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#1
第120回国会 商工委員会 第11号
平成三年五月八日(水曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月七日
    補欠選任        井上  裕君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     井上  裕君     野村 五男君
     庄司  中君     翫  正敏君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    理 事
                斎藤 文夫君
                前田 勲男君
                梶原 敬義君
                井上  計君
    委 員
                岩本 政光君
                大木  浩君
                合馬  敬君
                野村 五男君
                藤井 孝男君
                向山 一人君
                山口 光一君
                穐山  篤君
                翫  正敏君
                谷畑  孝君
                浜本 万三君
                吉田 達男君
                広中和歌子君
                三木 忠雄君
                市川 正一君
                池田  治君
                今泉 隆雄君
   国務大臣
       通商産業大臣   中尾 栄一君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       熊野 英昭君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   高島  章君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        坂本 吉弘君
       通商産業省産業
       政策局長     棚橋 祐治君
       中小企業庁長官  高橋 達直君
       中小企業庁小規
       模企業部長    江崎  格君
       建設大臣官房審
       議官       内藤  勲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       自治大臣官房審
       議官       松本 英昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小小売商業振興法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小商業振興対策の抜本的改善に関する請願(第五五九号)
○湾岸戦争の即時停戦・平和と国民生活の安定に関する請願(第一四一四号外一件)
○通商産業省職員の大幅増員に関する請願(第二五〇九号外一〇件)
○炭鉱離職者緊急就労対策事業、産炭地域開発就労事業、特定地域開発就労事業の継続・改善に関する請願(第三一八九号外三件)
○「大店法」改悪反対に関する請願(第三三六八号外一三件)
○大型店の規制緩和反対に関する請願(第三三八二号外一三件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────
   〔理事前田勲男君委員長席に着く〕
#2
○理事(前田勲男君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨七日、名尾良孝君の補欠として井上裕君が選任されました。
    ─────────────
#3
○理事(前田勲男君) 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案、輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案、特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、中小小売商業振興法の一部を改正する法律案、以上五案を便宜一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○吉田達男君 質問をいたしますが、法律というものは、制定されると適宜改正されて現実に有効に施行されるものであります。本法は、附則の第二条に、二年以内に必要な措置を講ずるとして見直しを殊さらに規定をしております。規定をしなくても現実的な対応の中で必要に応じて改正されるのに、殊さらそのように規定された真意は一体何か、お答えをいただきたいと思います。
#5
○政府委員(坂本吉弘君) 本法におきまして二年後の見直しの規定を特別に設けましたのは、他の法令においても見直しを行うという前例は幾つかあるわけでございますけれども、本法をめぐる国際的な関係というものも考慮し、また国内における消費の実態、あるいは新しい法制及びそれに関連いたします運用の実態がどのように定着しているかといった点をも見きわめまして、外交約束でもございます二年後の見直しの検討という点につきまして、その点を明らかにいたしたわけでございます。
#6
○吉田達男君 これは、そのように説明されれば、流れではありましょうが、日米構造協議でそういう約束をしているからそう書くという、書かなくても現実に法律を生かすためには議会も相当な判断をするのでありますから、殊さら必要はなかったと思うんです。なかったのを書くというのは、廃止をするという含みがあるのではないかということが多々言われる。担当する通産省として、これを二年後に廃止するというような考えがあるのかどうか、そこをはっきりお答えいただきたい。
#7
○国務大臣(中尾栄一君) 基本的な問題でございますので、答弁させていただきたいと思います。
 大店法改正法の附則第二条は、改正法の規定及び実施状況等につきまして改正法の施行後二年以
内に検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講ずると定めたものでございます。この必要な措置の方針、内容につきましては、法施行後の二年以内に検討を加えた結果判断されるものでございまして、現段階においては何ら決まっておるものではございません。
 通産省としましては、今回の大店法の改正によりまして、日米構造問題協議におきまして議論をされました所期の成果が得られるものと期待しております。したがって、二年後の見直しの中で、大店法そのものの廃止を検討することは考えておらないところでございます。
 以上でございます。
#8
○吉田達男君 きのうも井上委員から御指摘がありましたが、百貨店法以来、中小小売店を保護するという側面でもって本法が変遷を重ねてきたのですが、今回規制を緩和するという方向で大転換して提案がなされておる。しかし、そのいうところは、消費者のニーズの多様化にこたえ、小売業の環境の情勢変化に対応する、こういう表現をしておられる。そこで、その表現がどうして大店法の改正というこの条文で全うされるのか、そこのところを理由づけて御説明を端的にいただきたい。
#9
○政府委員(坂本吉弘君) 今回、大店法に関しまして改正案を御提案いたしておりますゆえんのものは、まず国内的に見て、ダイナミックに変化する消費の実態及び道路交通体系の変化を中心として都市化が大変進んでいる、それによって消費者の行動が、端的に申し上げれば、広域的になっているということに対応して国内的にどう対応するか。また、行政改革その他の流れの中で規制緩和を可能な限りやるべしという国内的な要請も踏まえまして、また我が国の市場というものが国際的に見てわかりやすく参入の機会が開かれているということをつくり上げていかねばならないという国際的な環境の中で、大店法をいかに維持し、またそれを運用していくかという問題に直面をいたしたわけでございます。
 そういう意味で、基本的に大店法のあり方というものを流通ビジョンその他に基づいて再検討いたしまして、また産業構造審議会や中小企業政策審議会にこの点を諮問いたしまして、大店法の今日的な意義というものについて検討を加えてまいったわけでございます。そういう意味で、やはりいたずらに出店調整処理期間が長引くとか、あるいは国会においても密室性があるとか言われてきた非常にわかりにくいいろいろな意思決定のシステム、そういったものを新たな目で見直して、できるだけ透明性の高いもの、わかりやすいもの、そういうものにするべきではないかということを踏まえて、法令のみならず、その運用につきましても基本的に見直しをいたしたところでございます。
 御指摘のような全般的な環境を踏まえまして、この大店法の今日的な意義というものを我々としてそれなりに見出しながら、法改正及び運用の改善を考えておるわけでございますが、しかしながら基本におきまして、大型店の出店に伴う周辺中小小売業者への影響というものをできるだけ緩和し、その事業機会の確保を図るということにつきまして、我々は、その基本は維持しながら新たな情勢に対応していきたい、こんなふうに考えてまいったわけでございます。
#10
○吉田達男君 基本を踏まえながら改正を提案したというその基本の意味合いは、一定の規制は中小企業の適正な領域確保のために必要だということを意味するのだと私は思うが、そうなのか。そうならば、さきの質問を裏返しにして、大店法を改正すれば消費者のニーズの多様化にどうしてこたえられるかと、こういうことなんですね。消費者のニーズの多様化という商売の仕方はいろいろあると思うんですよ。いろいろあるけれども、大店法の調整を変えれば、ニーズの多様化にこたえられることになるという短絡的に飛躍した理屈が、どうも私には理解できない。そこをはっきり御説明いただきたいと思います。
#11
○政府委員(坂本吉弘君) 最近における消費者の目は大変肥えております。商品に対して大変厳しい目で選択をするという時代になっておりまして、そういう意味で、特定の地域に大型店が出店することが、一方において消費者の利益になるものかどうか、あるいは一方において周辺の中小企業の経営を危うくするものかどうか、そういった点についての判断につきましては、私ども従来にも増して、消費の実態の変化というものにやはり力点を置かざるを得ないという時代に入ってきているのではないかというふうに考えるわけでございます。
