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#1
第120回国会 建設委員会 第7号
平成三年四月十八日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     川原新次郎君     山口 光一君
     服部 安司君     合馬  敬君
     西野 康雄君     谷本  巍君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢田部 理君
    理 事
                井上 吉夫君
                石原健太郎君
                青木 薪次君
                山田  勇君
    委 員
                石井 一二君
                石渡 清元君
                合馬  敬君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                山口 光一君
                佐藤 三吾君
                谷本  巍君
                種田  誠君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  大塚 雄司君
   政府委員
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設大臣官房審
       議官       内藤  勲君
       建設省都市局長  市川 一朗君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       環境庁水質保全
       局水質規制課長  久野  武君
       農林水産省構造
       改善局農政部農
       政課長      森永 正彬君
       農林水産省構造
       改善局建設部水
       利課長      佐藤 昭郎君
       農林水産省畜産
       局畜産経営課長  菱沼  毅君
       自治省税務局固
       定資産税課長   堤 新二郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○生産緑地法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(矢田部理君) 生産緑地法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大塚建設大臣。
#4
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま議題となりました生産緑地法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、市街化区域内農地については、大都市地域を中心として住宅宅地需給が逼迫している現状等にかんがみ、その積極的活用による住宅宅地供給の促進を図ることが求められている一方、良好な生活環境の確保を図る上で残存する農地の保全の必要性が高まってきております。こうした観点から、市街化区域内農地について、宅地化するものと保全するものとの区分を都市計画上明確にし、宅地化するものについては、住宅地高度利用地区計画等の活用、土地区画整理事業等の実施等により計画的な宅地化を図るとともに、保全するものについては、計画的な保全が図り得るよう適切な都市計画上の措置を講じていくことが必要となっております。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、市街化区域内において適正に管理されている農地等の計画的な保全を図ることにより農林漁業と調和した良好な都市環境を保全するため、生産緑地法の改正を行い、生産緑地地区の面積要件の緩和、権利制限の見直し等所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、国及び地方公共団体は、農地等の持つ緑地機能を積極的に評価して都市における農地等の適正な保全を図るよう努めることとしております。
 第二に、第一種生産緑地地区に関する都市計画及び第二種生産緑地地区に関する都市計画を定める際の要件の例示に農林漁業と調和した都市環境の保全を明記し、面積要件を五百平方メートル以上に引き下げるとともに、第二種生産緑地地区に関する都市計画に係る失効制度を廃止し、第一種生産緑地地区に関する都市計画及び第二種生産緑地地区に関する都市計画を統合することとしております。
 第三に、生産緑地の所有者等は、市町村長に対し、生産緑地を適正に管理するため必要な助言、土地の交換のあっせん等の援助を求めることができることとしております。
 第四に、生産緑地地区内において市町村長の許可対象となる施設に農林漁業に従事する者の休憩施設等を加えることとしております。
 第五に、生産緑地の買い取り申し出ができる期間の開始時期を指定後三十年に延長するとともに、生産緑地に係る農林漁業に一定割合以上従事している者の死亡等の場合にも買い取りの申し出ができることとしております。
 第六に、市町村長は、生産緑地の所有者等からの求めに応じて適正管理のための援助を行う場合及び生産緑地の取得のあっせんを行う場合には、農業委員会に協力を求めることができることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○種田誠君 ただいま大臣の方から説明がありました生産緑地法の一部を改正する法律案について、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 平成三年の一月二十三日の都計審などを受けまして、今般生活環境の確保、そして農地の保全、さらには宅地の供給という視点から本法案が改正
になるということに関しては、私自身今日の大都市地域における住宅供給の需給が逼迫しているという現況から考えまして適切なものであろうかと思うわけであります。しかし問題は、今日まで生産緑地法も一定の役割を果たしてきたわけでありますが、それが十二分に機能していなかったという点に一つ大きな問題点があろうかと思います。さらには、今般の法改正が大都市地域における住宅宅地の供給を促進する、しかも保全すべき農地との調整を図るということになりますと、都市計画法とのかかわりなどにおいて幾つかの問題点が新たに出てくるということも考えられると思うわけであります。
 そういう意味で、まず冒頭、今般の生産緑地法の一部を改正するその趣旨、さらには、その目的を達成するための、今建設省の方でお考えになっておられる概略的な手だて、そういうことについて伺いたいと思います。
#7
○政府委員(市川一朗君) ただいま大臣がこの法改正の御趣旨を御説明いたしましたところでございますが、その際にも述べさせていただいておりますけれども、今回の生産緑地法の改正に当たりまして私ども基本的に考えておりましたのは、現存する市街化区域内農地につきまして、特に大都市を中心といたしまして、昨今の逼迫する住宅宅地の状況、あるいは都市の環境保全という観点からこれを宅地化するものと保全するものと都市計画の上で明確に区別する必要があるという基本的な考え方を受けたものでございまして、その際、保全するものにつきましての保全の仕組みにつきまして現行法は必ずしも十分ではないと、ただいま御指摘があったとおりでございますが、私どももそういう観点に立ちまして現行法の改正案を御提案申し上げている次第でございます。
 特に、私どもが感じておりました問題点は、都市の中における農地の位置づけの問題でございます。やはり農地は都市の中におきましてはある一定の緑地としての機能を持っておる面は否めない事実でございまして、今後の良好な都市環境の保全を図る上におきましては、緑とオープンスペースの確保といったようなことが極めて重要な課題となっておりますが、その際、農地につきましてもこれを積極的に緑地機能として評価して、それを永続的に保全を図る、こういう観点から現行法の規定を見ました場合に幾つかの点で改正する必要があるというふうに考えた次第でございます。
 この改正がなされますと、都市計画におきまして市街化区域内農地につきまして保全する農地と宅地化する農地が明確に区分されることとなりますので、その際、いろいろな政策を総合的に遂行することによりまして良好な都市環境の保全を図るとともに、計画的な住宅宅地の供給促進も図る、こういったようなことを私どもとしてはねらいとして持ち、推進してまいりたいと考えておる次第でございます。
#8
○種田誠君 今局長の方で述べられたように、私も大都市地域において保全すべき農地と宅地化すべき土地というものをはっきりと区別をして、その目的に沿って十二分に活用するということは極めて重要な課題だと思うわけであります。
 そういう中で、問題は、今言葉で明確に区分をしてと、こういうふうに私たちは言えるわけでありますが、そうは申し上げましても、東京その他の大都市においてこの作業は極めて困難な作業を伴うものだろうということも予測できますし、法の趣旨などを拝見いたしますと、選択権は土地保有農家の自由な意思に任されるということもあるわけでありますから、なおさらこの法の趣旨を一日も早く実行する。提案によりますと平成四年度末には区別をはっきりさせていきたい、こういうふうに述べているわけでありますので、大変な作業にこれまた取りかかるのではないだろうかなとも思うわけであります。
 そういう意味で、まずこの区分作業が果たして平成四年末にできるという自信があるのかどうか、そしてまた、そのためにはどういう手だてを考えておられるのか、伺いたいと思います。
#9
○政府委員(市川一朗君) ただいま御質問ございました平成四年十二月末までの問題点でございますが、これは別途成立しております農地課税との関係におきまして平成四年から農地の課税、固定資産税の課税の仕方が変わるわけでございますが、平成四年十二月末までに生産緑地地区に指定された場合には、いわゆる農地課税の課税とするという規定がございまして、私どもといたしましては、今回の生産緑地法の改正が成りました場合に、それに基づきます新たな地区指定は平成四年十二月までに行う必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 平成四年十二月末ということになると、余り日にちがございませんので大丈夫なのかという御指摘でございます。実は、生産緑地地区の指定に係る都市計画決定は、市町村が定める都市計画でございまして通常でも手続には最低九カ月を要するわけでごさいます。地権者の同意その他いろいろ複雑な手続も経なければなりません。したがいまして、私どもといたしましては、この法案が可決、成立いたしまして施行をされることになりました場合には、直ちに地権者等への周知、あるいは農地所有者等の意向把握などの地区指定の準備を進める必要があると考えておりますし、同時並行的に市街化区域内農地の現況の把握等もやらなきゃならないということでごさいまして、直ちに準備に取りかかるということが極めて肝要かと思っております。
 たまたまでございますが、来週月曜日には新年度を迎えまして全国の都市計画課長会議も招集してございますので、ちょうどタイミングもうまく合いながらスタートができるのではないかと思っておるところでございますけれども、その後の作業といたしましてもなかなか日にちがかかる割には期間が少ないということでございますので、私ども国の立場におきましても、いわゆる国レベルで農林省も含めました関連部局との調整も進めまして、地方公共団体、市町村レベルで連係プレーがしやすいような方向でいろいろと御協力を申し上げ、また実際の地方公共団体レベルでの作業におきましても、例えば都市計画中央審議会を通常は定期的に行っておりますが、それを臨時にどんどんやるとか、そういったような手続の弾力化等も含めまして、とにかく平成四年十二月までに一定の指定手続を完了するように頑張ってまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。
#10
○種田誠君 日本の都市計画法、都市計画、私は決して欧米に劣らぬ理念とかいろいろなメニューをそろえておると思うんですね。西ドイツのFプランやBプランにも劣らぬような施策も都市計画には取り入れられているわけであります。しかしながら、日本のこれまでの土地利用に関しての都市計画というのが遅々として進まないという、こういう現状にあったことも間違いないと思うわけであります。
 そういうふうな歴史的な過去の背景があるものですから、ぜひとも今局長申された点は、短い期間で極めて大変だと思うんですが、これをやり切ってもらわないと前に進むことができないものですから、平成四年の暮れまでにはぜひ頑張ってもらいたい、そしてそのためにさらにもっと必要な手だてがあるならば、国会などにも提案していただければ、私たちも多様な面から御支援や御協力ができるかと思いますので、まず手始めに進めてもらう、その上で新たな問題点などもまたお互いに協議をしなければならなくなってくるのではないだろうかと思うわけでありますので、御努力のほどをお願い申し上げたい。
 そして、今のような形で保全すべき農地と宅地化すべく土地というのが区分される、そうなってきますと、保全される農地、このことについては後ほど農水のベテランの谷本議員の方から御質問が具体的にあるかと思いますので、私はむしろ宅地化される土地について伺っていきたいと思うわけであります。
 そこで、今回の法案改正の中には、一つの基準として五百平米以上の土地については生産緑地にするという、指定を受けることができるというこ
とになっているわけでありますから、まず宅地化される土地として農家の方が五百平米以上の土地であるが宅地化を求めるという、選択をする土地が宅地に供給される土地になると思うわけであります。そしてさらには、五百平米に満たない土地、これも宅地に供給されてくる土地になろうかと思うわけであります。
 問題は、先ほど来ちょっと申し上げましたけれども、日本の都市計画において、宅地が供給された場合にそれが本当に良質な宅地として供給され、建物等が建てられていく方向に向かうのかどうかということだと思うんです。その点において、日本の都市計画法、建築基準法においては個人の自由というものがかなり広く認められております。悪く言えば、人によってはしり抜けであるというようなことを言う方もおりますが、かなり自由な物の見方が存在しているわけであります。宅地の供給をスムーズに行わせてしかも良質な宅地を確保していく、そして住宅地を供給していくということになりますと、私はそのような方向を選択することが極めて地権者にとってもメリットがある、また市町村においてもそのような誘導措置をとることができるという、そういうふうな一つの誘導策が極めて重要になろうかと思うわけであります。今回、今のような視点に立ちまして、誘導策としてどういうふうなものが考えられておるのでしょうか。
#11
○政府委員(市川一朗君) 市街化区域内農地の宅地化を図る場合に私どもが一番現実的だと考えておりますのは、やはり農地を持っている方がむしろ土地を手放すという形ではなくて、その土地をみずからが積極的に利用いたしまして、そこに例えば良質な賃貸住宅を建てていただくといったようなことを一つモデル的に考えているわけでございます。
 基本的にそういったような場合には、いろいろな優遇措置といたしまして融資制度あるいは税制上の優遇措置を講じているわけでございますが、やはりある程度良好な賃貸住宅として建設されるということが一つの条件となっておりますので、そういったいわばいい賃貸住宅をたくさん建てていただくというところにインセンティブを与えるその過程において計画的ないい町づくりにするような、宅地化がなされるようにいろいろと御指導といいますか、条件をつけるとか、そういう形でやっていくというのが一番基本なのではないかなと思っておりますが、もっと本質的な問題といたしましては、市街化区域の中の農地でございますので市街化区域それ自体が計画的に整備が進むということがまた非常に肝要である。そういう意味におきましては、街路等も含めました都市基盤施設が計画的に整備されていくということが非常に肝要である。
 それからもう一つ、私どもが非常に重要視しておりますのは、やはり公共施設が整備され、宅地を良好な形で供給される事業手法というものを駆使する必要があるだろう。もちろん開発許可制度の中に技術基準を含めましてそういう仕組みがございますが、私どもといたしましては、区画整理事業という形で行うとそういった問題がかなりいい形で実現できるのではないかというような考え方を持っておりまして、そういう意味におきましては、対象地域につきましてできるだけ区画整理事業を推進していく、こういったようなことを考えているところでございます。
