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#1
第120回国会 建設委員会 第9号
平成三年四月二十六日(金曜日)
   午後一時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     白浜 一良君     木庭健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢田部 理君
    理 事
                井上 吉夫君
                石原健太郎君
                青木 薪次君
                山田  勇君
    委 員
                石井 一二君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                沓掛 哲男君
                坂野 重信君
                佐藤 三吾君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                及川 順郎君
                木庭健太郎君
                上田耕一郎君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  大塚 雄司君
   政府委員
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設省住宅局長  立石  真君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   参考人
       東京工業大学名
       誉教授      石原 舜介君
       全国公団住宅自
       治会協議会幹事  片岡 規子君
       株式会社住宅新
       報社新聞局論説
       主幹       畑中 達敏君
       住宅・都市整備
       公団総裁     丸山 良仁君
       住宅・都市整備
       公団理事     片山 正夫君
       住宅・都市整備
       公団理事     安仁屋政彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (住宅・都市整備公団家賃値上げに関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(矢田部理君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十五日、白浜一良君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(矢田部理君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業及び建設諸計画等に関する調査のため、本日、住宅・都市整備公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(矢田部理君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査のうち、住宅・都市整備公団家賃値上げに関する件を議題といたします。
 まず最初に、建設大臣から本件の経緯及びその内容等について説明を求めます。大塚建設大臣。
#6
○国務大臣(大塚雄司君) 平成三年三月二十九日付で住宅・都市整備公団から提出されました賃貸住宅の家賃等の変更についての承認申請の概要は次のとおりであります。
 第一に、家賃を変更する理由としまして、これまで昭和五十三年度、五十八年度及び昭和六十三年度に家賃の変更を行ってきたところでありますが、従来、家賃の変更に当たっては激変緩和に配慮したこともあって、変更後の家賃はいまだに低い水準にあり、賃貸住宅相互間に不均衡が生じているため、この不均衡を是正することといたしております。
 第二に、家賃の見直しの対象とする住宅は、原則として管理開始年度の翌年度から起算して三年以上を経過した住宅としておりますが、傾斜家賃適用中の住宅及び傾斜家賃終了後三年を経過していない住宅等、一定の要件に該当するものについては除くことといたしております。また、家賃の変更期日としては平成三年十月一日としております。
 第三に、変更家賃の算定に当たっては、公営限度額方式に準ずる方式により算定される額を基準として、これに立地補正を行った上で、引き上げの限度額を一居住室の住宅にあっては七千円、二居住室の住宅にあっては八千円、三居住室以上の住宅にあっては九千円とするなどの激変緩和措置を講じております。この結果、公団の試算によれば、今回、家賃の変更が実施される住宅については平均約三千九百円、約一二%の家賃変更となります。
 第四に、家賃の変更に当たっては、生活保護世帯並びに老人世帯、母子世帯及び心身障害者世帯で生活に困窮する者については、従来と同様に家賃減額の特別措置を講ずることとしております。
 第五に、家賃の変更による増収額は、維持管理経費及び新規供給住宅の家賃の抑制に要する費用に充てるものとしております。
 第六に、家賃の変更に伴い、敷金を変更後家賃の三カ月分に相当する額に変更することとしております。
 以上が今回の申請の概要であります。
 なお、公団では、前回の昭和六十三年度家賃変更に当たり家賃改定のルールを設け、これに基づいて前回の変更を実施したところであります。今回はこの確立されたルールに基づいて申請が行われたものと考えております。
 建設省といたしましては、本申請を受けて慎重に検討を行ってまいりたいと存じますが、本日の建設委員会におきましても、本件について十分御意見を拝聴させていただきたいと考えております。
 以上でございます。
#7
○委員長(矢田部理君) それでは、これより調査に入りますが、本日、参考人として東京工業大学名誉教授石原舜介君、全国公団住宅自治会協議会幹事片岡規子君、株式会社住宅新報社新聞局論説主幹畑中達敏君の三名の方々に御出席を願っております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。参考人の皆様には、住宅・都市整備公団家賃
の値上げ問題について忌憚のない御意見を述べていただき、本件の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 なお、会議の進め方としては、石原参考人、片岡参考人及び畑中参考人の順序でお一人十分程度の御意見をお述べいただき、その後委員の質問にお答えいただきたいと存じます。
 それでは、石原参考人にお願いをいたします。
#8
○参考人(石原舜介君) ただいま御指名いただきました石原でございます。
 私は、住宅・都市整備公団の基本問題懇談会の一員でございまして、その下に設けられております家賃部会の座長をさせていただいております。
 住宅・都市整備公団総裁への家賃部会からの審議されました内容を報告いたしました立場から、審議の日程並びに主要な審議内容について申し上げ、その後で家賃についての私見を述べさせていただきます。
 今回の審議は、昭和六十三年三月に確立いたしました家賃改定のルールに従いまして、三年目に当たる本年に家賃改定の必要があるか否かということについて検討をいたしました。必要な場合には、その金額等について、どの程度であるかということにつきましての審議でございます。
 まず、審議の経過について申し上げます。
 昨年十一月より東大名誉教授の下総薫氏を部会長とする専門部会でルールの検討並びに改定についての審議が行われ、その結果が十二月十八日の家賃部会に報告されました。部会では、その報告をもとに審議を行いましたが種々の意見が出され、検討の結果、再度専門部会で意見の整理、検討をしてもらい、本年の二月二十一日に家賃部会を開催し、一部修正されました報告をもとに審議を行いましたが、自治協の委員より再度数多くの意見が出されましたので、もう一度部会を開催いたしまして審議することにし、三月六日に行いました。その場で引き上げ限度額の修正を行うなどいたしましたが、自治協の委員には賛同が得られませんでしたが、そのほかの委員からは賛同が得られました。また、一応基本問題懇談会の方に報告するということにつきまして意見を求めたところ、自治協の委員の方も反対であるという意見を付して報告する分には差し支えないということを了解を得ましたので、三月十三日の基本問題懇談会の方に報告させていただいたわけでございます。
 次に、審議の過程で出されました意見について申し上げたいと思います。
 まず第一に、昭和六十三年に定められました家賃改定ルールは、衆参両院建設委員長の政府に対する要望の中で「今後も引き続き必要に応じて所要の検討を行い、改正が公正かつ円滑に行われるよう配慮すること」と指摘されておりましたので、一部の委員から、今日の地価高騰等が直接反映しないような公団独自の家賃改定ルールをつくる必要があるのではないかという意見が出されたわけでございます。
 前回の家賃改定ルールは、二年有余にわたりまして慎重な審議の結果定められたものでございまして、衆参両院建設委員会で御審議をいただき建設大臣の承認をいただいたもので、現行のルールを基本的に見直すべきではなく、むしろ定着させるべきであるという意見が大方でございました。また、現行のルールを基本的に見直す特段の社会経済事情の変化はないと判断したわけでございます。特に地価の反映というふうなことで問題でございますけれども、地代相当額につきましては、六十三年の固定資産税評価額がベースになっておりまして、六十年に対しまして八%程度の上昇でございますので大きな影響はないという意見が大半でございました。
 次に第二には、公団居住者の所得は低く、特に年金生活者が多くなってきているので家賃上昇は極力抑えるべきであり、また高齢者に対する特別の手当てをすべきではないかという意見が出されたわけでございます。
 福祉的措置は当然のことでございますが必要でございまして、公団が行う措置としては、やはり国が定める一定の基準というものに準拠せざるを得ないので、おのずから限界がございます。ただし、前回は特別措置の適用期間を五年間と限定いたしましたのですけれども、今回は、前回の指導に基づきまして六年を限度といたすことにいたしまして、一部訂正をさせていただいたわけでございます。
 第三は、改正の期間ということにつきまして、これが今まで五年であったものが今回は三年になっている。そしてまた、引き上げ限度額につきましても、居住者の生活実態から照らして過重な家賃負担になるのではないかというふうな意見が出されたわけでございます。
 特に引き上げ限度額は、さきにも述べましたように、その後訂正いたしまして一部改正をしたわけでございますが、これより先三年周期ということにつきましては、これは現行ルールで定めたものでございまして、幾つかの理由がありますが、一つはこの三年にすることによりまして五年よりも一度に引き上げる額が少額になるのではないか、あるいは固定資産税の評価がえにリンクして改定が行われるというような理由から三年というのが適切ではないかという意見が大半でございましたし、引き上げ限度額につきましては、先ほど申しましたように、一部最初の提案では三居住室一万八百円、それから二居室九千八百円、一居室八千八百円ということでございましたので、これは少し検討の余地があるということで、さきの六十三年の大臣の承認を得ました額より千円低くいたしました九千円、八千円、七千円に訂正いたしまして、これは自治協の委員の方も御賛同を得た次第でございます。
 第四は、空き家家賃並びに建てかえ後の家賃に関するものでございました。空き家家賃につきましては割り増し家賃を廃止することが必要ではないか、建てかえ後の家賃は地代相当額を削除することを行い、転居を余儀なくされるような世帯を少なくする必要があるのではないかという意見が出されたわけでございます。
 空き家家賃は、建設年度が古くなりましても新規供給住宅と同様な扱いをすべきで、特別な改良、修繕を加えまして新規住宅の水準にできるだけ近づけるとともに、法定限度額によって算定されました額になっておりますので、その家賃は適切なものではないかということで、これの割り増し家賃の廃止については皆さん賛同されませんでした。
 また、建てかえ住宅につきましては、家賃は使用の対価でございますので、地代相当額を除外し算定するということは考えられない。さらに、現行行っている移転費用の負担、他の公団住宅へのあっせん並びに家賃に対する激変緩和措置等公団が行える限界を示しておりますので、これで適当ではないかという意見でございました。
 そのほか、数多くの意見が出されました。例えば自治協の委員の方からの質問事項としまして、文書によるものではございましたが、その意見を申しますと、前の意見と重複する部分はございますけれども、大きな項目としては五つ、小さな項目としては十七ございました。これらの項目につきまして当然のことながらいろいろ検討をいたし、懇談会でそれぞれその趣旨等を、賛成反対等を検討いたしましたけれども、大体報告のとおり取りまとめた次第でございます。
 今回の家賃改定に際しまして、いろいろ検討すべき内容につきまして若干私見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、家賃改定のルールを見直しする必要があるかどうかということにつきましては、私は前回のいろいろなルールの策定に携わった者といたしまして、この変更は必要ないんじゃないかというふうに思っております。また今回、社会経済変化はそれほど大きな変化は生じていないということで、前回に確立されましたルールに従って今回改定が行われるのは、これは当然のことで賛成であるというふうに思います。
 次に、現在の地価が異常に高くなっておりますので、住宅取得が非常に困難であるというふうな
ことを含めまして、公団居住者の高齢化がだんだん進むということにつきましては、私も当然そうだろうというふうに認めますので、その点に関しましては公団としての限界がございますので、住宅政策全般の中でひとつ御検討いただけないかというふうに考えております。
 最後に、ちょっと時間が超過いたしましたけれども、第三は激変緩和措置でございまして、引き上げ限度額の適用金額の問題でございます。
 これは公営限度額方式で算定しました現行家賃との差額の二分の一が引き上げ額と一応考えられまして、それが先ほど申しました引き上げ限度額を超える場合には引き上げ限度額まで下げるというようなやり方でございます。それはなぜであるかといいますと、引き上げ限度額はやはり激変緩和のために設けられているものでございますが、しかしこれを非常に低くいたしますと、家賃格差というものが一向に解消されないことになるわけでございます。当然、今回の引き上げ限度額の適用戸数というものは全体で約二万四千戸、前回が約二万五千戸でございまして、先ほどちょっと申しました専門部会で提出しました一万八百円、九千八百円、八千八百円という額の場合には適用戸数が約一万二千戸に減るわけでございます。そういうような意味合いからも、こういうことでだんだんお互いの家賃の均衡化を図っていくというふうな点からは、これに何かのルールをつくる必要があるんじゃないか。現在の引き上げ限度額を見ますと、一応、二居室八千円というのは全体の引き上げ額の平均値三千九百円の約二倍というふうになっておりますので、大体ここら辺が限界かなというふうには考えますが、何かはっきりとしたルールをつくっておく必要があるだろうというふうに考えております。
 以上で私の意見陳述を終わります。
#9
○委員長(矢田部理君) ありがとうございました。
 次に、片岡参考人にお願いいたします。片岡参考人。
#10
○参考人(片岡規子君) 御指名いただきました全国公団住宅自治会協議会幹事の片岡規子です。東京多摩公団自治協の事務局長をしています。
 今回の家賃値上げについて、建設大臣の承認を前にして国政の場で集中審議をいただき、公団居住者である私に発言の機会を与えてくださいましたことに対し、委員長を初め諸先生方に深く感謝しています。
 私たち団地自治会は、住まいや環境のこと、交通の利便、ごみ問題や防災、駐車場対策など日常的な問題に取り組んでいます。また、団地をふるさととして育つ子供たちのためにも夏祭りなどの文化行事や、一方、高齢者については敬老の諸行事や住宅、施設改良などの多彩な運動をしています。これらの運動がより発展していくために、各地方ごとに自治協をつくり、全国自治協とともに団地居住者の要望を基本として活動を進めています。
 現在、各団地で大変心配していることは、公団家賃が大幅に、しかも三年置きに値上げになるという問題です。今回の公団家賃の値上げは私は賛成することができません。その理由は大きく三つあります。
 第一番目として、家賃改定ルールが地価高騰を反映し、大幅な値上げになることです。そして、敷金まで追加徴収するということです。
 第二番目には、居住者の生活実態を顧みない値上げとなっていることです。
 第三としては、住宅の質の不均衡はそのままで居住性の向上が図られていないことです。
 まず第一の家賃改定ルールについては、昭和六十三年四月二十六日、建設委員長から政府に出された要望事項があります。その四項に「公団は、家賃の改定のあり方について、今後も引き続き必要に応じて所要の検討を行い、改定が公正かつ円滑に行われるよう配慮すること。」とあります。参議院では検討事項として算定方式と補正率の問題が挙げられていたと聞いています。私は当然家賃改定ルールの見直しが行われると期待していたのですが、それがなされませんでした。
 公団家賃改定の際採用している公営限度額方式は、高い地価や建設費の上昇が家賃に大きく反映する方式ですから当然高い値上げとなります。前回の改定時の建設委員会の議事録を読み返してみますと、五年を三年に繰り上げる理由として、当時の公団担当理事は、改定周期が余り長くなりますと上げ幅が大幅にならざるを得ない、つまり改定周期を短くすることによって上げ幅が小幅になるという趣旨の御発言をしていらっしゃいます。
 しかし、申請案を拝見させていただきますと、最高限度額は九千円であり、平均値上げ額は三千九百円となっています。前回改定時が最高一万円、平均値上げ額が四千六百円ですから、一見小幅になったかのように見えますが、一年当たりで見ますと、最高限度額が二千円から三千円に、平均値上げ額が九百二十円から千三百円に引き上げられた極めて大幅な値上げになっています。
 公営限度額方式は、東京都を初め大都市圏の公営住宅では値上げ幅が大きくなり過ぎるということで、地代相当額や償却費は据え置きにするなどの措置がとられています。そして、ほとんどの自治体でそのまま適用されている例はありません。異常な地価高騰と住宅問題が社会的に重要な課題となっているときに、公共住宅である公団が、地価が上がったところは便益もふえたとして、補正まで加えて算定する家賃改定のルールは見直しが必要です。国会からの要望も無視し、前回と特段の変化がないので見直す必要がないとして三年置きの大幅な値上げをしようとする今回の申請内容にとても賛成できません。
 第二点として、公団居住者の生活実態を顧みない値上げとなっていることです。
 一九九〇年秋に実施した全国自治協の定期調査で明らかになったことは、世帯主の高齢化が一層進んでいることです。五十歳以上の世帯主が三九・七%となっており、特に東京二十三区では、六十歳以上の世帯主が二三・四%に上り、三年前の調査と比べて六・五%もふえ、急速に高齢化が進んでいます。
 世帯の総収入を見ると、四百十万円未満の第一分位の世帯が三〇・二%です。四百十万円から五百三十二万円未満の第二分位の世帯が二四%あり、両方合わせると五五%にもなります。特に高齢者、母子世帯などは深刻です。年金はせいぜい十六万円から二十万円です。本日二十世帯の実態をお配りしましたが、年金生活などの低所得世帯は今でも家賃負担が大変です。多摩地区にたくさんの訴えが来ています。全国にもたくさん訴えが来ています。それをきょう二例紹介いたします。
 少しぼけ始めているという夫を抱えた六十八歳の主婦からは、今以上の家賃負担はとてもたえられない、おじいさんと二人で死にたいくらいと涙ぐんで訴えられました。
 世帯主が九十歳で、夫婦合わせて月に十六万五千円の年金を頼りに生活している家庭では、昭和五十八年から今日までの年金増額は一カ月二万四千九百十七円です。しかし、家賃の値上げは、この間、今回の分を入れますと二万三千二百五十二円で、年金増額のほとんどが家賃値上げで消えてしまう実情です。
 公団の高齢者等の特別措置は適用基準が極めて高い水準に置かれているため、前回の改定に際してこの適用を受けたのは延べ二百五十四例しかないと聞いています。前回の改定時に石原先生は、参考人発言の中で所得が低くなればなるほど負担額というのは少なくなっていかなければならない、一〇%内外のところが低所得者の限界と述べられています。本日の資料でもおわかりいただけるように、高齢者や母子世帯などは現在でも負担の限度を超えています。一定の基準を満たす低所得者については値上げの対象から外すという温かい配慮が必要です。
 第三点として前回の値上げで約束した居住性の向上が守られていないことです。
 一例を挙げますと、公団は五十八年に、木製窓枠について使用にたえないものはアルミに取りかえると約束し、お知らせまで出しました。木製窓
枠の各団地は大変喜びました。しかし、国立団地、ここも木製窓枠ですけれども、昨年の台風で百九十六戸のうち百十一戸の住宅に被害がありました。窓枠からの吹き込み、敷居と窓の間から雨がぶくぶくと上がってくる、天井の亀裂から雨漏りがあり、居住者は一晩じゅうタオルやぞうきんで吹き込んでくる雨水をふき取るなどの対策をとりました。雨水も防げない窓枠は使用にたえないものだと思います。ところが、公団はアルミサッシにするという約束を果たしていないのです。ちなみに、都営住宅では昭和六十年までに木製や鋼製窓枠はアルミサッシにしたと聞いています。
 こうした立場から、私は次の点についてぜひ国政の場での御審議を賜り、実現していただきたいと願っています。
 第一として、地価高騰を反映した大幅な値上げとなる現在の公団家賃改定ルールの見直しをお願いします。敷金の追加徴収はしないようにしていただきたいと思っています。
 二番目として、住みなれたところに安心して住み続けられるように、特別措置を一定の基準を満たす低所得者については値上げ対象から外すなどの実効あるものになるようお伺いいたします。
 三番目といたしまして、公団は居住性の向上について居住者と十分話し合い、計画を立てて実行するようにお願いいたします。
 四番目といたしまして、家賃の改定内容、修繕について情報を公開し、居住者が納得できるようにしていただきたいと思っています。
 五番目といたしまして、以上のことが十分反映できるように、公団基本問題懇談会に全国自治協代表を加え、定期的に審議をしていただきたいと思っています。
 以上で、私の発言を終わります。
 ありがとうございました。
#11
○委員長(矢田部理君) ありがとうございました。
 次に、畑中参考人にお願いいたします。畑中参考人。
#12
○参考人(畑中達敏君) 御指名をいただきました住宅新報の畑中でございます。
 私も石原先生と同じく住宅・都市整備公団の基本問題懇談会の委員をさせていただいており、家賃部会にも所属しております。また、仕事柄、家賃問題に接する機会もありますので、そのようなことも踏まえまして、意見を述べさせていただきたいと存じます。
