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#1
第120回国会 運輸委員会 第1号
平成三年二月二十八日(木曜日)
   午後零時一分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         中川 嘉美君
    理 事         谷川 寛三君
    理 事         二木 秀夫君
    理 事         渕上 貞雄君
    理 事         片上 公人君
                伊江 朝雄君
                上杉 光弘君
                狩野 明男君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                山崎 竜男君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                瀬谷 英行君
                田渕 勲二君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                粟森  喬君
                寺崎 昭久君
    ─────────────
   委員の異動
 一月十四日委員山崎竜男君は公職選挙法第九十
 条により退職者となった。
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     喜岡  淳君     吉田 達男君
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     吉田 達男君     喜岡  淳君
 二月二十日
    辞任         補欠選任
     粟森  喬君     乾  晴美君
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     乾  晴美君     粟森  喬君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 嘉美君
    理 事
                谷川 寛三君
                二木 秀夫君
                渕上 貞雄君
                片上 公人君
    委 員
                上杉 光弘君
                狩野 明男君
                鹿熊 安正君
                野沢 太三君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                田渕 勲二君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                粟森  喬君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  村岡 兼造君
   政府委員
       運輸政務次官   今枝 敬雄君
       運輸大臣官房長  松尾 道彦君
       運輸大臣官房会
       計課長      岩田 貞男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
 (平成三年度運輸省関係予算に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(中川嘉美君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 運輸行政の基本施策に関し、運輸大臣から所信を聴取いたします。村岡運輸大臣。
#5
○国務大臣(村岡兼造君) 昨年末、運輸大臣を拝命いたしました村岡でございます。
 私は、運輸は国民生活と密着しており、豊かで活力ある社会を築き上げていくために期待される役割はまことに大きいものがあると考えております。運輸行政の基本であります安全の確保に万全を期しつつ、運輸をめぐる多くの課題に積極的に取り組み、問題の解決に最大限の努力をいたす所存でありますので、本委員会の先生方の絶大なる御支援と御指導をお願い申し上げ、まずは就任のごあいさつといたします。
 引き続きまして、第百二十回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し、所信を述べ、各位の御理解と御支援を賜りたいと思います。
 世界の政治、経済、社会が従来の枠組みを超えて大きく変化する中で、我が国においては、四年を超える内需主導型の景気拡大が続いております。
