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#1
第120回国会 運輸委員会 第8号
平成三年四月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     二木 秀夫君     仲川 幸男君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     喜岡  淳君     三上 隆雄君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     三上 隆雄君     喜岡  淳君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 嘉美君
    理 事
                野沢 太三君
                渕上 貞雄君
                片上 公人君
    委 員
                伊江 朝雄君
                上杉 光弘君
                狩野 明男君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                仲川 幸男君
                松尾 官平君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                瀬谷 英行君
                三上 隆雄君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                粟森  喬君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  村岡 兼造君
   政府委員
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    大塚 秀夫君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部長       黒野 匡彦君
       運輸省地域交通
       局長       佐々木建成君
       海上保安庁次長  豊田  実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
   参考人
       日本国有鉄道清
       算事業団理事長  石月 昭二君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   杉田 昌久君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   池田  本君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   岡山  惇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日、二木秀夫君が委員を辞任され、その補欠として仲川幸男君が選任されました。
 また、昨二十四日、喜岡淳君が委員を辞任され、その補欠として三上隆雄君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(中川嘉美君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に野沢太三君を指名いたします。(拍手)
    ─────────────
#5
○委員長(中川嘉美君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本国有鉄道清算事業団理事長石月昭二君、同理事杉田昌久君、同池田本君及び同岡山惇君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(中川嘉美君) 日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○渕上貞雄君 ただいま提案をされています日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案でございますけれども、国鉄時代の長期債務返済の問題というのは国鉄改革の重要な課題でありますし、巨額の国有財産の分割、整理でありまして、その債務の整理をめぐっていろんな意見があります。
 新会社は、政府出資で設立されるわけだから、収支がよくなってきたところで株式を公開する、すると株価が十倍から二十倍に上がる。そうなれば、国はがっぽりもうける。もうかった金で借金返済はわけないのではないかという意見があります。国鉄改革関連法案が国会で論議されていた時点では、国鉄の借金整理の主なる財源というのは国鉄の遊休土地売却収入だと言われていましたけれども、土地の高騰に伴って、地価を顕在化させないということをもって地価隠しではないかという批判も実はあるところであります。
 長期債務返済問題と土地処分、JRの株売却問題は密接不可分な関係にあるだけに、土地処分が本格化するに当たって、一般投資家が購入できる新種の小口の転換社債の発行に踏み切り国民の共有財産を処分するということでありますから、国民からやはり疑惑の目で見られることのないように、公正と公開を原則としながらこれらの処分には慎重に当たっていただきたいと、まず要望申し上げておきたいと思います。
 それでは、具体的に質問に入りたいと思いますが、昭和六十二年の国鉄改革時における処理すべき国鉄の長期債務は全体で三十七・一兆円とありましたが、その後どのような状況になっているのか御説明を願いたい。
#9
○国務大臣(村岡兼造君) 清算事業団の債務は、平成三年初めに二十六・二兆円になる見込みでありますが、この債務を土地及びJR株式の売却等により償還することといたしておりまして、土地につきましては、平成元年十二月十九日の閣議決定に従いまして平成九年度までに実質的な処分を終了することになっております。
 また、JR株式につきましても、閣議決定の趣旨に従いまして、検討、準備を進めているところでありますが、その処分はJR各社の経営動向、株式市場の動向等に影響されるものであることから、現時点におきましては売却のスケジュールを明示することは困難であります。
 いずれにいたしましても、土地及びJR株式の早期かつ効果的な売却により国民負担を極力なくすべく、今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
#10
○渕上貞雄君 今、大臣に答弁願いましたように、できるだけ国民の負担が少なくなるように、ひとつ今後とも努力を願いたいと思います。
 次に、償還財源としての土地売却収入は七七兆円とされていましたが、その後、平成元年には九・九兆円と運輸省は実は試算をしているわけです。現在の時点ではどの程度の売却収入を見込んでいるのか御説明願いたいと思います。
#11
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団が保有しております土地は、現在約七千四百二十ヘクタールございますが、これについての価額を把握するため、平成二年四月、昨年四月に公表されました地価公示価格をベースにしまして清算事業団で一件一件再評価いたしました結果、平成二年度初めの地価総額は約十五兆円程度と評価しております。
 ただ、その後、先般ことしの地価公示額も発表されましたので、現時点という地価総額につきましては改めて精査する必要があると考えております。
#12
○渕上貞雄君 土地の売却収入がただいま申されましたように十五兆円程度としますと、清算事業団の要処理債務残高が約十一兆円に減少するわけでありまして、JR株式のうち売却の可能性が高い本州三社の株式総数は合わせて八百二十四万株あるわけですけれども、仮にこれらの株が大手の私鉄鉄並みに額面の二十五倍程度で売却されると約十・三兆円になるわけであります。そのほか、新幹線保有機構への貸付金の収入の一・九兆円を加えれば、計算的には国民の負担がほぼ解消されることになるわけでありますけれども、そう理解してよろしゅうございましょうか。
#13
○政府委員(大塚秀夫君) JR株式、本州三社の株式が幾らで売却できるかにつきましてはいろいろな見方がございまして、私鉄十四社並みに売却できるかどうか今判断できませんが、計算上は御指摘のとおり二十五倍になりますと、本州三社の額面が四千百二十億でございますので、約十兆円になります。十兆円と土地の処分で、これも計算上は現在の長期債務二十六・二兆円がほぼ償還できるわけでございます。
 ただ、この二十六・二兆円の債務については年年金利が発生します。したがいまして、その処分の時期によっては金利が長期債務に上乗せされてくるということでございますので、株式の処分時期べ土地の処分時期でその要償還額をすべて処理できる収入額というものが変わってまいりますので、今正確に判断が難しいところでございます。
#14
○渕上貞雄君 ただいま判断が難しいということで、それはそれなりに理解をしたいと思いますけれども、国鉄改革の中で示された十三・八兆円という国民の負担額は、土地売却収入とJRの株式売却収入が確定しないと、今言ったようなことになる。しかし、幾つかのやはり仮定といいましょうか、そういうものを通じて国民の負担に対する信頼度アップといいましょうか、国民負担の仮定計算の例をやはり国会に提出していくべきではないかと思いますが、いかがですか。
#15
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団が承継しました債務の毎年の要償還額、これは契約上決まっておるわけでございますが、その要償還額をすべて処理できるかどうかが土地処分収入等の収入によって決まってまいります。もし、収入が不足すれば新たに借りかえなければならない。そういう点で、今後の償還計画というのはどうしても収入の見通しは立てなければなりません。
 できるだけ、これを国民にもわかりやすくするために、私ども土地の総価額についても約十五兆円と計算したところでございますが、今も申し上げましたようにJRの株式処分収入については、これは極めて予測が困難でございます。しかし、JR株式処分収入についても、適切な、合理的な範囲の中ではできるだけ高く処分することを私ども考えておりまして、そういう努力によって将来、当初十三・八兆円の国民負担があるとされておりました国民負担についても極力なくす方向で今後も努力していきたいと考えております。
#16
○渕上貞雄君 大蔵省では毎年、「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」というものを国会に提出しているのは御存じのことだと思います。大蔵省は、これは毎年やるということになっておるわけでございますが、運輸省の場合も「国鉄清算事業団長期債務の状況」という国民負担推計試算を平成元年五月に発表しています。運輸省としても幾つかの今申されたような、不明確だとは言いながらも、ある程度の目標は立てなければならないわけですから、そういう幾つかのケースを前提として試算を出すべきではないかと思いますし、試算を出すことによって株売却に対する予断といいましょうか、そういうものを国民に与えるのではないかという不安はあるかもしれませんけれども、やはり大切な国民財産の処分でありますから、そこらあたりは国民に対して説得をしていくといいましょうか、納得できるようなそういう試算表というのを出すべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#17
○政府委員(大塚秀夫君) 当時に比べましてJR株式の処分がだんだん間近に迫っている状況でございますので、ますますJRの株式をどう評価するかということについてこちらが評価するのが困難な時期を迎えております。
 ただ、先生御指摘のとおり、一体、今後償還の見通しがどうなるかということについて国民の不安を取り除くために、国民の負担を極力なくすというのはどういう根拠かというようなことについて、JR株式の処分・上場を今どのように検討しているかあるいは検討結果がどのように反映されるか、そのようなデータはできるだけ国民に私どもも広報していく必要があると考えております。
#18
○渕上貞雄君 では、国会に提出していただくということで理解しておいていいですか。
#19
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど申し上げましたように、要償還額の方は、これはそういう数字を提出させていただいてよろしゅうございますが、ただ、収入と償還が関連した償還計画となりますと、いつ、幾らでJRの株式を処分するのかというのが全体の償還計画で大きなウェートを持ちますので、その辺はちょっと今の段階で国会に提出するような資料を作成することは困難であろうかと思われます。
#20
○渕上貞雄君 だけれども、平成元年五月には運輸省の資料として出していますね、「国民負担と株価との関係」というのを。そういうものも出せないですか。
#21
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど申し上げましたように、今、JR株式の処分が比較的間近に迫っている状況であることが一方にあり、また、他方で株式市況が大変不透明な状況でございますので、額面から五十倍までというようないろいろな刻みで出すということになると、予断は与えないかもわかりませんが、余りにケースを多くしますとこれも結果がよくわかりませんし、ある程度ケースを少なくするというのが、今の株式市況の動向では私ども自身が予測が難しい状況でございますので、ある程度そういうことを前提と考えますと、先生が御要求のような形の資料は大変出しづらい状況じゃないかと考えておりますが、要償還額、今の株式がどういう状況にあるかというような、数字というよりも状況を御説明するような何らかの資料は考えさせていただきたいと思います。
#22
○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げておきます。
 じゃ、次に移りますが、長期債務の返済の重要な問題であります株の売却は、借金の整理の主要な役割を果たしていかなければならないと思います。
 JR株式の上場をめぐってJR東海が、またはJR東日本、どちらが先かというちまたの議論もありますし、また、一括か分割か。JR株式もNTTと同じようになるのか。株を売却するだけでも国鉄の借金は全部返せるという意見も先ほど申し上げましたけれども、株式の上場を果たしてこそJRは純民間としての企業になり得るわけでありますから、なった結果、国鉄の民営・分割というものがきっちり完成される、こういうことでございます。
 そこで、JR株式の上場のスケジュールについてはどうなっておるのかお伺いしたいと思います。
#23
○国務大臣(村岡兼造君) JRの株式につきましては、平成元年十二月の閣議決定におきまして、「平成三年度にはJR株式の処分を開始する方向で、」「JR各社の経営動向、株式市場の動向を見極めた適切な処分方法等多角的な視点からの検討、準備を行う。」こととされており、この閣議決定の趣旨に沿って検討、準備を進めているところでございます。
 しかし、実際の売却につきましては、JR株式基本問題検討懇談会の昨年末の中間意見において御指摘いただいているとおり、株式市場の動向を十分見きわめつつ弾力的に対応していくことが必要であると考えております。
#24
○渕上貞雄君 大体、いつごろになるかはここでは答えられないんですか。
#25
○国務大臣(村岡兼造君) 現状におきましては、見通し困難でございます。
#26
○渕上貞雄君 いろんな配慮があることもわかりますが、では、平成三年度の国鉄清算事業団の予算には二百万株分として千五百億円が計上されていますけれども、なぜ二百万株としたのか、そこらあたりの説明をお願いします。
#27
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま大臣が申し上げましたように、閣議決定におきまして、平成三年度に処分を開始する方向で所要の準備、検討を進めることになっております。しかし、実際に平成三年度に処分するかどうか、また、どの企業からやるか等について決定していない段階で平成三年度の予算を編成させていただいたわけでございます。
 その際、清算事業団予算につきまして、株式売却収入をどのように計上するかについてJR株式基本問題検討懇談会でもいろいろ検討しましたが、十二月に取りまとめました中間報告におきましては、「三年度の売却規模については、予算上は、とりあえず、NTTの第一次売却、第二次売却程度の株式数を目安として計上することも一案」とされたことに基づきまして、最近の政府保有株式の大規模な売却事例としてのNTT株式の売却規模、これは第一回が百九十五万、第二回も百九十五万株でございますが、これを参考とさせていただきまして、とりあえず二百万株を仮置くきしたものでございます。
#28
○渕上貞雄君 とりあえず仮置きした数字で二百万株と言われましたが、いずれにいたしましても分割売却ということで考えてよろしゅうございますか。
#29
○政府委員(大塚秀夫君) この二百万株というのは、確かに、JR東日本は今四百万株でございますので、そういう企業にとっては分割売却の数字じゃないかという疑問を持たれるわけでございますが、今御説明申し上げましたように、あくまでも仮置きの数字でございますので、この二百万株というのは分割売却あるいは一括売却を示しているものではございません。
 分割売却にするか一括売却にするかにつきましては、NTTの事例を参考にしながらJR株式基本問題検討懇談会でそれぞれのメリット、デメリットを現在検討しており、また、こういう株式市況の動向等を見ながら最終的に決めなければならない問題だと考えております。
#30
○渕上貞雄君 仮に、平成三年度においてJRの株式の売却が実施され、予算計上額を上回る売却収入が確保された場合、どのように対応しようとしているのか。今の株式状況から考えて、そう以前ほどのようにはならないとも、思いますけれども、確実に私はやはり売却収入はふえるというふうに思いますので、予算計上額を上回る場合だってあるだろうというふうに思います。
 したがいまして、その売却収入が得られた場合には、期限に関係なく前倒しをして国鉄の長期債務の早期返還を図るべきだというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。
#31
○政府委員(大塚秀夫君) 今申し上げましたように、三年度に売却が決定しているわけではございませんが、仮に処分をする場合には、当然清算事業団の、現在、収入の部に計上しております千五百四億円を上回ると思われます。
 その場合に、その収入すべてにつきまして、これは予算上は借りかえしなければならない借入金の減少にも充てられ、債務償還にも充てられるということになりますが、実態的には清算事業団の長期債務の償還にすべて充てられるということでございます。
#32
○渕上貞雄君 次に、ではその債券というものにつきましてはどのように募集していくのか。一般債券は公募を考えているようでありますけれども、今度の新しい問題として債券を募集していく際には、NTTのときのような抽せんを行うことを想定しているかどうかお伺いします。
#33
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、御審議をいただいております清算事業団法の改正案によります特別債券の発行につきましては、この債券が巨額になりますので、一般国民に広く公募して購入していただこうと考えているわけでございます。
 したがいまして、NTTの場合と同様、証券会社等に委託して一般国民から公募する。もちろん、私どもそれが望ましいのですが、非常に人気が高くなって、公募をした以上に応募があった場合には公正な抽せん等によって投資家を決めていきたいと考えております。
#34
○渕上貞雄君 できるだけ多く公募があるように望んでおるわけでありますけれども、今の経済状況からして平均的なやはり勤労者といいましょうか商店主といいましょうか、そういう方々が債券に魅力を感じて、購入したいという人が相当数に上ってきた場合に、国民の批判や非難を受けることのないように、今申されたように、公正にやはりやっていかなければならないだろう。
 それ以上に、やはり抽せんなどするととかくいろんな目で見られるわけでありますから、できれば希望者には全員購入できるような募集の仕組みといいましょうか、考えられましょうかね、そういうことが。
#35
○政府委員(大塚秀夫君) NTT、その他の前例を十分勉強させていただきまして、公平に国民の皆様が購入できるような公募の仕組みを今後、資産処分審議会等でも検討していきたいと考えております。
#36
○渕上貞雄君 公募していく場合、そういう仕組みを考えられたならば、恐らく事前に公表していくことになるだろうというふうに思ってよろしゅうございましょうか。
#37
○政府委員(大塚秀夫君) この債券の発行、公募方法等につきましては、清算事業団の資産処分審議会で決めることになり、また、一般にその内容についても十分周知徹底を図りたいと考えております。
#38
○渕上貞雄君 かなり多額の債券になってくるわけでありますから、その債券の引き受けにつきましては、やはり安定株主対策を考えていくことが必要ではないかというふうに思いますけれども、安定株主対策として、また、この会社の持っている公共性にかんがみまして、やはり国が一定比率をそういう安定株主として保有するということが必要ではないかというふうに思いますけれども、もし必要でないとするならば、どうお考えになっているのかお示し願いたいと思います。
#39
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の特別債券の発行に当たりましては、その資金調達額が大変大きいことから、広く一般の投資家、国民もその対象として考えておりまして、基本的には先ほど申し上げましたような公募によりその消化を図ることとしております。
 一方、出資会社の経営基盤を安定させるなどの観点から考えますと、先生御指摘のように、安定株主対策が大変重要でございまして、これについても今後どのように安定株主を確保していくかについて考えていかなければならないと思います。
 その一つの方法として国が保有するという方法も考えられないわけではありませんが、今回の土地の処分につきましては、将来にわたり国がこの処分対象となります土地の一体開発を行う子会社の運営をチェックすることとなり、この会社の民間活力をそぐ結果を招きますので、この会社の株式の一般的な評価に悪影響を与える可能性も強いと思われ、国が保有することは適当でない。その他の方法で安定株主を考えるべきじゃないかと思っております。
#40
○渕上貞雄君 国が保有すべきでないということよりも、やはり一定程度国有財産を処分してそういう会社をつくっていくわけでありますから、その会社は将来にわたって国としても責任があると思いますから、そこらあたりもう少し検討すべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#41
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の土地の処分というのは、国鉄改革の一環として長期債務の償還に充てるために旧国鉄の不用の土地を処分するわけでございまして、この処分というのは国有で持つのではなしに、一般的に処分をしていく一環として地価の不顕在化法から特別債券を発行し、子会社をつくるわけでございますから、この子会社が保有する土地につきましても他の処分例と同様に、国ないし清算事業団が将来とも持つのは適当でないと考えておりますが、先生御指摘のように、この会社がその土地を公正また妥当に開発、運営していくためには十分監督していく必要があると考えております。
#42
○渕上貞雄君 できるだけ、やはり公正、妥当に信頼を得られるようにやっていただきたいと思います。
 それから、債券の引き受けにつきましては、やはりいろんな国民からの疑惑の目で見られることのないように、あくまでもやはり慎重で公正でなければならないと思いますし、特別の、特定の企業グループに偏った形にならないように配慮すべきだと考えますけれども、いかがでございましょうか。
#43
○政府委員(大塚秀夫君) 特別債券の発行に当たりましては、先ほどお答えしましたように、公募の方式を採用して特定のグループあるいは企業に偏らないような処分をしていく必要があると考えております。
#44
○渕上貞雄君 できるだけ、そういうことをすることによって、ひとつ公正で慎重にやっていただきたいと思います。
 次に、新会社の事業概要をひとつ説明していただきたいと思います。また、新会社の資本金をどのように考えているのか伺います。
#45
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の特別債券発行によりますその債券が将来株式に変換されるこの子会社につきましては、現物出資された土地について開発の基本計画をまず策定し、その実施のために不動産開発事業を行う。これはビル等を建てていくわけでございますが、開発されました土地建物を活用した不動産賃貸事業、オフィスができましたらそのオフィスをテナントに貸し付ける、そういう事業を行うことを基本として活動していくことになります。
 これはどの特別債券発行対象の土地についても同様な仕組みでございますが、この出資会社の資本金は、特別債券を小口化することによる流通の促進また交換促進の観点を基本に、他の類似企業などの資本金など財政状況あるいは経営成績、出資会社の配当負担などを総合的に勘案して、この特別債券方式によりまして効果的な土地の処分ができるように資産処分審議会に諮って決定したいと考えております。
#46
○渕上貞雄君 資本金は幾らぐらいを予定されていますか。
#47
○政府委員(大塚秀夫君) この法律が成立しましたら、最初の特別債券発行の対象となる候補地は汐留でございます。汐留の場合に、子会社を設立するわけでございますが、その子会社の資本金が幾らかということにつきましても、今後、資産処分審議会等の検討過程を経て決めることになろうかと思われます。
 ただ、今大ざっぱな推測、推計をさせていただきますと、この出資会社の資本金というのは債券を発行した場合に、債券の一口と資本金の一口を交換させるということになりますので、そういう一対一の交換率を前提にいたしますと、債券発行額の十分の一程度が適当であろうかと思われるわけでございます。
 汐留田の場合には、これは、実際には来年度債券を発行する直前の汐留の時価、また、開発利益、株式は変換された場合のスイートナーと呼んでおりますが、キャピタルゲインによる魅力、そういうことを総合的に判断しなければなりませんが、かた目に踏んで三兆円程度といたしますと、その十分の一、三千億というのがこの出資会社の資本金の一つのめどになるのではないかと考えております。
#48
○渕上貞雄君 NTTの場合は七千八百億でしたか。三千億だというと、かなりやはり日本でも有数な企業になっていくというふうに思うわけであります。他の従来やっています類似の大手不動産会社と比較をいたしますと、新会社はかなり大きな会社になっていくと思いますけれども、一体どういうふうに考えられておるか。
#49
○政府委員(大塚秀夫君) この会社の資本金を仮に三千億程度としますと、確かに資本金の額面額だけで比較しますと日本有数の大きな企業ということになるわけでございます。