 そういう意味で、商調協を中心といたしますいわば中小企業者の商店街組合というものを、地元の利益というものは十分これをくみ上げつつも、新しく町がどういうふうに変わるのか、消費者がどういうことを望んでいるのかといった点についても、従来にも増して意見を聞く必要があるだろうというふうに考えたわけでございます。
 そういう意味で、例えば今回の調整の基本に据えております大店審が、直接地元の消費者の意見を聞き得る道を開く、あるいは長期間を調整に要して結局消費者のニーズというものにこたえられないというようなことはできるだけこれを避けるということで、やはり消費者の選択というものができるだけわかりやすく、かつ前面に出るようなシステムを考えていくべきじゃないか、こんなふうに考えておるわけでございます。
 御承知のとおり、大店法の改正の法律条文そのものは割に簡単な法律でございますから、主としてその運用という点においてどういう体制をとっていくかということが大変大事なことではないかと思っております。そういう意味において、全体的に消費者の望むところというものを十分見きわめる必要があるのじゃないかと、こんなふうに考えて全体の体系及びその運用を変えていきたいと考えているところでございます。
#12
○吉田達男君 必ずしも、大店にすることが消費者のニーズにこたえることになるという、ぱちんとした答弁には私は伺ええなかった。きのうの陳述を聞いていましても、小規模の小売店において十分効率的な販売の方法だってあると、そういう参考人の方の御意見等もありました。一言言えば、アメリカの日米構造協議の求めに応じる経過の中でこうなったのだと思うんですけれども、日本における商習慣というものはやはり主張してしかるべしだと思うんです。
 例えば、呉服屋がある、座売りする、何本も反物を出すと迷うから、三本から五本の間にしてほかは隠しておく、値引きにも応ずると、こういう座売りの習慣がずっと続いている。
 大店舗はセルフサービスだけれども、セルフサービスという販売方法は、まあ日本に上陸して四十年ぐらいなものであります。それが今主流になろうとしておる。しかし、それで販売方法が満足できるかというと、そうでもない。外国に行くと、バザールのようにいろいろ客と値引き、あるいはいろんなやりとりをして、商品の売買を何か楽しむというような形態の中に、また一つのその民族の文化というものが感じられる。それはそれで私は尊重されるべきだと思うんです。
 その日本の習慣等を不透明であるとかなんとか言われると、私どもはどうも答弁を素直に一〇〇%受け取ることができない。そこのところを行政者としてどう対応するかということであります。余り脱線してもいけませんから、私の一つの意見として今後に受けとめていただきたいと思うんです。
 このたびの改正は、商調協を廃止する、そして商調協でもって不透明な審議の経過やあるいは処理の期間が延びていったものを促進する、こういうところが一つのポイントであろうと思うんです。そこで、今度の法に基づく施行、運用を想定した場合に、このものが果たして透明度を持って理解されるか。例えば、商調協におけるやりとりは公開されなかった。じゃ、大店審における審議の経過というものは透明に公開される、そのような扱いをされる予定なのかどうか。
#13
○政府委員(坂本吉弘君) 全体として出店調整の
処理手続をできるだけ透明化したい、またかねてその内容を公開すべしという御議論があることは、私どもも承知をいたしておるわけでございます。
 委員も御案内のとおり、商業調整のプロセスは、時に大変深刻な利害対立に発展することもございます。特に、地元の問題でございますから、だれがどういう発言をした、あるいはどういう判断をしているかという点について、大変注目を受けるものでございまして、政府の審議会あるいはその他の場におきましても、大変いろんなことが起こりやすい内容を含んでおるわけでございます。
 そういう意味で、私ども、大店審の審議の内容というものを可能な限り中立的で公正なものに保つためには、やはり審議の内容が一々だれがこう言ったああ言ったということが漏れて、その人に対するいろんな働きかけが行われる危険性があるという点につきましては、十分注意してこれに当たる必要があるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
 しかしながら、先般、昨年五月三十日以降、商調協におきましてもその議事の概要はこれを事後的に公表するということにいたしまして、また大店審の委員も従来は非公開ということにいたしておったわけでございますが、これからの大店審につきましては、その委員の名前も公表するようにしてもらおう、こんなふうに考えておるところでございます。
 この問題の性質とそして審議の公開性というはざまの中で、可能な限り公開性に向けて努力はしてもらいたいというふうには考えておるわけでございますが、繰り返して恐縮でありますけれども、この問題の性質上公開には一定の限度があってしかるべしと、かように考えているところでございます。
#14
○吉田達男君 できるだけということで透明度を求めて答弁があったわけでありますが、公開できない、したがって傍聴等は許さない、こういうことのようであります。しかし、審議の過程においてすべてそのような扱いにしなくてはならないのかどうか、あるいは経過についてどの程度後ほど明らかにされるのか、その点についてはどう考えておられますか。
#15
○政府委員(坂本吉弘君) 問題は、大店審にこの出店調整をめぐる関係者の意見が十分反映されるかどうかという点に、まず尽きるかと存ずるわけでございます。
 かねてお話し申し上げておりますとおり、大店審自身がまず地元の消費者、中小小売業者、学識経験者の意見を聴取するという規定を新たに設けましたこと、またこの問題がいろいろな実態判断に基づくものであるという点から、商工会議所及び商工会において地元の意見、実態というものを十分洗い出してもらう、そしてそれを大店審に報告してもらうということを前提として大店審の調整のための審議を始めたい、かように考えておるわけでございます。そういう意味で、私は大店審において地元の実態というものは十分これが反映されるだろう、こう思っております。
 それから、大店審の議事の公開の仕方につきましては、現在、昨年の五月三十日の運用適正化措置によって、商調協について導入いたしております公開の現状がほぼ参考になろうかと思います。これにつきましては、例えば何月同日どこにおいて第何回商調協が行われた、その商調協においては大型店出店に伴う周辺中小企業者への影響についてこれこれこういった観点から議論が行われたといったことを記しまして、これを商工会議所の閲覧でき得るところに公開をいたしまして、見たい人は見れるというふうな方式を今現在とっておりますが、大店審においてもこれを参考にした方式をとるのが適当ではないか、こんなふうに現在考えているところでございます。
#16
○吉田達男君 その次に、処理の促進についてお尋ねいたします。
 商調協で非常に期間が延びたというのは、本当は本商調協の前の事前商調協のころも含めていたからあえてそう言われたのだと思うんです。このたびの法改正は、期間をカウントする最初は建物設置の届け出ということから始まりますから、事前商調協のようなものはない、こういう判断になります。
 地元説明が開始される、最大四カ月されて、それで小売者が届け出をして進めるわけでありますが、これは、単なる地元説明か一方的なものなのか、関係者がそこにおいて一定のコンセンサスを得るということを求めるのかどうか。言いっ放しで、これはやったということでいいのか、意見が対立してもそれで事足れりと、このように考えて法律をつくり、施行される考えでおられるのかどうか、お答えいただきたい。
#17
○政府委員(坂本吉弘君) ただいまのお尋ねにつきましては、昨年五月三十日以来導入いたしました現在の出店調整手続が一つの参考になろうかと存じますが、ただいま六カ月間の事前説明期間というものを三条届け出以前に設けております。これにつきましては、改めて通達におきまして、これは地元の合意を求めるものではないということを念を押しているわけでございます。この背景は、御承知のとおり、地元説明という名のもとに何年もかけて地元の合意書をとらねばならないとか、あるいはいろんな数限りない場所に説明を強いられる、その結果、決定もどんどんおくれるといったような弊害が随所に見られましたために、説明は説明として了解をとるものではないということを改めて書きまして、それを昨年以来ほぼ一年間にわたって実行をしてきたわけでございます。
 現在までの実行の状況を見ますと、ただいま委員御指摘のような、ただ説明しただけで終わりといったようなことではおおむねないと考えております。実行におきまして関係者が大変御努力をいただきまして、地元の商工会議所あるいは商工会あるいは地方公共団体において説明会にいろいろ時間や手間暇を大変使っていただいておりまして、決して合意を得るものではないけれども、ただ話をすればそれで終わりといったようなことでは必ずしもない。そういうことで、三条届け出に至るまでのいわゆる事前説明期間というのは、今日までのところ平均約四・一カ月という日時の間で事前説明が行われているというのが実情でございます。
 確かに、一部におきましては、いやもうただ説明すればもって足りるのだといったような大型店の行動が指摘されることもございます。その点について、私どもそういった苦情はこれをできるだけ拾い上げて、決してそういうアロガントな説明であってはならない。合意を得るものではないけれども、できるだけ丁寧に理解を得るべく、そういったために行われる期間であるということで行ってまいったわけでございます。
 私は、この一年間の事前説明の実態にかんがみますと、大変地元の皆様方の御努力によりまして、決して、ただ話をして、はい義務は終わりましたよといったような通り一遍のことで済んできているものではない。そして、スムーズに三条届け出を出していただきまして、またこれは一定の処理期間内に終わっているという実態にかんがみますと、今御指摘のような極端なケースも全くないとは言い切れないとは存じますけれども、これはやはりその地域に進出する大型店も、地域の理解を得て、できるだけ共感を得ながら出店するという態度をとっていただきたい。
 私たちもそういうふうにできるだけ呼びかけを行うということもやってまいりたいと思っておりますので、私は、関係者の知恵によりまして、この事前地元説明という新しい期間も円滑に処理できるものというふうに考えているところでございます。
#18
○吉田達男君 懇切丁寧な御答弁でございますが、本日は事情がありまして促進ルールで、私も促進ルールでやろうと思っておりますから、そういう御答弁をいただくと午前中で終わりません。
 大店審に移りまして、この大店審の審議のメンバーが列挙されています。消費者代表あるいは小
売の団体、学識経験者等並んでおりますが、これは、例えば小売団体ということになれば何々と、こういうことになるのはどういう手続で、例えば省令になるのか。明らかにすると言ったのだから、どこどこだというようなのが、どういう方法で消費者あるいは小売業の代表を決めるのか、お答えいただきたいと思います。
