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#1
第120回国会 逓信委員会 第5号
平成三年三月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     井上  裕君     野村 五男君
     中曽根弘文君     西田 吉宏君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         一井 淳治君
    理 事
                陣内 孝雄君
                永田 良雄君
                大森  昭君
                星川 保松君
    委 員
                長田 裕二君
                沢田 一精君
                中曽根弘文君
                西田 吉宏君
                野村 五男君
                平井 卓志君
                平野  清君
                松浦 孝治君
                守住 有信君
                及川 一夫君
                國弘 正雄君
                三重野栄子君
                山田 健一君
                鶴岡  洋君
                山中 郁子君
                足立 良平君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  関谷 勝嗣君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       秋山  收君
       郵政政務次官   大野 功統君
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政大臣官房人
       事部長      渡邉 民部君
       郵政省貯金局長  松野 春樹君
       郵政省簡易保険
       局長       西井  烈君
       郵政省通信政策
       局長       白井  太君
       郵政省電気通信
       局長       森本 哲夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       大蔵省銀行局金
       融市場室長    日下部元雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○郵政官署における外国通貨の両替及び旅行小切手の売買に関する法律案(内閣提出)
○電気通信基盤充実臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(一井淳治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵政官署における外国通貨の両替及び旅行小切手の売買に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○三重野栄子君 郵便貯金法の一部を改正する法律案並びに郵政官署における外国通貨の両替及び旅行小切手の売買に関する法律案に関する質問をさせていただきます。
 まず、郵便貯金法の一部改正の問題でございます。
 第十条の制限額の引き上げでございますが、預入限度額が七百万円から一千万円に引き上げられることは少額貯蓄者にとって金利自由化の時代にメリットの一つとは存じますが、しかし一千万円で十分とお思いになっているでしょうか。改正の根拠とねらいについてお伺いいたします。
 なお、非課税措置が廃止された現在におきましてこの預入限度額という制限は要らないのではないかと存じますので、あわせてお答えをお願いしたいと思います。
#4
○政府委員(松野春樹君) お答え申し上げます。
 この郵便貯金の預入限度額の引き上げにつきまして幾つかの観点がございますが、国民の貯蓄ニーズに対応したいということが一点でございます。それから二点目には、社会資本整備のための主要な財源となる郵貯資金を確保したいという観点でございます。それから、先生もお触れになりましたけれども、本年秋から三百万円以上の定期預貯金金利の自由化を予定しており、このメリットをやはり預金者の方により一層還元したいということでございます。
 そこで、一千万円で十分であるかというお尋ねでございますが、私ども一応の判断材料といたしまして、日本銀行の貯蓄広報中央委員会が毎年出しておりますが、平成二年度の貯蓄に関する世論調査がございます。それによりますと、今後の平均貯蓄目標額、一世帯当たりでありますが、おおよそ二千四百九十七万円というふうに出ております。一世帯当たり二千四百九十七万円の平均貯蓄目標額というデータがございます。これを、一世帯当たり大体三人弱だろうと思いますけれども、換算いたしますと一人当たりの目標額が大体平成二年度で八百四十万円ぐらいになろうかと思います。最近の伸び率を見てまいりますと平成四年度ではおおよそ一千万円ぐらいになるかなというふうには思っているわけでございます。
 御指摘のように、このような貯蓄目標額は単なる平均値にすぎないものでありますから、一千万円への引き上げではまだ不十分ではないかという御指摘もあろうかと思いますが、一方考えてみますと、この一千万円という金額は現在民間金融機関においていわゆる大口定期預金としまして自由金利が付されている金額の最下限でございます。したがいまして、郵便貯金として預入していただける上限の金額としましてはこの一千万円で当面の貯蓄ニーズに対応できるのではないかというふうに考えてございます。
 それから、限度額の撤廃問題でございますが、確かに預入限度額の制度というのは従来郵便貯金の利子のすべてが非課税であったということとの関連で設けられている経緯はございます。このような経緯にかんがみれば、郵便貯金の利子非課税制度が原則廃止されておる現在におきましては預入限度額は撤廃されてもしかるべきという考え方も私は十分あり得ることであろうと思いますが、ただ私どもの貯金が専ら個人を相手といたしまして簡易で確実な貯蓄手段の提供を旨とする国営非営利の金融機関であるということもございまして、この点を考慮いたしますと、今直ちに廃止とすることにつきましてはなお慎重な検討が必要であるというふうに存じております。
#5
○三重野栄子君 そういたしますと、この一千万円というのは今後時期を見てまた引き上げられていくというふうに考えてもよろしゅうございますか。
#6
○政府委員(松野春樹君) この預入限度額につきましては、私どもそのときどきの金融情勢あるいはそれぞれの利用者の方のニーズ等に合わせましてやはり適正な水準を維持していくということが必要だろうと思います。御指摘のように、それらを勘案しながら引き続き預入限度額の引き上げにつきましては適切に対処してまいる所存でございます。
#7
○三重野栄子君 ありがとうございました。以上で第十条の問題につきましては終わらせていただきます。
 次に、進学積立郵便貯金の名称変更等第七条ほかに関連いたしまして質問をさせていただきます。
 進学積立郵便貯金の貯蓄目的を拡大して教育積立郵便貯金と名称を改め、貸し付け対象の拡大や預入、貸付限度額を百五十万円に引き上げる等々の改正は、現在のように高学歴を志向する子供たちにもまた扶養する親族たちにも一定の安堵感と計画性を持たすものであって、この制度というのは遅きに失した感があるように私は思います。
 進学積立貯金制度による貸し付けの問題でございますが、これは国民金融公庫による国の進学ローンとしての感じが強いのではないかと思うのでございます。そのことが制度、この進学積立郵便貯金が発足いたしましたときに、昭和五十三年の衆議院、参議院の両院でともに郵便貯金による直接的融資制度の検討に努めることという附帯決議に私は賛同するものでございます。
 したがって、進学積立金を預金と同じ重さで貸し付けをして進学のために役立てようとするのならば、進学積み立てから教育積み立てと今日改正される時点においてこの附帯決議はどのように審議されてこられたのだろうかということを思うわけでございます。いやしかし、これは融資じゃないんだという御議論もあろうかと思いますが、一方ゆうゆうローンを見てみますと、貯金で直接融資がされているのですから教育積み立ての直接融資ができないという理由にはならないのではないかというふうに思うわけでございます。その点についてお尋ねをいたします。
#8
○政府委員(松野春樹君) 先生ただいま御指摘のように、昭和五十三年度の予算要求時点におきましては直接融資として要求をいたしておりました。ただ、関係省庁との折衝の中でどうも直接融資は事業の目的を逸脱するのではないかというふうなやりとりがあったようでありますが、結果としまして今日のように郵政省が国民金融公庫等の融資をあっせんするという制度に落ちついた経緯があるようでございます。
 そこで、郵政省といたしましては郵便事業における融資のあり方についていろいろ検討してまいっておるわけでありますけれども、昭和六十三年度の予算要求以降におきまして郵便貯金を担保としない新しい貸付制度の創設を要求してきております。家計ミニ貸付という名称で昨年度は要求したわけであります。ただ、残念ながらまだ実現には至っておらない実情でございます。今後この種の融資問題につきましては、先生の御指摘の次第もございますが、さらに私どもの施策内容に検討を加えまして、教育資金を含む資金の貸付制度の実現にぜひとも努力してまいりたいというふうに存じております。
 一方、先ほど先生もちょっとお触れになりましたゆうゆうローンとの関係でございますが、このゆうゆうローンにつきましては、予期しない出費を一時的にしのぐための制度として創設されました経緯がございます。一方、進学積立郵便貯金の方は進学積立郵便貯金の預金者に対する直接融資とはちょっと、このゆうゆうローンの場合には担保ローンでありますけれども、少し性格が異なるという議論もあったようであります。
 ただ、このゆうゆうローンの問題も含めまして、それから進学積み立ての御指摘の問題も含めまして、でき得れば何とかして今後、私どもいわゆる家計ミニ貸付制度として六十三年度以降要求してまいっております担保を必要としない融資の実現に向けて今後一層努力してまいりたいというふうに存じております。
#9
○三重野栄子君 担保を必要としない家計ミニ貸付ということよりも、子供たちが学校に行くときには自分の資金はこういうふうに積み立てていこう、親と一緒に積み立てていこうというような感じとしてはこの教育積立貯金というのは大変すばらしい制度だと思っています。
 ところで、一月二十九日の東京新聞朝刊に「教育・進学ローン、今春の傾向」と題しまして、国民金融公庫や郵便局、雇用促進事業団、労働金庫、銀行、信用金庫の教育の貸し付けの問題について記事が出ておりました。その中で郵便局を見てみますと、「進学積立貯金をしていれば、」云々という大変非常に簡単に書いてありまして、積み立てをしておれば貸すんだというような感じでございました。しかし、もうこの春の教育資金が要るというときにはこの積立貯金というのは遅きに失するわけですけれども、それを見ている子供たち、親たちもこれからいるわけですから、そういうことからいたしますと、この郵便局の教育積立貯金制度というものをもう少しみんなが理解できるような宣伝というと語弊がありますけれども、皆さんに広めることが必要ではないだろうかというふうに感じるわけです。郵便貯金に対して大変そっけない紹介ですけれども、一方国民金融公庫の方を見てみますと、「国は手続き簡単、」、「国の進学ローン」ということで大変細かく説明がされてございます。
 私は、例えば銀行だとか雇用促進事業団、労働金庫、信用金庫という金融機関を相手にして郵便貯金をどうというふうには思っておりませんけれども、ただこの教育貯金制度というものが積み立てと融資という点で何か若干弱点があるのではないかというふうに感じて質問をするわけでございます。そのことは郵便貯金の種類別残高を見ましても、昭和六十年度以降極度に減少しているということは御存じであろうと思いますけれども、積立額や貸付額が現在の大学、高校の入学資金あるいはその他の費用に対して余り魅力がなかったのではないかというふうにも感じるわけでございます。
 したがって、今回の法律の改正のほかにも幾つか改正も含まれているようでございますけれども、今日までの利用実態が少なかった、その原因は何であっただろうか、そして今回改正でどの程度有効な効果が見込まれるんであろうか、その点についてお尋ねをいたします。
#10
○政府委員(松野春樹君) 何点かにわたりましてお尋ねでございましたので順次御説明申し上げたいと存じます。
 現在の進学積立郵便貯金の預入及び貸付限度額はそれぞれ百八万円でございます。したがいまして、利用者の方から見ますと合計二百十六万円を進学資金に充てることができるという内容でございますが、今回この預入及び貸付目的を教育資金に拡大すること、それから教育費の実情がやはり増加してきておるという状況も勘案しまして、この預入及び貸付限度額をそれぞれ百五十万円に引き上げることによりまして合計三百万円を教育資金に充てることが可能になるような措置を、これは省令レベルで対処可能でございますが、とることにいたしております。
 この金額は、例えば現時点の私立大学の文科系学部の場合の学生さんの場合に必要な教育資金というのは一体どのくらいかかるんだろうかということを調べてまいりますと、おおむね三百四十万円程度かなと。これも個人差がいろいろあろうと思いますが三百四十万円程度になっているかなということでございました。この点を考慮しますと、今度の限度額の改正で一応前よりは少しはニーズに対応できる形になってくるかなというふうに考えております。
 それから、今回の法律改正以外の面であわせて改善をしております点を申し上げたいと存じます。
 一つとしまして、これは国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の改正も行われる手はずになってございまして、郵便貯金法と同じように貸付目的を拡大して教育資金貸し付けに改めることになります。
 それから、政令レベルの改正でございますが、従来積立期間が一年以上三年以下であったわけでありますが、今度進学時だけでなくて在学中も対象に入れましたのでこれを一年以上五年以下に拡大いたします。
 それから、郵政省の省令レベルの改正及び国民金融公庫の業務方法書等の改正レベルの問題でありますが、先ほど申し上げましたように、百八万円から百五十万円にそれぞれ引き上げるという内容の改善を予定しているところであります。
 先生御指摘のように、五十三年度に創設されて以来、ピークは昭和五十八年であったと記憶しておりますが、だんだん減少傾向をたどっておりまして苦慮してまいってきております。平成元年度の新しい利用件数は七千件にすぎませんでした。平成元年度末の口座数、残高でありますが、二万一千件という状況になっております。この原因はいろいろあろうと思うんですが、やはり本体の制度の魅力が少し薄れてきておったんではないかということは率直にこれは認めざるを得ないと思いますが、一方民間金融機関におきまして大変多様かつ簡便な教育ローンが提供されてきておるという背景もあろうかと思います。
 ただ、今回の改善によりまして、私ども一層のPRに努めながら、教育のための自己資金を蓄えながら貸し付けのメリットも受けられるというこの制度の特徴を十分生かしていきたい、積極的に利用促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
#11
○三重野栄子君 今伺いますと、入学その他に関する教育経費を貯金をした分と同額借り入れすることを前提にこの制度があるような気がいたしますが、例えば貯金だけをずっとやって、それでもって入学金とかあるいはその費用の分を賄えるというような積み立てだって必要ではないか。人によっては性格的に借金したくないという人がおられるわけですから、そういう意味ではやはり今百五十万円じゃ、見たときに途端にもうだめだという感じがございますわけです。ですから、そこらあたりの考え方として積立金と貸付金を合わせてこの用にしようというところは、少しこれからもこの制度については私としては問題ではないか、ひとつ考える点があるのではないかということを思います。
 それから、それに関連しまして、百五十万借りて三百万円ですからそれでもなおかつ足りないときにどこから借りるかというのもあろうかと思いますが、それは別として、先ほどちょっと申し上げましたが、預入限度額が一千万に引き上げられた中でゆうゆうローンの貸付限度額は今なお二百万でございますね。生活設計を立てるときにはあそこからちょこっとここからちょこっとというのではなかなか生活設計が立たないわけでございます。ですから、そういう意味では非常に少額の貯蓄者に有利に貸し付けされるという面については、例えばこのゆうゆうローンの二百万をもう少し貸付額をふやしていただくということが少額貯蓄者の利益になるのではないかというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
#12
○政府委員(松野春樹君) 全く御指摘のとおりだというふうに存じております。
 現在のゆうゆうローンの貸付限度額は一方で担保とする貯金の現在高の九割相当額以内ということ、それから一人につき二百万円までというふうに定められております。平成三年度の予算折衝時におきましても、この担保とする貯金の範囲内で貸し付けられることで足りるのではないか、二百万円の制限の撤廃をすべきであると要求を現にいたしましたわけでございますが、関係機関との折衝の中でなかなか理解を得ることができませんで、残念ながら実現に至らなかった次第であります。
 今後とも、この貸付限度額の拡大につきましては、ゆうゆうローンの改善の問題を含めまして真剣に取り組んでまいりたいというふうに思います。
#13
○三重野栄子君 ありがとうございました。以上の点については終わらせていただきます。
 その他郵便貯金事業について少しお伺いさせていただきたいと思います。
 まず第一には、郵便貯金の一月末残高は百三十四兆九千百九十一億円で、年度末の残高が八九年度の実績を上回るというのがほぼ確実のようでございますが、この場合、都市部が伸び悩んでいるということを聞いております。郡部とか都市部など地域別の分析がされておりましたら、その点概略で結構ですからお伺いしたいわけです。もし都市部の方の伸び悩みがあるとすれば、その原因は一体どのようなものであるかということもお聞かせいただきたいと存じます。
#14
○政府委員(松野春樹君) 郵便貯金の残高状況等につきまして、県単位の把握は一応できておるのでありますが、これを都市部、郡部というふうに分けた資料がややまだ未調整段階でございます。したがいまして、若干お尋ねの趣旨とすれ違う面もあるかもしれませんが、次のような内容になってございます。
 郵便貯金の残高の伸びそのものは、全国ベースで見ますと、昭和六十年の三月末から平成二年の三月末までの五年間でございますが、五年間で四三・二%の伸びになってございます。例えば大都市中の大都市であります東京都を見てまいりますと、この五年間で三五・五%の伸びにとどまっております。また、大阪市を抱える大阪府の場合には三九・六%、横浜市を抱える神奈川県の場合には四〇・一%の伸びとなっておりまして、やはり大都市圏の伸びが低調になっておるという傾向は否めない事実でございます。
 ちなみに、六十年三月末から元年の三月末の四年間におきます個人預貯金に占める郵便貯金のシェアの推移、これはシェアの方から見てまいりますと、東京都は二七・三%から二四・一%に、それから大阪府は二八・八%から二八・一%に、やはりそれぞれシェアにおいても低下しておる現象が出ておりまして、いずれも元年三月末現在の全国平均シェア三一・九%を下回っている、御指摘のとおりでございます。
 そこで、一体どういう原因なのかということでありますが、一つには、やはり大都市部を中心に金融機関相互の競争が大変激しい。これは大変結構なことではありますが、その結果、例えば証券であるとか信託分野等も含めまして、多様な商品選択の機会がお客様の身近にあるという点が言えようと思います。
 それから一方、民間金融機関が大変都市部に重点を置いて店舗配置をやっておる、あるいはATMとかCDの設置を進めているということも顕著に申し上げられようかと思いますが、この点で郵便局の設置等が立ちおくれているということも言えようかと思います。
 それから、あるいはこれは恐らく事業所に対するアプローチの濃淡の問題だろうと思うのですが、給料の自動受け取りであるとか公共料金等の自動払い込みの郵便局の利用率等につきましても、民間金融機関に比べてやはり低いというのが都市部の特徴でございます。
 これが恐らく、そのほかにもあるかもしれませんが、主な原因ではないかと思っています。
 これにどうやって対処するかということでありますが、一つには、やはり職員のコンサルティングセールスと申しますか、能力を向上させるための訓練、研修の実施が一つ大事な施策であろうと思います。
 それから、やはり我々としましても窓口機関やATMやCDの設置の推進につきまして、特に都市部等にも十分配意した施策の推進を図ってまいらにゃいかぬだろうと思います。あるいは、従来ややもしますと、個人の御家庭には私ども非常に自由に外務員の諸君が入れるわけですが、どうも事業所の敷居が高いというふうな現象も間々従来は聞いておったわけですが、これからは事業所折衝をして、事業所セールスというものにも真剣に取り組んでいかにゃいかぬというふうなこともあろうかと思います。
 いろいろ効果的な対策を積極的に講じていきたい。そのためには郵便局段階だけではなくて、本省においても十分それを意識してやはり対策を講じてまいらにゃいかぬなというふうに自覚いたしております。
#15
○三重野栄子君 人口が集中している大都市における対策のおくれということも今お話しをいただきましたが、ちょっと外れますが、例えば郵便の要員配置のときも、どんどん住宅ができているときに早く要員を配置をすればいいんだけれども、配置がおくれて大変困難なという状況もありますから、貯金事業でもやはりどういうところに人口が集まってくるのかということで、それに対するCDその他の手当てというのが必要ではないかというふうに思います。
 都銀、地銀、信金もCDネットによるサンデーバンキングが始まりまして、二、三日前、郵便局の場合も報道を伺いましたんですけれども、このホリデーサービスについてもう少し詳しくお伺いできればと思います。
#16
○政府委員(松野春樹君) これは民間の場合も同様でありますけれども、近年やはり余暇時間が増加している、あるいはレジャー志向が高まっている、それから共働き世帯も増加しておるというような事情がございまして、こういうことを背景にいたしまして休日における金融サービスへのニーズが高まってきております。これにやはり的確にこたえねばならない、それを満たすためのATMやCDも開発されてきておるということでございます。
 そこで、郵便貯金の場合でございますが、ホリデーサービスということで既に一部報道等がされておりますが、次のような内容で対処したいと思っております。
 ことしの四月七日、ちょうど日曜日でありますが、私どものオンラインシステムを切りかえまして四月七日から実施したい。取扱日は日曜日だけに限りませず祝日も取り扱いたいという内容でございます。この祝日も扱うという点が民間とは違う点でございます。
 それから、取扱時間は原則として午前九時から午後五時までATMやCDを稼働させたい。
 それから、取扱内容でありますが、通常貯金の預入、払い戻し、残高照会、それから通帳記入等もするようにしたい。民間と違う点は、払い戻しあるいは通帳記入までできる、そのサービスまでやるという点が違う点です。
 それから、休日及び祝日の稼働ではありますが、郵便局の場合は手数料は無料とする。
 実施の局は、今後これは順次拡大してまいりたいと思いますが、約二千局を対象に四月七日から実施したいという概要でございます。
#17
○三重野栄子君 今手数料の問題が出ましたんですが、ほかの地域を調べておりませんのでわかりませんけれども、私は筑紫野市に住んでおります。市議会に出ておりましたときに、下水道とか水道料金の天引きといいますか、直接納入ということでやったんですが、そのときに他の金融機関と手数料が違うから市当局としては銀行の方にやりたいという意見もあったんです。そういう手数料の決め方というのはどういうふうになっているんでしょうか。
#18
○政府委員(松野春樹君) 手数料につきましては、これは私どもの内部で取るか取らないか決めるわけでございます。これは私どもの実は多少の哲学も入るわけでありますが、現在土曜日におきましてもやはり時間外サービスを実施しております。この段階で既に現在でも民間の方では手数料を取る、私どもの方では取っておらないというような実態があるわけです。私どもの方は淡々と、日曜日の場合も同じ窓口サービスの延長ではないかという考えが一つあります。
 しかし、これはいろいろ御異論もあろうかと思いますが、さらにつけ加えさせていただければ、例えば二十一世紀を見渡した場合に、これから三百六十五日二十四時間サービスという時代に金融サービスが入っていくのではないか、よしあしは別として。そういう時代になるのではないか。それを支えるやはりエレクトロニクスの発展、技術の発展というものも背景にございます。してみますと、日曜日、休日、祝日があえて平日と異なるサービスなのかどうか。これはまだ私どもももう少し研究してまいらにゃいかぬ点もありますが、哲学的な言い方で済みませんが、という感じも内心は持っておる次第でございます。
#19
○三重野栄子君 今ホリデーサービスは二千カ所という目標を伺いましたが、それと同じようなサービスの拡大と思いますけれども、ATMやCDの設置はどのように進められていくか。二万四千ですか郵便局があると伺っておるんですけれども、それはどこでもということはないかと思いますけれども、どういうふうに設置をしていこうとしておられるのか、そこらあたりの見通しをお伺いしたいと思います。
#20
○政府委員(松野春樹君) 昭和五十四年からCDの設置を始めました。それから、昭和五十五年からATMの設置を開始しまして順次増備拡充に努めてまいってきております。平成三年の三月末、今月末までの計画でありますが、局で見ますと約一万三千五百の局にこのATMないしCDが設置される。局で見ますと、設置率が六九%までに来てきております。台数は、ATM、CD合わせまして約一万四千八百台の予定であります。
 今後、例えばカード等の利用も年々進展してまいってきておりますので、このATM、CDに対するニーズがやはりそれにつれてだんだん高まってきております。平成三年度におきましても三千台の、大変大きな量の増設を予定しておりますが、最終的には平成四年度末、平成五年の三月までにはすべての郵便局に設置する計画でございます。郵便局以外の局外設置も慎重に検討はしておりますが、順次ふやしてきております。
#21
○三重野栄子君 ありがとうございました。
 非常に人口が集中している大都市の問題で、職員の皆さんの能力を磨いてもう少し頑張ってもらおうという趣旨のことも先ほどあったと思いますが、しかしそうは申しましてもなかなか献身的努力だけでは限界がある面もあろうかと思います。
 昨年の秋からシティ・ポストが設置をされておりますが、この点についてどのような有効の施策としてされたのか、今後どのように発展させようとしていらっしゃるのか、その点お伺いいたします。
#22
○政府委員(松野春樹君) いわゆる大都市型簡易郵便局、シティ・ポストでございますけれども、これは郵便貯金だけの仕事をやっているわけでもありませんが、やはり大都市におきまして郵便局の設置用の土地その他の確保難等も大きな原因がございますが、窓口機関の数や位置等が国民のニーズに対応できない実態になりつつあるということを認識し、これに対処するための施策でございます。
 本年度はデパートや駅ビル内等に全国で十局設置したところでありますが、貯金事業にとりまして店舗に営業基盤を置くウエートが特に貯金の場合には大変高うございます。
 ちょっとデータで恐縮でありますが、私どもの定額であるとか定期であるとかいう商品の販売占率といいますか、内務と外務でどの程度のウエートになっているんだろうかというデータを申し上げますと、これは平成元年の数字でありますが、内務、いわゆる窓口でございますが、窓口を中心とした内務による販売が八二・四%を占めておる。大半がやはり窓口利用のお客さんを通じてのこの事業の推進という性格がございます。
 したがって、このシティ・ポストができたことによりまして、お客様の側から見ましても大変利便性が高まりましたし、私ども事業を預かる立場からしましても大変効果的な施策であるというふうに認識しております。
 なお、平成三年度の予算の政府原案の中に十五局の増置計画が計上されております。今後もお客様に便利な場所にできる限り設置してまいりたいという方向で進んでいきたいと思います。
#23
○三重野栄子君 以上、幾つかの質問の中で私としてもささやかな政策的課題を申し上げましたところですけれども、一方高齢化が急速に進んでいる、しかも一度も体験したことのない高齢化時代というのはだれもが、国とか地方自治体も一定の不安がありますけれども、一人一人もなお不安を持っている状況にあります。そういう中で郵便貯金が高齢化にふさわしい商品、例えばシルバー貯金というようなものがあったとすれば安心と安全、二十一世紀にふさわしい郵便貯金というのが創造できるのではないかというふうに思ったりしているんです。
 この高齢化社会を目指しまして、郵便貯金のあり方について大臣の抱負をお聞かせいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘の老後の問題でございますが、先生おっしゃいますように、今までにこういうような長寿社会を体験したことはないわけでございますから、本当に老後のことに対してはそれぞれの方が心配をされていらっしゃると思うわけでございます。したがいまして、そういう角度から老後の生活資金の準備を積極的に支援していくという考えを持っております。