 この会社の特色としましては、通常の不動産開発事業あるいは不動産賃貸業の場合には、土地そのものもみずからの資金で取得して、その上に上物を建てて賃貸をやっていくわけでございますが、この会社はその資本金となります土地の現物出資によりまして土地を取得するわけでございますから、土地代そのものがかからない。そういうことで、不動産開発を行いましても、ビルの建設費を土地を担保にして調達すれば、後は賃貸料というものが大きな利益として計上されることになります。
 したがいまして、三千億程度の資本金になりましても、それに見合った利益を十分上げ得ると私どもは考えております。
#50
○渕上貞雄君 いわば、この会社というのは、日本一の不動産会社が出現するわけであります。しかし、この会社というのは、今まで申し上げましたように、単なる民間会社ではございませんし、国民共有の国鉄の資産そのもので発足するわけでありますから、極めて強い公共性を持っていると言っても過言ではないと思います。
 同時に、十年間は清算事業団の指揮監督下に入っているわけでございますが、それ以降は全く規制というものが外されることになると思うのでありますけれども、何らかのやはり歯どめ策をしておくことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#51
○政府委員(大塚秀夫君) やはり、この会社が完全な民営会社になるまでの十年間というものは、清算事業団がその株式を全額保有して監督し、かつ、清算事業団を通じて運輸省が監督するわけでございますから、その間に私どももこの会社が将来とも公正に運営されるように十分監督していきたいと考えておるわけでございます。
 また、この期間に将来の事業の大部分である、汐留の場合ですと汐留の不動産の開発、賃貸が行われるわけでございますから、その後の事業が継続されて適切公正に行われるように、先ほども申し上げましたが、必要な安定株主対策も講じなければならないと考えており、このような安定株主を無視して出資会社は将来とも勝手に経営を行うことは事実上困難であると考えております。
 なお、株式変換後、つまり、完全な民営会社になりましても、都市計画に関する諸規制、例えば、再開発地区計画による開発を行う場合に、再開発地区計画に適合しない工作物は、その後におきましても新築は原則としてできないわけでございますから、そういう制約もあるということで、私どもとしては将来ともこの会社が健全に運営されていくと考えております。
#52
○渕上貞雄君 十年間のそういう制約があった上で、先ほど答弁のありましたように、十分に収益性は見込まれるというふうに御答弁いただきましたけれども、新会社の収益性をやはりある程度見越しておると思うわけでありまして、十年間のそういう監督下にあって以降、例えば株式を上場していこうとすれば、八年目ごろから今の証券取引所の上場基準では収益性がなければならないわけになりますけれども、一体いつごろから上場できる可能性というものはあるわけでしょうか。
#53
○政府委員(大塚秀夫君) これも汐留を事例にして申し上げますと、この法律が成立しますとことしの秋に子会社を設立し、来年、平成四年度に現物出資をすることになります。その後、都市計画決定等に基づいてこの会社が上物、オフィス等を建設していくことになりますが、これも現在の仮置き的なスケジュールで申しますと、平成五年から着工を始めまして、平成八年あたりにはその相当部分が竣工して不動産賃貸業を行えるようになる。
 そうしますと、平成十年ごろから今の証券取引所の上場基準に当たりますような利益、上場基準で言いますと、上場前三年間、二年前については資本金の三割以上、直前の年度につきましては資本金の四割以上ということになりますので、この会社が仮に三千億の資本金としますと、九百億円以上あるいは直前の年度では四割に当たりますので、千二百億円以上の利益を生じなければならないわけでございますが、私どもとしてはそれを相当上回る利益が賃貸業によって生ずると考えております。
#54
○渕上貞雄君 今、答弁ありましたけれども、かなり大きな会社でありますから、一千二百億円以上という利益を見込まれるということでございますけれども、具体的に、やはりそれだけの自信といいましょうか、あの地域だからこそ簡単にできるし、それ以上見込まれると、こういうことでございましょうか。
#55
○政府委員(大塚秀夫君) これは、株式変換予約権付特別債券の発行の対象候補地を決める場合にも、やはりこれだけの仕組みを実施するわけでございますから、都心その他で極めて将来とも資産価値の高いところに対象を限定せざるを得ないと考えております。
 そういう意味で、汐留につきましては、都心におけるオフィスに対する需要が依然旺盛であり、今後、東京の新しい都心とも言うべき地区に発展すると予想されますので、汐留にオフィスを建設する場合には十分周辺のオフィス街と同様な需要が確保され、今申し上げましたようなテナントを確保できると考えており、その結果として、先ほど申し上げましたような利益を達成することが見込まれるものと考えております。
#56
○渕上貞雄君 次に、株式関係についてお伺いしますが、JR株式の売却収入の使い道について一つ確認をしておきたいと思うわけであります。
 この売却収入については国鉄の長期債務の償還財源に充てられるわけです。この基本方針については、先ほども答弁ありましたように、変わりないというふうに思っていますが、一部の関係者の中には、JR株式の売却収入の一部を整備新幹線の建設財源に使ったらどうかという意見もあるようであります。将来、そういうことがあるのかないのか。土地、株式売却をめぐって、その点はどういうふうに理解しておればいいのでございましょうか。
#57
○政府委員(大塚秀夫君) 現在、清算事業団は二十六・二兆円の長期債務を抱えているわけでございますから、JR株式の処分収入、土地の処分収入は、この長期債務の償還に充てていくということを考えております。
#58
○渕上貞雄君 では、巷間うわさされているような、例えば、整備新幹線の建設財源に使うというようなことはありませんね。
#59
○政府委員(大塚秀夫君) 整備新幹線の財源につきましては、今回の鉄道三法で御審議いただいたとおりでございまして、今その他の方法は考えておりません。
#60
○渕上貞雄君 次に、特別債券について、その具体的な仕組みをひとつ説明していただきたいと思います。
#61
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の特別債券方式による土地処分は、汐留などの極めて大規模な用地につきましては、その資金調達が巨額にわたるために、特定の企業等に処分できないということ、したがって、広く国民から資金を調達する仕組みを考える必要がある、これが第一点でございます。
 それからまた、このような大規模用地で資産価値の高いものについては、地元の要望としても一体的な開発が必要である、一体的な開発ができるような仕組みを考える必要がある。
 それから、このような資産価値の高い土地について地価を顕在化させない仕組みを考えなければならない、こういう要請のもとにこの方式を考えたわけでございます。
 大規模な用地、汐留等につきまして、その処分に相当するような債券をまず清算事業団が発行する。この債券は、将来その土地を現物出資いたしました子会社が上場等、株式を市場で流通させることができる段階になって株式に変換することができる権利を持った債券にする。そういうことにしまして、債券を低利で発行しても、将来、株式に変換することによるキャピタルゲイン、株式の評価益が投資家に還元されるメリットがございますので、低利で債券が発行できる、そういう仕組みでございます。
 そこで、債券を発行しましたら、その債券の発行による収入によって、まず、今回の清算事業団の抱えております長期債務の償還に充てるわけでございまして、子会社はその土地について開発をして不動産賃貸業をやり、株式について価値を持つような企業になった段階で債券が株式に転換される。そういうことによって、この債券につきましても株式に転換する段階で清算事業団の手を離れ、長期債務の償還のスケジュールが終わる、このような方法が今回御審議いただいております特別債券発行方式でございます。
#62
○渕上貞雄君 では、具体的に債券の発行総額と債券の金利、それから債券の額面、それから債券の口数、それから償還期間等についてどう考えているのか御説明願いたいと思います。
#63
○政府委員(大塚秀夫君) まず、債券の発行総額でございますが、特別債券方式では、特別債券を発行することによりまして債券の発行時点において土地を処分したのと同程度の収入を得ることが前提になっておりますので、基本的には現物出資された土地が有する資産価値に見合う金額を確保した上で、さらに債券の消化が可能でありましたらそれよりも高い価額、将来の開発利益の一部も加えて債券発行総額としたいと考えております。
 したがいまして、先ほども少し申し上げましたが、汐留の場合にどうなるか。これは汐留の地価をどう見るかにもよりますし、その地価をどう見るかは、債券発行の直前に不動産鑑定士等の評価を得て時価を定め、その時価に将来の開発利益の一部も加えて債券が消化できるかどうか、市場の動向等も見て決めることになろうかと思います。
 したがいまして、三兆円から四兆円ぐらいの間になるのではないかと今予測しておりますが、これはあくまでも予測でございまして、今後の汐留の地価の動向にもよろうかと思われます。
 次に、特別債券の金利でございますが、出資会社の株式と交換できる権利が付されておりまして、交換の際には一定のキャピタルゲイン、株式の評価益によるキャピタルゲインが得られることから、通常の事業団債券あるいは国債と比較して低利で発行することが期待できると考えております。具体的には、今考えておりますのは、通常の事業団債券等の半分程度と考えております。
 それから、額面、金額につきましては、債券の円滑な消化、株式との円滑な交換を勘案して決定したいと思っておりますが、具体的には、広く一般の投資家を対象としておりますので、一般の債券が一口百万円であるのに対して、この特別債券は一口五十万円ぐらいを目安としてはどうかというのが今の考えでございます。
 それから、償還期間は、特別債券と株式との交換が円滑に行われるように、出資会社の経営基盤が確立されて株式の交換時期が到来すると思われる十年程度以上を基本と考えております。
 いずれにしましても、今申し上げましたような事項につきましては、さらに清算事業団の資産処分審議会を活用しまして学識経験者等の専門的な意見を聞き、また、地価につきましては、専門の不動産鑑定士の意見を聞いて実施したいと考えております。
#64
○渕上貞雄君 債券の金利が事業団債券の約半分だというふうに今言われましたけれども、なぜそんなに低く設定されたのか、その理由についてお伺いします。
#65
○政府委員(大塚秀夫君) 特別債券は、出資会社の株式と将来交換できる権利が付されておりまして、この交換の際に、そのときの株式の評価益のうち投資家に還元されるものが含まれております。したがいまして、投資家が債券を購入するのは、単にその金利に期待するのではなしに、将来の株式の評価益もあわせて期待することになります。
 したがいまして、通常の債券よりも低利、先ほど申し上げましたように、通常の事業団債券の半分程度でも将来のキャピタルゲインとあわせて投資家には十分魅力ある債券になるのではないかと考えているわけでございます。
#66
○渕上貞雄君 そのような低利で十年間も長期に資金を運用するわけでありますし、しかも現在、先ほど言われていますように、株、債券が低迷している段階で、資金調達業務がまだ本格的には回復していないというふうに言われていますけれども、やはり会社を経営していく場合にはリスクというものはあるわげでございますから、今申されたように、三兆から四兆円の金額というものを消化するに当たって支障がないのかどうかお伺いします。
#67
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の特別債券は、汐留の場合も三兆円から四兆円と予測するように、巨額の資金を前提として発行することから、機関投資家だけではなしに、広く国民大衆もその購入対象として証券市場において消化していかなければならないと考えております。
 債券の消化は、基本的には特別債券の条件が魅力あるものかどうかによって決まりますので、先ほど申し上げましたように、キャピタルゲインの確保等、この会社の将来の運営を適正にしていくということも重要でございますが、今、このような債券市場を推測する一つの指標として個人金融資産残高を見ますと、最近非常に増加しておりまして、一九八九年末におきましても約九百兆円となっておりますから、特別債券が魅力的であれば、これを吸収する市場能力は十分あるものと判断しております。
#68
○渕上貞雄君 新聞によりますと、平成四年度にはこの特別債券のほかにNTT、それからJT、それからJRの政府放出株が売却されるというふうに報道されていますけれども、そういうところが重なることによって、我が国の金融市場というのは世界有数なものになっていることはなっているわけでございますけれども、そういう中での引き受けに支障はないと判断しているのかどうか。
#69
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、先生御指摘のように、平成四年度にはこの特別債券の発行とJR株、NTT株等の大口の債券市場への参加が行われると予想されます。しかし、今申し上げましたような個人金融資産残高等から判断しますと、専門家の意見を聞きましても基本的にはそれぞれの商品としての魅力があればこれらの債券等の市場消化能力は十分あると判断をしております。
 ただ、具体的な消化見通しは、どのような条件で発行するか等によって決まりますので、JR株等の処分の状況も十分勘案してこの特別債券という商品づくりに今後取り組みたいと思っております。
#70
○渕上貞雄君 それでは、清算事業団の出資子会社関係の問題について質問申し上げたいと思います。
 国鉄清算事業団の出資会社の概要を説明していただきたいと思います。
#71
○参考人(石月昭二君) 清算事業団といたしましては、清算事業団の各分野の業務を効率的に遂行するために、必要に応じて子会社を設けております。
 第一は、昭和六十三年に設置いたしましたレールシティ関東という会社でございます。この会社は、関東地区におきまして、駐車場、住宅展示場等の事業団の用地の暫定利用の面で活躍する。そのほかに、これから事業団は、マンションの建設、販売等をやっていくわけでございますが、これらのマンション販売、マンション管理等の業務も行っていく予定でございまして、現在の資本金は一億五千万円、常勤の役職員数は約四十六名でございます。
 その次は、レールシティ汐留企画という会社でございまして、これは平成元年に設立いたしました。この会社は、東京都、港区等からも出資を受けておりまして、第三セクター的な性格を有する会社でございますが、汐留地区が開発されるまでの間の暫定利用、駐車場とか住宅展示場、それから、各種イベントの開催というようなことを行っているほかに、事業団、東京都、港区等からの委託を受けまして、汐留地区の交通施設のあり方というようなものの調査業務を行っております。資本金は約三億円、役職員の数は三十四名でございます。
 それから、もう一つの会社は、平成二年に実施いたしました不動産変換ローンを行うための受け皿会社でございまして、レールシティ東開発、西開発と地域を分けまして二つ持っております。これは昨年の四月に設立いたしました。この会社は、東開発の方が資本金三十六億円、役職員四十二名。西開発の方が資本金二十億円、常勤役職員数六十五名でございます。
 以上が現在の私どもの会社でございます。
#72
○渕上貞雄君 それでは、今説明がございましたように四つの出資会社があるわけでありますけれども、非常に類似したような会社をなぜこんなにつくらなくてはならなかったのか。今、御説明を聞きますと、役職員を含めてということでございますけれども、例えば、レールシティ汐留企画の場合、役員が十一名、そのうち非常勤が四名、職員が二十七名。通常の会社であれば、職員が二十七名で役員が十一名、考えられないと思うんです。
 こんなふうに思ってはいけないのかもしれませんけれども、役員がこれだけ多いということは天下り先の職場確保としてつくっていると、こういうふうに思われても仕方がないと思うのです。恐らく、そういうようなことを通じて、片一方では国鉄の場合は大変な犠牲をやっていきながら、それを処理していく段階ではみずからの首というのは余り影響のないように、役員の数などを考えてみますと思われるわけです。少し私がうがって物を見ているのか、本当にこの会社はこれだけの役員が要るのかどうか、いかがでございますか。
#73
○参考人(石月昭二君) 汐留企画の場合には、ただいま御指摘のように、確かに非常勤を含め三十八名のうち、役員が十一名おります。しかし、この役員も非常勤役員及び監査役を除きますと六名になります。それに、社長、専務がおるわけでございますから、取締役としては四名ということになるわけでございます。
 この会社の設立は、一つは先ほど申し上げましたように、汐留地区の土地の暫定利用でございますけれども、もう一つの大きな使命が事業団並びに地元公共団体の委託を受けてインフラの調査業務をやるということでございまして、具体的に申し上げますと、汐留の地区の中にどういう道路を引くのか、それから汐留の土地の付加価値を高めるために、例えば新交通システムを引いてくるとか、それから地下鉄十二号線を入れるとか、こういう各種の交通施設が入ることになっておりますが、こういうものを入れるためのいろいろな調査、さらには地下の通路をつくるとか将来ここで大規模なビル開発が行われるわけでございますが、そこでの共同溝をどういうぐあいにつくるとか、各般のインフラをつくるための調査がございます。
 こういう調査をやる仕事でございますので、こういう施設行政につきまして非常に広い意見を持った、能力を持った人が要るわけでございまして、そういう意味で頭でっかちの会社になるのは仕事の性格上やむを得ないと、このように考えております。
#74
○渕上貞雄君 そういう頭でっかちのことをやめたいと思って、国鉄は民営・分割したんじゃないですか。
 そこで、私は、やはりそういう専門職は専門職で、いろんなそういう分野で調査機関もあるわけですからやらせればいいと思うわけであります。やっぱり自分たちの就職先をつくっているのかなという印象を持ちますが、以後、レールシティ汐留企画と今回の出資子会社との関係はどんな関係になるんですか。
#75
○参考人(石月昭二君) 先ほどの件につきましてもう一言付言させていただきますと、この六名の役員の中には三名、事業団及び東京都から現役で出向して、また戻ってくるというケースもございます。
 そういう意味で、決して天下り先というようなことで私ども考えているんじゃなくて、事業団としてやるよりは会社としてやった方が地元公共団体との連絡、協調というのもうまくいくしと、そういう場としてこの会社を設けていることをひとつ御理解いただきたいと思う次第でございます。レールシティ汐留企画につきましては、ただいま申し上げましたような事業団の委託を受けて、こういう主として調査企画業務をやる会社であるということを御理解いただきたいと思います。
 一方、今回新たに設立することといたしております出資会社は、先般来、大塚総括審議官からの御説明のとおり、この汐留地区におきまして具体的な不動産開発事業を実施するわけでございまして、ビル完成後には不動産賃貸事業を行う、上場もする、こういう会社でございまして、この点におきましては基本的に全く性格の違う会社でございます。
#76
○渕上貞雄君 今、言われた人事の関係についてはそれなりに理解をしておきたいと思います。
 これらの子会社は一定の役割と任務を持っているわけで、その役割と任務が終わった段階ではどういう形になりましょうか。
#77
○参考人(石月昭二君) これらの会社は、先ほど申し上げましたとおり、設立したばかりでございまして、この業務は、まさに現在、これからピークにかかろうという段階でございますので、役割を終えた時点にどうするかということは具体的にまだ考えておりませんけれども、会社として業務を遂行する過程の中で開発事業に関するいろんなノーハウの蓄積もできてまいろうと思うわけでございますので、これらの実績、経験というようなものを踏まえまして、将来それらの実績、経験を積んだ関連業務の方に新たな業務を展開していくということも考えられると思います。
 また、その事業が非常にうまくいけば、将来はこの会社の株式を民間に売却して純粋な民間会社にするということも可能かと考えている次第でございます。
#78
○渕上貞雄君 多くのそういう出資会社をつくっているわけでございますけれども、必ずしもそういう会社をつくらなくてもいいんじゃないか。それぞれの会社が分野を多く持っていけばいいわけでありまして、非常に似たような業種をやる上に、開発は開発だけ、その土地における仕事は仕事だけというような印象を受けるわけです。どうも出資会社の意図がよくわからないのでありますが、そこらあたりはどうでございましょうか。
#79
○参考人(石月昭二君) 先ほども申し上げましたとおり、例えばレールシティ関東について申し上げますと、この会社は、マンションの販売業務とか管理業務というような非常にユーザーと直結した事業をやっているわけでございますけれども、こういう事業というものは、やはり事業団の職員が直接やるというのは非常になじまない、民間会社としてやってもらった方が効率的に行える。それから、土地の暫定利用、これは事業団が貸し付けることももちろん可能でございますけれども、やはりOB等を活用して比較的安い人件費で効率的に行うということも可能でございますので、そういう意味でこういう会社が必要であったと。
 汐留企画につきましては先ほどから繰り返して申しておりますが、あとの二つのレールシティ東、西というのは、不動産変換ローンという土地処分を行う上では、その受け皿会社として必ずこれが必要になる仕組みでございまして、この会社を設立しなければ不動産変換ローンというのは実現不可能になるわけでございますので、この点は御理解をいただきたいと思う次第でございます。
#80
○渕上貞雄君 それでは、不動産変換ローンのためにその会社を設立しなければならないということでございましたが、今二社あるわけですね。
#81
○参考人(石月昭二君) はい。
#82
○渕上貞雄君 ふやしますか、ふやしませんか。
#83
○参考人(石月昭二君) 不動産変換ローン実施のためのレールシティ東会社、西会社というのは、大体、東京を中心にいたしまして日本を東西に分けてその営業範囲の区域と考えております。したがいまして、これを今後ふやす予定はございません。
#84
○渕上貞雄君 汐留地区における暫定利活用の状況と、事業団がどれぐらいの収益を上げているのかがわかれば、簡単で結構ですから御説明願いたいと思います。
#85
○参考人(岡山惇君) 現在、汐留地区におきましては、先ほど理事長が申し上げましたように、レールシティ汐留企画というものを平成元年の三月に設立いたしまして、暫定利活用、あわせて企画調査業務等々をやらせているわけでありますが、現時点におきましては、簡易駐車場、それから住宅展示場、それからイベント敷等々で約六ヘクタールの土地を貸し付けておりまして、暫定利活用を図っているところでございます。
 この結果、現在まで三カ年にわたりまして二十四億円程度の収入を得ているという状況でございます。
#86
○渕上貞雄君 汐留貨物駅の跡地は国鉄の発祥の地だとも言われていますし、ここを起点にして横浜まで走った記念碑などがあるところでございますから、国鉄にとっては手放すにはちょっと惜しいなというところではないかという気もしないわけではありませんが、そういうところでございますし、開発をめぐって江戸時代の遺跡が汐留地区から発見されたと聞いています。えてして、文化財が出てきますと開発を途中でやめてそちらの方へということになりますけれども、そういう名目でもって開発がおくれるというようなことはないと思いますが、その対策は万全でございましょうか。
#87
○参考人(池田本君) 汐留、かつての貨物駅構内は、ただいま御指摘のとおりの鉄道発祥の地でございます。現在、その構内には史跡として文化財が、かつての駅の起点といいますか、そういう部分が保存されておりますけれども、今後この開発計画に当たりましては、その位置で保存するかあるいは若干場所を変えるか等はあろうかと思いますが、この文化財の存在を意識しながらこれを保存するとかあるいは将来に向かっての設置を考えながらやってまいりたいと思っております。
 なお、後の御質問にございました遺跡の関係でございますが、この旧汐留駅は、江戸時代の武家屋敷の跡でございまして、竜野藩、仙台藩、会津藩等の武家屋敷の跡あるいは江川太郎左衛門の大砲の習練場等があったところでございます。
 これらにつきまして、平成二年の二月から埋蔵文化財についての試掘調査を行いまして、建造物の基礎あるいは各種の遺物が発見されております。これらの調査のため、今年度より東京都等の協力も得まして本格的な調査を行いたいと思っておりますが、トータルとしては汐留地区の開発に支障がないというふうに考えております。
#88
○渕上貞雄君 次に移ります。
 平成三年度の行革大綱の中では、土地の処分について、先ほど大臣も申されましたけれども、「平成九年度までにその実質的な処分を終了する。」とあります。国鉄清算事業団というのは、その時点になったらどういう条件のもとで解散するのか。それは、まだ問題が残っていれば残しますよという言い方になるとは思いますけれども、どういう条件のもとで存廃を判断するのかお示し願いたいと思います。
#89
○政府委員(大塚秀夫君) 土地とJR株式の処分が終了いたしましても、清算事業団の業務の中で年金業務等の事務は残ることになります。
 ただ、清算法人として設立されました清算事業団の主な業務が終了することになった段階で、現在の組織の整理について検討する必要があると考えております。
#90
○渕上貞雄君 JR三社については、その株式売却について一応めどが立ったと言われていますけれども、JR貨物とJR北海道、それから四国、九州の各会社の株式の上場というのは大体いつごろになるのか。
#91
○政府委員(大塚秀夫君) JR貨物やJR北海道、JR四国、JR九州、貨物会社と三島会社につきましても国鉄改革の趣旨から、できる限り早い機会に完全民営化することが必要であると考えております。
 しかし、JR貨物は、いまだ主要な上場基準のうち利益基準を満たすには至らない状況にございますし、また、三島会社は、本州三社に比べまして、利用者数、高速道路の整備などの点で経営環境も現在大変厳しく、今後、さらにそれぞれの会社が経営内容を充実させていかなければならないと考えておりまして、現時点で、今先生御指摘の四社をいつ完全民営化させるか見通すことは困難でございます。できるだけこれらの会社についても早期に完全民営化するように指導していきたいと思っております。
#92
○渕上貞雄君 できるだけ早期にというふうに今申されましたけれども、今言われた北海道、四国、九州というのは、大体状況から見て大変難しいのではないかというふうに思われるわけです。なかなか早期にならないのじゃないか。それは、やはり経営安定基金によって辛うじて黒字になっているという現状を考えますと、株式上場についてもなかなか見通しがつかないのではないか。
 当面、清算事業団がこれらの株式を保有していくと思うわけでありますけれども、将来にわたっても保有し続けるとするならば、この会社が上場をしない限り清算事業団というのは解散できないということになるわけですか、いかがでしょうか。