 さて、今回の改定でございますが、この見直しは前回の六十三年の改定の際に設けられたルールに従って行われておりますので、見直し自体は、いわば既定のことと言っていいのではないかと存じております。無論、そうはいいましても、入居者の方々にとっては負担がふえることでもありますので抵抗を感じておられると存じますが、経済や社会が変動しておりますので、どのような料金でも二年に一回、あるいは三年に一回くらいは見直しをするのはやむを得ないことではないかと存じております。
 特に、公団の家賃は、過去に長い期間見直しを行わなかったといういきさつがあり、かなりのひずみが残っておりますので、見直しの必要は他の料金などよりも一層強いのではないかと思っております。
 このひずみの第一は、同じ公団賃貸住宅でありながら、建設時期の違いや入居時期の違いなどによって家賃負担にかなりの不均衡があるということであります。例えば、一平方メートル当たりの平均家賃額を見ますと、六百円から千三百円以上という開きがありますし、同じ管理開始年度のものでも六百円のところと九百円余のところとがあります。しかも、立地条件がよく通勤が便利なところが安く、そうでないところが高いといった不均衡も少なくないと言われております。
 古くから住んでいる人の継続家賃は既得の権利があるのだから安くてもいいという考え方もあろうかと思いますが、それも程度の問題ではないかと存じますし、それ以上に、公的な施設である公団住宅は公平ということが大事ではないかと考えております。入居者が不公平感を抱かないように公平の観点から家賃のあり方を見直す必要があると存じます。
 ひずみの第二といたしまして、民間の賃貸住宅の家賃との不均衡の問題があります。
 今回の家賃改定の申請書によりますと、改定を見込まれている三十五万七千戸の現在の家賃額は平均三万二千三百円となっております。その約半分が二万五千円から三万五千円のところに分布しております。
 公団の家賃と民間の家賃とを正確に比較するのは必ずしも簡単ではありませんが、私のおります住宅新報社がことし二月に調べた民間家賃の調査、これは毎年二回調査しておりますが、それによりますと、この二月の家賃の水準ですが、東京圏の二DKのマンション、広さが四十平方メートルで、安いところが九万円、高いところは十二万六千円くらいとなっております。大体これは駅から徒歩十五分くらいのところをとっております。安いところの九万円は建築時期の古いもの、高いところの十二万六千円は新築と考えていただいていいと存じます。公団の二DKと同じくらいの広さと思いますが、公団家賃は平均三万二千三百円ですから、これで見る限り、公団の家賃は民間の三分の一ないし四分の一くらいということになります。
 また、別のところの調査ですが、公団の赤羽台団地とその付近の民間マンションを比べたものがございます。それによりますと、公団の三DK、広さ五十一平方メートルの現行継続家賃が四万五千二百円、これに対し、ほぼ同じ広さの、駅までの距離もほぼ同じ民間マンションの家賃は十三万八千円となっております。四万五千円と十三万八千円、やはり公団の家賃は民間の三分の一くらいという数字になっております。
 この二例だけですべてを尽くしているとは言えませんが、相当の不均衡があるのは間違いないと考えられます。マンションでなくアパートを見ましても、東京圏の場合、一DKで五万円から七万円、二DKですと七万円から十万円となっております。アパートの一DKでも公団の二DKの家賃より高いということになります。
 こういう比較をしたからといって、公団住宅の家賃を民間並みにすべきだとか、あるいは市場家賃を導入すべきだということではございません。民間住宅の家賃の決まり方は、投資に対する利回り採算とかあるいは市場の需給関係によって決まっておりますが、公団の家賃は、対象とする中堅勤労者の所得やそれに対する負担率を尺度として決めております。その尺度に合わせるために財政資金や各種の措置による国の援助が行われているわけです。その点が大きく違っているところであると思います。
 しかし、尺度やアプローチの仕方が違うからといって、民間の家賃水準と全くかけ離れた低い水準でいいかというと、そういうことではないと思います。使用価値から見て余りに低い水準では、たまたま公団住宅に入居している人たちだけに過度に恩典を与えることになり、社会全体として公平を欠くことになると思われるからです。特に最近は住宅価格が高くなりまして、賃貸住宅に対するニーズが非常にふえております。当然、公団の賃貸住宅の入居希望もふえておりますが、入居できずに高い家賃の民間の賃貸住宅に入っている人が多数おります。そういう人たちとの公平を図るために、やはり定期的に家賃の見直しを行い、適正な水準の家賃にして不均衡を是正していく必要があると存じます。また、余りに低い水準の家賃は、社会的に見て資源の適切な利用ということからも問題があるのではないかと考えられます。
 次に、家賃改定の算定方式ですが、このルールに使っておりますのは公営限度額方式で、償却費算定の建築費、推定再建築費率の伸びを三分の一に抑えたり、地代の算定に当たりましては地価のバブルが入らない固定資産税評価額を使っており、改定家賃額がそう高額にならないようになっております。この公営限度額方式が万全なものとは言えないかもしれませんが、現在のところこれ
にかわるいい案がございませんので、この方式で算定したのは妥当ではないかと考えております。
 しかし、この方式にも疑問がないわけではありません。一番疑問を感じておりますのは、継続家賃と空き家家賃の算定方法が違うという点です。両方とも公営限度額方式を使い公団独自の地域補正をしておりますが、空き家家賃の方はそれをそのまま改定額としておりますのに、継続家賃はそのように算定された額の二分の一を改定額としております。また、空き家家賃の地代算定はことし一月一日の固定資産税の評価がえの評価額を使っておりますが、継続家賃は三年前の評価額を用いております。この方式でいきますと、いつまでたっても不均衡が縮小しない、逆にあるいは拡大するのではないかという懸念もございます。
 最後に、今回の改定額ですが、平均一二%、三千九百円の引き上げとなっております。かなりの額のようにも思われますが、一年分にすると千三百円ですので、そう無理のある引き上げ額ではないというふうに考えております。
 これで私の意見を終わらせていただきます。
#13
○委員長(矢田部理君) 以上で参考人の方々からの御意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○佐藤三吾君 きょうは参考人の皆さん本当に御多忙の中を御出席いただきましてありがとうございます。心からお礼を申し上げたいと思います。
 今諸先生方の御説明をいただきました。その中で特に石原先生にお尋ねしたいと思うんです。
 この家賃部会というのは、構成を見るとほとんど首都圏の方が中心になっていますね。大体公団というのは大都市を中心にあるわけでございますから、地方の声を含めた集約ができないんじゃないかというような気がするんです。そこら辺は部会長として、運営に当たって、どのように御認識をなさっておるのかということが一つ。
 それから、三年前に両院の建設委員長の方からルールの改定について要請があったんですが、これについて検討したけれども、さっきの御報告を聞きますと改正の要はなし、こういう御判断をされたんですが、なぜそういう御判断になったのか。今さっき、一方の片岡さんの説明によりますと、それを改定してくれないことが納得できないという御説明なんですが、そこら辺をひとつお聞かせいただけませんか。
#15
○参考人(石原舜介君) お答えします。
 初めの委員の構成でございますけれども、これは一応十三名で構成しておりまして、学識経験者四名、言論界三名、居住者の代表の方というのは二名入っておりますし、それから労働界の代表の方二名、実務家二名というふうに加わられております。そういうような内容になっておりまして、全体的に地方の方の意見が入らないんじゃないかというふうなことでございますけれども、一応学識経験者の方々あるいは言論界の方々、こういうような方々は割合広いいろいろな情報を持っておられますし、それからまた自治協の委員の方はいわば全国を代表されている方だし、それからまた労働界の代表の方自体も全国的な組織の代表の方というふうなことで、割合全国的な視野に立った判断でいろいろ検討をしているというふうなことでございますので、特にローカル的な問題が顕著なときには、それはいろいろ意見をお聞きするために、参考人としてこの部会にお呼びするようなことがあろうかというふうにも思いますけれども、一応判断といたしましては、こういうふうな全国的な判断のできる人で構成されているので、適当ではないかというふうに考えております。
 ですから、例えば地方税の問題であります固定資産税が都市によってえらい差があるというふうなことがございますので、それを調整するために前回のルールのときに、準ずる方式というふうな形でその立地条件の調整をそれで図るようにしたのも、これは全国の一応のバランスを考えてというふうなことが根拠になっておりまして、いろいろ地方の事情等も十分組み入れた考え方になっているというふうに思っております。特にそのために地域代表的な者を加える必要性というものは今のところは考えていないというふうに申し上げたいと思います。
 それから、今回、ルールそれ自体が現行のルールそのままでいいというふうに判断したのはなぜかという御質問でございます。
 この点につきましては、前回私はそのルール作成のためにいろいろ取りまとめ役をしたわけでございますが、実は専門部会におきまして二年有余にわたり二十数回のいろいろな検討が行われまして、もちろんこの引き上げ限度額については公営限度額方式とそれから評価方式だとか、あるいはいろいろな周辺とのバランスの問題で考るような一応民間に準ずる方式とかいろいろな方式を比較検討しまして、やはりこれだけ多くの住宅を基準を設けて一様に検討していくためには、この公営限度額方式が最も適当ではないかというふうな判断をそのときしたわけでございます。
 それから後、いろいろな社会変化というものが特別に生じた場合にはいろいろ検討を加え改正していかなければいけないというふうには思いますけれども、先ほど申しましたように、一番影響のあります地代相当額につきましては――実は現在の家賃というのは六十年の固定資産税を基準にして行っております。今回改正いたします家賃は六十三年の固定資産税を基準にして行います。その間に固定資産税そのものは一六%の上昇を見ておりますけれども、これは住宅地でございますし、公団の建っております対象の団地につきましては平均で八%の上昇になっているわけでございます。そういう点から、物価上昇等から対比いたしましてそれほど激変ではないというふうに判断いたしましたので、一番影響を与えます部分として、先ほども参考人の方からお話がございましたように地代相当額、この部分についての激変がなかったので今回は前ルールをそのまま適用してもよろしいんじゃないかというふうな判断をしたわけでございます。
#16
○佐藤三吾君 今先生おっしゃったように、各地域の中の固定資産評価というのは随分違いますわね。その中で高いとか低いとかあるでしょうが、平均見ると八%だった、こういうことなんですが、最低と最高とどういう数字になっていますか。
#17
○参考人(石原舜介君) 最高は、やはりどうしても地方自治体におきまして税収の少ないところは割合固定資産税の評価額が高くなっておりまして、比較の対象としまして公示価格との対比におきまして、大体公団が建っておりますところでは三〇%ちょっとを超える程度のところが一番高いわけでございます。一番低いのはやはり東京でございまして、東京が一〇%をやや切るところもございます。もちろん一〇%をやや超えているところもございますけれども、切るようなところもございます。そういうように地域によりまして、非常な差がございます。
 そういうことがございますので今回、前回もそうでございましたけれども、全体の固定資産税総額を出しまして、それをこの立地条件によりましてその優劣によってこれを配分するということで、マスとしては一定でございまして、これは八%しか上昇していない。八%、これを配分いたしますので、東京のようなところですと、実質的に固定資産税は一〇%程度しか上がっていないというようなところでも、一〇%といいますか、少ない上昇率でございますけれども、そういうところで実は二〇%近い上昇になるようなところも出てくるわけでございます。ですけれども、例えば北九州なんかのようなところでは、固定資産税が上昇しましても、それだけを見ずにこれは低く抑える、こういうふうなことが準ずる方式でございます。
#18
○佐藤三吾君 そうおっしゃいますと、今あなたがおっしゃった数字を見ると、一〇%と三〇%、最低、最高が。その平均が八%、何かこういうような感じに聞こえるんですが、そうじゃなくて、準ずる方式で八%という数字を出したんじゃないかと思うんです。
 それはそれとしてまた後でやりますが、もう一つ先生にお伺いしたいと思いますのは、高齢者、年金生活者が非常に多くなっておるが、この点については福祉の分野であって公団としては限界がある、こういう御説明をいただいたんですが、私は住宅こそ福祉じゃないかと思うんです。先生の御見解はどういうことでしょうか。
#19
○参考人(石原舜介君) ちょっと私の説明がまずかったので誤解を招いたと思いますが、前回申しました一〇%、三〇%というのは、これは公示価格に対しての固定資産税の評価額が一〇%のところもあるし、三〇%のところもある、こういうふうに申し上げたわけでございまして、上昇率ではございません。公示価格に対してのそういうふうな割合のところがあるというふうに申しました。全体的に上昇率は平均で八%だということでございます。ですから、評価額の上昇率それ自体は東京の場合には極力抑えようというふうなことがございまして、これは非常に上昇率も低くなっております。それで、それは三多摩、そういうようなところにしましても、上昇率は数%程度のところにとどまっているわけでございます。
 ところが、地方都市なんかの場合には財政上の問題から、これが十数%のところもあるというふうな差がございます。ですから、上昇率も差がある、それから評価額自体も差があるというふうなことがございますので、それをならしてやろうというふうな考え方でございます。
 それから、今の福祉政策的な立場からの高齢者に対します手当ての問題でございますが、公団といたしましては、やはり国の施策として提示されております生活保護世帯に対します住宅扶助限度額というのがございますが、これを超える額につきましては、いわゆる生活保護世帯につきましては、それの補助をすべきだというふうに国の基準をもとに考えておりまして、これを超えて公団独自の基準をつくるということになりますと、その財源措置だとかいろいろな面から、これは基準をつくる面に関しまして何によるかということが非常に難しい問題がございます。
 これは、私はやはり国がそういうふうな生活保護世帯等に対します手当て、こういうものをもう少しグレードアップしていただければ、今のような問題も解決していけるんじゃないか。むしろこれを公団の家賃の中で解決するよりは、これは全体的な住宅政策として、高齢者が今後どんどんふえるのは何も公団ばかりじゃございませんので、そういうようなものに対する手当てとして国がどう考えていくかという指針を出していただければ、それに沿って基準が設けられますので、そうすると公団も対応できやすい。ところが、今のような状態で公団だけが独走的に基準をつくるということは、これは非常に困難な問題ではないかというふうに考えまして、現在の国の基準というものにのっとる以外にというか、今のところは限界値じゃないかというふうに思っております。
#20
○佐藤三吾君 石原先生だけにしていると時間がもうございませんので、私がいろいろ聞く前に、片岡さん、今お聞きのとおりですが、先ほどお聞きしますと、いわゆる改定ルールの問題についても御不満がございまして、この家賃が納得できない理由として三つほど挙げられましたが、同時にまた、生活実態から見ると、居住者のいわゆる第一、第二分位の方々が圧倒的にいらっしゃるということもございましたが、何か今石原先生の御説明に対して反論なり居住者の立場からの御意見があればお聞かせ願いたいと思います。
#21
○参考人(片岡規子君) お答えいたします。
 今のお話を聞いていまして、なるほどなとはなかなか私は思えません。公団の限界というのをおっしゃいましたけれども、そういう限界というのは一体何なんだろうかと思っています。それは、やはり継続した居住者が住める住宅をどう提供していくのかということを中心に考えなければいけないのではないかと思っているんです。
 それで、住宅扶助限度額が国の基準だから、これ以上のことはできないというのは違っているのじゃないかと思います。ですから、私がお願いしましたように、こういう方々に対しては値上げを据え置くということだけで別に財源がどうのということは全く要らないのではないかと思っているんです。ですから、本当に安心して住み続けられるにはどうしたらいいのかという気持ちがあり、今後公団がどうしていけばいいのかというお心があるならば、どういう方法でもとれたのではないかと思っています。
 それから、今の固定資産税の問題ですけれども、東京の場合は地価が大変上がっています。六十三年は本当に東京のピークなんです。そこで、東京都の場合は固定資産税の方を何とか抑えたいということで、公示価格が余り上がっているから東京は固定資産税を一割にしているけれども、それでも高いレベルにあるわけです。東京の家賃というのは非常に公団住宅そのものの家賃が、空き家にしても一般の住宅にしても大幅に値上がりしていることからしても、やはり非常に固定資産税そのものが大幅なんだと思っています。ですから、今の御説明を聞いてもなかなか納得はいかないんです。
#22
○佐藤三吾君 時間がございませんから、畑中先生の方にちょっとお伺いしますが、ここにレジュメをいただいておるんですけれども、これでもって御説明いただいたんですが、結論として先生の御意見は、民間と対比なさっておりますが、だからもっとやっぱり公団が民間家賃を下げる一つの牽引車的役割をやれというのか、逆に民間の方に近づけろという意味なのか、ここはいかがなんですか。
#23
○参考人(畑中達敏君) お答えいたします。
 それは両方あると思います。公団がプライスリーダーとなりまして民間の家賃を下げることができればそれは非常に好ましいことだと思いますけれども、実際問題として、土地代と建築費その他入れますと民間の家賃というものはそう下げられないんじゃないかと実は思っております。
 それで、公団住宅と民間家賃とはどういう関係にあったらいいのかということは非常に難しいと思いますけれども、現在のように三分の一あるいは四分の一というのでは少し低過ぎるんじゃないかと。これが公営住宅のように福祉――福祉というのは広い意味でも狭い意味でもありますけれども、狭い意味の福祉住宅であればあるいはそのための財源をどこからか、政府なり自治体なりからの一般会計から持ち出して家賃を下げられるのでしょうけれども、公団の場合はそういうふうな目的の住宅ではありませんのでそういう形では家賃を下げられないと思います。しかし、民間の家賃とのバランスは私は六割ぐらいが適切かなと思っておりますので、それぐらいの水準まで公団住宅の家賃を上げたらどうかというふうに思っております。
#24
○佐藤三吾君 時間がございませんから一言だけ私意見申し上げますと、やっぱり住宅政策が貧困であるからこういう現実が起こっておるのであって、それだけに公団というのは、どっちかと言えばある意味では政府の代理をする住宅会社じゃないけれども専門会社ですよね、言いかえれば。その意味では、いろいろな困難があろうけれども、やっぱり住環境がよくて、そして良質な住宅が国民に提供できる先兵となってやる役割も私はあると思うんです。そういう意味で、ひとつぜひ家賃部会の皆さんも今後とも対応していただきたいというふうにお願い申し上げて、私の時間が来ましたから、終わります。
#25
○井上吉夫君 自民党の井上でございます。
 まず石原先生にお伺いをいたしますが、石原先生は前回のときもおいでをいただきましていろいろ御意見をちょうだいをいたしました。さらに、たしか五十八年の改定の際、その前から、たしか五十七年から家賃部会の部会長をずっとお務めいただいていると承知しているわけでありますが、大変御苦労さまでございます。
 とりわけ五十八年の改定時におきましては、今後の家賃改定のあり方についてルールづくりを行い、改定が公正かつ円滑に行われるように配慮すべきであるということを衆議院、参議院の建設委
員会で議論をして要望事項が出された。それに基づきまして前回の六十三年の改定時に、先ほどお話がありましたように、家賃部会では随分と改定のルールの取りまとめに当たられて、専門部会等でさっきのお話のように二年有余かけられて二十数回の議論をしてまとめ上げたのが、今回もそれに基づいて改定の試案を出すということになったルールだというぐあいに承知をしているわけでありますが、本日の御陳述の中で、その後も一たん定めたルールであっても必要な見直しはやっていくんだよというようなふうのこともありましたので、その立場に立ってもいろいろ御議論をいただいたというぐあいに承りました。
 五十八年から六十三年にかけてのあの大変な議論の状態と多少違いまして既に随分の時間をかけて議論をしたルール、そのことについて格別今回はそのルール自体の諸要素を改定する必要はないと判断したという意味のことと、その中身についての御説明もちょうだいをいたしました。
 そこで今回、先ほどの御説明の中でちょっとばかり細かい点が聞き取れなかったのかなと思ったんですが、専門部会の方から十二月十八日でしたか報告が出て、そして再度専門部会でもう一遍検討してくれというようなことがあり、さらに再々度検討を煩わして三月六日に案をまとめていただいたというような経過だったと思うんですが、その間におきましては前のときのように二十数回ということではなしに、既に随分の手間をかけてつくり上げたルールなので、新しい社会経済のいろんな諸要素についてルールの中身、評価方法等について今回改定をすべき点はどういう点があるのかなという、そういうことであったんでしょうから回数はかなり少なくなったのではないかと思うんですが、専門部会の方の会合は何回ぐらいあったんでしょうか。さらに、先生の方の家賃部会の会合というのは全体でどのくらいおやりいただいたのか。
 その間に、家賃部会の構成も先ほどお答えをいただきましたが、総員十三名の中に居住者の方々の代表が二人おられる。学者の先生方が四人で言論界二人、居住者代表も二人お入りになっておる。さらに労働界等も出ていただいているという、そういう委員の方々の構成を聞きますと、いろんな審議会等におきます委員の構成は、およそ利害関係者が大多数ではなくて、どちらかといえば第三者の立場にある方々の数が多いというのが大方の姿だと思うわけでありますが、とは申し上げますものの、一番深刻にこのことの影響を受けるのは居住者の方々でありますから、その方々の意見も相当強く出たでありましょう。そういう方方の意見は十分に聞きながらの議論を進めていただいた、俗に言う民主的ないろんな意見交換の機会というのは決して抑えることなしに十分な議論をして、そして最終的に、既に三年前に決めたルールというものがこれでいいかどうかということを中心にしながら検討をしていただいた答えなのかなという気がするわけでありますが、部会長としての、そのあたりの会全体の雰囲気と、専門部会とそれから家賃部会の会の持ち方等を含めて、もう一遍お話をいただきたいと思います。