#12
○種田誠君 今局長が述べられた点は極めて重要な問題を幾つか提起しているわけでありますが、私は、その辺のところを現実に実効あるものとするためには、もちろん農家の方々の主体的な判断ということが極めて重要なものではありますが、やはり地方自治体の積極的な施策の展開、地区詳細計画とか、先ほど出ましたけれども、さらには市町村を仲介としての土地区画整理事業などの適切な遂行とか、こういうものが自治体の積極的な支援のもとに展開されないと、農家だけの主体的な判断でこれをお願いしていくということは私はなかなか難しいんじゃないかと思うわけで、やはり各自治体のこの生産緑地法の一部改正に伴う宅地の供給、これを都市計画の中でどのように位置づけをして逼迫している住宅供給のために活用するかという、そういう姿勢がないと進まないと思うんです。
 その辺、自治体に関して今回のこの法の趣旨を徹底するための施策等についてはどのようなことをお考えでしょうか。
#13
○政府委員(市川一朗君) 生産緑地地区の都市計画は、先ほども御答弁申し上げましたように、市町村が定める都市計画になっておりまして、今回は生産緑地を新たに指定する際に、それぞれの市町村レベルにおきまして具体的な議論がなされるわけでございます。税との関係でいきますと、具体的には特定市ということで、とりあえず特定市の方で動き出すことになるわけでございます。したがいまして、その市の町づくりは将来どうあるべきかというような観点から、それぞれの市レベルにおきまして、地区レベルにおきましてかなり具体的な御議論がなされるものと私どもは期待しておるわけでございます。
 その際、やはり農地の問題でございますので、都市計画は都市計画担当部局というのがございますけれども、地方公共団体におきましてもいわゆる農林漁業部局もございますので、そことの連携プレーも図る必要があると思います。さらには、農業委員会あるいは農業共同組合等の直接農業関係に携わる方々の団体もあるわけでございますが、そういった方々との連携プレーを通じまして実態の把握、意向の把握等を正確に行い、なおかつ将来我々の町はどういうふうな方向に持っていくのかということについてのコンセンサスをしっかりとりまして、それで具体の農地につきましての保全するもの、宅地化するものとの区分も明確にしていく、こういうふうな形を期待しております。
 私どもといたしましては、通常の都市計画行政の中になおいま一つきめ細やかでかつ非常にコンセンサスの高い行政展開がなし得るものと期待しておるところでございますが、建設省といたしましてお手伝いできる部分があれば、先ほども申し上げましたけれども、あらゆる角度から全面的に御協力申し上げていきたいと思っておるところでございます。
#14
○種田誠君 次の質問に行く前に一点だけちょっと、いわゆる生産緑地として指定される対象になるのかならないのかということを伺いたいと思うんです。
 都市部の農家において、例えば屋敷周りのタケノコなどが大分とれる竹林、それからその他古くからある大きな樹木など、数は少なくなったといえどもまだまだ屋敷周りの林を持っているんですが、こういうものは生産緑地の生産という言葉と直接かかわる言葉じゃないのかもわかりませんけれども、農家という立場からみれば、間接的にはまさに生産に寄与する屋敷周りの樹木としてあると思うんですね。その辺のところとの絡みで屋敷周りの林というのは生産緑地になるんでしょうか。
#15
○政府委員(市川一朗君) 雑木林、屋敷林等があるわけでございますが、物によりましては林業の用に供されているとか、そういった判定ができますものは生産緑地という位置づけも可能でございます。しかし一般的には、恐らく該当しない場合が多いかと思います。しかしながら、ただいま御指摘がありましたようないわゆる雑木林等の問題につきましては、私どもはこれもまた良好な都市環境を形成する上におきましては極めて貴重な緑地であるという認識を持っておるところでございます。
 それを保全する手だてといたしましては、例えば緑地保全地区に指定する等の手段もあるわけでございますが、税制等の面におきましては必ずしも農地に比べまして截然と優遇措置がなされておらないわけでございます。農地の場合でございますと、生産緑地として指定されれば農地課税になる、指定されなければ宅地課税になる、それに対して雑木林はそういうふうになっていないといったようなこともございます。しかし一方で、一た
ん緑地保全地区等に指定されますと、ほぼ現状凍結的な行為規制がかかります。そういったようなところで、実はそれを持っている土地所有者の方々との折り合いがなかなかつきにくいという面が一つの悩みとしてあるわけでございますが、私どもとしては、極めて貴重な緑地であるからできるだけ保全する方向で取り組んでいきたいという気持ちは、基本的に持っておるところでございます。
#16
○種田誠君 ぜひとも農家の屋敷周りの竹林その他の林なども、今局長述べられたような視点で、まさに都市の緑化のためにも極めて重要な役割を果たすわけでありますから、税制上もそれが何らかの手だてがつくられるような視点に立って、長期的に保全されるようなそういうふうな努力を一層していただきたいと思うわけであります。
 そして、次の質問ですが、私これまでの生産緑地指定後の自治体における買い取りというのをちょっと調べてみましたら、極めて今日まで少なかったわけであります。この問題はきょうあすの問題じゃないと思うんですけれども、これから今回の法が制定になりますと三十年間指定が継続される。その間には当然自治体の買い取りというようなことも行われてくると思うんですね。むしろ自治体が積極的にやっぱり買い取っていくということがこれからの計画的な都市計画の上での町づくりや優良な宅地の供給に私はつながるだろうとも思うわけであります。
 法の中にもこれらを積極的に裏づけるような施策は幾つかあるかと思いますが、とりわけ私は自治体に対する財源的なフォロー、また自治体が先行的に買い取りやすいような手だて、こういうのを積極的に加味していかなければならないと思うわけでありますが、この辺についてはどのように対策を練っていこうとしておりますか。
#17
○政府委員(市川一朗君) 今回の改正案によりますと、一般的に買い取りの申し出が出てきますのは指定俊三十年を経過してからでございます。もちろんその間に死亡等のやむを得ない事情が生じました場合にも出てくるわけでございますが、そういう観点でいきますと、買い取りの申し出もかなり早いときに短期間にどっと出てくるというものではないと、まず基本的に私ども思っておりまして、漸次発生するものと考えておるところでございます。したがいまして、地方公共団体におきまして買い取りの申し出がありました場合にも、それにきちっとした財政措置を講じておけば基本的には十分に対応できるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 しからば、きちっとした財政措置が講ぜられておるかどうかということでございますが、一応長期的な課題とは考えておりますけれども、私どももその点は極めて重要であるという認識に立ちまして平成三年度から、一つは公共用地先行取得等事業債、これは地方債でございますが、それの起債許可条件を改善していただきました。それから、もう一つは都市開発資金、これは私ども都市局で所管しておりますが、これにつきましても改善充実を図ったわけでございます。
 必ずしもそれだけでは十分ではございませんが、基本的にはこういったような形で、将来の公共施設用地として先行取得する際に講じております資金手当ての充実を図ることによりまして、地方公共団体の買い取りの財政措置が万全を期せられるよう私どもは取り組んでいく必要があると考えておるわけでございますが、実態等が生じてまいりましてそれだけでは不十分な面がございました場合には、なお一層知恵を絞りましていろんな方策も講ずる必要があるのかなというふうに考えておるところでございます。
#18
○種田誠君 それから、これは過去のケースで、法が改正になりますから余り参考にはならないかとも思いますが、これまで全国で十七件ほどの土地が、十七件が生産緑地指定後に買い取りがなされてきているようであります。しかし、買い取り後のいわゆる生産緑地の利用目的等においてどうもその法の趣旨に適した形で効率的になされていたようには思えないわけなんですけれども、今後生産緑地を自治体が取得するということになった場合に、建設省としては基本的にはどういうふうな形でその土地の利用を指導していくお考えでしょうか。
#19
○政府委員(市川一朗君) 地方公共団体が買い取り申し出に応じました場合、私どもは基本的にはその土地を都市の中の貴重な緑地として評価した上で都市計画決定しておるわけでございますので、いわゆる公共空地と言われるような公園、緑地を都市施設として活用することが最も望ましいのではないかというふうに考えておりますが、もちろんその都市の状況変化もございますので、それに応じた弾力的な対応はやはり必要なのかなというふうに思っておるところでございます。
#20
○種田誠君 時間もそろそろ来るわけですが、最後に、今回の生産緑地法の改正によりまして、今後見通しとして、生産緑地の指定というのは大幅に指定がなされましてその法の目的を十二分に達することができるのかどうかということで、一体どの程度の土地が生産緑地に指定されるだろうか。そして、それは十二分に今回の法改正によって、また宅地として供給される土地について良好な宅地になっていくだろうか。その辺のことに関する総体としての御意見と、また大臣の決意などを伺って、私の質問を終わりにしたいと思います。
#21
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど来御示唆に富んだ御論議をいただきましたが、今回の法改正は、一昨年の土地基本法の改正に伴いまして、まず国民の皆さんに土地に対する基本理念をもう一度しっかりと認識していただく、公共の福祉を優先する、それからまた、地域の計画に応じた土地利用を進めるというようなことを中心に四つの柱を制定していただいたわけであります。
 その地域の計画に応じた土地の利用の中で、特に市街化区域内の農地の問題についてはかねてから論議のあった問題でございますが、今回特に都市計画の決定によって、宅地化すべきものと保存すべき農地を区分して明確にこの緑地保存の機能も十分に果たしながら住宅供給の目的も達しよう、こういうことを決めるための改正でございまして、今御指摘のように、大都市周辺の緑地機能も確保しながら、営農をされる方の御希望にも沿うような措置をしっかりとやっていこう、また大都市における住宅供給も極めて重要でございますので、都市計画に沿ってその地域の環境を壊さないように、また同時に、その住宅に伴うインフラ等の整備も市町村が都市計画で定めることによりまして、いわゆるスプロールするような現象でない住宅地の確保ができるように、こういう目的を盛ったものでございます。
 今後これから御理解を深めるために、建設省としましても、市町村を中心に幅広く土地所有者の御協力をいただかなければならないわけでありますのできめ細かく配慮をし、また一定の期間の中にやらなければならないことだけに、緑地も大都市にふさわしい緑地を確保する目的を持ちながら住宅も供給ができるように、適正に対処をしてまいる決意でございます。よろしくお願いいたします。
#22
○谷本巍君 日本の大都市は、コンクリートジャングルの町となってくる中で、町の中心街から過疎化が進むという状況が見られるようになってまいりました。そういう状況の中で市民運動サイドから出始めているのは何なのか、それは農業のある町づくりということであります。
 既に、こうした事例はアメリカにもヨーロッパ諸国にも見られるような状況になってまいりました。そんな状況の中で本改正法案が緑の空間として農地を位置づけながら、農地保全による良好な都市環境の維持を国や自治体の責務としたことはへ都市住民にとってはもとより、農家にとってもよいことだろうと思います。
 そこで、初めに伺いたいと思いますのは、宅地化する農地と保全すべき農地、これを区分する場合、保全すべき農地については五百平米としたのはどういう理由か、端的に伺いたいと存じます。
#23
○政府委員(市川一朗君) 市街化区域内農地につ
きましてその農地の持つ緑地としての機能につきまして、私どもは極めて貴重な存在になってきておるという認識を持っておるわけでございますが、都市計画上これを計画的に保全するためにしからばどれぐらいの規模要件が必要なのかどうか。そもそも規模要件が必要なのかどうかというようなことも含めましていろいろ検討したわけでございますが、やはり都市計画におきましてしっかりとその緑地機能を強化してこれを位置づけ、一定の制限を加えまして保全するという以上は、どうしても一定の規模を決める必要があるだろうという考え方を一つ持ったわけでございます。
 しからば、その規模はどれぐらいであるべきかということにつきましては、いろんな議論があったわけでございますけれども、最終的には都市公園の最低規模といたしまして都市緑地につきまして五百平米以上という基準、それから都市外の樹木の集団につきまして保存に際し指定する面積要件というのがございまして、これも五百平米でございます。それから、実際にも五百平米の都市緑地等がございまして、その管理の状況等を見ました際に、これならば都市計画上も緑地として評価できるし長期的にも管理し得るという考え方に立ったわけでございまして、またそれ以上小さなものにつきましては実績もございませんし、いろいろ見てみましても必ずしも適当なものはないというようなことから五百平米が最低限というふうに思った次第でございますが、一方で、いわゆる一反歩の半分の五畝といったようなことも意識したことも事実でございます。
#24
○谷本巍君 都市に農家を残していくという意味では、私は五百平米というのは高過ぎるんじゃないかと思うんです。例えば東京都内に残る農家を見てみましても三千平米程度で所得の八〇%以上を農業収入で上げ、そして世帯主が六十歳以下で年間百五十日以上を農業に従事する、そして後継ぎもある典型的な自立経営農家であります。そういう農家が結構残っているんです。そうした農家の耕作状況を見てみますというと、五百平米以下の分散耕作が割に多いという事実であります。
 どうしてそういう状況が生まれてきたのか、これについては二つの理由があります。一つは、古くからの農民的土地所有の区分のあり方が一町、一反、一畝という刻みできたということであります。一反の次は五畝ということでありまして、四百九十五平米になっている。その下はどうなるかといいますというと、一反の三分の一は百坪、平米で言いますと三百三十平米ということになります。二つ目の事情は、市街化区域が指定されてから、土地改良の対象から外された。土地改良が行われていますというと換地でもって大きくできるんですね、そういう機会がなかったということ。さらにもう一つの事情は、都市農業の場合、例えば施設農業に見ますように、五百平米以下でも十分な、効率的な所得が得ることができるような状況があるということであります。仮に五百以下を指定から外すということにしますと、全体で三千ぐらいでやっているけれども、四割ぐらいそういうのを持っていた、五割持っていたという農家の場合は、これは農業をやっていきようがなくなってしまうんですよ。
 そこで、お尋ねしたいと思いますのは次の点であります。農地と農家を残していこうというのなら、都市づくりのサイドからだけの観点ではなしに、担い手をどう残すかという視点がなければなりません。今の御説明でもそういう視点はありません。要するに、都市づくりのサイドだけからの判断でしかないのであります。農地というのは、使う農家があって初めて存在し得るんです。使う農家が経営をやりようがないような五百平米というふうな状況を出されてしまいますというと、農家を残していく点ではかなりこれは面積が多いために阻害条件になるのではないかということがお尋ねしたい第一点であります。
 最初に、それだけ伺っておきましょう。
#25
○政府委員(市川一朗君) ただいまの点でございますけれども、私どもが把握しておる状況等から見ますと、五百平米未満の農地は、面積要件だけでございますけれども、三大都市圏で三%ないし五%程度であるという認識を持っております。しかしながら、トータルとして数は少ない、割合は少ないけれども、ただいま御指摘のような農家が現実に存在することも事実だと思います。
