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#1
第120回国会 逓信委員会 第12号
平成三年四月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         一井 淳治君
    理 事
                陣内 孝雄君
                永田 良雄君
                大森  昭君
                星川 保松君
    委 員
                長田 裕二君
                沢田 一精君
                中曽根弘文君
                平井 卓志君
                平野  清君
                守住 有信君
                及川 一夫君
                國弘 正雄君
                三重野栄子君
                山田 健一君
                鶴岡  洋君
                山中 郁子君
                足立 良平君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  関谷 勝嗣君
   政府委員
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政省通信政策
       局長       白井  太君
       郵政省放送行政
       局長       桑野扶美雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       科学技術庁研究
       開発局宇宙企画
       課長       中村 方士君
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  山口 泰夫君
       会計検査院事務
       総局第五局長   山本  正君
   参考人
       日本放送協会会
       長        島  桂次君
       日本放送協会副
       会長       小山 森也君
       日本放送協会専
       務理事・技師長  中村 好郎君
       日本放送協会専
       務理事      青木 賢児君
       日本放送協会専
       務理事      尾畑 雅美君
       日本放送協会理
       事        竹中  康君
       日本放送協会理
       事        中野 正彦君
       日本放送協会理
       事        諏訪 恭也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書(第百十四回国会内閣提出)
○日本放送協会昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書(第百十七回国会内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(一井淳治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、日本放送協会昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、以上両件を一括して議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。関谷郵政大臣。
#3
○国務大臣(関谷勝嗣君) ただいま議題となりました日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の国会提出につきまして、概略御説明申し上げます。
 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。
 日本放送協会から提出された昭和六十二年度の貸借対照表等によりますと、昭和六十三年三月三十一日現在における資産総額は三千五百八十億五千九百万円で、前年度に比し百二十三億二千九百万円の増加となっております。これに対しまして、負債総額は一千六百四十五億九千百万円で、前年度に比し六十五億一千九百万円の増加となっております。資本総額は一千九百三十四億六千八百万円で、前年度に比し五十八億一千万円の増加となっております。
 資産の内容を見ますと、流動資産七百七十八億六千八百万円、固定資産二千六百一億二百万円、特定資産百九十八億一千七百万円、繰延資産二億七千二百万円であり、固定資産の内容は、建物七百十二億五千六百万円、機械及び装置八百三十七億五千万円、土地二百二十三億三百万円、その他の固定資産八百二十七億九千三百万円となっております。
 また、負債の内容は、流動負債六百七十八億五千万円、固定負債九百六十七億四千百万円であり、固定負債の内容は、放送債券五百五億七千万円、長期借入金三百二億三千百万円、退職手当引当金百五十九億四千万円となっております。
 資本の内容につきましては、資本一千七百五十一億一千二百万円、積立金百二十五億四千六百万円、当期事業収支差金五十八億一千万円となっております。
 次に、損益について御説明申し上げます。
 経常事業収入は三千五百十五億八百万円で、前年度に比し五十四億四千万円の増加となっております。これに対しまして、経常事業支出は、三千五百二十八億四千百万円で、前年度に比し百二十一億七百万円の増加となっております。
 この結果、経常事業収支差金は十三億三千三百万円の欠損となり、これに経常事業外収支差金十七億一千三百万円を加えた経常収支差金は三億八千万円となっております。これに特別収入六十二億一千八百万円を加え、特別支出七億八千八百万円を差し引いた当期事業収支差金は五十八億一千万円となっております。
 引き続きまして、昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書の国会提出につきまして、概略御説明申し上げます。
 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。
 日本放送協会から提出された昭和六十三年度の貸借対照表等によりますと、平成元年三月三十一日現在における資産総額は三千五百六十六億八千百万円で、前年度に比し十三億七千八百万円の減少となっております。これに対しまして、負債総額は一千七百十二億一千八百万円で、前年度に比し六十六億二千七百万円の増加となっております。資本総額は一千八百五十四億六千三百万円で、前年度に比し八十億五百万円の減少となっております。
 資産の内容を見ますと、流動資産六百二十五億七千万円、固定資産二千七百二十億二千百万円、特定資産二百十八億四千四百万円、繰延資産二億四千六百万円であり、固定資産の内容は、建物七百三十二億五千七百万円、機械及び装置八百七十
一億六千三百万円、土地二百二十九億八千六百万円、その他の固定資産八百八十六億一千五百万円となっております。
 また、負債の内容は、流動負債七百五十二億五千万円、固定負債九百五十九億六千八百万円であり、固定負債の内容は、放送債券四百六十九億二千万円、長期借入金二百七十三億八千万円、退職手当引当金百六十六億円、その他の固定負債五十億六千八百万円となっております。
 資本の内容につきましては、資本一千八百五十四億二千七百万円、積立金八十億四千百万円、当期欠損金八十億五百万円となっております。
 次に、損益について御説明申し上げます。
 経常事業収入は三千五百六十五億二千百万円で、前年度に比し五十億一千三百万円の増加となっております。これに対しまして、経常事業支出は三千六百七十億四千四百万円で、前年度に比し百四十二億三百万円の増加となっております。
 この結果、経常事業収支差金は百五億二千三百万円の欠損となり、これに経常事業外収支差金十九億六千五百万円を加えた経常収支差金は八十五億五千八百万円の欠損となっております。これに特別収入十三億円を加え、特別支出七億四千七百万円を差し引いた当期事業収支差金は八十億五百万円の欠損となっております。
 なお、監事の意見書におきましては、貸借対照表等は、監査の結果、日本放送協会の財産、損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。
 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#4
○委員長(一井淳治君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。島日本放送協会会長。
#5
○参考人(島桂次君) ただいま議題となっております日本放送協会の昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書の概要について御説明申し上げます。
 まず、財産目録、貸借対照表の当年度末現在の資産総額は三千五百八十億五千九百万円で、この内訳は、流動資産七百七十八億六千八百万円、固定資産二千六百一億二百万円、特定資産百九十八億一千七百万円、繰延資産二億七千二百万円。このうち固定資産の内容は、建物七百十二億五千六百万円、土地二百二十三億三百万円、機械及び装置八百三十七億五千万円、放送衛星百八億六千三百万円、その他の固定資産七百十九億三千万円でございます。
 当年度末資産総額を前年度末と比較いたしますと百二十三億二千九百万円の増加となっておりますが、これは建設計画に基づく衛星放送設備、テレビジョン、ラジオ放送網、番組設備等の整備及び事業収支剰余金の発生等によるものでございます。
 一方、これに対する負債総額は一千六百四十五億九千百万円で、この内訳は、流動負債六百七十八億五千万円、固定負債九百六十七億四千百万円。このうち固定負債の内容は、放送債券五百五億七千万円、長期借入金三百二億三千百万円、退職手当引当金百五十九億四千万円でございます。
 当年度末負債総額を前年度末と比較いたしますと六十五億一千九百万円の増加となっておりますが、これは受信料前受金の増加及び放送債券の増加等によるものでございます。
 また、資本総額は一千九百三十四億六千八百万円で、この内訳は、資本一千七百五十一億一千二百万円、積立金百二十五億四千六百万円、当期事業収支差金五十八億一千万円でございます。この資本総額は、前年度末と比較し五十八億一千万円の増加となっております。
 次に、損益計算書について申し上げます。
 まず、経常事業収支について見ますと、受信料等の経常事業収入は三千五百十五億八百万円で、前年度と比較し五十四億四千万円の増加となりました。これは、主として受信契約の維持、増加に努めた結果でございます。
 なお、有料受信契約件数は、四十四万件増加し、当年度末には三千百五十一万件となりました。
 次に、経常事業支出は三千五百二十八億四千百万円で、この内訳は、国内放送費九百五十五億五千六百万円、国際放送費二十九億四千三百万円、契約収納費三百六十五億二千七百万円、受信対策費十一億八千六百万円、広報費十四億七千三百万円、調査研究費三十九億六千万円、給与一千百九十二億六千万円、退職手当・厚生費三百四十九億四千万円、一般管理費九十四億八千五百万円、減価償却費三百七十四億九千八百万円、未収受信料欠損償却費百億一千三百万円となっております。
 これは、前年度と比較し百二十一億七百万円の増加となりましたが、主として、放送番組内容の充実刷新、受信契約の維持、増加施策の推進に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。
 以上の結果、経常事業収支差金は十三億三千三百万円の欠損となり、これに経常事業外収支差金十七億一千三百万円を加えた経常収支差金は三億八千万円であります。さらに、特別収入六十二億一千八百万円を加え、特別支出七億八千八百万円を差し引いた当期事業収支差金は五十八億一千万円となりました。この当期事業収支差金は、翌年度以降の収支不足に充てるためのものでございます。
 次に、同じくただいま議題となっております日本放送協会の昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに監事の意見書の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、財産目録、貸借対照表の当年度末現在の資産総額は三千五百六十六億八千百万円で、この内訳は、流動資産六百二十五億七千万円、固定資産二千七百二十億二千百万円、特定資産二百十八億四千四百万円、繰延資産二億四千六百万円。このうち固定資産の内容は、建物七百三十二億五千七百万円、土地二百二十九億八千六百万円、機械及び装置八百七十一億六千三百万円、放送衛星六十八億五千五百万円、その他の固定資産八百十七億六千万円でございます。
 当年度末資産総額を前年度末と比較しますと十三億七千八百万円の減少となっておりますが、これは建設計画に基づく衛星放送設備、テレビジョン、ラジオ放送網、番組設備等の整備により固定資産が増加いたしましたが、一方において、前年度からの繰越金を当年度の債務償還及び事業収支の財源不足に充てて使用したことなどにより、流動資産が大きく減少したためでございます。
 一方、これに対する負債総額は一千七百十二億一千八百万円で、この内訳は、流動負債七百五十二億五千万円、固定負債九百五十九億六千八百万円。このうち固定負債の内容は、放送債券四百六十九億二千万円、長期借入金二百七十三億八千万円、退職手当引当金百六十六億円、その他の固定負債五十億六千八百万円でございます。
 当年度末負債総額を前年度末と比較しますと六十六億二千七百万円の増加となっておりますが、これは受信料前受金の増加等によるものでございます。
 また、資本総額は一千八百五十四億六千三百万円で、この内訳は、資本一千八百五十四億二千七百万円、積立金八十億四千百万円、当期欠損金八十億五百万円でございます。この資本総額は、前年度末と比較し八十億五百万円の減少となっております。
 次に、損益計算書について申し上げます。
 まず、経常事業収支について見ますと、受信料等の経常事業収入は三千五百六十五億二千百万円で、前年度と比較し五十億一千三百万円の増加となりました。これは、主として受信契約の維持、増加に努めた結果でございます。
 なお、有料受信契約件数は、四十五万件増加し、当年度末には三千百九十六万件となりました。
 次に、経常事業支出は三千六百七十億四千四百万円で、この内訳は、国内放送費一千六十億四千五百万円、国際放送費三十億一千六百万円、契約収納費三百七十五億四千七百万円、受信対策費十一億七千二百万円、広報費十五億四百万円、調査研究費三十九億八千七百万円、給与一千二百十七億一千百万円、退職手当・厚生費三百六十一億二
千三百万円、一般管理費九十億四千五百万円、減価償却費三百六十七億三千九百万円、未収受信料欠損償却費百一億五千五百万円となっております。
 これは、前年度と比較し百四十二億三百万円の増加となりましたが、主として、衛星放送独自番組の積極的編成、受信契約の維持、増加施策の推進に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。
 以上の結果、経常事業収支差金は百五億二千三百万円の欠損となり、これに経常事業外収支差金十九億六千五百万円を加えた経常収支差金は八十五億五千八百万円の欠損であります。さらに、特別収入十三億円を加え、特別支出七億四千七百万円を差し引いた当期事業収支差金は八十億五百万円の欠損となりました。この欠損金につきましては、前年度からの繰越金をもって補てんすることといたしました。
 なお、放送法改正により、貸借対照表等に添付することとなりました監事の意見書では、貸借対照表等は、監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。
 これをもちまして概要説明を終わらせていただきますが、今後の事業運営に当たりましても、公共放送としての使命と責務を銘記し、一層放送事業の発展に努力してまいる所存でございます。
 何とぞ御審議のほどお願いする次第でございます。
#6
○委員長(一井淳治君) 次に、会計検査院から検査結果についての説明を聴取いたします。山本会計検査院第五局長。
#7
○説明員(山本正君) 日本放送協会の昭和六十二年度及び六十三年度の決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。
 まず、日本放送協会の昭和六十二年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書は、昭和六十三年八月十二日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年十二月九日内閣に回付いたしました。
 次に、同協会の昭和六十三年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書は、平成元年八月十一日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年十二月五日内閣に回付いたしました。
 同協会の両年度の決算につきまして検査いたしました結果、特に法律、政令もしくは予算に違反し、または不当と認めた事項はございません。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#8
○委員長(一井淳治君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○三重野栄子君 ただいま議題になりました日本放送協会の昭和六十二年度並びに六十三年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について質問させていただきますが、それらの質問に先立ちまして、衛星放送事業について、難視聴解消という視点からまず質問させていただきたいと思います。
 NHKから、四月十日、放送衛星3aの状況、さらに四月十八日、BS3HをJSBと共有する契約を締結したこと、またその翌四月十九日付の「BS―3H打上げ失敗について NHK会長談話」という、それぞれの文書を私の方はいただきました。この間、新聞でも衛星放送の記事に事欠かない状況が取り上げられているところでございます。
 衛星放送が放送法の目的に従って難視聴解消の有効な手段として開始されまして、そしてまたその高度な技術でさらに独自番組をつくりながら二つの放送番組が編成されておりますけれども、今回のような事故が起こりますと、難視聴地域の受信者や衛星放送を現在受信している人あるいはこれから受信しようとする人々に不安を与えるものではないかと思います。
 そういう意味で、いただきました文書の中にも、非常に残念です、申しわけないということが書かれておりましたけれども、これでは済まされないように存じます。衛星の現状と今後の対策、それから衛星放送事業の安定策について御説明をいただきたいと思います。
#10
○政府委員(桑野扶美雄君) BS3段階におきます衛星放送につきましては、3aのほかに3bを予備機といたしまして、さらに3Hを3a一機体制の補完衛星としての実施を図ってまいったわけでございます。しかし、3aの一部ふぐあい、それから3Hの打ち上げ失敗によりまして、今後の衛星放送の運用につき国民の皆様に御心配をおかけする事態となりましたことは大変申しわけなく存じております。この事態を踏まえまして、放送事業者とともに、行政としても放送の継続を確保することが最大の課題と認識している次第でございます。
 具体的に申し上げますと、現在三チャンネルで運用中の3aにつきましては、発生電力の低下によりまして、五月中旬から八月中旬ごろまでの間は二チャンネルでの運用を余儀なくされますので、この間は残りの一チャンネルの運用につき2bによる補完を行うことで検討することといたしております。この間の3aの二チャンネルの使用方法等につきましては、NHKとJSBが現在協議を行っておりまして、その結果を踏まえまして、五月の中旬までにはすべての措置を完了いたしたく存じておる次第でございます。
#11
○三重野栄子君 次に、NHKからいただきました四月十八日付の文書、「BS―3HのJSBとの共有について」によりますと、契約金額が五十二億円、それは衛星の製作、打ち上げに必要な経費百五十六億円の三分の一とありましたけれども、平成二年度の衛星放送事業会計の大要について、どのようになっているかお伺いをいたします。
#12
○参考人(中野正彦君) お答えいたします。
 四月十七日にJSBと3Hの共有について契約を締結いたしました。その契約の内容といたしましては、BSの製作、打ち上げ経費として総額、これはドル建てでございまして八千八百万ドルをメーカーに支払っております。邦額にしますと百三十億円でございます。この百三十億円の製作経費につきましては、二対一の割合でJSBとNHKは共有するということでございますので、その共有割合に従いましてこの経費も分担をするということにしてございました。したがいまして、NHKが八十七億、JSBが四十三億の負担ということでございます。しかし、これは打ち上げの失敗によりまして、この事故は全損ということでございますので、支払いました経費は保険金という形で全額私どもの方に戻ってまいります。したがいまして、これは相殺されるということになります。
 ところが、保険を掛けるために必要な経費として、保険料でございますが、これを二十六億円総額で払っております。この保険料につきましても今の製作経費等と同様に二対一の割合で分担をする、こういうことでございまして、NHKが十七億、JSBが九億の負担ということでございます。結果としまして、3HにかかるNHKの財政負担は十七億円ということでございます。この十七億円につきましては、当然これは財源としては受信料でございますので、私どもはこの十七億円につきましては業務の効率的運用あるいはもろもろの経資の節減によって吸収をしたいというふうに考えております。
#13
○三重野栄子君 今のことから発展をいたしまして、放送法第九条の二に「宇宙開発事業団等への出資」が定められておりますけれども、今も伺いましたように、NHKが受信料で運営されております限り、出発は難視聴解消の方法として衛星放送事業があったというふうに思いますけれども、NHKが主体という見解である場合には、衛星の故障、打ち上げの失敗、あるいは地上放送以外の新たな番組が編成される場合には相当多額の費用が要るわけでございます。したがいまして、今後やはり受信料を仮に上げたとしても、あるいは今
おっしゃいましたようにいろいろなところを節約したとしても、受信料で負担するというのは限界があるのではないかというふうに思います。
 したがいまして、この点につきましては、先ほど開会前にちょっと伺いましたけれども、放送衛星につきましては特別会計というふうになっているので直接的には受信料とのかかわりは余りないということを伺いましたけれども、そのあたりの点はいかがでございましょうか。
#14
○参考人(中野正彦君) 衛星放送を実施するための直接経費でございますが、これにつきましては衛星受信者に御負担を願うということで、具体的には平成元年八月から衛星放送につきましては有料化いたしております。それで、経理の面でもこの地上の収支とそれから衛星の収支というものを明確に区分をして把握いたしております。したがいまして、先生御心配の、衛星放送のために地上受信者が負担をしているのではないかという御指摘でございますけれども、今申し上げたように、衛星の実施経費については、衛星の受信料九百三十円でございますが、これをもって賄っているということでございます。したがって、衛星放送実施経費については、地上の受信者には御迷惑、御負担をおかけしていないということでございます。
 御理解をお願いしたいと思います。
#15
○三重野栄子君 そういたしますと、衛星放送の受信者でこういう打ち上げあるいはその番組をつくるという、そういう経費すべてがそれで賄われるということになるのでしょうか。
#16
○参考人(中野正彦君) そのとおりでございます。
#17
○三重野栄子君 衛星放送関係経費といたしまして、昭和六十三年度までの資料をいただいているわけです。しかしこれから、失敗もあったり、あるいは新たな打ち上げということも必要になるわけでございます。放送法第二条の二に「放送普及基本計画」という定めがありますけれども、これらの衛星放送の費用が拡大をしていく、しかしそれは衛星放送受信者で賄えないというような状況というのは全く想像できないのかどうか、そこら辺も含めまして、郵政大臣といたしましては放送普及基本計画を変更することについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#18
○政府委員(桑野扶美雄君) ただいまNHKの方からお答えになりましたように、衛星放送にかかわる経費というのは衛星放送独自で賄っていくような形で運営したいということでございます。そうである限り、日本の衛星放送を発展させるということにつきましては、これはだれもが望んでいることでございますし、特に今私どもといたしましてこの計画を変更していかなければならないというようなことには存じていない次第でございます。
#19
○三重野栄子君 そういたしますと、衛星放送の出発は難視聴解消ということであったと思いますけれども、さらにこの衛星放送が発展をしていく段階においては、この難視聴解消の視点というのはどれぐらいの位置になるんでしょうか。
#20
○参考人(小山森也君) 衛星放送には、今NHKでは二チャンネルを使っているわけでございます。BS1、BS2と申しておりますけれども、そのうちの第二チャンネル、これは相変わらず難視聴解消を目的とする時間を設けてございます。これは、基本計画におきまして、郵政省の方に提出しておりますが、時間数といたしましては六〇%が難視聴解消目的の番組を組むということになっておりまして、四〇%が独自放送ということで、六対四の割合になっておる次第でございます。
#21
○三重野栄子君 それじゃ、もう一つだけその点に関して聞かせてください。
 そうしますと、地上波が見えないから衛星、難視聴解消のためにこの衛星放送が始まったわけですけれど、その六〇%が難視聴解消のためのものであるとすれば、そのことについては地上波を受信している人とは関係がないということになるんでしょうか、受信料としては。
#22
○参考人(小山森也君) 難視聴の方でございましても、やはり衛星第一の方も入るわけでございます。したがいまして、二つの衛星放送で、その中における内訳、放送の内容の時間が六対四ということでございますので、難視聴解消のための特別の料金体系というのは設けてございません。
#23
○三重野栄子君 この点に関しては、後で私も研究させていただきたいと思います。
 次に、ハイビジョンの実用化がもう近いというふうに思われておりますけれども、このハイビジョンの研究の現状と研究費、あるいは実用化された場合の費用というのはどういうふうになるんでしょうか。
#24
○参考人(中村好郎君) ハイビジョンの技術開発につきましては、いろんな設備があるわけでございますが、カメラでありますとかあるいはVTRでありますとか、そういう番組をつくるための設備から、今度はつくったハイビジョンの信号を受信者へお届けするためにミューズという伝送方式をとることにしておりますけれども、ミューズ用の伝送機器でありますとか、あるいは今度はそれを受けてハイビジョンの受像機が必要になるわけでありますが、ハイビジョンのシステム全体についての技術開発は既に完了しておるというように私どもは思っております。
 これからは、一応でき上がった、開発された設備をどのようにして普及して定着させていくかというために、低廉化の問題でありますとか、あるいは信頼度を上げる研究でありますとか、あるいはフラットパネルと申しまして、受像機が大型になってまいりますので、平面のディスプレーを開発するとか、部分的にさらに高度な研究開発が残っておりますけれども、トータル的にはシステム全体としておおよそ開発が終わった、こういうぐあいに認識をしております。
#25
○三重野栄子君 そういう場合に、今度実用化された場合の受信料といいましょうか、そういうのはどういうふうになるんでしょうか。
#26
○参考人(島桂次君) 現段階では、まだハイビジョンは実験放送をやっておりますし、将来これがどうなるかにつきましてはなかなか難しい要素がございますので、今のところ、いろいろの研究をやっておるということでございます。
#27
○三重野栄子君 そういたしますと、この研究費用をNHKだけで一生懸命やられるということは大変経費の負担が大きいのではないかと思います。先ほどの衛星を打ち上げるとか、あるいはこのハイビジョンにかかわっても、ソフトの面はNHKでなさるとしても、ハードの面はどこかほかから経費を支出していくというか、そういうことは考えられないだろうかということでお尋ねします。
#28
○参考人(中村好郎君) NHKは従来からこの放送にかかわる研究を長年やってきておりまして、ことしはちょうど研究所の創立六十周年という節目の時期に来ております。それで、以前からラジオ、テレビジョン、いろんな問題についての研究開発をやっておりますけれども、公共機関としてこれに使う研究開発費には一定の限界があるわけでございますので、そういうできる範囲の中でNHKとしてやらねばならない開発に限って今までもやってきております。あとは、この研究の成果をどういうぐあいに実用化していくかということにつきましては、この技術移転の問題をメーカーさんとの間でスムーズにやっていくということが従来からもやられてきております。こういう点につきまして、効率的に受信料の中で研究開発をやっていくということは、今までどおり今後も続けてまいりたいというように思っております。
#29
○三重野栄子君 技術開発の問題については、受信料の中でということを伺いましたんですけれども、なかなか受信料だけでうまくいくのかどうかということが心配なものですから、先ほどから執拗に伺いまして大変恐縮に思います。
 次に、六十二年度、六十三年度の決算の内容というところまではちょっと入れませんので、その中に含まれております関連団体等への出資のことについてお伺いしたいというふうに思います。
 現在の出資の状況と、それから経営効果という
のがどのようになっているのか、あるいはどういうところに出資をしておられるかということについてお伺いしたいと思います。
#30
○参考人(青木賢児君) NHKは関連団体に対して出資をしてまいっておりますけれども、昭和六十二年度における関連団体への出資は、NHKネットワークサービスなど五団体に対して総額一億七千三百五十万円を出資しております。また、昭和六十三年度につきましては、NHKきんきメディアプランなど二団体に対して総額六千百万円という金額を出資金として出資しているというのが現状でございます。
 こういった関連団体を通じましてNHKの公共放送事業の効率的な支援をしてもらっているということで、これに対する経済的な効果というのは、効率的な番組制作、あるいはただいま技師長が申し上げました先導的な役割、ハイビジョン衛星放送の事業その他について、こういった関連団体がNHKに対して効率的な効果を上げているというのが現状でございます。