#26
○参考人(石原舜介君) お答えします。
 まず、今回は十一月中旬から専門部会というものを先に開きまして、専門部会で今回のこのルールそのものの改定の必要があるかどうか、あるいはその改定の必要がなくて現在のルールを適用したときに家賃がどのぐらいになるか、あるいはその引き上げ限度額はどのぐらいの額になるかというようなことを検討していただきまして、結局延べで、最後まで含めまして、六回ほど専門部会は開いております。家賃部会は三回でございます。
 それで、最初に出てまいりました案につきまして、これは主として自治協の委員の方からの要望でございましたけれども、ルールを見直す必要があるんじゃないかというような意見が強く出されまして、それで再度そのルールの見直しの必要性について検討していただくとともに、引き上げ限度額につきまして再検討していただくという、この二つを大きな柱としてもう一度専門部会に持ち帰って検討していただいたわけでございます。
 そして、再度この二月に開きましたときに、それ以外にもいろいろな意見が出されまして、特に高齢者の問題だとか、それからその引き上げ限度額に対します意見だとかそういうものがいろいろ出されまして、例えば引き上げの周期だとか、こういうふうなことが問題になりました。それをもとに、口頭ではなくてむしろ文書でいただいてはっきりと問題点を整理した方がよかろうということで、そのときに自治協の委員の方で整理していただいたものが先ほど申しました大項目として五つ、小項目として十七の項目の要望というか意見が出されたわけです。それをもとにもう一度専門部会の方に戻しまして、専門部会でそれぞれについてもう一度入念な検討をしていただこうということにしまして、そして再度そちらの方の検討を終えて家賃部会の方へ出てきたわけでございます。
 家賃部会の方ではそれをもとに検討いたしましたが、そのときにいろいろ出されました意見、そういうふうなものにつきましても、先ほどから申し上げておりますように、基本的にルールが確立されておりますので、そのルール自体を尊重するとなると、その中での幅というものは余り大きな幅があるわけじゃございません。そうしますと、例えば細部の引き上げ限度額の扱いとか、そういうものが多少問題になりまして、それで家賃部会におきましてこの引き上げ限度額をさらに専門部会の方から出てきた額よりも引き下げまして、そして最終的に皆様から賛同を得たというふうなことで、ただし先ほど申しましたように、自治協の委員の方では賛同しかねる、値上げはあくまでも反対、現在のやり方は反対であるというふうなことは当然ございました。しかし、その反対意見を付して基本問題懇談会に報告する、これを我々の家賃部会の案として報告することについては了解を得られたということで、一応ほかの委員の方には全員賛同を得られましたので、そういう形でその審議は尽くされたわけでございます。
 一番根本的なところはルールが認められるか認められないかというところでございますが、先ほどお話がございましたように、これは今まで非常に長期にわたって検討してきて、いろんな方法を比較検討してこれが今の段階では最も適切な方法であるというふうに確立されたルールでございますので、それを特段に変更する必要性は認めないというふうなことが決まりますと、あとの操作はそういうことで割合――いろいろな額はございますけれども、扱いその他はそういう形でなったわけでございます。
#27
○井上吉夫君 よくわかりました。ルールをつくる際に、今お話のありましたように、限度額はできるだけ低目低目といういろんな議論があって、再度専門部会でもう一遍検討してほしい、そういうことの経過を経ながら家賃部会で出た限度額をさらに引き下げるという形での家賃部会の結論をお出しになったというような経緯のようでありますが、その中で片岡参考人から何遍か御意見の中に出ました三年というのが我々はどうも賛成しがたいというような陳述がございました。ただ、三年前のルールづくりの話のときに五年を三年にというふうなことも随分ありまして、それで、結果、現在の三年周期ということはまずある種の合意を得たのかな、私はそういう解釈の中から物を考えていたわけであります。
 そういう中で、高齢者なり生活保護家庭なりという、そういう特別な配慮を要するという問題あたりについてなお不足があるということならばある程度わかるんですけれども、ルール自体の三年というのを五年に戻してくれという話になるとまた相当な議論になるでありましょうし、そのことは家賃部会を初めとする基本問題懇談会あたりでもう一遍いいかどうかという議論は、この値上げのときだけの話ではなくて、もう一遍練り直さない限りは、改定申請のときにまたルールの全体をいじる話をしていたんじゃ、とても話はまとまっていかないという感じを私は持ちました。
 そこで、畑中参考人に一つだけお伺いしたいん
ですが、入居者間の家賃負担の公平化、このことは私は本問題を決めていく場合のやっぱり一番大事な視点だという感じがします。さらに、民間との云々の話は、民間の方に近づけるのかこっちの方に近づけるのかという議論もありますが、これは住宅政策全体の中で物を議論していかなきゃならぬことだと思います。公営住宅の家賃水準というのが一体どうあるべきか、公団住宅はどのくらいのところで、一般の民間との間でどういう種類のものにはどういう財政負担をしなければ、日本の住宅の全体的なレベルアップというものになかなかつながっていかないという全体の議論になっていきますので、私どもが今議論をしている公団住宅の場合は、公団住宅というものがそもそもどういう成り立ちで、どういう負担のやり方で、どれだけ財政投資をして、その中でどれだけが特別な生活レベルの点で苦労している方々への配慮ができるのかという、そういう範囲の中で議論をしないと、だんだん高齢世帯が多くなりますと生活保護家庭も困りますというようなことの込みでは、議論をしてもなかなか話がまとまっていかないという感じがしてならないわけです。
 この点につきましての畑中参考人の考え方の基本におきます、とりあえず民間の方におきましても入居者間の負担の公平ということについて、とりわけ住宅そのものにとっていろんな格差があるという、そういうような内容を御承知ならば、お伺いしたいというぐあいに思います。
#28
○参考人(畑中達敏君) お答えいたします。
 具体的なケースは私も余りたくさんは知らないのでございますけれども、継続家賃と新規空き家家賃に入った人との話を聞きますと、空き家家賃に入った方々は継続家賃が安いということに非常に不満を持っているように存じます。私の友人や後輩で空き家家賃に入った人たちが、古くからいる継続家賃の人たちのいろんな話の中には常にその話が出ますので、これは相当大きな不平不満を持っているなというふうに私は感じております。
 それから、古く建てられた住宅という、公団住宅は割合都心に近いところで、駅にも近いところで大変便利なところが少なくありませんで、そこに入っている人たちの継続家賃はかなり低いのに、あるいは最近できた遠くの団地の家賃の方が高いというケースもありまして、それも私の友人、知人、後輩なんかではかなり不満の種となっております。
 それで、やはり近くにいる人たちはかなり高額の所得になりましてもそこをなかなかお出にならない。そして、自分のお子さんとかそういう人たちに引き継がして住んでいるというような形になっておりまして、その辺は非常に疑問な点ではないかと考えております。
#29
○井上吉夫君 ありがとうございました。
#30
○木庭健太郎君 まず最初に、石原参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほどからお聞きしていると、改定ルールの問題ですね、もう随分練り上げてつくられたものだというお話もあるんですけれども、何かお話だけ聞いていると、これは固まったものは幾らいろいろ意見が出ても変えないのが原則だという発想でやられているような気がちょっとするんですよ、どうしても話の節々から。それに、変える場合の要素としては社会経済の諸要素というようなことをおっしゃいましたけれども、諸要素とは一体どの辺まで参考にされているのか。今回はこういう形になったとしても、今のお話を聞いていると、ずっとこういう形でやられるような気もするんですけれども、その辺はどう基本認識を持っていらっしゃるんですか。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
そして、一体変えるとすればどういう要素を、どんなことが起きたときこのルールをやっぱり根本的に見直さなきゃいけないと考えているのか、これをぜひ聞きたいんです。
 といいますのは、やっぱり前回のときに国会要望でこの問題というのは今後も引き続き必要に応じてやっていくということをしているわけですよね。こういう時期だけじゃなくて、前回終わった後にでもこちらは要望を出したわけですから、そういうところは何かずっと検討されていたのかということもあわせてお尋ねできればと思います。
#31
○参考人(石原舜介君) お答えします。
 家賃をどういうふうにして算定するかということにつきましては、公団も公営もそうでございますけれども、そもそも一番初めのスタートとしましては原価主義をとっていたわけでございます。そうしますと、原価主義でまいりますと、その後の補修費とか物価の上昇だとかなんかで値上がりした分といいますか、修繕費なんかはその修繕するときの価格によって算定しないといけませんので、入居したときの価格ではないはずなんですね。そういうふうなことで、実際は入居したときの価格ですべてのあれを決めるような形を今までとっていたわけでございます。これがいわゆる原価主義というものです。そういうことを根本的に崩してしまうような形で、それでほかの例えば近隣との類似価格を基礎にして、それの何割とかいうふうな形で家賃を決めるようなルールだとか、あるいはいろいろ個々で評価をしまして、これだけ老朽化してこういうふうな形だからこの複成原価としてこういうふうな価格になるんじゃないかというふうな形で家賃を決定していく行き方とか、いろいろな行き方を実は二年有余かけまして検討してきたわけです。
 ところが、やはり今までの足かせと言ったら変ですけれども、そういうふうなことから原価主義をある程度崩さないで、それを多少修正するような姿で、何とか実際の社会の態様に適した家賃の改定の方法はないかということで検討をしてきたのが今日のルールでございます。ですから、そのルール自体を根本的に変えてしまうというのは、これは一つは大きな問題は、公団住宅そのものが社会的にどういうふうな役割を分担しなければいけないのかというふうなことで、もう少し公団というものは所得の中分位、第三分位の中位というところを中心にして考えるべきであって、そしてそちらの方にシフトしていくように努力していかなければいけないというふうにすべきなのかどうか、こういうような方針の根本的な変化があればルールは見直さなきゃいけないというふうに思います。
 それからまたもう一つは、やはり社会的な激変が発生したというふうな場合、先ほどちょっと話題になっております地価の問題というのがそれに若干該当するんじゃないかというふうに思うわけでございますが、しかしそれを直接そういうふうな形のものを取り入れなければいけない、そうしないと使用対価としては余りにも安過ぎるというふうなことが仮にあるとして、使用対価としての家賃というものはやはりそこのいろいろな立地条件を正確に反映したような形にすべきではないかというような考え方をするならば、これはまたルールを変えていかなきゃいけない。
 ですから、そういういろいろな要素が今回はやはり過去の原価主義に立脚した形で、それの一部修正というふうな格好での家賃ルールは今の段階ではこれが最適ではないかというふうに思いまして、そして今の問題になっております地代相当額、こういうふうなものにしましても、その激変的なものが緩和される措置を実は自治体がとっているわけでございまして、そして自治体が実際に土地の値上がり分を丸々評価がえしているわけじゃなくて、やはり固定資産税というのはあくまでも使用の対価的なものであるというふうなことで収益還元を中心にして評価するんだという立場をとっておりますので、そういう収益還元的な考え方ということになりますと、取引市場価値とは非常にかけ離れた価値になって低くなるわけです。
 ですから、そういうふうな価値で評価されている固定資産税、こういうふうなものに立脚し、しかもそれが政策的に住宅の場合には四分の一近く減額されているというようないろいろな措置がここに講じられておりますので、そういうふうな非常に有利な、激変を非常に緩和するような措置がいろいろここに行われておりまして、今回そういうもののしわ寄せが割合少ない状態であったということで、地価を丸々掛けるのであればこれはも
う激変ですからルールそのものの見方が違ってくるわけでございますので、それを今回はそういう形で変更の要はないんじゃないかというふうな形で、現行ルールをそのまま踏襲するという形にしたわけでございます。
#32
○木庭健太郎君 今も少しおっしゃいましたけれども、今後の公団が果たしていく社会的役割のことをちょっとおっしゃいました。ただ、その社会的役割を考えるときに、住民の方からも意見が出ておりましたけれども、要するに公団としても長い経過の中で、そこにどういう人たちが今住んでいらっしゃり、中心になっているのかということもやはり私は一つの重要な要素になっていくと思うんです。
 高齢化社会の問題から福祉政策的部分ということをちょっとおっしゃいまして、それはまた別だとおっしゃいましたけれども、実際に長年公団に住んでいらっしゃる方がいらっしゃいます。できた経緯からいっても長いわけです。実は私も公団に住んでいるんですよ。福岡で公団に住んでいるんですけれども、そこもできてからもう三十年近くたちますけれども、できたときからずっといらっしゃる方にしてみれば、やはり高齢化が進むわけですよね。公団ができた経緯の中でそういう事態を今公団自体が迎えているというような現状もやっぱり考え合わせなくちゃいけないと私は思います。
 石原参考人自体が、じゃあ公団というのは今後どういう社会的役割を担えばいいのか、座長というよりは私見という立場でもしお考えがあるなら、聞いておきたいと思います。
#33
○参考人(石原舜介君) お答えします。
 おっしゃるように、公団の場合にはやはり定住されていく方が非常に多くて、だんだん高齢化していくというのは事実でございます。それで、家賃の改定そのものと高齢者に対する手当てとは、これは一応別に考えないといけないんじゃないかというふうに私は思っております。というのは、家賃の改定ルールというのは何も年寄りだけを対象として改定するわけじゃございませんで、全体を改定するわけでございます。そのために影響を受けるお年寄りについては、あるいは母子家庭とか、こういうふうな社会的弱者の方々に対する手当てはこれは別途考えなければいけない。
 そういうような中で、公団の役割というのが、先ほど申しましたのは、要するに公団の役割が今のような形で本質的に第三分位の中位の人たちを対象として新規住宅を供給していくということで今いろいろ住宅をつくっているわけですから、それがずっと尾を引いておりまして、そういうことに対する社会的な責務というもの、その保障を与えないといけないような役割を公団に担わすということになるのであれば、これは法律か何かを改正していただいて、そして公団にそういう役割があるよというふうにしていただいて、公営と同じようにそのための特別補助を出そうというふうにしていただければ、これはおっしゃるような点についての措置が十分できると思うんです。
 ですからこれは、公団の方にただお年寄りだからまけろというふうなことを言われましても、これはやはり国家で認めている生活保護世帯というふうな一つの基準がございますので、その基準にのっとって行っていくわけでございますから、それがいけない、それが甘いんだということであれば、これは改正していただく方がむしろよろしいんじゃないか。そうすれば、それに対応して改正していくわけですから。ルールというものは、今のところは生活保護世帯を対象として考えますよというルールをつくっているわけです。ですから、それをやめろと言うんであればこれは確かにそのルールの見直しでございますけれども、そのためには公団が公営住宅と同じような役割を担っていかないといけないというふうに公団の役割を変えていただかないと、そういうふうな対応は非常に難しいというふうに思います。
#34
○木庭健太郎君 畑中参考人に少しお尋ねしたいんですけれども、出していただきました民間との比較ですが、先ほどから御論議のあった公団の中に住んでいる人たちの格差という問題は非常に重要な問題だし、これはやっていくことはある意味ではやむを得ないものがあると思うんですが、ただ、民間との比較という問題については私もなかなかよくわからない部分もございます。畑中参考人、せっかくお挙げいただいたんですけれども、御自身のお考えで結構ですが、では、民間は例えばこれくらいの水準になる、そうすると公団というのは基本的にそれに合わせてどのくらいの程度の家賃が適当だというふうに、まあ今から私としてはこれを三年ごとにやられたらどんなふうになるかわかりませんけれども、結局どの辺までいけば理想像だというふうなお考えなり、もしあれば聞かせていただきたいんですけれども。
#35
○参考人(畑中達敏君) お答えいたします。
 民間の家賃と公団の家賃とがどれぐらいであればバランスがとれるかというのは私も時々考えるんですけれども、やっぱり六割か――七割だと少し高いなという感じがしますので、民間を一〇〇としましたら公団は六割ぐらいの水準が適正な家賃じゃないかというふうに私個人は考えております。その中で継続家賃も空き家家賃もそう大きな差のないような形、水準で利用者に決めていく。こうすれば多くの人はそう不満を持たないのではないか、不満を感じないのではないかというふうに、何ら根拠ある数字ではございませんけれども、そういうふうに考えております。
#36
○木庭健太郎君 以上です。
#37
○上田耕一郎君 参考人の方々、御苦労さまです。
 私は質問時間が十分ですので簡潔にお答え願いたいと思います。
 石原参考人は御発言の中で、特に地価の高騰の問題、生活困窮者の問題、これは公団としては限界があるので国の政策に期待するというふうに言われた。私もかなり同感のところがあるんですけれども、同時に公団としてもまだやれることがその二つの問題についてもあるんじゃないかと思っております。
 まず第一に地価問題ですけれども、御発言の家賃部会での討論の経過の中で、地代相当額は昭和六十三年で八%だ、だから大したことないという意見が多かったというふうにおっしゃった。で、自治省は次の固定資産税、平成六年度、これは公示価格の七割程度まで引き上げるという方針なんですね。もしこれが実現されますと先ほどのお話と大分違うものになってくる。そうなると地代相当額が家賃に公営限度額方式の計算でもかなり響いてくることになりますね。その際、やっぱりこのルール、これは考え直さなければならぬということになるんじゃないでしょうか。
#38
○参考人(石原舜介君) ただいまの固定資産税が公示価格の七割近くまで上がるというふうなことは、これは地価税を議論しておりますとき私も税制調査会の一員でございましたのでいろいろ検討させていただいたんですが、最初自治省の方は、固定資産税はあくまでも使用対価だ、だから収益還元的な考え方を基礎に置かなければいけないんだというふうなことで、固定資産税というのはそういう性質だ、何も資産的なものに対しての課税ではない、使用することによって得られる収益に対して課税する、だから農地が安いというのはそういうことで、そこから上がる収益が少ないから農地が安いのは当たり前だというふうな見解を自治省はされていた。
 その後、今回地価対策として保有税を強化していくために地価税を設けなければいけないということで一昨日地価税というものが認められたわけでございますけれども、そうすると自治省の方は、自分のいわゆる権益といったら変ですけれども、それが侵される可能性――保有税は全部今までは自治省の所管でございましたのでその保有税を大蔵が国税として取るということに対して非常に反発しまして、そしてアナウンス効果を出したんじゃないかと思うんですけれども、七割というふうなことで相続税とほとんど変わらない額まで上げていくというふうに言われたわけです。もしもそうなりますと、これは地価を直接的に反映す
るような形になりますので大変なことだというふうにも思いますので、そうなればこれはちょっと考えなきゃいけない。
 それはおっしゃるように、固定資産税ですから、今の家賃でもこれは払わざるを得ないわけです。税金を払わないということはこれはできませんから必ず税金を払わなきゃいけない。払わなきゃいけないけれども、そんな高い税金になってしまいますとこれは非常に困ることでございますので、ほかをよほど削除しなければいけない。そういうことになると家賃の構成が基本的に変わってしまいます。ですから、おっしゃるように、もしもそうなったらこれはやはりルールをつくりかえなきゃいけないというふうに思います。
#39
○上田耕一郎君 二番目の問題です。
 前回の値上げのときに衆議院での御発言で、限度額問題ですね、新築の場合と継続家賃の場合は違う別な視点で考えなきゃならない、所得が低くなればなるほど負担額というものは少なくなっていかなければならないし、やはり一〇%内外のところが所得の低い人は限界かと思いますとおっしゃっていますね。この御発言は大変共感されることが多くて今度もいろいろ引用されているんですけれども。
 そこで、国の福祉政策の問題にかかわってくるんですが、一〇%内外と先生おっしゃっているけれども、実際にはきょうの自治協の資料を見ましても、これは何と三八%、四一・八%なんという負担率の実例がきょう出した資料にもあるんですね。そうすると、例えば五分位で、一分位の方で一人世帯、二人世帯というのは一八%、一七%なんだが、建設省の考えている基準からいっても二倍以上の負担率になっている例があるんですね。ところが、実際にこういう方はこの特別措置に入らないんですよ、もうよく御存じと思いますけれども。昭和五十三年度で特別措置の対象は三百四世帯、〇・〇六%、その次は三百六世帯、〇・〇九%で、これはなぜかというと、生活保護の住宅扶助限度額というのが当時東京で四万七千八百円だからそこまで達しない人は全然減額されないわけだ。今は五万二千七百円なんですよ。こういう住宅扶助限度というのは生活保護の方にここまでは住宅扶助してあげますよというので国の福祉政策なんですね。これがあるために公団の場合は特別措置に入らなくなっちゃう。国の福祉政策が上がって、じゃこの五万二千七百円を六万円にしましょうということになると、今度は公団でこの特別措置にかからない人はもっとふえちゃうんですよ。
 だから、先生のおっしゃるように、国の福祉政策に期待されると言うけれども、国の福祉政策が上がりますと公団でこの特別の家賃減額をされる対象というのは母子世帯にしろ老人世帯にしろ障害者世帯にしろ減っちゃうんだからこれは変なことになっちゃうでしょう。そうすると、この矛盾を直すことは、国の福祉政策に期待するだけじゃなくて公団の基本問題懇談会家賃部会の皆さん方がこの矛盾をこうしてくれと出される余地があると思うので、ちょっと公団の見解という前にひとつお考えいただきたいと思っているんですけれども。
#40