 私どもはその点につきまして、現在の税法上の取り扱いとなっております長期営農継続農地制度は、一反歩以上の農地を持っておられる方々につきまして百平米以上あればいわゆる名寄せを認めるという考え方をとっております点につきましても十分認識いたしまして議論もさせていただいたわけでございますけれども、やはり先ほど申し上げましたように、市街化地域、市街化調整区域と線引きをいたしまして、それで市街化区域につきましては農地法上の転用の許可基準も変えまして、調整区域では許可制である農地転用が単なる届け出で済むようになっている市街化区域につきまして、私どもがその農地を将来とも計画的に保全するという観点から取り組むとするならば、やはり一定の面積上の、何といいますか、制約が必要なのではないかというふうに考えたわけでございます。
 したがいまして、一つの農家がほとんど五百平米未満の農地だけを持って、そして今回の生産緑地の指定にほとんどの農地が入らない、その結果、その農家が今後農業が継続できなくなるというような実態が生じた場合にどうするかというようなお話に近い話を私どもも検討させていただいておりますけれども、そういったような場合につきましてはもちろん農地所有者の方とも御相談申し上げますけれども農業委員会等とも十分御相談申し上げながら、できましたならば他の農地とのあっせんとか交換とか、そういったようなことも含めまして、いろいろと現実的な対応をしてもらう必要があるのではないかというふうに思ったところでございます。
#26
○谷本巍君 五百平米以下でなくても、まとまっておればよろしいというような話もあるわけでありますけれども、そこで農水省に伺いたいんですが、農水省は来ておりますか。
 小作地の場合、農地の指定をめぐって紛争が生じやすいのであります。これは長期営農継続農地制度の指定の場合にもこうした実例があったのでありますが、今回はそれがもっと大きくなるだろうというふうに思われます。小作地につきましては、大阪市の市街化区域で見てみますというと、二十一ヘクタール、二百六十九筆というふうに伺っております。大阪府全体の小作地というのが市街化区域では五百六十八ヘクタールですか。これは三大都市圏全体にしますと約二千ヘクタールぐらいになってくるような気がいたします。そうした数字はともあれ、指定する場合に多くの地主さんは宅地化を希望される。小作人の方は農業継続を希望するといったような中で、なかなか合意を得ることができないといったような問題が一つあります。
 それから、そうした問題とともに、宅地化しようということで合意した場合でも、所有権と耕作権の価額の分割、分け方、これをめぐっての紛争というのも多いのであります。したがいまして、来年十二月までそういうところがやれるのかどうかということが案じられるのでありますが、相当強力なこれは指導を伴っていかなければなりません。したがいまして、小作関係など権利の調整について万全の措置を講じていただきたいのでありますが、いかがでありましょう。
#27
○説明員(森永正彬君) 今般の生産緑地法の改正に伴いまして、具体的な生産緑地の指定が行われる際に、御指摘のとおりいろいろな農地をめぐる権利関係が複雑な場合に、その調整の問題が起こってくることが想定されるわけでございます。そういうことも考えまして、本指定につきましては市町村の仕事として生産緑地の指定の仕事があるわけでございますが、その中で農政担当部局、特に具体的に農地問題をいろいろ扱っております農業委員会との連携、協力というのが非常に重要な問題になろうかというふうに私どもも認識しておりまして、具体的な指定の前段階も含めまして十
分その趣旨の周知徹底なり、さらに指定に当たりましての同意聴取、そういった過程を通じまして農業委員会が十分な協力を行う。さらに、具体的には農家の問題もございますので、農協にもそういう御協力をお願いするというような形で紛争ができるだけ起こらないように、また円満な解決によりまして指定が行われるように関係機関を指導してまいりたいというふうに考えております。
#28
○谷本巍君 これまでの私どもの経験で申し上げますというと、どうもやはり行政側からの指導というのは宅地化への方向、つまり地主さんの意向、ここを尊重したような形の指導が多いように見受けられるわけです。過密のところほど本来農地改革の際に解放されるべきであった残存小作地が多いわけであります。衆議院の方の生産緑地法の一部改正法律案に関する附帯決議を見てみますというと、「生産緑地地区の指定にあたっては」「農業に従事している者の意向を十分に尊重する」ことという決議があるんですね。この中には小作人も含んでいるんです。地主は含んでいないんですよ。でありますから、現に耕作をしている者、そこのところの意思を十分尊重して当たっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。時間がありませんので、イエス、ノーだけ答てください。
#29
○政府委員(市川一朗君) 私どもは、やはりその農地が適正に肥培管理されるということは極めて重要であると思つておりますので、現に耕作に従事しておられる方、ただいまの分類でございますと小作人の方の意向が極めて肝要であるというふうに思っておる次第でございます。
#30
○谷本巍君 それから、建設省の側に申し上げたいのは、衆議院の附帯決議の四項ですか、「国は、地方公共団体の生産緑地指定事務が円滑に行われるよう、情報やノウハウの提供、財政的支援措置などをとるよう努めること。」というぐあいに明記されております。財政的支援措置も含めてこの指定問題もうまくいくようにやるんでしょうね。イエス、ノーだけで結構です、時間がありません
から。
#31
○政府委員(市川一朗君) そういう方向で努力をしたいと思っております。
#32
○谷本巍君 そこで伺いたいのは、またもとへ戻りますが、五百平米以下は対象から外すということでやっていきますと、外れた部分は一体どうなってくるのか、やっぱりミニ開発ということになりゃせぬでしょうか。特に袋地の場所などの場合がそうではないかと思うんです。今回の改正法案をつくるに際しての私どもが心得ておる理念としましては、乱開発は避けよう、それから農業を立派にやっている者はもうとにかく救っていこうじやないかと、ここらのところの建設省側や農業、農民団体等とのいわば合意的なものが一つの出発点になっておったような気がするんです。
 私は今板橋区に住んでおるのでありますが、円高の中で板橋区に在住しておる製造業などが外国へ一時期どんどんどんどん出ていったんですね。そのときに起こった市民運動は何かといいますと、工場跡地を児童公園にしてくれと、中には、狭いところなんかはいわゆるポケットパーク、それでもいいからやってくれないかといったような運動が起こってまいりました。先ほど申し上げましたように、過密であるところほど小農地が残っておるわけでありまして、そして世田谷の場合などもそうでありますけれども、自治体はそういうものを残していきたいということなんですね。それは、地震の場合はもとよりですけれども、火事の場合だとか、そうした避難場所としてもといったような意味合いなども含めて、これが住民感情になっておるというふうに申し上げても差し支えないと思うわけです。
 そこで、都市計画法の二十九条、これによる開発許可面積なるものを見てみますと一千平米であります。一千平米だが、政令では市街化の状況等から必要な場合、知事は最低三百平方メートルとしてよいということが明記されております。恐らく建設省さんは、この規定は物をつくるときの基準だと、そうおっしゃるでしょう。だから、三百なんだという考え方を示されるかと存じますが、過密の中の都市住民の率直な気持ちからしますと、都市農地として残してほしいというのが住民感情なんです。農業が継続できなくなったら、やがてそれをポケットパークの道も考えてもいいじゃないかというような考え方があるのでありますが、その点についてはいかがでありましょうか。
#33
○政府委員(市川一朗君) 農地の実態を私どももできるだけ現地に参りましていろいろ調べさせていただいた経緯もございますけれども、全国的に見ますと、三大都市圏でございますけれども、五百平米未満の農地がかなり区画整理済み地に存在することが見受けられております。これにつきましては、周辺は既に区画整理済みでございますので、少々小さなものでも宅地化されることによって、それが即乱開発にはならないというふうな認識を持った次第でございます。
 それから、ただいま板橋区の例もございましたけれども、それ以外にかなり飛び飛びで小さなものが存在することも事実でございます。これにつきましては、市街化区域の中のいわゆる計画的な投資がまだなされていないところがほとんどでございまして、私どもは一農地の問題ではなくて、その周辺の市街化を計画的に推進するという観点に立ちまして、例えば区画整理事業を推進するとかあるいは街路等の都市基盤施設整備をできるだけ速やかに行うとか、そういったようなことを行うことによりまして、いわゆる乱開発にならないような手だてを総合的に講じていく必要がある、またそういう場所にそういった規模の小さな農地の残存が見られる、こういう認識を持っているわけでございます。
 それから、開発許可のいわゆる許可面積の基準でございますが、ただいま御指摘のとおりでございまして、法律は千平米以上でございますが、規則によって引き下げることができるということになっております。ほとんどのところでは五百平米までは下げておりますが、三百平米までのところは大阪府の堺市一市のみでございます。
 こういったような開発許可面積の規模の引き下げということも含めまして、いわゆる乱開発防止ということも講ずる必要があろうかと思っておりますが、やはり基本的には市街化区域の中での都市基盤施設整備、これをしっかりとやっていく必要がある。なかんずく区画整理事業等の事業手法を有効に活用していくということが極めて大事なのではないか。それを進めることによりまして、御懸念されますような、また私どもも心配しております乱開発という形は防止できるのではないかと思っておる次第でございます。
#34
○谷本巍君 乱開発が防止できるかどうかということについては、否定的な意見ですけれども、私もいろいろ意見があります。しかし、時間が残り少なくなってしまったので、先へ進ませてもらいましょう。
 そこで、伺いたいと思いますのは、農地というのをどうお考えになっているかということなんです。皆さんは農地というのを単なる緑の空間地としてしかとらえていないのではないか。だから、五百というやつが出てくる。今都市住民サイドで問題になってきているのは、農地というものが持つ教育的機能なんですね。
 生きた土というのは一体何なのか。ある種をまきゃ野菜になる。ある種をまいて管理をすれば米になる。そして果物の木も育っていく。命の根源ですよ、生きた土というのは。そこのところが単なる公園になることとは違ったものであります。今の子供さんに聞いてごらんなさい、米はどこでとれるのって。圧倒的多数の答えは米屋さんですよ。キャベツは畑でできるなんて言ったって信用しませんよ、木になると言いますよ。さらには、また命の問題と関連した話ですが、小さな子供から死んだカブトムシ見せられて電池が切れちゃったと私は言われた。つまり、命とは何なのかということがわからなくなってきているということなのであります。今の都市の子供を育てる上で大きな問題というのは、労働との触れ合いがなくなってしまったことや、自然との触れ合いがなくなっ
てしまったこと、こういうことが大きな問題だと言われるわけであります。でありますから、今の消費者運動などを見てみますというと、安全な食糧を産直で手に入れるということと同時に、子供を農村に連れていくという一つの教育的な意味ですね、それが大きなテーマになり始めておるんです。
 今回の改正法では、要するに農地というのを緑の空間としてしかとらえていない。だから五百が出てくるんです。私どもは三百で何で悪いんだ百坪で何で悪いんだという見解も持っているのですが、農地というのをどうお考えになっているんですか。
#35
○政府委員(市川一朗君) 農地という問題に対する物の考え方という意味合いにおきましては私も個人としてはいろいろ持っているわけでございますけれども、今回御提案申し上げております生産緑地法の改正という観点に即しまして考えますならば、都市計画制度の中で市街化区域及び市街化調整区域という線引き制度を導入いたしましたのは、法改正は昭和四十三年度でございましたけれども、その間におきまして市街化区域内の農地を都市計画上どういうふうに位置づけていくべきかということにつきましてはいろんな議論、経過があったように思います。
 しかしながら、現段階におきましては、例えば現行の生産緑地法を昭和四十九年に成立させていただきましたときと比べましても、東京都区内におきまして市街化区域農地は既に半減してございます。ただいま存在しております農地につきまして都市住民の認識は、ただいま御指摘ございましたように、認識に不十分な部分もあろうかとは思いますけれども、かなりのレベルにおきましてやはり身近に存在する農地は都市の中において極めて貴重な自然であるというような認識が高まってきておるというふうに思っておりまして、専門の先生から見ますと極めて不十分だろうとは思いますけども、しかし都市計画制度の中の生産緑地の体系の中でそういった都市にあります農地を、緑地という観点からではございますけれども、都市の中の貴重な緑地、自然という形で評価してまいろうというふうになったことだけは御評価いただきたいと思う次第でございます。
#36
○谷本巍君 私の持ち時間がなくなってきております。最後に、大臣に伺いたいのであります。
 いわゆる都市づくりというのは、一定の地域指定をしてそこへ工場も建てる住宅も建てるという線引きをやって、そしてそこに人間や工場、物をつくる場も詰めていくというような時代じゃなくなってきたと私は思うんですね。例えば、都市集中化が行われる中で、アメリカのシアトル市の場合で見てみますと、農地価格と宅地価格との差額について市が助成をやっているんです。あの国は所有権万能の国ですから、やめるやめないはそれでも農家の自由にしてやっているんですね。それだけの方法をしながら農場のある町づくりをやっておる。ドイツで見てみるならば、西ドイツの場合では市民農園との併用で農業のある町づくりをやっていた。世界一都市計画がうまいとこれまで言われてまいりましたのはイタリーでありますけれども、イタリーのフィレンツェ市で見てみましても、局長は御存じだろうと存じますが、考え方としては三分の一が森、三分の一が生産緑地、そして三分の一で人間がどう住むかというような発想の町づくりですね。こうして見てみますと町づくりのあり方というのがかなり変わり始めてきている、そういう時代に差しかかってきているのではないかと思います。
 でありますので、三大都市圏の場合にはそういう理想的な町づくりを二十一世紀に向けて行うというのはもうかなり物理的に困難にはなってきておりますけれども、まだ地方都市の場合はそれがやれるんです。ところが、大臣、地方都市を見てください。ミニ東京ですよ。例えば仙台で言いますと中心街からやっぱり過疎化が進み始めてきております。広島もそうでしょう。でありますから、二十一世紀に向けての都市づくりについては先進的な世界の方向などを見詰めながらひとつ当たっていただきたいということを要望申し上げたいのですが、いかがでありましょうか。
#37
○国務大臣(大塚雄司君) 農水御専門の先生から幅広い都市政策の御示唆をいただきまして、ありがとうございました。
 実は、先生は板橋にお住まいであり、私は東京一区でございまして、最初に御指摘のようにコンクリートの町と言われるようなところでございますけれども、東京の農業委員会の皆さんやあるいは協同組合の皆様としばしばお会いをして、長い間この宅地並み課税のことで御論議もいただいてまいりました。そういう中で今回都市計画でいわゆる保存すべき農地と宅地化すべき農地をはっきり区分して、そして土地を持っている人や権利者の方々の意見を聞いて、市町村中心に環境のいい町をつくっていこう。これは大都市もそうですし、地方都市も全く同じでございまして、小さい農地だからといってこれは住宅地化してしまえばいいんだというような視点で考えるのではなくて、緑地機能を持ちながら農地としてのまた営農もしていただけるということができることは、私は、大変にすばらしいことだと考えておるわけでございます。
 しかし、どこかで基準を設けなきゃいかぬというので、先ほど来御論議をいただいたように五百平米という基準は設けましたけれども、それ以下のものにつきましても、先ほど局長からお答えをしましたように交換であるとかいろいろな手だてをしまして、農業委員会の皆さんや土地所有者の皆さんと御協議をしながら、なるべく東京の農業も非常に重要だという位置づけで考えてまいりた
い。
 実は私の選挙区には農地は全然ございませんが、私はかねてから、農業というのは非常に日本の国にとっては大事なものだと、こういう認識でそれなりの理解をしているつもりでございますので、今後、この法の成立後の施行に当たりましては、そういう気持ちをしっかり持って、農地を長年維持してきた方々の御意思も尊重しながら、一方でまた、若い人たちが希望を失っている住宅政策も非常に大事でありますので、御理解を求めながら万全を期してまいりたい。先生の御趣旨も非常に大事でありますので尊重して対処してまいりたいと思います。