#31
○三重野栄子君 六十二年の四月に改正されました内容のもとで公共放送としての効率的な効果ということになりますと、今後どのようにそういう出資の団体はふえていくのか、それはどこまで広がるのかということについて、広がっていけばいくほどNHKの独自でやる分が少なくなると言うと語弊がありますけれども、全部やはりみんな出資をしていて、そこで企業が育っていく。NHKというのは一体どういうことをやればいいのかというようなことの疑問があるんですけれども、そこら辺について御説明いただきたいと思います。
#32
○参考人(青木賢児君) ただいまのNHKの関連団体に対する出資でございますけれども、これは所定の手続を経て出資するというのは、この財源が受信料でございますので当然のことでございます。
 そこで、我々が出資する場合には、まず第一に放送法及び放送法施行令でこの出資の範囲というのが決められております。その範囲内で行うことが第一でございます。なお、さらにその出資に当たりましては、年度ごとに予算を計上いたしまして、その予算を国会で審議をいただきまして、その範囲内で出資を行っているというのが現状でございます。さらに、その予算の中で具体的に出資をする場合に、その都度郵政大臣にその事業内容、出資の内容を御説明申し上げて、認可をいただいた上で具体的に出資するという手順になっておりまして、これについてはきちんとした手続を経て出資するということにしてございます。
#33
○三重野栄子君 ただいま御説明いただきました放送法第九条の二及び放送法施行令の第二条によりますと事業がたくさんありまして、そういうのがありますからというだけでは、これはちょっとどういう範囲まで出資されるのかということがわかりにくいという感じがいたします。
 また、所定の手続をもってしていくということでございましたけれども、国会における予算の提案があったときには、既にもういろいろ計画がされているわけですから、その予算提案前に、どういうところに出資をしたいかということについての御協議というのはどういうところでなさるんでしょうか。
#34
○参考人(青木賢児君) この予算を立案する段階で、NHKといたしましては、次の年度にどのような関連団体に対する事業計画を持っているかということをきちんとこの事業計画の中に入れまして、この予算案を提出する場合に詳細にわたって郵政省に御説明申し上げるというふうな手順を踏んでおるところでございます。事態が非常に大きく変わる場合に、若干その都度、臨機応変に変えるということもございますが、現在のところ、大きな変更というのは今までのところございません。
#35
○三重野栄子君 ありがとうございました。その点につきましては以上のところで終わらせていただきます。
 次に、国際放送の充実強化の問題についてお伺いしたいと思います。
 国際放送というのは、昨年の八月以降大変脚光を浴びております。さきの三月二十六日に私が質問させていただきましたときにも、国際放送は今や短波の時代じゃなくて映像の時代である、そこで国の力をできるだけかりないで精いっぱい努力しているという島会長の御答弁をいただいたところでございます。
 しかしながら、この国際放送がだんだんと拡大すればするほど経費は拡大していくというふうに思いますし、資料を見ますと経費の二五%くらいを国が支出しているという状況でございます。国際放送はNHKの業務として九条一項三号に規定をされておりますけれども、郵政大臣は国際放送実施の命令あるいは放送に関する研究を命令することができるというふうになっております。それらの費用というのはやはり国の負担とするということは三十五条にもあるわけです。今や経済大国の時代でありますし、国際化の時代でございます。NHKの方ができる限り国の力をかりないでと言っておられますけれども、この国際放送につきましては我が国の外交政策の一環としてやはり重視をしていく。このことは受信料で大半賄われるということよりも、もっと国が積極的に費用を捻出すべきではないかというふうに思うのでありますけれども、そのあたりについての御見解を伺います。
#36
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘の国際放送の充実でございますが、本当に今後ますます国際放送の重要性というのは大きなものになってくるわけでございます。したがいまして、いわゆる国の予算においてこれを充実をしていく、予算の獲得になお一層努力をしていきたい、そのように考えております。
#37
○三重野栄子君 今大臣から御答弁をいただきましたけれども、六十一年、六十二年の予算が審議されたときに衆議院でも参議院でもやはりこの国際放送を充実すべきである、それからまた費用も負担をすべきではないかというような附帯決議がついておりますけれども、結果的に見ますと国が負担をしている率は減ってきているわけです。だから、そこらあたりを、お言葉ではなくて、もっと具体的に何かお示しいただけないでしょうか。
#38
○政府委員(桑野扶美雄君) 先生の御指摘まことにごもっともと私ども受けとめております。
 ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、現在の国際放送の経費のうちの国の負担分というのはさらに努力を続けていかなければいけないと私ども思っておるわけでございます。言いわけにも何にもなりませんですが、シーリングの中で交付金の増額というものにつきましてはそれなりにふえているわけでありまして、そういう中で私ども今後もさらにさらに努力をしていかなければいけない。毎回毎回御指摘をいただいておることを本当に真摯に受けとめている次第でございます。
#39
○三重野栄子君 まだちょっと納得がいかないわけです。というのは、さらに努力をすると言われますけれども、結局は受信料を払っている国民の責任において国際放送が行われているという結果になろうかと思うんです。もちろん、出資をしたり、経費を節約したりしてNHKでは努力をいただいておりますけれども、結果的にはやはり受信者の負担によって行われていると言いましても過言ではないのではないか。そういうことから、これは国がやはり積極的にされるように、さらに強力に要請されますようにお願いしたいところでございます。
 次に、放送権料の問題についてお伺いしたいと思います。
 決算資料でオリンピックの放送権料の大きさということを知りまして、これは大変なことだと思いました。ソウル・オリンピックは七十二億七千九百万円、九二年のバルセロナ・オリンピックの放送権料は八十億五千万円とほかに協力金として七億円を負担するということが合意されたというふうに伺っておりますけれども、こういう放送権料というのはどのようにして決定されていくのだろうか。それからまた、民放との関係はどういうふうになっているのでしょうか。そしてまた、オ
リンピックだけではなくて、こういう放送権料というのはどのようになっているのかということをお伺いしたいと思います。
#40
○参考人(島桂次君) 先生がおっしゃるとおり、オリンピックの商業化と申しますか、オリンピック大会の経費を放送権料、各国のテレビ会社が放映する料金で賄うという傾向が特にロサンゼルス・オリンピックから非常に急速に進んでまいりました。ロサンゼルス、ソウル、バルセロナ、こういう大会ごとにこれが倍々ゲームみたいな形で上がってくる、先生御指摘のとおりの数字でございます。
 そこで、私はモスクワ・オリンピックの苦い経験を経まして、私と民放連の首脳部と相談いたしまして、これはほかの国では例を見ないんですけれども、ジャパン・プールという新しい組織をつくりました。NHKと民放が競合してやりますとどうしてもそれ以上に上がってしまいますので、ジャパン・プールを結成して、それでロサンゼルス、ソウル、バルセロナとやってまいりましたわけでございます。しかし、今度アトランタで開かれることになっております。これにつきましては、もう既に私のところへ何遍かアメリカのアトランタの組織委員会から一億ドル以上の金を非公式に要求してきております。これはNHKにとっても民放にとっても大変な問題でございますので、これから鋭意できるだけ安くやれるようにやっていかなければいかぬな。いずれにしても、このオリンピック放送権料がどんどんどんどん高くなっていくというのは、非常に我々にとって痛い問題であることは事実でございます。
#41
○三重野栄子君 このオリンピックの視聴率はどれぐらいなんでしょうか。
#42
○参考人(島桂次君) 種目によって相当違うのでございますけれども、例えば開会式、これもまた大会によって違うわけでございますけれども、開会式は一番多いときには五〇%以上の視聴率がございます。それほど見ていただけない競技種目もございますので、大体平均しますと二〇%前後かな、現在正確な数字は計算しておりませんけれども、そんな感じだと思います。
#43
○参考人(小山森也君) 先ほど三重野委員からの御質問の中で、私ちょっと間違ったお答えを申し上げましたので訂正させていただきたいと存じます。
 実は、難視聴で地上系のテレビが見えなくて、衛星しか見ないというところにつきましては特別契約というのを今設置いたしまして、これにつきましては一千四十円ということになっております。訂正させていただきます。まことに申しわけございませんでした。
#44
○三重野栄子君 ありがとうございました。
 それでは、最後に一点お尋ねしたいと思います。受信料の免除の問題でございます。
 これは五十三年以降順次廃止をされてきております。学校放送につきましては五十五年度それから五十八年度、大学、高専そして高校が廃止されてまいりましたけれども、六十三年七月以降、現在免除措置を実施されている学校についても廃止をしたいということのNHKの要請があるようでございます。
 学校放送は、番組編成についても第三条の二第三項で細かく決められておりますし、第二条の定義では「「教育番組」とは、学校教育又は社会教育のための放送の放送番組」という定めが具体的にしてございます。したがいまして、私は教育放送はNHKの一つの事業であっても、本来受信料免除ということよりも、学校教育をつかさどっている文部省の業務の一端をNHKが担っているのではないかというようなことを感じます。文部省は、NHKの要請に対して、検討期間の延長を求めているということでございますけれども、現状はどのようになっているかということをお伺いしたいと思います。
#45
○参考人(諏訪恭也君) お答え申し上げます。
 受信料免除については、これまでの国会附帯決議の経緯、NHKの長期展望に関する審議会の提言もありまして、国等による財源措置の実現を前提に基本的にはすべての免除措置を廃止するということになっておることは御承知のとおりだと存じます。なお、実施に当たっては関係機関の協力を得て円滑に行うというふうなことにしております。
 それで、施設を対象とした免除措置の見直しを最優先に、小中学校などの教育関係施設、それから社会福祉関係施設の免除を廃止するため、国等による財源措置の実現に向けて取り組むことといたしまして、円滑な廃止の実現に向けて今努力をしております。本年度も関係各省に対しまして免除措置廃止のための要望書を出しました。廃止に伴う財源措置を要望したわけでございます。平成二年七月三十日に文部、厚生、法務各大臣あてに会長名の要望書を出した次第でございます。
 これに対して、文部省等関係機関からは免除措置の継続を要請してきております。すなわち、平成二年九月十九日には会長あてに免除継続要望書が文部省から提出されましたし、そのほか厚生省、法務省及び全国市長会、町村長会等から免除継続の要望が出されているというふうな状況でございます。
#46
○三重野栄子君 その結果、NHKとしてはどのようにお考えでしょうか。
#47
○参考人(諏訪恭也君) 今後とも関係機関に対して、この基本姿勢にのっとった要望を粘り強く続けていくつもりでございます。
#48
○三重野栄子君 そういたしますと、この免除の問題につきましては、関係省庁にはだれがどのように要望していけばよろしいんでしょうか。NHKだけがこうなさるということなんでしょうか。
#49
○政府委員(桑野扶美雄君) NHKの受信料の免除につきましては、郵政省といたしましてもNHKのお考えが十分理解できるわけでございまして、NHKのお考えを実現すべきだというふうに存じております。そういう意味で、私ども従来から関係省庁に対しても連絡をとりまして、郵政省という立場からもNHKのお考えを促進する措置を、側面的でありますけれども、やっておる次第でございます。ただ、やっぱり円満に解決しなければいけないと思いますものですから、なかなか先生方の気持ちを実現するのに時間がかかっているという状況でございます。
#50
○三重野栄子君 今郵政省側からも御答弁をいただきましたが、現在の状況といたしましては、八九年十一月に国連は子供の権利に関する条約を全会一致で採択しておりますし、日本政府も九〇年九月二十一日に署名をしております。既にこの条約は国際法として発効しておりますし、日本政府も批准の準備をしているところでございます。この条約には、二十八条に中等教育の無償を定めておりまして、少なくとも高校の授業料とかあるいは教科書を無償にするという、そういう措置が必要ではないかという議論もされているところでございます。そういう意味で、教育の一環としてはこの教育放送、教育番組の費用負担につきましては、これからも積極的にNHKあるいは特に郵政大臣が文部省の方に要請をしていただきたい。
 その前に、私は先ほどから国際放送は国が出すべきではないかとか、あるいは教育放送につきましても文部省がというふうに申しておりますけれども、しかしその放送の内容につきましてはやはりNHKの目的にあります不偏不党の立場でやっていただきたいわけでございます。それを前提にいたしまして、この教育番組の費用負担について大臣の所見を伺って、終わりにしたいと思います。
#51
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生の考え方、教育の問題あるいは国際放送の問題、そういうようなものは国の立場で指導といいましょうか、鋭意努力をして発展をさせていくということが必要であるというお考えであろうと思うわけでございます。そういう意味におきまして、文部省に対しましても、衆参両院の附帯決議を達成するべく私も対処をしていきたい、そのように思います。
#52
○三重野栄子君 どうもありがとうございました。終わります。
#53
○山田健一君 三重野委員から六十二年度、六十三年度決算に関連をして今お尋ねがございました。三重野委員の御質問に関連をいたしまして、さらに私も先般の四月十九日のBS3Hの打ち上げ失敗、この件に関してまずお尋ねをいたしたいと思います。
 この四月十九日の失敗についてNHK会長の談話というものが私たちの手元に届けられまして、「今回の打上げの失敗は、非常に残念である。BS―3aの状況は完全とはいえないが、近くBS―3bを打ち上げる予定でもあり、NHKとしては、受信者に迷惑をかけることのないようにしていきたい。」、こういうことが冒頭に書かれているわけであります。考えてみると、去年のBS2Xの失敗、そして3aも、先般もNHK予算の審議のときに私も質問させていただきましたが、相次ぐトラブルが発生をしておる。NHK、衛星放送、こういったものに対する国民の大丈夫かなという一つの不信、あるいはまた放送衛星そのものの安定運用、こういったものにもいろいろと大変疑問が投げかけられておる、こういう状況の中で今回の3Hが打ち上げ失敗、立て続けにこういう事故なりトラブルが発生をしておる。
 こういう状況の中で、打ち上げの失敗は残念である、受信者に迷惑をかけないようにしていきたいという気持ちはわかりますが、こういう受けとめ方でいいんだろうかな。これからいわゆる将来の問題を含めて、今年度で普及世帯が五百万を突破するというような見方もされておるようでありますし、それだけ普及していく状況の中で今回のこの事故、こういうものを会長はどういうふうに受けとめておられるのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
#54
○参考人(島桂次君) 先生御指摘のように、二回にわたりNHKが上げました衛星が失敗いたしましたことにつきましては非常に申しわけなく思っております。私は、衛星放送を本格的に始めたときからどうしても二機体制が必要である、一つだけ上げていたんではだめだ、補完衛星を必ず上げるべきだということで、国と協力してやっているBS計画と別に、NHKだけの費用で2Xと3Hを上げたわけでございますけれども、この失敗についての全音任は私にございまして、まことに申しわけないと思っているわけでございます。
 しかし、先生おっしゃるように、ただ申しわけないだけでは済みません。私は、これから先どうしたらこれにかわる補完体制ができるかということを、失敗したその日から一生懸命になって、全世界のいろいろの業者、国内も含めまして、どうやったら一日も早く補完的な機能ができるかということで今鋭意検討しております。普通、この種のものをオーダーして打ち上げるまでには二年ないし三年かかるわけですね。そうじゃなくて、もうちょっと短い期間で一体これができるかどうか、それを今懸命にリサーチしているところでございます。
 これは、どこでどのぐらいの金でいつごろ上げられるかということがある程度一応決まりましたら、早速郵政大臣以下関係者の方々に御相談申し上げて、それで計画を固めていきたい。ただ座して八月に上がるBS3bの成功だけを祈っているというんじゃなくて、可能な限りの手を打っているつもりでございますので、いずれそういう計画が明らかになりましたらまたいろいろ先生方の御意見を聞きたい、こう考えているところでございます。
#55
○山田健一君 不幸としか言いようがないんですが、NHKで2Xそして今度は3H、補完機をということで別に取り組まれてこられた、これがことごとく失敗をする、こういう状況で、何とか早く補完機をと言われる会長の気持ちもわかります。
 実は、私は去年の三月の逓信委員会で、これは2Xの失敗の後を受けて御質問をさせていただきました。いろいろ故障が出てきて見えなくなったら一体NHKはどういう補償措置をとろんだという、不幸にそういう状況になった場合はどうだとこの料金の問題を含めて質問させていただいたわけであります。そのときに会長は、「衛星放送をもう既に始めた公共放送の責任者として、そういう事態がもし生ずれば、これはもう死んでも死に切れないというふうに考えております」、「放送事業者として大変なことだという、つまり法律を超えた非常な道義的な責任ということをかねがね私は考えております。」、こういう実は答弁をされています。
 今回の場合もその覚悟で、補完機の言ってみればすぐリサーチに入っておるということでありますから、当然そういう気持ちの上に立たれて私は今回も今作業を進められておる、こういうふうに受けとめさせていただきたいと思っております。
 とにかく、今回のトラブルも発生をする、そしてまたこの前の委員会でも質問しましたけれども、BS3a、これが停波をした、この原因もまだ明らかにされておらない、こういうことで、やっぱり不安といいますかそういうものが募っていくという、これはもう当たり前のことであります。
 その辺郵政省、BS3aの例のトラブルが出まして停波になりましたね、あれの原因はまだわかりませんとこの前の委員会のときの答弁であったわけでありますが、その後この3aのトラブルの原因というものが明らかにされておりますか。このままで大丈夫なんだろうか。会長の先ほどの談話の中にもありますように、BS3aの状況は完全とは言えないがという状態で今も続いているわけであります。そういうことになりますと、この先行きに対してのやっぱり不安定な状況が続いていくわけであります。3aの状況は解明をされ、手が打たれたかどうか、その点についてはどういう報告を受けておられますか。
#56
○政府委員(白井太君) ただいま先生がおっしゃいましたように、三月の十九日、夜の九時過ぎにBS3aの出しております三つの波が同時にとまりまして、短いものはもうすぐじきに回復をしたわけでありますが、長いのは四十分くらいかかってやっと回復したというような事態がございました。
 この原因につきましては、まだ原因として断定するという段階ではありませんが、いろいろな各種のデータを専門家が分析したりしました結果、一応この原因としては、このころに起きましたかなり規模の大きい太陽爆発の影響によりまして、太陽からの電子が非常にたくさん衛星の方に飛んできたということからきた一過性の原因によるものと推定してまず間違いないだろうというのが関係の方々の現在での見通しでございます。したがいまして、そうした一過性の理由であるということから、特に3bについてこのために特別の対策をとるということは必要がないのではないだろうかというふうな見方をしているところでございます。
#57
○山田健一君 いや、もう一回ちょっとお尋ねしますが、3bに対して特別な措置をとる必要はない、間違いないですか、それで。
#58
○政府委員(白井太君) 3aにつきましては、ただいま申し上げました三月十九日の停波のほかに、昨年の八月、打ち上げ直後に実は予定しておった電力量の発生がないということがわかりました。この点につきましては、原因はこの停波の場合とは違うようでありますが、こちらの方の原因というのは太陽電池の一部にショートがあったというふうな見方をしております。このために、3bの太陽電池の部分につきましては、そういうショートなどがないかどうか、あるいはショートを起こすような危険性があるものは少し回路を変更するとかいろいろな措置をとり、なお確認試験などを慎重に行っておりまして、その点では3aで起きたと思われるような事故については3bでは絶対起こさないような最善の努力を今続けておるというふうに聞いております。
#59
○山田健一君 それならわかります、3bは特別あれしなくてもいいというように今受けとれましたので。これは、もうこの前も言いましたように、BS3aの評価、宇宙開発委員会が出しておりますね、あれを見ても3aと3bは全く一緒だ
と、同じような製造工程を踏んでできておるわけでありますから、同じものをまた打ち上げる、また電力の問題が出たんでは困るんで、そこら辺の措置をきちっとやっていただきたいとこの前も申し上げて、そのように措置をされておるという今の御答弁なので、そういう心配はないものだというふうに受けとめさせていただきます。
 同時に、先ほど御答弁がありました、BSの2bで当面補完の関係は対応していくということでありました。この2bも、去年いろいろやっているときは、ことしの一月まではもちますよという話だったんです。いつの間にか、この前からいろいろ話を聞いておると、今度は五月までは大丈夫だということになってきておるんですね。だから、多少その辺はサバを読んで言ってあるのかなと思うのでありますが、実際のBS2bの現在の技術的な意味での状況、状態、大丈夫なのか、この辺の点についてほどうなっておるんですか、実際には。
#60
○参考人(中村好郎君) 2bがいつまでもつのかという御質問でございます。
 衛星は、もう先生よく御存じのとおり、地球の自転とその衛星の静止の状態というのが少しずつ時間的にずれるものですから、燃料を使ってアンテナをいつも地球の方に向けておくという姿勢制御をしなくちゃいけないわけです。この運用につきましては通信・放送衛星機構がやってくださっておるわけですが、2bにつきましては燃料がだんだんなくなってまいりました。以前には確かに一月末でもう終わりだという御説明もしたわけですが、残燃料をどう測定するかというところが、燃料が減ってくるに従ってだんだん誤差が多くなるという状況もあって、いつまで大丈夫だと、いつまでだめだと正確には読みとれないという衛星の残燃料の測定の問題があって、一月になったり五月になったりということになるわけですが、ただいまのところでは五月末までは今のこの状況で受信可能だというように報告を受けております。
 じゃ、六月以降ほどうなるのかということですが、これはもう既に燃料がございませんので衛星から来る電波が徐々にずれていく、そのずれていき方が、日本の周辺の例えば沖縄でありますとか北海道の稚内の方でありますとか、そういうところからだんだんずれが出始めてくるということであります。じゃ、それがどういうような状況でだんだん悪くなっていくのかということにつきましては、今通信・放送衛星機構の方でいろいろ分析をしていただいているという状況でございます。
#61
○山田健一君 一応五月末までは大丈夫だという今の御説明をそのまま受けとめさせていただきます。
 3aについては、つい先般も通信・放送衛星機構、宇宙開発事業団が、五月中旬から八月の中旬、こういう言い方になっておりますが、八月中旬までは結局三チャンネルは難しいということで、JSBとの関係でどうするかということに相なっておるわけであります。八月に3bを打ち上げますね。打ち上げて、実際に運用が開始をされるのはやっぱり十月、十一月ころになるのではないか。結局2bで補完をしていったとしても、五月の終わりで燃料が切れる。そうすると、この間というのはもう全くの3a一つ。それもいろいろ先般からトラブルが発生をしておる。今会長が言われたように、何とか一生懸命になって衛星を探してくるということで対応するということになっても、すぐそれに間に合わせてやっていけるかどうか。
 結局、この八月の中旬以降、3bが運用開始になるまでは完全な一機体制、綱渡りのまさに状況ということになるんではないかというふうに思いますが、そこら辺はどういうふうにお考えになって、どういう対策が考えられているのかお尋ねをいたします。
#62
○参考人(中村好郎君) 2bにつきましては、ただいま申し上げましたように、完全な状況ではありませんけれども、六月以降、周辺では電波が弱くなっていく状況が出てまいりますけれども、一応大半のカバーはできるだろうというように見通しとしてはあるわけです。それで、残るのは3aでございまして、3aは先ほどもお話があったとおり、五月の中旬から八月の中旬まで二チャンネルしか働かない、こういうことでございますので、この二チャンネルと2bとの間の中でどういうぐあいにこれを運用し、サービスを継続していくかということになるわけでございます。
 NHKといたしましては、できることなら3aの二チャンネルを使ってそのまま放送継続をしていきたいというのがただいまの私どもの願望でございます。しかし、四月一日から民間のJSBも営業しているわけでございますので、今NHKとJSBとの間でこの期間の運用についていろいろ協議を重ねてきておるという状況でございます。
#63
○山田健一君 いや、それはまた聞きますけれども、3aの一機体制で、補完のない状況で2bが要するに五月で切れるわけでしょう。それ以降の状況というのは、結局またそれこそ神に祈るようなつもりで待っておるということしかないのですかということを私は聞いているんです。
#64
○参考人(中村好郎君) 3aにつきましては、四分の三の発生電力しかないという状況が出ております。それから、先ほどお話がございました三月の十九日に瞬間的に三チャンネルの電波が切れたという状況がございますが、約十カ月くらい運用してきておるわけですが、それ以外の点につきましては安定に働いております。春の食の期間も大変安定に働いておりますので、私どもとしては、先ほど言いました問題以外は非常に安定に働いているんじゃないのかなというように、3aについてそういう現状を御報告できるかと思います。
#65
○山田健一君 会長の談話にもありますように、BS3aの状況は完全とは言えない、こういう状況で迷惑かけないようにしなけりゃならぬ、こういうふうに言われておるのであります。今のところ3aは大丈夫ですと、これは何にもないわけですからもうしょうがない、そういう答弁になるんだろうと思います。
 あと、これは郵政省としても、今日までの放送政策のあり方といいますか、あるいは衛星を打ち上げていくスケジュールなり補完体制のあり方、さらにはさっきも話が出ましたけれども、JSBがこの四月から有料放送を開始した、NHKだって平成元年の八月ですか衛星放送料金を導入した、こういった一連の放送政策といいますか、国としてもやっぱり大変な大きな責任があるというふうに思うわけでありますが、一体こういった状況を郵政省としてどう受けとめられておるのかお尋ねをいたしたいと思います。
#66
○政府委員(桑野扶美雄君) 大変深刻に受けとめておりまして、そのときそのときにおきましてはいろいろな状況を考えまして踏み切りを、それでよかろうというふうに判断した経緯がありますわけでして、しかし結果的にこういう事態に陥りましたことにつきまして、ただいま私ども大変深刻に受けとめておるわけでございます。したがいまして、3bの後継機といいますか、この次のシステムを組み立てるときにおきましては、当然空の方には二機体制、そしてまた地上には待機させる一機を持っているとか、そういった安全性を加味したシステムというものが検討されなければいけないんじゃないかというふうに受けとめております。
#67
○山田健一君 今日までの一連の経過を踏まえて、それをしっかり教訓として受けとめて、そういう状況がないようにぜひこれは放送政策の中できちっと位置づけをしていただくということが、私は今日ほど重要になってきているときはないのではないかというふうに受けとめております。
 そしてまた、先ほどお話がありましたけれども、NHKとしてはずっと二チャンネルで行きたい。それから、JSBだって四月から始めて、これはもうそのまま放送の継続をしていきたい。こういう中で、先ほど五月の中旬までには何とか協議をしてまとめていきたい、こういうことなんでありますが、実際には二チャンネルしか使えない
という状況の中で、どちらもそれは責任がありますから、これは当然やりたいと。しかし、それはどう調整をしていこうとされておるのか。中旬までに協議をするということになっておりますが、その辺はどういう方向で考えられておるのか、郵政省の方のお考えがあればちょっとお示しをいただきたいと思います。
#68
○政府委員(桑野扶美雄君) 3aが二チャンネルしか使えない時期が五月から八月まであるわけであります。2bにつきましては、その期間、多少は日本の端の方で受信状態が悪くなるんですけれども、とにかく見える、見せることができるという状態でございますので、それを補完的に使おうと、それで三チャンネルを確保していこうというのが今当事者の中で議論されている前提になっております。当然のことながらNHK、JSBが当事者でございますから、この御両者のお話し合いが基本になるわけでございまして、とにかく今週といいますか、きょう、あすにでも両者お話し合いの結果を私どもに御報告いただきたいということにいたしております。それで、当事者でおまとめいただければそれにこしたことはないと思いますし、そうでない場合におきましては、やはり私どもの方でいろいろな点を考えた調整と申しますか、いったようなことをやらせていただくということを考えておるわけでございます。
#69
○山田健一君 手順はわかりました。手順はわかりましたが、これはNHKの方に聞いた方がいいんですかね。2bは多少北と南の方でずれるかもしらぬけれどもというお話ですが、八月中旬まで結局二チャンネルでしょう、3aは。それまで2bは大丈夫なんですか。
