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#1
第120回国会 建設委員会 第8号
平成三年四月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     合馬  敬君     服部 安司君
     山口 光一君     川原新次郎君
     谷本  巍君     西野 康雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢田部 理君
    理 事
                井上 吉夫君
                石原健太郎君
                青木 薪次君
                山田  勇君
    委 員
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                服部 安司君
                佐藤 三吾君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  大塚 雄司君
   政府委員
       国土庁計画・調
       整局長      長瀬 要石君
       国土庁防災局長  鹿島 尚武君
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設省都市局長  市川 一朗君
       建設省河川局長  近藤  徹君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       警察庁交通局交
       通指導課長    人見 信男君
       警察庁交通局交
       通規制課長    島田 尚武君
       環境庁企画調整
       局地球環境部環
       境保全対策課長  柳下 正治君
       環境庁企画調整
       局地球環境部研
       究調査室長    飯島  考君
       大蔵省主計局主
       計官       林  正和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○河川法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、谷本巍君、山口光一君及び合馬敬君が委員を辞任され、その補欠として西野康雄君、川原新次郎君及び服部安司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(矢田部理君) 道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大塚建設大臣。
#4
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま議題となりました道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、都市化、モータリゼーションの進展等により自動車交通が著しくふくそうし、これに伴い自動車の駐車需要も大きく増加しているのに対し、駐車場整備がいまだ十分でないことから、路上駐車が蔓延しており、交通渋滞や交通事故の増大等の道路交通環境の悪化や地方都市における中心市街地の活力の低下を招いている現状にあります。
 他方、自動車駐車場の整備につきましては、政府におきましても従来から、公共と民間との適切な役割分担のもとに、種々の施策を講じてきているところでありますが、地価の高騰等による用地取得の厳しさや採算性の悪化等から、自動車駐車場の整備の促進にとって困難な状況が生じてきております。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、自動車の駐車のための施設の整備を総合的かつ計画的に推進するとともに、道路の構造の保全と安全かつ円滑な道路交通の確保を図るため、道路法及び駐車場法の一部を改正しようとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、道路法におきまして、道路管理者が自動車駐車場に自動車を駐車させる者から駐車料金を徴収することができる制度を設けるとともに、道路管理者による違法放置物件の除去、長時間放置された車両の移動等の措置を講ずることといたしました。
 第二に、駐車場法におきまして、都市計画において定める駐車場整備地区の対象区域を拡大し、市町村は当該駐車場整備地区における駐車場整備計画を策定しなければならないこととするとともに、駐車施設の附置を義務づける建築物の範囲を拡大すること等所要の措置を講ずることといたしました。
 その他、これらに関連いたしまして、関係規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○種田誠君 ただいま提案のありました道路法並びに駐車場法改正法案について質疑をさせていただきたいと思います。
 昨今、まさに自動車の普及は予想を超えてと言っていいほどの大幅な増加傾向にあります。駐車場問題懇談会並びに都市計画中央審議会などにおいても過日この駐車対策に関して答申、報告などがなされてきているわけでありますが、今日までどうしても自動車の普及に比べて対策がおくれがちであった、この事実は否めないものだろうと思うわけであります。
 昨年からことしにかけての道路交通法の改正や車庫法等の改正などもございました。さらに、今国会においても第五次交通安全施設等に関する整備事業五カ年計画、こういうことも審議をされてきたわけでありますが、今回の提案になっている法律は、私はこれが一連の法体系の集約として位置づけられているものではないだろうかとも思うわけであります。したがって、今回の法改正は極
めて重要なものであると同時に、法改正後の実施においての実効性、こういうことも強く求められるのではないだろうかと思うわけであります。
 そういう意味で、基本的には賛成の立場で質疑をさせていただくわけでありますが、今申し上げましたように幾つかの問題点がございますので、その辺のところを質問をさせていただきたいと思います。
 冒頭、まず建設省におきまして、今日の駐車の現状というものがどういうふうになっておるのか、平成元年においても建設省においてはアンケート調査みたいなものもやっておられると思いますので、そういうことに基づいて、駐車の現状がどのように位置づけられておるのか、このことをまず報告していただきたいと思います。
#7
○政府委員(市川一朗君) 現在の駐車の状況等についてでございますが、まず最近の都市におきまして一つの大きな問題となっておりますのは違法路上駐車の問題でございます。
 昨年、警視庁及び大阪府警で行いました実態調査によりますと、路上におきます瞬間駐車台数が東京二十三区内で約二十三万台、それから大阪府内では三十七万台に達しておりまして、その九割近くが違法路上駐車となっておるという実態が一つあるわけでございます。
 それから、この路上駐車の状況に対処するという意味も含めまして、駐車場の整備というのが近年の大きな課題でございました結東、例えば駐車場法の対象となっております駐車場の整備量で見ましても、直近の十年間で約一・九倍の駐車場の増加があったわけでございますが、それに比べまして、近年の急速なモータリゼーションの進展によります自動車交通のふくそうは、さらに著しいものがあるわけでございます。
 一つのデータでございますが、昭和四十五年と比べまして、平成二年におきます、これは全国ベースでございますが、人口は一・一八倍でございますが、自動車保有台数は三・五倍、運転免許保有者数は二・三倍と、こういうふうになっておりまして、著しい駐車場不足といった実態が生じておるというのが私どもの基本的な認識でございます。
#8
○種田誠君 著しい駐車場不足が存在しているということは、これはもう私も同感でありますが、その中で、より具体的に、この駐車場不足の結果、今日道路法の改正や駐車場法の改正をしなければならないというような視点に立ってさらに今回のこの駐車の現状などを見ますと、少ないということはもとよりなんですが、果たして駐車場施設の利用実態、こういうものはどうなっておるのか。
 さらに、駐車に関してはいろんな駐車形態があると思うんですね。一時預かり駐車場の問題だとか、それから駐車場そのものの利用の問題だとか、それから路上駐車の問題だとか、そういうことに関して現状としてその利用状態は一体どうなっておるのでしょうか。
#9
○政府委員(市川一朗君) 駐車場の利用実態でございますが、御案内のとおり駐車場に対します需要は、曜日とかあるいは時間帯、立地条件等によりまして、いわゆるピーク時とオフピーク時という状況がどうしても出てまいります。
 したがいまして、利用実態を調べてみますと、それらをならしました平均的な利用率というのは意外に低いものがございまして、先ほど御答弁申し上げました著しい駐車の不足の状況、それから違法な路上駐車の実態があるにもかかわらず、その駐車場の現実の利用実態見ますと、場所等によっていろいろ差はございますが、四〇%から七〇%程度の利用率ということになっておるのが実態でございます。
#10
○種田誠君 せっかく駐車施設等があっても利用率が意外と低いというような統計もあるようでありますが、この辺のところはどういうところにこの原因があるのか、手元の資料でわかりますか。
#11
○政府委員(市川一朗君) 駐車場の利用効率が余り高くないという原因でございますが、まず基本的には、先ほども申し上げましたように、駐車場に対する需要が曜日とか時間帯、立地条件等によりましてやはりどうしても差が出てくるといったようなことがあるわけでございます。さらに、その地域地域におきます駐車場に、ある駐車場は満杯であるがある駐車場はあいておる、いわゆる満空情報と呼んでいるようでございますが、そういう情報の不足による非効率的な利用の形態というのがあるようでございます。
 それから、何といいましても、駐車場に行かなきゃならない、あるいは行った場合には料金を払わなきゃならないといったような問題で、いわゆるドライバーのモラルの問題もあるのではないかというふうな認識を持っておりまして、私どもといたしましては、今後の政策の方向としても、単に駐車場の量をふやすということだけではなくて、そういった観点についての政策もいろいろと検討する必要があるという問題意識を持たざるを得ないような現状であるというふうに思っておる次第でございます。
#12
○種田誠君 そうしますと、いわゆる駐車場施設に関する情報の問題だとか、もちろんコストの問題、それから最終的には今言われたドライバーのモラルの問題につながるのかと思いますけれども、そういうふうなものが背景として存在する。そしてさらに、私いろいろ調べてみましたら、最近の駐車の問題では、特にこれは建設省なんかでもアンケート調査をやった報告にもあらわれているわけでありますけれども、路上駐車のうち商店街などにおける短時間の駐車とか、それからあと荷物の積みおろしなどの路上における短期駐車とかこういうふうなものがかなりふえておるし、そのこと自体が交通渋滞の原因なども生んでおる。
 こういうふうな調査なども文献にあったんですが、建設省においては具体的に町うちの、都心部の駐車状態についての何か特徴的なものを把握しておりますか。
#13
○政府委員(藤井治芳君) 地域的に見ますとやはり駅前とか商業地域の中心地が多いわけですが、それを目的的な分類でちょっと見ますと、荷物の搬出等の荷物を伴う業務によって駐車している場合が約三五%、それから買い物が二四%、あるいは会議とか営業等の荷物を伴わない業務によって起きる駐車、これが一八%、送迎が一五%、その他六、このような一つの調査のデータがございます。
 いずれにいたしましても、やはり商店街等で起きているのが四四%ぐらい、それから事務所を中心として起きているのが二七%ぐらい、それから住宅地周辺というのが六%、その他もろもろいろいろなものがまざり合っているものが二三%ということでございまして、何はともあれ、商店あるいは事務所あるいは駅前、こういったようなところの中心の問題を今後どのようにしていくかという一つのデータだと認識しております。
#14
○種田誠君 今の道路局長のお話にもあったんですけれども、そうしますと、その駐車というのはそう長い半日とか一日とか置いておく駐車というよりは、むしろ目的達成のためですから、例えば商店街で買い物をする、荷物の積みおろし、また事務所での何らかの打ち合わせのための駐車とか極めて短い、あえて言えば三十分もあれば事が済むような駐車形態だと思うんですね。ですから、そういうものが今かなり路上駐車として問題になっているケースじゃないかなと思うんです。
 今都市局長並びに道路局長の方から述べられたようなところにそういう一つの駐車の問題点があるとすれば、この法改正はまさにこれに当然対応しているんだろうと思いますが、その辺のところで、じゃ現実に私たちが都市部で、そしてまた地方の都市部で生活を行う上で、これらの問題がどういうふうな我々に対する問題提起を投げかけておるのか。私たちは、この路上駐車の問題に関して、どのような状態での、単なる交通混雑というもの以上に大きな問題提起を投げかけられておるのか。その辺のところについて建設省ではどのように認識でしょうか。
#15
○政府委員(市川一朗君) ただいまいろいろ御指摘ございました問題につきまして、私どもは幾つ
かの問題意識を持っておるわけでございます。
 一つは、冒頭でも議論になりました違法路上駐車の問題でございますが、これが交通渋滞の原因となっているのはもちろんでございますけれども、それだけではなくて、駐車車両への追突事故あるいは駐車車両の直前直後の横断事故といった形でのさまざまな交通事故を引き起こす要因にもなっておるといった違法路上駐車問題が深刻な問題となっておるのが一つでございます。
 それからもう一つ大きな問題といたしましては、駐車場不足が都市の中心市街地において著しいという現状から、それが一つの要因となっていわゆる中心市街地の活力の低下を引き起こしておるということでございまして、商店街の振興上も重要な課題となっておるわけでございますが、特に私ども町づくりを進めておる立場からいいますと、都市の顔とも言うべき中心市街地の活力低下といいます問題は、その都市におきましての極めて大きな問題であるというふうな認識を持っておるわけでございます。
 それからさらに、今日駐車場問題は車庫の問題も含めまして、商業系の地域内の問題を越えまして住居系の地域内の問題にもなっておりまして、いわゆる住居地域におきましてのさまざまな問題の提起にもつながっておるといったようないろいろ問題意識を持っておるわけでございます。
#16
○種田誠君 そうしますと、この路上駐車や違法駐車の問題が単に交通混雑という問題にどう対応するかということではなくて、今都市局長が述べられたように、まさに都市の活力を取り戻すことが今後可能かどうか、都市の再活性化が政策として展開されていく上で極めて重要な問題としてこの駐車場、駐車スペースの問題が位置づけられておる、こういうふうに認識してよろしいということだと思うんですね。
 さらには、私はもう一つ、これは過日の駐車問題懇談会の報告書などにも書かれておるんですが、この交通渋滞、さらには違法駐車の結果、私たちの目には見えないけれども、これが大きな経済的なロスになっておるというような指摘も与えられております。いわゆる違法駐車、それに基づく交通混雑、渋滞、そのことによって、例えば一つとってみれば、ガソリンの消費量も、そしてまた地域に対する環境に与える影響についても、さらに大きく見ればエネルギーの全体の消費量にも影響を与えておるという点ですね。そういう意味では、私はこの違法駐車、路上駐車の問題というのは、今都市局長が述べられたような視点をも踏まえながらも、もっと大きな問題を提起していることではないだろうかなと思うわけです。
 したがいまして、今回のこの道路法とか駐車場法を改正して総合的に抜本的にこの問題に対応していこうとするならば、都市をどのようにつくっていくか、そしてまた私たちの経済生活における交通の位置づけとか、こういう問題にまで実は取り組んでいかなければならない極めて大きな問題を持っているのではないだろうかなと認識をしているところでもあります。
 そういう意味で、さらにそういうふうな今都市局長、道路局長が述べられたような中で、それでは現在までの駐車場整備に関する建設省の取り組みはどうだったんだろうか。問題の重要性はわかった、しかしながら、今まで何もしてこなかったわけではない、融資制度もございますし、もろもろの対策を練ってきたと思うんですが、これまでの建設省のこの駐車問題に関する対策というのはどういうふうに位置づけられておったのでしょうか。
#17
○政府委員(藤井治芳君) この駐車に関しましては、従来は正直のところ民間を中心にいろいろと駐車の対策をお願いしておりました。官はむしろ補助的な立場で臨んできたのが実態だと思います。さらに、その際にも私ども基本的には適正な交通機関分担あるいは駐車施設の整備、有効利用、そして規制あるいは取り締まり、モラルの向上と、いずれにしても総合的な施策が必要であるという認識は持っておりました。そういうことから、やはり建物に対しての附置義務、これを一つ一つ御協力を得ながら私どもも強化してまいったわけでございますし、民間駐車場に対する融資あるいは優遇税制等についても一つ一つ拡充をしてまいりました。また、中心市街地等の公共駐車場に対しましても、有料融資事業等の無利子の融資制度を拡充をしてまいりました。
 しかし、これらの拡充だけではどうしようもない部分も出てまいった。それはやはり土地問題だと思っております。土地そのものがない、こういう問題も出てきたと思います。そういうことから、今回の駐車場法及び道路法の改正をお願いしながら、その中で、一方では交通安全対策事業による駐車場附置義務基準の一層の強化、あるいは商業系地域の共同駐車場等々、今まであった制度をさらに充実させながら全体としてやる、そういうことをやろうということになってきているわけでございます。
 いずれにいたしましても、駐車問題は総合的な施策という観点から、今私ども一生懸命見詰めている状況でございます。
#18
○種田誠君 今日までの取り組みが完全なものとして存在していればこのような問題はもう既に解決されていたのかもわかりませんが、道路局長が述べられたように、過去の経過を振り返りながら新しく施策を展開していかなきゃならないということでありますが、それにしてももう少し過去の状況を顧みてみますと、一つは、都市計画に基づく駐車場整備地区というのが指定をされているわけでありますが、このことについても私ちょっと調べてみましたら、そう駐車場不足の深刻さを反映しているほどの指定状況には至っていないような気がいたしますし、さらには先ほど来附置義務条例、附置義務制度のことについても述べられておりましたけれども、このことも私の手元ではわかっているのはまだ百十四件ぐらいの実態であるということでありますので、その辺のところ、まずその点が二つ。もう一点がいわゆる低利、無利子の優遇融資制度というのも実施されているようでありますが、このことも当初考えたほどは大きく伸びてはいないのではないだろうかと思うわけですね。
 この私が述べた三つの点についてこれまでの取り組みはどうだったのか、その辺のところをちょっとお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(市川一朗君) 駐車場法によりまして駐車場整備地区制度あるいは附置義務制度等が設けられているわけでございますが、ただいま御指摘にありました駐車場整備地区の指定の実態を見てみますと、これは平成元年度末の資料で恐縮でございますが、駐車場整備地区を指定しております都市は七十九都市でございます。面積にいたしましては、これは一万四千ヘクタールぐらいになっておりますが、やはりその実態から見まして、私どもといたしましても必ずしも指定状況が満足できる状況ではないという認識を持っておるところでございます。
 それから、附置義務条例につきましても、必ずしも完全に附置義務条例の制定が進んでおらないわけでございまして、例えば県庁所在都市あるいは人口二十万人以上の都市等は大体におきましてその中心市街地が交通ふくそう地域でございますが、そのうち三十八都市がまだ条例未制定であると思います。それから、既に条例を制定しております百二十ぐらいの都市におきましても昨年私どもが標準条例を改正いたしまして新しい附置義務のあり方について御提案申し上げておりますが、まだその新しい考え方を導入しておらないところが多いといったようなところから、やはりこれもまだ課題としては一応残されておるという状況でございます。
 それから、いろんな駐車場設置の誘導策といたしまして補助とか融資とか税制等あるわけでございますが、これまでは主として民間事業者に対します低利の融資ということを中心にしてまいっておったわけでございますけれども、やはりそれだけでは不十分であるといったようなことから、その融資条件の改善も含めまして思い切った優遇措置を講ずる必要がある。さらには、税制上のイン
センティブも極めて重要であるというところから、特に平成三年度におきましてはかなり思い切った税制改正も行っておるところでございます。
 しかしながら、御指摘ございましたように、私ども今まで駐車場問題は真剣に取り組んできたつもりではございますけれども、総じて政策の進展という意味ではいま一不十分な部分がございまして、今回の法改正も一つの象徴でございますように、特に平成三年度におきまして私どもは新たな決意で駐車場の政策に取り組んでおるといったことが正直なところではないかと思っておるところでございます。
#20
○種田誠君 率直な御意見を伺わせていただいてありがたいんですが、追い打ちをかけるようでありますが、その駐車場整備の増加率を見ますと、何か昭和三十年代の方が非常に普及率が高くて四〇%ぐらいを誇っておったと、それが四十年代になりますと二〇%、五十年代以降になってきますと物すごく減りまして八%もしくは四%台の普及率だという、こういうふうな指摘もされているわけであります。ですから、これは駐車場整備ばかりでなくて、都市計画法などにおいても建設省さんは非常に世界のもろもろの国の制度などを参考にして各局、各部課の皆さんの努力によっていろんな政策を取り入れていると思うんです。
 私はこの前も申し上げましたけれども、日本の都市計画法は、ある部門をとってみれば西ドイツのFプランやBプラン以上のものを持っているわけなんですね。しかしながら、同じそういう政策、制度を持っていながら西ドイツにおいては土地の高騰はない。日本においては御存じのようにこの二十年間の間に三回も、しかも今回はとんでもない高騰を生んでしまっているわけです。立派な政策や制度を持っていながら、なぜ日本の都市計画においてはこのような結果を生んでしまうんだろうか。
 また、先ほど来申し上げておるように、駐車場整備に関してもこれだけ立派な制度、政策を持っているわけなんですね。しかしながら、今まで議論をしてきましたように駐車場の現状、問題点、そして率直に申し上げまして整備状況は今述べたようである。一体、大臣、これはどこに問題があるんでしょうか、率直にこれもお答え願えればありがたいと思うんです。
#21
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど来数々御論議をいただきまして、駐車場の整備について建設省がやってまいりましたことも聞いていただいたわけでありますが、思うように解決ができない主たる原因は何か、やはり地価の高騰が大変に大きな負担になって、民間の駐車場を進めようとしましても相当な税制や融資をもってしてもなかなか整備ができないというような視点があろうかと思います。
 今回の法改正で、民間の駐車場もそうでありますが、いわゆる路上あるいは路下の駐車場も整備することができるようにしようというようなところにそういうものを補完して、少しでも駐車台数をふやしていこうという目的があるわけでございまして、地価の安定化がやはりこの事業を進める上では大変に大事なことであるというふうに認識をいたしておりますが、ややおくればせではありますけれども、官民一体となって強力に大都市圏における駐車場整備を進めてまいりまして国民の皆様の御期待におこたえをしたい、このように考えているところでございます。
#22
○種田誠君 そのような意味では、今回の道路法とか駐車場法の改正、しかも冒頭申し上げましたように、総合的な対策としてこれを位置づけていきたいということであるならば、まさに実行力のある、しかも今日の状況を解決できる、そういうものとして今回の法改正が位置づけられなければならないと思うんです。これにこたえられる法改正になっておると思うんですが、その趣旨を述べてもらいたいと思います。
#23
○国務大臣(大塚雄司君) 今申し上げた今回の改正の主な点の一つは、道路管理者が道路事業として駐車場を整備することができる一つの柱がございます。それからもう一つは、市町村に駐車場整備計画を策定させ総合的かつ計画的に駐車場整備の政策を推進していく、市町村に責任を持っていただいて都道府県あるいは道路管理者が協力をしながら整備をしていく、これがやはり非常に重要なポイントであろうと思います。それと同時に、建築物の附置義務の台数をさらに拡充をして駐車台数をふやそう、こういう三つの柱があるわけでありますが、既に東京におきましてもそのようなことを計画し、路上、路外あるいは路下にも駐車場を整備していこう、できるだけその辺のところを市町村を中心にやっていくというところが大きなポイントであろうかと思うわけでございます。
#24
○種田誠君 今大臣の方から述べていただいたんですけれども、道路法の改正によって道路管理者の新たな責務というか機能が生まれるわけでありますが、このことが駐車問題、交通渋滞などの問題に関しての機能的、効率的なかつまた経済的な視点での対応になるかと思うんですね。このことは法改正によって割合と取り組みやすいかなと、そう私も思うわけであります。
 問題は、後半の駐車場法の方の改正の問題で、都道府県、市町村に関する都市計画法上の駐車場整備に関してより充実するような形での施策を展開できるような改正にしたんだ、こういうことでありますが、今までも決して市町村や都道府県が都市計画法上の駐車場整備計画をしてこなかったわけではないわけですね。先ほど来局長が述べておるようにそれなりの施策があったわけでありますが、今回はそうすると今日までとは違った形でより実効性のある形での改正だと思うんですが、今回の改正によってそれがどのように担保されているわけでしょうか。
#25
○政府委員(市川一朗君) まず、現行の駐車場法は昭和三十二年に制定されたものでございまして、今日的に見ますと当時としてはなかなか画期的な政策展開だったのではないかと思うわけでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、いわゆるモータリゼーションの進展、なかんずく自動車台数の急激な増加といったようなことがその後出てまいっておりまして、それに的確に対応する駐車場対策というものが、大臣も御答弁申し上げましたように地価問題等もございまして、なかなかうまくいかなかったといったようなことが背景にあるわけでございます。
 したがいまして、ただいま先生から御指摘ございましたように、制度としてはなかなかいいものを持っていたじゃないかという御指摘は私ども大変喜んでお受けするわけでございますが、しかし、今日的な課題に対応するためにはやはり幾つかの点でなお制度的にも改善を施して対応した方がより的確に対応できるだろうということでございまして、例えば附置義務の例をとって申し上げますと、実は昨年法改正を行う前に附置義務条例の内容を改善するというところで政策的に取り組んだわけでございまして、これがまだ必ずしも徹底してはございませんけれども、地方公共団体レベルではそれぞれのところでいろいろ検討されております。
 端的に申し上げますと、附置義務の対象となる建築物の対象範囲をより規模の小さなものまで広げ、なおかつその建築物におきまして一定の割合の駐車台数の義務づけをしておるわけでございますが、その台数の割合を厳しくするといったような条例改正等を今検討しているわけでございまして、そういったようなものが実際の条例として出てまいりますとかなりの効果を発揮してくるというふうに私ども思っているわけでございますけれども、附置義務条例につきましても、駐車場法で大体条例が制定できる場所その他の規定がございます。これにつきまして、例えば住居系におきましても附置義務条例を制定した方がいい場所があるといったような実態の問題、あるいは主としてこれまでは駐車需要を発生させる建築物は業務系のビルであるといったような考え方が中心でございまして、いわゆる特定の建築物以外につきましては附置義務条例は延べ面積にいたしまして三千平米以上というふうに法律上限ってございます。しかし、これを昨今のマンション等の状況から見
ますと、もう少し規模の小さなマンションにも義務づける必要があるといったようなことが問題意識として出てまいっておりまして、これが法改正が必要である、そういうような発想が一つあったわけでございます。
 それから、駐車場整備地区に見ましても、これまでも駐車場整備地区は指定しておったわけでございますが、それから先の政策展開という意味におきましては、やはりその地区におきます総合的な駐車場整備計画というものがしっかりと樹立されておる必要がある。しかも、それは市町村レベルにおきまして関係の道路管理者、公安委員会その他関係者が全員協力してつくった計画である必要があるといったようなことでございまして、これは事実上そういうことをつくっていくということもあり得るわけでございますけれども、やはり法律できちっと義務づける形をとりますことによりまして市町村の駐車場対策の政策展開がよりやりやすくなるのではないか、スムーズにいけるのではないかというような考え方を私どもは持っておるわけでございます。