#38
○谷本巍君 ありがとうございました。
#39
○石原健太郎君 今回の法改正の趣旨は結構であり、また賛成でありますけれども、幾つかの点についてお尋ねさせていただきます。
 生産緑地地区の指定の要件の一つに公共施設の敷地の用に供するに適した土地ということがあり、公園、緑地、学校、病院その他が挙げられておりますけれども、先ほどもちょっと触れられたかもしれませんが、今回の法改正後は、買い取りの後そうした学校とか病院とか、そういう建物の敷地への転用は余り考えられないというふうに解釈してよろしいのでしょうか。
#40
○政府委員(市川一朗君) 法律上の制約はないわけでございますが、やはり三十年の長期に及びましてその都市においてこの農地は生産緑地として指定していくということを決める過程でございますので、公園、緑地等のいわゆる公共空地と私ども呼んでおりますが、いわゆるオープンスペースとしての位置づけが極めて重要であろう、第一義的にはそうあるべきであるというふうに理解しておるところでございます。
#41
○石原健太郎君 日照とか通風等の都合で、農家の責任ではなくて周辺の環境の変化で生産緑地地区で営農が不可能になったというような場合、今度五百平米ぐらいのところも出てくるわけでありますけれども、そうした営農が困難になった場合は、生産緑地として指定された農地はどういうふうに扱われるようになるんでしょうか。
#42
○政府委員(市川一朗君) 私どもが生産緑地制度を考えるに当たりましてやはり一番ポイントを置きましたのは、一たん生産緑地として都市計画決定されますとそこに厳しい権利制限が課せられるわけでございまして、そうなります以上は、やはりある一定の状況の変化等があった場合には買い
取り請求等の補償措置も必要である、この考え方は実は現行法に既に導入されておる考え方でございます。したがいまして、その考え方に立ちますと、基本的には死亡その他真にやむを得ない事情が生じた場合ということで場合が限定されておるわけでございますが、そういった場合以外もいろいろあるであろうと、それをどういうふうな形で救済すべきかという議論をいろいろいたしました際に、現行法では五年ないし十年たちましたらとりあえず買い取り請求権が生ずるという形でそれを吸収しておったわけでございますが、その期間が極めて短過ぎるということの御批判等もございまして、今回それを三十年ということにしたわけでございますので、基本的には三十年間はある程度生産緑地に指定した以上は頑張っていただきまして、何か死亡等の事情の場合はやむを得ませんけれども、それ以外の場合にはできるだけ営農を続けていただきたい。また、営農が続けられない事情がいろいろ生じました場合には他の方にかわっていただくとか、あるいは地方公共団体レベルでいろんな工夫もする、例えば市民農園という制度もあるわけでございます。
 そういったようなこと等をいろいろ考えているわけでございますが、農業そのものがもう全然続けられなくなるような状況の変化が起きた場合はどうなるのかというような御指摘もあったように思うわけでございますが、そのような極めて本質的な農業経営の継続を不可能にするような周辺の状況変化が生じました場合には、これは都市のあり方自体が変わってきた問題ということで、やはり都市計画のあり方としてその都市計画の変更も含めて取り組んでいかざるを得ない問題なのではないかというふうに思っている次第でございます。
#43
○石原健太郎君 調整区域へ逆線引きされる農地と生産緑地に指定される農地というものが今後出てくると思いますが、その違いはどういうところで区分けされるのか、また逆線引きをする理由はどういうことなのかをお聞かせください。
#44
○政府委員(市川一朗君) 市街化区域内農地につきまして永続的に農業を継続するという場合におきましては、やはり基本的には市街化調整区域にいわゆる逆線引きした方がやりやすいといいますか、農業政策との観点からいきましても素直なのかなというふうな面もございますが、しかし実際問題といたしましては、その都市計画区域につきましてかなりの議論を経まして線引きした中での市街化区域内農地でございますから、調整区域へ逆線引きすることはなかなか難しいものが多いわけでございまして、そのために生産緑地地区制度というものが導入されたと私どもは理解しているわけでございます。
 したがいまして、例えば市街化区域と市街化調整区域の中でちょうどその周辺部に存するような農地につきましては、できることならば都市計画を変更して市街化調整区域に線引きを引き直すということが一つ考えられるのではないか。それから、周辺が市街化が進んでおりましてその真ん中でなお農地としてまとまりが生ずるような場合、これは俗に私ども穴抜き調整区域と称しておりますが、こういったものにつきましては、現在五ヘクタール以上まとまった場合につきましては調整区域への逆線引き等も実施しておるわけでございまして、その条件を固持いたしますとなかなか実態に合わないという部分もございますので、原則は五ヘクタールを意識しながらも、現実的な対応といたしまして、いろいろ条件が整います場合には、逆線引きの基準を二ヘクタールぐらいまで引き下げてでも対応すべきなのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#45
○石原健太郎君 今度の法改正で、これは私の感触なんですけれども、市街化区域内農地の宅地化がこれまでのペースよりは早まるんじゃないかという感じがするわけであります。せっかくそういう宅地が提供されても、最近、企業とか法人による土地所有の割合が随分とふえているようであります。せっかくの土地がそういう資金力に任せて買い占められたり退蔵されたりするおそれに対しては今もいろいろ施策は行われていると思いますけれども、そのほかに何かこれから検討されるようなものがあったらお示しください。
#46
○政府委員(市川一朗君) 私ども、先ほども御答弁申し上げましたけれども、宅地化すべき農地につきましてはやはり基盤整備を伴った賃貸住宅というような形で供給されることが都市に住むサラリーマンの念願にもかないますし、また農地を持っておられる方々の長期的な人生設計にも合うというふうな理解をしておりまして、それに即しましたいわゆる融資制度あるいは税制等も講じておるわけでございます。
 そういったようなことが一つのメーンの方向としての施策でございますけれども、例えばそういった農地所有者自身によります賃貸住宅建設の促進に関しましても現在農住利子補給制度、あるいは住宅金融公庫の特定土地担保賃貸住宅制度、あるいは借り上げ方式による公共賃貸住宅制度とかいろんな制度が導入されておりますが、それをさらに改善し、リファインしていくことが重要なのかなと思っておる次第でございます。
 さらに、私ども先般、さきの通常国会で都市計画法を改正いたしまして、住宅地高度利用地区計画という制度を創設していただいたわけでございますが、これは農地をお持ちの方々がその地区におきまして一定の地区計画を導入いたしました場合には容積率等につきましてもかなりのボーナスがもらえますので、いわゆる中高層住宅が建てやすくなるといったようなことが考えられた制度でございますけれども、これの積極的活用、あるいは国土庁の方で御提案申し上げました農住組合制度、これも継続的な制度としてお認めいただいたわけでございますが、これの活用も図らなきゃならないと思っております。
 また、やはり何といいましてもその区域の都市基盤施設の整備が計画的に進むことが肝要でございますので、それに必要な財源措置をいわゆる国の予算レベルにおきまして社会資本整備という観点でしっかりと確保する必要がある。さらに、これは東京都におきましては区画整理事業の計画がなされておりますが、まだ進んでおらないところがたくさんございますので、そういった地域におきます促進策、そういったことをいろいろと検討しておるところでございます。
#47
○石原健太郎君 細かい正確な数字はわかりませんけれども、世論調査等によりますと、やはり日本人はまだまだ自分の土地を持ちたいとか自分の家が持ちたいという要望も強いようでありまして、今御説明いただいたことは確かに一つの方法ではあるかと思いますけれども、必ずしも私が期待している方向ではないような感じがいたします。
 今のように高騰した地価の現状下では、個人が購入できる土地というのは小面積に限られてまいります。それで三十坪とか四十坪程度の土地にだんだん細分化されていくような傾向にあるかと思いますが、これは生活環境的にも都市計画上も余り好ましくないと思うのでありますけれども、こうした土地の細分化、まあ今御説明いただいたようなことはそれぞれ確かにその対策だとは思うんですけれども、この細分化に対しても特に何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#48
○政府委員(市川一朗君) 先ほど御答弁申し上げましたように、区画整理事業等を行い、またそういった形で整然と整備されました市街地におきまして、その宅地上にしっかりした住宅を建てるということによりまして敷地の細分化は基本的には防止できる手だてということにはなるわけでございますが、何といいましても敷地の細分化が進む背景には地価の高騰、いわゆる住宅宅地の値段といったような問題があるわけでございまして、そういった地価対策等もしっかりと講じなければ総合的な意味での敷地の細分化を防ぐことは難しいテーマであるというふうに思っておるところでございます。
 なお、先ほど申し上げました賃貸住宅等の建設によりますと、私も現地でいろいろと見させていただいておりますが、いわゆる農住賃貸と呼ばれ
るもの等はかなりまとまった形で中高層住宅として提供されてございますので、それができますともうそれ自体でいわゆる敷地の細分化にはつながらないといったようなことで、私どもは推奨すべきものであるというふうに理解しておるところでございます。
#49
○石原健太郎君 今度の法改正も一つの契機になるかと思うんですけれども、優良な住宅がまじめに一生懸命働く人だれにでももっと手に入りやすいように願うものであります。大臣のその点に対するお考えをお聞かせいただければと思います。
#50
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど来局長からお答えを申し上げておるわけでありますが、宅地並み課税の問題が起きてまいりましたのは古くは、土地の価額の低いところに水が流れるようにスプロールして住宅が建ったその結果、都市の市街化区域内の農地が残ってまいりましたことから、良好な都市環境をつくっていくという視点がまず一つ非常に大事だということがございます。それと同時に、地価が上がりまして、先ほどもお話をしましたように、土地基本法が制定されまして、その地域に応じた土地の有効利用をすべきであるという視点がもう一つございます。それから一方で、長年農地を経営してこられた方にしてみれば、ただ単に農地が宅地化されてしまってはその生活が脅かされる、そういうようなものを総合的にどうしたらいいかという視点に立って、今回この法を改正して環境のいい住宅を建てるとともに農地も保全をし緑地機能も保全していこう、大変一石何鳥かのようなことを申し上げますけれども、このことがまさにこれからのいわゆる大都市周辺の地域で大事なことであろう、こういうふうに考えておるわけであります。
 しかも、地価問題等から考えますと、農地を持っておられる方が計画的に宅地化をされるときに、その所有者がみずから住宅事業をおやりいただくというのもいわゆる安定した住宅供給に資する道の一つであり、また賃貸住宅を希望する方のニーズも非常に高くなってきたということも踏まえまして、農住組合制度もさらに法定要件を緩和する等やりいいように今回改正もしていただきましたし、大都市法の改正あるいは建築基準法、都市計画法の改正で新しい住宅地高度利用地区計画の制度も発足をしていただきましたので、このそれぞれのものを組み合わせながら、しかも市町村が環境に配慮をしながら都市をつくっていくということは、将来の若い人たちの期待につながっていくだろう、私はこのように思っておるわけでございます。
 とりわけ人が住めばそれに伴ういろんな施設が必要でございますが、ただ無秩序にやりますと地方自治体の負担も非常にふえてくるわけでありますから、その点にも配慮をして計画的に住宅地をつくり、また緑地を保全し、しかも農地を経営していけるというような方法でいくことが我々の最も望むところでございまして、ぜひこの法案を成立させていただきまして、市街化区域内の農地周辺の環境良好な都市整備を進めさせていただきたい、このように考えているところでございます。
#51
○石原健太郎君 大いに頑張っていただきたいと思います。
 それと、四十九年に法が成立しましたときに、衆参両院の附帯決議では生産緑地地区で十分な農業施策が行われるようにとされておりますが、何か特筆するような施策があったら教えていただきたいと思います。
 それからまた、農林水産省の諸事業は主として農業振興地域で行われており、生産緑地地区では原則として行われていないというふうに聞いておりますけれども、だんだんこの生産緑地地区でもいろいろな施策を行うような検討をされたらいかがかと思うんですけれども、どうでしょうか。
#52
○説明員(森永正彬君) 今般改正されました暁におきます生産緑地に対する農業施策の問題でございますけれども、御案内のとおり、相当な長期間にわたりまして営農が継続される、そういうことを通じまして農地の持つ緑地機能等を十分に発揮させていただく、こういう趣旨でございますので、そういった趣旨に沿いまして適切かつ健全な営農が継続できるような施策をその対象にしてまいりたいというふうに現在検討しているところでございます。
 具体的には、いろいろな普及事業でございますとか教育研修、後継者のそういった対策でございますとか、それから農家に対します営農指導、こういった問題はもちろんでございますが、そのほか農機具なり小規模な土地改良なりそういったものにつきましての融資の問題、さらには野菜集団産地の育成事業というのがございますが、こういったものも対象にしてまいる。それから、当然でございますけれども、家畜衛生なり病害虫防除なり、そういった問題につきましても十分な措置が講ぜられるように対策を講じてまいる所存でございます。
#53
○石原健太郎君 琵琶湖の水をきれいにすることの緊急性、重要性から見ますとちょっと瑣末な問題になりますけれども、宅地化が進むと農業用水に生活雑排水が流されて用水の汚染が進み農家の作業に大きな支障が出てまいります。この対応は十分なのでしょうか。
 また、農業用水の清掃は水利組合員等の仕事かと思いますけれども、だんだん宅地化が進んだようなところの市街化区域での用水路の清掃というものは、これはだれの仕事になるのでしょうか。
#54
○説明員(森永正彬君) 市街化区域内で農業を営みます場合に、御指摘のとおり用水の問題というのはかなり重要な問題になってまいります。周辺が宅地化しますと水質汚濁等の問題があるわけでございます。こういったものに対処するための農水省の施策とし水質障害対策事業のようなものがございまして、そういった公害対策なり汚濁対策といった観点から、一定の広がりがあるような農地につきましてはこういったものの対応を検討しなければならないというふうに考えております。そのほか、簡易な用排水施設につきまして、非常に小面積なものにつきましての対応といたしましては、先ほど申し上げました融資で対応する道があるわけでございます。
 なお、維持管理につきましては、通常でございますと水利組合といいますか、それの法的なものとしましては土地改良区というのがございまして、現在土地改良区の区域内にもかなり市街化区域農地が含まれている地域もございまして、その土地改良区が維持管理をする用排水路、これは土地改良区の責任といいますか、その組合員の話し合いで土地改良区が用排水の維持管理をしていくという形が一番望ましいわけでございますが、そういったきちっとした団体がない場合にはやはり農家の皆様方の話し合いでやっていただく。それから、そういった維持管理に要します維持管理のための対策として例えば維持管理適正化事業というような事業がございますが、こういった事業につきましては市街化区域でございましても対象にするように措置しているところでございます。
#55
○石原健太郎君 水質障害対策事業のようなものは、市街化区域内の農地では今は行われていないわけですね。また、水路の維持管理等につきましても、土地改良区は確かに責任あるかもしれませんけれども、そこにいろいろな人が住むようになってそういう人たちの流す水の方が多いなんというような場合は、やはり農家だけに責任を負わせるのは気の毒といいますか大変なような気もするんですけれども、その二点につきましてさらによく検討していただきたい、かように思います。
