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#1
第120回国会 建設委員会 第5号
平成三年四月二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢田部 理君
    理 事
                井上 吉夫君
                石原健太郎君
                青木 薪次君
                山田  勇君
    委 員
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                服部 安司君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  大塚 雄司君
   政府委員
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設省建設経済
       局長       鈴木 政徳君
       建設省都市局長  市川 一朗君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       総務庁行政監察
       局監察官     藤井 昭夫君
       大蔵省主計局主
       計官       林  正和君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部浄
       化槽対策室長   佐藤 文友君
       農林水産省構造
       改善局建設部整
       備課長      上田 一美君
       建設省都市局下
       水道部長     福井 経一君
   参考人
       日本下水道事業
       団理事長     玉木  勉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、日本下水道事業団理事長玉木勉君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(矢田部理君) 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大塚建設大臣。
#5
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま議題となりました下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 下水道は、良好な生活環境を確保するとともに公共用水域の水質を保全するために必要不可欠な公共施設として広くその整備が望まれており、政府におきましても、これまで六次にわたる下水道整備五カ年計画を策定し、積極的にその整備の推進を図ってきたところであります。
 その結果、我が国の下水道の普及率は、平成二年度末で約四四%に達する見込みでありますが、いまだ国民の要望に十分にこたえるには至っていない状況にあります。
 このため、良好な生活環境の確保を図り、真に豊かな国民生活の実現に資するとともに、公共用水域の水質の汚濁を防止するため、下水道の整備を推進することは、現下の急務であります。
 このような状況にかんがみ、下水道の緊急かつ計画的な整備を促進するため、現行の第六次下水道整備五カ年計画に引き続き、平成三年度を初年度とする第七次下水道整備五カ年計画を策定することとした次第であります。
 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、次にその要旨を申し上げます。
 建設大臣は、平成三年度を初年度とする下水道整備五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○西野康雄君 日米構造協議を背景にして、第七次下水道整備五カ年計画は総額十六兆五千億円をもって処理人口普及率を二年度末四四%から五四%に引き上げることを目標としているわけですが、総投資額は前期計画に比べ一・三五倍と拡大をしております。しかし、欧米先進諸国に比べ著しく立ちおくれている下水道の整備を促進するという社会的要請にこたえるためにも、また公共投資基本計画に掲げられている二〇〇〇年に普及率を七〇%にまで引き上げるという目標を達成するためにも第七次下水道整備五カ年計画の達成が不可欠と考えております。
 建設大臣は計画の完全達成の自信をお持ちになっているのか、まずその計画達成の決意からお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(大塚雄司君) 下水道を初めとする国民生活に密着した住宅社会資本の整備のおくれが、我が国経済の豊かさに比べて、国民がいま一つ生活の豊かさを実感できない大きな理由となっているものと思います。また、下水道整備のおくれによりまして公共用水域の水質改善や市街地の浸水解消がなかなか進まない状況にもございます。さらに、下水道が普及した地域におきましても水質保全対策や浸水対策の充実など質的向上を図ることが必要となっております。
 このため、政府におきましては、昨年六月策定した公共投資基本計画におきまして、おおむね二〇〇〇年に下水道普及率を七割程度まで引き上げる長期的な目標を定めたところでございまして、ただいま先生から御指摘のように、この前半五カ年を対象とする第七次五カ年計画を定めまして強力に進めようというところでございます。
 特に、第七次五カ年計画におきましては、水質保全や浸水対策を充実するとともに、中小市町村への普及拡大を重点課題に掲げまして基本計画も策定し、補助制度の創設による計画づくりの支援や過疎地域における都道府県による代行制度の実施なども考え、実施してまいる所存でございます。特に今日までの推移の中で、昭和四十年度にはいわゆる下水道の公共事業の配分費は二・五%でございましたが、今日ではその比率も一六・七%と漸次拡大をしてまいりました。今後五年あるいは十年の目標でさらに努力をして目標を達成したい、このように考えております。
#9
○西野康雄君 地方自治体の財源が大丈夫かなというふうな気もするわけで、九一年度の下水道の総事業費二兆三千八百七十二億円に対して下水道事業債は一兆四千五百十一億円、特債を別にしても借金比率は六一%と、自治体財政と住民負担を軽減して住民生活に役立つ下水道でなければならないと思うんですが、第七次五カ年計画では、国の補助対象となる一般公共事業分のほかに、四兆五千三百億円の地方単独事業を予定しております。事業の執行に当たる地方公共団体の財源対策が十分でないと計画の達成は困難となるわけですが、地方公共団体の財政負担に対する対策は大丈夫なのかなという疑問が生じております。
 計画達成のための財源措置を明らかにしていただきたいと思います。
#10
○政府委員(市川一朗君) 下水道整備を推進してまいります仕組みといたしまして、終末処理場やあるいは主要な管渠等につきましては国庫補助の対象としてございまして国費で補助いたしまして、その残りは地方の負担になるわけでございます。それから、末端の管渠等につきましては地方単独事業でやっていただいておりまして、それらの整合性のとれた一体的な整備によりまして下水道整備を推進しておるわけでございます。
 そういった場合におきます地方公共団体の財源対策につきましては、ただいま御指摘いただきましたように、大変私どもも重要な課題であると認識しておりまして、これにつきましては現在とられております措置は、まず国庫補助対象になります場合の補助裏としての地方公共団体負担分と地方単独事業分と分かれるわけでございますが、いずれも起債で対応できるようにしておりまして、その起債の充当率も最近では非常に高くなっておりまして、例えば公共下水道につきましては補助事業の場合に八五%、地方単独事業の場合には九五%の起債充当率になっております。それから、その元利償還につきましても、二分の一の交付税措置が講ぜられることになっております。
 しかしながら、今後下水道整備は財政力の非常に弱い町村においても進めてまいる必要があるわけでございまして、私どもといたしましては、地方公共団体の下水道整備の財源対策につきまして今後とも一層格段の努力を図ってまいる必要があると考えておる次第でございます。
#11
○西野康雄君 ことしで終わる六次計画では十一兆五千七百七十七億円の事業費で普及率を三六%から四四%、八%引き上げております。単純計算しますと、普及率を一%引き上げるのに一兆四千四百七十二億円を要したことになります。今回の七次計画では、調整費を除いた十四兆五千三百億円で一〇%引き上げるのですから、一%アップを図るのに一兆四千五百三十億円という計算になります。ほぼ同程度の事業費で、単価アップされておりません。
 果たして十四兆五千三百億円の投資額で一〇%の普及率アップが可能なのか、大臣の御見解をお伺いいたします。
#12
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま先生御指摘のように十四兆五千三百億円、一%分一兆四千四百七十二億円の実績ということで、御指摘のような単価アップ等についての御懸念もございますが、この計画の策定に当たりましては特に地方公共団体における事業実施要望等も十分に勘案をして設定したものでございまして、普及の拡大に重点を置いて効率的な整備を進めていく、申し上げましたように、とにもかくにも五四%を目標に全力を挙げて、また経費のかけ方にも節減を図ったりして対処をしてやってまいりたい、このように思っております。
#13
○西野康雄君 次に、下水道整備の基本方向について若干お伺いをいたします。
 我が国の下水道事業の推移を見ると、昭和三十三年から四十五年までは都市環境の改善に向けての下水道整備が進められてきました。四十五年以降は水質保全の位置づけが高まり、四十五年の下水道法改正において公共用水域の水質保全の目的が追加されました。同時に、流域下水道に関する規定が新設されて以来、我が国の下水道事業は流域下水道を中心に進められて大規模化しております。事業認可から使用開始まで十数年を要しているわけですね。莫大な費用と時間を要する流域下水道事業に対しては少し見直した方がいいんじゃないかという声も強く出ております。
 今後の下水道事業の推進に当たって流域下水道をどのように位置づけていくのか、お伺いをしたいと思います。
#14
○政府委員(市川一朗君) 河川等の流域におきます下水道計画につきましては、その流域単位の自然的条件あるいは社会的条件を総合的に検討いたしまして策定されておるわけでございますが、処理区域が二以上の市町村にまたがりまして一定規模以上の場合につきましては、やはり私どもは流域下水道として根幹的な施設整備を図る必要があるということで実施してまいっておるわけでございます。
 現在、流域下水道は四十都道府県で九十九カ所で実施しておりまして、琵琶湖とか利根川、淀川等の重要な水域の水質保全につきましては特に力を入れてやっておりまして、その貢献度は高いものというふうに認識しております。
 処理人口で見ますと、千三百万人を超えてございますが、毎年百万人以上が新たにふえていっているというところでございまして、御指摘のとおり大変莫大な費用がかかりますし、事業完成までに長期間を要するわけでございますが、基本的にはやはりこの流域下水道の整備が下水道の普及拡大に一番エースとして貢献しておるというふうに思っておるわけでございます。
 今後とも公共用水域の水質保全、生活環境の改善のためには、流域下水道の一層の推進がやはり必要なのではないかというふうに私どもは思っておるところでございます。
#15
○西野康雄君 これは質問通告しておりませんので後でまた御回答いただければと思うんです。
 利根川の流域下水道整備に力を入れておられるということですが、霞ケ浦が随分と汚くなっております。また、その周辺都市の下水道整備率等々、お知らせ願えればと思います。
 続いて、平成元年八月の総務庁の「下水道に関する行政監察結果に基づく勧告」でも、「流域下水道事業を効率的に推進するため、」「流域下水道について、早急な下水道整備が要請されている末端市町村に対する過渡的なつなぎ措置として、小規模な処理場の設置等機動的な事業方式」を導入すること、また「流域下水道と関連公共下水道との事業の施行進度等の整合性」を図ることを求めております。建設省はこれらの点についてどう措置をされたのか、御報告をお願いいたします。
#16
○政府委員(市川一朗君) 流域下水道につきまして総務庁から御指摘があったわけでございますが、流域下水道は、先ほども御指摘ございましたように、末端市町村の供用までには長期間を要するところがあることは事実でございますので、私どもといたしましては暫定的に小規模な処理場を設置いたしまして、トータルとしての完成がなされるまでの間、暫定的な形で部分的に供用ができるような制度を、下水道フレックスプランと呼んでおりますが、平成元年度から設けまして実施しておるところでございます。まず、そういったようなことを御説明申し上げ、私どもといたしまして地域の実情や事業の進捗等を勘案してこうした制度の積極的な活用を図ってまいりたいという考え方を報告しております。
 それから、流域下水道と関連公共下水道との関係につきましてもるる御指摘があったわけでございますけれども、これにつきましては、やはりそれぞれの地元レベルにおきまして協議会等を設けまして定期的に計画、事業に関する調整等を現在でも行っておるわけでございますが、建設省といたしましてもこういった調整の充実を図るよう、機会あるごとに指導しておるわけでございまして、今後ともその指導を強めてまいりたい、そういうふうに思っておるところでございます。
#17
○西野康雄君 流域下水道事業については、流域下水道が河川上流部の下水を幹線管渠を通じて排除し河口部で放流するシステムであることから、河川の水を枯渇させ、河川の自浄作用を阻害するおそれがある、こういうふうなことも指摘されております。流域下水道は、A市、B市、C市、D市がありますと、そこを一括して下の方に流すのではなくてA市で処理してそれを川に流し、またその川下のB市で処理して川に流していく、そういうふうな方式の方が川のためにはよいんじゃないかなと思ったりもするわけです。
 また、流域下水道は、工場排水を取り込むことによって、処理費用がかさばります。処理区が広がった結果、工場排水の基準違反もありますし、他の下水で薄まってしまって、処理場でどこが悪い水を出したのか把握しにくくなる。また、仮に把握できても原因者を探すことが極めて困難になって、その結果、企業責任が不明確になり、工場排水の垂れ流しを助長しかねないというふうな問題も指摘をされております。
 したがって、今後の下水道の整備に当たっては、一般家庭の生活排水と工場排水を分離して処理していく、そういうふうな指導をするべきではないかな、そんな思いをしております。いかがでございますか。
#18
○政府委員(市川一朗君) 下水道の整備につきましては、いわゆる公共下水道方式それから流域下水道方式とあるわけでございますが、やはり一つの河川の流域に関しましては市町村の区域をまたがりましての流域下水道という形で広域的に処理することの方が私どもとしては効率的であり、有効であるというふうに思っておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、下水道で処理する排水の問題につきまして、ただいま家庭排水、工場排水を分離して処理する考え方はどうかという御指摘でございますが、私どもは、現在は原則といたしまして家庭排水、工場排水の区別なく、市街地で発生する下水をすべて受け入れることが効果的かつ適当であるという考え方を持っておるわけでございます。
 そういうわけでございますので、ちょっと考え方を御説明してみたいと思うのでございますが、まず工場排水の水質は、業種等によって多様でございますけれども、一般的にはBODとかあるいはSSなど、下水道の処理方式に適した有機性物質を含むものが多いわけでございます。我が国の土地利用形態を見ますと、やはり住工混在地域が多うございまして、工場排水だけを下水道から除外する、分離するということはやはりいろんな面で不経済な面もあるのではないか、そういう場所が多いのではないかというふうに考えておるところでございます。
 しかしながら、工場排水はいろいろございますので、したがいまして下水道法におきましては、下水道に工場排水を受け入れる際にいわゆる重金属がありまして終末処理場で処理することが困難な物質があるわけでございますが、これを含む下水につきましては水質汚濁防止法と同様の排水基準を設けまして、工場の責任においてその基準に適合させた上で下水道に受け入れることとしております。こういったような工夫も凝らしまして、先ほど申し上げました我が国の土地利用の形態等も考慮しながら、現在区別せずに受け入れておるわけでございます。
 先生の御指摘も今後いろいろ検討してみなけりゃならない課題だと思っておりますが、現状における私どもの考え方は以上のとおりでございます。
#19
○西野康雄君 流域下水道のスケールメリットの問題とかは少しまた突っ込んでやりたいなと思っている課題でございます。
 また、おっしゃるんですけれども、やっぱり工場排水というのはどんどん流れ込んでいるんです。例えば一九八六年度の日本下水道協会の「下水道事業の基本的課題について」というふうなことで、そこの二十九都道府県のアンケート調査を見てみると、「流域下水道における過去三年間の悪質下水流入の実例について」ということで、悪質下水――排水ですね、これがどんどん混入してきた、年に十回以上あるというふうなものが六件報告されておったりいたします。
