くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第120回国会 運輸委員会 第6号
平成三年四月十八日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
   委員長          中川 嘉美君
   理 事
                谷川 寛三君
                渕上 貞雄君
                片上 公人君
   委 員
                伊江 朝雄君
                上杉 光弘君
                狩野 明男君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                松尾 官平君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                瀬谷 英行君
                田渕 勲二君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                粟森  喬君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  村岡 兼造君
   政府委員
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    大塚 秀夫君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部長       黒野 匡彦君
       運輸省運輸政策
       局長       中村  徹君
       運輸省地域交通
       局長       佐々木建成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○鉄道整備基金法案(内閣提出、衆議院送付)
○全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案、鉄道整備基金法案及び全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○喜岡淳君 おはようございます。
 きょうは、整備新幹線の建設費の問題と、それから地域間格差がこれから広がらないのかどうか、そういうところを中心にして御質問させていただきたいと思います。
 まず最初にお尋ねいたしますが、今度の整備新幹線の計画は三線五区で建設費は一兆六千五百億円ということになっておりますが、これはどういうような見積もりをされておるのでしょうか。
#4
○政府委員(大塚秀夫君) ただいまの一兆六千五百億円というのは、六十二年に私どもの方で各線別に検討して建設費を計算した結果でございます。
#5
○喜岡淳君 ということは、六十二年現在の価格でこれからの十年間の経費を類推といいますか推測したという、あくまでも推測ということで理解してよろしいでしょうか。
#6
○政府委員(大塚秀夫君) 具体的には、工事費は工事実施計画認可申請の際に見積もられるわけでございますが、そういう意味では私どもが推計したということでございます。
#7
○喜岡淳君 お手元に「資料1」というものをお配りをさせていただきましたので、これでお尋ねいたします。
   〔資料配付〕
#8
○喜岡淳君 これまで東海道新幹線とか東北新幹線、上越新幹線などの新幹線建設を振り返ってみますと、計画当初の見積もりとでき上がったときの実績というものが非常にかけ離れておるということがこれまでの実績から言えるというふうに思うわけです。
 例えば、東北新幹線の場合は、計画八千八百億円に対して二兆六千六百億円、これは三倍以上に広がっております。東海道新幹線の場合は、計画一千六百億円に対して実績は三千四百億円、ここも二倍以上の開きになっております。上越新幹線の場合は、四千八百億円の当初計画に対して実績は一兆六千三百億円、ここも三・四倍にも開いておるわけですね。三線の合計を見ますと、一兆五千二百億円の予定だったのが四兆六千三百億円、三・〇五倍にも最終的には広がってしまったわけです。
 そういう意味では、今度の三線五区についてもこういった大幅に見込みが狂ってしまうということは考えておられるのかどうかということです。
#9
○政府委員(大塚秀夫君) 今の御配付いただきました資料にもございますように、既設の新幹線については、当初計画より実績といいますか結果的な建設費が大幅に上がっていることは事実でございます。
 これは、まず、東海道新幹線につきましては、随分前のことで私どもも手元にきちっとした資料がございませんが、当初計画が過小だったのではないかと思われますが、東北新幹線、上越新幹線の建設費が大幅に増加しましたのは、これらの新幹線の工事の最盛期が昭和四十六年からおおむね昭和五十七年でございまして、この間二度にわたるオイルショックによる異常な物価の高騰があったことが主たる原因であると考えられます。また、この両線につきましては、工事に当たって沿線地元との協議が難航したこと等もこれら建設費の増加につながったとも考えております。
 これに対して整備新幹線につきましては、東北新幹線あるいは上越新幹線の工事が行われた時代のような異常な物価高騰が今後ともまず考えられないこと、それから、これら整備新幹線につきましては十数年にわたる長期間の調査を行い、技術的な検討を十分に行っていること、それから、営業主体であるJRや地元と十分協議を重ねてきたことなどから、東北新幹線、上越新幹線のように大幅に工事費が増加する可能性は小さいと考えております。
#10
○喜岡淳君 当初の見積もりが過小だったというのは、昔の話をそういう言い方されると非常に私は無責任な言い方だろうというふうに聞こえますが、これは国民だれしも同じような受けとめ方だろうと思います。これからの問題についても何が起こってくるかわからない、それが事実ではないかと思うんです。
 例えば、JR貨物の問題一つとっても、分割・民営の際には、もうこれからああいうものはなくなっていくだろうというような、お荷物扱いのような非常に腹立たしい議論がありましたが、今やJR貨物は年々収益を上げて、ピギーバックなども含めてこれからJR貨物は一生懸命やっていく
んだと、分割・民営化後のこの五年の中でさえ全く天と地がひっくり返るような評価が起きておるわけです。
 そういう意味では、これから十年後の整備新幹線の建設においてさえ一体いかなることが起きてくるのか私はわからないというふうに思いますので、今の御答弁はちょっと理解しにくい面もありますが、間違いなく膨れるということはないんでしょうか。
#11
○政府委員(大塚秀夫君) 今、申しましたような状況で、従来の既設新幹線のように大幅に工事費が増加することはないと考えておりますが、しかし、さらに若干の物価騰貴あるいは工事費の増加ということに対処しますために、我々としては整備新幹線の建設に当たりまして、駅、線路などにつきましては合理的な設備規模の建設計画を策定することとしますとともに、最近の技術の進歩を活用してできるだけ工事費を少なくしたいと思っています。
 具体的には、建設費を低減させるためには、トンネル掘削技術につきましてはトンネルの掘削断面を支える部材の節減を図る工法が最近開発されている、あるいは掘削とコンクリート壁を同時につくる工法も採用されている、こういったものを取り入れる。あるいは高架橋や橋梁につきましては、コンピューター技術の進歩で可能となった合理的、経済的な設計方法を採用する、あるいは電気設備につきましても新技術の導入をする、こういうことを鉄道建設公団とともに検討しておりますので、こういった技術成果をとらえて建設費を現状にとどめるというふうに今後も努めていきたいと考えております。
#12
○喜岡淳君 これからいろいろ新技術の開発とか合理化とか、そういうことでコストを減らしていきたいという努力が今行われておるという御答弁を聞いたところです。
 そうすると、具体的に聞いていきますけれども、一兆六千五百億円の建設費の内訳ですね、用地費を一体どういうふうに見積もっておられるのか。また、主体工事費を幾ら見積もっておられるのか、この見積もりについて内訳を教えてください。
#13
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の建設費に占める用地費につきましては、暫定整備計画に基づく工事実施計画の認可申請がこれから行われるわけでございますから正確な数字を申し上げられませんが、一兆六千五百億円と計算した基本になっています用地費は、五区間を平均しますと、これは各線によって若干上下はございますが、平均して一〇%程度、したがいまして、額にしますと千七百億円程度になるものと見込んでおります。
#14
○喜岡淳君 用地費の見積もりについて約一千七百億円というお答えだったと思いますが、そういう金額で本当に大丈夫なんでしょうか。間違いありませんか。やれますか。
#15
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま整備新幹線の基本スキームに盛られております五区間につきましては、総体的に都市部が少ないということ、それからトンネル区間が多いということもございまして、用地費の比率というのは都市部を縦貫するような新幹線に比べて少のうございまして、今後用地費対策はいろいろ大変だとは思いますが、用地費の額そのものについてはその程度にとどめられるんじゃないかと考えております。
#16
○喜岡淳君 お手元の「資料1」の下の方を見ていただきたいと思いますが、これは国土庁が発表しております都道府県地価調査の資料であります。これを見ますと、やっぱり整備新幹線の高崎―軽井沢間、この沿線では非常に土地が高騰しておるという事実が出ております。昭和六十二年現在の価格で見積もられたということでありますし、そういう意味でちょっとこれを見てみたいと思います。
 群馬県高崎市の住宅地は、昭和六十二年、前年に比べて土地が一・二%上がった。ところが、平成元年は既に二一・二%、平成二年は二四・一%、それぞれ前年に比べて上がっておるわけです。といいますことは、この群馬の高崎市の場合、昭和六十二年以前百円だった土地が平成二年現在では百五十九円になっておるという状況です。
 それから、長野県軽井沢町の場合は住宅地が非常に上がってきております。昭和六十二年以前百円だった土地が平成二年現在では二百五十四円にまで上がっておる、そういうこれは数字の計算ですね。二倍、三倍というところももう既に出てきておるわけです。高崎―軽井沢間の路線が決定したのは平成元年六月二十八日だそうですが、これ以降の土地の上がり方が特に激しいわけです。
 皆さん方は昭和六十二年現在の計算をやっておられるわけですが、もう既にべらぼうな値上がりになっておるわけです。これでも一千七百億円の用地費で大丈夫だというのはちょっと納得しがたいんですが。
#17
○政府委員(大塚秀夫君) 今、高崎―軽井沢間を例に挙げて地元の地価の経過をお示しいただいたわけでございますが、確かに整備新幹線の建設計画が実行に移され出しますと沿線の地価にも影響が出てくるようでございます。
 ただ、このような区間につきましては、地元の協力を得て用地買収を進めるということ、また、必要に応じて監視区域を設定していただくというようなことで、市街部に近いところはなるべく用地取得を容易にするように努力しておりますし、先ほども申し上げましたように、全体の路線の中ではトンネル区間も多うございますので、もちろん用地費が全く上がらないとは申しませんが、上がる分については、先ほど例示しましたような技術開発によるコストダウンというような面で総額として建設費は抑えていかれるんじゃないか。今の段階では鉄道建設公団との間ではそのようなことで建設を進めているところでございます。
#18
○喜岡淳君 監視区域を設定するとかというお話でありますが、それは具体的にもう計画とか実施要綱というのはできておるんですか。
#19
○政府委員(大塚秀夫君) これは工事実施計画を認可した後、鉄道建設公団と地元と話し合い、特にそういう問題が出てきましたときに監視区域の設定をお願いするということで、具体的に問題が出ましたらその都度お願いしているわけでございます。
#20
○喜岡淳君 問題が起きてから行動するというのでは遅いわけですね。最初から区域を決めて規制をする。そうじゃないと、この地価の高騰というのはとめようがないでしょう。地価が高騰したから動き出すというのでは、私は前と後ろが反対じゃないかと思うんですよ。違いますか。
#21
○政府委員(大塚秀夫君) 駅勢圏というようなところの地価の高騰もございますが、とりあえずは、我々としましては、鉄道建設公団が建設を行っていく鉄道線路にかかわる敷地の用地買収について用地の取得ができるかどうか、高騰しているかどうかということを基準として地元と話し合っているところでございます。
#22
○喜岡淳君 第二の国鉄にはしないんだと、そのために万全の策を尽くして財源も明らかにするというのが今度の法案の趣旨だろうと思います。そういう意味からいけば、最初からきちんとした地価の監視をして、調査も万全にして最初から手を打っておくというのが私は本来じゃないかと思うんです。
 そうしないと、国民は、また第二の国鉄になるんじゃないかと、やり出したら知らぬ間にふえていったじゃないかと。いや、実は最初から過小見積もりだったんだなどと言われたのでは、全くだれしも国民は納得できませんので、地価の監視、そういうことについてももっと大々的にやって、必ずこの用地費でおさまるんだということを明確にこの場で御答弁いただきたいと思いますが、大臣いかがですか。
#23
○国務大臣(村岡兼造君) 今、先生の御指摘の点を踏まえてやっていきたいと、こう思っております。
#24
○喜岡淳君 それから、今大塚さんのお話の中に具体的な合理化の問題、新しい技術開発の問題、いわゆるコスト削減ということが言われました。私は疑問に思いますが、土地代だけでも昭和六十
二年現在見積もりから今日までの間に二倍、三倍に膨れ上がっておるんですから、少々の技術開発で逆にまだマイナスできるんだと、そういう手品のような方法が本当にあるんですか。
#25
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほども申し上げましたように、建設費に占める用地費というのは六十二年の見積もりで一割でございますので、残りの九割というのがその他の路盤工事、トンネル工事等の建設費でございますから、この部分の合理化効果は大きいと考えております。
#26
○喜岡淳君 それでは、既に技術開発等々が行われておるとの話でありますが、衆議院の議事録なんかを見てみましても、今開発中だという表現が非常に目につくわけです。十年来の技術開発の結果、コストが下がらなければいかぬわけですから、具体的にどれぐらいコストが下がるかというテスト、試算というのももう既にできておらなければいけないし、技術も既に開発が終わっていなければならないと思いますが、どうでしょうか。できておるんですか。
#27
○政府委員(大塚秀夫君) ちょっと、私、開発中でこれからできると申し上げたような記憶がはっきりしませんが、もしそういうことを申し上げたとしたら補足させていただきます。
 さっき例示に挙げましたようなものでは、既に採用されているような技術が多うございます。それから、実際にいろいろなコストを下げる工夫、これは線路の設定その他にもわたるわけでございますが、現在調査中あるいは今もう着工するものについては、今まで調査してまいった対象としまして建設推進準備事業費の調査費を使ってそういうコスト削減というようなことについても調査を今まで行ってきているところでございますので、決して将来の不確定な話ということではなしに、鉄道建設公団はまさに近く工事実施計画の認可申請をして建設費も見積もるわけでございます。そのような中に盛り込めるものとして、私が今挙げたような内容のものがあると考えております。
#28
○喜岡淳君 衆議院の運輸委員会でも大塚さんの答えは、「これから工事にかかわる技術の改良、開発等によって建設費を低減していくように関係者を指導していくつもりであります。」、これからそういう指導をしていくということであって、何もできておるとは答えていないわけですね。
 それから、今コスト低減がどれぐらいできるのか計算をしておるというふうにおっしゃいましたが、具体的にどれぐらい下がるんですか。
#29
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、予算で着工する区間、三区間が決まり、法案を御審議いただいて成立しましたら、それに基づいて工事実施計画の認可申請をするというような手続でございますので、その過程で鉄道建設公団が建設費を見積もるということでございます。
 そういう意味で、私ども、今までもそういうことは鉄道建設公団がやってきましたけれども、さらに先生の御趣旨に沿って今後とも指導していくということでございまして、実際には工事実施計画の認可申請が出た段階でそういう問題も含めて明らかになっていくと考えております。
#30
○喜岡淳君 結局、数字の試算というのはできていないということだろうと思いますので、コストが幾ら下がるのか、いかなる技術によって幾ら下がるのか、そういうデータを早急に運輸委員会の方に出していただきますように、委員長も極力よろしくお願いいたします。
 それから、用地費の問題はやっぱりおさまらないということだろうと思いますが、人件費についても人手不足の折、高騰いたしております。特に、労賃なんかが上がっておると思いますが、このあたりはどういうふうにお考えでしょうか。間違いなくいけるでしょうか。
#31
○政府委員(大塚秀夫君) これも具体的には鉄道建設公団がいろいろ努力をしていかなければならないわけでございますが、今、労賃の高騰によって建設費が今までと違って高騰するというような話は聞いておりません。
 この点につきましても、先ほど言いました技術開発の成果等は同時に人件費といいますか作業の合理化にもつながるわけでございますから、そういうものを含めて鉄道建設公団として努力している最中だと承知しております。
#32
○喜岡淳君 やっぱり、いろいろお話を聞いておっても、結局一兆六千五百億円で間違いなくでき上がるという確証を私は得ることはできませんでした。インフレもあるでしょうし土地の騰貴もあるでしょうし、そういう十年の間にまた何が起きるかさえわからないということですから、ぜひ国民が納得するように、この問題についてはっきりとした回答を出していただきますようにお願いをいたします。
 最終的に私が言いたいことは、このお配りした「資料2」なんです。裏を見ていただきたいと思います。
 私は、この一兆六千五百億円の財源そのものがはっきりしていないということを感じております。なぜならば、今度の一兆六千五百億円の建設費は国が三五%、JR五〇%、地方一五%、こうなっておりますね。
 この図の一番下から見てください。地方の負担一五%、二千四百七十五億円、これはまあ賄えるでしょう。それから、開業後の貸付料相当、この二〇%についても、これも間違いなく賄えるでしょう。そして、特定財源で今回やったとして、平成三年度の四百四億円と、あと次年度からは毎年七百八億円ずつ入ってくる。これを全部足しますと、今一兆二千五百五十一億円分しか財源は確定していないわけですね。残りの三千九百四十九億円については十年間をかけて公共事業費で確保する、本当にこんなことできるんですか、全然財源が確定していないじゃないですか。
#33
○政府委員(大塚秀夫君) 平成三年度に整備新幹線関係の公共事業費というのは五十七億円ふえて百二十八億円確保されたわけでございます。今後ともこれら公共事業関係費として既にそういう予算の枠内に整備新幹線の項目ができましたので、これからの公共事業費の年々の増加も期待したいと思っております。
 整備新幹線だけ突出して増加させるかどうかというのは、これは問題がございますが、公共事業費全体の中で整備新幹線についても所要の額を確保していくということで努力していきたいということで、先生御指摘のとおり、特定財源だけじゃなしに、公共事業費の確保というのは、これは単年度予算でございますので、平成四年度も努力していかなきゃならない、五年度も努力していかなきゃならないと思っております。
#34
○喜岡淳君 そういうのは一時逃れのような答弁に聞こえるわけですね。
 平成三年度でさえ百二十八億円なんでしょう。あと九年間で三千八百二十一億円要るんですよ。平均したら四百億円以上要るんですよ、毎年。ことしでさえ百二十八億円しかないのに、どうして来年度からは四百億円以上の公共事業費取れるんですか。間違いないんですか、それは。
#35
○政府委員(大塚秀夫君) 今申し上げましたように、おおむね十年で残工事を除いて確保するというようなことを目標にして、それに必要な特定財源のほかに公共事業費を確保していく。これは平成四年度に急にふやすということじゃなしに、年々一定の伸び率を期待しているということでございます。
#36
○喜岡淳君 そういう答えを先送りするようなところが、やっぱりこれまでの新幹線がなぜああいうふうに膨れ上がっていったのか、同じ根っこなんですね。今はっきりとした決着がついて、はっきりとした足し算の合うような財源を出していない限り、やっぱり国民はだれしも不安だろうと思います。
 そういう意味では、ぜひ運輸大臣にはこの財源について足し算の合うような財源を明確に出していただいて、だれしもが安心できるような計らいをしていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 それから、時間がありませんので最後に一つだけお願いをいたしておきますが、ぜひ運輸大臣、お願いがあります。
 谷川理事もそうですが、もう皆さん四国の鉄道が置いてきぼりを食らっておることについて非常に怒っております。今度の整備新幹線でもそうですが、大都市整備あるいは幹線鉄道についてはどんどんやられるわけですが、果たして四国の鉄道がどうなっていくのか。高知県には電化は一ミリもありません。徳島県にも電化は一ミリもありません。二十一世紀が科学技術、テクノの時代だとか言いますけれども、全くお粗末ですね、実態としては。そういう意味では過疎対策特別委員長もされておりますので、運輸大臣には四国のこの鉄道の近代化問題について、他の地方との格差が広がらないように格別な配慮をお願い申し上げたいと思います。
#37
○安恒良一君 たくさんの問題をお聞きいたしますから、簡潔に答えてください。私は、長い答弁は頭が悪い証拠だと思いますから。
 まず、既設の四新幹線の譲渡価額が九・一兆円というふうに決定しました。具体的理由を説明してください。
#38
○政府委員(大塚秀夫君) 今回譲渡する新幹線施設は、いわば国民共有財産とも言える公共性の高い資産であり、適正な時価で譲渡する必要があると考えておりまして、このために、JR株式基本問題検討懇談会に有識者をメンバーとする資産譲渡に関する新幹線譲渡問題検討ワーキンググループを設置して、その検討をお願いしてきたところでございます。
 その結果、これにつきましては譲渡時、つまり、ことしの十月一日における土地及び償却資産の時価、つまり、再調達価額をもととするということで九・一兆円を計算したわけでございます。
#39
○安恒良一君 今までのいろいろな議事録を見ますと、市町村別、用途別に新幹線施設を分けて平均価額を求めた、こういう説明がされています。私は、きのう資料要求をしておったのですが、この資料要求で都道府県別を出していただきました。それから、市町村別は静岡県をモデルに出していただいて、さらに今度は熱海市の場合、形態A、形態Bで、形態Aというのは駅区等の用地、形態Bというのは線路等の用地ということで、計算方法はこれでわかりました。これは長く説明してもらうとこれだけで大変ですから、よくわかりました。
 ただ、私がきのう要求しておったのはいわゆる全国的に要求をしておったのですが、とりあえず県別、それからモデルとして静岡県、さらにモデルとして熱海市というのをいただきましたので、後から私はほかの県についても一遍検証してみたいと思いますから、ぜひこれらの資料については出していただきたい。
 それはなぜかというと、なぜ九・一兆になったかということの検証はこれを見るしかないんですから、その点はよろしゅうございますね、大臣。後から私の要求に対して資料を出すということ、いいですね。
#40
○国務大臣(村岡兼造君) 時間は多少かかると思いますが、先生の御指摘のとおりにいたしたいとこう思っております。
#41
○安恒良一君 それじゃ、資料は後でいただくことにいたします。
 そこで、今度は衆議院の運輸委員会の議事録を読みましたら、大塚さんは、平成二年四月時点における地価公示価格をもとに計算した、こう言われていますね。現実に、今度は平成三年一月の公示価格が四月に発表されまして、それを見ますと、あなたたちは大体衆議院のやりとりではほぼ二%以内におさまるだろう、こう言っておったのですね。ところが私の方でこれ調べましたら、全国全用途平均は一一・三%に上がっています。二%どころか一一・三%も上がっていますから、これはあなたの衆議院運輸委員会の議事録、答弁等から見ても当然この数字は変更しなきゃならぬと思いますが、その点どうですか。
#42
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、先生御指摘のとおり、私どもが九・一兆円と計算しました際には地価公示額は出ておりませんでした。
 ただ、我々の計算は、昨年後半からの地価の下落傾向を前提として昨年四月からことしの十月一日までを二%と計算したわけで、今回の地価公示額一一・三%というのは全国平均でございますので、そのうち東京につきましては七・〇%、大阪は六・八%。しかも、これは地価公示額と昨年七月一日の都道府県の地価調査と比べますと、昨年後半には東京や大阪で下落傾向にございますので、一一・三%というのをそのまま採用するわけにはいかないと思っております。
#43
○安恒良一君 いや、一一・三%をのまま採用せいと言っているんじゃないんですよ。しかし、あなたが言っている二%におさまるということはないんじゃないですか、これ計算してみて。私も都道府県別に住宅地、宅地見込み地、それから商業地、準工業地、工業地、調整区域内宅地等々、全部これはデータを持って言っているんですよ。それで、あなたの言う計算方法でいって二%でいいということになるはずないじゃないですか。あなたもこの前、こう答弁しているじゃないですか。いわゆる数字は二%を想定しているが、「新しい地価公示額が出てくれば、当然それも参考にしなければならないと考えております。」と。
 さっきから聞いておっても、私は新しい事実が出たら事実を認めてきちっとするものはしなきゃならぬと思うんです。当時はあなたたちはこれでいいと思ったが、その後実際に一一・三%上がったと、それをずっと市町村別にこの計算方法でやっぱり計算をし直すということが当然でしょう。何か自分たちが一遍決めたことを言葉のやりとりで逃げようと思っても逃げられるわけじゃないんだからね、運輸委員会というのはことしもあれば来年もあるんだから。あなたはほかのポストに行くかもわからぬけれども、そんなばかな話はないんだよ。
 だから、少なくとも衆議院で答弁をしたとおり、こういう新しいのが出てきたらそれに基づいて当然計算をし直すというのが当たり前じゃないですか。あなたそれでもあれですか、二%以内に入るということを断言するんですか、ここで。断言するんですか。入らなかったら、今度はどう責任をとるんですか。私は、実際上いろいろなデータを集めてみると、これは一遍計算し直さないかぬなと、こう思って聞いているんですが、どうですか、そこのところ。
#44
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のとおり、先ほども答弁させていただきましたように、新しい地価公示額ということを当然参考にして再評価審議会で検討するということになります。
#45
○安恒良一君 運輸大臣に注文をちゃんとつけておきますが、運輸省は二%という数字を推計値として使ったんですよね。しかし、実績値が一一・三%と出たことは確かです。ただし、都市部だけでなく農村部もありますから全体の平均を考える必要がある、このことは私もよくわかります。
 しかし、公示価格を私の方の調査で用途別に見ましても、大体二けたの上昇をしていることはもう間違いないわけですから、その意味からいうと、私は、この前提となる公示価格の運輸省の推定値である二%と今回発表された公示価格との格差については、早急にやっぱり計算し直される必要がある。その上でこの九・一兆円の譲渡価額でいいのかどうかということの見直しをされなきゃならぬ。でないと、九・一兆円というのはつかみの計算でやられたわけじゃないわけですからね。その点はどうですか、大臣。
#46
○国務大臣(村岡兼造君) 確かに、先生言われるとおり、二%の推定でやりまして、今一一%と。私、聞いておりますと、今度の新幹線は山もあり何もありというようなところで、そこまではいかないと思いますが、先生御指摘のとおりでもあろうかと思います。
 この九・一兆円につきましては、この法案ができ上がりましてからさらに再検討というようなことで評価をし直すということもしなきゃいけない、こう思っております。
#47
○安恒良一君 大臣、誤解ないように聞いてください。私も一一・三%にいくと言っているんじゃないですよ。しかし、二%ということもないです
よと。
 私は私なりにきちっとした数字を全部出した。ただ、コンピューターを持っていませんから、運輸省が計算したようなこういう計算はまだできないですよ。私は、こういう計算をし直せと言っているんです。二%、九・一兆円はこの方法で出したのでしょう、コンピューターに入れて。これに入れて今度は新しいやつでし直せば、二%ではおさまらぬ、一一・何%もいかなければこれだけになるというのがすぐ出てくるわけですから、計算して私のところに持ってこいと言ったら、これを持ってきたわけだ。(資料を示す)これはコンピューターであなたたちやったわけでしょう。
 ですから、そういう意味からいうと、こういうものはやっぱり正しくきちっと積算をするものはしないといけないと思う。そうでないと、後から議論しますが、一兆円なんというのはつかみ金で適当に乗せたのじゃないかという議論で国民が非常に心配をしているわけでしょう。
 そうじゃないんだというなら、具体的、科学的なデータに基づいてきちっと計算をし直して、その上でこういう金額が出てきた、それを政策的に譲渡する場合にどうするかという議論があってしかるべきなんですよ。科学的な資料は資料としてあなた出さなければ、それこそつかみ金の議論は私たちは嫌ですから。よろしゅうございますね、そこのところ。
#48
○国務大臣(村岡兼造君) 御指摘のとおり、新幹線がいわば国民共有財産とも言える公共性の高い資産であるため、公正かつ適正に評価する仕組みといたしまして、機構に評価審議会を設置するという法案の御審議を国会にお願いしているところでございまして、この構成される評価審議会で精査いただき、決定することが適切と考えております。
 この評価審議会の再精査が行われた後においては、その内訳がわかるような算定根拠を公表するとともに、改革法に基づく国会報告の一環として御提示させていただきたいと考えております。
#49
○安恒良一君 次は、JRの株式売却の時期に関してお聞きしたいのですが、JR株式の売却時期については、運輸省はどういう見解を持っていますか。
#50
○国務大臣(村岡兼造君) JRの株式につきましては、平成元年十二月の閣議決定におきまして、「平成三年度にはJR株式の処分を開始する方向で」「JR各社の経営動向、株式市場の動向を見極めた適切な処分方法等多角的な視点からの検討、準備を行う。」こととされており、この閣議決定の趣旨に沿って、検討、準備を進めているところであります。
 実際の売却につきましては、JR株式基本問題検討懇談会の昨年末の中間意見において御指摘をいただいているとおり、株式市場の動向を十分見きわめつつ、弾力的に対応していくことが必要であると考えております。
#51
○安恒良一君 まあ、大臣の答弁ではわかったようなわからぬようなことなんですが、ところが一方では、平成三年度の国鉄清算事業団には、既にJR株式収入として約千五百億が計上されていますね。そうしますと、これは少なくとも穴があかないように平成三年度内にJRの株式を売却するということになる。全部じゃなくても、少なくとも予算で千五百億は組んであるわけですから。
 ところが、今あなたの御答弁を聞いてみますと、いろいろ関係の、例えば有識者懇談会で協議しているとか慎重に検討していると、こういうことです。私は、予算に組み込むならば予算編成前に、今あなたがおっしゃったようなことをきちんと議論して、その結果を踏まえて予算に計上すべきだと思う。一方においては慎重にいろいろ議論しておりますと言いながら、一方ではもうちゃんと予算にこの千五百億は組み込んである。この矛盾はどうするんですか。
#52
○政府委員(大塚秀夫君) 先生、御案内のように、昨年からことしにかけての株式市況というのは大変変動しており、また先行き不透明な状況でございます。
 この中で、平成三年度に上場できるように我々は準備、検討しておったわけでございますが、それでは清算事業団の予算に株式処分収入を上げるかどうかという問題があり、上げないで上場・処分する場合の問題あるいは上げてしない場合、いろいろなケースがございますが、少なくとも現在は上場の方向で準備、検討を進めておりますので、全体の清算事業団の収入支出に大きな影響を与えない仮置き的な姿ということが明示できるように、三社平均の発行価額に二百万株を掛けた千五百四億ということを計上したものでございます。予算の段階でも、そのように私ども対外的には説明させていただいているわけでございます。
#53
○安恒良一君 私は、予算というのはそういうものじゃないと思うんですね。収入に千五百億ですから、簡単に穴があいていいという問題じゃないんですよ。そんなずさんな予算なら、これは予算とは言わないんですよ。そういうものは予算とは言わない。
 だから、今のあなたの答弁は大変私は不満です。そのことははっきり言っておきます。少なくとも私は、予算に計上する以上はその前にしかるべき手続を踏むものはきちっと踏んで、そして予算にのせるべきだと。そうでなければ、ペンディングならペンディングのような、慎重な扱いをするなら慎重な扱いをするようにしておかなきゃならぬ、こういうことだけ申し上げておきます。
 そこで、そういう言い方をされるならば、今回この新幹線整備法案は、JRの株を上場するための環境整備の一環として位置づけられて、この法案を我々に審議してくれと、こう言われているわけでしょう。いわゆる既設の新幹線をJRの会社に譲渡するということでしょう。それがためには、JR会社の資産、債務を確定しておく必要があると思いますが、そういう認識に基づくものですが、その点はそれでいいんですか。
