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#1
第120回国会 建設委員会 第4号
平成三年三月二十六日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢田部 理君
    理 事
                井上 吉夫君
                石原健太郎君
                青木 薪次君
                山田  勇君
    委 員
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                服部 安司君
                佐藤 三吾君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  大塚 雄司君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  西田  司君
   政府委員
       北海道開発庁計
       画監理官     平工 剛郎君
       国土庁長官官房
       長        八木橋惇夫君
       国土庁土地局長  藤原 良一君
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設大臣官房総
       務審議官     青木 保之君
       建設大臣官房審
       議官       内藤  勲君
       建設省建設経済
       局長       鈴木 政徳君
       建設省都市局長  市川 一朗君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       法務省入国管理
       局政策課長    坂本 栄治君
       法務省入国管理
       局警備課長    町田 幸雄君
       大蔵省主計局主
       計官       林  正和君
       大蔵省銀行局銀
       行課長      永田 俊一君
   参考人
       住宅・都市整備
       公団総裁     丸山 良仁君
       住宅・都市整備
       公団理事     片山 正夫君
       住宅・都市整備
       公団理事     安仁屋政彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○農住組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農住組合法の一部を改正する法律案、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、以上三案審査のため、本日、住宅・都市整備公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(矢田部理君) 農住組合法の一部を改正する法律案、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。西田国土庁長官。
#5
○国務大臣(西田司君) ただいま議題となりました農住組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 農住組合法は、大都市地域の市街化区域内農地の所有者等が協同して、必要に応じ当面の営農の継続を図りつつ当該市街化区域内農地を円滑かつ速やかに住宅地等へ転換するための事業を行う組織として、農住組合を設立することができるようにし、その事業活動を通じてこれらの者の経済的社会的地位の向上と住宅地及び住宅の供給の拡大を図ることを目的として、昭和五十五年に制定されたものであります。
 なお、この法律は、昭和五十六年から施行されておりますが、農住組合の設立認可の申請を行うことができるのは、法律の施行の日から十年を経過する日までとされております。
 これまで、この法律に基づき農住組合の設立が図られてまいりましたが、大都市地域におきましては、住宅・宅地需給が逼迫している中で、依然として市街化区域内に多くの農地が残存しており、これらについては、計画的な宅地化を一層促進することが必要となっております。
 また、大都市地域の周辺部や地方の主要な都市におきましても、人口の増加等に伴い、住宅需要の増大が見られており、市街化区域内農地を良好な住宅地等に早急に転換することにより、住宅地及び住宅の供給の促進を図ることが必要となっております。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、農住組合の事業活動を通じて市街化区域内農地の住宅地等への円滑かつ速やかな転換を引き続き促進するため、農住組合の設立認可の申請期限の延長、対象地域の拡大等を行おうとするものであります。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一に、農住組合の設立認可の申請を行うことができる期限を十カ年延長し、平成十三年五月十九日までとすることとしております。
 第二に、農住組合を設立することができる地域について、首都圏、近畿圏及び中部圏の都市開発区域、道府県庁所在の市並びに人口二十五万以上の市を加える等の改正を行うこととしております。
 このほか、市街化区域内農地の定義、農地利用規約に係る要件等について所要の改正を行おうとするものでございます。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(矢田部理君) 次に、大塚建設大臣。
#7
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま議題となりました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 この臨時措置法は、農地の所有者等による居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の供給を促進するとともに、市街化区域の水田を主とした農地の宅地化に資することを目的として、昭和四十六年に制定されたものであります。
 これまで、この臨時措置法により、農協資金等を積極的に活用した農地所有者等による賃貸住宅の供給が行われてまいりましたが、三大都市圏など都市地域においては、良質な賃貸住宅の供給の促進を図ることがなお大きな課題であり、この臨時措置法は、今後とも住宅政策上重要な役割を有しておりますので、その適用期限の延長、制度の拡充等を図る必要があると考えております。
 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にその要旨を申し上げます。
 第一に、農地の所有者がその農地を転用して行う賃貸住宅の建設等に要する資金の融通について、政府が利子補給金を支給する旨の契約を結ぶことができる期限を九カ年延長し、平成十二年三月三十一日までとすることとしております。
 第二に、転貸する事業を行う者に対し賃貸するための賃貸住宅の建設に要する資金の融通についても、政府が利子補給金を支給する旨の契約を結ぶことができる融資の対象に追加することとしております。
 第三に、従業員に貸し付けるため住宅を必要とする事業者に賃貸される住宅の建設について、政府が利子補給金を支給する旨の契約の対象とする融資の利率の上限を見直すこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 この臨時措置法は、昭和四十八年に、三大都市圏の特定の市の市街化区域に所在する農地に対して固定資産税の課税の適正化を図るに際し、これとあわせて、その宅地化を促進するために必要な措置を講ずることを目的として制定されたものであり、特定市街化区域農地の宅地化促進のための事業の施行、資金に関する助成、租税の軽減等をその内容としております。
 現在における大都市地域の著しい住宅需要に対応して、住宅宅地の計画的な供給を促進するためには、低・未利用地の有効・高度利用、新市街地の計画的な開発とあわせて、市街化区域農地の宅地化の促進を図ることがより一層必要となっております。このため、三大都市圏の特定市の市街化区域農地については、都市計画において宅地化するものと保全するものとの区分の明確化を図ることを基本として、宅地化する農地については、計画的な宅地化を図る必要があります。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、特定市街化区域農地の宅地化の促進を図るためのこの臨時措置法に基づく措置について延長その他所要の改正を図ろうとするものであります。
 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次に、その要旨を申し上げます。
 この法律案におきましては、適用期限が定められている土地区画整理事業の施行の要請及び住宅金融公庫の貸付金利の特例措置につきまして、その期限をそれぞれ九カ年延長し、平成十二年三月三十一日までとするとともに、土地区画整理事業の施行の要請に係る土地の区域の面積の条件を緩和する等所要の改正を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#8
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○西野康雄君 農住三法は、いずれも市街化区域内農地の宅地化促進に関する改正法案ですが、この改正法案がうまく機能するか若干疑問に思う点がございます。それについて質問をしていきたいと思います。
 例えば市街化区域内農地は、線引きの当初はかなりまとまった農地団地をなして残っていました。しかし、十数年の経過で虫食い的に市街化され、次第に小規模な農地団地になって残っている状況であります。それでも首都圏の六十キロメートル圏全体では、二十ヘクタール以上の団地が四三・二%、五ヘクタール以上をとりますと六〇%、二ヘクタール以上では七一%に達しております。二〇ヘクタールというと一住区をなす規模の住宅団地が建設できる面積であります。
 市街化区域内農地はかなりまとまっていると言えるんですが、しかしこれとても地域によって差が大きく、首都圏近くで見ると、二ヘクタール未満の団地が占める割合は零から十キロ圏で六九・三%、十から二十キロメートル圏で五二・六%に達しております。小さな農地団地が宅地と混在し分散的に残存していると言えますし、少し古い資料ですが、一九八三年の首都圏宅地利用動向によって市街化区域内農地と土地区画整理などの基盤整備との関係について見てみますと、市街化区域内農地面積中、区画整理施行地区内農地の比率は全体として一〇・二%にすぎません。距離圏別に見ると五十から六十キロメートル圏だけが四〇・四%と整備済み率は高い。しかし、市街化区域内農地の残存量が最も多い二十から三十キロメートル圏は、整備済み率が八・五%と非常に低うございます。
 その後、この数値は余り変わりはないんじゃないかと推定いたしますが、これらの数字を見ていると、市街化区域内農地の残存形態はその大部分が土地区画整理も行われていない市街地の中に分散しているということになるかと思います。これらを良好な住宅地に転換するということは容易なことではないと思います。それを、三大都市圏の特定市街化区域内農地においては、平成四年までに都市計画上宅地化する農地と保全する農地に区分し、保全する農地については生産緑地の指定、または調整区域への編入、宅地化する農地については宅地並み課税を行い、計画的に宅地化を図るという方針が示されております。
 しかし、虫食い化というのは進むところまで進んで、さらに農地所有者の思惑も絡んでおります。区分作業は極めて難しい調整が必要になってくるかと思いますが、どのような手法で、またどのような基準で区分を行うのか、御説明を願います。
#10
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、政府におきましては昭和六十三年の六月に総合土地対策要綱を定めました。その際、市街化区域内農地につきまして、保全するものと宅地化するものとを都市計画において明確に区分するということになりました。宅地化するものにつきましては、地区計画や農住組合制度の活用、あるいは土地区画整理事業等を行いまして、基盤整備を行って計画的な宅地化を図る。それから、保全する農地につきましては、実効性のある計画的な保全を図り得るように、現行の基準等を改正することも含めまして、ただいまも御指摘がございましたが、市街化調整区域への逆線引きの弾力的運用を行う、あるいは現行の生産緑地地区制度につきましても見直しを行うということによりまして、都市計画上明確に区分するものという考え方を示されたわけでございます。
 私どもといたしましては、このような基本的な考え方に基づきまして、特に保全する農地について、まず逆線引きの基準につきまして規模要件の引き下げ等の見直しを行う。それから、生産緑地地区制度につきましては、今回生産緑地法の改正案を御提案申し上げ御審議をお願いしているところでございますが、基本的な考え方といたしましては、一つには、都市内に残っております農地の緑地機能につきまして都市の環境保全という観点からこれを積極的に評価するという考え方を明確に打ち出すこと、二つ目には、その際対象となる生産緑地の規模要件等につきまして大幅な見直しを行いまして、例えば規模要件につきましては現行制度は最低二千平米以上でございますが、それを五百平方メートル以上ということで規模要件を改正する。そういったようなことを含めまして、最終的には農地所有者の営農継続についての意思を確認した上で生産緑地地区の指定を行うという考え方で今回臨んでおるところでございます。
#11
○西野康雄君 宅地化する農地については、そういう宅地並み課税を行うということです。ただ、単に市街化区域の農地の宅地並み課税で農地の宅地化にドライブをかけ、そして貸し家建設資金の融資を行うだけでは農民の農地の切り売りと個別的な貸し家、アパート経営に追いやるだけで、その結果、市街化区域内におけるスプロール、不動産資本による空閑地の投機的保有と荒蕪地化などを引き起こす危険性を持っていると思います。今回の宅地並み課税に当たっては、その点どのように配慮なされておるのか、お伺いいたします。
#12
○政府委員(鈴木政徳君) 御指摘のとおり、市街化区域内農地がスプロールの対象となったり、あるいは投機的保有の対象になったりしてはいけないというふうに私どもも認識いたします。そこで、宅地化に当たりましては、基盤整備を伴った計画的な宅地化を図り、かつ農地所有者自身による土地の有効利用を促進することが基本ではないかという立場から、いろいろ手段を講じていきたいと考えております。
 具体的には、土地区画整理事業の施行、それから都市計画面では地区計画制度の活用、さらに昨年の都市計画法の改正によりまして、新たに基盤整備を伴いつつ中高層市街地への計画的転換を誘導する住宅地高度利用地区計画制度も創設されましたので、そういう手法の利用、さらに今回農住組合制度の拡充をお願いしておりますが、こうしたものを活用するということによりまして、基盤整備を伴った宅地化を推進することにしております。さらに、予算面におきましては、公共公益施設整備促進事業費を大幅に拡大するとともに、より身近な道路等の公共施設を整備する地方公共団体に対しまして補助を行う緊急住宅宅地関連特定施設整備事業を三年度から創設することとしたところでございます。
 こうした手法をいろいろ利用しまして計画的な市街化を図っていくべきだと考えますし、さらに農地所有者の宅地化を支援する組織といたしまして、国土庁や農水省、それから地方公共団体、農協等と、現在、都市農地活用支援センター、そういうものの設立を準備しているところでございます。
 加えまして、今回の農地課税の税制の見直しにおきましては、特に基盤整備を伴った計画的な宅地化や、あるいは優良な賃貸住宅供給への誘導を図るために、そうしたいいプロジェクトに対しましては固定資産税の大幅な軽減であるとか、あるいは相続税納税猶予制度の特則、そういうものを設けたところでございます。こうしたものをいろいろ事情に合わせて適用しながら計画的な宅地化を図っていきたいと考えております。
#13
○西野康雄君 うまくその計画どおりいけばいいわけですけれども、農地所有者というのは、税金がかかってくると税金の分だけどこかにガレージをつくればいいじゃないかとか、あるいは賃貸のいつでも壊せるような、と言っては語弊があるかもしれませんが、割と劣悪な木造賃貸文化住宅を建てたりとか、そういうふうなことが多くございます。その辺の農地所有者の性格というんですか、そういうふうなものも十分と把握していただきたいと思います。
 さて、農住組合法についてでございますが、農住組合法が施行されて十年たちます。この十年間の実績は十五組合、賃貸住宅三百戸でしかございません。当時の九十三回の国会の会議録では、土地局長は組合設立数七百、宅地供給量四千ヘクタールが努力目標と答弁をしております。その努力目標と実績が余りにもかけ離れているものがありますが、この原因は一体何なのか、そしてどう分析なさっているのか、お答えを願います。
#14
○政府委員(藤原良一君) 農住組合法制定当時の国会答弁で、当時の土地局長から先生御指摘のような積極的な見通しを御答弁申し上げておるわけです。それに対しまして、現在設置済み十五組合という実績はいかにも少ないという点で、我々大いに反省しないといけない点があろうかと考えております。
 理由は幾つかございますが、やはり農住組合制度に対します普及なり啓発が不十分であったという点もこれは率直に反省しないといけないと思っております。また、支援体制の整備につきましてもいろいろ不十分な点があったのではないかと考えております。そういう点以外に、さらに農住組合法が制定されました五十五年から比較的時を置かずに、たしか五十七年だったと思いますが、長期営農継続農地制度が創設されまして、営農希望をすれば固定資産税等は農地並み課税になる、そういうふうな制度ができましたので、やはり当面は土地利用転換を図るよりも営農を継続しようと、そういうことで苦労して共同で住宅地への転換を図るよりも、とりあえず当面は営農継続だというふうな選択が非常に強く行われたんじゃないか。そういうところでやはり農住組合への意欲がかなり土地所有者側に弱まっていった、そういう面は私否定できないんじゃないかと思っております。
#15
○西野康雄君 よってもって骨抜きにされて、だから目標まで達成しなかったというのが本来の実情かと思いますが、しかしやっぱり目標というのはあるかと思います。今回の措置でどれだけの目標を掲げておられるのか、お答えを願います。
#16
○政府委員(藤原良一君) この制度は、御承知のとおり、農地所有者等の自発的な発意に基づきまして、所有者等がみずからその土地利用や住宅経営等について社会的な状況等を踏まえながら計画し、事業を実施していくというものであります。したがって、公的主体が計画的に行う場合と異なりまして、明確な見通しを示すというのは十年前と同じ轍を踏むようなおそれもありまして、大変懸念されるわけですが、しかしやはり積極的な目標を掲げてそれなりに私ども努力していかなければならないと考えております。
 そういう意味で、この十年間に三百組合は少なくとも設立していきたい、対象地域の拡大もお願いしておりますし、そういう中で三百組合はぜひ実現してまいりたいと考えております。
#17
○西野康雄君 私の父親も農協の理事をやっていたりしておりましてよくわかるのは、税金がかかってくる、もうそれ以上の宅地とかそういうふうなことで運用でもうけてもまた税金で持っていかれるから、もうそれ以上別につくりたくもない。いろいろ固定資産税だ、今度は協力してくれるところには税金を安うするんだと言うんですけれども、それとてもやっぱり同じ結果が出てくるんじゃないか。もう少し農家の意識の底まで入っていろいろと法案をつくっていく必要があるんじゃないか、そんな気がしてならないわけですが、特定農地宅地化促進法についてお伺いをいたします。
 この法律による土地区画整理事業の実績は一件と聞いております。なぜ一件しかできなかったのか、ここの原因は何なのかもお答えを願います。
#18
○政府委員(市川一朗君) 私ども要請土地区画整理事業というのがありますが、その実績は、御案内のとおり、昭和四十九年に一件でございました。それ以来実績はございません。これにつきましては、私どもの分析といたしましては、この土地区画整理事業の施行の要請を行う際、区域内の関係権利者の三分の二以上の同意が必要でございますので、その意向調整が整いますと、わざわざ市に要請をしなくとも農地所有者等がみずから土地区画整理組合を設立いたしまして、いわゆる組合施行の土地区画整理事業を行うことができるわけでございまして、どうもそちらの方に移向することが一つあるようでございます。
 それから、要請を行うための条件が整わない場合におきましても、その時点で地方公共団体といろいろ接触いたしておりまして、地方公共団体がその際積極的なイニシアチブをとりまして、地権者からの線引きの要請手続を受ける前に、市施行の土地区画整理事業として施行する例もあるようでございます。
 昭和五十年以降でございますが、特定土地区画整理事業という制度が五十数年にできておりますが、それがちょうどたまたま対象区域を同じくしてございまして、区画整理事業は平成二年三月三十一日までで百二十九地区で四千五百二十三ヘクタールの実績がございますので、対象区域内での区画整理事業は結構進んでおるわけでございます。
 では、そうしますとこういう要請制度は要らないのではないかというような感じになるわけでございますが、要請制度は資金的あるいは技術的能力からみずから事業を施行する能力に乏しいといいますか、まだそこまで至ってない農地所有者の方々が自分たちのところも区画整理事業をやろうかなという際に、最終的に法律の根拠に基づきまして市に施行を働きかけますと、市施行の区画整理事業をこの要請制度でやってもらえるということがございまして、それがどうやらその地域におきます組合も含めました区画整理事業施行の大きな契機になっておるというところから、この制度はやはり必要であるというふうに私どもは認識しておるわけであります。
#19
○西野康雄君 住宅金融公庫の貸付金利の特例措置を利用した住宅の建設戸数の推移及び今までの総戸数はどのくらいになっているのか、お答え願います。
#20
○政府委員(立石真君) 住宅金融公庫の貸し付けのうち、この宅地化促進法による金利の特例措置を行っている貸し付けの制度といたしましては、特定土地担保賃貸住宅及び特定優良分譲住宅がございます。
 特定土地担保賃貸住宅は、特定市街化区域内の農地の所有者等が土地を転用して賃貸住宅を建設する場合に行う貸し付けでございまして、一般の土地担保賃貸住宅の貸付金利が当初十年間五・五%、十一年目以降六・七%であるのに対しまして、この特定土地担保賃貸住宅につきましては三十五年間を通じて四・五%と非常に有利にしておるところでございます。
 また、特定優良分譲住宅建設につきましては、やはり特定市街化区域内農地の所有者等が土地を転用して住宅を建設して譲渡する場合に貸し付ける制度でございまして、一般の優良分譲住宅建設の貸付金利が七・六%であるのに対して六・八%としているところでございます。
 融資の実績といたしましては、この制度が創設されて以来平成元年度までに特定土地担保賃貸住宅につきましては五万一千五百五十二戸、最近の三年間では、昭和六十二年度に六千二百四十七戸、六十三年度四千六百二十七戸、平成元年度四千八百十五戸というようにかなり多く利用されているところでございます。しかしながら、特定優良分譲住宅につきましては実績はゼロでございます。
#21
○西野康雄君 分譲住宅の方はゼロ、こういうことですが、その理由と、それならば分譲住宅特例措置、もうこんなものは廃止したらどうかと思うんですが、どうですか。
#22
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり、今この貸付制度について貸付実績がゼロであるということからいろいろな議論が交わされるところと存じておりますが、この制度といたしましては、なぜゼロであったかという理由につきましては、農地所有者が自分の土地を手放すということについて非常に嫌がるという性格がございまして、一般には、土地を譲渡することなくその上に住宅を建てて家賃収入などの確保によって安定的な生活を継続したいという賃貸住宅経営の意向が強いことにありまして、住宅分譲事業によりまして土地を手放すことに対して非常に消極的であるというように動くのが原因であるというように考えております。
 ただ、制度として実績はないわけでございますけれども、農地の所有者等に賃貸住宅制度とそれから住宅分譲制度の両面の道を開いておく、そういうことが農地所有者の選択の幅を広くしているということにつながるものと考えておるところでございます。
#23
○西野康雄君 農住三法を見ておりますと、やっぱり農家の心のひだにまで入っていってつくったものではないな、かように思うわけです。ですから、今後はやはり農家の第一線の方々と本当にひざを突き合わせながら法律をつくっていくというんですか、運用していくというんですか、そういうことが大事じゃないかなと思います。
 農家の方々に実際お伺いすると、それならばそれで今ある家賃を上げたらそれで済む話だとか、そういうふうなことまで出てまいります。やはりこれは、相当リーダーシップを持った人がその地区におらないと、なかなか農住都市というものはできてこないなというのが私の実感でございますが、受け持ち時間がやってまいりました。佐藤議員に質問を交代いたします。
 ありがとうございました。
#24
○佐藤三吾君 質問に入る前に、ちょうど国土庁長官がお見えですから、ひとつ調査をしてほしい点についてお願いしておきたいと思います。
 それは十八日の大蔵委員会の審査の際に、補助金の問題で我が党の議員が質問に立って、奄美大島の特別措置については沖縄の特別措置と同様にすべきじゃないかという質問をしたらしいんです。翌日に奄美の新聞で、社会党の議員が奄美特措法を廃止せよと言った、大蔵大臣はそれに対して、それはできませんと答えた、こういう記事が出た。調べてみると、いや現実に大蔵委員会で傍聴しておったんじゃないんだと、国土庁の職員から電話があって、社会党議員の何の何がしがこうこうこういう発言をしたということで、それに基づいた記事だと、大体議事録も確認してなければ社会党議員にただしてもない、こういう一方的な記事が掲載されている。それが今度の統一地方選挙に活用されている。
 こういう仕組みになっておるようでございますが、これはもしそれが事実なら、名前は知っておりますけれども、国土庁のその担当職員がやった行為ということは一体いかがなものか、こういう感じがしますので、これはひとつ国土庁長官の方で十分に、きょうは御返事要りません、きょうは御返事要りませんが、調査をして回答いただきたいということを特に冒頭に要請しておきたいと思います。
#25
○国務大臣(西田司君) 今佐藤先生の御発言につきましては、私初めてお聞きをすることでございまして、経過等につきましてはちょっと官房長の方からお話をさせていただきたいし、それから御指摘のありました点につきましては厳重に内容を検討いたします。
#26
○政府委員(八木橋惇夫君) ただいま先生からお話のございましたことにつきましては私も初耳でございますので、早速事実関係がどうなっているか調査いたしまして適正に対処したいと存じます。
#27
○佐藤三吾君 よろしくひとつお願いします。
 そこで、本題に戻りますが、農住三法の問題につきましては今同僚議員から幾つか指摘をしました。我が党はこの法案については賛成の立場で今日まで終始してきておるわけでございますから、それだけに、今指摘したように、当初掲げた目標と実態が余りにも差があり過ぎる、そこに何かの欠陥があるんじゃないか、問題があるんじゃないかという意味で幾つか指摘をしておったようでございますから、これ以上私はここでちょうちょうするつもりはございませんが、二、三この問題で指摘しておきたい。
 東京の練馬の農協が、子会社東京協同サービスというのをつくって、そして設立三年だそうでございます。その三年間にマンションを二十三棟建設して提供しているようでございます。それから、夏までにあと七棟建設して三年間に三十棟のマンションを建設する。建設資金十三億については農林中金や住宅金融公庫からお金を借りてやっているんだと、将来は高齢者用に土いじりができるようなモデル住宅も建ててみたい、こういうことが報道されておるようでございますが、これについて建設大臣なり国土庁長官として農住三法との対比を考えながらどういう御感想か、まずひとつ聞きたいと思います。
#28
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま先生の御指摘の練馬におきます詳細の事実は、私承知しておりませんので、ここでお答えをすぐにできるものではありませんけれども、農住三法は今日まで、確かに実績は少ないとは思いますけれども、それなりの果たす役割を持っておった。先ほど国土庁の土地局長からお話をしましたように、確かに啓発やPRが少なかったということもございましたと思いますが、その上に二ヘクタールというような大きな――大きなというのではない、ある程度の規模でありますから、直ちに一人だけでできるかどうかという問題もありましょうし、今度はそれを一ヘクタールに縮めるということもありますので、先ほど申し上げたような実績を上げることはできるだろうと期待をいたしておるところでございます。
#29