 交通運輸に関しましても、内需の好調を反映し、国内輸送は旅客、貨物とも順調に増加し、また、国際輸送についても、旅客は出国日本人が年間一千万人を突破するなど大幅に増加し、貨物も堅調に推移しております。しかし、一方で交通分野における社会資本整備の充実の必要性が高まるとともに、物流の分野を中心とする労働力不足、交通事故の増加、地球環境問題などの諸問題も顕在化しております。
 このような問題を克服し、豊かさを実感できる国民生活を実現するために、交通運輸に課せられた使命はまことに重大であります。私は、このような運輸の使命の重要性を認識し、新しい時代に対応した運輸行政の展開に全力を挙げて取り組んでまいる決意であります。
 また、運輸行政の展開には長期ビジョンが不可欠でありますので、現在、運輸政策審議会に二十一世紀を展望した九〇年代の交通政策について精力的な御審議をお願いしているところであります。
 以上申し上げました基本的考え方にのっとり、当面する諸問題につきましては、次のとおり所要の施策を推進してまいる所存であります。
 まず第一に、鉄道、港湾、空港等の運輸関係社会資本整備の充実等を通じた均衡のとれた国土づくりであります。
 鉄道につきましては、一般会計及び産業投資特
別会計からの各種鉄道助成を充実強化するとともに、既設新幹線の譲渡収入の一部を新たな財源として活用することとし、これらによる助成を総合的かつ効率的に行うため、新幹線鉄道保有機構を廃止して特殊法人鉄道整備基金を設立し、同基金から鉄道整備等について所要の助成を行うこととしております。
 特に、整備新幹線に関しては、平成三年度から東北新幹線盛岡―青森間、北陸新幹線軽井沢―長野間、九州新幹線八代―西鹿児島間の三区間において本格着工するとともに、北陸新幹線高岡―金沢間については着工調整費を計上し、その整備の推進を図ってまいります。
 また、無利子貸付制度の創設、補助の拡充等により主要幹線の高速化、大都市における地下鉄の整備等を進めるとともに、宅地開発と一体的に整備する常磐新線等の都市高速鉄道の整備を推進してまいります。
 港湾につきましては平成三年度を初年度とする第八次港湾整備五カ年計画を策定し、外貿コンテナターミナル等に重点を置いた輸入関係インフラの整備や輸入促進に資する物流システムの形成に努めるとともに、マリーナや緑地等の整備による豊かで潤いに満ちた生活の実現等を図ってまいります。
 また、海岸につきましても、第五次海岸事業五カ年計画を策定し、国土の保全等に努めるとともに、ウオーターフロントへの多様なニーズに対応した人工海浜等の整備を推進してまいります。
 空港につきましては、同じく平成三年度を初年度とする第六次空港整備五カ年計画を策定し、中長期的な航空需要の増大に対応しつつ、航空ネットワークの量的及び質的な拡充等が図られるよう、新東京国際空港の完全空港化、東京国際空港の沖合展開及び関西国際空港の開港の三大空港プロジェクトの完成を最優先課題として推進するとともに、地方空港の大型化、国際化等所要の空港整備を推進してまいります。
 特に、新東京国際空港につきましては、現在の施設の処理能力は限界に達し、また、諸外国からは増便を強く要請されており、早期完全空港化が急務となっております。このため、妨害勢力には毅然とした対応をするとともに、用地問題につきましては農家との話し合いを一層積極的に進め、さらに、昨年十一月に関係地方公共団体等により設立された地域振興連絡協議会の動向を踏まえつつ、問題の解決に向けて全力を尽くす所存であります。
 このほか、都市におきましては、引き続き都市バスの活性化対策の推進や深夜輸送需要の増大に対応した鉄道、バス、タクシーの輸送力の確保に努めてまいります。また、地域住民の生活基盤として必要不可欠な公共輸送機関の確保を図るため、地方バス、中小民鉄及び離島航路に対する助成等を行っていくほか、高速バスの路線網の拡充に努めてまいります。
 以上のような交通体系の整備に加え、九〇年代観光振興行動計画に基づく総合的な観光振興や海洋性レクリエーションの振興を図るなど、地域の創意工夫を生かした多様な施策を展開し、地域の振興を図ってまいります。
 第二に、経済社会の変化に対応した運輸産業の基盤の強化と活性化であります。
 まず、国鉄改革につきましては、旅客鉄道会社の株式上場に備え環境の整備を図るため、新幹線鉄道保有機構が一括保有している既設四新幹線を関係旅客鉄道会社に譲渡することとしております。また、国鉄清算事業団用地について新たな処分方法等により土地処分を促進するとともに、JR株式の処分につきましては所要の準備を進め、その適切な処分を図っていくことにより本格的な債務処理の早期実現及び旅客鉄道会社の完全民営化を目指してまいる所存であります。
 また、物流につきましては、深刻化する労働力不足問題、環境問題等の制約要因に対応するため、魅力ある職場づくりや人材確保のための諸施策を積極的に展開するとともに、モーダルシフトの推進等を通じた効率的な輸送体系の確立に努めてまいります。
 外航海運業につきましては、近年経営状況の改善が見られたものの、経営基盤は依然として脆弱であり、海運市況、燃料油価格等の動向には不透明感があることから、日本船への混乗の推進等により日本船の国際競争力を強化するとともに、経営基盤の確立を図ってまいります。
