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#1
第120回国会 逓信委員会 第7号
平成三年三月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     山田 健一君     吉田 達男君
     鶴岡  洋君     中野 鉄造君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         一井 淳治君
    理 事
                陣内 孝雄君
                永田 良雄君
                大森  昭君
                星川 保松君
    委 員
                長田 裕二君
                沢田 一精君
                中曽根弘文君
                平井 卓志君
                平野  清君
                松浦 孝治君
                守住 有信君
                及川 一夫君
                國弘 正雄君
                三重野栄子君
                山田 健一君
                吉田 達男君
                鶴岡  洋君
                中野 鉄造君
                山中 郁子君
                足立 良平君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  関谷 勝嗣君
   政府委員
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政省郵務局長  小野沢知之君
       郵政省通信政策
       局長       白井  太君
       郵政省電気通信
       局長       森本 哲夫君
       郵政省放送行政
       局長       桑野扶美雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   参考人
       日本放送協会会
       長        島  桂次君
       日本放送協会副
       会長       小山 森也君
       日本放送協会理
       事        高橋 雄亮君
       日本放送協会理
       事        青木 賢児君
       日本放送協会理
       事        三河内賢二君
       日本放送協会理
       事        尾畑 雅美君
       日本放送協会理
       事        森川 脩一君
       日本放送協会会
       長室〔経営企画〕
       局長       竹中  康君
       通信・放送衛星
       機構理事     金子 俊明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○電気通信基盤充実臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○郵便局の用に供する土地の高度利用のための簡易保険福祉事業団の業務の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(一井淳治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、電気通信基盤充実臨時措置法案を議題といたします。
 本案に対する質疑は去る十二日に終局いたしておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#3
○山中郁子君 私は、ただいま議題になりました電気通信基盤充実臨時措置法案に対して、日本共産党を代表して反対の討論を行います。
 本法案に反対の主な理由は、本法案を構成する二本の柱のうちの施設整備事業に関してであります。
 この整備事業は、次の時代の電気通信ネットワークと言われる広帯域のISDN、すなわちディジタル総合サービス網でありますが、この設備投資に債務保証を行うことを目的にするものであります。本法案によると、対象設備は光ファイバーや新世代交換機、制御装置などとなっておりますが、これらの設備については、本法案に連動する租税特別措置法などで無利子融資や設備の特別償却を行うことを認めることとされています。
 この特別償却は、NTT、テレコム、高速通信、第二電電、TTNなどの第一種電気通信事業者に主に使われ、税制の緩和をもたらすものであり、新たな大企業優遇策の拡大と言うべき性格を持っていることは明らかであり、基本的に賛成できないところであります。
 本法案のもう一つの柱である人材研修事業については、テレトピアなど地方における情報化を進める上で障害になっている専門技術者の不足を改善しようとするものであり、この点に関しては反対するものでないことをつけ加えまして、私の本法案に対する反対討論を終わります。
#4
○委員長(一井淳治君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 電気通信基盤充実臨時措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(一井淳治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(一井淳治君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本放送協会関係の付託案件の審査、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する事項の調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として今期国会中、必要に応じ随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に通信・放送衛星機構理事金子俊明君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(一井淳治君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。関谷郵政大臣。
#11
○国務大臣(関谷勝嗣君) ただいま議題となりました日本放送協会平成三年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について概略を申し上げます。
 一般勘定事業収支におきましては、事業収入は五千四百二十七億三千万円、事業支出は四千八百六十九億二千万円となっており、事業収支差金五百五十八億一千万円は、四百二十一億九千万円を資本支出に充当し、百三十六億二千万円を翌年度以降の財政安定のための繰越金とすることとしております。
 一般勘定資本収支におきましては、資本収入、資本支出とも一千百十八億一千万円となっており、建設費六百二十八億円等を計上しております。
 次に、事業計画につきましては、その主なものは、全国あまねく受信できるよう、テレビジョンにおいては衛星放送設備の整備を進め、ラジオにおいては中波放送局及びFM放送局の建設を行うこと、視聴者の意向を積極的に受けとめ、公正な報道と豊かな放送番組の提供に努めること、国際放送について番組の充実刷新を行い、あわせて受信の改善に努めること、受信料制度の周知徹底を図り、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めること等となっており、業務の推進に当たっては、内部改革を行い、新しい時代の公共放送にふさわしい業務運営体制を確立して、一層創造的で能率的な運営と経営基盤の安定に努めることとしております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。
 郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等について慎重に検討いたしました結果、お手元に配付されておりますとおり、平成三年度の事業運営に当たって特に配意すべき四点の事項を示した上で、おおむね適当なものと認めるとの意見を付することといたした次第であります。
 以上のとおりでありますが、何とぞ、よろしく御審議の上、御承認のほどお願いいたします。
#12
○委員長(一井淳治君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。島日本放送協会会長。
#13
○参考人(島桂次君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成三年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げたいと思っております。
 平成三年度の事業運営に当たりましては、世界が大きな変革の時代を迎え、我が国の社会状況も変化しつつある中で、国際情報の入手、提供の強化を図るとともに、先見性を持った番組、視聴者の多様な要望にこたえる番組を提供することといたしております。また、衛星放送の普及とその他のニューメディアの開発研究を促進いたします。
 業務の推進に当たりましては、内部改革を行い、新しい時代の公共放送にふさわしい業務運営体制を確立いたしまして、一層創造的で能率的な運営と経営基盤の安定に努め、公共放送としての役割を果たしてまいる所存でございます。
 次に、平成三年度の主な事業計画につきまして御説明申し上げます。
 まず、建設計画につきましては、衛星放送設備の整備を進めるとともに、放送番組充実のための機器の整備を行うほか、老朽の著しい放送設備の取りかえを実施いたすことにいたしております。
 次に、事業運営計画につきまして申し上げます。
 国内放送におきましては、視聴者の意向を積極的に受けとめ、情報化、国際化などの社会状況に対応するため、国民的課題、二十一世紀に向けた地球的規模の課題に積極的に取り組み、多様で質の高い番組を提供するなど、公共放送の使命達成に徹し、公正な報道と豊かな放送番組の提供に努めるつもりでございます。
 衛星放送につきましては、国際情報を中心に魅力ある番組を編成して一層の普及促進に努めます。
 また、日本から世界に向けた映像情報の発信が乏しい現状を是正するため、日本やアジア各国の情報を全世界に提供いたしてまいります。
 国際放送におきましては、海外の日本人に多様な情報を的確に伝えるとともに、放送を通じて国際間の理解と親善に貢献いたします。また、海外中継を拡充して受信の改善に努めることにいたしております。
 契約収納業務につきましては、受信料負担の公平を期するため、受信料制度の周知徹底を図るとともに、効率的な営業活動を行い、受信契約の増加と受信料の確実な収納を図ることにいたしております。
 調査研究につきましては、番組視聴状況等の番組調査と新しい放送分野の技術開発研究、放送技術発展のための基礎研究を推進し、その成果を放送に生かすとともに、広く一般にも公開することにいたしております。
 以上の事業計画の実施に当たりましては、経営全般にわたりまして業務の見直しを一層徹底し、要員につきましては年度内三百人の純減を行い、給与につきましても適正な水準を維持することにいたしております。
 それらの事業計画に対応する収支予算につきましては、一般勘定において事業収支で収入総額五千四百二十七億三千万円を計上し、このうち受信料につきましては四千九百八十八億五千万円を予定しております。これは、有料契約総数において四十万件の増加を見込んだものでございます。また、副次収入など受信料以外の収入につきましても、その増加に努めることにいたしております。
 これに対しまして支出は、極力圧縮に努め、国内放送費などの事業運営費、減価償却費、支払い利息など総額四千八百六十九億二千万円を計上いたしております。
 事業収支差金五百五十八億一千万円につきましては、このうち、百八十億五千万円を債務償還に充て、二百四十一億四千万円を建設積立金に、百三十六億二千万円を翌年度以降の財政安定のため繰り越すことにいたしております。
 次に、資本収支につきましては、支出において、建設費六百二十八億円、放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行う法人等への出資に四億五千万円、建設積立資産への繰り入れに二百四十一億四千万円、放送債券の償還等に二百四十四億二千万円、総額一千百十八億一千万円を計上し、収入には、これらに必要な財源として、減価償却資金、放送債券及び借入金など合わせて総額一千百十八億一千万円を計上いたしております。
 なお、受託業務等勘定につきましては、収入三億四千万円、支出二億九千万円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づきまして、資金の需要及び調達を見込んだものでございます。
 以上、日本放送協会の平成三年度収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、協会の事業が視聴者の負担する受信料により運営されていることを深く認識いたしまして、一層創造的で能率的な経営を目指すとともに、すぐれた放送を実施して協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございます。
 委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いし、あわせて何とぞ、よろしく御審議の上、御承認賜りますことをお願い申し上げる次第でございます。
#14
○委員長(一井淳治君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#15
○三重野栄子君 私は、日本放送協会平成三年度収支予算、事業計画及び資金計画の審議に当たりまして、次のとおり質問させていただきます。
 まず第一に、放送の公共性の問題でございます。
 放送法第一章総則第一条につきましては、これはNHKと同時に民放もこのことを規定されているのではないかというように思います。また、第二章第七条は特にNHKに規定されていると思います。今も大臣並びに会長から提案がございましたけれども、公共性をNHKが強調されると申しましょうか、あるいは特に留意していらっしゃるところについて、会長並びに大臣から、簡単で結構でございますので、具体的にお願いしたいと思います。
#16
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私の方からまず最初に答弁をさせていただきまして、続いて会長から関連について答弁をいたしたいと思います。
 二つの面からの公共性ということがあると思うのでございます。まず一つが放送自体の公共性、それからNHK自体の公共性、この二つがあると思うわけでございますが、いずれにいたしましても国民の共有の財産でございます放送という、有限な貴重な電波を使用して国民の日常生活に必要不可欠な情報を提供するというようなことでございまして、社会的にも影響力が極めて大きい公共的なメディアである、このことをまず認識いたさなければならないと思うわけでございます。そういうようなことでございまして、放送番組編集の自由というものはあくまでも保障はしつつ、公共のための公安及び善良な風俗を害しないこと、あるいは政治的には公平の確保等を求めておるところでございます。そういうようなことで、放送対象地域内の放送普及努力義務等を定めておるのがこの公共性、いわゆる放送全体のものでございます。
 それから、NHK自体の公共性でございますが、言うまでもなく受信料によります収入を財源とする公共事業体である。一方また、自由な私企業である民放のみでは必ずしも達成が容易でない、どうしても民放でございますとスポンサーの方々のいささかの意向も考えなければならないところがあるわけでございますが、いわゆる受信料での収入ということで公共性を高く意識しなければならないわけでございます。NHKは、まず全国に普及をいたしております放送であるということ、それから二番目には、豊かでよい放送番組を通じた我が国の文化水準向上へどのように寄与していくかということを考えなければならないということ、三番目といたしますと、放送番組や放送技術におけるいわゆる先導的な役割を担っている、そういうふうに私は認識をいたしております。
#17
○参考人(島桂次君) 大体ただいま郵政大臣の申し上げたとおりでございます。
#18
○三重野栄子君 ありがとうございました。今のことを前提にいたしまして次のことをお伺いいたします。
 放送法第七条による国内放送の番組編成それから国際放送の取り組みについてお尋ねいたしたいというふうに思います。
 御提示をいただいております計画概説に「放送番組については、視聴者の意向を積極的に受けとめ、」云々とあります。よりよい番組を目指して努力されていることは、三月二十四日の朝七時五十分ごろだったと思いますけれども、番組制作局長が四月一日からの新しい編成について御説明になっておりました。そういうことを伺いますと熱心にやっていただいているということは理解できますけれども、一方ではNHKの看板番組とも言えます大河ドラマを来年「信長」、キング・オブ・ジパングですというふうに発表されまして、それが外部委託制作となるということでございました。これではNHKらしさがなくなるのではないかといろいろ波紋を描いています。
 テレビを見る人は、だれがどこでつくろうとよいものであればいいじゃないかというお考えもあろうかと思いますけれども、外部委託と申しますと大体経費の節約ということが考えられまして、安かろう悪かろうというのは幾つも例がございます。最近は、経費節減からつくり出された公害とかあるいは自然破壊という実態の中から、やはり経費重点では不十分ではないかという問題もございます。この外注先がNHK関連団体の中心の企業でございますNHKエンタープライズということも伺っておりますけれども、この委託制作というものが、見る方の視聴者にとりましても、また現在NHKで頑張って働いておられる方々に対してもマイナスではないということについて、ございましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#19
○参考人(島桂次君) ただいま大河ドラマにつきまして幾つかの疑問点を先生から指摘されたと思うのでございます。
 こで最初に申し上げておきたいことは、第二次大戦前は別にいたしまして、第二次大戦後私ども一生懸命公共放送としてやってまいりました。率直に申し上げまして、私どももある程度の、皆さん方にある意味で放送の業績を評価されている面があると同時に、我々が反省しなきゃいかぬことは、悪い言葉でございますけれども親方日の丸という、普通の会社ならば倒産するところもしないというイージーな気持ちが私初めあったことは事実でございます。
 そこで、私がこの数年間やっておりますことは、貴重な受信料を私どもいただいているわけでございます。それを最大限に効果あるものとしていい放送番組として皆さん方にお伝えするのが私たちの任務でございます。そういう観点からいいますと、どうしても金が足りなくなれば値上げすればいいんだとか、公共放送だから採算は度外視していいんだとか、これはいい意味でですよ、そういうことが重なって、金をかけてもいい番組ができないという傾向が残念ながらこの十年間出てきていることも、責任者として申しわけないことですけれども、ございます。
 そこで私は、最近NHK関連会社をつくっていろいろ仕事をやらせていることは、普通の一般会社では十円かかるものを下請に八円にする、七円にするが、入札させてやっているんではございません、金はそのまま、人間もそのままやるわけでございます。ただ、株式会社にしますとそこでやった製品が、そこでつくり上げた大河ドラマが、あるいはアメリカであるいはヨーロッパで放映してくれるかもしれません。あるいは、日本のカセット業者がそれをカセットにして、本当にすぐれていればですよ、売る。そういうことが受信料の収入につながってくるということもあるかもしれません。
 それから、やっぱり私どもも立派な仕事をやっているわけでございますけれども、株式会社的な論理というのは、ある意味では競争社会でございます。悪い意味での競争を私は強制しませんけれども、そういう能率のいい仕事を形を変えてやるということで、私が強制しているんじゃなくて、現場の責任者がぜひ形を変えてやりたいということもございましたので、私もそれをやってみるのも一つの方法かなということでやっております。
 つまり、普通の株式会社が親会社から子会社へ入札をしたりあるいは経費節減のためということでやっているのではないわけでございます。その辺のことは、いずれにしてもこの織田信長という、新しいスタイルでこれからつくりますそれがいいか悪いかでもうすべて決まるわけでございますけれども、そういう目的でやっているということを御認識願いたい、こう考えております。
#20
○三重野栄子君 今の会長の熱意のほどは大変伺わせていただきましたが、今度のはテストケースとしてというような感じに私は受けとめさせていただきました。
 これからもよい番組ということになろうと思いますが、この外部委託という問題は、まずは今度の「信長」の成功いかんで今後のことはお考えになるというふうに理解させていただいてよろしゅうございましょうか。
#21
○参考人(島桂次君) はい。
#22
○三重野栄子君 次に、今度は国際放送の問題について二点ほどお伺いしたいと思います。
 計画概説の二十二ページとそれから事業運営計画の二十八ページに御提示されております国際放送というのは、予算を含めまして、ラジオジャパンといいましょうか、そういうことではないかと思っています。昨年八月二日以降ラジオジャパンが果たした役割というのは大変大きくて、今年度予算は三億六千八百万円ほど増額をされているということは喜ばしいことだと思います。
 ところで、二十八ページに示されておりますラジオによる「海外の日本人に多様な情報を的確に伝えるとともに、放送を通じての国際間の理解と親善に貢献する。」ということがあります。四月中にはテレビジャパン計画がスタートするということが報道されておりますけれども、このテレビという問題については事業計画や予算に包含されていないのではないかというふうに存じますので、そこらあたりをお伺いしたいと思っています。
 また、もう一点といたしましては、湾岸戦争のテレビ映像が昼夜を問わず同時進行で報道されましたけれども、そのことについては今なお生々しく状況が浮かんでまいります。特にNHKの柳沢秀夫記者のバグダッドでの第一声とか、あるいは最近帰朝されましてのインタビューは私にとっては大変印象深いものでございました。
 湾岸戦争中、特に戦争が終わりましてからNHKの報道は偏っているのではないかということをあちこちで聞きました。ある新聞によりますと、湾岸戦争勃発の際、NHKが同時進行の生々しい映像を流すことができたのは、アメリカのABCテレビとの間でニュースの共同編集、利用の包括協定が結ばれていたという記事がございました。先ほども伺いましたけれども、不偏不党の公共放送のNHKがアメリカの一商業テレビと結んで報道番組をそのまま視聴者に提供されているということについては、どうかなという疑問の声もございます。
 ですけれども、最近三月二十二日、NHKスペシャルで「テレビは戦争をどう伝えたか」ということでCNN報道の舞台裏とか、アメリカとイラクはテレビをこう利用したとか、報道規制でテレビが伝え得なかったものは何かとか、あるいは立花、石川、天野の皆さんが見た戦争報道キャスターとかというのがございました。これを見ますと、やっぱりNHKだからできたのかなというようなことを思うのでございます。
 三月の定例記者会見で島会長が、アメリカABCとの協力協定の締結あるいは今後の問題について、テレビジャパンの問題なども含めて明らかにされているようでございますので、その経過や内容についてお伺いできたらばと思います。よろしくお願いします。
#23
○参考人(島桂次君) ただいま先生から湾岸放送も含めましてNHKのインターナショナルな問題についていろいろお話があったと思います。
 アメリカやヨーロッパから洪水のようにニュース、放送素材が流れ込んできまして、私どもの方からはほとんど出ていません。今度の湾岸戦争でもCNN、これが全世界を席巻いたしました。私はかねてからテッド・ターナーさんとも知り合いでございますけれども、一つのアメリカのニュースが全世界を覆うのはよくない、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、これがイーブンパートナーとしてワールドワイドのニュースをつくらなきゃ私はいかぬと。残念ながらまだできておりませんけれども、早ければ一年以内に私は私の主導権のもとにつくろうと思って今全世界を駆けずり回っているわけでございます。
 アジアのことはアジア、日本のことは日本、何も変な意味でのナショナリズムではございません、そういうアジア人でなければ日本人でなければわからぬニュースをもっと全世界に我々は運び出すデューティーがあるわけです。もちろんヨーロッパの人、アメリカの人はそれぞれ私と同じような気持ちでいるでしょう。そういうイーブンパートナー的なワールドワイドのニュースのネットワークを何とかつくりたいということで、三年ぐらい前から私は毎年三分の一ぐらい外国を駆けずり回っております。そのうちに何とかつくるつもりでおります。
 それから、テレビジャパンにつきましては、いずれまた詳しいことは担当理事からお話し申し上げますけれども、これだけの日本人が海外に居住し、日本の事業所が海外で事業を行い、また旅行者も一千万を超えているわけです。こういう時代に、NHK放送とは言いません、日本の放送、日本の情報が短波だけではなくて映像で伝わらなけりゃおかしいんじゃないか。しかも、この問題も地上波のあるいは衛星波の受信料をいただいている方の金をイージーに使ってやるというのでは決してございません。いろいろ工夫をしながらそういった人たちに対するサービスを提供するといいますか、放送を伝えるということは我々公共放送としても本当に必要じゃないか。
 短波につきましてはほとんどわずかな金を国からいただいておりますけれども、今や短波の時代じゃございません。映像の時代でございます。それも国の力をできるだけかりないようにいたしまして私も精いっぱい今やっております。いずれまた国会議員の皆様方にもお力添えいただくような形になるかもしれませんけれども、精いっぱいやっているつもりでございます。
#24
○参考人(青木賢児君) お答えいたします。
 テレビジャパンにつきましては、ラジオジャパンにかわる新しい、映像による情報発進というのが世界的に行われるようになっておりますので、NHKといたしましてもこの四月からNHKの番組を八時間を超える量でアメリカ及びヨーロッパに放送をしていきたいということで現在最後の準備を進めておりますが、アメリカでは四月から、ヨーロッパでは五月からそれぞれ国内の衛星を使いまして放送を開始するということで準備を進めております。
#25
○参考人(小山森也君) 先ほど先生からノー編集で全部流したんではないかという話がございました。決してそういうことはございません。素材交換はやっております。素材交換はやっておりますが、NHKで放送するものはあくまでも編集者が責任を持って、素材をどうやっていつ実際に放送に流すかは私どもが責任を持ってやっているわけでございます。そのまま素材をただ流したというものではございません。また、即時性でどうしても流さなければならないというときもございました。これはもう全く全部をチェックしたわけではございませんので、私正直に申し上げますが、ライブでどうしてもそのものを流さなければならないと判断したときは確かにそういう現象はございました。しかしそれ以外の、例えば時差がございますので、日本でちょうどいい時間に放送するときはちゃんと編集いたしまして、そういった形で編集の責任はあくまでもNHKが持ってやった次第でございます。
 なお、ABCだけとやったわけではございません。非常に多くの放送局でございますので名前を挙げますと多くなりますけれども、アメリカだけ見ましてもABCネットワーク、NBCネットワーク、さらにCNN、UK、イギリスでございますけれどもITN、BBC、それからフランスではアンテーヌ2というのがございます。ドイツではZDF、ソビエトではモスクワテレビ、それから東ヨーロッパではインタービジョンというのがございます。これはプラハに本部がございますけれども、ここの映像をもってやっております。また中国のCCTV、それからアジア全体としてはABUというアジア放送連合に所属している各放送局ともいろいろな素材交換をいたしております。
 なお、今度の湾岸のことにつきましては、特に私どもといたしましては非常に偏った形に映像が送られるということは一番避けるべきものだということでございまして、単にアメリカという参戦国の映像ではなしにかなり大幅に、ただ単なる戦争映画というようなことではなしに、ニュースセンター特集とかNスペというようなものを合計約五十時間にわたりましてやった次第でございます。私どもとしてはできる限りいわゆる両方の、戦争の当事者の片側だけということではなしに、またその現象だけではなしに、裏面の状況というものもぶ厚く放送するように努力いたしました。ただ、これにつきましては、終わってみますと、やはり戦争ということによる制限等がございまして、いろいろこれからも反省すべき点はあろうかと思いますが、私どもとしては当時におきましては全力を傾けてやった、しかも偏りのないように、ということをひとつお認めいただければ非常にありがたいと存じます。
 以上でございます。
#26
○三重野栄子君 事情を大変詳しく一伺いましたが、三月の定例記者会見のときにアメリカのABCとの協力協定の締結ができたというように出してありましたので、その点について、いつごろ協定なさいまして、中身はどうなっているかということを項目的で結構ですがお伺いしたいと思います。
#27
○参考人(島桂次君) ABCとの協力協定につきましては、私自身が一カ月ほど前、ニューヨークでABCの社長以下ときちっと決めてまいりました。それは、中東の湾岸戦争が起きましたときにNHKのスタッフとABCのスタッフが完全な協力取材活動に入る、あるいは自分らの活動につきまして情報を交換し合ってそれを出すということをやりましたけれども、それを全世界的に広げていく。もちろん、アジアにつきましては私どもが主になります。アメリカにつきましては当然のことながらABCが主になる。ヨーロッパにつきましては、間もなく来週アメリカ、ヨーロッパへ私行ってまいりますけれども、最終的に決めておりませんけれども、パートナーを決める。それが先ほど私が申し上げましたCNNとは違うと。