#70
○参考人(中村好郎君) 2bが今のままの状況を保持している限りは、徐々に弱くなる範囲がふえていきますけれども、八月の中旬くらいまでは日本の大半のところをカバーできるだろうというように考えております。
#71
○山田健一君 最初は一月までと言われて、さっきも五月末で大体切れる、いやそうは言いながらも八月ぐらいの大半はカバーできる、こういうことの答弁なんですが、これはやっぱり視聴者といいますか国民の方にとってみれば本当に大丈夫なのかな、それはもう必ず不安というのは出てきますし、信頼性というものがやっぱり私は損なわれていくんじゃないか。
 郵政省だって、2bはまあまあ何とか大丈夫のようだ、八月中旬までそのまま引っ張っていってと、そういう前提でこの協議を行っていくということについては、これはやっぱりもしもというような状況がありましたら大変なことになるわけであります。そこら辺のまず2bの状況というものを私たちにももっとわかる形で、きちっと説明がつく形の上に立って初めてその協議の取りまとめというものをしていただかないと、五月末で一応燃料が切れるという状況でしょう。だから、そこら辺を踏まえた上での協議をぜひお願いしたい。万全の措置をやっぱり講じていただくという立場で、放送政策を展開していく上でそういう気持ちをしっかり踏まえてやっていただきたい。どうですか、その点は。
#72
○政府委員(桑野扶美雄君) 2bにつきましては、燃料の問題よりも燃料がなくなっている状態を放置しているという状態である。私は専門家じゃないので又聞きで恐縮なんですけれども、それが南北に徐々にぶれるわけでありまして、それを制御することができないのを放置する状態になっているということのようでございます。そういたしますと、それをもって完全に日本全国をカバーできるのが五月末。そのぶれが少しずつひどくなるわけでございまして、例えば雨が降っているときに石垣島とかあの辺が見える状態が少し悪くなるかなというようなところから始まって、八月いっぱいは日本の中心部、九州の一部とか北海道の一部を除きますとまず見える状態でカバーできるんだというふうに伺っているわけでございます。そういったものを前提にいたしまして、私どもも今後の調整とかそういったようなことも考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。
#73
○山田健一君 それはやっぱり九州の一部と北海道の一部の人は、そういう考え方では文句を言いますよ。それは当然でしょう。
 これは、ちょっとNHKにお伺いしますが、どういう形の調整になるのか。またいろんな3aのトラブルがあるかもしれない、そういう状況の中で、仮に二チャンネルを一チャンネルにするとか、あるいはまた時間帯をどうこうするというような状況になれば、いわゆる受信料との関係でありますが、前回のときに私お伺いしたんですが、故障して見えなくなったらどういうふうな補償措置をとるんだと言いますと、これは受信規約の中にも明記をされておりますが、地上の料金だけを結局いただきます、月に半月以上中断の場合。こういうことでありますが、どういう形でやられるか別にしても、例えば一チャンネルなくなるというようなことになれば、これは当然半月以上という規定どころではなくなるだろうというふうに思うわけであります。あるいは、時間短縮をするなりそういった場合は、この受信料との関係はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#74
○参考人(諏訪恭也君) お答え申し上げます。
 私ども受信料収入を確保する担当部門としても、今回の事態を大変重く厳しく受けとめております。こうしたことはいまだかつてないことだけに、またこの似たケースも全くないというふうなことでありますので、今後受信料の契約収納活動にどういうふうな影響を及ぼすかというふうなことはなかなか予想しがたいところもございます。先生がおっしゃいましたように、仮にその2bに云々というふうなこともありますけれども、私どもの基本スタンス、基本姿勢としましては、こうした問題が今後の受信料制度にもかなり大きく響くというふうなこともありますので、ぜひとも3aによる二チャンネル体制というふうなものを要望しているわけでございます。
 ただ、いろんなケースが考えられますので、そのケースに応じた部内的な検討はそれなりにいたしておりますけれども、関係機関とも今後いろんな相談をしながら、それをどうしていくかというふうなことを考えてまいりたい。いずれにしましても、大変大きな問題だというふうには受けとめております。
#75
○山田健一君 とにかく会長の談話にもあるように、受信者に迷惑をかけることのないように、まずこれが第一点。さらには、衛星放送に対する信頼をどうきちっと回復していくのかということもやっぱり一つの大きな課せられた課題だというふうに思いますので、その点は十分踏まえて今後の対応をお願い申し上げたいというふうに思っております。
 さらに、この衛星放送に関連をいたしまして、番組編成の関係でございますが、小山さんが四月の定例記者会見で、今年度じゅうには普及世帯も五百万を突破するだろう、抜本的な編成方針の洗い直しが必要となってきておる、こういう趣旨のことを述べられておるようであります。衛星放送における抜本的な番組編成の洗い直しというのは一体どういうことを想定されておられるのか。もちろん、衛星放送として難視聴対策を含めて今日まで果たしてきた役割も極めて大きいわけでありますし、これから将来もそういった任務があろうというふうに思いますが、そこら辺の点についてはどのようなことをお考えになっていらっしゃるのかお尋ねをいたします。
#76
○参考人(小山森也君) 私の表現が若干オーバーな形になっているかと思います。ただ、難視聴解消というのはやはり本来この衛星放送の始まりが原点でございますので、私ども、難視聴解消ということに対する衛星放送の使命というものは、これは今後とも変わりはないんじゃないかと思っております。
 なお、抜本的と申しましても、今現在の台数が五百万を超え一千万になりますと見る方も大勢になりますので、そこにはやはり番組編成というも
のに多様性を設けなければいけない。現在多様性がないわけではございません、いろいろ専門的なものを長時間やるということによってそれぞれの幅は狭いながらも非常に深みのある放送をするということになっております。ただ、これが悪いかどうかということも含めて現在のがいいかどうか。私は、現在の受信者の数であるならばこれでよろしいと思いますけれども、これが多数になった場合にどうかということのやはり内部検討は常にしなければならない、こういう意味で申し上げたことでございまして、番組の編成というのはやはり環境に合わせて、我々の使命との見合いで常に見直していくというのが私ども本来の使命だと思っております。
 それが大き目に伝えられたといいますか、私の表現が大きかったことにつきましては、若干新聞記者諸君との関係におきまして不用意だったかもしれません。しかし、私が言ったことは確かでございます。
#77
○山田健一君 言ったのは事実で表現がオーバーだったんだということのようでございますが、衛星放送関係では最後にお尋ねをいたします。
 これは郵政省の方ですが、この3Hの失敗、その前段の3aのトラブル、今までいろいろありましたが、つい先般、郵政省の諮問機関の次期放送衛星問題研究会、これが次期放送衛星BS4、これについては国際入札で調達をするという方針が大体示された、答申されたということなんでありますが、これを受けて実施をしていくということになれば、これはそのままいわゆる外国から調達をするという形になるだろうというふうに、言ってみればアメリカのメーカーからの受注という形になってくるのではないかというふうに見られているわけであります。
 全体的にこれは日米間の流れの中で今日を迎えておるわけでありますが こういう形で今回の失敗さらには昨年の2Xの失敗、いろいろ日本では研究もされ、そして技術的な開発もやられようとしておる、一方でこういう次期放送衛星については国際入札でいくという状況になってきますと、本当に我が国が衛星については責任を持って安定的に運用している、そして実用化されておるというふうに果たしてこれは言えるのかどうなのか。やっぱり何かといえばまた向こうに頼らなきゃならぬという状況の中で、外国にどうしても頼らざるを得ないという状況の中で、これで果たして今後ともこういった衛星なんかについての責任を持った放送政策が展開できるのか。この辺大変危慎を抱いておりますので、この点についての御見解を賜りたいと思います。
#78
○政府委員(桑野扶美雄君) 先生御指摘の新聞の記事でございますけれども、まだ研究会が結論を出したわけではございませんので、その点一言申し上げさせていただきたいと思います。
 ただ、そういうような状況になりましたということを仮定した場合におきましてでございますけれども、御指摘のように、BS3後の放送衛星につきましては、宇宙計画、開発計画とは別の実用衛星でございますから、特に国産に限らなければいけないという枠はなくなるわけでございます。そしてまた、政府あるいは政府関係機関につきましては、透明、公開かつ内外無差別の調達手続によることとなっているわけでございます。その場合に、衛星の調達に当たりましては、単に機械的に値段が高い安いといったようなことで機種を決めるわけじゃないと思います。経済性だけじゃなくて、安全性だとか信頼性だとか、そういった観点からシステム全体に対する評価、国産であろうと外国産であろうと、そういうのにかかわらず十分にそういうことがされなければならないと思いますし、またその結果によります結論で、例えば貿易問題が生ずるということもないというふうに私は思っております。そういう全体の評価を十分して、どこから調達するかということが決定されるべきであろうと思います。
 そういう意味で、今後の安全性が大丈夫かという御指摘でございますけれども、世界全体の中でよりよいそういうシステムというものを調達する工夫というのは今後なされなければいけないのじゃないか、そういうふうに思っております。
#79
○山田健一君 何かわかったようなわからぬような答弁ですが、時間がなくなりましたので、最後に一点だけNHKにお尋ねをいたしたいと思います。
 さっき三重野委員の方からもいろいろ技術研究の関係でお話がありましたけれども、放送技術研究所はちょうど六十周年を迎えられたということでございます。確かに今日までの放送技術の発展というものに大変な貢献をされたというふうに評価をいたしておるわけでありますけれども、衛星放送なりあるいはハイビジョンなり、一つの目玉といいますか、そういうものがあるときはかなり意気込んでということになるんでしょうが、一体これから将来どういうところを重点的に行っていかれようとしておるのか。もちろん、この果たす役割も大事でありますし、この放送技術研究所をNHKとしてはどういう期待を持っておられるのか。
 実際に私も去年お伺いをいたしまして、立体テレビの研究なんかずっとやられておりまして、大変私も感心をいたしました。本当にすごい迫力で見せていただきました。随分技術的な研究が進んでおるなと。あるいは、立体的に音が伝わるというような研究もされておりまして、私たちのような素人が見てもああなるほどなという気がしたわけでありますが、そこら辺の今後の放送技術研究所の位置づけといいますかその役割、そういうものはどういうふうに考えておられるのか。
 そしてまたもう一点は、予算が二十九億二千万なんですね。予算の項目全体の中で調査研究費という項目がありますから、恐らく私はその中に入っているのかなという気がしておるんですが、それが大体五十三億円ということなのであります。平成三年度、ことしの放送技術研究所の予算が二十九億二千万ということで出されております。平成二年度予算が二十九億、ことしが二十九億二千万、ほとんど余り伸びていないという状況ですね。こういった研究に対して、やっぱり先進的な分野を含めて大変重要な部分といいますか、NHKにとっても一つの頭脳になる、中心になるところではないかな。その割には、全体の五千四百億の予算という中で見ればわずか二十九億二千万円、これでいいのかなという心配をいたしておるわけであります。予算との関連で今後この放送技術研究所のあり方、その任務、位置づけ、予算的な措置をどうするか、ここら辺も含めてあわせてお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。
#80
○参考人(中村好郎君) 大変大きな課題を今仰せつかったわけでありますが、まずこれからの研究の方向につきましては、技術革新の中で五年先十年先を的確に見通していくということは大変難しいわけでありますけれども、放送を取り巻く環境が明らかに変わってきているという状況でございます。したがいまして、六十年たったNHKの放送技術研究所の今後のありようも、これはこれから二十一世紀に向けて放送を取り巻く環境が変わってくる中での研究のあり方というものをやはりじっくりここで考えて、将来に対する方向づけをきちんと今やる時期だろうというように自覚しております。
 私を初め研究所の連中こぞって今、将来に向けてどういう研究を重点的にやっていけばいいのかということを議論しておる最中でございます。通信と放送との融合の問題でありますとか、昨今非常に周波数が逼迫をしてきている、そういう中で周波数の有効利用の問題でありますとか、あるいはIC、LSI、そういうような半導体が大変進展していく中で、ディジタルの技術をどう放送に取り入れていくのか。課題はたくさんあるわけでございますので、この辺で基礎研究から実用に至る今までの六十年の歴史を踏まえた上で、どういうぐあいにしていけばいいのかということを的確に検討していきたいということで鋭意やっておる最中でございます。
 それから、研究費につきましては、よその研究所に比較しますと、大体日本国内の研究所のレベ
ルでいきますと真ん中ぐらいに位置づけられているのかなと。しかし、成果につきましては、放送技術研究所という特徴を十分生かしてやっておるつもりでございます。研究費が多ければ多いにこしたことはないわけでありますけれども、何せ受信料の中で有効にこれを使っていくということから、大幅な増額はできないにしても努力はしてまいりたいというように思います。
 それから、これはハイビジョンでいろんな経験をしたわけでありますけれども、これからの研究というのは国際間、ほかの国と一緒になって研究をしていくとか、あるいは実用化という面で言えばメーカーさんと研究をしていくとか、あるいは大学と一緒にやっていくとか、少ない金の中でどういうぐあいに有効にやっていくかということについての知恵もまたこれ絞っていかなくちゃいけないなというように思っております。
 余り十分なお答えにならなかったかと思いますが、現時点では大体そんなことでございます。
#81
○及川一夫君 二人の同僚が各般にわたって質問を展開しましたので、私は衛星問題と労働安全の問題について絞って御質問させていただきたいと思います。
 ロケットを伴う衛星問題ということでは、どうも私が発言をすると何か変なふうになるんで、嫌だなという気持ちを実はしているんです。前の2Xのときには、点火した途端に恐らく宙返りじゃないかと、こういうふうに冗談のつもりで言っていたのが、まさにそのとおり当たってしまった。それから今度の問題でも、十九日に上げますという御連絡をいただいたときにも、これは飛んでいって途中でやるんじゃないかと、こう言ったら、またそのとおりに実はなっちゃったんです。別に私はロケットの専門家でも何でもないんですけれども、何となくそういう予感がしたから言うただけの話なんですが、当たってしまった。しかも、衛星のa、bを補完するという役割のものが二つとも落っこっちゃったわけですね。
 これは一体どういうことなんだろうということを、みずから言葉として発したことを含めて反省しながらいろいろ考えているんですけれども、皆さんだけを責める意味じゃなしに、自分も責める意味で少し甘さがあるんじゃないかという感じがしてしようがないんです。
 例えば、2bの補完という意味で2Xと、こうある。今度3aの補完は3Hと言うんですな。XとH、一体どんな意味があるんじゃと、これ。補完だといって2Xと言ったものが、今度はなぜ3Hと言うんだと。いろいろ聞いてみると、3Hというのは日本語で言う補完の補、ローマ字のHをとったと言うんです。そんなら一体Xの方は何じゃ、これ。わからない。ところで、Xというのはバッテンですよね。縁起が悪いからHに変えたみたいな話に聞こえるんだよ。そんな安易なことでこの問題に処するというのは、これは我々も少し反省しなきゃいかぬなという気持ちがしてしようがないんですよ。
 それと、島会長には別に意地悪を言うてきたわけじゃないんですけれども、国内で七百億もかかるものがなぜアメリカで買ったら百二十億とか百三十億でロケットを含めてやれるのかという、それで私は中古品じゃないかみたいな話をしたら、会長は新品じゃと言って怒ったんですよね。ああそうですか、結構でございますと、こう思ったが、うまくいかなかった。それで、今度のものも同じような大体値段なんです。
 そこで、私は自分なりに調べてみましたら、実は今まで日本で利用する意味での衛星、これを上げた数が四十四回実はあるわけです。郵政省もそうだし、気象庁もそうだし、もちろんNHKもそうだと。あと民間関係もいろいろ上げています。四十四回ある。その中で、衛星が故障を起こしたというのは一回ですけれども、ロケットの打ち上げに失敗したというのは二回あるんですよ、今度の問題を含めまして。どうしてそうなのと思ってずっと見ていくと、実は国産品は全然打ち上げに失敗していないんです。何か知らぬけれどもアメリカの製品だけが、数が多いからしようがないんだ、当たったのが不幸なんだと言えばそれまでだけれども、アメリカ製品、しかも安い金額、別に中古品とは言いませんけれども、どっちにしても何か安くてアメリカ製品でというふうにつなげちゃうと、何となく嫌な感じが私はするんです。
 そして、ニューヨークタイムズの新聞、打ち上げ失敗の話もここに出ているんですけれども、失敗の話をこの新聞で見てみますと、ゼネラル・ダイナミックス社というのは、ロケット打ち上げ、商業用の打ち上げに参加したのはどうもそう長い歴史はないようですね。どちらにしても新規参入者という書き方になっています。何かスペースシャトルから商業用の荷物を積みおろしする、これについては大統領の命令なんかでそういうものに参加したというような記事も書かれて、アトラス計画では三億ドルほどの借財を教えているというようなことも書かれている。しかし、この会社自体は百七十八回もロケットを打ち上げている、にもかかわらず今回こういう事故を起こしたと。七年前にも打ち上げに失敗したが、その原因というものを見ますと、燃料タンクの漏れだったと。それから三年後には落雷によってうまくいかなかったというものがあって、今回の事故はエンジンに点火しなかったということなんです、二段目のときに。そんなことは例がなかったと言うんです。
 それがなぜ今回起きたのかというようなこと等を考えてみますと、まあ推測だから何も断定的に言うわけにいかないんだが、いろんなうわさを聞きますと、日本の通信技術とかハイビジョン技術に対するいろんな意味の恐れがあって、それで何かやったんじゃないかというような陰謀説みたいな話まで飛んじゃっているんですよ、これ。だから、私はやめろとは言いませんけれども、衛星を打ち上げるという場合に、もう少し会社の選び方であるとかそれから製品の優秀性とか、そういうものはかなり慎重に対応しなきゃいかぬのじゃないか。
 さっき放送行政局長が経済的な問題だけでは困りますよという意味のことをおっしゃられましたよね。まさにそのとおりだと思うんです。安くていい物が一番いいわけだけれども、補完が必要だ必要だって飛びつくように安けりゃということでやるようなやり方、恐らくこの委員会でもそれこそ七百億も五百億も補完にかかる言うたらなかなか通らないでしょう。そういうことを含めて少し考えてほしいと思うんですが、この点いかがですか。会長ね、別に責めているわけじゃなしに、私も反省をしながら放送衛星というものをどう考えるかという意味で申し上げたわけですから、いかがでしょうか、感想を聞きたい。
#82
○参考人(島桂次君) 先生御指摘の点もよくわかるのでございますけれども、私は安いからアメリカのロケットを使ったんじゃなくて、残念ながら、2Xの場合も3Hの場合も急いで二機体制をつくらなきゃいかぬ、その場合に国産ロケットの計画がなかったわけでございます。それと、値段は平均的に、私も専門家じゃありませんから詳しい数字は別にしましても、大体費用が二分の一から三分の一で済む。これは今回の私たちが使ったロケットだけではありません。日本のロケットの方がはるかに高いと、現在では。これは、ヨーロッパのアリアンについてもそうですし、ソビエト製なんかに至っては十分の一近い値段で上げているということがありまして、ただ安いから飛びついたということではなかったわけでございます。
 つまり、私はもう従来から、かなりの皆さん方に反対もありましたけれども、二機のバックアップ体制をとらなければだめだ。特にNHKは本格的に衛星放送を始めているわけですから、したがってNHKだけの費用でそれを上げたわけです。しかも、急いで二機バックアップ体制をしなきゃいかぬということでやってきたわけでございます。しかし、先生のおっしゃるように、二回とも失敗したということにつきましては、これは何とも申し開きようがございません。しかしさらに、この二機のバックアップ体制というのは、たとえどんな事情、どんな理由があろうとも、NHKとしてはこれはやらなきゃいかぬ。我々独力でもや
らなきゃいかぬ。もちろん政府、国会の皆さん方の協力を得られればそれにこしたことはないんですけれども、そういう気持ちでやっているわけでございます。
 したがって、なぜ二回も失敗したんだ、この同じNHKが二回連続失敗したなんという例は世界にないそうです、これ。どうしてこんなに不運なのかと言いますけれども、それはもう仕方ありません、私の責任でございます。しかし、そういうことでございますので、安いからそこですぐ行ったということではないということだけはよく御理解願いたいなということでございます。
#83
○及川一夫君 私は、言葉じりをとらえるわけじゃないけれども、安ければということで飛びついたんじゃない、それはそうでしょう。しかし、現実に二つとも失敗したことだけは事実だから、これはやっぱり厳正にみずからにたたきつけなければいかぬというふうに私は思います。
 それと、あなた今バックアップ体制と言いましたね。もともと衛星はバックアップ体制をとっているんじゃないですか。aとb、予備機という意味で。これが基本なんです。これをさらに二回ともバックアップ体制をとらなきゃいかぬと言って力まれると、一体これは何だと。それなら三機上げなきゃいかぬのかということになるでしょう。三機上げなきゃバックアップ体制がとれないと言うなら、最初から提案せんかいということになりますね、これは。どこの国でも、インマルサットを見たってみんなA、Bで一つの仕事をなし遂げようとしているんです。それに対してさらに三機目を上げるような話というのは、緊急事態なんで我々認めているだけの話であって、原則的な提案からいえばそういうものではないということ。そんなところにやっぱり甘さがあるんじゃないかということを、僕はしっかり踏まえてもらいたい。
 そこで次の問題は、先ほどから御質問のあった2bの問題です。先ほど技術担当の理事の方が、軌道修正、つまり制御がぶれてくるからというお話がありました。だから、特に南と北の関係で崩れてきて何か映りがよくなくなる、やむを得ないんだみたいな話。なぜ直さないんですか、それ。直したらいいじゃないですか、2bで。2bで直したら一体どうなるんですか。衛星というものはもう燃料が生命でしょう。燃料を大量に食うんでしょう。大量に食うということは、五月までにも間に合わなくなってしまう。生きていけないかもしれない。だから、もうそのままにして、何か東西のぶれを直すのはそう燃料がかからぬそうだけれども、南北のは電池、燃料というものを大量に食う。すると、2bの寿命もぐっと短くなるからという意味で、軌道修正をしないでそのまま使おうという発想なんだろうと思うんですよ。ある意味では仕方がない、技術だから。
 しかし私は、じゃそこで一体受信者から見たらどうなるんだろうと。何か東京新聞がすっぱ抜いたのかどうか知りませんけれども、「難視聴地域にはNHKが受信料返還など視聴者に納得してもらえる対策をとる」ようなことが書かれているわけです。しかし、本当に今の時点で2bで、どこからどこまでは映像がふらふらしていてだめで、どこからどこまでは確実だということを断定できますか。相手は宇宙にいるんですよ、宇宙。それで、仮に北海道と九州だと、こう断定しても、要するに時間がたつごとに我々が想像した以上に燃料や電池の消耗が激しくて、それで今度はいや東北だ、いや中国だというふうに、それこそ電波の行き届きが緩くなっていったらどうなるんですか。絶対に大丈夫ですよ、こう言い切ったらなおのこと、じゃそうなったときに、予定も予想も言われもしなかったところが難視聴的になっちゃったら、受信料を払っている方から言えばどうするんですか、これ。それこそ屋上屋を重ねるようなやり方に僕はなっちゃうと思う。
 だから一番いいのは、収支のことを度外視すれば、五月から八月まではできませんから受信料をお返しします、放映はしますというふうに言い切ってしまった方が、僕は責任の問題としては少し軽くなるんじゃないかという気もするんですよ、要するにうそをつかなかったという意味で。だから、大丈夫らしいとか大丈夫だとか、まあいけるんじゃないかとかいう発想で受信料を取っている衛星一、二の問題について対応するということは、一体どうなんでしょうか。こうなると僕は、NHKの問題というよりも、行政監督官庁の郵政省さんいかがですかというふうに言わざるを得ないんですが、郵政大臣、いかがですかね、こういう問題は。
#84
○政府委員(白井太君) 先ほど来のお話とダブりますので、その点はお許しをいただきたいわけでございます。衛星の寿命は、もちろん残っている燃料の問題にむしろ尽きると言っていいわけでございますが、その残っている燃料は主として姿勢を制御するために使われるわけでありまして、最後は現在の軌道から外しておくということのためにも若干の燃料が要るということのようでございます。
 それで、現在2bについてどれだけの燃料が残っているのかということは、これはもちろん衛星を直接見て調べるわけじゃありませんので、これも推計によるということにならざるを得ないわけでありますが、その推計によりますと余り燃料が残っていないということのようであります。したがいまして、今及川先生の方からお話が出ましたように、特に南北にずれている衛星の位置を直そうといたしますと相当な燃料が要るけれども、現在残っている燃料をそれに使う、あるいはそれを使っても姿勢というのは完全には直らないかもしらぬというようなことから、南北の姿勢を直すということをしないでおるわけであります。特に衛星をできるだけ長く使おうということになりますと、姿勢制御の方を実は犠牲にせざるを得ない。
 そうなりますと、先ほど来お話が出ておりますように、特に沖縄の方あるいは北海道の一番北の方から、例えば雨のときに見えにくくなるとかというようなぐあいに、徐々に放送の状態が悪くなってくるというのが少しずつ広がってくるということのようであります。その広がりぐあいについては、技術関係の者にいたしますと、かなりの確度でその推計はできるのではないかと言っておるわけですが、現実はそういうことでありまして、南北の姿勢のズレというものをそのままにして犠牲にしておきますと、寿命はかなり延びる可能性があるということのようでございます。
#85
○及川一夫君 僕はもうそれはわかった上で言っているつもりです。
 問題なのは、郵政大臣、どちらにしても受信料をちょうだいするというのは法律で決めていることでしょう。だから、チューナーがありアンテナがあれば、この人たちは衛星放送を見ているという前提に立って、受信料を下さいと、こう取り上げるわけですから、もうノーもイエスもないんですよ。そういう受信料の性格だということになれば、それに対するサービスというのは完璧にやらにゃいかぬわけでしょう、これ。それが崩れるわけ。また、崩れるおそれがあるわけでしょう。だから、それに対して本当にどう対応するのかということについて受信料を返すのも一つの方法でしょう。しかし、発生主義でいくのかと。おれのところは乱れてどうにもならない、NHKけしからぬ、はあ、受信料をお返ししますと、そんなことで一々やっていたら大変なことでしょう。
 私は、この辺はきょうは結論をいただこうとは思いませんけれども、NHKにはNHKの責任はあるでしょうけれども、やっぱり行政当局としても、法律で受信料をいただいているんだという前提に立ったときに、JSBどころじゃないと思うんですよ。あれは任意にお互い契約し合っているんですからね。だから、その限りにおいて話し合ってサービスを提供しなければお金は取りません、お返ししますということで、ごちゃごちゃあっても私は成り立つと思う。しかしこっちの方は、ある意味では有無を言わさず取っている形になっているわけですから、やはり完璧なサービスということを考えたら、そういう事態に対して新聞に今こうやって報道されているような程度でいいのかどうかということに私はなると思うんで、
その辺はひとつ郵政大臣、十分考えていただけるかどうかということについてお伺いします。
#86
○国務大臣(関谷勝嗣君) その点につきましては、おっしゃいますように、そういう結果が生まれて対処をするということじゃなくして、その前段階でどのようにやるかということを今鋭意検討させておりますので、早急にそういうようなことも公にしたいと思います。
#87
○及川一夫君 時間もありませんので、次に労働安全にかかわるNHKの基本的な姿勢についてちょっとお伺いしたいなと思っております。
 ところで、これ大臣には失礼かもしらぬけれども、問題意識を持つためにお伺いをしておきたいんですが、堤大二郎事件というのとか、勝新太郎さんの息子さんの事件、いろいろやっていて傷害が起きましたですな。あるいは交通事故が起きたわけですよ。こういう事態については御存じですか。知っておられるのか。
#88
○国務大臣(関谷勝嗣君) 存じております。
#89
○及川一夫君 そこで、実はどなたも取り上げなかったものだから、私の経歴から言うと労働安全問題というのが仕事の一つだったものですから、余計なことかと思いましたけれども、決算委員会でこの堤大二郎さんの問題を取り上げたのであります。
 これはもう警察庁から言えば、道交法問題でひっくくっちゃって、人が死んだり重傷を負っているという事態なものですから、免停は免れないし、同時にまた交通刑務所に入るような話にもなります。それでは困るということで、ファンの人が中心だろうと思いますが、また俳優協会なら俳優協会の中でもいろいろ問題になってまいりました。これは交通安全でとらえる問題と違うと、労働安全の問題じゃないか。ジープを改造してみたり、そのジープに規定にないものをどんと載っけてみたり、定員オーバーでもって四十キロで走らせてみたり、だれが走らせたのかといえば監督ですわな。プロデューサーが要するに走らせているわけですよ。