 BODというのもいいんですけれども、例えばシアンなんかは排出されてもBODの基準では全然出てこないというふうな問題もある。ですから、工場排水の問題というのはきっちりとやっていただきたいなと思っております。下水で希釈されているようなことはあります。水銀一〇〇〇ppmとシアン一〇〇〇ppm、両方一トンずつ流してくしゃくしゃとやってしまうと、どっちも五〇〇ppmで環境基準に達していますというような、そんなこともありますから、この辺はしっかりとまたやっていただきたいと思います。要望して、次の質問の方に移ります。
 中小市町村の下水道の整備についてですけれども、下水道普及率は大都市で八〇%台に高まっているものの、五万人未満の中小市町村では八%台と極めて低いわけです。また、全国の市町村の約六割が下水道事業にいまだ着手していない状況にあります。今後、中小都市の下水道整備と未着手市町村の下水道整備を促進していく必要があると思いますが、そのためには国庫補助対象の拡大、起債充当率の引き上げ、執行体制の整備等が急務になると思います。具体的にはどのような対策を講じていくのか、お伺いいたします。
#20
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、中小市町村それから下水道未着手市町村におきます下水道の整備促進は、私どもにとりまして極めて重要な課題であると認識しております。
 今回の五カ年計画におきましても、全体として十六兆五千億円でございますが、その中で特に国庫補助の対象となります一般公共事業十兆円ということで、割合も平均よりも高めてございまして、重点的な補助事業の実施を図ることとしておりまして、それが基本的にこういう中小市町村の下水道整備促進の最も大きな柱であると認識しておるわけでございます。
 なお、それだけではなかなか御指摘のとおりいろいろと難しい問題を抱えてございますので、具体的な措置といたしまして、平成三年度に二つばかり新たな措置を講じようとしておりまして、一つは過疎地域でございますが、過疎地域の市町村におきましては特に市町村の財政力、技術力が弱いわけでございますので、都道府県が市町村にかわって根幹的な施設の設置を行う都道府県代行制度を平成三年度から設けさせていただくことにしております。
 それから二つ目は、下水道未着手市町村が新規着手できるように、特に下水道基本計画の策定費に対しまして補助をするという、下水道基本計画補助制度を設けることにしております。
 それから、前々からあるわけでございますが、日本下水道事業団によりまして市町村の技術的支援を行っておりますが、この面につきましても積極的に活用してまいりたい、そういったようなことをいろいろ講じまして、おくれております中小市町村の下水道整備の促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
#21
○西野康雄君 平成三年度から、財政力、技術力等が十分でない市町村において、根幹的施設の建設等を都道府県が代行する制度が創設されることになっております。都道府県代行制度の内容を御説明願いたいのと、また代行制度の対象団体は、自然公園が存在する市町村等、一定の要件に該当するとともに、行政人口が八千人以下で財政力指数が過疎地域市町村の平均以下であるということが要件になっておりますが、これらの要件に該当する市町村はどの程度あるのか。またさらに、この制度によりどの程度の市町村が新規着手すると見込んでおられるのか、お伺いいたします。
#22
○政府委員(市川一朗君) 都道府県代行制度は平成三年度から新設したものでございますが、ただいま先生の方から御指摘ございましたように、過疎地域の市町村を対象としてございますが、三つほど要件がございます。
 一つは、自然公園等の地域要件のいずれかに該当することということで地域要件が定められております。それから二つは、財政力指数でございまして、簡単に申し上げますと、各都道府県の過疎地域市町村の財政力指数が平均以下であるということ。それから第三に、行政人口が八千人以下であること。この三つの要件に該当する市町村とうたっておりまして、大体五百余りの市町村がこれに該当するものと思っております。
 具体的には、市町村が関係都道府県と協議いたしまして、建設大臣に申請し、これを受けまして大臣が指定するということになるわけでございまして、とりあえず、まず数カ所こうした動きが出始めております。私の方の見通しといたしましては、どれぐらいの数字になるかということにつきましていろいろな見通しがあるわけでございますが、トータルとして五百余りある中で、相当数の市町村が手を挙げてくるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
#23
○西野康雄君 中小市町村に下水道事業が普及をしてくる、また促進されてくる、そうなりますと、下水道の専門職員あるいは技術者の養成が重要になってまいります。現在、下水道事業団が実施している市町村職員に対する研修の実績はどうなっているのか。また、今後どのような計画で専門職員の養成を行っていくのか、御説明願います。
#24
○政府委員(市川一朗君) 下水道事業団は、昭和四十七年度に下水道事業センターとして最初発足いたしました。
 ただいまお尋ねのございました研修制度につきましては、設立当初の昭和四十七年度から始めております。平成二年度末までに事業団で研修を終えました者が約一万九千六百名、二万人近い方々でございます。
 下水道事業団が行っております研修は、もちろん講義もやるわけでございますが、それと同時に演習、実習に重点を置いておりまして、いわゆる実務にすぐ役立つ実践的な研修であると、やや我田引水に近いかもしれませんが、そういうふうに評価されておりまして、私ども一応研修能力という意味で、定員もあるわけでございますが、毎年それをオーバーする要望がありまして、研修参加人数の経緯を見ましても年々人員がふえておりまして極めて評価は高く、実践的な研修であるというふうに認識しておるわけでございます。
 今後、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、地方の中小市町村におきます下水道整備を進めることが国民的課題であり、求められておるテーマだというふうに思っております。ところが、そういう市町村におきましてはもともと技術者はおらないか、おりましても非常に不足しておるわけでございますので、いよいよこの研修制度の活用が必要になってくるというふうに思っておりまして、今後とも研修内容の充実等を図ってまいる必要があると考えておる次第でございます。
#25
○西野康雄君 次に、下水道類似施設との調整についてお伺いをいたします。
 地方の中小市町村では、下水道整備が著しく立ちおくれている現状の中で、団地、農業集落ごとにし尿や生活排水を簡易に処理する農業集落排水事業や合併処理浄化槽設置事業が農水省や厚生省の助成を受けて実施されております。これらの下水道類似施設による処理人口が三千万人を超える状況となっております。所管省庁が異なるため下水道整備との整合性がとれていないと行政監察で指摘をされております。
 建設省は、下水道と下水道類似施設との調整、これについてどのような指導をしておられるのか、お伺いをいたします。
#26
○政府委員(市川一朗君) 私どもの基本的な考え方といたしましては、やはり地域全体の生活環境の改善あるいは公共用水域の水質保全を図るためには、一元的に下水道を整備してまいる必要があるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、先ほど流域下水道を例にとりまして先生からも御指摘がございましたが、下水道整備にはかなり長い年月を要する面があることは事実でございまして、その整備までの措置といたしましていろんな形でいわゆる下水道類似施設が設置されておるわけでございまして、こういったような物の考え方はやはり基本的にはどうしても避けて通れないものではないかというふうに思っておるわけでございます。
 ただ、こういう場合におきましても下水道整備が進んでまいりました場合には、合併浄化槽その他では最終的な排水の処理等不十分な部分がございますから、やはり下水道に最終的に置きかえていくといいますか、そういったような形をとった方が社会的、経済的に見ても効率的でございますし、また環境の整備におきましてもすぐれておるものと思っておるわけでございます。
 したがいまして、私どもの基本的考え方といたしましては、下水道整備のスケジュールと整合性のとれた下水道類似施設の設置ということをきちっと調整してまいることが最も肝要であろうかと思っておりまして、地方公共団体レベルにおきまして下水道担当部局と関係部局との協議システムを整備することが一番大事なポイントなのではないかというふうに思っておるところでございます。
#27
○西野康雄君 先ほども質問いたしましたけれども、流域下水道事業が事業認可から供用されるまで十数年と長期にわたるために下水道事業区域内においても合併浄化槽等の施設が整備されることになるわけで、下水道事業区域内では下水道が整備されると下水道法によって速やかに下水道に接続されることが要求されておりますが、これら下水道類似施設はむだになってしまう、そう思うわけです。行政監察によっても、国の助成を受けて下水道類似施設が設置されておるわけで、耐用年数が多く残っているにもかかわらずこれが廃棄処分になってむだとなってしまった例が指摘されております。
 合併浄化槽の性能が向上し、下水道以上の処理効果を上げるようになった今日、下水道類似施設を下水道供用までの暫定的な施設ではなくて、下水道と併存する恒久的な施設として認知していくべきではないかなと思いますが、建設省の見解はどうですか。
#28
○政府委員(市川一朗君) いろんな考え方があるわけでございますけれども、やはり私どもは合併浄化槽は下水道が整備されるまでのつなぎの措置的な面がどうしてもあるのではないかというふうに考えております。と申しますのは、合併浄化槽で処理する排水につきましてはやはり限界があるわけでございまして、最終的に終末処理場できちっと処理して排水されるという意味におきましては、やはり下水道によって処理することは非常に環境保全という観点からもよろしいわけでございます。
 ただ、ただいま御指摘ございましたように、合併浄化槽も非常にいいのが出てまいっておりますし、耐用年数も相当長期間耐えられるようなものも出てまいっておるわけでございますので、その地域の下水道がどういうスケジュールで整備されていくのか、そういったようなことについてのスケジュールがはっきりと見えるような形になりまして、その下水道整備とあわせまして、それぞれの個々の家あるいは集落等におきまして、長い目で見た場合、下水道類似施設と下水道整備との関係をどういったような形で整合性をとって考えていくかということが最も大事なことだろうと思っております。
 しかし、ただいま御指摘ございましたように、現実はそううまくいっているわけでない。非常につながりがまずい場所も幾つかあるわけでございますが、そういったようなことも含めまして、整合性のとれたスケジュール調整も含めました下水道類似施設と下水道との調整といいますか、そういったようなことを私どもは努力してまいりたいと思っております。
#29
○西野康雄君 工場排水の規制について若干お伺いをいたします。
 工場から排出される有害物質を含んだ排水については、工場内に除害施設を設置し重金属等の有害物質を除去した後、公共下水道に排出することが義務づけられております。遺憾ながらこの義務を守っていないところが随分と多いわけでございまして、監督の仕方もまた工夫が必要かと思いますが、排除施設の設置率は必要事業場数の八四%にすぎません。五十一年の下水道法改正以降、十数年経過しているにもかかわらず一〇〇%にはなっておりません。その理由をどうお考えですか。
#30
○政府委員(市川一朗君) 下水道法におきましては、終末処理場で処理することが困難なクロム、水銀等の有害物質を含む下水につきましては、水質汚濁防止法と同様の排水基準を設けまして、工場の責任においてその基準に適合させた上で下水道に受け入れることとしておりまして、いわゆる除害施設の設置を義務づけておるわけでございます。現在の除害施設の設置状況を見てまいっておりますと、除害施設必要事業場における設置率が、これは昭和六十三年度末の数字でございますが、約八五%でございます。御指摘のとおり一〇〇%にはなっておりません。
 これを企業の規模別に見ますと、大企業で九七・七%、中小企業で九〇%でございますが、従業員二十人以下の製造業等の零細企業が七七・九%と低くなっておりまして、やはりこういった企業におかれましては資金とか用地の確保等いろいろ困難な面もございまして、私どもが求めておるようなところまで改善が至っていないといったような状況なのではないかと思っておる次第でございます。
#31
○西野康雄君 中小規模の事業場では資金や用地の確保は困難でということでございましたが、そういうふうな理由で完全設置に至っていないということですが、中小事業場に対しては公害防止事業団による低利融資や税金の特別控除等の措置がとられておると聞いております。除害施設の設置に対する助成策、そのようなものをお伺いいたします。
#32
○政府委員(市川一朗君) 除害施設の設置に関しましての助成策でございますが、まず基本的には、国におきまして公害防止事業団、国民金融公庫、中小企業金融公庫等によります長期、低利の融資制度がございます。このほかに融資制度といたしまして、都道府県や市町村におきましても独自の融資を行っておるところが多うございます。
 また、除害施設を設置いたしました場合には国税それから地方税それぞれにおきましていろいろ優遇措置を講じておりまして、例えば国税におきましては、所得税、法人税につきまして除害施設に係ります特別償却率は百分の十九でございます。それから、地方税におきますと除害施設の固定資産税は非課税でございます。そういったようないろいろ優遇措置を講じまして、最終的にきちっとした除害施設が設置され、下水道が適正に管理される方向に私どもは努力してまいりたいと思っております。
#33
○西野康雄君 日本の河川行政は河川の水を収奪することばっかり考えております。下水道できれいになった処理水をもう一度またポンプアップして上流の方から流して、枯れている川が随分とありますから、そういうふうなところをもう一度生かせるような、長い長い将来ですけれども、そういうふうな河川を生かしていくための下水処理水というんですか、ただ単にもういきなり海へ流してしまわないような、そういうふうな工夫もなさっていただきたいなと、かように思います。それを要望して、私の質問を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。
#34
○種田誠君 ただいま西野委員の方から、第七次五カ年計画における大きな特徴点である中小市町村に対する普及率のアップ等々について、質問があったわけでありますが、私も第七次五カ年計画における急務であります関連する施策について質問をさせていただきたいと思います。
 昨年の六月十二日の当委員会におきましても、私は、下水道整備、下水道のあり方に関するイメージを変えていく必要があるだろうと。下水道と言われますと何か厄介なもの、不利益な施設、そういう形で下水場の確保やそれに伴う汚泥処理場の確保などがなかなか困難視されてきているわけでありますが、そういう中で、ただいまの西野委員の質問にもありましたように、五カ年計画で普及率を一〇%アップしていくということでありますから、この取り組みは極めて重要であると同時に、困難な面も多々持っているのではないだろうかと思うわけであります。そういう意味で、ぜひとも目標達成と同時に、より多くの下水道に関する国民の高いニーズがあるわけでありますから、しっかりした取り組みをまずお願いしておきたいと思います。
 そこで、先ほど来の議論にもありましたように、人口五万人以下のような中小市町村に対する普及率のアップということを考えた場合、これまでのような下水道整備の基本的なあり方、いわゆる流域下水道中心のあり方だけでは、これはどうも先行きが困難ではないだろうかという点については私も西野委員と同じ立場に立つものであります。そういう意味では、いろいろな下水道整備のあり方というのをさらにこの時点で考えながら施行する必要があるだろうと思います。そして、昨年の七月二十三日の都計審などにおきましても、普及率アップのための一層の技術開発の必要性が求められております。
 そこで、今回の七次五計の中において、中小市町村に適した下水道の整備に関する技術的な配慮というか目標というものについて、どのように取り組んでいるのか、まずそこから伺いたいと思います。
#35
○説明員(福井経一君) 今後中小市町村の下水道整備を促進していくためには、中小市町村のそれぞれの地域特性や技術力に対応したような下水道技術の開発と実用化が必要であるということは、御指摘のとおりでございます。このため、工場で製作いたしまして現地で組み立てるようなプレハブ式の下水処理場、あるいはまた維持管理の非常に容易な処理方法、あるいはまた地形がいろいろあるわけなんですが、それらの地形にいかようにでも対応できますような圧力式下水道システム、これはポンプで下水を圧送するわけでございますが、こういったものを開発いたしまして、これまでも実用化してきたわけでございます。
 今後、この下水道の技術の開発と実用化をより一層進めまして、それぞれの地域に適応いたしました中小市町村の下水道整備を促進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#36
○種田誠君 今も幾つかの具体的な新たな施策なども述べられておったわけでありますが、その中で、今述べられた圧送式というか圧力式というか、この下水システムがかなりモデル的にもう実行されておるというようなことも伺っておるわけでありますが、特に地方都市に行けば行くほど起伏の多いところ、また集落が点在するというような傾向が当然出てくるわけでありますから、そういう地域においての効率的な下水道の普及というのを図るためには、今述べておられたような新たな試みが必要だと思うんですね。