 そして、先ほど先生御指摘いただきましたように、シルバー貯金なども創設を要求したわけでございますが、例によりまして、それは大蔵省から言わさせますと民業を圧迫するのではないかというようなことで、これを実現することができていないのが現状でございます。したがいまして、その努力は今後も続けていきたいと思いますし、かつまた老後の安定を得るべく商品性の豊かなものを考え出してまいりまして、安定した老後を迎えることができるように努力をしていきたいと思います。
 また、先生御指摘のように、いろいろ社会的な感覚も大きく変わってきておるわけでございます。一つ例にとってみましても、親子の関係などもなかなか昔のようにはいかない。両親の老後は子供が温かく面倒を見るというのがこれが理想でもございましょうし、今日までそういうタイプが多かったわけでございますが、今後は老人の方からも遠慮をしながら子供の世話になって老後を送るのは嫌だと、自分で体力の続く限り力いっぱい老後を楽しみたいというような感覚も生まれてきておるわけでございますから、そういうようなことを頭に置きながらすばらしい商品を打ち出していくということで対処をしたいと考えております。
#25
○三重野栄子君 将来に向けていろいろ工夫をしていただくそうで大変期待を持つわけですけれども、何か考えると民業を圧迫するという問題が出ているようでございます。しかし、この貯金事業というものは民業と違った形で津々浦々、少額貯蓄者あるいは今から貯蓄をしようとする人々に激励といいましょうか励ましを与える面も大変多いわけでございますから、大蔵省が言ったからということで引っ込まないで、今後も頑張っていただきたいというふうに思います。
 それから、高齢化社会の問題と同時に現在は金融自由化が進展をしておりますので、社会経済情勢が変化している中で、この郵便貯金の持っている課題と展望について、大臣からあわせてお聞かせいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先ほど先生御指摘いただきましたが、大蔵省に恐れおののいて退却したわけではないんでございまして、郵政省は一生懸命頑張ったわけでございますが、まだどうも壁を破ることはできませんでした。今後また努力は続けていきたいと思っております。
 そうした民業を圧迫するというような意味の環境は一つ一つ外されていっておると思うわけでございまして、この金融の自由化だってそうでございます。郵便局にとりましても、努力をし、そして国民の皆様方の要求に十分こたえる内容の商品を打ち出していかなければ、これはマイナスの方向になっていくわけでございますから、郵貯自体が成り立たないということだってあるわけでございます。そういうことで、民業圧迫ということは今後は大蔵省としても一つの理由にしていろいろな我々の手足を縛るということはできない方向にあると私は考えております。
 この金融自由化は、そういうような意味におきまして郵便貯金にとりましても画期的な変革であろうと思います。御承知のように、ことしの秋からは三百万円以上の自由化を行ってまいりますが、今後はまた小口の流動性貯金におきましてもこの自由化に鋭意努力をしていきたいと思っておるわけでございます。
 しかし、国民の皆様方のニーズに的確に対応するためには経営の基盤ということがきちっと強化されてなければ成り立たないわけでございますから、その経営の基盤を強化するということも大きな課題でございます。そういう健全経営を維持しつつ個人金融のサービスを充実していくという立場で努力をしていきたいと思います。
 それから、先生御指摘のように、郵便貯金と民間の金融とはいろいろ制限の上におきましても違いますし、またその内容も違いますから、それぞれがその特徴を生かして切磋琢磨をして競争をしていくというところに預金者の利便そしてまた福祉的なことも追求していくことができるんではないだろうかと思っております。この金融自由化を私たちは郵便貯金の発展の一助にしたいと考えております。
#27
○三重野栄子君 今御答弁いただきました中に、これからも関連すると思いますが、ことしの秋三百万円以上の定期預貯金が自由金利に移行した後の問題です。
 郵便貯金金利決定方式について大蔵、郵政両省が昨年の十二月の二十七日に合意したということを翌日の二十八日の新聞で私は知ったわけですけれども、その内容を確認する意味で合意の点についてお伺いしたいと思います。
 なお、それの問題と関連するわけですけれども、一月二十二日の金融問題研究会におきましても金利自由化の進め方、その他目的に応じた複数の自由金利商品や口座維持手数料等についても言及しておられるようでございますので、これらの点についてお尋ねをしたいと思います。
#28
○政府委員(松野春樹君) 昨年末、これは予算折衝そのものではございませんが、関係機関と本年秋の金利自由化後の定期郵便貯金の利率問題につきまして鋭意検討を重ねました。基本的には次の二点の内容で合意を見たわけでございます。
 その一は、市場金利全般の動向に配意しつつ民間金融機関の平均的な金利水準を勘案して郵政大臣が決定すること。それからその二としまして、民間金融機関の金利形成に強い影響を与えるおそれがある場合には、その決定に当たり、郵政大臣は大蔵大臣と協議すること。これが骨子でございまして、この内容で昨年末大蔵省と合意を見たところであります。
 これによりまして、金利自由化後の定期郵便貯金の利率につきまして郵政大臣の経営責任に基づいた決定が確保されたと思います。それから、自由化の過程におきまして、民間金融機関との大幅な資金シフト等の混乱を回避しながら完全自由化に的確に対応できるものと考えてございます。
 こういうふうに完全金利自由化にソフトランディングを図るという共通認識に立ちまして、この大枠の整理がリーズナブルに図られたということでございまして、これは私自身も評価しておるところであります。でき得ればこれが契機となりまして、官民が立場の違いを踏まえながらも、互いに切磋琢磨することによりまして、より一層個人金融分野におけるサービスの向上につなげてまいりたいと思います。
 それから、この次の課題でありますが、ことしの秋からは定期性の三百万円以上の預貯金の自由化でありますが、引き続き流動性預貯金の自由化の問題がございます。先ほど先生何か複数の制度と申しましたが、恐らくこの流動性預貯金、私どもで言いますと一番典型的なのは通常郵便貯金でございます。銀行で申しますと普通預金であります。
 今は金利こそ違え似たような制度でありますけれども、その内容の決済性その他は若干異なりますが、これを自由化するに当たって、恐らくコストと金利でございますね、お客様に支払う金利と経営上のコストといいますか、そこの見合いをどうするかというふうなことが背景になりまして、今真剣に研究会が持たれております。これは郵政省でも研究会を独自に持っております。先生おっしゃいました金問研と言われておりますが、大蔵省内においても研究会の場で今進められております。恐らく中間報告はこの夏ごろになると思います。
 この報告を受けまして、私ども的確に対処してまいるつもりでありますが、郵政省の場合、手数料問題に触れられましたけれども、これはかねてからいろいろな場面で報道されておりますが、通常郵便貯金口座を開くことについて手数料を取るという点については消極的であるということは変わっておりません。ただ、民間等で口座維持手数料を議論されておる背景には、やはり決済性が強い点につきまして非常に手数がかかる。恐らく一番典型的なのが小切手関係だろうと思うんです、アメリカ等の例を見ますと。したがって、その中の通常貯金あるいは普通預金の種類を幾つかに分けて、手数料を取るもの取らないもの、いろいろなバリエーションがとれるかどうか研究したいということで、今研究会の中でいろいろな議論が交わされて、その一部が時々報道されるという実態であろうと思います。
#29
○三重野栄子君 ありがとうございました。その点につきましては、また時期を見まして質問をさせていただきたいと思います。
 以上につきましては大体業務の問題についてお伺いいたしましたけれども、今度は要員配置というその面について質問させていただきたいというふうに思います。
 郵便事業に限ったことはありませんけれども、財政再建を目標としまして国家公務員の削減計画がずっと進められているわけです。現在の経済発展の状況の中とそれから国家公務員等に寄せる国民のニーズというものは、人員削減だけでは応じられない面があるのではないか。新しいサービスの創出等もありますので、やはりこの人員削減計画につきましては何らかの変更が求められなければならないのではないかというふうに思います。一方、国際的にもまた国といたしましても、労働時間短縮というのは本当にもう当面の課題でございますから、その両方の点からいたしましても、人員増といいましょうか、人員の見直しというのはこれから早急に行っていかなければならない課題であろうというふうに思っています。
 そこで私は、地域に根差した郵便局として貯金事業はますます発展していかなければなりませんし、もうあと時間がありませんので質問することができないかもわかりませんが、外貨両替という新しい業務も始まるというようなこと等になりますと、なお一層人員増というのを考えていかなければならないだろうと思います。
 なお、週休二日制の実施の見通しも含めまして、その点の要員配置、現在で十分であるというか、現在の人員で業績を全うしていくようにお考えか、第七次人員削減計画も終わろうとしているわけでございますから、第八次削減計画をどうしようと思っていらっしゃるのかお伺いいたします。
#30
○政府委員(渡邉民部君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、最近におきます郵政事業の業務量の増加というのは大変著しいものがございます。私どもは、正常な業務運行の確保とか、あるいは時代の趨勢であります週休二日制への対応のためには、極めて人力依存度の高い郵政事業においては最重要な課題であろうというふうに考えております。私どもは、平成三年度予算の要求の中でも、先生御指摘のとおり定員削減計画というのがあるわけでありますが、郵政事業というものが国民へのサービスの維持だとか、あるいは独立採算制だとか、あるいは好調な収支状況とか、そういう一般行政官庁とは異なる事情にあるんだということを関係省庁に理解を求めた結果、必要な人員を確保したのではないかというふうに思っております。
 それから、大都市とか近郊発展地域等を中心に特に業務量が急増している地域がございます。それから、反対に業務量が減少している地域もあるわけであります。そういうところの地域間の定員調整などを行いまして、新規増員に当たりましては大都市部に重点を置く等の措置を積極的に講じながら進めてまいりたいというふうに考えております。また、当然のことなんですが、さらに効率的な業務運営のために作業の機械化等を推進していきたい。それから、今後とも業務量の推移等を的確に把握いたしまして、郵政事業の円滑な推進を図るため適正な要員措置に努めてまいりたいと思っています。
 それから、週休二日制の問題について先生から御指摘がありましたけれども、貯金あるいは保険の窓口が平成二年の二月一日に休止、窓口を閉めたわけでありますが、平成三年一月一日から週四十時間、四週八休制というものを貯金・保険の窓口の職員には適用をしてやっております。ただ、その他のところでありますが、それは一週四十二時間で四週六休制ということになっておりますので、今後サービスの維持だとか、あるいは財政の問題だとか、それから要員配置の問題とか、そういうものを勘案しながら検討してまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一つは、八次定削についてどういうふうに考えているかというようなお話がございましたが、現段階では明らかにされていないわけであります。今申し上げましたような独立採算制とか、あるいは国民の皆さんへのサービスの維持だとか、そういうことが郵政事業の特質でありますので、一般行政官庁とは異なる事情にあるということを、そういう八次定削というものが計画されるような、仮になったとすれば、そういう点について関係省庁に理解を得るよう努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#31
○三重野栄子君 ぜひそのように御尽力をいただきたいと思います。
 それから、週休二日制の四週八休の問題ですが、これはどの民間企業もそうなんですけれども、日本の週休二日という場合は、一日の時間を長くしてあと休みをふやすというようなことにずっとなっております。それは本来の週休二日、ゆとりのある暮らしを実現するための週休二日ではないやに私は思いますので、今後その点につきましても、一日の時間を長くしないで、少なくとも今まであった分ぐらいに縮めるような形の週休二日制による人事配置というようなものもぜひお考えをいただきたいというふうに思います。
 もう一つ、今のは職員を対象にした問題であろうかと思いますが、私は局長、課長の方々の問題についても少しお尋ねしたいわけです。
 昨年の年末からことしにかけまして福岡県内の二十局ぐらいお伺いをいたしました。そのときに局長は皆さん、職員はみんな頑張ってくれますので大変好成績でございましたというふうに評価をいただくわけですが、私の感覚といたしますと、局長、課長の人事異動が物すごく早いわけですね。大体二年ぐらいでおかわりになっているんじゃないかと思います。この前お目にかかったと思って伺ったら、もうおかわりになっているというふうな状況で、果たして地域に根差した地域サービスという形の郵便局ということがあり得るだろうか。やっぱり人のかかわりとか人の触れ合いというものを大切にしなくちゃなりませんから、それは五年も六年もということは申しませんけれども、二年というのは多少短いのではないかというふうに思うのです。
 先ほども、新しい事業所に行ってコンタクトをするという場合も職員の皆様は行きづらいかもわからないけれども、局長、課長がやっぱり大どころにごあいさつなり御連絡をしていただく、そしてようやく窓口が開けそうになったときに職員が行くということになれば業績もうんと違うのではないかというふうに門外漢でございますけれども思うわけです。
 そういう状況でございますので、一、二年でおかわりになる人事政策がすごいということについて、それでいいんだということかどうかお伺いしたいと思います。
#32
○政府委員(渡邉民部君) 先生御指摘のとおり地域社会と密接な結びつきを図っていかなきゃならない、管理者、職員も同じでありますが、管理者の場合職員との人間関係を深めていく、そういうことをしながら地域に密着した郵便局づくりをやっていかなきゃならぬだろうというように思っておりまして、管理者が腰を据えて仕事ができるような在任期間が必要だろうというふうに考えております。
 今先生からもお話がありましたけれども、昨年の定期異動を調べてみましたら、普通局の管理者で平均在任期間というのが一年九カ月ぐらいであるわけであります。管理者の人事にはいろいろなケースがあるわけでありますが、いずれにしても今後ともできるだけ二年以上は勤務できるような、そういう在任期間が確保できるように努力をして、地域と密着した郵便局づくりというそういう方向で努力してまいりたいというふうに考えております。
#33
○三重野栄子君 ありがとうございました。
 局長は年末年始等、もう上着を脱いで皆さんと一緒に一生懸命やっておられるところを幾つも見させていただきました。本当に頑張っていらっしゃいますけれども、今おっしゃいますように在任期間が短いということがなかなか問題ではなかろうかと思いますので、どうぞ局長、課長の腕が発揮できますようにお考えいただきたいというふうにお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#34
○及川一夫君 私どもの同僚委員から法案全体についての質問と、それを遂行していく体制の問題について意見を交わしていただきました。
 そこで私は、郵貯事業というものの将来展望といいますか、現状を踏まえての将来展望、さらには金利の完全自由化という問題を抱えておりますので、金利の自由化ということになれば、現実に今もそうですが、郵貯事業自体がいわば競争原理という中にいやでも応でも参加をする結果になりますので、その辺を中心に大臣並びに関係局長の見解をただしながら私の意見も述べたいというふうに思っております。
 まず、郵貯の現在高でありますが、いわばトータル的に約百三十五兆とこう言わしていただきますけれども、これだけの現金というものを金利を含めて運営していくということになりますと、利率を仮に五%というふうにいたしましたとしても、平均契約年限がおおむね五年ないし七年とこう踏んでみて、一挙に解約をしたら一体どれくらいの元金と金利というものが必要になっていくのかなということを考えるわけであります。おおむね五年という理解でいきますと、それだけでも三十三兆を超える金利が必要になっていくし、同時に七%などということになれば、それこそ四十七兆ぐらいの金利を必要とする。大変な事業だなと思うわけですね。
 したがって、この郵貯事業がこけてしまったら、社会問題はもとより内閣が吹っ飛ぶというくらいの大きな課題だというふうに思うのですが、従来逓信委員会では、郵貯事業の毎年の事業計画というものが出されて、それをめぐっての是非を大体論じ合って終わっているんではないかという気がしてなりません。したがって、私自身も郵貯に預金をしている一人であるということを考えますと、本当にこの郵貯事業というのが現状と将来にわたって確実に安定性のあるものであるということを今日の郵貯事業の全体像から明確に説明ができるのかどうかという観点を実は持っております。
 そういった点でいろんなものを調べさせていただくと、例えば郵政事業二十一世紀というような単行本がございますが、そういう中でこの郵貯事業は、過去を振り返ってみると、昭和五十年、五十五年には黒字であったけれども、その他は赤字である。しかも、その累積は約四千七、八百億ほどある、こう言われております。しかも、これは現在は発生主義になっておりますが、当時は発生主義でないという観点からいうと、発生主義に立つと約一兆円ぐらいの赤字があるのではないかというようなことが紹介をされております。
 そしてまた、金利の自由化から見てまいりますと、郵政省が出されている資料の中に自主運用にかかわる運用利回りというものがございますが、六%あるいは五・七五%、五・五四%という運用利回りになり、三千億とかあるいは一千六百億とか、年度によって違いますが、そういう利回りがあるんだが、果たしてこれだけの利率でもってこれからの金利の自由化に対抗できるのか。したがって、自主運用の枠をふやせ、あるいはまたその投資対象も拡大せよということが必然的に対応策として考えられてくるんです。しかし、いろんな制約があるからなかなかそうはいかないという現状を含めて見ると、これから先のことについてバラ色であるとか絶対大丈夫というふうに胸をたたいてもらわなければいかぬのだけれども、そういった心配に対してどういうふうに一体こたえるのかということもあります。
 さらには、その純増分の傾向などを見ますと、五十五年から見るとどうしても低下傾向にある。去年、おととしとやや持ち直してはいるようだけれども、これから先一体どうなるかということに対してそれとなく不安を持つということが言えるのではないだろうかと思っているのであります。
 したがって、実際に郵貯事業を担当している立場から、まずもってこの郵貯事業に対してひとつ確信ある御答弁をいただけるかどうか、それをお尋ねしておきたいと思います。
#35
○国務大臣(関谷勝嗣君) 及川先生御指摘のとおり、私もこの金融の自由化というものがすべてバラ色といいましょうか、我が郵政にとってプラスであるかどうかということは、今後私たちがどのようなすばらしい商品を打ち出していくことができるか、かつまた職員の努力でどこまでやっていくことができるか、そういうようなことをきちっとやっていけば私はいい方向に進んでいくことができると思いますが、先生御指摘のように大変不透明な分野もあるわけでございます。そういうようなことで、私も大臣に就任いたしましてまず最初にそのことを職員の皆様方に指摘をしたところでございます。
 金融自由化になりますと、確かにその調達をいたしますコストが増加もいたしましょうし、あるいは先生御指摘の預入期間の短期化などもございますから、資金調達面におきましても変化が予想されておりまして、その経営基盤をどのようにまた安定をさせていくかということも大きな課題であろうと思っております。そういう中でいろいろ運用面におきましては制限をされておるわけでございますし、そういうようなものをまたどのように超えていくことができるであろうかというようなこともその課題の一つであるわけでございますから、金融の自由化そのものだけを見て判断できるものでもないわけですから、金融自由化によって起こる波をどのように小さなものにしていくかということもまた真剣に考えていきたいと思っております。
#36
○及川一夫君 確かになかなか難しい問題ではありますけれども、おおむね百億とか百五十億の話だとさらさらと胸をたたける話もできるんでしょうが、百三十兆を超える話ということになりますと、しかも大臣が未来永劫郵政大臣をやっていただけるのならそれなりに理解もできるんですけれども、なかなかそうもいかない。こう考えますと、やっぱり全員でいろんな意見を交わしながら、何とかひとつ安定的にということを考えなきゃいかぬと思うんですね。
 そういう前提で、少し細かくなって恐縮だけれども、局長、五十五年度以降の郵貯の現在高というものを指数で見てみますと、五十五年に対して平成元年では大体二一九%、つまり倍以上に郵貯の場合も現在高はなっているわけです。しかし、民間ということで銀行預金というものを前提にして郵政省が出された諸統計に基づいて私なりに整理をしてみると、民間の場合も二六四%という形であります。中間的には郵貯の方がかなり高い指数を持つこともあるんですが、これを五十年ぐらいに比較しますと、郵貯の方は今言った数字がほとんど動かないんでありますけれども、民間の方は三倍になっている、こういう数字が出ているわけですね。
 しかも、今の全体の預貯金というものをいろんなもので分類してみると、郵貯の場合は現在で一八・九%ぐらいですか、そして民間の方がおおむね二五%、つまり二〇%対二五%の割合で預金、預託というものがされている。しかし、伸び率で見るとどうしても郵貯の方が、きれいな形で残高がふえるというか、預金者がふえるというか、民間に比べると伸びが少し薄いのではないか。
 こういうふうに考えますと、いろんな経済の動きにも左右されますが、しかし経済自体は日本である限りは民間であれ郵貯であれ同じ条件という中で、どうも経済の動きで余計行ったりあるいはとまったりするのは民間の方にかなり多くて、郵貯の方は一定の限度でずっと進んでいるというふうな感じ。しかし、これはあえて言うならむしろ安定しているんじゃないか、こう言っても言えないことはないんでありますけれども、これから先のこともあるし、金利の自由化のことを考えますと一体その辺あたりをどういうふうに判断されているか、どういう展望を持っておられるかということをお聞きしておきたいと思います。
#37
○政府委員(松野春樹君) 先生御指摘のように、むしろ個人預貯金に占める郵貯のシェアということで考えますと現在二九・三%でございます。従来これ三〇%をちょっと超えておった時期もあったわけでありまして、少し減ってきつつある。その二九・三%のシェアのところで大体落ちついてはおるわけですが、そういう状況であります。これは、大きく世の中の金融事情、それからそれを見ての利用者のまた金利選好意識といいますか、の反映等もやはりあるとは思います。
 特に私ども昨年は大変な時期を経験しました。四月から十一月の半年間で三十四兆円という十年前に預けられた預金の集中大量満期がありました。三十四兆円といいますと、現在手持ちの百三十五兆から百三十六兆の約四分の一に近い数字でございます。これが集中満期に来て、結果的には営業上の純増だけからしますとやはり五兆円近くのお金が流出、私どもから見ますと流出しておるわけであります。幸い昨年のボーナス期から今日まで金融情勢が私どもの主力商品の一つであります定額貯金に大変有利に働いているという面もありまして、今持ち直しつつはありますが、しかし今年度の営業純増から見ますとやはり赤字になってきておる。元加利子が大きいものですから全体としての総純増としては黒字になっておりますが、そういう情勢であります。
 今後、やはり私どもは現金純増といいますか、営業純増をいかにして保っていくか、特に自由化を迎える中でどのように対処するかということがポイントです。元加利子は、これは残高があれば黙っておっても毎年毎年繰り入れられるわけでありますが、これは実は営業上の実績が伴うものではありませんので、何とか営業純増、現金純増を伸ばしてまいりたい。大変厳しい中でありますが、先ほど大臣が申し上げたような心構えでひとつ真剣に取り組んでいきたいと思います。
#38
○及川一夫君 これ以上この問題で突っ込んでも難しいと思いますが、経済の動きはもとよりでありますけれども、民間動向なり国際動向などを含めてさまざまな面で対応していただくようにお願いをしておきます。
 また、我々にも関心を持たしてもらうように、郵政省が出される資料、統計の出し方も考えてほしい面が実はあるわけです。私は質問するに当たって、郵政省がせっかく分厚い本とかいろいろ出されているものですから見たんですけれども、何か物事が隠されている統計数字の出し方をされているような気がしてならない。そうしているとは言いませんよ。
 例えば、純増分とそれから一年の預金高との関係で、純増分が多いか少ないかということがその場合に問題になってくるんでしょうね。そうしてその要素は何かということが問題になってくる。純増分と総預金高の関係は図で書いてあるけれども、数字を見ますと、純増の対比が預金高に対するものではなしに純増対純増で、昨年に比較をして何%ふえたか減ったか、こういう形になっているんですね。だから、どう計算してみても九十何%しかならないのに印刷されている数字を見たら一四八%と書いてある。一体何だろうなと思って今度は隅っこまで見たら、対前年度比較になっている、純増分が。そうすると、僕はこれは余り意味がない数字じゃないかと。むしろ全体の中でことしは幾らというふうにして、上がっているのか下がっているのかという数字を出してもらった方が非常にわかりやすいし、一体郵貯はどういう動きをしているのかということがわかってくるような気がする。
 そういう点ももう少し、隠す気はないんでしょうけれども、隠しているんじゃないかと思われるような統計じゃなしに、僕は親切にしてもらいたいものだなということを、物のついでで悪いけれども、注文をちょっとさせていただきたいと思います。
 そこで、問題だなと思うのは、要するに金利の自由化問題だと思うんです。大蔵省おいでですか。――おいでになっていますね。ちょっと前においでください。
 まず、金利の自由化を問題にしてMMCなどを含めまして五十万までのものは四月一日からということになっているようでありますけれども、完全自由化というイメージ、それと秋ごろという話も聞くし、まだまだ決まっていないということも聞くんですが、その辺大蔵省としては一体どう考えられているかお聞かせください。
#39
○説明員(日下部元雄君) お答えいたします。
 小口の預金金利の自由化につきましては、金融問題研究会、これは大蔵省の銀行局長の私的研究会でございますけれども、それが昨年の五月に報告書を出しておりまして、それを踏まえまして昨年の六月に当面のスケジュールの展望をこれは大蔵省として公表しております。
 それによりますと、まず自由化の第一ステップとして、これは平成三年の四月から小口MMCの最低預入金額を現在の百万円から五十万円に引き下げる。それから、その次のステップとして平成三年の秋に三百万円以上の定期性預金金利の自由化をするということでございますけれども、この平成三年の秋が具体的に何月になるかということにつきましては、現在各金融機関並びに郵便貯金の方のシステム対応の状況を調べまして、今後具体的な日取りは決めさせていただきたいというふうに思っております。
 さらに、定期性預金金利完全自由化の時期については、金利自由化の定着状況等を見きわめつつ極力早期に、遅くとも今後三年程度で定期性預金金利の完全自由化を図るべく努力する。これは昨年六月の時点でございますので、その時点から起算して今後三年程度というふうに言っているわけでございます。これにつきましても、具体的な期日につきましては、ここで申し上げましたように自由化の定着状況等を見つつ今後具体的な日程を決めていきたいというふうに思っているわけでございます。
 以上申し上げましたのは定期性預金金利の自由化でございますけれども、流動性預金金利の自由化につきましては、現在金融問題研究会において検討を開始しており、ことしの前半には結論を得て、その後早期に自由化に着手したいというふうに考えております。
 以上でございます。
#40
○及川一夫君 この完全自由化の問題について去年から三年の間にという、これは新聞でも報道されているんですが、その後アメリカの方からもう一年でやれ、やってほしい、こういう要求が大蔵大臣にされたという報道も目にしているわけです。そして、どうも大蔵省としては従来言うてきた三年というものをもっと縮めて、二年あるいは一年半ぐらいにはやらなければいけないかな、こういう意味の新聞記事も見たりなんかしているんですけれども、今現在そういったものの論議はされているんですか。大蔵大臣は何もおっしゃらないですか。
#41
○説明員(日下部元雄君) 自由化のスケジュールにつきましては、先ほど申し上げましたスケジュールに沿って着実かつ金融秩序全体の維持にも配慮しつつ進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#42
○及川一夫君 それじゃ答弁にならないんだけれども、これは大蔵大臣でないからしようがありません。