 アジア、ヨーロッパ、アメリカ、これを代表する放送局がそれぞれのニュースを取材しまして、それを八時間ずつ交換すれば二十四時間ニュースになるわけですから、そういう新しいニュースのネットワークができないかという、先ほど先生に申し上げましたその第一段階として、湾岸戦争からABCとの間でそういうことを始める、こういうふうに考えている次第でございます。
#28
○三重野栄子君 御答弁いただきましたけれども、私の質問とちょっと趣旨が違うように思いますが、そのことにつきましては、また後日改めてお尋ねさせていただきたいというふうに思います。
 次に、受信料によってNHKが運営をされておりますわけですから、視聴者と申しましょうか、受信料を払っている側がやはり経営とか、あるいは審議会とか、あるいは会議とか、NHKが今いろいろ行っていらっしゃるものに積極的に参加ができるような窓口を開いていただきたいというふうに思います。
 事業計画説明資料の三十三ページの九の「広報関係」というところでは、視聴者との結びつきの強化施策として重点事項と計画概要が述べられています。その中で「特に、公共放送を支える受信料制度についての理解促進活動を実施する。」とあるんです。私といたしましては、理解ということもありましょうけれども、自分たちは受信料を払っているんだから積極的に参加をしていこう、そういう自覚という問題で取り組んでいただけたらいいなというようなことを思うわけでございます。
 いろいろ考えているところはありますけれども、説明資料の十二にございます経営委員会委員一覧表を見ますと、企業、農協、評論家、大学の先生、デザイナーそれから主婦連合会、そういう方々の代表はいらっしゃるようでございますけれども、その委員十二名の中に、圧倒的に多数と思われる働く人々の代表が見当たらないのでございます。このことについてどのようにお考えなのか。働く者の代表という形でぜひ入れていただきたいと思いますけれども、そこらあたりの御見解をお伺いいたします。
#29
○政府委員(桑野扶美雄君) NHKの経営委員の選定でございますけれども、放送法に基づきまして、先生御指摘のとおり「教育、文化、科学、産業その他の各分野が公平に代表されることを考慮しなければならない。」という規定がございます。経営委員の人選に当たりましては、各界の利益代表ということでなくて、放送に関して公正、中立な意見を述べて判断を下せる人物ということで選ぶことが求められているものと私どもは理解しているわけであります。
 したがいまして、今先生御指摘の具体的な人選に当たりまして、働く方々の代表を選ぶという、そういうジャンルというものを決めておくということは必ずしも適当でないというふうに私ども思うわけでございます。経営委員としての高い識見に基づく判断が期待できるすぐれた人材という観点から、いわゆる労働界に属される方々が経営委員になり得るということは、当然私どももそういうことはあり得るものと認識しているわけでございます。
 いずれにいたしましても、経営委員の選任に当たりましては、全体としてのバランスを考え、多くの分野から代表を選ぶという趣旨でございます。その趣旨を踏まえつつ、時代の要請に即した人選に配意することが必要であろうというふうに存じております。
#30
○三重野栄子君 今の御説明をいただきまして、今後入れていただけるのかなという状況もありますけれども、だめかなということも感じるんです。公正、中立な意見を出されるとか、高い識見というと、何か働く人々はそういうのがないように伺ったりするわけでございますけれども、そういった階層を決めるという意味ではないんです。大部分の人が受信料を払っているわけですから、やっぱりその代表が入るというのが当たり前ではないか。時代の趨勢ということもおっしゃっていただきましたので、次の人選のときには十二名の中に、あるいはこの十二名を拡大するとかということも御考慮いただきまして、数多くの働く人々をぜひ入れていただきたいというふうに申し添えます。
 あと視聴者会議とか、懇談会とか、番組審議会というふうなことの構成人員とか、職種だとか、あるいは性別ということも伺いたいのでございますけれども、これも後日にさせていただきたいと思います。
 時間が参りましたが、最後に一つだけ要員計画について質問させていただきます。
 伺いますと、三百人の人員純減ということでございますが、一方ではもう山ほどの事業計画もございますし、それから受信契約件数は四十万増というふうなこともございまして、これは働く人々にとっては大変なことだなと思います。特に衛星カラーの契約の問題につきましては、現在の状態としてはマンションとか集合住宅がたくさんできてまいりましたから、受像機を持っているからあなたはNHKを見ているんでしょうといっても、見ない人もいると思うんです。そういうときに職員の皆さんあるいは外部委託の皆さんがどのような形で努力をなさるかということになりますと、大変困難があろうというふうに思います。
 それから、資料を見てみますと、受信料制度が嫌いだとか、あるいは番組が嫌いだとか、あるいは滞納するというふうなことで、見ないという人もわずかですけれどもふえているような状況がございます。そういうことを客観的に考えてみますと、この契約に、集金に携わっていらっしゃる皆さんは大変困難だろうと思いますけれども、そういう点の解決策ということはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
#31
○参考人(高橋雄亮君) 先生御指摘のとおり、最近はマンションなど共同の受信施設の中で衛星を見ておるというようなことで、普及の方もだんだん目立ってきております。
 二通りございまして、一つはチューナーをつけませんと衛星が見られないような方式のマンション共同受信施設がございます。もう一つは、既に地上と同じような方式転換をしておりますので、普通の受像機をつけますと見られるというふうな設備がございます。特に前者の方のチューナーをつけなければ見られないようないわゆるマンションとかの共同施設につきましては、最近チューナー内蔵型のテレビがふえてきております。私どもとしては一戸一戸お訪ねして、受像機としてはNHKが受かるようになっておるけれども、本当に見ているかどうかという部分がなかなか確認しづらいというのは御指摘のとおりでございまして、そこが一番苦労するところでございます。
 そういうような施設なりマンションに対しましては、事前に文書をお配りいたしまして、NHKをごらんいただいていると思いますのでぜひ対応させていただきたいということをお願いして、うちの係の者が一戸一戸お訪ねしていくわけでございます。ところが、見ていないと言われますと、確かにテレビとしてはNHKが受かるようになっておりますので、放送法三十二条でNHKが受かる施設であるならば私どもとしては契約をお願いするということになっております。NHKの番組あるいはNHKの事業の性格その他を御説明申し上げて、根気よく御契約をいただけるようにお願いしておるというのが現状でございます。
#32
○三重野栄子君 終わりますが、CATVも始まるような状態ですから、そういうところと契約を具体的にされるということも考えていいのではないかと思います。
 大変時間が超過いたしました。以上で終わらせていただきます。
#33
○山田健一君 きょうは時間が大変短いんで、御答弁の方も簡潔にお願いを申し上げたいというふうに思います。
 きょう私は衛星放送を中心にお伺いをしたいと思いますが、まず三月十九日、BS3a、NHKの第一、第二、JSB三波が同時に停波をするというトラブルが発生をいたしました。とりあえずはBS2bを使って機能回復といいますか、応急措置をとられた、こういうことでございます。この3aにつきましては当初からいろんなトラブルも指摘をされておったところでございますが、今回のこういった事態についてどのように受けとめられており、そしてまたその原因はどうであったのか。あるいはまた、受信中のいわゆる受信者の皆さんへの情報提供を含めてどういう対応措置をとられたのか、その点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
#34
○参考人(森川脩一君) お答え申し上げます。
 先生今御指摘のとおり、先週の三月十九日の午後九時半ごろにBS3aのチャンネルが全部停波をいたしました。私どもは直ちに復旧の措置を講じたわけでございます。
 衛星放送が一時中断した原因につきましては、現在通信・放送衛星機構並びに宇宙開発事業団の方で原因の究明作業が進められておりますが、今までのところ、まだその原因は不明でございます。私どもとしては、今後衛星の安定運用が確保できるように、なるべくこの原因究明を早めてほしいという要望を今しておるところでございます。
 それから、視聴者に対してのことでございますが、このトラブルが発生した直後に、地上のテレビを通じましてそのことをお知らせするなど周知に相努めた次第でございます。
#35
○山田健一君 きょうは通信・放送衛星機構の方からもお見えでございますが、そちらの方から状況がわかればお話をいただきたいと思うんですが、今原因を究明中、こういうことで御答弁をいただいたんです。原因が究明をされないままに、現状言ってみればそのまま放送が中継をされておる、継続をされておる、こういう状況なのでありますが、いわゆる衛星契約をして見ておる受信者の皆さん方からすれば、原因はわからない、いつまたトラブルが起こるかわからない、今究明中であります、こういう状況で、果たして現行の状況を続けていっていいのかどうなのか、この辺についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#36
○参考人(森川脩一君) 衛星放送が一時中断した翌日の食明け後から、BS3aの中継器を三系統とも再び起動いたしまして、今日に至るまで安定に動作をしております。ただ、先生今御指摘のように、私たちが安心して今後ともこういうことを継続していけるというような確信を一日も早く私どもも得たいということで、先ほど申し上げた関係機関に早期の原因究明をお願いしておる、こういう次第でございます。
#37
○山田健一君 先ほども申し上げましたが、このBS3aにつきましては、当初から発生電力が若干足りないというようなこともありまして、七年間という一つの期間を見ていたわけですが、これが果たして大丈夫か、どうも難しいんじゃないかというような話まで実は出ていたわけです。こういう段階で今回のこういう事故が起こった。衛星放送に対する国民の信頼性、放送自体の安定性、こういうものに対して大きな一つの疑問が生じていることは事実だろうと思うんです。
 したがいまして、3aそのものの原因究明をやりながら、事実関係をきちっとして対応していただくということと同時に、つい先般宇宙開発委員会から「放送衛星3号―a(BS―3a)の打上げ結果の評価について」という報告が出されております。この中で指摘をされておるのは、結局今申し上げましたように、3aが当初の予定の運用期間については達成できないだろう、さらにこれからBS3bが夏に打ち上げられるということでありますが、この3bについても、結局ふぐあい発生部位の設計、製造工程、これがBS3aと同じになっておる。したがって、「太陽電池セル配置等の見直しを含めた対策を講ずるべきである。」、こういう形での指摘が実はなされております。
 言ってみれば、3bが打ち上がるわけでありますが、これも3aと同じ製造工程で来ておる。電力の発生の問題についても同じような危惧が持たれておる。3aがトラブルを起こす、ことしの夏には3bもさらに打ち上げられようとしておる、こういう状況の中では本当に信頼性、安定性というものが持てるのかどうなのか。あるいはまた、その3bに対してどういうNHKとしての対応策といいますか、こういう現実を踏まえて対応策をとられているのか、その辺についての見解をお尋ねいたしたいと思います。
#38
○参考人(小山森也君) まず第一に、NHKの立場で申し上げますと、NHKは出資していると同時に実はユーザーの立場でございます。したがいまして、3b、3aともに完璧な衛星であるという前提のもとに使わせていただいているということでございまして、私どもの方としては、ただ無事に上がって、我々に使わせていただきたいということを願望している次第でございます。これから先もユーザーとして、ユーザーというフィルターを通しまして、さらには大勢の何百万という現に見ていらっしゃる方がおりますので、その方たちに御迷惑をかけることのないようにしたいというのが私どもの立場でございます。
 原因究明その他につきまして、それから衛星の打ち上げ等、それから衛星自体の安定運用、これにつきましては通信・放送衛星機構の方でやっておられまして、私どもからは要望書を出している次第でございます。
#39
○山田健一君 御指摘のように確かに衛星の運用管理といいますか、そこら辺については衛星機構という今お話がありました。NHKはただそれを借りてやっておるんだから、そこの安全管理、運用等については衛星機構の方でやってくれ、こういうことで言われておるという今のお話でありました。
 それじゃ、私の方からは機構の方にきょうお話はしておりませんけれども、郵政お見えですから、郵政省の立場としてどうなんですか、その辺については。お尋ねをいたしたいと思います。
#40
○政府委員(桑野扶美雄君) 衛星がああいう形になりましたこと、私ども大変残念に思っておりますし、国民の皆様方に御迷惑をおかけする結果になりましたことについて私もおわびしなければいけないという気持ちでいっぱいでございます。
 いずれにいたしましても、衛星という空のかなたに上げる星でございまして、技術的に言えば地上においては最大限の努力を尽くしていいものをつくっていく努力を皆さん方なさるわけでございますけれども、そういう事態が起こることも考えながらバックアップ体制等を整えていって、万一の場合にも御迷惑はかけないで済むようなシステムにしていかなければいけないというふうに存じております。
#41
○山田健一君 後ほど及川委員の方から通信・放送衛星機構の方に御質問があるようでありますから、関連をしてぜひこの点についての対応策というものを明らかにしていただきたい、こういうふうに要望しておきたいと思います。
 次に、この春の四月ですか、間もなく予定をされておりますBS3Hの問題についてでありますが、BS2Xが失敗をしたという経過もあり、そしてまた今BS3a、これがああいうトラブルを起こした。こういう経過から見れば、3Hを調達されたということについては、これは対応としては私は正しかったというふうに思っておるわけでありますが、その際の掛けられる保険のあり方についてNHKの対応というものを若干ただしておきたいというふうに思っております。
 今日までBSの2a、2b、これは確かに保険を掛けてこられておりますね。それから、2Xについてもこれは保険が掛けられている。そういうことで、言ってみれば不幸中の幸いで3Hの手当てがついた、こういうことになっているわけでありますが、BS3a、これは実際にはアメリカのGEが打ち上げる、それに対しての保険はGE社が掛けるという形になっておるようであります。要するにNHKは保険は掛けていない、こういうような状況になっているわけであります。2a、2bの場合あるいは2Xの場合も保険が掛けられ、今回は恐らく3aには掛かっていない。さらには3bはどうなっているのか、これもまだちょっとわかりませんが、その辺についてどういう基本的な考え方のもとに保険を掛けられているのか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#42
○参考人(三河内賢二君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、この春打ち上げます3Hにつきましては、軌道上で完全な形で引き取るということが前提でございますので、打ち上げにつきましては衛星メーカーでありますGEの方で保険を掛けているわけでございます。したがいまして、打ち上がった後百五十日間は衛星メーカーで責任を持つという考え方になっております。
 その後のライフ保険と申しましょうか、寿命保険につきましては、夏でございますけれども3bを一応打ち上げる予定でございますので、二機体制の確保という面からいたしましても経費節減の面からいたしましても、この相関関係の中で、打ち上げのかかわり合いの中でこれを検討していきたい、このように考えている次第でございます。
#43
○山田健一君 寿命保険の方については、バックアップ、もう一つ3bが出てくるし、その状況を見ながら検討する、こういうことでございますか。
#44
○参考人(三河内賢二君) そのように考えております。
#45
○山田健一君 わかりました。
 それでは、要するに補完がある場合は掛けないでいく、こういうことなんですか。保険をどういう場合には掛けてどういう場合には掛けないか、基本的なそのスタンスといいますか考え方というのをお示しいただきたいと思います。
#46
○参考人(三河内賢二君) 先生御指摘のとおりでございまして、私どもの考え方といたしましては、基本的には掛ける考え方でございます。ただ、申し上げましたように、3Hとそれから3bとを非常に接近した中で打ち上げて補完体制をいたしますので、この相関関係の中で、一つが成功した場合のことを考えて、経費節減等を含めましてこの辺の打ち上げの状況を見ながらライフ保険を考えたい、こういうふうに申し上げている次第でございます。
#47
○山田健一君 わかりました。ただ、いずれにしてもリスクが伴うわけでございまして、その意味では万全の体制をやっぱり常に考えていただきたい。このことは申し上げておきたいというふうに思います。
 そして、先ほど言いましたようにBS3H、これは四月になったらどうも打ち上げられるようでありますが、その後のいわゆる利用計画について、これは郵政にもお尋ねをいたしたいと思っておりますけれども、どういうふうになっているのか。3H、それから3bが夏に上がっていくということになりますと二機補完体制という形になるわけであります。そういうことになりますと、今まではいわゆる一機の補完体制という状況、あるいはまた全然ないという時期も、綱渡りをやっておった時期もあるわけであります。そういうことからいうと、この3H、3bを含めてどういう利用をしていくのかということがやはり一つの大きな課題になってくるだろうというふうに思っております。
 そういう意味では、この3Hなり3b、ただ単に補完機としてこれからも使っていくのかどうなのか、その辺を含めて郵政省そしてNHKそれぞれお考えをお聞きいたしたいと思います。
#48
○政府委員(桑野扶美雄君) BS3HはNHKがBS3aの一機体制をバックアップするために打ち上げられるわけでございまして、全く現在のところ補完という目的のみに使用することになっております。また、3bにつきましては、先生御承知のとおり、補完という役目に支障を来さない範囲でハイビジョンの実験をやるということでトランスポンダーが一本確保されているわけでありますけれども、現在のところでは、私どもといたしましては全体として三つの今やっております衛星放送を完璧にやるための衛星であるというふうに認識しております。
#49
○参考人(森川脩一君) ただいまの先生からの御質問につきましては、郵政省からお答えしたとおり、私たちもそのように認識をしております。
#50
○山田健一君 私は、郵政の考え方もそうでありましょうし、NHKとすればNHK独自でいわゆるこれから将来の衛星放送のあり方等を含めてお考えがあるのではないかなという気持ちがあったものですから、NHKは別に遠慮しないで考えがあれば述べていただいて結構でございますので、そういう意味で今申し上げさせていただきました。
 この3H、3b、こういう形になってくるわけでありますから、場合によってはSNG、サテライト・ニュース・ギャザリング、こういったところの活用を含めてどうなんだろうかというような話もあるやに聞いておるわけでありますが、こういったところについての検討なんかはされておるわけでありますか。今郵政の方からお話がありましたように、補完でいく、そして3bは今度はハイビジョンで一本ふやしてそれでやっていく、こういうお話でありますが、その辺についての検討はされておるんですか、どうなんですか。
#51
○参考人(島桂次君) 私は十何年前から衛星放送の開発に携わってきております。二、三年前にようやく実用化いたしました。これを本当の意味で欠陥なく続けていくためには大変なこれからの努力も必要だと思っております。したがって、3Hという問題につきまして国会議員の皆さん方とか、あるいは郵政省、政府関係の皆さん方に御迷惑をかけましたけれども、今の衛星技術でございますと念には念を入れ二重三重のバックアップをしておかないと大変なことが起きる。もう既に3aにその兆候が見えてきております。ですから、これから先の展開いかんでは、衛星放送を永続的に続けるために、またまた新しい措置を国会議員の皆さん方とか政府の方々と相談しなきゃいかぬ事態がいつ起きるかわからぬ、それぐらい私は深刻にこの衛星放送の定着について考えておるわけでございます。
#52
○山田健一君 わかりました。NHKとすれば、会長のそういう姿勢を踏まえて、今後も衛星放送のあり方というものを前向きにとらえてやっていかれよう、こういう状況にあるんだなという大体の気持ちは理解できたような気がいたします。
 そこで、BS3bについてもあわせてお尋ねをしたいと思います。
 これはまた、先ほどの話ではありませんが、機構が中継器を持って、これを放送事業者に利用させてハイビジヨンをやっていく、こういうことになっていくわけであります。とりわけ、ハイビジョンの放送専用チャンネル、これの利用方法について特にNHKとのかかわりが出てくるわけでありますが、これについて郵政省はどのようにお考えになっておりますか。
#53
○政府委員(桑野扶美雄君) BS3bの利用方法でございますが、郵政省といたしましてはハイビジョン専用チャンネルを一つ確保しているということは先生御存じのとおりでございます。これをどうやって利用するのかというお話でございますけれども、NHKも含めましてハイビジョン放送に関心を持っておられる方々が幅広く参加できるような仕組みを設けまして、その仕組みがハイビジョン試験放送を行い、かつまたハイビジョンの普及促進を図っていくというようなことを考えておるわけであります。
 BS3bというのが十一月ごろに使用可能となるように見込まれておりますから、現在はNHKが一日一時間定時放送としてハイビジョンの実験放送をやっていただいておるわけでありますけれども、こういうふうになりますと、できれば一日八時間ぐらい程度のハイビジョンの試験放送が実施できるようにということで現在広く関係者の意見を踏まえ、利用体制についてそういう方向で検討しているところでございます。
#54
○山田健一君 ということでございますが、NHKの方とすれば、そういうことになりますと第二で今行われておりますいわゆる実験放送、これが恐らくなくなっていくんだろうというふうに思っております。八時間ぐらい流せるようでありますが、NHKのハイビジョンの放送の計画というものについてお尋ねをいたしたいと思います。
#55
○参考人(島桂次君) 基本的な問題でございますので、ちょっと私の方から答弁いたします。
 衛星放送も公共放送の先導的役割ということで現実にやっております。赤字でございます。当分赤字でございます。私は経営者といたしまして、このハイビジョン、非常にすばらしい。私も十何年この事業に携わってまいりました。国の方針には私は従います。従いますけれども、何時間やれと言われましてもその金をどうやって捻出するか、非常に難しい問題だと思います。
 ただ一つ救いがあるとすれば、このハイビジョンというのは放送だけではございません。このシステムは、あらゆる産業分野にいろいろ利用できます。そういう工夫をしながら、今郵政省のおっしゃいました国の方針にどこまで近づけていけるか、一生懸命努力したいと思っています。ただ、かつて国鉄がそうであったように、ここでもしハイビジョンをまともに八時間やっていけば、金が取れない、受信料がないという状態でやっていけば、私の試算でも一年間五千億とか一千億ぐらいの赤字を出す可能性だってございます。その辺のことは本当にこれから先のNHKの命運を決める問題だと私は思っておりますので、着実に慎重に取り組みたいと、こう考えております。
#56
○山田健一君 今、島会長の方から率直に、いわゆる赤字をかなり強調されながら気持ちをお述べになったんだろうと思いますから、引き続きぜひ率直に会長のお答えをいただきたいと思っております。
 というのは、今も申されましたように、大変な金が要るわけであります。今受信料でかなり衛星放送料金を取るということになりましたが、ハイビジョンをこれからやっていく、大変な金額をつぎ込んでいかなきゃならぬ、一年に五千億円というような今話もされておりました。一方ではこの四月からJSBが有料放送で始める。こういう一方で有料化、そして先ほどもお話がありましたが、いわゆる公共放送としての受信料のあり方、将来このハイビジョンの放送をしていくということ、巨額の経費がかかる、こういったことを見通した場合に、料金制度のあり方というものを含めてここら辺は恐らく会長の頭の中にはいろいろ図が描かれているんだろうというふうに思うわけであります。
 いずれにいたしましても、BS4、この段階になってまいりますと、いろいろ言われておりますけれども八チャンネル、さらには帯域を圧縮して四チャンネル分割できる、こういうような状況も出てくるようであります。そうすると、八チャンネルの四倍ということになると三十二チャンネル。電波の希少性ということが言われて、それが前提で受信料制度というものが構築をされてきた。こういう経過から見れば、そういった多メディア、多チャンネル、そういう時代を見通した場合に今の受信料制度が通用していくのか、これはもういずれやっぱり壁に当たらざるを得ぬだろう、私たちもこのように現実の問題として見ております。
 先ほども言ましたように、一方ではJSBがいわゆる有料で衛星をやっていく、こういう時代になってきておるわけであります。ただ、放送法で言うように、受信機を買ってきてセットすればもうそれで受信料を払わなければいけない、こういう時代は恐らくこれから長くは続かないだろう、そこら辺について会長の率直な気持ちというものをぜひ打ち明けていただきたい、こういうふうに思っております。
#57
○参考人(島桂次君) これから先の私たちNHKが当面していく問題について先生本当に御心配をいただきまして、私も同感するところも非常に多いんでございます。
 ただ、率直に申しまして、時代がどう変わろうが、どんな多メディア時代を迎えようが、私はやはり公共放送というものは必要じゃないだろうかという今信念に燃えております。しかし、これがどこまで続くかどうか、今の放送法に言う公共放送がですね。これは一にかかって受信者の皆さん方、ひいては国会議員の皆さん方の総意に基づく、その皆さん方の考え方によって、私どもはそれに従わざるを得ない企業でございます。私たちも一生懸命考えますから、ひとつ先生方もこれからの多メディア時代において何が必要か、どういう形が一番いいかいろいろ御教示を願いたいなと。
 今ここで、私もいろいろ個人的には想定している問題もございます。しかし、これから先の技術革新とか放送の技術につきましては、霧がかかっておりましてまだまだわかりません。それが精いっぱいきょう申し上げるすべてでございます。
#58
○山田健一君 いろいろ会長としては言いたいこともあるんでしょうが、精いっぱいきょうのところはそこまでしか言えない、こういうことでございますので、逆に私たちも宿題を今いただいたような感じになりましたが、また折を見て発言なり提言なり申し上げさせていただきたい、こういうふうに思っております。
 今話が出ましたが、引き続きBS4の関係についても少しお尋ねをいたしたいと思います。
 これは、問題は調達、運用のあり方、これが大きな課題に実はなっているわけであります。郵政省は次期放送衛星問題研究会、近々のうちに一つの報告書がどうもまとめられるようでありまして、もう既にいろいろ関係者等々からのヒアリングも行われてまいったようでございます。やっぱり調達法人のあり方あるいは形態、さらには八チャンネルをどう運用していくのか、こういったところが大きな一番の課題になっているだろうというふうに思うんです。郵政省として、大体今月の末ごろというような話も聞いておるんですが、どういう方向で今取りまとめが進んでおるのか、その状況についてお話をお聞きしたいと思います。
#59
○政府委員(桑野扶美雄君) 先生御承知のとおり、現在の放送衛星三号の設計寿命が七年でございますので、平成八、九年には次の衛星を打ち上げなければいけない。逆にその調達とか製造の過程を考えますと、やっぱり五、六年かかってしまうものですから、逆算するともうそろそろ時期が来ているということでございます。しかし、その衛星の利用の方を考えますと、JSBがようやく立ち上がったような感じでございますし、技術的にもいろいろ今後の見通しというものもございますものですから、今の段階で八チャンネルのうちの三チャンネルを引いたあと五チャンネル余っているのをだれに使わせるかということを決めるというのは、私どもといたしましてはまだその時期ではないというふうに思っているわけでございます。
 しかし、衛星の調達の方は七、八年ごろ八チャンネル全部使おうじゃないかということが大方のコンセンサスでございますのでそろそろやらなければいけない、これが衛星問題研究会で議論していただいておるポイントでございます。
 問題は、大別して二つの意見がございます。一つは、放送事業者とは別の法人が、すべての放送事業者が決まる前に八チャンネルの衛星だけをもう調達してしまえと、それで将来衛星放送事業者が決まったらその人にそれを使わせればいいじゃないかというのが一つ。もう一つは、やはり当面は既存の三つの、NHK二つとJSB一つでございますけれども、三つの放送事業者の利用する衛星だけを調達して、新しい方はまず利用者を決めてから、そしてその人たちの自主的な判断で調達させればいいじゃないか、こういうふうな議論でございます。
 この二つをめぐって委員の皆様方の中で議論をしていただいているところでございまして、いずれ近いうちにその結論をいただくことになろうというふうに存じております。
#60
○山田健一君 既にこれは平成元年二月の「衛星放送の将来展望」という報告書をいただいておりすが、いわゆる調達法人の形態、これはこの中では「公的資金の導入を前提とすると、公的機関、第三セクタ等の形態が適当である。」、こういう言い方が実はされておるわけであります。それとはまた別に、先ほど言われたように、先に利用者を決めて、そして調達すればいいじゃないか、民放あたりはそういうような話があるようにも聞いておるわけであります。郵政省としては、こういう報告書を出された線で来ておられるんだろうというふうに思うんですが、両方意見があってその調整を今なさっておるということなんですが、これ全く違うわけですよね。どういうふうに集約をされようとしておるんですか。
#61