○参考人(石原舜介君) 大変重要な点でございまして、これは今後の検討課題の中に私ども加えていきたいというふうにも思いますが、今のところはそういうふうなものの財源措置というものをどうするかということが問題なわけでございまして、現在のところは家賃の使用する分野というものがおのずから限られております。それをそういうような補助に充てていく割合を高めていかなければいけない。そうすると、それをどこで線を引くかということになりますとこれは非常に難しい問題がございまして、証明書をとったりいろんなことをしなければ、その役所と――役所と言うとちょっと問題があるかもわかりませんが、相当正確な所得の把握をしなければこれはなかなか対応できない側面がございます。
 そういうようないろいろな面を考慮いたしまして、これは今後十分考えなければいけない公団が抱える非常に大きな問題であることは事実でございます。考えていこうというふうには思いますけれども、しかし現段階では対応しかねるということだけは申し上げられると思います。
#41
○上田耕一郎君 畑中参考人にお伺いします。
 先ほどから民間との比較の話が出ていますけれども、参考人のお話はそこにかなり重点を置かれていると思うんですね。これは私はおかしいと思うんです。それで、五十六年八月の住宅宅地審議会で「現行家賃制度の改善についての答申」というのがあって、よく御存じと思いますけれども、公共賃貸住宅の家賃は、第一にそれぞれの施策対象層にとっておおむね適正な家賃支出の限度内にあるかどうか、これが第一なんです。二番目に、新旧住宅相互間、公共賃貸住宅相互間の不均衡問題で、民間との不均衡はないんですよ、住宅審の答申には。しかも第一には、やっぱり家賃の負担限度内にあるかどうかが第一なんですよ。だから、先ほど言いましたように、第一分位で何人だったら何%と決まっているわけでしょう。ところが、畑中さんはそういう一番大事な問題を出されないで民間との比較ばかりお出しになる。これは私は、国の住宅政策、特に公団の住宅政策、家賃問題の議論の仕方としては角度が非常にまずいと率直に言って感じるんです。この前のときもあなたはそういう御意見だった。いつも同じでしょう。ずっと間違いっぱなしじゃないでしょうか。
#42
○参考人(畑中達敏君) お答え申し上げます。
 住宅宅地審議会の答申にそういうふうに書かれておるかも存じませんけれども、私の意見はそれとは違うということもあり得ると思いますので、それで多くの人の意見、例えば公団住宅に入っている方よりも民間の賃貸住宅に入っている方の方がはるかに人数が多いわけですね。その人たちは私と同じような考え方をしているのではないかというふうに実は思っております。私の周辺にもそういう人たちがたくさんおりますけれども、若くて十五万円ぐらいの月収しかない人が六万円、七万円の木賃アパートに入って非常に貧しい暮らしをしている人がたくさんおります。そういう人たちをどうお考えになるかということもまた住宅政策として、あるいは我々として公団住宅の家賃を考える場合には必要じゃないかというふうに私は考えておるわけです。
#43
○上田耕一郎君 そういう部分の意見の反映という御意見ですね。
 終わります。
#44
○新坂一雄君 お忙しいところ、参考人として御意見の陳述、大変ありがとうございました。
 私、初めてですのでちょっと勉強不足の点があるかもわかりませんが、公営限度額方式について石原さんにちょっと先に聞きたいんですが、要素としてこれはやはり固定資産税の評価額を加味して出しているということでございますが、これは各地によって評価額が違うわけですね。ですから、多摩ニュータウンの場合と赤羽のところは違うかもわからないし、そうすると、これを素直に足してみますと、いわゆる評価額の格差だけ違うということになりますね、各団地間の格差が。それは、そういうきめ細かい算定の仕方で地区地区の価格というものを積み重ねた形のものになっているのかどうかということがちょっとわからないので教えてください。
 それからもう一つは、これは将来いろんな総合施策をやることによって地価が横ばいになるか、あるいはもっと下がってくるかもわからないということになった場合、これは率とすれば下がってくるということに計算上はなりますね。この方式でいけば、そういうことになり得るのかどうかという、それが二点目でございます。要するに、それを吸収するほど、例えばメンテナンスとかというものが老朽化することによってカバーしてくるんだということになって、結局は率としては同じような平均で上がっていくのかどうかというのがちょっと心配な点でございます。
 とりあえず二点だけちょっと、済みません。
#45
○参考人(石原舜介君) それでは第一点についてお答えいたします。
 実は今回の家賃値上げの対象になる団地というものが約七百近くあるわけでございます。それに対しまして、その付近の地価の状況を鑑定評価していただきましてそれぞれの値を指標化するわけでございます。そして、固定資産税はそれぞれの地域によって違いますけれども、それをプールいたしましてその指標によって配分していくというようなやり方をとっております。ですから平均値、要するに上下で大体一〇%マイナス一〇%プラスぐらいの差がありまして、特別のところは三〇%ぐらいこの平均値より高いところも出てまいりますけれども、一応そういうふうな形で全体をプールいたしまして、そしてそれの今の各地点の評価いたしました値で指数化したもので配分していくわけでございます。ですから、実際に例えば赤羽団地は幾らぐらい固定資産税があるというふうな額とイコールにはならないということをまず申し上げておきます。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
 それからその次に、いろいろな修繕費だとか維持管理費等に関しましては、これは御承知のように、建設大臣がそれぞれ毎年建設価格の上昇分等を含めてことしのあれは幾らというふうなことで指標が提出されるわけでございます。それに基づきまして算定していくわけでございまして、そういうような面からも、一応法定限度額というのはそういう仕組みになっております。ですから、今御質問の要旨、ちょっと履き違えているかもわかりませんけれども、地価が下がる、そういうふうな現象のときには、固定資産税の方が下がっていくというふうなことでリンクするような形で個々の修繕費の方を下げるとか、そういうふうなこととは関係なく分離された形になっております。そういうことで、地代相当額というのはあくまでも地代相当額だけで構成されていくというふうにお考えいただいた方がよろしいんじゃないかと思います。
#46
○新坂一雄君 今一〇%内外、当然格差は出てくると思うんですが、これは、固定資産税を払うか払わないかということは、住んでいる住民にとってはあずかり知らぬことでございまして、公団の経営として、かかってくる固定資産税を払っていかなければならないが、住民の立場と、公団の経営とは別の論理でこれは加算されているわけですね。要するに、公団の経営を維持するために固定資産税を払っていかなくちゃいけないから加算している。しかし、住民としてはそれは別に自分の財産がふえるかふえないかという、要するにマイホームのときにはそれを売るときに今度はその分の価値、資産がふえるわけですから、それは当然払ってもしかるべき意味があると思うんですが、この分は、公団住宅の賃貸の人は自分とあずかり知らない分まで公団の経営のために協力しているということになりませんか。こういうような意味合いがちょっと一つあるんです。
 それからもう一つは、過密過疎ということでございますと必ずしもリンケージしないというお話でございます。赤羽と多摩があってどちらがどちらかわからないんですが、当然評価額が違ってくると思いますが、それはそれでA地区はA地区の値段、B地区はB地区の値段。もっと言いますと、ちょっと過疎という言葉がどうかわかりませんが、割合まだ地価がなだらかなところもそういうプールして配分するということになったら、その値段の高いところの公団の経営論理のために、本来安い地価に要素として余り乗せられないところまでウエートがかかってくるんじゃないかというようなところをちょっと思うんですが、考え方でございます。いかがですか。
#47
○参考人(石原舜介君) 第一点の問題でございますが、固定資産税というのは、やはり住んでいる人がそこで公共団体からのサービスを受けている部分が相当あるわけでございまして、それのいわゆる対価的な形で固定資産税というものはあるわけでございます。ですから、そこに住んでいるがゆえに、これは公団の経営というふうな関係ではなくて、あくまでも住民自体が負担しなければいけない性質のものであるというふうに考えるわけでございます。ですから、そういう点からいいますと、固定資産税とは何ぞやということになってくるわけでございますが、それは自治省その他の見解といたしましては、やはり公共団体のサービスに対する対価というふうなものが固定資産税の一部であるというふうに考えられているわけでございます。
 そういうことで公団は、表現は悪いかもわかりませんけれども、本来住民の方々が直接お払いしなければいけないものを全体をまとめてお支払いしている、こういうことでございます。ですから、何も公団の経営を住民があずかり知らないところでやっているというふうなものではないわけでございます。
 それから、A地区、B地区の格差がいろいろあって、非常に地価の値下がりあるいは停滞しているところというふうな比較の話でございますが、そのためにこの団地の周辺を全部一応鑑定をしていただきまして、そしてここは幾ら、ここは幾らというふうな形で鑑定が出されまして、その鑑定に基づきましてこれの金額そのもので出てまいりますけれども、これを指標化するわけです。全体をプールして平均値を一〇〇%にしまして、そうすると高いところは一〇〇%、一部には一三〇%近くのところもございますし、片一方安いところは七〇%ぐらいのところもある。だから、地価がほとんど上がっていないところは七〇%以下になるかもわからない。そうしますと、そこの固定資産税よりは安い価格でしかそこからは家賃に付加していない形の地代相当額になる場合もあるわけでございます。ですから、片一方の方は実際に個人で払えばその金額であった固定資産税よりは高い固定資産税相当額に当たる地代相当額を払っているという部分も生ずるわけでございます。
 それで、いわゆる立地上のいろいろな有利、不利、こういうふうなものをそれによって調整しようという、準ずる方式というのはそういうことを考えてやったわけでございます。
#48
○新坂一雄君 時間が来ましたので、ありがとうございました。
#49
○山田勇君 三参考人、大変御苦労さまでございます。私が最終の質疑者でございます。よろしくお願いをいたします。
 先ほど来の御論議、各委員また各参考人のお話を承っておりまして、それで感じたことを率直に申し上げていきたいと思います。
 専門部会、家賃部会と二つの部会に分かれて長きにわたり論議をなされて、八%の家賃値上げというのを決定なされたということでございます。その中にありまして、先ほどの上田委員の質疑の中にもありましたが、母子家庭、年金生活者、生活保護世帯、そういうこともいろいろ考えるんですが、とりあえずは一般的な物の考え方として家賃を上げていくんだと。ケース・バイ・ケースでこの場合はどうするんだ、年金生活者の場合どうするんだ、高齢者はどうするんだという、分離しては論議ができない。だから、広く浅く一般の居住者ととらえて八%上げる、そこまでは私は大変結構だと思うんです。
 そこで、ある程度の上昇率のパーセンテージが出ます。そこから逆算をしていくと、片岡規子さんからいただいた資料の中でも絶対数としてそこで家賃が払えない何世帯かが出てくるわけです。これは今からまた考えたらいいんですが、先ほど石原参考人はもうこれは公団の範疇ではないんだということを言われました。これはやっぱり別途考えるべきだということも上田委員に申し上げておりました。これは一般居住者としていろいろ不平、不満はあるんですが、一律八%上げた。そして、ふたをあけてみると、生活保護者、年金生活者、老人世帯がこれは払えない。上昇率分だけになるともうほとんどが払えないという状態になる。これは払えないということが現実にあるんですから、別途考えるということは、そのときにはこの家賃部会の中で今後どうするのかというような御論議は一切なかったんですか。
#50
○参考人(石原舜介君) それはございました。それで、いろいろ検討いたしまして、現在のその住
宅扶助限度額を超える部分については免除していこうというふうなことで、前回ルールをつくったときのルールを今回も踏襲しようじゃないかというふうな形でございまして、先ほどからお話がありますように、この点については自治協の委員の方から強くいろいろ要請がございました。
 それで、いろんな資料を提出していただきまして、先ほどもちょっと御紹介がございましたように、特に年金生活者などにつきましては実際の生活扶助対象にはならないけれども、それよりもわずか上がったところでその対象外に相当するような人もいるんだというふうなことで、ここら辺が非常に難しいところなんですが、この線の引き方が非常に難しくて、今のところは生活保護世帯に対する住宅扶助の限度額を超える部分につきましては免除していくわけでございますが、先ほど上田先生の方からいろいろ御意見がございましたように、今後こういう問題はやはり相当多く出てくる可能性が高いというふうに考えております。
 おっしゃるように、今回はそういうことで議論いたしましたけれども、これは宿題にさせていただきまして、今後我々も検討をさらに進めていきたいというふうに思います。
#51
○山田勇君 今の時点では石原さんのところの答弁としてはその程度でありましょう。
 昼からきょうは公団総裁、理事者もお見えですから、その点を聞いていきます。
 というのは、仮にまたそういう御意見をいただいたとき、公団はどういう姿勢で国に年金者の負担する予算を要求していくのか、何とか公団の中で捻出をしてそれを負担していくのか、その辺が大変あいまいなんですね。これは衆参の決議案を見ても、「公団は、今後とも家賃の改定の周知徹底と相互理解を深める」ということになってきますと、公団にもそういう力がない、能力がない、別途考えるべきだということになれば、何ぼ公団に我々が決議案を出してもむなしいわけです。それなら矛先を変えて建設省なり国なりの福祉政策の中とか厚生省とか、そういう関係省庁絡んで我我もそういうことを要求していかなければならない、要望していかなければならないということになってきますが、とりあえず御専門家の皆さんが専門部会、家賃部会でもう一度練り上げたそれを大きな意見として公団にぶつける。公団はそれを踏まえて今後どうするのか、言うたら、国に請求をしていくのか、国から予算をとってきてフォローしていくのかというような問題が出てくるというふうに私は思います。これは御答弁は結構でございます。
 そこで、もう時間がありませんので、片岡規子さんにお尋ねをいたします。
 公団自治会協議会の要請の中に、安心して住み続けられる公団家賃制度を確立することとありますが、具体的にはどういうことをぜひ実現してほしい、こういうことをお願いしたいということを、きょうはもう忌憚なく、簡潔でえらい済みませんが、もう時間がないので、質疑でも真打ちは後の方へ出てきますので、ひとついい御意見を述べていただいて、質疑を終わります。
#52
○参考人(片岡規子君) 今回の値上げの中身ですけれども、今石原先生がいろいろおっしゃいましたけれども、私たちが心配しております公営限度額方式という計算方式が大変地価を反映したものだと申し上げました。その一例を申し上げますと、家賃構成要素から見まして、昭和三十一年に入居した当初、家賃が五千円の場合は、これは東京支社がモデルとして私どもに示した資料でございますけれども、これによりますと、地代相当額がその当時七・九%でした。ところが、現在、これは平成三年の値上げで私どもが推計をしたのですけれども、そのときの地代相当額の四九%に当たります。いかにこの地代相当額というものが大きく家賃の値上げに響いているかということになります。
 そういうわけで、今回の値上げも、この最高額と言われる値上げは大変地価の高くなっている都心地区を中心に最高額が相次ぐわけです。そうしますと、安心して住み続けられないということになります。そういう意味で、先ほど申しましたように、私ども、家賃の値上げについては、必要な経費は払いましょう、また修繕費、管理費等が要るのでしたら払いましょう、その内容を十分に明らかにしてくださいとお願いをしてあります。
 しかし、公団は一切それを明らかにしておりません。ぜひともそういう中身が十分にわかるような説明をしていただき、お互いに話し合って、この家賃を決めていくというルールを確立していただけたらと思っております。
#53
○山田勇君 あとちょっと、一分ほど時間がまだありますので。
 きょうはたくさん傍聴人の方がお見えでありますが、石原さんにやや集中した形の質疑をさせていただきました。何か石原さんがすべて家賃を上げたように、皆さん冷たい目で見ておりますが、実は私トイレで御一緒になったとき、きょうは御苦労さんでございます、きょうは傍聴人もたくさんお見えでございますと言ったとき、石原さんが、家賃の値上げということは、先生、大変なことなんです、もう皆さんは本当にそういう意味では御苦労なさっているんですよということを言われた。それで、ああ本当に温かい人だなと、そういう人が部会の中に入って公正公平に論議をしてもらっているということもお忘れなく、ひとついい方向へ協議を進めていただきたいと思います。
 終わります。
#54
○委員長(矢田部理君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御礼を申し上げます。
 本日は御多忙中にもかかわりませず、長時間にわたり貴重な御意見をお聞かせいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表して謹んで御礼を申し上げます。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#55
○委員長(矢田部理君) 速記を始めてください。
 それでは、これより政府及び住宅・都市整備公団に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#56
○佐藤三吾君 丸山総裁にお伺いしたいと思います。
 「野田経済」十一月号に「新住宅政策の課題と住・都公団への期待」という特集が出ているわけですが、その中であなたがおっしゃっている内容で気にかかるのは、公団も所得の七倍の家賃だということを強調なさっておるわけですね。
 賃貸住宅が二十倍になり、分譲が八十倍、宅地が百倍だと。家賃も六十二年は八万二千円。六十三年は九万四千円。六十四年は十万六千円。毎年一万二千円程度上がっておる。その結果、中堅勤労者の家賃は所得の一六、七%と言われていたのが二〇%になった。分譲も六十二年に三千二百万。六十三年に三千九百万。六十四年、四千五百万。毎年六百万から七百万上がっておる。その結果、所得の五、六倍と言われていたのが、今やもう七倍になったということを言われておるわけですが、この意味というものはどういうことでしょうか。
#57
○参考人(丸山良仁君) 当公団といたしましては、中堅勤労者を対象といたしましてできるだけ安い家賃でお入りいただくというのがその基本でございますが、残念ながら最近における地価の高騰によりまして、この数年間、今先生がおっしゃられましたように、家賃につきましては毎年一万円ぐらい、それから分譲価格につきましては五、六百万上がっているということを申し上げたわけでございまして、非常に遺憾だと私は考えております。
#58
○佐藤三吾君 そこで、あなたがおっしゃっているのは、価格調整を家賃の場合、分譲の場合やらざるを得ないと。数年前、十年前に買った土地は原価も安い。しかし、周辺と著しく不均衡の場合があるので、ある程度プラスアルファをつけて家賃や分譲価格を決める、こういうことを言っておりますね。そして、三年に一回の値上げ、その三分の一は新しい家賃の引き下げに使うんだと、どうでしょう。
#59
○参考人(丸山良仁君) 三年に一回の家賃の値上げは今お願いしているところでございますけれども、前回の家賃値上げにおきましても、家賃値上げによりまして生じました増収の七割は修繕費その他の管理費に使わせていただき、三割は新規住宅の値上げの抑制に使わせていただくということをしばしば申し上げました。それにつきましては当委員会でも御了承を賜っていると我々は考えているわけでございます。その方針に従いまして、急激に上がる家賃の抑制を図ることにし、新旧家賃の均衡を図ってまいる、このように考えているわけでございます。
#60
○佐藤三吾君 今度二回の家賃の値上げの場合も、実際上三分の一は新しい家賃の引き下げの方に使ったんですか。
#61
○参考人(丸山良仁君) そのとおりでございます。
#62
○佐藤三吾君 逆に言うと、その分を家賃に上乗せをしていくということで、家賃の本質の修繕費とか償却費とかそういうものじゃなくて、そのために余分な値上げをしなきゃならぬのだと、こう言いたいのですか。
#63
○参考人(丸山良仁君) そういう考えは全く持っておりません。家賃の値上げの方式は、先ほどから御議論のございましたように、公営限度額方式に準ずる方式で行っているわけでございます。そこから出てきた収入をどのように使うかというのは別の話でございまして、したがいまして、高い家賃を引き下げるために古い家賃を上げているということではございません。
#64
○佐藤三吾君 それでは、建設省の方にちょっと聞きましょう。
 建設省、居住水準の目安として最低居住水準、都市居住型誘導居住水準、一般型誘導居住水準、こういうのを設けておるようですが、いかがですか。
#65
○政府委員(立石真君) 第六期の住宅建設五カ年計画におきましては、誘導居住水準、最低居住水準を設定しているところでございます。これらの水準は、世帯構成や世帯人員に応じまして、住宅の室の構成、例えば二DK、三DKというような室の構成であるとかあるいは性能、設備、さらには住居規模を決めているところでございます。
 この誘導居住水準には二種類あるわけでございますが、一つは都市型の誘導居住水準、またそのほか一般型の誘導居住水準の二種類を決めているところでございまして、この水準は西暦二〇〇〇年を目途に全国で半数の世帯が確保できるようにすることを目標としたものでございます。
 また、最低居住水準につきましては、すべての世帯が確保できるような居住水準であるというようにしておるところでございます。
#66
○佐藤三吾君 この基準でいきますと、東京の場合はどのような分布になりますか。
#67
○政府委員(立石真君) まず誘導居住水準につきましては、東京におきまして共同住宅というのを頭に置きますと、三人世帯におきましては七十五平方メートル、四人世帯におきましては九十一平方メートルでございます。
 また、最低居住水準につきましては、三人世帯では三十九平方メートル、四人世帯では五十平方メートルとなっております。
#68
○佐藤三吾君 そうなっているのはわかるんですが、それは東京の場合にどういう分布になりますか。
#69
○政府委員(立石真君) 京浜大都市圏でございますが、昭和六十三年の住宅統計調査におきましては、最低居住水準未満の世帯は一三・八%、百四十二万世帯でございます。
 また、誘導居住水準未満世帯につきましては、七五・七%、七百七十七万世帯がそういう水準の状況にございます。
#70
○佐藤三吾君 それは東京の数字ですか。