○政府委員(藤原良一君) 私にも事実関係、実態をよく把握できてないんですが、ただ基本的にそういった農地所有者が中心になりながら組織をつくられ、積極的にそういう貸し家経営を推進されるということ自体は、土地の適正な利用の一環として、私どもも歓迎すべき点があるのではないかというふうに考えますが、それは良好な地域づくり、町づくりとしてやはり位置づけられていくことがスプロール的な土地利用を防止する意味で重要じゃないかと思っております。
 そういう意味で、できるだけ農住組合法を活用するなり、あるいは都市計画に基づく良好な計画のもとに推進されるということになればこれは一層望ましいんじゃないかというふうに考えております。
#30
○佐藤三吾君 今、西野議員が指摘したように、農住組合法に基づくところの実績というのはこの十年間に十五組合、三百戸なんですね。その中には東京圏は一つもないんですよ。であるのに、対照的に練馬の農協がやった協同サービスはわずか三年間に事実上今できたのが二十三棟、それから七つが夏までにできるというわけですから三十棟のマンションの実績をつくっておる。そのことは何かと言えば、東京圏でも――東京圏でもじゃなくて東京圏こそが住宅事情というのは逼迫しておる、また農家の皆さんにしてもやりよういかんによってはどんどん協力する態勢をみづからの中に持っておる、そのことを証明しておるわけです。
 にもかかわらず、この三法による各種の優遇措置を持つものが、なぜ十年間に十五組合三百戸なのか。これはPRが足らなかったというような部類のものじゃ私はないと思う。それはごまかしというか弁解であって、そこに何か農家の皆さんを駆り立てるものがぴしっと映ってない。同時にまた、この優遇措置が本当にそういう意味で優遇措置たり得る内容のものかどうか、こういうものがぴたっと合ったときに初めて実のある成果が生まれてくるんじゃないかと思うんです。
 ただ単にこの期限を十年延ばしてみたり、それを延長してみたから今度は三百組合できるんだとかいう三百代言を吐いてみても、やっぱり十年たってみればまたこの状態を繰り返すということになるから、ここはひとつ、建設大臣なり国土庁長官なりその中心になる方々がそこら辺をきちんと見きわめていく、なぜかということを問い直していく、その姿勢がないとまた絵にかいたもちになる、私はこういう感じがするものですから、一つの例を申し上げて対比して質問したわけでございますが、何か言うことがございますか。
#31
○国務大臣(大塚雄司君) 私は東京でございますので、農地を持っておられる方々とも割合に接触はあるわけでございます。確かに、農住三法で制度を切り開いたわけでありますが実績が少ない、こういう御指摘はまさにそのとおりでありますけれども、一つには、私が知り得る範囲で申し上げますと、東京の農地を経営している方々は、かなり東京の蔬菜を供給する供給源として大変誇りを持って農地を経営していきたい、こういう方々がかなりおると思うんです。そのかわりまた、住宅を経営しようという意欲もゼロではございませんが、今回生産緑地法の改正等もお願いをして、宅地化すべきものと、あるいは農地として経営するものとに区分して供給を促進しようというようなことを試みておりますのも、そういう営農をしたいという意欲と、その中で住宅も供給するという、協力をしてもらうという方向からいたしますと、今までは実績が非常に少なかったと思いますが、これからは期待が持てるものと、こういうふうに実は思っておるところでございます。どうぞ御理解を賜りたいと思います。
#32
○国務大臣(西田司君) ただいま佐藤先生から、一体十年間たって十五組合とは何たることか、こういう御指摘がございましたが、私どももこの実績については大変反省をさせられるところがあるわけでございます。
 もくろみの実行ができなかったということに対しては、それなりの理由というものがあるわけでございまして、今回の改正に当たりましても、先ほど三百代言というお話がございましたが、全くそういう考え方ではなくて、これは長期的な営農を継続しておられるこの制度というものにかわるべきものでどういう方法を講じていくかということも、十分考慮して考えたわけであります。
 それからもう一つ、これは答弁には書いてないのでございますけれども、この問題を本当に目的のようにやっていくためには、例えば建設省であるとか国土庁であるとか、それだけが幾ら踊りを踊ってもなかなかできるものではない。だから、一つは地方自治体、それからもう一つは農協、そういうところと国の役所というものはよく連携をとりながら、さらに農地所有者というものにそういう機関を通じながら理解をいただき啓発をしていけば、今までのようなことではなくて、今回の改正法において実績をあげることができる、それをやっていかなければいけない、私はこのように考えております。
#33
○佐藤三吾君 時間の関係もございますからこれ以上この問題で申しませんが、五十五年十一月十三日に農住組合法案が成立した際に、本院の建設委員会の附帯決議の中で「大都市圏における勤労者の住宅難を解消するため、良質低廉な公共賃貸住宅の供給、地価抑制対策を強力に推進すること。」こういう決議が付せられた法案ですね、三法は。ですから、この決議の趣旨にも適合していないというふうに考えますから、ぜひそういうことのないように、今建設大臣並びに国土庁長官の決意もございましたが、ひとつ実のある成果をつくり上げていただきたいということを要望して、この問題についてはこの辺にとどめます。
 そこで、一つ二つ申し上げたいと思うんですが、最近建設現場の中で非常に事故が多発しておりますね。人命軽視は異常である、こういうことが新聞の見出しに躍っておりますが、十四日に広島、十六日に立川、十九日に品川、仙台、二十日に千葉は八千代と、ちょっと拾ってみただけでもここ一、二週間に次々に惨事が広がっておる。建設現場というのは、三K職場であるとか、出稼ぎのたまり場であるとか、人手が不足しておるとか、いろいろ言われております。これに対する関係省庁の調査もそれぞれ行っておるんだろうと思うんですが、きょうは時間がございませんけれども、建設大臣から、この点について主管庁としてどういう対応をしておるか、お聞きしたいと思います。
#34
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま先生御指摘のように、広島を初め数多い事故を多発しましたことは、まことに遺憾なことと思っております。特に、広島の新交通システムの建設工事現場では橋げたが落下して、亡くなった方が十四名あるいはまた負傷者が九名という重大な災害が発生したわけでございまして、また、立川市内ではクレーンが倒れて死者二名という、これも大変な悲惨な惨事でございました。亡くなられた方々には本当に申しわけないことでございまして、御冥福をお祈りしたいと存じます。
 特に、広島市の事故につきましては、建設省としては直ちに三名の担当官を派遣いたしまして現地の実情の調査に当たらせましたが、その日とその翌日は捜査の中にあったものですから十分な立ち入りもできなかったわけでありますが、現在は広島市で設置しました広島新交通システム事故対策技術委員会が設けられておりまして、この委員会に協力をしまして調査いたしておるところでございますし、立川の方も現在警察及び労働省が捜査中ということでございます。したがいまして、事故原因等につきましては現在の段階ではまだコメントできる段階ではございませんけれども、急いでこの原因を突きとめまして今後の対策を立ててまいりたい。
 建設省としましては、全国にこのような種類のものもたくさんあるわけでございますから、未然に防ぐためにも直ちに関係機関、関係業者の団体にまで通達を出しまして、事故防止の対策をしっかりとやるように指示をいたしてまいったところでございます。
#35
○佐藤三吾君 大臣、きょうテレビでは建設省が労働安全について建設現場に対する通達を出したということを聞いておるんですが、起こるべくして起こったという説もあるんですね。なぜかというと、広島の場合、作業員で事故を起こした一人は十六歳であると。その十六歳の青年があのジャッキを使った高度な技術を必要とする作業員で、それで一緒に墜落した。この十六歳の人は、調べてみると、わずか四日前に採用になった家出少年ということですね。そういう人をあれだけ高度の危険な職場、しかもジャッキ一つ間違っても大変なことになるという、技術を要する作業員にする感覚、ここに私は建設省の指導と違った実態があるんじゃないか。
 ですから、起こるべくして起こったと言われても仕方がないんじゃないかというふうな感じがするんですけれども、これはひとつ私はまたできれば予算委員会の中でやりたいと思いますが、大臣、通り一遍の答弁じゃなくて、本気になって安全対策をやっていかないとどえらい結果を次々生むんじゃないか、こういう感じがしますから、あえてここで答弁は必要としませんが、ぜひそこら辺をひとつ安全通達とあわせてきちっとしていただきたい。そうしないと、三K職場にプラス一つつくんじゃないか、殺人職場。そういうことも念頭に置いてほしいということだけ申し上げておきたいと思いますが、何かございますか。
#36
○国務大臣(大塚雄司君) 建設省の所掌する公共事業は大変に多いわけでございます。この事故の発生によって大変に今後の業務の遂行にも影響を及ぼすことと考えておりますし、とりわけ人手不足の時代になって、そんなようなことから工期の設定に間に合わせるために無理な施工をするというようなこともあり得る話でございますので、このたびの事故の調査結果を踏まえて、もちろん事故発生の翌日にはすぐ通達も出して対処はいたしておりますけれども、根本的な点まで掘り下げて御指摘のような対処をしてまいりたいと思っております。
#37
○佐藤三吾君 住宅公団の総裁見えていますか。――公団の建てかえ問題について、大臣もおることですから、二、三ひとつ聞いておきたいと思うんです。
 昨年末来、公団の建てかえに伴う家賃をめぐりまして再三要請をしてまいりました。公団の方にも御苦労いただいたわけです。私も久米川団地の皆さんから深刻な御意見を拝聴しまして、公団に対して要請を行ってきたわけでございますが、その結果、高齢者世帯の特別措置として五年間の期間を十年に延長していただくとか、建てかえ着手団地の地域リロケーション住宅の建設であるとか、幾つか御努力をいただきました。
 しかし、現地に入っていろいろ御意見を聞いてみますと、大体今建てかえ問題になっておるのは三十年代の建物で、その当時に入られた方の意見を聞くと、率直に言って、当時としては非常に家賃が高かったわけですね。高かったけれども、しかし永住の地としてこの団地をみずからの手で築いていかなければならぬ、こういう思い込みもあって入られたようでございますが、その方々が大体今もう六十を超えて定年後の生活に入っておられるわけです。そういう方々から見ると、確かに公団の御努力によって七万六千円台まで家賃が下がってきたけれども、それでも現行から見ると二倍、三倍という家賃になっている。これはとてもじゃないけれども年金生活者の場合には払いようがない。こういうのが率直な声でございまして、結果的にはもう家賃が払えなければ出ていくしかない。それから、うまくぽっくり死んでいくことができれば死んでいくしかない。この二つの選択しかないわけです。
 こういうことが各地の建てかえ問題で起こっておるわけでございますが、これについてどういうふうに認識をなさっておるのか、総裁がおいでのようでございますから、ひとつお聞きしておきたいと思います。
#38
○参考人(丸山良仁君) 今お話のございましたように、建てかえをやる場合には全く新しい住宅になるわけでございますから、その家賃は新しく供給する住宅の家賃との均衡上相当高いことになるのは事実でございます。そこで、前からお入りになっておられる方につきましては、激変緩和措置といたしまして七年間にわたりまして最高六五%の引き下げを行っているわけでございます。
 それに加えまして、ただいまお話のございましたような年金生活者で一定の収入以下の方につきましては、従来は五年間特別措置を講じておったわけでございまして、これは住宅扶助限度額を超える部分について家賃の減額を行ってきたわけでございます。これはこの委員会でもしばしば問題になったわけでございますが、そういう居住者の方の御意見を取り入れまして、最近、五年間の期間を十年間に延長するとともに、建設省でつくっていただきました地域リロケーション住宅の制度を導入いたしまして、これを結びつけることによって、今お話のありました年金生活者でもそこに住んでいただくことができるというような形に持っていったわけでございます。
 今お話のございました七万六千二百円という数字は、これは平成元年度に東京都の中で着手いたしました四団地の地域リロケーション住宅の平均の価格でございますが、これは入居してから十年後の家賃をここに示しているわけでございまして、それまでの間は、特別措置の対象になられる方は住宅扶助限度額を超える部分については家賃を減額するわけでございますから、十年後には、これは将来のことではっきりわかりませんけれども、年金の方も、過去の例から申しますと、年間三%ぐらいは伸びておりますからやはり伸びていくのではないか。そういうようなことを考えますと決して満足すべきものではございませんが、公団といたしましては、でき得る最大限の努力をしたということを御評価願いたいと存ずるわけでございます。
#39
○佐藤三吾君 総裁、今あなたもおっしゃったように、努力をしていただいたことはよくわかります。しかし、例えば七万六千円という特別措置ですね、これ十年間と。では、この特別措置の段階が上がっていくルールというのは年金のスライドとあわせたわけですか。基準は何ですか。私はそこが一つ問題だと思うんです。
 それから、確かにそう言われながらも、現実に今まで建てかえ団地を見ると、大体二〇%の人が出ていっていますね。悪い言葉で言えば追い出された、家賃で。それから、いい言葉で言えばひとりで出ていったという。しかし、中身は何かといえば、家賃が払えないということですよ。
 ですから、このことが事実として証明しておるわけでございますから、そこにぴたっと合わせるせっかくの御努力ができなかったのかどうかですね、いかがですか。
#40
○参考人(丸山良仁君) 今二〇%の方が出ていかれたと申しますが、これを我々で分析いたしますと、やはり子供と一緒に住まわれるようになった方も多いわけでございまして、この際同居しようというような傾向も見られるわけでございます。
 それから、今の特別措置の問題でございますが、これはやはり住宅扶助限度額を参考にいたしましてこれでやっているわけでございますから、住宅扶助限度額につきましては、生活保護世帯でもそれだけの金はいただけるわけでございますから、まして生活保護を受けていない方としましては、それだけは負担していただきたいという考え方からこういう措置をとったわけでございます。
#41
○佐藤三吾君 総裁、それはいかがなものかと私は思いますよ、そういう考え方は。確かに、生活保護基準のいわゆる住居の最低保障ということは、わからぬことはございません。しかし、皆さん生活保護の適用を排除して必死に頑張っているんです。
今、厚生年金ですね、平均的な年金生活者というのは大体平均して二十万から二十一、二万のところですよ。それからその下、二十万を挟んでこういうところの前後です。そういう中で七万六千円の家賃が払えるという、そういう発想というのが私にはわからぬと、こう言っておるわけです。そうじゃなくて、正直言って、そういう方々は今三万近い家賃を払っているということは大変なことだと私は思う。だから、そういうことを考えてみると、例えばこの年金生活者についてはそれから先の年金スライドをかんがみてというようなことならわからぬことはないが、ここではそれ以外は出ていく以外はないわけだ。
 これは建設大臣に聞きましょうかね、建設大臣、あなたはなかなかこの方面が、何というんですか、非常に見識の高い人ですから聞きますが、どう思いますか、大臣。
#42
○国務大臣(大塚雄司君) 最近の地価高騰により住宅の供給が大変厳しい環境でありますし、大都市地域につきましては、国公有地もフルに活用してというような時代でございますので、建築基準法の改正等により、いわゆる三十年代に建った住宅はどうしても土地の利用度が低いわけでございますので、この際高度利用によって従来住んでいる方々には十分な対処をしようということで今日まで進めてきておるわけでございます。
 今御指摘の家賃等につきましても、それは仰せのとおり、年金生活者にとりましては七万という額は確かに高いと思いますけれども、公団住宅は従来から申せば公的資金を使って供給をしてきた住宅でありますから、やはりグローバルに考えれば、皆様に御協力をいただいて何とか新しい住宅に建てかえて、住宅に困っている方々を入れるということも時代の要請としては大変重要なことであるだけに若干の御苦労をお願いするわけでございますが、高齢者の方あるいはそういう方々に対しては十分な配慮をしてやっているものと私は確信をしておるわけでございまして、さらに十分そういう方々の御要望に沿うようにやってまいりたい。
 先ほど二〇%というお話がございましたけれども、これはあくまでも強制施行でやるわけではございませんで任意でございますから、公団の担当者もそういう方々の理解を得るためにはかなり懸命な努力をしていると私は認識をしておるわけでございまして、皆様にもぜひ御理解を賜りまして、そういう新しい住宅の希望、入りたい方々のためにもこの住宅政策は進めていかなきゃならぬということもぜひ御理解を賜りたいと思っております。
#43
○佐藤三吾君 私は何も住宅政策を進めるなとか、それから有効利用を阻害するとか、そう言っておるわけじゃない。その辺はひとつ誤解せぬでほしいと思うんですが、同時に、そういう家賃でも、公団以外の方から見ると、地域の実態から見て公団に住んでいる方は恵まれているじゃないかという説もございます。それも聞いています。しかし、やっぱりそれは、何というんですかね、国の住宅政策の貧困をそらす、そこら辺の不満であって、私はそれは当たらないと思う。
 今あなたがおっしゃったように、公団の建てかえ問題というのは、何も入るときにそういう契約をして入ったわけじゃない、まさに国の住宅政策を進めていく一つの方途ではあっても一方的なそういう建てかえ政策ですからね。だから同意が必要だと、こうおっしゃいますが、きょういらっしゃる方もおりますが、二〇%の出ていった方々が、さっき総裁が言うように、子供との関係があって出ていったとか、そういうほほ笑ましい内容なら私はこういう社会問題にはならぬと思いますよ。そうじゃなくて、また大臣が言うように任意で、同意を得なけりゃならぬわけだから決して強制はしませんという前提で言っておるわけでしょうが、しかし住宅が広くなる、新しくなるということで契約をしていく中でどんどん孤立していくわけでしょう。言いかえれば、これほどの村八分的な圧迫に遭っていくわけですから、耐えることのできない苦渋から飛び出していくわけでしょう、そういう意味では、私はむしろ公団の職員の人も大変だと思いますよ。大変だと思うけれども、そこに住んでおる住民の皆さんから見ると、そのやり方については度しがたいものを感ずる。これもまた私は理解していかなきゃいかぬと思うんです。
 総裁、あなたは建てかえ住宅の団地の場合に、例えば久米川でも結構ですが、何回この問題で入りましたか。
#44
○参考人(丸山良仁君) 申しわけありませんが、久米川団地には私はまだ参っておりません。
#45
○佐藤三吾君 どこどこの団地に何回入りましたか。
#46
○参考人(丸山良仁君) 今すぐ何回とは申しかねますが、あちこちの団地には参っております。
#47
○佐藤三吾君 建てかえ問題で入っていますか。
#48
○参考人(丸山良仁君) 直接私が交渉の立場に立ったことはございません。これは支社に任せてあることでございまして、支社長の責任でやらせております。
#49
○佐藤三吾君 大臣は公団の建てかえ問題で現地の調査に入ったがことございますか。
#50
○国務大臣(大塚雄司君) 残念ながら建てかえの団地に行ったことはございませんが、それぞれの団地でいろいろ御計画があることについてはよく報告を聞いております。
#51
○佐藤三吾君 だから、部下なり職員の状況を聞いて御判断なさっているんじゃないかと思います。私はやっぱりこういう問題はじかに聞いていただくことが一番大事だと思うんです。そうすればそこに血の通った一つの施策というものが出てくるし、せっかく住宅の効率化、団地の有効利用という、こういうにしきの御旗があるなら、それにやっぱりぴたっと合うような実績をつくっていくためには、そのことが私は大事だと思うんです。そこら辺ひとつぜひ、これからでも結構ですから、お願いしておきたいと思います。
 そこで、住宅局長と公団の安仁屋さん、私から宿題を与えておったわけですね。それは何かというと、いわゆる年金生活者の皆さんに対して、今言ったような実情で、とても七万六千円とリロケーション住宅では対応できない、こういう方々に対する年金生活者家賃、もしくはそれに匹敵するような例えば公営住宅の団地内建設の問題であるとか、そういった対応はできないかということなんですが、これは研究していただいたと思いますので、いかがでしょう。
#52
○政府委員(立石真君) 先ほど公団の総裁からも御答弁がありましたが、住都公団におきましてもこれらの問題にできる限り最大限の努力をしているというように私たちも承知しておるところでございます。
 ただ、公団住宅は大都市地域の中堅勤労者を対象として供給されるという政策上の位置づけがあるものでございますので、年金生活者にたいしまして福祉的な制度を公団みずからが行うということについては、どうしても一定の限界があろうかとは思っているところでございます。
 住宅政策としてこれに対する取り組み方でございますが、例えば公団住宅の建てかえ事業に伴う年金生活者等の低所得者対策といたしましては、公営住宅への優先入居等の取り扱いを充実することによりまして対応したいと考えておりまして、平成元年度に優先入居制度を設けたところでございまして、まだ実施例は少ないのでございますが、十六公共団体において入居実績が出てきている状況でございまして、今後これらについては地方公共団体の協力を得て増加させていく必要があると考えているところでございます。
 また、居住者の中で建てかえ後もその団地に戻って入居を希望する人のために、公団住宅の敷地の一部を自治体に売却あるいは交換などを行いまして、その一部に公営住宅の建設を行う。それによってこれらの低所得者の方々の入居をできるようにしたら建てかえ事業も円滑な推進ができるのではないかという御意見もございます。どのくらいの規模がまとまり、それらの土地をどういう仕方で売却または交換し、そこに公営住宅等が円滑に建てられるかどうか。まだ管理上の問題等も検討している段階でございますが、今後それらの可能性を勉強していきたいと考えているところでございます。
#53
○参考人(安仁屋政彦君) 先生御提案の趣旨は、公団の家賃を居住者の生活実態に応じて決めたらどうかということだと思うわけでございますが、公団は、住宅事情の改善を特に必要としております大都市地域等におきまして、良好な居住性能と居住環境を有する集団住宅の供給等を行うことが本来業務とされておるわけでございます。この趣旨に沿いまして、賃貸住宅につきましては国の一般会計から利子補給あるいは傾斜家賃制度等の諸施策をとることによりまして家賃の高額化を抑制し、中堅勤労者の収入に対し適正な負担となるような家賃の設定を行っているところでございます。
 しかしながら、公団住宅に長く居住している間には所得が低くなる方もおられるということは十分認識しております。したがいまして、建てかえ事業におきましては、従前から居住されている方々につきましては家賃負担の緩和を図るため、段階的に家賃が上昇してまいりまして本来の家賃となるよう七年間の家賃減額措置を講じることとしておりますほか、一定の要件に該当します高齢者等につきましては、この減額後の家賃が生活保護法の保護基準に定めます住宅扶助の限度額を超える場合には、その超える部分を一定期間さらに減額するという特別措置を講じてまいったところでございまして、さらに先ほどお話しございましたように、先般この特別措置の期間を従来の五年から十年間に延長したわけでございます。
 このようにして公団としましては、最大限居住者の方々の御理解と御協力が得られるようできる限りの配慮をしているところでございますが、公団の施策上の役割等からすれば、そのとり得る措置には一定の限界があるということを御理解いただきたい、このように考えるわけでございます。
#54
○佐藤三吾君 安仁屋さんは全然勉強してないね。総務庁の行政観察局ですか、この勧告も御案内のとおり、建てかえ後の家賃の倍率が一・三から三・二倍で二倍以上が半数もあることはよろしくない、もっと可能な限り低減化すべく抑制を勧告していますね。同時にまた、その勧告の中では、良質な賃貸住宅が不足しておるときに建てかえを理由にして分譲住宅をつくることもいかがか、やはりこの都市部の有効なところにもっと賃貸住宅そのものを増大させるべきじゃないかと、行政観察局がここまで書いて勧告したということは、見るに見かねて私は書いたと思うんですね。このことを私はもっと重く受けとめるべきじゃないかと思うんです。どうなんですか、総裁。
#55
○参考人(丸山良仁君) 行政監察局の御報告につきましては十分承知いたしております。
 そこで、家賃の問題でございますが、我々といたしましてはできるだけ家賃の引き下げをしたいということであらゆる努力をしているわけでございますが、先生も御承知のように、土地は確かに昔から持っている土地でございます。しかしながら、最近は建築費が非常に上昇しておりまして、この影響が家賃にはね返ってくるということが一番大きな原因でございます。
 それから、分譲住宅に入れる点でございますが、分譲住宅につきましては、基本的な考え方としましては、そこに住んでおられる方が戻り入居で分譲住宅を希望される場合に限って入れるというような方針で今臨んでおるところでございます。
#56
○佐藤三吾君 総裁、建築費が増大しておる、これはわからぬことではございません。しかし、一番やっぱり今度の家賃の算定について見ますと、推論ですが、土地じゃないんですか。土地を一番重く見ているんじゃないんですか。
 あなたのところの十年史ですか、公団十年史の家賃構成比の推移というモデルを見ると、例えば償却費が三十二年のときに五八・四、地代の相当分が九・四、それが五十八年になると償却費が三一・三、地代の相当費が三八・二、六十三年になると地代の相当費が四三・二に変わって、償却費が二七・八になっておるということは、家賃構成の中で土地代がやっぱり一番大きな要素になっておるということを証明しておるんじゃないんですか。そういうことになると、これは私はやっぱりそこに住んでおる皆さんから見るとたまらなくなると思うんです。
 なぜかというと、三十年前に入ったときはべらぼうに安かったわけでしょう。それを前提として、それをコストにして家賃が算定されたわけでしょう。そして、今日までずっと払い続けてきた。ところが、今度はその自分たちが住みなれた土地をですよ、公団が新たに買ったならともかく、そうではなくてそこに建てかえる、その建てかえる家賃にその地代を、今買ったら時価相場にすると何ぼだという前提のもとにやられたんじゃたまったものじゃないですよ。初めてその土地に来るなら別ですよ。そんなことをやっておるんでしょう。
#57
○参考人(丸山良仁君) 三十年前に買った土地でございまして、先ほども申しましたように、全く新しい住宅をそこへ建てるわけでございますから、確かに先生おっしゃいますように、評価といたしましては時価評価に近い評価をいたしております。しかしながら、家賃を決める場合には、そのまま原価を使っているわけではございませんで、周辺の公団住宅の家賃と均衡をとるような形で行っているわけでございます。
 具体的に申しますと、先ほど先生が申しました数字と多少違いますが、某団地の例ですと、もし法律の定める原価主義でいった場合には、償却費が大体四六%、土地を再評価いたしました場合に家賃に占める土地代の比率が二三%、そのような形になります。しかしながら、実際の家賃を決める場合には、とてもそれだけの家賃をいただくわけにはまいりませんから、ほとんど土地代につきましては、評価は時価評価でしますが、家賃を決める場合には非常な減額になっておりまして、大体八%程度のウエートしか占めていない、このような計算になっているわけでございます。
#58
○佐藤三吾君 例えば、一番いいのは久米川団地、家賃の算定根拠ですね、これをあなたのところがきちんと出してくれれば一番いいんです。それを出さないから、逆に言うなら我々は推量でいく以外にない。ところが、行政監察局がやっぱりちゃんと計算している。勧告の中にちゃんと書いている。「一般の新規建設住宅の家賃と同様に、住宅の建設費、用地費、建設利息及び建設事務費の合計額に基づき行われている」「用地費については、従前住宅の跡地を時価(地価公示価格)に基づき再評価して算出される」と、そこに問題があると指摘しているわけです。どうです。
#59
○参考人(丸山良仁君) 先ほども御答弁申しましたように、計算上は確かに基礎数字をはじく場合には時価評価しておりますが、家賃を決める場合にはそれで直ちに決めているわけではございませんから、時価評価してもあるいは簿価でやりましても家賃には変わりがないというのが我々の計算の仕方でございます。
#60
○佐藤三吾君 それなら、そこまであなたが御自信を持っているなら、やっぱり久米川団地の場合の建てかえ後の家賃はこうなりましたと、その根拠はこうでありますと一部始終をきちんと説明して、そして住民の皆さんに納得してもらうようになぜ努力をしないんですか。安仁屋さんは衆議院の質問の中でもそれに答えてないじゃないですか。どういうことなんですか。
#61
○参考人(丸山良仁君) 家賃算定の各構成要素を公開するということにつきましては、これはなかなか居住者の方々との折衝に非常に難航するおそれもありますし、かえって混乱も生ずるおそれがありますものですから、従来から家賃値上げのときにもしばしば当委員会でもお話がございましたのですが、家賃はそういうものは公開しないことで御了承を賜っているところでございます。
#62