#93
○政府委員(大塚秀夫君) 今申し上げましたように、三島会社についてもできるだけ早く完全民営化したいと考えておりますが、仮に本州三社等の完全民営化が行われ、また、土地の処分がほぼ終了しましたとした場合には、なお三島会社等の株式を清算事業団が保有するとしましても、主たる業務が終了するわけでございますから、その段階で清算事業団の組織のあり方等については検討しなければならないと考えております。
#94
○渕上貞雄君 現在、清算事業団の職員というのは何人おられるのでございましょうか。仮に解散ということになった場合に、また同じようなことは繰り返さないとは思いますけれども、事業団の職員のあり方、処遇についてどう考えられるのでしょうか。
#95
○参考人(石月昭二君) 事業団の職員数は、平成三年四月一日現在におきまして二千五百二人でございます。
 それから、事業団の解散につきましては、御案内のように、清算事業団法の四十七条によりまして、「別に法律で定める。」こととされております。
 私ども事業団の職員は、土木、建築、用地等の専門技術者がその大宗を占めております。建築士、宅建主任といった各種の資格を持った人がたくさんおりますし、また、職員にはこういうものを取るように、将来に備えて研修等も行っております。それからまた、事業団の職員は、先ほど申し上げました出資会社に頻繁に出向しておりまして、現在八十名近く、出資会社の半分の人は事業団から出向しているわけでございます。そういう形で民間のノーハウというようなものも出資会社に出向した段階でいろいろ積んでまいりますので、そういう点を考えますれば、比較的民間に行くにもウエルカムではないかと、こういうぐあいに考えております。
 いずれにいたしましても、解散ということになりますれば、職員についての雇用の継続、身分の保障等について不安を与えることのないように万全の努力を尽くしたいと思っている次第でございます。
#96
○渕上貞雄君 土地の処分をめぐりまして、地価を顕在化させないというのを原則にしてこれまでいろんな措置をとってきたと思いますが、具体的に説明を願いたいと思います。
#97
○政府委員(大塚秀夫君) 地価を顕在化させない土地の処分方法のうち、現在御審議いただいているのが株式変換予約権付特別債券の発行方式でございますが、実施中のものは建物付土地売却方式、土地信託方式、不動産変換ローン方式でございます。
 建物付土地売却方式につきましては、津田沼、横浜などの比較的小規模の住宅地で現在建物を建設中でございまして、津田沼につきましては五月にも売却を行う予定でございます。
 土地信託方式につきましては、中規模程度の商業地、繁華街等の用地を対象として考えており、渋谷、蒲田、川崎等、これはいずれも駅前でございますが、この土地について信託銀行との契約が現在終了し建物を建設中でございまして、そのうち最も早かった渋谷につきましては、今年度にも信託受益権の売却を行い、土地処分収入が清算事業団に入る予定でございます。
 不動産変換ローン方式につきましては、新宿南、これは旧国鉄の中央病院跡地でございますが、これ一件を処分したところでございます。
#98
○渕上貞雄君 土地の問題について、清算事業団に移換された土地の中で、全国でどの程度の紛争中の件数があるのか、ないのか。それから、現在、土地全体についての登記だとか分筆だとかというのはどんなぐあいになっておるかを御説明願いたいと思います。
#99
○参考人(岡山惇君) 事業団の所有いたします土地につきましては、今後、土地の処分計画に支障が生じないように適正な維持管理に努めているところでございますけれども、これらの土地の中に旧国鉄時代からの貸付地であるとか不法占拠地が含まれておるわけでありまして、事業団発足時には旧国鉄からの貸付地約一万四百件、それから、不法占拠地につきましては約二千八百件ございました。
 このうち、平成三年の三月末までに、貸付地につきましては約五千件、不法占拠地につきましては約千四百件を返還等により処理したというところでございます。
 事業団の使命というのは、今申しましたように、土地を早急に売却して長期債務の償還を行うことから、今後とも精力的に相手と返還であるとか解除の協議を進めまして解決を図っていくことにしておりますけれども、未返還の貸付地及び不法占拠地につきましては相手方と協議が難航するという場合もございますので、必要によりましては法的措置を講ずることにしていきたいというふうに思っております。現在、相手方と交渉が難航し訴訟中のものは六十三件ございます。
 それから、二つ目は、登記の話でございますけれども、事業団に帰属いたしました土地は、御承知のように、八千八百十ヘクタールございましたわけでございますが、その筆数は約五十万筆でございました。この継承登記につきましては、平成二年度末現在二十七万筆を完了いたしております。したがいまして、残っておりますのは二十三万筆ということは相なるわけでございますが、これらにつきましては平成五年度末までに完了すべく、全力を挙げて現在取り組んでおるという状況でございます。
#100
○渕上貞雄君 そういう不確定なものがあれば、いつまでたっても清算事業団は残るわけでありますから、ひとつ鋭意努力していただきたいと思います。
 この不動産変換ローンの方式では幾らの収入が得られるのか。また、地価を顕在化させないという効果と同時に、地価を顕在化させないということを逆に言えば地価隠しになるのではないかといる批判も出てきているところであります。かかる懸念について、不当は安い払い下げにはなっていないと思いますけれども、結局、公開入札方式が一定程度制約をされる段階で処分していかなければならないことから、不当に安い払い下げになっているのではないかという疑惑があるように書かれておる書物もございますが、そういうことがあつたのかどうか伺います。
#101
○参考人(石月昭二君) 本動産変換ローンにつきましては、新宿南の旧中央病院の跡地でございますけれども、ここで昨年の十二月に入札を実施いたしまして、本年の一月に契約を締結いたしました。ローンによる借入金額は二千七百五十億円でござい史す。
 不動産変換ローン方式につきましては、御案内のように、基本的な構成といたしまして金銭消費貸借契約及び土地建物の売買予約契約から成っておりますので、土地そのものの価額ではなくて売買予約上の譲渡価額についても予約の完結したとき、要すれば十五年後にその土地建物の共有持分権を渡すことにしておりますので、十五年後にその変換権が行使される。そういう意味で、土地価額と建物価額の複合化、それから一種の時差と申しますか、十五年後という時点で国土利用計画法に基づく審査等を受けましてその取引価額を届け出ることになりますので、そういう意味で地価を顕在化させない効果は十分にあると考えております。
 それからまた、ローンが安売りだったのじゃないかという御指摘でございますけれども、ローンの金額、金利というようなものは、これは競争入札により決定しておりますし、適正な予定価額を我々が設定し、それを上回っておりましたので、その点ではそういう御心配は無用かと考えておる次第でございます。
#102
○渕上貞雄君 そういう批判がないことをひとつ願っておきたいと思います。
 新たに始めようとする事業団債の方式で土地の処分を予定していますのは、汐留地区のほかにどのような箇所がございましょうか。
#103
○政府委員(大塚秀夫君) その規模、資産価値で汐留と同じような位置づけにあります土地、例えば梅田北操車場跡地、品川の東口あるいは東京の八重洲側及び本社跡地についてはこの候補地として考えております。
#104
○渕上貞雄君 名古屋の笹島地区はいかがでしょうか。
#105
○政府委員(大塚秀夫君) 笹島地区につきましては、現在、事業団において土地利用に関する計画を策定中でございますので、この計画を受けて適切な処分方法を考えたいと思っております。
#106
○渕上貞雄君 じゃ、今申された予定されているような土地についても、やはりそれぞれの出資会社をつくっていくわけですか。
#107
○政府委員(大塚秀夫君) この特別債券発行方式に関する限りにおきましては土地の開発の時期や収益も異なってまいりまして、債券の購入者に対する情報開示、予測等から考えて、それぞれの箇所にそれぞれの出資会社をつくる必要があると考えております。
#108
○渕上貞雄君 大臣にお伺いしたいと思うのですが、今まで議論してきましたように、国鉄の長期債務返済が終わるということは、国鉄の用地の売却、それから、鉄道整備基金からの収入とJRの株式上場によって初めて民間の企業体になるわけでありますし、国鉄の民営・分割化が完成するわけであります。
 したがいまして、土地の売却、JR株式の公開、その上に国民負担分ということで、手厚く今度の清算事業団法で国鉄の債務を整理していく、こういうことになっているわけでありますが、やはり国民の負担を可能な限りゼロに近づけていくような努力をひとつしていただきたいと思いますし、その整理に当たりましては、公正で公平で公開をされた中で慎重にやっていただきたいというふうに思っているわけでありますけれども、大臣の所見をお伺いしまして、質問を終わります。
#109
○国務大臣(村岡兼造君) 本法律案が成立いたしますと、事業団用地の処分の中でも最も重要な汐留の処分について見通しをつけることができ、本格的な債務償還が大幅に前進することとなります。
 特別債券方式の担い手となる出資会社につきましては、債務償還のみならず、都市空間の開発等の観点からも重大な使命を有するものでありますので、先生御指摘のとおり、国民から非難されることのないようは全力を尽くしてその業務に邁進すべきものと考えております。
 運輸省といたしましても、このような観点から常に注意を注ぎ、必要があれば事業団を通じて会社の業務を指導監督してまいりたいと考えております。
#110
○渕上貞雄君 ありがとうございました。
#111
○瀬谷英行君 きょうは、国鉄清算事業団から石月理事長さんに御出席をいただいております。御苦労さまです。
 石月さんが交通新聞に「平成三年度 “債務償還の正念場”」と、こういう記事を載せられておりまして、それを全部読ませていただきました。この中から気がついたことをそれぞれ若干、後ほど質問させていただきたいと思います。
 そこで、今、渕上委員からも御質問がありましたけれども、一体清算事業団というのはこれから先どうやっていくのか。それから、いつこれはその任務が終わるのか。法律でもって決められることになっているというようなお話もございましたけれども、清算事業団自体が将来どういう形態になり、どういう任務を持っていくのか、あるいはこの国鉄の長期債務というものが全部片がついたら、そこで解散をしてしまうのか、その点は事業団の職員全部がやはり懸念をしていることじゃないかというふうに思われるので、その点について、まずお伺いしたいと思います。
#112
○参考人(石月昭二君) 先ほども申し上げましたとおり、清算事業団を将来どうするかという問題につきましては、解散するかというようなことにつきましては別途法律に定めることとされておりますが、土地処分が終わり、債務返還が終われば、これは当然解散することになります。
 また、土地と申しましても、私どもの所有している土地の中では、北海道の山の中とかなかなか処分できない土地も残ろうかと思いますけれども、それはまたその時点はおいて別途、清算事業団以外の処理方式ということもあるわけでございましょうし、国有地として保管するということもあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、清算事業団という組織は永久的な組織ではございませんので、職務の大半が終われば解散することになると。その意味はおきまして、私ども、先ほど申し上げましたとおり、ふだんから職員にそういう時期に備えていかなる場所に転身しても十分にやっていけるような能力の養成を図ってでいるところでございます。
#113
○瀬谷英行君 国鉄が分割・民営になる、ばらばらにばらされた。残ったのは長期債務である、その長期債務を何とかしなきゃならない。
 そうすると、国鉄から土地をそのまま引き受けて、土地というのは、今はいい悪いは別として強大な武器なんですね。したがって、この土地という強大な武器を使っていろいろ売却を行う。しかし、売れば、もう何もなくなるわけですから、ただ売るのじゃなくてちゃんと収益を上げるような売り方をしなければならぬ。そこでマンションという問題も出てくるということになるのでありますが、そうすると、どちらかというと、かつて国鉄の総裁は清算事業団の理事長になりましたけれども、清算事業団自体は何となく後始末といったような、そういう感じになるわけですね。
 そうすると、今度は大臣にお伺いしたいんですけれども、もはやJRを指導するというような立場ではない、清算事業団は。後始末的なことが主になる。先頭切って脚光を浴びるという存在ではなくなってきた。というと、何か海上自衛隊における掃海艇のような、そういう感じを持ったんですよね。あれはやはり正面切って戦うんじゃないんですよね、危険物を除去するといったような仕事になってくる。
 そんなことで、事のついでに、きょうとあした衆参の本会議でもって掃海艇問題の緊急質問が行われるということを聞いておりますので、大臣にもお伺いしたいと思うんです。
 掃海艇問題については、私は、海上自衛隊が出るということ自体、やはり憲法上問題があることは間違いないと思うんです。それから、自衛隊法の九十九条でもって活動の地理的範囲は制約されていないとはいいますけれども、発足の当初から自衛隊というのは専守防衛ということが建前になっているわけです。一万キロ以上も離れたところに出かけていくというようなことは、自衛隊員のだれ一人として考えていなかったことですね。それを考えると、むしろこういう水路を守るとか船の安全のためにとかという仕事になりますと、陸、海、空と分かれてくると、運輸省の仕事になってくるのじゃないか。
 特に、理事長の前歴を拝見いたしますと、海上保安庁長官をやっておられたんですね、ちょうどうまい人が出てきたなと。保安庁長官にお伺いするということじゃないんだけれども、運輸省でこういう仕事をやっていたということを念頭に置いて大臣にも答えていただきたいんです。海上保安庁的な仕事を掃海艇というのはやっているんですよ。その歴史においてそういうことをやったという経験があると思うんですが、それらの点について大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#114
○国務大臣(村岡兼造君) この掃海艇の問題でございますが、政府といたしましては、御承知のとおり、昨日、自衛隊法第九十九条に基づく措置として、我が国の船舶の航行の安全を確保するために、ペルシャ湾における機雷の除去及びその処理を行わせるため、海上自衛隊の掃海艇等をこの海域に派遣することを決定したところであります。
 掃海業務は、爆発物を扱う等、極めて特殊な知識技能を必要とする業務であることから、先生おっしゃいますように、前は海上保安庁に属しておったと聞いておりますが、昭和二十七年の八月、防衛庁の前身であります保安庁の発足に際しまして、海上保安庁から組織、人員、設備を含めて現在の海上自衛隊に移管されたものでありまして、このような経緯を踏まえて行われたものであろうと思います。
 水路部等がございますけれども、この機雷等の爆発物を取り扱う技術、その他すべて二十七年来、海上自衛隊といいますか、自衛隊の方に移っておりますので、そのように認識をいたしておるところでございます。
#115
○瀬谷英行君 朝鮮戦争のときには犠牲者も出たということを聞いております。今度の自衛隊の派遣なんですけれども、これは、もし自衛隊でなくて海上保安庁の所管であったならば余り問題が起きなかったと思うんですよ。ただ、こんなに遠くまで派遣するということに問題がある。そこまで行く必要があるかどうかということも問題がある。しかも、自衛隊が出ていくということについて中国なんかでは大変に神経をとがらせている。東南アジアの国々、かつて日本の軍隊が侵略をした国々にとっては、自衛隊が出かけていくということについてやはり無関心ではいられないと思うんです。
 だから、むしろ掃海業務といったようなことは海上保安庁の仕事として運輸省が持っておればかえっていいんじゃなかったのかなという気がいたしますが、その点どうでしょうか。
#116
○国務大臣(村岡兼造君) 大変難しい質問でございまして、先ほど当時の経緯をお答えしましたが、現状ではそういうような機雷、爆発物の処理その他は、やはり自衛隊に所属している方がいいのでないかと私は考えております。
#117
○瀬谷英行君 自衛隊であらうと海上保安庁であろうと、危険の場合に命をかける点では同じことなんですよね。
 ただ、今回の場合は、わずか三百トンか四百トンの掃海艇、しかも木造船なんですよ。そうすると、寸法やなんかいろいろ調べてみますと、本会議場に斜めに入れるというと、すっぽり入ってしまうぐらいの大きさですね。しかも木造船でしょう。これでもって、この前予算委員会で聞いてみたら、十四ノット、二十五キロです、時速。そうすると、十時間走ったって東京から出れば浜松沖ですよ、せいぜい。一万何千キロの航海です。こんな船は、昔で言うと日本の遣唐使の船、ああいうようなものですな。しかも、インド洋なんかでモンスーンの季節になると、波の高さが十メートルかなんかになっちゃぅ。船がまるっきり隠れてしまうでしょう。そういうものを派遣するということになると、派遣される人間の立場にも立ってやらなきゃいけない。
 その意味では、私は、新聞にも出ておりましたが、後藤田さんが、機雷の除去なんというのは元来当事国でやるべきだということを言っておる。それは当然だと思うんですよね。何で遠路はるばる一万何千キロ、日本からいうとヨーロッパぐらいの距離に出かけていかなきゃならぬのか。余計なおせっかいじゃないかと、こういう気がするんですよ。
 それは、総理の話によると、どこにも頼まれたわけじゃないと、こう言っているそうです。どこにも頼まれたわけじゃないというのが本当ならば、何もわざわざ危険を冒して、しかも、一カ月以上かかるでしょう片道、急いでも。途中で食料も燃料も水も補給しなきゃならない。掃海母艦というのが二千トンだというんですよね。二千トンの母艦というと、大体大島航路の船ですよ、この近辺で言うと。あるいは瀬戸内海の阪神―別府航路です。外洋に出ていく船じゃないですよ、沿岸航路の船です。それが母艦だという。そんなもので、一体一カ月もかけて出かけていって何の役に立つのかなと。行ったころには機雷はなくなっている。もう、残しておいてくれというわけにいかないでしょう、まさか。余り意味のないことじゃないかなという気がするんですよ。
 私は、その意味では、何のためにこういうことをやるのかな、無理をしてやる必要はないんじゃないかなという気がするんですね。将来、例えば、海上保安庁がこういうものを持つとしても、急にはできないことですけれども、しかし、自衛隊本来の仕事というものもだんだんなくなってくると思うんです、近辺の諸国と戦争するというような必要がなくなってくれば、軍艦は要らなくなるわけですからね。そうすると、むしろこういう居住施設を完備した船を備えて、そして、場合によっては遠くへまででも行けるような準備をするということの方が気がきいているんじゃないかというふうに思うんですよ。
 その点は、私は、今回の自衛隊の派遣というのは、これはやはり早まっているという気がいたします。実績づくりだろうというふうに思いますけれども、これは考えてみればむだな話ですよ、こんなことはね。
 そこで、こういう自衛隊法からいうと、ちょっとやっぱり、非常に無理な解釈をしているという
気がいたします。将来の海上保安庁の任務というものを考えてみた場合に、昔のことを考えてみると、ある程度はこういうことも念頭に置いて海上保安庁の任務も考えていいんじゃないかなという気がいたしますが、その点どうでしょうか。
#118
○国務大臣(村岡兼造君) 先ほどもお答えを申し上げましたが、この機雷の問題につきまして海上保安庁で将来これらの処理を考えていったらどうか、こういうような話でございますが、現在のところそのように考えておりません。
#119
○瀬谷英行君 海上保安庁というのは救難活動であるとか、余り暇な仕事じゃないと私は思うんです。もう、要員から船舶からぎりぎりいっぱいの状況だと。ところが、海上自衛隊というのはそういう仕事を手伝わないでしょう、別に。だから、暇なんですよ。あらかた持っていったってちっとも困りはしない、こっちにいても暇だから。
 そういう意味からいうと、むしろ、海上保安庁の仕事を海上自衛隊に手伝わせるということの方が現実的じゃないかという気がいたします。救難活動やらあるいは領海のいろんな警備だとか、そういう面でもっともっと海上自衛隊にむしろ海上保安庁の仕事を手伝わせるといったような意味での連携をこれからやってみたらどうかという気がいたしますが、その点は大臣としてはどうですか。
#120
○政府委員(豊田実君) 現状の説明を私の方からさせていただきたいと思いますが、現在におきましても海難救助等、特に遠距離の海難につきましては、私どもの航空機とか人選に数の限りがございますので、海上自衛隊なり航空自衛隊に応援を求めるということは年に何回かございます。
 したがいまして、今、議論になっております機雷の掃海という極めて特殊な業務ということで過去に移管されたものでありまして、一般的な海難救助自体の業務については海上自衛隊等の応援を求める場面がございます。
#121
○瀬谷英行君 本題にまた戻りますけれども、今、清算事業団の仕事の中でとりあえず汐留なんかが大変に中心になってきているような気がするんですが、汐留の跡をどうするのか。
 これは、レジャー用地にするのかビジネスが主なのか、あるいはマンションをつくる住宅が主なのかあるいは史跡等の保存による観光地的な要素になるのか。やはり土地の使用目的というものは、余りばらばらじゃしようがないと思うんです。何が中心になるのかということをお伺いしたいと思います。
#122
○政府委員(大塚秀夫君) 汐留につきましては、その面積が二十二ヘクタールほどあり、東京の都心に残された貴重な空間でございますので、これについては東京の再開発等の観点からも十分検討、調査しなければならないと考え、国土庁、運輸省等で調査を行った上、清算事業団の資産処分審議会において一昨年の二月に土地利用の基本計画について答申を出したわけでございます。
 この土地利用の基本計画につきましては、もちろん東京都あるいは港区等、地元も参加して結論を出しましたが、この計画によりますと、「土地利用の方針」としまして、汐留につきましては、「国際化等に対応した多機能空間の形成を図るうえから、業務・商業系を主体とする土地利用とする。」ということになっております。そして、「良好な都市空間の形成を図ること等から街区はスーパーブロックとし、基盤整備及び街づくりにおいて一体的に調和のとれた都市整備を進める。」。
 そして、この二十二ヘクタールございます汐留を「四つの土地利用ゾーンに区分」しまして、「新橋・銀座寄りのゾーンは、高度中枢的な業務・商業系」、これからの都市の頭脳になるようなオフィス街。それから、「浜松町寄りのゾーンは、居住機能を含む」、今、先生御指摘の住居等も含んだ「高度な業務・商業系」。それから「両ゾーンに挟まれた」、つまり、真ん中あたりにございます「浜松町寄りのゾーンは、居住機能を含む業務・商業系」。そして、「新橋寄りのゾーンは、文化・交流を主とした」、これはイベント機能あるいは文化施設あるいはホテル施設、そういった機能、施設でございますが、「文化・交流を王とした業務・商業系」、こういう結論が出ております。
 そして、現在東京都で都市計画手続を進めておりますが、東京都の都市計画作業におきましても、ただいま申し上げたようなことを前提としておるわけでございます。
#123
○瀬谷英行君 清算事業団の目標にしておりますところは、地価の不顕在化ということを強調しているんですよね。要するに、地価を上げないようにするということでしょう。だけれども、地価が余り下がってしまったらもうからないということになるんですよね。
 だから、地価を考えてみると、東京一極集中という現象がむしろ清算事業団とすればねらいどきのチャンスになっているわけです。もしも東京から遷都をする、政府もどこかへ移転をする、それから大学も移転をする、各会社の本社も移転をするというようなことになれば、東京は非常にすがすがしくなるとは思うけれども、一挙に地価が下落をして売ろうったって売れなくなっちゃう、こういうことになるんですよね。したがって、地価が高ければ高いほど清算事業団としてはねらいどきである。地価の顕在化をもたらさないようにするとは言いながら、やっぱり地価を利用するということになるわけですね。
 その点、一体これからどういうことになるのか。将来計画というものは、東京の一極集中ということを念頭に置いた上で汐留の開発であるとかあるいは東京周辺の開発であるとかそういうものを進めていくことになるのか、地価問題との関連は一体どのように考えておられるのか、その点をお伺いしたいと思うんです。
#124
○政府委員(大塚秀夫君) 第四次全国総合開発計画におきましても、先生御指摘のように、「多極分散型の国土を形成すること」となっておりますが、この計画において同時に、東京においても今後、今までよりは伸びませんが人口がふえていく。そのために東京の都市の再開発を行い、適切な都市形成をしなければならないということもうたっているところでございます。
 この汐留は、東京の中でも都心の商業地区として極めて枢要なところに位置する空間でございますので、今後、東京の再開発がどの方向に進もうと、やはり重要な商業地としての地位を占めるのではないかと考えております。
 それから、地価の問題でございますが、先生御指摘のとおりで、最近地価もやや下降ぎみでございます。東京では昨年後半には若干下がっているというようなデータもございます。
 ただ、今、清算事業団が持っております東京などの土地は、一等地の中の一等地といいますか極めて開発しました場合に価値の高いところでございますので、それほど地価が下がるものではないと考えております。今までのようにバブル的に上がったところは鎮静化していると思いますが、清算事業団の持っている土地は別に周辺の地価に悪影響を与えるものでもなし、また地価をつり上げるのではなしに、その持っている値打ちといいますか価値によって売却していく方針をとるべきであると考えております。
 先ほど申し上げましたように、清算事業団の土地の価額の総額は、昨年の四月に公表されました平成二年初めの地価公示額によりますと約十五兆円と考えておりますが、今までのようにこれが大幅に地価の高騰に伴って増加していくとは考えておりませんが、これが下落していくことはないと我々は判断しているわけでございます。
#125
○瀬谷英行君 清算事業団の理事長にお伺いしますけれども、あなたがこの新聞で言っておられる中に、不動産の証券化というのはやはりいろいろ考えた末にいい方法だと思うと、それはいいんですが、ただしそうすると、今答弁のあった東京の一等地中の一等地はいいけれども、場所によっては一等地というよりもなかなか売れないような場所もあるんじゃないか。例えば、東北の北上操車場跡地のような広い用地があるけれども処分が難しい、それでも知恵を出せば何とかなると思いますというふうに言っておられるんですよ。どういう知恵を出したらこういうところが何とかなるのかということが一つ。