#71
○政府委員(立石真君) これは京浜大都市圏の数字でございます。
#72
○佐藤三吾君 東京の数字はわからない。
#73
○政府委員(立石真君) 東京都の数字につきましては現在手に持っておりませんので後で御報告したいと思いますが、最低居住水準未満世帯率につきましては一七・七%で、世帯数にいたしますと七十六万二千世帯となっているところでございます。
#74
○佐藤三吾君 そうですね。いわゆるこの都市居住型誘導水準の場合が二百二十一万、五一・三%、合わせて六九%、こういうことになっておるわけですね。
 そこで、公団の方では最近都心になかなか高家賃の超高層住宅を建設しておるようでございますが、例えば大川端リバーシティであるとかリバーピア吾妻橋ライフタワーとか成城通りパークウエストとかカストール三ノ輪とかポルックス三ノ輪とか、大体こういう建物が三LDKで二十六万から二十二万、二十三万、二十一万、こういう家賃ですが、これは今申し上げたようなことからそういう方向に公団の重点を移しかえた、こういうふうにとっていいんですか。
#75
○参考人(丸山良仁君) ただいま先生がお挙げになった数字はそのとおりでございます。
 そこで、私どもの考え方でございますが、御承知のように、当公団は主として大都市圏における中堅勤労者に対しまして良質で適正な負担での住宅を供給し、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としているものでありまして、その趣旨に従って事業を進めているわけでございます。御参考までに申しますと、この趣旨に従って仕事を進めた結果、現在七十万戸の賃貸住宅を抱えているわけでございますが、その平均家賃は四万四千円でございます。また、今回値上げをお願いしております三十六万戸の住宅の平均家賃は三万二千三百円でございます。
 なお、最近のお話がございましたが、最近の地価の上昇によりまして、昨年度供給いたしました七千六百七十二戸の住宅の平均家賃は十万三千円となってしまっております。これでも家賃負担率はようやく二〇%を切っておりまして、一九・八%ということになっております。
 このようなことで本来の趣旨の目的は達しているものと私は考えておりますが、今お話のございましたような地域につきましては、都市の再開発あるいは地域の空洞化あるいは職住近接というような面からこういうような仕事も当公団といたしましてはやる必要があると考えております。残念ながら、そういう場合には家賃が今先生がおっしゃられましたように高くなってしまうわけでございますが、住宅に対する需要の多様化に伴いまして、家賃負担率が二〇%を超えても便利なところに住んだ方がよろしいというような方もおられるわけでございますし、また夫婦共稼ぎという方も大分ふえておるわけでございまして、これらの居住実態を調べてみますとそういう方も多いわけでございます。そういうことから考えますと、やはり都市の再開発、職住近接というような見地からこういう仕事も当公団としてはやっていくべきではないかと私は考えているわけでございます。
#76
○佐藤三吾君 こういうところに入っておる方々というのは大体どういう方々が入っておるわけですか。私の思うに、リバーシティ住宅に入る場合、大体公団では年収千二百八十六万円程度必要じゃないかと私は思うんですが、これは所得の層なり実態なりちょっと説明してくれませんか。
#77
○参考人(片山正夫君) まず、大川端リバーシティの入居者の属性でございます。
 大川端リバーシティ21の家賃の平均は、三次募集をいたしましたものが十八万八千円でございます。家賃の分布としましては九万五千円から二十六万八千円になっております。住宅の規模は平均で六十四平米。これに対しまして、入居者の状況でございますけれども、世帯主の年齢は四十二・三歳、それから主たる働き手の収入は七百七十万円、これは平成二年度の京浜の所得推計によりますると三分位と四分位の境界に当たります。それから、そこに住んでおられる方の主たる職業で、管理職でありますとか専門職とか事務職をトータルしますと四五・一%であります。
 また、リバーピア吾妻橋でありますけれども、ここの平均の家賃は一戸当たり十三万九千円であ
りまして、分布としましては七万一千円から二十二万六千円になっております。規模は五四・九六平米、そこの世帯主の平均年齢は三十九・八歳、主なる働き手の収入は五百九十二万円、これは入居の時期から考えまして、六十三年度の所得の実績から見ますると三分位の中位に当たります。世帯主の職業は管理職、専門職、事務職を合わせましたのが五一・三%であります。
 これらを平成元年度の新規の賃貸住宅に入った方々の平均値、ですから公団が供給しました元年度の首都圏の全体の平均値を参考までに申し上げますと、世帯主の年齢が三七・九歳、主たる世帯主の収入は五百三十四万円、管理職、専門職、事務職等を合わせました比率は六三%であります。したがいまして、収入の平均から見ますると、三分位から四分位にかけての分布が多いということがまず一点この高額プロジェクトについては見られると思います。
 それからもう一点、共働き世帯の比率がかなり高いわけであります。平成元年度の首都圏平均では夫婦のうち共働きをしておりますのが三六・五%でありますが、こちらの方のものにつきましては大川端の三次のところの共働きの数字が……
#78
○委員長(矢田部理君) できるだけ簡潔にまとめてください。
#79
○参考人(片山正夫君) 失礼しました。
 大川端リバーシティの三次のものが五八%の共働き率、こういうことでございますので、高額賃貸住宅に入っている方々は、共働きが普通のところの約倍というような状況でございます。
#80
○佐藤三吾君 リバーピア吾妻橋ライフタワー、これは外から夕方見ましたら、電気のついていないのが多いですね、空き家みたいな格好が。不正があるんじゃないですか。
#81
○参考人(片山正夫君) リバーピア吾妻橋については、既に入居しておりますけれども、ここにおきましては単身世帯もかなり入っております。リバーピア吾妻橋の場合ですと二九・六%は単身可能の住宅であります。ですから、かなりの部分単身世帯が入っておりますから、単身世帯の入居の特徴としましては、やはり夜分に帰るという方々も大変多いわけでございますので、そういう意味で夕刻見ましたときに普通の家族型の住宅よりは明かりのともり方は少ないと、こういうことだと思います。
#82
○佐藤三吾君 不正入居はないんですか。
#83
○参考人(丸山良仁君) リバーピア吾妻橋につきましては四百四十八戸でございますが、昨年の暮れからことしにかけまして入居の実態調査を行いました。その結果、どうも不正入居をしているんではなかろうかという疑いの持たれるものが十二戸ございました。それにつきまして詳細調査を行いました結果、七戸につきましては既に是正措置を講じさせておりますが、残りの五戸につきましては現在いろいろと折衝をしているところでございます。
#84
○佐藤三吾君 どういう不正入居の内容ですか。
#85
○参考人(丸山良仁君) これは目的外に使用する、すなわち事務所等には使ってはいけないことになっておりますが、そういうことに使っているというようなものが大部分でございます。
#86
○佐藤三吾君 おたくは事務所に使って悪いのに使うというのは、何か大臣もついこの間あったですね。大臣もやっぱりこの住宅公団の不正利用か何かで新聞に出ておったですね。それがやっぱり普通ですか。
#87
○参考人(丸山良仁君) なるべくそういうことはないようにこういう都心の住宅については注意しているわけでございますが、時々そういう形が見られて残念に思っております。
#88
○佐藤三吾君 これは相当高級な住宅でしょう。そういうところで注意していて不正が起こるというのはどういう意味か私はわかりませんがね、やっぱりそこに公団――大臣もそうだったですね、大臣も何か事務所に使っていて見つかって、もとに戻したものかわかりませんが、こういうことが公団の普通の姿になると、これはえらいことになりますよ。
 ただ、今あなたが言ったように、私が不正はないかと言わなければ言わないんだ、そうでしょう。そういうことに私はさらに疑心を抱かざるを得ない。そういうところの分も家賃の中にかぶっちゃいないですか。
#89
○参考人(丸山良仁君) 不正入居でございまして、家賃はいただいております。
#90
○佐藤三吾君 いずれにしてもこの問題は、私は一遍近いうちに視察をしたいと思っているんです、正直言って。もう七、八年ぐらいになりますかね、京都の八幡のときも、公団の中に、セメントで埋めてなきゃならぬ建物の中に木の株を入れておってごまかしておった不正建築がございましたね。そういうこと等も多々あるようですが、これはひとつ今後時間を見て調べてみたいと思っておりますが、さて、時間がございませんから本題に移ります。
 そこで、先般来予算委員会もしくは建設委員会等で言われておりました建てかえ住宅の問題ですね。この点について大分宿題を与えておったんですが、大臣と予算委員会でこの集中審議までに結論を出そう、こういうことになっておりましたし、聞いてみますと、久米川団地については三月三十日に工区を決定したようでございますし、きょうはそういうこと等も含めてどこまで御検討いただいたのか、いかがでしょうか。
#91
○政府委員(立石真君) 公団住宅の建てかえに当たりましては、その中でかなり所得の低い層の方たちも現実には居住しており、そういう人たちが、建てかえ後の家賃がかなり長期的に高くなる場合に、現在の公団で講じている特例措置等では不十分になるのではないかというような御指摘があったかと思うわけでございます。
 そういうような面から、公団住宅の団地の中におきましてあるいは現在進めておりますように、公団住宅の建てかえに当たって他の公営住宅、団地等に優先入居をさせるというような住宅対策上の措置も講じているところでございますが、先生御指摘の件は、さらに公団住宅の団地の中に公営住宅を建ててその方々が居住できるようにしたらどうかという御指摘であったろうと考えているところでございます。
 これまで公団住宅の中にそのような事業をした例はないわけでございますけれども、確かに公共住宅の全体の政策の中におきましては、公団住宅、公営住宅を総合的に供給することによってそういう状況に対応していくことは、大事な課題であろうかと考えているところでございます。建設省におきましても、先生の御指摘ありましたところでございまして、こういうものについて積極的に勉強をしていきたいというように御答弁したところでございます。
 こういうような事業を推進するためには国、それから住宅・都市整備公団、また公営住宅の供給に当たります関係都道府県あるいは市町村という地方公共団体、その三者が関連して密接な連携のもとにやらなければならないわけでございますが、現在具体的にそういう団地等についても一部検討をし始めているところでございますが、御指摘の久米川団地等については、公団の方からお答えをしてもらいたいと思っておるところでございます。
#92
○参考人(安仁屋政彦君) まず、先生の宿題に対します一般的なお答えを申し上げたいと思います。
 公団住宅は、公営住宅等との役割を分担しながら住宅建設を進めておるわけでございまして、一応中堅勤務者ということになっております。しかし、公団住宅に長く居住されている間にはお年を召され所得が低くなられるという方もおられることは十分に認識しておるわけでございます。したがいまして、建てかえ事業におきましては、戻り入居の場合の七年間の家賃の激変緩和あるいは一定の要件に該当する高齢者等に対します十年間の特別減額措置あるいはリロケーション住宅制度、こういったものの活用を通じましていろいろな事業促進のために努力しておるところでございますが、さらに、今局長からお話がありましたような
ことで、当該建てかえ団地に公営住宅を建設することにつきまして、建設省の御指導を得ながら検討を進めておるところでございます。しかしながら、いろいろな問題がございます。
 まず、私どもの立場としましては、公団の既存居住者の優先入居が可能かどうか、これが一番大きな問題でございます。建てかえ団地内に公営住宅を建設いたしますのは、あくまでも公団の建てかえ団地に住んでおられる方々のうち、地域を離れがたいとされる一定の高齢者等が優先的に入居できる仕組みでなければ意味がないわけでございまして、一方、公営住宅の入居基準は、国及び各自治体の一般会計からの大幅な補助が入りますので、公募という原則がございます。例外的に各自治体で認められる優先入居につきましても非常に厳しいというのが現状でございます。
 現在、各自治体の中で建てかえ団地の既存居住者につきまして、建設された公営住宅に一定の枠で優先入居の取り扱いが可能だと思われるのは限られた自治体にしかないわけでございますし、そういったことで公営住宅を建てかえ事業一般に適用するということはできないわけでございますし、また仕組みとして優先入居が可能な自治体でございましても、やはりそれぞれの財政事情あるいはでき上がりました公営住宅の管理体制等の問題もございまして、公団が必要と考える団地のすべてで受け入れていただけるとは限らないわけでございます。こういったことで、一般的な制度ということはできないわけでございます。
 また、具体の計画におきましてはスケジュールの調整の問題がございます。私どもとしましては、着手後二年間の間に既存居住者の同意を取りつけまして事業を実施するわけですが、その時点までに公営住宅の建設につきまして自治体の同意が得られるか、そういった今までるる御説明申し上げました調整の問題がございますが、可能な限りはそういった制度を導入しまして円滑な推進を図りたい、このように考えておるわけでございます。
#93
○佐藤三吾君 長い長いお話ですが、結果的には弁解であって、私の言うことには答えていないんです。
 大臣、これは具体的には久米川団地の問題ですよ、私が言ったのは。さっき片岡さんもおっしゃったように、言うならば、これは三十年前の建物の建てかえですから、年金生活者の問題というのは当然起こってくるわけでしょう。そういう方々については家賃の値上げも大変だということがさっき片岡さんの話にございましたが、まして建てかえ後の家賃として七万六千円ですか、ここまで上げるといったって、とてもじゃないけれどもそれは不可能に近い。そういうせっぱ詰まった問題であるから、現実にあそこの折衝の問題が残っておるわけですからね。いつとは知らぬ、何か勉強させてくれと立石さんはおっしゃるけれども、期限がない、これじゃ困るんですよ。ことしの秋に久米川ではもう着手するんでしょう。それまでに決着がつくのかつかぬのか、こう聞いておるわけです。そうしないとこの人たちは出ていかなきゃならぬ。
 現実に、今まで公団が建てた実態を調べてみると、建てかえ団地のところはほとんど二〇%平均皆追い出されておるんですよ。それでしかも、久米川団地でもこの問題が起こって一年半の中で二十九人のお年寄りの方々が亡くなっておるんですよ。亡くなっておる理由はやはりこの問題を苦にして亡くなっておるんですよ。ですから、私は長ったらしい答弁は要りませんよ、やるのかやらぬのか、きちっとしてください。
#94
○国務大臣(大塚雄司君) まず基本的にこの建てかえは居住者の方々の同意をいただかなければできないことでありますから、誠心誠意、公団は居住者の方と御協議を申し上げておるわけであります。その中で大半の方が建物が古くなったり居住環境がよくないというので建てかえに同意をされておるわけでありますが、今先生御指摘の高齢者や、大変表現は適切でないかもしれませんが、いわゆる弱者の方々が直ちに協力はできない、そのお気持ちはよくわかりますし、実態も既にお話のとおりでありますから、予算委員会で、できるならば公営住宅をというので、私は勉強をさせていただくというお約束をいたしました。自来、住宅局長を初めとする住宅局、公団の総裁を初めとする公団に対しまして、第一次のところで何とかならぬかということは強く要請をし、検討もさせたわけでございます。
 しかし、今申しましたように、相手は東京都になるわけでございまして、あるいは市町村ということになりますが、都営住宅でありますから東京都が一緒に乗ってくれなければならないという大きな前提がございます。都知事の選挙が終わったばかりですから、私から直接頼むこともしたいという熱意は持っておりますけれども、ともかくそう簡単に右から左というわけにまいらないこともありますし、既にもう住民の方々にいろいろ折衝をしている中でありますから、正直に申し上げて、期待を持たせて後でだめでしたということを言うのはこれは決していいことではありませんので、第一次のところでは大変難しゅうございます、こう申し上げたわけでありますけれども、引き続き第二次の計画がありますので、それはやはり同じ団地の中でありますからそういうことでできればなというので、さらに勉強をしていこう、こういうことであります。
 一般的に申しますと、これは久米川ということでなく一般的にお聞きをいただきたいんですが、公団住宅と公営住宅ではおのずから家賃の差もございますし、また居住のスペースあるいは環境も違うというのが従来の例でありますから、公団の中に公営を入れて、所得が違うからといってそこに居住をしていただくというやり方がいいかどうかということも私は政治家としてはちょっとつらい気持ちにもなるわけでございまして、それらの問題も含めて、ともかく先生のおっしゃることはよくわかりますので、高齢者の方やあるいは年金生活者の方々のためにはできる限りのことはやる、いわゆる特別措置もやるわけであります。
 ただ、それを超えてまでのことになりますと、いわゆる住宅・都市整備公団のテリトリーといいますか、守備範囲からは離れるものでございますから、なるべく近間のところの公営住宅にお願いをするというようなこともありましょうし、特に公営住宅で収入オーバーのときには公団の方に受け入れるということにもなっておりますので、公団も協力をしているんだから公営にもお願いをするということで、しっかりやってくれと私は督励もしておりますので、今回の場合におきましては第一次の方はどうも物理的に大変難しいということでございまして、何とぞ御理解を賜りたい。なお引き続き第二次の方は検討をさせてまいりたいと思います。
#95
○佐藤三吾君 大臣は公団出身ですからよく知っておると思うんですが、私は日本一かと思ったんですよ。ところが、公団の皆さんが、いや、お金持ちでは世界一ですよと、公団の含み資産はね、そういうお話がある。その公団に私が言ったのは、何も公営住宅を導入ということを言ったんじゃないんですよ。年金生活者が現実にあなたのところの公団に住んでいらっしゃる。その人たちは建てかえ後の家賃が払えない、明らかにこれは払えない。出ていくか死ぬかしかない。こういう選択を迫られておるから、この問題についてはやはり公団自体で年金者の家賃をつくったらどうですかと、それを私は申し上げたんです。その方法をどのくらい研究なさったのか私はまだ全然聞いていません。
 確かに第三分位、六百万をめどにした、公団の設置目的からいってそこに置いておるんだと言っているけれども、現実に入居者の皆さんを見ると実際は約三分の二は第二、第一分位の方でしょうが。だったら、それに適用する家賃のあり方も検討するのは、これは当たり前のことじゃないですか。建てかえをするのは結構です。しかし、建てかえをするにしても、これは住民の皆さんが建てかえ要求をしたんじゃない、公団の都合で建てかえをしているわけです。だったら、それにこたえ
るのは当たり前じゃないですか。そのことに何をそんなに悩むことがあるんですか、世界一の金持ちの公団が。もっとずばっと答えたらどうですか。
#96
○国務大臣(大塚雄司君) 先生の御趣旨はよくわかるわけでありますが、一方、戦後四十五年間の住宅政策をやや振り返ってみますと、公団が鋭意努力をして七十万戸の賃貸住宅を提供してきた。それに入っておられる三十六万の方に今回家賃の改定をお願いする。そしてまた、一般的には公団に入られないたくさんの方々が公団住宅に入りたいという期待を持っておるわけでありますから、言うなれば、入居者の方々以外の方にも目を向けて住宅政策をやらなければならないという私どもは立場にあるわけです。
 しかも、仰せのとおり、確かに公団は金を持っておるかもしれませんが、これはすべて国民の金と同じでございまして、決してこれが公団の自由になるというものではもちろんございません。国民の皆様方の見ている中でやるわけでありますから、おのずからそれぞれの役割分担に応じた住宅政策のあり方を進めていかなければならないわけでありまして、確かに年金生活者、高齢者の方々には大変お気の毒な面もありますから、できる範囲のことはやる。しかし、従来の本旨を曲げてまでというわけになかなかまいりませんので、そこがいわゆる政治判断ではあろうと思うのでありますが、今回特例措置をできるだけやれということでお願いをしているわけでございまして、その辺のところを理解いただきたいと思います。
#97
○佐藤三吾君 あなたがさっき冒頭におっしゃったように、これは同意がなければできないんだと。それで、期限はこの秋に迫っておる、その場合に具体的にどう対応なさるんですか。もう居住者の皆さんの中で、今言ったように出ていく以外に、リロケーションの家賃にしてみてもやっぱり七万六千円ですからね、それはもう到底対応できない、こういう現実があるわけですからね。
 それではお聞きしましょう。その場合に、あなたはどん詰まりでどういうふうに考えたんですか。それを言ってください、大臣として。
#98
○参考人(丸山良仁君) それは誠心誠意折衝して御説明するより仕方がないと思います。
 と申しますのは、この建てかえ事業を始めましたのは昭和六十一年でございます。それから五年になるわけでございますが、六十一年、六十二年、六十三年の三カ年分につきましては一名の反対者もなく最終的には御了解を賜っているわけでございます。したがいまして、平成元年に始めました久米川団地につきましても、現在既に九割のところは御同意をいただいているわけでございますから、後の一割の方についてぜひ御協力をいただくようにこの半年をかけて説得してまいりたいと考えております。
#99
○佐藤三吾君 強引にねじ伏せる、こういう決意ですか。そうじゃなきゃ、現実的にこの方々の年金収入から見てとても不可能です、常識から考えて。それを説得するということは、強引にやっぱりねじ伏せるということしかないじゃないですか。そういう決意ですか。
#100
○参考人(丸山良仁君) 他の団地におきましても同様でございますが、他の地域の公営住宅にあっせん申し上げるとか、あるいは近くの公団住宅で同じくらいの家賃のところにあっせん申し上げるとか、そういうような措置を講じているわけでございます。
 先生がおっしゃいますように、その団地の中に公営住宅ができればこれにこしたことはないわけでございますが、先ほどからいろいろ御説明申し上げておりますように、今度の九月の事業には残念ながら間に合わないということでございますから、その点はよく住民の方に御説明申し上げたいと思っております。
#101
○佐藤三吾君 私は行ってきて、こういう話を本当に信じられない感じがするんですよ。名古屋の相生山団地というんですか、そこの三Kの御夫妻で御主人が亡くなった。今、現実の問題ですよ。そこで名義変更届を持ってきた。ところが公団は、規定がございますから他の団地に移っていただきます、一DKのそこに変わってくださいと、こういうことがやられておるという実態、しかもこれは六月一日までに出てもらいたい、こう言っている話、これは事実ですか。
#102
○参考人(安仁屋政彦君) 正直、今初めてお聞きしたことでございます。
#103