#19
○政府委員(坂本吉弘君) 答弁が長々となって大変恐縮でございます。
 手続といたしましては、通産省令でその選定方法を決めたいと考えております。どういう人から聞くかということは大店審が決めることでございまして、したがいまして大店審がだれから聞くかということを決めるということを省令で定めたいと思っております。これは、おのずからその地域をどういう人が消費者の意見を代表し得るか、また小売業者はその影響を受ける人はどういった人かということを判断して決めるわけでございます。
#20
○吉田達男君 それは、一つの団体等々を特定して、それの充て職、こういう形でやるのか、法律で省令に出る形がですよ。または、それはいわば含みというか、選出基準のようなものの内規というもので処理をするのか、どちらでございますか。
#21
○政府委員(坂本吉弘君) 後者だと存じます。
#22
○吉田達男君 それでは、地元の関係者の意見を商工会議所あるいは商工会等がまとめて、この聴取を受けて大店審に反映するという手続になりますね。この場合、先ほどは地元説明をするという過程でいろいろあったけれども、なるべく合意を得られるような、コンセンサスを得られるような努力をしながら地元説明をする、こうだけれども、そういうものを背景にしながら、商工会議所等は関係者をまとめて意見を審議会に反映する、こういう手続でございますね。
 そこで、前段の地元説明の過程で意見がいろいろ出てまとまらなかったという背景にあるときは、連動して会議所等々も意見のまとまったものが審議会に出にくいという構造になるのではないか。そして、例えば大店審ではほかに小売商業の代表者もまた出てくる。会議所といえば商工団体の一つの代表ではありますけれども、ここにおける位置づけはもっと広い意味で意見を出すようにまとめて出す、こうなっておる。都合によっては内部矛盾もはらむようなことが出てくる、この点はどういう扱いをされますか。
#23
○政府委員(坂本吉弘君) 現在も、商調協が必ずしも一本にまとまって大店審にレポートが出されるということではございませんで、二論併記、三論併記というケースはございます。今委員御指摘のように、地元の小売業者からの意見と商工会議所の意見とは違う場合もございます。また、商工会議所も我々として意見を整理、集約することをお願いしておるのでございまして、商工会議所において一論に整理をしてくれということを頼むつもりはございません。したがいまして、二論併記、三論併記といった形で大店審にレポートがなされる、それらを勘案して大店審で調整を行う、そういうシステムを考えているわけでございます。
#24
○吉田達男君 先般、私どもは、地方公共団体等の意見というものは、これは大店審でありますけれども、大店法をめぐる関連五法のそれぞれのフォローがあって、商店の発展を期するという構図で言うならば地方自治体の意見は尊重さるべきだという言い方をして、その趣旨は受けとめていただいたと思っております。
 しかし、大店審における審議の過程では、市町村長の意見、知事の意見というものはその意見聴取の中には入りませんで、審議があって、終わってしまって、それでイエスかノーかというときに、イエスかノーの意見を言うという形にフローチャートではなっている。この点については、地方自治体の意見というものは審議の過程においてどのように反映されますか。
#25
○政府委員(坂本吉弘君) 大店法におきましては、市町村長は随時都道府県を通じて通産大臣に意見が言えるようになっておりますし、また都道府県も当然のことながらみずからの所管の問題につきまして都道府県の大店審に対して実情を述べることは自由でございます。
 また、通産大臣の所管いたします種別境界面積につきまして、通産大臣が都道府県からの意見または都道府県を経由して行われます市町村長の意見というものを伺いまして、そしてそれを大店審に紹介し、反映するといったことを通じまして、全調整の期間を通じて市町村、都道府県の意見というものが反映し得るような仕組みになっていると存じております。
#26
○吉田達男君 実際の審議のポイントは、大店審が関係者から意見を聴取し、地方自治体の意見を聴取し、そこで一定の判断が出るので、一定の判断が出た後で、大店審はこうだけれども、大臣の勧告はそれをアレンジして知事を通して市町村長の意見を聞いたからこの勧告の中に織り込む、こういうようなことは本質的には流れとしては私は中身は難しいと思っているんですよ。大店審のこの意見を聴取する、それを審議する、そこで市町村長の意見が十分に反映されなければ、後から出たものを勧告のときに勘案するというようなことの手続では私は不十分だと思うんです。その扱いについて、運用を含めてもう一度御答弁をいただきたいと思います。
#27
○政府委員(坂本吉弘君) 法律上、市町村長及び都道府県知事が特定の出店調整案件について意見を申し述べるということは先ほどお答えしたとおりでございますけれども、御指摘の点もございまして、これにつきましては大店審において、必要があれば大店審が地元の市町村長の意見を例えば参考人というような形で聞くという機会は設け得ると考えております。そういったことを通じて、地元の地方公共団体の意見というものが特別ございますれば、聞く機会というものは開かれ得るものと考えておるところでございます。
#28
○吉田達男君 それでは、そういうことで大店審が審査をして、法の七条の考え方によって審査が進むと読み取るわけでありますが、この審査基準を明らかにされたいと思う。若干は触れておりますが、もっと具体的に触れていただかなければ、どういうふうに申請をすれば審査基準にかなうのか、あるいはかなわないのか、あるいは関係者はどのようにこの意見聴取に対して答えたらいいのか、その辺について、大切なことでありますから、この基準を明確にしていただきたい。
#29
○政府委員(坂本吉弘君) 御指摘の審査基準につきましては、私ども昭和五十九年に定めました大店審における審査要領というものがございまして、ただいままで商調協においてもこういった点を参考にして審査してほしい、こういうふうに要望いたしてきておるわけでございます。
 この中身につきましては、基本的な観点、それから周辺の小売業への影響というものを審査するためのいわば一種の数量的な審査指標、それからもう一つは都市問題その他、大店法そのものではございませんけれども周辺の問題に対する配慮事項、こういった三つの項目からつくっているものであるわけです。
 これにつきましては、例示的にその内容を申し上げますと、まず基本的な考え方につきましては、消費者ニーズというものがどういうふうに変化してきているか、また周辺の小売業とどう調和をとった発展が行われるか、例えばそこで、中小企業の近代化事業あるいはその他の市街地再開発事業といったことも含めて、どういうことが進んでいるかということをまず考慮する必要があるだろうということが一点。
 それから、審査指標につきましては、大変細かくなりますので一々の引用を避けさせていただきますけれども、例えばそこにどれだけのキャパシティーを供給余力として考え得るかといったことのために、人口、あるいはそれを商業的なセンスから変換いたしましたいわば小売支持人口、それから消費支出の伸び率、店舗面積の増加率、あるいは影響度指数と、こういったものについていろいろ数量的な観点からもチェックをしてみるという作業をすることが必要なのではないかというふ
うに考えております。
 また、最後の配慮事項につきましては、やや都市的な交通への影響、あるいは安全への影響と、こういったことがやはり大店法の枠内といえども可能な限り配慮をされてしかるべきじゃないか、こんなことを考えております。
 いずれにせよ、大変ダイナミックに都市が変化をいたしておりますし、また消費者の行動というものも随分変わりますので、また都市の発展ということも考えますと、昭和五十九年につくられたものでございますので、この新しいシステムに即応いたしまして、ただいま大規模小売店舗審議会に諮問をいたしまして、この全般的な審査要領というものの適正化に努めたいというふうに今考えているところでございます。
#30
○吉田達男君 幸か不幸か、この七条は概括的には改正がありませんから、今までと同様な審査基準が施行されると、こう思っていいと思うんです。このものの解釈で、相当程度の影響を及ぼすとの判断があるときに、勧告の中身をそれぞれ判断をされて出されるわけであります。
 こういうことで、一番ポイントはこうなるのだけれども、もう一つの流れでありますアメリカは規制緩和しろと、規制緩和して商品参入もさせろと。そのことの効果を期待して日米構造協議から迫ってきておる経過でありますね。片や、これは改正せずに、一定の先般までの流れである小売業者の活動の領域にわたって調整を的確にやる。
 この流れで、七条が設定されてきておることを厳格に施行すると、ずばり言えば、アメリカの期待にこたえることができなくなるという結果が生まれると想定されますね、仮定でありますが。そのことは、逆に通産省における運用の判断にまた違った意味で影響を与えますか。例えば、極端に言うと、アメリカを横目に見て今までとは違った、条文は変わらないけれども、また要綱のような審査基準を新たに内規として設定をする、こういうようなことを誘発しますか、どうですか。
#31
○政府委員(坂本吉弘君) 繰り返し御答弁申し上げておりますように、私どもとしては、基本は大店法の枠組みは維持するということをアメリカにも話し、その前提でいかにその手続を明確化し、また透明化し、またいたずらに長期化しないために迅速化するといった手続を、システムとして国際的普遍性にできるだけ合うように、改正をしていきたいということで取り組んできたわけでございます。したがいまして、七条は全くこれをいじる必要がないというふうに判断をいたしております。
 ただ、調整の基準というものを全くその時代にかかわらず同じものを維持するということは、私ども行政として必ずしも適切ではないと。やはりその間に発展いたします道路交通体系の問題、商圏の大きさ、こういったものが日々刻々変化しているわけでございまして、将来の発展あるいは消費者の支出の見通し、こういったこともやはり見直しをしていく必要があるだろう、こういうふうに考えておりまして、基本は七条の趣旨にそのまま置きまして、新しい商業環境に即応して大型店の出店問題に取り組んでいきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
 その結果がいかようなものになるか、それは私どもの判断でございまして、アメリカが二年後にその結果についていかようなことを言ってくるか、それは私どもただいま現在判断できる予見できるものではございませんけれども、政府として責任を持ってこの法の趣旨にのっとって運用をいたしたい。アメリカが何かを言えば、それはまた新たな外交交渉の問題ではないか、こういうふうに考えているところでございます。
#32