 少なくとも今申し上げたように、既存の新幹線をJR会社へ譲渡するに当たってはJR会社の資産、債務を確定しておく必要がある、そういう認識のもとに今度のこのような法律をお出しになっている、こう思いますが、それでいいんですか。
#54
○政府委員(大塚秀夫君) JR株式上場に当たって、将来の経営に大きな影響を与えるような巨額な資産の債務は確定する必要があるということでございます。
#55
○安恒良一君 そこでお聞きしたいのですが、品川新駅問題、私ここに新聞の切り抜きを持ってきていますが、いろいろ報道されていますね。
 すなわち、JR東海とJR東日本と国鉄清算事業団との間に見解が異なっている。これを運輸省としては調整されなきゃならぬと思いますが、運輸省の立場をひとつ説明してもらいたい。
#56
○政府委員(大塚秀夫君) 最近において東海道新幹線は需給が逼迫しているという現状を私どもも認識しておりますので、この東海道新幹線の輸送力増強策をどうするかということについて、現在、学識経験者等を含めた東海道新幹線輸送力問題懇談会を省内に設置して検討しているところでございます。
#57
○安恒良一君 そんな簡単な答弁でいいんですか。
 なぜかというと、品川新駅問題の決着いかんによっては、JRの会社の土地の帰属について変動が起きるわけでしょう。この問題の決着を図らなければ、いいですか、JR会社の土地について資産、債務の確定はできないんじゃないですか。その点はどうなんですか。
#58
○政府委員(大塚秀夫君) 今申し上げました懇談会でいろいろな案を検討しているところでございます。
 品川新駅をつくるという案あるいはその他の案を検討しておりますが、仮にJR東海等の経営に大きな影響を与えるような案が採択される場合には、先生御指摘のように、株式が売却・上場されるまでに投資家に対する適切な情報開示を行うよう努める必要があると考えており、我々としてもこの懇談会の結論を急いでいるところでございます。
#59
○安恒良一君 まあ、懇談会に任しておると、おれたちは能がないと、そういうふうにあなたは答弁されたですね。
 私は、運輸省としてどういうふうにこの問題の指導に当たられるのですかという見解を聞いたのですが、能力がなければしようがないですな、懇談会にお任せしておるというんだから。それはそう承っておきましょう、あなたたちは全くこういう事態について調整する能力がないというふうに承っておきます。
 そこで、国鉄改革法、国鉄改革法等施行法の三十二条によりますと、JRが引き継いだ土地については、五年間以内に鉄道事業に使わなくなった場合には清算事業団に引き渡すという規定になっていますね、これは。既設新幹線を譲渡するだけでは、私はこのJRの資産、債務は確定されることにならないと思います。この三十二条の規定の趣旨からすれば、改革後五年して初めて土地の帰属が決定するわけですが、土地の帰属が確定してからJRの株の売却を開始する、そのことが投資家保護のために極めて必要なことだ。投資家としては今の鉄道収入がどれだけ上がっているかとか附帯事業でどうかしているかとかいろんなことのほかに、やっぱり資産としてどういう土地があるのかということは極めて重要なことですね。ところがこれを見ますと、その確定は「五年以内」と、こうなっています。
 実は、私はある問題で調べてみたんですが、全くもうそれは安恒さん大変です、あれだけの土地を、これはここまでがJRです、こちらが清算事業団、線引きは何年もかかるというんです。それから、登記も私調べてみましたら、昔のままの登記になっている。登記すらまだ変えていない。それはなぜかというと、線引きができないから登記も昔のままにほとんど全国がなっているという状況です。
 そういう中で、私は、少なくとも投資家保護からいうと、今申し上げたように土地の帰属がやはり確定してから株の売却は行われるというのが当然だと思いますが、この点どうですか。
#60
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のように、国鉄改革法等施行法の第三十二条によりましては、JRの経営判断に基づかない資産の変動が生じる可能性があるわけでございます。
 同条はこれまで四年間にわたり運用されてまいりましたが、今後投資家の投資判断を左右するような土地資産の変動は起こらないのではないかと私どもは考えております。しかし、JR株式の売却までに証券取引所と十分相談し投資家保護に欠けることのないよう、同条の関係する土地についても必要な確認を行うこととしたいと思っております。
 なお、この三十二条というのは来年の三月まででございます。
#61
○安恒良一君 あなた何を言っているんですか。あなた現場を調べたの、私は現場を調べて言っているんだよ。今も言ったように、登記もみんな昔のままになっていますよ、現実に線引きもまだできていませんよ、現地に行ってみたら。そういうところの実態を調べて僕は聞いているんだからね。あなたはそんな机の上だけの報告を聞いて、投資家には大きな変動を与えるようなことは起こらないであろうとかなんとか。全国の清算事業団の土地とJRの土地の線引きが、もうあれから四年たっていますから来年の三月までに全部できる、こういうふうにあなたは現場を把握して言われているんですか。どうも机上の空論にすぎない。
 私なんかも全国見て回るわけにはいきませんから、ある一定の地域だけ見に行った。行ったら、もう全然、登記所で調べたら昔のまま、不法占拠されておったところはされておるまま。聞いてみたら、いやもうそれは安恒さん大変です、日本全国やるの。これをきれいに整理するのには、もう物すごい年数がかかりますと、こう言っているんだよ、相手は、現場の方は。あなたそれ知っておって言っているの、今のようなこと。
#62
○政府委員(大塚秀夫君) 一例を挙げますと、新幹線鉄道保有機構の登記事務も、登記の手続というのはまだ継続中でございまして、そういう手続がおくれているものがあることは事実でございます。その中で投資家に影響を与えるような大きな資産の変動があるかどうかということについては、今後さらに確認していきたいと考えております。
#63
○安恒良一君 ぜひ早急に、一遍慎重に、あなたが言ったことを確認してください。机上の報告だけを受け取られてお話しされてもだめです。
 それから、その次に、JRの株式売却の時期ですが、御承知のように野村総研がレポートを出していますね。質問通告しておきましたから、野村総研がどういうことを言っているのか。そのほかに東証の上場基準がありますね。運輸省として、東証の主要な上場基準を説明してください。
#64
○政府委員(大塚秀夫君) 東証の上場基準で特に大きなものとしては、設立後五年を経過していること、それから純資産額、利益額の問題。そのほかに、取引所の内容といたしましては、いろいろ役員構成、労務状況、経営状況等、細かな点についてチェックすることになっておりますので、私どもその中で特に純資産額と利益額等についてはJRの経営状況を今見ているところでございますが、具体的な基準については取引所の審査にまつという状況でございます。
 それからもう一つ、野村総研のレポートにつきましては、これはいろいろな問題点を指摘している一つの民間のレポートと理解しておりますが、新幹線の買い取り問題あるいは会社の規制法等について問題点を指摘していると理解しております。
#65
○安恒良一君 一研究所といっても、これは株の専門のところですからね。それが「JRの民営化のあり方」ということで、まず一つは、経営の自主性の確保の問題、リスク情報の開示の問題、株式売却の柔軟性の確保の問題、料金決定の明確化と運営ルールの確立の問題、セグメント情報の開示の問題、新幹線設備買い取りの影響の明確化の問題、私はちゃんと勉強しておいてくれと言ったんだが、あなた言わぬからこっちから言うんだけれども、そういういろんなことをこれは指摘しているじゃないですか。
 私は、やっぱりこういう指摘は十分に勉強されて、これからだんだん聞いていきますが、御承知のように、NTTの株の公開というのが大失敗をしているんですよ。国民に大きな損害を与えて国民は怒っているんですよ。そんなことの二の舞にならないように、こういう指摘があればそういうものについても真剣にやっぱり検討をしてみる、こういう態度があってしかるべきじゃないですか。
 そこで、私はきのう、あしたは野村総研のレポートについても聞くぞ、よく勉強しておいてもらいたい、こう言ったんですが、どうですか、この点。これあなた全部読んだんですか。
#66
○政府委員(大塚秀夫君) それが出た直後に私も全体読ませていただき、かつ、野村総研の担当者とも意見を交換させていただきました。
 ただ、野村総研の側で誤解している点もありましたし、また、いろいろ問題もございまして、問題のある点については、また他の専門家等の意見も聞いて今後詰めていかなければならない点もございます。
#67
○安恒良一君 私は、やっぱり重要な基準の一つとしては、今東証の上場に当たっての基準の中の一つに会社設立後五カ年以上経過していなくてはいけないという項目がありますが、NTTの場合は、これは御承知のように特例をつくりまして株の放出を実は強行したわけですね。結果はもう現在の惨たんたる結果に、これはなっているわけですね。これはまあ日本の株が一時的、全体的に大きく下がったということもありますが、NTTの場合は私はそうではないと思うんです。
 そこで、大臣に聞きたいんですが、私は、少なくとも上場基準をあくまでも守って五カ年計画でこのJRの株の放出をすべきだと。こういう点は政策の問題ですから、大臣、どうされますか。
#68
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほど総括審議官から
も話がございましたように、この検討懇談会の意見を十分聞き、また、野村総研などの指摘の点もよく再精査をしながら、NTTの二の舞にならないようにひとつ株の問題で検討して対処してまいりたいと、こう思っております。
#69
○安恒良一君 私自身があなたに注文つけているんですからね。上場基準である五カ年経過後ということは、いろんなことを今資料を検討してもやはり守らなきゃならぬなと、こういうふうに思うからあなたに注文をつけているのであって、そこのところをどうするんですか。ほかの人の意見は聞くけれども、安恒君、おまえの言うことは知らぬというならまだこれから追及しなきゃいかぬが、どうするんですか。
#70
○国務大臣(村岡兼造君) これは上場基準でございますから、東証の意見等も十分踏まえて対処していきたい、先生のまた意見も踏まえて対処していきたいと、こう思っております。
#71
○安恒良一君 それじゃその次は、新幹線の譲渡に関する会計処理上の問題点について少しお聞きをしたいんです。
 JR株式基本問題検討懇談会の中にワーキンググループがつくられました。まあ簡単要旨で結構ですから、どんな議論が行われてどんな結論を得たのですか、それをまず説明してください。
#72
○政府委員(大塚秀夫君) 上場に際しての経営基盤強化のために新幹線を譲渡するということが必要かどうかから検討が始まり、その譲渡価額の算定方法、それから配分方法、また会計処理の問題、こういうことについて専門家を交えて検討したところでございます。
#73
○安恒良一君 ワーキンググループの報告の要旨も資料としていただいていますから、それじゃその中で少しお聞きをしたいんですが、譲渡時点における再調達価額を新幹線別に示していますね。ところが、新幹線保有機構がJR三社に譲渡する価額はこの再調達価額ではないのでありますが、なぜそうなったのか、その理由をわかりやすく説明してみてください。
#74
○政府委員(大塚秀夫君) 各線の再調達価額を譲渡価額とした場合には、新幹線の収益力に大きな格差があるために、各新幹線に係る経営基盤が不均衡となって我が国の基幹的輸送機関としての要請にこたえることが困難になるということから、現行リース料制度と同様に、各線の再調達価額に加えまして各線の収益力を加味した配分割合により、各社への譲渡価額を政策的に策定することとしたわけでございます。
#75
○安恒良一君 わかりやすく言うと、各社の収益力を考慮して譲渡価額とワーキンググループが示した再調達価額との差額の分だけは、率直に言うとJR東海が高く買ったと、JR東日本とJR西日本は安く買ったと、こういうことですね。結果論的に今の数学を見ると、そういうことでいいわけですか。
#76
○政府委員(大塚秀夫君) 結果の数字だけ言いますと、そういうことでございます。
#77
○安恒良一君 そうしますと、この差額分はどのような会計処理を行っていくんですか。
#78
○政府委員(大塚秀夫君) これについてもワーキンググループでいろいろ議論をいたしましたが、民間企業の売買取引に即して言いましても、契約の成立し得る余地がある相対価額となり得るものであるので、この譲渡価額をもとに会計処理する、償却資産については償却していくと、こういう結論になったわけでございます。
#79
○安恒良一君 ちょっともう少し専門的にあれしてみたいと思いますが、この差額分は営業権という考え方で処理をするとしますと、これは商法上五年以内に償却しなきゃなりません。償却負担増から今の経常黒字が一気に消し飛んでしまいまして、これは上場不可能になると私は思うんです。
 そこで、いわゆる配分価額を取得原価として、これはもちろん土地は除かなきゃなりません、土地は減価償却の対象になりませんから。そして、償却資産五・一兆円を何十年かで減価償却する、そういう方法をとろうということですか。
#80
○政府委員(大塚秀夫君) 営業権の議論も出ましたけれども、今回の譲渡が営業の譲渡ではなく資産の譲渡にすぎないために、商法における営業権の計上要件を充足しないということで、今先生御指摘のとおりの結論になったわけでございます。
#81
○安恒良一君 そうすると、私が言おうとすることは、今言われたように、この会計の処理の仕方では極めて重要な影響をJR各社に与えまして、場合によると株式の上場ができなくなってしまう状況があるわけです。そこで、今、私が二通りの方法があるが、後の方法をとったんだなと聞いたら、そのとおりだと、こうお答えになったわけですね。
 そこで、今度は運輸大臣にお聞きをしたいんですが、新幹線の譲渡によってJR各社への影響、もっと言えば、JRの株式の上場にほとんど影響がないと考えているのかどうか。それは、今申し上げた減価償却負担増の今後の見通しを示した資料というのがありませんから、この資料を私は出してもらいたい。
 というのは、今申し上げたように、五・一兆円でこれから減価償却していくということですから、それが十年かかるのか二十年かかるのかわかりませんが、そういうものできちっとしたものを出してもらわないと、私はJR各社への影響がどの程度出てくるのかというのはちょっと見られないんですよね、今の説明だけでは。その点は今間に合わなければ、これが終わった後で私のところに、こういうふうに償却をしていくんだと、こういうことは出せますか。
#82
○政府委員(大塚秀夫君) 耐用年数につきましては幾つかの方法がありまして、譲り受け人たるJR各社が耐用年数を合理的に見積もる方法、あるいは譲渡人たる新幹線鉄道保有機構の残存耐用年数経過時の二割に相当する年数を加えたいわゆる中古特例を採用する方法あるいは法定耐用年数をそのまま適用する方法、いろいろございまして、それのどれを採用するかはJRの判断でございますけれども、そういう中の一つを仮定としてどういうふうに償却が行われているかという数字はお出しできると思います。
#83
○安恒良一君 いや、いろいろあるんだと、現在の段階では不明確だと、こういうことでは今度のこの三法を出したその意味合いを疑いたくなるわけです。
 少なくとも新幹線を譲渡しても会社には影響を与えないと、それならばそれをやっぱり証明できる減価償却負担の試算の見通しというものがきちっと我々に示されてしかるべきなんですよ。いや、それは会社が後でやるのであって、あれもあるこれもあるからなんて言われても素人じゃないんだからね、こっちも。そんなお粗末な答弁ではこれ困るわけであって、例えば償却方法については定額方法なのか定率方法なのか、償却の具体的方法は何なのかと、恐らく僕は定額方法をとるだろうと思いますけれどもね。そして、今後十年間であるならばどの程度減価償却の負担がかかってくるのか。
 例えば、平成四年度のJR東日本及び東海が四百五十億程度の減価償却負担増になるというような試算も一つはあるわけですが、平成二年度の事業計画でJR東日本の経常黒字は千百八十六億円で、一株当たりに割り戻しますと、これは二万九千六百五十円となります。上場基準である直近の一年間の利益基準である二万円をクリアしていますね、これは。これはクリアしている。ところが、仮に二年度の経常黒字から四百五十億の減価償却費を差し引きますと、一株当たりの利益額は一万八千四百円となり、これは上場基準を達成できなくなるんですよ。
 ですから、その意味からいうと、今のような答弁では困る。少なくとも、減価償却はこういう方法に基づいて年次計画はこうなりますと、だからこれは株式上場の基準をかなりクリアできますということがないと。しかも、今回のこの買い取りはあるところにはかなり高く買わしている、あるところには安く買わしているわけですからね。しかし、いずれもそれは減価償却をしていかなきゃならぬわけでしょう。そして、一方においては株
を上場しようと、こういう計画をお持ちなんですから、そこのところの数字はきちっと私どもにあなたたちはお示しになる必要があるし、国民の公共的財産でもある。
 さらに、これから上場するということになれば、投資家保護という意味でNTTの二の舞を二度としてはいけないと思いますから、その意味からいっても、今言われたような説明だけで私は納得をするわけにいきません。そこで、どうしてくれますか。
#84
○政府委員(大塚秀夫君) 先生、今御指摘のように、減価償却については定率ですと当初の年度に負担が大きくなりますので、定額を採用するものと思われます。そして、定額で各年度の減価償却費というのはそれぞれ計算できますので、提出をさせていただきます。
#85
○安恒良一君 じゃ、それは早急に資料を提出してください。その上であれをしたい。
 次に、これは同僚委員からも問題になりましたし、また、私どもはここ数年間ずっと追及してきていますが、一つも解決できません東京や首都圏、それから関西圏等における混雑緩和対策についてお聞きをしたい。
 これは大臣、(資料を示す)「混雑緩和望めぬ”痛勤電車”」、通勤は通勤でも痛い勤の電車と書いてあるんですね。いいですか、通勤の通は通う通じゃなくて体の痛い「”痛勤電車”」、こういうのがあるわけです。
 そこで、なぜこういうことになるかというと、いわゆる首都圏を中心とする主要な通勤線は軒並みに混雑率が二〇〇%を超えております。これは私たちも毎年のように国会で取り上げていますが、改善の方向には現状はほど遠いのであります。あなた自身もこの前、渋谷駅の混雑状況を視察されたそうでありますから、この際、大臣から通勤通学混雑問題の対応策について基本的な所見を承っておきたい。
#86
○国務大臣(村岡兼造君) 首都圏における通勤通学輸送の混雑緩和等を図るためには、地下鉄等の都市鉄道を着実に整備していくことが不可欠であると考えております。
 このため、平成三年度予算におきましては鉄道整備基金の設立を盛り込み、同基金による営団地下鉄、同都市鉄道整備に対する無利子貸付制度の創設を行うとともに、地下鉄補助金を四百一億円から生活関連重点化枠二十二億二千万円を含む六百五億円と増加を図る等の措置を講じ、都市鉄道整備に対し従来よりも一層手厚い助成を行うことといたしております。これらの措置により地下鉄等の都市鉄道の整備は一層促進されるものと考えております。
 また、鉄道整備についていろいろふやしてはおりますけれども、この程度ではどうにもならないんじゃないか、こういうことで公共事業として五カ年計画というような長期計画をつくるべきだ、こういう御指摘もございます。一方、鉄道の投資は民間部門による投資のウエートが高く、空港、港湾のような公的セクターが中心となって整備を進めている部門と同様の形で長期計画を策定することが適当か否かの問題もありますけれども、今後鉄道整備の中長期的指針について運輸政策審議会において御議論をいただきたい、こう思っているところでございます。
#87
○安恒良一君 それじゃ、あなたの基本理念についてもいろんな意見ありますから、それはこれから具体的問題を指摘しながら、こうしたらどうかということを質問していきたいと思います。
 基本的な問題は、やはり輸送力の増強にありますね。しかも、地価がこれだけ首都圏や近畿圏等においては上がってしまったから、その結果、新線建設はおくれてしまっています。これを、いや鉄道事業者は民間だからその責任でと、こう言われたって問題は解決しないんですよ。それはなぜかというと、国の一極集中主義政策や土地政策の失敗がもたらした結果なんです。ですから、そんなものを簡単に、鉄道は民間の事業者がやっているんだから、そこの責任でやらせりゃいいじゃないかなんという意見は、全く自分で天井を向いてつばを吐いているような話になりますからね、これは。そんなばかげた議論ではいけないと私は思、う。
 そこで、具体的にお聞きしましょう。今後、新線計画はどの程度あるのか。それから、それが整備されたら現在の混雑率がどの程度まで下がるのか。そして、それを年次別に見て具体的に数字で示してください。
#88
○政府委員(佐々木建成君) 首都圏を例にとって申し上げますと、昭和六十年の運輸政策審議会の答申によりますと、昭和五十五年の時点での混雑率が大体二二〇%ちょっとという状態であったわけでございます。
 運輸政策審議会の答申に基づきますと、答申路線の延長は新設が四百二キロメートル、それから改良・複々線化が八十九キロメートル、それから旅客線化が四十一キロメートルということで、合計五百三十二キロの何らかの新線建設あるいは改良をやるということになっております。これらの整備を平成十二年、西暦二〇〇〇年までに行った場合に混雑率が一八〇%になるであろうという想定を当時いたしておるわけでございます。
#89
○安恒良一君 いや、私もこの答申を見ています、これはね。だけれども、これは願望じゃないですか。本当にあなたがおっしゃったように、これが昭和五十五年の二二〇%から昭和七十五年に、今度は平成になったんですが、一八〇%に現実に下がり得るという確信をお持ちですか。
 私から言わせると、少なくとも一五〇なら一五○に下げるという一大目標を決めて、そして、あなたたち自身が抜本的な総合的な対策を打ち出さないと、運輸政策審議会が答申としてこれを出しているだけであって、今日までの進捗状況から見てこれすら私は疑わしい。これが現実にできるということは非常に疑わしい。それは後から聞いていきます、具体的に。なぜ疑わしいかというのは私が立証しますけれどもね。
 ですから、大臣、少なくとも一五〇なら一五〇に下げるという大きい目標をぴちっと出して、それをやっぱり年次的に実際に下げていくという計画がないと、あなたが今言われたことは、これを読まれただけの話ですよ、運政審の答申。そうこれには書いてあるわけ。書いてあるけれども、書いてあることと現実との乖離離をどうするかということで毎年国会の運輸委員会や予算委員会でこの問題はほとんど各党がこれを取り上げて迫っているわけですから、いや、答申があるから答申のとおりなるでしょうなんて、そんなのんきなことを言っておったんじゃだめなんですが、そこはどうなんですか。
#90
○国務大臣(村岡兼造君) 先生が確かに御指摘のとおり、運政審の考え方、これをまた運輸省で決めて方針を出さなきゃならぬということもそのとおりでございますし、二二〇%が一八〇%でいいのかどうか、こういうこともございます。したがいまして、今まで運輸委員会で各歴代の大臣等も御答弁していると思いますが、実際にはそのとおりにいろいろ土地買収や財源難の問題でなっていないということが事実であって、後追い的になっていることも事実であろうと、こう思っております。
 したがいまして、今、先生御指摘のとおり、先ほども言いましたけれども、全部の今後の五カ年計画というような御指摘もございました。ただ、先ほど、まあ会社だからそれに公共事業はすべきじゃないのではないかという御意見もあるけれども、それではもうだめなんだというような考え方を私もいたしまして、御指摘の点を踏まえましてもう一遍運輸省でしっかりした方針を出していくか、運政審の意見もお聞きをいたしまして、その後に運輸省の方で考え方も出していかなきゃならぬ、こういうふうに考えておるところでございます。
#91
○安恒良一君 首都圏の新線建設で一つ大きく期待されているのに常磐新線問題がありますが、現在の進捗状況はどうなっていますか。
#92
○政府委員(佐々木建成君) 常磐新線につきましては、先ほど御説明しました昭和六十年の運輸政
策審議会の答申で、西暦二〇〇〇年までに整備すべき路線というふうに位置づけられておるわけでございますけれども、その後運輸省、関係地方公共団体あるいはJR等との協議が行われまして、去る三月十五日に常磐新線の事業主体であります第三セクターの首都圏新都市鉄道株式会社が設立されたということでございます。
 したがいまして、これからこの第三セクターが常磐新線の整備と運営を行うということになるわけでございます。それで、現在一都三県におきまして一体化法に基づきます基本計画の策定についての準備を行っているということでございます。
 基本計画の内容としましては、鉄道の整備と、それから宅地の開発を一体として整備をするという内容になるわけでございますけれども、その基本計画が策定されました場合に、運輸大臣、建設大臣、自治大臣の承認を受けて、さらに第三セクターが鉄道業の免許を受け、工事施行の認可を受けて、それから着工するというような段取りになるわけでございます。
 今準備中でございますが、財政面につきましては公共団体等が中心となりまして約二割程度の出資を会社にいたす。それから、建設費につきましては助成対象経費の四〇%を今御提案しております鉄道整備基金からの無利子貸し付けで賄い、それから、同額を関係地方公共団体から同様に無利子貸し付けをするというようなことを考えておりまして、平成四年度以降工事が具体化すればそういった助成の対象になるというようなことで進めさせていただきたいと思っております。
#93
○安恒良一君 大臣、今お聞きのとおりで、私たちは平成元年の百十六国会でこれは決めたんですよ。そのときも、もうどうしても早く決めてくれ決めてくれと私たち運輸委員にもうやいのやいのの催促で、かなり日程的にも無理をしてこれは決めたんです。ところが、もう三年たっておるじゃないですか。そして、やっと平成四年度から着工するというんです。余りにもスローモーじゃないですか、余りにもスローモー。その原因はどこにあったんですか。
#94
○政府委員(佐々木建成君) 答申ができて、さらに一体化法ができてから時間がたっているという御指摘はそのとおりでございますけれども、何しろこの路線につきましては、延長約六十キロにわたり、かつ一都三県にまたがるという大きな路線でございまして、建設費も今の想定ですと八千億円というような大きな額になるわけでございますので、この鉄道を整備するに当たりましてどういう主体にすべきなのかとか、それから運送量の見通しはどうなのか、それから資金調達はどういう方法がいいのかといったことにつきまして関係者のコンセンサスを得るという必要があったわけでございます。
 とりあえず第三セクターという格好ででき上がったわけでございますが、まだこれから用地の取得の問題とか具体的な資金調達あるいは宅地の開発というような問題が残っておるわけでございますけれども、鋭意進めてまいりたいと思っております。
#95
○安恒良一君 常磐新線が首都圏の通勤混雑緩和に大きな影響を与えるということはわかっているわけですから、私はやっぱり少なくとも歴代大臣初め関係局長はもう少し熱心に事態を進めることをやってもらわなきゃ困ると思うんです。法律を出して、法律を通過させるまではやいのやいの言うて、法律が通過した途端あれやこれやいろいろなことを理由に挙げて、もう三年たってしまったんですからね、三年。そんなスローモーで本当に国民が望んでいる首都圏の混雑緩和ということにあなたたちが真剣になっているかどうかということを疑いたくなるんだよ、疑いたくなる。このことを私は厳重に注意しておきます。
 これから、いよいよ来年これに着工するんですから、私は、やっぱり運輸省としていろんな問題があればその問題の解決に積極的に運輸省自体がリーダーシップをとるべきであって、難しい問題がいろいろあったからあったからといって、三年間たってやっと四年目に着工できるかどうかという、そういうスローモーな対応の仕方というのは、私は行政上怠慢だと思うんです。もう少し熱意を持ってひとつ対応してもらいたいなということを言っておきます。
 そこで、私はやっぱりこれがおくれた一つの理由は、建設資金その他の確保問題が大きな問題だったろうと思います。今回、鉄道整備基金の無利子貸付制度ができまして、この制度は四割を無利子で貸し付けると。政府の見込みでは一応八千億程度といいますが、これまた私たちは一兆円ぐらいすぐかかるだろう、こういうふうに一兆円プロジェクトだと思います、もう二千億ぐらいのずれはすぐ出てきますから。
 そうしますと、常磐新線の建設費の四割ということですから、四千億の金額を無利子貸付制度で対応するということでありますが、この点は間違いなく、まあ一兆円の場合は四千億になりますね、それから八千億で上がるとすればそれの四〇%で三千二百億、こういうことになりますが、これは間違いなく無利子貸付制度ということで対応していくということをここで確認しておいてよろしゅうございますか、どうですか。
#96
○政府委員(佐々木建成君) 用地費を含みます常磐新線の事業費が八千億ということでございますが、これは今後の物件費あるいは用地費の上昇をある程度見込んだものでございますので、現在価格でこれがどんどんさらにふえるということではございません。
 それで、八千億を前提にいたしまして、このうち総経費等の問題もありますので、助成の対象になる建設費というのが決まるわけでございますが、その四〇%については無利子貸し付けを鉄道整備基金からやるという方針については間違いございません。
#97
○安恒良一君 いや、私が言った数字が、まあ私は八千億の場合、一兆円の場合で数字を挙げたんですが、あなたはそこのところを言葉を濁されるわけです。四割のところだけを強調されるんですが、それじゃあなたたちは大体無利子貸し付けの金額は幾らになると思われているんですか。そこをあいまいにしたまま、いや四割は間違いありませんと言われたって、そんなもの信用ならないんだよ。
 だから、私の計算が間違っておるならば、あなたたちはいわゆる常磐新線の建設費の四割というこの金額については、大体どの程度に計算されていますか。
#98
○政府委員(佐々木建成君) 助成の細目、要項的なことはこれから詰めるわけでございますけれども、八千億の四割とすれば三千億から三千二百億とかそういうような額になるかと思います。
#99
○安恒良一君 三千億から三千二百億は確実に無利子貸付制度として対応すると、大臣よろしゅうございますね。
#100
○国務大臣(村岡兼造君) 今、地交局長が答えたとおりでよろしいかと思います。
#101
○安恒良一君 そこで、私は大臣ともやりとりしましたように、国が鉄道整備に本腰を入れてこなかった結果が今日のいわゆる首都圏や関西圏等、大都市圏の通勤混雑になっていると。
 というのは、私は今までの運輸省の考え方として、皆さん方はやや民間事業者に任せ切りだったと、そこに通勤混雑問題というのが出てきた。しかし、今はもうこれは内政上の、内閣にとっても重要な問題になっていますね。だから、単に一民間事業者と利用者というだけの問題じゃないんですよ、これは。やはり国がどういう姿勢を持ってこれに取り組むのかと、こういうことに私はなると思います。その点については大臣もそういう認識を持っておられると思いますが、その場合に、常にやっぱり財源問題というのが大きく根っこにかかってくるわけです。しかし、私は、もうそろそろ国としても抜本的な混雑率緩和対策を確立すべきところにきていると思います。
 そういうような状況の中で、大きな課題である財源問題についてフランスは交通税というものを設けて、既にそれが定着しております。そして、割引運賃の減収分や設備投資に振り向けられてお
りますが、ひとつこの点、大臣御存じなら大臣からでも結構ですし、そうでなければ政府委員から、フランスにおける、いわゆるパリ都市圏の交通税についてどういうふうにあなたたちは認識されているのか説明をしてください。
#102
○政府委員(佐々木建成君) 今、先生が御指摘のフランスの交通税でございますが、私どもで理解しておるところをお話し申し上げますと、当初対象地域としましてはパリとその周辺部を含むところから始まりまして、それからだんだん拡大してまいりまして、現在パリと、それから百四十の都市で徴収をされておるということで、納税義務者は九人以上の給与所得者を使用するすべての雇用主になっていると。
 それから、税率はパリの場合には支払い賃金の二・二%というようなこと。それから、税の使途でございますけれども、今先生御指摘のように、一つは公共輸送機関の運賃割引の補償ということで、公共輸送機関としましてはパリ運輸公社、それからフランス国鉄、パリ運輸事業者協会、これはバスの協会でございますが、そういったところの運賃割引の補償。それから、二番目が運賃割引の補償に充当された後の剰余金は設備投資補助に充当するということで、例えば、車両の更新とか路線の延長、借入金の返済といったようなものに充当されるというようなことでございます。
 主たる目的は運賃割引の補償で、残余が設備投資補助というふうなことになっておるわけでございます。
 それで、こういったものについての考え方でございますが、我が国について適用したらどうかというようなお尋ねかと思います。
 我が国におきましてはフランスとは税体系が異なるわけでございますが、例えば、地方公共団体が法人住民税や事業所税の税収の一部を基金という格好で積み立てまして都市鉄道の整備に充てるというようなことが行われております。これは例えば、北九州のモノレールとかあるいは仙台市の地下鉄等におきましてそういったことが行われているということで、言ってみればこのフランスの交通税と同趣旨のことが行われているというようなことに理解しております。
 なお、通勤混雑緩和対策の抜本的な対策としましては、今御提案申し上げております鉄道整備基金の活用で総合的かつ計画的な整備に努めていきたいというふうに考えております。
#103
○安恒良一君 パリ都市圏の交通税はどういうことですかと聞いておるのであって、その先をまだ質問もしないのにべらべら答弁してもしようがないよ。
 それじゃ、パリ広域都市圏交通局の収入構成比はどうなっていますか。
#104
○政府委員(佐々木建成君) 今のお尋ねが交通税の収支という意味でお答え申し上げますと、一九八九年でございますが、六十八億五千四百万フラン、日本円に直しまして千七百十四億円というようなことで、使途につきましては八五%ほどが運賃割引の補償に充てられておりまして千四百五十七億円ぐらい、それから、施設整備の補助金に使われておりますものが二百五十七億円というようなことだろうと思います。
