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#1
第120回国会 建設委員会 第1号
平成二年十二月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  委員氏名
    委員長         矢田部 理君
    理 事         井上 吉夫君
    理 事         石原健太郎君
    理 事         青木 薪次君
    理 事         山田  勇君
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                川原新次郎君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                服部 安司君
                佐藤 三吾君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                松本 英一君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢田部 理君
    理 事
                井上 吉夫君
                石原健太郎君
                青木 薪次君
    委 員
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                川原新次郎君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                服部 安司君
                佐藤 三吾君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  綿貫 民輔君
   政府委員
       国土庁計画・調
       整局長      長瀬 要石君
       建設政務次官   金子原二郎君
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設大臣官房総
       務審議官     青木 保之君
       建設省建設経済
       局長       鈴木 政徳君
       建設省都市局長  市川 一朗君
       建設省河川局長  近藤  徹君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画官   藤森 泰明君
       大蔵省主計局主
       計官       林  正和君
       農林水産管農蚕
       園芸局果樹花き
       課長       上原 達雄君
       自治省財政局地
       方債課長     嶋津  昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (公共投資基本計画に関する件)
 (公共事業の執行に関する件)
 (建設産業の構造改善に関する件)
 (長良川河口堰建設問題に関する件)
 (住宅建設に関する件)
 (家賃補助に関する件)
 (多摩川水害訴訟最高裁判決に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、建設事業及び建設諸計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(矢田部理君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○井上吉夫君 本日は建設功労者に対する褒章の伝達があるそうでございまして、どうか関係者の功績をたたえるために大臣が直接その褒章を伝達していただき、その功をたたえ労をねぎらっていただきたい、このように考えておりますので、冒頭若干の時間、大臣に御見解をお伺いして、二十分前後のところで大臣はその方にお出向きいただき、後は局長の皆さん方を中心として細かい質問を展開してまいりたいと思っております。
 私は、まず日米構造協議に基づく公共投資基本計画に関連をしてお尋ねいたしたいと思います。
 我が国は世界に冠たる経済大国としてその豊かな経済力を誇りながら、実はその豊かさがなかなか国民の一人一人に実感されていない、そういうぐあいに言われております。
 その大きな理由の一つが社会資本の立ちおくれにあるというぐあいに言われているわけであります。アメリカからの指摘をまつまでもなく、日本みずからの政策課題としてこのことに立ち向かっていかなきゃならぬということはもとよりのことでありまして、当然のことながら日本自身の判断によってこれらの対策は進めていかなきゃならぬ問題であるというぐあいに私は思うわけであります。
 この計画で、ともすれば生活関連という言葉がどうも先に走ってひとり歩きしている感じを受けます。大変狭い意味でこのことがよく言われて、例えば下水道であるとか都市公園であるとかあるいは住宅という、そういう分野に代表されて、都市機能や都市環境問題に集中してこれからの公共投資をやっていかなきゃならぬというとらえ方がついつい言われているわけであります。言うまでもありませんが、我が国の最も大きな内政上の課題は、私は四全総に言われる多極分散、東京一極集中ではなくて日本の国土がつり合いのとれた発展を遂げていくという、そのことが一番大事な内政上の課題だというぐあいに考えるわけであります。
 このような私の認識に対し大臣もそう大きな違いはないと考えておりますが、言われる公共投資
を今後進めていくに当たりまして、どういうような基本姿勢でもってこれらの事業を実施していくというぐあいにお考えであるか、まず大臣の基本的な所信をお伺いしたいというぐあいに思うわけであります。よろしくお願いします。
#6
○国務大臣(綿貫民輔君) お答えいたします。
 この生活関連ということに関しましていろいろと御意見がございましたが、私も今御指摘のように生活関連という考え方は、建設省のやっておりますものは全部生活関連だと私は申し上げておるわけであります。
 例えば、アメリカでは洪水のはんらん区域の中に人口の一割も住んでいないということでございますが、日本では五割以上の人が住んでおるということでありまして、河川行政一つとりましても、これはアメリカ流にいうと生活関連かどうかということになりますが、日本からいいますと、すべてが整いましても洪水によってむちゃくちゃになれば、これはもう元も子もないわけでございますから、これはまさに生活基礎関連といっても過言ではないというふうに考えておりまして、私どもの行政をすべて生活関連というふうに理解しながら今後進めていきたいと考えております。
 それから、今四全総のお話がございましたが、私も国土庁長官のときに四全総を策定させていただきまして、自来私は設計施行だと、こう言っておるわけでございますが、この趣旨にのっとりまして多極分散型の国家の形成のために公共投資も当然その線に沿ってやるべきだというふうに考えております。
 この公共投資の仕方についてでございますが、私は、昔は日本は貧乏でございましたから、乏しい財源でやるときにはやはり効率的に公共事業をやる。効率的とは、人間の多いところを中心にしてやるということであったと思います。しかし、これからの公共事業拡大の中ではむしろ人口の少ないところも重視しなければならない。今まで下水道にいたしましても人口百万人以上のところでは普及率は八六%でございますが、人口五万人以下のところではわずかに八%ということでございまして、非常に大きなアンバランスがあります。また、例えば今後リゾートというようなことになりますと、人のいなかったところに人が行く。そこで垂れ流しをすればたちまち自然破壊になるわけでありますから、これは人がいてもいなくてもやらなきゃならぬというような形に変えていくべきだと考えております。
 また、高速道路にいたしましても、今までなるべく料金が上がるような人口の密集地帯を中心にして高速道路はつくられるべきでありましたけれども、これからはむしろそういう日本の国土の末端までもこれが延びていくような方向で努力をしなければならない、このような基本方針を考えております。
#7
○井上吉夫君 大臣の御答弁を聞きながら、もう基本的認識において私は全く変わりのない国土政策の基本を、全国的にやっぱりつり合いのとれた発展を遂げていくその手法としても、どちらかといえば、今人口密集地帯に対策を打つということ以上に、むしろ過疎に悩むような地域、そういうところに先行的に投資を進めていくという、そういうとらえ方が大臣の答弁の中からうかがえたと思うんです。
 となれば、日本全国できるだけいわば多極分散型の国土をつくるということになりますというと、高規格幹線道路をできるだけ早く整備するということはこれらの課題にこたえるどうしても欠かすことのできない大事な政策手段だというぐあいに思うわけでありますが、今言われております高速道路の計画、その進め方がこの公共投資の大幅な増によってどういうぐあいにその進度が速められるのかという、そのような期待を関係の地域は非常に大きく持っておると思いますし、このことをできるだけ早く仕上げるということはまさに多極分散の効果というものをできるだけ早く現実のものにするという、そういう立場から大変大事なことであるというぐあいに考えております。
 そこで、高規格幹線道路を中心とするいわば交通ネットワークをどういうぐあいに進めていくかという、その取り組みについての大臣の所信をお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(綿貫民輔君) 現在、高規格幹線自動車道は四千八百キロということで計画の三五%にしかすぎない開通率でございます。これにつきましては、ただいま実行しております第十次道路整備五カ年計画の終わります平成四年度までに六千キロの開通を目標にいたしておりますし、二〇〇〇年を目標に九千キロと。従来、高速自動車道の年間の完成は二百五十キロということでございましたが、最近は三百五十キロ、こういうペースでやっておりますが、さらにできるだけピッチを上げて、これらのネットワークが早期に完成されるよう努力していきたいというふうに考えております。
#9
○井上吉夫君 従来の二百五十キロからペースを上げて三百五十キロを目標に進めていきたいという、具体的な数字を挙げての取り組みの姿勢をお示しいただきました。さらに大臣の努力によって、できるだけ早くこれらのことができ上がっていくように期待をいたしたいと思います。
 もちろん、この言われる公共投資のテーマの中で、目の前にあります住宅、下水道、公園等の生活環境の整備というのが国民の日常生活に直接結びつく分野でありますから、大事なテーマであることは当然であります。
 さて、平成三年度の予算の編成作業がいよいよ大詰めに差しかかってまいりました。概算要求基準において御承知のとおり新たに設けられた総額二千億円の生活関連重点化枠というのは公共投資基本計画実施のいわば初年度に当たりまして、これをどれだけ我が事業展開のために予算獲得しながら頑張っていくかという、そういうことをいわば占う大事な初年度としての試金石でもあると思うわけであります。省を挙げて大変頑張っていただいておることを承知しておりますが、今申し上げましたように、初年度としての極めて重大な意義を持ちますだけに、平成三年度予算に向けて大臣の本問題についての取り組みを聞きたいと思います。
#10
○国務大臣(綿貫民輔君) 先般の概算要求におきましては生活関連二千億ということに対しまして、私ども建設省は二千億全部要求させていただいたわけでございます。
 今後、来年度からの予算を執行するに当たりまして五カ年計画をやはり基軸にしていきたいと考えておりまして、例えば下水道等につきましては従来の五カ年計画では十二兆二千億というのを十九兆ということで五割増で今度は要求させていただく等々、公園その他もそのような形で取り組んでいきたいというふうに考えております。これから本格的な予算編成に当たりまして、この基軸を基本にいたしまして頑張っていきたいというふうに考えております。
#11
○井上吉夫君 大臣が極めて適切な答弁を要領よくやっていただいておりますので、私は実は大臣にはさっき申し上げましたようなこともありまして四つの基本的問題をお尋ねして、その後はどうぞ褒章伝達のためにお出かけくださいという予定でおりました。どうも予定よりも少し早くなりそうでありますが、次なる質問が終わりましたらどうぞ授与式の方にお出かけをいただきたい。そして、今申し上げました基本的なお答えの中から、さて公共投資というのは、言われる四百三十兆円というのを実現するについてはどういう年間の伸びが必要なのか、そのことが本年度予算との関係で一体どのくらいに当たるのか等の中身の話は後で局長等にお尋ねをいたしたいと思います。
 そこで第四番目は、実は公共事業の平準化の問題であります。
 従来、私どもが地元県から一番強い要求を受ける項目というのは何かといえば、必ずしも経済が豊かでない地域であればあるほど実は公共事業に依存する。その地域経済というのは極めて公共事業への依存度が高い。したがって、地域発展のための社会資本整備の諸事業は、その都市にとりましては即その地域経済を左右する大変な要因
になっておりますだけに、できるだけ傾斜配分をしてほしい、目いっぱい公共事業でその地域経済が引っ張っていかれるような、そういう配分に心がけてほしいという、そのような要請がどちらかといえば主流でございました。
 ところが、最近の地元の関係者の要請の一番主なものは何か、第一番手は何かといえば、実は公共事業の平準化ということを希望する声が一番高うございます。
 公共事業を円滑に進めるためには、いわゆる端境期に仕事がないという時期のあるのも困りますし、年度末に仕事が集中して、それこそ夜間作業をやっていかなきゃならぬ、そういう状況に置かれるという、そのような事情も非常に困るわけでありまして、できるだけ年間通して事業が平均的に実施される、そういうことであってほしいということを願うのは当然のことでありますが、その要請が最近とみに強くなったというのは、私は、従来よりもずっとずっと労働事情というのが厳しくなったということではないかなと思います。したがって、労働力の問題であるとかそればかりでなくて、建設資材等の手当ての問題もあります。建設業従事者の労働条件の問題も今触れましたようなことでありまして、これらの幾つかの問題を考えてみますと、どうしても平準化ということをさらに一歩進めなきゃならぬ。
 何が平準化の隘路になっているのかということは、第一にはやっぱり単年度主義という予算の性格から見て、どうしても年度初めにはなかなか予算が通過しない限り発注ができないということになり、ついつい年度後半に仕事が偏るという、そういう状況下にあると思いますが、とりわけ技能労働者の払底というのは大変なものでありますだけに、特に端境期になりまして、ちょうど仕事がなくて失業保険でつなぐというようなときあたりが出てまいりますと、優秀な技能労働者をついつい中央大手に引っ張っていかれる。そういうことになりますと地方の抱える問題というのは、同じ厳しい労働状況の中でもさらに問題はより深刻になっている、そこら辺で今私どもの地域からも陳情の主流が公共事業の平準化として大変強い要望が出ているということではなかろうかなと思うわけであります。
 以上のようなことから、工事の計画的な発注の推進、あるいはゼロ国債を含むその解決手段としての国庫債務負担行為の積極的な活用、このようなことが一つの有力な手段ではなかろうかなと思うんですが、公共事業の平準化のためにどういうぐあいにこのことの解決に取り組むかという基本的な大臣の考え方をここでお伺いをしておきたいと思います。
#12
○国務大臣(綿貫民輔君) 最初に傾斜配分の御質問でございましたが、現在三大都市圏と地方との公共事業の建設省関係の割合は大体三対七でございます。二十年前は四対六ということでございまして、その分、地方の分がふえておるということになっております。
 それから、私は大臣に就任いたしましてから、とにかく地元が反対で公共事業ができないというところに予算をつけても、これはいつまでもできないじゃないか、賛成するところに回しなさい、こう言っております。そういうことと、あるいは公共事業の中に土地代が八割も九割も入るようなものは民活でやってもらうようにしなさい、こういう二つの方針を出しておりまして、これは即やはり地方の方にもある程度シフトしていくのじゃないかというようなことを頭に入れながら、そういうお話もさせていただいております。そういう方向を今確認しつつあります。
 ただいま御指摘のゼロ国債の問題につきましては、この平準化を含めまして、人手不足の現在、各地からの非常に強い御要請がございます。この問題につきましては昨年度の補正におきまして六千億の枠を確保したわけでございますが、今回も昨日成立いたしました補正予算におきまして同様六千億の確保をさせていただきました。建設省関係におきましては四千百十一億ということで、今後これを適正な配分によりましてこの目的が平準化その他に十分活用されるように努力をしていきたいと思います。
 なお、各地方に対しましてもゼロ県債というものについても御協力いただくようなお願いもしておるところでございまして、ただいま御指摘の趣旨に今後ともこたえていきたいと考えております。
#13
○井上吉夫君 どうもありがとうございました。
 公共投資の基本計画に関連する基本的な大臣の見解を若干お伺いをし、さらに事業の平準化のためにということについてもお答えをいただきました。
 それでは、これらの問題につきましてさらに少し細かく質問をいたしてまいりたいと思いますので、関係局長からひとつお答えをいただきたいと思います。
 まず第一は、公共工事の平準化に関連をいたしまして一体実態がどういうぐあいになっているのかなという、そのことを説明いただき、さらにその必要性というものをお互いに認識し合う必要があるというぐあいに感じております。
 特に四―六月の第一・四半期は、先ほどもちょっと触れましたように予算の成立等の関係がありましてどうしても発注がおくれるという性格があると思います。さらに、どちらかといえば一番ピーク時を第四・四半期に迎えるということが通例かなと思うわけでありますが、この一番事業の少ない時期並びにピーク時期、その倍率が民間工事の場合は一・二倍と言われておるようでありますが、公共工事の場合はちょうど二倍に当たるというぐあいに聞いているわけでありますけれども、それらの事情がどうなっているのか。このことは、公共投資の基本計画に基づいて事業が増大すればするほど問題がより深刻になってくるのではないかなというぐあいに考えますので、それらの事情も考えつつ、とりあえず公共工事の出来高なり契約発注の事情なりが一体年間通してどういう姿になっているかという実態についてまず御説明をいただきたいと思います。
#14
○政府委員(望月薫雄君) お話のように、今後公共投資基本計画に則した所管事業あるいは国の公共事業を的確に実施していくためには、先生御指摘のような問題点に対する配慮というものは大変重要であると、こう考えておるところでございます。
 とりわけ現下の状況を見てまいりますと、御指摘のように予算単年度主義という前提のもとでいろいろと公共事業について施行のゆがみがといいますかひずみがあるわけでございまして、第一・四半期と第四・四半期あるいは第三・四半期を比べますと、年度初めはどうしても少な目に、あるいは第三、第四・四半期が多目にということで、私ども承知している限りでは一対二ぐらいの施行の格差が出ております。
 このことがまた、労働者、働く方々一カ月当たりの実態を見ましても、例えば四月―六月は一カ月平均で二十日ぐらい働いているのが、十月―十二月になりますと二十七日余り、こういうことで労働現場においても非常に集約してくる。こういった跛行的な施行状態というものは何としても克服しておかないと安定的施行体制ができない、こういうふうに考えておるところでございまして、そういった観点から先ほど大臣も御答弁申し上げ、その前に先生から御指摘いただいたような、いわゆる平準化に寄与するようなゼロ国債、あるいはさらに言えば地方公共団体におきますゼロ県債、こういったものについても非常に今重要なシステムとして私ども重視してきているところでございます。今後ともこういった努力をさらに続けていく必要がある、こう考えているところでございます。
#15
○井上吉夫君 先ほどの大臣の答弁にもありましたように、去年六千億のゼロ国を発行し、今年も今度の予算で措置をされました。とりわけ去年のゼロ国が非常に多くの地域に喜ばれているということを私はいろんなところで聞きました。確かに、このことによって平準化に大きな何というか前進を見せた。したがって、関係の皆さん方から
も平準化という一般的な用語を使うだけでなくて、ぜひともことしもゼロ国債をというような言い方がされるようになってまいりました。したがって結局、ゼロ国ないし国庫債務負担行為という、国庫債務負担行為の場合は必ずしもその年に全く財源を必要としないというのではなくて、二年にまたがるというものだと思いますけれども、ともあれこのことが非常に平準化のために役立っているということだけは間違いないと思います。
 今にわかに会計年度独立の原則なり予算成立まではなかなか発注ができないという事情を切りかえるということは容易ではないと考えますので、平準化のための手段、方法というのは、やっぱり決め手はゼロ国債かなというぐあいに思うわけでありますが、そのほかに考えられる平準化のためのやり方があるのかなと。もちろん契約の早期実施とか発注の実施というようなことなどについて気を配ってもらわなきゃならぬわけでありますけれども、平準化のために考えられる中身について御説明をいただくと同時に、たしかこのゼロ国債というのは昭和五十七年度から始まったと思うわけでありますが、今日に至るゼロ国債発行の姿というのを御説明いただきたい。そして、現在に至るまでずっとゼロ国債というのがどういうねらいでまず発行されたのか、そのいきさつもあわせて御説明をいただきたいなと思います。
#16
○政府委員(望月薫雄君) 御指摘のような予算制度の中でできるだけ発注を平準化しようという工夫といたしまして、先ほど来出ていますゼロ国債というものが五十七年度から導入されて今日にきているわけでございますが、厳密に言うと五十七年度にゼロ国債制度が導入されたときは、やはり景気対策、地域経済対策という側面が非常に強かった経過がございます。
 ちょっと今経過をという御指摘でございますので申し上げさせていただきますと、五十七年度が国全体の話でございますけれども四千億円、五十八年度四千五百億円、五十九年度三千億円、六十年度六千億円、六十一年度三千億円、六十二年度は実は実額補正でございましたのでございませんが、六十三年度三千億円、そして平成元年度は六千億円、今般平成二年度六千億円、こういった経過をたどっておりますが、五十七年度以降しばらくの間は総合経済対策あるいは地域経済対策というような観点からの視点が強かったわけでございますが、とりわけ昨年度、今年度のこのゼロ国債補正につきましては、むしろ私ども、先ほど来出ていますような、いわば労働力の需給の観点も考慮しての本当に適正安定的施行、こういった観点を重視してこの辺も加味されてのもの、こういうふうに受けとめさせていただいております。
 そういった意味で、今後このゼロ国債制度というものは、くどいようですけれども、単年度予算制度のもとで平準化するための一つの有力な手段として私どもは今後とも着目してまいりたい、かように考えております。
 なお、御指摘のこのゼロ国債しか平準化する方策はないのかということでございますが、先生いみじくも御指摘いただきましたけれども、当然のように工事の国庫債務負担行為、これが大変大きく役に立っております。建設省所管事業で言いますと、平成二年度におきましては一兆二千億円余りの国庫債務負担行為を持っておりますが、こういったものも有効に活用するということは、当然のように工事の平準化に非常に寄与している。また同時に財投事業につきましても債務負担を活用していく、こういったようなことで、私どもあらゆる手だての中で労働力の需給問題等も念頭に入れての平準化努力というものは非常に重要であり今後とも努めていく、こういう考え方に立っております。
#17
○井上吉夫君 そこで、平準化のための最大の決め手がこのゼロ国だとするならば、一体どの程度のゼロ国債があればその要請が十分満たされるのか。例えば、今年度の場合は災害復旧等がこの時期に予算化されましたので、これから先の事業の発注等がかなり、もちろん災害を受けた箇所に固まるとは思いますけれども、総枠から見れば、これまた六千億余りの災害復旧の対策が実施をされる、それに加えてゼロ国でつなぐということになりますとことしの場合は事情が少し違って、一兆を超すゼロ国債が発行されただろう、もし補正の災害対策がなかったとすれば。そういうぐあいに見られると思いますけれども、通常の年は平準化のために、ちょうど端境期を補うためにはゼロ国というのが大体どのくらいあればこれからやっていけるのか、そういうことについての建設省の見解を聞きたいんです。