 今回の法改正にはそういったような観点からただいま来申し上げておりますような内容を盛り込んでございますので、市町村レベルといいますか、地方公共団体におきますこれからの駐車場対策につきまして、基本は変わらない部分もあることは御指摘のとおりでございますが、一歩二歩大きく前進する一つのきっかけには十分なり得るというふうに思っておるところでございます。
#26
○種田誠君 今の局長の、本当に駐車場整備から始まって総合的ないわゆる町づくり、都市空間の利用、そういうことまで大きく広がっていく視点でのそういうふうな物の見方は私は極めて重要だと思うんです。問題は、私も同じ視点に立つわけでありますが、今述べたことがどうしたら地方自治体において実効性が担保できるのかということが日本の都市計画における共通の問題点であるわけなんですが、これは極めて難しい問題でもあると思うんです。そこをまず今回はどのように対応しようとしているのか。
 特に法の四条をちょっと拝見させてもらうと、「駐車場整備地区に関する都市計画が定められた場合においては」と書いてあるんです。「場合においては」定めなければならないんですね。ですから、「定めなければならない」じゃなくて「場合においては」なんです。その「場合においては」の方が重要なわけなんですね。「場合においては」は、できれば定めなければならないわけですから、この実効性をどういうふうに担保していこうとしているのか、その辺のところ具体的なものを持っておれば述べてもらいたいと思います。
#27
○政府委員(市川一朗君) 第四条が「駐車場整備地区に関する都市計画が定められた場合」ということでございます。これは、総合的な都市計画を定めるに当たりまして、いろいろと施設整備等のほかに地域、地区等もその総合的な町づくりの中で定めていかなければならない、その一環として駐車場整備地区を定めることとされておりまして、それが「定められた場合においては」というふうに条文上はなっておるわけでございまして、市町村は義務づけられていないのではないかというような意味合いを含んだ御指摘かと思います。
 私どもといたしましては、先ほど来大臣初め答弁しておりますように、駐車場につきましてはやはり基本的には民間の方々にその駐車需要の発生に応じた形で整備していただきたいということがどうしても基本でございました。しかし、昨今のいろんな状況の中で官民の役割分担をきちっと明確にして、公共側の責任もしっかりと位置づける必要があるということで、道路法の改正による道路管理者が直接駐車場をつくる制度の導入等も御提案申し上げておるわけでございます。
 そういったような一環の中で、それぞれの市町村レベル、地区レベルにおきまして都市計画といいますか、行政の最も第一線でございます市町村が駐車場問題については基本的に責務を負いそれに取り組まなきゃならないという思想を盛り込むことによりまして、その地区におきます駐車場整備に関する都市計画についても前向きに取り組むという姿勢が出てくるものと、もちろん私どももいろんな形で行政的にも指導してまいりたいとは思っておりますが、私どもが指導する、しないの前に社会的実態もございますし、こういう問題提起を受けまして必ずや各市町村におきましてそういう機運が盛り上がってくるということを第一義的には期待しておる次第でございます。
#28
○種田誠君 多分今局長が述べている物の考え方の方が五十年後、百年後は正しいんだろうと思うんです。というのは、これから本当に地方の都市が権限においても財源においても自治というものを持って、そして日本国憲法の地方自治制度の理想が実現されていくような時代が生まれた場合には、まさに今局長が述べたような視点での物の見方、そういうことがむしろ建設省の中央機関のやり方ではないだろうかなと私も思うんですね。
 ただ、それはどちらが正しいかは歴史が判断することになるだろうと思います。日本の場合果たしてそのような理想的な物の見方で――都市計画や駐車場対策に一日も早く対応しなきゃならない、社会資本の充実がおくれている日本において経済成長もやらなきゃならない、社会資本整備もやらなきゃならないということですから少ない財源でやるとなれば大変なことは事実なんですけれども、その辺のところを私はもう少し公共的な、土地基本法ができて土地の利用に関する公共性ということが今クローズアップされている時代でありますから、都市計画などにおいても駐車場整備の計画などにおいてもその公共性という理念を今ある程度暫定的であっても強く求めていかないと、五十年後に理想として今述べたような体制は生まれないんじゃないかなという若干の危惧がある。ですから、その辺のところは今回の法改正ではうたっておりませんけれども、同じ轍を踏まないためにも運用とか指導によってここは強力に進めてもらいたいなと、こういうふうに思うわけであります。
 続きまして、まさに駐車場の問題から始まりまして日本の都市計画、都市づくりのあり方ということを求めて発展するわけですけれども、その中で一つ重要なのが、これは建設省さんでもまた運輸省さんでも最近検討しておると言われる、アメリカやヨーロッパに見られるような公共交通機関等の駐車場の対策、一言でいうとパーク・アンド・ライド制度ということがありますが、この辺の物の考え方というのは今回の駐車場法の改正などについては配慮されておるんでしょうか。
#29
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のパーク・アンド・ライド、これは私ども極めて重要な政策課題だと思っております。今や、公共交通機関と一緒になって両方あわせて総合的な対策をする、こういう時代でございます。
 そのような観点で、実は私ども第七次五カ年計画、四十八年発足、今から約二十年弱前でございますが、このような勉強をいたしました。そして第八次、第九次においてもそういう志向をするような工夫をしてまいっております。その結果、この第十次におきましては、駐車場案内システムとあわせてロード・アンド・レールというような事業も入れております。
 こういう中で、実はこうした施策を実施するに当たって、やはり土地取得が困難だということで民間が駅周辺部に遊休地を暫定的に駐車場として利用しているとか、あるいは収益性が低いというようなことでパーク・アンド・ライド的なものですらなかなか民間だけでも、あるいは公共だけでもできない。そういうことから、一緒になってこういう問題を都市計画あるいは都市利用の問題の中でさらに一層進めようということで、平成二年度からこのパーク・アンド・ライド用の駐車場に対して有料道路整備資金による無利子貸付制度を実は新設させていただきました。例えば一例を申し上げますと、これは愛知県の半田市だと思いますが、雁宿駐車場などというのはそういうパーク・アンド・ライド駐車場の一つの例でございます。
 そういったことで、これから私どもこのパー
ク・アンド・ライドというのを一層伸ばす中で駐車場全体の有力な武器として育ててまいりたい、かように考えております。
#30
○種田誠君 今道路局長が述べられたように、この問題はまだまだ日本の現状の都市計画の中で早急に実行していくというのは難しいことかもわかりませんけれども、極めて重要な問題提起をこの制度は含んでいると思うんです。先ほど申し上げた都市のあり方、私たちの居住のあり方、こういうことに関してまでこの問題は多分大きな課題を提起していくんじゃないかなと思うんですね。建設省の中では藤川課長さんあたり一生懸命研究しているようでありますから、ぜひともこの辺の物の見方を駐車場整備とあわせてやっていっていただきたいなと、このように思うわけであります。
 それからもう一つ、細かい話で恐縮なんですけれども、一つ私も最近までよくわからなかったんですが、パーキングメーターというのが道路によくついておりますが、このパーキングメーターと駐車帯というのはまた別個な制度として位置づけられておるんでしょうか。
#31
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のいわゆる道路交通法によるパーキングメーターといいますのは、交通規制の観点から、時間制限駐車区間におきます駐車の適正を確保する、こういう施設として駐車場という概念とはとらえておりません。パーキングメーターについては、交通量の比較的少ない幹線道路以外の道路で車道に単に道路標示を設けるという構造で設置されたものでございます。したがって、その料金もこのパーキングメーターを作動させるための費用に見合う手数料、こういう性格として徴収されて位置づけられております。
 私どもが一般的に言っております路上駐車施設、こういったものはいわゆる路外駐車場で対応できない路上駐車のうち、先生先ほど御指摘のように三十分以内が約五割ございますから、こういうようなものの中から短時間の駐車需要に対応するために、道路管理者が主に交通量の多い幹線道路で駐車車両が交通に支障を及ぼさないという構造としてつくるものでございますから、これはやはり道路駐車場という概念でございます。したがって、そういう意味合いにおいて、そこから徴収される料金もおのずからパーキングメーターの料金と全く性格の違うもの、こういうふうに理解をいたしております。
#32
○種田誠君 わかりました。
 そうしますと、パーキングメーター以外にこれからいわゆる路上駐車帯というようなものを幹線道路にも設けていくということになるわけでありますが、現実にこの制度はかなり進んでおるんでしょうか。
#33
○政府委員(藤井治芳君) この路上駐車帯といいますか路上駐車施設、これは今回の道路法で初めて入れさせていただいたものでございまして、従来の路上駐車しているものは路側あるいは停車帯を使って駐車を事実上していたということでございますから、道路上では駐車帯という概念が従来ございませんでした。いわゆる停車帯とか路側を使って事実上停車していた、こういうことでございます。
 したがって、今回初めて路上駐車施設という概念を導入いたしましたので、これは道路ときちっと分離した形で、いわゆる車が通るところと分離した構造でつくっていくこういう性格でございますので、これからそういうものができるところを現実に調査し、地域の方々と御相談しながら設けていく、かようになってまいります。
#34
○種田誠君 極めて重要な施策だと思いますので、特に商店街などがあるようなところで道幅が広くまた歩道などがゆったりとれる、そういう場所においては非常に自然な形で路上駐車帯が生まれて、これは多分長くても三十分ぐらい、もしくは短ければ二十分ぐらいの駐車だと思いますので、必ずや中小企業の商店街の方々には好評を得られると思うんですね。これはぜひとも地域の方にこの施策が十二分に展開できるような推進方をお願いしたいと思うわけでございます。
 さらに、これもまた具体的な問題でありますが、今回の法改正によってより一層都市空間の駐車スペースとしての利用、そしてまた先ほど冒頭に出ましたけれども、駐車場問題がいわゆる商店街の活性化などに今回の施策は大きく寄与できるのではないだろうか、こういうふうな指摘もあったわけでありますが、その辺のところで具体的に都市空間の利用とか商店街の活性化に寄与できる施策としては、どういうものを今お考えなんでしょうか。
#35
○政府委員(市川一朗君) 駐車場を整備する場合に当たりまして、やはり何といいましても一番大きな問題は用地取得の問題でございます。それからまた、仮に用地が取得できましても、地価の高騰等の問題によりますコスト高ということによる採算性の悪化等の問題もございます。したがいまして、そういったような観点も入れまして、私どもといたしましては、今後駐車場整備を推進するに当たりましては、土地の有効利用を大いに図っていく必要があるというふうに思っておるわけでございます。
 具体的には、いろんなことを考えておるわけでございますが、まず一つには道路等の公共施設、これの地下を有効に利用するということが現実にもあるわけでございますが、これは一つ重要なテーマとして考えられるわけでございます。
 それから、都市内にはいろんな形での低・未利用地があるわけでございまして、昨年都市計画法を改正していただきまして、遊休土地転換利用促進地区制度も創設されたわけでございまして、今年度からその関連の税制もできたわけでございますがその制度をフルに活用いたしまして、土地の有効利用、高度利用を図る際に、駐車場としての利用につきましても永続的な駐車場としての利用だけにとどまらず、場合によりましては暫定的な形での駐車場利用といったようなことも含めまして、いろいろ配慮をしてまいりたいと思っておるところでございます。
 それから、再開発事業等の面開発を行う際には、これまでも重要視してまいったわけではございますけれども、さらに一層都市の再開発と一体となった駐車場の整備を行う必要があると思っておる次第でございます。
 そういったようなことをやっていく上におきまして、地下式の駐車場のほかに、いわゆる立体式の駐車場の建設も今後進めていく必要があるというふうに思っておりまして、ただいま来申し上げました施策の一環の中でそういったものは位置づけていくつもりでございますが、特に平成三年度の税制改正におきましては、地下式と立体式の駐車場に関する税制上の特例措置につきまして、主として今までは極めて限定的なものにしか適用されておりませんでしたけれども、これを大幅に拡充適用できるように改善を図っておるところでございます。
 そういったようなことをいろいろ組み合わせながら、都市内におきます土地の有効・高度利用を図った駐車場整備の推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#36
○種田誠君 私の身近な例を挙げてお聞きしたいんです。
 私は水戸出身です。水戸で実は南町という地域があるんですが、水戸は、御存じのように国道五十号というのが一本ぼんと水戸の町の中を走っておりまして、馬の背のような台地に存在するわけであります。そして、国道五十号は大体道幅が歩道も入れまして四十メートルから五十メートルぐらいございます。この商店街にはもう過去二十年ぐらい駐車場がないということで大変商店街の方たちは苦労をしているわけなんですけれども、大型店、水戸で言えば大きなデパート、そういうものはまさに駐車スペースの附置義務ということでみずから駐車スペースをつくることも可能なんですけれども、昔からある商店街というのは、余り大きな経営でやっているわけじゃありませんので、都市部においてはほとんど駐車スペースをとることができないわけですね。
 こういう場合、今申し上げた道幅が四、五十メートル、こういう場合でも地下駐車場というの
はこれからつくることが可能になるんでしょうか。その辺のところ、具体的な例で申しわけないんですが、答えられるものはお願いしたいと思うんです。
#37
○政府委員(藤井治芳君) 現在、我が国の地下駐車場の例は二十九カ所大ざっぱにございます。その中で東京周辺を除きまして九カ所は、いわゆる地域における岡山市であるとか徳島市であるとか、こういったような経験を持っております。特に厚木市では中央公園の地下に五百台の駐車場を持っております。岡山市でも城下公園という三百五十台の地下駐車場を市民広場と一緒につくった実例を平成元年度に持っております。
 こういうような経験を踏まえまして、先生今御指摘の五十号のこの地域は確かに水戸市内で一番ふくそうする中心市街地でございます。特にまた、バイパスとして一部トンネル工事を今させていただいております。このトンネルは水戸トンネルというような言い方をしておりますが、恐らく平成八年度ぐらいまでには完成させたいというような感じでございます。こういうものができ上がってまいりますと、この中心市街地のあり方も変わってまいります。また、当然のことながら駐車需要もそういうものに合わせて計画を立てていただきたいというふうに私ども思っておりますので、そういう一環の中でこの地域の地下駐車場の、例えば国道五十号の地下利用というようなものも検討させていただきたいと思っております。
 こういう場合の道路の幅員というようなものの考え方を見ますと、言ってみれば駐車場の出入り口が最大のポイントでございます。出入り口を道路内に設ける場合と道路の外側に設けて、例えば新宿の三光町にあるものとか銀座の西銀座はみんなビルから出入りしております。こういう場合は、道路の幅が狭い場合でもつくれるが、広くないとできないということもございます。そういうことで、先ほど申し上げました神戸市の三宮では五十メートルの道路幅員の例でございますし、同じ神戸市でも元町の例では平均幅員が二十七メートルぐらいでもやった例がございます。したがって、そういう周辺でどういうふうに出入り口をつくるかということと、あるいは前後に信号機があるからそこで今度はたまってしまうとまずいといったような、地域の状況によって道路の幅員も多少変わってまいると思います。
 したがって、要は、そういうことを考えながら民間の方々と一緒に、民間施設と一緒に、私どもできればこういう地下駐車場の利用の際は検討させていただきたい。そうするとお互いのノウハウもうまく使えるのかなと、かようにも考えている次第でございます。
#38
○種田誠君 今局長からのお話で一つのイメージが浮かんだわけなんですけれども、まさに水戸でも平成八年に、答弁にありましたように、大きなトンネルが水戸の中心街を抜けるわけでありますが、このトンネルによって逆に中心街の商店街が過疎化してしまうのでは困りますので、できるならばこのトンネルから引き続いて五十号の下の駐車スペースに入ってこれて、そしてすっとおりて商店で買い物ができるとか商用が足せる、こういうふうな新しい仕組みが生まれると町の活性化にもなりますし、南町の二丁目、三丁目の方たちも、ああ、こういう解決方法があったのかということでまた一つ希望がわいてくると思いますので、どうぞその辺のところの御支援方をよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#39
○石渡清元君 それでは、道路法の一部改正法律案からお伺いをいたします。
 従来ですと道路は一般的に無料利用の原則があるわけでありますけれども、今回の改正案では有料とする。この場合の駐車料金はどのような性格を持つのか。さっき局長の答弁では、パーキングメーターの手数料とは違うんだというお話もありました。同時に、この料金収入を駐車場整備のための財源に充てるのか、あるいは建設費、今までの償還に充てるのかわかりませんけれども、その料金収入の使途をまずお伺いします。
#40
○政府委員(藤井治芳君) 先ほども御説明申し上げましたが、自動車駐車場の整備は民間主体で行われていました。民間の場合は当然ながら有料の駐車場という形でございます。それに対比して、公共によって整備を行う場合も料金収入によって償還主義による有料駐車場というものを今までは整備してまいりました。しかし、現実問題として地価高騰とか用地の取得難ということで、駐車場の経営が民間や従来の有料道路整備資金による駐車場事業としてはなかなか伸びない。こういうことから、今回の道路管理者による自動車駐車場の概念が出ておりますから、したがって、その場合にその自動車駐車場をつくっても、そのことが今までの民間や有料事業によるものの阻害要因になってはまずい、いわゆる公平さを持たなきゃいけない、こういうふうな考え方を持っております。
 そういうことで、この料金を徴収することといたしましたのは、駐車場に自動車を駐車させる者が一定のスペースを排他的に利用するわけですから、その利用により著しく利益を受けるものだということが第一点、それから仮に駐車料金を徴収しないことといたしますと、先ほど言いました公平性、民間との公平性が阻害される、こういうことから料金を取る。こういう形をとらせていただきましたから、その性格は公共物の特別使用料というような占用料類似の性格とそれから受益者の負担というような意味の性格とあわせ持ったものということでございますので、償還主義による料金とはおのずから全然変わってまいります。
 そうすると、そこで得られた収入、これは当然のことながら道路整備に還元されるものでございますが、収入の総額はそれほど大きくありません。したがって、駐車場に投資する事業そのものは道路整備のお金をどんどん投入させていただいて、その一部としてまたそこで得られた収入は充当させていただく、こういうような形になろうかと思います。
#41
○石渡清元君 収入はそれほど大きくないとおっしゃるんですが、それでは具体的に駐車料金というものをどのように設定をするのか、その基準というか、あるいは受益者負担というお話もあったけれども、車のユーザーがどこまで負担をしなきゃいけないかというような原則みたいなものがあればそれをお示しいただき、同時に二倍の割増金も書いてありますけれども、この辺についてもこの徴収理由を御説明をお願いします。
#42
○政府委員(藤井治芳君) まず、料金の額はどのように定めるかということでございますが、建設大臣が直轄で管理するいわゆる指定区間内の国道に設置される場合の駐車料金の額については、政令におきまして、大臣が自動車駐車場から駐車料金を徴収する際にはあらかじめ駐車料金の額等を公示しなければならないというふうに定めておりますので、これによって政令に基づいて決めるわけでございます。
 したがって、具体的には自動車駐車場ごとに大臣告示という形で定めるわけでございますが、またその他の道路に設置される駐車場の場合は都道府県または市町村の条例において定められます。額の数値そのものは先ほど言いましたように、公平性を保つということでございますから、周辺における現実にある事例を踏まえまして、それとバランスのとれた額をという形で定めることになります。
 さらに、先生から御指摘いただきました割増金という概念、これは現実にそうあってはならないわけですが、不正に駐車料金を払わないで免れようという方も出てくる。そういう場合に、法秩序を維持して料金徴収事務の円滑化とか料金収入の確保を図るということのために、違約金を課すものでございます。それが全体の二倍というのがこの路上駐車の駐車料金及び割増金という駐車場法におきます第六条に規定されている額、こういう理解をいたしております。
#43
○石渡清元君 それじゃ、駐車場法の方にまいります。
 先ほどいろいろ種田委員からお話がありましたけれども、果たして法改正で駐車場整備が進むか
どうか、ちょっと疑問な点もあるわけでありますけれども、具体的にすぐ急に解決する問題じゃありませんので、中期的にどのくらい駐車場が整備をされていくのか。あるいは整備地区を拡大してありますけれども、その整備地区指定の指導方針とかそういったようなものをちょっとお伺いいたします。
#44
○政府委員(市川一朗君) 中期的にどれぐらいの駐車場が整備されると見込んでいるかという御質問でございますが、まず過去の統計でございますけれども、いろんな形の駐車場があるわけでございますが、いわゆる駐車場法上の路外駐車場ということで都市計画駐車場あるいは届け出駐車場、附置義務駐車場、路上駐車場といったものは統計上もしっかりしたデータを持っております。
 これで比べてみますと、平成元年度末で全国で百五十九万台ございます。もちろんそれ以外にいろんな駐車場があるわけでございますが、駐車場法上の駐車場は百五十九万台ございまして、これが十年前の昭和五十四年度末に比べてみますと、約一・九倍、二倍近い増加になってございます。これを現在の自動車の保有台数と比較してみますと、平成元年度末では自動車三十五台当たり一台分ということになりまして、これも十年前に比べますと、一・二四倍の整備水準になっているわけでございます。
 こういうような状況等もいろいろ勘案いたしまして、今回の施策展開におきまして、私どもは目標といたしまして、五年後の平成七年でございますが、おおむね自動車三十台当たり一台分程度の路外駐車場の整備水準に持っていきたい、もちろんその間に保有台数のかなりの増加も見込まれるわけでございますが、そういったようなところを目標にしておるところでございます。
 それから、駐車場整備地区でございますが、これも平成元年度末現在で七十九都市指定されておるわけでございまして、これにつきましても法改正が成りましたならば、整備計画の策定が義務づけられるということでかなり強力な武器にもなりますし、また駐車場整備地区の指定できる場所も拡大いたします。そういったような観点で私どもも積極的に取り組んでまいる所存でございますが、こうした状況の中から、現在約八十都市ぐらいのものを大体百七十都市ぐらいには拡大していきたいと、こんな目標を持ちまして取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#45
○石渡清元君 中期的というのはある程度時間を要する。ただ、緊急にやらなきゃいけないような駐車場の取り組みも必要だと思う。特に、都市部において貨物とか荷さばき、積みおろし、これの専用駐車場あたりからメスを入れてやらないと、乗用車もトラックも一緒になっちゃって、経済活動を優先するわけじゃないけれども、トラックは案外大きいものですから、そういう面でその辺の短期に重点的にやるとか、そういったような考えはあるか、ないか。
#46
○政府委員(市川一朗君) 一応基本的には、私ども、駐車場整備地区におきまして、市町村が駐車場整備に関する計画を関係の機関及び民間の事業者の方々にも入ってもらった形で十分御相談しながらつくるわけでございますが、それぞれの市町村のその地区ごとの駐車場の実態に応じまして、ただいま先生から御指摘がありましたようなものを急いで整備する必要がある地区につきましてはそういったものを重点的に整備していく、こういったようなことになることは望ましい姿であると思っておる次第でございます。
#47
○石渡清元君 各論になりますと、市町村、確かに市町村には違いないんですけれども、それではこの法改正と同時に、国とかあるいは地方公共団体あるいは民間、今までは民間に依存してきたという答弁であったけれども、それぞれの役割というのはある程度大まかに示していかないと、市町村あるいは県が一体どこまでどの範囲までやるか、それでなくてももう立地難なんですから、その辺のお考えはいかがでしょうか。
#48
○政府委員(市川一朗君) 駐車場整備に関します一般的な物の考え方というのはあるかとは思いますが、一応私ども駐車場法を中心といたします駐車場政策の中で今までとってまいりました基本的考え方は、まず一つには、駐車需要を発生させることになるそれぞれの発生源である建築物の建築主が駐車場を整備するべきであるという考え方から、事務所ビル等の建築主によります附置義務駐車施設の整備というものを進めてまいったのが一つでございます。
 それから、一般公共駐車場の整備につきましても、その主たる整備主体は民間でございまして、例えば届け出駐車場の約八割が民間駐車場でございましたから、これまでは、公共サイドではそういった民間駐車場の整備に対して低利の融資制度を中心とする助成策を講ずるということで、官民の役割分担を基本的に考えてきたところでございますが、先ほど来御答弁申し上げておりますような駐車場問題の深刻な状況にかんがみまして、まず一つには、こうした公共の役割の見直しを行う必要があるという観点に立ちまして、今回、法改正を御提案申し上げております。
 法改正の中身は、先ほど来るる申し上げておりますので詳細は省略いたしますが、基本的に市町村におきまして駐車場政策に積極的に取り組むべき責務、義務づけ等が盛り込まれておるわけでございまして、そういう観点から市町村レベルにおきます駐車場問題に対する取り組みが飛躍的に進んでくるということを私どもは期待しておるわけでございます。
#49
○石渡清元君 今までの駐車の分類等々でわかるんですけれども、私が特に建設省サイドに申し上げたいことは、むしろ交通機関分担、鉄道はもっと駅の周りにどんどん駐車場を設けるとか、あるいは神奈川県などは港湾がいっぱいありますから港の駐車場、空港の駐車場、そういったような交通体系に応じた駐車場整備をもっともっと建設サイドでリードしていかないと、市町村だなんていったって、なかなか進まないと思うんです。その辺のところはどうなんですか。
#50
○政府委員(市川一朗君) 基本的に、例えば今まで道路管理者が駐車場をみずからつくるということはなかったわけでございますが、今回の道路法の改正によりましてそういう道も開けてまいりました。
 当然道路管理者としての国の役割も出てまいるわけでございますが、そういったようなことが一つのきっかけにもなると思いますけれども、例えば神奈川県のお話でございますが、横浜市を初めそれぞれの市が責任を持ってそれぞれの市、それぞれの地区の駐車場整備はいかにあるべきかといったようなことにつきましてきめ細かな、しかも全員参加のコンセンサスの高い計画をつくっていくということが一番肝要でございまして、もちろん国が責任を免れるわけではございませんけれども、やはりそういう市レベルにおきます駐車場対策の取り組みを私どもがいろんな形で指導し、御協力申し上げていくということが極めて大事だという観点に立ちまして、今回の法改正につきましても概要的に御提案申し上げている次第でございます。
#51
○石渡清元君 よくわかるんですよね。ただ、強調したいことは、もっと運輸省とか交通機関の関係のあれに建設省からどんどん話したらどうか。例えば横浜市なんかの場合は、大きいビルが建つとき、ショッピングセンターなど建つときは事前に横浜市と県警と駐車場についての事前協議システムなんかとり始めていますので、そういったようなノウハウも市町村に示したり教えてやったり、あるいは他省庁、特に運輸の方にかなり積極的に建設省がリードしてやっていかないとなかなかこれは進まないんじゃないかということで申し上げたわけでございます。
 それともう一点、具体的にもう少し規制を緩和をしないと、駐車場立地がありませんのでなかなかできないだろう、進まないだろうと。そのために建築基準法の駐車場に対する容積率とか建ぺい率だとか、あるいはそういったような規制の緩和だとか、簡易駐車場というのを、あれは建築基準法で建築確認が必要なところと必要でない市町村があるとかということをちょっと聞いたことがあ
るんですけれども、そういったような民間の駐車場が整備されやすいようなもう少し具体的な案があればお示しをいただきたいと思います。
#52
○政府委員(立石真君) まず、容積率についてでございますが、建築基準法上は自動車車庫につきましては、容積率制限を計算するに当たりましてその建物の五分の一までは計算に算入しないというような緩和規定を設けているところでございまして、一般にはこの五分の一で十分であるというようには考えておるわけでございます。