 実際に実験プラントとして行ってきた経過、さらに今日的な実施状況例、そういうことについて手元に資料などがありましたらお答え願いたいと思うんですが。
#37
○説明員(福井経一君) この圧力式下水道は建設省の土木研究所で実際に実験を行って非常に良好な結果が得られております。現在、これを実用化するということで、長崎県の佐世保市でこれを実際に実施していきたいというふうに考えております。
#38
○種田誠君 オランダなどでもこの圧力式というのは積極的に取り入れられてもう実施されているということでありますから、より積極的にこの方式などは取り入れていくことが今日的な課題にこたえることになるかと思いますので、さらなる研究と一日も早い実施をお願いしておきたいと思います。
 さらに、先ほど来代行制度などについてのお答えがあったわけでありますが、実際の技術者の研修、約二万人ほどが研修を受けられておるということでありますが、果たしてこの二万人ほどの技術者で現実的対応は可能なんでしょうか。
#39
○説明員(福井経一君) 二万人で必ずしも十分とは考えておりません。今後特に中小市町村に下水道が広がっていきます。下水道の技術者というのは全国的にもまだまだ不足しております。私どもといたしましては、さらにもう少し技術者を充実するように考えていきたいと思っております。
#40
○種田誠君 地域の特性を十二分に考慮しながら下水道行政を進めなきゃならないということになりますと、技術者の技術ということもますます大きく求められるものがあると思いますから、ぜひ今のような視点に立ちましてより一層の力を入れていただきたい、このようにお願いを申し上げるところであります。
 さらに、今回の第七次五カ年計画において中小市町村などに対する下水道の整備と同時に、新たな意味での下水道処理排水の質の向上とか、それから下水道に関する多目的な利用だとか資源の高利用とかこういうことが特徴として述べられておるようなんでありますが、第七次の五カ年計画のその余の特徴としてはどのようなところにあるのか、お答えを願いたいと思います。
#41
○政府委員(市川一朗君) 第七次五カ年計画におきましては、私ども先ほど来御答弁申し上げておりますように、一つには、「普及が遅れている中小市町村の下水道整備及び未着手市町村の新規着手」の促進を掲げてございます。それから二つ目には、「浸水の防除のための下水道事業を推進する。」、三つ目には、「水質環境保全のための下水道事業を推進するとともに、高度処理を積極的に実施する。」、四つ目には、「大都市等において、下水道の機能を改善し、質的向上を図るための事業を推進する。」、第五に、「下水道の資源、エネルギー、下水道施設等の多目的活用を推進する。」こういう考え方を持っております。
#42
○種田誠君 今局長が述べられた一つの特徴でありますが、このことについては、先ほど申し上げました昨年七月の都計審におきましても、これからの下水道は、まさに下水道が持っている特別な資源というかエネルギーというか、そういうものを十二分に活用すべきだろう、こういうふうなことも強く要請されているところでもあります。
 そこで、実はきょうの朝日新聞の社説などにも載っておったんですが、やはり今後のエネルギー需要が大幅に伸びるだろう。そういう中で化石燃料などの将来の問題点、さらには原子力発電の設置難、そしてまた一つには、エネルギーの節約と同時に、まさにエネルギーの再利用、そういうふうなものが強くこれから求められていくだろう。そうなりますと、熱発生源であったり、さらには資源の発生源とされる下水道にまつわっての多目的な利用とか、効率的な利用ということが大きく求められるんではないだろうか、このようにも思うわけであります。
 そういう意味で、この点についてさらに詳しく伺っていきたいと思うんですが、まず最初に下水道排水の高度利用、このこともとりわけ下水道が河川や湖沼の水質浄化にも大きく寄与するものであるとするならば早急にこれを実施していく、こういう必要性もあるわけですが、この高度処理水、高度利用ですね、この辺のところについては現状はどうなっておるのか、まず伺いたいと思います。
#43
○政府委員(市川一朗君) 下水道処理水につきましては通常二次処理まで行うわけでございますが、それに加えましてさらに高度な処理を行っておりまして、それを私ども高度処理と呼んでおるわけでございます。これにつきましては、通常の二次処理よりもどうしても水質を保全するために必要な公共用水域といたしまして、湖沼とか閉鎖性水域あるいは水源河川等の水域におきまして高度処理を推進する必要があるというふうに考えておるわけでございます。例えば閉鎖性水域におきます富栄養化防止のための窒素、燐除去を目的といたします高度処理といたしましては琵琶湖流域下水道あるいは霞ケ浦湖北流域下水道など全国で十ございます。
 それから、高度処理をいたしまして、その処理水をいろんな形で再利用するということも現在進んでおりまして、昭和五十四年度から下水処理水循還利用モデル事業というような形で下水処理水を水洗便所等の雑用水として利用するモデル事業も実施しております。まだ現在でもモデル事業の段階でございますが、東京都とかあるいは福岡市等でこれもかなりのところで現在実施されております。
 それから、それ以外に都市下水路にきれいになりました処理水を導水いたしまして、せせらぎを回復するアメニティ下水道モデル事業なども京都府等で実施しておりますし、さらには青森市等におきまして積雪対策下水道事業と称しておりますが、降りました雪を速やかに排除するのに下水道処理水を利用していただく、こういったような事業も実施しているところでございます。
#44
○種田誠君 高度処理によって生まれる新たな水、まさにこの水を有効利用していくことによって河川や湖沼の浄化、さらには私たちの親水意識の高揚、そういうものが新たに生まれてくるわけです。
 今述べられたような形で進められることは結構なんでありますが、むしろこのことに関しては建設省よりも各地方自治体の方が積極的にこの問題を一層早く確立したい、こういうふうな声があるやにも聞いておるわけであります。ことしになっての新聞などを拝見しても、石井先生の地元であります神戸市などは下水道の一〇〇%普及がもう間もなくだ、次は水質の改善だ、こういうことで神戸市の第七次五カ年計画によって高度処理の一層の普及、また同じように、埼玉県における都計審においても公園などで処理水を再利用していきたいとか、全国至るところでこういう声が今上がっているわけです。
 このことに対して建設省の方で例えば先ほど述べられたように十カ所ぐらいのところで行っておるということでありますが、本年度予算などを見まして、この再利用ということに関してどの程度これから建設省は対応していけるというふうな予算的な裏づけになっておりますでしょうか。
#45
○政府委員(市川一朗君) 高度処理の問題につきましては、私どもは現時点では、先ほど申し上げました公共用水域の水質保全、すなわち湖沼とか閉鎖性水域とか、あるいは水源河川、そういったようなところの水が汚れないように、よりきれいになるようにということで、単なる二次処理によりまして排水するのではなくて、高度処理を行いまして排水をするといったようなことが極めて重要な課題であるというふうに思っております。さらに、それを一歩進めまして、ただいま御指摘ございましたように、また先ほど御説明いたしましたように、高度処理をされました水を積極的に雑用水等も含めまして利用していくといったようなことは極めて重要な課題であると思っております。
 第七次五カ年計画を策定します際にもその辺が私どもの内部でも一つの大きな議論になりまして、最終的にはやはり七次五計の一番の課題は普及率の拡大である。ただいま神戸市の例がございましたが、やはりまず下水道の整備を進める中で、先ほど申し上げましたように、もちろん重要な公共用水域における水質を保全するという意味におきまして下水の高度処理ということも同時並行的に進めなければなりませんが、より積極的な意味での高度処理といいますものは、やはりまだモデル事業的な段階を出ない、もう一つ次の課題として位置づけざるを得ないのではないかというようなことでございますから、先生の目でごらんになりますと、ちょっと必ずしも十分でない予算措置ということになっておるのかなというふうに思っておる次第でございます。
#46
○種田誠君 今局長が述べられているように、普及もしなきゃならない、さらには高度処理をしてその排水を多目的に利用しなきゃならない。戦後急激に社会資本の充実を求められる、こういう時代でありますからこれは大変な課題だと思うんですが、ぜひその辺のところを、下水道のいわゆる確立ということの目的がそこにあるわけでありますから、お願いをしたいと思うんです。
 そのことについてもう一点だけ伺っておきたいのは、特定水域高度処理基本計画策定費というのが本年度新たに一つの施策として創設されているわけでありますが、この点についての特徴をちょっと述べてみていただきたいのであります。
#47
○説明員(福井経一君) これは下水処理場で高度処理をやるに当たりまして、どのような処理程度あるいはまたどういった処理方法がいいか、そういうようなことを検討する必要があるわけでございます。したがいまして、それに要する調査というものが必要であります。その調査に対します調査費の補助でございます。この調査費の策定に対して国が補助をしよう、こういうものでございます。
#48
○種田誠君 そうしますと、先ほど都市局長の方からあったように、なかなかこの高度処理を行っていくことは大変だと思うけれども、今部長が答弁になったように、そういう中でも基本的な計画策定の方向を進めていきたい、こういうふうな考えがあるということですね。
#49
○政府委員(市川一朗君) 先生御指摘のとおりでございまして、必ずしも十分ではないと思いますが、高度処理の問題につきましてもかなり力を入れてやっていきたいということの一つのあらわれであるというふうに御理解いただきたいと思います。
#50
○種田誠君 次に、いわゆる資源化、エネルギー再利用、そういう点について伺っていきたいと思うんです。
 下水道が普及される。当然大量の汚泥が発生する。この汚泥の処理について、今全国の自治体はもとより広域的な下水処理場においてもその取り扱いが大変な状況になっているということが、マスコミなどにおいても述べられてきているところであります。
 そういう中で、この汚泥の現状というか、また排出量それからこの汚泥に関する今日的な対策、この辺がどうなっておるのか、まず冒頭伺っておきたいと思います。
#51
○政府委員(市川一朗君) 現在、全国の終末処理場から発生しております下水汚泥の処分量でございますが、年間約百九十五万立米でございまして、その六割が埋め立て処分されております。それから、二割強が有効利用されております。その残りが必ずしも十分な処分の仕方になっていない、こういう統計になっております。
#52
○種田誠君 これから今後の汚泥の発生量と対策の見通しはどうなっておりますか。
#53
○政府委員(市川一朗君) これから下水道の整備を積極的に進めてまいるわけでございますから、必然的に下水汚泥の発生量は増加するわけでございます。したがいまして、その下水汚泥処理をどうするか、適正な処理ということが下水道の整備拡大、普及の拡大に伴いましてついてまいる大きな課題であるわけでございます。
 どのような程度の処理、現在では年間約百九十五万立米と先ほど申し上げましたけれども、それが今後どれぐらい伸びていくかということにつきましては、ちょっと私今ここに手元に数字がございませんので申し述べることはできませんけれども、この下水汚泥の処理につきまして、単に終末処理場で発生いたしました下水処理をその終末処理場の管理者という立場、あるいはその区域内の処理というだけでは処理し切れない問題がいろいろ出てまいっておりますので、広域的な処理の仕方を考えるとか、あるいはそもそも下水汚泥につきまして現在でも約二割強が有効利用されておりますので、これを下水汚泥につきましては単に埋め立て等のような一過性の処分をするのではなくて、いろんな形で再資源として有効利用することも可能なようでございますので、そういった方向を追求し、そういった形で処理するなど、下水汚泥の処理という問題は極めて大きな今後の課題であるというふうな認識で取り組んでまいる必要があるというふうに考えておるところでございます。
#54
○種田誠君 六三%ぐらいが埋め立てに使われて二割強が今もおっしゃっておったように再利用されておるということでありますが、これがまさに今後も大幅にふえていくだろう、そういう中で再利用が二割ぐらいだという話で、コンポストとか多分建築材とかその他に利用されているんだと思います。
 この辺についても実はむしろこれは現実問題として自治体が非常に困るわけですから、そういう意味ではいろいろな試みを今進めていきたい、こういうふうなところで各地方の自治体がいろいろ苦労している、こういうことで建設省の方として今局長の方から一つおおよその方向の見通しは述べられておったんですが、果たして埋め立てということ、それからコンポストなどの再利用、こういうことに関しての今後の可能性また国民の理解、国民のニーズ、こういう点はどのように受けとめて今のような答弁をなされたのか、伺いたいと思います。
#55
○政府委員(市川一朗君) 下水汚泥につきましては、今コンポスト化というお話もございましたが、いわゆる堆肥化する方向で、その汚泥につきまして緑地やあるいは農地に利用するといったようなことが現在一番よく進められておる分野でございまして、まずこれにつきましては、私ども都市局は下水道のほかに公園部局も持っておりますので、よく連携をとりながら都市緑化としての下水汚泥の活用といったようなことはお互いにとりまして非常に有効に機能するのではないか、これは積極的にやってまいりたいと思います。地方公共団体におきましてもその点かなりのところでいろいろ検討もし実用化しておるところもあるわけでございます。
 それから、下水汚泥につきましてはさらに建設資材として利用するということで、例えば下水道事業の路盤材とかあるいはタイル等につきまして汚泥製品を積極的に利用するといったような、下水汚泥資源利用モデル事業といったようなものもあるようでございます。そういったようなことも含めまして、汚泥の有効利用に関する技術開発を進める必要があるわけでございまして、私どもはこの技術開発の余地はかなりあるというふうに思っております。
 これを積極的に進めてまいりますと、現在以上に汚泥の有効利用についてむしろ汚泥が欲しくなるというような時代まで来るのではないかというふうに思っておるところでございまして、地方公共団体の御希望に沿いながら、また建設省としても積極的に取り組んでまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#56
○種田誠君 ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいのですが、それが余りにもばらばらな取り組みであってはいかぬと思うのです。やはりこれから量がたくさん出てくる、しかもこれは技術的にもいろいろな難しい問題も伴うとなりますと、ある程度これは計画的に、しかも先ほどちょっと局長から述べられておったんですが、ある場面においては一つの下水道だけで全部やるということはできないものですから、ある程度の広域的な取り組みが必要だと思うんです。そういう意味では、何か建設省の方で今日ある程度総合的な意味での対策というのは、これについて持っておるんでしょうか。
#57
○政府委員(市川一朗君) 確かに、先ほど有効利用のことを申し上げましたけれども、下水汚泥に関しましてはやはりすべての処理場でそれを処理場単位で処理するということは非常に難しい面がございまして、私どもはこれを広域的に処理することが必要であるということから、一つ実施しておりますのは、エースプランと称しておりますが、昭和六十一年度に兵庫県で兵庫東、兵庫西の二カ所、それから昭和六十二年度から大阪では大阪北東、大阪南の二カ所、都合全国で四カ所でございますが、大量に発生いたします下水汚泥をエースプランという形で処理しております。
 この仕組みは、下水道事業団が財投の金を使いまして下水道事業団みずからの事業といたしまして、発生いたします汚泥の広域的な処理を行うということでございます。それぞれの地方公共団体におきましてもいろんな形での広域的な汚泥処理を進める必要があるということで今検討が進められておるようでございます。
 下水道法も含めまして下水道事業の仕組みがいろいろございまして、なかなか簡単にはまいらない部分もあるようでございますが、私どもといたしましては、これを積極的に広域的な処理が必要であるという観点から進めてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#58
○種田誠君 エースプランが一定の役割を果たしておるということは昨年の六月のこの委員会でも伺ってきたわけであります。第七次五カ年計画の中にも大きく位置づけられたことは評価すべきことだと思うんですけれども、もう一つ、先ほど来局長が述べておられる中では、都道府県が積極的にこれらの総合的な意味での計画を立てるようなそういう方針というのはないのかということなんですが、どうでしょうか。
#59
○政府委員(市川一朗君) 下水道は基本的には市町村が設置・管理することになっておりまして、これを都道府県レベルで取り組むためには、基本的には各市町村からの委託を受けまして行えば、それは広域的な処理ができるようになるわけでございます。したがって、よりもっと積極的に広域的な処理を都道府県レベルで行う必要もあるのではないかという観点に立ちまして、いろいろと私どもといたしましても調査検討を行っております。県から要望がありました場合には、先ほど申し上げましたエースプランを実施することも含めまして、いろいろと多角的に検討してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#60