○政府委員(桑野扶美雄君) 意見そのものは二つの立場それぞれに理由がありますし、それぞれにやはりお強い意向もございます。しかし、全体の雰囲気としてどっちかなというようなところで今集約が運ばれている最中でございまして、あるいは少数意見というものもそこの中で付加されて出てくるかもしれませんけれども、大体一つの方向性というものは出てくるだろうということで私ども受けとめております。
#62
○山田健一君 どうも通信・放送衛星機構を改組するんじゃないかとかいろんな話も聞いておるわけでありますが、近々のうちにという、今なかなか言いにくいようでありますが、具体的なスケジュールといいますか、どういう段取りになっていますか。
#63
○政府委員(桑野扶美雄君) 私ども今承っているところによりますと、今月中には最終的な結論を出す研究会が開かれる予定でございます。
#64
○山田健一君 もう月末なんですよね。だから、大体のスタンスといいますか、あるいはもうほぼわかっているのかなと、こういう気持ちでお尋ねをさせていただいたんですが、それじゃその結果をぜひまた見せていただいて検討するということにいたしたいと思います。
 八チャンネルの例の利用の方でございますが、これはまだ決定をされていない、いろいろ検討されておるということでありますが、どういった基準なり方針、こういうものでこれを今後進められるのか。そしてまたその手順、スケジュール、こちらの方もお尋ねをいたしたいと思います。
#65
○政府委員(桑野扶美雄君) 八チャンネルの利用のあり方につきましては、ただいまNHK及び民間衛星放送事業者によりまして衛星放送というものも実施されたばかりでございますけれども、今後利用者がどういうふうになっていくかといったような運営の動向も見たいと思いますし、またハイビジョン実用化の動向も見たいと思います。それから、技術的にディジタル伝送技術、帯域圧縮技術、こういったものが今世界のあちこちで研究されているようでございまして、こういった技術の動向も見たいということで、そういうことも勘案いたしまして現時点で利用者を決めることは適当ではないというふうに私ども思っているわけでございます。
 しかしながら、こういった動向をも勘案しながら、逆に言いますと衛星を打ち上げる二年ぐらい前には利用者を決めておきたい、あるいは決めておかなければ事業化に間に合わないというふうに思っておりますので、一つそれがターゲットになろうというふうに思っております。
 次の放送衛星の利用のあり方につきましては、今後検討するわけでございますけれども、原則的には放送法にのっとりまして、放送普及基本計画を定めて申請を受け付け、そして申請の審査等の手続を開始するということになろうというふうに思います。
#66
○山田健一君 時間ですから終わりますが、もう一度確認をしておきたいと思います。
 先ほど言われましたように、逆算をしていきますと、調達法人の設立はことしじゅうということですね。逆算しますと平成三年から四年ということでありましたが、さっき言われたように、もう時期が来ておるということですからその設立のめどというのはことしじゅうに、そしていわゆる八チャンネルの利用者の方はその二年前ということで考えてよろしゅうございますか。
#67
○政府委員(桑野扶美雄君) 調達法人をつくるかどうかにつきましては、先ほどから申しておりますように、まだ結論を得ていないわけでございます。もしそういう結論になりましたら、当然のことながらことしじゅうということになりますし、また逆算いたしますと先生御指摘のとおり二年ぐらい前には私ども決めたいと思っております。
#68
○山田健一君 終わります。
#69
○及川一夫君 会長の提案説明がちょっと長引きましてね、十二時で終わる予定だったのが十二時八分ということになりますので三十八分の質問ですけれども、ひとつ回答の方はゆっくりじゃなしに口早くてもいいですから的確に答えていただくようにお願いしておきます。
 まず私は、巷間マスコミ等を通じましてさまざまなNHKに対する批判というものが最近大分多いんです。とりわけ、島会長をして非常にマスコミにのることは、NHKが一つの焦点になっているという意味で大歓迎というふうに私は思っています。ただ、先ほど会長がおっしゃられたように、おれはこうやっている、NHKはこうなんだと胸を張って三重野委員の質問にお答えになっておりましたが、そういう評価がされていない前提での批判だなというふうに私は受けとめているわけなんです。
 「NHKにあえて問う 受信料はもう払わなくてもよいのか」、「島体制の攻撃的戦略 多くのアキレス腱を抱えながらも島体制が狙うものは」、「NHKは動いているか そのペレストロイカの衝撃」、「NHKの儲け主義路線」、「島会長 あなたはNHKをよくするのか悪くするのか」、「公共放送ってなに」。タイトルだけ挙げても、これはこれだけじゃなくてもっといっぱいあるんですが、要するにこのタイトルからイメージされるものは、決して肯定的ではなしに否定的に批判的に物事が論じられているというふうに私は見ざるを得ません。
 そこで、会長に問いたいのは、NHKは今何を一体問われているのか。NHKが公共放送であり、受信料をいただいて国民の期待にこたえるという意味からいうと、これだけの批判的なものがあるということになりますと、一体NHKというのは何が問題で何が問われているんだろうということを予算論議に当たってどうしても聞いておかなければいけない。どうとらえておられるのかということについて、まず見解を述べていただきたい。
#70
○参考人(島桂次君) 先生御存じのように、昭和二十五年、NHKのラジオしかない時代にできた法律が今放送法としてあるわけでございます。しかし、その後テレビができ、最近は情報化社会、ニューメディア時代、先ほど郵政省の局長の説明にあるとおり、衛星もケーブルテレビその他含めましてまことに多チャンネル、チャンネルが極めて多い時代になってきておるわけですね。そういう時代の公共放送のあり方というのは、ラジオしかなくNHKしかない時代とは全く違った新しい公共放送像というのが望まれているんじゃないでしょうか。だけども、そういう時代の変化を超えて、やっぱり公共的な放送というものが少なくとも日本社会では必要であるという私はプリンシプルを持っております。時代がどうあろうが、やはり公共放送というのは必要であるという私は信念を持っております。
 ただ、その公共放送が、私も含めまして長年、悪い言葉ですけれども親方日の丸。金が足りなくなれば国会の先生方に値上げをお願いするというようなことがだんだん難しくなってくる。その間で、できるだけ我々は視聴者の負担を少なくしてできるだけ質のいい番組、本当に国民が必要な放送をつくるという事業をやっていかなきゃいかぬし、やることについてますます難しい時代を迎えていると思いますけれども、私ができなくても私の後継者は必ずやっていただけるんじゃないかということを私は考えております。
#71
○及川一夫君 いや、ほかの人たちがNHKに向かってさまざまな問題の提起をされているわけですね。なぜそういう議論というものが出てくるのか。例えば、NHKが子会社をつくった、それに対して民業圧迫だという言葉で非常に民放関係から批判がはね返ってくる。そのこと自体だって一体何なんだと。確かに御指摘のように、多くのチャンネルを擁しての放送事業というのがNHKを問わず民放にも存在するという世の中ですから、多チャンネル時代をどう過ごすかということは一つの課題でしょう。
 ただ、そういうとらえ方よりも、なぜNHKに批判が集中するのか、その批判とは何なんだ、NHKとしてそれを受けとめてどう一体こたえていかなきゃならぬのかということについて、会長としてどういう認識を持たれているのかということを聞いているんです。それを述べてもらいたいと思っています。
#72
○参考人(島桂次君) 及川先生御存じのように、今の及川先生のおっしゃったことが世の中全般の批判という形で私は受けとめさせていただこうと思います。一部の放送事業者云々じゃなくてですね。ということは、恐らく公共放送、受信料をいただいているNHKが子会社をつくり、ある意味で言いますと商業行為に走っているんじゃないか、あるいはNHKは巨大になり過ぎているんじゃないか、いろいろの批判を私は承っております。
 しかし、今申しましたように、ラジオ、テレビ、テレビでも地上波しかない時代ですら、私はNHKは見ていないから金を払わないという人が残念ながらいるわけです。これがさらに多チャンネルになり、三十チャンネル、五十チャンネル、もう間もなく日本もそういう時代になると思います。そういうときにやはり生き残るということは、かなり我々がよほどいい放送、皆さん方に納得していただける、なるほどこれならば受信料を払ってもいいという放送を出さなければいかぬなという、それをどうしてつくっていったらいいかということで、私はまず一つの面としては非常に頭を悩ませておるのでございます。
 もう一つの側面は、多メディア時代、情報化時代というのは、今まではNHKの番組をつくります、そうするとNHKの放送で放送すればそれで終わったわけでございます。しかし、今はNHKのつくった放送はいろいろのメディアに、特に外国でこれが多目的にいろいろ利用をされるわけでございます。そうすると、当然のことながら、これは株式会社じゃございませんから利益とは申しませんけれども、それが受信料に還元する形で金が入ってくるわけですね。これをメディアミックスといいまして、放送だけではございません、映画とか印刷とかあらゆる分野に我々の受信料をいただいたNHKの放送内容がそういうふうに多角的に利用される時代になってきているわけでございます。
 それを民業、ほかの人たちがやっている事業を圧迫しない程度にそういうメディアミックス事業を展開して、ひいてはそれが受信料の軽減につながっていく。こういう事業をやっていますと、あるいは五年後、十年後、また値上げを皆さん方にお願いしなけりゃいかぬかもしれません。そういうことをできるだけ少なくしていく。せっかく価値のあるものを多角的に使っていく、これは単に金とか利益の問題だけではございません。公共放送として、我々のカルチャー、我々の放送が全世界にキャリーされるということは決して悪いことではないと思っております。
 そういうことを評しまして商業化とか巨大化とか一部言われていることにつきましては、私としてはやや心外だな、私のあるいはNHKの真意がよくわかっていらっしゃらないのではないかというふうに私は少なくとも考えているわけでございます。
#73
○及川一夫君 現状説明としてはそれは通るかもしれませんけれども、さまざまな批判に対しての答えにはならない。もっと根の深いものがあるはずだし、何もそれは恨みつらみの根の深さではなしに、将来に対する、放送事業というのは一体どういう展開になっていくだろうかということに対するその答えというものが、あるいは不安感というものがあるから、私はさまざまな形で批判が出てきているものだと思うんですね。
 現状、一社が七つのチャンネルを持っておるなんということはこれは大変なことですよ。民放と、こう言ってみましてもそれぞれ一チャンネルずつ持っておるわけでして、民放とくくれば何チャンネルという話になるけれども、NHK一社だけで放送の数を考えれば、ラジオにおいて三本、総合テレビにおいて二本、衛星放送において二本でしょう。七つ持っているわけです。それにこのハイビジョンということで、山田さんが指摘をされたような将来像を描くと八本ないしは九本になってしまう。一体NHKがそれだけ抱えていいのかどうかという問題。それがすべて公共放送なのかと。
 しかも、料金の値上げには、会長自身が言っておられるように、限界がありますと。こういうシステムでいっていいのかどうかということも含めて見直さなければならないとどっかで言っていたでしょう、こういうものに。何か載っかっていますよ。要するに、そういう問題意識を持つか持たないかということね。だから、将来的に九チャンネルになるとすれば、公共放送の枠というのは今よりも縮小したものでもっとすばらしいものにするのか、それ以外は民放という形にするのかどうか、どちらにしても放送業界全体の問題としてこれをどう扱うかということが本来ないと、なかなかもって不安感が出てきますから、あなたが先ほど説明をされた、人のやっていることにけちをつけるような形にしかならない。
 料金の値上げに限界があるとすれば、これは当然合理化をやる、効率を上げる、何とか金を生み出す、許された範囲内で副次収入を上げる、それをできれば受信料に還元をしていきたいと考えるのは当然でしょう。こんなことにけちをつける人は私おかしいと思う。民間の一つの会社がコストがれになっても何とかしなきゃならぬというときに、本体のものはそのままにしていても副次事業で何とか上げて、これを本体の方に資金を移して物を売り買いしながら販路を広げて何とか会社を維持していく、利益を上げていくということを民間企業自体がやっておられるわけです。その論理からいえば、受信料という性格の問題は一つあるけれども、企業として成り立たせるために考える一つの手法なんですよ。決して私は悪いと思わない。その限りにおいて会長と同じです。しかし、事は放送事業ですから、そして将来に向かって一体何が問題かということを問われたら、やっぱりいろんな不安感というのが出てくるんじゃないでしょうか。
 しかも、受信料受信料と、こう言うが、有料のテレビ放送が出てくるわけでしょう。スクランブルをかける、その方式でやると。しかし、映像というのはテレビの画面に映ってくる限りは同じですよ。CATVだって同じ、視聴者から言わせれば。見る番組、見ない番組あるわけですから、テレビが二台あっても間に合わないほど番組はあるわけです。したがって、この放送事業というものの中で受信料と有料と、こう言うけれども、一体NHKを見ていないのになぜ受信料を取られるのかというようなそういう主張あるいは疑問というものは、拡大することはあっても縮小することは私はないんじゃないかと思う。
 もうそこだってかなり問われていますよと、私は五カ年計画をあなた方が出されたときにちょっぴりそんな感じを受けた。そういうことを含めて検討しなければならぬということを言われたように思っているんですが、実は残念ながら私が先ほどタイトルだけを読み上げた中での会長の主張の中には、問題意識は持っておられるんだろうが、細々と要するに出てきていない。これらの問題を解決するには私は本当に時間をかけにゃいかぬし、五カ年計画の二年目だからまだこれでいいとは思っていない。もう今からそれに向かって対応しなければいけないと思うんですよ。
 これは私の意見の部分ですけれども、そこで郵政大臣、私はそういうことが本当に大きな問題になってくると思うんですよ。そうしますと、これはNHKだけの手に負えないものがありますね。放送事業に対する行政指導の立場からどうあるべきかということを当然問うていかなければいけないし、また郵政省としてもそういう意味での私は考え方をやっぱり出していかなきゃいかぬだろうというふうに思うんです。
 ところが、郵政省は今ハイビジョンの問題でどうも頭がいっぱいのようですよね。しかし、ハイビジョンとおっしゃるが、もうエネルギーの問題を含めて、中東の問題が出たから言うわけじゃありませんけれども、エネルギー節約の問題をどんどん言っているんだが、かなりのワット数を使うわけですよ、これ。それから、住宅も大きくないと、ハイビジョンというのはそう簡単に壁に絵をぶら下げるような格好には私はならないというふうに思ったりしますよ。
 ですから、郵政大臣、きょうの段階で結論めいたことを言えなんと言ったってそれは言えないでしょう。しかし、そういう問題意識を持たれるべきだというふうに思うんです。しかも、早急に始めなきゃならない問題だというふうに考えていますが、郵政大臣いかがでしょうか。
#74
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のこの放送を取り巻く環境が大きく変わってきている、その中でNHKと民放が持っておりますその垣根の問題あるいは当たりますその範囲の問題、また衛星放送であるとか、ハイビジョン放送であるとか、あるいは多チャンネルのCATVであるとか、そういう放送のニューメディアが日々刻々進歩をしておる、そういう中において受信料だけでどのようにやっていけるのかというような御指摘でございます。確かに私も、今それでは直ちにここで明快な答弁ができるかといいますと、私はそれだけの簡単な問題でもないと。先生も御指摘いただいておりますが、そういうようなことでございまして、郵政省といたしましても、そういう問題に対しましては鋭意研究もし、また対処をしていくというようなことが私の今の精いっぱいの考え方であろうと思っております。
 したがいまして、NHKの受信料だけでさてどのようにやっていくことができるか、今国が援助をいたしておりますのは国際放送に対します補助金だけであるわけでございますから、そういうようなことも含めましてあらゆるところから研究をしていく、決して遅きに失するようなことのないように郵政省といたしましても対処をしていきたい、そのように指導をいたします。
#75
○及川一夫君 今郵政大臣からお答えをいただきましたが、問題意識は持っていただけたものと認識をします。
 そういう上でNHK会長にもう少しちょっとお尋ねしたいんですけれども、受信料だけでできない、今の受信料には限界がある、こういうことは再三会長も述べられてはいるんですが、とりわけハイビジョン問題に力を入れるということは、ますます一体受信料はどうなるんだということを私はすぐ反問したくなるんですね。会長もこの中ではハイビジョンの放送だけで受信料は五千円ぐらいかかるんじゃないかという発言もちょっとされている、大ざっぱな話でしょうけれども。それほどハイビジョンには、ソフトの問題を含めて、毎年毎年かかっていくわけでしょう。三年度だって六十五億ハイビジョンに金をかける。副次収入で五十八億が八十一億に予定できるのに、そのうちの大半がこのハイビジョンに持っていかれるという、あえて数字を当てはめればそういうことも言い得るわけですよね。
 ですから、事はNHKにとっても重大なことでしょう。だから、私はNHKも民放全体に対する疑問にこたえる、先ほど申し上げたような意味を含めて、少なくともここ二年ぐらいの間にある一定の方向を見出すような検討をNHKとしてもされるべきだと思うし、郵政省という立場に立っても、行政指導を含めての検討というものを我々はされるべきではないかというふうに思うんですが、会長どうですか。
#76
○参考人(島桂次君) 及川先生のおっしゃること、ほとんど私は同感でございます。私も現実にこれからハイビジョンをどういうふうに持っていったらいいかという一つの試みの案も持っております。これは慎重にやりませんと、それこそ公共放送の屋台骨をひっくり返すような財政難に陥る場合もございます。
 先ほどの及川先生の質問にもう一つ答えたいのは、公共放送というのは、やはり私は自由主義諸国、民主主義諸国の中で一つの情報機関、これは新聞社の場合も放送局の場合も同じですが、それが必要以上に巨大になるということは決して好ましいことではないし、許されないと思います。したがって、この多メディア時代の中でNHKが公共放送としてどういう形が適正な規模かということにつきましては、昨年料金改定を皆さん方にお諮りしたときに、少なくとも五年間だけはちょっと時間をかしてくれないか、その間にちゃんと新しい時代の新しいNHKの規模をきちっとするということを申し上げましたけれども、もう五年待てないと私は思っております。今先生が二年とおっしゃいましたけれども、できるだけ早く新しい時代の新しい公共放送の規模、あり方について私どもの考え方をまとめたい、こう考えておるわけでございます。
#77
○及川一夫君 認識が一致をしたという点で御回答がございました。確認をしておきたいというふうに思います。
 今回答の中で触れられましたこの公共放送という問題なんですけれども、私は率直に言って公共放送というものをなくすということは考えていません。もちろん、国営的なものになるとこれは大変なことになりますから、そんなことは一切なしということを前提にして、今日推進をしている公共放送の定義ですね、受信料が法律によって定められているというところから出発した公共放送論なのか、それとも設備費が余計かかって個人ではなかなかできないというあの二十五年時代ですな、だからそういう設備をつくった以上、お金をとる以上、あまねく公平に聞けるようにしなさいという原則と、よい番組をつくりなさいよという第七条ですね、これに対してNHK自体は懸命に頑張っているというふうに思っておるし、それからそれに私は異議を挟むものではない、よくしっかりやられているという認識なんです。
 ですから、あとはこの公共放送の定義が変わるのか変わらないのかは、冒頭申し上げたような八つも九つも持つチャンネル放送という場合の公共放送の定義、それを凝縮して、これとこれとこれは公共放送として守っていかなければならないという意味での公共放送の定義と、それぞれがやっぱり意見のあるところだろうと思っております。
 ですから、そういう前提に立って、私はよくやっているということを前提にしながら、次の問題として質問しておきたいのは、実は経営展望の問題なんです。結果がいいんですから文句の言いようがないんですが、ただ去年から出発した五カ年計画の予算の収支と毎年度出されてくる予算の収支、とりわけ受信料とそれから事業支出という意味で出てくるこの数字ですね、提案される数字。計画に対して予算で提起をしてくるのは、去年は百八十九億増で提案をされてきている。ことしの場合には二百九十九億収入増、受信料増という形で提起をされている。もちろん、契約推進のために努力されているんですからその効果もあるんでしょうが、意気込みはあるんでしょうが、どちらにしてもそういう収入の見通しを立てておられる。支出の方は昨年は一億減で提案されている。ことしの場合は計画から見て四十四億減で提案されている。
 これは、収支という物の見方からすれば非常に表面的な見方かもしれませんけれども、かなり誠意のある、また赤字にしてはならない、赤字体質ということを言われないようにしようという意味の意気込みとして私は理解できるんです。どうですか、二年たったところでこんなことを言えというのは無理かもしれませんけれども、大体五年後収支とんとんという五カ年計画になっているが、これは赤字になるということはないというふうに私は見るし、一昨年までやってきたように、五カ年計画であったものが七カ年計画でとにかく過ごしてきたという実績がありますよね。そういうものの展開になるというふうに受けとめてよろしいかどうか、不確定要素はあるでしょうけれども、見解を聞いておきたい。
#78
○参考人(島桂次君) 私は、昨年料金改定をめぐりまして、五カ年計画を先生方にお示しして理解をいただいたわけでございます。私が会長である限り、そのとおりやるつもりでございます。
#79
○及川一夫君 あなたが会長である限りと、こう言われると寂しいというふうに言ったらいいのか、歓迎というふうに言ったらいいのかどうかわかりませんけれども、意気込みとしてそれは承っておきたいし、またそうしてほしいと私は思います。ですから、毎年毎年細かいところでけちをつけるつもりはありませんが、ひとつ頑張ってもらいたいということを申し上げて、次に衛星の問題について御質問申し上げます。
 先ほどNHKの森川さんですか、原因については調査中というのがあるんですが、NHKの森川さんも技術屋かもしれませんが、あなたの方が専門家だから、一体それほどうなっていますか、原因は。
#80
○参考人(金子俊明君) 事故の原因につきましては、現在宇宙開発事業団等関係機関とともに調査を進めているところでございますが、現在までのところ、まだこれといった原因はつかめていないという状況でございます。
#81
○及川一夫君 つかめていないと言うんだが、いつまでにつかむつもりですか。
#82
○参考人(金子俊明君) できるだけ早い時期に解明したいと思っております。努力してまいりたいというふうに思っております。
#83
○及川一夫君 専門家に尋ねてもわからないほどの事故ということになりますと、これは大変だという認識の方が私は非常に強くなりますね。しかも、もう片肺とは言いませんけれども、四分の一ぐらいおかしくなっていることだけは事実なわけです、電池の部分でね。それでなおかつ原因はまだわからぬ、いつになるかもわからぬとおっしゃられる。私、非常にたまらない気持ちなんです。私も十六分間消えたときに見ておったんです、衛星を。あらっと思いましたよ。そうしたら故障だと、こう言うわけね。十六分後に回復したからということがあるかもしれませんけれども、大体十六分後に回復して原因も何もわからないという態度で終始しているということ自体が、会長がおっしゃられる衛星機構は親方日の丸ですよ、これは。
 しかも、小山さんが答弁の中で、出資者と同時にユーザーだと、こう言った。ユーザーなら損害賠償しましたか、こちらに。あれは大変な損害なんですよ。小山副会長は御存じかどうか知りませんが、民放ではどうなるんですか。地上波であるけれども、あれが三十秒切れた、一分切れたってどうなるんですか。大変な損害賠償が請求されるんですよ。私は詳しく調べたわけではありません。ここにおられる國弘先輩ともお話をしたんですけれども、一分であろうが三十秒であろうがその単価は少なくとも百万単位だというふうに思っているんです。だから、十六分間も切れるということはとんでもない話じゃないか。それこそ損害賠償しなきゃいかぬじゃないか。ところが、衛星機構の方は損害賠償を払うような機構になっていませんね。だから、ある意味では緊張感を欠いているんじゃないか。
 しかも、私がもう一つ言いたいことは、衛星を打ち上げ、そして衛星を通して放送をやることについては我々自身が了解をしている。サービス開始をしている。お金も取っている。そのことに対しては、それはNHKほどの直接的な責任はないでしょう。しかし、承認をしたという限りにおいて我々は道義的責任があると思いますよ。だから、非常に私は深刻な気持ちと緊張した気持ちで正直言って質問しているんです。
 ですから、自今こういうことがあっていいとはだれもおっしゃらないでしょう。それで、小山副会長は一〇〇%完璧という前提で受けとめているんだからというふうにおっしゃるんなら、なおのこと衛星が障害を起こすということに対して、そして視聴者に対して迷惑をかけた責任というものを一体どう負うのかということを論理的にも倫理的にも確立をしなければ、これは先行き衛星放送どころかハイビジョンだってやってもらっては困るということになりかねない。切れるたびに責任を問われておったんではたまったものじゃないですよ、これ。というふうに私は思うんです。
 ですからこの辺、放送局長どうなんですか、ゆるゆるした態度でいいんですか。
#84
○政府委員(桑野扶美雄君) 私どもも気持ちとしてはもう先生と全く同じでございます。しかし、現在における衛星の技術水準というものはそういうこともあり得るわけでございます。そのことについて、さらに技術的に精度を高めるという努力は当然していただかなければいけないと思いますけれども、やはり利用者に御迷惑をかけないようなバックアップ体制も含めた総合的なシステムの中で、先生の御指摘のようなものには対処していかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。
#85
○及川一夫君 いや、放送局長、障害が起きることはあり得るということをすぱっと言われたんだけれども、私は大変だと思う。副会長の方はあの衛星を一〇〇%完璧という前提で受けとめますと、こうおっしゃっている。あなたの方は、いやいやしかしという前提だけれども、万が一はあるんだということをあっさり言われている。だからバックアップ体制と、こう言われる。私は納得できませんな、そういう答弁は。
 なぜかと言うたら、あなたはバックアップということを簡単に言われるけれども、衛星放送の原則は本体と補完と二つであるべきでしょう、a、bとやっているんだから。このことを前提にしてコストを決めてある。受信料だって決めていくんじゃないですか。そんなところに2Xであるとか、いや3Hであるとか、その上にバックアップをしなければいけないということだったら今の受信料でいいんですか、あれで。私は非常にその辺安易だと思う。本来3Hなんてあってはならないんですよ。ところが、3aがどこかおかしくなっている、現実におかしくなっちゃった、これは大変だ、だから3Hと言うけれども、仮に2Xが上がっていれば一体どうなんだと。やらないでしょうな。
 しかし、もともと2Xは上げちゃいかぬわけですよ。あれ自体がある意味では厳格な物の言い方をすれば責任を問うというような話になりかかった話ですからね。たまたま百二十八億で会長が買ってきたから、安いなという気持ちもどこかにあって、やっぱりバックアップしなきゃいかぬということが前面に出て問題の解決はした。今回は百二十五億だと言っている。大体同じぐらいの値段です。何でアメリカのはそんなに安いのかなということは、今もってちょっと疑問がわくんです。技術ですから、テスト中とかこれから物を本物にしていくという中で起こる障害はあり得ますよ、それは。それを一々怒っていたら何もできない。だけども、サービスを開始した以上、あってはならないことが起こったということに対する危機感というものをきちっと郵政当局自体が私はもっと持つべきじゃないかということを強調しておきます。
 この点、郵政大臣からお答えをいただいて終わりたいと思います。
#86
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘の受信料の問題を考えてみましても、このような事故の原因がその後もまだはっきりしないというような信頼性のない状態では、そこで受信料をいただくなんということだってこれは大きな問題でもありましょう。そういうようなことを考えましたときに、本当に絶対のものとしての対策、また郵政省の厳しい対処をする姿勢というものは御指摘のとおりであろうと私も認識をいたします。
#87
○及川一夫君 終わります。
#88
○委員長(一井淳治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#89
○委員長(一井淳治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#90
○平野清君 どうも御苦労さまでございます。余り時間がございませんので、御通告申し上げた質問が全部できるかどうかわかりませんけれども、端的にお答えをいただければと思います。
 まず、アンケート調査についてお伺いをしたいと思います。
 言うまでもなく、世論調査、アンケート調査というものは、国民の意識それからニーズというものを知る上で大変重要なものだということになっております。その調査技術も格段に進歩をしてまいりましたし、調査の対象数が余り多くなくても国民の意識なり要望なりがわかるまでになってまいりました。特に内閣や政党の支持率調査などは、政治にも大きな影響を与えるというところにまでなってまいりました。その意味で、NHKもいろんな世論調査をされまして、それを私たちも見て大変参考になることが多いわけでございます。