 それから、どうせつくるならば、「町並みの美学」という本を読んでみたが、後世に残るような芸術的な町並みというものを残したいというようなことを言われている。それは大変にすばらしいことだと思うんですよね。俗人どもに任せれば、それはもう目先の利益だけでもってろくなことはしないという気がするわけです。したがって、長い目で見た場合には、百年たっても二百年たってもそのままの姿で保存をしたいという気持ちになるような土地でないと値打ちはないと思うんです。
 その意味では、例えばパリとかあるいはレニングラードとか、ああいうところは百年も二百年も前の町並みを残しているというふうに聞いているんですけれども、そういう構想というものがおありになるのかどうか。あるとすると、具体的にはどんなようなスタイルのことをお考えになっているのかということもあわせてお伺いしたいと思うんです。
#126
○参考人(石月昭二君) ただいま、先生のお話にございました東北等に広大な貨物ヤードの跡地とかそういうものがございます。しかし、これは大都市から遠く離れておりますし、地元公共団体等も利用計画が全然ないというようなものでございまして、それで、新聞記者の皆さんに何かいいアイデアがありませんかと。早い話が、一つは例えば、最近は自家用飛行機に対する熱が大変上がっておりますので、滑走路付の別荘地で売れないかとか、そんなことをちょっと申したことがございます。
 いずれにいたしましても、そのような貨物ヤードの跡が大分ございますので、こういう用地を何らかの知恵を出して開発してお役に立てる方向を今後考えていかなきゃならぬと。現在のところまだ具体案があるわけではございませんけれども、衆知を集めてこういうものの開発をしていかなきゃならぬと思っているところでございます。
 それから、先ほどの二十一世紀の町づくりと申しますか、私個人の私見でございますけれども、日本の町というのはロンドンやヨーロッパの町に比べますとどうも雑然として、これが世界一の金持ちの国であるかと時々思う次第でございます。
 やはり旧国鉄の跡地と申しますのは国家公共の土地でもございますし、また、この土地で国鉄のOBの皆さん方が汗を流して一生懸命に働いた思い出深い土地でございますので、後世、先輩に見ていただいて、ああやっぱりこういうぐあいによく使ってくれた、地域の開発に役立っているというように理解していただけるような町づくりをぜひしたい、こう考えている。そういう意味で、私どもの職員にも外国の事例等もよく勉強して、少し感性を高めていい町づくりをひとつやるようにということをかねがね言っている次第でございます。
#127
○瀬谷英行君 先ほどの渕上委員の質問の中で、JRの九州、四国あるいは貨物といったような会社の場合に、なかなか思うように収益を上げて株式上場というのにはちょっとまだ手間がかかるようなお話がございましたけれども、その中の答弁で、経営内容の充実によって何とかしたいというお話がありました。
 経営内容の充実で何とかなるならば、とっくに何とかなっていると思うんですよね。人口が少なければ、これはどんなに経営内容の充実を図ったって、鉄道事業なんというのはそんなにもうかるものじゃないですよ。人がいるから物も人も運ぶということになるので、人間がいないで動物だけしか住んでいないようなところは、これはどうにもならぬわけですよね、牛や羊だけじゃどうにもならぬわけですから。
 それを考えたならば、むしろ経営内容だけ何とかさせよう、工夫させようといったって無理があると思うので、そうなると国土計画、人口の再配分というようなことを考えなきゃいかぬ。だから、人が住めるようにしていく、一極集中というものをなるべく排除して地方へ分散させる。地方でも飯が食える、それから豊かな生活ができる、便利な生活ができるというようにしないと、地方の人口はふえないと思うんですね。
 例えば、東北地方の各県でもって人口がふえているかというと、どうなんでしょうかね。人口がふえていれば別だけれども、年々歳々じわじわ減っていくということになりますと、どんなにその地域の鉄道が工夫を凝らして客集めしようといったって、実績を上げることはできないでしょう。そういう点をやはり土地計画、国土計画との調和を図らないと、JRだってそう簡単に経営内容を充実させるということはできないというふうに思うんですが、その点はどうですか。
#128
○政府委員(大塚秀夫君) 先生、御指摘のとおりでございまして、これは運輸省だけの問題ではございませんが、全国総合開発計画における多極分散型の国土形成もまさにそのようなねらいがあると考えます。
 JR北海道あるいはJR四国、JR九州の今後の発展においても、そのような形でそれぞれの地域が人口減少を抑えて発展していくということが重要であると思いますが、また、それを待っていたのではなかなか各社の経営もうまくいきませんので、観光、開発あるいはその他の関連事業を発展させていく。それぞれの地域に密着したことで何とかこれから事業を維持安定させていかなければならない。またそのうちに、多極分散型というようなことでそれぞれの路線の活性化される日が来るということも期待されるところでございます。
#129
○瀬谷英行君 鉄道事業は株式会社にするからどんどんもうけろ、もうけ一方ではいけないと思うんですよね。やはり公共性というものを中心にしていかなきゃいかぬ。
 それから、私鉄とJRとの運賃に大きな差があるというのも、これはよくないと思うんですね。これは分割・民営のうたい文句とはちっとも合わなくなってくる。だから、運賃も私鉄と同じようにしていかなきゃならないというふうに私は思います。それから料金なんかでも、この前もちょっと言いましたけれども、特急料金が高過ぎるような気がします。つまり、高い特急料金でもって少数の人間を運ぶよりも、安くして大勢の人間を運ぶ方が公共性には合っていると思うんですよ。
 その意味で、私は、この前もちょっと言いましたけれども「上野―東京間の新幹線の乗り入れを機会に、そこのところで特急料金を五百円、取るの、千円取るの。ちょうどうまい口実ができたと言わんばかりに特急料金を余計に取ろうというような考え方は、これは大道商人的な発想なんですよね。もっと悪いですよ、これは。三キロそこそこで千円取るなんというのは、これは、もうむしろ大道商人というよりも詐欺師のやり方なんですね。そういう詐欺師的なやり方をこの機会に平然としてやろうというような経営者が出てきた場合に、運輸省はそれに対して抑えることができるのか、指導することができるのか、その点もお伺いしたいと思うんです。
#130
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま先生御指摘の上野―東京間の運賃・料金問題につきましては、この区間、距離はわずかでございますが、新線区間でございますので、新たな運賃・料金を設定するという中で、今JR東日本と運輸省の間でどのような運賃・料金にするかについて非公式かつ事務的に検討しているところでございます。
 具体的な申請はまだ出ておりませんが、我々としても利用者に過大な負担をかけないよう、また、一方で時間短縮効果あるいは経費の増大等もございますが、それが利用者にどの程度サービス改善になるか等も見きわめつつ慎重に、申請が出てまいりましたら取り扱いたいと考えております。
 もちろん、JRの経営者の一方的な、まあ発言が公式にあったかどうかはわかりませんが、そういうものに耳をかすつもりはございません。
#131
○瀬谷英行君 その点は、やはり大臣に特に目を光らせてもらいたいと思います。
 第一、この上野―東京間なんというのは、監理委員会が凍結をするなどというわけのわからないことをやらなければ、まじめにやっていればとっくにできているんですよ。新しい料金をどうするかなんという問題は起きちゃいないんですよね。今ごろできるから、長いことかかって、うんと金がかかったんだから余計取るんだぞというふうなごまかし文句が出てくるわけです。だから、そういうようなずるいことをやらしちゃいけないということを特に私は大臣にお願いしておきたいと思います。
 それから、例えば今の新幹線なんかでも、連休になるとまた相当込むだろうと思いますけれども、東京―大阪間は既に飽和状態ですね。時たま東海道新幹線に乗ると、その飽和状態をまさにまざまざと感じるんですよね。これは本当に何とかしなきゃいかぬです、パンクする前に。
 したがって、この東京―大阪間のようなところはやはりバイパス的な新幹線、これがリニアモーターカーとなるかどうかはともかくとしまして、そういうバイパス的な新線を建設する必要があると思うんです。銭金の問題じゃないんです、これは。建設費が大変だなんて言っていればいつまでたってもできません。こういう点については、やはり思い切って勇断をする必要があると思うんです。
 それから、例えば今度は、逆に東北新幹線や上越新幹線になってまいりますと非常にばらつきがあるわけです、季節によって。それで、その中でも不思議に思うのは、座席指定の車とグリーン車とあるけれども、グリーン車はグリーン料金のほかに座席指定ということになっておりますね。だけれども、あれはやはりグリーン車は座席指定車というよりも座席指定車をグリーン車として、同じ構造の車は、これは普通車とするのが本当じゃないか。同じいすに座っていて、座席指定車というふうに指定されているばかりに座席指定料金を取られるなんというのは、これもまた随分おかしな話だと思うんです。昔はそんなものはなかったですよね、座席指定なんというのは。今のグリーン車に該当する二等車ですら座席指定というのはなかったですよ。
 それを考えると、やはりもう少し単純化をして、そして、客席をむしろ通勤時間帯ではふやしていくと同時に、座席指定という名目で余分な金を取るという不愉快なことはやっぱりやめた方がいいと思う。特にこれから込む季節になると、車掌なんかが容易じゃないと思うんですよ。座席指定車があいております、そちらの方へお立ちの方は行ってください、ただし幾ら幾らちょうだいしますと言うんですよね。あれもどうも、いかにも見え透いた銭取り主義という感じがしてしょうがないんですよね。
 だから、ああいうことは私はやめさせて、そして、むしろ普通車にいっぱい乗せて、そして、片一方はあいてて片一方はいっぱいという状況をなくして平均化する。座席指定車というのは何両かに限定した、これはグリーン車ならグリーン車でもいいから、特別の車で席料だけを取るというふうに単純化した方がいいんじゃないかという気がするし、やっぱり乗っている人がいろいろと妙な感じを持たないで済むようになると思いますが、そういう点も運賃・料金の問題を考える場合に一緒に考えてみた方がいいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
#132
○政府委員(大塚秀夫君) まず、最初の東海道新幹線の問題でございますが、先生御指摘のとおり、最近、東海道新幹線は需給が逼迫しております。
 そこで、当面、東海道線の輸送力増強にどう対処するかという観点から、東海道新幹線輸送力増強問題懇談会を設置して学識経験者等をメンバーとして現在検討しているところでございます。JR東海からも品川新駅の設置問題等を含めていろいろな提案がございますので、それを経済的、技術的に詰めて、できるだけ早く結論を得たいと思っています。
 また、二十一世紀に向けて長期的に考えますと、これも先生ただいま言われましたように、東海道新幹線の輸送力増強だけでは足らず、第二新幹線とも言うべきバイパスをつくる必要があるという問題が出てまいります。
 その点に関しては、昨年から中央新幹線につきまして鉄道建設公団とJR東海が共同で、山岳部のみに限っていた調査を都市部も含めた全線に広げまして、今鋭意調査を行っておりますので、こういった調査の中で将来の需要、建設費等を詰めていかなければならないと考えています。
 また、後で御指摘いただきました東北新幹線、上越新幹線等も含めた座席指定と自由席等の問題につきましては、最近、新幹線通勤がふえているような時間帯については、その人たちの需要にも応ずるために自由席をふやしているというような努力もしているところでございますが、さらに利用者のニーズを十分把握して、JRがそのようなサービスの内容について充実強化させていく、あるいは自由席、座席指定車の配分についても検討していくように指導してまいりたいと考えます。
#133
○瀬谷英行君 通勤者は、足を伸ばして後ろに反っくり返って悠々と行きたいというふうに考えちゃいないんですよね、たかだか一時間足らずなんですから。そういう場合には、むしろ座席の数をふやして、そして、リクライニングシートでなくともいいんだから、多くの人間を座らせる方が立って行くよりはいいんですから、そういうことを考えるべきだというふうに私は思います。
 それから、新幹線、特に幹線鉄道というのは、これは金はかかるかもしれないけれども、金がかかるからといって地元負担だけを当てにするというのは邪道だと思うんですよ。それじゃ、僻地はもう浮かばれません。北海道や九州はいつまでたっても、これはもう新幹線はおろか交通政策から見放されることになる。
 そういうことのないように、いかなる地域にも平等に交通政策の利便というものは行き渡るようにしなきゃならぬというのが基本的な考え方でなきゃいけないと私は思うんですが、その点、大臣にお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#134
○国務大臣(村岡兼造君) 今、瀬谷先生のおっしゃること、全くそのとおりでございます。鉄道三法で整備基金を成立させていただきましたが、これは第一歩だと考えております。
 東北の例なども出されましたけれども、この問題につきましてはこの前も答弁を申し上げましたが、運輸政策審議会に六月ごろ、今後どうあるべきかという中長期的なものも諮問をしていきたいと、こう思っておりますので、先生のおっしゃられましたことを念頭に置いて、当然、もう今の状況では地方の幹線なりいろんなものがなかなかでき得ないと考えておりますので、今後これらの問題にも検討を加えて対処してまいりたいと、こう考えております。
#135
○委員長(中川嘉美君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#136
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として喜岡淳君が選任されました。
    ─────────────
#137
○委員長(中川嘉美君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#138
○片上公人君 国鉄の民営化に当たりまして、三十七・一兆円の要処理長期債務の償還計画が示されましたけれども、まず、その内容について説明をお願いしたいと思います。
#139
○政府委員(大塚秀夫君) 国鉄改革当時の長期債務三十七・一兆円につきましては、JRなどに承継したもの五・九兆円、これにつきましてはJRなどの営業収益により償還することとなっております。
 また、新幹線鉄道保有機構に承継しました五・七兆円につきましては、新幹線貸付料により償還することとなっております。
 清算事業団に帰属しました二十五・五兆円につきましては、土地売却収入により七・七兆円、株式等売却収入としてJR株式の額面相当額〇・五兆円、及び営団出資持ち分の評価額〇・七兆円の合計で一・二兆円、これは何度も申し上げておりますように、JR株式の場合は額面でございまして、実際の売却価額でない形でここでは計算しております。また、新幹線資産の再調達価額と簿価の差額相当額二・九兆円、これは新幹線鉄道保有機構が徴収します貸付料の一部から清算事業団へ収入が入る、これにより償還する。そして、これらの残り十三・八兆円が、自主財源を充ててもなお最終的に残るものと試算を行ったものでございます。
#140
○片上公人君 三十七・一兆円の長期債務のうち、国鉄清算事業団に承継された債務は二十五・五兆円でありますが、六十二年度以降の要処理債務の推移を見ますと、平成二年度首には二十七・一兆円に増大して、平成三年度になって初めて二十六・二兆円に減少する動きになっております。この長期債務の処理は、金利負担を考えますと時間との競争ということでありますが、これまで必ずしも円滑に償還が進まなかった原因を明らかにしていただきたいと思います。
#141
○参考人(石月昭二君) ただいま大塚総括審議官から御説明申し上げましたとおり、国鉄全債務の約七割に相当する二十五・五兆円、こういう膨大な債務を負って清算事業団はスタートしたわけでございますけれども、先生御指摘のように、まさに時間との競争で、大きく元本を減らすような債務の償還ができない限りにおきましては、金利がだんだんふえていくという基本的な宿命を負っていたように感じるわけでございます。
 一方、その償還の方の原資でございますが、株の上場はこれから考える問題でございますけれども、大きな償還原資である土地につきましても、もともとが鉄道用地でございます。その上に線路が敷いてございましたり、それからやはり鉄道用地でございますから、道路条件等、悪うございます。こういうものを全部、線路を撤去いたしましたり取りつけ道路を整備したりということで、もともと商品土地として売るのに相当時間のかかる土地でございます。
 加えまして、事業団が発足いたしました直後の地価高騰で、もう先生よく御承知のとおり、地価高騰地域における一般競争入札という事業団の本来の土地処分のやり方をしばらくの間慎むということになりまして、この措置は平成元年の二月に一応解除されました。されて現在に至っておりますけれども、現実には、地価高騰のおそれのないところは一般競争入札できるということになっておるわけでございますが、地方公共団体の地価対策は非常に厳しゅうございまして、もうほとんど一般競争入札ができないという状態になってきているわけでございます。
 こういう状態を踏まえまして、政府におかれましても、平成元年には、清算事業団の債務の償還の「具体的処理方針」という方針をつくっていただきまして、各般の措置をとっていただきまして、その結果、この平成二年度末には初めて、約九千億、債務残高が減るという事態になったわけでございます。
#142
○片上公人君 六十二年当時、土地や株式の売却によりまして償還を行ったにいたしましても十三・八兆円の国民負担が必要ということになっておりましたが、今日の状況下で国民負担がどの程度になると試算されるのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
#143
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団の債務の償還財源は、土地とJR株式の売却収入が中心でございますが、土地の売却収入につきましては、平成二年度初めの公示価格をもとに約十五兆円と算定しております。この評価は、七・七兆円に比べまして七・三兆円増になっております。しかし、JR株式収入につきましては、当時の試算でもJR株式分〇・五兆円と額面で計上していますが、今JRの処分が間近になっているところでございますので、額面で表示することも不適切でございますが、さりとて、実際にどれだけで売れるかということは、JR会社の経営動向とかあるいは株式市場の動向などに影響されるものでございますので、今の時点で推計することは大変困難でございます。
 したがいまして、現時点で国民負担を明示することはできませんが、いずれにしましても、我々としましては土地とJR株式を適切な範囲内でできるだけ高く売却することにより、将来の国民負担を極力なくすように今後とも努力してまいりたいと考えております。
#144
○片上公人君 長期債務の償還がなかなか進まない状況の中で国民負担がどうなるかということは、これは最大の問題であると思うわけです。それが明らかにされないということは、これは政府として国民に対する義務を全うできないのではないかと思いますが、御見解を伺いたいと思います。
#145
○政府委員(大塚秀夫君) ただいまも答弁申し上げましたように、清算事業団の長期債務の償還財源の一方の主要なものでございますJR株式について、その処分収入が幾らになるかということは、JR各社の経営動向や株式市場の動向により影響されるものでございますので、ここで私どもが一定の数字を申し上げますと、これは処分に当たっての株価に予断を与えることにもなるわけでございます。
 そこで、具体的な国民負担の額というのは、現時点では明らかにできませんが、我々としましてはJR株式も適切な範囲でできるだけ高く売るということによりまして、国民負担を極力なくすということを国民の皆様にお約束したいと考えております。
#146
○片上公人君 平成元年十二月十九日の閣議決定では、土地の処分や株式の売却につきましての見通しが得られないために、本格的な長期債務の処理を行うために「必要な「新たな財源・措置」」を決定できる状況になるまで、当面の債務等の処理方針を進めると、こうしているわけですが、昭和六十三年の「債務の償還等に関する基本方針」で述べているような本格的な処理方針の検討、決定というのはいつになるのかお示し願いたいと思います。
#147
○政府委員(大塚秀夫君) 先生が御指摘のとおり、昭和六十三年一月二十六日に閣議決定いたしました「日本国有鉄道清算事業団の債務の償還等に関する基本方針について」の中におきましては、
 土地処分収入等の自主財源を充ててもなお残る事業団の債務等については最終的には国において処理するものとするが、その本格的な処理のために必要な「新たな財源・措置」については、雇用対策、土地の処分等の見通しのおおよそつくと考えられる段階で、歳入・歳出の全般的見直しとあわせて検討、決定する。
となっております。
 雇用対策につきましては、平成二年四月一日、昨年の四月一日に終了いたしました。その時期が来たわけでございます。一方、土地処分につきましては、平成九年度までに実質的な処分を終了するものとしておりますが、地価対策等の関係もあり、土地処分の今後の確実なスケジュールが立てられない状況にありますし、また、償還財源として期待できるJR株式売却収入につきましては、その処分の見通しを立てることが現時点で困難なことなどから、「新たな財源・措置」の検討、決定につきましても、いつ行うかについては今のところ申し上げられない状況にありますが、いずれにしてもこのような処分の促進を図り、国民負担を極力なくすべく今後とも努力していくつもりでございます。
#148
○片上公人君 償還財源の内容に即して具体的に伺いたいと思います。
 まず、土地の売却につきましては、昭和六十二年当時の試算では七・七兆円と考えられていました。しかし、その後における地価の高騰に伴いまして、この法案で当面考えられておる汐留一カ所だけでも当初試算の二分の一に当たる三、四兆円は生み出せると言われております。もっと多いという見方もあるわけですが、土地売却総額は、現時点ではどの程度になると考えていらっしゃるのか伺います。
#149
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団が承継しました土地は、当時八千八百十ヘクタールでございましたが、現在は約七千四百ヘクタールでございます。
 これにつきまして清算事業団では、昨年四月に公表されました昨年初めの公示価格をベースに一件ごとに再評価して積み上げた結果、その後の開発による上昇等も含めまして、平成二年度初めの地価総額は約十五兆円程度と評価しております。ただ、先般、またことしの地価公示額が出ましたので、この十五兆円についても再精査する必要があると考えております。
#150
○片上公人君 昭和六十二年度以降における清算事業団の土地売却実績を見ますと、平成元年度まではいずれの年度も当初の売却予定に達しておりません。
 この原因につきましては、地価に悪影響を与えないための配慮から、市場原理に基づいた競争入札による売却が六十二年の緊急土地対策要綱等によりまして自粛されたことが最も大きな要因ではないかと思われます。しかし、地価を顕在化させないための各種の手法が導入されて状況も変わってきたと思うわけです。
 そこで、平成二年度について一兆円の売却を予定していたわけですが、実績はどの程度と見込まれるのか伺いたいと思います。
#151
○参考人(石月昭二君) 御指摘のように、六十二年度のスタート以来、地価対策の関係で一般競争入札ができない。したがいまして、土地処分の主流は地方公共団体に対する随意契約による売却ということになってまいりました。ようやく平成二年度に至りまして、不動産変換ローンというような新しい地価不顕在化方式による土地処分が実用段階に入ってまいりました。
 そういうことで、今年度はまだ、現在集計中でございまして正確な数字は申し上げられませんが、そういう新方式が稼働してきたこと、それから、地方公共団体等に対する随意契約というものも積極的に行いましたので、一兆円近い収入が上げられるものと期待しておるところでございます。
#152
○片上公人君 現在、清算事業団用地の処分につきましては、土地信託方式、出資会社活用方式、建物付土地売却方式、不動産変換ローン方式といった各種の手法がとられているわけですが、これらの手法はどのような特徴を持っているのか。これらの手法のうち、土地信託方式及び建物付土地売却方式というのは平成元年度から実施に移されておるわけです。
 いずれも、地価を顕在化させないための工夫であり、公開競争入札によって土地を処分したのと同様の効果を期待しての措置であったと思いますが、目的どおりの実績が得られているのかどうか伺います。
#153
○参考人(石月昭二君) 地価を顕在化させない土地の処分方法というのは、ただいま先生御指摘の幾つかの方法があるわけでございます。
 いずれの手法を見ましても、その特徴と申しますのは、建物と土地の価格を複合化させて地価を不顕在化するとか、またはその土地を金融資産化するとか、それから、実際の土地の処分手続や処分の時期をいろいろ工夫して地価が表に出ないようにする、いろいろな要素があって、これらの要素を組み合わせてつくられているわけでございます。
 現在、事業団で実施しております不顕在化方式のうち、建物付の土地売却は、申し上げるまでもなく、建物価格と土地価格を複合化して一般競争入札でなくて公募して売る点が特色でございます。したがいまして、一般競争入札のように地価を刺激しないということを申し上げたいわけでございます。
 二番目の信託方式でございますけれども、この信託受益権の小口分割方式と申しますのは、事業団の土地に信託銀行が建物を建設いたしまして、これを信託受益権といたしまして小口に分割して売るものでございます。信託期間が約十年でございますが、この期間が終了したら、その十年後に建物と土地を一括売却して受益権を買った人に分配する、こういう方式で、いわば土地の金融資産化を行ったものでございます。おおむね十年後に不動産として売買を行うというところに特色がありまして、その意味で地価の不顕在化の効果は十分あるということでございます。
 三番目の不動産変換ローンでございますが、これは信託のものよりももう少し規模の大きい資産価値の高い土地を事業団の全額出資の子会社に譲渡いたしまして、子会社はその土地の特性に見合ったような建物計画をつくり、将来、土地建物の共有持分権に変換できる低利なローンを募集する。おおむね十五年を経過いたしました時点で不動産の共有持分権への変換を認める、その時点で正式に売買契約が成立するという方式でございます。
 この方式の特徴は、子会社を利用することにより、建物の完成を待たずにローンを受けた時点ですぐお金が入る。この点、非常に我々にとっては債務の償還に即効性がございます。同時にまた、十五年後に売買契約をするので地価を刺激しない、その意味で非常によろしいわけでございます。
 最後は、現在御審議をお願いしております株変債方式でございます。この方式は先般来いろいろ御説明申し上げておりますので、私からは御説明申し上げませんが。