 いずれにしてもそんな話が動いているわけでして、結果としては三年というよりは前にやはり持ってこられると。つまり、完全自由化の時期は早まるよという認識でそれこそ完全自由化に対する郵貯事業の対応というものを考えるべきではないか、こういうふうに私は思っております。
 それで、その前提に立つんですけれども、この金利の完全自由化という問題は、もう文字どおり金額によらず、いずれにしてもその金利を自由化することだと私は認識していますから、今までの概念とは相当違った形で競争が激化するんだろうというふうに理解をいたします。しかも、これは国内だけではなしに、国際的にもいろんな摩擦というか、考えの違いというか、いうものが出てくるような気がしてしようがないんですが、郵政大臣、その辺はどう理解されておりますか。
#43
○国務大臣(関谷勝嗣君) まず、先ほどの先生の御指摘の完全自由化の時期でございますが、いずれにいたしましても遅かれ早かれ来るわけでございますから、郵政省といたしましてももう既に今そういう考えのもとでどのように対処するかということを進めております。また、それをやっておかなければ間に合わないわけでございますから、今後鋭意その方向に向かって努力をしていきたいと思っております。
 それから、先生御指摘の昨年十二月でございますが、米国の財務省の議会に対する報告におきましても、日本における小口預貯金の金利の自由化を推進するためには何が一番問題であるか。問題と言いましょうか、どこがまず対処すべきかというような、その報告の中に日本の郵便貯金がまず自由化をされなければ日本の本当の自由化ではないというふうに指摘をされております。それは言うまでもなく百三十五兆円という膨大なお金であるということも意図しておるものだろうと思いますが、そういうようなことでこの金利の自由化は、先生先ほど大蔵大臣云々という御指摘がございましたが、大蔵大臣以上の私は責任を持って対処をしていきたい、そのように考えております。
#44
○及川一夫君 一番最後の方は結構でございます。それで大いにやってください。
 それで、今郵政大臣がお答えになったとおり、私はその点を実は非常に重視しているわけであります。なぜなら、世界各国で郵便貯金というものをやっているのは七十カ国ぐらいある、こう教わっているわけですけれども、ただ郵便貯金と一口に言うけれども内容はもうさまざまですよね、やっているもの、やっていないもの。制度的にきちっとして位置づけもはっきりしているのは我が国の郵便貯金と。いいか悪いかは別にして、経済との関係あるいは政府の財投資金との関係などきちっとしているわけです。しかし、これは完全自由化という目から見たらいろんな制約があると見るんでしょうね。そして、むしろ郵貯事業というのは国が安全保障している、だから公正を欠く競争原理であり、体制であるというふうにくるのは私は間違いないという気がしてしようがないんですね。
 しかも、この郵貯に対する国民の利用割合というものは、先ほども松野局長が言われたが、決して低いものではないですわね。しかし、国際的にそうだからといって、じゃ今の民間がやっておられるような銀行というような形にぱっと置きかえるということになりますと、これはまたいろんな意味で大問題ですわね。しかし、そういう角度から食いついてくることは私は間違いないと思う。
 とりわけ、アメリカの場合には、我が国のような郵便貯金制度というのは私はないと思いますし、SアンドLとかいう制度があるようでありますけれども、これだって現状は何か破産状態になったということを聞くわけですね。そういう体験をしているアメリカから見たら、もう郵貯郵貯ということで、銀行にある問題よりもこっちの方に向けて、しかも政府機関であるという前提でくるから相当の圧力ないしは問題提起をしてくるに私は違いないというふうに思っているわけであります。
 したがって、この面を一体我々はどういうふうに受けて立つのか、国内的にどう処理するのかということをしっかりと論議をしておかないと問題があるんじゃないかと思いますが、今郵政省内では郵政大臣をしてそういう御議論なり問題意識なりを持っておられるかどうかということをお伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(関谷勝嗣君) どう言いましょうか、大変鋭い御指摘であるわけでございまして、この金融自由化のときに郵便貯金を取り巻く条件、環境、そして郵便貯金の今後の進め方、そういうようなこともしっかりと考えるその時期に来ておるということは、私は強く認識をいたしておるわけでございます。
 海外から見れば特にこの郵貯がそういう意味での保護をされているというような見方が確かにあるんだろうと思います。ですから、そういうことに対するまた日本の反論といいましょうか、実情の説明というようなこともきちっとやっていかなければならない、そのように考えております。
 それが外から見た郵貯でございますが、今度は国内にあります、国内から見まして郵貯と他の民有機関あるいは農協等との関係ということも、これはまた徐々に変わってきておるわけでございます。現時点におきましては、私はこの三者といいましょうか、他の金融機関とはそれぞれ特異性が違っておるわけでございますから、それぞれがその特異性を発揮していわゆるいい意味での競争を行い、そして小口預金者あるいはまた民有機関に預金をしている方々の利益を追求していく、そういう立場で進めていけばいいのではないかなと思っております。
 前段の国際社会の中でのこの金融自由化、そのときの郵便貯金の立場、これは本当に真剣に考え、またもちろん変革もしていかなければならないと考えております。したがいまして、省内におきましてはもちろんそういうようなことを考えておるわけでございますが、また特段のそういう学識経験者その他の方々の御意見なども十分に吸い取るように努力をしていかなければならないと思います。
#46
○及川一夫君 現状いたし方がないと思いますけれども、これは私は率直に言って米の問題じゃありませんけれども、言われて、いや食糧安保だということでいろいろやりますわね。しかし、最近は農水省自体がこれは守りの姿勢である、守りじゃだめだ、攻撃だ、それなら我々はこう思うというものを出そうというようなことの動きが出てきている、こう言われているわけですね。
 この問題も率直に言って、言われたから説明するとか、何とか説得するという形じゃなしに、やはり経済の基本にかかわる問題ですから、そういった点ではもっと能動的に私は郵政省は今から準備をすべきだし、同時に逓信委員会だって、例があるのかどうか私はよくわかりませんけれども、小委員会ぐらいつくって、各党が集まってそういう国際的な問題提起に対して、一体我々はどう政治の場面からしていくのかというようなことを僕は論議してもいいと思うんですな。というのは、どうしても逓信委員会になると発言の時間も制限されますし、これは別に郵政省に言う話じゃない、こっちの中の話ですけれども、そんなことなどを含めて僕はやるべき問題ではないかなという感想を実は持っているということだけ申し上げておきたいというふうに思います。
 そこで、今度は国内に戻るわけですけれども、もうずばり冒頭申し上げたように、金利の自由化というのは、郵政省自体がいずれにしても競争の原理に入っていくということになってくると考えますと、国内的な対立というもの、つまり銀行関係と郵貯事業という関係、これをかなり整理されてきているなという感じは私も持っています。とりわけ大蔵を挟んで、民間銀行である、いや郵貯事業であるという議論はかなり整理をされてきているようには思います。しかし、競争体制ということになれば、片一方は税金を払わない、片一方は税金を払っているけれども投資先は自由である、郵貯の自主運用といったって限られた枠であり、同時にまた投資先もそれこそ限られている、こういう違いなどがあるわけで、一概に競争が公正か公正でないかということをすとんと今の段階で言えないんですけれどもね。
 しかし、少なくとも十二月の二十八日にこの金利の自由化問題をめぐって、先ほど三重野さんの質問にお答えになったあのような一つの合意があるということなんですが、新聞紙上で見ればそれで損得、物事は実は終わっていないんですね。つまり、全国地方銀行協会はもとより全国銀行協会連合会の方々は、あの決定は民間経営圧迫と反発をしている、郵貯の限度額の引き上げもそうだ、こういうふうに書かれておりまして、それでその中に、郵貯事業は本来民間機関の補完に徹すべきであって、郵貯の肥大化につながるようなこういうやり方は、これは限度額の引き上げの問題ですが、おかしい、反対だ、こういう筋道でつながれているわけですね。
 そうすると、権威ある国会にかけられて郵貯の問題を議論しているのに、それが補完事業だとこう言われると、私自身が内心何となく一体どういうものかな、こういう疑問を持つんです。郵政大臣、金利の自由化があって競争が始まる、それも国内外で始まるんだという条件の中で、しかも職員は職員なりにやる気になるだろう、なってほしい、こういうことがあるわけですから、そうした中で補完的事業というふうに言われるような民間と郵貯の、あえて対立と言わせてもらいますが、対立があるということは、私は我が国のためにプラスになるんだろうかというふうに思うんですね。ですから、この点大臣のひとつ見解を聞かせてもらいたい。
#47
○国務大臣(関谷勝嗣君) おっしゃるとおり、民間金融機関から見ますと、もう郵便貯金という言葉を聞いただけで何かすぐ闘争体制に入るような、そういうことはずっと続いておるわけでございます。そこに私は間違いがあるんじゃないかな、そういうように思うわけでございますが、いわゆる制度とか仕組みなどが大いに違っておるわけでございますから、その全体のトータルとしてのバランスをとって、その中で共存共栄を図っていくということで私は対処していけばいいのではないかな、そのように思います。
#48
○及川一夫君 結論はそこにいくんですが、共存共栄という言葉も非常にきれいで、だれもが反対できない言葉なんですよね。しかし、お金にまつわる問題というのは人間のエゴも出るし欲も出るし、さまざまなことが出ますから、そういうところに落ちつける以外ないことなんだけれども、いろいろと議論のあるところだろうと思うんです。だから、私は問題意識はきちっと持って今後も対応しなければならないと思っています。
 ただ、この点大蔵省は一応形の上では真ん中にはまっているんだけれども、僕の印象では大蔵省は民間寄り、こういう感じもせぬでもないんですが、その辺の議論というのは、新聞に報道された全国銀行協会連合会の方々の意見というのはこのものずばりかどうかということだけ聞いておきたいと思います。
#49
○説明員(日下部元雄君) 今先生から御指摘がありました官業が民業を補完するということの意味についてでございますけれども、これは昨年の四月十八日に出されました新行革審の最終答申にこのことについて触れられております。そこでは、「基本的な考え方として、政府事業について、その事業の目的、性格に照らし、民間により同様に実施することが可能であり、かつ、適切である場合は、それによることとし、その条件の整備を図る。」ということが言われているわけでございます。これは郵便貯金による為替貯金事業にも同様に当てはまる基本原則であるというふうに考えておりまして、したがって為替貯金業務につきましては、その制度の本来の趣旨である個人貯蓄分野における簡易な貯蓄手段の提供に徹するということによって適切にその役割を果たしていくことが期待されているという趣旨に我々としては理解しております。
#50
○及川一夫君 次に進めさせていただきます。
 貯金事業の充実強化ということでそれぞれ御意見を持っておられると思うんですが、六十年の五月に、元文部大臣をやられた永井道雄先生をキャップとする郵便局の将来ビジョン懇談会というのが左藤恵郵政大臣のもとで行われております。その中に実は、「郵貯が構想する新金融商品とサービス」というものがありまして、大変な数、二十数項目に上る新しい商品開発の問題が実は書かれているわけですね。
 そこで質問なんですが、この中で既に実行されているものというのは何項目あるのでしょうか。二十七項目これは出ていますけれども、そのうちどれとどれが既に実行に移されたものかということです。
#51
○政府委員(松野春樹君) この項目の中で何項目という数はちょっと把握しておりませんが、先生と恐らく同じ資料を私手元に持っておるんだろうと思いますが、例えばエレクトロニックサービス分野におきましては、キャプテンの使用というのは一部始めております。ホームバンキング的な内容でございます。それから、局外のATM、CDサービス、これも既に始めている。空港であるとか大学であるとか駅等にも設置を始めております。
 それから、カード関連のサービスは、共用カードは既に大分定着してまいっております。キャッシングサービス等も行っております。ATM、CDオンライン提携、民間との提携ということでありますと、これはまだできておりません。
 それから、国債関連型貯金では、国債と定額を組み合わせました国債定額貯金という制度を既に導入いたしております。
 それから、何と申しましても、今回法律改正でお願いしておりますTC及び外貨両替という業務が今回御審議をいただいておる内容になっておるわけでございます。MMC貯金は既に始まっております。これは新種預金の中の一つでございます。
 ほかにも、あるいは漏れた点があろうかと思いますが、先生が今御指摘の六十年の五月のときのこの新商品のビジョンは、私どものいわばその後の研究会、私どものいろいろな施策を立てる際のバイブル的な存在になっておりまして、まだ実施までに大分間があるものもあろうかと思いますけれども、実施できるものは一つ一つ実施していくということで省内的には認識いたしております。
#52
○及川一夫君 ということは、二十七項目中まだ数項目ですからね、たくさんこれはあるし、僕も中身を全部熟知しているわけじゃないけれども、少なくともこれだけのメンバーで出された報告書ですから、かなり国民生活にとっても有効なものであるという前提で出されていると思うんですね。したがって、六十年に出された問題であってもこれは有効だと、こういう理解で私は受けとめておきたいんですが、それはよろしいですね。――はい、わかりました。
 そこで次の問題として、事業の強化の一環として、これはすべて郵貯だけに限られた問題ではないんですけれども、要するに郵政事業全体という意味があるんですが、これから先パスポートの問題であるとか住民の住民票の交付の問題であるとか、これまた諮問委員会で報告を受けているものがあるはずですが、それは郵政省として御存じなはずですね。これちょっとお聞きしておきたいというふうに思います。
#53
○政府委員(松野春樹君) 私の仕事とは直接は絡みませんけれども、先生おっしゃるとおり受けとめております。今毎年の予算折衝でも、昨年も一昨年もそうでありましたが、パスポート問題等が当該担当局において熱心に折衝を続けておるところでございます。
#54
○及川一夫君 「主要国における郵便局の受託業務」というもので、これはこの前もちょっと国際的な郵便事業の実態ということで御質問したことがあるんですけれども、郵便貯金に関する調査研究会編というところで「一九九〇年代の郵便貯金ビジョン」というものが出ていますよね。十項目、これが適切なものであるかどうかということも議論になるんでしょうが、例えば貴重品の管理であるとか、馬券の販売であるとか、宝くじの販売であるとか、劇場、競技場等の入場券の販売、交通機関の切符等の販売など十項目が並んでいるわけです。これは、内容的に「一九九〇年代の郵便貯金ビジョン」ということになって研究会の方々が平成元年の六月に郵政省に出されているんですよね。
 したがって、現在は外国通貨の両替ということになっていますけれども、それからパスポートの問題とかトラベラーズチェックの問題は出ていますが、そのほか外国人登録を初めとしたこういうものは郵政省として手がけるという気持ちがあるんですか。
#55
○政府委員(木下昌浩君) ただいま例示に出された問題につきましては、現時点におきまして具体的な検討はまだいたしておりません。
 今日、予算要求上やっておりますのは御承知のとおりでございまして、パスポート、住民票それから各種の乗車券等の問題はいろいろ取り上げてきておりますが、今おっしゃいましたようなことにつきましてはまだ検討いたしておりません。
#56
○及川一夫君 私がなぜこういった質問をするかというと、とにかくたくさんあるんですよ。郵政省がいろいろ研究されたり諮問されたりしたものがたくさんある。しかし、その実行率ということになると、出ているだけというのが非常に多いんじゃないでしょうかね。もちろんこれは郵政省として意思があっても他省との関係とか、民間の関係とかということでなかなか実行に移せないというものもあるでしょう。しかし、せっかくこれだけのものを答申してもらったり報告を受けたものについては原則尊重ですわな、これはどんなことを言っても。ですから、やる姿勢というものを、提起してつぶれることはやむを得ないですけれども、やっぱりそういう積極的な姿勢というものを見せないと、答申を求められた方が一体どういうものかということになって、信頼ががた落ちになればそれだけいいものは出てこないことになるということを危惧するから質問をさせていただいた、こういうふうに受けとめていただきたいと思います。
 貯金事業関係の最後の問題として両替サービスの問題ですが、これの位置づけは一体どういうことなんだろうという質問なんであります。
 つまり、新しいサービスをやるということはそれだけコストがどうしてもかかりますよね。ところが、予算のどこを見ましても、それから郵政省が重要施策ということで我々に事前に説明をしてもらったものを見ましても、お金が全然ないんであります。じゃ、要するにこの両替サービスというのはお金のかからない国民に対するサービスということで割り切っているんですかというふうにちょっとお聞きしておきたいし、両替サービスというのはもうその程度のものなのかということをお聞きしておきたいんです。
#57
○政府委員(松野春樹君) 今回の法改正の附則の方で郵政省の設置法も改正して、新しい業務としての取り組みとしてお願いを申し上げている次第でございます。したがいまして、従来の私どもの本業であります郵便貯金そのものとは幾らか違うわけではありますけれども、しかし広く考えますと、これやはり金融サービスの周辺業務としては利用者の方に十分郵便貯金の窓口で取り扱われることについてお許しはいただけるだろうと。
 しかも最近、海外旅行者の数が、平成元年度のデータでありますがたしか一千万に近い、恐らく現在では海外渡航者が一千万を超えておるんであろうというふうな情報もございまして、できればこの便利な郵便局の窓口、全国津々浦々にあります。まだ一度に全局でやるというわけにはまいりませんが、やはりこの外貨の両替であるとかトラベラーズチェック等につきまして取り扱って、住民の方々、旅行者の方々にサービスを提供することが必要ではないかなということで実は思い立ったわけであります。
 なお、予算の関係でありますが、予算には、例えば必要な要員措置といいますか、賃金、超勤とかというところでその経費は若干計上してあるようでございます。
#58
○及川一夫君 住民票の取り扱い等による窓口サービスの多様化、高度化というようなところでは、これは案だったんだろうと思いますけれども、二十七億ほどのっけておるわけですね。それで、両替の方には全然のっかっていないから金のかからないサービスかなということになると、一体委託を受けてやるのか、あるいは勝手にやるとは言いたくないが、郵政省がそれこそそういう発想でやるのか。しかも、法律改正ですからね。だから、全然予算が伴わないものならものでいいんですけれども、少なくとも人間が受け取ったりやったりするということを考えりゃ、最低でも労務コストはかかるはずなんです。ですから、それを金銭にあらわせられないというのならそれまでだが、いずれにしてもそういったことが明確になっていないという点ではちょっと提案の仕方としては不親切じゃございませんかということを指摘して、これは終わっておきます。
 それから、次の問題に移らせてもらいますが、法制局の方。――お聞きしたいのは、今度の法案にかかわらず各法律とも政令で定めるという言葉が存在していますね。
 それはそれとしてよろしいんですが、最近特例政令という言葉が出てくるものですから、特例政令というのは一体何なんだろうと。僕も聞いていて、新語ではないんでしょうけれども、じゃ法律用語として存在しているのかどうか。もし存在しているとすれば、臨時措置に関する政令であるとか特に定める政令であるとか、何かいろんな表現を使いながらばらばら存在しているわけですよ。一体どこからどこまで政令で、その政令の中でもどこからどこまでが特例政令で、どこからどこまで臨時措置に関する政令なのかというのが、どうも今になってくると頭の中が大混乱を起こすようなさまざまな使い方がされているというふうに僕は認識するんですね。
 そこで、この特例政令とは一体何だということから始まって、政令にも二つあり三つあり四つありということなら、その基準とは一体何なんだということを法制局にちょっとお聞きしておきたいんです。
#59
○政府委員(秋山收君) 特例政令についてのお尋ねでございますが、今法律上、特例政令という言葉を定めてその定義をしたようなものはないわけでございますけれども、一般には次のように理解されていると考えております。
 ちょっと言葉を分解して説明させていただきますが、まず特例という意味でございますけれども、これは一般の場合に適用される法令または規定に対しまして特別の場合に適用される法令または規定を言うというふうに一般に使われております、一般に対する特別という非常に当たり前なことでございますが。
 それから、次に政令とは何か。これまた申すまでもないことでございますけれども、内閣が制定いたします法令の一種でございまして、法律の規定を実施するために必要ないろいろな手続その他細目的な事項を定めますいわゆる実施政令、それから法律の委任に基づきまして定めるいわゆる委任政令と二種類あるというふうに理解されております。
 委任と申しますのは、例えば政令で定める利率でありますとか政令で定める場合でありますとか、法律にそういうことが書いてあります場合にそれは委任と解するわけでございます。
 したがいまして、御指摘の特例政令というものは、非常に抽象的な言い方で恐縮でございますが、法律の規定を実施するためまたは法律の規定を根拠として一般的な政令の定めが定められております場合に、その同じ法律の規定を実施するためまたはその同じ法律の規定を根拠としてその一般的な事項に対しまして特別の事項を定める政令というふうに理解すればよろしいのではないかと存じます。非常に抽象的で恐縮でございます。
 それで、特例政令をつくります基準でございますが、このような一般的な事項と特別の事項とを同じ政令の中で、例えば本則に一般的な事項を定めて、附則に暫定的な特例を定めるというような例は幾らもあるわけでございますし、それからそのような特別の措置を別建ての一本の政令として定めるという例もあるわけでございます。最近問題にされておりますのはこの後者の方でございます。
 それで、そのように特別の措置を同じ政令の中で規定を別にして定めるということと、それから別の一本の政令を立てるということ等につきましては、同じ政令でございますから効力において何ら差があるわけではございません。ただ、これは立法技術におきましてどちらが総合的に見て適当かという判断になろうかと思います。
 一般論として申し上げますと、その政令を制定する理由でございますとか内容を国民になるべく明らかに示したいとき、あるいは特定の状況のもとにおいて適用されます特例措置である旨をわかりやすく示したいとき、そのような場合には別建ての政令とされることが例としては多いように見受けられます。なお、いずれの場合でありましても、委任政令におきましては法律の委任の範囲内でなければその政令が定められないということは申すまでもないことでございます。
 以上でございます。
#60
○及川一夫君 笑いが出たように大変理解しにくい問題なんです。もう終わりましたけれども、自衛隊派遣の問題に関連して出てきたでしょう。何でああなるのか僕らは本当にようわからないんですけれども、仮にああいう手法が許されるとしたときに、例えば施行令とかいろんな法があるんですな、自衛隊の中にも。ああいうものでなぜ対処できないんだろうかと。やたらと政令の中に二つも三つも四つもあるようなことを、しかも効力については違わないと言いながら立法技術だという言葉を今使いましたね。立法技術で国民を惑わすというのは一体どういうこっちゃ、そんな手はないぞという率直な感想を申し述べて、時間がありませんからもうこれはこれで終わりだが、ただ問題は、郵政省に特例政令というのはありますか。
#61
○政府委員(木下昌浩君) 郵政省所管の特例政令といたしましては、いわゆる福祉定期郵便貯金それから福祉積立郵便貯金につきまして定めた政令がございます。それから、MMC貯金について定めた政令がございます。
 福祉定期郵便貯金や福祉積立郵便貯金についての政令につきましては、一般の貯金利率引き下げのときにおきまして、老齢福祉年金等を受給しておられる方々を対象にいたしまして一定の期間は金利引き下げ前の利率によって預入することができるということを規定しております。それから、MMC貯金についての政令は、一定の期間に一定の預入金額以上のものにつきましては一般の定期郵便貯金よりも高い利率で預入することができるという旨の規定でございます。この三本でございます。
#62
○及川一夫君 時間が来ましたんで打ち切らざるを得ませんが、今の具体的な例の特例政令と自衛隊の政令とはえらい違うなという感想を持ちながら、同時に政令というものはやっぱり魔物なんですね。僕らの知らないところでぱあっといっちゃうということが従来意見としてある問題なんですよ。ですから、これは法制局が整理するのかどうか知りませんけれども、どうも政令のあり方という問題についてはかなり我々自体が問題を整理してやっぱり見解を聞くということが、そしてそれ以上のものは法律を改正するとかというふうにしていきませんと混乱に混乱を重ねるだけだという意見を持っているということを最後にして、時間が来ましたので終わりたいと思います。ありがとうございました。
#63
○委員長(一井淳治君) 午前の質疑はこの程度といたします。
   午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#64
○委員長(一井淳治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵政官署における外国通貨の両替及び旅行小切手の売買に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#65
○陣内孝雄君 早速質問に入らせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 近年、金融をめぐる環境は大変な変貌を遂げております。金融の国際化とグローバル化に伴い金利の自由化や業務の自由化が迫られておりますし、またコンピューターや通信等の情報技術革新に伴って決済システムのエレクトロニクス化も進んでおるわけでございます。とりわけ金融自由化が急速に進展しています。こうした状況の中にあって、私は預金者の利益を確保するという観点が最も重要であろうかと考えるわけでございますが、激化していく金融競争に負けないために、郵便貯金としてもこうした観点を十分に踏まえて真剣に取り組みを行っておられることと思うわけでございます。
 そこで、まず金融自由化に向けた郵政省の基本的な姿勢について改めてお伺いしたいと思います。
#66
○政府委員(大野功統君) ただいま陣内委員からの御質問は極めて基本的な重大な御質問でございますので、本来でございましたら郵政大臣からお答えするのが筋でございますけれども、大臣ただいま衆議院本会議の方へ出席いたしております。かわりましてお答えさせていただきます。
 金融自由化の問題でございますが、基本的な考え方といたしまして金融自由化というのは陣内委員御指摘のとおりでございます。別にこれは金融機関のためにあるものではありません。郵便局のためにあるものでもない。銀行のためにやるものでもございません。この金融の自由化というのは、まさに利用者の、預金者の、貯金者の利便のためにやっていく、この視点を十分に踏まえてやっていかなきゃいけない、こういうものだと認識しております。
 それから、ただし自由化に伴いまして当然競争が激化してくるわけでございます。この競争をやっていかなきゃいけないというところで、私は二つばかり問題点が生じてくるんではないか。
 第一には、どうしても競争をやっていきますので大口の貯金者に対しては有利になってくる、小口の貯金者にとっては金利も不利になってくる、こういう点はやむを得ない傾向として出てまいるのではないか。しかし、私ども郵便貯金業務に携わる者としましては貯金の使命感、すなわちこれはやはり私たちは大衆の小口貯金をお預かりしているわけでございますので、小口の貯金者の利益、利便性についても十分配慮していかなきゃいけない、こういうことを強く認識しておる次第でございます。
 もう一つの問題点は、これからどうしても預金者、利用者に対してサービスを提供していくに当たりましては、貯金業務の経営を効率化していってますますそういう要望にこたえられるように頑張っていかなきゃいけない、職員一同一生懸命これからも頑張ってまいりますので御理解をちょうだいしたいと思います。
 以上、基本的な考え方を踏まえまして、まず金利の自由化の問題について申し上げますと、第一にはやはり懐が大きければ大きいほど預金者、貯金者に対して利益を提供できるわけでございますので、ただいま審議いただいております郵便貯金法の一部を改正する法律案、これによりまして郵便貯金の預入限度額を七百万円から一千万円にしていただく、これはもうぜひともよろしくお願いしたい点でございます。
 それから、ことしの秋には三百万円以上の定期性貯金につきましても自由化をやらしていただきたい、このような考えでおります。
 それから、先ほど冒頭に基本的な考え方で申し上げましたとおり、やはり流動性の小口貯金でございますが、この点につきましても今後ますます頑張らしていただきたい、このように考えております。
 以上、金利の自由化でございますが、次いいわゆる銀行と証券との間の垣根の問題、業態間の自由化の問題でございます。