 しかし、昨年の秋でございますけれども、衆参全国会議員に土地の問題でアンケート用紙が送られてまいりました。土地問題について国会議員としてどういうふうに考えるかという数多くの設問がございました。これは、私の偏見なのかそうでないのかちょっとわかりませんけれども、第二問にこういうのがあります。「今回の地価高騰を招いたいちばんの責任はどこにあると、あなたは思いますか。次の選択肢の中から一つだけ選んで、その数字に○をつけてください。 一政治家 二行政 三企業 四金融機関 五国民 六その他」、その他の場合には具体的に書いてほしいという設問がございました。
 正直に言いますと、私これ丁寧に全部書いて回答申し上げたわけですけれども、この第二問はどう考えても何かおかしいような気がするんですね。あれだけの地価高騰を招いた背景にはいろんな複合的な要素があると思うんです。確かに金融も悪いでしょうし、地価が上がってきたことに政治の対応がおくれたことも事実だろうと思います。ただ、いきなり一番目に「政治家」とあるのはどういう意味かなというふうに私考えました。これは政治なのか政治家個人を指すのか、はっきり言いますと非常に不快な思いがいたしました。
 そういう意味で、この世論調査はどういう結果が出たのか、それからどういう形で公表されたのか、ぜひお聞きしたいと思います。
#91
○参考人(小山森也君) これは、一般の世論調査というものと違いまして、放送する上の一つのプロセスといたしまして先生方の御意見を伺ったというものでございます。
 まず端的に、「政治家」という出し方はおかしいではないかということにつきましては、これは政治でございまして、政治家個人というような意味でやったわけではございません。政治というもの全般に対する問題として私どもやったつもりでございます。そういうことでございますので、政治家特定個人として受け取られたとしましたならば、これからのやり方としてこれは一つの参考にすべきものだろうと思っております。ただ、言いわけを申すわけではございませんけれども、こういった場合に、番組をある意味においてきちっと完結させるためにこういう手段を時々とることがあります。それと同時に、各種調査機関でも広く一般的に行われているということでございまして、このアンケート自体には問題はないけれども、その中の用語の問題として問題はあったと思っております。
 なお、衆参両院の七百六十五人の先生方に調査票を発送いたしました。お忙しい中を四百四十八人、全体の五八・六%の先生方から御回答をいただきました。
 そこで、それをどういうふうに発表したかということでございますが、これは第四問と第七問、第四問は地価をどうすべきだと思いますかという質問でございます。これと第七問の地価を下げることに対する経済的な混乱についてどう思いますかということにつきましては、番組の中で紹介させていただきました。ほかの項目につきまして、十七項目のうち五項目、第一、第二、第三、第四、第五、この項目につきましては 私どもに「月刊ウィークス」という広報誌がございますが、ここで発表いたしております。十七問全部は発表いたしておりません。これは先ほど申し上げましたように、いわゆる世論調査とは違いますものですから、放送の一つのプロセスの問題として取り上げたものですから、そういうような発表の仕方をいたしております。
 以上でございます。
#92
○平野清君 御趣旨はわかりましたけれども、やっぱりいきなり「政治家」というような設問の仕方は今後十分気をつけていただければと思います。
 まだ中にちょっと違和感のある質問もあるんですけれども、このことばかりやってられませんが、今の地価はどれぐらい下げたらいいと思いますか、今の三分の一ぐらいにしたい、今の二分の一ぐらいにしたい、今の八割ぐらいにするというようなこともあるんですね。これは非常に大ざっぱな質問で、感覚的にじゃ半分でいいのか三分の一でいいのか、土地問題に対する設問の認識についてのあれがないんじゃないかなというような疑問も幾つかありました。でも、衆参全国会議員に出されるということなので、私も一つ一つ丁寧に回答したつもりでございます。できましたら、今後こういう微妙な、大変難しい問題に対する世論調査、アンケートというものに対しては十分な配慮をお願いしておきたいと思います。
 次に、国際放送についてお尋ねをいたします。
 今度の湾岸戦争に際しましてNHKの国際放送、ラジオジャパンの果たした役割は大変大きかったと思います。一問目でけなしたから別に二問目で褒めているわけじゃございませんが、本当にこのラジオジャパンの果たした役割は極めて高かったと思います。率直にその努力を評価したいと思います。
 しかしながら、この国際放送の経費でございますけれども、いろんな資料を見ますと、昭和六十年にNHKの負担は三十五億八千万円だったのに平成三年の予算では六十五億一千百万円と倍増近くになっております。しかし、政府の交付金の方は同期間でわずか二億八千百万円しかふえておりません。先ほど午前中島会長がわずかな援助しかいただいていない、非常に本音を述べられました。私は、この国際放送についてはたびたびこの委員会でも言及申し上げておりますけれども、ここで郵政大臣に改めてお伺いしたいと思います。
 郵政省の三事業は大変好調でございますけれども、本省予算は三百億円を切るという大変小さな金額の予算しか持っておりません。それで国際放送を一生懸命やれということを大臣や郵政省の方はたびたび強調されます。そして、その反面で国会の方も附帯決議をして、国際放送には十分な力を発揮するようにということを、恐らく五十年かそのころから毎回附帯決議がついていると思います。しかし、交付金の方はさっぱり上がらない。これでは、今大変な経営困難にあるNHKとしては、一生懸命やろうと思っても経済的に難しいと思いますね。
 そこで、内閣の一員としての郵政大臣として、これを単なる一郵政省としてでなく、内閣、行政全体の国際放送としてのとらえ方ができないのか、そういうことに対して大臣の御所見をいただきたいと思います。
 例えば、外務省も国際放送には関係しているでしょうし、また子女の教育問題等で文部省も関係してまいりますし、領土問題その他では総理府というようなところも当然この国際放送で日本の立場を知っていただく、それから日本の今の状態を邦人に伝える、そういう意味ではこの国際放送の役目というのは大変大きいと思うんです。
 大臣としての率直な御意見をお聞かせいただければありがたいと思います。
#93
○国務大臣(関谷勝嗣君) この問題は古くして新しい問題としてずっとこの委員会でも討論をされておりますし、また附帯決議もたびたびなされておるわけでございます。したがいまして、これをどのように増額していくか。今のような国際化それから情報化という時代でございますから、ますますこの国際放送の重要性というものを私たちは認識いたしておるわけでございます。
 二つの方法があると思うわけでございます。先ほどおっしゃいましたように、郵政省の一般会計予算は三百億円ばかりであるわけでございますが、その予算の額をふやすか、あるいはまたおっしゃられましたように、こういうような一つのシーリソグがあるものでございますから、それではなくして先生御指摘のように関連の省庁の予算も含めて増額に持っていく。その他のまた方法もあると思うわけでございますが、おっしゃいますように、毎回このことが委員会で言われるようなことのないように、平成四年度の予算案からはこの増額のために新しい風穴をあけるべくいろいろ考えていきたいと思っております。
#94
○平野清君 その点NHK当局にお尋ねしたいんですけれども、今関谷郵政大臣は増額するために平成四年度予算で風穴をあけていきたいと、NHKにとっては大変力強い発言があったわけです。母体そのものが小さいんですから急速な増額ということはなかなか望めないような気もするんですが、そういう場合、例えば国際放送部門を分離して特殊財団にするというようなことも識者の間では言われております。そういうことが仮にできたとすれば、NHKの肥大化とか巨大化とか、そういうことに対する一つの対応にもなるんじゃないかなというふうに考えられるんです。
 先ほどの御答弁その他から、五年間かけてこれからのスリム化に向かって御検討中だということですので、早急な御回答はいただけないかもしれませんが、今の時点でNHK当局としてどういうふうにこの問題をお考えか、お聞かせいただければと思います。
#95
○参考人(島桂次君) 公共放送としてのNHKが国際放送の充実ということは、一に私は大変重要なことだと思っております。今や、先生の後のお尋ねの項目にもありますとおり、短波だけではなくて中波の放送もアメリカでは始めておりますし、映像の放送もできたら四月ごろから始めたい、言うならば公共放送として国際的に情報を伝える、NHK放送を外国にいる方々に見せるということは重要な任務だと思っております。
 ただ、NHKの中において、NHKの巨大化ということは、先ほど及川先生のお話にもありましたけれども、適正規模というものもございます。そのいろいろの問題を勘案しながらこれから将来あるべきNHKの姿、規模、やるべきこと、そういうものは決めるつもりでございます。ただ、その場合であっても、こういうインターナショナルな問題というのはやはり公共放送の持つべき相当大きな任務じゃないかと。したがって、この分野だけを切り離して別な組織にするということは今のところ考えておりません。
#96
○平野清君 次に、いわゆる契約収納のことについてお尋ねをしたいと思います。
 平成二年度から受信料が値上がりをいたしました。新聞なども購読料を値上げいたしますと、大抵何カ月かは集金成績が悪くなる例がございます。NHKの場合は、この料金値上げに伴って収納、集金状態というものほどのような変化を起こしたでしょうか。
#97
○参考人(高橋雄亮君) 平成二年度からNHKの受信料料額改定をさせていただきました。当初四月、五月の二カ月間は料額政定についての御理解を求めることに業務の重点を置きまして、放送あるいは新聞その他の広告を使いまして理解を求めました。そのために、総合テレビでは会長に特別枠で二度テレビに出演していただきまして御理解を求めたほか、受信料改定とNHKの業務ということで七日間にわたるシリーズを組んだり、あるいは放送の合い間、一分間あるいは三十秒ということで御理解を求める運動を展開しました。それは約百回に及んでおりますけれども、そういうようなことで、一部にはなかなかまだ御理解をいただけない方もおりましたが、その後の努力もあわせまして今日ではほぼ平年度ベースの収納状況になっているんではないかというように思っております。
#98
○平野清君 それは大変よかったと思いますけれども、手元にある資料によりますと、六十三年九月九十八万件あった滞納が平成二年では九十九万八千件、いわゆる百万件近くになっているわけですね。平成元年八月から有料化された衛星放送の受信世帯は推定では三百八十一万八千世帯というふうに言われておりますが、NHKの方の実際の契約者はことしの一月で二百十九万三千と聞いております。この数字が本当かどうかお答え願いたいのと、このとおりだとすると未契約者は約百七十万世帯ということになりますね。契約率として五七%ちょっとだと思うんですけれども、この差をどのような形で縮めていこうとなさっているのか。
 NHKは見ないから払わなくていいんだというような風潮が徐々に広がっていることで大変心配するわけです。特にまた、四月一日から日本衛星放送が有料放送になります。そちらにきちっと若者のニーズに対応した放送が出てまいりますと、自分はそっちに基本料も払っている、月額二千幾らのお金も払っているんだ、そこへNHKが取りに来たって僕はこっちきり見ないよということになりかねないわけですね。そういう意味で、今まで日本人特有のNHKに対する信頼感から受信料を払ってきた世代というものがだんだん高齢化してまいりまして、若者のテレビ離れも始まっておりますし、NHKの受信料を払わなくても済むという人がどんどんふえていく、片方では一生懸命まじめに払っている、そういう人の間に不公平感が非常にわいてくると思います。そういう意味で、どういう方法でこの差を縮めていかれようとするのか。
 それから、前の質問にもありましたとおり、共同住宅とかマンションとか、中には外来者は直接入れないようなマンションもどんどんふえてまいりました。そういうことも考え合わせて、この滞納を一掃するということは並み大抵の努力ではできないような気がいたしますけれども、NHKとしてはどういう対応をとられるのか。特に郵政大臣の意見書では、「特に衛星料金を含む受信料については、一層の契約締結の促進を図ること。」という意見がはっきりついております。これについてNHKのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#99
○参考人(高橋雄亮君) お尋ねは三つあったかと思いますが、最初の衛星の受信状況、契約状況はどうなっておるかということでございます。
 先生御案内のように、昨年また湾岸戦争以来大変普及の方は拍車がかかりまして、当初考えました平成二年度の三月末の普及数、三百三十万ということで私どもは見ておったんですが、これにつきましては三百九十万から四百万にほぼいくのではないかというのが現在の普及の勢いでございます。
 それに対して契約の方は、私どもは九十三万件ふやしまして二百三十一万件を三月末までに達成したいということで二年度の計画を立てたわけでございますが、これにつきましては既に目標を達成しておりまして、これをどれだけ上乗せできるかという段階でございます。ただし、先生御指摘のように、普及が非常に自覚まいしものがございますので、契約率は年初五一%だったものを三月末で五八%台に乗せられるかなというような状況になっております。
 それから、普及はふえて契約は伸びないと、これからその乖離が大きくなるじゃないか、どうやって埋めるのかということでございます。これにつきましては、私どもはやはり年間の計画を立てて、その計画を着実にやっていくということで経営五カ年計画も立てたわけでございますので、三年度につきましては衛星は百四十五万件の有料契約化ということを目指して努力してまいりたいなというように思っております。
 そのためには、全体の営業関係の経費はふやさない、むしろ減らす方向で努力をするということを約束しておりますので、これに携わるパワーのシフト、つまりこれまで訪問集金その他で大変お金がかかっておりますので、こういうパワーを間接集金することによって浮き出して、そしてそれを衛星の契約化に結びつける。あるいは、学生とか主婦とかその他民間会社も含めまして第三者の方たちの協力を得ながらやっていく。一方、金融機関その他についても、契約の取り次ぎその他も窓口でお話しいただくように御協力をお願いし、了解を得ておりますので、そういうようなことをやりながら進めてまいりたいなと。それから、一番これまでNHKとの関係で問題があったCATVでございますが、これもようやく話し合いがつきまして、これは各CATVさんのよって立つ経過なり事業計画とも絡みますけれども、地域によってはNHKにかわって集金業務もやるというところまで話し合いが進められておりますので、そういう方向でいきたいと思っております。
 それから、もう一点の確実に料金を収納しろということで、これは何と申しましてもNHKは受信料で成り立っている企業でございますから、これが生命線でございます。したがいまして、私どもは確実なる目標を掲げながら、その目標の達成に全力をかけてやってまいりたいと思っております。ただ、従来のようなやり方では、御指摘のように民間の衛星放送会社も出てきますし、なかなか御理解も得られない、営業活動も苦労するということがございます。したがいまして、新しい角度から営業のあり方も見直しながらトライをしていきたいということで考えているわけです。
#100
○平野清君 先ほども申し上げましたけれども、若者のテレビ離れというものに対応したPRにもぜひ力を入れていただきたいと思います。
 時間も余りありませんので、次にMICO、いわゆる国際メディア・コーポレーションについてちょっとお伺いをいたします。
 MICOが平成二年七月に設立されまして、同社が民放各社に対し参画の要請を行ったというふうに聞いておりますけれども、同社の設立そのものに対し民放が一斉に反発したとも言われております。このMICOに対して、NHKが設立に当たってどのような役割、関与をしたのかお伺いしたいと思います。
 それからもう一つは、NHKの地域ソフト会社のことでございますけれども、MICO設立の批判に呼応するかのようにこのソフト会社に対する民放の反発も強まっております。例えば、NHKちゅうごくソフトプランとかNHK北海道ビジョンというようなものに対しましては、民放各社がNHKの各放送局長に対して抗議書を提出していると聞いております。きんきメディアプランとか名古屋ブレーンズというようなときには何ら抗議がなかったのに、なぜこのように急に民放各社が反論を強めたのか、NHKの知り得ている限りの見解をお聞かせいただければと思います。
#101
○参考人(青木賢児君) 今二つお尋ねがありましたけれども、一つはMICOに関するお尋ねでございます。
 御承知のように、MICOは去年設立された会社でございますが、これはもともと世界的に情報化社会というのが非常に進展してまいりまして、情報といいますかソフトが巨大な商品として流れていくという時代になりまして、世界的に大きなマーケットが登場してきております。そのために大きな資本が世界的にこのソフト市場を形成しているわけですが、そういう中で日本は専ら買うばかりというふうな現状、これを打開するためにやっぱり我々としても大いに努力しなきゃいかぬ。NHKも大変努力してまいりましたけれども、なかなか日本のソフトが世界に出ていかない。
 そういう実情を我々はさまざまな角度から分析して検討してまいりましたが、やはり日本から出していくためには、そういった世界の市場に対応できるようなそういうシステムをつくる以外にないということで、実はNHKの関連会社を含めまして、ここには外部の出向の方々も大変たくさんおいでになりますが、こういう方々と一緒に世界的なマーケットの事情を研究してまいりました。それをもとにしてこういったプランが出てまいりまして、去年の七月にこれが結成された。全国で二十七の会社から出資が行われているわけですけれども、これにはNHKは直接出資しておりませんが、この会社の運営に当たってはNHKのノーハウとNHKの経験を十分生かすべく人的なサポートをして、この事業の趣旨に賛同した形で応援をしているというのがNHKの立場でございます。
 さらに、これに呼応して地方の会社について民放の方からいろいろ御意見がありましたが、これについても民放の方は、MICOと同じようなNHKのソフトの独占を目指す野望がこれにあるのではないかというふうな御意見でございました。我々としては、MICOも含めて専ら情報を出していく、あるいはNHKの公共放送事業をサポートするというのが目的でございますので、そのようにソフトを独占するようなそういうものではないということを民放の方々にもるる御説明しておりますが、現在のところ、なかなかまだすっきりと御納得いただいていないということでございます。
 なお、地方の関連会社につきましては、それぞれの地域で民放の方々と十分にお話し合いをしまして、確認書を交わす形で話し合いがついているというふうに思っておりますし、これからもなお御理解を得て共存の実を上げていきたいというふうに我々は希望しておるところでございます。
#102
○平野清君 時間も参りましたので、NHKの方とそれから郵政大臣に一言ずつ御答弁をいただきたいと思います。
 今のお答えにありましたとおり、MICOの設立に当たっては今後の番組ソフトの不足対策があるように思います。今後の番組ソフトの需要動向またはその対策の基本的なお考え方をNHKにお聞きしたいと思います。
 そして、郵政大臣には、番組ソフト不足時代の放送行政の施策として、放送の多チャンネル化の趨勢の中で将来のソフト不足をどのように解消していったらいいのか、郵政省はどのような方策を今お考えなのかお聞かせいただければと思います。
#103
○参考人(島桂次君) 先生がおっしゃるとおり、多メディア時代、情報化社会というのはすさまじい勢いで今全世界に進んでおります。何といいましてもハードの発達がもうここまできますと、問題は放送ソフトですね、情報ソフトと申しますか、これをいかに集めるか、いかにソフトを制作できるか、この力がまさにこれから世界の大きな国際競争の中に入っていくんじゃないかと思います。日本でも既に電機メーカー初め、ハリウッド映画の買収とかいろいろの意味で国際的な熾烈なソフト合戦がもう既に始まってきております。
 私どもは、あくまで公共放送でございますから、そのソフトをつくる能力をできるだけ多くの人材を養って育てると同時に、ある意味ではMICOあるいは外国の放送会社と協力しながらソフトを獲得する。どうやって質のいいソフトを獲得するか、しかも安く獲得するか、これが極めて重要な問題になってきております。そういった問題について今全力を挙げて取り組んでおるところでございます。
#104
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私に対します質問でございますが、ソフトの需要の増大の中でどのように今後対処していくかということでございます。
 まず、スタジオなどのソフト制作に要します各種の施設がございますが、そういう施設の立ちおくれあるいはまた人材不足が深刻化してきているというような大きな問題が起こってきておるわけでございまして、まず第一には財政投融資などによりますそういう施設の整備の促進のための援助をしていきたいと思っております。
 それからまた、人材不足に対しましては、きょうの冒頭で電気通信基盤充実臨時措置法案の可決をいただいたところでございますが、この法律の内容を忠実に履行させていただいて人材不足の解消に努めていきたいと思っております。
 それから、放送法の規定に基づきまして本年の二月に指定を行ったところでございますが、放送番組センターというものによりまして、情報の収集、保管、公開等の業務を通じてソフトの制作、流通の活性化に有効に役割を演じていきたい、そのように思っております。
 それから、先ほど先生御質問のMICOの問題でございますが、いわゆるNHKと民放との間にいささかのあつれきがあることは事実でございまして、これは両者それぞれ持っております立場でお互いが切磋琢磨をしていくというようなことで私は発展をしてもらいたいと思っております。それが行き過ぎました場合には、当然郵政省としてもいろいろな指導をしていくつもりでおります。
#105
○平野清君 終わります。
#106
○守住有信君 けさほど基盤充実法を可決いたしましたけれども、その前の法律を思い出すわけでございます。通信・放送衛星機構法の一部改正、去年の三月末でございました。いわゆる離島、山村、山の奥の奥と申しておりますけれども、NHKはいろいろ中継局とかミニサテとか共同施設とか、民放もあれはともに見えるわけです。衛星放送は受信機がある程度値段が張る。本当の山の奥は開拓地域でございまして、非常に所得も少ない人たちだと。それに対して、この機構に三十億の基金を創設して、受信設備に必要な経費の一部、四分の一ですけれども助成をする。
 私はあのころ、補正予算で税収もたくさん入っておりましたので、時宜を得た政策だ、今まで一番欠けておった部分だ、こういうふうに認識をいたしておりましたが、既に一年ばかりたつわけです。基金の運用益が出ないと一方じゃだめですから、現場の方で、末端の方で今どのような実態になって、あるいは進行形でどのように進んでおるだろうかということをまずお尋ねしたいと思います。
#107
○政府委員(桑野扶美雄君) 昨年、受信対策基金制度を創設していただきまして以来、私どもといたしましては、都道府県知事あてにいろいろの協力要請もいたしましたし、都道府県、市町村へのパンフレットも送付いたしましたし、また説明会も開きました。特にねらいの都道府県あるいは市町村へは訪問もいたしましたし、電話等による説明もいたしております。
 こういうことで周知に努めてまいったわけでございますけれども、現在の交付状況は、申請中のものを含めまして十九市町村三百三十五世帯に交付をいたしておるところでございます。
#108
○守住有信君 今まで長い間、郵政行政というものと地方公共団体、県、市町村の関係は、簡易保険の地方債の資金分担ということだけはありましたけれども、地方債の許可制度、郵政大臣はあれは除外されておりまして、大蔵大臣と自治大臣だけと。私は現役のころ、あれはツケ払いだ、こう言っておりましたけれども、やっとこういう芽がだんだん出だしてきた。ますます県を通じて一番弱い地域、これは山の奥の奥でございます。そういうところに住んでおられる住民への努力というのが出だしたわけでございます。
 ただ私、地方で見ておりまして、県を通じて過疎の町村、ほとんど村でございますけれども、これへの浸透というのが、村の山の奥の方でございますし、それからさらに奥に入ったところですが、これがなかなか進まぬなということを非常に痛感しております。これは本省じゃございません。地方組織でございます。県は招集権がございます。我々電監は招集権がないわけで、県を通じての施策の浸透、いろんな施策がどんどん今起こりつつありますけれども、これが非常に私は今後力を入れるべきテーマではないか。
 何もこの基金の三十億だけじゃございません。一方では国土庁の過疎地域活性化特別措置法という議員立法、初めて去年の四月一日から電気通信に関する施設ということで、郵政省におられる、かつて法制局の参事官もした法律制度に明るい方と一緒に、議員立法の中へ初めて電気通信に関する施設というのを入れました。山の奥の奥じゃなくて過疎地域、熊本県で言うなら九十四市町村がございますけれども、既に五十四の過疎地域、その中にあの過疎債を活用して七割の補助をやる。これは民放の方でございますがね、後発民放。あるいはまた、いわゆるNHKが努力された共聴施設、もう古くなっております。そして、衛星放送も始まっておりますが、あれが非常にメリットがあるのは実は地方民放の方でございます。
 私は、NHKと民放が、何かいろいろ思惑、戦略があるわけでしょうけれども、お互いの理解が進んでおらないということを非常に痛感しておるわけでございます。今平野委員がお話しになりました国際はまた別といたしましても、ローカルの九州でもソフト会社をつくろう、こういうことがございましたが、九州の民放がやっぱりいろいろ意見がある。とそれで、地方に電監があるわけでございます。そこで、ジャッジじゃいけませんけれども、その利害の調整をやるのが行政の役割だ。通産行政についてもしかりでございます。そういう姿勢で、ジャッジではなくて両方の、NHK、地方民放の幹部の方々を一堂に会されて、そこに司会者としての電監局長ということで両方がオープンで、一方だけお聞きになるということじゃなくて、そういう仕組みでお互いの理解を深めていくということが必要だろうと思っております。
 九州の場合も、私盛んに提言をいたしたわけでございますけれども、実態を調べたらNHKだけ個別に呼ばれる。民放の幹部だけ個別に呼ばれる。これでは今のような問題はなかなか相互理解が進まないんじゃないか。何も強権発動じゃない。共通の場を行政が設けて、そこでお互い三者が理解し合って進む。まさしく会長が言われるような映像文化の時代で、海外へも輸入ばかりじゃなくて大いに発信していかにゃいかぬ、こういう感じを持っておるわけでございます。
 その中で特に、私この間静岡に、あれは青木委員長のときでございますけれども行きましたら、例の火山の地震とかいろいろで、静岡県と秋田県と熊本県が全国のNHKの中で番組編集も時間帯も非常に自主性を与えた活動をやっておられる。静岡の県民が非常に喜んでおったわけでございますが、そういう発想とか仕組みはいかがになっておりますでしょうか、ちょっと御答弁をお願いします。
#109
○参考人(小山森也君) ただいま先生がお話しになりました三つの放送局が現在までの年度としてモデル放送局としてのパイオニア局となっておりますが、これは平成三年度におきましては大幅に広げる予定にいたしております。
 じゃ、パイオニアというのはいつまでやるのかと。パイオニアはあくまでもパイオニアでございますので、来年度テストをいたしまして、それぞれの地域における自主性をどのように持てば地域社会に貢献するNHKになるか、またさらに全国ネットワークを持つNHKと地域放送とをどうやって組み合わせていけば、それによってNHKの機能というものがより高く機能するかということを来年度もう一度やってみたいと思っております。
 なお、その成果によりまして、より今度は計画的に全国に広めて、地域社会と生きるNHK、それと同時に全国にネットワークを持つNHKというものを全国的に展開していこう、こういう計画になっております。以上でございます。
#110
○守住有信君 そして、そのようなローカル放送、ローカル特集を発信していこう、それが日本全体になって国際社会へと、こういうことでございます。
 例えば具体例で、県の地方事務所の一室をNHKがお借りになりましてミニサテ局というふうなことで、単に熊本県なら熊本市だけではなくて、いろんな地方の都市の地方事務所の中をお借りになってお始めになったんですね。非常にこれは評判がよかった。県だけじゃなくて市郡といいますか、本当に地域密着だと。ところが、一方では地元の民放さんがあれはけしからぬというふうなとらえ方で、私のところにも意見表明がありました。私はこう切り返しましたよ。あなた方も一社ごとには無理だから、熊本は四社ありますけれども、四社が共同して、それができていない地方事務所がまだ幾つもあるわけですから、そこでおやりになったらどうだ、こういうことで私は社長さん方に切り返したわけでございます。
 こういう問題も、実は地方電監はノータッチというか全く放任ではないか。何か番組問題はタブーだという、それは番組の内容でありまして、そのシステム、仕組み、民放は民放、NHKはNHK、ともどもローカル番組に力を入れていくような、民放は共同利用型の仕組みでということを私は痛感したわけでございます。
 ここらあたり、局長さん、何も本省という意味じゃなくて、地方での仕組みとかノーハウとか行動力とか知恵とか、どうも本省の論議と地方での実態とは非常に違うなということを私は感じております。現職の皆さん方は一体どのように地方の活動、電監の放送部その他いっぱいありますけれども、お受けとめになっておられるのか、ちょっとだけお尋ねを申し上げます。
#111
○政府委員(桑野扶美雄君) 先生いろいろ御指摘いただきましたように、まずこれからの放送行政というのは、やはり難視聴対策にいたしましてもすべて県だとか市町村を通じて、あるいは市町村にも財政的な御負担も願ってやっていく施策が、例えば来年度における電気通信格差是正もそうですし、もちろん先ほどの高度化資金もそうですし、過疎債もそうですしということで、地方の電気通信局とまず自治体との結びつきというのは今さらながら非常に大切であるということを我々認識しております。徐々にではありますけれども、地方電監もその認識が十分浸透してきていると思うわけでございます。
