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#1
第120回国会 運輸委員会 第5号
平成三年四月十六日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 嘉美君
    理 事
                谷川 寛三君
                渕上 貞雄君
                片上 公人君
    委 員
                伊江 朝雄君
                上杉 光弘君
                狩野 明男君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                松尾 官平君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                瀬谷 英行君
                田渕 勲二君
                小笠原貞子君
                粟森  喬君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  村岡 兼造君
   政府委員
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    大塚 秀夫君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部長       黒野 匡彦君
       運輸省地域交通
       局長       佐々木建成君
       運輸省貨物流通
       局長       吉田 耕三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団総裁      岡田  宏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○鉄道整備基金法案(内閣提出、衆議院送付)
○全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日の委員会に日本鉄道建設公団総裁岡田宏君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(中川嘉美君) 新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案、鉄道整備基金法案及び全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○櫻井規順君 鉄道整備関連の三法について質問をいたします。
 たまたま最初の質問者に位置づけられましたので、前半はこの法案に関連して鉄道整備の基本にかかわる問題、そして後段は運賃の問題を中心に質問いたします。
 最初に、大臣に対してお伺いしたいというふうに思います。
 今度の鉄道関連三法は、かねてからの国鉄改革の総仕上げとしてのいわば三法であり、運輸省もその機構を国鉄改革推進部から鉄道局へと機構改革するというふうなことで位置づけられているようでございます。言うまでもなく三法は、民営化の完成としてJR株式の上場を行い、そのために新幹線施設の移譲を行う、その譲渡金の一部を中心に鉄道整備基金をつくり、その基金を中心にしながら整備新幹線の完成に向けて取り組んでいく、こういう中身だというふうに存じます。
 この鉄道三法を今回出された体制といいますか、整備基金を含めましてこの体制というのは二十一世紀に向けて我が国の鉄道整備の基本として位置づけられたものなのか、当面の中期的、暫定的な施策としての法整備なのか、その辺を大臣から御見解を伺いたいというふうに思います。
#6
○国務大臣(村岡兼造君) 今般の鉄道三法のうち新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案は、本州JR三社の株式売却・上場による国鉄改革の一層の進展を図るために、既設新幹線の譲渡を実施することを目的とするものでありまして、また、鉄道整備基金法案及び全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案は、新幹線鉄道を初めとする鉄道整備の促進を目的とするものでありますが、鉄道整備の促進は、国鉄事業の再生を目指した国鉄改革の意義に沿うものであると考えております。
 したがって、鉄道三法は、いずれも国鉄改革を推進するものでありまして、ほかに清算事業団法の一部改正その他の施策と相まって、国鉄改革の総仕上げに向けた施策を実施するためのものであると理解をいたしております。
#7
○櫻井規順君 私は、今度の三法で整える体制というのは、かなり中短期的な体制整備ではないかというふうに理解するものであります。当然といえば当然かもしれませんが、そう理解いたします。
 二十一世紀に向けての基本的な体制整備ということは、また改めて体制を整えなきゃならないものだというふうに思いますが、今回の三法に関連いたしまして言うならば、新幹線施設の譲渡につきましては、長い時間をかけまして運輸省の指導のもとでJR関係会社との間で譲渡に伴う比例配分といいますか比例案分率という問題は出てきたわけですから、これは尊重をしたいというふうに思います。
 しかし、その一つをとりましても、みずからが営業に責任を持たないJR東海が、整備新幹線に向けて一定の基金を拠出するということも、これはどう理解していいのかというふうに思いますし、また、基金の中身も道路あるいは港湾の特会とは大分仕組みが異なりまして、需要量に応じて収入がふえて、弾力的に事業計画を拡大できるという展望もなかなか持てない、固定的にして弾力性のない会計になっているというふうに思うわけであります。専ら、これは整備新幹線を見据えた基金になっているように思います。
 さらには、整備新幹線の位置づけにつきましても、スーパー特急あるいはミニ新幹線というように、みずから暫定的なものとして位置づけているわけでありますから、今度のこの法整備というのは中短期的な整備だというふうに思いますが、まず、その位置づけについてもう一度お伺いをしたいと思います。
#8
○政府委員(大塚秀夫君) 今般御審議いただいて
おります鉄道関係三法案のうち、新幹線譲渡に関する法律案につきましては、これはJR株式の上場のために経営基盤を強化する、その目的を達するために既存の新幹線を本州三社に譲渡するわけでございます。そういう譲渡を行うという点におきまして、一時的な法案と言えるかもわかりません。
 それから、全国新幹線鉄道整備法の一部改正案につきましては、これは新幹線鉄道のネットワークができるまでの間の暫定的な措置として、それに準じた高速鉄道網をつくる、この点も先生御指摘のように暫定的と言えるかもわかりませんが、鉄道整備基金法案による鉄道整備基金の設立は、確かにその目的の一つが整備新幹線の建設促進にあることは言うまでもありませんが、同時に新幹線鉄道の譲渡収入の一部を活用しながら、東海道新幹線の輸送力増強を初めとする主要幹線鉄道の整備あるいは都市鉄道整備のための無利子貸付制度を創設する等、鉄道整備全般にわたる施策のための第一歩としてこの基金を設立したわけで、この基金を今後充実強化することによりまして、中長期的にも鉄道整備がさらに促進されることを我々は期待しているものでございます。
#9
○櫻井規順君 改めて大臣に伺うわけでありますが、中長期的な位置づけのもとで基金も設けられているというお話でございます。全般的にはやや暫定的な措置であるというお話も伺ったところであります。
 それならば、長期的な二十一世紀に向けての大臣としての鉄道整備の長期ビジョン、そしてまた、そのビジョンをつくる上での国民合意といいますか、長期政策をつくる基本的な合意の手続といいますか、そういうものについて所見を伺えればありがたいと思います。
 ちょっと関連しまして嫌みを言うわけでありますが、今度の整備新幹線の設定も昨年十二月末の与党と政府との間での合意に基づいて法案の整備が急速に進んだわけでございます。一部中長期的な施策も含めた、こうした鉄道整備の基本政策が政府・与党間での合意を出発に起案されているということについて、私はいささか奇異なものを感ずるわけであります。
 国会に出されているから国民合意と言えばそれは言えるわけでありますが、問題は原案作成の過程でありまして、その辺が今後の長期ビジョン、長期基本政策作成の上では大事なんで、その辺にも触れて大臣の所見を伺いたい。
#10
○国務大臣(村岡兼造君) 整備新幹線に係る申し合わせは、政府予算案の編成を行うために整備新幹線の取り扱いについて政治折衝の内容を取りまとめたものと解釈しておりまして、具体的には各年度の予算案に盛り込まれるという形で実現されているものでありまして、予算審議の過程において国民的な合意が得られてきたものと考えております。
 なお、ただいま先生が言われました中長期的な鉄道整備の指針につきましては、運輸省といたしましても必要であると考えておりまして、今後、運輸政策審議会で御審議いただくことを予定いたしておりますが、その審議をお願いするのは本年六月ごろと考えております。
#11
○櫻井規順君 次に、長期的な鉄道整備の基本政策を立てる場合に、私は欠かすことのできない点が幾つかあると考えます。
 一つは、鉄道整備のインフラに当たる部分につきましては、やはり公共事業費としての位置づけをなすべきである。
 二つ目は、今回鉄道整備基金で全国一元的、統括的な機能というものを制度化したわけでありますが、この全国一元的な機能というものをより強力にすべきではないかと考えます。それは、そもそも分割というところに今回大変な矛盾が出て、公正な競争を刺激しているというよりもむしろ余分なエネルギーがこの一連の過程で生じているというふうに思うわけであります。少なくとも鉄道のインフラ部分の整備の過程につきましては、基金の弾力的な運用を含めまして、より全国一元的な機能というものを持たせるべきではないか。
 三点目は、やはり日本の大動脈であります東京―大阪間の混雑緩和。現在の鉄道については、また別途東海道新幹線のことに触れますけれども、老朽化傾向を含めまして問題があるわけでありまして、この東京―大阪間の混雑緩和というものが長期政策の基本に据えられるべきものだというふうに考えます。
 今言いましたインフラ部分の公共事業費としての位置づけ、全国一元化機能の強化、東京―大阪間の混雑緩和、こういう点については長期政策の中の基本に据えられるべきものと考えますが、いかがでしょうか。
#12
○政府委員(大塚秀夫君) 今回御審議いただいております鉄道整備基金の設立におきましても、整備新幹線については公共事業費に基づく助成を行っていくこととなっておりますし、平成三年度の予算からは公営地下鉄につきましても公債発行対象経費になったわけでございます。
 今後も鉄道整備を促進する上においてインフラ部分をどのように整備していくか、国としてどのようにバックアップしていくかということは極めて重要であると考えておりますし、特に、全国的な高速鉄道ネットワークの整備といった点で幹線鉄道の近代化整備につきましては、全国的な視野からこれを考えていく必要があると思っております。
 また、その中でも特に東京―大阪間という、鉄道にとって大動脈の混雑緩和は、これからの鉄道整備で重要な位置づけにあるものと思います。こういうものを含め、先生御指摘のとおり、今後鉄道整備の中長期計画の内容として検討していきたいと考えております。
#13
○櫻井規順君 今度の鉄道整備基金に関連してお伺いするわけでありますが、東海道新幹線の関係はどうかかわってくるのか。
 今も言いましたように、混雑はもう大分ひどいところまできております。そしてまた、一晩とにかく三千人近い人が保線あるいは線路の補修等に当たっているとのことでございます。先般も触れましたように、土盛り、鉄橋、コンクリート高架橋にいたしましても、非常に心配な面が出てきているわけであります。こうした東海道新幹線の混雑緩和対策あるいは安全性の面から見まして、基本的な対策を立てなきゃいけないときにきているというふうに思うわけであります。
 先般から品川新駅の問題あるいは九―三―三ダイヤの整備が非常に大きな問題になってきているわけでありますが、今度のこの基金の問題と特に関連させながら、こうした東海道新幹線の整備については関係が全くないのか、あるいはかかわりが深くあるのか、その辺をちょっと御説明いただければありがたいと思います。
#14
○政府委員(大塚秀夫君) 東京―大阪間の輸送力増強につきましては、今回の鉄道整備基金におきましても無利子資金を日本開発銀行に寄託する制度を新たに設けまして長期低利の融資を行うこととしております。また、長期的には、第二の東海道新幹線とも言うべき中央新幹線につきましては、現在全線にわたり地形、地質等の調査が日本鉄道建設公団及びJR東海によって行われているところでございます。
 こういった中短期的と申しますか、そのような輸送力増強対策、また、長期的な輸送力増強対策の二面にわたって今検討しており、また、所要のバックアップ、支援を行っているところでございます。
#15
○櫻井規順君 平成三年度中にJRの株上場を行うという展望のもとに作業が進められているわけであります。
 問題は、JR株式基本問題検討懇談会におきましても、これにつきましては非常に「慎重」にかつ「弾力的に」という御指摘があるわけでありますが、この辺をどういうふうに理解しているのかをお伺いしたいわけであります。
 私は、今、東日本にしましても東海にいたしましてもJR関係が黒字決算になっている、経常収益を上げている、これに大きく寄与しているのは、大手民鉄と比べて運賃が非常に高いというこ
とだと思うんですが、過去三年間の経理実績を分析して上場の資格ありと判定しているようでございます。しかし、この三年間というのは非常に好況に支えられてきたということ等々から、不況をくぐっていないというようなこと、高運賃で上げた収益の利用者、消費者への還元においてまだ配慮が欠ける点等々から見て、このJR株式基本問題検討懇談会の慎重にかつ弾力的にというのは非常に意味の深い言葉だというふうに理解するわけですが、どういうふうにお考えでしょうか。
#16
○政府委員(大塚秀夫君) JR本州三社の経営状況につきましては、先生御指摘のとおり、国内景気の好調さに支えられた面があることも事実でございますが、他方、利用者のニーズに応じた輸送サービスの提供など積極的な営業政策を展開してきたことに負うところも大きいと考えております。
 平成元年度決算までの数値で見ますと、株式の上場のために必要な純資産の額、また利益の額についての基準は、JR東日本及びJR東海会社が既に満たしている状況にございます。
 JR株式につきましては、JRの完全民営化という国鉄改革の趣旨に沿ってできる限り早期に実施すべきものと考えますが、同時に株式処分は清算事業団の長期債務の償還財源としても重要でございます。
 そういう点を総合的に判断して、現在その時期等についてJR株式基本問題検討懇談会の場でも検討しておるところでございますが、この中間報告にもございますように、「株式市場の動向を十分に見極めつつ、弾力的に対応していく」ということで、私どもこれも非常に意味の深い意見だと思い、そのように対応していきたいと考えているところでございます。
#17
○櫻井規順君 いよいよ新幹線鉄道施設についての譲渡がこの法律の議決後に執行されていくわけでありますが、以下、少々運賃との関係で質問をします。
 JR各社がこの鉄道施設の譲渡を受けまして、いよいよ二十五・五年の分割払いあるいは六十年の分割払いということで支払いを始める。それから、鉄道施設を受け入れれば当然減価償却分も見込んでいかなければいけないということで、これはひとつの会社として当然のことだというふうに思うわけですが、JR各社の経理における支出に非常な重圧になっていくというふうに思います。
 そこで、新たな収支の関係で、運賃の値上げということで収支を整えるというようなことがないことを期待しますし、そういうことのないように運輸省として御指導願いたいわけですが、その辺の見通しについていかがでしょうか。
#18
○政府委員(大塚秀夫君) ただいままでのところは平成元年度までの決算が出ておりまして、平成二年度の決算はこの五月末に出る予定でございますが、今のところ好調に推移していると考えております。また、先般平成三年度の事業計画が出ましたが、この内容におきましても、平成三年度においても平成元年度、二年度とほぼ同様な経常利益を確保できるという見通しでございます。
 そのような状況に立ち、また、新幹線の譲渡による影響も最小限にとどめられるというような見通しでございますので、今の段階で新幹線譲渡の影響等による運賃改定はないものと考えております。
#19
○櫻井規順君 次に、さきの四月十一日の朝日新聞に、「上野―東京の特急料金五百円」という見出しで、JR東日本から運輸省に内々にでしょうか、上野から東京への乗り入れに関連いたしまして新たな運賃・料金の設定案を出したやの記事がございます。この事実経過について説明いただけますか。
#20
○政府委員(大塚秀夫君) 東北・上越新幹線の東京―上野間については、六月二十日に開業される予定でございますが、この運賃及び料金をどのように設定するかにつきましては、JR東日本と私どもの間で非公式かつ事務的に現在議論しているところでございます。まだ申請が出ていない段階であり、その具体的内容は決まっておりません。
 なお、新聞記事にもございましたが、JR東日本との議論の中で、JR東日本から一つの案として五百円という案も提案されているのは事実でございます。
#21
○櫻井規順君 これを運輸省としてどうなさるのかということをお伺いするわけでありますが、御案内のように、この間は三・六キロでしたか、極めて短い距離でございます。運賃表を見ますと、どの駅からとらえてみましても、現行の基準からいきますと料金値上げにはならないように受けとめられます。
 この「数字でみる鉄道,90」によりますと、東北・上越新幹線の特急料金の決め方が示されておりますが、百キロ刻みになっております。これを見ましても、運賃値上げの理由というのは成り立たないというふうに思うわけでありますが、運輸省はこの規定そのものを堅持するのか変更するのか、この東日本の申請に対してどう対応されるのかお聞かせください。
#22
○政府委員(大塚秀夫君) 上野―東京間の料金につきましてはまだ申請も出ていない段階でございますので、具体的なコメントはできませんが、申請があった場合には利用者に過大な負担とならないよう厳正に審査したいと考えております。
 ただいま先生が言われました「数字でみる鉄道,90」でございますか、そこに出ておりますのは現在の新幹線の距離帯別の料金というのが出ておりまして、今回の上野―東京間というのは三・六キロが新線として開業するわけでございますから、その新線部分についてどういう運賃・料金を設定するかという問題になると考えております。
#23
○櫻井規順君 いずれにいたしましても、この三・六キロに伴っての値上げというのは、何もJR東日本が全部東京―上野間の鉄道整備に要する費用を負担したというわけじゃないので、かねがねもう国鉄の時代からかなりの負担をし、その後全国的なシェアでもってやっているわけでございますから、JR東日本だけがそのコスト分の見合いとして値上げというのは筋が立たないのではないかというふうに思います。この値上げには非常に無理があるということを私は一つ指摘しておきたいというふうに思います。
 同じ記事の中で東日本の住田社長の、「料金の設定は経営者が責任をもってやればよいことで、運輸省の規制を受ける筋合いではない」、こういう発言が載っております。この委員会での航空運賃等のダブル化、トリプル化に関連をした、非常に公正な競争のもとでの料金設定という議論とも関係がございます。規制緩和で自由に料金を決めて公正な競争を促進するのが運輸行政のあり方だというふうに思うわけでありますが、いわば地域独占で成り立っております鉄道運賃につきましては趣が違う。これはやはり運輸省の認可制度というものを堅持されたいというふうに思いますが、ちょっとその辺の運輸省のスタンスに変化があるのかどうなのかお伺いしたい。
#24
○政府委員(大塚秀夫君) 昭和六十二年の国鉄改革時に、従来の地方鉄道法にかえまして制定された鉄道事業法におきましては、鉄道事業の高度の公共性にかんがみ、鉄道事業の運賃・料金について原則として運輸大臣の認可制とする一方で、入場料金、手荷物料金など運輸に附帯するサービスに係る料金につきまして従来の認可制を届け出制とするとともに、運賃の営業政策上の割引につきましても届け出で実施できる範囲を拡大するなどの規制緩和を行ったところでございます。
 このように、鉄道事業の運賃・料金に関する規制の必要性は鉄道事業法制定後も何ら変わるところはなく、現時点では運賃・料金制度を今以上に緩和するという問題意識は持っておりません。
#25
○櫻井規順君 今度の鉄道関連三法の制定、それから株上場に伴って、会社の経理の面におきまして運賃部分というのは決定的に大きいわけでして、会社が経常利益を上げている面での運賃の大きな貢献というものは評価をします。しかし、あわせて、事業者本位の運賃利益をこの際利用者、消費者に還元するという姿勢が必要ではないかと思うんです。そういう面で、どんなふうに運輸省
はお考えでしょうか。
#26
○政府委員(大塚秀夫君) JRの旅客会社六社は、国内景気の好調さもございまして、平成元年度決算では全社とも経常損益で黒字を計上し、平成二年度も引き続き好調さを持続するものと考えておりますが、その経営状況にかんがみ、運輸省ではJRに対してできるだけ長く現行運賃を据え置くように、なお一層の経営努力を指導しているところでございます。
 また、老朽設備の取りかえを含めた安全対策投資や大都市における混雑緩和のための通勤通学輸送力の増強投資などにつきましても引き続き指導を行い、利用者への還元を充実強化していく所存でございます。
#27
○櫻井規順君 利用者への還元で少々触れていきたいと思うわけでありますが、現在、JRと民鉄との運賃格差というものがなお非常に利用者に不公平感を与えているところであります。
 例えば、JRと民鉄と比較した場合に、これは小田急との比較になりますが、新宿―小田原間、距離が八二・五キロ、これは小田急の方でございます。ほぼ同じで東京―小田原間があるわけでありますが、普通運賃でいきますと、民鉄の方、小田急の方は六百三十円、JRは千四百二十円、その倍率二・二五倍、それから、通勤定期運賃が小田急の場合は一カ月九千百七十円、JRの場合は三万七千五百円で約四倍、こういうふうな開きになっております。こうした線が幾つかございます。
 これは現行の旅客運賃の中で運輸省の御努力があり、各鉄道会社の御努力があってA、B、C、Dという運賃表が作成されて、このJRと民鉄との格差というものは今縮小されてきておりますが、なお利用者、国民に不公平感をかなりもたらしているという点で、現状をどういうふうに把握されていますでしょうか。
#28
○政府委員(大塚秀夫君) JRにつきましては、国鉄再建時期に頻繁に運賃改定を行った結果、先生御指摘のように、大手私鉄との間に相当な運賃格差があることは事実でございます。
 そこで、先ほど申し上げましたように、今後JRにつきましては現行の運賃水準をできるだけ長期に維持していくように指導しますことによって、長期的には大手私鉄との運賃格差をできるだけ縮小する方向に持っていきたいと考えております。
#29
○櫻井規順君 いやいや、現状をどういうふうに把握されているのか。
 まだ、私の手元に今あるのでも、東武とJRを比較した浅草―久喜間の運賃、あるいは小田急でも新宿―藤沢というふうにあります。いわゆるC、D料金のエリア、ゾーンから外れたところについてはまだかなり残っているというふうに思うわけですが、その現状をどんなふうに把握されているのか。
#30
○政府委員(大塚秀夫君) 現在におきましてJRの電車特定区間では、大手私鉄七社の単純平均に比べまして十キロメートルで一・一七倍、十五キロメートルで一・二三倍、二十キロメートルで一・三七倍というようにJRが割高となっております。
#31
○櫻井規順君 通勤定期運賃あるいは通学定期運賃の開きがかなり大きいです。まあ通勤定期運賃の方の割引率は民鉄よりもJRの方が大きいわけでありますが、基礎額が高いがために割高になっております。それから、通学定期運賃はJRの方が割引率が小さいわけであります。ここら辺も改善の余地があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#32
○政府委員(大塚秀夫君) 今の通勤定期あるいは通学定期におきましては、これも国鉄再建時に頻繁に運賃改定したときのいろいろな経緯がありまして、民鉄とJRの間に割引率あるいは制度そのものに開きがございますが、JRも民営化の方向を進むわけでございますから、今後運賃改定時期等をとらえて、民鉄とJRのこのような制度間の調整も行っていかなければならないと考えております。
#33
○櫻井規順君 今、やや民鉄とJRの格差を解消するお考えが示されたわけでありますが、この際ぜひ、鉄道関連三法という歴史的な法律が制定され、JR各社、特に本州三社が株上場するという機会に、専ら企業収益を上げるという姿勢から、民鉄との格差を縮め、かつ国民の不公平感をなくし、この利益を利用者に還元する、そういうスタンスに立った運輸省からの指導を求めます。
 その辺の基本的なお考えを聞いて、私の質問を終わります。
#34
○政府委員(大塚秀夫君) 今、JR各社は近く上場される前提で経営基盤の強化に努めているところでございますので、なかなか運賃を下げるというような経営内容にはなっていないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、通勤通学輸送の改善等、サービスの改善を含めて利用者への還元を図るように指導していきたいと考えております。
#35
○田渕勲二君 鉄道三法の中でとりわけ注目されますのは、鉄道整備基金法案だと私は思うわけですけれども、これによりまして整備新幹線の助成のほかに、いわゆる今問題になっておる大都市の鉄道整備のシステムが動き出す、こういうように私は問題をとらえたいと思っているんです。
 しかし一方、膨大な国鉄の長期債務がありまして、これの償還計画がまだ具体的に明らかにならないまま、整備新幹線を含む鉄道整備だけが先行しているのではないか。最大課題は、やっぱり長期債務の償還計画ということで国民の皆さんが非常に注目をしているところであります。そういったものに先駆けて鉄道整備の問題が先行したということについて、この二つの大きな課題があると思うのでありますけれども、この関連なり、そうした法案を出された趣旨について大臣からひとつ御説明いただきたいと思います。
#36
○国務大臣(村岡兼造君) 今般の財源構想におきましては、整備新幹線、都市鉄道等の整備財源の充実が緊要な課題とされていること等を勘案し、既設新幹線譲渡収入の一部をこれら鉄道の整備財源問題の解決のために活用することとしたものであります。
 国鉄の長期債務問題につきましては、これは先生がおっしゃるとおり重要な問題であり、着実に解決されなければならないものと考えておりますけれども、今般の財源措置においても、国鉄改革時における保有機構による八・五兆円の長期債務の負担のスキームを変更するものではないわけでございますので、国鉄長期債務につきましては、事業団法その他でまたお願いをして着実に返していきたいと、こう思っておるところでございます。
#37
○田渕勲二君 今のは、どうも質問の趣旨に従った答弁じゃないように思うんです。債務償還計画というもの、非常にその辺が問題になってきているわけですが、まずもって、なぜそのことが並行して出されるのか。むしろ、あるいはその方が先行して出されるのかというふうに我々は考えておったんですけれども、それが鉄道整備が先行しちゃっているという感じを私らはどうも受けてならぬのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#38
○政府委員(大塚秀夫君) 現在、清算事業団は平成三年度首におきまして二十六・二兆円の長期債務を抱えておるわけでございますが、我々もこの長期債務の償還ということは極めて重要な課題と認識しており、この長期債務償還の二つの主要な財源でございますJR株式及び土地の処分を促進するよう今後努めていくこととしております。
 今回の法律の一つでございます新幹線の譲渡法もJR株式の上場に備え、その経営基盤を強化するために既設新幹線を本州三社に譲渡するわけでございますが、このような譲渡によりまして本州三社の株式上場が円滑にいき、その処分が行われるということがとりもなおさず清算事業団の長期債務の償還にもつながるわけでございます。
 それからもう一つ、これから御審議いただくわけでございますが、今国会にあわせて清算事業団法の一部改正案を出させていただいております
が、これは汐留等の大規模用地の処分を促進するために株式返還予約権付の事業団の特別債券を発行するわけでございまして、このような施策で清算事業団の長期債務を返していくということで、私ども鉄道整備も極めて重要でございますが、長期債務の償還も同様に重要であり、これらをあわせて今後促進していくための施策を御提案させていただいているわけでございます。
#39
○田渕勲二君 なぜ、私はそういう質問をするかといいますと、非常に鉄道整備というものは大都市を中心におくれていると思うんですね。大都市の整備にとって非常に大事な財源というものは、むしろ私は公的資金というものをお使いになるということがやっぱり最大の問題じゃないかと思うんですよ。公的資金が使われないがゆえに非常に鉄道整備が大都市中心におくれているという考えを私は持っているために、そういう質問をしておるわけです。
 現在の大都市の、特に通勤混雑解消のための輸送力の問題であるとかホームの問題であるとか、それから新線建設、こういった問題についてどうも公共投資の消極性というものが見られるんですけれども、この点についていかがでしょうか。
#40
○国務大臣(村岡兼造君) 鉄道整備基金は、既設新幹線譲渡収入の一部を活用して新幹線鉄道の建設に対する交付金の交付、主要幹線鉄道、都市鉄道等の整備に対する無利子貸し付け等を行うとともに、一般会計からの補助金等を財源として鉄道事業者等に対し補助金等を交付する業務を行うことといたしております。
 このうち、一般会計等からの補助金等につきましては、平成三年度予算におきまして、平成二年度予算と比較いたしまして総額で九百七億円から一千二百二十三億円に大幅に増額されているところでありますが、先生がおっしゃるとおり、今後とも公的資金の拡充がぜひ必要であろうと、こう思っております。
 これは私の個人的見解でございますけれども、やはりもっともっと公的資金を出すべきではないかと、こういう意見のある一方で、それは会社ではないか、それに対して国のあれをやるということは容易ではないのじゃないかという一方の議論がありますけれども、そうは言ったって、こういうような都市鉄道にいたしましても、先ほど出ました東海道新幹線にいたしましても、全国の主要幹線にいたしましても、これはやっぱり公共的なものではないかと、こういうようないろいろな議論があるために、先ほどもお答え申し上げましたが、運輸政策審議会に長期的あるいは中長期的にどうあるべきかということの諮問を六月ごろいたすつもりでおるところでございます。
 先生おっしゃるとおり、公的資金を私としてはもっともっとやるべきじゃないかと。しかし、なかなか今までの国鉄はそういう状況でなかったのも事実であったと。これからはやっぱり、先生がおっしゃるような大都市あるいは東海道新幹線あるいは全国的な主要幹線の問題、これを考えていかなきゃならぬと、こう思っておるところでございます。
#41
○田渕勲二君 非常に積極的なお言葉をいただいたんですけれども、いずれにしてもこれは、今おっしゃったように、会社が経営している鉄道だからというんじゃなくて、やはりそれはもう非常に公共性を帯びた、公共そのものなんですね。
 だから、その辺のところは会社の経営内容との整合性はいろいろおとりになったらいいと思います、制度的にね。今おっしゃったように、公的な資金をつぎ込んで鉄道整備をしていかない限り、この問題は私は、なかなか前に進んでいかないように思いますので、そういう質問をしたわけでございますが、今大臣が非常に前向きにおっしゃっていただいたことについて、私もそれを信頼してこれからの行政を見守っていきたいと思っております。