○佐藤三吾君 何で公開したら混乱が起こるんですか。これは率直に言って思うのは、建てかえ問題というのは、昔でも江戸時代からあるように、家主さんとたな子さんがこの問題はいつも小競り合いをやるわけです。これは映画で見ても同じことですが、やっぱりそこに住んでいる皆さんが三十年前にここに移り住んだときの気持ちというのは、例えば公営住宅の場合は収入制限があるから一定の収入になると出ていかなきゃならぬ、だから出ていくことを前提に入るでしょう。しかし、こういう方々は、そのときにはちょっと高かったけれども、相場から見れば、自分の収入から見ても高いけれども、ここなら永住して結構ですよということから入ってきたわけでしょう。だから、初めからもう永住のつもりで入ってきているわけです。そうして来た人たちが定年を過ぎていよいよ定年後の生活に入ったときに、年金生活にそこにぽかっと二倍、三倍の家賃を吹っかけられて、あなたはそのために緩和措置が十年あるとか五年あるとかおっしゃるけれども、十年後はそのとおりになるんでしょうが、そしたら十年の間に死ねということと一緒だよ。逆に言えば、十年の間に死ぬことができればあなたは幸せですよということだ。
 そういうことじゃなくて、皆さんのためには、どうしてもそこに永住したいと言って行った以上、それをかなえてやる。それがやっぱり基本でなきゃならぬと私は思うんですよ、建てかえをするにしても。それを公団が今とっておる行為を見ると、一方的に建てかえます、そして建てかえの計画から資金計画から、何というんですか家賃の算定根拠、こういうのは公団が一方的にやって一切公表しません、それで悪ければこうします、こうします、こういう式のやり方でしょう。これは私はまともじゃないと思います。そう思いませんか。
#63
○参考人(丸山良仁君) 先ほどから申しておりますように、我々といたしましては、入居者の方々になるべくそこに住んでいただきたいということで、あらゆる措置を講じているわけでございます。その結果、昭和六十一年度からこの事業を始めたわけでございますが、昭和六十一年、六十二年、六十三年の三カ年間に事業化いたしました七千百戸余りの住宅につきましては一名の反対者もなく、全員の御賛同をいただけたわけでございます。そういう点から考えましても、我々の居住者に対するやり方がそれほど無理なことではないと私は考えているわけでございます。
#64
○佐藤三吾君 総裁、これはお金がちゃんと対応できる主として現職の方々はそれでいいでしょう、対応していっておるわけです。
 ただ、問題は年金生活者ですよ。年金生活に入ったら、正直言って、これはボーナスも何もないですからね。公団住宅に入っておる年金生活者については総裁の権限で家賃に匹敵する年金に引き上げますと言うなら別よ、そういうことはできっこない。だったら、やっぱり年金生活者の人は出ていくか、ぽっくりいくか二つしかないじゃないですか。それに見合うものをどうしてつくろうとしないのかと、こう言っているわけですよ。その点があなたにどうしてわからないのか私は不思議でならぬ。聞いてみると、あなたは一回も現地に行って事情を聞いてないということだからわからぬのでしょう。これは、やっぱり総裁だから聞く必要ない、部下から聞けばそれでいいんだということじゃないと思いますよ。やっぱりあなたが現地を歩いて、そして皆さんの意見を聞いて、その中でいかにして自分の公団でできる施策は何かという点を研究して対応していくということが基本でなきゃならぬと私は思うんですよ。
 大臣ね、本来ならこの公団の役割というのは建設省に匹敵する、いわゆる住宅省みたいな役割を担っておるんでしょう。そういうところがこんなことでいいんですか、こんな感覚で。少なくとも年金生活者にどうこたえていくかということで、建てかえという問題は今あなたがおっしゃったように無理強いできるもんじゃないでしょう、同意が前提でしょう。同意が前提である以上、なぜその努力をしないのか。このことが私はどうしても納得できない。
 幸い今住宅局長が勉強しますということで、これは公団が公営住宅の団地の中でつくるのか、そしてそれを都に貸与するのか、いろいろあるでしょうが、そういった点について研究をしておる、勉強しておるということなんですが、これはひとつ局長、大臣でも結構ですが、その勉強の結果は今問題の団地に間に合いますか、どうです。
#65
○政府委員(立石真君) 現在建てかえ計画を進めている団地についても一部でその可能性について勉強しているところと聞いておりまして、ただ、それが具体化するかどうかについてはまだ詰めが終わっていないように聞いておりますので、鋭意研究していきたいと思っております。
#66
○佐藤三吾君 それはどこで勉強しておるの。公団で勉強しておるのか、どっちで勉強しておるの。公団はどうなんだ。
#67
○参考人(安仁屋政彦君) 主として建設省において研究していただいておるわけでございますが、私どもとしましては、そういう制度が導入されました場合には建設省と十分協議して、できるだけ実現に努めてまいりたいというふうに考えております。
#68
○佐藤三吾君 建設省、何かありますか。
#69
○政府委員(立石真君) 安仁屋理事からの答弁のとおりでございますが、建設省、東京都、それから公団というところからの意見を三者で調整している段階でございます。
#70
○佐藤三吾君 建設省住宅局長、これは大変勉強なさっているようですが、本来これは安仁屋さん、あなたが勉強しなきゃいかぬ点ですよ。あなたは今当事者でそこで行き詰まっているわけでしょう。どうしてあなたは、総裁を含めて、この問題を重視しないんですか。そして、この問題について建設省に、ぜひこうしてもらいたい、ここに土地もありますと、それをどうして言えないんですか。あなたのその姿勢に問題があるんじゃないですか。どうです、総裁。
#71
○参考人(丸山良仁君) 十分建設省の御指導を得ながら勉強してまいりたいと思います。
#72
○佐藤三吾君 もう時間がございませんから、問題の残った点についてはまた予算委員会で取り上げていきますが、きょうはこの程度にとどめます。
 建設大臣、今お聞きのとおりですから、ひとつあなたから、きょうも傍聴者の方がいらっしゃいますけれども、建てかえ問題に対して決意の一端があればいただいて終わりたいと思います。
#73
○国務大臣(大塚雄司君) 建てかえにつきましてただいま数々の御論議をいただきました。公団も決して今日まで住んでおられる方を無視しているわけでは到底ございませんで、何とかしようという努力はぜひ御評価をちょうだいしたい。しかし、公営住宅等の制度も入れて考えていこうということも今勉強中でございます。特に、公営住宅そのものも建てかえをやる例もあるような状況でございまして、少しでも多くの方に住宅を供給するという大きな目的も一方に踏まえながら、今御指摘の点については十分勉強して対処をさせていただきたいと存じます。
#74
○石渡清元君 質問いたします。
 実は地価公示がきょうづけで発表になったわけでありますけれども、大臣に最近の地価動向につきましてコメントをお願いします。
#75
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。
 平成三年地価公示により最近の地価の動向を概観いたしますと、全般的には、昨年前半まではまだかなりの上昇傾向が見られるところでございますが、特に三大都市圏の周辺地域等によってはかなり高い上昇を示したところが見られるわけでございます。ところが、後半の十月ごろになってまいりますと、多くの地域で上昇は大体とまってまいりましたし、それからまた地域によっては、横ばいから下落傾向に転じたところが出始めておるわけでございます。
 地域別に見ますと、東京圏については一昨年に引き続き安定基調で推移をしてまいりましたが、昨年後半に入ってわずかながら下降線をたどって鎮静化の方向を示したわけでございます。大阪圏においては昨年夏以降急速な鎮静化がみられております。そして、各地で下落をいたしておるわけでございます。また、名古屋圏におきましては昨年秋まで依然としてこれは上昇が続いておりました。それ以降現在に至るまで、後半において鎮静化の状況が見られております。その反面、地方圏では、特に三大都市圏の周辺地域で、例えば栃木県とか滋賀県、こういうところを中心にいたしまして昨年前半までかなり高い地価上昇が認められたわけでございます。そして、最近の傾向といたしまして、大都市圏から地方圏へ地価上昇というものが拡散する傾向が見られておるわけでございます。
 このようなことを踏まえて、国土庁におきましては地価の動向というのを慎重に観察し、対処していく考えでございます。
#76
○石渡清元君 そのようなことは大体報道等々でお伺いをしているわけでありますけれども、それではこの地価動向を踏まえて、これからの土地対策をどのように考え、一番のポイントはどこにあるのか、お答えをいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(西田司君) 先ほどもお答えをいたしましたように、最近の地価の動向といたしましては全国的に鎮静化の傾向があらわれ始めておると、こういう認識をいたしております。しかしながら、地域地域によって差があるわけでございますけれども、大変強含みな地域もございまして、なお地価問題というのは私は予断を許さないと、こういう基本認識を持っております。
 特に勤労者による住宅取得の観点から見ましても、大都市圏等の地価は依然として高過ぎる、こういう認識をいたしております。このため今後とも、去る一月二十五日に御案内のように総合土地政策推進要綱を閣議決定をいたしたわけでございますが、この要綱に従いまして、一つには、現在御議論をいただいております土地税制というものを一日も早くこれを実行に移せるように持っていきたい。それからもう一つ、既にこれは実施をされておることでございますけれども、土地関連融資の規制というものを緩めるわけにはいかないと、このように考えております。
 あわせて、建設省と連携をとりながら土地の利用計画の整備充実、特に住宅宅地の供給促進、土地の有効利用の促進等、あらゆる手だてを総合的に集中いたしまして今後一層強力な土地対策を展開してまいりたいと、このように考えております。そして、私の方で最大の目標にいたしております今回の地価上昇というものを、一日も早くひとつ現在の高い水準から適正な地価水準に引き下げをやっていきたいと、このように考えております。
#78
○石渡清元君 ありがとうございました。
 それでは、この議題であります農住組合法関係でありますけれども、土地対策と農住組合制度というのはどういう関係なのか、どう位置づけられているのか、あるいは、適正な地価水準というお言葉が今ありましたけれども、この組合制度が地価の引き下げにどのような貢献、寄与をするのか、その辺を御説明ください。
#79
○政府委員(藤原良一君) 土地対策は、ただいま長官から御答弁申し上げましたように、総合的に展開する必要があるわけでありますが、その中で土地の供給、有効利用の促進を図ることも非常に重要な対策の一環であります。
 土地の有効利用の促進、供給促進を図る手だてといたしましては新規に開発する場合もございます。また、工場跡地等の低・未利用地を有効に活用していく手だてもあるわけでありますが、あわせて市街化区域農地を有効に活用していくことも非常に重要でありまして、さきに閣議決定いたしております総合土地政策推進要綱におきましても、都市計画におきまして保全する農地と宅地化する農地の区分を明確にして、計画的に市街化区域内農地の整備を推進することといたしております。したがって、大都市地域等を中心とする計画的な宅地の供給促進策の一つという重要な意味を持っておると思います。これによりまして宅地の供給拡大が図られると同時に、地価の安定あるいは引き下げにも資する面があるのではないか、そういうふうに評価しておるところであります。
#80
○石渡清元君 先ほど西野委員からも、組合法を五十六年に施行されて以来なかなか十分な効果が得られなかった、その理由として普及啓発が足りなかったとか、いろいろ御説明のあったところでありますが、しかし二年、三年ならまだなかなか効果がわからなかったとかありますけれども、十年間そのままで今度は多少範囲を拡大したりしてまた十年、こういうことで果たしてそのような効果につながるのか、先ほど御答弁がありました目標にいくのか、非常に疑問を持っておるわけでございます。
 組合設立のための積極的な支援策、そういったようなことはどのように考えておられますか。
#81
○政府委員(藤原良一君) 進まなかった理由として、長期営農継続農地制度のもとであえて計画的な土地利用転換を行う、そういうインセンティブに欠けた嫌いがあるということとあわせて、普及啓発、支援体制の整備等にも問題があったというふうに認識しておるわけでございます。
 普及啓発のあり方としまして、従来もパンフレットとか研修会の開催は行ってまいったわけでありますが、必ずしも十分ではなかったという点がございます。新たに平成三年度は普及啓発関係予算として三千万の予算をお願いしておりますし、そういう新たな予算を活用しながら、場合によっては先進地域のいろいろな事例を濃密に紹介してまいる、そういうふうなことも今後行っていきたいと思っております。
 また、建設省あるいは地方公共団体や農業協同組合等とも協調しながら、都市農地活用支援センターという組織もつくりつつありますので、そういう組織も十分利用して緊密な連携あるいは意志疎通を図りながら積極的に応援してまいりたい、そういうふうに考えております。
#82
○石渡清元君 資料によりますと、「市区町村が国土庁の補助を受けて行う「農住型土地利用転換計画策定事業」の活用」とか、そういうことが書いてある。これをちょっと御説明いただきたいのと、これは一人でも反対がありますとなかなか事業が進まない。しかし、細かいことを言えば、何回も会合を持つにも、ではだれが会合の費用を持つのか、そんなようなことがネックにかなりあるのではないかと思いますけれども、具体的な計画策定の段階で計画策定費にどういうような補助とか援助があるのか。
#83
○政府委員(藤原良一君) 御質問の支援策の一つとして、農住型土地利用転換計画策定事業という助成事業を行っております。この事業は、大都市地域等において市街化区域内に存在する農地等につきまして適正な土地利用の転換を促進し、その有効・高度利用を図るために、市町村の行う土地利用転換計画の策定に要する経費につきまして、二分の一以内の助成を行っておるわけでございます。
 具体的には、地方公共団体の職員や学識経験者、農業団体の職員、農業経営者の代表者、そういった方々に協議会を設けていただきまして、その協議会の助言、協力を得つつ、市街化区域内農地について、都市的な土地利用と農業的土地利用の調整を図りながら町づくりのビジョンをつくったり、あるいは宅地の供給、土地利用転換に伴って必要となる公共公益施設や農業経営の改善等に関する計画をつくっていこう、そういうことでありまして、こういう協議会をつくり、計画を策定しながら地権者の協力を求めていこう、そういうふうな事業でございます。
#84
○石渡清元君 考え方はよくわかるのでございますけれども、「市街化区域内農地の転用・売却を望んだが、その見通しがなかった理由」等々、原因を見ますと、三大都市圏では「現状地形では利用困難」「十分な道路に面していない」が四九・三%と約半分、東京都でも同じ理由で三九・二%、四割ですからこれはかなり大きな壁になっていることは間違いないと思うんですが、そういったような地形のところは結局余りいいところじゃないわけですね。それらに対してどのような組合制度を促進をするのか、その辺はいかがですか。
#85
○政府委員(藤原良一君) これまでの経験に照らして考えますと、先ほど佐藤先生の御質問にもございましたが、例えば東京都の区部内で既に相当地価の高い地域、しかも曲がりなりにも既存の道路等があるようなところでは、どうしても地権者の方で若干の減歩も嫌いまして、道路沿いにスプロール的にみずから住宅建設を行って沿道にそういった家が張りつきまして、そのかわりその中の農地があんこのように残ってしまう。町づくりの観点から非常に困った土地利用が行われるというケースが多いんですが、地形が悪いところはそういうふうな利用もできない。したがって、そういうところで積極的にこの農住組合事業を展開したい、そういう希望がむしろ多いわけであります。
 ただ、これにつきましては、区画整理事業等をやりまして基盤を整備しないといけない、そういう問題がございますので、組合をつくり、かつその組合事業で区画整理事業も行っていく、そういう方向に持っていくのが非常にいいんじゃないか、そういうふうに考えております。
#86
○石渡清元君 確かにそうなんですが、たまたま今区画整理事業という言葉が出ました。これは割合似たような性格を持っていると思うんですが、建設省の方の区画整理事業は市町村とつながっている印象が非常に強いんですが、国土庁は、つながっていないとは言わないけれども、流れとして組合に参加をする方々はできたら市町村と一体になってやりたいと言うんだけれども、市町村とのつながりがやや薄いような気がするんですが、その辺のところはいかがか。あるいはどのような対策をもってやっているのか。
#87
○政府委員(藤原良一君) 農住組合が土地区画整理事業を行います場合には、数人共同して行う土地区画整理事業と位置づけられておるわけでございます。したがって、市町村施行のような区画整理事業じゃないんです。そういう点で公共団体との結びつきが区画整理事業そのものに関しては弱いと言えると思いますが、ただこの農住組合制度は、組合の設立認可のときから事業実施基本方針、そういったものを決めまして、市町村にも県にもいろいろ指導助言をいただく、そういうふうなシステムになっておりますので、そういう中で公共団体にも十分援助をしていただきながら、助言をいただきながらやっていけるものだと、そういうふうに理解しております。
#88
○石渡清元君 ぜひひとつ末端単位市町村に御指導をいただいて、その効果が上がるように期待するわけであります。
 先ほど附帯決議等々にもありましたけれども、都市の緑、この辺につきまして衆議院、参議院ともに「都市の緑と空間の保持を」を附帯決議にされておるんですけれども、この制度をやることは従来よりも緑をなくすという、単純に言えばそういったような考え方なんですが、それでいかに緑というのを確保するか、その点につきましては。
#89
○政府委員(藤原良一君) この制度は、先生御承知のとおり、農住組合の事業施行地区のうち当面その一部を営農地区として保全しながら他の部分を住宅宅地化する、そういう事業でございます。したがって、当面保全される一連の営農地区につきましては、良好な都市環境の保全に資するよう都市計画上評価できるものにつきましてはできるだけ生産緑地地区の指定を行っていく、そういうことが望ましいのではないかと思っております。
 ただ、都市計画上生産緑地地区として指定されますと、これはできるだけ長期にわたって都市環境を整備保全する観点から残すわけでございますので、全部が全部というわけにはまいらないと思いますが、都市計画上そういう位置づけができるものについては極力そういう方向で指導していくのがいいのではないかと考えております。
#90
○石渡清元君 現に三大都市圏の緑地面積はどんどんどんどん減っていく傾向にあります。そして、そこに住む都市住民の都市農業観は、農業を初めとして絶対緑が必要だというのはもう圧倒的なわけでありますので、その辺のところは両方相まった政策を続けていかないと、どんどんどんどん減っていくような傾向にあるわけであります。
 具体的にそれでは、今まで附帯決議があって、歯どめというのは言い方が適切な表現かどうかわかりませんけれども、今までやってこられた十五組合等々について緑の確保というサイドからどのようなことをされてきたのか、措置されてきたのか。
#91
○政府委員(藤原良一君) 農住組合による事業は、当面一部の地区を営農地区として保全しながら、原則的には段階的に住宅地あるいは住宅建設に使っていこうと、そういう性格の事業であります。したがって、この農住組合事業で緑地を保全するというのには一定の限界があろうかと思います。むしろ、市街化区域農地全体を都市計画上どういうふうに保全する農地と計画的に宅地化する農地に区分するか、その辺がより基本的に重要じゃないかと思います。
 ただ、御質問のこれまでの実績はどうかということですが、一応我々のめどといたしましては、半数以上住宅地にしていただきたいと、そういう希望で指導してきております。実績は大体七割ぐらいが住宅宅地化されまして、三割ぐらいが営農地区として保全されております。そういう状況になってございます。
#92
○石渡清元君 これは国土庁だけじゃないと思いますけれども、宅地化における都市の緑地保全、建設省の都市局の関係もあろうかと思いますけれども、その辺のところは農住の関係とどのように機能させながら進めていくのか。
#93
○政府委員(市川一朗君) 市街化区域内農地につきまして、都市計画上どういうふうに考えていくべきかと。
 まず、基本的な問題につきましては、先ほども御答弁いたしましたけれども、宅地化するものと保全するものとを都市計画の中で明確に位置づけていくということが基本的に必要である。それで、宅地化する農地につきましてはできるだけ計画的な宅地化を進めていくことが肝要であるというふうに考えておりますが、その際計画的な宅地化を進める手法といたしましては、ただいま御提案申し上げております関係法律によります制度も含めまして、いろいろな制度が現在あるわけでございます。
 都市計画の立場からまいりますと、基本的には良好な市街地形成という観点からは、街路等を含めました都市基盤施設整備をきちんとやりまして、それで将来的にその町が住みやすくいい町づくりになるということをまず担保いたしまして、その中でその場所あるいは人々に極めて適切な制度をそれぞれのところで選択いただきまして活用していただく。それに対して地方公共団体も含めまして私どももいろいろと御協力申し上げるということでございまして、それらの制度の中で農住組合制度によりまして基本的には区画整理事業を農住組合が行いまして、宅地化するものと生産緑地等で残す農地等もその中で区分けされると思いますし、また区画整理事業を行いますから基本的に都市基盤施設整備も行われます。
 そういったような形で進んでいくことが一つの望ましい姿であるとは思っておりますが、それ以外のいろんな手法を使いまして、例えば住宅金融公庫の融資を受けまして土地担保賃貸住宅とか、あるいは農住賃貸住宅として利子補給を受けた形で住宅が建設されていくという例もいろいろあるわけでございます。それらは、いろいろとおとりになる際に、最終的には計画的な町づくりとして進むように都市計画はきちっとフォローしていく必要がある。大体基本的にはそういうふうに考えております。
#94
○石渡清元君 次に、住宅に入る前に、まとめとして農住組合の推進方策について大臣のお考えを伺います。
#95
○国務大臣(西田司君) 先ほど来土地局長からもいろいろそれに触れてお話をいたしておるわけでございますが、私はさきの御答弁でも申し上げましたように、やはり十年経過したその間をよく反省しながら、チェックをするべきものはチェックして今後取り組んでいかなければいけない。特に西野先生から農地保有者のそういう方々とのお互いのコミュニケーションがやはり不足しておるんじゃないかという御指摘もございましたが、そういうことも踏まえて農協系統組織の協力もぜひいただきたい。
 それからもう一つは、国の機関においても、当面建設省、国土庁よく連携をいたしまして、さらに地方公共団体とも、これは本気になって自分たちの町をよくするわけでありますから、これとひとつ連携をしてこれらを進めていきたい。一つには、指導体制の強化ということも大変必要でございましょう。こういうことを含めて、これから十年間農住組合法というものが本当に効果があるような形につくり上げていきたいという決意を持っておる次第であります。
#96
○石渡清元君 それでは、その上に建つ住宅関係についてお伺いをしたいと思います。
 この附帯決議にも冒頭に衆参両方とも大都市圏における「良質低廉な公共賃貸住宅の供給」と書いてあるんですけれども、農住組合法の附帯決議として公共賃貸住宅という表現が適切なのか、あるいはどこまでその範囲を指すのか、ちょっとわからないところでありますが、良質とかあるいは低廉というのはどのようにとらえているのですか。
#97
○政府委員(立石真君) 良質低廉ということになりますと、やはりまず質の面につきましては、基本的には住宅の規模があろうかと思います。住宅の規模が三人ないし四人というような世帯の居住できるだけの適切な規模があるかどうかということが一つでございます。
 第二番目に、低廉ということでございますが、家賃につきましても大体公営住宅、公団住宅あるいは公的施策住宅そのほかいろいろございますが、それなりに適正な家賃の中におさまっているというように考えております。
#98
○石渡清元君 今お答えがありましたけれども、この資料の三十五ページを見ていただきますと、質的な問題で構造別の「耐火」の方の質的ないいものはだんだんだんだん昭和六十二年をピークに少しずつ減ってきて、「不燃組立」等々のものがどんどんふえてきているというのは、これは何か質的な面での傾向を象徴しているのか。これは単にたまたま偶然こうなっちゃったというのか、あるいは良質なものに何かリードしているようなものがあるのかどうか、この辺の表の読み方というのはどうやって見るんでしょうか。
#99
○政府委員(立石真君) この表につきまして正確に分析しておりませんので、正確な御答弁にならないかと思っておりますが、私の最近の印象といたしましては、「不燃組立」てといいますのは主としてプレハブ住宅系であろうかというように思っております。
 プレハブ住宅系につきましても五十年代後半ごろから共同住宅を建てる率が非常にふえてまいりました。質といたしましては、それなりに耐久性あるいは安全性、防火性についても向上のした共同住宅の供給が可能になってきております。そういうような面から、不燃組み立て構造が建てやすい構造として、かつ良質で建てやすい構造として伸びているのではないだろうかというように見ておるところでございます。また、耐火構造につきましても五十年代としましてはかなり伸び、六十年代からはおおむね横ばいであるという状況でございますので、むしろプレハブ住宅系がこの農地所有者等賃貸住宅として伸びやすかったのではないだろうかというように見るところでございます。
#100
○石渡清元君 それから、家賃の関係ですけれども、適正な家賃とかあるいは分譲の場合は、価格の形成というのは、これは建設費に対してこのくらいだとかそういうことを指導しているのか、その辺のところはどうなっていますか。
#101
○政府委員(立石真君) この農住利子補給事業の家賃の関係でございますが、農住賃貸住宅につきましては、政府が融資機関に対して利子補給金を支給していることによりまして低利融資が行われるようにする制度でございます。このため、利子補給金が支給されている間は農住賃貸住宅の家賃は償還金、公租公課、修繕費等を要素として算定されます家賃限度額を超えてはならないというように定められているところでございます。
 実際の家賃の状況等につきましては、これを明らかにするために事業者にその収納状況を明らかにする書類等を備えつけることを義務づけておりまして、都道府県知事は、必要に応じまして報告を求めることができるなどとして、適正に指導を行えることとなっているところでございます。
#102
○石渡清元君 その家賃限度額の算定方式と申しましょうか、それと、あるいは地域によって大分地価も違いますから、その辺の地価相当分と家賃の関係というのはどういうふうに反映してくるのでしょうか。
#103
○政府委員(立石真君) 償還金、公租公課、修繕費等につきましては一般の公的住宅と同じように算定することとしておりますが、地代につきましては地価の五%までを地代として算定することができるというように決めておるところでございます。
#104
○石渡清元君 そこで、この資料をもとにお伺いをしているんですけれども、先ほど答弁の中で利子補給期間中はある程度制限を設けて云々がございました。この資料の四十一ページを見る限り、一番右の「平均収益率」を見ますとかなりばらつきと申しましょうか、最初は一二・六%、一〇・九%とずっときて、九年目が一番多くて一八%、それからまた一四・五%とかなり下がって、次の四十二ページ、利子補給期間終了後の状況も、利子補給期間終了後の九年目が一番多くて二三・六%、利子補給期間終了後直後の一年は一二%、約半分近くになってしまうんですが、この辺の考え方というのはどういうふうに見たらいいんでしょうか。
#105
○政府委員(立石真君) まず、農住賃貸住宅の経営状況について、御答弁したいと思っております。
 昭和六十二年度の調査によりますと、農住賃貸住宅を経営している場合に、年間のキャッシュフローベースでございますが、総収入の約一四%の収益を上げている形になっておりまして、一事業者当たり平均二十戸を経営しているとすれば、年間の平均収益が約百二十八万円となっているところでございまして、利子補給期間における経営は必ずしも収益性の高いものではありませんが、順調な経営を行っているというように考えているところでございます。
 先生御指摘の各年度におきます平均収益率が一〇%ぐらいから一八%ぐらいまでに開いておるところでございますが、これらにつきましては特に理由のあるものではなくて、たまたま調査対象からそういう結果が出たものというように見ておるところでございます。
#106
○石渡清元君 今キャッシュフローベースでのお話がありましたけれども、年間二十戸で百二十八万円の収益ですと一カ月約十万でしょう。これで果たして建設投資がどんどん行われるだろうか。
#107
○政府委員(立石真君) 農住賃貸住宅を建設する農地の所有者は、その土地を活用することを考えているというように考えているわけでございまして、その土地を売らないで活用して、それが何らかの収益を上げるという利点に立ってこの建設を進めているというように考えているわけでございます。そのような意味からは、短期的な収益としては大きくはないというように思っておるところでございますが、土地を活用することによって何らかの現金収入が得られるということも一つの魅力なのではないかというように考えておりまして、近年予算戸数四千戸見当のものが毎年四千戸フルに活用されているのも、そういうような事情によるものではないかと想像しているところでございます。