 私どもは、やはりこれから金融の自由化に伴いましてますます多様化された商品が開発され提供されてくる世の中になってくる、このような時代を想定しておりますので、郵便貯金といたしましてもこれはまさにそのような利用者の多様化されたニーズに応じて新しい商品を開発し、また提供していかなければいけない、このような観点からこれからも一生懸命頑張っていくつもりでございます。
 貸し付けの問題を含めて、やはり何といっても貯金者あるいは利用者が便利になっていく、これが一番でございまして、そういう意味じゃ少し広い観点からお話を申し上げますと、御審議いただいておりますような旅行小切手を郵便局で扱う、あるいは両替を郵便局で扱う、さらにはこれからの検討課題でございますけれども住民票やパスポートに至るまで郵便局で扱っていけるような、とにかく国民生活がますます便利になっていく、質が向上していく、こういう観点からも考えていかなければいけないのではないか、このように認識いたしております。
 なお、郵便貯金の使命でございますが、もちろん今百三十五兆円という多額な郵便貯金をお預かりしておるわけでございますけれども、この郵便貯金の使命、すなわち財政投融資、国民生活の質の向上に資するとともに、また社会資本の発展の原動力となっております財政投融資の重大な原資になっておりますので、この辺の使命、責任、これを十分自覚しながら今後とも一生懸命頑張ってまいりますので、どうぞ御理解と御支援のほどをよろしくお願いいたします。
#67
○陣内孝雄君 大変立派なお考えをお伺いいたしまして敬服いたしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日審議する郵便貯金法の一部を改正する法律案も、郵便貯金事業が金融自由化等に的確に対応していく上において必要な措置を講ずべき内容が盛り込まれておる、こういうように考えておるわけでございますが、この法案の改正理由とその概要をまずもってお聞かせいただきたいと思います。
#68
○政府委員(松野春樹君) 簡単に御説明申し上げます。
 法案の改正の目的でありますが、やはり何といっても預金者の利益を増進するという立場でございまして、あわせて貯蓄の増強に資したいということで今回の改正をお願いしておる次第でございます。
 なお、改正内容については四点にわたりますが、一般の郵便貯金の預入限度額を七百万円から一千万円に引き上げたいという内容が第一点でございます。
 それから第二点は、進学積立郵便貯金の貯蓄目的の対象を、従来は進学に必要な資金ということでありましたが、これを広く教育を受けるために必要な資金に拡大しますとともに、その名称も教育積立郵便貯金に改め、またあわせて積立期間が経過してから通常郵便貯金となるまでの期間につきまして従来の二年を四年に延長したいという内容でございます。
 それから第三点でございますが、預金者に対する貸し付け、いわゆるゆうゆうローンと称しておりますが、この貸し付けの担保となります定期郵便貯金が最近MMCの導入に伴いまして継続預入の扱いが大変多くなっております。その場合には継続後の定期郵便貯金を担保として貸し付けも継続することができるように規定の整備を行いたい、これが第三点であります。
 第四点目は、定期郵便貯金の利子の計算方法につきまして、従来の月割りから日割りに改めたい。
 以上の四点が主な改正内容でございます。
 よろしくお願いいたします。
#69
○陣内孝雄君 まず、預入限度額の引き上げについてお伺いいたします。
 先ほど政務次官からのお話にもございましたように、郵便貯金資金は財投資金の主要な原資として重要な役割を担っております。特に日米構造協議において我が国は今後十年間でこれまでの十年間の一・六倍に当たる四百三十兆円もの公共投資を行うことを国際約束しているわけでございます。厳しい財政事情のもとでこの約束を果たしていかなければならないということですので、郵便貯金の公的資金供給の役割というのはますます重要になるものと考えるわけでございます。また、この四百三十兆円の公共投資計画を実行することによりまして私たちの生活が本当に豊かなものになる、活力のある住みよい社会ができるということでございます。おくれておる我が国の住宅や社会資本の整備を欧米先進国並みにするためにもぜひ必要なことであるわけでございます。
 こうしたことを考えますと、預入限度額というのはもっと引き上げる必要があったのではないか。今七百万から一千万にというお話でございますけれども、果たしてこれで必要な公的資金の供給が可能になるのかなというようなことも心配するわけでございます。
 郵政省とされての今回の預入限度額の引き上げの意義をどういうふうにお考えになっておるのか、また預入限度額の引き上げの将来展望はどういうものかお聞かせいただきたいと思います。
#70
○政府委員(松野春樹君) 今回の預入限度額の引き上げにつきましては、私どもといたしましては、第一には、当然のことでございますが、国民の皆さん方の貯蓄ニーズに適切に対応するために必要であるという点でございます。先ほど先生も仰せられましたとおり、私どもの貯金のもう一つの役割といたしまして、やはり生活関連の社会資本を整備する重要な時期に来ておることにかんがみ、公共投資の主要財源となる郵便貯金資金を確保する必要があるという理由もございます。ちなみに、現在公共投資の主要財源の中で、特に財投資金の中の残高ベースでは約六割を私どもの資金が占めております。これを何とか確保してまいりたいということであります。
 それから直接的には、先ほども政務次官の御説明でも申し上げましたが、本年秋から三百万円以上の定期預貯金金利の自由化がスタートいたします。郵便貯金としては預金者に自由化のメリットをより一層還元したい、そのために預入枠を広げてまいりたいということであります。
 そういう観点からでございますが、午前中の御質問でもございましたけれども、この一千万円への引き上げではまだ不十分ではないかという御指摘もおありになろうかと存じますけれども、現在民間金融機関におきまして大口定期預金として自由金利が付されている一応大台の金額に乗ることでもありますし、当面の貯蓄ニーズにはこたえられるものというふうに考えております。
 今後のことでございますが、私どもの使命であります簡易で確実な貯蓄手段として国民の福祉の向上を図るという趣旨を十分踏まえながらも、またこの預入限度額の問題につきましては適切な水準を維持できるように、いろいろ今後の推移を見ながら適切に対処してまいりたいというふうに存じております。
#71
○陣内孝雄君 今度の預入限度額の引き上げで心配されておりますような民間金融機関からの郵便貯金への資金シフト、こういうものが起こるかどうか。これについての見通しといいますか、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#72
○政府委員(松野春樹君) これは既に先生も御案内のことでございますけれども、銀行におきましてはいわゆる預入限度額という制限はございません。各種の高利回りの商品を提供されておるところであります。こういう状況のもとで、この郵便貯金の限度額が七百万円から一千万円に引き上げられたということのみで銀行預金を取り崩して郵便貯金に預けかえるという資金シフトは私は生じないであろうというふうに考えております。
 なお、この実施の時期とも絡みますけれども、預入限度額の引き上げと同時に、郵便貯金におきましても完全自由金利商品を導入する予定でございます。
 こういう多様化する預金者のニーズにこたえる金融サービスを今後とも郵便貯金としても開発、提供していく所存であります。また、民間金融機関におきましてもこれを機にまたより一層利用者のニーズにこたえるような商品開発に恐らく努めてまいられるのであろうというふうに考えております。郵貯も負けないように頑張らにゃいかぬというふうに決意しております。
#73
○陣内孝雄君 どうぞ今後とも預入額の限度額の引き上げについては積極的な検討をお願いしたいと思います。
 今回の改正案に盛り込まれております進学積立郵便貯金の制度の改善についてお伺いしたいと思います。
 我が国におきましては国際的に見ても教育水準というのは非常に高い。これが現在における我が国の発展の基礎をなしたと言っても過言ではないと思います。将来はますますその必要性が高まってくるだろうということでございますが、他方その結果、家計において教育費の負担というのも増してくることが心配される、これは深刻な問題になりかねないと思うわけでございます。育英資金などいろいろな施策もほかにあるわけでございますけれども、今回の教育積立貯金というのはまことに時宜を得た対応であると私は思うわけでございます。
 この法律改正による改善の具体的内容をもう一度確かめさせていただきたいと思います。
#74
○政府委員(松野春樹君) 現在の進学積立郵便貯金制度は貯蓄目的及び国民金融公庫等の貸し付け目的の対象が進学資金に限定されているところでございます。しかし、実際に各御家庭の家計における教育費の負担というものは進学時のみに限りませず、在学中の授業料その他、進学後も負担が継続するものでございます。これらの費用が年々上昇してきていることから、私どもといたしましてもぜひこの際改善を行いたいということでございます。
 主な改善の内容を整理して簡単に申し上げますと、一としまして、進学積立郵便貯金の貯蓄目的を在学中の資金も含めた教育に必要な資金に改めるということであります。それから、その名称を内容にふさわしく進学から教育積立郵便貯金というふうに変更したいということでございます。また、具体的な改善といたしまして、積立期間が終了後通常郵便貯金となるまでの期間、この積立期間が終わって通常郵便貯金となるまでの期間というのがいわゆる貸し付けの申し込みができる期間と同じでございます。これは従来が二年でありましたが、二年から四年に拡大いたしたい。
 以上の内容でございます。
#75
○陣内孝雄君 ところで、これは既に指摘されたことでございますけれども、従来の進学積立郵便貯金というのは昭和五十八年度から減少が始まり、そして六十年度末からずっと急激に減ってきておるということでございます。こうした状況の中において今回進学積立郵便貯金の改正を行うわけでございますけれども、私は今の御説明を聞いて、今度は需要がふえていくんじゃないかというふうに期待をしたところでございます。そのあたりについて郵政省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#76
○政府委員(松野春樹君) 先生今御指摘のとおり、昭和五十三年に創設されました制度でございますけれども、ピークが多少数年にわたっておりますが、私どもの認識では昭和五十八年度を境といたしまして減少傾向をたどってきております。平成元年度の新規利用件数は七千件、むしろ七千件にすぎないという言い方の方が適切かもしれません。その結果、平成元年度末の口座数は二万一千件という状況になってございます。
 現在民間金融機関ではどうであろうかということでございますが、民間金融機関の教育ローンにおきましては、国民金融公庫の進学資金の貸し付けよりも金利は若干高うございます。金利は若干高うございますが、多様でかつ簡便な教育ローンが提供されるようになってきております。こうした背景もあり、また民間の動向等にもやはり留意しながら、利用が減少しておる進学積立郵便貯金の制度を今回改善したいということに思いをいたしたわけでございます。
 なお、今回の改正によりまして、実は法改正以外にも、この教育積立郵便貯金の積立期間を従来一年以上三年以下というのを一年以上五年以下というふうに改善しておりますし、また限度額につきましても百八万円から百五十万円に引き上げる措置を考えております。これらの抜本的な改善と申し上げてもよろしゅうございますが、これを契機といたしまして国民の教育資金ニーズに当面、少なくとも従来のものよりは相当進んだ形で対応可能であるのであろうというふうに考えております。
 ただ、私どもの努力不足もありまして、この面でのPRが果たしてどうであったかということも反省材料の一つとしては持っております。PRにも一層努めながら積極的に利用促進に努めてまいりたい、それによってお客様のニーズにおこたえ申し上げていきたいというふうに考えております。
#77
○陣内孝雄君 大いに普及させていただきたいと思います。
 次に、郵便局というのは、最近特にそう思うのでございますけれども、地域の生活に非常に密着してきたなということでございます。そういう中で、今度は国際化時代に備えての外国通貨の両替とか、あるいは旅行小切手の売買の取り扱いをしていくことになったということで、これまた時宜を得た施策だと思うわけでございます。
 それで、今回どの程度取り扱う局を設置される予定なのかお聞かせいただきたいと思います。
#78
○政府委員(松野春樹君) この取扱局を初年度どのくらいにするのかということでありますけれども、今法案を御審議いただいている最中でありますので、平成三年度と見た場合丸々一年というわけにはまいりませんけれども、その辺のところも一つは加味しなきゃいかぬだろうと思います。それから、民間機関への影響を見きわめる必要も若干はあるのであろうということもあります。それから、私どもの内部事情でございますが、何といってもこれは新しい事業でありまして、既に私ども国際送金のノーハウは明治以来持っておるわけでありますが、外貨の両替等の課題になりますとやはり職員の皆さんに十分研修をしなければいかぬであろうということ、それから外国為替公認銀行との外国通貨の入手に当たっての契約締結の問題もございます。旅行小切手の場合の受託契約等の準備も必要でございます。
 こういう点をもろもろ考えまして、初年度におきましては百局程度の取扱局を予定しております。なお、次年度以降についてでございますけれども、需要動向あるいは利用実態等を勘案しながら段階的に取扱局数をふやしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#79
○陣内孝雄君 全国津々浦々に郵便局があるわけですから、どこまでもというわけにはいかぬと思いますが、ひとつこれからニーズに応じた対応をよろしくお願いしておきたいと思います。
 次に、平成三年度に向けて今までお話があったようにいろいろ国民利用者へのサービスの改善向上が図られてきたわけでございますけれども、残念ながら平成三年度の概算要求の内容に比べると取り残されている分もあるわけでございます。
 郵政省は、平成三年度の予算要求に当たって、一体どういう認識、考えのもとでどういう事項を要求されておったのか。そして、認められた事項はどんなものであり、また認められなかったのはどういうものか。さらに、今後どのように対処していくお考えであるのか尋ねてみたいと思います。
#80
○政府委員(松野春樹君) 平成三年度の、特に私ども重要施策と申しておりますが、制度改善要求を作成するに当たりましては、やはり進展しておる金融の自由化に積極的かつ的確に対応しなきゃならぬという点が一つ、それから当然のことでありますが、利用者サービスの向上を図る必要があるという二点を基本的な視点として施策を要求申し上げた次第であります。
 その結果でありますけれども、これは先生御案内のように、預入限度額の引き上げ、外貨両替業務実施等につきましては政府内においても認められ、本日そのための法案審議をお願いしているところでありますが、残念ながら日の目を見なかった継続案件も幾つかあります。
 御紹介申し上げますと、一つは家計ミニ貸付制度でございます。いわゆるカードローンといいますか、多少オーバーローンという言い方もあるいは当たるのかもしれませんが、ただこの家計ミニ貸付制度につきましては、純粋な与信業務への進出は民業圧迫につながるのではないかどうかという点が議論になりまして、壁を越えることはできませんでした。
 それからもう一つは、これは十数年来の要求でございますが、シルバープラン貯金でございます。一般の総額制限額とは別に別枠で一千万円まで限度額を拡大したいという内容と、それから軽減税率を適用を続けるという内容を加味して十数年来要求してまいっております。高齢化時代を迎えて時宜を得た施策と私どもは思っておるんですが、特に利子課税制度の例外扱いは今の段階で抜本的な検討はできないということが大きな原因だと私自身は思っておりますが、やはり壁を越えることはできませんでした。ちなみに、財政当局はこの利子課税制度の問題というのは平成五年の税制改正で抜本改正に取り組むと、一般的にはそういう言い方をされておるようでございます。
 それからもう一つは、給与振り込みの取り扱い等の改善で、端的に申し上げますと国家公務員の皆さんの給与振り込みが郵便局にはできない。いわゆる予決令といいますか等の規定ぶりの関係もあるいはあるのかもしれませんが、従前からいろいろ事務折衝をやってまいりましたけれども、これもまだ未解決であります。ただ、この給与振り込みの取り扱いの改善というのは、考えてみますと、予算折衝で要求しなくても日常的にやはりネゴシエーションができるテーマであろうというふうに理解して、そのように今後取り組んでまいります。
 それから、運用関係で郵貯資金による地方公共団体の融資が、やはりこれも何年か要求してまいっておりますが、まだ日の目を見ておりません。
 等々の状況でございまして、いろいろやはり内容折衝に当たっては政府内部でも相手方のあることでありまして、私どもの言い分どおりなかなかまいらないのは毎年の常ではございますけれども、ただ私どもとしては、今申し上げたようなテーマにつきましては合理的に説得でき得るものというふうに考えて、今後も力を入れて継続的に折衝してまいりたい。
 ただ、その中で従来打ち出しております私どもの施策内容がどうしても理解を得にくい。私どもの努力不足があるいはあるのかもしれませんが、であれば、その内容にさらに検討を加えて、磨きをかけて、引き続き実現に努力してまいりたいという考えでございます。
#81
○陣内孝雄君 お聞きしますと、多様化する国民のニーズにこたえるために、とりわけ長寿社会に対応するために大変大事な施策がまだ取り残されておるというふうに思うわけでございますけれども、今力強い決意をもって臨むということでございますから、ぜひ実現をしていただきたい、私どももまたそのために努力しなければならない、このように考えた次第でございます。よろしくお願いいたします。
 次に、金融の自由化が進んでまいりますといろいろ競争が激化する。そういう中で、金融自由化対策資金というのが大事な役割を果たしていくだろうと思います。
 それで、これについての現状と今後の見通しはどうなっておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#82
○政府委員(松野春樹君) 御説明申し上げます。
 金融自由化対策資金と申します資金は、昭和六十二年度に設けられた制度でございまして、これは当時において、やはり郵便貯金事業が金融自由化に適切に対応していかにゃいかぬ、健全な事業経営を確保していかなければならないということを目的として設けられた制度であります。
 その運用の残高でございますが、本年度末で、したがいまして本三月末で十一兆円になります。平成三年度末で、これは来年度末、したがって来年の三月末でございますが、十五兆円に達する見込みであります。これで一応制度創設以来、最初に計画された五カ年が一応終わるわけで、この後をどうするかという問題がことしの課題になります。
 この運用につきましては、これもう当然のことでありますが、有利確実な運用に努めてまいっておりますが、昭和六十二年度に始めて平成元年度までの三年間で累績で申し上げますと九百十億円の運用益を確保しております。この九百十億円はそのまま勘定の中に累積黒字として今残してございます。
 平成二年度でございますが、実は湾岸情勢その他の周囲の情勢がありまして、この主たる運用対象であります債券相場が長い期間にわたりまして低迷いたしておりました。そのこと等のために、この運用益の確保が従来以上になかなかシビアになってまいってきておるわけであります。その中で担当職員挙げまして、この相場の動向等見きわめながら、またいろいろな外部からの適切なアドバイス等も受けながら、極力利回りのよい債券への投資とか、あるいは本年度から運用を始めましたいわゆる債券貸し付け、手元に置いてある国債を、昨年の法改正でお認めいただきました国債を又貸ししまして利ざやを得るというふうなことも積極的に行うなどしまして、ことしの予算で見込んだ運用益は当初予算で四百十一億円でありますが、これは十分確保できるのではないかというふうに現時点では判断しております。
 今後もいろいろこの有利運用、確実な運用につきましては努力してまいる所存でございます。
#83
○陣内孝雄君 金融自由化対策資金の運用益を使わなくても済めばこれにこしたことはないわけでございますが、使う必要が出てくるようになってくるだろうとは思うわけでございます。したがって、私はこれの充実といいますか、平成四年度以降におきましてもさらにこれの規模の拡大といいますか、こういうものを図っていく必要があるんじゃないかと考えるわけでございます。
 郵便貯金事業が金融自由化に適切に対応できるようにするため、どのようにその規模の拡大をお考えになっておるのかお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
#84
○政府委員(松野春樹君) 先生の最初にお触れになりました、今私ども一般勘定と先ほど申し上げました自由化勘定と二つ持っておりますが、現在のところ幸いにもこの自由化勘定の方の累績黒字はそのままその勘定に残してございます。これは、本体の一般勘定の方が平成元年度末の決算では累積で若干の、二十六億でありましたか赤字ではございますけれども、今年度三千数百億の黒子予算で、損益勘定は黒字ということで今の年度が間もなく終わろうとしておるんですが、予算を上回る大体黒字は損益ベースでは確保できるであろうということで、本体の方も累積も含めて黒字に今年度末で恐らくなるということで、先ほどのようにまだ取り崩さなくてもいいという状況でございます。
 しかし、これからどうなるかわかりません。自由化が進展してまいりますと、やはりいろいろなことを早目に考えて、いろいろ手を打ってまいらにゃいけませんので、お尋ねのように、今後第一には、やはり先ほどもちょっと触れましたが、自由化対策資金の運用計画が平成三年度で終わります。したがいまして、来年度予算の概算要求提出時期であることしの夏場までには、この第二ラウンドといったら語弊があるかもしれません。これもまた相手方のあることではありますけれども、ぜひ従来よりも拡大した形でこの自由化対策資金を再スタートさせたいということが一点であります。
 それからもう一点は、やはり同じく運用に絡むことでありますが、そうは言いましても、私ども直接運用に若干拡大しつつあるわけでありますが、やはり資金の大宗は資金運用部の預託利率収入でございます。一たんはすべて資金運用部にお預けするわけであります。これも大事な私どもの役割ではございますが、そこから入ってくる収入につきまして、極力これから生じてまいります自由化に伴う資金調達コストのアップと著しいコストとの関係でのミスマッチが生じないように、何とかいろいろまた改善努力もしていきたい。これも相手方のある話でありますが、政府内部でよく話し合ってまいりたいというふうに考えております。
#85
○陣内孝雄君 終わります。
#86
○星川保松君 郵便貯金の全体は順調に伸びておるようでありますけれども、種類別にこれを見てみますと、伸び悩みというよりもむしろ縮小しておるというものもあるようでございます。
 そこで、種類別に見た場合にどのような状況に現状なっておるかということと、それから伸び悩みあるいは減少しているという分についてはその対策を打っていかなければならない、こう思うわけでありますが、今回の措置もその対策の一つではあると思いますけれども、種類ごとにその現状と対策についてお伺いをいたします。
#87
○政府委員(松野春樹君) 郵便貯金のまず全体の状況でございますが、平成元年度までは郵便貯金全体として順調に増加してまいったところであります。先生御存じのように、平成二年度は定額貯金の大量満期の影響がございまして、昨年の十一月末で年度当初の残高に比べまして、これは営業純増といいますか、純粋の営業ベースでの残高でございますが、約二兆円のマイナスが生じたわけであります。ただ、十二月以降順調に増加してまいりまして、本二月末では八千六百十八億円の現在高のプラスとなっているところであります。
 一方、先生おっしゃいましたように、種類別に見てまいりますと、まず第一に進学積立貯金の問題が出てまいります。やはり民間金融機関の教育ローン等と比較してのこともあろうかと思いますが、昭和五十八年度を境としまして減少傾向をたどっております。平成元年度の新規利用件数は、先ほども私申し述べましたが、七千件にすぎない状況でございます。その結果、平成元年度末の口座数は二万一千件に目減りしてきております。
 もう一つは、住宅積立貯金でございます。住宅積立貯金につきましては預入の限度額がやはりございまして、昭和四十七年に制度がスタートしたわけですが、そのスタート以来、これは私どもの取り組み不足もあるいは反省しなければいかぬかもしれませんが、五十万円に据え置かれたままの状況でございます。この住宅積立貯金も昭和五十一年度と昭和五十二年度をピークといたしまして新規の利用が減少傾向をたどってきております。平成元年度の新規の利用件数は、これも六千件にすぎません。その結果、平成元年度末の口座の数は約三万件という状況でございます。
 そこで、これらの減少しておる貯金につきまして、何としてもやはり国民のニーズにこたえ得るような内容に改正しなければいけないということで、その中の進学積立郵便貯金につきましては、現在制度改善を盛り込んだ法律案の御審議をお願いしているところであります。この結果、進学積立貯金につきましては相当程度改善されるであろうというふうに思っております。
 一方の住宅積立貯金でございますが、私どもも実は何とか五十万円の限度額を二百万円に上げていただきたい。と同時に、住宅金融公庫からの貸し付けを、現在の枠は二百七十五万円でございます。この二百七十五万円の貸付枠を三百五十万円に改善してもらいたいという要求を昨年も出したわけでありますが、これは残念ながら実現を見ておりません。今後、住宅積立貯金につきましても制度の改善と充実、それからやはりPRに努めてまいりたいというふうに存じております。
#88
○星川保松君 次に、預貯金、保険、それから年金というふうにあるわけでありますけれども、それぞれに対する社会的な需要が最近どのように変わってきておるか、その動向をお聞きしたいと思います。
 また、所信表明で大臣が、目まぐるしく社会状況が変わっておる、それに適切な対応をしていくということでありますが、そのことから考えましても、こうした貯蓄そのもの、あるいは保障のついた保険と貯蓄のようなもの、あるいは年金というそれぞれの特徴があるわけですけれども、それらの動向がどのようになってきており、それに対して郵政当局としてはどのような対応をしていこうとなさっておるか、その点についてお聞きしたいと思います。
#89
○国務大臣(関谷勝嗣君) 事務的なことはまた後ほど局長から述べてもらいますが、預貯金と生命保険、そして年金における最近の社会的な需要でございますが、国民の需要は極めて大きい状態にあります。日本銀行発表の個人貯蓄速報を見てみますと、平成二年九月時点で預貯金の残高が、前年同期で比べてみますと貯金が一〇・六%伸びております。保険が同じく一三・七%伸びておるというようなことでございますから、国民の皆様方の需要は非常に大きなものがあると認識をいたしております。
 したがいまして、社会経済環境が大きく変わってきております。国内的には言うに及ばず国際的にも大きく変わってきておるわけでございますから、その中で個人の金融に対します要求は一層先生御指摘のように多様化いたしましょうし、また高度化してくるわけでございますから、今後これに的確に対処をしていきたいと思っております。
 また、最も国民に身近な金融サービス機関である郵便局における貯金あるいは簡保・年金、そういうものを通して国民のニーズに的確に対応するためには、何といいましてもいわゆる新しい時代に対応した商品、したがいまして先生が先ほどおっしゃいましたように、今までの簡易保険だけではなくしてそれに年金を掛け合わす、御承知のように一本化したわけでございますが、そういうようなものを開発していっております。また、新しいものも考えていかなければならないと思っておりますが、国民の経済生活の安定に引き続き貢献をしていくべく努力を行います。
#90
○政府委員(松野春樹君) 先生の今お尋ねになった点の個人貯蓄の実績を金融機関の業態別、残高別で見たらどんなシェアになっておるんだろうかということでございます。預貯金が、これは郵便貯金も銀行も信用金庫も農協も一切入るわけでございますが、そのシェアは全体を一〇〇としますと、平成二年の九月では六一・八%、少しではありますけれども持ち直してきておるといいますか、預貯金が少し平成二年に入ってから持ち直してきておるというデータであります。ちなみに、平成元年では六一・四%でありました。
 それから一方、例えば先生御指摘の保険でありますが、保険のシェアを見てまいりますと、平成元年には全体の貯蓄の中で二〇・一%ありましたものが二年の九月段階では二〇・四%、やはりシェアの数字を見ましても、預貯金も保険の分野も若干平成元年から二年にかけては伸びつつあるということが御理解いただけるかと思います。
 なお、私ども郵政省の中で私は貯金事業を担当しておるわけでありますが、お隣にやはり簡易生命保険事業があります。この二つの事業を組み合わせた新しい商品ができないか日夜頭を痛めておるのでありますが、既にこれは数年前になりますか、国債養老保険、私どもの国債から出る利子でもって簡易保険の養老保険に加入できるというセット商品が出ております。余り売れ行きがよくないのでありますけれども、これからこういう複合商品につきまして、保険と貯金のいわば代表的な事業が二つ身近にありますので、いろいろ創意工夫してまいりたいというふうに思っております。
#91