 それでは、逐次具体的な問題に入りますけれども、大都市整備の中で地下鉄の場合に整備が結構進んでいると私は思うんですけれども、その整備状況についてお伺いしたいということと、それから、時間の関係がありますから引き続いて申しますが、最近開通した営団半蔵門線ですね。今の地下鉄建設の費用がどれぐらいかかるかという意味でお聞きをしたいんですけれども、これの総経費といいますか、それとキロ当たりの工事費、これはどのような状況になっておるかをお聞かせいただきたいと思います。
#42
○政府委員(佐々木建成君) まず、第一点の地下鉄の整備状況でございますが、大都市におきます通勤通学輸送の混雑緩和等を図るために、地下鉄の整備を着実に進めていくことが運輸省として必要だと考えております。
 それで、現在、地下鉄については九都市において三十三線五百五キロの路線が営業を行っております。また、十二線九十八キロについて新線の建設が進められているところでございます。
 それから、第二点の営団半蔵門線の建設費、延長キロ、キロ当たりの建設費といった点でございます。
 営団半蔵門線、これは十一号線でございますけれども、渋谷―水天宮前間につきましては、昭和四十八年に着工いたしまして昨年の十一月に開業したところでございますが、その延長キロは十・九キロでありまして、総建設費は二千八百九億円でございました。これを一キロ当たりの建設費で見ますと、二百五十八億円というふうになっております。
#43
○田渕勲二君 それほど随分のお金がかかるわけですね、今地下鉄をつくるのは。そうしますと、この地下鉄の建設工事費を運賃で回収するということは、もうこれは極めて不可能ですね、これだけのものをつくるということは。
 そうしますと、その費用についてはどういうようになっているんですか、この費用の概要についてお伺いしたい。
#44
○政府委員(佐々木建成君) 今のお尋ねの趣旨は、地下鉄の建設費が非常にかかるのに対してどのように資金を充当しているかという御趣旨だと思います。
 今お答えしましたように非常に地下鉄の建設には多額の資金を要します上に、投資の懐妊期間が長いという問題がありますので、整備を促進していくためには運賃のみに負担を求めるということでは無理でございますので、それに加えまして所要の助成措置が必要だという考え方をとっております。
 それで、従来から地下鉄整備に対しまして、地方公共団体の協力を得つつ、新線建設費に対して補助を行ってきております。現行の補助制度によりますと、補助対象建設費の七〇%を国と地方が折半して十年分割で公営地下鉄事業者に対して補助をしているところでございます。
 なお、平成三年度から改善が行われまして、公営地下鉄につきましては新規採択路線について分割交付期間を十年としておりましたものを五年に短縮するといったような地下鉄助成制度の改善を図るということをやりましたことと、もう一つ、営団につきましては従来の建設費補助制度から発展させまして、助成対象建設費について四〇%を鉄道整備基金から無利子貸し付けを行う。それから、同様に地方公共団体からも四〇%無利子貸し付けを行うということで制度の改善を図ったところでございます。
#45
○田渕勲二君 先ほども大臣の答弁の中で、平成三年度の鉄道整備関連予算が一般会計の中でかなり伸びたと、三百十六億ですか前年に比べて助成がふえたというお話がございました。公営地下鉄の助成の額も確かに五〇%増の五百九十五億円と大幅に伸びていることは、これは評価できると思うんです。
 しかし、この助成の中に、平成二年度に新たに発生した二百三十一億円の繰り延べ分のうちの四十八億円というのがことし、三年度に入っているわけですね。そういう繰り延べ分が入っている以上、大幅にふえたとはいっても、この四十八億円は前年度の繰り延べですから、これを割り引いて考えざるを得ないと思うのですが、その点いかがですか。
#46
○政府委員(佐々木建成君) 公営地下鉄について申し上げますと、対前年度五〇%増の五百九十五億円を計上いたしまして、そのうち平成三年度の所要額五百四十七億円を確保いたしますとともに、平成二年度に繰り延べになりました、先生今御指摘の、二百三十一億円の一部を前倒しにしまして四十八億円を回復するということで、過去の繰り延べの回復と、それから当該年度に必要とすべき補助金を五百四十七億ということで、額としては前年度に比べれば相当大きく増加しているわけでございますが、そういったことで努力をさせていただいているということでございます。
#47
○田渕勲二君 地下鉄の補助制度の面でも大幅な改善が図られたということでございますけれども、今申し上げたように、繰り延べというのが毎年あって、実際に大幅に伸びたというふうに私たちは思えないんです。
 今度、聞くところによると、地下鉄の補助制度の面で改善されたというふうに聞いておるんですが、どのように改善されたんですか、一それをお聞かせください。
#48
○政府委員(佐々木建成君) 地下鉄の補助制度の改善状況でございますが、まず一つは、先ほど御答弁申し上げましたように、新規採択路線につきまして十年分割交付を五年分割交付に改めたというふうに……
#49
○田渕勲二君 ちょっと今のわからない。もっとはっきり言ってください。
#50
○政府委員(佐々木建成君) 先ほど御答弁申し上げましたように、地下鉄補助金の分割交付の期間が従来は十年分割ということであったわけでございますが、これを五年間に短縮して交付するというふうにした点がございます。
 それから、従来は地下鉄補助金の性格が損益上の補助ということであったわけですけれども、これを資本費補助に切りかえたということがございます。資本費補助に切りかえたということは、財政法の公債発行対象経費になるということでございますので、従来マイナスシーリングの取り扱いを受けていたものがそうでなくなるというような点が変わっております。
 それから、生活関連重点化枠の中に二十二億二千万円でございますけれども位置づけられたといったような点が主な改正点でございます。
#51
○田渕勲二君 じゃ確認しますけれども、従来の運営費補助から資本費補助に切りかわったということは、もう従来のようにシーリングによる影響というものは受けないで、これからいわゆる繰り延べなどということも発生しない、こういうふうに考えていいんですね。
#52
○政府委員(佐々木建成君) 損益補助から資本費補助にかわったということは、損益補助でありますと一般の経費でございますのでマイナスシーリングの対象になるわけですが、資本費補助になった場合には、現在公共事業費というのはゼロシーリングでございますけれども、それと同じような扱いになるというようなことでございます。
 それから、繰り延べが今後行われるか行われないかという点でございます。
 これは今の資本費補助ということとは直接関係はございませんけれども、新たな繰り延べはすべきでないというふうに考えておりますので、そういったことで努力してまいりたいと思っております。
#53
○田渕勲二君 それじゃ、平成三年度の都市鉄道の助成額は幾らですか。
#54
○政府委員(佐々木建成君) 平成三年度における都市鉄道に対する助成額は、一般会計からの補助金等が七百八十六億四千六百万円でございます。それから、鉄道整備基金からの無利子貸付金百二十三億一千七百万円、合計九百九億六千三百万円というふうになっております。
 助成の内容を申し上げますと、まず、一般会計からの補助金等といたしまして、一つは地下高速鉄道建設費補助金、これが六百五億一千万円でございます。これは公営地下鉄と、それから若干の営団に対する補助金とが合計されたものでございます。それから、従来からございますニュータウン鉄道建設費補助金四億五千百万円、それから日本鉄道建設公団補給金百七十六億八千五百万円、このうち、いわゆるP線に対する利子補給金は三十六億一千百万円を計上しております。
 それから次に、既設新幹線の譲渡収入の一部を活用しまして大都市鉄道の整備に対する無利子貸付制度を創設いたしまして、貸付枠百二十三億一千七百万円を計上しているわけでございます。
 この無利子貸付対象事業には営団の七号線、駒込―目黒間ほかが含まれることになるものと考えておりますが、具体的な無利子貸し付けの額等については鉄道整備基金の認可予算の認可の際に決定されるというような手順になっております。
#55
○田渕勲二君 それに対して、国鉄清算事業団に対する補助金が昨年に比べて五百六億円減額になっていますね。この理由は何ですか。
#56
○政府委員(大塚秀夫君) 平成二年度までの清算事業団に対する一般会計からの補助金の目的は、清算事業団の長期債務から発生します年間約一兆五千億円の金利を自主財源収入等でカバーしなければ、長期債務そのものが利子も加わって累増する。そこで、累増を防止するために、発生利子と自主財源との差を補助金で埋めると、こういう趣旨でございます。
 それが平成二年度では千五百十億でございましたが、平成三年度には自主財源の中でも土地の処分収入を一兆五千億と見込んでいること等もあって、もう発生利子そのものにつきましては自主財源でカバーできる。
 そこで、補助金については別の考え方でございまして、清算事業団の金利負担をできるだけ軽減するという見地から、清算事業団が承継しました過去債務の発生金利、これと清算事業団が発足してからの借りかえ等の債務の発生金利、それとの利率の差について補助をする。つまり、清算事業団が発足してから以降の方が金利が安いので、過去の債務の金利分もその安い金利並みにしてやろう、こういうことで過去債務の発生金利と清算事業団ができてからの発生金利との差の補助ということで計算しましたところ千四億円になったと、こういうことでございます。
#57
○田渕勲二君 それはそれといたしまして、ではそれに関連をしますけれども、株についてちょっと御質問申し上げます。
 先ほど同僚委員からもお話がありましたように、株式上場というのが非常に当面の問題になりつつあるんですが、事業団の資金計画の中に株の売却収入千五百四億円ですか予算計上されていますが、平成三年度の株上場の見通しというものは実際この予算計上されているような実効性を持ったものであるのかどうか、この点をお聞きしたいということと同時に、ことしの三月六日の新聞によりますと、野村総研は、「九一年度中に計画されているJR各社の株式上場について」「新幹線買い取り額が巨額であることから「経営に与える影響が大きいので、その影響を見極めた後にすべきだ」」というリポートが派手に書かれておったんですが、これについてどのようにお考えになっておりますか。
#58
○政府委員(大塚秀夫君) JR株式につきましては、平成元年十二月の閣議決定におきまして、平成三年度にはJR株式の処分を開始する方向で、JR各社の経営動向、株式市場の動向を見きわめた適切な処分方法など、多角的な視点からの検討、準備を行うこととされており、この閣議決定の趣旨に沿って検討、準備を進めているところでございます。
 ただ、実際の売却につきましては、JR株式基本問題検討懇談会の昨年末の中間意見において御指摘いただいているとおり、株式市場の動向を十分見きわめながら、弾力的に対応していくことが必要であると考えておりまして、清算事業団の予算で千五百四億を計上しておりますが、これは仮置きの数字でございます。実際に売却するということになりますと、これはもっと大きな額になると思いますが、仮置きしているところでございます。
 それから、今先生御指摘の新聞記事にございま
した野村総研のレポートでございますが、これは私どもも野村総研から内容等を聞きましたが、必ずしもこの記事にあるように延期提言ということではございませんで、いろいろな問題を指摘したということでございまして、こういう意見ももちろん一つの参考にしなければなりませんが、いろいろな専門家の意見もございまして、そういうものを総合的に検討しながら、今JR株式基本問題検討懇談会で審議しているところでございます。
#59
○田渕勲二君 これは衆議院の運輸委員会でも御質問があったと思うんですけれども、三社の証券取引所の三条件、これがクリアできているかどうか。同時に、三社以外に貨物会社というのがありますね。この貨物会社の経営の状況あるいは株式上場の見通し等について御見解をお聞かせ願います。
#60
○政府委員(大塚秀夫君) 上場基準を充足しているかどうかにつきましては、証券取引所が財務の状況などの実態を審査の上判断するものでございますが、株式上場のために必要な主な基準でございます純資産の額と、それから事業の利益の額、この二つについて見ますと、平成元年度までの決算数値によりましてJR東日本とJR東海は基準を満たしておりますが、JR西日本は純資産の額と利益の額、いずれも基準を満たすに至っておりません。
 ただ、JR西日本におきましても、本年三月期決算におきまして純資産の額については満たすとともに、利益の額、これは上場よりさかのぼって三年間を見まして、直近前年度は資本金の四割の利益を上げなければならない。その前二年間は三割の利益を上げなければならないということでございますが、これについてJR西日本は平成三年度の事業計画で、つまり、平成三年度の決算で満たすということになっているようでございます。
 それから貨物会社の、今申し上げました主な財務に関する基準でございますが、まだ利益基準を満たしていない。今申し上げました資本金の三割は超えていますが、四割には達していない。このあたりは平成三年度に満たすかどうかというようなボーダーラインになっているところでございます。
#61
○田渕勲二君 東日本と東海はクリアできている、西日本はまだだというんですが、これは三社一斉にやられるのか、それとも二社だけなら二社がそろえば先にやるのか、その辺はいかがですか。
#62
○政府委員(大塚秀夫君) 国鉄改革の趣旨から言いまして、JR各社ともできるだけ早期になるべく足並みをそろえて民営化するのが望ましいところではございますが、一方株式の処分につきまして、これはそれぞれ市場に出ますと相当な資金量になりますので、株式市場に与える影響等も総合的に勘案して、その上場順位等を検討しなければならないと考えております。
 これらも先ほど申し上げました懇談会の場等で議論されているところであります。
#63
○田渕勲二君 それでは次に、大都市鉄道整備の特定財源の問題について質問したいと思います。
 鉄道整備基金構想の中で、三大都市圏の鉄道事業者から通勤定期収入の〇・五%を徴収して通勤ラッシュの混雑緩和のために役立てたいと、かつてこういう話がありました。これは通勤混雑緩和対策納付金というんですか、そういう制度をつくってもいいのじゃないかという話が出ましたけれども、これは結果的に見送られておりますが、この辺の事情をひとつ御説明いただきたいと思います。
#64
○政府委員(佐々木建成君) 先生、今御指摘のように、平成三年度の予算要求におきまして、三大都市圏におきまして鉄道事業者から通勤定期運賃収入の〇・五%を通勤混雑緩和対策納付金として納付させまして、それと合わせまして同額の無利子貸付金を鉄道整備基金から出しまして、その合わせたものでもって乗りかえ駅等における混雑防止あるいは危険防止のための施設を整備するという予算要求をいたしたわけでございますが、要求時にその対象と考えておりました駅設備等の改良に関する工事の具体的な内容の詰めとかあるいは整備指針をどうするかといったような問題についてまだ十分詰まらなかったということ、それから運賃改定の時期との関連がありまして、運賃コストとその運賃改定との関係がどうなのかというような問題、それから徴収方法、それから義務的徴収とするのかあるいは任意でやるのかというような問題がいろいろ提起されまして、そういった意味で関係者との調整を含めてさらに検討する必要があるといったことから平成三年度における制度の創設は見送ることにいたしまして、今後引き続き検討するというふうになったわけでございます。
#65
○田渕勲二君 それとは直接関係ないんですけれども、現在、運賃の前倒しによって設けられた制度、いわゆる特定都市鉄道整備積立金制度というのがありますね。これは十年間の期限つきで運賃前倒しで運賃を余計もらって、そしていろいろこれらの鉄道整備のお金に使っているんですが、この実施状況は今どうなっていますか。
#66
○政府委員(佐々木建成君) 運輸省といたしまして、今御指摘の特定都市鉄道整備促進特別措置法に基づきまして、昭和六十二年の十二月に東武鉄道等、五社の特定都市鉄道整備事業計画を認定したところでございまして、各鉄道事業者におきましては平成九年十二月を完成期限とする複々線化等大規模工事を鋭意実施すべく取り組んでいるという状況でございます。
 複々線化工事は、既設線の連続立体交差化を伴う場合が多いわけでございまして、都市側における資金確保の問題があるとかあるいは都市計画についての地元との調整の問題があるとかあるいは用地取得の問題があるというようなことから工事のおくれが懸念されていたわけでございますが、都市側の資金の問題につきましてはNTTのA資金を活用するというようなことで第二セクターができたりしまして、昨年そういった意味で資金面の確保に一応めどがついたということがございます。それから、都市計画、用地取得につきましても、鉄道事業者が地元と粘り強い調整を行っているということでございまして、早期に当該調整が完了することを期待しているところでございます。
 平成二年度上期末における認定五社の取得済み用地面積における進捗率は六九%、それから工事実施額における進捗率は一三%でございますけれども、目標年次までに工事が完了するよう鉄道事業者を適切に指導してまいりたいと思っております。
#67
○田渕勲二君 何か意地の悪い質問をしますけれども、これは運賃を前倒しで利用者は払っているんだけれども、もし仮にできなかったらどうするんですか、返すのですか。
#68
○政府委員(佐々木建成君) 十年間で完成する見込みのあるものを事業計画として認定をしたということでございますので、その目標年次までにできるものと期待しております。
#69
○田渕勲二君 できなかったらというのは、それは先のことですからわかりませんけれども、まあそれはいいでしょう。
 そうすると、前に質問した通勤混雑緩和対策納付金という問題と今の積立金制度というのとは根本的に違うんでしょう。
#70
○政府委員(佐々木建成君) まず、特定都市鉄道整備積立金制度でございますけれども、これは先ほど御答弁申し上げましたように、特定都市鉄道整備促進特別措置法という法律に基づきまして、鉄道事業者ごとにそれぞれの持っております路線について複々線化工事等の大規模な輸送力増強工事を促進するために、輸送力の増強に伴う鉄道事業者及び鉄道利用者の負担を長期にわたって平準化するという観点から、旅客運賃収入の一定割合を非課税で運輸大臣が指定する法人に積み立てて、この積立金を一定期間内に当該工事費の支出に充当するといったものでございます。
 一方、平成三年度予算として要求しました通勤混雑緩和対策納付金制度は、乗りかえ通路とかあるいは階段の拡幅、それからエスカレーター等の
乗り継ぎ施設の設置のように、複数の鉄道事業者にまたがるような工事、言ってみればやや細かい工事になるわけですけれども、鉄道事業者ごとの対応では必ずしも十分効果が出ないというものを工事規模の大小にかかわらず対象としまして、その原資としまして通勤定期割引率の引き下げと、それから鉄道整備基金からの無利子資金を財源として当該工事に対する開銀融資等の助成制度の改善を行おうというふうにしたものでございまして、この二つの制度はその趣旨、目的、対象工事の範囲等が異なるということでございます。
#71
○田渕勲二君 それでは、常磐新線のことでちょっと聞きますが、今度鉄道整備基金の中で、平成四年度から新線の建設に着手すれば無利子貸付制度の適用を受けることになったと私は聞いているんですけれども、その常磐新線の見通し、どの程度の建設費を予定されているのか、これについてお答えいただきたい。
#72
○政府委員(佐々木建成君) 常磐新線につきましては、総延長約六十キロメートルで、現時点での試算では建設費が、車両費やあるいは建設期間中の利子を除きまして、約八千億円というようなことになっております。
 この路線につきましては、もともと運輸政策審議会の答申で西暦二〇〇〇年までに整備をすべき路線というふうに位置づけられておるわけでございます。その整備を進めるための事業主体としまして、去る三月十五日に一都三県が主体となりまして第三セクターが設立されました。この第三セクターは首都圏新都市鉄道株式会社という名前でございますけれども、この事業者がこれから整備に当たるわけでございます。
 一方、鉄道の整備とあわせまして宅地の開発を一体的にやるということになっておりますものですから、一体化法によりますれば、一都三県が鉄道の整備の面と宅地開発の整備の面と両方あわせました基本計画というものをつくりまして、それを運輸、建設、自治、三大臣の承認を受けて、その上で鉄道事業者が鉄道については免許を受け、工事施行の認可を受けて整備するということで、これから目標年次であります平成十二年、西暦二〇〇〇年までに完成すべく関係者間でいろいろ努力を続けていく必要があるというふうに考えております。
 それで、国としての助成制度は、先生先ほどおっしゃいましたけれども、当面、平成三年度は工事に至らないものでございますので、平成四年度以降、具体的な建設工事がありますれば、第三セクターを設立されたことでもありますので、必要な出資等が整えば無利子貸し付けの対象にするということで、あわせて地方公共団体の方も無利子貸し付けを行う、こういった体制で進めてまいりたいと思っております。
#73
○田渕勲二君 いずれにしても、常磐新線は非常におくれておるんですけれども、非常な混雑を緩和するためには重要な新線ですから、その点はひとつ督励していただいて、ぜひ実現をさせていただくようにお願いしたいんです。
 ところで、大臣、ちょっとお聞きしますけれども、私どもも三十年間東京に住んでいて、今も約一時間通勤しているわけです。もう今は、東京の通勤なんというのは座席の取り合いじゃなくてつり革の取り合いをやるんですね、混雑すれば。さらに混雑すればもうつり革なんというものじゃない、いかにして入るかという状況ですね。特にこういう都市圏における通勤混雑のすさまじい状況というのは、大臣、御経験ございますか。どういうふうにお考えですか。
#74
○国務大臣(村岡兼造君) 私、大臣に就任しましてからまだ三カ月ちょっとでございますけれども、国会の審議の合間を見まして、成田がアメリカとの発着問題で摩擦を起こしておりますし、また、国内では羽田が各地域からの発着の問題がございまして、成田、羽田を見ました。
 そして、今先生御指摘のとおり、大都市の通勤通学の混雑状況ということで、この前渋谷でいろいろJR、各私鉄の状況を見まして、私は混雑状況は二、三年前に一度見たぐらいで、この前の渋谷の状況がそれぞれ二〇〇%を超すというようなこと、それからまた、ある線に至りましてはホームの幅が二、三メートルしかなく最後になってしぼんでしまう、これはぜひとも拡幅しなきゃならない、あるいは各路線ごとの通路が四、五メートルしかない、こういうような状況で、複々線やそういうものをつくると同時に、ホームの幅、連絡通路あるいはホームの延長、こういうものもしなければ通勤通学の混雑緩和にはならない、こういうふうに考えております。
 空港につきましても、正直に申しまして航空需要がこんなにふえるというようなことは全く予測し得なかったのじゃないか。後追いでありますが、やらなきゃいけない。
 同時にまた、通勤通学につきましても、一極集中というような、これは経済の進展に伴って相当集まってまいりまして、正直に申し上げまして対策がおくれている。逆に地方の議員からは、そんなに都会の方を便利にしたらますます地方が過疎化してだめじゃないか、こういう意見もあるわけでございますが、これは何も通勤通学の問題については一極集中を是正するのじゃなくて、どうしても後追い的なこれを何とか解決しなきゃいけない。一方、鉄道におきましても過疎化を防ぐためのこともやっていかなきゃならない。
 したがいまして、従来国鉄は、先ほども申しましたように二十六・二兆円という債務があるわけでございますが、そういう時代にはややもすると鉄道というものはだめじゃないかと。同時に、私なども田舎の出身でございますけれども、一方において高速道路がだんだん整備されてきておりまして百キロぐらいで走れる。ところが、田舎の鉄道の方は七十キロか八十キロ、これでは乗ってくれと言ってもなかなか乗らないわけでございまして、この点も考えなきゃいけない。運輸省の方々は一生懸命毎年予算をふやしているのでございますけれども、この程度では、従来の考え方では私はなかなかいけ得ないのじゃないか。
 先ほども言いましたが、私どもの運輸省でもしっかりした対策をとって、運輸政策審議会に諮問をして、結論を出して、いろいろな意見がございますけれども、委員長初め運輸委員の先生方、これは衆参、与野党を問わず、この問題をどうするかということで根本的にいかないと、なかなか今までのやり方では無理じゃないかと。その方策を検討するために全力を挙げていきたいと思いますので、先生方の御協力もお願いをいたしたい、こう思っております。
#75
○田渕勲二君 私たちも協力することは、もう全くやぶさかではありません。やりますけれども、問題は、大臣がよくおかわりになるものですから、歴代の大臣に私はいろいろ言うんですが、前の前の江藤大臣もいろいろそういう含蓄を言われました。しかし、そういう経験をされてはまた大臣がかわられることについて問題があるんですよ。村岡大臣は実力大臣ですから、どういう事情でおかわりになるにしても、通勤問題というのは本当に当面のもう最大の急務だと思いますよ。
 今、大臣がちょっと気になることをおっしゃった。地方から見れば、余り大都市を便利にすると都市に人が集まるというようなことをおっしゃったけれども、便利にしてくれと言っているのではなくて、私らは身の安全を毎日の通勤の過程で守ってもらいたいんですよ。もうそれぐらい危険な思いをしながら通勤しているわけですから、便利になるなんというものじゃないんでね、その点はひとつ十分お考えいただきたいと思うんです。
 そこで、提案があるんですがね。こういう通勤通学混雑の緩和対策として、確かに今運政審というのがあって、そこでも論議を願っていますけれども、そうではなくて、国と自治体、それから鉄道事業者、それからいわゆる利用者ですね。これは労働組合あるいは学校関係者等々を含め、緩和対策でいろんな提言をする検討委員会、こういうものを持ったらどうかというふうに私は思うんですが、その辺はどうお考えでしょうか。
#76
○政府委員(佐々木建成君) 今の御指摘の点でございますけれども、運輸政策審議会におきまして
大都市における鉄道網整備計画の整備を行い、また現在、具体的な整備方策について幅広く御審議いただいているということでございます。
 この鉄道網整備計画につきましては、運輸政策審議会で審議され答申を受けているものでございますけれども、この運政審には、先生御指摘の、自治体の方、これは特定の地域のネットワークを議論しますときに自治体の方に入っていただいたり、それから、地域交通部会には労働組合の関係の方にもお入りいただいておりますし、それから、利用者といいますか一種の学識経験者の方、マスコミの方とか学者の方とかそういった方も含めまして、利用者の意見を反映し得る方にそれぞれ入っていただいているわけでございますので、それぞれ各界の意見は反映される仕組みになっているという考え方でおります。
 これに加えて何か新たな仕組みを設けるという必要は現在のところはないのではないかと思っております。
#77
○田渕勲二君 そう言わずにひとつ検討の対象にして、運政審だけじゃなくてそういったものも設けていろいろ知恵を集めて改善するということは大事なことじゃないかと思うので、御検討いただきたいと思います。
 いわゆるこれは特定財源に関係するんですけれども、新線建設とか、それからいろいろ便利になると受益者負担というのが私は非常に重要になってくると思います。
 例えば、新線が開発されてきますと、それに伴うメリットが当然その周辺に起きますね。これに対する還元ということから見まして、何らかの新しい税制というものを考えてもいいんじゃないか。例えば、オフィス税とかそういう受益者が負担をするという、そういう仕組みの税制についてひとつ考えてみたらどうかなと私は思うんです。これは大蔵省に本来なら聞くべきことかもわかりませんけれども、運輸省としてそういった問題についての御見解があればひとつお聞かせいただきたいと思います。
#78
○政府委員(佐々木建成君) 鉄道の新線を建設します場合に、場所等によりましてその周辺の地価が上昇して地主に開発利益が発生するというケースがあるわけでございます。
 鉄道整備には巨額の資金が必要であり、また、投資の懐妊期間が非常に長いということから、何らかの形で開発利益の還元が必要だというふうに従来から言われておるわけでございます。これにつきましてはいろんな方面で検討いたしておりますけれども、負担すべき人をどういう範囲にするかとかあるいは実際に開発利益が発生するのはどのエリアの部分なのかというようなかなり技術的に難しい点とかあるいは負担の公平の問題だとかというようなことがあってなかなか合理的に定めることが難しいという問題がございます。
 そうは言いながら、しかし、現実には開発利益の還元に相当するようなことを実施してきておるわけでございまして、例えば、ニュータウンの鉄道を建設します場合に、受益者が特定できるものについては関係者の協力を得ながら開発者負担制度の導入を図っているということでございます。
 例えば、ニュータウン鉄道を整備しますときに、その土地を譲り渡すときにデベロッパーが素地価格といいますか値上がり前の値段で渡すとか、それから、あるいは工事をやります場合に路盤のところの、施工基面といいますけれども、施工基面下の二分の一を地元が負担するとかというような工夫が行われているわけでございます。
 それから、他の例としましては、地方公共団体が税収額の一部を用いまして基金をつくって、それを鉄道整備の財源とするというようなこともございまして、それぞれ各路線ごとにいろいろ工夫が行われているということでございます。
#79
○田渕勲二君 いずれにしてもこういう問題は運輸省だけでなくて、建設省、自治省、大蔵省、いろいろ関連する省庁があるのでございますが、そういったいわゆる鉄道整備における財源問題にひとつ知恵を絞っていただきたいというふうに思います。
 財源問題の最後に、現在、運政審で二十一世紀の交通政策のビジョンを検討中だと聞いております。大都市鉄道整備に対する特定財源の検討を行っているというふうに伺っておりますけれども、この状況についてお聞かせいただきたいと思います。
#80
○政府委員(佐々木建成君) 現在、運輸政策審議会の地域交通部会の中に大都市鉄道整備小委員会というのが設けられておりまして、そこで大都市鉄道の整備のための方策について議論をいただいているということでございます。
 この議論の場合の問題意識としましては、大都市における鉄道の整備が必要であるけれども、一方用地の取得が難しいとかあるいは建設費が高騰するとかといったような問題がありまして、従来に比して鉄道の円滑な整備が一層困難となっているので、そういったことについてどう解消するのかといった問題意識を持って幅広く御検討いただいているところでございます。財源についても議論が行われておるわけでございますが、その審議会の現時点までの御議論も踏まえまして、平成三年度の予算において鉄道整備基金の設立等を盛り込んだところでございます。
 これによりまして、大都市鉄道の整備の促進が図られるというふうに期待しておるわけでございます。
#81
○田渕勲二君 それでは、時間も余りありませんので、若干順番を変えまして、次に、整備新幹線建設に伴う鉄道貨物輸送について質問をいたしたいと思います。
 整備新幹線の建設は、いわゆるJR旅客会社の経営を悪化させないという理由で、いずれにしても新幹線がつけば並行在来線の廃止を認める、こういう前提で話が進められていると思うのでありますけれども、現在、物流産業の貨物輸送の分野では、特にトラックの運転手が極端な人手不足に陥っているとか、あるいはまた、トラック、自動車のはんらんによって道路が混雑する、あるいは交通事故が多発をしている。また、自動車排ガスのために環境汚染がある、加えてエネルギー問題もあるというように、自動車公害というものが非常に問題になっています。
 そのために、政府も推進されておりますし、また、我々こうした業界も、できる限りモーダルシフトということで鉄道貨物あるいは海運というところへこういった長距離のトラック輸送を代替していこうという動きがあるわけでありますけれども、このモーダルシフトというものに対する大臣の御認識をまず冒頭にお聞かせいただきたいと思います。
#82