○種田誠君 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、下水処理場の汚泥処理などをしますと極めて高い温度の熱が排出されるというふうなことから、幾つかの自治体などにおいても、また建設省などにおいても、これはまだモデルケースだとは思うんですが、下水処理過程の中での地域冷暖房とか温水の供給とか、こういうことが試みられているようなんですが、昨年十月の新聞報道などによりますと、文京区などでもこういうふうなことでの熱利用ということが始まったということでありますが、この辺の現状はどういうふうになっておるんでしょうか。
#61
○説明員(福井経一君) ただいま御指摘の件は、後楽園のポンプ場のことかと存じます。
 このポンプ場は雨水と汚水と両方排除するポンプ場になっておりまして、現在雨水については既に一部稼働しております。汚水の系統につきましては、まだ工事中でございまして、完成は平成七年度というふうに聞いております。
 ポンプ場の敷地は〇・七ヘクタールということになっておりまして、このポンプ場の地下に今御指摘の冷暖房用のプラントが設置できるようなスペースが設けられております。ポンプ場の上部は業務用のビルとして使用するということになっておるわけでございます。
 この冷暖房のプラントでございますが、これにつきましてはこの周辺にどのようなニーズがあるか、そういうものを見きわめて今後プラントの建設を進めるということになっているわけでございまして、現段階ではまだその時期とかそういった区域あるいは内容についてはまだ未定でございます。
#62
○種田誠君 先ほど下水処理に伴って発生する熱や温水やガスというものを多角的に活用していく、そういうことによって省エネやエネルギーの再利用をするという必要性がこれから大きく求められてくるだろう、こういうことを述べたわけなんですけれども、例えば新しく千戸とか二千戸の住宅地を造成する場合、これから発想を転換してその町の中心に焼却炉だとか下水処理場だとか汚泥処理場だとかそういうのを位置づけまして、上は公園に利用して、そこから出てくる冷暖房は全部その千なり二千なりの住宅に供給する。そして、お湯も供給してあげる、散水用の水も供給してあげる。こういうような形での町づくりができればかなり新しい意味での都市づくりになっていくんじゃないだろうか。
 そういう意味で、これは非常に下水道に関する今までと違った角度からのニーズというのが生まれてくる、こういうふうに私自身は予測というか、将来を見ているわけなんですが、そういうふうな視点での町づくりということに関して、今建設省ではどのようなお考えを持っているでしょうか。
#63
○政府委員(市川一朗君) 大変重要な御指摘だと思います。
 下水処理場やポンプ場などにつきましては比較的広い敷地を有しておるわけでございます。ただいま町づくりという観点からの有効活用という御指摘がございましたが、まずその上部を公園にするとか運動場にするといったような形で公共施設として利用していくということが考えられるのではないかと思っております。特に、都市公園の整備も急務でございますが、都市の中の公園のための用地の確保は非常に難しい面がございますので、私ども、こういったような形での多角的利用ということが極めて重要なテーマであるというふうに思っております。
 それから、下水処理水そのものを、先ほど来御答弁も申し上げておりますが、いわゆる高度処理いたしますと有効な水資源になるわけでございまして、それをいろんな用水として利用するだけじゃなくて、上手に導水いたしますと、それが都市の中の水の流れといったような形で町づくりとしても貢献してまいるのではないかと思っております。
 それからさらに、エネルギーの話もございましたが、下水処理に当たりましてのいわゆる熱エネルギー源、これを冷暖房に利用したり、あるいは下水汚泥の処理過程で消化ガスが発生いたしますが、それを利用いたします発電とか、そういったようなことも行われているところもあるようでございまして、いろんなことを検討し、それを多角的に活用いたしまして、トータルとして下水道の施設そのものが総合的な町づくりに積極的に貢献するような有効活用ということを考える必要があるのではないかと思っておったわけでございますが、ただいま先生の方から御指摘がございまして、大変意を強くしておるところでございます。
#64
○種田誠君 もう一点、その点でぜひこの席で伺っておきたいんですが、昨年の六月にも私ちょっと聞いたんですけれども、そのときに、できれば今国会あたりに法案を改正していきたいというようなこともちょっとあったんですけれども、いわゆる下水の管渠を利用した光ファイバー、このことが一つ課題になっておると思うんですが、これに対しての取り組みは今どうなっておるでしょうか。簡単な答えで結構ですが。
#65
○政府委員(市川一朗君) 光ファイバーを下水施設の中に敷設いたしましてそれを積極的に活用していくということは、都市計画中央審議会の答申でもございましたし、またそれをテーマにした研究も東京都の担当者などを中心にいろいろ進んでおります。私どもといたしましては前向きにぜひこれを活用する方向で検討していきたいということで現在取り組んでおります。
#66
○種田誠君 今局長からお答えがありましたように、この下水道をいろんな角度から再点検してみますと、これは不利益なマイナス施設じゃなくて、むしろ我々にとってはなくてはならない施設であるし、もしかしたら新たな資源を生み出す施設かもわからない。
 そういうふうな視点で大きくイメージを転換して、そうなってきますとこれは町づくりのための重要なポイントになるわけですね。そしてさらに、これは電気事業法だとかガス関係の法律だとか、いろんな法律とのかかわりが生まれてくると思うんですが、と同時に、建設経済局、都市局その他、建設省の中における部局の違いばかりじゃなくて、他省庁とのかかわりの中においてもこの下水道が取り巻いている今日的な課題、そういうものに対してこの時点で第七次五カ年計画の中で私は新たな転換をしながら二十一世紀を迎えるべきだろうと思うんです。そうなってきますと、大変な取り組みをこれから要する。十六兆円というお金を投ずるわけですからそれは私当然だと思うんですが、その辺のところを、これはもう大臣が本当にこれはやってみようじゃないかというかたい決意のもとに立ち上がってもらわぬと、今局長が述べたような視点では取り組みは生まれてこないと思うんです。
 そういう意味で、最後に大臣の決意を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#67
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま数々の御論議を拝聴させていただきました。
 まさに御指摘のとおり、下水道というのは従来は雨水や汚水を処理するというようなことで考えておったわけでありますが、今や全く発想の転換をして、お話のように処理水も高度処理水によって再利用をする、あるいは汚泥もまた再利用をするというような視点に立ちながら、下水道の第七次五計も事業の目標を達成するためにはやや少ないのではないかというような御指摘もございましたけれども、まさにその発想の転換によって、都市公園事業であるとかその他の事業と組み合わせますとそこでかなり費用も浮いてくる部分もあると思いますので、そういう柔軟な対応をすることによって、目標の達成を公園の場合もあるいは下水道の場合もお互いに進めることができるであろう。
 こういうことになってまいりますと、まさに各関係省庁が協力をし合って体制をつくっていく。同時に、市町村が下水道を整備するわけでありますが、都道府県、国、それぞれの機関がやはり柔軟な考え方で一つの目標に向かって協力をしていくということが大変に必要だというふうに感じました。ぜひこの五カ年計画を達成するためにもそのような柔軟な姿勢で強力に進めてまいりたい、このように考えております。
#68
○石井一二君 この委員会の質疑が始まりましてはや八十分が経過をいたしております。予定しておりました質問で既に出た質問もございますので、できるだけ重複を避けつつ聞いてまいりたい、そのように思うわけでございます。
 まず、第七次下水道整備計画に向けていろいろ御努力をされておる、非常に結構なことだと思います。私の理解するところでは、昭和三十七年に第一次五カ年計画がスタートしたときの普及率はたしか七%であった。それが現在五〇%を上回る数字でいろいろ論議をされておりますが、第一次、第二次、第三次の過去の努力の結果としてどのように普及率を向上せしめてきたか、まず一遍過去の実数をお示しいただきたいと思います。
#69
○政府委員(市川一朗君) 第一次五カ年計画は昭和三十八年度から始まりました。昭和三十七年度末の普及率は、ただいま先生から御指摘ございましたが、七%でございました。二次五計のスタート時点では一〇%、三次五計一六%、四次五計二三%、これは昭和五十五年度末の数字でございます。五次五計は五十六年度からスタートでございます。したがいまして、ちょうど十年前になるわけでございますが、十年前は三〇%でございます。それから、五年前は第六次五計のスタート時でございますが、三六%でございます。今回はそれが四四%というふうになっているわけでございます。
#70
○石井一二君 今言われたような経過でここまで持ってこられたわけですが、ではさらに、未来に向けて西暦二〇〇〇年を目標とした公共投資のあり方、そういった観点で見た場合に将来どのような数字というものを二〇〇〇年代に入って想定されておるのか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#71
○政府委員(市川一朗君) まず、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、現在平成二年度末で普及率四四%でございますが、これを五年後には五四%ないし五五%まで持っていきたいと、それから十年後には七〇%に持っていきたいということでございまして、この七〇%までは先般来の公共投資基本計画策定の際にも政府レベルでも議論されておりましてコンセンサスを得られた数字と思っておりますが、さらにその先といたしましては、やはり現在イギリスの普及率は九五%でございますので、私どもといたしましても、真の意味で豊かさの実感できる国民生活を日本国民が国の隅々で享受できるという社会を実現するためにも、九〇%を超える普及率を目指す必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#72
○石井一二君 普及率がどんどん上がっていくのはごく当然のことですが、中には施設が非常に古くなって、例えば浸水対策にしても五年に一回程度の大雨に耐えるというような計画から、それを十年に一回に変えなきゃいけないとか、一歩前進二歩後退みたいな場面もあると思うんですが、そのような古い施設の改造改築等もそういった今のパーセンテージだけ追った数字の中に入っておりますか、その点いかがですか。
#73
○政府委員(市川一朗君) ただいまの考え方には基本的には入っております。公共投資基本計画、四百三十兆円の議論をした際にも、いわゆる施設の更新費といいますかそういったようなものは私どもは含んだ考え方で、必ずしも積み上げた数字ではございませんけれども、下水道としてはそういう考え方でやっております。
 ちなみに、下水道に限らず公共施設全般につきましてそういう古いものを更新するというもの、それから維持管理につきましても基本的に投資的な部分とそうでない部分とありますが、投資的な部分につきましては、あらゆる公共施設につきまして、四百三十兆の計算の際には考える必要があるという考え方で取り組んでおります。
#74
○石井一二君 昨今、何か物を言うとすぐに日米構造協議という言葉が出てまいります。それで、アメリカ側に言わせますと、日本の経常収支の黒字を解消するためには貯蓄・投資のバランス上投資を増大させる必要があり、このために特に公共投資の拡大を迫ると、こういうことでございます。私個人としては、風が吹けばおけ屋がもうかる、こういう論理だなと理解しておるんですが、大臣の御所見はいかがですか。
#75
○国務大臣(大塚雄司君) 今回の四百三十兆円、昨年の六月にまとまるプロセスでは数々の御論議がございましたし、今先生が御指摘のようなお話もございました。しかし、従来この公共事業が果たす役割というのは、やはり経済の効果としては景気の維持あるいは景気の発展というものに大きく役立ってきたことも事実でありますから、そのことが結果的に財源の確保にもつながっていく、そういう循環の中で四百三十兆円を投資することによって一つの目標を達成するというようなことであると私は考えております。特にこの四百三十兆円は、一九八〇年代の投資と比べますと約一・六倍ということでございまして、これによってそれぞれの下水道の場合でも一つの目標を定められておるわけでありますが、何とか達成をすることができるだろうと、このように考えております。
#76
○石井一二君 私はこの日米構造協議のアメリカの言い分に対してはいろいろ個人的には異議も持っておりまして、この五月の連休にはワシントンへ行って、これは相互的な取り決めですから、アメリカが日本に要求するだけではなしに、日本が要求しておる、例えば財政赤字の削減をどう実現しおるのかといったようなあたりも詰めてまいりたいと思うんですが、約束事ですから、今四百三十兆円という言葉も出ましたが、大臣、ひとつぐんぐん引っ張っていって、国際的な責務を全うしていただきたい、とりあえずそう要望しておきたいと思います。
 さて、下水道の話に戻りますが、現行の補助率ですが、これは処理場、管渠等によりそれぞれ定められております。地方自治体の立場からすれば、財政的に補助率は高い方がいいにこしたことはないわけです。一時的な取り決めもあって、暫定的に昭和六十年以降引き下げられた経緯もある。こういったことを踏まえて、現在の補助率はいつどのように決められ、今後どのような方向へ行くべきだと行政的に判断をしておられるのか、大臣あるいは局長の所見を聞いておきたいと思います。
#77
○政府委員(市川一朗君) 現在の下水道の補助率につきましては、公共下水道の管渠は二分の一、処理場につきましては十分の五・五と、二分の一となっております。
 それから、第一種流域下水道、第二種流域下水道、都市下水路、それぞれ補助率が定められておりますが、これにつきましては昭和六十年度以降におきまして財政再建という形で暫定的に引き下げが行われてきておりまして、現在の数字は、例えて申しますと、十分の五・五といいますものはもともとは三分の二の補助率だったものが今十分の五・五になっておるものでございます。
 これにつきましては、平成三年度から平成五年度までは昭和六十一年度に適用された補助率に復元するということになっておりまして、例えばただいま申し上げました三分の二でもう一度申し上げますと、三分の二につきましては平成二年度は十分の五・二五でございましたが、これを十分の五・五まで引き上げたわけでございます。これを平成三年度から平成五年度までの三年間適用するというところまで一応決まってございます。
 平成六年度以降どうするかにつきましては、政府全体としての方針は決まっておりませんが、私どもの下水道部局というサイドからの考え方といたしましては、基本的にはこれが本来のいわゆる本則の三分の二に戻るのが適当ではないのかなというふうに思っておるところでございます。
#78
○石井一二君 大臣、局長は自信を持って戻すといったようなことをおっしゃっていますが、行革審の答申等踏まえて、あなた御自身の御所見はいかがですか。
#79
○国務大臣(大塚雄司君) 日米構造協議の目標もさることながら、これら五カ年計画等、今回五本スタートするわけでありますから、それぞれのものを全部達成するためには補助率を一日も早く復活するということは極めて大事なことでございます。
 今日までの経過からしますと、今回平成三年度以降五年度までは暫定的に六十一年度の水準まで戻るわけでありますが、それから以降のことについては、これは所管ではないので定かなことは申し上げられませんけれども、恐らくもとに戻すことは可能である、こういうことを期待しながら、また努力をして達成をしてまいりたいと思っております。
#80
○石井一二君 今所管でないとおっしゃいましたが、所管とはどこを指しておっしゃったんですか。
#81
○国務大臣(大塚雄司君) 大蔵省のことを申したのでございまして、大蔵省に対して強力に働きかけまして事業が実施できるようにしたいと思っております。
#82
○石井一二君 まあ、いいでしょう。
 では、下水道事業団にお伺いいたしたい。
 下水道事業団がいろいろ御努力をなさっておる、御活躍ぶりはよく承っております。それで、私がまずお伺いしたいのは、今何人ぐらいの規模で、特にそのうちプロパー職員が何人ぐらいで、どの程度の事業量を消化しておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#83
○参考人(玉木勉君) 下水道事業団の定員でございますが、現在七百五十名余りでございます。このうちプロパー職員が約四割ということでございます。
 事業規模でございますが、今年度の予算で約二千億円ちょっとでございます。
#84
○石井一二君 ちょっと二千億円と数だけ出ると比較しにくいんですが、全体の中に占める割合ということで言うとどれぐらいのものを受託事業として消化しておられるのか、ちょっとパーセンテージを言うていただけますか。
#85
