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#1
第120回国会 建設委員会 第3号
平成三年三月七日(木曜日)
   午前十時十一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢田部 理君
    理 事
                井上 吉夫君
                石原健太郎君
                青木 薪次君
                山田  勇君
    委 員
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                川原新次郎君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                服部 安司君
                佐藤 三吾君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  大塚 雄司君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  西田  司君
   政府委員
       警察庁交通局長  関根 謙一君
       国土庁長官官房
       長        八木橋惇夫君
       国土庁計画・調
       整局長      長瀬 要石君
       国土庁土地局長  藤原 良一君
       国土庁土地局次
       長
       兼内閣審議官   鎭西 迪雄君
       建設政務次官   杉山 憲夫君
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設大臣官房総
       務審議官     青木 保之君
       建設省建設経済
       局長       鈴木 政徳君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画官   藤森 泰明君
       法務省刑事局刑
       事課長      松尾 邦弘君
       国税庁直税部所
       得税課長     諏訪  茂君
       運輸省地域交通
       局鉄道業務課長  小幡 政人君
       自治省行政局選
       挙部政治資金課
       長        井戸 敏三君
   参考人
       住宅・都市整備
       公団総裁     丸山 良仁君
       住宅・都市整備
       公団理事     安仁屋政彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (リクルート社の献金問題に関する件)
 (住宅対策に関する件)
 (公共投資の推進に関する件)
○住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業及び建設諸計画等に関する調査のため、本日、住宅・都市整備公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(矢田部理君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○青木薪次君 四日の産経新聞は一面トップで、大塚建設大臣が昭和六十年十二月から六十三年七月にかけて日本リクルートから五回に分けて四千万円に上る献金を受けていたと、報じておるのであります。振り込まれた銀行は都銀衆議院支店でありますが、金額を実は明記いたしているわけでありまして、これに対して大塚大臣は、私どもの予算委員会の我が党議員の質問に対して、事実は一切あずかり知らないという立場をとっているのでありますが、この点については今もそういう考えに変わりはありませんか。
#6
○国務大臣(大塚雄司君) 四日の新聞と仰せられましたが、三日の日曜日の朝刊であったと思います。東京地区の東京版で報道がされまして、翌四日の予算委員会で御質問をいただきましたが、そのときお答えしたことと全く同じでございます。
#7
○青木薪次君 これは具体的事実を挙げて報じておりますので、その点については一切知らないというようなことは私は通らないと思っているし、国民各位もそういうように考えているらしい。したがって、我が党並びに我々のところに対しても、この事実はしっかりひとつ解明していただきたいという要請の文書や電話がしきりにございます。また、このことについて相当な新聞、ニュースその他雑誌等で報ずることについてまことしやかに言われているわけでありますから、私は、あずかり知らないというようなことだけでは、済まされないと思うのでありますが、この点についてはどういうお考えですか。
#8
○国務大臣(大塚雄司君) 私は、あずかり知らないというようなことは、申してはおりません。予算委員会の席で、三日の日に、新聞が出た日には早速私の事務所にマスコミの全社をお呼びいたしまして、私からそのことの事実について報告をし、もとの秘書の者からも事情を聴取し、その他預金通帳等も調べまして、事実はございません、こういうお答えをしたのでございまして、あずかり知らないというような態度をとった覚えはございません。
#9
○青木薪次君 産経新聞の報ずるところによりますと、今のお話のように金のことは一切合財女性秘書がやっていると、これはやめた女性秘書がやっているんだということは、あなたが金のことについてはあずかり知らないというように解釈しているんじゃないかという記事も見ました。
 しかしながら、リクルート事件については、あれだけ問題になった大問題でありますから、長期にわたりまして国会で追及された問題であります。当時、公人としてリクルートから幾ら政治献金を受けたか、みずからの責任で調査しておくのが常識ではないかと私どもは思うのでありますが、献金を受けていないということであるならば、産経新聞の問い合わせについてどうもあなたのお答えになったことが明確さを欠いているというように考えているのでありますが、その点はいかがですか。
#10
○国務大臣(大塚雄司君) 記事のやりとりにつきましては、私は自分では正しいことを主張した自信を持っておりますが、取材の表現についてまでコメントをするつもりもございませんけれども、私自身は、リクルートの金に限らず政治家としては、政治資金として受け取ったものは法の定めるところにより、政治資金規正法による届け出をするべきであると思っておりますし、事務所の経理につきましても私が責任を持っておることでございます。しかし、日常の事務、そしてまたそのような経理事務は秘書が担当をしておるということでございまして、決して責任がないような言い方をした覚えはございません。
#11
○青木薪次君 昭和六十年の十二月に百万円から始まって六十一年の選挙の前に三千万円が振り込まれたということになっているわけでありますが、この具体的事実、三千万円というのは相当な多額でありますけれども、こういうことまであずかり知らないというようにお答えになりますか。
#12
○国務大臣(大塚雄司君) 記載をされた五つのすべてについてあずかり知らないのではなくて、調査をしました結果、事実がございませんとお答えをいたしているのでございます。
#13
○青木薪次君 新聞記事によれば、献金された、大塚大臣の口座に振り込まれた四千万円については政治資金としての届け出がなされていないということでありますのでさらに問題を複雑にいたしているわけでありますが、産経新聞の書いてあることは具体的事実を五回にわたって書いてあるわけです。そういう問題についてあずかり知らないということではないということだということになれば、知っているということで、その反対の解釈としては成り立つわけでありますが、そういうように解釈してよろしゅうございますか。
#14
○国務大臣(大塚雄司君) 先生の御表現がちょっと私には理解できないところがあるんですが、私は、このたびのことにつきましては事実を調べましたが、その事実がございませんと申し上げておるのでございます。
#15
○青木薪次君 私は一切関係ない、いわゆる知らない、そういう事実がないということを、表現の違いはあってもそういうようにお考えになりますかと、私は聞いたつもりであります。あなたがどういうように解釈されるかは別といたしまして、こういうことをあなたは全面的に否定されますかということについて、全然知らないということじゃないというように言われたり、今度はそういう事実はないというようにさらに語気強く言われたわけでありますから、これは産経新聞の書いた記述は事実が全然ないということを書いたというように確認してよろしゅうございますか。
#16
○国務大臣(大塚雄司君) 四日の予算委員会で御答弁を申し上げたことと、今日ただいまも全く同じでございますということでございます。
#17
○青木薪次君 国民はこのことについて非常に関心を持っておりますので、私は、特にこれから十年間に四百三十兆円の公共投資を担当される大臣でありますので、この点は非常にやっぱり注目をいたしていると思います。そういうことになれば、産経新聞、一流新聞の書いたこの記事であったにしても全く事実はない、そういう事実はない、こういうように理解してよろしゅうございますか。
#18
○国務大臣(大塚雄司君) 私は予算委員会の冒頭でお答えをしたものと一切変わっておりません。したがって、そういうことになると思います。
#19
○青木薪次君 そうであるとするならば、産経新聞の書いた事実について、あなたの名誉を棄損することとしてあなたはお考えになっていますか。
#20
○国務大臣(大塚雄司君) 予算委員会のときにも大変に不愉快なことであると申し上げましたように、今日もそのように思っておりますし、弁護士とも相談をいたしております。
#21
○青木薪次君 弁護士と相談をして対応していらっしゃるということでありますが、やっぱり具体的に四千万円という事実がこのように明確に出されておりまして、そのことはそのこととして、リクルート事件の発生いたしました五十八年以降の政治資金規正法による届け出関係等については、これは自治省として確認をしているかどうか、この点ちょっとお伺いしたいと思います。
#22
○説明員(井戸敏三君) お答えいたします。
 ただいま五十八年以降と申されましたが、御通告がございましたのが産経新聞の記事による関係でお尋ねでもございましたので、関連いたします年分からということで六十年以降につきまして、政治資金収支報告書またはその要旨を公表しております公報によって確認しているところでございます。
 一般的に申し上げますと、政治家個人に対します政治献金につきましては、御承知のように、政治家みずからが保有金として御報告されるかあるいはその指定団体を通じて御報告されるというシステムになっているわけでございますけれども、まず保有金の収支報告につきましては、六十年分以降でございますけれども、現在元年分までの報告がございますが、収支報告がない旨御報告をいただいているところでございます。
 それから、指定団体の収支報告につきましては、これは政治団体の活動エリアによりまして自治大臣所管の団体と都道府県選管所管の団体とあるわけでございますが、自治大臣所管の指定団体は届け出がございませんので、東京都の選挙管理委員会所管の指定団体につきまして確認をさせていただきましたところ、寄附者の氏名の欄にリクルート社の名称の記載はないということでございます。
#23
○青木薪次君 私はやっぱり一定の調査をいたしました。それでこれは確実であると言っているのであります。したがって、そういう点について今本人がないと言っているんだから絶対ないんだというお話もありましたが、今まで全部そうなんですね。そうなってまいりますと、大塚大臣の口座に振り込まれたというようなことが大塚大臣の所得となっているとするならば、これは脱所得だと思います。したがって、今も六十年以降という話がありましたから六十年以降で結構ですけれども、大塚大臣個人の所得税申告の中にこのことが入っているかどうか、国税庁としては調べてありますか。
#24
○説明員(諏訪茂君) お尋ねの件につきまして新聞報道がありましたことは、私どもも承知しておるところでございます。ただ、個々の納税者の申告事績につきましては従来からお答えを差し控えさせていただいているところでございます。したがいまして、本件につきましても私どもの立場上お答えできないということを御理解いただきたいというふうに思います。
#25
○青木薪次君 リクルート社から献金されたと言われる四千万円のうち三千万円が六十一年七月の総選挙直前に集中しているということは、選挙資金に使われたのではないかと言われているのでありますが、大塚大臣の六十一年の選挙の収支報告について自治省選挙部長はどんなふうにこれに対応しているか、調査の依頼もしてあるわけでありますが、いかがですか。
#26
○説明員(井戸敏三君) お答えいたします。
 選挙運動に係ります収支報告につきましては、公職選挙法の規定によりまして選挙の期日後に御報告をいただくというシステムになっているわけでございます。
 六十一年七月に行われました衆議院議員の選挙におきまして収支報告をいただいているわけでございますが、これは東京都の選挙管理委員会に収支報告がなされます。現時点では保存期間を過ぎておりますので、東京都の公報によりましてその要旨が公表されておりますので、その要旨によりまして確認をするということになるわけでございますけれども、その選挙運動費用に関します収支報告にはリクルート関係の記載はございません。
 以上でございます。
#27
○青木薪次君 リクルート事件のときに、位田リクルート現社長がリクルート社の政界工作の対象者の中に大塚大臣の名があることを明らかに実はしているわけでありますが、大塚大臣御自身が、あなたの秘書ですね、あなたの秘書が検察庁に参考人として事情を聴取されたことがありますか、どうですか。
#28
○国務大臣(大塚雄司君) そのような事実は聞いておりません。報告がないということは、そのようなことがなかったものと存じます。
#29
○青木薪次君 御本人は否定されているけれども、大新聞が具体的事実を挙げて確信を持ってこの報道をした、こういうように言われているわけでありますから、これは通常御本人の否定だけでは済まされないんじゃないかということで、そういう意味で私どもは関心を持っているわけであります。
 クリーンを売り物とする海部内閣、しかもリクルート事件に関係した人は大臣として起用しない、この大原則を実は貫いてきたし将来も貫きたい、こういうことを言っているわけであります。そういう意味で、あなたは全面的にこのことについてはあずかり知らぬということではないというように、先ほどそのようなニュアンスの答弁をされたかに私は受け取っております。あなたがしゃべらないと言えば、それは皆さんが聞いているわけでありますからそういうように解釈しているわけでありますけれども、このようなことが報道されたということについて、あなたは責任を感じておりませんか。
#30
○国務大臣(大塚雄司君) 私が申し上げておることは、予算委員会の冒頭で申し上げたことと同じでございます。終始変わらず申し上げておりますし、事実でございませんから、大変に不愉快である。事実であれば、これは申しわけないということでありますけれども、事実でないことで申しわけないという話にはならないわけでありますから、そこは御賢察を賜りたいと存じます。
#31
○青木薪次君 大臣、ただ青山の市街地開発ビルの住宅についても、住宅・都市整備公団との賃貸契約に違反して、御自身の後援会の事務所としたり秘書をそこへ住まわせたりすることが判明いたしておりまして、大塚大臣は、契約どおり公団に引き渡すように述べられているわけでありますが、このことについてどういうようにお考えになっていらっしゃいますか。
#32
○国務大臣(大塚雄司君) このことにつきましては衆議院の建設委員会でも御答弁を申し上げましたが、私の秘書の入居につきましては、私自身も私の関係会社もその当該住宅のいわゆる譲渡施設部分の賃借人であり、その従業員は入居の資格がありますから、適法に入居の手続をいたしました。その後、退去をいたしましたのにその手続を怠っていたということで、これは決していいことではありませんから、直ちに解約をし、次の入居者に手続をしておると思いますけれども、これらにつきましては、管理をしている会社が大変に間違ったことをしたので、大変に申しわけない。私もそのような監督不行き届きと申しますか、事情を知らなかったことについて皆様におわびをいたしたわけでございます。
#33
○青木薪次君 青山の市街地開発ビルの住宅については、住宅・都市整備公団との賃貸契約に違反して御自身の後援会の事務所としたりしたこと、これもあわせて、このマンションは住むことが前提でありますから倉庫としたり事務所としたりすることはできないわけでありますから、その点についても違反だと言われているわけでありますが、この点についてはいかがですか。
#34
○国務大臣(大塚雄司君) 事務所としたと言うとそこに人が住んでいないということになるわけでありますが、住んでおりながら、秘書でありますから、そこで私の名簿を持っていって仕事をしたりしたことはあったようでありますけれども、その後、退去してからはそのようなことをいたしておりません。
#35
○青木薪次君 今の事態について、住宅・都市整備公団の総裁はどういうように理解していますか。
#36
○参考人(丸山良仁君) 今回、市街地住宅の一部におきまして不適正な使用がありましたことはまことに遺憾であり、心からおわび申し上げる次第でございます。
 公団といたしましては、直ちに調査を実施し、是正措置を講じたところであります。すなわち、細かくなりまして恐縮でございますが、北青山三丁目公団の四階の住宅につきましては、昭和五十五年三月に契約した名義人は平成元年ごろまで居住していたようでありますが、その後は荷物等が置かれておるものの居住はなされていなかった模様でございます。これにつきましては、既に契約名義人から二月十三日に契約解除届が出され、明け渡しを完了いたしております。
 次に、同公団の十一階の住宅につきましては、昭和六十年三月に契約した名義人はほとんど居住しなかったようでありまして、市街地開発株式会社の別の従業員が入居し、その後昭和六十三年四月に市街地開発株式会社の従業員である現居住者に入れかわった模様であります。これにつきましても、契約名義人からこの二月十三日に契約解除届を受理し、同日、施設譲り受け人であります第一青山ビル合名会社から現居住者につきまして推薦がありましたので、資格審査を行った上、三月六日、居住者と契約手続を完了しているところでございます。
 また、北青山三丁目第二住宅の五階の住宅につきましては、契約名義人が現に居住中でございまして、違反はございませんでした。
 最後に、南青山三丁目第二住宅の六階の住宅につきましては、これは一般公募により入居した住宅でありますが、契約名義人は既に退去し、その後第三者が居住した可能性もありますが、約半年前から空き家となっていた模様であります。これにつきましても、既に契約名義人からこの二月十三日に契約解除届を受けておりまして、現在、補修を行っているところでございまして、それが完了し次第、これは空き家募集といたしまして一般の人に入っていただく予定でございます。
 以上でございます。
#37
○青木薪次君 公団との賃貸契約に違反したような形でもって後援会事務所や秘書の住宅に使わせているような形というものは、これはよくない。あなた自身がお認めになっていらっしゃるように、そういうことについては、今の住宅・都市整備公団総裁の話で、そのことについての対応はされたようでありますが、いずれにいたしましても、この昭和六十年十二月以降の三年余カ月におけるリクルート社からの四千万円の献金等については、当時だったら大変な大騒ぎになったと思うのであります。そのことが舌の根の乾かないうちに今日発覚したというようなことから、私はやっぱりこのことに対する黒白は国民の前に対して、しかもあなたが建設大臣であるというようなことから考えても、はっきりすべきであると思いますけれども、その辺については必ず明確にするというお約束ができますか。
#38
○国務大臣(大塚雄司君) 既に官房長官が調査をして報告をするということになっております。私も、官房長官の調査に協力をして一日も早く明確にするように努力いたしておるところでございます。
#39
○委員長(矢田部理君) 関連質疑の申し出がありますのでこれを許します。佐藤三吾君。
#40
○佐藤三吾君 大臣、予算委員会でも連日で恐縮です。きょうは同僚委員の関連でございますので詳細な問題はまた聞くとしまして、時間がございませんから簡潔にお尋ねしてまいりますので、よろしくお願いしておきたいと思います。
 今やりとりをお聞きしました。大臣は予算委員会の答弁で事実でないとこういう回答のようでございますが、あなたも大変遺憾だと、失礼だとこういうことで御不満も言われておりましたが、当該新聞に対して抗議をし告発か何かやりましたか。
#41
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど来申し上げておりますように、弁護士とそのことについて協議をいたしておるところでございます。
#42
○佐藤三吾君 まだ直接にあなたはやってない、直接にはやってないですね。
#43
○国務大臣(大塚雄司君) はい。
#44
○佐藤三吾君 それで、やっぱり中身を見るとかなり信憑性を持っておるんですよ。六十年十二月二十八日に百万円、六十一年四月二十六日、これは総選挙直前ですが、三千万円、同十二月二十六日に三百万円。そして、六十二年一月二十四日に三百万、六十三年七月二十七日に三百万、こういうことで最後の三百万はリクルート疑惑発覚直後となっておるわけです。これをあなたは否定なさっておるわけですけれども、否定なさるなら否定なさるようにきちんとしないと、世間ではこれは通用しないんじゃないかと思うんです。逆に言えば、あなたが調査漏れということではないんですか。
#45
○国務大臣(大塚雄司君) 私は、予算委員会の冒頭で申し上げましたように、通帳等も調べて事実ございません、こう申し上げておるんでありまして、調査漏れではございません。
#46
○佐藤三吾君 報道によりますと、二日夜に新聞記者が尋ねて確認を求められたので、銀行通帳を取り寄せて秘書と調べたが報道されるような事実はない、こういうふうに答えておりますね。
#47
○国務大臣(大塚雄司君) はい。
#48
○佐藤三吾君 これは大和銀行の衆議院支店の方から取り寄せたわけですか。そして、その名義は大塚雄司名義になっておる通帳ですか。その点はどうなんでしょう。
#49
○国務大臣(大塚雄司君) 通帳はそのとおりでありますが、取り寄せずとも通帳の廃棄したものは持っておりますので、事務所から取り寄せて調べました。
#50
○佐藤三吾君 通帳番号は教えられますか。
#51
○国務大臣(大塚雄司君) 今私の手元に通帳等ございません。番号を一々覚えてないものですから、必要とあればすぐ提出をいたします。
#52
○佐藤三吾君 その当時の秘書にも事情を聞いたということが報道されておるんですが、この秘書とは、あなたの秘書をやめられた筒井さんのことですか。
#53
○国務大臣(大塚雄司君) 国会便覧に名前が出ておりますからそのとおりでございまして、筒井ハル代と申します。
#54
○佐藤三吾君 ちょっと今覚えがないようでございますから、先ほど申し上げた通帳の写しでも結構でございますが、提出してくれませんか。
#55
○国務大臣(大塚雄司君) 番号は後ほどお調べしてすぐお届けをいたします。
#56
○佐藤三吾君 あなたは五十五年七月から五十六年十二月まで国土政務次官、五十六年から五十七年十一月まで建設委理事、五十七年の十一月から五十八年十二月まで文部政務次官、五十八年十二月から六十一年七月まで文教の筆頭理事、そして党の文教部会長、こういうふうに把握しておるんですが、間違いございますか。
#57
○国務大臣(大塚雄司君) 日付を私は一々覚えておりませんが、おおむねそのとおりだろうと思います。
#58
○佐藤三吾君 そこでお聞きしますが、リクルートの江副さんとはいつごろからどういう関係ですか。
#59
○国務大臣(大塚雄司君) 私は、地元ですけれども、特に交流を持っておりません。しかし、パーティー等でお顔を合わしたことはありますから、名刺交換程度はいたしておりまして、それ以上のつき合いはございません。
#60
○佐藤三吾君 大臣の就任のときにも、リクルート社は選挙区の中にあって多少の陣中見舞いはもらった、こういう話も報道されておりますが、そういうことですか。
#61
○国務大臣(大塚雄司君) 大臣の就任のとき陣中見舞いというお話はあるわけはないわけでございまして、どういうことでございましょうか。
#62
○佐藤三吾君 大臣就任のときの記者会見じゃないですよ、就任の後どこで、建設省でやったのか知りませんが、リクルート社は自分の選挙区だと、したがって多少の陣中見舞いはあったかもしれぬと、こういう報道、コラムが出ておったんですけれども、いかがですか。
#63
○国務大臣(大塚雄司君) それは、五十八年のときの陣中見舞いとして百万円受領したものを政治資金規正法でお届けをしておる分について、私が説明したことだろうと思います。
#64
○佐藤三吾君 金田昌子さんという方を御存じですか。
#65
○国務大臣(大塚雄司君) 承知しております。
#66
○佐藤三吾君 財団法人国際協和奨学会というのはあなたがつくられたんですか。
#67
○国務大臣(大塚雄司君) 私がつくったわけではございませんが、その国際協和奨学会というのは、私の亡くなりました父の友人で金田品二という医者がおりまして、文部省の政務次官のときに留学生十万人計画に携わったものですから、やめてから後も留学生に奨学資金を出すような団体をつくることをいろいろな方にお願いをしてまいりました。その中の一つに、その方は多少資金の余裕のある方でございますから、そのような法人をつくって協力をしていただけたらありがたいということから話が出まして、その法人ができたわけでございます。そのときに、先方から何とか私にも協力をしてほしいと。政務次官はとっくにやめておりましたから、理事になることは差し支えないので、最初だけ理事をやりましたけれども、そういう関係でございまして、先ほどの金田昌子さんというのはその方のお嬢さんでございます。
#68
○佐藤三吾君 その理事をあなたはやられて、そして今度大臣になるまでずっと理事をやられておったわけですね。
#69
○国務大臣(大塚雄司君) やめた日にちはわかりませんけれども、理事はもう退任をいたしております。
#70
○佐藤三吾君 退任なさったのは平成二年三月三十一日でしょう。ですから、大臣になってからやめたんじゃないんですか。
#71
○国務大臣(大塚雄司君) いや、私はもっと前だと思いますが、平成二年……ことしまではやっていないと思います。
#72
○佐藤三吾君 いや、ちゃんとそうなっていますから。
#73
○国務大臣(大塚雄司君) 失礼しました。
 去年の三月でございますから、大臣になりましたのは暮れの二十九日でありますから。
#74
○佐藤三吾君 あなたはさっき江副さんとパーティーで知り合う程度で余りよく知らないとおっしゃったけれども、ちゃんとこの国際協和奨学会では六十一年七月二十八日から一緒にあなたは肩を並べているじゃないですか。
#75
○国務大臣(大塚雄司君) そのことにつきましては前にも赤旗で御調査があったわけでありますが、私自身は、その中の同じ理事で大沼さんという文化服装学院の理事長がおられますけれども、その方に専修学校の留学生が多いので理事になってもらうように御紹介をしたことがございます。聞くところによると、その方が江副さんを御紹介になったわけでありますが、実は残念ながら私もその理事会等に出ておりませんし、非常勤でありますから委任状で処理をずっとしてまいりましたし、出ておりませんので、江副さんが出たことも承知しておりませんし、同席したこともございません。
#76
○佐藤三吾君 そうですか。
 法務省、来ていますか。――一月三十一日に開かれたリクルート裁判政界ルートの第四十一回公判でリクルート社の社長の位田さんの証人調べが行われておりますが、この中で、検察側は六十年のリクルート社の文書の中に大塚さんの名前があると指摘をしておるということが報道されておりますが、いかがですか。
#77
○説明員(松尾邦弘君) 今先生のお尋ねのような報道がなされたことは承知しております。ただ、法務当局としましては、現に進行中の公判において、取り調べあるいは証人の証言等の内容を直接知る立場にございませんので、その具体的内容を承知していないわけでございます。先生のお尋ねに対してはにわかにお答えいたしかねるところでございます。
#78
○佐藤三吾君 位田さんの証言の中で、国会質問で就職協定問題を取り上げてくれるよう働きかける対象の一人であったと、こうお認めになっておる。いかがですか。
#79
○説明員(松尾邦弘君) 今申し上げたところでございますが、現に公判中の事件につきまして、刑事訴訟法等では、その内容、公判記録ということになりますが、それを閲覧できる範囲を極めて限定しておりまして、訴訟の遂行に必要な限りにおいてその関係人しか閲覧できないということになっております。したがいまして、法務省といえどもなかなかその記録を拝見することはできないわけでございまして、先生から具体的内容をお尋ねいただきましても、一々そうした事実があったのかないのか、あるいは証言等の内容でそういう点に触れたのか触れないのかということを一々確認する手だてがないわけでございます。
#80
○佐藤三吾君 リクルート社からの献金、パーティー券購入及びコスモス株譲渡リストというのが出されておりますが、その中の文教ルート、文相経験者、次官、OBという中で、海部俊樹、松永光、森喜朗、大塚雄司、柳川覺治、こういうふうな名前が出ておるわけでございます。こういう関係者については当然やっぱり捜査の対象としてお調べになったんじゃないかと思うんですが、その中には大塚さんはいらっしゃいましたか。
#81
○説明員(松尾邦弘君) 東京地検は、いわゆるリクルート事件の捜査の過程でリクルート社の政治資金の献金状況等を含めまして、必要な範囲内で関係人から事情聴取しているとは思いますが、お尋ねのような具体的にだれを調べたのかというようなことにつきましては、捜査及び収集した証拠、具体的内容にかかわる事項でございますので、お答えいたしかねるところでございます。
#82
○佐藤三吾君 今公判中ですからなかなか口はかたいと思います。その点わかります。法務省は結構です。
 そこで、大臣にお伺いしておきたいと思いますが、その当時はあなたは文教の筆頭理事、こういう役割をやっておられたと思うんですが、いかがですか。
#83
○国務大臣(大塚雄司君) 二年にわたって文教委員会の筆頭理事でございました。
 実はこの間もある新聞がお尋ねになられたのでお答えしたんですが、当時文教委員会におりましたときに何か私に頼むというようなことがあったように聞いておりますが、何年の何月だったかは全く記憶もありませんけれども、全然そんな話があったこともございません。
#84
○佐藤三吾君 最後の方は今何と言ったんですか。ちょっと聞き取れなかったんです。
#85
○国務大臣(大塚雄司君) 文教委員会の筆頭理事は二年にわたってやりましたが、その時期に新聞報道のようなことはなかったというふうに申し上げたんです。
#86
○佐藤三吾君 ちょっと話を変えますが、大臣はなかなか土地問題にも詳しいんですね。六十二年の中央公論で「「中曽根民活」の虚構を衝く」とかいう論文を読ませてもらいましたが、なかなかこの道では造詣が深いんじゃないかということを感じました。土地問題特別委員長もやられておるようでございますが、昨年の総選挙で、青年に希望の持てる都心にし住宅を建て人を呼び戻したいというお訴えをなさってなかなか好評を博しておったんですが、それがさっき同僚委員から言われましたあの公団住宅の転用の話を描いてお話しなさったんですか。
#87
○国務大臣(大塚雄司君) 公団住宅の転用とは全く関係がないことだと思っております。
#88
○佐藤三吾君 そうですか。いや、私はそう思いながら今聞いておったんですよ。
 そこで、もう一つ私はお聞きしますが、政治資金収支報告がさっきまた自治省から報告されておりましたが、これを見ると、東京不動産政治連盟、住宅産業開発協会、こういう方々や地上げ屋で今名前を上げております成子不動産、こういうところから献金がございますね。これらの団体や会社が東京の地価高騰のある意味では一つの主役をやっておるわけですが、それは御承知の上で政治献金を受けておるわけですか。
#89
○国務大臣(大塚雄司君) 両団体とも、私がそのような仕事を長くやっておりますから、いろいろと相談に来られることはございます。政策的にあるいはそれらの問題についていろいろと御協力も申し上げておりますけれども、そういうことでいただいているのではなくて、その団体は一般的に応援をしようということで政治資金としてくださっているものと思いますし、今おっしゃった成子不動産というのは、私がその社長夫妻の仲人をした関係がございまして、その関係で出してくれたものと思います。
#90