 また、これらの不顕在化方式がどのような効果を上げているかという御質問でございますが、土地信託方式につきましては、渋谷、蒲田、川崎等の土地について信託銀行との契約が終わりまして、現在建物を建設中でございます。渋谷については、今年度中にも信託受益権としてそれを売却をすることができる状況になっております。また、建物付土地売却、いわゆるマンション販売でございますが、これは津田沼、横浜等の土地で現在建物を建設中でございまして、津田沼につきましては五月にも売却を行う予定でございます。この二つにつきましては、まだ売却をしてないという意味で実績はございませんけれども、土地を売却したのと同程度の収入は得られるものと見込んでおる次第でございます。
#154
○片上公人君 地価を顕在化させないことに配慮したこれらの土地売却方式は、確かにその意味では有効であろうと思いますが、売却時期がどうしても後にずれることにならざるを得ないわけですから、早期かつ円滑な債務の償還に影響が生ずる心配があると思いますが、この点についてはいかがですか。
#155
○参考人(石月昭二君) 確かに、御指摘のとおりでございますが、もともとこの不顕在化方式を適用しております土地と申しますのは、監視区域内にあるために公開競争入札はできない。それからもう一つは、地方公共団体からも随意契約によって売ってくれという要望がない土地でございますので、この点どう考えますか、債務償還のおくれというのは国の土地対策によっておくれておるわけでございまして、その意味ではこの方法があるから、国の政策の中で土地の処分が曲がりなりにも進められるというぐあいに解釈できるかとも思います。
 一方、建物付土地売却方式、いわゆるマンション販売、土地信託方式の場合には、建物ができ上がるまでは資金の回収ができませんので、その意味で債務償還がおくれるといえば、御指摘のとおりでございます。
 一方、不動産変換ローンの場合には、先ほどから申し上げましたとおり、ローンを計画して応募していただいた時点にお金が入りますので、これが一番債務償還上はよろしいということになります。
#156
○片上公人君 平成三年度の清算事業団予算によりますと、土地売却収入として一兆五千億円が計上されているわけですが、バブル経済の鎮静化に伴いまして土地投資熱が冷めつつある状況の中で、いまだかつてない大規模な売却目標を達成することは果たして可能なのかどうか心配でございますが、この点について伺います。
#157
○参考人(石月昭二君) 確かに、御指摘のように、昨今の金利の高騰、厳しい不動産融資に対する規制「それから不動産に関する税制の強化、その結果による不動産不況というような風は私ども事業団にもひたひたと押し寄せていることは否めないところでございます。その意味では、非常に厳しい情勢ではございますが、不動産変換ローン等のいろいろな手法を活用して最大限の努力を尽くしたいと考えている次第でございます。
#158
○片上公人君 先ほど、六十二年十月の緊急土地対策要綱に触れまして、地価を顕在化させない土地処分方法について伺いましたが、この要綱では、「異常な地価高騰地域においては、公用・公共用の用途に供する場合等を除き、地価の異常な高騰が沈静化するまで売却を見合わせる」、こうされておるわけです。
 さきに発表された地価公示価格によりますと、都心部を除きましては前回調査を下回る状況も生じておるわけですが、このような地域にありましては、公開競争入札による売却の開始を検討する時期にきているのではないかと、こう思いますけれども、運輸省としてはどのように判断しているか伺いたいと思います。
#159
○政府委員(大塚秀夫君) 先生、御指摘のとおり、今までの実績を見ましても公開競争入札は非常に割合が少のうございます。随意契約が千四百二件に対して公開競争入札が過去三カ年で六百三十七件でございますが、面積は非常に小さいものが多うございますので、金額にしましたら三年合計で八百億円強にすぎません。
 今、御指摘いただきました緊急土地対策要綱につきましては、その後、平成元年二月十日の土地対策関係閣僚会議申し合わせによりまして、「具体的事例に即して、」「地価に悪影響を与えないと判断されるものについて、順次、一般競争入札を行うことができるものとする。」ということになりました。しかし、実際にはそれぞれ関係します地方公共団体と御相談することになりますので、東京のような大都市においては、たとえ小規模の五百平米から千平米ぐらいの土地の処分についても、地元が公開競争入札すると周辺の地価に悪影響を及ぼすということで認めていない状況にあります。
 ただ、清算事業団の土地の処分において公開競争入札が原則であることは現在も変わっておりませんので、その実施、特に小規模用地については地価動向なども勘案しながら、大都市においても地方公共団体など関係者の理解が得られるよう今後努めてまいりたいと考えております。
#160
○片上公人君 日本国有鉄道清算事業団の債務の処理を推進する方法の一つとして株式変換予約権付事業団債方式が考えられたわけでございますが、この方式に限って法改正を行うこととしたのは、これはどのような理由によるのか伺いたいと思います。
#161
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、御審議いただいております法律案での特別債券は、土地を現物出資して取得した株式と交換することができる債券を発行して資金調達をする方式でございまして、この方式を実施するためには、その現物出資によって取得した株式と交換することができる債券を発行することが必要となります。
 この債券につきましては、現在発行されている通常の清算事業団の債券とは別種類のものであることから、新たに発行根拠規定を設けることが法制的に必要となります。
 それからまた、今回の債券につきましては、投資家の保護のために債券の内容、特に出資会社の内容を投資家に情報提供させる必要があることから、証券取引法の第二章を適用する等、必要な規定を設けるものとしたものでございます。
#162
○片上公人君 この事業団債につきましては、汐留債とも言われているぐらいですから、汐留が当面の対象となることは承知しておるわけですが、この方式によって売却を予定されている土地は、汐留以外にはどのようなところが予定されているのか伺いたいと思います。
#163
○政府委員(大塚秀夫君) この特別債券発行方式は、子会社をつくり長期的に株式に変換する特別債券を発行するという複雑な仕組みをとりますので、その仕組みが必要な土地を対象とすることになります。
 そのような土地とは、大規模な用地で資産価値が高く、また、商業地であって一体的な開発も必要だと、そういうことになりますので、汐留が一番適切な例でございますが、汐留以外ではこれに類する大規模用地としまして、現在のところ、品川の東口あるいは梅田北口、また、東京駅の丸の内側の本社跡地と八重洲側の用地、このような箇所を想定しているところでございます。
#164
○片上公人君 この汐留の開発につきましては、都心に残された数少ない大きなスペースでございますが、資産処分審議会も、平成元年二月の「汐留地区の土地利用に関する計画について」の中で、「東京の国際機能等の多様化に対応した都市空間の形成」など、整備に当たっての考え方を明らかにしております。
 今後設立される出資会社は、この考え方に即して開発を行う必要があると思いますが、いわゆる純然たる民間会社が資産処分審議会の意向に沿って事業を展開するという保証、これはどのような形で担保されているか、これを明らかにしてもらいたいと思います。
#165
○参考人(石月昭二君) 資産処分審議会から答申されました土地利用計画というものは、東京都なり港区なり地元公共団体の参画も得、意見も十分に踏まえまして決められたものでございます。したがいまして、今後決定されます都市計画というのも大体この土地利用計画に沿ったものになるわけでございます。
 それから、その都市計画決定というものをまちまして、この出資会社が汐留地区の開発の基本になる基本計画というものをつくります。
 この基本計画につきましては、その基本計画をつくる前提になるところの都市計画決定等の開発上の諸条件、こういうものを都市側と詰めるのは事業団側で詰めるわけでございます、事業団の土地でございますので。事業団は、その出資会社の意向というものを十分に都市計画の開発条件を決める上に反映させる。また、出資会社も事業団が交渉している中身をよく踏まえて基本計画をつくる、こういうぐあいに、まさに唇歯輔車と申しますか一体となって物を決めることになろうと思いますし、また、この会社は事業団の一〇〇%出資の子会社でございますので、その点につきましては、絶対その基本計画からずれたような方向で出資会社が動くということはあり得ないと考えております。
#166
○片上公人君 運輸省の行政指導レベルで考えるならこれはともかくとして、法制度の中で出資会社の事業の展開に一定の歯どめをかける措置は、これは容認されていないのではないかと思います。
 出資会社が利益を追求したり、当初予定している開発事業以外の事業を行い、結果として開発の理念が重視されないような事態が発生するおそれがあると思いますが、これに対して運輸省はどのような措置を講ずる予定なのか伺いたいと思います。
#167
○政府委員(大塚秀夫君) この出資会社の第一義的な目的は、その地域の開発を行うことでありまして、それ以外の開発はついては今のところ全く考えておりません。一方、出資会社は、債券の取得者に対して将来その会社の株式と変換するという権利を与えていることになりますので、その地区の開発、不動産賃貸事業による利益の計上に専念すべきであると考えております。
 したがいまして、運輸省としても、その株式を全額保有しております清算事業団を通じてそのように指導していきたいと考えておりますし、さらにこれから検討する課題でございますが、定款上もその趣旨を明確にするのも一方法かと存じます。
#168
○片上公人君 株式変換予約権付事業団債方式によりまして資産処分を行うに際して設立されるこの出資会社は、どのようなものになるのか具体的なイメージが描きにくいわけでございますが、汐留のケースについてちょっと説明を願いたいと思います。
#169
○参考人(石月昭二君) 出資会社は、汐留の土地において不動産開発事業を行うわけでございますが、まずその開発の基本的プランとも申せます基本計画の策定というところから出発するわけでございます。
 この段階におきましては、主としてプランニングの会社ということになりますが、その後、その基本計画が確定すれば、その実施設計、建物の実施設計をいたしまして、さらには建設工事を実施していく。それで、このビル建設工事が進んでビルが開業に向けて動いていけば、テナントの募集活動というものも行わなきゃなりません。また、完成後はビルの維持管理というようなことも行うことになろうかと思います。
 また、この出資会社は、現在のところ、管理する賃貸床面積といたしましては約八十万平米ぐらいにはなるのではないかというぐあいに考えておりますが、この八十万平米という賃貸の床面積というのは、大手不動産会社のそれに匹敵するものでございます。
 加えまして、この出資会社は、現物出資という形で何ら金銭的な支出を伴わないで汐留という極めて優良な土地を手に入れるわけでございますし、また、何も建物の建っていない処女地でございますので、ここに一番最近の容積率なり用途というものの指定を受けまして、そこで都市計画法上の限度ぎりぎりまでのビルを最新の建設技術を使ってつくる。
 したがいまして、賃料を取る場合にも、従来の賃料ですと物価の高騰分ぐらいしか上げられませんけれども、新しい土地の新しいビルの賃料でございますので、現下に即応したような高い賃料が取れる、そういうことで投資家から相当の評価が得られるような会社になると、このようにイメージしている次第でございます。
#170
○片上公人君 なかなかすごい会社みたいでございますが、汐留地区の開発に当たりましては資産処分審議会の提起した土地利用計画によりますと、業務・商業系を主体とした利用のほかに居住機能を持たせることにもなっておりますが、具体的にどの程度の住宅を確保することを考えていらっしゃるか伺いたいと思います。
#171
○参考人(石月昭二君) 居住機能をどの程度持たせるかという問題につきましては、今後地元の港区と協議していかなければいかぬと考えております。
 港区の「大規模建築物等の建設計画の事前協議に関する指導要綱」と、こういうものがございまして、これによりますと、延べ床面積が「三千平方メートル以上の」「大規模建築物」を建設しようとする者は、「商業地域においては、敷地の面積の五〇%以上、商業地域以外の地域においては、敷地の面積の一〇〇%以上」の「住宅を付置する」ことというぐあいにされておりますが、具体的には今後、港区等の関係機関と協議をして決めていきたいというぐあいに考えておる次第でございます。
#172
○片上公人君 汐留が銀座の外れに立地していることを考えますと、そこに住宅が建てられたとしましても、コマーシャルベースではもうとても一般庶民が住めるような価格で販売されるということは考えられないわけですね。
 都営住宅とか公団住宅を建設するということは考えていらっしゃいますか。
#173
○参考人(石月昭二君) 御指摘のように、汐留地区というのは非常にいい場所でございまして、商業で地価が非常に高い、そういう意味で、都営住宅、公団住宅というようなことはかなり難しい問題が多いのではないかと考えますけれども、このような住宅機能をどの程度導入するかという問題につきましても、今後、やはり地元の公共団体ともよく相談をして決めてまいりたいというぐあいに考えておる次第でございます。
#174
○片上公人君 具体的な開発はこれからという段階ですから、詳細に伺ってもなかなか明らかにできない、あるいは詰め切れない部分もあろうと思います。しかしながら、翻って考えると、この事業団用地は国民の財産でもあるわけでございますから、企業倫理を優先されることなく住宅政策への貢献という視点を失ってもらいたくはないと思います。この点を十分念頭に置いて開発を行うように強く要請しておきたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
#175
○参考人(石月昭二君) 事業団用地は、先生御指摘のとおり、これは国有地に準ずる国家公共の用地でございますので、それとまた、比較的駅に近い大規模の土地が多うございまして、地域発展の核となるような土地も多うございますので、従来から事業団用地の処分に当たりましては、地域発展に資するように地元の意見も十分に聞いて処理をしてまいりました。
 住宅の建設につきましても、地方公共団体等から随意契約の要望があれば積極的に対応してまいった次第でございます。
 今後とも、その方針で行っていきたいと思いますし、また「事業団といたしましても地価不顕在化方式等でマンションの建設、それから、地価の余り問題のないところでは宅地分譲というような形で住宅政策の一翼を担うべくいろいろ努力している次第でございます。
#176
○片上公人君 次に、出資会社について伺います。
 まず、この方式を実施していくために出資会社が必要不可欠であるとは思うわけですが、当該会社の人事、これはどこで決めるんでしょうか。
#177
○政府委員(大塚秀夫君) この法律案に基づきます子会社、清算事業団の出資会社の設立は、清算事業団が中心となって行うものでございますので、この会社の人事も基本的には事業団において決定するものでございます。
#178
○片上公人君 当該会社の人事を決定する際に、その基本的スタンスとなるべき人事構想について、現時点におけるお考えをお聞きいたします。
#179
○参考人(石月昭二君) 一言で申し上げれば、官民を問わず有能な方に全部集まっていただくということでございますが、出資会社は初めに不動産開発にかかわる基本計画をつくる、その後、不動産を建設いたしまして、これの管理運営を行うという純粋な株式会社でございます。さらには、出資会社の株価がいかになるかということが今回の株式変換予約権付事業団債発行の成否を決める問題でございますので、基本的には取引所に上場できるようないい会社にしなきゃなりません。そういう意味で、経営の問題についても非常に高い判断力を持った方にしていただかなきゃならぬ、こういう問題がございます。
 今後、どういう人材を求めていくかということは、開発の各段階に応じて決めていかなければならぬと思いますが、現時点で考えられますのは、いずれにいたしましても、この開発を行うためには多額の民間借り入れが必要でございます。また、その上場の条件としましても十分の財務管理体制を確立する必要があります。したがいまして、財務管理、資金調達、資金運用というようなものに関する高度のノーハウを持った方々、これは銀行から来ていただくことになろうかと思います。
 それから、基本計画の策定に関しましては、やはり都市計画といいますか、アーバンデザイン、町づくりに関する知識が必要でございます。そういうことで、都市計画とか建築計画に関する高度なノーハウを持った方々、それから建築物は、先ほども申し上げましたような最新の技術を使った超高層のインテリジェントビルというようなものをつくるわけでございますので、そういう意味で、超高層建築物の設計施工に関しまして高度のノーハウを持った方々、それからさらには、ビルが完成をいたしますとテナントを入れなきゃならない、そういうテナント募集をする場合のいろんなテナントに関する、営業活動に関する高度のノーハウを持った方々、こういう方々に民間からも来ていただいて、この会社の経営成績を不動のものにしたいというぐあいに考えている次第でございます。
#180
○片上公人君 そういうことであれば、清算事業団の職員の中にもこのように転業する職員も存在するはずでございますので、出資会社にはこういった事業団職員も採用していくことになるわけですね。
#181
○参考人(石月昭二君) 今回の汐留の株変債による開発をここまで持ってくる事前の問題といたしまして、私ども事業団には汐留の諸条件についてずっと勉強してきた職員がたくさんおりますので、当然、基本計画の策定はこれらの職員がある意味では中心になってやるということになろうかと思います。
#182
○片上公人君 以上、出資会社の人事構想等につきましてその具体的な考え方を伺ったわけでございますが、最後にもう一つ伺います。
 ただ単に、この会社が天下りの会社になるのではないか、こういう心配もあるわけでございます。この点についてのお考えを伺いたいと思います。
#183
○国務大臣(村岡兼造君) 出資会社は、事業団の債務償還にとって極めて重要な会社でありまして、事業団とは一体的に業務を行うことになりますので、人的にも事業団と連携する必要があると思いますが、いわゆる天下りのための会社とならないように十分注意してまいりたいと思います。
 そのためには、出資会社の重要性を十分認識し、安定した経営が行える人材を確保できるよう事業団を指導してまいるつもりでございます。
#184
○片上公人君 次に、この方式は具体的にどのような手順で進められるか、これを伺いたいと思います。
 まず、この法案が成立しますと会社の設立準備に入る予定になっておると思いますけれども、では、日程としていつごろ会社が設立されることになりますか。
#185
○参考人(石月昭二君) 本法案を成立させていただければ、私どもといたしましては早速に開発会社をつくる準備室を設立いたしまして、会社の組織その他を検討いたしまして、この会社に対する投資の認可を運輸大臣からいただかなければなりません。その後、定款を決め、会社を発足させるわけでございますけれども、秋以降、年度内には少なくも発足をさせたいというぐあいに考えております。
#186
○片上公人君 会社が設立されますと、開発に関する基本計画が策定され、事業団から土地が現物出資されることになるわけで、この際、基本計画の内容が清算事業団に報告されることになっておりますが、報告を受けた事業団は開発の内容について意見を述べ、開発の理念に即していないと考えられる場合に変更を要求することは、これは可能ですか。
#187
○参考人(石月昭二君) この出資会社は、いわば事業団の分身とも申しましょうか全額出資の子会社でございますし、基本計画の策定自体は事業団と密接な連携のもとに行われますので、事業団の意思を十分に反映して基本計画が策定できるというぐあいに考えております。
#188
○片上公人君 資産処分審議会が幾ら理想的な開発構想を提起しましても、基本計画の策定は出資会社が行うことになっているわけでございますから、建前上、運輸省や清算事業団が一々チェックすることができない、こう思うわけです。
 このような条件の中で、民間デベロッパーが利益優先で行っているような一般的な開発とは一味違った、より公共性が高く、都市計画との整合性のある、国や地方自治体の政策を反映した開発を行っていくことができるのかどうか、これは若干疑問があると思いますが、このような措置を講ずるから心配はないという具体的な対応策をお示し願いたいと思います。
#189
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の特別債券方式の当面の対象用地でございます汐留につきましても、平成元年二月に資産処分審議会で土地利用計画が策定されているところでございます。これから設立されます出資会社も、開発のための基本計画をこの土地利用計画に基づいて策定して、事業団はその基本計画を十分チェックした上でそれを妥当なものとして判断した場合に現物出資を行うこととしたいと考えているので、地方公共団体などの意見を十分反映した開発がなされるものと考えております。
 また、開発に当たりまして必要となる都市計画につきましても、基本的には土地利用計画を踏まえて決定されるものと考えておりますので、この点からも地方公共団体の意見を反映したものとなるものと考えております。
 いずれにしましても、運輸省としても事業団に対してそのような地方公共団体の意見を反映した基本計画を出資会社が策定し、それに基づいて開発を進めていくように十分指導していくつもりでございます。
#190
○片上公人君 次に、特別債券について伺います。
 具体的な数字につきましては、発行するまでの間に今後検討されるわけですが、基本的な考え方を含め、現時点における仮置きの数字で結構でございますから、まずお示し願いたいと思います。この特別債券の発行総額は幾らになりますか。また、その根拠を伺います。
#191
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、御審議いただいております特別債券方式では、特別債券を発行することによりまして、債券発行時において土地を処分したのと同じ程度の債務償還効果がもたらされることを期待しているところでございます。
 そこで、基本的には、現物出資された土地が有する資産価値に見合う金額を確保した上で、なお特別債券の消化が可能であればそれに将来の開発利益の一部を付加する等、できるだけ高い価額で発行したいと考えております。
 最終的な債券の発行額については、債券発行直前の時価等を勘案して資産処分審議会等で定めることになると考えておりますが、当面、候補地として考えられております汐留の場合には、これも先般新しい地価公示額が発表され、また、来年までの地価の推移もございますので、現時点での単なる仮置きの数字にすぎませんが、私どもとしては三兆円から四兆円の間で債券が発行できるものではないかと考えております。
#192
○片上公人君 特別債券は、広く一般投資家を対象として発行されるようでございますけれども、この点を考慮した場合、額面はどれぐらいになりますか。
#193
○政府委員(大塚秀夫君) 一般の転換社債などにつきましては一口百万円の例が多うございますが、今回の特別債券は、広く一般の投資家を対象としており、国民の皆様が購入しやすいように五十万円ぐらいを目安としたいと考えております。これも具体的には資産処分審議会でそのような観点も踏まえて最終的に決定していただくつもりでございます。
#194
○片上公人君 この債券の発行により投資家から調達した金額は、すべてその時点で債務償還に充当されるわけですか。
#195
○政府委員(大塚秀夫君) 本方式では、事業団が特別債券の発行により調達いたしました資金については、これは実質上はすべて調達後債務償還に充当することとしております。
#196
○片上公人君 この債券の発行につきましては、具体的には証券会社に販売委託をされるわけですが、その際、証券会社が販売委託に係る手数料以外に不当にもうけるというようなことはないですか。
#197
○参考人(石月昭二君) この種の債券が発行されることは今回が初めてでございますので、例はございませんけれども、一般に転換社債等の引き受けの手数料を見ておりますと二%程度のものでございますし、また、証券会社は募集する債券のすべてを投資家に販売することが大原則でございますし、また、募集の状況についても取引所であるとか大蔵省等に報告する義務が課せられておりますので、不当にもうけるというようなことはあり得ないと考えております。
#198
○片上公人君 この特別債券は、将来株式に交換される予約権が付されているために、一般の事業団債券に比べて利率を低く設定することが期待されておるわけですが、どの程度の利率を設定する予定か伺いたいと思います。
#199
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の特別債券は、将来出資会社の株式と交換できる権利が付されておりますので、交換の際に一定のキャピタルゲイン、つまり、株式交換の際の評価益のうち投資家に還元されるものでございますが、こういった還元がございますので、通常の事業団債券と比較して低利で発行しても投資家に魅力があるものとなるわけでございます。
 そこで、その金利水準をどうするか、これも最終的には資産処分審議会で検討し、また、専門家にどの程度の金利にすることによって消化できるか判断していただかなければならないわけでございますが、私ども今の段階では、通常の事業団債券の半分ぐらいを考えております。現在、事業団債券十年物で六・四%でございますので、それの半分としますと三・二%というような数字になります。
#200
○片上公人君 特別債券は「国債や転換社債と同様に債券市場における取引の対象になるのかどうか。また、「本債券が株式と交換される時点において、額面に対して一定の割増評価を行う等何らかのスイートナーを付すことが必要になるものと考えられる。」と資産処分審議会の答申は述べておるわけですが、この趣旨と具体的な運用方針について伺いたいと思います。
#201
○政府委員(大塚秀夫君) 昨年十二月の清算事業団の資産処分審議会の答申にもございますように、特別債券はその利率を今申し上げましたように通常の事業団債券よりも低く設定することを期待しているところでございますので、そのかわりに額面に対して一定の割り増し評価を行うことによりまして、額面価額と変換価額との差額の一定割合を投資家に還元することを考えております。
 その場合、交換権行使のときにおいて事業団の新たな資金負担が生じることとならないようにすることが債務償還の観点から必要であり、額面価額と出資会社株式の市場価格の差額の範囲内において割り増し評価を行う考えでございまして、現在の金利水準を念頭に置けば、具体的な分配率としてはその評価益の二分の一程度を考えているところでございます。
#202
○片上公人君 特別債券につきましては、およそ十年程度の償還期間が予定されておると聞いておりますけれども、この期間を経て出資会社の株式と交換されることになるわけですが、この場合、交換価額については転換社債の発行の場合のように、債券発行時に決めておくのか。それとも、交換時期における出資会社の株価の実態に応じて償還時に決定することになるのか伺います。
#203