○吉田達男君 七条の基本は適切に施行されると。アメリカに対しては、手続の明確化あるいは手続のスピード、このものをもってこたえるというのが今回の改正の趣旨でありますから、それで全うされればまずは適切な運営と思います。
 さて、これを運用しようということになると、今の境界面積が千五百から三千になって、それから上は国の方と、地方大店審あるいは県知事にゆだねる部分と分かれましたりしますね。そういうことになると、これは相当な作業が生まれてくると思う。
 したがって、この作業をどうこなすかについては、またこなすだけの体制が必要かと思う。通産省において、人員の確保あるいは予算の裏づけ、地方公共団体におけるこれを担当する人員、あるいはこれに精通する研さん、裏づけの予算、これらについてはどのようにして準備をなさっておられるか、御答弁をお願いいたします。
#33
○政府委員(坂本吉弘君) 基本において委員御指摘のとおりでございまして、私どもも三年度予算におきまして、その事務の執行体制について大蔵省及び総務庁の大変な御理解を得て、最近の行政機構としては異例の増員を認めていただいたところでございます。また、地方公共団体につきましても、自治省の大変な御理解と御支援を得まして、種別境界面積の変更に伴う所要の財源措置につきましては、地方交付税交付金の交付といったことを通じて御配慮をいただいておるところでございます。
 また改めて、本法がもし仮に御承認いただきました場合には、私ども一定の準備期間を経て、例えば来年初頭くらいから全体のスキームを運営したらどうかと考えておるわけでございますが、大部分その執行は平成四年度から始まるというふうに考えておりまして、また平成四年度の予算要求に当たりましては改めて、大店審に諮問をいたしております結果に基づきまして、新たな出店調整処理システムに必要な機構なりあるいはそれを執行するための予算なりというものを精査いたした上で、財政当局あるいは総務庁その他に要求をしてまいり、この新しい体制への移行に万遺漏なきを期したいと、こういうふうに考えているところでございます。
#34
○吉田達男君 現在、申請中のものが二千五百存在しておると伺っておりますが、正確な数字かどうかはわかりませんが、その程度あると。これがやがて出店をされる。さらに、本法が改正になり施行されると、また出店の申請がなされる。これはどのくらい予想されるのか。それがまた、全体的に中小小売業にどのような影響を及ぼすと考えられるか。
#35
○政府委員(坂本吉弘君) 現在二千五百件と一般に申しておりますが、その後それぞれの案件につきまして各地で大変その処理をスピードアップしていただいておりますので、現時点ではかなり下っていようかと存じます。
 最近の出店動向でございますけれども、昨年五月三十日に新しい措置を導入いたしました直後は、例えば五月とか六月、七月は大変高いレベルで推移いたしておりましたが、昨年の九月のあたりから出店件数は非常にテンポが落ちてまいりまして、ただいまでは一種、二種合わせて全国で約八十から九十前後で推移をいたしている。一時いわば出店ラッシュというふうに形容された時期もございましたけれども、その後システムに対する信頼性が回復するとともに、それほど慌てて出店表明をせずとも、一定のルールのもとで一年半の中で処理されるという信頼感が出店サイドにも出てまいったのではないかと思いますが、ペースは非常にマイルドになってきております。
 これからどの程度の出店が行われるかという点につきましては、いろいろな要素が絡んでおりまして、ここで大体何件ぐらいと申し上げるのも大変難しいわけでございますが、最近の出店動向を見ますと、全国的な規模のいわゆるチェーンストアというところの出店傾向というのは、ほぼ一段落をしておるように思います。
 これが大規模に各地に出ていくということよりは、むしろ地方の中堅スーパーの拡充とか、あるいは最近ではいわゆる専門店というものに対する消費者の志向が大変高まっておりまして、専門店の拡充といったようなことが各地でこれから見られる傾向ではあるまいか、こんなふうに思っております。
 いずれにせよ、考えられる出店に十分対応できるような体制を行政サイドでも整えねばならな
い、こんなふうに考えておるところでございます。
#36
○吉田達男君 ちょっと小さく、小さくといいますか、境界面積が三千以下のものは都道府県にゆだねるということになれば、今度は知事の方がその審査の件数としては多くなるのではないかと想定されますが、この点の推移については通産省はそちらの方がふえる、こう見込まれますか。またそうだとすれば、自治省の方でこれについての体制はどうなっているか。先ほど通産省に尋ねた同じ内容を自治省の方にもお答えいただきたい。
#37
○政府委員(坂本吉弘君) まず、事務配分に伴う大まかな見通しでございますが、私ども、今回の種別境界面積の変更によって、従来六対四ぐらいで国の方が多かったものでございますが、それがほぼこの大店法発足当時の四対六という比率にまで変わるのではないかという見通しを持っておりまして、これによりまして、出店される店舗というものがやはり年々大型化しているという実態を踏まえて、大店法施行当時の事務配分に戻り得るのではないかという見通しを持っております。
#38
○説明員(松本英昭君) お答えいたします。
 都道府県の事務体制に係ります経費につきましては、これは機関委任事務でございますが、地方財政法上、地方交付税によって措置することになろうかと思います。この点につきましては、今年度分の当初算定はまだこれからでございますので、よく通産省の方とも打ち合わせて必要な経費については所要の措置を講ずるよう、検討してまいりたいと考えております。
#39
○吉田達男君 ちょっと自治省といいますか、都道府県の知事にかわって全国を見ると、この間の統計では三分の一の市町村が人口が減っているのですね。人口が減って、消費者が減っている。そこに大店が出店をする、面積は五百平米から三千だと、こういうことになりますね。人口がふえているところと減っているところとは、おのずとそのインパクトが商店に対して違うと思うんです。そこで、市町村長あるいは知事の意見がそれぞれ具体的に生きなければならぬと思うんです。この点については、画一的な、機械的な、さっき言った原理的な審査基準はありますが、これに対してまた地方自治体としては特殊的な地方の情勢を的確に運用の過程で生かされなければ、住民が死ぬるわけですから、法の趣旨が全うできないわけですが、どのように考えておられますか。
#40
○説明員(松本英昭君) 委員御指摘のように、それぞれ地域における情勢は、それぞれ地域の事情に応じて地域の意見の反映というものがなされることは大変大切なことだと思います。ただ一方では、この商業流通という問題につきましては、全国的に余り差異があるということもいろいろ不満が出たり批判があったりすることもまた事実でございまして、その辺の兼ね合いのところが大変難しい問題ではないかと思うわけでございます。
 今回、大店法の改正の中で、十五条の五という規定の中におきまして、そういう地方団体の独自の施策というものを認めつつ、しかしそれは大店法の趣旨を尊重してこれを行うのだという規定を置きましたのも、そういう観点からの配慮ではないかとまた考えている次第でございます。
#41
○吉田達男君 今、地方自治体の意見について、議会の意見もある、条例の場合もある、要綱の場合もある。上乗せ、横出しをどう扱うかということであります。法律の趣旨に従え、こういうふうに書いてあるのは、そのようなことをするなと、こういう趣旨でございますか、通産省としては。
#42
○政府委員(坂本吉弘君) 都道府県において何らかの措置を講じられる場合には、この大店法の趣旨に沿って行っていただきたいということを明らかにしたものでございます。
#43
○吉田達男君 それじゃ、この大店法の法律の趣旨を尊重して扱いながら、地方自治体がその趣旨に沿う範囲で補完的な措置をする、こういうことについてはある寛容度においては認められる、こう理解していいわけですね。
#44
○政府委員(坂本吉弘君) 私どもといたしましては、大店法の趣旨を無意味化するような従来行われていた行き過ぎた地方公共団体による措置は、排除されることが必要であると考えておるわけでございます。
#45
○吉田達男君 これは、先般も憲法との絡みで地方自治体の条例制定権に及んだ議論をしたことがございますが、自治省の方からもおいででございまして先ほど答弁いただいたのですが、この趣旨を全うできる範囲の規定というものは、手続的にはどのようなものになりますか。要綱のようなものになりますか。
 あるいはもう一つ、一緒ですから、議会で既に決定をしている決議がありますね、条例もあります、要綱もありますが、これらは、この法律が通ったらどういう扱いにいたしますか。そこのけじめは、どういうけじめをして処理をいたしますか。
#46
○説明員(松本英昭君) 憲法で規定いたしておりますのは条例の制定権でございまして、御案内のとおり、地方公共団体は法律の範囲内において条例を制定することができるという規定でございます。したがいまして、地方公共団体がいわゆる規範としての条例を定めます際には、これは法律の範囲内において行うということでございまして、この法律が通りました際には、この趣旨を尊重した条例制定がなされるものと期待をしておるわけでございます。
 一方、要綱の方につきましては、これはいわゆる行政指導上の問題でございまして、規範上の問題ではございませんので、その要綱において施策を講ずる場合には、法律と条例の関係ということではございませんが、やはり今の「法律の趣旨を尊重して」という規定は行政指導を行います際にも同様に適用されるべきものと考えております。したがいまして、地方団体におかれましては、この法律が通りましたら、それぞれ地域の実情に照らしまして適切に対応していただけるものと期待をしている次第でございます。
#47
○吉田達男君 だんだん時間が迫ってきまして、法律の施行が進んできますと、審査、勧告が行われ、四カ月、八カ月、十二カ月、一年、時間が来たら見切り発車をすると、こういうことになっておりますね。納得が得られなくても、もともとそういう仕掛けで進むのだと、こういうことになっていますね。期日を切っておる。そして、これが勧告なされたら、これについて再審査の請求をする道がこの法律には書いてない。このものについては、私は非民主的な扱いじゃないかと思うんです。これは、むしろ欠陥と言ってもいいかわからぬ。
 大店法のときに、岩手の江釣子だったと思いますが、行政訴訟があった。この場合には、商店側の方が相当な影響を受けると七条の根拠に基づいて訴訟を起こしたのでありますが、原告たらずとする、適格しないという門前払いをして、行政訴訟においても判例としては再審の方法が閉ざされておる。そのようなものは、極めて非民主的と言わざるを得ないのでありますが、担当官はどういうふうに考えられますか。
#48