○星川保松君 次に、いわゆる金利の自由化ということで郵政省も着々と準備をしておられるということでありますが、これは全く我が国の初めて経験することでありますので、ちまたでいろいろ話を聞きますと、どこも大変心配をしておるようでございます。例えば、農協の組合長さんあたりと会いましてもこれが一番心配だということを言っておりますし、労金の皆さんなんかもこれは心配だとか、みんな心配をしておるようであります。ただ、初めてのことでありますので、自由化することによってどういう現象が、環境の変化が起こってくるのか私どもにも全然見当がつかないわけでございます。
 そういう見当がつかないままこういう問題をこれからも私ども論議していくというのも大変心もとないわけでありまして、いわゆる経済現象でありますので、これは諸外国でも日本でも大方似たような現象として起こるのではないかというふうには思われるわけです。そこで、我が国よりも先に金利の自由化をやったところではどういう問題が生じたものか、それを見れば我が国の自由化による、金利の戦国時代みたいになるのか知りませんが、そこでの問題点というのが大体見当がつくのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、そういう実態、外国の場合のことなども把握しておられたらそのことと、今後の我が国で起こる金利自由化に基づく問題点というものをひとつ教えていただきたいと思います。
#92
○政府委員(松野春樹君) 郵政省は、かねてから金利自由化につきましては積極的にこれを推進すべきであるという姿勢で来ております。その理由の一つは、やはり小口預金者の利益を守りたいという考えでございます。
 諸外国の例でありますが、これはいわば金利自由化の陰の面と申し上げてもよろしいかと思います。もちろんこれを防ぐ手はいろいろあるだろうと思うんですが、現実に生じておる問題となるケースを御披露申し上げますと、金利自由化が進展するに伴いまして採算のとれない店舗の撤収等のいわばサービス低下が生じているという現象が一つあります。それから利ざやの縮小。これは自由競争による金利競争が激化した反映だろうと思うんですが、企業から見た場合、利ざやが縮小して金利リスクが増大することによって経営が大変圧迫されるというふうな現象が見られているようでございます。今後我が国におきましても、この金利自由化が進んでまいりますとやはり同様の問題が生じてくる可能性というものが十分あるのであろうと思います。
 そこで、郵便貯金でございますが、簡易で確実な貯蓄手段をあまねく公平に全国的に提供すると法律でも目的に明記いたしてございます。郵便貯金といたしましては、こういう中でやはり利用者のニーズに応じた商品、サービスの提供に努めることはもちろんでありますけれども、サービスの低下を来すことのないようやはり十分注意を払い、また努力してまいらねばいかぬのであろうというふうに思います。
 一方、やはり郵便貯金におきましても資金調達コストの上昇という側面は出てまいるであろうと覚悟いたしております。その中で健全経営を維持していかにゃいかぬわけでございますが、朝ほど来いろいろ御議論もございますが、自主運用の拡充問題であるとか、資金運用部への預託金に対する利率の改善問題であるとか、あるいは我が事業内部における例えば資産とか負債の管理機能をもっと充実しなければいけないとか、あるいはオンラインをより高度にして少なくとも経営情報がスピーディーに集計できる体制、あるいは第一線で汗を流しておられる営業マンの方々に速やかに経営情報が届けられるとかというふうな点等も含めまして、経営基盤の強化にこれは従来にも増して本当に真剣に取り組んでまいる必要があるというふうに思っております。そのために現在いろいろな打ち合わせ、その他内部で研究会等も含めまして対策を講じつつあるところでございます。
#93
○星川保松君 郵便貯金の方は民間の方の平均というような話でありますが、民間の方は自由化ということになりますればかなり効率的な投資を行って少しでも金利を上げて預金を獲得しようということに躍起になる、こう思うんですね。そうした場合に一つの見通しとして、郵便貯金の方は民間の平均ということを目標にした場合に、これはそのぐらいならやすやすとやっていけるというふうにお考えか、これはかなりきついものであるというふうにお考えか、その心構えのほどをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#94
○政府委員(松野春樹君) 昨年の年末交渉で大蔵当局といろいろこの金利決定の問題につきまして議論しましたときにも今の点が話題になりました。
 郵便貯金はかねてから、この自由化いかんにかかわらず、やはり民間の動向にも配意してという条項は法律に明記してございます。しかし、この自由化後一体どういう金利状況になるのかという点につきましては、私どもはもちろんでありますが、大蔵当局も各金融機関もだれもわかりません。例えばことしの十月とか十一月、秋以降三百万円以上の定期性預金が自由化になった際にどんな金利決定になるだろう、だれもわからない。これはもう当然のことだろうと思います。ですから自由化であるというふうなことでございます。
 その際に、やはり今日本の国土あるいはもろもろの経済情勢ということもありますが、地域的にどんなふうな状況になるのであろうかという点も議論になりました。これもよくわかりませんが、一般的には中小金融機関という言い方をされておるようでありますが、例えば第二地銀あるいは信用金庫、農協さん、その他各地域で活躍されておる金融機関がございます。こういうところがどういうふうな金利をつけるかによっては、日本の各県別というのはなかなか差は出てまいらないと思いますが、場合によるとある地域の金利が少し異常値を示すというようなことが必ずしもないとは言えない。その場合にどうするかというふうなことも寄り寄り話し合ったわけであります。
 したがいまして、先生おっしゃいますように、全体としては調達コストが上がるらしいということは私ども認識しておりますが、その金利が果たして私どもが耐え得るかどうかという点につきましては、今のところ具体的な答えというものは用意してございません。ただ、出と入りがございますので、お客様に支払う金利が高くなりました場合には一方の運用収入の方を市場実勢に近づけてバランスをとる、そのかわり郵便貯金がむちゃくちゃな金利をつけることは行いませんというふうなことで昨年の話し合いを進めたわけであります。
 一言つけ加えますと、現在郵便貯金は民間の金融機関と直接会話をする場は持っていないわけでございます。全銀協さんの組織に私ども参加していないわけでありますが、これからは特に各地域におきまして、例えば東北なら東北地方ということで、それぞれの中小も含めまして地場の金融機関の方々の代表者と郵政局、それに財務局も入っていただいてコミュニケーションの場を設定しようということで、これもその中で了解を見ております。やはりこういう率直に話し合う場が官業、民業を問わず出てくることは自由化を迎えて必要なことでもありますし、私大変その効果について期待をしておるところでございます。
#95
○星川保松君 次に、いわゆる外貨の両替のことについてお尋ねしたいと思います。
 郵便局で外貨の両替をするということを聞いたその瞬間、だれもが、おや、これは郵便局もやるものだという極めて斬新な試みとして受けとめた、こう思うんですね。ただしかし、それが百局ぐらいだということを聞いたときに、だれしもがかなりがっかりしたんではないか、こう思うわけです。
 百局ということになりますとどういうことになるのかわかりませんが、各県一局ぐらいかな、そして都市部には複数局と取り扱いがなっていくのかななんというようなことも考えるわけであります。そうなりますと、津々浦々というのが郵便局の売り物でありますけれども、どうもそれに沿わないような感じがするわけでありますが、この百局の設置基準といいますか、それはどのようにお考えでしょうか。
#96
○政府委員(松野春樹君) 現在、私どもで国際郵便為替でありますとか国際郵便振替のいわゆる国際送金の取り扱いをやっております郵便局が全国で約五千七百局ございます。全体の郵便局数は二万四千局でありますが、五千七百局で既に明治以来国際送金業務のノーハウを持っておるところであります。
 そこで、一義的には実施局はそれらの局の中から選びたいということがございます。ただ百局でございますから、これをどうするかということでありますが、抽象的にもし基準ということで申し上げますと、これは当然のことでありますが、外貨両替等のサービスに対するニーズにできるだけ対応した形で局を選びたい。それから、極力全国的に配置して一部地域に偏らないようにしたいということであります。これもうちょっと砕いて御説明申し上げますと、例えば都市部とそれから地方部といいますか、それから普通局と特定局というふうにバラエティーに富んだ取扱郵便局を選定してまいりたいと思います。
 この百局はいずれにいたしましてもまだ途上でありまして、また来年以降も逐次ふやしてまいる予定でありますけれども、当面の今年度予定しております百局につきましては、以上の考えのもとに実際には大規模郵便局から何局か選ぶ。それから中規模といいますか、地方のいわゆる中都市の局。それからそれよりもさらに規模は小さいんですが、地域で例えば交通の要衝にあるような局とかというふうなことを、規模別に三段階ぐらいのものをいろいろ工夫をしてまいりたい。そこからまた私どもも生きたデータを収集して、初めてやる事業でありますので今後の置局をふやすときの参考、お客さんのニーズに真に合致しているかどうかという、また貴重な資料を得るためのよすがにもしたいというふうに考えておるところでございます。具体的な局名を現段階ではまだ決める段階まで至っておりませんので、恐縮でありますが以上のような考えでございます。
#97
○星川保松君 これは、例えば民間の銀行のような場合は、銀行の本店では即時両替をする。それで支店の場合は、申し込みをしておきますと翌日あたりに手配をしてくれるということになっておるようですけれども、そういう取り次ぎみたいなことも、まずこれはできないということなんでしょうか。
#98
○政府委員(松野春樹君) 大変御示唆に富んだ御指摘だろうと思うんですが、現在のところ各郵便局ごとに両替商の承認を大蔵省から得るという仕組みでありまして、対お客さんとの関係で窓口業務としてはさてどうであろうか。私ちょっと今ここで有権的にお答え申し上げられませんけれども、多分難しいのではないかと思います。ただ、事実上の取り扱い、何といいますか、連絡事務みたいなことについて可能かどうか、これはもう少し勉強させていただきたいと存じます。
#99
○星川保松君 最後に、国際ボランティア貯金のことについてお尋ねをしたいと思いますが、これは貯金をしながら国際ボランティアに参加できるということで極めて評判もいい貯金のようでございます。いよいよその利子の配分に入る段階ではないかと思いますが、配分の際はどのような配分基準でやる方針でありますか、そのことについてお尋ねをいたします。
#100
○政府委員(松野春樹君) 一月からスタートしまして二月末現在で約百六十九万件という推計値でありますが、大変なお力添えをいただいております。現在、三月から四月の十五日までということで団体募集、公募をいたしております。これはまだその途中でございます。
 そこで、寄附金の配分でございますが、配分を希望する団体及び事業案件を公募いたしまして、今後は郵政省において審査した後、関係省庁と協議の上郵政審議会にお諮りしていかにすべきか決定するというスケジュールになるわけであります。その審査の段階での方針につきまして現在まだ細目につきましては検討しているところでありますが、どういう分野に重点を置くかという点につきましては、例えば食料、それから医療という面、それから人材育成、これらの三点を基礎的生活分野と言わしていただければ、その食料、医療、人材育成等の基礎的生活分野を一つの重点として考えたい。それから、難民の救援あるいは環境の保全に関する事業にも重点を置いて判断してまいりたいということを考えております。
 いずれにいたしましても、預金者の善意の寄附金を配分することになりますので、それにふさわしい援助事業への配分を基本として対処してまいりたいと存じております。
#101
○星川保松君 その配分の仕方によってそれをまた理解する人々がこの貯金に参加をしてくださるということの一つのPRにもなると思いますので、慎重にしかも有効にそれを配分していただきたいということを要望いたしまして、終わります。
#102
○鶴岡洋君 法案の審議なのでダブるところが大変ありますけれども、それは御勘弁願いたいと思います。
 最初に、大臣にお伺いします。先ほど及川さんの方からお話がありましたんですが、郵便貯金の預入限度額が今度一千万にこの法律ではなるということでございますけれども、銀行協会の反対といいますか、全国銀行協会連合会では、これは新聞で見たんですけれども、「本来民間金融機関の補完に徹すべき郵貯の肥大化につなが」る。また全国地方銀行協会では、「都銀と競合する金利を郵貯が地方に持ち込めば、地方金融機関の経営は立ち行かなくなる」と、こういう官業の肥大化に対するいわゆる業界団体の反対といいますか、これ強いようでございます。この点について大臣としてどんな考え方を持っておられるか、まず最初にお伺いいたします。
#103
○国務大臣(関谷勝嗣君) 民間金融機関におきましては預入限度額という制限もございません。また、自由金利商品で大変大口の定期預金など各種高利回りの商品を提供して多額の資金を吸収しておるわけでございます。個人の預貯金に占める割合を見ましても、郵貯が二九・三%という割合であります。そういうような状況を踏まえてみれば、今回の預入限度額を一千万円に引き上げることは民間の金融機関とのトータルバランスを図る観点からも私はやはり必要なことであり、郵便貯金が肥大化して民業を圧迫するということは到底私たちは考えられないことと思っております。
 そういうようなことで、実際に圧迫というようなことが現実問題として起こるということを私は想像もしておりませんが、先ほど局長の答弁の中にもありましたように、それぞれの立場で特異性を発揮してお互いが競争をしていき、預金者の利益につながるように運営をやっていこうというようなことでございまして、これはそれぞれの立場で今日までも話し合いも行ってきておりますので、私は話し合っていけば十分にお互いに納得して運営をしていくことができると確信をいたしております。
#104
○鶴岡洋君 大臣は民業圧迫は考えられないと、こういうお話ですけれども、三百万から五百万、五百万から七百万、今度は一千万、こういうことで今日まで来たんですけれども、私が考えるのは、片方は青天井、片方は今言ったように三百万から五百万と、こういう形で来ているわけです。
 これは、それぞれの出発点ですか、それも私は承知しております。いわゆる庶民金融ということで出発したということも承知しておりますし、またいわゆる政府のやることとそれから民間のやること、この事業目的ですか、これも違うということも承知はしておりますけれども、私はもうそういう時代ではない、こういうふうに思うんです。金利の自由化の話も先ほどからたくさん出ておりますけれども、そういうことを考えれば、もう一千万でとめるとか、限度額を一千万円にするとかという時代ではないんではないかなと、こういうふうに考えるわけです。
 そこで、七百万が一千万になった、したという理由ではなくて、聞く話によると一千二百万という希望があったけれども一千万になったと、逆ですけれども、その理由を明確に聞かせていただきたいんです。
#105
○政府委員(松野春樹君) 当初、平成三年度予算要求におきましては、ただいま御指摘のように、一千二百万円の引き上げを要求したわけであります。
 私どもその時点で参考としてそろえました資料は、朝方も申し上げましたが、日本銀行貯蓄広報中央委員会の平成二年度の数字がございまして、貯蓄に関する世論調査でございますが、一世帯当たりの平均貯蓄保有額が一千百万円程度、一世帯当たりの平均貯蓄目標額が二千四百万円程度。一世帯当たりで貯金を実際に行う家族の方を仮に二人とすれば、二千四百万円だとちょうど一千二百万円になるかなと。これはもう全く手前みそでありますが、一千二百万円のその背景となる国民の皆さん方の平均貯蓄保有額、希望データなども参考にしたつもりであります。ただ、交渉の過程で七百万円から一千二百万はいかにも上げ幅が多過ぎるというふうなやりとりもございました。
 結果的に一千万円ということになりました背景には、私どもからいたしまして、これは要求を出しておって何事であるかと言われるとそれまででありますが、やはり昨年一年間ずっとV90問題といいますか、集中満期対策をやってまいりました。特に四月から五月にかけましては、いわゆる民間の大口定期預金一千万円以上、現在これが自由金利商品でありますが、大変大きくシフトしていたな、満期の預金がシフトしたなと、実は体験的な経験がありました。何とか現在の自由金利商品である一千万円という区切りのところへ手が届いたかなということで、実はこれでやむを得ないということに私どもとしてはなったわけであります。もっとも、利用者の方々あるいは本来預入限度額というものを郵貯の場合どう見るかという御議論はまた別に十分あり得ることではありますが、今回の一千万円につきましてはいろいろな環境、諸般の情勢を勘案した場合に、一応政府案としてはまずまずのまとまりであったかなというふうに考えておるところでございます。
#106
○鶴岡洋君 トータルバランスというか、そういう諸状況を踏まえてやむを得ないと。私が先ほど言いましたように、最初から片方は青天井で片方は制限をつけるというのは、それじゃ金利の面でどうかと言えばそんなに違うわけではないし、それだけ有利であるかどうかということもこれは変わりないわけです。やはりこういう時代になって金融の自由化なんという問題が、特にこれは大きな問題に関連してくるわけですから、私は一千万と言わないで一千五百万なり二千万なりにすべきだと、こういう意見を持っております。
 いずれにしても、国民の利便とか国民へのサービスということが主目的になっている郵政省の立場ですから、その辺を勘案して元気に頑張っていただきたい、こういうふうにお願いをしておきたいんです。
 その次は、この秋から三百万円以上のいわゆる定期預金金利の自由化、けさほどからお話たくさんございましたけれども、このメリット、デメリット、これはあると思います。郵政省としては、この三百万円以上のいわゆる定期預金の金利の自由化に向かって預金者のニーズへの対応、また金利の自由化への対応、今後この制度について改善策を何か具体的に考えておられるかどうか、この点についてお伺いいたします。
#107
○政府委員(松野春樹君) 先生御指摘のとおり、金利自由化へ向けまして従来から、例えば金利自由化対策資金の制度をつくるとかそれなりの手を打ってまいっておるわけでありますが、いよいよ金利自由化を間近に控えまして、けさ方も御説明申し上げましたが、本年四月からMMC貯金の最低預入金額が五十万円に引き下がります。それから、本年秋からは三百万円以上の定期郵便貯金金利が自由化されます。したがって、この自由化された定期郵便貯金につきましては、この金利面で利用者の方にどういうふうな魅力のある商品をつくるかということが一つの大きな課題になろうかと思います。
 それから、関連しまして、もろもろのサービスにおきましてもやはり心してまいらにゃいけないということで、現在お願いしております法案御審議の中で、先ほども話に出ました預入限度額につきまして七百万円から一千万円に、それから外貨両替業務あるいは進学積み立て、それからゆうゆうローンの改善というふうなことを平成三年度において実施させていただきたいということで制度改善をお願いしておるわけでございます。
 ただ、この種の制度改善と並行して、私ども事業を推進する立場から、この自由化が単に価格面での金利競争だけでは甚だ次元の低いものになりかねない。やはりそこに本当の意味でお客様に対するサービスの深まりみたいなものを事業として考えていかにゃいかぬだろう。単に金利の競争だけで自由化を乗り切ろうとしてもそれはなかなか難しいことであろう。総合的なサービスについてどういうふうにこれから取り組んでいくか、やはり研究していかにゃいかぬと覚悟しておるところでございます。
 いずれにしましても、競争がいろいろ激しくなってまいります。激しくなってまいりますけれども、何とかこの自由化の流れの中で取り残されないように、制度改善も含めて今後ともひとつしっかり勉強してまいりたいと思います。
#108
○鶴岡洋君 次に、金融自由化対策資金でございますけれども、これは六十二年ですか新規運用額二兆円で始まって、毎年五千億、平成三年で十五兆円ですか。現在までの運用状況というか内容、それから運用枠の拡大を含めて平成四年度からどうするのか、計画について見通しをまずお伺いしたいし、これからこの運用のあり方、資金運用の対象の拡大、この点はずっと五千億で来ましたけれども、これもこのままいくのかどうなのか、この辺はどのように考えておられますか。
#109
○政府委員(松野春樹君) 昭和六十二年度にこの金融自由化対策資金の制度がスタートしまして、平成元年度までの三年間の累積は九百十億円の黒字でございました。現在これが金融自由化対策特別勘定にそのまま累積されてございます。平成二年度は、先ほどもお尋ねがございましたが、湾岸情勢その他で債券相場が低迷するなどなかなか難しい情勢がございましたけれども、本年度の予算目標であります運用益四百十一億円につきましては、これは確保できる見通しが現在のところ立ってございます。
 これからいよいよ平成四年度以降の金融自由化対策資金をどうするか、ことしの概算要求時までにやはり省としても考え方をまとめる必要がございます。まだ検討過程ではありますが、やはり昭和六十二年から平成三年度までの五カ年計画の枠組みをにらみながら、できる限りそれを拡大してまいる方向で成案を得たいということで、現在内部で検討いたしております。
 一方、この自由化対策資金の資金としてのその状況とは別に、先生おっしゃいましたように、今後その運用対象をやはり拡大していかなければいけない、またそういう希望を私ども持っております。これも政府内部での相手方とのいろいろな折衝がありまして、必ずしも私どもの思惑どおりには簡単には進まないわけではございますけれども、例えば懸案でまだ解決しておりません地方公共団体及び第三セクターへの融資問題が残っております。これは郵便貯金資金の地域還元として今後も取り組んでまいりたいと思います。
 それから、最近ここ二、三年間でありますが、大きく民間のマーケットが、市場が育ってきた分野でいわゆる先物オプション取引という分野があります。それから、手形でありますがコマーシャルペーパー市場というふうなものもございます。郵貯資金のように大変大きな資金がまだ未成熟の市場に参加しますと大変市場が混乱いたしますので、極力市場の成熟を待ってから合理的な範囲でできるだけ運用対象を拡大したいという考えで従前から取り組んでおるわけでありますが、こういう先物オプション取引やコマーシャルペーパー市場等についていかがなものであろうかということで、これを今後また次の予算時の要求でどう扱うかについて今懸命に詰めているところでございます。
 今後の運用対象の拡大につきましては、そんなふうな点を念頭に置きましてできるだけ努力してまいりますと同時に、やはり自由化になりますとこの運用関係の充実ということが事業の健全経営の維持のためにも不可欠の問題でございますので、広く資金運用部への預託問題も含めながら、ことし一年の大変大きな課題がこの運用問題であるというふうに自覚いたしております。
#110
○鶴岡洋君 これも自由化に伴っての細かい問題かもしれませんけれども、自由化で多様化する郵便貯金の商品の中でいろいろな商品が出てくると思うんです。こういうことについて、今度は利用者側からすれば詳しく説明してもらわないと、いろいろ種類が出てくるわけでございますから、高度な金融知識、営業知識というんですかね、この訓練、それからコンサルティングセールスの養成というんですか、こういうことについて郵政省としては、先ほど人の問題で出てきましたけれども、どうなさいますか。
#111
○政府委員(松野春樹君) これから私どもの事業を推進する上でただいま御指摘いただいた点が大変大きな課題として出てまいっております。単に郵便貯金の商品を販売するといいますか、セールスするということだけでは昨今の利用者の方々のニーズには的確に対応できないという基本的な認識を持っております。やはりこれからのセールスは、金融商品でありますとかあるいは場合によればお客様の資産運用、生活設計等のお客様からの相談に対しましてわかりやすく親切なアドバイスができないとセールスにならない。したがいまして、私どもとしましてもそういうコンサルティングセールス等セールスの技術を身につけた職員の育成ということが大変重要なテーマになっておるわけであります。
 もちろん、各種の日々の会議等でこのコンサルティングセールス技能の習得につきまして指導を行っておることはあるわけでありますが、私大変力を入れておりますのは、これは通信講座でありますけれども、為替貯金事業職員を対象にいたしまして郵便貯金の、略しますとFAでありますが、ファイナンシャルアドバイザー通信講座を今年度から実施しているわけであります。本年度は約一万人が受講をしたところでございまして、しかもそのうち女性の方が約三割の状況であります。来年度はさらに拡充してこの通信講座をやってまいりたい。この中から少なからずコンサルティングセールス技能を身につけた職員が誕生してくれるであろうということを今期待しておるわけでございます。
 一方、もう少し身近な直接的なセールス技術、セールス技術指導官という制度もありまして、これは全国で二百六名の職員を配置してあります。これは、郵政局と郵便局を兼務していただいて、専ら郵便局に駐在して具体的な現実的なセールス技術指導に当たっていただいておるという制度であります。
 おっしゃいますとおり、事業が人である、事業は人なりという格言がそのまま私どもの事業に当てはまります。これからもこの人材育成には積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
#112
○鶴岡洋君 預金者貸し付けの制度、いわゆるゆうゆうローンというんですか、この内容について、具体的な仕組み、限度額、貸付制度はどうなっていますか。
#113
○政府委員(松野春樹君) このいわゆるゆうゆうローンの仕組みは、昭和四十八年一月に創設されました。この目的は貯金を担保として必要な資金を貸し付ける、いわゆる担保ローンでございます。
 制度の具体的な仕組みをかいつまんで申し上げますと、この対象となります貯金は定額郵便貯金それから定期郵便貯金または積立郵便貯金、この三つの貯金の種類でございます。この三つの貯金について担保となり得るということであります。
 一方、貸し付けの範囲でありますが、担保となる貯金の九割までの範囲内で預金者一人につきまして二百万円を限度額として貸し付けを行える内容であります。
 それから、貸付期間でありますが、現在のところ貸付期間は一年三月であるということでありますが、政令レベルの改正で対処可能でありますが、今回この貸付期間につきましては二年に改善する予定で今検討を進めております。
 それから、貸付利率の問題があるんでありますが、担保とする貯金の利率に〇・二五%を足したものを貸付利率といたします。ただ、MMCといいますか定期貯金につきましては、〇・五%を加えた利率ということになっております。これは、もとの商品の金利のレベルを考えての貸付利率の設定でございます。
 いずれにいたしましても、ゆうゆうローンという愛称で親しまれて広く定着してきているというふうに認識いたしております。
#114
○鶴岡洋君 預金を担保に借りるわけですけれども、この利用状況というのは多少はふえているようでございますけれども、私が申し上げたいのはいわゆる貸付限度額二百万ですか、が上限であるわけです。今回のこの法案で貯金の限度額が七百万から一千万になるわけでございますから、この貸し付けの限度額についても預金者のサービスの拡大ということで私は増額したらどうかな、こういうふうに思うんですけれども、これは技術的には難しいんですか。
#115
○政府委員(松野春樹君) 先ほどの一人につきまして二百万円にまで、いろいろな過去の経緯があるんですが、改善されましたのは昭和六十二年度でございます。平成三年度予算要求におきましては、担保とする貯金の範囲内という制約があるんでありますから、この二百万円という制限を撤廃してもらいたいという要求を事務的には行ったところでありますが、残念ながら実現に至らなかった次第でございます。
 相手方の主張点でありますが、このゆうゆうローンを創設した趣旨と申しますのが一時的なしのぎといいますか、その域を超えてしまう、あるいはそれがいいのか悪いのかというふうな議論を事務担当者同士では盛んに議論をしておったように記憶いたしております。その問題が、昨年の年末について言いますると、引き続きまだネックになっていたのかなというふうに感じております。ただ、私どもこれからも引き続きこの問題について要求してまいりたいと思いますが、やはりこの二百万円の制限の撤廃は、担保となる貯金がある以上、これは取り払ってしかるべきではないかなという立場で今後も継続して折衝してまいりたいと存じます。
#116
○鶴岡洋君 次は、進学積立郵便貯金についてお伺いします。
 進学積立郵便貯金の改善ということで、貯蓄目的の対象を今度進学に必要な資金から教育を受けるための必要な資金と、こういうことでございます。この進学積立郵便貯金の創設の審査のときに、利用者の利便を図るため特別の配慮を払うようにという附帯決議がここについておるんですけれども、利用の状況を見てみますと、昭和五十八年ごろから徐々に減少傾向にあるわけです。住宅積立貯金、これも減少傾向にある。同じようなものですけれども、郵政省はこの状況についてどういうふうに分析をされておられるのか。
 私は借りてはいませんですが、手続がこれは問題じゃないかなとも思うし、金利ももっと安くすればということにもなるんじゃないかなとも思います。いずれにしても、減っているということは利用者が少ないということですから、創設した意義が余り生かされていない、断定はできませんけれども、こういうふうにも思うんですが、この分析はどういうふうにされておりますか。
#117