○佐藤三吾君 成子不動産は大塚さんの例の今問題の不動産じゃないんですか。それをあなたが仲人をなさったわけですか。
#91
○国務大臣(大塚雄司君) 「例の」とおっしゃいますが、私よく存じませんが、成子不動産の社長はともかく私が仲人をしたのでございまして、その関係だと思います。
#92
○佐藤三吾君 わかりました。まあそれはそれでいいでしょう。
 そこで、ちょっとお伺いしますが、大臣就任に伴ってあなたの資産を公表なさってますね。これを見ると土地だけで七カ所ですか、建物で五カ所と、大変うらやましい限りの財産の内容になって、約十五億ございますが、これはあなたの代になって買い求めたんですか、それとも遺産があるんですか、いかがですか。
#93
○国務大臣(大塚雄司君) 私の代になってから求めたものでございます。
#94
○佐藤三吾君 これはやっぱり私も勉強せにゃいかぬと思う。私もサラリーマンから政治家になったんですが、あなたがこれだけの出世をなさっていることは大変なことだと思うんですが、それはそれとして、六十三年六月に倒産した岡崎興業という会社を御存じですか。
#95
○国務大臣(大塚雄司君) 岡崎興業の田村社長というのは慶応の後輩でございまして、地元に住んでおりますから承知をいたしております。
#96
○佐藤三吾君 その田村さんですが、倒産以来行方不明になっておるということなんですが、所在は御存じですか。
#97
○国務大臣(大塚雄司君) 私もそのように聞いておりまして、日本には今いないというふうに聞いております。
#98
○佐藤三吾君 この人は単なる慶応の後輩というだけじゃなくて、いろいろあなたとの関係が深いんじゃないですか。
#99
○国務大臣(大塚雄司君) 関係が深い……後援者の一人で、慶応の後輩の一人でございまして、特段に関係が深いという関係ではございません。
#100
○佐藤三吾君 いろいろさらっと表面だけ聞いてまいりまして、田村さんの件ももう少し聞きたいと思うんですが、それ以上はあなたはなかなか口がかたいようですからこの場でちょっと無理なような感じがしますので、またひとつ機会を見て聞かしていただきたいというふうに思います。
 ただ、成子不動産の問題については、あなたが仲人をなさったということでございますからよほど深い関係で御存じだと思いますけれども、あなたの資産形成の中でこの成子不動産がかなり努力というんですか、通じた部分もあるんじゃないですか。
#101
○国務大臣(大塚雄司君) 仲人をした以外にそんなに深い関係はございません。
#102
○佐藤三吾君 この資産公開の中で、あなたが落選の際に必要だから土地、建物を買い求めたんだと、こういう意味の話をなさっておりますが、そういうことですか。
#103
○国務大臣(大塚雄司君) 資産公開のときの報告は固定資産税の評価額で出しておりますので、先ほどお話しのように十数億というようなことにはならないと思うわけでありますが、時価にするとそういうことだろうと思います。
 私が居住をしているマンションはともかく買ったときが一億ちょっとのことでございまして、前の家を売りまして、そして長期信用銀行から若干の借り入れをして十年年賦で払ってお返しをしておりますし、そのほか幾つかあるものにつきましても、息子と共同で買いました住宅は息子が住むために買ったわけでございまして、これも出し合って私は借り入れをして買っておりますし、持っている資産だけじゃなくて借金の方も実は抱えておるわけでございます。これはこれから二十年、三十年にわたって返していこうということでございます。資産を軽井沢と箱根に持っておるものにつきましても、いずれも年賦でまだ返済を続けているものでございまして、実際にそれを所有した理由は、私の事務所にもたくさんの秘書がおりますから、もしも落選したときなどはそういうものを売っても将来の道をつくってやらなきゃいけないなという気持ちでいるということを申し上げたのでございます。
#104
○佐藤三吾君 確かに借金は九千七百万円、こういう借入金がありますね。しかしそれは、例えば公社債が九千八百万あるとか、郵便貯金だけで六百万とか定期預金が五千四百六十万とか、こういうことでございますから、あなたの資産から見れば物の数ではない。それ以外に今不動産が十五億円程度評価額で出ておるわけですから、これはやっぱりサラリーマンから議員に転じてここまで資産形成するというのはなかなか容易でなかったんじゃないかというような感じがします、私の経験からいってみても。そういう意味で、決してそれはけなしているんじゃないですよ、立派だなと思いながら言っておるわけですから、悪くとらぬでほしいと思うんです。
 ただ、そのこととこのことが関連するわけではございませんが、リクルートの問題については、さっき私が申し上げましたように、具体的に日付まできちっとあるわけです。私の手元に来ておる資料を見ると、具体的に衆議院の大和銀行ですか、そういった通帳を含めてかなり信憑性を持っておりますから、これは私は、さっき申し上げたように、事実でないならないようにきちんと潔白を証明しなければ納得しないんじゃないかと思うんですよ。同時に、もしそれが事実として出てくる、こういうことになると、やっぱりあなたとしては出処進退を含めてきちんとしなきゃならぬのじゃないかと私は思います。何かもう一つ、きょうのテレビの中にもあなたの問題で新しいのが出てくる、こういうことも聞いておりますし、それから各社の中で、そういった点でもう一件新たな事件が出てくるんじゃないか、こういうことも聞いております。
 いずれにしましても、そういうことになると、これはやっぱり自民党さんの、いわゆる海部内閣のリクルート事件に対するけじめの問題もございましょうけれども、きちっとした出処進退を明らかにする、こういうことは大事じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#105
○国務大臣(大塚雄司君) もちろん、言うまでもなく、出処進退を明らかにするということは当然でございます。
#106
○佐藤三吾君 終わります。
#107
○及川順郎君 時間が限られておりますので、大塚大臣、本来なれば建設委員会は今抱えている諸課題について前向きの議論をしなければならないときに所管大臣がこのようなことで、ある意味では針のむしろに座るみたいな感じで、先ほど御自身も気持ちを吐露しておりましたけれども、非常に不快な念を持ちながら対応しなければならない。こういう事態になったことに対して大臣としてのまず所感を伺わせていただきたい。
#108
○国務大臣(大塚雄司君) 事実ではないにいたしましても、新聞報道のことから大事な審議時間をお割きいただくようになったことは甚だ遺憾に思っておりますし、私自身は、一方で不愉快ではありましても、委員会の皆様には大変に御迷惑をおかけしたと深くおわびをいたしたいと思います。しかし、真実は一つでございますし、私も自分の名誉もございますから言うべきことは言わなければならないので、その辺は御理解を賜りたいと存じます。
#109
○及川順郎君 用意しました質問の大部分はもう同僚議員から既に出ましたので全部割愛をいたしますが、二、三点確認だけさせていただきたいと思います。
 先ほどお話が出ておりました一月三十一日に開かれたリクルート裁判で政界ルートの第四十一回公判におけるリクルート社の位田社長、これが大塚大臣をリクルート社の政界工作を働きかける対象の一人に挙げておった。こういうことが明かされている中で大臣は、そういうリクルート社からの働きかけは一切なかったと衆議院の建設委員会、これは二月十五日ですね、ここでも答弁しておられましたけれども、この件については大臣としては、これはそのとおりである、このように断言できますか。
#110
○国務大臣(大塚雄司君) たしか公判での検事調書に、私に対して質問を依頼する予定であったというようなことを新聞で見たわけでありますが、そのことに関連しての質疑であったと思います。私は文教委員会の筆頭理事でございましたが、その委員会であの質問があったことすら実は覚えていないほど筆頭理事というのは飛び回っておったものですから、記憶をたどってもそれもございませんし、私自身ともかくそんな工作とか依頼とか一切ございませんで、公判記録にどういうことが載っておったか知りませんけれども大変迷惑な話で、位田社長というのも私は全く会ってもいませんし、存じてもおりません。
#111
○及川順郎君 もう一点、先ほど産経新聞で非常に大きい扱いになっているわけです。それで、本来事実無根であれば名誉棄損等でこれは告訴するということの事案になると思いますけれども、弁護士と相談されておられるという先ほどの御発言でございましたが、その事態によっては告訴の意思、これはおありでございましょうか。
#112
○国務大臣(大塚雄司君) ただいまのところ、このように私は体が国会に張りつけられておるものですから、なかなか弁護士と相談をする時間もなくて、弁護士さんもいろいろ御用があるので最終的な打ち合わせをいたしておりませんが、こんなことで大変に不愉快でありますから、相談をして毅然とした態度で対処したい、このように思っております。
#113
○及川順郎君 それからもう一点、市街地開発、公団の管理、これも先ほど出ておりました。新聞で報道されている事実、そしてまた大臣自身も事態の経緯を一部認められまして反省の意思を表明しておりますので、私も必要以上にこれは追及する気持ちはございませんけれども、ただ、公団住宅の性格という点から考えますと、所管大臣はこれを監督する立場でございます。やはり監督する立場がこのような事態を起こしているということに対して、国民一般の目から見ると一事が万事で、公団住宅行政全般に対して、業務全般に対して国民の信頼の失墜というか利用者の信頼の失墜というのは、これはやはり非常に大きいと思うんです。
 この点に対して厳重に反省をし、そしてまた所管大臣としての襟を正すべき姿勢が必要である、私はこのように思いますけれども、この点についてのお気持ちを承りたいと思います。
#114
○国務大臣(大塚雄司君) 公団住宅には一般と優先枠とございますけれども、先ほども申し上げましたように、優先枠の住宅といえども手続をおろそかにしたこと等は、大変に申しわけないことだと思っております。
 しかし、問題になっております当該住宅のほかに青山通りでは公団住宅が三棟ございまして、これらはちょうどオリンピックの始まる前後に公団が郊外の住宅のほかに都心で住宅をどうしてもつくりたい、そのためには地主に協力をしていただかなければならないので、私は青山通りの商店街の皆様方にお呼びかけをして、地主を集めて共同で建築をして、敷地が大きくなればそれだけ上に住宅が乗せやすいわけでありますから、そのような再開発を当時呼びかけたわけであります。そして、その共同のビルの上に公団が乗ったわけでありますが、制度上、その直前までは、公団住宅を乗せるけれども十年後にはその公団住宅は施設に譲り受けます、こういう約束でスタートをしておった時代に皆さんを口説き、そして契約をした直後に、契約をした時点でその制度が廃止になってしまった。したがってその地主さんたちは、言うなれば建築費の六割を公団からお借りしただけで上の地上権を全部公団に差し上げてしまった。
 そういう経緯から、優先枠の住宅だけは下の施設の人たちのためにあるわけですから公募の枠の外でございますし、しかもその入居者というのは、下の譲り受け人とそこを借りている人の従業員まで含めてそういう人たちがそこに入る資格を持つ、いわゆる優先オーナー枠というものがあるわけであります。したがいまして、先ほどもお話がありましたが、そういう住宅に入っている下の商店の方々は、言うなれば商店の上に住宅があるような格好ですから、そのところへ荷物を置いたり商品を管理したりということがあるわけですから、一見事務所や倉庫のように見えるところもありますけれども、そういう意味でのオーナー枠でございます。こういう人たちが退去をしますともちろん入れかえるわけですが、入れかえるのは公募にするのではなくて、あくまでも下の譲り受け人がかわるわけでございます。
 しかし、あのビルには東急ストアという大きなスーパーマーケットやブティックとか普通の商店が、酒屋さんも含めて十七、八店入っております。そういう方々が上の限られた住宅を借りたい。それを管理しておるのが市街地開発株式会社という会社がオーナーの委託を受けてやっておるわけでありますけれども、手続が間違っておったことは申しわけないことでありますけれども、実際に貸しますと、その店が今度は解約してつぶれても住宅の方だけは借地借家法があるものですから、公団から出ていってもらうのには裁判をしなきゃ出せない。そういう事情があったりするので、ついつい名義をそのままにするというようなことがあったようでありますが、これは間違いだと。しかし、一般公募をする住宅とは全く違うわけでありまして、あの地主さんたちは今でも上を返してくれということを盛んに言っておられるわけでございまして、私はそういう方々に呼びかけてみんなで財産を一緒にして共同で建ててくれという指導をした手前があるので、お互いの権利者間の将来の財産の問題につきましても私はある程度責任を感じているわけであります。そういう関係がありまして、多少手続で御迷惑をかけたことがございますが、これはあくまでも下の方が入るという取り決めできておるわけでございます。その辺を御理解賜りたいと思います。
 その後建てた市街地住宅は、今度はお金を払ったり制度が変わっているわけでありまして、そういう部分の住宅が約二万戸ぐらいあるはずです。こういう人たちはみんな連盟をつくりまして、公団に対して、当初十年譲渡と言ったじゃないか、払い下げてくれという運動も起きているようなわけでありますけれども、それにはまだ公団は結論を出していない、こういう状況でございます。
#115
○及川順郎君 事態の推移はそのとおりでしょうけれども、ただし、所管大臣としてここで本当に襟を正してひとつ臨んでいただきたいと思います。
 それで、今公団住宅の問題が出ましたけれども、公団の直近の家賃は平均値でどのぐらいになっておりますか、お示しいただけますか。
#116
○政府委員(立石真君) 住宅・都市整備公団が元年度に建設した賃貸住宅につきましては、規模では大体六十五平米程度でございますが、全国平均では初年度の家賃は九万四千四百円となっておるところでございます。
#117
○及川順郎君 この家賃の考え方ですけれども、中堅サラリーマンが家賃として支払いをして生活の家計に大体無理がないといえば、今はとてもとてもそれは状況としては難しいと思いますけれども、どの程度ならばということをにらんでこの家賃というものを想定なさっておられるんですか。
#118
○政府委員(立石真君) 住宅宅地審議会の御検討を得ておるところでございますが、家賃の場合には、平均的な所得の家庭にありましては、大体二〇%以内程度が家賃負担の限度であろうというような考え方に立っておるところでございます。
#119
○及川順郎君 民営の借家家賃負担の実態の推移を見てみますと、総理府総務庁の統計局の資料ですが、これで見ますと、家賃、地代が平成元年度で四万二千九百四十四円、大体実収入の一〇・八%ぐらい。民営の借家家賃負担でもこの程度で抑えているときに公団の二〇%、先ほどの状況でざっとはじき出しますと一八・九%、二〇%近いですね。こういう状況では、やはり公団としての一般中堅サラリーマンが利用できる住宅の供給という点から見ますと、非常に問題があるのではないか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
#120
○政府委員(立石真君) 先ほど申し上げました家賃は平成元年度に建設された新築の住宅についての家賃でございまして、住宅・都市整備公団のストック六十九万戸の家賃につきましては平均で四万四千円というようになっているところでございます。先ほどの民営家賃についての調査はおそらくストック全部についての家賃の平均だろうと思いますので、住都公団と比べますときにはこの四万四千円と比べることになるのではないかというふうに思うわけでございます。こういうふうに考えてみますと、特に住宅・都市整備公団の家賃について問題があるというふうには考えておらないところでございます。
#121
○及川順郎君 これは後でじっくり議論しましょう。
 住宅の問題で、これはどうしても一緒について回るのが土地でございます。国土庁長官、今回、土地対策で一月二十五日に閣議決定しました総合土地政策推進要綱で初めて「適正な水準まで引き下げることを目標とする」というこの引き下げが明示された、こういう状況がございます。
 長官といたしまして、どの程度の地価の引き下げを目標として土地対策に取り組もうとしているのか、その点をお伺いしたいと思います。
#122
○国務大臣(西田司君) お答えいたします。
 ただいまの御質問でございますけれども、これを定量的に何十%まで引き下げるということを、今この段階でお答えすることはなかなか難しいことだと考えております。しかし、私どもが現在念頭に置いて努力目標としておりますことは、いわゆる大都市圏、特に東京を中心とした東京圏、ここで中堅サラリーマンの平均年収が七百万と言われておるわけでございますけれども、これを何とか五倍くらいなもので住宅取得ができるような努力を図っていかなければいけない、こういうことで今進めておるところでございます。
#123
○及川順郎君 時間が参りましたので最後に一点確認したいわけですが、綿貫前建設大臣時代にその所信の中で、東京圏において一般勤労者に向け今後十年間に新たに百万戸の住宅を供給するという明示をいたしまして、これは総理が国民に公約したところとも非常に合致する方向できているわけですが、過日の大臣の所信をずっと私読まさせていただきましたけれども、その中にはこの百万戸住宅の供給というのがどこにも出てきておりません。これは基本的にきちっと施策を受け継いで推進していくという姿勢であるかどうか、この点を明確に確認しておきたいと思います。
#124
○国務大臣(大塚雄司君) 第六期住宅建設五カ年計画は五年間七百三十万戸、そして公的住宅を三百七十万戸で位置づけておるわけでありますが、その後の五年を含めて東京圏で百万戸、これは党の方でも私は携わっておりましたので、それが一つの公約として昨年二月の総選挙でも打ち出されておるものであります。
 それを受けて綿貫前大臣が仰せになったと思いますけれども、今日も全く同じでございまして、東京圏で十年間に百万戸、私もその気持ちで懸命に努力をしていこうと。そして、そのうちの三分の一はいわゆる郊外の開発等を考えますが、三十万戸はこのたびお願いをしているいわゆる宅地並み課税をするような周辺で建てていこう、残りの三十万戸は既成市街地の再開発、おおむねそんなような方向で十年間に百万戸と、こういうふうに考えておるところでございます。
#125
○及川順郎君 終わります。
#126
○上田耕一郎君 大塚建設大臣は、土地、住宅問題で我々と立場は違いますけれどもなかなか見識をお持ちで、「中央公論」「世界」などにも書かれておりますし、それからいつかの港の国有財産払い下げ問題では、区長、区民とともに反対運動をなさって、私も同席したことがあるんですが、そういう方が今度の住宅公団問題では、先ほどの公団総裁のお話、報告ですと、二月十三日に解除届が三件、御本人もおわびを申し上げるということがあったこともあって、いろいろ経緯はあったようですけれども、やはり重要な問題だと思うんですね。住都公団の指導監督に当たる立場でございますので私も極めて残念に思う次第でございます。そこへ今度のような問題がまた起きてきたわけですね。
 同僚委員も触れましたけれども、産経新聞が一面トップで報道する、よほどの証拠がなければこういうことはないと思うんです。それが大臣の方は全く事実はないと言われるわけで、弁護士とも相談されているということになりますと、かなり尾を引く問題になるだろうと思うんです。ですから、我々としては大臣が全く事実がないということを信じたいんだけれども、しかし今まで幾らもらってもないと言われた政治家がかなりありますので、あなたの言葉をそのまま信用しにくい問題がありますので、建設委員会としてはやっぱり問題を本当に黒白を明らかにする責任を持っている委員会だと思うので、時間は短いんですけれども幾つか質問させていただきます。
 五日の予算委員会で私も資料を挙げて質問したんですが、大臣の答弁の中でちょっと微妙な表現がありました。それは、ただいま御指摘のあったものについてはございませんという答弁だったんです。そうすると、じゃ、私が指摘したもの以外の、あるいは月日の違うもの、あるいは金額と異なるもの、あるいはその通帳以外の口座にはあるのかなという感じがしたんですけれども、指摘したもの以外についてもリクルート関係は一切ございませんか。
#127
○国務大臣(大塚雄司君) 仰せのとおり、ございません。
#128
○上田耕一郎君 仮名口座というのがあるんですよね。私のお聞きしたのは大塚雄司名義で〇二二六五二七の番号の通帳ですけれども、これまで政治資金についてはそれぞれなかなか複雑な扱い方をされておりまして、本名のこういうものにリクルート社が、当時問題になっていなかったにしても、政治資金届け出のないようなものを三千万円も振り込んでくるということは一体普通のやり方なのかなという気もしますけれども、そうしますと、仮名口座、秘書あるいは家族等々その本名でなくても、あるいは全然架空の名義でさまざまな口座を使ってそこへ振り込まれるというケースも今まであったことがあるんです。この大和銀行衆議院支店あるいはそのほかの銀行で仮名口座を用いたもの、しかも政治資金というのはあなた個人に入るもの、あるいはあなたの関係する派閥の政治団体にトンネルとして使われるものもいろいろあるんですけれども、そういうものも一切ございませんか。
#129
○国務大臣(大塚雄司君) ございません。
#130
○上田耕一郎君 そうすると、あなたはそういうものは一切なくて、それは全部今度の問題が明らかになったときお調べになったんですか。
#131
○国務大臣(大塚雄司君) 私は、予算委員会の冒頭のときにも申し上げましたように、当時の担当秘書にも事情を聞き、通帳について調べましたけれどもございませんと、こうお答えをしておるわけでございます。全部といいましても何年から何年までというともっと古くからもございますし、今日までもございますので、当該年度の間のという意味でございます。
#132
○上田耕一郎君 私はそんなに簡単に調べられるはずもないと思う。
 産経新聞の三月三日付の記事によりますと、「大塚建設相は、二日深夜」「自宅で産経新聞記者の取材に対し」「口座があることは認めた。」「「金のことはすべて、すでに辞めた女性秘書がやっていることなので、わたしには分からない。リクルートからの入金の有無については、これまで調べたことはない」と言葉を濁した。」という報道なんですね。この報道が正確かどうかは先ほどちょっと言われましたけれども、とにかく二日の深夜に産経から取材があってこう答えた。それで三日の朝刊の都内版に大きく載ったわけですね。
 そして、三月四日付の産経新聞によりますと、この献金問題で坂本官房長官は三日午前、大塚氏に電話で事実関係の確認を行った。これに対し大塚氏は「調べてみたが、事実無根の報道だ。」と言われた。前の晩の深夜に産経から取材があって、リクルート問題は調べたことがないと言葉を濁した。午前中に官房長官から新聞を見て言われて調べたけれども事実はなかった。そうすると、あなたはこの三日の午前中に先ほど名前が上がりましたやめられた筒井ハル代前秘書を呼ばれて調べたと。
 当時、通帳というと大概廃棄されたものはパンチがあいてますね。廃棄された通帳も事務所にあったものをごらんになった。わずか午前中に調べたと言われるけれども、先ほど言いましたように、秘書がいろんな名義でさまざまな通帳をつくっていることはあり得るわけですね、仮名口座。そんなのは一体これ以外にあったのか、あるいはあなた自身が知らなくても、あなたの政治団体との関係でそういうものがほかにあるのかないのかということで調べる時間的な余裕は全くないと思うんです。それについてどういう調べ方をしたんですか。
#133
○国務大臣(大塚雄司君) 取材がありましたのが二日の夜十一時十五分ぐらいでございます。私は当然もうそんなものはないとお答えをしておりますし、全く寝耳に水の話でありますから、私は、事実はありません、こう申し上げ、当時の秘書がすべてやっておったので、というお答えをしたまででございます。それ以上は申しておりません。
 ところが、朝の四時ごろ各社から電話が入りまして、新聞の記事になっているということで私は本当に驚きまして、憤りを感じていろいろな新聞にお話をしましたが、ともかくそれでは私が調べようというので秘書を電話でたたき起こしまして、実はこういうことがあるけれども、君のところに取材があったかと言ったら、取材はないということであります。しかも、この秘書は十五年私の事務所におりました秘書でございまして、病気で二年前にやめたわけでございますし、秘書と私は信頼関係がなければ勤まらないわけですから、特に女性の秘書で年齢も私と三つ四つしか違わない人ですから、ともかく私は信頼をしているのでその秘書に、ないかと聞いたら、一切ございません、こういう報告でございますから、そのまま信じております。
 そして、通帳を事務所から取り寄せまして、私の古い通帳をずっと見ましたけれども、ともかくあの五つのものはもちろんございませんし、通帳だけですから、大きなものはうんとあるかといえばそれほどないものですからすぐわかるわけでございまして、ございません、こう申し上げたわけでございます。
#134
○上田耕一郎君 そうしますと、あなたがおやりになった範囲ではこれは証拠にはならないですね。筒井ハル代さんに電話で聞いたら、そういうことはなかったと言われた。この言われた大和銀行の衆議院支店の廃棄した通帳を取り寄せて調べた。それには記載がないといっても、そのほかにどんな口座があるかわかりませんよ。いろいろ飛び交っている情報ではさまざまな政治的関係までいろいろ指摘されております。
 そうしますと、あなたとしては筒井ハル代さんに電話で聞いて、取り寄せた通帳にはないということでおっしゃっているけれども、私があなたに言った、これ以外にあなたがたとえ知らなくてもさまざまな仮名口座あるいはその他の通帳があって、そういうところにこういうお金が振り込まれたことは一体ないのか。一切ないとお答えになっても、あなた自身はそれに対する証拠を出していないんですよ。あなたがそう思うと言うだけでは客観的な証拠には私はならないと思うのですね。
 もう時間が参っておりますのでやめざるを得ませんけれども、やっぱり証明できる資料を提出しなければこの問題は決着がつかない。そういう点で、少なくとも私が指摘しました資料にある大塚雄司名義の〇二二六五二七、大和銀行衆議院支店、この廃棄されたものも持っているでしょうけれども、古いですからね、その通帳の写しを当委員会に提出することが大臣の責任ではないかと思うのでその問題を要求いたしますが、いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど来お話がありますが、通帳がほかにあるかとかないかとかいうことは、私自身、本人がないというものを、私もそんなものを持ったことがないんですから、私はこれは電話で十分調査が足りるものだと思っております。
 それから、ただいま御指摘のことでありますが、それらのことについては官房長官が既にそういうことを言っておられまして、官房長官の方にお出しをすることにいたしております。
#136
○上田耕一郎君 終わります。
#137
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。
 きょうは大臣に対して初めての質疑でございますが一言だけ。先ほど来の議論を聞いておりまして非常に今私にとっては残念だなと思いますことは、やはりサラリーマンが都内で働いていても住宅が非常に難しくて新幹線に乗って一時間の通勤定期を購入しながら通うような、そういう住宅が非常に困難な状態のときに、当該の大臣、たまたま間が悪かったと申しますか、大変公団の規則が思うようにいっていなかったというふうなことが先ほどの関係者の方からお話がありましたけれども、やはり都民感情といいますか市民感情として、政治家になるとそういう役得があるのかなというふうな感じが持たれるというのは非常に残念なことでありますので、先ほど同僚の及川議員からの指摘がありましたように、襟を正すということがもう何よりも大切なことではないかということを一言申し述べまして質問に移りたいと思います。
 ことしの新年度予算で公共投資の計画に絞りまして重点的にお話伺いたいんですが、パー・キャピタ、国民一人当たりの所得額がアメリカを抜いたというようなことで、実質上大国の中で一番と言われながら豊かさを実感できない、こういう中で公共投資で十年間、何とか豊かさを実感のできるような生活にしようということで、今年度はその公共投資の最初の年でありますけれども、実額といいますか、数字の上では公共事業費も、それから今年度に設けたいわゆる生活関連枠でもかなりの数字が上がっております。これに対する建設大臣の所感を最初に伺っておきたいと思います。
#138
○国務大臣(大塚雄司君) 日米構造協議から始まりまして、今年度は、四百三十兆円の公共投資基本計画によります最初の年度の予算ということでありますが、おかげをもちまして建設省も大変プラスの予算を編成することができたわけでございます。しかも、五本の新五カ年計画をことしから策定するわけでありまして、国民に一番密着をした住宅、下水道というような大きな基本計画もその中に盛り込まれておるわけでございます。
 また当然のことながら、生活関連重点化枠の中の千七百五十億が公共投資でありますけれども、建設省としてはその中の千三百九億を公共事業分として獲得させていただいたわけでございます。言うなれば、久方ぶりにいわゆる国民の生活に密着したもろもろの公共投資ができるわけでございまして、これを重点的、効率的に使って真に豊かさを実感できる国民の生活を確保するために全力を挙げてまいりたい、このように考えておるところでございまして、建設省の中のその千三百九億もそれぞれ住民に密着したもの、国民の生活に最も近いものを選んで割り振って事業を施行していく、こういうことでございます。
#139
○新坂一雄君 総枠としては公共投資ということで額が示されておりますけれども、今大臣のおっしゃったような生活に密着するということと、いわゆる道路一つにしても産業の道路と言われる中にも、人がレジャーなんかに走ればそれは生活と言えば言えますけれども、ただ、いろんな生活密着でもアクセントの色合いが違うと思います。そういう点では、この公共投資計画の一番みそになっておりますやはり生活密着というところにアクセントをより重点を移すということでございますから、その辺のところはこれからもウエートをかけた政策を実現してもらいたいというふうに思います。
 それから、経済企画庁に伺いますが、最終年度で生活重点六〇%にしていきたいということで大枠うたっておりますけれども、この積算根拠、アバウトな話ではあるんですが、生活環境、文化機能のことを六〇%と言っておるんですが、これはかなり頭の理念的なことになると思いますけれども、この内訳というのはどういうふうなことを積算根拠にしているかということを説明してくれませんか。
#140
○説明員(藤森泰明君) 先生御指摘の生活環境、文化機能の内容といたしまして、概念的な整理から申し上げますと、第一には居住環境の向上に資する機能あるいは保健衛生等生命維持に寄与する機能、日常的、地域的モビリティーを支える機能といったいわば生活の基礎的要件を支える機能と、それから第二に文化、学術、教育、体育活動のための環境を整備する機能あるいはゆとり、潤い、自然との触れ合いを確保する機能といった生活の創造的、文化的要素を支える機能というものを考えているところでございます。
 このような考え方に照らしまして、私ども個別の公共投資の事業内容について分類を試みたわけでございますが、基本計画のところで例示してあるとおりでございますが、さらに具体的に申し上げますと、例えば域内の道路というものにつきましては市町村道等の地域の日常的なモビリティーを確保するための道路、あるいは文教施設については学校、学術施設とか社会教育、スポーツ施設等に係る公共投資というものを含んでいるものと考えておるところでございます。
#141
○新坂一雄君 時間が限られておりましてあと一問だけでございますが、総枠としては六〇%ということでうたってありますが、なかなか項目的には非常に理念の考え方になって、このいわゆる公共事業がどの程度生活関連なのか、産業に資するのかというのが非常に切りにくいということで難しいところだと思いますけれども、これは最後の質問で建設省にお話を伺いたいんですが、今後高齢化も伴いますけれども、女性の職場進出ということで、例えば公営住宅に保育所を同じ建物の中に入れるというふうなことの住宅を建てていくというふうなことがこれから必要になってくるんじゃないかと思いますが、これはどちらも生活密着そのものだと思いますが、例えば建物は建設省、それから保育所を一緒につけるということになるとこれは厚生省になると思いますが、そういう場合のまたがったもので一つのやかたを建てるというふうなことで公共投資を進めていく、しかも生活密着型にしていくというふうなことの推進を願うわけでございます。こういうことの手法というのはどういうふうにしていったらいいかということをお聞きしたい。
#142