 そうなりますと、一般の仕事になぞらえたら、監督者というのは大変な問題になるわけでしょう。直接手を下してなくたって前科一犯になるという事態なんだから、堤大二郎さんには大二郎さんなりの問題はあったにしても、しかし監督の絶対命令という中でやられる仕事ということを考えますと、堤大二郎さんを交通違反というか、そういうものでとらえるのは問題がある。こういうふうに決算委員会で労働省にお尋ねし、労働大臣にお尋ねをして、相わかったということになりまして、それで労働省が行政通達を出して、俳優さんや映画制作にかかわる問題での労働安全、労働災害防止について次のようにやるべきだということで通達が実は出されているという経過のものなんです。
 したがって、当時NHKの問題も問題にしたんですが、NHKとしては、今この安全対策とかあるいは労働災害を起こさないようにというと意味の対応はどんなことがありますか。簡単でいいですからお答え願いたいと思います。
#90
○参考人(小山森也君) 従来から私ども労働安全ということにつきましては、仕事そのものが人によってつくられるものでございますので、一番大事なことだと思っております。また、先生御指摘の労働省の労働基準局長から平成元年三月十三日に通達が私どもの当時の協会の会長池田芳蔵あてに来ております。私どもは、もともとこれにつきましては十全の措置はしていたつもりでございますが、直ちに四月十八日付をもちまして本部各局の関係担当部長並びに各放送局の庶務担当部長、これはすべて安全衛生に関する担当者でございます。これに対しましてさらなる注意を喚起したところでございます。
 しかし、これでは余りにも抽象的過ぎるということでございますので、私どもといたしましては映像制作現場の安全基準というものを一つつくっております。これは、列車を使うときはどうしなさい、船舶の場合はどうだとか、自動車それから寒冷地の場合はどうかとか、熱暑地、非常に炎天下の作業のときはどうかとか、あるいは山とか谷とかがけでやるときはどういうことをやりなさいというものを詳細につくっております。また、爆薬を使うようなときはどうするか、それから火気使用の場合、マッチや何かでございますが、こういった場合は必ず関係当局の許可を得なさい、こういうことでございます。
 また、私ども制作には殺陣というものがどうしても入ってまいりますので、これにつきましても特別に殺陣安全基準というものをつくっておりまして、刀とかやりとか短刀、包丁、ナイフというぐあいに、そういったシーンは原則として木製以外使わない、例外的には竹を使ってもよろしい、だけれども原則としては使ってはならない、こういうようなことをやっております。
 と同時に、私ども制作体制、ほとんどの制作は職員がスタッフになっております。例えば、エンタープライズに制作を依頼することはありますが、このときもこれについてのスタッフはNHKから出向しているというようなことで、これについては非常に注意を払っているというのが現状でございます。
#91
○及川一夫君 それで十分か不十分かという問題があると思うんですけれども、映画関係者の集まりである日本映像職能連合、会長さんが大島渚さん、それから日本俳優連合、理事長が森繁久彌さん、映演共闘会議、これは労働者の皆さんのお集まりだと思いますが、議長さんが堀江さんという方になっているわけですが、この三つの団体が一緒になって、映像制作現場の労働災害防止ということについて気持ちを合わせて具体化していかなきゃいかぬということで行動をとられていますね。NHKにも行ったと思うんですが、おいでになりましたか。
#92
○参考人(小山森也君) 三月二十八日の午前十時に来られております。
#93
○及川一夫君 それで、先ほど小山副会長からお話のあった安全基準的な物の考え方を並べられましたわな、項目的に。殺陣の話であるとか火気の問題だとか、この「映像製作現場の労働災害を防止するために」という、この中にはそれが入っています、具体的に内容が。これに照らしてみてNHKはどうですか、大体こういったことはやられているというふうに認識してよろしいですか。
#94
○参考人(小山森也君) 私どもはそれに準じてやっているというふうに自信を持っております。
#95
○及川一夫君 そこで、NHKがそういう態度をとっているということはわかりましたが、ただこの中には安全管理のための経費については別建てにしてほしいと、プロデューサーとの関係でね。いろんな会社との関係で契約されるんでしょうが、そのときに、この安全対策のための経費については別建てにしてほしいというのがこの中に入っておるんです。ところが、これに対する受け答えでは、なぜそういうことを言われるのかわからない、どんな意味があるんですかというようなどうもやりとりであったようですよ。
 そうしますと、せっかく小山副会長が言われていることが、なるほどこのとおりにふさわしいものでやっているし、またもっとやらなければいかぬと思っているなと、こう私が受け取っても、今御紹介したようなやりとりということになると、それこそ何となく心がこもっていないじゃないかというふうに感ずるんです。
 私は、私の経験では安全管理費を別建てにしたんです。NTTの子会社の工事がありますね、事故が起きてしようがないものだから、労使とそれに労働省の安全部長、それから建設省の安全関係の仕事をされる部長を入れて、労使に関係業界も含めて、いかにして防止するかという議論の中で、一つの問題提起として安全経費は別建てにすると。なぜするか。契約でトータルでやるときには安全経費は入っているんだけれども、もうこれ途中でみんなぽっぽしちゃうわけです、下請の人たちが。苦しいからだろうと思うんですけれどもね。そうすると、結果的には安全の対策を立てないで作業をやって事故を起こしている、こういうことが大きな問題になったからなんです。したが
って、これはぽっぽしてはいけません、安全のために使うお金ですよということを前提にして、それを確認して今やっているはずです。
 だから、この三団体の皆さんが安全対策のための費用は別建てというふうにしてくれと言うたことは、やっぱり現場の反映なんですよね。私はそうとっている。だから、そういう意味合いになるまでやらなければいけないと思うし、またアメリカではロケに対しては保険料は義務でしょう、あれ。義務になっていますよ。NHKのプロデューサーの中でも保険を掛ける人が出てきているはずです。これは個人的に掛ける問題と違うんですな。制作を依頼する側が当然のこととして考えなければならぬ問題だと私は思うんです。
 ですから、そういうことを含めてこの問題に対しまして、そういうことに対してNHKは、言われたことは言われたこととしてよくやろうとされているということですから、そういうことはよく理解しますが、安全という問題に対する基本的な姿勢というのは、やっぱり安全管理費を別建てにするくらいの、そういう発想でなければなかなか労働災害的なものはなくならない、こう私は思うんですが、いかがですか。
#96
○参考人(小山森也君) 制作現場、いろんな場合がございますので、すべてがすべて別建てかどうかということはこれから勉強をさせていただきたいと思いますが、ただおっしゃられますように、先ほど申し上げましたような危険な場合ということには全部保険を掛けている現状は御理解いただきたいと思います。
 なお、今先生のいろいろな御指摘に対しましては、なお検討をさせていただきたいと存じます。
#97
○及川一夫君 それで、労働省には格別の配慮もいただいて、今まで未知の分野に手を入れるような格好で、先ほど小山副会長が言われた時期に通達が出ているんです。ですから、それ自体がどうかということもあるんですけれども、時間の関係もありますから、ここに出ている安全基準というのがありますね、三団体の皆さんが一生懸命考えられた。これについて労働省として、労働省にも陳情に行っているはずなんで、一体どうされようとするのか。こういうものが、中身は検討するにしても、必要であるのか必要でないのかというようなこと。
 それから、労災保険の適用の問題、これは別に労働省だけに問題があるんじゃなしに、俳優さんなら俳優さんの側にも問題があるんです。労働者という規定がないと労災保険はかからぬようになっている。だから、みずからが労働者なのか労働者でないかでは、俳優さんの中にやっぱりプライドの問題も含めて、おれは労働者でないと言う俳優さんもおいでになりますからなかなか難しいんだけれども、どっらにしてもいろいろと議論はしていかなきゃならぬ問題なんです。
 具体的に出された基準について一体どうなんだろう、やっぱり検討してそういうものを制度化していく必要があるんじゃないか。NHKだけじゃない、民放全体に対してそういうものを当てはめていくということがどうしても必要ではないかと、こう思うんです。その点、労働省として御回答いただいて、民放も含めて総括している郵政大臣、私の今の提言に対してどんなお感じか、ひとつ回答を示していただきたい。
 以上です。
#98
○説明員(山口泰夫君) これまでのいろいろな動きの中で、及川先生のいろいろな御助言をいただきながら、先般平成元年の三月十三日付の通達を発しましていろんな要請を関係のところにいたしております。
 それの中で、先生御指摘の日本映像職能連合等の方々が自発的にいろんな研究を重ねられまして、「映像製作現場の安全基準」というものをつくられたわけでございまして、撮影現場でのノーハウに基づいて取りまとめられましたことにつきまして、私どもとしても大変敬意を表しているところでございます。私どもといたしましても、こうして苦労しておまとめになられたこの基準というものを私どもの立場でできるだけ関係者に情報として提供したい、このように思っておるところでございます。
#99
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘の陳情書を四月十二日にいただいたわけでございますが、その中の問題、安全基準を周知徹底させること、あるいはまた映像制作現場の安全衛生のための協議機関を設置する等々、確かに私は必要なことだと認識をいたしております。安全対策についての意識を高揚するように私も指導をしていきたいと考えております。NHKは先ほど答弁がございましたが、民放に対しましてもこの問題を徹底させていきたい、そのように思います。
#100
○及川一夫君 終わりたいというふうに思いますが、NHKはやっぱり放送界、民放もありますけれども、持っているチャンネルの数からいって、公共性、広域性という立場からいっても、すばらしい番組をやりましても、次から次へと仮にNHKの中で俳優さんを初めとした労働者の皆さんが労災を起こしている、労働災害が起きているということになると、それこそすべてのものがパアになってしまう。私はそれほどの問題だと思っていますから、先ほど副会長から検討しよう、さらに充実させようと、こういう態度表明があったことを多といたしますので、ぜひその点、進めてもらいたい。
 それと、労働省関係には、労働大臣にもお話はしなければいけないというふうに思っていますが、内容的に敬意を表するという努力の跡を認めておられます。これは僕は出しっぱなしじゃないと思いますよ。やっぱり実現するために執拗に、まあ言葉は悪いけれども食い下がる問題だと思います。だから、私も実現のために食い下がっていこうと、こういう気持ちになるわけでして、お互いけんかする問題じゃありませんので、何とかひとり労働省としても能動的、積極的にこの問題に対する姿勢を具体化のために示していただくことを強く要望いたしまして終わります。
 ありがとうございました。
#101
○委員長(一井淳治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#102
○委員長(一井淳治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、日本放送協会昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書、以上両件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#103
○平野清君 大変御苦労さまでございます。きのうは衆議院、きょうは参議院ということで、連日大変御苦労さまだと思います。私もきのうの衆議院、またきょうの午前中の質疑と同じように放送衛星についてお伺いをしたいのですが、まず一服していただくためにほかの問題から入らせていただきます。
 実は私、先日の逓信委員会でも、国際放送の重要性ということで、郵政大臣の方から外務省なり文部省と協力して新しい風穴をあげるべく努力するという御答弁をいただきました。それがこの間録画放送されました。ある外国の友人から電話をいただぎまして、経済大国日本、特に国際都市東京というものは外国人に対して随分冷たいんだなということを言われました。初め何のことを言われているのかわかりませんでしたが、この点についてはおいおい御質問の中で明らかにしてまいります。
 といいますのは、国際放送には国外に向ける国外放送というのもありますし、その友達が言うのには、日本国内にあっても国際放送が必要ではないのかという意味なんだそうです。と申しますのは、NHKの外国語放送の番組の現状、お聞きしますと日本語の講座とかいろいろございますけれども、音声多重放送を利用したニュース、映画な
ど二カ国語放送は一般的になったというふうに感じます。
 現在NHKでは、外国語による放送番組、また音声多重放送を利用した二カ国語放送などを行っているようですが、その放送の趣旨、目的、それから時間等、お知らせ願いたいと思います。
#104
○参考人(小山森也君) 今までのNHKの二カ国語放送、十分充実したつもりでございますが、まだ外国人がこのようにふえたときにもう少し努力すべきじゃないかという声は、視聴者会議あるいは番組審議会等からも既に御指摘を受けておりまして、また本日先生からもそのような御指摘を受けまして、まことに恐縮に存じております。
 ただ、現状を申し上げますと、まず第一に、一番大事なことはやはり緊急放送だろうと思います。これにつきましては、既に大規模地震の警戒宣言の発表内容とか津波警報、こういったときは総合テレビ、衛星第一、第二テレビの各副音声、それからラジオの第二を利用いたしまして英語放送をやっております。これがまず緊急放送でございます。
 そのほか国内向けの二カ国語放送の主な番組でございますけれども、一番大事なことはニュースでございます。総合テレビの午後七時のニュースをニカ国語放送、無論これは二カ国語というのは英語でございます。それから、これは四月からでございますけれども、やっぱり日本語を知っていただくための放送も必要ではないかということで、「スタンダード日本語講座」というものを、日曜日でございますけれども、六時半から七時に新設いたしました。また教育テレビでは、これは前からでございますけれども、「日本の伝統芸能」ということを七時から七時半まで二カ国語放送をしております。
 それから、いわゆる二カ国語放送としてドラマ等でございます。今現在、日曜日の午前十時から総合放送で「大草原の小さな家」というものをやっております。それから、先ほども申しましたニュース、天気予報のほかに、映画、海外ドラマ等は随時二カ国語放送をしております。また、教育放送では「アルフ」というのを土曜日の午後四時三十分からやっている次第でございます。
 二カ国語放送の一日平均でございますが、総合テレビでは一時間十八分でございます。教育放送が八分、合わせて一時間二十六分というのが現状でございます。
 なお、衛星第一放送で実施しておりますワールドニュース、これはもう世界各国から来るものはむしろ日本語に翻訳されているので、英語あるいはフランス語それぞれの国の言葉が主になっておるのはもう御承知おきいただけていると思いますので省略させていただきます。
 以上でございます。
#105
○平野清君 先回りしてお答えをいただいちゃったんですが、いわゆる友人の言ってきたことは今の緊急放送のことなんですね。東京の中、日本の中に外国人が非常にふえている。全部英語圏とは限りませんけれども、例えば地震があった場合、すぐNHKさんほどこどこで震度三、震度二ということをお出しになる。それから、洪水警報というようなこともすぐお出しになる。今回、何か気象庁と競うかのように地震測定器をおつけになって、各放送局でも独自に地震速報などをおやりになるというふうに報道されて知っております。そういうときに、日本語だけじゃなくて、英語のテロップを出してもらえないかということなんだそうです。
 そういう意味で、私は技術的によくわかりませんけれども、看板といいますか、そういうものを用意しておけば、すぐテロップにぱっと出るんじゃないかというふうに思います。例えば、新幹線に乗りますと、この列車は大阪行きでございますというと、次にはレディーズ・アンド・ジェントルメン、これは大阪行きだとちゃんと二カ国語で親切に案内をしますね、車掌さんが。そういう意味で、大きな災害、津波がこれから来るぞ、これから余震は余りないんじゃないかというような放送に対して、これだけ外国人がふえた以上、そういうサービスをしてもしかるべきではないかと思うんですけれども、郵政当局並びにNHKの御見解をお尋ねしたいと思います。
#106
○国務大臣(関谷勝嗣君) 放送事業者の放送番組編成は、これが自由であるということが保障されておりますので、個々の番組についてどういうふうにというような、具体的にどうこうというのは私から申し上げるのはどうかと思いますが、いずれにいたしましても、調べてみますと、今在日外国人の数が全国で百二万六千人でございます。そのうち東京に約二十万人ほどいるわけでございますが、そういうようなことも頭に入れまして、NHKを初めとする放送事業者が在日外国人に対しまして、テロップの問題もございましょうが、番組自体の問題においてもそういう意味での配意をするということは非常に私は、私としても希望するし、いいことではないか、そのように思います。
#107
○参考人(小山森也君) 私どもといたしましても、大臣のそのような御配慮もありますし、先生方のそういった御意見、重要な参考意見といたしまして努力してまいりたいと存じます。
#108
○平野清君 財政も苦しい、あれもこれもやらなきゃいかぬというときに注文ばかりして大変申しわけなかったんですけれども、日本にいる外国の人がそういう切実な声を持っているということだけ御承知願いたいと思います。
 それから、果たしてこれから英語だけでいいのかということもあると思いますし、例の大正の大震災のときにいわゆる暴動事件というようなこともありました。そういうときにこそ、やっぱり公共放送として災害の実態なり、それから水の供給の問題とかそういうものも、日本にいらっしゃる外国人にも速やかに情報が伝わる努力をされるべきだと私は思いましたので、そういう友人の勧告もあって質問をさせていただきました。
 次に、この間ゴルバチョフさんがおいでになって、抑留者の問題について皇居の晩さん会であいさつをされました。そのとき、私NHKのテレビを見ておりましたら、抑留者の遺族に対しては同情の念を持っているというふうにテロップが出ました。そうしたら、アナウンサーは哀悼の意を表したというふうに言われました。私は同情と哀悼では物すごく意味が違うような気がするわけです。抑留者の遺族に対して非常に同情の念を禁じ得ないということは、そのまま日本語とすれば、本当にお慰めのしようもない。それから、哀悼ということになりますと、一国の大統領が陳謝をしたような意味にとれます。ただし、私はロシア語を全然わかりませんので、その哀悼という意味がゴルバチョフさんが述べられた言葉の中にあるのかどうか全然わかりません。ただ、同じ画面の中の文字と耳で聞くものとが全然違うというのはどういうことなのかなというふうに感じたんですが、どなたか詳しい方に御答弁いただければと思います。
#109
○参考人(小山森也君) 詳しい方と申されますと非常に私恐縮するのでございますけれども、宮中晩さん会の中継の問題でございますけれども、ゴルバチョフ大統領のあいさつをそのまま音声で放送しておりまして、したがいましてこれは全部テロップになっております。このテロップは、当日会場の出席者に配付された公式の翻訳文書でございます。したがって、その公式の翻訳文書をテロップにしてあるということでございまして、そこの翻訳文書は、同情の念を表明いたしますというふうに私どもの方へ来た正式翻訳はなっていたわけでございます。
 それで、この番組の中での翻訳につきまして、非常に私から言いにくいのでございますけれども、当日はアナウンサーとか記者とかコメントをさせなかったのでございます。ただ、翌々日の日ソ共同声明発表の日の放送、この中で出演した、ですから宮中晩さん会その日ではないのでございますが、翌々日にロシア語の堪能な記者が、ゴルバチョフ大統領の発言の部分のロシア語について、お悔やみとか哀悼とかという意味に近く、同情よりやや強い意見あるいは言葉だという内容のコメントをしたということでございます。私ども
こういうロシア語の堪能な記者から聞きますと、なぜ当日の公式文書が同情となっていたのか。私も、詳しい方と言われますと、詳しくないものですから、こういう伝聞表現でございますけれども、なぜ同情となっていたのかちょっとそこまではまだ調べ切っていないわけでございます。
 以上でございます。
#110
○平野清君 何か六回も会談されたので、ずっと深夜までテレビを見ていましたので、どうも僕の見た日と後でアナウンサーが言われたときとちょっと時間的な差があるようでございますけれども、各社を全部点検しましたら、全部括弧して同情と、こうなっているわけですね。それで、コメントの中で哀悼と言われたものですから、これはちょっと問題ではないかと。一国の大統領が話したことは外交にも大きな影響を与える、そういう意味で御質問をしたわけで、事情はわかりました。
 今後は、例えばそういう場合のNHKとしては、きちっと外交用語に基づいた翻訳をされるのか、それとも独自にNHKとしての権威ある翻訳だということで対応されるのか、そのことをもう一度お伺いしておきます。
#111
○参考人(小山森也君) このような国賓でしかもそれぞれの公的な機関が公式の翻訳ということで各報道機関に回された場合には、やはりそちらをまず優先するということで、同時のテロップはそのような形でやらざるを得ないと私は思っております。
#112
○平野清君 それでは、放送衛星のことに移らせていただきます。
 これは新聞報道ですので事実かどうかわかりませんが、四月二十日付の朝日新聞で、島会長の談話として、「2X、3Hを上げようとしたら、郵政省や国会に反対され、国賊扱いまでされた。今は「先見の明があった」なんて言われているが、失敗すれば何を言われるか」わからぬというようなことを島会長がおっしゃったと報道されているわけです。
 まず、こういう発言が本当なのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#113
○参考人(島桂次君) ちょっと私には意外でございますけれども、二十日の日には私は外国にいましたので取材には応じていないと思います。
#114
○平野清君 いや、二十日付の新聞です。
#115
○参考人(島桂次君) そうですか。二十日付の新聞であっても、そういう表現は記憶にございません。
#116
○平野清君 ここでは、「BS3Hの打ち上げスケジュールが固まりつつあった今月初め、」といいますから四月初旬に「NHKの島桂次会長は定例記者会見で、こう語った。」、こう書いてあるんです。御記憶はありませんか。
#117
○参考人(島桂次君) 国賊的云々という表現じゃなくて、私が2Xと3Hを上げるその計画を進めたときに随分世間の皆さん方から反対をされた、しかしあの3aが四分の三になってきたら、非常に島さんは立派だった、先見の明があったと、こういうふうになかなか衛星事業というのは難しいものだというような趣旨を申し上げたような記憶はございますけれども、国賊云々というような形での表現は記憶にございません。
#118
○平野清君 それなら安心ですけれども、何か郵政省と国会が寄ってたかって島会長の衛星計画を阻止したように書いてございますので、これはえらいこっちゃ、ぜひ御真意を聞いておかなきゃと思いましたものですからお尋ねしたわけでございます。
 それでは、具体的な問題に入らせていただきますけれども、放送衛星のBS3aが、打ち上げ間もない昨年の八月三十一日に、発生電力が予定の四分の三にしか達しなかったわけですけれども、その原因は機材そのものにあったのか、打ち上がってから何らかの気象状況でこうなったのか、もう原因をおつかみになっているんでしょうか。
#119
○参考人(中村好郎君) NASDAの発表によりますと、BS3aは、昨年の八月三十一日の段階で、太陽電池から電力を供給するための回路の一部にふぐあいがあった、このために発生電力が予定の四分の三しか出ていないというように私どもは報告を受けております。
#120
○平野清君 その発生電力の低下ですけれども、太陽の影響によって、ことし五月下旬から八月下旬までの間に、三チャンネルの運用に必要な電力を得ることが困難であるという結果が得られたという発表がございました。どの程度の発生電力の減少なんでしょうか。
#121
○参考人(中村好郎君) 正確な何ワットというような数値を私はまだ伺っておりませんが、今申し上げましたように、昨年の八月三十一日の段階で四分の三しか発生電力がない、しかしその時点では、ことしの夏至は三チャンネル運用ができるというように私どもは伺っていたわけです。ところが、今先生御指摘のように、三月の下旬に大規模な太陽フレアが発生して、そのことによる発生電力の低下が予想以上に多くて、そして三チャンネル運用に必要な発生電力をこの夏至の三ヶ月の期間下回ってしまうという報告を受けたわけでございます。
#122
○平野清君 今お答えいただきましたけれども、今回発生しました太陽フレアの規模ですね、それは設計上当然予想されることなんでしょうか。それとも、今後新しい機械が上がってもそういう現象は避けられないとある程度覚悟しなければいけないんでしょうか。
#123
○参考人(中村好郎君) 当然太陽フレアというのは自然現象としてあるわけでございますから、最初の設計の段階である程度予想をして、電力の低下分を最初の設計の段階で補っておくという設計になっておると思いますので、今回発生したこの予想以上の低下は、そういう意味では設計値をオーバーしたのではないのかなというように私どもは理解をしております。
#124
○平野清君 一方、BS2の方です。かなりのトラブルはありましたけれども、こういう問題が起きなかったわけです。それはどういうふうに解釈したらいいんでしょうか。
#125
○参考人(中村好郎君) 2bも同じように太陽フレアによる電力低下はあったと聞いております。ここのところが最初に申し上げましたように、四分の三しか発生電力がなかったために太陽フレアの影響をもろに3aの場合には受けてしまったというように私どもは理解をしております。
#126
○平野清君 これちょっと甚だ皮肉な言い方で申しわけないんですけれども、先般の電波法の大臣の提案理由の説明の中に、「無線設備を設置しなければならない船舶局には、それが故障した場合に備え、予備設備の設置等所要の措置をとることとしております。」というふうな言葉がございました。船舶の場合は人命、船の安全ということもありますから、衛星そのものが人を殺すなんということは別にあり得ないと思いますけれども、こういう船舶の無線でさえきちっと郵政省は予備機の指示をなさっているわけなんです。今度、何百万という衛星放送を有料で見る人がいるということになってきて、それが万が一故障を起こして見られないという事態になったら、これまた人命とは違った形で大きな情報社会での混乱を起こすと思うんです。
 そういう意味で、予備機を持たずに有料化に踏み切ったというところに非常に何か無理があるような気がするんですけれども、それを御承認なさった郵政大臣の御所見とNHKのお考え方を聞かせていただければと思います。
#127
○政府委員(桑野扶美雄君) 承認した経緯ということでございますけれども、NHKの衛星放送につきましては、ニューメディアの出現といたしまして衛星放送時代の到来というのはやはり当時から期待されていたわけでございます。昭和六十一年からBS2bによる二チャンネル試験放送が開始されまして、たちまち昭和六十三年には衛星放送受信世帯が百万世帯を超えるようになりました。
 このときは試験放送でございますから、当然受信料を取っていないわけでございます。しかし、これらの衛星放送に要します経費というものは結
局は地上放送の受信料で賄われておるわけでございまして、地上放送しか見ていない受信者の方々にとりましての負担ということの面におきまして公平上の問題がまずあったわけでございます。またさらに、今後衛星放送の普及を図るということのためにもやはり衛星放送の有料化というものが必要だというふうに判断いたしまして、平成元年から有料化が実施されたわけでございます。そのときに、やはり補完体制といいますか、衛星放送の安定的な実施を図るためには当時のBS2bだけでは心もとないということで、ずっと議論になっております補完衛星BS2Xの打ち上げにつきましても予備体制をこれでやろうということで計画がなされたわけでございますが、不幸にしてそれが失敗したということでございます。
 郵政省といたしまして、本格的なそういう放送を開始するようになりましたのは、そういった一連の経緯の中で措置してきたところでございますけれども、結果的に今日の事態に至ったわけでございまして、その後の予備体制が計画どおりに実現しなかったということについては重大な問題、事態だというふうに受けとめております。このような事態が生ずることのないよう、今後におきましては衛星放送のあり方につきまして関係方面ともよく検討して対処してまいりたいと存じておる次第でございます。
#128
○国務大臣(関谷勝嗣君) 今までの経過それから事務的なことは局長から答弁をさせていただいたわけでございますが、この補完衛星の体制、またそういうことに対する考え方というのがいささか私は後手後手に回っておるというのは確かに認めざるを得ないと思います。そういう点におきまして、私も大変責任を感じておるわけでございます。したがいまして今後、衛星放送のあり方、特にこの補完体制をどうするかということ、これは関係方面とも十分に連絡をとりまして検討していきたい、そのように思います。
#129
○参考人(島桂次君) 基本的にはただいま郵政大臣のおっしゃったとおりでございますけれども、NHKも当然、こういう事態を招いた、二つの補完が続けて結果的には失敗したわけでございますが、その見通しの甘さといいますか、もっと慎重にやるべきだったということを反省しておりますし、午前中の審議などを通じて明らかにしていますように、これからは一日も早く安定的な運営ができるように最大限の努力をしたいというふうに考えております。
#130
○平野清君 この放送衛星の歴史をずっと見てまいりますと、ちょっと文章ではわからないので、自分なりにきょうの質問に当たってグラフをつくって、いつ打ち上がって、これがだめになってこれがだめになってと自分で納得するものをつくったんです。そうしたら、ほとんどが全部何か故障しているんです。それで、自分が見ていて、これは生きているのかな、これは死んじゃっているのかな、これは爆発したものか、しまいによくわからなくなっちゃうんです。そのぐらい事故が何か続いているように思えるんです。