 しかしながら、都市の中心部などで駐車場が不足している地域につきましては、市街地環境の整備改善に資する優良なプロジェクトに関して容積率の割り増しを行うという総合設計制度というのがございまして、この活用をしていきたいと考えております。一般に総合設計制度は、公共空地のような空地をつくった場合に容積率の割り増しを行うこととしてきたわけでございますが、昨年の十一月に、一定の駐車場の整備を行った場合には容積率の割り増しを行えるようにするというような基準の運用の方針を決めまして、各都道府県知事に対して指導をしているところでございます。
 次に、建ぺい率に関してでございますが、建ぺい率制限の趣旨と申しますのは、良好な市街地環境を確保するためにそれぞれの用途地域の目的に応じまして市街地内の空地を確保するという趣旨でございますので、これは自動車車庫であるという理由で建ぺい率制限を緩和することは困難であるというように考えております。
 さらに、用途規制でございます。住居系の用途地域につきましては、一定規模以上の自動車車庫の建築が規制されているところでございます。しかしながら、住居の環境を害するおそれがない場合には都道府県知事の許可によって建築を可能とするという措置がございまして、これを積極的に運用していきたいと考えて、昨年の十一月に自動車車庫に関する許可準則というのを定めまして、積極的活用を図っていきたいというように考えているところでございます。
 また、立体駐車場について、特に簡易の自動車車庫についての御質問でございますが、いわゆる一層二段の二層式自動車車庫というように考えておりますが、従来はこれについては建築確認が要るのか要らないのかどうも明確でない部分がございましたが、昨年の十一月に安全性等についての評価の指針を定めまして、建設大臣の三十八条認定という制度を活用して、安全性を確保しながら適切な整備ができるように取り扱い方を統一したところでございます。
 今後、住居地域におきまして駐車場の整備が進むように、建築行政の面からも対応していきたいと考えております。
#53
○石渡清元君 いずれにいたしましても、結局最後は道路整備に戻ってきちゃうわけでありますけれども、とにかく車は都市部じゃもう動産じゃなくて不動産じゃないかと言われている。ということは、車がとまった瞬間九平米占有しちゃうんですから。したがって、ぜひひとつ大臣に道路財源を大幅に確保するための御決意をお伺いして、質問を終わります。
#54
○国務大臣(大塚雄司君) 本格的な車社会になりまして、もう国民の皆さんの生活の一部にまでなった車でございますから、当然駐車場の整備等をすることも重要な課題でございます。御指摘のように、道路と駐車場の関係におきまして、これを整備するためにはいろいろな施策を講ずるわけでありますが、やはり道路の整備が非常に重要だという点では全く同感であります。四百三十兆円の公共投資の基本計画のスタートでもあり、道路の予算についても十分確保して皆様の御期待にこたえてまいりたいと存じます。
#55
○及川順郎君 先ほど提案理由の説明につきましては大臣からのお話で内容を承知しておりますけれども、今回の法改正によりまして、駐車場整備が現在の駐車場の需要供給の実態から推移してどの程度の効果をこの法律によって期待し実現しようとしているのか、その点からまず承りたいと思います。
#56
○政府委員(市川一朗君) いろんな考え方があるわけでございますが、まずデータ的には、平成元年度末で駐車場法対象の駐車場の数が自動車三十五台当たり一台となっております。これを今後五年後には三十台当たり一台まで引き上げたい、こういったような具体的な目標を掲げておるわけでございますが、基本的な考え方といたしましては、やはり先ほど来大臣も御答弁申し上げておりますように、駐車場問題は極めて重要かつ深刻な状況になってきておりますので、もろもろの都市問題、社会問題に深くかかわってまいっております。この問題に積極的に取り組むことによりましていわゆる駐車場問題の解決に邁進いたしたい、こういう基本的な考え方でございます。
#57
○及川順郎君 大変耳の痛い言い方ですけれども、この駐車場対策につきましてはやはり後追い行政の見本みたいなものだ、こういうぐあいに指摘する声が強いわけですね。先ほどもお話がございましたように、今まではどちらかというと民間任せ、こういう状況があったわけでございますが、今回の法改正の趣旨からいいますと、駐車場行政の中で行政的にやるべきもの、それから都市計画的にやるべきもの、それからその中で民間でやるべきもの、国、地方自治体でやるべきもの、これの整理をどのようになさっていたか、その基本的なことをまず承りたいと思います。
#58
○政府委員(市川一朗君) お答え申し上げます。
 今までの基本的考え方といたしましては、まず駐車需要の発生は基本的には事務所ビル等の建築物が主体であるという考え方に立ちまして、建築主によります附置義務駐車場の整備ということを駐車場法上は第一義的に考えてきたわけでございます。それから、一般公共駐車場につきましても整備主体の八割が民間でございますので、その民間駐車場の整備促進という観点から、公共側はそれに対する低利の融資を行うという形での助成策を中心に考えてまいっておりました。
 それに対しまして、今回御提案申し上げております法改正におきましては、駐車場整備を促進するために市町村に対しまして駐車場整備計画の策定を義務づけまして、その中で公共、民間双方の総合的かつ計画的な駐車場整備に関する計画を達成していただく、その計画の達成に関して地方公共団体の責務を明確化するということを掲げたわけでございます。一方、道路法も改正いたしまして、道路管理者みずからが駐車場を設置するということも可能なように御提案申し上げているわけでございまして、まず基本的にそういったような形で、地方公共団体を中心といたします公共側の駐車場に対する責務、それから積極的な取り組みといったようなことが今回位置づけられたというふうに私どもは思っておるところでございます。
 一方、民間の方々に対しましても、特に附置義務の駐車施設に関しましてこれまで以上にその義務づけを強化する必要があるという観点から、附置義務対象建築物の拡大あるいは対象地域の拡大等を図っておるところでございます。
 十分な御答弁になっておるかどうか、ちょっとあれでございますが、基本的にはそういったような整理をしておるところでございます。
#59
○及川順郎君 それでは、駐車場につきまして、駐車場法に定められている駐車場の概念と、それから道路法で定められている路上駐車の概念とがあるわけですけれども、この路上駐車の概念についてはどのように考えておられるか。この二つの路上駐車に関する部分を見ますと、駐車場法の五条と道路法の二条、これはちょっと矛盾があるのではないかという感じがいたしますが、この点の整合性についてはどのように御説明されますか。
#60
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘の駐車需要への対応として、私ども基本的には、先ほど都市局長から答弁いたしましたように、いわゆる民間による駐車場の整備をお願いしてまいりました。しかし、これは社会的ないろいろな制約から公共も積極的に一緒になって乗り出す、こういう形の今回の施策になったわけでございます。その場合にも、基本的には路外駐車場の整備、道路から外側で駐車場を整備していく、これが基本と考えて
おります。
 しかし、先ほども短時間駐車ということを申し上げましたが、駐車場の駐車の利用の形態から三十分以内が半分も路上駐車の中でございますして、あるいは荷物の積みおろし、こういうものもかなり多いという実態を見ますと、やはり路外駐車場だけではできないという認識を持ったところから今回の道路上での自動車駐車場、いわゆる路上駐車場の概念が生み出されたものでございます。
 したがって、これは道路上における、幹線道路における秩序ある駐車を誘導するということともに、安全で円滑な道路交通を確保するという目的を持って、車道と分離した構造で道路上に自動車駐車場というものを設置する、そういう性格のものでございますので、これは区画線等々で設けた従来の実態上に存在するものとは性格がおのずから変わって、いわゆる駐車場という概念の中での路上駐車場、こういうふうになっているわけでございます。
#61
○及川順郎君 私がお伺いしたいと思っておりますのは、駐車場法では路上駐車場は暫定的なものであって路外駐車場が整備され次第逐次廃止されていくという、説明の概要はこういうくだりになっておりますね。今回改正されます道路法では、路外駐車場のほかに恒久的なものとしての路上駐車場の概念が入っているように受けとめられるんですけれども、これを素直にそのまま受けとめますと、この二つの概念が路上駐車にあるように錯覚しているのか、受けとめ方がまずいのか、現実にこの二つの概念があるのか、この点の整理をどのようにされるか、伺いたいわけでございます。
#62
○政府委員(藤井治芳君) 改正後の駐車場法に基づく地方公共団体が設置するいわゆる路上駐車場、これは交通への支障が比較的少ない幹線道路以外の道路におきまして、車道に区画線を設けるという簡単な構造によって設置することにいたしております。そういう駐車場法に基づく路上駐車場も現実にございます。
 それに対して、今回私ども道路法において道路管理者が設置しようとする路上駐車場は、基本は路外駐車場ではございますが、それだけでは細やかな駐車帯サービスができない、いわゆる短時間駐車需要に対してできるだけ可能なところにおいては対応するようにということから、交通量の多い主に幹線道路において路上駐車が交通に支障を生じさせないという前提で道路の附属物として車道と分離した構造という形で設置するものでありまして、駐車場法に基づく路上駐車場と道路法に基づく路上駐車場とは設置場所、施設の構造等において異なるわけでございます。たまたま同じ路上駐車場といいますか、路上駐車施設という言葉を使うために非常にその間において誤解といいますか、紛らわしさを与えていることは事実でございます。しかし、根本的に二つは変わっておるんです。
#63
○及川順郎君 この概念が変わっているんですか。
#64
○政府委員(藤井治芳君) はい。
#65
○及川順郎君 それでいいですか。
#66
○政府委員(藤井治芳君) 駐車のために設けるという目的は同じでございます。目的は同じでございますが、構造が違う。したがって、駐車場法に基づく路上駐車場というのは、車道に区画線を設けるといったような簡単な構造によって設置いたしますから、究極的にはなるべく路外駐車場に変わっていく性格のもの、こういうのがその延長上にあるわけでございます。ところが、道路法上に基づく今回お願いしております路上駐車施設というのは、車道と完全に分離いたします。分離して構造をきちっとつくりますから、これは道路附属物としてきちっと位置づけますから、これは恒久的に残せる性格のものでございます。
 そういう意味で、いわゆる区画線でただつくるようなそういう簡易な構造でございませんので、そこで駐車に使うという目的は違いませんが、恒久的と暫定的といいますか、短期的、それから構造も分離したものと分離してないものということで、駐車場法と道路法とが基本的に違ってくるわけでございます。
#67
○及川順郎君 ますますこんがらがってきちゃったんですが、やはり路上駐車場という名前が同じでありますから、少なくとも素直に法律に基づきまして概念が違うようにとれる。今おっしゃるように違うというぐあいにおっしゃった状況で見ますと、法律の整合性からいうと、やはり混乱を生ずるもとになるのではないか。将来的にはこの概念は明確に整合性のある形で整備する必要があるのではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
#68
○政府委員(市川一朗君) ただいま先生から御指摘があった部分でございますけれども、先ほど来道路局長が御答弁申し上げております基本的立場でございますが、実は、御案内と思いますけれども、現行の駐車場法におきましては第五条第五項という規定がございまして、「路上駐車場管理者は、当該駐車場整備地区に関し、都市計画において定められた路外駐車場が整備されるに応じて、逐次路上駐車場を廃止するものとする。」という規定があるわけでございますが、今回の改正の御提案におきましてはこの辺の考え方も、誤解を生ずるといいますか、改める必要があるだろうというところから五項のような考え方は削除させていただくという提案をさせていただいているわけでございます。
 ただ、道路管理者が設置することになります道路上の自動車駐車場は、道路構造上走行路面と明確に区分した形態で設置するということになりますので、駐車場法で想定しております路上駐車場及び路外駐車場の考え方からすれば、路上駐車場というのは、車が走行するところにたまたま駐車するというものを路上駐車場という考え方で整理してございます。
 したがって、道路管理者が設置するいわゆる路上駐車場は、そういう意味においては路外駐車場と言った方が正しい概念なのではないかというような考え方がございまして、そういう観点からの御説明なり御答弁をしておるものでございますから、若干紛らわしいという御指摘を受けるのはやむを得ないところでございますけれども、しかしやはり機能的な意味におきまして道路上にただ駐車する路上駐車場と、道路上の中で形態上きちっと駐車場所を確定いたしまして、そこは通常は車が走行しない場所であるという意味におきまして、実質機能的には路外駐車場と分類してもおかしくないのではないかという考え方も一つの考え方として御理解いただきたいと思うところでございます。
#69
○及川順郎君 やっぱりそれは無理がありますよ、今の説明では路上というこの概念はもう一致しているわけですから。車が通らないということは、路上である以上はそれは規定できないと思うんですね。ですから、これは将来的にひとつ考え直していただきたいと思っております。
 それで、この駐車場の需要供給の状況からこの地域性を考えますと、一つは駅周辺、これが非常に駐車場の需要の多い地域である。それから商業地、事務事業地域、こういうものが路上における荷さばき等を含めて非常に重要視されている重要な駐車場問題の大きなテーマになっている地域なんですね。特に、私が問題意識を持っておりますのは、百貨店とか商業活動のところは、これはお客様に対する状況がありますから、やはり必要に迫られて一生懸命駐車場設置を考えてきている。中小商店街のところは、この一区画において幾つかの商店街でもってこれはぜひこの地域においては駐車場が欲しい、こういうことを取り組んでいる形態が見えるわけですけれども、JR等の駅に車で来てその駅の近くへなるべくとめたい、自転車を放置して電車に乗るという人が物すごく多いということが非常に社会的に問題になっておりますけれども、だんだんその傾向が車にも出だしてきているという状況があるわけです。
 この点について、特に運輸省と打ち合わせをしながらJRに対して、あるいはまたJRだけじゃなくて鉄道交通機関に対して、この点の総合的な駐車場の設置推進について具体的なお話し合いを
されていればその経緯、そして今後の方向等について承っておきたいと思いますが、いかがでしょうか、建設省としまして。
#70
○政府委員(藤井治芳君) 私ども各交通機関の関係者と、例えば地方建設局単位で、あるいはそれぞれの県には私ども建設省は工事事務所というのを持っておりますが、その工事事務所が各県あるいは各市、市町村、それからその主要な駅の関係者あるいは当然のことながら公安委員会、こういう方々と交通の関係の協議会を従来から持っております。
 そういう場合に、この駅前広場の対応等々についても当然その議題の協議のテーマでございまして、例えばその一例を申し上げますと、東関東自動車道とJR京葉線の新習志野駅の間でロード・アンド・レール事業を検討いたしております。そして、千葉県、千葉市、習志野市、千葉県バス協会等々と一緒になった協議会を設けまして、当然私どももその関係者として入っておりますが、そこで事業主体、費用負担あるいはその整備の仕方等々について検討をしております。こういったことをそのケース・バイ・ケースによってやっておりまして、場合によっては駅前の再開発事業がその議題の対象になる場合もありますし、鉄道立体交差事業がその議題の対象になる場合もございます。
 いずれにいたしましても、そういうことをそれぞれの拠点ごとに、交通結節点ごとに従来からやらせていただいておりますが、またこれの工夫は、先生御指摘のようにうまくやらなきゃいけませんので、今後とも十分そういう先生の御指摘を踏まえてやってまいりたいと思います。
#71
○及川順郎君 駅周辺の市街地再開発というのは非常に重要なテーマで、これはまた自治体とのかかわりになってまいりますので、ぜひこの点は建設省としても現場の実態をよく踏まえて処置をしていただきたいと思っております。これはぜひ強く要請をしておきたいと思います。
 それから、もう一つは駐車場の情報ですけれども、もう既に町筋によりましては電光掲示板方式による駐車場の情報を知らせるシステムを導入しているような状況がございます。そういう意味で、地方自治体の情報活動についての施設設置に対する国の助成はひとつぜひこれから力点を置いていただきたい、このように考えます。
 それからもう一点、昨年七月から改正されました車庫法ですね、この施行によりまして、一番問題なのは車庫なし自動車の青空駐車場が大幅に規制されましたですね。これがどういう影響が出てきておりますかというと、地域のマイカーを持っている車庫なし住宅に対して抜本的に考え直さなければならぬ状況が生まれつつある。で、行政後追いと言われないためにも、マイカーを持つこの住宅地域に対する駐車場のあり方というものが、今回の法改正と連動して、これが改正の効果、期待性がどのぐらい持てるものか、この点をまあ承りたい、このように思うわけです。
 大臣、ひとつまとめて概括的で結構でございますから、特に地方自治体に対する、今三点申し上げましたことを踏まえまして、地方自治体と建設省のこれからの取り組みについてお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#72
○国務大臣(大塚雄司君) 今回の改正のやはり基本的なものは、車社会が到来し、駐車場の整備につきまして国、地方公共団体が総合的、計画的に駐車場を整備するという責務を持つということになるわけでございまして、その一連のものとして都市計画で駐車場整備地区を定めまして、市町村に責任を持たせて、それに対して都道府県やあるいは道路管理者、その他公安委員会等も加わりまして整備を進めていこう、こういうことでございます。
 三十五台に一台を三十台に一台という目標を一応は定めましたけれども、地価が高騰し、なかなか難しい問題もございますけれども、特に駅周辺の問題についてはJRや運輸省の協力もいただかなければならぬと思いますし、御指摘のようにいわゆる商店街の再開発におきましても諸法制を駆使しまして駐車場の整備をしなければならないと思います。ともかくもう車が身近なものになったという認識からすると、国も地方公共団体もやらなければいけませんが、ユーザーの方も、今特にマイカーの青空駐車のお話がございましたけれども、まあ本当に不法駐車というよりはもう無法というような実態、適切な言葉でないかもしれませんけれども、これをともかく一刻も早く解消するというところに持っていくために、地方公共団体を中心に今回こういうことを私がお願いをしたわけでございます。
 最近、都心の例でありますが、地下駐車場あるいは路下の駐車場につきましても、麻布というところの商店街に区の方で地元と関係団体の第三セクターをつくりまして、たまたま地下鉄の駅で道路を掘るものですから、これを埋め戻ししないで、地下鉄の駅が大変深いものですから、その間を利用して駐車場をつくろうというような計画も今進んでおります。
 そういうふうにいろいろ公共事業もこれから進めてまいりますので、必ず駐車場の整備をするということを念頭に置いて進めていくような官民一体の体制をつくって御期待に沿ってまいりたい、このように思っております。
#73
○上田耕一郎君 駐車場不足が大きな社会問題になっている現状で、駐車場の附置義務の強化とあわせて道路事業としても、沿道利用型の駐車場を整備する今度の法案改正は積極的な意味を持っていると私たちも思うんです。
 まず、整備目標についてお伺いしたいんですが、先ほど石渡議員の質問に対して都市局長が、ちょっと数字の聞き間違いもあるかもしれませんが、現在駐車場法に基づく駐車場が百五十九万台分ある、三十五台について一台分だ、目標としては今後五年間に自動車三十台当たりに一台の駐車場をつくる目標だ、そう答弁されたようですけれども、そうしますと、これはちょっと計算してみると五年間に二十五、六万台になるんではないかと思うんです。
 建設省は、昨年駐車場整備緊急実行計画をまとめて、三年間に百五十四カ所、五万一千五百台分増設することを決めた。これは第十次道路整備五カ年計画の三万台分の建設目標を大幅に修正したものだという報道がありましたけれども、今度の法改正で新たに路上駐車場、路外駐車場などを整備するということになると、その目標以上に整備目標をふやしていく、例えば一年間五万台ぐらいの目標で進めていく、そういう計画なのでしょうか、お伺いします。
#74
○政府委員(市川一朗君) 駐車場の需要というものを見ました場合に、まず基本的には車庫がわりの駐車というのがあるわけでございますが、それは除きまして、目的地での駐車需要というものが何台あるかということから駐車場トータルとしてどれぐらいあって、そのうち駐車場法に基づく駐車場は百五十九万台分、かなりブレークダウンした数字を申し上げておるということをまず御理解いただきたいと思います。
 そういったような観点から、三十五台当たり一台分を五年後には三十台当たり一台分程度の水準に引き上げたいという中にはその間における自動車保有台数の伸びも見ておりますので、私どもとしては数字の上では百五十九万台の台数が二百数十万台程度までいかなければこのような水準の達成にはならない、そういうふうに考えているところでございます。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
#75
○上田耕一郎君 そうすると、例えばこの法改正によってできる路上駐車場、それは五年間に大体どのぐらいの目標を持っているんですか。
#76
○政府委員(藤井治芳君) 路上駐車場につきましては、現実の問題といたしまして地域の状況によっていろいろと変わってまいります。そこで、具体的にどういうところにつくるかと申し上げますと、市街地内の多車線の道路が当然対象になろうかと思います。沿道に商業とか業務施設が立地している区間等で需要が大きい、しかも車線数も多い、また路肩や車線の幅とか中央帯などが余裕が
ある、こういうようなところでないとなかなかこういうものはつくりにくいかと思っております。そういうところにおいて十分な歩行者空間を確保するという前提でやってまいるわけでございますが、これは全国的にまだ十分調査を全数に至っているわけじゃございませんが、私どもは、当面まず一般国道の指定区間の中からモデル的な箇所を選定いたしまして、そしてこの路上駐車施設による効果とか影響を把握するための試験的な事業を実施させていただきたい。
 なぜ一般国道の指定区間にするかといいますと、地方の都市においては目抜きの通りがほとんど指定区間でございます。国道一号が静岡の真ん中を通るように大体指定区間が中心市街地を通りますので、それをまずモデル区間に選ばせていただきます。平成三年度は約十カ所程度を候補に挙げて、そこでいろんなケースのチェックをしてみたい。当然不満も出るでしょうし、もっと欲も出ると思いますので、そういうことをやらせていただきたい。その上で、整備目標につきましては、幹線道路の道路条件とか路上駐車需要の動向とかいろんなことがありますし、何よりも地元の関係機関や地元の合意ということがございますので、そういうことを地域ごとに検討した上である程度の整備目標を立てさせていただきたいと思っております。
 いわゆる路外駐車場と違いまして、路上駐車場は初めてこれからやることですので、非常に目標を数字的に挙げにくい性格のものでございます。したがって、まず試験的に試行的にやりながらやらせていただく。特に、歩行者空間を確保するということが前提なものですから、非常にこれから各地で汗をかくことになろうかと思いますが、そういうことでやらせていただきたいと思っております。
#77
○上田耕一郎君 今歩行者空間を確保すると言われてこれは非常に大事だと思うんですけれども、歩道を削ることが問題になるわけです。
 例えばことしの三月十日の朝日新聞には、「歩道削り公営駐車場 建設省が法改正案提出」として、見出しは「歩道削り」になっているんですね。新聞報道だけでなく、こういう発言が、建設省道路局の藤川企画課長の大きな記事が昨年の五月十九日の読売新聞に載っているんです。「駐車帯は、渋滞や事故の原因になりやすい幹線道路に設ける。停車帯や植樹帯などを利用、基本的には歩道に切り込むような形で、あくまでも車線の走行機能を保っていくつもりだ」と。「基本的には歩道に切り込むような形で」と述べているわけですね。
 建設省からいただいた今度の法案の解説資料には歩道に切り込んだ図が載っていて、これは後から訂正の説明もありましたけれども、衆議院でも歩道はなるべく削らないようにしたいという答弁があったようなんですが、整備目標の数字はまだ決まっていないと言われていたけれども、新しい手法として路上駐車場ができて、つまり歩道を削るのかどうかということは、これは車の問題で、駐車の問題とそれから人命の安全の問題と厳しい問題が出ると思うんですが、ここの考え方について、藤川企画課長が新聞紙上で述べておられるだけに、はっきりした態度をお示しいただきたいと思います。
#78
○政府委員(藤井治芳君) 当時企画課長が発言した内容は、その意味においては正しい部分を持っております。
 ここで正確に私が御説明をさせていただきたいと思いますが、基本的に私どもはこの法案を出すまでの間いろんな議論をいたしました。当時やはり歩道を削らないと現実にできないんじゃないか、こういう議論も当然のことながらありました。そこで、いろいろなことを考えまして、私ども最終的に法案提出するまでの間で、現時点で基本的に車線の幅員とか中央分離帯の幅員といったようなものを削減することによってスペースを生み出すのであって、歩行者空間というものを削るということを前提には考えない、こういうことでございます。しかし、前後がある程度来ていましてある区間だけどうにか歩道を削ればうまくつながるというような個々のケースもあろうかと思います。
 それからもう一つは、歩道は、歩道の幅を見ましたときに、私ども基本的には三・五メートルとかいうような歩道幅員を基本に考えております。たまさか七メートルとか幅が広い、そのために現在はグリーンをそういうかなり広いところは使っているような箇所もないわけじゃございません。そういう意味で、箇所によっては歩道を物理的に削る、歩道の機能を例えば手押し車が歩けないような状態にするまで削るというようなそういう意味じゃなくて、歩行者空間はきちっと確保するけれども、たまさか歩道を物理的に削っても支障のないようなところもあるというようなことを含めまして、歩道を削ることもあり得るんでしょうけれども、それが目的ではないわけですから、あくまでも私どもは歩行者空間を確保する。しかも、それは地元におけるいろんな方々の合意形成が前提でございます。そういう中で皆さん方があそこはいいよ、こういうことになれば歩道を一部提供していただくこともあり得るだろう、こういうことでございます。
 だから、歩道を削って積極的にやる、こういう姿勢では全くございません。しかし、全くないかと言えば、それはケース・バイ・ケースによって地元の合意によってあることはあるんじゃないか。たまたまそこが削ることによってつながるので、みんながそれを望むのであればそれは私ども受けたい、こういうふうに思っております。
#79
○上田耕一郎君 地元の合意が一番大切だと思うのでそれを強く要望しておきたいと思います。
 それから次に、環境問題ですが、今回の改正で駐車場整備地区の対象区域が広がって準工業地域、住居地域、その周辺地域が追加されました。追加地域の商業業務系の特別用途地区になっているところだけという限定はあるんですけれども、この住居地域というのはもともと主として住居の環境を保護するために定める区域ということになっておりますし、準工業地域にもマンションなどがふえております。しかも、その周辺地域ということになりますと、一種住専まで入ることもあり得るかもしれないわけで、そうしますと、この駐車場整備地区が指定されてここに駐車場が建設されていくと、住居環境の悪化と環境問題も当然懸念されてくると思うんですね。
 こういう問題が起きるのは日本の都市計画制度そのものにいろんな問題があるかもしれないんだけれども、このような地域に今後駐車場整備を積極的に進めていくとなると、この環境対策の問題も特別の対策を考慮する必要が生まれてくるのじゃないかと思いますけれども、態度をお伺いしたいと思います。
#80
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、駐車場整備地区を定める対象地域の拡大も図っておるところでございますが、御質問の中にもお触れになりましたように、住居地域及び準工業地域につきましても、特別用途地区として都市計画上位置づけられた地区に限っておるわけでございます。もちろん周辺地区の問題もございますが、いずれにいたしましてもこの駐車場整備地区は市町村の定める都市計画で決めるものでございまして、都市計画の決定手続の中には関係権利者の意見の聴取とか、最終的には都市計画地方審議会の審議も経るという過程も踏むわけでございますので、当然のことながら周辺の環境との関係も十分配慮して行われるものと、またそうあるべきであるというふうに私どもも考えておるところでございます。
#81
○上田耕一郎君 もう余り時間もございませんけれども、昨年十一月に建設省は、自動車車庫に関する許可準則を通達されました。建築基準法で建築できないことになっているものについても特例的に特定行政庁が許可できる基準を定めたわけですけれども、この特定行政庁というのが建築確認できるものなんだか、例えば東京で言うと、二十三区と私の住んでいる三多摩では町田市、八王子市だけなんですね。そうすると、この特定行政庁