○政府委員(坂本吉弘君) 本法は、基本的に営業の自由に対する制約を一定の限度内で課したものでございます。そういう意味で、大店法の趣旨にのっとって、出店しようとする大型店の権利を制限して、地元の中小小売業者への事業機会の確保を図ろうということでございますので、少なくとも地元の中小業者の利益の保護というのは、この法律に則して申し上げれば、大型店の権利の制限をどの程度にするべきかということに尽きると法律的には解釈されるところでございます。
 したがいまして、先ほど御指摘の判決におきましても、間接的にあるいは反射的にその利害を受ける地元の中小小売業者にはいわゆる法律上争う原告適格がないという判断がなされているところでございまして、いわば営業の自由をどこまで公共の福祉で制限し得るかという観点からとらえますと、私は民主的なものではないという御指摘は当たらないのではないかというふうに考えております。
#49
○吉田達男君 これは、中小企業基本法の根本的なことにかかわる方針でありますから、ちょっと
しつこいのですが、明らかにしておきたいと思う。
 基本法には、中小企業以外の事業活動について調整をしたり、あるいは中小企業者の活動の適正な機会を確保するというようなことが明確にされておる。分野調整法でも、やはり同様に「中小企業の事業活動の機会を適正に確保」する、こういうふうになっておる。商工会議所法の九条を見ると、やっぱりそのような中小企業者の意見を踏まえて国に対しても建議する、このように一つの権限として付与しておる。そういう趣旨のもとに私は運用されなければならぬじゃないかと思っておるんですよ。
 しかし、この法律を見ると、法律の七条のキーは私は生きておると思うけれども、流れからいうと大転換になったという今日だから、この調整機能というものを持って、また救済を片方側で主張して、その意見をまた再び取り上げられるというフォローする機能が保障されていいのじゃないかと思う。調整というのは、どちらが正しいということを絶対的に決めるのじゃなくて、つまり両方の言い分を聞きながら納得を求める、こういうところが一つの姿勢であります。
 期間が十二カ月で切られた。今まで長かったのは、アメリカから指摘された、それはきちっとしましょう、期限を切る。なかなか大店審でも議論が尽きない。議論は尽きないけれども、一定の結審をしなければならぬから結審をして出す。そのものには勧告として、両者の意見を聞いたものとして大臣は勇気を持って出すにしても、そのとおりでございます、大岡裁きでございますといって心服するという保証はない。
 これは、勧告において、時間にしても面積にしても、削られた方は不服を持つであろうし、また片方においては受け取りが違うかもわからぬ。そういうものに対して、これはもう切り捨て御免だ、こういうことで意見を全部伏せてしまわれるということは余りにも硬直した法の扱いと言わなければならぬので、運用の面における判断も含めてもう一度御答弁をいただきたい。
#50
○政府委員(坂本吉弘君) 御指摘の懸念は、私どもも含めまして、関係者のすべてが今後とも心していかねばならないことだと思っております。
 法に則して申し上げますと、大店審はいろいろなプロセスを通じて地元の意見を十分聞こう、こういう体制で調整に当たろうといたしておるところでございまして、法律に則して申し上げれば、大型店の営業の自由をどこまで制限できるかという点に法律論としては尽きるかと存じます。かような意味におきまして、新しいシステムにおいて、一年という期間の中で関係者の意見というものが可能な限り反映されて、適切なかつ妥当な調整が行われるべく、私どもも関係者もすべて努力しなければならないというふうに考えておるところでございます。
#51
○吉田達男君 これは、見解が分かれてしまう内容かもわかりませんが、私はそう主張しておきます。大臣においても、立場は提案者でありますから、その立場は私も理解いたしますけれども、審議官との質疑をそこでお聞きいただいて、運用において大臣の名前で勧告をされて、あなたがなされた勧告について心服をしない場合の方がむしろ、商調協の納得するまで話そうというケースとは違った行き方ですから、むしろ非難を受ける場合さえあるということを思われながら私の指摘を受けとめていただきたいと思う。
 質問を変えますが、輸入品売場に関する特例法についてでございます。
 もともと、この大店法にかかわる日米構造協議をいたしましたときは、大店の出店を透明度をよくして早くすれば規制緩和されて外国商品も輸入が促進されるであろう、こういう含みで進んできたものでありまして、大店法の改正そのものが輸入品の国内における販売促進につながる、こういう構図のものでありました。それでいわば日米構造協議の意図は私は半分以上全うされておると思う。
 それをさらに、この特例法をつくって、外国製品だけは大店面積の中でカウントしないという恩典をして、あえてこのような措置をされるということは、行き過ぎではないかと私は思う。これについてはどういう見解をお持ちか、お答えをいただきたいと思う。
#52
○政府委員(坂本吉弘君) 日米構造協議における交渉の経過につきまして一つ一つ申し上げるつもりはございませんが、基本的には米国側の要求は、我が国の市場における大店法の廃止に基本がございました。
 そういった交渉の過程で、私どもといたしましては大店法の枠組みを維持することが必要であるという判断をいたしておりまして、その判断はスターティングポイントから違っておったわけでございます。そういった中で、しかしながら我が国として輸入の拡大に努力をするというのは一方のまた国策でもあろうかと。我が国の貿易収支あるいは国際的な環境を考えれば、そのような要請にこたえていかなきゃならないという政策的な問題もございます。
 そういった二つの相矛盾する考え方をどこで、どう調整をしていくかというのが私どもの基本的なスタンドポイントでございまして、そういう意味で、我が国に対する、我が国の市場に対するアクセスをできるだけわかりやすく、透明度の高いものにして参入の機会をふやす、参入の機会を公平かつわかりやすいものにするというのが大店法の改正でございます。
 しかし、さらにできるだけ輸入品の需要というものに大店法の枠組みを維持した上でこたえるためには、輸入品において特別の扱いをすることによりまして、大店法の枠組みを維持しながら輸入品の増加に寄与する、こういうことを考えた結果、特例法を改めて御提案申し上げたわけでございます。過去の交渉結果を一々申し上げるつもりはございませんけれども、そういった経過を経て考えたものであることを御理解願いたいと存じます。
#53
○吉田達男君 それでは、具体的に質問いたしますが、今までは百平米だったのですね、それがいきなり千平米であります。トライアルなしに中間を飛んでいきなり十倍にされた。そこまで踏み切られたというか、そのことの見込みの中には、それによる販売方法というものを通産省の方ではどれくらい期待をして、それによって外国輸入高が大幅にふえる、どのくらいふえる、そういうふうに見込まれているのか。これはアナウンス効果なのか。そこのところは、どういう計算をされて面積なんかも出されたのですか。
#54
○政府委員(坂本吉弘君) 大変難しい御質問でございまして、定量的にお答えをするというのは現段階では難しいわけでございますが、ただいま御指摘の百平米までの輸入品特別売り場の運用で認めてまいって、現在の措置で地方都市を中心としたものでございますけれども、大体六十軒くらいが輸入品専門売り場としてそういうコーナーを今日一年間までの間に設置がされてきておるわけでございます。
 いわゆる本格的な輸入品の拡大を図る、そのために大店法の特別の手続を定めるということにいたしまして、一体それをどの程度のものにするべきかという点につきましては、定量的な側面からすべて数字で割り出すということは大変難しいことではございますけれども、最近における各地の輸入品に対する需要の動向あるいは外国サイドからアプローチをしてまいりました場合に、意味のあるだけの面積規模というものがこれは考えられなきゃいけないだろう、しかし一方において、余りにそれを野方図にすることは周辺の中小小売業者への影響を非常に大きなものにするだろうと、こういったことを考えながら千平米という一つの規模を設定したわけでございます。
 私ども、これによりまして、どこにどういうふうに輸入品専門売り場ができるかということを数量的にお示しするのは現在の段階で難しいわけでございますけれども、一つの予想といたしましては、最近我が国へ輸入品をいわば専門店として持って売りたいという希望も幾つかございます
し、また地方都市におきましては、百平米ではちょっと少ないのじゃないかと、もう少し広げてこれをいわば集客の一つの目玉と申しますか、材料にしたいという声もございます。
 そういったことで、急激に消費に絡むことでございますから、こういう制度をつくればもうあすからどんどん輸入品が入ってくるというわけのものではございませんけれども、こういう制度があるということを前提といたしまして、またビジネスの方もそれに即応した体制を考えるということもございますので、輸入品の増加に対して一定の効果を持つものと、こういうふうに考えているところでございます。
#55
○吉田達男君 それじゃ、具体的に質問しますが、現在まで外国商品を売っていたコーナーがあると、このたび千平米まではという法律ができた。この場合、今までのはカウントしないのか、もう既に既得権だからそれは置いておいていいのか。販売の方法として、日本の商品と外国商品と置いておく、アメリカの商品とフランスの商品と置いておく、こういうことの方がお客さんに親切であり、また購買力を誘発するについてもそのような商品演出の方が効果が上がると。さすれば、あえて外国品コーナーと、こういうことにしない商品陳列の方が外国からの輸入がかえってふえるのじゃないかという感じもある。それは、結局その商店の経営方針の問題であろうと思うんですね。
 しかし、あえてこういうふうにされる、その方が売れると、こういうことでされるのか。また、一軒のうちの中で、あのコーナーでアメリカ産を置く、このコーナーでフランス産を置く、二階で外国商品を売る、三階でも外国商品を置くと、こういう場合の面積カウントというものは、だれがどういうふうにチェックをしてそれを営業の中でこの法律施行をされるのか、その体制はどういうふうなことで保障されるのか。
#56
○政府委員(坂本吉弘君) おっしゃるとおり、輸入品を特別の売り場を設けた方がいいのか、輸入品と国産品をまぜて商品のコーナーとして売った方がいいのか、それがどっちがビジネスで有効なのかは、まさに御指摘のとおり各商店の判断でございます。
 しかしながら、輸入品専門売り場ということで、いわば輸入ブランド品と申しますか、そういうものの持つ魅力というのもなお依然として強いということを考えますと、お店によっては輸入品コーナーというものを設けて、それを集客の一つの手段にされるという選択もまたオープンにしておいていいのではないかというふうに考えるわけでございまして、御指摘にございましたとおり、最終的には経営者の判断であろうかと存じます。