#108
○石渡清元君 相当ないろんな角度からの支援策をやりませんと、ちょっとこれだったら広場の駐車場あるいは二階で簡単な駐車場の方がずっと収益が上がるという、しかも利子補給を受けるためにも三十五年とか、かなり長期間その土地は住宅専用、もう何にも手がつかない状態になりますので、その辺のところもう少し考え直していかないといけないんじゃないかと思うが、特に最近は住宅投資がどんどん減っていますので、それと同時に金融機関で不動産、住宅を含めたそういったような融資がかなり締められていますので、住宅金融公庫だけで農住組合で住宅をつくりたい希望者をカバーできるのか、資金源も含めてどのようにお考えになっているのか。
#109
○政府委員(立石真君) 農住賃貸住宅につきましては、住宅金融公庫の資金によるものではございませんで、政府が農業協同組合等の融資機関に対しまして利子補給金を支給することによって低利融資が行われるようにしている制度でございまして、資金源としては農協資金になろうかと思うわけでございますが、これらを政策的に助成することによって住宅の方にその資金を融通させるということを進めていきたいと考えているところでございます。
#110
○石渡清元君 それはよくわかるんですけれども、それでは一括借り上げの制度がありますね、それは企業の社宅とか、そういうのならまだ事業主、事業所の方で家賃の軽減等々の対策として一括借り上げすることによって居住者に対しては軽減の形になるかもしれないけれども、別な第三者が一括借り上げして転貸をする場合に、そこでの手数料等々はどのような形になるのか。一括借り上げ制度の導入のメリットは何か、あるいはデメリットが生じてこないか。
#111
○政府委員(立石真君) 一括借り上げ制度は、賃貸住宅所有者、入居者、それぞれにメリットがあると考えておるところでございます。
 まず、賃貸住宅の所有者にとりましては、一つは入居者との直接的契約関係がないために貸し家管理に伴うトラブルがないという面がございます。第二に、一括借り上げ者との間で賃料が安定的に見込めるために、空き家発生に伴う収入の増減を心配する必要がないというようなメリットがあると考えておりまして、賃貸住宅所有者側にとりましては貸し家経営に必ずしも精通していない場合であっても、リスク等を覚悟しないで貸し家供給が安定して手がけられるようになるのではないかというように見ております。また、入居者にとりましては、家主である一括借り上げ者が貸し家経営の経験を十分に有していることから、管理等が信頼できるというメリットがございます。
 こういうように考えてみますと、現段階では特にデメリットについてはないのではないかというように考えているところでございまして、賃貸住宅所有者、入居者ともに一定のメリットがあるということから、この一括借り上げ制度を導入すれば農住利子補給事業の促進が図られて、世帯向けの賃貸住宅の供給増につながるものと考えているところでございます。
#112
○石渡清元君 その一括借り上げのメリットはよくわかるんですが、社宅とかそういう事業主関係でなく、普通の場合の一括借り上げで居住者に対する転貸ということになった場合に、普通からいえば農地所有者が直接貸すのと、間に一つ一括借り上げ者が入って貸すのと、その間の中間手数料等々がありますので、その差が出てくるんじゃないかということ、その辺のところは借りる方からすればデメリットに属するんじゃないかと思いまして聞いているんです。
#113
○政府委員(立石真君) 御質問は一括借り上げ者を介した場合に、家賃がそのために高くなるのではないか、これがデメリットになるのではないかという御質問かと思うわけでございます。
 賃貸住宅の家賃を比較するということは、その立地とか規模とか設備状況などいろいろの個別性があるために、一括借り上げの場合と一般の賃貸住宅とを比較するのはなかなか困難な面がございますが、昭和六十三年に建設省が行いました貸家経営実態調査のデータによりますと、一括借り上げされた賃貸住宅は、中間に一括借り上げ者が介在するにもかかわらず、それ以外の場合と比べまして、一般の場合ですが、むしろ家賃とか管理費等が安いものになっております。
 この理由として考えられますのは、一括借り上げ者が賃貸住宅経営の専門家として貸し家経営に関するノウハウを活用し、空き家発生率等を最小限にとどめることができる、また効率的な管理が行えるということにあるのではないかと考えております。
 したがって、実態上も家賃が割高になるとは考えられないわけでございまして、制度面から見ましても、農住利子補給制度の融資対象者と一括借り上げ者の間の契約に現行の家賃規制を遵守するということを盛り込むことを義務づけておりまして、従来と同様入居者の保護を図ることになっておりますので、一括借り上げ者を挟んでも適正な家賃が確保されることが制度的にも担保できると考えておりますし、これまでのいろいろな調査からも適正な家賃が確保されるのではないかというように見ているところでございます。
#114
○石渡清元君 それはわかりました。
 ちょっと収入の面でひっかかってくるんじゃないかという懸念を持つわけでありますけれども、それでいろいろ各種融資とか資金的な支援策、それも私ちょっとさっき住宅金融公庫で言いましたけれでも、全部農協という意味ですか。農協と利子補給制度だけですか。
#115
○政府委員(立石真君) 農住賃貸住宅に対する貸し付けは農協資金でございます。
#116
○石渡清元君 ということは、それだけで誘導しようとするんですけれども、例えば先ほど、市街化区域農地内の転用売却を望んだができなかった理由、いろいろ申し上げましたけれども、そのほかの理由で一番大きいのは、税制上不利になるからというのが三大都市圏では二〇%というのは、さっきの営農制度の意味なのか、税制上どういうふうに解釈するのか。
#117
○政府委員(藤原良一君) 恐らく長期営農継続農地制度のもとでは、十年以上営農希望がございますれば固定資産税等も農地並み課税になります。ところが、長営制度の適用を受けない場合にはこれは宅地並み課税でございますので、そういう税負担上の問題を意識されてのことではないかというふうに考えております。
#118
○石渡清元君 いずれにいたしましても、市街化区域内の農業者が全部住宅をやりたいとか、そういうことは全然思っていないわけです。少なくとも農業を続けながらその一部としてということですので、かなりいろいろな手当てをしていかないと、先ほどの答弁のような収入関係はちょっとどうかなという感じがいたします。
 ただ、いずれにいたしましても、公的な資金による住宅建設ということは、もちろんこれだけで済むもの、これはほんの一部になろうかと思いますけれども、最後に建設大臣に、住宅建設戸数をどのようにふやしていくか、その御見解をお伺いして質問を終わります。
#119
○国務大臣(大塚雄司君) 先般、閣議決定をいたしました平成三年度を初年度とする第六期住宅建設五カ年計画の中で、総戸数七百三十万戸、そしてその半分を超える五〇・七%になります三百七十万戸の公的な住宅の建設を進めようということの内容になっておるわけであります。もちろんその中にもこの農住組合等の公的資金の援助による住宅も入るわけでありますが、例えば公庫住宅も五十五万戸無抽せん体制をしくことであるとか、公営住宅、公社住宅あるいは公団住宅等を引っくるめて五カ年で三百七十万戸を確保しよう、こういうことでございます。
 そしてその中には、今お話がありましたような借り上げ方式による公営住宅等の供給や、家賃軽減のための公団に対する出資による公団賃貸住宅の供給を促進するとかあるいは公庫融資における無抽せん体制、先ほども申し上げたようなものを推進するとか、ともかくいろいろな手段を講じて従来の体制よりは公的な住宅をふやして対処をしていこう、こういうことでございます。
#120
○石渡清元君 終わります。
#121
○委員長(矢田部理君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#122
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農住組合法の一部を改正する法律案、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#123
○及川順郎君 農住三法の質問に入る前に、最近橋げたが落っこってきたり、やぐらが倒れたり、事故が非常に連鎖反応的に続いているんですけれども、年度末で全国一斉にこの三月というのは仕事が多く集中してくるというような状況で、この間掘ったところがまた掘り返されるというような状況もこれありで、所管業務としては非常に頭を悩まされるところだろうと思いますが、この事故の反省から再発防止等を含めまして、どういう手を打たれておられるのか、この点をまず承っておきたいと思います。
#124
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、いろいろと事故が多発しておるわけでございますが、一番大きな事故は、広島市の新交通システムの橋げたが落下することによりまして、十四名の方が死亡し、九名の方が負傷したという事故でございました。私ども大変遺憾に存じておりますとともに、御遺族の方々に対しましても深く弔意をあらわす次第でございます。
 先ほども大臣の御答弁にもございましたように、現在私どもといたしましては、基本的にはその事故の原因究明がしっかりと行われることが必要であるというところから、現地に調査団も派遣いたしましていろんな角度から事故の原因究明に努めておるわけでございます。現地広島市におきましても学識経験者から成る委員会もできまして、その委員会に建設省からも委員として参加し原因究明に努めておるところでございますが、橋げた落下のメカニズムにつきまして幾つかのケースが考えられておりますけれども、原因としてはかなり絞られてまいっておるようでございますが、まだ最終的に解明されない部分もございますので、それをまず検討する必要があると考えております。
 それから、このような事故が起きまして、ああいったような形で被害が生ずることのないように、落下そのものの施工技術的な観点からのチェックはもちろんのこと、万一の場合に備えました体制整備等も含め建設省内関係部局からいろいろと検討を加えまして、とりあえず緊急的な措置といたしまして、関係団体に通達を出したり、いろいろ当面の応急措置等も講じておるところでございます。一応基本的なところはそういうところでございます。
#125
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま所管の局長から御報告をいたしました。ともかくこのような事態が二度と発生しないように、省内一致して対策を練ってまいる所存でございます。
 不幸な事態にぶつかった皆様には本当に申しわけないと思っておりますけれども、今工期の問題やあるいは年度末というようなお話もございましたが、人手不足等もございますので、それらの点に十分配意をしながらしっかりとした対応をさせていただきたい、このように思っております。
#126
○及川順郎君 本論に入る前の質問ですから余り込み入ったことは聞きたくはございませんけれども、今原因究明ということも大事ですけれども、できた事故に対しては、やはりその原因究明と同時に、事故に遭った方々の家族に対する十分な心配り、これが非常に大事ではないか。少なくともお役所仕事ということで批判を受けるような事態をつくってはいけませんし、それなりの処置をきちっとされていると思いますけれども、これはぜひお願いしたい。
 同時に、この年度末の危険だと思われる箇所は全国でどのぐらいあるのか、その辺の掌握をきちっとしていただいて、特に軟弱地盤等における交通の煩多なところ、こういう事故につながりそうなところの現場につきましては、これはもう再発防止のためにきちっとした処置をとる、この指導強化が非常に私は大事ではないかと思うんです。ぜひこの点に留意をされていただきたいと思います。
 次に、今回審議しております農住三法について、この農住三法の趣旨と実績に対してどのように受けとめておられるか、この点からまず承りたいと思います。
#127
○政府委員(藤原良一君) 農住組合法施行以来十年が経過しまして、これまで十五の農住組合が設立されまして事業活動を行っておるわけでございますが、当初もくろみました事業量に対しまして非常に小さな規模に終わりつつあるということに関しましては、いろいろその原因等も考え、今後十年においてそういうネックになった問題点を一つ一つ改善しながら、できるだけ今後は大きな実績を上げるように一層努めていきたいと考えております。
#128
○及川順郎君 当初の法制定当時の目標ですけれども、組合設立七百、宅地供給約四千ヘクタール、それに対して組合の設立十五、住宅宅地の供給面積は四十九・一ヘクタール、まあ住宅戸数も二百七十六という、こういう状況が今の現状というぐあいに承っておりますけれども、この規模が小さくなっているだけではなくて、数量ともに進んでいない原因というものは何かほかにあるんじゃないかと思うぐらいの進展しない現状ですけれども、この現状に対して具体的にどのような分析をなさったんでしょうか。
#129
○政府委員(藤原良一君) 農住組合制度に対します私どもの普及啓発活動の不十分さというのがまず挙げられると思います。さらに公共団体、農業団体等の支援体制にも不十分な点があったんじゃないか。日ごろそういう反省はしておるわけでございますが、ただ全般的に農家の方に積極的に住宅地等への土地利用転換を行っていく意欲が非常に欠けておったというのは基本的にあるんじゃないかと思います。
 その意欲がもう一つ強くなかった原因としては、長期営農継続制度がその後すぐ創設された。当面営農規模ということで長期営農継続農地として認定を受けますと、税法上の恩典等もございますので、どうしてもそちらの方に選択が強くいった、そういうふうなところも影響しているんじゃないかと思いますが、いずれにしましても我々これからさらにしっかりとそういう支援体制も強化し、関係者への働きかけを積極的にやっていかなければならないと強く考えておるところであります。
#130
○及川順郎君 午前中の質疑でも出ておりましたけれども、首都圏で宅地二万七千五百ヘクタール、住宅にして四百三十一万戸の計画ですけれども、このうち農住三法によって供給される宅地それから戸数、これはどのぐらいに見込んでおられるんでしょうか。それで、今回期間を十年間延長ということでございますけれども、これからの十年間でどのぐらいの事業実績を見込んでおられるのか。この点を二点伺っておきたいと思います。
#131
○政府委員(立石真君) 先生お尋ねの二万七千五百ヘクタール等につきましては、本日新聞等にも報道されております大都市法に基づく「首都圏の大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する基本方針」にかかわる話題であるというように考えております。
 この方針におきましては、国と関係地方公共団体が大都市地域の住宅宅地問題に一致協力して取り組むための共通の指針であるそういう性格と、さらに関係都府県の定める供給計画における重点供給地域の策定等、即地的、総合的な施策によって住宅宅地の供給の促進を図ろうとするものでございます。
 そのようなところから需要を想定し、これに対する住宅宅地の供給の基本方針を定めたところでございますが、その内訳等につきましては、国の基本方針の中では具体的には定めておらず、先ほど申し上げました今後各都府県における供給計画の中で即地的な問題を含んで計画がなされていくものと考えているところでございます。
#132
○政府委員(藤原良一君) 農住組合事業によりまして今後予定しておりますのは、これはあくまでも関係者の共同の自発的な行為によって計画し事業が展開されるわけですから公的な事業と違いまして非常に予想することが困難な面もございますが、私どもとしては、三百組合ぐらいを設立いたしまして、この十年間に宅地では千ヘクタールぐらい、住宅で六万戸ぐらいの供給が期待できれば非常にありがたい、そういう考えで取り組んでいきたいと考えております。
#133
○及川順郎君 法制定当時の目標を実質的に軌道修正されたということになるわけですが、今お話が出ておりましたけれども、それぞれの地域における自発的な意識にゆだねるというものが非常に多い。ただ、私は、国はその法律をつくればそれでよしと、あとは実施するのは地元だと、こういう姿勢は問題がありはしないかという感じがするんですね。
 といいますのは、この実施については国の役割それから農協等の協力、自治体の協力、農地の地主さんの協力、こういうものが一体となって進んでいかないとこれはなかなか進まないですよ。それで、現実に既に実施しているところの現場で私も何点か伺ってみましたけれども、地主さんは地主さんでやはり既にやっているところでも、現在農地で区画整理で農地として残したところの将来に対して不安を持っている。それから、実際問題、その周辺の住環境問題でまだまだ改善しなければならない気持ちはあるんだけれども、既に一つの事業に区切りがついたからということで作業が進まない、こういう実態があるんです。
 今回のこの第一期――第一期というよりもむしるこの十年間と言った方が正しいと思いますが、この十年間で十五組合のうち六組合が三重県内でできているという状況ですね。この状況をどういうぐあいに分析しているかということを私は承りたいんですが、地元に聞きましたところ、やはり法律の趣旨というのを地元できちっと踏まえるという状況の中で大事なことは、農協等の協力がこれは不可欠であると同時に、この組合法そのものの趣旨に対するPR活動ですね、これが趣旨徹底として非常に大事な要素になってきている。そこでやっぱり地主さんの協力なんかも得られるという次の作業が出てくるんだろう、こういう具体的なお話が出ておりました。
 この点に対して、三重県の農住三法に基づくこの事業実績をどういうぐあいに分析し、その教訓をどういうぐあいに全国に波及しようとして総括をされているかどうか。まず、この点から承っておきたいと思うんですが。
#134
○政府委員(藤原良一君) 御指摘のとおり、十五組合のうち六組合が三重県でありますし、また四組合が埼玉県に集中しておるわけです。特に三重県で六組合が設立された。それはやはり一つには、一度農住組合が設立されますと、それがモデルとなって周辺の農地所有者の意識を高めるといいますか、そういうふうなデモンストレーション効果が非常にあったんじゃないかと一つは思います。
 いま一つは、御指摘のとおり、地方自治体や農業団体等が積極的に助言、援助しておる、それが個々の土地所有者の意識を高め、共同して組合を設立するという機運をうまく誘導していったと、そういうふうなことが大きくこの事業に役立っているんじゃないかと思います。
 そういう意味で、先ほど御指摘がございましたが、国は法律をつくったらそれで責任は半分終われりというんではなしに、この制度のよさは関係者が協力して自発的な意思を尊重しながらやっていく点に一つはあるわけですけれども、一方やはりそういった国、公共団体、農業団体の協調した強力な指導、援助、そういったものが必要だと思っています。その辺がこれから特にこの事業を推進する上での大きな課題だと認識している次第であります。
#135
○及川順郎君 ぜひこれは考えているだけではなくてまず実行と、これでお願いしたいと思うんです。
 で、この三重県の状況ですけれども、いろいろと事業を推進するに当たって示唆に富んだ内容がたくさんあるわけです。それを国として掌握して、そして全国に波及する要素というのはもう幾らでもそこからヒントは得られると思いますので、ぜひこれは実行に移していただきたいと思うんです。
 それとあわせまして、三重県でこの農住三法によって行われた宅地供給、それからそこに上物を建てた住宅、これの宅地費と住宅費、これがどのぐらいの額でどのぐらいのパーセンテージになっているか、それから賃貸の場合には最終的に家賃はどのぐらいになっているのか、こういう分析がされておりますか。そういうデータがもし地元から入っておりましたならば、お示しいただきたいと思います。
#136
○政府委員(藤原良一君) 今御質問のデータは全部まとまっていないわけです。三重県六地区で二十一・二ヘクタールが対象面積となって事業が進められておりまして、現在完了しておるものが三組合の十一・一ヘクタール、あとは施行中等でございます。そして、組合賃貸住宅の建設実績が五十四戸、その中には一社員寮が含まれております。なお、三重県とは違う事例でございますが、埼玉あるいは愛知県で行われました若干の例はございますが、これは建設費の内容等がはっきりしておりませんけれども、どのような賃貸住宅、分譲住宅がどれぐらいの価格で提供されておるか、そういったところを近隣地域と比較しながら検討した例はございます。
#137
○及川順郎君 大変恐縮ですけれども、率直に言って内容の分析が非常に甘いと思うんです。大ざっぱ過ぎると思うんです。やっぱり住宅計画、宅地計画につきましては職住近接、職業と住まいとがなるべく近いところでということで、都市部における農地を宅地に利用するというのが本来の法の意図するところでございますから、ですから、まず上物の比率とそれから宅地供給のこの地価がどのぐらいのところで整備されるのか。分譲するにしてもあるいは賃貸するにしても、なるべく安い値で一般サラリーマンが借りられる、しかも町場の中でそういうところの住宅をぜひ欲しいというニーズにこたえる。そういう状況から考えますと、やはり一つはその比率がどのぐらいになっているかその効果を分析した上で、同じ町場でもほかの町場においてはどうなのか、こういうところで農地を宅地に流動化していく政策の効果というものが期待できると思うんです。
 そういう意味で、ぜひ進んでいるところの教訓を生かしていかないと、この調子でいったならば、今後十年間で目標を立てている三百組合なんというのもまた十年後の議論のときに惨たんたる姿になりかねはしないかと、私はこういう心配が今から率直に言っていたします。もう一つは、安くて良質な住宅をいかに供給できるかということとあわせまして住みよい生活環境、これがもう一つ大事な要素なんです。そこで、農住三法と都市計画のかかわりをどのようにとらえておられるか、この点をまず承りたいと思います。
#138
○政府委員(市川一朗君) 農住三法によりまして宅地化が進み住宅建設が進みました場合に、ただいま先生御指摘ございましたように、やはり必要となる公共施設、都市基盤施設の整備が一体となって進みませんと良好な市街地が整備されないわけでございます。例えば農住組合制度の場合でございますと、農住組合みずからが土地区画整理事業をすることができるわけでございますが、そういったような面も含めまして土地区画整理事業が推進されますと、あわせまして公共施設の整備も進む、こういう認識を持っております。
 それから、街路事業あるいは都市公園、下水道事業等のいわゆる都市基盤施設整備事業をそれぞれの地域におきまして都市計画でしっかりと位置づけて計画的に整備を図っていく、そういった都市基盤施設の整備が進んでいるところで農地が宅地化され、住宅が建設されていくということで良好な市街地の整備が図られ、住みよい町づくりに進んでまいるというふうに私ども思っておりまして、基本的にはこういう観点に立ちまして、こういった都市基盤施設の整備といったものを区画整理事業の推進とあわせまして積極的に進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
 それとの関連におきまして、昨年、住宅地高度利用地区計画という制度を創設させていただきました。これは昨年の十一月施行されたものでございまして、まだこれからのものでございますが、主としてターゲットを市街化区域内農地に絞りまして、ここで公共施設の整備とあわせまして、土地の高度利用もあわせて図られるような地区計画制度でございまして、これを積極的に活用していただくことも大変有意義なのではないかと思っておるわけでございます。
 それから、あわせまして住宅宅地に関連する公共施設につきましては住宅宅地関連公共施設整備促進事業という制度が現在あるわけでございますが、それを有効に活用すると同時に、さらに平成三年度から緊急住宅宅地関連特定施設整備事業という形で、従来必ずしも国庫補助の対象としておりませんでした細かな公共施設につきましても、その住みよい町づくりのためには必要な施設につきまして積極的に重点的に助成していこうという制度も創設されてまいるわけでございまして、こういった面も含めまして、関連する公共施設の整備に積極的に取り組みまして、ただいま御指摘ございました住みよい町づくりにつなげていきたいというふうに思っておる次第でございます。
#139
○及川順郎君 今まででき上がっているところを見ますと、周辺地域を含めました上下水道、それから公園施設も都市公園として農住三法による公園は義務化されている、そういう状況の中でできますけれども、規模が小さいと小さな公園をつくって、それが公園として利用されないで草ぼうぼうになっているという、こういう状況も見受けるわけですね。
 それから道路ですね、道路との関連。こういう点を考えますと、その周辺地域を含めた町全体の全体像の中で、農地とその農地の宅地化というものをどう整合性を持たせていくかというのが非常に大事な要素になってくると思いますね。この点に対してぜひ留意していただきたいということを私は強調しておきたいと思うわけでございます。
 もう時間も参りましたので、最後に大臣の所感を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#140
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま都市局長からもお答えをいたしましたが、いわゆる農住三法の地域はいずれも関連公共施設がおくれておるわけでありますから、今後の対処につきましては都市計画で定めて対処をするということで、当然、公園とか道路とかそういう施設を、たとえ小規模でありましても、その地域に配慮をして整備していくということになろうかと思いますし、またそうしなければならないと思っております。
#141
○国務大臣(西田司君) 先ほど先生が先進地の調査分析、そのことにお触れになりましたが、これは大変大事なことでございますので、早速私の方でよく中身を分析してこれからの参考にもしたい、このように考えておるわけでございます。
 いろいろとお話がございました。特に、先ほどもお答えを申し上げたのでございますが、これは建設省と国土庁だけで法律をつくったからそれでよい、それでやれるというものではないと私も考えております。そのためには、国はもちろんでございますけれども、農協系統機関であるとか、あるいは特に最近町づくりということがよく言われておるのでございますけれども、これは市町村にとっても新しい町づくりの観点からひとつこの法律を利用して、そしてすばらしい環境の町をつくっていくようなことで、三者一体になってこれは強力に進めていきたい、このように考えております。
#142
○上田耕一郎君 農住三法に対する質問の前に、私ども日本共産党の態度について述べておきたいと思います。
 私どもは、都市の緑を守る、それから大事な野菜供給の役割を担っている都市農業を守るという立場で、宅地並み課税に反対してまいりました。この三法についても農住利子補給法には制定及びその後の改正いずれも賛成してまいりましたが、農住組合法は制定の際反対、いわゆるあめ法――宅地化促進法については制定及びその後の五回の延長にいずれも反対してまいりました。
 農住組合法は今回初改正になりますので、今度慎重に検討いたしました。七百の目標が十五しかできないという惨たんたるありさまで、これは残しておいても大して害がないと思ったからじゃありませんけれども、いろいろ検討いたしまして、例えば我々はもちろん農民がみずから農地を宅地化することに反対しない立場で、この農住組合できますと、農地の転用だけじゃなく、当面営農の継続一体化するということがあります。それから二番目に、いわゆる虫食い的なミニ開発が進むのと比べますと、農住組合の事業というのは計画的な町づくりにつながる積極面がやはり出ているということ。三番目に、行政の押しつけによるものではなくて、農民の自発的な意思に基づいて行われているということ。さらに、近郊農業の担い手の高齢化などという実情もありますので、そういう点を今度検討いたしまして、今までの経過並びに今度の事情で三法いずれも賛成という態度をとることにいたしました。
 時間が短いので残った時間で幾つか質問させていただきたいんですが、昨年大都市法が改正され、それに基づいて宅地供給方針の策定が進められているということですが、東京圏ではどのぐらいの計画になるでしょうか。
#143
○政府委員(鈴木政徳君) いわゆる大都市法に基づきまして、現在大都市地域の国の供給基本方針を策定中でございます。その中におきます宅地の供給目標量でありますが、四全総の多極分散化政策を基本としつつ関係都府県と検討を進めてまいりました。現在のところ、西暦二〇〇〇年までの十年間に首都圏におきましては二万七千五百ヘクタールの宅地供給が今後必要だというふうに見込んでいるところでございます。
#144
○上田耕一郎君 このうち市街化区域内農地はどのぐらいになりますか。
#145
○政府委員(鈴木政徳君) この二万七千五百ヘクタールにつきましては、地方公共団体と具体的なことを詰めながらやってきておりますが、主に市街化区域内農地、それから都市内の遊休地、さらには市街地の外のニュータウンということになろうかと思いますが、市街化区域内農地につきましては二万七千五百のうち約八千ヘクタール程度を見込んでいるところでございます。
#146