でないところでは東京都が特例許可をすると、今度の通達でかなり緩和されたわけですね。そういう場合、この市町村と特に意見をよく聞いて進めていただきたいということで強い要望が生まれてくると思うんですけれども、この点で建設省の態度をお伺いしたいと思います。
#82
○政府委員(立石真君) 住居系地域におきましては、先ほど御答弁いたしましたが、一定規模以上の自動車車庫の建築が制限されているわけでございますが、その環境を害するおそれがない場合には許可により建築が可能となるという制度があるわけでございます。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
 今回の基本的な考え方としては、住宅地における自動車車庫の整備促進の必要性ということにかんがみまして、例えばマンション等の一つの建築物に附属して整備をしなければならない、整備の必要となる車庫につきましては、これまで一階以下というように非常に限定されていたものも、二種住専あるいは住居地域については例えば立体的なものも認める、あるいはこれまで独立の自動車車庫につきましては五十平米以下というように非常に限定されておったわけでございますが、周辺の住民が共同でつくる駐車場であるならばある程度三百平米ないし千五百平米以下のものについて認めることができるようにするとか、そういうような一定の標準をつくったところでございます。
 こういうようなものを許可するに当たりましては、当然周辺への影響ということを考えて特定行政庁が許可をするわけでございますので、周辺の住民の意見あるいは特に市町村の意見等地元調整については当然十分に図っていかなければならないというように考えているところでございます。
#83
○上田耕一郎君 終わります。
#84
○新坂一雄君 今回の法律は駐車場対策一歩前進ということで評価しているわけでございますが、最初に若干この駐車場に対する考え方を少しやりとりしてみたいなというふうに思っています。
 先ほど及川議員の方から駐車場対策がちょっと後手後手の対策の嫌いがあるという御指摘ございましたけれども、一つは、この法律を出すに当たってワンスパンを十年と見まして、今後西暦二〇〇〇年の段階で、特に東京、大阪などの都心に車が入ってくる、平たい言葉で言うと、台数それからそれに対してどのくらい駐車場を必要とするかという全体計画があって、そしてそれに向かって一歩を進めていきたいんだという立場の考え方なのか、あるいはもうその計画はあるけれども、現実にやっても追いつかないということであれば、今後都心に入ってくる車の規制策を考えていく段階ではないかという考えを私は持っておるんですけれども、その資料と考え方について、まず最初の答弁願いたいと思います。
#85
○政府委員(市川一朗君) 駐車場整備の基本的な考え方でございますけれども、ただいま御指摘ございましたように、現在の状況から見ますと、東京、大阪を中心といたしまして、特に大都市地域を中心とした都市におきましては、やはり駐車場の絶対的不足といったものを私ども痛感しておるわけでございます。
 先ほど来、今後五年間の目標等をるる申し上げているわけでございますが、もう少し長期的な視点に立ってどのような予測を持っておるかということにつきましては、ある程度の予測として今後の自動車保有台数の増加傾向、その他のデータも持っているわけでございますけれども、基本的には、先ほど来御答弁申し上げておりますように、保有台数何十台当たりに対して一台というような整備水準をできるだけ高めていくというところから現在の目標を設定しているわけでございます。
 こういったような整備計画等によりまして、今後果たして明るい見通しが持てるのかどうかといったような観点につきましては、私どもはまず基本的に必要なところで駐車場を整備していくという意味合いにおきまして、一つには商店街等の中心市街地、それからもう一つには駅周辺等の交通結節点等におきまして特に重点的に駐車場を整備していく必要があると思いますが、それと同時に、そういう整備されました駐車場がかなりそれぞれの駐車場の目的別に種類が異なってございますので、それを総合的に有効に活用することによりましてかなりの確度で駐車場の実質的な容量をふやすことが可能になるという考え方も持っているわけでございます。
 それから、基本的に駐車場を整備するのも結構だが、そうなると車がますます都心部に入ってきて非常にゆゆしき事態が生じないかという問題指摘もつとにあるわけでございまして、そういったような観点からパーク・アンド・ライド方式、その他の他の大量交通輸送機関との関連におきます交通体系の中での駐車場問題へのアプローチといったようなことも考えなければならないということでございまして、先生の御指摘に長々と答えてしまいましたけれども、端的に言いますならば、やはり私どもはことしを一つの原点としてこれから一生懸命駐車場問題に取り組んでまいりたい、こういう考え方でございます。
#86
○新坂一雄君 一歩前進というのは大前提で評価しているわけですが、基本的なフレームワークの中で対策を講じて一生懸命頑張ってもらいたい、こういう意味でございます。
 警察庁の方ですが、山田議員もおられますけれども、特に大阪の場合の五・十払いというような特異日に限って非常に渋滞がひどい日、そのときの駐車場たるや、平たく言えば違法駐車というのが非常に多く見られるのですが、この規制策について対策を講じる考えはないかどうか。例えばソウルのオリンピックのときに、いわゆる偶数日、奇数日ということで、偶数日は偶数番号、奇数日は奇数番号というナンバープレートで都心に入れるということを実施したことがございますけれども、もちろんそれは画一的に全部そうだというんじゃなくて、それにはいろいろな条件を決めなくちゃいけないんですけれども、何かそういう対策を今すぐでなくても将来講ずるような時期に来ているんじゃないかというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
#87
○説明員(島田尚武君) 一定の地域内に流入する車を警察力で抑える、こういったアプローチの仕方についてはいろいろな試みがなされているようでありますけれども、各国の例を聞いても必ずしも十分な成功は見ていないというふうにお聞きをしております。基本的に人や物の流れから生ずる車の走行需要そのものをそのままにしておいて、物理的にそれを途中で、例えば血の流れであれば血管を途中で横から絞るというふうな形のものについては、短期的には可能かもしれませんが、長期的には大変なかなか難しいのではないか。
 例えば今回のゴルバチョフ訪日あるいは即位の礼、こういった際には私ども交通情報をフルに国民の皆さんに提供して短期間我慢をいただくわけでありますけれども、その場合には交通管制センター等の力をフル動員して行うわけでありますが、基本的にはやはり都市機能の分散であるとかあるいは道路、鉄道の今いろいろ御議論ありましたような結節点における施設の整備であるとか、こういった観点から臨むことが長期的には成功への道ではないかというふうに考えております。
#88
○新坂一雄君 これは一警察庁という縦割りのセクションじゃなくて、総合的に図っていかなくちゃいけないものでございまして、これは横の方で一つのプロジェクト的なものをつくって推進していかなくちゃいけないテーマだと思っています。
 大臣に伺いますが、こういう考え方、今のお話ですと、あるところで血管を絞ってしまってというのは無理が生じるのではないかということでございますが、VIPなんかで規制はそれなりに特別だということでございますけれども、何か策がないと、一歩前進であるけれどもこれは万全の対策ではないということから見ると、都民の立場からどういうふうに考えておられるか、お聞きしたい。
#89
○国務大臣(大塚雄司君) 自動車の増加量というのは近年物すごい量でございまして、東京都二十三区内のいわゆる一日の交通量は約七百五十万トリップでございまして、そのうち外から入って外
へ出ていく通過交通というのは三%程度、むしろ中で動く車が大変に多く、その比率が七五%で五百六十万トリップということでありますので、ともかく交通規制をして車が流入するのをとめるという措置は余り効果がもうないわけでありまして、むしろその中で駐車場をどう確保するか、また道路をどう整備していくかという方に力点を置かなければならないのではないだろうか。
 外国の例で偶数日、奇数日というお話もございました。これは光化学スモッグ等があっていわゆる公害の時代にも話題になったわけでありますが、これだけの経済力を持っている国でございますから、確かに奇数は奇数で走ってくださる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、また逆に言えば、奇数と偶数の両方の車を持とうなんというような方も恐らく出てくるのではないか。
 そういうようなことも考えますと、的確な対症療法はなかなか見当たりませんが、着実に駐車場を整備しながら、また道路の整備をしながら国民の皆様の御協力をいただきながら対処をするということに帰するのではなかろうか、その一環としての今回の法案の改正案であるというふうに御認識をいただきたいと思います。
#90
○新坂一雄君 いろんな工夫をされて駐車場をつくっていくということですが、基本的には非常に土地の高いところに無理してつくる。それで、先ほどの論議を聞いていますと、要するに車道を一車線削るか歩道に組み込むか、どちらにしてもスペースが限られているところに駐車場つくるということでどこかに無理が生じること、これは基本的なことでございまして、どう工夫してもどちらかにしわ寄せいくのは基本的に当たり前の話でございます。
 一つここで指摘しておきたいのは、団地内の青空駐車場対策なんですけれども、いわゆる公営住宅の駐車場義務づけ率というのがかなり低いんじゃないかという気がするんですが、この点についてもう少し駐車場を義務的につけるということが必要ではないかというふうに思うんですけれども、いかがでございますか。
#91
○政府委員(立石真君) 公営、公団団地の駐車場の現在の設置状況でございますが、これまでのストックを対象とした統計によりますと、都道府県営住宅では約三〇%、公団賃貸住宅では約二五%程度になっている状況でございます。しかしながら、この数値は、各事業主体によりまして、例えば公共交通機関の整備状況とか大都市と地方の差とか、あるいはまた緑地、子供の遊び場の確保などいろいろな条件によって変わってくるところでございますが、全体として駐車場需要にこたえ切っていないというように私たちも考えているところでございます。
 最近設置する公的な団地につきましては、全国平均では公営住宅団地では七〇%ぐらいまで、そして公団住宅でも六〇%ぐらいまでを目標としているわけでございますけれども、大都市地域、例えば東京都等におきましてはやはりなかなか条件が厳しく、平成二年度の都営住宅では一般地域では一五ないし三〇%程度、それから多摩ニュータウンのような郊外地では五〇%程度というのが設置されている状況というように承知しているところでございます。
 こういうような状況ではございますが、国として公的な住宅団地にさらに駐車場を整備し、設置率を高めていきたいという考え方から、公営住宅の設置に関連しましては平成三年度の予算で国の補助制度を創設してこれまでより高率の設置率を確保すべく援助していきたいと考えているところでございます。
#92
○新坂一雄君 いずれにしても、設置義務づけ率が非常に低いということは一致しているわけなんで、これは法律なり条例によって高めていかざるを得ないというふうに思っておりますが、その点は今後そういうふうにしていただきたいというふうに思っています。
 それからもう一つは、いろいろな駐車場をつけるんですけれども、非常に無理が生じていわゆる安全対策ということを忘れがちじゃないかというふうな気がいたします。例えば、地下駐車場の防災対策はどうかとかあるいは簡易駐車場、いわゆる体で言うと肋骨が見えるような、覆いがなくて、ただクレーンで上げているような形のもので、滑って災害を起こすとかというようなことが非常に懸念されるのでございますが、これは最後の質問ですが、今までの実態はどうか、それをお答えいただいて質問を終わります。
#93
○政府委員(立石真君) 駐車場についてでございますが、まず地下の駐車場あるいは立体的な駐車場につきましては最近いろいろな型式のものが登場してきているところでございます。特に、先生の御指摘の簡易駐車場、肋骨の出ているようなものといいますのは、私たちは自走式の自動車車庫というように認識しているわけでございますが、これらについては現在全国で三千カ所程度まで設置されているところでございますけれども、特段の事故の発生については報告は受けていない段階でございます。
#94
○新坂一雄君 一件もないということですか。
#95
○政府委員(立石真君) 事故の発生については報告を受けておりません。
 そこで、昨年の十一月に、先ほど申し上げましたところですが、安全性を考慮しながらこれらを認める、かつこの型式に応じた安全性の確保基準を設けたわけでございますが、こういうものを通じまして今後とも安全性確保に努めながら整備を進めていきたいというように考えております。
#96
○新坂一雄君 地下は。
#97
○政府委員(市川一朗君) 地下駐車場の事故の実態等につきましては、今手元に資料がございませんけれども、私どもが理解しているところでは、地下駐車場に関しましてはかなり万全の防災安全対策が施されておるわけでございまして、今後ともこの防災対策を徹底するよう指導していくことによりまして事故等が生じないように対応していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#98
○新坂一雄君 終わります。
#99
○山田勇君 車社会、いわゆるモータリゼーションが進展するにつれ、交通渋滞、交通事故、また環境問題など、社会経済上にさまざまな矛盾が発生しています。何と申しましても、交通事故による死者の数が一万一千二百二十七人と、平成元年よりさらに一・三%増加するという最悪の事態は深刻であります。また、自動車の保有台数は平成元年三月末で三輪以上の車が五千二百万台に達し、大都市圏や地方の中核都市では恒常的に交通渋滞、路上駐車が発生しています。こういった状況の中で、道路は多極分散型国土の形成と地域社会の活性化のため、今後とも高規格幹線道路を初め国民の多様なニーズに適合した道路の整備が必要だと思います。
 そこで、質問に移りますが、現在都市部の幹線道路の三分の二が交通渋滞に悩まされていると聞いていますが、その結果交通のピーク時の運行速度は一般国道で時速三十七・五キロ、人口集中地域では時速二十三・二キロメートルとなり、運転者は相当にいらいらしながら運転しているということになります。
 国民の要望は道路の整備向上にあると思いますが、渋滞解消について今後どのように対処しようとしているのか、建設省にお伺いをしておきます。
#100
○政府委員(藤井治芳君) 特に交通渋滞が都市部において極めて大きな問題を投げかけていることは、私ども非常に深刻に受けとめております。これは社会生活のパターンの変化とか、いろんなものがあろうかと思います。スーパーマーケットに一日に三回も四回も物を運ぶような、そういうパターンがあればますます車はふえてくるわけでございますが、先ほど大臣がお話しございましたように、例えば東京二十三区でいいますと、東京と関係ない車が約三%、東京に出入りする車が二二、三%、この車をもっとうまく誘導すれば少なくとも中だけで動く七五%の車とは無関係に対策を立てることができる。
 こういうような実態がございますので、いわゆる抜本的対策といたしまして、環状道路といったような幹線道路、こういった自動車専用道路ある
いは交差点を連続的に立体化するといったような質の高い道路をつくりまして、平面の道路から車をそこに集中させる。そして、その環境対策をきちっとする。こういうような形の一般道路の負荷を軽減させるような施策をしながら全体として交通の配分を考えていくということが大事だとは思います。しかし、これには時間がかかります。環七もああいうふうに連続立体になったのはかなりの時間がかかったわけでございます。
 そこで、一般的には右折レーンをつくるとか、単独にある交差点だけは特に立体化をする。都市高速道路の早く渋滞するところを下におろすためのオフランプをつくる。あるいは今回何分でというようなことも首都高速はやりましたが、ああいったようなきめ細かな情報提供をする。こういうこともありますし、あるいは一方、今回の駐車場問題からの路上駐車をなるべく少なくする。肝心なところはなるべく早く少なくすることによって部分における渋滞だけは解消していく。こういうようないろんなものをやらせていただきたいと思っておりまして、そういうものを計画的に地域やみんなで分担し合うという意味で、渋滞対策緊急実行計画を六十三年から発足させ、さらに全国的にこれも展開させていただいているところでございます。これもそろそろもう一度フォローアップをして、いろいろな先生方の御指摘を踏まえながら一層内容が充実するように対応してまいりたいと思っております。
 よろしく御指導いただきたいと思います。
#101
○山田勇君 建設省さん、道路を遮へいするでしょう、騒音対策で。あれはもう全然外が見えないでしょう。あれをちょっとの間隔でもいい、透明度があるとかなり運転している者はいらいらが解消できると思うんですね。あの点ちょっと工夫していただきたいですね。全部が全部透明にするとまた問題があるかもわかりませんが、ちょっと間隔を置いて、いらいらしながらも時々ちらちらと外が見えるというのはわりかたほっとするところがあるんです。今全部閉鎖的になってしまって、大変だと思いますがひとつその辺も工夫していただきたいと思います。
 警察庁の方にお見えいただいておりますが、近年違法駐車が大きな社会問題になっていますが、ドライバーの立場で考えた場合、やむにやまれず違法駐車する場合と、駐車場が近くにあるが面倒だからといって違法駐車する場合などがあると思います。これは悪意、善意という分け方は適当ではないのかもわかりませんが、違法駐車の取り締まりの基準はどうなっていますか、その点をお尋ねします。
#102
○説明員(人見信男君) お答えいたします。
 私どもも駐車違反の取り締まりに当たりましては、公平な取り締まり、納得のいく取り締まりということに心がけておりまして、機械的にすべての違反を取り締まるのではなくて、例えばバスレーンにおける取り締まりとかあるいは二重駐車とか、あるいは交通量の多い交差点における取り締まり、駐車違反など、悪質性あるいは危険性、迷惑性の高い駐車違反に重点を置いた取り締まりをするよう指導しておるところでございます。
#103
○山田勇君 先ほど新坂先生がおっしゃったとおりでございまして、大阪は非常にそういう点ではマナーが悪うございます。もう御堂筋といいましょうか、メーンストリートを夜中に行ったら四重、五重で、四重、五重というと一般の車は一台通れるか通れぬぐらいのところを運行しているということです。
 先日、右翼の方が、何を思いましたか、大きなバスを持ってきまして、違法駐車はだめだ、そこをすぐ立ち退けと言ったらクモの子散らすように御堂筋がきれいになった。これは大阪でニュースにもなったんです。それで、おまえたちは駐車違反だと言いながら、持ってきたのは大きなバスでございます。それが時々とまりよる。おまえが駐車違反や言うて、思わず突っ込みたくなるようなユーモラスなこともあったんですが、これはひどいものでございます。
 大阪市は、御承知のとおり、扇町プールの下だとか地下駐車に今一生懸命力を入れて市の行政の方でやっております。格段のまた御協力をいただきたいと思います。
 質問を終わります。
#104
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#106
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚建設大臣。
#108
○国務大臣(大塚雄司君) 道路法及び駐車場法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすように努めてまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#109
○委員長(矢田部理君) 午後三時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十二分休憩
     ─────・─────
   午後三時開会
#110
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大塚建設大臣。
#111
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま議題となりました河川法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 背後地に人口及び資産が集積した大河川の堤防が計画の規模を上回る洪水により一たび破堤した場合には、その被害は極めて甚大なものとなりますことから、これらの河川におきましては、従来より、堤体上で土地が通常の利用に供されても計画高水流量を超える流量の洪水の作用に対して耐えることができる高規格堤防の整備を推進しているところであります。
 しかしながら、現在、高規格堤防の敷地である土地の区域のうち通常の利用に供することができる土地の区域につきましても、すべての工作物の新築等について河川管理者の許可を要するとする厳しい規制がかかっておりますことから、その規制の緩和が要請されているところであります。
 この法律案は、このような現状にかんがみ、高規格堤防の整備の円滑な推進を図るため、高規格堤防に係る一定の区域における工作物の新築等に対する規制の緩和等を行おうとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、河川管理者は、高規格堤防については、その敷地である土地の区域のうち通常の利用に供することができる土地の区域を高規格堤防特
別区域として指定するものとすることとしております。
 第二に、高規格堤防特別区域内の土地においては、一定の工作物の新築等の行為については、河川管理者の許可を受けることを要しないものとするとともに、河川管理者は、許可の申請に係る行為が高規格堤防としての効用を確保する上で支障を及ぼすおそれのあるものでない限り、これを許可しなければならないものとすることとしております。
 第三に、河川管理者は、高規格堤防特別区域内における高規格堤防の部分が損傷し、河川管理上著しい支障が生ずると認められる場合においては、他人の土地において、高規格堤防を原状に回復する措置等をとることができることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#112
○委員長(矢田部理君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#113
○西野康雄君 スーパー堤防の幅やその距離から考えますと、広大な土地の造成であるというふうに考えますが、単に治水の視点からこの問題をとらえるのではなく、都市問題、住宅問題、そういったものへの対応を考えた総合的な都市開発として位置づける必要があるかと思いますが、このスーパー堤防について建設省としてはどのような位置づけを行い、今後どういう手法でこの広大な土地を開発していくのか、まず大臣の所見からお伺いをしたいと思います。
#114
○国務大臣(大塚雄司君) 高規格堤防の整備は、お話しのとおり治水対策として盛り土を行い堤防を整備することを目的とはいたしておりますけれども、その整備に当たりましては、治水対策とあわせまして、良好な市街地を形成し、事業の円滑な推進の観点から、都市計画との整合性を図りながら、可能な限り土地区画整理事業等の市街地整備と一体的に実施するなど、総合的な都市開発として進めることが重要であると認識をいたしております。
 このために、河川管理者や地元の自治体、都市計画関係部局、あるいは関連する公共施設担当部局等から成ります沿川整備のための協議会などを設けまして、総合的な整備が図れるように対処をしてまいりたいと考えております。
#115
○西野康雄君 スーパー堤防は新たな町づくりである、こう思うわけで、その付近に住んでいる人たちの合意を形成しながら住民本位の町づくりをしなければならないと思います。
 今までに完成したところではどういう住民合意の町づくりが進められたのか、具体例があればその説明と、また今後の展望についてお伺いをしたいと思います。
#116
○政府委員(近藤徹君) この事業は、先ほどの趣旨説明でも申し上げましたとおり、基本的には大都市を貫流する大河川が超過洪水によって破堤を招き、結果、壊滅的被害を回避するという大きな視点がございます。その際に幅広の堤防を建設するわけでございますが、その上面を通常の土地利用に供しようということでございます。
 したがって、その上面の土地利用につきましては、河川管理者の方が意図的にどのような町づくりにするかということは考えているわけではございませんが、先ほども大臣の御説明にありましたとおり、建設省の中の都市部局等と一体となりまして良好な町づくりを進めていくということによって、後世に治水上も安全で、なおかつよい都市環境をつくるということが我々の使命ではないかと考えるわけでございます。
 このような観点から、既に昭和六十二年度からこの事業に着手したわけでございますが、その過程におきましては、円滑な事業実施等の観点から、これまで公園整備、住宅建設、土地区画整理事業等の町づくりと共同して実施しようとしてきたところでございまして、例えば千葉県栄町の矢口地区のように、土地区画整理の仕組みの中で住民の意向等を取りまとめて進めてきたもの、また東京都足立区の豊島地区など住民の強い要望を受けて公園整備の要望があるところからこれらと一体となって進めてきたもの等がございまして、地域住民の意向等を最も把握している地元自治体と密接に連携をとりながら進めようとしてきているところでございます。
 今後も既成市街地での事業実施もふえていくことが想定されますし、これまで以上に住民の方々の意向を十分反映して整備を進めていく必要があると考えております。より土地区画整理事業等の各種面的整備事業と協調して整備の促進を図っていくこととしているほか、地元自治体とも密接に連携をとり、地域地域の実情に合った整備を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#117
○西野康雄君 地権者にスーパー堤防上の土地を単に渡すだけではなくて、区画整理事業のようにある一定割合を公共用地に供させ、公園地域あるいは住宅地域に区分するなど、計画的に開発していく必要があるかと思いますが、そうなると河川局と関係部局がうまく連係プレーをとらなければならない、こう思うわけですが、現在のところ河川局としては関係部局との話し合いがうまくいっているのか、あるいはスーパー堤防の積極的な利用、そういうものをうまくやっておるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
#118
○政府委員(近藤徹君) おっしゃるとおり、この問題は都市計画部局とも密接な連携をとらなければいけませんし、この事業発足以来、個々の事業につきましても省内及び現地において密接な連携をとってきたところでございますし、この法案提案に至る経緯におきましてもさまざまな意見交換をしてきたところでございます。
 いずれにしても、治水上の目的から高規格堤防によって盛り土を行い堤防を整備するわけでございますが、それが土地利用としてもいい町づくりのチャンスでもあります。そういう意味では、関係者が一体となってこの事業に対応していくことが緊要だろうと考えております。このため、現地レベルのみならず、建設省内においても都市整備部局等と密接な連携をとり、可能な限り土地区画整理事業等の面的市街地整備と一体となって実施することとし、水と緑の潤いのある良好な環境の都市整備の進展に資するよう今後も努めてまいりたいと考えております。
#119
○西野康雄君 陳情は建設省にも行っていると思うんですが、長良川河口部は安八町水害でも見られるように、堤防が本当に弱いところでございます。ここにスーパー堤防をこしらえるという構想はございませんか。
#120
○政府委員(近藤徹君) 昭和六十二年度に高規格堤防、いわゆるスーパー堤防事業に着手したときの我々の視点は、大都市を貫流する大河川が一たん破堤すると壊滅的被害をこうむるところから、沿川の都市的利用をしている地域と一体となって、幅の広い堤防を築造しようということでございます。ただ、各河川におきましては、現在においても計画内の事業がまだ未完成な状況であり、上流においてはダム建設、あるいは中流において遊水地の設置、あるいは下流部においては高水敷の掘削等の事業が多々残されている状況でございまして、まだ治水施設の整備水準としては計画まで達していない状況でございます。
 しかしながら、この沿川は将来においては壊滅的被害をこうむる立場から高規格堤防の整備が必要でありますが、現在これらの沿川は、都市的利用としますと、二階建ての建物が大体九八%程度、多摩川、荒川クラスでも九八%程度というところでございますが、都心の二十三区においては既に四階以上の建物が二〇%を超えている。このまま我々がこの時期を見送ってしまいますと、将来においてはこの河川沿川に高層ビルがどんどん乱立するということも考えられるわけでございま
して、そういう段階になってから高規格堤防に着手したのでは、大変時期的にも手戻りになって、あるいはこの事業が実施できないという事態も考えられるところから、昭和六十二年の時点におきまして判断をいたしまして六河川について着手したわけでございまして、そういう意味では、この高規格堤防は将来の手戻りを防ぐという大きな視点があったわけでございます。