○参考人(玉木勉君) 全体の下水道事業に占める割合は約八%、一〇%未満であったかと思います。
#86
○石井一二君 さっきプロパーが四〇%で七百五十名と言われましたが、そうするとあとの六〇%はどういうことになるんですか。
#87
○参考人(玉木勉君) あとの六〇%は地方公共団体あるいは建設省等からの出向職員でございます。
#88
○石井一二君 地方公共団体と建設省、どちらが多いんですか、出向職員。
#89
○参考人(玉木勉君) ほぼ同数程度だと思います。
#90
○石井一二君 それでその次に、受託手数料ですが、要はこの手数料というものは高過ぎた場合に利益が出てもしようがないという性格の事業団であろうと思いますし、安過ぎてもいい仕事ができない。また、地方自治体等の負担ということも考えられますが、現在どの程度の受託料を取られ、そのレベルに対してどのように自己分析をしておられるのか、一応御所見を承りたいと思います。
#91
○参考人(玉木勉君) 下水道事業団が実施設計または建設工事を受託する場合の受託の事務費でございますが、設計につきましては受託金額の一〇%、建設工事につきましては受託事業費の額に応じまして、例えば五億円未満の場合は五・三%、五億円以上十億円未満の場合が四・三%、十億円以上の場合が三・三%となっております。この事務比率につきましては、下水道事業の設計、維持管理等に要する諸経費を総合的に勘案いたしまして定めているものでございます。
 受託事務費でございますが、委託者である地方公共団体がみずから設計または施工するためには専門技術者が必要でございますので、その専門技術者を地方公共団体が永続的に雇用する場合の費用に比較いたしまして格段に小さいものであるということから考えますと、この比率は適正なものだと考えております。
#92
○石井一二君 御自分で適正だとおっしゃいますし、私も一応そのように承っております。ただ、将来に向けて考えた場合に、先ほどの市川局長の答弁じゃありませんが、いずれは一〇〇%を目指してどんどん時が流れていく。逆に言うと、下水道事業団の仕事はどんどんなくなっていくということでもあろうと思います。また、先ほど来の質問に出ておりますように、例えば上部空間をどうするとか、処理後の水の再利用をどうするとか、いろいろ新しい分野の研究もあろうと思いますから、せっかくこの七百五十人からの人材を抱えて、めでたく下水道普及率が一〇〇%近くなったから解散といったことはあり得ないと思います。私は、そういう意味で、長期的な展望に立って、そろばん勘定もよくして、ひとついい仕事をし続けていただきたいと思います。
 そのような観点に立って、昨今、発注の中で入札不調なんという問題が起こっているのか起こっていないのか、実態いかがですか。
#93
○政府委員(市川一朗君) 入札不調につきましては、昨今幾つかの事例があるというふうに私どもは聞いております。建設省といたしましては、物価上昇あるいは労働者の確保難等勘案いたしまして、発注する地方公共団体におきまして現状に即した積算が行われるように単価、積算方法等の改善を図ったところでございますけれども、今後とも引き続き適正な事業が執行されるように、地方公共団体等を指導してまいることによりまして、このような事態が発生しないように指導してまいりたいと思っておるところでございます。
#94
○石井一二君 最近、下水道のみならず、一般に入札不調というのが非常にふえていると私は思うんです。建設大臣、これは建設全般に関する問題ですから特によく聞いておいていただきたいと思います。
 元来、仕事を出してやるんだという感覚がお役所にはある。そういった中で入札というものが行われてまいりましたけれども、昨今は利益率の高い民間の工事をとった方がいいという傾向が出ておる。こういう中で入札不調というものが出ておりますが、非常にそれに伴うロスも多いわけであります。私は、今手元に建築積算要領とか土木請負工事工事費積算基準こういった資料をここに持っておりましてその詳細も見ておりますが、私の感じるところ、入札不調を避けるためには、予定価格の根拠となる積算基準というものをかなりの頻度で見直す必要がある。特に、ことしの人件費というものは、前年度の人件費と比べものにならないという場合が実際に起こっております。それと、すぐにJV、俗に言う共同企業体に出す、こういった場合になかなかコストに対するフレキシビリティーが乏しい。そういった面もありますので、単独企業体への発注をふやすとか、あるいは発注時期が年度末に集中するために手が足りないとか、その期間やれないといったようなことが起こってくると思うんです。それで、またもう一つとして、私は分離発注というものをもっともっと進めたらいいなと思っておるんですが、分離発注というのはどの程度の分離状況で現在行われておるのか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#95
○国務大臣(大塚雄司君) 詳細にわたりましては局長からお答えをさせますが、基本的な問題としまして、入札不調というのが最近多いという御指摘につきましては、確かに人手不足であるとかあるいは建築資材の値上がりであるとかいろいろな諸要因があるとは思いますけれども、特に労働者の確保等が厳しくなってきた昨今、これらの改善をしようというので、それぞれ発注する地方公共団体等におきましても現状に即した積算が行われるような単価とか積算方法の改善を図ったところであるわけでございます。
 建設省といたしましても、これらの問題につきましては十分検討をして、今後の公共事業の執行に関しましては、特に四百三十兆円のスタートの年でもございますので、それぞれ入札不調にならないような対策を考えようということで対処をいたしておるところでございます。
#96
○政府委員(市川一朗君) 今手元に日本下水道事業団の工事の状況につきましての資料がございますが、これによりますと、土木工事、建築工事が三百六十件、それから機械工事が二百六十二件、電気工事が百五十二件、計七百七十四件でございまして、土木、建築工事と機械工事、電気工事の一括発注はございません。
#97
○石井一二君 私の質問は、どの程度の細分化を図っておるかということですが。
#98
○政府委員(市川一朗君) 失礼しました。
 したがいまして、土木工事、建築工事として、それから機械工事、電気工事、このように三つに分けて発注しているわけでございます。
#99
○石井一二君 これは未来的な検討課題と思いますが、私は今手元に「工事請負契約関係業務の適正化について」という事務次官通達を持っておりますが、それに基づきますと、分離発注の細分工事種別というのは二十二項目に分かれているわけです。だから、今は三つだけ言われましたけれども、やろうと思えばもっともっと細分化できる可能性がある。ただ、細分化されても、現場において夫金を取るとかいろいろとその頭になる企業が悪いことをしますから、決してそれは正しくはないと思いますが、少なくともそういったことに対する指導ができる、その結果入札不調もなくなり、また大企業がますます大きくなるということじゃなしに地場の専門業者が育っていく、こういった私は配慮がなされるべきと思いますので、一応要望をいたしておきたいと思います。
 次に、また質問に返りますが、一たん下水道ができた場合に維持管理をしなきゃならぬ。それで、この維持管理業者というのはどれぐらいおられて、維持管理料というのはどの程度になっておるか、概略を御説明願いたい。
#100
○政府委員(市川一朗君) まず、維持管理費でございますが、昭和六十三年度で全国の下水道の維持管理費は約四千五百億円でございます。このうち民間に委託しておるものがございまして、それが全体の約三〇%、金額にいたしまして約千四百億円でございます。それで、これの委託しております処理場の数でございますが、七百三十八カ所でございます。
#101
○石井一二君 民間に委託しているのが三〇%ということは、あとの七〇%はだれがやっているんですか。
#102
○政府委員(市川一朗君) 失礼しました。ちょっとただいま数字を間違えまして、恐縮でございました。
 全国の処理場数が七百三十八でございまして、そのうち直営が百六十九カ所、一部民間に委託しておりますのが二百十六カ所、全部委託しておりますのが三百五十三カ所。したがいまして、委託しておりますのが五百六十九カ所で、約七七%程度になるわけでございます。
#103
○石井一二君 最初の三〇%がいきなり七七%に変わって、私もびっくりしていますが。じゃ、最初の三〇%とおっしゃったのは、何の数字をおっしゃいましたか。
#104
○政府委員(市川一朗君) 処理場の全体の中で維持管理につきまして、処理場が直接直営で管理しておるものと一部あるいは全部を委託しておるものと、こう分けまして、一部でも委託しておるものを含めまして民間に維持管理を何らかの形で委託しているのが七七%でございます。
 それから、先ほどの三〇%といいますのは、いわゆる全体の維持管理費が四千五百億円でございますが、そのうち民間に委託している部分が千四百億円、それが約三〇%と、そういう意味でございます。
#105
○石井一二君 といたしますと、金額で三〇%の委託料をもらい、数では七七%の仕事を委託業者がさせられておる、そういうことですね、あなたの御答弁の意味は。
#106
○政府委員(市川一朗君) 民間に委託しておる形態が、維持管理を全部委託しておったり、あるいは一部委託しておったり、いろいろございまして今のような数字になるわけでございまして、例えば、これは六十三年度の維持管理費でございますので総額が約四千五百億円でございますが、そのうち民間に委託しております内容を見ますと、清掃費、補修費……
#107
○石井一二君 そんなもの聞いてないんです。そんな細かなこと聞いていない。
#108
○政府委員(市川一朗君) 失礼しました。四千五百億円のうちの千四百億円が委託費、維持管理費として委託しておるもの、そういう意味でございます。
#109
○石井一二君 そうすると、この委託業者はどういう方法で決めることになっているんですか、一般論として。国の場合、県の場合、いろいろありますが。
#110
○説明員(福井経一君) 各事業主体が入札を行って決めることが原則になっております。
#111
○石井一二君 今原則になっておりますと言われましたが、その原則を強調された裏には、原則はそうなっていないという意味ですか。
#112
○説明員(福井経一君) 原則といいますのは一〇〇%全部そうなっていないんじゃないかということで、昔からやっているとかそういうことで中には随契もあるのではないか、かように考えております。
#113
○石井一二君 私は、いろいろ回りくどく聞いておりますが、結論として現実はこういうことだと思うんです。釈迦に説法で皆さん方の方がよく御存じのはずですが、どこかの会社が処理場の工事をとるとこれはもううちがやったんだと、そうすると後の維持管理はその子会社をつくって子会社に全部やらせたい。だから、本体で赤字でも十年、二十年、三十年、四十年、五十年、委託はずっともらうんだからそれで採算がとれて定年退職後の再就職先も決まっておる。だから、今あなたが原則入札と言われたのは、実際は原則じゃなしに特命ですよ。そのことが悪い理由は何にもないと思うんです。構造も詳しいし、自分のつくったものはかわいがっていくと思うので、ただ今後の論議の余地はあるということをこの場では一応指摘をしておいて、時間的なこともございますので次の問題に移りたいと思います。
 すなわち、じゃ今度この下水道ができた場合に、財源的に本体の財源はもちろん地方自治体の場合は国庫補助金であり地方債である。また、管理費の財源は使用料及び一般会計からの繰入金だということですが、この使用料というのは現在どの程度で、どうやって決められておるのか、やや専門的ですから、下水道部長、いかがですか。
#114
○説明員(福井経一君) 下水道の使用料金は、下水道管理者が下水道法第二十条に基づきまして、条例で定めるということになっておりまして、下水道使用者からこの使用料を徴収する、こういうことになっておるわけでございます。この基本的な考え方は、下水道法二十条の二項によりまして、下水の量とかあるいはまた質、あるいはまたそのほか使用者の使用の態様に応じて妥当なものであるというようなことになっておるわけでございます。
 それで、建設省の調査によりますと、一般家庭の使用料は一カ月に二十立米使用した場合に、ただしこれは六十三年度の全国平均でございますが、千五百七十四円、大体一立米当たりおおむね八十円ぐらいというような数字になっております。
#115
○石井一二君 これは、部長は高いとお思いになるんですか、安いとお思いになるんですか。その辺の御所見はいかがですか。
#116
○説明員(福井経一君) 通常そんなに高くもなく安くもないんじゃないか、かように考えております。
#117
○石井一二君 私がお伺いしたいのは、そこに対する一つの建設省としての指導理念があってしかるべきだと思うんです。なぜならば、使用料が高ければ一般会計からの繰入金が安くなるわけだから、事業団としては財源が潤いほかの事業をどんどんやれるわけでしょう。また、受益者負担の論理もあるわけでしょう。また、上水道と下水道と比べて同じ水なら、むしろつくるためにより金がかかっているのは下水道だという面から見れば、同じでもいいわけだし高くてもいいわけでしょう。だから、現在の上水道よりちょっと安いというあたりについて、どのようなフィロソフィーがあるのかということを、私は伺っておきたいんです。
#118
○説明員(福井経一君) ただいまも御指摘のように、上水道の使用料金に比べまして下水道の使用料金の方が一般的には安くなっております。これは一般的なことでございまして、中には同じかあるいはまた下水道使用料金の高いところもあるわけなんですが、今言いましたように平均的には安いと。ただ、これにつきまして安いかあるいはまたどうかという御指摘なんですが、まあこんなものじゃなかろうかというふうに考えております。
#119
○石井一二君 いやいや、皆さん部長の答弁がおかしいのか私の質問がおかしいのか笑っておられますが、部長、ここに「建設月報」九〇年五月号という雑誌がございます。その中に座談会がありまして、あなたが次のような発言をしておられるわけであります。
 すなわち、「日本の場合は、上水道料金と下水の使用料金というのを比較いたしますと、使用料金の方が安くなっているんです、多くの場所は。」、今おっしゃったとおり。「使う水と捨てる水と比較した場合、使う水は大事だ。捨てる水の方は、それほど認識がない」、あなたは今おっしゃいませんけれども、こういう認識があるからそうなんだと。それで、結論としてあなたがここでおっしゃっていることは、これは各市町村の条例で決めるんだから知ったことじゃないというのがあなたの結論なんですが、私は、この条例というものは先ほど申し上げたように一般会計繰入金の上下に影響しますから、建設省としてしかるべきフィロソフィーを持ってやっぱり指導すべきだというように思いますが、大臣、どうですか。
#120
○国務天臣(大塚雄司君) 確かに、従来といいますか昔からの感覚ですと、飲む水の方が高いというような印象はあると思うんですが、きょうの委員会でも随分御指摘がありましたように、今後の下水道事業を眺めますと、再利用あるいは有効利用というようなことをいろいろ考えていくわけでありまして、それに伴ってまた受益が下水道事業そのものにあるかもしれない。そういうようなことを考えますと、料金の問題についてはやはり今後一度検討する必要があるかなというふうにも思います。
 ただ、部長が大体まあまあだと言ったのは、アバウトな言い方で恐縮でございましたけれども、従来の慣習と申しますか、そういう観点から申し上げたのでございまして、これから第七次五カ年計画を進めるにつきましても、そういう新しい発想で転換をしてこれからやっていこうということになればそれらの問題についても十分に考える必要がある、こういう認識でございます。
#121
○石井一二君 次に、厚生省、農水省、どなたか来ておられますか。――これは通告しているんですが、その合併浄化槽と農水省の農業集落排水施設、処理施設、どうなっているのか。
 じゃ、建設省にちょっとその絡みでお聞きしますが、これは本来建設省の分野に厚生省、農水省がいろいろお手伝いをいただいている。それで、それぞれ行政の縄張りの拡大ということもあると思いますし、下水の普及率が高くなるということはありがたいことだし、別にそれはそれでほかに論点はいろいろ私も用意しておるわけですが、予算委員会か何かでやるとして、言うならば、これを建設省にだけ任せておっても追いつかぬので我々もやろうかというような考えが基本的に、潜在的にあるんじゃなかろうかと心配するんですが、その辺どのようにこの実態を受けとめておられますか。
#122
○政府委員(市川一朗君) 下水道と同様に、し尿等生活排水を処理するものといたしまして、一つは、農業振興地域内の小規模集落を対象に整備されます農業集落排水施設、それから次は団地開発等に対応して設置されますコミュニティープラント、それから三つ目が、個人等の家におきまして個別に設置する合併浄化槽があるわけでございまして、ただいま御指摘ございましたように、それぞれの関係省庁におきましてそれぞれ目的に応じた補助がなされておるわけでございます。
 それで、私どもといたしましては、やはり地域全体の生活環境の改善あるいは公共用水域の水質保全を図るためには、地域全体に下水道を整備いたしまして面的に整備する。そういう意味におきましては、下水道によります一元的な処理ということがやはり一番適切なのではないかと思っておるわけでございますが、先ほど来御指摘もございますように、下水道整備にはやはりどうしても長い年月を要するところがございまして、なかなか下水道整備が進んでこないといったような地域におきまして、特に昨今、便所の水洗化を望む住民のお立場も強うございまして、そういったような観点から、ただいま申し上げましたような処理がいろいろと採用されておるわけでございます。