○政府委員(立石真君) 公営住宅の供給に当たりまして、先生御指摘のように保育所等を一つの団地内あるいは一つの一体の建物の中に併設して建設する場合も、これまでかなりプロジェクトとしては数多くなってきているところでございます。この場合には、両方の担当する地方公共団体のそれぞれの関連部局が事業を推進していくことになるわけでございますが、費用の分担であるとかあるいはスケジュールの調整等につきましては密接な協力が必要になるものと考えられるわけでございます。これまでのプロジェクトではそういうことを密接な協力のもとに建設されたものが多いというように聞いております。
 建設省といたしましても、このような施設のついた公営住宅を建設する場合には、併設するための工事費の増加に対しまして補助を加算するというような制度がございますので、これらの制度を活用しながら、今後地方公共団体におきまして関連部局と連携を図り、そのような施設を推進してまいるように指導してまいりたいと思います。
#143
○新坂一雄君 以上です。
#144
○山田勇君 今国会会期末までに、建設省としては約十法案、まだこれはふえる可能性もあるかもわかりませんが、大臣、十法案を審議しなければなりません。その建設省の長におられます大臣が、当初からこういう形での疑惑を受けて云々がございます。しかし、我々議員、委員会としましても、法案に対する賛成反対はあるにしても、この法案を慎重審議して何としても成立させていこう、そういう気構えで我々委員は一生懸命頑張っております。そのさなかに、邂逅といいましょうかつまずきといいましょうか、こういうことがあるのは大変私は残念に思っております。これは建設省全体の士気にもかかわることだなというふうに考えております。
 ということで、これからこの法案を審議し大臣の御答弁をいただき、大臣のお考えをいただくに当たって、我々はそういう疑惑の気持ちを持って審議をしても何かそこにむなしさを感じます。
 そういう意味で、大臣の今の同僚議員とのやりとりの中で、私は大臣が知らないということを言われたこと、これは信頼申し上げます。ただし、新しい事実、これはこういう言葉を言うとなんですが、貧すれば鈍するでわけのわからぬことも出てまいりましょう。しかし、決定的な新事実が出た場合は大臣の御進退をどういうふうにお考えになっているのか、その点だけお聞かせ願いたいと思います。
#145
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほどもお答えを申し上げておりますように、出処進退を明らかにする、これが政治家のとるべき態度である、こう思っております。
#146
○山田勇君 そのお言葉だけで結構でございます。
 いろいろとお調べになったり、またみずから身辺をきちっと整理なさって御報告をするなりという形ですが、これから法案を審議するに当たりまして、こういう嫌な最初のつまずきはありましたのですが、我々委員としましても一生懸命この法案の審議に参加をしまして、大臣の心ある御答弁をいただきながら法案の審議をするということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#147
○委員長(矢田部理君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十三分開会
#148
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大塚建設大臣。
#149
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 住宅金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫は、かねてより国民の住宅建設に必要な資金を融通することにより、国民の住生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったところでありますが、今後なお一層国民の良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境の確保を図っていくためには、所要の制度の改善措置を講ずることが必要であると考えられます。
 この法律案は、以上のような観点から、今国会に提出された平成三年度予算案に盛り込まれている貸付制度の改善等につきまして、住宅金融公庫法、北海道防寒住宅建設等促進法及び産業労働者住宅資金融通法の改正を行おうとするものであります。
 次に、その要旨を申し上げます。
 第一に、国民の居住水準の向上及び内需の持続的拡大を図るため、特別割増貸付制度の適用期限を平成八年三月三十一日まで延長するとともに、賃貸住宅を建設する者に対する貸し付けについても特別割増貸付制度を導入することとしております。
 第二に、産業労働者住宅貸付制度の拡充を図るため、従業員に貸し付けるため住宅を必要とする事業者等に賃貸するための住宅の建設に必要な資金の貸し付けを行うこととしております。
 第三に、これらの改正に伴い、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#150
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#151
○西野康雄君 私は、今回の改正案の内容に入る前に、最近の住宅事情と今回の対策についてまずお伺いをしたいと思います。
 平成三年度から発足する六期住宅建設五カ年計画の基礎となる昭和六十三年の住宅統計調査の結果を見ますと、我が国の住宅総数は世帯数を一〇%以上上回る四千二百一万戸に達しております。戸数面では十分充足しておりますが、質的には一戸当たりの平均床面積が八十九・三平方メートルになっております。欧米諸国に比べましてもまだまだの状況であります。また、全世帯が確保すべき基準とされております最低居住水準、四人世帯で五十平米、この未満の世帯が全世帯の九・五%に当たる三百五十五万世帯残っております。
 住宅の質的な向上、居住水準の引き上げが緊急の課題となっておりますが、日米構造協議に基づき策定された公共投資基本計画においても、西暦二〇〇〇年を目途に一戸当たり平均床面積を百平米程度とすることとなっておりますが、建設大臣としては今後どのような方策を講じ、公共投資基本計画の目標を実現していかれようとするのか、まず大臣の御所信をお伺いいたします。
#152
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま御指摘のように、住宅の戸数は四千二百万戸、世帯数が三千八百万世帯。戸数は充足をしておりますが、質的向上は極めて大事な問題だと認識をいたしております。
 特に公共投資基本計画におきましては、ただいまお話しのように、二〇〇〇年に百平米の目標で向かっていくわけでありますが、中間地点の一九九五年には九十五平米というところを目標に施策を展開してまいります。今回の住宅五カ年計画におきましても、特に公共賃貸住宅の供給を促進をすることに力点を置きまして、七百三十万戸のうちの三百七十万戸の公的住宅を目標に整備をしてまいる所存でございます。もちろん民間住宅につきましても、公庫の融資や補助金の活用を図りまして、規模の大きな住宅の供給を図ってまいりたいと思っております。
#153
○西野康雄君 政府は、平成三年度の予算編成に当たり、平成三年度から発足する六期住宅建設五カ年計画の規模を七百三十万戸と決め、目下その内容を詰めておるところだと思いますが、新しい五カ年計画の目標、重要な柱となる施策等について御説明をお願いしたい。
 そしてまた、六期住宅建設五カ年計画では、従来民間に頼りがちであった住宅政策を改め、公共賃貸住宅重視に転換し、住宅建設計画制度が発足して以来初めて公的資金による住宅建設が民間住宅を上回ることになると報じられておりますが、六期住宅建設五カ年計画の中身を詳細に御説明願います。
#154
○政府委員(立石真君) 第六期住宅建設五カ年計画におきましては、居住水準につきましては、第一に平成十二年の西暦二〇〇〇年を目途に全国で半数の世帯が、そしてさらにその後できるだけ早期にすべての都市圏で半数の世帯が誘導居住水準を達成すること、第二点として、平成七年度において住宅一戸当たり平均床面積を約九十五平方メートルとすること、そして第三に、最低居住水準につきましてはすべての世帯が確保すべき水準といたしまして、特に大都市地域での最低居住水準未満世帯の解消に努めること等を目標としたいと考えております。
 また、計画の実施に当たりましては、四点の重点課題を設定したいと考えておりますが、第一は良質な住宅ストック及び良好な住環境の形成を図ること、第二は大都市地域の住宅対策を推進すること、第三は高齢化社会への対応を図ること、第四は地域活性化等に資する良好な居住環境の形成を図ること等、四点を重点課題としたいと考えております。
 これらの課題のもとに、この計画期間中には住宅建設戸数につきまして総計七百三十万戸を見込みまして、公的資金による住宅建設戸数を、先生御指摘のとおり、その二分の一を超える三百七十万戸の建設を計画していきたいと考えているところでございます。
#155
○西野康雄君 平成二年で終わる五期住宅五カ年計画の実績について、建設省は、建設計画戸数六百七十万戸に対し実績見込みは八百二十四万戸に上り、計画達成率は一二三%になると発表なさっておられますが、その内訳を見ると、政府施策により供給される公的資金住宅が三百十七万八千戸で、計画量の三百三十万戸を下回っております。さらに、国民が強く要望している公営住宅や公団の賃貸住宅等の公共住宅は目標を大幅に下回り、達成率は七〇から八〇%と言われております。
 公共住宅建設の達成率はどのようになっておるんでしょうか。また、計画目標が達成できなかった原因はどこにあるのか御説明願いたい。
#156
○政府委員(立石真君) 五カ年計画の実績見込みにつきましては、総数につきまして、また公的資金による住宅につきまして先生の御指摘のとおりの数値でございますが、公的資金による住宅につきましては、進捗率九六・三%ということでございますので、おおむね計画を達成したというように考えております。
 しかしながら、その内訳といたしましては、公営住宅等につきましては、計画戸数二十五万五千戸に対しまして実績見込みが二十一万七千戸、進捗率八四・九%の見込みであり、また公団住宅につきましては、計画戸数十三万戸に対して進捗率八四・五%という見込みを持っているところでございまして、先生御指摘の七〇から八〇%ということではございませんが、かなり下回っているというように見ております。なお、公庫住宅につきましては、計画戸数二百二十五万戸に対しまして実績見込みは二百四十八万戸で、進捗率は一一〇%を超えるものと見ておるところでございます。
 このような状況の実績になりましたのは、公営、公団等の公共住宅につきまして、大都市地域を初めとしまして急激な地価の高騰等がありまして、新規用地の取得難が最大の原因であるというように考えておるところでございます。
#157
○西野康雄君 今おっしゃったとおり、大都市では地価の高騰により公営住宅や公団住宅等の公共住宅の建設用地の確保が極めて困難になっております。今後公共賃貸住宅の建設を大幅に増加していくためには、用地取得を伴わない公共賃貸住宅の供給を検討していく必要があるんじゃないかと思います。
 例えば東京都では、保育園等の公共施設の上部に公営住宅を建設するいわゆる合築方式を打ち出しております。JRの駅舎を住居用ビルに大改造して国民の共有住宅にせよというそんな意見もございますが、私は合築方式や既存民間住宅を一括借り上げして、公共住宅として安い家賃で供給する借り上げ方式を積極的に導入していくべきだと考えておるんですが、建設省の考えをお聞きしたい。
 またさらに、一括借り上げ方式による公共住宅を導入するに際しての公的助成、民間住宅の内容、そういうものについても御説明願いたい。
#158
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり大都市地域で地価が高騰しておりますので、できるだけ高地価を反映しないで住宅供給が行われるように住宅政策を展開していくことは、重要な課題であるというように認識しておるところでございます。
 このため、いろいろな方策のうち、まず第一には借地方式でございます。民間の土地所有者の土地を借りるというのもありますが、さらには民間の土地所有者が建設した住宅を借り上げまして公的な賃貸住宅として使う制度等の、いわゆる借地方式の公共賃貸住宅供給方式等を今後充実する必要があると考えているところでございますし、さらに既存の公共住宅団地等の建てかえを進める、これもやはり用地の新たな取得を伴わないことでございますので、そういうことを進める一方、御指摘のように保育園あるいはそのほかの民間の施設や、あるいは交通局所管等の施設、公的施設と併存する住宅を建てて地価への反映を抑える方式等々、有効・高度利用を図っていく必要がございます。また、国公有地とか国鉄清算事業団用地等を積極的に取得していく必要もあろうかと思っているところでございます。
 平成三年度におきましても、借り上げ公共賃貸住宅制度の拡充であるとかあるいは建てかえ促進のための従前居住者対策を充実することとか、あるいは新たに土地を取得して供給する公営住宅等についてその地代負担を低減するための措置とか、いろいろな措置を講じようとしているところでございます。
 そのほかに、公的賃貸住宅だけではやはり全部を供給し切れない、需要にこたえ切れないと考えておりますので、民間が建設する住宅につきまして、公的施策によって公的な援助を加えてそれをある一定の家賃の中で供給できるようにするための措置といたしまして、公的助成民間住宅を促進することはやはり同時に大事な課題だと考えております。第六期の五カ年計画の中におきましては、今回は公的助成民間住宅という項目を新たに設けたところでございまして、中身といたしましては、農地所有者等賃貸住宅、特定賃貸住宅あるいは大都市優良住宅供給促進事業による住宅等を考えておるところでございます。
#159
○西野康雄君 六期住宅建設計画の案では、現在八十九平米である一戸当たりの平均床面積を九十五平米まで引き上げることを目標としております。目標達成のためには、地価の高騰で住宅の取得が困難となっている大都市地域の中堅勤労者世帯向けの広い公共賃貸住宅を大量に供給する必要がありますが、大都市の勤労者世帯向けの公共住宅の供給をどのように見込んでいるのか。
 また、昨年の国会で成立した大都市地域住宅促進法による住宅供給基本方針が決定され、三大都市圏で今後十年間に七百四万戸の住宅を供給する方針であると報じられておりますが、その内容を明確にしていただきたいし、また、供給される住宅の種別、規模、価格等についても御説明をお願いします。
#160
○政府委員(立石真君) 公共住宅の供給戸数につきましては、平成三年度から始まる第六期住宅建設五カ年計画におきまして、公営住宅あるいは公団住宅等を合わせまして四十五万五千戸を計画しているところでございます。第五期住宅建設五カ年計画の計画戸数四十一万戸に対しては一一%増というように推進をしていきたいと考えているところでございます。このうち、大都市地域分についてでございますが、これにつきましては第六期住宅建設五カ年計画に基づきまして地方住宅建設五カ年計画の中で明らかにしていくことになると考えておりますが、この地方住宅建設五カ年計画もこの三月末までには固めていきたいということで作業を進めているところでございます。
 また、現在策定中の大都市地域住宅宅地供給基本方針におきましては、先生御指摘のように、十年間に三大都市圏におきまして合計七百四万戸の住宅供給目標量を設定しようとしているところでございます。この内訳でございますが、まず第一に、七百四万戸のうち三百七十四万戸は建てかえによるものを考えておりまして、残りの三百三十万戸が住宅のストック増に当たるものだと考えております。
 規模といたしましては、首都圏と近畿圏につきましては二十一世紀の初頭二〇一〇年ごろと考えておりますが、中部圏では二〇〇〇年ごろには半数の世帯が誘導居住水準を確保できるようにすることを目標として供給していきたいと考えております。
 次に、住宅の種別についてでございますが、この方針と並行して策定する、先ほど申し上げました地方住宅建設五カ年計画におきまして公的資金の種類別の戸数が示されることになると考えております。
 価格につきましては、この供給方針による供給促進策あるいは各般の施策、そういうものを講じることによりまして、できるだけ中堅勤労者が適切な負担で取得する、あるいは入居できるような方向に努めてまいりたいと考えております。
#161
○西野康雄君 六期住宅建設五カ年計画の目標である一戸当たり九十五平米の床面積を確保するためには、現在四十八平米と最低居住水準以下となっている公共賃貸住宅の床面積を大幅に引き上げていく必要があります。
 平成三年度予算では二・七平米程度の引き上げが予定されておりますが、不十分なように存じます。今後どのような計画で公共賃貸住宅の規模拡大を図っていくのか、公共住宅の建てかえ計画を含めて具体的な方策をお願いいたします。
#162
○政府委員(立石真君) 公共賃貸住宅については、九五年に九十五平米に持っていくためには全体の民間住宅の規模の拡大と同時に、公共住宅そのものを規模拡大していく必要があると考えておりますが、具体的にはまず既存の規模の小さなストックの建てかえを推進する。そして、新規に供給する住宅の規模を拡大していくということが必要だと考えているところでございます。
 平成三年度におきましては、先生御指摘のように、公営住宅等につきましては二・七平米、公団については二・八平米の規模の拡大を図るとともに、建てかえを促進するための従前居住者対策の充実を図るなどの施策を講じているところでございます。
 これで足りるのかという御質問でございますが、内部の検討資料の中におきましては、公共賃貸住宅につきましては現在のストックが二百八十八万戸、四十七平米と平均でなっておりますが、五カ年の間に三十二平米の狭いものを十七万戸除却し、そして七十平米平均の三十九万戸のものを建設を行いまして、九十五年のストックにおきましては三百十万戸、平均では五十一平米程度にするということを目標に施策を進めていきたいと考えているところでございます。これらをさらに民間の賃貸住宅、持ち屋住宅のストックと合わせまして、全体として九十五平方メートルを実現したいと考えているところでございます。
#163
○西野康雄君 大都市地域における地価の高騰で中堅勤労者世帯と言われる中間所得階層の住宅取得が不可能になり、従来の低所得階層を対象とした公営住宅の供給では対応し得なくなり、六十一年度から公営住宅に準ずる中間所得階層を対象とした地域特別賃貸住宅の制度が創設されました。予算補助で建設が行われているんですが、その実績はどうなっているのか。また、六期住宅建設五カ年計画では、どの程度の建設戸数を見込んでおられるのか。さらに、現在予算補助の制度にとどまっている地方公共団体が行う地域特別賃貸住宅を公営住宅の一種として位置づけていく必要があると考えておりますが、公営住宅法を改正し、法的裏づけを行う用意があるのでしょうか。そしてまた、東京都が最近打ち出した都民住宅の制度とこの地域特別賃貸住宅の制度とはどのような関係にあるのか御説明願います。
#164
○政府委員(立石真君) 先生の御指摘にありました地域特別賃貸住宅制度は六十一年度から導入されたものでございますが、公営住宅法による公営住宅制度を補完しながら地域の多様な賃貸住宅需要に対応するために、中堅勤労者等を対象に良質な公共賃貸住宅を供給しようという目的で設定されたものでございます。
 制度が創設されました六十一年度から平成元年度までの四年間におきましては供給実績は三千百五十三戸とまだ少なかった段階でございますが、第六期の住宅建設五カ年計画におきましては、公営住宅と地域特別賃貸住宅との合計の計画戸数を二十九万戸といたしまして、その内数としては五万戸程度を見込んでいるところでございます。
 地域特別賃貸住宅につきましてはA型とB型の二つの種類がございますが、A型は地方公共団体が直接建設するシステムで、建設費の補助と家賃対策補助を行うものであり、B型につきましては民間賃貸住宅の借り上げ等による公的な賃貸住宅になるものであり、家賃対策補助等を行い、それぞれ予算補助によって実施しているところでございます。
 その制度的位置づけにつきましては、今後制度の普及状況とか、あるいは運用実態等を勘案しまして、将来何らかの措置を講ずる必要が生じてきた場合には、そのあり方等についても十分に検討してまいりたいと考えているところでございます。
 なお、東京都の都民住宅制度との関係でございますが、都民住宅におきましては地域特別賃貸住宅制度よりも収入の高い層、収入分位でいいますと下から八〇%までを対象としているところでございますけれども、地域特別賃貸住宅の対象階層は収入分位の六〇%までを対象とするということでかなりダブっている部分があるわけでございます。六〇%までの部分につきましては国の地域特別賃貸住宅制度を活用していただいて、都民住宅として供給していただくことが適切ではないかと考えておるところでございます。
#165
○西野康雄君 私のところにも随分と陳情が参っておるのが、住宅・都市整備公団では既存の公団賃貸住宅についてことしの秋から家賃の値上げを予定し、三月じゅうに値上げ案を建設大臣に提出、四月中にも建設大臣の認可を得る予定だと報じられております。家賃の値上げの理由、値上げ幅、値上げの時期等について明らかにしていただきたい。
 また、建設大臣に少し実態を知っていただきたいんですが、例えば、小平団地にお住まいの、お名前をHさんといたします、ことし九十歳の方ですけれども、お家賃が今三万四百円です。今度値上げ幅がいろいろと言われております中で九千八百円も値上げになりますと、この方は御夫婦でお住まいですが、十六万五千二百二十五円の月収しかないところに三万四百円、そこへまた九千八百円プラスされる。考えてみると、月収から察しても、一日五千円で御夫婦が暮らしておられるというふうなことでございます。また、神代団地にお住まいのKさんは七十七歳、お一人ですけれども、年金等々でお暮らしで、月収が十五万円です。そこへまた家賃が九千八百円の値上げになったりいたしますと、大体収入の三〇%ぐらいが家賃の支払いで占める、こういうふうなことにもなっておるわけでございます。
 私は建設大臣に公団住宅の家賃値上げをなるべくならやめていただきたいし、そういう意味において公団住宅家賃値上げに対する見解というものも明らかにしていただきたい、かように思います。
#166
○政府委員(立石真君) 私から具体的な内容等につきまして先にお答えさせていただきたいと存じます。
 公団住宅は、先生も御承知のように、国の財政援助を伴った施策住宅ということでありまして、広く国民全体の資産でもあるわけでございます。したがいまして、既存賃貸住宅の家賃につきましては、公団住宅相互間の家賃の均衡であるとかあるいは維持管理経費の確保とか、そういうような観点からその公共性に配慮しつつ、そのときどきの経済事情の変動とか立地、便益等の変化に即して定期的に見直しし、そして適正な家賃額との間に差が生じている場合にはこれを改定していくことが必要であるというように考えているところでございます。
 公団住宅の家賃の改定につきましては、前回の改定は昭和六十三年度に行われたわけでございますが、前回の改定の際に公団においてルールづくりが行われまして、その中で三年ごとに改定を行うこととなっております。平成三年度が次の改定を行う予定となっているわけでございますが、現在公団におきまして改定額の算定等具体的な中身について検討をしているところでございまして、建設省としては現段階ではまだ値上げ幅、時期等は明確にお答えすることはできないわけでございますが、申請がございましたときに的確に対応してまいりたいと思っているところでございます。
#167
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま局長から具体的なお答えをいたしました公団の賃貸住宅の家賃につきましては、公団賃貸住宅の相互間の家賃の均衡を確保する、また負担の公平化を図るということから、定期的にまた的確に見直しをしてきているところでございます。
 具体的な例としましては、先ほどもちょっと触れた青山の公団住宅、私は公団におりまして、当時一万一千円ぐらいの二DKのいわゆる世帯住宅が現在空き家で入る方は約九万円ということでございます。この九万円が実態として高いか安いか。ともかく青山での近隣の民間住宅を比べますと、大体家賃が三十万ぐらい。したがいまして、そういうものともにらみ合わせますと、公団全体の新規住宅の供給等を考えますと、従来のものも若干値上げをしていただいて、できるだけ多くの方に賃貸住宅に入っていただくようなことを考えてやってきておるところでございます。
 今回はまだ公団から申請が上がってきておりませんけれども、慎重に審査をして対処をしてまいりたいと思います。
#168
○西野康雄君 やはり周辺の状況だとかいろいろわかるわけですけれども、現実にお入りになっている方々には随分と生活にお困りの方もいらっしゃいますので、その点御配慮をお願いしたいと思います。
 次に、改正案の内容について御質問をしたいと思います。
 公庫の特別割増貸付制度、これは六十年秋に内需の拡大を図るため、円高不況対策の一環として臨時的な措置として導入されたものであります。その後六十二年、平成元年の二回にわたって延長され、今回の六期住宅建設五カ年計画に合わせて平成八年三月末まで五年延長されるもので、これは半恒久的な制度になろうとしているのじゃないかと思います。特別割増貸付制度の趣旨がそういう半恒久的なことになりますと変質しているのじゃないか、そんな気がいたしますが、いかがでございますか。
#169
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり、特別割増貸付制度は昭和六十年十一月に導入された制度でございます。このときの考え方といたしましては、住宅建設の促進による内需の拡大を図るという目的でございました。以後、六十二年四月、それから平成元年四月においてそれぞれ延長期間を二年間として二回の延長を経てきている状況でございます。
 今般の延長に当たりましては、まず延長の必要性についてでございますが、内需を中心とした景気の持続的拡大を図るという方針については、当分の間我が国の経済運営の基調となると考えられると思うことが第一でございます。第二に、平成三年度より第六期住宅建設五カ年計画の期間が始まるわけでございますが、最近の住宅価格の著しい高額化のもとでは、当該計画に基づく国民の居住水準の向上には特別割増貸付が一定の寄与を果たすと考えていること。そして第三は、これまでの利用状況について見てみますと、利用率及び利用額において非常に国民に多く利用されていることでございます。
 例えば個人住宅の建設におきましては、住宅金融公庫の融資を受ける人たちのうち約八割の方が利用し、平均利用額は約三百九十万円となっておりますし、高層住宅の購入者につきましては、利用率は九割に達し、平均利用額は六百五十万円というような状況にあるわけでございまして、公庫のお金を借りようとする人は特別割増貸付制度も利用しようとする人が非常に多いという状況を示しているわけでございます。こういうようなことから特別割増貸付制度を当分の間延長することが適切であるというように考えているところでございます。
#170
○西野康雄君 特別割増貸付分の金利は政令で定められることとなっております。財投金利に〇・一%上乗せした金利で貸し付けられることになっており、現在は六・七%です。
 手元に不動産協会事務局作成の「平成三年度住宅金融公庫融資について」という取り扱い注意のメモがあるわけですが、この不動産協会の情報によりますと、平成三年度から財投金利に〇・一%上乗せしたものと〇・二%上乗せしたものとの二種類に分けられる、二本立てに分けられると報じられております。このようなことが検討されておるのか、また二種類、二本立てに分けられたときに特別割増貸付分にはどちらの金利が適用されるのか、お答えください。
#171
○政府委員(立石真君) 特別割増貸付の金利につきましては、現在は財投金利に〇・一%を加えた金利としているわけでございます。しかしながら、平成三年度におきましては財投金利に〇・二%を加えた金利によることとしたいというように考えております。
 そういたしますと、そのほかの財投金利並みと言っているものといたしましては、例えば百五十五平方メートルより大きい住宅を建設する場合、あるいは高額の所得者が公庫の融資を受ける場合等があるわけでございますが、これらの者に対する財投金利並みの金利と言っておりますのは従来どおり〇・一%上乗せしたものにしたいというように考えておりまして、そうしますと、御指摘のように、財投並み金利が特別割増貸付については〇・二上乗せ、大型住宅、高額所得者に対しては〇・一上乗せという二つに分かれることになろうかと思っておるところでございます。
#172
○西野康雄君 三月から長期プライムレートが七・八%から〇・三%引き下げられるのに伴いまして、民間住宅ローンの金利も四月から引き下げられ七・五%になります。これに合わせて公庫の金利も四月から引き下げる、そういうふうな予定はございませんか。
#173
○政府委員(立石真君) 住宅金融公庫の金利は基本的には財政投融資を原資としているわけでございますので、財政投融資の金利が変動した場合に改定するものというようなルールを持っているところでございます。今後財政投融資金利の変更があればそれに対応した改定を行ってまいりたいと考えております。
 なお、最も最近の金利改定といたしましては、平成三年の二月一日に財投金利が六・九%から六・六%に〇・三%引き下げられたわけでございますが、これに伴いまして住宅金融公庫の金利につきましては、百二十五平米以下の基準金利口につきましては五・五%は五・五%のままに、百二十五平方メートルを超えて百五十五平方メートル以下の中規模の住宅につきましては六・四%から六・一五%に、百五十五平方メートルを超える大型の住宅につきましては七・〇%から六・七%に〇・三%それぞれ引き下げられたところでございます。
#174
○西野康雄君 平成三年度からマンション購入資金等に対する公庫貸付限度額が引き上げられた結果、特別割増貸付分を含めて最高二千九百五十万円まで公庫融資を受けられることになりましたが、返済能力を考えると貸付限度額を引き上げるだけでは問題の解決にならないと思うわけです。公庫融資についても、土地価格が顕在化しない賃貸住宅に対する融資に重点を置くべきではないかなと、かように思うわけですが、いかがですか。
#175
○政府委員(立石真君) 公庫融資におきます賃貸住宅建設に対する貸付制度の充実を図るべきであるという考え方から、平成三年度につきましてはいろいろな政策を実施したいと考えておるところでございます。
 まず第一に、民間の賃貸住宅に関しましては、一戸当たりの床面積が六十五平方メートル以上の世帯向け賃貸住宅に対する特別割増貸付の導入ということが第一でございまして、先生御指摘のとおり、ファミリー向け賃貸住宅については、二年度まで九百五十万円が最高であったものを千四百三十万円が貸し付けられるようにする新しい制度の導入を図ったところでございます。
 それらに加えまして第二に、土地担保賃貸住宅の建物規模要件を緩和する、これまで千平方メートル以上のものだけに限定しておったものを五百平方メートル以上のものも可能とすることによりまして、やや中小規模の敷地であっても賃貸住宅が建てられるようにすることが一つ。
 第三点といたしましては、小規模な敷地を活用した賃貸住宅につきましても、これまで東京圏、大阪圏だけ可能であったものを名古屋圏も含むように対象地域を拡大するとともに、小規模な敷地活用型におきましては賃貸住宅を四戸以上を建てた場合が対象となったわけでございますが、今回は自己使用住宅を含めて三戸以上というように非常に使いやすい制度にしたのが第三点の制度の拡充でございます。
 また、公的賃貸住宅につきましては二点でございますが、第一点は住宅供給公社の賃貸住宅に対しましてやはり特別割増貸付を導入したり、一戸当たり最高千九百万円を考えているところでございますが、そのような制度の拡充を行うとともに、借り上げ公共賃貸住宅、先ほど御説明いたしました公営住宅等に準じます地域特別賃貸住宅B型につきまして、対象となる土地担保賃貸住宅の敷地規模要件につきましては、一般には千平方メートルであるものを三百平方メートル以上のものも対象になるようにするというような改善を行いたいと考えております。
 これらの制度を導入することによりまして民間、公共両方の賃貸住宅を促進するための措置を講じていきたいと考えているところでございます。
#176
○西野康雄君 次に、社宅についてお伺いをいたします。
 従業員用の社宅建設のための資金を事業主に貸し付けていた公庫の産労住宅貸付制度を拡充強化し、最近の社宅建設ブームにあわせ一括借り上げ方式による社宅建設についても公庫の産労住宅貸付の対象とするのが今回の改正の一つでございますが、平成元年の公庫の産労住宅貸付の実績はわずかに二十四戸でございます。平成三年度予算では五百戸を予定しておりますが、今回の改正で五百戸の消化が可能となるのかどうか、今後の見通しをお伺いいたします。