 一方、長良川につきましては、これは中部圏の一角をなす重要な河川ではございますが、この沿川においてはまだ高層ビルが乱立するというような状況にはないわけでございます。いずれにしても、過去のたび重なる出水において高い水位によって破堤があり、溢水、はんらんという経験をしておるところから、早くしゅんせつをして長良川全体の水位を下げるということがまず一番緊要であるということから長良川の治水対策を現在とっておるわけでございまして、長良川について高規格堤防を適用するかどうかは将来においての課題だとは思っておりますが、現時点におきましては最も投資効果があり、最も安全度を早く確保できるという意味で、大規模しゅんせつを実施することが治水上の緊急課題だというふうに考えております。
#121
○西野康雄君 偶然にも長良川の問題が出てきましたので、長良川の問題を少し取り上げてみたいと思います。
 岐阜県知事は、長良川河口ぜきに反対しているのは長島町だとか桑名市の住民ではなくて、随分と外の方ばかりがやっていると、こういう発言をいたしましたが、先ごろの桑名市における県議会議員選挙、我が党の社会党の佐藤金三氏も河口ぜき反対と、こう表明しました。そして、次点になりました成田氏も反対ということで高い票を得ました。この間の長島町の町長選挙では二千票以上の票を大森捷克氏が得ました。桑名市の市会議員選挙では伊藤研司氏が見事に当選をすると、こういうふうなことで、梶原氏が言うような地元は反対をしていないんだというふうなことはこれで見事に打ち砕かれたと思いますが、長良川河口部におけるブランケットの進捗度、これについて少しお伺いをいたします。どの程度進んでおりますか。
#122
○政府委員(近藤徹君) ブランケット工事は、堤防の前面にいわゆる高水敷という形のものを盛り土することによって、平水時におきましては河川の水路といわゆる堤内地という居住地の方との距離をとることによって漏水、浸水等の危険を防ぐものでございまして、大体前面に幅五十メートルから七十メートルの盛り土を造成することとして進めておるところでございます。このブランケットと堤内地に設けた承水路などとの組み合わせによって、浸透してくる水を安全に抜き、地下水位の上昇も防止することによりまして、さらに洪水時におきましては堤防の基盤を守るとともに、漏水に対する安全度を向上させようとするものでございます。
 このブランケット工事につきましては、長良川河口ぜきが事業化された極めて早い段階から、河口ぜき建設とは切り離しても早急に実施してくれという地元の強い要望もありまして、昭和四十八年から実施してきたところでございます。今後行うブランケット工事は、愛知県海部郡立田村地先及び三重県桑名郡長島町地先でございまして、いずれも住家が連檐している輪中を守るものでございます。このブランケット工事によって改変する植生の面積は、既に相当実施してきたところでございますので、今後残されておりますのは植生の面積としてはわずか三%となっております。木曽三川には地元からがまと呼ばれ恐れられている漏水箇所が散在しておりますので、ブランケット工事を施工した区間からは昨年台風でも漏水は発生しておりません。漏水防止に対するブランケット工事の効果は極めて大きいことは明らかとなっております。
#123
○西野康雄君 河口ぜき現場より七百メートル上流部はたしかブランケットが完成しているかと思いますが、どうですか。
#124
○政府委員(近藤徹君) ちょっと手元に資料がございませんので、後ほど御説明させていただきたいと思います。
#125
○西野康雄君 していますわ。しかし、七百メートル上流部で今漏水がないと言いましたけれども、ここに写真があるんですけれども、後でお渡ししましょう。
 堤防からの漏水は干潮時でも続くので乾くことがなく、壁のトタンを腐食させている。まさにこれが塗炭の苦しみというやつです。ブランケットはブランケットでこうして次々と浸食されてきているんです。やっぱり現地の声というんですか、それはいろんな人が中部地建から来るかとは思いますけれども、しかしそうではなくて素直に、何というんですか、やるというんですか、聞くというんですか、そういうことが大事な箇所じゃないかなと思うんですけれどもね。あれはブランケットト工じゃないんだと言われれば、それはそうでしょうけれども、現地の人に対してやっぱりきっちりとした説明を行う。現実にこれだけの漏水をしておるわけですから、これに対してはそれなりの対処が必要です。
 河口部においては随分と、月の輪工というんですか、そういうのもやっておられますけれども、堤脚承水路と矢板で湧水を排水する工法をとっておられて、そういう説明を河川局もやっておられるわけですけれども、こんな工法は、斜面の下端では浸透力によって土が緩んで斜面崩壊の原因となって、ここらあたりの地質柱状図を見てもわかりますけれども、斜面崩壊というのはシルトや細かい砂がレンズ状に入っている場合はよりその危険性が増すわけですね。
 こんなものは地下水工学のイロハやと思いますけれども、ブランケットと堤脚承水路と矢板、こういうので住民にこれで大丈夫ですよ――矢板工法というのは、私東北三県を見たときに青森のグランドホテルで矢板は大丈夫なのかと言ったら、東北地建の尾形栄章さんがとある女性の下着の表現をとりながら、矢板というのは本当は効果がないんだ、堤体を維持するだけだと言った。そのときあなたは私の左前におってその話も聞いておられたんですね。そういうふうなことからいくと、矢板を打ったってその下から水が漏れてくることはこれは確実であるわけでして、だから漏水がございませんよとか、そういうふうなことだけでは、姫御前だとかそういう場所では道路の真ん中から水が噴出しているんだから、やっぱりそれはそれなりにブランケットは漏水の何とかございませんと言うだけで住民は納得しないと思うんですけれども、どうですか。
#126
○政府委員(近藤徹君) ブランケット、矢板、承水路、この組み合わせによって地下水の上昇を抑えますと、御説明申し上げたわけでございます。
 まず、ブランケットは、現在堤防のすぐ付近にきている水路を五十メートルなり七十メートルなり遠方に水源の地点を移すという意味で浸透効果を非常に大きくするわけであります。さらには、矢板によって浸透延長を長くしていく、そしてそれを通ってなお浸透してきた地下水については、承水路によって安全に水を抜くことによって地下水の上昇を抑えるという全体の組み合わせによって安全を守っておる、こういうことでございます。さらに、これらの全体の組み合わせによって、洪水時におきましては従来水道であったところを抑えることによって漏水防止の効果がさらに一段と上がり、堤防の安全が確保できるということでございます。
#127
○西野康雄君 そういうのは答弁になっていないんです。漏水がある、それに対してやっぱり調査をきっちりとお願いをしたいと思う。予算委員会で竹村泰子さんに対しては漏水箇所はございませんと。でも現実に私の写真でもあるわけですから、そこのところはやっぱり素直に認めて、じゃそういうふうなことをもっときっちりしますとか、それが当たり前で、今答弁になっていないんじゃないですか。
#128
○政府委員(近藤徹君) 予算委員会でも竹村先生にも申し上げたのでございますが、ブランケット
を施工した箇所からは漏水の箇所は見当たっておりません。なお、昨年の洪水によりまして、計画高水位から約一メートルの付近にまで水位が上昇するという大きな洪水を経験したわけでございますが、その際は三カ所において漏水箇所を発見いたしました。それにつきましては既に昨年及び今年度平成三年度におきましてすぐ対応することとしておりまして、従来漏水を経験したところについては直ちに対応するように努力しているところでございます。
#129
○西野康雄君 堤脚承水路あるいは矢板とブランケットで漏水がないというんならば、塩水が遡上してきても結局河口ぜきの上流部だというふうな、しゅんせつしたら塩水が遡上してきて水道を通ってそれが田んぼの方に入っていく。漏水がないのなら田んぼの方に入っていかないんじゃないですか。塩水、漏水、どうするんですか、それは塩害は起きないじゃないですか。田んぼの方に水が入っていかないんでしょう、ブランケットをちゃんとやったら。堤脚承水路を設けて矢板を打って、そして今答弁があったとおり漏水がないとおっしゃるのなら、しゅんせつをしてその上に塩水が遡上していっても漏水がないんですから、田んぼの方に塩水が入っていくということはないんでしょう、論理からいうと、そうでしょう。
#130
○政府委員(近藤徹君) ブランケットをつくり、矢板を打って漏水の延長を延ばすことによって抵抗を強めて、なおかつそれより上がってくるものについては承水路のところで安全に水を抜く、そして堤内地における地下水が上がるのを防ぎます、こういう仕組みになっておるわけでございます。したがって、地下水と河川水との間はやはり自然の地下水脈は流れておるわけでございますから、河川のところの水位がある程度の速度では地下水と交換しているということは事実でございます。そういう意味では、河川の中に塩水があれば、いずれは居住地の方の堤内地の方に塩水が浸透していくことは長い時間かかればそうなるわけであります。
 ただ、洪水時におきまして地下水が上昇しないように、あるいは平水時においても従前の地下水以上に上げないようにするのが今まで申し上げましたブランケット、矢板及び承水路の組み合わせによって対応しているということでございまして、水が一滴も河川から堤内地の地下水の方に紛れ込まないということを言っているわけではございません。
#131
○西野康雄君 そういう浸透流が存在するということを今おっしゃったわけですが、土や砂の粒子に浸透力が作用しある限界を超すと、土粒子が動かされて変形移動して地盤の破壊が起こるわけです。こんなときに地震が起きたらクイックサンド状態になりますわな。このクイックサンドによって地盤が破壊される、いわゆるボイリングが起こる可能性が十分にあるということを今お認めになったことになりますが。
#132
○政府委員(近藤徹君) 先ほど地下水の遅い速度で交換しているでしょうと申し上げたわけでございます。したがって、これはクイックサンド現象その他を起こすのは大変速い流速のときに起こるわけでございまして、その際にその水道の中の砂粒とか土粒子を運ぶことによってだんだん崩壊の現象に至るわけでございます。そういうことをしないように、いわば土粒子を運ばない速度になるようにするのが、先ほどブランケット工事あるいは矢板という組み合わせによって浸透延長を長くして水面の勾配を緩くすることで流速を弱めて、したがって安全な流速で地下水の交換をさせるようにしているというのがこのシステムの特徴でございます。
#133
○西野康雄君 流速がゆっくりならばいいんですけれども、ここなんかは川みたいになっているんです。流速がゆっくりじゃないんです。いずれここは斜面崩壊か何かが起きるな、こういうふうな感じです。もう一度しっかりと調べていく必要がある。そして、漏水についてもしっかりと調べていく。今あなたが答弁なさって、漏水も何にもないと。もう一遍また私も現地へ参ります。また写真も撮ってまいります。お互いにそうしましょう。そうした中でがっちりと出てくることですから。しかし、こうしてトタンまで腐らすほどのものが出ているということもこれも事実であります。これは指摘しておいて次の方にまいりたいと思います。
 河川審議会から昭和五十六年十二月に「河川環境管理のあり方について」の答申がなされ、河川環境管理の理念として、河川環境の適正な保全管理を治水、利水と並ぶ河川行政の主要な柱として位置づけ、治水、利水、環境の三者が全体として調和のとれたものとなるように河川管理者が一元的に管理すべきであるとしているこの答申の趣旨を踏まえて、河川環境の管理に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的事項を定める河川環境管理基本計画を定めることとしておりますが、長良川についてはその河川環境管理基本計画の策定はございますか。
#134
○政府委員(近藤徹君) 河川は洪水を安全に流すこと、あるいは生命の源泉である水を確保するという利水の面と両面で大変重要な機能を果たしておるわけでございますが、平常時におきましては水と緑の潤いのある空間として住民の生活環境上でも大変好ましい空間でございまして、またこれが国民共有の財産であるという認識のもとに、この河川環境はいかにあるべきかという方針につきまして、昭和五十六年に河川環境のあり方についての答申を得たところでございます。
 その柱といたしまして、先生がおっしゃいましたように、治水、利水、環境、三者を一体として調和のとれたものとして河川管理者が一元的に管理するべきである、その指針として各河川ごとに環境管理基本計画を策定すべきという答申をいただきました。自来、この答申を踏まえまして基本計画を策定することとし、各河川ごとに学識経験者、地域住民の代表である沿川の市町村長及び河川管理者から成る協議会の意見を聞いて、それぞれの河川ごとに河川や地域の特性に応じた河川の望ましい管理のあり方を定めたところでございます。平成二年度末までに河川環境管理基本計画の策定済み水系は、一級水系については百七、二級水系は五十七の計百六十四水系となっております。
 長良川につきましては、木曽三川ということで木曽川、揖斐川、三川を含めた計画として、十一人の学識経験者、五十七人の流域市町村長その他関係委員、河川管理者等を含めた八十三名から成る木曽川水系河川環境管理協議会の議を経まして、「木曽三川に日本の河川像を求めて 未来へつなごうわがふるさとの川」を基本理念といたしまして木曽川水系河川環境管理基本計画を平成二年三月に建設省中部地方建設局、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県によって策定したところでございます。
 特に河川特有の自然環境や景観を保全し、自然観察や野草広場等純自然的な環境を整備し、散策や野鳥観察等の自然指向のレクリエーション活動ができる場として利用することが望ましい空間については自然利用ゾーン、高水敷や阿岸を活用し、多目的広場、公園、運動広場、階段護岸、緩傾斜護岸等の整備を行い、各種レクリエーション、スポーツ活動、あるいは河道内で行われる花火大会、精霊流し、カヌー、レガッタ等の観覧ができる場として利用することが望ましい空間については整備ゾーンとするなど、それぞれの地域の特色を生かしたゾーンを配置することによって河川空間の管理を適切に行うこととしております。
 今後も木曽川水系河川環境管理基本計画に基づき、長良川も含めて河川空間の適正な保全と利用を計画的に推進していくこととしております。
#135
○西野康雄君 まことに結構な御答弁でございますが、「せいれい」というよりも「しょうりょう」流しじゃないかなと私は思いますが、東大をお出になっておられますから、ひょっとしたら私の方が間違いかもしれませんが。
 工事を進めながらの環境調査には各自然保護団体から疑問を呈されております。河川局はこの疑問に対してどう答えるのか。工事を進めながらも
環境調査が完全にできるのか、その根拠を少し示していただきたいと思います。
#136
○政府委員(近藤徹君) 昨年十二月中旬だったと思いますが、当時の環境庁長官が長官見解を発表いたしまして、長良川河口ぜきについてはいろんな意見があるところから、従来の建設省が実施した環境調査の内容を点検して、今後必要とあらば追加調査を行って、地域住民に十分説明して理解を得る努力をすべきであるというような趣旨の見解を御発表になったわけでございます。
 自来、建設省と環境庁との間で連絡会議を設けまして、建設省が従来実施してきた調査について十分環境庁に御説明を申し上げたわけでございます。その段階で三項目について今後補足調査をするということが決まったわけでございます。一つは、水質について計算手法を用いた水質シミュレーション手法によるチェック。それから魚類につきましては、底生魚類であるカジカ類に関しての生態調査。それから今後改変を予定される高水敷における動植物の調査。この三点について補足調査を行って、住民に説明をして理解を求めるということになったわけでございます。
 いずれもこれらの三点は既存の調査で十分調査をしてまいりましたが、環境庁の御要望もありさらに補足するということで進めることにしておるわけでございますが、いずれもこの三点は従来の河口ぜき調査によって我々は環境の問題については大きな意味では十分調査をしてあって、なお補足的なところについて追加調査をするものであって、この内容いかんによって河口ぜき計画そのものが基本的に問題になるというような状況ではございませんので、今後これらの問題をさらに万全を期して調査することによって環境調査の実を上げ、今後の河口ぜき建設後の維持管理に資するようにという観点から進めることとしておるわけでございまして、これまでの検討結果におきましても河口ぜきの建設計画そのものに根本から疑問を投げかけるような問題は一切起こっていないということをつけ加えさせていただきたいと思います。
#137
○西野康雄君 私は、工事を進めながら環境調査をして、それが完全にできるのかと聞いておるわけです。それはできるわけですか。できるわけならば、その根拠をお示し願いたいと聞いているんです。
#138
○政府委員(近藤徹君) まず水質シミュレーションでございますが、既存のせきの調査によっても大体せき建設後の水質も十分予測できるところでございまして、これも説明したわけでございますが、やはり計算手法による手法によってもチェックをする、それに必要な調査をつけ加えてみるということでございまして、そのシミュレーション結果の信頼度というのがいかがかと、今まで既存のせきの調査結果でせき建設による大きな変化はほぼないというふうに我々考えております。
 それから、カジカ類については確かに調査不足ではございましたが、従来のトータルの生態系調査の中では大部分については把握しておりますので、さらにこれについて追加をしていこうということでございます。
 それから、高水敷については、先ほども申し上げましたとおり、今後改変を予定している自然植生地は三%程度ということでございまして、長良川では御承知のとおり背割り堤その他大変自然に保全されている区間がございますので、この改変によって大きな生態系への影響はないというところから、この調査結果によって長良川河口ぜきの建設計画そのものが問題となるような事項は一切ないわけでございます。
 一方で、昭和三十四年、三十五年、三十六年、五十一年と続く大出水、とりわけ昨年も計画高水位から一メートルに迫るという大出水がございました。仮にあのときの台風が半分のスピードで中部圏を抜けたとしたら恐らく従来の洪水記録に迫る、あるいはそれを超えるような出水もあったのではないかということが懸念されるわけでございます。そういう意味で、治水の安全度は一日も早く向上してほしいという地元の強い要望があり、それこそ地域の皆さんから一日も早く住民の生命、財産を守るために早期に大規模しゅんせつをしてほしいという要望のもとにこの事業は進めておるわけでございまして、それらの観点から工事を進めつつ、なお環境についてはせき建設後においても万全を期す意味でさらに調査を補足するということにしておる状況でございます。
#139
○西野康雄君 だから、早うしゅんせつをやってやれと言うているんですよ。安八町水害だとかそういうものもひっくるめて早うやらなければ、ほんまに洪水というのがやってきたときに困るわけですよ。そやけれども、あなた方はせきが先やと、塩害やというふうなことでほんまに地元住民の生命、財産を考えておるのかと私どもはこう言いたくもなるわけですわ。ほんまの話言うたら、しゅんせつをやることが一番なんですよ。
 これは前にも言いましたことですから繰り返しはしませんけれども、河口ぜきは水もためますが土砂も随分とためるようです。長良川河口ぜきの上流あるいは下流における土砂の堆砂量ですな、年にどれぐらいと見ておられますか。
#140
○政府委員(近藤徹君) まず塩害の関係でございますが、前にも御説明申し上げたと思いますが、これには大きな先例がございまして、利根川におきましては昭和二十年代、三十年代と大規模なしゅんせつをした結果、あの地域においては三万ヘクタールに及ぶ大きな塩害を経験したわけでございます。農業に対する塩害のみならず、井戸水あるいは水道用水に塩分が入ったためにお茶が飲めないとかあるいは歯医者さんの機械がさびて使いものにならなくなったとか、地域住民の生活にいろいろ大きな影響を及ぼした。私どもはこの経験を踏まえた上で、どうしても潮どめ機能を持つせきを先に建設するということが我々の今までの経験から学んだ大きな教訓になっているわけでございまして、そのためにこのせきを建設しようとしていることを御理解いただきたいと思います。
 それから、長良河口ぜきは、全国一級水系が百九水系あるわけでございますが、このうち潮どめぜきが既に五十三あるわけでございまして、それらのせきと同様の潮どめ機能を持ったせきでございまして、洪水時には当然せきを全開するわけでございます。山間渓谷部に建設されるダムと構造も水理形式も全く違っておりまして、洪水時にはゲートが全面的に開放され、せき上流の河床土砂等が自然河川の状態と同様に下流へ送流されるため、せき上流における土砂等の推積は起こらないものと計画しておるわけであります。
#141
○西野康雄君 堆砂は起こらないと。
 「長良川河口堰調査報告書」建設省中部地方建設局、一九六六年では、せき建設に伴う堆砂増加量は年に一万四千立方メートル、「部外秘 東海地方の昭和六十年における水需要と水資源開発」では年十七・三万立方メートル、堆砂容量は総貯水容量から有効貯水容量を引きゃいいんですけれども、堆砂は起こらない、これはもう古くて当てにならぬ、そういうことですか。
#142
○政府委員(近藤徹君) その資料については私手元にございませんが、長良川河口ぜき上流部の河床の砂は平均〇・五ミリ程度の細砂及び中砂で構成されておりまして、年平均十二日発生する程度の毎秒五百トン程度の流量以上の出水によって長さ三十センチから五十センチの砂漣を形成しながら河床が移動する。また、過去十カ年について見ますと、毎年一回以上生じます千二百トン規模の洪水では長さ十メートルか二十メートル程度の大きな砂漣が形成されて河床は激しく移動し、フラッシュされるわけでございます。したがって、土砂の除去は日常不断に行う必要はないと考えております。
 それで、今あるダム面で瞬間瞬間に起こるか起こらないかというのは、流況の問題があろうとは思いますが、大きく一年なりあるいはもっと短い期間、数カ月なりのオーダーにおいてはこのような流況を経験している上では起こらないと考えております。
#143
○西野康雄君 一九六六年のせき建設に伴う堆砂増加量、せき影響区間内でせきがない場合と比較
したせき設置後の堆砂量増加、そうするとこれはもう資料としては当てにならぬと。そうするならば、堆砂はないんですよという資料の御提出をあなたに願わないと、今の答弁は納得できないんですが。
#144
○政府委員(近藤徹君) お手元の資料が六六年としますと昭和四十年前後、このせき着手前でございますし、どのような構想で、どのような前提でその計算がなされたのか私も存じ上げませんが、その後このせきは少なくとも洪水時にゲートを全開するという前提で計画を練り進めてきており、全国の潮どめぜきにおいてもそのような操作によって実施しており、いわゆる長期的な観点からは堆砂という現象は見られておりませんから、このせきにおいても同様のものと考えるのが当然でございます。
 それから、先ほど申し上げましたとおり、年間十二日間発生する程度でもフラッシュをされているという状況の資料につきましては、昨年十月に地元の皆さんに発表した資料の中で十分説明しておりますので、お手元にも届いておると思いますので、それをごらんいただければありがたいと存じます。
#145
○西野康雄君 建設大臣に少し写真を見せてよろしいですか。
#146
○委員長(矢田部理君) どうぞ。
#147
○西野康雄君 それは、ある河口ぜきの写真です。
 せきの上流にも下流にも随分と砂がたまっているんですよ。今、潮どめぜきはたまっていないと、そういう御答弁をなさいましたけれども、しかし日本全国あちらこちらでたまっておるんです。これはもう地元の人はたまったもんやないと言うとるわけですわ。
 木曽川大ぜきのこれを見ましても大変なことなんですよ。木曽川の馬飼頭首工がございますな。水資源開発公団は、魚道というのは高い評価を得てまっせ、こういうことを言うとるんですわ。児玉文雄さん、水資源開発公団中部支社副支社長は、長良川河口せきの魚道は高い評価を得ましたと、魚道の専門家が設計しただけじゃなくて、この方式を使った木曽川大ぜき、筑後川大ぜき、池田ダムなどで既に大量の魚が遡上して実績があり、さらに改良を加えた魚道だからと。ところが木曽川大ぜき、ここにも三本の魚道があるんですけれども、中央のは下流の河床が低下して大潮の干潮時に魚が遡上できず、右岸のは洪水で砂に埋まっておる、左岸のは取水域があり入口を魚が見つけるのは困難ですというふうなことで、もう随分と砂がたまったりして困っておるというふうなことです。やっぱりそれは素直に認めなあかんことと違いますか、どないです。
#148
○政府委員(近藤徹君) この写真は私もどのせきかわかりませんので、このせきの説明については差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ全国の河川でも、例えば委員長のおひざ元の常陸那珂川では、太平洋の荒波によって河口が閉鎖して川が全然違う方向まで流れたということも昔ございまして、あるいは瀬戸内のように非常に水の少ないところでは川底が見えてくるという事実もございますから、一概にその潮どめぜきが原因で上流の河床が上がったということは直ちには言えないのではないかと存じます。したがって、長良川は大変水が豊富でございますので、この魚道との組み合わせによって十分魚の遡上はできるということは再三申し上げてきたわけでございます。
 これらの調査も、我々がいろんな施設で設置した昔の魚道に比べますと、木曽三川河口資源調査等の知見も踏まえまして大いに改良を加えてきて現時点に至っておりまして、これの実験的なものとして筑後川等で既に先発として実施し大きな成果を得ているわけでございまして、さらに我々としても、今後ともその改良に留意して魚道の効率のいいものを盛んにつくっていくよう、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#149
○西野康雄君 その写真の河口ぜきも、ほぼ取水量からいくと、長良川と同じぐらいの水量のところです。これははっきり申し上げておきます。
 この魚道は完全や完全や言うけれども、愛知県犬山市の江口真一さん、漁業組合員が、とにかく四漁業組合の改善要求を行っているんだと木曽大ぜきのあれに書いている。こういうふうなことに関しては魚道は問題があるということですから改善してあげますか、どないですか。
#150
○政府委員(近藤徹君) 魚道の改善についてはこれは永遠のテーマだと思っております。そのいろんな生態系がわかるたびに我々も改良を加えてまいったわけでございますし、現時点では木曽三川河口資源調査の成果あるいは全国各地で既に実施したものの成果を踏まえつつ、より改良を加えていきたいというふうに考えております。
#151
○西野康雄君 だから、これは要求がいっぱいあるわけでしょう、木曽川でも魚道が。やはりそれは改善してやらぬとあかんのと違いますか。そやからこそ、このように魚道に問題があるのに、無責任な発言をする公団当局者に怒りを覚えるのは私だけでしょうかというふうなことを漁業組合員が言うてきておる。今まで随分とあなたが地元民に言うてきた河口ぜきだとかそういうものは非常に立派なもので、ええもんだと言うけれども、砂はたまってくるわ、魚は上がってこないわ、これはこれでもう事実であって、だからこそ長島町民もだんだんだんだんわかってきた。
 あなた方は、これは「建設月報」で、編集者の女性が来ておるからこれを取り上げてあげますけれども、中を見たら、我々は宣伝が下手くそでいつも誤解を住民に与えているというようなことをあなた方は書いてあるわけですわ。近藤局長が「最近、いろいろな反対運動に対して、我々もよく説明するよう努力はしているのですけれども、説明上手が余りいないものですから、まだまだ、完全に地元の皆様のご理解を得ているとは言えない状況です。」、説明上手でっせ、あなた方は。あの河口ぜきの周辺のところに大きな大きな、河口ぜきを見に来なさいよってなことを書いてある。説明は実にうまいと思う。砂はたまりませんよ、魚道は大丈夫ですよと。それは、私は講釈師でうそをつくのは商売ですけれども、あなた方はその私よりもはるかに上を行く。だからこそ、そういうふうな実物の証拠を見せてこぬことには――それでも実物の証拠を見せても全国の河口ぜきで砂がたまっておる。それは河口ぜきの上流と下流の両方なんです。両方に水がたまっておる。バックウオーター現象なんてあなた方もよく御存じのはずでございます。やはりそこのところをきっちりとやらなきゃならぬですね。
 で、洪水と津波時にゲートを堤防以上に上げるので心配はないと、こういうことも新聞等の広告で随分と住民に説明をなさっておられます。ゲート操作の間違いでダム下流部の住民が生命、財産を奪われた例も数々ありますけれども、長良川河口ぜきのゲート操作、これは長島町民にとっては大変に不安な点でございます。上げりゃそれでええという、その上げ方がいつも問題になってくる。この間郡上八幡へ行って、長島町までどれくらいの出水の量で水が行きますか、昔は二十四時間かかったのが今は六時間ぐらいですと、こういうふうなことになっておりますが、ゲート操作というものに対して間違いがないのかどうか、ちょっとその辺の自信のほどをお伺いいたします。どうせ自信があるとお答えでしょうけれども。
#152
○政府委員(近藤徹君) 説明下手はあくまで説明下手でございまして、私の親戚で河口ぜきの長良川と合流地付近の長良川とが同じ長良川とは知らなかったという者があるくらい、私親戚にも説明できないほど説明下手でございますので、御了解願いたいと思います。
 それで、ゲート操作の関係でございますが、これは現地に専門の管理所を設けまして管理のための要員を常駐させるとともに、最新式の各種機器をもって監視、操作を行い、せきの操作について万全の態勢をとることとしております。また、ゲートは停電時などの不慮の事故に備えて一般の商用電源のほかに予備の発電機を二台備えてあるほか、万が一これらが二台とも故障した場合でも各ゲートごとにも予備発電機を設けるなど、二重