 私どもといたしましては、こうした下水道類似施設の設置に関しましては、基本的にはその地域が下水道整備されるまでのつなぎ的な措置というようなことで、将来はやはり下水道できちっとつないでいくということをいたしませんと、やはり実態を見てみますと、そこでの最終的な処理水の管理等が時間がたちますとなかなかうまくいかないという面もあるようでございます。
 そういったように考えておるわけでございますが、しかしながらつなぎ的な措置といいましてもかなりの年月を要するわけでございますので、その辺のところは関係者間できちっと調整をとりながら、特にスケジュールの調整という点に重点を置いて取り組んでいくことが肝要なのではないかというふうに思っておるところでございます。
#123
○石井一二君 先ほど来、下水道の上部空間の利用について多目的に利用すべきだとかいろいろ意見が出ておりましたが、私の理解いたしますところ、下水道法には占有規定がない、そのことが逆に有効活用の妨げになっておると思うのですが、この上部空間の利用について法的な規制というのは下水道以外何もないのですか。
#124
○政府委員(市川一朗君) 下水道につきましては、基本的には上部空間をいろいろと有効に活用してまいる必要があるというふうに考えておりますが、法的規制という観点につきまして、下水道の上部空間につきましてそれを規制していく必要性等はただいまのところ検討課題ということでございますが、私どもとしては今ちょっとそういうアイデアは持っていないところでございます。
#125
○石井一二君 建設大臣、いかがですか。
#126
○国務大臣(大塚雄司君) 御指摘の下水道法による汚水処理場やそれらの施設の上に他の目的のものが乗ることについて法的に規制があるかどうかについては私は大変不勉強で恐縮でありますが、しかし今日まで実例とすれば東京にも幾つもそういう施設ができておるわけでございますから、例えば汚水処理場の上にふたをしましてその上を公園にするというような例は既にございますので、法律上は支障がないものと私は判断をいたしております。
#127
○石井一二君 私は、地方自治法、都市計画法五十三条、六十五条、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の二十二条、ここらあたりで局長から何らかの御示唆があると期待をしておりましたが、時間がありませんのでこれ以上の質疑はきょうはやめておきますが、私はむしろ大いにこれは利用して進んでいこうというような場所にしていただきたい。そのこと自体が住民の下水道に対する理解も深めますし、また「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」という言葉がございますが、有効な土地利用であると思います。
 以上で終わります。
#128
○委員長(矢田部理君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三分開会
#129
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#130
○白浜一良君 総論的な話で午前中いろいろ指摘されましたので、私は具体的な話を伺いたいんですけれども、まずその前に、局長、下水道事業の目的、決まり切っていることですけれども、それまず言ってください。
#131
○政府委員(市川一朗君) 下水道事業の目的は、私どもが生活しております地域全体の生活環境の保全と、特に公共用水域を中心とする水質保全、これが基本的な目標だと理解しております。
#132
○白浜一良君 そこで、公衆衛生の向上ということも当然大事なんですけれども、特に私は水質の保全ということに関しましていろいろ質疑をしたいわけでございます。
 私も大阪に住んでおりますが、関西地域で約一千三百万人の人間が琵琶湖の水を飲料水にして生活しているわけです。御承知のとおり、非常に琵琶湖の水質が年々悪くなっておりまして、昭和六十年に湖沼法指定湖沼に琵琶湖がなったわけでございますが、きょう総務庁の方から来ていただいておりますので、昭和六十年に湖沼法による指定湖沼に指定されまして以来琵琶湖の水質がどのように変わってきているか、監察の結果をちょっと報告していただきたいと思います。
#133
○説明員(藤井昭夫君) 私どもの湖沼の環境保全に関する調査と申しますのは、湖沼水質保全特別措置法に基づく水質保全対策全般の実施状況等について、湖沼の水質保全を図る観点から調査したものでございます。その指定湖沼の中には琵琶湖等も含まれておりまして、琵琶湖の状況も調査しておるわけでございますが、その調査過程におきまして私どもが調査したと申しますか、地元の県あるいは環境庁等で公表されている水質の推移というものももちろん把握してございます。
 それを御紹介いたしますならば、琵琶湖、これは北湖、南湖それぞれ環境基準が定められておりますが、それぞれCODについては一ミリグラム・パー・リットルということになってございます。これは湖沼法に基づく水質目標値でございますが、前者が二・二、南湖が三・四ということになってございます。これは六十三年度末のデータまで把握してございますが、それによりますと北湖で二・三、南湖で三・九ということになってございます。
#134
○白浜一良君 滋賀県が出している資料は元年まで出ておりまして、さらに悪くなっておるんです。南湖で四・二、北湖で二・六と、この琵琶湖の水質が非常に年々悪くなっているんですね。
 御存じのように、大阪の水道水というのは全国一悪いと言われております。確かに私も夏場、昔私も奈良の田舎に住んでおりまして、大阪へ出てきて水道水を飲んだら非常に夏場はにおいがしてもう本当に飲みづらい。これはもう一千三百万人全体に影響する問題で、私は何も建設省だけに責任あるとは申しません。ただ、関連することとしてきょうは質問をしたいわけです。その下流域で全部水を飲んでいるわけですから琵琶湖の水をきれいにしないといけない。
 それで、大きな原因が幾つもあるわけでございますが、まず第一番目に御質問したいのは、平成二年度で下水道の普及率が全国平均で四四%、この五カ年計画で五四%にされるという、それは全国平均でそれはそうなんでしょう。だけれども、実際琵琶湖のある滋賀県の下水の普及率というのは元年度で二三・五%なんです。もう全国平均をはるかに下回っているわけです。関西地域の千三百万人、全人口の一割以上の人間がそこの水を上水に使っているわけでございまして、今後の五カ年計画の中で、ここは大事、ここは大事でない、そういうところは本当はないんですけれども、特にやはりそういう大事な地域にはもっと重点的にそういう下水道を布設していくというようなそういうお考え方があるかどうか、まずお伺いしたいと思います。
#135
○政府委員(市川一朗君) 第七次五カ年計画におきましては、ただいまも御指摘ございましたが、下水道の普及率の拡大ということを最重点に私どもは考えておるわけでございますが、しかしながらその中でも特定の湖沼等、ただいま先生御指摘ございましたように、いわゆる指定湖沼として現在琵琶湖を初めといたしまして九つの湖沼が指定されておるわけでございますが、そういったようなところにつきましては特にその湖沼の水質を保全するという観点から、通常の二次処理に加えまして、富栄養化防止などの高度処理を推進する必要があるというふうに考えておるわけでございます。琵琶湖周辺地域の下水道整備の推進とまた高度処理と両方合わせて講ずることが肝要であろうというふうに思っておる次第でございます。
 予算面におきましても、その点に関しまして重点的に配分いたしまして当該地域の下水道整備を図っていく必要がある、基本的にはそういうふうに考えておるところでございます。
#136
○白浜一良君 今重点的にとおっしゃいましたね。よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、やはり施行していくのが地方の市町村ですから、そういった面で大事なことは、きょう大蔵省も来ていただいておりますので、特に重点的にやらなきゃならないそういうところは、いわゆる補助率とか補助対象とかそういうものも含めて考え直さなきゃならない。そうでないと重点という意味もございませんし、実際この市町村段階で促進されるということは考えられないわけですが、大蔵省が来ていただいていると思いますが、ちょっとお考えを。
#137
○説明員(林正和君) ただいまの先生の御質問は、下水道の補助率について各自治体の実情に即して補助率を決定すべきではないかというふうな御趣旨かと承りました。
 御案内のとおり、公共事業の補助率につきましては、その事業の重要度でありますとか緊要度でありますとか、あるいは受益の範囲等にかんがみまして、国と地方の費用負担がいかにあるべきかというその事業の性格に着目して決定されてきておりまして、下水道事業につきましても、下水道の種類、例えば流域下水道であるか公共下水道であるかあるいは事業の対象、これは処理場であるとか管渠であるとか等に応じて定められているところでございます。
 他方、地方公共団体の財政力等個別の事情につきましては、基本的には地方交付税等を通じて調整されるべきものというように考えておりまして、このような観点から、先ほど申し上げましたような補助率というのを個別の自治体の事情に応じて弾力的に扱うということは慎重に考えるべきだというように思っております。
 いずれにしましても、国と地方の費用負担等のあり方につきましては、行革審等の答申もございますので、今後とも幅広い観点から検討していくべきものというように考えております。
#138
○白浜一良君 それで、今は一般的な下水道に対するお考えを述べられているわけですが、先ほど言いましたように、特に琵琶湖に関しましては千三百万人の人間が飲料水にしているんですよ。今重要度、緊要度というふうにおっしゃいましたけれども、下水道事業全般ということじゃなしに、特にそういう大切なところ、重要性もあるし緊要性もあるという、そういった面で私琵琶湖の例を言っているわけです。
 そういったところの補助対象なんかを、全般的な下水道事業としてじゃなく、そういう重点的な地域としてちょっと特別な配慮ができないのかどうかということを、私はそれをお伺いしているわけです。
#139
○説明員(林正和君) ただいまの先生の御質問が下水道事業の予算の配分、地域配分ということでございますと、これは配分の問題として決定すべき問題であって、補助率という制度の問題として検討するというのは、先ほど申し上げました補助事業、この事業の性格に応じて補助率が決まりますものですから、その点はいかがかということでございます。
 なお、閉鎖性水域の問題につきましては、先ほど建設省の方から御答弁もありましたように、通常の水処理に加えて高度処理についても財政上も措置を講ずるということにしているところでございます。
#140
○白浜一良君 そういう補助率そのものを地域によっては重点的に考えていただかなければなかなか進まないということで、実際は全国平均で元年度で見ても四二%あるのに、一番大事な地元の滋賀県が二三・五%しかないという事実を踏まえて私は言っているわけでございまして、今後の問題としてよく考えていただきたい、このように思います。
 それから二点目に、二番目に大事なことは、下水処理後の排水の水質ですね、それが非常に私は大事だと思うんですけれども、現在のそういう処理場の基準はどういうふうになってますか。
#141
○説明員(福井経一君) 下水道からの放流水の水質は、BODで申し上げますと、処理方式によって異なるわけなんですが、通常の活性汚泥法で処理いたします場合にBODで二〇ppm以下という数字になっております。ただし、水質汚濁防止法の規定によりまして、その地域地域で条例に基づきまして、この基準より厳しい基準を定めることができるわけでございますが、その場合にはこの基準によるものということになっております。
#142
○白浜一良君 私も専門家ではないんですけれども、琵琶湖・淀川水系、特に大阪の取水を見ましたら、琵琶湖そのものの水質汚濁も当然なんですけれども、京都のいわゆる下水処理された水がどおっと淀川へ流れてくるわけです。今おっしゃったように、一応二〇ppmというBODでおっしゃってるんですが、これは専門家の書いた本を読みましたら、BODで五ppmというのは汚濁の限界値だ、このように書いてます。一〇ppmは腐敗している水だ。ですから、もう二〇ppmというのは、一応そういう基準にされてるんでしょうけれども、その基準が非常に甘いから、京都も非常に下水の普及率は低いんですけれども、たとえ下水処理されていたとしても、そこから処理された水が流れてくる、その水でかえって淀川が汚れているという、そういう現状があるわけですよ。わかりますか、これ。五ppmが腐敗、汚濁の限界値である。一〇ppmが腐敗している水である。これは専門家の書物に書いております。まして、処理された水が二〇ppm、要するにその基準が甘いから、下流で飲んでいる大阪の人はもう京都の排水を、非常に汚い水を飲んでいるという原因もあるわけですから、今後の問題として、いわゆる処理された水の水質基準、こういうものをもっときちっと厳格に考え直していく必要があると私は思うわけでございますが、どのようにお考えですか。
#143
○説明員(福井経一君) 現行の処理方式では、先ほど申し上げましたのは、活性汚泥法というのが通常使われておるわけなんですが、この活性汚泥法によりますと一応二〇というのが一つの限界というふうにされておるわけでございます。
 ただ、高度処理を実施するとかそういうようなことによってより高度な処理水を得られるように私どもは今後は考えていきたい、まずそういうような事業を実施していきたいというふうに考えております。
#144
○白浜一良君 建設省の資料を見ましたら、このいわゆる高度処理というのは、琵琶湖の二カ所に、滋賀県ですね、高度処理された施設が書いてあります。これとても、このBODの基準で五ppmになっております。これは専門家の話によると、このぐらいなくちゃいかぬという限界値で、だから高度処理になってるんでしょうけれども。残念ながら京都は、私が先ほど申し上げたような意味で言いましたら、全然そういう対象として――いや、既に設置されているところにはございません。だから、先ほど部長もおっしゃいましたけれども、要するに京都の下水処理なんかも高度処理を実施していくという、そういうお考えがあるということですか。
#145
○説明員(福井経一君) 淀川の中流に存在します京都は、とかく淀川の汚濁にいろいろな原因があるということもよく言われております。したがいまして、こういった京都の下水処理場に対しましては、地元とよく協議しながら高度処理を実施していくというふうに考えております。
#146
○白浜一良君 これは切実な問題なのでよろしくお願いしたいと思います。
 三点目に、私大事だと思いますのは、滋賀県の地勢を見ましたら、市街化で密集しているところというのは県全体の面積から見れば非常に少ないわけでございまして、点々とそういう集落があるというような田園地帯が多いわけです。そういった面で申しましたら、建設省で行っていらっしゃるいわゆる公共下水道ですね、ずっと配管していくという、そういうやり方は非常に効率が悪いというか、実際問題、また予算的にもそういうのはできない。人が住んでいないところをずっと通すというのは物すごくむだがあります。だからそういった面で、きょう午前中も審議されておりましたが、厚生省が所管されているいわゆる合併浄化槽とか、農水省が担当されているそういう地域処理施設があるんですけれども、きょうは両省から来ていただいていますので、両省で取り扱われている進捗状況なんかをちょっとお伺いしたいと思います。
#147
○説明員(佐藤文友君) 御説明申し上げます。
 厚生省においては、比較的小型の生活排水処理施設であります合併処理浄化槽でありますとか、コミニティープラント等の整備を進めておるところでございます。
 このうち合併処理浄化槽につきましては、生活排水の処理を少ない費用で比較的早く行うことができ、また比較的良好な水質が得られることから、厚生省としてはその普及促進に努めておりまして、昭和六十二年度に初めてこの合併処理浄化槽の普及促進を図るために、市町村と一緒になって普及促進を図るための事業を始めまして、当初は一億円の国の予算、実施市町村は五十五でございましたが、平成二年度は三十二億円、実施市町村は約八百と大幅な進展を見せております。また、平成三年度の予算案においても対前年度比五六%増の五十億円を計上しているところでございます。
 コミニティープラントにつきましても、コンパクトで建設費が安価であり、清掃事業の一環として財政上の措置がなされているなどの特徴を有しておりますので、地方自治体に対するPRなどを行い、普及促進を図っておるところでございます。
#148
○白浜一良君 農水省もお願いします。
#149
○説明員(上田一美君) 農業集落排水事業の実施状況について御説明申し上げます。
 農業集落排水事業は、農業振興地域におきまして農業用用排水の水質保全、農業用用排水施設の機能維持、または農村生活環境の改善を図りまして、あわせて公共用水域の水質保全に寄与することを目的として実施しておりますが、これまでに採択されました地区数は約一千地区でございまして、その対象人口は約百万人余りとなっております。このうち平成二年度末現在の農業集落排水施設の整備完了地区は約三百地区でございまして、この対象人口は約三十万人強となっております。この整備水準を引き上げるため、今後とも事業を積極的に推進していく必要があると考えております。
#150