 さらにまた、地方電監における民放あるいはその所管の管内におけるNHK、何かそういうような問題が起こりました場合に、先生が御指摘あるいは私どもに御指示いただいておりますような話し合いの場をつくるとかいったようなことは本当に大切なことだろうと思います。私どもも地方にそういうことを折あるごとに言っておりますし、また既にもうそういうことを開始している地方電監もありますので、徐々にではありますけれども、先生の御趣旨に沿って地方電監の活動が推進していくものと思っております。
#112
○守住有信君 実は同じ郵政でも別の世界ですけれども、地方銀行と地方の郵政局長と地方で金融懇談会を秋から設ける。いわゆる金利自由化、金融自由化の中で、銀行局長と貯金局長が協定しまして、地方銀行と地方の郵政局の幹部が金利金融問題について自由な、フリーなコミュニケーションをやっていく。長い間郵貯戦争もやりましたけれども、それは順に据えながらやっていくという時代。
 他方、こちらの方は行政でございますから、私は行政というのはやっぱり利害の調整をするというのが一番のコミュニケーション。したがって、やはり形から入る。地方の民放とNHKと電監が入ってのトップクラスの懇談会を制度的というか、内部的に制度的に設けて、もういや応なしにやっていく。ある雷監は、その人材というか人の能力というか、それが出てなかなかやっとるわいというふうな情報を耳にします。全国的に見た場合、これからますます国際化の問題、これは本省のマターだと思います。地方民放も炭焼き小屋論があるわけでございます。八チャンネルでどうだとか実は長い間のそれがあって、非常に誤った被害者意識もおありになるわけです。正しい情報を行政を通じ、あるいはNHKと民放とローカルでそういうお互いに理解し合う、そして相互に特徴を発揮し合う。そして、民放もローカルの報道番組からだんだん知恵を出す。
 まだ時間はわずかでございまして、それはNHKさんの方がはるかに立派に九州は九州でネットワークをおつくりになる。民放だってキー局があるわけです。例えば、九州で言えば福岡にキー局の準キー局がある。九州内の同じ系列の民放とそういうネットワークづくり。NHKはとっくにやっています。番組の内容は別にしても、民放のローカル番組に対する取り組みに、NHKのいいところをどんどん助言もなさって、そしてともどもにNHKと民放が、特徴は違いますけれども理解し合っていく。ますます厳しい状況になっていきます、非常にマスコミ的にも。民放の話は、NHK側から今まで聞いておりましたが、言いにくいでしょうからね。これをかわってやるのが私は放送行政ではなかろうか、こういうふうにも思っております。私の意見に非常に相なってまいりますが、よろしくお願い申し上げます。
 重ねまして、過疎活性化法を活用した、過疎債を活用した後発民放に対して大いに力を入れていただくということがキー局も地方民放も郵政省を多とすると、こういうことにもなってくる。変な言い方をすれば、民放さんにも貸しをつくっていって、そしてNHKと民放との間を調整というか、お互いの理解の場をつくってやっていくということも実は私の念頭にある。今後過疎債の、これは同じ放送ですが民放になりますけれども、中継塔を七割補助でございますからね。今どき七割補助なんて、国の法律制度を見てもないわけでございます。特別の仕組みでございますけれども、まだまだ浸透が足らない。熊本県は大分申請を出しておりますけれども、九州全体から見てもある県では二つだとか、ある県ではないというふうなところもある。まだ平成二年度の予算配分ですから全国的には承知しておりません。
 そして地方民放、後発民放のために、いわゆる放送文化格差論、同じ町民であってある地域は見えてこっちの方は見えぬ、町会議員とか会いますと猛烈にそれを言われるわけです。それで、民放は株式会社だから配当せにゃいかぬということで、設備投資も年に一カ所か二カ所ぐらいなんですね。それをああいう過疎債を活用して、地元の町村長、議員あるいはまた住民は物すごく切望している。これにもっと地方をハッパかけて積極的にやっていただく。おくれた民放ですよね。
 それで、その問題をずっと進行させていくときに感じましたのは、ある民放はやろうというわけです。二波見えないと。ところが、ある民放はまだ順番が来ておりません。それよりもなお後発ですから、もっと享便人口の多いところを営業、電波料の問題もあるだろうから、それが順番だと。そこは補助制度がないわけですからね。せっかく補助制度がある地域については、後発のA社とB社もともに鉄塔の中に送受信機を、周波数は違うわけですから、共用化していけばコストは安くなるわけです。幾ら補助があるといったって三割は地元が負担するわけで、一割自治ですから自己財源は本当にない過疎地域でございます。ここをよくとらえられて、そういう民放同士の調整といいますか、A社はやる、B社は後回しだというふうじゃなくて、A社もB社もともどもこれをやらせませんと、今度は町長の立場、町会議員、町民の立場がある。あっちの社はまだ後ですよ、また自己負担も要りますよ、鉄塔は共用するにしても送受信機その他は要るわけですから。
 そういうことで、いろいろ体験をいたします。私は田舎の方から東京を見ております。田舎も過疎の離島とか山村とか、過疎の中でもまた山の奥の奥の住民の方々、これが完全に放送文化というものが同じように均てんできてこそ、世界に向かって羽ばたく放送文化、映像、こういうことになるであろう、こういうふうに私は昔から痛感いたしております。
 余りNHKにはお尋ねしませんでした。むしろ行政の方が、特に地方行政がこれを大いにハッパをかけていただいて、マニュアルもつくって、フォーマットというかそれもつくって、懇談会もがっちり、どこでもそういうものがあると、たまたま熱心な電監局長や放送部長だけではだめだと、こういうことを今後のお願い、多少いささか苦言を言っておりますけれども、申し上げました。後ろにいろいろ部下の方々もおられます。これは会議録、記録に残るわけだから、地方の放送部長や電監局長にも大いにハッパをかけていただいて、そして最終的にはNHKと地方民放がお互いに理解し合って、放送文化のそれぞれの特徴を持った、ローカル文化も含めての発展というか、県民あるいは町村民に理解ができる、訴えていける、その中でNHKはNHKとしての公共放送あるいは受信料制度の上に立つ仕組みが発展していく、大いに御期待も申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#113
○星川保松君 私は、この逓信委員会に来てまだ日が浅いものでありまして、NHKの年度予算並びに関係の案件を審議するというのも初めてでございます。
 NHKと言えば公共放送ということになっておるわけでありますけれども、午前中からずっと公共放送についての論議が行われておるわけであります。私も公共放送というのは一体何だろう、こう考えてみました。いろいろと資料を読んでみましたり放送法を読んでみたりしたわけでありますが、公共放送とはこういうものであるというはっきりした定義がどこにも載っておらないのでございます。放送法の中には、公共というのはいわゆる「公共の福祉」などという言葉が出てまいりますが、これが公共放送でこれが非公共放送だというようなことは全然出てまいりません。
 そこで、きょうはNHKの島会長と直接お会いできるわけでありますから、公共放送とは一体何であるかということがわかるだろうと思って実は楽しみにしてきたのでございます。ところが、午前中のお話をお聞きしておりまして、正直言ってますますわからなくなったというのが本当の気持ちでございます。確かに多メディア、多チャンネル時代に入って公共放送というものの位置づけが難しくなったということはわかるのでありますけれども、難しくなってきたということは、つまり公共放送と公共放送でない放送との境界がもうわからなくなってきておる、それがますますわからなくなってきておるということだろうと思うんですね。だから、やはりそれに備えてもっと早くから、公共放送というものはこういうものだということを私はNHKも十分論議しておられたのではないかと実は思っておったのでございます。
 つまり、四月の一日からJSBの衛星放送が開始されるということでありますが、今まで国民は、NHKとほかの民放との違いというのは極めて単純に、NHKというのは受信料を取るんだ、ほかは無料なんだということで分けているわけです。ですから、公共放送と言うならばNHKが公共放送、公共放送だから受信料を取るんだということなんですけれども、受信料を取るから公共放送だということではこれは納得がいかないだろうと思うんです。今度は、いわゆるJSBの衛星放送が、これは契約を聞きますと月々二千円ずつもらう、それにはコマーシャルは入ってこないと。そういうことになりますと、コマーシャルが今まで入ったのは、ただ。今度はコマーシャルが入ってなくとも料金を取るということですね。国民はまたこの公共放送とそうでない境界がますますわからなくなってくるんじゃないかと思うんです。
 おまけに、いわゆるJSBの電波を受信するためにパラボラアンテナを立てて受信装置をつければ、当然これは同じ衛星からNHKの衛星放送も流れてくるわけなんで、そういう設備をすれば当然NHKの受信料もいただきますということになるんだろうと思うんです。そうしますと、今JSBと契約する方は月に二千円ですけれども、それと同時に今度はNHKさんが行って、あと二千三百円出してくださいよということになって四千三百円になるわけですね。そういうことになりますと、ますますわからなくなってくるのではないかというふうに私は思うわけですね。
 いわゆる受信料が頭打ちだ、受信料徴収というのはもうこの先明るいわけじゃないんだということの中には、いわゆるNHKは公共放送をやるんだ、だからNHKには受信料を払っても当然なんだという国民の受信料を払う気持ち、それが公共放送というものに対する理解とつながっているんだろうと私は思うわけですよ。そういう意味で、公共放送というものはこういうものである、NHKはその公共放送を担当しているんだということを明確に打ち出していかないと国民からますます見放されていって、それでNHKの先が心配されるようになってくるのではないか、こう思うわけです。
 ですから、もっと私は国民がわかりやすいように、NHKは公共放送をするんだ、公共放送というものはこういうものだということを国民に説明していかなくちゃいけないんじゃないか、こう思いますが、その点について会長のひとつ御意見をお伺いしたいと思います。
#114
○参考人(島桂次君) 先生おっしゃるとおり、戦後長い間、つまりNHKの公共放送とコマーシャルを中心とする民放の二本立てが、多メディア時代、情報化社会になってまいりましてペイテレビという先生が御説明のとおりの制度ができてきました。これから将来ケーブルテレビとかいろいろそういう新しいメディアが発達してきますと、今までみたいな公共放送と民放というような割り切り方ができなくなってくる。
 言葉を返して私たちの方の立場から言いますと、受信料制度、つまり罰則もなくて我々が国民の皆さん方一人一人と契約して金をいただいてくるという制度は世界でNHKだけでございます。BBCとかいろいろヨーロッパにも公共放送らしきものがございますけれども、これは全部国の力で金を集めていただいているわけでございます。そういう意味で言いますと、私は世界で公共放送というのは今NHKしかないんじゃなかろうかと思います。公共放送とは何かといえば、これはやはり国民一人一人の方々と直接うちの放送を見てください、月額これだけですということで、もちろん法律はそこで契約しなさいということはうたってあるわけでございますけれども、そういう形で我々の財源が成り立つ。
 そういう放送であれば、当然ペイテレビあるいはコマーシャルテレビジョンでいろいろやっていることもたくさんあるわけでございますけれども、そういう制度ではどうしてもできない、いろいろなやはり放送上のやらなければいかぬことがたくさんあるんじゃないか。少なくともその情報の基幹的なものですね、言うなれば米の飯、水みたいな、そういうものが放送にも必要じゃないか。つまり、コマーシャルベースには乗らない、ペイテレビにも乗らない、しかし国民の皆さん方には十分伝えなければいかぬ情報というのがあるんじゃなかろうか。そういうものをやはり我々は基本的に目指していくべきじゃなかろうかと。
 そういう我々の放送の出し方、その質の内容、そういうものがもし国民の皆様の支持を受けなくなってくれば、当然のことながら私たちのこの公共放送というのは成り立たなくなってくるわけでございます。国会の先生方に集めるということについての御認可をいただいても、実際に集めに行って集まらなければ、つまり国民の支持がなければこれは成り立たない。そういう仕組みがやはり僕は必要だと思うし、それが日本の公共放送であるNHKの立場ではないか。
 先生何度もおっしゃるように、極めてわかりづらい話かもしれませんけれども、少なくとも私たちはそう思っているわけでございます。
#115
○星川保松君 国民の支持がなければ公共放送が成り立たないと会長がおっしゃるのもなるほどとは思いますけれども、国民の側からすれば、公共放送というものはこういうものであるというふうに明確に示していただかないと、どれが公共放送、なぜ公共放送かというすっきりNHKに対する理解というものは生まれてこないんじゃないかと、私こう言うわけなんです。
 それを国民の側に先に求めるということではなくて、やはりNHKが公共放送というものはこういうものだということを国民に説明できるようにいろいろ勉強したり、協議をしたりして打ち出していただく。それを示さないで国民に理解を先に求めようといっても、国民は何が公共放送かわからないのは当然なわけでございます。やはりもっと積極的にNHKは公共放送というものはこういうものですよ、公共放送というものはいわゆるコマーシャルベースのものとは違うんですよということを明確に説明して、納得してもらう努力が私は必要じゃないかと、こう思っているわけです。そういう国民の立場で公共放送をどう理解したらいいのかなと思って私はいろいろお聞きしているんですけれども、やはりわかったというふうになかなかいかないわけなんです。
 それで、公共放送というのはこういうものかと。例えば、放送法の第一章の二に「放送番組の編集等に関する通則」なんというのがあります。第三条の二の方には、「公安及び善良な風俗を害しないこと。」、「政治的に公平であること。」、「報道は事実をまげないですること。」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」と、これが公共放送というものかなと思って見ますけれども、これは総則でありますから、別に第二章の日本放送協会にだけかかっているものではなくて、第三章の方のコマーシャルベースでやっておるいわゆる一般の放送事業者にも同じことが要求されているわけです。
 だから、この中に公共性というものを求めてもこれはやはり無理だろうし、ということになると本当にわからないんですね。ですから、ひとつもっと検討していただいて、ますますわからなくなるのに国民の方でとにかく理解してくれということでは混乱が広がるだけじゃないかと思って、私心配で仕方がないわけなんですよ。
 それで、郵政大臣から公共放送についてひとつわかりやすく説明してもらえませんか。
#116
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生からそのようにおっしゃられます前は公共放送というのはきちっとわかっておったつもりでございますが、今の御意見を伺いまして私もまた仲間になったような気がいたします。
 単純な表現かもしれませんけれども、やはり公共放送といいますと、その中立性といいましょうか自主性、そういうものをきちっと堅持していくということが一番の私は基本的な考え方ではないかと思うわけでございます。民放であれば民放のそれなりのカラーといいましょうか、いささかどちらかに寄った考え方などもあるわけでございましょうが、そういうようなことも極力抑えて、その判断は視聴者の皆様方にしていただくというような番組あるいは報道をするというのがこの公共性の基本ではないかなと思うわけでございます。
 それと、これは公共性であるかないかは別といたしまして、やはり番組の間にスポンサーの宣伝のフィルムが流れないということも、これもまた私はそれなりにNHKと民放の大きな違い、すなわちまたそれが公共性のある側面も指摘しているんじゃないかな、そんなことを考えておるわけでございます。
 島会長の答弁でもちょっとおわかりにならぬわけでございますから、私の答弁でまたもう一つ御理解をいただけるかどうか難しいのでございますが、しかしやはり公共性というのは何となくそういうふうに自分の頭には入っておるように私はいまだに自信を持っておるわけでございます。そういうようなところでひとつ御理解をお願いいたしたいと思います。
#117
○星川保松君 困ったものですね、なかなか。ただ、この問題はNHKのあり方をめぐって今後ともやはり大きな問題だろうと思うんです。ですから、やはりわからないということでは済まされない問題だと思いますので、公共放送とは何かということをここでひとり改めて郵政当局もNHKさんもそれから我々も考えなければならない時期だろうと思います。みんなで真剣に検討していかなければならない段階だということだけ申し上げておきたいと思います。
 それで、いわゆるNHKがどんどんどんどん大きくなってきておる。いわゆるメディアも九つですか、の波を持ってやっていくということであります。今までのNHKのお話を聞いておりますと、NHKイコール公共性、だから公共性というなればNHKしかやれないことを何か持っていなくちゃいけないという、何か私から見るとちょっと語弊があるかもしれませんが、焦りのようなものを感じる。結局公共放送、NHKしかやれないハイビジョンということで、先ほどは会長がこれに命運をかけるということまでおっしゃられたんで、そこの方に必要以上といいますか、思い込んだような形で何かのめり込んでいるような姿勢が見えてならないんですが、そういうことはどうお考えなんですか。
#118
○参考人(小山森也君) 実はこれは郵政御当局からお話しすべきことかと思いますが、一つはまず最初にハイビジョンのことでございますが、ハイビジョンはNHKだけではございません。技術を公開いたしておりますので、今現にハイビジョンのメディアを使いまして各民間放送も全部ソフトをつくっております。したがいまして、NHKだけのものではございません。
 それから、前段の方で若干、差し出がましいようでございますけれども。
 ソフトに関しましては、島会長が御説明申し上げましたとおり、いわゆるどなたにでも合意を得られるソフトを常につくっていく、そういったものがやはり公共性の最たるものであるんです。
 また、形式上でございますけれども、これは非常に大事なことは、いわゆる民間放送は私法的な契約に裏づけられました一つの法的な規範の中に入ってまいります。したがいまして、その中で行われます企業というのは、いわゆる私的企業としての活動でございます。私どもの場合は公的規制でございます。放送法という公的規制、これによって裏づけられました受信料というものを取ることを国会から承認されているわけです、法律をもちまして。しかしながら、そこで重要なことは、公法的な裏づけのある受信料をいただく権利、これを持ちながらかつ放送の内容につきましての編集権、これは放送事業者であるNHKに全面的にこれを法律上任されております。これがいわゆる民間放送と私どもNHKの法的な一つの規制と、これは形式的なものでございますけれども、非常に違う点でございます。
 ここで大事なことは、あくまでも公的規制を受けながらも放送事業者としての編集権というものはNHKに任されているということであろうかと存じます。これがいわゆる公共放送として、世界では珍しい国営放送でないところの公共放送というものであろうと思います。
 それから、電波を使う点におきましては、先生おっしゃるとおりに第一章の二に通則がございます。常に公平でなければならぬというのは私どもにとりましても当然でございますが、それと同時に、このように国会におきまして事業計画の承認を得て、常に各党の御了承を得て事業計画を進めていくという点におきまして非常に形式的にも違っていると思います。
 なお、ソフトにつきましては、先ほど会長が申し上げましたように、あらゆる階層の方に、あらゆる職業の方にあらゆる面におきましていわゆる情報であり、あるいはエンターテインメントであり、中にはドキュメントであり、いろいろな意味におきまして短期的な利潤を追わないで、長い目で見て常に受信者のためになるということを心がけていくという点がほかの私的な基準に従いました企業とは大分違うんではないか、このように思います。
 無論、こう申し上げましても、先生御納得いただけぬ点におきましては、手短には申し上げられませんが、ひとつ幾分なりとも御参考にしていただければ幸いと存じます。
#119
○星川保松君 私は、国民が納得いくような、民放を見たりNHKを見たりしている方々がわかるように、公共放送というものはかくなるものであるというふうなことを国民一般だれにでもわかるような説明、努力をしてくれということを初めから言っておるのでありまして、あなたが今説明なさったみたいな法的にこうだ、だから受信料を出せといったら、逆にそれは聴視者、国民は反発してくるんじゃないかと思うんですよ。ですから、我々にはそういう説明でもいいかもしれませんが、やはり国民の皆さんにはそういうことは極力おやめになって、内容で視聴覚に訴えて、そしてこれが公共放送だというようにわかるような努力をすべきだということを私は申し上げておきたいと思います。何かありますか。
#120
○参考人(小山森也君) 先生のおっしゃるとおり、私どもは国民のコンセンサスによって支えられているものでございます。
 ただいま非常に理屈っぽいことを申し上げましたけれども、事実の問題といたしましては、あくまでも放送を通じまして受信者の皆様方から御援助、我々の支援をいただくということだろうと思います。
 なお、参考までに申し上げますけれども、私どもといたしましても、今までそういった意味での受信者の皆様へ対する周知徹底といいますか広報活動が足りなかったということで、新会長になられましてからきつく私どもに命がおりております。現にかなりの放送時間を割きまして、「NHKほ望む」とか、視聴者会議とか、あるいは会長自身が放送の映像面に出ていろんな御説明を申し上げる。あるいは、第三者の数名の方たちに御出演いただきまして、NHKに何を望むかというような広報番組も最近活発に行っているところでございますが、先生の御意見に従いまして、より活発に広報活動はしなければならないということを肝に銘じて感じたところでございます。
#121
○星川保松君 次に、いわゆるMICO、国際メディア・コーポレーションについてお尋ねをしたいと思います。
 いわゆる多メディア、多チャンネルということでソフト不足が非常に深刻化してきた。もうソフトの獲得合戦は戦国時代だということを言われておるわけでございます。そういう中で、総合ソフト商社とも言うべきMICOの設立に当たっては民放の方からもいろんな声が上がったようでございます。
 その中で、例えば規模の大きなソフトの共同制作、調達ということで、ソフト市場の寡占化、独占化が進むのではないか、したがってそのために価格の高騰をもたらすおそれがあるというような声も出てまいりました。また、利潤追求を目的とする大企業との連携をしていくことによりましてNHKのいわゆる肥大化に拍車がかかる。また、実質営業活動につながりまして、NHKの営利目的の業務は放送法によって禁じられておるわけでありますけれども、これに違反するのではないかというような声も上がってきたようでございます。
 これらに対して、NHKはどのような対応、配慮をなさったかということをお尋ねしたいと思います。
#122
○参考人(青木賢児君) ただいまのMICOのことについてお答えをいたします。
 MICOについて、先生御指摘のように、在京民放の五社長の共同見解というのが出されました。おっしゃるとおり、このMICOというものができますとソフト市場の寡占、独占化を招き競争条件に著しい不公平を生じる、その結果ソフトの価格が高騰するということで反対の意を表明されたということを我々はよく承知しております。
 先ほどから申し上げておりますけれども、この会社というのは、むしろソフトを買い集めるというよりも、輸入輸出でいえば日本から全然出ていかないという事態を我々としては何とかしたいという思いからこの会社をつくりまして、日本の情報あるいはアジアの情報を外国に出していくということにこの会社を十分活用したいというのが基本的なねらいでございました。
 そういうことで、我々としてはこの会社を十分活用して、国際的な大型の共同制作、あるいはテレビジャパンというような事業を通じて日本の情報を外国に出していくというのが目的でございます。民放が御指摘のソフトをNHKが独占していくというふうなことは基本的に誤解であるということを我々は再三申し上げてまいっておりますが、現在のところ、まだ十分な御理解を得ていないというのが率直な現状でございます。
 ただし、こういった問題を通じまして、今までNHKと民放の間でほとんどそういった突っ込んだ議論というのはありませんでしたけれども、これを機会に在京五社のトップの方々とNHKとの間で再三にわたって議論が繰り返されました。こういったものについてさまざまな角度から議論ができたということは、これからの共存体制に我々としては何らかの意味があったのではないかというふうに考えておりまして、今後ともこういった話し合いを続けさせていただきたいというふうに考えております。
#123
○星川保松君 このMICOとNHKとの関係についていろいろな誤解が生じたりするのではないか、こう思うわけでありますけれども、今後MICOとNHKは、例えば事業の面あるいは人材の面で、あるいは出資などの面でどういう関係を持っていく方針であるか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
#124
○参考人(青木賢児君) ただいまMICOとNHKとの間では「映像の二十世紀」という大きな、二十世紀に記録された映像を日本とアメリカとソビエトと出し合って、このソフトを世界的な規模で集大成していくという事業を一緒にやっております。それから、テレビジャパンという日本から発信していく事業というようなものをやっておりますが、こういった事業の進展に合わせてNHKからは人的なサポートを十分にこの会社に対してやらなければならないというふうに考えております。
 この会社は、同時にNHKと無関係の事業もソフトに関してさまざまな形で展開しておりまして、我々としてこの会社に対して将来どのような事業的な関係を持っていくかということは、現在まだ十分な検討を行っていないという段階で、この事業の推移を見つつ決定していきたいというふうに考えております。
#125
○星川保松君 次に、国際放送に関してお尋ねをしたいと思います。
 いわゆる国際化が急速に進んできておるわけでありまして、国際映像ネットワークの構築などもいろいろ取り上げられておるわけでございます。こうした国際化に対応するということは非常に大切なことでありまして、国際放送をさらに充実強化していかなければならないというふうに思います。そしてまた、それが公共放送の重要な仕事でもあろう、こう思うのでありますが、そういうふうに国際放送を充実拡大していくということになりますと大変な財政負担が伴うわけでございます。これを直接の受益者ではない国内の視聴者からの受信料で賄うということは、これは難しくなって限界があると思うのでありますが、だからといってこういった自主性の必要なことに政府資金を全面的に入れるということも問題があるわけでございます。
 そこで、国際放送を充実強化していくということについて、特にハード面にかかる経費に限って国が全額負担をするというような形でこの充実を図っていくというようなことはお考えないでしょうか、どうでしょうか。郵政大臣にお伺いいたします。
#126
○政府委員(桑野扶美雄君) 国際放送に関します費用負担について、特にハード面について国が負担するということにしたらどうだという先生のお話と承ったわけでございます。
 御承知のとおり、国際放送につきましては、国が命令する命令放送とNHKが自己の業務として独自に行う自主放送とあります。国の命令に関する分につきまして交付金という形で国がお金を出している、そういう建前にはなっておるわけでございますけれども、実際の運用といたしましては、番組のこの部分が命令放送であり、この部分が自主放送であるというようなことにはしておりません。国の意を体してNHKが独自といいますか、任せておりまして、番組の編成をやっていただいておるわけでございます。全体として、命令放送、自主放送を一体としてやっていただいている実態でございます。
 ハードの面につきましても、国内からの発信の例えば八俣の送信所の費用とか、外国における中継所の借り入れの費用とか、あるいは番組をつくる制作費、人件費、そういうものがあるわけでございます。このどの部分を国で負担すれば国際放送としての国の役割が果たせるのかというのもなかなか区別がつかないわけでありますけれども、ただ言えるのは、午前中からもたびたび御指摘いただきましたように、国としての負担の割合の現状が余りにも少な過ぎるということは私どもも十分承知しております。この負担の割合を幾らかでもさらにさらに増加していく努力をしなければいけないということを私どもの大臣も申しておりますし、私どももそのように努力しようということを誓っておるわけでございます。
 以上でございます。
#127
○星川保松君 NHKの方もひとつ。
#128
○参考人(島桂次君) 今郵政省の方からは短波による国際放送の問題をお話ししておりますけれども、先ほどの先生のお尋ねは国際報道、つまり国際的な報道全般についてのお尋ねもあったかに聞きました。
 NHKとして、当面国際報道の強化について、短波だけではなくてテレビ映像を使って日本、アジアの情報をできるだけ全世界にキャリーするということをもう既に始めております。皆さんもうごらんになった方もあるかもしれませんけれども、「アジア・ナウ」とか「ジャパン・ビジネス・ツデー」とか「ツデーズ・ジャパン」とか、そういう英語で英語のキャスターをつけたものをアメリカとかヨーロッパに既に送っております。これをさらに拡大しまして、やはり東京を発信基地とするアジアの情報を一日八時間程度世界にディストリビュートする。
 さらに、アメリカとヨーロッパのパートナーと一緒になって、ほぼパートナーの相手もだんだん固まってきつつあります。ターナーのCNNとは違いまして、あれはアメリカのニュースを全世界にディストリビュートしているわけでございますけれども、我々は今アジアとアメリカとヨーロッパ、それぞれの主な放送局がお互いにニュース素材を出し合って、これを一つのグローバルネットワークにいたしまして、二十四時間放送をつなげようじゃないかという構想が進んでおります。ニュースだけではありません、一般番組につきましては、先ほど青木理事の方から説明しましたように、二十世紀の問題あるいは二十一世紀にかけての人類の共通課題というのがたくさんあるわけでございます。そういうものを各放送局が力を合わせてつくるということがいろいろな面で今進んでおります。
