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#1
第120回国会 逓信委員会 第9号
平成三年四月九日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         一井 淳治君
    理 事
                陣内 孝雄君
                永田 良雄君
                大森  昭君
                星川 保松君
    委 員
                長田 裕二君
                沢田 一精君
                中曽根弘文君
                平井 卓志君
                平野  清君
                松浦 孝治君
                守住 有信君
                及川 一夫君
                國弘 正雄君
                山田 健一君
                鶴岡  洋君
                山中 郁子君
                足立 良平君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  関谷 勝嗣君
   政府委員
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政大臣官房人
       事部長      渡邉 民部君
       郵政大臣官房経
       理部長      吉高 廣邦君
       郵政省郵務局長  小野沢知之君
       郵政省簡易保険
       局長       西井  烈君
       郵政省通信政策
       局長       白井  太君
       郵政省電気通信
       局長       森本 哲夫君
       郵政省放送行政
       局長       桑野扶美雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       郵政大臣官房総
       務審議官    五十嵐三津雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○平成三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、平成三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、平成三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (郵政省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(一井淳治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は去る二日に終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#3
○委員長(一井淳治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(一井淳治君) 次に、去る三月二十九日、予算委員会から、四月九日午後の半日間、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、郵政省所管についての審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 まず、関谷郵政大臣から説明を求めます。関谷郵政大臣。
#6
○国務大臣(関谷勝嗣君) 委員の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして格別の御指導をいただき、心から御礼申し上げます。
 郵政省所管各会計の平成三年度予算案につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般会計でありますが、歳出予定額は二百九十三億円で、平成二年度当初予算額に対し二十八億円の増加となっております。
 この歳出予定額に所要経費の計上された主な施策について申し上げます。
 まず、電気通信格差是正事業の推進でありますが、公共投資により辺地におけるテレビジョン難視聴の解消のための中継局や移動通信基地局用鉄塔の整備を推進し、豊かさを実感できる国民生活を実現したいと考えております。また、地域情報通信開発事業につきましても引き続き推進し、活力ある地域社会の情報化の推進を図ることとしております。国際協調、国際協力の推進につきましては、放送番組の国際交流を推進する放送番組交流促進事業を推進することとしております。また、高度衛星放送技術の研究開発や電気通信フロンティア研究開発などにより、技術開発をさらに推進してまいる所存です。
 次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入歳出とも予定額は六兆四千六百五十一億円で、平成二年度当初予算額に対し四千八百三十七億円の増加となっております。
 この歳出予定額における重要施策を御説明いたします。
 郵便事業では、近年の大都市の地価高騰の中で、郵便局用地の有効活用を図るため、郵便局と事業所用ビルを合築する郵便局の土地の高度利用により、地域社会の振興への貢献と郵便事業運営基盤の整備充実を図ることとしております。
 郵便貯金事業では、郵便貯金の預入限度額の引き上げなどにより、金融自由化への郵便貯金の積極的かつ的確な対応と利用者サービスの向上を図ることとしております。
 簡易生命保険事業では、年金の加入限度額の引き上げ等、長寿社会への適切な対応と地域振興への貢献を図るための簡易保険の改善充実を図ることとしております。
 郵政事業共通の施策としては、情報拠点としての郵便局ネットワークの高度化を引き続き推進するとともに、郵便局舎、機械器具の整備充実に必要な経費、その他所要の人件費等を計上しております。
 なお、郵便事業財政につきましては、平成三年度単年度で六億円の黒字が見込まれております。これは、人件費等所要経費の増大に比して最近の郵便業務収入の順調な伸びを反映したもので、平成二年度予算に引き続き黒字予算となっております。
 次に、郵便貯金特別会計でありますが、一般勘
定の歳入予定額は十兆一千八百四十三億円で、平成二年度当初予算額に対し八千八百五十一億円の増加となっており、歳出予定額は八兆七千六十億円で、平成二年度当初予算額に対し八千五億円の増加となっております。
 また、金融自由化対策特別勘定におきましては、歳入予定額は四兆七千八百五十八億円で、平成二年度予算額に対し七千八百三億円の増加となっており、歳出予定額は四兆七千七百八十二億円で、平成二年度予算額に対し七千七百二十七億円の増加となっております。
 次に、簡易生命保険特別会計でありますが、歳入予定額は十二兆二千八百六十一億円で、平成二年度当初予算額に対し六千五百三十八億円の増加となっており、歳出予定額は六兆七千六百二十六億円で、平成二年度当初予算額に対し四千三百五十七億円の増加となっております。
 以上をもちまして、郵政省所管各会計の平成三年度予算案の概略につきまして御説明を終わらせていただきます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#7
○委員長(一井淳治君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○及川一夫君 平成三年度の郵政省所管予算にかかわる委嘱審査ということでございますが、郵政大臣の所信表明も既にいただいておりますし、時間もそうたくさんあるわけじゃありませんから、事細かなことは省略をしたいというふうに思います。私としては、今後の郵政事業の中でかなり検討しなければならない問題を中心としてお伺いをしていきたい、こういうふうに思います。
 まず、最初にお聞きしたいというふうに思うのは、新行革審の最終答申が昨年の四月の十八日に出ております。その中に、大きな政府を出現させてはならない、国民の自立心も進んだので、それに対応する行政の改革というものをやっていかなければいけないということを基本にしながら、「郵政事業」ということにつきまして二十ページの中に「現業」という表題を出しながら触れられております。郵政事業に対する行革審の立場というのは、一つは金融自由化の実現、二つ目には民間における事業、サービスの展開を考えるべきだと、その他郵政事業を取り巻く環境の推移を踏まえながら国民の利便と福祉の向上、国民経済の活力ある発展ということを前提にして経営形態のあり方について検討する、こういうふうになっているわけですね。
 そこで、遠慮なく物を言わせてもらえば、この三事業にかかわる経営形態というのは、行政改革的に物事を考えていくわけですから、大きな政府であってはならないということを前提にして考える以上、もうずばり言って民営化ということが念頭にあってこういう問題の指摘だろうと、こう思うのであります。この点、郵政大臣、行革審の今日的結論というか、民営形態ということを意識しながら検討していこうという行革審の答申について、どう受けとめられているのかということについてまず御質問、この点はしておきたいと思います。
#9
○国務大臣(関谷勝嗣君) まず、先生の御指摘の平成二年四月十八日の最終答申の中にございます「その経営形態の在り方を始めとして、総合的に検討する。」、及川先生おっしゃられましたいわゆる民営化云々という問題であろうと思うわけでございまして、その御意見のまた考え方の片隅には、NTTのあのようなこともあったじゃないかというようなことも頭に置かれての先生の御質問であろうと思います。
 ざっくばらんに申し上げまして、不採算地域においても、全国津々浦々に配置された郵便局を通して日常生活に欠かせない郵便だとか貯金だとか保険だとかいうサービスを提供しておるということが私は基本にあると思うわけでございまして、これを民営化というような形にいたしますと、そういう不採算地域におけるものは成り立たなくなってくる。いわゆる国営形態で事業が運営をされているというものから私たちの仕事はスタートをしておるわけでございますから、その目的を考えました場合には、私は今の形態が最適であると認識をいたしております。
 したがいまして、官民の役割というものはそれぞれ違った部分があるわけでございますから、お互いにそのことを十分に留意しつつお互いの特色を生かして、時代の要請に応じたサービスの提供、そして国民の、利用者本位の事業運営をやっていかなければならないと私は思っております。ただ、世の中のいろいろな情勢も変わってまいりましょうから、先生が御指摘をなされたようなその方がまた利用者の方々の利益につながるという、そういう環境ができればもちろんそのようなことも考えないということではありませんが、今の状態を見ましたら国営の形態が最適である、そのように私は認識をいたしております。
#10
○及川一夫君 御答弁自体は理解ができます。ただ、かなり世の中の一口に言って変化、さらに国自体の事務処理能力の問題であるとか、サービスの提供の仕方の問題であるとか、さまざまな変化が率直に言ってあるわけですね。
 少しらち外になりますけれども、例えば政府各省庁の会計決算報告といいますか、こういったものが今でも十二月の二十八日までに報告されるわけですね。三月三十一日に切られて十二月二十八日までの間ということになりますと、九カ月間かかって内閣に対して検査院を含めて決算処理がされる。それで、その後決算委員会が開かれるという形をとるんですけれども、何でこんな九カ月もかかるんだろうかということを私なりに調べてみますと、今のやり方というのは実は大正年代からやられて、少しも変わっていないんです。ところが、事務処理ということになると、コンピューターはあるし電算機はあるし、いろんな事務処理機というものを考えたら大変な進歩をしているわけです。
 ところが、決算的な報告というのはいまだに九カ月間かかる、大正年代と同じと。それこそ荷車で帳簿を運んだ時代と同じような形で各省庁やられているわけです。こんな問題なんかを考えると、これでいいのかというのは当然これは議論として出てくるわけでありまして、そういう意味合いで言うと、サービス部門にしろいろんな面でやはり今日的には変わった観点から検討をされていくんだろうと私は思うんです。
 私も別に民営がいいと、こう言っているわけじゃなしに、少なくともしかし話題になってくることだけははっきりしておるし、郵便事業にしろ貯金事業にしろ簡保事業にしろ、とりわけ貯金、簡保ということになると金利の完全自由化、この前の論議じゃありませんけれども、国際的にも経営形態の問題が恐らく課題になってくるということを考えると、今のような郵政大臣の受けとめだけで果たして国民的合意あるいは行革審における合意というものが得られるのかどうか。当然行革審に対する対応としては、現行経営形態が一番よろしいと言うんなら、それだけの論理立てを、一般論じゃなしに具体的問題として私は準備をされて大いに論議に参加すべきだと、こう思っているんですが、その点いかがですか。
#11
○国務大臣(関谷勝嗣君) 御指摘の点につきましては、郵政省でもそのことに対してはこういう理由であるから今の国営の形態がいいというようなこと、そうしてまたそれが皆様方に利用者の方々に確実に認められるべく努力をするということであろうと思っております。ですから、なお一層そういうような、もう何が何でもそちらを向いていかなければならないというようなそういう失態は絶対起こさないように頑張っていきたいと思います。
#12
○及川一夫君 次の問題に入りたいと思います。
 新聞で知らされた問題なんですけれども、電波の有料化という問題が提起されているわけです。
 そこで、この問題をお尋ねしたいんですが、その前に、郵政省として各種委員会がございますね。それから、お答えの仕方としては答申で出される
とか報告書で出されるとかいう形をとっているんです。
 八条委員会というのが一つあって、これはおおよそ答えは答申という形をとるんでしょうが、大臣の私的諮問委員会あるいは局長クラスの私的諮問委員会、あれは研究会ですか、というものがあるようなんですが、例えば懇談会というのと、研究報告という場合と、あるいは諮問委員会という肩書がついて報告というふうにされる場合と幾つかあるんですけれども、これは受けとめ方としてはどういう判断を持てばいいんでしょうかね。簡単に言えば、どれが第一順位で、どれが第二順位で、その重要さあるいはそれを尊重するという言葉があっても、これは確実にやっていかなきゃならないものとして出されるものとかいろんなものがあると思うんですけれども、その辺の基準についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
#13
○政府委員(木下昌浩君) ただいま委員御指摘のように、私どもの学識経験者を集めてお知恵をかりる場というのは、いろんな名称をつけておるところでございます。私的諮問機関として研究会だとか懇話会だとか懇談会だとかいろいろやっておるわけですが、私どもとして特に名称のつけ方において順位づけをするとか、何か目的に応じて名称を変えるというようなことの特段の基準を持っていないわけでございまして、そのときどきの研究会の名称のつけ方はそれぞれ各部局で考えてやっておるのが実情でございます。特段の基準はございません。
#14
○及川一夫君 ということは、どういう名称にしろ郵政省として対応するのは、それぞれ尊重するということを前提にされて研究したりあるいは諮問をされる、こういう理解であって、都合の悪いのはぽい、都合のいいものはいただきと、常に取捨選択ができるような性格のものではないというふうに受けとめてよろしいですか。
#15
○政府委員(木下昌浩君) 研究会、諮問機関、懇話会につきましても、大変長期的な視野に立ってこれから検討していく素材を提供していただく場合だとか、あるいは即政策に結びついていくような中身のものであるとか、中身も雑多でございますが、私どもとしてはこの報告書の内容について、せっかく有識者の方に御提言をいただくわけでございますから、可能な限り尊重していくという姿勢には変わりございません。
#16
○及川一夫君 そうすると、この電波懇というのは一体どんな動機で組織をされて検討されることになったのか、これをお伺いします。
#17