#177
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり、産業労働者住宅につきましては平成三年度予算におきまして五百戸を計上しているところでございます。
 消化ができるかどうかということでございますが、公営住宅等を建設する場合と違いまして融資という性格でございますので、公庫みずからが事業主体になるものではないわけでございます。この事業計画戸数は、申し込みがあった場合の枠として用意しているわけでございます。五百戸枠をとってあるのでこの制度を活用するように民間にPRをしてこの枠いっぱい、さらにもっとふえるように努力していきたいと考えております。
#178
○西野康雄君 私は、社宅制度というのは若干疑問に思うところもございまして、社宅制度を考えてみたときに、評論家の佐高信さんの弁をかりるならば、ここ数年の社宅ブームというのはこれまたここ数年の好景気で企業の利益が大きく膨らみ、利益がふえれば税金がふえる、その節税のために社宅への投資がふえてブームになった、かように言っても過言ではないかと思います。例えば建物が減価償却の対象となる。また、社宅建設のための資金借り入れも利息は損金扱いになる。社宅用地を買えば含み資産となる。こんなぐあいに社宅建設は余力のある企業にとってはデメリットというのは存在しないわけですね。企業の財務戦略にとっては非常に都合がよいわけです。
 しかし、こういったメリットを生かせるのは私は一握りの大企業じゃないかなと思うわけで、多くの中小企業は社宅も寮も完備できない、人集めのために借り上げ社宅や住宅手当で応じていかざるを得ないのが実情かと思います。こんな方法はその企業にとっては金が出ていくばかりで含み資産を生み出すことにはならないし、経費増でしかありませんし、社宅のない会社が手当を弾んだところで、今度は所得増とみなされて所得税だとか住民税で目減りをしていく、手取り増しはわずかというぐあいになるわけで、社宅を持たないところと社宅を持てるところとでは格差が随分と大きくなるわけです。さらに、社宅は退職や転職をしたら退去させられます。
 もっと突っ込むと、社宅制度というのは先進諸国家では珍しいわけで、ドイツのヘキスト社とかフランスのフランス電力とか数え上げる程度でございます。非常に珍しいわけで、多くの先進諸国家は公的住宅または持ち家への推進を第一としているわけで、私はここに一つの理念が存在していると思うわけです。企業がその労働者に住宅を提供するという社宅システムは望ましいものではない、こういう理念がILOで二十五年以上も前に提唱されております。社宅は必要以上に勤労者を会社に従属させるわけですね。
 私は、出所は明らかじゃないんですけれども、ある雑誌を読んでいたときに、社宅に住んでいる方は一般住宅の方よりも平均寿命が短い、こういうふうなことも聞いております。例えば皆さん方も官舎にお住まいで、課長がいきなり局長になったりするとほかの課長がびっくりして十年ほど寿命が縮まる、こういうふうなこともあるかと思いますけれども、社宅なんかでも随分とストレスがたまるのじゃないか。つまり、家庭や地域社会も全部会社に包み込まれてしまう、こういうふうなことが言えるかと思います。
 世界じゅうから日本のサラリーマンというのは会社人間、働きバチと批判されて、ゆとりのある豊かな社会を目指すならば、日経連も連合も政府も社宅を建設することが本当に社員のためになるのか、あるいは社会のためになるのか、土地政策上また国際的な視野に立って、外国から見たときにどう見られているのか、こういうふうな視点に立ってきっちりと社宅というものを考えていくべきだと私は思うわけですが、建設省は住宅政策上社宅についてどのような位置づけをしておられるのか、社宅の位置づけをお願いしたいと思います。
#179
○政府委員(立石真君) 今先生から御指摘がございましたが、社宅につきましては従来から、先生お触れになりましたけれども、企業内の秩序が家庭生活の中まで持ち込まれたり、あるいは従業員の企業に対する依存を過度に強めることになる、これはILOの勧告の精神、基本的な考え方であるというように思うわけですが、そういうような欠点、あるいは地価が上昇するときには社宅投資が企業の投機的な目的につながるおそれがあるのではないか、さらには大企業と中小企業との間などで企業間の格差が拡大するのではないか等々の問題があるものと考えておりまして、社宅について住宅政策の中で位置づけて推進するためには、これらの問題点を考慮しながら意義の方を見つけていかなければならないのではないかというように考えているところでございます。
 しかしながら、最近の状況を見ますと、大都市地域を中心としまして地価の著しい高騰があったわけでございますが、そうしますと平均的な勤労者の持ち家取得が困難になってくる。そこで、賃貸住宅に住むかあるいはやむを得ず社宅に住むかというような世帯がふえてくるわけでございますが、そういう需要があるのが第一点。さらに、こういうものに対しまして企業が自分のイメージをつくるためにも、あるいは従業員に対する福祉政策の面からも、何らかの社宅を建てて住宅問題の解決のために一定の役割を担うという側面の提案をすることも最近ふえてきていると思いますが、今後の傾向かと思うわけでございます。こういうようなことを総合的に考えてみますと、社宅の供給につきましては住宅政策上現段階では一定の意義があるというようにも評価できると思うわけでございます。
 今後の社宅についての住宅政策といたしましては、先ほど申し上げましたような問題点は意識しながら、かつ一定の意義のあることも確かでございますので、これらをかみ合わせて問題の解決のために努力していきたいと考えているところでございます。
#180
○西野康雄君 今回の改正は、日経連と連合が進めている共同社宅制度を対象にしていると言われておりますけれども、日経連と連合が進めている共同社宅制度と今回の改正についての関係を御説明してください。
#181
○政府委員(立石真君) 日経連と連合が進めております共同社宅構想につきましては、現在その仕組みについて詰めを行っている段階というように聞いておりまして、私たちもいろいろな情報をとっている段階でございます。
 まだその詳細については存知していないところでございますが、この構想の考え方につきまして私たちが知っておるところは、首都圏などの大都市地域におきまして地価高騰によって勤労者の持ち家取得が困難化している、そういう現状にかんがみまして、企業が合同して責任を分担しながら良質な住宅としての社宅を整備していこうということを提案しているように承っておるわけでございます。そういう意味では、先ほど申し上げましたような住宅政策上一定の意義はあるというように考えているところでございます。
 詳細については今後詰められるものと考えておるわけでございますが、今回の産業労働者住宅融資の改善の措置につきましては、いわゆる借り上げ方式の共同社宅につきましても融資の道を開こうということでございまして、構想の実現に当たりましてこの制度の活用が可能になるものと考えているところでございます。
#182
○西野康雄君 最後に、社宅にかわる制度として有名なのが一九五三年に立法化されたフランスのアン・プルサン・ア・ラ・コンストレクシオン、通称一%社宅と言われているものですが、これは企業が給与の総支給額の一%を住宅供給公社に納入し、その金額に応じて公社の建てるアパートの権利が割り当てられ、企業はその居住権を社員に譲渡するもので、さらに進んでいるなと思う点は、譲渡を受けた社員はたとえ転職してもその権利を返却することなしに住み続けられる、こういう制度でございます。
 私は非常にすぐれたよい制度ではないかなと思うんですが、この一%社宅についての御意見をお伺いして、質問を終えさせていただきます。
#183
○政府委員(立石真君) フランスにおきます一九五三年の一%制度というものにつきましては、いわゆる民間企業の住宅建設拠出金制度というようなものでございまして、従業員十名以上の企業がすべて対象となり、企業からの拠出金は従業員に対する直接貸し付けに向けられるもの、あるいは低家賃の賃貸住宅の建設を行う機関、フランス語でアッシュ・エル・エム(HLM)への無利子貸付などに使われるものであるというように承知しているところでございます。
 この制度は、フランスの社会、文化、歴史、そういうものを背景として制度化されたものと考えておりまして、我が国に直接導入するというのには困難な面があろうかと考えておるところでございますが、引き続き研究を進めてまいりたいと考えております。
#184
○井上吉夫君 我が国は今や世界有数の経済大国と言われておるわけでありますが、そういう中でどうも生活の豊かさが実感されない、そこをどういうぐあいにして生活の豊かさを実感するか、経済大国にふさわしい豊かさのために一番大きな問題の一つが住宅問題だと言われております。
 今そういう状況の中で、これから先さらに良好な住宅をつくっていく手段の大きな一つが公庫融資によります住宅でありますが、その前に、住宅をつくるために一番多くの問題を抱えているのが大都市地域であって、その基本をなすものは何といいましても住宅宅地の問題であります。なお、高い地価水準だと言われておりますけれども、最近は地価がかなり鎮静化したのではないかなんという報道等もなされておるようでありますので、宅地価格の最近の動向がどうなっているかということをまず聞きたいわけであります。
 そして、大都市地域における宅地供給について、若干鎮静化しているにしてもなおかなり高い水準の地価でありますが、これらの地域における計画的な宅地供給を推進する方策をどういうぐあいに考えておられるかをまず聞きたいと思います。
#185
○政府委員(鈴木政徳君) まず地価の動向でございます。
 昭和五十八年ごろ商業地域に端を発しました地価の高騰が、最近では金利高などの金融情勢の変化それから土地関連融資の総量規制の実施、さらには監視区域制度の積極的な運用といったような諸施策の実施を背景にいたしまして、大都市圏におきましては上昇が鈍化している地域が拡大しつつある。しかし一方で、地方圏への地価の上昇につきましてはまだ拡散傾向が見られるというふうに私ども国土庁からお伺いしているところでございます。
 また、私どもも毎月一度不動産を扱っております店頭の支店長がどういう感触を持っておるかということを昨年の秋以降調査させていただいておりますが、やはり同様な、まだ地方都市においては下がり切らない、しかし大都市を中心に相当程度下がってきているという報告を受けているところでございます。しかしながら、現在はやや鎮静化しているという地域におきましても、今後の経済情勢いかんによりましては必ずしも予断を許さない状況にあるというふうに理解しております。
 したがいまして、国土庁等ともよく連絡をとりながら、今後の経済情勢を注視しつつ地価動向については引き続き十分な監視をしていく必要があると思っております。また、このためには土地税制の活用あるいは住宅宅地供給の促進を初めとする総合的な地価対策、土地対策を一層実施していかなければいけないというふうに考えている次第でございます。
 次に、宅地供給の現況でございます。
 ただいま先生からも御指摘がございましたように、宅地の供給面を申しますと、残念ながらここのところ横ばいといいますか低水準で宅地が供給されている。全国で大体毎年一万ヘクタール強の宅地供給がなされております。宅地の供給につきましては昭和四十年代の後半がピークで、二万ヘクタールを超す宅地供給がなされたことがありますが、その後逓減傾向が続きまして、ここのところ五年ぐらいは横ばいないしはちょっと年によっては上がっているかなということで、一万ヘクタール強の宅地供給がなされております。
 実は、宅地供給の見通しにつきましては、私ども現在の第五期住宅建設五カ年計画を策定いたしますときに、この第五期住宅建設五カ年計画を達成するために、宅地がどのくらい必要であろうかというような試算をしてみたことがございます。この試算に対してその後五年間の実績がどうであったかという点を見てみますと、大体一割程度計画どおりに宅地供給がなされていなかったというような結果が出ているところでございます。なお、宅地の供給は七割が民間に、三割が住宅・都市整備公団等の公的供給によるものでございます。
 もう一点、それでは大都市地域において計画的にどういうふうに宅地供給を進めるのかという御質問でございます。
 ただいま申し上げましたように、大都市の勤労者の切実な住宅宅地への要望ということを踏まえまして、住宅宅地の供給促進を図ることは極めて重要な課題でございます。そこで、この問題につきましては前通常国会におきましていわゆる大都市法の改正をさせていただきました。現在、この改正大都市法に沿いまして、建設大臣が三大都市圏の住宅宅地の供給基本方針を定めまして関連都府県が供給基本計画を立てるということになっております。このような広域的な供給計画体系の整備を図りまして、今後良好な環境を備えた住宅宅地供給を計画的に進めていこうということになっているところでございます。
 この計画につきましては、今月中を目途に国の供給基本方針を策定する予定でございます。これを受けまして、関係都府県におきましてはできれば六月までぐらいにぜひ供給基本計画を策定していただきたいということで、現在地方公共団体と一緒になりまして作業を続けているところでございます。
 この供給基本方針及び供給基本計画の中に具体的に供給策としてはどういうことを盛り込むかということがあるわけでございますが、これにつきましては、私ども供給策として大きな柱が三つあろうかと思います。
 その一つは、既成市街地内での低・未利用地をどうやって有効・高度利用していこうかという点が第一点かと思います。このためには、これまた大都市法と一緒に改正していただきました都市計画法によりまして、住居と商業地域が併存しているような区域につきましては用途別容積型地区計画制度を活用する、それから低・未利用地につきましては遊休土地転換利用促進地区制度を活用しまして既成市街地内の有効・高度利用を図っていくというのが第一点でございます。
 二番目の柱は、市街化区域内農地の計画的宅地化という点でございます。平成四年度から宅地並み課税が実行されることになりまして、これとあわせまして、こうした地区につきましては住宅地高度利用地区計画制度を活用していくことによりまして宅地供給を促進していこう、さらに農地所有者等が土地を持ったままで宅地供給に利用転換をしていただく。そういうことを支援するために、農水省、国土庁それから農協等と共同でことしの秋を目途に都市農地活用支援センター、そういうものをつくって宅地供給を促進していこうというふうに考えております。
 三番目の柱は、新市街地(ニュータウン)を今後どうやって計画的に開発を進めていこうかという点でございます。この点につきましては、住宅・都市整備公団等の公的供給主体の計画の大幅な前倒しによりまして早急に供給をしていただくというようなこと、あるいは宅地開発と交通アクセス整備を一体として行おう。具体的には、例えば第二常磐新線、来週新しい鉄道建設の主体の会社が設立されますが、それとあわせまして沿線の区画整理を中心にしまして宅地供給を進めていく。さらには優良な民間の宅地開発をいろいろな面で支援していこう、そういうようなことを進めながらニュータウンづくりを推進していこう。
 今申しましたような三つの柱を主な柱といたしまして、そのほか関連公共施設整備の促進であるとか、あるいは関係地方公共団体の開発抑制的な方針、これを何とか転換していただけないかというようなこと、そういうことを総合的にこの国の基本方針及び関係都府県の供給計画の中に盛り込みまして、国と地方と一体となって同じ目標に沿って努力していくように現在地方公共団体と協議を続けているところでございます。
#186
○政府委員(鎭西迪雄君) 昨今の地価の動向でございますが、大まかにはただいま建設省の方から御答弁されたとおりでございますが、若干最近の地価の動向、それから私どもとしてどういう認識をしておるかということについて補足的に御説明をさせていただきたいと思います。
 五十九、六十年ごろから始まりまして大変地価が高騰をいたしまして、大都市圏で特に中堅勤労者の取得能力と相当乖離してきている状況は、ただいま先生御指摘のとおりでございます。それで、この一年間の地価の動向につきましては、たまたまことしの一月一日時点におきます地価動向を地価公示ということで私ども三月末の公表を目途にただいま集計中でございまして、その時点にならなければ具体的な数値は出ないわけでございますが、私ども地価動向についての精通者等からの意見聴取というものをやっておりますので、若干その様子を御紹介いたしたいと思います。
 まず東京圏でございますけれども、去年に引き続きまして基本的には安定基調にございます。ただ、昨年秋以降は東京、神奈川県でわずかながら下落の傾向にございます。それと、一昨年まで非常に著しい地価上昇が見られました大阪圏でございますけれども、基調としては鎮静化に向かっておりまして秋以降は各地で下落が見られている、こういうことになっております。ただ、一部の地方都市等でございますが、そういったところでは昨年秋以降若干の鈍化の兆しは見られますけれども、一年間を通じて見ますと相当の地価上昇となる模様でございます。
 私ども国土庁といたしましては、依然地価につきましてはまだ全般的な鎮静化に至ったというようには認められない状況にあるというぐあいに認識をいたしておりまして、今後とも引き続き土地対策の充実強化というのを図っていく必要があろう、かように認識いたしているところでございます。
#187
○井上吉夫君 新しい土地税制などがどういうぐあいにこれから効果を発揮するか、新土地税の話なども内部の議論がこれから先展開されると思いますが、少なくとも最近のもろもろの土地対策というのは、いずれかなりの効果を発揮してくるのではないか。そういう中における金融の面が受け持つ機能というものも相当高いものがありますし、金融面における総量規制等もかなり効いてくるのではないか。税制もまたかなりの効果を発揮するのではないかと思うんですが、やはり土地神話というのをどうなくしていくかということを国民共通の課題として考えていかなきゃならぬし、所管の役所としてはとりわけこのことを強力に展開して土地価格を鎮静化させるということは、やっぱり住宅問題解消の大もとになっているのではないかと思います。したがって、ただいま現状の御説明をいただきましたけれども、このことに向けて私どもはさらに強力に今後対策を講じていかなければならない、その思いを強くするわけであります。
 そこで、大都市における供給基本方針についての若干の説明が経済企画庁側からありましたが、このことは当然に作業はあとしばらくかかるとは言われますけれども、相当程度固めていなければ、これは住宅整備の第六期五カ年計画と供給する住宅面積とが当然大都市地域におけるとりわけ住宅供給の可能性と絡んでまいりますから、宅地対策と住宅対策というのは当然に密接な数字の整合性がなければいずれかがまともでないことになってしまいますので、このことについてはいずれ機会があろうとは思いますが、今申し上げましたようなことで土地価格の鎮静化を図り、そしてせっかくの住宅建設の第六期計画が計画どおり進展するための基本になる土地対策に十全の対策を講じていただきたいと思います。
 さて、住宅問題が特に大都市で深刻であることは今さら言うまでもありませんけれども、それだけに、住宅問題というのを大都市地域だけに限定した計画ということで考えていきますと、なかなか問題の根本的解決にならないのではないか。一極集中の問題を国内対策の最大の課題としてお互いにとらえているわけでございますけれども、これは当然住宅の面にも直接に響いてまいると思います。一極集中を抑えて地方居住を進めていくという立場から考えてみる場合に、大臣の所信の中にも言われておりますが、建設省が進めている新ふるさとマイホーム構想ということをこの前の所信の中に言われました。この新ふるさとマイホーム構想という考え方は、私が今申し上げましたような一極集中排除というものとかかわりのある考え方に立っておられると思うんですが、この具体的な内容について説明をいただきたいと思います。
#188
○政府委員(鈴木政徳君) ただいま先生から御指摘のございましたように、宅地供給は全く宅地供給で独立しているものではございません。住宅がどのぐらい必要か、それに対して新たな宅地供給でどのぐらいカバーするかというような観点で住宅建設計画と一緒になって現在地方公共団体、住宅局と作業を進めているところでございます。当然その際には四全総の定めているというか、ねらっております多極分散型施策と整合性のとれたような形でどう展開していくかということも重要課題でございます。
 新ふるさとマイホーム構想でございますが、これまた御指摘のございましたようなことでございまして、私どもも高速交通体系の整備であるとか、あるいは人それぞれのライフスタイルの変化というようなものが背景にあるわけでございますが、大都市の居住者の間で地方圏へ移り住むことによって、ゆとりのある居住環境で生活をしたいという志向が高まっているというふうにいろいろの面から指摘されておりますし、私どももそのように感じております。このような状況で大都市に住んでいる方々に地方圏への住みかえを促進すること、これは御指摘のありましたような均衡ある国土の発展、それから地方の振興という点、地方の活性化という点からも重要なことであると考えます。そこで私どもは本年度から、大都市圏の居住者の方々が地方圏で宅地を取得することによりまして、ゆとりある良好な居住環境を持った新しいふるさとへ住みかえを推進してはどうかということで、新ふるさとマイホーム構想を推進しているところでございます。
 この中身の具体的な施策といたしましては、大都市に居住する方々が地方圏へ住みかえを推進する宅地開発事業を建設大臣が認定をいたしまして、この認定された宅地開発事業に対しまして住宅金融公庫の宅地造成融資制度の特別措置、それから関連する公共施設の整備に対しまして建設省が特別なバックアップをする、こういうようなことを内容といたします新ふるさとマイホーム推進事業認定制度を昨年九月に創設したところでございます。この制度に基づきまして昨年十二月に秋田県、山形県、鳥取県、高知県という四つの県で五つの地区を第一回の認定として認定したところでございます。この認定を受けました五つの地区の中には、地域振興整備公団の地方都市開発整備事業といったような大規模な宅地開発事業も入っているところでございます。
#189
○井上吉夫君 今一番最後に言われた地域振興整備公団、事例として幾つか言われましたところは、全部整備公団が受け持つというんじゃなくて、幾つかの方法があるわけですか。もう一遍その具体的なことについて説明をしてください。
#190
○政府委員(鈴木政徳君) 五つの内訳でございますが、地域振興整備公団の事業が二カ所でございます。それから、民間のデベロッパーが行っているところ、市の土地開発公社が行っているところ、それから町が行っているところという内容になっております。
#191
○井上吉夫君 それぞれのやり方についての国の助成の内容について違いがあれば、その内容について説明してください。
#192
○政府委員(鈴木政徳君) ただいま申し上げましたように主体はいろいろございますが、建設省の方で助成する中身といたしましては住宅金融公庫の宅地造成融資、これは実は通常ですと人口十万以上の都市でなければ貸せないところをもっと小さな市まで貸せるようにするという内容であるとか、それから融資を受けてつくった造成地に住む人は買ってから三年以内に家を建てなければいけないという制約があるんですけれども、この新ふるさとマイホーム構想に該当する場合には、やはり将来少し長期的に見て地方へ移り住もうという方が多いものですから、三年の期間を六年に延ばすというようなメリットをつけていただいております。
 それともう一つは、関連公共施設にどの程度建設省としてバックアップできるか、この点につきましても、事業主体のいかんにかかわらず、必要なものについては省を挙げて応援していくことにしているところでございます。
#193
○井上吉夫君 地方に新たなる住宅をつくって移り住もうと、その場合に、何年か前に土地を取得して、実は公庫融資を受ける場合にそれは土地を取得してから何年以内の場合に造成した土地代も融資対象になる、年限の例外をこの場合は認めるという、そういうことですか。
#194
○政府委員(鈴木政徳君) 一つの大きな内容は、ただいま申しましたように、通常ですと、融資を受けて造成した土地を個人が購入しますと三年以内に家を建てなければいけないということがございますが、この場合には六年ということになっております。それと、これはデベロッパーが公庫からお金を借りまして造成した土地を個人が買うということになっておりますので、先ほど申しましたように、現在は十万以上の都市でないとデベロッパーが金融公庫の宅造融資を受けられませんが、十万に満たない都市につきましても、この構想に該当すればデベロッパーが金融公庫からの宅地造成融資を受けられるというメリットがございます。
#195
○井上吉夫君 大臣の所信の中にもわざわざ盛り込まれておりましたので、今内容についてお伺いをいたしました。
 確かに一つの前進ではあると思います。東京圏の場合は、狭い土地にどうやって新たなる宅地を見つけ出そうかというのでいろんな問題が副次的に出てまいります。この区域内の農地をできるだけ住宅地に活用しようという立場からのいろんな諸施策は、東京の方々に言わせますと、これ以上どんどんどんどん住宅地をふやすということのために農地なり緑地を次々につぶしていくということになると、資産なり所得の公平という側面からはなるほど理屈が合うけれども、しかし大都市圏における必要な空き地なり緑地なりというものをある程度残しておかなければ、やっぱり良好な住宅環境というのは、できた建物なり余り広くもない住宅地をずっといっぱいに配分し合うということだけではすばらしい町づくりにはつながっていかぬよという、言い回しこそ違え、これ以上東京あたりから緑地を少なくするということに対する反対の主張、意見等もいろいろ出てまいります。
 まさにそういうことを成り立たせるためには、もっともっと居住地を広げていく。このことは住宅や宅地の問題だけに限らずに、やっぱりそこには新たなる職場、産業というものを興していくということも考えなければ、住宅宅地問題だけに絞って解決のつく問題ではありませんけれども、しかし考え方をそういう立場に立って、一連の国の政策のすべてが、できるだけ言葉だけの多極分散ではなくて、本当に新たなる仕事の場とそして住まいというものを整えていって、余り広くもない日本の国土を目いっぱいに有効に使うという発想が絶えず建設省所管の分野、とりわけ今議論をしております住宅の面にも最も中心として据えられないと、私は多極分散の考え方というのは言葉だけに終わってしまうという気がしてなりません。
 そのような立場でお伺いをいたしましたが、そうはいいますものの、現在あります仕事場、そしてそこに余りにも長い時間をかけて通勤するという、今日現在の緊急の必要性にどうこたえていくかということもまた極めて大事だと思います。
 それらのことを考えますと、とりわけ東京近郊が頭に浮かぶわけでありますけれども、恐らくは東京都内に職場を持っている人でいわば東京都民ではなくて、千葉都民であったりあるいは埼玉都民であったり神奈川都民であったりという、住まいはそれらの県に住まっておられながら東京に通勤される方々も非常に多い。それらの方々にしても、現状では今の既にでき上がっている住宅地というのは目いっぱいというところも極めて多い。そうなると、新たなる住宅地とそこにつなげるためのアクセスなり、そして新しいそういう居住環境というのは、これからつくるわけでありますから、既にできているところにいろんな問題が起こっている反省を十分踏まえながら、道路なり公園なり下水道なりというものを立派に完備した新たなる居住環境というものをつくるという発想がなければやっぱりいけないのではないかという気がしてなりません。
 そういう立場から、建設省経済局がこの問題についてのどういう取り組みをしておられるのか、細部の計画は別にいたしましても、考え方の基本をどういうところに置いているかということをお伺いしたいんです。
#196
○政府委員(鈴木政徳君) 最初にちょっと細かいことから御説明させていただきたいと存じます。
 先生御指摘のように、地方に住みかえるということを、私ども多極分散、地方の振興、活性化のための新ふるさとマイホーム構想以外にもいろいろ考えております。例えば、現在地方には地方住宅供給公社がございますが、そういうところで建てている住宅につきまして、大都市圏の居住者が住みかえる希望があるならば、またそれを受け入れる地方公共団体におきましてそういう方々を受け入れて地方振興に役立てようという気持ちがあるならば、これはひとつ全国的なネットワークのような形にしまして、大都市でPRをしてお互いにメリットがあるならばそうしてはどうだろうかということで、地方の住宅供給公社のネットワークの整備、活用ということにつきましても今勉強をしております。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
 また、新ふるさとマイホーム構想につきましても、現在始めたばかりではありますけれども、大変反響もあり、今後この制度に乗ろうという地方公共団体も大分出てきそうでございますので、こういうものを積極的に進めていきたいと考えているところでございます。
 ただいまお話のありました大きな問題、どのようにして環境のよい住宅宅地を整備していくかという内容かと存じますが、私ども建設経済局の立場といたしましては、良好な居住環境を備えた住宅宅地開発をとにかく円滑に、かつできれば多量に供給していかなければならないという基本方針でありますが、そのために必要となる道路、公園、下水道といったような関連公共施設の整備を積極的に進めていこうという姿勢でございます。このため、従来から建設省といたしましては、通常の補助事業におきましてもこうした宅地住宅関連の関連いたします公共施設整備につきまして積極的に対応していただきますと同時に、通常の補助事業では対応し切れないもの、そういうものにつきましては別枠で補助を行います住宅宅地関連公共施設整備促進事業を積極的に推進しているところでございます。
 特に今年度、平成三年度の予算編成に当たりましては生活関連重点化枠等におきましても多大の配慮をしていただき、住宅宅地関連公共施設整備を国費で一八%伸ばしていただくというふうになりまして、事業費の大幅な増額、それから先ほども申し上げましたような、これから大都市法に基づきまして国の基本方針及び関連都府県の供給基本方針にのっとって重点的に住宅宅地を供給する地区としまして、重点供給地域というものが県の基本計画の中で指定され、そこに重点的に投資を行っていこうということになるわけでございますが、こういう重点供給地域につきましては、従来の要件を下げてより小さな住宅宅地造成につきましてもこの関連公共施設整備促進事業を投入できることにしたところでございます。
 そのほか、今後大都市内の市街化区域農地を転用するにつきましても、より身近な公共施設につきまして助成の必要が出てくるのではないかということで、初年度十億円という小さな額ではありますけれども、今年度から緊急住宅宅地関連特定施設整備事業というものを創設することにしているところでございます。
 いずれにいたしましても、こうしたことを総合的に行いまして、また省内では技監を委員長とする関連公共施設整備の体制もできております。そういうところを活用しながら、建設省として重点的に応援をしていくという体制を今後とも続けていきたいと考えているところでございます。
#197
○井上吉夫君 住宅建設の五カ年計画、第五期計画のいわば達成率について同僚の西野委員から先ほど御質問がございました。お答えをいただいたわけでありますが、その反省に立って第六期計画が各分野で達成されて初めてねらいが十全に効果を発揮するわけでありますので、その関係から総体の戸数は計画の六百七十万よりもオーバーして八百二十四万戸という説明がありました。
 その中で公的住宅の面については一〇〇%に足りなかったという意味のお答えだったと思うんですが、用地取得ということにその主たる原因は限定していいぐらいのものですか。同時に、その反省に立って、第六期を達成するために、その整備目標の実現のために具体的にとりわけどういう点に力点を置いてやっていかなきゃならぬというぐあいに考えるのか、住宅局長から答えてください。
#198
○政府委員(立石真君) 第五期の住宅建設五カ年計画につきましては、公共資金による住宅が三百三十万戸に対しまして約九六%に実績を見通してございまして、先ほど述べましたように、特にこれらのうちでも公営住宅とか、あるいは公団住宅のように公的機関が直接供給する住宅が非常に実績が下回るということをお話ししたところでございます。
 その大きな原因といたしましては、地価高騰に伴う用地取得難というのが一番大きな要因でございますが、しかし第六期の五カ年計画を立てるに当たりましては、用地取得難を前提としながら、これを乗り越えるべく施策を講じながら公的住宅の供給を推進していかなければならないと考えているところでございます。そのため、公的資金による住宅といたしましては、公営住宅等につきましては第五期の五カ年計画では二十五万五千戸を計画し、二十一万七千戸というような実績見込みになっているのに対しまして、第六期はこの計画戸数を二十九万戸と大幅に引き上げているところでございます。