 それから、水路とか河川などが改良されるたびに日本じゅうの河川や水路がだんだんコンクリート化されていくわけでありますけれども、自然と親しんだり、特に都会の人が水に親しむためにはなるべく自然の水路がよいのではないかと思うわけであります。とりわけ生産緑地地区内等では自然の水路を残すようにした方がいいいと思うのでありますけれども、河川や水路等のコンクリート化について建設省と農水省のお考えを聞かせていただけたらと思います。
#56
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございました水路等の問題でございますけれども、私ど
もまず基本的には、営農の継続を図るために必要となる水路等の改修につきましては、そういった水路等の改修以外にも、いわゆる生産緑地の適性管理を図るためにさまざまな面でいろいろ講じなければならない面があろうかと思います。先ほど農水省の方から御答弁ございましたけれども、私どものサイドにおきましても、農水省関係部局とも連携プレーをとりながら、また市町村レベルにおきましては農業委員会及び農業協同組合等との積極的な協力体制の中で必要なことはできるだけ講じてまいりたいとまず基本的には思っているわけでございます。
 それで、だたいまの水路等につきましてコンクリート化する問題等の御指摘がございましたけれども、基本的な考え方としてはいわゆる場所によるのではないかというふうにも私思うわけでございますけれども、ただいまの御指摘の線を十分踏まえまして、現実的に必要なところではそういった自然の起伏といったようなことを含めまして検討してまいる必要があるのではないかと、このように思っている次第でございます。
#57
○説明員(佐藤昭郎君) 近年、農業用の用排水を活用いたしまして、地域の方々が水や緑に親しめるような農村環境整備に対する期待が大変高まっております。こういう状況の中で、農水省といたしましても地域住民の方々の要望を踏まえながら、農業水利施設を活用しまして親水施設の整備などを行います農業水利施設高度利用という事業がございますが、これを推進してきたところでございますけれども、特に平成三年度におきましては、もっと広域にわたって親水や景観に配慮をした農業水利施設の整備を行う水環境整備事業というのを創設したところでございます。
 これからも、こういった事業制度などを活用しながら用水路の整備に当たっては、構造等につきましても親水や景観に配慮しながら農業水利施設の多面的な利用に向けた事業を積極的に推進してまいりたい、こういうふうに考えております。
#58
○石原健太郎君 基盤整備ですが、広い地域での基盤整備なんかでも、用水路が全部一応土を掘ってその一番最下部のところはコンクリートでずっとやる。ごく最近の事業を見ていてもそんなような状況なんですけれども、川にだれかがおっこったとかいった場合、それから魚にしても水生植物にしてもやっぱりコンクリートよりは自然のままの方がいい。地下水なんかも浸透していくというふうにも言われておりますので、子供にしても年寄りの人にしてもおっこったりしたら危ないなんという問題もありますので、なるべくそういうことを一生懸命検討を進めていただけたらと思います。
 それから、宅地化が進むと同時に畜産公害、もともとあるところに人が住んできて公害になるわけでありますけれども、かつては排せつ物は畑に堆肥という形で還元されておりました。宅地化が進むと苦情が出たりしてそういうことができなくなるわけであります。現状、市街地近辺ではどう処理されるのが望ましいのでしょうか。
 また、尿をやむを得ず河川や湖沼に流す人たちもありますけれども、こうしたそうせざるを得ないというところに何かうまい解決法はないものかどうか、そんなことも研究していただけないかと思うのでありますけれども、お考えを聞かせてください。
#59
○説明員(菱沼毅君) 御案内のとおり、最近は都市周辺地域の宅地化の進展でありますとかあるいは農村部におきましても混住化が急速に進展しているというようなことで、畜産経営に起因する悪臭なりハエの発生といった問題が御指摘のとおり周辺住民から苦情として出ているということが見られるわけです。
 また一方、畜産の環境問題といいますのは、主としてふん尿処理の処理形態が不完全あるいは不適切に行われているという場合が最も多いものでございまして、御案内のとおり家畜のふん尿には多くの有機物を含んでおりまして、これを例えば空気を入れるなどの好気性の処理によりまして堆肥化しますとか、あるいは先生今御指摘の尿につきましては、やはりこれも空気を入れまして好気的に、曝気処理というのがございますけれども、そういうふうなことをいたしまして液肥化いたしますれば悪臭が大幅に減少する、あるいは害虫の卵ですとか幼虫というものが大幅に死滅するというようなことが実験的にわかっておりますし、随所で見られている手法でございます。また、当然のことながらそうやって処理したものを土地に還元するということになりますと、ふん尿のリサイクル利用を進めて環境保全ばかりじゃなくて資源の活用にも役立つ、こういうことがあるかと思います。
 また、市街化を形成しているような地域におきましては、特に悪臭に対する配慮が非常に多く求められているような実態でございますので、悪臭防止法の規制基準を遵守し得るような処理システムなり機械、施設というようなものを補助事業として取り組む、あるいはリース事業として取り組みますとか、そういったことをやっておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、市街化が進んだ地域におきましても、我々としましては従来にも増して農家に対する巡回指導によりますいろんな意識の向上でありますとか技術の普及でありますとか、そういったことを現にやっておりますし、これからも強化をしてまいりたいというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
また、単に畜産農家だけじゃなくて耕種農家など、あるいは地域住民をも取り込んで協力なり支援なり御理解をいただきながら、何とかしてふん尿の処理をしつつ有効に活用していただくというための、いろいろございますけれども、補助事業なりあるいはそういった機械、施設のリース事業でありますとか、そういったことを現にやっておりますし、年々こういった問題が大きくなっておりますので、我々としても今後ともさらに充実をさせてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#60
○石原健太郎君 じゃ、よろしくお願いいたします。
 なお、環境庁の方にもおいでいただいているかと思うんですが、何というんですか、河川の汚濁に対する対応等についてお聞かせいただけたらと思います。
#61
○説明員(久野武君) 環境庁といたしましては、水質汚濁防止法という法律がございますが、これに基づきまして、先生御指摘の豚房施設等につきましては一定規模以上のものについては排水規制という形で規制をしているところでございます。また、排水規制の及ばないような小規模なものにつきましては、これは畜舎だけではございませんでいろんな形の工場、事業場等も含めました小規模なものにつきましては、小規模事業場排水対策指針といったようなものを私ども作成しそれを地方自治体に通知し、また地方自治体ではそれらを踏まえて関係部局とも連携をとりつつ、環境保全の適正化に努めているといったところでございます。
 今後とも公害苦情等に適切に処理する等、先生御指摘の点を踏まえて排水処理に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#62
○石原健太郎君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#63
○白浜一良君 きょうは自治省からも来ていただいていますので、まず事実認識を伺いたいと思います。
 今回の生産緑地法の改正でいわゆる対象となる農地の範囲でございますが、三大都市圏の特定市ということになっております。現行の三大都市圏の特定市の指定の基準ですね、それはどのような考え方に基づいているのか、お考えを示してください。
#64
○説明員(堤新二郎君) 市街化区域農地に対します宅地並み課税につきましては、首都圏整備法、近畿圏整備法または中部圏開発整備法に規定する
首都圏、近畿圏または中部圏の既成市街地などの区域に所在する都市、いわゆる三大都市圏の特定市と私どもは言っておりますけれども、三大都市圏の特定市に所在する市街化区域農地に対して適用することといたしておるわけでございます。
 御承知のように、市街化区域農地の宅地並み課税につきましては、周辺の宅地等との税負担の不均衡を是正するという観点と、土地政策から宅地化の促進に資するという二つの観点から行われておるわけでございまして、昭和四十八年度以来現行の制度になっておるわけでございますが、土地政策の緊急性が特に強くかつ周辺宅地との税負担の不均衡が著しい今申し上げました三大都市圏の特定市におきまして実施をしておるところでございます。
#65
○白浜一良君 この制度ができましたときと現在で、特定市の数はどういうふうになっていますか。
#66
○説明員(堤新二郎君) 三大都市圏の特定市の数についてのお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように、昭和四十八年度から宅地並み課税が実施されておるわけですけれども、昭和四十八年度におきます特定市の数は百八十二団体でございました。その後、町村といいますか町が市制を施行いたしまして順次特定市になりましたのが埼玉県の坂戸市などを初めといたしまして八市ございまして、平成二年度末では特定市として百九十の市で宅地並み課税が実施されておるところでございます。
#67
○白浜一良君 それは今後もふえる可能性があるのかどうかということと、三大都市圏で今後市に昇格するようなところが出た場合、従来のいわゆる相続税の猶予制度とか固定資産税の取り扱い、これはどうなりますか。
#68
○説明員(堤新二郎君) 宅地並み課税を実施いたしておりますのは今申し上げましたように三大都市圏の特定市でございますけれども、今後具体的には、例えば首都圏の近郊整備地帯等の区域内にございます町村、町だと思いますけれども、町が市制を施行した場合には当然特定市として宅地並み課税を実施することになるわけでございます。例えばもう既に本年の四月一日に千葉県の袖ケ浦町が市制を施行いたしておりますし、さらに今年中には埼玉県の鶴ケ島町あるいは日高町、大阪の阪南町、あるいは奈良県の香芝町などが市制施行を予定をいたしております。
 それから、特定市になりますと宅地並み課税の実施をするわけでございますけれども、そういった新たに宅地並み課税の対象となる市街化区域農地につきまして、やはり税負担の激変を緩和する必要がございますので、その特定市になりました翌年度から宅地並み課税をやるわけでございますが、その宅地並み課税をされる年度から四年間にわたりまして宅地並みの税額に一定の軽減率を掛けております。例えば宅地並み課税が実施されました初年度につきましては、宅地並み税額に〇・二を乗じておりますし、その翌年度には〇・四、〇・六、〇・八ということで四カ年にわたりまして宅地並み税額にそういった軽減率を適用いたしまして、激変緩和措置を講じているところでございます。
#69
○白浜一良君 それで、いわゆる保全すべき農地と宅地化すべき農地の範囲の問題で、三大都市圏の特定市以外にも今後この対象が広がっていくのかどうかについて、特に都市圏の今おっしゃった町がございますね、その辺の考えはどうなんですか。
#70
○説明員(堤新二郎君) 市街化区域農地に対する宅地並み課税につきましては、三大都市圏の特定市に所在する市街化区域農地に適用をされておるわけでございますけれども、これは昭和四十八年度に、先ほども申し上げましたが、土地政策の緊急性が強くかつ周辺宅地との税負担の不均衡が特に著しい三大都市圏の特定市に限定をして実施されているところでございます。
 なお、四十八年度のときにもいろいろ検討をされたわけでございますけれども、三大都市圏の特定の町村までは拡大をしておらないわけです。その拡大しなかった理由は、町村と市ではやはり都市施設の整備状況あるいは土地利用の実態などにおきましておのずから差があるのではないか。ただ、町の中にも市に準ずるような町もございますけれども、同じ町村という中でそういった市に準ずるような町だけを区別することはなかなか難しい。さらに、町村におきましても都市施設が整備され人口がふえてまいりますと、おのずと市制施行ということにもなってこようかと思いますし、そういったときにはその時点から宅地並みの課税を実施するということになるということでございまして、そういった観点から三大都市圏の特定市に限定をして四十八年度から宅地並み課税を実施しているところでございます。
 今回の市街化区域農地に対する課税の見直しにおきましても、以上のようなこれまでの経緯ですとか税制調査会などの答申等を踏まえまして、その基本的な枠組みにつきましては維持をしながら、生産緑地法の今回御審議をいただいております改正を受けまして、私どもも保全すべき農地と宅地化する農地に区分をいたしまして、そういった都市計画サイドからの区分を踏まえまして平成四年度以降の宅地並み課税を実施していこうというふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、現段階では三大都市圏の特定市以上に三大都市圏の町村ですとかあるいは三大都市圏以外の地域にまで宅地並み課税を広げるということは考えておりません。
#71
○白浜一良君 そこて、いわゆる固定資産税額で評価額が三・三平米で三万円以下は対象外になっているんですよね。ところが、御存じのように、この固定資産税の評価というのは自治体によって物すごいばらつきがあるんですけれども、今回そういうことで非常に大事になっていきますので、この評価の適正化についてはどのようにお考えですか。
#72
○説明員(堤新二郎君) 御指摘の点はよく言われるわけでございますけれども、最近におきます地価の高騰等がございまして、地価公示価格と比べますと固定資産税の土地の評価が地域によってばらつきがある。特に大都市においてはその乖離が甚だしいということが事実としてございます。そういった点を踏まえまして、私どもといたしましては、これから固定資産税におきます土地の評価につきましてもその均衡化、適正化に努めていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
 これにつきましては先般閣議決定をいたしました総合土地政策推進要綱におきましても、平成六年度以降の評価がえにおいて速やかに地価公示価格の一定割合を目指して評価の均衡化、適正化を図るように述べられておるところでございまして、そういった閣議決定なども踏まえまして、私ども平成六年度以降の評価がえにおきまして均衡化、適正化に努めたいと思っております。
#73
○白浜一良君 自治省、結構です。
 都市局長、お伺いしますけれども、先ほども質問が出ていたんですけれども、平成四年の末までにいわゆる区分割りをしないといかぬわけでございますが、やっぱりベースになるのは都市計画で、これがきちっとできないといかぬわけです。これはできますか、きちっと。その上での区分分けができますか。
#74
○政府委員(市川一朗君) しっかりやらせていただきたいと思います。
#75
○白浜一良君 私はそう思うんですけれども、一遍決めて、それでまた後で取り返しがつかなくなってまた一部部分的に変更しないといかぬ、こういう事態になってはいかぬわけですね。やっぱり三十年間少なくとも拘束されているわけですから、だから一たん決まってしまったら三十年間そのほかの転用を含めてできないわけですから、そういった面できちっとした計画にのっとった区割りが大事なので、やるとおっしゃっていますけれども、やるにこしたことはないんですが、例えば、やれるということは大前提ですけれども、しばらく経過措置なんか考えて、これは地権者の方から申告があるわけですから、だから二年ないし三年
経過措置を置いて、そういう買い取り制度の申し出なんかができるような猶予さえ持っておけばきちっとした計画にのっとった対応ができると思うんですけれども、こういう考え方はどうですか。
#76
○政府委員(市川一朗君) 平成四年十二月三十一日を生産緑地の都市計画の指定の事務手続としての一つの期限と考えておりますのは、御提案申し上げておる生産緑地法の改正の中身ではなくて、地方税法の改正の中で固定資産税の宅地並み課税に関する部分が今回改正されました。それが平成四年度から実施されるということになりました。