○政府委員(森本哲夫君) 我が国の今後の情報化を前進させていくためには幾つかの課題があるわけでございます。とりわけ、当面急がれる課題の一つとして、せんだってから大変ありがたいことに御審議をちょうだいいたしまして成立をさせていただきました高度の公衆通信ネットワークというものの構築は一つ欠かせないわけでございますが、同時にそれだけではやっぱりもう一つ解決がうまくいかないというものの代表的なのが移動通信でございまして、人間が移動しながら通信を行う。この場合には光ケーブルみたいなものでは対応が不可能でございます。
 御案内のとおり自動車電話、携帯電話は年々倍々の成長にもなっておりますし、諸外国の実例を見ましても、アメリカあたりでは日本のやはり数倍の普及率にも相なっております。さらにまた、タクシーだとかトラックだとか、そうした新しい交通体系の方も今日は電波の力なくしては十分な、円滑な運行ができないというような状態にもございます。またさらに、無線のパソコンであるとか無線のファクシミリみたいなものも現実のニーズとして極めて高いものがございますし、かてて加えて御案内の放送のメディアが衛星系初め新しいものがどんどん登場をしている、こういう状態にございます。今後そうした意味で、電波を使った、電波利用による高度情報社会の構築というものは大変重要な課題のもう一つの分野でございます。
 しかし翻って、私どもの電波利用の基本になっております電波法というのは、昭和二十五年に生まれましてことしでちょうど四十一年経過いたしておりまして、基本的にはこの仕組みでやってまいりました。それまでは、戦前は電波というのは「政府之ヲ管掌ス」ということで政府だけしか使えなかったわけでございますが、二十五年にできて、二十八年に民放がたくさん出始めた、あるいはまた電車とかガスとか電力とかが、電電公社以外にも電波法のおかげで電波を公共中心に利用することができた。しかし、全体の体系は、昭和六十年の電気通信の改革のように、電波を利用してこれだけビジネスが展開される、あるいはこうした電波利用が我々の日常生活に本当に深く入り込んでくるということは、正直申して電波法制定のときには予定されていなかった事態でございます。
 そうといたしますと、やはり二十一世紀を活力ある形でこうした問題にも対応していくためには基本的に電波政策をさらに見直す必要があるのではないかということで、大変大事な問題でございますので、去年の秋でございますが、先生から御指摘ございました電波政策懇談会というものを、各界の方々に御参加いただきまして、これから先こうした課題にどう対応するかということを御審議いただいていたところでございます。せんだって、三月の十五日でございますが、関谷大臣のところへそのレポートが報告された、こういう経緯に相なっておるわけでございます。
#18
○及川一夫君 有料化ですから、今無料だから有料化という問題が提起されるわけで、有料化ということになれば当然一体だれが負担するのかという問題が出てまいるわけだし、それを負担する事業者からいえばまさか利益金を取り崩してそれでさよならというわけにいくまい。結果的にはコストにそれぞれはね返りをさせるということになると、これは一事業者とか一企業者とかそういう問題ではなしに、それこそ電波の恩恵をこうむる、直接電波を利用していろんな営業をする者だけではなしに、その営業から受ける利用者といいますか、そういう人たちも結果としてやはり負担することになる理屈になりますよね。ですから、事はえらい大変だなと。
 有料と、こう言うんだけれども、有料という場合に郵政省が窓口になって有料料金を受け取るのか、あるいは税金的に物を考えるのかということによっても大分違ってくるような感じがするんだけれども、ここで言う有料というのは何を根拠にして有料とされるという懇談会の報告書になっているのか。全部私もまだ見ていないものですから、ちょっとお伺いしておきたいと思う。
#19
○政府委員(森本哲夫君) この懇談会の報告では、ただいま申し上げましたようなことを背景に、つぶさに現在の電波利用の現況についてどういうことになっているか、あるいは将来を見通してどういうことになるかといろんな御議論の結果、結局問題提起としてぜひ解決をしなきゃならぬ課題として幾つかあるわけでございます。
 一つは、やはりこれだけ移動体の需要を中心に電波が伸びていくとなると将来必ず周波数が逼迫して不足をしてしまうんじゃないか、これに対してどういう対策を講ずるか。これ大変大事な課題である。二つ目には、そうすると無線局がどんどんふえてまいるといったときに、混信がないように安定的に免許をきちっと与えて、しかもほっておいてこのままいくと申請から免許がおりるまで一年ぐらいかかっちゃうようなことになったらこれは大変なんで、ぜひひとつ免許のあり方あるいは迅速な対応ができるようにという二つ目の問題提起。それから三つ目には、今でも盛んに問題になっておりますが不法無線。ハイテクの製品が普及しましたおかげで簡単に秋葉原等で不法な電波を発射する機器が手に入る、あるいは改造が容易になるというようなことで、正規の無線免許をもらったところがどんどん今侵害を受けている、こうした点をきちんとやらぬと電波社会にあって大変社会不安を醸成するぞ、これに対する解決が必要だ等々、幾つかの問題、今後ぜひ解決をしなきゃならぬ課題の提起がございます。
 こうしたことを解決するためにはやはり当然経費がかかる、いろいろ見積もると従来国民の租税
で賄ってきた電波監理経費というものだけでは相当不足するんじゃないか、相当著しく多額の経費を要する事態になるんではないか、そうした場合に、もちろん一般会計の予算の確保ということもとりわけ大事だけれども、もしここらのところで十分な対応ができないとすれば、日本全体が電波利用において大変おくれをとることになるぞ、そういう意味の経費の確保の上で、電波を利用して現実に利益を得ている免許人というものに着目して、こうした方々に新たに負担を求めるということも一つの検討課題ではないか、費用負担の公平あるいは適正化という観点から考えてみて十分検討に値するんではないか、こういうのがこのレポートの提起でございます。
 したがいまして、お話のように、これは税金だか何だかという点についてはまだこれからの話になるのでございます。懇談会の報告をもらったばかりでございまして、政府として今申した利用料というのは単なる一つの解決手段ということで、それ以前にどういう問題をどう対処するかということとあわせて、この財源の方途をどうするかということを含めてのこれから政府としていろいろ研究をし、調整をしていかなきゃならない。ただ、おっしゃる意味の税金であるいは目的税みたいな形でどうかという御提言の内容にはなっていないというふうに受けとめておるところでございます。
#20
○及川一夫君 僕も別に目的税にしろと言っているわけじゃなしに、性格は一体どんな性格であるんですかと。ただ、税金でやるという場合と使用料というようなふうにやる場合とでは中身の決め方も違ってくるだろうというふうに考えるから、一体どういう性格で論議をされているのかということをお聞きしたんで、これからの問題であればこれからの問題ということでよろしいんです。
 いずれにしても、僕もいろいろ資料を見たんですが、お金がかかるという意味合いでは、行政的にいろいろ免許や何か処理していかなきゃいかぬ、大変な数になるんでという意味でお金がかかるということはよくわかる。それを行政費ということで国の予算でやるのか、そうはいかない、それはひとつ利用者に負担をしてもらおう、受益者負担ということでやるということでは僕は合理性があるような感じはするんですけれども、今答弁の中でも出たように、電波が不足する事態になる、だから利用料を取らなきゃいかぬという論理は余り私にとってはぴんとこないんですよ。
 不足はあくまでも不足なんで、例えば利用料を取れば電波の短い長いというものがどんどん短くできていって使用するにたえられるような量になります、お金を集めればということが論理的にまた技術的になっているんならわかるんだけれども、不足は不足なんですね。だから、高い金を取るということになったら、じゃ電波は使わぬで別のものでやろう、おれはやめたという人間がふえていくという期待でそういうことを言っているのか言っていないのか。僕はやっぱり行政当局からいえば、電波の不足自体をどう解決するかということが一番大事であって、どう対応してあげようかということが一番大事じゃないか。それを何かお金でもって利用者を減らしていくという、そういう発想で使用料というものを取るというようなことであっては、僕はどうも一貫性がないというか、行政として余りいい方策じゃないんじゃないかという気持ちで受けとめているわけです。
 それからもう一つは、額がどのくらいかかるかという問題で、数千億ということで紹介をしている記事もあれば、五百億というのもあれば、年初は二百億だという話もあれば、何かコンピューターを買うためにとかいろんなことが流布されておって、しかも企業によっては年間それこそ九十億、百億も負担をしなきゃいかぬとか、あるいは郵政省は既に二、三の大きな企業に対してはこのぐらいでどうか、つまり六十億でどうかというようなことで諮問しておられるということも記事で見るわけですよ、事実かどうか知りませんけれども。しかし、そこまで言うならかなりのことが固まっているんだな、こういうふうに思うんですが、一つの記事によれば、九二年の通常国会には提案する、こういうことも書いてあります。
 この際、電通局長でよろしいから、一体いつから実施をしようとしているのか。それから、内容的には不確定要素がかなりあるはずだが、これは一体どういう手順で決めようとされているのか。その二つについてちょっと質問してみたいと思います。
#21
○政府委員(森本哲夫君) 周波数が将来不足してくるであろうという問題提起、これは現実にもう今日的な課題になっておるわけでございまして、御案内のとおり、八百メガヘルツ帯で今自動車電話、携帯電話やっておりますが、いずれここ一、二年のうちに満杯になるであろうということで、新しく八百のディジタルという方式でこれを実用化していただこうということで動き始めました。しかし、そこでもなお不足するであろうということで、一・五ギガヘルツというさらに高い周波数、これもめどが立っておりますので、これもディジタル方式でひとつやっていただこうということにごく最近決定をさせていただいたところでございます。自動車電話自体も当初は、八百にいく前はもっと低い四百メガ、あるいはその前には六十メガヘルツだとか、いろんな低い周波数からだんだん高い周波数へ現実には実用化を図ってきて、こうした問題解決に対処しているということでございます。
 おっしゃる意味合いでは、決して周波数が足りなくなるからお金を取ってどうしようかということじゃなくて、足りないために新しい周波数帯の開発ということを相当力を入れて、従前以上にやらないと日本全体が周波数不足に陥るであろう。その周波数も新しい未利用のところを開発するということも一つだし、既利用のところを、既に使っているところをさらに小分けして同じ周波数を共用して使うということも新しい技術開発でございます。等々、さまざまな形での周波数源の開発にひとつ政府として大いに力を入れろ、そうでないと対策が後手になるぞ、そうした開発費というのはやはりこれは国家としてやらなきゃならない部分ではないか、こうした経費がなおざりになっては結果的に国民が迷惑するぞ、こんな御提言でございますので、周波数不足に、問題はむしろそうしたことに対処するための経費がやはり必要になるな、そこのところを一般会計で不足ならこうした手法も導入しながらきちっとした対応をしろ、こういうふうに受けとめているところでございます。
 二つ目のお尋ねの額の問題等含めて一体これをどう、いつ具体化するかということでございます。
 なかなかに問題の提起は従前になかった新しい提起でございますので、私どもとしては十分慎重にこの問題に取り組まなければならないし、大変幅のある問題でもございます。ただ、現実にもう自動車電話がこういう事態を迎えているということも考えますれば、せっかく御審議いただいたことを、そう悠長なことで時間をかけているわけにもいかないだろう、できるだけ早期にこの懇談会の提起について我々としてどう受けとめ、どう整理するかということはなるたけ早くに決着をつけたいものだ、こういうふうに今考えているところで、鋭意取り組んでいる最中でございますことを御理解いただきたいと存じます。
#22
○及川一夫君 来年の通常国会に問に合わせるというようなところまでは、局長、いっていないんですな。
#23
○政府委員(森本哲夫君) 整理の仕方によりけりということで、できるだけ早くということになれば、これから新しい法律等を提起させていただく一番早い機会は、やはり来年の国会というのもひとつ十分我々の頭の中では計算しなきゃならない事柄だと考えておるところでございます。
#24
○及川一夫君 この問題は、既に国外でもカナダであるとか英国であるとかフランス、ドイツ、ニュージーランドで、中身はそれぞれ違いますけれども、実施されているということも知ってはいます。アメリカでも今議会の方に実施のための要請が行われているというふうにも聞きます。した
がって、現実的な課題になるだろうという前提で私も受けとめたいと思うんだけれども、しかし今のやりとりだけでは十分に理解がいったということにはなりませんし、相当のやはり問題点が含まれているというふうに思いますから、機会あるごとに私としては取り上げていきたいということで、きょうのところは終わっておきたいと思います。
 そこで、大森先生の御理解をいただいて二、三分恐縮なんですが、最後です。
 「近距離通話実質値下げ」ということで、四月二日にまた新聞で紹介されましたね。しかも、その内容というのが、「「近距離通話のあり方に関する調査研究会」を発足させる。年内にも提言をまとめ、郵政省はこれを受けて指導方針を作成、NTTにただちに実施するよう求める考えだ。」、こういうふうに断定的に言い切っているわけです。この前もちょっと同じような問題をとらえたときに、郵政省は関知しませんというお答えであったわけですが、きょうも恐らくそういうことになるのかなと思っていますよ。ただ、お互い新聞記者の皆さんとおつき合いするときには、やっぱり新聞記者の皆さんは裏をとらなければなかなか書けないということがあるわけでしょう、後に問題になったときのことを考えて。だから、そういう意味合いで言うと、火のないところに煙は立ちませんよという、我々の常識の中で生きている例えをとらえるなら、私はそういうことじゃないのかというふうに思うんです。
 だから、こんなやりとりをしたってしようがないんだけれども、実際問題として僕は非常に疑問に思うのは、監督官庁というところが、経営者の方が何にも認可の手続をしてこない、料金をこう変えたいという手続もしてこない、そういう段階の中で、これを変えろ、これはこう変えるべきであるというようなことが記事になるということは、しかもこれは収支に重大な影響を与えるんだろうと思うんです、プラスになるかマイナスになるかはともかくとして。
 その責任というのは、僕は郵政省にはないと思うんです。NCCならNCCの会社にあるわけで、NTTならNTTの会社にあるわけですね、株主に対する責任というものは。株価の問題にだって影響しないとは言えない。上がったり下がったり、そのことに一体だれが責任を負うんだという問題等を考えますと、こういう記事の扱いというのは余りにも無責任過ぎるじゃないか。幾ら監督官庁だからといって、ここまで今日の段階で言い切ってしまうというようなことは、私は大変問題意識を持つわけですよ。私も多少こういう事業に携わった者として非常に心配をするわけです。
 もともと今の料金体系なんというのは、時間別、距離別に料金を決めたということがそのままNTTに持ち込まれているわけですからね。その問題点をきちっと総括をしないで、それでさあこう変えろ、ああ変えろというふうにはなかなかいかないし、これは利害が出てきますからね、利用者の中に。それだけに、そう至極簡単なものではないというふうに私自身は思っているし、値下げをすること自体は別に悪いことじゃない、大いにやったらいいと、こう思いながらも、しかしそれから出てくる問題点を考えると、そう簡単にいかないものじゃないかと。
 したがって、この種問題の中身の議論は僕はやめるけれども、この種問題の扱いはもっともっと慎重にしてほしいし、それとやっぱりだれが責任を負うのかということをしっかり構えた監督行政であってほしいなということをちょっと注文しておきたい。それで私の質問を終わりたいと思います。
#25
○国務大臣(関谷勝嗣君) 事実関係はまた局長の方から答弁をしていただけると思いますが、局長からも伺いますと、実際にそういう記事のようなことは決して発言はしていないということでございます。