三重の安全機構を備えて万全を期しているところでございます。同様な安全機構は隣の木曽川にある木曽川大ぜきにも備えておりまして、今まで特に支障は発生しておりません。いずれにしても、いろいろな事例があったとおっしゃっておりますが、長良川の一番河口部にございまして、出水の前から、台風襲来時から十分な対応をとるわけでございまして、このゲート操作については十分安全が確保できると信じております。
 なお、ブランケット工について先ほどせき上流七百メートルとおっしゃったわけでございますが、せき上流三百から七百七十メートルについては、ただいま確認したところでは未完成だということでございます。漏水は確かに確認しておりまして、これにつきましては平成二年度からブランケット工事を開始したところでございますので、御了解願いたいと思います。
#153
○西野康雄君 うまく距離は逃げられましたけれども、こっちも距離はきっちりそうじゃないんですけれども、ゲートのことを言いますと、「取水ぜきは一時に多量の水が放流されることがあり、大変危険な場所でありますので立ち入らないでください。許可なしにこの区域に入った場合は軽犯罪法第一条三十二号によって罰せられます。」こういうふうなことが取水ぜきのとこらでは看板として張ってございます。
 信用してくださいとか、そうないと信じますと言うけれども、現地の人はそれは信用しませんわ。今まで木曽川の馬飼頭首工を見ても砂はどんどこどんどこたまってくるわ、何ぼ説明上手したって、事実をきっちりと見ている長島町の住民、桑名の住民はそういうふうなことでだまされない、そういうふうなことになってきている。だんだんだんだんとあなた方の説明する事実と反すること、きょうあなたがそんなもの堆砂はございませんよと言っても、我々はまた長島町の住民を連れて木曽川の方に行きますよ。この河口ぜきの方、また連れて行きますよ、ほれこんなに砂がたまってまっしゃろ。漁民にも魚道のところまでこれだけ砂がたまってますよと言いますよ。そうしたらまたぶわっと反対運動が広がるだけですよ。やっぱり調査も一時中止してそしてまたやっていくと。それぐらいの何というのかな、誠意というのか、そういうものがなけりゃ。
 建設省河川局を私はいじめているわけじゃないんですよ。このごろ近自然工法なんかもとっていただいたり、いろいろとすばらしいことをやっていただいているわけでございますから、そういうふうな意味におきましては、だんだん建設省の河川局も大変に優秀になってきた。すばらしいな、近藤河川局長になってからは、自然を取り入れるようなそういういいものをどんどんどんどんやってくれているなと、私は評価をしているわけですよ。決していじめたりとか、皮肉を言ったりしているわけじゃないんですよ。だけれども、あなた方が説明していることがことごとく現地で起こっている現象とは全く違うわけです。そこら辺があなた方が説明下手というんじゃのうて、何ぼ説明を上手にしてもうそにうそを重ねていったら、だんだんだんだん長島町民も桑名の町民も市民もみんなわかってくる、こういうふうなことになるわけなんですよ。だから、その辺を説明上手だとか説明下手だとかそんなことは言わぬように、しっかりとお願いをしたいと思います。
 最後の質問にもうなりますな。もう少し爆弾質問をと思っていたんですが、お互いに仁義でございますのでそういうことは避けますが、前の平成二年十二月十八日、これのときの答弁で塩害のメカニズムでございますな、いろいろと塩害はほかにもいっぱい種類があるんだということは詳しくはこれを見てもらったらわかるわけですけれども、「私どもはそういう根拠がどこから出てきたのかちょっとはかり知れないものでございますので、またそういう根拠をお示しいただければ研究してみたいと思っております。」ということですが、「塩害、地下粘土から」こういうふうなことで地下の海水遡上説を否定した愛知県の津島市の県立津島高校地学部、これを指導なさった先生も愛知県の地学の権威でございますし、そしてまた津島高校というのは優秀な高校でっせ。前に建設の理事をなさっていた吉川博先生がお出になった学校でございます。そこが調べたんです。
 木曽川の底の部分も上の部分も塩分濃度は変わらない。変わらないのにずっとしみ出していって、レンコン畑で塩害を起こす、これは水がしみ出しているからじゃないな、これはおかしいじゃないかといったときに、海成粘土層、これはもともと海だったところですから、そこででき上がった粘土に一遍ぶつかって、その海水、要するにこれは化石水に近いですけれども、それが上がってくるんだ、こういうふうな説を出してあるわけです。
 これはもう最初から知っていたんですけれども、根拠があったら研究しますということで今回出してきたんですけれども、どうですか。根拠があったらやりまっせというふうなことですから、研究しはりますか。
#154
○政府委員(近藤徹君) 我が国ではいろんな学者がいろんな意見を言って、中にはその証拠がはっきりしなくても、これは意見を述べることは自由でございます。ただ、長良川につきまして、あるいは長島町の過去の塩害の経緯、私はまた利根川の経緯も申し上げましたが、一番基本的には海がすぐそばで海水が十分にあって、そして遡上するという条件さえ満たせば塩害が発生するというのが最も自然な考えでございまして、昔どこかに封じ込められたのがどこかから出てきたのではないかという、それは一つの学説としてはお聞きしますが、その程度で直ちに我々もこれは今までの学説を覆するほどの問題とは思っておりませんが、なお先生からの御指摘でございますので、またその資料をいただきながら、あるいはその高校の先生に必要とあればお会いして御意見をお聞きしたいと思います。
 それから先ほど堆砂の問題で、先生は魚道が埋まってしまうのではないかというような御趣旨で御質問なさったのかとも思いますが、そうだとすると、御承知のとおりここは大変水深のあるところでございます。まして、これから大規模しゅんせつをすることによって河道の流下能力をふやそうとしているところでございますから、取水ぜきの下流に人間が立ち入るなどというような、山間部における取水ぜきとは構造も違いますので、そのような心配は一切ないと考えております。
#155
○西野康雄君 山間部ではないです。これは海から四、五キロ地点のところでございます。だから、山間部ではございません。このこともはっきり申し上げておきますし、それはいろいろな学者がおって学説があるんです。でも、あなたは研究をなさると言うんですからそういうのはきっちりとやっておかなければ、自分たちの都合のいい説だけはとるけれども、都合の悪い説は取り入れない。昔約束したでしょうが、お互いに。データを出し合いながらしっかりとやっていかなきゃならぬ、こういうようなことを言ったわけですから、そういうふうな答弁は答弁じゃない、かように申し上げて私の質問を終えさせていただきます。
#156
○坂野重信君 私の質問時間は短いですから、ひとつ答弁の方は簡潔によろしくお願いしたいと思います。
 なお、まず本論に入ります前に国際防災の十年のことにつきまして、何といっても日本の防災技術というのは世界に冠たるものでございますから、先般発表された防災白書の中にも国際防災十年の記事が載せられておりますが、政府としても既に国際防災の十年推進本部というものを設置して着々と事業の推進が行われていると思いますが、各国の取り組み方、それから我が方のそれに対する協力方針、それから実績はどうかというような問題をあわせてひとつ簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#157
○政府委員(鹿島尚武君) 一九八八年の国連の資料によりますと、過去二十年間に自然災害によりまして三百万人の命が失われました。そしてまた、直接被害額が二百三十億ドルに及ぶというふうに言われております。地球上の自然災害による
被害を軽減しようということは、これは人類共通の願いでございまして、国連では一九八七年に日本、モロッコなど九十三カ国の共同提案によりまして一九九〇年代を、先生仰せられましたとおり、国際防災の十年というふうにしようという決議がなされております。
 現在、ことしの二月まででございますけれども、世界七十七カ国でこの十年に関する推進組織というものがそれぞれの国に設けられているというふうに聞いております。そしてまた、国連におきましては各分野の専門家から成ります科学・技術委員会を設けまして、国際社会での本十年の事業活動の推進につきまして検討を進めているというふうに聞いてございます。
 我が国の実績でございますけれども、一九八九年十一月でございますが、政府に推進本部が設けられまして、そこで国際防災の十年事業推進の基本方針というものを定めてございます。一つは、研修等の技術協力を通じまして防災に関する科学技術の水準の向上及び普及、そしてまた人材の育成、防災体制整備等に関する支援を行うということ。第二に、国際会議等を通じて我が国の経験、知識の伝達と各国相互の経験、知識の交流の推進を図るといったようなことを掲げてございます。
 昨年からこの基本方針に基づきまして、例えば開発途上国の行政官を対象として我が国の防災行政制度を紹介する研修を二度にわたって実施をいたしました。そしてまた、昨年におきましては、海外から四十二カ国、十六の国際機関の参加を得まして、国際防災の十年国際会議を日本で開催をいたしたところでございます。
 私どもといたしましては、今後とも政府で定めましたこの基本方針にのっとりまして各種事業を進めるように考えてございますけれども、ちなみに平成三年度におきましてはこの秋に国際地震サミットを東京で開催すること、そしてまた開発途上国の防災体制の調査を実施すること、防災行政管理セミナーを開催することといったようなことを予定いたしてございます。
#158
○坂野重信君 まあこれは始まってからまだ一年ちょっとしかたっておりません。あと八年以上残っているわけですから、湾岸戦争が起きてからとかく我が国は世界に貢献する、特に人的な貢献は少ないじゃないかという批判も受けている中で、私はこういう問題は日本のノウハウを世界に広める、そして世界に対して協力する、貢献するということは非常に大事なことだと思いますので、必要な予算をたっぷりとって、ひとつ今後ともこの問題をぜひ充実していただくようにお願いいたしまして、次の問題に移ります。
 次は環境問題でございまして、平成二年度の環境白書の中で地球温暖化防止の問題を取り上げておられます。地球温暖化というと随分まだ先のような話で、今からそんなに慌てることないじゃないかというような考え方があるかもしれませんが、これは調べてみればみるほどそんなに楽観できるような状態じゃありません。今からやっぱり真剣にこの問題に取り組む必要があるんじゃないかということを私自身が最近痛感しているわけでございます。
 フロンの問題等につきましては既に先般法律もできたわけでございますが、一体地球の温暖化についてその原因は何か、そして防止対策については国内的な対策と国際的な対策とあるかと思います。これは日本だけがやってみても、太平洋の沿岸地帯を考えれば、やはりアメリカなり東南アジアその他各国がこの問題に協力しなければ一体的な温暖化防止というものは難しいかと思いますが、そういう面で環境庁として一体その辺の考え方を、どういう考え方を持って進められておるのか、まずそれをお聞きしたいと思います。
#159
○説明員(柳下正治君) お答え申し上げます。
 昨年八月に、地球温暖化問題に関する臨時の国際機関でありますIPCCが、一年半余りにわたります世界の英知を結集した検討の結果を取りまとめまして第一次の評価報告書というものを発表いたしました。
 このレポートによりますと、二酸化炭素、メタン、フロン、亜酸化窒素といった温室効果ガスの大気中の濃度が人間の活動によって大変増加している。その結果、温室効果が増大しているというふうに結論づけております。したがって、温暖化を防止するためには、温暖化の原因が我々人類のあらゆる活動に起因しているということに着目いたしまして、省エネルギーなどによる二酸化炭素の排出抑制はもとより、さらに温室効果ガスの吸収源である森林の維持拡大といった社会経済のあらゆる局面において、広範な対策を実施していかなければならないものと思われます。
 そこで、昨年の十月に我が国は、地球環境保全に関する関係閣僚会議におきまして、この温暖化対策を計画的かつ総合的に推進していくことを目的といたしまして「地球温暖化防止行動計画」を作成、決定いたしたところであります。この計画に基づきまして、二酸化炭素の排出の安定化濃度を目標といたしまして、都市づくり、地域づくり、さらに交通体系のあり方、生産構造、エネルギーの供給、ライフスタイルといったあらゆる分野で二酸化炭素の排出の少ないものに改めていくこと、その他国際協力、調査研究、技術開発といった今後二十年間にわたる広範な対策を定めたところでございます。
 本年はこの行動計画の初年でありまして、政府はもとより自治体などとの協力体制も組みながら、この盛り込まれた対策を着実に進めていく考えであります。もちろん、この問題は我が国だけではなくて、世界各国が協調して取り組むことが必要であることは、先生も御指摘のとおりであります。一九九二年にブラジルで環境と開発に関する国連会議が開催されます。この会議における締結を目指して、現在温暖化防止のための枠組み条約交渉が開始されました。
 我が国といたしましては、この国際的な地位にかんがみまして、先進国はもとより、途上国とも重要な国際的な政策合意形成に最大限の貢献をしていかなければならないものと考えてございます。
#160
○坂野重信君 今もお話がありましたが、これは言葉で言えばえらい簡単なようなことだけれども、実行するとなると、まず通産省関係は産業、経済に真っすぐ影響してくる。交通対策にしても、今さらモータリゼーションを後戻りさせるわけにはまいりませんから、やっぱりそれぞれの車の構造そのものから考え直していかなきゃいかぬ。あるいは森林の問題にしても一挙に森林をなかなかふやすというわけにもいかない。いろんなことを考えてまいりますと、口では簡単だけれども、これを実行に移すとなるといろんな障害があり、各省庁の利害が入り乱れてくるおそれがあるわけですから、よほど環境庁ががっちり各省との対応をしながら、この問題を着実に実行できるように粘り強くやっていく必要があると思うわけでございます。
 そこで、一九九〇年の八月にIPCCの報告が出されているようでございますけれども、なかなか今言ったようなことで実行というものは難しい。しかし、そうかといって、今後の見込みというものを立てておかなければ、温暖化が進行する場合に、何年ごろに一体何度ぐらい温度が上昇するというようなことの想定がなければ対応というものが考えられないと思います。
 それで、対応によって何%温暖化防止ができるかというような問題も今後の問題と思いますけれども、一応の見込みとして環境庁としてはどの程度、例えば温度がどのくらい上がって、その結果海面の上昇がいつごろ一体どのくらい上昇するかというようなことの目算があれば、ひとつ環境庁の見解として発表願いたいと思います。
#161
○説明員(飯島考君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のIPCCのレポートによりますと、今後、特段の対策を講じない場合には、地球全体の平均気温は二〇二五年までに約一度C、それから来世紀の末までには約三度C上昇するということで、これまで経験したことのないような急激なスピードで気温が上昇するわけであります。
 この温度の上昇は地球全体の平均でございまし
て、冬と夏を比べますと冬の方が大きく、また北半球と南半球を比べますと北半球の方が大きい。さらに、緯度が高い地方でこれが大きくなっております。日本を含む北半球の中緯度の地域では、先ほど申し上げました全地球平均とほぼ同程度の気温上昇が生じると思われます。また、温暖化が進行しますと、その結果といたしまして海水面の上昇というのが考えられるわけでありますが、これにつきましても、先ほどのIPCCのレポートによりますと、今後、特段の対策を講じない場合には、来世紀の末までに地球全体の平均で申し上げまして最大一メートル上昇することが予想されております。
#162
○坂野重信君 そこで、最大一メートルと言うけれども、それは来世紀の終わりといっても中間段階があるわけですから、その前の一体何十年前、例えば二〇二五年のことをおっしゃいましたが、二〇五〇年の場合はどうかというその中間段階があるわけでございます。そしてまた、なかなかこれは測定予測はしにくいということもありますけれども、一応私は参考のために、実は建設省にお願いして、概算でいいから仮に一メートル海水面が上がった場合に一体我が国の冠水面積はどのくらいあるか、そして海岸河川堤防をかき上げするとすればその延長はどのくらいか、概算事業費はどのくらいか、そして事業の期間は何年ぐらいかかるだろうかということを試算していただいていると思いますが、これをひとつお願いします。
#163
○政府委員(近藤徹君) 全国の朔望平均満潮位以下の面積は現況で千二百平方キロメートル、仮に海面が一メートル上昇いたしますと二千九百平方キロメートルとなると予想されます。この場合、一級河川の直轄管理区間では現在三百九十キロメートル区間で高潮対策を実施しているわけでございますが、その距離が六百八十キロメーターと、およそ一・八倍となります。これに一級河川の指定区間、二級河川あるいは海岸堤防を含めるとかさ上げ等対策が必要となる延長は莫大なものとなりまして、これに要する事業は、今後なお検討すべき点がございますが、そのため具体的な数字は申し上げにくいわけでございますが、極めて大ざっぱに言って数十兆円のオーダー、またこれを平成三年度河川局予算に比較しますと数十倍のオーダーになると考えられます。
#164
○坂野重信君 それから、一メートルと仮定した場合に今のようなことが出てくるんですが、今度は温暖化によってダムの貯水の状況とか河川の流況に変化が生じるということも考えられてくると思いますし、先般のある新聞によりますと、既に台風の発生状況とか豪雨の出水に変化の兆しが出てきたというようなこと、これは新聞の勝手な憶測で書いたと思いますけれども、こういうような記事も出ておるわけでございますので、この辺のひとつ感触をお願いしたいと思います。
#165
○政府委員(近藤徹君) 温暖化の進行によって集中豪雨や長期間の渇水等が発生しやすくなるのではないかという説はございます。仮にそうなった場合にいたしますと、現在のダムにさらに加えて大きなダム容量を確保する必要がありますし、また下流の河道流下能力においてもさらに現在以上に能力をふやす必要が出てくると考えられます。
#166
○坂野重信君 それで、地球の温暖化が進行するとすれば、国土保全上の問題だけではありません。国民生活上各種の重大な影響が出てくると思います。農業の問題その他あらゆる人間の生活の条件というものが変わってくるわけですから、これについて今のうちから各種の対応策についてやはり研究、検討する必要があるかと思いますけれども、これについての環境庁並びに国土庁の考え方をひとつお願いしたいと思います。
#167
○説明員(飯島考君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、地球の温暖化という問題は人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすおそれのある問題でございます。政府といたしましては、地球環境保全に関する関係閣僚会議というのを設置しておりまして、ここで策定する地球環境調査研究等総合推進計画及び昨年この閣僚会議で決定されました地球温暖化防止行動計画、こうした計画に基づきまして各省庁におきまして地球温暖化に関する機構の解明、将来予測、影響の評価、対策の立案や評価、こういったものに関します調査研究を推進しているところであります。
 また、環境庁におきましては、平成二年度、昨年度から地球環境研究総合推進費という予算を計上しておりまして、この中で関係する省庁の国立試験研究機関と共同いたしまして地球温暖化に伴います海面上昇の影響予測あるいは水収支への影響、それからさまざまな都市環境に対する影響の評価あるいは対策に関します研究を実施しているところであります。
#168
○政府委員(長瀬要石君) 二十一世紀に向けまして安定した潤いのある国土を形成することは、国土政策の上で大変重要な課題だと私どもは認識をいたしております。そのような意味合いにおきまして、温暖化がどのようなテンポで進行する可能性があるのか。そしてその結果、海水面の上昇でありますとかあるいは降雨雪量の減少というようなものがどのような形で生ずるのか。その結果、国土の自然条件でございますとかあるいは居住生活条件がどのように変化していくのか。こういった点につきましては、二十一世紀の国土を考えてまいります上で、大変重要な課題だと私どもは認識をいたしております。
 このような観点からいたしまして、国土庁といたしましても関係省庁の調査、知見、こういったものも十分参考にしながら、本年度から二十一世紀の国土構造の展望作業、こういう作業に着手をすることにいたしておりますので、その一環といたしましてそういった地球温暖化の国土に及ぼす影響というような点につきましても所要の研究、検討を進めてまいりたい、このように考えております。
#169
○坂野重信君 この問題につきましては、先ほど河川局長からお話のありましたように、一体どのくらいかかるかということで、恐らく何十兆円ぐらいかかるだろう。そして、施工期間の話はなかったんですが、恐らくこれは十年や二十年、相当な期間がかかるだろうと思いますから、そういうことを考えますと、ただ金を惜しんで、まだ先のことだからというふうなことでほっておけないような状態だと思うわけでございます。
 したがって、各省庁で一応の実行計画というものはできておるようでございますが、環境庁が中心となって国土庁あたりがこれを支えながら、これは通産省もあれば科学技術庁もあり、気象庁もあれば建設省、各省庁がそれぞれ関係してくるわけでございますからもう少し本気になって、しかも国際的な中で日本がやっぱり指導的な役割を果たしながら世界各国を引っ張っていく。特に太平洋を中心としての考え方というものは、聞きますと、アメリカも余り熱心じゃないようでございますから、日本がやっぱりリード的な役割を果たしながら、多少資金が必要というならばそういうものも準備しながら思い切った対策を今のうちから考えておいて、それで急に海面が上がったからといって間に合わぬわけで、何年もかかるし、しかも何十兆もかかるということですから、そういうことになったら大変なことになるわけでございますので、ぜひ各省のこれに対する対応をひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 環境問題の方は以上でやめますが、スーパー堤防の話です。先ほど西野先生からも話が出まして重複する点は省きますけれども、スーパー堤防方式というのは、やはり異常出水に対する安全度の確保、仮に洪水がスーパー堤防の上をオーバーしても普通の堤防のように局部的に大破堤を起こして家屋もろとも吹っ飛んでしまうというようなことはないわけでございますから、そういう意味での異常洪水に対する安全性ということと、やっぱり治水と沿岸の土地利用とを兼ねた画期的な事業だと私は思うわけでございます。
 そこで、今回は法律の改正によってこれを裏づけようということがねらいでございますが、昭和六十二年度から既に事業は創設されておる。聞くところによると、淀川の左岸の枚方地先でも一部完成しているということを聞いておりますが、こ
の河川法の改正ができた場合とできない場合とで、今までやっている事業にどういう影響をこれは及ぼしていくかということを説明いただきたいと思います。それと、今後の事業化の見込み等についての説明をお願いしたいと思います。
#170
○政府委員(近藤徹君) 現在、荒川、利根川、江戸川、多摩川の関東の四河川、淀川、大和川の近畿地方二河川の計六河川において事業を進めておるところでございます。
 今回の改正をお願いすることによりまして、一つは、この高規格堤防の堤体の上面について通常の土地利用を許すということで進めておるわけでございますが、その際に現在の河川法による規制が加わりましていろんな許認可事項等面倒な手続が大変必要なわけでございますが、今回の法改正によって、通常の土地利用に関するものについてはそのような許可行為は一応緩和したということが大きな点でございます。また、それによりまして、仮に災害時において変形した場合においても河川管理者が原形復旧に直ちに立ち入れるということで、堤防としての機能を確保しつつその堤体の上面については従来と同様な土地利用をすることができ、その地権者にも御迷惑がかからないでこの事業が進められていくという意味では、大変この法制度の改正によって事業が円滑に進むこととなると思います。
 そういう点で、ぜひこの法改正についてお願いする次第でございます。
#171
○坂野重信君 それと都市計画の方の関係あるいは住宅の関係で、再開発とこのスーパー堤防との調整が出てくるわけですけれども、再開発制度についてのリバーサイドに関連した概要それからスーパー堤防関連の融資制度、そういうようなものがこういったスーパー堤防と関連してどういうぐあいに展開されるのか、簡潔にひとつ説明いただきたいと思います。
#172
○政府委員(立石真君) 大都市地域でこの高規格堤防等を整備しようとしている地域におきましては、河川沿いに住宅地等密集市街地がある場合が多いわけでございまして、事業の実施に当たってはこれらの市街地整備とあわせて行う必要があると考えております。
 このため、平成三年度におきましては、高規格堤防等を整備することとまた市街地再開発事業を行うこと、これらを一体的に推進するためにリバーサイド再開発事業制度を創設したところでございます。この事業におきましては、リバーサイド再開発計画を策定すること、そしてまたこの区域内における公開空地であるとか人工地盤であるとか、そういうような施設の整備に対して新たに補助を行うこと、さらに市街地再開発事業に対して補助対象の拡充を図ることなどを考えているところでございます。これらに加えまして、事業の区域内におきまして従前から居住している人たちに対しまして家賃の低廉なる住宅を供給するために再開発住宅制度の拡充もあわせて行うこととしているところでございます。
 これらによりまして、高規格堤防等を整備することと市街地整備を一体的に推進してまいりたいと考えております。
#173
○坂野重信君 今説明があったように、大河川の都市部のはんらん被害の防止ということと同時に、沿岸の土地利用という面から大変これはおもしろい事業だと思いますので、ひとつ各局で十分調整連携を密にされながら事業の推進を図っていただきたいと思います。
 そこで、今問題の建設残土とかいろいろ産業廃棄物、そういった処理とあわせて今のスーパー堤防を実施するということ、これはまさに私は時宜を得たものと思いますけれども、東京近郊の建設残土の把握は一体どのようにして行われているか。恐らく今のところケース・バイ・ケースしかないと思いますけれども、全体的に残土の把握というものが可能であるかどうか。できることならば地域的に量的に推計できて、それを計画的にこういったスーパー堤防等の事業とあわせてやっていけば、まことにこれは理想的な形になると思いますけれども、この辺の現状はどうなのか、説明いただきたいと思います。
#174
○政府委員(望月薫雄君) 担当の建設経済局長が今海外出張中のために、私が建設経済局長事務代理としてお答えすることにいたします。
 おっしゃったように、建設残土の発生は年々大きくなっている今日でございます。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
こういった中で、私ども建設残土をどういうふうに処理するかということは、それ自体も大変重要な課題という認識に立っておりまして、とりわけこれまで首都圏、中部圏、近畿圏、いわゆる三大都市圏については各ブロックごとに連絡協議会というものを持たせていただきまして、お互いに情報交換あるいは利用、活用の促進ということに努めている今日でございます。
 こういった協議会の場で掌握している数字をせっかくですからちょっと申し上げさせていただきますと、首都圏、具体的には東京、千葉、神奈川、埼玉の一都三県の地域でございますが、この区域につきましては、昭和六十二年度の実績として大体五千六百七十万立米、霞ケ関ビルで百十杯分くらいの量が発生いたしております。ちなみに、昭和五十年と比べまして十二年間で一・三四倍にふえているという状況であります。
 同じように近畿圏で申しますと、大阪府、京都府あるいは兵庫県、奈良県、この二府二県の区域で申しまして六十二年、同じように三千九百三十万立米、こういう状況でございまして、これは昭和五十五年の数字と比べますと一・四六倍というふうにかなり多くなっております。
 いずれにしましても、これらの残土については今までそれぞれのところの中で有効利用なり処分がなされているわけでございますが、今後のことを展望いたしますと、当然のように官民続いての建設投資の増大の過程でまだまだふえていく方向にございます。私どもその際に、建設残土というのはいわゆる貴重な資源である、こういった認識が今こそ必要だ、こういうふうに認識いたしているところでございまして、そういった観点に立っての幾つかの処置、対応をしていきたい。
 その一点は、発生量をできるだけ抑制するということが当然ございますが、さらに二つ目に広域的な利用調整を図ることによって工事間の流用、活用をする、これがございます。さらに残土の受け入れ地を積極的に拡大する。この中には今般御審議いただいています高規格堤防だとかあるいは宅地化事業の促進だとかいうふうな分野が当然期待されるわけでございますが、そういった多面的対策を、先ほど申しましたようなブロック協議会等の機関を通じまして、合理的に総合的に進めていきたい、このように考えております。
 いずれにしましても、こういったことは情報交換というものが非常に重要でございますし、その間における官民一体となって取り組むということが基本でございます。私どもそういったことで進めたいと思いますし、同時にこの問題は何も三大都市圏に限りませんで、地方圏についても同様なことが懸念されます。私ども平成三年度から各ブロックにおいても同様の場をつくって取り組んでまいりたい、かように考えております。