○国務大臣(村岡兼造君) 国内貨物輸送におけるトラック輸送への依存度の高まりにより、労働力の不足問題、二番目には環境問題、三番目には道路混雑問題等が急速に顕在化をいたしております。
 これらの問題を克服しながら円滑な物流を確保していくためには、中長距離の幹線貨物輸送の分野において、大量輸送機関である鉄道または海運を利活用し、トラックとの協同一貫輸送を図るモーダルシフトを推進していくことが中長期的対策として重要な課題と考えております。
 このため、運輸省といたしましても、モーダルシフト促進税制の創設等の具体的誘導策を講じるとともに、その受け皿としてJR貨物の輸送力増強のための行財政上の助成措置等を講じていきたいと、こう思っております。
 大臣に就任いたしましてから貨物の業者が参りまして、平均もう五十代に近い運転手の年齢であると、十年もしたらなかなかいないと、こういうような状況もございました。同時に、そのためには、今、環境問題とか交通混雑の関係の問題から二十トンのものを二十五トンというようにしていただけないかと、こういうような陳情もございました。
 これについても検討を加えていかなきゃならぬと、こう思っておりますけれども、私の考えとしては、ややもすると先ほども申し上げましたが、鉄道は余りよくないなと、それは赤字の関係でそ
うだったでしょうが、今後は先ほど話したような状況で中距離輸送として鉄道並びにテクノスーパーライナーとかそういうものが見直されてくる、この研究開発に一層努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#83
○田渕勲二君 全くモーダルシフトに対する御認識はそのとおりなんですけれども、そうすると、この新幹線の建設で並行在来線が廃止になったら、一体それは従来どおりの貨物鉄道というのは存続するんですか。それを私は非常に考えるんですが、大臣いかがですか。
#84
○国務大臣(村岡兼造君) 今、新幹線というのは当面の新幹線のことでございますが、将来の場合は、新幹線が整備された後、新幹線による鉄道貨物ということも十分これは検討しなきゃならないと、こう思っております。今、ミニなりフルなりで並行在来線という問題も起きてまいりますけれども、それについては並行在来線を利用しながら検討して貨物というものをやっていきたいと、こう思っております。
 いろいろ御審議の過程の中で、地域的には大変反対の地域もございます。したがいまして、県の方からは十分よい、こういうようなことで進めておるわけでございますが、私のところにも各市町村から在来の並行線をどうするか、こういうような要望もございましたので、それにつきましては地元と今後十分協議をして見切り発車はしない、こういうような話をしておりますが、今後この法案が成立をしてそういう段階に入ったときに、それらの問題点も十分地元と話をしながら解決をしていきたいと、こういうふうに考えております。
#85
○田渕勲二君 モーダルシフトというやつは、先ほど大臣からも御説明ありましたように、私は全く正しい政策だと思うんですね。
 一度に輸送可能な貨物量を取り上げましても、トラックがわずか五トンから十トンに対して鉄道コンテナではもう五百トンから六百トン一遍に運んでしまう。あるいはトンキロ当たりの二酸化炭素の排出量、今非常に地球環境問題で大きな問題になっていますけれども、トラックが三百七十五グラム出すのに対して鉄道はわずか二十四グラムというようなことから考えれば、これは環境面から見ても非常に重要なモーダルシフト政策だというふうに私は思うんです。
 そういうことを前提に考えますと、いささか今の大臣の御説明によりましても、具体的な問題になってくると、これは非常に困ったことが起きつつあるんですね。
 というのは本州―北海道間のことですけれども、これは青函トンネルが開通しましてコンテナ輸送というのは非常に伸びているわけです。しかるに、この沼宮内―八戸間はフル規格でやるわけでしょう。衆議院の運輸委員会の会議録を拝見いたしますと、大塚審議官が、貨物も走れる第三軌条の狭軌レールをあわせて敷設して直通させることも考えられるという御答弁があるんですが、この点確認してよろしゅうございますか。
#86
○政府委員(大塚秀夫君) 盛岡―青森間のうち沼宮内―八戸間につきましては、先生御指摘のとおり、フル規格で建設するわけでございますので、その際、貨物輸送をどうするかという問題ございます。
 これにつきましては、並行在来線が第三セクターで残る場合には並行在来線を使うかという問題もあり、一方、並行在来線が使えない場合にはこの新線についてフルのレール以外に狭軌のレールもあわせて敷設して貨物輸送を行うということも考えられる、この辺はこれからJR貨物も含めて十分協議していきたいと考えております。
#87
○田渕勲二君 例えばその場合、並行在来線を第三セクターでやりましょう、通しましょうと、こういう話がつきますと三線軌条はなくなる、そして、在来線を貨物が利用する、第三セクターが。今、私の資料で調べましても沼宮内―八戸間は現在一万三千人乗っているそうですが、新幹線が開業されますと千八百人に減少するという資料がありました。
 そういう第三セクターで、例えば当面しばらくの間走ったとしても、どうも経営に行き詰まりました、こう言って経営をやめちゃった場合、今さら、また後から敷くというわけにいかぬでしょう。それはどうなんですか、そのあたり。
#88
○政府委員(大塚秀夫君) 余り断定的にケースを想定すべきではない段階ではございますが、そういうときにも支障のないように新線の構造その他は検討しなければならないと思っております。
#89
○田渕勲二君 そうですか。これは非常に大事なことなんですね。ここに青森の先生もいらっしゃるけれども、貨物がもうそこから先に行かないとなると、こんなものはモーダルシフトなんという問題じゃないですね。
 だから、大塚審議官はいろいろ先のことを考えておっしゃっていますけれども、我々は鉄道三法を通すときにこれだけははっきりしておかないと、貨物鉄道会社の死命を制することになりますよ。大臣、いかがですか、それはもう非常に大臣としては責任は重いと思うけれども。
#90
○国務大臣(村岡兼造君) 今、先生おっしゃいましたように、貨物の問題、重要な問題であろうと思います。したがいまして、今総括審議官もお答え申し上げましたが、いろいろ今後実際にこの法律ができました時点におきまして、県と、また地元とよく話して、そういう問題の起きないような状況でひとつやっていきたいと、こういうふうに考えております。
#91
○田渕勲二君 それじゃ、それはひとつそういうことで、これからいろいろこれは問題になる点だと思いますが、ここではらちが明きませんので。
 そうすると、大塚審議官は先ほど三線軌条問題を言われましたけれども、これを三線軌条とした場合、貨物事業者の経費というのは一体だれが負担するんですか、それはいかがですか。
#92
○政府委員(大塚秀夫君) この問題につきましても、これから関係者の間で協議する問題の一つでございますが、JR貨物に今以上の負担にならないような形で結論を出さなければならないと考えております。
 私も貨物流通局審議官としてJR貨物が生まれるときに立ち会いましたし、貨物流通局長としてこれの育成の一翼を担った立場にあったわけでございますから、決して、モーダルシフトに反するような措置をするということについては私自身が望まないところであることを御理解いただきたいと思います。
#93
○田渕勲二君 村岡大臣とか大塚審議官が未来永劫おられれば、それはそれでよろしい。なかなかそうはいかないですからね。だから、そういう点は十分私たちとしてもこれから与野党挙げてやらなきゃいかぬ問題ですが、しっかりやってもらわなきゃいかぬと思います。
 これは、もし三線軌条にしたらどれぐらいお金がかかるんですか、そういう資金試算はないですか。
#94
○政府委員(大塚秀夫君) まだ三線軌条に決定したわけではございませんので、ここで公的に幾らと申し上げられませんが、それほどの額ではございません。レールを敷設するだけでございます。
#95
○田渕勲二君 そうすると、また立場を変えて言いますと、在来線を使って第三セクター化された場合を私は想定するんですけれども、JR貨物に今までどおりの総経費負担方式というものが第三セクターでも適用されるという保証はございますか。
#96
○政府委員(大塚秀夫君) 並行在来線が第三セクターになった場合には、これは地元が中心に運営していくことでございますので、仮に第三セクターをJR貨物が使うということになりました場合は、これは両者の協議が必要になりますので、今先生御指摘の点について保証があるかと言われれば保証はございませんが、そういう問題を協議した結果としてJR貨物に過度な負担にならないように、総体的に先ほども大臣が申し上げましたけれども、並行在来線を使わない場合、新線区間を走行するあるいは迂回ルートをとる、この辺についても個々の線区ごとにJR貨物と十分協議したいと考えております。
#97
○田渕勲二君 そういうことでございますから、やはり運輸省としてもそういう状況というものを十分展望しながら、前もって対策をとっておいてもらわなければいかぬと思いますので、負担にならないように、そのことのために貨物鉄道会社が経営できないような、経営難に陥るような状況にならぬようにひとつ十分御検討いただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それから、過去三年間、旅客と貨物と両方が民間会社になってやっておるんですが、旅客の方は割合、東とか西とかあるいは東海とかの経営内容なり先行きなりというのはよくわかるんですが、貨物会社というものの将来性というものについてどのようにお考えになっておられるのか。例えば全国一社体制、こういった問題について、私はそれを否定しているんじゃないですよ、否定していないんですが、今までの貨物鉄道会社の経営状況というものを見て、これからのあり方といいますか、全国一社体制を含めた貨物鉄道会社の将来性、こういうものについて今運輸省はどのように把握されておられますか。
#98
○政府委員(大塚秀夫君) 国鉄の分割・民営化に当たり、その貨物部門は全国一社体制の日本貨物鉄道株式会社にその業務が承継されたところでございますが、貨物会社の経営状況につきましては、国内景気の好調さあるいは環境問題、労働力不足等による鉄道貨物輸送へのシフト、また、輸送ニーズにこたえた商品の積極的販売等によりまして、コンテナ部門を中心に会社発足以来堅調に推移しておりまして、さらに株式の上場・公開に向けて、JR貨物は経営基盤の強化に努めているところでございます。
 運輸省としましても、現在のJR貨物の全国一社体制について見直す考えは持っておりませんし、これから鉄道輸送へのモーダルシフトを含めてますますJR貨物の業務は重要になってくるものと考えております。
#99
○田渕勲二君 そこで、観点を変えてお聞きしますけれども、今鉄道貨物というのは新幹線を全く利用しておりませんね。これは私ら素人から見れば、例えば始発の前とかそれから終車の後とか、これにも限度がありましょうけれども、新幹線を利用した鉄道貨物輸送というものが何かあっていいんじゃないかなという気がするんですが、その辺はいかがでしょうか。
#100
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線によります貨物輸送につきましては、新幹線がターミナル施設等において旅客輸送を前提として建設されており、これを貨物輸送に使うとなると新たに都心部においてターミナル設備を取得しなければならないという問題がございます。また、現在でも各新幹線とも予想以上に需要が伸びており、需給が逼迫しておりまして、旅客列車もなかなか増発できないという状況の中で貨物列車を走らせるということは、昼間は困難である。夜間は保守点検のために時間が必要なこともございまして、現状では各JRとも困難だと判断しているようでございます。
 今後の旅客及び貨物の輸送需要の長期的な見通しなどを考慮しつつ、ターミナル問題等、いろいろな問題についても検討してまいりたいと思います。
#101
○田渕勲二君 今、保守という話が出ましたけれども、新幹線の保守、以前は半日連休でしていたと思います。そういう時期があったと思いますね。あのときは、私の考えでは割合うまくいったじゃないかと。前もって、半日その日は新幹線は通りませんと、こういうように告知されておれば、出張も変えますし、それなりの経済活動も可能になったと思うんです。
 それが最近、半日運休して保守をするというんじゃなくて、今、聞くところによりますと深夜保守、深夜に保守が行われているということですが、これはなぜ、今まで半日休んで保守をしておったのがだめになり、深夜になっておるのかという点はいかがでしょうか。
#102
○政府委員(大塚秀夫君) 東海道新幹線につきましては、昭和五十年度から昭和五十六年度の間に四十四回、午前中の列車を運休しまして、軌道の強化工事を中心とするいわゆる若返り工事を行ったところでございます。この結果、線路故障による列車遅延が大幅に減少いたしましたために、昭和五十七年度以降は夜間保守により施設の保守を行っているところでございます。
 新幹線の保守作業は営業終了後の深夜に行っておりますが、保守作業の主たるものは施設の検査と修繕でございます。
#103
○田渕勲二君 何が遅延したのか。五十七年度からやめられたのは列車遅延、これは列車がおくれるということですか。列車がおくれるという意味がちょっとよくわかりません。
#104
○政府委員(大塚秀夫君) 列車遅延、おくれることが大幅に減少したということです。
#105
○田渕勲二君 おくれるという意味がよくわからぬのですが、完全に半日、午前中休んで保守しておるんだから、当然列車走らないわけですね、なぜおくれるんですか。
#106
○政府委員(大塚秀夫君) いや、半日休んで保守をする以前、東海道新幹線でしばしば線路が故障して列車がおくれていた。ところが、半日休んで保守をして軌道強化工事等を行った結果、おくれることが少なくなったという意味で申し上げました。
#107
○田渕勲二君 そういう意味ですか。そうすると、半日運休して保守に万全を期したということはよかったことですね。それが今深夜になっておるのはどういう意味ですかと聞いている。
#108
○政府委員(大塚秀夫君) 当時は半日休んでやるほどの相当大規模な軌道強化工事をやったわけで、その後はそういう軌道強化工事という抜本的な工事ではなしに保守点検だけで済んでいるということでございます。
#109
○田渕勲二君 今、上越新幹線と東北新幹線に乗って、東海道新幹線乗ると本当に物すごい揺れですね、あれは。あの揺れは、乗っている人が多少やっぱり不安になっているんじゃないかと思うんですがね。だから、もっと軌道上の保守というものを半日でもやっぱり休んでやるべきじゃないかと僕は思うんですが、あの揺れは一体どういうふうにお考えになっていますか。
#110
○政府委員(大塚秀夫君) JR東海におきましては、揺れについて定期的に車内に検査設備を載せて検査しているところでございますが、特に最近揺れがひどくなったという報告は受けておりません。
 ただ、先生御指摘のとおり、東海道新幹線は上越や東北に比べて相当年数が経過していることでございますので、安全対策上も万全を期して路盤の強化等をJR東海でも今後も引き続きやっていくという考えでございまして、我々も安全対策については一層指導していきたいと思っております。
#111
○田渕勲二君 もう一点、じゃそれに関連するんですが、これは事実かどうか知りませんけれども、深夜保守に携わる労働者が非常に少ないから、外国人労働者が働いているというようなことを聞くんですが、それはどうですか。
#112
○政府委員(大塚秀夫君) 私どもも詳しくは把握しているわけではございませんが、施設の検査と修繕についての外注業者においてごく少人数の外国籍の日系人労働者を就業させていると聞いております。
#113
○田渕勲二君 そういうように、結局、深夜保守ということになると、そうでなくても人手不足の状況の中で、こういう深夜に非常な重労働を伴うものですからなかなか集まってこないということになりますと、どうしても外国人労働者に頼らなきゃならぬという事態が生まれてくると思うんですね。そういう意味からも、私はやっぱり半日でも運休して保守に万全を期すということがいいんじゃないかというように思います。
 それはさておき、一連の質問をしてきましたが、それを通じてわかりましたことは、今、村岡大臣もるる見解の表明がありましたように、いわゆる貨物輸送、物流というものの重要性について十分認識されているということはわかりました。したがいまして、整備新幹線開業後の鉄道貨物輸
送の確保というものについて、くどくなりますが、もう一度大臣のひとつ所信を述べていただきたい、このように思います。
#114
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほど先生の御指摘の点を十分踏まえまして、そういう貨物輸送ができなくなるような状況ではなくて、先ほどもモーダルシフトの問題で私の意見も申し上げましたが、そういう点を気をつけましてやっていきたいと、こう思っております。
#115
○田渕勲二君 それじゃ最後に、整備新幹線整備促進についてちょっと私は危惧があるものですから、質問させていただきます。
 ミニ新幹線とスーパー特急、こういうものがそれぞれの区間で行われるわけですけれども、このミニ新幹線、スーパー特急ということで、それを地元の人たちが将来とも納得してくれてそういうものが敷設される、こういうように自信をお持ちになっておられるのかどうか、これを質問しておきたいと思います。
#116
○政府委員(大塚秀夫君) ミニ新幹線、スーパー特急を含めた基本スキームを検討しました際には地元の代表である関係県の知事にも参加いただいてこのように決定したわけでございますし、これに派生します並行在来線の問題も地元で十分協議していただき、合意の上で着工することになっておりますので、そういう点で私どもの案というものは十分地元の御理解をいただいていると考えております。
#117
○田渕勲二君 というのは、非常に気になるのは、昨年十二月の政府・与党間の申し合わせの中に「当面」という言葉が使われているわけで、この「当面」という言葉がわざわざ入っているということは、やっぱりミニ、スーパーというのはあくまでも暫定的なものと認識しての「当面」というように僕はこの裏側を見ているんですが、これは正しくないですか。
#118
○国務大臣(村岡兼造君) 今現在の整備新幹線三線につきましては大塚総括審議官が言ったとおりだと思いますけれども、実はこれは十数年財源問題で決まらなかった。片一方、地域にはスピードアップをしろ、その他という問題があったと。したがいまして、私の推測でございますけれども、やはり財源問題その他で、当面、県もまたJRも第二の国鉄をつくらない、こういう構想の中でこれがある程度案として決まったと。
 したがいまして、「当面」というお話もございましたが、私なども地方へ参りますと、今はいいけれども、将来はフルでなきゃだめだと、こういうような声もございます。しかし、ここ当面十年は、財源問題ができましたのでこれでやっていただいて、また今後、この点をどうするかという問題は当然出てくると私は推測をいたしております。また、そういう相談の場面も出てくるんじゃないか。
 しかし、現在の状況としてはミニ、フル、スーパー、こういうことで第二の国鉄はつくらない、こういうことで、当面十年間ぐらいでこれを仕上げる、こういうことで御理解をいただきたいと、こう思っております。
#119
○田渕勲二君 そうすると、例えばフル規格に建設し直すとなれば法律の改正は必要なんですか、それとも必要ないんでしょうか。
#120
○政府委員(大塚秀夫君) 今回御審議いただいております全国新幹線鉄道整備法におきまして、附則で特別措置を定めておりまして、フル規格については本則に戻りますので、法律改正は必要ございません。
#121
○田渕勲二君 ございませんね。
#122
○政府委員(大塚秀夫君) ありません。
#123
○田渕勲二君 観点がまた少し変わりますが、既設の新幹線譲渡の上積み分一兆円を六十年返還で、その間六・五五%の利子がつくと総額四兆二千四百八十億円ということになるんですが、それで間違いございませんか。
#124
○政府委員(大塚秀夫君) 大体その額でございます。
#125
○田渕勲二君 そうすると、現在財源は一兆円ですけれども、六十年間のトータルでは四倍強の額になるわけでございます。今は三線五区間で一兆六千五百億円、こういう費用を使うわけですけれども、そのほか四兆円から一兆六千億を引いた残りの二兆六千億がありますが、こういうものはどこにお使いになるつもりですか。
#126
○政府委員(大塚秀夫君) 現在価値が一兆円につきまして金利をつけて六十年にしますと今のような額になるわけでございますが、仮に十年をめどに今の基本スキームにございます五区間の整備が行われたとしますと、その次の段階はそのときの状況で改めて検討しなければならないと考えております。
#127
○田渕勲二君 時間が来ましたから最後になりますが、これも私の素人考えですけれども、六十年間のトータル資金というものが四兆数千億あるわけですね。これをファンドとすれば、もうこの際、将来的に全部フル規格にしてしまったらいいじゃないか。何もスーパーだミニだなんということを言わずに、長期計画でフル規格でやりましょうと、それに伴って財源をこういうように、今後、将来ともつくっていきましょうという提案があってもいいような気がするんですがね。これだけ大きな金額が六十年後にあるとすれば、そういう考えはおかしいですか。
#128
○政府委員(大塚秀夫君) 六十年間のことでございますから、その間の物価上昇、建設費の上昇等も考えなければならないので、先ほど申し上げましたように、現在価値にしますと一兆円でございますので、まあ先生言われるようにうまく将来ともそれだけの絶対額が出てまいりましたら、またそのときは検討しなければならないと思っております。
#129
○田渕勲二君 はい、わかりました。
 終わります。
#130
○委員長(中川嘉美君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#131
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#132
○瀬谷英行君 まず、大臣にお伺いしたいんですが、本日ソビエトのゴルバチョフ大統領が来日をされたということがニュースで伝えられました。そこで、ソビエトと関係のあることなんですけれども、ソビエトの方ではいろいろ経済援助とかそういうような問題を提起するかもしれませんが、具体的な問題として、サハリンの鉄道と日本の鉄道との交流の可能性について大臣の見解をお伺いしたいと思うんです。
 というのは、サハリンの鉄道というのは日本で建設した鉄道ですから、線路の規格が在来線と同じわけです。つまり、日本の車両を昔は連絡船がありまして樺太へ運んだわけです。それで、そのまま日本の貨物でも旅客でも車両がサハリンの中に入っていけるようになっているわけです。それを考えますと、具体的な問題として日ソ関係がどうなるかまだわかりませんけれども、経済交流を行おうと思えば、例えば貨車を日本から向こうへ売るとかあるいはまた北海道の貨車を、連絡船を復活させるなり何なりの方法をとればストレートにサハリンに乗り入れることができる。また、向こうのいろいろな資源というものをこっちへ持ってくることも可能ということになるわけです。
 したがって、そういったようなことを運輸の立場から検討してみたらどうかという気がいたしますが、これは大きな問題ですから、まず、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#133
○国務大臣(村岡兼造君) サハリンの鉄道は、先生がおっしゃいましたように、日本の統治時代に建設されたものでありまして、我が国と同じレール幅を採用しているということを聞いております。連絡船による連絡輸送を行う場合には、冬季間は除きましても技術的には可能であるということを聞いております。
 現在、しかしながら、本問題につきましてはこれまで検討したことはないので、具体的なニーズの把握、実施した場合の効果等を十分見きわめた上で対処すべきものと考えております。
 また一方、ソ連側からサハリンの鉄道システムを改善するためにJRの中古車両を輸出してほしいという強い希望がJR側に来ていると承知をいたしております。これはあくまでソ連当局とJRとの間で民間レベルで進められる問題でありますけれども、運輸省といたしましても、これが実現することは日ソ間の友好促進に寄与するものであり、高く評価できるものと考えております。
 一方、ことしの一月にソビエトからの要請によりまして、吉田貨流局長が代表団を連れましてソビエトを訪問いたしました。いろいろ分割・民営、そういうのにある程度興味もあって大変な質問もあったと聞いておりますが、今後いろいろな点で向こうの物流関係がうまくいかない、そういうことで向こうも関心を持っているようでございまして、今後ゴルバチョフさんの訪日を機会にそういう話がございますれば、向こうの技術者並びに責任者等も日本に招請でもいたしまして、そういうことに協力を申し上げたい。サハリンばかりでなくソビエトの物流問題、いろんな問題についてやってまいりたい。
 同時に、この前もボリメル海運大臣が参りまして、ワニノ、それからコルサコフの開港も決定いたしました。私どもの方ではウラジオストクも開港してくれ、こういうことを要請いたしましたが、これは検討する。したがって、この二港につきましては日本の海運会社と定期航路その他ということで今交渉を続けていると。
 さらに、航空におきましては、ソビエト上空を飛んでベルリンとかそういう方にも航空交渉をいたしまして、近く書簡交換いたしまして交流の発展をやっていきたい、大いに促進をしていきたいと、こういうふうに考えております。
#134
○瀬谷英行君 日本とソビエト、具体的にはサハリンと北海道といったような間での交流というのは、相互にこれは互恵の立場でもって問題を進めることができると思いますから、こういう機会でありますから積極的に検討してほしい、このように思います。
 それから、午前中の質問に関連をしまして私の方からもちょっと質問したいと思うんですけれども、櫻井さんの質問の中で上野―東京間の乗り入れによる特急料金の問題がちょっと提起されました。
 新聞にも出ておりますけれども、上野―東京間の特急料金を五百円取るかどうか、あるいは新聞によると千円でもいいんだというふうな意見が出ておるようでありますけれども、これらの問題は常識で考えなきゃいかぬと思うんですよね。大体、上野―東京間というのは三・六キロでしょう。マラソンの選手に走らせたらどのくらいで走るか、十分で走りますよ。そういう距離で五百円取ろうというこの商魂は、これはちょっといただけないという気がいたしますが、大臣自身考えてどのように感ぜられますか。
#135
○国務大臣(村岡兼造君) 上野―東京間の料金については、まあ新聞で五百円とか何かは出ておりますが、まだ申請も出ていない段階でございまして、具体的なコメントは現在できないのでございますけれども、申請があった場合には利用者に過大な負担とならないように厳正に審査いたしたいと、こういうふうに考えております。
#136
○瀬谷英行君 東京―上野間の乗り入れ問題は分割・民営になる前に既にいろいろと取りざたをされておりました。山下運輸大臣の当時にこの東京―上野開の乗り入れというのが凍結をされたということがあったわけです。
 それで、何で、どこが、どういうわけでこの東京―上野間の乗り入れを凍結したのかということを私は質問した記憶があるんです、大分前ですけれども、分割・民営以前ですから。そうしたら、山下大臣の答弁というのが要領を得なかった、さっぱりわからなかった、なぜそういうことをやるのかということが。ああいうふうに大臣がわからないことがどこかで決まるというやり方は、これは運輸行政にとってよろしくないと思うんですね。したがって、その辺のいきさつをもう一度質問したいと思います。
#137
○政府委員(大塚秀夫君) 日本国有鉄道再建監理委員会は昭和五十八年八月に「日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために緊急に講ずべき措置の基本的実施方針について」の意見を取りまとめましたが、その中で、
 今後の設備投資については、老朽設備取替、安全対策及び環境保全のための投資のうち特に緊急度の高いものを除き、原則として停止すべきである。
としまして、御指摘のとおり、東北新幹線東京―上野間の工事は抑制されたわけであります。
 しかしながら、工事の抑制時においても東京―上野間の工事のうち安全対策にかかわるものは引き続き行ってきたところでありまして、その後国鉄改革により新幹線保有機構が工事を引き継ぎ、来日六月二十日に開業の運びとなっております。
 なお、この工事抑制についてのメリット、デメリットを論ずることは困難でございますが、工事の抑制というのは国鉄改革に向けて全体の投資抑制の施策の一環として行われたものと理解しております。
#138
○瀬谷英行君 何で凍結をするのかという質問に対して当時の大臣は答えられなかったんです。だれがやったんだと言ったら、再建監理委員会だと。では再建監理委員会を呼べと言ったら出てこない。それで、当時の運輸委員長は鶴岡さんだったと思うんですが、鶴岡さんが腹を立てて監理委員会に直接電話したんですよ。そして、渋々亀井委員長だったかが出てきたけれども、要領を得ない。出てきて質疑応答をやったけれども、さっぱりわからない、こういうことがありました。そのことが私は今でもまざまざと記憶に残っております。
 だから、あえてもう一度聞くんですが、なぜ凍結をしなければならなかったのか。やめるのならやめるで話はわかりますよ。やめるのじゃなくて、今日やっと開通しようとしているでしょう。まじめにやっていれば今ごろとっくに開通しているんです。極めてふまじめでいいかげんだったから、今日までこういうふうにずるずると延びてきたということになると思うんですが、その点はどう思いますか。
#139
○政府委員(大塚秀夫君) 当時は国鉄改革をどのように持っていくかという時期であり、全体的な投資についてこれ以上国鉄の赤字、長期債務をふやさないようにという観点から再建監理委員会でこのような意見が出されたものと理解しておりますが、先生御指摘のとおり、確かに凍結された結果として工事が中断し、今回ようやく六月二十日に開業する運びとなったものと承知しております。
#140
○瀬谷英行君 当時、私の記憶によれば、どのくらい金がかかるかと聞いたら一千億と言われたんですよ、これは一千三百億と新聞には出ていますね。延びただけの費用が余分にかかっているんですよ。おまけに御徒町でああいう事故が起きた。そんなことがあってますます延びちゃっているんです。
 当時、私は、修学旅行の団体の中でこういう会話を聞きましたよ。引率の先生がきょうの仕事の中で一番難しい気骨の折れる仕事は、新幹線の上野の駅から東京駅までみんなを連れていくことだと。ラッシュ時間にかかるから、もう上野―東京間の電車は超満員です。そこへ修学旅行の生徒を落ちこぼれのないように運ぶというのは、確かに私は聞いていて、これはもう大仕事だなと思いました。
 それにもかかわらず、緊急を要する仕事じゃないというふうに認定したというのはどういうわけなのか、その点わからなかった。監理委員会も答えられなかったし、山下運輸大臣も答えられなかった。したがって、その当時のいきさつというものについてどういうわけなのかということを聞いてみたいと思います。今までの御答弁でははっきりしないわけですから、その点をもう一度お聞
きします。
#141
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほどもお答えしましたように、全体的な投資抑制の中でこの上野―東京間の工事も凍結されたものと理解しておりますが、先生今言われましたように、私どもとしても明確に当時の判断をすべて申し上げるわけにいきませんが、事実としては、国鉄改革の筋道がまだついていない段階でとりあえず投資を抑制したというように承知しているわけでございます。
#142
○瀬谷英行君 今の答弁だって要領を得ないでしょう、大臣。わかりますか、何だかわからないでしょう。当時もそうだったんだけれども、今だってわからない。そういういいかげんなことじゃ困るんですよ。やることはやると。ちゃんとやっていれば今ごろはごたごた言わなくたって開通しているんです、御徒町の事故が避けられたかどうかわかりませんけれどもね。