 そういうようなことで事実関係を聞いていただきたいと思いますが、確かに新聞報道といいますのは、裏を完全にとって書くのみでもない、また憶測の部分もたくさんあるわけでございます。そのあたり問題点があろうと思いますが、とにかくやはり発言することは、その地位の方は地位なりの細心の注意と、極力はっきりしていないものはまだ予測的な発言はしないというような姿勢、それは私はしょっちゅう言っておるわけでございます。
 したがいまして、決して局長はこういうようなことを言ったわけではないので、ひとつそのことを聞いていただきたいと思います。
#26
○政府委員(森本哲夫君) こういう役所におりまして、責任のある立場で、本当に御指摘のあるような新聞記事というのは、正直言って新聞との闘いという冗談を言うくらい、毎日の記事が直接自分の関与した仕事で事実でなかったり、あるいはそこまでいっていないのがもう既に確定的な話になったりすることに大変毎日頭を痛めておるところでございます。
 いずれにしてもこの通話料の問題、近距離通話圏の問題は、おっしゃるとおりNTTにおいても当然考えなきゃならない重大な問題で、これは社長会見でも言われておることでございますが、このあり方については十分検討したいということでございます。
 ただ、メッセージエリア、つまり三分十円でかかるエリアが現在五百六十七ございますが、先ほど先生からも御指摘がありましたように、昭和三十七年にできてからずっとそのままになっていて、今日非常に行政区画との問題だとか川一つ隔てておかしな現象になるとか、さまざまな問題が住民等からの提起があることも事実でございます。しかも、そのMA、メッセージエリアにかかわるのが全体の通話量、通話回数の七割を占めるということで、非常にこの問題は遠距離通話あるいは近距離通話の料金体系に与えるところが大きいわけでございます。MA自体をどう考えるかというのは、単にNTTの利用者のみならず、NTTへ接続する場合にどうしても接続してもらわなきゃならない、競争条件の整備という点でも大変大事な問題になってくるわけでございます。
 そこで、これは昨年の三月三十一日に決めました政府措置の中でも、メッセージエリアのあり方については政府としてもぜひ取り組まなきゃならぬ課題だということに相なっていまして、本年度の予算にもこの経費が計上されておるわけでございます。私どもとしても利用者の御意見、NTTの御意見等々聞きながら、政府の料金政策のあり方としてぜひ研究をしなきゃならない。もちろん、NTT当事者で、おっしゃるとおり、これはまたさらに真剣に取り組んでもらわなきゃならない課題である。
 状況は以上のとおりでございます。どうぞ御理解を賜りたいと思っております。
#27
○大森昭君 郵政大臣の説明を聞きますと、郵政省は何というすばらしいことをやっているんだろうということになるわけでありますが、実際はそういううまいぐあいにいっていないのが実態であります。例えば一般会計の場合も、ここに書いてありますようにわずか二十八億の増で、総体で二百九十三億。それで「豊かさを実感できる国民生活を実現したい」、「活力ある地域社会の情報化の推進を図る」、できますか。これは、質問しません。もうよく考えてください。どうせ質問をしても、さらに努力をしたいぐらいが関の山でありますから、時間がありませんので次の問題にいきます。
 そこで、郵政特別会計というのは一体何か。特別会計というのは、独立採算でやっているから特別会計であろうと思うんですね。最近いろんな書物を読みましても、さっき及川さんの話じゃないですけれども、経営形態の話も出ました。公共事業を守るのはいいんですけれども、しかし特別会計である限り企業性を追求しなきゃならないと思うんです。ところが、国家公務員でありますから法的規制がある、予算制度がある。
 したがって、なかなか厳しいけれどもということで、私は法的規制も当たり前、今日の予算制度も当たり前、まあ決算するのは九カ月かかるという話がありましたけれども、公務員法が制定され
たのが何年、予算制度が今日まで続いていることがいつから続いているんだ、こういうことは幾ら公共性を守って国家公務員であっても、ある意味で企業性を追究する場合には、一般官庁の公務員の規定だとか予算制度がそのままであったらどうにもならないんです。経営形態の問題が出てくるのは二面あると思うんですね。親方日の丸だというのもあるでしょう。ですから、公共性を守ると同時に企業性を守るときに、今日まで我々に適用されておる法的規制の問題について、果たしてどの点が十分であるし、どの点は解消しなきゃならないということが現業官庁であるがゆえにあるはずなのであります。
 きょうは時間がありませんから言いませんが、あなたは所信のときに、郵政事業というのは「信頼と安定」と。「郵政」創刊五百号に「これまで直接的にも間接的にも、いろいろと郵政省の流れをみてきましたが、本当に職員の皆さんが日々努力をされており、」、ここはいいんですよ、そのとおり。その次がまた「特に人間関係をとても大事にする役所であると感じています。」、ここなんですよ、問題は。こういうふうに創刊五百号に書かないとちょっとうまくないですから恐らく書いたんだろうと思うのであります。
 この特別会計である、ある意味で企業性を追究するということになってきた場合に、今の予算制度は大きな矛盾をはらんでいるんです。例えば、今非常に日本の経済、景気がいいというでしょう。民間企業は五年先を見て、どこでどういう投資をして、どういうふうにやっていく。単年じゃないんですよ、長期的投資をするわけであります。ところが、今の特別会計の予算制度は、そういうぐあいにいかないでしょう、単年度ですから。もちろん、物によってはある程度継続的ということがあることはわかります。ですけれども、少なくとも今のこの制度の中では非常に予算の硬直化の問題があるじゃないかということで、前回も僕は質問したんです。これは、官房長が経理部長で、十分検討しますと言ったんだけれども、検討されているのかどうかわかりません。
 各事業局が、ここにも書いてありますように、これはみんな法案でやっているからわかりますよ。郵便局では事業所用のビルを合築するとか、郵便貯金は預入限度を引き上げたとか。ところが、うちの中を見た場合に、事業全体を見たときに、一体どういう視点でいわゆる郵政省を運営しているか、経営しているかというところは非常に問題がたくさんあって、何とか委員会何とか委員会と各事業局がみんなやっています。現業官庁である郵政が事業を進めていくときに、どの点を法的に、きょうは何も言いませんが、例えば採用試験から始まって、昇任など多くの問題がいっぱいあるんですよ。
 例えば、一つの例からしてみましても、通産省でもどこでも行ってごらんなさいよ、あなた。係長一人で係員一人だよ。まごまごすれば係長一人だよ。我が郵政省の本省を見てごらんなさい。次席がいて、三席がいて、四席、五席と言うのだか知らないけれども、そうなってきますと、当然人事院勧告の最近の傾向というのは職務給を非常に高く見るでしょう。
 この間テレビでやっていたでしょう、日曜日に。中国郵政管内で合格者が二百五十二名か辞退したというじゃないですか。三Kの一つだというんですよ、我が郵政省の外務員は。テレビを見たか見ないかなんてそんな質問はしませんよ。後でゆっくりまた聞いてもらえばいいんです、大臣も忙しいから朝はそんなに早く起きないでしょうから。
 ですから、今置かれているというのは、本当にそういう人間関係を大事にして郵政事業が進んでいるか進んでいないか。もちろん、各担当の局長は非常に僕は苦労していると思いますよ。例えば、今度の今までなかった仲裁裁定の配分を一%、しかし今の状況で一%で済みますか。これは済みっこない。そうすると、当然予算なんて移流用でしょう。だから、この予算書を見てまともに審議しろといったって、全然審議なんかしようがないじゃない、実際に。すぐもう昇給原資が足りないのはわかっているのだ。わからないものをここで予算審議しているわけだ、我々。
 もっと言えば、郵便事業は黒字だというんでしょう。今累積利益が六百四十九億になるというんでしょう。銀行かどこかに預けてあるか、どこかで運用しているんですか。経理部にないんですよ、これ。借金があるから、借金をみんな返しているわけ。そうでしょう。だから、何だか知らないけれども、郵便事業というのは、赤字を克服して黒字になったのはいいことですけれども、実際には黒じゃないんですよ、これ。これは言うと長くなって時間がなくなっちゃうから、何だかきょうは質問しなくちゃいけないんだけれども、ちょっと問題点だけ僕は指摘しておきますよ、きょうは。一々質問しても、なかなか答弁するのは大変ですから。
 それで、そういうふうに考えていきますと、この郵政特別会計の予算のあり方についてもっと真剣に検討してもらいたいと僕は思うんです。僕の記憶では、政務次官が大蔵省から出てきたというのは今まで聞いたことがないんだね。現政務次官である大野さんは大蔵省出身であると思うんです。いつ内閣改造があるかは知らないけれども、大蔵といつもけんかしているんですから、大蔵省が直すべきところを政務次官を先頭にして、何とか委員会というのをつくると金がかかるから、大野さんにひとつやってもらいたいと思うんです、まじめに本当の話。
 それで、せんだってから私も、けさのニュースでもやっていましたね、NHKで。とにかく国有地がいかにインチキかというのがわかりますね。今宿舎を郵政省だって持っているんですが、地価が二億も三億もするところに長屋が二軒ぐらい建っているんです。直しもしない。ところが、これを売りますと雑収入に入っちゃって、郵政予算の全体の中の収入になっちゃう。だから、売ろうと思っても売れない、建てようとしても建てられない。いいところがたくさんある。これは郵政省だけじゃないですよ、全体の国家公務員がそう。
 ところが、平成三年から三十五億ぐらいの不動産の売り払いの金が今度建設勘定に入ったというから、これは一つの前進だと思うんです。ですから、これはよくなったのでありますが、なぜ宿舎が立派なものが建たないのか、なぜそういうふうに役所の遊休地があるのか、これはすべて制度からきているんですよ、制度から。だから、その制度をどのように改革したらそうじゃなくなるか。
 例えば東京の郵便局、今度新しくできましたね、東陽町に。皆さん行かれた。前回、深谷さんが大臣のときでしたが、非常に立派なものができたと。二千五百も六百も職員がいる局舎のところに宿舎が一つも建っていないんですよ、宿舎が。夜勤もやるんですよ。日勤もあれば遅出もあるんですよ。だから、そういうふうに言うと、実は確かにそうだと。ああいうでっかい局舎を建てて、二千五百人の人がいるんだから、宿舎を建てたいと思うんだけれどもなかなかそうはいかないんだ、そういう状況なんですよ。
 だから問題は、黒だか赤だかわからないけれども黒だというものを審議してみたり、これは本当の話決算がないから、予算書を見ますと前年度予算額になっているんだよね、全部。前年度予算額についてどうだ。予算がそのとおり執行されたかされないか、及川さんの話じゃないけれども、九カ月たたなきゃわからないのに、対比して、平成三年は幾らか増額になったな。増額になったかどうなったかわかりゃしないじゃないですか。そうでしょう。
 ですから、もう少し私は実態に即したことをやってもらわないと、今の状況からいくと、外務員が中国管内でもって二百五十人の合格者が辞退をするという状態は一体今後どうなるか、先で。
 例えば、保養所だってそうですよ。十五年前は四十二カ所もあったんです。今は十九カ所に減っちゃっている。何でかと言ったら、使わないからだ。使わないのならなくすのが当たり前だけれども、じゃそのあった保養所はどこへ行っちゃったんだ。そうでしょう。土地だってあるでしょう。わ
けがわからない。
 それで、最も私が強調しておきたいのは、職員の置かれている状態の中で、賃金を引き上げるのも必要です。それから、時間短縮も必要ですよ。しかし問題は、そういう状態の中で余暇利用をどうするかという問題が起きてくるんですよ。私が入ったころなんというのは、ちょっと古い話だからあれだけれども、本省で運動会をやろうと。まあ職場の中でひとつブロックつくって、そこで運動会やろうとか、サークル助成でもってみんなが、野球をしたいものには野球の道具を買ってやろうとか、そういう金なんというのは、一銭もふえていないとは言いませんよ、しかし十年前から比べたら全然ふえていないと言っていいんですよ。
 こういうことは、これは大蔵省が悪いのか郵政省の内部の中がどうかしているのかよくわかりません。法案のものはすべてわかるんです。郵政省が幾ら要求したけれども、大蔵省でもってうんと言わなかった。この間の保険じゃないけれども、百八万が九十万になった。何で決めたといったら、何かわからないで大笑いしたけれども、でもわからなくたって一応大蔵省が決めたという話で、そうかなということになったでしょう。
 この辺で一回、質問じゃないけれども、言いたいことがあったら言ってもらってもいい。あと七分だから、一回これで打ち切るけれども、何か僕がずっと言った中で、言いたいことがあったら言ってください。どなたでも結構です。
#28
○政府委員(吉高廣邦君) 先生の各般にわたる御指摘で、どういうふうにお答え申し上げていいか大変難しい点がございますけれども、先生も御指摘のとおり、郵政事業の特別会計、必要な支出は自己の収入で賄うという、収支相償うという独立採算制でございます。一般会計と違うといえば一般会計とは違いまして、歳入歳出予算の弾力運用とか、業績賞与の支給とか、借入金等々の一般会計とは違った仕組みもございます。
 しかし昨年、先生の御指摘も得まして研究をいたしました結果、これも先生の御指摘にもございましたけれども、平成三年度の予算におきまして、業務施設の取得や整備のための財源確保が緊急の課題でありますために、未利用の不動産の売り払いに伴う収入をこれに充てるといったような工夫をやらせていただいたところであります。今後とも各般にわたり研究してまいりたいと思いますし、また今後長期的といいますか、できるだけ計画的なことを考えながら運営してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#29
○大森昭君 問題もできることとできないことがありますから、私も全部何だと言っているわけじゃないんですよ。例えば、きょう桑野さんもいるけれども、人事部長のとき主任制度をつくったですよね。あんなことできるのかなと思うことを、やはりやればできるんですな。
 とりわけ私は、この間も三重野さんが管理職の人事問題で質問していました。守住先輩がそうだと言ったけれどもね。今二年で管理者が異動するとしたら、一年に管理者の半分を動かさなきゃいかぬわけです。そうでしょう、算術計算でいけば。それで、その赴任旅費から移動から大変ですよ、これはどう考えたって。だから、守住先輩に私が若いころ言ったけど、そうだと、じゃ三年にしようじゃないかと言って、言ったときややしばらくちょっと三年になったかと思うと、もう今やまごまごすれば一年でかわっちゃう。
 そうすると、給与体系を見ても、なぜ動かすかというと、大きい局へ動かさないと昇格しないからなんです。だから、給与制度なんというのは変えて、小さい局でも、小さいといったって百五十名なら百五十名くらいの局でも、そこで営業成績がうまくいって、希望があって三年でも四年でもいる人は給料が上がるような仕組みをつくればいいんです。だから、給与制度なら給与制度に問題があるといったら給与制度をどう直すか。
 とりわけ、試験のあれを見てごらんなさい。今だって外務員は中学程度の試験ですよ。第V種が高校程度。今外務員で中学卒業して入ってくる人いますか。入っていないでしょう。もしかですよ、大学出て試験受けて落っこったら、おまえ中学程度の試験だというのに受からなかったか、このやろうとなっちゃうんです。だから、そういう中学卒業程度だとかなんとかという、中学生で入ったときもあったものをそのままでもって今募集している。応募して入るでしょう、職場じゃ何だと、おまえ中学卒業程度の試験で入ってきたのかと、こうなるんです。職場がよくなるわけないんだ、絶対に。だから、外務から内務に行くのにはどうするのか。すべて今本当の話洗い直して考えて、関係のところとやって、できることはできる、できないことはできない、やむを得ないけれども。それをやっているかやっていないかというのが非常に疑問なんです。