○政府委員(松野春樹君) 突き詰めて申し上げますると、先生のおっしゃるように、現在のところ私どもの扱っております進学積立郵便貯金そのものが、いろいろな内容を総合して勘案すると、国民の皆さん方に余り魅力がないということを言わざるを得ないだろうと思います。ただ、置かれております環境からいいますと、やはりこの間、民間金融機関のいわゆる教育ローンというのが大変創意工夫を凝らして、むしろ相当程度前を走っておられる。貸付金利につきましては、なるほど国民金融公庫の進学資金貸し付けの方が金利は若干安いわけでございますけれども、やはり民間の方は民間らしく多様でかつ簡便な教育ローンを提供するようになったということも原因の一つにあるのであろうと思います。
 そこで、今回はやはりこの進学積立郵便貯金につきまして大変問題意識を私どもとしても持ちまして、内容的にはお願いしております法律レベルの改正点とそれから政令あるいは省令レベルで改正できる点とそれぞれございますけれども、例えば私どもの積立貯金の限度額を、百八万円でありますのをこれを百五十万円に、これは省令レベルの改正で対応できます。というふうな点等も含めまして、ひとつ何とかもう少し進学積立郵便貯金を御利用いただきたいなということで、一応現時点で考えられるこの制度の相当程度、抜本的改善と言うとあるいは手前みそ過ぎるかもしれませんが、改善を図る計画を今進めておるつもりでございます。
 この制度の特徴につきましてまだまだ生かし切っておらない点もありますので、引き続き一層のPR等も含めまして今後取り組んでまいりたいというふうに存じております。
#118
○鶴岡洋君 ちょっと私わからないのでお聞きしますけれども、細かいことで大変恐縮ですけれども、進学資金の現在やっているあれですね、これで受験にかかわる宿泊費、交通費、それからその他入学時に必要な費用、例えば下宿、アパートの敷金、礼金、こういうのは何か証明かなんか要るんですか。
#119
○政府委員(松野春樹君) 何か簡単な証明が必要だということでございます。
#120
○鶴岡洋君 今度こういうふうに改正しても、ちゃんと今までの、現在までの法律からいけば、「預金者又はその親族で学校教育法による高等学校、」、いわゆる学校教育法、昭和二十二年法律第二十六号ですか、こういう枠がきちっとあるんで、下宿をするのに契約の書類が必要であるとか、それから宿泊費の領収書か何か知りませんけれども、そこまでそろえなきゃならないということは、これは手続の複雑さをますます複雑にするんじゃないかな、これだから人気もないし利用者も少ないんじゃないかなと、こういうふうに私は思うんです。
 したがって、今回このように改正してもそういうことを続けてやるということになると恐らくふえないんじゃないかなと、こういうふうにも思うんです。ですから、先ほど言ったように、いわゆる借りるための利用できる方、積立金額はどうのと、全部これは枠があるわけですから、その程度でやれば私はふえるんじゃないかと思うんですけれども、この辺は改善できませんか。
#121
○政府委員(松野春樹君) 少し私自身まだ不勉強な点があるかと思いますが、先生今おっしゃった点も含めまして、そのほかにも手続関係はいろいろあるようでありますので、少し全体として使い勝手のいいようにすべく制度の検討をさせていただきます。
#122
○鶴岡洋君 次は国際ボランティア貯金でございますけれども、ことしの一月四日から実施され、今のところ非常に順調なようでございます。預金者の獲得というんですか、応募者が多いというんですか、本年度分の寄附金の見込み額七億二千万円は早くに達成できると、こういうふうに予想されるんですけれども、今後の問題として配分先、先ほども出ましたけれども民間の海外援助団体、公募等のスケジュールはどういうふうになっているか、その辺をお伺いしたいと思います。
#123
○国務大臣(関谷勝嗣君) 国際ボランティア貯金でございますが、二月の末日で締めましたところ、全国でおおよそ百六十九万件の申し込みをいただいておるようでございまして、先生御指摘のように、金額にいたしますと七億二千万円は達成できると考えておるわけでございます。
 民間海外援助団体の公募をこの三月の一日から始めまして、四月の十五日まで受け付けを行っております。当該団体から申請がございましたら、その援助事業等の内容の審査、そして検討を行った上で関係省庁と協議をいたしまして、郵政審議会へ諮問をいたしまして配分決定を行うということでございまして、配分決定は六月の末を目途といたしております。
 それで、民間海外援助団体の申請を待って行うわけでございますが、これはいろいろなところからの申し込みがあると思うわけでございますが、その内容は厳格にチェックをいたします。先ほど星川先生からも御質問がございましたが、そういうようなことをきちっと行う。そして、預金者の皆様方からそういうところに大切に使っていただいておるかという御判断を、御判断といいましょうか、好評を得るということがまたこの国際ボランティア貯金の額といいましょうか、件数をふやしていくことに直結をしておると思うわけでございまして、この配分につきましては特段に注意を行っていきたいと思っております。
#124
○鶴岡洋君 この問題については、ODAと比較するわけじゃありませんけれども、ODAでもこれはいろいろ問題になっているわけです。額にすれば、この額はそれよりもずっと少ないんですけれども、どちらも有効に使われていかなければこれは困ることでございます。どちらかといえばODAの方は我々のいわゆる税金ということですけれども、これは善意な気持ちで出すわけですから、特にこのチェックについてはきちっとしてもらいたいし、派遣もして調べるというようなお話でございますからそれで結構ですけれども、疑いを持たれるような、また有効に使われないようなことのないようにお願いをしたい、こういうふうに思います。
 そこで、この配分ですけれども、六月の末にそういう慎重審議の結果配分先を決めるんでしょうけれども、ある新聞によると湾岸戦争後の復興対策や難民対策に配分を考える、こういうふうに言っておられますが、この点についてはどうなんですか。
#125
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私は、難民救援等関連の民間援助団体が申請をしてまいりましたら、前向きで検討をしたいと思います。
#126
○鶴岡洋君 それから、郵貯のホリデーサービスの実施ということで、ATM、CDの休日稼働が一部の郵便局で四月七日から行う、こういうことでございます。これは、サービスに伴ういわゆる職員の勤務体制、またこれ人の問題になってきますけれども処遇、この点について郵政省はどんな考えでおられますか。
#127
○政府委員(松野春樹君) 御指摘のように、四月七日から約二千の郵便局でATM、CDを稼働させて郵貯ホリデーサービスを開始いたします。
 そこで、このATM、CDの管理に伴ういろいろな労働力が必要になるわけでありますが、現在の二千の郵便局のうち相当程度規模の大きい局は一局ごとにやはり管理しなきゃいかぬ。したがって、例えば職員が一人出勤するというふうなことが必要になります。また、小局の場合には同一市内のある程度の実施局をグループ化いたしまして、一の集配郵便局において一括管理するというふうなことも考えております。
 一番問題なのはやはり障害が起きた場合にどう対処するかということでありまして、この障害発生に伴い万一停止するようなことがあった場合、その機能回復を操作しなきゃいかぬ。それからもう一つは、これはATM、CDに伴う必然的なことでありますが、現金切れが生じたときにどういうふうに現金を補てんするかというふうな仕事が考えられるわけであります。そのために必要な職員の出勤が当然出てまいるわけであります。一方、郵便局以外におきましても、これのホストコンピューターを担当します計算センターの職員はやはり当然それに対応して出勤が必要となります。
 こういう出勤体制につきましてはそれぞれの部署で適切に対応するわけでありますが、日曜日に出勤した職員につきましては、現在の私どもの労働協約に基づく取り決めでは別の日に週休日を付与するとか、あるいは祝日に勤務することになる職員につきましては祝日給を支給するとかいうことで、他の職員との均衡を失することのないように措置していくことに相なります。
 祝日、日曜日にサービスを提供するために、限られた局ではありますけれども、このように職員の出勤を必要とする部署があるということでありますので、その辺につきまして遺漏のないように、関係の人事部等ともよく連携をとりながら対処してまいりたいと存じます。
#128
○鶴岡洋君 次に、外国通貨の両替及び旅行小切手の売買に関する法律でございますけれども、海外旅行が大変盛んになってきて、出る人も入ってくる人も非常に多くなってきたわけです。
 簡単にお答え願いたいんですけれども、この法律をつくった場合に大体何人ぐらい、郵便局は一応百局でやるということでございますけれども、予想されておられるか。人数ですか、利用する件数ですか、どのぐらい予想しておられるか。平成元年度の観光白書によると、海外に出かけていった旅行者は九百六十六万人、日本に来た人は二百八十三万人、こうなっておりますけれども、そのうちどんな程度に利用されるのか。予想はどうですか。
#129
○政府委員(松野春樹君) ちょうど全国で百局ということになりますと、今民間の店舗数は、両替商及び外国為替公認銀行合わせて大体約一万の店舗がございます。約一%になるわけでありますが、この予測は大変難しい数字でありますけれども、平成三年度の予算におきましては、そのうちこの百局の郵便局において扱う海外渡航者、御利用いただく渡航者の数は約六千人であろうと推定いたしております。取扱高につきましては、外貨、旅行小切手の販売面で約三百八十万ドル、これは日本円に直しますと、百三十五円として為替を計算しまして約五億一千三百万円。それから外貨、旅行小切手の買い取りでございますが、約三十万ドルの利用を見込んでございます。これは邦貨に直しますと四千五十万円になります。
 大変アバウトな数字ではありますが、以上のような想定を現時点でいたしております。
#130
○鶴岡洋君 当面、郵政省は百局でこの外国通貨の両替と旅行小切手、トラベラーズチェックの受託販売、買い取りを実施するようでございます。受託販売ということですから損する得するということはないんでしょうけれども、これは旅行小切手の方に限ってで、現金の方はやはり円高、円安になればこれは変わってくるわけですよね。もう得も出てくる。利益も出てくるだろうし損にもなってくると。円安になった場合には郵便局の両替、郵便局側とすれば利益が出ると、こういうことになるんですけれども、まずどのぐらい一局で金を用意するつもりなのか。また、損というんですかが出てくると思うんですけれども、そういうときの用意というんですか考え方、どうされるのか、この点はどうなんですか。
#131
○政府委員(松野春樹君) 先生も今お触れになりましたけれども、旅行小切手の販売については受託業務でありますから為替リスクは生じません。手数料で……
#132
○鶴岡洋君 手数料だけもうかるわけですな。
#133
○政府委員(松野春樹君) ただ、旅行小切手の買い取りとそれから外貨の両替業務につきましてはお示しのように為替リスクが生じる可能性がございます。これを私ども最小限にやはり抑えにゃいかぬということを基本に考えておりますが、そのためには基本的にはできるだけ短期決済を心がける。極力短期決済に心がける。また、必要最小限の手持ち外貨とする等の事務処理面での工夫努力がやはり基本的には必要になるのであろうと思います。もちろん為替の円安、円高が仮に全くの五分五分でございますと差損と差益でイコールになるわけでございますけれども、ここがよくわかりませんので、具体的にどの程度為替の差損が生ずるかは率直に申し上げましてまだ計算をいたしておりません。
 それから、先ほど申し上げました必要最小限の手持ち外貨という点でありますが、これも私ども現在考えておる一局当たりの配備高ということで御理解をいただきたいと思うんですが、規模別に三段階ぐらい考えております。
 一つは大規模な郵便局、このイメージといたしましては、各郵政局管内で一局程度。中央から外貨等が中継局的に扱える局というイメージでございますが、ここは常備額を一万五千ドル、約二百万円。常備額を約二百万円。
 それから、中規模局でございますが、これはイメージといたしましては地方の中核都市の普通局というイメージでございますが、これが六千ドル、約八十一万円でございましょうか、ぐらいの常備額。これは旅行小切手とそれから外貨両方合わせた額で申し上げております。
 それから、それ以外の小規模局につきましては大体三千ドル、四十万円ぐらいでありますが、を常備しておけば三日間ぐらいはもつのではないか。三日分の常備として考えております。
 この辺の配送につきましてはできるだけきめ細かくやりたいということで、一日当たりの想定掛ける三日分ということで今の常備額を一応現在のところやっておりますが、ただこれは私どもの内部で決めることでありますので、今後の情勢に応じて、もちろんこれ弾力的に頭をやわらかくして対処しなきゃいかぬ問題でありますが、現状はそんなところでございます。
#134
○鶴岡洋君 もちろん、取扱額によっていろんなメリットも出てくるしデメリットも大きくなってくるわけでございますけれども、それはわかりました。そういう柔軟にやるということで私は結構だと思います。
 それよりも何よりも私は心配するのは、最初百局でございますけれども両替をする、サービスをすると、これだけではまだ問題があると思うんです。
 その問題点の一つは、両替する際に日本人ばかりではございませんから、外国人が来た場合にパントマイムと筆談だけではこれはちょっとまずいと思うし、こういう教育はどうするのか。
 それから、トラベラーズチェックの偽造、盗難というのが最近国際化してきたせいかこれも国際化してきて、ちょっと調べたんですけれども多いんですね。最近だと三月二日ですか、偽造旅行小切手を使ったドイツ国籍の男性を逮捕、これは読売新聞です。それから去年の十月、「指名手配の男英国で逮捕か ニセ旅行小切手事件」。まだこれずらずらっとたくさんあるんですけれども、こういう盗難に備えてにせトラベラーズチェックをそういうところでチェックできるのかどうなのか。
 こういうことについて、言葉の問題とにせ問題について非常に最近多くなっているんで、この点は郵政省の方でどういう対策、対応をするのかお聞きしたいんです。
#135
○政府委員(松野春樹君) 御指摘のように、やはり外国語の訓練ということが必要になってまいります。ただ、私ども五千七百局の国際送金局を持っておりまして、既に研修所等の中に語学を中心とした外国為替訓練コースというものも、数はまだ余り多くありませんが実施しております。こういうものも活用していきたいと思います。それから、郵便局段階におきましても、この国際送金の主な取扱局を対象に講習会等を日常的に行っております。これらの場もひとつ外貨両替業務に伴う職員の語学の習得との絡みで活用していきたいと思います。
 もちろん、これらの訓練のほかに、会話のテキストとか英文パンフレット等でぐあいのいいものを作成いたしまして対処しなきゃいけませんし、外国人の利用者の方が窓口に見えるということを当然これは想定してかからにゃいけませんので、遺漏のないように一生懸命やってまいります。
 ただ、私の印象では、私どもよりもむしろ最近の若い青年職員諸君の方が比較的この種の外国語会話には度胸といいますか堪能であるというふうに認識しております。心強く実は思っておるのが現実でございます。省としてもいろいろ配慮してまいります。
 それから、旅行小切手の買い取りの際ですが、これもまことに仰せのとおりの心配がございます。現在のところとにかく見本と照合する、見本と照合して小切手の用紙そのものが偽造であるかないかということと同時に、これも当然のことでありますが、目の前で署名を求めて原署名と一致していることを確認する。これも言わずもがなのことでありますが当然徹底しなきゃいかぬだろうと思います。証明書類も場合によってはパスポート等の提示を求めて本人確認を行うということではありますが、何せ新しい業務でありますので、きょうの御指摘の趣旨も踏まえて、もう一度この実施に当たりましてはこの辺の偽造、盗難等に対する対処方策それから訓練関係につきましてさらに見直して対処してまいりたいと存じます。
#136
○鶴岡洋君 じゃ一言それについて。今一生懸命やる、勉強もする、若い人はいいとか、こういう話でございますけれども、悪いことをするのは計画的にやるわけです。ですから、その辺をよく認識して、そういう事件が例えば起きた場合には、郵政省の方としてサービスのために、皆さんのためにということでやった結果がそういうふうに出てくると逆効果になりますから、その辺も厳重に対処していただきたいし、勉強もしていただきたいし、厳重な注意をしていただきたい、こういうことを申し添えて私の質問を終わります。
#137
○山中郁子君 初めに、法案に即しまして数点お伺いをいたします。けさほど来からの議論と若干重複をすることがあるかもしれませんが、御了解をいただきたい。
 郵便局で旅行小切手や外貨の両替などのサービスを行うということでありますけれども、最近郵便局は随分いろんなことを次から次へなさるのよね。こういうことについて、旅行者がふえて、海外旅行者がふえて需要があるし、それで便利を受ける方もあるし、いわゆるニーズもあるという判断のもとに法案が提案されていることだと思います。私はあえて異を唱えませんけれどね、もう一つはっきりしないなと思うことがいろいろあります。
 最初にお尋ねしたいのですが、取扱局所は大体当面は百局程度と。今お話ありました大規模局、中規模局、小規模局ですか。私が思うには、郵便局でそういう業務が行われると大変便利に思うというところは、常識的に考えると大都市はやたらたくさん銀行があります。そういう事業所があるんですね。だけど、むしろ近くにそういうところがなくて、郵便局はある、それで郵便局でそういうことをしてもらうとありがたいと、こういうニーズはごく常識的に考えられるんですが、その辺のところはどういうふうにお考えでしょうか。
#138
○政府委員(松野春樹君) 私どもこの百局の選定に当たりましては、一つにはやはり国民のニーズがあるということ、やはり大前提としてはこれが一つあろうと思います。ただ、それだけでなくて、それでは利用が多い大都市だけになるのではないかという点にも思いをいたしまして、やはり全国的に配置し、一部地域に偏らないようにしたい。特に大都会だけに偏らないようにしたいということを基本的に思っております。
 その観点から、先ほど申し上げましたように、この大規模局というのは恐らく多分政令都市以上の大都市に一局、各管内一局ずつぐらいでスタートすると思いますが、残りの中規模局あるいは小規模局につきましては、各府県のそれぞれの都市部、あるいは場合によれば地方の都市でなくてもう少しローカルの色彩の強いところでもよろしいわけでありますが、そういうところを選定してまいりたいと思います。
 ただ、何せ百局でありますからきめ細かく、ただいま私が申し上げました方針に沿いまして、満足のいく配置というわけにはまだ到底まいりませんが、第一歩としてはそういうふうな考えで臨みたいと思っております。
#139
○山中郁子君 具体的に県庁所在地は全部カバーなさるというふうにちょっと理解できるんですが、さらにその以外は県庁所在地に次ぐような主要都市というように考えてよろしいわけですか。ということが一つ。
 もう一つ、将来的にこれをふやしていらっしゃるのかどうか、その辺の展望というんですか、その辺はどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#140
○政府委員(松野春樹君) 先ほど申し上げました地方の中核都市、中規模局でございますが、県庁所在地とはこの百局の段階ではまだ私ども必ずしも固定的には考えてございません。しかし、県庁所在地に一局は欲しいなという、実際に郵政局等地元からの御要望が現実には多くなるかもしれませんし、それはそれで十分配慮してまいりたいと思います。
 なお、小規模局と申しました局につきましては、むしろこれは県庁所在地あるいはそれに準ずるような大きな都市以外の地域で、何か小局ではあるけれどもこのサービスについてふさわしい局がないかというふうな観点から弾力的に選んでまいりたいという考えでございます。
 それから、今後のことでありますが、この百局は平成三年度実施予定ということの局でありまして、逐次ではありますが今後毎年ふやしてまいりたいということでございます。ただ、毎年何カ所ずつふやしていくかという点につきましては、今後の折衝次第ということもありますけれども、私どもといたしましては順次ふやしてまいりたいということでございます。
#141
○山中郁子君 それから、先ほど鶴岡委員の御質問に対してのお答えの中で、大体見通しというか、郵政省の方の見込みとして六千人というふうにちょっとおっしゃっていましたね。両替のお金を三百八十万ドルと。幾つかの数字を出されていましたでしょう。ああいうのは、つまりニーズに対する何か根拠、データがあってその辺を、指標をお出しになっているんだと思うんですけれども、それは何か例えば調査をしてあるとか、そんなようなことがあるんでしょうか。
#142
○政府委員(松野春樹君) 多少これは腰だめ的な数字の要素もあるんですけれども、一応計算してございます。例えば、販売面でありますけれども、旅行者数が九百六十六万人であると。実際にあります外為の公認銀行あるいは金融機関、両替店舗等の数も使っております。それから、初年度についてどうであるか。それから、なおかつ私どもの場合には半年間の実施分であるというふうな要素を数式で、ちょっと細かくなりますのでここで私申し上げにくいんですが、計算して六千人という数字をはじいてあります。
 買い取りの方の関係でもやはり旅行者数、特に外国から来ます旅行者数というものを基本に置きまして、日本にございます店舗数、それから私どもの実施しようとしている期間が満一年でなくて年度の途中からでありますので、その辺を計算式に入れまして、買い取りの方は大体一千人ぐらいであるかなというふうな数字を出しております。もし御必要であれば、また後刻この算式はお見せしたいと思います。
#143
○山中郁子君 その辺の算出の根拠を後ほど資料としていただきたいと思います。
 それから、これは当然のことなんですけれども、この仕組みがいわゆる投機行為、投機とつながる側面があるんですよね。もちろん、郵政省がこういう法律をつくることによって投機をするということは考えられないし、それからまた法律上もそういうふうになっていないということではあるんですけれども、その辺のところ、いわゆる為替の差益ですね、それを目標にした投機的な所業につながるようなおそれが全くないということは、郵政省の、国が行う事業ですから、結果がどうであれ、そこのところに何らかのすきがあるとか、可能性があるとか、危険性があるとか、そういうことが万々あってはならないというふうに私は思うので、その点はひとつ大臣から明確な責任ある御見解を伺っておきたいと思います。
#144
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のとおり、これは投機的なことではないわけでございます。いわゆる住民そしてまた旅行者の利便を図るためのものであるということは、この法律案の第一条の目的に明記していることでございまして、その点は間違いなく運営をしていきたいと思います。
#145
○山中郁子君 これも先ほど鶴岡委員の御質問に対して一定のお答えがあったことなんですが、いわゆる差益、差損の問題です。これについてきめ細かくということで、なるべく差益にしろ差損にしろ、問題は差損ですけれども、それが大きく影響しないように、つまりリスクを少なく防ぐようにということで当たりますと、こういうお話でございました。この点の運用をやはり誤れば、今基本的には投機という問題と関係ないけれども、投機は逆にリスクを伴うわけですね。そういう点は実際の運用で三日とおっしゃいましたわね。三日ごとにというふうにおっしゃっていたけれども、きめ細かくというのが、それを基本にして、そうすればトータルで見ればもちろん多少の差損も出るし、差益も出るのは常識だと思うんですけれども、それでトータルで大きなリスクを伴わないという保証がこの筋の、この筋のというか、こういう業務の常識としてあるのかどうかということをちょっとひとつ教えていただきたいところなんですけれども。
#146
○政府委員(松野春樹君) やはり一般の銀行等におきましても、各支店でこの種の外貨の保有高というものについて、内規的なものでございましょうけれども、一定の何か常備額あるいは一人当たりの交換額みたいなものをいろいろ決めておる実態があるような情報も得ております。
 それから、私どもがやる場合に、先生おっしゃいますように、この受託業務の手数料をいただくだけの旅行小切手の販売につきましては、これは為替のリスクの問題はないんですが、もしそれ以外のものを、大変賢明な、経済の先行きの見通しが明るくて、一時に大量にある為替で買い入れた場合には、先生おっしゃるような事態も理論的にはないわけではありません。ただ、それは私どもの今度の仕事にはなじまないということで、中央段階におきましては、もちろん各郵便局と違いまして、もう少し大口で扱う必要はあろうかと思いますが、私ども自身がそれを奇貨として、いわゆる外為といいますか、為替の投機に走るということはこれはありません。また、そういうふうに心がけて指導してまいりたいと思います。
#147
○山中郁子君 新規事業でありますから当然業務はふえるわけですね。これは私も毎度、何回も当委員会で要員問題についてはもう繰り返し指摘もし、また現状も郵政省に示し、郵政省はここでは口では大丈夫です、努力しますとおっしゃる。今度のこの法案の場合も非常勤職員で後方事務に当たらせるから大丈夫だ、こういう御趣旨の、法案の内容もそういうことがあるし、また事前にいただいた御説明もそういうことを強調されています。業務の質の問題、先ほど外国人と折衝することになるということの質の問題も当然ございますけれども、量的にもかなりふえる。
 それで、現場の状況というのはやはり郵政省がいつもおっしゃるようなそんな安易な状況じゃないんですね。やはり大変忙しいです。私は直接いろいろなところから伺いますけれども、その上にまた仕事がふえるということは、もう悲鳴を上げているという状況がさまざまあります。ですから、こういう点では単に後方の事務で非常勤でもって充てるということではなくて、本当に郵政省が国民のニーズにこたえるべく新しい業務に広げていくんだということならば、やはりそれに見合う要員をきちんと充てるということをやらなければいけないし、いつまでも非常勤職員でもって充てるというそういうことで切り抜けることで、働く人たちに過重負担をかけるというようなことについては、もう早晩解決しなきゃならない問題だと思いますので、この点については十分な方策を立てるように努力をすることのお約束をいただきたい。
#148
○政府委員(松野春樹君) 外貨両替業務の実施につきましては、外貨両替業務あるいは旅行小切手の販売という性格からいたしまして、それのみで単独の定員を配置して対処するということには実際問題はならないであろうと考えています。ただ、事務的な繁閑の問題、年間を通しまして繁忙度合いにいろいろな山、谷はそれぞれあろうかと思いますので、そこらの点は先生も既に御指摘になってしまわれましたが、非常勤職員その他の対処等も考慮しながら取り組んでまいりたいと思います。全く新しい業務でありますから、私どもの郵便局の窓口にどういうお客様との関係での事務がふえるか、ちょっと目の前にまだイメージが今具体的にわいてまいりませんけれども、今後とも事務量の動向等をよく見きわめながら、適切な要員措置を講ずるということにつきましては、全くそのとおりのことで臨んでいきたいと思います。
 もちろん、訓練、研修等は、先ほどもお尋ねがございましたけれども、しっかり対処するつもりでございます。
#149
○山中郁子君 大臣、そういうことでよろしいですか。
#150
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私もそういうようなことで要員の問題、今までも一般質疑でも山中先生から御指摘をいただきましたが、このことはきちっとやらせていただきたいと思います。
 一般質問でもお答えのときに述べさせていただいたかもしれませんが、私のおふくろの里が現在もございますが、特定郵便局でございまして、私は小さなときから郵便局の内部も知っておりますが、とにかく忙しいということはこれは間違いないわけでございます。いわゆる労働過重になったのではいけないわけでございますから、その点は私も特に注意をして、要員確保のためには、御承知のように公務員の定員削減という方向ではありますけれども、この現業というのはそれとは私は逆になじめないところが多々実際問題としてあるわけでございますから、各省庁とも十分に連絡を取り合って理解をいただき、人員を確保するということには全体の問題としても努力をしたいと思います。
#151
○山中郁子君 郵便局が非常に忙しいということをよく御承知のようなので大変力強く思います。要するに私は、非常勤職員非常勤職員で糊塗するんじゃなくて、ちゃんとした要員配置をすることによって職員の方もまたお容様の方も、つまり利用者の方も満足のいくような行政に当たっていただきたいということであります。
 進学積立貯金の問題で一点だけお尋ねしたいんですが、これも私別にあえて異を唱えるものではないんですよ、今回のこの御提案は。だけどね、どうもこれ利用者が毎年減っているでしょう。それでおたくで、つまり郵政省で出していただいた資料を見ましても、種類別現在高の「進学積立貯金」のところを見ますと、昭和六十年度百六十五億円、六十一年度百二十三億円、六十二年度九十億円、六十三年度六十九億円、平成元年度五十二億円というふうに激減していくんですよね、毎年。どんどんどんどん減って、つまり人気がないということだと思うんですよね。それで、私の周辺でも学資保険というのには結構皆さん入っていらっしゃるのね。だけど、これは余り人気ないですね。