#175
○坂野重信君 それでは、この問題はこのぐらいにしておきまして、次は治水事業であります。
 治水事業と生活関連枠との関係で、とかく治水事業というものはいわゆる生活関連との関係は割に希薄と考えられていて何となく誤解を持って解釈されている。これはあるいはアメリカとの四百三十兆の日米構造協議の中でそういう話が出てきたためにそういう誤解が出てきたかもしれませんが、生活関連といえば特定の事業というようなことになっておって、そういうような表現がよくされるわけでございますが、これは大変な間違いでございますので、治水事業その他の問題も軽視できません。そういう意味から二、三点私は指摘しておきたいと思います。
 まず、治水事業のいわゆる利用の面といいますと、水資源の問題もあればいわゆる河川敷等のウオーターフロントの計画の問題があるわけでございます。ウオーターフロントの問題からいいます
と、建設省の行ってきた河川、海岸、ダム、ダム湖あるいは天然湖水等の保全並びに水辺環境整備事業、いわゆるウオーターフロント事業というものは申し上げるまでもなく最近相当な勢いで充実されまして、国民に憩いの場あるいは運動場というものを提供して、豊かさを実感できるふるさとの町づくりと地域の活性化に大きく寄与しております。
 そこで、省内各局間はもちろんのことですが、自治省、運輸省、農水省等関係省庁とも連携をとりながら、建設省が中心となってこういったウオーターフロント計画というものの一層の充実を図るべきだと思いますが、この辺の考え方について大臣の御感触をお伺いしたい。
 もう一つ、水資源の問題でございますが、水資源というのは上水道用水や工業用水あるいは農業用水として欠くべからざるものであることは申すまでもないことでございますが、特に最近下水道が非常に普及してまいりまして、いわゆる近代式水洗用水とかあるいは下水の浄化用水、水洗にしても紙を使わないで水で流すというような方式がだんだん徹底してまいりましたから、それに伴う用水というものがだんだんふえてまいります。
 そういったウエートがふえてまいると同時に、国民生活の向上と国民のニーズの多様化に伴って、さっき申し上げましたウオーターフロントに必要な清流の低水路等を確保する。いわば水辺環境用水とかあるいは公園緑地用水といっても噴水とかスプリンクラーとか、あるいは池に河川水等を、あるいは海水等を導水するというようなこと、あるいはリゾート用水といいますか、フィッシングとかボート、遊泳等に必要なリゾート用水というもの、今まで河川の場合はいわゆる各河川の維持用水という名前で言われておったこういう生活に関連したいわば基準用水、基準水路と私は言ってもいいんじゃないかと思いますが、そういうような用水路というものの確保がだんだん重要になってきた。場合によっては、これを確保するための水資源開発もまた必要ではないかというようなことまでも考えるわけでございますが、その辺についての建設大臣、河川局長の感触をお伺いしたいと思います。
#176
○政府委員(近藤徹君) 河川周辺あるいは河川内の水辺空間の整備というのは大きな課題でございまして、これらについては従来からも各種の事業を関係部局と連絡をとりながら進めておるところでございます。とりわけウオーターフロントといたしましては、地域の発想をもとにしてふるさとの川モデル事業とかマイタウン・マイリバー整備事業、あるいはダム湖周辺の整備と公園と一体となったレイクパーク事業、あるいは海岸と建設省所管の道路、公園、下水道、都市整備と一体となったコースタル・コミュニティ・ゾーンというような各事業を実施しているところでございます。
 また、水辺環境の維持用水というのは新しい観点ではございますが、従来維持用水の確保に最大限の努力を重ねてきたわけでございまして、これは一方で水辺環境の形成も重要な事項でありますから今後も進めてまいりたいと考えております。
 今おっしゃった各事項についても、それぞれ従来進めてきた各種事業をさらに拡大して対処してまいりたいと考えております。
#177
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま先生の大所高所からの御意見を含めまして、治水事業がこれからの国民生活の特に中心になる生活関連公共事業の柱である。しかも四百三十兆円のこれからの公共投資のスタートの年にも当たるわけでありますけれども、いわゆる治水事業が我が国で非常に大事な柱として位置づけられるわけでございまして、特に、狭い国土でありますが、その一〇%がいわゆるはんらん区域であり、しかもその中に五〇%の人口と七五%の資産が集中しているというようなことを考えますと、治水事業というのはいかに大事であるかを改めてまた認識をするわけでございます。
 先ほど来いろいろ御論議もございまして、特に長良川につきましてもゼロメートル地帯ということで我が国のゼロメートル地帯の四割に当たるわけでございますけれども、その沿川に住んでいる方々の生命や財産を守るということはいわゆる建設行政の中でも大変大事である。今おっしゃるとおりこの治水事業をそのような認識で強力に進めてまいりたいと存じますし、またウオーターフロントやリゾートにおけるいろいろな水利用につきましては、当然のことながら、ただいま局長がお答えをしたような観点から、総合的な対策を進めてまいりたい、このように考えております。
#178
○坂野重信君 時間の関係もありますのでちょっとはしょってまとめて申し上げますが、今申し上げたのは河川の利用、水資源の面から申し上げたわけでございますけれども、いわゆる治水――災害を防除する、洪水を防ぐ、あるいは土砂流を防ぐという立場からいたしますと、やはり流域全体を考えるときに、下水道の進捗だとかあるいは人家の増加、地域開発というものの進展に伴って各流域ごとの状況というものが変わってくるわけです。そして、それに応じたバランスをとった治水の総合的な見直しというものを常に行いながらやっていかなけりゃならない。それから、土石流とか地すべり、あるいはがけ崩れ等についてもやはり総合的な対策と推進というものが必要であって、単なるハード面だけで砂防ダムをつくったり、あるいは水路をつくったりということで済むわけじゃありません。
 そういう意味で、人間の生活とのかかわり合い、地域の開発、人家の増加、そういうものとのかかわり合いが非常に大きいということは今さら私が申し上げるまでもないと思うわけでございますが、治水施設の保全、いわゆる国土保全は、今申し上げたように国民が安心して国土に居住できるという立場から言いますと、まさに国土防衛、国民生活防衛という国民生活の根幹にかかわるものでございます。
 そういうことを考えてみるときに、いわゆる生活関連、公共事業の生活関連度といいますか、そういった判定基準は一体どこに求めるのか。これは大蔵省にお伺いしても無理かもしれませんが、しかし予算の配分には大蔵省が直接いろいろな面で携わられるわけでございますが、経済企画庁がいろんな日米の構造協議の中で生活関連というような考え方をどういうぐあいにまとめたか私も知りません。しかし、日常の触れ合いの度合いのみが重点であってはならぬと思うわけでございまして、今申し上げた安心とか安全とかという命にかかわる問題こそがまさに我々の大事な根本策でございます。
 アメリカ式のいわゆる生活関連、アメリカには日本のような治水というようなことは大分日本と状況違うわけでございますから、そういう理解がないと思います。そういう中で生活関連といいますと、やはり下水道、都市公園、住宅というものがもちろんこれは重点であることは間違いありませんが、しかしそれと余りにも差をつけた形で治水事業というものがランクされるとすれば、これは大変な間違いで私はあると思うわけでございます。そういう意味で私は、治水事業というものは公共投資の四百三十兆の中でやはり住宅、下水道、都市公園事業等と同様に強力に推進すべき事業であるということを感じているわけでございます。また、そういう立場で今後とも主張してまいりたいと思います。
 せっかく大蔵省もおいででございますので大蔵省としての考え方、例えば道路にしても無理に国幹審で行われる高速道路とそれから都道府県道などとわざわざ分けて考えて、都道府県道以下が生活関連であるとかあるいは河川にしても直轄河川と中小河川その他のものと仕分けして考えていることがあるんじゃないかと思いますけれども、その辺の考え方はやっぱり日本は日本なりの考え方でやってまいりませんと、五カ年計画をつくるということを考えますとその中に全部入ってくるわけでございますから、この事業の内容としてその辺をどう考えていくかということについて、ひとつ個人的な見解でも結構でございますから、大蔵省の考え方をお願いしたいと思います。
#179
○説明員(林正和君) お答え申し上げます。
 公共投資基本計画におきましては、これは企画
庁が中心になっておまとめになられたわけでございますが、その中で公共投資を従来やっておらなかった機能別に分類するという作業をされたわけでございます。この内容は省かせていただきますが、これは企画庁も言っておられますように、機能別の分類による整理というのは今回新しく始めたものでありますし、あと社会資本によりましてはなかなか機能別分類が必ずしも一義的にいかないというものもあるので、全体として幅を持って考えるべきであるというようにたしか言われているかと思います。
 いわゆる生活環境、文化機能というのはそういうことでございますが、私どもの予算の関係で直接申し上げますと、平成三年度の概算要求基準で設けられました生活関連重点化枠の配分に当たりましては、先生御案内のとおり公共投資の基本計画にございます考え方、こうしたものを参考にいたしまして、既に公共事業等実績のあるものを基本として国民の日常生活の質の向上に密接に結びつくそうしたものの事業を個別にいろいろ見させていただきまして、このたび配分をさせていただいたということでございます。
 ただ、先生の御指摘にもございましたように、確かにこれから国民の生活に関連した分野について重点を置いていくということが必要でございますが、と同時に国民の生命、財産の安全の確保に関する事業、あるいは国民の経済基盤と深くかかわりのある事業等ございまして、これらも重要な使命を持っておると同時にこうした御要望も非常に強うございます。したがいまして私どもとしましては、生活関連に重点を置いてはいきますものの、社会資本全体としてこうしたものについても十分バランスをとりながら整備を進めていくべきものだというように考えております。
#180
○坂野重信君 主計官の考え方に私も安心しているわけですが、いろんな議論はありましょうけれども、その議論を進める中でそういう考え方を忘れないでぜひお願いしたい。平成四年度から新五カ年計画がスタートするわけでございますが、以上の議論を踏まえて、建設大臣にぜひひとつ大幅な思い切った五カ年計画をまとめていただきたいと思います。
 そこで最後に、もう時間が参りましたが、先ほど西野先生から河口ぜきの話が出ましたので。
 私は昔河川局長をやっておりました。その当時からこの問題はやっぱり環境問題を含めた総合的な調査というものをがっちりやっていこうと。もちろん魚の問題もあれば周辺に与える影響、砂の問題がある、水質の問題もあるということで、その当時からかなり総合的な調査はやってきたつもりです。それで今日に至っている。建設委員会としても、長良川の破堤があったのは十年ぐらい前ですからね、皆さんと一緒に委員長もそろって破堤現場へ行ったんですよ。そのときも長良川は何としてもこれは治水上の観点から河口ぜきを早く設置すべきだ。その当時、水資源の問題もありましたから、あわせてひとつ推進しようじゃないかと。これは知事さん以下我々みんなそろって、与野党ともそこに行ってあの長良川の破堤の惨状を見て、皆さんもまさにコンセンサスがあったと思うんです。
 その後確かに環境上の問題が起きてまいりましたけれども、さっき河川局長が言ったようにいろんな議論がありました。前環境庁長官からも強い意見があって、我々も意見をまた党の中で言ったこともあるんですが、今のところは、さっき説明があったように、工事を続行しながら、そして環境の調査というものもできるだけやっていこうと。それで私は、せきができ上がった後でやっぱり環境の問題ということを、環境保全を考えながら、環境を害しないようなことを配慮したせきの運転操作というものをやるべきだと思います。そして、河川局長が言ったように、これは試行錯誤ですから、やってみてまずいところがあれば、それは場合によっては直せるところは直すということもやはりあるわけです。
 ただ、我々は安全のためにやっているので、この前の予算委員会である先生から発言があったように、何かあれをつくったらかえって不安になるんだと、とんでもない話でございます。疎通能力を上げて、しかも水位を上げないでできるだけああいう場所ですから疎通をうまくしていこうと、それにあわせて水資源もやっておる仕事ですから、どうぞひとつ信頼いただいて、優秀な連中がそろっているわけですから、河川局長は自信を持ってこれは推進して、早くつくって、そして地元の皆さんもやっぱり待っているわけですから、これは治水上からいうと大変な問題でございますので、ぜひその辺を皆さんも御理解いただくと同時に、ひとつ建設大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。
#181
○国務大臣(大塚雄司君) 私は、就任以来この問題につきましては、いろいろの方の御意見を聞いてまいりました。当然のことながら沿川の自治体の皆様方の意見も十分に聞いてきておるつもりでございまして、おいでになる自治体の長の皆さんから今の坂野先生のようなお話をたくさん聞いております。また一方、西野先生のような御意見も当然聞いておるわけでありますから、環境を大事にするということについては人後に落ちない私でございますので、十分聞く耳は持っておるつもりでございますが、工事の方は粛々と進めさせていただくということで今日まで申し上げてまいりました。
 いずれにしましても、沿川の生命、財産を守ることは何より大事でございますし、先ほど長島町のお話もございましたが、選挙の結果を私は云々するつもりはございませんけれども、町長はかつて三十四年の水害のときに奥さん、子供まで亡くして、このことにかけて今日までやってきた経過等も聞いております。少なくとも技術的にも河川局長初め建設省のスタッフは自信を持っておるわけでございますので、ぜひ御理解をちょうだいしながら、またせっかく三項目について調査もするということをいたしておりますので、今後そのような調査の結果等も踏まえながら、環境の保全やまた魚の生息等についても十分な配慮をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
 同時に、坂野先生から今お話がありました平成四年度から始まる新五カ年計画でありますが、今回お願いしておりますこのスーパー堤防の事業につきましては、治水事業を国民生活の柱としてしっかり位置づけながら進めると同時に町づくりをやろうと、一石何鳥ということも申しませんけれども、私はこの事業が進むことによって日本のはんらん地域あるいはゼロメートル地帯の治水もだんだんよくなってまいりますと思いますし、生活の環境もよくなっていく、こういうことを皆様にお願いいたしておるわけでございますので、ぜひ御理解を賜りまして御協力を賜りますよう、私も不退転の決意で取り組んでまいる所存でございます。
#182
○坂野重信君 終わります。
#183
○白浜一良君 河川審議会の答申を見ましても、いわゆる超過洪水対策で第一番目に挙げられておりますのがこの高規格堤防でございまして、また本改正案の趣旨、建設省の書類を見ましても、「効果」ということでイの一番に「超過洪水時の破堤による激甚な被害の発生が防止され、治水安全度の著しい向上が図られる。」このように書いてあるわけでございます。
 いわゆる治水面での堤防整備でございますが、従来の堤防でございましたらどの程度危険度があるのか、まず述べていただきたいと思います。
#184
○政府委員(近藤徹君) 従来から我々の進めてきました治水のための工法は、今まで発生しました洪水あるいはそれらから予測されるある確率、頻度で考えられる洪水、例えば大河川におきましては百年から二百年に一回ぐらい発生する洪水を想定いたしまして、その洪水が安全に流下できるように上流ではダムを建設して洪水調節を行い、あるいは中流において遊水地を設置し、また下流の河道については所要の洪水流下能力を持つ河道を整備するという手法で進めてきたところでございます。したがって、下流の河道におきましては計
画高水流量を一応安全に流すということを目途に進めてきておるところでございまして、その限りにおきましては従来の堤防は計画高水流量を安全に流す所要の強度を持っておるわけでございます。
 しかし、自然現象の降雨が対象でございますから、計画高水流量以上の洪水が発生することはある頻度で予測されるわけでございます。その際に、従来の堤防でございますと、堤防を越えて溢流してくる流水によって欠損して破堤になる、あるいは堤防が浸潤して浸透水によって破堤するというような危険がどうしても出てくるわけでございます。そういう意味で、今回は仮に超過洪水、計画以上の洪水が発生しても破堤しないようにということを念頭に置きまして、この高規格堤防を提案して、昭和六十二年度からこの事業に着手したところでございます。
#185
○白浜一良君 御趣旨はよくわかるんですけれども、私は大阪ですから、枚方市の出口地区ですか、これはほぼ完成されているらしいんですけれども、治水面だけから見れば、それはこういう事業の出発点ですからまだ完備されてないのは当たり前なんですけれども、一部だけでこういうふうなのができたって本当に何の意味もないんですね。いわゆる公園、住宅という面で、面的な整備がされる、これは現地のいろんな声を聞きましてもいろいろそれなりの成果はあると思う。確かに、堤防が広くなりましたら面的な整備がされます。ところが、治水面から見ましたらこんなの百メートル、二百メートルあの大きな淀川の中にできたって、周りはぐんともっと低いわけですから、破堤とか冠水とか含めましてそれほど効果はないわけです。
 だから、イの一番に挙がっているんですけれども、私が聞きたいのは、要するに治水事業全体におけるスーパー堤防(高規格堤防)の位置づけ、これをきちっとやっぱりしてもらいたいなと思っているわけですが、もう少しきちっとお話をお願いします。
#186
○政府委員(近藤徹君) 我々の現在進めておる事業は、計画に基づきまして上流でダム建設、中流で遊水地あるいは下流における河川改修というものを進めることによって、計画高水流量を安全に流下させるということを念頭に従来から進めてきたところでございます。その限りにおいては、従来の事業は事業として進めていくわけでございますが、大都市を貫流する大河川においては、一たん破堤しますと壊滅的被害を生ずる可能性がある。したがって、超過洪水が発生した場合に、我が国の中枢機能のあるような地域で我が国の経済諸活動に大打撃を与えるような被害をこうむるということはぜひ避けなければならない。
 そこで、その事業をいつの時点で着手するか。今の治水事業が完了した後で着手するという考え方も一つとしてはあると思うのでございますが、先ほども御説明しましたように、東京二十三区では既に四階建て以上の建物が二〇%ございますが、幸いにして、例えば荒川とか江戸川とか、この周辺におきましては二階建て以下の建物が九八%、まだ土地利用も高度化されていないということでございまして、現在の都市発展の動向から見ますとこの地域が早晩土地利用が高度化していくのではないか。高度化が完了してしまった段階でこの高規格堤防ということになりますと将来大きな手戻りになる。たまたまこの地域におきましてはさまざまな区画整理事業とか都市再開発事業とかいろいろ事業が行われておりますので、それとタイミングを合わせましてその事業計画区内に盛り土をさせてもらって、高規格堤防の形ができてくるということによって、少し息が長くなりますが、そういう土地利用の動向とタイミングを合わせながら順次積み上げていきまして、高規格堤防を整備していこうというふうに考えておるわけでございます。
 その場合に、それでは遠い将来になって初めて一連の堤防がつながるのかということではございますが、中途段階におきましても高規格堤防を整備したところにつきましては水防活動の必要がなくなるわけでございまして、従来全川にわたって水防活動をしなければならなかったのがその部分がだんだん少なくなってくる。現に都市部におきましては水防団員の高齢化とかあるいはサラリーマン化していまして、従来農民ですと雨が降ればすぐ出てきていただけたわけでございますが、そういう水防団員の数の確保という点でもこれからの高齢化社会では大変問題がありますので、水防活動を必要としないようなものに置きかえていくというのも大きな知恵だろうと思います。
 そういう意味で、仮にこの高規格堤防、出口地区では非常に距離は短いわけでございますが、そういうことの一つ一つの積み上げによってだんだん安全度が増していくということも言えるわけでございますし、いずれにしてもこれら合併事業によって、区画整理の方の我々の事業でも合併することによって総事業費はかなり縮減することもできまして大変経済的でもございますので、我々はそういう流域沿川の土地利用の動向を見ながらタイミングよく実施させていただきたいというふうに考えておるところでございます。
#187
○白浜一良君 話はよくわかるんですが、相当流域でやらないとこれは効果は出ませんし、そういう破堤、超過洪水が大都市に起こると非常に被害が大きいということでそれはよくわかるんですけれども、ただ淀川水系で言いましたら一番密集しているのはやっぱり十三周辺ですよ。要するに、大阪市内に入ってからなんですよ、もう河口に近いところ。枚方なんて、失礼ですけれども、確かに家は建っていますけれども、そんな言うほど密集していないんです。私は大阪ですからよく知っているんです。ですから、このスーパー堤防そのものは私全面的に否定するものじゃないんですけれども、治水という面から見れば、相当この工事が進まないと、流域面においてやらないとなかなか効果は出ない、そういう疑問からお話ししたわけでございます。
 それと関連しましてもう一点聞きたいのは、いわゆる堤防ができているわけです、スーパー堤防をやるかというようなところはですね。ところが、大河川でもまだ六〇%ぐらいですか、中小河川では三一%か二%か、その程度でしょう。また、そういう治水という面で見ればもっと手を入れなければならないところはいっぱいあるからその辺を非常に私は心配しているわけでございまして、これは予算に限りがありますから非常に難しい問題もあるんですけれども、当然そういう中小河川の改修の方がそういった面では優先度が高いんじゃないか。そういう声も治水という面から見れば上がってくるわけでございまして、その点につきまして御見解を伺いたいと思います。
#188
○政府委員(近藤徹君) 確かに、中小河川は現在時間雨量五十ミリで約三〇%程度と大変整備が立ちおくれているわけでございまして、これらの整備についても懸命に努力しているところでございます。
 一方、先ほど言いましたように、この事業は将来の国民のためにも、将来壊滅的被害ということを回避するためにも極めて重要な事業でありまして、しかも今の時点から着手しないと大きな手戻りを将来生ずるであろうということが明らかに予測されておりますので、それらの兼ね合いということで予算配分の上でも大変苦労が多いわけでございますが、私どもとしては河川周辺で都市整備事業が行われるようなタイミングでございますとかなり経済的な施行もできますし、しかもその効果が遠い将来にわたって発揮できるだけではございませんで、今時点から着々と効果も上げてくるということで、それぞれの地域の土地利用動向を見ながら、もちろん中小河川にも全力を挙げつつ両面から進めてまいりたい。いわば長期展望に立って今後も進めてまいりたいというふうに考えております。
#189
○白浜一良君 それでは、次に建設残土の問題で、先ほどお話も出ていましたけれども、この効果の中の五点目に「建設残土の処分に資する」というふうに書いてあるんですが、要するに建設残土の処分にどの程度資するわけですか。この辺を
伺いたいのと、今後どれだけスーパー堤防ができていくかにもよるんでしょうけれども、残土の対策としてどれぐらい量的な面で利用されていくのか、その辺を伺いたいと思います。
#190
○政府委員(近藤徹君) この事業は昭和六十二年度に事業着手したわけでございますが、自来、高規格堤防の整備において約二百万立米の盛り土を実施いたしました。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
このうち約百六十万立米につきましては河川の掘削残土を利用しておるところでございまして、約十一万立米については一般の建設残土を利用しているところでございます。
 今後、建設残土におきましては、首都圏、近畿圏等におきましてそれぞれの事業者相互において建設残土に関する連絡協議会を設ける場をつくっておるわけでございますので、そのような連絡の場において情報をいただきました上で、実施に当たっては、その建設残土のうち十分品質のよいものについては積極的に利用を図っていきたいというふうに考えております。現時点では数字までは申し述べられませんが、極力資源の有効利用という観点も踏まえて活用してまいりたいと考えております。
#191
○白浜一良君 それで、確かに大事な要素でございまして、老朽化していく道路とかビルとかこれから出てくるでしょうし、大きな問題になっていきますからね。
 ある雑誌で、建設省で「建設残土・廃棄物に関する処理要綱を策定することとし、三月中に学識経験者、業界代表らで構成する委員会を設置する。そして、約一年をかけて検討を重ねた上で、平成三年度末には要綱として取りまとめ、業界等へ周知徹底していく方針である。」こういうふうに記述が出ておりました。これは事実このように進んでおるんですか。
#192
○政府委員(望月薫雄君) 先ほど坂野先生にも申し上げましたけれども、私ども建設残土の問題というのは大変重要な課題と受けとめておるわけでございまして、そういった中で、おっしゃったような協議会、研究会を従来活用してまいっております。片方で現場的には、各地方建設局が中心になっての関係事業者による協議会も運営するということでございますが、今先生おっしゃったように、業界も含めての取り組みという観点から、残土あるいは廃棄物も含めてのガイドラインを準備中でございまして、何とかこの四月中には整理したい、こんな感じでございます。
#193
○白浜一良君 次に、このスーパー堤防の事業面についてちょっとお伺いしたいんですけれども、盛り土をして幅を広くしていくわけでございますが、そこにまた住宅なんかが建つわけですから、普通考えるとそうですけれども、盛り土すると地盤が弱いわけですね。そういう盛り土された場合の堤防の強度というんですか、地盤の何か基準とかそういうのは考えていらっしゃるんですか。
#194
○政府委員(近藤徹君) 盛り土その他につきましても、例えば住宅建設においても盛り土したところに住宅建設をしている事例もございますので、これらの実質的な成果を踏まえつつ、かつ堤防として十分な強度を持つような品質管理を行いながら進めてまいりたいと思っております。
 なお、場所によりましては地盤が軟弱なところがあって、その上に住宅建設するといろんな問題点があるようなところにつきましては、徹底的な地盤処理を行って、安全な強度を確保した上で実施してまいりたいと考えております。
#195
○白浜一良君 もう一つ聞きたいんですけれども、いろいろ完成予想図とか見ましたら、盛り土された堤防の下に道路が走ったり列車が走ったりするんですけれども、そういう場合、全部整備が終わってからまた掘り返してやるというのは大変なことでございますから、その辺何かもう少し計画的にいろいろ各省といいますか、連携をとって進んでいくような態勢にはなっているんですか。
#196
○政府委員(近藤徹君) これらの事業を進めるに当たりましては、我々指導の治水対策及びその上面の都市的利用という立場で都市計画部局等と密接な連携をとりながら進めていかなければならないと考えております。また、出先のレベルにおきましても、地方公共団体の都市計画部局等と十分連携をとりながら、都市計画の長期構想のもとに進めていくこととしております。
 ただ、お示ししましたパンフレットの中に道路や鉄道が通るような図面がかいてございますが、現時点で道路や鉄道等の構想があるものは、まだ具体化した構想はないわけでございますが、今後も長期的視点に立って関係部局と十分連絡をとり、手戻りがないように調整しながら、着実に進めてまいりたいと考えております。
#197
○白浜一良君 じゃ最後に、大臣に伺います。
 先ほど局長にも御質問したのですけれども、スーパー堤防そのものは別に反対する企画でも何でもないんですけれども、いわゆる生活に直結する治水という面から見ましたら、中小河川とか都市河川というのは非常に大事で、こういうところはよくはんらんしやすいんですね。ですから、建設省としてはこういう治水面で河川対策全体を進めていく必要がある。そういうことで建設省としての考え方といいますか、大臣の見解といいますか、明確にお述べいただきたいと思います。
#198
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほども坂野先生にもお答えをしたわけでありますが、治水事業というのは国民の生命、財産を守るという観点からも、また生活環境を改善して環境を整備するという面からも、両方兼ねて行う仕事としては息が長いという答弁を局長がいたしましたが、今回の高規格堤防の整備というのは、将来に大変大きな役割を担うものだと、こういう認識でおるわけであります。
 したがいまして、直ちに何キロ完成をするということではないと思いますけれども、これだけのことをやるのでありますから、地方自治体の協力、関係権利者の御協力がなければ当然できないわけでございます。予算にも都市公園の予算やあるいは住宅の予算やいろいろございます。土地区画整理法とか再開発法であるとか地区計画等々いろんな手法を組み合わせまして、そして結果的に高規格堤防が整備されていくような方向へ進んでいく、このことが結局は生活に密着した国民の公共投資につながっていくというふうにも考えておるわけでございます。