 そういうことで、公共放送の最も重要な役割として、放送をもっとインターナショナルに展開するということを私は最も重点を入れてこれからやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
#129
○星川保松君 終わります。
#130
○鶴岡洋君 国際放送についてお伺いします。多少ダブる点があると思いますけれども、お許しいただきたいと思います。
 NHKは、昨年の八月に湾岸危機が発生して、八月三日から直ちに中東向けの国際放送を、これまで一日三時間半、それを十一時間ということで拡大して、在留邦人に対するいわゆるメッセージ放送や中東のニュース、状況を生放送並みに放送するなどの措置をとられた。この措置については先ほどもお話がありましたけれども、この対応について私は非常によかった、このように評価をいたします。その措置の経緯と、それからこれをやるのには、もちろん補正でお金が出たわけですけれども、人の問題もございましたでしょうし、金の問題、物の問題、いろいろありますが、その反響等について、NHKの対応措置、これがいい面も悪い面も反省すべき点もあったかと思いますが、その説明をまずお願いしたいと思います。
 また、中東向け放送の拡大の措置について、三時間半から十一時間ということでやったことについて、これはNHK独自の判断でやったのかどうなのか、それもあわせてお伺いしたいと思います。
#131
○参考人(小山森也君) まず、順序が逆になりますが、NHK独自の判断かどうかということでございますが、NHK独自の判断で、私どもが責任を持ってやった次第でございます。
 なお、これにつきましてはかなりの経費がかかりました。たまたま政府の方でも、こういった人命に関する問題また世界の平和に関する問題であって非常に緊急なことである、非常に重要な放送であるという私どもがこの放送をするに当たっての判断に対しまして御同意いただきまして、国会の方の御了承のもとに私どもに二億二千八百万円のこれに対する経費の裏づけをいただきました。これは、大体私どもの中東向けの延長時間に対する必要経費の九八%に当たっております。
 これにつきまして経緯はどうであったかということでございます。初めは私ども非常に経費がかかるのでちょっとちゅうちょしたのでございますけれども、やはり国際放送が放送法の第七条によりましてNHKの使命である、こういうふうに書いてあるからには、これはこういう事態に臨んで行うべきであるという判断を下した次第でございます。
 なお、私ども自分でやったことを自画自讃するのはまことに恐縮なんでございますけれども、反響の方は、特に中東在住の方たちからは非常に感謝された次第でございます。一例を申し上げますと、あちらの方に事業所を持っておられる方が、それぞれの事業所で私どもの放送を印刷物にして社員に配っているとか、あるいは個人情報というものを流しましたが、電話も通じないそれからむろん手紙も届かないというような状態の中で、非常に感謝されたといいますか、私ども責務を果たし得たなという感じを持っております。
 以上でございます。
#132
○鶴岡洋君 反省点はありませんか。
#133
○参考人(小山森也君) 反省点といたしましては、個人情報をもっと早くやればよかったかなというような気がいたしておりますが、個人情報を放送でやるということにつきましては、放送という性格上なかなか決断ができなかったということもあわせて申し上げておきたいと思います。
#134
○鶴岡洋君 このように今日、国際化社会の急速な進展によって、国際放送の役割も今おっしゃったように大きな変化をし、対応も難しくなってきていることは事実であります。そうした中で、国際放送を利用する者、これは主に外国人とそれから海外に長期滞在するいわゆる在留邦人であることは間違いないわけです。
 しかし、じゃこの人たちは受信料を払っているのかというと、払う義務は現在はないわけです。すなわち、国内放送の受信料の一部を使って国際放送に供しているわけです。年々国際放送の経費はふえてはおりますけれども、NHKは国際放送の経費としてどのくらいまでならば維持できると考えておられますか。すなわち、国内における視聴者のいわゆる受信料で賄われているわけですから、国際放送がどんどん拡大してくるともちろん経費はかかる、どのくらいまでつぎ込んでも大丈夫なのか、こういう点でございますけれども、この点はいかがですか。
#135
○参考人(島桂次君) 短波による国際放送は、先生御存じのように、日本を除いて全部、ほとんどの国が国の費用で全額賄っているわけです。したがって、私は公共放送としてこれは当然やるべきことだと思っておりますので、国の援助もいただいてやってきているわけでございます。ただ、やっている時間量とか言葉の数が残念ながら先進国にはほど遠い規模でしかやっていないわけです。ですから、これは恐らく十何番か二十番近い順位になっているわけですよ、その時間量とか言葉の数が。ですけれども、現在NHKの受信料から直接間接合わせて恐らく七十億近くNHKの負担分として出ているわけでございます。もうこれが限度じゃないか、世界各国がそうであるように、あとはぜひ国の費用というものをやっぱりもうちょっと出していただけないかというのが今のNHKの偽らざる姿でございます。
#136
○鶴岡洋君 今会長のおっしゃったように、この前この席でお聞きしたときに、たしか日本の国際放送は世界で二十番目だ、こういうお話でございましたし、今お聞きするとこれが限度だ、こういうことでございます。しかし、この国際放送のあり方についてですけれども、拡大充実をしていかなければならないことであることは、これは今の社会情勢からいってどうしてもやらなきゃならない、当然だと私は思います。と同時に、これはいわゆる日本の立場からして重要な課題だと、こういうふうに思っております。
 そこで、今お話ありましたけれども、この国際放送の経費の問題でありますが、平成三年度は予算ですと八十億円となっています。そのうち国際放送交付金としては十五億円が計上されているわけです。
 国際放送といっても内容はいろいろでございますけれども、まず一点は、この番組は命令放送でやるのか、この番組はNHKの独自の放送でというふうにやるのか、この色分けは極めて難しいんじゃないかなと。八十億円のうち十五億円ということになっておりますけれども、いずれにしても国から補助をいただいてやっているわけです。そこで、命令放送と独自でやる放送、これの区分けっていうんですか、非常に難しいんじゃないかな、この点どういうふうに判断して予算を組まれているのか、これが第一点。
 もう一点聞きたいんですが、今もお話ありましたけれども、この国際放送というのはいわゆるNHKの使命としてやっている、それに加えて国際放送ですから国からも援助を受けてやっている、こういうことでございます。この内容から見て、いわゆる国の方の予算の面が、表でも出ておりますけれども、余りふえていない、こういうふうに私は思うわけです。結論から言いますと、予算をふやしたらどうだ、こういうことなんです。
 具体的に申しますと、この表を見ると、国際放送経費というのは六十年では四十八億台、六十二年で六十億台、平成元年で七十億台、それから今年度の予算で八十億台、こうなっておるわけです。この中でNHKの負担は六十年が三十五億、六十二年が四十五億、元年が五十五億、それから平成三年の予算が六十五億。この数字はずっとこう上がっているわけです。それに対して国際放送の国からの交付金、これは六十年が十二億、それから六十二年が十五億、元年が十四億、今度平成三年が十五億ですか、こういうことで少しずつふえてはおりますけれども、ふえ方が非常になだらかといいますか、こういうことになっているわけです。交付金の比率からいくと、結論としては下がっている。六十年で二五・七%だったのが、これが平成三年では一八・九%になっている。
 そうすると、NHKの負担はこれでは多過ぎるんじゃないかと、こういうふうに私は思うんですけれども、そういう点からいってこの交付金をふやせないか、こういうふうに郵政省の方にお聞きしたいんです。この交付金をふやせないかということについては衆議院の逓信委員会でも、この参議院の逓信委員会でも何回もやっているわけです。もう十年ぐらいやっていますか、附帯決議で。一向にふえていないわけです。この点はどういうふうに受け取っておられるのか、ふやせない原因は何なのか、ふやすのかどうなのか、この点お聞きしたいんです。
#137
○政府委員(桑野扶美雄君) まず、第一点からお答えいたします。
 国際放送の命令放送と自主放送をどのように切り分けるのだというお話でございますけれども、もう先生御指摘で御承知のように、番組の内容を切り分けるということは大変難しいわけでございます。制度上は国が命じて行うのが命令放送であり、NHKが独自でやるのが自主放送ということになっておりますけれども、実際の放送に当たりましては、どこからが命令放送でというような区別はしておりませんで、国は命令の趣旨をNHKに包括的に伝えるにとどめまして、具体的な放送の内容などはNHKにお任せした形で運営されているということでございます。NHKは命令放送と自主放送を一体として実施しておるわけでございますが、命令の趣旨そのものも十分生かされている、そして効果的に放送が行われているということを私ども認識しておるわけでございます。
 それでは、経費の負担割合はおまえはどう思っているんだということでございますけれども、先生今御指摘になりましたように、国際放送にかかる経費のうちの比率そのものが、絶対額ではふえておりますものの、減ってきているというような実情を既に十分私どもも受けとめております。政府全体の厳しいシーリングの中で我々なりにこれまでも交付金の増額に努力したつもりでございますけれども、現在の比率そのものが望ましいとは決して思っておりません。もっともっと努力してふやしていくべきだというふうに思っておるわけでございます。
 ちなみに申しますと、例えば私どもの郵政省の一般会計予算が五十五年には二百三十七億でございましたが、平成三年予算では二百九十二億、五十五年を一〇〇にいたしますと一二三%になっております。国際放送交付金についてみますと、五十五年は九億四千三百万円でございました。それが今十五億二千百万円、比率でいいますと一六一%、郵政省全体の比率を押さえながら、交付金そのものの額はふやしている実態もあるということもひとつお酌み取りいただきたいと存ずる次第でございます。
#138
○鶴岡洋君 数字の上ではそうですけれども、国際放送の役割というのは、先ほどから言っているように、非常に重要なものであるし、またこれから拡大していかなきゃならないものでもある。そうかといって一般会計の枠の中でおさまるものでもない、こういうふうにも思います。今回の場合は特別中の特別かもしれませんけれども、二億二千八百万ですか、湾岸戦争のそれで出されましたけれども、国際放送というのは政府の責任でやるべきものだとも思うし、また国の責任でやるべきものだともこれ思っております。
 そういったことで、一般会計の方でそういうことならば、補正で組めないのか。今回の場合は別問題にして、その辺は補正で毎年多少ずつ組めないのか、この点はどうですか。
#139
○政府委員(桑野扶美雄君) 改めて申すまでもないことですけれども、補正というのは補正のルールがございまして、経常的に予定されている費用を補正というわけにはまいらないわけであります。先般の湾岸危機みたいな状況におきます経費の増というのは当然補正になじむわけでございますけれども、なかなかそれは困難であろうというふうに存ずる次第でございます。
#140
○鶴岡洋君 それでは、今の増額するしないという議論は議論として、飛躍しますけれども、国際放送の今後、将来のあり方、このことについて、一つは国際放送はいわゆる全額政府負担、こうなれば国営放送になるわけですから、国営放送となるとこれまた問題もある。現在の国際放送、またNHKの性格、今日までのNHKの経緯から見てちょっと国営放送というのは無理かというふうにも私は考えます。この財源の問題、また国際放送の役割から考えて、国際放送に限って見れば、NHKが反面どうしてもやらなければならないということでも私はないんではないかな、こういうふうにも思います。
 したがって、NHK以外の第三セクター化ですか、これで運営する方法もあり得るのではないかな、こういうふうにも思いますけれども、この点についてNHKの方と郵政省の方、どういう考えを持っておられるか、将来の問題として。
#141
○政府委員(桑野扶美雄君) 政府の中にいては財源が少しも思うとおりふえないじゃないか、そのために第三セクターその他何か方法を考えたらどうだという御指摘かと存ずる次第であります。
 国際放送の実施形態といたしまして、御指摘の第三セクターあるいは国営といったような議論も当然あるわけでございます。また、そういうことも考えられるわけでございますけれども、公共放送事業体が置かれている国々におきましては、もちろん政府の交付金あるいは受信料といったようなものが財源ではございますが、すべてその公共事業者が国際放送を実施しているのが諸外国の例でございます。日本もそれに倣っているわけでございますが、考えますに国際放送をやっぱり放送の専門家たる公共放送事業体において実施することが国内放送部門と連携した番組制作をすることもできますし、また全体として効率的な事業運営が可能でもあろうと思いますし、さらにまた番組への信頼性が高まるといったようなプラスの面も大きいものと私どもは考えるわけであります。
 現段階におきまして、その交付金の増額ということにつきまして同じようなことを言っていてもしようがないじゃないかという御批判はあろうかと思いますけれども、実施主体といたしましてはNHKの国際放送を充実強化していくというのがやっぱり適当なんじゃないかというふうに思います。
#142
○鶴岡洋君 NHKはどうですか。
#143
○参考人(島桂次君) 国際放送につきましては、基本的に放送行政局長と同じような考え方を持っているわけですけれども、もはやもう短波の時代ではない、映像が全世界を駆けめぐる時代になってまいったわけでございます。それで、ことしの早ければ四月ごろからアメリカとヨーロッパの、これはパラボラアンテナかケーブルテレビジョンがなければ見られませんけれども、NHK放送を八時間とか十時間やろうじゃないかということを今いろいろ考えているところでございます。
 こういうものが現実的に始まってまいりますと、これはもちろん受信料は原則として使わないという形でやっているわけでございますけれども、こういうものがうまくいけば、これはまあ将来の問題でございますけれども、短波も含めた形で何かができるんじゃないか。しかし、当面の間はやはりNHKと国が協力しながら短波についてはやらざるを得ないな、こう感じているわけでございます。
#144
○鶴岡洋君 一番最後にと思いましたけれども、一点ですからお伺いしたいんですが、BS3の件です。
 NHKは、BS3aの補完衛星BS3Hを四月十八日打ち上げられる、こういう予定になっているわけですね。先ほどもお話があったように、三月の十九日にBS3aが故障を起こした。先ほどの答弁ですと原因はまだ判明していない、原因が判明していないんだから修理もできない、こういうことになるわけです。3Hの打ち上げが四月、運用が五月からとなるわけです。BS3aがもちろん上がっておりますけれども、今言ったような状態である。BS3b、これが打ち上げられるのが八月、運用が十一月。そうすると、時間的に言うと四月から十一月の間、この間今のBS3aでいわゆるJSBをやっていかなきゃならない、こうなるわけですね。
 3aが今言ったような状態で修理もできない、原因はわからない、こういう状況なんですけれども、万が一のことがあった場合これはどうするんですか、この期間。その場合にBS3H、これは五月に運用されるわけですけれども、五月から十一月の間にもしこういう事態が、故障というような事態が起きた場合に、四月一日から放送されるJsB、この衛星放送についてNHKでこれを貸すとか貸さないとか、こういう話はできているんですか。この点いかがですか。
#145
○政府委員(桑野扶美雄君) 万一BS3aが使用できないような事態が生じた場合どうするかというお話でございます。
 郵政省の立場といたしましては、その時点におきまして稼働いたしております衛星の状況も踏まえまして、関係機関とも調整をしつつ衛星放送の継続を最大限確保していくということを最高のターゲットとして策を講じていきたいというふうに存じております。
#146
○鶴岡洋君 NHKの方はどうなさいますか。
#147
○参考人(島桂次君) 御存じのように、3Hは来月十八日フロリダで上げる。私も行ってまいります。これが順調に上がれば、NHKとしては3aが仮に故障を起こしてもまだbが、その前の衛星がまだ生きておりますから、来月上げる3Hが上がれば少なくともNHKの衛星放送は完全に継続されるんじゃないかというふうに考えております。3Hが万一失敗しても今度は八月の3のbがあるわけでございます、先生のおっしゃるとおり。このどちらかが、両方失敗となれば今のところお手上げするほかないということになりますけれども、両方とも失敗するということは確率からいっても極めて低いんじゃないかというのが私の現在での計算でございます。
#148
○鶴岡洋君 私の言うのは、両方失敗するなんということは言ってません。失敗しちゃ困るんですけれども、いわゆるJSBが四月一日から放送される。これはBS3aのトランスポンダーしか持っていない。3HというのはNHKで上げるんだから、もし故障が起きた場合にはNHKでお貸しをするんですかしないんですか、この話は進んでいるんですか進んでいないんですか、それを聞いているわけです。
#149
○参考人(島桂次君) 全くその話はございません。
#150
○鶴岡洋君 それでは次に、昨年の十二月でございますけれども、NHKで放映された「NHK会長と語る」において、岩波ホール総支配人の高野女史がポルトガルで「寅さん」を上映したときに、これを見た人が、日本人に対する嫌な経済大国というこういうイメージから、日本人と仲よくなれるのではないかという意識革命というか意識が変わった、日本の見方が変わった、認識が変わった、こういう話がありました。こうした一本の名作が人の心を変えたり、相互理解の促進に貢献するという話がこのときされておりましたけれども、この中で草柳氏も映像による日本の自己紹介が一番説得力があるが日本はおくれている、こういう発言もこの記録でいくとございます。日本に対する諸外国の人たちの理解は、私自身も外国へ行って気のつくことですけれども、我々が想像している以上にまだまだ低いものだ、こういうふうに私は思います。
 そこで、会長にお聞きしたいのは、我が国では衛星放送に見られるように大量に海外の情報を輸入している、そちらからもこちらからも。先ほどもお話があったように安いいい物をと、こういうことでソフトを輸入している。こういう方法を盛んにとっており、また会長も述べられておりますけれども、逆に日本を諸外国に紹介する方法について余り会長は述べられていないような感じがするんですけれども、この点は会長どういうふうに思っておられますか。
#151
○参考人(島桂次君) 日本の実情を外国に紹介するという問題でございますが、それはもうかなりの国のかなりの放送局に、例えば一時間物とか三十分物、日本がなぜ経済復興したかとか、あるいは日本の建築、庭園の美だとか文化問題を取り上げたものとか、かなりの数を私はちゃんと英語版にしまして送っているんです。しかし、先生がおっしゃるように、何といっても情報、素材というのは残念ながら九五%ヨーロッパやアメリカから洪水のように入ってきて、我々が出すものはわずか五%ぐらいしかない。これを何とか七、三ぐらいの割に持っていけないかと。つまり、日本並びにアジアの情報、これは広い意味での放送番組を含めた情報。ニュースも番組も、場合によっては印刷物も写真集も含めて、そういう努力をやっぱりやるべきだと。公共放送であるNHK、特に放送というメディアは活字よりもはるかにインターナショナル性があるわけでございます、映像という共通点がございますから。
 ですから、そのために私はMICOという先ほど説明を申し上げた会社もつくり、我々の海外総支局を総動員して、日本の普通の一般の人たちが何を考え、どんな生活をし、どんなことに喜びを感じ、生きがいを感じているのかという、そういう意味での日本を理解していただくためのいろいろのことをこれから試みたいということで、これを最も大きな仕事の一つとして今考えて着々やっているところでございます。
#152
○鶴岡洋君 これを一番先にやればよかったんですけれども、先ほど公共放送云々というお話がございました。ここでお聞きしたいのは、国民のいわゆるNHKに対する理解、認識はどうなのか、またこれをどうするか、こういう点でございます。
 平成元年九月のNHKに関する世論調査の結果を見ても、NHKの性格を正しく理解している人はわずか二九%。これは数字は出ているわけです。国営の機関である、国営放送である、こう思っている人が二五%。視聴者会議に出席して初めてNHKは国営放送ではないと知った、こういう話も聞いております。したがって、受信料は税金の一部と思って支払っている人も結構いるんではないかな、こういうふうに思われるわけです。反面、NHKは見ていないからといって受信料を払わないという、こういう不心得者もいることは事実です。そうであっては困るわけなんです。
 私が申し上げたいのは、こうしたことになるというのはNHKに基本的なPRの点が欠けているんじゃないかなと。いわゆる国営放送だと思っている人が二五%もいるということは、何か基本的にPRが欠けているんじゃないかなと、こういうふうに思うんですが、この辺はどうなのか。「NHKはあなたの受信料で支えられています」、こういうテロップ、これはもちろん私も承知しております。そうしてPRしているのは私も承知はしておるんですけれども、表面的な言葉の上だけのPRではなくて、NHKの事業内容がどうなっているのか、それから経営状況はどうなのか、本当に視聴者のいわゆる受信料で成り立っていることを詳しく知らせる番組、こういう番組を例えば定期的に、そんな長時間でなくていいんですから何か考えられないか。すなわち、NHKの姿を知ってもらうという努力、何かいい方法を考えられないのか、こういうふうに思うんですけれども、この基本的なことについてどういうふうに考えておられますか。
#153
○参考人(小山森也君) 非常に痛い御指摘でございます。私どもも先生の今おっしゃられました世論調査の結果等を見まして、私たちの今までの努力不足というものを非常に痛感したわけでございます。特に、先生方の前で言うのもいかがと思いますが、島会長から、この現況に対して深くこれは反省すべきであるということが役職員にかなり直截的な話法をもって指導されました。
 そこで、私どもとしては、今まで一度もなかったことでございますけれども、「経営委員長に聞く」と、今の竹見委員長にかわられましたときに特別の番組も組みました。それから、これも今までやったことがないのでございますが、これは幾つかの番組がありますので全部挙げるわけにまいりませんけれども、二、三申し上げますと、東京視聴者会議というようなものを長時間にわたりまして放映いたしました。そこでは、特に私どもとしては放送する側の論理というものをなるべく少なくして、受信者側がいかに受けとめているかということに大きく時間を割いたということでございます。
 また、「討論・NHK」というようなことを六月にもやっております。この場合には、草柳先生等四名の方が、NHKへの私の一言というようなことから始まりましていろいろな議論をしていただいております。また、全国視聴者会議というようなものも今まで放映したことがございません。これを本年度、平成二年度からやっております。ただしかし、これにつきましては方々に視聴者会議というのがございます。地方ごとにありますので、それぞれの地域でやっておりまして、これは全国放送になっておりません。地域放送になっております。そのほか、「NHK論「NHK会長と語る」」というようなことを三回やっております。そのほか、定期的に三十秒から一分程度のスポットをやっている次第でございます。
 私どもがいわゆる広報と言うものと民放のいわゆる宣伝というものとをちょっとごっちゃにしていた嫌いがあるんではないかというような点がございまして、私どもは私どものメディアを使いまして、先生のおっしゃるようなこういった誤解を解くようなことをなるべくわかりやすい形で放映していくべきであろう、こう思っております。
 大変貴重な御意見をいただきまして、どうもありがとう存じます。
#154
○鶴岡洋君 時間があと五、六分しかないので、ほかに御質問したいことが何点かありますけれども、最後に受信料の件についてお伺いいたします。
 受信契約数の推移を見てみますと、世帯契約はおおむね九〇%で推移しております。また、毎年四十万件のいわゆる増加となっております。しかし、非世帯契約を見ますと契約率は九三%ですが、この非世帯数が余りにも少ないと私は思います。平成元年の法人数は、国税庁の資料でいくと百九十六万二千二十六社。この法人には当然営業所があり事業所があり支社があり支店がありと、こういうわけでございますけれども、NHKの考えている事業所より実態が実際には全然違うわけです。法人数は百九十六万。
 私が申し上げたいのは、法人数よりもいわゆる契約数、この方が少ないというのは、もちろんいろいろな理由があってできないというところもあるでしょうけれども、どこの法人へ行っても、どこの事業所へ行ってもテレビがないところを私は見たことがない。例えばホテルなんかでも、どこの部屋へ入ってもテレビのない部屋は私は見たことがない。そういうところからいくと、この法人の営業所、事業所、出張所、こういうところのいわゆる捕捉率というのは、これはまだまだ検討する価値があるんじゃないかな、こういうふうに思うんです。受信者に対する契約率というのは、これは当然上げなきゃなりませんけれども、その前にいわゆる受信者の基本的な数、そこをきちっと把握して、それで契約数をふやしていく、これが私当然だと思うんです。そういう点についてどういうふうに考えておられるのか。
 今言いましたように、法人の数は百九十六万、こう申し上げましたけれども、もちろんその反面個人営業というのがありますから、個人営業で自営業だったならば自分のうちで見ているのとそれから法人になっているのと一緒になっている。これはダブっていますから、そういうことも言えると思いますけれども、それにしても法人の方のいわゆる契約数が少ないんじゃないかな、この点をもうちょっと精査して、そして捕捉率を高めていけばいいんじゃないかな、こういうふうに思うんですけれども、この点はどういうふうになっておりますか。
#155
○参考人(高橋雄亮君) 先生御指摘のとおり、個人の世帯数の伸びが限られている中で、法人関係、特に事業所関係の契約率を伸ばすということは今後の受信契約を私たちが伸ばす上で大きなターゲットになっていくことは事実でございます。ただ、一言申し上げるならば、私どもは総務庁の事業所統計調査の結果からどの程度の事業所があるのかということを推定しているわけでございますが、二年度末で六百九十二万ということで推計しておるわけでございます。
 ところが、この内容を見ますと、従業員一人から四人ぐらいのところから三十人以上というような分類になっておりまして、四人以下のところがかなりの数があるということでございます。それで、小規模の事業所の場合は、具体的に言えば床屋さんとかそういうものも入ってくるわけですが、そういうのは普通の世帯契約の中で私どもは捕捉させていただいているということがございます。そういうようなことを考えますと、非世帯契約の対象となる事業所は二百十万ぐらいではないだろうかというように実は現在のところ考えているわけでございまして、これは全事業所の三〇%ぐらいかなというように考えているわけであります。
 そこのところからさらにホテルとか旅館を除きまして詰めていきますと、先ほど先生も御指摘になりましたように、契約の対象となる事業所のテレビの設置台数は大体百六十九万ぐらいになるのかなということで、平成二年度はこの百六十九万件を対象にしまして、そのうちの百五十八万件を契約するということで、今まだ終わっておりませんけれども努力している最中でございます。
#156
○鶴岡洋君 その数字は、三〇%とか百六十九万件とか、これはよくわかりますけれども、私が申し上げたいのは、受信料で賄われているわけでございますから、個人の場合はもちろん契約率を高めなきゃいけない、それよりもこの法人の方については、事業所もふえていることですし、今の総務庁の報告ですか、そこからいけば確かに三〇%かもしれません。その辺をNHKの方として何らか手だてを立てて、もう一遍精査をしてやっていったらどうですか、こういうふうに言っているわけです。それを努力していただきたい、これを申し上げておきます。
 終わります。
#157
○山中郁子君 初めに、NHKの将来展望についてお伺いいたします。
 まず、NHKの関連会社あるいは関連団体に関する政策についてお考えを伺いたいわけであります。私が申し上げるまでもなく御承知のとおりですけれども、NHKは現在番組制作関連に関しては十三に及ぶ会社があります。NHKエンタープライズ、NHKエデュケーショナル、NHKクリエイティブなど十三の会社があります。昨年は、けさほど来からもいろいろ議論になっております大規模な国際メディアコーポレーションが設立されました。現在もまた放送番組交流促進センターが計画されているという現状です。これは番組制作分野の関連会社でありますけれども、整理された資料によりますと、このほかに、業務支援分野としては株式会社NHK総合ビジネスなど六社、公益サービス分野としては財団法人NHKサービスセンターなど七団体、ニューメディア事業分野としては文字放送関連の三会社、それから福利厚生分野では二団体ということで、今ざっと申し上げた分だけでも三十一の関連会社あるいは関連団体があります。
 お伺いしたいんですけれども、このようないわばコングロマリット化ともいうべき関連団体あるいはそれの設立政策、そういうものの基本的考え方というのでしょうか、NHKがこういう問題に関して基本的にどういう考え方をお持ちなのか、初めにお伺いいたします。
#158
○参考人(青木賢児君) 先生御指摘のように、NHKが今直接に関連しておる会社は二十八社ありますけれども、来年度はさらに地方に二社つくろうという計画を持っております。
 この関連会社は、御承知のように、NHKの公共放送としての事業目的を達成するための支援業務を行うというのがこれらの会社の主たる役目でございます。と同時に、現在の情報化社会の中で社会全体が情報化してまいりまして、さまざまな分野でNHKのソフト並びに技術的なノーハウその他さまざまなNHKが持っております資産が求められております。そういったものを公開することもNHKの義務だ、役目だというふうに考えておりまして、これらの関連事業を有効に使いながら、こういった新しい時代に対応するというのが基本的な考えでございます。
#159