 きょう実は科学技術庁さんに来ていただいていますが、これまでお聞きのように、ロケット及び衛星の打ち上げに当たっていろいろなトラブルがよくテレビとか新聞等で私たち聞いているわけですけれども、世界のロケット、衛星打ち上げについてのそういう失敗とかトラブルの統計とか何かはお持ちなんでしょうか。
#131
○説明員(中村方士君) 昨年一年間の世界における衛星の打ち上げ回数というのは、ソ連とかアメリカとか欧州、中国、それから我が国も含めまして全体で百九回行われてございます。このうちソ連の衛星につきまして六十八回行われていますが、それがどういう状況になったかというのは、これは不明でございます。したがいまして、その他の四十一回について調べましたところ、二回失敗している。その一回は、我が国の先ほど出たBS2Xとそれから宇宙通信株式会社のスーパーバードBを一度に打ち上げたヨーロッパのアリアソロケットの失敗が一回。それから、国際衛星通信に使いますインテルサット六号という衛星がございますが、これを搭載しました米国のタイタンロケットの失敗というのが一回、計二回でございます。全体でいいますと成功率は約九五%という率になってございます。
#132
○平野清君 成功率九五%というのは大変高いわけです。月に人間が行って月面で活動しておりてくるぐらいの時代で、静止衛星と移動衛星とは全然違うと思いますので、静止衛星の方が非常に難しいことも聞きますけれども、そうしますと、そのあとの五%の例えば失敗したロケット会社、そういうものをある程度科学技術庁さんとしてはおつかみになっているんでしょうか。
 お答えいただく前に、これはいろいろ国益の問題があると思いますから、特別な企業名を述べることが御無理なら結構ですが、アメリカの御三家と言われているGMとかGEとかローラルとか、いろいろなメーカーがあるようですが、特殊な企業に偏っているということはありますか。
#133
○説明員(中村方士君) 各国別の昨年の打ち上げの例を言いますと、先ほど言いましたように米国のタイタンが一回、これは米国全体では二十六回打ち上げてございます。それから、欧州のアリアンロケットが六回打ち上げて一回、その二回でございます。そのほか日本の三回とか中国の五回とか、それからイスラエルも一回打ち上げていますが、これはいずれも成功しているということでございます。
#134
○平野清君 昨年四月の日米通商合意、この衛星問題について自主開発はオーケーになりました。そのかわり、実用衛星については日本の市場をオープンにして内外差別をつけないで入札に応じるように、特に政府の打ち上げるものとか公共的な衛星については、外国資本といいますか企業の参加が認められることになったわけで、衛星市場の開放が打ち出されたわけです。そうなりますと、今後日本の自主的な衛星技術の将来がどうなるかということも非常に関心が高いと思うんですが、自主開発の現状と将来の見通し、例えばNHKさんがこういう新しい衛星を上げたいというときに、日本の自主開発でもってどのぐらいたったら自信を持って打ち上げることができるのかというようなことを、科学技術庁の方にわかりましたらお答えいただきたい。
#135
○説明員(中村方士君) 我が国におきましては、自在な宇宙開発活動を遂行する能力を確保するために必要な技術基盤の確立を図るということ等を基本方針として宇宙開発を推進してまいったわけでございます。衛星技術につきましては、宇宙開発事業団を中心といたしまして、通信衛星、放送衛星あるいは気象衛星といったような衛星の開発を進めてまいったわけでございますが、いかんせん開発する衛星の数が少ないというようなこともございまして、いわゆる衛星本体を構成するバス技術とか、それから衛星全体を取りまとめるインテグレーション技術といったものにつきましては欧米におくれているのが現状でございます。しかし、そういった開発を通しまして、衛星に搭載します中継器とかアンテナといったものの技術につきましては、これは欧米の技術に比べても遜色のないものになっているというものもございます。
 今後はどうするかということでございますが、いわゆる日米の話し合いの結果でまとまりました研究開発型衛星と言っていますが、これにつきましては我が国の判断でどんどん進められるということでございますので進めていきたい。例えば、平成五年度に技術試験衛星VI型というのを打ち上げます。それから、平成八年度には通信放送技術衛星といったものを打ち上げるということで開発を進めておりますけれども、そういったものを通して衛星技術の基盤の向上と確立を図ってまいりたい。
 それから、ロケット技術につきましては、これまで宇宙開発事業団で打ち上げに使用してまいったロケットNI、NII及び現在使用しておりますHIロケットといったものの開発はアメリカの技術導入でやってまいったわけでございますけれども、現在進めております二トン級の静止衛星を打ち上げる能力を有しますHIIロケットにつきまし
ては、全段我が国の技術力で開発するということで進めております。平成四年度に初号機の打ち上げはできるということで開発を進めておりますけれども、このロケットが完成すればロケット技術は世界的な水準に達する見込みと考えております。
#136
○平野清君 今科技庁の方からお話しになったことに対して、ユーザーと言っちゃおかしいですけれども、郵政省とNHKの自主開発もしくは外国産に対する考え方、これから島会長とすれば補完機のために世界を走り回っても何か探さなきゃいけないわけだし、なければ新しく頼まなきゃいけないんだと思うんですが、その点いかがですか。
#137
○政府委員(桑野扶美雄君) 郵政省の立場といたしましては、今後衛星を調達する場合には、特に政府関係機関、NHKも含めまして、透明、公開かつ内外無差別な調達手続によらざるを得ないわけでございますが「その場合でも衛星の調達に当たりましては経済性のみならず安全性、信頼性、そしてシステム全体の評価というものを十分に行いまして調達先を決めていくことになるわけでございまして、その点は慎重にすべき問題だというふうに私どもも思っております。
#138
○参考人(島桂次君) 放送行政局長のおっしゃったとおりでございますけども、それにつけ加えますと、私ども早く二機体制ということをやらなきゃいかぬ、非常に急ぐという、こういう特殊事情もございますので、そこを考えなきゃいかぬと思っております。いかに急いでもまた同じようなことを繰り返すということがあっては困りますので、十分慎重にやっていきたいと考えております。
#139
○平野清君 何かあっという間に時間がなくなっちゃいましたので、最後に一つハイビジョン実験放送についてお尋ねします。お尋ねというよりも注文をしておきたいんです。
 今一日に四十五分ですか、実験放送か何かされているわけで、そのときに普通の衛星放送を見ている人は、ハイビジョン実験放送の間はしまになってしまうわけですね。そうすると、何か非常にばかにされたような気がするんです、あの四十五分間見えないわけですから。ああいうものは夜間にやって、それをビデオならビデオに撮って、そのビデオを日中に流すとかいうようなことぐらいはできるんじゃないかなと思うんです。何かハイビジョンを急ぐことによって、そういう実験放送が全然見えない視聴者に向かって無意味な電波を流されているような気がして、お客様に対して失礼じゃないかなというような印象も持つんですけれども、これは素人でございますのでその点よくわかりませんが、実情とそれから私が申し上げたようなことができるのかどうか。
#140
○参考人(中村好郎君) ハイビジョンの実験放送につきましては、現在一日一時間、衛星の二チャンネルで二時から三時までを原則としてやっております。
 先生の御指摘のように、ハイビジョンの実験放送中は普通の受像機では絵が流れて見えなくなります。したがいまして、今私どもがメーカーさんにいろいろ相談を持ちかけておりますのは、新しいLSIといいますかICが開発されましたので、これを衛星の受信機にあらかじめ組み込むことによって、流れている絵がちゃんととまって見えるというようにしてもらえないか。それを具体化するときに、余り負担になっちゃいけないわけですから、負担にならないようなコストでそういう組み込み型のチューナーができないかどうかということについて検討をお願いしておるところであります。もしそういうものが普及してまいりますと、その実験放送中も、ハイビジョンではありませんけれども、絵はとまって見える、こういう状況が生まれてくるというように思っております。
 あとは、大変絵が流れるということで、編成上なるべく衛星の受信者に御迷惑がかからないような時間帯を選んで実験放送するということは、今までもやっておりますけれども、今後もそういう点に注意深くやっていきたいというように思っております。
 それから、収録しておいて深夜にごらんになったらどうかという問題も当然ございます。これには家庭用のハイビジョンのVTRがないと、ハイビジョンの絵をあらかじめ収録して見るというわけにはいきませんので、今各メーカーさんの間で規格を統一した家庭用のハイビジョンVTRの開発を鋭意検討されております。こういうものが出てまいりますと、先生の御指摘のような編成で実験放送を続けるということは可能になろうかと思います。
#141
○平野清君 もう時間がありません。衛星放送とハイビジョンとは全然別の問題ですけれども、ハイビジョンの方も余り急がれて、将来はもうハイビジョンだハイビジョンだという何か言葉がどんどん聞こえますが、衛星放送とは違いますけれども、国民のニーズと速度を合わせた、それからほんのちょっと進むぐらいのペースで、国民が理解できるようなハイビジョン長期計画を練っていただけるようにお願いしておいて、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#142
○星川保松君 きょうはNHKの決算という議題について審議をするわけでありますが、先ほど郵政大臣とNHKの会長から数字の説明があったわけでございます。決算の数字の裏には、その数字に伴うところの仕事があるわけでございまして、その仕事の方を重点に私は質疑をしたいと思います。
 NHKの仕事というのは、言うまでもなく、放送ということが主たる仕事なわけでございます。放送ということは、文字どおり、音声あるいは映像の電波を放出する、送出するという仕事なわけでございます。常にそういうふうに電波を一方的に送り出すという仕事をNHKの皆さんがやっておられる。私どもの方は全国のその送り出した電波を受信する立場を代表しているんじゃないか、こういうふうに思います。ですから、この委員会というのは、ここで初めてNHKが発信者としての日常と違った場が展開される。つまり、受信者である我々が今度きょうこの場でNHKの皆さんにいろいろ発信をするという相互交信の場であるということを考えますと、NHKの皆さんにとっても非常に貴重な場ではないか、こういうふうに私は思うわけです。
 そこで、きょうは受信者の立場でいろいろNHKの発信に対して常に感じていることを申し上げて、NHKの皆さんに参考にしていただきたい、こう思うところでございます。
 その第一は、実は私先日ケーブルテレビ、CATVの放送局に行ってみました。驚きましたことは、そのCATVの放送局が大変な数のチャンネルの映像を送っているんですね。テレビがいっぱい並んでいますけれども、もうそれではさばき切れないといいますか、それで何かリモートコントロールを押しますと、一つのテレビに目次みたいなものが出てくるんです。四つ四つですか、ですから十六が一つの画面に出てきまして、それに番号が出てくる。その番号のところにこっちから信号を送ると、それがぱっとテレビ全面に映り出すということになっておるわけです。もう十六ぐらいがいつも送られておるということで驚いたのでありますけれども、聞くところによりますと、十六なんというのは少ない方だ、二十四というのがあるよ、こういう話をお聞きいたしました。
 ところが、きのう新聞を見ておりましたところが、あるCATVの宣伝というところに、ケーブルテレビの送信所、発信所が自主番組もつくって送るんですね。それを合わせて三十五の映像を送り出しているということなんです、三十五。私は本当に驚きました。その中にNHKのチャンネルも入っておるわけでしょうけれども、そういうことになってまいりますと、果たしてそんなにたくさんのチャンネルが必要とされておるんだろうかという心配が出てくるわけでございます。
 ただ、民間放送の場合は、これは市場原理に基づいて需要があれば供給するということで、それ
は多いほどいいということになるかもしれませんが、いわゆるNHKはこの前もいろいろお話のありましたような公共放送であるということになりますと、民間放送の場合は市場原理の需給のバランスのもとで何ほでもふやしていくということがあり得るといることがあっても、私は公共放送はこれとはまた別の原理でやっていかなくちゃいけないんじゃないか、こう思うわけでございます。
 端的に言いますと、これは郵政の方にもお聞きしたいんですけれども、もう電波は今多いところは三十五チャンネルも送られている。まだあってもいいんだというふうにお考えなのか、これじゃちょっと過剰だと思っているのか、いわゆる映像電波の数というものが果たしてどのぐらいが適正であると考えておられるのか、これをまず郵政の方にお尋ねしておきます。
#143
○政府委員(桑野扶美雄君) 今日、衛星放送あるいは先生おっしゃいました多チャンネルのCATV、こういったものの出現によりまして多メディア、多チャンネルの時代が到来しておるわけでございまして、テレビによって供給される映像情報というのはますますふえているわけでございます。
 個人的な感想といたしましては、情報があふれていることについてもったいないという気がするわけでございますけれども、しかしアメリカなんかの状況を見ますと、三十ぐらいでびっくりするような話じゃございませんで、五十とか百チャンネルとかいったようなことがもう既に実現されたり、あるいは今から計画されたりしているような時代でございます。当然のことながら、それ全部見ようとしたって個人的には見られないわけでございまして、やっぱり視聴者の方の対応というものがだんだん変わっていくんだというふうに思うわけでございます。
 情報のチャンネルが少ないような時代にはまさに受動的といいますか、テレビが映っているのを自然にそれを見るというような形で行われていたものでございますけれども、これだけチャンネルが多くなってまいりますと、単に同じような番組をつくっても、だれももう振り向かないような時代になってきているわけでございます。むしろ、個々人が関心のある例えばニュースならニュース、音楽なら音楽、スポーツならスポーツ、映画、演劇、教育、そういったジャンル別の専門的なチャンネルといったようなものがこれからふえてくるんだと思いますし、見る方も何もテレビが映っているから見るんじゃなくて、今何を見たいからどのチャンネルを選ぶというふうな能動的、選択的な対応を消費者の方もとってくるんだというふうに思うわけでございます。
 情報の量が十分か不十分かということにつきましては、私どもが十分か不十分かということを判断するわけにもまいりませんし、またその力もないわけでございますけれども、そういった中でやはり視聴者の需要を本当に生かしているものが広まっていくというような時代になってきているんじゃないかというふうに思っております。
#144
○参考人(小山森也君) 私どもの方はいわゆる市場原理でやる、利潤をもととした放送をやるわけではないということは、先生の御説のとおりでございます。今桑野行政局長からもありましたように、今やそれではどういう立場になりますかというと、私どもは多チャンネルの中で我々の放送しているものをぜひ選択していただけるような質の高いものを出さなければいけない、こう思っております。そのために、やはり正確で多角的な情報の伝達とか、多様化する意見や表現の積極的な紹介というのは、それによって利潤を得る得ないにかかわらず、当然私どもの公共放送の一番の使命だと考えております。
 そういたしますと、具体的に何かということでございます。これは事実に基づく的確な報道、あらゆる世代を通じての教育、あるいは第三に社会生活や家庭に潤いをもたらす健全な娯楽、こういった三本の柱をどうやって実現するかということだろうと思います。
 なお、私どもの参考にいつもさせていただいております、郵政省の方で出しております通信白書に情報消費率というようなところもございますので、私ども非常に注意して見ているわけでございますけれども、これにつきましては、若干情報を出す側に比べて消費する率が減ってきている。これは、情報の供給が非常に多くなるにもかかわらず、消化し切れないというような状況が今あるということが報告されております。
 その中の原因の一つといたしまして、一番情報量の多いのは、情報センサスで言いますと動画であると。動画というのはやはりテレビでございます。そこで、ぜひともそういった動画、私たちのテレビ、しかも利潤に左右されない私どものそういった放送というものをぜひやりたいと思っております。
#145
○星川保松君 簡単でいいです。
#146
○参考人(小山森也君) なお、それじゃ質とは何かということでございます。これ非常に私ども、何かこれは数量化したもので得る方法はないか、質と数量化というものを考えていろいろ研究しております。今放送文化研究所でやっておりますけれども、現に平成二年の十一月にアメリカ、カナダ、イギリス、スウェーデンというようなところから学者が参りまして、大体テレビの質とは何かということを研究いたしまして、これは永遠の課題だなというような検討に終わっているような状況でございます。
 大変長くなって失礼いたしました。
#147
○星川保松君 時間がなくなりますので、簡単にひとつ御答弁願います。
 私心配するのは、いわゆる多メディア、多チャンネルだということで、今どんどん電波の数がふえておるということでありますけれども、民間が大変な勢いでふえていくのに、NHKも一緒になってふやしていくというような量の拡大ですね、これはやはり考えなくちゃいけないんじゃないか。むしろ、やっぱりあなたがおっしゃるように、質でいかなければならないんじゃないかというふうなことを申し上げたいわけです。
 それで、そう考えますと、電波においても過密の地域とそれから過疎のところ、三十五チャンネル出しているところもあれば、それからまだ民間チャンネルが見られない、一つも入らないようなところが四十万世帯もある。それからまた、NHKでさえも十万世帯もあるということで、大変な過疎過密のまたバランスが崩れてきておるな、こういうふうに思うわけです。ですから、いわゆる衛星についても、衛星を上げて衛星放送の数をふやそう、そういう多メディア、多チャンネルの中に参加していこうということよりも、私はこの情報の過疎過密の解消の方に重点を置いて衛星の方もやっていくべきではないか。ただ多チャンネル、多メディアということのために大変な苦労を今まで衛星について繰り返しておるということについては、私は何か御苦労の割合には向かっている方向がちょっと違っているのではないかということを申し上げたいわけでございます。
 時間がなくなりますので次へ行きますが、情報が多ければ多いほどいいというわけには私はいかないと思うんですね。情報が多過ぎるということは、これまた大変な害悪をもたらすのではないかとさえ私は心配をしておるわけです。それで、今アメリカには百チャンネルというところもある、こういうことでありますけれども、チャンネルが多くなっても差し支えないということの裏には、選択能力というものが伴って初めて私は多くとも差し支えないということになるんだろうと思うんです。ところが、青少年の場合、発育期にある子供たちなどにとっては、その選択する能力というものがまだ備わっていないところに、こういうふうに浴びせるように多チャンネルの電波が届くということは、果たしてどうなるのかという心配があるわけです。
 例えば、知的形成期を考えてみますと、私たちの場合は読書あるいは作文とかそういうことで知的形成が行われてきた。読書の場合というのは、テレビと違うのは考える時間があるんですね。読み進んでいって、はてなとそこで思考する。読ん
でまた考えるという時間がある。ところが、映像のテレビというのは、その思考の時間を全然与えないですね。もう次から次と変わっていく、ぶつけていくということになるわけです。ですから、今の子供はああいう映像、テレビのようなものをずっと見て知的形成が行われる場合、我々と違った知的形成になってしまって、いわゆる新人類というのはこういうところから出てくるのかなということさえも考えられるわけですよ。
 それから、今度は人格形成の上においても、私たちは親とか兄弟とか、あるいは友達とか先生とかに影響されて人格形成ができ上がっていくわけですけれども、あの子供たちがテレビにしがみついていて、果たして今後どういう人格形成が進むんだろうな、こう心配されるわけです。
 ですから、あなた方NHKとしてどんどん発信する側としては、それを受信する人々の立場、どういう影響を与えるのかということを私は克明にやっぱり研究をして、そうして発信してもらわないと大変な影響を及ぼしていくのではないか、こう思うわけでございます。
 もう一つ卑近な例を申し上げますと、例えばテレビというのは、私は日本の家族そのものの生活をも変えてきていると思うんです。ラジオの時代ですと、私たちの耳は横についていますからラジオの方を向かなくともいいわけです。ところがテレビは、目は前だけですからテレビの方を見ていなくちゃならないですね。私たちは、家族団らんの場合はいろりを囲んでみんな目を見ながら、火を見ながらそれで団らんをしてきているわけです。ですから、そのときはいわゆるおやじさんの目を見て、おやじさんがどんな格好をしているか常に気を使っているわけです。ところが、今はそうじゃないですね。もういろりもなくなりましたし、家族みんながいつもテレビの方を向いているんです。お互いの目が通わないですね。おやじの権威も何もなくなったというのは、私はテレビのせいもあるんじゃないか、こう思っているわけですけれどもね。家族生活もそういうふうに変えてきたすごい力があるなと思っているんです。
 最近私はこういうことを気づきました。私たちは子供のころからおじいさん、おばあさんの昔話を聞かせられて育ったんです。それで、私は私の孫に昔話をしようか、こう言うんですよ。そうすると、今度テレビで見るからいいやと、こう言うのです。おじいさんの昔話はテレビと違うんだ、どこが違うかというと、おじいさんの昔話には裏の山のタヌキが出てくるんだよ、前の川の魚とかカワウソが出てくるんだよ、村外れのお地蔵さんが出てくるんだよ、テレビでやっている昔話というのは、あれはあるところというどこだかわからないんだ、だから違うんだから、おじいさんの話はおもしろいんだから聞きなさいと。それで私が話をすれば、孫は尋ねてくる。そのタヌキの名前は何というんだと、こう言うのです。私は、それは何というタヌキだ、こう答えるわけです。テレビは尋ねるわけにはいかないわけです。
 ですから、テレビとおじいさんの昔話は違うんだからと言っても、向こうはカラーの動画でありますから、おじいさんの方を見向きもしないんです。私は困りまして、ほかのおじいさん連中に話したんです。どこも同じだというんですよ。だから、昔話を孫に語ってあげようという日本全国の何百方のおじいさんたちが、テレビのために、もう昔話もできなくなっているんじゃないか、こういう気さえもするわけです。
 ですから、そういういろんな面で大変な影響力を及ぼしているわけです。そういうことについても、やはり発信者として、受信者がどういう立場でどういう変化を起こしているんだろうということを研究して、そしてやっていくのがまた民間放送と違う公共放送のあり方の一つではないか、こう思っているわけです。これについて、ひとつNHKさんの方から御感想を承りたいと思います。
#148
○参考人(小山森也君) 私ども放送の送り手としたしまして、先生の御意見非常に身にしみて我々の責任の重さを感じている次第でございます。
 なお、長くなりますと申しわけございませんが、放送につきましては、いつもやはり送り手ばかりの立場というのは、えてして独善的になりやすいということは先生のお話の中にも入っているんではないかと思います。そこで私どもとしては、番組審議会とか視聴者会議とかいろいろ会を設けまして、常に御意見を伺っているということをしております。しておりますけれども、これも月に一回であるとかあるいは年に何回というようなことですが、延べとしてはかなりありますけれども、やはり限定されたものになってございます。ただ、日常かなりの数の投書等がございます。平成二年度でも四百七十一万件というような件数がございます。こういったものを日常の放送の中に生かしていくという姿勢が非常に大事だと思っております。
 以上でございます。
#149
○星川保松君 先ほどから私が申し上げましたことは、どういう立場のどういう人々が、どういうことを考えどういう影響を受けながら受信するかという受信者の立場を研究しながら、これは大変な研究が必要だと思いますが、そういう研究をしながら番組をつくって、そして放送をしていただきたいということです。そういう研究の場というものがあるんでしょうか。
#150
○参考人(小山森也君) 先ほど申しました視聴者会議等のほかに、放送文化研究所というものが私どもにはございます。ここで常に、全国の国民の放送意向調査というようなものを随時やっておりまして、これによって国民の皆様方がどういう反応かということをまず調べていく機関はございます。これによって私どもの番組編成というのはかなり参考にさせていただいているところでございます。
#151
○星川保松君 ですから、ぜひとも私は立派なそういう研究の場所をNHKはつくっていただいて、それをもとにして放送というものをやっていけば、やはり民間とは違う公共放送のよさというものがその研究の成果として私は出せてくるのではないかというふうに思うわけです。ですから、この前からいわゆる公共放送と公共放送でないという区別はどこにあるんだということについて明確になってきていない、それはやはり明確にしていかなくちゃいけないというこの前話になって、私は私なりに考えてみて、あなたがおっしゃったようないわゆる内容において質においてというところで公共放送のあり方というものをNHKも真剣になって私は取り組んでいっていただきたいと、こう思うわけです。
 今あなたの方から、NHKが独善的になりやすいのではないかということ、これは私からお話をしたいと実は思っておったことでございます。NHKさんのタイプ、人のタイプというのがやっぱりあるようでありまして、どういうタイプかなと考えてみますと、やはり発信は非常に上手ですね、年じゅう発信の仕事をしていますから。どうも受信の方がうまくいっていないんじゃないか、いかないんじゃないかという感じがするわけです。
 私たち政治なんかをやっている連中は、常に大衆の面前、人の前で発信しているわけです。ですから、反応は常に出てくるのです。どういう顔をしているかすぐわかる。例えば、きのうなんか守住先生は本会議場で発信をしました。これはすぐに反応が出てくるわけですよ。常に受信者と発信者が、対決と言っちゃおかしいんですけれども、そういう中で反応を起こしながらやっているわけです。
 ところが、放送というのはそれがないわけです。相手がどんな顔をしているか、それはわかったものじゃないんで、やっぱりこっちから一方的な発信になりやすいわけです。人間は目、耳、口、鼻、受信発信の器管がありますけれども、何といってもやっぱり言語、それにNHKさんは今度画像が入って発信されるわけですから極めて強力なわけです。そういう常に発信の立場で、受信の立場になかなか立てないというところから、非常に発信は上手だけれども、例えば俗に言うとラッパは非常にうまく吹くけれども、どうも受信機
の方が余り性能がよくないんじゃないかというような感じがするわけです。
 ですから、そういう点も十分ひとつNHKの皆さんは注意をしていただいて、話上手と同時にやっぱり聞き上手になってほしいなと私は思いますが、これについてはどんな御感想でしょうか。
#152
○参考人(小山森也君) 私ども、会長からも常々そういったことについては全職員が心がけてやるようにという指示を受けております。特に今要するに受信者の皆様方の御意見というものをよく聞けというお話だろうと思います。つきましては、私どももそういったことについては万全の注意をしなければならないということを、この場も、先ほど先生がおっしゃいましたように、国民の代表である先生方からの御意見というのは一番の発信だろうと思います。よく御意見を伺いまして、私ども参考にいたしまして検討いたしたいと思います。
#153
○星川保松君 最後に、一つだけ申し上げたいのでありますが、これは極めて具体的なことです。
 私はテレビはドキュメントとニュースしか見ないということにしておるんですけれども、そのニュースの前に大変にぎやかな画面が出てくるんですね、音楽と画面と。そしてニュースが始まる。私たち受信者というのは常に平穏な生活を望んでいるわけです。それをにわかにこれからニュースを送りますよというあれを見ると、やっぱり心をかき乱される感じがするわけです。ああいうふうでなく、これからニュースをお送りしますからということで、静かな精神状態になれるようなものを前に送ってもらえるようにできないのかなと、こういう感じがするんです。これは年によって受け取る見方がまた違うのかもしれませんが、そういうこと。
 それから、ニュースというのは、きょうはニュースがたくさんありますから時間を延長しますということがありますね。それなら、きょうはニュースがないから縮小しますということがあってもいいんじゃないかと思うんです。ニュースなんか、大したことなければない方が私たちは平穏な気持ちで暮らせるわけですからね。何も無理して送ってもらわなくてもいい。そういうときには花便りでもまず出していただいて、もう日本全国四季いろんな花が咲いていますから、そういうものでも出していただいて、皆さん穏やかな生活ができるようにそういう配慮もしてほしいなと、こう思うんですが、これを最後に質問して終わります。
#154
○参考人(島桂次君) ニュースの初めにいろいろの先生おっしゃるような形というのは、非常に私はある意味では悪い傾向だと思っております。私がテレビを始めたばかりの三十何年前は、NHKニュースという字が出ただけなんですね。それを何かおもしろおかしく奇をてらって、かなり金もかかるんですよ、あれをつくるには。だから、その辺は考えていかなければいけないと思っております。現に、アメリカのCNNその他最も新しい傾向としては、どちらかというと昔に返りまして、余り奇抜なそういうものはやらないということになっておりますので、非常に貴重な意見としてお伺いしておきます。
 それから、ニュースがなければ短くする、これも我々の長年の研究課題でございます。三十分なら三十分とニュースを決めますと、、もうどうでもいいようなことまで延々とやっているという傾向もございます。これもまた重要な課題の一つでございますので、今後十分研究させていただきたいと思っております。
#155
○鶴岡洋君 私からは昔話じゃなくて、きょうのことなんですけれども、最初に会長に今回の役員人事の件についてお伺いしたいと思います。
 もちろん、私はNHKの役員人事については会長の専権事項であるということは承知をしております。ですから、私がこの人事についてどうのこうのと云々するつもりはございません。しかし、今回役員の約半分、いわゆる大幅な異動というか入れかえというか、なされたわけですけれども、その点については何かそこに特に意図があったのか、会長の意向がどうなのか、その点でございます。この人事について世間では何かと話題になっているようでございます。私もいい悪いは別問題にしてお聞きしております。