○上田耕一郎君 これまで東京圏の市街化区域内農地面積がどういうふうに減ってきたか、その推移を簡潔に、大体毎年どのぐらいかということをも含めて、お答えいただきたいと思います。
#147
○政府委員(鈴木政徳君) 東京圏の市街化区域内農地の賦存量の推移でございますが、平成元年までの数字が出ておりますが、平成元年で東京圏で約三万三千ヘクタールでございます。五年前の昭和五十九年にはこれが約三万九千三百ヘクタールございましたので、この五年間で約六千二百ヘクタールほど減少しております。年率にいたしますと、大体年三%強の割合で減少してきていると理解しております。
#148
○上田耕一郎君 千三百ヘクタール平均で減少したというんですけれども、このうち住宅地になったのはどのぐらいですか。
#149
○政府委員(鈴木政徳君) 農林水産省の「農地の移動と転用」という調査から推定いたしますと、大体転用のうち約六割が宅地化されているというふうに理解しております。
#150
○上田耕一郎君 六割の中には道路、公園に二割ぐらいとられて、宅地は実際には半分だということも聞きましたけれども、大体それでいいんですか。
#151
○政府委員(鈴木政徳君) 御指摘のとおりでございまして、六割のうち約二割が公共用地にとられているということで、したがいまして残りは半分ということになろうかと思います。
#152
○上田耕一郎君 そうしますと、今後十年間、ほぼ西暦二〇〇〇年まで八千ヘクタール市街化区域内農地を住宅宅地にしようというんでしょう。そうすると、大体半分が宅地ですから、農地全体は十年間に一万六千ヘクタール減らすという計画になるんですね。したがって、これは一年千六百ヘクタールということになるので、今のお話の八四年から八九年まで五年間、ほぼ千三百ヘクタール毎年減っていたのよりも二割以上ペースが早まるというんですね。
 去年の十月四日、東京都国土利用計画地方審議会の答申、これは二〇〇五年までに二五・六%減少する計画という、四分の一減らすと。そうすると、政府の計画はこの審議会の計画よりも二倍テンポが早い。これまでよりも二、三割てんぽが早いと思うんですけれども、やや過大な計画を市街化区域の農地を宅地化する上で立てているのではないかと危惧しますけれども、いかがでしょうか。
#153
○政府委員(鈴木政徳君) 御指摘のとおり、従来の延長線上では確かに過大ということが言えるかもしれませんが、いろいろ法律、制度等もそろえましてその総合的な施行を図っていく、あるいは宅地並み課税がいよいよ施行されるというような状況変化もあろうかと思います。さらに、現在国土庁の推奨、あるいは農協、東京都も入りまして都市農地活用支援センターというものを十月を目途につくることにしておりまして、そういうところを中心に農民の方々の意向を酌みながらいろいろ指導していくというようなことを含めまして、可能な数字ではないかというふうに考えております。
 ただいま東京都の土地白書のお話が出ましたが、なるほど東京都の減少率はそういうことでありますが、東京圏のほかの地域と比較いたしますと、東京圏の方が減少率が低いということもございますので、もちろん今後政策努力をいろいろ積まなければいけないことではございますけれども、地方公共団体と具体の地域を積み上げて出してきたものでございますので、何とかこの数字が実現できるように努力したいと思っております。
#154
○上田耕一郎君 先ほど国土庁の土地局長は、長期営農継続制度がすぐ生まれたので十五組合しかできなかったようなお話をされていましたけれども、我々はやっぱり強制的に都市農業を破壊しようとする宅地並み課税にも、それからまた長期営農継続制度の廃止にも反対です。今の答弁でも、テンポを早めようということについて我々としては懸念を表明せざるを得ません。
 東京の土地白書のことが局長の答弁にも出ました。東京はどういうところに今農地が残っているかといいますと、ここに図がありますが、世田谷、練馬、足立、葛飾、江戸川、この五区に専らあるんですね。これについて東京都はかなり綿密な調査をしています。
 この土地白書は「東京の土地一九八九」という題なんです。これを見ますと、この五つの区の中で具体的に幾つか調べているんですけれども、十五年間で八割弱農地として維持されているんですね。それだけ農民は都市近郊農業に熱意も持っているし実績も見せている。ですから、十年間にこの東京圏で半減するというのは、十五年間で八割続いているんだから非常に無理な計画だと言わざるを得ない。それで、実際にこういうところを、じゃ宅地化されてどういうふうになっているかという詳細な調査がここにも出ている。
 一つお聞きしたいのは、良好な市街地形成に役立つかどうかということなんですけれども、計画的な宅地転用策として出されているのは、住宅地高度利用地区計画制度がありますね、それから農住組合制度、特定土地区画整理事業などがあるんですが、住宅地高度利用地区計画制度は一ヘクタール以上、農住組合の方も今度の改正で二ヘクタールが一ヘクタールに下がりますね、一ヘクタール以上がやっぱり要件なんです。東京の市街化区域内農地で、一団として一ヘクタール以上となっているものはどのぐらいのパーセンテージであるかつかんでおりますか。
#155
○政府委員(市川一朗君) 昭和六十三年度東京都調査が手元にございますが、これによりますと、東京都内における一ヘクタール以上の農地の割合でございますが、箇所数で約一二・七%、面積で約五二%というふうに把握しております。
#156
○上田耕一郎君 全体で一二・七%というわけなんですね。そうしますと、都市農地というのはやっぱり一ヘクタール以上まとまっているのは平均で一割ちょっと。二十三区では三多摩とちょっと違いますけれども、東京区部はもっと小さいですね。そうしたかなりのところは計画的な開発制度の枠外になって個々の宅地転用になっている。そうすると、どうしてもミニ開発になってしまうんですね。
 東京の土地白書は、練馬区大泉学園三丁目の状況調査をしている。詳しくは省きますけれども、一戸建て住宅、転用一件当たり三百四十七平米、二・二戸、これはだんだんだんだん少なくなってきまして八三年―八九年で見ると、転用一件当たりは二百六十四平米、一・八戸、二百六十四平米を一・八戸なんだから、やっぱりミニ開発になってしまう。こういうミニ開発にならないように今度の農住三法の改正を生かすようにしていただきたい。
 私は、先ほど農地の宅地化を強制的に推し進めることのないように、スピードアップしないようにということを表明しましたが、その問題一つと、このミニ開発を避けて本当に附帯決議の案にもありますような良質な住宅が供給できるように力を尽くしていただきたいと思いますが、最後に両大臣の御見解をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#157
○国務大臣(大塚雄司君) 農住組合法で実績が少なかった理由も先ほど都市局長が申しました。今お示しのように、一ヘクタール以上が非常に少ない。従来の二ヘクタールということになりますと、何軒も一緒になってやらなきゃならないということも事業を進める上で非常に難しかったと推察をいたします。それが一ヘクタール以下になってまいりましたので、さらにそのような指導も的確にやりまして、なるべく有効に農地が使えることも一方で考えながら、また生産緑地法の改正によって宅地化をしないで営農すべき方々にも十分配慮して、これが東京の緑あるいは大都市周辺の緑の確保にもつながるようなことを考えながら適切に対処してまいりたい、このように思っております。
#158
○国務大臣(西田司君) 農住組合法の改正の主たる目的というのは、良好な宅地をどう供給するかということが第一の眼目でございます。これとあわせて、地域環境をどうつくり上げるか、よいものにしていくかというねらいもあわせ持っておると私は理解をしておるわけでございます。でございますから、御指摘になりましたスプロール化がさらに進んでいくとか、ミニ開発的なものがだんだん進んでいくようなことについては、最大限留意してよい居住環境をつくり上げるように努力してまいりたい、このように考えております。
#159
○上田耕一郎君 終わります。
#160
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。若干の時間をいただきまして、農住三法についての質疑をしたいと思います。
 現時点で土地基本法成立以来方向がはっきり見えまして、そのスタート時点で非常にいい方向に進んでいるという時点であると思います。さらに、それを前進するための農住三法ということでございますが、気がかりな点を二、三御質問したいと思います。
 一つは、これは建設省にお伺いしますが、市街化区域内農地、これを区分して宅地化するもの、保全するものということでございますが、国として宅地化する場合にどのような割合で指導していくという姿勢でございますか、その点まず一点、最初にお伺いします。
#161
○政府委員(市川一朗君) 市街化区域内農地につきましては、総合土地対策要綱等に基づきまして宅地化するものと保全するものとを都市計画において明確に区分する、この方針に基づきまして、計画的に宅地化を進めるものとそれから保全するものとのいろんな施策につきまして、必要な改正等も含めまして現在取り組んでいるわけでございます。
 例えば保全する農地につきましては、生産緑地地区の指定が一つの最も典型的な方法であろうという考え方のもとに、現行の生産緑地法を改正いたしまして保全する農地が保全しやすいように改善をお願いいたしたいと思っているわけでございます。
 その際私どもは、基本的には都市計画区域の中で農地の持つ緑地機能を評価いたしまして、これを保全できるものは保全しようという考え方に立つわけでございますが、やはり農地というものは営農行為がありまして初めて緑地としての機能を発揮し得るものでございますので、基本的に私どもは、農地所有者の方々の農業従事者の方も含めました営農継続についての意思の確認ということが非常に大事であるということで、あらかじめ農地所有者等の的確な意向の確認にまず努めることというようなことから入ってまいる必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#162
○新坂一雄君 できるだけ農民の意向を反映した形のものというのが理想的でございますが、先ほど来同僚の委員も指摘しているように、PR等の徹底ということが一つあると思います。前回の参議院の決議でもこれは宅地並み課税と誤解されるようなことでないようにということが一つあったんですが、その当時のこともあっていわゆる土地の高騰への思惑というものがあったということが一方にありながら、一方でまたどちらにしても税金がかかるということで、うまく進まなかったという理由にもかなりなったと思います。
 それから、国土庁にお伺いしますが、今まで制度があったにもかかわらず、なかなか低調であったということで先ほどからいろいろ指摘がございますが、端的に言って、新しく継続して特色をつけたこの法律が成立した場合の魅力というのは、一言で何になりますでしょうか。農地を宅地化するためには、農家にとっての魅力というのは何になりますか。
#163
○政府委員(藤原良一君) この事業によりまして所有地のうち当面営農を継続するために保全する農地を残しながら住宅宅地の整備をし得る、しかも一人でやる場合には非常に不安も伴うわけですが、関係者が共同して建築後の貸し家経営等にも当たれる、そういったところがこの事業の魅力ではないかと思います。だから、先生御質問の趣旨の中に、そういう事業を進める上での優遇措置としての魅力はどうか、という御質問も含まれているかと思いますが、これにつきましては、従来やはり長期営農継続農地制度のもとで考えますと、余りにも魅力が少ないんじゃないかという指摘を私どもも受けております。
 ただ、今回は特定土地区画整理事業の補助採択基準も五ヘクタールから二ヘクタールに引き下げられておりますし、また関連公共施設を整備する際の採択要件の引き下げとかあるいは緊急住宅宅地関連特定施設整備事業の創設、これによりまして小規模な施設に対する助成も行える道が開かれようとしております。そういった点でも魅力が増しておりますし、また三大都市圏の特定市におきましては、平成四年度から長期営農継続農地制度の廃止に伴いまして計画的な宅地化を図る農地、あるいは基盤整備を伴って新築される賃貸住宅等につきましては固定資産税や不動産取得税等の大幅な減額措置等も予定されておりますので、かなりそういう面での魅力が増してくるんじゃないかと思います。
 そのほかに計画面では、従来からこれはございますが、農住組合事業推進費といたしまして計画策定助成あるいは新たに普及啓蒙関係予算の措置、融資につきましても関係二法で期待される融資等もございますので、かなり優遇措置としての魅力は増してきておるんじゃないか、そういうふうに評価しておるわけでございます。
#164
○新坂一雄君 先取りになるかと思いますが、この法律が成立の運びになった後しかるべき時期に、例えばこういう条件で農住組合の制度ができますよということを、もちろん地方公共自治体あるいは農協を通じて徹底することが一つ。
 それから、そういう徹底をした後に農家に対してのサンプル調査ですが、あなたはどちらを――宅地にするのか農家を続けるのかというような調査を一回してみたらどうかという気がいたします。要するにサンプル調査でありますが、基本的にはそこで大体の大きな流れというのがわかるはずです。結局、その流れがわかることによって、来年の十二月三十一日までに区分けするということが大体の比率で見えてくるんじゃないかと思いますので、そういう科学的な一つの調査をやることによって、先ほどどのくらいの見積もりにしたいという、見積もりではあったけれども、それを本当に裏づけるものであるのかどうかというのがそのアンケート調査の分析によってある程度わかってくると思います。
 そういうことがいろんな勤労者住宅あるいはマイホーム、賃貸住宅をつくるにしても、そういうものを分析した結果に基づいた修正なりがまた出てくると思いますので、何かそんな施策をとられたらどうかという提案でございますが、いかがでございましょうか。
#165
○政府委員(市川一朗君) ただいまのアンケート調査は、大変示唆に富む御提案だと認識する次第でございます。
 市街化区域内農地につきましては、先ほど先生の方からも御指摘ございましたように、宅地並み課税との関連も含めまして、平成四年の十二月三十一日までに将来宅地化するかあるいは農地として保全するかということの判断を農家の方々にしていただくという作業が、ただいま御提案申し上げております生産緑地法の改正が通りました場合には出てまいってくるわけでございますが、その過程におきまして、恐らく三大都市圏の特定市におきます市街化区域内農地につきましては一戸一戸の農家の方々とそれから地元の農協の方、農業委員会の方、それから市町村の担当者と個別にかつ総括的にいろいろな形での意思確認あるいは将来の生活設計等の話し合いも行われると思いますので、そういう段階でまた実態もある程度わかってくるといった関係もございまして、私どもといたしましては、先生御提案のようなアンケート調査も含めまして、的確な意思の確認に努めてまいりたい、またそういうふうに指導してまいりたいと思っている次第でございます。
#166
○新坂一雄君 何か先取りを施策としてしていくというための一つの手段として、そういう世論調査あるいはアンケート調査を利用するということを大いにやっていただきたいなというふうに思っています。
 それからもう一点は、やはりまとめ役といいますかリーダーの育成、町田市の例がモデルとしては非常にいい例だということをよく言われますけれども、いい例あるいはいいことだというふうにわかっていながら、やろうかということを信頼する人が呼びかけて、そこへ連なるという姿勢がやっぱりないと、皆がそれぞれすくんでしまって、考えはいいなというだけではこれ前に進みません。その辺のリーダーの育て方といいますか、どういうふうにして持っていくのかというのが一つ気がかりでございますが、これを最後にいたします。
#167
○政府委員(鈴木政徳君) 今後良好な宅地化を進める上で、ただいま御指摘のございました点は大変重要なことだと思います。
 私どもも国土庁、農水省それから農協等、地方公共団体一緒になりまして、十月をめどに都市農地活用支援センターの設立を進めておりますが、この中で一つの大きな事業といたしまして、ただいま御指摘のありましたような農地の宅地化についてのリーダーを育てるということも今後大きな仕事として入ってくると思います。またさらに、実際の仕事は現地の農協等を通じて、恐らく農家の方々の意向を酌みながら実態に合った町づくりをしていくことになろうかと思いますけれども、実際にそういう農家の方々に密接しているところの機構が使えるということで、実態に合ったいろいろ指導等が徹底できるのではないかと、この支援センターに期待しているところでございます。
#168
○新坂一雄君 終わります。
#169
○山田勇君 法案質疑に先立ちまして、二点少し質疑をいたします。
 及川委員も先ほど来申し上げましたとおり、工事現場においての事故が多発をしております。そういう中で最も悲惨なのは広島新交通システムの橋梁の事故だと思います。事故が起こりました明くる日、大阪六時の新幹線で広島に入りました。現場検証は九時からということなので八時に現場に入りまして、工事現場の方たちともお話を伺ってまいりました。九時から建設省のお三方お見えになりまして、司法と一緒に調査なさっておられました。その中で、先ほど来お話を伺っておりますと、原因究明といいますか、解明にはまだ相当な期間がかかるやに聞いております。
 その間、建設省としては行政指導としてやるべきことはあると思うんです。それは第一点、橋梁工事については邪魔くさがらないで必ず交通規制をする。絶対にそれはやりなさいという指導をやるか、あるいは橋梁工事についてはストッパーを必ず設けなさいよと言うか、それは原因解明、究明を待つまでもなく、建設省、これだけの大きな惨事を起こしたのですから、それぐらいは私は指導として行われるのではないかというふうに思います。
 と申しますのは、工事現場の人に聞いたら、広島市内から橋梁をずっとかけてくるについては、すべて交通規制をしてきたそうです。というのは、そのある地点からずっと橋梁をかけていく間は交通規制をしなかった。なぜかといいますと、ここまでは道が迂回路として国道に出やすいのです。そこの工事は、進行方向に向かって左側に大きな河川がありますから、あの工事現場のところまで行きますと、交通規制をここでかけても迂回するところがないんです。逃げ道がないんです。これはUターンして、また戻るかしかないんです。だから、交通規制を国道へ迂回しやすい地点からやっておけば、それは相当な期間の交通規制になりますが、来た車は迂回ができる。しかし、あの工事現場まで行ってあそこの区間だけ規制しても逃げ道はないんです。
 そういうことから考えますと、私は交通規制をきちっとしておけばあの惨事は免れたのではないかというふうに思いますので、原因解明、究明も大変結構でございます、ぜひこれはしてもらわないと困るんですが、少なくとも今全国的に四百カ所の橋梁工事があるそうですから、その工事についてはそういう形でひとつ御指導をいただきたいと思います。それが第一点。
 続いて、これは農住法にも若干関連しますが、大蔵省の方にお見えいただいております。
 まず、大蔵省にお尋ねをします。経済企画庁が発表した昨年の十月から十二月期の国民総生産の実質伸び率は年率で二・一%にとどまり、それまでの五から六の成長率に比べると大幅に低くなっております。これは個人消費や民間住宅建設の落ち込みが国内需要の足を引っ張っているためのようですが、こういった景気後退といいますか、この経済成長の鈍化を背景として金融引き締めや湾岸戦争の影響による消費者の購買意欲がまた減退した、企業の設備投資の意欲にかげりが生じたことなど考えられるわけです。
 そこで、景気対策として金融緩和、公定歩合の引き下げなども取りざたされておりますが、大蔵省としましてもいろいろお考えがあると思いますが、土地融資の規制について四月以降も継続されるお考えであるかどうかをお聞きかせ願いたいと思います。
 これは、なぜこれを聞くかと申しますと、ある程度の金融引き締めによって土地の高騰の抑制効果は確かにありました。それが高値横ばいにあろうが、どうあろうが、国土庁のきのうの調査なんかによりますと随分土地価格は安定、また下落ぎみであるということも言えますが、まじめに土地を取得し、住宅供給に寄与するという建設会社はたくさんあります。しかしそれは、こういうことは言うとなんですが、みそもくそも一緒で土地転がしのいわゆる地上げ屋の金融融資と、本当にまじめに土地を取得して住宅供給、マンション建てよう、何をしようという人たちの姿勢も締めつけてあるということで、非常に大阪の経済なんぞ見ますと落ち込みが激しいものですから、あえて大蔵省の方にお尋ねをいたしておきます。この二点、お尋ねをします。
#170
○政府委員(市川一朗君) まず、広島市の新交通システムの工事に関しましてでございますが、先生早速現地に行かれまして、実は私は行っておりませんのですが、現地に行った私どもの調査団からもいろいろ報告は聞いておるわけでございます。時間もございませんので余りるるは申し述べませんけれども、あの工事現場でとられておりましたいわゆる横取り工法といいますものは、非常に交通規制の困難な場所で行う場合に開発されたものでございますから、横取り工法をとることによってある程度下の交通もしながら、それで工事もできる、こういったことで開発された手法でございまして、これも全国でかなり現在まで行われておりまして、今までは一つも事故はなかったわけでございます。しかしながら、結果的に事故は起きたわけでございまして、また同じような事故がおこらないという保証もないわけでございますので、交通規制の問題がやはり重要であるということから、とりあえず交通規制を行います場合には現地で警察と道路管理者と事業を行う者と三者で協議をして決めますものでございます。道路管理者は建設省の直接の関係者でございますので、まず道路管理者に対しまして十分その辺を交通規制をした上で道路上の工事はやらせるようにということを課長名で昨日通達いたしました。警察に対しましてもそういう通達を出すよということにつきまして、あらかじめ御報告し了解をとっております。
 あわせまして、先生御指摘ございましたように、全国で類似の工事をやっている箇所が数百カ所ございますので、今後もまた新しく出てまいるわけでございますから、そういう事業者の方々に対しましてもそういうような形で指導をするからよく道路管理者等と協議するようにということで、これも昨日全部連絡をとりまして、とりあえずそういう方向で措置をさせていただいております。
#171
○説明員(永田俊一君) お答え申し上げます。
 いわゆる金融機関の土地融資に関します総量規制につきましては、導入以来の実績を見てみますと、昨年三月末の伸びでございますが、全国銀行の不動産用向け貸出残高の前年比の伸びを見てみますと一五・三%でございましたけれども、これが十二月末には三・四%へと急速に低下しております。したがいまして、総量規制の効果はそういう意味では着実に浸透しつつあるものと思っております。ただ、我々といたしましては、現在なおその効果を注意深く見守っているところでございまして、現時点におきましてはその総量規制を直ちに解除するという考えには至っておりません。
 今後の取り扱いにつきましては、先ほど先生御指摘になりましたような、発表されました地価の動向、今後の動向等にも加えまして金融機関の融資の動向だとか金融経済情勢、あるいは土地政策全般の推進状況等を総合的に勘案いたしまして、適時適切に対処してまいりたいと思っております。
 なお、先ほどちょっとおっしゃられましたみそもくそもということでございますが、これにつきましては本融資規制そのものがもともと投機的な土地取引等に係ります不適正な融資を厳に排除するということを求めてきたものでございまして、当初から住宅建設等に係る土地取引への円滑な資金の供給ということを図りつつ、この規制を指導してきたところでございます。
#172
○山田勇君 どうも大蔵省、御苦労さんでした。
 それでは、農住組合法の関係について質問をいたします。重複を避けて、割愛しながら質疑をします。
 この改正案によりますと、東京二十三特別区及び全国八百十四市町村と極めて広範囲にわたっておりますが、この法律は地域計画制度のように地域の生活向上に有用であり、私は当該法の存続には積極的に肯定するものであります。
 しかし、農住組合の設立状況を見ますと、昭和五十七年度から現在までにたったの十五組合ということであります。しかも、そのうち三重県では六組合、埼玉県で四組合も占めており、全国的には全く普及しておりません。また、宅地化促進臨時措置法の改正案においても要請土地区画整理事業の面積要件を五ヘクタールから二ヘクタールに緩和しておりますが、過去において当該地区整理事業の利用例は一件しかありません。
 このような農住組合制度にしても要請土地区画整理事業にしても、良質な市街地を形成する上で極めて立派な制度であるにもかかわらず、これが民主的な制度であるためか、なかなかの普及をしておりません。地域計画制度にしましてもおおむね五百地域と、全国的に普及しているとは言えません。今までこれらの制度が普及しなかった理由は何であったか、お考えでしょうか。これは先ほど来各委員が質疑をしておりますので、御答弁は結構でございます。
 今回、長期営農継続農地制度は平成四年度で廃止されることになりますが、これと連動して積極的に農住組合の設立、要請土地区画整理事業の実施を働きかけ、市街化区域の農地の無秩序な乱開発を防止し、美しい町並みの形成を図るべきだと考えますが、設立組合の目標数というのはあるのでしょうか。また、国土庁、建設省においてどのようなPR活動を行っていくのか、御答弁いただきたいと思います。
 そこで、先ほど午前中の石渡委員の質疑の中で、この計画というのはすべて農協といいましょうか、そこからの融資ということになっているやに質疑を聞いておりました。ところが、このごろは農家の方々もかなりいわゆる農協離れといいましょうか、農協から離れていってしまっている、しかしこの計画に乗ってやりたい、そこで農協からの融資でなく農協以外の都市銀行というか一般銀行からも融資を受けられないのか。これは農協という形の中でないとだめなのかというふうなことでちょっと疑問に思いますので、その辺もあわせて御答弁をいただきたいと思います。
#173
○政府委員(藤原良一君) 今回の改正によりまして、対象地域も三大都市圏から地方の県庁所在都市あるいは人口二十五万人以上の市等に対象地域を拡大していただくことにしております。そういう地域でも住宅需給が逼迫しております。また、農地も三大都市圏よりむしろ多く残っておりますので、そういう地域も含めてこれから十年間で三百組合は設立をしていきたい。ちなみに、各県で二年間に一組合設立されますとこの三百というのは達成可能なわけでございます。机上の夢にならないように一生懸命頑張っていきたいと思っております。
#174
○政府委員(立石真君) 農住賃貸住宅の建設につきましては、制度的には農協以外の一般銀行等でも貸し付けることができるというふうにはなっているところでございますが、実際には九九%以上農家と非常に密接に関係しております農協、かついろいろなノウハウ等についても支援をすることができる農協から貸し付けられている状況でございます。
#175
○山田勇君 終わります。
#176
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、三案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより三案の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに三案の採決に入ります。
 まず、農住組合法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#178
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#179
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木薪次君。
#181
○青木薪次君 私は、ただいま可決されました農住組合法の一部を改正する法律案、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    農住組合法の一部を改正する法律案、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案にたいする附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、勤労者が適正な負担で住宅を確保できるよう、今後とも総合的な地価対策を強力に推進すること。
 二、市街化区域内農地の宅地化に当たっては、勤労者世帯向けの良質な賃貸住宅が低廉な家賃で供給できるよう努めること。
 三、国及び地方公共団体は、農住組合制度が積極的に活用されるよう普及、啓発に努めるとともに、組合が行う事業に対し、良質な勤労者世帯向けの住宅が供給されるよう積極的な支援を行うこと。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#182
○委員長(矢田部理君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#183
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、西田国土庁長官及び大塚建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西田国土庁長官。
#184