 一つ一つ質問したら三日あったって足らないから、きょうはこれでやめるけれども、どうかひとつ大臣、時間があるときには、大森昭というのはいろんなことを言ったけれども、一体おまえのところはどうなっているんだ、どうなっているんだ、どうなっているんだと。これでもって本当に職場はどうなのかという格好のを見てもらわないと、郵政大臣が言ったように、説明したように、国民生活を豊かにしたり、地域社会をまさに活性化するんだなんて言ったって、全然だめなんです。
 ということを言って、何か大臣言いたいことがあったら一言言ってください。
#30
○国務大臣(関谷勝嗣君) るるあらゆる角度の御指示をいただいたわけでございますが、本当に一つ一つ理解をいたしましたので、また勉強もし、また実行に移していきたいと思います。
#31
○星川保松君 総理の施政方針の中にもあったわけでありますが、いわゆる均衡ある国土の発展ということを政府も唱えておりますし、また大臣の所信表明の中にもやはり均衡ある国土の発展ということをおっしゃっておったように記憶しております。いわゆる均衡というのはいろいろな部門で均衡がとれておるということでなければならないわけでありまして、この逓信の方からしますと、急速な情報化時代に我が国が進んでおるという中で、特に電気通信の関係でまだまだ格差がある、発展の不均衡があるということを私たちは大きな関心を持って取り組まなければならないと、こう思っているところでございます。
 そういう見地から考えますと、電気通信格差是正事業というのは非常に大事な仕事なわけでありまして、特に今回の予算の中にも入っておるわけでありますが、その中でテレビジョン放送の難視聴地域の解消ということです。特に私はいわゆるここで言う辺地と言われるべきところに住んでおりますので、これを私ども痛切に感じておるわけでございます。
 しかし、辺地というのは、ちょっと私としては何か差別用語みたいに聞こえるのでありますけれども、これはそういう法律があるんですね。辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律、俗に辺地法と、こう言っておりますけれども、私はなるべくは辺地という言葉は使ってほしくない、こういうふうに思っておるわけでありますが、大臣もきょうの説明の中で「辺地における」と、こうおっしゃっておりますので、これは余り使ってほしくないということを申し上げておきます。
 いずれにいたしましても、このテレビジョンの難視聴の解消のために仕事をやっていくということでありまして、今難視聴の中にある世帯は全国でNHKが約十万世帯、それから民放が約四十万世帯、こう言われておるわけでありますが、これは何としても解消していかなければならない問題だと、こう思います。
 そこで、この解消のために今回事業をやるわけでありますが、この際私は、一つは、これは守住先生も大変頑張っていただいて、過疎債のいわゆる対象に、放送事業者に対して自治体が補助をする場合ですね、その金額が過疎債の対象になるということでありますけれども、過疎には過疎の条件があって過疎地域の指定ということが行われるわけです。それで、辺地の場合もいわゆる辺地の指
定があって辺地債が受けられるということになるわけです。
 ただ、これが難視聴の地域とぴたっと重なっておればいいと思うんですけれども、必ずしもそうではないわけです。難視聴地域というのはあくまでも地形等の自然条件、早く言えば発信基地あるいは中継基地から受信する世帯までの間に大きな山があるというようなことが一番多いと思うんですけれども、そういう難視聴地域と、過疎地域というのはこれまた人口減少とかお年寄りの比率とかということで決まっておるわけですから、必ずしも一致しない。それから、辺地というのもこれはいろいろな条件があって、それに該当するところが辺地の地域指定を受けて辺地債が起こせると、こうなっているわけです。
 ですから、辺地と指定される地域とそれから過疎地域に指定される地域とこの難視聴の地域との関連をきちんとお調べになっておられるかどうか、まずそのことからお尋ねしたいと思います。
#32
○政府委員(桑野扶美雄君) 過疎地域の指定あるいは辺地債の対象地域というのは、それぞれの目的でもって指定されるわけでございます。私の方の難視というのは、先生も御指摘のとおりやっぱり難視ということでやっておりまして、特にその地域を指定しているわけじゃなくて、実際問題としてテレビが見えないあるいはラジオが聞こえないという、地形上そういうところを難視地域と俗に呼んでいるわけでございます。その意味からいいますと、そういう論理立てになっておりませんので、必ずしも地域が重なるということにならないかもしれませんけれども、難視地域というのは、そういう意味で山に遮られたり、あるいはそのほかの谷、地形に遮られたりするところでございますから、往々にしてまたそういうところは人口が少ないというところでもございますし、ある意味では事実問題として重なる面もあろうかというふうに存じます。
#33
○星川保松君 私、ざっと考えてみても、重ならない地域がかなりあるというふうに考えるわけです。ですから、その重ならない地域にはやはりこの過疎債なり辺地債なりの便宜が与えられないわけでありますから、そういうところについては別途手当てを考えてあげないと難視聴地域の解消が余り進まないのではないか、こういうふうに思いますので、そこら辺をなおよくお調べになって、そして必要なところにはまた必要な対策を考えていってほしいと、こう思うところでございます。
 それで、いわゆる難視地域であっても設備をすれば、電波の来るところを探して、高い山でもそこにアンテナを据えつけて共同アンテナで引っ張ってくるということをすれば解消はできるわけですけれども、問題はそのコストなわけですね。そのためにもう大変な金がかかるということなんで、受信するのに不可能、可能の問題じゃなくて、その負担に果たしてたえられるかどうかという問題だろうと思うんです。
 そう考えた場合に、特にNHKの方では衛星放送を始めたものですから、難視地域に対しては衛星放送の電波で受信をしてくれというようなことになっておる、こういうふうに聞くわけであります。そうなりますと、一つはその受信のコストが大変な負担になると思うんですね、これ。一戸一戸空から受ければ見られるじゃないかということになりましても、その設備のために大変な金がかかる。それから、月々の受信料が非常に高くなるということで、その受信のコストにおいてまた格差が生じてくるんじゃないかと思うんです。
 私は、NHKの衛星放送というのは、何か聞くところによりますと、一番初めは難視の地域を解消するために放送衛星というものを打ち上げて、利用してもらうんだということだったようです。それがそうではなくて、もう難視地域に限らず、結局どこでも受けられるということになって受信料が決められていったということなわけですけれども、そういう難視地域に対して、衛星からとるしかないというところについては、一番最初のNHKの難視地域解消という目的のためにはやはり何らかの特別の措置をしてやるのが本当じゃないかなと、こう思うんですが、それについてはどうでしょうか。
#34
○政府委員(桑野扶美雄君) 先生御指摘のように、NHKに関しましては十万世帯の難視の世帯があるということで、民放が四十万世帯でございます。この十万世帯を普通の地上波の難視対策で解決するということにつきましても、今先生のお話にもありましたように、非常にコストが高くなるし、一件一件が非常に小さなグループになっている、なかなかそこまで手が回らないということで、先生のお話にありました衛星放送受信対策基金というものができたわけでございます。そういうところで地上波が見えなくて衛星を見ようという方に対しましては、地方自治体が受信の設備に対する援助をしようということを要件といたしまして、例えば十万円かかるんでしたら御本人が五万円、地方自治体が二万五千円、国も二万五千円補助しようということで昨年受信対策基金というものをおつくりいただいたわけでございます。
 こういうことでそういうところの方々には受信対策をしていただきたいわけでございますが、番組につきましても、今衛星というのは第一と第二がございまして、特に第二というのが難視対策を中心に番組を組んでいるわけでございます。地上波というのは総合と教育と二つありますものですから、とにかくその二つの中で国民的に関心が高い番組、それから繰り返し番組を放送しているような場合は一回限りというようなことになるわけでございますけれども、それはこの衛星第二の中で確保していくという方針で今行われているわけでございます。
 また、受信料に関しましていいますと、普通ですとカラーと衛星一緒になりますと二千三百円ということになるわけでありますけれども、衛星だけという場合には千四十円ということで、地上波の方は取らないような受信料になってございます。
#35
○星川保松君 地上波の方がどの程度映らないと取らないのかわかりません。はっきり映らなければ取らないのか、ちらちらでも映れば取るのか、その点よくわかりませんけれども、そこらがきちんとしていないと今の上だけということ、衛星の電波だけということになってもはっきり区別がつくのかどうかちょっと心配です。
 それから、私は不思議に思いますのは、衛星放送というのは、私はまだ受けておりませんけれども、赤道の上に衛星を上げているんですね、あれは。そうしますと、日本からですと真上じゃないですね。ずっと斜めの向こうの南の空に向けているわけです。いわゆる地上波の映らないような難視地域というのは、例えば山があるということになりますと、あれ真上ならいいんですよ、山と山の間から電波が来れば。ところが、谷の村なんかあのぐらいな傾斜をつけてやっても、もうそこには山があるわけです。そういうことになると、やはり難視地域というのは衛星放送も簡単に、受信装置を住居の近くにつくってもこれは映らないということだろうと思うんです。そうなりますと、またどこか高いところにやって映さなければならないということになると思うんです。
 そういうことになりますと、地上波が受けられなかったら衛星から受けろと、こういうことで果たして難視地域が解消できるというふうにお考えなんでしょうか。それとも実態調査をやっているのか、その点をお聞きしたいんです。
#36
○政府委員(桑野扶美雄君) 地上三万六千キロのところに衛星があるわけでございまして、東京なんかの場合でも、ビルの中の平家みたいなところからですとそちらの方向にアンテナが向かないというような状況もありますから、先生御指摘の谷間の中に住宅なんかがあるような場合には、ひょっとしたら衛星の方にアンテナが向かないというようなところがあるかもしれないということは、そういうことを恐れるわけであります。個別の対策といたしましては、どこか空が見えるようなところにアンテナを立てるとかなんとかということをしなければいけないと思いますが、具体的なそういうケースに当たりましたら、それはそれなりに
また考えていかざるを得ないというふうに思います。
#37
○星川保松君 難視地域の地図があったら見せてくれませんかということをお願いしたんですよ。そしたら、全日本のそういう地図はありませんということで、私の山形県の地図を持ってきてくれて見せていただいたんです。そして、その難視地域というのを、私の知っているところをずっと点検しました。そしたら、全部山深い沢の中にある集落なんです、これが。そこでは、いわゆるもう四方といってもいいですね、大変な山に囲まれているんです。衛星放送の映る角度が水平角度から何ぼの角度か知りませんが、あの角度に向けたってほとんど山のすそ野に向かっています。アンテナが向きますよ。もうかなりの角度で上を見ないと空がないわけです。そこには衛星はないわけですからね。
 ですから、これでもって地上波のかわりにしろということで、NHKさんの方で難視解消のためにそう簡単に衛星に切りかえるようにして、あとは余り地上の施設はやらないみたいなことだとすれば、これは大変な私は間違いじゃないか、こう思うわけです。その点、ほとんど私は現場を考えてみて全部そういう事態ですから、そのことをもう一遍私は調査をして対策を立てていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#38
○政府委員(桑野扶美雄君) 実際問題といたしましては、高い角度からのものでも山陰で見られないというのは、先生今御指摘ではございますけれども、ケースはそう余りないというふうに我々聞いております。といいますのは、春分の日の太陽が午後二時に見えるところであれば受信可能なんだそうでございますが、私もよく技術的なことはわかりません。ただ、先生の御指摘のような地域につきましては、また個別にいろいろお話を伺いまして、何かいい知恵はないかというようなことも考えさせていただきたいと思います。
#39
○星川保松君 春分の日の午後二時に太陽が見えれば衛星の電波は受けられると。そうですか、じゃやってみるほかないと思いますが。
 次に、いわゆる国際協調、国際協力の推進ということを言われておるわけでありますが、これは放送番組等のことでNHKの方にもこの前いろいろとお尋ねをしたわけであります。そのNHKが行うそうした国際交流の仕事に郵政の方でお手伝いをするということだろうと思いますけれども、具体的にどういうお手伝いをするのか、それをお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(桑野扶美雄君) 我が国と諸外国の相互理解の促進だとか、あるいは開発途上国の放送の発展だとかに寄与するということで、我が国の放送番組の海外提供あるいは放送番組の国際交流というものを促進していくというのは大切なことであろうというふうに私ども思っているわけでございます。また、いろいろな方面からもそのことに対する御意見を伺うわけであります。
 私ども郵政省といたしましては、外務省等とも協力いたしまして、放送番組の国際交流を支援する放送番組国際交流センターというものを設立すべくただいま準備を進めておりまして、今月中にはその団体というのが設立できるだろうというふうに思っております。ただいま御審議いただいております平成三年度予算案におきましては、こういった機関に対して一億円ほどの補助金をつけていただいております。正確に言えば一億四十六万三千円でございます。
 このセンターは、この補助金によりまして、我が国の放送番組を収集したり、その収集した番組を外国語に吹きかえたりして保管して、そして海外提供の用に供する国際番組ライブラリーというようなものを運営するということによりまして、国際協力の視点から開発途上国の教育番組、例えば日本語番組とかそういうものに対する需要にこたえていくこととしております。
 また、このセンターは、このほかに国際交流基金からの助成だとかあるいは民間からの出捐による自主財源によりまして、対日理解を促進し得るような放送番組に係る国際番組ライブラリーの運営といったようなもの、あるいは衛星を通じて外国に番組を送ろうという場合の回線使用料の助成とか、放送関係者の人的交流を促進するための国際会議の開催だとか、外国の放送機関の番組制作に係る協力等といったようなものも事業内容に含まれておりまして、そういうことを行うわけでございます。
 こういう施策を通じまして、郵政省といたしましては、放送番組の国際交流を推進してまいりたいというふうに存じている次第でございます。
#41
○星川保松君 それから、電気通信フロンティア研究開発ということがうたわれておりますが、これは具体的に言ってどういう研究が中心になっているんでしょうか。
#42
○政府委員(白井太君) いわゆるフロンティア研究という言葉は必ずしも電気通信の分野だけに限って使っている言葉ではございませんで、ある意味では外国においてもこういう言葉が使われておるようでございますが、一口に申し上げますと、目先の直接の仕事にかかわりのありますような技術というよりも、多少長期的な観点から未踏の技術の分野についての研究をフロンティア技術の研究あるいはフロンティア研究というような言葉で表現しておるようでございます。
 それで、私ども郵政省の通信総合研究所で行っております電気通信フロンティア研究の具体的な内容でありますが、一つは、俗に超電導と言われておるような物理現象を利用いたしまして、伝送能力を非常に飛躍的に高めるような高速通信技術でありますとか、あるいは人間の情報処理機能、人間の神経の仕組みのようなものを電気通信に実際応用できないかというようなバイオ・知的通信技術でありますとか、あるいはネットワーク自体が頭脳を持ったように非常に機能が高い通信ができるような技術を研究しようというような三部門を中心にいたしまして、産業界あるいは大学等と力を合わせまして、いわゆる産学官というような形で、しかも国際的な連携をとりながら研究を進めておるというものでございます。