 その内容といたしましては、借り上げ公共賃貸住宅制度等を活用して公的機関がみずから行うだけではなく、民間の力も活用しながら公的賃貸住宅を拡充していく措置、あるいはまた公的助成民間住宅というように一つの項目を設けまして、農住制度あるいは特定賃貸住宅制度等の制度を拡充してその計画の実現を図っていくというような措置等を講じていきたいと考えているところでございまして、こういうような新しい施策等を前提としながら、第五期の三百三十万戸より大きい三百七十万戸の建設を計画していきたいと考えているところでございます。
#199
○井上吉夫君 第六期住宅建設五カ年計画の中にうたわれております九五年度に約九十五平米、それから公共投資基本計画のいわゆる二〇〇〇年をめどにしては百平米程度という住宅一戸当たりの平均床面積に持っていきたいということのようでありますが、この第六期の計画の中に言われている誘導居住水準というのは具体的には大体どういう居住の内容になりますか。ひとつ参考のために説明してくれませんか。
#200
○政府委員(立石真君) 誘導居住水準と申しますのは、西暦二〇〇〇年の平成十二年度には全国の半数の世帯がそのぐらいの広さの住宅に住めるようにするというのを誘導居住水準としているところでございまして、家族の大きさ、世帯人員に応じまして一戸当たりの面積を定めているところでございます。
 二つの系統がございまして、一つは都市居住型誘導居住水準でございます。これは主として大都市地域等の共同住宅の居住を考えているところでございますが、例えば夫婦と子供二人の標準世帯の四人世帯におきましては、部屋では三LDKを考えまして九十一平方メートル、例えば二人世帯ですと一LDKで五十五平方メートルというようにしているところでございます。
#201
○井上吉夫君 標準世帯だけでいいです。九十五と百の内容を説明してください。
#202
○政府委員(立石真君) それ以外の一戸建ての住宅、特に各地方の住宅水準を考えまして一般型の誘導居住水準というのを想定しておりますが、この場合にありましては四人家族におきまして三LDKにスペアハウスを一つ加えた住宅を考えておりまして、面積としましては百二十三平方メートルの広さを考えているところでございます。
#203
○井上吉夫君 昨年改正されました大都市法では大都市圏域ごとに住宅宅地供給基本方針を定めることとしておりますが、どのような考え方で策定しようとしておられるか。先ほど経済局長から若干の御説明を受けましたけれども、改めて進め方について説明してください。
#204
○政府委員(立石真君) 現在の大都市地域におきます住宅宅地問題は、一つの都府県というような範囲を超えたものであるというように認識しているわけでございまして、その解決のためには広域的な取り組みが必要であり、かつ国と地方公共団体が一体となって取り組むことが重要であると考えているところでございます。
 こういうような考え方から、住宅宅地供給基本方針につきましては建設大臣が定めることになっているわけでございますが、都府県の枠を超えまして首都圏、近畿圏、中部圏、各圏域ごとに方針を策定するというようにしているところでございます。
 この基本方針の中に策定する事項といたしましては、今後十年間のそれぞれの圏域全体と、それからその圏域に含まれております都府県別の住宅宅地の供給目標量、それからそれを達成するための低・未利用地や市街化区域内農地の利用転換、新市街地の計画的開発、既成市街地の有効・高度利用等それぞれの地域の特性に応じた基本的施策を定めることとしているところでございます。
 この基本方針につきましては、この三月いっぱいに決定する予定でございますが、これに即しまして関係都府県で住宅宅地の供給計画を定めてもらいたいということで協議を進めておりまして、三年度のできるだけ早い機会にまとめられるものと私たち期待しているところでございますが、関係都府県の供給計画の中におきましてはそれぞれの都府県内の地域に即して住宅宅地の供給目標量を設定すると同時に、重点的に住宅宅地を供給すべき地域を定めることとしているところでございます。このような広域的かつ即地的な計画に基づきまして、大都市地域の住宅宅地問題の解決に向けて総合的な対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
#205
○井上吉夫君 第六期の計画を見ても第五期で見ても、住宅建設の大体七割前後は公庫融資による住宅であると思います。したがって、住宅政策の実体的な役割の主力を担うものはやっぱり公庫融資によって民間がつくっていく。それは持ち家であれ賃貸であれ、いろんな種類に分かれるわけでありますけれども、そういうものがトータルして望ましい良好な住宅という、数の面だけでなくて質もまたそれにふさわしい住宅に変わっていかなきゃならぬということが住宅政策の目標だと思います。同時にまた、それを取り巻くもろもろの居住の環境というのが、家や屋敷だけじゃなくて、道路もあるいは下水道もしかるべき配置のある公園なり、そういうものがそろっておるということを求めていかなきゃならぬ。そのことは総合土地政策推進要綱の取りまとめに非常に大きな役割を受け持たれました建設大臣はとりわけその認識でおられると思いますが、ぜひそういう立場で御検討いただきたい。
 その所信を最後に聞きたいと思いますが、公庫融資については先ほど西野議員からも質問がありましたけれども、今までは二年度ごとに延長して二回、昭和六十二年と平成元年ですか、今度は五年ということですね。先ほど質問があって、お答えがありました。特別割り増しですから、やはりこのねらいというのは、説明もあったように、内需拡大という要素がかなり大きかったんじゃないかなと思うんです。これから先の住宅行政という立場から考えると、内需拡大という側面も一つの役割ではあろうけれども、とりわけ住宅の質を高めていくという方に力点がかからなきゃいかぬのではないかなと思うんですが、そのことについての御見解、そして同時に、内需拡大に果たした役割も定量的にあるいはとれるのかもしれませんが、質の面でどういう効果があったかということを、法案との絡みでひとつお答えを願っておきたいと思います。
#206
○政府委員(立石真君) 先生の御指摘のとおり、特別割増貸付制度は、当初は内需の拡大、景気刺激というところの色彩が強かったわけでございますが、先ほど御答弁いたしましたように、現段階におきましては内需につきましても持続的な拡大というところに落ちついた持続的なものとして考えているところでございますし、それ以上に現在は、御指摘のように、住宅の質を高めるのに寄与しているものと私たち考えているところでございます。そういうような観点から、従来は二年ごとの延長を考えておったわけでございますが、住宅政策上の意義を考えてみますと、第六期の住宅建設五カ年計画の期間に合わせた五年程度に延長することが適当ではないかというように考えてお願いしているところでございます。
 また、特別割増貸付を利用した場合の効果というところでございますが、通常の貸し付け分とあわせてその効果が発揮されるというように考えているわけでございまして、特別割増貸付だけでの効果を定量的に示すのはなかなか困難とは考えておるところでございますけれども、一つの試算といたしまして、住居費の負担軽減というところだけに即して見てみますと、例えばマンションの購入に際しまして八百万円の特別割増貸付を利用した場合には、民間住宅ローンの場合と比べますと年間十八万円強の負担減と試算されるわけでございます。
 また、個人住宅建設につきましては、三百五十万円を特別割増貸付を受けますと、民間住宅ローンで借りた場合と比べてかなりの返済負担減が期待されるわけです。それを全部床面積の増加に充てたといたしますと、六平米程度増加しても大丈夫だ、六平米増加したのに匹敵するというように試算されるところでございまして、一つの試算ではございますが、特別割増貸付制度が住宅の質の向上に相当程度の効果があったというように考えておるところでございます。
#207
○井上吉夫君 ちょうど大臣が在席しておられない時間帯でございましたけれども、所信の中に言われました新ふるさとマイホームというくだりについて経済局長から内容を説明してもらいました。説明の範囲の中では、私がかねて考えておりますもっともっと多極分散を内政の最重要課題とするというとらえ方、それを実施する非常に大きな部分を建設省が受け持っておりますだけに、この立場から見るとまだまだ、一つの方法ではあるけれども、これだけでは到底という感じが否めませんでした。
 先ほどちょっと触れましたように、総合土地政策推進要綱をまとめる上において非常に大きな役割を担われました大臣は、「経済政策等における土地問題への配慮」のくだりの中で、四百三十兆の公共投資をこれから十年間にやる、その際に土地の高騰を招かないようなことに十分配慮してやっていかなきゃならぬよという経済政策上の観点と、さらに土地に対する需要の分散を通じて土地問題の解決に資する必要があるということを強調しておられます。このためには、当然のことながら都市機能をもっと分散することも必要だし、そしてそれぞれの地域に新しい職場と産業を興してそして人も住宅も分散するという、そのことがなければ東京圏を初めとする大都市圏の望ましい住宅の環境というのはほんの小さな規模の仕事になってしまうという、そういう思いが込められているというぐあいに私は思うんです。
 したがって、この第六期の住宅建設計画を見ても主力はやっぱり公庫融資による住宅が七割ぐらいを占めるという計画でありますから、割増制度を含めてもっともっとこれが日本の内需拡大につながりながら、一方では質の高い住宅をつくっていく。その中に相関運するもろもろの住宅環境等の問題も言われておるし、あるいは高齢者対策の住宅という側面も、あるいはとりわけ地方の田舎の場合は多くの人が木造住宅を望むという、そういう希望が非常に多うございますから、そのために所信の中にも「木造住宅」というくだりも入れておられると思うんです。
 きょうは逐一その辺については御質問しませんけれども、非常に大事な住宅政策であり建設行政でありますから、以上総体的に申し上げました諸点を含めて、精力的にひとつ国民が求める住宅への大きな期待というのにこたえていただきたいと考えておりますので、最後に大臣の取り組みの決意をお伺いして私の質問を終わります。
#208
○国務大臣(大塚雄司君) 海部総理の施政方針演説の中にも、内政の最重要課題は土地住宅問題であると、こう申し上げておるわけでございまして、内閣挙げてこの問題に取り組まなければならないと思っております。特に、今いろいろと御指摘もございましたが、我が国の経済力にふさわしい、国民の豊かさを実感できる住生活を確保するということはまことに重大な課題であると考えておるところでございます。
 先ほど総合土地政策推進要綱のお話にもお触れになりましたが、昨年来大都市法の改正を初め建築基準法、都市計画法の改正をさせていただきまして、これからの大都市における住宅供給にいかに取り組むか、これも長い間の木造中心主義の我が国でありますけれども、コンクリートの建物に変わってからそう長くはございませんけれども、それにふさわしい法整備をして土地の有効利用を図っていくということが極めて大事であるという認識に立ちまして、特に今お話のあった二十一世紀の高齢化社会の到来などを目標に据えまして、良質な住宅ストックの形成をしなければならない。そのためにはやはり何といいましても地価対策をしっかりやることである、土地価格を安定させ引き下げることが当面の大きな課題でもあると思っております。そしてまた、建設を支える建設業の方々が、いわゆる建設従事者が非常に少ない中で、これがまたコストに影響をしていることも考えますと、そういう建設に従事をされる方々の確保を初め、もろもろのきめ細かい施策を総合的に組み込みまして対策を立てていかなければならないと思っております。
 昨年の大都市法の改正に伴いまして、先ほど局長からお話をしましたように、大都市地域における住宅の供給方針等も三月末に固めまして、また地方自治体にも御協力を願って、六月を目途に、まだ定かな日は決まっておりませんけれども、できるだけ早く御協力をいただきまして、国と地方公共団体が力を合わせまして今お話しのように進めていきたいと思っております。
 特に、先ほど来の御指摘にありますように、住宅の質の向上というのはまさに御指摘のとおりでありまして、今日まではどちらかというと戸数を一つの目標に進めてきた住宅政策と言われる向きもございますが、戸数もさることながら、これからは質的な向上というもの、スペースの拡大というもの、そこに目標を置きまして総力を挙げて取り組んでまいる決意でございますので、よろしく御指導、御鞭撻を賜りますようにお願いをしたいと存じます。
 ありがとうございました。
#209
○井上吉夫君 終わります。
#210
○白浜一良君 まず最初に、大臣にお伺いしたいのですけれども、今回の公庫法の改正は、住宅建設を促進するという、そういう側面から言えば決して反対するわけではないんですが、この公庫法そのものの趣旨、目的から考えて、私は適切に運用されているかどうかということをまず冒頭にお伺いしたいわけです。
 と申しますのも、大臣も当然御存じだと思いますが、公庫法の第一条第一項でございますが、それには「住宅金融公庫は、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設及び購入に必要な資金で、銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」、このように「銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」と書かれているわけです。当然持ち家制度がベースになっているわけですが、ところがこの公庫の利用者世帯の収入区分を見ますと、昭和六十年度と平成元年度を比べましたら、いわゆる第一分位、第二分位は平成元年でがっと減っておるんです。特に三、四、五という分位がふえて逆転しているわけです。要するに、収入の多い方がむしろ利用されている、こういう現象になっておるんです。
 こういう現状から、公庫がそういう目的に沿った運用をされているかどうか、今後どのようにこの目的に沿った運用をしていくのかということをまず大臣にお伺いをしたいと思います。
#211
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま所得の分位にお触れになって御指摘がございましたが、我が国の住宅政策の歴史を振り返ってみますと、今日では所得の格差はかなり縮まりましたが、この公庫法ができた当時はかなり所得の格差がございまして、政府施策としては比較的第一分位に近い方の方々は公営住宅等の住宅供給で救っていく。それから、公団住宅でその第二分位から第三分位の範囲の勤労者に入っていただく。なおかつまた、公庫住宅はみずから土地を持っている場合や、あるいは土地を購入したりという持ち家の住宅でございますから、第三分位、場合によっては第四分位というような方々も対象に今日まで住宅供給をやってきたものと思います。
 したがいまして、御指摘のとおり、なるべく第一、第二分位のような方々にも御利用をいただけるような制度に取り組んでいくことは非常に大事なことだと思っておりますけれども、しかし一方で、制度の中身から申しますと、必要な資金量を無抽せんでやろうということで努力をしているわけでございますから、必ずしも貸し付け条件がすぐれている――すぐれていないわけはないのでありますが、より第一分位の方々にもということになりますと、まだそこまでいっていないかもしれませんが、できる限り貸し付け条件の改善をして、その方々にも利用ができるような努力をしてまいりたい、このように思っております。
#212
○白浜一良君 もともと第一分位、第二分位の方も買っていたわけですが、それが減っている。確かに近年非常に住宅が高くなっている。そういうことはいろいろ原因はあるんですよ。あるんですけれども、今大臣がおっしゃったような言い方は、本来の趣旨から非常に外れていると私は思うわけです。もともと借りていたんです。これはグラフを見てもらえばわかりますが、近年土地が高騰して住宅が高くなったという理由はございますが、減っているということを、そこを私は言っているわけです。最後に大臣がおっしゃったように、そういう収入の低い方は、やっぱりそれは夢ですから、おまえら貧乏人だから持ち家は無理なんだと、こういうことを言ってしまえば本当に生きていく希望がなくなるわけでございまして、どうかそういう観点で前向きな運用をお願いしたい。
 住宅局長、続いて伺うんですけれども、それと関連するんですけれども、昨年五月出ました総務庁の行政監察の勧告、これは当然御存じだと思いますが、その中にいろいろ問題が指摘されておりますが、「現行の公庫における融資体系は、地域別、建設・購入別、新築・中古別、建て方・構造別の価格差の実態を必ずしも反映しておらず、融資体系について見直し、住宅の取得を容易にするよう改善を行う余地がある。」と、これはほかの省庁から言われておることですから余り気分はよくないでしょうけれども、こう言っているわけでございまして、この指摘に対して局長、どうですか、どのように御理解、御判断されますか。
#213
○政府委員(立石真君) 平成二年五月に出されました住宅に関する行政監察結果報告におきまして、公庫の業務運営につきまして融資条件の改善を図る等、いろいろと勧告を受けているところでございます。
 建設省としましては、この勧告の趣旨に沿いまして、融資限度額の引き上げとかあるいは大都市地域における良好な分譲住宅の供給を促進するなど、二年度予算において大都市加算の制度を新設したり、あるいはまた三年度の予算におきましてもいろいろな措置の拡充を図るなどしているところでございます。
 中古住宅につきましては、特に中古住宅の融資条件は平成二年度で融資対象となる建物の経過年数の要件を緩和する、そしてまた一定の要件を満たした工事を施した良質な中古住宅に対しては、融資条件の優遇を行う等のいわゆるリフレッシュ住宅融資制度というようなものを新設したところでございまして、今後とも勧告の趣旨も尊重して融資条件の改善に努めてまいりたいと考えております。
#214
○白浜一良君 今具体的に中古等の話をされたんですが、総務庁の指摘されているのは融資体系全体の改善というか、もう少しいろんな角度からおっしゃっているわけでございまして、どうかそういう具体的な検討をお願いをしたい。
 中古のことを今おっしゃいましたので、中古のいわゆる経過年数とか融資金利の問題、これはこれで今検討されると聞きましたから検討していただきたいんですけれども、もう一つリフレッシュ住宅のことをおっしゃいました。しかし、私これ見ましたら、調べていただいたんですが、昨年末でこれは五十六戸しかないわけですね。新しく平成二年度から行われているわけですからなかなか定着しないというか、啓蒙されていないという、そういう理由もあるとは思うんですが、これは今の体系でございましたら、要するにこれだけ激しい人口流動の多いときですから中古の物件もいっぱいあると思うんですが、売り手がリフレッシュしてそれで売るという、例えばの話ですね、買い手側の立場で買った上でいわゆるリフレッシュをする場合に融資されないというか、そういう話を私伺っているんですけれども、これはどうですか。
#215
○政府委員(立石真君) まずリフレッシュ住宅貸付制度でございますが、先生の御指摘のとおりでございまして、中古マンションを売るときに一定の改良を施した場合、そういうリフレッシュした場合には、貸付額あるいは償還期間において優遇する措置としているところでございます。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
この場合は売る前にリフレッシュするということでございます。非常にまだ利用件数が少ないわけでございますけれども、平成二年の八月から受け付け開始したばかりでございまして周知されていないと思っておりますので、今後利用件数はどんどんふえていくものと考えているところでございます。
 また、買った人がそれではそのマンションをリフレッシュする、あるいは何といいますかインテリア等を変えるということにつきましては、住宅金融公庫によります住宅改良融資がございまして、それを利用していただきたいと考えておりますが、現在、改良融資につきましては年間十万戸に上る申請がなされ、貸し付けをしている状況でございます。
#216
○白浜一良君 いずれにいたしましても、持ち家制度というのが従来日本の住宅行政のベースになっておりますので、そういった面ではこの公庫の運用は非常に大事でございます。善処をお願いしたいと思うわけです。
 持ち家でない場合はとにかく賃貸になるわけでございますが、賃貸住宅の場合は、先ほどからいろいろお話しされておりますが、まずこのベースになるのがやっぱり公共住宅なんです。特に公営住宅なんですが、先ほどから話が出ていますのでもう重複はできるだけ避けますが、過去五年間の第五期の五カ年計画をずっと見ましたらこの進捗率というのは公営住宅が八四・九%ですか、賃貸の一番ベースになるところの公営住宅の進捗率が一番悪い。今度また二十九万戸を新たに予定されているわけですが、この達成ができないと意味がないわけでございまして、一番ベースになるこのいわゆる公営住宅がなぜこういう悪い比率になっていると思いますか。これをきちっとやっていただきたいんですが。
#217
○政府委員(立石真君) 公営住宅につきましては、この制度ができて以来全国かなり広く公営住宅の建設に市町村が当たりまして、現在のストックは全体で二百万戸を超えるものがあるわけでございます。ここまでの戸数としてのストックができているわけでございますが、その質等についての問題が一つあるのは私たち承知しているわけでございますが、これだけストックが出てきますと、全国的なべースにおきましてはそれほどもう新しい戸数は必要はなくなってきているのが現在でございます。
 しかしながら、大都市地域等を中心に低所得者が民間の賃貸住宅では負担が大き過ぎて大変だということがありまして、大都市地域を中心に公営住宅の供給はさらにますます必要になっているというように考えておりまして、これを推進していくことにつきましては大きな課題だと考えているところでございます。
 今回の五カ年計画におきましては、これまでの公営住宅の方式によりますと地価の高騰等によって新たに土地を入手することが困難な場合が非常に多くございますので、先ほどから御説明いたしましたところでございますが、一つは民間の土地所有者がそこに住宅を建てたものを公共団体が借り上げて公営住宅、準公営住宅として提供する借り上げ式公共賃貸住宅制度等を導入して、また土地の有効高度利用を図る等によりまして、公営住宅の促進を図っていきたいと考えているところでございます
#218
○白浜一良君 そういう借り上げ方式も新たにできるわけですからね。私は大阪ですけれども、確かに非常に足りないんですよね、希望が多くて。それで、大阪でもそうなんですけれども、これはもう本当に県境の遠いところに府営住宅なんかできましてもそういうところへは入りたくないんですよ。やっぱりできるだけ便利なところにつくっていただくということが大事なんで、これが一番ベースですからよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それで、今話が少し出ましたように、公営住宅に入れない方が、ざっくり言いますと、いわゆる民間の賃貸住宅に入るわけです。その場合に非常に賃貸料が高いわけですね。ですから、それをどうするかということで、私どもはいわゆる家賃補助制度というものを設立したいということを再三にわたって御要望しているわけです。そういった面で言いましたら、局長、私は皮肉を言うわけでもないんですけれども、前にも一回言いましたが、平成二年度の概算要求で、例えばその一つとしていわゆる家賃控除制度の創設というのが、これは画期的な案でございまして、平成二年度の概算要求でございましたですね。これはもろくもつぶれました。私よく知っています。昨年の概算要求でずっと局長は遠慮されまして、非常に縮小されて、いわゆる五十平米未満の借家から五十平米以上の民間借家に住みかえた世帯、こういうふうに限定されたわけでございますが、より限定されましたけれども、これは新しい控除制度、初めてです。もろくも大蔵省の前に敗れ去ったわけでございます。そうですね。これはやっぱり大事なんですよ。地方自治体ではそういう国の制度がないからいろいろやっているんですよ。大阪で私言いましたら、大阪市もどんどん若年層が都心部から離れていきますから、少なくとも新婚世帯に対する家賃補助を大阪市としてやろうと。新しい制度をことし四月から導入される。だから、いろいろ地方自治体では頑張っているんですよ。どうですか局長、三年度のこの概算要求も実現しませんでしたけれども、平成四年度も二たび三たび頑張るという御決意をちょっと述べていただきたいんですけれども。
#219
○政府委員(立石真君) 家賃控除制度につきましては、平成二年度、平成三年度の税制改正要望で建設省として要求した内容につきましては、先生の御指摘のとおりだと考えております。これらにつきましては、建設省として要望したわけでございますが、やはり税制面のあり方として、家賃は食費あるいは被服費等々と同様に典型的な生計費である、その中から家賃だけを取り出して特別の控除を設けるというのは基本的な問題がある、という税制面からの見解によりまして成功しなかったものと思っているところでございます。
 平成四年度以降の予算要求あるいは税制要望等につきましてはこれから検討することになろうかと思いますが、これまでの経験を勉強いたしまして慎重に検討していきたいと思います。
#220
○白浜一良君 今の局長の答弁は大蔵省の答弁でございまして、しかしよく御存じのように、例えば背広はどこで買うても値段は変わりませんけれども、家だけは違い過ぎるんですよ、家賃だけは。要するに、ここが問題なんです。だから、よく御存じと思います。住宅権というのは、基本的に家がないとやっぱり暮らせないわけですから、そういった面で我が党も随分前から住宅基本法という法律、きちっとやっぱりそういう住宅権というものをどう現代的に保障するかという考えのもとに、いわゆる持ち家制度なり民間の賃貸であれ公営、公共の住宅であれきちっとしていくという、そういうことをお訴えしているわけでございます。最後に、大臣の御所見を伺いまして終わりたいと思います。
#221
○国務大臣(大塚雄司君) 一昨年、私は衆議院の土地問題の特別委員長をさせていただきまして、土地基本法の制定をするのに携わったわけでございます。そのときに、公明党の皆さんからは、住宅基本法のことにつきましていろいろと御要望なり御意見がありましたことは十分拝聴もさせていただきました。
 特に、住宅基本法は今日の段階では、その政策の目標や、国や地方公共団体の責務とかあるいは住居費の負担の考え方、居住水準のあり方等につきましては、まだそのコンセンサスが必ずしも形成されているとは思われないわけでございまして、政府としましては、国民の居住水準を向上させるためには、従来住宅建設計画法に基づきまして住宅建設五カ年計画を策定し、今回も第六期五カ年計画を策定するわけでございますが、いずれにいたしましても良質な住宅取得や良好な住環境の形成を今後もしていかなければなりませんし、海部内閣の最重要課題というのは何といっても土地住宅でありますから、また御意見等を承りながら先生方の御意見を尊重する方向で勉強させていただきたい、このように思っております。
#222
○上田耕一郎君 特別割り増しについて、利用率も年々上昇しておりますし、私どもも賛成です。
 ただ、東京圏でマンション購入のためにこの特別割増融資八百万円を使いますと、公庫の資料によると、民間ローンと比べて元利償還の負担が年間十六万五千八百四十円軽減されます。これは計算してみますと、同じ負担で民間ローンよりもおおよそ百七十二万円ぐらい資金調達可能額がふえるということになるようなんですが、これは建設省が監修された住宅経済データ集を見ると、九〇年度版ですけれども、平均的な勤労者世帯がローン返済負担率二五%以下で調達できる資金が八九年度で調達不足額は二千万円ということになっているんですね。ですから、この住宅価格がどんどんどんどん上がっていくためにその所得との乖離は極めて大きくなる。だから、百七十二万円ぐらいふえることになるとはいっても、かなり乖離額が大きいんです。
 それで、今度のは確かに改善なんだけれども、結局この割り増し措置の延長の恩恵を受けられる人は、かなり多額の自己資金を持っている人、あるいは相当高い収入の人ということになるんですね。ですから、この問題は指摘だけにとどめたいんですけれども、やはり特に東京などの場合、土地、住宅の価格の高騰でかなり大きな壁にぶつかっておるという点があって、これを何とか解決の道を探求していかなきゃならぬと、そう思います。
 それで、時間も余りございませんので、二番目の賃貸住宅への特別割増貸付、これについてちょっと質問させていただきたいんです。
 いろんな問題がありますけれども、特に目立つ問題を二つ挙げたいのは、新設住宅の約半分を占めているのが賃貸住宅ですけれども、公庫融資の分は八九年度で三・九%なんですね。公庫融資が余り使われていないという問題があります。これが一つ。
 これと実はかかわりがあるんですけれども、新設貸し家の面積がどんどんどんどん小さくなっている。八〇年度五十七・一平米がピーク。どんどん少なくなって、八九年度では四十五・八平米。特に三十平米以下の貸し家、いわゆるワンルームですけれども、これはもう急増していて、八九年度では三分の一近くが三十平米以下。四十平米以下は半分近い四九%ということになってるんですね。こういうワンルームのような小さいものがどんどんとふえているということと、公庫融資がわずか四%になっているということ、これは絡み合っていると思うんです。だから、この原因は一体どこにあるのか、それから今度の民間賃貸住宅建設への割増融資の適用がそういう状況を改善するのに一体どのぐらい役立つのかということについてお尋ねしたいと思いますが。
#223
○政府委員(立石真君) まず、先生御指摘のとおり、大都市地域を中心にこの数年賃貸住宅の供給が著しいわけでございますが、供給された住宅は非常に小規模なものが多く、平均でも四十五・八平米に平成元年度がなっておりまして、それより十年前の昭和五十四年、五十五年ごろには五十七・一平米であったところから見ますとかなり小さなものになっているのが現状でございます。これはやはり一つは、まず土地あるいは家賃等が高くなりまして大きな世帯向けの賃貸住宅が供給管理されにくくなったということが一つであろうかと思っているわけでございます。
 そこで、賃貸住宅につきましては、特に大都市地域において賃貸住宅の居住者の住宅事情が非常に悪いこと、例えば最低居住水準未満の世帯の率は首都圏におきましては二五%にも及ぶという状況でございますので、そういうような大都市地域の賃貸住宅居住者の居住水準が低いという一つの理由に加えまして、さらに地価が値上がりしてその状況がひどくなっているのが現状でございますので、政策の重点はやはり世帯向けの賃貸住宅を供給していくことが大きな課題になろうかと思っているわけでございます。
 そういうようなことから、住宅金融公庫といたしましては特に世帯向けの賃貸住宅の供給に積極的に融資していきたいと考えているところでございまして、利用率はまだ非常に小さいとは思っておりますが、世帯向けの賃貸住宅に対する公庫の融資をふやしていきたい。特に平成三年度におきましては、六十五平米以上のファミリー向け賃貸住宅について、これまでは最高九百五十万円までしか融資されなかったものを、この特別割増貸付制度を加えて千四百三十万円まで貸せるように持っていく等の措置をとろうと考えているところでございます。
 なお、小規模の賃貸住宅についての評価の問題でございますが、確かに民間で建てられる小規模の賃貸住宅が長期的に良質な住宅ストックになるかということにつきましては、長期的にはやはり期待できないのではないかというように考えているところでございますが、当面の効果といたしましては、例えば木造賃貸アパートの設備共用の住宅がどんどん少なくなって設備の専用になり、かつこれらが建てかえられて小規模住宅、いわゆるワンルーム等も含んでおりますが、小規模の賃貸住宅になっているという動きがありまして、単身者の一定の住宅需要にはこたえるというような面からも一つの意義はあるものだと考えておりまして、長期的な問題と当面の改善の状況とを考えて、こういうものに対する施策もとっていかなければならないと考えているところでございます。しかしながら、長期的な良好なストックとするためにはやはり世帯向けの賃貸住宅をもっとふやす必要があるということから施策を展開していきたいと考えております。
#224
○上田耕一郎君 民間賃貸住宅建設の動機が資産保全、不動産収益、相続税対策なんかもふえてきておりますけれども、こういうことにあって、結局利益率が高くて移動のいいワンルームに走るという傾向があるんですね。ですから、住宅宅地審議会の答申も、今言われたようなファミリー住宅、これを重視しろと言われているのでいろいろ問題点をひとつよく分析されて、今言われたような方向が充実するように望みたいと思います。
 時間もありませんので最後に、これは東京都の直接の問題なんですけれども、公社住宅の建てかえ問題についてお伺いしたいと思います。
 東京都の住宅供給公社が建てかえ計画を打ち出しました。今度の法改正でも公社住宅についても一戸当たり千九百万円割増融資をすることになったんですけれども、この住宅供給公社の建てかえ計画はどうも公団よりもひどくて、戻り入居の最終家賃十五万五千円ということになって、今対象に上がっている大井水神住宅を例にとりますと現在の家賃の七・八倍なんですね。公団よりも古いから年金生活世帯が四割占めていますし、アンケートでも非常に反対の方が多い。公団の場合には、けさほども丸山総裁ともお会いしましたけれども、今度高齢者対策で改善措置をとりましたということで我々も評価しているんですが、そういうものも公社の場合はないんですね。これも地価の再評価問題という長年の我々指摘し続けている問題が入っていることもあるんですけれども、やっぱり公社ではあってもこれは建設省としても大問題でありますので、高い地価が直接に家賃に反映して追い出しの建てかえ計画に実際もうなりそうなので、不当な建てかえ計画について是正指導をぜひお願いしたい。これは建設大臣に、東京の大きな住宅問題でもありますので、ひとつお考えをお聞きして終わりたいと思います。
#225
○国務大臣(大塚雄司君) 公社賃貸住宅の建てかえ等に伴いまして今御指摘の従前居住者の家賃の負担が急激に増大する場合には、傾斜家賃制度の措置等によりまして家賃の激変緩和に配慮するよう各地方住宅供給公社には指導をいたしておるところでございます。
 さらに、家賃改定で地代相当額を参酌する場合においては、生活保護世帯や老人世帯あるいは母子世帯、心身障害者世帯等のうち生活に困窮する世帯などの家賃の支払いが困難であると認められる貸借人に対しましては、当然のことながら家賃の徴収猶予や減免等の措置を検討するように、これも指導をいたしておるところでございます。
 また、地代相当額の再評価方式を導入いたしましたのは、他の公的な賃貸住宅との関係もございまして、また入居者の需要に応じて土地の客観的な利用価値を反映した合理的な家賃の改定ができるように、家賃限度額の算定要素におきまして当初の土地取得・造成費の償還額にかえて地代相当額を参酌することを可能にしたところでございますが、いずれにいたしましても建てかえに伴いましては、公営の場合もそうでありますけれども、そこに長年住んでおられた方々の立場をよく考えてきめ細かい配慮をして対処をしていくように、さらに指導をしてまいりたいと存じます。
#226
○新坂一雄君 ただいま議題になっておりますこの法律案の趣旨でございますが、二つありまして、趣旨としては非常に推進してほしいという見解でございます。
 この二番目にあります産業労働者住宅の貸し付けということで、この言葉にとらわれるんですけれども、「チョピンとはおれのことかとショパン言い」というんですが、今の時代にこの産業労働者という、これは昭和二十八年につくった法律から引いておるんだそうでございますけれども、サラリーマンが産業労働者ということを聞いて自分のことかどうかという、そういうことが実は笑い話じゃなくて、例えば公共職業安定所のいわゆる職安というイメージが、今ハローワークと呼んでかなりヤングなんかにそういう意味では気楽に相談に乗ってくれるというふうなことで好評だと。こういうような何というんですか、時代とともに言葉自体も動いているということで、行政の皆さんの方には、これは法律に縛られているからなかなか抜本改正しない限りはこの言葉はなくならないというふうにお考えでしょうけれども、やはりその時代時代に合ったものをつくっていかないと、これは法律としてはいわゆる住民といいますか、国民にとってマッチしないんじゃないかという気がいたします。そういうところをひとつ今後法律をつくるときに考えていただきたいなという希望でございます。
 それで、先ほども出ていましたけれども、この二番目の住宅貸し付け、これは連合と日経連がつくっております共同社宅に対する融資ができるようにということで大変推進してほしいという制度でございますが、今の時代、本当に東京都内の住宅からどんどんマイホームが離れてしまうということになりますと、極端な例が、月曜日から金曜日まで働いているお父さんがワンルームマンションに住んで、そして土曜、日曜日に自分のマイホームに帰るというような非常に家族生活にとってはいびつな形、産業だけの効率を求めることになってくると、そんなスタイルが出てくるんじゃないかということを心配するわけです。
 この共同社宅について、異業種の職業の人が入る共同社宅をねらっているわけでございますが、やはり基本的には良質な社宅ということでかなり幅の広いものを、住宅の広さ、質的な確保ということを一番希望するわけでございますが、今度の貸し付け条件について、ガイダンスといいますか誘導するといいますか、そういう面での指導的なことがありましたらちょっと教えていただきたいんですが。
#227
○政府委員(立石真君) 勤労者世帯の住宅事情を改善していくためには、世帯向け規模の社宅が比較的通勤の便のよい場所で供給されていくことがもちろん望ましいと考えているわけでございます。この産業労働者住宅融資におきましては、融資対象住宅の一戸当たりの床面積の下限を五十平方メートルというようにするとともに、これまで企業遊休地等を活用する形のものが多かったわけでございますが、今般は市街地内の農地等の所有者が、農地所有者等住宅というのがございますが、住宅を建ててそれを借り上げ社宅用の住宅として提供するというような制度も組みまして、制度の改善を図り新しい融資の道を開こうとしているところでございまして、そういうような各種の工夫を行いまして、共同社宅あるいはまた産業労働者住宅の質の充実を図ってまいりたいというように考えておるところでございます。
#228
○新坂一雄君 これは融資のことでございますから借りたい人に対しては基本的には貸していくということが基本になっておりますけれども、本当に遠いところというか、東京都心から遠いところに建たざるを得ないような経済条件といいますか、あるいは土地の高さにより必然的にそうなってくるということなので、距離の面とか、それからやはり共同社宅についても大企業だけということじゃなくて、中小企業の面にも融資に対する目配りをするというような運用をしていただきたいなという希望がありますが、いかがでございますか。
#229
○政府委員(立石真君) まず、どのくらいの距離において供給するかということでございますが、賃貸住宅は貸し家市場の中で供給が行われていくものでございますので、それは需要が出たところで判断して、適切に対応していくことがやはり大事だと考えているところでございます。
 また、中小企業に対する目配りについてでございますが、産業労働者住宅融資制度におきましては、中小企業向けの社宅とするものに対しまして大規模企業向けの場合に比べまして金利とか融資率を優遇することとしておるところでございます。現在は、貸付金利が、中小企業については六・七%であるものを、大企業では七・五五%となっておりますが、これを三年度には中小企業向け六・六、大企業向けについては七・一%に、また融資率につきましては、これまで中小企業向けは七五%であり、大企業向けは五〇%であったものを、中小企業向けについては九〇%、大企業向けについては八〇%というように、中小企業向けについてはかなり優遇をして、そしてまた、中小企業の社宅整備にインセンティブを持たせていきたいと考えているところでございます。
 なお、公庫融資では、要件が的確であれば確実に融資を受けるという仕組みでございますので、募集枠等によって借り入れが制限されるようなことがないように運用させるようにしていきたいと考えております。
#230
○山田勇君 住宅価格の平均年収倍率は、アメリカが三・四倍、イギリスが四・四倍、西ドイツが四・六倍でありますが、日本の首都圏では、一九八八年の場合、平均世帯年収を六百八十二万円とすると七・五倍にもなります。私はこの年収の四倍程度が妥当であると考えますが、昭和五十年の住宅宅地審議会の答申では年収のおおむね五倍ということですが、年収の五倍とした場合、建設省は幾らの住宅を想定をなさっておりますか、お答えをいただきたいと思います。
#231
○政府委員(立石真君) 五十年の住宅宅地審議会の答申におきましては、標準的な世帯の住宅ローンの支払いは世帯収入のおおむね二五%が限度というようにされているところでございます。したがいまして、一般勤労者世帯が取得可能な住宅価格につきましては、もちろん金利の情勢が変化しますと一概に言えないわけでございますけれども、首都圏の平均的な勤労者世帯が貯蓄を自己資金として投入し、そして住宅ローンの返済負担率が二五%になるまで公庫ローンあるいは民間ローンを借り入れるというように仮定して計算してみますと、まず平成二年度では京浜地区勤労者の平均年収は七百六十五万円というように考えておりまして、自己資金も八百五十三万円程度は充当できるのではないかというようなところから計算いたしますと、約四千万円程度になるわけでございます。この四千万円程度といいますのは、先ほど申し上げました平均的な年収のおおむね五倍である、数字上は五・二倍とかそういう数字になると思いますが、おおむね五倍程度になるというように考えているところでございます。
#232
○山田勇君 私は三千万円程度で住宅は取得できるようにすべきだとは考えますが、四千万ぐらいでは東京のどの辺で取得できるでしょうか。実はこの間、これは大阪ですが、テレビでこれをテストをしたんです。どの程度まで行ったら三千万円で家が買えるかということになりますと、琵琶湖の一番北まで行かないと三千万では取得できない。そうしますと通勤がもう二時間以上です。そういうテストをやりました。ですから、四千万円ぐらいですと東京圏ではどの程度まで行かないとだめでしょうかね。
#233
○政府委員(立石真君) まず、供給する住宅の形態、例えば一戸建てであるか共同住宅であるかということ、それからその一戸の規模がどのくらいと仮定するか等々、いろいろな仮定によって違ってくるというように思うわけでございますが、首都圏の場合では、一戸建てですと相当遠くなってしまうものでございますので、マンションを想定して計算しておるところでございます。専用面積七十五平方メートルのマンションにつきまして平均的な工事費で建設したといたしますと、用地費に回るお金は大体四千万円のうち千九百万円程度になると見ております。
 その場合に、容積率二〇〇%で建てられたというような場合といたしますと、土地の価格は一平方メートル当たり約四十四万円程度というように試算されるわけでございます。そうしますと、この一平方メートル当たりの地価が約四十四万円以下となる地域というのを平成二年の地価公示で探してみますと、東京駅からの距離ではかってみますと、南部あるいは西部の方向では四十ないし五十キロ以遠、それから北部、東部方向では三十キロ以遠の地域におきましては、先ほど言いましたような条件のマンションが四千万円で取得できるのではないかというように試算しているところでございます。
#234
○山田勇君 それはマンションで想定なさった。私の方は四十五坪土地取得をしての距離ではかったわけですわ。関西ですから少し安うございますが、どちらにしても非常に高い。
 長距離通勤、それも満員電車、人間の尊厳を踏みにじるようなこんな土地政策では先進国家とは言えないのではないかと思います。普通のサラリーマンが一生懸命汗水を垂らして働いて、生涯東京で家が持てないとすれば、これは勤労意欲や価値観、倫理観にまで悪い影響を与えます。
 政府は一月二十五日、総合土地政策推進要綱を閣議決定しましたが、その中で「住宅地については、中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現を図る。」とありますが、なぜいつも土地問題はこのような抽象的な表現になるんでしょうか。この場合、中堅勤労者の所得は何万円と見るのか、また一定水準とは具体的に何平米なのか、価格水準は幾らなのか、またどの辺で取得できるのかをお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。
#235
○政府委員(立石真君) まず、東京圏で考えてみますと、平均的な勤労者世帯の年収は七百六十五万円程度と考えておりまして、先ほど申し上げましたように、四千万円程度の価格でできるだけ都市居住型の誘導居住水準に近い水準のマンショシが得られるように、大体専用面積六十五ないし七十五平米と考えておりまして、先ほどの計算の結果ではございますが、これらが五倍程度の価格で良質な住宅が確保できるようにということを目指してまいりたいと考えているところでございま
す。
 東京圏、大阪圏、名古屋圏についてそれぞれ所得あるいは条件等が違うと考えておるわけでございますが、東京圏につきましては先ほど申し上げましたような圏域でございますし、大阪圏ですと四千万円といいますとかなり遠くなりまして、二十ないし三十キロ以遠ぐらいになりますでしょうか。名古屋圏になりますと、大分楽な状況になろうかと思っておるわけでございますが、これらのものを目指して今後の住宅政策を展開してまいりたいと考えておるところでございます。
#236
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#237
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#238
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#239
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚建設大臣。
#240
○国務大臣(大塚雄司君) 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────
#241
○委員長(矢田部理君) 次に、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大塚建設大臣。
#242
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま議題となりました交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 交通事故の防止は国民共通の願いであり、従前から、国、地方公共団体等が一体となって各般の交通安全対策を強力に実施しているところであります。政府におきましても、これまで、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づき、交通安全施設等整備事業を鋭意推進してきたところでありますが、昭和五十三年以降、交通事故の発生件数は増加の傾向にあり、また、交通事故による死亡者数も平成元年以降二年連続して一万一千人を超えるなど、交通事故をめぐる状況は極めて憂慮すべきものとなっております。
 このような情勢に対処するため、現行の計画に引き続き、平成三年度以降の五カ年間において、交通安全施設等整備事業に関する計画を作成し、総合的な計画のもとに都道府県公安委員会及び道路管理者が交通安全施設等整備事業を強力に推進する必要があります。
 したがいまして、法律案といたしましては、平成三年度以降の五カ年間において実施すべき交通安全施設等整備事業に関する計画を作成することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#243
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#244
○種田誠君 ただいま議題となりました法律は昭和四十一年に制定されております。その後今次まで五カ年計画を継続してきたわけでありますが、結果として昨年度も一九七五年以来最悪の交通事故死者一万一千二百二十七人を数えております。法律が制定されて間もなくの昭和四十五年をピークといたしまして、その後交通事故による死亡者は減ってはきたわけでありますが、それが残念ながらここ数年前より増加傾向に回りまして、先ほど述べたような昨年の数字になっているわけであります。
 拝見いたしますと、法律の名前も緊急措置法というふうに定められているわけでありますから、五カ年計画を継続するたびにその効果が重なっていかなければならないはずだと思うわけであります。現に日本のこれらの法律に基づく対策を参考にしたという西ドイツにおきましては、率直に申し上げまして、今日交通事故死亡者は大幅に減っているわけであります。このことは関係省庁の皆さん方においても十二分に御承知おきだと思うわけです。日本の法体系や日本の交通安全システムを参考にした西ドイツが、交通安全対策で成功をして、モデルにされた日本が今日大変な事態を迎えるというのには、何かこれまでの五カ年計画において重大な欠陥があったのではないだろうかと指摘をせざるを得ないわけであります。
 そして、最近におきまして発生する事故は、まさに高齢者の方や若年者、さらには夜間の事故が大幅にふえているわけでありますが、この辺のことに関しまして関係省庁の皆さん方において、昭和四十一年以来この五カ年計画の積み上げの中にどこに問題があったのか、そして今日の事故はなぜこのような形で発生するのか、そのことについてまずはっきりとした御答弁をいただきたいと思います。
#245
○政府委員(関根謙一君) お答えを申し上げます。
 先生ただいま御指摘のとおり、最近我が国における交通事故死者数は漸次増加の傾向を示しているところでございます。特に、昨年は一万一千二百二十七人とこの十四、五年間で最高の数字を示したということでございます。そのための施策といたしまして交通安全施設の整備充実を図ってきたところでございますが、それにもかかわらず事故死者数がこのようにふえてきたということにつきましてはいろいろ理由があろうかと存じます。
 一つは、自動車の保有台数が増加していること、運転免許人口も六千万人を超えたということ、さらには人口の高齢化、それに経済の活性化等の事情が加わりまして交通環境が悪化したということもあろうかと存じます。そのための施策といたしまして、私どもも交通安全施設、特に交通管制センターの高度化でありますとか、信号機の高度化等の措置をとってきたところでございますが、これらも増勢傾向に歯どめをかけるに至らなかったということで深く反省をしているところでございます。
 そこで、今回の措置といたしましては、特に夜間における死者数の増加に歯どめをかける施策を考えたいと存じております。なぜかと申しますと、先生のお挙げになりました昭和四十五年以降で最も事故死者数の少ない昭和五十四年の夜間の事故件数及び昼間の事故件数と比較しまして、現在は昼間の事故件数はほぼ同数でございますが、夜間の事故件数のみ二千件ほど多くなっているということでございます。
 したがいまして、この夜間事故件数を減らしさえすれば最も低かった昭和五十四年の数字に達することも不可能でないということで、今回はそのための施策に力点を置いて交通安全施設整備を図ってまいりたいということからいろいろとお願いをしているところでございます。
#246
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。
 この四十一年から、今交通局長がお答えいたしましたように、保有台数も当時七百万台のオーダーから今のように五千五百万ないし七百万台のオーダーになってまいりました。運転免許者も多うございます。さらに自転車も非常に多くなってきております。例えば日本の場合今現在六千六百万台、こういう多きに至っております。そういう中で私どもは、この交通安全施設について、歩道を中心に四十一年から発足させて整備をいたしてまいりました。特に、昭和四十二年のときの歩道は延べ延長五千五百九十キロしかございませんでした。それが現在は十一万キロに及ぶ延長にまでなってきたわけでございます。
 こういう交通事故対策については、世の中のいろいろな活動とあわせて余暇活動が非常に増大した、あるいは二十四時間化、あるいは高齢化、こういったものに沿っていろいろな社会現象としての交通事故がふえてくるわけでございまして、自動車乗車中の事故、夜間、高齢者の事故等の増加、こういった事故特性に対応して、私ども対策をその都度立てていく必要があろうかと思っております。
 そういう視点から、今回の第五次交通安全五カ年計画におきましても、総額は一兆八千五百億円でございますが、例えば自動車乗車中の事故等に対応するものといたしましては、中央帯であるとか案内標識であるとかあるいは夜間の疲労に合わせた簡易パーキングの設置、こういったようなものが考えられましょうし、夜間事故の防止に対しましては道路照明あるいは視線誘導標あるいは交差点の改良といったものが考えられます。車両相互の事故といたしましては付加車線をつくる、あるいは交差点改良等が考えられましょうし、人対車両といたしましては、何はともあれ歩道及び自転車・歩行者道、そういうふうにそれぞれの事故に対応した対策をこの五カ年計画の中でやらせていただきたいと思っているわけでございます。
 特にその際に、高齢者等の方々が安心して通れるように質の高い歩道という意味から、幅員の広い歩道の整備を行わさせていただきたいということと、駐車という問題が非常に交通事故に深くかかわり合いがあるという視点から、駐車場整備等に対しても新たに事業に着手させていただきたい。またそれ以外に、現在の位置がどこにいるかわかるというようなことも含めた、それぞれの対策を立ててこの五カ年計画を発足させていただきたいと、かように思っている次第でございます。
#247
○種田誠君 昨年度、警察庁さらに建設省において西ドイツの方へ出張いたしまして、西ドイツにおける交通事故対策などの調査をしてきたやに伺っております。
 まず、なぜ西ドイツの交通事情の調査に行かれたのか、そしてそこで得てきた成果はどういうものであったのか、さらに西ドイツのいわゆる交通安全対策がどのようなシステムになっておったのか、両省庁から出張しておりますので、簡単に述べていただきたいと思います。
#248
○政府委員(関根謙一君) まず西ドイツに視察に行った理由でございますが、交通事故死者数をいろいろな施策を講じた結果大きく減少させることができたということを伺いまして、その方策で私どもの参考となるものがないかということでそれを調べにいったところでございます。
 そして、その成果でございますが、私どもが一番感じましたのは、西ドイツにおきましてはまず交通事故の調査分析の体制が非常にしっかりしていて、関係の機関、団体が総合的見地からこれを行い、これを事故防止のための政策に反映させているという点でございます。そういう意味で、事故分析の体制が確立していること、これが一つ大変参考になった点でございます。
 それから二つ目といたしまして、交通事故防止にかかわりのある各種の団体、政府機関等が一体となって総合的に施策を講じていることという点、この点も大変参考になった点でございます。
 さらに、車の構造、装置でございますとか道路の構造の問題でございますとか、救急医療体制の整備等につきましてもいろいろと細かい措置を講じているという点で参考になったと考えております。
#249
○政府委員(藤井治芳君) 西ドイツには私どもの道路局の企画課長をヘッドといたしまして五人で調査をさせていただきました。御指摘の調査についてこの二月に実施したわけでございますが、西ドイツ他三カ国、特に西ドイツについての報告の中で興味のある内容が三点に分けられるかと思います。
 一点は、アウトバーンのようなこういう自動車専用道路の事故率が非常に低い、一般道路の約三分の一から十分の一程度。こういうことから、これが優先的に建設されなければならない、こういうような考え方をとっているということが第一点。
 それから、一般道路におきます交通安全対策として、交差点の改良あるいは自転車道の整備を非常に重視しているということ。
 それからさらに、詳細な交通事故データ等を用いた総合的な事故分析を行っており、例えばハノーバー地区の特別調査では二千項目にわたる事故データを年間二千件収集してこれを生かしている、こういったようなことがございます。
 そういうことで私ども今後こういう経験を我が国に展開させてこれを生かしていきたい、かように思っているところでございます。
#250
○種田誠君 今両省庁の方から御答弁があった中で、事故の総合的な分析、データの蓄積、データベース化を図っている、こういうような答弁があったわけですが、実は私過去の議事録を拝見しておりましたらば、昭和四十一年に我が党の先輩議員の村田秀三さんがこの法律をつくるときに、日本の警察はしっかりした捜査記録を持っておるんだからこのようなものを今後の事故対策のデータとして分析の対象として蓄積しなさい、そしてそれを類型化して参考にしていくべきだろう、こういうふうなことを述べております。それに対して省庁の方におきましても、できる限りそのような努力をしていきたい、こういうふうな答えがあるんですが、その後、昭和四十一年以来既に西ドイツではもう完全に実施しているものが我が国ではやられてきたでしょうか。
#251
○政府委員(関根謙一君) 現在警察庁が中心となって行っております交通事故の分析は、主として人の面に着目いたしまして、責任の程度、過失の程度といったものを見きわめるために行われる分析が主でございます。もちろん事故防止のために、どのようなことが原因であったかということにつき、自動車の構造の問題でありますとか道路の構造の問題でありますとか天候の問題その他いろいろのものも分析してはおりますが、西ドイツのようにその分野における専門家の方々を動員して科学的に精密な分析をするというところまでは至っておりませんでした。
 そこで、私どもも西ドイツの事例を参考といたしまして、昨年から自動車安全運転センターにおきまして、事例を三百例だったと思いますが抽出いたしまして、これに関係省庁の方々、各界の専門家の方々に御参加をいただきまして、西ドイツのように非常に多くの項目、二千項目ぐらいだったと思いますが、それぐらいの項目について分析を行っているところでございます。この三月ぐらいまでにはその結論、成果がお示しできるのではないかということで今作業を進めているところでございます。
 このような分析の手法についていろいろ参考となることを勉強しつつ、あわせまして西ドイツにおけるような総合的な事故分析のための体制を確立することとしたいと考えているところでございます。――大変失礼いたしました。項目は五百余りとのことでございます。
#252
○種田誠君 今約五百項目余りに関して昨年の夏以降調査分析などを始めたというのですが、警察は今日までたくさんの交通事故のデータを持っていると思うんです。先ほどの答えにありましたように、それが日本の場合はいわゆる犯罪捜査の上でだけ使われてきたんだ、こういうことでありますが、これを今後の事故の分析に利用するためには、例えば個人をある程度匿名化して分析していくとか、こういうことは可能なのでしょうか。
#253
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のように考えております。
 したがいまして、こうした事故分析には統計的手法によるマクロ分析と、それから個別具体的な事例につきましてそのような事故がどうして起こったかということを人の面、車の面、道路構造の面、天候の面その他もろもろの事情を分析するというミクロ分析と二つございます。
 マクロ分析の方は、これは統計的手法でございますから、例えば夜間における交通死亡事故の致死率は昼間における致死率よりも高いといったような結論が導かれるような分析でございますので、特に個人の秘密ということはございませんが、ミクロ分析ということになりますと、その分析に係る当該個人の方についての身体的な特性でございますとか年齢でございますとか、プライバシーにかかわることがたくさん出てまいります。そこで、そのようなものを抽象化してお示しすることは十分可能であると考えております。
#254
○種田誠君 今述べているモデル的な意味での分析ですけれども、これを手がけている省庁は、警察庁だけではなくて、厚生省、運輸省、建設省、総務庁、消防庁、たくさんの省庁がかかわっております。問題は、これから日本で継続して総合的な分析をやっていくということになれば、これは警察庁だけでできますか。
#255
○政府委員(関根謙一君) 警察庁のみでできるとは到底考えておりません。そこで、現在建設省、運輸省を初めといたします関係省庁にお諮りをしているところでございます。
#256
○種田誠君 同じく西ドイツでの調査において、先ほど述べられた幾つかのさらに学ぶべき点があるということですが、私が建設省の藤川課長さんの報告書を拝見しておりますと、西ドイツにおいては、救急医療体制にしても交通安全教育にしても、かなり日本の現実の制度を凌駕している状態で交通安全の体制がとられているというふうに書いてあります。例えば救急ヘリコプターはほぼ全土をカバーしており、これによって、二十年前と比較して救急隊員の現場到着時間の平均時間は約二十分から八分に改善され、交通事故死亡者の五百人から千人が減少したと、こういうふうな報告もあります。さらには、いわゆる運転免許などの交付をするときにいわゆる第一次救急活動の講習会を開催しており、そして約二百万人のドライバーが第一次の救急手続が自分でとれると、こういうふうなことも報告されているわけであります。
 それとあわせて、私総理府が出しております世論調査の十二月号を見ておりましたら、日本のドライバーにおいても、事故があったときにあなたは何かできますかという問いに対しては、実はほとんど何もできないというのが三四%ありました。しかし、そのほとんどできない人も、そのうちの六五・一%の方々はこの第一次の救急の手続をみずから習得したい、こういうふうな答えを出しているわけですね。そうすると、もう既に国の施策以上に国民の方で、そういうことがあればみずからも身につけたいんだと、こう言っているのにもかかわらず現実の施策の中にこれが生かされていない。政治の立ちおくれじゃないかなと思うんですが、その辺のことに関して、まずヘリコプターの問題、それからこの救急活動の問題、どちらでも結構ですからお答えください。
#257
○政府委員(関根謙一君) ヘリコプターの問題でございますが、事故現場から病院までできるだけ短い時間で被害者を運搬することがその事故の被害者の軽減に最も資することであるということは、御指摘のとおりでございます。この救急業務という仕事は私どもの所管というよりもむしろ消防庁の所管でございまして、私どもはそれをお手伝いするという立場でございます。
 北海道の事例でございますが、北海道で道の所有しておりますヘリコプターを活用いたしまして、警察のパイロットが事故現場から病院までそのヘリで運搬をして、重傷の方の人命救助にあずかって力があったという報告を受けております。これは大変大事なことで、私どもお手伝いすることができる場合にはできる限りお手伝いをすることで人命救助に当たりたいと存じております。
 それから、二点目の応急手当ての問題でございます。
 私ども、現在運転免許を取得される方々に対しまして、その大部分が指定自動車教習所において教習を受ける方々でございますから、そこでの教習時間として、ごく短時間ではございますが止血法でございますとかごく簡単なことについての説明をすべく行っているところでございます。しかしながら、これではまことに不十分でございますので、今回この指定自動車教習所における教習の基準となります交通に関する教則を改めまして、応急手当てに関する部分をもっとふやしていきたいと考えております。
 もちろん、私どもといたしましても、ドライバーの方々がすべて救急法を身につけていただくことが望ましいわけでございますが、そのためにはその救急法を教えることのできる先生方をまず大量に養成していただく必要がございます。現在私どもでそのような先生方を養成するということは不可能でございますので、そういう先生方の養成を待ちつつ、できる限り可能な範囲内で応急手当て、救急法を身につけていただくことのできるようにいろいろ工夫をしてまいりたいと存じております。
#258
○政府委員(藤井治芳君) ヘリコプターの救急につきまして実は今道路公団に勉強させておりま
す。
 我が国の高速道路は、御承知のように山岳地帯をカーブしながら通るという特殊事情がございまして、いわゆるアウトバーンのように比較的平地を通るのと若干事情が変わります。したがって、もし取り入れるとしたら、どういうことをすれば取り入れられるかというようなことも含めて勉強させていただいております。消防庁が今お話にございましたようにその主務者でございますので、その消防庁の方の御見解等々御検討が得られれば、そういうものを踏まえて私どもも可能な限り検討させていただきたいというふうに思っております。
#259
○種田誠君 先ほどの警察庁の局長の答えにもあったんですが、まさに救急活動になりますと、これは消防庁だとか厚生省だとか、他の省庁の所轄になってしまうわけですね。西ドイツで交通安全対策がスムーズにいっているのは、やはり交通省という一つの省があって総合的に対策を打てるという状態になっているわけです。
 問題は、これはマスコミでも最近とみに指摘されているわけですけれども、今回の交通安全対策をもう一度総合的にやり直そうとした場合にはよく言われる縦割り行政の弊害がまさに出てきてしまうわけであって、何とかしてここで建設省も警察庁も厚生省も運輸省も一体となって協議できるような新しい制度をつくる必要があるのではないだろうかということと、それからこの交通安全に関する緊急措置法も、省庁が警察庁と建設省だけでこの法案をいじって五カ年計画をつくっていこうというところに私は無理がもうきているんじゃないかなと思うんです。
 そういう意味で、今度の五カ年計画を最後にして、この次には今私が申し上げたような視点で総合的な法律をつくり上げる時期に来ている、そういう視点に立ってこれから対策に臨んでもらえるかどうか、その辺のお考えをあわせ述べていただければありがたいんですが。大臣でもよろしいですな、これは。突然で申しわけありませんが。
#260
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど来の御論議にございますように、交通事故による死亡者が一万一千人を超える連続のこの二年の経過を踏まえまして、極めて大事なことでございますが、五カ年計画を策定するに当たりまして警察庁と建設省、重複しているところも随分ございますけれども、もうその範囲を超えて関係省庁が一体となってやらなければならないという認識は、まさにそのとおりでございます。しかし、そのそれぞれの分担等につきまして、これを総合的なところへ持っていきますのには、直ちにというわけにはまいりませんが、将来の検討課題として勉強させていただきたいと存じます。
#261
○種田誠君 先ほどのまた西ドイツの点を申し上げて恐縮なんですが、西ドイツには民間交通安全評議会(DVR)というのがあって、そこでさまざまな運転者の訓練プログラムなどを実施している、こういうふうなことも報告をされております。それとの関係で、実は今度茨城県に常陸那珂地区に自動車安全運転センター中央研修所なるものが生まれるということでありますが、この自動車安全運転センターというのはどのような機能を持って、そこで何をやっていこうとするのか、ちょっと教えていただけませんか。
#262
○政府委員(関根謙一君) 自動車安全運転センターは、自動車安全運転センター法という法律に基づいて設立されております認可法人でございます。したがいまして、その業務は法律の定めるところでございますが、証明業務でございますとか研究業務でございますとか、幾つかございます。その中の一つに研修業務というのがございます。
 研修業務は、この安全運転センター法第二十九条第一項第四号の定めるところでございますが、その研修の対象となりますのは、職業運転者などの自動車の運転に関し高度の技能と知識を必要とする方々と、それからもう一つは運転に比較的未熟な青少年の方々に対して体験的な交通安全の研修をしていただくということでございます。
 現在、茨城県に建設中でございます自動車安全運転センターの中央研修所は、そのような研修のための施設として建設しているものでございます。
#263
○種田誠君 そうしますと、この中央研修所において、今まで我が国では経験できなかったようなドライバーとしての新しい試み、体験、そういうことが研修を受けられるし、これはそうしますとかなり希望者には応じるという形でやるんでしょうか、それとも例えば運転免許の更新とか何かそういうかかわりの中で行うんでしょうか、どういう形で行っていくんでしょうか。
#264
○政府委員(関根謙一君) 原則として、希望される方々についてでございます。
 ただ、この研修所は、その規模等から考えまして、最高の数が年間七万人程度の人員について研修することができるという程度の規模でございます。特に初年度に当たります平成三年は、現在五月ぐらいからこの研修所を開設しようと考えているところでございますが、初年度として教官の問題でございますとかいろいろございまして、これは二万人程度ということで逐次数をふやしていって、五年後ぐらいには七万人程度ということで考えているものでございます。したがいまして、原則として希望される方々でございますが、もしすべての方々が希望されるということになりますと、七万人ということを限度とせざるを得ないという事情にございます。
#265
○種田誠君 ぜひとも、中央研修所での今後の新しい、いわゆる交通安全のための具体的な施策が有効に展開されることを御祈念しております。
 そして問題は、交通事故の防止を進めるに当たって、果たして現在の警察の方や関係省庁の方の人的な要員とか、それから予算というものが果たして十分に今補足されているんだろうかという、その点を非常に私は疑問にも思うわけであります。
 西ドイツのケースを見ますと、政府が先ほど来申し上げたようにかなり総合的な形で安全対策をとっているのと同時に、あわせて民間の交通安全協会というものが大変大きな力を発揮している、こういうふうなまさに官民一体の交通安全に対する対策がとられているわけです。この辺に関して警察庁の方からでも結構なんですが、まず現在の人的な、また予算的な点でどこまでやり切れるのか、そしてまたさらに、西ドイツのような体制をつくっていくということのお考えはあるのかないのか、その辺のところをちょっと伺いたいと思います。
#266
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のように、交通事故防止活動は警察とか関係の行政機関のみの人員、予算をもって対応することのできる行政課題とは到底考えられないわけでございます。現に、御指摘の交通安全協会を初めといたしまして、さまざまな民間団体、例えば日本自動車連盟でございますとか、ただいま申し上げました自動車安全運転センターとかいろいろな団体、それに昨年の法律でつくっていただきました地域交通安全活動推進委員といったボランティアの方々のお助けをいただきまして、これらの団体、ボランティアの方々及び関係の行政機関すべてが一体となって取り組むべき問題であり、また現にそのようにしているところでございます。
 そこで、先ほど少し申し上げましたが、事故分析のための仕組み、これは西ドイツに私どもが倣うべき幾つかの課題の中でも特に倣いたいと考える分析体制でございます。これにつきましては、関係の行政機関を初め民間の方々と一体となりまして、世界に誇れる事故分析の仕組みをつくれるように努力をしてまいりたいと関係省庁ともども現在検討しているところでございます。
#267
○種田誠君 最後の質問になりますが、大臣、今両局長のお話を伺っても、関係する省庁が一体となって施策を総合的に展開しないと交通安全の目的が達成されないということであります。ぜひこの五カ年計画も警察庁と建設省だけじゃなくて、この次には全省庁が一体となってつくれるような、そういうふうな形での目標達成をできるような連携をしていただきたいと思うのですが、それに関する御意見をいただいて終わりにします。
#268
○国務大臣(大塚雄司君) いろいろと御論議を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 交通安全対策につきましては昭和四十五年に基本法を制定いたしまして、総理府に中央交通安全対策会議を設けて、もちろん総理大臣が会長でございますが、総務庁が所管いたしまして関係省庁の調整を行いながら、今日まで交通安全対策を取り扱ってまいったわけでございます。
 今の御指摘のように、もう建設省、警察庁の協力だけではなくて、関係省庁が総合的にこの問題に取り組んでいかなければならない、こういう認識の上に立ちまして、より一層充実した交通安全対策を実施してまいりたい。特にこの五カ年計画につきましても、今後のいろいろの交通事情やあるいは社会生活の変化に伴うもろもろの状況の変化に機敏に対応をした安全対策を確立して取り組んでまいる決意でございます。
#269
○石渡清元君 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案について御質問します。
 既にもう今種田委員からいろいろお話がございまして、大体この法案の入り口というのは同じようなことかなと思いながらお伺いしたわけでありますけれども、できるだけ重複を避けまして、違う角度からお伺いをさせていただきます。
 まず、この法案の背景であります交通事故発生状況等々大臣からの説明にもありましたし、また先ほど冒頭の質問でもあったわけでありますけれども、私が聞きたいのは、むしろその発生の状態というのがどういったような傾向、特徴を持ちながら推移してきたのかということです。今までの話ですと、交通事故死者数にかなりこだわられる、これも死者数をなくすことが一番大きなことでありますけれども、発生状況、発生件数等々についてもそういうことを加味しながら、ひとつ今までの交通事故関係の背景をまず御説明いただきたいと思います。
#270
○政府委員(関根謙一君) 発生件数は昨年は六十四万件余りでございますし、また負傷者数は七十九万件余りでございます。この数字は、一昨年の平成元年の数字に比べますと、若干減少しております。しかしながら死者数は、たびたび申し上げておりますように一万一千二百二十七人で、一昨年に比べまして百四十一人の増加でございます。このことは何を意味するかといいますと、要するに発生件数、負傷者数は低いけれども死者数が高いということは、一つの交通事故の致死率、事故によって死亡する比率が高いということでございます。
 その理由でございますが、まず第一に、自動車乗車中の死者が増加しているということがここ数年の特徴でございます。昨年はとうとう全死亡事故の中で自動車乗車中の方が死者となる比率が四〇%を超えました。一昨年は三八・四%、さらにその前は、昭和六十三年でございますが、三六%でございます。欧米の傾向を見ますと、自動車先進国でありますアメリカ等は七〇%を超えておりますし、西欧先進国でも自動車乗車中の死者の方の比率が五〇%を超えております。したがいまして、我が国も徐々に交通事故の傾向が欧米化しているということが言えようかと存じます。
 そのまたさらに内訳を見てみますと、シートベルトを着用した人の死者数は実は減っているのでございます。ところが、シートベルトを着用していない方の死者数が大きくふえておりますので、これによってまた自動車乗車中の方の死者がふえたということが言えようかと存じます。比率で申し上げますと、シートベルトを着用しないで亡くなったという方が昨年は七二・八%で、七〇%を超えました。それまでは六〇%台だったわけでございます。そういう傾向もございます。
 さらに、その原因でありますシートベルトの着用率を見てみますと、シートベルトの着用が義務化されました昭和六十二年の十月時点では、高速道路では運転者席も助手席も九八%以上の着用率でございました。一般道路でもそれぞれ九五%前後の着用率でございましたが、昨年は高速道路でも八〇%台になり、一般道路では七〇%台になったということがございます。
 ここら辺が自動車乗車中の死者の方がふえたということの一つの理由ではないかと考えているところでございます。
 もう一つの傾向は、お年寄りの方が死亡事故に遭われる数字がふえだということでございます。お年寄りも身体的な条件から事故に遭われた場合にお亡くなりになる確率が高うございます。昨年はお年寄りの中で特に歩行中の方が亡くなるという交通事故がふえました。六十五歳以上の方で見てみますと、お年寄り全体では二千六百七十三人で、百五十三人増でございますが、そのうち歩行中の方が千四百四十二人で五四%、九十七人増ということでございます。したがいまして、お年寄りの歩行中の方々を何とか守る手だてを考える必要があると考えております。
 さらに、先ほど種田先生の御質問にありました夜間の死亡事故が依然として増勢傾向にあるということがございます。夜間もやはり致死率が高いわけでございます。夜間致死率が高いというのは、やっぱり暗いということから標識、標示が見にくいということもございますし、スピードを出す傾向がございます。その他いろいろの事情がございまして夜間は致死率が高うございます。
 そういったことで、何とかこれに対する対策として次の五カ年計画、ことしから始まると考えておりますが、その五カ年計画ではこういった傾向に歯どめをかけるように努力したいと考えているところでございます。
#271
○石渡清元君 それはよくわかるんですけれども、確かに最近の例としては高齢者の死傷者数がふえてきた、これは一つの流れで、数字が示していると思うわけでありますが、致死率等々いいんですが、例えば参議院建設委員会調査室のこの参考資料を見る範囲で交通事故死者数、二十五ページの「交通安全施設整備状況の推移」に交通事故死者数の線グラフがあります。そして三十六ページにも「欧米主要国の交通事故死者数の推移」がありますけれども、グラフの波が全然違う。これは同じ資料をどのように理解をしていいのか。それから、欧米型に近づいてきたとおっしゃるけれども、隣の三十七ページのヨーロッパではやや似ている傾向があるかと思いますが、アメリカにはそれほど近づいてはいないと思いますし、また七〇年と八八年、八九年ぐらいの各国の推移を見ても、この資料による限りそんなに大きくそれぞれの国が変わっていないんですよね。何ゆえに、あるいはどこを根拠に欧米型に近づいてきたのかという、このグラフの見方とかそういうことを御説明いただきたい。
#272
○政府委員(関根謙一君) この三十七ページの棒グラフといいますか、これで御説明を申し上げさせていただきたいと存じます。
 一九七〇年と一九八九年のここのところで、右側部分が四輪車の交通事故死者の構成率でございます。この四輪車の部分が一九七〇年では我が国は三三・五%でございます。この白い部分でございます。それが一九八九年は三八・四%でございます。そして、昨年一九九〇年が四〇・一%ということで、この比率が欧米の傾向でございます。アメリカは七五%ほど、それからフランスが六五%、西ドイツ五四%余り、イギリス四七%余り、こういった傾向に似てきているということでございます。
#273
○石渡清元君 そういう意味ではよくわかる。
 ただ、細かいことで恐縮ですが、私がなぜこういうことを聞いたかと申しますのは、この法案のもとになる第五次交通安全施設等の整備計画のもとになるデータですから、それじゃ、この整備計画のために、何を一番今度の五カ年計画の中では抑えようとしているのか。その背景、推移というのを、それは亡くならないのが一番いいに決まっているんです、今までの計画ではそうなんですから、どの辺を抑えようとするのか、今度の五カ年計画を今までの事故傾向を見ながらどこにねらいが定められているのか、それをお伺いしたかったので、ちょっと細かいことで申しわけなかったと思いますけれども、お伺いしたんです。その辺はどうなんですか。
#274
○政府委員(関根謙一君) 今回の五カ年計画は、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に定めております交通安全施設等の整備のためでございます。
 そこで、私どもの所管でございますのは信号機、道路標識、道路標示等の整備と交通管制センターの整備充実といったことでございます。その観点から申し上げますと、夜間における交通事故を抑止するために、まずスピードを抑えるための高速走行抑止システムといったものの充実を図ってまいりたいと考えております。さらに標識、標示の夜間の視認性、見えやすくするための仕組みとして、中に蛍光灯の入っております灯火式の道路標識でありますとか、夜間のライトによって反射する反射式の道路標示等を整備することとしたいと考えております。さらに違法駐車に対処するために、駐車場への自動車を誘導、案内するためのシステムですとか、交差点において違法駐車車両に警告するための違法駐車抑止システムといったものの整備を図ってまいりたいと考えております。そのほか新しいタイプの車両感知器が開発されました。この車両感知器を活用することによりまして、交通管制センターの機能の充実等もあわせて図ってまいりたいと考えているところでございます。
 もちろんこういう交通事故の抑止のためには、緊急措置法に言う交通安全施設の整備充実のみならず、そのほかに交通安全教育の充実でございますとか、それからお年寄りの方々に反射器材を持っていただくといったようないろいろの保護措置もあわせて考える必要がございます。しかしながら、そういった措置は直接この法律の規定によります交通安全施設整備ではございませんので、これはこの法律とは別途に充実整備を図ってまいりたいと考えているところでございます。
#275
○政府委員(藤井治芳君) この事故の現状から何をもって今後最重点に考えるかということで、まず実例をもって申し上げます。
 例えば神奈川県の横浜市に国道二百四十六号の下長津田線というのがございます。そこの下長津田交差点は六十三年度に十二名の負傷者が出、一人の痛ましい死者が出る等々の交差点でございましたが、交差点改良をきちっとやりましたら死者は平成元年以降ゼロでございます。元年度の平成一年から二年の三月までの間、ちょうど一年後でございますが、ゼロ人。それから、その他の事故等々も約六割減少する、こういう事実がございます。
 そこで、私どもは交通安全対策に関係する施設整備のあらゆるものをやりますが、その中で一番の重点は何といっても歩道でございます。弱者を守ること、それから今言いました交差点をきちっと可能な限り対応していくこと、それに加えていろいろと照明であるとか標識であるとか、あるいは今度の五カ年計画では駐車場、付加車線等々いろいろなものを織りなしながら可能な限りの対策をさせていただきたいと、かように思っている次第でございます。
#276
○石渡清元君 よくわかります。結局、死者ということ。例えば夜のスピードを中心としたものをまずやろう、それと歩道を中心に道路環境をやっていこうと、こういうことですね。
 それじゃ、具体的に五次五カ年計画についてお伺いいたしますけれども、第四次計画と五次の一番大きな違い、あるいは新しい新規施策を中心に、その違いやらあるいは事業規模がどうなっているのか、その辺を御説明ください。
#277
○政府委員(藤井治芳君) 第四次のその前に第三次のことをちょっと申し上げますが、第三次五カ年計画が実は昭和五十六年に発足いたしました。そのときに初めて道路情報提供装置とかコミュニティー道路、こういったようなものを新たに組み入れてまいりました。
 そして、第四次ではいわゆる登坂車線、ここにおける事故等の防止も含めてこの四次の新しい新規事業、それに大型の案内標識あるいは自転車駐車場、こういったようなものもこの四次の新しい補助の制度として取り組んでやってまいりましたけれども、当然のことながら歩道整備もやってまいりましたが、しかしなかなかこういう厳しい現象に対応が追いついてまいりませんでした。
 そこで、第五次におきましてはさらにこれに加えまして、やはり都区内でいきますと、駐車する車から飛び出していろいろと事故が起きる、こういうようなこともございますし、駐車そのものが混雑を招いていらいらする、そしてそれが事故につながるというようなことから、自動車駐車場というものをこの新しい制度として取り入れさせていただきたい。それから、二車線でずっとつながっていくときに、追い越しできないためにいらいらする。そのためにまた事故が発生する。こういうことから付加車線を入れさせていただきたい。それから、現在位置がわからないためにきょろきょろ見ながら自分の行く先を探していく、こういうのに対して現在位置が明確にわかればそれだけでも違ってくるじゃないかということから、道路管理者が使っていたキロポストを道路利用者が、お客様が使っていただくような形に全部変えていくというキロポストも新設させていただきたい。
 こういうようなことを新規のものに加えさせていただきながら、基本といたしましては、やはり歩道というものの整備を中心に第四次計画の実績を上回る二万五千キロの道路延長を、この交通安全対策だけではできませんから、改築事業等とあわせて整備をさせていただきたい。こういうことがその主たるものでございます。
 さらに、交差点、照明、これは地域によっていろいろと出てまいります。そこでこういったものを、先ほど警察庁の交通局長からお話がございましたように、交通事故分析というものを私ども御一緒に協力させていただきながらそれを現場に生かす。こういうこともこの第五次ではぜひ実らせていただきたいと思っております。
 そういう中で、第四次計画と第五次計画との倍率は一・三七倍という倍率の総事業費一兆八千五百億円を要求させていただいている次第でございます。
#278
○石渡清元君 それじゃ、具体的な事業規模のことでちょっと。
 一・三七倍というあれなんですけれども、このあれに全部今までの新規事業の内容も出ていることは出ているんですね。ちょっと申し上げるならば、それは交差点改良とかいろいろ大事なことはあるんですけれども、確かに歩道も直せば交通安全には変わりないけれども、事故が発生する地点というのは限られたところが平均より断然起こっているわけです。ですから、そういうようなことをもう少し重点的にやっていかないと、総花的にあれもやります、これもやりますで果たして効果が上がるかどうかちょっと疑問に思っておるんです。一・三七倍というのは道路管理者分を見て一・三七倍と言っているんだろうと思うんです。
 内容的には事業費内容が都道府県公安委員会分もありますので一・三七倍はわかりますが、この中で調整費を含んで計算したりあるいは調整費が別に書いてあったりして、例えば都道府県公安委員会分は調整費を別々に分けてそれぞれ一・三五倍とか、合計すると一・二二倍とか、そういうふうになっておりますけれども、その調整費の性格についてちょっと御説明ください。
#279
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。
 調整費は、この交通安全だけではなくて、公共事業の五カ年計画すべてにわたって、ある一つの事業規模を目標に設定いたします。しかし、その事業の進捗によりまして達成が極めて進んだ場合に、言ってみれば弾力的な部分といたしまして調整費という部門をとりまして、それを加えたものを五カ年計画額の総額とする、そういう形の五カ年計画を、この交通安全だけではなくて、すべての公共投資の五カ年計画でつくっております。そういう意味で、事業執行が極めて進捗がいった場合には、調整費という形ではなくて、これをすぐ実施の段階にいただいて弾力的に実施する、そのような性格の費用と理解しております。
 ただし、その際には当然のことながら財政当局その他関係部局との調整はございますが、そういう意味の弾力部分、弾力的な執行部分、こういうふうな理解をいたしております。
#280
○石渡清元君 何かだんだん細かいあれになってきているんですけれども、公共事業関係の部分が調整費だというんならば、それじゃ、今回の第五次を見る限り都道府県公安委員会分が第五次では第四次の半分になっちゃってそれで道路管理者分はふえているとか、その流れでどういう特徴があるのか、どういうふうに政策的に傾斜をされてこのような数字になっているのかということを聞きたいんです。
#281
○政府委員(藤井治芳君) それぞれの五カ年計画はそれぞれの特徴があると思いますが、この第五次特定交通安全施設整備五カ年計画の道路管理者分だけについて申し上げますと、一応五カ年計画で歩道は二万五千キロやろう、これはこのぐらいはできるぞと、また必要だとか、こういったようなことを実際現地でもってそれぞれ積み上げてまいります。そして、その全体を積み上げた額を想定いたしまして、それが現在の財政事情といいますか、経済の全体的な見通しの中で可能であるというような総合的な判断をいたしまして、決めたものでございます。
 したがって、地方単独の世界とこの特定、いわゆる国が直接支出する部分、こういう二種類からこの国の全体の道路管理者分の五カ年計画はできておりますが、この特定交通安全施設整備五カ年計画、こういうものは国が補助ないしはみずから執行する、その分の五カ年計画としてできておりますから、国の財政事情その他のことを見込んで事業の執行をするという意味で、この調整費というものがこの中に繰り込まれているわけでございます。
#282
○石渡清元君 いや、調整費はいいんですよ。それで、私が今申し上げた調整費の例、公安委員会分が何で全計画の半分かというのを私は特定安全施設に限って言っているんですから、地方単独事業のことを言っているんじゃない。小さい額だけれども、特定であるにもかかわらず半分であり、一方同じ特定交通安全施設の中で道路管理者分は上がっているので、その辺のところは政策的にどのように変わってきたのかとか、あるいはなぜ減ったのかとか、そういうようなお伺いの仕方をしているわけなんです。
#283
○政府委員(藤井治芳君) 公安委員会のものにつきましては私は発言を差し控えさせていただきますけれども、道路管理者分につきまして言えば、第四次の全体額が一兆三千五百億、その中の調整費が二千億でございます。第五次は一兆八千五百億で調整費が二千六百億、こういう形で規模を国としてセットして御審議をいただいているわけでございますが、この調整費二千億が二千六百億になった過程は、今申し上げました事業の積み上げの中で、本来ならば一・三七倍という全体額の倍率からいって二千億がさらに一・三七倍でもっと大きくなってもいいではないか、こういう物の見方もあり得るわけでございますが、例えば今回の第五次におきましては、歩道はなるべく二メートル以上の幅の広い歩道をふやそう、あるいは駐車場も新たにセットしていこう、こうなりますと、そういう意味で質の改善が加わってまいりますので、できるだけ調整費という額を可能な限り少なくし、用地費が入っておりますから、できるだけ調整費除きの実質的に執行できる額をふやしたいということで積み上げの額をつくり、そして財政当局といろいろと御調整させていただいた結果、このような数字になったということでございますので、総合的な判断のもとに二千六百億ができたというふうにお答えさせていただきたいと思います。
#284
○石渡清元君 それじゃ、あくまでも調整費は積み上げの結果ということで、そういうふうに理解をさせていただきます。
 それでは、特定分とか地方単独分を含めて、公安委員会分と道路管理者分の割合とか、そういうのもこれも結果的には積み上げているんですか、四次と五次で私は比較をしているのですが。
#285
○政府委員(藤井治芳君) これは相互に云々ということではなくて、道路管理者は道路管理者としてそれぞれ必要な額を積み上げ計上し、全体として判断してこのような数字をセットしたわけでございます。
#286
○石渡清元君 もうちょっと、これ以上あれしても、同じあれかと思いますけれども、じゃ角度を変えて、建設省の場合、いろいろ道路改良一つを含めても、そういう交通安全についてのいろいろのノウハウ、新しい技術とか開発をしたものを持っていると思うんです。それをなぜ地方と中央と言ったかといいますと、そういうことをどんどん地方に流していただければ、それによって研究開発費が浮くわけです。同じことの二重投資にならなくて済みますので、そういったような技術、ノウハウというのをもっともっと都道府県あるいは地方団体におろすような御用意があるのかどうか、その辺のところをちょっと。
#287
○政府委員(藤井治芳君) 私ども、何も補助をし、あるいはみずから管理する道路だけについて私どもの道路行政を担当しているわけではございません。日本じゅうの道路につきまして、それがうまくつくられ、そしてうまく管理されるというために私どもなりに努力をさせていただくわけでございます。
 したがって、技術的な実績ないしはそういう行政上のいろいろな内容につきましては、通達あるいは連絡あるいは基準等をつくった形で、こういう基準ができたから、これを参考に使ってくださいといったようなもの、その際には、場合によって講演、講習会といったようなことも含めて、地方に担当課長会議あるいは担当係長会議、担当者会議、そういうようないろいろな場面を通じて内容が徹底されるように努力してまいりましたし、これからは一層そういうことが重要だと認識しております。
#288
○石渡清元君 その方向で少しでも効果を上げていただくために御質問をしているわけでございます。
 そうしますと、先ほど種田委員もあれしましたように西ドイツのDVR、私もNHKで昨年やったというので後からビデオを見させていただきましたが、非常に興味のあるビデオだったわけでございますけれども、さっきの御答弁の中で、事故の分析とか調査研究が徹底をしておった、確かにそういうビデオでした。しかし、なぜそれじゃ西ドイツが同じような事故発生だけれども死者が今になって半減してきたか。交通安全評議会とかさっき種田委員がおっしゃった民間交通安全協会、DVR、どういう訳だかちょっとわかりませんけれども、あわせて教えていただければありがたいんですけれども、なぜそのように西ドイツは効果が上がっているかということをこっちは分析して対応していかなきゃいけない。いろいろ他省庁にまたがっているんじゃないかとかさっきもあったけれども、まさに私はそのとおりだと思う。ですから、これ以上はだめですとか、あるいは救急は厚生当局、運輸省ですとか、まあ救急の場合は事故防止というより事後処理のことでありますので今回については私は申し上げませんけれども、事故防止とか交通安全についてもう少し向こうへ行かれた成果というのを具体的に日本流にどこを応用ができるのかとか、そういう御報告がありましたら、ちょっとお答えいただければありがたいんですが。
#289
○政府委員(関根謙一君) DVRの日本語訳というのは、どういう共通の表現になっているかわからないのでありますが、直訳しますとドイツ交通評議会といった言葉になろうかと存じます。行政機関を初め民間団体、あらゆる交通事故防止関係の団体が参加しているところでございます。
 そのドイツの事故防止の施策の中で、私どもがまず第一に倣いたいと考えておりますのが、先ほども御答弁申し上げましたように調査分析体制の確立、それも総合的な調査分析体制の確立ということでございます。私ども、従来はそれぞれの行政機関がそれぞれの行政目的を達成するためにそれぞれ調査分析を行ってきたところでございますが、ここにもっと総合的な見地からさまざまな研究者の方々、医学、法学、心理学等の研究者の方々の御参加をいただくことでございますとか、それぞれの関係省庁、民間団体等の専門家の方々の御参加をいただきまして、目的といたしましては交通事故防止でございますが、そのための分析対象として車両の構造、装置の問題でございますとか道路の構造の問題でございますとか運転免許の仕組みの問題、人の特性の問題等について細かく立ち入った分析を経まして、それを行政目的であります交通事故防止に反映させることができるようにしたいということでございます。ここがもう第一に西ドイツに倣いたいということでございます。
 それからもう一つは、先ほども申し上げましたが、関係機関、団体が一体となって共通の目的であります事故防止に当たるようないろいろな工夫を講じてまいりたいということでございます。この点も、建設省を初めといたしまして、私ども現在いろいろな段階でその作業を進めているところでございます。
#290
○石渡清元君 今いみじくもそれぞれの行政目的に沿ってとか一体となってという言葉が出てくる。それがむしろ弊害で、さっき種田委員も表現は違っても同じようなことをねらってるんじゃないかと、私はそういうふうに質問を聞いていたのです。そういうふうにおっしゃるならば、それじゃ今度の視察の成果を今度の第五次の計画にどういうふうに反映されているんですかとか、そういう質問になってくるわけです。その辺のところ。
#291
○政府委員(藤井治芳君) まず、この成果の一番大きい進んだ点は、事故分析システムを関係省庁で一緒になって本気でやろうということで、私どもの五カ年計画の主要課題の六項目、その一つに掲げてございます。今警察庁を中心に私ども協力してこれからやってまいります。そして、事故多発地点における分析の結果で、そこに的確な対策をする、こういうことでございます。
 それからもう一点、この西ドイツで道路管理者として非常に勉強させていただいたのが、アウトバーンのような自動車専用道路というのが非常に事故率が低いからこれをつくろうとする、この姿勢でございます。そこで、私どもも、これは我が国では一万四千キロに及ぶ高規格幹線道路網、都市部における自動車専用道路網、こういうものをこれからも環境と調和させながらうまくつくっていく、こういうことに自信を持ったわけでございます。
 さらに、我が国において全事故数の約六割が交差点及びその付近に集中しておりますが、そのために交差点改良の重点的実施を行おうということで第五次も考えておりますが、西ドイツにおきましてもこの交差点というものを非常に重視してやっているということで、これも我が国において早速取り入れられてやった点でございます。
 さらに、自転車道についても西ドイツでは非常に重点を置いております。我が国は歩道そのものが狭い歩道が多く、先ほどの種田委員のときにも申し上げましたが、延べ延長ですら四十二年には五千五百九十キロしかなかった。しかし、その十年後の五十二年には道路延長で四万キロ台に達してまいりました。そして、現在道路延長で十万キロ台、こういうことでございますが、そのうちの約半分近くが幅が狭い二メートル以下。そこで、自転車というものがその歩道を走れないということから、幅の広い自転車道を今後積極的にこの交通安全の中でもつくらせていただきたい、こういうことをこの西ドイツの成果としても私ども取り入れて、今度の中で幅の広い歩道、自転車歩行者道、こういうことも取り入れさせていただこうと思っている次第でございます。