 第二の点につきましては、現実に輸入品専門売り場というものを設けます場合に、一カ所に千平米のものがなければならないというふうに考えますのは大変硬直的でございまして、今の設例でいたしますと、例えば一階に何かの輸入品専門売り場があり、また二階にある、あるいは二階の中にも一つの隅あるいはその他の隅というものがあって、合計いたしまして一つの建物の中で千平米というものの中におさまればいいと考えておるわけでございます。
 ただ、余りにも細かく分かれて輸入品専門売り場と確定できないようなものでは困るので、恐らく運用におきまして一定の最低面積みたいなものを考えるのが実態に即しているのではないかということで、関係者の意見を今聴取し始めているところなわけでございます。
 輸入品専門売り場であるかどうか、あるいはそれが変に国産品の売り場に転用されていないかどうかという点につきましては、まず輸入品売り場であることをはっきりさせるための措置をとるべしということをこの法律の政令で定めるということを前提にいたしておりまして、ただいま運用で行っております百平米までの輸入品専門売り場につきましても、行っていただければわかると思いますが、一つのコーナーを他と区切りまして、ここが専門売り場であると明確にわかるような表示と区切りがしてございます。
 こういったことをこの新しい法律においても要求をいたしたいと思っておるわけでございますが、それをどういうふうにチェックしていくかという点につきましては、種別境界面積の多寡に応じまして通産局及び都道府県におきまして報告徴収あるいは立入検査、その他の手段を通じてチェックをしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#57
○吉田達男君 輸入品についてもう一つ。
 一番心配をしましたのは、つまりそういうことでコーナーを確保するとして、外国品としてキープをした後、どうもやってみたけれども、大事なコーナーの中でその面積をずっと維持することが難しい、一般の売り場にしたい、増床計画に切りかえると、こういうことでもってこの輸入品売り場というものを突破口にしてまた増床する、こういうことをやるのじゃないかという抜け道を心配する声が非常に強い。そういうことがあったら、これはもう法の不信になりますよ。この点については厳格な適用をされたいと思うが、端的にお答えをいただきたい。
#58
○理事(前田勲男君) 御答弁は簡潔にお願いいたします。
#59
○政府委員(坂本吉弘君) 御指摘の懸念はございます。したがいまして、輸入品専門売り場を通常の売り場に転換いたします場合には、所定の調整手続を経なければならないということにいたしたいと思っております。
#60
○吉田達男君 それでは、商業集積法に関連して質問をいたします。
 これは、なかなか勇気を持って建設省も乗ってくれたと、自治省も町づくりとしてやろうと、通産省はもちろん今まで培ってきた商工業のノーハウのすべてをかけて成功させようということで、我々も期待をしておるのです。
 期待をしておるけれども、段取りで若干心配もいたしますので質問をするのですが、この基本指針を三省がつくるのですね。これは法律に書いてありますが、この四項目をもうちょっと具体的に説明をしていただきたいと思います。それから、それがいつ示されるのか、あわせてお尋ねしたい。
#61
○政府委員(棚橋祐治君) お答えをいたします。
 この法律の四条二項の一号から四号までに規定がございます。簡潔に申し上げますが、特定商業集積の整備に関する基本的な事項としましては、市町村が基本構想をつくりますので、当該市町村の商業振興ビジョンをつくっていただき、かつその中で個別のプロジェクトについてどういう位置づけにあるかというような基本的な事項をお示しする。
 それから、第二号の、これは一番肝心なところですが、商業基盤施設と商業施設に関する事項は、商業施設、物を売り買いする施設の規模、あるいはコミュニティーホール、イベントホール等のそれを支援する商業基盤施設についても、やはり規模あるいはどういう支援施設をどういう組み合わせでおつくりになるか、こういう基本的な問題を示させていただく。
 それから、第三号の公共施設と一体的に整備すべき事項については、建設省、自治省と御相談をしながら、公共駐車場とか道路とか公園、下水道等、そういう広場の商業施設を支援する事項について示させていただく、こういう考え方でございます。
 なお、第四号のその他重要事項の中では、特に地域住民とのいろいろの関係の環境保全とか、最近生涯学習の振興ということでいろいろの催し物、文化施設を要請する声も大変強いわけでございますので、そういうものもこの第四号の重要事項の中に基本的なものとしてお示しをする、こういうことを考えております。
 なお、公表の時期につきましては、この法案が成立次第できるだけ速やかに公表したいということで考えております。
#62
○吉田達男君 この集積法を実際にやるとして、基本指針を受けて市町村が基本構想を立てて具体
的に進んでいく、こういうことで町づくりになるわけですね。
 それで、この基本になるものは何かというと、商店街づくりとは一体どういうものを目指しておるのかという一つの理念というか、あるいはその地域の人や市町村長の方針というものが出てこなければならぬわけですけれども、そのもとになるデータが、例えば商店街ということになると、その商店街の後背地になっているお得意さんはどうなのか、その消費性向はどうなのか、商圏調査はしてあるのか、交通アクセスでどの方向からお客さんが来て、向こう側の通りの方が多くてこっちは少ないとか、そういうような基礎的なデータを掌握していなければできないのですね。そうすると相当な時間がかかると思うんです。また、そういうようなものをまとめ上げていく構想を示しながら、市町村長にしても、地域の商店街の皆さんへの説得力ある作業を進めるということについては、なかなか短い期間には難しいと思うんです。
 そこで、これを進めるに当たって、建設省はどういう観点に立ってこの都市計画運用、建築基準法の運用を駆使しながらこれにかみ合っていこうとしているのか、建設省の方からひとつ考えをお聞かせいただきたい。
#63
○政府委員(内藤勲君) 建設省におきましては、本法律に基づきまして町づくりの観点から商業集積の整備を図っていくということで、個々の商店の対応策を超えた広域的な観点から、しかも公共事業などをどういうふうに絡ませてその地域の振興を図っていくか、そういう観点からこの事業に協力していきたいと思っております。
 なお、この事業の推進に当たりましては、都市計画と調和させながらと法律の文言にもありますように、都市計画のマスタープランあるいは用途規制などとマッチさせながらこの事業を進めてまいりたいと思っております。
#64
○吉田達男君 一般的にお答えいただきましたが、そういうことで当該市町村が基本構想を立てる過程からデータを持って、その商店街が成功しなければならぬということでやるのですね。やるから、基準法の地域指定等にも当然合致して認可がおりるはずであります。はずだけれども、そのピッチ、事業実施の年度、こういうものが今までの経験では各省ちぐはぐで合わなかったのです。建設省が掘り返していいぐあいにしてくれるのだけれども渋滞をする、こういうこともある。また、交通アクセスが必ずしもタイミングよく実施されるとは限らぬ。そういう努力をやるのだけれども、もう一つ肝心なことは、みんながそこの商店街を成功させようと集中をしておるのに、大店がまた影響を受ける範囲内に店を出すということがあるのです。
 そういう場合の適正配置とかいうようなことは、一体どう考えたらいいのか。これは、都市計画にかかわることでありますから、都市計画の区域の用途指定に当たってそういうところを随分考えてもらわなきゃならぬ。また、通産省においては、そういうショッピングセンターというものの地域における適正な配置――過当な競争をしない、またそこの商店の皆さんにも適正な販売の場を確保してあげる、こういう観点から言うと、あっちにもこっちにも出させたらいかぬはずなんです。そういう適正配置は行政上どういうふうな判断で生きるのか、またそういうものをコントロールする地方自治体の基本構想を立てて施行してまたフォローする役所としては、それだけの見識と体制とを持っているか。
 役所に行くと、特に商工業関係の職員は少ない。伝統のある農業関係は一定ある。また建設業関係もある。商工関係の陣容が地方自治体では一番人数が少ないのです。しかし、これは大変大事なことでありまして、このことについてどのように充実をして指導されるか、体制を強化されるか。これは、一にかかって人員の維持であり、財政の裏づけであり、またそれに取り組む為政者の意欲であると思うんです。この辺については、自治省の方からその指導するお考えをお伺いいたしたい。
 時間がもう参りましたので、それぞれの三省にお答えをいただきたいと思います。
#65
○政府委員(棚橋祐治君) 吉田先生御指摘の適正配置という概念につきましては、率直に申し上げまして、ゾーニング的な考え方は通産行政においてはこれは考えていないと申し上げざるを得ません。
 先ほどるる御指摘の大店法の調整手続の中でも、出店は、営業の自由は当然あるわけでございますが、先生御指摘のように、中小企業者の営業の機会の確保との調整でいろいろの調整手続が行われるわけでございまして、その意味で、いろいろな話し合いの過程において、言うなれば結果的に大型店と中小小売商業との共存共栄的な配置になるものと期待いたしております。
 私どものこの特定商業集積法の対策におきましては、これは市町村が中心になりまして基本構想の中で、今先生まさしく御指摘の当該市町村の商業人口あるいは商店街の形成、どのくらいのお店があるか、それによってどういう顧客がどういう分布になっておるか、そういうものを見まして、あるいは近隣市町村との関係で当該市町村の商店街がどう栄えており、あるいは残念ながら衰亡しつつあるかを見ながら基本構想をつくっていただくわけでございます。
 基本はやはり、特にこの共存共栄の場合は、大型店を招致して小売商業と一緒に共存共栄を図っていく、あるいは商店街の活性化タイプは、小売商業振興法改正法の御提案をしておりますが、それと両々相まちまして施策を講じて活性化を図っていく、こういう形で健全な商店街の形成を図っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、そのための所要の人員の確保につきましては、まさしく先生御指摘のとおりでございますが、私ども通産省全体として、特に中小企業庁においては先生方の御支援を得て、商工会議所、商工会においていろいろの経営指導員等のスタッフが相当数充実されておりますので、さらに一層その充実に努めながら、こういう我々の施策が効果が出るように頑張っていきたいと考えております。今後とも、どうぞ御支援のほどお願い申し上げます。
#66