 ただ、三分野を中心に研究をしているということを申し上げましたけれども、これから先を見たときにそれだけでいいのかという問題がありますものですから、このほかに特に大学などに対しまして、将来のフロンティア研究のテーマとしてどういうテーマがあり得るんだというようなことをいわば公募するようなこともいたしております。そういう提案も参考にさせていただいて、そういうところについては、委託研究費というような格好で若干のお金を出しまして、大学で研究をしていただくというようなこともさせていただいております。
#43
○星川保松君 ありがとうございました。
 じゃ最後に郵政の関係で、郵政事業共通の施策としていわゆる郵便局ネットワークの高度化を推進する、こういうことでありますが、このネットワークの高度化の仕事の具体的な内容をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#44
○国務大臣(関谷勝嗣君) この問題につきましては鋭意努力をしておるわけでございまして、中央と地方あるいはまた地域と地域間を結ぶ総合的な情報拠点としての役割を果たすように努力をしてまいりました。
 一番最近の問題といたしますと、この四月一日から郵政本省そして地方郵便局及び一部の郵便局を衛星通信で結んで、今試験運用を開始したところでございます。その衛星通信を使いまして、全国各地の特産品などのふるさと情報やあるいはまた生活経済情報などをその衛星通信を使って提供するというようなことを今進めて、現実に行っております。今後はまた、地域の産業の振興とかあるいは観光開発など地域の活性化を支援するために、そしてまた地域の魅力のある社会をつくっていくために、二万四千の郵便局をそのような衛星通信などを使って貢献してまいりたい、そのように努力をしております。
#45
○星川保松君 終わります。
#46
○鶴岡洋君 きょうは切手の問題と難視聴対策について、時間がございませんので簡単にお願いを
したいと思いますけれども、先ほど星川さんの方から難視聴対策が出ましたので、順序を変えて先に難視聴対策を二、三点お伺いしたいと思います。
 この難視聴対策については、辺地の難視聴対策それから都市における難視聴対策と両方あります。辺地の方は法律ができたり、先ほどの話ですとまだまだという感はいたしますが、努力はして今日まで来たということは認めたいと思います。都市の受信障害に対するいわゆる苦情に対して、都市における受信障害については、これはまだまだとてもじゃないけれども大きな問題として残っているんではないか、こういうふうに思いますので、この点についてお伺いをいたします。
 まず、都市の受信障害に対する苦情に対しては、NHKとしては受信料の関係もございますのでいろいろ調査をし、努力をされているようですけれども、郵政省として都市受信障害のいわゆる難視聴の実態についてその実情はどのように掌握されているのか、まずお伺いしたいわけです。
#47
○政府委員(桑野扶美雄君) 平成元年度末の都市受信障害の未改善世帯数というのは六十八万世帯と我々推定しているわけでございますけれども、これ先生が今御指摘でございますNHKにおけるサンプル調査の結果によって推定して、我々もそれを使っているものでございます。
 都市受信障害というのは、毎年新たにかなりの数が発生しておるというふうに我々受けとめておりますけれども、最近の発生のものはそのほとんどが原因者の負担によって解消されているということも私ども承知しております。そういう意味では、現在における未改善世帯の六十八万という平成元年度末の数字というものはほぼ変わっていないものというふうに受けとめております。
#48
○鶴岡洋君 六十八万ということでございますが、これはNHKの調査の数字と、こういうことです。
 私は、衛星もたくさん上がっておりますし、したがって電波も多くなっておる今日でございますので、監督官庁として郵政省の方で特に都市受信障害については調べるべきではないかなと、こういうふうに思うんです。この点はあれですか、NHKに任せっきりというんじゃないんですけれども、先ほど言いましたように、都市の受信障害というのはだんだんふえてきているわけです、また問題も複雑化している、こういうことで監督官庁として調べるべきではないか、こういうふうに思うんですけれども、この点はどうなんですか。
#49
○政府委員(桑野扶美雄君) NHKそのものは、NHKの調査機関を使って、それなりの組み立てで実態、実数の把握という観点から調査をしておるわけでございまして、その数、実態を数量的に把握しているという意味におきましては、NHKの調査そのものは十分意味があると思っているわけであります。
 郵政省といたしましては、先生御指摘の今後の都市受信障害に関する行政的な施策を検討するために、NHKのこういうデータというものも十分に踏まえつつ、さらにまだ解決が図られていない実情等についてその問題点等を具体的に把握していく必要があるというふうに思っております。と申しましても、調査をするにつきましては、やはりそれなりの経費なり人員が必要でございまして、特に予算化ということがまず先決問題となるわけでございますので、今後のそういう調査の具体的な施策につきましては、予算化等を検討してまいりたいというふうに思っております。
#50
○鶴岡洋君 NHKに任せないで、私が言うのは、こういう問題は全国やれというんじゃなくて、特に都市におけるいわゆる障害というのは多くなりつつあるし、問題が複雑化してきているし、これから大変な問題になるんじゃないかなと、こういうふうに思うんで、監督官庁としてこういう点について予算化するのは、もちろん予算化しなきゃできませんけれども、やってもらいたいなと、こういうことなんです。
 そこで、今六十八万と言いましたけれども、都市受信障害は、先ほど言いましたように、都市の高度化の進展とともに複雑化、広域化、いろいろこういう状況になってきているわけです。この傾向は、先ほども申しましたように、今後とも非常に多くにもなるし、こういう状況というのは続くと思うんです。その点からすると、ビルの上に中継所をつくって、いわゆるSHF放送を利用した解消方法、これも法律はできましたし、いろいろな方法はあるわけですけれども、今後の都市の高層化を考えた場合、都市の情報基盤の一つとしてやはりCATVを考えなければならないんじゃないか。これも広域的に考えなきゃいけないんじゃないかと、部分的にやっているところもあるようですけれども。そのCATVのケーブルの敷設、これはもちろんコストがかかるわけですけれども、この点について郵政省はどんなふうに考えておられるか。
#51
○政府委員(桑野扶美雄君) 先生御指摘のとおり、都市受信障害の対策につきましては、原則的には原因者責任主義ということで、当事者間の協議による解決ということを指導しております。基本的にはそれで解決されているわけでございますけれども、これも御指摘のとおり、都市の受信障害というのはますます複合化、複雑化あるいは多様化しておりまして、単なる原因者負担の原則に基づいて、当事者で協議して解決しろといってもなかなかうまく解決しないという現象が出てきているわけでございます。
 そういう実態も踏まえまして、あるといいますか幾つかの地方公共団体におきましては、そういう住民の声を反映いたしまして、じゃもうCATVによる対策、その地域全体にCATVを敷設して一挙にそういうものを解決してしまおうと、その中の利用関係とかいろいろまたそれはそれで解決しなければいけないわけでありますけれども、そういう動きが出てきているのも事実でございます。郵政省といたしましても、やっぱり将来の対策の抜本的なものというのはそういうところにあるんじゃないかというふうに思っておりまして、そういう地方公共団体の取り組みに対しましては、国としてもそれを支援するようないろいろな措置というものを今後考えていかなければいけないんじゃないか、そういうつもりで現在私ども認識しておる次第でございます。
#52
○鶴岡洋君 原因者負担、加害者というんですか、負担ということで、一応それなりに解決しているところはあるわけでございますけれども、行政的な対策としてさらに進めていかなきゃいけないんじゃないかなと、こういうふうに私は思います。
 このことについて昨年、平成二年三月二十九日に前の深谷郵政大臣に私どうするのかということでお尋ねしたときに、大臣の方から「具体的にどのような都会における難視聴対策が可能かということも含めて、これから早急に検討していかなければならないと思うのであります。したがいまして、助成問題というのはそれと絡めながら前向きに検討していく、そういう考え方でございます。」と、こういう答弁がございましたけれども、その後その助成問題等を含めて、現在どんな程度まで検討されているのか、その辺をお聞かせ願いたいんですが。
#53
○国務大臣(関谷勝嗣君) この問題につきまして、先生御指摘のように、その後もますます都市再開発によります都市の受信障害が複雑化あるいはまた多様化している。そういう状態のもとで、従来のように原因者負担の原則だけでは十分に対応することができないというようなことでございまして、そのときに前大臣の深谷さんが前向きに検討するというふうに答弁をされたわけでございます。
 そういうようなことで、あと調べてみますと、平成三年の予算案の公共投資関連要望といたしまして、複合障害地域における地方自治体の対策に対します助成金制度というものにつきまして郵政省もそれの制度をつくるべく努力いたしたわけでございますが、結果は、現時点におきましてはそれを成案するに至っていないところでございます。しかし、先生御指摘のように、このCATVの問題等も含めまして、その現状はますます原因者だけでは解決できない状態にあるわけでございますから、そういうときにこそ私たちが指導をしな
ければなりませんので、この方向に向かいまして鋭意折衝をしていきたいと思っております。次の御質問のときにはいい回答ができますように私も努力をいたしておきます。
#54
○鶴岡洋君 何回も何回もやっているから、この次にはぜひ、原因者負担だけではだめだということがわかっているわけです。確かにCATVでやればこれは金がかかる、非常に大変な問題であることは私も承知しております。しかし、それをやらなければ解決はできないということですから、よろしくお願いいたします。
 それでは、話題を変えまして切手の問題でございます。
 最近の特殊切手は、本来の目的である国民的に記念すべき重要課題を内外に広く周知するという趣旨から外れて、単に収益のみを追求するいわゆるもうけ主義というんですか収益第一、こういうことで発行されているような感じがするんですけれども、郵政省の特殊切手発行基準はどのようになっているか。また、この特殊切手の発行はどんな過程を経て発行されるのか。これを最初にお伺いいたします。
#55
○政府委員(小野沢知之君) お答え申し上げます。
 私の基本的な考え方として、最近発行しております特殊切手は本来の発行目的、趣旨から外れていないというふうに確信しておりますし、また利益追求のみの施策は講じていないつもりでございます。
 若干説明を加えさせていただきますが、要するに切手文通振興のための重要な手段として特殊切手を発行しているわけでございます。特殊切手は、御案内のように社会的、文化的、国際的に重要な意義を有しておりますので、その適正な発行政策を進めて手紙文化を振興させるということが郵便事業の重要な使命だというふうに認識して進めております。
 また一方、特殊切手の発行に当たりましては、その販売収入がやはり郵便事業財政にとって大きな貢献をしているものでございますので、そういったことからして郵便切手に対する利用者の関心と理解と協力を一層得て増進を図らなければならないという観点がございます。そこで、平成二年一月に、これまできちんとした発行基準というのがございませんでしたので、今までの考え方とか実績を整理いたしまして新たに特殊切手の発行基準を作成いたしまして、これを公表いたしました。現在それに基づいて特殊切手を発行しているところでございます。
 特殊切手の具体的な発行手順でございますが、広く各界に呼びかけようということで、毎年各省庁ごとに対しまして特殊切手の発行に値するような記念事項等を照会いたしまして、発行要請のありました事項について、先ほど申し上げました特殊切手発行基準に基づいて個別に審査検討する、そして時代の要請、我が国の政策、切手発行製造能力等を総合的に勘案いたしまして、年間発行計画を策定しているところでございます。
 なお、特殊切手のデザインの具体的なことでございますが、それぞれの切手の発行趣旨、目的に照らして丹念に企画、構想を行って、これに即したデザインとするように当該切手の発行にかかわる行事等の関係者と打ち合わせを何回も行いまして、郵政省の技芸官が原画を作成するほか、部外の一流のデザイナー、画家へ委託したり、あるいは一般公募するなどして、それぞれの方法の長所を生かして原画を作成し、必要に応じて部外の専門家により時代考証等も行った上で、郵務局長の責任において最終的に決定いたしております。
 以上でございます。
#56
○鶴岡洋君 発行基準は、今おっしゃったように、「国際間の親善及び理解を深める上で著しく貢献すると認められるもの」とか、それから「我が国の代表的な自然・文化・産業等を紹介することによって、我が国の観光・文化・産業等の振興に大いに資するもの」と、ずらずらとここに書いてあります。切手収集家側、またこういう切手を収集することに楽しみを持っている子供たちがたくさんおりますけれども、そうした側から見た場合に、今局長は発行基準に該当しそれなりの意義のあるものとして発行していると、こういう答弁でございました。今言ったように、収集家それから子供たちの立場から考えると、ちょっと発行種類が多くなり過ぎて乱発ぎみではないかなと、こういうふうに批判する人もおります。この点について、昨年一年間で発行された特殊切手は百二十三種類ですか、一枚ずつ買いそろえると九千五百円、一シートでそろえれば約二十万円、こういう出費になるわけです。
 郵政省が発行種類をふやしている理由というのは、発行基準には該当はしているでしょうけれども、なぜたくさんふやさなきゃならないのか、その理由は何かありますか。
#57
○政府委員(小野沢知之君) 特殊切手の発行の趣旨は先ほど申し上げたとおりですが、先ほど申し上げましたように、その対象となる記念事項、これは関係省庁の要請に基づくものですが、その多い少ない、あるいはシリーズ切手の発行状況いかんによって年によってどうしても発行件数が多少増減することになります。最近十年間における年間の発行件数、シリーズ切手を含めて統計をとってみますと、二十一件から三十件ということで、平均二十五件でございます。平成三年の発行件数は二十五件ということで、この平均件数とぴたり同じになっております。
 なお、恐らく平成二年度における特殊切手の発行件数が多かったことがそうした一部の声になっていると思うんですが、平成二年度は、御承知のように、天皇陛下の御即位とか議会開設百年など、ちょうど国家的に重要な大規模な行事がこの時期に集中的に重なりました。そういったことで多いという印象を与えたのじゃないかというふうに感じますが、最近における郵趣層の広がりとともに、郵便切手の多様化を求める要望が強くなってきていることも事実でございます。しかし、郵政省のデザイン能力とか大蔵省の印刷能力等も考慮いたしまして、すばらしい郵便切手を発行するために本年は一定の発行件数、毎年の平均件数に抑えていると、こういうことでございます。
#58
○鶴岡洋君 これちょっと話変わりますけれども、通常切手のデザインの件です。これは手紙文化の振興という意味で、一昨年ですか、平成元年十一月一日当委員会で私もこの点について質問したんですけれども、その後どのようになっておりますか。
 また、平成三年度の予算案の中に郵便切手・郵便葉書等の需要動向に関する調査研究の費用ということで千八百万円新規に認められておりますけれども、このデザイン、この前申しましたように、一円切手がもう四十年も同じだと。三十年も四十年も同じデザインで、いいデザインとか悪いデザインというと大変つくった人に失礼ですけれども、ちょっと考えたらどうかなと。色も汚らしいし、余りさわやかでない、こういうことでこの前申し上げましたけれども、これのデザインを変える作業は今されておるんですか、おらないんですか。
#59
○政府委員(小野沢知之君) 先般先生の御指摘ございまして、四十一円の切手の多様化ということを既に始めております。