 また、船員につきましては、若年層を中心とする日本人船員の確保による海技の保全等の施策を推進してまいります。
 造船業につきましても、構造対策の効果、海運市況の改善等により回復基調にありますが、引き続き経営の安定化、活性化を図るための施策を推進してまいります。
 さらに、航空につきましては、安全の確保を基本としつつ、企業間の適正な競争を促進し、利用者サービスの向上を図っていく方針であります。このため、国際線の複数社化、国内線におけるダブル・トリプル化等の施策を進めるとともに、運賃につきましては、適切な運賃水準の確保、割引運賃の導入、拡充を図ってまいります。また、国際航空につきましては、航空交渉により地方空港の活用も図りつつ路線網の充実に努め、国内航空につきましては、需要に対応した路線の開設、増便を図るほか、コミューター航空の育成にも努力してまいります。
 将来の運輸産業の発展のかぎとなる技術開発につきましては、超電導磁気浮上式鉄道、新形式超高速船、運輸多目的衛星システム等の実用化を目指してまいります。特に、二十一世紀における高速交通機関として期待される超電導磁気浮上式鉄道につきましては、昨年十一月山梨実験線の建設に着手いたしましたが、その早期実用化に向けて所要の技術開発等を引き続き促進する所存であります。
 また、運輸産業の効率化、交通機関の安全性や利便性の向上を図る観点から、情報化を推進してまいります。
 第三に、国際化への対応であります。
 激動する国際社会の中にあって、我が国はより一層世界に開かれた経済社会を実現するとともに、国際社会において積極的な貢献を果たしていくことが重要な課題となっており、運輸の分野におきましても、従来にも増して国際化の進展に対応した施策を行っていくことが強く求められるに至っております。
 このため、旅客交通及び貨物流通にわたる国際輸送ネットワークを着実に整備し、我が国をめぐる国際交流の一層の促進を図っていく必要があります。
 また、国際観光は、国民各層が幅広く参加できる国際交流として極めて重要であります。このため、海外旅行倍増計画を推進してきたところであり、昨年、目標の旅行者数一千万人を達成いたしましたが、引き続き新たな振興方策を検討してまいります。また、外航客船旅行に関しましても、その健全な発展を図るための施策を推進してまいります。
 国際協力につきましては、開発途上国に対して鉄道、港湾、空港等開発途上国の発展の基盤となる輸送施設の整備に対する経済技術協力や船員養成等運輸分野における人づくりに対する協力を推進するとともに、国際的な観光地の整備への総合的支援を進めていく所存であります。
 さらに、現在、国際社会の直面する最重要課題の一つである地球温暖化等の地球的規模の環境問題に対しましては、観測・研究体制の充実強化を進めるほか、環境保全に資する交通体系の形成の促進、船舶からの油流出に対する国際的な防除対策や技術開発など、総合的な施策を推進してまいる所存であります。
 また、海上保安庁におきましては、海上保安業務の国際化、多様化に対応した船艇及び航空機の整備や、一九九二年から開始されるプルトニウム海上輸送の護衛業務を実施するために必要な体制の整備を推進してまいります。
 第四に、安全で良好な生活環境の確保であります。
 交通安全の確保は運輸サービスの基本であり、運輸行政の要諦でありますが、近年の道路交通事故死者数の漸増傾向やヘリコプターの死亡事故の多発など、まことに憂慮すべき状況にあります。このため、関係省庁との連携のもと、来年度から始まる第五次交通安全基本計画を策定し、陸海空にわたり運航管理体制の充実、交通安全施設の整備、自動車安全基準の拡充強化、踏切事故防止対策の推進を図る等により交通安全の確保に最善の努力をするとともに、交通事故被害者の救済対策の充実にも努めてまいる所存であります。また、全世界的な海上遭難安全制度に対応するための準備を進めてまいります。
 次に、災害対策につきましては、一九九〇年代が国際防災の十年と定められていることにかんがみ、気象観測・予報、地震観測・予知及び火山観測等気象業務体制や海上防災体制など防災対策の充実に努めるとともに、防災に関する国際協力を推進してまいります。
 さらに、大気汚染、騒音等の交通公害対策、海洋汚染対策、廃棄物処理対策の推進にも努力してまいります。
 第五に、運輸省本省組織の再編成について申し述べます。
 運輸行政につきましては、国鉄の分割・民営化後のJRによる新たな鉄道事業の展開や我が国の急速な国際化に伴う国際問題の高度化、多様化など、行政を取り巻く状況は大きな変化を遂げております。
 運輸省では、このような時代の変化を踏まえ、今後の行政課題に総合的かつ効率的に対応していくため、平成三年度において鉄道行政の一元化のための鉄道局の設置、国際問題のハイレベルな組織としての法律職の運輸審議官の設置、現在四局に分散している政策推進機能の運輸政策局への集中等を内容とする本省組織の再編成を実施し、新組織において引き続き陸海空にわたる各般の行政を強力に推進してまいる所存であります。
 このほか、運輸行政をめぐる課題は数多くありますが、私は長期的展望に立ちつつ、各課題の解決に向けて積極果敢に取り組んでまいる所存であります。