○佐藤三吾君 そうらしいんですが、お聞きしますけれども、御主人が亡くなった場合に奥さんの名義継承をやるんですか。
#104
○参考人(安仁屋政彦君) 一定期間同居しておれば当然名義変更はできると思っております。
#105
○佐藤三吾君 御夫婦が生存の場合でも奥さんの名義変更はできるんでしょうか。
#106
○参考人(安仁屋政彦君) 現に同居しておられて御主人から奥さんの方に名義変更ということは、財産相続ならあり得るわけですが、公団住宅につきましてそういう必要があるのかどうか私もよく知りませんが、一般的には認められないのではないか、このように考えております。
#107
○佐藤三吾君 この場合に、どうなんですか、強制的にやるわけですか。
#108
○参考人(安仁屋政彦君) 当初のお話は、亡くなられて名義承継の届けを出したら移転してほしいというお話があったという趣旨から考えますと、相当広いところにお住まいになっていた場合に、今後お一人だという場合にはできるだけふさわしいところにお移りいただいて、あいたところをまた家族の多い方に提供したい、こういう趣旨でお願いしているのではないか、このように思っております。
#109
○佐藤三吾君 大臣、私も皆さんもそうだけれども、間もなく定年に入ってくるんですが、長年住みなれたところからお年寄りに出ていけということはどういうことを意味するか、御存じですか。私の両親が田舎におったときに、こっちに出てこぬかと言ったって、それは死ぬまで出てきませんわね。そこにやっぱりいわゆる生活基盤なり全部できておるわけですから、お年寄りにとってそれを移すということは死に等しいんですよ。そういうことが今公団では平気でやられておるんですか。
#110
○国務大臣(大塚雄司君) これは一般的な話になろうかと思いますが、公団住宅というのはもちろん公的資金を導入して国民の税金で建てた住宅を適正にお貸しをしようということであります。それには、おのずから世帯住宅には世帯が、単身住宅には単身がというふうになっております。しかし、二十年も三十年もお住まいになった御夫婦のどちらかが欠けまして後、直ちに出ていけというのは、これは人道上許せるものではない。
 そういう前提でございますが、しかし本来お一人で生活をするということも、このごろは高齢化社会ですから、あるいはまたいろんな機関が発達しておりますのでできるかもしれません。昔でございますとお子さんが同居をするとかそういうようなことがあったわけでありますけれども、公団住宅というのは別に相続制度を設けているわけではありませんから、そういうことになる場合もあれば、あるいはお一人ですから家賃の御負担も大変だろう、それは年金とか生活保護とかをお受けになる場合もありましょうけれども、お話が成立すればそういう範囲内で住まえる住宅をできるだけそのお住まいになられたところの近間にごあっせんをするとか、あるいはどうしても公団住宅でだめであれば公営住宅にごあっせんをするとか、そういう配慮をして対処するというのが私はやり方ではなかろうかな、こう思います。
#111
○佐藤三吾君 今あなたがおっしゃったように、人道的にもこのケースは問題が私はあると思う。これは盛んに総裁もうなずいておりますが、直ちに調査していただいてそして御報告いただきたいと思うんです。よろしいですか。
#112
○参考人(丸山良仁君) 直ちに調査いたしまして御報告いたします。
#113
○佐藤三吾君 そこで、先ほどの話に戻りますが、久米川団地の問題につきましては、問題が本人の同意を得ない限り実行することはないと大臣
からさっき御答弁いただきました。それは確認させていただきますが、同時にその前提に立って、先ほどから提起している問題については、秋に実現できるように全力を挙げて取り組んでいただく、公団もそういう確認ができますか。
#114
○参考人(丸山良仁君) 先ほどから申しておりますように、公営住宅法上いろいろ難しい問題もございますので、建設省の力もかりまして十分検討した上でなるべく早くやりたいと思っております。
#115
○佐藤三吾君 大臣、いかがですか。
#116
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま総裁がお答えしましたように、建設省といたしましても、先生の御趣旨に沿いまして、最大限の努力をいたしたいと存じます。
#117
○佐藤三吾君 そこで、家賃全般の問題についてお伺いしていきたいと思います。
 先ほど参考人の方々の御意見を聞きまして、両院建設委員長が要望した家賃の改定ルールについては今回検討したけれども、その問題については取り上げなかった、こういうことでございました。今後、この問題について、公団としてどういう対応をなさろうとしておるんですか。
#118
○参考人(丸山良仁君) この家賃の改定ルールは、五十八年の衆参両院の委員長要望に基づきまして、昭和六十三年の改定の際に二年有余をかけて十分に検討をした上でつくったルールでございます。したがいまして、よほどの経済社会の変動がない限りは変える必要がないと我々は考えておりますし、先ほど石原先生からもそのように申されたとおりでございます。ただ、先ほど例のありましたように、例えば固定資産税が物すごく上がったとか、そういうような要素が出てきた場合には見直す必要があるのではないかと考えております。
#119
○佐藤三吾君 そこまでおっしゃるなら、家賃算定の中の地代相当額、公租公課の構成比率の推移を全国の主要地ごとにひとつ示してもらいたいと思いますがね。
#120
○参考人(安仁屋政彦君) 私ども、個別原価の公表につきましては従来から御容赦いただいておるわけでございますが、そういった意味で個別原価の公表につながるような格好での資料ということですと、提出を御容赦いただきたいと思っております。
#121
○佐藤三吾君 提出を御容赦いただきたい、まあ、ならぬのだけれどもね。総裁、どうですか。
#122
○参考人(丸山良仁君) 今理事が答えましたように、個別原価にかかわる問題につきましては昭和五十三年の家賃改定以来しばしば当委員会におきましても御要請がございましたのですが、やはり公団の経営の基本に関する問題であるということから提出を容赦させていただいているところでございますので、今回も御了承賜りたいと存じます。
#123
○佐藤三吾君 平成二年六月二十二日付で住宅宅地審議会の答申が出ておりますね。その中でも明記されておりますように「大都市地域における公共賃貸住宅の家賃の低減化を図るとともに積極的に供給を進めるため、地代相当額を軽減するための新たな制度の導入、中堅勤労者の良質な住宅確保」云々、こういうことが出されておるんですけれども、それでも地代相当額の今含まれておる問題について変更する考えはないという、そういうことですか。
#124
○参考人(丸山良仁君) 申し上げるまでもないことでございますが、家賃は建物と敷地の使用の対価でございまして、敷地につきましてはやはり再評価をするということで新しく建てる住宅と家賃との均衡を図る必要があるという考え方から、地代相当額につきましては固定資産税の評価額を用いているわけでございまして、そういう関係からやはり地代を抜いてしまうというわけにはまいらないと思います。
#125
○佐藤三吾君 しかし、そこに家賃なり値上げの一つの根源があることは間違いない。やっぱりそこら辺を解決しなければ、いずれにしてもさっきの片岡参考人の説明じゃございませんけれども、年金が上がっても家賃が追っかけて相殺してしまう、この繰り返しをやっておるという実態が改善できないんじゃないかと私は思うんですね。ですから、五十八年の際の両院の建設委員長の申し入れの中にもそれが含まれてきたと思うんです。それをやはり今のような改正じゃなくてもっと真剣にひとつ検討してもらうという前提がないと、私はいつまでたってもこの状態が続くんじゃないかと思うんですよ、どうですか。
#126
○参考人(丸山良仁君) 繰り返しになって恐縮でございますが、やっぱり家賃を算定する場合に土地代抜きで家賃を算定するというわけにはまいらないと思います。例えば応能家賃主義をとるというようなことになりまして支払い能力に応じた家賃を決める、公団家賃をそのような体系に直せば別でございますが、今のように原価を基準にいたしまして他の公団住宅との均衡を図りながら家賃を決める、こういう体系のもとではやはり土地代は入れざるを得ないと考えております。
#127
○佐藤三吾君 土地代の入れ方ですね、値上げの。なぜかといえば、団地ができたところについては新たに買う必要はないんですからね。例えば久米川の場合なんて買った当時は坪三百円でしょう。それがもう二百万、三百万、こうなっておるんでしょう、今その周辺が。ところが、あなたのところはその二百万、三百万を基礎に置いて、そしてそれを今度は家賃やいわゆる建てかえ住宅の家賃に持っていこうとしておるわけです。しかし、建てかえにしても土地を売買するわけじゃないんだから、少なくとも坪三百円で計算の中へ入れるなら結構ですよ、そうじゃないところに問題があると言っておるわけですからね。ここら辺がやはりあなたも真剣に受けとめなきゃ、紋次郎じゃあるまいし、そんな紋切り型な言い方ってないんじゃないですか、どうなんですか。
#128
○参考人(丸山良仁君) 繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、やはり地代を家賃から外すというわけにはまいらないわけでございます。したがいまして、現在の家賃の算定方法は、直接の値上がり、急激な値上がりのございました土地代を使っているわけではございませんで、三年間で八%の値上がりの固定資産税の評価額を使っているわけでございますから、そういう点で御了承いただきたいと存じます。
#129
○佐藤三吾君 だったら、さっき私が申し上げたように、中身は申し上げられませんじゃなくて、全部出しなさいよ。出して皆さん方の議論に供しなさいよ。それを出さなくて、そしてあなたの方の言い分だけはぬけぬけと言う論法、これは私は容赦できませんね、率直に言って。これは容認できませんし、ひとつそこら辺もう一遍再検討してもらいたいということだけ申し上げておきます。
 そこで、もう一つ、時間がございませんが、聞いておきたいと思うのは、一つは家賃部会の構成です。
 さっきいろいろ聞きましたが、率直に言って首都圏中心の構成になっておる。ところが、公団の住宅というのは、首都圏だけにあるんじゃなくて、全国にあるわけでしょう。そういったところの意見というものが家賃部会に反映するというルールになっていない。専門部会もそうです。これはやはり全国のそういう居住地の皆さんの声が反映できるように私は改正しなきゃいかぬではないかと思う。いかがですか。
#130
○参考人(丸山良仁君) この点につきましては、先ほど石原先生からもお話がございましたのですが、例えば自治協の代表の方は名古屋の御出身の方でございます。それから、労働界の代表は全国代表でございますし、あるいは言論界の代表の方につきましてもやはりそれぞれの新聞社の諭説委員をやっておられた方とか、そういう点から見ますると強いて地方の方を入れる必要はないと思いますけれども、せっかくの御提案でございますから、今度の任命のときにはいろいろ検討させていただきたいと思います。
#131
○佐藤三吾君 もう一つ私は注文つけておきたいと思うんですが、基本問題懇談会家賃部会の役割、機能、権限、これはどうなっておるんです
か。
#132
○参考人(丸山良仁君) 特別に書いたものはございません。しかし、家賃部会は五十七年の九月に家賃改定問題について技術的、専門的な御意見を伺うということで設置されたということが記録に残っております。
#133
○佐藤三吾君 それが今現在実行されておりますか。
#134
○参考人(丸山良仁君) 家賃の改定についてでございますから、改定問題について御議論をいただいているわけでございますので、実行されていると考えております。
#135
○佐藤三吾君 それは実行されているのは結構ですが、私が聞いておるのは、なかなか実行されていないんじゃないかと。家賃部会じゃなくて家賃値上げ部会になっておるんじゃないですか。いかがですか。
#136
○参考人(丸山良仁君) 確かにおっしゃいますように家賃の値上げのたびに開いていることは間違いございませんが、ただし、基本ルールをつくるときには、家賃の値上げのときにやったわけではございませんで、三年前から準備を始めまして二年有余をかけてやったわけでございますから、必ずしも家賃の値上げ部会というわけではないと思います。
#137
○佐藤三吾君 今度の部会の運営を見ましても、三年間の中で去年二年間休んで、こういう運営であるところに問題があるんじゃないですか。ここまで問題になっておるわけですから、今のルールがいいか悪いかまで問われておるわけです。両院の建設委員会の中で指摘されておるわけです。だから私は、やっぱり根本的にこの問題について検討するとすれば、三年間びっしり集中したって足りないと思うんですよ。そういう意味で私はさっき値上げ部会になっておるんじゃないかと言ったんですが、その辺はひとつ今後は改めて、家賃部会として背負われている課題を追求していくということで、真っ当な運営をやっていくんだということで約束できますか。
#138
○参考人(丸山良仁君) その御意見は家賃部会の中からも出ておりますから、先生の御意見も尊重してまいりたいと思います。
#139
○木庭健太郎君 昼からずっと論議を聞いておりまして、私も公団に住む者の一人として随分納得いかないことも多いなというふうに思って聞いておりました。
 公団の一番の役目というのは、先ほど中堅勤労者という問題もおっしゃいましたけれども、やはり公共性ということを考えていくならば、先ほど長い間住んでいらっしゃる方の問題もいろいろ出てまいりましたが、そういう面もいろいろある意味じゃ配慮しなければならない立場にあるのが私は公団の立場だと思っております。
 その一方で、公団自体の人気というのはいまだに高くて、あるところでは二十倍とか三十倍になるところもございます。今後もそういう人たちに対して住宅をどう提供していくかということが公団の仕事になってくると思うんですけれども、これまで以上に公団住宅については期待が高まっているわけですよね。その中でのいわゆる使命、役割、また公共性というものを公団の総裁自体がどんなふうに認識されてやっていらっしゃるのか、まずお伺いしたいと思います。
#140
○参考人(丸山良仁君) 公団といたしましては、公営住宅と役割分担をしながら、中堅勤労者に対して良質で適正な家賃の供給を行うというのが最大の最も重要な使命ではないかと思っております。
 そのほかに公団の役割といたしましては、都市の再開発であるとかあるいはニュータウンの建設であるとかあるいは賃貸住宅の建てかえであるとかあるいは賃貸住宅の適切な管理、これは家賃も含めるわけでございますし、老齢者、高齢者対策も含めるわけでございますが、そういうことを誠実にやっていく必要があると考えております。
#141
○木庭健太郎君 そうすると、もう一つ、今住んでいらっしゃる方に対して、公共性の確保ということで言えば、どういうことを総裁としてやらなくちゃいけないということを認識されているか、伺っておきたいと思います。
#142
○参考人(丸山良仁君) 先ほどから申し上げておりますように、公団の家賃体系は原価を基準にいたしまして他の公団住宅との均衡を図って決める、こういうように施行規則で決められているわけでございます。
 そういうことで、老人対策あるいは年金生活者対策にどのように対処できるかということになるわけでございますが、これは先ほど石原先生からもお話しございましたように、公団としてはやはり限界がある。例えば老人に対しては政府として応能家賃制度をとられるというようなことになりますると、公団としてもそういうことができるわけでございますが、公団だけが応能家賃制度をとるということは、やはり他の住宅政策との関連がございましてなかなか難しい問題ではないかと私は考えるわけでございます。
#143
○木庭健太郎君 では総裁として政府に対して、今住んでいらっしゃるいろんな悩みが先ほどから出ておりましたが、そんな問題に対して、政府に対してですよ、公共性の確保なり、先ほど言われた老人の問題が出ていましたけれども、これに対してどう総裁御自身として今後取り組んでいかれるつもりか、お伺いしたいと思います。
#144
○参考人(丸山良仁君) 先ほどから申しておりますように、当公団といたしましては公営住宅とそれぞれの分野を分けてその務めを果たすというのがやはり主題でございますから、現在まだ中堅勤労者の住宅事情が十分でない段階におきましては、公団の性格を根本的に変えるということは、これはやはり無理な話ではないかと思います。
 したがいまして、高齢者対策につきましては、現在公団が講じておるところが公団としてできる最大限の範囲だと考えているわけでございますが、私もこれで十分だとは思っておりません。この点については、やはり政府において高齢者対策としての住宅対策をどうするかということは御検討いただくべきだと、私は考えております。
#145
○木庭健太郎君 今総裁からそういう話がありましたので、政府としてお考えがあれば聞かせておいてください。
#146
○政府委員(立石真君) 丸山総裁から公団の役割について先ほど御説明があったわけでございますが、公共賃貸住宅施策といたしましては公営住宅、公団住宅、公社住宅、そのほか各種の施策住宅を加えまして、全体として公的賃貸住宅の需要にこたえるべく政策を進めているところでございます。こういうような面で、公団がその役割を大都市地域の中堅勤労者を特に中心としながら、中堅勤労者層に対する住宅を供給しているところでございます。
 先ほどからの御審議にございましたように、公団の居住者にかなり所得の低い方々が居住している状況になり、またそういう方々に対しての現段階で考えて施策が必要になるということになりますれば、公団の努力も促しつつ全体の住宅施策の中で考えていかなければならないと考えているところでございまして、現在の住宅建設五カ年計画等におきましてもその基本的な考え方はあるところでございますが、今後さらに検討を進めていきたいと思っております。
#147
○木庭健太郎君 確かに中堅勤労者ということを目的として公団が事業をやってきたわけですが、しかし現実的に何回も土地の高騰の問題もあって、そんな中でやっぱり公団に住まざるを得ない形で住んでいらっしゃった。それで、時代が変わっていく中で何十年もいらっしゃる。先ほども言っていらっしゃいました。そうすると、そこが自分の生涯の地になるわけです。そういう現実が実際に今起きてきているということを認識してもらわないと。中堅勤労者という問題は、確かにおっしゃるとおりです。ただ、その辺の理解がないと、今後も同じような問題で何回も何回も住民の方からいろんな問題がかなり起きてくると私は思います。しかも、こういう値上げの問題が続いていけばまた起こってくる。建てかえの問題になると、もっとひどい現状になることも事実でござい
ます。その辺をぜひ御認識をいただきたいなということだけは付言しておきます。
 ところで、今回の値上げの問題でございますけれども、今回の値上げの対象になるのは七十万戸のうちのちょうど半分、三十六万戸ぐらいですか、そういう影響も大きいし、この前、私のところも実際に値上げ対象として通知がやってまいりました。ただ、とにかく今回の改定の最大の特徴というのは、三年で見直すというルールの初めてのケースでございます。公団として、五年のときと比較して、三年ごとのメリットというのを自分たちではどう認識なさっているのか。
#148
○参考人(安仁屋政彦君) 家賃の見直しの周期につきましてはいろんな考え方があろうかと思いますが、周期が長期になりますと経済変動の幅も大きくなる可能性がございまして、居住者の家計への一時的に与える影響というのは非常に大きくなるおそれがあります。それから、固定資産税評価額の見直しの周期が三年であるということ、さらに家賃の見直しに係る社会一般の実態、これは二年が多くて、場合によると一年ごとという実態もあるそうでございますが、私どもとしましては、こういった実態も踏まえまして三年ごとに見直すのが適当である、このように判断したわけでございまして、このことにつきましては家賃部会での大方の意見でもあったわけでございます。
#149
○木庭健太郎君 民間の更新に近づいたというふうな言い方が一番私はかちんとくるんです。確かに民間との問題、参考人の方も午前中おっしゃっていましたけれども、そのことよりは別の問題が先じゃないかと思うんです。それこそ、何か民間との格差是正とか、そんなことを言われると、もう非常に私としては納得のいかない面がございます。
 三年ごとに改定すれば大幅な値上げにならないということをおっしゃいました。先ほど午後の最初の参考人、住民の方からお話がありましたけれども、三年ごとに改定した方がかえって五年ごとに改定するよりも結局高家賃化につながるんじゃないかという問題が指摘されておりました。私もこれは単純計算ですけれどもやってみますと、今回の値上げは前回の六十三年から三年間で結局平均値上げ率が一二%、約三千九百円の値上げですか、これを単純に五年間に換算すると値上げ率は二〇%になるわけです。値上げ額にすると約六千五百円となります。前回のケースをちょっと見ましたら、前回は大体一八%、たしか四千六百円だったと思います。それから比べても、これはもう高家賃化につながるという住民の心配というのは間違いなく今回のもので出てきているのじゃないかと思うんですけれども、この一二%、三千九百円という今回の値上げ案の妥当性についてどんなふうに考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#150
○参考人(安仁屋政彦君) 家賃の改定につきまして、三年前の基本ルール策定のときに決められましたのは公営限度額方式を基本としまして必要な立地補正をやる。こういうことで、私どもとしてはその基本ルールが確立されたという立場に立ちまして厳密な計算をやった結果出てまいったのが平均で三千九百円、こういう数字でございます。したがいまして、私どもの立場としましては妥当なものである、このように考えております。
#151
○木庭健太郎君 私はもうはっきり言って、いろいろ御検討なさったんでしょうけれども、この三年というのは本当にこれで定着――最初は二十年間やってなかった、五年間になった、三年間になった。さあ、今度は民間のことを話されている。もしかすると今度ルール見直しというのは多分二年とか一年、民間に合わせる形になるんじゃないか。それは当然住んでいる人間としては心配します。どこまで一体進んでいくのかというのがやっぱり心配でたまらない面が正直ございます。
 それから、公団の持つ政策、使命とか公共性から考えると、私自身は三年というのは決して納得ができないし、やっぱり三年という問題については、特にルールの問題を含めて一番最初に検討していただきたいし、逆に言えばこれ以上進まないという確約ができますか。もう三年ごとというやつが今後検討していけばどんどん短くなるというのが一番住民は心配なんですよ。この辺はどんなふうに考えますか。
#152
○参考人(安仁屋政彦君) 正直、従来五年であったのを先ほど申し上げましたような理由で三年周期に直したわけでございますが、先ほど私が民間は二年なりあるいは場合によっては毎年だと、こう言っておりますが、基準ルールとしましては三年ということでございますので、これがさらに二年あるいは一年になるというようなことは現在時点ではないというふうに確信しております。
#153