#105
○安恒良一君 そんなことは聞いてません。パリ広域都市圏交通局の収入の構成比はどうなっていますかと聞いている。収入の構成比はどうなっていますかと。あなたはその中の交通税だけをお話しになった。
#106
○政府委員(佐々木建成君) 申しわけございませんが、今手元に資料がございませんので調査いたしたいと思います。
#107
○安恒良一君 資料がないといったって、きのう質問取りに来たときに、こういう点はきちっと勉強しておいてくださいよと言ってありますが、やむを得ませんから私から申し上げましょう。
 運賃が、これは利用者負担が大体三七%、今言われた交通税、これは企業負担が一七・五%、それから一般公共補助、これは国が七〇、地方が三〇の比率になっていますが、これが全体の四五・五%、こういう比率によってパリの交通関係が維持されているわけですよ。このことは私はやはり重要視しなきゃならぬと思いますね。その意味であなたたちにこれは聞いたわけです。
 そこで、話の中心である交通税について先回りしていろんなことを言われましたけれども、あなたがおっしゃったとおりに八九年度で六十八億フラン、日本円に換算しますと千七百億円ですね。そしてこれを、これまたあなたも言われたように、九人以上の給与所得者を使用する企業から徴収しています。考え方としては受益者負担の原則だというふうに私は思います。と同時に、これはやっぱり開発利益の還元という立場にも立っていると私は思いますね。公共輸送機関の提供によって市内の企業の受ける便益に課税している。これが私はフランスにおける交通税だと思うんです。
 ですから、私は、このことをあえてきょう取り上げたのは、これをやはり一つの参考として新たな鉄道整備のための財源を獲得することの検討をすべき段階にきているんじゃないか、こういう意味で少し詳しくこの問題を取り上げたわけですが、大臣、どうですか。私は、新たな鉄道整備の財源を獲得するための検討を早急にすべきだと思いますが、どうでしょうか、その点は。
#108
○国務大臣(村岡兼造君) 安恒先生、フランスのパリの交通税でございますか、大変詳しくお調べ願って、また提案をされたのでございますが、多少日本の方でも地方税等であるという話もありましたけれども、これは目的税というか交通税という確たるものではないことも承知をいたしております。
 私自身も、例えば水不足のときに水源税というようなことも提唱したことがございましたが、これは農業あるいは地元、地方から反対がございまして実現に至っておりません。いろいろ目的税というようなものについて、例えば会社にいたしましても、地方にいたしましてもいろいろ大変な問題点があろうと思います。要するに、問題は、先生は鉄道整備基金の無利子貸し付けだけでは整備が進まないんで財源問題をどうするかと、こういうことに尽きるかと思います。
 したがいまして、先ほどもお答えを申し上げましたが、都市交通に限らず、新幹線の問題でもあるいは地方幹線の問題でございましても、今までは国鉄があのような状況で、ややもすると、ややもするとというよりも鉄道そのものに対してほとんど財政的なものがなかったということだと私は思っております。
 しかし、この時点に至りまして、もうとても会社がやるとか何かがやるとかというような状況ではございませんので、いろいろな部面を公共事業費としてふやす。また、鉄道整備基金をどうやってふやしていくか、あるいは今先生の言われた税も含め全般にわたって、今後、特にまた先生の御指摘のとおり、都市鉄道という問題についてどう考えていくかということも、決して運輸省の方はただ漫然としているわけじゃないと思います。
 しかし、私どもさらに真剣に、先ほどの常磐新線の問題につきましてもいろんな問題につきましても検討して、とにかく一番の難点は財源確保という問題であろうと思いますので、あらゆる部面から総合的に検討して対策を立てていきたい、このように思っておるところでございます。
#109
○安恒良一君 大臣、これは私が申し上げたように、まずパリから始まりましたけれども、さらに今度は三十万人以上の都市リヨンなどでも行いましたし、一九八二年には三万人以上の都市で全部やっているわけですよね。しかも、これは地方税としてやっています。それから、徴収はいわゆる社会保障制度の仕組みが活用されていますね。九人以上の事業所に適用する。
 ですから、極めてフランスはきちっとしたことを研究して、しかも税率も一律ではなくして、やはりいろいろ企業負担能力を考えて、大都市の場合、中都市の場合、そうでない場合という税率等も考えてやられていまして、私はかなりこれは参考になると思いますから、ぜひとも一遍よく運輸省自体として、すぐ税のことになるとこれは大変だ、大蔵省との戦争なり自治省との戦争なりいろ
いろあるからということで及び腰ではなくして、フランスではこういうシステムがきちっと根づいて、しかも地方税として徴収方法も社会保障制度の仕組みを活用して円滑にやっているわけですから、私は前向きにこの点はきちっとしてもらいたいと思う。
 そこで、それはそれで抜本的な問題として早急にやってもらいたいのですが、当面いろいろの知恵を働かせることによって少し交通混雑緩和ができると思いますが、輸送力増強の一つとして貨物線の旅客への活用問題があります。
 現在、東海道線では貨物線を活用して通勤ライナーを走らせていますね、通勤ライナーを。同僚委員から余り貨物線を活用すると貨物が運べなくなるのではないかという質問がおとといあったそうですが、私はその点はその点としまして、今さしずめやっぱり一番困っているのは、この首都圏だけで三千万からの人がおるわけですから、それが毎日毎日の通勤で大変困っているわけです。その意味からいうと、貨物線の活用というのをもっと積極的に行うべきだと思いますが、その点はどうですか。
#110
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のように、東海道貨物線等の旅客化ということを従来から進めておりますが、今、山手貨物線について言いますと、池袋―新宿間が六十一年三月から旅客線化され営業しておりますが、残る新宿―渋谷間につきましても、渋谷駅とその周辺を含めた全体的な都市の整備計画と調整をとり、また、代々木駅構内にある踏切の解消等、地元と調整をとって検討していきたいと考えております。
 それからもう一つ、武蔵野南線の旅客線化、これは同線の大部分がトンネルとなっているために駅をどう設置するか、他線とどう取りつけるか、技術的課題がまだ未解決でございますので、こういう問題について技術的な検討をして判断していきたいと思っております。
#111
○安恒良一君 ぜひこれも積極的に検討して、活用すべきもの、進めるべきものはどんどん進める、それが通勤混雑緩和の一つの方法として有効な方法だと私は思います。
 それから、同じ東海道線のケースですが、夕方ラッシュ時にブルートレインが発車しますね。これが発車しますと、その分通勤電車の発車間隔が開いてしまいまして、途中駅で追い抜きのために時間のロスが五分から十分出るというふうに言われております。ですから、これを解消するためには、ブルートレインを品川から貨物線経由で運転すれば、その結果通勤電車への影響が少なくなる。これは、たまたまブルートレインが出るのが夕方のラッシュ時ですから、それがために一般の通勤電車が今言ったような迷惑をこうむっているというのがあるんですが、この点はどうですか。
#112
○政府委員(大塚秀夫君) ブルートレインを品川から東海道貨物線経由で運行する場合に、品川発にした場合は別ですが、東京発にしますと東京―品川間が相変わらず旅客の増発余力が生じないこと、それから、横浜駅を通過しなくなりますので横浜駅での旅客扱いができない、こういう利用者の便が減少するというような問題がございますが、今後の混雑状況の動向あるいは横浜駅の対策等を考えながら、必要に応じて検討していく必要があるものと考えております。
#113
○安恒良一君 ぜひこれも、これだけ混雑が激しくなってまいりますと、時間のロスが五分から十分通勤のラッシュピーク時に起こるということは、私はやっぱり検討しなきゃならぬと思う。ブルートレインを利用するお客さんの利便もさることながら、通勤混雑緩和というのは、こちらはいわゆる大舞台ですから、多くの人が途中駅で追い抜きのために時間のロスが五分から十分も出てくるということであれば、そういうダイヤについては、これは私はやっぱり検討されてしかるべきだと思いますから、その点は厳しく注文をしておきますから検討してもらいたい。
 それから、次は時差出勤の問題ですが、通勤混雑緩和のためにも総合的対策の一つとして、朝の出勤時間がおおむねほとんど同じ時間帯に決められている、これが混雑率を一段と高めている結果になっています。そこで、時差出勤制度をもっと積極的に企業に導入させるという方法を考えるべきではないか。
 これを促進するためには、例えば時差出勤を実施する企業には時差通勤定期割引制度ということの導入についても積極的に検討し、取り組むべき段階にきているんじゃないか。でないと、ただ単に時差出勤をしろしろという行政指導だけでは、私は時差出勤というのが生きてこないと思いますから、少なくとも時差出勤をする会社が明らかになった場合には、そこの通勤定期について何らかの割引制度を考えるということになると採用する企業もふえてくるんじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
#114
○政府委員(佐々木建成君) 時差通勤につきましては、当初昭和三十六年に東京で制度が始まりまして、以降、大阪、名古屋、福岡、仙台といったような都市について実施をされてきておるわけでございます。
 それで、平成三年度から七年度までの五カ年間の計画が、先般、交通対策本部長であります総務庁長官によりまして決定されまして、現在、関係鉄道事業者に対して時差通勤通学推進のための広報活動、事業所等に対する協力要請を行うべく指導しているという状況でございます。
 それで、時差通勤を実施した企業に対して通勤定期の割引をしてはどうかというようなことがございますけれども、この点につきましては、時差通勤の効果といいますか、都心部での時間とあるいは郊外で乗るときの時間とが非常に人によってまちまちでございますので、なかなかそれをどの範囲で適用するかということについて技術的な問題あるいは公平の問題等があるかと思いますが、なおこれから検討したいと考えております。
#115
○安恒良一君 大臣、お聞きのとおりで、時差通勤を政府として奨励しているが、どの程度の企業が何人ぐらいでどういう形でやっているかという実態をあなたたちは把握されているんですか。その上であなたはそういう答弁をされているんですか。実態を把握されておったらそれを説明してください。
#116
○政府委員(佐々木建成君) 平成二年度までの時差通勤についての数値でございますけれども、東京の場合に百七十二万人の目標人員であったわけでございますが、それに対して協力をした人が百七十四万人、そういうようなふうに各都市の実績はつかんでおります。
#117
○安恒良一君 これも私は、もっともっと東京や関西圏等において今時差通勤をやっている実態、さっきあなたが言われたように、出発地と首都の中心で効果の点でもいろいろまだわからぬと、こう言うんだから、わからぬというのは調査していないからわからぬわけだから、具体的にやはり何万人ということだけじゃなくて、あなたが疑問を投げかけられたような問題はあなたがここで答弁することじゃないんです、あなたたち自身が調査をすることなんです、そんなことは。調査をしてその上でどういうふうな効果があるかということの中からやはりこの定期割引制度についても積極的に真剣に考えられてしかるべきじゃないか。
 何か私たちが質問すると、先生の趣旨を体しまして勉強しますとか研究しますと、そんな話ばかりなんですが、そんな話を何回聞いてもだめなんですよ。具体的にこういうふうにしましたという話を聞きたいのです、私は。というのは、この問題というのは何もきょうきのう取り上げられた問題じゃないんだ。何年も前から混雑緩和対策の一つとして時差出勤を積極的に取り入れるべく運輸省としてはやるべきじゃないかという意見は何回も出ているわけですからね。今ごろから検討したんじゃもう遅いんですよ、これは。
 ですから、ぜひともこの点はひとつ今申し上げたように、まず、正確に実態を把握する。そして、その上でどういう効果があらわれているかということも、またこれも正確に調査をする。そして、それに対する対策の一つとしては、ただ奨励とか勧告だけでは具体的じゃないですから、一つの方
法として私が今提起しているのは、いわゆる通勤定期の割引ということについても一遍、今言われたぐらいの数字ならば、それがどの程度割引の結果がその企業に影響を与えるのかということの検討も必要でしょう。さらに、私がフランスの例を挙げたというのは、やはりこういうものについて企業に負担させるんじゃなくて、差額を持っていくという方法もあるから私は新しい財源を考えなさいと、こういうことを申し上げているわけですから、そういう点について研究してもらいたい。
 そこで今度は、これも最近、通勤混雑問題もありますし、住宅が遠距離になった、こういうことで、結局、新幹線通勤というものがいろいろ問題にされていますが、一番新しい新幹線通勤の実態について、まず説明をしてください。
#118
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線通勤通学定期券の発売実績で推移を申し上げますと、六十三年度四新幹線合計で通勤通学定期券の発売が七千四百八枚でございましたのが、元年度で一万五百五十一枚、二年度で五割増しの一万五千七百十二枚になっております。
#119
○安恒良一君 そこで、これも我々が新幹線の通勤定期の割引ということについていろいろ問題を提起してありますが、一時運輸省の中でもいろいろ検討をされたようですが、私の意見から言うと、今おっしゃったようにだんだん新幹線通勤定期がふえてきていますから、割引については積極的に対応すべきところにきている、こう思います。
 そこで、運輸省内ではどういう検討をされているか、その結果どうなっているか、それをお知らせください。
#120
○政府委員(大塚秀夫君) 今、私どももJRに検討させておりますが、東日本では東北・上越両新幹線で平日利用に限った定期券を通常の、先ほど言いました発売実績を持っている新幹線定期よりさらに割り引いて発行することを検討中でございますが、先ほどの数字でございますように大幅な伸びを示しておりますので、これ以上値下げを行って混雑を引き起こすおそれもありますので、今後新幹線通勤時間帯における輸送力増強との関連においてどうするか決めていきたいということで検討中でございます。
#121
○安恒良一君 私は、大臣、これを言ってもまた検討検討と言うから、私の方から注文をつけておきますが、上越・東北新幹線、さらに東海道・山陽各新幹線について新幹線通勤定期の割引を充実させる必要がある段階にきているというように思いますから、やはりそういう前向きの姿勢でこれは御指導を願いたいと、こう思いますが、どうですか。
#122
○国務大臣(村岡兼造君) 今、一連の通勤通学の話から新幹線の問題、それからまた、交通税あるいはまた時差出勤の問題、私もこの前渋谷を見ましたら、確かに通勤時、通学時は二〇〇%以上超しますけれども、その他のところは新しい線でも五〇%あるいは六〇%しか乗っていない、これが交通事業者の悩みだと、こういうお話もございました。また、貨物線を利用したらどうかと。本当に私もこの運輸については素人でございまして、いろいろ先生から貴重な御意見も伺いました。
 なるほど、先生御指摘のとおり、検討しますとか勉強しますではある程度遅いというようなこともありますので、今後運輸政策審議会はもちろんでございますが、この前も実際に通勤する人の意見も聞いたらどうかということもございまして、そういうことで検討を幅広くいたしまして、できない場合にはこういう検討をしたけれどもこれはできない、しかしこの問題はできるということで、時間は少しかかると思いますけれども、そういうことを真剣にやっていきたい。
 実は、航空機等では割引制度もあるわけでございます。私も積極的に、まあ欧米でやったから日本も全部それをやれというのではありませんけれども、欧米でやっていることで、また日本でできるものなら割引制度もやっていかなきゃならないし、JRの方あるいはその他につきましても割引制度ができるならば、事業者もよく利用者もよくというような状況での割引制度というものも考えていかなければならない。
 いずれにしても真剣に、今までも一生懸命やってきたと思いますが、私自身も積極的に先生の提起の問題に対処をいたしまして、こういうことをやりましたが、この結果こうなりましたという報告をいたしたいと、こう思っております。
#123
○安恒良一君 それから、一つの方法として、やはり通勤に経費がかかるということで、現在非課税枠が五万円になっておりますし、公務員は通勤費支給は三万五千円で打ち切りになっていますね。ところが今の土地問題や住宅問題を考えてみますと、今後ますます通勤時間が残念なことですが、これは増大する方向にあるわけですね。ですから、私は、通勤にかかる経費は原則として企業が全額負担をするということが当然だと思います。まあ現実、ほとんどの企業がほぼそうなっていますから。そこで、私は、もうこれは制限を設ける必要はないんじゃないかと思う、上限のですね。公務員の場合は三万五千円まで見ましょうとか、ほかの場合は五万円までは非課税枠で結構ですよ、それを超えたのはだめですよと。私は、今日の首都圏、近畿圏等の、特に首都圏における通勤状態から考えますと。
 ですから、そうでなければ、一挙に撤廃ができぬというなら、せめてやはり非課税枠を十万円ぐらいまで上げると、思い切って。十万円ぐらいまでばっと今の五万円とか三万何ぼを上げる。そういうようなことを運輸大臣として、これは関係機関もありますし企業にも考えてもらわなきゃならぬことでありますが、この点についてあなたが積極的に働きかけを行われるということが今日の状況の中では必要なことじゃないかと私は思いますが、その点についてどうお考えをお持ちですか。
#124
○国務大臣(村岡兼造君) この前、新幹線の通勤をテレビで見ておりましたら、栃木県あたりだと思いますが、一カ月の定期が十二万円だと、こういうことを言っておりました。幸い、そのサラリーマンの方は、これは全額会社で出してくれると。ここに安い土地を買って家を建てましたと、こういう話をたまたま見たのでございますが、先生御指摘の五万円、三万五千円というのは私も今初めて聞いたような状況でございます。
 この非課税の限度枠につきまして、これは毎年税調、その他大蔵省との折衝もございますけれども、先生の御指摘のような撤廃はできないと思いますけれども、限度枠を引き上げるというような方向で頑張っていきたいと、こう思っております。
#125
○安恒良一君 ぜひ、とりあえず、今も出たように十二万円という限度もありますけれども、まあさしずめ限度枠をやはり十万円ぐらいにばっと引き上げると。そうすれば、ほとんどの方がその枠内に現在では私はおさまると思いますから、これはぜひ大蔵を初め関係のところにあれをしてもらいたい。
 というのは、どうせ企業は全額負担しているわけですからね。負担しなきゃ人は集まらないんですよ。あとは企業の税法上の処理の問題です。その意味からいうと、私はやはりこの課税限度額を十万円に上げるということは極めて有効な対策の一つだというふうに思いますから、申し上げておきます。
 それから、今私は、大きい課題から当面やらなきゃならぬ課題をいろいろずっと挙げていきました。こういう環境整備ができて、そして初めて通勤混雑緩和のための納付金制度ということで運輸省が概算要求の段階で大都市の鉄道事業者から通勤定期収入の〇・五%を納付させ、それをホーム改良工事その他、低利融資をする仕組みであったのですが、これは予算関係の段階で合意が得られませんでした。本年度の導入は見送られましたが、この辺の経過について、なぜ合意が得られなかったのかというような点について、これまた簡単に説明してください。
#126
○政府委員(佐々木建成君) 今、御指摘の通勤混雑緩和対策納付金につきましては、平成三年度要求のときにその対象と考えておりました駅設備等の改良に関する工事の具体的な内容の詰めだとかあるいは整備指針、いわゆるガイドラインの策定
等が十分詰まらなかったこと、それからまた、運賃コストとの関係、それから徴収方法、義務的徴収とするか否かといったような問題につきまして関係者との調整を含めてさらに検討する必要があることなどから、平成三年度における制度創設は見送るということにしたわけでございまして、今後引き続き検討するというふうに考えております。
 なお、通勤混雑緩和につきましては、平成三年度には地下鉄の予算の大幅な充実強化が行われますし、また、大都市鉄道に対する無利子貸与制度が創設されたということが別途、前進として表面に出ておりますし、またさらに、駅施設の改良等については、当面開銀融資に新たな通勤混雑緩和対策工事という類型が設けられまして、これを活用して積極的に今進めるということになっているわけでございます。
#127
○安恒良一君 どうもあなたたちは消極的で、一遍出してどこかの省からぽんとやられるとふにゃふにゃとなって、もう慎重にと、こうなるわけです。
 私は、この制度は指摘しましたように、通勤費の負担はほぼ一〇〇%企業負担で行われていますから、それを前提としますと、この制度は通勤混雑緩和のための一つの対策として検討に値すると思っています。
 だから、もう少し大臣、勇気を持って前向きにいかなきゃいかぬ。一遍ぽんとやられると、もう慎重に検討しますということで、今までも予算獲得について運輸省がいろんなのを出して、ひとつぜひお力添えをと、こうくるわけ。よろしい、力添えをしようと言ったら、今度は大蔵省やどこかと話をしてぽんとやられると、もう途端にへなへなとなってしまって、その明くる年から影すら見えないということも前にあったわけだ、前に。全然もう簡単にあきらめちゃうんだよね。
 私は、少なくとも通勤費の負担が一〇〇%企業側の負担で行われるということを前提とするならば、こういう方法は前向きに考えなきゃならぬと、こう思っていますが、どうも今の答弁を聞いているとどうなるのかなと。慎重に検討すると、こういうことになると、またこれも線香花火のようにぱっと打ち上げたけれども、一発で終わって来年度からもうお蔵入りと、こんな印象を受けるんですが、どうですか、これは。
#128
○国務大臣(村岡兼造君) これは先生御指摘のとおりでございますけれども、運輸省ばかりでなく、各省である意味においてはいろいろな案でも一つ構想をぶち上げまして世論を見るというようなところもあったわけでございます。
 今の問題点につきましては、大蔵省から簡単にけられた、こういうことではなくて、また必要性をさらに検討を加えまして、必要なものは断固としてそれを要求していく、こういうようなこともしていかなければ、本当にこのJRを初め、通勤通学の問題も解決していかないと私も思っておりますので、先生の御指摘を踏まえまして、弱腰でなく必要なものはやっていくという考えでまいりたいと、こう思っております。
#129
○安恒良一君 それから、これも何年か続いて議論してきているんですが、一向に進まないんですが、通勤混雑緩和対策の有効な手段として大深度地下鉄問題を取り上げる必要があると思いますけれども、現在の検討状況はどうなっていますか、この大深度地下鉄問題。
#130
○政府委員(佐々木建成君) 大深度の地下は申すまでもございませんけれども、貴重な空間でございまして、土地所有権等との調整を十分に図った上でその利用を進めるということが必要な社会資本の円滑な整備を図る上で有効な施策だというふうに私ども考えておりまして、大深度地下利用のための法案について現在内閣の内政審議室を中心に関係省庁間において検討が進められているところでございます。
 地下五十メーター以上というような非常に深いところの土地を使います場合に、一種の所有権の制限というようなことが議論になるわけでございますが、そのあたりについて法律上非常に難しい問題があるというようなこととか、あるいは安全防災等の面についても検討すべき問題があるということで関係省庁で協議をしているわけでございます。
 先生、今御指摘のように、大都市圏におきましても各駅停車のような路線でなくて、例えば線増をしますときに、駅の数の少ないような線増をやりますときに地下を通るというのは有効な手段だというようなことも言われておりますので、運輸省としましてもこれらの問題の解決のためにさらに検討を進めていきたいと思います。
 先生、昨年の六月に同様の御質問をなさっておられるわけですが、その後、日米構造協議等の報告書に記述がされたり、あるいは法律の専門家の意見を各省庁会議で聴取したり、さらに本年一月の総合土地政策推進要綱の中に、「大深度地下の公的利用に関する制度につき、その利用促進を図るため、法律面、安全面、環境面等の種々の観点から慎重に検討を進める。」というようなことがうたわれておるわけでございます。
 非常に難しい問題も含んでいるわけでございますが、私どもとしましてもこれらの問題の解消のために、さらに努力をしてまいりたいと思っております。
#131
○安恒良一君 大臣、今お聞きのとおりですよ。これは一体何年たったらこの構想は実現するのですか。私は大変この点不満です。
 というのは、去年の中村君と私とのやりとりの議事録とあなたの答えていること、もうほとんど同じなんだよ。一年間に何を検討して、これはこういう結論が出ました、これはここに問題がありますとあってしかるべきじゃないですか。去年の六月十二日の運輸委員会の中でかなりこのことについて専門的な立場でお互いにやりとりしているんですからね。そして、最後は大野さんが、「自分が在任中にそういうことを一つ一つ片づけていくように強力に運輸行政というものに携わっていきたいと思っております。」というようなことまで言っておって、一年たって聞いたら、また去年の議事録と同じような議事録がことしも残るわけだ。そんなばかげたことじゃないの。
 なぜ、もう少し人の質問なり提言なりについて真剣に、少なくともあなた、去年これだけ時間かけてやっているんだから、議事録でもあなたたちは読んでくるぐらいの勉強しているだろうと思うから、その上に立って、安恒先生、実はその後これとこれは検討してこれはこうなっています、ここはこういう問題がありますと、こういうふうに進んでおるならいいけれども、全然やる気があるのかないのかわからぬのだよ。やる気のない人はやめてもらわにゃいけないんだよ、もう私から言わせると。毎年毎年国会で我々が同じようなことを質問して同じような答弁されてたまるものですか、こんなものは、あなた。
 私は、去年はここまで言ったんですよ。いろいろ各省との意見調整が大変だろう、それならそれでもひとつ鉄道だけは今日のこれだけの国民の通勤混雑緩和のためにはもうほっておくわけいかぬから、私の方は先行させてもらいます、こういうぐらいの意欲を持ってやらぬかと去年は聞いているんですよ。そうしたら、そのときも深さがどうで駅の数を幾らにするとかいろいろ問題がありますけれども、慎重に前向きに検討しますと、こういういろんなことを言っておきながら、委員会のときの答弁だけ。委員会が終わったらもうやらぬ。そしてまた一年たって聞かれたら、また前の年と同じようなことを若干てにをはをつけて答弁する。そういう不誠実なことは、国会の審議を無視しているよ、君たちは。
 もう少し委員会で注文つけられたことについて、それはすべてできることとできないことあるでしょう。私は、私が言ったことが一〇〇%直ちに一年でできると思いません。しかし、ここまでは前進しましたとかここまでは検討しましたとか、こういうのがあってしかるべきじゃないんですか。今のあなたの答弁、議事録に書かれたものと読み合わせてごらんなさい。大して違いはない、去年中村君がいろいろ答えたことと大して違いな
い。それだったら一年間何もやらなかったということじゃないですか。大臣、どうですか、あなた、こんなやりとりを毎年毎年我々にどうしてさせるんですか。
#132
○国務大臣(村岡兼造君) 大深度問題、確かにもう安恒先生御指摘のとおりであろうかと思います。この問題は、もう私が言うまでもなく、各省、その他道路であるとか下水であるとかあるいは通信あるいは鉄道、いろんな問題が絡んでおりまして、内政審議室で取りまとめておるところだと。しかし、何年たっても進まないというのは御指摘のとおりであろうかと思います。いろいろ検討しているうちに、確かに各省の縄張り争いで今まできたと思います。
 しかし、私の聞き及ぶところでありますと、五十メートル以上の大深度は確かに利用すべき点はありますけれども、大変な費用がかかる。何も鉄道ではなくて道路にいたしましても、なかなかその部面で推進するにいたしましても費用の面で、法律をつくりましてもどうかというような検討が今なされている。
 こういうようなことで、今後またこういう委員会等でそういう議論も明らかにいたしまして、正直に、利用することはいいんだけれども、実際にやるとすれば費用の面でどうなるかというようなことも私はまだその知識を持ち合わせていないのでございますが、確かに先生おっしゃられるとおり、毎年毎年同じような答弁では、これはお怒りになるのも無理ないわけでございまして、今までどういう議論をしたか、意見があったのか、そういうことも何らかの機会に私も直接大深度に関しまして調べてまいりまして委員会等でも御報告をいたしたい、こう思っておりますので、よろしく御了承願いたいと思います。
#133
○安恒良一君 いや、検討した結果、問題があってできないならできないというのも一つの結論なんですよ、これは。余りにもコスト的にいっても何でいっても無理があるならあると。それならそのように検討の結果をあれをされればいいということを言っているんですよ。
 だから、やっぱり少なくとも一時この大深度という問題はでかでかと新聞をにぎわして、各省がおれおれもと言ったことは事実ですからね、縄張り争いで。しかし、慎重に検討した結果、むしろこういう問題点があるから、我が国の場合にはとてもコスト的にも安全度からいっても無理なら無理というのも一つの結論でしょう。しかし、そこに至るなら至るように、同じことを答弁しないで検討の結果を我々の方にも示していただいて、我々の議論等も含めた中でやるべきで、それをどこかがやっておるからやっておるからということでずるずるやられてもかなわぬ、私はこういうことを申し上げているわけですから、検討をいろいろされているならされているように後でデータとして下さい。
 そこで、結論にいきたいと思うんですが、御承知のように、道とか空港整備には公共事業の長期計画が従来から策定されておりました。ところが、鉄道については公共事業計画として取り上げられず、今までは主として民間事業者に任せ切りでその整備がおくれてしまっています。そこで、去年私は予算委員会の中で鉄道投資の対GNP比率が低下している事実を指摘しまして、そして、鉄道整備長期五カ年計画についての必要性を国会で訴えました。そうしたら、わかりました十分検討させてもらいますと、こうなっていますから、どういう検討状況にあるのか、ひとつその検討状況について説明してください。
#134
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道の中長期計画につきましては、昨年の予算要求では鉄道整備五カ年計画として航空、港湾と似たような閣議決定ベースの計画をつくってはどうかということで要求したのでございますが、その後いろいろな議論の過程で、やはり現時点で鉄道というのは民間事業の投資分野が多い、これに国がバックアップしていくので、港湾や航空と同じような閣議決定にはなじまないのじゃないかというような形になりまして、現時点で申しますれば、まず運輸政策審議会等におきまして運輸大臣が諮問をして鉄道の中長期計画をつくる、その中に将来のビジョン、今後の整備方向を決めようということで今準備をしているところでございます。
#135
○安恒良一君 私は、やはりそれも非常に消極的だと思いますね。さっき長い時間かけてやりとりしたように、今やこれはもう内政の重要問題になっているんですよ。なじむとかなじまぬとか、そんな問題じゃないんですよ。毎日毎日のことですから、休みを除いては。何百万というサラリーマンが大変困っている。だから今さっき私は新聞を見せたじゃないですか。新聞で通勤と書かないで「痛動」と書いてある。毎日ですよ。あなたたちはいいかもわかりませんよ、自動車かなんかで役所へ来るんだからいいかもわからぬけれども、毎日毎日通っている人間はなじむとかなじまぬとかいう問題じゃないんですよ、この辺は。
 ですから、私は、少なくとも二十一世紀を展望に入れて、私が提起しましたように、通勤通学の混雑緩和に重点を置いた鉄道整備の長期計画を策定すべきだと思う。そして、それを具体化するためには、やはり公共事業計画としての鉄道整備五カ年計画を策定して財源対策も明確にする。そして、国民に対しては混雑率緩和の具体的改善目標を年度的に掲げていく、二十一世紀に向けてこういうふうに漸次改めていきますよと。そういう通勤通学混雑緩和の抜本的な対策を私はやっぱりこの際立てるべきであると。そのことは運輸大臣頑張って閣議できちっと決めなけりゃ、いや、航空は航空でいいんだ、港湾は港湾でいいんだと、しかしこれはなじまないなんという議論は、私は政治家として恥ずかしい話だと思う、政治家として。これだけ大問題になっている。
 例えば、医学的にいっても、あのもみくちゃの電車で三十分がもう限度だと言われている。それを超すと、今度は職場に着いたら生産能力が落ちると言われているんです、人間として。生産能力が医学的に落ちると言われている。それが今、首都圏では一時間以内で行かれる人は恵まれているんですよ、一時間半ぐらいかかる人が幾らでもおるんですから。
 そういうものを私はやっぱりこの際思い切って、今申し上げた公共事業の長期計画として、そして鉄道整備五カ年計画をきちっと立て、そして今サラリーマンが大変通勤で悩んでいますが、それについてはこういうふうに年次別に直していくんだよと、いましばらく我慢してもらいたい、こういうのが政治じゃないですか、どうですか。
#136
○国務大臣(村岡兼造君) 長期計画あるいは五カ年計画をつくるべきでないかと、こういう状況でございます。
 昨年の予算編成時において、十数年決まらなかった新幹線の問題で整備基金、これによってある程度この都市鉄道の整備の方にも寄与するわけでございますが、なじむとかなじまないとかというのは、これは大蔵省とかあるいは議員の先生方も従来そういうような話があったので、運輸省として別にそれにへそをへこませているわけではないと思いますが、まずそういう方々の意識を変えていただかなければなりません。