○政府委員(内藤勲君) 都市計画の観点で、そのゾーニング、地域性の絡みの御質問がございましたけれども、高度商業集積、特定商業集積につきましては、私どもは基本的には商業地域とか近隣商業地域とか商業系の地域に誘導するようにしてまいりたいと思っております。そういう観点から、そういう形で誘導していくわけですが、町はだんだん発展してまいりますので、その町の発展に合わせまして、場合によってはゾーニング、新しい商業地域の追加とか、そういったことで対応していくということも必要になろうかと思っております。
 それから、支援体制の関係でございますが、その地域で町づくり、再開発その他を行うということになりますと、自治体の関係職員の支援体制も重要ですし、さらに外部の都市計画関係のコンサルタント、再開発コーディネーター、そういった方々が活躍していただく場が出てくるかと思います。そんなことで、私どもの方は、その地域の再開発、町づくりをする場合の設計計画とか、あるいは税制、法制あるいは管理運営の専門的知識を有する人間を育ててまいりたいということで、再開発コーディネーター協会などで研修活動などを既に始めておりますが、そういったことをさらに充実していきたいと思っております。
#67
○説明員(松本英昭君) お答えいたします。
 地方公共団体の体制の問題でございますが、一つは事業の面につきましては、私どもといたしましては、例えば計画策定からソフトの事業、そういう事業も含めまして交付税等で財源措置をしていくことにいたしております。
 一方、職員の面でございますが、この点につきましては、それぞれの実態をよく見て、地方行政の簡素効率化という要請等も踏まえながら、地方行財政全体の問題として検討していく問題ではな
いかと考えている次第でございます。
#68
○吉田達男君 終わります。
 ありがとうございました。
#69
○三木忠雄君 それでは、長い間衆参で議論を重ねてこられたわけでございますし、いよいよ私と市川さんで終わりでございますので、同点かの問題、重複をするような問題についてはなるべく避けたいと思っておりますが、一、二点だけちょっと伺っておきたいと思います。
 広中委員からも相当質問されておりますので、この大店舗法、特に九〇年代はやはり流通問題が一番大きな問題になってくるだろうと私も考えるわけでございまして、大型店と小売店の調整、どういうふうな方向にいくか、流通ビジョンがいろいろ出ておりますけれども、やはり流通サービスの問題が非常に大きいだろう。また、海外からの資本の投入というような問題、あるいはECの市場の統合化が九二年に行われるという問題を含めますと、いろいろこれからの輸入問題、国際化の問題の中でやはり避けて通れない問題であろうと私は思います。
 そういう意味で、私は、これは消費者の保護という立場から、あるいは生活者の立場という観点から考えたならば、今回の大店舗法は早くやるべきであるという観点に立っております。しかしながら、今までの商業流通政策の中で、消費者の保護という立場から大型店あるいは小売店というのは、どういうふうな役割を果たしてきたのか、この点について第一点伺っておきたい。
 それから第二点として、大店舗法がどういう役割を果たしたのか、この点についてまず伺っておきたいと思う。
#70
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま三木委員から大変に歴史的な流れの中における経過、その上に立っての大店法というもののある意味における必要性、必然性、これも付言していただきましたことは感謝にたえません。
 まず第一に、その中においても消費者の利益の保護というものの観点からいろいろと御質問でございますが、御指摘の点に関しましては、大型店は、豊富な品ぞろえ等によるワンストップショッピングという機能を通じまして、消費者の利便性の向上に資するということが期待されているところでございます。一方、中小小売店につきましては、その独自性あるいはまた機動性あるいは最寄り性等を活用しまして特定の分野における品ぞろえの充実、あるいはショッピングに際してのコミュニケーションの重視等を通じまして、きめ細かに消費者ニーズにこたえることが期待されるところでございます。
 いずれにいたしましても、小売業がますます多種多様化する消費者ニーズにこたえていくためには、今後とも、大型店あるいはまた中小小売店を問わずさまざまな業態展開が図られることがまた期待されるところでございます。
 こういう中で、大店法は、所定の出店調整を通じまして、先ほど委員が申されました消費者の利益の保護を配慮しつつ、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することによりまして、その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保するということの目的を実現することによりまして、大型店と中小小売店それぞれの業態展開及び小売業の健全な発展に寄与するものであろうと思われるものでございます。
 以上でございます。
#71
○三木忠雄君 大店舗法がいろいろ果たしてきた役割を今大臣からるる述べられましたが、出店調整にまつわるいろんな問題を今日まで私も見てきました。ある意味じゃ別府で、ここに先生いらっしゃいますけれども、五店のうち四店はやったけれども、一店はちょっと変な調整をされたといううわさがあるのですね。あるいは、豊橋ではこんな事件があったとかこうだったとか、京都ではこうだったとかいう商調協の問題にまつわるいろんな意見、おのおのが一生懸命やってこられたことはわかるのですけれども、最終的にだれが負担するかとなれば消費者が負担するのです、この問題は。
 これは、後で都市計画の問題等具体的に伺いますけれども、やはり出店調整だとか、あるいは自由化を規制しているという問題は何かといえば、例えば住宅のデベロッパーを考えてみましても、私は建設省にいろいろ意見を言ったことがあります。やはり住宅デベロッパーをやろうとしたときに、公共負担だ、何だかんだで、結局最終的に消費者が住宅を高く買わなきゃならない。それは、行政のいろんな怠慢の問題もあるでしょうし、あるいは地域住民との調和の問題があるだろうし、いろんな点があるのですね。
 したがって、こういう問題の調整をできるだけ明らかにしながら、国民があるいは当事者がわかるような形でなるべく公平に行われることが一番大事なんです。これは、非常に難しい問題だと思いますけれども、こういう審議の経過でやはり調整のガイドラインといいますか、これから大店舗法が施行されるに当たって、いろいろガイドラインあるいは調整の透明性をうたっておりますけれども、どういうふうにしていくかということが、これが一番難しい問題だろうと先ほどから議論されておりますけれども、この点を、公開性あるいは透明性という問題をどういう観点からねらっていくのかという点を審議官に伺っておきたいと思うんです。
#72
○政府委員(坂本吉弘君) 委員御指摘のとおりと存じております。そういう意味で、調整のためのガイドラインというものを今日の情勢に合わせてできるだけ客観性の高いものにし、過不足のない公正な調整というものを目指したいということで対処してまいりたいと思っておるところでございます。
    ─────────────
#73
○理事(前田勲男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、庄司中君が委員を辞任され、その補欠として翫正敏君が選任されました。
    ─────────────
#74
○三木忠雄君 非常に言葉と実態はなかなか難しいと思います。苦労もこれからあると思いますけれども、ひとつ大店審の機構の問題とか予算の問題だとかいろんなこれから御苦労あろうと思いますけれども、懸命に頑張っていただきたいと思うんです。
 この出店調整が日米構造協議で三点の段階を踏むようになったわけですね。今、一年半の運用緩和で実施しているわけです。これはことしの九月ですか、十月までが一年半になるのですか、それで後その次の段階として今回の大店舗法、それから二年後の見直しと、こういう形になるわけですね。それを一年半と一年という限界を決めたのは、何か根拠があるのですか。
#75
○政府委員(坂本吉弘君) 昨年の構造協議に当たりまして、まずもって行政措置としてどこまでやれるかということを考えまして、一年半という措置を導入したわけでございます。現在、この一年半という期間の中で、大変関係者の御努力により、全体として円滑に進んでいると考えております。
 また、この運用を前提といたしまして、日米構造協議でもさらに問題を詰めれば一年で可能ではないかということで、審議会にも諮問し、またただいまの運用の経験にも照らして、例えば事前説明は約四・一カ月で終わっているということ、さらに法で定める五条以降の調整期間は最長で八カ月であるということを考え合わせますと、一年で行うことが外国からの要請にも即し、また決して実態から見てもそんなに短いものではないという判断をいたしたところでございます。
#76
○三木忠雄君 そうであれば、一年半の運用規制の緩和の実態をはっきり掌握した上で、本来ならば一年にするとか半年にするとか、あるいは一年二カ月にするとかいう結論を出すのが本来の姿ではないか。
 しかし、日米構造協議のいろんな議論があり、やらなきゃならない立場もあったのだろうと私は察しますけれども、まあ一年半が一年という、この一年を基準というのは、考えてみればアメリカ
からもいろんな意見があるでしょうけれども、海外では大体一年ぐらいで結論を出しているというのが基準だそうですね。
 都市計画もあるだろうし、アメリカではやっぱりいろんな都市計画がうまくいっている、日本とは違った事情もあるだろうし、そういう点でまあ一年ぐらいだと言っているのですけれども、果たして日本がこの一年が妥当なのかどうかということについては、これから実施をしてみなきゃわかりませんけれども、日米の差を考えますとこの点の根拠がちょっと薄弱じゃないかと、こういうふうに私は考えるのです。その点について、もう一点伺っておきます。
#77
○政府委員(坂本吉弘君) 御指摘のように一年というのは、諸外国の都市計画の手続あるいは商業調整を目的としておりますフランスのロワイエ法の運用におきましても約九カ月から一年の間に終わっているのが実情でございますが、十分に一年半の措置を見きわめてから対処すべしとおっしゃる点は、そのとおりかと存じます。
 そういう点で、私どもも、本法を施行するに当たりまして異例の九カ月という準備期間を最長用意させていただいておるわけでございますが、現在一年半の実施状況というものを見きわめておりますところでは、ただいま現在の段階では、一年でやっていけるのではないかという感触を持っておりますが、さらに現在の一年半の措置というものを見きわめながら実行に当たりたいというふうに考えております。
#78
○三木忠雄君 時間がありませんので、何点か指摘しながら質問したいと思います。