 というのは、今説明をいただいたように、昭和五十七年度から始まりましたゼロ国債は、その大部分の期間というのは景気の持続的展開であるとかあるいは持続的拡大であるとか総合経済対策とか、そういうことのために発行しますというぐあいに説明がなされており、まさにそのとおりだったと思います。しかし去年からは、明記してありますように、今官房長の答弁にもありましたように、どちらかといえば事業の平準化という、そのことの必要性が非常に大きくなったということが説明をされて、まさにそのとおりだと思うんです。
 となれば、これから先もいろんな諸条件、問題点を解決する有力な手段として事業の平準化、そしてそのことがゼロ国債ということに帰着するとすれば、大体どのくらいあればこの問題が解消するのかなと。細かい数字は別として、例えば二カ月分であるとか一・五カ月分であるとか、その辺の粗っぽい数字でも結構でございますが、平準化のためにどの程度のゼロ国債が必要か、問題をこの手段に絞った場合にどう考えるかということをお聞かせ願いたいと思います。
#18
○政府委員(望月薫雄君) 率直に申しまして大変難しい御質問を賜ったわけでございます。
 今お話にもございましたように、例えばことしの例を見た場合に、災害復旧関係の補正でもかなり大きい額のものをお願いできたということ等を見たときに、その関係の事業がどう展開されていくかということも念頭に入れて、私ども平成二年度については六千億が適正な額と考えております。
 では、これはどのぐらいの実額がいいのか、あるいは全体の所管事業予算の中であるいは公共事業予算の中でどのぐらいの比率を持ってやるべきかということは、正直申しまして私どもまだ確信を持てるようなところに至っておりませんが、ただ昨年度の六千億円の実行、これを実際に実施した公共団体あるいは業界等の実態というもの等を踏まえてみたときに、あるいは今年度のこれを実施してみたときに多分かなりのやっぱり適切な評価をいただけるものと思っております。そういった意味で、いろいろの前提条件等々ございますけれども、六千億円というものは一つの適正な規模として私どもは重視していく必要がある数字かなと、こんなふうに考えております。
 もう一つ大事なことは、今国のレベルでのゼロ国債という議論をさせていただいておりますが、片方でやっぱり地方公共団体におきましてももろもろの面でのこういった類似の制度というものが大事な問題として最近は認識いただいております。それをいわゆるゼロ県債というような言葉で私ども言わせていただいておりますが、こういったものの導入も公共団体レベルでは地域経済あるいは地域労働力需給の問題、こういったこと等々を総合的に踏まえながらかなり真剣に取り組んでいただいている状況でありますので、そこらとの相関を総体的に考えましても、私どもはやっぱりこの六千億程度の規模というものは今後とも必要であるし、あるいはそれが適正規模の下限かなと、こんなふうな感想を持っている状況でございます。
#19
○井上吉夫君 先ほど大臣の答弁の中にもちょっとありましたし、今官房長からゼロ県債の話が出ました。確かにこのことは、県の事情によりましては県単独でやっぱりゼロ県債によってできるだけその関係地域の問題に対処するということが必要でもありましょう。しかし、これは建設省が進めるというだけではなかなか、地方財政を所管す
る自治省のやっぱり指導も受けなきゃならぬという分野あるいは許可を受けなきゃならぬという面もあろうと思いますので、きょうは自治省は出席を求めておりませんが、官房長が言われるようにあるいは先ほどの大臣の答弁にありましたように、ゼロ国債だけでなくて地域間によってやっぱり多少その県自体で可能な限りの手当てをするということを建設省としても進めていきたいというのであれば、どうかひとつ事業執行という立場からあるいは関係業者の円満な経営の前進という立場から自治省とも十分その辺については御協議をいただいて、今言われたような県債も含めて問題に対処するということをさらに充実するようにしていただきたいなと思います。これは希望です。
 もう一つは、従来はどちらかといえばちょうど第三・四半期、一番仕事がたくさんあってこれからだというときに、とりわけ積雪寒冷地帯はついつい仕事は受けたけれども、なかなか天候の都合で仕事ができない。そして、ようやく春になっていよいよこれから仕事ができるというときに全く予算がないというようなことなどに逢着するという、一番そういう面では厄介な地域であったと思うんです。だから、これらの手当てもどちらかといえば積雪寒冷地帯に対する対策というのが重点として執行されたのではないかなと思うんです。
 しかし、先ほど来申し上げておりますように最近の労働情勢というのは、もうそういう地域に限らない。全国どこも端境期をなくして事業が平準化されるという必要がどうしてもあるという、そういうぐあいに変わってきたと思うんです。もう今改めてどういうことのためにと言う必要もございますまい。熟練労働者あるいは多くの労働者全員の問題あるいは労働条件の問題、資材の問題、ひいてはそれらの事業者の経営体質の問題に当然帰着するわけでありますから、地域をしっかりと守っていくという側面からもどうしてもこのゼロ国の執行、配分等については十分目配りをして、いずれの地域もこのことによって年間を通して仕事が実施されるという、その配慮を持っての配分の仕方が必要だと考えておりますので、このことについて、言うまでもないことだと思いますが十分の配慮をお願いしたいと希望いたしますので、考え方をお伺いしたいと思うんです。
#20
○政府委員(望月薫雄君) ゼロ国債について先生から多面的な御指摘を賜っておりますが、おっしゃったようにこの制度はいろいろな要素を持って経過しております。いずれも大事な要素である、こう認識しております。
 その中の一つに、雪寒地域のいわゆる雪解け時期における施行が的確にできるようにということは大変重要な柱である、これは一点私ども踏まえなきゃなりません。また同時に、全国的にこれはむしろ一般化しているとまで言えるようないわゆる技能工不足、こういった問題への対応、さらにそのことが建設業の構造改善をいかに今後進めていくかという大変重要な問題とのかかわり、こういったこと等々を踏まえながら、私ども公共事業というものが景気対策も含めて的確に進められるということのためにはどう配分があるべきかということは御指摘のとおり本当に重要だと思っております。
 そういった観点から、今年度も補正予算が成立したわけでございますので、私ども早急に地域配分等をさせていただきますが、そのときの視点はやはり広く全国的にそういった要素を考慮しての配分に努めたいということが一点ございますが、やはり基本的に雪寒地域におきます特殊事情、こういったことは重視すべきもの、こう考えておりまして、今年度のことはこれから早速決めさせていただきますが、最近では雪寒地域には大体四〇%台後半くらいの比率でもって配分させていただいてきているところでございます。
 ともあれ、私ども雪寒地域に対する十分な考慮と同時に、いわゆる技能工不足等に対応しての、さらに言えばもろもろの課題を踏まえての全国的な適切な配分ということは、先生の御指摘を受けとめながら十分に注意し実施してまいりたい、こう考えているところでございます。
#21
○井上吉夫君 私の質問の骨子は、従来はどちらかといえば積雪寒冷地対策というとらえ方が主流であったけれども、今やまさにさま変わりをして、これは全国的な現象になってきているんです。私自身の出身であります九州一帯についてもこのことの必要性というのが最大の問題として論じられ一番の願いになっているという、そのことを今までの間で述べてきたつもりでありますから、そのことを十分配慮してこれから先のゼロ国等の執行については当たっていただきたいということをもう一遍申し上げておきたいと思います。
 次は、公共投資基本計画の実施に当たって若干の質問をいたしたいと思います。
 過去十年間の公共投資の総額は二百六十三兆円と言われております。今回の二〇〇〇年に至る十年間で四百三十兆円という投資規模は、さきの十年間に比べて一・六倍に当たると思います。過去十年間の公共投資の平均伸び率というのは一・七%であったと言われておりますから、それに対しまして今回は六・三%の年間伸び率ということになりますだけに、やっぱり目標達成のためには容易ならざる努力を必要とすると思います。しかし、このことは日本のおくれている社会資本をできるだけ早く充実するという、そのことの必要性は当然のことでありますが、一方から言えばいわゆる国際公約でもあります。
 そこで、この計画を着実に実現していくために、さて平成三年度は一体今度の二千億を丸々建設省にというわけにはなかなかだと思いますが、仮に二千億、丸々生活関連というのが上乗せされたとして何%に当たるのか。仮置きですが、例えば一千億とか一千五百億とかいう数字をはめ込んだら一体どのくらいになるのか。数字の比較の必要があり、そしてこのことを実施する初年度でありますだけに、一体どのくらいでスタートするのかなということについても私どもは関心を持たざるを得ないと思いますので、少し数字も検討してお答えをいただければと思います。
 同時に、このことを進めていきますと、これを実際にやっていく建設業界の一体現状は、そしてその中でわけても建設技能労働者の不足が大変深刻化しているというぐあいに言われておると思うんですが、その状況は一体どういうぐあいになっているのか。例えば、もし率で不足率は何ぼということが説明できるものであればそのこともお聞かせを願いたいし、同時にまた、これらの諸事業が順調に進んでいかない理由の一つに用地の確保というのがついついおくれがちであるということが言われております。用地のストック率が一年を下回っているというぐあいに聞いているわけでありますが、今後の公共事業の拡大に向けて、もうそのかぎとも言うべき建設労務者の対策ないしは用地対策を一体どういうぐあいに打っていくつもりか、このこともあわせてお伺いをしたいと思います。
#22
○政府委員(望月薫雄君) 前段について私の方から御答弁させていただきます。
 今、先生いみじくもお話ありましたように、現在予算の編成作業真っただ中でございまして、そういった意味で三年度の姿はまだ申し上げるべき状況にございませんが、前提というか概算要求のときの数字をちょっと申し上げさせていただきますと、生活関連枠二千億円というものはすべて建設省にお願いしたいということがもし実現したという仮定でございますが、概算要求の数字では国費ベースで二千億円は全部建設省関係という前提のときに六%の増ということに相なりますが、それを踏まえて財投事業等も伸ばしながら、私どもは事業費で七%増の予算要求をさせていただいております。これがこれからの予算編成作業の過程でどういうふうに決着するかということについては私ども最大限の努力をさせていただいているさなかでございます。
 ただ、申し上げるまでもありませんが、公共投資基本計画四百三十兆円というのは平成二年度の公共投資を前提にして、先生お話しのように六・三%ずつ毎年伸ばしていかなきゃならぬ、こういったものとの関連をどう見るかということは大変
大事な問題だと思います。言うまでもありませんけれども、公共投資基本計画の描く道筋というものはこの国費事業によるものばかりでなくて財投事業もあれば地方単独事業もあるという、それらの総体として実現を図るべきものとは思いますけれども、いずれにしましてもそういった中で、いわゆる補助事業、直轄事業等国費がかかわる事業が改めて大事である、こういった認識に立って私どもは予算要求に臨ませていただいているところでございます。
#23
○政府委員(鈴木政徳君) ただいま先生から御指摘いただきましたように、これから四百三十兆円の公共投資基本計画を実施していく上で労働力対策をどうするか、それから用地の確保をどうするか、これは大変基本的な重要な問題でございまして、この問題につきましては建設省も省を挙げて取り組んでいる問題でございます。
 まず、労働力の不足についてでありますが、建設投資も昭和六十年代に入りましてから幸いに大変増大いたしました。昭和六十年に約五十兆円であったものが平成元年度で七十二兆円ぐらいに建設投資がふえておりますが、この間、建設労働者、建設業に従事する労働者の方々が約五十万人ふえまして、現在約五百八十万人が建設業に従事しているところでございます。建設投資の拡大をこの増大で賄ってきたというのが現況でございます。
 しかしながら、これまた御指摘のように、ただいま相変わらず民間建設需要を中心にいたしまして旺盛な建設投資が行われております。したがいまして、首都圏を中心に型枠工とか鉄筋工を中心にいたしまして技能労務者の不足というものが続いていることは御指摘のとおりでございます。数字で申しますと、型枠工とか鉄筋工、もちろん毎月いろいろ波動がございます。私ども毎月労働力需給調査というものを行っておりまして、多いときでは五%の上の方まで不足率が上がっていることもございますが、大体私ども調査しております主要業種では現在三%から四%の上ぐらいを動いているという状況が続いているところでございます。
 これに対してどういう対策をとるかということでございますが、基本的には私ども現在、昨年の三月から建設業の構造改善推進プログラムというものを立てまして官民挙げて一生懸命やっているところでございます。具体的には、建設従事者の雇用条件、労働条件を改善することによりまして建設労働者を確保する必要がある、あるいは生産工程におきましてプレハブ化、ロボット化というようなことを導入しまして施工の合理化を図る、そういうようなことを基本的にやりながら魅力のある建設業、活力のある建設業、そして若者の入ってくるような建設業にしようということで現在取り組んでいるところでございます。
 ただ、当面の対策といたしましては、現在業者が業者間で労務者を融通し合ったり、あるいは工期とか工法というものに対していろいろ工夫しながら対応しているというのが現況でございまして、これに対して国も建設専門工事業団体と一緒になりまして建設労働需給情報サービスということで、地域ごとにいわゆるミスマッチがないかどうか、そういうものがあれば足りないところに余っているところから労働力を移動できないかというようなことを現在官民挙げてやっているところでございます。
 しかしながら、これまた先ほど来先生が御指摘いただいておりますように、公共投資の拡大を今後限られた労働力で実施していかなければならないわけですので、今後ともゼロ国債の活用であるとかあるいは工期の適正な設定であるとか、先ほど申しました機械化の施工の促進というような公共事業施工上のあらゆる工夫を凝らしながら今後取り組んでいかなければいけないと思っているところでございます。
 もう一つ、用地の問題でございますが、事業を実施していく上で当然用地を確保しなければいけないわけでございますが、そのためにはまず何といいましても総合的な地価対策を講じることによって地価の安定を図るということが前提かと思います。そして、事業量の確保の中で必要な用地費をまた確保していくということも必要かと思います。
 そのほかの対策といたしましては、国庫債務負担行為等を活用しました先行取得制度を積極的に今後ともやっていく。あるいは最近被補償者から要求がふえております代替地対策を積極的に行う。さらには、地価の高い都市部におきましてはなるべく用地に負担のかからない、例えば幹線道路と沿道整備を一体で行うような区画整理事業であるとか建物と立体的に道路をつくるとか、そういうような効率的な方法、事業手法というものを今後とも取り入れていかなければいけない。さらには必要に応じて土地収用制度を的確に活用する、そういうことを総合的に活用しながら今後とも用地の確保に努めていきたいと考えております。
#24
○井上吉夫君 用地取得については先行取得などにもっと思い切って予算を投入する等して、用地の問題にけりがつかないためになかなか仕事ができないというようなことのないようにさらに一段の御努力をいただきたいと思います。
 恐らく最後の質問になろうと思いますが、この公共投資基本計画も経企庁が出したのを見ますと、必ずしも都市的環境の問題だけではなくて、「多極分散型国土の形成に向けて、交流ネットワークや経済基盤の整備等の施策の一層の充実を図り、」等の文言が幾つか強調をされております。たまたま一等最初の文章のところに、「下水道、都市公園、廃棄物処理施設、住宅・宅地の整備等に加え、」という、記述の順番は差がありますけれども、全体としては冒頭大臣にお答えを願ったように、我が国にとってやっぱり多極分散というのがどんなに大事かということはこの公共投資の問題の中でもしっかりととらえているというぐあいに私は読んだわけであります。
 そこで、国土庁にお伺いをしたいのでありますが、四全総の現状というのは一体どうなっているのか。時間もありませんので、とりわけ最大のねらいとする東京の一極集中ではなくて、日本のやっぱりつり合いのとれた発展のためには多極分散というのが一番大事だと。私は端的に国土庁の役割は何かといえば、一言で言えばやっぱりこのことをどう達成するかということにかかっていると言っても言い過ぎではないと思うんです。もろちんそれらの仕事の中に、例えば離島対策がありあるいは半島対策があり山村対策があり、いろんなことがありますけれども、総じてこれをひっくるめて言えば、私は日本の国土が均衡のある発展を遂げるためにどうやっていくのか、それはやっぱりどうしても多極分散だということに帰着すると思うんです。このことに向けての国土庁の四全総は一体順調に進んでいるのかという、そのことについてお伺いをしたいんです。
 時間があれば、目標に対してどの程度どういうぐあいに進んでいると見るのか、今後の取り組みをどうするのか等々、細々お伺いをしたいのでありますが、取りまとめて今申し上げましたように、四全総に取り組んでいる国土庁として多極分散という、いわば至上の命題ともいうべきこの項目でどのような成果を上げているとごらんになっているか。そして、今後そのことをさらに大きく推進していかなきゃならぬ、これが私は日本の国内政治の最大のテーマだというぐあいに考えておりますだけに、このことを強く要請しながらお答えをいただきたいと思うんです。
 これらの立場からいたしまして、私の九州の場合に、今東回りの道路であるとかあるいは南九州西回りであるとかあるいは横断道路であるとか、多くのものが既に計画に乗っており、あるいは事業に着手をしておりますが、一つだけこれから先の問題として、既にこのことの要請にこたえて若干の調査段階に入っていると聞いているわけでありますが、長崎県の島原半島から熊本県の天草を橋でつないで、そして天草を南下して天草の南端から鹿児島県の長島に結ぶ、俗に三県架橋と言いますが、橋は二つですけれども三つの県が結ばれ
る。九州の一番西海岸の方の大きないわば観光の路線であると同時に産業経済は大きな活力をもたらす大プロジェクトの一つではないか、残された大きなテーマはこのことではないかなというぐあいに考えておりますので、この調査の現状あるいはこれから先どうやっていこうかということについてあわせお伺いをいたしたいと思います。
#25
○政府委員(長瀬要石君) 四全総が昭和六十二年六月に綿貫大臣のもとで策定されましてから三年半が経過いたしているわけでありますが、四全総が抱えております一極集中を是正し多極分散型国土を形成することはなお今日最大の国土政策上の課題である、このような認識を先生とともに一にするものでございます。
 そのような中にありまして、政府といたしましても地域主導の地域づくりということを基本にしながら、建設省を初め関係省庁一体となりまして四全総推進連絡会議のもとにこれに対して取り組むということで対応いたしているところでございます。
 一つは人口でございますけれども、これにつきましてはなお東京圏への集中という傾向はございますけれども、昭和六十二年をピークといたしまして東京圏への流入超過が減少に転じるというような傾向があるわけでありまして、このような中で地方への人口分散の兆しというものも出てきたのではないか、これを育てていくということが大変重要な視点だという認識を持っております。そういう中にありまして、地方圏におきましては比較的地方の中枢中核的な都市を中心として人口の集積が進んでおりますとともに、産業の面におきましても交通基盤が整備されたような地域を中心として工場の展開というようなことがなされているところでございまして、大学を初め生産機能の地方展開ということも進んでいるところでございます。
 そのような中にありまして、基盤整備の面におきましても高規格幹線道路を初め着実に進展がなされているものと考えておりますが、先生から御指摘がございましたような公共投資基本計画の中におきましても、まさに四全総の基本的な目標といたします多極分散型国土形成ということを中心に据えておりまして、このような考え方のもとに国土基盤の整備をこれから進めていく必要があると考えております。
 こういう中で三つのポイントということになりますと、一つはいかに東京圏への集中を抑制するかということでございますし、第二は東京圏からの移転分散をどう図るかということでありますし、第三は地方圏におきまして農村の多面的な機能の発揮を図り、そして地方の都市の整備を図り、さらには全国一日交通圏をつくっていく、こういうことが重要な課題だと認識をしております。
 先生からお尋ねのございました三県架橋の件につきましては、平成元年度それから本年度、二年度にわたりまして関係六省庁によります総合的な調査を目下進めているところでございます。九州中西部地域、御案内のように有明海、八代海というような地域を中心といたしまして五つの県がこれを囲んでいるわけでありますが、自然資源が豊富であります反面で、地理的、自然的な制約もあるわけでありますが、こういう中で地域を一体的に結ぶ社会基盤の整備ということが重要だと考えております。
 それらの中で多面的な調査というものを関係省庁一体となってやっておりまして、平成元年度には地域の現況を調査いたしまして、地域の問題点なり課題の抽出を行っております。続きまして本年度におきましては、各施設の整備計画についての検討というようなことも含めまして、地域振興のための整備計画に向けての調査を鋭意進めているという状況でございますので、御理解を賜りたいと思います。
#26
○井上吉夫君 ありがとうございました。
#27
○青木薪次君 私は、主に公共投資基本計画というものを重点にいたしまして質問をいたしたいと思います。
 まず質問に入る前に、今同僚委員の井上先生からも話があったわけでありますが、生活関連重点化枠の二千億円の配分問題について、新聞はこれを大々的に実は取り上げているわけであります。平成三年度予算において、公共事業予算を生活重視型に変えるために設けられた生活関連重点化枠の二千億円については、大蔵省とか建設省など政府主導で独自の判断で配分するものと考えていたし、そういうように報じられていたところでありまするが、自民党の十人委員会に全部任せちゃうというようなことが言われているわけであります。
 旧来の省庁のシェアにこだわらずに配分するという当初の目的もかけ声倒れになりそうだと。これでは特別枠をつくったところの価値はないということになるわけであります。重点化枠の二千億円の配分については、いわゆる自民党の中の分捕り合戦になりそうだということが、自民党の席が閑散だからちょっと困るんでありまするけれども、私はそういう点にひとつ警鐘を乱打したい気持ちでいっぱいであります。
 生活重視の観点に立って決められるべきものでありますけれども、そうすることがさきの日米構造協議の合意内容に沿うものと考えているけれども、建設大臣とそれから大蔵省の御所見をお伺いいたしておきたいと思います。
#28
○国務大臣(綿貫民輔君) この生活関連二千億の枠につきましては、先ほど井上先生の御質問にもお答えいたしましたように、我々建設省は二千億の枠いっぱいの要求を概算要求でさせていただきました。私どもの所管するものはすべて生活関連であり、しかも二千億いただいてもまだ足りないぐらいだと、こう思って要求しておるところでございます。
 いろいろと今非公共事業とか公共事業とか、この際その枠の中に入り込もうというようないろんな動きがあるようでございますが、私ども建設省といたしましては、ただいま申し上げましたように、この枠目いっぱい要求させていただいた精神に基づきまして、できるだけ公共事業の枠の拡大に全力を投入していきたいというふうに考えております。
#29
○説明員(林正和君) 先生御案内のとおり、平成三年度の概算要求基準におきましては、生活関連重点化枠二千億円を設けまして、生活に密接に関連する投資的経費につきましては、各省庁からの要望を踏まえて予算編成終了時までにその範囲内で調整を行うというようにしたところでございます。