 ともかくこういういいかげんなことじゃ困ると思うし、さらに、新聞によると一千三百億かかるんだから、あたかもこれから一千三百億を会社側が払わなきゃならないかのような言い方をしていますよ。だけれども、当時からもう予算は決まっていたんですよね。そうすると、改めて一千三百億の金のために五百円も千円も取らなきゃならないという理屈は出てこないと思うんですが、その点どう思われますか。
#143
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のとおり、工事に要する千三百億円については、従来はリース料の中に含まれており、また今回は現在御審議いただいている法案が成立いたしますと、既設の新幹線の譲渡ということで、この譲渡代金の中に上野―東京間の建設費も含まれるわけでございます。
 ただ、JR東日本が非公式かつ事務的でございますが主張しているのは、時間短縮効果による利用者へのサービス改善あるいは駅の要員の経費増、このあたりを料金改定の根拠としているようでございます。
#144
○瀬谷英行君 きょうは鉄建公団の総裁にも御出席をいただいておりますけれども、鉄建公団ができ上がった当初、私もやっぱり質問した記憶があるんですよ、鉄建公団を何でつくらなけりゃならないのか。国鉄に対する財政的負担をなるべく軽くするために鉄建公団をつくって、その公共的な投資の部分は鉄建公団にひとつ仕事をやらして国鉄の負担を軽くするんだという意味のように理解していたんですね。
 私の理解に誤りがなかったかどうか、そういう趣旨だったのかどうか、今日でもその趣旨が守られているのかどうか、それらの点について鉄建公団の総裁にお伺いしたいと思います。
#145
○参考人(岡田宏君) ただいま先生からお話がございましたように、鉄道建設公団が創立されました経緯は、当時日本国有鉄道が鉄道の新線建設を行っておりましたけれども、日本国有鉄道といたしましては独立採算制の建前あるいは既設線の大幅な整備増強計画に力を注いでいるという関係上、鉄道新線の建設についてまではこれを積極的に推進し得ない状況にある、そういう経緯で私ども日本鉄道建設公団が設立をされたというふうに承知をいたしております。
 その後、鉄道をめぐる社会情勢は非常に大きく変化をいたしましたわけでございまして、それに伴いまして新幹線の建設あるいは大都市における民鉄線の工事も公団がこれを担当するということになって今日まで至っているわけでございます。
 私ども、現在はそういう趣旨にのっとりまして、公団法の「目的」に書いてございますように、「経済基盤の強化と地域格差の是正」「大都市の機能の維持及び増進に資する」という観点から、私どもの持っております技術力あるいは公的機関としての性格あるいは資金の調達能力、そういった特色を生かしまして、よりよい鉄道を少しでも安く、少しでも早くつくるということに全力を注いでいるところでございます。
 そういったことを総合して考えますと、今先生からお話がございました公団設立当時の趣旨は十分生かされているというふうに考えております。
#146
○瀬谷英行君 公団設立の趣旨というものを生かさなければ存在する意義がなくなっちゃうわけですね。したがって、せっかく鉄建公団というものができ上がって、そしていろいろ公共的な仕事をJRだけじゃなくて私鉄についてもやっていると、こういう状態を考えるならば、そういう趣旨でもって公の仕事というものはなるべく国が引き受ける、そして、営業関係の費用は会社側が引き受けるというふうに分けなければいけないという気がいたします。
 しかし、その分け方にしても、じゃ上野―東京間が開通したから五百円でも千円でもひとつ取れるだけ取ろうというのは、これはよくないと思うんですよね。夜店の露店商だって、あれはバナナのたたき売りなんかだんだん値が下がってくる。JRの場合はだんだん値が上がってくるんです。バナナの反対なんです。こういうことをやっていては、これは公の仕事として私は認められないと思う。やっぱり分割・民営というので国民が期待したのは、運賃や料金が安くなるだろうということです。ところが、ちっとも安くならない。これは田渕質問あるいは櫻井質問の両方で午前中の質問を通じて述べられた。
 私鉄と比べたって、例えば小田急と比べたって小田急の方が安い。だから、熱海へ行くのに小田急に乗っていった方が安いと、こういうふうな計算をして小田急を利用するという話を私聞いたんですよ。それほどの格差をどうしてそのままにしておかなきゃならないのか。また、運賃の価格はだんだん縮めるということを考えるにしても、この特急料金というのはずば抜けて高いですよ。私鉄でこんなに高い特急料金は取っていないと思うんです。私鉄と比べたって私は高いと思うんですが、その点どのようにお考えになりますか。
#147
○政府委員(大塚秀夫君) 私鉄との運賃格差があることは先生御指摘のとおりで、先ほども答弁させていただきましたが、できるだけ長期にJRの運賃を現行水準に据え置くことによってなるべく今後私鉄との格差を縮めていくことが重要ではないかと考えております。
 同時に、特急料金等、料金類につきましても、過去の国鉄再建時における頻繁な運賃・料金の改定の時期に相当な額になっていることも事実でございますが、一方、JRになってからも特急等につきましては、それにふさわしい車両の改善、サービスの改善等が行われていることも事実でございます。
 今後そういうことを総合的に考えながら利用者本位に立ったサービス改善に努めるように、さらにJRを指導していくつもりでございます。
#148
○瀬谷英行君 利用者本位にJRを指導していくというお話でしたけれども、たまたまこの上野―東京間の特急料金の報道記事の中に、会社になったんだから経営者がそれは決めることだといったようなJR側の社長の談話が載っているんですけれども、そんなことが許されていいのかどうか。もし、そうなれば分割・民営の最も悪いところが表面化することになります、これは。
 この間もこういうことがありました。ちょうど金曜日で非常に新幹線込んでおりました。自由席が満席になりました。立っている人がいる。車内放送でもって、指定席の方はまだ空席がありますから指定席希望の方はかわってください、ただし五百円いただきます。あれは日によって七百円だったり五百円だったりする。つまり、八両編成の新幹線でもって四両が自由席で四両が指定席なんです。半分が指定席なんですよね。往々にして私もそういう状況を見るんですけれども、指定席ががらがらで自由席が満席で走っているという状態をよく見るんです。
 こういうのは営業方針として果たしていいのかどうか。座りたかったら金を出せと言わぬばかりですよね、五百円なり七百円なり。きょうは特別に込む日だから七百円出せとかね。これは座り賃じゃないですか。運賃というのは運び賃なんですよね。座るのは、これは何といいますかね、運賃じゃないですよ、これは。運ぶから運賃なんでね、それを、座りたかったら前の指定席へ来てく
ださい、こういう言い方はいかにもこれはあこぎな商法だという気がいたしますね。
 こういうことを許していて果たして分割・民営の趣旨に沿うというふうにお考えになるのかどうか、この点も大臣の見解をお伺いしたい。
#149
○国務大臣(村岡兼造君) まあ、運賃は運び賃であって座り賃じゃないという先生のあれでございますが、指定席というのは長距離にいたしましても何にしてもちゃんと座っていけると、席も決まると。あるいは自由席というのは短距離で立ってもと、こういうような状況で、自由席でもちろん座れるときはあります。たまたま先生の行ったところがそういうところで、指定席があいていて自由席が込んでいるという状況もあったと思いますが、私が見たときは指定席がきちっと満員で自由席があいていると、こういうところも見たわけでございまして、それで分割・民営というのに反するのではないかと、こういうことになりますと、いや、そうではないんじゃないかなと。
 まあ、ホテルなんかでも立食で食べるところは安いし、座って食べるところは高い、こういうようなことがあって、この辺のところはどう答えていいのか私も返答に苦しむところでございますが、もし先生おっしゃいましたように、お金を取る指定席だけが余計で自由席が少ない、こういう点のお申し入れがありますれば、また検討もしてみなきゃならぬと、こう思っております。
#150
○瀬谷英行君 大臣が乗り合わせたのは指定席の方がいっぱいだった、自由席の方があいていたと言われるけれども、私も車掌にいろいろ聞いてみましたよ。そうしたら、込み合うとき、多客期は指定席から先に売れちゃうそうですよ。
 特に、東海道新幹線のようにまだグリーン車が二両、三両ついている場合は別ですけれども、上越新幹線のようにグリーン車が一両あるいは半分しかついてないという場合にはグリーン車から先に売れてしまう。それで、団体客やなんかは、まず大概、立っていくんじゃかなわないから指定席を買っちゃうそうです。しかも、そういう人は早々と来て座っていると、旅なれないから。そうすると、自由席に乗る人は通勤関係の人だから、旅なれているから五分前、三分前に来るわけです。だから、たちまちもう満席になる。指定席がいっぱいで自由席ががらがらということはあり得ないんです、これは、発車してしまえば。そういう状況は大臣以上に私は経験者だからよくわかっているんです。そういうアンバランスというものはやっぱり考えなきゃならぬ。
 そこで、私は前からも言っているんですけれども、新幹線をもっと通勤者のために開放すべきだと思うんですね。開放するためにはたくさん乗せて、それから、料金も安くする、こういうふうにした方がいいと思うんです。ところが、今の新幹線の構造は、今大臣、短区間のお客もいるからというふうに言われたんですけれども、短区間のお客の場合は何もリクライニングシートで後ろへ反っくり返る必要ないんです。在来線の車両だったら一メートル五十の間に四名ずつ八名乗れるようになっています。それでも大して苦痛を感じません、通勤客にとっては。立つよりはいいんですから。
 だから、在来線のような規格でもって座席をつくれば、新幹線の長さから言うと、今資料をちょっと見せてもらったけれども、一車両九十名から百名なんですね、新幹線の座席は。だけれども、もしそういうふうに新幹線を在来線型に直せば、一車両百名のところは百四十名ぐらいは座れる勘定になる。そうすれば、ずっと輸送力が飛躍的にふえるわけです。
 だから、長距離客のことばかり考えないで通勤客のことも考えるというようにした方がいいんじゃないですか。通勤客は何も後ろに反っくり返ってゆっくり寝る必要ないんですよ。うっかり居眠りをすると越後の国まで持っていかれちゃうんですね。通勤客というのは三十分なり、あるいは東北新幹線でも一時間から三十分の間です。
 だから、そういうことを考えたならば、車両の設計等についても検討する必要があるというふうに思いますし、そういうことでもって輸送力を増強するということは可能だというふうに私は思うんですが、その点はどうですか。
#151
○政府委員(大塚秀夫君) 先生の御指摘のとおり、最近企業が新幹線による通勤につきましても定期運賃を負担する等の措置をとるところがふえておりまして、通勤新幹線と言われるように、新幹線による通勤も年々ふえております。
 その際に、新幹線の車両を通勤に通したようにもっと容量を広げられないかという点につきましては、先生御指摘のようなクロスシート、向かい合わせの席にして座席数をふやす、あるいは折り畳みの席を設ける、さらには在来の電車のようにロングシートにする、いろいろな方法が考えられます。
 今のところ、通勤通学のそのような専用車両をつくることにつきましては、一般の新幹線列車との相互運用に制約を来すというようなことで、全体の保有車両数の増加につながる等の問題点を抱えておりますが、今後さらに新幹線の通勤通学輸送の需要動向を踏まえながら、乗車定員の多い新幹線車両の開発等について検討していくように指導したいと考えております。
#152
○瀬谷英行君 私、この運輸委員会なんかで指摘をしたり提案したりしたことは、大体言ったとおりになるんですよ。何年かおくれて実現するんですよ。国鉄時代もそうだった。JRになっても何年かおくれて実現するんじゃないかという気がするんですけれども、この車両の構造なんかは、これはその気になれば輸送力をふやす、座れるお客さんをふやすというためには、ちょっと工夫をすれば百名今まで座らせるようになっていたところを百四十名ぐらいにすることは私の計算だってすぐできるんですね。そんなに座る人自身も苦痛じゃないんですよ。
 だから、私は、そういうことは利用者のためになることだと思うので、大いに検討して、なるべく早く実現させていただきたいということを要望したいと思います。
 それから、午前中のやはり質問にございましたけれども、田渕さんの方から通勤対策の検討についてもいろいろ提案がありました。
 その提案の際に、運政審でもっていろいろ諮問をしてということがございましたけれども、運政審のメンバーというのが通勤をやっているような人ばかりそろっているのかどうかという心配がちょっとあるんですね。自分のうちへ車が迎えに来て、そして、その迎えの車に乗って行ったり来たりするとかあるいは評論家とかなんとか、とかく偉い人は自宅でもって仕事をして、仕事が済んじゃう。そういう人は勤通電車なんか乗ったことがないと思うんです、大臣以上に乗ったことがない。だから、そういうような人たちを集めてどうでしょうと諮問したって余り切実な意見というものは出てこないという気がするんですね。
 一体、運政審のメンバーというのはどういうメンバーなのか、これを教えていただきたいと思います。
#153
○政府委員(佐々木建成君) 運輸政策審議会の地域交通部会のメンバーと申しますのは、固有名詞は長くなりますので省略いたしますけれども、まず大学の先生、それから新聞の論説委員の方、それからマスコミ関係の方、それから金融機関の方、いろいろと網羅しておるわけでございますけれども、そういった方々がどういう交通手段を日ごろ使っておられるかということは千差万別であろうかと思います。電車で通勤されている方もかなりおられると思いますし、また、審議の際にいろいろ現地を見ていただくというようなこともやっておるわけでございます。
#154
○瀬谷英行君 ちょっと聞いただけで大学の教授とか新聞の論説委員とか金融関係とか、何か余り通勤電車にお乗りにならないような方々が多いんじゃないかなという印象を受けるわけですよ。
 だから、そういう社長、重役クラスだけじゃなくて、実際に通勤の経験をしているような、つり革を争ってつかむような経験をしている人たちをこのメンバーに入れて通勤対策をやった方が私は
いいんじゃないかという気がいたしますが、どうでしょうか。このメンバーの選定等についても大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#155
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほど田渕先生からも提言があり、また瀬谷先生からもございました。
 今、地交局長から運政審のメンバー、これは地域交通部会ということで、なるほどおっしゃるとおり、たまには乗るかもしれませんが、つり革を奪い合ったりあるいはすき間を探して乗るというような方々はいないと思います。また、この運政審でなくてもそういう方々を集めていろいろな御意見を聞いたり、これは任期もあるしいろいろなあれでございますので、そういう方法をとって実際の方々の御意見も聞くようなこともして今後のやり方に寄与していきたい、こういうふうに今先生方の御指摘を踏まえまして、その運政審に入れる入れないは別として、そういう方々の御意見もお聞きをいたす、こういうようなことにしていきたいと、こう思っております。
#156
○瀬谷英行君 人が物事を決めるわけですから、人選というのは非常に難しいことだと思います。その人選を誤ると何にもならないことになるという気がいたします。
 そこで、今後の問題として、やはり東京都心を中心にして通勤問題は深刻になってくると思うんですね。反面、今度地方は過疎になってしまう。東京だけ人口が集中して一千万を超す、あるいは東京周辺の首都圏なんかの場合は、もう大阪にしてもそうですけれども、何千万の人口がそこに生活をすることになる。逆に、日本海側の方は、一つの県でもって百万かそこらの県が出てくる。こういうアンバランスができますね。船だったらひっくり返っちゃう。
 そういうような状態というものを解決するためには、鉄道が後追いをしていたんじゃ間に合わないと思うんですね。だから、運輸大臣としても後追いの鉄道施設等を整備するということだけでは間に合わないから、やはり国土計画というものに携わって、やはり日本全体の均衡ある発展ということについての見解を運輸大臣の立場から述べる必要があるというふうに私は思います。
 これらの国土計画についての総合的なビジョンというものはどのようにお持ちになっているのか。特に、大臣の御出身地は過密地帯じゃないようでありますので、過疎地帯の立場からも御意見をお伺いしたいと思います。
#157
○国務大臣(村岡兼造君) 私は、かつて自民党の過疎対策の特別委員長をいたしておりました。この前先生から、私の選挙区で境のところに乗っていただいて、二両か三両に乗客はたった一人というお話もお聞きをいたしました。全く一人ということは、たまたま先生が乗られたときにはそうだったのでしょうが、まあそうでもないんですが、大分すいていることは事実でございます。正直申し上げまして、東京へ集中し、私どもの地域は人口が減少している。日本海側、裏日本と言われている地域は全般的にその傾向がございます。
 先ほどもお話ししましたけれども、片一方で高速交通時代ということで道路の方は相当見通しもついてきましたし、相当できてまいりました。したがいまして、高速道路は百キロで走れる。ところが、鉄道は日本海の方は七十キロぐらいでしか走れない。こういう状況では、鉄道へ乗れと申しましてもなかなかそうならない。しかし、一方、財源問題が非常にございまして、先生方から今後公的資金をもっともっと出すべきでないか、私もそのとおりであろうと思いますけれども、なかなか今までの国鉄債務が二十六・二兆円に及ぶ状況からあるいはいろんな事情から、そういう点にはなかなか目が向けられていなかった。しかし、環境問題、人手不足の問題あるいは自動車の混雑の問題、こういう問題からこれは見直されてきておりますし、貨物の問題にしてもそうであろうと思います。
 したがいまして、今までは運輸省の人々もなかなか難儀をして毎年予算をふやしてきてはおりますけれども、この程度の予算ではどうにもならない。しかし、一方、全体の予算枠というのも限られておりますが、何とかその中にあって今後の中長期的な過疎地域も含めた主要幹線というものの問題点を運政審に諮問いたしまして、将来の鉄道はどうあるべきか、もちろん財源問題が一番でございますが、そういうことをやってまいりたい。そのためには先生方の御協力もお願いしなきゃならぬ、こういうふうに考えておるところでございます。
 ただ、どちらが先かと、こう言われますと、鉄道だけ早くいたしましても現状ではなかなか乗る人がいない。鉄道だけの問題ではなくて、全般的に雇用の場を移すとかあるいはやっぱり学校とかそういうような問題等も考えて、そして、衆参で一極集中を排し、首都機能の移転ということもお決めをいただきましたので、総合的な見地からその中に鉄道とかあるいは航空とかあるいは高速道路とかというものを含めて一体化しながら一極集中を排除していかなければならぬ、今やその機運にある。
 ただ、東京の鉄道の通勤通学の混雑は、これはもう当然しなければならないことがおくれておる。中央も地方も実はすべて後追いであるというふうに私感じておりますが、文句を言ってもしようがありませんので、それらの是正に向けまして一生懸命頑張っていきたい、こう思っております。
#158
○瀬谷英行君 特に、表日本と裏日本という言葉を使うと、裏日本の人は嫌な感じを持つかもしれませんけれども、やはり人口は東海道筋に集中しちゃっていますよ、いい悪いは別にしまして。裏日本はどうしても過疎地帯になる。
 例えば、山陰線なんかにしても、この間もちょっと余部鉄橋の話を聞いたんですけれども、あそこは列車が風でもって転落したという事故があって、それ以来強い風が吹くと列車がとまるというんですね。とまらざるを得ない。やたらと落っこっちゃ困るから、それはとまるの無理はないと思うんですよね。風が吹けばおけ屋がもうかるという話はあるけれども、風が吹けば列車がとまるなんというのは今日余り自慢にならないですよね。
 だから、ああいうところの問題はやっぱり知恵を働かせて、何とか風が吹いても通れるような方法が技術的に考えられないものかどうか。風洞みたいなものをつくるとか、やわいものじゃこれはだめだろうから、何かそういう技術的な工夫をして、風が吹いても通れるようなことができないものかどうか、それらの点もこの機会にお伺いしたいし、山陰線といったような地域の利用者に対しても、やっぱり同じ日本国民なんだから不便を与えないようにするという配慮があってしかるべきではないかという気がいたしますが、その点もあわせてお伺いしたいと思います。
#159
○政府委員(大塚秀夫君) 山陰線の余部鉄橋の区間は、橋の高さが四十一メートルあり、付近の地形上、風の影響を受けやすい区間であることから、列車運行の安全確保のために強風時には、先生今言われましたように、列車の運転を見合わせております。
 これは昭和六十一年十二月の列車転覆事故の教訓を生かしたもので、列車運行の安全確保上、安全第一の観点からやむを得ないものと考えております。
 しかしながら、このような安定的な運行を保証できない区間があることは問題であると考えておりますので、先生御指摘の技術的な問題、技術上もう少し開発できないかということも含めて、今後慎重に検討してまいりたいと思います。
 また、山陰方面の輸送力増強といいますか鉄道整備につきましては、この余部鉄橋の区間を飛ばして申しわけございませんが、大阪―鳥取間につきましては、現在鉄道建設公団で建設しております智頭線が完成し、今、高規格化も検討しておりますので、大阪―鳥取が智頭線経由になりますと大幅に時間が短縮され、鳥取付近にとりましては鉄道輸送が大変今までよりも便利になるというような計画を進行させているところでございます。
#160
○瀬谷英行君 それから、これも午前中の質問に
関連しますけれども、新幹線をフル規格でつくる、そのかわり在来線をやめるというようなことになると、在来線を利用していた人が利用できなくなる。新幹線は、東京―上野間は別だけれども、五キロ、十キロの間に駅をつくるということは、これはあり得ないですよね。そうなると、今まで在来線を使っていた地方の人たちは使えなくなる。それから、貨物列車も通れなくなる。広軌の間に線路を入れて、それで貨物列車を走らせることは技術的には可能ですよ。技術的には可能だけれども、果たして運用上いいものかどうか。
 そういう線路は小田原と箱根湯本の間、あれは箱根登山鉄道と小田急があの間を共用で使っていますから、そういうケースは今もあります。だけれども、あれはわずかな区間ですよ。青函トンネルであるとかあるいは青森の方まで行く線路であるとかある程度長い区間になると、在来線と新幹線とを共用するということは非常にこれは問題があるんじゃないかという気がするんですね。片方は貨物列車でゆっくり走る、片方はともかく新幹線だということになると、これは交互に走らせるということは非常に困難です。片方はとにかく二百キロで走る、片方は人力車みたいなものだから、同じ線路の上じゃこれはぐあいが悪いということになるんですよ、当然。
 だから、それを考えたならば、私は、やはり余りこそくな手段を講じないで、新幹線は新幹線でなるべくフル規格でもってどんどん進めていく、在来線は残しておく、貨物列車にも使わせるというふうな方法を考えた方が日本の将来を考えた場合にはいいんじゃないか。ここでわずかな金を惜しんで余りみみっちいことをやれば、やはり将来的に二十一世紀にはいろいろと支障が出てきて、もう一度やり直しをしなきゃならぬということになりはしないかという気がするんです。
 その点は、今日いろいろと考え方があるでしょうけれども、私は将来を見た場合に百年の大計ということを考えるべきだというふうに思いますが、どうでしょうか。
#161
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道を古い製品から新しい製品に取りかえるとも言うべき近代化の一環として新幹線鉄道を整備することから、鉄道の経営状況、鉄道技術の進展等を勘案しまして、新幹線鉄道と並行在来線を両立させることは交通体系上適切かどうか疑問があり、並行在来線については徹底した合理化をしてもなおJRとして新幹線と両立させることが困難であると判断した区間については、これを分離する方針でございます。
 ただ、分離する場合におきましても、その代替交通機関について並行在来線の第三セクター化というようなことを含めて、JRとしては地元に対して要員の派遣等で積極的に協力していくこととしております。
 なお、先生御指摘の貨物輸送につきましても、今、鉄道建設公団総裁も出席しておりますが、在来の貨物列車と新幹線列車を同時に走らせるというのは、これは過密ダイヤの区間なら別でございますが、今検討している区間については技術上問題がないという結論が得られているところでございますが、先ほど来申し上げておりますように、JR貨物へのモーダルシフトといった観点から今後の貨物輸送は極めて重要でございますので、貨物輸送ネットワークに支障にならないようにJR貨物とも十分協議して貨物輸送に万全を期したいと考えております。
#162
○瀬谷英行君 貨物輸送は、今さら広軌にして新幹線と交互に走らせるということは技術的に非常に難しいことだという気がいたしますから、貨物輸送は貨物輸送でもってそのルートを確保しておくということが必要だろうと思うんですね。
 それと、新幹線は新幹線でまた余り継ぎはぎだらけのことをやるよりも、これは地域によって随分人口密度が違いますから、人口密度の違うところでもって同じように収益を上げようといったってこれは無理なことですから、それはそれで考えなきゃならないと思いますけれども、将来あるべき姿としては、やはり新幹線なんというものは、これは地方に行けば行くほど採算の点からいうと難しくなるんです。北海道や九州だったら、そう簡単に新幹線をつくっても採算が合うとは思われません。しかし、やはりそれにしても新幹線は新幹線として背骨としての存在というものは必要になってくると思いますから、新幹線というのはやはり国家投資を中心にして、鉄建公団なら鉄建公団というものが責任を持つというふうな格好にしていかなければならないだろうという気がします。
 そういう意味で、もしも貨物輸送を犠牲にして在来線をつぶすといったようなことになるならば、この法案についても我々は賛否の態度を考えなきゃいかぬ、こういうふうに思いますよ。だからその点、貨物輸送についても十分に考える、やたらと在来線は取り上げないということが約束できるのかどうか、その点も過疎対策とあわせて大臣の所信をお伺いしておきたいと思います。
#163
○国務大臣(村岡兼造君) 今の貨物の問題でございますが、先ほどもお答え申し上げましたが、いろいろ並行在来線の問題につきましては、今まで県の方から了解は得たと思っておるわけでございますけれども、一部反対の町村もございまして、私のところにも参りましたし、今後いよいよ実際にやるということになれば地元と十分協議をいたしまして見切り発車はしないということも言っておりますので、貨物のことも十分に先生御指摘のことも入れまして対処してまいりたいと、こう思っておるところでございます。
#164
○瀬谷英行君 基本的な問題についてもう一度申し上げておきたいと思うのですけれども、冒頭の上野―東京間の凍結問題等については、ともかく当時の大臣が答えられなかった。運輸大臣が飾りになってしまって、再建監理委員会などというそういう何か正体のわからない、しかも責任を持たない、もう解散してしまうというと責任の追及のしようがないような機関が大臣よりも権限を持つといったような過去におけるスタイルは、私はよくないと思うんです。
 あのときはたしか山下大臣、三塚大臣とかわりましたよ。ぽんぽんかわるけれども、さっぱりそれらの中心的な問題に対しては答えられなかったんですね。非常に私は遺憾だと思いました。それで再建監理委員会を呼べというと出てこない。出てきても適当な時間を切って、わずかの時間でもって帰ってしまう。まことに無責任きわまるやり方だったと思う。
 だから、東京―上野間の問題だって私は山下大臣のとき言ったんですよ、やりかけの小便を途中で中断するようなことをするなと。大臣はそのとおりだと言ったんですよ、当時ね。ああいうふうに飾りにならないように、指導力というものを発揮してもらいたいというふうに思います。
 その点を要望いたしまして、私の質問を終わります。
#165
○野沢太三君 御苦労さまでございます。
 このたびの政府提案に係ります新幹線関係の三法案は、国鉄改革によりまして誕生いたしましたJR各社がこれから株式を上場して完全民営化へ踏み出すために必要な、かつまた重要な環境整備の方策であると伺っておるわけでございます。また、国鉄清算事業団に残されております債務償還を促進いたすとともに、長年の懸案でありました整備新幹線の本格的着工を可能にするということと大都市鉄道の整備、さらには主要幹線の近代化、また、リニア技術開発、災害対策の助成等をあわせて推進する画期的な法案であると認識をしている次第でございます。
 国鉄改革以来五年目を迎えたわけでございますが、再び将来に向かって鉄道が成長していかれる仕組みを今回工夫していただいたわけでございます。関係されました運輸省、JR各社初め皆々様にまず御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 このような前進が図られるようになりました原因の一つとして、国鉄改革の後、JR各社が予想を超える業績を上げていただいておりまして順調に経営を続けていることが大きいと思いますが、今回この三法案の質問に先立ちまして国鉄改革が
このように成功した理由についてどのようにお考えか、まず、運輸大臣の所感をお伺いいたしたいと思います。
#166
○国務大臣(村岡兼造君) JRの経営状況につきましては、会社発足以来おおむね順調に推移しておりますが、これは清算事業団が長期債務の大きな部分を引き継いだことに加えて、JR各社において国内景気の持続に伴う輸送需要の増大や最近における鉄道の再評価の機運等を背景として、利用者のニーズに即応した輸送サービスの提供等、積極的な営業施策の展開に努めるとともに、経費節減を図るなど安定した労使関係の構築の努力のもとに、分割・民営化の趣旨に沿った経営基盤の強化に全力を傾注した結果によるものと考えております。
#167
○野沢太三君 ありがとうございました。
 御指摘のように、鉄道を国民の皆様が再評価してくれている、やはりサービスがよくなると乗ってみようとか利用しようとか。加えまして、今の道路の渋滞あるいは人手不足、そういった背景の中で労使が挙げて御協力をいただいているということがまた大変大きな力であると私も理解をしております。そしてまた、それを可能にいたしました今回の仕組みづくりといいましょうか、分割・民営で大変涙も出たときもございましたが、その中で民営化によって規制緩和をしっかりやっていただいて、やりたいことが相当思うようにできるようになったという、これが非常に大きいと思います。さらにはまた、分割することによりまして地域の実情に即した意思決定が早く行われる、このこともやはり指摘をしておきたいと思うわけでございます。
 それでは、整備新幹線関係の質問に入らせていただきます。
 整備新幹線は、本日出ております全国新幹線鉄道整備法に基づきまして昭和四十八年に整備計画が決まってから長年着工を見送ってまいりましたが、その理由として何があったのか、これについてお考えを聞かせていただきたいと思います。
#168
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線、これは整備計画が策定されている五本の新幹線のことを指すわけでございますが、昭和四十五年に全国新幹線鉄道整備法が制定された後、昭和四十七年にこれら五線については基本計画が策定され、翌四十八年に整備計画が決定したわけでございます。
 その後、二度にわたるオイルショックがあり、交通体系の変革等も背景として鉄道輸送需要が減少してまいったこと、そして、国鉄の経営が悪化したことなどにより財源問題について結論が得られず、その後平成元年度まで着工ができなかったものでございます。
#169