○白浜一良君 午前中の審議を聞いておりましたら、将来はいわゆる公共下水道に一本化していくという、そういうことで考え方はわかりますけれども、もうそれは何十年とかかるでしょう、実際。そうしているうちに、私は具体的な事例で言っているんですが、これは関西圏で言いましたら、淀川の水はどんどんどんどんもう悪くなる、飲めなくなる、そういうふうになるわけでございます。そういった面で、将来的なことは将来的なこととして、そういう今農水省が担当されている部分にしても厚生省が担当されている部分にしても、きちっとしたやはり処理施設があることには違いないわけですから、その普及もかみ合わせて促進をしていただきたい、このように思うわけでございます。
 そこで、ひとつ合併浄化槽のことだけちょっとお伺いしますが、現段階で建設省で認可されている合併浄化槽の処理水の水質基準というのはございますか。
#151
○政府委員(立石真君) 建築基準法の施行令三十二条におきまして、地域に応じて、また処理対象人員ごとに排出水のBOD基準を定めておりまして、この基準を満たす性能を有する構造としなければならないということになっております。水質基準につきましては、特に水質に留意すべき地域におきまして合併処理浄化槽を設置する場合には、排出水の水質二〇ppm以下の基準を満たさなければならない等の基準が定められているところでございます。
#152
○白浜一良君 ですから、先ほどの公共下水道の処理水と同じ基準値なんですけれども、そこで、私これは物の本で読んだことですけれども、この簡易な合併浄化槽を考えれば石井式というのは非常にいい、こういう論文がございまして、一説によりますと排水が一ppmで飲めるぐらいの水だと、そういう論文もあるわけでございます。これは知っていらっしゃいますか、そしてどのように御理解されておりますか。
#153
○政府委員(立石真君) 合併処理浄化槽につきましては、特殊な処理方式のものについては建設大臣が認定を行うことになっているところでございます。
 先生御指摘の石井式水循環システムというのがヤクルトの容器を利用した合併処理浄化槽を指すということでございますと、この方式をもとに起業した二社の製品が既に認定を取得しておりまして、さらに二社の製品が基準法あるいは浄化槽法に基づく認定を取得するべく作業を進めているというように聞いております。
 なお、性能的には二〇ppmの基準を満たすものとして認定されているところでございます。
#154
○白浜一良君 だからね、私が申し上げますのは、別に石井式を普及しよう、宣伝しようというつもりはございません、別に何の依頼も受けていませんだけれども、そういうきちっとした技術開発をすればきれいな水を排水できるというその一つの例として私は言っているわけです。この書物を読みましても、建設省の土木研究所のある方が、私の見た限りではどれも無色透明だった、ふん尿が入っているのに全く色がついていないのはすばらしいことですと、それは建設省の研究所の方も認めている。これは別に石井式を私は言っているんじゃないんです。ちょっと研究すればそういうふうなものができるはずなんです。そんな難しい技術でもないと思う。そういうものをもっとしていかないと、実際この合併浄化槽をつけたのに出ていく水がまだ汚ないという、きれいにできるのにまだ汚ないという、そういうことになりますから私は申し上げているわけでございますが、そういう合併浄化槽も排水の水質基準をもっと厳しくしていくという考えはございますか。
#155
○政府委員(立石真君) 現在のシステムでは、大体合併処理浄化槽のやり方によりますと、通常の状態においては二〇ppmが一つの限界かと見ておるわけでございますが、中には技術開発が進んでそれよりよいものもあるんだろうと考えているところでございます。今後とも技術開発を進めて、また水質の浄化に努めるよう建築行政としても対応していきたいと考えております。
#156
○白浜一良君 局長、別にその限界というのはあなたの個人的見解ですよ。それは言うておきます。専門家はできると言うてます、これ。まあそれ以上答弁できないでしょうけれども。
 大臣、だから私思うんですけれども、具体的な普及率を何ぼにするということも大変それは大事なんですよ。それが最初は私は目的と言いましたけれども、そういう公衆衛生の向上、それも当然大事です。と同時にやはり一番大事なことは、水質を保全するというか、それが特にこの関西地域の場合で言いましたら、琵琶湖・淀川水系の水を千三百万人の人間が飲んでいるわけですから、だから特に力を入れてやってもらいたいと、私はこう思っているわけです。ですから、先ほど言いました公共下水道の処理水の水質汚濁の問題、そういう合併浄化槽の排水の水質基準の問題、そういうこともきちっと見直してもらいたい、これが一つ。
 もう一つは、農水省と厚生省からお話を伺いましたけれども、滋賀県という地域性を考えましたら、公共下水道とともにそういう村が点在していますからすべてひっくるめて協力してやらないと、この滋賀県は川が何ぼあるんでしたかな、百六十本の川が琵琶湖にばっと流れ込んでいるわけですから、なかなか水質がよくならないという。そういうこともあるので、建設大臣みずからもっと琵琶湖の水がきれいになるように働きかけていただきたい、このように思うわけでございますが、御所見を伺いたいと思います。
#157
○国務大臣(大塚雄司君) お話のように、排水を高度の技術で処理をして再利用しようということでありますから、技術の革新はもう日進月歩と言っていいほどでありますので、その技術革新に期待をしながら水質の保全、浄化のためには全力を挙げて取り組まなければならないと思っております。
 ただいまのお話のように、集落が散在している地域における下水道と類似施設の問題でありますけれども、基本的には一元的にこれに対して処理をするというのが理想だとは思いますけれども、今日までの経過やあるいは地域の特性、それぞれの処理施設の規模等々がございますので、これらの調整につきましては直ちにすべて満足するような方向にいくかどうかは疑問もなしとはしません。しかし、基本的には一元化をしてその水域全体、地域全体の水質浄化をしなければ意味がないわけでありますし、しかもその湖沼の飲料という利用の観点からしましても、これは建設省として地域全体の問題として対処をしていくということになろうと思いますので、全力でやってまいりたい、このように思います。
#158
○上田耕一郎君 幾つかの問題を御質問したいと思います。
 長期目標と五カ年計画の目標との整合性の問題について、前回都市公園等整備法のときにも質問したんですけれども、下水道の五カ年計画も同じ状況があります。長期目標としては二十一世紀初頭が普及率九割、二〇〇〇年には七〇%、これは都計審の目標もそうなっておりますし、日米構造協議の最終報告でもそうなっていますね。六次五計で四四%に、この七次五計で五四%、一〇%引き上げられる。調整費を全部使っても五五%だということになると、第八次五計では長期目標達成のためには一五%ということになるわけですね。これは果たしてできるんでしょうか、お伺いします。
#159
○政府委員(市川一朗君) 第七次五カ年計画の整備率の目標につきましてはただいま御指摘があったとおりでございます。私どもといたしましては、新しい七次五カ年計画におきましては特に汚水処理の普及率の向上、その目標達成ということに全力を傾ける、重点的に取り組んでまいるということで考えておるわけでございます。
 それで、果たしてこのペースで十年後に七〇%目標が達成可能であるかどうかという御質問でございますが、達成させなければならないという決意で取り組んでおるところでございます。
#160
○上田耕一郎君 決意どおりにぜひ御努力願いたいと思います。
 仕事をどんどんその決意に従って進めていくとなると業界の問題も出てくるんです。これはそこに働く下請の問題もあるし、労働条件の改善の問題もあるんです。業界雑誌の「開発」昨年十月号に「下水道工事の不採算性をどう打開するか」というものが載っていまして、これを見ますと日本土木工業協会(土工協)が元年度完成工事の実態調査をやった。そうしますと驚くべき結果が出て、年々採算が悪化している、粗利益率三・九%、損益分岐点が普通七%と言われるので、三・九%というのは完全な持ち出しで赤字額約百八十億円、建設省の下水道担当者もショックを受けたという記事になっているんですけれども、十項目の改善要望が出ていて、積算の問題その他いろいろあります。下水道事業団としての改善要望に対する回答、それも紹介されているんです。
 建設省としてはこういう不採算、百八十億の赤字等々の実態とか改善方向をどういうふうにつかんで指導しておられるのか、お伺いしたいと思います。
#161
○政府委員(市川一朗君) 御指摘のとおり、平成元年度十月に土工協から建設省に対しまして、歩掛かり及び積算の改善要望が提出されました。
 建設省といたしましてはその要望の内容につきまして子細に検討を行いまして、その結果といたしまして歩掛かり、積算基準を改定することが妥当な項目も認められましたために、早急に対応可能なものにつきましては平成二年度に一部対応することといたしまして、また平成三年度にも積算基準の一部を改正するということで取り組むことといたしました。
 私ども建設省といたしましても、現状に即した適正な積算が行われまして、これは主として発注母体は地方公共団体になるわけでございますので、地方公共団体を指導してまいりたいと思っているわけでございます。
#162
○上田耕一郎君 ほかの住宅なんかの場合にも地方公共団体の赤字が多くて不調が非常にふえているということなどもここで取り上げたことがあるんですけれども、下水道工事もこれだけ国民的要望が多いので、不当なもうけはもちろん我々規制すべきだと思うんだけれども、赤字ではこれは進まないと思うんですね。これはよく改善をしていただきたいと思うんです。
 次に取り上げさせていただきたいのは、総合治水対策の問題です。
 都計審の答申でも「雨水の排除は汚水の処理と並んで下水道事業における車の両輪」だ、そう述べていまして、総合治水対策は建設省としてもずっと力を入れてきたわけですね。六次五計で初めて下水道雨水排水整備目標を掲げました。その結果、その目標達成率はどうなっているのか。さらに、七次計画ではこの問題の目標はどうなのかということをまずお伺いしたいと思います。
#163
○政府委員(市川一朗君) 第六次五計におきましては下水道の雨水の排水整備率につきまして昭和六十年度末に三五%でございましたが、これを平成二年度末に四三%に引き上げるという目標を設定いたしました。実績も四三%まで引き上げられる見込みでございます。
 新しい五カ年計画の第七次五計におきましても浸水対策は非常に重要でございますので、六次五計に引き続き、その整備指標として下水道雨水排水整備率を設定するという考え方で現在検討を進めているところでございます。
#164
○上田耕一郎君 まだ具体的に教字が出ていないようですけれども、しっかりした目標を決めて達成してほしいと思うんです。
 三大都市圏の水害の場合、被害の七割から八割が内水が原因で、下水道の役割は極めて重要です。東京の場合は、八九年八月二回大雨が降って床上浸水千三百棟、床下浸水三千棟、そういう被害が出ました。
 特に神田川流域が一番問題になるんですね。ここは市街化率が八五年で九四%、九八年には九七%になります。だから、流出率は物すごいわけです。下水道普及率そのものは九九%になっている。しかし、この十五年間に二十回水害がありました。そのうち半分の十回が時間最大雨量五十ミリ以上ということです。五十ミリ降雨対応の治水安全度達成率というのは、八七年度末で五二%にすぎない。被害が余りに大きいので東京都にもいろいろ要求が出たり、東京都もいろいろ計画を立てておりますし、七号環状線の下四十メートルのところに大きな調節池をつくるというので建設が始まろうとしているんですけれども、なかなかこれは時間がかかるわけです。
 そうなると貯留施設、そういう調節池あるいは遊水池等々をつくる問題と同時に、もう一つ浸透施設ですね、これをつくるということが非常に重要になってくる。東京都もこれにも力を入れて計画を立てているわけですが、雨水流出抑制対策ですね、東京の場合雨量十ミリ分はこれに依存したいと。千平米以上の敷地を持つ公共施設、民間施設にその整備を要請している。実積は八七年の末で三・八%、公共施設は二百カ所あるんですけれども、五・八%、特に民間が非常に成績がよくない。百五十カ所のうち〇・四%といって一%にも及んでいない状況なんですね。杉並の場合を挙げますと、杉並区内には三井不動産、NHK、東電、新日鉄、富士銀行、大蔵省印刷局など大手のグラウンド施設が十一あります、三十三ヘクタール。このうち一時貯留施設を設けているのは、三井不動産の上高井戸運動場だけだという状況なんです。
 国の機関も余りよくない。東京全体で大小合わせて二十六カ所だけ。これは東京都の証言なんですけれども、雨水流出抑制施設があるのは二十六だという状況なんですね。国も先頭に立ってそれをやらなきゃならないし、特に民間施設については都計審の答申もこの問題をはっきり重視しておりますし、地方公共団体が民間施設に協力してくれ、してくれというだけではなくて、国として、建設省としてもこの問題については強力な指導、対策が緊急に必要になっていくと思いますので、所見をお伺いします。
#165
○政府委員(市川一朗君) いわゆる雨水の流出抑制措置についてのお尋ねでございますが、大規模な民間施設あるいは国の施設等におきましてそういったいわばその施設の開発等に見合いました流出抑制措置を講じますことは、総合的な浸水対策を進める上においても極めて有用であるという認識を私どもは持っております。
 ただいまお話しになりました東京都におきましても、都と関係区、市からなります東京都区部中小河川流域総合治水対策協議会といったものを設けまして、流域ごとの総合的な浸水対策を策定いたしまして雨水流出抑制施設設置の目標を定めて、その設置に対する協力依頼等を行っておるところでございます。
 建設省といたしましても、先ほど御指摘がありました国等の公共施設における流出抑制施設も含めまして、総合的な観点からやはりこういった問題に取り組みまして、トータルとしてその地域全体の浸水対策の向上に努めていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#166
○上田耕一郎君 そこで、一つ問題提起したいのは、「新都市」という雑誌がありまして、八九年九月号で「下水道と都市雨水排除」という特集がある。その中で、住都公団の都市施設課長の報告論文があるんですけれども、これはなかなか重要な成果が載っているんですね。
 雨水浸透施設を公団の団地でいろいろやってみた。昭島つつじが丘ハイツ、計画面積二十七ヘクタール、ここで追跡調査をやった。そうしますと、導入地区と導入しない地区を比べてみると、導入地区の総流出量が対照地区に比べて七一%から九九%カットされている。これは相当な数字なんですね。その他かなり詳しく出ておりまして、それでこの施設は、つまり雨水を土の中に浸透させる施設、これは新たに用地を必要とすることがほとんどない、土地の有効利用が図れる、浸透升、浸透トレンチ、浸透側溝など従来の排水システムの中で応用が可能だ、他の施設に障害が及ぶことがない、非常に有効だと、維持管理状況もおおむね良好だと。余り目詰まりはどうもなさそうですね。
 そうしますと、これだけ有効だと七割から九九%カットできるというんだから、どうもこの問題については今まで余り技術基準もはっきりしていないというようなことがあったようだけれども、住都公団の実際の施工例、その追跡調査でこういういい結果が出ているとしますと、もっと本格的にやるべきじゃないかと思うんですね。
 東京都の計画を見ると、民間の住宅地域は無理だろうけれども、例えば神田川流域では三五%対象にしよう、それで十ミリまでやろうと。そして、建設省の指導下の住都公団でこういうのが出ているんだから、雨水流出抑制についてこれらの経験を生かして、都市水害を防止するためにひとつ力を入れていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#167
○説明員(福井経一君) 雨水の浸透施設については、ただいま御指摘のように、住都公団でかなりの場所で実施しておることは、私自身も十分承知しております。
 下水道事業におきまして、一般都市といたしましてもモデル的に実施しております。例えば仙台とか東京とか横浜あるいはまた浜松とか、こういった都市においても幾つかの事例でもって実施しております。
 この雨水浸透施設につきましては、その効果が非常にいいというふうにただいまおっしゃっておられますが、実は長い間の継続性といいますか、そういう問題と、あるいはまた維持管理の問題、主として目詰まりの問題かと思うんですが、こういう点の問題が若干残っているというふうに私どもはまだ聞いておるわけでございます。したがいまして、総合的に今後浸水対策の全体的な位置づけを検討していく中で、こういった問題の解決を図りながら今後本格的に実施していくべきでなかろうかというふうに考えております。
 なお、土木研究所におきましてもこういった問題に対します調査を平成二年度から実施しております。
#168
○上田耕一郎君 終わります。
#169
○新坂一雄君 ことしは暮らしや生活の中から政治を見詰め直そうということで、今選挙戦でございますが、やはり地方へ行きますと、住民の要望は下水とごみというのが一番要望として多い、大変強く聞かれる項目でございまして、この二つの対策といいますか、整備が一つの文化度、文化をはかるバロメーターかなという意味合いを強くしております。
 それで、特に今回の五カ年計画では、整備が割合おくれている五万人人口の以下のところをできるだけ力をつけていきたいというところに特色があると思うんですけれども、ちょうど五万人前後の都市というのは、私は奈良ですけれども、やはりベッドタウン化して人口が急増している新住民の人たちにとって非常に切実である。というのは、新しく開発されたために、旧市街地までは下水道が完備されているけれども、そこまでは計画的にまだ途中であるという段階でございます。したがって、最初にこの五万人前後の未整備地区での整備計画、これを大臣に一つお伺いしたい。