 したがいまして、先ほどもお答えしていますように、六月には運政審に諮問をいたしまして、五カ年計画あるいは十カ年、そういう計画でいくべきかどうかと、こういうことを諮問いたしまして、本当にもう遅きに失したと先生から言われるのでございますが、これらを六月に諮問をいたしましてきちっとした結論を出していただいてやっていきたいと、こういうふうに思っております。
#137
○安恒良一君 それじゃ、この問題は終わりまして、最後に、時間がもう余りありませんから、JR会社のディスクロージャー問題についてちょっとお聞きをしておきたいと思います。
 既設の新幹線の譲渡の理由について運輸省は、会社の損益に関する情報公開を行うことも必要だと、こう言っていますし、私もこの点は異論はありませんが、私は、これから株式譲渡に当たって情報はもっともっと公開すべきじゃないかなと、こういうふうにこの点は思います。
 そこで、国鉄時代には各路線別の営業係数を発表しましたね、営業係数。ところが、JRになったら途端に発表されなくなりましたが、この理由は何かあるんでしょうか、明確にしてください。
#138
○政府委員(大塚秀夫君) JRが分割され、それぞれが企業会計へ移行したために現在そのような形のものを公表していないようでございますが、JR各社とも上場を控えて部内の経営管理の一環として路線別の経営成績の把握について必要になると考えており、新たな企業体制になったことを踏まえて現在線区別に収益費をいかに適正に配分すべきか等について検討しているところでございます。
#139
○安恒良一君 私は、道路公団が高速自動車料金を上げるという問題で利用者が大きな関心を持ち、ついに道路公団も路線別の収支状況を発表しましたね。これは値上げに当たっていろいろ国民から批判されて路線別にやっています。それから、先に民営化しましたNTTも損益収支の内訳を徐々に公表を始めましたね、これは。
 ですから、私はこうした流れの中で、国鉄時代に発表しておりましたこの路線別営業係数を発表するとか、その他今後可能な限りの範囲で損益に関する収支をやっぱり僕は発表すべきだと。これはやはり、なぜかというと、民営化されたといえJRは鉄道輸送という大きな公共交通機関なんですから。こういう点について大臣、どうお考えになりますか。
#140
○国務大臣(村岡兼造君) 御指摘のような株主に対するディスクロージャーの点から公表が必要かどうか、今後JRにおいてこのような損益把握の新たな手法の確立も踏まえて検討していきたいと考えております。
#141
○安恒良一君 ただね、JRに任せただけではだめなんですよ。この前も同僚委員からあったように、上野駅から東京まで今度新幹線になるのに特急料金五百円とか何とか、そんなばかなことを言っておる会社もあるわけですからね。それで、ひどいのは、もう民間になったんだから決めるのはおれのところの自由だなんて思い上がったやつもいるわけだから、そんなところだけに、ただ単純におまえさんのところ情報公開した方がいいよなんて言ったって、それこそおれのところはおれのところだって言いかねないですわ。あんなばかげたことを、新聞でも大問題になった、たったあれだけのところなのに特急料金を何ぼ取ろうとおれのところの勝手だと、こう言っているばかもいるぐらいですからね、社長で。
 そういうことじゃ困りますから、私は、民営化されたといえJRも鉄道輸送という公共交通を担う重要な社会的使命を持っていますから、ですから、この運賃については公共料金として位置づけられておるわけで、国民の関心は極めて高いんですよ。さらに、今後は株を公開していくということになりますから、やっぱり投資家保護という意味からいっても投資家の関心からいっても情報公開というのは私は要請されていくべきだと思います。
 この点は、ただ単にJRの方にということじゃなくて、今あなたはJR全体の監督の権限を運輸大臣としてお持ちなんですから、その意味からいうと、たとえ民営になったとしても、国鉄改革法を読まれると運輸大臣の権限というのはかなりきちっとしたものがあの中に書いてあるわけですから、その意味からいうと、私はやっぱり、この情報公開というのは国鉄時代にやっておったわけですから、やはりこれをやらせていくということについてお約束をお願いしたいと思いますが、どうですか、運輸大臣。
#142
○国務大臣(村岡兼造君) 運輸省としても検討をいたします。
#143
○安恒良一君 以上で終わります。
#144
○委員長(中川嘉美君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#145
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#146
○片上公人君 鉄道整備基金法案につきまして質問いたします。
 まず最初に、この法案の提案理由説明におきましても述べられましたように、鉄道の整備をめぐる状況についてお伺いいたします。
 鉄道につきましては、環境、交通安全、交通渋滞、省エネ等の観点から鉄道復権の時代と、こう言われておるわけですが、運輸大臣の認識はいかがでしょうか。
#147
○国務大臣(村岡兼造君) 鉄道が環境、交通安全、交通渋滞の解消、省エネ等の観点から、いわゆる鉄道復権の時代として見直されておりますことは先生御指摘のとおりと認識しており、道路、港湾、空港と並んで国民の移動、物資の輸送を確保する上で必要不可欠の社会資本であると考えております。
 今後多極分散型国土形成に資する高速交通ネットワークの整備の一層の充実、円滑で快適な地域交通基盤の整備の推進を図るため、鉄道がその特性を発揮できる分野における鉄道の整備を積極的に推進していく必要があると考えております。
#148
○片上公人君 それでは、今後の鉄道整備につきまして運輸省としてどのような構想をお持ちなのかお聞かせ願いたいと思います。
#149
○政府委員(大塚秀夫君) 大量性、高速性、定時性、安全性、低公害性といった輸送機関の特性を持っております鉄道は、国内の幹線交通及び都市の通勤通学輸送の足として重要な役割を果たしておりまして、鉄道ネットワークの整備充実が強く要望されております。
 二十一世紀を展望した交通体系のビジョンについては、現在運輸政策審議会においても御審議をお願いしているところであり、運輸省としても審議結果を踏まえ、三十一世紀に向けた鉄道整備の推進について全力を尽くしてまいる所存であります。
#150
○片上公人君 鉄道整備を進めていくには中長期的な計画が必要になると考えますが、鉄道整備についての中長期的な計画をつくる考えがあるのかどうか伺いたいと思います。
#151
○国務大臣(村岡兼造君) 鉄道整備の指針となる中長期計画につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、本年六月に運輸政策審議会に諮問いたしまして御審議いただくことを予定いたしております。
#152
○片上公人君 運輸省の概算要求に盛り込まれておりました鉄道整備五カ年計画というのは、これはどうなったのかお伺いします。
#153
○政府委員(大塚秀夫君) 概算要求の段階におきましては、空港、港湾と同様の鉄道整備五カ年計画を盛り込んでいたわけでございますが、その後、予算の編成過程でいろいろ議論した結果、鉄道投資につきましては民間部門による投資のウエートが高く、空港、港湾のように公的セクターが中心となって整備を進めている部門と同様な形で長期計画を策定することが適当か否か等の議論がございまして、結論が得られませんでした。
 しかし、鉄道整備の指針となる中長期計画は必要と考えており、今大臣から申し上げましたように、運輸政策審議会で御審議をいただきたいと思っております。
#154
○片上公人君 それでは、法案の中身について伺いますが、今般の鉄道整備基金の設立趣旨について、まず説明をお願いします。
#155
○国務大臣(村岡兼造君) 鉄道は、道路、港湾、空港と並んで必要不可欠な交通の施設であり、国土の均衡ある発展、地域の振興を図るためにも鉄道がその特性を発揮できる分野における鉄道網の整備が要請されております。
 このような状況を踏まえ、緊急に整備が必要な新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の整備等を促進するため、別途、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案の規定により実施される新幹線鉄道保有機構からの既設四新幹線の譲渡
に伴う収入の一部を活用しつつ、これに一般会計等からの補助金等を加えて、総合的かつ効率的に鉄道助成を行う特殊法人鉄道整備基金を設立するものであります。
#156
○片上公人君 鉄道整備基金という特殊法人を設立するということでございますけれども、特殊法人とするメリットはどこにあるんですか。
#157
○政府委員(大塚秀夫君) 今般の鉄道整備の財源構想におきましては、特殊法人新幹線鉄道保有機構が保有いたします既設新幹線の譲渡収入の一部を活用することといたしまして、鉄道整備基金が一方で鉄道保有機構から引き継いだ債務の償還などの業務を行い、他方で新幹線鉄道、主要幹線鉄道、都市鉄道の整備に対する助成を行うこととしております。このように、従来からの特殊法人の仕組みを活用しながら新しい財源、特定財源を鉄道整備に対する助成に活用するため、その受け皿として特殊法人を設立することが必要となったものでございます。
 この鉄道整備基金に従来の一般会計などからの鉄道に対する助成まで含めまして一元的に管理させることにより、国は中長期的な鉄道整備目標の検討など政策判断業務に主として特化することができるとともに、鉄道整備基金の経理面における専門的な知識、経験を発揮させることによって補助金交付などのいろいろな手続が効率的に実施されることとなると考えております。
#158
○片上公人君 鉄道整備基金の設立に当たりまして、さきに議論しました新幹線譲渡に関する法律案により廃止される新幹線鉄道保有機構をスクラップしていくわけでございますが、保有機構の職員が希望すれば鉄道整備基金に全員引き継がれるのかどうか伺いたいと思います。
#159
○政府委員(大塚秀夫君) 今回設立を予定しております鉄道整備基金の職員数は予算上六十名でございまして、新幹線鉄道保有機構から債務償還あるいは新幹線施設の登記などの業務を承継することとなっておりますので、現在の新幹線鉄道保有機構の六十五名の職員のうち相当部分の要員を引き継ぐこととなると思われます。
 それ以外の新幹線鉄道保有機構の要員についても、職員の希望も勘案して問題が生じないよう指導してまいりたいと考えております。
#160
○片上公人君 鉄道整備基金におきましては、従来は国の一般会計などから行っていた助成まで含めて一元的に行うということでございますけれども、鉄道整備基金と運輸省との役割分担はどうなっておるのか伺いたいと思います。
#161
○政府委員(大塚秀夫君) 一言で言いますと、運輸省は政策的な分野、鉄道整備基金は補助金交付の実務的な分野ということになると思いますが、運輸省におきましては多極分散型国土の形成に資する高速交通網の整備の充実、円滑で快適な地域交通基盤の整備の推進といった交通政策の観点から、国民のニーズに合った鉄道の整備を計画的かつ整合性を持って推進するように、鉄道輸送に対する国民のニーズに的確に対応した中長期的な鉄道整備目標あるいは整備計画の検討をする。その推進のための各種鉄道助成方策の企画とか立案、財政当局への予算要求、個別プロジェクトへの予算の配分、新旧助成の整合性の確保、こういった政策判断を伴う業務をその業務の中心とすることとなると思われます。
 一方、設立を予定しております鉄道整備基金におきましては、運輸省の助成方策、政策方針に基づきまして個々のプロジェクトに対する助成に関して資金計画を基金として立てるとともに、鉄道整備主体、主として鉄道事業者でございますが、そこからの交付申請の処理といった予算執行上の実践的判断を経理面における専門的な知識、経験を最大限に発揮しながら総合的に行う、こういう分担になろうかと考えております。
#162
○片上公人君 鉄道整備基金に鉄道助成を一元的に行わせるといたしましても、鉄道助成という公共性の高い業務というのは適正に行われる必要があるわけです。このため、鉄道整備基金を適切に監督しなければならぬと思うんですね。鉄道整備基金に対する国の監督は、これは十分と言えますか。
#163
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の鉄道整備基金法案におきましても、先生御指摘の点を十分私どもとしては配慮して法律案を作成したつもりでございます。
 基金の助成業務のうち既設新幹線譲渡収入の一部を活用して行う業務につきましては、運輸大臣が助成対象事業の基準、助成条件の基準等を定めた業務実施方針を策定しまして鉄道整備基金に対して指示することとしております。また、既設新幹線譲渡収入の一部を活用して行う業務のうち無利子貸付業務につきましては、鉄道事業者からの申し出に基づきまして運輸大臣が認定をした事業についてのみこの業務を行うこととしております。
 したがいまして、既設新幹線譲渡収入の一部を活用した助成業務につきましては適切な国のコントロールが法律上もなされるものと考えます。
 その他の基金の助成業務につきましては、法令または国の予算で定める国の補助金等の交付を鉄道整備基金が受け、これを財源として鉄道事業者に対して補助金等を交付するいわゆる間接補助でございますので、基金の助成業務について国のコントロールは、国の予算を通じて十分に確保されているものと考えます。
#164
○片上公人君 国の監督は十分である、こういう説明でございましたけれども、さらに鉄道整備基金の運営をガラス張りにするために鉄道整備基金の財務内容を公表すべきであると考えますが、いかがですか。
#165
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道整備基金は、「国が、出資している主要な法人」という分類になりますので、その資金収支計画などにつきましては財政法第二十八条に基づきまして予算参考書類として毎年国会に提出されることとなっております。
 また、基金の業務経過、決算につきましては、法案第二十六条におきまして、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成して、その事業年度の終了後三カ月以内に運輸大臣に提出し、その承認を受けることとしますとともに、これらの財務内容を官報に公告し、また、鉄道整備基金の事務所に備えておかなければならないこととなっておりますので、先生御指摘の公表という形はこのような制度を通じて確保されるものと考えております。
#166
○片上公人君 この法案が成立しますと、基金がこの十月からスタートすることになるわけでございますが、この特殊法人を通じてJRに対する政治行政介入が起こるのではないか、こういう心配をしておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
#167
○政府委員(大塚秀夫君) 今般、鉄道整備基金を設立しまして既設新幹線譲渡収入の一部を鉄道整備財源として活用することとなっておりますが、既設新幹線譲渡収入という新しい財源が生まれましても、このような鉄道事業者の自主的判断の尊重という大原則を堅持することとしております。
 このため、先ほども若干触れましたが、鉄道整備基金法案におきまして、鉄道整備が国の交通政策を踏まえ鉄道事業者の自主性を尊重しながら行うということを仕組みとして明らかにするため、業務実施方針及び鉄道事業者の申請に基づく事業認定の制度を設けているところでございます。
 したがいまして、この鉄道整備基金ができたからといって従来の一般会計予算による補助は従来と同じような形で鉄道事業者とかかわりますし、新しい特定財源についても今のような形でJRへの政治行政介入が起こらないように執行されるものと考えております。
#168
○片上公人君 毎年度の鉄道整備基金の予算の中で、鉄道事業者がやりたくないと思っているようなプロジェクトも、予算額がそういう形をとるときに、そういうやりたくないことも予算額として計上されるというようなことが起こり得る可能性があるんじゃないかと心配をしていますが、この辺はどうですか。
#169
○政府委員(大塚秀夫君) 基金の助成業務のう
ち、既設新幹線譲渡収入の一部を活用して行うものとして整備新幹線建設に対する助成と無利子貸付業務とがございますが、このうち整備新幹線建設に対する助成につきましては、別途新幹線の建設に関し全国新幹線鉄道整備法上鉄道事業者の同意を求める仕組みが用意されております。したがいまして、この際にJRの意見が述べられ、JRの意思に反した整備が行われないという担保になるわけでございます。
 また、無利子貸付業務につきましては、鉄道事業者の申請によりまして運輸大臣の認定を受けた事業にのみ無利子貸し付けを行うこととなっておりますので、この場合も鉄道事業者が意思に反して無利子貸し付けを受けて業務を行うというようなことは予想されておりません。
 こういう形で、今後も予算上また鉄道整備基金の運用上、鉄道事業者がやりたくないプロジェクトの予算が計上され、あるいは執行されるということは予想されないわけでございます。
#170
○片上公人君 今般、新たにこの整備基金からの無利子貸付制度が創設されるということでございますけれども、その概要について説明をお願いします。また、どのような鉄道整備を対象にするのか、この辺についてもお願いいたします。
#171
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の財源構想におきましては、整備新幹線の財源対策に加えまして、既設新幹線譲渡収入の一部を活用して清算事業団の債務の償還等の確実かつ円滑な実施に支障を生じない範囲におきまして無利子貸付制度が設けられました。
 その内容としては、既設新幹線の輸送力増強、主要幹線鉄道の新幹線直通線化、高速化、都市鉄道の整備がございます。
 具体的には無利子貸付資金を日本開発銀行に寄託することにより、旅客幹線として輸送力増強が緊急に必要な東海道新幹線の輸送力増強工事に対しまして日本開発銀行から長期で低利の資金の貸し付けを行うこととなっております。日本開発銀行が寄託を受けました無利子貸し付けと自行の融資を合わせまして一般よりも低利の融資を行う、こういう仕組みでございます。
 それから、主要幹線鉄道の整備に対する無利子貸し付けとしまして、鉄道建設公団が行う新幹線鉄道と地方中核都市を結ぶ幹線鉄道の新幹線直通化工事、または幹線鉄道の高速化工事、それから、鉄道建設公団が行いますモーダルシフトの一環としてのJR貨物の主要幹線輸送力増強工事に対しまして無利子貸し付けを行うこととなっております。
 さらに、都市鉄道の整備に対する無利子貸し付けとしましては、鉄道建設公団が行います住宅地の供給促進、都心部への利便性向上のために必要な鉄道の整備に対しまして無利子貸し付けを行うこととしております。
#172
○片上公人君 鉄道整備基金の無利子貸付制度の対象ですが、主要幹線鉄道と都市鉄道という説明でございましたけれども、このうち都市鉄道の定義を見てみますと、「大都市圏その他政令で定める大都市」、こうなっておるわけですが、この「大都市」の範囲というのはどの辺までか、例えば神戸市なんかは含まれるかどうか伺います。
#173
○政府委員(大塚秀夫君) 基金法案におきまして都市鉄道を「大都市圏その他政令で定める大都市における」「鉄道」であると定義しておりますが、具体的には政令におきまして、三大都市圏のほかに、現在地下鉄の整備が進められております札幌市、仙台市、広島市及び福岡市を当面定めることを予定しております。
 先生、御指摘の神戸市につきましては、この「大都市」じゃなしにそのもとになる三大都市圏に含まれておりますので、当然、都市鉄道の定義に含まれることとなります。
#174
○片上公人君 この無利子貸し付けの対象はどのようにして決定されるのかということを説明していただきたいと思います。
#175
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道整備基金によります無利子貸し付けにつきましては、平成三年度予算においては対象事業の需要も考えまして、幹線鉄道枠三十五億円、大都市鉄道枠百二十三億円、両方合わせまして合計百五十八億円を計上しているところでございますが、具体的な個別事業への張りつけにつきましては、具体的プロジェクトに即しまして収支採算性、また、鉄道事業者の意向等をチェックした上で鉄道整備基金の認可予算の認可の際に決定したいと考えております。
#176
○片上公人君 これは工事費のすべてを対象にするのか、それとも一部を対象にするのか伺いたいと思います。
#177
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道整備基金は主要幹線鉄道の整備に対する無利子貸し付けとしまして、鉄道建設公団が行います新幹線鉄道と地方中核都市を結ぶ幹線鉄道の新幹線直通線化工事または幹線鉄道の高速化工事に対しまして建設費の五〇%を上限とする無利子貸し付けを行うこととしております。
 また、鉄道建設公団が行う、先ほども申しましたが、モーダルシフトの一環としてのJR貨物の主要貨物幹線輸送力増強工事に対しましては、その工事費の三〇%を上限とする無利子貸し付けを行うこととしております。
 さらに、都市鉄道の整備に対する無利子貸し付けとしましては、鉄道建設公団が行います住宅地の供給促進、都心部への通勤通学輸送等の利便性向上のために必要な鉄道の整備に対しまして建設費の四〇%を上限とする無利子貸し付けを行うこととしております。
#178
○片上公人君 この無利子貸し付けの範囲が少ないと事業者の側から見ますと鉄道整備に積極的に取り組みにくいという面が出ると思いますが、この辺についてはどうですか。
#179
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道整備をめぐる昨今の状況としましては、四全総等での多極分散型国土の形成を促進するとともに、豊かさを実感できる国民生活の実現を図るために、新幹線鉄道、主要幹線鉄道、都市鉄道などの整備を緊急に促進することが要請されるという反面、地価高騰や用地取得の困難性などにより鉄道整備のリスクが一企業だけでは負担できない場合が生じております。
 そこで国は、鉄道特性が発揮できる、整備の緊急性があって、しかも交通政策上真に必要な鉄道につきまして、これらの鉄道の整備に対する助成を強化することなどにより鉄道事業者の投資意欲を醸成するための環境整備を行う必要がございます。
 鉄道整備基金はこのような状況を受け、今回、新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道に対する助成を行うこととしたわけでございますが、そのうち、これらの特定財源の活用につきましては鉄道特性が発揮できる、整備の緊急性がある交通政策上真に必要な鉄道の整備に有効に活用されるべきであり、現在無利子貸し付けの対象とすることを予定しております鉄道整備やそういう緊急性の面、交通政策上の面から必要な鉄道に当面限って重点的に助成をしていこうと考えているわけでございます。
#180
○片上公人君 この貸し付けの範囲を拡大して鉄道整備を促進するようにすべきだと考えます。緊急の云々はありましたけれども、範囲に対してその一つ一つにおいてもっと柔軟性を持ってやらぬと、どちらかというとちょっと少な目という悪い癖がいつもあるので、これはやる気をなくすといいますか、ということがあると思うんですが、その範囲の拡大についてもう一度お願いします。
#181
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど申し上げましたように、幹線鉄道の高速化、直通線化等については枠を五〇%にし、大都市鉄道の整備等については四〇%にする等、やる気を起こすような貸付枠にしておるわけでございますが、さらに対象事業について緊急性の面からできるだけ枠を拡大するということは、先ほどから申し上げましたように、無利子貸付制度のこの財源というのが清算事業団の債務の償還上、資金繰り上、流用できるものという限定がございますので、当面は緊急性のあるものからやっていくということで需要にこたえていきたいと考えているわけでございます。
#182
○片上公人君 地元の強い要望があるプロジェク
トとしましてJRの西日本の福知山線の複線化工事があるわけですが、これは鉄道整備基金の無利子貸し付けの対象となりますか。
#183
○政府委員(大塚秀夫君) 福知山線も最近沿線の住宅地化が進んでおりまして、その中で三田―篠山口間等については複線化工事の要望が大変強うございます。したがいまして、その収支採算性、JRとの調整、地方負担等の条件が満たされれば、先ほど申し上げました緊急性の面からも、また交通政策上の面からも優先度の高いプロジェクトと考えております。
 まず、JRからの申請を受けた運輸大臣による事業認定の手続を経た後に、無利子貸し付けの個別事業への張りつけにつきましては基金の認可予算の認可の際に決定することとなっており、有力な候補として今後検討していきたいと考えております。
#184
○片上公人君 これも地元の強い要望があるプロジェクトなんですが、智頭線の高速化工事がありますが、これが実現しますと大阪と鳥取の間の所要時間が随分短縮されまして大変便利になるわけでございますが、これは無利子貸し付けの対象となりますか。
#185
○政府委員(大塚秀夫君) 山陽と山陰を結びます智頭線は、現在鉄道建設公団のAB線工事として進めているわけでございますが、このAB線工事の対象である智頭線をさらに高速化するという点につきましては、今回鉄道整備基金の無利子貸付対象として一つのプロジェクトの候補となっております。これにつきましても、今後、智頭線の高速化工事に関する収支採算性、JRとの調整、また、地方負担等の諸条件が満たされることが必要でございますが、無利子貸し付けの対象として考えたいと思っています。
 これにつきましても、先ほどの福知山線と同様、まずJRからの申請を受け、運輸大臣による事業認定の手続を経た後に無利子貸し付けの個別事業への張りつけについて基金の認可予算の認可の際に決定することとしております。
#186
○片上公人君 鉄道整備基金法案第二十条第一項第二号に言うところの「新幹線鉄道の輸送力の増強を図るために必要な鉄道施設の大規模な改良」、これの具体的な内容としまして、東海道新幹線の輸送力増強が考えられると思うわけですが、鉄道整備基金からの資金の融通はなされるのかどうか伺いたいと思います。
#187
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま先生御指摘の鉄道整備基金法案第二十条第一項第二号の資金融通業務については、今先生言われました東海道新幹線の輸送力増強工事を対象とするように予定しております。
 これにつきましても当然JR東海からの申請を受けて、先ほど申し上げましたような諸手続をするわけでございますが、日本開発銀行としましても、東海道新幹線の輸送力増強工事に対して低利融資を行うかどうかについては、開発銀行として具体的プロジェクトに即して収支採算性等、融資のチェックを行った上で判断することになっておりますが、予算要求の段階から一つの対象として詰めてまいりましたので、そのような方向で融資業務を行っていくよう、今後運輸省としても適切に対処したいと考えております。
#188
○片上公人君 大臣に伺いますが、鉄道整備基金の無利子貸し付けによりまして都市鉄道の整備を促進するということでございますが、そもそも大都市における通勤混雑の緩和につきまして運輸省としてはどのような対策を講じているのか、これを伺いたいと思います。
#189
○国務大臣(村岡兼造君) 東京や大阪といった大都市圏においては、通勤通学者の増加によりまして、都心部へ乗り入れる鉄道は従来から輸送力の増強に努めてきたにもかかわらず、混雑率はいまだ相当高い状態にあり、より一層の改善が必要と考えております。
 このような大都市における状況に対応していくためには、鉄道を中心とする公共交通網の計画的かつ着実な整備が不可欠であると考えており、従来から都市圏ごとに策定されました鉄道網整備計画に基づき、各種助成制度を活用するなどによりその進捗を図ってきたところでありますが、今後とも鉄道整備基金を活用する等により、都市鉄道の総合的かつ計画的な整備に努めてまいりたい、こう考えておりますが、これだけではなお不十分だ、五カ年計画や中長期の計画をつくるべきではないかと、こういう強い御指摘もありまして、運輸政策審議会に六月ごろ諮問して御審議を願いたいと、こういうふうに考えております。
#190
○片上公人君 平成三年度は大都市圏の通勤混雑緩和のための融資制度を見送られたわけでございますが、運輸省としては今後この制度についてどう考えていくつもりかお伺いしたいと思います。
#191
○政府委員(佐々木建成君) 平成三年度の予算要求におきまして、大都市圏の鉄道事業者を対象としまして通勤定期運賃収入の〇・五%分を納付金としていただいて、それと同額の鉄道整備基金からの無利子の金を合わせましての貸付制度を要求したわけでございますけれども、要求時にその対象と考えておりました駅設備等の改良に関する工事の具体的な内容の詰めであるとか整備指針の策定等が十分詰まらなかったということ、それからまた運賃コストとの関係、それから納付金の徴収方法、義務的徴収とするか否か等について関係者との調整を含めてさらに検討をする必要があるということから、平成三年度における制度創設は見送ることとしまして、今後引き続き検討するということにしたわけでございます。
 しかし、通勤混雑緩和につきましては、平成三年度予算案におきまして地下鉄予算の大幅な充実強化、それから大都市鉄道の整備についての無利子貸付制度が創設されるということ等、大きな前進を見ておりますとともに、さらに駅施設の改良等につきまして、当面開銀融資に新たな通勤混雑緩和対策工事という類型が設けられましたので、これを活用して積極的に進めてまいりたいと考えております。
#192
○片上公人君 先ほどもお話がありましたように、混雑緩和の抜本的な解決というのには、思い切った公共財源の投入が絶対必要であると思いますが、この辺についてはどうですか。
#193
○政府委員(佐々木建成君) 大都市鉄道の整備を促進するために、平成三年度予算案におきましては鉄道整備基金を設立することといたしまして、同基金に大都市鉄道整備のための無利子貸付制度を創設し、所要の貸付枠百二十三億円を計上いたしたところでございます。また、この基金を通じまして交付します地下鉄の補助金を、前年度四百一億円から生活関連枠二十二億二千万円を含めまして六百五億円へと五一%の大幅な増額をしましたほか、新規採択分につきまして補助金の分割交付期間の短縮を図るといったことなど、制度の改善を行ったわけでございます。
 これらの措置によりまして、都市鉄道の整備はこれまでに比べまして一層進むものというふうに考えております。そういうことで鉄道整備を総合的、計画的に進めていきたいと考えております。
#194
○片上公人君 それでは、今般の鉄道整備基金の設立によりまして地下鉄を初めとする都市鉄道の整備がどのように進むかちょっとお伺いしたいと思います。
#195
○政府委員(佐々木建成君) 大都市鉄道を整備します場合に問題となりますのは、資金が非常に多額に達するということと、それから投資の懐妊期間が長期にわたるというような問題があるわけでございますので、こういった問題点を克服し、大都市鉄道の整備を促進するためにこの基金を設けるわけでございます。
 平成三年度予算案におきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、無利子貸付枠百二十三億円と、それから、地下鉄補助金を前年度四百一億円から六百五億円へと五一%の大幅増額をするということで、一層手厚い助成を行うということになったものでございますので、これらの措置によりまして都市鉄道の整備はこれまでに比べまして一層進むというふうに考えております。
#196
○片上公人君 大都市における通勤輸送におきまして中核的な役割を担っておる地下鉄の整備につ
いてですが、大幅な補助金の増額を図っているということでございますけれども、地下高速鉄道建設費補助制度の改正の概要について説明してください。
#197
○政府委員(佐々木建成君) まず、公営地下鉄でございますけれども、公営地下鉄に対する補助金につきましては、第一に、補助金の額において大幅な増大を図ったわけでございます。
 すなわち、対前年五〇%増の五百九十五億円を計上し、これによりまして平成三年度の所要額五百四十七億円を確保いたしますとともに、平成二年度に交付の繰り延べを行いました補助金二百三十一億円の一部を前倒しして四十八億円強を回復することといたしたところでございます。このうち二十二億二千万円は生活関連重点化枠として認められたものでございます。
 第二に、補助制度の面においても大幅な改善を図ったことがございます。
 すなわち、まず、従来は補助金を地下鉄事業者に対する運営費補助として整理してきたわけでございますが、平成三年度から資本費補助に改め、予算上、地下高速鉄道建設費補助金は財政法第四条にいう公債発行対象経費となりまして、いわゆる公共事業費に位置づけられたわけでございます。これによりまして、今後は概算要求シーリングの面で他の公共事業費と同様の取り扱いがなされることになるわけであります。
 それから次に、平成三年度の新規採択路線、具体的には横浜市の一号線の延伸部分と、それから大阪市の七号線の延伸部分でございますけれども、これにつきましては補助金の分割交付期間を従来の十年から五年に短縮するというような改善を図ったわけでございます。
 以上が公営地下鉄の改善された点であります。
 次に営団地下鉄でございますが、公営地下鉄に対する補助と同様、平成三年度から補助金の性格を公共事業費に位置づけ、約十億円を確保いたしますとともに、営団の七号線の駒込―目黒間の新線建設工事費について、その費用の四〇%について新設される鉄道整備基金から無利子で貸し付ける制度を新たに設けることとしたわけでございます。これによって営団による新線の建設は促進されるものと考えております。
 なお、基金からの無利子貸付金と同額の資金を関係地方公共団体も無利子で営団に貸し付けるということになっております。
#198
○片上公人君 平成二年度におきまして繰り延べられました地下高速鉄道建設費補助制度についてですが、残る繰り延べ分につきましても早期に回復措置を講じていく必要があると考えますが、これはいかがですか。
#199
○政府委員(佐々木建成君) 公営地下鉄に対する補助金につきましては、平成元年度の補正予算におきまして千二十四億円を計上しまして、それまでに国の財政事情によって交付が繰り延べられていた補助金を全額回復する措置を講じたわけでございますが、平成二年度予算において厳しい財政事情によりまして新たに二百三十一億円を繰り延べるに至ったわけでございます。