○山中郁子君 目的とされるところとか、大義名分というか御趣旨とされるところはいろいろあると思います、今御答弁でも示されましたけれども。
 私は、こういう形で一層それが拡大されていくとするとどうなっていくのかという点を考えなきゃいけない時期に来ているというふうにかねてから考えていました。つまり、NHKの公共放送としてのあるべき基本的性格、それを逸脱するおそれなしとしないということ、言葉で言ってしまえばそういうことですけれども、そのことについてどのようにお考えかお伺いしたい。つまり、民間会社として設立されていくという関係が出てくるわけでしょう。それがもうずっと広がっていく。そうすると、その会社は会社として利益を追求していかなければいけないという必然性がある。それといわゆる公共放送としてのNHKとのあり方、その問題の関連はどのように御認識でしょうか。
#160
○参考人(青木賢児君) NHKの関連会社は、現在十九社が株式会社でございまして、残りは財団法人その他の特別の法人になっております。
 我々としては、これらの株式会社も含めて、やはりNHKの公共放送目的という線に沿って運営されていくべきだというふうに考えております。これらの会社とNHKとの間に基本的な契約というのを結びまして、さらに委託業務を行う場合にもこれらと委託の個別契約というのを結びまして、NHKとしては十分にこれらの事業運営には関与をしていくというふうな考え方でおります。
 さらに、これらの株式会社に対しましてはNHKが過半数以上の株を出資することによりまして、さらに役員を送り込むというようなことを通じましてNHKの意向が十分にこれらの株式会社に行き渡り、節度ある運営ができるようにNHKとしては十分に心がけておるつもりでございます。
#161
○山中郁子君 午前中の議論にも出ておりましたけれども、大河ドラマも下請化されるというか、そのようなことが話題になったり、あるいは批判というか不満というか、そういう対象になっていたりするのもそういう関連だと思うんですね。
 ところで、今年度の出資計画が四億四千五百万となっておりますけれども、これはどういうところに幾らの出資を計画されているのかお示しいただきたい。
#162
○参考人(青木賢児君) 来年度予算におきましてNHKは出資計画として四億五千万円を計上しておりますが、これはあくまでもNHKとしては来年度出資をしたいという希望のもとにこの予算を見積もっておるわけでございまして、この出資の具体化に当たりましてはその都度郵政大臣の認可を受けて行うということで、さまざまな手続がこれから必要だという性格の予算だというふうに御理解いただきたいと思います。
 この内訳は、年度内に実は仙台と福岡に地域の関連団体、関連会社をつくりますが、この出資のために六千万円。それから放送の基盤技術、基礎技術を研究するための研究所に出資をしておりますけれども、これに対する四千万円、これは継続して出資している分でございます。さらに、きょう議論もずっと続いておりますけれども、新しい時代の衛星調達法人というのが来年度設立が予想されておりますけれども、我々としてはこのリース法人がもし設立される場合には一億円これに充てていきたいというふうな考え方でおります。それから、既にあります関連団体、今御指摘のようないろいろな関連団体がありますけれども、ハイビジョンその他新しい事業をやるために増資が必要な会社がありますので、そのために二億二千万円、そのほかの予備費として二千五百万円というふうな形で予算が計上されております。
#163
○山中郁子君 もう少し詳細にお伺いしたいのですが、時間の制約もございますので、後ほど資料としていただきたいということをお願いしておきます。
 それからまた、受信料の集金を委託するという趣旨の御説明もいただいているんですけれども、民間会社か何かそのようなところに受信料の集金を委託されるということでしょうか。
#164
○参考人(高橋雄亮君) 受信料の集金については、最近の労働力不足ということでNHKの関係者だけでなかなか対応し切れない部分も出てきておりますので、今試験的に、東京中心でございますけれども、一部の民間の会社に地域を限って、数も限って集金の仕事をお願いしております。そのほか営業関係のNHKのサービス会社もございますが、そういうところにもおいおい集金業務その他についても試験的にやって、その結果を見ながら総合的な受信料収入パワーというものをNHKとしては確保してまいりたいということで考えておるわけでございます。
#165
○山中郁子君 総合的な受信料収入パワーですか、それは何でしょうか。具体的に言うと、やっぱりそういう会社を考えていらっしゃるわけですか。
#166
○参考人(高橋雄亮君) 基本的にはNHKが中心になって集めるわけでございますが、最近のように地域によってはどうしても人手が足りない部分がございます。特に大都会関係は多いわけでございます。そういうところは、今試験的に外の力が借りられるかどうかということで、一部の民間の会社にお願いしてテスト的にやっていただいているわけでございますが、そういうものが果たして将来とも可能なのかどうかということを見きわめながらやってまいりたい。
 それで、そのほか営業の、集金業務ではございませんけれども、いろんな営業に関係する業務では、例えば衛星放送の受信者の捕捉とか、そういうものについては学生さんだとか主婦の力も今おかりしております。トータルな格好で、基本的にはNHKが責任を持ちながら営業業務を推進してまいりたいということを申し上げたわけでございます。
#167
○山中郁子君 具体的にどういうものが想定されていらっしゃるのかというのがもう一つよくつかめませんが、またこれは後ほど個別に伺いましょう。
 それで、いろいろ議論になっております国際メディア・コーポレーションでございます。これは、海外の放送機関やプロダクションとの共同制作あるいは映像ソフトの購入、そしてこれらのものの販売、そういうものを目的としているわけですけれども、NHKとの関係はどういう関係になるんでしょうか。先ほど総合的に関連会社との関係はおっしゃいましたけれども、要するに子会社というふうに、子会社というか系列会社、関連会社、それとも孫会社、それはどういう関係になりますか。
#168
○参考人(青木賢児君) MICOは法人格的に言えばNHKとは関係がないということで、NHKは出資をしておりませんのでそういうことになりますけれども、ただこの会社はNHKのノーハウを大変必要としておりますので、NHKのノーハウを持った人間がこの会社に参加しているというふうな形で、NHKはこの会社を側面から応援していると御理解いただければありがたいというふうに思います。
#169
○山中郁子君 そうしますと、関係ない民間会社であると。関係ないというのは出資その他の関係で言えばね。
 そうすると、先ほど御答弁がありました関連会社ないしは関連団体の二十八社という中にこのMICOは数えられていないということになりますか。
#170
○参考人(青木賢児君) このMICOはNHKの関連会社の中には入っておりません。
#171
○山中郁子君 そうしますと、NHKが考えていらっしゃるものの中に、このMICOと同じような性格を持った、何というんでしょうか、関連会社じゃないけれども何か関係がある会社なり団体ですね、そういうものはほかにも考えていらっしゃるわけですか。テレビジャパン計画なんかはどういうことになりましょうか。
#172
○参考人(島桂次君) 国内ではMICOだけでございますけれども、例えばマコーマックさんという有名なスポーツエージェントの方がおりますが、そういうところへうちの職員を派遣してやるというようなケースは外国の場合二、三カ所ございます、プロダクションとか。放送局の場合も、アメリカのABCにNHKのスタッフを送り込んで、それでニュース取材をやらせるというようなことも考えておりますし、そういうお互いにノーハウを出し合うというような関係、あるいはそれを通じて番組の交流とか共同制作をやるとかということをインターナショナルに進めたいということでいろいろなことを考えておりますけれども、国内的にはそういう関係にあるのはMICOだけでございます。
#173
○山中郁子君 テレビジャパンは。
#174
○参考人(島桂次君) テレビジャパンは、この事業は衛星を使いましてアメリカとヨーロッパ、具体的に申しますとニューヨークとロンドンからそれぞれの国の衛星を通じまして、それでケーブルテレビジョンで受けるかあるいはパラボラアンテナをつけて受けるか、NHK放送を一日八時間ないし十時間ぐらい、総合テレビを今考えておりますけれども、それを受信できるように現地にNHKとは別に法人をつくりまして、そこで独立採算を基礎としてやってもらうわけでございます。先ほど何回か取り上げているMICOですね、MICOもこの事業にぜひ加わってくれないかということで、来月か再来月、現地法人をつくるために今いろいろ努力している最中でございます。
 これは、さしあたってはアメリカやヨーロッパにいる在留邦人の方々あるいは日本の企業、いろいろやっているところがございますね、現地に。そういう方々とか、日本で旅行される方も随分おりますね、そういった人たちにNHKのテレビジョンを見ていただくというシステムでございます。
#175
○山中郁子君 今会長がお答えいただいたテレビジャパン計画なんですけれども、NHKからいただいた資料によりますと、今の御答弁との関連で申し上げるならば、アメリカでの事業運営はMICOと伊藤忠が中心になって現地法人をつくる、それからヨーロッパの事業運営は丸紅など数社で結成されているジャパン・サテライト・テレビジョンにMICOが中核株主として経営参加する、新JSTVとして発足する、こういうことのようでございます。
 それで、これらのいろんな形で、すそ野が広がっていくという表現は余り適切でないかもしれないけれども、広がっていっているわけですね。こういうものの具体的なことをちょっと幾つか伺いたいんですが、これらのところによる番組制作のいわゆる番組著作権というんですか、これの所有はどこになるんでしょうか。いわゆる中心となる所有者はやはりNHKになるのでしょうか。その点はいかがですか。
#176
○参考人(島桂次君) NHK放送を放送する限りにおいては、これは著作権はNHKが持っているわけでございます。当然その報酬もNHKが、著作権を持っている以上何らかの報酬は受けなけりゃいけませんけれども、これはその会社が黒字にならないと当分取れないという事態もあるいは初めの間起きるかもしれませんけれども、著作権はNHKにございます。
#177
○山中郁子君 一〇〇%NHKにあるということになりますか、MICOなどの制作なんかの場合でも。
#178
○参考人(島桂次君) 一〇〇%と申しますのは、その中で例えば歌を使っていたり、ニュースの場合でもほかの放送局のニュースを使った場合には部分的にその使った分だけ取られるというケーススも著作権の関係でございますけれども、全体としての番組の編集権といいますか著作権といいますか、そういう権利はNHKが持つ、こういう形になります。
#179
○山中郁子君 今この問題について幾つかの点をお伺いしてきました。それで私は、初めにも申し上げたんですけれども、こういう状況がさらに拡大していくということはNHKの公共放送としての性格を逸脱していく危険なしとしないという観点から今このことについて解明を図っているわけなんです。
 御答弁いただいた範囲でもちょっとそのように理解ができるんじゃないかと思うんですけれども、いわば総合情報会社化というんですか、民営化路線だとかマスコミなどではいろいろと言われているわけです。とにかくそういうふうにどんどんどんどん下請というか関連、系列、そうした制作分野も含めて広がっていってNHK本体が切り落とされていくという、体がそぎ落とされていくという、そういう傾向というのはどうしてもやはり多くの人々がある種の危惧を持って見詰めているところだと思うんです。それはまたある一面でNHKの肥大化ということも逆にあるんですけれどもね。
 したがって、私がきょうここで申し上げておきたいことは、今日のように情報通信をめぐる状況が大きく変化しているそういう時代のもとで、NHKがさまざまな対応を模索するということはあったとしても、それは必然的に出てくるわけですけれども、常に心しておかなければならないのは公共放送ということの原点に立ち戻ることだということなんです。
 それで、いやそうすると公共放送とは何ぞやということがまたけさほど来からいろいろ議論がありますけれども、少なくとも放送法に規定されているところの電波は公共のものであり、そしてNHKは受信料で成り立っている国民共有の財産であるという、そういう趣旨でのNHKが公共放送であるということ、そして放送法第一条の目的の条項には、公共の福祉に役立つ、あるいはまた放送の不偏不党、表現の自由の確保、あるいはまた民主主義の発展に資する、それらのことがその目的としてうたわれているわけですね。私はそういう原点に常に常に立ち戻って、それで劇的に情報通信の変化する時代のもとにあってのNHKの模索、あるいは進むべき道をどこに求めるのかということの基本的なところをそこに押さえておかないと、国民の皆さんの多くの危惧を払拭することもできないし、あるいは期待にかなうこともできない。これが私今非常に重要なことなんじゃないかと。
 細かい問題に立ち入って議論すればたくさんあるんですが、MICOの問題にしてもそのほかにしても、ただそういう時間がありませんから、私はそこのところが今非常に大事なところにきているんじゃないかというふうに考えております。その点についての御見解をお伺いしたいし、またNHKとして今後どういう方向に進んでいくのかということがいろいろ出されてきているけれども、今私が申し上げましたようなところにきちんと立つというお約束ならお約束がいただきたい、このように考えております。
#180
○参考人(島桂次君) 山中先生の御指摘のとおり、我々はあくまで公共放送でございますから、その基本的なところは堅持しつつ新しい時代に対応するということでなければいかぬわけでございます。限りなくメディアの数とかあるいは関連会社の数をふやしていくということは、これは一つの放送機関、これは報道機関でも同じですけれども、これが必要以上に大きくなるということは民主主義のルールに反するということは西側の国でよく言われていることでございますので、やはり適正な規模というのが当然必要じゃないかというふうに考えております。
#181
○山中郁子君 適正な規模というのがどういうものであるのか、今のNHKの到達している現状が果たしてそれでは適正な規模であるのかどうかというようなことは、これまた大いに議論があったりまた解明したり研究したりしなきゃならない問題だというふうに思っていることを申し上げておきます。
 二番目に、NHK保有メディアの在り方に関する連絡会というものがあるんですけれども、これについてお伺いしておきたいのですが、郵政省も関係するんですが、ちょっときょうはNHKにお伺いをしたいんです。
 この保有メディアの在り方に関する連絡会の検討の方向とか、あるいはラジオ関係は四月に出されるという話もありますけれども、その時期をどのように把握していらっしゃるか。テレビはどうなのか。それらのことについての今NHKが把握していらっしゃるというか、認識していらっしゃるというか、その方向をお伺いしたい。
#182
○参考人(島桂次君) 先ほど公共放送は適正な規模が望ましいというふうに言いましたけれども、それならばどの程度が適正なのかと。
 今NHKは九つの波を持っております。私としては、昨年度の予算審議のときにも申し上げましたとおり、衛星放送が仮に一千万、二千万と普及してきますと、やはり一つの放送局が四つの波を持つということは、現状のまま、もしほかの衛星局が開局しないままいくとすれば、それはやや適正規模を超えるかなと。しかし、現時点ではこれはまだ今すぐ波をもっと減らさなければいかぬという状態ではないんじゃなかろうか。もうちょっと衛星放送とかケーブルテレビとかこういう普及状態を見きわめた上で、適正というのはこれは相対的な問題でございますから、ですからあと一、二年、主として衛星とかケーブルテレビジョンの普及を見た上で、やはりそのときに合った適正な規模というものは当然考えなきゃいかぬなというふうに考えておるわけでございます。
#183
○山中郁子君 波に関して現状を変えるというか、減らすというか、それは今考えていないという御趣旨だというふうに承りました。またしかるべき時期に郵政省も含めて連絡会の問題についてお伺いすることにいたします。
 同じく、こうした問題に関連するんですけれども、会長は週刊誌や雑誌などでいろんなことを述べられているんです。例えば、公共放送は一つでなくてもいいんだ、適正な規模に再編成するんだというふうにおっしゃっているものがあります。これはある週刊誌でした。それから、「ジス・イズ」という読売の月刊雑誌ですか、これの四月号でも「公共放送は一つしかないという例はない」、「全国放送の公共放送と、ローカル放送の公共放送と二本立てになっている。そういう分け方もあるし、場合によっては、衛星放送なり何なりをNHK以外のところへ移すという方法もある」というようなことも発言されていらっしゃるわけです。こういう構想というものを具体的に検討されていらっしゃるんでしょうか。
#184
○参考人(島桂次君) その雑誌の対談に出ている表現は、例えば外国のドイツとかフランスとかヨーロッパの公共放送というのは一つだけではございません、全国波を持ったり、ローカル波を持ったり、あるいはフランスの場合なんかかなりいろいろ細分化してラジオだけのところもございます、そういう例があると。したがって、日本の場合は公共放送というのはNHKしかないけれども、先ほど申し上げましたように、NHKがどんどんどんどん巨大化してくれば理論的にはそういう道も考えられるということを申し上げているわけです。
#185
○山中郁子君 じゃ、具体的にNHKとして今そういう問題についての構想を練っているとか、検討しているとか、持っているとか、そういうところまでもいかない、一般論として世界にはこういう例もあるんですよという趣旨でおっしゃったという程度である、こういうふうに理解をしておきますか。
#186
○参考人(島桂次君) 一般論よりも、やや私の気持ちとしては前へ進めようとしているわけでございますけれども、まだ経営的にそういうプロジェクトをつくったり、あるいはそういうものを具体的に討議する段階には至っておりません。
#187
○山中郁子君 次に、名古屋放送会館の問題についてお伺いいたします。
 これは、名古屋の放送会館はNHKと民間事業体、提携事業体というふうに言われているようですけれども、具体的には日本生命、第一生命、名鉄との合築方式で建設中であります。伺うところによりますと、民間は七二%、NHKは二八%とされていて、民間事業体からの権利金収入が二百四十一億円、これを一時的収入として、あとの三割分は毎年五億円の地代収入とするということですけれども、この区分の根拠が何なのか。それで、五億円の地代というのは、そうするとこれからずっと恒常的にいわゆる地代としてNHKの収入になるという性格のものなのか。どうして五億円で、片方の一時金が二百四十一億円なのか、まずそこのところを教えてください。
#188
○参考人(三河内賢二君) お答え申し上げます。
 名古屋の放送会館の建設に当たりましては、まずNHKが今後の事業展開をかんがみまして必要な面積を算定しております。したがいまして、NHKの必要な面積を出しましたあとの余剰部分といいましょうか、この部分を提携事業体の所有といたしたわけでございます。したがいまして、建物の内容といたしましては、NHKが一万七千平米、事業体が四万七千平米、その他共通部分が一万八千平米ということになりますので、それによりますとNHKの所有分は二八%になり、残りは七二%になるという計算方式でございます。
#189
○山中郁子君 いや、私がお伺いしたのは、それもそうなんですけれども、権利金として二百四十一億円を一時的収入として計上されていて、五億円は地代として恒常的な収入としてある、こういうふうになっているように御説明も伺っているんですけれども、その根拠というか、どういう区分になっているんでしょうか。
#190
○参考人(三河内賢二君) お答えします。
 したがいまして、両者の権利関係は提携事業体が建物の土地利用面積の割合の七二%、NHKが二八%でございますので、賃借権料並びに地代をこの率で掛けることになっております。したがいまして、土地賃借権料の割合の七〇%をさらに掛けますと、総額で二百四十一億という数字が出てまいります。残りの三〇%分については土地の価格の三〇%分を毎年三十年間にわたりまして地代として五億円をいただくということに計算をしているわけでございます。
#191
○山中郁子君 私が伺っているのは、だからそうすると、七、三で七〇%は一時金でもらっている、もらったと。それが二百四十一億円で、三〇%は五億円ということで毎年もらうというお話なんだけれども、どうしてそうなるのかということを伺っているんです。何が根拠でそういうふうになるんですかということを伺っている。
#192
○参考人(三河内賢二君) 計算根拠の基本ベースが建物の所有割合、率で決められておりますものですから、先ほどから申し上げておりますように、NHKの持ち分の二八%と提携事業体の七二%の割合で基礎計算のベースの根拠としているということでございますので御理解を賜りたい、このように思っております。先生が先ほど来からお話しいただいているとおりでございます。
#193
○山中郁子君 ちょっとわからないんですけれども、時間がないから、では七二%と二八%だから七、三で二百四十一億と五億ずつにしたんだ、こういうことですか。それ以上は後でまた詳しく伺うことにしますけれども、どうももうひとつよくわからないんですけどね。
#194
○参考人(三河内賢二君) これを決めるにつきましては、提携事業体と話し合いによって決めるものでございまして、先方からの提案を含めまして合致したものでございます。
#195
○山中郁子君 またこれは個別に詳しくお伺いいたします。
 この二百四十一億円の収入を建設積立金とした趣旨は何でしょうか。
#196
○参考人(三河内賢二君) 不動産の売却につきましては、売却したり高度利用して一時的に多額の収入を得る場合がございます。過去には平成元年度には川口の放送所を百四十八億で売却しまして、それを事業収入の中に入れて財政安定化のために使用したことがございますが、今回は御承知のとおりこのような固定資産の売却益などによってくる資金につきましては、視聴者の皆さんから長年お預かりした貴重な財産から生まれたものでございますので、このような資金を単年度の事業収支の中で消却してしまうということは適当ではないじゃないかということを考えております。
 したがいまして、建設資金を借入金で賄った場合は――今NHKは建設資金を借入金で賄っております。したがいまして、借り入れた場合には必ずこれをお返ししなくちゃいかぬということになりますと、借入金の金利の支払いなどを受信料収入の中から償却しなければなりません。したがいまして、長期的な経営の基盤の強化にここで充てた方がいいのではないかという考え方に立ちまして、これを長年にわたりまして視聴者に還元をしていくという考え方に立ったものでございます。
 このために、収入につきましては積立金を保有いたしまして、NHKには全国で四十数カ所の放送会館がございますが、これは三十年代から四十年代、テレビの発展期に建てられたもので老朽化しておりますから、この辺の経費に充てたり、今後急激に進展するであろうニューメディアの放送機器などにこの経費を充てたいという考え方であります。したがいまして、郵政省と御相談の結果におきまして建設積立金を設定したということでございます。
#197
○山中郁子君 私は、当然郵政省あるいはまた国税庁などとも十分御相談というか協議なすった結果の扱いだから、ゆめゆめ違法性があるというふうに思っているわけではないのですけれども、法人税法によるいわゆる公共団体としての放送事業という観点からいえば事業外収入という側面もかなりあるんですよね。今るる答弁なすったことは、ちょっと先回りして答弁なすったような気がするのだけれども、つまり今後放送施設、放送事業のための先行き施設をつくりますよ、そのために蓄えておくんですよというふうなこともおっしゃっているんだけれども、私はそこのところはかなり微妙な面もあるという感じがするんです。
 何しろ二百四十一億という大きなお金です。これは一種の不動産の事業ですよね。そういうものの収益は、一時それを例えば経常経費の中に入れて、今年度の受信料を大幅に緩和するということに使うとかというふうなことをなさらないで、積み立てていらっしゃるわけだからね。私は、それがなおかつ公共団体としての非課税という恩恵というか、そういう特例を受けているということについてはやはり若干解明したい問題だと思っているんですけれども、そこは何ら問題はないというふうに、国税庁とのお話、郵政省とのお話の中でもそうなっていますかということ。
 これがやはり今後また出てくるわけでしょう。予算書によりますと、建設計画としては名古屋のほかに福岡、広島放送会館等の整備を行うというふうになっています。これはもう当然のことなんですが、放送会館というのは各都市の大体目抜きというか中心地にあって、土地投機の問題とも関連するんだけれども、大変土地代が高くなってきている。したがって、名古屋の場合と同じように、こういう合築方式をおとりになればかなり大きな権利金収入みたいなものになるわけでしょう。そういうものをみんなこれからもこうやって一時金として積み立てていって、それでなおかつ公共放送として法人税法上の免税というか非課税になる団体であるから税金を納めることはないということがずっと続くということに何ら矛盾がないのかどうか。そのことについてはどのように御認識しておりますでしょうか。
#198
○参考人(三河内賢二君) お答えいたします。
 まず、法人税でございますけれども、NHKは法人税法におきまして第二条に公共法人と定義されております。したがいまして、納税義務はないということになっておるわけです。特別収入の二百四十一億円につきましても、法人税はこの規定によりまして納めないということになっておりますので、私どもはこの法に従いましてこれを措置したい、このように思っています。
 それから、先生先ほどお話がございました、この後広島放送会館についてこのような名古屋方式を入れまして考えておりますが……
#199
○山中郁子君 福岡もあるわね。
#200
○参考人(三河内賢二君) 福岡につきましては、地域の環境、都市計画との関係におきまして共同事業体と新たに高度利用することにはなじまないという考え方が出ておりますので、これはNHK独自で開発をしたい、このように思っております。
 当面は広島だけでございます。これにつきましては、先ほど来から何度も申し上げますように、NHKの建設費というものは借入金で行うものでございますので、少しでもこの高金利の時代に借入金を少なくするということと、その借入金はいずれ返還しなくてはならない、これを受信料収入の中から返還に充当するということもございますので、この点につきましては負担がかからないような形で有効に活用していきたいという考え方でこの積立金制度を採用させていただいたということでございます。
#201
○山中郁子君 最後に一言。
 法人税法の第二章の納税義務者の問題での納税義務がないということは、あくまでも公共法人、公共団体としてのものであって、それはNHKが公共放送であるというところからこのように規定されているところであります。
 したがって私は、今年度の予算、今審議しているものじゃないですよ、昨年の三月、年度末に審議したものですけれども、大幅な受信料の値上げがあったわけです。例えば、この二百四十一億円ということがあるいは見込まれれば、それから今後の問題もそうですけれども、それが経常経費の中で考えられていけば、大幅な受信料引き上げということは何らかの形で避け得たかもしれないし、そういう問題をはらむ収入である。
 そういうことで使われれば、それは当然公共的な放送としての法人税法第二章で言う納税義務がないというところと何ら乖離はないと思うんですけれども、これからまた連鎖的に次から次へ放送局が改築されて、当面は広島だけというお話でございますけれども、そのたびに莫大な不動産のあれによるお金、そういうものが入るという問題が繰り返されるということは、今後の問題として我我はどう考えていくべきかという中身を持っているということだけを指摘しまして、私の質問を終わります。
    ─────────────
#202
○委員長(一井淳治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山田健一君及び鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として吉田達男君及び中野鉄造君が選任されました。
    ─────────────
#203
○足立良平君 最後になったわけでありまして、少し質問等がそれぞれの委員の皆さん方から提起されました内容とちょっとダブるかもしれませんけれども、その点ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 まず冒頭に、これまた先ほど鶴岡委員の方から提起がされておりましたが、国際放送の重要性ということが言われておりました。昨年も私は本委員会におきましてこの国際放送の重要性ということを申し上げて、そして特にこれは我が国の国際的な戦略、特に今回湾岸戦争の問題を中心にいたしまして、日本の置かれている状況というのは国際的にも大変微妙な状態にあるのではないかというふうに考えておりますし、そういう面では日本として世界の国々、世界の人々に向かって日本のスタンス、日本の顔、日本の理念あるいは日本の哲学というものをどのようにきちんと伝えていくかということは、私は我が国にとりまして極めて重要なことだ、このように考えているわけでございます。
 議論としては既にもう出されておりますから答弁は結構でありますが、私もこの国際放送について大変重要視をしている、そしてその予算等につきましても国として今以上に努力をしてもらわなければならないのではないかということをまず冒頭に申し上げておきたい、このように存じます。
 その上で次にちょっとお聞きをいたしたいというふうに思うわけでございますが、きょうのこの委員会におきましても放送文化という言葉がたびたび使われております。言葉を変えれば映像文化であるとかいろんな言葉の使い方があるわけでございますが、我が国の今日までのいわゆる活字を中心にした文化というものから今日の情報化社会、メディアの社会の中におきまして映像文化ということにとにかく置きかわってきているという状態であろうと思うわけであります。そういう面で、私自身も正直言ってこれからの展望を持ち得ないわけでありますが、これはひとつNHKの島会長にその考え方を聞かせていただきたいと思うわけでございます。