 だから、今度こういうふうに額もふやすし期間も延ばすしという御提案なんだと思うんですけれども、問題はそれで解決できないんじゃないか。解決というよりも、そこで人気がそれじゃ回復するかといえば、とれるかといえばそうじゃなくて、これは手続が大変なんですよ。すごく面倒なの。それでも三百万とか五百万とか、私立の大学へ入ったりなんかすると大変ですよね、そういうお金が借りられるならまたそれは別なんだけれども、ふやして百五十万でしょう。私はそこにやっぱりちょっといろいろ欠陥があるんじゃないかと思うんです、制度上の。それとか、金利だって決して安くないですよね。だからもっと低利で、それから返す期間も学校卒業後五年から十年ぐらい期間を広げるとか、思い切って融資額も広げる、大きくするとか、そういうふうにしなければ、これまた今平成元年度までの数字を私いただいているんで申し上げたんだけれども、その後またどんどんどんどん減っていくんじゃないでしょうかね。
 その辺どういうふうに考えていらっしゃるか、見込んでいらっしゃるのか、それからまた今申し上げましたような点での何というんですか、利用者というか利用したいと思う方がふえるような方策を何か考えていらっしゃるか、その辺をお聞かせいただきたい。
#152
○政府委員(松野春樹君) 昨年まで簡易保険局長をやっておりましたので、学資保険について今御指摘されましたが、ちょっと複雑な気持ちでございます。
 手続が面倒なことが大変大きなネックの一つであると先ほども鶴岡先生から御指摘がありました。これはひとつ私の目でどんな手続を今しているのか、しっかり勉強してみたいと思います。
 ただ、とにもかくにも今回この進学積立郵便貯金制度につきまして久しぶりに抜本的な改革を行いまして、それに伴って国民金融公庫サイドの方でも、先ほど来のお尋ねに対して私ちょっと答弁で触れておりませんでしたが、今度対象となる学校の数も、例えば一般の予備校等も対象に入れる。専門学校の高等課程だけでなくて、一般課程の方々も対象に入れるというふうに、対象となる学校の範囲も一緒に広げる今改革を進めております。
 それらのこともあわせいろいろ考えまして、何はともあれ私ども自身で余り利用できないような何か手続をつくっておったんでは申しわけありませんので、そこらもよく改善すべきものは改善して、大いにこれを御利用いただけるように進めてまいりたいと思います。
#153
○山中郁子君 私はどうもこれ先細りしていくんじゃないかなと思いますよ。また先行き見てみましょうと思ってますけれどもね。
 それで、既にその先行き見た問題についてちょっとここで明らかにしておきたいし、これはもうぜひとも大臣にも本当にしっかりと対応してほしいと思うことです。ボランティア貯金の問題です。
 それで、ちょっと思い起こしていただくために、思い起こしてもらうというよりは――困るのよね、これ本当に次々と局長さんがかわるんで。局長さんだけじゃないです、大臣もおかわりになるわけね。思い出していただくというよりは改めて認識していただかなきゃいけないのでありますけれども、昨年六月二十一日の当逓信委員会、当時成川さんが貯金局長でいらしたとき、この法案について審議いたしました。いろいろ私申し上げたんですけれども、きょう今ここで問題にしたいのは、強制したり職員にノルマを課したり、そういうことはしないという約束をなすったのよ。ところが、今現状は何かといったらひどい状況になっているの。ここは私どうでもここできっちり、局長ももちろんですけど、大臣の責任で、政治責任で明確にしていただきたい。それで認識を新たにしていただくためにちょっと紹介をいたします。
 私がこのとき、こういうことをやると必ずノルマや何かで職員を追い立てて、グラフをつくるかどうか知らないけれども、そういうことをおやりになるようになるんだからということを申し上げたんだけど、そういうことは絶対しませんと言って、当時の成川局長がおっしゃっている経過を若干御紹介いたします。
 強制にわたらない善意の自発的な意思に基づいて行うことは重々注意もしてやっていくと繰り返しおっしゃるんですけれども、どういう保証がそこにあるのか。
これは私の質問の発言ですよ。
 私は、今の郵政省の事業のあり方から見ればまた必ずノルマなり目標なりそういうものがつくられて、それで各局あるいは事業所が競争して加入者を募るということになっていくことはもう火を見るよりも明らかだと思っていますけれども、そういうふうにならない保証というのはどういうところに求められますか。つまり、各事業所、局ごとに目標をつくったりなんかしませんか。
ということを何回かもう繰り返し申し上げているの。それに対して、当時の成川貯金局長ですが、
 これはあくまでも自発的な意思に基づく寄附でございまして、職員にノルマを課すとかというようなことは私どもは考えておりませんし、預金者に無理強いすることになってはボランティアという名が廃ってしまうわけでございますので、名に背くわけでございますので、そのようなことは決してしないようにしていきたいというふうに思っております。
  繰り返しますけれども、職員にノルマを課したりするようなことは考えておりません。
こういうふうにおっしゃる。私はそれに対して、
 考えていらっしゃらなくてもそういうふうになっていくというのは私はもう断言してもいいです。
そこまで私はここで言ったんですよ。昨年の六月二十一日の当逓信委員会です。だけど、大丈夫だ大丈夫だといって押し切られたわけ。
 ところが、今どうですか。私はもう本当にこれ責任持って解明してほしいし、また直ちに解決してほしいと思いますけれども、一つはこれを募集して勧奨したときに、目標達成したらということで一件当たり十円の褒美を出す。褒賞金、一件当たり十円ですよ。十円というのもまた随分けちな話だと思うんですけれども、それとか、また具体的な例で、そこの局所でもって目標を達成したらピザ――ピザって食べるピザよ。そのピザを買って、そしてみんなに御苦労さんでしたと言ってごちそうする。お客様先着何名様限りプレゼントする、そういうことをやっているの、本当に。こういうこと絶対やってないと言えますか。やっているのよ。それで、そういうのはお金どこから出ているのでしょうか。
#154
○政府委員(松野春樹君) ちょっと具体的な事例がどういう状況下であるかはわかりませんけれども、奨励事業ですね、私どもの郵便貯金、簡易保険も同じでありますが、こういうセールスを加味した事業を展開をやります場合に、一般的に勧奨行為というものは、例えばお客さんに何がしかの、奨励物品と私ども言っておりますが、ありがとうございましたという御礼がわりに渡すことはあります。ただ、今回の場合、職員に特別の金品を与えるための予算措置というのは、これは本省は別にしておりませんから、私もし仮にあるとして推測、そういう事例がある場合のケースとして考えさせていただければ、管理者がポケットマネーでありがとう、御苦労さんというケースは、これは現実にあるかもしれません。ただ、これは私どもやりなさいと言って強制する範囲外のことでありますので、ちょっと実態を伺いませんとよくその辺はわかりません
 それから、何事も物事程度問題というのが一つあるわけでございます。その程度が行き過ぎた事例があるかないかということ、これはまた別の観点から私どもよく指導してまいらにゃいかぬというのは、あるいは場合によれば発生することがあろうかと思います。
 ちょっと抽象的なお答えで済みませんが、そんな感想を今お聞きしながら持ちました。
#155
○山中郁子君 具体的に私随分調べました。それで、東京都内でもたくさんあります。じゃ郵政省としてはもちろんそういうことで褒賞金を出すとか、一件十円というのが褒賞金というのかどうか私も何とも言えないんだけれども、そういうことはしない。それは当然のことながらもっとやれもっとやれ、そういうことでしょう。そういうこととつながっているわけよね。そういうことはやらない、そういう予算もないということなんですね。それならそれではっきりしてください。
#156
○政府委員(松野春樹君) 国際ボランティア貯金は通常郵便貯金の一つの形態でございまして、国際ボランティア貯金の募集に伴ういわゆる募集手当は一切出さない仕組みになってございます。
#157
○山中郁子君 だから、そういうことはしないようになっているということですね。そういうことをしているとすれば、それは行き過ぎね。
#158
○政府委員(松野春樹君) ただいま私が申し上げましたのは、一件についてお金を幾らという形で募集手当まがいでやったというケースについてお答えを申し上げましたが、ただ先生もう既に御存じのことですが、貯蓄奨励費という経費が各郵便局にまで正規の予算としておりております。これやはり職員の士気高揚を図るということで、ある個人個人にそれをどうこうするというのはまた別問題でありますけれども、貯蓄奨励費を使って士気高揚をして、いい施策であるからお客さんにもお勧めしようというケースは、これはここまで否定はできないのではないかと思います。
#159
○山中郁子君 違うのよ、それは。もともと私もそういうことは知っています。実情は知っていますけれども、ボランティア貯金を法律で新しくやるよということで昨年審議したでしょう。そういうことをしていけば必ず強制的に、一つの側面よ、私ほかにもいろいろ問題点提起しましたよ。一つのものとして必ずまた職員の人にノルマを課して、それでまたかき集めるというふうになるんだということを申し上げたのが先ほど紹介した会議録の抜粋です。そのように今なっているんです。
 具体的に申し上げますと、局ごとに目標を設定している。毎日成績を報告するようになっています。それで、ファクスで毎日送るの。そして、職員に対して締めつけはもちろん、局長は朝から飛び回って勧奨するとか超勤命令を発令するとか、そういうことをやっている。それで、職員自身に対してもボランティア貯金に入れということで強要している。十円でもいいと言うの。十円の口座でもいいから入れ、そして件数をふやすというノルマが来て、そのノルマを上げるために、件数をふやすためにそういうことを強要している。そして、件数をふやすことに今は力を入れているんだからと言って、家族や兄弟や親戚名義で入れさせて、一件十円、一件百円、一件千円、千円なんていい方ですよ、まだ。そういうものまでつくらせている。そういうひどい例が次から次へ出ているんですよ。そういうことはあなた方が国会でお約束なすったことと違うでしょう。
 それからまた、ボランティア貯金の名が廃ると、成川さんがここでそういうふうにたんかを切られたわけですよ。預金者に無理強いするとか強制するとか、職員にノルマを課するなんということをやったらボランティア貯金という名が、「ボランティアという名が廃ってしまうわけでございますので、名に背くわけでございますので、そのようなことは決してしないようにしていきたい」、こうおっしゃっているから、今からでも遅くないから、直ちにそういうことは一切やめるということをここで明確に約束していただきたい。話が違うじゃないかと言うのよ。それでなかったら成川さんに来てもらってください。
#160
○政府委員(松野春樹君) この国際ボランティア貯金の普及につきましては、私も先ほど来話の出ております成川局長から引き継いだ立場にある者でありまして、いわゆる目標を設定するということのやり方はとらないということでございます。
 ただ、これも事業でありますから、一応どういうふうに推進しているんであろうかという把握というものは、当然これはやりませんといけないことになりますから、その面でのいろいろな例えば目安、どうだ一局一件ぐらいやろうと言って現場の局長さんが職員に言われるケースというものは、これはやはり許される範囲のことであろうと思います。
 ただ、先生今御指摘の十円でもいいから件数をふやすためにとれというふうなケースにつきましては、これは私どもそういう物の言い方はないであろうということで指導はもちろんやるつもりでありますし、また成川局長が、私も読ませていただきましたが、さきの国会のときに答弁されておりますように、やはり善意で御寄附いただく制度であるという趣旨につきましては私も全く同じような考えで臨んでおるところでございます。
#161
○山中郁子君 そういう程度でごまかせると思ったら大間違いなのよ。大臣も本当に聞いていただきたいんですけれども、具体的に大変深刻な問題が起きているんです。
 私はもうあえて具体的な事例を全部申し上げます。
 例えば、ひどい例を今挙げます。場所は三重県四日市北郵便局。毎日のようにこのボランティア貯金に入らない職員を管理者が取り囲んで、脅迫して、つるし上げて、暴言を吐いて、そして暴力ざたにも及ぶ。事実そういうことが行われてきたんです。これはテープもとってあるんです。テープもあるんです。だから、これ人権侵害とかあるいは不当労働行為とか、さまざまなそういうもっとごく基本的な人権にかかわる問題として当然のことながらいろいろなところで問題になっていく内容を含んでいます。私は、それを今全面的に国会の場であれしようとは思いません。だけれども、その事態をよく知っていただくために、そのテープの中で述べられていることをちょっと御紹介いたします。
  貯金課長 ボランティア貯金は郵政省として取り組んでいる施策だ。郵政省の商品、お客さんにすすめる商品だ。きみ、給料は郵政省からもらっているのやろ、このメシのたねはいわゆるボランティア貯金だ。
 皆さんにすすめるいい商品だ。率先して先ず自分が入って、お客さんにすすめるのが我々だ。きみはすすめることもしない、まして自分も入ろうとしない、こんなことがあってええと思うのか、みんなに聞いてみい。
 きみ、自主性やから言うて入らんとはどういうことや、これ省から貸与された服やろ。
洋服のことを言っているんですよ、制服のことを。
 自主性というだけではとおらんぞ、自主性なんて関係ない、義務なんや、当然の義務なんや、さあ答えてみい。
 上司の質問にこたえんのか、黙っていることは上司をグローしていることやで、強制やない、当然の義務なんや、職員として。
と言って、こうやって詰めるわけ。本人が「仕事中だから後にしてくれ」と発言しています。そうしましたらまた貯金課長が、
 しかもきみは総務主任という立場やで、かわりはいくらでもおる、きみ総務主任おりたらどうや。
 質問に答えられんのか、黙っておるということは反抗的な態度をとっていることやで。管理者に反発するだけか、こっちの顔をみろ。それで入らんのはとおらんぞ。
 はっきり言うてみい。何んだ黙りこんで、言うてみい、はよ。入るのが当然の義務やで、とおると思うのか。総務主任ならこれ脱げ、制服返せ、総務主任もおりい、おりい。
こう言って叫んでいる。そして今度は課長代理と思われる人が出てきて、「自分さえよければいいということか」。また貯金課長が、「学生さんでも協力しようと言ってくれてるのやで、きみはなんやで、総務主任でそれでとおると思うのかい」、「そうやって指導されているのか、本部から」、労働組合のことを言っているんですよ、この課長代理がね。貯金課長が、「そんなのとおらんぞ。毎日尋ねるでね、こたえるまで。ええな、よく考えておけ、明日は返事きかしてもらう。」。
 これはことしの一月三十一日の朝八時十五分から八時二十分までの間のやりとりです。
 こういうことが毎日続く。そして、たまりかねてこの該当者はテープをとったんです。だから、テープはもっとあります、いっぱい。私も全部聞きました。その中から今御紹介をするためにこうやって今読み上げました。こういうような強要が連日続くというのが現実なんですよ。私幾ら何でも考えられない。考えられないというか、もう常識外でしょう。
 私は、先ほど御紹介したように、必ず職員に対するノルマでもって押しつけてくると。郵政の現場の状況を私知っているから、それはそれなりに知っていますよ、逓信委員として今までも勉強して調査もしてきたんだから。だから、あれだけのことを昨年六月の法案審査のときに申し上げたの。それが今こういう事態として生まれてきている。これ一体どういうことですか、聞かせていただきたい。これテープあるんですよ。
#162
○国務大臣(関谷勝嗣君) 今御指摘いただきました件につきましては、調査をいたしまして不適切なものがあれば正しく指導をしてまいります。
#163
○山中郁子君 不適切なことがあればじゃなくて、これ不適切なんてものじゃないでしょう。そんな生易しいものじゃないでしょう。これ犯罪行為ですよね。
 じゃ、不適切なことがあればみたいなことをおっしゃっているから、もう少し御紹介しておきます。
 一九九一年一月二十九日八時二十分から二十五分、同じく。だれがそういう行動をしたかというと、河合総務課長、一江総務課長代理それから増田郵便副課長。二、三分してから貯金課長も来ました。藤井総務課長代理も来ました。寺西郵便課長も来ました。そして、このときは郵便課の主任の井口正美さんという人に対して今私が御紹介したと同様の国際ボランティア貯金に入れという理由で管理者数人による暴言とつるし上げです。
 そして、これは午前八時十五分ごろ、郵便局長が朝のあいさつに回ってくる。しばらくしてから河合総務課長が郵便区分をしている――本人が郵便区分の仕事をしているわけでしょう。その左側に立って、「前に貯金課長から話しのあったボランティア貯金、考えたか」とこう言ってくる。右側には一江総務課長代理というのが立つ。そして後ろには郵便副課長が立ち、その人が現認役で取り囲んで、こういう状況で十分ぐらい嫌がらせとこづくという、そういうことでやる。そして、総務課長が話したこのときの内容は、「井口正美、あんた郵便局の職員やろ、今どういう状況かわかっとるやろ、貯金の職員どれだけ一生懸命やっとるかわかっとるやろ、給振りはせん、」、給振りというのは給料の振り込みのことだと思いますけれども、「給振りはせん、ボランティア貯金はせん、何考えとるのや、頭おかしいのとちがうか」というふうに愚弄して、そして二、三分してから貯金課長たちも加わって管理者が郵便区分の妨害をして、大声で「やらん理由を言え」と言っておどかす。これが実態なんです。
 だから大臣ね、不適切なことがあったらなんという、そういう問題じゃないんです。現実にも、現状でもまだやられているんですよ、いろんなこういう嫌がらせが。こういうことは直ちにやめると、やめさせるという約束をしてください。
#164
○国務大臣(関谷勝嗣君) 決して先生のその内容を疑うわけではないわけでございますが、先ほど言いましたように、調査をいたしましてそういうことがあればやめさすように指導をいたします。
#165
○山中郁子君 もう一つ、このことについて本人たちの申し出とかそういうことだけでなくて、それを見ていた人たちの中からまたやはり、自分がやられているんじゃないけれども余りにひどいということで、手紙を私もらいました。これもあわせて御紹介しておきます。
 四日市北当局の異状さは今さらのべる必要もありませんが、特に最近のボランティア貯金の勧誘を口実にした労働者いじめは実にヒドイものでした。連日加入していない者を管理者五人、多い時は全員で取り囲み、耳もとで「何で出来ない、それでも職員か」と大声でわめき、あげくのはては体当りしたり中には突きとばされた人も私はみました。
  特に郵便外ムでは朝一番忙がしい配達大区分中に連日イヤガラセが行なわれるので、仕事になりません。それも加入しない者が悪いと責任を転嫁する悪どさです。しかしそんな中でも皆じっと耐えていますが、労働者の怒りは頂点に達しようとしています。このような暴力管理者は絶対許せません。
これは自分がそういう行為を受けたわけじゃないけれども、見た人たちがね、見た人が余りのひどさにこういう手紙をよこしたの。これも私は状況の問題として理解を深めていただくために今御紹介をいたしました。
 ですから、あなた方一定の目標は持つんだと、先ほど局長もおっしゃいました。だけれども、今私申し上げましたでしょう、目標を持つということは結局その目標に向けてみんなハッパをかけることになるわけ。そうして、その目標を達成するために管理者はそこでもって自分のポケットマネー出してどういうことしているかわからないけれども、そういうやり方で今度ずっと個人のところに及んでいくわけですよ。そして、それで職員のところでとどまらないんです。職員はそういう強圧、まさにもうさまざまな圧迫ですね、脅迫ですよね、暴力まがいの脅迫までそこでこうやって出てくるわけでしょう。
 そういう中で職員はまた勧誘をしなきゃいけないという状況になると、結局こういうケースが出てくるんです。お客様に対して、こういう趣旨のものがありますからと言って勧誘する。そうすると、あたかも一回だけであるかのように勧誘しちゃって、それで結局お客さんの方は、一回だけそれじゃ出せばいいのかと、つまり利子から二割をね。だけど、そうするとそれはずっと先までになるわけですよね。そういうような行き違いみたいなものまで生まれてきて、決して職員に対してそのノルマを課して、それが労働強化につながるという問題だけじゃなくて、郵便局と加入者、お客さんとの、国民との信頼関係につながっていく、そういう重要な問題になってくるんですね。
 そういうようなことからいって、大臣、私はぜひ考えてほしいと思うんですけれども、というよりも大臣の政治的に決断をしてほしいと思うのですけれども、あなた方が計画をお立てになるのはそれは私とやかく言いません。だけれども、それを示して、そして毎日どこまでいったかというような報告を受けるというのは、そういうやり方はおやめになった方がいいと、やめるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#166
○政府委員(松野春樹君) ただいま御指摘の件でございますが、私どもはいわゆる業務上必要な目標という意味での目標設定はやっておりません。一応予算等にも絡む分野がありますので、目安ということで、例えば七億二千万円というふうな形での目安というものは持ってございます。
 それから、今御指摘の点でございますが、各局別に何件何件ということできめ細かく督励するという性格のものではないことは今おっしゃったとおりでございます。しかし、そのときどき、例えば月がわりとか、いろいろ私どもとしてもちょっとどのくらい上がったかなと、どのくらいいっているのかなというふうな関心を持つ時期がございますが、そういうときに尋ねる場合は個々のケースとしてはあるかもしれませんが、全体として見ますと、繰り返しになりますが、やはりこの貯金の性格が、国民の方々、職員も入りますけれども、国民の方々の善意におすがりする貯金である、あるいは事業であるという趣旨にかんがみて、行き過ぎた行為がないように私としてもよく目配りしてまいりたいと思います。
#167
○山中郁子君 私ね、具体的にだから今伺っているの。各事業所というか局所に、みんな今ファクスで毎日毎日上げているんですよ。これ事実なの。それをやめますか、やめなきゃだめだと言っているの、そういうことは。あなた方が計画をお持ちになるのは、それは私が今とやかく言う筋合いじゃないかもしれない。だけれども、それを各局所におろして、おたくのノルマはこのぐらい、そしておたくの局はきょう幾らあれをとったかというようなことを毎日ファクスで集中させるような、そういうことはやめた方がいいし、やめなければ今私が申し上げたようなことが結局基本的に改善されないんです。解決しないんですよ。私は、だからそこに大臣の政治的決断をやはりしてもらいたい、そういうことを今申し上げている。本当に毎日それをファクスで上げさせているんですよ。
#168
○政府委員(松野春樹君) るる今お話を伺いました。私どもとしていろいろな個別な事例につきましてみずから正すべきは正すということは当然でございますが、ただこの国際ボランティア貯金につきましては一月から始まったばかりであります。今お話を伺いながら、多少やはり立ち上がり期によくあるわけでありますが、ちょっと元気が出過ぎる面もあるいはあったのかもしれませんが、いずれにしても今後しっかりそのような点も含めまして、職場の皆さん方のこの国際ボランティア貯金に対する正しいお取り組みを今後もしていただけるように私の立場からもよく指導してまいります。
#169
○山中郁子君 多少元気だという程度のことじゃないということは今私が申し上げたとおりです。
 それで、労働組合に対する差別だという観点だけで私もとらえているんじゃないんです。もう本当に率直に現実を申し上げますと、例えば郵産労の労働者に対してそういう差別的な恫喝をしているというんじゃないんです。例えば全逓の労働者に対してだってそういうふうにノルマを課して、自分の局のノルマを引き上げようとするという、もう元気がいいというんじゃなくて、社会的常識を超えたそういうことをやっているということを私は申し上げているんです。だから、始めたばっかりだから多少元気だなんてそんないいかげんなことを言ってないで、毎日毎日報告を上げさせるということをとりあえずやめてくださいと言っているんです。そうしなきゃこの法案を審査したときの約束に反するでしょうと言っているの、私は。そのことを約束してくださいよ。毎日毎日報告をさせるなんということはしていないならしていないでいいです。
#170
○政府委員(松野春樹君) 報告をとることの是非そのものも一つ議論にはなると思いますが、ただ現実的に本省としまして各局からの細かい情報を毎日集計しているということはございません。
#171
○山中郁子君 ボランティア貯金が何件ふえたかということを毎日報告をとることが今何回も申し上げたような事態につながっているんだということを私がここまで申し上げても、毎日報告をとることはやるとおっしゃるんですか。ボランティア貯金のことを言っているのよ、一般的な業務のことを言っているんじゃないんですよ。
#172
○政府委員(松野春樹君) ちょっと誤解を招いたようですが、国際ボランティア貯金につきまして、現実問題として本省段階が毎日毎日日報をとっておるということはありません。とっておりません。
#173
○山中郁子君 ありませんね。あればそれはなくすということで当然あると思います。
 このボランティア貯金を、これは一月二十二日の毎日新聞の報道であります。先ほど鶴岡委員も触れられましたが、難民救済にボランティア貯金を活用ということで記事が出ております。
  郵政省は二十一日、今月スタートさせた国際ボランティア貯金の寄付金の一部を湾岸戦争による周辺諸国の被災民救済資金に充てる意向を明らかにした。
  同日会見した松野貯金局長は「ボランティア貯金の寄付金の一回目の使途は六月の郵政審議会で決めるが、法律では緊急援助に使うことも可能」と述べ、寄付金の一部を日本赤十字社などに配分、湾岸戦争の被災民救済に活用する可能性を示唆した。
という報道がありますが、これは事実でしょうか。
#174
○政府委員(松野春樹君) 私のおよそ月一回やります定例記者会見の際の内容がある一紙の新聞にこういう形で載ったことは承知いたしております。
 ただ、その内容につきまして、まだその当時、記者会見当時でありますが、公募さえもまだ始めていない時期でありまして、ある特定の事業、特定の団体に寄附できるかどうかを云々するにふさわしくない時期であるという前提で、一般的にはけさほど来からいろいろな御質問に対してお答え申し上げておりますように、しかるべきNGOがしかるべき事業計画で難民救済というふうな形でお持ちいただくならば、それを受けて審査いたしますよ、いたすことになりますよという一般論を、実は記事の方が少し行き過ぎている書き方をしておるようですが、誤解を招いているようですが、この記事になった次第でございます。
#175
○山中郁子君 私にいただいている時間がもうそろそろなくなるので、最後に今のことと関連してぜひこれはちょっと郵政省として考えていただかなきゃいけないと思うことがあるので申し上げます。
 私は、松野局長が記者会見でこういうふうに話したということが、いいとか悪いとかということで今引用したわけではない。必ずしもそれだけで申し上げたわけじゃないのです。ただ、現実にこういうことを裏づけるというか、私が先ほどから申し上げているボランティア貯金の募集ですね、そういう無理な募集とか競争とか、そういうことを裏づける一つとしてこの問題もあるのね。
 それは、東京郵政局の指導的地位にある人ですよ。そういう方が、湾岸戦争たけなわのときに、こういうときだから、今だからボランティア貯金がとれるとそう言って職員の人にお説教して、そしてボランティア貯金をとる仕事にハッパをかけるという、そういうことをおやりになっている。これも事実ですよ。ちょっと余りにも私は不見識だと思うのね。湾岸戦争で、ああいう状態が毎日テレビで放映されて、多くの国民が、世界じゅうが本当に一刻も早く戦争を終わらせたい、難民の姿やなんかを見て、みんな心を痛めていたあの時期に、このときだからこそ国際ボランティア貯金が集められるぞ、しっかりやれと言って、こうやって、現実に私はだれがやったか知っていますよ。
 そういうことが、さっきから私ずっと申し上げていることは、こういうところまで導くんですよ。私は、ひとつここは本当に郵政省は反省してもらわなきゃならないことだと思う。俗に言う人の不幸につけ込んでと言われたってしようがないですよね。そういうふうにしてまで何で国際ボランティア貯金を集めなきゃいけないんですか。私はそこに郵政省の、人間でいえば人格の崩壊があると思います。そこのところをぜひ反省をしていただきたい。事実です、こういうことは。こういうことを言って、責任ある人が回って、そして職員にボランティア貯金を集めるためのハッパをかけたということは事実です。ここのところはひとつぜひこの姿勢を根本から反省していただかなきゃならない、そういう材料として受けとめていただきたい。
 大臣の見解をお伺いいたします。
#176
○国務大臣(関谷勝嗣君) るる御意見、またその内容を伺いました。
 先生に伺いましたことを頭に入れて、今後いろいろこの国際ボランティア貯金、そういうようなことがないような状態で進めていくように指導をいたします。
#177
○山中郁子君 終わります。
#178
○足立良平君 毎度のことでありますが最後になってしまいまして、あらかじめ予定をしていたものがほとんど項目としては出てしまっておりますので、アドリブも入るかもしれませんけれども、少し考え方をはっきりしていただきたい、こう思うわけであります。
 本年の四月の七日から郵貯ホリデーサービスということでATMあるいはまたCDの稼働、いわゆる休日サービスというものが行われる。あるいは、これは松野局長の午前中からの答弁をずっとお聞きいたしておりまして、郵便貯金というものが特に大都市の方では伸び悩んでいるというふうな実態とか、いろんな状況が提起をされているわけであります。