 現在、公共投資基本計画等に示されました考え方を参考といたしまして、既に公共事業等の実績のあるものを基本として、真に国民の日常生活の質の向上に結びつき、直接の効果の上がる事業というものに厳に限ることといたしまして、各省庁の要望の内容を念査いたしまして、いわば実質的な公共事業の公開財源のようなものとして与党を含む関係諸方面とも調整しながら、大蔵原案の内示までに総額二千億円の範囲内で調整を現在行っているところでございます。
#30
○青木薪次君 これは、新聞報道が共通して言っていることは、大臣と大蔵省の答弁があったわけでありますが、政治的な力に左右されない、旧来の省庁別シェアにこだわらずに配分するという生活関連枠の当初の目的を果たさずに終わる公算も出てきたと、こう書いてある。新聞が書いている、新聞が。私も実はそう思っているんですがね、大臣。
 そこで、今大蔵省の答弁は、公開で各省や皆さんの意見を聞いているんだと、こういう格好いいことを言っていますけれども、実際は自民党に生活関連枠の配分権限を奪われ、蚊帳の外に置かれた形の大蔵省だけれども、意外なほど挫折感がない。何でないか。この点は、大蔵省の協力なしにほどうせ配分は決まらないだろうということが一つ。生活関連分野に重点配分するのだから、省庁間のシェアが変わってきて当然としていたけれども、ここへ来て威勢のよい言葉は聞かれなくなってきたというような、そういうようなことをいろ
いろ言われているのであります。これは、我々だって建設委員ですから、与党の十人委員会で決められてしまって、この取りっこをされたんじゃ、これが基礎となって将来四百三十兆円の問題がリードされていく可能性があるために我々は重視しているから、その点についてそういうことは絶対させないという決意のほどを綿貫建設大臣から聞きたいと思います。
#31
○国務大臣(綿貫民輔君) ただいま大変強力なる応援をしていただきまして、私どもはその趣旨に沿って全力を挙げて頑張るつもりでございます。
#32
○青木薪次君 それはそういう方向でやっていただきたいと思います。
 それから、昭和四十九年の九月の一日でしたかね、台風十六号による集中豪雨のために東京都の狛江市の多摩川左岸の堤防が決壊いたしました。私もそのときのことを覚えておりますが、住宅十九棟が押し流された多摩川水害で、被災者が国の河川管理の責任を問い訴えていた裁判で、最高裁判所は住民側敗訴の東京高裁の判決を破棄して東京高裁に審理のやり直しを命じ、被災者住民に救済の道を開く決定を行ったのであります。今後、東京高等裁判所で河川管理者たる国の責任について審理が行われることになるが、何らかの意味で国の管理責任が問われることは確実となったけれども、多摩川水害訴訟に対するこの最高裁判決について建設大臣ほどのようにお考えになっていらっしゃるか、御所見を伺いたいと思います。
#33
○政府委員(近藤徹君) このたびの多摩川水害訴訟最高裁判決は、本件にも大東水害訴訟最高裁判決の判断基準が適用されることを明確に示しております。すなわち、もともと水害等の危険性を内包している河川について、治氷事業によって逐次その安全性の向上を図っていかざるを得ないという特質を有する河川管理について、十分理解を示したものと考えております。この点に関して判決では、河川は当初から通常有すべき安全性を有するものとして管理が開始されるものではなく、治水事業を経て、逐次その安全性を高めていくことが予定されているものであると判示しておるわけであります。
 なお、本件における河川管理瑕疵の有無は、まず計画高水流量相当規模の流水の通常の作用により彼堤が生ずることの危険を事前に予測することができたかどうかを検討し、これが認められた場合には、その予測することが可能となった時点を確定した上で、その時点から本件災害時までに、諸制約を考慮しても、なお所要の措置を適切に講じなかったことによって本件河川部分が同種同規模の河川の管理の一般水準及び社会通念に照らして是認し得る安全性を欠いていたことになるかどうかを、多摩川水害の状況に即して具体的に判断すべきであるとして、その審理が不十分であるとして再度審理を行うよう差し戻したものでございます。
 建設省としては、一貫して本件水害は予測しがたいメカニズムで発生したものであり、本件のメカニズムは専門家による調査委員会で約十カ月間にわたって徹底的な調査の結果ようやく解明できたほど、事前に予測し得なかったほどのものでございまして、この点を一貫して主張してきたわけでございますが、差し戻し控訴審においても河川管理に瑕疵がなかったことを主張することとしております。
#34
○国務大臣(綿貫民輔君) 建設省といたしましては、本件の水害で被害を受けられた方々に対しまして、まことにお気の毒だと思っております。
 一日も早く水害がない国にしたいというふうに考えておりますが、ただいま河川局長からお答えを申し上げましたように、原審での具体的な審理が不十分であるということで差し戻されたものだと思っておりまして、今後差し戻しの裁判所におきまして、ただいま河川局長が申し上げましたような建設省の考えを十分御理解していただけるものだというふうに考えております。
#35
○青木薪次君 今回の最高裁判所の判決は、五十九年に、今河川局長の答弁ありましたように、大東水害について下した最高裁の判決よりも河川の安全性確保については厳しい判断を河川管理者に求めていると思うんです。未改修や改修中を理由に、緩い安全基準で責任を免れるというように思っていたかどうかは知りませんけれども、そういう態度は許されないという厳しい判断だと思います。
 国は、大河川で六割、中小河川で三割というこの河川改修のおくれを早急に改善していく必要があるが、今後の河川改修促進策についてどういう考え方を持っているかお伺いしたいと思います。
#36
○政府委員(近藤徹君) 河川のはんらんを防止して住民の生命や財産を守ることが我々の最大の責務だと考えて、従来から一貫して事業の推進を図ってまいりました。また、このような水害訴訟が出てくるということは、ある意味で我々に対する強い激励の一つの象徴として、さまざまにこれらの訴訟の場で提案されたものは我々の教訓として事業を進めてきたわけでございます。
 とりわけ、都市化の進展によりまして、従前はんらんしていた区域が、従前は住民の間で当然に浸水の危険がある区域という伝承があり、その上に立って我々の治水事業を促進するという住民の強い期待にこたえて事業を実施してきたわけでございますが、今日のような都市化社会におきましては住民も大変移動しておりまして、そのような過去の被害における危険性の実績等が薄れていく状況にありますので、我々としては例えば浸水実績の公表であるとか、あるいは流域の中で流出を抑制していただくとか、各種の施策を治水事業の促進とあわせて実施することによって、全体として治水の安全度の確保に努力してまいりたいと考えておるところでございます。
#37
○青木薪次君 私は、先般の台風十四号でしたか、三島の大場川の視察に行きました。そのときに、あと三十分か四十分長く降ったら三島市内が全部泥海と化してしまった、こういう惨たんたる光景を見てまいりました。
 もちろん、全国的にリゾート開発、ゴルフ場なんかはその最たるものでありまするけれども、そのことによって都市河川にどうっと濁流が土石流となって押し寄せてくる、そのことのためにこういう重大な災害が発生するわけでございまするけれども、そういう問題について、やはり私は四百三十兆円という予算の問題、後で質問いたしまするけれども、そういうようなところに重点配分をすべきであるというように考えているわけであります。
 今回、多摩川水害訴訟で高裁差し戻しの判決が出たんだけれども、今厳しく受けとめておりますように、東京高裁で審理が続けられることになっているわけでありますが、一瞬にしてマイホームを失った被災者について、今大臣からも気の毒であるということのお言葉もあったわけでありますが、十六年の歳月というものは余りにも私は長いと思う。司法救済とは別個に、被災者と損害賠償について協議する用意はあるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#38
○政府委員(近藤徹君) 先ほど申し述べましたように、国家賠償法では「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。」、こう書いてあります。「設置又は管理に瑕疵」ということでございまして、工物そのものの瑕疵ということではございません。
 そこで、管理の瑕疵として、先ほど申し述べましたように、本件災害は多摩川の計画高水流量に匹敵する洪水が流れ、かつ従前我々が予測したものに対しては十分な安全な構造としての補強工事を行っておりましたが、本件災害は我々が事前に予測することのできなかったようなメカニズムで破堤をし、これらの方々が災害に遭ったということでございます。我々の方で事前に予測し、そのために十分な対応をすることができたかという点については、私どもはそれはできなかったと一貫して主張してきたところでございます。この点については、私ども高裁においても引き続ぎ主張し御理解を得たいと思っておりまして、我々はこの件
につきましては瑕疵はなかったと、したがって賠償の責めに任ずることはできないというふうに考えております。
 ただ、先ほど言いましたように、今後ともこのような事例にかんがみまして、このような類型のものについては直ちに全国の河川について点検を行い、その補強措置をとっておるところでございます。
#39
○青木薪次君 この問題だけでも時間がなくなってしまいますから後日に譲るといたしまして、私は公共投資基本計画についてこれから質問をいたしてまいりたいと思います。
 公共投資の目的は将来の必要な良質な社会資本をストックすることを目的とするし、それを建設することにある。公共投資の実効を上げるには、生活の質的向上や豊かな高齢化社会の実現などの政策目標への貢献度を基準として予算配分することが必要だというように思います。ところが、各省庁間の配分比率を見ると昭和三十九年度以降はほとんど変わっていない。硬直化とか既得権化している。建設省のシェアを見ても、最近は六八・二%ですね。これに固定されていると思うんです。政治的な圧力等もあって、シェアにメスを入れてこれを変更するということについてはなかなか大変だし、並み大抵のことじゃないと思うのでありますが、国民のニーズに応じて弾力的に増減させていかなきゃならぬと思うのでありますが、建設大臣の所見を伺いたいと思います。
#40
○国務大臣(綿貫民輔君) 御指摘のとおりだと思います。ニーズに合った公共事業に重点的に配分をしていくというのが望ましい姿だと思いまして、私どももそのような方向で今後努力をさせていただきたいというふうに考えております。
#41
○青木薪次君 公共投資基本計画、いわゆる十カ年計画は、今後十年間、一九九一年から二〇〇〇年までを対象期間といたしまして、公共投資に関する枠組み及び基本方向を総合的に示すものだ。したがって、本年六月に策定されたこの計画について、これを遵守していくべきだと思いますが、生活関連事業に係るものの割合を高めていくということが必要だと思います。これは基本計画も認めているわけでありますが、何をもって生活関連事業とするかについては必ずしも明確ではないというように思うのでありますが、大臣、どうお思いですか。
#42
○国務大臣(綿貫民輔君) これも先ほど井上先生の御質問にお答えいたしましたように、私ども建設省で所管いたしておりますものはすべて生活関連だというふうに考えておりまして、その中でさらに五カ年計画を中心にしてこの重点化を進めていきたいというふうに考えております。平成二年度で終わります五つの五カ年計画につきましては、そのような趣旨にのっとりまして来年度の予算の中でその位置づけを明確にしていきたいというふうに考えております。
#43
○青木薪次君 生活関連となると、まず道路、それから治水、海岸、下水道、都市公園、住宅、これらが私はやっぱりその中心的なものだと思います。
 建設省としては、所管事業について特にこれからどこに重点を置くかということを、強いて言えばどういうことになりますか。
#44
○国務大臣(綿貫民輔君) 強いてと言われましても、多極分散型の国家をつくるという意味におきまして、先ほど申し上げましたように、従来下水道とか高速道路とかというのは、人口密集地帯中心ということでございましたが、地方にも手厚くこれを配分していくというような方向がこれからは大切であるというふうに思っております。
 そのような意味におきまして、それぞれニーズの強いものばかりでございますが、特に大都市、地方圏というような形での公共事業というものの見直しというか、そういう形を考えていかなければならないと思います。
 そういう意味で、強いてどの事業というよりも、強いてどの地方というふうに言った方がいいんじゃないかなというぐらいに思っておるところでございます。
#45
○青木薪次君 生活関連の投資といえば全部だということになるんですが、それでも例えば日本は道路も悪いし、治水対策といえば、今河川局長の言ったようになかなか大変だと。計画中のところもあるし、仕事をしている最中のところもあるし、これから直そうとするところもあるということでありますが、下水道なんかは今四四%ですね。それから都市公園の面積は五・八平米ですか。それから住宅一戸当たり、後で我が党の委員が質問すると思うのでありますが、平均して八九・三平米ということでありまして、そういうようなことを考えてまいりますると、建設省のやる仕事といったら、私はやっぱり六八・二%の従来の実績でなくて、少なくとも七〇%以上はもう建設省が受け持ってこの四百三十兆円を何としてもやり抜くこういう決意が実は必要だと思うのであります。
 これらの関係の中で地域配分の問題が非常に重要です。先ほども意見が出てまいりました多極分散型。国民世論も公共投資の配分につきましては、東京圏以外の地方都市に重点を置くべきだとしているわけでありますが、建設省はどうお考えになりますか。
#46
○政府委員(望月薫雄君) 先ほど来の先生の御指摘、私ども日ごろ考えていることとほとんど軌を一にするものが多いわけでございます。
 特に今の地方への配分のあり方という点、先ほども実は大柱が御答弁申し上げましたけれども、私どももそういう視点を今後一層強めていくことによってまさしく公共投資基本計画で描かれている方向というものが実現するものと、こんなふうに考えているわけでございます。
 例えば、具体的に先ほど出ております生活関連二千億円の要望につきましても、ちょっと補足させていただきますと、私ども、この概念、この解釈についていろいろの議論があるかもしれませんが、特にこの二千億円というものをめぐって地方都市基盤の緊急整備あるいはふるさと生活の活性化、こういった観点を別途住宅宅地対策とか地域商業基盤の総合整備というものとあわせて、いわば四本の柱でも要望しているわけでございます。
 こういった点でごらんいただいてもおわかりいただけますように、私どもこれからの公共投資のあり方というものは、具体的にどの部分とどの部分というものを比較考量することはなかなか難しいわけでございますが、基本的構えとしては多極分散型国土の形成に向けて、本当に豊かな国民生活を実現するためには大変に地方というものを重点的に考えなきゃならぬ、こういった認識で取り組まさせていただいているところであります。
#47
○青木薪次君 大蔵街と自治省の考えもちょっと聞いておきたいと思います。
#48
○説明員(林正和君) 公共投資基本計画は、毎年度の予算等を通じまして具体化されることになりますが、公共投資、先ほど先生の御質問にもございました事業別配分につきましては、国民生活の質の向上に重点を置いた分野にできる限り配分していくとともに、地域別配分につきましては、地域経済の実情あるいは社会資本の整備状況、事業の優先度等に十分配慮いたしまして、地域の振興に資するように私どもといたしましても引き続き努力をしていきたいと考えております。
#49
○説明員(嶋津昭君) 自治省でございます。
 地方団体は、その性格から、住民に身近な社会資本整備を中心に公共事業なりあるいは単独事業として進めているわけでございます。今回の公共投資基本計画におきましても、生活環境とかあるいは文化機能重視ということでございますので、これから地方団体が地域整備を進めていく上で公共投資基本計画の上でも非常に重視されているというふうに考えておりますし、また地方団体におきましても現在ふるさとづくりとかあるいは魅力ある個性的な地域づくりということを合い言葉にしまして、非常にそういうことを積極的に進めていこうという機運が盛り上がっております。そういう機運を国の予算なりあるいは地方財政計画、地方債計画等を通じて適切にそれに対応していく
ことが必要だと、かように考えております。
#50
○青木薪次君 この公共事業、社会資本を造成するために一番重大なのは、やっぱり何としても用地費とか補償費が余りにも高過ぎる。この点、道路局長にお伺いしたいと思うのでありますが、虎ノ門と汐留の間というのは用地費と事業費との関係はどんなふうになっていますか。
#51
○政府委員(藤井治芳君) 都市局長の方がふさわしいかと思いますけれども、あの地域はもし道路をつくるとすれば九九%近くが用地費であろうかと思料されます。したがって、このような地域の道路整備を考える際は、用地を買うというような思想よりもその地域を地域ぐるみでどのように利活用するか、その中で公共空間をどのように生み出すか、あるいは既存の公共空間をどのように利活用しながらそのようないろいろな公共需要に対応するか、このような視点からの対応の仕方になろうかと思います。
#52
○青木薪次君 四百三十兆円の中には用地費、補償費が含まれているわけですね。そうすると、今道路局長のおっしゃったように、九九%は全部用地費だ、あとの一%が事業費だという場合には、もうこれは道路をつくる、都市街路を含めて道路をつくるということじゃないんですね。都市をどういうふうに建設するかということと同時に、これからどういうような都市計画事業をやっていくかということだと思うのでありますが、最近の建設省所管事業に占める用地費、補償費の割合は、虎ノ門と汐留の関係はわかったのでありまするけれども、どんなふうになっていますか。
#53
○政府委員(鈴木政徳君) 建設省所管の公共事業に占めます用地・補償費の比率でございますが、もちろん年によりまして多少の増減はございますが、ここ数年間は大体二〇%前後ということで推移しているところでございます。しかしながら、ただいま御指摘のように、最近の地価の上昇によりまして、大都市圏等におきましては公共事業予算に占める用地・補償費の割合というものは少しは上がるのではないかというおそれもあるわけでございます。
#54
○青木薪次君 このごろ土地の値上がりは幾分鈍化しているということが言われておりますが、しかしこんなに値上がったものが安定をするということは、逆の意味においてもなかなか心配の種が尽きない。日本の国土は狭いし、これから開発の努力を進めていくということになりますれば、一番大変なのは用地の問題とそれから生活権やその他の問題をめぐる補償費の関係、これは大きいと思うんですね。そういうことからひとつ、経済企画庁は運動方針を書くわけだけれども、この辺の関係については、用地費、補償費の関係についてはどんなふうに考えていますか、御答弁ください。
#55
○説明員(藤森泰明君) ただいまの先生の御質問に公共投資基本計画との関連においてお答えさせていただきます。
 御指摘のとおり、公共投資基本計画におきましては、社会資本整備を円滑、効率的に行うために地価の安定というものが不可欠でございまして、このために公共投資の拡大に当たっては地価高騰を招かないよう細心の配慮をするというふうにしているところでございます。
 地価対策につきましては、昨年十二月に成立いたしました土地基本法を踏まえ、土地についての基本理念にのっとりまして土地対策関係閣僚会議が申し合わせました「今後の土地対策の重点実施方針」が定められておりますが、これらを踏まえまして各般の具体的施策を推進することが重要と認識しているところでございます。
 このような観点から、社会資本の整備に当たりましても、開発利益を的確に捕捉してその吸収還元に努めるとともに、土地収用制度の活用あるいは国公有地や大深度地下の活用等によって用地取得の円滑化を進めるなど、総合的な土地対策と整合性を図りつつ、地価の高騰を招かないように対処していくことが重要であると考えているところでございます。
#56
○青木薪次君 そこで、公共事業の拡大を中心といたしましてこれから社会資本のストックをしっかりやっていかなきならぬということでありますが、例えば道路であるならば、先ほどちょっと話が出たわけでありますが、今は高速道路四千キロ、それを五千キロにいつ持っていくか、一方キロにいつ特っていくかという計画をお示し願いたいということと、それから下水道の関係については、今は四四%だけれどもこの期間中に何%まで持っていくのか。あるいはまた都市公園については、今一人当たり五・八平米だけれども、それを何平米に持っていくのか。住宅については、今は約九十平米だけれども、これを何平米まで高めるのかというような点について、ひとつ説明を願いたいと思います。
#57
○政府委員(藤井治芳君) それでは、まず道路ということがございましたので私からお答えさせていただきます。
 御承知のように、現在第十次道路五カ年計画の三年目でございます。平成三年度の概算要求はその四年度の要求ということでございます。三年度までの進捗率をおおよそ想定いたしますと、平成三年度の概算要求を入れますと大体七五%程度になろうかと想定されております。まだ予算が確定いたしておりませんので、これは想定とお答えいたします。
 したがって、私どもこれからこの第十次五カ年計画の完全達成を図るためにいろいろ努力するわけでございますが、その中で一番地方多極分散型の担い手としての先兵となっております高規格幹線道路網は、平成二年の十月四日現在で四千八百五十八キロメートル、このようになっております。そのうち高速自動車国道、いわゆる国幹道で整備しておりますものが四千六百八十四キロメートルでございます。大臣から先ほどお答えいただきました、平成四年度まで十次五計内では六千キロを目指しておりますし、西暦二〇〇〇年までには九千キロを目指しております。しかし、この計画が発足したときに私どもは一方四千キロを約三十年でつくってまいりたいということを申し上げましたが、時代の趨勢が刻々と変わってきております。三十年よりももっと早くしてほしい、その方が地方の活性化のためにどうしても必要である、こういうような情勢の変化を踏まえて、これから一生懸命これを短縮すべく努力してまいりたいと思います。
 しかし、これは幹でございますので、これにあわせて地域におけるネットワーク社会の主役としての地方道、その他都市における街路網等々といったものを全部うまくバランスのとれた形で整備をいたしまして、道路空間の整備とあわせて、潤いと魅力のある道路の空間をこれから形成させていただきたいと思っております。
#58
○政府委員(市川一朗君) 私からは下水道と都市公園につきましてお答え申し上げます。
 まず下水道でございますが、ただいま御指摘ありましたように、平成二年度末の下水道普及率は四四%の見込みでございますが、私どもは西暦二〇〇〇年、十年後の目標といたしまして約七〇%まで引き上げたいという考え方を持っておりまして、これが実現いたしますとフランス、アメリカ並みになるわけでございます。イギリスは九五%でございますのでまだまだ及ばないわけでございますが、来年から下水道は新しい五カ年計画の段階に入りますので、この五カ年計画におきまして平成七年度末の目標といたしましては五五%に引き上げたいということで、現在から約一〇%以上の普及率の増大を目標としておるところでございます。
 次に都市公園でございますが、都市公園につきましては一人当たりの公園面積ということで目標値を定めておりまして、二十一世紀初頭までに約二十平米を確保いたしたいという考え方を持っております。これは、例えばロンドンでございますと一人当たり三十平米というところでございまして、その辺を一つの考え方として持っておりますが、とりあえず西暦二〇〇〇年まで、これから十年間には現在五平米台のものを十平米までに達成いたしたいということでございますから、大体倍
増計画といったものを考えておるわけでございます。これも来年度から新しい都市公園五カ年計画が発足いたしまして、その目標年度でございます平成七年度末におきましては約七・二平米ぐらいを目標にいたしたいというふうに考えておるところでございます。
#59
○青木薪次君 国の事業費が拡大いたしますと、その分、地方公共団体の負担額が増大するわけであります。地方単独事業も拡大していかなきゃならぬということになるわけでありますが、四百三十兆円の投資を着実に円滑に執行していくためには、地方公共団体の財源確保について適切に措置する必要があると思うのでありまするけれども、この点について自治省はどんな考えを持っていますか。
#60