○木庭健太郎君 そうしたら、そういう話は余りこういう国会の席で民間のことを出して二年とか一年、それは実態はそうかもしれないけれども、この論議をするときにそういうことを言われると非常に適切じゃないと私は思いますね。理事の言ったことを聞いていて、これは私はもう必ず近いうちに二年、一年が来るんじゃないかとやっぱり思ってしまいますよ。それをはっきりしてください。
#154
○参考人(丸山良仁君) 私がいつまで総裁をやらせていただいているかわかりませんが、私が総裁をしている間はありません。
#155
○木庭健太郎君 ぜひ総裁から次の総裁になられる方へその考えを引き継いでいっていただきたいということを要望いたします。
 そこで、次に参りますけれども、結局、交通至便の都内の団地なんかでは、今回も再び限度額いっぱいに引き上げる可能性が高いわけですね。となると、例えば都内の中で一K住宅なんかだったら、今家賃が安いところもございますけれども、そういったことでかなりの値上げの幅が大きくなってくるケースがございます。私が調べた中でも、前回と今回の分を合わせると結局四年間ぐらいで家賃が二倍を超えてしまうというようなケースも実際にございました。そこまでいっているのは少ないですけれども、ただ、そういうところが何例かあるということは事実でもございますし、一つはいわゆる今行っていらっしゃる激変緩和措置というのがございますよね。いわゆる引き上げ限度額とともに新たに引き上げ限度率といいますか、それ以上は上げないというような形も一つの方法として激変緩和措置として必要ではないかとも思うんですけれども、この辺についての御見解を伺いたいと思います。
#156
○参考人(安仁屋政彦君) 先ほど申し上げましたように、改定家賃の算定方式はいわゆる公営限度額方式に準じた方式を基本としておりますが、激変緩和措置としまして、計算しまして出ました改定数値と、それから現行家賃との差の二分の一だけを取るというふうに措置をしております。さらに、このような激変緩和に加えまして、個別的に見ると引き上げの絶対額が相当高額となる住宅もあるわけでございますので、先ほども出ましたように七千円、八千円、九千円と居住室の数に応じまして絶対額で最高限度を設けたわけでございまして、その上さらに三割とか四割、そういった形で率の制限を設けるということは考えておりません。
#157
○木庭健太郎君 この率の問題というのは、余りにもとが安いということもあるんですけれども、そのはね返るところに対しては、やはりそういうことも一つの参考として私は考えていかなければならない問題だと思っております。
 それはそれとしまして、参考人からもいろいろ意見がありましたけれども、やはり指摘したように高齢化の問題が進んでおるということも事実でございます。また、入居者世帯の家賃負担率というものもかなり高くなっているというふうに考えますけれども、そういう実態を公団としてどんなふうにして調べ、認識をなさっているかということを伺っておきたいと思います。
#158
○参考人(安仁屋政彦君) 公団としましては、五年に一回、前回と申しますか六十年調査が現在出ておりますが、居住者の実態調査というのを行っておりまして、世帯主の年齢とかあるいは平均の収入、そういったものを把握しております。平成
二年度の調査も実際行ったわけでございますが、まだ結果は集計中で出ておりませんが、いずれ近いうちに出るというふうに考えております。
 そういうことで実態の把握には努めておるわけでございますが、先ほど来いろいろ御議論がございますが、社会的弱者に対する措置につきまして、私どもとしましては現在公団ができる範囲で最大限の措置を講じておりまして、社会福祉的な措置と申しますのは本来国なりあるいは地方公共団体が役割分担に応じてやっていただくのが筋だということで、私どもはできる限りの措置を講じていくということを申し上げておきたいと思います。
#159
○木庭健太郎君 今回また特別措置というのをやられるわけですけれども、この特別措置の対象世帯というのはどのくらいというふうにとらえていらっしゃるのか、また特別措置による減収額をどの程度と予想されているのか、またもう一つぜひお伺いしたいんですけれども、前回と比べこの特別措置で改善した点はこんな点、こんな点、こんな点ですよというのもあわせてお伺いできればと思います。
#160
○参考人(安仁屋政彦君) 今回の改定によっての予測はしておりませんが、第三次の前回六十三年の継続家賃の改定におきまして特別措置の適用がされました件数は、生活保護世帯で七十件、老人世帯で百九十九件、母子世帯で百十七件、心身障害者世帯で九十八件の合計四百八十四件でございます。それで、この措置に伴う減収額は年間約二千二百万円でございます。
 それから、今回の申請におきまして前回より改善された点があるのかという御質問でございますが、残念ながら、今回の建設大臣に申請した案におきましては、前回昭和六十三年に建設大臣から御承認をいただきました内容の特別措置と同じであるということでございます。
#161
○木庭健太郎君 時間がありませんのでぜひもう一つ聞いておきたい点は、敷金の改定問題でございます。
 これは家賃に比べ低過ぎるということで改定ということでございますけれども、過去三回とも申請なさって認められずにおりますという経過もございます。また、六十三年四月に行われた衆参の建設委員長から政府に対する要望ですね、これもよく公団御存じのとおりと思いますけれども、そういう経過を踏まえてまさかそんなことだけは出てくるはずがないと私は思っておったんですけれども、今回またそういう話がぶり返してきているというのを考えると、非常に私としては理解できないというのが正直な気持ちでございます。その点について総裁からぜひとも伺っておきたいと思います。
#162
○参考人(丸山良仁君) 委員長要望におきまして敷金を取らないようにということが言われまして、建設大臣の過去の承認につきましては敷金を取るなという御命令でございますから敷金はいただかなかったわけでございます。その結果どうなっているかと申しますと、大体家賃の一カ月分を切ってしまいまして、当初のものにつきましては大体〇・六カ月分ぐらいしかないわけでございます。ということになりますと、やはり家賃等の債務を担保するという意味からは敷金としての意味をなさなくなるわけでございますから、あえて申請させていただいたわけでございまして、大変恐縮に存じております。
#163
○木庭健太郎君 もう一つは、そういう問題もあるでしょうけれども、先ほども話が出ておりましたが、公団というのはある意味では日本で一番大きな大家でございます。公団はそれこそ全国に広がっているわけですが、敷金の問題については、一たん取ったやつをまた上げる、途中で上げるというケースを全国一斉にやっているのか、そうじゃありません。一たん取った敷金は永久に変えないで取っているところも随分あるんです。もし公団がそういうことに踏み切れば、どういう影響があるかということもぜひ認識していただきたいんです。こういうことをそのたびそのたび出されると、それが民間に与える影響は物すごく大きいということもぜひ御認識をいただきたいと思います。
 これは大臣にぜひこの問題だけはお聞きしておきたいんですけれども、前回の委員会の経過もございます。また、住民の要望ももちろんございます。また、民間あたりに今言った影響なんかもございます。そういうことを踏まえた上で、大臣からこの問題についてぜひ一言きちんと伺っておきたいと思います。
#164
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど来の御論議を踏まえて少し申し上げさせていただきたいのであります。
 公団の性格につきましては、先ほど来何回も申し上げましたが、公営住宅といういわゆる低所得者の方々を対象にした住宅は、入居基準の中に月収の最高限度を抑えるという制度がございます。公団はまた逆に中堅勤労者を対象としておりますから、家賃の何倍かの収入がなくてはいけないという制度があるわけであります。これそのものがそれぞれの住宅政策の中で担うべき性格を物語っておるわけでございまして、今日まで公団も昭和三十年以来三十五年、六年にわたるわけでありますが、家賃のことにつきましては、創立から二十年間全く家賃を上げずにまいったことも過去にあるわけであります。その時点で遠高狭という批判も受けながら公団の存立すら危ぶまれるような事態がございまして、そのときには大英断でいわゆる家賃の値上げを初めてさせていただき、そのときに五年間に一度ということになったわけでありますが、このことは将来の長い展望の中で考えますと、やはり三年ぐらいの長さにして、小幅にして今後たびたび大幅だという批判も受けないようにしようというねらいも一方にあると思うわけでございます。
 先ほどの一年、二年なんという話は私は全く論外だと思っておりますが、いずれにいたしましても七十万戸の賃貸住宅は全国の世帯からするとほんのごく一部であります。そして、三千八百万世帯の中で民間の高い家賃にお住まいになっておって、公団のようないい住宅があるからぜひ入りたいと申し込みましても、これは幾ら何でも全部の方に供給するわけにまいりませんから、倍率が三十倍であるとか四十倍であるとか、そういうものもございました。確かに御指摘のように社会経済の変化もございますから、今まで住んでおられた方には可能な限りその御負担は余りふやしたくないという精神でこの問題には取り組んできたはずでありますので、特例措置もございますし、いろいろとやってまいりました。
 特に今の敷金のことにつきましてもいろいろ御論議があるわけでありますが、やがて将来、それではここでやらずに三年後、その次の三年後ということになっていけば、必ずどこかで家賃というのは上がっていきますけれども、それを担保するために三カ月どの公団住宅もいただいておるわけでありまして、先に入ったからといってそういうものがなくなるというのはやはり制度上不公平も生ずるだろう。この際まことに申しわけないのでありますけれども、預かり金でもございますのでぜひひとつ御理解をいただけないだろうか、率直に私はそのように思っておるわけでございます。
 しかし、先ほど家賃の高い二十万というような都心の家賃もいろいろ御指摘がございました。確かにそういうような住宅に対するニーズは一般国民の方からもございますけれども、それ以上に、住んでいる人がいなくなったのでせめてこの都心に公団住宅をたててくれという自治体からの要請でお建てをしているものもございまして、それをまたうんと安くするというわけにもまいらないのでやっておりますが、共働きの方が大変こういう住宅を希望しておられる。そうこうしているのを拝見しながら、きのうからの御論議で高齢者の方やあるいは年金の方々が本当に住まえない、先ほども佐藤議員からお話がありまして、本当に困ったということも私は事実だと思うんです。しかし、そのために今公営住宅という制度があったり、また所得で非常に困られている年金生活の方方は、厚生省を中心とする社会福祉の制度の方で
しっかり見ていくということも一方で必要でありますから、そちらの足らざるものを公団の住宅の方で見ていくということになりますと、一体どの辺で線引きをしたらいいかという問題にも私は話は到達していくんではないだろうか。そんなことを考えまして、まだ決定をしておりませんけれども、昨日来、今後二十一世紀に向けての住宅政策のあり方について少し勉強をさせていただこうかな、こういうことも実は考えておるわけでございます。
 今回のことは、公団住宅に入れないで希望しておられる方もあるいはまた、私は公団出身だとしばしば申してまいりましたが、三十年のときの申し込みをした人で当たらずにずっと民間住宅で三十年やってきている方もいるわけでございますので、そういう方々のことを思いますと、御負担は本当にお気の毒でございますが、国民全体の税金で建てている住宅だということもどうぞ御理解を賜りまして御協力をいただきたい、ぜひひとつ御協力をお願いしたいと存じます。
#165
○上田耕一郎君 今度四回目の家賃値上げは三年ごとの最初ということになりますね。この間三年、五年ぐらいの間ですけれども、異常な地価暴騰がありました。以前この建設委員会でも私取り上げましたけれども、この地価暴騰というのは世界で日本だけ、特に東京でだけ起きた異常なもので、その原因は中曽根内閣の政策やプラザ合意等等いろいろあったんですね。異常な現象で日本だけの土地住宅問題、家賃問題というのが起きているわけです。こういう異常な問題であるだけに、やはり政治の出番だと思うんですね。
 それで、地方自治体は、やっぱり世論もあり、問題もあって、例えば東京などでも住宅の附置義務とか家賃補助とか、国より先にいろんなことを始めているんですね。ところが、全国七十万戸の公共賃貸住宅を持つ世界最大の家主だと思うんだけれども、住都公団は、勉強しないで、この前よりも最高限度額一万円を三年なのに九千円というようなことを平然と出してくる。これはやっぱり逆に異常なやり方だと思うんですね。幸い大塚建設大臣はこの住宅土地問題の専門家でもありますし、理論家でもある。局長の書いたものを読んでいるという大臣が前いたんですけれどもね、本当にいたんですよ、建設委員会で。そういう大臣と違うので、先ほども勉強されると言われたので、この異常な問題、重大な問題に対してこの機会によく勉強していただきたい。我々も勉強するつもりです。きょうはここでは十五分しかありませんが、建設大臣に幾つかお伺いしたいんです。
 緊急の具体的な問題点としては、今言いましたけれども、まず引き上げ限度額、前回は五年目に一万円だった。今度は三年目で九千円でしょう。これは上げ過ぎなので引き下げてほしい。二番目に、敷金問題、これは今取り上げられましたよね。これまでの経過からいっても、やはりいろいろ論拠はあっても、これは引っ込めるべきだと私も思うんです。三つ目に、前回より一年繰り延べになった。今までの経過から高島平みたいなそういう団地があるんですね。今度一斉にそろえられちゃった。ことしは二年目のまた値上げということになりますので、これは非常に意見も上がっているので、これもやっぱりやめてほしい。二年周期というのはやめて、一年繰り延べのものはやはり一年繰り延べということにしてほしい。
 この三つ、すぐ答弁を求めますと、否定されると簡単になっちゃうので、これをひとつ勉強していただきたい。申請が出てきたときによく勉強して積極的に対応していただきたいと思います。
 大きな問題としては、国の住宅政策にかかわる問題として、私は先ほどの参考人の方々の御意見それから衆議院の審議も秘書にのぞきに行ってもらって全部聞いてもらったんですよ。やっぱり大きな問題として二つあると思うんですね。
 一つは地価問題です。地価の暴騰を家賃に反映させるやり方を変えなきゃならぬというところに来ている。住宅審の答申は、これは新規住宅について「地代相当額を軽減するための新たな制度」と言っているんだけれども、やっぱり家賃値上げについても出ていると思うんですよ。
 自治協の片岡参考人が申されておりましたけれども、例えば値上げ額について、公営限度額方式で値上げ額が決まりますね、この中で地代相当額がどうなっているか。これは公団東京支社がモデルとして公団自治協に示した例ですが、五十三年のときは地代相当額が値上げ額の三二・九%だった。平成三年、今回は四九%だと。ほぼ半分地代相当額になっているんですよ。だから、固定資産税は収益の計算だから違う違うといろいろ言われているけれども、やはり東京、全国――全国に広がっているんだけれども、大都市部、何といっても特に東京の地価高騰が固定資産税にはね返りまして、自分のを見てもやっぱりかかってくるんですよ。そういう点から見ても、公共住宅家賃のあり方として、従来の立場そのものの再検討が私は求められていると思う。新規住宅について言われている住宅審の答申の考え方を、例えば値上げについての家賃改定のルール、ずっとやっているんだけれども、やっぱり勉強すべき時期に来ているわけです。
 石原参考人もそれから丸山総裁も、固定資産税の評価がえが物すごく大きくなったらこれは考えざるを得ないというふうに言われたんだけれども、そこまで問題が煮詰まっているので、建設省としても、この地価の問題と公共賃貸住宅の家賃問題ですね、ここの関連をもっと勉強していただきたいと思うんですが、これが第一の政策的問題です。
#166
○政府委員(立石真君) まず、公共住宅の家賃の考え方でございますが、家賃といいますものは建物……
#167
○上田耕一郎君 ちょっと、もう時間がないので余り長く言わないで、勉強するかどうかだけ言ってくれないかな、私は四十六分までなんだから。
#168
○政府委員(立石真君) 公共住宅の家賃の設定に当たりましては、やはり土地代を含む
建設原価を限度、また基準とすることが妥当であると考えておりまして、土地の価格の上昇によりまして賃貸住宅相互間の家賃が不均衡になったときには、家賃の性格からしてこれを是正する必要があると認識しているところでございまして、公共住宅につきましてもやはりこれを是正していくことが全体の社会的公平になると考えております。そして、既存賃貸住宅の……
#169
○上田耕一郎君 意味ないんだよ、そういうことを聞いても。もういいんだよ。局長に今までのことを繰り返されても何にもならぬ。だからこれは大臣に聞きたい、勉強の方向を。
#170
○国務大臣(大塚雄司君) 先生、お時間がないようでございますから、私から長く答えるとなにになりますが、先ほど私木庭委員にもお話をしたように、確かに社会経済の変化、特に地価の高騰というのは、国会で土地基本法をつくりましたり、あるいは今回創設をした地価税の問題が出ましたり、いろいろ論議があったわけであります。そういう中で、政府としてはいわゆる年収の五倍以内の分譲住宅を供給しようと、また月収の二〇%以内の家賃の住宅を供給しようということを一般に施策として掲げているわけでありますから、やはり家賃を改定する場合でもその範囲内のものにしなければならぬことは当然でございますからそういう考え方でやるわけでありますが、実際に固定資産税の評価額、固定資産税を払うものがあるのにそれを全然計算外にするというわけにはまいらないわけでありまして、その取り入れ方をどうしていくかということになるわけであります。
 今私は断定的に、あるいは制度としてすぐとは申しませんけれども、ともかくこれだけやってきたわけでありますから、二十一世紀にかけての住宅政策そのものをすべて一回見直すというようなことも必要ではないか、そういう勉強をさせていただく、そういう中で論議をさせていただきたい。当面、ここにお願いをしているんですから、それをそういう論議なしに変えるというわけにはなかなかいかぬものでございますから、そこはひとつ御理解を賜りたいと思います。
#171
○上田耕一郎君 積極的に勉強してほしいんで
す。
 二番目の政策問題は、公営住宅、公団住宅の役割分担、こういう住宅政策が壁にぶつかりつつあると思うんですね。それが不可能になりつつあるわけですよ。つまり建前とそれから現実とが矛盾し始めている。だから、そこのところをどう突破するかということがやっぱり政策問題として出てきていると思うんです。それは石原参考人もかなり触れられました。私も質問したんですけれども。
 例えば片岡参考人の発表されたデータだと、今全国の公団住宅居住者、自治協の調査では第一分位三〇・二%、三割が第一分位です。第二分位二四%で五四・二%、過半数が第一分位、第二分位になるというわけでしょう。これをひとつやっぱりきちんと押さえなければいかぬですね。第一分位で二人世帯の場合は建設省の考えている家賃の負担率の限度というのは一七・一%です。第二分位は一九・二%なんです。それが限度だと思ったのに、結局そうなっている。
 それで、先ほど引き上げ限度額を下げてくれと言いましたけれども、前回の値上げで二十三区の対象団地、百九団地のうち九十一団地、八割ちょっと最高限度額が値上げになっている。そうすると二DK平均家賃はだから四万三千円になっている。今度の二DKで八千円の引き上げ限度額が八割のところへいくとなると、五万円超えてくるんですね、二DKで。東京の百九団地の八割はここへ入る。そうしますと、一分位、二分位の方で二〇%、三〇%という方も出てくる。先ほどの実例では四〇%という方まで出てきているわけでしょう。そういう方は公営住宅にというけれども、公営住宅は建たないですよ。ここで革新都政の宣伝をする気もないけれども、美濃部時代は十二年間にたしか七万二千戸建てて、鈴木さんになって十二年間に、これは地価の問題もあるけれども、五分の一しか建っていない。それは地価暴騰があってなかなか非常に難しいでしょう、公営住宅は建たない。一方、住宅審の答申では五十年八月に応能家賃をとるべきだという答申まで出ているわけでしょう。
 さてそうなって、だから政府が考えている家賃の負担率を超えている人がどんどんふえている。それで実際に払えなくなっている。先ほど言いましたが、特別措置をとっているというけれども、東京都の住宅扶助の五万何千円で、これを超えなきゃただにしてくれない、減額してくれないんだと。ところがこれを超えない人が多いので、特別措置の対象者は全国でわずか三百戸。そういうことになってくるとこれはもう全然言葉だけになっちゃうんですよ、家賃減額の特別措置を講ずることとしておりますといっても。そういう状態になってくると、確かに公営住宅を建てるのは何も公団の責任じゃないですよね。これはやっぱり政府の責任です。政府もこの地価暴騰でなかなか建てられない。それで、先ほど佐藤さんの質問に対して、建てかえで久米川にも都営住宅をというようなことも出てきている。しかも、難しい問題にぶつかっているというわけでしょう。
 ですから、こういう建前と現実が非常に難しくなって、ここに書いてある生活保護世帯、老人世帯、母子世帯、心身障害世帯で生活に困窮する者については特別措置ということではどうにもならなくなっている。現実に膨大な一分位、二分位の人口の過半数を占めている方々がもう住んでいる。その人たちは新規家賃と継続家賃を別にやっぱり考えて、現に住んでおられる方のために公団も喜ぶ、みんなも喜ぶ、我々も大いに賛成するというような方向をやっぱり考えて打開していかないと、これを三年ごとにやっていってごらんなさい、限度額方式の二分の一といったって、二分の一何回もやっていれば限りなく近づいていっちゃうんですよ。だから、明らかにこの方式で今まで何とかやってきて、我々批判してやってきたにしても、明らかに非常な矛盾にぶつかりつつある。そこを打開するのには、公団の側で政府から監督指導されているので、政策的に打開していくイニシアチブは政府がやっぱりとらなければいかぬと思うんです。
 非常に具体的には、何も財源は要らないんですから、私が言ったような本当に低所得者世帯、負担限度率を超える、政府の責任でここの部分については値上げは凍結する、これは凍結するには財源要らないんだから、入ってくる予定が若干減るだけで。だから、そのくらいのことを過渡的措置として思い切ってやらないとぶつかっている問題点は解決できない。特別措置としてここに書いてあるので家賃減額というのは東京都の五万二千八百円かな、それ以上ですよなんというようなことではどうにもならぬから、ある措置をとってそれでやっぱり研究、勉強してほしい。その点を大臣に考え方、勉強をぜひ要請したいと思うんです。それが二番目の問題。
#172
○国務大臣(大塚雄司君) お述べになられたことはそれなりに私もよくわかりますけれども、率直に申し上げて、いわゆる公営住宅のあり方とかあるいは社会福祉による給付をどうするかとかそういう問題も含めて考えていかなければならないところまでやってきた。したがいまして、先ほどちょっと申し上げましたけれども、住宅政策全般を見直す中で、いわゆる社会福祉はどうするか、どこの分野をどうするかということをもう少し論議を深めていかなければいかぬ。