 しかしながら、地下鉄の整備を促進するということが大都市鉄道の整備上不可欠ということで、平成三年度の予算におきましては所定の補助金について新たな交付の繰り延べを行わないということはもちろんのこと、平成二年度において繰り延べられました補助金のうち平成三年度において回復すべきこととされていた所定の回復分に加えまして、平成四年度において回復されることとなっていた補助金の一部を前倒しで回復するということにしまして、合計四十八億円の繰り延べ補助金の回復を図ることとしたわけでございます。これによりまして、平成三年度末における繰り延べ残額は百八十二億円になる見込みでございます。
 繰り延べ補助金につきましては、地下鉄の整備促進を図るためにも、今後早急に回復措置を講ずるように努力してまいりたいと思っております。
#200
○片上公人君 例えば、神戸市営地下鉄に対する補助金の繰り延べ額が幾らか、まず聞きたいわけです。そして、これについても早期に回復していくと、こういうことでいいんですか。
#201
○政府委員(佐々木建成君) 平成二年度において繰り延べられました額が総額二百三十一億二千六百万円でございますけれども、このうち神戸市に対する補助金は九億二千五百万円であったわけでございます。それで、平成三年度予算におきましては他の都市の補助金と同様に繰り延べの回復をやりまして、神戸市に対して五億六千二百万円の回復をすることにいたしました。三年度末には神戸市に対して三億六千三百万円の繰り延べ未回復額が残るという見込みでございます。
 この繰り延べ補助金につきましては、地下鉄整備の促進を図るためにも今後早急に回復措置を講ずるよう努めていきたいと思っております。
#202
○片上公人君 じゃ最後に、鉄道整備基金法の二十条二項、鉄道事業の業務運営の能率化に関する措置に要する費用の一部について国の補助金を交付するとありますけれども、具体的にはどのような事柄に対してどういう補助金を出すのか、これをお伺いいたしまして終わります。
#203
○政府委員(大塚秀夫君) これは業務運営の経費節減に資する措置をいいまして、例えば、地方鉄道へのワンマンカーの導入、各種近代化投資等がこれに該当します。
 これらの措置に対する補助金としては、鉄道軌道近代化設備整備費等補助金のうち、いわゆる中小民鉄への近代化補助がございまして、平成三年度予算におきましては六億五千万円を計上しているところでございます。
#204
○小笠原貞子君 私は、前回の質問で分割・民営の本質が自治体や住民に重い負担を転嫁させることが最大の特徴となってあらわれている、その例として整備新幹線の建設問題を取り上げました。
 しかし、今申しました自治体や住民に負担をかぶせるという重荷だけではなくて、重大なことは、新幹線着工に伴い在来線の廃止を押しつけてきているという問題でございます。在来線を廃止しなければならないという、その根拠はどういう問題なんでしょうか。
#205
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の建設に当たりましては、国鉄改革の趣旨からしまして、JRに新幹線開業により輸送需要が減少する並行在来線の維持という過重な負担を負わせてはならないというような考え方に基づきまして、並行在来線の取り扱いにつきましては地元の自治体とJRの意見を踏まえまして適切な結論を得る必要があり、今回平成三年度の予算案においてもそのような前提で整備新幹線の建設に必要な経費を計上しているところでございます。
 なお、国、地域、JRの間の整備新幹線の建設費の負担割合の決定に当たりましても、並行在来線の経営分離を前提にしておりまして、仮に並行在来線を引き続きJRで経営させることになりますれば、それにより生ずる赤字はJRの負担となりますので、新幹線を第二の国鉄にしないという趣旨に反することとなると考えております。
#206
○小笠原貞子君 そういうことでJRの経営が大変厳しくなる、こういうことが原因だとおっしゃいました。
 それじゃ、新幹線と在来線両方を存続した場合に収支見通しはどうなるからどれだけ赤字だと、こういうふうにおっしゃいますか。
#207
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の収支試算につきましては、並行在来線の経営分離を前提としまして、整備新幹線の開業に伴ってJRに生じる受益を貸付料として設定するという考え方で行ったものでございます。
 並行在来線の収支を含めた路線ごとの収支試算は現時点で厳密に行っておりませんが、新幹線開業後の並行在来線の収支状況につきましては、JRが地元に示しているような試算、これは今後さらに私どもとしてもきちっと詰めていきたいと思いますが、各線区ごとにそれぞれ年額で十五億円から三十億円程度の赤字と承知しております。
#208
○小笠原貞子君 あのね、新幹線と在来線とを一緒に持ったら赤字になって大変だよと、こうおっしゃるわけですね。じゃ、赤字になって大変なら、それじゃ、どれぐらい赤字になるのでございます
かと、それをきちっと、この線ではこれくらい試算いたしましたら赤字になりますから、とてもじゃないけれども並行して在来線残すわけにはいきませんと、こういうのがないと説得力ないですよね。今、JRになって路線ごとの収支状況把握していないと、こうおっしゃるわけでしょう。路線ごとの把握していないで、赤字になるんだよ、だから持てませんなんていうのはおたくの論理であって、国民の普通の論理にはならないということなんですよね。
 だから、収支見通しもやらない、幾ら負担増になるかという計算もできない、私の方ではですよ。わからないまま負担となる。厳しいからこれはやれない、こういうのは普通の頭では考えられないことですよね。
 どうですか、大臣、赤字になる、大変だ。じゃ、どうなって赤字がどれくらいなんですか、どう大変なんですかと聞いたら、それは計算しておりません。だけれども、十五億ないし三十億なんて大ざっぱな、そういう赤字になるはずだと。そういう赤字になるはずだというのも何か積み上げた数字があってそれくらいのことを考えていらっしゃるのだろうと、そう思うわけですよね。
 だから、やっぱり路線ごとにJRに収支の見通しをはっきり出してもらって、これは並行在来線を生かしていけばこれだけの赤字になりますというのが私たちわからなければ、そうですかと言うわけにはいかないということで、その資料をぜひ出していただきたいと思いますけれども。
#209
○政府委員(大塚秀夫君) 今、まず、整備新幹線の新幹線の方の収支問題につきましては、これはどの程度の収支になるかによって、先ほど来申し上げておりますように、貸付料が変わってまいります。というのは、貸付料は受益を限度としておりますので、その辺で今後これは運輸省と鉄道建設公団とJRの間で協議をして定めなきゃならぬ。今、私どもがこのぐらいになると言うと、それ以下に決まってしまうので、我々も受益の限度というのを合理的な範囲内でできるだけ多くしたいという考えを持っておるわけです。
 それから一方、並行在来線につきましては、これは新幹線着工前に決着をつけなければならないので、これは私どもが幾らという収支を出す前にJRが試算をして地元と協議をしています。
 ただ、これは協議の交渉の段階においてこういう合理化をしたらもう少し減るのではないかというような話もございますので、先ほど線によって十五億から三十億というようなことを申し上げましたが、例えば、八代―西鹿児島間では今JR側では約十五億円の年間赤字になるということで、地元と折衝してその数字を詰めながら、例えば、レールバスを導入したらもう少し経費が下がらないかということで第三セクター化の道を探っているところでございます。
 したがいまして、しばらくはそういうJRの地元に対して提出した資料をもとに、地元の協議に私どもとしてはゆだねたいというような今状況にあるわけでございます。
#210
○小笠原貞子君 私の方、三班に分かれて東北、そして北陸、九州回ったんですよ。地元の人たちも納得できないというわけ、どういう数字になるのか。ただ、重荷になるよ、だからだめと言われるんでは、これは私はもう説得力がないと思うわけ。だから、この時点ではこういうふうな数字が出て折衝していますというようなことでも、やっぱりきちっとした資料的なものがないと幾らおっしゃってもそれはだめですよと、そういう資料を随時私の方で要求しますから、その節は出していただきたいということはいいですね。
 時間がないから簡単に。
#211
○政府委員(大塚秀夫君) できるだけ出させていただきます。
#212
○小笠原貞子君 大臣は、在来線廃止について住民、自治体の合意が前提だと、こういうふうにおっしゃっておりました。
 例えば、東北ルートでは一戸町が反対し、北陸ルートでも富山県が反対、鹿児島ルートでも阿久根市が反対決議を上げていると。そうすると、一町でも反対している場合に、これは地元の合意がとれているとは言えないと私は思うんですけれども、大臣いかがですか。
#213
○国務大臣(村岡兼造君) 今、いろいろ反対の地域もあると聞いておりますが、私が実際に会いましたのは一戸町の代表の方々であります。四十分ぐらいお話をいたしました。
 それで、県から昨年にこういう案でいい、こういうことを私ども聞いておりますと。それじゃ、新幹線、こういうものは必要じゃないのですかと、こう聞きましたら、新幹線はぜひとも必要だと。ただ、昨年急に決められた並行在来線のところをどうすればいいか、こういうことで並行在来線を廃止されると困る、こういうような話で、第三セクターでいくのか何にするのか。
 それで、そういうことも十分検討して、今後また、そこの同じ県でいろいろな別の町村の意見もありますし、私どもとしてはさらに反対の町村も含め、またそうでない町村もあるようでございますので、さらに検討してもらって、私どもの方でも聞き、またJRとも詰めていかなきゃいけないと思います。
 ただ、しばしばお答えしておりますように、地元の反対があって県全体として決まらないときに見切り発車はしない、こういうことで今後十分話し合っていきたいと、こう思っております。
#214
○小笠原貞子君 十分話し合いができない間に見切り発車はしないということを確認したいと思います。
 分割・民営化直後、JR九州が整備新幹線計画についての考え方を運輸省に提出しております。その中で在来線についてこう述べております。
  各主要都市圏の通勤通学あるいは生活路線としての役割を果たしており、全線にわたり廃止することは現実的ではないと考えております。
  廃止については種々問題も多く、従って在来線は可能な限り経費の節減を図り新幹線と一体となって施策を講じ経営していきたい。
こう明確に述べております。この考え方のように存続すべきだと。新幹線も欲しい、みんな欲しいんです。それで一戸町の場合も在来線が削られると一町で四つの駅が全部なくなっちゃうというようなことになってしまいます。
 だから、このJR九州が運輸省に提出いたしました在来線としての考え方、このような考え方で存続をすべく努力をするということが必要だと思いますが、いかがでございますか。
#215
○政府委員(大塚秀夫君) これは全線をフルにした場合にどうかということを前提とした意見でございますが、さらに今先生お読みいただきましたように、全線にわたり一律に廃止するということは問題があり、JR九州もそういう問題意識で八代―西鹿児島間について検討した結果、八代―西鹿児島間のうち川内―西鹿児島間は今後の沿線の開発状況、また、輸送需要の動向から今の段階では経営を存続させたいというように言っていると承知しております。
#216
○小笠原貞子君 このJR九州が出した考え方というのは、依然として私は大事な考え方だと思うんですよ、在来線の果たしている役割を考えなきゃならないと。そして、絶対廃止してもらっては困るという考え方、これはもう当然のことだと思いますので、ぜひこういう意見を尊重して御努力をいただくということでお願いしたいと思います。
 これは前のことで今はもうみんなそういう意見じゃないよなんというふうにおっしゃられるときもありますけれども、それはなぜそうなったかというと、運輸省から強制的に廃止の方向に向かって世論をつくっていらっしゃると言わざるを得ないということを、実際そうなんですよ、行ってみると。九州の例が出ましたので、九州をめぐる県民の大変な負担ということを考えてみたいと思います。
 きのうも申し上げましたように、JR九州の負担は二%だったらわずか八十六億、そして、自治体などの負担というのが六百四十五億というように、もう大変な負担をさせられるという問題。そ
して、おまけに足も切られちゃうということになる。そして、廃止後は第三セクターで運営してもらいたいと、こうなるわけですよね。第三セクターになるとますます丸抱えの県民、自治体の負担、こういうことになっていくわけですよね。
 そこで伺いますけれども、ローカル線廃止のときは、御承知のように、転換交付金というのがございましたね、一キロについて三千万円の補助というのがありました。
 これで計算してみますと、東北は七十六キロ、二十二億八千万円、北陸は百六十九キロ、三十四億七千万円、九州は百六十三キロで四十九億円という転換交付金というのが出されたわけです、線路を廃止するのに。その上に欠損補助金というのが、赤字の二分の一補助というのが五年間続きました。そして、その上に固定資産税の減免等が考えられていたわけですよね。そして、現在第三セクターになっているところの二十八社を調べてみましたら、二十二社が経営損益で赤字になってしまっているということなんですよ。
 そうしますと、安易にこれは第三セクターでやればいいなんというのも第三セクターの現在の姿を見ると、これは大変なことだと。そうすると、かつて線路をはがすときに出した転換交付金とかさまざまな手当てというものが考えられているのかどうか、いかがでしょうか。
#217
○政府委員(大塚秀夫君) 特定地方交通線の場合と異なりまして、整備新幹線に係ります並行在来線の問題につきましては、新幹線の着工に際しまして、地元、地域で十分御検討の上、いわば地域で選択権を持った上で並行在来線のJRからの経営分離の結論を得られたものと理解しておりますので、欠損補助などの措置を講ずる考えは持っておりません。
 ただ、それ以外のJRからの要員派遣、運行面への御協力、そういうことによる運営面での第三セクター化後の経営安定化につきましては、今後も十分適切な対処をしてまいりたいと考えております。
#218
○小笠原貞子君 並行在来線は切りますよと言われれば、これは大変だと。何とかして線路を残したいから、それじゃいろいろな無理があっても第三セクターででも残したいというのが県民、住民の気持ちですよね。そういう気持ちで出発したとしても、さっき言いましたような第三セクターの今の状況というのを見たら、これはもうみんな欠損、赤字になる、結局これはもう線路がだめになってしまう、こういうことですよね。だから、やっぱり私はもうちょっと地域住民の立場に立って考えていただきたいなと思うわけですよね。
 そういうことで、第三セクターの今の実情から考えると、県、市町村の負担は何十億、百億という単位になって負担が強いられるわけです。そして、第三セクターになると今より運賃がまた高値の運賃になっていくわけですよね。
 しかも、今問題になっているのは、貨物。貨物も第三セクターの線路を使用するというようなことも言われているわけですよね。JR貨物が第三セクターの線路を借りて走るなんて、これ主客転倒ですよね。貨物の線路を第三セクターが借りるというなら話わかるけれども、JR貨物が第三セクターの線路を借りるなんというのは、これはもう全く考え方としてはおかしい。まさにこれは分割・民営というものの矛盾というのがもろにいろんな形で出てきていると言わざるを得ないわけですよね。
 これからいろいろと進んでいくと思うんですけれども、重々、大臣にお願いしたいのですけれども、やっぱり地域住民、自治体の意見をよく聞く。聞いて、ただ聞きおくというのではなくて、その声を聞いて運輸省としてどう対処できるかというようなことも真剣に御援助いただかないと、過疎地の問題にも関係してまいります。ぜひ、その点、大臣に御援助いただきたいとお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。
#219
○国務大臣(村岡兼造君) 先生、この問題に関して地域住民の意見を十分に聞けと、これは先ほどもお答えいたしたように、十分に意見を聞くつもりでございます。
 先ほど御指摘ありましたいろんな問題点、私の地域も特定地方交通線で、現在第三セクターでやっておりまして、数少ない黒字のうちの一つでございますけれども、実はこの問題はやはりJRともいろいろ協議して、JRが第二の国鉄にならないようにという大前提もございます。概算でございますけれども、それぞれの地域で各路線、赤字の状況違うと思います。今の答弁で一路線十五億から三十億、こういうようなこともあります。そうすると、十年もすると三百億というような赤字にもなります。したがいまして、その他の点も考慮しながら、もちろん先ほども答弁しておりますように、地域の住民の意見も十分聞きながら調整を図って対処していきたい、こう思っております。
#220
○小笠原貞子君 もう時間がないから、反論したいこといっぱいあるんだけれども、JRの大世帯と自治体の世帯は、けたが違うんですよね。そして、どこの線でどれだけ赤字になるかという具体的な数字も出さないでいて――またさっきのことを言いたくなるわけです。
 どうかそういう意味で、やっぱり一番重点を置いてもらいたいのは、JRが第二の国鉄になってはいけないということは当たり前のことなんだけれども、だからといって地域住民、自治体に犠牲を負わせて乗り切ればいいと、そういうものじゃないと、運輸省の立場は。そのことをしっかりと心にとめておいていただきたいと思います。
 次に、そういう問題とも関連いたしまして、転換バス路線というのができましたよね、ずっと。その問題についてちょっと伺うんですが、私これから数字述べます。数字だけだと頭に入らないと思うから、ちょっと大臣、目でも見ていただきたいから、これ参考にしてください。(資料を手渡す)
 特定地方交通線の廃止に伴いましてやむなくバス転換に移ったという路線が、調べましたら四十五線ございます。そして、路線廃止による地域住民への影響は大変深刻になっております。それは、とりわけ利用者の運賃負担というものが国鉄時代と比べて約六倍になっているところもございます。
 その表の一番上のところに北海道の相生線というのがございます。これは北見バス、津別町バスの両方に分れておりますから、これを足さなければ今までのところは行けないんです。そうすると、国鉄時代には通学定期が七千八十円でございました。ところが、現在はこれを足しますと三万九千八百十円という通学定期になるわけです。そうしますと五・六倍なんです。同様に、今度は福島の日中線、その下にありますね。福島の日中線を調べますと、四・五倍になっています。そして、大分の宮原線、下から二行目の宮原線は四・五倍など、驚くべき負担となっているわけですよね。
 これは第一次廃止路線、五十八年から六十年の転換なんですけれども、第三次の昨年の四月に転換したというところがございます。それは島根県の大社線で、一番最後のページの下の方にございますけれども、この大社線は運賃が一・九倍、通勤定期は五千八百七十円から一万六千四百四十円と二・八倍、通学定期は三千九百六十円から何と一万四千九十円と三・六倍になっているんです。わずか一年で三・六倍になっているわけですね。同じように、兵庫の鍛冶屋線も三・四倍となっているわけです。
 これは、通学の場合にはもう子供は教育を受ける権利さえ奪われるという結果になりますし、お年寄りや病院通い、生活路線としても大変な負担増になるという、こういう事実の数字をごらんになって、大臣、どのように受けとめられますか。私も調べてびっくりいたしました。いかがですか御感想は。何倍になったら大変だと思われるか、そうでないと思われるかということなんです。
#221
○国務大臣(村岡兼造君) 今、ちょっとお聞きをしたのでございますが、転換の交付金ですかを出しておりまして、具体的内容はちょっと後から御答弁願いますけれども、そういうことで当分の間、補助を出すとか何かということになると思います
が、五年なら五年するとまた当然高くなってくると、こういうふうに思っております。
 いずれにいたしましても、こういう路線がたくさんありましたので、国鉄が今現在二十六・二兆円という債務がありますけれども、そういうようなにっちもさっちもいかぬということでこういう制度が決められたと、こう思っているところでございます。
#222
○小笠原貞子君 国鉄の赤字、そこに原因があったというのは、ちょっとこれはいただけない、時間がないから反論できなくて残念ですけれども。
 転換バスへの援助というのはあったわけですよね。しかし、それは五年間は欠損補助を全額国が出した。そして、六年目の補助はどうなっていますか、七年目からの補助はどうなっていますか、簡単にお答えください。
#223
○政府委員(大塚秀夫君) 五年経過後に直ちに地方バス補助制度に移行できないものについては、さらに一年間国と地方がそれぞれ欠損額の十分の五以内の補助を行い、輸送の確保を図ることとしております。七年目以降につきましては、地方バス補助制度の移行等について地元関係者間で協議を行い、輸送実態に適合したバス輸送が継続されるように措置することとなっております。
#224
○小笠原貞子君 五年間は出してもらえる。だけども、六年目は調整補助というので一年間、その次は地方過疎バス並みになると、こうおっしゃいましたよね。
 そうすると、最も早く転換したのが北海道の白糠線、これの六十三年度と平成元年度の欠損補助の実績はどうなっていますか。
#225
○政府委員(佐々木建成君) 白糠線の転換バスとしての白糠町のバス補助金の額について申し上げますと、六十三年度が一千八百六万四千円、平成元年度は九百九十一万八千円というふうになっております。
#226
○小笠原貞子君 今、おっしゃいましたよね、年間の欠損補助というのは約二千万円近くになっているわけです。ところが、七年目になりますと、一般の地方バスの補助という形になってまいります。そして、自治体運営の転換バスは地方バスの対象ともならないと。つまり、七年目以降は赤字を運営者の白糠町が丸々しょうということになるわけです。ほかの津別町、上湧別町というのも同様なんですよね。そうすると、白糠町では二千万円の欠損が出るという、この二千万円をどこから出していけばいいというふうにお考えになりますか。
#227
○政府委員(佐々木建成君) 転換バスの運営費補助金は、先ほどの答弁にありましたように、転換後五年間にわたって交付されると。それから、この期限が到来した後は地方バスの補助の方に移行するわけでございますけれども、そのままの輸送形態では地方バス補助制度の要件に該当しないというようなバス系統につきましては、一年間転換バス補助が国、地方で行われまして、その間に地方バスの補助制度の要件に該当するような路線の再編成等の協議を行うということになっているわけでございます。
#228
○小笠原貞子君 最後のところ。
#229
○政府委員(佐々木建成君) その一年間の間に地方バスの補助の制度の要件がございますものですから、その要件に該当するような路線の再編成を行うものは行うということでございます。
 その結果、地方バス補助制度の要件に該当するものはそちらへ移行するわけですが、移行できない、要件に該当しないというものが残るということになるわけですけれども、それにつきましては、キロ当たり三千万円を限度とした転換交付金が交付されておりまして、多くの路線につきましては転換後の代替輸送の確保のためにそれを基金のような格好で用意をしているというところが多うございますので、国の助成が受けられなくなる路線につきましては、この基金の活用等によりまして必要な措置を講じていただけるようこちらとしては期待しているということでございます。
#230
○小笠原貞子君 大臣、ちょっと聞いていてください。
 まとめますと、この白糠線というのは約二千万円近い欠損を出すわけなんですよね。それが調整補助をいただけるのは一年で約半分くらいしかいただけなくなっちゃった。そしてそれが切れますと、五百二十五万円しかもらえなくなってしまったわけなんですよね。しかし、自治体のバスは地方バスということで対象にもならないということになると、丸々もらえなくなっちゃうわけですよ。そうすると、白糠町、御存じないでしょう、小さい町ですよね。そこが一番初めに協力しようといって転換したんだけれども、二千万円の欠損というのをしょっちゃって、これからどうするかなと。転換交付金が初めに何ぼか入っているんじゃないかなんという、取り崩しちゃえばもう終わりになりますよね。
 そこで、大変な問題なんです。今年度から七年目に入る路線というのを教えますと、二十二路線となるわけなんですよね。一方民間バスの場合は、地方バス補助ということに転換できるんだけれども、路線が赤字であっても会社全体で黒字であれば補助が出ない、こういうことになるわけです。例えば、富内線を運営しているバス会社は、七年目以降いろいろな事情はあるようだが路線を縮小していくというふうに聞いています。同様のことが起きては住民の足の確保には問題が起きてしまう。
 本来、欠損補助は五年間だったのを一年間延ばしていただいたわけですよね。それはなぜかといったら、この問題を私は石原運輸大臣のときに提起いたしました。
 深刻なんですよね。お兄ちゃんは高校卒業するまでは補助されるけれども、今度新しく入る弟の分は補助がないから丸々三倍、四倍になった通学定期を買わなきゃならない。とても高校へやれないよというので、教育を受ける権利もそこのところでなくなってしまう。そしてまた、お年寄りとか病気の方なんというのはこのバスを使うなんてとてもできない。
 そういう実情を時間があってるる申し上げましたときに、石原さんが、そういうことを聞けば、これは教育権の問題、生存権の問題、憲法の上からもこのままでは大変なことになるというので、そして、調整補助ということをやろうとおっしゃってくださったんです。そして、運輸省もそのとき三年間概算予算をつけていただいて三年間息つけるかなと思ったら、大蔵に抑えられちゃって一年しかつかなかったという経過がございますのね。
 また私は、今ここのところにきまして、どうか大臣のお気持ちで何とか過疎バス地域に住んでいる人たちのことを考えて、何とかこの調整補助というのを一年だけではなくて、概算要求を運輸省として出された三年を出すというふうな御努力をいただきたい。もう時間が過ぎましたからこれでやめなければなりませんけれども、やる気になって何とかお力をいただきたいということをお願いして終わりたいと思います。
 どうぞ大臣の御決意のほどを。
#231
○国務大臣(村岡兼造君) いろいろ北海道の実情をお示しいただきました。鉄道がバスになった。もともと交通形態が、私は正直に申し上げまして、地方で変化しておったと。実は、私どもの方も同じでございまして、昔はバスでありましても十分お客さんが乗ったわけですね。ところが、みんなマイカーということになりまして、端的に申し上げましてバスに一人、二人と、こういうような状況になった。国鉄がやっていた、あるいは従来のバス会社にしても同じような条件であろうと思います。
 したがいまして、調整というようなことも言われましたけれども、いろいろ地方でもバス会社に町で補助金を出しているあるいは過疎の対策で出しているところもございます。そういう面も考えていきませんと、なかなかこれは簡単に、今ここで努力しますと言えばいいのでございますが、実情ももう一回詳しく調べていただきまして、今先生のおっしゃるようになるかどうかは別にいたしまして、検討いたしたいと、こう思っております。
#232
○粟森喬君 まず、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案についてお尋ねしたいと思います。
 当初、国鉄改革法を制定した時点ではリース方式を前提にしてJRの株も上場するという考えでいました。今回の法律を出す趣旨の中では、JR株の上場のためにこれは必要なんだというふうに書いてあります。どうもこの譲渡にかかわる問題で言うと、今回なぜ既設四線を売却してJRに譲渡しなければならないかという必然性がこれだけの理由でははっきりしないのではないか、こういうふうに思いますので、その辺について答弁をお願いしたいと思います。
#233
○政府委員(大塚秀夫君) JR本州三社の株式の売却・上場が間近に迫っている現在、保有機構からこれらJR三社が借り受けております巨額の既設四新幹線の資産と、これにかかわります債務の確定がなされていない。つまりリースでリース料を払っておりますが、新幹線鉄道保有機構法の第二十一条では、貸付期間終了後譲渡するとなっており、その譲渡方法等が今の段階では明確でない、またリース料も今後どうなるかわからない、そういう意味で債務が確定されていないということ。それから、各JRが新幹線の設備の維持更新に必要とする内部留保を十分確保できない、これはリース制でございますから、新幹線資産の償却資産について減価償却ができない。
 こういう財務体質上の問題があることによりまして、今回新幹線鉄道保有機構が保有しております新幹線施設を適正な譲渡価額その他一定の譲渡条件でJRの関係三社に譲渡することとしたものでございます。
 一方、鉄道整備基金は、今回の譲渡により解散する保有機構の一切の権利義務を承継して、譲渡代金の一部を活用して整備新幹線などの鉄道助成財源として活用を図る点で保有機構と法律上関連を有するものではございますが、それは今回の譲渡後の処理の問題であって、既設新幹線の譲渡はあくまでもこの新幹線鉄道の譲渡に関する法律案の一条の「趣旨」に規定しておりますように、株式上場の環境整備を図るために行うものでございます。
#234
○粟森喬君 株式市場のことを十分御承知の上で言われているのだろうと思いますが、債務が不確定だから株が上場できないなんということは絶対ないんですよ。すなわち、どんな会社でも将来の借金とか設備投資とかというものについて全部決まっているんだから、そのときどきの市場でその株に対する計算根拠があって売買価格が決まるのでございまして、これがなかったら上場する条件が成立し得ないというものじゃない。
 だから、端的に言うと、一つの例ですが、十年後に保有機構から売るという場合もこれはありましょう。そのとき株がどんと上がるか下がるか、これはそのときの市場原理ですね。そういう意味で申し上げると、今回の株式をやらなければならないという必然性がどうもはっきりしないと思いますが、もう一度そこはちゃんと答弁してください。
#235
○政府委員(大塚秀夫君) 一般の企業でも上場後いろいろな設備について投資をやっていきますから、当然資産その他が変動することは事実でございます。しかし、JR本州三社の場合には大変この新幹線資産のウエートが高うございますので、これについて債務が確定していない場合には損益にも影響が大きいということで、株主に対するディスクローズにならないということが証券取引所あるいはその他の関係者から指摘されたというのは事実でございます。
#236
○粟森喬君 どうもその辺の根拠がはっきりしません。
 それで、私は現状で申し上げるならば、リース料を債務としてかなり過剰に、そこに問題があるというふうに言っていますが、このことは後でまた論議をする機会もございますから、この際、大臣にもはっきりさせておいていただきたいと思います。
 いずれにせよ、そういうふうに決めてやったことが私は将来に禍根を残すだろうという懸念を持っています。したがって、これはいずれにしても今の大臣が一定の最終的な決断をしてこういう法律を出したわけですから、これについて私は、このようなやり方は必ずしも今の段階で拙速に走るべきではないという立場でございますが、やるという立場に立ったわけですから、大臣、ここは責任を持ってこれが将来にとっていいんだと言えるというふうに答弁してください。
#237
○国務大臣(村岡兼造君) 先生の御質問は、この今回の既設新幹線の売却理由は何か、見解いかんと、こういうようなお話であろうかと思います。
 JR株式の売却・上場は、JRの完全民営化への道であるとともに、株式の売却収入により清算事業団の長期債務の円滑な処理を行うことができるので、国鉄改革の一層の進展を期待できるものであると考えております。
 本州三社の株式の売却・上場に際しては、現在、保有機構から借り受けている巨額の新幹線資産と、これにかかわる債務の確定がなされていないこと等の問題があり、これに対処し株式の売却日上場の環境整備を図る趣旨から、今回保有機構が保有する新幹線施設を本州三社に譲渡することとしたものでありまして、鉄道整備財源を得んがために新幹線譲渡を行うものでないことは御理解を願いたいと、こう思っております。
#238
○粟森喬君 今の答弁では、私は国鉄の長期債務のためにも禍根を残すと思いますが、また改めてこれは清算事業団法を論議するときに回させていただきます。
 そこで、次に鉄道整備基金の問題についてお尋ねをします。
 一つは、私は、一兆円の鉄道整備基金を捻出するということを大塚さんが言われたように、このためにも一つの重要な意味を持っていたというふうに思いますが、この売却価額の九兆一千億円というのは新幹線保有機構の持ついわゆる今の債務ですね、それとちょうど一致するわけですね、これは。どうですか。
#239
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線鉄道保有機構が持っております新幹線関係の現在の債務は八・一兆円でございます。今回、譲渡時点における新幹線の時価を評価して予算上九・一兆円にしておりますので、一致しておりません。
#240
○粟森喬君 先ほど安恒委員も売却価額の根拠を出せと言いましたが、私はむしろここから決めたのではないかというふうに思っているわけです。保有機構の持つ八兆一千億円の借金と基金の一兆円、これを足したら九・一兆円だ。あとはむしろ帳面づらといって、これは再度検証する場があるはずでございますから、私はこれが一致するというのはどうも価額決定に客観性を持っていない。何となくそこを合わすために金額を決定したと、こういうふうに理解してしまうわけですが、その辺のところについて答弁してください。
#241
○政府委員(大塚秀夫君) 九・一兆円と言っておりますが、九・一兆円ちょうどではございませんし、その一兆円というのは、我々としてはもちろん二兆円、三兆円の方が基金としてはありがたいわけで、一兆円が先にあったわけではございません。
 これは一昨年あたりの新聞記事をごらんいただいてもわかりますように、最初にJR東海等が新幹線の譲渡問題を提起して新幹線を譲渡してもらわなければ、JR株式上場の経営基盤が確立しないというところから問題が出発し、また関係者との協議の間で、譲渡する際に一部、特にJRでは今までの債務額で譲渡してもらいたいという声もありましたが、国民の共有財産としての新幹線を譲渡するに際しては譲渡時点での時価にしようということで評価した結果こういう額になりましたので、私どもとしては別に一兆五千億円でも二兆円でも基金は構わない。決して一兆円から逆に九・一兆円が出てきたというわけではございません。