○国務大臣(西田司君) ただいま農住組合法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会において熱心な御審議の上、全会一致をもちまして御可決いただきましたことを深く感謝申し上げます。
 本日の委員各位の御意見につきましては、これを十分尊重してまいるとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、御趣旨に十分沿うよう努力してまいる所存でございます。
 本法案の審議に関し、委員長を初め委員各位から賜りました御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表しまして私のごあいさつとさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#185
○委員長(矢田部理君) 次に、大塚建設大臣。
#186
○国務大臣(大塚雄司君) 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見やただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表しごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#187
○委員長(矢田部理君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#189
○委員長(矢田部理君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#190
○委員長(矢田部理君) 次に、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大塚建設大臣。
#191
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま議題となりました都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 都市公園等は、災害に対する都市の安全性の確保、活力ある長寿社会の形成、国民の健康の維持増進等に資する基幹的な公共施設であり、政府におきましても、これまで四次にわたる都市公園等整備五カ年計画を策定し、積極的にその整備の推進を図ってきたところであります。
 しかしながら、我が国における都市公園等の整備はいまだ著しく立ちおくれている状況にあり、他方、急速に進展する都市化と人口の高齢化、国民の意識の変化などを背景に、都市公園等の整備の要請は一層強くなっております。
 このような事態に対処するため、現行の第四次都市公園等整備五カ年計画に引き続き、平成三年度を初年度とする第五次都市公園等整備五カ年計画を策定すること等とした次第であります。
 以上が、この法律案を提出する理由でありますが、次にその要旨を申し上げます。
 第一に、建設大臣は、平成三年度を初年度とする都市公園等整備五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないことといたしております。
 第二に、国は、平成三年度以降五カ年間は、一定の公園または緑地の設置に要する費用に充てる資金の一部を、無利子で貸し付けることができることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#192
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#193
○種田誠君 ただいまの法案に対する第五次の都市公園等整備五カ年計画について伺いたいと思います。
 過去の公園の歴史をちょっと振り返ってみますと、日本では一八七三年(明治六年)の太政官布告、これによって最初に浅草とか上野、この周辺の遊観の地と言われているところが公園として名づけられた。こういうことから始まったようでありますが、その後一九〇三年には日比谷公園がつくられ、そしてまた新宿御苑の一部にフランス式の庭園がつくられた、こういうことがどうも公園の出発のようであります。しかし逆に、ではヨーロッパなどにおいて公園はいつごろからつくられたのか、これまた振り返ってみますと、そんなに古いものではなくて、都市公園というのはせいぜい百五十年ぐらい前からつくられ始めたと、こう言われております。そして、なぜつくられたのかといいますと、都市の生活が余りにもひどい状態で、健康的な場所をどうしても都市の中につくりたい、こういうところから都市公園などの設置というのが進められてきたやにうかがえることができるわけであります。また、かの有名なアメリカのセントラルパークにしてもロンドンのハイドパークにしてもパリのブローニュの森にしても、この百五十年以内につくられているわけです。
 ところが、日本の公園の普及率、個人当たりの占める面積率というものの余りにも欧米との開き、このことに関して唖然としなければならないわけであります。昨年、平成二年七月に都計審の方から答申がなされました。この答申にも端的に、社会資本の中で「特に公園のストックは著しく低い。」こういうふうな指摘を受けているところでもあります。そういう都計審の答申を受けて今回の五次五カ年計画が今つくられようとしているんだと思いますが、まず冒頭、この五次五カ年計画の緊急な公園整備に対応する大きな特徴を簡単に述べていただきたいと思います。
#194
○政府委員(市川一朗君) 平成三年度から第五次都市公園等整備五カ年計画が始まるわけでございますが、五次五計の最も基本的な特徴は何かというお尋ねでございます。
 先ほど来先生の御指摘にございましたように、都市公園の整備が欧米諸国と比べまして大変おくれておる。極めて端的に申し上げまして、欧米の都市では一人当たり大体二十平米を超えてございます。それに対しまして、現在私どもは平成二年度末で平均で一人当たり五・八平米ぐらいという見込みを持っております。最終的には何とか一人当たり二十平米まで持ってまいりたいという基本的な考え方のもとに、とりあえず今後十年間、公共投資基本計画に裏打ちされました考え方に基づきまして、一人当たり十平米まで目標を達成したいというふうに考えておりまして、それの中間点でございます第五次五計の五年後の目標値として計画総額ベースでは七・一平米ということを目標にした五カ年計画を策定させていただきたい。そのための計画総額五兆円ということをお願いしているわけでございまして、端的に申し上げますと、これが一番大きな特徴かなというふうに思う次第でございます。
#195
○種田誠君 実は、先ほど申し上げたヨーロッパにおける公園の歴史にしても、百五十年の間のある時期にとにかく一生懸命施策を展開してつくり上げているという、こういう過去の事実があるわけです。公園というものは、特にそこが生産の手段でもないわけですから、あってもなくてもいいように思われる。そうしますと、ある時期に一気に欧米が取り組んだように、取り組めるときに真剣に取り組まないとこのような公園の整備ができないという、これが一つの過去の教訓じゃないかと思うんです。
 そして、今局長の方で数字を述べられましたけれども、昭和四十七年に第一次の年度が始まったわけです。率直に言って、それからもう二十年が過ぎようとしているわけであります。そういう時期に、では一体日本の公園の国民一人当たりに占める割合は、投下した資本に対してどうだったろうかという問題。そして、もう一つ参考になるのが実はあの西ドイツで、局長ももう当然御存じだと思いますが、ゴールデンプランというプランを一九六〇年につくりまして、そして二十年の間に全国八万カ所に児童公園をつくり上げたわけです。
 こういう過去の事実もあるわけでありますが、そうしますと、今私たちが本当に公園の面積を欧米まではいかなくても欧米に近いところまでこの際持っていこうとしますと、ただ漠然と公園を面的に何かやろうということでは、つくり上げることが私は不可能なんじゃないかと思うんです。その辺、西ドイツのゴールデンプランなどをちょっと参考にしながら、局長の方でさらに具体的に今の施策を展開する上で今回何をポイントとしてやっていったらいいか、述べていただければと思います。
#196
○政府委員(市川一朗君) 我が国の都市公園につきましては、まず基本的に国民の日常生活に密接に関連するいわゆる身近な公園、その代表は児童公園でございますが、それから始まりましていわゆる運動公園等の大規模公園まで多角的に計画的に整備を進めてまいる必要があるというふうに考えておる次第でございます。
 何といいましても国民の日常生活におきまして毎日接触する機会の多い公園は身近な公園でございまして、私どもはこれまでの間、ただいまも御指摘ございましたように、昭和四十七年から第一次五カ年計画が始まっているわけでございますが、その後これまでの間、特に児童公園の整備に重点を置いてやってまいりました。西ドイツのゴールデンプランも大体基本的には同じような考え方ではなかったのかなと思う次第でございますが、おかげさまで児童公園の整備はかなり進んでまいりました。
 しかしながら、身近な公園といたしまして、さらに私どもは近隣公園あるいは地区公園といったような形の公園のネットワークというものを考えてございますが、そういう観点からまいりますと、特に行動半径、行動距離にいたしまして約一キロぐらいのところで一カ所は必要であると考えております地区公園とか、もう少し近間の近隣公園、こういったようなところの整備が非常におくれておりますので、この辺をひとつ今後の五カ年計画では特に重点的に整備していく必要があるかなというふうに思っておる次第でございまして、ただいまの先生の御指摘はまことに私どもにとりましても力強い御指摘というふうに理解する次第でございます。
#197
○種田誠君 今児童公園の整備はかなり力を入れてきたということで、私も数字などを見せていただくとその実績が把握できるわけですけれども、それにしても、先ほど申し上げたように西ドイツは二十年の間に八万カ所の児童公園をつくっているわけですね。日本はこの二十年の間に約四万五千カ所です。その辺の取り組みの違いなのか、それとも何か施策の違いなのかはっきりはしませんですが、そういう二十年の間にも差があったという、その辺のところも今日やっぱり事実として認識をしていただきたいと思うわけであります。
 そして、今局長が申されたように、まさにこれから私たちが日常生活を送る上でより人間的な安らぎとか、人間的なゆとりとかそういうものを得る場所として、まさに私たちが歩いていける一キロ、二キロ以内のところに公園を整備していく、これは本当に急務だと思うんですね。そういう意味では、これはやはり先ほど申し上げた都計審がその点は強く指摘をしているところでもあると思うんです。
 そこで、ちょっと伺いたいんですが、今までに局長は、今後五年先、十年先の一つの見通しを述べておられました。過去のこれまで二十年間の実績などを拝見しますと、一次五カ年の間に一人当たり一平方メートルという数字を上げることに大分苦慮してきたんじゃないかなと、こう思うんですね。そして、今日において見込みも含めて約五・八平米だと言われておる。ところが、今度の五次五カ年で七・一平米以上にしたい。さらには二〇〇〇年の平成十二年には十平米にしたいと言うんですが、これは今までやっと一平米を上げるのに五カ年間かかっていた、それ以上に大変な面積をふやさなければならないわけですね。実際これは可能でしょうか、どのような手だてを考えていますか。
#198
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、確かに第一次五カ年計画が始まりました昭和四十七年度は一人当たりが二・八平米でございました。それから五カ年〇・六平米ないし〇・九平米ぐらいずつの割合でふえていってまいりまして、今年度末で五・八平米に達する、それを五年後は調整費も入れますと七・一という五計の目標になっておりまして、達成可能かという御指摘でございますが、私どもも容易なことではないというふうに認識しておるわけでございます。
 基本的には、お金のかかることでございますから、五カ年計画の総事業費でございます五兆円の確保ということがまず第一に大きな課題でございます。これを毎年度の予算編成ないしはいろんな形での事業の推進の中で、例えば宅地開発事業が進みますとそこで公園ができるとか、そういうこともございますので、そういったようなことも含めての公園の確保等も必要でございますが、何よりもやはり公園が必要な場所は都市の中でございます。特に大都市の中でございます。その場所での用地の確保といった問題は大変難しい問題でございます。
 したがいまして、もちろん基本的には用地の確保に努めるわけでございますが、できるだけ新たな用地を取得しないで済む都市公園の整備といったようなこと、例えば下水処理場と公園との重層的な整備とかいろいろな方法があるわけでございますが、そういうことも含めまして目標達成のために努力すれば、目標は達成できるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
#199
○種田誠君 恐しいのは、一九九六年から二〇〇〇年の間に今度三平米を達成しないと国際公約を果たせないわけですね、もちろん国際公約を果たすよりも、まさに我々国民が快適な公園というものを私たちが使用できないわけです。ですから、そういう意味ではこれは建設省は大変なことに今取り組もうとしているなと、こういうような位置づけにあると思うんです。
 そこで、私ちょっとこれは残念な結果だと思うんですが、昨年の新聞を拝見していましたら、八月八日付の毎日新聞ですけれども、建設省が公園整備五カ年計画事業費を倍増、六兆二千億円を要求と、見出しにこういうふうに書いてあるわけです。そして、建設省の方で今局長が述べられたような視点で頑張るんだと、何としてもこれをやり切らなければ国際的な約束も果たせないような、こういうふうなことが記事に書いてあるわけです。それが今日私どもの前に今予算案として出されているのを見ますと、五兆円という数字に下がっているんですね。これはどういうことで下がってしまったのですか。
#200
○政府委員(市川一朗君) 確かに、私ども八月の概算要求の時点では、五次五計の計画総額六兆二千億円ということで要求いたしました。十二月の決着ベースで五兆円ということになったわけでございますが、六兆二千億円の要求に際しましては、いろいろと国庫補助の対象範囲の拡大とかそういった事業の推進に地方公共団体の負担が少なくて済むような方策もいろいろ含めまして要求いたしておりました。それからもう一点、目標値も一人当たり七・二平米ということで要求いたしました。その辺は、現在五・八でございますから、日米構造協議の議論でも七平米を上回るというような議論をしておったのではないかとかといったような財政当局とのやりとりもございまして、最終的に目標値である七平米を上回る、調整費込みで七・一平米という数字が五兆円あれば目標を達成できる。私どもとして必ずしも十分完全に納得の上応じたというわけではございませんが、やはりこの辺は財政当局との国家財政全体での運用の問題もございますので、そのあたりのところで処理をしたということでございます。
#201
○種田誠君 諸般の事情は十分理解できますが、先ほど申し上げたように大変な数字の達成に取り組もうとしているわけですから、まあ五兆円と言わず今後ともいかに予算をふやすかということにぜひとも専念してもらいたいと思いますし、大塚建設大臣も、来年度予算編成時期まで大臣をやっておられるとするならば、ぜひその辺のところをお願いしたいと思うわけであります。
 次に、先ほど地区公園の整備というのを力を入れていきたい、こういうふうなお話があったと思うんです。そして、この地区公園について都計審の答申をちょっと拝見しますと、ここにもまだ大変なことを要求されているわけです。何と「近隣公園、地区公園について、二十一世紀初頭には充足率を一〇〇%とすることを目標として、西暦二〇〇〇年にはおおむね七五%、今後の五箇年ではおおむね五〇%とすることを目標に、計画的な整備の推進を図る必要がある。」こういうふうにかなり厳しく指摘をされているわけでありますが、この都計審の答申に今後の五カ年計画はこたえられる方向で取り組んでおりますでしょうか。
#202
○政府委員(市川一朗君) 地区公園の基本的考え方でございますが、私ども公園のネットワークの考え方を持っておりまして、基本的には半径一キロでございますから二キロ平方キロのちょうど真ん中に一カ所地区公園があって、その周りに四カ所に近隣公園がある。それぞれのところで児童公園がまた一カ所ずつある。したがいまして、児童公園は大体二百五十メートル動けば児童公園が一カ所ある。それから、いわゆる近隣公園は五百メートル移動すれば一カ所ある。地区公園は一キロ動けば一カ所ある。これを私ども身近な公園のネットワークとして考えておりますが、充足率一〇〇%といいますのはそれがすべて満たされた状態ということでございまして、地区公園ベースでございますと、別な指標で見ますと約人口当たり四万人に一カ所とかそういったようなことになるわけでございます。
 今回の五カ年計画が達成される時点ではとてもそこまではまいりませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、五次五計の基本的な考え方がそういった長期的目標に沿って策定されておるものでございまして、この五カ年計画はかなり私どもにとりまして前向きで勢いのある五カ年計画だと思っておりますので、そのような考え方が今後とも国家財政の厳しい情勢の中でなお支持され継続されるならば、私どもは必ずや都計審の御指摘に沿えるような計画であるというふうに思っておる次第でございます。
#203
○種田誠君 地区公園、これは私どものところにある資料では平成元年三月現在で九百八十二カ所、うち八十カ所はカントリーパークでありますが、この地区公園、率直に言いましてこの五カ年計画ではあと何カ所ぐらいふやすのか、そういうことについて局長の方で述べることができますでしょうか。
#204
○政府委員(市川一朗君) ちょっと箇所数はあれでございますが、先ほどの充足率というものではデータを持っておりまして、五十年末ごろが一八・三%で六十三年度末の数字では三三%でございます。
 そういったようなところで一〇〇%に達成するまでにどういう割合になるかというようなことに関しては、それはちょっと具体的な数字は持っておりません。
#205
○種田誠君 先ほど局長の方で大体一区画というか、公園が対象になる人数としては、そうすると四万人ぐらいが一つの地区公園を使用する対象になるということですね。単純計算で日本の都市計画区域の中に人が何人いるか。一応一億二千万のうちの一千万弱ぐらいが多分都市計画の対象になると思うんです。そうした場合に、四万人で割ったら少なくとも何千という単位ですね。例えば二千以上の単位になると思うんですよ。そうすると、今九百八十二で約半分です。そういうのを大体この答申が言っているように二〇〇〇年には七五%ぐらいまで持っていける数字でしょうか、今の進捗の方向で。
#206
○政府委員(市川一朗君) 地区公園に特に重点を置くことによりまして達成は可能であるというふうに私どもは認識しております。
#207
○種田誠君 その点についてはぜひ努力をしていっていただきたいと思うわけであります。もちろん、公園についてその他たくさんの公園が今建設省では施策を展開されているので、地区公園に限らず多くの力を入れてもらいたいと思うんです。
 そこで一点、私五年前の会議録をちょっと拝見しておりましたら、青木理事が実はこの都市公園の問題について五年前にこの委員会で質疑をしているわけであります。そこでそのときにも青木理事は指摘をしておるんですが、都計審の答申は防災公園整備推進のために五カ年計画で整備目標を明記するように求めている、だけれどもなぜ明記しないんだ、こういうようなことを青木理事さんが五年前にここで述べているわけであります。それをちょっと拝見しますと、牧野さんという当時の局長さんが、まあ明示できない理由はあるんだということですが、どうも読んでもはっきりしないんですね。何かこう明示すると後で弾力的な運用とか機動的な運用ができない、財政的にもいろいろ諸事情が今後動くからだ、こういうようなことで明示できないというふうに言われております。
 しかし、今回もこの平成二年の都計審も見ますと、防災公園に関しては、都計審も今後「整備の推進のため講ずべき措置」として、防災公園については整備目標量を明記すべきだ、こういうふうな答申が出ているわけです。この辺について、多分五年前の答えと同じゃないかと思うんですが、その後変わって今後新たにこの辺のところを対策があるんだというならば、答弁をお願いしたいと思います。
#208
○政府委員(市川一朗君) 五カ年計画の根拠法であります本法案の改正を御提案しておる段階では、まず基本的には総額の中では一般公共事業費と地方単独費と分けた総額を決めておるわけでございますが、それから目標値といたしましては、先ほど来出ております一人当たり何平米というところでございまして、各公園種別別の数量が出てないわけでございます。
 基本的には、この法案が通りましてから法律に基づきます五カ年計画閣議決定がございます。そのときにかなり具体的に各公園ごとの数字が出てくることになるわけでございますが、ただいま確認いたしましたところ、防災公園というような形までは、やはりそこまで具体的な数字は出ないようでございますが、できるだけトータルとして、一つの組み合わせとしては、大体どれぐらいの公園がどういうことで整備されることをこの五カ年計画が目指しているんだろうかというようなことは、およそわかるような内容の五カ年計画が閣議決定のベースの段階では出てまいってくるということでございます。
#209
○種田誠君 今の問題は、一つの計画を実行していく上では極めて重要な問題だと思うからこそ、多分答申で五年前にも今回も措置を促しているんだと思うんです。
 大臣、先ほど来私は西ドイツの児童公園のゴールデンプランの話を申し上げました。これは二十年間の間にトータルの予算もおおよそ決めて、個数まで決めちゃって、そして一気に二十年間の間につくり上げてきたわけですね。ですから、今局長が述べていた、目標達成のために特に地区公園などに力を入れるという場合、具体的にもう少しめり張りをつけたそういう目標をはっきり置いた公園の計画づくり、実行ということは今後閣議などで明確に取り組んでいただけるものでしょうか。
#210
○国務大臣(大塚雄司君) 若干私見が入って恐縮でありますが、ヨーロッパと日本の公園に対する認識というのが大分違うように思うんです。いわゆる都市国家で成り立ったヨーロッパの人たちは、城壁の中に人口がふえてきたものですから、住宅もそのアパートメントは昔からのものでありますし、そのために公共的な広場というものが非常に必要だという認識は、我が国のように一戸建てに庭という住居が長かった国とは若干違うだろう。
 しかし、今御指摘のように、第一次五計から今日まで公園の整備についても建設省としては随分努力をしてまいりました。いわゆる公共投資の配分比でいいますと、二十年前には〇・一%でございましたが、現在では二・三%、倍率で言うと二十三倍ということになるわけでございまして、これからの生活環境や文化機能を大事にした公園を整備するという一つの方針のもとで今回の五計もお願いをしておるわけでありますが、いわゆる児童公園、近隣公園あるいは地区公園といった整備の目標に少しでも近づけるという努力をこれからさらにやっていく。今日までの道路の整備とか公共投資にはいろんな種類のものがありましたが、生活に密着したものを重点を置いてやっていこうということになりますから、やや今日までよりは速度が速くなるというふうにも認識しておりますし、今お示しのように、閣議等で公園の重要な認識を当然のことながら申してまいりたい。
 しかも、土地基本法で御承知のように公共の福祉を優先するということも決めていただいたわけでありますから、国民の各位にもこのような公共施設をつくることに御協力をいただくということとも相まって、私は何かと目標を達成するために努力してまいりたい、このように思っております。
#211
○種田誠君 ぜひよろしくお願いをしたいところであります。
 そして、実はこの公園の事業を大きく進める上でも国民の理解を得なきゃならない、とりわけ自然とか緑、そういうものとのかかわりにおける人間の生活の必要性、関連性、必然性、そういうものをやはり広く広めていくこともこれは重要だと思うんですね。
 そういう中で、実は私の地元の茨城県で平成五年には緑化フェアが予定されているわけであります。そして、この緑化フェアは、実は百五十年前につくられました偕楽園、この周辺の千波公園と合わせての場所にメーンの舞台がつくられて行われるわけであります。まさに、私は最適な場所に緑化フェアのメーンの地を選んだなと思うわけでありますが、それはいわゆる緑化フェアというものを単に木を植栽するというのじゃなくて、偕楽園というのは実は千波湖や周辺の自然の景観やそしてトータルとしての風景をまさに公園として位置づけているわけですね。そういう中での今回の緑化フェアなものですから、何としても多くの皆さんのお力添えで成功させていただきたい。
 こういう気持ちを持つと同時に、実はもう一点、今後の公園行政のあり方において、私は、百五十年前に水戸の斉昭公が偕楽園を景観とともにつくり上げた、こういう手法を公園の中にもぜひ生かしていただきたいと思うんですが、実は大臣、大臣において公園と景観というのに関してどのような考えを持っておるか、ちょっと伺わせていただきたいと思うんですが。
#212
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほども若干申し上げましたが、公園にはいろんな役割がありますけれども、当然のことながら、そこの住民やあるいはその地域の自治体等が力を入れて、その地域の歴史とか文化とか、こういうものを織り込んだ公園をつくっていくことは非常に好ましいことであります。また、今後進めなければならない課題だと思っておりますので、積極的に対処をしてまいりたいと思っております。
#213
○種田誠君 今大臣の言葉の中にもあったんですが、公園というのはその時代の文化の象徴とも言えるわけですね。その文化がやはり長い歴史、水戸の公園の場合には百五十年の歴史の風雪に耐えて今日私たちにすばらしい景観というのを与えてくれているわけです。そういう視点で公園行政に取り組んでいただきたいと思います。
 そして、今回の緑化フェアの件で一、二点お伺いしたいんですが、平成五年の三月二十五日から行われるわけなんですが、今回のこの緑化フェア、先ほど申し上げましたように、偕楽園とか千波公園というその一つの風景の中で、公園の中で行われる緑化フェアなものですから、その辺の地域性というか特徴というのを十二分に生かしてもらいたいと思うんですが、どういうイメージでこれはなされようとしておりますでしょうか。
#214
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘がございました第十回全国都市緑化茨城フェアでございますが、これは平成五年三月から五月三十日まで開催されるものでございまして、開催テーマは「緑と歴史のロマンを求めて―心と文化が共鳴する魁の街づくりー」ということでございまして、茨城県水戸市等が中心となりまして、ただいまお話がございました百五十年の歴史を持つ偕楽園、それから千波公園をメーン会場として開催されるものでございます。
 私どもといたしましては、ただいま御指摘ございましたように、水と緑と歴史の町づくりを目指しまして千波湖周辺整備計画といったものを地元でおつくりになっておりまして、歴史的にも価値の高い偕楽園と一体となりました地域全体が、自然と豊かな都市景観に恵まれました整備が進むようにということを念願した事業でございますので、積極的に建設省といたしましても御協力し、必要な指導もしてまいりたいと思っておる次第でございます。
#215
○種田誠君 この緑化フェア、今の局長の答えにありましたような形でぜひ進めていただきたいと思うんですが、その緑化フェアに委員の先生方にもたくさんぜひ来ていただきたい。来ていただくのはいいんですが、もしそのある時期にちょっとした雨が降りますと、このメーン会場の中心部分が実はすぐに水が出てしまう、道路が通れなくなってしまう、ちょっと大雨だというと車を投げ捨てて逃げなきゃならない、そういうふうな地域にあるわけですね。したがいまして、多くの委員の先生方に来てもらって大変な御迷惑をかけるというようなことは、これは決して許されることじゃないと思いますので、この緑化フェア、千波公園周辺の整備の中で水が出るような道路状態をぜひとも改善してもらいたい。近々にこれは直してもらわないと、どうも百万人から百五十万人の来園者があるだろうと言われているフェアでありますから、そのためにもこの道路の改修をお願いしたいと思うんですが、その辺ひとつ、道路関係の方がおりましたらお願いしたいと思うんです。
#216
○政府委員(市川一朗君) ただいまお話がございました会場を結ぶアクセスとしての道路でございますが、水戸―茨城線と偕楽園駅とを結ぶ道路が一つでございます。この路線は、水戸中心市街地と外環状道路でございます国道五十号バイパスを結ぶ幹線道路でもございまして、平成五年三月開催予定のただいまの緑化フェアの主会場へのアクセス道路ということにもなりますので、特に偕楽園駅付近につきまして平成二年度に事業に着手して街路整備を現在進めておるところでございます。JR常磐線の梅戸立体交差から元台町河和田線までの間につきましては、平成四年度末までに完成させる予定でございます。
 道路が雨で水没するという問題に関しましては、この街路事業によりまして路面の高さが現況よりも約一メートルほど高くなる計画になっております。それから、当該路線と並行して流れております桜川につきましても河川改修を同時に実施しておりまして、冠水に対する対策といたしましては万全を期していると理解しておるところでございます。
#217