 端的にお伺いしますけれども、今回の役員人事についてどんなねらいがあったのか、またその背景は何かあったのか、意図はどうなのか。公共放送ですから当然これは会長から公にはっきりしてもらってもいいんじゃないかなと、こういうふうに思うのでございます。会長の役員人事の本心、意図は那辺にあったのかということをお聞かせ願いたいと思います。
#156
○参考人(島桂次君) 先生御指摘のとおり、今度大幅な役員刷新を行いました。これは恐らくNHK始まって以来じゃないかと思います。
 なぜこういう人事をやったかと申しますと、昭和三十四、五年ですね、教育テレビをつくったときに、その当時の経営は三千人近い大学卒業生を入社させたわけでございます。その連中がたまたまもう退職する時期になりまして、非常に全体が老齢化してきております。逆ピラミッド型の人事構成になってきている。ここはひとつヤングパワーの活用といいますか、大幅な人心一新ということが必要じゃないかということがまず前提にあったわけでございます。
 それに加えまして、先生御存じのように、NHKはいろいろ関連事業、特に国際化、そういう幾つかの課題をたくさん抱えているわけでございます。したがって、関連団体が幾つかどんどん拡充されたわけでございますけれども、この役員だけじゃなくて、一般職員についてもNHKと関連団体をクロスさせる、関連団体の役員も今度は本体の役員にする、本体の役員を関連団体に派遣して、そして強化拡充していくという、そういう多角的な観点の人事をどんどんやりたいというのが第二点でございます。
 第三点は、同じく地域放送ですね、地方の放送というのはやっぱり重要視しなきゃいかぬと。今までどちらかといいますと、一遍地方の局長へ出ますと、それで大体終わりというような感じが非常に強かったんです。東京の人間と地方の放送をやっている人間をクロスさせながら相互にもっと活発に交流させた方がいいということで、いわゆるNHKグループ全体の一環としていろいろの新しい試みをやってみようじゃないかと。つまり、もう行ったら行ったきりとか、やめたらやめたきり、あるいはそっちへ行ったらそっちということじゃなくて、もっとクロスさせようということで、ひとつ大幅な人事をやってこれから大いに交流を盛んにしようと、こういう趣旨でやったわけでございます。
#157
○鶴岡洋君 もう一点人事に関連してお伺いをいたします。
 ことしの四月、NHKは中途採用をやったわけでございますけれども、聞きますと二十二人のいわゆるキャリアウーマン、キャリアマンというのですか、採用したそうです。今までそうした採用の仕方というのは、私ちょっとNHKに関しては聞いたことがないんですけれども、なぜこの時期に中途採用したのか。この中途採用のそれこそねらいは何だったのか、また、それによってどんなプラスが出るのか。
 中途採用というのは、一般的には即戦力、実戦力、それを補うために中途採用ということがあるわけです。四月に中途採用した方々は二十二名と聞いておりますけれども、実際に採用して今日まで一カ月近くたっておりますけれども、実戦力、即戦力に役立っているのかどうなのか、中途採用をした経緯とその理由、それからねらい、そういう点についてお伺いをしたいと思います。
#158
○参考人(尾畑雅美君) お答えします。
 我々放送界をめぐります状況がもう毎年のように目まぐるしく進展しておりまして、特に厳しい国際化、それから多メディア化、それから視聴者からする我々の放送に対する非常に多種多様な要望がございます。そういったものにこたえるために、即戦力と先生おっしゃいましたけれども、こういう人材が必要になってまいりました。NHKも今までいろいろな種類の職種で人間を育ててま
いりましたけれども、最近の変わりように対するにはそういった必要が出てまいりましたので、六十有余年の歴史上初めて今回採用に踏み切りました。
 NHKは公共放送でありますから、広く門戸を開放するということで公募で募集いたしました。我々も心配したんですけれども、おかげさまで実に九千人の応募がありました。そのうち二千人について選考いたしました。それで、先生がおっしゃいましたように、二十二人の採用をしたわけでございます。
 それでその内容は、最近の必要に応じまして映像のディレクターでありますとか、それから外国語が駆使できる同時通訳でありますとか、それから国際共同制作に携わります海外放送機関と交渉するコーディネーター、それからコンピューターグラフィックを使いこなすようなディレクター、こういった多種多様な人材を採れました。おかげさまで既に配置してやっております。この中には、生涯NHKで働くということではなくて、単度で契約社員の方が結構ですという方もいらっしゃいまして、そういう新しい雇用もやっております。
 それで、各職場に配置しまして、即戦力ということで直ちに能力を発揮してほしいということでありますが、今のところ非常に多種多様な能力を早速発揮していただいております。そのおかげをもちまして、今まで働いているNHKの各分野の連中も、これは負けちゃおられないということで、職場に活気を与えている副次的な効果が出ております。
 引き続き今年度も、この実績を生かしながら、また新しい視点でこういうキャリア採用を続けていきたいというふうに考えております。
#159
○鶴岡洋君 もう一点ですけれども、男女雇用均等法というものが成立してもう久しいわけでございます。両方に女性の方がいるから私申し上げるわけじゃないんですけれども、今や企業側の女性パワーの活用、それから社会のあらゆる職種への女性のいわゆる進出、これは目覚ましいものがあるわけでございます。
 この女性の活用ということについて、NHKは今日までどういう対応をしてこられたのか。また、現在放送関係というのは、アナウンサーを初め女性の働く職種の多いところだ、こういうふうに私たちは理解しておりますけれども、どんな職場にどのくらいの女性職員が、またどんな仕事をしているのか。女性の活用についてNHKの現状と、またこれからいわゆる女性パワーの活用の方策についてはどういう考え方を持っておられるのか。この点についてお伺いいたします。
#160
○参考人(島桂次君) 具体的な数字につきましては、後ほど別途説明させますけれども、基本的には放送事業というのは、いわゆる聴視者の方々は男と女はほぼ同数でございます。したがって、つくる側も本来なら同数が一番理想的でございますし、現に外国の放送局では、社会主義国はもうもちろんでございますけれども、アメリカ、ヨーロッパでも大体三分の一以上が女性職員ということでございます。そういう意味で言いますと、日本のジャーナリズム、NHKもそうでございますけれども、男社会といいますか、男中心であり過ぎたということで、私はここ数年間特に女性パワーを積極的に活用するということで、いろいろ今努力しているわけでございます。
 これは、女性の方々を引きつけるためには、やはり女性のフィーリングというものを、女性の目から見た番組というものをもっと積極的に開発するという必要性が当然あるわけでございます。そういう意味で、残念ながら今までの日本の社会的現実は非常に女性にハンディがある、結婚もするし、子供も育てなきゃいかぬ。そういうハンディをある程度、ゴルフじゃありませんけれども認めながら、やっぱりある程度女性の立場を認めながら、そこから先は男と女を問わず能力第一主義ということで、かなり女性の管理職、あるいは一つのセクションの責任者というものは今までなかったわけでございますけれども、そういうものもここ一、二年活用しているわけでございます。
 そういうことで、将来は女性の役員もできるだけ一日も早くつくりたいし、日本を代表する女性キャスター、つまりアメリカ、ヨーロッパでもたくさん育っております。そういう形にどんどん持っていくということで、大いに積極的にやっていきたい、こう考えておるわけでございます。
#161
○参考人(尾畑雅美君) 方針は今会長が申したとおりであります。
 数字について御説明いたします。残念ながら今のところ女性の従業員の割合は六%でございます。しかし、今会長が申しました方針に基づきまして、前からディレクターですとかアナウンサーでは女性が活躍しておりましたけれども、続いて五十八年に記者が誕生いたしましたし、それから技術の幹部要員も採り出してきたわけであります。それから経営管理にも広げまして、最後に残りましたかなり力の要る労働なんですけれども報道カメラマンにも採用いたしましたので、全職種に女性が進出して活躍しております。
 それから、採用人員でありますが、六十一年は十二人でした、女性の幹部候補は。それが平成二年度は三十五人、三倍にふえまして、平成三年度は八十七人、六十一年に比べますと七倍にふえております。去年平成二年度は採用者の一一%でしたけれども、今度平成三年度は採用者の二〇%というふうにふえておりまして、会長が申したとおり、採用も非常にふえておりますし、能力も高まっております。こういうことが続いていきますと、女性の活躍の場、それから抜てきも非常に多くなってくるだろうというふうに思っておりますし、それを期待して女性の登用を進めていくというふうに考えております。
#162
○鶴岡洋君 次に、衛星放送の有料化について、まず第一点は四月十九日のBS3H、これもけさからたくさん話は出ております。
 この打ち上げの失敗で私考えさせられることは、技術的にもまだまだ不確実な不安定な放送衛星に対して、それに加えて十分な補完体制ができないうちに有料化に踏み切ったということは、これは結果論ですけれども問題ではないかな、こういうふうに思っております。もちろん、一昨年八月一日から有料化になったわけでございますけれども、その有料化になる前の議論の中には地上波を受信している視聴者の出すお金、それで衛星の試験放送をやったりということについては、これは公平の原則から反する、こういう意見もあって、早く本格化していわゆる受益者負担というんですか、そういう形をとりたい、こういうことで議論があったということも私は承知しております。
 しかし、今申しましたように、現在の不安定な、補完体制もしっかりしていない、こういう状況を考えると、私はちょっと時期尚早でなかったかなと、こういうふうに思うわけです。補完衛星が落ちたからごめんなさい、済みませんでは私はこれは済まされないと思います。早まったこと、こういうことについて、責任といってもこれほどこまでが責任かわかりませんが、NHKとしてはこの責任をどういうふうに感じておられるか。郵政省の方と両方にお聞きしたいんです。一言で結横ですからお答え願いたいと思います。
#163
○政府委員(桑野扶美雄君) 有料化に踏み切る節々におきましては、それなりに悩みもし、決断もしてまいったわけでございます。一連の経緯の中で措置したことであるわけでございますけれども、結果的に今日の事態に至りまして、今後の衛星放送の運営に大変国民の皆さんに御心配をおかげするような事態になりましたことにつきましては、大変申しわけなく、心からおわびを申し上げたいと思うわけでございます。このこと自体重大な事態だというふうに受けとめておりまして、今後の衛星放送のあり方につきましては十分私どもとしても心して対処しなければいけないというふうに今思っている状況でございます。
#164
○参考人(島桂次君) NHKといたしましても、本格的な衛星放送を始め、もう既に三百万を超え四百万に近い普及になっているわけでございま
す。この放送が中断するようなことになれば大変な事態を招くということ。それから、もうちょっと慎重にこの衛星放送をスタートさせるべきではなかったかということについては、NHKの責任者として非常に本当の意味で責任を痛感しているわけでございますけれども、私が今この責任を果たすということは、やはり一日も早く補完衛星なり万全の措置をとって、少なくとも放送中断、それにより聴視者に御迷惑をかけることを可能な限り避けるべく最大限の努力をするということにあるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
#165
○鶴岡洋君 次はBS3Hの関連でございますけれども、この点については午前中いろいろな角度から論議もございました。
 もう一度私お聞きしたいんですけれども、BS2bですね、これは実際問題として一月でだめなんじゃないかなという話もあったし、五月ではもうだめなんだ、それが先ほどの中村参考人の話を聞くと八月の半ばまでと、こういうお話もございました。あなた行って見たわけじゃないでしょうから技術的にどうなのかということなんでしょうけれども、これはいろいろなところから話を聞いても、技術的にも八月半ばまではちょっと無理じゃないかなと、こういうふうに私は思うんです。いずれにしても、中村さんの方から、ここまでは大丈夫じゃないかなというその根拠、それちょっと教えていただきたいと思います。
#166
○参考人(中村好郎君) 私どもが多分大丈夫じゃないかということを申し上げている裏づけの一つとしては、NHKは全国に何カ所か受信の専門局というのを今持っておりまして、ここで常時電波を受けております。その電波の強さをNHKの放送センターの方に集めまして、そういう意味では現在の放送衛星2bがどういう状況になっているのかということについては二十四時間体制でウオッチしている、こういう状況でございます。これが一月末の状況から今日までの間大きな変化をしておりませんので、このまま少なくも五月末までは大丈夫だ。
 あと六月以降に、どういう状況で日本の周辺地域の電波が少しずつ弱くなっていくかということにつきましては、この衛星の姿勢制御は通信・放送衛星機構が担当してくださっておりますので、今機構の方とも十分連絡をとりながら、六月ならこの辺まで、あるいは七月ならこの辺までというようなことを一緒になって検討しておるという状況でありまして、八月の中旬くらいまでは北海道あるいは九州のごく一部以外は現在の良好な受信の状態が続くのではなかろうか、こういう推測をしておるわけでございます。
#167
○鶴岡洋君 そこでお聞きしたいんですが、いずれにしても補完衛星とすべき3Hが失敗に終わったわけでございますので、これからの衛星放送についてNHKは二波、それからJSBは四月一日から始めて一波あるわけです。今月いっぱいぐらいには決めなきゃならないと私思うんですけれども、この話し合いはどうなっているのか、この点はどうなんですか。
#168
○参考人(中村好郎君) NHKとJSBとの間の話し合いは、今のところ毎日続けておる状況でございます。昨日までの話し合いの中で、私どもは基本的に3aの二チャンネルで放送を継続したいということをベースにしてJSBとお話し合いをしているわけでございますが、お互いに妥協点を見出すというような状況にまだなっておりません。
#169
○鶴岡洋君 そうすると、今BS2bの話もその交渉の中に、話し合いの対象にしているということなのかどうなのか、その辺はどうなんですか。
#170
○参考人(中村好郎君) 先ほど申し上げましたけれども、2bが一体六月、七月、八月にどういう状況になっていくのかということをはっきり私どもも理解をしませんと計画が立ちませんので、先ほど申し上げましたように、六月以降の2bの状況についていろいろ機構等からお話を承っているという状況でございます。
#171
○鶴岡洋君 先ほど八月半ばまで何とかなるんじゃないかなという、こういう根拠をお聞きしました。私が判断するのには、燃料はもう五月に既に切れているということになると、技術的には私わかりませんけれども、恐らく電波層というんですか、これが左右に揺れるか南北に揺れるか知りませんけれども揺れている、こういうことだと思うんです。それじゃ酔っぱらいと同じなわけです。燃料がましてや切れているわけですから、ある日突然ジ・エンドになるという可能性もあるわけです。
 そこで、私が思うのには、そういうことでJSBが2bを使うようになった場合には、先ほど及川さんの方からお話あったように、もしそういう故障が起きたということになれば、これはやっぱり責任という問題についてまた問題が出てくるんじゃないかなと。したがって、この際そういう中途半端なものを使わないで、はっきりと責任の明確化といいますか、こういうことで一つは、この期間はもうだめなんだから、トランスポンダーも二本しか使えないんだから、だからこれはNHKで使う、こちらは使わない、したがって料金を払い戻しする。NHKの場合にも、二つ使わないで一つ使うから受信料を払い戻しするというか、何か形を考えると。
 いずれにしても、今の状況でいけば選択肢というんですか、どういうふうにするかというのは、これは私は一つしかないと思うんです。要するに、今ある3aのトランスポンダーの二つをどういうふうに使うか。2bの場合は、今言ったように、そういう非常に不安定な状況にあるということがはっきりしているわけですから、この二つのうちどういう形で使うかということに尽きる。選択はそれしかないんじゃないかなと。それをどういうふうにするかというのは、これは当事者同士ですから当事者同士で話をするのは当たり前だと思います。
 そこで、私お聞きしたいのは、監督官庁として郵政省が話し合いの間に入ってそれを決めなきゃならない時期じゃないか、十九日に落ちたわけですから。今聞くと、毎日交渉している、話の内容は平行線だ、こういうふうになっているわけです。ずっと平行線でいけば、これは迷惑するのは国民であるし、もちろんNHKさんも心配であることは間違いないんです。だから時期として、先ほどもちょっとお話あったようですけれども、きょう、あしたのうちと言わないけれども、平行線ならば、やはり国民の立場に立って、視聴者の立場に立って、これ政府ですから郵政省が中に入って話を早急に進める用意があるのか。今私言ったような中でどういう選択をするのか、その基本姿勢はどうなのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#172
○政府委員(桑野扶美雄君) ただいまNHKの方からお話ありましたように、NHKとJSBが目下鋭意議論をしておるわけでございますけれども、それで結論が出ればよし、しかし出ないことも十分考えられるということで、私どもは、今週中といいますときょう、あす、あさってということでございますので、そういう期限をめどに関係者の話を私の方で引き取りまして、それぞれの御説明あるいは言い分というものを伺いまして、私どもとしての両者の調整といいますか、そういうものをさせていただきたいということをNHK及びJSBにも申し上げておりますし、またそのようにするつもりでございます。
#173
○鶴岡洋君 どういうふうにしたらいいと思うか、基本方針はどうですか。
#174
○政府委員(桑野扶美雄君) 今お話し合いをしておられるわけでございますから、その結論は私ども御報告を受けて、それから考えるべきものというふうに思っておりまして、ただいま結論を持っているわけじゃございません。
#175
○鶴岡洋君 じゃ、早急にやっていただけるということはよろしいですね、平行線であれば。もちろん、当事者同士がこれは決めれば一番いいことですけれども、迷惑するのは国民であるから、視聴者の立場に立って政府がきちっとそれを処理する、こういうことを私申し上げているわけですから、よろしくお願いいたします。
 それから、2X、3Hと昨年、ことし続いて失
敗に終わったわけです。NHKとしては補完衛星を見つけているという、こういう新聞記事も私見ておりますし、仮にロケットはあっても衛星本体がなければ何の役にも立たないわけなんですけれども、NHKは見つけるそのめどが現時点であるのかどうなのか、この辺はどうなんですか。
#176
○参考人(島桂次君) 3Hが失敗した直後から今鋭意中村君以下技術陣を中心に全員がいろいろ手分けしまして、全世界のロケットあるいは中継器を探している最中でございますので、結論といいますか、ある程度の見通しがつき次第皆さん方にまた御報告するつもりでございますけれども、できるだけ早く何とかしたいなというのが現状でございます。
#177
○鶴岡洋君 一方、郵政省にお聞きしたいんですけれども、当の郵政省はことし八月に打ち上げられるBS3bですか、この打ち上げを待っているような感じが私はしてならないんです。
 それよりも何よりも、何らかの手は打てないのか。今NHKの方では次のものを探している、こう言いますけれども、例えば私が思うのには、この八月の打ち上げを早めるとか、これはもう漁業権があってどうのこうのということは私も承知しておりますけれども、少しでも打ち上げを早める方法を考える。また、打ち上げが終わって運用されるまでには大体二カ月か三カ月、こういう試験期間、調整期間というんですか、これがある。それも何らかの形で早める方法はないのか。その辺は郵政省としてはどういうふうにしたらいいと思いますか。
#178
○政府委員(白井太君) 実際に衛星を打ち上げますまでには、衛星本体のテストはもちろんのことでありますし、それからロケットについても必要なテスト等も行うという必要がございます。衛星について言えば、現地への運び込みからあるいは現地における打ち上げ直前のいろんなテストということのスケジュールがぎっしり詰まっているというような状況のようでございます。したがいまして、それらを考えますと、BS3bについて打ち上げの時期を現在予定しております八月よりさらに早めるというのは困難な実情にあるということのようでございます。
 ただ、先生が後半でおっしゃいましたように、打ち上げた後、実は実際に実用を開始するまでの間に各種の機能の確認試験などを行うわけでありますけれども、これにつきましてはいろいろ効率的なやり方というものをさらに工夫する余地がないわけではないと聞いております。そういうような措置をとることによって、運用開始の時期をできるだけ早めるというようなことは精力的に考えていかなければならないのではないかというふうに考えております。
#179
○鶴岡洋君 関連して大臣にお伺いしますけれども、今のこの点でございますけれども、いわゆる一機体制がいずれにしても続くわけです。それから、そうなった場合には非常に心配な部分もあるし、万が一その一機体制で事故が起きた場合には、それはもうそれこそパアになってしまうわけです。また、これからのことを考えて事故が起きないとはこれは約束ももちろんできませんし、できないと思いますし、放送衛星、星を上げる機会が多くなると思うわけです。
 今種子島から上げておりますけれども、日本では現在ロケットの発射基地というのは、今言った種子島とそれから文部省の関係で使用している内之浦、二つが基地としてあるわけです。内之浦では今のいわゆる衛星は上げられないということも私承知しておりますけれども、今言いましたように、衛星の運用に何らかの支障が出た場合とか、これからたくさん星を上げなきゃならないということも含めて、どちらの基地でも打ち上げができるようなこういう体制にしておくのが一番いいんじゃないかな、こういうふうに思うんです。
 この点は、監督官庁というんですか、打ち上げの方は科学技術庁になると思うのでございますが、文部省と科学技術庁の方へ大臣も、郵政大臣ですけれども政府の一閣僚でございますから、またこれに一番関連のある関谷さんですから、この点について文部省に話をする用意があるのか、科学技術庁に話をする用意があるのか、またこういうふうにしたらいいんじゃないかと私は思うんですけれども、その点についてお答えいただきたいと思います。
#180
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のように、これからは補完体制というものを十分にやっていかなければならないと思うわけでございます。先ほどの平野委員の御質問のときにも、いろいろ今日までの放送衛星の打ち上げ失敗のものを一覧表にしてみたというお話がございましたが、本当にそういうふうにしなければならないほど大変な経過を経てきておるわけでございます。その結論は、くどいようですが、やはり補完体制をどのようにしっかりやっていくかというようなことであろうと思うわけでございまして、文部省所管でございます内之浦の問題等も考えていかなければならないと思っております。
 それから、どうしても複数衛星によるチャンネルの分散ということも考えなければならないと思っておりますし、あるいは共通の予備機の打ち上げをやるとか、あるいはまた地上予備機の製作等につきましても、重層的なあらゆる角度からの補完体制をとるようにやっていかなければならないと考えておるわけでございます。御指摘の内之浦の問題は、これは打ち上げます衛星の数の問題もございましょうし、またその能力の問題もございましょうから、そういうことも頭に置いて文部省あるいは科学技術庁とも相談をしていかなければならないと思っております。したがいまして、先生の御指示の方向に向かって勉強をしてまいります。
#181
○鶴岡洋君 終わります。
#182
○山中郁子君 私は、きょうはNHKの公共放送としての責務に照らして政治的に公正な立場をしっかりと確立するという問題についてお伺いいたします。
 具体的には、その中身の一つとして、既に退職されましたけれども、NHKの特別主幹という職にいらした磯村尚衛氏の発言をめぐる問題も入っております。せんだってのNHKの予算審議の逓信委員会の際にはちょうどその磯村尚徳氏が都知事選の候補者として選挙をしておられました都知事選のさなかでしたので、私はその節にはあえてこの問題は控えました。それできょうの機会を待っていたわけなんです。
 昨日の衆議院の逓信委員会で我が党の菅野議員がお尋ねをいたしました。そのことに対して小山副会長からさまざまお答えがありました。私は、ぜひきょうははっきりしていただきたい。それは、小山副会長は、菅野議員が指摘した問題について、これは磯村氏個人の表現の仕方の問題だという趣旨のお話をなすったわけです。その問題は、そのようにNHKが本当に本気で国会で答弁なさっているとしたら、こんなに国会と国民を愚弄することはないと思いますので、はっきりしていただきたいということであります。
 その前に、私が問題としています磯村氏の発言というのが何であるかを、NHKの方は当然よく知っていらっしゃるわけですけれども、一応申し上げます。それは、ことしの一月一日にNHKの特別番組、スペシャルとして報道されました中で磯村氏がコメントした部分です。
  それにつけましても、私たちはこうした国際情勢の急激な変化に対応していかなければなりませんけれども、一九九〇年の一年に見る限り、日本の対応というものは、あくまでも外の要因に対して受動的であり、かつ外国の目から見ると自国本位の身勝手さというものが目についた一年でもありました。
  これまでのように、航空機の事故があると、日本人の乗客はおりませんでしたということで済まされる世の中でもありませんし、これからは、中東貢献策に見られるように、危機管理体制を一段と整備し、そしてまた柔軟にかつ血も汗も流すような覚悟が求められる時代に入ってきたということが言えると思います。
 私が問題とする箇所は、これは正確に全部テー
プを起こしましたから、こういうくだりです。
 この「血も汗も流す」という言葉が、今もそうですけれども、湾岸危機が始まって、そして湾岸戦争が始まって、それで自衛隊の海外派遣が問題になって、昨年の臨時国会での国連平和協力法の問題がさまざま論議されて、そしてこれが廃案になって、また今掃海艇の派遣が問題になっているという、この一連の日本の政治の状況の中で、国民の皆さんのさまざまな御心配やあるいは議論の中で何を意味しているかといえば、血を流すということは、これは自衛隊の海外派遣の問題に結びつく問題だということは、だれが見てもだれも否定できない事実なんですよ。
 政治の世界では、私も国会へ来て初めて知ったんですが、よく努力をすることを汗を流すというふうに言うことは私も今知っています。しかし、血を流すという問題は、これはまさに今申し上げましたように、そういうことを意味して昨年来からずっと議論の的になっている問題なんです。私どもがこの問題を指摘しているにもかかわらず、それは磯村さんのあのときの個人的な一つの表現方だけである、そういうことを、小山さん、NHKの代表として国会で答弁なさるんですか。私はこの問題についてはもう明確にしていただきたい。
 いいですよもう、小山さんじゃなくて会長からお答えいただけばいいんですけれども、その前提として、前回の予算の審議の際に、私はNHKの将来展望に関連して公共放送の原点ということについて強調いたしました。放送法第一条でうたわれている公共の福祉に役立つ、放送の不偏不党、表現の自由の確保、民主主義の発展に資するなどに常に立ち戻ることが必要である。そうしましたら、そのとき会長は、「御指摘のとおり、我々はあくまで公共放送でございますから、その基本的なところは堅持しつつ新しい時代に対応するということでなければいかぬ」と答弁されました。
 それから、もう一つ思い起こしていただきたいのですが、これは一九八九年の十一月三十日の当逓信委員会の審議の中で、これは一九八六年の決算を審議した際です。そのとき私は、外注の問題、つまり外部に発注する問題ですね、そのことについて伺いました。そのときにも島会長は、報道というのは、つまりいろんなものの外注の中で、特に報道というのは大事なことだということでおっしゃって、外注はしないということを言っていらっしゃるわけです。どういうふうに言っていらっしゃるかというと、
 報道というのは、これはなかなか統一的な共通項というものを一人の編集責任者のもとでやりませんと非常に難しい実態があるわけです。
  それと、さらに公正さというか、こういうものについての必要性というのが非常に高い。これは先生も御存じのとおりだと思うのですけれども、そういうもので、これがいろいろの形でばらばらになるということは非常にNHK報道の全体像というものを損なう場合もあるかと思いますので、そういう性格上、今のところ少なくとも外注したりなんかするということは考えておりません、
外注の問題でそういうふうにおっしゃったわけ。でも、おっしゃっている中身は、報道というのはNHKの全体像というものを損なってはならないと、公共放送としてそこにちゃんと立脚しなければならないと、こういうことをおっしゃっているわけですね。
 私はまず、こういう会長の、今までほかにもたくさん折に触れて答弁されていらっしゃいますけれども、そういうことをきちんと確認していただきたい。そうすれば、磯村さんのこの発言がいかに公共放送としての不偏不党、公正な立場を損なう結果を生み出しているかということがおわかりになるし、その点についての反省をしていただかなければならないと思います。
#183
○参考人(小山森也君) まず、前段のことについて私申し上げます。
 きのう、私は確かに逓信委員会で、衆議院の逓信委員会でございますけれども、御質問に対しまして、私は当然編集の責任の範囲内において許容できるという意味で申し上げたわけでございます。それは、この中の「血も汗も流すような覚悟」というのは、全体的に見ますと、これは全力をもってそれぞれの個人が、世界的によく日本の立場をわきまえ、かつ自己の努力というのがグローバルの中での個人としてどういうふうに行動すべきかということを強調したものであると。しかし、私は一個人が言ったというつもりで言ったことはございません。こういった表現をあらわしましても編集の責任は私どもにあります。この編集責任者としての許容の範囲であるということを私は申し上げたつもりでございます。