 昨日衆議院の建設委員会で、私が菅直人さんと「世界」で対談をしたときに、私の就任前の論文でありますけれども、公営住宅廃止論者ですねという、その部分だけちょっとお読みになったものですから、実はそうじゃないんですと。公営住宅は幾ら建てても限界がある、しかもそこに入った方は恵まれて入れない方はいつまでたっても恵まれない、そういうこともございますし、いわゆる住宅政策の中でそれをやった方がいいのか、あるいはそういう方々にはもっと手厚く社会福祉制度の中で見直した方がいいのか、こういう論議もあるではないか。そういうことも含めてこれから勉強させていただこうということでございまして、実際には先進国の中にも公営住宅が非常に不公平でもあるのでそういう制度をやめたという国もあるわけでございます。もっと幅広くたくさんの勤労者に住宅をつくった方がいいというような国もあるわけでございまして、そういうような勉強も含めてひとつこれを契機としてしっかりやってまいりたい。
 当面ここまでやってまいりましたことを今直ちに勉強せずにどうこう言うというわけにもまいりませんで、今回だけは先ほど申し上げましたように、多くの入れない方やそういう方々のことにもひとつ思いをいたしていただいてぜひ御協力をいただきたい。そのかわり高齢者や年金生活者の方方には、それは限度がありますけれども、可能な範囲公団で対処できるものはできるだけやらせるということで対処をいたしますので、御理解をいただきたいと思います。
#173
○上田耕一郎君 ぜひ積極的に。
 最後に一言。とにかく高額所得者でその人の家賃が安過ぎるのでその家賃分を中堅勤労者の家賃の軽減に回すというのはわかるけれども、限度率よりも高い困っている低所得者の家賃を値上げしてそれを中堅勤労者に回してこの家賃抑制というのはどうにもならぬ逆立ちしたことになっているので、これはどうしても本当に勉強を根本的にしていただきたいということを要望して終わります。
#174
○新坂一雄君 きょうは参考人の方々御苦労さまです。家賃の改定についてちょっと気になることを若干質問させていただきますので、よろしくお願いします。
 やはり二〇二〇年代に本当に高齢化社会というのが到来するということになる、それからやはり異常な地価の高騰というこの二点、今までの公団経営とは違った要素が本質的に組み込まれてしまったという中で経営していかなくてはいけないということで、大変御苦労だという気がいたします。
 それで一つは、非常に高い地価、これをいかに家賃の方にスライドしないような方策をとれるか
ということが公団の経営の苦労のしがいどころではないかというふうに思うんですが、土地を買わずに土地を借りるという方式をできるだけとるというのが一つの策であろうと思うんです。まあ五十八年ごろから借地方式による土地の確保というのをやっておられると思うんですが、最近の東京圏での借地確保、取得状況というのはどんなふうになっておりますか。東京圏で結構でございます。
#175
○参考人(片山正夫君) 特別借地方式は五十八年度から制度を創設いたしまして執行しているところでありまして、これにかかわります東京都の借地に係る住宅の件数は、新しい方から順に古い方ですが、平成二年が五百二十戸、平成元年三十三戸、昭和六十三年度がゼロ、そういう状況でございます。
#176
○新坂一雄君 基本的には借地方式というのをできるだけ取り入れるということで、先ほどあった家賃の改定に際して評価額を基本に組み込むという方式自体とはまた別の次元でこの借地方式がもっと活用されれば本来家賃への影響がかなり防げてくるのではないかという気がするのでございますが、五百二十、三十三、ゼロということでございますが、もう少し確保するための努力といいますか、PRといいますか、その辺はどうなっているのでございましょうか。
#177
○参考人(片山正夫君) この借地方式は、御指摘のとおり地価を顕在化させないという意味では、大変有効な制度でありますけれども、これに協力いただく地主さんの数はなかなか私どもが想像していたよりは少ないわけでございまして、そういう点でさらに昭和六十二年度に、これと趣旨は同じでございますけれども、建物ごと一緒に借りてしまうという特別借り受け制度というものもまた発足させております。これの元年度の実績は四百八十戸になっております。これらの方式のことをPRいたしまして地主さんの協力を得るということで、各支社におきまして制度の説明会をかなり頻繁に催しております。平成二年度におきましては全社合計百六回の制度説明会を設けております。それからまた新聞広告の掲載、全国で平成二年度三十八回、チラシの配布は十七回延べ四百三十万部、こういうような形でもって地主さんの協力を仰いでいるところであります。
#178
○新坂一雄君 海部総理大臣が公約しているように、東京圏での百万戸建設というのは政治課題でございまして、全国にPRするとか全国の平均がどうだというのは余り今の時代は意味がないと思います。したがって、東京圏に公団の営業の中心をかなりシフトした形で経営を見詰め直していただかないと、なかなか前に進まないんじゃないかということが一点ございます。
 それから、今お話にありますように、相手が地主さんでございますという、それはもちろんそうでございますが、民間のデベロッパーにしても宅建業者にしても、その相手の地主さんと交渉して確保しているわけでございます。そうしますと、何といいますか、一つのお役所仕事といいますか、要するに確保しても確保しなくても給料は同じであるという観点からいくと、これはちょっと総裁に考えていただきたいんですが、経営の中の体制としていわゆる加点主義というようなもので職員のボーナス制度として見るというような形、そのことが何十倍、何百倍に家賃の方に、また居住者にとっても、要するにお客さんというものを考えればそこに還元できるわけですから、やってもやらなくても同じということじゃなくて、もう少しそういう意味でのいわゆる営業活動、それをちょっと見直していただけないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
#179
○参考人(丸山良仁君) 明確な加点主義ということはやっておりませんけれども、効果を上げた課なり部に対しましては総裁表彰をするとかあるいは報奨をするとか、そういうようなことをやりまして積極的に働いてもらうように指導しております。
#180
○参考人(片山正夫君) 首都圏に特に重点を置くということはごもっともでございまして、先ほどの全国の統計でお話を申し上げましたけれども、中身におきましてはそのように首都圏に重点を置いてやっている、こういうところでございます。
 それからさらに、現実に最近の土地の取得でございますけれども、極めて土地の取得には難渋しておりますが、住宅建設部門でのこの三年間の首都圏におきます新たな土地の取得は六十三年が三十七ヘクタール、元年度が三十ヘクタール、平成二年には五十七ヘクタールという取得の状況になっております。いろいろの努力をした結果が少しずつあらわれているという状況でございます。
#181
○新坂一雄君 絶対量としては非常に少ないと思うんですよ、確かに上がっていますけれども。ただ、そのことが今問題になっている家賃の改定に影響を与えるかどうかという程度まで確保されているかどうか、レベルとしてはそこにかかっていくかなという気がいたします。
 それで、やはり東京圏の業務というのが一番大切だと思うんですが、例えば東京支社というと東北、北海道が入りますね。だから、ちょっと何か東京支社の平均数値とか一見して、東京の数字の倍率が二十倍というとえらい少ないなと思うけれども、過疎という言葉は悪いかもわからないけれども、そういうところと込み込みに平均値が出てくるということに対して、東京オンリーという集中した形、データにしてもPRにしても、そこに集中すべきじゃないかというふうに思っているんですが、いかがでございましょうか。
#182
○参考人(片山正夫君) たまたまこれは六十三年度に供給したものの中に宮城県におきまして既存の住宅の改造を二十一戸ばかりやったものがございまして、東京支社の管内とされているところから東京支社の統計にこれが入っている、こういう状況がございます。しかし、それは全体のうちの二十一戸でございますから大変少ないわけでございまして、東京支社、関東支社に係る統計は主体はすべて東京中心のものでございます。
 ちなみに、例えば六十三年度は、全体の応募倍率が全国ベースで新規賃貸一八・三倍でございまして、そのときの東京の先ほどの二十一戸を除いたものの応募倍率を申し上げますとこれは一九・一倍こういうことでございます。平成二年度の賃貸住宅の応募倍率では全国数字が二九・七倍でありますけれども、首都圏の応募倍率は三七・二倍になっておりまして、明らかに東京は大変需要が強い、こういう状況になっております。
#183
○新坂一雄君 住宅建設戸数の達成率というのがありますけれども、これも八〇・五%になっておりますけれども、東京圏ではもっと低いのではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
#184
○参考人(片山正夫君) 五期五計の実績で申し上げますと、全国の賃貸住宅の達成率が平成二年度におきましては八〇・八%でありますけれども、東京圏におきましてはこれが七〇・八%という事業計画に対する達成率になっております。
#185
○新坂一雄君 そういうようなデータも東京圏ということを一つの、別に悪い数字とかいい数字じゃなくて現実はそこがあらゆる面でターゲットになるわけですから、そういうところに絞ったデータを中心につくってほしいなというのが希望でございます。
 それから、今の借地方式、先ほどに返りますけれども、やっぱりこれは政治的な交渉にもなると思いますが、大塚大臣、例えば国鉄の清算事業団の保有地、こういうのが東京圏では貨物駅の用地八地区で百五十三ヘクタールあるというふうに言われておりますけれども、こういうのも基本的には、サラリーマンの住宅にしても、あるいは住宅に夢を抱いて一生懸命働いている人に対する希望を膨らますためにも、側面から公団で力がないところを補っていくというような姿勢を示して、やはりできるだけ広い地区を優先的に確保するという姿勢が大切ではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
#186
○国務大臣(大塚雄司君) 一月二十五日に政府の総合土地政策推進要綱を固めたわけでございます。その中にも国公有地の利用というのは大きく
取り上げておるわけでございまして、もちろん国公有地は国民の財産でもございますし、それなりの目標を持っておるわけでありますが、可能な限り住宅に振り向けることができるものは振り向けまして、住宅政策に効果あらしむる寄与をしよう、こういうルールはつくってあるわけでございますので、できる限りJRあるいは運輸省とも協議をしながら出していただけるものは出す。
 しかし、それぞれいろいろな目的を持っておる土地も多うございますので、必ずしも御希望に沿えるようなところまでいくかどうかわかりませんが、どうしても都心になると土地が高いものですから家賃が高くなる。先ほど来御指摘があるように、そんな高い公団住宅はどうだというお話もあるわけですが、サラリーマンの方々の中にもいろんな層がおられて、共稼ぎでもそういう便利なところに住んで、交通費が浮いたり貴重な通勤時間が有効に使えるからという御希望も大分ございますから、そういうようなものもまた御希望をとりましてできるだけ進めてまいりたい。これは、公団もそのようなことを考えて、今推進はしているところでございます。できるだけやってまいりたいと思います。
#187
○新坂一雄君 入居者の生活実態調査というのも当然公団の方でやっておられるんですけれども、五年に一遍とか、それでも分厚くなったりして小回りのきかないような調査をやっておられるというような気がいたしますので、毎年とは言いませんけれども、やはりサンプルを典型的なものに絞って効果がすぐわかるような形のアンケート調査なり、実態を反映したようなデータをつかみやすくしていけるような工夫をしていただきたいなというのが、これはお願いでございます。
#188
○参考人(安仁屋政彦君) 先生おっしゃられるとおり、調査項目につきましては調査目的に沿いまして必要最小限に絞って調査を行っております。ただ、現在五年ごとに行っておりますが、これを三年置きあるいは二年置きという御提案でございますが、この調査は国勢調査あるいは住宅統計調査、住宅需要実態調査、こういった五年ごとに行われているものとの関係を考えておりますので、現在のところ五年ごとに行ってまいりたい、このように考えております。
#189
○新坂一雄君 終わります。
#190
○山田勇君 三参考人、大変御苦労さまでございます。
 丸山総裁も先ほど来後ろの席でお聞きいただいたとおり、石原参考人とのやりとりの中、大変御苦労があって八%と決まった。それで、これは今から審議していくわけですが、大臣、その報告を受けたときに、もちろん一般居住者八%、その中で年金生活者、母子家庭、いわゆる低所得者層、そういうものについて部会からの特別の御報告はなかったわけですか。
#191
○参考人(丸山良仁君) その点につきましては、石原参考人からもお話があったと思いますけれども、部会ではいろいろと検討をしていただきました。しかしながら、やはり公団の現在の性格から考えるとこれ以上のいわゆる弱者対策は無理であるということで、今回は前回と同じにしておこうということでお話を承ったわけでございます。
#192
○山田勇君 大塚建設大臣、お聞きのとおりでございます。公団としてはもう限界である、それなりの御努力をなさったことは私もよくわかります。
 そこで、大臣、こういう古い言い方を近代国家の中で言うのは嫌なんですが、江戸の古い言葉で大家といえば親同然というような言葉がございます。どこか何か欠けているなと思うのは、結局私は愛だと思うんです。私はいつも申し上げるんですが、やっぱり今の政治にはどこか愛がないと思うので、その辺で建設大臣は、この三年の見直しの件についても、いわゆるルールについてもこれからいろいろ研究をして何とか次の三年までにはいい方向を出したいということですが、もう一度ちょっと御決意をいただきたいと思います。
#193
○国務大臣(大塚雄司君) 確かに日本一の大家と言っていい大家さんですから、ともかく国民の皆様の期待にこたえる。もちろん入居をし、今日まで長年お住みになって、そこがふるさとというふうにお感じになっている方々でございますから、可能な限りの特別措置をする。とりわけ年金生活者やあるいは高齢者の方々にはできる範囲で最大のことをしてほしい、こういうことを今日まで言ってここに至ったわけでありますが、きのうきょうの御論議を踏まえて最終的には私が判断をして決めるわけでございますけれども、恐らく委員長からも後ほど御意見をいただけることと思います。
 しかし、制度、仕組みというのは所管大臣といえどもそう簡単に変えるわけにまいりませんで、公団の使命は使命としてございますし、また住宅政策は入居をされておられる方も含めてもちろんそうなんですが、残念ながら入れなかった人、あるいはもっとたくさんの人たちのことも考えてやらなければならないという側面もございますので、そういうことも考えながらできる範囲のことで努力をして御期待にこたえたい、このように考えております。
#194
○山田勇君 私も千里ニュータウン第二回目の入居者でございまして、八年ほど千里ニュータウンでお世話になりました。当初、四十三年の議員ですから全国区に出ましたとき、恐らくこれは公団の方からもおしかりではないと思うんですが、どんなもんだろうと言われたことがある。住宅を選挙事務所にしたものですから、金がなかったものですから、その辺もちょっと御近所に迷惑をかけたり、公団の方もこういうケースがないのでどんなもんだろうなんて相談している間に選挙戦が終わったということもあります。そういう意味で、公団にも御迷惑をかけた点もあります。
 そういう中で、口幅ったいようですが、公団に入ったときは何とかしてこの安い家賃の中から、そのときにお金をためて次なるステップに行こうと思って希望に燃えてニュータウンに入って、そして一生懸命血みどろになって働いて、それで次の住宅を求めていこうという物すごい意欲に燃えて事実そのとおり頑張っているんですが、大臣、今私六十歳ですが、まだマンションの月賦を払うているんですよ。情けのうてね、六十にもなって。これはいいかげんな生活設計を立てた私が悪かったことなんです。しかし、今の入居者の方も住宅公団のいわゆる中堅勤労者用に一生懸命国策に沿って努力なさった。その中堅勤労者の中でも一生懸命生活設計を立てて出ていかれた人、次のステップに行かれた方もたくさんおられると思います。ところが、不幸と言えばなんですが、そういうふうにどうしても抜け出られなくて、ここを自分の第二のふるさととしておられる。そうすると、中堅勤労者も十年、二十年とおりますと老人の世界を迎えていってしまう。そういった人たちはどうしようもないというので、その方たちも甘えているわけではないんでしょうが、国の温かい政策で何とかしてほしいと希望に燃えているわけです。
 だから、豊かさの実感がないという言葉がよく使われますが、九十億ドル、百十一億ドルぐらいの湾岸支出、これもそれなりの大きな意義を果たしている湾岸の金だと私は思うし、今回の掃海艇十一億円もそうだ。しかし、そういう諸外国へどんどん流れていくのをやっぱり国民は見ていますから、海外も国際的に大事だけれども、何か国内的にもう少し温かい政策はないのか、施策はないのかというのが私は実感だと思うんですね。だから、もうここに至ってはそういう国際的な大きな援助するのも結構です。クルド難民を救助するのもいいんですが、日本にも難民がおるということに相なろうかと思うわけです。難民という言葉を使ったら失礼ですが、非常に困っている方がおられる。そういう方に対しては何か政治的にしかもう解決できませんので、実力大臣ですから、大臣就任の間に本当にこういう人たちの御努力に報いるように、勉強するということですから、上田委員のお話も伺いましたが、ひとつ一生懸命勉強していい方向に行けるように、もう公団は、こう言うたらなんですが、私は限界があると思うんです
よね。ですから、何かそういう生活プランをもっと立てる、貯蓄促進をする、何も郵便局や銀行に任せぬでも、公団も大いにそういうPRをして、何とか次のステップへ押し上げていくような温かさも必要ではないかというふうに思います。
 そこで、重複するのですが、どうしてもこれは民社党が聞けというので聞きますが、敷金についてでございます。
 過去昭和五十三年、五十八年、六十三年と三度にわたって衆参建設委員長の要望が出されているわけですが、今回改めて敷金を追加徴収する理由は那辺にあるのか、これはぜひお聞かせ願いたい。私は敷金の追徴はやるべきでないと考えておるんですが、大臣、追徴は行わないとこの場で約束をしてもらえないでしょうか。先ほど来の御論議を聞くと大変無理なようでございますが、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#195
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど来国際的な視野からお話をいただきました。
 ともかく私も所管大臣といたしまして困っておられる方が多い例も知っておりますけれども、しかし考え方によっては、この機会に敷金を取らずに三年後、あるいはその三年後ということになると結果的にはまたいつかはお願いをしなきゃならぬ。そういう意味も含めまして、これから入ろうという方は必ず三カ月の敷金をお払いになりますし、従来の方も払っている方がたくさんおられるので、要は公団住宅に入っているということでそれぞれが均衡を保つということもこれは行政上やはり必要なことでございますし、不幸にして家賃を払わずにいつまでも居座っておるなんという方もほんのわずかですけれどもあるわけでございます。
 そういうものを担保して国民の税金で公団は賄っているわけですし、また会計検査院の検査もあるわけですから、そういう最低の担保ということも一方にあると思うのです。しかも預かり金でございますから、それは金利相当額の御負担ということにはなりましょうけれども、お預かりすることによって全体が平均して分担をするというような考えでやっていただくことも、公団住宅全体の運営の上で非常に大事だというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、御意見は承りましたので、これからの判断で決めるわけでございますが、御趣旨に沿わない面もあると思いますが、その点はぜひ御理解を賜りたいと存じます。
#196
○山田勇君 時間が来ましたので終わります。
 ありがとうございました。
#197
○委員長(矢田部理君) 以上をもちまして質疑は終了いたしますが、本件についての当委員会の要望事項が協議されましたので、この際、委員長から次の八項目について建設大臣に対し要望いたします。
 一、政府は、地価対策を推進し、住宅に困窮する勤労者に対して良質な公共賃貸住宅の供給と高家賃の引下げに努めるとともに、住宅基本法の制定と家賃体系の確立を図ること。その間、公団の現行家賃制度を逸脱しないこと。
 二、公団は、賃貸住宅の計画の達成、特に大都市地域における賃貸住宅の建設促進に努力すること。
 三、公団は、既存賃貸住宅の建替えについては、引き続き建替え後の家賃の抑制に努力するとともに、入居者の理解と協力を得るよう努め、特に年金生活者等の生活実態を考慮すること。
 四、公団は、今後も各地の家賃等の実態の把握に努め、家賃改定のあり方について継続的に検討を行い、改定が公正かつ円滑に行われるよう配慮すること。
 五、公団は、既存賃貸住宅の居住性の向上を図るため、今後とも入居者と日常的は意思の疎通を図り、住戸内修繕を含む計画的な修繕及び環境改善を促進するとともに、値上げ増収分については、極力修繕等の促進に使用すること。
 六、敷金の追加徴収については、過去の経緯等を踏まえ、取り止めること。
 七、今回の家賃の改定に際しては、引上げ限度額に配慮するとともに、生活保護世帯及びこれに準ずる老人、母子、身障者世帯で生活に困窮する世帯に対して行われている特別措置について、父子世帯で生活に困窮する世帯を対象に加えること。
 八、公団は、今後とも家賃の改定の周知徹底と相互理解を深めるため、入居者に対し積極的な努力を行うこと。
 以上であります。
 建設大臣は、ただいまの事項について十分留意の上、対処されるよう要望いたします。
 ただいまの要望に対して、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚建設大臣。
#198
○国務大臣(大塚雄司君) 公団住宅家賃の改定につきましては、本年三月二十九日、公団から申請が提出されまして以来、各方面の御意見を伺いながら、慎重に検討を重ねているところでございます。
 ただいま建設委員長からこの件に関しまして御要望がございましたが、私といたしましては、御要望の趣旨を十分尊重するとともに、委員会における御意見を参考とさせていただきまして、最終的な判断を行いたいと考えております。
 ありがとうございました。
#199
○委員長(矢田部理君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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