 それから、調査研究費のことでございますけども、郵便切手の持つ重要な役割にかんがみまして、お客様のニーズに合ったよりすぐれたデザインの郵便切手を発行することによって多くの方々が郵便切手を好きになり、手紙を出すことが楽しくなるようにするとともに、郵便切手に対する各方面の関心を高めまして切手愛好家をふやし、郵便の一層の利用増進を図ることが必要だという認識に立ちまして、今いろいろな仕事をしているわけでございます。そこで、そういった観点から、郵便切手・郵便葉書等の需要動向に関する調査研究を行うことにいたしまして、平成三年度政府予算案の重要施策の中に入れ、要求いたしまして、認められたところでございます。
 従来、郵便切手、郵便はがき等に関する需要動向の調査というのは本格的なものが行われたことはなかったのでございますので、平成二年度には
切手文通振興課及び切手デザイン室を設置したことを機会といたしまして、平成三年度には新たに本格的な調査研究を行うことといたしております。その調査研究の内容としては、郵便切手、郵便はがきの購入、使用実態の把握、それから今先生の御指摘がありました郵便切手、郵便はがきのデザイン等に対するニーズの分析、郵便切手、郵便はがきの需要予測手法の開発等を考えております。
 今御指摘の点等、この中で十分調査研究いたしたいというように考えております。
 以上でございます。
#60
○鶴岡洋君 このデザインということについては、今お話あったように、いろいろ研究もされ、殊に予算を組んで進める、こういうことでございます。これもデザインになるかもしれませんけれども、世界各国の切手を見てみますと、丸はありませんけれども、三角やらひし形やらいろいろな形が発行されております。日本でも四角ばかりではなくて三角とかひし形、場合によっては丸い切手があってもいいんじゃないかなと、非常に気持ちを和ませる意味で。
 例えば、先ほどお話ししましたように、収集家にすれば全部買った場合に年間二十万と、こういうこともありますし、集めたいのは集めたいけど金がかかると。そういうことも含めて、例えばこういう特殊切手で小さいのを発行すれば、この場合には四角、四角、四角で、これ丸と三角にすればちょっと格好がいい。どうせこれ使うわけじゃないんですから、収集のために、これは楽しみのためにやるんだと私は思いますので、そういうことも含めてこの発行を考えたらどうかなと、こういうふうに思うんです、四角ばかりではなくて。
 万国郵便条約の施行規則、この中の第百九十五条ですか、御存じのように「郵便切手の様式」という項がありますけれども、「郵便切手は、原則として縦及び横の長さがそれぞれ十五ミリメートルを下回らず、かつ、五十ミリメートルを超えないことを条件として、いかなる形態も有することができる。」と、こういうことでございますので、余り四角ばかりではなく、四角四面にならないようにするのは何か技術的にまずいのか、それともできないのか、考えたらいかがかなと、こういうふうに思うんです。この点について小野沢さん、御意見どうですか。
#61
○政府委員(小野沢知之君) 発想の自在性について人に負けぬように努力している者の一人ですが、先生の御質問を受けて思い出したことがあるんです。数年前岐阜城を見学しましたときにちょうど信長展をやっておりました。あれを見ておやっと思ったんですが、昔土俵が四角かったのを丸くしたのは信長という話を聞きまして、なるほどなと、もし昔丸かったら四角に彼はしてたんじゃないかという感じがしたんです。
 そこで、御質問に対する回答に戻りますが、ずっと今いろんな資料を見ていたんです。我が国では郵便切手というのは方寸の芸術、一寸四方という方寸の芸術品と言われている、そういう言葉があるんですが、それで日本人あるいは日本の風土にそういった四角いというのが適していたのかなという感じも実はしているわけです。その中で私ども、お客様が郵便切手を使用する際の簡便さとか、封筒、はがき等に張られた際の外観等を考慮しました上で特殊切手の大きさや形を決定しております。そうして、切手の題材として取り上げる内容を正方形、長方形の中で最大限生かすための工夫をずっと丹念に行ってきておりまして、この一年半ほどそういった工夫は随分作品として世に出ているというふうに考えております。
 ところで、今先生が御指摘ありました万国郵便条約の施行規則の第百九十五条の規定によりますと、御指摘の三角形、ひし形、丸形などの切手も発行が可能でございます。あとは、その形の選定については各国郵政庁の判断によるということでございます。そこで、御提言の内容につきましては、まだお客様から具体的な要望は寄せられておりませんけれども、ちょうど平成三年度に実施を計画しております郵便切手・郵便葉書等の需要動向に関する調査研究において、いわゆる変形切手に対する利用者のニーズ等についても調査項目としてこれからつけ加えて今後の検討課題にいたしたい、こう存じます。
#62
○鶴岡洋君 じゃ、よろしくお願いします。
 電話にしても、電話というものは黒いものだとばっかり思っていたけれども、最近は非常にカラフルになって、また使いやすいようにもなってきております。そういうことを考えれば、時代に合わせて丸も三角もあってよろしいんじゃないかな、ましてや四角でワンシート、非常に高い、いわゆる高価なものになるわけですから、今言ったようにこういう小さいものを含めて研究されたらいかがかな、こういうふうに思いますので、それを要望して私の質問を終わります。
#63
○山中郁子君 きょうは初めに労働時間の問題と関連して要員問題についてお尋ねをいたします。
 初めに伺うんですけれども、中心的に郵便関係のことについてお尋ねいたしますが、郵便事業の職員の年平均労働時間はどのくらいかということで、これは事前にお尋ねをいたしましたところ、二千四十三時間というお話でございましたけれども、ここのところを確認したい。
#64
○政府委員(渡邉民部君) 今先生おっしゃいましたとおり、郵便関係職員の平均的な年間総労働時間は二千四十三時間でございます。
#65
○山中郁子君 そうしますと、これは一九八八年、昭和六十三年五月二十七日付の閣議決定でございますけれども、経済運営五カ年計画の中での労働時間の短縮問題です。時間短縮、それから週休二日制、週四十時間労働、年間総労働時間の短縮、時間外労働の短縮などがうたわれております。この中で、つまり経済運営五カ年計画として、「国民の合意を形成し、完全週休二日制を実現するよう努める。」、その他その他うたって、「これらにより、おおむね計画期間中に週四十時間労働制の実現を期し、年間総労働時間を計画期間中に、千八百時間程度に向けできる限り短縮する。」、こういうことがうたわれておりますが、この問題について郵政省としてはどういう計画をお持ちか。今伺ったところ二千四十三時間、千八百時間とはかなり差があるわけなんですけれども、それをお尋ねいたします。
#66
○政府委員(渡邉民部君) 経済運営五カ年計画で計画達成のときに、先生がおっしゃいましたように週四十時間、年間千八百労働時間というような計画が経済運営五カ年計画に出ております。私どもとしては、郵便関係職員については業務処理システムの見直しだとか、あるいは集配特定局の外務、内務の相互応援だとか、作業の機械化等の効率化を一層進める中で、郵便事業財政の健全性にも配意しながら週休二日制の実現に向けて努力してまいりたいというふうに考えております。
 それから、貯金・保険関係職員につきましては、平成元年二月に貯金・保険の関係の窓口業務の休止等を行いましたものですから、これに伴いまして平成三年一月から一週四十時間、完全週休二日制を今試行しているところであります。
 非現部門の時短につきましては、勤務時間の形態とかあるいは勤務の内容等が一般の国家公務員とほぼ同一の事情にあるわけでありますので、一般の国家公務員の時短と同様の考え方で進めてまいりたいというふうに考えております。
#67
○山中郁子君 郵便の場合に、最初に確認したように、平均二千四十三時間になっている。これを千八百時間にしていく計画をどのようにお持ちかと言うんです。
#68
○政府委員(渡邉民部君) この問題を考えるに当たっては、職員の勤務時間の短縮ということは職員の側面から見ると大事な時代の趨勢だと思っておりますが、郵政事業を行っていく場合に国民へのサービスをどういうふうに考えるかとか、あるいは要員事情というのもございますし、それから財政的な見通しというものも考えていかなけりゃならないわけであります。私どもはそういうものを考えながら早期に実現すべく努力をしていきたいというふうに考えております。
#69
○山中郁子君 だから、要員計画の問題だという
ことで私も申し上げているんです。
 もう少し申し上げますと、労働省でも労働時間短縮推進計画というものが出されているし、いろいろなところでいろいろとそういうことが、世界の水準からやはり遠く乖罪離した長時間労働が強いられているという現状がありますから、とりわけ郵便の仕事というのは、先ほど大森委員からもお話がありましたけれども、三Kと言われるように、ここだって臨時を募集したって来ないという状況ですよね。
 それなのに、そういう職員の側からいえば労働時間短縮という問題はあるだろうけれども、国民へのサービスや要員の事情などあるからと、これをおっしゃっていたらいつまでたったって解決しないと思うんですけれどもね。この基本的なところはどう考えていらっしゃるのでしょうか。お金が、つまり要員が足りない、要員はだからふやさなきゃならないわけでしょう、と私は思うんですよ。要員をふやすという方向でもって解決しなければサービスを切り捨てる以外にないということになるわけだから、これは三つとも同じ条件というんじゃなくて、そういう長時間労働が強いられている状況のもとで、それを解決していくためにやっぱり職員の労働条件というのが一番大きな重要な問題としてこの計画が出されているわけです。そこのところを、要員の問題それからサービスの問題、同じように考えていたら私はいつまでたったって解決しないと思うんですけれども、その辺はどのように考えていらっしゃるんですか。
#70
○政府委員(渡邉民部君) 先ほども申し上げましたように、やはりこの問題は私ども時代の趨勢とは考えておりますが、実施するに当たってはいろいろな条件があるわけであります。その辺の条件を考えて、予算、財政事情というものもございますので、考えて早期に実現するように努力してまいりたいというふうに考えております。
#71
○山中郁子君 早期というのはいつ、そうしたら。
#72
○政府委員(渡邉民部君) いつごろまでということになりますと、政府の経済五カ年計画というのがございますけれども、そういうものを総合勘案しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
#73
○山中郁子君 六十三年ですから、もうそろそろ五年になるでしょう。五カ年計画ですからね、それじゃその中できちんと解決なさる。ということは後でちょっと大臣に伺います。
 問題は、先ほど二千四十三時間と私おたくの方から伺った時間を申し上げました。これは残業が百三十二時間あるのね。ですから、私やはり超勤の問題がどうしても大きな問題になってくると思うんです。労働省の労働時間短縮推進計画ですけれども、そこの中でもうたわれているんですが、「恒常的な時間外・休日労働を削減する。」ということが言われているのよね。それについてのあなた方のお考えを聞きたいんですけれども、こういう恒常的な時間外、休日労働を削減する、そういうものを削減していく方針がおありになるのかどうか、具体的に。
#74
○政府委員(渡邉民部君) 郵便事業につきましては、業務量に日別それから月別というかそういう波動性というのがございます。そういう波動性がありますので、定員だけで配置するというのは難しい問題がございます。そこで、超過勤務というものが避けられないと考えております。勤務時間全体の短縮に当たりましては、年間総労働時間の縮減という観点から、時間外労働とかあるいは休日労働のあり方も含めて検討すべき課題であるというふうに私どもは認識をしております。
#75
○山中郁子君 そうすると、具体的にどういうことになるのかよくわからないのですけれども、郵便の場合に年末年首の繁忙というのが、特別な繁忙があるということはそれはわかります。事実ですしね。だからといって、そういうことを理由に職員に何をやらせてもいいという問題じゃないんですよね。私が最初に閣議決定なり労働省の推進計画などを申し上げましたのは、やはり日本の政府が責任を持ってそういう方向に持っていくということを閣議で決めているわけでしょう。それなのに、郵政省は年末年首の繁忙を盾にとっているというか何というか、余りにもひどいんです。
 これは昨年暮れからことしにかけての年末年首繁忙のことだと思って聞いてください。十二月、一月、年末年首です。超勤拒否をしたとして処分をなすっているのね。私、これちょっとどうかと思うんですけれども、具体的にそれでかなり調べたんですよ。具体的事例を調べましたら、例えば体のぐあいが悪いとか友達と約束があるとか、そういうようないろんなケースがあるんですけれども、そういうことに対して、ケース・バイ・ケースということじゃなくて、とにかく超勤しろということで出しておいて、それできょうはどうしてもできないということで断ると、超勤拒否だと言って処分をする。ちょっとこれ幾ら何でもひどいというふうに思うんです。
 ことしの年末年首繁忙に関連して、私の調べたところによると最低でも、これは近畿郵政局で十五局八十名の人たちが処分されているんです。処分の内容というのは、私が知る範囲では注意処分と訓告処分でしょうか。こういうことが実際に、あと全国的に行われているんじゃないかというふうに思うんですけれども、全国を私ども調査することもそう簡単にできませんので、ちょっと教えてください。
#76
○政府委員(渡邉民部君) 年末首の最繁忙期は通常をはるかに超える業務量があるわけでありますが、大量の非常勤職員を雇用するなどしてやっているとともに、本務者にもそれ相当の超勤を命じまして、正常な業務運行を図っております。
 このような中で、管理者から再三にわたり超過勤務命令を発せられたにもかかわらず、正当な理由なくこれを拒否するという態様が発生したために、近畿管内で、先生御指摘のとおり、普通局で十五局の訓告処分それから注意処分が、トータルで七十八名でありますが、行われたわけであります。
#77
○山中郁子君 内訳は。
#78
○政府委員(渡邉民部君) 訓告が四名であります。それから注意処分が七十四名でございます。
 この期間というのは、十二月二十五日から平成三年の一月四日までの最繁忙期に、超過勤務を拒否して超過勤務しなかったという職員に対して行ったような次第でございます。
#79
○山中郁子君 ほかの局では。――いいです。では、ほかの局はどうなのか後で教えてください。いいですか。あるでしょう、近畿だけじゃないんでしょう。
#80
○政府委員(渡邉民部君) はい。あります。
#81
○山中郁子君 それで大臣、私ちょっと考えてほしいんですけれども、大臣が常識的に考えてどういうふうに思われるかということをまず伺いたいんです。
 やっぱり超勤というのは、郵政省の方の業務の関係でどうしてもしてもらわなきゃ困るというわけだから、超勤してくださいと、こう言うことが基本でしょう。だと思うんですけれども、それはどうですか。私もかつての電電公社の現場で働いた経験がありますからよく知っていますけれども、きょうちょっと忙しいから、あなたひとつ超勤してくれないかと言う性格のものですよね。
#82
○政府委員(渡邉民部君) 郵政職員と現業国家公務員の場合ですが、給与特例法というのがございます。その第六条に基づきまして、郵政大臣が制定した郵政事業職員勤務時間、休憩、休日および休暇規程というのがございます。そこで所属長が職員に対して一定の場合に時間外労働を命ずることができる旨の定めがありまして、この時間外労働命令というのは国家公務員法九十八条の所定の職務上の命令に当たるものというふうに考えております。したがいまして、労働基準法三十六条の時間外協定がございますが、郵便局でそれが締結されている場合は、職員が課長等から時間外労働を命ぜられれば時間外労働義務を負うというふうに考えております。こうした考え方は最高裁判例等によっても支持されているところでございます。
#83
○山中郁子君 三六協定のことなんか、私だって百も知っていますよ。