○政府委員(大塚秀夫君) 事業団の資産処分は、公正かつ適正で、また、国民負担の軽減を図るものでなければならないわけでございますが、そもそもこの方式も土地処分の一つの方式でございまして、交換価額の決定時期も、出資会社の経営基盤が確立されて株式の市場価格が適切に決定し得る時期に公正かつ適正な方法によって決定することが望ましいと考えられます。
 交換権の行使時期は、特別債券が償還を迎えるまでの期間で出資会社の経営基盤が確立して安定した業績を達成し得る状況になった時期以降を基本とすることが望ましいと考えておりまして、おおむね会社設立後十年を頭に描いております。
#204
○片上公人君 株式と交換される場合についてはわかりましたけれども、仮に交換されなかった場合に、特別債券はどのように償還されるわけですか。
#205
○政府委員(大塚秀夫君) 株式と交換しない、つまり、交換権を行使しない場合の特別債券の償還につきましては、償還時期において現金で行うこととなると思います。その場合、債券でございますので、当然元本を保証することになります。
#206
○片上公人君 運輸省は、安定株主対策にも配慮する必要があるという考え方を示しておると聞いておりますが、やり方を間違えますと特定の者に利益を提供するという不公平な結果をもたらすことになるので、これは慎重にしないといけないと思います。
 安定株主として、まず頭に浮かぶのが機関投資家であるが、それが証券会社などの場合、引き受けた債券を特定顧客に販売するという公募の原則に反するような行為、これは認めるべきではないと思いますけれども、見解を伺います。
#207
○政府委員(大塚秀夫君) 債券発行時におきましては、先生御指摘のとおり、特定の機関等に割り当てることなく、一般大衆が公募の手続を通じて購入を図ることを考えております。
 ただ、将来この出資会社の株主について安定株主対策が必要なことも、またこれは事実でございますので、この会社の株式に変換させるまでの間において安定株主対策をどのように進めるべきか等についても十分検討したいと考えているところでございます。
#208
○片上公人君 じゃ、最後に、大臣に伺います。
 本方式の円滑な実施が早期に実現できることを期待しておるわけですが、今後の債務償還について決意のほどを伺いたいと思います。
#209
○国務大臣(村岡兼造君) 清算事業団の債務につきましては、清算事業団が保有する土地及びJR株式の効果的な処分により、できる限り国民負担をなくすよう努力を続けてまいることといたしております。その一環として今回お願いしている清算事業団法の一部改正についても、国会での議論を踏まえ、適切に運用するつもりであります。
#210
○片上公人君 終わります。
#211
○小笠原貞子君 国民の共有財産であるこの用地を処分しようとする汐留の計画というものは、極めて大規模な開発計画になっております。そして、これに参加できるのは大手企業しかあり得ない。こうした用地の処分や開発のあり方に、我が党は絶対賛成できないという立場に立っております。
 先ほどから言われておりましたが、この汐留の資産価値というのは三ないし四兆円と、こうおっしゃっておりました。これが十年後ぐらいに株式を上場し、処分ということになるわけでございますが、株式処分総額はどれくらいとごらんになっていらっしゃいますか。
#212
○政府委員(大塚秀夫君) 最初に特別債券を発行しますのは、先ほどから申し上げておりますように、汐留なら汐留の地価に将来の開発利益の一部を加えたものでございますが、この出資会社がほぼ十年間に不動産を開発し、賃貸業になりましたときに、その株式が市場でどの程度の価格になるかということについては、この会社の内容等にもより、またそのときの株式市況にもよるもので、今の段階で明確に申し上げられませんが、例えば、三千億の資本金額面の会社の株式価額が額面の二十倍で取引されるとなりますと、六兆円になるというように考えられます。
#213
○小笠原貞子君 二十倍で六兆円、三十倍で九兆円という計算になりますね。
 そこで、キャピタルゲイン分は清算事業団と投資家で折半というふうにおっしゃっていると思うんですが、それでよろしいですか。
#214
○政府委員(大塚秀夫君) 最終的に資産処分審議会で専門家の御意見を聞かなければなりませんが、私どもが今仮定のスケジュール、内容等について検討している段階では、二分の一ずつ投資家と事業団に分けるのが最も適当ではないかと考えております。
#215
○小笠原貞子君 結局、十年後に三兆円が六兆円ないし九兆円になる。逆に言うと、六兆ないし九兆円の価値あるものが三兆円ということだから、半額か三分の一で売られる、逆に言えばそういうことになると思うんですね。投資家といっても機関投資家とならざるを得ません。債券の金利は三%の低利でございます。この低利の三%で十年間持ち続けるということになると、ちょっと私は買うというわけには、損するから買わない。やっぱり機関投資家でないと買えないと。つまり、大企業は安く、広く、大きな土地を手に入れる道が開かれたということになるわけです。
 こうしたことから、国民にとって適切な土地処分とは到底言えないと私は思うわけですけれども、いかがですか。
#216
○政府委員(大塚秀夫君) まず第一に、清算事業団の目的は土地の処分でございますので、土地の処分について適正な価額で行うという点については、三兆円から四兆円と今想定しておりますが、決して安くなるものではございません。将来、仮に出資会社の株価が二十倍になるとしましても、それは土地の値段が上がったからではなしに、出資会社がその土地を一体的に開発して不動産賃貸業をやって利益を上げていく、そういう開発利益及び事業収益を前提として株価が上がるものでございます。
 しかも、その株価が仮に上がった場合、これは上がる保証は決してないわけで、三十倍になれば結構ですが、そこまでいくかどうかわかりません。今の不動産事業の株価等を考えまして、二十倍前後ではないかと想定しておりますが、そこまでいきましても、そのうちの評価益の半分は事業団に還元するということを考えておるので、決して安売りするということにはならないと思っているわけでございます。
#217
○小笠原貞子君 キャピタルゲインが半々で五〇%入ってくると。仮に、今出された数字で六兆円ということになりますと、キャピタルゲインは一・五兆円、九兆円になりますと三兆円という、これはもう膨大な利益になると言わざるを得ないと思うんです。
 こうした利益が出るというその背景を考えますと、実際開発の段階には容積率が拡大することを見込んでいるからだと言わざるを得ないと思うんですよね。現在の容積率と、それから清算事業団の利用計画上の容積率、これはどうなっておりますでしょうか。
#218
○政府委員(大塚秀夫君) ちょっと、さっき後半の御答弁をしなかったのですが、こんなに低利では一般の国民が持てないと言われたのですけれども、これは債券の市場を設けまして流通できるようにしますので、途中で持ち切れなくなったら債券を売る、あるいは将来期待できるのだったら持つという自由がございますので、そういう意味で国民の皆様に期待ができる債券ではないかと考えております。
 それから、今御指摘の点につきましては、確かに一・五兆円になりますけれども、低利でございますので、その分が清算事業団に返ってまいります。
 それから、もう一つの御質問の容積率につきましては、現在四〇〇%ぐらいを都市計画決定で一〇〇〇%の区域を広くしていただくというふうに考えております。しかし、一〇〇〇%になるから将来上がるのではございません。これはスケジュールから申しまして、都市計画決定でそういう容積率が決まってからそういう容積率を前提として将来の青写真を描いて債券を発行するわけでございますから、債券発行額というのは、あくまでも開発後のそのような容積率等を前提としてその容積率に基づく地価を想定し、それに将来の開発利益まで加えたものでございますから、一般の土地処分よりは清算事業団にとって有利に展開すると考えております。
#219
○小笠原貞子君 しかし、容積率が上がるということによって当然土地そのものの価値が上がるということは否定できないと思うんですよ。そのことが前提になっているから株式処分の評価も倍や三倍というふうに、容積率が上がったからそういう評価になるというふうに言えるんではないでしょうか。万が一、清算事業団が債券を発行しないで自分でやれば、資産は倍ないし三倍ということになるわけです。
 要は、民間大企業にその利益を分配してあげるということにつながるのがこの株式変換特別債券方式というものの、わかりやすく言ったら仕組みだと、こう言えると思うのです。
 ところで、出資会社はビル等の建設をするというお仕事がありますが、その資金はどのくらいになり、そのお金はどこからお借りになるのですか。政府系金融も考えていらっしゃいますか。
#220
○政府委員(大塚秀夫君) これは、今後もう少し具体的な青写真を描いて明確な建設費等が出てくるわけでございますが、二十二ヘクタールあります汐留地区について減歩を除いた残りのブロックについて貿易センタービル並みの建物を五棟つくる等の計画を仮に描いた場合には、総額、これは数年間の投資総額でございますが、九千億ぐらいになると思います。この九千億につきましては金融機関から、土地が現物出資されておりますので、想像されますのは、土地を担保にして借り入れるということになります。
 政府関係金融機関からの借り入れは今のところ考えてはおりませんが、場合によっては開銀融資等の対象になる可能性はございます。
#221
○小笠原貞子君 六千億、九千億という大変な額のお金です。これを民間で借入できるのか。結局、政府系資金がここにも使われてくるのだろうと、私はこう言わざるを得ない。
 そして、ビルが建てられて、経営基盤が安定して、十年後に株式上場となって、投資家は債券と株式を交換して株主となります。その後、株主となった投資家は、この用地も建物も自由に処分できるのでしょうか、それとも何らかの法的規制はあるのでしょうか。
#222
○政府委員(大塚秀夫君) まず、土地建物につきましては、今後この出資会社について安定株主対策を講じて、中立的な機関による安定株主によってこの事業がその後も円滑に運営されるように我々としても指導していきたいと考えておるわけでございます。
 それから、都市計画に基づく区画が決定しておりますので、これを他の用途に容易に転用するようなことはできませんので、そういう意味において、この出資会社が将来とも引き続き不動産賃貸業をやっていくことを我々は期待し、かつ、そのようになると考えております。
#223
○小笠原貞子君 投資家がこの用地、建物を自由に処分できるのか、交換してもらって自分の持ち物になる、そうしたらそれを自由に処分できるのかということを聞いたんです。
#224
○政府委員(大塚秀夫君) これは、この会社の株式が三千億前後と仮定しておりますので、大変多くの株主がおるので、個々の株主の判断で処分したりすることは、これは一般の民間事業も同様でございますが、できないと考えます。
#225
○小笠原貞子君 だけれども、規制はないんですね、してはいけないという根拠としての何かの規制はあるんですか。
#226
○政府委員(大塚秀夫君) これは、株主というよりも会社の運営でございます。民間会社の場合にはその事業の存廃というのは一応自由でございますが、ただ、十年間の間に一体的開発を行ってビルの管理を行いますので、この会社が株主に対して責任を持って事業を運営していく以上は、そう勝手にこのビルは売った、この土地は売ったというようなことは将来ともできないと考えます。
#227
○小笠原貞子君 実際は処分できないだろうとおっしゃったので、法的なできないという規制、根拠というものはないわけですよね、理論的に言えば。
 それで、出資会社が六千億ないし九千億もの借金をして、万一この会社が負債を抱えた場合どうなるんですか。投資家に対して債券はどうなって、だれが負債の責任を負うことになりますか。
#228
○政府委員(大塚秀夫君) 株式が変換された後においては、これは一般の民間会社と同一でございますので、一般の民間会社が負債を抱えた場合と同じと考える必要があります。
 ただ、株式を変換する前におきましては、これは事業団が監督しております。それから、債券につきましては、株式に変換する意思がない場合には債券の償還を行い、元本を保証する仕組みになります。
#229
○小笠原貞子君 そうしますと、万が一損をした場合は事業団の負担になる。すなわち、事業団の負担は国民の負担と言わざるを得ない。損をした場合は国民持ち、利益を上げれば投資家、大企業が潤う、こんな形で国民の財産を処分されることは極めて大きな問題だと言わざるを得ません。
 我が党は、このような処分自体に反対しているんですが、本来、政府が繰り返し述べてきたのは、一般公開入札で処分すると言われてきました。しかし、みずからの土地政策の失敗が原因で地価が高騰して用地が売れなくなった。同時に、民間、大企業も汐留のような大規模の用地をみずからの資金調達力とリスクの面から一般公開入札で取得することは困難である。
 ところが、地価を顕在化させないという名目で出された今度の方式は、出資会社を設立させることによって大企業は用地取得費を払わず、建設資金の調達も要らず、投資家の大企業にとってこんなうまみのある話はない。国民の共有財産の処分のあり方として公正、適正を欠くと言わざるを得ないと思うんですけれども、大臣、どうお考えになりますか。
#230
○国務大臣(村岡兼造君) 汐留のこの方式でございますが、先生御存じのとおり、国民の貴重な財産でもあり、また、この地域は一体的に開発をしなきゃならぬというような条件もございますし、地価を顕在化しないということでの条件もありますし、私どもとしてはこの特別債券方式で事業団が負っております債務を減らしていくということで考えてまいりたいと、こう思っておるところでございます。
#231
○小笠原貞子君 この方式の最大のねらいは、今大臣もおっしゃいました地価を顕在化させないということでございました。本当に地価高騰に影響がないとおっしゃるのか。私に言わせれば大いに影響がある。
 第一に、容積率の見直し拡大が前提となっていること。今までの地価高騰の主な原因を考えますと、国有地、公有地の払い下げ、容積率などの規制緩和にあったということは、もう明白です。加えて、こうした中で株式の価値が上がり、すなわち土地の価格も上がるということになるのは目に見えていることだと思うんですが、いかがですか。
#232
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の汐留開発におきましても、これから都市計画決定等の手続が行われますが、汐留の地区内においては、公共道路等、公共施設の整備、公園の設置等、その約四割は公共施設に減歩されるものと考えておりますので、残りの街区について容積率が上がるといっても、それは全体の街区形成の中で容積率が上がるものでございますから、その価値の上昇に伴う地価の上昇というのは一般的な地価の上昇とは別な問題だと私どもは考えている次第でございます。
#233
○小笠原貞子君 この汐留地区の開発をめぐって大手不動産、大手銀行がその開発利益を目当てにさまざまな動きをしております。
 単刀直入にお伺いいたしますが、この汐留周辺の土地を住友不動産を中心に住友系グループが買いあさっていると言われております。建設省ないし都で、ダミーを使っての底地買いをやめるようにとの指導をしたことがあったでしょうか。
#234
○政府委員(大塚秀夫君) 私ども、汐留地区の中の開発についてはいろいろ関係省庁とも御相談しておりますが、周辺の既成街区についての土地の取引等については十分承知しておりません。
#235
○小笠原貞子君 私たち、いろいろ調査いたしました。この汐留地区の周辺の土地を五十四年ごろから買い始めています。ピークは五十六年ごろなんです。土地謄本を全部調べてみました。そして、平成二年四月までのを調べてみました。
 土地を買い集めた時期と連動するかのように、八二年三月には臨海地域開発研究会のメンバーに住友が入りました。そして、汐留地域再開発計画報告書を発行しています。こんなに買い集めるのはなぜなのか。やはり汐留の開発利益が大きいというふうに言えると思うんです。五十六年から六十一年当時の時価と汐留が開発されたときの時価評価には格段の差が出てくることはもう間違いありません。大きなこれはもうけのかけだと、私はそう思ったんです。
 それじゃ、ちょっと地図を書いてみたんでございます。(図表掲示)余り上手じゃないんですけれども、ここが浜離宮ですね。グリーンのちょっちょっと入れてあるこの大きなところが汐留地区になるわけです。その間のピンクで埋めてあるところがありますね。このピンクで埋めてあるところを今言った住友の方が買い取っているわけなんです。買い取ってずらっとピンクが並んでいるところは、京浜国道沿いなんですね。ここが汐留地区、そしてここをJRが通ってます。そして、ここが第一京浜なんです。このピンクの買いだめ、第一京浜に沿って買われているんです。
 何だ、小さいじゃないかとお思いになるかもしれないけれども、大体貿易センターとほぼ同じぐらいですね、この一区画、これだけ見ましても。これがどれぐらいの分筆をされていてどれぐらいの地主がいたかということを考えますと、もう大きいところへ行きますと十何人の地主がみんな結局住めなくなって追い出されちゃっているということなんですね。
 そして、この辺の場所も問題なんですけれども、これは第一京浜国道沿い、東京都の都市計画によって大体ここはいいところだというところが押さえられているということなんですね。だから、周辺にもこういう土地買いをやって大きな利益を考えている大企業があるということは、この地図を見ても事実が証明していると、そう思うんです。
 ところで、こういう事実を申し上げてごらんいただきましたが、八九年三月にレールシティ汐留企画というのが設立されております。どんな会社で社長はどなたになっていらっしゃいますか。
#236
○参考人(石月昭二君) レールシティ汐留企画と申しますのは、一つは、汐留の土地が開発されるまでの間、その有効利用を行うための駐車場とか住宅展示場とかそういうような形での暫定利用を行っております。
 もう一つの仕事は……
#237
○小笠原貞子君 いや、仕事を聞いているんじゃないの。だれが社長になっているかということを聞いているんです。
#238
○参考人(石月昭二君) 社長は吉瀬維哉元開発銀行総裁でございます。
#239
○小笠原貞子君 はい、わかりました。
 今、おっしゃいました社長の吉瀬さんとおっしゃる方は、国鉄再建監理委員会の委員長であった住友の亀井さん、御存じだと思いますが、亀井さんと一緒に再建監理委員を歴任した人なんです。また財団法人トラスト60の会長でもあります。
 このトラスト60というのは、理事長以下役員は、住友信託銀行を中心としたメンバーで構成されている住友系の団体です。監理委員長をやっていらした亀井さんも役員に名を連ねていらっしゃるわけです。つまり、住友グループとの深いつながりのある人がレールシティ汐留企画の社長になっている。そのことは、今まで私が指摘したこととあわせて、国民から疑惑を持たれても不思議ではないというふうに言わざるを得ないと思うんです。
 そして、きっと疑惑はないとおっしゃるだろうから、時間がないので私言いますけれども、疑惑はないとおっしゃるだろうと思いますが、それでは汐留開発会社の役員にそういう住友関係の人たちがなるということはないということでございましょうか。
#240
○参考人(石月昭二君) 汐留企画の吉瀬社長につきましては、先ほど申し上げましたように、開発銀行総裁、その前は大蔵次官をおやりになり、また、再建監理委員会の委員をおやりになりまして、国鉄問題につきましては高い見識と深い御理解を持っていらっしゃる方でございます。私どもは、そういう吉瀬社長の幅広い識見をこの汐留開発に生かしていただきたいということで社長にお迎えをいたしたわけでございまして、決して住友グループの汐留開発というような具体的問題にかかわっていらっしゃることはございません。
 そういうことでございますので、今後、会社に住友グループの人が入るかどうかというような御質問でございますけれども、現在、まだ会社も設立している段階ではございませんし、先般来申し上げておりますように、この会社をいい会社にしてできるだけ高い株価になるように育てることが特別債券方式の成功につながるものでございますので、官民を問わず、広く有能な方がおればどこからでもいただきたいと、このように考えている次第でございます。
#241
○小笠原貞子君 役員として入られたらしようがないから、入られるか入られないかの前できちっとそこを押さえておきたいというので、私は今取り上げているわけですね。
 今度つくられる会社がいろいろな技術だとか高度の知識、知恵だとかノーハウを持った方たちの御参加をいただいて、そして、今おっしゃったような成果も上げられるいい会社にしたい、こうおっしゃっているわけですけれども、じゃ、そういういろんな技術を持ったいろんな方面の方たちが会社の職員になられる、その職員というのは、公務員や清算事業団職員と同じように守秘義務というのはあるんですか、ないんですか。また、贈収賄を受けたときの罰則の対象になるのかどうか、その辺はいかがですか。
#242
○参考人(石月昭二君) この出資会社は、純粋なる民間会社でございますので、一般公務員のような守秘義務、そういうようなものはないことになります。守秘義務その他の特別の義務はございません。
#243
○小笠原貞子君 当然、民間会社だからそういう義務はないと思うんです。
 そこで、問題なんですね。この汐留一つとってみても、莫大な発注額となる。出資会社に大手の不動産、建設関係者が入ってくれば、当然さまざまな情報が漏れることになる。そして、不正、腐敗、権利の温床となっていく可能性をはらんでいる。国民の財産の処分に当たって、このように法的規制を全面的に除いて民間会社に丸々これをやってしまう、これは大企業と密接につながるいろんな問題を起こすのではないか、非常に重大な問題だと、こう私は思うんです。
 そういう関係について大臣はどうお思いになるか。そしてまた、大臣は、少なくともそういう出資会社に対する監査とか国会に対する報告など、最低限のところこういうことくらいは行うべきだと私は考えるんですけれども、いかがお考えになりますでしょうか。
#244
○国務大臣(村岡兼造君) 開発計画を策定するに当たり、御指摘の点は注意を払わなければならないものであると考えております。
 しかし、開発計画は地元自治体も参加して策定されました土地利用計画のもとに策定されるもので、中立性は十分担保されているものと考えており、また、開発の実施段階におきましても、そのような疑念が生じないよう事業団及び事業団を通じて政府が十分指導監督してまいりたいと考えております。
#245
○小笠原貞子君 そういうことがあってはならない、そういうつもりはないと。けれども、それを保証するきちっとした根拠はない。だから、私は大臣に伺ったわけよ、出資会社に対する監査、国会に対する報告など、最低限そういうことはお考えになれないでしょうかと。大臣のお考えを伺いたいわけ。
#246
○国務大臣(村岡兼造君) 指摘の点がありましたり質問がございますれば、十分報告をするようにいたします。
#247
○小笠原貞子君 はい、わかりました。
 済みません、資料をお渡しください。
   〔資料配付〕
#248
○小笠原貞子君 ローカル線廃止後の第三セクター等、いわゆる転換鉄道への自治体の負担がどんなになっているかということを、私、全国の自治体にお願いして調査した結果が今お手元に差し上げた表でございます。
 これは、現在のところ三十三社三十八線だったと思います。そして、ここで「自治体負担」という欄がございますけれども、これは第三セクターの場合、自治体が負担いたします。そして、基金として運営費がかかって、それを出しております。周辺整備がございます。そして、今後あれもしなきゃ、これもしなきゃというようなお金、そして、税金等を減免しているというような負担を全部一覧表に書いてあるわけです。
 特定地方交通線の廃止に伴って第三セクターに転換した鉄道の経営というのは、今、私は全国的に曲がり角にきていると言わざるを得ないと思うんです。転換してから欠損補助が切れる五年を超えている第三セクターも既に出ておりまして、この機会に全部、三十三社三十八線調べてみたんです。そして驚いたことは、非常に自治体負担が大きいということなんです。
 この「自治体負担」を見ますと、初めの方になるんですけれども、「出資」、これが自治体として八十五億二千五百十万円という数字になっていますね。それから「基金運営費」として出しているのがその次の欄、九十六億一千八万円、それから「周辺整備」、ここで二十六億五千八百七十万円と出ています。「その他」で支出しているのが六千五百十三万円、こういうお金になっております。それに「今後の支出予定」、これは出さなきゃならないお金、この欄を見ていただきますと、六億九千八百万円というのが予定されておりまして、今まで出している、そして具体的に今後必要になるというお金を加えますと、合計二百十五億五千七百万円なんです。それに加えて、「税等の減免」という、この負担分を加えますと、約二百二十億円という金額が最低出てくるんです。二百二十億円ですね、大体。このほかに、今後欠損補助が五年で切れるということになりますと、基金や運営費ということで支出しなければならないことになって、大変な状態になっております。
 平成元年度で三十二社中二十四社が、「経常損益」、一番最後の欄ですけれども、赤字になっておりまして、実に七五%に当たります。営業損益では二十六社ないし二十七社が赤字を出しております。赤字分は補助がなくなり、自治体は基金を積むなり運営でカバーするということがここで起こってくるわけです。
 例えば、具体的に申します。上の欄に北海道が出ているんですけれども、この北海道の唯一の第三セクター、池田ー北見間のちほく高原鉄道は、経常損益は三億九千百万円の赤字を出しております。助成基金は道と支庁で二十二億六千万円を積み、これらを含めると八十一億となる予定です。補助が切れますと、毎年四億ずつ取り崩すことになり大変だという問題になっております。
 ちなみに、大臣のところも調べさせていただきました。秋田でも秋田内陸縦貫鉄道、経常損益は一億四千六百万円出しております。これは四年間続けて赤字で、自治体の支出も十一億となっております。そして、秋田内陸縦貫鉄道の利用者はどうかというと、利用者の運賃は二・五倍になっているわけなんです。今度、私、全国を調べて具体的な数字が出たときに、これは本当に今何とかしなければならないときが来たと、そう思いました。
 そこで、これら各県からの要請、秋田も含めて欠損補助金継続の手だてをぜひしてほしいというのが要望でございました。
 またもう一つ、各自治体は第三セクターに対し固定資産税等の減免措置をしている。先ほど申し上げましたが、大変な額。これは現在、課税標準を二分の一としているということなんです。その分は交付税で算入されることになっていると、簡単に言うと言われるわけですけれども、全額負担している。半額じゃなくて全額負担しているというところもございます。こういうふうに見てみますと、自治体の負担が深刻になってきている。だから、減免のための自治体負担の軽減措置の検討をぜひ運輸大臣としての立場から自治大臣にも話して、御検討いただきたいということなんです。