 最後に、現下の湾岸危機に関連して、運輸省といたしましても、日本関係船舶や旅行者の安全確保並びにテロ対策に万全を期すとともに、国際社会へのできる限りの貢献を行う観点から、民間航空機による避難民の輸送、流出油防除のための資機材の供与などについて全力を尽くして諸対策を講じているところであり、今後とも事態の推移に的確かつ迅速に対応してまいる所存であります。
 以上、運輸行政の当面する諸問題につき述べましたが、これらは申すまでもなく委員各位の深い御理解を必要とする問題ばかりでございます。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第でございます。
#6
○委員長(中川嘉美君) 次に、平成三年度運輸省関係予算に関し、説明を聴取いたします。今枝運輸政務次官。
#7
○政府委員(今枝敬雄君) 昨年末、運輸政務次官を拝命いたしました今枝敬雄でございます。
 浅学非才でございますが、村岡大臣を補佐して懸案事項の解決に全力を傾注してまいりたいと存じておりますので、運輸委員の皆様方の御支援、御指導をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、平成三年度の運輸省関係の予算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計につきまして申し上げますと、歳入予算総額は二十六億六千八百万円、歳出予算総額は、他省所管計上分一千二百四十六億二千九百万円を含め九千五百二十四億五千万円をそれぞれ計上いたしております。
 次に、特別会計につきまして申し上げます。
 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入予算額三兆五百四十億六千八百万円、歳出予算額七千二百二億二千八百万円、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額四千三百六億円、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入予算額四百十三億四千万円、歳出予算額三百九十七億六千七百万円、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額四千七百十三億五千四百万円をそれぞれ計上いたしております。
 なお、港湾整備特別会計及び空港整備特別会計の歳入歳出予算には、日本電信電話株式会社の株式、いわゆるNTT株の売り払い収入を活用した無利子貸付金の所要額を計上いたしております。
 また、産業投資特別会計の歳出予算には、運輸省関係海岸事業及び新幹線鉄道整備事業に係るNTT株売り払い収入を活用した無利子貸付金の所要額が計上されております。
 また、平成三年度財政投融資計画中には、当省関係の公団等分として一兆三千四百十五億円が予定されております。
 このほか、民間事業者の能力の活用による施設整備事業に要する資金の一部について、NTT株売り払い収入を活用した日本開発銀行等からの無利子貸し付けを民間事業者に対して行い、これにより運輸関係社会資本の整備を図ることといたしております。
 運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、鉄道整備の推進、国鉄改革の推進・定着化対策、運輸関係社会資本である空港、港湾及び海岸の整備、地域における公共交通の維持整備、海運、造船及び船員雇用対策、国際交流の推進・観光の振興、貨物流通対策、運輸関係の技術開発の推進、地球環境問題への対応、海上保安体制及び気象業務体制の充実強化、交通安全対策等各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。
 わけても、平成三年度におきましては、特殊法人鉄道整備基金(仮称)の設立による鉄道整備の推進、運輸関係社会資本としての空港、港湾、海岸に関する新たな五カ年計画の策定と、これに基づく整備の計画的推進を積極的に進めてまいります。
 なお、最近の運輸行政を取り巻く状況の変化に即応して、運輸行政の総合化と効率化をさらに積極的に推進するため、鉄道局の設置による鉄道行政の一元化、法律組織である運輸審議官の設置による国際運輸行政のハイレベル化、総合化などを基本とした本省組織の再編成を平成三年七月に実施することといたしております。
 運輸省関係予算の詳細につきましてはお手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。
 以上をもちまして、平成三年度の運輸省関係の予算について御説明を終わらせていただきます。
#8
○委員長(中川嘉美君) 以上で運輸行政の基本施策に関する運輸大臣の所信並びに平成三年度運輸省関係予算に関する説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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