#292
○石渡清元君 もう時間がなくなったんですが、変形交差点等々あるいは駐車場をお伺いしようと思ったけれども、駐車場について言うならば、駐車場といってもいろいろあるわけでありまして、例えば建設省の中のいろんな計画、港湾整備計画あるいは空港整備計画、都市公園の整備計画、この前も都市計画中央審議会で三月一日に大臣の方に中間答申が出たんじゃないかと思います。大型店進出絡みの商店街活性化のための商業基盤施設にも関係する駐車場などいろいろありますけれども、この中では、交通安全の今の第五次計画の中の駐車場に対する新たな踏み込みというか、それだけちょっとお伺いして質問を終わります。
#293
○政府委員(藤井治芳君) 駐車場につきましては従来民間が中心になってやっていくもの、こういうような考え方をしておりました。しかし、昨今の路上駐車が原因となる交通渋滞、交通事故、特に中心市街地の活力の低下などの問題、こういうことからこの路上駐車問題を極めて重要であるという認識のもとに、これはやはり交通機関分担あるいは駐車施設の整備、それから適正な規制あるいはモラルの向上といろいろな総合的な施策をしなけりゃならないけれども、建設省といたしましてもこの駐車場に対して建築物に対する附置義務を強化する。それから、民間駐車場に対しては融資とか優遇税制を進める。さらに、中心市街地等における公共駐車場に対して、従来は有料融資事業というような形でやってまいりましたが、それに加えて今後は道路管理者みずから交通安全対策事業の一環として、駐車場ができるような補助制度ないしはみずからやる制度をこの交通安全五カ年計画の中に取り入れさせていただいて、そして総合的な形で今後の駐車場対策をやらせていただきたい、かように思っております。
 その結果が、例えば平成三年度の交通安全事業における事業費としては百六億円を計上いたしておりまして、全国で約四十カ所程度を現時点では検討いたしておりまして、今後いろいろな地域からの要望を踏まえながら、国もやるし民間もやっていただくし、それぞれいろんな立場の者みんなが集まって、それぞれの協力のもとにこの駐車対策を進めさせていただきたい、かように思っております。
#294
○石渡清元君 大体わかりましたけれども、今ちょっと答弁があったけれども、しかし五カ年事業費ベースで単純に五年で割ると、平成三年度の事業規模はいずれも五分の一以下なんですよね。ですから、そういうことも含めてひとつ積極的に、また本当に総合的にお願いを申し上げて質問を終わります。
#295
○白浜一良君 基本的なことはいろいろ出ておりますので、私は具体的なこと何点かお伺いしたいと思うんです。
 まず交通局長、交差点事故が多いということを先ほどからずっとお述べいただいていらっしゃいますが、確かに多いんですね。私は国会へ来てずうっと思っていたんですけれども、参議院の角から出る道がございますね、門。これを出るときどっちの信号を見て出るんですか。私非常に田舎者ですから出るとき迷いまして、車へ乗せてもらって出るんですけれども、あれは事故なく出ていますけど、ああいう場合にはどちらの信号を見て出たらいいんですか。
#296
○政府委員(関根謙一君) お答え申し上げます。
 参議院の第二通用門から出る場合、これは交差点の中に出てくるわけでございますが、その場合に対面する信号はどれであるかとのお尋ねかと存じます。
 信号はそれぞれ四カ所に設置されておりますが、この第二通用門から出る車にとりましてはどの信号も対面する信号ではございません。でございますので、どの信号にも従うというわけにいかないわけでございます。まことに申しわけないことでございますが、この場合のこの交差点は、第二通用門から出る車にとりましては信号機のない交差点と同様なことになろうかと存じます。
#297
○白浜一良君 そうでしょうね。難しいなと私は思いました。
 それで、まあここは比較的ベテランの運転手さんが出るからいいんですけれども、地方へ行きましたらああいう交差点に近いところに駐車場なんかございまして、ここみたいに角から出る道じゃないんですけれども、比較的いわゆる交差点に近いところに出る道になっている場合があるんですね。そういうことも事故につながる場合が非常に多いのでございまして、そこで、交差点の事故を減らすために交通局として考えていらっしゃることがございましたら、具体的にお教えいただきたいと思います。
#298
○政府委員(関根謙一君) 交差点の角が出入り口となっております施設につきましては、努めて角ではないところに、そして交差点から五メートルぐらい離れたところに出入り口を設けていただくようにお願いしているところでございますが、実際問題といたしましてそれも難しいというところが多々ございます。そのような場合の事故防止のための措置といたしまして、例えばガソリンスタンドなんかが角地にあることがございますが、なるべく出入の際には車両の誘導員みたいなものを出していただいて、その出入について事故のないように図っていただきたいということをお願いしたりしております。
 それから、この参議院の第二通用門のところの信号でございますが、これは信号にすべての信号機を赤信号にする時間帯がございます。その時間帯を若干長くしておりまして、そのすべての信号が赤で交差点内に車が走っていない時間帯をつくりまして、その時間帯に目的の方角に車を動かしていただくような仕組みですとか、そんなものも工夫をしているところでございます。
 いずれにしましても、このような交差点でその角に出入り口があるというようなところでは信号機による交通整理ということが技術的に難しいものですから、私ども可能な限り努力をしていかなければいけないと考えております。そのための施策としては、ただいまも申し上げましたように、できる限り誘導員を置いていただきたいというのが一般的なやり方でございます。
#299
○白浜一良君 道路局の方で交差点事故が多いということに関して特に留意されている点、またいろいろ具体的に手を打たれている点、ございましたらお述べください。
#300
○政府委員(藤井治芳君) 私ども実はいわゆる道路交通混雑ボトルネック解消事業、そういうような交通混雑の緊急対策もやっております。
 この交通混雑の緊急対策は実は交差点を中心に行われておりまして、このことが同時に交通安全にも非常に効果がある、こういうふうなことで交差点の事故に関しましては、一番私どもが気を使っておりますのが右折車線で、これを右折レーンを設置し右折車両が対面の車と直接ぶつからないようにする、こういうための交差点改良、あるいは交差点の四隅のコーナーを左折車両が歩行者との関係で十分安全に左折ができるといったような交差点改良、これを非常に重視しております。さらにそれに照明、これも非常に歩行者が多いとかまた遠くからの視認性が悪いといったような交差点につきましては照明灯についても重視して、交差点が交通事故全体の約六割を占める一つのポイントでございますので、これに対しては気配ってまいりたいと思っております。
 すべての交差点がそういうわけじゃございませんから、やはり多発するそういう交差点、これは現地ではわかっているわけでございますので、そういう交差点から一つ一つ解決をさせていただく、こういうことで臨んでおります。
#301
○白浜一良君 あと夜間の問題とか違法駐車の問題とかいろいろあるんですけれども、時間がないのですべて割愛しまして、一つだけ、交通局長、提案があるんですけれども、今の小学生、中学生等の教科書にも若干載っているんですけれども、現代社会は車社会でございまして、もうこれは否定しようが何しようが、そういった面でいわゆる教科書にこういう交通教育というんですか道路教育というんですか、そういうものをもっと積極的に入れていただくように警察庁の方から文部省に積極的に働きかけられたらどうかと、このように思うんですが、御所見ございましたらお述べいただけますか。
#302
○政府委員(関根謙一君) 私ども交通安全教育というのもすべての機関、団体が一体となって進めるべき重要な課題であると認識しております。文部省関係におかれましてもその点は十分認識されているところでございます。
 教科書に交通安全教育の問題を取り上げていただくこと、現在で不十分であればなおそのようなこともお諮りをしたいと存じますが、その点は検討させていただきたいと存じます。
#303
○白浜一良君 それから、最後に一点お伺いしたいんですけれども、道路局長、先ほどから歩道の話が随分出ておりまして、歩く人の事故の場合はやっぱり歩道が設けられていないという場合が多いんですけれども、それで歩道に力を入れると先ほどおっしゃっているんですけれども、資料によりましたら、第四次五カ年計画を見ますと、事業量の達成率は五〇・三%ですね。これから第五次に力を入れてやると先ほどおっしゃっていましたけれども、実際はこのぐらいしかやられていないという、こういう現状を局長としてはどのように御認識されていますか。
#304
○政府委員(藤井治芳君) 今先生御指摘の五〇・数%という点でございますが、「歩道」という欄に自転車道と歩道という二欄がございます。実は自転車道というのは事実上は歩道なのでございます。自転車歩行者道、こういうことでございまして、幅二メートル以上の歩道、それから二メートル未満の歩道、こういうふうな分け方で整備をいたしてきております。その幅二メートル未満の歩道というのは、用地の関係、地域の状況から見てどうしてもとれないときにはやむを得ず二メートル未満の歩道をつくっておりますが、できるだけ私どもは二メートル以上、二・五メートルあるいは三メートル、幅広い歩道をつくらせていただきたいと思っておりまして、したがって、計画上は歩道というものがございますが、なるべく自転車道という自転車歩行者道の方の事業量を増すように実施の段階では配慮をいたしております。その結果が歩道の達成率が悪く、自転車道の達成率が結果として多くなる、こういうような形でございます。
 その結果、では平成二年度末、第四次五カ年計画末でどんな感じになるかということでございますが、およそ十万九千五百キロ道路延長で完成する予定でございます。その歩道がついている道路延長十万九千五百キロのうち、幅員二メートル以上の自転車歩行者道といったものは約四五%で、五五%はまだまだ二メートル未満の非常にすれ違いにくい、こういう歩道でございます。
 したがって、私ども第五次以降こういうものを新たにつくる際は、なるべく幅の広いもの、狭い歩道は新しい五カ年計画でもさらに改良できるものがあれば二メートル以上に改良する、こういうことも考えて対応させていただきたいと思っております。
#305
○白浜一良君 自転車道は歩道を含んで幅が広いということで、それは結構なんですよ。どんどんそれはつくっていただきたいんですけれども、それを見ましても、今いろいろおっしゃいましたけれども、第四次五カ年計画では八八・八%までしかいっていないんですね。だから、こういう事実を素直に認識してください。それから第五次、しっかり推進すべく取り組んでいただく、私はそういうことを言いたかっただけの話でございまして、最後に大臣に一言、非常に大事ないわゆる交通安全に関する取り組みでございますので、大臣の御所見をお伺いして終わりたいと思います。
#306
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほどから歩道の整備を中心にいろいろと御論議をいただきました。昨年の交通事故死者が一万一千二百二十七名、本当に驚くほどの数字になってまいりまして、この問題は政府としても、また建設省としましても、警察庁と相携えて対策を練っていかなければならない。今お示しをしましたように、第五次五カ年計画の予算も一・三六倍、十分かどうかはこれは何とも申せませんけれども、建設省としては可能な限りの予算をこれに組み込みまして、五カ年間でその実効を上げるように努力をしてまいりたい、私も全力で取り組んでまいりたいと存じます。
#307
○上田耕一郎君 五年前にこの改正案を審議したときに、当時の警察庁の交通局長は、死者について今後五カ年間八千人以下に抑えるのが目標だと、そう答弁している。ところが、昨年一万一千二百二十七人、この警察庁の数字は五年前にもただしたんですけれども、二十四時間以内の死者の数、厚生省の数字は交通事故を原因とした死者で三割増しになっている。そうしますと、一万千二百二十七人の三割増しですと一万四千七百人ぐらいになる。ほぼ一万五千人の死者が出ているわけです。厚生省の数字で推計しますと、戦後昭和二十一年から昨年まで死者約五十七万人ということになる。負傷者を入れますと二千百三十四万人。何回も負傷した人もいるかもしれないけれども、二千万人を超える交通事故の負傷者が出ているので政府は非常事態宣言を出していますけれども、非常に国民的課題だと思います。私自身も身近に昨年交通事故が出まして、その深刻さを体験しているんですけれども、本気で取り組まなければならぬということを当然のことながら強調したいと思います。
 先ほどから御報告がありますように、最近の特徴として自動車乗車中の急増もあるけれども、歩行者、自転車の死亡者もふえている。特に六十五歳以上の高齢者がふえている。この五年間で高齢者の歩行者、自転者の死亡者数が四割ふえて、高齢者の割合が半分近くの四五・七%になっているという状況なんです。
 先ほどからの道路局長のお話でも、これは建設省サイドから見るとやっぱり歩道ですね、交差点問題もありますけれども、これをふやすことが必要だという答弁。今もお話がありました歩道の設置済み道路延長十万九千五百キロ、これは一般道路延長の約一割なんです。今度の五カ年計画でどのぐらい歩道整備する計画ですか。
#308
○政府委員(藤井治芳君) この第五次五カ年計画で二万五千キロ程度の道路延長は歩道つきの道路にさせていただいて、合計十三万五千キロ程度に上げさせていただきたいと思っております。
 なお、歩道等の必要な道路延長は、山の中あるいは都市と都市との間等もございますので、私ども大体二十三万六千キロほどが歩道つきの道路になればとりあえずいいのではないか、こういうような計画を持っております。そういう面から見ますと、平成二年度末では四六%の整備率でございますが、この五カ年を達成させていただければ五七%になるのではないか、こう思っております。
 なお、くどいようでございますが、ただ歩道をつくるだけじゃなくて、なるべく幅の広い歩道というふうに内容を転換させながらこういう数字を確保させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#309
○上田耕一郎君 今の答弁ですと、必要な歩道をつけなければならない道路延長は二十三万六千、現在十万九千五百キロですね、約十一万。そうすると残りが十二万六千五百キロ。五年間で二万五千キロやるというお話ですと五カ年計画を五回やんなきゃならぬ。二十五年かかるんですね。どうも二十五年かかるというのは、国民的課題という非常事態宣言を政府も出しているような状況からいいますと、のんびりし過ぎている。
 私は高尾山の圏央道問題なんか何度も何度も取り上げましたけれども、住民の反対があるような環境破壊の公害道路などを余り強行することよりも、歩道をつくる方向にもっともっと力を入れていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#310
○政府委員(藤井治芳君) 二万五千キロというのは、私どもの一つの目標でございます。したがって、道路をつくる際はバイパスをつくりながら歩道を設置するというやり方、それから、バイパスをつくったために原道に歩道がなくとも、そこをコミュニティーのような形で現道を歩道と同じような形の道路にする、こういうものもございますし、既存の道路でガードレールを引いて歩道をつくる場合もありますし、マウントアップして歩道をつくる場合、いろんなやり方がございます。それで一応二万五千キロというふうには考えております。
 当面はこういうこと、これを最大限の努力目標といたしますけれども、やはり私どもこれに限らず、さらに先生からの御指摘のように歩道の拡大には一生懸命努めてまいりたい、かように思っております。
#311
○上田耕一郎君 前回の審議の際、私は障害者の交通安全対策について質問をした。きょうは時間がありませんので、そのうちの駅の設備改善についてお伺いしたいんですが、運輸省にお願いします。
 私は昨年都内の大手私鉄七社――東武、西武、京王、京成、小田急、東急、京浜急行の七社とJR東日本について東京の駅ごとの改善状況の調査をしたんです。運輸大臣にも申し入れも行い、各社にも改善方を要請したんですけれども、まだまだ非常に首都東京でもおくれているんですね。民鉄の東京の駅は七社で二百七十九あるんです。その中で未整備の数を言いますと、トイレは三社二十五駅、車いす用改札口は六社五十七駅、点字券売機三社十四駅、これは簡単なんですけれどもまだ残っているんですね、できてない。誘導・警告ブロック四社十二駅。JR東日本の駅は百三十九ある中で、JRのトイレは一〇〇%の整備率でしたが、車いす用改札口はまだ三十八駅未整備、点字券売機二十一駅、誘導・警告ブロック十二駅が未整備なんですね。
 五年前に私この問題を取り上げたときに、運輸省の当時の山本課長は、「駅の改良をまつまでもない設備につきましては早急にこれを実施しているところでございます」と。駅の改良を伴うものはなかなか難しいということはありますけれども、駅の改良をやらないでもやる気があればすぐできるというものについても、五年たってまだまだこういう状況なんですね。運輸省、どうやってこれを強力にやるおつもりですか。
#312
○説明員(小幡政人君) 先生御調査のように民鉄、JRとも整備はしてきておりますけれども、お話しのように、いまだしという状況であることは事実でございます。
 そういうことの中で我々さらに指導を強めたいと思っておりまして、その一環として、特に要望の強いエスカレーターにつきましては現在その整備指針というものを鋭意作成中でございます。これを急いでおりまして、そういうものをつくり上げまして、これに基づいて計画的に整備を急がせるというふうなことを考えているところでございます。
#313
○上田耕一郎君 障害者との懇談もやったんですけれども、その声は非常に切実なんです。これは駅の改善がないと車いすでとにかく出歩けない、幾ら交渉してもらちが明かないという声もいろいろあるんです。
 国際障害者年の十年がいよいよ最終年度を迎えるんですね。それで、八九年九月に総務庁の勧告が出ている。「身体障害者用施設については、鉄道事業者に対しその実態を総点検させるとともに、必要性の高い駅を中心にその設置の促進及び施設の充実を図るよう一層鉄道事業者を指導すること。」となっている。ところが、今若干前向きの御答弁がありましたけれども、私ども運輸省にこの問題を言っても、一般的に指導すると言われるんだが、早急に実現させる強力な指導についてはなかなかはっきりお答えにならない。ぜひこの問題では強力に進めていただきたい、重ねて要望し、お伺いしたいと思うんです。
#314
○説明員(小幡政人君) 先ほどお話し申し上げましたように、今まで指導といたしましては、例えば大手民鉄の場合には、五カ年の投資計画を作成するというようなことがございます。そういう際に指導を重ねておったわけでございますけれども、進捗状況いまだしということでございますので、特にエスカレーターにつきまして、先ほど申し上げましたように、具体的に整備指針というようなものをつくりまして、そういうものに基づいて具体的な指導を重ねて展開したいということで努力しているわけでございます。
#315
○上田耕一郎君 もう終わりますが、先ほど言ったのは、エスカレーターももちろんいいけれども、駅の改良なしでもできるような誘導・警告ブロックだとか点字券売機なんというのはすぐにもできるものでしょう。私どもが具体的な調査をしてどこの駅がどうだというのを全部出したわけですから、そういう我々の調査に基づく東京のJRなり私鉄の各社にこういうのはすぐにもできるということで強力な指導をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#316
○説明員(小幡政人君) 我々としても数字を把握させていただきましたので、これに基づきまして指導を強めたいと思います。
#317
○上田耕一郎君 終わります。
#318
○新坂一雄君 時間が限られておりますので端的な質問でございますが、今話題になっています交通事故についてやはり一番気がかりなのは、生活道路といいますか主に通学路、買い物道路、こういう道路を自動車がラッシュ時に通り抜けをする、いわゆる生活道路を自動車がとにかくその町に用事があるんじゃなくてラッシュを避けるために通過するということによって、ある時間帯に生活道路が通過道路になってしまう、それが通学時間帯と一緒になるというふうなことで、非常にお母さん方にとっては子供の心配が一番多いだろうと思います。こういうところのコミュニティー道路について、既にモデル地区とかあるそうでございますけれども、まだまだそういう面でのPRといいますか、コミュニティー道路の推進ということについての努力をこれからしていかなくちゃならないと思うんですが、実態あるいはモデルの例をちょっと聞かせていただきたいと思います。
#319
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。
 先生御指摘のコミュニティー道路については、昭和五十六年度を初年度とする第三次特定交通安全五カ年計画の中で採用させていただきました。例えば東京都北区の王子であるとか、奈良市の三条通りを初め全国で現在平成二年度末で三百五十三カ所になっております。
 コミュニティー道路は、先生今御指摘のように、ダンプやトラックのようなそこに不用な車がこういう生活区域内にどんどん入ってこないようにするために、場所によって車道の幅員を変化させたりハンプを設置して車道部をジグザグにするというような工夫をしてつくっているわけでございまして、オランダだとかヨーロッパのいろいろな経験をもとに日本なりにこれを定着させた制度でございます。
 この制度は非常に地元の地域に評判がいいと同時に、必ずしも受け入れられない面も実はございます。それはなぜかといいますと、今度は車が来ないから商店街の人たちがちょっと困るよ、こういう別の観点からの見方もございます。それから、これは駐車ができません。この道路は駐車エリアがとれるぐらいの幅がありますと駐車はできるんですが、そうじゃないと駐車しにくいからということで、今度はまたそういう意味からの必ずしも同意を得られない場合もございます。
 したがって、私どもその地区ごとに全部御相談をいただきまして、なるべくそのいいところを理解していただいてこれを伸ばしていきたいということで、第四次五カ年計画におきましては二百六十二カ所を見込んでおりますが、第五次ではこれを上回る箇所を何とか完成させたいということから、平成三年度においては全国で約九十カ所をコミュニティー道路として推進していきたい、かように考えている次第でございます。
#320
○新坂一雄君 道路は車が走るものであるという基本的な考え方に対してこのコミュニティー道路というのは逆の考え方、要するにできるだけ遅く緩く規制していくものであるという、今までの道路に対する通念とは逆の意味になるわけでございます。そういう意味では、今お話しされたような商店街だとお客さんが来ないという逆の現象も起こるわけでございますので、駐車場を商店街につくるという施策の補助金がつくとか、いろいろと総合的にやっていかないといけないと思うんです。基本的なのはそのゾーンの自治会といいますか、コンセンサスを得ないといけないわけでございますが、道路を規制する側の警察庁の方のコミュニティー道路の推進について考え方を聞かせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
#321
○政府委員(関根謙一君) 私どもも建設省と全く同じ考えでこのコミュニティー道路の整備を積極的に推進すべきものと考えているところでございます。
 道路の構造等につきまして道路管理者がいろいろ工夫をされるわけでございますが、あわせて私どもといたしましては、大型貨物車両の通行どめでございますとか、またいろいろな仕組みも規制措置として必要でございます。常に一体となってコミュニティー道路の整備推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。
#322
○新坂一雄君 その推進はいいのですが、例えばいろんなコミュニティー道路のこれまでのモデル地区だと段差を設けるとか曲がりくねったような形にするとか、できるだけ車両のスピードをダウンする方法がいろいろ求められると思うのですけれども、ただ、その地域のコミュニティーのコンセンサスを得られないと、例えばそこがコミュニティー道路だとわからないで急に入ってきてそこでひっくり返って交通事故を起こした、あるいは運転手さんが事故を起こして、本来そのまま走れる道路だと思ったのになぜここだけそうだというふうなことで裁判ざたになったときに、どちらをとるかというふうなこともケースによっては非常に複雑なケースになる場合もあると思うのですけれども、ここは生活道路であるという基本的な通念というか、一般的なコンセンサスを得ていけばそれはそれとして解決していく問題だと思いますが、その辺のPRといいますか努力はどうされますか。
#323
○政府委員(関根謙一君) 交通規制は常に当該地域の住民の方々の同意を得つつ行うことを原則としてやっているものでございます。これは単純な駐車規制につきましても実はそうでございますし、パーキングメーター設置等につきましてもそうでございます。そのために、駐車規制の関係ですと駐車問題懇談会でございますとか、いろいろな地域住民の方々の御意見を聴取できるような、そんなふうな仕組みを道路管理者ともども設けるようにしております。できる限り地域住民の方々の御意見が反映されるような形で円満なコミュニティー道路の整備ということを図ってまいりたいというのが私どもの考えでございます。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
#324
○政府委員(藤井治芳君) 地元の同意を得る一つの施策といたしましては、私ども住区総合交通安全モデル事業(ロードピア構想)と、こういうような言葉を使っておりますが、一住区を単位といたしまして、そこに住む住民の方々に、ここの道路はコミュニティー道路にします、ここはいわゆる迂回するような形での交差点改良をやります、あるいはここは行きどまりの形にしましょうというようなことで、その地区全体についての交通安全の一つの構想をつくっていただきまして、その中でこのコミュニティー道路を採用する、こういう事業を実は私ども発足させておりまして、基本的には通過交通の流入を抑制する効果をねらったわけでございます。
 今後これをどんどん進めさせていただきたいと思っておりまして、このモデル事業の平成二年度までの累計といたしましては実施箇所をもう既に八十一カ所私ども手がけておりまして、完成が十三カ所ございます。平成三年度も十九カ所をこのモデル事業で実施し、その中でコミュニティー道路も整備してみたい、このようなことで住民に広く同意を得るような努力もさせていただこうと思っております。
#325
○新坂一雄君 終わります。
#326
○山田勇君 質疑通告から若干異なるところを質疑をしたい。質疑というより、これは両局長がおられますので御要望を私は申し上げたいんですが、湾岸戦争のさなかにでもかなり大きく報道されました園児、小学生が通学の途中、オーバーランした車がその通学児の中に突っ込み幼い生命を失ったという、大きく報道をされた事実がございます。
 先ほど来の同僚議員の質疑の中で、道路局長はよっぽど交差点に何か恨みがあるのかどうかわかりませんが、交差点、道路行政というのを大変力を入れて質疑に答弁をなさっておられましたが、道路などはある程度の重要地点というふうに絞り込んでやれますが、歩道ということになってくるとわりかしと正直言って絞りにくい。どこが重要地点なのかということになってきますと大変問題があろうかと思います。
 先ほど申し上げましたとおり、あの園児通学路にガードレールがあれば幼い命を落とさないで済んだのじゃないか、もちろんオーバーランしてくる原因発生者、そのドライバーに大きな責任はあるんですが、しかし今回このように五カ年計画で道路並びにきちっとした歩道――歩道といえばこのごろはガードレールがつきものでございますから、そういう形であのような痛ましい事件が起きたところから、その予算の要求も何もないところへということになりましょうが、警察庁交通局長、道路局長としても、ああいう事件があったんだからあそこに少しだけガードレールをつけようかと、こちらから言ってあげようというような気持ちで、先日大きな事故を起こしました道路にガードレールをつけてあげましょう、予算要求してきなさいとか、何かそういうのを両局長がお考えになってつけていただくわけにはいかないものでしょうか。
#327
○政府委員(藤井治芳君) 交通安全対策の基本は現場だと思っております。したがって、こういう新しい平成三年度の実施箇所に予算をつける際も、まず工事事務所が常時パトロールをいたしております。県におきましても土木事務所がパトロールをしております。そういうところで得た情報、これを積み上げた形で私どもまで来るときには箇所というよりも総額の数字として上がってまいるわけでございますが、そういう現場の第一線のパトロールの成果が上がってくるのが基本でございますので、今先生の御指摘の箇所につきましても、そういう中でこれに対応させていただきたいと思っております。
#328
○政府委員(関根謙一君) 私どもも、交通事故が発生しました現場を管轄する警察署といたしまして、常に交通事故防止に資するような道路の構造なりその補助施設なりを設けていただきますように、道路管理者の方々にお願いをするようにしているところでございます。
#329
○山田勇君 あれは不思議なもので、一遍事故を起こしたところ、死者が死者を呼ぶというのでしょうか、因果はめぐる何とかと申しましょか、必ず事故があるんですね。
 先日の雪の中での二十九台の玉突きは、三年前にも同じ箇所で事故を起こしているんですよ。あれなどは降雪した雪が凍結をしたということ、たまたまチェーンを持っていない、これは義務設置で持っておかなきゃいかぬのですが、チェーンをつけてないからスピードを出す。スピードを出したのが事故を起こすとどんどんと玉突き。二十九台なんて私らの常識では考えられぬような玉突き事故を起こしているということでございます。ですからぜひ、一度事故を起こしたところに対しては何らかのもの、例えばチェーンを着装してくださいとすぐ明示しても持ってきてない、このごろトラックは横着なんですが、そういうのは何かチェーンを貸してやるとか着装する現場はエリアを出たところに必ず広場があるので貸してやるとか、何かそういう方法ができないのか。
 それとエリアの表示なんですね。休憩する場所、これは走っていると込んでいるだろうと思って通過するんですが、よくホテルなんかで空き室あり、こう書いてあると、おっ、寄ってみようかなという気持ちで寄るものなんですね、私はこのごろそういうところへ寄りませんが。それと一緒で、エリアにぜひ台数、何席あいてますよという表示、あの阪神高速の神戸――京橋エリアにあるんです。だから、あの表示があると、あっ、ちょっと休憩しようかとか、少し一服しようかとかいう気持ちになるんですが、あれは表示がないとどうしても通過してしまうんですね。だから、何かエリアに対する表示を、何台まだありますよとかいうような表示を出してもらうというようなことをぜひしていただきたいなというふうに思います。
 とうとい幼い生命を亡くした箇所がございますので、大臣、最後にひとつここは一遍考えてつけてやれよというふうに指示をいただけるように、御答弁いただいて私の質問を終わります。
#330
○国務大臣(大塚雄司君) 人間の命は地球より重いとさえ言われるわけでありますから、そのような痛ましい事故がありますれば、先ほどお話しのように、現場主義で重点的に効率的に安全対策ができるように努力をしてまいる所存でございま
す。
#331
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#332
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#333
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#334
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚建設大臣。
#335
○国務大臣(大塚雄司君) 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすように努めてまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#336
○委員長(矢田部理君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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