○種田誠君 偕楽園という一つの大きな公園があって、千波湖を取り囲む何と三百ヘクタールの大公園です。アメリカのセントラルパークが三百四十ヘクタールですから、それに匹敵する公園がつくられる。その中での緑化フェアである。今局長が述べられたこの道路問題さえ解決すれば多分万全にいくと思いますので、ぜひともこの道路問題に関して、しかも道路をつくるだけではなくて、公園の中を走る道路だ、こういうふうな視点から最良の配慮をお願い申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わりにいたします。
#218
○石井一二君 石井でございます。
 私は、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案関連並びに当建設委員会の所管官庁でございます国土庁並びに北海道開発庁に対しまして若干の質問をいたしたい、そのように思います。
 なお、いろいろ公園絡みで聞きたいこともございますが、ただいまの種田委員の質疑の中で一部重複事項も出ておりますので、なるべく重複を避けながらフレキシブルに質問をしてまいりたい、まずそのように思うものでございます。
 公園と申しますと、それぞれ皆さんもういろんな角度から利用されておると思いますし、良好な都市環境をつくるということはもとより、災害時には避難場所としての大いなる意味もございますし、また住民のレクリエーションの場としても健康の維持増進にも資するなど、我々国民生活に密着した貴重な憩いの場であると私は理解いたしております。
 さて、先ほど来公園の整備に関しまして、我が国の公園の整備水準と諸外国の公園の整備水準について論議がなされておりました。ただ単に五・八平米が我が国で、欧米では二十平米だといったような面積の比較もさることながら、同じ公園でも、公園の中にいろいろ木だとか泉だとか、そういったことも含めて質的な違いというものが若干あるのではなかろうかと思うわけでございます。
 と申しますのは、我が国は御承知のように八割近くが山で占められ、しかも人口密度の高い先進国でございます。そういった意味で、公園をつくるということがそうやすくないと思うわけでございますが、まず我が国の公園、特に質的な観点から、諸外国の公園と比べてどのような違いというものを感じておられるか、お伺いしたいと思います。
#219
○政府委員(市川一朗君) 我が国の公園の整備水準と諸外国の都市の公園の整備水準につきましては、先ほど御指摘がございましたように、私どもは一人当たり何平米という数字を持っておるわけでございまして、例えば最も代表的な例といたしましては、ロンドンは一人当たり三十平米でございます。ニューヨークで十九・二平米、大体主なところが二十平米を超えておるという状況でございまして、我が国はそれに対しまして今年度末で五・八平米でございます。ところが、我が国の場合は、例えば東京が一人当たり三平米未満でございまして、横浜も似たようなものでございます。東京、横浜、大阪は大体似たようなものでございます。それから、名古屋がその倍ぐらいでございまして、神戸市が若干ぬきんでております。そういったようなことで、我が国の場合は平均いたしますとそういった数字になりますが、また都市ごとに見ました場合には、大都市ほどおくれておるといったような実態もあるわけでございます。
 それから、公園の質的な水準という意味におきましては、私どもとりあえず身近な公園として児童公園の整備にかなり早くから取り組んでおりまして、それから近隣公園、地区公園、いわゆる身近な公園として私どもの言葉で住区基幹公園と呼んでおりますが、そういった日常生活の中で徒歩で行けるようなところの公園の整備ということにまず基本的に重点を置いてございます。
 それから、もちろん運動公園等の大規模公園、さらには国営公園の整備も現在は進めておるわけでございますが、概して見ました場合には、ヨーロッパの公園は身近な公園も含めましてかなり規模の大きな公園の整備が進んでおる、我が国はその辺はかなりおくれておるといったような現況もあろうかなと、これはちょっと感想に近い御答弁で恐縮でございますが、そういう認識をしておる次第でございます。
#220
○石井一二君 これまでの質疑で一人当たり五・八平米、そういった数字が出たわけでありますが、また今局長答弁の中で具体的な都市の名前も幾つか出てきたわけですが、例えば政令指定都市と一般的な都市の都市公園、これと比べて具体的に数字でどれぐらい差があるかちょっと示していただきたい。
#221
○政府委員(市川一朗君) 平成元年の三月末の数字を手元に持ってございますが、この時点では一人当たり都市公園面積は、全国平均五・四平米でございますが、政令指定都市の平均は四・三平米でございます。少ない方の代表が先ほど申し上げましたように東京二十三区、大阪市でございまして、大きい方といたしましては札幌市が七・二平米、名古屋市で五・一平米、福岡市で六・八平米、特に整備水準が高い都市といたしましては神戸市でございまして、一人当たり公園面積は十二・五平米となっております。
#222
○石井一二君 私の故郷の神戸がたまたま高いということを強調していただいてうれしい気もするわけでございます。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、先ほど来の答弁を聞いておりますと、胸を張って、最近では公園関係の予算はふえておるんだ、例えば二十三倍だといったような具体的な数字も挙げられましたけれども、地価の高騰がそれを上回るスピードで上がっておった場合、土地の取得も含めてのそういった予算であるとしたら、相殺されてなお足らぬということもございます。その辺どのような御所見をお持ちか、伺いたいと思います。
#223
○国務大臣(大塚雄司君) 建設省が所掌する公共事業は大変に大きいわけでありますが、そのどれをとりましても用地費の占める割合が多ければ多いほど事業量の消化は苦しくなるわけでございます。
 まさに公園の場合も御指摘のとおりでございまして、この地価を安定させるということが何より大事でありますけれども、昨日発表になりました地価公示を見ますと、若干安定化方向に来ておりますが、まだまだという感でございます。さらに地価を下落させるというか、もっと下げて少しでも公共事業が進んでいくように努力をしてまいりたい。
 ただ、公園の場合には用地を取得してつくる公園もありますけれども、実際には宅地開発をやりましたり、あるいは都心でございますと再開発をやるときなども公園を整備することを一つの大きな柱といたしておりますし、また地区計画とかあるいは再開発地区計画とか、あるいは総合設計制度というような都市計画の諸法制でやる再開発につきましても、いわゆるオープンスペースを少しでもつくるということでありますから、児童公園とか種類にもよりますけれども、必ずしも用地取得だけでやるわけではございませんので、それらのいろいろな手法をまぜ合わせまして、何とか所期の目標を達成するような努力をしてまいりたい、このように思っております。
#224
○石井一二君 私、冒頭、公園はただ単に欧米と面積だけ比較せずにやや質的な問題もあるということを申し上げましたけれども、御承知のように我が国はこれから高齢化時代へと進行してまいります。特に御高齢者の方々が健康だし、ゲートボールも含めて公園で時を過ごしたい、こういった場合に、高齢者が利用することを配慮した都市公園というものは今までの公園と違った趣を持ってしかるべきであろうと思いますが、そのような意味で何らかのお考えがあるかないか、あるいはまた具体的に第五次五カ年計画においてこの点についてどのような配慮がなされつつあるか、お答えがあれば伺いたいと思います。
#225
○政府委員(市川一朗君) 御指摘がございましたように、我が国の高齢化社会はこれからますます進むわけでございまして、私ども公園整備におきましてもこの高齢化社会に対応いたしまして活力ある長寿社会の形成のためには、高齢者の方々の行動圏を考慮いたしまして日常的に余暇利用の場となる都市公園の整備を図ることが極めて緊要な課題であるというふうに思っております。
 現実に、都市公園の利用状況等も調べてみますと、児童公園ですら子供さんとほぼ同じくらいの割合でお年寄りの方々が利用しているわけでございまして、ほとんど毎日利用されている方が一番割合が高いというような点もございます。
 私どもといたしましては、そういったような状況も踏まえまして、この新しい第五次五計の一つの大きな柱といたしまして高齢化社会対応の公園整備ということを掲げておるわけでございまして、もちろん具体的にお年寄りの方々が利用しやすいような施設整備といったようなことも含めた公園整備も考えておりますし、あるいは休憩所とか花壇等の触れ合い交流、あるいは自然との触れ合いといったようなことも考えられるような施設整備も考えておりますが、何よりもかによりも、先ほど来御答弁申し上げておりますように、歩いて行けるところにきちっと公園があるということがお年寄りの方々にとりましても非常に利用しやすい公園整備であるという考え方から、公園のネットワーク整備を進めるということがすなわち長寿社会対応であるというふうに思っている次第でございます。
#226
○石井一二君 公園のポジティブな面とネガティブな面とあろうと思いますが、例えば公園という場が時たま諸犯罪の発生の場所になることもある。こういった中で第五次、第六次とどんどん計画が進められていく上において、そのような構造的な配慮ということを今言ったような面からお考えになっておるかどうか、ちょっとその辺をお伺いしたいと思います。
#227
○政府委員(市川一朗君) 現在、都市公園のいわば整備基準の中で、政令あるいは局長通達等でいろいろ指導させていただいている中に、例えば保安上または安全上必要な場所に照明施設を設けるとかあるいは擁壁、さく等を整備するといったようなこともあわせて考えておるわけでございますが、ただいま御指摘のような点に関しましては一つの重要なテーマというふうには認識してございますが、特に公園のそういう防犯というような観点からの整備を五カ年計画の中でテーマとしては掲げてございませんので、これからの検討課題であるというふうに認識しております。
#228
○石井一二君 昨年六月に出された日米構造協議の最終報告においても都市公園等の整備目標が設定されております。このことと今回の第五次都市公園等整備五カ年計画との整合性をどのように理解したらよいか、大臣の所見を伺いたいと思います。
#229
○国務大臣(大塚雄司君) お話のとおり、日米構造協議の最終報告で、今後十年間、四百三十兆円の公共投資をするということで基本計画を定めたところでございます。
 その中には、ただいま御指摘の公園の十平米あるいはまた住宅その他、それぞれの目標を定めて整備目標を持ちまして進めるわけでありますが、この平成二年度に最終年度を迎えます八つの分野の五カ年計画のうちで、建設省は五カ年計画を五つこれからスタートするということになっておるわけであります。その一つが今お願いをいたしておりますこの都市公園等整備緊急措置法でございます。
 先ほど来の御論議にございますように、確かに五・八平米を一九九五年には七平米、そして二〇〇〇年には十平米、かなり目標が厳しいという御指摘もありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、いわゆる公共投資の配分比は生活関連あるいはまた文化機能の公共投資に比重をかけてきておりますし、今後もますますそのような方向に向かっていくものと考えておりますので、何とか達成をすることができるであろう、またせなければならない、このように認識をしているところでございます。
#230
○石井一二君 昨今、我が国にとりまして日米関係は極めて重要でございまして、海部総理もごく近々首脳会談のために渡米される。こういった中で、今都市公園に絡んで日米構造協議の問題を私は取り上げておるわけでございますが、建設行政全体から見てみると、公園問題のみならず数多くの問題というものが日米構造協議の中でも示唆されておると思いますが、大臣はその現実についてどのような理解をされ、平成三年度の予算編成等においてどのような姿でその実態というものを具体化しつつあるのか、若干の御所見を伺っておきたいと思います。
#231
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほども若干申し上げましたように、都市公園、下水道、海岸事業、特定交通安全施設あるいは住宅建設につきまして、今年度スタートする五カ年計画ではその整備目標を決めたわけでございます。
 これらの実施につきましては、先ほどもお話をしました地価の高騰がブレーキになるということも否めない事実でありまして、地価の安定を求めるとともに、最近のいわゆる人手不足からくる公共事業の進捗に与える影響というものも十分判断をしながら、いわゆる国際公約的なこのような目標を何としても達成をしなければならない。しかし、一九八〇年代の投資を見ますと約二百六十三兆円ということでございまして、それに対する今後十年の四百三十兆円は約一・六倍ということでございますから、今年度も六%の伸びを示した建設省の予算でありますけれども、逐年これから予算の獲得に全力を挙げるとともに、現在のような景気そのものが維持できるものであればこれもまた達成する大きな足がかりになろうかと、このように考えておるところでございます。
#232
○石井一二君 今我が国において非常に多くの大プロジェクトと称されるものが進行中でございます。例えば関西新国際空港しかり明石海峡大橋しかり東京湾岸横断道路しかり等々でございますが、先般関西新国際空港の大幅な工事の遅延ということが発表されている。このような事態というものがほかの大規模工事においても起こり得るのではないか。なぜならば関西新国際空港の場合、事前にあれだけの事前調査費を使い、期間も設け、慎重に慎重な調査をし、その結果、なおかつ予測しなかった事態が起こっておる。また、先ほど来質問にも出ておりますような工事の途中におけるいろんな昨今の事故の可能性等々を踏まえて、いろいろ我々心配事項も多いわけでございますが、大規模プロジェクトの進捗状況等について現在建設省としてどのような理解に立って見ておられるか、ちょっと御所見を伺いたいと思います。
#233
○政府委員(鈴木政徳君) ただいまお話のございました関西国際空港でございますが、私どもも運輸省の方から昨年の十二月に地盤沈下等によりまして一年三カ月おくれて平成六年夏ごろの開港になるというふうに伺っているところでございます。建設省としましては、関西空港につきましては閣議決定されております関連施設整備大綱に基づきまして道路、河川、住宅、下水道、公園等の整備を計画的、効率的に進めているところでございまして、引き続きこうした関連施設の整備につきましては努力していく考えでございます。
 あわせて、お話のございました大規模プロジェクトでございますが、建設省が行っております例えば明石海峡大橋につきましては、御承知のとおり、神戸市と淡路島を結ぶ橋長三・九キロの海峡大橋を含む全体計画三十六キロの事業でございますが、現在下部工や主塔の工場製作等を進めておりまして、平成九年度の完成を目途に鋭意工事を進めているところでございます。
 また、東京湾横断道路につきましては、川崎市と千葉県の木更津市を結ぶ延長十五キロ余りの幹線道路でございますが、現在人工島の地盤改良工事を進めておりまして、平成七年度の完成を目途にこれも鋭意工事を進めているところでございまして、関西国際空港のような問題は現在のところないと承知しております。
#234
○石井一二君 ない、とかなり自信を持って申されましたが、結果は見てみないとわからないと思いますが、いずれにしろ順調に進んでおる、そのように理解をいたしたいと思いますが、関西新国際空港の場合地盤沈下もありましたけれども、今後一般論としていろいろ工事の遅延が予測される場合に原因として考えられることは、いろいろある中で人手不足という面もなきにしもあらずと思うわけでございますが、そこで、昨今人手不足が言われる中で建設業において外国人労働者の問題というものが若干あろうかと思います。
 例えば平成元年に不法就労として摘発された外国人一万六千六百八人のうち建設作業員は五千六百五十三人、これはかなり高い三四・〇%を占めておるわけでございます。そして、平成二年六月一日より施行された改正入管法に関しましては、建設業について技術の受け入れはいいけれども、技能の場合には従来どおり日本人でなし得る限り受け入れは認めない、このようなルールもあるようでございますが、だれにでもわかるような平易な言葉でこの技術と技能の違いというものをちょっと御説明いただきたいと思います。
#235
○説明員(坂本栄治君) お答えいたします。
 在留資格上の技術と技能の違いにつきまして申し上げますと、入管法上の技術と申しますのは、自然科学部門におきまして、一定事項について学術上の雇用等の条件を含めて理論を実際に応用して処理するための能力を申しまして、具体的にこの在留資格に該当するものといたしましては、コンピューター技師であるとか建築の設計技師など、そういった専門的な技術をお持ちの方ということを考えております。
 他方、入管法上の技能と申しますのは、一定の事柄につきまして主として個人が自己の経験の集積によって有している能力を申しまして、具体的に申しますと、この場合は調理とか食品の製造などに係る技能で、外国において考案され我が国において特殊なものとされているもの、いわゆる外国の料理のコックさんとか、また同じようなもので外国の特有の建築とか土木に係る技能について行う人たちということで考えております。
#236
○石井一二君 不法就労助長罪というものが新設されておると私は理解をいたしております。これは建設業務等で不法就労に強く関与した場合に、外国人を直接雇用しておる当事者だけでなく元請であっても罰せられる、こう理解いたしておりますが、具体的に摘発例があるのかどうか。また、この新設された助長罪の功罪についてどのような御所見を持っておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#237
○説明員(町田幸雄君) 昨年六月一日から施行されました改正入管法で、いわゆる不法就労外国人対策の一環といたしまして、御指摘の不法就労助長罪というものを新設いたしました。ただ、委員も御承知のとおり、入管局そのものは刑事罰則の適用それ自体は所管しておりません。法改正はいたしましたが、これは警察あるいは法務省の刑事局等の所管でございます。したがいまして、私どもとしては仕事の性質上いわゆる不法就労対策としてこういうものが必要であるということで新設いたしまして、そしてその適用をいろいろお願いして歩いているということでございます。
 それで、そういう観点から私どもで今どの程度適用されているのかなというのを知り得た、いわば情報を得たという限りで御報告申しますと、現在までに三十六件の事件が摘発されております。三十六件と申しますのは人数じゃございませんで、三十六山という意味でございます。その中には通常何人か入っているというぐあいに御理解いただきたいと思います。要するに、そのうち何らかの刑事罰を加えられたものというのは、私どもが今知っている限りでは二十一件。そのほかは全部不起訴になったのかというとそうではなくて、今後されるものもあります。したがいまして、起訴率はほかの事件と比較して比較的高いというぐあいに私は理解しております。
 それからまた、ではどんなところの業種で適用になっているのかといいますと、風俗営業関係とかあるいは飲食店というようなところの関係のものが十七件、それから建設土木関係が六件、人材派遣業が五件、それから鉄鋼とかいわゆる工員、機械工務とかそういったものが五件、職員関係が二件、その他一件という形になっておるようでございます。
 私どもといたしましては、特に悪質なものにつきましては、このようなものが不法就労対策上ぜひ必要であると思っておりますし、それぞれ所要の成果を上げつつあるのではないかなと、こういうふうに思っております。
#238
○石井一二君 財団法人建設産業教育センターという団体が昨今活躍しておるように聞いております。同財団が受け入れた研修生は、財団における産学研修終了後引き続いて民間企業において実務研修を受けることができる、このように私は理解をいたしておりますが、受け入れの人数、私は数百人と聞いておりますが、平成三年度、現状と今後の状況、予測状況等について御報告をいただきたいと思います。
#239
○政府委員(鈴木政徳君) ただいまお話のありました建設産業教育センターは、建設業界の御協力をいただきまして、ことしの一月に財団法人として発足させていただきました。目的とするところは、国内の自分の企業では職員を研修できないようなそういう方々を対象にしまして、国内の労働者の研修育成事業が一つ、それからただいま御指摘のございました外国からの研修生の教育、さらに海外へ行って国土建設の実地に携わろうという人たちの育成、主にそういう三つの柱を持って発足したものでございます。
 海外からの研修生の受け入れ事業でございますが、ただいま発足したばかりで、これから実際に事業を行っていくわけでございますが、御承知のとおり新聞等で四百名というような数字も出たりしております。ただいま関係業界からの要望は二千人近く来ておりますが、今後果たして企業に受け入れる力があるのか、また私どもも開発途上国に対して技術移転を行う、そういう本当の意味での海外協力ができるのかどうか、その辺をよく考えながら、どのぐらい実施できるかということは今後詰めてまいりたいと思います。
 実際の海外研修のやり方ですけれども、ただいま考えておりますのは、研修期間一年半、そのうち六カ月は基礎的な勉強、一年が現地での訓練ということにしておりまして、この研修センターにおきましては、四カ月基礎的な日本語の教育であるとか、それからやや専門的な知識であるとかそういうことを教育しまして、後の二カ月は現地の企業等で工具等の基礎的な知識を学び、最後の一年間を実地訓練をするということで進めたいと考えております。
#240
○石井一二君 ちょっと四百といった具体的な数字もおっしゃいましたが、もしわかれば、どのような国が対象になっておるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#241
○政府委員(鈴木政徳君) 先ほど申しましたように、ただいま関係業界から希望が出てきている段階でございまして、その希望を見る限りでは中国が最も多くなっております。そのほかフィリピン、タイというところが多いところでございます。それから、中南米も含めましていろいろな国から受け入れたいという希望が来ているところでございます。
#242
○石井一二君 ちょっと話題が変わりますが、ごく近々ソ連のゴルバチョフ大統領もお越しになる。また、今我が党の小沢幹事長も訪ソ中でございますが、北方領土の返還ということがかなり具体的な問題として俎上に上がってまいりました。こういった中で、平成三年度の予算を見てみますと、北方領土に関する基礎調査費としてわずか二百八十九万円の調査費がついておりますが、北海道開発庁は今後北方領土に関してどのような姿勢で取り組まんといたしておるのか、またこの予算の活用方法について若干の所見を述べていただきたいと思います。
#243
○政府委員(平工剛郎君) 北方領土の問題につきましては、北海道にとって大変重要な問題でございますので、私ども北海道開発庁といたしましても、北方領土に関する基礎的な資料の収集を行うなどして勉強してまいりたいと考えております。
 今お話しございましたように、平成三年度におきましては、私どもの北海道開発計画調査の一環といたしまして、北方領土に関する基礎調査を行うことにしております。この調査内容としましては、北方領土に関するデータが非常に少のうございますので、資源の賦存状況あるいは産業、各種基盤の整備状況等に関しますいろんな既存の資料を収集整理をして調査を進めたいと考えております。
 今後、北方領土に関します外交交渉の進展を見ながら、私ども御趣旨を踏まえまして積極的に対応してまいりたいと思います。
#244
○石井一二君 私の持ち時間が四時九分までとなっておりますので、ちょっと急いで――北海道開発庁、しばらくおってくださいよ。
 国土庁に対して一、二質問いたしたいと思いますが、国土庁は三月二十六日、すなわち昨日の官報で九一年の公示価格を公示された。けさの新聞に大々的に載っておりますが、全国の全用途平均で前年比一一・三%の上昇、住宅地は平均で一〇・七、商業地は一二・九等々いろいろ書いてございますが、特に最近の三大都市圏の地価あるいは地方の地価等に関して、昨年制定された土地基本法絡みでどのような効果というものが日本の土地情勢の上であらわれておると理解しておられるのか、ちょっと御意向を伺いたいと思います。
#245
○政府委員(藤原良一君) 昨年末御制定いただきました土地基本法では、土地についての基本理念、国、公共団体の責務、土地に関する基本的な施策の展開方向等を定めていただいておるわけですが、その中で、基本理念の中でも最も重要な土地については公共の福祉が優先するんだ、こういう考え方、これは一朝一夕に完全に浸透しないわけでありますが、徐々に国民の間にも浸透してきておると思っております。
 また、土地基本法を踏まえて、一月二十五日に総合土地政策推進要綱を閣議決定しておりまして、こういった要綱に基づいて土地税制の総合的見直しや土地関連融資の総量規制、土地取引規制、さらには土地利用計画の整備充実等々の各般にわたる施策を現在推進しているところであります。
 近時の地価の鎮静化傾向につきましても、金融の総量規制を初めとする施策の効果、あるいは昨年の夏以来検討されてきております土地税制の総合的見直しのアナウンスメント効果等々も市場を冷え込ませる一つの大きな要因になっているんじゃないか、そういうふうに認識しております。
#246
○石井一二君 この地価公示法に基づく調査地点というのがあろうと思いますが、これは全国で何カ所ぐらいを調査されておるのか、ちょっと数字だけ教えてもらいたい。
#247
○政府委員(藤原良一君) 一万六千八百余点だったと思います。
#248
○石井一二君 その場合に、土地の地目として住宅地とか商業地とか林地、住宅見込み地、工業地等々あると思いますが、平均的な地価で、例えば北海道の一番北の端でどれぐらいの今回の調査で数字が出ておるのか、わかれば教えていただきたい。例えば住宅をとっていただいて結構です。
#249
○政府委員(藤原良一君) 地価公示の標準地の中で、北海道の最北端に当たる地点は稚内に二つの住宅地について地点がございまして、高い方が平米二万二千円、低い万が一万三千二百円でございます。
#250
○石井一二君 仮にこの低い方の一万三千二百円、北方領土四島の面積は五千平方キロメートル、正式には四千九百九十五・七六平方キロメートルと考えておりますが、これは単純に掛け算したら幾らの金額になるんですか。算数ですよ。御存じございませんか。通告はしておきましたがね。
#251
○政府委員(藤原良一君) ちょっと計算はしておりませんが、ただ、先生、恐らく北方四島に当てはめて北方四島の土地価格を算定できないかということの御趣旨かと思いますが、土地というのは個々の特性あるいはその土地の周辺の地域の状況によって異なりますし、またこの地価公示は、先生御承知のとおり、原則として都市計画区域内の宅地である標準地でございますので、原野の地目にまで当てはめるというのはなかなか難しいんじゃないかと思いますが、単純に計算しますと五千億余りになるんじゃないかという感じでございます。
#252
○石井一二君 終わります。
#253
○白浜一良君 私は、十四分しか持ち時間がございませんので、重複を避けまして御質問したいと思いますが、単純明快にお答えをお願いしたいと思います。
 まず最初に、お伺いしたいことはこの五カ年計画ですね、初年度の事業に比べましたら、さまざまな公共事業が計画されておりますが、公園整備だけ特に一三・六%という進捗率、ほかは大体一六%、一八%進んでいるわけでございますが、この公園整備が特別低い、これは特に意味がございますか。意味があれば意味をおっしゃっていただきたい。これでちゃんと五カ年で七平米できるという、そういう御意見がございましたら、まずお願いしたいと思います。
#254
○政府委員(市川一朗君) ただいまのお話は五カ年計画における平成三年度の予算の割合の御指摘だと思いますが、端的に申し上げまして都市公園の第五次五計、総額五兆円、一・六一倍でございました。五カ年計画の規模がかなり大きく設定することができました。それに比べまして、平成三年度の予算は前年度の予算の伸びに比べますとかなり大きく伸びておりますが、五カ年計画全体の伸びに比較いたしますと若干まだ低目でございますので、とりあえずのところでひとつ低くなっておるといったような端的な理由でございます。
#255
○白浜一良君 いや、そういうことと違います。ほかのやつは一六とか一八とか非常に初年度でも高いわけですよ。なぜ公園だけこんな低いのかということを私聞いているんです。
#256
○政府委員(市川一朗君) 平成三年度の予算の伸びの比較でまいりますと、公園はかなり大きいわけでございますが、五カ年計画の初年度としての割合が低いという御指摘だと思います。それは五カ年計画のトータルの規模が今までの五カ年計画の規模に比べましてかなり五次五計は大きくなっておりますので、初年度で相当頑張りましたけれども、五カ年計画の伸びに比べますと若干追いつかない分だけ割合が低くなっておる、そういう状況でございます。
#257
○白浜一良君 それはわかります。そういうことでしたらちゃんと五カ年でできるわけですな。
#258
○政府委員(市川一朗君) 私どもは、五兆円の五カ年計画の総額を五カ年間で必ず確保できるように努力したいと思っておりますが、平成三年度の初年度の予算額がスタート時点におきましては、その滑り出しにおいてその緒についたということは言えると思いますが、今後一生懸命頑張る必要があるというふうに認識しております。
#259
○白浜一良君 先ほど質問がございましたが、この概算要求とか計画段階は非常にいいんですけれども、予算の決定段階で非常に圧縮される。これはどこでもそうですけれども、それでは大蔵省から来ていただいていますのでこの件に関して、これは大事な事業でございますし、ぜひとも前向きのお話をお願いしたいと思います。
#260
○説明員(林正和君) 先生御案内のとおり、平成三年度から八本の公共事業計画につきまして更新するということで事業規模の決定等の手続を進めさせていただいているわけでございますが、それぞれの公共事業の性格によりまして事業規模あるいは予算規模それぞれ若干違った要素がございます。このために、五カ年計画の進捗率ということで必ずしも一概には比較できない点がありますことを御理解いただきたいと思います。
 ただ、公園事業につきましては、先ほど都市局長の方から御答弁ございましたが、平成三年度では御案内のとおり七・一という高い伸びになっております。これは一般公共事業で五・三でございますし、そのほか今度更新いたします公共事業の長期計画、これらはいずれ平成三年度の伸びを上回るというようなことになっておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後の公共事業予算につきましてはそれぞれの社会的なニーズに応じまして、重点的、効率的に整備を進めていく必要があると思いますが、公園予算につきましても、各年度の予算編成の過程で適切に対応していきたい、かように考えております。
#261
○白浜一良君 大蔵省、結構です。ありがとうございました。
 次に、公園も全体で見ればそういう平均して出るわけでございますが、やっぱり防災的な要素を考えましたら、都市の密集しているところに特につくるということが非常に大事なわけでございますが、資料によりましたら、市街化区域で全国平均で四・六、DID区域ですか特に人口集中地域、これによりましたら三・七、当然ですが、地価が高いということもあるんでしょうけれども、非常にそういう防災的な面ではそういう密集地域もより大事なわけでございますが、特にそこが非常に面積が低いという、そういうデータが出ているんです。そういう密集地域にもこのぐらいつくりたいとか、そういう目標がございますか。また、そういう非常に用地の対策とか大変でございますので、特にそういう地域にはこういう対策を考えていくとか、そういうことがございましたらお述べください。
#262
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘がございましたように、全国を平均して見ました場合には、これは平成元年三月末現在ですが、一人当たり公園面積が五・四平米に対しまして、DID地区、いわゆる人口集中地区でございますが、そこは三・七平米という数字になっております。これをまた別な観点から見ますと、東京二十三区あるいは大阪市、横浜市等の一人当たりの数字が非常に低いわけでございます。
 しかしながら、私どもは、第五次五計におきましては、特に身近な公園といたしましての近隣公園、地区公園のネットワークの整備を重点的にやってまいりたいと思っておりますので、当然のことながら、市街化区域ないしはDID区域における公園整備を進めることになるわけでございまして、目標の達成は、用地の確保その他いろいろ困難な面はございますけれども、また例えば神戸市は一人当たり十二平米を超えておるという、そういうモデルケースもございますので、いろいろな手法を駆使いたしまして何とか目標達成にこぎつけたい。また、そういったところで目標が達成されませんと、本当の意味での五次五計の目標は達成できないというくらいのかたい決意を持っている次第でございます。
#263
○白浜一良君 神戸は、北神、西神に運動公園つくったので、こんな高く出ているんですけれども、私は大阪ですので大変なところがあるんです。ほんまに文化住宅が密集して再開発がもう大変だという、そういうところこそ非常に大事な地域なんで、今局長がおっしゃいましたように、そういう人口集中地域にできるだけ力を入れて計画実施をお願いしたいと思います。
 それから、次にお伺いしたいことは、都市公園法に規定されている公園はいいんですけれども、都市公園として規定されていない、いわゆる広場とか小さな公園があるんです。これはどのように建設省として位置づけされているんですか。
#264
○政府委員(市川一朗君) 都市公園以外の広場、小公園等につきましては、経緯的にはいろいろな形態があるわけであります。まず、最も典型的なものは借地方式の公園で、そういうものが多うございます。それ以外には、例えばいろいろな形で開発行為が行われたりしました場合、その他いろんな事業が行われました場合に、区画整理事業が行われました場合に出てくる保留地とか、そういったような形で非常に小さな公園が出てくる場合があるわけでございますが、私どもといたしましては、基本的には、そういった小さな広場、小公園につきましても、いわゆる公園としての永続性を担保するという観点から、都市公園法による都市公園として管理するように関係地方公共団体には極力指導してまいっておるところでございます。
#265
○白浜一良君 時間がないのでもうやめますけれども、これはきちっとしていただきたいんです。もう既に御存じだと思いますが、結構借り上げ地による広場、小公園というのは非常に多いんですよ。それが法的な背景がないということで、そういうことが一つございますし、特に借り上げ地が非常に多いということで都市公園として借り上げられたところはわりかしきちっと買い取りされたり、将来きちっとされているんですけれども、この小公園、広場といわれるものは法的規制がないから、一年二年で、非常に短期間で消去される場合がある。何のために広場として指定しているのかわからないという場合もございますし、大半が地主さんの善意でもあるんですけれども、悪意で言いましたら何か地方公共団体とか国の費用を使って自分の土地を整備させるために、一年二年貸してすぐもう貸すのやめたと、そういう場合もあるわけで、借り上げ件数というというのは、御存じだと思いますが、件数からいっても、こういういいかげんな広場、公園というのは非常に多い。ですから、この辺もきちっとして、そういう都市公園として広がっていくような中でよろしくお願いしたい、このように思うわけです。ちょっと一言。
#266
○政府委員(市川一朗君) 借地方式によります広場、小公園では、ただいま御指摘のような比較的短期間で解消されるものも結構あるわけでございまして、やはり私どもも先生御指摘のように都市公園法による都市公園として管理されることが望ましいと思いますので、御趣旨の線に沿いました指導を徹底してまいりたいと思う次第でございます。
#267
○白浜一良君 最後に、ちょっと花博の跡地のことでお伺いしたいんですけれども、前に私質問したことあるんですが、基本理念継承懇談会というのが行われておりまして、流れといたしましては記念財団をつくろうじゃないか、これは当然の話なんですが、そういう話があるんですが、もしこの記念財団をつくられる場合どのぐらいの事業規模というのを考えていらっしゃるのか。また、事業内容というのをどのように考えていらっしゃるのか。差し支えない範囲でお話しいただけたらと思います。
#268
○政府委員(市川一朗君) 花博の基本理念を継承するためには、やはりその推進母体としての体制の整備が必要であるということが昨年の基本理念継承懇談会に御相談申し上げたときの結論でございましたし、また地元の大阪におきましてもかなり強い熱意でございまして、去る三月十五日に国際花と緑の博覧会協会の理事会が開催されましたが、その際にも同協会の清算終了後に花博の残余財産をもって新しい財団法人を設立することが了承されております。現在のところ、これは大ざっぱな数字でございますが、大体五十億円程度の残余財産が見込まれますので、できますことならば地元公共団体等の出資も仰ぎまして大体その倍ぐらいの規模を確保して、花博の基本理念の継承、発展のための推進母体として財団法人を地元大阪市を中心として設立して、今後継続的に事業を推進してもらうのがいいのではないかと、大体こんなふうに考えております。
#269
○白浜一良君 最後に、大阪市が要望してますね、UNEPを師匠にしたいという、今ナイロビにあるんですけれども、これは非常に大阪市で具体的に話が出ているんです。これはお聞きになってますか。もしか聞かれているとしたら、それに対する所感だけ最後にお伺いしたいと思うんです。
#270
○政府委員(市川一朗君) UNEP(国連環境計画)との連携の問題が現在大阪市、地元において進められていることは承知してございます。
 ただ、この財団との結びつきとか、そういったようなことも議論されているやに聞いている面もないわけではございませんけれども、現在のところ私どもはあの程度の規模の財団でございますので、大体花博の基本理念継承という観点からしますと、UNEPといいますと国連の機関でございますので、ちょっと直接連係プレーは難しいかなというふうな感想を持っておる次第でございます。
#271
○上田耕一郎君 最初に、建設大臣に伺います。
 昨年の七月二十三日に都市計画中央審議会が公園面積を一人当たり七平米というものを答申しましたね。ところが、その一カ月前の日米構造協議の最終報告が六月二十八日、これで七平米というのが既に確認されているんですね。おかしいと思うんです。日米構造協議で決まって、それから都市計画中央審議会で決める、やり方がおかしいと思いませんか。
#272
○政府委員(市川一朗君) とりあえず私の方から御説明申し上げます。
 日米構造協議で議論がありましたのは、十年間の基本的な目標といたしまして生活関連施設につきまして、例えば都市公園につきましては一人当たり十平米というのを目標にしました。それで、当面五年間では七平米を上回る水準というようなことが議論になったわけでございまして、私どもといたしましては、もともと建設省の計画でも先ほど来御答弁でも申し上げておりますが、まず長期的な目標として欧米諸国に匹敵するような一人当たり二十平米を達成したいというようなところから、とりあえず十年ぐらいの目標として一人当たり十平米という、長期的に十平米それから十年後は十平米というふうなところを目標として持っておりまして、そのプロセスとしての五年間の整備目標ということは基本的にもともと考えておった線でもございますので、考え方としては一致したということであると理解しておる次第でございます。
#273
○上田耕一郎君 しかし、このテンポじゃ西歴二〇〇〇年に十平米は達成できないと思うんですね。
 五年前、第四次五カ年計画で私質問したんですよ。このテンポだと二十五年かかるんじゃないかと。当時の牧野都市局長は、確かに五カ年計画三回あると、そうすると一回の五カ年計画で一・七平米やらないと十平米はできない。日本の国力も徐々にふえていくだろう、明るい希望を持っているという答弁があったんですよ。今度一・二平米でしょう、ふえたのは。それで、確かに今度事業費では四次と五次と比べて一・六五倍と大幅に上回っているんだけれども、地価の高騰がありましたから、これは達成できない。私はいつか建設委員会でも取り上げたことがあるんだけれども、世界で東京だけのあの地価暴騰というのは、プラザ合意に基づく円高ドル安、日銀がドル買いに出動して莫大な円資金のマネーフロー、マネーサプライが出てきて、それが地価暴騰につながったことも大きな背景だということをやったこともあるんだけれども、そういう地価暴騰で、五兆円組んでも一・二平米も五年では無理だと思う。五カ年計画をいろいろ見ますと、道路五十三兆円、下水道十六兆五千億、治水十二兆五千億なんだが、都市公園は道路なんかと比べると五兆円でもまだまだおくれていると思うんですね。
 それで、市川都市局長、このテンポで無理なんじゃないですか、西歴二〇〇〇年十平米というのは。あきらめていませんか。
#274
○政府委員(市川一朗君) ただいまの御指摘のこのテンポとは何のテンポかということになるわけでございますが、平成三年度の予算の伸びのテンポとか、あるいは五次五計のテンポで十年後それからその先は大丈夫かという意味でございました場合にはやはりそれは難しいと思っております。このテンポをさらに引き上げる形で今後取り組んでまいるという意味も含めまして、十年後には目標を達成したいと、そういうふうに考えておる次第でございます。
 それから、具体的に言いますと、五カ年計画に関しましても、先ほど白浜委員の御質問のときにも議論になりましたが、五次五計の伸びに比べて平成三年度の予算の伸びはちょっと低いのではないかというお話がございました。これもやはり五次五計の伸びに匹敵するような勢いを平成三年度で確実に確保はできませんでしたが、いわば兆候は出たということでございまして、例えば平成三年度の公共事業予算におきまして、事業ごとに見ました場合の伸びは都市公園はかなり大きくほかに比べまして伸びておるわけでございまして、この勢いが持続することによりまして達成できる、そういう考え方でおりますので決してあきらめていないわけでございます。
#275
○上田耕一郎君 地価を下げればかなりやれるわけだから、建設省、国土庁、地価を下げるために大いにこれは政府も先頭に立って本気でやらないと、あきらめないとおっしゃってもあきらめることにならざるを得ないと思うんです。
 時間がございませんが、税制上の優遇措置問題をお聞きしたいんですけれども、今度の都市計画中央審議会の答申で、例えばこれは調査室でいただいたもので四十六ページには「借地方式による都市公園用地の確保のため税制上の優遇措置等について検討する。」というのが書いてあるんですね。それから五十六ページには、都市内のさまざまな緑、そういう緑を残された都市の身近な斜面林、平地林、農地などの緑等と、この緑をふやしていくために例えば五十六ページには「都道府県による緑地保全地区の指定の推進を図るとともに、税制上の優遇措置について検討する。」と書いてあります。その次に、緑化協定、地区計画等を活用して緑化促進のために税制上の優遇措置を検討すると、いろいろ税制上の優遇措置の問題が出ているんですね。
 私は建設委員会で六十一年三月二十日、これは東京都内特に三多摩で雑木林がどんどんどんどんつぶれていく、そのために農地並みの相続税の軽減措置、特別措置をとれないかということを一回質問したことがあります。それから、六十三年三月三十一日には、都内でいろんな借り上げ方式で公園その他児童公園なんかやっているわけですが、それが相続税問題で土地所有者が返してくれ返してくれということになって大変減ってしまっている例があり、それで東京都の市長会は建設大臣あてに要望書を出した。三年間で九十六カ所、十三万平米の児童公園、スポーツ広場などが返還で失われている、何とかしてほしいという要望書も出ているんです。そのことを私は取り上げて、こういうことで税制措置を考えてほしいと、当時の木内都市局長がいろいろ難しいという答弁が当時あったんです。
 今度、都市計画中央審議会で、税制上の優遇措置を借地方式の問題についても、また都市に残された緑を保全するための計画についても述べたわけね。だからこれはひとつ、木内都市局長のような答弁でなくて、この審議会の答申に基づいて税制上の優遇措置を本気で建設省としても、これは東京だけの問題じゃございませんけれども、考えてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
#276
○政府委員(市川一朗君) 特に、大都市地域で公園用地を確保する場合には、やはり買収方式には限界がございますので、借地方式によることも重要であると考えておりまして、借地方式の公園につきましては、相続が発生した時点で地主から返還を求められるという例がしばしばあるわけでございまして、それはまさに相続税関係でございますので、相続税対策が重要であるという点につきましてはまさに御指摘のとおりだと思っております。
 経緯を申し上げますと、昭和六十一年度、六十二年度、六十三年度と三年間にわたりまして、私ども政府部内における税制改正の中で、税務当局に対しまして借地方式による公園の相続税の納税猶予制度につきまして新設を要望したわけでございましたが、三年間理論闘争に敗れた経緯がございます。それで現在は、例えば平成三年度は要求いたしませんでした。もう少し理論武装をいたしまして要求する必要があるということでございます。
 ただ、一つだけ朗報がございまして、今回の税制改正の中で、現在納税猶予を受けている市街化区域内農地につきましては、平成六年十二月三十一日までに都市公園用地に貸与した場合には納税猶予を継続するということが一つ認められました。この辺で税務当局の極めてかたい壁も一つ穴があげられたかなと思っておりますので、私どもはさらなる検討を進めまして、税制の中で何とかうまく仕組めればと思っておりますが、そういったようなことも含めまして、いろいろとこれから取り組んでまいりたいと思っております。
#277
○上田耕一郎君 市長会の要望には、相続税の特別措置ともう一つ公共団体に売却する場合の譲渡所得に対する軽減などの優遇措置というのも入っていますね。
 最後に、大臣、これは大蔵省との理論闘争に敗れたと言うんですが、大臣は理論家ですから、ひとつ理論闘争でも政策論争でもぜひよく準備されて、この問題でも公園、緑地を広げるためにやっていただきたい。最後に、その点で御所見をお伺いして終わります。
#278
○国務大臣(大塚雄司君) 大都市におきます公園の重要性はもう先ほど来御論議のとおりでございまして、大蔵省に対しまして借地方式による相続税の納税猶予等の道を切り開くために最大限の努力をしてまいりたいと存じます。
#279
○新坂一雄君 時間が本当に限られておりますので、端的にお答えいただきたいと思うんですが、上田議員からの指摘も今ありましたように、十年間で五・八から十平米にするという見通しでございますが、後半五年間でかなり、まあ何といいますか、駆け込み達成というような形ですね、数字上で言いますと。
 それで、先ほどの議論ですと、用地価格が下がらない限り、これは大変な投資をしないと達成は予算的にも難しいんじゃないかという危惧をするわけですが、その辺のところどんな見積もりなのかということを聞かせていただきたいと思います。
#280
○政府委員(市川一朗君) これは基本的にやはり用地の問題があるわけでございますが、公園の場合は、先ほど来ちょっと申し上げておりますけれども、例えば宅地開発事業等が行われますと、それにあわせましてその団地の中に公園がかなり整備されるわけでございます。そういったような場合は公園用地の確保というよりはトータルとしての宅地造成事業という中で確保される公園用地、あるいは区画整理事業を行う場合にも一定割合の公園を確保する、そういったようなこともすべてひっくるめまして五カ年計画の目標の中には入れてございますので、非常に困難な問題が横たわっておりますから、その点は私はとても否定できる立場でございませんけれども、しかしそういったようなことも含めまして、何といいますか、都市公園のための用地を新規に取得する以外の手法というものもいろいろあるのではないかというふうな考え方で取り組めば、目標達成は不可能ではないというふうに思っているわけでございます。
#281
○新坂一雄君 いろいろと都市公園に対するアプローチの仕方はあるかと思いますけれども、例えばそういう今の土地開発による減歩で寄附するとかいうこともありますし、また例えば、今はやりのいろんな商品に、一般商品に対するイメージアップということで、この区画の中には公園づくりのための何割かの基金が含まれた値段でございますというような形で、商品が環境に寄与しているんだというようなイメージを仕掛けるというようなことによって市民が公園づくりに参加しているという、その商品のイメージアップとともに市民参加の仕方というようなことで、建設の中でのアプローチの仕方とは別に、日常の生活様式の中で生み出していくというような手法もあろうかと思います。
 それから、先ほど公園の中で、ただ量さえふえればいいというようなことだけじゃなくて、実は質も大切だということを御指摘された同僚議員もございました。
 高齢化社会になると、いわゆる整地された公園というのとは別に、やはりお年寄りにとって、特に大都会ほどかつて田舎から出てきたそういう人たちには本当に何が一番大切かということでは、やっぱり緑、オアシス、木の精、木のエッセンスといいますか、そういうもののにおいをかぐということだけでも大変憩いの場になるんじゃないか。具体的な施設じゃないけれども、いろんな木が生い茂る、昔よくありました鎮守の森というような、とにかくそこへ行けば太陽が木の葉から漏れてくる、座っているだけで生き返ってくるというような形の、いわゆるゲートボールとかいうレクリエーションタイプとは別に、そこへ座っていて憩う、あるいはそういう公園の中の田舎風の民家、そういうところでお茶を一服飲めるとかというような、高齢化社会に伴った、いずれ来るということを前提にした公園づくりということをひとつやってもらいたい。というのは、これはこの都市公園の今の範疇の中に入っていませんけれども、いずれそういうものを必要とすることになるわけですから、十年先には必ずそういうことになってくるわけです。そういうことが一点。
 それから、今同僚で奈良県選出の服部安司議員もおられますけれども、たとえば奈良にはシカ公園というのがございます。これはちょっと大きな動物でございますけれども、例えば今のテレビっ子、都会っ子というのは本当に動物を知りません。そういうところに、公園に行けばリスがおりウサギがおりというような、動物の温かさと触れ合えるというような形の公園づくり、ただ単なるゴムのタイヤがあって、ぶらんこがあり滑り台があるというんじゃなくて、そういう形のものをつくることによって、田舎というか、昔は都会でもそうだったけれども、ケヤキの木があってただ広っぱだけあって、それでも十分よかったんですが、今は高度土地利用でそういうわけにいきませんけれども、いわゆる人工的につくっていかなければいけないにしても、やはりそういう動物も一緒に共生できるような小動物公園というようなことを地域的につくっていくということもこれから必要になると思います。
 したがって、高齢化のための公園、そういう都市っ子、テレビっ子、かぎっ子といいますか、に対する動物との触れ合いの場の公園というようなことも必要じゃないかと思います。一つのアイデアでございますけれども、建設大臣の御所感を伺って、終わりにしたいと思います。
#282
○国務大臣(大塚雄司君) いろいろな示唆に富んだ御発言をいただきまして、ありがとうございました。
 公園の整備、量も質も私はどちらも大事だというふうに思っておりますし、特に質の問題につきましては、公園というイメージがただ単に子供だけを対象としたものでもありませんし、高齢者の方のためにも役に立つ公園にしなければならないことは仰せのとおりです。何となく砂場があってぶらんこがあってというようなイメージの公園からもう一歩前に進みまして、お年寄りが例えばスポーツができるようなことも考えに入れたり、あるいは若者が語らいをする雰囲気の公園にしたり、ともかくこれからはバリエーションに富んだ公園の整備というものが非常に大事だと思いますので、そのような御意見を取り入れまして、しっかりと対応をした公園をつくってまいりたい、このように存じます。
#283
○新坂一雄君 終わります。
#284
○山田勇君 昨今は経済的には以前よりも豊かになり、余暇も増加し、また高齢化社会の進展など、国民のライフスタイルにも変化が生じ、それに伴い都市公園に対する国民のニーズも多様化し高度化していると思います。
 昭和六十三年度の都市公園利用度実態調査によりますと、年齢層別の利用頻度を見ますと、小学校上級生が月に二、三回、六十歳以上は週に二、三回などになっております。高齢者の利用度が大変高くなっておりますが、これからの高齢化社会に適合した公園のあり方について早急に検討すべきだと考えますが、この点いかがでしょうか。
 私が大阪に住んでおりますマンションの横はちょうど公園でございます。お年寄りがゲートボールをやるわけでございます。あれはかなりいろんな道具を持って公園に来るんですが、毎度毎度高齢のお年寄りが持ってくるのは大変なので、道具をキープする小さな小屋を欲しいということを申し上げましたが、公園法なんかの規定を見ましたら、公園の中にそういうものを建てるということはもう大変問題がありまして、大阪市も大変嫌がったんですが、何とかこれもう老人のためですからというのでかぎをつけた小さな小屋を建ててもらって、地域の老人の皆さんが楽しんでいるということです。
 公園に余り犬を連れていくのはなんですが、私も犬を飼っていて公園を利用させてもらうんです。犬ですからふんを落とします。これは汚いなと思って、そばにアメリカ領事館の館員が住んでいてよくその公園を利用するので、これはちょっと格好悪いなというので、この間バッタ屋へ行って握るとぴゃっとあいてふんを取るやつを十本ほど買うて、公園のごみのかごを借りましてそこへ入れておいたんです。犬を連れて公園を利用する人はこれでふんを取ってくださいと。ものの十日もあきませんでした。もう皆なくなりましたけれども、これは失敗でした。
 今同僚委員が申しましたとおり、そういうふうにこれから高齢化社会に対応する問題、それとアフターケアですね、その管理運営のよさというのがないんです。ですから、ぜひその点も御配慮いただきまして、私は公園の横ですから、ぶらんこがキーキーいうとちょっと寝にくいもので、自動車屋へ行ってグリスをもらってきて塗るともうスムーズに動くということで、何とかアフターケアといいますか、そういう運営管理について特段御配慮をいただきたいと思います。だから、動物つくって色塗ってきれいなのはいいんですが、はげてきたら豚や象やらわからぬようになってくるというようなものになります。
 どうかひとつ、もう時間もございませんので、とりあえずでき上がった公園の後のアフターケア、先ほど申しました高齢化社会に対応する公園、そういうことをひとつ御配慮いただければ幸いかと思います。
 質疑を終わります。
#285
○政府委員(市川一朗君) まず高齢者の方々、お年寄りの方々が公園を利用する頻度が非常に高いというのは御指摘のとおりでございまして、私ども新しい第五次五計では特にその点に着目いたしまして重点項目の一つに掲げております。
 ちょっと具体的に考えておりますのは、何といいましても高齢者の方の行動圏を考慮いたしますと、歩いていける身近な公園としての近隣公園、地区公園の整備に重点を置く。それから、そうした近隣公園、地区公園を中心といたしまして、世代間の交流やコミュニティーの醸成を図るのに資するような公園ということで、休憩所とか花壇等の「ふれあい交流施設」の整備を推進しよう。それからさらに、健康管理という観点で考えておられるお年寄りの方が多うございますので、年齢、体力にかかわらずだれでも手軽に運動を楽しむことのできる健康運動施設等を備えた公園の整備ということに力を入れていきたいと、まず思っているわけです。
 それで、先ほど出ました倉庫等の問題でございますが、ちょっと参考まででございますけれども、一応公園の場合は建ぺい率二%ということになっておりますから、公園がもし大きければもうその程度のものは問題ないわけでございますが、しかし、小さな公園でも小さな倉庫ですと一応二%の範囲内に入りますので、どうしても必要な場合にはやはりつくっていただいた方がよろしいのではないかと思います。
 それから、都市公園の管理運営費は実は国庫補助の対象にはしてございませんけれども、交付税の算定基礎の中にはっきり入ってございますので、それなりの費用は地方公共団体がかけられると思いますので、私どもは熱意次第で何とかなるんじゃないかというふうに思っております。また、そういう指導もしてまいりたいと思っておる次第でございます。
#286
○山田勇君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#287
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#288
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#289
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木薪次君。
#290
○青木薪次君 私は、ただいま可決されました都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、公園、緑地の整備が立ち遅れている現状にかんがみ、第五次五箇年計画の完全達成を期するとともに、地方公共団体の財政負担の軽減に一層配慮し、また、地方公共団体の公園用地の先行取得に対する援助措置を強化すること。
 二、公園、緑地の整備を推進するため、財政投融資資金の積極的な導入を図るとともに、国公有地、工場跡地、市街化区域農地等の積極的な活用に努めること。
三、国民の多様な要請に適切に対応した公園、緑地の整備を推進するとともに、公園、緑地の管理運営体制の充実強化を図ること。
 右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#291
○委員長(矢田部理君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#292
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大塚建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚建設大臣。
#293
○国務大臣(大塚雄司君) 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、大変御熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
#294
○委員長(矢田部理君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#295
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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