 この映像文化、いわゆるメディアのこういう時代がさらにどんどん進んでいく、そして民放を中心にいたしまして二十四時間番組ということで、あるいはまた衛星放送もそういう傾向になってくる。先ほど島会長も御指摘ございました。そういうふうな状態で映像文化が常にずっと流れてくる状態というものを考えてみましたときに、我が国のこれからの文化の状態、かつては活字文化ということで、ある面におきましては日本文化というものを育ててきたわけでありますけれども、これから日本という社会というものは一体どういうふうな変化をしてくるんだろうか。
 実は私、いいようであっても、ある面においてはひょっとすると日本というものの本当のよさが失われてしまうのではないかという感じもするわけであります。私はたまたま出身が関西の方でありますから、京都なり奈良なりを散策いたしまして、あの京都の持っているわび、さび、あるいはまた奈良のそういう文化、古い文化にも接する機会が大変多いわけでありますけれども、本来日本の持っている文化と今日の映像文化を中心にしたそういう関係を一体島会長としてどのようにお考えになっておるのかということをちょっと参考までにお聞かせ願いたいと思います。
 それと同時に、これはひとつ郵政省の方に考え方を述べていただきたいと思うわけでありますが、湾岸戦争を中心にいたしまして、省エネルギーという問題を我々は忘れかけていたわけでありますけれども、三たび思い出したわけであります。そうすると、NHKの場合、今までは十二時でテレビの放映というものを打ち切っておりまして、湾岸戦争だけは一応時間を延長して放送している。民放の場合には、これは先ほど言いましたように、二十四時間番組というものが今どんどん出てきている、あるいはまた相当深夜まで行われてきているということになってまいりますと、日本のエネルギー問題を中心にして、省エネルギーと放送というものとの関係を一体どのように考えていけばいいのか、あるいはまた郵政省としてそれをどのように指導といいますか考え方を持っておられるのか、この点についてお聞かせを願いたいと思います。
#204
○参考人(島桂次君) 先生御指摘の映像文化、私は哲学者じゃございませんのでなかなか難しい問題だとは思いますけれども、情報化社会、もうチャンネルの数がどんどんどんどんふえまして、今までと違って自分の好きな情報を好きなときに自分で選択して見られるという時代が少なくともハード的には可能なわけでございます。
 それで、私なんかも時々地下鉄に乗っていますと、三十過ぎた方が漫画の本を読んでげらげら笑っている。私がその漫画を見てもほとんどおもしろくないということも含めまして、やはり映像というかそういうものがこれからの世の中をどう変えるかというのは大変大きな問題だと思います。現にテレビジョンの影響というのは有形無形にいろいろな意味で僕は非常に深刻なものもあるんじゃないか、場合によっては。寝転がりながら何でも見られる。本を読むということはある程度の努力を必要とするわけです、活字を読むという。それだけに、これからますますそうなってくると思いますけれども、テレビジョンの持つ役割といいますか任務、そういうものをよく計算して、これはもう単に一放送業者を超えた、放送する人間を超えていろいろ各分野の方々、いわゆる社会全体の中でテレビをあるいは映像をどういうふうにうまく使っていくか、まさに大変な時代を迎えたという認識だけは持っているわけでございます。
#205
○政府委員(桑野扶美雄君) 省エネという問題は、我が国のような資源のない国におきましては基本的に常に国民一人一人が認識しなければいけない問題だろうというふうに思うわけであります。
 たまたま昨年湾岸危機が起こりまして、そろそろ冬に向かうというような時期に、政府全体として省エネというものをここで一遍見直して、国民の皆さんにもう一度そのこと自体も改めて認識していただこうじゃないかということで、いろいろ施策として決めた中の一つが深夜のテレビについての短縮と言われているような事項でございます。むしろ、それがかなりキャッチフレーズみたいになったものですから、それのみが省エネの内容かというような受けとめ方をされているような面もあるわけであります。
 ただ、私ども郵政省といたしましては、民放及びNHKに私の名前でその意義を触れつつお願いいたしましたのは、そういうことでありますから省エネということについてひとつ御検討をいただけませんでしょうかという、ほとんど私どもから言いますとやわらかいトーンでお願いしたつもりでございます。と申しますのは、やはり言論、報道機関に対して時間的なことを行政の立場で短くしろとかなんとかいうことを余り強く申し上げるのもいろいろ問題かと思いますし、かといって省エネ全体が昨年の秋みたいな状況の中で一つのキャンペーンとして国民的にもやっていかなければいけないという立場で、私の方もそれなりに何か行動を起こさなければいけないという、そういうような調和の中でああいう形になったものでございます。
#206
○足立良平君 それでは、次の問題に移りたいと思います。
 これは、先ほど山中委員からも提起をされました名古屋の会館の問題をめぐっての問題でございます。土地賃借権料三百四十五億、その内訳が二百四十一億と百四億。ちょっと私席を外しておったので、ちょっとしたらダブるかもしれませんけれども、この二百四十一億が全額建設積立資産という勘定に入る。それから、百四億については地代として毎年四、五億ずつ副次収入として一般の会計に入ってくる。名古屋の会館を建設して、一括して二百四十一億は建設の積み立てになる、こちらは別だと、こういう経理的に違った取り扱いをする。毎年四億とか五億とかずっと三十年間入ってくるなら入ってくる。それも建設積立資産の中に入れていくということであるなら、それはそれなりに一つの理解ができるわけでありますけれども、そういう点をわざわざ二つに分けていくということはどういう意味合いがあるのか、ちょっとこの点を考え方としてお聞かせ願っておきたい、このように思います。
 それから同時に、これは全部NHKにお聞きをいたしたいと思うわけでございますけれども、こういう建設の場合のNHKの資金調達というのは一体どういう調達方法をとられているのか。それから、外部資金につきまして、一体どのような手法で償還をしようとしているのかということが一つ目であります。
 それから、NHKと共同事業者、いわゆる民間の企業、先ほど具体的な名前が挙がっておりましたけれども、民間企業の共同事業者との会館利用の権利関係というのは一体どのように取り決めをされているのかということでございます。これは持ち分権というふうに呼んだ方がいいのかもわかりませんが、この持ち分権あるいはまた期間等についてどういう取り決めをされているのかということ。そして同時に、視聴者に対しまして、こういう会館をつくった場合に配慮している分、特に会館の一般利用あるいはまた公開、NHKと視聴者との関係の距離というものを本当に短くしていく、接点をきちんとしていく、こういう観点で一般利用なりあるいはまた公開というものを一体どのように、従来以上に積極的に取り組もうとされているのか、この点につきましてNHKの方から考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#207
○参考人(三河内賢二君) お答えいたします。
 建設積立金の科目の設定につきましては、先ほども若干申し上げたのでございますが、さらに細かく申し上げますと、協会といたしましては、平成元年度に学識経験者によりまして、内部におきまして予算制度研究会というのをつくりました。そのテーマの一つが協会の限られた経営資源の効率的配分についてどうするかということで検討を行ったわけでございます。
 その中で資産の売却だとか、高度利用などによって一時的に多額の収入があった場合について検討してまいったわけでございます。先生方からの意見として、最終的な御答申といたしまして、「資産の売却・高度利用等による一時的・多額の収入は、視聴者から長年預かっている貴重な財産から生ずるものであり、単年度の事業運営費として費消してしまうのは適当ではない。このような収入は、将来にわたる視聴者への利益還元のため、番組制作充実のための設備、地域住民に開かれた放送局作りとして会館等の建設に充当すべきものと考える。このため一時的・多額の収入は会館等の建設に備え、特定資産として内部留保し、財務体質の強化を図ることが望ましい。」という御意見をちょうだいいたしました。
 これを前提といたしまして、先ほど申し上げましたように、協会が借入金によって建設資金を賄っている現状において、この借入金につきましては、重複いたしますけれども、外部の資金と内部の資金で対応しているわけでございます。先ほど先生の御質問の中に外部の資金というものはというお話がございましたが、一つは放送債券の発行をさせていただいております。それから、一部は借入金という形で外部資金を導入させていただいております。このようなものを借りた場合に必ずこれを返還しなければならない。この部分を、特に借入金につきましては受信料の収納の中でこれを償却していくということになりますので、この件につきましてこの科目設定をぜひお願い申し上げるということを郵政省の方にお願い申し上げました。昨年一年間にわたりまして郵政当局と慎重に検討した結果において科目の設定をし、放送法の施行の改正までも行いまして、平成三年度予算から適用させていただくということになったわけでございます。
 それから、もう一つ御質問のございました一般市民の利用ということにつきましては、共通部分の中の一階から三階までのフロアを市民プラザということで市民に開放することにしております。ここの部分については、市民参加のイベントなどを計画しておりまして、共通部分の活用というものを市と共催しながらも、ここを地域住民のために開放するという基本的な考え方に立っております。これについては、他の放送機関を含めて、他の事業体等含めて競合することもないというふうにも考えておりますし、これが地域に開かれたNHKの姿勢だろうということで、より積極的にこの場を活用したい、このように考えている次第でございます。
#208
○足立良平君 私が質問いたしましたのは、二百四十一億とそれから百四億のこの違った取り扱いをなぜこういうふうにしたのかということでありますので、再度考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 それと同時に、これも山中委員の方から提起されていたわけでありますが、私も全く同じように考えるわけでありまして、この名古屋の会館の建設というのは昭和六十三年からスタートいたしているわけでありますから、昨年の逓信委員会においてNHKの料金改定の議論をするときには、この種の賃借権料といいますか、この金額が入ってくるということは十分想定されているわけなんです。にもかかわらず、そのことについては全然らち外に置いて、そしてNHKの受信料というものを議論していくというその取り扱い方について、私はこれはいかがなものかという感じを実は受けるわけでございます。
 そういう面で、これはひとつ郵政省の方からお聞かせを願いたいと思いますが、そういうふうな経過からいたしまして、金額的に見ましたら三百億弱でございますから相当大きな金額でございますし、そういうものがあらかじめ想定されるにもかかわらず、それをちょっと横に置いて議論してきたということについての郵政省の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#209
○政府委員(桑野扶美雄君) このような整理をしたということは、NHKの方からいろいろお話があったとおりでございますけれども、今先生方のお話を伺ってみますと、NHKの平成二年から六年までの経営計画の中でそういう事実があるということぐらいは私どもも御指摘すべきであったかなというような気がしております。
#210
○参考人(三河内賢二君) お答え申し上げます。
 先ほど先生の御質問の中の一つといたしまして名古屋の放送会館の経費のこともありましたが、若干触れさせていただきますけれども、今年度予算の中で六十五億の建設費を投じております。
 それからもう一つは、なぜ五カ年計画に取り入れなかったのかという御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、将来の設備の投資に充てるということで長年にわたって視聴者に還元をしていくという考え方をとったということが結論でございますけれども、これには理由があるわけでございます。
 これからのニューメディアの進展に伴いまして将来の設備の投資が全く見通せないということで、どんな新しい設備が出てくるか、これの建設計画が非常に膨らんでくるんではないか、こういう考え方が一つでございます。それから、そのニューメディア関係の施設はともかくといたしまして、全国にあります放送会館が、先ほど申しましたように、年数を経て老朽化してまいっております。そのようなことに一時的に多額の金をつぎ込むということは非常に不可能でございます。しかも、これを借入金で賄うということになってきますと、この利息などによって事業支出について受信者に対しましても負担がかかるのではなかろうかというようなこと、このような事態を避けるためにも安定的に財政運営を行っていこう、こういうふうに考えているものでございます。
 それから、二百四十一億というのは高額でございまして、先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、一時的な所得としては大きゅうございますし、また一時的なものでございますのでこれを積み立てたいというのが思想でございます。それから百四億の、これは毎年に直しますと五億円でございますが、これらにつきましては毎年の事業費に充てていって償還に値する額だろうというふうな考え方をとりました。一時的に多額のものについては有効に使うために積み立てたいという考え方で、先ほど申し上げました昭和六十三年度以降、学識経験者をもとといたしました御答申に基づいたこの積立金制度をNHKの方からお願い申し上げて今日のような状況になったということでございますので、この点は十分に御理解をいただきたい、かように思っております。
#211
○足立良平君 私が申し上げているのは、例えばそれは一遍に入ったとか分割で入るとか、これは一面におきましてはNHKとそれからそれぞれの民間事業団体との話の問題であろうと思いますけれども、同じ要因に基づいて賃借権料として三百四十五億というものがあるなら、それは考え方としては、建設積立金というこの科目というのは将来的におきましても、例えば土地の売却とか大きな金額が生じたときには当然ずっと繰り入れられていくわけです、科目としては存在するわけでありますから。それは経費として毎年使っていくというより、先ほどおっしゃったような趣旨に基づいて視聴者に返還していくんだ、こういう趣旨からするなら、私はこの百四億においてもこれは当然建設費のこちらの方に繰り込んでいくということが筋目ではないかというふうに、私はそういう考え方を持っているということだけあえて申し上げておきたいと思います。
 それから次に、時間も余りございませんが、衛星放送の関係について少しお聞かせを願いたいと思います。
 これは午前中の質疑の中でも出ていたわけでございますが、いわゆるJSB、日本衛星放送というものがことしの四月からスタートいたすわけであります。そして、このJSBというのは、今十万件の加入目標を立めて既にもうスタートいたしておるわけであります。既に御承知のように、これはデコーダーといいますかそういう機器を設置して、一〇〇%料金というのは徴収することができるというシステムになっているようであります。そして、NHKの衛星放送の料金の徴収の比率というのは約五八・八%、六〇%弱。JSBの方においては一〇〇%の料金が徴収をでき、NHKの衛星放送は約六割弱の料金しか徴収できない。約四割強というものは徴収できない、こういう状態が出てくるというふうに考えるわけでございます。
 そうしますと、一たんJSBに加盟している人たちからいたしますと、自分としてはJSBに加盟して、そして既にパラボラアンテナをつけたんだし、バラボラアンテナをつけると自動的にこれはNHKの衛星放送も視聴することができるようになりますと、一般の地上波と同じように、自分としてはもうNHKの衛星放送は見ないんだということで、さらにこの料金の徴収というのはNHKの衛星放送の側において残念ながら低下をしていくというのが今の現状ではないか、このように実は私は思うわけでございます。
 そういう面で、考え方としては、JSBが一〇〇%の料金徴収をするに当たりましては対価料金という考え方をとっているようでありますし、あるいはNHKの場合には公平に負担する受信料という、従来の受信料に対する考え、概念というものを持っている。そうすると、同じ衛星の放送を視聴するに当たりましても違った概念の聴視料といいますか、その種のものが生じてくるわけであります。そういう面では、今までの延長線上で料金を徴収して、公共事業体であるNHKというものがずっと存続することは本当にどうなのかという問題に、料金徴収の側からその議論というものが発展をしていく可能性というものがあるのではないか、こんな感じも実は受けるわけでございます。
 そういう面で、NHKあるいはまた郵政省両者の方におきまして、どのようなお考え方をこの問題について持っておられるのかということをひとつお聞かせを願いたいと思います。
 あえて申し上げますなら、これも先ほどからずっと議論がされておりましたけれども、情報を伝達していくという、まさにいわゆる公共放送としてのNHKというものの存在が本当に問われているんではないか、そういう面からおきましても。というふうな感じもいたしますので、そのことも含めましてその考え方というものを聞かせていただきたいと思います。
#212
○政府委員(桑野扶美雄君) 受信料と有料放送の料金ということでございまして、性格そのものは異なるわけでございますけれども、受信者から収納する料金という点ではいわば結局同じことでございます。今後その両者が併存することになるわけでございますので、先生が御指摘のような困難性というものが生じてくることが懸念されるということも事実だろうというふうに私どもは思っております。
 しかしながら、現行受信料制度というのは、財源を広く国民全体に直接求めることによりまして、公共放送としての高度な自主性、中立性を財政面から確保するということを可能にしているわけでございますし、長い歴史を有し国民に定着しているわけでございますから、NHKの財源方式として、基本的には多メディア時代においても可能な限り現行方式を維持する方向でNHKにおかれましても努力をしていただきたいというふうに私は思っております。しかし、将来のことでございますからいろいろな事態が想定されますし、また我々も遭遇することがあろうと思いますが、そのときはそのときでまた先生方のお知恵も伺いながら対処してまいりたいと存じております。
#213
○参考人(島桂次君) JSBのスクランブル方式という方式が新しくできるということは、戦後公共放送の受信料とそれからコマーシャル放送に新しい概念が、もうアメリカでは十何年前から始まっておりますけれども、そういう新しい概念が入ってきて、ここで我々は新しい放送秩序を組み直さなきゃいかぬ、大変私にとっても公共放送にとっても画期的な重大な試練の時期だと思っております。
 私は、地上波もそうでございますけれども、衛星波も公共放送は必要だと思っておるわけでございます。必要な公共放送というのは、やはり質の高い、多様性な文化性のある番組をできるだけ視聴者の負担を軽くして出すという使命、この使命に徹し切れば、私はスクランブルをした会社がどんどんできてきても、今衛星放送は国際的には八つ許されているわけです、仮に八つのステーションが開局しても、私はその中の一つあるいは二つのチャンネルが公共放送として生き残れる、また生き残らなければいかぬという決意でやっているわけでございます。
#214
○足立良平君 そういう決意を具体的な数字の上にあらわせるような努力をひとつしていただきたい、このように思います。決意だけで経営というのはなかなか成り立っていきませんから、その点ちょっと意見をつけさせていただきたいと思います。
 それから、これは日にちをちょっと失念をいたしたわけでありますが、本年の二月だったと思いますが、朝鮮中央放送委員会の鄭委員長でございますか、NHKなりあるいはまた民放を訪問されたわけであります。そのとき、NHKの島会長と日朝間の放送交流問題というような話をされたということを実はマスコミを通じて承知いたしております。その中で、ラジオ、テレビ放送用の素材の積極的な交流、あるいはまた放送関係者、記者を含めて交流をするとか、将来的には技術、運営面で交流をしていこうというふうな話し合いが合意された、このように承知をいたしております。
 これは、それぞれの経済体制あるいはまたいろんな体制の違いを乗り越えてメディア、情報におけるこういう交流ということは、やはり自由と民主主義というものをまさに共有をしていくという面におきまして極めて重要なことだろう、このように実は考えておりますし、そのことについて私は十分理解をいたしているわけであります。
 ただ、一点だけ会長にお聞きをいたしたいと思いますのは、これは鄭委員長自身が後のマスコミを通じてインタビューに答えられている事柄について、実は私は正直言ってちょっと引っかかっているわけであります。それはどういうことかといいますと、朝鮮では、これは北朝鮮と言いますか、朝鮮では「放送を国家の宣伝に使っている」ということをはっきりと明言をされております。「人民を思想的に高め、現在の闘争に関心を起こし、人民の団結を促すのがわれわれ放送関係者の仕事」である、このようにも述べられているわけであります。
 放送というもの、あるいはまた情報の提供というもの、そういうものに対する我々の、あるいはまたNHKも含めて日本の郵政省も含めて放送に対する概念というのは、少なくとも今この鄭委員長があるマスコミを通じて個人的なインタビューをされているような考え方とは全く違った考え方で、いかに正確にそしてスピーディーにその情報というものを国民の皆さん方なり世界の人々に提供して、そしてそのことによって自由な判断をしてもらうような素材を提供しようとするのが私どもの放送の基本的な概念だと思うんです。若干ちょっとその辺で、距離は近いんですけれども、考え方が違うようであります。
 そうしますと、私はそこで危惧をしているというふうに思いましたのは、放送に対する、あるいはまたテレビに対する概念が全く違った中でそういう技術交流をする、あるいはまたやるということが政治的な思惑によって利用されることにつながってこないだろうかと、実はちょっと危惧を私自身受けたわけでございます。これは私だけが受けたのかもしれませんが、それが杞憂であればいいわけでありますが、この点が第一点目であります。
 そして、第二点目といたしまして、この技術協力をするということが、結果として全体主義国家体制の強化につながっていくことになりはしないだろうか。本来でしたら、例えば昨年、一昨年来、東ヨーロッパを中心にして、あるいはまたソ連を中心にして、この情報の伝達というものがある面におきましては世界の流れというものを変えてきた、このように私は現状を認識いたしているわけであります。しかしながら、この技術協力というものをここで行うということが、結果として逆に我々の価値観と全く違った状態というものをさらにつくっていくことにつながってくるのではないかという危惧をするわけでございます。そういう点から、いい面というものを評価をしながら、ちょっとその辺がどうなのかな、いかがなものか、こういう感じも受けるわけでございまして、ひとつこの点につきまして会長の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#215
○参考人(島桂次君) 北朝鮮の放送局からは、二、三年前から何遍も、要するに放送の交流をやろうじゃないか、国交はないけれども文化交流、そこで窓をあけようじゃないかという話が随分ございました。それで、最近私も二度ばかり向こう側の責任者を呼び、私にも来てくれという招聘状があるわけでございますけれども、北朝鮮に限らず、キューバも含めまして今NHKが放送協力協定を結んでいる国は恐らく三十以上になっているんじゃないかと思います。特に最近はベトナム、ハノイからもぜひ交流しようじゃないかという話も来ております。
 今先生の御指摘のような面も、当然いろいろな国があるわけでございますから、私も日本の公共放送の責任者でございます、したがって技術協力あるいは放送の素材の交換、あるいは共同制作、そういうものにつきましては、危惧されるような点については十分節度を持ってやりたいと、こういうふうに考えております。基本的にはやはり文化交流というのはいかなる国とも積極的にやるべきである、その場合に一つの節度というものも必要であるということを考えておるわけでございます。
#216
○足立良平君 終わります。
#217
○委員長(一井淳治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#218
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#219
○委員長(一井淳治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 この際、大森昭君から発言を求められておりますので、これを許します。大森昭君。
#220
○大森昭君 私は、ただいま承認すべきものと決定いたしました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、連合参議院、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。
 一、放送の不偏不党と表現の自由を確保し、放送に対する国民の信頼を一層高めるよう努力すること。
 一、協会の最高意思決定機関である経営委員会については、広く視聴者の意向を反映し、その機能が十分発揮されるよう特段の配慮を加えること。
 一、協会は、その経営が受信料制度を基盤とすることにかんがみ、国民の理解を促進するよう経営内容を積極的に開示すること。また、受信者の確実な把握と収納の確保により受信料負担の公平を期すこと。
 一、協会は、長期的展望に立った経営方針を確立し、業務運営の一層の効率化を推進するとともに、職員の処遇改善についても配意すること。
 一、衛星放送については、難視聴解消のために必要な放送を確保しつつ、さらに充実、普及に努めるとともに、その効率的な実施体制の在り方を検討すること。
 一、国際放送については、交付金の増額と一層の受信改善を図るとともに、映像メディアによる国際交流を推進すること。
 一、協会は、地域文化の向上に資するよう、地域に密着した放送サービスの充実、強化に努めること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#221
○委員長(一井淳治君) ただいま大森昭君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#222
○委員長(一井淳治君) 全会一致と認めます。よって、大森昭君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、関谷郵政大臣並びに島日本放送協会会長から発言を求められておりますので、これを許します。関谷郵政大臣。
#223
○国務大臣(関谷勝嗣君) ただいま日本放送協会平成三年度収支予算等につきましては、慎重なる御審議の上御承認いただき、厚くお礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて賜りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の放送行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#224
○委員長(一井淳治君) 島日本放送協会会長。
#225
○参考人(島桂次君) 日本放送協会平成三年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜りまして厚くお礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程で数々御開陳いただきました御意見並びに郵政大臣の意見書の趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。
 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、これを体しまして執行の万全を期したいというふうに考えている次第でございます。
 まことにありがとうございました。
#226
○委員長(一井淳治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#227
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#228
○委員長(一井淳治君) 次に、郵便局の用に供する土地の高度利用のための簡易保険福祉事業団の業務の特例等に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。関谷郵政大臣。
#229
○国務大臣(関谷勝嗣君) 郵便局の用に供する土地の高度利用のための簡易保険福祉事業団の業務の特例等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年における社会経済情勢の変化に伴い、国公有地の有効な利活用が強く求められておりますが、郵便局の多くは、市街地の中心部にありながら比較的低層な建物にとどまっております。また、郵政事業は、経営資源の有効活用により経営基盤の強化を図り、その役務を今後とも安定的に提供していく必要があります。
 こうした状況にかんがみ、簡易保険福祉事業団に、その業務の特例として、郵便局の用に供する土地の高度利用のための業務を行わせるとともに、この業務を通じて郵政事業の経営基盤の強化に資する措置を講ずるべく、今般本法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、簡易保険福祉事業団の業務に、その特例として、国と一棟の建物を区分して所有するため、郵政大臣から郵便局の用に供する土地の貸し付けを受け、事務所等の施設の用に供する建物を建設し、及びこれらの施設を管理する業務を追加することとしております。
 第二に、簡易保険福祉事業団が行う郵便局の土地の高度利用のための業務により生じた利益は、その一部を積立金として整理した後残余の額を郵政事業特別会計に納付しなければならないこととしております。
 なお、この法律案の施行期日は公布の日からとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#230
○委員長(一井淳治君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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