 こうやって、利用者は運賃を二倍半くらい出して、自治体はもう何十億と出して、それでも赤字が続いていくと結果的にはどうなるんだといったら、これは鉄道はつぶれなきゃならない。そこでもう足はなくなってしまう、住めなくなってしまう、部落は消えちゃう、ふるさと創生どころかふるさと滅亡の寸前に――笑っていらっしゃるけれどもそうですよ、という重大な問題なので、あえて私は、やっぱり国民の足を守り、そして地方の暮らしを守るという、そういう立場から考えるならば、これはもう大臣としても、運輸大臣としての立場でこういう線を何とかしてくれないかというようなお話し合いを自治大臣とも御相談なさらなければいけないと思うんですね。きっとここまでの数字で大変になっているという御認識はないんだと、私はそう思うんですね。
 それはもう、お忙しい中だから当然だと思いますけれども、こうやって各県に御協力いただいて調べました数字でございますので、どうか大臣としても運輸大臣の立場で御相談をいただくということをお願いして質問を終わりたいと思いますが、どうぞよろしくお願いをいたします。
#249
○国務大臣(村岡兼造君) 二点あるようでございますが、転換鉄道等を運営する事業者にとりまして固定資産税負担がその経営に影響する場合があることは十分承知をいたしております。この問題につきましては、税制改正要望として、まず自治大臣に会う前にこちらの方で検討したいと考えております。
 また、運営費補助の問題でございますが、これらも今御指摘をいただきましたので検討いたしますけれども、前の時点では五年間限りということになっている問題だと思います。それについて自治省とも、過疎の問題で解決できる場合があればまたそういう検討をいたしまして、まず私の方で自治大臣に会う前に検討いたしたいと、こう思っております。
#250
○小笠原貞子君 よろしくお願いいたします。
#251
○粟森喬君 今回、清算事業団法を一部改正して、いわゆる特別債券方式を導入しようとしているわけでございますが、この間の質疑の中でもかなり明らかなように、一つは土地の値段を顕在化させないという、そして、それで公正確保していくのだという立場でございますが、現状では幾つかの点がまだ明確でないことによって、公正という面が果たして確保できているのかどうかということに幾つかの疑問がございます。そんな立場で幾つか、まずお聞きをしたいと思います。
 一つは、地価を顕在化させない方法としては土地信託方式やあるいは建物付土地売却方式などがあるわけでございますが、今回、土地価格が明確にならないということとの関係で、幾つかの方式がある中でこの方式を選んだ最大の理由は何なのか明らかにしてほしいと思います。
#252
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の特別債券発行方式については、三つほど特色があると思います。
 一つは、地価を顕在化させない。これは土地を証券化しまして、直接処分するのでないので地価そのものがあらわれないということでございます。この点については土地信託方式あるいは不動産変換ローン方式と同様な目的でございます。
 それから、もう一つは、大規模用地について特に地方の振興、地域開発との関係でこれを切り売りするのではなしに一体的に開発していく必要がある、この目的を達するための方式だということでございます。
 それから、三番目には、このような大規模用地の処分価額というのは巨額に上りますので、これを特定の企業から調達するということは困難であり、また適切でない。できるだけ土地を証券化し、証券市場で流通させることによって広く国民から調達する。
 このような目的、三つ挙げましたが、これによって汐留等の大規模用地の処分を行うために法律の改正をお願いしているところでございます。
#253
○粟森喬君 それでは、具体的に幾つかお尋ねをしたいと思います。
 まず、債券の額面は先ほどから五十万円という言葉が出ていますが、現実の売買価格というのは額面どおり売買されるのか、それとも抽せんなんかで額面どおりやるのか、入札をしてやっていくのか。それから、債券口数というのは幾つつくるのか、そこをはっきりさせてください。何口ですか。
#254
○政府委員(大塚秀夫君) 債券は当初から額面どおりで公募する予定でございます。
 それから、何口出すかというのは、一口五十万円、これは一般国民が調達しやすいように五十万円を今考えているということを先ほども申し上げましたが、何口出すかは債券の発行総額との関連でございまして、債券の発行総額につきましては、汐留なら汐留でその債券を発行するときの時価と将来の開発利益の一部とを合わせた額で、その債券が市場で消化できるような額を考えているわけでございます。
#255
○粟森喬君 いずれにせよ、今回の問題で、これはもう具体的に汐留の土地をやることを前提にしていますから、債券の総発行口数というのは、いわゆる土地の価格との関係でこれは連動するというふうに理解していいんですか。
#256
○政府委員(大塚秀夫君) この債券発行方式も他の不顕在化法と同様に土地を適正な時価を基準として処分する方法でございますから、当然土地の時価と連動いたしますが、ただ、時価だけではなしに、それにプラスアルファを考えるように総額を検討していくことになろうかと思います。
#257
○粟森喬君 プラスアルファと言われましたが、土地を買えば当然そこにプラスアルファがあるのと一緒で、その時期におけるいわゆる五十万掛ける何百万口かで実際にそれは汐留なら汐留の価格が決まると同じ意味を持っていると思います。
 その辺、プラスアルファという意味は、どんな土地も、例えば、私どもの住んでいるローカルなところの土地の価格と東京の価格が違うというのは、そこに将来、その土地の活用の仕方によって価格の差が出るのですから、販売のとき、これは平成四年というふうに聞いていますが、それはそのときの汐留の土地の価格を決めることと同じ意味に通じませんか。
#258
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、その債券総額を対象となる土地で割ったら単価が出るから、それが汐留の価値じゃないかという見方もございますが、この不顕在化たるゆえんは、それが単なる時価ではなしに、将来その出資会社が不動産開発事業をやり賃貸業をやり利益をもたらすとその株価と連動するという点で、単なる時価じゃなしに開発利益の一部も吸収できる、あるいは時価そのものでないというようなことで不顕在化と考えているわけでございます。
 これは、清算事業団の建物付土地の処分においても、清算事業団側では土地が幾ら建物が幾らと考えているけれども、その両方を対外的に示すことによって地価が中に隠れるという点と同じで、我々あるいは清算事業団の資産処分審議会においては、その中で地価部分は幾らということは当然頭に置いて計算することになろうかと思います。
#259
○粟森喬君 どうも運輸省の考えていることは、土地がだめなら株という、バブルの象徴的な二つのうちの株を中心にして運用しようとすることが清算事業団法の基本的な考え方、すなわち、清算事業団というのは、いわゆる国鉄の承継債務を速やかに国へ償還をするものはする、国民負担を明確にする、こういう精神から見ると、この辺はかなり問題があると私は思っています。
   〔委員長退席、理事渕上貞雄君着席〕
 それから、特に申し上げておきますが、債券額面が五十万で固定をするわけですから、それが何百万口出されるかによって応募者とかそんなことも非常に動いていきます。しかし、現実に十倍だったら、それは抽せんに当たった人、これを公正と見るかどうか。抽せんは確かに公平な方法です。しかし、もらえた人ともらえない人で、そこで利益がまたいろいろ分散化する。
 まさに、株式市場原理をこういう格好で、今度は、土地はだめだけれども株をもらえた人ともらえない人との間で、それは不正があったのではないかとかいろんなことがある。もちろん、私は公平に公正にやるというふうに認識をしているし信頼しています。しかし、それでもその部分に幾つかの問題が出てくること、それから、土地の処分が明確じゃないこと、そういうことで問題があるというふうに思いますが、そこはいかがでございますか。
#260
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、先生御指摘のとおり、公募をした場合に応募が多過ぎて大変な抽せんになるというのは適正な姿ではないと思います。
 それは、債券発行総額が少な過ぎて魅力が多過ぎる、将来、株式に転換したときの株式評価益が大きいからそれだけ応募しようというので、その辺を専門家で検討していただいて、余り人気がないのも困りますが、人気があり過ぎないようなそういう中で債券発行総額を決めることが、これは清算事業団が一番この土地を処分するにおいて多額な収入を得ることにもなりますし、将来に問題を起こさない。
 この辺が一番難しい問題で、私どもも仮に幾らぐらいかというので、汐留の場合に三兆円から四兆円を想定していると言っておりますが、なるべく幅を持って申し上げたいのは、その辺を発行直前の株式市場の動向、債券市場の動向、また、将来の発展性、また、そのときの地価、総合的に考えて今先生の御指摘の問題が起こらないように考えるというのが、この資産処分審議会において特別債券を検討するときの大きな課題の一つだと考えております。
#261
○粟森喬君 国の財産を土地で処分するのか株で処分するのかというときに、今度は株になったわけですが、株というのは、私は余り売買を現実にやったことがありませんからわからないですが、やっぱりいろいろな要素、例えば、NTT株のときでも発生したわけでございますから、十分この辺については留意をしていただきたいということがございます。
 その上で、もう一つお尋ねをしておきたいと思います。
 今度、汐留にできる子会社へ土地の現物出資をすることになっています。これは現物出資するときにこの子会社へ所有権、登記というんですか、あれを移転するわけですね。これは移転をするということに相当するものを株でいただくのか。いわゆる特別債券を売った分、これが旧国鉄の長期債務に、これは三兆とか四兆というふうに言われましたが、その時点で入るのかどうか。これは普通の商取引上からいえば、登記が終わるときに何らかそこが明確になっていなかったら――特に国の財産でございますから、その辺ははっきりさせていただきたいと思います。
#262
○政府委員(大塚秀夫君) この土地の処分については、あくまでも現物出資と株式の保有との相対的な関係でございます。
 ただ、一方で債券を発行することによって、その発行に基づく調達資金によって長期債務は直ちに償還するわけでございますが、あとはその債券の償還義務と株式の保有というのが将来交換されて相殺される、そういう仕組みだと理解しております。
#263
○粟森喬君 二つ問題があると思います。
 一つは、ここで汐留の土地が三から四兆円という値段で、実際にそれで価格が決定してしまうということが果たして正当な評価なのかどうかという問題です。
 二つ目に、今度、子会社がつくられるわけでございますが、これは純民間会社に将来想定されています。旧国鉄の改革法をつくられたときに、いわゆる旧国鉄の改革法に基づく国鉄改革の実施状況の国会への報告は五年間、これは平成三年度までです。三年度末になれば、この子会社はいろいろ言っても、本当に国が責任を持って我々にというか国民というか国会に報告する義務がなくなる。
 お聞きをすれば、この会社がいわゆる特別債券を株に転換するのが約十年後と言われています。報告義務がなくなることと、この子会社の運用というのが不明朗というか不透明というか、まだ全然、何をどうやるのか役員がどうなるかもわからない、株の最終的な転換のときのやり方、方法なども一切わからない。改革法との関係でこの部分はどうされるおつもりなのか、ここは明確にしてほしいと思います。
#264
○国務大臣(村岡兼造君) 清算事業団は特殊法人でありますので、財政法第二十八条に基づき、毎年国の予算とあわせて清算事業団の資産、負債、損益等の状況を示す予算参考書類を国会に提出いたしております。
 平成四年度以降においても、この書類により、債務処理の基本的な状況については報告できるものと考えておりますが、さらに国会審議の過程及び御要求によりまして、適宜適切に報告を行ってまいるようにしたいと思っております。
#265
○粟森喬君 私は、この法律がつくられた経過、過程をつぶさには承知をしていませんが、附則の中で、殊さらここに「五箇年間」と入れた意味は、一定の国鉄清算事業団の債務償還とJRの各社の経営状況をやっぱり国会なら国会に報告するということでやったわけでございますから、少なくとも今度の清算事業団法の改正は、単にそれだけでないと思います。
 例えば、「土地の処分の方法等」と、「方法等」を入れたということは、「等」というのは物すごくエンドレスにこの土地を使っていろんな事業活動をやる、それが最終的にどういう結論を持つかということについてやっぱり国民というか国会に対して――今の財政法というのは、これは一般的にわかります。私どもは、そういう意味ではいろんなことについて聞くこともできます。しかし、現実に、JR各社の経営内容について私はこれだけで掌握するのは不可能でございます。
 しかし、これがあることによって私どもはある程度やっているわけですから、少なくとも附則の部分のこの「五箇年間」の性格について、これで終わりというのでは私は意見があるし、当然、この部分については今後の法改正なりで継続についてどういうふうにするか、具体的に答弁願いたいと思います。
#266
○政府委員(大塚秀夫君) 国鉄改革法の附則で、六十二年度以降五年間、国鉄改革の実施に関する施策の状況について国会に報告するとなっておりますのは、国鉄改革後ほぼ五年間で、国鉄の改革の趣旨からJRも民営化の軌道に乗るというような趣旨から五年間が決められたものと理解しております。
   〔理事渕上貞雄君退席、委員長着席〕
 先生、御指摘のとおり、確かに、清算事業団は、まだ平成三年度を過ぎても、四年度以降もいろいろ問題を抱えておりますが、今大臣からも申し上げましたように、清算事業団そのものにつきましては、貸借対照表、収支計画等について国会に提出されます。
 もちろん、この表等を見ただけですべて清算事業団の内容がわかるわけではございませんが、これが提出されるというのは、それに関連していろいろ国会で御質問を受けた場合にも私ども報告する必要があると認識しておりまして、今後もこの会社を初め、土地の処分等についてできるだけオープンに、これは国会だけじゃなしに国民に対してもですが、疑惑を招かないように、また、どのように処分が進んでいるかについて情報を開示していきたいと考えております。
#267
○粟森喬君 今の、できるだけというのは、結果的に、この種のやつを出すというのは、これからこの形式はなくなるわけですね。現実に、今、改革法をつくったときとかなり状況が変わっているんです。
 例えば、今、清算事業団は、特別債券の方法で土地を利用して事業活動をやるということです。それから、整備新幹線の問題とJRの問題などJRの経営についても、例えば、これからの整備新幹線の負担分であるとかそういうことについて、一つ一つこれは鉄建公団の問題も含めてそういう報告義務を行政の側が国会なら国会に対してやることを少なくしていくというのは、まだ、今これだけ不確定要素がある中でできるだけということではやっぱり問題があるんではないか。
 やっぱり、明確にこの部分は、今後の検討事項としてどういうふうにするか明らかにしてもらいたい。
#268
○政府委員(大塚秀夫君) 法律上はそのようになっておりますが、これは国会の場で今までもいろいろ資料の提出等させていただいております。今後も問題がある事項については私ども資料の提出等行い、国鉄改革の今後の総仕上げの段階になるのかもわかりませんが、そのような状況について先生方の御指導を仰ぎたいと考えております。
#269
○粟森喬君 そこで、事業団の関係についてもう一度戻ります。
 事業団は、実質的に子会社ができて、これは一〇〇%株を持っているわけですから、実質責任がございます。私どもにいただいた仮置きの経過などを見ましても、幾つかの問題を現実には持っていると思います。
 例えば、特別債券を出しますと、それを将来株にかえるわけですね。株の額面と、この交換の単位は幾らと考えていますか。
#270
○政府委員(大塚秀夫君) 債券の発行に伴います債券一口について株券一口と交換することを考えておりますが、その株につきまして評価益が出ました場合には、今のところこれも資産処分審議会でさらに専門家の御意見を聞かなきゃなりませんが、評価益の部分について二分の一は投資家に還元し、二分の一は事業団に還元するということになっておりますので、事業団への還元分について株券に追加してお金を払っていただき、そして株券にかえる、こういうことに手続的にはなろうかと思います。
#271
○粟森喬君 今の点でございますが、私は余りにも不確定要素が多過ぎると思っています。
 といいますのは、先ほどからの同僚委員の質疑を聞いていても、一〇〇%出資してそこにいい人材を集めていいやり方をすると言いますが、私は、この種の大型プロジェクトは、これまでのいわゆる国鉄なり清算事業団の持つ人材だけではとてもじゃないが無理だと思います。
 いろんなことを考えたときに、この株がそういう交換で果たして適当なのかどうか。それから、キャピタルゲインを生むのかどうかということも、これは一つの試算といいますか仮置きの数字としては、なるほどそういうふうになればそうなのかというふうに思いますが、この不確定要素に対して清算事業団が責任を持つというなら、それは国が責任を持つことでございます。
 その二つを考えたとき、この不確定要素のところにどういう保証といいますか公正確保がされているのか、もう一度そこは答えていただきたいと思います。
#272
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、十年後あたりの公開されたときのその株価の水準、時価がどのぐらいになるのかというのは、これは予測困難でございます。その予測困難なところにこの方式の魅力があるといえばあるのでございますが、投資家の保護を考えまして、株式にかえたくないという場合には債券そのものを元本を保証して償還できる。そうしますと、債券についても金利がつきます。
 ただ、この金利というのは一般の事業団債券等の半分ぐらいを考えておりますので、一般の債券を持ったときに比べたら金利が半分だったけれども、一応金利も受け取り、元本も保証される。
 そういう点で、少なくとも投資家の基本的な権利は保障され、かつ、将来の株式への魅力、期待というものも持てる、その辺がこの商品の特色だと考えております。
#273
○粟森喬君 最低のことはそれによって歯どめがされていることは明確でございます。しかし、私は今日までのいろんな経過から見て、いわゆる利点というかプラスでこうなるということを余りにもこの問題では考え過ぎである。
 また、プラスでいこうとすればするほどどんなことが起きるかというと、現実には賃貸住宅などはコスト計算を逆算しますと相当高いものになります。そうすると、住宅なら住宅に汐留で出す部分というのは最低で、現実に今あちこちで起きている問題は、それぞれの中心部ではいわゆるドーナツ化現象で居住者が減るものですから、そこへ住むことが条件で売るわけでございますが、それは名前だけの登録であって、オフィスに使われているという例が非常に多うございます。そんな問題などをさまざま考えていきますと、私は、この問題については幾つかのリスクをやっぱり現実に負担すると思う。
 そこで、運輸大臣にここは明確にしていただきたいんですが、やはりこの問題についてこういう方式をとって、そういうリスクがあるというこも承知をして運輸省なり運輸大臣として今後の運営について責任を持ってやっていくという立場を明確にしてほしいと思います。
#274
○国務大臣(村岡兼造君) この汐留の問題でございますが、特別債券方式の実施の担い手となります出資会社については、汐留のような優良な土地を現物出資で取得し、それを最も有効に活用することになっておりますので、経営収支上は安定した業績が上げられるものと考えております。
 しかしながら、実際に所期の成果を上げるためには、優秀な人材を確保するとともに、それらの人たちの不断の努力が不可欠であることは言うまでもないことでありますので、全力を尽くしてその業務に邁進するよう、運輸省としても常に注意を注ぎ、必要があれば事業団を通じてこの会社の業務を指導監督してまいりたいと考えております。
#275
○粟森喬君 これまでの清算事業団の土地の処分の方法とあり方について多少お尋ねします。
 土地の処分については、公開入札と随契と二つあると思います。特に隨契の部分では公共性といいますか、とりわけ最近、監視区域が広がっていますから、良質な土地というのは公共団体も買いたいと。それから、あのときには住宅用地にも供せられるということが前提でございました。
 それで、これまでの、私の手元にある資料によりますと、公営住宅に付されるために隨契として成立したのは札幌、これは平成元年度の報告でございますが。この種のことについて清算事業団の対応はどうなっているのか、そこをお尋ねしたいと思います。
#276
○参考人(石月昭二君) 先生の御指摘のように、地価対策から事業団の土地処分原則の一般競争入札が厳しく制限されておりますので、従来まで土地売却の主体は、随意契約による地方公共団体に対する売却でございました。
 事業団といたしましては、事業団の土地の公共性にかんがみ、地方公共団体の要望に即して地方の発展に資するように極力販売してまいりました。その意味で、住宅等につきましても御要請があれば、地方公共団体並びに住宅・都市整備公団というところに積極的に売ってきたというのは事実でございます。
 ちなみに、六十二年四月から平成元年度までの三カ年で売却いたしました件数は、五十三件二十四・五ヘクタールでございます。
#277
○粟森喬君 これは随契の対象団体の地方自治体なり関係団体から聞いたんですが、どうも旧国鉄の用地の隨契に当たっては、清算事業団の立場というのはとにかく値段を高くつけたがるという、こういう印象だと。公共団体は公共性として使うわけでございますから、もちろん地方公共団体の場合は、税なりで裏打ちをするのがほとんどでございます。
 もちろん、公社などもございますし、いろんなそういう事業に付随するものもありますが、基本的にこの隨契をやったというのは、単に時価で売るというだけでなく、その持つ公共性みたいなものを本当に加味されているのかというと、かなりこの部分は削られているのではないか。余り考えられなくて、とにかく高く売るということだけに何かいっているような感じがございますが、その辺の実態についてどういうふうに理解をしていますか。
#278
○参考人(石月昭二君) 先生、御指摘のような声を、私も直接地方公共団体から耳にしております。
 確かに、私どもの土地は公共的な土地でございますので地方のお役に立ちたいとは思っておりますが、一方で、またこれは国鉄長期債務償還の重要な原資でございます。したがいまして、清算事業団法でも基本的には、これは競争入札でございますので、随意契約というものは地方公共団体といえどもあくまでも例外でございます。同時にまた、清算事業団法の施行規則でも、随意契約で売る場合も適正な「時価」で売るというぐあいに規定されているわけでございます。
 したがいまして、我々の方といたしましては、公示価格であるとか近隣の取引事例とかそういうものも調べ、なおまた、不動産鑑定士等も立てまして適正の時価と思って売っているわけでございますけれども、どうも地方の方々が高いと思われますのは、私どもの土地は、どうも公示地点に比べましても、それよりももう少し駅の近くというようなところが多うございますので、結果論として高いという印象を持たれる点があろうかと思います。
 しかし、地方の財政もいろいろお困りの点もございますし、そういう要望におこたえするべく、従来は地方公共団体にお譲りした場合には一〇〇%公共、公用に使っていただかなければだめだったわけでございますが、基本的に五〇%以上公共、公用に使っていただければ、若干の第三セクターによる収益事業というような場合でも結構であるという形で緩めまして、そういう面で地方の要望に対応する。同時にまた、私どもの地方公共団体に対する土地処分の促進を図っているのが現状でございます。
#279
○粟森喬君 公共団体が取得をするときは、時価というのは、少なくとも民間ベースでやるときにはそれを取得して一定の事業目的なりあるいは住宅なら住宅で売ってもそのときの相場で売買されるわけでございますが、やっぱりこの随契のあり方というのは、今までのを推進するということでございますから、資産処分審議会のあり方も含めて多少その辺は軌道修正していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 最後に、この土地処分の方法とJR株式の上場の中で、全体の旧国鉄債務の償還計画における国民負担というのが、先ほどからの同僚委員の質問に対しても残るのかどうかわからないという非常に不透明な状況が依然として続いているわけです。
 先ほど申し上げましたように、清算事業団がつくられ、国鉄改革法がつくられた時点から考えると、もう少しこの辺は一定の先行きについて明確にしていかないと、国民全体の負担が果たしてあるのかないのか。私どもの予測では、うまく運用できれば負担は相当軽減される、ほぼゼロに近いという私たちなりの試算もしておりますが、その辺のところについての今後の見通しを聞いて、私の質問を終わります。
#280
○国務大臣(村岡兼造君) 清算事業団の債務は平成三年度初めに二十六・二兆円になると見込んでおります。
 この債務を土地及びJR株式の売却等により償還することとしており、土地につきましては平成二年度初めの公示価格をもとにおおむね十五兆円程度と評価をいたしております。土地の方は、十五兆円程度としておりますけれども、しかしながら、JR株式については、その処分がJR各社の経営動向、株式市場の動向等に影響されるものであることから、現時点におきまして予測することが困難であります。
 したがって、最終的な清算事業団の債務の見通しを現時点では明示することはなかなか容易ではありませんが、仮に事業団の債務が残る場合については、昭和六十三年一月の閣議決定におきまして、
 最終的には国において処理するものとするが、その本格的な処理のために必要な「新たな財源・措置」については、 土地の処分等の見通しのおおよそつくと考えられる段階で、歳入・歳出の全般的見直しとあわせて検討、決定する。
こととしております。
 いずれにいたしましても、土地及びJR株式の効果的な売却により国民負担を極力なくすべく、今後とも努力してまいりたいと考えております。
#281
○寺崎昭久君 最初に、JR株式の売却について確認をさせていただきます。
 当面、株式上場を予定しているJR会社はどことどこでしょうか。また、いつから売却を始めるのか。また、最終的にそれらの株というのは全株放出されると考えてよろしいかどうかお伺いします。
#282
○国務大臣(村岡兼造君) JRの株式につきましては、平成元年十二月の閣議決定において、「平成三年度にはJR株式の処分を開始する方向で、」「JR各社の経営動向、株式市場の動向を見極めた適切な処分方法等多角的な視点からの検討、準備を行う。」こととされておりまして、この閣議決定の趣旨に沿って検討、準備を進めているところであります。
 その一環として、JR株式の売却・上場に関する基本問題についての指針を得るため、有識者をメンバーとするJR株式基本問題検討懇談会を開催し、JR株式の具体的売却方法等について御検討いただいておりますが、五月中には最終的意見を取りまとめていただく予定であります。
 しかし、実際の売却につきましては、JR株式基本問題検討懇談会の昨年末の中間意見において御指摘をいただいておりますとおり、株式市場の動向を十分見きわめつつ、弾力的に対応していくことが必要であると考えております。
#283