○説明員(嶋津昭君) 自治省といたしましては、公共投資の着実、円滑な実施のため、従来から地方財政計画におきまして国庫補助負担事業に係る地方負担額を確実に計上いたしますとともに、地方単独事業につきましてもその積極的な展開が図れるよう総額を確保し、その財源といたしましては一般財源であります地方税、地方交付税あるいは地方債等を確保することに努めてきております。来年度におきましてもそのような形で確保するとともに、また総額、これはマクロの問題でございますので、一つ一つの地方団体、三千三百の地方団体のそれぞれが具体的に公共事業なり単独事業が円滑にできますように、地方交付税なり地方債の配分につきましても配慮をしていくことといたしております。
#61
○青木薪次君 今お話しのように、地方交付税、それから起債の枠を拡大する。
 補助率の関係の話がなかったわけでありますが、どんなふうに考えていますか。
#62
○説明員(嶋津昭君) 公共事業の補助率につきましては、御承知のように平成二年度、今年度までの暫定措置として補助負担率の引き下げが行われているわけでございます。地方六団体からはその補助負担率につきましては今後公共投資を確保していくという面から見ましても、カットされたのが六十年度からでございますので、昭和五十九年度における補助負担率の水準まで復元してほしいという強い要請があるわけでございます。
 現在、関係省庁におきまして、来年度の予算を目指しまして鋭意調整を進めているわけでございまして、自治省といたしますと、やはり国と地方団体の基本的な信頼関係が保たれるように、あるいはこれからの公共事業なり地方単独事業が円滑に推進できるようにという方向で結論が得られるようにこれからも努力してまいりたいと考えております。
#63
○青木薪次君 投資拡大の条件整備についてお伺いしたいと思うのでありますが、重要なことは、四百三十兆円の投資を着実に確実に執行させることのためには条件整備が必要だ。その条件整備とは何か。今困難に逢着いたしておりますところの例えば人手不足、さっき型枠とかあるいはまた鉄筋工とかいろいろ言われました。そのとおりだと思います。それから建設の残土処理が困っていますね。それから公共用地の確保が困っています。それから建設資材が大変な今困難に逢着している。もう砂利なんて掘りたくてもないというような状態であります。
 建設省としては、公共投資を拡大することについてはこれらの問題を同時に解決していかなきゃならぬと思うのでありますが、その点どんな考えでおりますか。
#64
○政府委員(鈴木政徳君) 先生御指摘のとおり、これから拡大する公共事業を円滑に執行していく責任を負うものといたしまして、当然今おっしゃいましたような労働力の問題、それから残土の処理の問題、用地の問題、資材の問題、いずれも重要な解決しなければいけない前提条件かと思います。個々の施策につきましても省を挙げて現在いろいろ取り組んでいるところでございます。
#65
○青木薪次君 局長、省を挙げて取り組むのはいいんだけれども、どういうような対策があるかということを私は聞いているんです。
#66
○政府委員(鈴木政徳君) それでは、順次個々の対策につきまして御説明させていただきます。
 まず労働力の問題でございますが、不足の状況は、先ほど申しましたように、残念ながら型枠、鉄筋工を中心にしまして大変厳しい状況でございます。こうした対策のためには、基本的にはやはり建設投資が安定的、持続的に拡大していくということも必要でありましょうし、特に賃金などを含めました雇用労働条件、あるいは現場の作業環境を改善する、そういうことによりまして建設業を魅力のある産業にする、職場にするということが前提かと思います。また、有限の人材を活用する観点から、工事の平準化あるいは工程管理のもっと適正化、そういうことをしていかなければならないかと思います。
 そこで、建設業行政といたしまして、現在、建設業の構造改善を進めるということがまず必要だろうということで、昨年から構造改善推進プログラムというものをつくりまして、労働条件の改善、あるいは元請、下請といったような前近代的な関係を合理化、近代化する、あるいは生産工程を合理化して生産性を上げる、そういうようなことで足腰の強い建設業をつくり、労働条件を上げていこうということを建設業行政の柱に据えまして行政を進めているところでございます。
 しかしながら、労働力不足に対する当面の対策といたしましては、もちろん業界内で地域間の労働力の融通であるとか、あるいは工法の変更等を行っているところでありますが、ことしの八月からは各専門工事業団体と連絡をとりまして、本部レベルあるいは支部レベルで労働力の過不足がないかどうかというような情報交換をすることによって、いわゆるミスマッチを解消しようという建設労働需給情報サービス、そういうものを実施しているところでございます。
 次に、建設残土の問題でございます。
 御指摘のとおり、最近の建設需要の増加、あるいは地下空間の高度利用というようなことから、建設残土の発生量が大変ふえております。一方で、海面埋立事業等が減少してまいりまして、残土の受け入れ地の確保ということが大変難しくなっております。この問題は、特に首都圏を中心にいたしまして、私ども緊急かつ重要な課題として取り組まなければいけない課題でございます。
 この問題に対しましては、私ども昭和六十三年度から学識経験者等から構成されます総合的建設残土対策研究会を設置いたしまして二年間検討してまいりまして、九月にその結論をまとめたところでございます。その取りまとめでは、建設残土は廃棄物ではなくて貴重な資源であるという認識に立ちまして、例えば工事現場での残土の発生量をできるだけ抑制する。それから、当然のことながら受け入れ地を確保する。それから、土質改良プラント等を整備しまして、資源として有効に活用できるようにする。さらには、残土を出す事業とそれからそうした残土を必要とする事業もあるわけでございまして、そうした工事間の利用調整体制を整備しようというような内容になっておりまして、私どももこのような対策を今後積極的に推進していかなければならないと思っております。
 現に、具体的には例えば関東、中部、近畿の三地方建設局が周辺の地方公共団体あるいは関係公団等と連絡をとりまして、こうした対策を行います連絡協議会を設置しまして具体的に動き出しているところでございます。今後ともより積極的にこの点については取り組んでいかなければいけないと考えているものでございます。
 次に、公共用地の確保の問題でございます。
 この問題につきましては、事業量を確保する中で用地費を確保するというのが前提かと思いますけれども、そのほかに国庫債務負担行為等による先行取得制度の積極的な活用。それから、最近被補償者から要求がふえております代替地に対する対策等を含めました生活再建措置の的確な実施。それから、先生の御指摘のように、大都市部の地価高騰の中で用地だけを確保するということは不可能でございますので、立体道路であるとかある
いは沿道の区画整理等と一緒になった手法というような効率的な事業手法の活用。さらには土地収用制度の的確な運用、そういうようなことを総合的に進めながら用地の確保を図っていかなければいけないと考えているところでございます。
 最後に、建設資材でございます。
 当然のことながら、建設資材の安定的供給の確保が図られなければ公共投資の確保もできないわけでございます。そこで、建設省といたしましては従来から主要建設資材につきまして、需給状況あるいは価格の動向というものを常時把握するように従来から調査を実施し、また需要予測等を行いまして、この情報をもとにして関係省庁それから関係資材業界等と情報交換、意見交換等を行いまして建設資材の安定的な供給の確保に努めているところでございます。
 具体的には、建設資材需要連絡会ということで、建設、農林、運輸の発注三官庁と業界団体等で、私どもの調査をもとにしまして常時連絡体制をとっているところでございます。また、通産省とも常にこの問題につきましては連絡をとっております。また、公共投資を中心といたしまして中長期的な需給見通しということを立てることも業界にとっても必要なことでございますので、この点につきましても鋭意実施しているところでございます。
 さらに、全体としては資材が間に合っても、地域的あるいは時期的に需給の引き締まっているところが出るというようなこともございますので、地域ごとの建設資材の需要予測あるいは需給情報の整備、そういうことも現在行っております。具体的には全国九ブロックで、関係省庁それから関係団体と連絡をとりまして、地域的な跛行がないように十分連絡をとっているという現状でございます。これにつきましてもより詳細な、正確な情報交換を行うことによりまして、今後とも資材の確保に努めていく考えでございます。
#67
○青木薪次君 今お話しのありました、若者が建設業への就職を希望しない理由といたしまして、六Kということが言われておりますね。六Kというのは、危険である、汚い、きつい、給料が安い、休日が少ない、格好が悪い、これが六Kと言われているものでありますが、建設産業の労働時間とか賃金水準とか福利厚生等の労働条件の実態は、他産業に比較してどの程度悪いのか、この点を説明してください。
#68
○政府委員(鈴木政徳君) 大変残念なことでございますが、先生から御指摘のような事実もあるわけでございます。
 数字的に申しますと、まず賃金でございますが、今正確な数字を手元に持ち合わせておりませんが、大体他産業に比べまして九四%ぐらい。あるいは最近少し差が詰まっておりまして、従来に比べますとこの差が縮まってきてはおりますけれども、まだ差がございます。
 もう一つ労働時間でございますが、他産業に比べまして月にして九時間から十時間ぐらい労働時間が長いという統計結果が出ております。これも従来に比べれば差は幾分縮まってきております。
 いずれにいたしましても、業界と行政も支援をいたしまして、こういう問題についてはぜひ労働条件をよくしていくということで、今後とも進めていきたいと思っております。
#69
○青木薪次君 今、労働力の需給関係について大変深刻な状態があるわけでありますが、これは建設業だけではなくて、例えばトラックとかタクシーとか、こういうような関係は特に深刻だと思います。しかし、建設業もそのような状態だと思うのでありますが、ひとつその点については、今局長のおっしゃったように、建設産業を活力と魅力ある産業に育成することが肝要であって、そのためには業界自身の自助努力は当然といたしましても、行政側においても収入の確保とかあるいはまた休日の確保といったような問題、労働時間の短縮と労働環境の向上等について政策的に支援していく必要があると思うのであります。具体的にはお考えになり実施されていると思うのでありまするけれども、どういうようなことを考えていらっしゃるか、お伺いいたしたいと思います。
#70
○政府委員(鈴木政徳君) 大変基本的かつ重要な御指摘でございます。
 例えば労働時間につきましては、来年から所定内労働時間が短くなる、中小企業も四十六時間ということになるわけでございます。そこで、当然建設省といたしましてもそういうことが守れるように業界を指導してまいりますが、幸いに人手不足ということ、人を確保しなければいけないということから、建設業界でも労働時間の短縮、特に休日の確保ということが業界の現在最大取り組み課題となっておりまして、各県の建設業協会ごとに取り組みをして、何らかの形で週休二日制の導入も現在検討しているところでございます。建設省におきましても、例えば建設省の工事現場で週休二日制を完全にとるというようなことをしなければいけないということで、大臣の指示もございまして、先般から建設省関東地方建設局におきましてモデル現場をつくって、完全週休二日制をやった場合にどういう問題が起きるか、例えば日給の労務者につきましては休みがふえれば収入が減るというような問題もあるわけでございますので、そういう問題を具体的に取り出してみて今後対策を検討するというようなことで、モデル現場で現在実施を始めているところでございます。
 また、収入の面と申しますと、これは大変難しい問題でございます。基本的にはこれは労使関係の問題にならうかと思いますけれども、私どもとしましては、現在取り組んでおります建設業の構造改善推進プログラムにおきまして、やはり企業が足腰の強い経営基盤を確立しなければ当然給料も払えないし職場環境もよくならないわけですので、生産工程の合理化あるいはソフト面を含めた経営能力の向上、そういうようなことに行政としましても最大の支援をするというようなことを中心に施策を講じているところでございます。
#71
○青木薪次君 最後の質問でありまするけれども、労働時間の短縮は必要だ、やらなきゃいけない、それから人手不足は深刻だ、こういう相反するかのごとき問題に立ち向かって生産性も上げなければいけない。例えば、建設ロボットというようなことも今盛んに叫ばれているわけでありますが、いずれにしても国際的に見てやっぱり日本の労働時間が長いということになりますれば、この問題についてはどうしてもクリアしなきゃいけないということになるわけであります。
 そういう点などを考慮した中において、魅力のある職場にしなきゃならぬ、あるいはまた労働時間短縮、休日をふやすというような問題にも対応しなきゃならぬということでありますので、その点について、建設ロボットの関係について最後に一点質問いたしまして私の質問を終わります。
#72
○政府委員(鈴木政徳君) 御指摘のように、生産工程を合理化する、あるいは労働災害をなくすという観点から、建設ロボットの導入というのは大変大きな基本的な課題で、私どももこれに取り組んでいるところでございます。
 建設省としましては、具体的には建設ロボットの技術開発に対する支援それから導入普及支援策、この導入普及支援策としましては、例えば建設ロボットを導入したものについて税制で優遇をするというようなことで現在取り組んでいるところでございます。技術開発につきましては、従来から建設省の総合技術開発プロジェクトという中で一つの大きなテーマとして取り組んでいるところでございます。税制のほかに、今後もロボットの導入のための支援策等につきましては、先生御指摘のとおり、より積極的にいろいろ考えていかなければいけないと思っておる次第でございます。
#73
○委員長(矢田部理君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十二分開会
#74
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#75
○西野康雄君 私は、長良川河口ぜきの問題について質問したいと思います。
 最近、岐阜県知事を初めとして多くの方々が大阪や東京の声に惑わされるんではないとか、それから十二月十四日の新聞報道によりますと、長良川河口ぜき問題の当事者は下流六十万の県民であり、東京、大阪の方の発言によって左右されることは法治国家にあってはならないことだ、こういうふうなことを岐阜県知事がお述べでございます。また、多くの方々の、他の地域からの反対運動であって住民は全く反対運動をしていないんだ、そういうふうな趣旨の発言も聞きます。
 しかしながら、朝日新聞名古屋本社の世論調査、ことしの十月に実施されました。それによりますと、六八%が工事の中止または凍結、あるいは岐阜県地方自治センターのアンケート調査では批判論が七九%、これは八月に実施されております。また、松下政経塾岐阜地区委員会のアンケート調査、これも十月に今年度実施されておりますが、海津郡の住民を調査の対象としてはっきり反対が三七%強、こういうわけで河口ぜきの事柄に関しては、長良川の川沿いの人たちが皆危険である、こういうふうな思いを持っております。また、長良川河口ぜきに反対する流域連絡協議会の皆様方が署名を集めたところ、本年だけでも、まだきっちり集約しておりませんが、十数万名を超えました。こういうことから見ましても、流域住民の方々の長良川河口ぜきに対する不安というものは大変なものだということをまず前置きをして、そしてまた、ほかの東京だとか大阪の声だけなんだという批判は当たらないということを言明させていただいて、質問に入りたいと思います。
 一番根本においては、なぜ長良川に河口ぜきをつくるのか。昨年十一月三十日に私が質問をいたしました。そのときに近藤河川局長は、
  長良川は昭和三十四年、昭和三十五年、昭和三十六年の大出水により、大変地域の治水の安全度が危険になった結果、その安全性を検討して基本高水流量八千トン、そのうち五百トンを上流ダム群で洪水調節し、河道で七千五百トンを流下させることとして、昭和四十年に木曽川の水系工事実施基本計画を策定したものでございます。河道で七千五百トンを安全に流下させるためには、現在の長良川の河積が大変不足をしております。
  一つの案としては、堤防を広げる、それから堤防を高くする、かさ上げをする、河道をしゅんせつして洪水の疎通を図る、その際に従前以上に塩分の遡上が考えられますので河口ぜきによって塩水遡上をとめる、こういう案を比較検討いたしました。最も経済的にも社会的にも妥当であるものとしてしゅんせつ及び河口ぜきの案を策定したものでございます。計画どおりしゅんせつを行えば、現在は十五キロ地点まで遡上している塩水が三十キロ付近まで遡上するわけでございますので、塩害のない地域まで拡大することが懸念され、それを防止するためにこのせき及びしゅんせつ計画を策定したものでございます。
こういう答弁でございました。これは議事録から出してまいりました。
 答弁に間違いございませんか。
#76
○政府委員(近藤徹君) 昨年のこの委員会で申し述べたとおりでございます。
 なお、つけ加えさせていただければ、長良川というのは江戸時代に薩摩武士が河川改修を手伝ったということがあるくらい、大変治水上悪条件下の川でございます。全国でもゼロメーター地帯の三分の一がこの地域に集中しているような状況でございます。明治初めの直轄改修の当初から長良川等の改修に入ったわけでございますが、当時、改修計画は当時の流量で毎秒十五万立方尺、四千百七十トンという計画でございました。昭和十年に見直しましたが、ほぼ同様の四千四百四十五トン。昭和三十年代の洪水まで四千五百トンという計画でまいっておりまして、明治以来それほど規模の改定をしない状況で、とにかく網のように流れております木曽三川の川を背割り堤で分離して、木曽、長良、揖斐川の三川に整理する工事を極力進めてまいったわけでございます。
 なお、昭和二十年代に、二十二年、二十三年と東日本はキャスリーン、アイオン台風によって徹底的にやられましたし、また昭和二十八年に西日本で大災害が起こりましたが、幸か不幸か、この長良川では昭和三十年まで大きな災害がない状態でございましたが、治水の緊急性は極めて高いという状況下で、三十四年、三十五年、三十六年と大洪水を迎え、とりわけ三十五年でございますが、当時、流域の上流ではんらんをしていたものが、もしはんらんしなかったとすればほぼ八千トン規模の洪水になったのではなかろうかというほどの大水害でございました。それらを検討しまして、今おっしゃいましたように八千トンの基本高水、七千五百トンの河道計画としたものでございます。
 また、流域の住民のことでいろいろお話がありましたが、愛知、三重、岐阜三県の人口は一千四十三万でございますが、長良川流域内の人口は八十五万でございます。そういう意味では、この長良川流域内の皆さんのために岐阜県知事がこの推進を訴えていることは当然なことだと考えております。
#77
○西野康雄君 岐阜県知事は三重県の桑名だとか長島町の住民の不安を御存じないわけです。ですから、岐阜県知事が言うことは全く当たっておりません。そして、河道計画、洪水を防止する、洪水を疎通するということで利水計画の方が非常に消えております。しかしながら、例えば第三十九回国会衆議院建設委員会、一九六一年十月十日に開かれたのを見るというと、山内政府委員は木曽川水系について「ほかの水系と同じように多目的のダムとか、あるいは長良川の河口にせきを作るとか。そういうことによりまして、水資源の開発をやって参りたい、こういうふうに考えております。」こう答え、また同じく六一年十月十三日に開かれた衆議院の建設委員会で鮎川説明員は、これは建設省の河川局次長ですが、「その流量をできるだけ増すというための施設を、ダムを作りましたり、河口せき等を作りましたり、これは流量を増すための施設でございます。」、こういうふうに答えております。だから、利水が行き詰まってそして治水になっていったというふうなことはもうこれでおわかりになるかと思います。
 さて、私が問いたいのは、河積が不足をしているということがわかっておりました、そうしたならば、まず真っ先に流域住民のためを考えるならば、しゅんせつをする。塩害防止だとかそういう前に、まず人命が大事ですから、しゅんせつをするということが基本ではないかと思います。洪水を疎通させるという、なぜそのしゅんせつを第一義に持ってこなかったのか。河口ぜきをつくっている間に大きな水が出たときどうなるのか、そういうことを考えた場合、しゅんせつがまず第一じゃないですか、お答えください。
#78
○政府委員(近藤徹君) まず、しゅんせつということは当然でございます。私どもは、過去に各河川でしゅんせつ工事を大いに実施して河道の流量を増加する事業を実施してまいりました。例えば利根川におきましては、昭和二十年代から三十年代にかけまして大規模しゅんせつをしたわけでございます。その結果、利根川下流においては、昭和三十三年の渇水時に三万ヘクタールの地域の農地が干害で大損害を受けると同時に、利根川下流の水道が塩分化するという大変社会的な不安を招くような被害になったわけでございます。
 我々は、これらの知見を踏まえまして、長良川においては先輩の教訓を教訓とし、まず河口ぜきをつくってその後にしゅんせつするという最も妥当な計画を採用したものでございます。
 なお、三重県桑名、長島におきましても、先ほどの計画については高潮対策等を十分説明し、御理解を得ているところでございます。
#79
○西野康雄君 河口ぜきをつくって、それからで
ないとしゅんせつをしない。しかし、昭和五十一年の安八町水害を見たときに、しゅんせつが一番大事であった、しゅんせつさえあったならば洪水が容易に流下できたのではないか。これはもうあなた方の出している説明書の中はも書いてございます。そうすると、真水をとる、これは取水口を上流に持っていけばそれで足ることなんですよ。そうでしょう、中川の導水路計画を見ましたら。そうすると、取水口を今までも上の方に持っていったりして、長良川でもそれだけの事例があるんですよ。
 まずしゅんせつが第一なのになぜしないのか、もう一度御答弁ください。
#80
○政府委員(近藤徹君) 先ほども申し上げましたとおり、例えば利根川の事例でも言えますように、我々はしゅんせつを先にしたためにかえって社会不安を増加するような事態も招いた経験を踏まえまして、長良川においては、塩害を発生させずに河道の流下能力を増すことが最も適切な計画であるという判断のもとに、まず河口ぜきを建設し、その上で大規模しゅんせつを進めるという計画に基づいて実施しているところでございます。
 当然ながら、昭和五十一年の水害におきましても、長良川河口ぜきが完了し、大規模しゅんせつが完了していたならば、当時、警戒水位百時間以上上回った水害時においても水防団の活動時間百時間が恐らく六十時間ぐらいになったであろう、水位も約一メーターぐらい低下したのではなかろうかと想定されておりまして、あの破堤もあるいはなかったかもしれません。仮に水位を一メーター低下させますと堤防の厚さを四メーターぐらい厚くしたのと同等の価値があるわけでございますので、我々としては、この大規模しゅんせつを早期に完了させる意味でも長良川河口ぜきの建設を急いでいるところでございます。
#81
○西野康雄君 だから、取水口を上流に持っていくという前例があるんですよ。前例があって、それでもなおかつ河口ぜき建設にこだわっているうちに昭和五十一年の安八町水害が起きたんです。しゅんせつを第一番に持ってくるのがこれは当然のことであって、そうすると安八町水害は今おっしゃったとおり防げたわけです。上へ持っていくという作業をしないで河口ぜき建設だけを急いでいる、そしておたおたしている間に安八町水害が起きた。これはやっぱり国の過失です。
 そしてまた、塩害塩害とおっしゃるけれども、この塩害の原因というものがはっきりしていない。伊勢湾台風で高潮で田んぼが水につかった。その当時でも最高額が四千九百八十六万円です。一九八三年には長島町では二百六十七万円、たったこれだけしか塩害が起きていないんです。あなた方は塩害塩害とおっしゃるけれども、わずかこの二百六十七万円。漁業補償だけで何百億と使っている。漁業と農業、二百六十七万と、そういうふうなことは非常に論理として矛盾をしてくると思いますが、どうですか。
#82
○政府委員(近藤徹君) まず、現在十五キロメーター地点まで塩水が遡上しております。その付近は塩水に囲まれておりますので、それに隣接している農地等は地下水あるいは土壌が塩分化しているために大変な努力によって何とか塩害を未然に防ぐ努力をしておるわけでございます。
 例えば長島輪中におきましては、岩屋ダムを初めとする木曽川用水ぜきによる水資源の開発、それからパイプライン等によって水を輸送してきて、なおかつ畑地の中に真水をかけることによって何とか塩害を防いでいるような状況でございますが、それでも地下にあります塩水のために塩害がたびたび発生して農作物等に影響を与えている。そのために従来農作をしておった田んぼ等も宅地に転換する、あるいは養鰻場、養魚場等に生活設計を変える等によって住民の忍耐の中で今この塩害の対策をとっているというのが現状でございます。