 それからもう一つは、「下水道のはなし」のパンフレットにありますけれども、やはり「水洗トイレでやわらかい紙以外のものを流したり、台所からごはんつぶや野菜くずや油を流してはいけません。」、これはお願いということで書いてありますけれども、それではそういうことを家庭の雑排水だけでなくて、そういう御飯くずとか、それを例えばビニールで取ったとしても、もう一つは一週間に一遍そういう生ごみの回収をしてくれるのかどうかという受け皿がないと幾らお願いしてもたまる一方ということで、特に一週間に一遍ということ、これはまじめに食事の回数を掛けてみたら三掛ける七ですから二十一袋のビニールが出るわけですね。これがもし回収されないということになったら、これはやはり一つの大変な大きな――というのはマンションによっては大きなところに貯蔵するというシステムがある、あるいは庭があればそこに埋めるといういろんな方法もありますけれども、俗に言うベッドタウンの新住民にとってはなかなかそういう施設もないので、結局ビニールしかないという段階です。
 したがって、一つはお願いという形であるんだけれども、その受け皿はこれは建設省と違うんだ、厚生省の範囲だというふうに、いわゆる縄張りだけの姿勢ではなくてやはりお互いに協調し合ってやらないと、市民の立場にとっては政治がどういうふうにしてくれるかということが大切なんで、縄張りで私のところはこれでいくということにはならないと思うんです。
 この二点、五万人地域の未整備計画をどう進めるのか、それからそういう市民生活にとっての省を越えた政治の話し合いというのはどうするのか、この二点をお伺いしたいと思います。
#170
○国務大臣(大塚雄司君) 五万人以下の市町村の整備につきましては、まだ未整備二千という数を数えておりまして、今回お願いしております第七次五計におきましては五年間で一〇%を目標にいたしておりますし、二〇〇〇年には七〇%という目標を持って臨むわけでございますけれども、方向としましては、これからは大都市地域というよりは力点は未着手の市町村等を重点的にやっていこうと。今回の生活関連重点化枠の中でも、いわゆる下水道三百七十五億はそういう方面に使うような方向で配分を受けておる関係もございますので、一層関係都道府県市町村と協議をしてそのような未整備の地区を少しでもなくしていく努力をしてまいりたい、このように考えております。
 二番目のただいまの問題でありますが、確かに所管からいいますとそういうお話もあろうかと思いますけれども、下水道等の管理という面からいたしますれば、そのようなところに生ごみ等が捨てられて能率が悪くなるということは我々としても大変に困るわけですから、所管を越えて我々からも、そのようなことがなくなるように関係地方公共団体によくお願いをし、指導をしてまいりたい、このように思っております。
#171
○新坂一雄君 ぜひ推進していただきたいという要望をしておきます。
 それから、五カ年計画のこの数字でございますが、平成十二年に七〇%にしたいということでございまして、五年ごとに区切ってあります。現在の四四%を五年後は五四、それから十年後に七〇%ということでございます。
 これの進捗率の達成を見ますと最初の五年間で一〇%、次の五年間で一六%ということですね。そうすると、この間の公園のときも大丈夫かなということは、要するに後半にしわ寄せといいますか、一瀉千里にやってしまおうという計画なのかもわかりませんが、最初の五年で一〇%で後の五年で一六%ということをどういうふうにやられるのかという心配が一つ。それから、今大臣のおっしゃった五万人前後の市町村の未整備地区を重点的にやりたいというならば、例えばこの五年間でその五万人前後の未整備地区は何%にさせたいとしているのか。それから、十年後は全体の七〇%に対してどのくらいの割合でやろうとしているのかという計画のパーセンテージというのは御提示できませんか。
#172
○政府委員(市川一朗君) まず、最初の件でございますが、今四四%のものを五年後一〇%足しまして五四%、調整費入れて五五%。そういたしますと、次の五カ年計画であと一五%しなければ十年後に七〇%にならないじゃないか、こういう御指摘でございます。
 先ほど来、その点に関します各委員の先生方の大変私どもに対する力強い御叱責も含めました、また御協力いただきますような御質問が出ておるわけでございますが、基本的にはそれに関係する予算も含めました事業費の確保とかいろんな整備手法についての開発とか、そういったようなことも必要なんでございますが、普及率といいますのは実は完成されまして供用が開始されますと普及率ということで上がってまいってくるわけでございまして、いわゆる仕掛かり品というものは事業が進捗いたしますとそれがどんどんふえていくといったようなことでございますので、いわゆる下水道事業の整備が進むという過程におきましてまだ普及率という形でカウントできないけれども、かなり事業としては進んできているというものもどんどんふえてくる、そういう面も実は背景にはあるわけでございます。そういったようなものも含めまして、私どもは何とかひとつ十年後には目標どおり七〇%を達成していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、後の方の問題で、特に中小市町村に重点を置くというならばその中小市町村の普及率の目標を設定すべきではないかと、まことにごもっともな御指摘でございますけれども、先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、人口五万人未満の市町村数は現在二千八百ほどございまして、そのうち八百の市町村が下水道事業を何らかの形で実施しておりますが、残り二千はまだ未着手でございます。
 その中で、例えば過疎地域もたくさん含まれておりまして、私ども過疎地域におきます都道府県の代行制度というものを設けたわけでございます。そういったようなことでとりあえず未着手のところを着手していくというところに実は今回の五カ年計画の目標を掲げてございますので、なかなか普及率の実績を挙げて幾らまでというところまではようまいらないような状況に現在なっておりますが、その辺を含めまして私どもは真剣に取り組んでおるという姿勢だけひとつ御理解いただきたいと思います。
#173
○新坂一雄君 ちょっと五万人以下ということになると本当に過疎の村も対象になって、これを私は対象というよりはむしろ新興住宅街で、要するにベッドタウンとして五万人前後になっていくところの都市生活をどういうふうに整備していくかというところに焦点があるんじゃないかと思います。
 過疎の村のところでこれから整備と、これはちょっと意味合いが違うんじゃないかなという気もしますので、五万、十万の都市といいますか、要するにその辺で伸びていくところの都市のマスタープランなりあるいは下水道計画図があるわけなんで、そういうのを全国集計して何年後にどうだということの基礎データをとって、そこから積み重ねてこの地区は何%ということを出していくという、ボトムアップというか、そういう手法というのをこれからとっていかないと、最初に中央のこういう計画があって、そして達成率はこうでしたというだけじゃなくて、そういうものを各レベルにおいて地方の計画図を最初に積み上げていって、そこから何%という達成も一つはあると思うんです。そういう手法も一つありますので、できましたら詰めていただきたいなというふうに思っています。
 それからもう一つ、これは行政監察結果に基づく勧告ということで下水道編があるんですが、これは平成元年八月なんですが、いわゆる下水道ができまして、維持管理業務について合理化、効率化を図りなさいという勧告です。この民間委託をして効率化を進めなさいということなんですが、なかなか業務運営が十分に行われていないということで、例えば単独公共下水道では、水処理施設の運転操作、水質分析、清掃を六四%、三六%、三〇%と、いわゆる委託率、終末処理場で今もって直営で行われているというような、効率化を図らなくちゃいけないという指摘がされているんでございますけれども、基本的にはやっぱり下水道の事業をいかに効率化するかという指摘でございますが、この点いかがでございますか。
#174
○政府委員(市川一朗君) 下水道の整備が進みまして下水道が普及してまいりますと、いわゆる管理段階に入る市町村がふえてまいるわけでございまして、その段階に入りますと、御指摘のとおり、維持管理体制というものが非常に重要な課題になってまいります。そのためには、それに携わります技術者の確保等いろいろなすべき課題が多くなってまいるわけでございますが、あわせまして民間への委託を含めまして、やはりきちっとした維持管理体制が図られませんと、せっかく下水道を整備いたしましても、それが当初の目的どおりに機能しないということになってまいるわけでございます。
 私ども建設省といたしましては、下水道整備の推進に努めますとともに、それが進展するに従いまして、根底となります基本的な維持管理体制の整備につきましても、重点的に取り組んでまいる必要があるということで、特に下水道事業団の研修あるいは技術検定制度の積極的活用とかいろいろこれからも取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#175
○新坂一雄君 ぜひ効率化を図っていただきたいと思います。
 以上、終わります。
#176
○山田勇君 昨年六月に経済企画庁の発表した公共投資基本計画によりますと、経済力に見合った豊かさを実感できる社会資本の整備の必要性が述べられております。私も、経済優先の公共投資から、国民生活の質的向上を目指すその一環として、下水道整備は極めて重要な意義を持つものと認識するものであります。
 そこで、各国の下水道普及率を見ますと、イギリスでは九五%、旧西ドイツ九一%、アメリカ七三%、フランス六四%などに対し、日本は四四%と欧米諸国に比べ著しく低いのであります。第七次下水道整備五カ年計画では五四%に引き上げられることが予定されており、また都市計画中央審議会の答申では、西暦二〇〇〇年には七〇%、二十一世紀初頭には九〇%程度を目標としておりますが、他の先進国と比較した場合、普及のスピードを早める必要があると考えます。
 地球環境の問題が国際的に重視されているとき、下水道普及率が低いことが新たな国際摩擦の原因ともなりかねません。下水道の普及率を高め、もっと早く整備する必要があると考えますが、その点いかがでしょうか。
#177
○国務大臣(大塚雄司君) 仰せのとおり、先進国に比べますと社会資本の整備率がおくれておるのは非常に残念でありますが、今回お願いをいたしておる五カ年計画では、当面五年後に五四%、約イタリア並みということであります。そして、七〇%台になりますとアメリカに追いつき、二十一世紀初頭のなるべく早い機会に九〇%、そこまでまいりますと英国等に並んでいくわけであります。
 なるほど、御指摘のようにもっと高めるようにという御意見はよくわかるのでありますが、また余り大きな計画を立てても実行ができなかったら、これはもっと悪いことでありますから、当面この計画を実施いたしまして、日米構造協議におきます約束もあるわけでございまして、何とか努力して今回の目標を達成するというところでお許しをいただきたい。どうぞ御理解を賜りたいと思います。
#178
○山田勇君 下水道の整備により、美しい河川、湖、海洋など水質保全に寄与することになりますが、今後は終末処理場における窒素、燐などを含む処理機能を高めなければならないと思います。
 そこで、まず高度処理をどのように推進していくのか。第二に、合併浄化槽の普及も現在進められておりますが、下水道と浄化槽の普及のバランスについてはどうあるべきか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
 先ほど同僚委員であります白浜委員の方から琵琶湖の問題についていろいろ質疑がありました。私も同じく大阪に住む者としましては、実に大阪の水は臭くて飲めない。まだ冬の間は辛うじて辛抱できますが、夏場になりますと、とても飲むことができないぐらいひどいものであります。近畿建設局長はどう言うているんでしょうか、大阪の水はおいしいと言うているのか、ちょっとわかりません。水割りばかり飲んでいると水の悪いのはわからぬので、その辺はどうかわかりませんが、非常に厳しゅうございます。
 そこで、白浜委員の関連質問みたいになりますが、琵琶湖の下水道普及率が二二%。その中に先ほども言っておるんですが、あそこには雄琴という特殊浴場がございます。私の名誉のために言うておきますが、一遍も行ったことはありません。これはひどいです。大小入れて約千軒ありますが、ほとんど垂れ流しに近いんです。これは滋賀県も行政指導を何度もやるんですが、勧告してもうぎりぎりになると代がわりでかわる、そういう悪質な逃げ方です。ですから、実際あの下流のところに行ったら、琵琶湖のところに行ったら大きい下水道がありますが、そこが泡だらけになるぐらいひどいものなんです。あそこまで予想し得なかったんですね。行政指導も間に合わなかった。もう竹の子のようにできてしまったものですから、垂れ流しに近い状態であります。ですから、琵琶湖のあのところは泡だらけで、あそこの土壌は特に泡でぬるぬるしています。そのぐらい本当にひどい状態です。それと、夏場は民宿があけます。その民宿は全部琵琶湖へ土管をちょっと引いて垂れ流しです。雑排水は全部垂れ流しています。その辺にも大きな問題があろうかと思います。
 滋賀県は、いち早く燐を使用しない石けんなんかで地方自治体の行政努力はしているんですが、何としましてもそういう設備を早くつくっていただきたいと思います。その辺もあわせてお考えをお聞きしたいと思います。
#179
○政府委員(市川一朗君) まず、お尋ねの第一点でございますけれども、いわゆる合併浄化槽の問題でございますが、これは先生も御案内のとおり、やはり下水道の整備がまだ及ばないところにおきまして、その間いわゆる水洗便所等の要請が非常に強いわけでございますので、便宜整備されておるという位置づけをもちまして、私どもといたしましては、将来はやはり下水道をきちっと整備し管理するということが、その地域の生活環境の保全あるいは公共用水域の水質保全という観点からも極めて重要であるというふうに認識しております。
 したがいまして、その地域がいつごろ下水道が整備されるのか、そういったような整備スケジュールにつきまして、その地域社会においてはっきりとした認識のもとでコンセンサスが得られることによりまして、そういった下水道類似施設と下水道整備との連係プレーを図っていく必要があるというふうに基本的には考えておる次第でございます。
 それから、第二点の琵琶湖を中心といたします水質保全に関連する高度処理の問題でございますが、高度処理につきましてやはり通常は二次処理でございますけれども、今例がございました琵琶湖のような例も含めまして、湖沼とか閉鎖性水域とかあるいは水源河川等の水域ではやはり高度処理を行いまして、その水質保全を確保する必要があるというふうに考えておるわけでございまして、そのためにいろいろな取り組みもしておるわけでございますが、琵琶湖につきましては、一部京都府もございますけれども、琵琶湖の集水域の大部分は滋賀県でございまして、現在滋賀県では、琵琶湖の周辺で四つの処理区に分かれておりますが、流域下水道事業に着手してございます。まだその成果がほとんど出ておりませんので効果としてはあれでございますが、地図等を拝見いたしましても、琵琶湖の周り全部が流域下水道地区ということで現在取り組んでおりますので、これが進みますとかなり改善される、その中で高度処理も行えば、琵琶湖の問題もかなり飛躍的に改善されるのではないかと思っております。
 私も昭和五十八年から六十年ごろ、関西地方に住んでおりまして琵琶湖の水を飲んでおりますので、ただいまのお話はよく理解できる問題でもございます。
#180
○山田勇君 もう最後の質問ですので、これは質疑通告していないので御答弁は結構でございますが、一昨年、環境委員会で広島地方の方へ行ってまいりました。そのときに中国工業技術試験所、これは呉にあって、通産省の工業技術院の外郭団体だろうと思いますが、そこへ行きまして非常に興味あるものを見せていただきました。
 倉庫みたいなところに全部瀬戸内海の模型がつくってありまして、それは島も全部割りばし状のもので刺してあって、コンピューターで制御して海水を流します。赤いインクを上の方の下関側から落としますと、何ノットの潮の流れというのが全部計算されてずうっと流れていくわけですね。そういうふうに瀬戸内海の汚染環境ということを非常に研究をなさっております。その赤いインクが広島沖を通って、岡山の海の沖を通って大阪湾に入るんです。大阪湾に入りますとよどみが絶対に流れないんですね。部分的に大阪湾に赤インクがとまってしまうんです。大阪湾のこのごろの海洋汚染そのものはかなり良好になってきたんですが、そういうふうに瀬戸内海の汚染が大阪湾にたまってしまうというような実験を見せていただいた。その中で、非常にここが水質に対してすごい研究をしているというので我々は見せていただきました。
 建設省、もし御存じ――御存じだと思いますが、御存じありましたら、ひとつ中国工業技術試験所の皆さんともう一遍横の連絡をとられて、水質というものに対する大きな研究をなさっておりますので、ひとつ御参考にそれをまたお話を伺って、少しでも下水道、汚水というものに対して頑張っていただきたいと思います。御答弁は結構です。
 質問を終わります。
#181
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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