 一応その際、平成四年度一月一日の現況において仕分けをすることになりますが、最初の平成四年度に限っては、通常は平成四年度の税制は平成四年一月一日現在でやるんですが、平成四年一月一日現在で生産緑地地区として指定されていないものでも平成四年十二月三十一日までに指定された場合にはさかのぼって生産緑地として農地課税をしますと、こういう税法の体系になっておりますので、私どもそれに合わせて作業をしなければならないと思っておる次第でございます。
 そういう意味におきましては、既に税法等も成立してございますので、私どもはもうそれに合わせて作業に邁進するのみと、こういうふうに思っておるわけでございます。
#77
○白浜一良君 だから、決意はわかるんですけれども、問題を言っているわけですから、先ほども質問で耕作地に関する問題、確かにそれは局長がおっしゃってもできませんよ、そんな簡単に。それ以上答えられないでしょうけれども。それを心配しているわけです。
 じゃ、幾つか問題を指摘したいと思うんですけれども、例えば都市計画そのものがいわゆる市町村割りでやっていますから、局長は御存じでしょうけれども、現在でも都市計画の道路なんかで隣接市で市を越えたら整合性がないから、極端に道が狭くなったりして、よく御存じだと思いますが、そういう問題があるんですよね。要するに、今回もたとえきちっと各市町村で都市計画ができた上で対応されたとしても、そういう隣接市なんかで都市計画そのものが異様に整合性のない場合が出てきますね、これはどうされますか。
#78
○政府委員(市川一朗君) 今回の生産緑地地区の都市計画は市町村が定める都市計画でございますから、やはり第一義的には市町村ごとにきちっとした考え方で物を処理していただきたい、また処理されるべきものというふうに私ども理解しておるわけでございます。
 ただいま先生の方から御指摘がありました二以上の行政区域にまたがる場合は、多分その指定に際して調整を要するような形でまたがっているという例は極めてまれなケースではないかなというふうに私ども思っている次第でございますけれども、しかしながら一つの境を接しまして二つ以上の市町村が接しておるわけでございまして、そこにおいて生産緑地の指定につきまして各市町村が判断する際にいわゆる極端に差が出ざるを得ないような状況が発生することを考えておりますが、そういったような場合には、やはり何といいましても境を接している問題でもございますので、極端な差が出ないような何らかの調整を図る必要もあるのではないかなというふうに思っております。
 一般的に市町村の都市計画ではございますが、最終的には都道府県知事の承認という手続が残されておりまして、それぞれの県の都市計画地方審議会の議も経るような形になりますので、大体のところはそういった場も含めまして調整が図られるのではないかなというふうに考えておるところでございます。
#79
○白浜一良君 きちっとなればいいんですけれども。
 それから、五百平米ということになっているんですが、そういう都市計画で実際の土地をきちっと検討したら五百平米以下でもいわゆる緑地にした方がいい、農地として保存した方がいいということが当然出てくるんでしょうし、逆にその五百平米以上で生産緑地の資格が当然あるんですけれども、この地域はやっぱり宅地にした方がいいと、そういう場合も当然都市計画法上出てくるわけです。こういうふうなものはどうされるんですか。二つのケースがありますよ。五百平米なくたってこれは緑地として農地として保全した方がいいというものと、逆にそれ以外の資格がある土地でも宅地化した方がいいんじゃないか、都市計画上はそういうようなものも当然出てくるわけでございますが、これはどういうふうに調整されるんですか。
#80
○政府委員(市川一朗君) まず、五百平米未満の問題につきましては、やはり法律上指定要件の中に五百平米以上という面積要件が入るわけでございますので、五百平米未満の農地につきましては生産緑地地区としては指定できない、こういう考え方で割り切らざるを得ないのではないかと思っておりますが、ただその農地等が極めて貴重な農地等の場合にみんなで残そうというような考え方がありました場合に、それを具体的にどう取り扱うかという現実面での対応というのはあるいはいろいろあるのかと思いますけれども、生産緑地地区制度の中でこれを保全し、税制上の措置も講ずるということは、やはりちょっと難しいというふうに私どもは割り切らざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。
 それから、逆の場合でございますが、五百平米以上の面積要件があっても実態からして緑地として残していくのはいかがかなといったようなものがあることも事実だと思います。この辺につきましては、農地所有者の方々の意向ということがまず第一義的には重要視されるべきものと私ども理解してございますけれども、やはり都市計画制度の中で長期的に緑地として評価し保全していく以上は一定の限界があるというふうに理解しておるところでございます。
#81
○白浜一良君 ですから、先ほど局長がおっしゃったように、いわゆる都市計画の担当者を集めて会議をするとおっしゃいましたけれども、やっぱり法律の上で論じることも当然大事でございますが、町づくりの上でこれは検討するのが一番大事ですから、そういう現場の町づくりに即応した対応の仕方というか、十分御配慮賜りたい、このことをお願いしておきたいと思います。
 次に、買い取り制度のことで先ほどお話がございました。この措置ができてから十七件しかないということなんですが、今回三十年というふうに大幅に長くなったわけでございます。こういうふうに改正されまして、公有地が拡大されていくとお考えですか。
#82
○政府委員(市川一朗君) 生産緑地に指定されまして買い取り請求がいつごろどういう割合で出てくるかという問題がまず前提としてあるわけでございますが、やはり基本的には三十年以上の長期間にわたりまして、営農の継続を希望する方々の農地でございますので、そう短期間では買い取り請求は出てこないというふうに思っておるわけでございますが、例えば死亡なさった場合とか、その他いろんな事情の場合にも買い取り請求できることになっておりますし、また生産緑地法十五条という規定の中で任意の買い取り制度もございますからいろんな形で買い取りの希望が出てまいることも予想されるわけでございます。
 私どもといたしましては、それにつきましてはできるだけ地方公共団体が原則として買い取るという形で公有地の拡大を進めることが、先ほど来の御論議にもございましたような都市において非常に貴重な存在となっております緑とオープンスペース、公園、緑地等を補完する意味合いにおきましても、また新たに公園、緑地等として整備する意味合いにおきましても極めて重要な課題であると思っておりますので、請求が来ました場合には原則的に買い取っていくような仕組みを講ずる必要がありますし、そういうふうにすることによって公有地が拡大していくということは私ども見通しとしては持っておるわけでございます。
#83
○白浜一良君 そこで、これは私も聞いた話でございますが、公有地拡大法による譲渡所得の控除額でございますが、今回のこの生産緑地法が改正
されますので、そういった面で自治体が買い取りやすいようにということで、これはもう建設省でも考えられたのでしょうけれども、その枠を一千五百万円から五百万円増額しようという、そういう案をつくられて大蔵省に求めたがだめだったというふうに、これは聞いている話です、局長。ですから、このようないわゆる地権者が買い取りの申し出を行いやすくするような何らかの措置、それはどのようにお考えになっていますか。
#84
○政府委員(市川一朗君) ちょっと正確なお答えになるかどうかわかりませんが、生産緑地の買い取りの際のいわゆる譲渡に際します控除制度は、現行一千五百万円は最終的にはそのまま改正されないままになっておるわけでございますが、私どもといたしましては長期的な課題として受けとめておるところでございまして、税制改正等におきましてはこういった問題は今後引き続き取り組んでまいる必要があるというふうに思っておるところでございます。
#85
○白浜一良君 じゃ、時間が来ましたので、最後に大臣、お伺いするんですけれども、今回この制度が取り入れられて、国土庁の調査を見ましたら、全農地で農業を継続するという方が三大都市圏で三四・四%、これは国土庁の調査でございます。ということは、さまざまに宅地並み課税されるということで、いわゆる転用される土地がたくさん出てくるというか、考えられるわけですね。
 そこで、そういうものが乱開発されてはいけないというか、非常に貴重な土地が、転用可能な農地が土地として供給されてくると考えられるわけです。ですから、非常に貴重な土地でございますので、建設省だけじゃなしに、貴重な公共用地の確保ということもございましょうし、大蔵省とか自治省とか含めて、大臣が主導してこういう考え方を示していただきたい、このように思うわけでございますが、どうでございますか。
#86
○国務大臣(大塚雄司君) 宅地並み課税の猶予制度はもう間もなく切れることになっておったわけでありまして、仮にそのままであったら恐らく乱開発になってしまうだろう。これを防がなくてはいけないということと、営農をされる方の立場も守らなければいけないという観点から、今回法改正をお願いいたしたわけでございます。
 この法の精神に沿い、環境のいい住宅地をつくっていくということは非常に大事なことでありますから、市町村が都市計画で定める際には公共用地の確保もしっかりさせるように指導をしてまいりますし、そのために昨年住宅地高度利用計画の制度であるとかあるいは農住組合法もこの間改正をしていただきましたり、さらには地区計画制度等を組み合わせましてやはり環境のいい住宅をつくる、また緑地機能を保全するような農地の保存もするという観点に立ちまして、今御指摘のように、強力な指導をして環境のいい宅地並み課税地域の周辺の整備を進めていきたい、このように考えております。
#87
○白浜一良君 終わります。
#88
○上田耕一郎君 生産緑地法改正案の第二条の二で「都市における農地等の適正な保全を図ることにより良好な都市環境の形成に資する」と書かれているわけです。都市農地の緑地としての意義、それが都市計画で初めて認められた。やっとここまで来たかという感が深いんです。
 建設大臣にお伺いしたいんですが、二十年かかったんですね。昭和四十四年に新都市計画法で線引きが行われる、四十六年から宅地並み課税が問題になり、四十八年に施行される、さまざまな経過が御存じのようにありました。生産緑地法、これができる。それから、長期営農継続農地制度も生まれる。都市近郊農民の必死の運動とそれから近郊農地の意義を非常に重視する世論、日本共産党も一緒にやったんですけれども、さまざまなことがあって、ようやく二十年以上たって初めて都市計画で都市農地の緑地機能が認められるということになった。なぜもっと早くこういうことがと思わざるを得ないんですけれども、建設大臣として、この経過を振り返って、どういう感想をお持ちですか。
#89
○国務大臣(大塚雄司君) お話しのように、私自身もいわゆる都市近郊の整備というのは計画的にやるべきだという持論を長年持ってまいりまして、委員御指摘のように、確かにもっと早くという感じもしないではございませんけれども、それなりに我が国の住宅政策の推移を考えてみますれば、ともかく戦後焼け野原になった東京がスタートしたころを思いますれば、財源の裏づけとかあるいはまた住宅整備につきましても財政が十分にいかない点もあったりして、歴史的な経過を踏まえてやってきたわけでありますが、やや遅きに失したとはいえ、今度の改正は近郊の整備に大変大きな役に立つ、しかも都市計画によって定めていくというのは意義深い、ぜひこれを機会に国民の住宅に対する要望にも沿うような住宅供給もいたしたいと思いますし、環境の整備もしっかりやってまいりたい、私はこのように考えております。
#90
○上田耕一郎君 都市計画中央審議会、これは八二年五月の中間答申では農地を残存させる意味を若干認めたことがあるんですけれども、この一月二十三日に答申が出て、緑地機能に対する期待の問題、野菜の供給源としての機能、市民農園等々、そういう点を挙げて、この問題では「保全について都市計画上より積極的に位置づけていくことが必要とされて」いる、そう述べている。「農地等の保全の意義は、質、量ともに当時には予想し得なかったほどに高まってきている」と、遅きに失してもこういう答申が出たわけですね。だから我々は、この点は面積要件の緩和などとともに評価をしますけれども、しかしなおやっぱり多くの問題点が残っていることを指摘せざるを得ません。
 地方税法改正で長期営農制度廃止されるし、宅地化すべき農地となったものについては、宅地並み課税が実行されるということとこれは一体化した法案改正ですので、時間は余りございませんけれども、幾つかの問題を質問していきたいと思います。
 まず、実際にどのぐらいの面積をこの保全すべき農地として建設省としては考えているのか。首都圏の市街化区域内農地は約三万三千ヘクタールあります。東京には八千ヘクタールぐらいあるわけですね。首都圏並びに東京で保全すべき農地として、生産緑地として指定されるだろうと思われるもの、これはどのぐらいに見ていますか。
#91
○政府委員(市川一朗君) 生産緑地の指定に当たりましては、都市計画上の必要性だけではなくて、農地所有者等の同意が必要でございますので、その方々の意向に大きく左右されることは否めない事実でございます。
 私ども、国土庁が行っておりますアンケート調査に着目しているわけでございますが、今後十年間の三大都市圏の市街化区域内農地のおおむね六割が営農継続の意向を示しているという調査結果が出ておりまして、改正後の生産緑地地区制度につきましては、いろいろの御議論はございますけれども、面積の下限が五百平米と大幅に下がっておりますので、まず面積要件としてはほとんどの農地が量的な面では対象となり得るというふうに思っております。一方でまた、三十年間農業を継続しなければならないといったような長期営農継続農地制度に比べまして大幅に厳しい制度ともなっておりますので、この辺が一つの困難な状況となってくるのかなというふうに思っております。
 そういったようなことをもろもろいろいろと推測いたしまして、やや大胆でございますが、仮定しておりますのは、営農継続希望者の方々が約六割おられて、そのうち結局農地として生産緑地に希望してこられるのはその約半分ぐらいかなと。そうすると、現在残っております農地の三割ないし四割が生産緑地の指定ということになるのではないかと推測しておりまして、首都圏で見ますと現在三万三千ヘクタールでございますから、一万ヘクタール前後の生産緑地地区が出てくるのではないかというふうに思っておるところでございます。
#92
○上田耕一郎君 結局、農地所有者の希望、申し出、これを重視する、その点でアンケートを評価したお話がありました。これはひとつ承っておき
たいと思います。
 もう時間も余り残っておりませんけれども、幾つか問題にしたいんです。
 一つは、今言われた五百平米未満の面積要件の問題です。
 長期営農継続農地制度の場合は、耕作面積が九百九十平米以上だと分散した農地でも百平米以上、この農地は認定されていたわけですね。今度は五百平米以下は認められないという状況になるわけなので、東京農協中央会の資料によりますと、都内の市街化区域内農地八千三百四十七ヘクタールのうち一団として五百平米未満の土地は百九十一ヘクタール、二・三%という数字が出ているんです。五百平米というと百五十坪ぐらいですけれども、この五百平米以下の農地がこれは宅地化にまずなっていくだろうと思うんです。先ほど乱開発の心配はないと、区画整理されているところが多いというお話だったんだけれども、やっぱりミニ開発にはすぐなっていくという点で、良好な市街地形成という点ではこの五百平米以下というのは、廃止される長期営農継続農地制度のケースと比べてもやはり問題があると思うんですね。ですから、これは農地を切り捨てするんじゃないかという点での批判がいろいろ出ておりまして、我々は、これは修正案でも後で提出いたしますけれども、三百平米というふうにすべきではないかと考えているのが一点です。
 第二点の問題は、先ほどから質問の中に幾つか指摘されましたが、これまで一種、二種、五年、十年という買い取り請求ができるまでの期間ですね、これが一挙に三十年に延ばされたという問題です。
 確かに、生産緑地になってから農地が保全されるという点では三十年という期間は安定するということになるかもしれませんけれども、しかし三十年というのは、これは農業を続けていこうとする側にとってみては、意欲はあっても今後三十年、なかなかこれは展望がやっぱりきかない。例えば六十歳の方は三十年たったら九十歳ですね、五十歳の方は八十歳ですからね。そうなると、三十年というと営農の見通しがなかなか立ちにくいというので、これは非常に制限もありますので、生産緑地の指定を農民の側が避けるという状況がかえって出てしまうのではないか。そうなりますと、宅地化をむしろ進めて緑地としての保全というこの本法の趣旨と狂うという点も出てくるのでこれまた逆効果になるんじゃないか、この三十年は長過ぎると思っているんです。