 さて、この十五キロ地点まで遡上している塩分が、仮に大規模しゅんせつによりますと三十キロ地点ぐらいまで遡上することが予想されております。そうしますと、高須輪中地点、今は真水に囲まれている地点がこれから塩水に囲まれることになりますので、当然ながらこの取水口から取水している農地等約三千ヘクタールは塩害によって農作物ができなくなってまいります。また、これから取水している六十社、七十工場の企業が塩水によって操業不能に追い込まれるおそれがあるわけでございます。
 そこで、今おっしゃいましたように、取水口を上流に移すような考えはないかと言いますが、先ほど言いました地下水あるいは土壌の塩分化等は避けられません。仮にまた上流に移転したといたしましても、現在と同規模程度のせきを上流に建設すること及びせきを建設した地点から下流における維持用水が不足いたしますので、これらの用水を確保する意味では上流に新たな水源のダムを建設する必要があり、相対的に考えてこれらは現実的でないという判断をしております。
 我々は、長良川河口ぜきの建設が最も現実的で、早期に住民の皆さんの治水の安全度を確保する上で最善の策だと考えてこの事業を実施しておるところでございます。
#83
○西野康雄君 工業用水の話が出ましたが、工業用水は既にもう横ばいであるということはおわかりじゃないですか。それを、あえてなぜそういうふうな工業用水が必要だとか、余ってくるものが随分とあるにもかかわらず工業用水利水論を持ち出してくるのか、まことにもって不思議でございます。
 そしてまた、わずか二百六十七万の塩害のために、せきをこしらえるのは潮どめだと、何百億とかけて二百六十七万円のためにやってくる、まことにもって不思議な限りでございます。そしてまた、地下の塩水化、塩分化というものは、海水が遡上をしてきてそれが地下水の塩水化につながっている、こういうふうなことをあなたはおっしゃいました。浸透水とおっしゃいました。しかし、地下の水分が塩水化するときには、例えば淡水の過剰なくみ上げによって海水から直接入ってくる、あるいはこのあたりの土壌からいきますと、もとは海でございましたから化石水が上へ上がってくる、あるいは海成粘土層に淡水がぶつかってそしてそれが塩分化する、いろんなことが考えられます。
 そういう調査はなさいましたか。したかどうかだけ答えてください。
#84
○政府委員(近藤徹君) まず、塩害について金額でわずかとおっしゃいましたが、先ほども申し述べましたように、この地域の農家の方々が大変な忍耐の中でさまざまな努力をし、水源の確保あるいは常時農作業の中で塩害を発生させないような努力の中でなおかつ発生した塩害でありますので、これを金額だけわずかと言うのは地域の皆さんに対してはいかがかというふうに思っております。
 それから、今おっしゃいました先生の説も塩害発生のメカニズムとして一つの説かと思いますが、これらについては、私どもはそういう根拠がどこから出てきたのかちょっとはかり知れないものでございますので、またそういう根拠をお示しいただければ研究してみたいと思っております。
 ただ、私どもの観点は、木曽三川は沖積作用によって各輪中ができておる。そして、この各陸地の中にも旧河道が網の目のように流れておった形跡がある。したがって、河川水が塩水となりますと旧河道の水道を通ってたちどころに輪中の中に塩水がしみていって、それが網の目のように各地盤の中に入っていって地下水が塩水化し、土壌の塩分化につながっていくというのが最も現実的で合理的なものであると考えまして、まず、その隣接している河川水を塩水化させないことが最も妥当な方法だろうと考えておる次第でございます。
#85
○西野康雄君 河川工学上、塩水化の原因というのは今挙げたものが随分とあるので、それをただ河川からの塩分遡上によってそこを堤防にしたからしみ出してきたんだと、そういうふうな説だけではとてもじゃないですけれども納得できないわけですよね。
 そしてまた、「いきいき中部」、こういうふうな
パンフレットをお出しでございます。その中にも塩害が出ておりますけれども、この写真の「塩害を受けている田」、これを二つ見るというと、非常に不思議なことがわかる。一つは「塩害を受けている田」として昭和六十一年三月、三月に田植えをしたり、稲刈りをしたりするところはないわけで、不思議な写真だと思います。二十八ページ目、この塩害のパンフでございますけれども、どう見ても田植えをして後でほったらかしである。
 この両方ともまず写真のあれは長良川の塩分が遡上してきた、そして塩害が起きたと考えられるところですか、お答えください。
#86
○政府委員(近藤徹君) まず六十一年三月はこれは手違いでございまして、六十三年七月だそうでございます。その後発行した資料には訂正をしておるそうでございます。
 それで、これらの田んぼはいずれも長島輪中地帯のものでございまして、それぞれの土地の所有者も確認していると聞いております。
#87
○西野康雄君 二十八ページ目は、長島町十日外面というところの百十七番地から百二十七番地あたりのものでございます。確認をしているということですが、私どもが足によりをかけて調査をいたしましたならば、ここは業者に任す田植えだけをする、排水が悪い、そうすると排水が悪いものだから当然枯れてくる、時期を見計ろうて塩害ですというふうなことで共済の方にいくと共済金がおりてくる、こういうことです。してみると、正確な塩害だとかそういうふうなものはあなた方は把握していないんじゃないか。
 ついでに言うならば、この十日外面の田んぼでございますけれども、知り合いが長良川のしゅんせつ工事をやっておるそこの一族だそうでございまして、水資源開発公団に、ここに長良川のしゅんせつした土を入れてくれたならばまたつくれるんですけれども、なかなか入れてくれないんですよ、こういうふうなお話でございました。そしてまた、長島町のこの千百六十五番地でございますね、ここは六十三年七月の撮影と言っておりますけれども、ことしは塩害もなく排水をきちんとやったならば稲が実りましたよということです。
 塩害の実態をどういうふうにして把握なさっているんですか。
#88
○政府委員(近藤徹君) それぞれ農作業に従事している方は懸命に塩害の発生を防いでいるということは先ほども申し述べました。その中で残念ながら撮影したものでございますから、それが私は、農作業をサボったとかいう形で非難されるのは、当を得ていないんではないかと思います。
 ただ、この塩害はどこの地点で何年にどのように起こるかということは大変難しい、予測ができない問題だそうでございます。それは先ほども申し上げましたとおり、こういう輪中の中というのは水道が網の目のように流れていて、どの部分を通って塩水がいつの時点で出るかということを予測できないために、ある年は発生する、一般的に言うと前年発生したところは翌年は別なことで休耕にするということが多い事例のようでございます。それらの時点で、先生がおっしゃったこの田んぼが今年耕作しているかどうかについては私は承知しておりませんが、大変地域の皆さんは今でも危機一髪の中で塩害を防ぐ努力をしていると私どもは聞いております。
#89
○西野康雄君 聞いているだけで、実際調査したわけじゃないでしょう。私どもはちゃんと調査して、業者に田植えを任せているそういうふうな話も全部聞いてきているわけです。あなた方は塩害の実態というのは何もわかっていない。だからこそ塩害を持ってこなければ河口ぜきはつくれない、もう既に利水の論理も破綻をしている、治水の論理も河口ぜきというものにおいては洪水の疎通が妨げられる、そんな中で唯一のよりどころが塩害です。真っ先にしゅんせつすべきものを塩害だ塩害だと、取るに足らない塩害で、しかもお金で解決がつく、そういうふうな問題に対してあなた方は塩害だ塩害だというふうなことで逃げようとなさっている。本当に地域住民のまさに生命、財産を考えるならば、今真っ先にせき建設を中止して、そしてしゅんせつ作業というものをきっちりと行っていく、これが当たり前の人の道ですよ。
 近藤さん、あなたは政治家になるわけでもなし、そしてまた、どこそこ建設へ天下りするわけでもない。非常に良心的なあなたですから、そのあたりのことはよくおわかりだと思う。今ここで英断を下さなければ、まさに安八町水害がまた起きてくるし、安八町の水害というものが予想されたわけですよ。真っ先にしゅんせつしてやらないと、安八町の皆さん方にも申しわけが立たないんじゃないですか。やっぱり、そういうお金の解決で済むようなことならば金で解決すればいいじゃないですか。
 何千ヘクタールというけれども、もう既に高須輪中だとか海津町、平田町とか長島町では用排水路が整備されているんですよ。そんな中で塩害だ塩害だ、塩害論をまだぶっているというのはおかしなことですよ。我々は治水に関して一貫して何も反対しているんじゃないんですよ。こういうふうな安全を考えるならば、まずしゅんせつをしてあげなさい。サツキマスだってあなた方は高度な技術でたくさんあっちこっち放流しているじゃないですか。そういうことを考えますと、まずしゅんせつが第一だと、引き堤だとかそういうことができないならば、それをやってやるというのが当たり前と違いますか。もう一遍お答えください。
#90
○国務大臣(綿貫民輔君) 西野さん、大変断定的なお話ばかりされますが、私どもはやはり国民の生命、財産を守るというのが最高の目的だということで、この長良川河口ぜきも計画したわけであります。先ほど来治水の問題とか塩害の問題もありますが、今まず塩害は大したことないから先にしゅんせつしろという御発言でございますが、これは沿川の人に非常に大きなショックを与えると思いますよ。これは一遍長良川の縁へ行ってやってみてください。私はそういうことを考えますと、やっぱり生命、財産を守り、塩害からも守り、しかも自然破壊というふうなことを言われますから、これも十分留意をしてやると、こう申し上げておるわけでございますが、何か二者択一みたいなお話でございますので、余りそんなことを言われるとこれは大変な誤解を招くと思いますので、私どもはそういうことで整々と長良川河口ぜきはやっていくということでございます。生命、財産を守る、こういうことでございます。
#91
○西野康雄君 生命、財産、塩害のことに関しても私どもも十二分に周辺の皆さん方の御意見をお聞きした、その上で私は申し上げておるわけでございます。時間がやってまいりましたので、ここに多くの質問を用意しておりましたけれども、残念でなりません。
 しかし、生命、財産を守るために英知を傾けていく、これは一番大事なポイントでありますし、河口ぜきというものは、まさに洪水の疎通に関してもいろんな面においても長島町や桑名市の住民に対して大変な恐怖感を与えておることもこれまた事実でございます。そして、塩分化したところでも、ナシをつくったりいろんなことをしております。みんなそれぞれ工夫をしながらでも塩分というものに関しては、そういうふうな農家に対して大変に失礼だと言っておりますけれども、もっと農家の方々の方がたくましく、そして既にいろんな施設ができておる。こういうことを御指摘申し上げて、私の時間がやってまいりましたので、また改めて来年やらせていただきます。
 ありがとうございました。
#92
○種田誠君 私の方は、かわりまして住宅問題について伺いたいと思います。
 ここ数年、土地の高騰などによって、大都市を中心にまさに持つ者と持たざる者との資産格差が個人の努力を超えるまでになってしまいまして、率直に言いまして、住宅問題に関しては大都市においては当たり前に働くサラリーマンにとってはあきらめの境地にも至っている、こういうふうな状況にあるものとも思われます。そういう中で、第六期の住宅建設五カ年計画が今策定をされております。策定に当たっている皆さん方におきまし
ては、十二分に土地の高騰やら、ただいま申し上げました住宅に関する現状やら、そういうものが認識された上で計画案がつくられているのだろうと思いますが、まず冒頭、第六期住宅建設五カ年計画の現状における特徴というか、新たな住宅のニーズにこたえるための基本的な考え方とか、そういうことをお伺いしたいと思います。
#93
○政府委員(立石真君) お答えいたします。
 第六期の住宅建設五カ年計画につきましては、今年度中に策定するべく現在鋭意作業中でございまして、今後関係各省庁とも調整し、あるいはまた住宅宅地審議会からの意見をお聞きいたしまして、年度内に閣議決定されるように進めているところでございます。
 この第六期の住宅建設五カ年計画の策定に当たりましては、基本的な考え方といたしまして、国民が我が国の経済力にふさわしい豊かさを実感できる住生活を実現できるように、そういうような観点から、住宅宅地審議会答申において指摘されております事項でございますが、一番目に良質な住宅ストック及び良好な住環境の形成、また二番目に大都市地域における住宅宅地問題の解決、高齢化社会への対応、地域活性化等に資する良好な居住環境の形成、こういうような四つの重点課題に対応することを中心といたしまして現在作業を進めているところでございます。
 また、具体的には、居住水準につきましては、平成十二年、西暦二〇〇〇年でございますが、平成十二年を目途に全国で半数の世帯が、さらに二十一世紀の初頭にはすべての都市圏で半数の世帯が誘導居住水準を確保することを一つの目標とし、さらにこのために、平成七年度におきまして住宅一戸当たりの平均床面積を約九十五平米にするように拡大していくこと、そしてまた第三に、最低居住水準はすべての世帯が確保すべき水準として、特に大都市地域での最低居住水準未満世帯の解消に努める等を目標とする予定でございます。
 このような重点課題に沿いまして、住宅建設戸数につきましては、計画期間中に第五期五カ年計画を大幅に上回る七百四十万戸の建設を見込んでおりまして、このうち公的資金による住宅建設戸数につきましては三百八十方戸の建設を確保したいと考えているところでございます。
#94
○種田誠君 ちょっと一、二点だけまず疑問点などを伺いたいと思うんです。
 第五期の五カ年計画の計画と実績見込みというのを拝見しましたらば、借家系でありますが、第五期五カ年では二百四十六万戸を予定しておった。ところが、実績見込みとして四十一万四千七百戸という数字が出ておるんですが、このときの持ち家系と借家系の比率、計画段階の比率と実績見込みが大分数字が違っておるように思うんです。その辺はどういうことからこのような事態が発生したのかということ、このことをまず伺いたいと思います。
#95
○政府委員(立石真君) 第五期の五カ年計画におきましては、持ち家系、借家系の率を六三%、三七%というように想定いたしまして、借家は六百七十万戸のうち二百四十六万戸を計画しておったわけでございます。これに対しまして、実績といたしましては全体では八百十六万戸、そのうち借家系は四百十四万戸建設されたわけでございます。非常に借家の建設実績が予想以上に大幅に上回ったものと考えております。この状況につきましては、六十年代におきましては非常に低金利の時代が続きまして、この低金利によって借家が大いに建設をされたというように考えておるところでございます。
#96
○種田誠君 借家が建設をされてきた、いわゆる賃貸ですね、このことは今日の住宅の一つの置かれている位置、そういうものをあらわしているとは思いませんか。
#97
○政府委員(立石真君) 借家が大変建設戸数が多かったわけでございますが、質的な面から見ますと、非常に小さな規模のものが多くを占めておる状況でございます。大都市地域におきまして、地価高騰によりましてサラリーマンが新しく住宅を持とうとすることが非常に難しい状況になっておるのが昨今でございます。こういうものに対しまして借家が供給されておるわけでございますが、その供給されている民間での借家については非常に狭いものが多く、今後の長期的な住宅ストックとしては十分でないというように考えております。
#98
○種田誠君 そうしますと、先ほど来もちょっとお話がありましたが、公的住宅は約三百八十万戸予定しておる、こういうお話でしたね。その中で、今のような局長の分析を前提にして、六期五カ年で予定されている公的直接供給住宅は全部で何戸になっておりますか。
#99
○政府委員(立石真君) 現在計画しております公的事業主体が直接供給する住宅といたしましては、借家系につきましては四十九万戸を予定しているところでございます。
#100
○種田誠君 先ほど来お話の出ていますように、大都市地域においていかに居住水準の中において国民のニーズにこたえるような形での、しかも借家住宅を国が責任を持って提供していくかということになりますと、果たしてこの数字で十分でしょうか。
#101
○政府委員(立石真君) 第六期の五カ年計画案として現在考えておりますのは、三百八十万戸のうち、公営住宅、改良住宅、公団住宅等、公的事業主体が直接供給する借家系の住宅もございますが、それと同時に住宅金融公庫融資等の資金援助による住宅の建設も推進し、あわせて民間の貸し家住宅建設等も施策により奨励していく措置等を加えていきたいと考えておりまして、これで需要に対応していきたいと考えているところでございます。
#102
○種田誠君 民間とただいまの公的直接供給の賃貸の割合が大体一七%ぐらいになっておるようなんですね。第五期の結果からいいまして、先ほど民間の居住水準の悪い住宅が大幅にふえてしまってきていた現状があったわけですけれども、その辺のところの兼ね合いにおいて、果たして向こう五年間、いわゆる借家の住宅に関する公的な供給が一七%という割合で十二分にこれに対応できるとお考えでしょうか。
#103
○政府委員(立石真君) 公的な借家に加えまして民間の住宅につきましても、例えば農住住宅等、施策による公的な援助を加えながら行う民間住宅等についてはかなり良質なものが建設されるというように見ておりまして、こういうものを通じましてニーズに対応するべく努めていきたいと考えております。
#104
○種田誠君 その点は、そのような視点に立って、なお一層の具体的なニーズにこたえるような施策を展開していただきたいと思うわけであります。
 次に、昨年一年全国至るところで、住宅に関してのマスタープランをつくるとか住宅に関する計画をつくるとか、こういうふうな提案がなされてまいりました。東京都においても、来年は住宅に関するマスタープランをつくり上げるということです。そして、東京都内における文京区においても墨田区においても中央区においても世田谷区においても、住宅供給計画をつくっていくということであります。また、地方都市の宮城県などにおきましても、住宅に関して地方独自の計画案をつくってやっていくという、そういう話も出ております。そして、十二月十一日の新聞をちょっと拝見しましたらば、三大都市圏周辺だけで十年間で七百万戸、正確には七百四万戸らしいですが、七百四万戸の公団、公営、それから民間の住宅を供給する、こういうふうな計画案も出されております。
 何か、住宅に関して昨年一年全国的に国も地方自治体も総花的に住宅を計画しているんだという、こういうふうなことになっているようなんですが、この辺の建設省における全国的な統一性というかトータルとしての計画、これはちゃんと位置づけておるんでしょうか。
#105
○政府委員(立石真君) 全国的な調整につきましては、やはりその基本となりますのが住宅建設五
カ年計画によるものだと考えているところでございます。
 ただ、今先生御指摘のとおり、地方公共団体におきまして、都道府県、市町村といいますのはその地域の住宅事情や、あるいは住民の生活について一番熟知しているわけでございますから、その地域の特性に即した住宅の計画を立てていくことは非常に政策を展開する上でも重要な課題だと思っているところでございまして、そういうような意見あるいは動き等をとらえて国全体としての住宅供給策を進めていきたいと考えているところでございます。
 なお、住宅建設五カ年計画の策定に当たりましては、住宅建設計画法の規定によりまして、全国計画につきましては都道府県知事が市町村長の意見を聞いて作成し提出した資料を参酌することとし、また地方住宅建設五カ年計画におきましては、関係都道府県の意見を聞くというような手順になっておるところでございまして、これらを通じまして地方公共団体との調整を図りつつ、先ほどの先生の御指摘がありましたように、地域の意見をできるだけ取り入れた全体としての体系の組み方を図っていきたいと考えております。
#106
○種田誠君 今いみじくも局長から提案があったわけでありますが、まさにこれからの住宅はより人間的な意味での豊かさやゆとりを実感できる、また地域の町づくりの中で住宅環境かつくられ住宅が建設されていく、こういうふうなことでないと本当の国民の住宅のニーズにはこたえられない。そういう中で、今まさに地域から、自分たちの自治体の力で自分たちの計画で住民の意見などを聞きながら住宅計画をつくり上げようという、こういうふうな流れが生まれているわけであります。
 そういう中で今、私は率直に申し上げまして、五カ年計画というこの住宅建設計画法による計画だけでは十二分にこれを把握できない、そういう事態に陥っているのではないだろうか。まさに今、住宅に関しての一つの方式として、トップダウンの方式からボトムアップの方式へという、こういうふうな形での法体系の整備をしなければならない時期にあるのではないだろうか。そうでないと国民のニーズにはこたえられないと思いますが、いかがでしょうか。
#107
○政府委員(立石真君) 先ほど申し上げたわけでございますが、全体の住宅需給について考え、それを全国のベースで、またそれらを地域のベースで総括していくということになりますと、それはやはり住宅建設五カ年計画という形で実現していくのが妥当だというように考えているところでございます。
 しかしながら、大都市地域における住宅問題につきましてはこの住宅建設五カ年計画だけではやはり不十分だというように考えておりまして、先般の国会におきましても大都市法の改正が行われたわけでございますが、大都市法の改正に基づきまして、大都市地域での住宅宅地供給基本方針をこの年度中にも定めるべく現在作業を進めているところでございまして、これに基づいて各部府県において住宅供給計画を策定してもらい、広域的な面から大都市地域の住宅も取り組んでいく必要があろうというように考えておりまして、これらの計画あるいはこれらに基づく施策を活用いたしまして問題に対応していきたいと考えております。
#108
○種田誠君 ぜひ努力はしていただきたいと思うんですが、そろそろ日本の住宅の法体系の整備をこの時点で準備していかなきゃならない。そうでないと、これからやはり国際的な視点で日本の住宅を見られた場合に、後になってから追いつかないという事態が発生するのではないだろうかなと私は危惧もするわけであります。
 次に、国際比較の中における日本の住宅対策関係はどうなのかということを聞きたいと思います。
 とりわけ日本の住宅対策関係の予算はもとより、住宅に関する税の減免措置は国際比較の中において余りにも非力であるし、予算的にも少ない形でなされている。この辺のことに関して、国際比較の中で今住宅局の方でほどのように考えておりますでしょうか。
#109
○政府委員(立石真君) 国民の居住水準を向上していくためには、住宅対策費の拡充と同時に、住宅関係税制の充実が極めて重要な課題だというように考えております。
 まず、住宅対策費の拡充につきましては、平成三年度予算要求におきまして前年度比六%増の八千九百二十億円の国費を要求しているところでございますが、税制関係につきましては、平成三年度税制改正要望におきまして、住宅取得促進税制の拡充等を盛り込んでおりまして、その実現を図るべく努力しているところでございます。
 欧米各国との比較のお話が出たわけでございますが、各国の住宅事情も非常にいろいろな差異がございますし、また財政事情、さらには経済社会の状況等が異なっておりますので、我が国と外国とを比べてみることは一概に比較してどうこう言うことは困難ではございますけれども、住宅行政の担当者としてはまだまだ住宅減税額等については充実したいと考えているところでございまして、我が国の経済力にふさわしいような住生活を実現するために、今後とも施策の充実に努めてまいりたいと思っております。
#110
○種田誠君 今局長が申されたように、住宅対策費は、六十三年度ですけれども、日本は一・三%で、フランスが四・九、イギリスが三・〇、アメリカが一・五となっている。これとの関係においても大幅に住宅対策費が少ないということに関しては正確な認識を持っておいていただきたいと思うし、それから諸外国においてやっぱり住宅政策が国民とのかかわりにおいてぴたっといっているというのは、住宅の取得に関しても住宅の維持に関しても、減価償却の方法とか税制に関する減免の措置とか、それなりにいろいろ苦労して長い間の実績のもとにつくっているわけでありますから、日本もその辺のところのしっかりした取り組みをしないと、私は特に国際的な批判の中における住宅問題の急激な解決は難しいんじゃないかなとも思うわけでありますので、来年度当たり、来年度というか再来年度、そういう流れの中で新しい施策をぜひともこれは大蔵省などへも要望しながら確立をしていっていただきたい、こう思うわけであります。