#184
○山中郁子君 それでは、NHKとして責任を持ってこれは言った発言だということですね。つまり、磯村氏個人の表現の仕方だという答弁をきのうなすっているはずですけれども、そういうことではないということですね。
#185
○参考人(小山森也君) 編集全体の中での許容の範囲であるということを申し上げたわけでございます。
#186
○山中郁子君 私は、さらにそれでは明確にしていただきたいということです。この血を流せという発言、こういう言い回し、これは当時から今に至るまでの、初めに指摘しました日本の政治状況の中で自衛隊の海外派兵ないし派遣、いろんな言い方がされますけれども、そういうこととして論議をされていたということは当然のこととして認識されているということですか。
#187
○参考人(小山森也君) そのような議論があったことは承知しておりますが、私どもが政治の世界の中でそれが実現できるかどうかというような議論はしたといたしましても、私どもの一つの編集の中で、これが戦争に、出兵につながるというような理解はしないということでございます。
#188
○山中郁子君 これがというのは何のことをおっしゃっているのかわからないけれども、血を流せというその発言の問題を私は言っているんです。
 それで、これがあなたは当時の政治状況のもとで、あったことは知ってはいるけれども、知っているということは、この問題で国論が二分されていたんですよ。そしてNHK自身の、あなた方のアンケート自体においても、自衛隊の海外派遣については、昨年十月実施した世論調査で六一・四%が反対、これを憲法違反とする人は五三・八%を占めていました。それからまた、朝日新聞が行った電話世論調査、これは二月の二日、三日に実施されたものでありますけれども、これも自衛隊の海外派遣には五五%が反対を表明する、こういう状態でありました。今掃海艇の派遣についてもいろいろ論議がされています。
 そういう中で、私はあなた方がしっかりと立っていただかなきゃならないことは、会長もそういうことで質問すれば、中立、公正、不偏不党と、こうおっしゃるけれども、放送法第三条の二には、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」、「政治的に公平であること。」。「放送の不偏不党、」、これは第一条でありますけれども、そういうことがうたわれている。
 そういうときにこういう問題を、一つはNHKの単なる一キャスターじゃないですよね、磯村さんは。そして、特にその前の年から自民党や公明党や民社党の皆さん方の推薦で都知事選に出るとか出ないとかという話がもうずっと出ていた人でしょう。そういうことが論議されていて、週刊誌や何かにもいっぱい書かれている。そういう状況のもとで、NHKのキャスターとして公共の電波を使う、公共放送であるその電波で放映される中でそういう発言をするということが、いかに放送の不偏不党、公共放送としての立場を損なうものであるかということを私はしっかりと反省してもらいたい。
 今後そういうことはしないと、そういうことについては今後はやらないということを明確にしていただかなければ、それじゃこれが正しいのだ、これは間違っていないのだとおっしゃるなら、これからまたそういうことをあなた方がおやりにな
るということになる。だから、私は今そのことを申し上げている。それは会長、ぜひそういうことについての反省と、今後そういうことはないと、もちろんあってはならないことなのですから、そのようなお約束をいただきたい。
#189
○参考人(小山森也君) いろいろ週刊誌等にあったではないかと言いますけれども、御本人はそういう話は全くなかったわけでございまして、NHKの職員としていたわけでございます。それは週刊誌等の話でございます。
 ただ、私どもが先ほどから重ねて申し上げておりますように、全体の論調から見まして、世界の平和のために全力を挙げたらどうかということをこのような表現でやった。これは、その表現につきまして、編集権の問題として許容の範囲であると私は思っております、こう申し上げておるわけでございます。
#190
○山中郁子君 本当にそうなの。会長、それでいいんですか。NHKはきょうの参議院の逓信委員会で、決算審議のときにこの問題についての御答弁、そういうことでよろしいんですか。
 血を流せという問題は、いろんな材料があるけれども、時間が限られているから私は全部申し上げられないけれども、例えばこれは昨年の十一月八日の朝日新聞です。「湾岸危機と日本」という連載の中で、自民党の国防関係三部会の訪米団の倉成団長から海部首相が電話を受けて、そして二十一世紀を考える懇談会を中座して受話器をとったという趣旨のことがドキュメント風に報道されています。要するに、この訪米団がアメリカに行って、「十日、カーネギー財団が主催した「有識者懇談会」。マクナマラ元国防長官、コルビー元CIA長官ら約三十人が、日本の「貢献不足」を攻め立てた。」。そして「米国は数十回にわたって軍事出動し、貴い人命を失い、血を流してきた。」、「日本が血であがなう貢献を決意するためには、日本人の教育が必要だ」ということでいろいろ責め立てられた。そして、このときに団員である田村秀昭氏が、「我々は生命を賭けて中東で戦う覚悟だ。」と。それからまた、これも東京新聞で報道されて大きな問題になりましたけれども、山崎拓元防衛庁長官が、血を流す、その問題について発言をする、続々とこういう問題が出てきているの。
 これが自衛隊の海外派兵を意味する、海外派遣を意味するということは、これお認めになるでしょう。そういうことは、このときに血を流すということを言うということは、湾岸問題で、中東情勢で言うことは、これは自衛隊の派遣という問題につながる。朝日ジャーナルだったと思いますが、たしか週刊誌で小沢幹事長に対するリップサービスだというようなことが報道されていましたけれども、それはともあれ、現実の問題として自衛隊の海外派遣が昨年来ずっと問題になっている中で、血を流すということが現実に日本の自衛隊が外国へ行く、湾岸戦争、湾岸危機に派遣する、そういう問題と関係ないとおっしゃるの。そんなことないでしょう。そういうことを関係ないと言うんだったら、あなた方ジャーナリストとしての、ジャーナリズムとしての資格は何にもないですよ。
#191
○参考人(島桂次君) 基本的には、今小山副会長の申したとおりの我々は番組制作態度であり、十分我々の編集権を行使した番組であるとは思いますけれども、先生がおっしゃるような血を流すというような表現が誤解を招いているのじゃないかなという今感じをしております。それが率直なところでございます。
#192
○山中郁子君 誤解じゃないんですよ。誤解の余地はないことです、これは。そうでしょう。
 それで、もう一度それに含めて申し上げますけれども、小山さんは盛んに編集権の範囲と言っていますけれども、もともと公共放送の主権者は国民であり視聴者なんです。この国民主権を軽視したあなた方だけの絶対不可侵の番組編集権なんてないんです。放送法でちゃんとはっきりしているんです。そして、ましてや政治的に不公平な放送をしてもよいなんという編集権はありません。それから、国民の知る権利を妨害する自由がNHKにないということも、これもはっきりしている。だから、編集権を振りかざすなんという性格の問題じゃないんです。はっきりしておいていただきたい。
 それから、会長は誤解があるかもしれないとおっしゃるけれども、誤解ではないということは、今私は幾つもの材料を持ち出して申し上げました。そのほかにもたくさんあります。
 しかし同時に、この自衛隊の海外派遣とまさにリンクして、そのものずばりですよ、中身は。リンクして、そのようにして言われていることを、あなた方がこういうふうにして編集権の範囲内だということ、責任を持つということでしょう。それはある意味ではNHKの責任でやったということでしょう。だったら、憲法問題はどうなるんですか。私は今ここであなた方の憲法認識を問います。ごく基本的なことしか問えないのが残念でありますけれども、これは今までの国連平和協力法の過程でも今でも議論されている問題です。私はここで三つの問題を資料として引用いたします。
 まず、自衛隊の海外出動禁止決議、これは参議院の本会議で一九五四年六月二日に行われました。つまり、
   自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議
  本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。
  右決議する。
これが一つです。
 それから、これに関連して、当時の木村防衛庁長官が答弁されました。
  只今の本院の決議に対しまして、一言、政府の所信を申上げます。
  申すまでもなく自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接並びに間接の侵略に対して我が国を防衛することを任務とするものでありまして、海外派遣というような目的は持つていないのであります。従いまして、只今の決議の趣旨は、十分これを尊重する所存であります。
このときに当時の木村防衛庁長官がこのように発言されています。
 それから、衆議院の内閣委員会で高辻内閣法制局長官の答弁がやはり明確にされています。これは一九七一年の五月十四日でありますが、
 自衛権の行使の限界というものを非常に重大視しておるわけで、それを越えるような、たとえば海外に対する派兵というようなことになりますと、自衛権の限界を越えるがゆえに憲法に違反するという考え方を持つわけです。
 もう一つだけ引用します。海外派兵について、政府の統一見解として、これは衆議院の稲葉誠一議員の質問主意書への答弁書です。一九八〇年の十月二十八日。
  従来、「いわゆる海外派兵とは、一般的にいえば、武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することである」と定義づけて説明されているが、このような海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと考えている。
 私は今限られた引用しか申し上げませんでしたけれども、こういうことは当然NHKとしては認識されていらっしゃるのでしょう。だったら、血を流せという発言がどういうことを意味していたかという状況に照らせば、明らかに誤解だなどと言わず、間違っていたということを明確に表明すべきです。憲法を認めないわけじゃないでしょう。
#193
○参考人(島桂次君) NHKは公共放送でありますし、あらゆる意味で私は憲法を尊重してやっているつもりでございます。
#194
○山中郁子君 それでは、今私が四つの例を申し上げましたけれども、そのように自衛隊の海外派兵、海外派遣、どういう言い方をしましても、それは憲法に違反するのだというそのコンセンサス
はお認めになる、認識されているということですね。
#195
○参考人(島桂次君) 自衛隊派遣問題も含めまして、あらゆる意味で私は憲法を尊重する立場で放送を出しておるわけでございます。
#196
○山中郁子君 そうしましたら、先ほど小山さんもお認めになったし会長もそういう立場に立って答弁なすったと私は理解いたしましたが、血を流せという発言は、血を流すということは自衛隊の海外派兵のことだと、海外派遣のことだと、そのことはもう当時の状況から明確で、だれもそのことが違うと言う人はいないんですよ。だったら、あなた方が責任を持って、編集権の範囲にあるんだというふうにおっしゃっているこの問題がやはり大きな間違いである、公共放送としてはそういう立場に立ったコメントをすべきではなかったんだということを明確にしてください。
#197
○参考人(小山森也君) 自衛隊の問題ではなしに、私が先ほどからるる申し上げております、それから編集権の問題を振りかざしてというつもりもございません、ただこの表現が前後のつながりから見まして、全国民が世界の平和に貢献するためにそれぞれの立場でできるだけのことをすべきだということの表現だと、私はそのように理解して許容範囲だと、こう申し上げているわけでございます。
#198
○山中郁子君 小山さんは、報道出身、ジャーナリスト出身じゃなくて、郵政省からいらした方だからそういうとぼけたことを言って平気でいらっしゃるのかもしれないけれど、島会長、あなたは報道ジャーナリストだということを誇りにもされていらっしゃる方だと伺っていますけれども、それでいいんですか。血を流す、一般的な努力で血を流すって一体どういう意味ですか。そんなことだれも思っている人はいないですよ。これは自衛隊の海外派兵の問題として取り扱われたんじゃないですか。それをお認めにならないの。それでNHKがジャーナリズムの中に存在できるんですか。どうですか、会長。
#199
○参考人(島桂次君) 山中先生とはどうも表現の解釈についてややちょっと私と見解を異にしていると思います。
#200
○山中郁子君 じゃ、血を流せというのはどういう意味なんですか。努力をするって言って、血を流すっていう努力の仕方というのはどういうことなんですか。私がさっき言いました、汗を流すということはこの国会の中でよく使われます、それはね。血を流すというのはどういうことですか。自衛隊の海外派遣のことで言われてきたことでしょう。それも認められないんですか。そういう認識もないということですか。
#201
○参考人(島桂次君) 世界の平和のために一生懸命やっているという私は表現として考えているわけでございますけれども、先ほど申しましたように、この血を流すという言い方がやや誤解を招いたなという感じをしているということを終始申し上げておるわけでございます。
#202
○山中郁子君 誤解を招いたのではないということを私は何回も先ほどから申し上げました。もう時間が限られておりますから、いずれにしても今後の問題として、このような不偏不党、国論の大きな意見が分かれているところは多角的、多面的に報道しなければならないという立場はしっかりと守らなければならない。このような、あなた方は誤解というふうに言い張るけれども、どういうことであれ、そのようなことは今後はしない、してはならない、このことのお約束はされますか。
#203
○参考人(島桂次君) 山中先生に誤解を受けたということは、我々として表現の、もうちょっとそういう誤解を与えないようなきちっとしたような形で、これから十分注意してやっていきたいというふうに考えております。
#204
○山中郁子君 そういうふうに私に誤解を与えたとおっしゃるから、私もそれはそれで済ますわけにいきません。
 これはちょっと確認しましょう。血を流せという言い方がさまざま言われてきて、たくさんありますよ。そういうことが自衛隊の海外派遣を意味して報道もされてきたし、あなた方も取り扱ってきたでしょう。そういうことはなかったんですか。ないんですか。今の日本にないんですか、そういうことが。先日も国会でそういう発言があったりしているでしょう。それは自衛隊の海外派遣の問題でしょう。違うんですか。
#205
○参考人(島桂次君) たびたび同じことを申し上げて恐縮でございますけれども、私は一生懸命やるんだという表現がやや誤解を与えるような表現であったということは認めたわけでございます。それに尽きるわけでございます。今後はそういうことのないようにしたいと、こう考えております。
#206
○山中郁子君 私が求めているのは、自衛隊の海外派遣の問題を血を流せという形で、アメリカにも言われたし国内でも議論されているということをあなた方は認識されていますねということを確認してください。磯村さんの発言がどうのこうのというのはもういいですよ、別にして。横に置いていいですよ。
#207
○参考人(島桂次君) 日米関係あるいは湾岸戦争をめぐる国際関係について、いろいろなことがいろいろな形で伝えられているということにつきましては、私も十分認識しております。
#208
○山中郁子君 いろいろのことがいろいろな形でじゃないんです。自衛隊の海外派遣が血を流せという言葉で扱われているということについて認識されてますねということを伺っているの。大事なことなんですよ。つまり、不偏不党、中立公正ってあなた方が口で何回おっしゃっても、このことをお認めにならない限りは実際にはそういう立場に立っていないと言わざるを得ないんですよ。それを認められるでしょう。そのことにちゃんと答えてください。
#209
○参考人(島桂次君) ここまできますと、やはり表現の問題、表現の解釈についての見解の相違としか申し上げるほかございません、残念でございますけれども。
#210
○山中郁子君 これがNHKのトップの実態かと思うと背筋の寒くなる思いがいたします。
 もう一つの、NHKが公共放送としての責務に照らして、政治的に公正な立場をしっかり確立されたいという問題について申し上げます。
 これは国会中継の問題です。もう何回もこれはやってきております。あなた方も何回もそのことについて、これが一番いい方法なんだとおっしゃったり、あるいは検討するとおっしゃったり、いろいろしていらっしゃるんだけれども、今の最初の、前半の話と私やっぱり共通すると思うんですけれども、現状私どもが今回のこの決算の中の一つですね、一九八八年、この予算で私どもが反対する理由として強調したのは、放映問題が非常に不公正であるということでした。
 その後、特定の政党が二時間も三時間も真夜中に映るということは実態として今はありません。しかしそれは、国会の予算委員会なり何なりの運営の結果がそうなっているのであって、NHKがどの会派であれどの党派であれ公平に放映するということをやる方針をしっかりと確立されておやりになったわけではない。
 その結果、現状でもさまざまな形で不公正というか、何も私は日本共産党の議員の質問だけがと言っているわけではありません、ほかの党派の方あるいは会派の方の質問もそのような形で真夜中に回るとか、短い時間だからといってカットされて消えてしまうとか、そういう問題があることはやはり政治的公正の立場にしっかりと立っていないからだと思うんです。私はここで、あなた方が本当に政治的公正の立場に立つんだとおっしゃるならば、どのような場合であっても、特定の政党や会派の質問などがカットされたり、深夜に録画放映されるなどの不公正な扱いをしないということを確約していただきたい。
 具体的にどうするかは、私どもは今まで、例えば第三チャンネルに切りかえるということだってあるではないか、ないしは、夜遅く少し時間をずらして放映するにしたって、十一時半とか十二時とかそんなことでなくて、もっと早い時間に放映するということだってできるではないか。五分だ
って――十分以内は何か独立した番組ではないからそれは放映しないんだなどというのがあなた方の基準だというふうにおっしゃっているようでありますけれども、五分の番組だってあるでしょう、ミニ番組。天気予報だってあるし、それから音楽の番組だってあるし、そういうものだってたくさんあるじゃないですか。だったら、どんな短い時間であっても、あなた方のそれこそ編集の責任の中でそれは放映できるんです。そういうことが真に公正な立場だということを、私はぜひもうここであなた方にちゃんとしっかりと認識していただきたいと思うの。
 それは、具体的なことを若干御紹介いたしますと、日本共産党の問題だけを私たちは問題にしているのではなくて、例えば参議院においても少数会派、あるいは会派はその後いろいろ動いていますから、今現在どこに所属されているかということは別として、下村議員とか田英夫議員とか、あるいはサラリーマン新党にいらした木本議員とか、野末陳平議員とか、そういう方たちの放映が夜中に回るとかあるいは短い時間で消えてしまうとか、それから自民党の坂野議員の質問も結局夜中に放映されたということがありました。もちろん、日本共産党の不破委員長の本当に大事なところの最後の五分間が結局短い時間だからということでそのままカットされると。私どもはきょうじゅうに何らかの形で放映されたいということを要望いたしましたが、とうとうあなた方はそれをされなかった。そういうことはやっぱり不公正だということなんです。
 ということは、長い時間を持つ大きな政党、会派はたまたまそれが全部入る。数が少ない党派はほんの少ししか質問できない。それでも、その人の質問が五分であろうと七分であろうと、政治的な公正が保障されなきゃいけないわけです、公共放送としてのNHKによっては。ここのところは本質の問題なんで、私は今あなた方が工夫なさるなら工夫なさるで、そういうことを実現するということで約束していただきたい。
#211
○参考人(小山森也君) この件につきましては、何回も当委員会でも問題になったところでございます。そのときにも申し上げていると思いますが、NHKの総合放送というのは視聴者の全体のバランスをとった形でドキュメントとかいろいろな番組を接触率の多いために編成しておるわけでございます。特に昼の十一時五十五分というのは、地方によりまして天気予報その他の地方番組を非常に大事にしております。ぜひそのときに聞くということが、これが一つの習慣に定着しているというところから十一時五十五分で天気予報というふうに移っております。また、午後六時以降でございますが、この午後六時以降もローカル放送を主眼にしております。これもNHKの全国ネットワークの中で非常に貴重なローカルの番組でございます。そこで、こういった場合におきまして、そこの時間に合わなかった場合には夜に持っていって、しかしそれは放映するということにしているわけでございます。
 また、教育テレビでどうかというお話でございますが、教育テレビにおきましても、これはちょうど学校放送の時間に当たっておりまして、これも非常に重要な放送時間になっております。そういったような関係でやむを得ずといいますか、むしろ編成のバランスをとるためにこういった形になっております。
 しかし、いろいろ私どもも工夫いたしまして、今おっしゃいました二月六日の衆議院の予算委員会で八分間不破委員長のがずれております。これにつきまして、BS2をもちまして十一時五十五分から零時三分までやっております。そういった全体のバランスの中で、編成全体のバランスが崩れない形で何かできないかという工夫のあらわれの一つだと御理解いただきたいと思っております。
#212
○山中郁子君 衛星放送は、もうけさほどから議論になっているように、まだ一部の視聴者しかいないわけでしょう。だから、それじゃ公平じゃないでしょう、そういうことを私は言っているの。だから、本質的なことをあなた方は理解されていらっしゃらないんだと言わざるを得ないんです。
 これは、一昨年の三月二十八日の当委員会で私がやはり取り上げたときに、島会長は「ただいまのお話、よくわかる面もございますので、検討したい」とお答えになっていらっしゃる。それからまた、昨年の三月三十日の当委員会で、NHKがその前の年の十二月二十四日に行った「いま政治を問う・消費税」という大型政治番組で、その第一部の討論で政党としては自民党と社会党しか出さないじゃないか、それは政治的に不公正じゃないかということをかなり時間をかけて私はただしました。このときも、「先生の御指摘はよくわかりましたので、その御意見をもう一度部内でいろいろ検討させていただきます。」、こういうふうに答弁されているんです。だから本当に、じゃどこでどういうふうに検討なすったんですか。私は、委員会ではちょっとそんなことだけ言っておけば済むなんて思われちゃ困るので、ちゃんとどこで検討してどういう結論になったのか教えてください。
#213
○参考人(島桂次君) 国会中継の問題につきましては、私の記憶ではもう二十年間ぐらいこの問題は続いているわけでございます。私どももいろいろな形でいろいろに工夫もし、いろいろ今までやってきたわけでございますけれども、依然として、山中先生おっしゃるように、御不満があるということも私はよくわかっているわけでございます。決して私どもが完全なことをやっているとは言いません。しかし、先ほど小山副会長からるる説明申し上げましたとおり、いろいろの制約があり現状ではそれをやっている、しかしこれからもっとよりいい方法があるならばということで、いろいろ本当にまじめに検討しているわけでございます。
 消費税の問題の場合も、やはり全部の政党がそろう場合もあれば、与党、野党、野党第一党である社会党と自民党というケースもあり、それがNHK全部の番組の中で公正であるというようなことがあればそういう方法もあるかなと。消費税の場合も、早速あのときも担当者を全部集めまして、こういう山中先生の話があったけれどもどうかということでいろいろ議論したわけでございますけれども、結論的に言えば、いろいろの種類の番組があり、その中にいろいろの政党の出演のやり方もあるということで、これはある程度許容される形ではないのかなということであったわけでございます。
#214
○山中郁子君 じゃ、あのときに私がかなり多角的に指摘をいたしまして、あなた方もそれでは指摘の点はわかるので検討するとおっしゃった結果が、あれは別に政治的不公正ではないからああいうことをこれからもまたやるよと、こういう御答弁になるわけ。私、冗談じゃないと思うのよ。
 あのとき、「いま政治を問う・消費税」というのは本当に中心的な大問題だったんです。それで、三時間以上の時間をかけてあなた方はスペシャル番組を組んだんですね。そして、その中の第一部の政党が出たのが自民党と社会党だけだったということについては、たくさんのいろんな意見があったでしょう。そのことを言ったの。それがまた、いいんだ、そういうことはまだこれからやるんだ、大きな政党だけしか呼ばないんだということをおっしゃっていることになるんですよ、あなたの今の御答弁。もう時間が限られてきましたから、基本的に責任を持って誠意のある答弁をしていただきたい。
 私は、先ほど磯村氏の発言の問題についても、そのことが自衛隊の海外派遣の問題とイコールの問題だということは繰り返し申し上げました。だれもそういうことは否定できないはずだ、あなた方もそれは否定できないはずだと思います。もちろん、私どもは自衛隊それ自体が憲法に違反する存在であるという主張をずっと一貫して掲げてきております。今、今の問題としてそのことが大きくクローズアップされている、海外派遣の問題が。そういう前提に立って申し上げている。それと同時に、結局今おっしゃったように、そのこと
も誤解でもってごまかそうとしている。
 それからもう一つは、今の放映の問題も結局、今後も努力をする、工夫するというふうにおっしゃっているけれども、もう長い間の何回も何回も言われている問題なんだから、実際に国会の運営側と相談して何らかの形でそういうことがないように解決するための努力なんて、幾らだって方法は私はあると思う。だって、お相撲だって野球だってよ、あなた方は幾らだって自由自在に番組を延ばして、それでやっているじゃないですか。緊急の問題が起きればそういうふうにやっていらっしゃるでしょう。予定した番組を変更してやっているでしょう。ということは、国会中継はそういうふうに軽んじているということに結果的になるんですよ。そういうことをあなた方はしっかり知っていただかなければならない。
 そういうことで、一々細かいことについて、今もう時間がありませんからお答えいただかなくていいですけれども、基本的に今後そういう不公正はなくすということについてのお約束をいただきたい。
#215
○参考人(島桂次君) もちろん、公共放送が不公正であってはいかぬわけでございます。私どもは、公正な、普遍妥当的な放送を目指して努力を重ねるつもりでございます。
#216
○山中郁子君 終わります。
#217
○足立良平君 私は二つの点で質問いたしたいと思います。一つは、NHKの副次収入と関連団体の関係、それから二つ目は、国際放送あるいはまたその番組の国際的な交流の問題、この二つに絞りまして、与えられました時間質問をさせていただきたい、このように思うわけであります。
 それで、まず第一点目の副次収入と関連団体との関係についてでありますが、平成元年度のこの状況というものを見ますと、NHKの副次収入というのは約五十三億円であります。この五十三億円の副次収入のうち関連団体からの収入というのは約四十五億円、八五%くらいだろう、このように理解をいたしております。一方、関連団体の事業の売り上げというのも、これも平成元年度で見ますと約千三百五十六億円、そのうちNHKが関連団体に支払いをしている額というのは四百二十三億円ということで、これもう三割に達しているわけであります。
 こういう実態というものを考えてみましたときに、まず現行の放送法におきまして九条の第二項、これは附帯業務の関係でありますし、九条の第三項、これは受託業務の関係で、それぞれこの放送法におきまして認められているわけでありますが、この九条の第四項というものを見ますと、「営利を目的としてはならない。」というふうに放送法で記載をされているわけであります。言葉をかえて言いますと、これはちょっと私は表面的にしか読んでいないのかもしれませんけれども、放送関連事業によって利益を上げることを禁じられているように、私はこのそれぞれの条項というものを読んでおりますとそんな感じがいたすわけでありますが、実態は先ほど申し上げたとおりのそれぞれの状況になっているわけであります。
 民放が特にNHKの商業化というふうな批判もするわけでございますけれども、そういう面で、まず第一点目としてこの法文の趣旨は一体どういうものであるか、これは郵政省だと思いますが、郵政省の方でひとつお答えを願いたいと思います。
#218
○政府委員(桑野扶美雄君) 九条第四項に規定されております「営利を目的として」というその「営利」という意味でございますけれども、特殊法人でありますNHKが業務を行うに当たりまして営利を目的としてはならないのは当然であるわけでございまして、本法はそのことをいわば念のために定めた規定ということでございます。ちょっと論理の遊びのようで恐縮でございますけれども、NHKの業務というのは第九条にこれをやるんだということを掲げてありますわけでございまして、これ以外のことをやってはいけないわけでございますが、これをやっている限りにおいて営利であるはずがないわけでございまして、いわば念のために定めた規定であるというふうに私どもは思っております。
 じゃ、どんなことなのかといいますと、これも本当に頭の中で考えたような例示で恐縮でございますけれども、NHKそのものがほとんど使わないようなホールをつくって、NHK御自身ではほとんど使わずに専ら一般の方々に使用させて収益を上げるといったような、そもそも現実にあり得ないような行為を念のために禁止しているものでございます。逆に言いますと、専ら自分の放送のために使用するホールがありまして、そこに余裕があるときに一般の方々に使用させるような場合などにおきまして、NHKがそのために適正な対価を取るということは、当然NHKが受信者の受信料で賄われているという点から見ましても、公平の観点から見ればかえって合理的でありまして、そういうことまで本法が禁じていることではないというふうに私どもは理解しております。
#219
○足立良平君 それでは、その上に立ちまして各種の関連団体、これはもう既に三十三団体くらいあるわけでありますが、この各種の関連団体への出資につきましても、これは九条の二で郵政大臣の認可事項ということになっているようでございます。その法文としては、既に御承知のように、NHKは放送業務及び附帯業務を遂行するために必要がある場合に限る、こういうふうになっているわけでございまして、大臣のいわゆる認可の基準というのは一体どういうところにあるのかということが質問の中心でございます。