○野沢太三君 今回、鉄道整備基金を創設いたしまして整備新幹線の本格着工を進めることになったわけでございますが、この財源負担の仕組みについてどのように考えるのか。
 昭和六十三年の八月三十一日並びに平成元年の一月十七日に、いわゆる整備新幹線建設促進検討委員会の結論として「政府・与党申合せ」が出ておるわけでございますが、このときの考え方どおりと考えてよろしいかどうか、お考えを聞かせてください。
#170
○政府委員(大塚秀夫君) 負担割合の基本は従来の基本スキームに基づくものでございますが、今回の鉄道整備基金の創設によりまして、既設新幹線の譲渡収入の一部を国の負担部分の一部、また、JR負担部分の一部にも充当することとされております。
#171
○野沢太三君 整備基金の特別財源ということで、今回JR本州三社に新幹線を譲渡してそれを現在価値で評価した差益分が上乗せされているわけでございますが、まず、現段階で新幹線をJRに譲渡しなければならない理由というものが何であるか。改革のときには後世の判断にこれはゆだねるということであったわけでございますが、四年目にしてその判断が来たという、その理由についてちょっと触れていただきたいと思います。
#172
○政府委員(大塚秀夫君) 国鉄改革後五年目を迎えたわけでございますが、その間JR各社の経営は順調で、特に本州三社におきましては株式の売却・上場に必要な経営基盤が確立しつつあるという状況でございます。JR株式の上場処分はJRの完全民営化への道であると同時に、株式売却収入によりまして清算事業団の抱える膨大な長期債務を円滑に処理するという国鉄改革の一層の進展のための任務を持っているところでございます。
 本州三社の株式の売却・上場に際しましては、現在保有機構からリースを受けております巨額の新幹線資産と、これに関係します債務を確定する必要があること。今のリースのままですと、将来このような債務がリース料の形のままになるのか、譲渡される場合にはどのような額になるのか明確でない、これが経営基盤上問題があるという点が一点。それから、設備の維持更新に必要とされる内部留保がリースのままですと十分できない、これを自己の資産として持って減価償却を行うことによって内部留保も充実するという財務体質上の問題点がございます。
 そこで、今回保有機構が保有しております新幹線施設を適正な譲渡価額、その他一定の条件で本州三社に譲渡することとし、所要の法案を御審議いただいているところでございます。
#173
○野沢太三君 そうすると、株式を公開するためには資産、債務の確定が必要であること、さらには、そのことによりまして今後の経営基盤が一層強化されるという方向と承っておきたいと思います。
 そこで、この譲渡代金の算定でございますけれども、これまでのリース料はたしか収益に基づいておおむね六、三、一くらいの割合で東海、東、西の割合が決まっていたと思いますが、今度の譲渡代金はそれによっていないというふうに伺いますけれども、どういう考え方で決まったかちょっと触れていただきたいと思います。
#174
○政府委員(大塚秀夫君) まず最初に、譲渡代金の総額を九・一兆円と算定しておりますが、これにつきましては、新幹線施設がいわば国民共有の財産とも言える公共性の高い資産であり、適正な時価で譲渡する必要があると考えまして、このために譲渡価額の算定につきましては、JR株式基本問題検討懇談会に新幹線資産の譲渡に関する有識者から成るワーキンググループを設置してその検討をお願いしてきたところでございます。
 その専門的な検討を通じまして、譲渡時、ことしの十月一日を予定しておりますが、その譲渡時点における再調達価額として九・一兆円という評価額を昨年十二月に算定したところであり、この評価額については、譲渡法の成立後、この法案に基づきます機構に設置される臨時の評価審議会において再度精査することとしており、この法律上の手続により最終的な評価額を決定してまいりたいと考えております。
 それから、今先生が御指摘いただきました負担割合の考え方でございますが、今回の譲渡に際しましてはJR株式基本問題検討懇談会に設置されました先ほどのワーキンググループの検討におきまして、現行リース料の配分率を見直し、九・一兆円全体について本州三社に割り振る新たな配分割合を算定したところであります。
 具体的には、各線の収益の見通し期間を貸付期間終了時点でございます平成二十八年度までとするとともに、その期間中に見込まれる設備の維持更新等の費用を勘案するなど、これまでのリース料配分率の考え方について必要な修正を行い新たな配分率を算定したものであり、先生が先ほど申されましたように、今回の譲渡価額における配分比率は、東日本が約三〇%から三四%、JR東海が約六〇%から五六%、西日本が従来と変わらず一〇%、このような割合を考えております。
#175
○野沢太三君 よくわかりました。
 それでは続きまして、これから新しく建設する新幹線の今度は開業後の使用料がどういうふうになるのか、また、何年くらいこれは払うことになるのかお聞かせいただきたいと思います。
#176
○政府委員(大塚秀夫君) 現在の整備新幹線を整備しました後、開業後のリース料につきましては、新幹線開業後の三十年間において生じるJR
の受益を限度として定めることとしております。
 具体的なリース料については、現在JRと調整を進めているところでございまして、それぞれの整備新幹線の開業前に決定することとしております。
#177
○野沢太三君 その際、ひとつぜひ新しくつくる新幹線の資本費負担が経営に悪影響がないようにすべきとも考えるわけでございますが、その点をどのような形で担保するのか、何か歯どめになるものはございますか。
#178
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の建設につきましては、整備新幹線建設促進検討委員会において、国鉄改革の趣旨を踏まえてJRの経営に悪影響を及ぼさないということを大前提に、規格のあり方、財源問題等について検討を行いまして、JR各社の意見も十分聞いた上その取り扱いを決定したものでございます。
 したがいまして、現在のJRに対する貸付料についての考え方も新幹線開業に伴って生じます営業主体の受益の限度、これは開業しました新幹線の受益、それから、その開業に伴って分離されました並行在来線の、これはマイナスの受益といいますか、今まで仮に欠損が生じていたらそれが生じなくなるという受益、それから、新幹線開業に伴って関連線の受益、こういうものを限度とするということで、これは国会でも御答弁しているところでございますが、御指摘のようにJRの経営に悪影響を与えないように、このような受益を限度として貸付料を定めたいと考えております。
#179
○野沢太三君 これから株式を市場に出そうという時期でございますので、今おっしゃったような見通しを明確にして何らかの形でディスクローズをすることが必要ではないかと考えるわけでございます。使用料の考え方、それから貸付期間の考え方、これらについてはできれば政令等で明らかにする必要があると思うが、いかがでしょうか。
 例えば、在来線ではCD線の扱いというのがありますし、現在の新幹線のリース料の形も同じような方法をとっていると思いますが、いかがでございましょうか。
#180
○政府委員(大塚秀夫君) 今申し上げましたように、整備新幹線は開業後の受益を限度として有償で貸し付けることになっておりますので、日本鉄道建設公団法第二十三条によって「政令で定めるところにより」有償で貸し付けることが規定されており、この政令でCD線等と同様、具体的内容を定める必要がございます。整備新幹線の貸付料については、今後所要の調整を関係者と行った上で開業までの必要な時期にこの政令を定めたいと考えております。
#181
○野沢太三君 よくわかりました。
 そういうことで、貸し付けでずっといくんだと、四、五年でまた買い取りというような話にはならないと理解をするわけでございますが、貸付期間が終了した後どうするか、この辺でやはり今回の譲渡法の中で議論されているような話が出てくることが予想されるわけでございますが、この辺の譲渡の問題を今日ただいま明確にしておく必要があるのじゃございませんか。
#182
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の着工が決定されました平成元年度の「申合せ」におきまして、「整備新幹線の建設主体は日本鉄道建設公団とし、建設した施設は、同公団が保有し、営業主体であるJRに有償で貸し付ける。」こととされております。
 既設新幹線がその収益力の高さなどから建設費のほとんどを借入金で賄っておりましたのに対し、整備新幹線につきましては、公共事業として国、地域から多額の助成を受けて建設されることから、現在御審議いただいております既設四新幹線のように譲渡することにはなじまないものと考えております。
#183
○野沢太三君 いずれにしましても、先にそういった問題は送られるということかと思いますが、今回のようなことには早晩なることはないというふうに理解をさせていただきます。
 引き続きまして、必要な工事費と財源について一連の御質問を申し上げたいと思います。
 整備新幹線の建設費は、運輸省案では一兆三千五百億と伺っておりますけれども、これは完成までに数年あるいは十年近くかかるとすると相当な値上がりもあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#184
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の三路線五区間の建設費は、昭和六十二年四月価格で一兆六千五百億円でございまして、これは整備新幹線の詳細な検討が行われた検討委員会に提出した価格でございます。
 整備新幹線につきましては、十数年にわたる長期間の調査を行い技術的検討を十分に行っていること、また、営業主体であるJRや地元と十分協議を重ねてきたことなどから、今後大幅に建設費が増加する可能性は小さいと考えております。
 しかし、用地費の高騰等が今後考えられますので、一方で工事費の低減策についても検討しているところであり、現在最新の技術を適用して建設費の低減策について今後さらに検討を進め、全体的に用地費の高騰あるいは建設資材の高騰等を吸収できるような形で現在の建設費が維持できるように努めてまいりたいと思っております。
#185
○野沢太三君 今回の申し合わせで軽井沢―長野間がフル規格ということになりましたけれども、それによる増加工事費はどのくらいになるでしょうか。
#186
○政府委員(大塚秀夫君) 北陸新幹線軽井沢―長野間の規格につきましては、「必要な調整を行った上で」という前提条件をつけた上で、その条件が解決した場合にフル規格とすることとなっております。
 フル規格となった場合にはミニ規格の場合と比べまして三千億円建設費が増加します。ミニの場合には軽井沢―長野間六百億円という建設費の予定でございますが、それがフルにした場合には三千六百億円になると推定しております。
#187
○野沢太三君 今の規格の変更等でぐっと増加しました工事費の負担をどう処理するのか、JRの負担はその関係で採算の範囲でおさまるかどうか、これについてはどうでしょうか。
#188
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、軽井沢―長野につきましてフルにした場合には、建設費そのものは三千六百億円ということで三千億円ふえるわけでございますが、建設費の負担割合は、フル規格になろうともミニ規格であろうとも基本スキームで決定しているJR五〇%、国三五%、地域一五%の割合で負担することとなります。
 このうちJRの負担につきましては、フルで建設された場合も開業後の受益を限度とした貸付料のみが負担になるわけで、JR負担の五〇%の残りの部分については新幹線の譲渡代金の一部を充当することになっておりますので、フルになりました場合もJRに悪影響を与えることはございません。
#189
○野沢太三君 ぜひ、ひとつそのように進めていただきたいと思います。
 これまでの議論の中で私どもは、この鉄道整備基金に相当するものを特定財源を工夫して特別会計という制度でいったらどうかということをかねがね提案してきた経緯がございますが、これが整備基金という形になりました理由についてお聞かせいただきたいと思います。
#190
○国務大臣(村岡兼造君) 特別会計の設置につきましては概算要求前に選択肢の一つとして検討いたしましたが、特別会計は財政法上、「特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に限り」設置することとされておりまして、今般の鉄道整備基金のように、特定財源のみならず従来の一般会計等からの助成まで含めて一元的に管理することになじみにくいということから採用しなかったものと考えております。
#191
○野沢太三君 確かに、今回は新幹線の売却代金という特別な財源が一つのてこになったことはわかるわけでございます。しかし、これだけに頼っていたのでは今後の見通しは大変暗いと思います。何と申しましても、今後財源を工夫いたしまして、一層この基金制度を育てていただきたい、
これは御要望をしておきたいと思います。
 そこでひとつ、今回の民営化をいたしました前と後で、国鉄からJRになりまして税金がどのようになっているか。民営化前後の国税、地方税あるいはJR各社別の支払いました税金がどのくらいになっているか、ちょっと数字を言っていただきたいと思います。
#192
○政府委員(大塚秀夫君) JRになります直前の旧国鉄時代の最後の年であります六十一年度をとりますと、国税は、これは自動車重量税が中心でございますが、約三億円。地方税は、交納付金を含めまして約五百十億円でございます。合わせて五百十三億円になります。
 一方、JRになりまして、元年度が今決算が出ている最新年度でございますが、元年度における七社合計の国税は、これは最終確定額で申しますと約千六十億円、地方税が約千五十億円であり、合わせて二千百十億円となっております。
#193
○野沢太三君 赤字を垂れ流し続けていた国鉄時代に五百十三億の税金を払っていたわけでございますが、それが民間になってから、実に合計して二千百十億というような税金を国税、地方税合わせて払うことができるようになった。まことにこれは劇的な変化でございます。
 この税金というのも、一生懸命働いていただいておるJRの皆さん、さらには利用していただいている国民の皆様のこれは本当にありがたい御協力のたまものだと思うわけですが、これをそっくりそのまま孝行息子の稼ぎを取ってしまうというのじゃなしに、これを直接入れろというのは税制の仕組み上難しいかとは思いますけれども、こういった歳入が国あるいは地方にあるとするならば、こういった部分から少なくとも新幹線を建設する国の負担の三五%というものは公共事業費の方から出してもいいじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#194
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、公共事業関係費のほかに既設新幹線の譲渡収入の一部を国の負担の一部に充当することとしておりますが、これはまず、既設新幹線が特殊法人である新幹線鉄道保有機構の保有する準国有財産とも言うべき性格のものであること。それから第二に、JRはこの新幹線資産の対価として譲渡代金を支払うものであり、整備新幹線の財源のために特別の負担金を負うものではない、こういうことを勘案して、その譲渡に伴う収入は基本的に国に帰属すべきものであることを踏まえて特定財源とするものでございます。
 いずれにしましても、今後とも特定財源のほかに公共事業関係費の確保には努めてまいりたいと考えております。
#195
○野沢太三君 確かに、国有資産であるということからいたしますとそのような考え方になろうかと思いますが、それもこれもみんな利用者の皆様がこつこつと利用していただいた積み上げであるということからして、今申しましたような税収の裏づけ等を考えますと、何としても国の方も少し財布を緩めていただいてもいいのではないかと思うわけでございます。
 私どもこれまで整備新幹線についていろいろ勉強してみますると、資本経費の負担を軽くしてやればこれらの線区はみんな採算がとれるのだと。一にかかってこの建設費の内容といいますか、利息のつかないお金がどれだけ準備できるかということが決め手になるということがこれまでの議論と勉強の結果出てきておるわけでございます。
 政府・与党の申し合わせの前提として、第二の国鉄をつくらないということを確認してきたわけでございますが、そのためにも国の負担となるべき財源の確保を図ることがこれから最も重要ではないかと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#196
○国務大臣(村岡兼造君) 運輸省といたしましては、鉄道の特性が発揮できる分野において鉄道の整備を推進していくことが重要であると認識しております。
 このたび、緊急に整備が必要な鉄道の整備の促進を図るため、既設四新幹線の鉄道施設の譲渡に伴う収入の一部を活用し、これに一般会計等からの補助金等を加えて鉄道助成を総合的かつ効率的に行う鉄道整備基金を設立し、所要の財源の確保を図ろうとしているところであります。
 なお、平成三年度予算において整備新幹線関係の公共事業費については、平成二年度七十一億円から約五十七億円増の対前年八〇%増しの百二十八億円を確保したところでありますけれども、今後とも鉄道整備の財源の確保に運輸省としても最大の努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#197
○野沢太三君 心強いお話でございますが、まだ一つけたが小さいように思いますので、どうかこれから御検討いただきまして、シーリングの壁を突破してもぜひとも公的財源の確保についての御努力を一層お願いいたしたいと思うわけでございます。
 それから、これまで鉄道の仕事というと、年度要求の中で毎年毎年もう努力をしなくちゃいけない。一方、港湾にしても飛行場にしても道路にしても、八分野にわたって五カ年計画等の長期ビジョンを持って仕事をしているわけでございますが、鉄道に関しましても中長期的な計画を策定していただいて、財源の確保とあわせまして推進することが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#198
○国務大臣(村岡兼造君) 野沢先生、道路とかあるいは空港とか港湾とか各種五カ年計画あるいは十カ年計画、そういうものを鉄道整備に関してつくる必要がないかと、こういうお尋ねでございます。
 先ほどもちょっとお答えしましたが、主体は民間会社であり、その投資資本も民間の方が余計だというような議論もあり、一方において、やはりこの鉄道というのはまたこれは公共事業じゃないかと、こういうような意見も相当数ございまして、私どもとして鉄道整備の指針となる中長期的な計画につきましては、運輸省におきましても、形はどうであれ必要であると考えておりまして、今後運輸政策審議会で御審議をいただく、その諮問の時期はことしの六月ごろと考えております。
 なお、鉄道整備の財源の確保については、このたび鉄道整備基金を設立することとしておりまして、今後同基金を最大に活用して必要な鉄道の整備を推進してまいりたい、こういうふうに考えております。
#199
○野沢太三君 ありがとうございます。
 どうかひとつ積極的なビジョンの展開を図っていただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
 それから、これからつくる新幹線にとっては並行在来線の経営の分離の問題がついて回るわけでございますが、この分離後の在来線の経営形態についてはどのようにお考えか聞かせていただきたいと思います。
#200
○政府委員(大塚秀夫君) 並行在来線のうちJRからの経営分離が必要となる区間につきましては、通勤通学など地域の足の確保のために適切な代替交通機関の導入について検討する必要があると考えます。
 代替交通機関として第三セクター鉄道化を検討されている地域もあるようでございますが、今後、地域で十分に検討の上で結論を出していただきたいと考えており、運輸省としましても、代替交通機関への円滑な転換のため、適切に対応していくつもりでございます。
#201
○野沢太三君 その場合、地元の住民の皆様あるいは利用者の皆様に不便をかけないような運営がぜひできるように、ひとついろいろと御指導をいただきたい。この点についていかがでしょうか。
#202
○政府委員(大塚秀夫君) 並行在来線のJRからの経営分離後の代替交通機関につきましては、利用者の利便性を低下させないように、今後地元を中心に十分検討していただく必要があると考えております。
 その際、第三セクター鉄道化した場合におきましては、JRから必要な要員を派遣するとかあるいは運行面でJRが協力するなど、運輸省として
も代替交通機関への円滑な転換に必要なこのような措置について十分検討し、地元に協力していくつもりでございます。
#203
○野沢太三君 ぜひひとつ、よろしくお願い申し上げます。
 私ども今まで地方交通線で第三セクター鉄道等に転換した経験が幾つかあるわけでございますが、大臣の地元でも旧矢島線でしょうか、今、由利高原鉄道ということで大変頑張って立派な御経営をやっておられるというふうに伺っております。
 これまで地方交通線で三セク等に転換した鉄道の数あるいはその経営内容について簡単にひとつ触れていただきたいと思います。
#204
○政府委員(佐々木建成君) 特定地方交通線からいわゆる転換鉄道に転換しました鉄道路線は三十八線ございます。これに地方鉄道新線を合わせまして、現在運営が行われております転換鉄道等は四十一線でございますけれども、これを運行する三陸鉄道等、三十五社の元年度決算について見ますと、三十五社合計の経常損益は十二億八千万円の赤字となっております。
 これを赤字会社、黒字会社別に見ますと、黒字会社が九社、合計三億二千三百万円の黒字、赤字会社が二十六社、合計十六億三百万円の赤字という内訳になっております。
#205
○野沢太三君 地方交通線といえば赤字と、こういうふうに昔から言われたわけですが、今回転換した鉄道の今のお話を聞きますと、黒字を出している会社もあると。そして、しかも赤字会社も地方で経営を進めるのに支障のない程度に改善がされておるということが大変実は前例、先例として参考になるわけでございますが、今回分離する線区の経営が成立するためには、やはりこの地方交通線の経験が大変実績として参考になることと考えるわけでございます。
 先ほどお話のありましたような要員の派遣あるいは運行のノーハウの提供等いろいろありますけれども、一つ大事な問題として資産譲渡の条件をどうするか、この点につきましては運輸省はどのようにお考えか聞かせていただきたいと思います。
#206
○政府委員(大塚秀夫君) 現在運営しております第三セクターの経験にかんがみ、経営のノーハウ等についても積極的にJRから提供し指導していくようにしたいと考えております。
 また、資産の譲渡問題につきましては、今後第三セクター化する場合の新しい会社が負担にならないような譲渡を行いたいと考えておりますが、その際に税制等の問題についてさらに詰める必要があるような状況でございます。
#207
○野沢太三君 この問題については譲る方にも受ける方にもいろいろ難しい会計上あるいは税務上の問題があると伺っておりますので、どうかひとつ問題が円滑に進みますよう、地方交通線の取り扱い等に準じまして、必要があれば立法措置等を講じていただきたいと思うわけでございますが、その点いかがでしょうか。
#208
○政府委員(大塚秀夫君) 今後関係者と検討し、租税特別措置等、必要な措置をとることを検討したいと思っております。
#209
○野沢太三君 どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほども同僚委員の皆様から出ておりますけれども、JR貨物が大変今頑張っていただいております。コンテナを中心に輸送量が大幅に伸びてきたということで、運輸省で打ち出しておられますモーダルシフトの施策というものが非常にいい方向で今動いていると見られるわけでございますが、在来線の経営分離によりましてこの貨物のルートが確保できなくなっては困るわけでございます。また、コストが上がって経営に支障がきても困るということで、現在JR貨物はいわゆるアボイダブルコストということで経費を支払って経営の健全化が図られてきたわけでございますので、この点に対する今後の保障についてどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。
#210
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど大臣からも申し上げましたが、整備新幹線の並行在来線をJRから分離する場合におきます貨物輸送の取り扱いにつきましては、貨物列車を迂回方式とするかあるいは新線区間を運連行するか、また、並行在来線が第三セクター化した場合に第三セクター区間を連行するか等の問題につきましてはJR貨物とも十分協議をし、JR貨物の現在の使用料が大幅に変更されてJR貨物に過大な負担にならないように必要な措置をとり、適切に対処してまいりたいと考えております。
#211
○野沢太三君 ぜひひとつ、モーダルシフト促進の面からも貨物輸送が今後ともこの問題でおかしくならないようにお願いを申し上げたいと思います。
 次に、運賃の問題に入りたいと思います。
 これから株式が上場されまして自主的な経営を強化していく必要があるわけでございますが、そのために現行の運賃・料金制度というものが今のままでいいかどうか、特に料金のような問題は事業者の自主性に任せてもいいのではないか、ある程度これは弾力的に取り扱うべき問題であると私は思うわけでございます。
 今回の新幹線譲渡に伴って運賃値上げはさせないのだという新聞報道も散見されるわけでございますけれども、法律に基づいて国が強制的に買い取らせるのだということであれば、これは運賃に転嫁するということも消費税の例に見られるように検討する必要があるのじゃないかと思うわけでございます。少なくとも、この点については企業の自主判断というものを尊重しなければならないように思いますが、いかがでございましょうか。
#212
○国務大臣(村岡兼造君) 今回の譲渡によりまして本州三社にはこの新幹線資産の減価償却費が発生する等の理由から、当面の損益において減価償却費が計上され、経費が増加することとなりますが、各社のこれまでの経営実績及び最近の経営環境を考えますと、譲渡による影響を勘案しても所要の利益の確保は十分可能であり、この譲渡によって運賃改定を必要とすることはないと考えております。
#213
○野沢太三君 この辺については今後議論が残ろうかと思いますが、先ほど上野―東京間について特別な料金を取るのはいかがなものかというような御議論がございました。
 私もあの現場をつぶさに拝見いたしますと、東京駅のホームが一面二線しかない。これは混雑時には相当な利用状況が予想されるわけでありまして、ある程度これは上野のホームも活用してもらわなきゃいかぬ。上野と東京の両設備がある程度平均的に効果を発揮するということが実は極めて大事ではないかというふうに拝見したわけでございます。そしてまた、実態的に時間短縮が二十分近く得られることを考えますと、あそこである程度の料金格差をつけましてお客様が均等に両駅を活用、利用していただくということも大事ではないかと思いますので、その辺のことも含めて今後の認可等の事務を進めていただきたい、これは要望でございます。
 続きまして、今後上場したJR各社が適正な株価を維持する、さらに健全な経営を続けていくためにも、自分のところの製品である運賃なり料金なりというものの決定をするためにも、今後とも大体配当性向で三〇%から四〇%、一割配当というものはどうしてもやっぱり必要ではないかと思うわけでございます。ある程度一定額の経常利益が出ていないと健全経営とは言えないわけでございますので、今後必要に応じまして適時適切な運賃・料金の改定ということを認めていきませんと、株価の維持あるいは株主に対する保証ということができないと思うんですけれども、今後の運賃政策についてお考えを聞かせていただきたいと思います。
#214
○政府委員(大塚秀夫君) JR本州三社に限って申し上げますと、現在、一割の配当性向ということを前提としても運賃改定の必要性は出てまいっておりません。
 ただ、将来その必要性が生ずれば適切な運賃改定を行うことは、これまた鉄道事業法に基づいても当然でございますが、運賃改定の際の認可基準
は鉄道事業法第十六条第二項に規定されており、「能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むもの」とされておりますので、経営に支障を生じないよう適切な運賃とする必要がその場合にはございます。ただ、現在のところはそういう状況ではございません。
#215
○野沢太三君 ぜひともひとつ、先を見通した運賃・料金の設定ということができるように、今後とも御指導をいただきたいと思うわけでございます。
 続いて、株式の問題に入りたいと思います。
 JRの株式は、平成元年の閣議決定で、遅くとも平成三年度売却ということになっておりますが、その方針に変わりはございませんか。
#216
○政府委員(大塚秀夫君) JR株式につきましては、平成元年十二月の閣議決定におきまして、「遅くとも平成三年度にはJR株式の処分を開始する方向で」「JR各社の経営動向、株式市場の動向を見極めた適切な処分方法等多角的な視点からの検討、準備を行う。」こととされております。
 そこで、この閣議決定の趣旨に沿ってJR株式基本問題検討懇談会等の場で問題点を検討し、懇談会では昨年暮れの中間報告において、株式市場の動向を見きわめ弾力的に対応するとの提言をしているわけでございます。
#217
○野沢太三君 最近の株式市況というのが余り良好でない、低迷をしておるわけでございますが、こういう状況の中で売却が可能かどうか、この点いかがでしょうか。
#218
○政府委員(大塚秀夫君) JR株式の上場・処分には二つの目的がございまして、一つはJRの完全民営化、もう一つはこの処分収入による長期債務の償還でございます。
そういうものを総合的に判断して行うわけでございますが、最近の株式市場が流動的であることからその先行き等について、私も素人でございますからなかなか予見も判断もできません。そこで、JR株式基本問題検討懇談会等の場で専門家の御意見も聞きながら今後対応していく必要があると考えております。
#219
○野沢太三君 このJR株式基本問題検討懇談会でございますが、この結論といいますか答申というものはいつごろを予定しておるのか。いかがでしょうか。
#220
○政府委員(大塚秀夫君) 今、まだ次回の開催予定は決まっておりませんが、私ども一応昨年来、ことしの五月中に結論を出していただければということでお願いしているところでございます。
#221
○野沢太三君 国会もそのころになれば見通しがつくと思いますし、平成四年度の概算要求の時期も間もなくやってくるわけでございます。そうした予定を立てるためにも、資産処分審議会が最終決定の場と伺っておりますけれども、この開催見込みというのはどうなっておるでしょうか。
#222
○政府委員(大塚秀夫君) これも今のところ決まっておりませんが、いずれにしましても懇談会の場で御意見をいただき、方向が決まりましたら資産処分審議会を開くということになろうかと思います。
#223
○野沢太三君 NTTの場合には大変高いときに売って、後下がる一方で株主が大損をしたということがございますし、また、分割して売り出したために途中で売れなくなりまして困ったという教訓があるわけでございます。やはり株式は、そこそこのお値段で売り出してだんだん高くなる、そこそこ、だんだんというのが一番いいんじゃないかと思うわけでございます。そしてまた、売るべきときにはなるべくまとめて売りまして、早く債務の償還をするあるいは民営化がそこで完了するというふうにすべきだと思いますが、これは希望として申し上げておきます。
 そこで、JR株式の売却収入でございますけれども、平成三年度予算にどれだけ計上してあるか、これは増額は可能なのかどうか。
#224
○政府委員(大塚秀夫君) 平成三年度の清算事業団の予算には、実際の株式売却価格に予断を与えないように本州三社平均の発行価額、この発行価額というのは資本金と資本準備金を株数で割ったものでございますが、これを基本として仮置き的に二百万株千五百四億円を計上しております。したがいまして、これに基づいて三社を売るとかこの額で売るという意味ではございません。