 次に、先ほど冒頭述べましたように、住宅計画が国ばかりでなくて都道府県や市町村におきましてもさまざまな形で今提起されているわけでありますが、そういう中で家賃補助とか住宅に関する積極的な国のかかわる補助、こういう制度が考えられているやにも聞いておりますし、むしろ都道府県や市町村では高齢者に向ける対策としての家賃補助とか住宅収得に関する家賃補助とか、さまざまなものがこれまた提起されているわけであります。
 こういう問題に関して建設省として、このままの状態に地域それぞれの個性のある形だからといって放置しておいていいのかどうか、それとも何らかの統一的なこれからの家賃補助とか住宅取得に関する積極的な関与のあり方に関する施策を展開していくのか、その辺のところはいかがなものでしょうか。
#111
○政府委員(立石真君) 家賃補助に関連するものといたしましては、平成三年度予算要求におきまして二つの主要な項目を要求しているところでございます。
 そのうち一つは、まず借り上げ公共賃貸住宅制度でございます。この制度は、民間住宅を公共団体が借り上げることによりまして、中堅勤労者に対して良質かつ適正な家賃の住宅を供給しようとするものであります。従来から実施してきております地域特別賃貸住宅B型制度というものを拡充いたしまして、事業主体に対する家賃対策補助に加えまして、新たに共同施設整備費補助等を行うことを要求しているものでございます。
 また、第二番目の項目につきましては、木賃住宅等が密集している地域の環境整備と住宅供給を進める再生事業に関連いたしまして、家賃の激変緩和措置を行うために、いわゆる一般的な家賃補
助という形ではございませんが、木賃住宅等の建てかえを促進するために地方公共団体等と協力して家主に対して補助する制度でございます。
 これらの制度につきましては、各地域の特性に応じまして、地方公共団体等においてこれまで住宅対策としていろいろと企画されたものがあるわけでございますが、そういう動きに着目して、国としてもその一部を補助する制度を充実していきたいということで行おうとしているものだと考えております。
#112
○種田誠君 局長の述べたように、まさにこれは住宅問題にこたえる一つの形として、建てかえの場合、また借り上げ住宅の場合における家賃補助を強化される制度だと思うんです。
 ただ問題は、今の言葉にもありましたように、地域自治体はそのような問題があちこちと起こってきたから国の方としてもこれを考えたんだという発想ですけれども、むしろ大事なことは、国の方においてこそ新しい住宅のこの問題に対応する形としてこういう施策を全国的にどのように指導していくか、また全国的にどのように体系的につくっていくかとか、そういう視点での積極的な施策がないと、これはまさに地域の動きを見てから国が動こうなんていう、私は非常にけしからぬ発想だと思うんですね。ですから、この辺の問題に関してなぜこうなってしまったのかということだと思うんです。やっぱり地域の本当の住宅のニーズということを国の中で全部全国的にフォローしてやっていくという、こういうことが果たして、きめの細かい住宅政策とか町づくりに対応した住宅政策を考えた場合に、国がやり切れるんだろうかという問題があるだろうと思うんです。
 その辺は、私はこれからの住宅政策のあり方ということに関して、先ほど申し上げたように、やはり法全体の体系的なものから検討しなきゃならない時期にあるんじゃないだろうか。そうでないと、今申し述べられているような本当にきめの細かい視点での住宅政策は難しくなっていくんじゃないかと、こう思うわけなんです。
 大臣、その辺のところの御見解がありましたら、ちょっと伺いたいと思うんです。
#113
○政府委員(立石真君) 今先生御指摘のとおり、地域の実情をくみ上げると同時に、国としても積極的に法体系を整備しながら体系的に住宅政策を取り組むべきであるという御指摘、まことにそのとおりだと考えておりまして、最近の住宅政策につきましては、各地方自治体においても非常に住宅政策についての意欲が強まっている段階でございますので、そういう動きと連携をとりながら積極的な住宅政策の展開に努めてまいりたいと思っているところでございます。
#114
○国務大臣(綿貫民輔君) 今局長がお答えいたしましたが、住宅政策は海部内閣でも最重点課題だということでとらえておるわけでございまして、今供給面についてのいろいろの施策を立てておりますが、今後は戸数だけではなしに、やはり中身の質の問題も非常に重要な問題でございますし、それらをあわせまして今後政策的に十分取り組んでいきたいというふうに考えております。
#115
○種田誠君 そういう中で、最後にもう一点だけ伺っておきたいんですが、私はある文献をちょっと読ませていただいておりましたらば、最低居住水準以下の世帯が今全国で九・五%、約三百六十万世帯ぐらいあるという。その中でちょっと私も驚いたのは、公営、公社、公団が提供している借家住宅約七十七万戸、三百五十七万のうちの二一・五%に相当する住宅が最低居住水準以下の住宅だということがちょうどわかったわけなんですけれども、このことは間違いないですか。
#116
○政府委員(立石真君) 最低居住水準未満の世帯が三百五十五万世帯あるわけでございますが、そのうち公的な賃貸住宅が七十七万世帯、二二%を占めております。
#117
○種田誠君 これは公の機関でどうにでもなることなんですから、最低居住水準未満の住宅を一日も早く解消したいというのが第五期の五カ年計画の課題だったと思うんです。それが積み残しになっているわけですから、第六期に持ってくること自体がおかしいと思うんですね。ですから、これは七十七万戸に関しては一日も早く国の力でもって解消していただきたい。そうすることによって、初めて第六期の計画に対して国民が納得できることが出てくるんじゃないかなと思いますので、その辺のところ、最後に大臣の御見解などを伺って終わりにしたいと思います。
#118
○政府委員(立石真君) 今先生の御指摘がございましたが、これまで公営住宅、公団住宅等、公共賃貸住宅のストックは二百八十万戸となっております。そのうち七十七万戸が最低居住水準未満になっているわけでございますが、この問題は重大な問題であると私たちも意識しております。現在、公営住宅等につきましては建てかえを毎年度二万戸強進めておりまして、実績としましては三十万戸の建てかえが進んできております。また、増改築等につきましては、実績といたしまして八十万戸を超えるものがこれまでに行われている状況でございます。公営、公団、公社等につきまして、そういうように建てかえあるいは増改築等によりまして居住水準を上げていくことが大きな課題だと認識しているところでございます。
#119
○国務大臣(綿貫民輔君) ただいま局長もお答えいたしましたが、最低居住水準の向上のために全力を挙げて努力したいと思っております。
#120
○白浜一良君 私は、まず初めにその後の花博について伺いたいと思いますが、九月三十日で、いろんな問題を抱えながら当初の予定を上回りまして我が大阪におきまして花博が終わったわけでございますが、その後の問題で、新聞報道によりますと、この花博の剰余金が五、六十億余るであろう、いろいろ跡地整備した上で、そういう報道がなされているわけでございます。いわゆる今までの博覧会もそうでございましたが、剰余金等を利用いたしまして記念財団ができておりますが、この花博に関しましてもこの剰余金を利用いたしまして記念財団をつくられる意図があるのかどうか。また、つくられる場合はどういう趣旨でつくられるのか。まず、この点の見解を伺いたいと思います。
#121
○政府委員(市川一朗君) ただいま花博の剰余金の問題が出たわけでございますが、この問題につきましては、大体どのぐらいの剰余金が出るのかといったような問題等もございまして、大体のある程度のめどはついておりますが、最終的に確定いたしますのは来年の六月の理事会で確定いたします。それまでの間、その剰余金の活用等につきましていろいろと関係者の意見等も聞きまして、できるだけ有効に活用いたしたいと考えておりますので、今御質問ございましたような具体的な法人等につきましてはまだ検討課題であるということでお答えさせていただきたいと思います。
#122
○白浜一良君 つくられる場合は、ぜひ当然地元の大阪にとりましても有利なように、また日本を代表するような記念財団をつくっていただきたいと思うわけでございます。
 それでは、同じような意味ですが、跡地利用の問題ですね、これらをどのように考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#123
○政府委員(市川一朗君) 花博が開催されました場所は、大阪市が管理しております都市公園の鶴見緑地というところでございまして、これは博覧会が終了後、当然のことでございますが、大阪市が管理する鶴見緑地といいますか都市公園として管理を継続してまいるということになっております。そのこと自体が花博が開催された記念の地という意味でふさわしい跡地利用であるというふうに私どもは考えておりますが、管理者であります大阪市を中心といたしまして、より積極的にあの都市公園が花博を語り続ける公園でありたいという方向で、いろいろと再整備をすることも含めまして検討をしておるようでございます。
 建設省といたしましても、そういった意向に基本的に大賛成でございますので、全面的に協力をしてまいりたいと、そんなふうに考えているところでございます。
#124
○白浜一良君 それは基本的な考え方でしょうけれども、大阪市も国の指導に準拠して考えていき
たい、こういうふうに言っているわけです。そういう面では、やはり国としてどのように考えていらっしゃるのかということが非常に大事なわけで、だから聞いているわけでございます。
 だから、どうですか、この跡地利用の問題、こういう博覧会というのは常にそういう象徴するような施設が残るわけですし、またそういう公園にもするわけですから、いつごろまでに、当然地元の要望も聞き入れられてでしょうけれども、まとめられるつもりですか。
#125
○政府委員(市川一朗君) 今まで行われました博覧会の跡地利用の問題をまずひもといてみますと、一番近々にはつくば市で行われました科学技術博覧会があるわけでございますが、あれはもともと住宅公団が整備を進めておりました工業団地の土地を博覧会の期間中借用したものでございまして、それをどういうふうに活用するかという問題等もあったわけでございますが、今回の花博の跡地は、先ほどもお答え申し上げましたように、もともと都市公園でございますので、博覧会が終わりましても都市公園としてそのまま市民の皆様の公共の利用に供されるというところがまず今までの博覧会とちょっと違ったところでございます。
 したがいまして、博覧会の会場整備に当たりましても、博覧会終了後将来ともに博覧会の開催を記念するという意味も含めまして、将来ともに残すような施設といったものもいろいろ意識してつくっております。
 その中の一つが、例えば大阪市が設置いたしました「咲くやこの花館」というものでございまして、これはおかげさまでヒマラヤのアオゲシ等も含めまして入場者の大変な評判を呼びまして大変好評裏に推移したわけでございますが、例えばあの施設はそのままあの場所に残して、より有効に長期的に市民の皆さんに利用してもらえるようなものにしたいといったようなことでございます。
 その辺をにらみまして、長期的に花博を語り続ける公園として通常の都市公園以上にいろいろと新しいアイデアも入れました公園として再整備いたしまして供給していくということでございますので、ちょっと抽象的にあるいは聞こえるかもしれませんが、私どもといたしましては都市公園として提供されていくということで非常に花博の跡地利用としては適切であるというふうに思っておる次第でございます。
#126
○白浜一良君 要するに、そういう抽象的にとおっしゃるとおりなんですよ、抽象的なんですよ。
 要するに、とにかく都市公園は意味あると、大阪は緑がないですから。そういう意味では当然なんですけれども、一つはこれは国際博ですよ。東京から見たら何か大阪みたいな田舎やとみんな言わはりますけれども、国際博なんですよ、日本国家を代表する。それからテーマそのものが、いわゆる花と緑、自然と人間との共生という大きなテーマでもってやっておるわけですよ。だから「咲くやこの花館」は、あれは大阪市がやったことですやんか。だから国を代表するような、そういう何かつくって残そうというふうに考えていただいて当たり前と違いますか。そういう抽象的では困りますわ。ちょっと方向性だけ言ってください。
#127
○政府委員(市川一朗君) 大阪市が公園管理者でございますし、また花博を実施した地元地方公共団体の代表でもございますので、私どもといたしましてはやはり大阪市を中心とした地元大阪の意向を十分尊重いたしたいということで、実は建設大臣、農水大臣の私的諮問機関という形で花の万博基本理念継承懇談会というものを設けまして、座長には地元大阪の代表の方にも座っていただきまして、そこでもいろいろ御議論いただいておるわけでございます。
 そういったような方向を踏まえまして、あの公園が、今先生御指摘のように、いわゆる国際博をやった公園としてふさわしいようなものに整備するにはどうしたらいいかといったようなことにつきまして検討しているわけでございますが、やはり国の考え方でそれを地元に何かこういうふうにしたらいいというふうに持っていくよりは、地元の方でお考えになっている意向をできるだけ尊重しながらやっていくことの方がよりふさわしいというふうに私どもは考えている次第でございます。
#128
○白浜一良君 そういうことは、地元大阪市が中心として、非常に大事な行事でございましたし大事な地域でございますので、ぜひともこうしたいという意見が地元としてまとまれば建設省としても前向きに考える、こういうことですね。
#129
○政府委員(市川一朗君) 地元の意向を十分尊重してまいりたいと思っている次第でございます。
#130
○白浜一良君 そこで、一つ具体的な例が、御存じだと思いますが、出ているわけです。それは「花の万博」後の核施設を考える専門家委員会というのがございまして、民博の梅棹先生が中心になってやっていらっしゃるんですけれども、そこで、こういう仮称でございますがプランができているんですね。それは花博にちなんで植物情報センターというような核施設をつくろう、こういう意向がございまして、これは具体的にはいわゆるプランの段階でございますができているわけです。これは御存じでしょうか。
#131
○政府委員(市川一朗君) 先般、新聞で報道された案件だと思いますが、その程度の理解をしております。
#132
○白浜一良君 きょうは農水からも来ていただいているんですが、この件、ちょっとわかっていることがあれば御報告いただきたい。
#133
○説明員(上原達雄君) 今先生お話しございました、鶴見緑地に植物情報センターを設置するという構想につきましては、我々としても新聞情報としては承知しておりますが、現段階では具体的な構想の内容については伺っておりません。
#134
○白浜一良君 私、こういう植物学が専門ではないわけでございますが、しかしこの資料を見ましたら、当然御存じだと思いますが、植物標本というのは日本は非常に貧困なんですね。この資料を見ますと、イギリスの王立キュー植物園というのは五百万点あるらしいですね、標本が。それからパリの国立自然史博物館が七百万点、それからアメリカでもニューヨーク植物園が四百三十万点。それに比べまして日本は東大が百四十万ですか、京大が百万、これが日本ではトップレベル。特にこういう研究をされている方の声を聞きますと、アジア地域には非常に豊富な植物が分布しているわけですけれども、日本ではそのアジアの植物が研究できない。情けない、アジアの研究をするのにアメリカとかヨーロッパへ行かないとできない、非常に寂しい思いをする。これでいいのかという声、そういう声もあってこういうプランができておるわけですけれども、そういうことを御存じですか。
#135
○説明員(上原達雄君) 乾燥植物標本といいますか、こういう標本についての仕事というのは農林水産省の直接的な仕事ではないものでございますので、むしろ大学とかそういうところが中心になっている面が多いわけでございまして、直接私らの業務に関係しているわけじゃございません。業務に関係している範囲ではいろいろ植物標本も集めているわけでございますが、そういう意味で日本は諸外国に比べて若干少ないというふうには一般常識として認識しております。
#136
○白浜一良君 ですから、この懇談会が建設と農水の大臣のもとで行われているということなんですけれども、農水省としても、これは一つの具体的なプラン、花博のテーマにも即したものでございますし、どうですか、非常にいい考えだと思いますか、やってみたいなという気持ちはありますか。
#137
○説明員(上原達雄君) 構想そのものが私らも新聞で承知している程度でございますから、十分まだ中身はよくわからないわけでございますが、一般的に申し上げますと、この必要性とか既存の機関との関係とか、いろいろまだ検討すべき課題があるんじゃないかなとは思っておりますが、そういう植物標本的なものはあるにこしたことはないというふうには考えております。
#138
○白浜一良君 あなたを責める気はないんですけ
れども、難しい答弁だと思いますが、どうか大事な一つのプランでございますので、しっかりお願いしたいと思います。
 大臣、突然で恐縮でございますが、具体的にこういうプランがあるんですけれども、頑張っていただけませんですかね。
#139
○国務大臣(綿貫民輔君) 今お話を聞いておりましたが、一つの新しいアイデアだと思います。先ほどありましたように、大阪の市長さんもこの中で、世界じゅうから集まったいろいろのノーハウをよく検討して、また世界にお返ししたい、こう言っておられますから、その中の一環として考えられる問題だなと、こう思います。
#140
○白浜一良君 では、よろしくお願いしたいと思います。
 それから次に、先ほど住宅局長からお話ございましたが、引き続きましてもう少し家賃控除についてお伺いしたいと思います。
 明年度の建設省の予算要望で家賃控除制度を初めて創設するということでございますが、ちょっと説明していただけますか。
#141
○政府委員(立石真君) 来年度の税制改正要望で要望しております家賃控除制度につきましては、居住水準の低い民間借家に住んでいる人が五十平米以上の民間借家に入りましたときに、その激変緩和的な感覚があるわけでございますが、その家賃につきまして税額控除を行いたいという趣旨でございます。
#142
○白浜一良君 もう既に御存じのように、国民が原因ではないわけです。土地が高騰いたしまして、当然マイホームも非常に普通の一般サラリーマンでは入手できないという、そういう住宅事情がございます。これは土地関連になりますから、きょうはこれはちょっとカットいたしますが、同じように地価が高騰しまして、いわゆる賃貸住宅も非常に高騰しているわけですね。それも、住んでいらっしゃる方の責任じゃないわけです。
 そういった面で、我が党はかねてからいわゆる民間の賃貸住宅対策として一番主張しているのは家賃控除制度なんです。来年度の今御説明ありました家賃控除案、これを拝見してみましたら、五十平米以下の方が五十平米以上の賃貸住宅にかわられる、そのときに若干の控除をされる、こういう案なんです。ところが、いわゆる住みかえに対する控除ですよね。それはそれでいいんですけれども、もともとこの家賃控除というのはそういうふうに急騰した民間の賃貸住宅で非常に負担がたくさんかかっている方々にそういう手助けをしようという制度であるわけです。ですから、もともと昨年度の建設省のいわゆる夏の概算要求を見ましたら、全般的な家賃控除制度を一応要求されているんですね。これは当然五十平米未満と五十平米以上に分けていらっしゃいますけれども、これは全体を対象とするいわゆる制度として要求されているわけですね。ところが、昨年度の年末ではこれはもう欠落しておる。ことしは全然出てきていない。ちょっと失礼な言葉ですけれども、お茶を濁す程度に住みかえだけちょっと出していらっしゃる。これは非常に納得できないですね。昨年、概算要求でこれだけ頑張っていらっしゃるのに、非常に後退していらっしゃる。これはどういうことですか。
#143
○政府委員(立石真君) 御指摘のとおり、昨年度の税制改正要望では賃貸住宅居住者に対しまして、その家賃について全体を対象としながら家賃控除制度を設けたいという要望をしたところでございます。しかしながら、特に税制のあり方の面から問題点が指摘されまして、例えば家賃は食費や被服費と同じように典型的な生活費であるということから、家賃だけを取り出して特別の控除を設けることには問題があるということが指摘されておりまして、全面的な家賃控除制度というものにつきましては非常に慎重な検討がなされる必要があるということから、今年度は住みかえによって居住水準を向上するというような具体的な住宅政策の目的に従った要求に切りかえたところでございます。
#144
○白浜一良君 何か大蔵大臣の答弁を聞いているようでありまして、残念であります。局長は要求する方ですよ、大蔵省にそれを。難しいのはわかってまんがな。
 だから、住みかえは住みかえでいいんですけれども、大蔵大臣もよう言わはるんです、そういう衣食住というのは全部生活するための基礎的なものですから。ところが、例えば服はどこで買うても大体同じ値段ですよ。家賃だけは東京とか大阪と田舎で物すごく違うわけです。例えば私この服は七万ぐらいで買ったと思います。これは大阪で買ったんです。鳥取県で買っても多分七万円ぐらいだと思いますよ。東京で買ったらもうちょっと高いかもわかりません、変な町ですから。だけれども、住宅は鳥取県に住んだら三万ぐらいで住めるけれども、東京に住んだら二十万、三十万もする、そういう場合も実際あるわけでしょう。当然わかっていらっしゃるはずですよ、だからこそこういう制度ができているわけですから。
 それは、なかなか財政的な問題もございますし難しい問題もありますけれども、そういう大蔵省が答弁するような内容、推進する局長がそういう大蔵省の側に立った答弁をされるというのは私は非常に寂しい思いがするんですけれども、もうちょっと前向きな話はできませんかね。
#145
○政府委員(立石真君) 住宅対策全般を進めるためには、特に賃貸住宅対策は今後の大きな課題だと考えておりまして、それを進めるに当たりましては、例えば財政面での措置、また税制面での措置、あるいは金融面での措置、いろいろな側面から対応していくことが必要なんだろうというように考えております。それぞれの局面におきまして住宅局長といたしましては最大限努力しているところでございますが、しかしいろいろな検討すべき問題点もあるのも事実でございますので今年度のような要求に切りかえたところでございます。
#146
○白浜一良君 御苦労はよくわかるわけで、そういう前向きなことは我々も全面的にバックアップするわけですから、頑張っていただきたいと思います。一つ突破口はできたわけですから。大体通るんでしょう、これ。まだわかりませんか。通してくださいよ。――という確信発表で次に進みたいと思います。
 それとともに、先ほど話がありました家賃補助の問題で、局長は確かに二つおっしゃいました。ところが、これをよう読んでみたら、借り上げ公共賃貸住宅制度というのは、何というか、公営住宅が非常に建ちにくくなっているから、そういう借り上げ式の特賃Bをちょっと広げたようなものをふやそうという、失礼な話ですけれども、その程度で、いわゆる家賃補助と言われるところまでいかない、そのように私は認識しております。
 それから、木賃住宅の建てかえの方ですね。これもどっちかといったら家賃補助というよりもいわゆる建てかえ制度ですね。市街化地域を再編するから、建てかえするために新しいところへ住むときにちょっと補助しましょうという制度で、いわゆる本来の家賃補助というかそういう感じが私はしないわけでございますが、ちょっと所感を述べてください。
#147
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり、先ほどの二つの制度につきましては、一般的な家賃補助制度と言うにはまだ至っていないものというように考えておりまして、それぞれの政策目的に沿ったそれぞれの政策だと考えておるところでございます。
 一般的な家賃補助制度につきましては、住宅宅地審議会等でも検討されたことがございますが、これにつきましては家賃の評価の仕方、あるいはまた家賃の支出能力の把握の問題、あるいは管理運営のための組織の問題、あるいは費用、そういう問題等につきましてまだ多くの検討課題があるというように指摘されたわけでございまして、一般的な補助制度を設けるには、国において全面的にそういうことを設けるということについてはまだまだ慎重に対応しなければならないものと考えているところでございます。