 考えてみますと、今回の郵便貯金法のそれぞれの改正で、これも既に議論があったところでありますけれども、いわゆる民間金融とそして郵便貯金との競合の問題というふうな問題が既に議論されていたところであります。先ほどからずっと答弁を聞いておりますと、官業である郵便貯金というものとそして民間の金融機関との関係で共存共栄という、ある面におきましては大変美しい言葉で一応問題はなかろうと、こういうふうに言われているわけでありますけれども、そもそも郵便貯金というものが設定をされてきた経緯からいたしますと、これのすみ分けというものをやはりある程度きちんと理念としてはっきりしておかないと、金額が一千万とかいうふうな相当大きな金額になってまいりますと、一体どうなのかという疑問が、再度同じ議論が繰り返されてくるんではないか、こういうふうに私は思うわけであります。
 そういう面で、再度民間金融とのすみ分けについて一体どのように郵政省として考えておられるか、この点につきましてまず考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#179
○政府委員(松野春樹君) 大変大きな御指摘でございますが、一つの面からただいまの御指摘について考えます場合に、郵便貯金全体といたしまして民間金融機関とどういうふうなすみ分けが、すべきか否かも含めまして考えたらいいんだろうかということだろうと思います。そういう意味で私どもの事業を見ました場合に、御存じのように歴史は明治八年以来で大変古いわけでありますが、郵便貯金には郵便貯金としての独特の特色がやはりあるのであろうと。それはやはり簡易で確実な個人金融分野を中心としたサービス提供であろうと思います。しかも、その資金の運用面につきまして、やはりすべてが一たんはいずれにしましても資金運用部の預託金になりまして、その大宗が財投資金の原資になるということでありますから、ここははっきり郵便貯金の特性といいますか、これがもう出ておる分野であるという認識を一つ私はしております。
 もう一つは、今度は個人金融分野の中において、例えば営業面等を見た場合にどうであろうか、あるいは運用面を見た場合にどうであろうかということでありますが、自由化になりまして、確かに金利そのものは大変自由化になってまいりますけれども、私どもの今度は業務面の自由化ということになりますと、やはり多々ますます弁ずという考えもございますが、国営事業としての一定の節度あるいはルールというものは引き続きやはり残る面はこれはあるのであろう、すべてが全く自由化になるわけじゃないであろうと。これが郵貯の国営事業としてのやはり一つの特色になるかもしれない。
 それから運用におきまして、これも人によって見方はいろいろあると思いますが、例えば株式や土地の売買は現在できないわけであります。さてここまで運用の自由化が、運用体制の拡大ができるかといったら、これもなかなかそう簡単に国営事業としての立場から見るとどうであろうかというふうなことがあります。
 したがって、基本的な郵便貯金の存在面、それからこの自由化の流れの中に占める個人金融分野、銀行も確かにいろいろ個人金融分野業務におきまして業務の多様化、サービスの多様化を図ってきておりますけれども、この郵便貯金の特性というものはやはり引き続き残るのではないだろうか。そこへ何か物理的に郵便貯金はこの点はもう少し引っ込むべきである、遠慮すべきであるというふうな形だと、もしすみ分けということで、そうではないと思いますが、ということでありますと、これは少しいかがなものであろうかなというふうなことを感じた次第でございます。
#180
○足立良平君 私は、具体的にこの点はちょっと引っ込んだらいいとか、そういう気持ちを持っているわけではありません。むしろ、これは先ほど鶴岡委員からも御指摘がありましたけれども、ある面におきましては、例えば一千万なら一千万の限度とか、こういうふうな限度というものを本当に設けることが必要なのかどうなのか。私は、むしろ設けることについて余り設けない方がいいのではないか、こういう感じも持っているわけであります。
 とりわけ、これも先ほど話に出ておりますけれども、例えば四百三十兆円の公共投資の問題にいたしましても、あるいはまたこれから考えてみる例えば湾岸のいろいろな問題とか、あるいはまた世界的に見ましても東欧圏のいろんな今変化の問題とか考えてみますと、我が国の資金需要というものは相当これから要求をされてくる。そして、一方においては逆に我が国の黒字の部分というのは縮小していかざるを得ない、こういう一面性を持っているわけでありますから、当然にして郵貯というものの公共的な部門におけるそういう必要性というものはより強くなってくるだろうという観点からいたしますと、私は引っ込んだらいいとかどうとか、そういう観点で先ほど申し上げたわけではございません。
 ただ、ちょっとあえて考え方をお聞かせ願っておきたいというふうに思うのでありますけれども、これは郵政省からの資料でありますが、いわゆる郵便貯金の総額制限額の表を出されているわけであります。今この場所でずっと見ておりましてはっと気がついたわけでありますが、平成二年の一月、昨年の一月に七百万になって、今回一千万ということであります。ずっと時系列的に考えてみますと、この時期といいますか、ことし今なぜ一千万にしなければならないかというのが私の質問の内容であります。
 それは、なぜそういうふうに思ったかと申しますと、例えば昭和三十七年の四月に五十万になっているわけですね。そして四十年で百万と、ずっと経年的に四十七年、四十八年、六十三年、そして二年と、こういうふうに変わってきております。これを見ておりまして、私の見方が間違っているのかもしれないんですが、比較的枠というものを変更してきている年度、そのときの状況というものは、四十七年の一月から四十八年の十二月でわずかな間に変わっているところもございますけれども、考えてみましたらちょうど四十八年はいわゆる石油ショックを踏まえまして狂乱物価の状況であります。そういう面からすると、実質的な価値というものからすると、ある程度これは枠を広げていかざるを得ないのではないかということは考えられるわけです。
 そういうふうに考えてみますと、三十七年四月に改定しましたのも、ちょうど高度経済成長がスタートして相当社会的にムードがぐっと変わってきた年だろうと思いますし、あるいはまた四十七年の一月というのは石油ショック前で我が国の経済が最高の、言ったら高度成長を謳歌しているような時代的背景がある。それから、先ほど言いました四十八年というのは石油ショックの直後の問題。そして六十三年といいますと、これは円高不況からようやく脱出して、十五年ぶりにちょっと一応見直さなければいかぬだろうと。こういうふうに考えてみると、この枠というものを変更するときの経済状況といいますか社会的な状況というのは、それなりに後から見ましても客観的に説明のできるようなそういう時期に変更をいたしているわけですね。
 その点から見ますと、平成二年、昨年の一月に五百万から七百万に変更して、短期間で今ここでなぜ三百万さらにそれをふやしていかなければならなかったんだろうかなというふうに逆に私思ったわけであります。私はもともとはこの枠というものが必要なのかどうなのかということを基本的には思っているわけでありますけれども、そういうことを含めましても、なぜここでこういう改正というものを郵政省として考えたのか、この点ちょっと聞かせていただきたいと思います。
#181
○政府委員(松野春樹君) この一千万円の限度額の引き上げそのものにつきましては、けさほど来いろいろとお尋ねをいただいておりまして答えてまいってきておりますが、先生の端的なことしなぜかという、ことしこの時期になぜかということでありますので、それについて端的にお答えしたいと思います。
 やはり金利の完全自由化商品が郵便貯金事業に及んできたということであろうと思います。現在私どもの目の前にある完全金利自由化商品は、預貯金の場合には一千万円以上といういわゆる大口定期でございます。この秋から三百万以上が完全自由化になりまして、初めて郵便貯金の世界に自由金利商品が登場してきた。
 したがって、現在の一千万円の大口定期預金もことしの秋以降は今度は大口ではなくなります。単なる自由金利商品ということになります。しかし、この間の大口定期のつくってきた金利の実績というものは必ずマーケットに私は残るであろうと思います。一千万円というグレードの区分というのは必ずどこかに残るであろうと。したがいまして、私ども七百万円まで来ているわけでありますが、あと少しでそこに手が届くのでありますから、ぜひこの自由化の機会にというのが偽らざる心境でございます。
#182
○足立良平君 ちょっとひっかけた質問をしたわけではないんですが、これもまた後ほど質問項目で一回考え方をお聞かせ願いたいと思いますが、五十八年の臨調とかそれから昨年の行革審、臨時行政改革推進審議会の答申もあるわけでありまして、この金利の自由化と郵政事業、特に郵便事業の経営形態の問題との関係が論じられているわけであります。これは後ほどちょっと質問をさせていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、もう一つ違った観点で考え方をお聞かせ願っておきたいと思いますのは、これは昨年も日米経済構造協議とかいろんな議論もやってまいりましたし、経過を持っているわけでございますが、今最近また見直しというのか一般的に日本の評価が変わってきている面が、国際的に資金需要が大変強い状況で変わってきているやにも聞きますが、日本の貯蓄性向というものが極めて高いということ。逆に言うなら消費というものを、いわゆる一般的な消費というものはもっと求められている、こういうことも言われるわけであります。
 そうしますと、日本のこの貯蓄金額を、いわゆる民間金融の場合も当然これは天井なしで行ってますし、郵政の郵便貯金の場合も仮に七百万から一千万、これちょっと私が先ほど考えたこととある面では矛盾をする面があるんですけれども、いわゆる貯蓄性向を結果としてだんだん高めてしまうことになっていかないだろうか。確かに貯金、貯蓄というものについてはいろんな動機というものがあるわけでありますから、貯蓄性向を余り高めないような一方の施策というものは当然必要になってくるわけでありますけれども、いわゆる世界的なといいますか国際経済的な観点から貯蓄性向というものをさらに我が国の国民の中に高めるような施策を根づかせていくことは全体的に見て一体いかがなものであろうかという感じもちょっとしないわけでもございません。
 ただ、最近国際的なそういう資金需要が強いにもかかわらず、資金供給が先細りしてきているというところから、我が国の貯蓄性向の高さというものを見直しをすべきだというふうな、再評価をすべきだというふうな見解もちょっと出たりいたしております。そういう点を含めて、三百万ふやしたからといってそんなに一遍に性向が変わるということじゃないかもしれませんけれども、その辺のところについて郵政省の方で考え方があればとつお聞かせ願いたいと思います。
#183
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生の御指摘でございます。先ほど局長から答弁をいたしましたが、郵便貯金のこの制限額の流れを見てみると、その都度その都度それなりの理由があったではないか、昨年の一月に七百万にして、またことし一千万というようなこと、本当に私は鋭い御指摘だと思うわけでございます。
 私も私なりに考えてみますと、やはりいろいろな要素、原因はあるんだろうと思います。まず一つは、先ほど局長が言いましたように、金利の自由化というもの、これも大きなものであると思いますし、それともう一つ国際化ということ、先ほど先生も御指摘になられましたが、国際化ということも非常に大きなものになってくる。金利が自由化になりまた国際化も進んでおる。そういう中において先ほど先生がおっしゃられました民間と郵便貯金とのすみ分け、やはり郵便貯金というのはいろいろな制限が課せられておる、したがってその制限をいささかでも緩めていかなければ競争には勝てないのではないかというふうに私は思うわけでございます。
 その一つとして、ですから先生は一千万なんていうそういう金額を、天井をつくるんじゃなくして、もう自由にしたらいいじゃないかというような御指摘がございました。私はいずれはまたそういうふうにならざるを得ないと思うわけでございますが、そういうようなことで今回の一千万円に引き上げを願うということもその理由だろうと思うわけでございます。先ほど述べられましたように、四百三十兆円のこの公共投資十年間のこともあり、したがって原資もそれだけ必要なわけでございますから、私はこの趣旨は一千万円でまず前進をしていきたい。いわゆる天井をなくするためのまだ第一歩と思ってもいいんじゃないかな、そういうふうに思います。
 それから、貯蓄性向が非常に高い、これをまた誘導するような結果になるのではないかというようなことでございますが、やはり貯蓄ということに対しましては、私はこれは善、よいことだろうと思っております。貯蓄をするということは、長寿社会で老後の自分のこともいろいろあるでしょうし、そういう貯蓄に対して、非常に貯蓄性向が高いというのは、私はやっぱりいいことであろうと思うのでございます。一時消費は美徳であるというような時代もございましたが、そういうようないろいろな社会的な見方、考え方も変わってはくると思いますが、私は基本的にはこれはいいのではないか。
 そして、一千万円にしたからそれが直接そういうような誘い水になるのじゃないかということでございますが、郵便貯金の一番多い部分を見てみますと、十二万円から二十四万円ぐらいまでが一番多いんでございます。それが七〇%ぐらいございます。ですから、それが直接その貯蓄性向の問題にはつながらないんではないかなというふうに考えます。
#184
○足立良平君 私は貯蓄を別に否定もしませんし、老後のために貯金をするといういわゆる自助努力の必要性ということも否定するつもりはございません。ただ、これはちょっと大臣と少し考え方が違うかもしれませんけれども、一般的に貯蓄をする目的といいますか、それはやはり老後の問題もあるでしょうし、それからここにあります教育の問題も、それから住宅の問題というふうな点、大きく三つの目的があると思います。そういう面からしますと、そういう目的を考えてみると、それを前提にした日本のいろいろの制度というものが、例えば土地の問題から含めまして逆に問題提起されてくるわけであります。そういう点、これはちょっと場所が違いますので別の場所にその点は譲りたいと思います。
 そこで、今回七百万から一千万に引き上げられるに当たって、いわゆる金利の自由化という問題も一つの要因になっているようでありますが、その点で私先ほどちょっと申し上げましたように、この点について郵政省として一体どのようにお考えになっているのか考え方をお聞かせ願っておきたいと思うんです。
 これは五十八年の三月十四日でございますが、臨時行政調査会、行政改革に関する第五次答申で最終答申でございます。これはいきなり私今質問させていただいておりますが、先ほど予告をさせていただいたわけでありますし、この内容をちょっと読ませていただきたいと思うのであります。その中の郵政関係のところで、
  今後いずれ金融自由化は必至である
という前提に立って、
 それがいかなる態様で進むにせよ、貯金金利及び預託金利が適切なルールの下に決定され、少なくとも郵便貯金が自由化を阻害することとならないよう配慮されなければならない。そして、金融自由化の展望が得られた段階においては、郵便貯金事業の経営形態の在り方についても再検討すべきものと考える。
と、こういう答申、最終答申ですけれども、一応出されているわけであります。あえてもう一度申し上げますと、
 金融自由化の展望が得られた段階においては、郵便貯金事業の経営形態の在り方についても再検討すべきものと考える。
と、こういうふうに答申がなされている。
 これは、午前中でございましたか、大蔵省の方の見方といたしまして、いわゆるこれから三年間で、昨年からスタートして三年間でしょうか、この金融の自由化というものをむしろ定額部分についてはひとつきちんとしたい、こういう感じが出された。あるいは流動性預金については、これから今検討しているんだということで、完全に金融の自由化というものがきちんと今いつまでと、こういうことははっきり明示をいたしませんでしたけれども、いわゆる金融自由化に向かって全般的に今進んでいこうとしている。その中における郵便貯金事業というもののタイムスケジュールというものはある程度頭に描きながら、これからどのように進めていくかというのはやっぱり郵政省として考えていかざるを得ないのではないか。しかも、この臨時行政調査会における答申が最終答申としてそういうことが出されているわけでありますから、政府としてその答申を受けた上に立って、郵政業務としてこれは考えていかざるを得ない。
 さらに、これは平成二年の四月十八日、昨年でありますけれども、臨時行政改革推進審議会からこれも最終答申として出されているわけであります。そして郵政事業の中で、これもこういう表現をいたしているわけでございます。これもちょっと読ませていただきたいと思います。
  将来の事業の在り方については、金融自由化の実現、民間における事業・サービスの展開その他郵政事業を取り巻く環境の推移を踏まえ、国民の利便・福祉の向上及び国民経済の活力ある発展を図る観点から、その経営形態の在り方を始めとして、総合的に検討する。
というふうに、これは昨年の四月ですね。行革審で最終答申がされているというふうに、この金融自由化というものと、そして郵政事業の経営形態というものとが極めて密接なんですね。単に金融自由化を行うことによって民間金融機関と郵政事業というものとの競合が厳しくなる、あるいは競争条件が大変厳しい状況になってくるというだけにとどまらずに、むしろ形態論として今まで政府の諮問のそれぞれの機関においては論議をされてきているわけです。
 したがって、私は郵便事業と保険事業とこの貯金の問題と、まさに三位一体として郵政事業というものは考えていかなければならないというふうに、私はその立場を今持っておりますけれども、今までの政府の流れなり審議会の流れというのは私が申し上げたとおりの流れを持っております。そういう面からすると、ここで質問は、郵政省として今までの流れ、そしてこういうそれぞれの審議会における最終答申ですから、中間報告と違いますから、最終答申のこの方針との関係を今どのようにお考えになっているのだろうかなと。大変難しい問題でありまして、いきなり申し上げるのも少し難しいかなという感じも持ちながら今質問いたしておるわけですが、もしあればちょっと出していただければと思います。
#185
○国務大臣(関谷勝嗣君) 大変重要なまたかつ難しい問題であろうと思うわけでございます。最終答申の中で金融の自由化が行われた時点において云々という今の臨調の答申を私も再度読ませていただいたわけでございますが、いずれにいたしましても今これから金利の完全自由化に向かって進もうとしているときでございますので、その金利の自由化後の流れも考えながらまた対処をしていくということであろうと思うわけでございます。
 今私がどうこうというのはまだちょっと時期が早いんじゃないかなと、そのように思っております。ただ、やはりどうしましても国営の体制が一番いいんではないかという考え方を私は持っております。
#186
○足立良平君 一応これを最後の質問にさせていただきたいと思います。
 論点といいますか内容を全く変えたいと思いますけれども、教育費の増大というのが、これも今日教育費というものは大変増大をしてきている。国民的なニーズとしても、この法案のようなニーズというのは大変強くなってきていることは私も承知をいたしているわけであります。
 ただ、先ほどちょっと触れました臨調の答申等を見ておりましても、午前中からそれぞれ同僚委員の皆さん方が指摘されたことと同じことを私も感じているんですが、この郵便貯金なりこういう事業というものは民間を補完するという前提がずっと一貫しているわけであります。これはある面ではやむを得ない面があるのかもしれませんが、私自身もちょっとそれはどうも気にかかって仕方がございません。そのことを冒頭に申し上げておきたいと思います。
 その上に立って、この郵貯の制度を改善するのに、民間の例えば教育ローンを含めまして、利子は高いんですけれども比較的需要というものが大変強いということでありますが、今度は郵便貯金法の改正に基づいてそれをこちらからもぐっとやっていこうということでありますから、逆に言いますと現在の民間のそういういわゆる教育ローンの問題点といいますか、問題点というものを一体どのようにお考えになっているんだろうかなと。
 というのは、どんどん民間の教育ローンというのが今伸びているわけですが、それに対抗してという言葉はちょっと適切でないかもしれないんですけれども、こちらの郵貯の側でそれをやっていこうと、こういうことでありますから、逆に言うと補完するという観点からするなら、民間のその部分が一体どこに問題点があるのか、逆に言うなら。その点どういう認識をされているか考え方を聞かせていただきたいと思います。
#187
○政府委員(松野春樹君) 民間金融機関におきます教育ローンと私どものこの進学積立郵便貯金の仕組みは、これは基本から全然違いますのでストレートな比較はなかなかできないわけですが、民間の金融機関の主な教育ローンの例をことしの二月現在の表で今私見ておるんですが、これは都市銀行の一流銀行ですが、金利が一一%あるいは一〇・五%。中には九%もあります。固定金利でございます。これやはり相当高い数字でございます。
 それから、貸付限度額につきましては、一つの銀行で三百万円、それから中には二百万円もございますが、まあ大体三百万円程度貸し付けられる。したがって、今回私どもが法律改正ではありませんが、別の次元で百五十万プラス百五十万で三百万と申し上げている数字とちょうど似たような水準がことしの二月段階のあれであります。
 郵便貯金といたしまして、朝ほど来のいろいろな御指摘の中に、国民金融公庫とまた別の観点から新しい商品として教育関係をサポートする何か商品が考えられないかという御指摘もございました。また、今回の改善程度ではまだまだ魅力がないからもう少し進学積立郵便貯金並びにそれに伴う国民金融公庫の貸付額についてももっと改善したらどうかという御指摘もございました。
 いろいろ今後新しい商品設計をして、自由化を控えているわけでありますが、私どもその辺をもう少し弾力的に設計できればいいなと思っておりますし、またよりより検討して工夫してまいりたいと存じております。
#188
○国務大臣(関谷勝嗣君) 今局長の答えた答弁はちょっと先生の質問と行き違いがあったように思ったので、それでちょっと手を挙げさせていただいたんでございますが、民間の融資の、どう言いましょうか、何か悪いところはないか、それを今度は進学積立郵便貯金でカバーしたらいいんではないかという御質問であったんではないかと思います。
 それで、民間の方は教育ローンで金利も非常に高い、しかしそれが伸びているじゃないかと。それに比べて進学積立郵便貯金はだんだん件数も少なくなってきておると。新規の件数が非常に少ないというようなことでございますから、確かに私はこれは郵政事業でこのような状態がずっと続いておるのはこの分野だけじゃないか、郵便貯金の進学積立郵便貯金だけじゃないかなと思って、これは本当にいろいろもっと手続なども簡単にし、もっと大勢の方に御利用をしていただくようにまた考えていかなければならない。ですから、この進学積立郵便貯金をふやしていくために、山中先生のおしかりを受けないような状態でハッパをかけて頑張っていきたいと思います。
#189
○足立良平君 終わります。
#190
○委員長(一井淳治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認めます。
    ─────────────
#192
○委員長(一井淳治君) ここで委員の異動について御報告いたします。
 本日、井上裕君及び中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君及び西田吉宏君が選任されました。
    ─────────────
#193
○委員長(一井淳治君) それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより順次両案の採決に入ります。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#194
○委員長(一井淳治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 大森昭君から発言を求められておりますので、これを許します。大森昭君。
#195
○大森昭君 私は、ただいま可決されました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、連合参議院、公明党・国民会議及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行に当たり、金融自由化の進展等為替貯金事業をめぐる厳しい環境変化に適切に対応するため、次の各項の早急な実現に積極的に努めるべきである。
 一 多様化する国民のニーズに応えるため、長寿社会に対応した商品の提供や新たな個人向け貸付サービスの実施など、貯蓄・貸付両面において商品サービスの改善・充実を行うこと。
 一 国民の利便の向上を図るため、ATM・CDの増置、利用時間の延長等を行うとともに、公共料金の自動払込みや給与の自動受取りなどのサービスをさらに推進すること。
 一 郵便貯金資金の一層の有利運用と地域への還元を実現するため、金融自由化対策資金の運用対象と運用規模を大幅に拡充するなど、資金運用制度の改善・充実を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#196
○委員長(一井淳治君) ただいま大森昭君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#197
○委員長(一井淳治君) 多数と認めます。よって、大森昭君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、関谷郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。関谷郵政大臣。
#198
○国務大臣(関谷勝嗣君) ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚くお礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
#199
○委員長(一井淳治君) 次に、郵政官署における外国通貨の両替及び旅行小切手の売買に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(一井淳治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#201
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#202
○委員長(一井淳治君) 次に、電気通信基盤充実臨時措置法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。関谷郵政大臣。
#203
○国務大臣(関谷勝嗣君) 電気通信基盤充実臨時措置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、電気通信による情報の流通の円滑化のための基盤の充実を図るため、高度通信施設の整備及び電気通信分野の専門的または技術的な業務に従事する者の能力の向上を促進する電気通信基盤充実事業を実施しようとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、施設整備事業及び人材研修事業を電気通信基盤充実事業として定義いたしております。
 第二に、主務大臣は、電気通信による情報の流通の円滑化のための基盤の充実に関する基本的な方向、電気通信基盤充実事業の内容及び電気通信基盤充実事業が行われる地域等に関して基本指針を定めることといたしております。
 第三に、電気通信基盤充実事業を実施しようとする者は、その実施計画が適当である旨の主務大臣の認定を受けることができることといたしております。
 第四に、通信・放送衛星機構の業務として、主務大臣の認定を受けた実施計画に係る施設整備事業の実施に必要な資金を調達するために発行する社債及び当該資金の借り入れについての債務保証、人材研修事業の実施に必要な資金の出資等の業務を追加することといたしております。
 その他所要の規定の整備を図ることといたしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#204
○委員長(一井淳治君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#205
○委員長(一井淳治君) 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。関谷郵政大臣。
#206
○国務大臣(関谷勝嗣君) 簡易生命保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、近年における社会経済情勢の推移及び保険需要の動向にかんがみまして、簡易生命保険の年金に係る加入限度額の引き上げを行おうとするものであります。
 次に、この法律案の内容を御説明申し上げます。
 現在、年金に係る加入限度額は、被保険者一人につき年額七十二万円までとされていますが、改正案はこの加入限度額を年額九十万円までとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日からとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#207
○委員長(一井淳治君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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