#242
○粟森喬君 このことはこれからも論議する機会は何回もあると思います。私は、こういう価額決定についてやっぱりいろんなこれからの問題もあ
るわけです。したがって、これは別の機会にもう一遍検証します。
 そこで、価格が例えばプラスになる場合、マイナスになる場合いろいろあります。そのときにも私たちはまた意見を言う機会がありますけれども、大臣、ここでお尋ねします。こういう価額決定は本当に適切であった、客観性を持っていたというふうに認識していますかどうか、承認した側からおっしゃってください。
#243
○国務大臣(村岡兼造君) いろいろ今までの質疑の中で、九・一兆円、これは安いのでないかというお話もございました。また、高いのではないかと、こういうような質疑もございました。
 私自身はいろいろ計算したのではないわけでございますけれども、先ほど来総括審議官が答弁をしておりますように、既設四新幹線の評価額九・一兆円につきましては、JR株式基本問題検討懇談会に設置されました新幹線譲渡問題検討ワーキンググループにおいて専門的検討を通じて精査されたものであり、現段階における評価額としては適正なものと考えておりますし、また、この譲渡法成立後において設置されることとなる評価審議会において再精査をすることとしており、最終的に適正な価額が算定されると信じております。
#244
○粟森喬君 今、大臣答弁しましたが、山陽新幹線が一兆円弱、東海道新幹線がその六倍までいかないけれども六倍弱というように、どう考えたって客観性というのは、収益性も含めてどう見るかということは商品の価額でございますからいろいろありますが、私どもはどうも安いとか高いと言う前にこういう価額の決定の仕方はやっぱり問題があるというふうに思いますが、また論議する機会ありますから、きょうはこのぐらいにしておきます。
 次に、鉄道整備基金の一兆円の理解の仕方について私はお尋ねをしたいと思います。
 平成二年度に運輸省が概算要求で初めは返済期間を百年と、なぜ百年にしたのか。利子を六・二二%、こういうふうに概算要求されましたが、このときの根拠は何ですか。
#245
○政府委員(大塚秀夫君) まず、金利の六・二二%は、当時の保有機構の清算事業団に対する債務の平均金利を用いました。
 それから、百年ということでございますが、九・一兆円と計算しまして、そのうちの従来からの債務相当分の八・一兆円、これはもう既に債務の償還条件等が決まっておりますので原則としてそういうようにやる、平成二十八年度までということになりますが。それでは残りの一兆円、差額の一兆円をどうするかということで、JRの負担を考えてできるだけ長期に返済する方がJRの負担が軽くなるのではないかと考えて、いろいろと年間の支払い額、六・二二%という金利を含めた元利の償還額等から百年ということを打ち出したわけでございます。
 しかし、JR自身が百年というのはそれこそ債務が確定しないというか長過ぎる。本来なら長期であればあるほど財務の負担者は喜ぶわけでございますが、逆に喜ばないで長過ぎるという意見があり、また、財政当局等も他の債務に比べてアンバランスで長過ぎるというような批判がございましたので、六十年に短縮した次第でございます。
#246
○粟森喬君 百年の場合は、一年に六百六十億入って六兆六千億になりますね。六十年なら四兆二千四百億になりますね。物価上昇率などがあって余り比較することができないけれども、金額の上ではかなり差が出るわけです。それにもかかわらず運輸省が納得した理由というのは、JRがそうだとか財務当局がそう言ったというけれども、運輸省自体がそれに納得した理由というのをちょっとはっきりさせてください。
#247
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸省が納得したというよりは、一般的な財投とのバランス論、それから、JRがむしろ早く返したいというような関係者の意見等を含めてこのように落ちつけたということでございます。
#248
○粟森喬君 先ほどの答弁の中で、JRはそんな長いのは困るというふうに言われた。それならもうちょっと言えば三十年でやる、そういう方法もあったわけでしょう。それをとらなかったというのは、こういう決定の仕方やこれからの鉄道整備基金の使い方の問題がどうなっていくかというときに、一兆円の財源ではかなりやっぱりいろんな意味で無理が出るというか、需要といいますか、鉄道の話だとかいろんなことが出てくると、私は、この決定の仕方についてやっぱり問題があったということをここでは指摘しておきます。答弁要りません。
 そこで次に、株式譲渡についてちょっとだけ具体的なことをお尋ねしておきます。
 株式譲渡は額面が五万円だというふうに聞いています。一〇%利子配当だと聞いています。いずれにせよ、利子配当をふやしていくのか、赤字じゃない場合ですね。例えば、無償増資などをやるときにNTTの場合なんかでも大変五万円という額面で困っておる、こういう話があるわけですが、これは五万円ということでいくのかどうか。そして、これからのそういう無償増資なんかは全く考えていない株だというふうに理解してよろしいのかどうか。
#249
○政府委員(大塚秀夫君) 額面五万円の株式について増資をすることによって一株未満の端株が生ずる場合に端株主原簿を作成し、その端株主の方に端株券を交付することになっておりますが、最近の平成三年四月一日施行の商法改正によりまして、会社の定款で端株券を発行しないことを定めることができることになりました。
 なお、端株券を発行しない場合は、端株主は会社に対してその端株を時価で買い取ることを請求できることとなっております。
 これは単位株においても増資により単位未満株が生ずる場合と同様でございまして、こういう商法改正により、特に五万円額面株について増資に支障があるものではなくなったと理解しております。
#250
○粟森喬君 その問題は安定株主対策やいろんなことともこれから関係する問題でございますので、ちょっと安定株主対策についてお尋ねしたいと思います。
 安定株主対策というのは、この間の質疑の中ではJRが行うべきだというふうに言っていますが、今、株を持っているのは政府ですね。それで市場に出すわけです。だれが買おうと自由でございます、そのときの売買により。安定株主対策というのは具体的にでき得ると想定しているのか、そんなことは市場原理に任さざるを得ないというふうに考えているのか、その辺は明確にしてください。
#251
○政府委員(大塚秀夫君) 安定株主をどの程度確保するかというのは大きな問題がございますが、安定株主対策としては、市場に流通する前に、例えば社員持ち株会に優先的に割り当てるとかいろいろな方法がございますし、また、一般の企業がやっておりますのは、株式市場に出た後の株を市場の中で安定株主となるような企業が買っていくという二つの方法があると思います。
 そういう意味で、JR自身もどのような方法をとっていくか。例えば、社員持ち株会をつくるということ、これも会社の方針でございますので、JRも考えなければなりませんし、我々としてもJRの意見を踏まえつつ市場に出る前に何らかの安定株主対策の仕組みが必要かどうか、それを今検討しているところでございます。
#252
○粟森喬君 昔は国鉄、今JR、そしてこれが国民の財産から全部民間に切り離されるわけです。特定の株主が実質所有権を持つわけです。安定株主対策というものは、やっぱり国民の財産を売り払って、それは知らないということでこれからJRなりの公共性から見て本当にいいのかどうかという問題、これは大臣の方から安定株主対策や、それから国民に対する責任といいますか、そういうことについてどういう理解でいるか、ここは答弁を下さい。
#253
○国務大臣(村岡兼造君) JRの安定株主対策は、JR株式の売却に当たって重要な課題であると考えております。JRの要望等も聞きつつ、
JR株式基本問題検討懇談会におきまして検討いただいているところでありますが、運輸省としてもその検討結果を踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えております。
#254
○粟森喬君 政府は株を全部一〇〇%放出するという方針でございますから、このこととの関連で検討委員会の結論を含めまして今後の論議を私たちもするという前提ですので、きょうはそのぐらいにとどめておきます。
 そこで、基金の問題。
 今度つくられます基金、事業団というのですか、これの運営についてちょっとお聞きしたいと思うんですが、理事が三人です。それで、理事会なんというのは、実質、全然機能しないんではないかと思うんですが、いかがですか。
#255
○政府委員(大塚秀夫君) 三人でも理事会というのはございます。理事長のほかに理事二人で、一人は総務担当、一人は業務担当と考えておりますが、これはできるだけ効率的に運営するために理事の数を減らして、これがまた特殊法人として余計な人件費を食わないようにということで、私ども要求段階からこの人数で要求させていただいております。
#256
○粟森喬君 私は、理事というのは全部常勤じゃなければならぬというふうに思わない。普通、理事会というのは最低でも七とかそういうのが、これは常識でございますから、三人というのは、私はこの法律を読んだときに思ったのは、運輸大臣がすべての業務実施方針を出す、このとおりにすればいいんであって、あとはもう理事なんていうのは飾り物なのかどうなのかは別にして、単なる肩書程度にしていくということだろうと理解をしました。
 そこで聞きますが、この一兆円の基金の運用についていろんな定めがございます。しかし、その柱になるのは、全部運輸大臣が定める業務実施方針です。この業務実施方針というのは、そういう意味では極めて重要な意味を持っていると思います。
 このことに対して、先ほどの質問の中でも、国会に対して一定の報告義務があることはわかりました。しかし、具体的な業務実施方針の中身、これについて国会との関係はどうするのか。そして、その中身についてはお金の決算とかそれだけではございません。何にどれだけ補助することになったか、どこから補助申請があって、それはどういうふうな指示になったのかということを明確にするというのが国会に対する私は責任ではないかと思いますが、いかがですか。
#257
○政府委員(大塚秀夫君) 業務実施方針につきましては運輸大臣が定め、これを基金に指示しますとともに、公表することになっております。また、業務実施方針を定めるに当たりまして、運輸大臣は大蔵大臣と協議をすることになっております。
 なお、鉄道整備全体の構想につきましては、現在、運輸政策審議会においてビジョンを策定するということで、こういうビジョンも踏まえて業務実施方針を策定していきますし、これを公表いたしますので、直接内容について国会に報告する等はいたしませんけれども、鉄道整備基金の資金計画、収支計画等を通じて、あるいは一般的にいつでも御質疑いただきましたらこのような内容については明らかにしていきたいと考えております。
#258
○粟森喬君 大臣に今度はお聞きします。
 大臣が定めるんですから、大臣は、私が先ほど申し上げたように、この業務実施方針そのものを国会なり国民に公表すべき性格がある、非常に重要な一兆円を基金にしたものを出すということですから。大臣の立場としていかがですか。
#259
○国務大臣(村岡兼造君) 鉄道整備基金の資金収支計画等につきましては、財政法第二十八条に基づき国会に提出されることになっておりまして、かつ、その範囲には特定財源をも含むものであることから、必要があれば特定財源にかかわる資金収支の具体的内容として、業務実施方針に従って特定財源を活用して行う業務についても国会で御論議いただけると考えております。
#260
○粟森喬君 それでは、次の質問に移ります。
 鉄道基金の発足を機会に整備新幹線も十年をめどにしてやるということで、そういう前提で今の法律が出されたというふうに思います。
 ところでお尋ねしますが、いわゆる生活関連枠で百二十五億円要求しましたね。あれは結果としてたしかゼロになりましたが、この要求の柱は具体的に言うと何と何と何で百二十五億円だったのですか。
#261
○政府委員(大塚秀夫君) これは新幹線鉄道に対する国の補助、公共事業費枠が限られておりますので、それに合わせたものとして百二十五億、全体で二百三億を要求させていただいたわけでございます。
 これは、特に新幹線の中にこういう生活関連があるということではなしに、整備新幹線全体が地域の生活に密接に関連しているんだ、一般枠で足らないところを生活関連枠で要求した、こういうことでございます。
#262
○粟森喬君 結果的にこれは要求は実現しなかったんですね。そういうところがなぜ要求実現しなかったのかということについて明確に答えてください。
#263
○政府委員(大塚秀夫君) これは運輸省からお答えするのも非常に難しゅうこざいますが、いろいろな過程で生活関連枠の中の優先度、他との関連で新幹線は認められなかったということで、私どもはそれゆえに地方の生活と関連がないというプロジェクトになったとは理解しておりません。
#264
○粟森喬君 私は、答えにくいことを聞いたのは、あなた方本当に鉄道なり新幹線というものが生活に密着しているかどうかということの説得力のある切実性ということについてかなりやっぱり欠けていたのも一つだと思うんです。それからもう一つは、一兆円で今度別の基金をつくるから、これがあるからということに恐らくなったのではないかというふうに私はそこは推定をしているんですが、この拠出方法や期間、利子などから見てもこのようなやり方では非常に問題だと思います。
 したがって、もう一度聞きますが、鉄道整備基金をつくったら、生活関連枠で新幹線であるとか鉄道であるとか、そういうことについてこれから要求はしていくのかしていかないのか、これははっきりさせてください。
#265
○政府委員(大塚秀夫君) これは他の委員会等でも財政当局が平成四年度予算編成に当たって、また生活関連枠というものを設定するかどうか未定である、また、その内容についても未定であるというような説明をしておりますので、私どももそういう内容を見ないとできませんが、少なくとも我々としては地域に密着した、国民生活にとって重要な鉄道整備と理解しております。
#266
○粟森喬君 頑張るということを明確に言うべきだし、それから、先ほどから大都市の通勤対策もあれほど問題になっている。にもかかわらず、つまり、お金の工面なり財政措置ができないがゆえにいろいろと苦しんで答弁されているんだろうと思いますが、私はこの際、大都市の通勤者対策をやっぱり明確にすべきだと思う。
 例えば、今運政審の小委員会でやっておるということで多少経過もお聞きしたりしますが、それを持っていて、何か時間延ばしをしているような感じしかもう受けないわけです。
   〔委員長退席、理事谷川寛三君着席〕
やっぱりこの際、大臣、私は、例えば私的諮問機関というんですか、そんなものでもちゃんとつくって、通勤者の現実を踏まえて、これはやっぱり生活関連枠で頑張ってやるとかそういう道筋をこの際明らかにしなかったら、本当に今の状況、みんな耐えているというけれども、少しこの辺のところについて明確なやり方を大臣の決意としてお尋ねしたい。
#267
○国務大臣(村岡兼造君) 生活関連枠二千億ということで、運輸省もこの新幹線の問題も獲得すべく頑張ったと私は思っております。ただ、順位の問題、その他、新幹線は遠距離じゃないか、近くのあれではないじゃないかというようなこともありました。各省合わせると一兆円以上になったということも聞いております。
 実は、来年あるのかどうか、幾ら生活関連枠があるかどうかわかりませんが、その中で新幹線問題あるいは地下鉄、今回は二十二億二千万ですかつけていただきましたけれども、両方合わせて公共事業はもっともっとつけていかなければ、昨年から比べましてことしは相当大幅にふえたといいましても、通勤通学の問題やあるいは新幹線の問題、あるいは地方幹線の問題は解決していかないんじゃないかという先ほど来の御指摘を踏まえまして、ひとつそれにいたしましても運輸政策審議会に諮問いたしまして、はっきりした根拠を持って来年度の予算獲得を強力に推進していきたいと、こう思っております。
#268
○粟森喬君 大都市通勤者対策について今小委員会やっていますね。それだけでもし運政審答申に入れてやるのでは、私は解決への道筋が明確にならないと思う。やっぱり、ここは大臣自身に直結した諮問機関をつくってでもこの問題についての現状認識、こういうことをするという方向性の建議を受けてやっていくというような考え方をはっきりさせてください。
#269
○国務大臣(村岡兼造君) 運政審にもまた分科会というようなものもあると聞いております。今、私的なそういうものをつくるかどうかは別にいたしまして、先ほども実際に通勤している人の意見もよく聞けというような先生方の御指摘もございました。私自身もそれらを踏まえて、運輸政策審議会だけではなくて私的の、私的といいましても私が頼むとまた公的になりますけれども、それらをつくるつくらないは別といたしまして、十分意見を聞いて検討してまいりたいと、こう思っております。
#270
○粟森喬君 大臣、政治家なんだから聞くのは当たり前、それを一定の枠組みをつくって、私的というのはいろいろな行政手続、それを多少変更してでもやるというのが私的という意味でしょう。過去いろんなところに、審議会とかそういう制度とは別にそういうものはやっているんですが、それをやるのかやらぬのか、別というのはだめ、はっきりしてください。
#271
○国務大臣(村岡兼造君) 正直に申し上げますが、何しろ経験不足でございまして、今お聞きをいたしておりますが、地域交通部会には労働組合等のメンバーも入っているようでございますし、また、いろいろな地域の文化人あるいはマスコミ等の方々も入っているようでございます。
 今、私的な私の諮問委員会をつくるとか何かという答弁はできませんが、先生の意思を体しまして早急に検討して、つくるかつくらないかということも先生の方に答弁をしていきたいと、こう思っております。
#272
○粟森喬君 あちらの政府委員から答弁をもらったので、それは既成の組合の役員が入っているというのは、だれのことかも知っている。マスコミというのはだれのことかも知っている。そんなことを言っているんじゃないんです。具体的にやっぱりそういう人たちの意見やいろんなことを聞いて、こうやってほしいという意見を集約して、それはもう現実に該当者の声でしょう。そういうものをやっぱり建議を受けて具体的にしていかなかったら、これはもう絶対進まないですよ。
 だから、何らかの格好で返事するということですからもう結構ですが、後で返事じゃなく、ここでちゃんと答弁してください、言った趣旨に沿って何かやるという。
#273
○国務大臣(村岡兼造君) 今、局長とやりとりをいたしておりまして、私としては審議会とか何かというものは別といたしまして、そういう意見を聞いて集めるのはいいではないか、こう言いましたら、それは結構だということで、そういうことはやりたいと、こう思っております。
#274
○粟森喬君 やるということでございますから、また委員会もございますので、その都度報告もいただきますので、きょうはこの程度にしておきます。
 そこで、新幹線の問題に入ります。
 今度の全国新幹線鉄道整備法では、「新幹線鉄道に準ずる高速鉄道」、これは具体的には私たちが通称ミニ新幹線、スーパー特急と言っているものを含めているわけでございますが、これを含めた理由は財源措置上の問題なのか。それができたら、これは全国新幹線網ができ上がったということにつなげるのではないかという懸念を私は持っているわけですから、ここは明確に答えてください。
#275
○政府委員(大塚秀夫君) いわゆるスーパー特急、ミニ新幹線につきましては、六十三年八月に運輸省が提案した規格案でございますが、この運輸省案は、多極分散型国土の形成を図り、国土の均衡ある発展を達成するためには高速の幹線交通体系の整備が不可欠ではございますが、このためにJR各社に対して過大な設備投資を求め、第二の国鉄とするようなことは絶対にしてはならないという基本認識に立って、高速化を効果的に発揮し得る現実的で合理的な規格案を提案したものでございます。
 具体的には、全国新幹線鉄道整備法の整備計画区間に即して、投資効果を考慮して各線ごとに極めて時間短縮効果の高い施設整備を行うこととし、このような観点から規格の圧縮を行ったものであることから、効果を発揮し得るものと考えております。
 このミニ新幹線、スーパー特急はそれぞれ最高速度が百三十キロ、百六十キロから二百キロメートルというようなスピードでございますので、全国新幹線鉄道整備法上の新幹線そのものとは言えないものの、それに準ずる機能を果たすと考えております。
 これは今回御審議いただいております全国新幹線鉄道整備法の改正案でも、「新幹線鉄道による全国的な鉄道網の一部を暫定的に構成する新幹線鉄道に準ずる高速鉄道」、こう言っております。
#276
○粟森喬君 今、「暫定的」というところを力説されたけれども、暫定というのはいつまでかという期限を特定していません。私が懸念をするのは、スーパー特急ができた、ミニ新幹線ができた、全国に新幹線網をつくるという話がこれをつくることによって、大臣、ここは答弁してほしいんですが、一極集中を多極分散型にするときには、同じ性能、同じ機能のフル規格の新幹線をつくらない限り多極分散にはならないということです。この辺のところについて、暫定的が固定的になったら大変なんですから、大臣、明確にこのことについての見解をお示しください。
#277
○国務大臣(村岡兼造君) 今、総括審議官から答弁ございましたが、暫定的と、こういうことでございます。先生のおっしゃるとおり、恐らく各地域に参りましてもミニとかフルとかいうので、十数年財源難でようやくここまできたと、私は第一歩だと考えております。また、見直しの時期も書かれておりますので、そういうところで先生方の御意見も聞いて対処していきたい。
 一極集中を排除し、国土の均衡ある発展、多極分散型にしていくという考えはもちろんでございます。
#278
○粟森喬君 そこで、北陸のことについてちょっとお尋ねをします。
 北陸はスーパー特急でいいと言ったこともございませんが、今スーパー特急を通すという話なんですね。スーパー特急のいわゆる構造物、あれはフル規格の構造物でございますが、その上にとりあえずスーパー特急を乗せるという話でございます。このスーパー特急は湯沢につなぐということで今計画が進んでいるといいますが、どの程度にその計画が進捗しているのか、まずお尋ねしたいと思います。
#279
○政府委員(大塚秀夫君) これは計画が進捗していると申しますよりは、高岡ー金沢間、また糸魚川ー魚津間、これらの基本スキームにございます区間が完成したときに、この新幹線鉄道規格新線を活用してスーパー特急をどのように走らせるかという問題でございます。そのときの有力な一案というのが、今先生も御指摘のとおり、上越新幹線に接続させて越後湯沢から六日町を通って北越北線に入り、それから犀潟、直江津を通って富山、金沢に行く。こうしますと、上越新幹線も活用し
つつ、東京―金沢間が時間短縮効果が大きい。こういう構想が一つあるわけでございます。
 しかし、もちろん長期的にはさらにそういったスーパー特急区間をふやしていって、将来はフル規格ということを念頭に置いておりますので、フル規格を主とした構造になる、そういう区間として考えております。
#280
○粟森喬君 はっきりさせておきたいと思いますが、北陸新幹線というのは軽井沢ー長野、あちらを通って糸魚川へつなぐ道ですね、確認をしておきますが。
#281
○政府委員(大塚秀夫君) そのとおりでございます。
#282
○粟森喬君 そこで、お尋ねをします。
 魚津と高岡の間、今の着工の部分はこの間も論議しましたからいいです。魚津と高岡はスーパー特急が通るときにどの構造物を使おうとしているのか、ここははっきりしてください。
#283
○政府委員(大塚秀夫君) スーパー特急というのは、これは言葉上に誤解があるかもわかりませんが、新幹線鉄道の規格で線路は狭軌の新線をつくる場合、その区間を走る場合に在来の特急でも大変スピードアップができるという意味でスーパー特急でございますので、今先生御指摘の魚津から高岡の間というのは、在来線上をそのスーパー特急が走る、在来型の特急と同じようなスピードで走る、こういうことになります。
#284
○粟森喬君 そこで、お尋ねをしたいことが幾つかございます。
 一つは、並行在来線を政府・自民党のスキームというんですか、あの中では「JRの経営から分離する」、こういうことになっていますね。分離するときに、片方はフルの構造物の上に乗ってスーパー特急が走る。その部分は在来線を使うとなったら、在来線をJRの経営から切り離すときはいわゆる細切れで切り離すんですね、そういうことになりますか。
#285
○政府委員(大塚秀夫君) 細切れという言葉の使い方でございますが、整備新幹線の各ルート全体から見れば確かに細切れになりますが、その区間を見れば、古い設備にかわって新しい設備である新幹線鉄道規格新線ができ、古い設備と新しい設備が両立しないので古い設備は分離する、そういうふうに考えております。
#286
○粟森喬君 スーパー特急というのは狭軌でございます。したがって、必ずこれは乗りかえがつきます。湯沢につないで幾ら便利になって速くなると言ったって、この狭軌というのは乗りかえを必然的に生みます。スピードももちろんフルから見たら問題にならぬほどあれでございます。そういう、言ってみれば細切れスーパー特急。構造物を一部分だけよくして、とにかく在来線のいいところは使うんだと。それで、残ったものをとにかく私たちは切り離す、JRから切り離すと。運輸省はそれが確認できない限り、富山の高岡ー金沢間も着工調整費だと、八月までに返事しなかったら、これは不執行という意味でしょう。
 ですから、そういう在来線のあり方もずたずたにして、その上でそんなことを言うというのは本当にいいことなんですか。まず、そこは大塚さんに一遍答えてもらいます。
#287
○政府委員(大塚秀夫君) そもそも今の基本スキームにおける三線五区間というのが、先生、今御批判されましたけれども、効率がよく投資効果も高い区間からやっていく、その場合にミニ方式、スーパー特急方式により経費を節減する、そこで基本スキームができておりますので、細切れということではなしに、このような効率のいい区間からやっていくことが高速鉄道網形成のための早道であり、整備計画の第一歩である、これが我々の基本哲学になっておりますので、そこを崩しますと、もう整備新幹線構想というのはなくなると思います。
   〔理事谷川寛三君退席、委員長着席〕
#288
○粟森喬君 あなた方の答弁はおかしいんですよ。整備新幹線に準じて暫定的にやると、並行在来線をJRの経営から切り離すと、こう言っている。そのときに一部はJRも勝手に使わせていただきますと。そして、一部は、もうそれはずたずたであるかどうかは別にして、効率的というか、こっちの側の並行在来線の問題を全然考えていない。これはやっぱり大問題ですよ。
 というのは、上越新幹線も東北新幹線も北陸新幹線の地域的な条件も一緒なわけ。こちらは旧国鉄時代にやったたから、在来線の廃止問題についてこんな厳しい制約していない。十年後かいつか新幹線がつくかつかないかもわからないのに、今着工することについても八月までにちゃんと返事しなかったら、その金も使わせないよというのが運輸省の態度でしょう。それは全国統一でそれぞれの客観情勢の違いやいろんなことが出てきて、JRの条件、第二の国鉄にしないという、そういう一つの基本原則を確立してやったのもわかるけれども、余りにもほかの上越なり東北新幹線の並行在来線の扱いを見たら、これは不当な私は差別だと思う。大臣、そのことについてどう思いますか。
#289
○国務大臣(村岡兼造君) 大阪―東京あるいは東―盛岡、あるいはまた東京―新潟等は収益力が高いと、こう思っておりますが、どう思うかと言われますと、先生言われるとおり、実は北陸本線のスピードが上がるというのは、私どもの羽越線と比べまして、まだ話題に上っているだけでも相当いいなと、こういうふうに率直に、私どもも差別だとは思っております。ただ、私どもの方はまだその話も出ないので、八月までに、返事しろぐらいの話が来ていただければ大変ありがたいと、こう思っているんですが、一つも来ておりません。
 しかし、今お聞きをいたしまして、岩手の問題やいろんな問題もございますので、JRあるいはまた地元といろいろ相談をいたしまして問題解決の処理に当たりたい。これは私は先ほど来も言っておりますが、いろいろ各地域から要望出ておりましても、どうしても財源難でできないし、いろいろ運輸省としても公共事業並みに多くの金を取りたいと言いましても、なかなか今までのいろいろな事情でできなかったと。今後そういうことで根本的にメスを入れていかなきゃならない問題だと。
 とりあえず、今言ったように、第一歩として鉄道整備基金というものをつくりまして発足させていただきまして、その後においてまたいろいろな先生がおっしゃるような矛盾や、あるいはまた将来フルということも考えていかなきゃならぬと、こう思っております。
#290
○粟森喬君 運輸省が金がないと言いますが、それはもうないことは現実に予算を私たち審議していますからわかっています。
 問題なのは、やはり収益性だけで考えたら、JRというのは純民間になるんだから、これはもう採算からいったらできないです。だから、無利子で貸したりしているんだけれども、基本的には鉄道というのは道路と一緒でございまして、構造物を無利子で貸し付けをして、それでまた採算ベースを合わすというのは、それは基本的にどこか変更しないと、これは後でも具体的に幾つかのことで質問しようと思っているんですが、民間鉄道で今鉄道に投資して長い懐妊期間というけれども、懐妊期間でまだ取れればいい方、それを取れるなんという見通しを立てて鉄道できる人は一人もいないですよ。だから、公共投資が必要だ、補助が必要なんだ。それが取れない取れないということを我々に言ったって、それは問題の解決にならない。
 やっぱり運輸省として法律をつくったり、いろんな新しい五カ年計画をつくるべきではないか。そういう問題点を具体的にどう解決するかということについてやるのが運輸省の責任ではないかと思うんですが、その辺いかがですか。
#291
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のとおりでございます。
 鉄道の整備を行っていく上においてインフラ部分、これを鉄道事業者だけに任しておいたのじゃ、これは採算性が全くとれない。その点で整備新幹線についても負担割合が決まり、長年の懸案に今回三法案をもって対処しようというところでございます。
 だから、これを第一歩と考えていただきたいと思いますが、さらに中長期計画をつくり、今後二十一世紀に向けた鉄道のあり方をさらに我々としては全力を挙げて検討していくつもりでございます。
#292
○粟森喬君 その上でお尋ねをしたいと思います。
 たまたま私、文書でも書いてきたんですが、喜岡委員の出しました「資料2」のところで、私はこの辺は運輸省の姿勢を明確にしてほしいと思います。
 というのは、JR負担のいわゆる五〇%、国が三五%、地方が一五%、これが既設の新幹線と全然違うところは地方自治体の一五%。これはこの整備基金ができるまでは全然関係なかったわけですが、今度は国の三五%負担の部分を特定財源、これは例の一兆円基金からも一部を出すことができる可能性を出しておる。だから、国が完全に三五%義務的に持つというより、場合によっては、予算がつかないときはその一兆円の会計にはいろんなさまざまな補助まで入っていくんだから、これはグレーゾーンといえばグレーゾーンなのかもしれないけれども、むしろ生活関連枠とか国のこの辺の財源の責任というのは、この特定財源をそういう格好で広げることは、逆にこれからの鉄道なり交通網に対する補助のあり方にかなり問題を残すのではないか、こういうふうに思いますので、この辺のところの見解を明らかにしてください。
#293
○政府委員(大塚秀夫君) 国の負担割合は三五%でございますが、我々は決して特定財源で足らざる分を公共事業費で賄おうとは考えておりません。公共事業費で足らざる分を特定財源で賄うというのが原則でございますから、これからも公共事業費の確保については毎年全力を尽くしていきたいと、そう考えております。
#294
○粟森喬君 明確にしてください。公共事業費で三五%、新幹線のいわゆる補助財源を明確に確保するということは、大臣、これは責任持って言えますか。ちゃんと言ってください。
#295
○国務大臣(村岡兼造君) 公共事業費、先ほども質問ありましたが、予算の要求というのは現在のところ単年度予算でございますから、この国の三五%分は極力頑張りまして獲得していきたいと、こう思っております。
#296
○粟森喬君 それは言われなくたって単年度予算なんだから、わかり切っているわけです。だから、野沢さんも安恒さんも全員が五カ年計画をつくってということで、三五なら三五と明確に法律として決めなかったら、これはもうそう答えざるを得ないというのは、私わかっておって聞いておるわけです。だから、五カ年計画などが必要だというのは、そういう財源をつくって全国の新幹線をつくるときに国の三五%責任は明確に、これは最低であってもこれから保障するというために私たちは法律が必要だと言っている。
 ですから、私は、一兆円の会計という基金をつくったことはそれなりに評価をいたしますが、これが新幹線の財源などに使われるというのは、やっぱり基本的に問題があるということをこの際はっきり申し上げておきます。
 その上で幾つかのことについて、時間が余りございませんが、ちょっとお聞きします。
 一つは、スーパー特急、ミニ新幹線、フル規格、それぞれあわせてつくったときに、運輸省の試算では十年で一兆六千五百億という総額を提示していただきました。
 ここでお尋ねをしたいと思うのは、スーパー特急一キロメートル当たり幾らという単価で計算したのか。これは平均で全体を割ったのだろうと思いますが、ミニ新幹線は幾ら、フル新幹線は幾ら、これははっきりここで答えておいてください。
#297
○政府委員(大塚秀夫君) キロ当たり建設費については、暫定整備計画に基づく工事実施計画の認可申請が行われた際に正確な数字といいますか、具体的な見積もりが出てくるわけでございますが、私どもの試算ではスーパー特急でキロ当たり三十五億円前後、ミニ新幹線で十億円前後、フル規格でキロ当たり四十億円前後となるものと見ております。
#298
○粟森喬君 そういう意味で申し上げれば、何百億ついたというふうに現実に言われましても、それは何キロと。それは三五%ですから、本当に何キロなんですよ。全国新幹線網をつくるときにこの程度の財源措置で何となく一定の道筋をつくったということは、私は、評価をしたいと思いますが、絶対量を補うにはもうかなりこれから問題があるということ。それから、価格の差も確かにこれだけあるから、ミニとかいわゆるスーパーを当面暫定的に入れようというふうに考えたのはわかります。