 例えば、NHKの番組制作を中心にやっているエンタープライズ、あるいはまた日本放送協会の出版の関係、放送出版協会ですか、というものは一体どういう理由で設立が認可をされたのか、ひとつ説明を願いたいと思います。
#220
○政府委員(桑野扶美雄君) 認可の手続につきましてはもう先生御存じだと思います。したがいまして、認可に当たっての判断基準を申し上げますが、一つは放送法九条第一項または第二項に規定されております国内放送等の業務を遂行するために必要があるかどうかという点、二つ目には収支予算、事業計画及び資金計画、つまり国会でお認めいただいておりますこういうもので定められているかどうかということ、三つ目は出資の相手方がNHKが行う国内放送等の業務に密接に関連する別に政令で定められております事業、こういった事業を行うものであるかどうか、こういう三点を判断基準といたしております。
 御指摘のNHKエンタープライズ及び日本放送出版協会に対する出資についても、これらの基準に適合していると判断して認可したものでございますが、具体的に申し上げますと、NHKエンタープライズにつきましては、NHKが同社に放送番組の制作を委託している、そのことはNHKの業務を円滑に遂行する等の必要があるものであるということで、しかもその事業内容というのはNHKの委託による放送番組の制作とかNHKの委託による放送番組の外国放送事業者への提供、NHKの放送番組に係る著作物の複製物の作製ということでありますので認可しているわけでございます。
 日本放送出版協会につきましては、NHKが委託しておりますテキスト出版業務の円滑な遂行を図り、放送番組の効率的な利用を促進するためでございますので、その事業内容はNHKの委託による放送の普及発展に必要な出版であるというふうに認めているわけでございます。
#221
○足立良平君 その上に立って私は次に質問をいたしたいと思いますのは、例えばこのNHKエンタープライズへの制作委託ですね、今放送業務に必要というふうに局長は答弁をされているわけでありますけれども、これは考えてみますと、NHKというのは一般的に視聴者から受信料をもらって、そしてNHKとしてのそれだけのノーハウというものを今日まで積み重ねてきているわけであります。それをさらにこのエンタープライズの方に制作の委託をいたすということは、結局関連団体の番組制作能力あるいはまた放送技術水準というものを結果として高めていくことにつながるわ
けでありますから、形としては関連団体の事業活動をNHKとしては側面から援助していると言うと言葉は悪いかもしれませんが、支援をしている形に実はなっているんではないか、このように思うわけであります。
 そうしますと、先ほど鶴岡委員の質問の中で島会長は、関連団体との人事の交流なり一体化の問題ということを人事を考える場合の基本的な柱にしている、このように御答弁がございました。そうすると、完全にNHKが関連団体等を含めて、特に民放あたりからも提起はされているわけでありますけれども、NHKの商業化というふうな感じに受けとめられてくるわけであります。あるいは、コングロマリット化につながってくるのではないか、こんな感じも実は受けるわけでございます。
 そういう観点で、このNHKのあり方というもの、そして特にいわゆる一般の民放との公正な競争関係というものが、結果としてはいわゆる受信料をもらって蓄積をしたノーハウというものをベースに置いて一般企業と市場において競争するということになりますと、そのスタートラインが実際的には初めから違っているんではないか、こういう感じも受けるわけでありますけれども、この点に関しましてNHKとして基本的にどのようにお考えになっているのかということが一つ。
 そして、こういう民放との公正競争条件をいかに確保していくのかということが実態上本当に可能なのかどうなのか、そういう点につきまして郵政省としての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#222
○国務大臣(関谷勝嗣君) 普通の株式会社の活動でございますと、本来自由競争というものであるわけでございますが、先ほど局長も答弁いたしましたように、関連団体もNHKの方の業務を支援し、効率化に資することを目的としたものでなければならないと私は思うわけでございます。NHKの関連団体の活動もこのような範囲内で行われる、また行われなければならないと私は思います。
 そういう考えを持ちますと、そういう立場であれば民放との間の公正な競争も維持されると思うわけでございますが、先生御指摘のNHKの関連事業団体であるといえば、その名前だけの上でも大きなメリットは確かにあるだろうと思うわけでございます。そういうものも含めイコールフッティソグのような競争ができない危険性があるんじゃないかという御指摘であろうと思うわけでございますが、そういうようなことはNHKの方も十分に私は認識をしてもらっていると思いますし、また今後もそういうような考え方でこの関連事業を進めていってもらうということでなければならないと思っております。
#223
○参考人(青木賢児君) 関連事業を進めるに当たりましてのNHKの考え方でございますが、ただいまもお話がありましたように、関連団体はNHKの公共放送としての事業を補完し、かつ支援していく、効率的な運営に役立てていくというのがあくまでも目的でございまして、これによって商業行為を拡大していったり、営利を目的というようなことは我々として考えていないのは当然のことでございます。
 と同時に、現在情報化社会というのが日本じゅうであるいは世界的に進んでおりますので、そういった面で、NHKの持っております番組であるとかさまざまな技術的なノーハウを提供してほしいというような要請も広くございます。そういった面で、NHKがそういったところに御協力をする、関連団体を通じて行っていく、それによって副次収入が幾ばくか入ってくるということは事実でございますが、これはあくまでもNHKの受信者の負担を軽減するという形で還元していくべきもので、これによって営利を我々が蓄積していくというようなことはないというふうに節度ある運営を心がけているところでございます。
#224
○足立良平君 さらに少し話を進めたいと思いますが、これは一九九〇年の三月ですが、民放連ですか、日本民間放送連盟から「NHKのあり方に関する見解」というのが提起をされております。NHKの方も御承知かと思います。
 現在の放送法の四十六条でNHKの広告放送というのははっきりと明文で禁止をされているわけであります。ただ、私マラソン等大変興味がございましてよく見ているわけでありますが、例えばああいうマラソンを見ておりますと、今のマラソンとかいろんなスポーツ番組というのは、企業名というものがゼッケンのところにきちっと入って行われているわけであります。そうしますと、放送法の四十六条で企業の広告放送というのは禁止をされているけれども、企業が支援をし、あるいはほとんど後援をしているそういうスポーツ番組というものをずっと放送していますと、結果として企業の広告を行っているんではないかというふうなことが「NHKのあり方に関する見解」の中にも問題点として提起がされているわけでございます。
 NHKにその面でお聞きをいたしたいと思うわけでございますが、この公共放送性、あるいは先ほど若干、問題はちょっと違いますけれども、報道の中立性の問題が提起をされているわけでございますが、報道の中立性の維持を損ないかねないおそれも、例えばそういうふうなスポーツ放送の場合には若干出てくるという点もあるわけであります。そういう点について、NHKとして放送法の四十六条との関係でどのように担保をされようとしているのか、この点ちょっとお聞きをいたしておきたいと思います。
#225
○参考人(青木賢児君) ただいま御指摘にありました四十六条に広告放送の禁止がうたわれているわけですが、ここの四十六条の二項に、番組編集上必要で、かつ営業広告を目的としたものでない場合には営業者の名称などを放送することを妨げないというところもございますけれども、NHKは独自に、これが番組の演出上本質的な要素であるかどうかということ、それから演出上どうしてもやむを得ないものであるかどうかということを吟味いたしまして、これについては十分事前に配慮をして、必要な場合にはそれを削除してもらう、あるいは演出上映らないような配慮をするというようなことをやっております。
 マラソンのゼッケンの場合には、これは選手を映すとどうしても映ってしまうというようなことがあります。このゼッケンについては、さまざまな民間放送からも御提示をいただいておりますけれども、これは財団法人日本陸上競技連盟という団体がその連盟の規約としてああいうゼッケン行為をやっておられるということで、NHKではこれについて問題提起をさせていただいておりますが、今のところ、これはどうしても運営上必要であるということで、避けられないケースになっているというのが実情でございます。
#226
○足立良平君 そういう面である程度やむを得ないという判断をされている、こういうふうに理解をしておきたいと思います。
 次に、番組のソフトの国際的な市場動向というものが、最近特に人気のあるソフトにつきましては相当高騰してきているというふうに報告を受けているわけであります。NHKがMICOの設立に力を入れられてきたのも、海外の番組ソフトに民放を初め国内での無用な獲得競争というものを排除して、そして逼迫したソフトというものをできるだけ安く購入していこうという観点でこのMICOというものを設立をされた、このように私は理解をいたしているところでございます。
 そういう観点からいたしますと、このMICOというものにつきましては、民放との一体的な一元的な体制というものが不可欠である、その設立の趣旨からいたしますと、私はそういうふうに実は考えているわけであります。ところが実際は、このMICOに民放は加盟をしていないというのが実態でございまして、本来の設立の趣旨とそして実態というものが全く乖離しているというか、そのことが全く生かされていないというのがMICOの実態。また一方で、ソフトというものは極めて高騰してきている、こういう実態のところがあると思うわけであります。
 これにつきましてNHKにお聞きをいたしておきたいと思いますのは、民放の理解を得るためにNHKとして本当にどのように努力をしたんだ、その努力というものが本当に十分であったのかどうなのかということをまずお聞きをしておきたいと思います。
 同時に、郵政省側にもお聞きをいたしたいと思いますけれども、今申しましたように、MICOの設立の大きな目的に現在沿っていないのではないか、このように考えるわけでございますが、郵政省としてこれを一体どのように考えておられるのか、この点お聞きをいたします。
#227
○参考人(青木賢児君) 先生御指摘のとおり、多メディア時代が進んでまいりまして、ソフトが世界的に足りないというふうな事情がございます。こういった中で、国際的にはソフトをめぐる巨大なビジネスというものが登場してまいりまして、そういったマーケットの中でソフトが非常に世界的な商品として売り買いされるという時代になってまいりました。そういう中で、日本の番組というのは残念ながらほとんど国際マーケットの中で通用しないというのが実情でございまして、九五%以上NHKは輸入するだけで、輸出すべきソフトというのがほとんどないというのが現状でございます。
 そこで、我々としましては、世界に通用するソフトをつくっていく、そして日本並びにアジアの情報をどんどん世界に出していくということがこれから日本の非常に重要な問題であろうということで、こういった会社を通じて、我々としては国際共同制作、日本からのニュースあるいは番組の発信ということをやっていきたいということで、MICOの設立に協力してまいりました。したがって、MICOは現在国際共同制作、あるいはテレビジャパンというような日本の番組を外国に出していく、あるいは日本の番組を販売するという面で努力しているところでございます。購入も一部ございますけれども、この会社の重要な任務は、世界的なソフトをつくり出していく、それに参加していくというところでございます。
 しかしながら、当然これはNHKだけではなくて、民放も含めた日本のソフト生産能力を持っている人たちが総力を挙げて参加すべき事業ということを考えておりますので、我々としては民放の責任者の方々にその趣旨を十分御説明して、御協力いただくように努力してまいりました。現在もなお話し合いを続けている。MICOの方も日常業務の中で民放に御協力を賜るべく現在努力をしている、一部そういった協力関係ができつつあるというふうにも聞いております。
#228
○政府委員(桑野扶美雄君) 国際メディア・コーポレーションにつきましては、映像ソフトの調達を中心に、従来不足していたソフト分野の諸活動を行うことを主目的としているわけでございます。放送ソフトの制作や獲得につきましては、例えばオリンピックの放送権をNHKと民放が協力して獲得するジャパン・プールのように、両者が共同で実施することが妥当な場合というのもあるわけでございます。そういう発想そのものは大変といいますか、決して悪くはないというふうに思っておりますけれども、先生御承知のとおり、事業会社化されるまでの間、民放とNHKの間にいろいろ議論がございまして、結局民放はこれに参加しなかったということでございます。
 私どもといたしましては、そのような事業会社化の過程で議論をされたような点にも十分留意していただいて、この国際メディア・コーポレーションというものを運営していただきたいというふうに思っている次第です。
#229
○足立良平君 さらにこれは引き続いて努力をしていただきたいと思います。
 次に、国際放送の関係にちょっと入っていきたいと思うわけでありますが、午前中の議論でも、国際放送の問題について既に議論がなされているようでございます。現在の国際放送というのはいわゆる短波のラジオジャパンのみだということでございまして、今日の映像を中心にした時代からすると、短波のラジオジャパンだけでは、これは実態としてそぐわなくなってきているというふうに私は理解をいたしているわけであります。そういう面では、我が国としても、今後より一層この国際放送あるいはまた番組の交流というものをしていかなければならないというふうに私はこの点については理解をいたしているわけであります。
 NHKの資料等を見ましても、テレビジャパン及び国際的ネットワークづくりというものを今志向されているようでございますが、このテレビジャパンとそして国際的ネットワークづくりの二つの事業にNHKとしては今後具体的にどのようにかかわりをされようとしているのかということが第一点目の質問でございます。
 そして、第二点目といたしまして、この二つの事業の関係費用としてテレビジャパンの番組編成費あるいはまた衛星回線使用料等がかかるわけでございますので、相当経費を必要とするだろう。それから、国際的ネットワークづくりにおきましては、放送開始では大体初期的な投資が約十億ドル必要なのではないかというふうにちょっと仄聞をいたしているわけでございますけれども、そういう約十億ドル程度の資金につきましては、日米欧企業から資金調達をするというふうな報道も見受けているところでございます。
 したがって、こういう状況の上に立って、NHKとしてはこれらの費用というものがどの程度かかるのかということがまずこの上に立っての質問でございます。同時に、NHKとしては本当に採算がとれるんだろうか、あるいはその費用の回収というものを今後どのように考えているのか、この点につきましてNHKの方からお考えを聞かせていただきたいと思います。
#230
○参考人(青木賢児君) 初めに、テレビジャパン計画について御説明させていただきたいと思いますけれども、先生おっしゃったように、ラジオジャパンにかわりまして、今映像による情報の国際交流というものが大変盛んになりまして、各国ともに映像による情報発信というものに大変力を入れてまいっております。
 NHKといたしましても、日本の情報、アジアの情報を欧米にできるだけ正確に伝えていくという努力の中の一環といたしまして、テレビジャパンというのを構想いたしました。このテレビジャパンというのは、具体的にはアメリカとヨーロッパで放送するものですけれども、それぞれこの事業に取り組む現地法人というのが海外進出企業を中心に結成されまして、アメリカではニューヨークにジャパン・ネットワーク・グループという会社ができております。ロンドンではジャパン・サテライト・テレビジョンという会社ができております。
 それぞれ衛星を使いまして放送いたしますが、NHKはこれらに一日およそ八時間程度の番組を送っていく、再放送も含めてそれぞれアメリカ、ヨーローッパで十一時間ずつの放送が行われるという計画でございます。アメリカでは四月一日から試験放送が始まっておりますが、ヨーロッパでは五月十五日から放送を始めるという予定になっております。
 これに対してNHKは番組を提供いたしますが、アメリカ、ヨーロッパを合わせますと、年間およそ七千時間分の番組を提供するということになりますので、これに対する著作権料、そういったものの処理にお金がかかります。平成三年度にNHKはこれらの事業に対して七億二千万円の予算を計上しておりますけれども、我々としてはこの事業の内容、目的に照らして海外進出企業などの協力を得て、できるだけNHKの支出を圧縮するということで、現地の法人とも相談しながらNHKの支出をできるだけ少なくするという努力を現在続けているという段階でございます。
 さらに、グローバル・ニュース・ネットワークにつきましては、これはまた別の考え方でありまして、CNNが御承知のように湾岸戦争のときに世界の世論を形成していったという、非常に大きな注目を浴びたわけでございますけれども、こういった世界が流動化する時代に、グローバルなニ
ュースネットワークというものが世界的に求められている。これも一つの視点からだけではない多角的な視点を持った等身大の世界情報というのが求められる時代、そういう観点から我々としては、日本、アメリカ、ヨーロッパそれぞれが独自の立場で八時間ずつのニュースを提供していく、合わせて二十四時間のニュースネットワークをつくったらどうかということを提案しておりますが、同じような考え方を持った放送局あるいは事業者が欧米におりまして、こういった方々と手を合わせながらこの事業を進めていきたいというふうに考えております。
 十億ドルというお金が出ておりますけれども、我々としては、現在この事業についてのプロジェクトを五月ごろからスタートさせようという段階でございまして、これの編集権の問題あるいはネットワークの技術的な問題、事業化の問題、これは五月から我々としては外国のパートナーと一緒に検討を始めようということでございます。
 それで、ちなみに十億ドルということでございますが、現在やっておりますCNNが、この事業を始めるときの最初の事業規模がおよそ十億ドルだったというふうなことを聞いておりますので、我々も始める段階ではそのくらいの大きな事業になるのではないかというふうに考えておりますが、これはNHKだけがそれを負担するとかなんとかという話ではなくて、世界的にそういった大きな事業になるだろうというふうなことでございます。
#231
○足立良平君 これは四月十一日の読売新聞だったと思いますけれども、MICOの役員が国際的ネットワークづくりをビジネスとして展開していきたいというふうなことを明言されている記事をちょっと私読んだ記憶がございます。既にMICOはテレビジャパンにも出資をいたしているわけでございますし、それからグローバル・ニュース・ネットワークにもMICOは関与を見込まれているわけでございます。そうしますと、いわゆるMICOというのは、先ほどちょっと質問いたしましたように、本来は海外のソフトというものが過当競争で余り高騰しないようにということで、民放も含めて全体の我が国のソフトを購入するものとして設立したにもかかわらず、民放が全く入らずに、NHKを中心にして、出資はちょっと別として行われている。
 MICOを通じて実際的には、今話がございましたグローバル・ニュース・ネットワークなりあるいはまたテレビジャパンなりそういうものと関与していくということになってまいりますと、先ほど私が提起をいたしましたように、NHKというものが大変コングロマリット化してきている、大変肥大化している、そしてそれぞれの関係団体というものを介在させながら極めて肥大化してきた状態になってきているのではないかというふうに、私はずっと今までの状況を一つ一つつなぎ合わせてみると、そういう感じがしてならないわけであります。
 したがって、私はそういう面で、公共放送としての立場からNHKとしてどのような理念でそういう問題をこれから展開されようとしているのか、この点をひとつお聞きいたしたいと思います。
 同時に、そういうふうなずっと展開になってきている今日の状況というものを、郵政省として一体どのようにこの現象というものを見ておられるのか。あわせてもしあれば郵政省としてのお考え方を、これは急にぽっと思いつきで言っていますから、なければ後で結構ですけれども、ひとつ聞かせていただきたいと思います。
#232
○参考人(島桂次君) 今先生のお話の中で、MICOがテレビジャパンに出資していることは事実でございますけれども、グローバル・ニュース・ネットワーク、これは私が三年ぐらい前からヨーロッパとアメリカのパワフルな放送事業者といろいろ相談しておりますので、当然MICOだけではなくて、世界の放送局とかあるいは銀行に至るまでぜひこの計画に参加したいという、そういう希望をMICOが持っているだけでございまして、私はこの事業に積極的にMICOを使うというつもりは今のところはまだございません。そういう事実関係でございます。
 したがって、テレビジャパンにしてもGNNにしても、先ほど青木参考人から申し上げたとおり、今までは洪水のようにヨーロッパ、アメリカから一方的に、ニュースだけじゃございません、あらゆる情報というのが入ってきて、こちらの日本、アジアの情報というのはほとんど外へ出ていない。したがって、こういうものを本格的に構築するということがやはり公共放送の将来これからの一番重要な問題じゃないか、日本の国益にもこれは合う問題であるということでこういった事業を進めますけれども、当然のことながらNHK自体がどんどん巨大化するというようなことじゃなく、そういう基本的なところは踏まえつつ積極的にやはりこの問題は取り組むべきじゃないか、こう考えております。
#233
○政府委員(桑野扶美雄君) 海外に日本の情報を発信していかなければいけないということは、さきに御承認いただきましたNHKの予算の審議の際にも附帯決議の中で御指摘いただいておることでございますし、あらゆる方面でそういう声が上がっていることは事実でございますので、私どももそういった線に沿って努力してまいらなければいけないというふうに思っておるわけでございます。
 今お話のありましたテレビジャパンにつきましては、正式にNHKの方からお話も承り、私どもも一緒になって考えてその構想を承知しておるわけでございますけれども、今会長もおっしゃいましたように、GNNにつきましては私どもまだ今の段階で何の説明も受けていないという状況でございまして、承知はいたしておりません。ただ、海外に情報を発信するという目的そのものは大変結構なことだというふうに私どもは承知しておりますけれども、さらば手段はどうでもいいのかということになりますと、これはまたいろいろやっぱりそこのところも検討していかなければいけないというふうに私どもも思っております。GNNにつきましては、改めましてまたNHKの方からお話があろうと思いますから、その段階で内容を検討いたしたいと思っております。
#234
○足立良平君 時間ももうほとんどございませんので最後の質問にいたしたいと思います。
 今海外に情報を発信するというのは、言葉として、これはどういう考え方を持っておる人からいたしましても異存のないところであるわけです。しかも、今日の我が国の国際的な状況というものを考えてみると、日本の実態というものを本当に海外にきちんと間違いなく情報を提供していくということは、もう極めて国際的な戦略からいたしましても必要なことであるというふうに私も考えているわけであります。
 ただ、ちょっと私は海外と情報提供ということは余りぴんとこないんですが、例えば国内の問題一つとりましても、情報の伝達、情報の発信という言葉は、これは例えば今東京の一極集中というものを前提に考えてみますと、政治、経済を中心にして大体八十数%ぐらいは東京から情報というものは発信をされているんだろう。そして、第二の経済圏と言われる例えば大阪の経済圏ですか、関西経済圏というのは一〇%未満くらいに落ち込んでしまっているんではないか。そして、その他がさらにまた落ちる。
 結局これは、情報の発信ということは、一般的には、先ほどもいろんな議論がありますけれども、受けとめ方の必要性の問題なり、そういうある程度やむを得ない一面性というものが私は現実の問題としてあるような気がいたします。したがって、そういう面では我が国から世界に向かって情報を発信させていくというその情報は、どういう考え方で何を発信させるのかということをきちんと持っておかないと、単に映像の何を出しますよ、あるいは日本の実態をよく世界の人に知ってもらうんですよという抽象的な問題だけではちょっとうまく機能していかないのではないか、回転していかないのではないか、こんな感じも実は私
は国内の状況からして思ったりいたしているわけでございます。
 したがって、そういう面で必要だという前提に立って、今後具体的にどういうふうな内容の情報というものを発信していくべきなのかということにつきまして、既に郵政省とそれからNHKとで放送番組交流センターというふうなものを一緒になって設立させようというふうな働きもあるようでございますし、そういう面を含めまして、郵政大臣の方から考え方があればひとつお聞かせを願っておきたい。
 特に情報発信問題につきましては、NHK会長も大変意欲的に取り組まれているように私お見受けをいたしますから、もし考え方があればつけ加えていただければ幸いかと思います。
 以上です。
#235
○国務大臣(関谷勝嗣君) この問題に御答弁をいたします前に、るる今日までの衆参の両逓信委員会で、NHKの公共性とは何か、またそれを堅持すべきであろう、また番組編成にはどのように注意すべきであろうか等々いろいろ御指示がございましたが、そういう意味におきましても、NHKの今の受信料によって運営をされる、そしてそのもとで民放ではなし得ない公平さ、中立、そういうものを堅持して、その内容に沿った文化の高い内容の番組もつくっていこうというようなこと、そういうようなことを考えますと、私はぜひNHKの今の体制というのを今後ずっと堅持をしていく、その考え方によって、またこういう海外へのいろいろな番組を発信していかなければならないと思うわけでございます。
 その基本的な考え方は、我が日本の文化、産業その他の事情をも素直に正しく報道をしていくという認識で番組をといいましょうか、それを提出していかなければならないと思いますし、またそれを普及することによって国際親善の増進あるいはまた外国との経済の交流の発展に資する、そういうような考え方によって私はいろいろなものを情報発信していくということが必要ではないかな、そのように思っております。
#236
○参考人(島桂次君) GNNにしましても、日本の情報を海外に出すと一口に言っても、先生御指摘のとおり、カルチャーも違えば言葉も違う、物の見方も違う、そういういろいろな難関がございます。ございますけれども、それを乗り越えていくべきこの数年間私も先頭に立っていろいろなことをやってまいりました。かなりの番組も、既にNHK番組が外国の放送局でやってくれていますし、ニュースにつきましても、今度の湾岸戦争のときもアメリカABCと完全な合同チームを組みまして、両方が一緒になって合同で取材しながらお互いのノーハウを交換し合うというようなことも進めております。
 まさに我々が今までやったことのないことでございますから、いかにわかりやすく日本あるいはアジアの実情をヨーロッパあるいはアメリカ、世界各地に展開できるかということは、これから全力を挙げてやらなきゃいかぬし、またやれる見通しもほぼつきましたので、具体的な計画ができ次第、また改めて郵政省を初め皆さん方に御報告したい、こう考えておるわけでございます。
#237
○足立良平君 終わります。
#238
○委員長(一井淳治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#239
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#240
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました二案件のうち、NHK一九八八年度の決算を是認する案件に反対する討論を行います。
 我が党は、本案件の対象である一九八八年度のNHK予算に対しては反対をいたしました。その理由は、主として、再三の私どもの是正要求や予算委員会理事会の要望などにもかかわらず、予算委員会などの中継放送で、一部の党の質疑応答についてはその録画放映が深夜に及ぶことが常態になっている点が改善されないだけでなく、改善のための誠意ある約束が示されなかったことでありました。その後、国会側の委員会の運営の一定の改善によって、現在は一部の党の質疑が頻繁に深夜に録画放映されることはなくなっていますが、この問題がすべて解消しているわけではありません。
 今後、国会サイドの運営によるのではなく、NHKとして、一部の政党の質疑の録画放映が深夜に及んだり、短時間だからといってカットすることはしないという確約をすべきであります。それが公共放送であるNHKに課せられている不偏不党、政治的中立、公正の貫徹や国民の知る権利の保障など、厳正かつ重大な責務ではありませんか。
 本日の私の質疑においても、いまだにこの点についての責任を持った約束がされないことは遺憾としか言いようがないことを申し上げて、私の本決算の是認に反対する討論を終わりますが、最後に一九八七年度の決算については、同年度の予算案に賛成しておりますし、経理上特別な問題点はないと考えますので、この決算の是認には異存のないことを表明しておきます。
#241
○委員長(一井淳治君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#242
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#243
○委員長(一井淳治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。
 続きまして、日本放送協会昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#244
○委員長(一井淳治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#245
○委員長(一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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