 なお、株式売却収入千五百四億円は、清算事業団の予算上は今申し上げましたような見込み額でございますので、収入の増加につきましては清算事業団の予算上特に問題となる点はないものと考えております。
#225
○野沢太三君 これから半年たちますとどういう状況になりますか予測は非常に難しいわけでございますが、できるだけ予定どおりの進捗を期待するものでございます。
 そこで、問題の清算事業団債務でございますが、これの処理状況と今後の見通しについて御説明いただきたいと思います。
#226
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団の債務は、平成三年度首におきまして二十六・二兆円でございます。この債務を土地及びJR株式の売却等により償還していくこととしておりまして、このうち土地につきましては、「日本国有鉄道清算事業団の債務の償還等に関する具体的処理方針について」という、平成元年十二月十九日、一昨年暮れの閣議決定の趣旨に沿いまして、平成九年度までに実質的な処分を終了することとしております。また、JR株式につきましては先ほど来申し上げておりますような状況で、現在所要の準備をしております。
 いずれにしましても、土地及びJR株式を適切な範囲内でできるだけ高い価格で処分することによって最終的な国民負担を極力なくすべく今後も努力してまいりたいと考えております。
#227
○野沢太三君 株式と土地が今後の事業団債務の償還のための財源ということで期待があるわけでございますが、土地売却がなかなか思うように、予算どおり売れていないという状況でございます。当初、たしか全体で七・七兆くらいは土地から期待ができるということでございましたが、その後の値上がり等でどのぐらいにこれがなっているか、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
#228
○政府委員(大塚秀夫君) 従来、七・七兆円というのをさらに平成元年首の地価公示額の全国平均上昇率で伸ばしまして、九・九兆円ということを申し上げていたのでございますが、その後、平成二年四月に新たに発表された公示額をベースに推計を行い、今回は全国上昇率じゃなしに一件一件その後の開発等も踏まえて評価をいたしまして、総額で平成二年度首の評価額は約十五兆円程度となっております。
#229
○野沢太三君 土地の方がこのように上がってきますと、その分だけ国民負担が減るということでございますが、いずれにしても時間との勝負であろうと思いますので、この点につきましても、後日、事業団法の改正の議論もあるようでございますが、できるだけ前倒しに処分ができますように御要望を申し上げる次第でございます。
 そうすると、残りの債務は株が売れてくれると大変心強いわけでございます。これからJRの株式がどれだけ売れるかという大変難しい問題になろうかと思いますが、これの評価方法についてはどのような方法があるのかお話しをいただきたいと思います。
#230
○政府委員(大塚秀夫君) JR株式の具体的な売却方法等につきましては、NTT等の前例も踏まえ、また、入札方式等も対象として検討して、現在JR株式基本問題検討懇談会の場で審議中でございますので、その検討結果を踏まえて対処してまいりたいと考えております。
#231
○野沢太三君 いずれにいたしましても、同業他社というようなことで考えれば、例えば大手私鉄の株価水準というものもあるわけでございますし、あるいは既に、かつて国鉄の保有しておりました営団地下鉄株式の国への引き取りということで評価も出ておるわけでございますが、そういった例等を参考にいたしまして、この貴重な株式が国民の皆様方から正当に評価されまして市場に出
回るよう期待をするところでございます。
 また一方、JRグループにいたしますと、安定株主をつくっておくことが今後の経営上大変大事だというふうに伺っておるわけでございますが、この安定株主の確保についてはどのようなお考えがあるかお伺いしたいと思います。
#232
○政府委員(大塚秀夫君) JRの完全民営化後の運営を考えますと、安定株主対策は極めて重要だと考えておりますが、これにつきましては、第一義的にJRがその方策を検討するということになりますとともに、安定株主対策を行いやすいいろいろな方法ということについても現在懇談会で検討しているところでございます。
#233
○野沢太三君 時間がだんだんなくなりましたので、あと二点だけちょっと申し上げます。
 今回の鉄道整備基金の中に災害の復旧助成が盛り込まれておりまして、まことにありがたいところでございます。これは昔でしたら国鉄の予備費をもって充当し、すぐに仕事ができるという大変メリットのある制度であったわけですが、今回この制度ができましたならば、できるだけひとつ活用、利用しやすいようにしていただくことと、それから、災害を受けたらすぐに復旧工事に入れるようにお願いをしたいと思うわけであります。
 昨年のJR九州の災害を見ますと、復旧するにも財源その他の裏づけがないために手が出せないという状況が長く続いたわけでありまして、今回それを奇貨といたしましてこの制度ができたということでありますから、利用、活用しやすい制度としてこれをうまくつくり上げていただきたい。この点ひとつお話をお伺いします。
#234
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、新たに設けられました鉄道災害復旧事業費助成につきましての具体的運用に関しましては、鉄道軌道整備法の施行令及び施行規則の改正により今後明確にしたいと考えております。
 それによりまして、先生御指摘のように、この助成が弾力的に活用され今後そういう災害が起きないことを望んでおりますが、同種の災害が起きた場合にも迅速に復旧ができることを私どもとしても期待しております。
#235
○野沢太三君 最後の質問でございます。
 ミニ新幹線あるいはスーパー特急というような形で在来線を相当な高速列車が走っているという形になりましたときに、一番心配なのは踏切事故でございます。大体昨年までに八百六十件ぐらいで横ばいになっておりますが、どうかひとつこれを徹底的になくしていくということで一層の御努力をお願いしたいわけでございます。
 その中で、連続立体交差の協定がまだ締結されていない。五年もたつわけでありますので、これをひとつぜひ早期に締結していただくということ。
 それから、一種の踏切事故が大変割合として大きくなってきておりまして、どうしても一種事故対策に真剣に取り組むということが大事であろうと思います。
 それから、三つ目は、構造改良の促進ということで、落輪、エンスト等が大変やっぱり多い。道路の幅よりも踏切幅が狭いという踏切がたくさんございます。これをひとつ徹底的に解消していただきたい。
 この三つをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
#236
○政府委員(大塚秀夫君) 連続立体交差化事業についての協定の見直しは、今運輸省と建設省で早期改定に努力しているところでございます。
 それから、一種踏切の事故が非常に多いということは私ども大変遺憾で、自動車側の責任によるものも多うございますので、これは各都道府県に設けられました踏切事故防止の協議会等の場におきまして具体的な事故の報告をし、今後の対策を検討していくというようなことで、地方の運輸局にも指示しJRにも指示しているところであり、今後一種踏切の事故防止に全力を尽くしたいと考えており、また、踏切道改良促進法も今国会で成立しましたので、そういう法律に基づく立体交差化あるいは保安設備の設置、構造の改良、また、踏切総合対策の実施等によって安全を期していきたいと考えているところでございます。
#237
○片上公人君 鉄道三法の質疑の前に本州三社の経営状況について、まず伺いたいと思います。
 先般、平成三年度の事業計画が発表されましたけれども、その中で各社の経営の重点はどこに置かれているのか、まずこれをお伺いしたいと思います。
#238
○政府委員(大塚秀夫君) 本州三社の平成三年度の事業計画における経営の重点としましては、平成二年度の事業計画でもそうでございましたが、引き続き国鉄改革の最終目標である完全民営化を目指しまして、特に本州三社は来るべき株式の上場・公開に向けて経営基盤の確立と社内体制の整備を図ることとしており、非常に厳しい競争条件の中で今後も鉄道輸送需要が確保できるように経営を改善していくということが重点的な経営方針とされております。
 さらに、各社共通でございますが、輸送安全の確保とサービスの改善にも力を注ぐ計画になっております。
#239
○片上公人君 三社の設備投資額はどうなっておるか。また、三社の設備投資面から見た重点はどこに置かれているのか伺いたい。
#240
○政府委員(大塚秀夫君) 本州三社の平成三年度の事業計画におきます設備投資額につきましては、JR東日本が二千七十億円、JR東海が二千七百四十四億円、JR西日本が千三十億円、三社合計で五千八百四十四億円になっており、これは前年に比べまして二四%増と、投資としましては積極的な内容でございます。
 この設備投資の具体的な内容を見ますと、これも各社共通でございますが、安全の確保については最優先とする経営姿勢のもとに、老朽設備の取りかえなど輸送の安全の確保に関する設備投資、これをまず第一とし、各社ごとにそれぞれ特色がございますが、JR東海の場合には東海道新幹線の輸送力増強投資に重点を置き、またJR東日本、JR西日本におきましては、大都市圏輸送等について相当な投資を行うこととなっております。
#241
○片上公人君 先ほど話がありましたけれども、近年JR関係で事故が増加しておるという報道がございますが、この事業計画におきまして本州三社の安全対策の具体的内容について説明を願います。
#242
○政府委員(大塚秀夫君) JRの事故は件数では減少傾向にありますが、依然として重大事故が多いということは事実でございます。
 そこで、今回の平成三年度の事業計画におきましても各社共通して安全対策を重点としているところであります。本州三社の平成三年度の事業計画における安全対策につきましては、平成二年度に引き続き各社とも運輸事業者の基本的使命が安全の確保にあることを認識しまして、設備面や社員の教育、訓練の充実など一層の対策を講じることとしております。
 具体的に申しますと、JR東日本の中央線、JR西日本の関西線など主要線区へ改良型自動列車停止装置、いわゆるATS―Pを導入することとしており、また、踏切事故防止対策の推進を掲げております。さらに、JR東海では、JR東海の管内でございます東海沖地震対策のためのユレダスの設置等をその事業計画の中に挙げておりますし、これも各社共通でございますが、基本動作の確認、特に指差喚呼の励行など各種の訓練を現場において徹底する、社員の安全知識、技能の向上を図るというような点を事業計画の中でも重点にしているところでございます。
#243
○片上公人君 この事業計画では三社の平成三年度収支はどの程度になると見込んでいるのか。また、今回の譲渡による影響はどれぐらいと各社は計算しているか伺いたいと思います。
#244
○政府委員(大塚秀夫君) これはあくまでも事業計画でございますので、相当利益の計上等もかたく見積もっている面もございます。
 平成三年度事業計画における本州三社の経常損益につきましては、本年十月一日の新幹線の買い
取りの影響を織り込んだ上で、東日本が千八十八億円の利益、JR東海が九百四十億円の利益、西日本が五百七十四億円の利益を見込んでおります。JR七社全体の経常利益はほぼ今年度と同額ということで、先ほど申し上げましたように、かたく見込んでおりますので極めて順調な計画と我々は判断しております。
 また、本年十月一日に予定しております新幹線の譲渡による損益影響につきましては、三年度下期からリース料がなくなるかわりに新幹線資産の譲渡を受けます関係上減価償却費が計上され、また、譲渡代金の利子が経費に計上されることになりますが、各社が試算した平成三年度の影響額は、JR東日本が約二百九十億円、JR東海が約百六十億円、JR西日本が約四十億円でありまして、その影響がピークとなる平成四年度の影響額は、JR東日本が約五百七十億円、JR東海が約四百二十億円、JR西日本が約百億円となっております。
 JR三社のこれまでの経営実績、また、最近の経営環境を考えますと、営業収益も増加いたしますので、このような新幹線譲渡に伴う経費増の影響を考慮しても、なお所要の経常利益、特に上場に必要な経常利益の確保は十分可能であり、各社の経営負担力の範囲内に新幹線譲渡はあるものと考えております。
#245
○片上公人君 国鉄時代と比べましてどのくらい収支は改善したと理解すればいいか伺いたいと思います。
#246
○政府委員(大塚秀夫君) 国鉄時代と比較するのは大変難しいところがございまして、国鉄時代に抱えておりました膨大な長期債務が清算事業団に承継されたというようなこともございますが、国鉄時代に大幅な赤字を出していたものが、今申し上げましたように、JR七社合計で約二千六百八十四億円の経常利益を計上し、かつ先ほども申し上げましたが、国税を千億円払っているというような状況を考えますと、大幅に経営は改善されたものと私どもは考えております。
#247
○片上公人君 JR株式の件でございますが、非常に経営状態もいい。先ほどもお話を聞きますと、株式の売却収入を平成三年度予算にも計上しているように聞いております。
 ということであれば、これはやはり今年じゅうに上場するし、また今年度じゅうに売却するのが政府方針である、こう受けとめていいわけですね。
#248
○国務大臣(村岡兼造君) JRの株式につきましては、平成元年十二月の閣議決定において「平成三年度にはJR株式の処分を開始する方向で」「JR各社の経営動向、株式市場の動向を見極めた適切な処分方法等多角的な視点からの検討、準備を行う。」こととされておりまして、この閣議決定の趣旨に沿って検討、準備を進めているところであります。
 その一環としてJR株式の売却・上場に関する基本問題についての指針を得るため、昨年三月から各分野の有識者をメンバーとしたJR株式基本問題検討懇談会を開催しているところであり、その検討結果を踏まえ適切に対応してまいりたいと考えております。
#249
○片上公人君 市場動向というのも大いに考えにゃいかぬところかもしらぬけれども、僕が思うに、市場動向といっても、幾らプロでもこれは判断できる場合とできない場合がありますね。だから、素直に売却するということが非常に大事なんじゃないか。
 これをもし売却しないときは、その収入不足はどう処理するか。二十七兆円にもなるような国鉄清算事業団の借金を減らすためにも、私は、株式については素直にもう当たり前に上場し当たり前に売却していく。その後は先ほど野沢先生がおっしゃったように、だんだんよくなるようになればいいんではないか。だから、余り考え過ぎてちゅうちょするよりかは素直に行動する、そういうことが非常に大事だと、こう思いますが、いかがでしょうか。
#250
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、先生言われますとおり、JRの完全民営化ということからいえば早期な処分が必要でございますが、同時にこの株式の処分というのは清算事業団の抱えます二十六・二兆円の長期債務の貴重な償還財源でございます。そういう意味においては適切な処分ができる時期ということも考えなければならない。
 それを総合的に判断する必要がありますとともに、JR各社の資本金を考えますと、これが市場に出たときの株式売却に必要な資金量というのは相当大きな額になりますので、それが株式市場に与える影響ということも考えなければならない、こういう点を総合的に判断すべく、今JR株式基本問題検討懇談会で検討しておるところでございます。
 いずれにしましても、清算事業団の長期債務というのも、これは金利が毎年発生いたしますので時間との競争ということもあり、JRもできるだけ早く完全民営化することが国鉄改革の趣旨でございますので、我々としては所要の検討準備は進めておりますが、今申し上げましたような問題点について現在懇談会等で検討中という状況でございます。
#251
○片上公人君 このJR株式につきましても、NTTと同じように政府持ち株は、これは残るわけですか。
#252
○政府委員(大塚秀夫君) NTTの場合には法律上政府が一部を保有するということに現在のところはなっているわけでございますが、JR株式については、国鉄改革時からその全額を処分して完全民営化するということになっておりますので、現在清算事業団がJR株式を全額保有しておりますが、最終的には清算事業団の保有する全株式を処分する予定でございます。
#253
○片上公人君 株式の上場の後、JRの正常な会社運営のためには安定株主の存在が必要だと思うわけですが、大口株主枠をつくるなどの対策は講じていらっしゃるのかどうか伺います。
#254
○政府委員(大塚秀夫君) JRというのは完全民営化後も公益性の高い、公共性の高い鉄道事業を運営するわけでございますから、株主構成におきましても安定株主の確保というのが重要な課題になろうかと思います。
 この点につきましては、JR自体も上場に備えいろいろ対策を検討しているところでありますが、運輸省としましても、JR株式基本問題検討懇談会の場におきまして安定株主対策というのはどのように考えればいいか、また、その対策を講ずるとすれば売却方法その他において何らかの措置が必要かどうか、前例等も踏まえながらただいま検討しているところでございます。
#255
○片上公人君 次に、譲渡法に関する質疑を行いたいと思います。
 先ほども触れられましたけれども、改革時においては、既設の四新幹線は各社にこれは譲渡しない、そして、新幹線鉄道保有機構が一括して保有するということでございましたけれども、今回これを譲渡するねらいについてもう一度説明願います。
#256
○国務大臣(村岡兼造君) JRの株式の売却・上場は、JRの完全民営化への道であるとともに、株式の売却収入により清算事業団の長期債務の円滑な処理を行うことができるので、国鉄改革の一層の進展を期待できるものであります。
 本州三社の株式の売却・上場に際しては、現在保有機構から借り受けている巨額の新幹線資産と、これに係る債務の確定がなされていないこと、設備の維持更新に必要とされる内部留保が十分でないという財務体質上の問題があることにより、今回保有機構が保有する新幹線施設を適正な譲渡価額、その他一定の譲渡条件で本州三社に譲渡することとしたものであります。
#257
○片上公人君 今回の譲渡によりまして三社とも損益が悪化することになるわけですが、各社の株式上場に支障が生じるというような事態、これは招かないですね。
#258
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほども平成三年度の事業計画の内容について御説明申し上げましたが、新幹線の譲渡によって本州三社の各社につき
ましては経費の増加する部分がございます。
 これは新幹線を譲渡いたしますと、従来リース制でありましたリース料が不必要になって、その分経費が少なくなりますが、他方、新幹線資産を持ちますと償却をしなければならない。その減価償却費が計上されます。これは実際に金が出ていくわけじゃなしに内部留保になるわけで、経営内容としては基盤強化につながるわけでございますが、損益計算書上は経費増になる。それから、譲渡代金の金利が計上される。
 この償却費と金利の計上によりまして、リース料を差し引きましても各社に影響がございますが、営業収益の現在の状況あるいは経費の抑制方向等を考えますと、上場に支障がないと考えております。
#259
○片上公人君 この新幹線の買い取りによりまして、JR本州三社の長期借入金額というのは幾らぐらいになるんですか。
#260
○政府委員(大塚秀夫君) 平成二年度末におきまして本州三社の長期債務残高は、東日本が二兆四千七百億円、JR東海が三千七百億円、JR西日本が六千八百億円と見込まれておりますが、本年十月一日の新幹線譲渡時におきましては、これに九・一兆円の譲渡代金債務がそれぞれ分割されて加わりますので、単純にそれを加算いたしますと、JR東日本が五兆五千五百億円、これは三兆八百億円ふえるわけでございます。JR東海が五兆四千五百億円、これは五兆八百億円ふえるわけでございます。また、JR西日本が一兆六千五百億円、これは九千七百億円ふえるわけでございますが、そのように試算されております。
#261
○片上公人君 相当な借金を抱えるわけですが、これで本州三社の経営についても大丈夫なのかなと思いますが、この辺はどうですか。
#262
○政府委員(大塚秀夫君) もちろん本州三社としてもできるだけ今後も経営の効率化、営業収益の増大に努めてもらわなければならないわけでございますが、今の譲渡につきましては、一方で各社の長期債務が増加することになりますが、これは従前リース制度のもとで帳簿にあらわれていなかった債務が譲渡に伴い帳簿上明確にあらわれてきたことが大きな要因でございまして、実質的には本州三社の経営を圧迫するものではないと考えております。
 むしろ、先ほども申し上げましたが、今回の譲渡によりまして、各社は新幹線資産のうちの償却資産について減価償却を行い、内部留保を充実できるようになるために自己資金の確保が容易になる、そういうことで総合的に判断すれば借入金の返済という側面におきましてもプラスの効果があるものと考えております。
#263
○片上公人君 JRが上場された場合のJRに対するいろんな規制ですね、それがどのようになるのか伺いたいわけです。
 上場された場合、まず、現在の旅客会社法によりますところの人事、財務等に関する規制、これは廃止されるのは当然だと考えますが、それについて、まず伺います。
#264
○政府委員(大塚秀夫君) 現在、JRの六社の旅客会社と一社の貨物会社というのは清算事業団が株式を全額保有する特殊会社でございますので、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律に基づきまして、代表取締役の選任、毎年度の事業計画などにつきまして特殊会社としての規制を受けているところでございます。
 これからJRにつきまして上場し、株式を全額処分して完全民営化を図るという観点からしますと、これらの会社法の規制は特殊会社なるがゆえの規制でございますので、基本的には整理することが適当であると考えております。
#265
○片上公人君 その廃止のための法改正はいつ国会に提出するつもりか、お伺いします。
#266
○政府委員(大塚秀夫君) 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律についての改正の具体的な時期と、その法的手当ての内容につきましては、現在JR株式基本問題検討懇談会におきましてのJR株式の売却・上場に関する指針の検討結果を踏まえながら、具体的な方針を固めてまいりたいと考えております。
 この法律におきましては具体的に各JRの会社名が書いてございまして、同時に各社が完全民営化するなら、この法律全体を改正して整理するということになりますが、もし順番があり、順次完全民営化ということになると、これは順次この法律からその会社のみを外していくというような技術的な問題もございますので、どのように今後完全民営化していくか、その時期はどうするかというようなことと、この法律改正の時期、内容が絡んでくるものでございますので、今そういう時期、方法等を検討しておりますので、その結果によって我々もこの法律改正の中身を検討しなければならないと考えております。
#267
○片上公人君 現在の鉄道事業法による規制というのは、ほかの電力事業や通信事業に対する規制よりも、これは厳しい規制でしょうか。
#268
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道事業につきましては極めて公共性が高いことにかんがみまして、これはJR、私鉄共通でございますが、利用者保護及び鉄道事業の経営基盤の確保の観点から、鉄道事業法によりまして鉄道事業について自由な参入を規制するとともに、運送引受義務を課し、また、運賃・料金については原則として運輸大臣の認可とする等、いろいろな規制を行っているところでございます。
 ただ、これらにつきましては、同じ公益産業でございます電力事業、電気通信事業などについても同様な事業法に基づく規制がなされておりまして、これら公益事業を並べて検討しましても、鉄道事業に対する規制が他の公益事業に比較して特に厳しいということはないものと考えております。
#269
○片上公人君 将来、この鉄道事業の規制をどのようにしようと考えていらっしゃるかということをお伺いしたいと思います。
#270
○政府委員(大塚秀夫君) 昭和六十二年の国鉄改革時におきまして、従来の地方鉄道法にかえてJR、私鉄を共通して対象とする鉄道事業法というものが制定されたわけでございます。
 鉄道事業の高度の公共性にかんがみまして、先ほども申し上げましたが、鉄道事業の運賃・料金について原則として運輸大臣の認可とする等、事業運営の面において一定の規制をしております。
 しかし運賃・料金について例を挙げますと、一方で規制をしている面もございますが、他方で入場料金、手荷物料金など運輸に附帯するサービスに係る料金につきましては、従来の認可制をこの鉄道事業法によって届け出制に緩和するとともに、運賃の営業政策上の割引につきまして届け出で実施できる範囲を拡大するなどの規制緩和もこの時期に行っておりまして、これによりJR各社も利用者の多様なニーズに対応して創意工夫を凝らした弾力的な営業割引を現在行っているところでございます。
 そこで、鉄道事業法上の運賃・料金に関する規制の必要性、またその他の規制については、今回の国鉄改革の総仕上げに当たっても鉄道事業法制定後何ら事情が変わっておりませんので、現時点ではこれらを緩和するという問題意識は特に持っておりません。
#271
○片上公人君 それから、東海道新幹線の抜本的な輸送力増強対策としてJR東海が提案しておるところの品川新駅構想ですが、現在のところどういう検討状況なのかお伺いしたいと思います。
#272
○政府委員(大塚秀夫君) 東海道新幹線につきましては最近輸送需要が予想以上に伸びておりまして、需給が逼迫しているという状況にございます。自由席も一〇〇%を超えるような時間帯が出ている。
 そこで、東海道新幹線を今後輸送力増強していかなければならないという問題意識を私どもも持っておりまして、学識経験者等を含めた東海道新幹線輸送力問題懇談会を開催して、東海道新幹線の輸送力増強の必要性、また、輸送力増強策について各種の技術的検討を行っているところでございます。
 品川新駅という問題がいろいろなところで言わ
れますが、これはJR東海が提案している輸送力増強策でございまして、品川に新駅及び車両基地を設けるという案になっております。
 もちろん、懇談会においても輸送力増強策の一つの案としてこの品川新駅問題も技術的に検討を行っているところでございますが、用地をいかに確保するか、どのようにJRがその用地を取得するか等、いろいろな解決すべき課題もあり、また他の案との利害得失も論じなければならないというような状況で今審議を継続中でございまして、できるだけ早く結論を得たいと考えております。
#273
○片上公人君 次に、全国新幹線鉄道整備法の関係について伺います。
 スーパー特急、ミニ新幹線の建設に際しましては、まず、暫定整備計画を定めることとなっておりますが、暫定整備計画においてはどのような内容が定められるのか伺いたいと思います。
#274
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の全国新幹線鉄道整備法の改正におきましては、附則でいわゆるミニ新幹線及びスーパー特急、それぞれ新幹線鉄道直通線、また、新幹線鉄道規格新線と定義しておりますが、これを整備するときの手続及び助成策を規定することとなっております。本来のフル規格につきましては、本則で基本計画の次に整備計画をつくることになっておりますが、これと同様にミニ、スーパーの区間については附則で暫定整備計画をつくることになるわけでございます。
 したがいまして、この暫定整備計画につきましてはフルの整備計画に準じた内容になるわけで、具体的には政令において定めることとなっており、これから政令を策定する必要がございますが、今のところ政令におきましてはスーパー特急またはミニ新幹線を整備すべき区間ごと、ミニの場合におきましては青森―盛岡間のうち盛岡―沼宮内間、また、八戸―青森間ということになりますし、スーパーにつきましては、もし長野―軽井沢間がフルになる場合には八代―西鹿児島間という、そういう区間になるわけで、その点が本則の整備計画での整備五線のそれぞれ始点から終点までという計画と違った点でございます。
 そういった基本スキームに基づく区間でスーパー、ミニで行うところについて、その区間別に、まず、スーパー、ミニの別、それから走行方式、これは粘着駆動方式というのが通常で、リニアでなければ粘着駆動方式というような表現になります。それから最高設計速度、これは現在のところミニにつきましては百三十キロ程度、スーパーにつきましては百六十キロから二百キロの間を考えておりますが、そういう最高設計速度、それから建設費の概算額、その他必要な事項ということで、このような内容を定めることになっております。
#275
○片上公人君 この暫定整備計画が決定された場合、現行の整備計画、これはどうなりますか。
#276
○政府委員(大塚秀夫君) 今も申し上げましたように、本来はフル規格につきましては本則に基づいて、特に整備新幹線五線につきましては昭和四十八年十一月に整備計画が定められているところでございます。今回は、法律上も新幹線鉄道網が形成されるまでの間の暫定的な措置として新幹線鉄道に準ずる高速鉄道網をつくるということで、このようなスーパー特急あるいはミニ新幹線の建設を行うわけでございますので、これについていわゆる暫定整備計画をつくります際にも、従来の整備計画は、これは昭和六十三年八月と平成元年一月に決定されました基本スキームにおいても従来の整備新幹線の整備計画がすべて維持されるということを前提としておるこのスキームに沿っているわけでございますので、依然として生きているという形になるわけでございます。
 生きておりますが、実際には暫定整備計画に基づいてミニやスーパーを整備する。将来、フル規格という問題が出てきたときにその生きている整備計画が実際にまた活動すると、こういう形になろうかと思います。
#277
○片上公人君 スーパー特急、ミニ新幹線を建設していく場合について伺うわけですが、整備新幹線の建設を行っていくことによりまして、JRが再び第二の国鉄になるおそれというのはないでしょうか。
#278
○国務大臣(村岡兼造君) 整備新幹線につきましては、整備新幹線の基本スキームに沿った整備を進めてまいりたいと考えております。
 この基本スキームは、多極分散型国土の形成を図り、国土の均衡ある交通体系の整備が不可欠でありますが、このためにはJR各社に対して過大な設備投資を求め、第二の国鉄とするようなことは絶対にしてはならないとの基本的認識に立って決定されたものでありまして、したがって、JRが再び第二の国鉄となるようなことはないし、またあってはならないと考えております。
#279
○片上公人君 JRの株式が上場され、真の民間会社となるためには経営の自主性が必要だと思いますけれども、整備新幹線の政府・与党申し合わせなどで勝手に建設着工の方針を出しているようでは、これは国鉄の二の舞になると思いますけれども、この点についてはどうですか。
#280
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線に関します基本スキームにつきましては、昭和六十三年八月のスキームによりまして建設の進め方などが、また、平成元年一月のスキームにより建設費の負担割合などが、またさらに、昨年暮れ、平成二年十二月のスキームにより財源措置等が決定されて、整備新幹線五線のうち三路線五区間の今後の整備の方向を決めたものでございます。
 これらのスキームは、営業主体でありますJRの意見を十分聞いた上で決定しておりまして、このスキームそのものがJRの意向が反映されたものとなっているというのが第一点でございます。