 第八次治水事業の五カ年計画も平成四年から始まるわけでありますが、それに向けまして全力で予算の獲得にも努力をして成果を上げてまいりたいと、このように考えております。
#199
○政府委員(望月薫雄君) 先ほど先生に御答弁申し上げた中で一点ちょっと間違いがございましたので、謹んで訂正させていただきます。
 資源再生利用等促進法の関係のガイドラインについてでございますが、先ほど私四月中にまとめたいと申しましたけれども、四月中に検討態勢を準備して、十月までにはまとめさせていただきたい、かように思いますので、おわびして訂正させていただきます。
#200
○上田耕一郎君 先ほど坂野委員から長良川河口ぜき問題で与野党一致して促進の状況があったというふうな発言がありましたけれども、事実と違いますし、私どもの党は現地の町議会でも、それから国会でも少なくとも日本共産党はそういう態度をとったことはないので、一言申し上げておきたいと思います。
 スーパー堤防問題の河川法改正問題ですけれども、大都市の大河川で超過洪水対策の必要なこと、そのため、土地買収方式でなくて、民有地の上に盛り土をして民間の利用に供するようにすると。そうであれば、当然権利制限の緩和が必要になるということなどは私どもも認めたいと思います。
 工事中あるいは調査中の二十六カ所について私ども地元の意見その他の聞き取り調査などをしました。それから、江戸川、荒川については九カ所現地調査もいたしました。多くのところでは公有地の公園整備などが多いので今のところは余り問題は出ていないんですが、実地に調べてみるとやっぱり幾つか問題が出ていることに気づいたの
で、時間も余りございませんので幾つか絞って質問したいと思うんです。
 第一の問題は、先ほども答弁がありましたけれども、再開発との関連の問題です。江戸川で言うと柴又地区だとか、あるいは荒川にも多いんですけれども、低層の住宅が密集しているところがいろいろあるわけです。そういうところを再開発事業と一体化して進めるという先ほど答弁がありましたが、やっぱり住民がいろいろ不安を持っているんですね。そういう際に、高規格堤防をずっと連続的にやらなきゃならぬということで、区画整理などを住民の意思を無視して上から強要するというようなことのないようにしてほしいと思うんですけれども、まずその問題をお伺いします。
#201
○政府委員(近藤徹君) 先ほど中小河川がまだ未整備な段階でなぜこの高規格堤防に着手するのかということについてるる御説明したわけでございますが、私ども厳しい財源の中から、民族の将来を考えた治水の知恵としてこの高規格堤防を進めていくと同時に、現に毎年のように水害に遭っている中小河川の治水対策も両方進めていくという形でございますから、当然ながらこの河川の沿川で区画整理その他の事業の機運が盛り上がって構想が実現に向かっている段階でぜひお願いするということでございまして、住民の意思を無視して強引にこの事業を進めるということは毛頭考えていないわけでございます。
#202
○上田耕一郎君 小松川第二地区、これは調査中なんですが、私も昨年行ったんです。ここは東京都の再開発が進んでいるところですね。東京都の方も国と相談して、地元の要望の人工地盤、これはどうやら合意が成立したようですけれども、このスーパー堤防が始まると再開発計画が変わることがあるんじゃないかとか、それからどこまでになるのかとか、いろいろ不安、疑問など出ているんですね。ここは東京都の再開発計画との関係はどうなっておりますか。
#203
○政府委員(近藤徹君) この小松川地区は昭和五十四年度に東京都施行の市街地再開発事業として着手されたところでございまして、私どもの申し入れましたのは、昭和六十二年高規格堤防整備事業に着手ということで東京都に申し入れたわけでございます。
 したがいまして、ここの都市計画的な構想につきましてはもちろん東京都の方の都市整備部局の構想に基づいて実施していくわけでございますが、その過程におきまして私どもの盛り土によってあるいは若干の都市計画の変更があるかもしれませんが、今回お願いいたしました河川法の改正によりまして、河川法におけるさまざまの従来ありました強い規制を緩和させていただくことによって住民の皆様に十分合意が得られるだろうと思いますし、そういう前提のもとに東京都と調整を図りつつ速やかに住民の皆様に御理解をいただくよう説明等も進めてまいりたいと考えております。
#204
○上田耕一郎君 二番目の問題はより大きな問題なんですが、一体住宅対策が主なのか、治水対策が主なのかという問題です。
 昨年の毎日新聞十月十一日の大きな記事で「堤防の上に住宅建設」という記事が載ったんですね。これは法律の内容は今度提案されているものと若干違いますけれども、この中には、建設省としては「六―七年後には、堤防約四〇キロ、住宅十万戸を整備する。対象の全八〇〇キロがスーパー堤防に生まれかわるのは、二〇五〇年以降で、約九〇〇〇ヘクタールが宅地化、百十万戸の住宅が建設される計画だ。」と、住宅建設をするためにスーパー堤防の今回のような法案を建設省は考えているという大きな記事なんです。
 現地を見てみると、まず虫食い的に始まっているわけですね。それから、治水対策として連続的にどこからやろうというのじゃなくて、手がつけやすいところをあっちこっち虫食い的にやっている。治水対策が主なのか、それとも、この住宅対策の説明の中にも「宅地供給に資する」というのが三番目に入っていますね、一体どうなんだと、ここのところはっきりした答弁をお伺いしたいと思いますが。
#205
○政府委員(近藤徹君) 高規格堤防整備によって大都市圏の壊滅的被害を回避しようということでこの事業は創設したわけでございますが、これらの事業においては、この堤体上の上面の通常の土地利用を許容していこうということでございますから、当然その上面の土地利用をされている方の十分な合意を得なければならないということでございます。その際には、現在住宅開発等が行われているようなものにつきましては、できるだけタイミングを合わせて共同で事業をさせていただきたいということで河川管理者の方から申し出ている状況でございますので、全体とすれば住宅対策に資することにもなりますが、基本的には治水対策を念頭に置き、息の長い事業としてこの事業を粛々として進めてまいりたいと考えております。
#206
○上田耕一郎君 じゃ、二〇五〇年以降、九千ヘクタール宅地化、百十万戸住宅建設計画、こういう計画はあるんですか、ないんですか。
#207
○政府委員(近藤徹君) 私ども河川部局でそのような数字を出したことはないと思っておりますが、恐らくは何か仮の計算でというようなことで出たのかと思いますが、省内にそのような数字として計画を持っていることはございません。
#208
○上田耕一郎君 ございません。
#209
○政府委員(近藤徹君) はい。
#210
○上田耕一郎君 河川局としてはないけれども、こういう大きな記事に載るので、あるんじゃないかとも思うんですね。
 実際に進んでいることの中でやっぱり問題になっているのは住宅業者との関係なんですね。衆議院の議事録を読んでみますと、大阪の淀川の出口地区についていろいろ質疑がやっぱり行われているんです。私どもも見て問題になったのが二つ感じたんです。
 一つは、足立区の小台です。ここは非常に狭い区域をやるわけで、ここは埋め立ては長さ七十メートルと短く、区道と隅田川の間約五十メートル幅に盛り土をして、その上にライオンズマンションの北千住第六が既に計画されておりまして、写真も撮ってありますけれども、ほぼできているわけです。隣のところにあるマンションはもともとあるので堤防よりかなり低いんだけれども、ここは盛り土の上にできましたので、二階から上は非常に眺望がいいというマンションになっているんですね。この盛り土の事業費は五億四千万円。そうすると、このマンション業者のためにやったんじゃないかという批判が周りの住民からは出ているんです。それで、たった七十メートルですからね、ここでやったって治水上の効果はまずないですよ。マンションの業者の計画があったので、話がついてやったんだということらしいけれども、どうもこれでは先ほど言った一体住宅対策なのか、百年から二百年に一回あるという超過洪水に対する対策なのかという問題点がやっぱり浮かび上がってくる。住宅対策だということで進めようとして虫食い的にやる。そうすると、ライオンズマンションのあれがあったので、その場合にはこの業者が大きな利益を得るということなのかもしれませんけれども。
 もう一つ、我々不思議に思いましたのは、今度は野田市です。野田市の江戸川左岸の座生地区。ここは現地に行きますと、長谷工コーポレーションの大きな看板が立っている。区画整理組合がありまして四十一・三ヘクタール、そのうち長谷工コーポレーションが約九割、三十七・八ヘクタールの土地を買い占めていて区画整理やっているんですね。ここは物すごい湿地帯なんですよ。大変な湿地帯で近くの香橋という橋の基礎くいを打ち込んだら、くいの自重だけで二十メートル潜ったという、本当に湿地帯なんですね。この近くのところで分譲住宅を建てたところがどんどん地盤沈下してしまって大変な問題になって、業者がかなり負担して直しつつあるようですけれども、そういうところなんですね。だから、治水上から見てもこれはおかしいので、高規格堤防としても脆弱なものになる。むしろ調整池としてやった方が治水上はいいし、こういうところにいきなり手をつけ
るというのも非常に奇妙に感ずる。これは大阪の出口も長谷工だけれども、ここもやっぱり長谷工ですね。だから、ちょうど業者の方がやろうとしているから話がつきやすいので、そういうところから始めていったということになると、本当にもとの問題に返るんだけれども、虫食い的な方式で実は住宅対策が念頭にあって、治水対策上は当面役に立たないばかりでなくて、この座生地区の場合にはむしろ治水対策上も大きな問題があるんじゃないかと思われるような実態があるんですね。
 この二つの地区について建設省の考えをお聞きしたいと思います。
#211
○政府委員(近藤徹君) 先ほどからも申し上げましたとおり、これは河川の沿川で都市開発のいろんな構想のある場合にできるだけタイミングよく私ども盛り土させてもらうことによって、こういうものの積み上げによって高規格堤防を整備してまいりたいと考えておるわけでございまして、その過程においては若干の虫食い的な形になることは残念ながらやむを得ないとは思っておりますが、しかしながらこういう高規格堤防を整備されることによって、例えば従来水防活動を全川にわたって進めなければならなかったのに対して、少なくともこの整備をした箇所については水防活動をする必要がなくなってくるわけでございまして、トータル的には治水の安全度は順次上がっているということでございます。
 なお、小台地区でございますが、確かにその背後に隅田川がございまして盛り土の幅は少ないわけでございますが、いずれにしても全川を整備するという過程において、そこで都市開発構想がありましたので、私どもも都市開発事業者と一体となってここは盛り土させてもらったわけでございます。残念ながら、この事業着手前にあったところについては従来の地盤の上にあるわけでございますが、これは長期的に見て、全体が整備されてきた段階でまたいろんな対応策をとってまいりたいと考えております。
 それから、座生地区でございますが、この地区につきましてもここは整備しないで遊水地にしたらどうかというのは一つの御見解であると思います。しかしながら、遊水地とすればこれは別途の治水対策として従来の河川計画を変えるわけでございます。いずれにしても、現在予定していないところまで我々の方で治水対策を及ぼさないということにするためにやはり河川事業で用地を買収して遊水地に取り入れていくということになりますから、そういう意味でいいますと治水計画としては必ずしも合理性があるわけじゃございませんので、この地域もやはり堤防によって守られる地域であろうと思います。ただ、地盤条件が悪いということはございますので、この施工に当たっては十分安全度を確保できるように技術の粋を尽くして対応してまいりたいと考えております。
#212
○上田耕一郎君 そうおっしゃるけれども、これは納得がいかない。小台地区はすぐ並びに既存の大きなマンションがあるんですね。そうしますと、このマンションの建てかえ時期までに連続した盛り土をやらなければならぬでしょう。こんなこと不可能ですよ。そのころにはもうライオンズマンションだって耐用年数になっているからね。だから、あの新しいライオンズマンションのために盛り土をやってあげて、しかも隣の並びのマンションにはもうできちゃっているんだからどうにも手がつかない。しかし、堤防としてはスーパー堤防が連続しなきゃ意味ないでしょう。とにかく何でこういうことをやっているのか。もううんときつく言えば、地上げ屋のために国の費用でかさ上げをやってあげている。そういうふうに言われてもやむを得ないような状況があると思うんですね。治水対策の緊急性、整合性よりも、手をつけられるところから何でもいいからやるという安易な姿勢がこういう問題を生み出しているんじゃないか。
 この高規格堤防事業というのは、本当に住民のためになる治水事業の観点から、適切に進められれば将来誇るべき遠大な事業だったということになると思うんですけれども、治水対策が、先ほども同僚委員が指摘したけれども、中小河川の場合はまだまだおくれている。優先順位からいって何からやるかということが大きな問題になるんですけれども、そういうところで本当に総合的な計画性なしに、先ほど新聞記事で言ったように、住宅対策が実は気持ちの中にあって行き当たりばったりでいく、マンション業者の話にすっと乗るというようなことで進んでいきますと、これは治水対策に禍根を残すことになりかねないと思うので、建設省として問題の残らないように慎重にこの事業を進めていただきたいと思いますが、最後に大臣から決意をお伺いいたします。
#213
○国務大臣(大塚雄司君) やや長期的な展望でやる事業ではございますけれども、当然のことながらそれぞれの地方自治体の意見を十分聞いた上で進めるわけでございますし、地方自治体も当然のことながら関係権利者の意見を尊重して、それぞれ強制してやるものではございませんので、その辺は十分に地域住民の皆様の意見を聞いて適切に対処をし、やや息の長いことにはなりますけれども、長い将来の展望の中で高規格堤防の整備をし、かつまた周辺の環境の整備もして住宅対策に結ぶ、こういう考えでやってまいりたい、このように思います。
#214
○上田耕一郎君 終わります。
#215
○新坂一雄君 高規格堤防、俗にスーパー堤防と言うそうなんですが、これをつくる意味合いというのが、本来堤防は安全につくられているはずである、その堤防に対してより万全を期すということでつくるという、平たく言ってそういうことになると思うんです。
 ただ、そうすると、より万全を期す前に、安全であるはずの堤防にさらにより安全をつけ加えるというニュアンスでとれば、公共投資の何か二重投資みたいな意味合いにもとれますし、それからもしより安全ということを治水の方に重点を置くならば、今までの堤防はそんなに安全ではないのかよという論理的帰結になるんですが、どちらが正解なのかということと、超過洪水対策と俗に言うんですが、それの何というか計算の仕方というか設定方法、その辺の意味合いについて聞きたいんです。
#216
○政府委員(近藤徹君) 従来から私どもは治水計画の対象として一定規模の洪水を設定いたしまして、それを計画高水流量として対応するように進めてきたわけでございます。その限りにおいては、従来の堤防は計画高水流量に対しては安全な構造として設置されておるわけでございます。
 ただ、対象とする洪水は計画高水流量以下で常に発生するということではなくて、ある頻度ではそれを超えるような大規模な洪水が発生する危険性があるわけでございまして、その際に現在の堤防では、堤防の上を溢流した洪水によって損傷して大規模な破堤に至る危険性を持っておるわけでございます。いわばこういうシステムというのは、いろんな技術でつくった構造物でも異常時においてどう対処するかという問題でございますが、残念ながら河川においては異常時になると堤防を溢水してきてしまう。その結果、大都市圏において壊滅的被害になることはぜひ避けなければならないという判断から、計画を超えるような超過洪水に対しても破堤しないような安全な構造の堤防をつくろうというのがこの高規格堤防の発想の原点でございます。
 そういう意味におきまして、これはもとより治水対策として、なおかつ現在堤防の背後に、例えば東京で百五十万以上のゼロメートル地帯に居住する方がおり、全国の中枢機能が集中しているような状況で、非常に少ない頻度でありますが、破堤によって壊滅的被害をこうむりますと、我が国の将来に対して大変な損失になると同時に、地方経済も巻き込んだ我が国の経済社会活動に大きな打撃を与えることから、我が国の将来を展望をした場合に、このような安全な堤防を逐次整備していこうというのがこの高規格堤防の構想の原点でございます。
#217
○新坂一雄君 より保険を高くしていこうという発想だと思います。
 それで、この事業自体が昭和六十二年からやっているということなんですが、特に川沿いの民家、住民に対する対応といいますか、要するにスーパー堤防をつくることによって、今までの堤防沿いの住民を一度仮住まいにして、そして盛り土をして、だからその期間やはり住民が合意して、一たん仮住まいしてもらうというための交渉とかというのが当然これから出てくると思うんですが、これまでのそういう住宅地での事業進捗というのは、どういう状況でございますか。
#218
○政府委員(近藤徹君) 昭和六十二年度にこの事業を創設したわけでございまして、荒川等六河川においてこの整備を進め、現在二地区において整備を完了したという状況でございます。これらのうち既存建築物があるものとしては住宅地である荒川の小松川地区や町工場がある利根川の矢口地区等がございますが、このような場合には盛り土に際し仮移転等が必要となるため、地権者の意向を十分調整し円滑な仮移転や換地等が行われるよう、極力市街地再開発事業や土地区画整理事業と一緒になって実施することとして対処してきたところでございます。
 今後も既存建築物がある住宅地等における需要が増加することになりますが、このような地区については、円滑に事業を進めるため土地区画整理事業のような移転を伴う事業と共同事業化を極力図るとともに、再開発住宅制度の活用、周辺公共用地の一時使用等、代替の住宅の確保について弾力的に対応してまいりたいと考えております。
#219
○新坂一雄君 建設をすることによって、建設残土ですね、これを各地でどう処理していくかということで問題になってきております。この目的の中に建設残土の処分、利用という含みが一つ入っていると思うんですが、見通しとしてはどの程度それを残土としてスーパー堤防をつくる際に入れる計画になっているんですか。
#220
○政府委員(近藤徹君) 昭和六十二年度にこの事業に着手以来、高規格堤防の整備におきましては約二百万立米の盛り土を実施したわけでございますが、このうち約百六十万立米については河川の掘削残土を利用しております。また、十一万立米については一般の建設残土を利用したところでございます。
 今後、高規格堤防整備事業の進展に伴い、さらにかなりの土量を必要とするわけでございますが、一方で毎年首都圏等で建設残土の発生が見られておりまして、先ほどの説明でも五千数百万立米程度が首都圏で毎年発生しているというような状況でございますので、私どもは建設残土にかかわる連絡協議会等におきまして情報の収集に努め、その中から品質のよいものについては積極的に活用を図っていきたいと考えております。
 現時点では、この事業の将来展望等、直ちに計画的に決定しているわけでございませんので、建設残土の利用を予定している数量等は申し上げる段階にはございませんが、極力活用するよう努めてまいりたいと考えております。
#221
○新坂一雄君 それから、スーパー堤防によってその分だけ土地が新しく造成されるわけですけれども、これが全部ゴールまで到達したとして、民有地あるいは官有地の割合と、それから一番メーンにする目的は何かということの分類は。
#222
○政府委員(近藤徹君) 現在高規格堤防の整備を実施している地区においては公園整備、住宅建設、土地区画整理事業と一体的に整備を進めているところでございまして、これらの地区について高規格堤防の整備により現状の河川区域より堤内側、人間の居住している側において盛り土が行われる面積は一万五千ヘクタールとなり、これらにおける民有地と公有地の面積の割合は民有地が八、公有地が二ぐらいになると想定しております。
#223
○新坂一雄君 このスーパー堤防ができることによって、いろんな都市づくりの促進化を図るというのは、治水をメーンにするならば、付随的な効果というのがいろいろ出てくるんだと思いますけれども、建設省としては、いわゆる公害のあれは地方自治体にあるわけなので、その辺のいわゆる土地利用法といいますか、計画図に基づいた、先ほどお話しされたような公園とか緑地的なものにするとかということは、当然協議されながら進めるということでございますか。
#224
○政府委員(近藤徹君) 当然、これらの整備を進めていくに当たりましては、地方公共団体と密接な連携をとりながら、それぞれの地域における町づくりの構想を十分踏まえてこの事業を粛々と進めてまいりたいと考えておりまして、その過程におきまして、その高規格堤防の上面の土地利用につきましては、それぞれの地方公共団体の将来像を十分踏まえて対応してまいりたいと考えております。
#225
○新坂一雄君 結構です。
#226
○山田勇君 我が国は地形が急峻な上に降水量も多く、したがって河川のはんらんも多いわけですが、人口の約五〇%がそういった地域に集中しており、歴史的に見ましても治山、治水、河川管理が国を治めていく上で大きなウエートを占めてきました。近年の都市化が進展するに伴い、河川の改修工事は単に改修するというだけではなく、総理府の世論調査にもあらわれておりますように、災害防止の観点からではなく美しさや潤いを求めるようになり、国民のニーズは多様化しています。
 そこで質問に移りますが、我が国の河川の整備率は平成元年度末で大河川六〇%、中小河川三一%となっており、アメリカ、イギリス、オランダなどと比較した場合極めて低水準であります。また、渇水発生対策も上水道の貯留量も先進国の中では低位にあります。こういった低い整備率を今後どう改善をし高めていくのか、またさきに申し述べたように、河川整備に美しさや潤いを加味する点についてはどう対応をできるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#227
○政府委員(近藤徹君) おっしゃるとおり我が国は、治水上におきましても利水上におきましても、先進国と比べて極めて劣悪な条件下にあるわけでございますが、一方でこれだけの経済大国を支える国土として整備していかなければならないわけでございますので、我々はさまざまな都市整備事業とさまざまな方策によって常に治水の安全度を向上するよう努力しておるところでございます。
 この高規格堤防整備もそういった観点から、従来は土地利用を許容しないで河川単独で堤防を設置するというような手法をとってきたわけでございますが、長期の将来を見れば、これらの都市整備と一体となることによって一層安全度を確保しながら、国民の生活の安全を確保するよう努力しようとしておるところでございます。
#228
○山田勇君 今回、高規格堤防の整備の円滑な推進を行うため所要の法改正をしておりますが、これによりますと堤防の上に家を建てるということになります。土木工学には私などは詳しくございません。まあ単純な考え方で、堤防の上に家を建てても大丈夫かというような安全面で問題がありやせぬかなと思うわけです。
 そこで、建物の高さ制限というのはあるんですか。私改正法案をずっと見たんですが、高さについては書いてなかったように思います。いや、私の不勉強かもわかりません。
#229
○政府委員(近藤徹君) 私どもは、この事業は堤防としての機能を確保するという意味で、ある幅を持って厚みのある堤防を構築していこうと考えておりまして、その上の土地利用につきましては、これは都市整備の方の観点からなされるべきだろうと考えておりますので、それぞれの都市整備部局との関係で、例えば高さ制限等もそれぞれの都市計画の中でお決めいただくものと考えております。
#230
○山田勇君 現在のところは利根川を初め五水系六河川において高規格堤防整備事業が実施されておりますが、地域住民の反応はいかがでしょうか。また、この事業を実施する上で環境破壊など自然環境への悪影響は発生していないでしょうか、その点についてお伺いいたします。
#231
○政府委員(近藤徹君) この事業は昭和六十二年度に開始されたばかりでございまして、また、現
在お願いしているような法改正がまだ行われていないような状況でございますから、関係者の御理解のある部分についてまだ実施しているというところでございますが、この河川法の改正によりまして堤防上面に居住する方の権利を十分保護するということになりますと、かなり住民の皆さんの御理解も高まっていくものと考えておりますので、今後は地域の住民、とりわけ地方公共団体の御意見を十分把握しながら、それぞれの都市整備部局と連絡をとって着実に進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
 なお、自然環境の問題につきましては、この沿川区域は都市計画区域がほぼ九五%というような状況でございますから、直ちに自然環境に影響を及ぼすようなものはないと想像されておりますが、それぞれの区間においては一部国定公園区域や鳥獣保護区域もありますので、これらの地点を整備する場合におきましては環境上特に配慮をするように努め、環境調査を実施して環境への影響を最小限にとどめるよう細心の注意を払ってまいりたいと考えております。
#232
○山田勇君 私はこの法案はもう実に画期的な法案だというふうに評価をさせていただいております。なぜならば、坂野委員も先ほど申し上げましたが、坂野先生が河川局長のときにはこういうような法案はもうまず考えられなかった。と申しますのは、一年前でもちょっと考えられなかった。
 一年前というと、たしか近藤河川局長の前の河川局長のときに、実は大阪の阪神高速の終点が守口というところで、そこから約二、三百メートル左へ振りますと淀川の河川敷へ出ますが、それから枚方を抜けて京都へ行くというのは、空港関連としてはアクセスとして京都は非常に割を食んですね、だから、そういう河川利用がどんなものであろうかというようなことをたしか一年半か二年ぐらい前に言ったときも、河川局長は手を合わさんばかりに、先生、もう河川だけはさわらぬでおいてください、これは大変なことなんですというようなことで、河川利用法とか、そんなもう、本当はまあだめですね、というようなことを言われましたが、こういうふうに高規格堤防というものを整備していくということ、これは画期的なことでございます。治水にウエートを置いたと言いますが、これは付加価値として当然空き地が出てくる、土地が出てくる、それに住宅を供給する、まあ一石二鳥といいましょうかそういうたぐいの法案だろうと思います。
 そこで、これは先ほど来お話を伺いますと、東京、大阪などの大都市ばかりでございますが、これはぜひ地方都市にも広げていっていただきたいわけです。それも地方都市の場合かなり整備をした形で、どうかこの整備事業を考えていってほしいと思うんですが、その点はいかがなんでしょうか、地方都市に今後この堤防ができるということですかどうか。
#233
○政府委員(近藤徹君) 現在は、河川審議会の意見等を聞きながら、利根川等六河川について首都圏、近畿圏を中心に進めておるところでございます。しかし、今回の河川法は決して大都市の大河川と特定したわけでございませんので、将来においては地方都市も対象となり得るわけでございます。
 予算の配分その他いろんな複雑な問題もございますし、それぞれの河川のまた整備の状況もございます。計画内の能力を早くアップすべき河川、あるいは今このまま放置しておくと将来高規格堤防みたいな事業は手戻りになって事業がほとんど不可能な地域、それぞれの事情に応じまして今後検討しながら進めてまいりたいと思います。
 もとより、東京一極集中ではなくて多極分散型国土の形成という観点も十分視点に入れながら努力してまいりたいと考えております。
#234
○山田勇君 ありがとうございました。
#235
○委員長(矢田部理君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#236
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 河川法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#237
○委員長(矢田部理君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#238
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚建設大臣。
#239
○国務大臣(大塚雄司君) 河川法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────
#240
○委員長(矢田部理君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業及び建設諸計画等に関する調査のうち、住宅・都市整備公団家賃値上げに関する件について、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#241
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#242
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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