#148
○白浜一良君 なかなか慎重なお答えでございます。
 私は前の伊藤局長のころにこの家賃補助を質問したことがあるんですが、そのときに前の局長は、「公共団体でやられておりますいろいろな政策の中には、いろいろと国が取り上げてもよろしいものもあります。」、こういうこともおっしゃっていますし、当然そういうことはよく御存じだと思うんです。そういった面で家賃補助というのはやれば切りがないんですけれども、少なくとも取っかかりが、今回予算要望されておりますいわゆる市街化の再開発に伴う補助が一部盛られているわけですね。これはこれで結構だと思います。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
もう少し拡大しましたら、実際地方自治体がやっていることは、切実だからこそ地方自治体でやっているわけです。それは福祉型もあるわけですね。老人だけで生活されている、独居老人の場合もあります。そういう場合に、非常に住宅費がかさむのが大変だという、いわゆる福祉型の、老人を含め年金生活者だとか、そういうことで補助されているケースもありますし、また町の構成から見て非常に市街化が進み、新婚家庭含め若年層が住めない。そういう新婚家庭に対して援助しよう、こういう試みもあるわけです。
 将来に向けて、一挙に何もかもというのは確かに難しいと思うんですけれども、今回市街化再開発に伴う家賃補助が一つのプランとしてつくられたわけでございますから、そういう福祉型、またそういう若年層への補助というか、そういうことも具体的なアプローチとして全面的でなくても具体的に考えていけるわけでございますが、どうですか、前向きにやっていただきたいわけでございますが、お考えを。
#149
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり、家賃補助制度的なものにつきましては日本では余り経験がない状況で参りましたが、昨今少しずつこういうような経験を積み始めてきた段階だと思っております。地方における経験、また国における経験等を合わせながら、前向きに進んでいきたいと思っております。
#150
○白浜一良君 前向きに頑張ってください。それしか言うことございません。
 それから、次に公共投資について伺いたいと思いますが、きょうは朝から随分この話が出ておりますので重複をやめまして、一問だけお伺いしたいと思います。
 当面、日米構造協議で四百三十兆円の公共投資、これはいわば公約みたいなものでございます。ある意味で守らなければならない、これは当然です。それ以上に、欧米社会と比べて日本は社会資本の充実が非常に劣っているわけで、そういった面でも公共投資というのはしっかり推進していかなきゃならない。ところが、過去十年間の伸びから見ますと、これから十年間は一・六三倍に相当する規模で伸ばしていかなきゃいかぬという、従来から考えたら非常に予算規模も膨らむわけでございます。その初年度が来年になるわけです。当然生活関連の二千億円はあるわけでございますが、どうですか、建設省としては明年度、これはまだ最終決まっていませんが、どの程度国費、事業費の増大を大蔵省当局に要求されているのか。ここですべて姿勢がわかりますから、この積み重ねでやはりすべて決まるわけですから、この一点だけをお伺いしておきたいと思います。
#151
○政府委員(望月薫雄君) おっしゃったように、平成三年度は公共投資基本計画の初年度という位置づけの中で建設省も積極的な予算要求をいたしたいという姿勢で臨んできているわけでございますが、御案内のとおり、政府予算の要求に当たりましては、概算要求基準という一つの枠の中で対処しなければならぬという制約がございます。
 そういった中で、今おっしゃったように、十カ年間の見通しは年平均で六・三%の伸びが必要だということにも相なっているわけでございますけれども、国費ベースの要求といたしましては、私ども概算要求基準の基本枠の中では実は二%増の国費という要求でございます。それに加えて、先ほどもいろいろと御議論ありましたけれども、生活関連重点化枠、この二千億円について、建設省所管事業はすべて生活関連である、こういった観点に立ちまして要求いたしましても、それが四ポイントぐらい上がりまして六%増の要求、こういうことになっているわけですが、これによって実現を図ろうとする事業費規模というものは、金融公庫の融資事業等は別にいたしまして、公共投資基本計画の対象になるような事業という意味では大体七%くらいの事業費規模の増加、こういったふうな要求に相なっているわけでございます。しかし、これはあくまでも要求でございまして、これからいよいよ予算の最終編成の段階に入ります。
 私ども、いずれにしましても、そういった要求の中で少しでも多く少しでも完全に近い姿での予算実現を目指して頑張りたい、こう思いますが、同時に大事なことは、五本の五カ年計画の改定期を迎えまして、下水、公園などの五本でございますが、これにつきましてはまさしく十カ年計画を指し示す方向に沿った適正規模の要求も出しておるということで、これもまた非常に重要な柱でございます。私ども、単年度予算の確保と同時に、しっかりした規模での、しっかりした内容での五カ年計画をぜひ実現したい、こういうことで頑張らしていただきたいと思います。
#152
○白浜一良君 この件は、きょうは午前中からいろんな角度で指摘されておりますので、今御答弁ございましたが、しっかりお願い申し上げたいと思います。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
 次に、省エネについてお伺いしたいと思いますが、近年の世論の動向、また世界的にそうですが、非常にエネルギー資源にも限りがあるという点もございますし、地球そのものが一つの生命体ですから、地球規模の環境保全という点もございまして、いたずらに人類がエネルギーを消耗してはいけないという、そういうコンセンサスが当然できつつあるわけです。
 政府にも省エネ対策の連絡会議がございまして、当然建設省としても取り組んでいらっしゃるということをいろいろ伺いました。そこで、いろいろお話を伺っていまして非常に難しいなというか、建設省として取り組んでいらっしゃる場合、非常に難しいなという感じを私したわけです。何が難しいかといいますと、四つの大きな方向性を打ち出していらっしゃるわけでございます。エネルギーの使用の合理化に関する法律の施行、それから金融上、税制上の優遇措置による省エネルギー化の推進、それから技術開発、調査、それから四つ目は普及啓蒙と、この四点で取り組んでいらっしゃるわけでございますが、なかなか実際現場の建築業者また住んでいらっしゃる方のいろんな声を聞きましたら、どうしても一番やはりぶつかるのはコストの問題、技術的には省エネ型の住宅というのは考えられるんだけれども、非常にコストが高くなる、そういう障壁もあってなかなか推進されていない、そういう声を聞くわけでございます。
 そこで、きょうはもう時間がございませんので結論だけ伺っておきたいと思うんですが、まず一番目のエネルギーの使用の合理化に関する法律の施行、これ五十四年ですか施行されたのは、十年以上たつわけでございますが、このいわゆる建築主の判断基準、技術改良もされますし非常にこれはもう古い。もう少し現在に即して少しでもエネルギーを省エネに向かうような、そういう指導ができるような基準に改定されてはどうかと、このように思うわけでございますが、まずこの点について。
#153
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり、省エネ法が施行されてもう十年たつわけでございます。この間に、住宅関係につきましても、融資、税制等におきまして、また公共住宅の建設基準等におきましていろいろな経験を積んできたわけでございます。
 御指摘のとおり、ますます省エネということの推進は重要な課題になるというように考えておりますので、建築主の判断基準あるいは設計、施工の指針等につきましては見直しを行いまして、省
エネ対策の一層の推進に関与してまいりたいと思っております。
#154
○白浜一良君 それと、同じくその内容の中に建築主に対する指導、助言ということで、二千平米以上の事務所及び物品販売店舗の省エネルギー計画書提出、このように内容はあるんですけれども、ちょっと伺いましたらこれが非常に形式化している。特に省エネという場合は大きな建物の方が大事なんですね。民間の小さな住宅というのは省エネというのはもう知れているわけです。そういった面でこういう項目が入っていると思うんですけれども、実際計画書がきちっと出ないというか、またそれに伴ういわゆる指導、助言がなかなか実施されていない状態である、こういうふうに伺っているんですけれども、この点に関してはどうでございますか。
#155
○政府委員(立石真君) ちょっとその現状についての資料を用意していないわけでございますが、省エネにつきましては民間の協力を得ながら実施していくということでございますので、今後ますます広報等に努めながら、またいろいろな行政的な手も使いながらその推進に努力してまいりたいと思っております。
#156
○白浜一良君 それから優遇措置の問題で、住宅金融公庫の省エネルギー設備への割り増し融資というのがあるんですけれども、これも私見まして、内容的にも非常におくれているというか、もっといろんな技術もあるし、枠そのものが非常に、これは非常に大事な誘導政策ですから大事な部分なんですね。それにしてはこのいわゆる額も非常に限定されているというふうに感じるわけでございますが、これはどうですか、もう一遍再検討、十分吟味されますか。
#157
○政府委員(立石真君) 住宅金融公庫の省エネルギー関係の割り増し融資の実績も、これまで非常に上がってきているものと私は考えております。例えば断熱構造化工事につきましては、昭和六十三年度で一万八千件が割り増し額三十万円を得るというような状況になっておったわけでございますが、そのほかの断熱化工事あるいは省エネルギー型の設備工事、あるいはパッシブソーラーシステムの工事、いろいろな面について割り増し融資をしてきた実績を持っているところでございます。
 こういうような形で推進しているわけでございますが、先生御指摘のように新しい技術があり、また有効な社会的にも意義のあるものであるならば積極的に取り入れるべく努力をしていきたいと思っております。
#158
○白浜一良君 もう時間がないので最後にこれで終わりますが、技術開発のところで、どうしても大型住居の技術開発が先行するんですね。ですから、できるだけ小規模住宅なんかにも利用できるような、そういう研究もやっぱり念頭に入れてやっていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
 大臣、最後に、建設省全体の中で見ましたら、この省エネルギー対策というのは非常に地味だと思うんですね。どちらかといいますと通産省が主導権をとっているような、そういうふうになりますから。だけれども、やはりエネルギーの消費量から見ましたら、なかなか建設省所管の関係も非常に大事な部門です。
 きょうは時間がないので言っておりませんが、地域冷暖房の問題もございますし、できるだけエネルギーをどう合理化していくかという、私はそういう主導権を建設省の方にどんどんとっていってもらいたいというふうに考えているわけでございますが、非常に大事なテーマでもございますので、だれか局長答えていただいた後で結構でございますから、大臣の御所見を最後に伺って質問を終わりたいと思います。
#159
○国務大臣(綿貫民輔君) 省エネということは、日本の国にとって大変大事な方向だと思います。私も先日、下水の処理場、新宿へ行ってきましたが、あそこも下水の熱を利用しまして暖冷房をやっております。今後、民間におきましてもソーラーシステムとかいろんなことがやられておりますが、住宅の中にこういうシステムが入るような方向でぜひ推進をしていかなければならない問題の一つだというふうに認識しております。
#160
○白浜一良君 終わります。
#161
○上田耕一郎君 多摩川水害判決、それから長良川河口ぜきの環境庁長官発言などについて質問したいんですが、きょうは短時間なので私も簡潔に質問しますが答弁も簡潔にお願いしたいと思います。
 午前中の審議で多摩川水害についての最高裁判決について、大臣は、具体的な審理が不十分で差し戻しされたものと、そう答弁をされました。それから近藤局長は、差し戻し審においても瑕疵がなかったと主張するという趣旨のことを言われたんですね。
 しかし、この判決は非常に厳しいもので、例えば原審の判断は是認することはできないと、はっきり書いてあるんです。それから、この原審判決は国家賠償法二条一項の解釈適用を誤り、ひいては河川の管理の瑕疵についての審理を尽くさなかった違法があると言わざるを得ないと、非常に厳しく言っているわけですね。
 この上告審の最大の争点は、整備途上の河川については過渡的な安全性で足りるという大東水害訴訟の最高裁判決について、改修済みの区間で起きた多摩川水害に適用した高裁判決が妥当かどうかというところだったんですね。そういう点でいいますと、建設省も上告審で改修済み区間でないと主張していたんですけれども、今度の判決は、本件河川部分を基本計画のもとで改修が完了した河川部分であるとしながら、これを改修の不十分な河川と同視したというところを批判しているわけですね。
 そういう点で、今度の最高裁判決は改修済みの河川の安全性について新しい管理責任を建設省に課したと言っていいと思うんですけれども、その点は正面から受けとめていらっしゃいますか。
#162
○政府委員(近藤徹君) このたびの多摩川水害訴訟最高裁判決は、本件にも大東水害訴訟最高裁判決の判断基準は適用されることを明確に示したものでございます。すなわち、もともと水害等の危険性を内包している河川について、治水事業によって逐次その安全性の向上を図っていかざるを得ないという特質を有する河川管理について理解を示したものと考えております。この点に関して判決では、河川は当初から通常有すべき安全性を有するものとして管理が開始されるものではなく、治水事業を経て逐次その安全性を高めていくことが予定されているものであると判示しておるわけでございます。
 高裁判決におきましては、この河川の部分はほぼ概成しているけれども理想的な河川という状況から見ると完成しているとは言いがたい、つまり改修途上であるというような趣旨の御判断であったと存じますが、我々は一貫いたしまして、今回の災害は、この河川がいまだ我々が経験したことのないような予測しないメカニズムで破堤したものである。河川はいわば他の構造物のように試運転だとかあるいは大型実物実験ということができない以上は、常に未経験な外力にさらされている。しかも、それが非常にまれに経験するというのが実情でございますし、この多摩川の水害も七十年に一回というふうな大出水で、計画高水流量にほぼ匹敵する洪水で、いわばいまだ経験しない外力が来た。その中で、我々が従来予測していたメカニズムではない異常なメカニズムによって破堤したというところから、仮にこのような災害を事前に予測することができたかどうかということを災害前に立ち戻ってみますと、予測できなかったということを私どもは主張してきたわけでございますし、一貫して主張してきたこの点について高裁判決では触れないままに判決が出されたと私どもは判断しておりますので、差し戻し審においてはこの点について、本件における河川管理の瑕疵の有無は、まず計画高水流量規模の流水の通常の作用により破堤が生ずることの危険を予測することができたかどうかを検討し、これが認められた場合には、その予測することが可能となった時
点を確定した上で、その時点から本件災害時までに、諸制約を考慮してもなお所要の措置を適切に講じなかったことによって、本件河川部分が同種同規模の河川の管理の一般的水準及び社会通念に照らして是認し得る安全性を欠いていたことになるかどうかを多摩川水害の状況に即して具体的に判断すべきであるとして、その審理を不十分であるとして再審理を行うよう差し戻したものでございまして、私どもは一審から一貫して、本件水害は予測しがたいメカニズムによって発生したものであるということを主張してまいったわけでございます。
 本件のメカニズムは、災害後に専門家によりまして調査委員会を編成し、約十カ月間にわたりまして徹底的な調査の結果ようやく解明できたほど事前には予測し得ないものでございました。かかる点を差し戻し裁判でも主張してまいりたいと思っております。
 したがって、本件災害を事前に予測できない以上、それに対する回避措置はとることができませんから、河川管理者において管理の瑕疵を認めることはできないとして、また差し戻し審でも主張してまいりたいと考えておる次第でございます。
#163
○上田耕一郎君 今まで十六年かかっているんですけれども、今の態度だとなお苦しみが続くと思うんですが、今の答弁は最高裁の今度の判決の意義を事実上全く無視したものとして私は厳しく批判せざるを得ません。
 次に移りますが、この判決について環境庁長官は、長良川河口ぜきも自然の流れのところにつくるんだから洪水で被害が出れば当然国の責任となると、こう述べたんですね。長良川河口ぜきも平野部に同じようなせきをつくるわけなので、重要な共通の問題が生まれるわけです。きょう、環境庁長官が見解を発表されました。近藤局長も記者会見されたようですが、具体的に幾つか質問します。
 この見解で、まず第一に長官は、建設省と水資源開発公団においては環境庁との間で所要の連絡の場を設ける、こういうことを述べているんですね。
 これは大臣、この連絡の場を設けることについては、建設省、水資源公団はどういう態度でしょうか。
#164
○政府委員(近藤徹君) 長良川河口ぜきは沿川住民の……
#165
○上田耕一郎君 簡潔にお願いします、設けるのかどうかと。
#166
○政府委員(近藤徹君) 沿川住民の生命と財産を守り、中部圏の将来の発展に不可欠な水資源を確保する上で極めて重要な事業であると……
#167
○上田耕一郎君 ちょっと、そういうことじゃなくて、連絡の場を設けるかどうかということを答えてください。
#168
○政府委員(近藤徹君) はい。そうして環境問題につきましては、私どもは環境庁事務当局に御説明を申し上げ、必要な都度いろんな連絡をとりながら従来も実施してまいりました。今後とも、この連絡の場において環境庁の方から各種の御要請があれば私どもは十分御説明申し上げますが、なお追加の調査が必要となる場合においては今後とも追加調査をして、環境保全にはなお十分配慮して対応してまいりたいと考えておるところでございます。
#169
○上田耕一郎君 連絡の場は今までもあったけれども、今後もやるということですね。
 二番目は、提案をしているわけですね。今も言われたけれども、追加的な調査を提案している。例えば、他のせきの実態も踏まえた、せき上下流域の水質、遡河性魚類の生息などへの影響。他のせきというと芦田川とか利根川がありますわな。その実態を踏まえて、せきの上下流域の水質と遡河性魚類、アユとかサツキマスとかの生息等への影響、この追加調査をと、これが一つ。それで、その調査の結果がまとまったら、関係自治体、地域住民の意見を十分反映させて環境保全の措置を講ずる、この二つの提案があるんです。
 これについてはいかがですか。
#170
○政府委員(近藤徹君) その例示につきましては、環境庁の方の御判断で例示されたものと存じます。
 従来、水質に関しては説明を申し上げているところでございます。私どもの方では過日の発表の中でも、水質については大きな変化はないと我々は予測をしておるところでございますが、類似の利根川におきましても、利根川の水質の縦断を調べた結果におきましても、ほとんど河口ぜき及び河口ぜきの上流等あるいは下流等と比較いたしましても大きな変化はございません。また、芦田川について相当水質が悪化しているとのお話がございますが、実はこれは上流の支川が大変都市化によって水質が汚濁しているという状況の影響でございまして、河口ぜきの建設が原因で水質汚染が進行したものではないわけでございまして、この点についての説明がまだ私ども不十分だと思っておりますので、次の機会にまた十分説明しながら、あるいは従前の資料を分析した上でなおかつ御説明を申し上げたい。また、この過程において追加あるいは分析が必要となれば、もちろんさらに分析することはやぶさかではございません。
 それから遡河性の魚類への対応でございますが、これはいわば永遠のテーマであろうと思っております。どの魚類どの魚類に対しては適性であっても、例えば車で言うと、ダンプに適性でも自転車に適性であるか歩行者に適性であるか、そんないろんな問題もございましょう。そういう問題については、今後もせきの運用、維持管理とも含めた中で、できるだけ環境に優しい魚道の開発等を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
 過日は、岐阜においても国際魚道会議等を通じまして、世界の知見を集めて、なおより一層遡河性の魚類に優しい魚道の開発を行うことによって河口ぜきの環境保全に万全を期したいと考えておるところでございます。
#171
○上田耕一郎君 結局、余り積極的でないけれども必要がある場合にはやぶさかでないという程度なんですね。
 ところが、十二月十四日の参議院予算委員会で北川長官は、例えば芦田川、これは日本三大シジミの生産地だったのにこんな現状だと。利根川もそうですよね。これは明らかに非常に重大な被害が出ているというわけですね。しかし今の答弁、消極的だけれども追加的調査については必要な場合やぶさかでないということとして受けとっておきたい。
 三つ目の希望が出ているんですね。建設省と水資源開発公団は、せきの必要性、安全性について十分な説明を住民に対して行ってほしいという意見ですね。これは行う気持ちありますか。
#172
○国務大臣(綿貫民輔君) 北川長官の御発言を取り上げていろいろきょうはおっしゃっておりますが、私はまだ聞いておりません。これは北川長官が、私ども知りませんが、ごらんになって総理に御報告になったそれを記者会見されたということらしいんですが、北川長官も、環境行政も建設行政も同じ政府の一体であるということをはっきり申されておりまして、当然私ども建設省にも御相談あるものだと思っております。マスコミだけにおっしゃって我々におっしゃらぬと、そんなばかなことはないと思っていますから、そういう意味で私もきょうは、総理の先般の予算委員会の御発言の中でいろいろ長良川河口ぜきについてお話がありましたので、閣議の後、総理にお会いいたしまして、私一人ではまずいと思ったので、あの沿川の代表であります運輸大臣の大野さんも立ち会っておりましたが、総理、あなたがおっしゃった意味はどういう意味ですかということで確認いたしました。総理は、私は前からちゃんとやるということですよということで、その環境の問題は十分環境庁と話し合ってやってもらいたい、当然でございますと、こう申し上げてきたわけでございまして、私はまだそういう意味で、今いろいろとお尋ねでございますが、北川長官から正式にそのお話を聞いておりませんので、それによって我々拘束されるとか、そういう気持ちは一切まだ持っ
ておりません。
#173
○上田耕一郎君 では、正式に話があったときにきちんと建設省としての結論を出すということですか。
#174
○国務大臣(綿貫民輔君) 当然同じ政府の中でございますから、十分お話をさせていただきたいと思っております。
#175
○上田耕一郎君 私は参議院の決算委員会、十一月二十八日にこの長良川の問題を取り上げて質問したんです。そのとき最後に大臣は非常に感情的になられて、「私はね、上田さん。あなたとは世界観が違うから、私の言うことはいつも理解してもらえないから余りしゃべらないようにしているけれども、」ということで非常に厳しいお話で、「あなたは断定的にそういうことを言うということは全くけしからぬ。」と。質問してけしからぬとか世界観が違うから余りしゃべらぬというのは、十六年議員やっていますけれども初めてで、皆さん世界観が違うわけです。党も違うし、党が同じだって違うときもあります。それで、世界観が違うときにはしゃべらないというんだと、議会制民主主義は成り立ちませんよね。何を興奮されたかわからぬけれども、私はこういうのはやっぱりまずいと思うんですね。あのときも申し上げたけれども、やはりこういう言い方は取り消して、世界観は違っても議会だからいろいろ自由にお互いに意見を言って討議し、質問もし答弁もするということにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#176
○国務大臣(綿貫民輔君) 前段を省略していただいては困るのでありまして、上田さんから建設省の名誉に関する問題、閣議の問題までも何か変な誹謗するようなお話がございましたから、だから私は申し上げたのでございます。名誉回復のために申し上げます、こう申し上げたのでございまして、世界観のところだけつまみ食いされては困るんで、一連の話の中で私は申し上げたわけでございますから、取り消しするつもりはございません。