 最初から言っているでしょう。閣議決定でそういう方向を決めて、それにもかかわらず郵便の現場は二百何時間以上も多い実態なんですよ。だから、これを計画として政府の方向、政府が約束している方向に近づけなきゃいけないわけでしょう。にもかかわらず、そういうふうになっていない大きな理由は、一つは超勤が多いからだということなのね。その超勤について、基本的に労働者にきょうは忙しいから一時間――そんなものじゃないんです。三時間とか四時間とかですけれども、働いてくれないかと言って頼む筋合いのものでしょうということを私は言っているの。あなたが答えたようなことを私何にも聞いてないのよ。第一、そういうことは労使による交渉の労働協約の問題でしょう。ここは国会なんですからね。国民の声を私は代弁して、何も労働組合の団体交渉しているんじゃないんだから、そんな答弁しないでください。要らない、そんな答弁は。というのは時間がないからです。
 それで、私が問題にしたいのは、近畿郵政局は人事課長の名前で、年末年首の繁忙に際する超勤に対して指示を出しているんですよ。厳重取扱注意という文書です。その中で、いろんな問題点がありますけれども、限られた時間ですから、私ここはぜひ大臣に伺いたいし、はっきりさせてほしいんだけれども、超勤を命ずる場合に留意事項として指示していることがあるんです。その中に、「超勤の命令は、「すまんけど、○君郵便物が多いので○時間超勤してくれないか」等の依頼型でなく、「○○君、郵便物が多いので○時間の超勤です。」等の命令型で発令すること。」、こう書いてあるのよ。それから、「拒否事由として「しんどい」「風邪」「用事がある」などの申し出があれば、更に内容について聴取し、社会通念により判断する。なお、聴取してもそれ以上の申し出がなければ「拒否」と判断する。」。それで拒否だといって処分している。これちゃんと文書ができている。
 ちょっとやり過ぎというか、私基本的にこんなの本当に許しがたいですよ。だけど、今一から議論している暇がない。やり過ぎですよ。その人それぞれのケースによっていろいろあるかもしれません。でも、一つのケースを私申し上げると、ある人は朝言われたわけ。そして、きょう実は友達と待ち合わせているからだめだと、こう言ったわけね。そうしたら二回目、待ち合わせの時間をずらせろと、こう言ってきたわけね。もう連絡がとれないからずらすことができないと。そうしたら、これは拒否だと。私の調査の記録によれば、この人のケースもたしか処分されていますよ、注意か勧告かわかりませんけれども。
 こういうことは時代おくれも甚だしいし、それから郵政省が、郵政省がというより政府が、さっき申し上げた閣議決定並びに労働省の推進計画、そういうものを全くてんから相手にしてないという現場の対応でしかないと思うんです。私は、直ちにこの処分を撤回する、そしてこうしたやり方についてやめさせるということを郵政省は指示すべきだし、そうしなければならないと思っておりますけれども、大臣の御見解をお聞きします。
#84
○国務大臣(関谷勝嗣君) 幾つもの問題点があると思うわけでございますが、私もかつて日本航空に勤務をいたしておりました。したがいまして、サラリーマンの経験も十分にいたしたわけでございますが、まだ出世をいたしておりませんで、残業を指示するような立場まで行っていなかったのでございます。私が残業いたしましたのは、私の方から率先して残業をしたということです。まだ命令をどうこうというのはありませんでした。
 この問題は、そういうふうなことで、この処分につきましては、いずれにいたしましてもそういう超過勤務命令というものは職務上の命令であるということでございますから、正当な理由がない限りにおいてはそれを当然やらなければならないという義務があると思うわけでございます。今回の処分は正当なものと私は聞いておりますので、撤回をするという考えはございません。
 また、労働時間週四十時間、年間千八百時間ということ、そしてまた週休二日制の問題、これは先生御指摘のように、そういう閣議決定もされているわけですから、いわゆるそれだけ責任のある決定でございます。特に郵政職員の場合は現業などもございますし、御指摘のように、それを達成するためには幾つもの難問題を解決していかなければならない現状であるということは十分に私も認識をいたしておるわけでございます。こんなことを言いますとまた大森先生にしかられますけれども、鋭意努力をいたしますので、いましばらくお待ちをいただきたいと思います。
#85
○山中郁子君 大森先生だけじゃなくて、私も怒りますからね。
 大臣、あなたが確かにそのとおりです、処分を撤回いたしましょうとおっしゃらないことは、それはそうでしょう。今この場所でそういうことはできないということなんでしょうと思いますけれども、それがだからいいということじゃないですよ。こんな時代おくれの処分を郵政省はまだやっているのかと、こういう問題ですから、これはもう撤回すべきです、当然のこととして。
 私はっきりさせてほしいのは、超勤の命令は依頼型でなく命令型でしろとか、それから風邪だとか、しんどいとか、用事があるなどの申し入れでも拒否と判断するとか、こういう指導をして、指示をして、そして人事課長名で各郵便局長に、普通郵便局長にあてている、こういうやり方はやめろべきじゃないですか。私がやめると言うと、あなたはそれは局長さんたちの前ですぐやめると言うわけにいかないんだろうと思います。
 私が先ほどから申し上げているように、お友達と待ち合わせしているからできない、時間をおくらせろということについても連絡がとれないんだというようなことだとか、父親が危篤状態が続いているんで面会に行きたい、それなのに超勤してからでも行けるんじゃないかとか、そういう常識では考えられないケースというのがいろいろやっぱりあるんです。義理のお母さんが危篤だ、だから見舞いに行きたい、だけど超勤してから行けと。超勤してから行けといったって、そんな夜遅くね。それで、その方やっぱりお母さん亡くなっているらしいんです。そういういろんなケースでいろいろしつこく言われている。
 私は最低の問題として、命令型でやれとか、依頼型でやっちゃいけないとか、そういう非常識な指示をするようなことについては調べてほしい。
 それからもう一つは、何人かのことしのケースでいいですよ、処分を受けた人たちのケースについて調べてください。あなた方が言うような常識、常識というか、本当にやむを得ない世の中に通用する理由で処分をしたんであるのかどうか。私が今幾つか指摘しましたように、どういうケースで処分したのかというようなことをちょっと調査してほしいということと、今後こういうようなことについてはやらない。これだったら労使の、労使というか、郵政省の側と働いている人たちとの間の信頼関係なんて何にもなくなりますよね、依頼じゃだめだ、命令しかやっちゃいかぬみたいな指示をするんだったら。
 私は、こういうことの行き着くところは、結局一つは要員問題だと思います。したがって、要員計画の見直しですね、これはどうしたってしなきゃならないことだと思う。そうしなきゃ、先ほど大森委員も言われていましたように、それこそ郵政事業どうなっちゃうのと私も思いますよ。三Kで、幾ら集めたって臨時の人だって来なくなっている状況のもとで、こういう職員に対する対応やっていたら、もう本当に郵政事業はできなくなるんじゃないですか。というような性格を持っている問題なので、基本的にそのお約束をしていただきたい、大臣。
#86
○国務大臣(関谷勝嗣君) 労使関係といいましょうか、上司とまた職員の関係というのはもう信頼ということが一番重要なことでございますし、その点は私もそのように指示をいたしたいと思います。
 また、いろいろな事実関係等につきましても調べまして対処をいたします。
#87
○山中郁子君 お調べいただければ、いかにそれ
が不合理なものであるか、非常識なものであるかということがおわかりいただけるはずだと私は思います。したがいまして、それはそのように誠意を持って調べていただくということですが、不当な処分ですよ。不当処分と一概によくいろいろ言いますけれども、余りにも不当な処分です、社会常識的に。労働運動というところだけじゃなくて、社会常識的に余りにも不当な処分でありますので、これは撤回すべきであるし、要員計画を抜本的に見直すということでもってこの問題の解決を図らなければならないということを重ねて要求しておきます。
 最後に一点だけ、先般の委員会で簡保の問題でちょっと時間が足りなくて、もう一つはっきりさせておきたいということがありまして、きょう関係者においでいただいていると存じますので、一つだけ質問させていただきます。せんだって時間がなくて途中になっていた問題、つまり団体加入の場合の還付金の使い方の経過です。
 それで、不参加者、つまり観劇だとか旅行だとかに参加しない人に半分返すという、その場合、その返さない分のお金というのがどこに行っているのか。この決算ではわからないし、たまたま観劇に行かないとか旅行に行かないという人の一人分の半分のお金だというと、すごく少ないお金だと考えやすいんだけれども、かなり大きなお金だということは、この前もちょっと私指摘しました。したがいまして、規則によると、観劇会の会則によると、還付の残りは積立金の予備費として一括経理するということになっているんですけれども、決算書には積立金の予備費の項がないんです。積立金の予備費じゃなくて予備費という項はほかにあることはあるんですけれども、これはゼロなんですね。全然ここには入ってないという決算書になっているんです。いずれにしても、この場合にその還付されたお金、還付金のうちの半分ですね、要するに行かなかった人、観劇に参加しなかった人、旅行も同じですけれども、その人たちの分の半分のお金はどこへ行ってしまっているのかという、ここが問題だと思うんです。
 私がこの前申し上げました団体保険の還付金というのが不明朗なものの温床というかしら、そういうものになっているから、むしろ個人に還元した方がいいんじゃないかというふうに私申し上げましたけれども、そこのことなんです。規則では役員会の決定ということになっているんです、その支出については。これは役員の一存で決められることになるので、役員の方たちが適当に使っているという前提に私立って申し上げているわけじゃないんですけれども、やっぱりそこがわからないままになってきているというのが現状だということなので、そういうことじゃよくないんじゃないかということですね。会員一人一人に自分の積立金がどういうふうに使われているか、どういうふうに処理されているかということがわかるようにならなきゃいけないんじゃないか、この点ちょっとお考えを伺いたい。
#88
○政府委員(西井烈君) お答えいたします。
 先般の委員会でも若干触れたところでございますけれども、先生御案内のとおり、旅行とか観劇の払込団体がございます。これらは旅行なり観劇の同じ趣味を持って、ぜひ一緒にそういった行事をやりたいという目的のもとに結成された団体でございます。保険料のいわば割引額を積み立てておりまして、その積立金でもってその種の行事を実施する。全員参加すれば先生御指摘のような問題はないわけでございますけれども、中にはいろいろな都合で行けないという方がいる、その方の還付金については規約なり運営細則で五〇%だけを還元する、こういう格好になっておるわけですが、そのいわば残りの五〇%につきましては次の行事を実施するための積立金の中へ繰り越されている、こういう格好になっておるというふうに聞いております。
#89
○山中郁子君 依然として不明快ですが、時間がもうありませんので終わります。引き続きまた次の機会にお伺いいたします。
#90
○足立良平君 この前の湾岸戦争を見ておりまして、よく言われるわけでありますけれども、ちょうどテレビの戦争ゲームのような、戦争の現実感というものが全く感じられないような、そういう実態であったんではないかというふうに思っておるわけであります。
 ただ、あの画面を見ておりまして、私改めて感じたことは、いわゆる半導体、コンピューター、衛星あるいは情報通信というふうに、今日の先端技術というものの持つ大きさといいますか、ある面においてはこれは将来どのようになっていくんだろうかという感じの一種の脅威といいますか、そういう感じを受けたわけでございます。このことを考えてみましたときに、特に今日まで日米のいろんな経済摩擦がございましたけれども、あの戦争を通じてまさに通信問題、衛星問題あるいはまた半導体というものが今までと全く違った日米関係というもの、いわゆる摩擦関係というものを惹起していくのではないか、こんな感じを実は私受けているわけでございます。
 事実、これは直接はこの逓信委員会と関係はございませんけれども、昭和六十三年のFSXですか、の共同開発の問題、これも私はある面におきましては先端技術をめぐっての問題だというふうに理解をいたしております。それから、昨年の四月でございましたけれども、アメリカの国防総省の報告をざっと見ておりますと、こういう文言がその中に入っているわけであります。これは日本関係の中の兵器の問題でございますけれども、「最大限米国から調達させ、技術の還流を増やし、両国が補完的にならないような兵器体系の開発を控えさせることによって、日米兵器体系の相互運用性維持の重要性を強調する。」という項目がございます。それから、アメリカのUSTRの議会報告書等も読んでまいりますと、「米国の情報通信設備の生産、利用および情報通信サービスは世界のリーダーである。上記により、情報通信は最優先の経済および貿易課題の一つである。」というふうなことも議会報告の中で報告がされている。
 このように、一つ一つ今アメリカが通信問題、兵器というのはちょっと直接ここでは関係ないとしても、いわゆる先端技術あるいはまた人工衛星とかいろんなそういう問題をめぐって、相当日本を意識してきているということを私ははっきりと読み取っていかなければいけないのではないか、このように実は思っているところでございます。ただ、現実的には電気通信分野は、日本と欧州に比べまして、アメリカというのは相当段違いにレベル的には高いということも私は認識をしているわけでございますけれども、米国の意識としては、日米間におけるこの差というものを将来にわたってもそのまま維持していこう、ないしはさらにもっと拡大をするとかという意図もあるのではないかという感じも実はこれはしたりいたしているわけでございます。
 そういう面で、電気通信分野での機器あるいはまた技術、あるいはノーハウ含めまして、日米間の摩擦というものが今後相当先鋭化してくるのではないかという上に立ちまして、郵政省として今後これらの問題についてどのように対応しようとされているのか、基本的な考え方をまずお聞かせ願いたいと思います。
#91
○国務大臣(関谷勝嗣君) 足立先生御指摘のような流れが皆無であるかと言えば私は皆無ではないと思います。したがいまして、今後私たちも郵政省としての立場でアメリカの関連の方とは連絡を密にいたしまして、お互いに話し合っていくということをやっていかなければならないと思うわけでございます。
 まず、御指摘のように、日米両国は電気通信分野においてはともに世界をリードしておるという認識からいろいろ対処していかなければならないと思うのでございますが、アメリカは特に包括貿易法千三百七十七条というような、この電気通信のみにターゲットを当てておる条文もございまして、先生御理解のように、その違反と認定した場合には直ちに制裁手続に入ることができるというような大変厳しいものになってあるわけでござい
ます。
 そういうようなことで、通信機器貿易の観点からは、日本からアメリカへの輸出超過に今なっておるわけでございますが、現時点は調べてみますと、その超過も次第に縮小しつつあるわけでございます。しかし、まだその差というものは大きなものがあるという問題意識を持ってまた対処していかなければならないと思います。もう一つは、通信の主権というものが確保されてなければならないわけでございまして、そういうようなことを基本的な考え方として、日米両国の発展と良好な関係を維持発展させるというようなことで、本当に誠意を持って対処していかなければならないと思います。
 せんだっても、余り大きな問題ではなかったのでございますが、アメリカとの間で少しございまして、近々五十嵐審議官もアメリカへ参りまして協議を行う予定にいたしております。そのように誠意を持って、また迅速に対処をしていくということでやっていきたいと思います。
#92
○足立良平君 誠意を持って対処するというのは、言葉としては大変きれいな言葉でございますが、実際的にそれぞれの国益という問題を考えてみましたときに、なかなかそう簡単にスムーズに話が進んでいくというものではないのではないか、このようにも思ったりいたしているわけであります。
 今大臣のお話の中にもいわゆる通信主権という言葉が出されているわけでありますけれども、この通信主権という問題について、例えば具体的にどういうふうな要求であるなら通信主権という観点で日本としてはこれはもうだめだ、これはまあよろしい、こういう感じの基準といいますか、考え方というのはいかなるものであるかということが一つ。