 しかし、多少ここでそのこととも関係するんですが、スーパー特急を一度運転して、それをフル規格に変更する場合、これは一キロメートル当たり幾らぐらい費用がかかるか試算していたらお答えください。
#299
○政府委員(大塚秀夫君) これは主として線路のつけかえであり、線路のつかえができるような構造になっておりますので、キロ当たり一、二億でございます。
#300
○粟森喬君 これは、私なぜ聞いたのかといいますと、北越北線はAB線を昇格してスーパー特急を通すわけですが、将来、例えばミニならミニを変えるとかというときに一キロメートル一、二億ということ、そんなことが技術的、物理的に可能なのかどうか、これを答弁してください。
#301
○政府委員(大塚秀夫君) 北越北線につきましては、これは新幹線鉄道規格新線でございませんので、フルになるような構造になっておりません。したがいまして、今のような狭軌で北越北線ができた後でもう一度そこにフルが通れる、あるいはミニが通れるとするためには相当手戻り工事もありますので、先ほどのようなキロ当たり二億とか、そういうレベルではございません。
#302
○粟森喬君 いずれにしても、先ほどの答弁では北陸新幹線というのは長野からだから、ここの部分はある種の可能性がある場合の質問でございますから、それで結構でございます。
 そこで、在来線の廃止のあり方についていろいろお聞きをしたんですが、石川県が在来線の経営分離、これに同意をしたというふうに言われたんですが、これはどういう方法で、具体的にだれが、そして判こを押したものがあるのかどうか、そういうことを含めて、確認した方法について明確に答弁願います。
#303
○政府委員(大塚秀夫君) 昨年暮れに各県から予算編成に当たって並行在来線問題について文書をいただくようにお願いしまして、いただいたところといただいていないところがございます。
 石川県につきましては、最終的にはJR西日本の求める高岡―津幡間の経営分離はやむを得ないと考えておりますという内容も含めた文書をいただいております。
#304
○粟森喬君 津幡町の町長のそういう文書はございますか。
#305
○政府委員(大塚秀夫君) 私ども、地元の調整は県にお願いしておりますので、県からの文書のみでございます。
#306
○粟森喬君 地方交通線の廃止の場合でも、地元の合意とは何なのかということで私どももかなり問題にしたことがございます。県だけではなく、それぞれ市町村の同意がない限り、これは地元の合意ではないということで当時の国鉄は答えた。運輸省はそのことについて同じ意味だというふうに理解をしているのかどうか。先ほどから何回かそのことについて意見が出ていますが、明確に答えておいてください。
#307
○政府委員(大塚秀夫君) 地元市町村の合意が得られた上での県の御意見をいただきたいと我々はお願いして、そういう前提での文書と理解しております。
#308
○粟森喬君 したがって、県が合意をしてもそれは皆さんから見れば、県からいただいたけれども、地元調整は県の責任でやってくれと言っていますから、調整が済まない間は合意がない。
 そうすると、例えば富山の場合なんかは、着工調整費含めて富山県に言ってから、今もう現実に
四月でしょう。私は、隣県のことでございますが、地元のそれぞれの市町村含めて合意をするというのは八月までには不可能だと思うんですが、それができなかったときには不執行ですか、どうなんですか。
#309
○政府委員(大塚秀夫君) 予算上の着工調整費というのは平成三年度予算でございますから、三年度内に調整がつけば着工できるようなものだと理解しておりますが、現実問題としては八月に平成四年度の予算要求をしなければなりませんので、八月に調整がついていませんと四年度の予算要求の内容が固まりませんので、事実上は八月まで、できれば七月前半ぐらいにまとめていただけなければ我々としても大変作業が困難だと考えております。
#310
○粟森喬君 これからの問題でございますので、地元と運輸省の間で調整もしなければいけないことでございますから、ここはこの程度にしておきます。
 そこで、並行在来線の扱い、先ほども申し上げたように、北陸の場合は、場合によってはずたずたのまま経営分離だということになる可能性もございますが、これはもうちょっと詰めていく段階でどうなるかということですから、余りそのことをこれ以上詰めません。
 しかし、基本的に並行在来線はJRが経営から分離をしたいというのは、収益性から見たらこれは難しいということが前提でしょう。だとすれば、これについてこれから国なりが、先ほどからの話では一切もう補助も何もしない、とにかく切り離しなんだから黙って置いていくということでしょう、帳面上の扱いは別にして。これを運営していくときに国が全く補助しないというのは、先ほどの話じゃないけれども、どこかでだれかが、地方自治体が見るのか国が見るのかは別にして、いわゆるその運営主体、やれば必ず赤字になるというときに国が全く補助をしないということでいけば廃線になるわけです。廃線になってもそれはやむを得ぬという理解ですか。
#311
○政府委員(大塚秀夫君) 代替交通機関の導入に当たって、私どもとしても欠損補助は考えておりませんが、他の面ではできるだけ協力したいと考えております。
 地方自治体が助成する場合に、それが交付税その他でどのようなバックアップになるか、私どもまだ詳細に検討しておりませんが、我々のできることがあったら必要な対処をしたいと考えております。
#312
○粟森喬君 廃線になるということが問題だと、このままいけば赤字なら廃線せざるを得ないわけです。
 問題は、今鉄道の復権だとかいろいろ言われています。過去、市内電車とか地方鉄道で相当守ったところがございます。今、環境問題、特に排ガスの問題やエネルギーの問題なんかでやっぱり鉄道を見直していこうという意見があるわけです。どうあっても今あるものを廃線するようなことはしないということを、やっぱり政府なりそれぞれの公共団体がそういう政治的、社会的責任を明確にするときにきているんではないかと思いますが、大臣、ここは大臣としてどうお考えか。
#313
○国務大臣(村岡兼造君) 今の並行在来線の問題、先ほども岩手県の話もございました。実は、これらの問題が地元で決着をしないというのであれば見切り発車はしないということもいたしております。
 どういう事情か、まだ北陸の方の方々の意見も私、正直聞いておりません。しかし、そういういろいろな問題があろうと思いますので、十分に御意見も聞いて、また先ほども言いましたが、岩手の方々は、もしいろいろJRに他の援助をしてもらえるならば、地方でそれをやるということであれば我々も納得しないわけでもないと、こういうような話も聞いたわけでございまして、それらの点についても検討してまいりたいと、こう思っております。
#314
○粟森喬君 世の常識で言えば、いずれにしても第三セクターかなんかで受けてそれを運営していくということになるわけです。廃線になるようなことについて、結果的にもう国は知らぬということは絶対言わないという基本姿勢がなかったら、私は鉄道の復権なんというのは、それはあり得ないと思う。
 先ほども申し上げたように、コストがかかって、それは今回はいわゆる利便性をもうちょっと高めるために附属的ないろんなことを研究しなきゃならぬし、いろんなことをやらなきゃいかぬけれども、そのことの決意が明確じゃないと、先ほどの話ではございませんがいけないので、ここは今の話では十分じゃございませんけれども、今後もまだまだ先のある話ですから、きょうはこの程度にしておきます。
 具体的にもう一つだけお聞きしたいのですが、今の在来線、いわゆる新幹線以外の鉄道でJRが所有しているもので交流と直流がございます。実は、例えば、今私どもの地元で出ているのは、地元の私鉄とつないで乗り入れができるようにしたらどうかという話です。ところが、交流部分と直流部分でほとんどの民鉄は直流でございます。北陸線などは全部交流でございます。JRの使っているのは交直両用の電車を使っているわけでございます。
 やはりこの種のことについて、経営分離を話すときに全国を一本にするとか、それに対して転換のための費用を出すとか、そういうことについても一切考えていないのか。補助しないというふうに言っていますが、そういうことについてちょっとここは見解を聞かせてください。
#315
○政府委員(大塚秀夫君) 異なる会社間の相互乗り入れを行う場合の技術上の問題は、軌間が同じであることが大きなポイントでございまして、電化方式や信号方式が相違しておりましても、車両を直通可能なものにすれば技術的に問題はないと考えております。
 例えば、現在もJR西日本の大阪発の列車の一部が、季節は限られておりますが、富山地方鉄道の立山駅まで乗り入れている例がございます。
#316
○粟森喬君 コストがかかるから問題だということなんで、ちょっとそういう答弁だけではだめでございますが、きょうはもうこれでやめておきます。
 それから、鉄建公団の問題も、ひょっとするとここが第二の国鉄になるのではないかという懸念を私どもは持っているんですが、これはほかの法案のときに質問をすることにして、終わります。
#317
○寺崎昭久君 最初に、公共事業における経済原則、費用対効果、これについて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
 つい最近出ましたアメリカの社会科学者のドラッカーという人の書いた本があるんですが、その中に、「政府活動は、開始されるや否や、倫理や道義の問題と化してしまう。」、政府活動というのは、この際、防衛だとか安全だとか福祉だとか行政サービスあるいは公共事業、そういったものを指すのだと思うんですが、「経済性の問題とははみなされなくなってしまう。」というようなことを言っております。
 私も、この公共事業あるいは公共的事業を考える際にいつもこの問題に悩まされるわけでありますけれども、今審議されております整備新幹線にしろ、あるいは鉄道の整備にしろ、まだまだ不十分とはいえ、かなりの水準の整備が進んできていると思いますし、そういう中では、今後新たに建設されるような鉄道については従来以上に経済性を重視しなければいけないのではないかと、そのように考えているんですが、大臣はいかがでしょうか。
#318
○政府委員(中村徹君) ただいま先生御指摘のように、投資をする場合、公共事業と申しましても、道路、港湾でもそういう性格があるかと思いますが、鉄道の場合には、特にこれが営業する施設といいますか完成後に営業というものが常に伴う施設の整備でございますから、そういう観点からいって、やはり経済性、採算性というものについては常に留意しなければいけないと、かように考えておるところでございます。
#319
○寺崎昭久君 例えば、今年度本格着工が予定されております整備新幹線四区間、これをもし民間企業が新たに土地を求め、鉄道を敷き経営するとしたら、収支はどのような状態になると考えられますか。
#320
○政府委員(大塚秀夫君) 採算がとれないと考えております。
 と申しますのも、整備新幹線の基本スキームに基づく五区間について負担割合を定めましたときに、将来の貸付料、これは受益の限度としておりますが、それで回収する部分が全建設費の二〇%にすぎない。これから考えましても二〇%分しか稼げない、採算が合うはずがないと思います。
#321
○寺崎昭久君 どの程度の採算性か、それは事業によって違うのかもしれませんけれども、例えば国民にわかりやすく理解してもらうために説明するには、例えば新しく新幹線をつくる場合には幾ら費用がかかります、とても運賃収入ではやれません、これぐらいの損が出るでしょう、したがって国のお金をつぎ込まなければいけないんですというお話をしていただければ国民はよくわかると思うんです。整備基金から幾ら持ってくるとかあるいはリース料でその一部を賄うと言われても、何を言っているんだか全然わからないと思うんですよ。採算性を考えるべき鉄道事業ということを考えれば、私はもっともっとわかりやすい説明に心がけていただきたいと、そのように考えているわけでございます。
 今回の整備新幹線の着工に当たっても、当然採算性を考えられていると思うんですが、上手に御説明していただけませんか、わかりやすく。
#322
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の整備新幹線の整備に当たりましても、その採算性を前提といたしまして負担割合が決められまして、国の負担が三五%、地方の負担が平均して一五%、それで残りの五〇%がJR負担ということになっておりますが、JRが実際に懐から払うものとしましては将来開業後の貸付料でございます。
 この貸付料も過大な負担にならないために受益の限度、この受益の限度というのは整備新幹線の開業に伴う受益、並行在来線の分離に伴う受益、関連線の受益、これは整備新幹線ができることによって関連線区のお客がふえることによる受益、こういうことを受益と考えまして、受益の限度で貸付料を取り、その将来の貸付料を担保として当面は借入金で建設費を賄う、それが建設費の二〇%平均になると予想しております。
 したがいまして、JR負担の残りの三〇%は、今回の予算上は新幹線の譲渡代金の一部を充当することになっております。
#323
○寺崎昭久君 きょうのお答えでなくてもよろしいんですけれども、民間企業が例えば借金をしながらこの四区間を完成させる場合には幾らぐらいお金がかかって、そこから得られる営業収入は幾らで、費用はどれぐらいになるかというのを一度試算していただけないでしょうか。
#324
○政府委員(大塚秀夫君) まだ、各線別の建設費、収支見込み等が詰まっておりませんが、一つのパターンと申しますか事例として、そのようなわかりやすい資料をつくりたいと思います。
#325
○寺崎昭久君 どうぞよろしくお願いします。
 ところで、全国新幹線鉄道網として整備五線と基本計画十二線、合計で約五千キロが今計画されているようでありますけれども、この全線完成というのはいつごろをめどに置いておられるのか、あるいはおよそこれぐらいの金がかかりそうだなという目安でもありましたらお答えいただけませんか。
#326
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線につきましては、当面整備新幹線の三線五区間について基本スキームに沿っておおむね十年をめどにその整備を推進したいと考えております。
 なお、整備五新幹線全体の工事費については、これはフル規格で五線全部千四百四十キロが完成した場合でございますが、六十二年度価格で五兆三千三百億円と見込んでおります。
 ただ、基本計画十二線の総建設費あるいは完成目標については検討する段階ではございませんので、現時点で申し上げることは困難でございます。
#327
○寺崎昭久君 この後、計画に従えば次々と新幹線の着工が行われるのだろうと思いますけれども、この整備三線以降の建設着工はどのような条件が整ったときに着工すべしという決定をするのか。財源ができればとにかくやってしまおうというのか、採算性がどの程度とれそうだというめどがついたら着工しようというのか、お考えを伺いたいと思います。
#328
○政府委員(大塚秀夫君) 基本スキームで着工順位、区間が定められました三線五区間以外の路線につきましても、基本スキームの五区間と同様に、収支採算性の見通し、並行在来線の取り扱い、財源問題、国民経済上の投資効果などを見きわめつつ対応する必要があると考えておりまして、赤字となる路線、すなわち収支改善効果のない路線については建設すべきでないと考えております。
 建設すべき路線があるとしましても、これは現在の五区間の整備の進捗状況を見きわめつつ、今後その時期を検討することとなろうかと思っております。
#329
○寺崎昭久君 今、在来線のスピードアップということも相当研究が進んでいるやに聞いております。現在、JR総研が在来線を使ってスピードアップを図る研究をされている、その中身というのはどのような中身なんでしょうか。あるいはめどというか、をお聞かせいただきたいと思います。
#330
○政府委員(大塚秀夫君) 在来線につきましては、津軽海峡線の青函トンネル内で最高速度時速百四十キロ、また、常磐線の特急「ひたち」で時速百三十キロ運転が行われておりますが、今後の高速化のためには、走行の安定性、乗り心地の向上などを目指した高性能軽量台車、小型高出力化した主電動機、高速域から安定した制動を得るための高性能ブレーキなど、もろもろの技術の開発が必要でございまして、財団法人鉄道総合技術研究所などではこれらの技術開発に今取り組んでいるところでございます。
 高速化のためには、このほか踏切の安全対策あるいは路盤の強化など、施設面での対策も必要でございまして、高速化の時期は必ずしも明確でございませんが、一部の新線区間では平成七年度をめどに時速百六十キロが計画されており、また二十一世紀には時速二百キロを実現すべく研究開発が進められております。
 ただ、誤解がないように申し上げますが、時速二百キロというのはどこの線でもできるのじゃなしに、線形のいいところに限ってということでございます。
#331
○寺崎昭久君 押しなべてというわけじゃないのはよくわかりますが、今新幹線鉄道網の建設というのは、最終的にはフル規格にしようということを前提に進められているように思われます。一方ではそういう高速化の研究も進んでおりますので、新幹線最初にありきという前提じゃない検討もあわせてこれからやっていく必要があるんじゃないかと思いますが、そういった検討というのはどういう場でやるのがふさわしいんでしょうか。
#332
○政府委員(大塚秀夫君) 我々も在来線の高速化は極めて重要な課題と考えておりまして、その基本的な方向は、例えば運輸大臣の諮問機関であります運輸技術審議会の鉄道部会の場等で、具体的な研究開発は鉄道総合技術研究所等の場で、また、我々も必要な技術開発の予算を確保していく、そういった関係者の総合的な力で何とかやっていきたいと考えております。
#333
○寺崎昭久君 整備新幹線の問題について重点的にお伺いいたします。
 まず第一点は、九州新幹線については八代―西鹿児島に新線を建設し、スーパー特急を運行するという予定になっておりますが、例えば、建設費とか九州における時間の短縮効果ということを考えてみますと、むしろ博多―熊本間の方が大きいように思われるんですが、八代―西鹿児島を優先した理由をお伺いしたいと思います。
#334
○政府委員(大塚秀夫君) 九州新幹線の鹿児島ルートにつきましては、博多―八代間の在来線の線形が比較的よく、現在でもかなりのスピード
アップが図られていることから、まず、何といいますか、在来線が蛇行しておりまして線形が悪く、新線を建設すれば時間短縮効果の高い八代―西鹿児島間に新幹線鉄道規格新線を建設することとし、現在の鉄道旅客流動が東京―大阪―鹿児島よりも博多―鹿児島が中心となっていることから、当面、八代―西鹿児島間は狭軌を敷設することとして、博多から八代を経由してこの新線部分を通り、鹿児島に行くスーパー特急を走行させることとしたものでございます。
 なお、これにより博多―西鹿児島間の所要時間は四時間六分から二時間七分に短縮され、従来型の新幹線規格と比較すると建設費を約五〇%に圧縮し、時間短縮効果は七〇%を達成したことになります。
#335
○寺崎昭久君 次は、北陸新幹線の軽井沢―長野間はフル規格で建設される、そういう予定で進みそうですが、輸送能力ということから考えますと、ミニとフルではどれくらい差があるんでしょうか。
 これは計算がなかなか難しいかもしれませんが、そのことが将来に決定的な問題、障害になるというようなほど大きな差なのかお伺いしたいと思います。
#336
○政府委員(大塚秀夫君) ちょっと正確に能力の方は計算しておりませんが、大ざっぱに言いましたらフルとミニで十対八ぐらい、フルが十、ミニが八ぐらいの輸送能力になると考えております。
#337
○寺崎昭久君 その軽井沢―長野間の新幹線の開業後の予想輸送需要というんでしょうか、それは一日当たり何人ぐらいと見ておられますか。将来また、どの程度見込めるとお考えでしょうか。
#338
○政府委員(大塚秀夫君) これも個別な路線につきましてはJRと現在調整中でございますので、今正確な数字というか、確かな数字を申し上げられませんが、大ざっぱに申し上げまして、フル規格の場合は一日当たり二万人弱、ミニ規格の場合はそれより数千人少ないものと一応の予測をしております。
#339
○寺崎昭久君 利用したいのに乗れない人がいる場合にはそういう差が出るかもしれませんけれども、それほど時間的にも違わない、あるいは乗りたい人はいつでも乗れるというキャパシティーがあれば、需要というのはそんなに変わるものじゃないと思うんですが、どうなんでしょう。
#340
○政府委員(大塚秀夫君) やはり開発効果といいますか、フルで東京から長野まで行くときの誘発効果等を考え、かつ、時間短縮がミニよりも三十分出ますので、総合的に考えますとその程度の差が出ると考えております。
#341
○寺崎昭久君 ところで、今回の整備新幹線というのは、三線は基本的には全国新幹線鉄道整備法に基づいて着工されるわけですね。それから、スーパーとかミニというのは今回の法律改正をもって法的根拠を得るということになるわけですね。
 ただいま提案されている内容というのは、平成二年十二月の政府・与党申し合わせ事項をもとにつくられた案であり、予算案のように思えるんです。これは閣議決定などはされているんでしょうか。
#342
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線に関係します申し合わせは、政府予算案の編成を行うために整備新幹線の取り扱いについて政治折衝の内容を取りまとめたものであり、具体的には各年度の予算案、今回は平成三年度の予算案に盛り込まれておりますので、その予算案という形で閣議決定を経、国会に提出されているものと理解しております。
#343
○寺崎昭久君 これまでの御説明でも政府・与党の申し合わせとか、基本スキームという言葉がよく出てくるわけでありますけれども、基本スキームと言いながら、この三年の間でも変化しているわけですね。基本が基本じゃないまま、あたかも政府が責任を持ってこういう案をつくりましたと言っているように説明されるのは、どうも私納得いかないんですね。
 やっぱり、政府として責任ある仕事をするというのであれば、与党と相談されるのはそれは勝手ですけれども、やはり基本スキーム自体をきちんと閣議にかけてコンクリートさせるということが必要なんじゃないかと思うんです。先ほど来、同僚委員が五カ年計画をつくるべきだ、長期計画をつくるべきだと言っているのもその辺のこともあると思うんですが、いかがでしょうか。
#344
○政府委員(大塚秀夫君) そういうことも踏まえつつ、中長期計画を策定するように検討していきたいと考えております。
#345
○寺崎昭久君 検討される、勉強されるというお言葉は、私も随分聞きましたけれども、いつごろまでにやるんですか。
#346
○政府委員(大塚秀夫君) 中長期計画につきましては、先ほど大臣からも申し上げましたが、ことしの六月に諮問して、その後審議を運輸政策審議会でお願いするように考えております。
#347
○寺崎昭久君 その長期計画ができた場合には国会に報告するとか、こういう委員会で報告、審議をするということを考えておられますか。
#348
○政府委員(大塚秀夫君) 審議会の報告、答申等はすべて公表することになっておりますが、必要がございましたら、お求めに応じて国会でも報告させていただきます。
#349
○寺崎昭久君 よろしくお願いします。
 次に、整備新幹線の建設費とJRのリース料の関係についてお伺いしたいと思います。
 これまでも何度かリース料というのは受益の範囲内であるというお話を伺っておりますが、その際、受益として計算される収益と費用はおのおのどのような費目があるのか、主な費目で説明をしていただきたいと思います。
#350
○政府委員(大塚秀夫君) 受益の限度を計算するに当たりましては、経費として維持修善費、これは施設、車両等の維持修善費でございます。それから、運転運輸費、租税公課、車両維持更新投資に係る減価償却費及び借入金利子を考慮し、収入については推定輸送量を考慮して計算します。また、資産は路線別に会社単位で行うことになると考えております。
#351
○寺崎昭久君 そうしますと、受益というのは今おっしゃられた収入から費用を差し引いたのを受益の範囲、受益とみなすわけですね。
#352
○政府委員(大塚秀夫君) これから開業します新線部分についてはそういうことでございます。
 またそのほかに、先ほどから申し上げておりますように、並行在来線分離による、これはマイナスの受益ということもあるかもわかりませんが、そういうものも含まれております。
#353
○寺崎昭久君 その際、JR各社のおのおののリース料というのは、各社ごとのそれぞれにリースされる路線あるいは周辺路線というんでしょうか、それの受益をもとに計算されると考えていいでしょうか。
#354
○政府委員(大塚秀夫君) 路線ごとに計算しますので、路線ごとで変わってくると考えております。
#355
○寺崎昭久君 受益の範囲でリース料を決めるという場合に、具体的に受益相当額の何割ぐらいを予想されているんでしょうか。
#356
○政府委員(大塚秀夫君) 受益相当額全体について開業後三十年間にわたって貸付料として徴収することを考えております。
#357
○寺崎昭久君 そうしますと、全額リース料としてもらう場合もあり得べしということですね、受益の範囲であれば。つまり、JRはただ働きするのかということですが。
#358
○政府委員(大塚秀夫君) 毎年受益があればそれを全部いただくのじゃなしに、開業前に貸付料を決めますので、その後の営業努力というようなものは受益から外れることになるかもわかりません。
#359
○寺崎昭久君 JRはなぜこの事業を引き受けるのかなと、もうけにならない仕事を大変御苦労なことだと思うんですが、それで納得されるのかどうか。これは、これから幾らでリース料を決めるかにも絡む問題だと思いますけれども、この受益の範囲ということは、例えば、万一JR本体が赤字になっても決めたリース料は払ってもらいます、それによってまけたり多くしたりしませんと
いうことですね。
#360
○政府委員(大塚秀夫君) まだ、貸付料をどのように開業前に設定するか詰めておりますが、今のような点も含めて明確に基準を決めたいと考えております。
#361
○寺崎昭久君 先ほど周辺路線からの利益もカウントしてリース料を決められるように伺いましたけれども、例えば、東北新幹線の場合に、沼宮内―八戸の受益のほかに、八戸と青森、それから、盛岡と沼宮内の受益、これも含めるわけですね。東北新幹線は東京―盛岡が背骨とすると、周辺の骨はどうなんでしょうか、それも入るんでしょうか。
#362
○政府委員(大塚秀夫君) 今の東北新幹線の例で言いますと、盛岡から青森までが一つの整備新幹線の区間でございますので、これの貸付料につきましては、この盛岡―青森間の受益の他に東京―盛岡間の受益を関連線区の受益として対象として考えております。
#363
○寺崎昭久君 先ほども少し触れられましたけれども、リース料を決める際に、例えば、JRの経営努力による収支改善分は、これはJRの収入ということになりますか。
 それから逆に、それほどJRが経営努力したというようには考えられないけれども、収益が上がった、お客さんがふえたというような場合は、リース料としてJRから鉄建公団の方に還元されるのでしょうか、その辺はどうですか。
#364
○政府委員(大塚秀夫君) これは、JRの経営上も貸付料が余り変動することも好ましくございませんので、開業前にはJRと調整した上で決めなければならないと考えておりますので、これは以前にも私お答えしましたが、鉄道建設公団、JRと我々の間で輸送需要予測等をめぐって相当厳しい折衝をしなければならないと思っております。
 その際には、将来の運賃水準の動向や利用者の増減等も予測してその額を決定することといたしますので、基本的には開業後にその額を変更することは予定していない。営業努力というのも、通常当然予想されるようなものは開業前にその中に入れるかもわかりませんが、開業後の営業努力というものはある程度JRに還元されることになろうかと思います。
#365
○寺崎昭久君 今までのお話ですと、JRの支払うべきリース料の支払い期限は三十年とする、それから、開業前にリース料は決めますということですが、仮に受益の算定結果が思ったよりも低かった、したがって、リース料はそんなに取れないなというようなことが万一あった場合、その低い額掛ける三十年ということになるわけですね。それが総建設費の二〇%に相当しない場合、それでも仕方がない、決め方としては固定するんだというように考えてよろしいですか。
#366
○政府委員(大塚秀夫君) 建設費の二〇%というのは五区間の平均でございますので、それ以下になる区間、これはJR九州の場合には受益の限度で貸付料を三十年間取っても、今までの計算ですと、余りここで言うことは今後の協議にも差し支えがあるかもわかりませんが、五%弱になるのではないかと考えております。一方、東北その他については二〇%よりもずっと大きい建設費に占める受益の額になろうかと考えております。
#367
○寺崎昭久君 この二〇%というのは、実際に建設が終わってみて幾らかかりましたという二〇%なんでしょうか。
#368
○政府委員(大塚秀夫君) 建設費一兆六千五百億円を前提にした二〇%でございます。
#369
○寺崎昭久君 そうしますと、きょうの午前中にも指摘がございましたけれども、建設費はとても一兆六千五百億円ではおさまらないんじゃないかという懸念が大変強いわけです。そうした場合でもJRのリース料の単年度支払いというのは、建設費の多寡にかかわらず受益の範囲で決めるから、幾らになろうとそれは関係ないということでしょうか。
#370
○政府委員(大塚秀夫君) そういうことでございますが、幾らになろうと関係ないんじゃなしに、私どもも計算上、予想上大変困る事態になりますので、建設費は一兆六千五百億円の範囲内にとどめるよう、できるだけそれに近い額になるように今後努力していきたいと考えております。
#371
○寺崎昭久君 JRのリース料については固定的に考えていいと、開業前に決める金額で。しつこいようですけれども、お伺いします。
#372
○政府委員(大塚秀夫君) 基本的には開業後に貸付料を変更することは考えておりません。
#373
○寺崎昭久君 どうも、政府の答弁というのは私にはなかなか理解しづらい言葉でお話しされるので、支払い期間は三十年動かしませんと、それから、一たん決めた一年間の支払いリース料というのは動かしませんということをぜひ守っていただきたいと思います。
 それにあわせて、例えば建設費が動いた場合、地方公共団体というのはそれにスライドして一五%が上がるということなんでしょうか。
#374
○政府委員(大塚秀夫君) 地方の負担というのは、駅付近については二五%、それから、その他のところについては一〇%、平均して一五%ということでございますので、これは建設費の増減に関係がございません。
#375
○寺崎昭久君 それから、JRは三十年間リース料を払うわけですけれども、その後はリース料は払わなくてもいいわけですね。
#376
○政府委員(大塚秀夫君) 三十年以降のことについては特に今決めておりませんが、施設の状態に見合った維持管理等の費用になろうかと考えます。
#377
○寺崎昭久君 その差というのは国民に還元される、例えばサービスの向上であるとか運賃の値下げであるとか、そのように使われると考えていいですか。
#378
○政府委員(大塚秀夫君) 三十年後にそのようになることを期待しております。
#379
○寺崎昭久君 先ほど来、経済性ということを私はやかましく言ってまいりましたけれども、これから建設していく途上でまた土地の値上がりだとか、そういう思わざる事態が発生しないとも限らないわけです。でも、一度着工したんだからとにかくやってしまえというのは、私はいかがかと思うので、やっぱり建設費にがどの程度値上がりしそうだったら見合わせるとか、それぐらいの決心もしておく必要があるんじゃないかと思うんですね。
 普通の事業だったら、当然途中までやったけれども、やめたと引き返すことはよくあることだと思うんです。やっぱりそれぐらい厳しい計画を立てなければ、またぞろ赤字というようなことにもなりかねないと心配しているわけですが、建設に当たっての歯止めみたいなものはございますか。
#380
○政府委員(大塚秀夫君) これは何度もお答えしておりますように、今回の整備新幹線の区間につきましては、長期にわたって調査を行い、地元ともいろいろ協議をしてまいっておりますので、予想の範囲を超えたような工事費が増加するということは考えられませんし、一方、技術開発の成果等を取り入れて、できるだけ建設費を縮小していきたいと考えております。
 今後この法案が成立しまして、鉄道建設公団から工事実施計画の認可申請が出ました際に、そこで建設費が詳細に添付されるわけでございますが、今の状況では鉄道建設公団に聞きましてもそのようなおそれはないと言っておりますので、私どもとしてはできるだけ工事費が増加しないように今後も鉄道建設公団を指導していきたいと考えております。
#381
○寺崎昭久君 今のお話から推測しますと、例えば建設費が二倍になる、そういう予想ができたときは直ちにやめるというようなお約束できますか。
#382
○政府委員(大塚秀夫君) そういう事態を予測しておりませんので、今約束しろと言われても困りますが、そういう何倍にもなりますと、我々の今後の建設財源、その他に極めて大きな影響を与えて、十年をめどに五区間を完成するというこのスケジュールも狂ってまいります。そういうことのないように努力してまいりたいと思います。
#383
○寺崎昭久君 ぜひ、公共事業だからということで幾らかかろうとしようがないというようなことにならないように御留意願いたいと思います。
 大臣がお出かけの時間なので最後の質問にしたいと思います。
 JRのリース料のことに戻りますけれども、算定基準だとか支払い期間、これは三十年と決められました。そして、変更しないというお話でしたけれども、もし変更するようなことが生じる場合には、その事態というのはこういう場合だとかという条件をあらかじめ明示しておくことが株式上場の前提条件になるんじゃないかと思いますので、ぜひ投資家保護の観点から、算定基準、支払い期間あるいは変更基準といったものを明示していただきたいと思いますけれども、これは株式上場の前にはできますか。
#384
○政府委員(大塚秀夫君) 受益の限度にするというような仕組みで、経営に悪影響を与えないわけでございますから、これで株主の保護に欠けるところはないと思っておりますが、今先生御指摘のように、貸付料を万一変える、例えばインフレーションが起こって運賃水準が倍になったというようなことも予測されますので、私、基本的に貸付料は変えないとだけ申し上げましたが、どういう場合に変えることもあるかというようなことはJRと十分協議して事前に決める必要があると考えております。
#385
○委員長(中川嘉美君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#386