 また、現在御審議いただいております鉄道三法のうち全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案が成立しますと、手続的に暫定整備計画の決定、工事実施計画の認可等を行うわけでございますが、暫定整備計画を決めます際にも、また工事実施計画の認可をします際にも法律上JRの意見を聞いて進めることとなっておりますので、JRの経営を圧迫するような場合にはJRがそれなりの意見を出すということで、国鉄の二の舞となるようなことは法律上の仕組みからも絶対にないと考えております。
#281
○片上公人君 平成三年度予算では整備新幹線がすべて着工されるのかどうか、また、公共事業費は幾ら投入されるのか、それは全体の建設費の何%に当たるのか伺いたいと思います。
#282
○政府委員(大塚秀夫君) 平成三年度予算におきましては東北新幹線の盛岡―青森間、それから九州新幹線の八代―西鹿児島間について着工するとなっております。
 ただ、今、東北新幹線の盛岡―青森間につきましては地元の一戸町が反対の意思表示をしておりまして、この問題について地元の調整が行われましたら着工するということになろうかと思います。九州新幹線の八代―西鹿児島間については所要の認可手続等を経て着工することになると思います。
 それからもう一つ、北陸新幹線の長野―軽井沢間につきましては、これは必要な調整を行った上でフル規格で着工するということになっております。この「必要な調整を行った上で」というのは、その方法、並行在来線の取り扱い等につきましてJRと調整が残っているということとともに、信越本線の取り扱いについてまだ地元の御代田町、小諸市が賛成していないという状況でございますので、これについても地元で必要な調整を行っていただく、そういう前提の上で、今申し上げました三区間について着工するということになっております。
 なお、このほかに北陸新幹線の高岡―金沢間については着工調整費が計上されております。これにつきましては高岡―金沢間のこれは新幹線鉄道規格新線の区間でございますが、並行在来線の取り扱いについて地元でいまだ結論が出ておりませんので、地元で並行在来線の取り扱いについて結論が得られることを条件として着工するという趣旨の調整費が計上されているわけでございます。また、基本スキームの五区間のうち糸魚川―魚津
間については並行在来線の検討状況等が進んでおりませんので、平成三年度の着工は見合わせ、予算は計上しておりません。
 これらの事業費のうち、国の公共事業費については百二十八億円、これは平成二年度は七十一億円でございましたので五十七億円増でございますが、百二十八億円計上しており、国の公共事業費NTT・Bの予算で見ますれば、全体の建設費の約二〇%でございます。
#283
○片上公人君 国の負担はもともと建設費の三五%ということでございましたが、そう認識していいですね。
#284
○政府委員(大塚秀夫君) これは基本スキームによりまして、駅付近の施設については国と地方が二五%ずつ、その他の区間については、国が四〇%、地方が一〇%ということで、これを全線に平均して言いますと、大体国が三五%、地方が一五%となるということで、平均的には国の負担割合は三五%でございます。
#285
○片上公人君 今後、国としては公共事業費をきちんと投入することが大事だと思いますが、そういう考えはあるわけですね。
#286
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほども申し上げましたように、平成三年度の整備新幹線の事業費のうち公共事業費は約二〇%でございます。残りの一五%につきましては、新幹線の譲渡代金の一部を活用してこれを特定財源とし、残りの一五%に充当することとなっております。新幹線の譲渡代金の一部につきましても、新幹線の施設、これが準国有財産とも言うべき公共性の高い資産であるので、国の負担分に充当してしかるべきだという判断から充当させていただいているわけでございます。
 今後もJR関係の整備新幹線を整備していく際には、この負担割合は当然維持されるものでございますが、国の負担割合三五%につきましては、今のように公共事業費と新幹線の譲渡代金で充当していくことになりますが、私どもとしましても国の公共事業費についてはできるだけ今後も確保していかなければならないと考えております。
 特に、平成四年度以降は事業費も増大いたしますので、これらと相まって国の負担分を確保していく必要があり、そのような努力を継続したいと考えております。
#287
○片上公人君 この整備新幹線によるところのJRの経営上の負担というのは厳しいものがあると思うわけです。
   〔委員長退席、理事谷川寛三君着席〕
公共事業費の投入が少なくてJRの負担がふえることがあっては、これはもうそれこそ第二の国鉄になるもとになりますから、その点についてもう一度お願いします。
#288
○政府委員(大塚秀夫君) 今、申し上げましたように、整備新幹線の負担割合というのは、国が平均して三五%、地方が一五%、JRの負担割合が五〇%ということになっています。
 このJR負担の五〇%というのは、今回の基本スキームにおきましては、まず、将来の開業後の貸付料を充てる。これは私ども平均して二〇%と見ておりますが、これは将来、開業後に、開業に伴う整備新幹線の運営による受益の限度で貸付料を取るということになっているわけでございます。その受益の限度の貸付料以外はJR負担の五〇%分につきましては新幹線譲渡代金の一部を充当する、こういうことになっておりますので、JRの負担というのは整備新幹線の整備がどのように行われようと将来開業後の貸付料を払うだけであると、しかも、その貸付料というのは受益の限度であると、こういう意味でございますので、公共事業費の投入が少なくても今のように国の三五%分は新幹線譲渡代金の一部と公共事業費を充てることになっておりますし、JR負担分がそれによって変わるわけではございませんので、JRのこれからの負担が過大になるとかあるいは経営を圧迫するということはないと考えております。
#289
○片上公人君 今のお話ですと貸付料については開業後の受益の限度内とする、こういうようなお話でございますけれども、もう一つは、その貸付料も着工前にはっきりするとともに、将来譲渡するときの条件についても明らかにすべきだと思いますが、この辺いかがですか。
#290
○政府委員(大塚秀夫君) まず、貸付料につきましては、今申し上げましたように、貸付料の概念といいますか仕組みについては今もある程度明らかになっていると思います。受益の限度でございますから、今後整備新幹線にどのように投資されていっても将来完全民営化したときの株主の保護に欠けるところはないと私どもは考えているわけでございます。
 具体的な貸付料になりますと、これは開業前に決めなければならないわけでございますが、受益がどの程度あるか、恐らくJRはできるだけ少なく見積もってくるでしょうし、私どもと鉄道建設公団はできるだけ多く見積もらなければならないというので、その協議は相当厳しいものがあろうかと思われるわけでございます。そういう意味で、今後十分関係者が協議して決めていかなければならないと思っております。
 それから、将来の譲渡その他の状態につきましては、これも先ほど申し上げましたが、既設新幹線がほとんど借入金に依存して、また、収益性の高い事業であるということから今回譲渡するわけでございますが、それに対しまして整備新幹線というのは、国の金も公的な資金を相当投入してつくるものでございますから、現在のところその譲渡ということは考えておらず、日本鉄道建設公団が保有し、これをJRに貸し付けるということで、この点も株主に対しては明確にされているものと考えております。
#291
○片上公人君 この譲渡条件を含めましてJRの負担のあり方ですね、建設費を払い終わっても代金が既設の新幹線みたいに上積みされて将来JRが買うとなると、経営に相当悪影響を及ぼすと心配するわけですが、この譲渡条件を含めましてJRの負担のあり方を着工前に明らかにすべきであると考えますけれども、これについて再度答弁をお願いします。
#292
○政府委員(大塚秀夫君) 着工の際にもJRの意見を、先ほど申し上げましたように、聞く機会がございますので、いろいろそういう意見も出てくると思われます。
 ただ、この貸付料のもとになります受益というのは、その輸送需要の動向によって変わってくるわけでございますから、なるべく開業に近い時点で予測するのが最も正しい受益の予想になろうかと思います。
 そういう点で、JRの意見ももちろん踏まえますが、また、その仕組みについては、さらに、先ほど申し上げました鉄道建設公団の政令等できちっと今後定めていく必要があろうかと思いますが、具体的な貸付料については、これは国家負担を投入した新幹線という意味からもなるべく客観的に正しい数字が出る時期を選んで受益料を決めるべきだと考えているわけでございます。
#293
○片上公人君 次に、一部には選挙対策ではなかったのではないかという話がありますところの、昨年十二月に政府は軽井沢―長野間をミニからフル規格にするようにしましたけれども、これはもう決定したことですか。
#294
○政府委員(大塚秀夫君) 軽井沢―長野間の規格につきましては他の区間と異なりまして、昭和六十三年の基本スキームにおきましても三年以内に決定することとされておりまして、この結果、新たな財源確保等によって三新幹線の着工を決めました昨年暮れの申し合わせで軽井沢―長野間につきましても「必要な調整を行った上で」フル規格で建設することとされたものでございます。したがいまして、以前の基本スキームから軽井沢―長野間については、フル規格でもミニ規格でも十分魅力のある効率的な区間だという判断があったわけでございます。
 したがいまして、この「必要な調整」ということが残っておりますが、現在私どもとしては地元長野県を中心とした調整を見守っている段階にあります。
#295
○片上公人君 仮にフル規格となった場合、その
工事費は大体どれぐらいになりますか。
#296
○政府委員(大塚秀夫君) 軽井沢―長野間についてミニの場合が六百億円であるのに対しまして、フルになった場合には三千六百億円と考えております。
#297
○片上公人君 この工事費増によるJRの負担、これは増加すると思うわけですが、その増加工事費はだれが負担するわけですか。
#298
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほども申し上げましたけれども、基本スキームに基づく整備新幹線の建設費の負担割合というのは、その整備新幹線がミニでありましてもスーパーでありましてもフルでありましても変わらないわけでございます。したがいまして、軽井沢―長野間についてミニの場合の負担割合とフルの場合の負担割合は変わりません。ただ、建設費が変わってくるわけでございます。
 そこで、三千六百億円になりました場合も、負担割合としては国が三五%、地方が一五%という公的負担が五〇%、それに対してJR負担が五〇%になるわけでございますが、このJR負担の五〇%といいますのは、先ほども申し上げましたように、そのうちの一定割合は軽井沢―長野間がフルとして開業した後の受益を限度とした貸付料をJR東日本に課し、その貸付料で建設費を賄う。当面、開業までは借入金で建設しまして、その借入金について貸付料で償還していく、こういう仕組みになるわけでございます。
 そして、その受益を限度とした貸付料以外は、この額が幾らであろうとJR負担の五〇%の中の残りは新幹線譲渡代金の一部を充てる、こういうことになっておりますので、確かに受益の限度が変わってまいりますればミニとフルの場合で貸付料は変わります。フルの場合の方が受益が大きくなりますれば貸付料の絶対額も上がりますが、これはそれだけ収益をJR東日本が上げるということでございますので、JRの経営から見ますればミニの場合もフルの場合も全く影響は変わらない、こういうふうに私ども考えているわけでございます。
#299
○片上公人君 ということは、工事費が増加しましてもJRの負担はあくまでJRの将来の経営に悪影響を及ぼさない範囲である、こう確認していいわけですね。
#300
○政府委員(大塚秀夫君) そのとおりでございます。
#301
○片上公人君 今回建設を行うスーパー特急、ミニ新幹線はどのような点でフル規格新幹線に準じた高速鉄道なのか、この説明をお願いしたいと思います。
#302
○政府委員(大塚秀夫君) スーパー特急というのは法律上では新幹線鉄道規格新線と呼んでいるわけでございますが、この新幹線鉄道規格新線というのは、その新線部分については大部分の構造についてはフル規格と同様なものにする。ただ、当面新幹線とつながりませんので、レールだけが在来線と同じ幅で走る。そういう意味で、この新幹線鉄道規格新線を走っている間は在来の特急が走りましても大変スピードが速い、大体百六十キロから二百キロの最高速度の設計ができると考えております。そういう意味におきまして、今の在来線の最高速度が常磐線特急「ひたち」とかあるいは湖西線の最高速度が百三十キロ程度でございますので、百六十キロから二百キロ出す、しかも構造がほとんど新幹線のフル規格と同じであるという点で新幹線に準じたものと考えております。
 それから、ミニ新幹線につきましては、これは在来線の狭軌のレールにもう一本レールを敷いて広軌も走れるようにし、在来の線に今の新幹線鉄道の線から新幹線鉄道の列車が乗り入れる、こういう形になるわけで、法律上は新幹線鉄道直通線と言っておりますが、この場合には在来線の上を走るわけでございますからスピードはスーパー特急ほど出ませんが、最高速度で約百三十キロと考えております。これも在来線では最も速いスピード、しかも新幹線と直通いたしますので乗りかえ時間も要らなくなる、直通列車が走る。例えば、青森までミニがございますが、東京から青森まで直通の新幹線が走る。そういう意味で、これもフル規格新幹線に準じたものと我々は考えて法律上規定したわけでございます。
#303
○片上公人君 これらの規格を考えられるに当たりましていろいろ研究されたと聞いておりますけれども、運輸省規格案の考え方について御説明願います。
#304
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線につきましては昭和四十八年にその整備計画を決定したところでございますが、その後二度にわたるオイルショックがあり、鉄道輸送需要が減少し、また、国鉄の経営悪化などによりまして財源問題などについて結論が得られず、その後平成元年度まで着工ができない形で整備計画が凍結されておりました。
 このような中で運輸省案の検討が行われましたが、この検討は従来型の新幹線規格、フル規格の施設整備を大前提としておりましたら事態の打開は今後とも著しく困難であるという認識に立ちまして、フル規格の整備計画に定められた具体的路線に即しまして、技術的、専門的立場からつぶさに検討を行ったわけでございます。
 この結果、投資効果や時間短縮効果を配慮しながら、現実的かつ合理的な規格の圧縮を行うこととし、いわゆるスーパー特急やミニ新幹線、フル規格に比べたら建設費が非常に安くなる、このようなものを組み合わせて、また、緊急性があり効率性の高い区間をまず取り上げるということで運輸省案を策定したものでございます。
#305
○片上公人君 この法律が成立した後、着工までの手続、これはどのようになるのかお伺いします。
#306
○政府委員(大塚秀夫君) 平成三年度予算に建設費などを計上している区間につきましては、その着工のためには、平成三年度予算が成立しましたので、現在御審議いただいております全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案が成立しますれば、まず、運輸大臣がJRの同意を得て暫定整備計画を決定することになります。これはミニ、スーパーの区間についてでございます。フルについては既に整備計画が定まっております。
 それから、日本鉄道建設公団がJRとの協議の上、工事実施計画を定めて運輸大臣に申請します。
 それから、これは工事実施計画の認可前という基本スキームになっておりますので、並行在来線のJRからの経営分離を確認することになっております。もちろん、JRが経営を継続することを希望している区間は別として、分離を希望している区間については地元の調整を経て経営分離を確認する。経営分離を確認した上で申請しました工事実施計画の認可をする、こういう諸手続が必要でございます。
 これらの諸手続が速やかに進むように努めて、できるだけ早く今年度着工できるところは着工したいと考えておる次第でございます。
#307
○片上公人君 要するに、営業を担当するJRの同意を得た上で着工する、こういうことでいいんですね。
#308
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の建設の着工に当たりましては、今御審議をお願いしております全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案におきまして暫定整備計画を決定する際も、今先生御指摘の営業主体となるJRの同意を得た上で行うこととすること、また工事実施計画の認可を行うに当たっては日本鉄道建設公団が営業主体であるJRと協議することを前提としておりますので、そのいずれの段階におきましてもJRの意見が十分反映するような仕組みになっているところでございます。
#309
○片上公人君 この整備新幹線の整備を今後どのように考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。
#310
○国務大臣(村岡兼造君) 現在御審議をいただいている法案が成立すれば、既設新幹線譲渡収入等を財源として鉄道助成を総合的に実施する鉄道整備基金を設立し、その譲渡収入の一部と公共事業関係費等により整備新幹線の建設を推進すること
としているところであります。
 平成三年度におきましては基本スキームに従い整備新幹線三区間を着工することといたしておりますが、五区間についてもおおむね十年後を目途に整備を行っていきたいと考えております。
   〔理事谷川寛三君退席、委員長着席〕
#311
○片上公人君 フル規格新幹線にかえてミニ新幹線やスーパー特急を導入する趣旨について伺いたいと思います。
#312
○政府委員(大塚秀夫君) いわゆるミニ新幹線、スーパー特急につきましては昭和六十三年八月に運輸省が提案した規格案でございますが、この運輸省案は、多極分散型国土の形成を図り、国土の均衡ある発展を達成するためには高速の幹線交通体系の整備が不可欠でございますが、このためにJR各社に対して過大な設備投資を求め、第二の国鉄とするようなことは絶対にしてはならないとの基本的認識に立って、高速化を効果的に発揮し得る現実的で合理的な規格案を提案したものでございます。
 具体的には、全国新幹線鉄道整備法の整備計画のある区間に即しまして、技術的、専門的立場からつぶさに検討を行った上で、投資効果を考慮しまして各線ごとに極めて時間短縮の高い施設整備を行うこととし、このような観点から規格の圧縮をした次第でございます。
 整備新幹線五線につきまして、千四百四十キロ全部を整備する場合の建設費の見積もりが五兆三千三百億円、東北新幹線、北陸新幹線、九州新幹線だけですと二兆九千二百億円と計算されるわけでございますが、運輸省案の五区間でいきますれば、軽井沢―長野間をフルにしました場合、一兆六千五百億円という経費に圧縮される、こういうことで運輸省規格案をつくった次第でございます。
#313
○片上公人君 このミニ新幹線やスーパー特急をフル規格新幹線にするにはどういうふうな条件が満たされたときにそうなるのかということを伺いたいと思います。
#314
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の全国新幹線鉄道整備法の一部改正によります措置は、従来の整備計画に基づきますフル規格の新幹線の建設が当面困難なことから、基本スキームに沿って着実な建設を進めようとするものであり、将来フル規格とするか否か、その時期の判断につきましては基本スキームに基づく建設の進捗状況、収支採算性の見通し、並行在来線の取り扱い、財源問題、国民経済上の投資効果等を見きわめつつ、またJRとの協議を踏まえつつ対処することとなると考えておりますが、法律上は新幹線鉄道に準ずるものとしての高速鉄道は、これは暫定的な計画であるという認識にあくまでも立っております。
#315
○片上公人君 フル規格にするとした場合、その工事費は大体どれぐらい必要なんでしょうか。
#316
○政府委員(大塚秀夫君) フル規格にするという場合に、現在のミニ、スーパー区間だけじゃなしに、整備計画というのは整備五線全体についてあるわけでございます。すなわち東北新幹線盛岡―青森間、北陸新幹線では高崎―小松間、九州新幹線では博多―鹿児島間、北海道新幹線が青森―札幌間、さらに北陸新幹線の小松―大阪間、九州新幹線の博多―長崎間、この五ルートにつきまして全部フルにした場合には、先ほどもちょっと申し上げましたが、五兆三千三百億円という計算になっております。
#317
○片上公人君 現在、リニアモーターカーの技術開発が進められているわけでありますけれども、整備新幹線にリニアモーターカーを適用することは、これはできないんですかね。
#318
○政府委員(大塚秀夫君) 超電導磁気浮上式鉄道、いわゆるリニアモーターカーにつきましては、国鉄の試験研究に関する業務を承継しました財団法人鉄道総合技術研究所が引き続き研究開発を行っておりますが、今山梨に四十三キロの新実験線を建設中で、ここの新実験線が完成しますれば引き続き長距離タイプの試験、実用化を行い、大体今のめどでは八年後に長距離タイプも実用化するものと考えております。
 したがいまして、その時期等を勘案しますと、これから建設を進めようとする整備新幹線につきましてはリニアを適用することは考えておりませんし、時期的に間に合わない、かつリニアについてどれだけ建設費がかかるかというのは山梨の実験結果を待たなければならない、こういう状況でございます。
#319
○片上公人君 今回着工する区間の工事の完成時期について伺いたいと思います。
#320
○政府委員(大塚秀夫君) 既設新幹線譲渡に伴う収入の一部を活用しました特定財源とあわせ、所要の公共事業関係費を今後引き続き確保していくことによりまして、おおむね十年をめどに、基本スキームにございます整備新幹線三線の五区間について整備を行いたいと考えております。
 なお、各線の完成時期につきましては、鉄道建設公団が工事実施計画をつくります際に、申請します際にその内容となりますので、認可時に明確にしたいと考えております。
#321
○片上公人君 整備新幹線の建設費の見通しはどうなっておるか。また、増加することはないかどうか伺いたいと思います。
#322
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の三路線五区間の建設費は、昭和六十二年四月価格で一兆六千五百億円でございます。これは整備新幹線の詳細な検討が行われました整備新幹線建設促進検討委員会に提出した価格であるわけでございますが、整備新幹線につきましては、昭和四十八年に整備計画が策定されて以来、十数年にわたる長期間の調査を継続して行っており、技術的検討を十分に行っていること、また営業主体であるJRや地元と十分協議を重ねてきたことなどから、今後大幅に建設費が増加する可能性は小さいものと考えております。
 しかし、物件費あるいは用地費の高騰等も今後考えられますので、我々としましては工事費の低減策についても検討を行っているところでございまして、現在トンネル掘削等について新しい技術を適用し、また、橋梁等の建設についても新しいコンピューター技術を導入するなどによりまして、全体として建設費の低減に努め、全体的に今後とも建設費が増加することのないように努めてまいりたいと考えております。
#323
○片上公人君 新幹線を整備する区間についていろいろお聞きしたわけですが、基本スキームの区間以外の取り扱いについてはどのようになるのか伺いたいと思います。
#324
○政府委員(大塚秀夫君) 基本スキームの五区間以外の区間としまして、整備新幹線に関して言いますれば、北海道新幹線のルート、それから北陸新幹線の小松以西のルート、それから九州新幹線の長崎ルート等があるわけでございますが、六十三年度予算編成時の申し合わせにおきましては、
 JR各社の意見も踏まえ、北陸新幹線(小松・武生間)及び九州新幹線(長崎ルート)については、所要の準備を進めるとともに、北陸新幹線(武生以西)及び北海道新幹線については、引続き所要の調査を進める。
とされております。
 平成二年十二月の申し合わせにおきましても、当面は、昭和六十三年八月三十一日及び平成元年一月十七日の政府・与党申合せに従い、その建設着工を推進する。
とされているところであり、この方針に沿って、これらの区間については予算に二十億円計上されております整備新幹線建設推進準備事業費を活用して、今後その建設の推進に関連した調査を行ってまいりたいと考えております。
#325
○片上公人君 整備新幹線建設推進準備事業費というのが予算に計上されておるわけですが、これは何を調査するためなのか伺いたいと思います。
#326
○政府委員(大塚秀夫君) 今申し上げましたように、平成三年度予算において整備新幹線建設推進準備事業費が二十億円計上されておりますが、これは環境影響調査、経済設計調査、設計・施工法等調査、計画調整調査など、建設の前提となる各種の調査を行うためのものでございます。
#327
○片上公人君 次に、並行在来線の問題について
伺いますが、整備新幹線の着工に当たっては並行在来線をJRから経営分離するとのことでございますが、その理由を伺います。
#328
○国務大臣(村岡兼造君) 整備新幹線の建設に当たりましては、国鉄改革の趣旨からして、JRに新幹線開業によって輸送需要が減少する並行在来線維持という過重な負担を負わせてはならないという考え方に基づき、整備新幹線の並行在来線の取り扱いについては、地元自治体、関係JRの意見を踏まえ適切な結論を得る必要があると考えております。
#329
○片上公人君 一部の地域では並行在来線の経営分離に反対する意見もありますが、それについてはどのように対処するのか伺いたいと思います。
#330
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほどもちょっと触れましたが、現在予算に計上されております区間の中では、盛岡―青森間について岩手県の一戸町で今若干問題が提起されております。この点につきましては、昨年暮れには岩手県で地元の調整がなされという報告を受けているわけでございますが、今後さらに地元で県を中心として調整が行われることを期待しているわけでございます。
 また、軽井沢―長野間につきましては、小諸市、御代田町において信越本線を活用したミニ新幹線を支持するというような声があるやに聞いておりますが、これは先ほども申し上げましたように、「必要な調整を行った上で」フル規格として着工するということになり、この「必要な調整」について地元が行うようにこちらからもお願いしているところでございます。
 あと、着工調整費としての高岡―金沢間については、まだ基本的に並行在来線の取り扱いについて地元で結論が得られていないところであり、こういうように一部地元の反対意見もございますが、いずれにいたしましても県を中心として地元で話し合いをしていただきたいと考えており、我々も必要な協力は引き続き行い、できるだけ早く着工の運びとしたいというのが今の考えでございます。
#331
○片上公人君 建設予定区間の並行在来線の取り扱いについての地元の取り組み状況について伺いたいんですが、県とよく話すというのは、県は新幹線を通してほしいからとにかく頼むわと、こうなりますわね。市町村になるといろんな理由があるんです。県と話をすれば地元と話がついたということではなしに、市とか町とかの現場の人ともっともっと話し合って知恵をむしろかりる。やってやろうというんじゃなしに、やらせていただくという形でうんとお互い知恵を出し合うような話し合いをぜひしていただきたい、こう思いますが、この取り組み状況についてお伺いします。
#332
○政府委員(大塚秀夫君) 地元の市町村等で反対があり、また陳情がありますれば、私どもも十分その御意見は承っているところでございます。
 ただ、基本的に申し上げますと、代替交通機関の導入あるいは並行在来線を第三セクター化する場合の条件等、これは県が主体になってやらなければならない。仮に並行在来線を残す場合にもサービスが低下しないようにどうするかというような意見が地元の市町村にある場合には、私どもももちろん協力はいたしますけれども、地元の県と市町村で話し合っていただくということが第一に必要じゃないかと考えております。
 そういう意味で、先ほども申し上げましたような問題が残っている区間については我々も必要な協力をするという前提で、地元の県が中心になって市町村と話し合っていただく。その中で並行在来線を第三セクター化するとかその他の代替交通機関を導入するというような条件も整い、地元の調整がつくのではないかと私ども期待しているところでございます。
#333
○片上公人君 「政府・与党申合せ」に、「並行在来線は、開業時にJRの経営から分離することを」「確認する」とありますが、具体的にはこれはどういうことですか。
#334
○政府委員(大塚秀夫君) まず、この表現では開業時に並行在来線はすべて経営を分離するように読めますが、もちろんその前提としまして、JR自身がネットワークあるいはそれの将来の開発の可能性から引き続き経営を維持したいという区間は、これは分離しないでJRが維持するわけでございます。
 JRが採算上その他から分離したいという区間について認可前に分離を確認するということになっておりますので、これは具体的には全国新幹線鉄道整備法に基づきまして鉄道建設公団が工事実施計画を認可申請し、運輸大臣が認可するその認可前に並行在来線の経営分離問題について地元との間で分離を確認する必要がある、こういう意味に理解しております。
#335
○片上公人君 さきにも話が出ましたけれども、この並行在来線の経営分離によって貨物輸送に支障が生じるのではないか、どうやって貨物の輸送ルートを確保するのか、これを伺いたいと思います。
#336
○政府委員(大塚秀夫君) 並行在来線問題が生じているところでJR貨物のネットワーク上特に問題のないところあるいは現在ネットワーク上で貨物列車が走っているところいろいろございます。
 いずれにしましても、貨物輸送の取り扱いについては私どもとして今後のJR貨物の重要性も十分認識しておりますので、貨物列車を迂回方式とするか、あるいはスーパー特急等の場合には新線区間を運行するか、あるいは並行在来線が第三セクター化する場合には第三セクター区間を運行するか等につきましてJR貨物とも十分協議し、その使用料が過大にならないような形で、かつJR貨物の経営に支障を及ぼすことのないように適切に対処してまいりたいと考えている次第でございます。
#337
○片上公人君 地域の足の確保という観点から並行在来線の経営分離後の代替輸送機関の確保は非常にこれは大事になると思うのでございます。
 今もそれに取り組むというお話でございましたけれども、簡単にと言ったら怒られますが、簡単な形で在来線をどうのこうのというのじゃなくて、うんと知恵を絞って地元の意見を何度も何度もお聞きいただいて、さらに一歩将来のことも考えて、今、在来線を仮になくして後でもう一回つくるようなことはないと思うけれども、そういうようなあほなことにならぬように、今のことだけじゃなしに過去の歴史と将来のことをうんと考えて真剣な取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わります。
#338
○小笠原貞子君 きょうは朝から熱心な御質疑を伺っておりまして、ちょうど五年前になりますでしょうか、民営・分割のあの国会の中の激しいいろんな論議をまざまざと思い浮かべていたところなんです。
 そして、その国会で新幹線の問題について、譲渡の問題にも関係してまいりますが、新幹線保有機構がこれを所有する、そしてJRは三十年間リース料を支払い、その後譲渡を受ける、こういうことになっておりました。
 第一の問題は、それがなぜわずか四年間で売らなきゃならなくなったのか。というのは、今売らなきゃならないという最大の理由は、上場に当たり減価償却費を計上できないなど財務体質の問題があるということを言われます。しかし、上場を早くやるということもそのときに明確にされておりましたし、それから、減価償却費の計上ができないということもそのときからわかっていたわけですよね。そのときからわかっていて、その上で保有機構をつくって三十年間リースで借りる、その後国民の判断で幾らで譲渡するか検討するということになっていたのは御承知のとおりなんです。もともとこの新幹線保有機構というような法律までつくって分割したことの矛盾をカバーしようとすること自体に無理があったと言わざるを得ません。