#177
○上田耕一郎君 取り消さない――私が言ったのは、これは議事録読んでみればわかるけれども、何も誹謗したんじゃないんですよ。謗謗したんじゃなくて、これはNHKの放送並びに本多勝一さんの調査あるいは学者の論文等々、膨大な学者の中間報告と結論報告、あるいはその間に出された七種類の要約、これが非常に事実と違うということが出されているので、こういうふうに調査と、特に環境問題についていわゆる改ざんが行われていたとしたら、これは閣議決定の前提が間違っているという点では閣議決定の見直しも必要じゃないかと言ったので、何も世界観で言っているわけじゃないんです。これは世論調査を先ほど言われたけれども、あそこの三県の人たちの過半数がもう中止せよという態度をとっている。何も世界観が共産主義だから言っているわけじゃないんですよ。全く不当なことだと思うんですね。しかし建設大臣は取り消さないと言われる。これは僕はこういうことでは、一連の中で言ったんだから取り消さないというんじゃ、世界観が違うんならしゃべらないと、今までそういう態度をとっていたというんですからね、そういうことの反省もないというのでは、これは僕は建設大臣の資格がないというふうにあなたに申し上げた。そうしたら、あなたは私は共産党から任命された建設大臣じゃないと。私だったら、あなたなんか任命しませんよ。
 そこで、ひとつ時間がないので大臣にちょっとお伺いしたいことがあるんです。
 政治評論家の菊池久氏が十一月十日の東京のある新聞で、石垣島の空港疑惑問題で、こう書いている。「沖縄開発庁の元長官で建設大臣だった、」、これはちょっと間違いで、当時沖縄開発庁長官、北海道開発庁長官、国土庁長官、三つおやりになった「自民党代議士・綿貫民輔」が――これは記事が呼び捨てにしているんだから、私が呼び捨てにしているんじゃない。「(富山2区選出)が、9日までに、東京地検特捜部の事情聴取を受けたゾ。これ、極秘情報だぞ。」、こう書かれていますね。
 こういう事実はありましたか。
#178
○国務大臣(綿貫民輔君) 先ほどからいろいろございましたが、私が取り消さないということであなたがおっしゃいましたから、あなたの議事録でも、「私は、こういうとんでもない改ざんに基づく閣議決定を見直して、アセス工事も中止して、環境アセスをやり直すこと、これがやっぱり世論に忠実な態度だと思うんです。」、これも取り消してください。それならこういう発言を、お互いですからね、あなたは私のことばかり言いますけれども、そういうことですから。
 それから、こんなことは一切ありません。これはしかも沖縄知事選挙にこれをまいて、これは選挙妨害でやったものとしか思えません。西銘逮捕とは何ですか。私のこと、インチキ記事を、私はしたがいましてこれは弁護士を通じましてきちっと抗議を申し込んで、正式なあれがなければ告訴するということでちゃんとやってありますから、一切ありません。
#179
○上田耕一郎君 では事情聴取されたこともないんですね。
#180
○国務大臣(綿貫民輔君) 当たり前の話じゃないですか。
#181
○上田耕一郎君 そうしますと、これも私沖縄で見たんですけれども、あなたのとはちょっと違うけれども、沖縄では知事選挙で大変なときで、沖縄の選挙の話しても時間がありませんから、大変な片方の中傷、誹謗があったけれども、この石垣島の土地転がし問題というのは沖縄の選挙で非常に大きな問題になったんですね、西銘知事に対する疑惑として。それであなたのことが報道されて、菊池久氏、これは元読売の社会部の記者ですよ、署名入りで書いているんだから。それで、あなたは抗議を既にされたんですか、お伺いします。
#182
○国務大臣(綿貫民輔君) この新聞社に抗議をいたしました。そうしたら、非常に無責任な回答が返ってきて、弁護士を通じて今きちっとやってありますから。
 それから、こんなものを基礎に国会で質問するというのは恥ずかしくないですか、こんな根も葉もないものを。週刊誌やこんなものをネタに個人攻撃みたいな質問をするということは、そもそもこれは国会議員の品性に関することですよ、こんなもの。
#183
○上田耕一郎君 ひどい話だね、私が出したわけじゃないんですよ。そんな国会議員の品性にかかわるって、そういうあなた全く独断で、先ほどの私の改ざん問題についての質問で、私はあれは学者の論文に基づいてやっているんでね、それを世界観が違うからしゃべらないようにしているというようなことと相打ちだなどと、とんでもない話です。全くあなたは民主主義のわからぬ人物だと思うね。
 では、もう一つ質問します。あなたは昨年の二月十六日、衆議院の予算委員会で石垣島の新空港問題で質問をされているんですね、沖縄の開発庁長官もやっていたということで。これは当時白保の空港問題で、環境問題で国際的にも大問題になり、環境庁もこの問題を調べていて、この二月十六日というのはもうほとんど白保ではだめだという結論が出ていたころですよ。ところが、あなたは現空港の案ですね、「市議会も県議会も満場一致でこれに賛成をいたしておるこの問題について、民主主義とは何ぞや」「是が非でも着工してもらいたい」、こういう質問をされているんですね。
 それで、ちょっとお伺いします。僕は七月二十三日に、もう三分過ぎたのであれですけれども、石垣島空港全部調査しました。
#184
○委員長(矢田部理君) そろそろまとめてください。
#185
○上田耕一郎君 それで、現空港の改良案、これがひた隠しは隠されて白保に移されているということについて疑問を提起したんですが、あなたはこの段階でも、また今でもこの白保あるいはカーラ岳東、これをやるべきだ、そう元沖縄開発庁長官としてもお考えなんですか、質問いたします。
#186
○国務大臣(綿貫民輔君) 先ほどのこの件につき
ましては、ここに写しがあります。抗議並びに通告書、これは弁護士を通じてちゃんとありますからね、これは。
 それから、今の沖縄の石垣空港につきましては、私が沖縄開発庁長官のときに、島民の議会も満場一致、県議会も満場一致でこれをやれということで決まっておりまして、私もできるように努力をいたしました。本当はもう着々と整備されることになっておったんですが、いろんなことでそれがとんざして、いまだにできてないんですが、それは現地の声を聞いてみてください。もう私はそういう声を背景に、早く空港をつくりなさいということを竹下内閣総理大臣、佐藤運輸大臣だったと思いますが、私は自由民主党を代表して予算委員会の代表質問でその促進方を迫りました。当然のことでございます。
#187
○上田耕一郎君 終わります、時間がないから。
#188
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございますが、サラリーマンの立場から、限られた時間の中で、ことし最後の建設委員会での論議を深めたいと思っております。
 きょう主に質問したいのは、午前中から出ておりますが、公共投資の基本計画をめぐっての質疑をしていきたいというふうに思っております。
 これから十年間、世紀末に向かっての十年間ということで、新世紀というか二十一世紀になりますと、基本的に時代認識として日本が当然考えなくちゃいけないのは、いわゆる高齢化社会といいますか、一九四五年、昭和二十年に生まれた人の戦後ベビーブーム、この人たちが一九四五プラス六十五、定年退職、これが二〇一〇年でございます。この二〇一〇年の時点から数年、四人に一人が六十五歳の範疇に入っちゃうということで、やはり日本国としては高齢化の社会福祉対策にどうしても引っ張られるという意味合いでありまして、この世紀末の十年、これはどうしてもそれ以前の必要なものの枠組みをつくってしまわなくちゃいけないという、大変重要な十年だと思います。そういう意味では黒船以来と言われますけれども、かなりグランドデザインというものをつくって二十一世紀に橋渡しするということが大切だと思います。
 新時代と申しますけれども、やはり先ほども出ましたけれども、一人当たりの国民所得がアメリカを追い抜いた、これはもう戦後育ちの私にとっても信じられないような数字だと思います。いわゆるもうアメリカを抜いたという数字とともに、もう一つやはりサラリーマンの立場で言いますと、会社で働いているときは何となく非常に便利がいいんですけれども、通勤、満員電車に揺られて家に着くと、この家がマイホームでないというようなことになったり、大変落差がひど過ぎるということでございますので、最終的な二〇〇〇年の目標、これを公共投資の枠の中でやっていこうというコンセンサスが閣議了解で得ているわけですから、これの目標に向かってやはりすべての精力を集中してやる。そのためにはやはり目標を掲げるだけでなくて、いわゆる段階的な整備計画というのを十分した上に積み重ねていかなくちゃいけないというふうに思います。
 それからもう一つは、やっぱり考え方として、今まで公共投資というといわゆる俗に道路をつくるというのに代表されておりました。公共投資全体でも今もってやっぱり一番大きな枠は道路づくりでございます。しかしながら、これから生活関連を重点にするということでいきますと、道路をつくっている業者自体も生活関連の方の建設にシフトしていかなくちゃいけないということになりますと、今まで道路づくりの専門の業者が地方レベルでも学校もつくらなくちゃいけない、あるいは病院をつくらなくちゃいけない、あるいは住宅をつくらなくちゃいけない、そういう設計もし施工もされるというような受け皿をこれからシステム的に枠組みを変えていかなくちゃいけないというふうに考えています。これは、道路だけを今までの延長でつくるということとはもう考え方を変えていかなくちゃいけないという時代になっていますから、そういう意味での枠組みづくりをこれからは地方レベルでもやっていかなくちゃいけないということでございます。
 それで一点、公共投資基本計画、経企庁のまとめたものの中に建設省関係の二〇〇〇年の目標というのを定めております。四項目ほど生活関連であるんですが、このうち三項目は建設省関係に関係あると思います。二〇〇〇年の目標がここに掲げておるとおり、建設省もこれにあわせて整備計画をつくっているのかどうか、まずお伺いしたい、かように思っております。
#189
○政府委員(望月薫雄君) お説のとおり、これからの十年が我が国の住宅、社会資本整備をする上で大変に重要な年であるという認識は公共投資基本計画でも示され、またかつて来、建設省が終始主張してまいっておることでございます。
 そういった中で私どもも、今お話しの生活関連の具体の整備に関する指標、目標として公園なり下水道なりの整備目標が掲げられているわけでございますが、数字はここで繰り返すことは差し控えますけれども、いずれにしましても私どもこの計画で指し示している整備の目標というものは是が非でも達成すべきもの、こういうふうに受けとめておりまして、そういった観点から具体的にはそれぞれの事業に関する五カ年計画というものでしっかりと受けとめさせていただきたい、またしっかりと受けとめられるような五カ年計画を政府としてお決めいただきたい、こういった考え方で取り組んでおるさなかでございます。
#190
○新坂一雄君 基本的な方向での二〇〇〇年の目標というのはこの経企庁のおまとめの基本計画にありますけれども、建設省のそれぞれの分野での計画目標は必ずしも二〇〇〇年を目標にしているわけじゃなくて、五カ年とか十カ年というスパンの中で、ばらつきのある中で二〇〇〇年の目標をやっていこうというようなことだと思います。
 そこで、一番大きな目標として公共投資の機能別分類というのがここにありますけれども、一番大きなくくり方は、この十年間に公共投資の割り振りを六〇%を生活環境・文化機能にしよう、あとの四〇%をその他にしようという一番大きなくくり方がございます。この中で、それではその生活環境・文化機能は何なのかということになりますが、この生活環境・文化機能というのは六〇%でございますから、今までの五〇%にかなり上に上がるということで言いますと、今までの道路を中心の、高速道路も基本的にあるんですが、それよりも生活環境・文化機能にウエートを逆転しようという考え方でございます。したがって、この生活環境・文化機能の中には高速道路とかという道路はないはずでございます。道路としてあるのはコミュニティー道路ということでございますから、住宅とか公園、下水道、コミュニティー道路、厚生福祉施設、学校関係、こういうことが生活環境・文化機能の中に入っているということでございます。
 したがって、今までの公共事業のいわゆる事業別分野の配分割り当て、これがありますと、今もって三割程度道路があるんですが、この中にコミュニティー道路も入っているかどうかちょっとよくわからないのですが、かなり昭和四十年度時点では四割七分、四七%もあった道路が、だんだんと平成二年度では三割よりも落ちていますけれども、そういう意味では道路の枠がたんだんと狭くなって、その分を下水道とか住宅とか公園とかという分のシェアがふえていくんだろうというふうに思っていますが、この傾向はいかがでございましょうか。
#191
○政府委員(望月薫雄君) お説のように、基本計画では生活環境・文化機能のウエートを高めていこうという方向が指し示されております。
 さて、その際に、今先生御指摘のように、例えば道路は生活環境にかかわりないとか何々は関係そのものであるとかという断定的な割り切りは実はかなり微妙であろうと思っております。端的に言いますと、道路といいましても、先生いみじくもお話ありましたけれども、骨格的な高速道路から我々の足元にあります本当に身の回りの道路まで一つのネットワークとして形成されているわけ
でございまして、これが文化的なあるいは生活環境施設として機能するためには截然と区分して、ここからここは生活環境に関係ない、文化・環境に関係ないというふうに整理できるものとは思っておりません。ただ、一つの物の考え方、ウェートの置き方としてこういった方向への公共投資のシフトというものは、せっかく決められている方向でございますし、そういった方向で私どもの建設省の事業も受けとめる必要が出てくるだろうと思います。
 しかし、申し上げるまでもありませんけれども、この公共投資基本計画は当然のように政府全体の公的固定資本形成、このレベルのものでございますので、そういった観点から大きくくくられると思いますが、建設省としましても、いずれにしましても所管事業の執行には、生活環境面、住宅面、こういったものの質の向上という観点からの取り組みというものがますます大事になってくるな、こういう認識を持っております。
#192
○新坂一雄君 流れとしてはとにかく転換をしてほしいというのが、これは別にサラリーマンの声だけでありませんで、要するに国全体の意思決定として一つの国民運動的な流れとしてやっていこうじゃないかという考えでございますので、生活関連の公共投資をやることによってそれが悪いというようなことにはならないわけなんで、これは野党といえども最大の応援部隊になるということで、しっかり頑張ってほしいなという考えでございます。
 それから、もう一つ国民サイドからいいますと、どうも公共工事のシステムがよく見えてこない。どういうことかといいますと、国で道路の事業費、予算がこれだけ獲得されたというのが、具体的にそれでは自分たちの周囲のところの環境がどういう流れによってこの予算が執行されるかというようなことが、何か全体の枠とそれから自分たちの住んでいるコミュニティーの身の回り、道路もそうなんですが、それとがどういうふうに工事発注のシステムが流れていくのかというのがよくわからないのでございます。
 例えば建設省の場合、どういうような流れになるか、一つの例でも挙げていただけたらと思うんですが。
#193
○政府委員(望月薫雄君) 大変言葉で御説明するのも難しいというか、困難を伴うような幅広の御質問でございますが……
#194
○新坂一雄君 コンパクトでいいですよ。
#195
○政府委員(望月薫雄君) コンパクトに申し上げさせていただきます。
 例えば私どもの直轄の事業を例にとらせていただきますという前提で申し上げさせていただきますと、まずあることは、当然のように計画の策定ということになります。この計画をつくるに当たりましては、当然のことのように地元公共団体との意向調整、あるいは地元公共団体の地域整備の今後に向けての課題、こういったものを十分受けとめながら計画を練っていく。それを踏まえまして具体的に計画をつくるわけでございますが、その間において、大規模なものなどについては必要な環境影響評価、影響調査も行うというようなことでございます。また同時に、都市計画事業については、御案内のとおり都市計画決定という手続を踏むことになるわけです。その際においては、都市計画法に定められておりますいわゆる公開縦覧などなどの一定の手続を踏んで広く地域の住民の方々にお知らせするという手続があることは言うまでもありません。
 そうやって計画が確定した後、具体的には今度は予算措置を講ずるという段階になります。私ども、これが毎年毎年御審議いただく予算の中で位置づけていただく、あるいは補助事業等については、ついでですけれども、これはお認めいただいた予算の中から今度は箇所別に額を確定していくという手続になりますが、そういったことで予算上の措置をとり、それを踏まえて次は現地測量というステージになります。現地測量がないことには当然膨大な公共事業というものは成り立ちませんので、その現地測量、調査を行う中でこれまた地域の方々にはよく承知いただくし、その間においてまた地元への計画の説明等も当然に出てまいります。先ほど言いましたように、都市計画決定等、計画をつくる段階でも説明は当然ありますが、そういった現地測量等の段階を踏まえながらも必要な地元への計画説明というものを随時やっていく、こういうことになります。
 それから、当然のように用地買収という行為に入らしていただきます。この段階は言うまでもなく地元の公共団体あるいは地元地域の住民の方と十分な協議、調整、御理解をいただく努力というものが必要であることは当然でございます。
 そういったものを受けて、次には設計、積算という行為に入ります。これがまさしく具体的に工事を現実に現場での仕事に移す手順でございますが、設計、積算を済んだものは今度はいわゆる入札という格好になるわけでございます。入札は、御案内のとおり一般的には指名競争入札制度をとっているところでございます。こういった入札制度、入札をした上で契約が決まる。それから工事の実施ということに相なるわけでございます。当然のように工事が済んだらば竣工検査をし、予算が適正執行され計画どおり事業ができたということを確認した上でもって供用に付される。
 こういったことでございまして、非常にかいつまんだ御説明で失礼しますけれども、いずれにしても十分な地元の公共団体あるいは住民の方とは協議が積み重ねられて事業が進められていくということでございます。
#196
○新坂一雄君 大変な社会科の勉強でございますけれども、要するに言いたいことは、例えばこの道路区間はどこの業者が請け負うことになったとか、幾らで請け負うようになったとかということが市役所の掲示板のところへ行ってこうやって見れば、何か漢字でもってかた苦しい言葉で書いてあるんですが、それでは市民といいますかにはなかなか見えてこないということで、そうすると何となく工事がやられているというような思いをいたすわけでございまして、その辺の何かオープン――オープンには違いないんでしょう、また法律の中でやっていることは確かでございましょう。しかし、そういうようなものが目に見え、いわゆる普通の市民生活をやっている立場にわかるような伝達手段といいますか、何かそういうようなものをひとつ工夫していただくと目に見えてくるんじゃないかなという気もいたすわけで質問したわけでございます。
 あと時間が詰まっておりますので、大蔵省の方おられますか、どうも恐縮です。
 いわゆる二千億の生活関連枠についてでございますが、これは物すごく新しい発想でできたといいますか、日米構造協議の中で出てきたものとしては、二千億というのは非常に少ないんじゃないか。全体の枠の四百三十兆の中に、十分の一というふうに言って、その中で特枠をつくったにしても大変少ないんじゃないかという気が私はしております。したがって、今後この枠の拡大、それからその生活関連への何といいますか、重点的にシフトする、転換を図るというような意思決定といいますか、それがどうも何もない枠のないままでやられると、午前中なんか括弧づきで何か分捕り合戦という言葉も出たようなんですけれども、何か今までの既成の権益を摘み取ってしまうような形の予算しかつくれないんじゃないか。そうすると、せっかく市民や国民が何かやってくれる、先進国並みに生活レベル、環境がよくなるんじゃないかという期待感が、そこでもって前と同じなんじゃないかなというような挫折感に陥ることは非常に怖いことだと思います。そういう点で何か工夫はございますのでしょうか。
#197
○説明員(林正和君) 先生の御質問、今二点あったように思います。
 一つは、二千億の金額が小さ過ぎるんではないかという御質問でございますが、これは平成三年度予算の概算要求基準の策定に当たりまして、着実な祉会資本の整備、特に生活関連部門の充実を図るという片方で要請がございましたが、他方におきまして、依然として厳しい財政事情、あるい
は現在の経済情勢、労働需給の引き締まり基調を踏まえまして、インフレ、景気過熱を招かないようにと、こうした点にも留意する必要があると考えられたわけでございまして、こうした両方の要請を踏まえまして、投資的経費については基本的には厳しい基準が必要であって、原則として前年同額としつつも、ぎりぎり適切な水準として生活関連重点化枠ということで二千億を設定したものでございます。
 現在、予算編成作業の一環といたしましてそれの調整作業をしておりますが、私どもこの調整に当たりましては、公共投資基本計画等に示された考え方を参考といたしまして、既に公共事業等実績のあるもの、これを基本に、真に国民生活の質の向上に結びつく、かつ直接に効果の上がる事業ということに限定するということにいたしまして、現在各省庁の御要望の精査をさせていただいているところでございます。
#198
○新坂一雄君 午前中の答弁もそうだったんですけれども、その公共投資の実績を勘案しなからというお言葉でございますけれども、それがベースになってしまいますと、今までのいわゆる産業基盤を優先する形の公共投資の従来の型の実績を考慮してという意味合いになりますので、そこはむしろ逆転して、生活重点のもので余りがあればそちらの方に回すというような、その視点の転換をやっぱりしていただきたいものだなというふうな考えを市民的な立場から見ると思うのでございます。
 最後でございますが、やはりこれは既得権益といいますか、これはやっぱり直らないというふうにシステム的には思います。やはり国会等開かれた場で公共投資の割り振りを決めるとか、あるいはいわゆる各業種といいますか業界といいますか、それぞれの団体の一種の審議会的なものの客観的なメンバーがいわゆる生活枠はこうこうだというふうなことを決めるような、オープンな場でもって決めていくようなシステムを開発しない限り、相変わらずやはり今やっているような形のもの、要するに政権党がそれぞれ割り振りを決めていくような形で法案として、予算として出てくるというふうなことをとっている限りは、これはやはり十年間、幾ら新しい時代になったとしても余り実りがないんじゃないかなという気がいたします。
 そこで、やはり十年間を事業別に統括するような形のものを総理大臣直轄の何かいわゆる大きな看板をかけまして、そのもとにその生活優先の枠を重点的につくるようなことを掲げるとか、何かそういうようなシステムを考えなくちゃいけないのかと。要するに一元的に事業を推進する体制をつくらないと、やはり今までのシェアがなかなか移動できないというようなことになりかねないと思います。
 こういったことで、綿貫大臣、今後の公共投資の基本的な姿勢というものを最後にお願いして終わらせていただきます。
#199
○国務大臣(綿貫民輔君) 今の生活関連枠というものについてのシェアの問題でございますが、これはなかなかどれが生活関連でどれが重点だとかいうのは決めにくい問題だと思います。特に、先ほどお話がございましたように、産業と生活関連というものを対立させてどちら側だというような、そんな簡単なメカニズムじゃないと思いますので、その辺は大変重要な問題だと思いますが、建設省でも、来年度から始まります五カ年計画を見ていただいてもおわかりのように、例えば下水道は今までの過去の五カ年計画は十二兆二千億でございましたが、一・五六倍の十九兆円、都市公園等は前の五カ年計画が三兆一千億でございましたが、一・九九倍、約倍の六兆二千億とか、いろいろそれなりに重点的なことを項目として考えながら計画を立てておる、こういうことでございますので、その辺を御理解いただきたいと思います。
#200
○新坂一雄君 終わります。
#201
○委員長(矢田部理君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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