 それから二つ目に、ついでに一緒にお聞きをしておきたいと思うわけでありますが、今通信主権の関係で質問をいたしましたのは、率直に申し上げまして私の受け取り方が間違っているのかもしれませんけれども、例えばNTTの資材調達の協議、七八年から八〇年にかけましての調達の協議、それから電気通信分野におきますMOSS協議の関係、あるいはまた自動車電話の周波数割り当てに関する包括貿易法の千三百七十七条の協議の関係、そういう今までの日米間における協議の内容というものをずっと見ておりますと、結果的にすべて日本側が譲歩してきて、そして日米間の協議が調ってきたんではないか、こんな感じを実は私は受けてならないわけであります。したがって、そういう面で対米交渉に当たっての日本側の基本的な考え方というものを、ひとつお考えを再度明確にしていただきたい、このように思います。
#93
○国務大臣(関谷勝嗣君) この主権の問題はまた審議官からも法律的といいましょうか事務的なことは答弁をしたいと思いますが、大変一言で言いますれば難しい問題であろうと思うわけでございますけれども、それぞれの国が国の通信のあり方をどのようにし、またどのように規律を決めていくか、その主体的に決定する裁量を持っている範囲のことを言うのではないかなと思うわけでございます。
 個々の政策といたしますと、技術革新の発展の動向であるとか、各国の制度、自由化の状況であるとか、国際組織での取り決め、相手国、二国間との関係、あるいはそれ以上の国との関係もございましょう、あるいはまた安全保障の実態等によって決定するものであるというのが一般論的なことではないかと思うわけでございますが、個々の制度とか政策、それからどうしても国家としての機密保持、安全保障といいましょうか、そういうようなことも含まれてくると思うわけでございます。その観点から、どの範疇が主権の中に残るかというようなことであろうと思っております。
 それから次の、先生の御指摘の米国との間の電気通信のMOSS協議の問題とか自動車電話の協議、国際VANに関する協議あるいは衛星の調達に関する協議、今日までいろいろ建設的に話し合ってきたわけでございますが、これは電気通信の発展を図るという観点から協力と共同作業という考え方で解決を図ってきたわけでございます。そうした中で、建設的対応が結局料金の低廉化であるとかサービスの多様化、あるいは市場拡大など双方の電気通信分野の私は発展と国民利用者の利益の増大に貢献をしてきたと思っておるわけでございます。
 そういうような意味におきまして、もうひとつはっきりとした私は専門的な表現ができませんけれども、通信主権というものが確立された、確保された立場に立ちつつ両国のこの発展を図っていくということが必要であろうと思っております。したがいまして、審議官の方から、この通信主権という法律的なこと、ひとつ細かく報告をしてもらいます。
#94
○説明員(五十嵐三津雄君) それでは、大臣から基本的なことを申し上げさせていただいたわけでございますが、通信主権の国際条約上の位置づけ、あるいは交渉において私どもが受けとめていることにつきまして申し上げさせていただきたいと思います。
 先生御指摘のように、国際電気通信条約の中に基本的な国際間の平和あいるいは協力関係ということをうたいながら、その際にも、「各国に対してその電気通信を規律する主権を十分に承認し、」と、そういう規定がございまして、いわゆる通信主権を国際的にも認めているというのは先生御指摘のとおりでございます。それぞれの国は自分の国内の法制の範囲内で、その国の国内法の範囲内におきまして通信の接続を確保するとか、あるいは混信を防止するとか、そういう国としての責務があるわけでございます。そのために、例えば電気通信の事業体の経営形態をどうするかとか、周波数の免許条件をどういう条件で与えるかとか、外資制限のあり方をどうするか、こういうようなことについての手段、方法については各国の主権にゆだねられているというふうに考えられるわけでございます。
 そういう制度でございますが、昨今の情勢を若干申し上げさせていただきますと、我が国を初めといたしまして欧米諸国におきましては、電気通信分野の競争政策の導入を図るとか、国営事業体の民営化を行うとか、民営化した会社の株式を公開して自由化するとか、国際経済の相互依存関係が非常に幅広になってくるとか、あるいは先ほども大臣からお話のありました安全保障の動向だとか、さらには技術革新、こういうものを踏まえまして、電気通信をめぐる国際的な問題も質的に大きく変化をしてくる兆しを見せているというふうに考えております。
 したがいまして、通信主権の内容、適用の仕方につきまして、電気通信産業の国際的な構造変化、そういった時代の動向というものを踏まえながら私どもは慎重に判断していかなければならないというふうに考えております。一般論として、通信主権の観点から個々の制度政策につきまして、譲歩できない内容は何であるかということを概括的に申し上げるというのは難しい現状にあるということを御理解賜りたいと思います。
#95
○足立良平君 今お話をずっと聞いておりまして、要は時代の動向、その技術の状況によってその都度その都度判断するということに結果的にはなるのかなという感じがするわけでありますけれども、もう少し具体的な点、ちょっとお聞きをしておきたいと思うわけであります。
 まず一つは、通信事業への参入の問題でございますけれども、今審議官の方からも説明の中で外資の参入の規制の問題とかという話が出ていたわけでありますが、これは日本が三分の一未満ということでございますが、アメリカが二〇%未満ということでそれぞれ決められているようであります。これは、実態といいますか、日本の事業それぞれずっと当たってみますと、日本通信衛星、日本国際通信、国際デジタル通信あるいは東京テレメッセージ等々、各企業の状況というのはそれぞれ外資が導入をされているわけです。ただ、その一方において、米国のそれぞれの事業に対しては日本は全く資金としては参加していないという状
況であるようでありまして、まずこういう点、一体どういう理由でこのような実態になっているのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
#96
○政府委員(森本哲夫君) 先生お話しのように、昭和六十年の電気通信改革でたくさんの事業者が生まれまして、三分の一の外資までよろしいと、こういう法律のもとに今新しいビジネスがどんどん起きているわけでございます。今具体的な会社名等が出ましたように、三分の一までぎりぎりいっぱい近く入っているところもたくさんあるわけでございますが、我が国の方で、お話のように海外へどの程度出ているかという点については、正直言って一種事業に関して言えば取り上げて言うほどの状態になっていないということはお話のとおりであります。
 私ども、この原因というのは幾つか考えられると思うのでありますけれども、一つはやはり日本の電気通信が百年にわたって独占してまいった、そこへどうぞひとつ参入くださいという、独占をやめて新しい競争原理を導入したということでございますので、たくさんの事業者が、やはり今までノーハウの蓄積もなかった中で、元年度までの間、制度改革以降五年になるわけでございますが、必死になってこれにチャレンジをしてきた。投資額も一種事業全体で八千億ばかりの計算に相なります。したがって、何とかやっぱり国内で新しい分野にチャレンジをし、技術的なノーハウの蓄積をこれまで一生懸命にやってきた、そういう状況で、とても同じ力を持って海外に行けるという状態にはまだないというふうに一つ言えるのかと。
 じゃ、NTTやKDDはどうかと。これは前から同じビジネスをやっているわけですからということなんですが、やはりこの事業者も新しいチャレンジを受けまして、同時に新しい民営ということで今までに経験のない形での努力をしなきゃならぬということで、これまたなかなか海外に直接進出という状況にはなっていない。もちろん、これは公社時代から、あるいは六十年以前からでございますが、途上国からの技術移転、技術援助、こういうことに関しては、これは従前にも引き続きまた民営化後もそれなりの努力を傾注しているんですが、資本の進出という状況については今申し上げましたとおりでございます。
 それで、じゃ海外の方の状況がなぜ日本に乗り込んでくるのかという問題でございますけれども、これも決して古い話じゃないわけで、日本が開放してから以降でございますけれども、基本的にアメリカとイギリスぐらいが中心でございます、御案内のとおり。アメリカの方は、一九八四年に例のATTの分割ということで地域電話会社というのが新たに生まれたのでございますけれども、これが海外へ我が国を含めて進出を大いにやっていきたい。現にそういう現象は日本以外にもたくさんございます。それは、国内での制約というのが一つあってこういう形をとらざるを得なかったという点があろうかと思います。またイギリスも、これはもともと世界的な旧英国の植民地を持っているわけでございますので、そういう世界ネットワークの構築ということには大変関心を持っておるわけでございまして、そうした視点で日本が開放したから入っていこうと、こういう現象を今日呈しているということになるのかなと思っております。
 いずれにしても状況はこういうことでございまして、外国資本に市場を開放している国はまだ本当に世界で三つ、四つでございます。今後よその国、ヨーロッパを中心にしてこうした点についてはだんだん開放に向かっているという認識でございますが、そうした中で我が国の技術についての移転が欲しい、あるいは資本が欲しいということはだんだん従前にも増した変わった形になってくると思っております。我が国の海外の投資の機会もふえてまいると思いますので、事業者においてこれは適切な対処を望むというのが今の行政の立場であろうかと思っております。
#97
○足立良平君 話題をちょっと進めていきたいと思うんですが、衛星問題について少し考え方をお聞かせ願っておきたいと思います。
 この衛星の関係につきましては、宇宙開発が我が国の場合、従来いわゆる政府による開発とそれから民間企業による実用のいわゆる相乗りというんでしょうか、そういう形で今日まで進めてきたわけでございます。現在の通信及び放送衛星でCS3及びBS3につきまして、衛星関係の経費総額及び国産化率といいますか、いわゆる国産化率が大体どの程度に実績としてなっているのか、この数字につきましてお聞かせを願いたいと思います。
#98
○政府委員(白井太君) 国産化率は、経費の上での国産化率という数字だと御理解をいただきたいと思いますが、通信衛星三号、つまりCS3の場合は総経費が六百三十一億円でありまして、国産化率は八〇%であります。それから放送衛星三号、BS3の場合は総経費が七百二十億円で、国産化率は八二%となっております。
#99
○足立良平君 それで、昨年の四月でございましたか、日米合意といいますか、衛星の問題に関してしているわけでございます。特に合意、それぞれ三項目、時間がございませんからここでは触れませんけれども、いわゆる商業用衛星調達につきまして内外無差別化された、一般的に三項目目の合意事項でございますけれども、今報告がありましたように、衛星が一〇〇%国産化をされていない。言いますと大体八〇%前後の国産化率でありますから、この商業衛星の調達が内外無差別ということで、この合意事項からいたしますと、実質的には我が国の国産衛星というものは、いわゆる市場というものはほとんどもう失ってしまっているというふうに私は考えていいのではないかと実は実態として思っているわけであります。
 そうしますと、現にNHKなりそれぞれ上げておりますけれども、衛星がいろんな問題点、トラブルが発生しておりまして、実際的にはアメリカの衛星にも技術的にまだいろんな問題点を持っている。そうすると、我が国のそういう面におけるさらに技術開発というものは、本当は国益上なりいろんな将来の衛星市場、世界的な市場というものを考えてみると、我が国としてもそういう面では相当力を入れていかなければいけないのではないか。にもかかわらず、昨年の四月のああいう合意に基づいて実質的には民間における衛星の開発というものは、理論上はこれはあると思いますけれども、事実上閉じられているような状態になっているというのが私は今の実態として認識をいたしております。今言ったようなこの私の認識が間違っているのかどうなのか、その辺のところをまずお聞かせ願いたいと思うんです。
 同時に二つ目に、今後いわゆる日米間といいますか、日本のこの種の技術というものをさらに発展させていこうとする場合に、郵政省としてそういう問題について一体どのように考えておられるのか、この点につきましてお聞かせを願いたいと思います。
#100
○政府委員(白井太君) 率直に申し上げまして、昨年四月あるいは六月に最終的にまとまった合意の内容が、衛星をめぐる技術の開発等に全くの影響がなかったか、あるいはそういう影響を生ずるおそれがないかというようなことについては、いろいろな考え方があろうかと思います。少なくとも私どもといたしましては、先ほど来先生がいろいろ御指摘をしておられますように、衛星をめぐる技術というのはいわば先端技術の集まりのようなものでありまして、この方面での技術開発というのは我が国においても一刻もおろそかにできないということを考えております。
 したがいまして、確かに昨年の四月の合意によりまして、実用の衛星と開発の衛星とを相乗りで打ちげるということはやらない、あるいはそれを調達するということはしないということにいたしましたので、これから我が国としてこの衛星をめぐる技術を次の世代の衛星で研究をしよう、開発をしようと思っていた技術につきましては、新たな形で研究開発専門の衛星を打ち上げることによって必要な技術開発を継続していこうということで関係省庁との話し合いがまとまったところで
あります。現在のところは、平成八年度ころにそうした目的の衛星を打ち上げようということにいたしております。
 したがいまして、その衛星を通じて、あるいはその衛星を利用して行います研究開発の成果というものが我が国全体の技術のレベルアップに役立つように使っていくということが大変必要ではないかと思いまして、これらに必要な経費とか、あるいはそのためのできるだけきちっとした体制をしくということについて、私どもの省庁としてもできるだけの努力をしていく必要があろうかというふうに考えておるところでございます。
#101
○足立良平君 時間もございませんので、もう一点だけ簡単なことを質問しておきたいと思います。
 今平成八年ですか、その研究開発のなにを進めていくというお話がございましたけれども、それが終了した段階で、その開発衛星を実用のために利用していくということが日米の合意の上からすると可能かどうかということでございます。これは、技術的には一応十分いけるんではないかと思うんですけれども、しかもそれは研究のためにこんなふうに進めていって、それを実用化するということになりますと効率的でもあるというふうに思うわけでございます。そういう点について、日米のこの合意事項からすると一体どのように考えればいいのか。私はむしろ、もともと研究でスタートしているわけですから、それが終わった段階で実用化すべきであるというふうに実は思っているわけですけれども、その点につきまして郵政省の考え方を最後にお聞きいたしたいと思います。
#102
○政府委員(白井太君) 率直に申し上げまして、昨年の合意をもとに考えますと、開発衛星をある程度研究が済んだ段階で今度は実用に供するというようなことはできないかと思います。また、実際の衛星の設計の方も、現在考えておりますのは、衛星の寿命としては三年ぐらいのものを考えておりますので、実際には研究開発でいっぱいいっぱいということではなかろうかと思うわけでございます。
#103
○足立良平君 これで終わりますが、衛星の問題、宇宙産業の問題というのは、将来大変な問題を実ははらんでいると思いますから、そういう面でやはり郵政省としても、将来の日本の国益というものを考えて、十分この問題については慎重にもう一度取り組んでいただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。
 終わります。
#104
○委員長(一井淳治君) 以上をもちまして、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、郵政省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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