 そこで、私が言いたいのは、実際こんなに早く四年間でもう売らなきゃならない、売りたいというのは何なんだということを具体的に考えていくと、JRが早く完全民営化になりたい、そしてますます営利優先を図っていきたい、そのことを保
障するためのものにしたい、こういうことだと思います。
 現に、売却を強く希望したJR東海、この東海で見たのですけれども、「おれんじ」という特集号を出していらっしゃいます。その中でJR東海はこういうふうに言っていらっしゃる。
 現行の法律上では、三十年後に設備をJR各社に譲渡する、ということは決まっていても、有償か無償か、有償の場合いくらかということが明記されていません。したがって、三十年後十分な利益が計上できる体力があるという理由によって、再度、今と同じような重い債務を背負わされることも考えられます。
まことに正直に述べていらっしゃるわけです。そのとおりだと私は思うんですけれども、いかがでございますか。
#339
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線の今回の譲渡というのは、JR各社の株式を上場する際に、その経営基盤を強化しなければならないという理由によるものでございますが、その一つの理由が、ただいま先生御指摘のように、既設新幹線という資産の巨額な債務が確定していないと今のリース方式では将来どのような形になるか。新幹線鉄道保有機構法の二十一条で貸付期間が終了したら譲渡するということになっているが、その譲渡の条件もわからないということが具体的に株式上場に当たって取引所の基準、その他上場に当たっての問題を識者で検討している際に出てまいりまして、債務を確定しなければ株主に対するディスクローズ、将来の会社のあり方を公開、情報提供することにならないという問題が生じたわけでございます。
 そういう意味では、先生御指摘のとおりでございます。
#340
○小笠原貞子君 その当時、中曽根さんがまたこう言っていらっしゃるんですよ。リース料払って、そして、それが済んだら当然無償で譲渡したらどうだという、こういう質問に対して、「リース料で全部一応償却は終わるぐらい払ったとしても、旅客会社の方はもうかっておる」「ですから、財産自体としてはやはりまだ国家が持っており」「そういう性格を持っておる」「旅客会社にやります」と、無料で譲るということは「行き過ぎだ」。旅客会社が「もうかる計算ですべてできて、契約ができている、あるいは法律でそれができている、そういう形になっているんですから、私は非常に単純な国民的常識から考えて、そういう考えの方が素直じゃないか」と。
 つまり、もうかるように法律もつくられて、そして契約もできていると中曽根さんがここではっきりおっしゃっているんですね、こういう約束だったと。
 ところが、この売却価額というのを見てみますと、分割・民営のその法がかかった国会の答弁から考えてみますと、売却価額は実質上一兆円ということで譲るということになるんではないですか、いかがですか。
#341
○政府委員(大塚秀夫君) 売却価額は九・一兆円だと考えております。これは譲渡時点、つまり、ことしの十月一日における新幹線の資産を土地と償却資産に分け、それぞれについて評価したものでございます。
#342
○小笠原貞子君 いろいろおっしゃいまして、議論をすると長くなるから言います。
 上乗せ一兆円分なんですね、実際の問題は。これは国民の共有財産が非常に安く売られていると言わざるを得ないわけなんです。
 上乗せ一兆円分の配分というのを見ますと、東日本六一・三%、東海二七・一%、西日本が一一・六%、こういうふうになっております。今度これを譲渡するということによって減価償却、やりたい減価償却ができるようになった。そうしますと、収支上経費が増加するということになりますね。その増加分は年間各社でどの程度になりますでしょうか。
#343
○政府委員(大塚秀夫君) 各社とも新幹線の譲渡を受けますと、今まで払っておりましたリース料が経費から差っ引かれることになります。これを払わなくてもよくなります。一方、譲渡を受けました新幹線で償却資産について償却費を計上していくことになります。それから譲渡代金の金利を支払っていく。だから、リース料がプラスに働き、減価償却費と金利がマイナスに働くわけでございますが、このうち減価償却費は、今それぞれ定額を考えておりますので同じ額で毎年推移するわけでございますが、金利につきましては譲渡代金を一定の条件で鉄道整備基金に支払っていきますと、だんだん金利も減ってくる。
 そういうことで、平成四年度が今申し上げました損益影響額というのが最大になるわけでございますが、この平成四年度の損益影響額というのが東日本と東海の場合が約四百五十億円、西日本の場合が約百億円、この程度の影響だと考えております。
#344
○小笠原貞子君 そういうことで、これだけ出費しなきゃならないということを理由として東日本の住田社長はこう言っていらっしゃるんです。新幹線買い取りによって経常利益が大幅に減少する。これまで運賃値上げしないと言ってきたが、そうもいかなくなったと、早々と運賃値上げを口に出していらっしゃいます。また、JR東海も、運賃改定に追い込まれる可能性は高くなったと、こう発言されているわけなんです。
 つまり、運賃値上げの口実になるわけですよね。値上げしたいということが出てきているわけです。JRにとっては全くもうこんなうまい話はないと私は言いたいんです。国民の貴重な財産である新幹線を安値で手に入れる、その上減価償却費として内部留保できるわけですよね。その上、さらにこれを理由にして運賃値上げする。JRにとってはすごくうまい話だけれども、国民にとってはまあ何とひどいことだと、やり切れないと私は思うんですよ。
 さっきから大塚さんの答弁を聞いているとJR代表だよね、まさに。徹頭徹尾JR代表。私は、やっぱり運輸省というのは、JRも赤字になって第二の国鉄になったら困るけれども、値上げされたら困るという国民の側に立って頭をちょっと切りかえてもらわなければと私はさっきから聞いていたんです。どうですか、JRにはうまい話だなと、そう思うでしょう。
#345
○政府委員(大塚秀夫君) 先生が今指摘されましたうちで、減価償却費を計上して内部留保ができるというのがうまい話というならこれはうまい話でございますが、そのうまい話という意味が、内部留保をすることによって経営基盤を強化する、かつそういう内部留保によって今後の新幹線の維持更新の投資がしやすくなるという意味では、うまい話というのは、すなわち利用者へのサービス還元になるといううまい話だと私は理解しております。
 それからもう一つ、JRの社長が新幹線譲渡で運賃改定の必要があるということは、私が先ほどから、これは大臣からも申し上げておりますが、はっきり否定しておりますので、全くJR側に立っていないわけでございます。
#346
○小笠原貞子君 いや、立っていない答弁だけれども、実際がどうなるかというのは、今後実際で私は評価していきたいと思います。
 ちょっとここで一息入れます。
 運賃割引の問題の最後なんですけれども、一つ具体的に入れたいと思うんです。
 この間からいろいろ御配慮いただいたわけですけれども、割引適用に当たって制限があって対象にならない障害者がかなりいるということです。特に距離の制限について、制限の項目ごとのJR並びに民鉄大手十四社の状況を教えていただきたいと思います。
#347
○政府委員(佐々木建成君) 民鉄についてお答え申し上げます。
 民鉄各社の身体障害者割引の単独乗車の場合における適用距離につきましては、自社線で百キロを超える場合に適用されるものが、東武、名鉄、近鉄、南海の四社、それから、自社線で五十キロを超える場合に適用されるもの、これは西武一社でございます。それから、特に距離制限が設けら
れていないものは西鉄でございます。それから、そのほかに、JRと連絡して百キロを超える場合にも適用の対象となっているケースがございます。
 以上でございます。
#348
○政府委員(大塚秀夫君) JRの身体障害者に対する運賃割引制度は、身体障害者が介護者とともに乗車する場合については距離制限がなく割引を行っております。しかし、身体障害者の単独乗車の場合につきましては、百一キロ以上乗車する場合について運賃の割引を行っているところでございます。
#349
○小笠原貞子君 そこで、私は不思議なので伺いたいんですが、西鉄だけは距離の制限なくやられているわけですね。私は大変いいことだと思うんです。これはやろうと思えばできるということの証明じゃないかなと。
 そこで、伺います。なぜ西鉄はできるんですか。
#350
○政府委員(佐々木建成君) 身体障害者に対する運賃割引の制度は、いわばそれによる減収を一般的に他の利用者の負担で賄うというようなことで実施されているわけでございます。
 したがいまして、身障者の割引制度の運用につきましては、第一義的には各社の判断で行うということになっておりますので、各社によって制限があるところ、それから、制限の中でも距離帯が違うところがあるということで、いわば鉄道事業者の第一義的な判断にゆだねているということによるものでございます。
#351
○小笠原貞子君 いろいろ言われたけれども、やればできる、現にやっているというのが現実にあるということはしっかり認識しておいてもらいたいと思います。
 やればできる西鉄というのが現実にあるのに、線路距離が百キロ以下だから、単独では初めからこれが補償の対象にならないと。JRは、今おっしゃったように百一キロ以上という制限があるわけです。障害者が単独で利用する場合に限ってこういう制限がつけられているということは、この間から何回も言っております障害者の社会参加促進に逆行していると言わざるを得ません。障害者の方は足の、交通の問題の要望は非常に強い。西鉄では既に実施をしている、そして実施しているからといってとりたててこれで問題は起きていないということですよね。利用者に負担をかけるとかどうとかこうとか言っていらっしゃるけれども、これで問題は起きていないということ。
 これらの制限をなくすことも含めて是正するように事業者に私は指導していただきたいと大臣にお願いしたいんです。そして、JRとしても検討する必要があるのではないでしょうかということです。
 問題は単純なんです。西鉄はやれているんだと、やっていて利用者からもどこからも文句はきてない。障害者にとっては、これは非常に切実な問題だと。だから、ほかのところもやってもらいたい、JRも検討する必要があるのではないかということなんですよね。その検討をしてくれというふうに事業者に指導していらっしゃるのかどうか。そして、もししていないとすれば、今後指導していきたいとお思いになっていらっしゃるかどうか伺わせてください。
#352
○政府委員(大塚秀夫君) JRに関して言いますと、先生御指摘のとおり、百キロ以下のところについては割引をしていないわけでございます。このような割引制度の拡大というのは、福祉政策と運輸政策の兼ね合いの問題でございます。
 運輸政策から割引するとなりますと、第一義的にこのような割引の拡大というのは鉄道事業者が判断する問題であり、JRもこれ以上の拡大というのは、例えば百一キロ以上の距離制限を撤廃した場合に、年度で三十億円の減収になりますので非常に難しいと判断していることから、現在のところこれ以上拡大することは困難であると考えております。
 今後とも福祉政策と運輸政策の兼ね合いは非常に難しい問題ですから、そういう面から検討しなければならないと思っております。
#353
○小笠原貞子君 それは前から言われたのよね、これはもう運輸政策だけではなくて福祉政策と一緒の問題と。だけれども、そこまでいっていないし、障害者年最後の年で障害者の方々の切望は非常に強いということで、それを乗り越えていろいろ大臣も御配慮いただいて割引というような問題もやっていただいたわけです。
 だから、この点についても今後具体的に検討をしていただきたいということを重ねてお願いしておきます。答えはきっと同じだろうと思いますけれども、どうぞよろしくお願いします。
 それで、やっぱり普通の人は切実感というのはないと思うんですよ。なくて当たり前だと思うんですけれども、私は、四月十五日の朝日新聞の「声」の欄で座間市の真鍋さんという全盲の方の投書を見ました。六十一歳なんです。こう書いてあるんです。
  私は全盲で妻は二級の視力障害者夫婦です。この三十年間、白い杖を頼りに、新宿駅で私鉄からJRに乗り継ぎ勤務先に通いました。定年となり、夫婦で通院や自活訓練に外出し私鉄からJRを乗り継ぐとき、定期券を持っていたときにはない不便さに、夫婦で泣かされます。
  障害者の会合でいつも話になるのですが、各私鉄では、健常者と同じ自動販売機で、半額乗車券(子供乗車券)を購入し、改札口は白い杖が何よりの、障害者手帳となって、乗車できるのです。それなのにJR各駅では、障害者切符は窓口を探し、手帳を見せて買わねばなりません。
  最近、JR各駅は合理化のためか、障害者切符を売る窓口は、ごく少なくなりました。せっかくの障害者福祉切符が、私鉄では気軽に買えるのに、JRでは極めて利用しにくいのは納得できません。私鉄並みに改善して下さい。
 こういう切実な声が載っていたのでございますが、特別お金がかかる話でないので、ぜひ心温かい改善という点で努力していただきたいと思うんですけれども、大臣いかがでございますか。
#354
○政府委員(大塚秀夫君) ただいまの問題でJRと私鉄の差がありますのは、JRに言わせますと、第一にJR側は路線網が複雑で、乗車する列車や線区が異なるごとに車内で再三にわたり資格確認をしなきゃならぬということ。それから、JRでは近距離乗車券を自動販売機で購入して遠距離列車に乗車するケースが多くて、車内での乗車変更及び着駅での精算等が増加すると、こういう問題を挙げているわけでございますが、先生御指摘のように、確かにJRと私鉄で同じ自動券売機の小児券を買える買えないという差があるのも問題だと思いますので、この点部内で検討させていただきたいと思います。
#355
○小笠原貞子君 本当にそういう心温かい配慮をぜひしていただきたいと思います。じゃ、大塚さんよろしくお願いします。大臣もいいですね。
 それでは、整備新幹線の建設問題に入ります。 私たち日本共産党は何でも反対とよく選挙のときに悪口を言われましたけれども、それは全く認識不足、勉強不足の方のおっしゃることでございまして、私ども国会においても、いいことはいいと、この新幹線問題につきましても交通手段の近代化と技術革新の成果であると、国民の足の利便の増進からいっても新幹線そのものの建設については賛成の立場でどうやっていい新幹線にするかということを考えております。以下、その立場に立って質問をするということを皆さんの頭にちゃんと入れておいてください。
 それで、建設費の負担割合はどうなっておりますか。そして、それはどういう根拠に基づいて決められているのかお答えください。
#356
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の建設費の負担割合につきましては過去の基本スキーム、また、昨年暮れの申し合わせ等によりまして、JRが五〇%、国と地域が残りの五〇%を負担することとなっており、これを前提として予算が組まれております。
#357
○小笠原貞子君 JRが五〇%の負担と、こうい
うふうにさっきからもおっしゃっているわけですけれども、そのうちの三〇%は鉄道整備基金から支出されるというものですよね。これは新幹線売却費の一兆円が基金の方へ入って、そしてそれが充てられるということになると思います。
 新幹線は、先ほどから言っているように、国民の貴重な共有財産である。それをわずか一兆円で売り払い、JR負担分の三〇%に充てていると。JRが負担しているわけじゃないですよね、我々の財産であって。負担しているわけじゃないでしょう、JRが。
#358
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、先生今言われましたように、JR負担分についても同じ新幹線の譲渡代金の一部を充てているわけでございます。
 新幹線の施設、資産というのはいわば国民共有の財産という面があり、国の負担にも充てるわけでございますが、同時に、新幹線譲渡に当たりまして資産価値がふえたと、ふえた資産価値に基づいてJR本州三社が買い取ったというこの背景には、JR各社が新幹線の運営において努力した結果、その資産価値、土地の値段も含めて上がったということもございますので、そういうJRの運営努力の成果も踏まえて国の負担に充てるとともにJR負担分にも充てたということであり、これは以前には新幹線鉄道保有機構のリース料の余剰で充てておりましたが、これはもう譲渡してしまってなくなりますので、JR負担分をどうするかという問題が生じ、もちろんリース料の余剰とこの新幹線の譲渡代金の性格は違いますが、現実的にJRがみずから懐から出す、負担するということもできないので、今申し上げましたような新幹線の価値の増大におけるJRの貢献ということも踏まえてこのような制度にしたわけでございます。
#359
○小笠原貞子君 いろいろ物は言いようというのはこういうときに使うのかなと思って、まだそれではちょっと納得がいかない。
 JR負担五〇%といっても何のことはない、JR三〇%分は国民の負担と同じことになるわけですよね。そうすると、JRは、実際は二〇%負担ですよね。そういうことでしょう。
#360
○政府委員(大塚秀夫君) ……。
#361
○小笠原貞子君 うん、うんというのは議事録に残らないから、ちゃんと声に出して言ってください。
#362
○政府委員(大塚秀夫君) どうも失礼しました。
 今申し上げましたように、この新幹線の譲渡代金の一部をJR負担にも充当するという点においては、先ほどから申し上げておりますように、JRの新幹線運営の成果ということを念頭に置いておりますので、見方によっては国の負担と同じじゃないかという見方もございますが、私どもとしてはこれをJR負担分と区別しているところでございます。
#363
○小笠原貞子君 そちら様ではJR負担分とおっしゃっているけれども、実質的にはそうじゃないと私の方は言っているわけです。
 今、進められている整備新幹線は運輸省の規格に基づいておりますね。東北、北陸、九州の鹿児島、三ルートで建設費は一兆三千八百億と、この価格を前提に配分を決めていらっしゃるが、建設費がこれ以上かかった場合も、先ほどもおっしゃっていましたけれども、配分率は変わらないということですよね。何ぼ高くなっても配分率は変わらないということですよね。それが私は大きな問題だというふうに提起したいわけです。
 自治体の負担は一五%にすると二千七十億という莫大な費用です。しかも、建設費は六十二年四月価格で物騰率も見ていないと。現在、建設費は三割くらい上がっていると言われているわけです。そうしますと、六百二十億円プラスになるわけです。それで二千七百億円になってしまうと。その上、例えば、来年度着工が決まった軽井沢―長野間はミニ新幹線からフルということに規格変更になりました。そのための建設費用は六百億から三千六百億、六倍という大変な高値になるわけですよ。
 率は変わらないんだから、ここが問題なの、地方負担はミニの場合は九十億で済んだ。ところがフルになると五百四十億で、これだけで四百五十億の増ということなんですね。そうすると、今明らかになっているだけで約三千二百億円が地域住民の負担になるということになるわけですね、率が変わらないということですから。
#364
○政府委員(大塚秀夫君) まず、建設費についてでございますが、確かに物騰等だけを考えますと、当時より上がっているという見方もございますが、これは先ほどからも何度もお答えしておりますように、その後の技術開発等の成果を踏まえ、鉄道建設公団におきましてもトンネル掘削の新しい技術を導入する、あるいは橋梁の建設についてもその設計段階から新しいコンピューター技術を導入する、こういうことによって全体的に経済設計、工事費の低減策を講ずることによって今の建設費をほぼ維持できるんじゃないか。もちろん、これから異常に工事費が上がってくるという場合は別でございますが、今の状況では維持できるんじゃないかと判断をしているわけでございます。
 それから、長野の場合に六百億円から三千六百億円になれば、地元の負担率一五%というのが変わらなければ地元負担の絶対額というのがふえるのは、これは当然でございます。
 ただ、この地元の負担というのは、整備新幹線につきまして地元の振興という意味で地元の方にも大変貢献する、かつ整備新幹線等ができることによって沿線周辺につきましては開発利益も考えられるわけでございますが、一つの開発利益の還元の方策として地方公共団体がこのような鉄道についても負担をするというような趣旨もございまして、この点については地元と十分調整した上、それだけの負担をしてもなお新幹線を整備すべきだという意見のもとに着工ということを予算に計上した次第でございます。
#365
○小笠原貞子君 国鉄の赤字の最大の原因は過剰な設備投資を借金で行わせたということがもう明白になっております。このように国鉄にすべて責任を転嫁させるというやり方に我々は反対してきました。分割・民営化してからの最大の特徴は、国にかわって今度は自治体や地域住民に負担を押しつける方法をとっているということです。
 つまり、国鉄時代には何の援助もしないやり方をしておいて、そして今JR、民営会社には八〇%国と自治体で面倒を見るという、特に重大なのは、自治体、地域住民に一五%負担させるということでございます。これは国鉄時代に全くなかったことですよね。東海道・山陽、東北・上越新幹線のときは地域負担は全くなかったのに、同じ新幹線で東北なんかの場合は、盛岡以南と以北というだけで今度はもう大変な地域負担、自治体負担ということになってくるわけです。
 こういう同じ新幹線を建設するのに、なぜ自治体、地域住民にこういう絶対額、大変な負担をさせるかというのが、私は、自治体、国民の立場に立って大きな問題だと思うんですけれども、いかがですか。
#366
○政府委員(大塚秀夫君) 今回譲渡を予定しております既設四新幹線につきましては、その建設の段階におきましてもほとんどが借入金によって行い、今回の譲渡に見られますように、その収益によって借入金を償還していくという形になっております。
 しかし、整備新幹線につきましては、その採算性等を検討しますれば、借入金に依存してはとても建設ができない。そこで、このようなスキームに基づく負担割合が決まったわけでございますが、その中で国が負担するとともに地方も負担することになっている。
 先生、地方の負担というのはおかしいと言われますが、昨年来この予算を要求しているときにおける地方の整備新幹線に対する強い要望、これが地域の振興にいかにつながっているかという証拠ではないかと私も思うわけで、そのような地域の振興というものを反映して地方の負担というものも平均して一五%お願いしているところでござい
ます。
 これは新幹線に限らず、今後地域振興に資するような鉄道整備については国と地方公共団体が協力してその整備を図っていく必要があろうかと我々は思っており、整備新幹線もその一つの方策、特に地域の振興に貢献する鉄道施設としてこのようなスキームになっております。
#367
○小笠原貞子君 いろいろ言いたいことはあるけれども、最後におっしゃった地域の振興のためになんと言うけれども、前の新幹線のときだって地域の振興のためになっているのよね。同じ地域の振興のためで、前はよくて今度は押しつける。どうも矛盾しているんだよね。時間がなくなるから、その点はっきり民営・分割の矛盾はもうばっと出てきていると。
 ところで、JRの二〇%の負担というのは建設費負担なのか、それとも建設後以降のリース料なのか。
#368
○政府委員(大塚秀夫君) JR負担のうち平均して二〇%を貸付料で充てる。これは、貸付料というのは開業後に出てくることでございますので、とりあえず建設主体である鉄道建設公団が借入金等でこれを賄い、開業後の貸付料で借入金を返していく、こういう仕組みになろうかと思います。
#369
○小笠原貞子君 貸付料ですね。
#370
○政府委員(大塚秀夫君) はい。
#371
○小笠原貞子君 そうしたら次に、この貸付料の算定は開業後受益の範囲内でと先ほどからおっしゃっているけれども、受益の範囲とは具体的に何なのか。
#372
○政府委員(大塚秀夫君) 受益の範囲と申しますのは、整備新幹線が開業して、その新幹線から利益が出ればそれが一つの受益。それから、並行在来線を分離することによって今までの欠損等を負担しなくてもよくなれば、それが一つの受益。それから、整備新幹線の開業によって関連路線の乗客がふえ、関連線区の利益がある場合にはそれも受益。そういうものを総合して受益の額を算定するというふうに考えております。
#373
○小笠原貞子君 いろいろ言われたけれども、それを算定してどうだという根拠というのは今おっしゃらなかった。項目はこういうことで決めますということをおっしゃったけれども、じゃ具体的にそれをどう分析しているかというのをおっしゃっていないということだけ言っておきます。
 それと、JR二〇%負担といっても、これは建設費の負担ではなくて有償で借りる借り賃だということは確認されましたよね。しかも、受益の範囲内での借り賃だと。すなわち、建設費は直接的に何にも負担していないと。借りるんだから借り賞を払うのは当たり前ですよね。この借り賃を払うのもその受益の範囲内ということなんだね、いい話ですよね。これでいかにもJRが二〇%建設費の負担をしているように言われているというのが私は問題なんですよ。二〇%、借り賃だって今おっしゃったんですよね。
 そうすると、大臣、ちょっと私考えたら、ばかにしているなと思ったのは、例えば家が建ちますよね。そして、家に入って借り主が家賃を払うわけだ。そして家賃を払って何年かたって建築費の二〇%になったら、この家は二〇%建築費を私が払ったという論理ですよ。こんな論理、勝手な論理ですよ。大臣、どう思いますか。借り賃がちょうど建設費の二〇%になった、だから建設費を払ったんだなんて、こんなのちょっと常識じゃ考えられない。
#374
○政府委員(大塚秀夫君) したがいまして、二〇%払ったからこの家が自分のものになったというんじゃなしに、依然として鉄道建設公団が保有するので、JRは借りているだけだということでございます。
#375
○小笠原貞子君 だから、借りているだけでございます、建設費というのは一銭も払っていませんと、JRは。もう偉そうに払ったような格好をするから私が言いたくなっちゃうわけですよ、偉そうに、払ったみたいに。
 三十年間借料を払う。なぜ三十年間という、これは払える受益者もあるかと思うけれども、その後はどうするんですか。無償で貸し付けるということになるんですか。
#376
○政府委員(大塚秀夫君) その後については具体的にまだ決定していませんが、施設の状態に見合った維持管理の費用等を徴収することになろうかと思います。
#377
○小笠原貞子君 ところで、南の鹿児島ルートの場合、JR九州の負担は何%になりますか。
#378
○政府委員(大塚秀夫君) これは、まだその点について正確に我々としては計算しておりませんし、先ほども申し上げましたように、ここで何%になると言うとJRの側はそれしか払わないということになる、我々としては受益というものをできるだけ見込んで貸付料というものを取らなければならない、JRとしてはできるだけ貸付料が安いほどいいわけですから、輸送需要の見通し等についても非常にかたく見積もってくるだろう。
 そういうことで、今後相当厳しい折衝をしなければならないと考えていますが、今JR九州の場合を言われましたが、JR九州の場合には余り受益のない区間として今のところ五%弱になるんじゃないかと思っております。
#379
○小笠原貞子君 私、いろいろ情報を聞いてみたら、大体二、三%という具体的な数字が上がっているんですよね。そうすると、JRとしては二〇%というふうに決めていても、二%か三%というようになったら、あとはだれが払うの。二%だと残り一八%をだれが払うの。
#380
○政府委員(大塚秀夫君) 残りにつきましては受益の限度で貸付料を払ったわけでございますから、新幹線の譲渡代金の一部を使う。ただ、JR九州の場合には五%弱になりますが、他のところでは三〇%以上受益があれば三〇%以上いただく、こういうことになります。
 私どもが二〇%と申していますのは、今まで大体私どもの推計値で五区間平均すれば二〇%ぐらいになるということで、これはそれぞれの区間で違いますので、四〇%取るところも出てくるかもわかりません。
#381
○小笠原貞子君 その五%というのは相当かたい数字なんですか。
#382
○政府委員(大塚秀夫君) 今申し上げましたように、開業までに、できるだけ開業に近い時点で将来の輸送需要を予測して受益の限度を計算しなければならない。そのときにJR九州等と厳しい折衝をしなければならないと思います。だから、今出ている数字は決してかたい数字ではございません。
#383
○小笠原貞子君 それじゃ、五%でちょっと計算していなかったので、私が聞いたのでは二ないし三%だという方がたくさん入ってきていましたから、二ないし三%ということで頭に入れて、そして考えてみたんです。
 そうすると、鹿児島ルートの建設費は四千三百億ですよね。すると、JR九州の負担は正確に言うと、借り賃として二%にすると三十年間で八十六億なんですよね。三%にすると百二十九億。私は、きょうはJRと利用する国民の立場というのを対比してずっと質問してきたわけだけれども、JRは三%にしても百二十九億の三十年間で負担なんです。一方、鹿児島や熊本の県ですね、それから住民が負担する建設費用はさっき言ったように率は変わらないんだから、実額で六百四十五億という額になるんですよ。そうすると、JR九州の八十六億より八倍もたくさんしょわなきゃならないということなんですね。
 だから、やっぱり今度の特徴は自治体と住民に負わせていくという、そしてJRの方は御安泰とという、そういう立場にしか立っていない。JRがわずか百二十九億、自治体、住民が六百四十五億、これは実に五倍も自治体、住民が負わされるということについて私はびっくりしちゃったということなんです。
 私はこれできょうの分終わりますから、その辺について大臣、どうですか。私がずっと言っていたのおかしくないでしょう、聞いていて。借り賃払って二〇%になったから建築費の二〇%持ったみたいな宣伝されるというのは、ちょっと姿勢が
おかしいと。今度、自治体に非常に大きな負担になるということもやっぱり一つの問題として考えていただかなきゃならないと思うんですけれども、大塚さんはいいです、朝からずっとやっていたから。最後に大臣、答弁してください。
#384
○国務大臣(村岡兼造君) 今、いろいろ大塚総括審議官と先生とのやりとりを聞いておりました。何か、先生は、JRの会社だけもうかるような仕組みになっておって、そして、自治体の方は損するというような、押しつけるというようなことであろうと思いますが、私はそうは考えておりません。
 まず、この新幹線の、あるいはスーパーその他につきましても、地元から何年も何十年も早くスピードアップというような状況で陳情、要望がなされておったこと、しかし御承知のとおり、国鉄があのような状況でございましたから、先ほども質問ございましたが、途中でどこかで中止という状況もあったと、財源難で十数年も新幹線問題はストップしておったと、こういうような背景も考えなきゃいけませんし、地元の方でもこの程度なら財源負担もできるであろう、あるいはJRとしてもこの程度出すのであれば第二の国鉄をつくらなくてもいいと、こういう判断もあったでしょうし、また、利用者の地域の方々も、三者集まりまして大体昨年のときに合意を得たものでなかろうかと。
 ただ、並行線その他についてはいろいろあるようでございますから、先ほど私が言いましたように、今後、例えば盛岡なんかは知事さんもかわりましたし、よく地元にお聞きをして対処していきたい。
 これはどちらがどうのというのでなくて、乗る地元の方々あるいは国の立場、それからJRの会社の立場というようなことを三つ考えながら財源難を何とかできたものであり、私としては大塚総括審議官は相当練りに練ってこの難しい問題を解決して御審議願っているものだな、こういうふうに考えておるところでございます。
#385
○委員長(中川嘉美君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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