 以上、二点について都市局長の見解をお伺いしたいと思います。
#93
○政府委員(市川一朗君) まず、三百平米という御提案を含めまして、五百平米未満の農地のミニ開発の問題でございますが、基本的にミニ開発の問題は必ずしも五百平米未満農地だけではなくて、いわゆる宅地化するものとして区分けされた農地の宅地化に際して一般的にも起こり得る問題だというふうに思っておりますが、小さな農地ほどそのおそれが高まるという点は、ある程度私どもも感じておるところでございます。
 実態を調べてみたわけでございますが、先ほどもちょっと御答弁いたしました、重複いたしますけれども、ただいま東京で二・三%という数字の御披瀝がございましたが、三大都市圏で実態を見てみますと、かなり区画整理済み地に五百平米未満の農地が多く見られるわけでございます。この点につきましては、既に区画整理が済んでおるという観点から、将来の宅地化に基本的には支障はないというふうに考えておるところでございますが、それ以外にまだ区画整理も済んでいない、それから都市基盤施設の整備も済んでいないところで、飛び飛びで小さな農地が見られるのが東京でも大阪でもあるわけでございます。これらにつきましては、やはり区画整理事業その他を進めることによりまして、基本的な町づくりを進めるという観点から取り組んでいくべき問題であるというふうに思っておるところでこざいます。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
こういう観点から三百平米まで引き下げるべきだという考え方につきましては、一つの考え方としてあり得ることは私ども理解しておりますけれども、都市計画として保全する農地として一定の規模要件を考えます場合には、やはり五百平米ぐらいが限度なのではないかというふうに考えておるところでございます。
 それから、三十年は長過ぎるのではないかという御指摘でございますが、現行制度は五年ないし十年でございます。それから、相続税の猶予制度も二十年という制度がございまして、これらを含めましてこういった期限につきましては昨年来いろいろな議論がございまして、やはり一たん都市計画で生産緑地として指定し、都市の中の貴重な緑地として評価しその保全を図る以上は、ある相当の期間営農を継続していくという覚悟のある農地であるべきであるという観点でいろいろ議論いたしまして、三十年という期間を設けたわけでございます。
 三十年といいますのは、土地の将来展望という意味では、大体期限の定めのないものは三十年というふうに法律上見るというような規定もいろいろございまして、一つの見通しの立つぎりぎりの年次かなというふうに思っておりますし、また私どもこれはサラリーマンの例でございますが、社会に出まして一カ所で働くのは、日本の場合は余り転職はしないわけでございますが、大体三十年ぐらい続ける、したがってそういったようなところがやはり一つの目安になるとおもったわけでございますが、実際には高齢者の方が病気になったり、あるいはお亡くなりになったりする場合が生じてまいるのも事実でございますので、そういった場合には権利救済措置という形で買い取りの申し出等もできるように措置させていただいておりますので、何とかこの辺でいわゆる都市の中の貴重な緑地の保全の仕方として、都市農地はいかにあるべきかという観点から、都市住民及び都市農家の方々とのちょうど折り合いがつくところではないかなと判断しておるところでございます。
#94
○上田耕一郎君 あと一問。今度の改正は、雑木林には適用されない。前回の審議のとき、都市局長から雑木林の相続税猶予制度の創設で大蔵省との理論闘争に負けたというお話があって、もっと頑張ってほしいと私は言ったんですけれども、生産緑地法の対象にならない雑木林、しかしこれは良好な都市環境の形成に農地と同様非常に大事なんですね、雑木林というのは。林業として使っていなくても大事なので雑木林の保全については都市計画どして別途の制度が要るのではないかと思いますけれども、その点をお伺いして、質問を終わります。
#95
○政府委員(市川一朗君) 現行制度といたしましては、雑木林が風致、景観がすぐれている場合におきまして、周辺地域の住民の方々の健全な生活環境を確保するため、必要な場合には緑地保全地区として指定をするといった制度もございます。それから、都市施設である公園、緑地として整備して管理しておるものもございます。
 そういったような制度では必ずしも十分ではないのではないかという観点からの御質問かと思いますが、私どもといたしましては、改善できるものについてはできるだけ改善をいたしまして、やはり都市の中の樹林地は極めて貴重な都市環境形成に役立つものでございますので、今後そういう観点から取り組んでいく必要があるというふうに思っておるところでございます。
#96
○新坂一雄君 おととしの土地基本法に引き続きまして、いろんなチャンネルを通じまして、都市圏での住宅供給という意味から、低廉、良質なものをつくっていこうという一環で今度の改正案が提出されているという点では一歩評価されるということでございますが、若干気がかりな点を質問していきたいと思います。
 今度のこの改正案の中で市街化区域内農地についてですけれども、非常に大まかな質問なんですが、行政の方では保全すべき農地と宅地化すべき農地と、どちらを評価しようとしているのか。それぞれ意味合いはあると思いますが、大まかに言って、どちらでございましょうか。
#97
○国務大臣(大塚雄司君) 市街化区域内農地の保全と宅地化とどちらが優先かという論議はしばしば今日までもされてまいりましたけれども、ともかく土地基本法の制定によりまして、良好な住宅宅地を供給することも非常に大きな柱でございますし、またそれをやるについては環境を整備し緑地機能を持った農地を保全するということも非常に大事でありますから、両々相まってという言い方が適切かどうかわかりませんが、ともかく地価の安定策というものも大きな柱でございますので、第一義的には宅地供給というものがありましょうけれども、それと同じように緑地保全、営農を続ける農地を保存していくということも非常に大事である、こういうような考え方で進めてまいりたいと思います。
#98
○新坂一雄君 これも非常に大まかな質問になりますけれども、都市計画上一体どのくらいの農地を必要としているのか、あるいはその基準は一体どうなのか、これはケース・バイ・ケースになると思いますが、大まかな基準というのはあるのでございますか。
#99
○政府委員(市川一朗君) 今回、農地の保全の手法を生産緑地地区制度で考えているわけでございまして、その前提条件といたしまして営農の継続が可能な状況を備えていると認められるものにつきまして、農地等の所有者等の同意を得た上で指定されるということになっておりますので、やはり基本的には営農継続の意欲のある方々の農地ということになりますから、私どもといたしましてはその御希望がどれぐらいあるかということがどうしても前提とならざるを得ないというふうに考えているわけでございます。一方、基本的には私ども、都市計画の中で緑とマスタープランということをそれぞれの都市計画の区域ごとに定めることを指導しておりまして、その中で一定の必要な割合の緑地を想定しておるわけでございます。
 目標といたしまして一人当たり二十平米というようなことを一つ考えておるわけでございますけれども、その中で農地、生産緑地等がある程度指定されますれば、その補完割合が高まるわけでございまして、生産緑地も含めまして、公園、緑地その他いろんな緑地、樹林地等も入れまして、トータルとして考えるべき問題であるというふうに理解しているところでございます。
#100
○新坂一雄君 先ほどからも論議がありましたけれども、生産緑地指定の最低のスペースとして五百平米以上というのが問題になっておりますけれども、五百平米といいますと、今審議している建設委員会のこの部屋が大体百平米として四部屋ぐらいですね、ざっと見て五百平米といいますと。二十メートル、二十メートルちょっとの形ですから。そうすると、そのぐらいのスペースが五百平米で残るということは、公共施設等ということでございますが、このぐらいのスペース、五百平米ぎりぎりと考えて、公園とか緑地ということに将来なり得るのかどうかというのが大変疑問に思うんですが、いかがでございましょうか。五百平米というこのスペースが将来公共施設用地ということを前提にしている。一番基本になるのは公園とか緑地ということが基本になると思います、五百平米で病院とか学校は建たないと思いますので。そんなのでいいのかどうかということが一つ。
#101
○政府委員(市川一朗君) 将来のそういった公共施設用地といたしましては、やはりできるだけ規模が大きい方がよろしいわけでございますが、現在の市街化区域農地の実態から即しますと、やはりある程度規模を小さくいたしませんと対象から外れるものがふえてくるというところで、私どもいろいろ議論いたしました結果、五百平米でございますと、都市緑地という形で国が補助をし市において管理しているというものが規定上もございますし、実際上も存しております。そういったような形で管理することが可能であるという観点で五百平米ということにしたわけでございます。
 なお、公園の場合でございますと、最小規模は児童公園、これは千平米でございますので、千平米と五百平米の間は公園としての管理よりは緑地として存在そのものを評価するということになろうと思いますし、ただいま御指摘がございましたようなそれ以外の公共公益施設の利用ということになりますと、やはりそれ以上の規模があるものでないといけませんが、周辺の土地利用の状況等も勘案いたしますと、必ずしもそれだけで限定しなくともそれが有効に機能する場合もあろうかと思いますので、その辺はかなりケース・バイ・ケースの問題でもあるというふうに理解しておるところでございます。
#102
○新坂一雄君 これも先ほどからの論議になっていますが、生産緑地地区の買い取り実績ですね、平均すると一年に一件ぐらいということで大変実績としては乏しいということですが、今度の改定になった後も、三十年後申し入れによって買い取る、これは自治体が時価で買い取るということになっておりますが、実際にそういった買い取る予算を市町村が盛り込めるというような保証があるのかどうかというのが大変気がかりでございますが、いかがでございますか。
#103
○政府委員(市川一朗君) 買い取りの申し出がいつごろ、どれぐらいの割合で来るかという問題がまず前提になるわけでございますが、これから制度が発足し指定が始まるわけでございますから、すぐには余り来ないだろうというふうには思っておりますけれども、しかし買い取りの申し出がいろんな形で行われた場合に、それを地方公共団体側が買い取っていくということが、やはりこの制度の本来あるべき姿からいいましても、またそもそも都市計画のあるべき姿からいいましてもその方が極めて望ましい、そうでなければならないというふうに私ども思っております。
 したがいまして、御指摘がございましたように、それが財政上の事情で買い取れないという事態が生じますことはまことによろしくないわけでございまして、私どもはそのための財源措置につきまして、単にその市町村の努力だけではなくて、国レベルにおきましても関係省庁とも連係プレーをとりながらいろいろ改善策を講じようとしているところでございます。
 平成三年度も、ある一定の限度でございますが、地方債あるいは都市開発資金等につきまして、主として将来の公共用地の先行取得のための資金手当てといったもので改善措置を講じておりますが、果たしてそれだけで十分であるかどうかという点も含めまして、今後一つの大きな検討課題として取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#104
○新坂一雄君 生産緑地指定を希望する農家とか農業経営の方の意向がどのぐらい酌み取れるのかというのがここで一つのポイントだと思うんですけれども、都市計画上将来公園など公共施設の候補地にならないというような場合はこれは指定されないということが一番大きな要件になるわけでございましょうけれども、その辺のところがちょっとわからないのですが。
#105
○政府委員(市川一朗君) 現在の市街化区域農地の実態から見ますと、昭和四十九年の生産緑地法制定当時に比べまして例えば東京都区内では半分に減っているわけでございまして、農地の存在が極めて貴重な存在となりつつあるわけでございます。一方で、大臣の御答弁もございましたように、いわゆる平均的サラリーマンが住宅が手に入らないといったような事態の打開ということが国の内政上の最重要課題にもなっておりますので、その辺の兼ね合いを図りながら今後生産緑地制度を運用していくことになるわけでございますが、基本的には、そのような状況からいたしますと、大抵の場合はその農地を何らかの形で、いわゆる公共空地として保全していく価値があるものと評価できるものが多いのではないかと思っているわけでございます。
 しかし、物によりましてはそうでない場合もあるわけでございまして、私どもといたしましては、基本的にはその農地を持っている方々の農家の意向を十分尊重するという観点に立ちまして、将来的にそこを長期間いわゆる緑地として保全していくのはいかがかなというものにつきましてのみ都市計画上クレームを申し上げるようになるの
が実態なのかなというふうに思っております。
 ちょっと具体的な例で私ども考えておりますものを申し述べてみますと、一つは、比較的都心部で土地の高度利用を図るべき地区であるにもかかわらず、なお農地として存在しておる例が幾つか見受けられます。こういったような場合には果たしてそのまま農地として存続するのはどうなのかなということが一つ考えられます。それから二つ目には、土地区画整理事業が済んだ区域におきまして、ほとんどのところが今後農地として継続したいということでありますと区画整理事業は何のためにやったのかなというような問題もございます。
 そういったようなことが恐らく市町村レベルでの都市計画決定の際にいろいろ議論されることになるのではないかと思っておりますが、しかしいずれにいたしましても、そういった議論も踏まえまして、市町村が定める都市計画でございますから、市町村レベルにおきまして農地所有者の方々の意向を十分尊重しながら現実的な対応を図っていくことが肝要であるというふうに考えておる次第でございます。
#106
○新坂一雄君 先ほどもこれは上田議員の質問にもありましたけれども、公園を補完するものとしての林というか、林地といいますか、これの効用は緑と同じように効用があると思うんです。社とかお寺の中にある林あるいは民有地であります屋敷林、こういうのが今回の改正の中では外れてしまうんですが、先ほど同僚議員のお話もありましたけれども、スズメとかいろいろな生き物がいるケヤキとか雑木林のこういう緑の大きなスペースが二つに区切られてしまうと全く宅地化、いわゆる農地化ということになってしまって、その辺のグリーンの大切な意味合いというのをどう評価するのかということでございますが。
#107
○政府委員(市川一朗君) 都市内に残されておりますいわゆる樹林地は、やはり良好な都市環境の形成のためには極めて貴重な緑地であると認識しておるわけでございまして、これを都市計画上いろいろと保全するための手法も持ってはおるわけでございますが、必ずしも十分に機能しておるかどうかといったような問題点も私どもは認識しておるつもりでございます。
 今後こういった問題につきまして、改善できるものにつきましては改善することも含めまして、良好な樹林地の保全のための都市計画上の措置につきましていろいろと努力してまいりたいと思っておるところでございます。
#108
○新坂一雄君 終わります。
    ─────────────
#109
○委員長(矢田部理君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、川原新次郎君及び服部安司君が委員を辞任され、その補欠として山口光一君及び合馬敬君が選任されました。
    ─────────────
#110
○山田勇君 法案の審議に先立ちまして、この法案を審議していて非常にむなしさを感じております。これは法案がむなしいのではありません。この法案を成立させても、三十年という歳月で三十年後この法律がどう生きたかということを見定めることができない。十年ぐらいなら私もあと頑張れるなと思うんですが、三十年といいますとスタンスが長いなという気がしますが、この法律作成に当たりまして三十年というのは、もう頭から三十年と決めておられたんですか。
#111