○寺崎昭久君 今のお話ですと、基本問題検討懇談会の中でどのJR会社を上場するかということ、それも含めて決められるということでしょうが。
#284
○政府委員(大塚秀夫君) 具体的に会社名まで挙げるか、あるいはどの会社が選ばれるかというような基準になるか、今そういうことも含めて検討中でございます。
#285
○寺崎昭久君 これから株式を売却して収入を得るわけですけれども、その際、売却収入というのはすべて全額、即刻、国鉄長期債務の返済に充当されると考えてよろしいでしょうか。
#286
○政府委員(大塚秀夫君) JR株式の売却収入は、原則としてすべて清算事業団の債務の償還に充てることを考えています。
 原則としてと申し上げましたのは、収入が一度に入ってまいりましたときに、要償還額を超えますと理財局等との間で繰り上げ償還という問題も出てきますので、その辺少し協議等しなければなりませんが、我々の建前としては、当然全額をできるだけ早く債務の償還に充てたいと考えております。
#287
○寺崎昭久君 私がお伺いしたかったのは、ほかに流用するというようなことは考えておりませんねということです。
#288
○政府委員(大塚秀夫君) ございません。
#289
○寺崎昭久君 JRの株式が全株放出されたという前提で考えますと、まさに完全に民営化が完了したということになるわけであります。
 その際、新しく民間になったJRというのは、これまでの会社法の適用は除外されることになるのかどうか。それから、一般の企業などが適用されている商法、その他の法律との関係ではJRはどういう立場に置かれることになりますか。
#290
○政府委員(大塚秀夫君) JRの場合はNTTと異なり、その株式の全額を処分することとなっておりますので、全額処分後には、JRは特殊会社であるゆえに現在存在しております会社法等の規制は原則として撤廃されることになります。したがいまして、他の民間会社と全く同様な立場で諸法規の適用があります。
 ただ、鉄道事業は、その公益性のゆえに、これは私鉄も同様でございますが、鉄道事業法という事業法がございますので、これの適用は当然あります。
#291
○寺崎昭久君 事業団の投資会社について一点確認をさせていただきます。
 今、事業団には出資会社があるわけですけれども、この出資会社に対して税制面の優遇措置とかあるいは事業団による財政支援というものが行われているのかどうか。もし、あれば内容を教えてください。
#292
○政府委員(大塚秀夫君) 事業団の出資会社としましては、レールシティ関東、レールシティ汐留企画、レールシティ東開発、レールシティ西開発の四社がございます。
 基本的には財政、税制上の支援はございませんが、不動産変換ローン方式の実施主体となるレールシティ東開発と西開発につきましては、不動産変換ローン方式による事業団の収入をできるだけ大きくして債務償還効果を高める観点から、不動産変換ローン方式にかかわる不動産取得税と登録免許税については非課税とする措置を講じております。
 なお、地価税についても非課税として措置される予定でございます。
#293
○寺崎昭久君 次に、旧国鉄用地の売却状況をお伺いしたいと思います。
 平成二年度末あるいは平成三年度当初の数字で、事業団保有の土地の総面積は幾らになっておりますか。あわせて評価額もお伺いしたいと思います。
#294
○政府委員(大塚秀夫君) 平成二年四月一日現在の清算事業団の用地は七千四百二十ヘクタールでございます。これは去年四月一日で、ちょっとまだことしの段階、売却がどれだけできたか精査しておりません。この土地につきまして、昨年四月に公表されました地価公示額をもとに一件一件積み上げて評価をしました結果、総額で約十五兆円でございます。
#295
○寺崎昭久君 先ほど、汐留跡地の暫定利用の状況について答弁がございましたけれども、全国にある事業団保有地の暫定利用状況、また、そこから得られる収入というのはどの程度になりますか。
#296
○参考人(石月昭二君) 現在、暫定利用で収入を上げておりますのは、昭和六十二年度から平成元年度までの三年間で約百五十億円の収入を上げております。
 年度別に申し上げますと、六十二年度が二百五十ヘクタール二十一億円、六十三年度が三百三十ヘクタール五十五億円、元年度が三百四十ヘクタール七十三億円でございます。
#297
○寺崎昭久君 大蔵省の国有財産中央審議会の答申を見ましても、「未利用国有地」については「利用計画が具体化するまで」「駐車場等暫定的な利用に努める」ことという答申をしておりますけれども、ぜひ事業団保有の土地につきましても有効活用を図り、債務の縮小に努めていただきたいと思っております。
 それから、先ほど土地信託方式の説明がございましたが、具体的にその第一号が適用された渋谷小荷物扱い跡地の落札価格、これは安田信託と西武百貨店が落札したように伺っておりますが、落札価格は幾らでしょうか。
#298
○参考人(池田本君) 土地信託方式につきましては、計画といいますか企画を、コンペという、そういう方法でやっております。その過程におきまして出される案の中で事業団の中に設けられました土地信託の審査委員会で選定をしたところの案を採用することになっております。その案を基準として理事長が決定することになっておりますが、具体的な価格につきましてはその段階では出しておりませんので、この場ではちょっとお答えを差し控えさせていただきます。
#299
○寺崎昭久君 公表は控えたいということなんですが、その理由をお聞かせいただきたいと思うんです。本来、もっと公開入札するという建前をとるのであれば明らかにしてもよろしいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#300
○参考人(池田本君) 土地信託方式で実施する場合には、各信託銀行から出されました提案内容を審査して、そのどの案をとるかということでございまして、審査の内容につきましては、もちろん具体的なハードを主体とした計画、それからそこに何が入るか、あるいは将来の信託受益権を処処分するに当たって今の段階ではこれぐらいの値段でいけるであろうというところをいただいて審査をいたします。
 したがいまして、実際の信託受益権の処分の際には、その段階におきます再度の評価をこちらで行い、相談をいたしましてやることになりますので、まだ渋谷の場合もその信託受益権の販売という段階に至っておりませんが、至る段階におきまして初めて決めるというふうに思っていただきたいと思います。
#301
○寺崎昭久君 不動産変換ローンのことで少し伺います。
 この不動産変換ローン方式をとった場合に、用地の開発とか不動産の共有持ち分の分譲などは、現在、事業団の出資会社が担当されているように伺っておりますが、物によっては民間会社、デベロッパーなどが担当した方が効率がいいんじゃないかと思われる部分もあるわけですけれども、事業団の出資会社がこの業務を担当している理由というのはどういうところからきているんでしょうか。
#302
○政府委員(大塚秀夫君) 今、不動産変換ローンに関しましてはレールシティ東開発、レールシティ西開発が複数以上の不動産変換ローンを扱っておりますが、民間デベロッパーがこの不動産変換ローンを扱い、土地の上に建物を建てて将来処分していくということになりますと、当然その民間デベロッパーの利益もその期間中上乗せしなければなりませんが、清算事業団の子会社が二社で複数の不動産変換ローンを扱う場合は、管理費その他ができるだけ少なく計上できる、管理費を節減できる、そういう意味があると考えております。
#303
○寺崎昭久君 それでは、汐留の跡地処分についてお伺いします。
 汐留の開発を予定している土地というのは二十一・六ヘクタールと伺っておりますが、それは都市計画道路を含んだ数字なのかどうか、それをお伺いします。
#304
○参考人(池田本君) 今、申されました二十一・六ヘクタールというのは、現在、事業団が所有しておる土地でございます。したがいまして、今後この土地を開発していくに当たりましては、道路あるいは公園等の公共施設を設けるということが必要になってまいりますので、その二十一・六ヘクタールの中からそういうものを設けるということで、土地区画整理事業で行うということで今進めておるところでございます。
#305
○寺崎昭久君 その際、道路、公園等をとりますと、実際に建物をつくったりできる利用可能面積というのはどれぐらいになりましょうか。
#306
○参考人(池田本君) 細部は、まだこれからの調整が残っておりますけれども、区画整理事業で実施するということになりますと、おおむね四割程度がいわゆる公共減歩あるいは保留地減歩という形で減るかというふうに思っております。
 四割の中には、公共用地となる道路の部分もありますし、また、区画整理事業を施行するための費用を出します保留地というものをとるための減歩も入っておるということでございます。
#307
○寺崎昭久君 つい先般、あの近くの土地、具体的に言いますと港区海岸というところですけれども、土地の評価はどれぐらいかというのを聞いてみました。実際に売買されるときは動くかもしれないけれども、まず坪当たり四千万以上はするでしょうというような話が返ってまいりました。
 ところで、今の汐留について利用可能な面積ということで考えますと、これは幾らぐらいで、地価を表へ出さないということで工夫されているときにこういう質問をするのはいかがかと思いますが、さりながら債券で三兆円ぐらい集めたい、こういうお話も一方ではありますので、仮にお聞きしましたら坪で幾らぐらいの評価になるのでしょうか。
#308
○政府委員(大塚秀夫君) これは開発後の価格という前提でございますが、これは地価を顕在化しないために余り具体的に言うのもいかがかと思いますが、あの辺の付近の同様の地点と比較しまして、三・三平米当たり八千万円から一億円というようなところを基準にして考えるのじゃないかと思います。
#309
○寺崎昭久君 それだけに、あの地区の高度利用をいかに図るかというのが大事なポイントになると思うんです。先ほど汐留の現在の用途区分について、あるいは容積率についての説明もありましたけれども、今後、用途区分の変更とか容積率の引き上げについては見通しを持っているということなんでしょうか。
 先日配付していただいた資料によりますと、これは資産処分審議会が出した土地利用計画の「用途地域等の指定」の中で、「六〇〇%〜八〇〇%」というような数字も載っているわけですが、その辺は今どうなっているでしょうか。
#310
○参考人(池田本君) 現段階におきます都市計画によりますと、汐留駅の土地につきまして東海道線から海側の約十九・六ヘクタールのところ、これについては準工業地域で四〇〇%、西側地区、約二ヘクタールについては、商業地域六〇〇%というふうになっております。
 しかしながら、これはあくまで貨物駅という使い方であったときの用途、容積という理解になろうかと思いますので、今後開発を進める、良好な市街地を整備するに当たりましては、これの大幅なるアップ、ただし、区画整理による減歩による公共用地等の減がございますので、それらとの見合いを含めて、今よりは大幅に上げていただきたいということで東京都等と交渉いたしております。
 今後のスケジュールの中で、これら具体的な都市計画決定の段階でやっていただくようにお願いしておりまして、十分見通しはあるというふうに思っております。
#311
○寺崎昭久君 その際、日照権はどうなるのか。
 この地図によりますと、旧芝離宮恩賜庭園というのがありますが、この場合にはかなり厳しい日照権の制約を受けているようです。この開発地域の前にも公園があるわけなんですけれども、恩賜公園ですね、浜離宮の。その関係で日照権はクリアできるんでしょうか。
#312
○参考人(池田本君) 先ほども申し上げましたように、これから都市計画等の具体的な条件が示されるということになろうかと思います。
 本処分方式の実施のためには、出資会社において基本計画を策定していくということになるわけでございますが、事業団としては日照権についても問題がないようにしていきたいというふうに思っております。
 ただいまお話しの浜離宮があるわけでございますが、ここの景観等を尊重しながら全体計画を進めたいというふうに思っております。
#313
○寺崎昭久君 それから、汐留の事業主体である投資会社の役員構成についてお伺いします。
 先ほども適材適所というか、財務であるとか都市計画であるとか専門家の知恵をかりるような構成を考えておられるということでした。
 現段階で余り決めつけたお伺いはできないかと思いますけれども、例えば、官民の役員比率、官と民の出身別に見た場合の官民比率はこれぐらいにはしたいなとか、そういう希望とか意図はございませんですか。
#314
○参考人(石月昭二君) 具体的には、まだその辺まで詰めておりませんけれども、いずれにいたしましても、これは都市計画決定との絡みとかそういう問題もございますので、関係の官庁、建設省でございますとか、それから、地元公共団体との折衝もこれは多々あると思いますので、こういうところからも人をいただかなければやっていないんじゃないかというぐあいに考えております。
 なお、この会社がフルの規模になるまで、当初は、まず基本計画の策定という、不動産開発計画をつくることから始まりますので、徐々にその陣容も大きくしていきたい、こう考えておりますので、当面は事業団出向者並びにこの地域の開発計画の能力が十分ある方々を集めて、まず基本計画をつくるところから出発したい。ごく少数の、少数精鋭と若干先ほども申し上げましたが、企画能力にたけた頭でっかちの会社になろうかと思っております。
#315
○寺崎昭久君 私は、官にも民にも偏見を持っているわけじゃありませんけれども、せっかくの大規模な開発をするわけなので、適材適所をぜひ考えていただきたいと、そう願っている次第でございます。
 ところで、この出資会社ができて実際に事業収入が入ってくるまでには相当の時間もかかるし、その間経費の支出も生ずるわけですけれども、その際の処理はどうするんでしょうか。
#316
○参考人(石月昭二君) 当面、出資会社は現金出資をしてつくるつもりでございますので、基本計画策定段階の場合につきましては、その現金出資をもとにして運営費を賄っていけばよろしいのではないかと考えております。
 また、不動産開発の実施のために必要となる、例えば実施設計というようなものでかなりの金額の設計料を払わなきゃなりません。それからまた、建設工事のための開発資金、こういうようなものは事業団から現物出資を受けた土地を担保にすれば十分貸していただける。特に優良な土地でございますし、プロジェクトファイナンスとしても十分な資金の調達が可能であろうかと、このように考えております。
 いずれにいたしましても、今後膨大な開発資金が必要なわけでございまして、これをどのような形で調達するかというのは、各般の制度融資等も十分に利用しながらやっていきたいというぐあいに考えております。
#317
○寺崎昭久君 次は、清算事業団のことで、これはずっと先の話になるかもしれませんが、清算事業団というのはどういう条件が整ったときにまさに清算されるのか、解体するのかということをお司いしたいと思いますし、その時期をどの辺に置いているのか、もし構想があれば聞かせてください。
#318
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団の一番主たる業務は、承継いたしました長期債務の処理でございます。そして、この長期債務の処理のために、主要な償還財源である土地とJR株式を処分していくわけでございますが、現在のところ、土地については実質的に平成九年度に終了することとしております。その前後において主たる業務が終了します。
 ただ、清算事業団の行っている業務のうち、年金業務等については引き続きやらなければならないわけでございますが、主たる業務が終わった段階で、現在の公法人としての清算事業団については、その整理等について検討しなければならないと考えております。
#319
○寺崎昭久君 今、土地の処分は平成九年度を目標にしておりますということなんですが、例えば、今後、不動産変換ローン方式だとか株式変換予約権付事業団債方式といったものがとられた場合には、その管理業務というのは十数年とかもっとかかるのではないかと思うんですけれども、その際は事業団は存在するということになりますか。
#320
○政府委員(大塚秀夫君) 今、実質的に終了すると申し上げましたのは、先生御指摘のような管理業務というのが残るわけでございますが、こういう管理業務を現在のような特殊法人としての事業団で行っていくか、何らか別な形態でやるか、そのときの状況に応じて考えたいと思います。
 いずれにしても、縮小するような整理は考えなければいけないと思っております。
#321
○寺崎昭久君 清算事業団の財務諸表について若干お伺いします。
 まず第一点は、雇用対策費が平成三年度予算で十四億円計上されておりますが、これは何のための費用なのか、平成四年度も引き続き計上される必要のある費目なのかお伺いします。
#322
○参考人(石月昭二君) 御案内のように、事業団で行っておりました再就職促進法が平成二年の四月一日、昨年の四月一日に失効いたしましたが、同法の附則第四条に基づく経過措置といたしまして、平成二年四月一日までに再就職した職員にかかわる援助業務は行っております。
 その主なる内容を申し上げますと、一つは、清算事業団の元職員を雇い入れていただきました事業主に対しまして、雇い入れ後の一定期間に支払われた賃金の一部を雇用主に給付する雇用奨励金でございます。
 それからもう一つは、雇い入れた元職員を居住させるための社宅として住宅を借り上げた事業主に、その家賃の一部を給付する住宅確保奨励金。
 もう一つは、再就職した元職員本人に対しまして、再就職に際し、その職員がみずから住宅を借りて居住した場合には、その家賃の一部等を給付する住宅援助金、この三種類がございます。
 これの平成三年度予算は、これらの三種類を含めまして約十億円ございます。そのほかに、支給事務を行う要員の人件費その他がございまして、これを合わせまして約十四億円でございます。
 なお、この援助業務につきましては、雇用奨励金及び住宅確保奨励金は平成三年度中に完了いたしまして、平成四年度からはなくなります。住宅援助金につきましても平成四年度の上期までで全部終了する予定でございます。
#323
○寺崎昭久君 それから、バランスシートに資本剰余金が三千八百二十億円計上されているわけですが、これを計上している理由は何か。また、資本剰余金を取り崩す際の条件はどのように考えておられるのか。
#324
○参考人(石月昭二君) この資本剰余金は、戦後のインフレーションによりまして帳簿価額と資本の実態が非常にかけ離れたということで、資産再評価法という臨時立法がたしか二十九年ごろございまして、民間でも全部やったわけでございますが、日本国有鉄道におきましても日本国有鉄道資産再評価委員会の答申に基づきまして、昭和三十年の四月に固定資産につきまして再評価を行ったわけでございます。その際の評価益であります。
 そのほかに、昭和五十二年度までに地方公共団体等からの寄附等によって受け入れました資産がございます。私どもの言葉で受贈施設と言っておりますけれども、こういうものを貸借対照表上で整理したものでございまして、この資本剰余金につきましては資産を処分しなければ収入に上がらないものでございまして、そういう意味で、債務償還に充てるというような性質のものではございません。
#325
○寺崎昭久君 最後に、もう一点お伺いします。
 事業団が本四架橋公団から引き継いだ債務のうち、二百九十三億円が神戸ー鳴門ルートの大鳴門橋の鉄道部分の建設費の債務だとされております。この神戸―鳴門ルートは、最初は道路と鉄道併用ということで計画をされましたけれども、六十年に完成した後、この年に神戸―鳴門ルートのもう一方の橋である明石海峡大橋が道路単独とすることに計画変更になっております。そのまま鉄道としては使われないという状態になったのではないかと思います。
 事業団が発足したのは六十二年、大鳴門橋が鉄道として使われる予定がないまま引き継がれているようでありますけれども、その分の債務として二百九十三億円を事業団で引き受けなければいけない根拠、理由、そういったものをお示しいただきたいのと、それから、もし今後ともこの鉄道部分が使われないということになりますと、言ってみれば不良資産を抱えているようなもので、民間企業の場合ですと、これはもう大変な責任問題になると思うんですが、官庁の場合にはそういうことにならないんですか、公団の場合には。
#326
○政府委員(大塚秀夫君) 大鳴門橋の鉄道部分、すなわち本四連絡橋、神戸―鳴門ルートの鉄道部分についての資本費二百九十三億円につきましては、国鉄再建監理委員会の答申におきまして、「国鉄が資本費を負担した上で経営することを前提として本四公団が建設」した経緯を踏まえ、また、鉄道としての使用が当分の間見込みのない施設にかかわります資本費をJRなど新事業体において処理させることは適切ではないことを考慮して、旧国鉄であります、それを承継しました清算事業団において「処理する」ものとされたわけでございます。
 これを受けて、国鉄改革法二十五条におきまして本件に係る清算事業団の債務負担が定められたものでございまして、清算事業団に安易な債務の上乗せをしたものではございません。
 また、この施設については、四国新幹線を含む基本計画路線の取り扱いについて、整備新幹線の見通しをつけた後に検討すべき長期的な課題ではございますが、四国新幹線の計画は存続しており、計画実現の段階では大鳴門橋使用の可能性も考えられますので、むだな施設であったとは考えておりません。
#327
○委員長(中川嘉美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#328
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、国民の貴重な共有財産を大手不動産等、大企業に極めて巧妙な手法で譲り渡すことになるからです。
 そもそも、清算事業団の長期債務解消に莫大な国公有地を次から次と売っていくこと自体に、政府の反国民的な無責任さが象徴されているのです。
 しかも、同法案の特別債券方式なるものは、本来、政府が繰り返し述べてきた一般公開入札方式がみずからの土地政策で地価高騰を来し失敗したこと、また、汐留用地のように大規模用地を、さすがの大企業もみずからの資金調達力とリスクを考えると一般入札で取得することができず、これらを補完するためにつくられた方式であります。このことにより、機関投資家になる大企業は、用地取得費やビル等の建設資金の調達もせず、十年後には投資額の倍以上の資産をみずからの所有とできるのです。国民財産の処分のあり方としても公正、適切性を欠くと言わざるを得ません。
 反対理由の第二は、国民の財産の処分に当たって公的規制を外し、全面的に民間会社に任せる手法は、不正、腐敗、そして、利権の温床となることが予想され、断じて容認できません。
 汐留を見ても、建設資金九千億円、多額の発注となり、あわせてビルの賃貸など大企業にとって開発利益を取得するため、競い合う状況になることは予想にかたくありません。
 用地を開発、運営し処分する出資会社は、大手の不動産、建設業界関係者などが入ることが予想され、情報は漏れ、お金で取引されることがあっても、何らの規制は働きません。国民の財産がこうして処分されることに絶対賛成できるものではありません。
 反対理由の第三は、同法案を提出した最大の目的に、「地価を顕在化させない」ための方式と述べていますが、容積率の緩和措置や膨大な開発利益を前提にしていることからも、地価高騰の要因となることは明らかであります。
 汐留開発の場合、容積率は二、三倍の拡大が前提となっており、株式の価値が上がることは明確であります。つまり、土地の価値も上がるということであり、地価高騰の引き金になることを指摘しなければなりません。
 反対理由の第四は、公共用地を利用した都市開発計画が大企業中心となっていることです。公共用地だからこそ、住民の意見を十分反映させた住民本位の町づくりを進めるべきであります。
 以上を指摘して、反対討論を終わります。
#329
○委員長(中川嘉美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#330
○委員長(中川嘉美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 渕上君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渕上君。
#331
○渕上貞雄君 私は、ただいま可決されました日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項について万全の措置を講ずべきである。
 一、株式変換予約権付事業団債券方式(以下「特別債券方式」という。)の実施が日本国有鉄道清算事業団(以下「事業団」という。)の資産価値の高い大規模用地の効果的な処分を目的とすることにかんがみ、当該用地の現物出資評価額、特別債券の発行額、金利等の決定に当たっては、公正かつ適切に行われるよう十分に配慮すること。
 二、特別債券方式による債券の発行は、広く国民からの公募方式とするとともに公正に行うこと。
 三、事業団は、特別債券方式の実施による効果的な債務償還の実現を図るため、その用地の現物出資を受けて事業を行う出資会社の経営が適正に遂行されるよう必要な指導を行うとともに、出資会社の事業・経営内容等について広く国民に情報公開するよう努めること。
 四、特別債券方式が都市圏に残された貴重な開発空間として都市整備の観点からも重要な土地において実施されることから、当該開発の推進に当たっては、長期的な観点から適切な開発が行われるよう関係地方公共団体等との十分な連携を図るよう努力すること。
 五、今後、事業団の所有する資産の処分に当たっては、本法に関する国会における議論に十分に配慮すること。
 六、地価を顕在化させない各種の手法を活用するに当たっては、資産処分に関する手続きの公正を確保するとともに、時価による売却と同程度の収入が確保されるよう努めること。右決議する。
 以上であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#332
○委員長(中川嘉美君) ただいま渕上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#333
○委員長(中川嘉美君) 多数と認めます。よって、渕上君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、村岡運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村岡運輸大臣。
#334
○国務大臣(村岡兼造君) ただいま事業団法の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の結果、御可決をいただき、まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、政府としての十分の努力をしてまいる所存であります。
 本当にありがとうございました。
#335
○委員長(中川嘉美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   「〔異議なし」と呼ぶ者あり〕
#336
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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