○委員長(中川嘉美君) 速記を始めて。
 暫時休憩いたします。
   午後四時三十七分休憩
     ─────・─────
   午後五時二分開会
#387
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、寺崎君の質疑を行います。
#388
○寺崎昭久君 整備新幹線の保有並びに補修の関係についてお伺いいたします。
 整備新幹線の新線部分はすべて鉄建公団の保有になるのかどうか、それとも路線施設、駅舎等については地方自治体等が一五%出資するというような関係もあってそちらの持ち分になるのか。また、JRはリース料で建設費の一部を負担するという解釈になっているんですけれども、新設路線でJRの持ち分というのはできるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#389
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線につきましてはすべて日本鉄道建設公団が保有することとなっておりまして、ミニ新幹線の区間を含め鉄道建設公団が新たに設置する施設を保有することとなります。
 また、地域負担につきましては、補助金として鉄道建設公団に助成されるものでございますので、自治体が資産の一部を保有することはございません。
#390
○寺崎昭久君 昨今、一村一品運動とかそういうことを盛んに自治体がやっているわけなので、例えば、駅舎の一部に売店を出したいとかそういう希望もあるやに聞いております。そうした場合は、やっぱり賃貸料を払って改めて借りるということになるんでしょうか。
#391
○政府委員(大塚秀夫君) そういうことになると考えております。
#392
○寺崎昭久君 少し冷たい仕打ちのように感じられるんです。それは、JRも含めてあるいは鉄建公団も入ってこれからそうした契約に入るんだと思いますけれども、やはり地方の産業振興というような観点も考えますと、ある程度の配慮をする必要があるんじゃないかと考えております。
 それから、ミニ新幹線の在来線改修部分については、すべての所有権はJRのままになるのか、それともその一部は鉄建公団または地方自治体の持ち分になるのか、いかがでしょうか。
#393
○政府委員(大塚秀夫君) ミニ新幹線につきましても新設部分、つまり、広軌になるレール等を新たに敷設する部分等につきましては鉄道建設公団の保有になります。
#394
○寺崎昭久君 それから、整備新幹線の施設については当面JRにリースするわけでありますけれども、この建設が終わった後またJRに売却するとか譲渡するというようなことは生じないと考えていいですか。
#395
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線につきましては鉄道建設公団が保有し、営業主体であるJRに貸し付けることとされておりますので、それは三十年経過後も同様であると考えております。
#396
○寺崎昭久君 それから、補修をだれが行うのかということに関して質問をいたします。
 先ほどのお話ですと、補修費はリース料の中からあらかじめ差し引きます、費用として認めますという、そういうお話でしたけれども、この新線部分は鉄建公団が保有しているものなので、JRとしては減価償却ができないんじゃないかと思うんです。既設新幹線でも減価償却を計上できないのに補修費用はJRが負担しろということで、その処理に大変困ったという話を伺いましたけれども、同じようなことが繰り返されてはならないと思いますので、確認しておきたいと思います。
#397
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、JRは資産を保有しておりませんので減価償却はできませんが、受益の中から維持補修費を差し引くということと、既設の新幹線に比べて資産額が小さいわけでございますので、既設新幹線のような維持更新費についての内部留保ができないという問題は少なくとも当面生じないと考えております。
#398
○寺崎昭久君 そうしますと、減価償却じゃなくて経費扱いになるということなんでしょうか、考え方としては。
#399
○政府委員(大塚秀夫君) そのとおりでございます。
#400
○寺崎昭久君 次は、在来並行線についてお伺いします。
 新線が建設される区間の在来線は、JRの経営から分離されることが前提になっていると伺っておりますけれども、今回対象になる路線というのはどこなんでしょうか。
#401
○政府委員(大塚秀夫君) まず、軽井沢―長野に関しましては、必要な調整を行った上でこれがフル規格になります場合には軽井沢―長野の信越本線が対象となりますが、今のところJR東日本では篠ノ井―長野間は篠ノ井線との関係で経営を維持したいと考えておりますので、軽井沢―篠ノ井間が分離の対象として検討されることになろうかと思います。
 それから、盛岡ー青森間につきましては、沼宮内―八戸間にフル規格の新線ができますので、沼官内―八戸間の在来線の分離問題が出てまいります。
 それから、九州につきましては、八代―西鹿児島間のうち八代―川内間の並行在来線は分離をしなければならず、川内―西鹿児島につきましては、今後の開発状況等を踏まえてJR九州で引き続き経営を行いたいと言っております。
 それから、高岡―金沢間、これは着工調整費でございまして、高岡―金沢間を新幹線鉄道規格新線で建設するに当たって高岡―金沢間の並行在来線を処理しなければなりませんが、これについて西日本では、津幡―金沢間につきましては七尾線との関係で存続させ、高岡―津幡間について分離するというようなことを意思表示しております。
#402
○寺崎昭久君 JRが分離した路線というのは、基本的には第三セクターの手にゆだねるかあるいは廃止するか、どちらか選択することになるんだと思いますが、今お話のあった四線の中で第三セクターになることが決まっているところはあるんでしょうか。
#403
○政府委員(大塚秀夫君) まだ、明確に決まっているわけではございませんが、JR九州の関係で、八代―川内間については地元で第三セクターの方向でその条件等についてJR九州と話し合っているところだと承知しております。
 盛岡―森間の沼官内―八戸間につきましては、第三セクター化という話も含めて、まだ一部地元の町村で反対がございますので、地元で検討
しているところでございます。
#404
○寺崎昭久君 そうしますと、残り二線はこれから詰めるということでしょうか。
#405
○政府委員(大塚秀夫君) 軽井沢―長野間につきましては、長野県としましては並行在来線の分離について第三セクター化も含めて検討しているようでございますが、信越本線沿線の小諸市、御代田町でまだ反対があるやに聞いております。
 高岡―金沢間の並行在来線問題については、まだそこまで話がいっておりません。
#406
○寺崎昭久君 整備新幹線を着工するに当たっては、そうした問題は事前に解決した上で出発するというように伺ったんですけれども、どうも話が違うようでございます。
 この問題についてここで蒸し返してもいたし方ありませんので、これ以上やりませんけれども、例えば第三セクター化が決まった場合に、運輸省はこれに対してどういうような指導とか援助とかをされることになるんでしょうか。
#407
○政府委員(大塚秀夫君) 第三セクター化の内容、経営方向等については、基本的には地元の第三セクターの主体の中心となる県等が検討することになると思いますが、運輸省におきましても、必要に応じてJRからの要員派遣あるいは資産をどのように譲渡するか、あるいはノーハウの提供等について指導をしていきたいと考えております。
#408
○寺崎昭久君 今のお答えは、JRと地元が基本的に話し合うべきことで、条件も決めるべきことで、運輸省は後ろからバックアップするだけだということでしょうか。
#409
○政府委員(大塚秀夫君) 基本的にはそれが、小回りのきく地元に密着した第三セクターを運営していく上で最も望ましいと考えており、そのような仕組みが一番いいと我々としては思っております。
#410
○寺崎昭久君 地元の当事者が話し合うというのは大事だと思いますけれども、料金については認可であるとかあるいは事業計画についてはあらかじめ運輸大臣が許可するとか、そういうような条件のもとでは第三セクターになったから地元だけで話し合ってくれ、運輸省は後ろから見ているだけだというのはちょっとやり方が不足しているように思うんですけれども、いかがでしょうか。
#411
○政府委員(大塚秀夫君) 見ているだけではなしに、必要に応じて必要な措置、支援をする、干渉ではなしにバックアップをしていきたいと考えております。
#412
○寺崎昭久君 私もここのところ何度か陳情受けている沼宮内―八戸間、この委員会でも何回か話題になりましたけれども、これについても見ているだけじゃなくて、運輸省としてはこうありたいとか、そういうサゼスチョンぐらいは今していただけませんでしょうか。
#413
○政府委員(大塚秀夫君) 高崎―軽井沢間に関しまして横川―軽井沢間の廃止問題が今地元で出ておりますが、これはどのような代替交通機関を導入するかについて協議会ができています。この中には運輸省の出先も加わっていろいろと協力をしておりますので、そういう仕組みができました際には我々の出先機関等が参加して必要なバックアップをしていきたいと考えております。
#414
○寺崎昭久君 ぜひ、新幹線着工が始まったからもう手を引くというようなことをなさらないようにお願いしておきたいと思います。
 ところで、第三セクターで運営するというような場合には、そこの並行在来線の鉄道施設というのは第三セクターに譲渡することになるんでしょうか。もし、そうでしたら、譲渡の条件というのはどのように決められるのか御説明いただきたいと思います。
#415
○政府委員(大塚秀夫君) 原則として譲渡することになると思いますが、無償譲渡する際には税制上の解決すべき問題等がございますので、そういう問題についてこれからJR等とも協議して必要な措置をとらなければならないと考えております。
#416
○寺崎昭久君 その次は、ちょっと飛びますけれども、鉄道整備基金のことについてお伺いしたいと思います。
 鉄道整備基金法案によりまして今回基金ができるわけでありますけれども、これを特別会計じゃなくて特殊法人にした理由をお伺いしたいと思います。財政法第十三条によりますと、何も特殊法人にしなくても特別会計でもできるんじゃないかというように思えるんですけれども、具体的に御説明いただきたいと思います。
#417
○政府委員(大塚秀夫君) 財政法第十三条には特別会計を措置する場合が書いてございますが、「特定の事業を行う場合」、これは公共事業、例えば港湾等の事業を行う場合を指しております。それから、「特定の資金」の「運用を行う場合」、これは資金運用部資金特別会計等、特定の資金についてでございます。それから、「特定の歳入を以て特定の歳出に充て」る、特定財源の活用のための特別会計、この三種類が書いてございます。
 今回、私どもも予算要求の前には特別会計制度についてもいろいろ勉強いたしましたが、この鉄道整備基金のもとになります鉄道助成の仕組みというのは、単に整備新幹線のような公共事業だけではなしに、一般鉄道事業者に対する助成措置も入っております。そういう意味で「特定の事業」とは言えない。それから、一般会計からも相当額歳入として仰ぐことになりますので、「特定の歳入を以て特定の歳出に充て」るという項目にも当たらない。また、「特定の資金を」「運用」するものでもない。
 そういう点で、特定の財源を活用するための受け皿であるとともに、従来の一般会計からの鉄道助成も一元的に管理するためには特別会計ではなしに特殊法人がいいのではないか。しかも、特別会計と異なり、特殊法人に専門的知識、技術的な知識の要員を配置して助成の交付業務あるいは監査業務等を効率的に行っていくことがベターではないか。そういうこともあり、かつ、特殊法人にします際に、そのスクラップ財源として新幹線鉄道保有機構がある、総合的に考えて特殊法人にしたわけでございます。
#418
○寺崎昭久君 先ほど片上委員の質問に答えて、財務諸表については予算の参考資料として国会へ提出するというお答えがございました。事業計画等は、これは国会に報告するんでしょうか。
#419
○政府委員(大塚秀夫君) 財政法二十八条に基づき予算参考書類として国会に提出されますのは資金収支計画等でございまして、事業計画は入っておりません。
#420
○寺崎昭久君 財務面の報告を国会にしていただくのは、それはそれとしてよろしいわけですけれども、しかし、それを見ても現在の経営状況、数字の上ではわかっても実際にどういう事業をやられているかというのはなかなか想定できないわけでありますし、これは国民の税金を使っている大事な事業であるということを考えますと、私は事業計画についても報告とか承認を求めるとまでいかなくても、何らかの機会をつくるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。例えば、NHKなんかでも予算だけじゃなくて事業計画も、まあ簡単なものですけれども、報告している、このように思いますので。
#421
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道整備基金に関しましては、一般会計予算は予算案として審議されますが、そのほか一般的な事業計画等につきましても、鉄道整備寄金にできるだけこれを情報公開するようにパンフレット等の作成あるいは必要に応じての説明をするように指導していきたいと考えております。
#422
○寺崎昭久君 ぜひ、お願いします。
 それから、法律の第二十一条第一項で運輸大臣は基金の業務実施方針を公表するとなっておりますけれども、これはどういう形で、どういう場で公表されるんでしょうか。
#423
○政府委員(大塚秀夫君) 公表の方法については法律上は規定されておりませんで、現在検討中でございますが、官報公告の方法を含めまして基金の運営実態の明瞭化が図られるような方法、最もよい方法を検討してまいりたいと思います。
#424
○寺崎昭久君 次は、既設新幹線の売却問題についてお伺いします。
 東北・上越新幹線の簿価というのは合計で四兆四千九百億円になっておりますけれども、両新幹線のJR東日本への譲渡予定価額というのは合計で三兆七百六十八億円ということで、譲渡価額が簿価よりも低くなっております。国鉄改革時に在来線はすべて簿価でJRに継承したわけでありますけれども、この東北・上越両新幹線だけ簿価より安く譲渡するというのはどういう根拠に基づくものなのか。
 それから、あわせて、新幹線譲渡問題検討ワーキンググループの報告によりますと、東北・上越新幹線の再調達価額は四兆三千八百二十三億円、それで、譲渡予定価額はそれよりも一兆三千億円ほど安いことになりますが、こういう価額で譲渡することの妥当性、その根拠について御説明いただきたいと思います。
#425
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線には、我が国の基幹的輸送機関として国土の均衡ある発展を図るため、その経営基盤の均衡化とその利用者負担の適正化を図るという在来線とは異なる特殊性があり、この政策的な要請は全国新幹線鉄道整備法などの法律においても明記されているところでございます。
 今回、JR東日本に対しては東北・上越両線の再調達価額四・四兆円あるいは改革時の簿価四・五兆円よりも低い三・一兆円で譲渡することとなっておりますが、これは今申し上げましたように、東海道・山陽の二線も含めて、これらの経営基盤を均衡化してその利用者負担の適正化を図るという具体的な要請に基づき、各線の収益力による調整措置を講じたためでございます。
 このように、譲渡に当たりその資産の収益力を勘案してその価額を決定することについては通常の資産譲渡においてもなされるところであり、譲渡ワーキンググループの学識経験者も問題はないというような結論を出しております。
#426
○寺崎昭久君 なかなかわかりづらい話なんですけれども、東北・上越新幹線の土地の時価評価というのは合計で七千七百四十二億円になる。これはワーキンググループの資産計上方式によって計算すると、こういうふうになるようでございます。
 そうしますと、JR東日本は東北・上越新幹線の土地を時価よりも高い価格で資産計上しなければならないということになるわけですね。この場合に、そのまま、含み損を持ったまま計上しておくのか、ある時点で資産の評価がえをするのか、その辺はいかがなものでしょうか。
#427
○政府委員(大塚秀夫君) これも譲渡ワーキンググループで検討した結果でございますが、JR東日本におきましては東北・上越新幹線にかかわります土地については、その取得原価として両新幹線の譲渡価額に四新幹線合計の再調達価額に占める土地価額の比率を乗じた額を資産計上することとなりまして、これが譲渡後の帳簿価額となるものでございますので、今後評価がえが生ずるということはございません。
#428
○寺崎昭久君 今の評価がえがないということは、逆に山陽新幹線の場合には、再調達価額は九千四百八十七億円の土地を四千二百四十一億円で資産計上しているわけですね。五千億円の含み益を持っているというようになるわけでしょうか。
#429
○政府委員(大塚秀夫君) この土地というのは、その土地の上で新幹線を営業していくわけでございますから、含み益と申しましても処分のできるものじゃございませんので、通常の取引としても認められるものだと考えております。
#430
○寺崎昭久君 もう一つ資産の問題についてお伺いしますが、東海道新幹線の償却資産の計上額、これを合計しますと二兆八千五百六十二億円、これは再調達価額で言うと六千八百八十六億円になるそうです。山陽が五千四百四十三億円、再調達価額では八千三百二十七億円。それから、東北・上越新幹線が一兆七千二百九十一億円、再調達価額では三兆六千八十一億円になるわけでありますけれども、これは償却資産の分ですけれども、譲渡後何年で減価償却をしようとされているのか。
#431
○政府委員(大塚秀夫君) この償却方法についてはいろいろな採用の方法があり、取得後その資産を新たに取得したとした法定耐用年数で償却する、あるいは新幹線鉄道保有機構の間の経過年数を引いて残余の耐用年数、この場合には二割増しの中古特例が認められておりますが、そのような方法、いろいろな方法がございますが、仮に新規に取得したとして、同じような方法で減価償却していくとしますと、大体JR東海で千億、JR東日本で四百八十億、JR西日本で百七十億ぐらいの年間の償却費の計上になると予測しております。
 ただ、これは定額をとるか定率をとるか。多分、定額にしなければ、定率にしますと当初の年度の償却費が多くなりますので、定額を採用すると思いますが、そういうことも含めてJR自身が最終的に決定することですから、今申し上げました条件での価額でございます。
#432
○寺崎昭久君 今の減価償却額と新幹線譲渡に伴う金利負担、これを各社ごとに平成四年度なら平成四年度で合計しますと、これをリース料に比べるとどちらが高いのか安いのか、いかがでしょうか。
#433
○政府委員(大塚秀夫君) 当初の年度は譲渡代金がまだ償還されないで丸々ございますので、その金利が相当重くなっており、リース料相当額を引きましても損益に与える影響はございます。これは平成四年度がピークになってだんだん金利が減ってまいりますので、四年度で申し上げますとJR東日本とJR東海が大体四百五十億円前後経費増の要因になる。それから、西日本が約百億経費増の要因になる。
 ただ、これでも上場その他の基準に影響ないと申しますのは、営業収益が引き続き順調に伸びておること、それから他の経費、他の長期債務の金利等の減もあって比較的横ばいないし減少傾向にあるということもございます。
 それで、既に平成三年度の事業計画が各社から出ておりますが、平成三年度においては十月一日に鉄道整備基金ができ譲渡が行われますので、半年分しか影響ございませんが、各社とも全く利益計上は前年と比べて影響が出ていないような数字になっております。
#434
○寺崎昭久君 十六日も確認がございましたけれども、この新幹線の譲渡を受けることによって運賃にそれがはね返ったり、あるいはそのことによって賃金、労働条件にマイナス影響を与えるというようなことはないと、そのように考えてよろしいでしょうか。
#435
○政府委員(大塚秀夫君) 今の経営状況が続く限り、新幹線譲渡に伴う運賃改定あるいはその他への悪影響というのはないものと考えております。
#436
○寺崎昭久君 それから、既設新幹線の譲渡価額のうち一兆円の上乗せ分というのは、年利六・五五%、六十年元利均等でJR各社が支払うということになっているわけですけれども、これはJR三社合計で年額で言うと幾らになるのか、六十年では総額幾らになるのか、ひとつ教えていただきたい。
#437
○政府委員(大塚秀夫君) 平成三年度は七百八億円が年額でございますが、三百五十四億円と十月一日以降半額でございますが、平年度は一兆円に関して金利も含めて七百八億円ずつ均等に払っていくということで、六十を掛けますので四兆二千四百八十億、七百八掛ける六十でございます。
#438
○寺崎昭久君 この一部が整備新幹線の工事費に充てられるわけでありますけれども、今の試算では一兆六千五百億円。となりますと、この一兆円から出てくる金利分を含めますと四兆円入ってくるわけですね、四兆二千四百億円ですか、一兆円をもとにして。一兆円だという字づらではありますけれども、六十年払うと四兆二千億円払っていくわけですね。そうすると、数字の差し引きだけで言いますと、ほとんど四兆円近いものが残るんじゃないかという計算ができるんですが、その場合は何に使うんですか。
#439
○政府委員(大塚秀夫君) 非常に絶対額が大きくなるようでございますが、これは六十年の合計で
ございますので、現在価額にするとあくまでも一兆円でございます。
 そういう意味において、将来、先ほど一兆六千五百億円については建設費の高騰を迎えるとは申し上げましたが、その他どうしていくかについては、この整備新幹線の五区間が十年をめどに整備された段階で、その時点でなお先生御指摘のように残りが額としても相当額あるというような状況でございますと、またその時点で考えたいと思っております。
#440
○寺崎昭久君 少しわかり切ったような話をしたのは、先ほども申し上げましたけれども、十年間のうちに土地の値上がりあるいは建設費の値上がりというのが多分あるんじゃないかという心配があるんです。そういうときにこの四兆二千億円があるから何とかなるわでどんどん進められちゃかなわないので、私は、建設費が例えば二倍になったらやめるんですねという、そういうお話をしたような次第なんです。
 何かこの一兆円が手品の種のように使われては困るものですから、しかるべきときにこの四兆二千億円についてどう使うのかというのは、あらかじめ方向づけなり計画なりをつくっていただきたいものだと考えておりますし、これから新幹線等についての長期計画をつくられるということでもありますので、あわせてこの辺も触れておいていただきたいものだと思っております。
#441
○政府委員(大塚秀夫君) 私どもが一兆六千五百億円をできるだけ維持していくというのも、先生御指摘のとおり、一兆円以上あるじゃないかというような安易な結びつきはしないように考えているからであり、今後そのような十年後のことも考えて計画を立てていきたいと思っております。
#442
○委員長(中川嘉美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 討論は三案を一括して行います。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#443
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案、鉄道整備基金法案、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案の三法案に対して反対の討論を行います。
 まず、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案について反対の理由を述べます。
 第一は、国民の共有財産である新幹線をJRに安値で譲り渡し、営利優先を保障する仕組みとなっていることです。新幹線保有機構の存在そのものがJRグループ内の収益を調整するもので、分割・民営の矛盾を象徴していたものですが、譲渡については新幹線保有機構法で三十年のリース期間後に譲渡し、売却価額はその時点の国民の判断で決めると国会で明確に答弁していたものです。売却理由の、上場を行うためとか減価償却費が計上できないなど、それらをすべて前提とした上でわざわざ新幹線保有機構を設立したものです。
 にもかかわらず、四年目にして売却する事態に至ったことは分割・民営の矛盾を示しているものであると同時に、内部蓄積の増大を求めるJRの言い分を認め、JRの利潤を一層拡大、保障する措置をとったものであるからです。
 反対理由の第二は、JRの株式上場を図るため、JR各社の経営基盤を強化することを目的にし、JRの完全民営化を促進するための売却であり、容認できないものです。
 反対理由の第三は、同法案は、整備新幹線建設財源を捻出するためにわざわざ新幹線を売却するものであり、整備新幹線建設に対する政府の極めて無責任な姿勢を示したものです。
 整備新幹線建設の財源は、JR負担五〇%、国三五%、自治体一五%の配分となっています。しかし、JR五〇%負担分のうち三〇%分の余剰金を確保できなくなったこと、また、国の負担分をこの譲渡金で一部補わざるを得なくなったことにより、売却するものです。
 日本共産党は、余剰金などの金利差を利用した財テクで新幹線はつくれないこと、現在の運輸省の公共事業の枠内での財源対応では住民が望む新幹線づくりにならないことを厳しく指摘し、必ず破綻すると追及しましたが、その指摘どおりになったものです。その補充の窮余の策として売却が考えられたものであり、国が責任を持った新幹線建設とは全く無縁のものと言えます。
 反対理由の第四は、売却価額についても実質的に一兆円の安値でJRに譲り渡すことになることです。運輸省は売却価額を九・一兆円と述べています。しかし、実際はJRにとって支払い義務があるリース残高は八・一兆円あり、それに一兆円を上乗せしただけにすぎないのであって、実質的に一兆円で売却したということになります。リース期間の終了したその時点で所有する土地や駅舎などの鉄道施設の価額を考えると、余りにも安値であります。ここにも分割・民営の矛盾が露呈していると言わなければなりません。
 次に、鉄道整備基金法案についてであります。
 反対理由の第一は、鉄道整備基金設立の最大の位置づけは、新幹線の売却を受け、その収入の一部を活用し、整備新幹線建設の財源を生み出し、その建設等の実行のために発足されるもので、新幹線売却が大前提とされる法案であり、反対であります。
 反対理由の第二は、鉄道整備基金の事業として整備新幹線の財源対策以外に、新幹線保有機構が国鉄から承継した長期債務の償還業務も引き継ぐことになりますが、その長期債務の財源に充てるべきものの一部を他に活用することになっていることであります。しかし、長期債務は毎年増加し、既に二十七兆円に達しています。国民負担となる債務を解消することは急務であるにもかかわらず、他に流用することに同意することはできません。
 反対理由の第三は、整備新幹線建設財源対策や長期債務償還業務のためにわざわざ特殊法人をつくる必要は認められないことです。運輸省の従来の施設である地下鉄の補助、幹線活性化補助事業なども基金を通じて行われることになりますが、二重行政となり、行政改革上も問題であります。
 もちろん、鉄道業務全般を総合的に把握することは否定すべきことではありませんが、そのことは運輸省が責任を持って行うべきことであります。
 最後に、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案について反対理由を述べます。
 第一に、日本共産党は、新幹線など交通手段の近代化は技術革新の成果であり、国民の足の利便の増進からも、新幹線建設そのものについて賛成の立場を明らかにしております。しかし、同法案は、本来の新幹線とは言えないスーパー特急やミニ新幹線の「高速鉄道」を法的に新幹線と同等の扱いをさせることにより、自治体に建設のための費用負担を出させることにあります。
 全国新幹線鉄道整備法は、自治体の補助金を求める規定を持った唯一の法律であります。ところが、今年度着工する東北、北陸、九州新幹線は、時速二百キロメートル以上の規定を持つ新幹線鉄道とは言えず、このままでは自治体に負担を強要することができません。そこで、新幹線と同等の扱いをさせ、自治体、住民の負担を求める仕組みをつくることであり、容認することはできません。
 反対理由の第二は、同新幹線建設の着工に伴い在来線を廃止することが前提となっており、絶対容認できません。
 九〇年十二月二十四日の整備新幹線着工等についての「政府・与党申合せ」は、「並行在来線は、開業時にJRの経営から分離することを認可前に確認すること。」となっており、在来線廃止が着工の条件となっています。しかも、廃止後は第三セクターで運営することになりますが、ローカル線廃止法と異なり、転換交付金や欠損補助金などの対策もないなど、自治体や地域住民の負担は膨大とならざるを得ません。地元自治体、住民にとって、建設費負担はさせられ、その上在来線廃止では、二重三重に不当と言わなければなりません。
 第三は、この法案の前提となっている整備新幹
線建設計画は、スーパー特急やミニ新幹線や在来線などをつなぎ合わせたものであり、到底整備新幹線とは言いがたいものであります。このことは、関係自治体、住民の意思や合意とは無縁の方式でなし崩し的に進められ、民主的手続など全く無視し、住民の望む真の新幹線づくりとなっていません。
 以上を指摘して反対討論を終わります。
#444
○委員長(中川嘉美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより順次三案の採決に入ります。
 まず、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#445
○委員長(中川嘉美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、鉄道整備基金法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#446
○委員長(中川嘉美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#447
○委員長(中川嘉美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 渕上君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渕上君。
#448
○渕上貞雄君 私は、ただいま可決されました新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案、鉄道整備基金法案及び全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案、鉄道整備基金法案及び全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本鉄道関連三法の施行に当たり、次の事項につき、万全の措置を講ずべきである。
 一 鉄道整備に関する長期的展望を確立するとともに、運輸政策審議会等を活用しつつ、新たに「鉄道整備の中・長期計画」を策定するよう努力すること。
 二 今後、整備新幹線の建設を進めるに当たっては、本鉄道関連三法案に関する国会における議論に十分に配慮すること。
 三 整備新幹線の建設及び運営に当たっては、整備新幹線を運営する旅客鉄道会社が貸付料として負担する建設負担割合が受益相当分を超えないようにすることをはじめ、将来にわたるJRの負担のあり方を検討するなど、旅客鉄道会社の経営に悪影響を及ぼすことがないよう十分に配慮すること。
 四 既設新幹線の譲渡後においても、経営の安定を図りつつ、運賃・サービスの維持・改善及び安全・防災対策等に万全を期するよう旅客鉄道会社を指導すること。
 五 整備新幹線の建設に際し、並行在来線の取り扱いについては、関係する地方公共団体及び旅客鉄道会社の意見を十分に尊重すること。また、貨物鉄道会社の輸送に支障が生じることのないよう万全を期すること。
 六 大都市圏の鉄道整備については、今後とも積極的に推進し、通勤・通学混雑の抜本的な改善策を確立するとともに、地方鉄道の維持・整備についても更に適切に対応すること。
 七 鉄道軌道整備法に基づく大規模な鉄道災害復旧事業の助成については、できる限り速やかな適用が図られるよう十分に配慮すること。
 八 鉄道整備基金に対して、その業務を適正に運営するよう責任をもって指導するとともに、新幹線鉄道保有機構の職員の雇用・処遇に万全を期するよう同機構への指導等適切な措置を講ずること。
 九 旅客鉄道会社及び貨物鉄道会社に対して、今後とも健全な労使関係の維持発展を図るよう指導すること。
 一〇 国の鉄道整備に関する公共財源の投入等の助成策について一層の充実を図るとともに、開発利益の還元等新たな財源調達を図るシステムを確立するよう努力すること。
 一一 JR株式の売却に当たっては、JR会社の経営状況等を十分見極めた上で、慎重に必要な準備を進めること。
 一二 整備新幹線の建設問題に関連して増大が予想される地域負担の増加については、地方財政を圧迫しないよう十分に配慮すること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#449
○委員長(中川嘉美君) ただいま渕上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#450
○委員長(中川嘉美君) 多数と認めます。よって、渕上君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、村岡運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村岡運輸大臣。
#451
○国務大臣(村岡兼造君) ただいま三法案につきまして、慎重御審議の結果、御可決をいただきまことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、政府として十分の努力をしてまいる所存であります。
 ありがとうございました。(拍手)
#452
○委員長(中川嘉美君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#453
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト