資源開発会社について、何か協力を行うべきじゃないかとかいろんな声があるわけですので、その辺のところだけちょっとお答え願いたいと思います。
#87
○説明員(望月晴文君) 油井火災につきましては、大変特殊な火災でもございますので、私ども承知しておるところでございますと、米国等に数社の専門会社が存在して、現在も消火活動をしているわけでございますが、ただ、我が国において油井火災を総合的に行える技術というのは、石油公団と申しても残念ながらただいま持ち合わせていないわけでございます。
 しかしながら、何らかの協力ができないかということを公団の中でも検討しておりまして、今現に現地で消火活動の中心になっておりますクウェート石油公社などとも連絡をとりながら情報収集に努めているところでございます。ただいまの現状はそういうことでございます。
#88
○石渡清元君 前向きにやっていただきたい。
 終わります。
#89
○広中和歌子君 先ほど同僚の清水委員から質問があったところでございますけれども、私もバーゼル条約についてお伺いしたいと思っておりました。
 UNEP、国連環境計画により策定されたバーゼル条約は八九年三月に採択され、諸国において批准に向けその作業が進められているわけでございますが、日本では、日本政府はその条約を今国会に提出しようと準備していらしたけれども間に合わなかったということで、先ほど断念された理由とか、いつごろをめどに提出なさるのか、そういった質問に対するお答えは既にいただいたわけでございますが、現状におきまして、もしこのバーゼル条約を批准した場合でございますけれども、憲法では違反になるケースというのがいっぱいあるんでしょうか、どのような点が問題点になっているのか、お伺いいたします。
#90
○政府委員(武智敏夫君) 先ほど清水先生の御質問にお答えいたしたわけでございますが、バーゼル条約を批准いたしますと当然国内的にいろんな措置をとらなければならないことになるわけでございます。一つは、物理的に条約の批准のための作業が、湾岸問題とかいろいろ外務省あったものですから、物理的におくれておるというようなことが一つあるわけでございますが、そのほかにも、国内的にも、例えばリサイクル物を含めまして輸入されたものが国内で適正に処理されなければならないというような問題もありますし、それから、例えば日本からリサイクルすることで東南アジア等に輸出される廃棄物等につきまして、それが適正にその国で処理できない場合には、例えば再輸入の義務づけをしなければならないといったような条約上の問題がございますので、いわば条約の批准のための作業と、それを執行するための国内法の整備を今やっておるところでございます。
#91
○広中和歌子君 対象範囲ですね、有害廃棄物と指定されるその対象範囲が日本では一一品目ですか、非常に少ない。それを四十五品目に広げることに関して国内では抵抗がございますか。
#92
○政府委員(武智敏夫君) 国内では抵抗がございますかというストレートな質問になるとちょっと言いようがないんですが、少なくとも条約を批准いたしますと、その四十五の有害物質と二種類の特定の廃棄物について四十七を対象にしなきゃいかぬということでございまして、厚生省等とも相談いたしておりますけれども、それを最終的には廃掃法で、どの部門をどういうふうに受けるかはまた議論しなきゃいかぬわけでございますが、いずれにしても四十七に広げたものを受け皿としては廃掃法の方で受けてもらおうというふうなことで協議をいたしております。
#93
○広中和歌子君 有害廃棄物はどのような形で処理されているか、その現状について少しお話しいただければと思います。
#94
○説明員(三本木徹君) 先生ただいま御質問の有害な産業廃棄物の処理の現状でございますが、私どもといいましょうか、我が国の廃棄物処理法におきましては、固体状、液体状の廃棄物すべての廃棄物につきまして規制を行っているわけでありますが、特にその中で、従来からのいろいろな環境被害等々のことを勘案いたしまして、その中で特別にいわば規制を強化している廃棄物がござい
ます。それは有害性の物質を含むものがございますが、それらのものにつきまして特別の規制を行っております。これにつきましては、年間約五十万トン程度排出されているものというふうに推定をしておりますけれども、これらは、廃棄物すべてそうでございますが、廃棄物処理法に規定いたします処理基準に従いまして処理が行われているというのが実態でございます。
 今後の問題でございますが、現在厚生省の方からこの国会に提案しております廃棄物処理法の改正の中におきまして、先生今御指摘のバーゼル条約でいろいろと範囲を拡大しておりますが、私どももそれを踏まえまして、国内的措置といたしましては、爆発性あるいは毒性あるいは感染性、こういった人の健康なりあるいは環境に係る被害を生ずるおそれのある性状を有する産業廃棄物を、ネーミングはちょっと今までとは違うわけでありますが、特別管理産業廃棄物というふうな分類をいたしまして、特別の管理体制、特別の基準、そういったものを考えているところでございます。
#95
○広中和歌子君 有害廃棄物の処理場についてお伺いしたいんですけれども、固形物の場合どのような場所でなされているのか。そして、その業者というのは公営であるのか、それとも民間であるのか。それからもう一つついでにお伺いしたいんですが、域外移動、バーゼル条約は越境移動でございますけれども、域外というんでしょうか、越県というんでしょうか、自治体の外に出る、そういうことが日本国内では問題になっているのか、なる可能性があるのか。この三つについてお伺いいたします。
#96
○説明員(三本木徹君) まず処理方法でございますが、これは有害性のあるものにつきましては、現在は固形化をするなりあるいはその他の特殊な処理をいたしまして、金属なり悪いものを抜き取るとか、そういったようないわば中間処理をしながら埋めるわけでありますが、埋め方にしましても、遮断型埋立地というのがございます。これは言ってみますれば、コンクリートのプールの中に封じ込めてしまうような処理をしているというのが実態でございます。
 それから二点目のどういう人たちによって処理がなされているかということでございますが、いわば公共が行うというようなケースは我が国におきましてはございませんで、都道府県知事の許可を受けた民間の処理業者がきちんとその構造基準に適合した施設で処理をするというようなことで、民間の特別の処理業者が行っているというのが実態でございます。
 それから国内的な移動につきましては、現在問題があるかないかという点につきましては、私ども移動すること自体に問題があるというようなことは考えておらないわけでありますが、行政上はいわばマニフェストシステムというのを、行政指導として現在の法律のもとで流れを管理するというようなことをやっております。実はこの点につきましても、今回の改正法案におきましては、さらに特別管理産業廃棄物という範囲をいわば拡大いたしまして、法制的な措置をとりたいということで御提案申し上げているところでございます。
#97
○広中和歌子君 ことしの一月でございますが、日本経済新聞に有害廃棄物規制法案が今国会に向け準備されているという報道がされたわけですけれども、結果としては出なかったんですよね。その理由は何でしょうか。
#98
○政府委員(武智敏夫君) 環境庁としましては、今国会に提出すべく準備作業を始めておったといいますか、その後も引き続いてやっておるわけでございますが、御承知のとおり、これはバーゼル条約を国内で実施するための法律でございますので、当然にその前提としてバーゼル条約が国会に出なければ審議願えないわけでございまして、先ほど申し上げましたとおり、外務省の方におきまして、関係省庁の詰めもあるわけでございますが、物理的にその作業が間に合わなかったということでございます。
#99
○広中和歌子君 では最後に、バーゼル条約についてですけれども、今国会には提出しなかったけれども、提出なさるんでしょうか。それに関して政府内のコンセンサスはできているのかどうか。そして、日本としては積極的にこれを批准しようとなさっているのか。長官に御決意をお伺いいたします。
#100
○国務大臣(愛知和男君) 先ほども申し上げましたが、この条約の重要性につきましては十分認識をいたしておりまして、今国会に提出するということは物理的に不可能になりましたが、その後できるだけ早い機会に提出をさせていただくように、これは外務省にもお願いしなきゃなりませんが、同時に関係各省に働きかけを積極的にやっていく決意でございます。
#101
○説明員(藤本進君) お答えいたします。
 現在外務省といたしましても、バーゼル条約によって国内的に担保しなければできないことにつきまして、どういうところが要求されているかということを詳細に検討しながら、そのための国内的な措置、そして関係省庁の御協力というものを得ながら検討を鋭意進めているところでございます。この調整が終わり次第、できるだけ早くバーゼル条約の御承認をお願いしたいと考えております。
#102
○広中和歌子君 環境分野で国際的にリーダーシップをとっていただきたいと願っている者の一人として、ぜひこの条約の批准を早急に進めていただきたいと私からもお願いさせていただきます。
 バーゼル条約の生まれた背景なんですけれども、ニンビーという言葉をこの前アメリカで聞いてきたんですけれども、ニンビーというのはNIMBYとスペりますが、これはノット・イン・マイ・バック・ヤード、私の庭ではだめよ、そういう言葉だそうです。ニンビーシンドロームとか言うらしいんですけれども、自分の家からごみを掃き出し、庭先まではきれいにし、表も多少テークケアはするだろう、しかし、そこから先は知らないよといったようなメンタリティーというのは日本だけではなくてアメリカにもあるんだなと大変おもしろく思ったわけですけれども、ともかくバーゼル条約が生まれた背景、いわゆる理念というのは、地球規模で配慮しましょう、単に自分たちの地域あるいは国だけではなくて、地球規模で環境なりその他のことで配慮しましょうといった気持ちから出ているんじゃないかと思います。
 グローバルフェアネスという言葉を使わせていただきたいんですけれども、フェアネスとよく使われますけれども、何がフェアか何がフェアじゃないかということですけれども、フェアということはみずから欲せざるものは他に与えず、そういうことではないかと思います。特に地球環境においてはこの配慮が必要だと思います。
 ところが、公害基準というのは国によって違います。例えば、日本は自動車の排気ガスの排出基準なんかで非常に高い基準を持っておりますから、だからよその国から外国車を輸入するといったような場合には日本の環境基準に従ってもらう、公害規制に従ってもらわないと車が輸入できないという状況がございますよね。一方、輸出する場合ですけれども、当然相手国の基準に従うわけでございますが、日本の方がずっと高い場合、相手の方が非常に低い場合にはどのように現状としてなさっているんでしょうか。
#103
○政府委員(加藤三郎君) いずれの国にいたしましても、環境を守るための法規制なり、あるいはいわゆる環境基準といったようなものを決めるのはその国の主権でございます。いわばその国の主権でもってそれを決めるということになりますので、例えば日本の企業がどこかよその国へ出かける、それが先進国であれ、あるいは途上国であれ出かけていくときに、日本の企業といえどもその国の、受け入れ先国の基準に従うというのがいわば原則でございます。
 しかし、特に途上国に日本の企業が進出する場合に、その受け入れ先国の基準が必ずしも十分、日本の目から見て必ずしも十分整備されていない場合であっても、できるだけそういったものに従おうという風潮は最近企業の間にも非常に出てお
りまして、例えば経団連で昨年十項目の海外に進出するに際しましての配慮事項というのを決めておりまして、その中で、特に有害物質につきましては国内の基準を、国内並みの規制をできるだけしようということを経団連傘下の企業としては申し合わせをしておるということでございます。政府といたしましては、できるだけそういう方向で指導するという立場でいるわけでございます。
#104
○広中和歌子君 そのような傾向は大変望ましいことだと思うのでございますが、一方、日本の方が基準、これは必ずしも環境じゃないんですけれども、安全基準なんかが低い場合があります。例えば自動車なんでございますが、アメリカでレンタカーなんかいたしまして日本の車にいろいろ乗ってみるんですけれども、ドアをあけて車に乗りますと、シートベルトがドアを閉めた途端にかかってしまうといったような工夫がされている。それは日本で見たことがないんですけれども、れっきとした日本の車なんですね。日本でつくって輸出しているのか、あるいは現地生産されているのかわかりませんが、アメリカ人はそういうものを買えるけれども日本では買えない。
 また、安全基準の中で、例えばドアの中に横棒が入っておりまして、バーというんでしょうか、アメリカの安全基準がもっと高いから日本の車は輸出するときにはそれに従うんだけれども、日本の国内では従っていない、そういうことも耳にするわけでございます。それは目に見えないので私はわからないんですが、日本での自動車事故の写真などを見ますと、くちゃっとつぶれているんですよね。頭としっぽは割合ちゃんとしていても、人間が入っているところがぺちゃっとなってしまう。そういうところですけれども、できるだけ高い水準に、そういう技術がないのなら別ですけれども、あるのであれば、日本国民にもそうした安全基準に従って自動車をつくっていただくということが我々に対するフェアネスじゃないかというふうに思うのでございますが、その点についてお伺いいたします。
#105
○説明員(樋口忠夫君) お答えいたします。
 自動車の安全基準につきましても、ただいま公害の関係で先生御指摘ありましたとおり、それぞれの国の交通環境等に応じまして基準の規定ぶりというようなものが定まっております。基本的には、そういった交通環境等に応じて基準の規定ぶりあるいは個別の技術的内容に多少の差異があるわけなんですが、具体的な点について申し上げますと、日本におきましては人対車の事故、これが非常に多いことから、いわゆる歩行者等交通弱者の保護対策が進められてきております。
 一方、欧州におきましては、高速走行時におきます制動性能基準の充実が図られておりますとか、あるいは今御指摘がありました米国におきましては自動車乗車中の事故が非常に多い、そういった観点から、先ほどお話ありましたサイドドアビームというようなああいったものだとか、衝突に対する対応が、いわゆる乗員保護対策として規制が実施されているというような形になってございますけれども、基本的な点について申し上げますと、日米欧の基準はほぼ同等であろうというふうに我々はとらえているところでございます。
#106
○広中和歌子君 アメリカで交通事故が多いからというようなことでございますけれども、日本でも多くて去年など一万人が死んでいるんですね。ですから、そろそろ日本も高スピードで走る自動車の激突というんですか、そういうものに対して真剣に取り組んでいただく必要があるんではないかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。何かお答えいただけますか。
#107
○説明員(樋口忠夫君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、現下の厳しい交通事故状況にかんがみまして、今後の自動車の構造装置にかかわります安全基準の拡充強化につきまして、実は昨年十月に運輸技術審議会に諮問を行いまして平成三年度末を目途に答申をいただくということになってございます。
 審議に当たりましては、事故の態様を踏まえまして、御指摘の自動車乗車中の死亡事故の増加でありますとか、夜間の死亡事故の増加、高速走行におきます死亡事故の増加等に対応するということから検討が現在進められておるところでございます。
#108
○広中和歌子君 この前の委員会でも指摘させていただいたんですが、熱帯林の伐採が進んでおりまして、それに対して日本は最大の輸入国である。他方、日本の国土の約七割が森林でございます。安い木材、丸太の輸入のために林業は落ち込み、林野は過疎化している。こういう現状があるわけでございますが、私がある環境の国際会議に出席いたしましたときに、イギリスの議員から次のように言われたわけです。この議員はたまたま日本に参りまして国内を旅行したわけですけれども、日本という国は木材輸入国なので木がない国かと思っていたら、非常に緑が多くて感心したと。しかも、その説明として、日本というのは山が神聖であり森林というものを非常に大切にする国なんだ、そんなふうに言われたんです。そのように森林を大切にする日本人が海外において非常に配慮に欠けた森林伐採に直接あるいは間接的にかかわっていると、こういうことはちょっと問題ではないかということを言われまして、私一日本人として大変に恥ずかしいと思ったわけでございます。日本の山や森が大切ならば、なぜ、サバ、サラワクの、これはマレーシアですけれども、森の木を切るのかといったことで、やはり我々はこれから経済活動の中に地球的な視点を入れていかなければならないというふうに思うのでございますけれども、環境庁長官としては、こうした私の今つたない言葉で申しましたことに対して、どのようなお考えをお持ちでいらっしゃるか、コメントをいただければと思います。
#109
○国務大臣(愛知和男君) 、御指摘のとおり、熱帯林の急激な減少というのは、熱帯林諸国における国土保全機能の低下等の問題のみならず、気候変動や野性生物種の減少など、地球的規模での影響が懸念をされていることでございまして、大変重要な問題だと認識をいたしております。
 ただ、ただいまマレーシアの例をお引きになりましたけれども、マレーシアにはマレーシアの立場がございまして、先ほど言われたようなマレーシアの熱帯林を伐採するのは環境の保全から一切いけないのだということは、また私どもからの押しつけみたいな面も出てくるわけでございまして、その点は両国でよく意見のすり合わせをして、どこにどういう調和点を見つけていくかという努力が必要なのではなかろうかと思うわけでございます。
 したがいまして、問題の重要性は大変認識をいたしておりますが、この問題につきましては、やはり国際的な話し合いの中で解決をしていくべき問題、どこに調和点を求めていくべきか、そういう方向で努力をすべき課題ではなかろうか、このように思います。
#110
○広中和歌子君 ただいまの国際的な対話を通じての調和を図っていくという長官のお言葉は大変すばらしい視点だと思いますけれども、私は、こうしたグローバルフェアネスといった視点から、日本企業等の海外進出における環境への配慮に関する決議案というものを準備させていただいております。各委員の方に既にお配りし御意見を伺っておりますけれども、この決議案をぜひ御検討いただき、この環境特別委員会で採択していただけたらと、そのように願っております。委員長によろしくお願いしたいと思います。
#111
○委員長(上野雄文君) 理事会で御相談申し上げておりますから。
#112
○広中和歌子君 まだ少し時間が残っておりますので、環境庁と環境NGOのかかわりについてちょっとお伺いさせていただきます。
 去年のアースデー、これは四月二十二日、全世界的な規模でアースデーというのが行われたわけでございまして、我々女性国会議員もそれに対してアピールを出すことによって参加させていただいたわけでございます。その際、日本のアースデーのアクティビティー、それは主に日本のNGO、民間団体がやっていることでございますけれ
ども、環境庁としては六月十二日という環境の日があるからサポートはできないというか、お互い別々にやりましょうといったようなことだったんですが、その後、企業の態度も非常に前向きになりまして、今度のアースデー、四月二十二日に計画されていると聞きますけれども、企業なども大いに参加してくだすっていると。そういうことで事情がだんだん調和の方向に変わってきているわけでございます。
 私も、環境庁の六月十二日、特に環境庁発足二十周年記念ということで大いに盛り上げて、みんなが環境に関心を持っていただくための一つのきっかけになればと思いますけれども、同時にNGOのグループに対して働きかけ、さまざまに協力し合うといった関係が必要ではないか。先ほどの同僚委員の質問に対して、湾岸問題にNGOが参加していろいろやってくださっていることに対して加藤部長は非常に評価する発言をなさいましたけれども、環境庁のNGOに対するお考えを、さまざまな協力関係というものが望まれるわけですが、加藤部長と環境庁長官にお伺いいたします。
#113
○政府委員(加藤三郎君) 先生御指摘のとおり、地球環境問題に限らず環境問題につきまして最近民間団体、NGO、これはいろんな種類のNGOがございますが、いろんな民間団体が活発に活動してくださっておりまして、私ども大変心強いことだというふうに思っているわけでございます。
 特に、来年はブラジルで国連の環境開発会議、別名地球サミットという会議が予定されておりまして、それに向けましても、政府はもとよりでございますけれども、各種のNGOがいろんな活発な動きをいたしております。私どもも国際会議を、ことしに入りまして例えば一月に名古屋でアジア・太平洋地域の温暖化対策のためのセミナーなどを開きまして、これにもNGOの方々に御出席をいただいておりまして、いろいろと資料の交換その他活発にさせていただいております。
 そんなことで、私どもといたしましては、地球環境問題というのは非常に幅広い問題でございますし、いろんな各界各層の人に加わってもらわなきゃいけないわけでございますので、単に政府、自治体関係者だけでなくて、企業も含め、そしてまた民間のいろんな地球をよくしたいというそういう思いで活動していらっしゃる皆様方と可能な限り手を携えていきたいというふうに基本的には思っております。
#114
○国務大臣(愛知和男君) NGOにつきましては、私もその存在意義というものはまことに大きなものである、このように考えておりまして、就任以来NGOのいろんな方々との対話を積極的に進めてまいっております。
 その中で、日本のNGOはまだ歴史が浅いということもございまして、まだまだほかの国に比べますと不十分な点があるようでございます。これは環境庁がお役所として官製のNGOをつくっても余り意味がないわけでございますから、NGOとの関係というのはある程度の節度を持って対応していかなきゃならないとは思いますが、NGOがますますその活動を広め成熟していくように私どもとしての精いっぱいの協力をしていきたい、このように考えております。
 なお、六月十二日とおっしゃいましたが、六月五日でございまして、これが環境の日ということになっております。また、アースデーは四月二十二日、来週の月曜日でございます。昨年はいろんな事情がありまして、聞くところによりますと若干アースデー、四月二十二日の活動に環境庁は一線を画したような経緯があったようではございますが、しかし、この地球環境を考える日というのが一年に一回だけでなくちゃいけないというようなことは全然ないわけでございまして、それぞれの立場でこの問題を考える日が何日もあっていいわけでございますから、そういう点から申しまして、四月二十二日を中心にしましたいわゆるアースデーに対しましても、環境庁としてこれを別に抑制するわけでもございませんし、いろいろな個別の行事があるようでございまして、それぞれの行事から環境庁に対しまして後援その他の御依頼でもございましたら個別に検討させていただきまして、ぜひそれらの活動もまた活発になっていただきたい、このように考えております。
#115
○広中和歌子君 終わります。
#116
○沓脱タケ子君 それでは、私は、きょうは自動車排ガス対策についてお尋ねをしたいと思います。
 大都市の幹線道路沿いの自動車の排ガスによる大気汚染というのは大変深刻になっておりまして、そして公害患者が激増を続けておるわけでございます。特に老人とか子供、病弱者にとっては大変厳しい痛手を受けているというのが現状になっております。NO2による汚染というのは、東京、大阪、埼玉、神奈川など、ここ数年来史上最悪の状態が続いておるというのはもう御承知のとおりでございます。特に気になりますのは、大都市中心部から周辺地域へ汚染地域が拡大をしてきているという点ですね。そういうことでございます。
 限られた時間でございますので、私、幾つかの資料を申し上げておきたいと思いますが、東京のNO2の測定結果というのが、幹線道路沿いの自動車排ガス測定局の二十八カ所すべてで三年連続、環境基準の〇・〇六ppm、これが未達成になっていますね。それから神奈川が十七局のうち十六局が未達成、大阪では二十七局中二十一局が未達成と、物の見事な状況であります。それから浮遊粒子状物質におきましても、東京の自動車排ガス測定局では十カ所中すべて環境基準未達成、一般測定局におきましても三十五局のうち三十三カ所が未達成。これは過去最悪ではないかと思いますね。
 NO2の全都におきます自主測定というのが、これはもう何回もやられておりまして、第二十七回目というのが去年の十二月六日、七日にやられております。回収点は一万二千四百二十二点ですからかなり広範な測定をやっておりますが、これがまた、測定が始まって以来、二十七回目ですけれども、最悪の汚染濃度。これはもう、ちょっと数値を見たら異常、本当にどうなっているんだと思うような数字ですね。幹線道路沿いのワーストワンというのは品川区の首都高速湾岸線の八潮というところ、ここで〇・二三五ppmです、NO2が。これは環境基準の最高値の約四倍。二十三区内の幹線道路沿いの測定点の三千百七点の平均濃度で〇・一一二ppm。約二倍ですよね。江東区、台東区、北区では〇・一二ppmを超えているというわけですから、環境基準の二倍を超えているという状況になっています。ちょっと私も驚いているわけです。
 この恐るべき大気汚染の進行というのは、これはやはり、公害ですから発生源でメスを入れるという以外に道はないということだと思うのです。ところが、考えてみますと、我が国では自動車の保有台数がもう今や五千五百万台を超している。六千万台を超したのかな。今後十年間にさらにこのテンポでいけば三割は伸びると予測をされております。しかも、自動車がふえるということと並行して幹線道路網あるいは高速道路の計画、これがどんどん進行しているということでありますから、いわば発生源はどんどん拡大をされていくというのが趨勢であります。したがって、道路ができれば車はふえる、そうしたらまた渋滞する、渋滞するから今度は自動車重量税やガソリン税を使って道路をつくる。これは悪循環みたいなことが結局起こっていると思うので、この辺はどこかでNO2の汚染の広がりというものを断ち切ることを考えなければならないと思うわけです。
 私は、そういう状況の中で、やっぱり発生源対策ということで、一つ一つが出していっている車の対策、とりわけディーゼルの規制の対策、研究対策、それから道路建設についての対応策、低公害車等々、これらも実は一つずつお聞きをしたいわけですけれども、きょうは短時間でございますから、今問題になっておる総量規制ですね、環境庁がお取り組みになろうとしている総量規制にメスを入れて、ここに焦点を当ててお聞きしていきたい、こう思うわけです。
 非常にはっきりしておりますのは、車をとめたら排ガス被害がなくなるというのはもう東京都内でも明確ですね。たまたまそういうおもしろい実例があったので、これちょっと資料を差し上げてくださいますか。
   〔資料配付〕
#117
○沓脱タケ子君 おもしろい資料があったので御紹介をしたいと思います。
 これは一九八九年の二月二十四日なんですね。この日は昭和天皇の葬儀が行われた日なんです。当日は午前中から夕方まで新宿周辺から甲州街道及び中央高速道で大がかりな交通規制が行われました。二十四日は終日冷たい雨が降っておりました。雨の日はこれは当然汚染度が下がるわけですね、濃度が。こういう状況がどういうふうになっているかということを、たまたま富士見丘小学校で杉並区が大気汚染の常時測定をしているんですね。そのデータを見てみますと、これは実にはっきりしている。
 お手元へ行っているかと思いますけれども、この二十四日というところのこれが汚染濃度のピークで、午前六時ぐらいから急速に汚染度が下がりまして、そして規制が解除されたであろうと思われる夕方の六時ごろから急に上がっておるという数値が出ております。それで、その前後が、結局物流を間に合わせるということで、平素なら夜中の十二時から朝の三時ぐらいまではすとんと落ちるわけです。それが、その前の日とその翌日の日には何と夜中が異常なピークを示しているということでございます。
 天候その他、風などの影響を考えますといろいろあると思うので、そのちょうど一週間前、二月十七日、今取り上げたのが二十四日でございますが、一週間前の十七日の同じ金曜日、やっぱり雨が降っておった、そのときの測定値と重ねてみますと、こういう変化ですね。これだけの差ができるということで、車をとめれば汚染度はすとんと落ちるということはもう明確でございます。
 これはこんなものを用いなくても、お正月とかお盆休みとかというのは既にそういうことをきちんと示しておるので同様だと思いますが、そういうことから考えて、排ガス規制をするという立場でいわゆる発生源に対してメスを入れるということが非常に大事だなと思うんですが、これ一遍環境庁の御見解を伺っておきたいと思います。
#118
○政府委員(古市圭治君) そのとおりだと思っております。
#119
○沓脱タケ子君 まあそれは数値が示しているのでまさにそのとおりなんです。
   〔委員長退席、理事田渕勲二君着席〕
 私がここで言いたいのは、いろんなことを言いたいんだけれども、いわゆる走りながら出している車自身の対策ですね、とりわけディーゼル車に対する対策というのは、これはやっておられるわけですけれども、既に発表しておられるように、これでは短期目標でも一六%程度しか効果が上がらないと。そうなったらどうしても総量規制以外にないんだというところで総量規制というものが日程に上ってきていると思うんですね。私は、そういう立場からいえば、総量規制の成否というのはここで、例えば東京を見まするならば、東京が人間が住んでおれる町として再生するのか、あるいは住めない町になるのかというまさに分岐点に来ているようなことだと思うんです。
 そこでお聞きをしたいのは、NOxの自動車排出総量抑制方策検討会ですか、この検討会が昨年の十一月に排出総量の抑制方針に関する中間取りまとめでしたかね、中間取りまとめをなさったわけですが、それによりますと、年度内に答申を取りまとめるという方向であったようですね。ところが大分おくれているように思いますが、なぜおくれているのかということ、それからこれをお取りまとめになる時期をいつごろにめどを置いておられるのか、その二つをまずお聞きしたい。
#120
○政府委員(古市圭治君) 今御指摘のような線で作業を進めているわけでございますけれども、非常に関係する面が多うございまして、例えば東京を例にとりますと、現在動いておる車の台数総量というものをどの部分でどれだけ減らすことが可能であるか、そうやった場合に物流にどのような影響が出るのか、またある一時点を抑えたら、それがこの資料にもございますように両側のサイドでふえる。例えば東京都で水曜日の自粛というのをやっておりますが、これもなかなか難しいという状況も聞いております。そういうことで関係するところが非常に多いわけでございまして、各関係者、団体等の意見を聞きながら、どういうような案ならば実現可能な方策ができるかというのに今鋭意取り組んでいるわけでございまして、当初思っていたよりもその作業が長引いているということでございますが、なるべく早く結論を出して規制に結びつけていきたいと思っております。
#121
○沓脱タケ子君 関係する各方面多いと思いますが、自動車工業会はヒアリングをやったら反対の御意見だったそうですが、そうなんですか。
#122
○政府委員(古市圭治君) 幾つかの団体から意見を聞いておりまして、この後も意見をお伺いすることになっておりますが、どの団体からどうということではないと思います。
   〔理事田渕勲二君退席、委員長着席〕
それぞれ問題点につきまして各団体の立場からいろいろ御意見はおっしゃることでございますが、それを参考にして実現可能な案に持っていきたい。私どもは、御承知のように、具体的方策として三案を提出して、また場合によってはその組み合わせということも考えているわけでございまして、それぞれの団体からそれぞれの案について、これはいいけれどもこれは困るという意見等がいろいろ出てくることは当然だと思っております。
#123
○沓脱タケ子君 はっきりおっしゃらないけれども、自動車工業会がいろいろ御意見を述べられて、消極姿勢というか、反対の立場を示されたということは既に明らかになっております。時間がありませんからそれは紹介しませんけれども、御承知のとおりだと思うんです。
 私は、これで環境庁に考えてほしいと思いますのは、ずっと歴史的に見まして、例えば乗用車のN〇Xの規制の場合、マスキー法がアメリカでやられたというので慌てて五十一年規制をやろうといったら、どこが反対したかといったら自動車工業会ですよ。それで、トヨタや日産が頑強に反対をして五十三年に延ばした。それでも五十三年にできた。その後、五十三年にはNO2の環境基準を緩めたんですね、〇・〇二ppmを例の〇・〇四ないし〇・〇六ppmに緩めた。その達成期限というのを、政府は緩めたときに七年以内に目標値を達成すると言うたけれども、達成するに至らなかった。さらに、中期展望を出したけれども、これもクリアできなかった。さらに、新中期展望だといってやられておりますけれども、これもクリアできなかった。
 私は、ここで環境庁しっかり考えてほしいと思うんですよ。だって、N〇2の環境基準の緩和以後、実効のある措置、いろいろやっておられるけれども実効が上がっていない、目標達成ができていない。それで結果として、冒頭に申し上げたような深刻な事態が依然として続いているということになりますと、やっぱり発生源対策ということの基本を外さないようにしてもらいたい。それもはっきり、いや、達成に至りませんでした至りませんでしたと、一回ならず二回三回とそんなことをやっていたら、環境庁の責務なんというようなものはまさにどうなっているんだと、任務放棄としてしか見られないようなところまで来ているという重大な事態だと私は指摘したい。
 一方、被害者に対しては、公害なくなったいうて全部切ったんですから。こういうやり方というのは公害対策の基本に外れていると思うんです。私は、公害基本法の第一条の目的を繰り返すまでもなく、その点は、今の公害基本法というのは経済の調和論じゃないんです。国民の健康の保護と生活環境の保全ということが目的になっている。その辺を忘れないようにしてもらいたいと思います。
 これは聞きたいと思いましたけれども時間がありませんから、最後に、そういうことになってお
るので、それでは最終報告書をいつごろおまとめになって、これはまとめたら法案改正が要ると思いますが、遅くとも私は通常国会にこの改正案をお出しにならなければならないと思いますが、それらについての見通しをお伺いしておきたい。
#124
○政府委員(古市圭治君) 非常に難しい方法をお願いするということで、関係方面も非常に多いわけで、やはり法案を出す以上には成立をさせなかったらいけないということで、ある程度合意を得るという案にしたいと思っております。しかし、重要な問題でございますので、お約束はできませんが、私どもとしては先生御在任中にはぜひ国会で審議していただくように努力していきたい、このように思います。
#125
○沓脱タケ子君 御在任中というのはどういう意味か知りませんけれども、そんな答弁の仕方ないですよ。人間やからあした死ぬかもわからない。ばかな答弁ないです。長官、はっきりしておいてください。そんなばかなことないです。
#126
○国務大臣(愛知和男君) 問題の重要性は大変認識をしているつもりでございまして、今局長申し上げましたとおり、関係方面いろいろございますし、それからある程度の合意がなければできないことでございますので、今それぞれ各方面の意見の聴取等を積極的にやっているわけでございますが、できるだけ近い機会に、まあここで次の国会とかいうはっきりしたことを断言することはできませんけれども、目標としましてはその辺に目標を定めて鋭意努力を続けてまいります。
#127
○沓脱タケ子君 終わります。
#128
○中村鋭一君 平成三年度の予算で地球環境保全の予算は本年度が幾らで、対前年比、それからおととしまで含めて、その推移と増加率を教えていただけますか。
#129
○政府委員(加藤三郎君) 環境庁の地球環境保全関係予算の推移でございますが、まず平成三年度では三十七億二千百万円でございます。ちなみに前年度の平成二年度におきましては二十一億四千七百万円、さらにその一つ前の平成元年度におきましては八億八千六百万円ほどでございます。したがいまして、平成二年度におきましては対前年度比二・四倍という増加でございましたし、また平成三年度の三十七億余の予算は対前年度、つまり平成二年度に対しまして一・七倍という非常に大きな伸びになってございます。
#130
○中村鋭一君 その二・四倍、去年もお伺いしたんですがね、二・四倍、今度は一・何倍ですか、それだけ聞くと随分ふえたように思うんですが、もともとが八億からスタートしているわけですね。これは前の委員会でもお尋ねしたんですが、長官、イージス艦、あれが一隻たしか千三百億円ぐらいするわけですね。これは中期防の方で、何ですか、最終的には四隻ぐらいお持ちになる御予定じゃないんですかね。ですから、軍艦一隻の費用が千三百億するときに、世界じゅうが地球環境の問題でこれはもう大変なことだと一生懸命やっているときに、例えば公害防止技術にしても環境保全にしても我が日本はもう超一流だと思います、そういったことについては。その環境庁の、リーダーたるべき環境庁の予算が、幾ら倍々ゲームでふえたからといって、今回の三十数億というのは私は決して満足すべき金額ではないと、こう思うんですが、長官はこれで満足していらっしゃいますか。
#131
○国務大臣(愛知和男君) 予算は、限られた財源の中でいかに政府全体の施策が遂行できるようにこれを配分していくかということで組まれたわけでございまして、そういう中で私ども最大限の努力をいたしたつもりでございますし、そういう制約の中でまずまず満足のいく結果だと、こういうふうには思っておりますが、これから先の問題といたしましては、さらに努力をしていかなければならない、今まで以上の努力をしなきゃならないと、こういう認識は持っております。
#132
○中村鋭一君 まずまず満足とおっしゃいますけれども、これから世界の環境保全のリーダーとして頑張っていただくわけでありますから、我々これ応援団で一生懸命言っているんですよ。ですから、やっぱり長官が不退転の決意で、どうせ、失礼ですが大蔵省の答弁なんてさっき聞いてもわかりますように、いいかげんなもんですよ、それは。適切に予算を執行していただきたい、これからのことについてはいかんとも申し上げられません、大蔵省としてはそのようにしか答えようがないと思うんですね。先ほどの山田委員の質問でも、私もそう思いますね。これは地球関係の予算だけじゃなくて、環境庁がこれから世界のリーダーとしていくには、それは海外出張もしなきゃいかぬし、国際会議もいろいろやらなきゃいけませんし、滋賀県の方にはUNEPの本部も持ってきていただかなきゃいけませんしね。そういうことですから、やっぱりこれから先立つものですから、それはひとつ長官の在任中に、一年たったらかわるなんて言わないで、来年度の環境庁関係の予算をしっかりととっていただくように、ちょっと一言決意を。
#133
○国務大臣(愛知和男君) 精いっぱいの努力をさせていただきます。
#134
○中村鋭一君 もうちょっと迫力を持って言っていただくとありがたいんですが。
 先ほど来から各委員がペルシャ湾の重油の汚染の問題についてお尋ねでございます。重複を避けて、その具体的な計画等については私はお伺いをいたしませんが、長官どうでしょうか、ペルシャ湾に流出している重油をすくい取ってその影響をなくすためには、ペルシャ湾そのものの安全が確保されなければいけませんね、これはおわかりいただけると思うんですが。
 そこで、イラクが敷設した一千個近い機雷を除去するために、今世界じゅうでどういうふうにしてこの機雷をのけようかということが言われているわけでございますが、その一つとして自衛隊の掃海艇の派遣が云々されておりますが、この自衛隊の掃海艇をペルシャ湾を安全に航行すると同時に重油汚染を除去するために派遣いたしまして、安全な航行をまず確保すると。重油汚染を除去するにも、まず船が安全に航行することが必要でございますから、そういう点で、長官はどうですか、掃海艇の派遣は必要だと思っていらっしゃいますか。
#135
○国務大臣(愛知和男君) ペルシャ湾における安全確保は、御指摘のとおり、同地域の環境保全のためにも必要なことであると考えております。ただ、掃海艇派遣につきましては、機雷の敷設状況、ペルシャ湾の実情やあるいは掃海艇を派遣する必要性等につき十分に調査の上、その結果を踏まえて今後慎重に対応すべき問題であると認識をいたしておりまして、私も政府の一員でもございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#136
○中村鋭一君 これはやはり慎重にしていただきたいと私は思います。国会でもいろんな論議が出ておりますね。一方では、民間の例えば船主協会でありますとか海員組合から、ペルシャ湾を安全に航行できるために各般の処置を講ぜられたい、こういう要望も来ているようでありまして、それが即座に一〇〇%掃海艇を出して機雷を除去してくれという要請でもないと、そういう要請もあるかもわかりませんが。そうでない要請もあるわけでございますから、その辺は長官としても慎重に対処をしていただきたいと思います。
 水濁法が改正されました。これは、当委員会で審議をいたしまして可決をされたわけでございますが、あの節、私も質問をさせていただいたんですが、現実にはこの水濁法は、産業排水じゃなくて家庭排水、なるたけ皆さんきれいな水を流すようにしましょう、そういうことについて地方自治体を指導監督すると同時に、家庭の皆さん方にもそういうことを啓発していく、広報活動を展開していくということでありました。環境庁としては、特に家庭の皆さん方に対して、水を流す場合に、なるたけ洗濯石けんを使いましょうとか、それから滋賀県でやっておりますけれども、例のストレーナーですね、こういうものの使用を呼びかけるということを大いにやっていきたいと、こうおっしゃっていたんですが、その後、具体的に環
境庁はこういった面についてどの程度お金を使って、どういうふうに具体的な広報啓発活動をなさいましたか。
#137
○政府委員(武智敏夫君) 先生お話ございましたとおり、昨年の六月に水質汚濁防止法を改正いたしまして、生活排水対策についての枠組みを一応整理していただいたわけでございます。これに基づきますと、各都道府県におきまして、汚れておりまして生活排水対策を重点的に整備する地域を都道府県の知事さんに指定していただく。その地域に入っております市町村におきまして、生活排水対策推進計画ということで、下水道ですとかあるいは農業集落排水施設だとかいったような、いわゆるハードの施設整備の計画と、それから御指摘のありましたような住民に対する啓発普及を盛り込んだような、いわゆるソフトの計画と両方合わせたような推進計画をつくっていただくことにいたしたわけでございます。
 現在、一応十五地域、大体一県一地域が通常でございますが、二地域のところもございますが、十五地域現在指定されておりまして、できれば我々は三十県ぐらいには重点地域を指定していただこうというふうに思っております。
 この重点地域が指定されますと、今言いましたような形でそれぞれの市町村におきまして、いわゆるハードの施設整備と、それからソフトの住民の啓発についての措置の計画をつくるわけでございます。これらに対しまして我が方としましては、予算措置を今年度から考えておりまして、まず市町村がっくります対策計画につきましては約八千六百万ぐらいの予算を今度の平成三年度でとっております。それから環境庁が直接パンフレット等をつくったり、あるいは今お話ございましたような滋賀県の事例ですとか、手賀沼でストレーナーを使ったり、あるいはてんぷら油を回収したりしていわゆる家庭系の水をきれいにするような事業がございますので、これらをPRするような予算もとっております。
 そういったことで、これから地域でやっていただきますものと、それから環境庁がみずからやりますものと両方合わせてやることにいたしておるところでございます。
#138
○中村鋭一君 どうもお役所の仕事は本当に立ち上がりが遅いんだな。きのうのリサイクル法の連合審査の節にも申し上げたんですが、予定をいたしておりますとか、作成をしますとか、予算をとりますとか、その前にもう改正はとっくの昔にできているわけでしょう。この前の委員会で環境庁の皆さんは大いにこれから広報啓発やりますとおっしゃったんですね。もう何かパンフレットできていますか、具体的に。
#139
○政府委員(武智敏夫君) 従来からパンフレットをつくってやっておるのもございます。私たち、今言いましたのは平成三年度においてやるものを言ったわけでございまして、これはもう御指摘のとおりでございまして、二年度の予算、三年度の予算ございます。従来からやっておるものは従来どおりやっております。
#140
○中村鋭一君 大いにやってくださいね。国民の皆さんがなるほどと思うような、例えばパンフレットのデザインにしてもレイアウトにしても、わかりやすい言葉で、なるほど我々そうしなきゃいけないと思うような広報啓発活動をやっていただかないと、かたい言葉でこうだああだといってやったって、やはり御家庭の皆さんそれは納得できませんので、わかりませんしね、お願いをしておきたいと、こう思います。
 時間がありませんのであとの質問は省略をいたしますが、長官にお伺いをしておきたいと思うんですが、リサイクル法にいたしましても、地球関係の問題にいたしましても、あるいは具体的にペルシャ湾の重油汚染にいたしましても、私は、これから環境庁が総合調整の任に当たると。そのためには、やはりしっかりと予算をとって、もう一つはソフト面とでもいいますか、世界の環境の中心にあるものは我が日本の環境庁であると、そういうふうなことを外国の人にも認識してもらうくらいの覚悟というものが必要だと思うんですね。そうでないと、リサイクル法一つにしても、七省庁でしょう、なぶりものにされまして、大蔵省あたりじゃまた予算がどうだこうだと言われて、それぞれが、きのうの法律案を見ても主務官庁主務官庁と、こうなっているわけですね。
 だから、これまでも各委員お尋ねでございますけれども、例えばリサイクル法についても、世界の環境保全についても、我が日本の環境庁があらゆる点でリーダーシップをとるんだ、そういう決意で当たっていただきたい。そう思いますので、ひとつ長官、その辺の御決意をしっかりとお述べいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#141
○国務大臣(愛知和男君) 大変御激励をいただきまして感謝を申し上げます。
 私も基本的にはそのとおりの認識を持っておりまして、日本の行政機構の中で環境庁ができ上がってきた経緯や何かを見まして、急にそれを変えるというのもなかなか難しい面もございます。予算の点でも急にふやすということもなかなか難しい面もございますが、その中で精いっぱいの努力をさせていただきたいと思っております。
 いろいろやれることは確かにあるわけでございまして、国内的にも例えば一つのパフォーマンスもいろいろ知恵を出せばかなりいろんなことができると思いますし、また国際社会においても同じでございまして、例えば私、就任間もなくだったんですが、一月の末にOECDの環境大臣会議というのがパリで開かれまして、国会の予算の審議等々からとても出席は無理だと、こういうことだったんでございますが、たまたま運よくといいましょうか、国会の審議がちょいととまりまして、急にお許しをいただきまして、日帰りでございましたがパリへ行ってまいりました。かえって、難しい中を日帰りでもよく来たと、こういうことで評価をしていただいたわけでございます、手前みそになりますが。
 とにかくいろいろ知恵を出しまして、国際的にも日本が大いに環境問題で頑張っておる、また環境庁も頑張っておるということを示していきたい。先ほど元気を出せというお話でございました。大いに元気を出して頑張ります。よろしくお願い申し上げたいと思います。
#142
○中村鋭一君 ありがとうございます。
#143
○山田勇君 先般の中東湾岸戦争における環境汚染は、日々のテレビニュースなどで実に生々しく報道されました。油にまみれた海鳥の姿は家庭の子供たちにも強い衝撃を与えました。かく言う私も、あの絵を見ただけで涙ぐんだと記憶しております。いつ消えるとも知れない油井の火災、空を覆う黒煙、またつい先日の四月十日にはイタリア北西部の地中海でフェリーと原油タンカーが衝突し多数の死傷者を出すとともに、地中海に今世紀最大の原油による汚染をもたらしました。
 地球規模で進んでいる環境破壊はより一層深刻であります。オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、砂漠化、酸性雨の被害、さらに気候の温暖化現象など、私たちは地球上に生きながらみずからの手で毎日せっせと自分の住む地球を住めない、生きていけない環境づくりに励んでいるんではないかとさえ考えるのですが、科学や文明の発達が戦争を引き起こし、大量殺りく、環境破壊をもたらし、過大な生産による経済発展は廃棄物の山々をつくり、私たちが人類の進歩と考えて取り組んでいる多くのことが実は人類破滅に通じる道を歩んでいるんではないか。こんな愚かしいことはありません。
 こういった状況の中で、環境庁の環境と文化に関する懇談会は先般「環境にやさしい文化の創造をめざして」という報告書をまとめていますが、これを問題解決への基本的視点、環境の哲学を提示したものと評価する向きもありますが、環境庁としては現実に刻々と進む環境破壊の実態をどう把握し、行政面でどう取り組むのか。報告書の提言を忠実に実行しようとすれば、他の省庁の政策や事業と相入れないものがあると思います。ゴルフ場の造成を中止させた多くの例は、自治体や市民団体の抵抗によるものでありますが、環境庁としても、最近ややもすれば手ぬるいと言われてい
る環境行政について、また一日も待ったなしの環境汚染防止対策についてどのような決意を持って対処されようとしているのか、その点をぜひお聞かせいただきたいと思います。
#144
○国務大臣(愛知和男君) ただいま委員御指摘になりました環境と文化に関する懇談会の報告書は、各界の有識者の方々による一年余りにわたります環境保全の哲学や倫理の問題等についての御議論の結果を取りまとめていただいたものでございます。これは具体的な施策そのものではございませんが、今後の環境行政を裏づける大きな思想となり得るものと考えておりまして、こうした思想を世に提示することも大きな意義を有するものと考えております。
 山積する環境問題に関しましては、環境庁みずからがその施策を強化することはもちろんのことでございますが、各省庁への働きかけや総合調整権限の発揮、あるいは自治体、企業、民間団体の取り組みへの支援など、あらゆる行政手段をフルに活用しながら全力を上げて取り組んでいきたいと思っております。御指摘のように、こういうことを推進していく上でやはりいろいろな障害というのはあり得るわけでございますが、基本的に環境問題の重要性は今委員御指摘のとおりでございまして、そういう基本認識のもとに、いろいろな障害等また乗り越えなきゃならない点も多々あろうかと思いますが、不退転の決意で取り組んでいきたい、このように考えております。
#145
○山田勇君 我が国の経済活動は地球環境と大きなかかわりを持っております。地球に優しい社会経済を世界に先駆けて形成していくとともに、世界でも最もすぐれたレベルにある公害防止や省エネルギーに関する経験や技術を生かし、国際的地位にふさわしい責任と役割を果たしていく義務があると考えます。
 そこで、地球温暖化問題に関してお尋ねをいたします。
 我が国は昨年十月に地球温暖化防止行動計画を策定していますが、環境保全に関する豊富な経験、技術を有する我が国が、国際的な最重要課題でもあります地球環境保全にリーダーシップを発揮し貢献していくためには、この行動計画を政府、経済界、国民を挙げて着実に推進していくことが前提になると考えられますが、この点についてどうお考えを持っておりますか、お聞かせください。
#146
○政府委員(加藤三郎君) 全く先生おっしゃったとおりだというふうに思っております。
 地球温暖化問題と申しますのは、もう言うまでもなく我が国の経済活動それから国民生活のあらゆる局面に深くかかわっております。したがいまして、単に政府だけでなくて広く、先生おっしやったとおり、経済界あるいは国民の参加を得まして、官民挙げて取り組んでいくことが不可欠というふうに思っております。このため従来からさまざまな機会をとらえまして、昨年政府でつくりました行動計画の内容の周知方に努めてきたつもりでおりますけれども、ことしがこの行動計画の初年度に当たりますので、なおさら広く国民に対しましてこの行動計画の内容の理解と協力を求めるためにいろいろな活動をしていきたい、キャンペーンをしていきたいというふうに思っております。
 具体的には、各種パンフレットをつくってまいりたいと思います。先ほど中村先生の方から、パンフレットもやさしくつくれというお話もございました。読んでいただく人の層に合わせまして内容を変えていろんな、例えばイラスト入りのパンフレット、そういったものもつくってまいりたいというふうに思っております。それから昨年から始めましたエコライフフェアというのがございます。環境月間中にやりますが、エコライフフェアの開催などにおきましても、この行動計画に対する理解を求めていきたいというふうに思っております。
 それから、地方公共団体も最近いろんな活動をしてくだすっております。さらに、住民とかそれから産業界の方々もいろんな立場でこの問題に取り組んでくれようといたしております。そういう方々を糾合できますようなそういった体制もつくっていきたいというふうに思っております。さらに、今年度、地方公共団体をモデル的に五地域選びまして、平成三年度からこの温暖化防止行動計画を着実に推進するための作業もやりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、先生お触れになりましたように国民各界各層の方の協力を得て進めていきたいというふうに思っております。
#147
○山田勇君 環境問題にはさまざまなものがあるわけですが、それに対応する権限を有する省庁が幾つもあります。そのため、各省庁間の調整が複雑になり、ひいては問題解決をおくらせる一因となっているように考えます。資源のリサイクル問題にしましても、環境庁、厚生省、通産省、自治省にわたっており、これではスムーズな対応は難しいと思います。もともと環境庁は総合調整官庁として創設されたものであり、環境問題についての窓口は大筋において環境庁に統一すべきではないでしょうか。それが早急に困難であるとすれば、最低限環境問題に関するデータは環境庁も集約するべきだと考えますが、環境庁の御見解はいかがでしょうか。
 これ僕は大臣になったことないんでわかりませんのですが、閣議がどういう形で、どういう慣例があって、どういう発言順があるのかわかりませんが、大臣、実際に環境庁としてはこれはあかんでというようなことを閣議で言えぬのですかね、先にこれはあかんと。僕はあの長良川の河口ぜきはやや賛成の立場をとっているんです、地元の海津郡の町長は私のおじなものですからね。どうしてもあれはやってほしいと、町長の立場ですが。市民の立場でいきますと反対の方もたくさんおられる。そんな場合でも、あれは建設省あかん、あれはどう見てもあかんねんと、こう言えぬのですかな。強い立場で言ってもらうと、これうまいこといくように思うんですがね。これは御答弁、後でいただきます。
 それと、最後になりますが、西淀川公害訴訟の判決が三月二十九日、大阪地裁で言い渡されましたが、地裁は被告十社の共同加害責任を認め損害賠償を命じました。これは、企業の立地に一体性がなくても関連共同性が強いとの判断からだと思います。これによって司法救済の道を広げたことにもなるわけですが、環境庁としてはこの判決をどう評価しておりますかお聞かせいただきまして、私の質問を終わります。
#148
○政府委員(森仁美君) 環境庁の庁内の調整を任務といたしております私の立場から、今先生からのお話で少々お話を申し上げたいと思うのでございます。
 環境行政がこのところ大変幅広くいろんな面で展開をいたしてきております。それに伴いまして、実は私どももまたこれまでとは違った行政上の取り組みというのを求められているわけであります。先ほど大臣が申し述べられましたように、環境庁は一丸となって知恵を出し、英知を集めてこれに今対処しているところでございます。庁内もまた、その大臣の意を体し、一丸となっての努力を重ねているところでございます。その中で、やはりそれぞれの省庁との関係というのがいつも問題になってまいるわけでありますけれども、環境庁が持つ本来の総合調整という役割を万般果たしたいということで頑張っているわけであります。政府全体としては環境行政が少しずつでも前進をしていく、その牽引力として環境庁が機能をしていると私どもは考えているところでございます。
 それから情報の収集という点につきましては、昨年、公害研究所を環境研究所に改組した際、その情報のセンターというものを設けまして、ただいまお話しのとおりの機能を果たし得るように、国立環境研究所を中心にいたしまして、情報の収集それから情報の発信基地とでも言うべき役割、それをもって対処してまいりたいということでございます。
#149
○政府委員(古市圭治君) 西淀の判決の件でございますが、これは今先生がお話しのように、企業十社の間に共同不法行為が成立したということ
で、四日市の公害判決以来のことだということから司法救済の道を広げたものと、こういう御意見かと思います。
 そういうような報ぜられ方もしておりますが、現在この判決につきましては控訴がなされていることでもございますので、直接コメントする立場にはありませんので控えさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、大気汚染の改善に向かって諸対策を一層推進してまいりたいと思っております。
#150
○国務大臣(愛知和男君) 先ほど委員から行政の中での環境庁の立場のお話がございました。
 これまた、先ほどちょっと申し上げましたOECDの環境大臣会議に参りましたときに、イギリスの環境大臣と個別に会う機会がございまして、イギリスでの環境行政の仕組みを伺いましたところ、イギリスにおきましては日本の建設省とそれから自治省の所管の分野も環境大臣が所管をしているんだと、こういうお話でございました。大変感心をして、またうらやましくも思ったわけでございますが、まあいきなりそういうわけにはまいらないとは思いますが、しかしそれだけにふさわしいような仕事の内容ではなかろうか、こう思っておりまして、多くの限界の中ではございますが、頑張っていきたいと思っております。
 なおもう一つ、つい二、三日前に私、目黒区に参りましてリサイクル事業などを視察させていただきましたが、区役所におきましてこの四月一日から組織を改正して環境建築部という部にしたんだと、こういうことでございまして、なかなかこれは先見の明があるなと思ったんでございますが、地方自治体の方がむしろ進んでいるところがあるかもしれません。いずれにいたしましても、しかし大変これも結構なことだと思います。
 なお、私どものできる範囲の中で精いっぱいの努力を続けてまいりたいと思っております。
#151
○委員長(上野雄文君) 本件に対する質疑は以上で終了いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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