○政府委員(市川一朗君) 生産緑地制度の改正に当たりまして議論がなされた中で、一つは、現行の制度では生産緑地の対象になる農地が極めて限定されておる、それをもっと広げるべきであるということが第一点でございます。それからもう一つは、生産緑地に入っても現行制度のように五年ないし十年で買い取り請求の申し出ができるようになるのでは極めて期限が短過ぎる。やはり一たん都市計画で保全すると決めた以上はもっと長期的に保全すべきである。ましてや、税法上優遇措置を講ずるとするならばなおさらであるという議論がなされまして、前者と後者それぞれいろいろな議論がなされました。したがいまして、まず冒頭からのあれでは、最初から三十年という頭があったわけではございません。
#112
○山田勇君 期間が三十年といいますと、ケース・バイ・ケースというのがよく出てくると思うので、その点は先ほど来局長も「法律は法律としてあってもその都市の区画の大きな変更なんかの場合は、その点はケース・バイ・ケースという形で対応していってほしいと思います。
 昭和六十三年のデータによりますと、市街化区域の面積が百三十六万ヘクタールに対し、市街化区域農地面積は十七万ヘクタール、全市街化区域面積の一二・六%を占める、良好な都市空間をつくりだす上で極めて重要な役割を担っています。日本全国土三千七百七十八万ヘクタールに対し、宅地は百二十八万ヘクタールで四%にしかならず、このような観点からも宅地の効率的な活用と緑のオープンスペース、生産緑地との調和が求められております。そこでまず、生産緑地地域の指定についてお聞きします。
 この一団の農地で五百平米以上あれば、農家が希望すればすべての農地を生産緑地として指定すべきであると考えるんですが、その点はいかがですか。
#113
○政府委員(市川一朗君) 基本的には、五百平米以上の規模の区域がありまして営農の継続が可能な条件を備えていると認められるもので、農地等の所有者等の同意を得た場合には生産緑地として指定するということになっておりますので、そういう要件に該当し、かつ営農の継続を希望する方々の農地につきましては、生産緑地として指定されることが原則だろうというふうに思っております。
 ごくごく例外的にそれになじまないものもやはり都市計画の世界ではあり得ると思います。それが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、例えば都心部で特に土地の高度利用を図るべきところに存している農地等につきましては一つの議論が起こり得るのではないかというふうに思っておりますので、すべてそれに指定すべきではないかということにつきましては、若干の例外も認めてもらわざるを得ないのではないかなというふうに思つておるところでございます。
#114
○山田勇君 第三条第一項において「かつ、公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているものであること。」となっていますが、公道に面していないものや袋地などは指定されない場合があるのでしょうか。
#115
○政府委員(市川一朗君) 現時点で公道に面していないとか袋地であるということをもちまして、直ちに将来の公共施設等の用地として適していないということには必ずしもならないというふうに思っております。
#116
○山田勇君 五百平米未満の農地が生産緑地に指定できないことになると、ミニ開発やスプロール化を助長することにつながります。計画的な町づくりにとってマイナスになりますが、このことについての対策をお持ちになっておりますか。また、道路も都市施設もなく事実上家も建てられないような袋地になっている五百平米未満の農地は生産緑地として私は指定すべきであると思いますが、その点はいかがでしょうか。
#117
○政府委員(市川一朗君) 五百平米未満の農地がミニ開発やスプロール化を助長しないような計画的な町づくりという観点に立ちまして、私どもは基本的にはやはり土地区画整理事業等の面的な開発事業をしっかりと進めることが必要であるというふうに思っておりますが、あわせまして街路等の都市基盤施設の整備あるいは開発許可の対象になるわけでございますので、その開発許可の規制対象規模の引き下げといったようなことも検討する必要があるかなというふうに思っております。さらには、いろんな形での地区計画制度も導入されてございますので、その活用も図っていただきたいというふうに思っておる次第でございます。
 御指摘がございましたような袋地等の五百平米未満の農地につきましても、特に区画整理事業等を行うことによりまして、その周辺全体を良好な
市街地として整備することの方がより肝要な課題であるというふうに私どもは理解しているところでございます。
#118
○山田勇君 この今回の改正でどれほどの農地面積が生産緑地として指定されると考えておられますか。これは質問が重複するところがありますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
 それで、続いて生産緑地地域として指定する場合の手続についてお聞きします。
 まず、生産緑地地域の指定は市長なり区長が行うことになっており、その実務は市区町の土木、都市計画部局であります。当該部局において農地等の認定、従事者の認定、面積の確定等の対応が十分可能かどうか。また、農業委員会との十分な連携が必要であると考えます。これはかなりの権限を市町村に移していった方がいいように思うんですが、その辺も含めて御答弁をいただきたいと思います。
#119
○政府委員(市川一朗君) まず、どれぐらいの農地が生産緑地として指定されるかにつきましては定かにはなかなか決められないわけですが、私どもは大体三割から四割ぐらいではないかというふうに見込んでいるところでございます。
 それから、生産緑地地区の都市計画は市町村が定める都市計画でございますので、市町村レベルで相当の議論がなされるわけでございます。担当は都市計画部局ではございますが、いわゆる農政担当部局として市町村の担当部局それから農業委員会、農業協同組合等の協力が必要であり不可欠であるというふうに考えておるところでございまして、今後地方公共団体におきまして関係者間の十分な連絡協調体制をとるよう、私どもとしてもいろいろと御協力していきたいと思っているところでございます。
#120
○山田勇君 二つ以上の行政区域にまたがる対象農地等の手続はどのようにするんですか。
 それと、生産緑地地域の買い取り申し出指定の解除に関してのこれは質問ですが、買い取りの申し出については従事者の死亡、疾病等の場合にできるとなっておりますが、経済上の理由等により農業経営が続けられなくなった場合、そういう場合の取り扱いはどうなるのか。この死亡、疾病等の「等」は何でしょうか。
#121
○政府委員(市川一朗君) まず、二以上の行政区域にまたがる場合でございますが、基本的にはやはり市町村の区域ごとに都市計画を定める必要がございますので、市町村の区域ごとにそれぞれ生産緑地地区として指定する必要があるわけでございます。したがいまして、指定要件もそれぞれ市町村の区域ごとにその要件を満たすかどうかということが判断されるわけでございます。まことにまれなケースではないかと思いますけれども、二つの行政区域にまたがりまして一つの行政区域のみでは規模要件を満たさないという例も理論的には考えられるわけでございますが、そういったような場合が生じました場合にはいろいろと市町村段階で相談しながら対応していくことが必要ではないかというふうに思っているところでございます。
 それから、買い取りの申し出の件でございますが、基本的には農業従事者の方々の死亡とか疾病等によるわけでございますが、そうでない場合におきましても実は法第十五条という規定がもともとございまして、これは任意の買い取り制度でございますが、農業に従事することが困難な特別の事情が生じましてそれが必ずしも死亡とかあるいは疾病とかそういったようなことに該当しない場合におきましても買い取り希望の申し出をすることができるという制度がございます。市町村長は、そういう申し出がありました場合に、それがやむを得ないものであると認めますときには、場合によりまして生産緑地を買い取る、あるいは他の方々へあっせんするといったようなこともいろいろやらせていただきたいと考えておるわけでございます。なお、もう少し大きな状況の変化がございまして、そのある地域の農業全体の存続すら危ぶまれるような状況が生ずる場合もあり得るわけでございますが、そういったような場合には基本的な営農条件が失われているわけでございますので、都市計画の変更も含めた対応が総合的な町づくりの一環として必要になるというふうに思っておるところでございます。
 それから、この死亡、疾病等ということにつきましては、死亡、病気以外にも営農を不可能にさせる重大な身体上の故障が生じた場合ということを想定いたしまして一応「等」を入れているわけでございます。
#122
○山田勇君 最後の質疑をさせていただきます。 きょうは大阪からも代表者がお見えでございますが、大阪府下二〇%、新鮮な野菜を供給し、安定価格を保って農業に従事した方は今まで本当に御苦労があったわけでございますので、その点も十分配慮した法律の法規内でありましょうが、ケース・バイ・ケースが三十年というスタンスの中では出てくるので、その辺は法律一本で通さないで、やっぱり農業委員会の人たちの意見なども十分くみ上げて、この法律を忌憚なく執行してほしいと私は思います。
 そういう意味も含めまして、最後に大臣にお尋ねをしますが、三大都市圏の特定市の市街化区域内の農地については都市計画の中で宅地化するものと保全するものとの区分を明らかにすることであります。例えば買い上げた場合でも、やっぱり土に親しむ、自然を親しめる、そして低学年に学校で自然農園をやらせる、また市民農園をやらせる、そういうことも非常に大切なことなので、その辺をしっかりとしていただきたいし、また公園緑地その他の公共的な空き地の整備状況等を考慮しながら、良好な都市環境をつくり上げていかなければならないと考えます。緑の多くを残し、近代都市へ脱皮していくすばらしい町づくりをつくっていっていただきたいと思います。
 大臣の御決意をいただきまして、私の質問を終わります。
#123
○国務大臣(大塚雄司君) 先生から御指摘のように、大阪も私どもの東京も全く同じように、都市農業の果たす役割として、清浄野菜の供給には大変大きな力を今日まで発揮をしていただいておるわけであります。都市近郊のこれからの宅地供給も、土地基本法の制定以来、一方で住宅宅地供給にも意を用いなければいけない、そういう観点で今回この法改正をお願いしたわけでございます。
 先ほども御質問がありましたけれども、第一義的には住宅宅地の供給に力点を置きますと申し上げましたけれども、それと同じようなウエートで農地を保全し、農業を続けようという方々にもきめ細かい配慮をしながら、特に都市計画で都市近郊全体の将来の都市像を描きながらインフラの整備も十分にして、そこに住まわれる若い、これからの二十一世紀を背負っていっていただく方々の良好な住宅の供給もやってまいりたい、そういう決意でおるわけでございます。
 今度の法案は、私は今日までの宅地並み課税をめぐるいろんな課題を解決する意味では非常に御評価をいただけるのではないかと、このような自信も持っておるわけでございまして、今日の御趣旨、いろいろ御提言のございましたことも踏まえてしっかりとやってまいりたい、このように考えております。
#124
○山田勇君 ありがとうございました。
#125
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について上田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上田君。
#127
○上田耕一郎君 私は、本案に対して修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 都市農地は、新鮮な野菜の供給源としても、都市環境、生活環境を守る緑のオープンスペースとしても、重要な役割を果たしています。特に近年、
市街化の進展のもとで都市近郊に残された貴重な空間として農地の保全の必要性は一層高まっており、営農意思を有する農地については極力保全すべきであります。
 生産緑地法の一部を改正する法律案は、初めて都市計画に農地等の保全を位置づけ、生産緑地の要件を緩和した点では評価できますが、長期営農制度の廃止と相まって、特定市街地区域内の農地の保全に逆行することになりかねない問題を含んでいます。
 第一に、生産緑地地区の面積要件を一団として五百平方メートル以上としたことは、それ以下の面積の農地に対しては固定資産税の宅地並み課税を押しつけるものであり、農家の営農意思を無視して宅地化を強要するものと言わねばなりません。しかも、こうした零細農地の宅地化の強要は、良好な市街地の整備に役立つどころか、都市環境の悪化を招くおそれが強いのであります。
 第二に、市町村に生産緑地の買い取りを申し出ることができる開始期間を第一種生産緑地で十年、第二種生産緑地で五年というこれまでの規定から三十年に延長したことは、過度な権利制限だという農民の強い反発を招いています。将来三十年にわたって農業経営の見通しを立てることは困難であり、それが生産緑地地区指定の障害となるおそれがあります。
 本修正案は、農地の緑地としての機能を評価した本改正案の趣旨を生かすため、農家の営農意思を尊重し、できるだけ広く生産緑地地区の指定を行えるようにしようとするものであります。
 次に、修正案の要旨を御説明いたします。
 第一に、生産緑地地区の面積要件を三百平方メートル以上に引き下げることとしています。
 第二に、生産緑地の買い取り申し出ができる開始期間を、生産緑地地区に関する都市計画の告示の日から起算して十年を経過したときに短縮することとしています。
 以上が本修正案を提出する理由とその要旨であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#128
○委員長(矢田部理君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより生産緑地法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、上田君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(矢田部理君) 少数と認めます。よって、上田君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(矢田部理君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木君。
#131
○青木薪次君 私は、ただいま可決されました生産緑地法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    生産緑地法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、生産緑地地区の指定に当たっては、生産緑地制度改正の趣旨の徹底を図り、市街化区域内農地の実情や地域の特性を勘案するとともに、農業に従事している者の意向を尊重し、また、農業委員会、農業協同組合等との協力の下に行うこと。
 二、農地所有者等が、市街化区域内農地の課税について不利益を被ることのないよう、生産緑地地区の早期指定に努めること。
 三、国は、地方公共団体の生産緑地地区の指定事務が円滑に行われるよう、情報やノウハウの提供等必要な支援措置を講ずるよう努めること。
 四、国及び地方公共団体は、生産緑地の買取りの申出に円滑に応じることができるよう、必要な財政上の措置を講ずること。
 五、生産緑地に指定されなかった市街化区域内農地については、無秩序な開発が行われないよう、農地所有者等による優良な賃貸住宅建設など自主的、計画的な土地利用について、金融、税制、都市基盤整備等の支援を行うこと。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#132
○委員長(矢田部理君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大塚建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚建設大臣。
#134
○国務大臣(大塚雄司君) 生産緑地法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#135
○委員長(矢田部理君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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