 大店法と自治体の関係ですね。自治省にも伺いますけれども、上乗せ、横出し、大体どのぐらいの自治体で条例をやっているのか。通産省としては行き過ぎがあるというような条例規制はどのぐらいあるのか、この点について伺いたい。
#79
○政府委員(坂本吉弘君) 私どもが手元に最近時点で持っております資料でございますが、上乗せ規制を行っておりました地方団体は約百、横出し規制を行っておりました地方団体は約千でございます。そのうち、大店法の趣旨に反していわば行き過ぎた独自規制と考えられるものは約四百団体という実情にございますが、昨年五月以来の是正のお願いということを踏まえまして、現在までおおむね一割程度がその規定または運用の適正化を図っていただいたという実情にございます。
#80
○三木忠雄君 自治省は、どういうふうな見解を持っていますか。
#81
○説明員(松本英昭君) 私ども、実は全国的にこの大店法関係ということで規制状況を調べたものはございません。したがいまして、私ども、先ほど通産省の方から御答弁がございました数字で一応お話を対外的にもさせていただいております。
#82
○三木忠雄君 自治省の方もこういう問題は、いろいろ手間もあるのだろうけれども、やはりよく実態を掌握しておかにゃいけないと思うんだよね。いつも自治省は、自治体がやっているから、まあそれは実態がこうだああだという意見があるかもしれないけれども。
 やはりこれは今回の法改正しますと、通産省としては、今までトラブルが起こっているような問題等、条例等の問題に対して見直ししてくれとか撤去してくれとかどうだこうだというようなことを、自治省に意見を言うのですか、どうですか。
#83
○政府委員(坂本吉弘君) 自治省とよく御相談しながら、やはり是正に努めてもらうべく働きかけを行いたいと考えております。
#84
○三木忠雄君 自治省、その考えがありますか。通産省と自治省で、こういう行き過ぎの条例が四百とあるというのですね、こういう問題はやはり調整をする。
 私も、建設委員会で住宅の問題でも規制緩和の問題で、自治省はこういう問題で行政通達を出してもらったことがあるのです。そういう点を明確にして、やはり行き過ぎのところは行政で指導しなきゃいけないのじゃないか、こう思うんです。まあ自治省の介入だとかいろんなことを意見を言う人もいますけれども、そこらの問題はやっぱり調整しなければ、いつまでたったってこの調整ができないというような問題が過去にはあったわけですね。
 したがって、今回大店舗法が改正されるわけですから、こういう問題は通産と自治体の間で地方の行き過ぎの問題、条例の問題をどうするかというような対応は、私は関係者は非常に見守っていると思うんです。この点について。
#85
○説明員(松本英昭君) お答えいたします。
 大店法の地方の独自規制につきましては、この規制の内容について私ども独自で判断をして地方団体にここはどうだああだこうだと申し上げるのは、いささか私どもの立場ではないような気がいたしているわけでございます。通産省の方でそういう地方団体の独自規制につきまして通知を出される際に御相談がございますれば、私どもも御相談に応じてまいりたいと考えている次第でございます。
#86
○三木忠雄君 これは、通産省、明確にやられますね、こういう問題に対して、どうですか。
#87
○政府委員(坂本吉弘君) 法の趣旨に沿って、やるつもりでございます。
#88
○三木忠雄君 行き過ぎは、やっぱりいろいろ消費者の保護という立場から考えたら、いつまでもこういう調整はできないとか、あるいはずるずるやっているというようなやり方は余り好ましい問題ではない、こういう点を申し上げておきたいと思うんです。
 次に、商業集積法の問題で、余り時間がないそうですから、先ほど吉田委員からもいろいろ意見が述べられまして、答弁も伺っておりました。この商業集積法の基本指針あるいはガイドラインの問題というような、公表の問題だとかあるいは方向性という問題は非常に重要だろうと思うんです。
 一例を挙げれば、カナダのエドモントンにありますあの大きな商業集積のある場所がありますね。私も現実に見ました、何年か前に。例えばああいうものを描いているのですか。それとも、イベントができるとかあるいは駐車場をつくるとか、公共施設をつくるとか、先ほど文化施設をつくるとか、こういう附帯条件がありますね。
 こう考えますと、例えば建設省では調整区域の中で五万坪とか十万坪の規模の、これは市町村のガイドラインがあるでしょうから何とも言えませんけれども、そういうような大型の商業集積地域を各県に設置していくという考え方に立っているのですか。
#89
○政府委員(棚橋祐治君) 今、三木先生がおっしゃいましたカナダのエドモントンの場合は、これは世界一、二を争う大変な大規模な商業集積地帯で、年間八百万人ぐらいのお客さんが集まるというようなところでございます。
 私ども、理想的にそういうものができればもちろん歓迎でございますけれども、現時点で私ども考えておりますのは、それほど大規模なものはなかなかこれも時間がかかりますので、とりあえずその地域におきます商業集積を、予算的には高度商業集積として大店舗と共存共栄のものとしては十カ所、それから商店街の活性化のタイプのものとしては、これは箇所数がどのくらいになりますか予算的に特に特定はいたしておりませんが、全国一万六千の商店街がありますので、またかつ組合がありますのが四千ぐらいございまして、その中で相当程度この構想に関心を持っておられるところもありますので、私ども毎年何十カ所かずつ整備をされていくものと思っております。
 もちろん、その規模、程度につきましては、地域商店街の方々のお考えによりまして、市町村がその地域の商業人口その他を勘案して適正な地域に立地して顧客の集約力を高める、その商業施設だけではなくていろいろのコミュニティーイベント広場等を整備していく、こういうようなことになっていくと考えております。その意味で、規模はいろいろ大中小あると思いますけれども、中には相当程度の規模のものも今後出てくるかと考えております。
#90
○三木忠雄君 やる方向には賛成なんですけれど
も、過去に通産省でも、テクノポリス法案だとか頭脳立地だとかあるいは工業再配置だとか、いろいろやってきました。何年かけてやるのかわかりませんけれども、規模はいいのですが、いろいろな考え方はいいのだけれども、全部中途半端に終わる。あるいはイベント広場をつくっても、実際にこれからのソフトの面で今後どういうふうに維持していくかという商店街の対策の問題を考えたときに、ハードをつくるのはいいのだけれども、実際上なかなかそこでイベントをやるといっても、そういう企画だどうだということに対する助成とか育成だとかいった問題が全然過去には行われないわけですね。
 こういう問題をよくひっくるめてやらなきゃいけないし、そういう集積を市町村からいろいろガイドラインを出してくるといっても、今も吉田委員が指摘したように、やはりそれを計画する人というのは少ないと思うんです。最終的にはコンサルタントのところへ行くと思うんです。同じようなものが考えてみればできる。今私も話に聞いておりますけれども、国際的なこういうコンサルタントが、いろいろ日本のこの商業集積に対して深い眼を持ってこのコンサルタントをやろうという意見すら聞こえているわけですね。市町村にそんなスタッフがいるわけじゃないですから、失礼ですけれども、最終的にはコンサルタントのところへ行く、結局同じようなものが同じような形でできる、こういう形にならないことを私は望んでおきたい、こう思うんです。
 したがって、今後の問題として、この大店舗法が通りますと恐らく寡占状態になってくるのじゃないかという心配が一つあるのです。それと、アメリカがやっぱり日本の流通に対して相当な資本を投入してくるだろう、あるいは一部上場の企業だって場合によっては流通戦争の中に巻き込まれてしまってM&Aが始まるのじゃないか、企業買収が始まってくるのじゃないか。幸い、日本がセブンイレブンを買ったという例もありますけれども。
 こういう点で、やはり企業のM&Aの問題が絡んできて流通が寡占化になってしまって、消費者の保護と考えた大店舗法が逆に今度は消費者の保護の立場にならない寡占化状態が続いてくるのじゃないかという危惧もなきにしもあらず、なければ私は取り越し苦労だと思っているんですけれども、そういう点に対するこの流通の今後のあり方の問題について、ちょっと伺っておきたいと思います。
#91
○政府委員(棚橋祐治君) まず最初に、市町村がこういう構想をつくるときに個性のある町づくりの専門家がなかなかいないのではないかという御指摘は、確かに三木先生おっしゃるように人材がそうたくさんおられるわけではないと思います。ただ我々は、今回、通産大臣、建設大臣、自治大臣の三大臣の全国共通の基本指針を作成するときに、魅力ある町づくりを念頭に置いた個性的な商業集積を期待しておるわけでございますので、その点についてかなりこれを明確に示すと同時に、イベント会社的な構想も持っておりまして、これは予算がついておりますけれども、ここに専門家が集まりまして、市町村の持たれるいろいろの構想についてその求めに応じて適切なアドバイスをさせていただくというようなことも具体的に考えております。三木先生御指摘のように、単に箱物といいますかハードだけではなく、ソフト面で非常に魅力ある企画ができるようないろいろの支援措置も講じていきたいと考えております。
 それから、もう一つ先生御指摘の、むしろ大店法の運用あるいは今後の我が国の商業界の動きによっては寡占状態になるのではないかという点でございますが、私ども必ずしもそういう形にはならないのではないか、大型店の競争も非常に激しいわけでございますし、そういう点で私は寡占状態になるおそれはむしろ少ないのではないかと思っております。ただ、企業買収、M&Aということは、御指摘のようにアメリカにおいて非常に盛んに行われておりますが、これは可能性としていろいろ出てくる問題でなかろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この大店舗とそれから健全な小売商業との共存共栄が今回の特定商業集積法の最大のねらいでございますので、この法律を通していただきましたならば、法律の趣旨、目的が十分に生かされるように各般の施策をきめ細かく展開していきたいと考えております。
 なお、いろいろ都市計画との関係で必要があれば、建設省の方から補足をしていただきます。
#92
○政府委員(内藤勲君) 先ほどの質問とも関連するかと思いますが、この特定商業集積、こういった大規模な商業集積の立地につきましては、基本的には市街化区域内の商業系の地域を原則的に考えたいということがございます。市街化調整区域につきましては、その地域の性格、スプロール防止とかそういったことがございますので、市街化調整区域につきましては法律上も開発できる行為が非常に限定的に書いてございます。
 そういったところと照らして見ますと、特定商業集積、高度商業集積のようなものを調整区域に立地することに対しては、慎重な態度で臨んでいきたいと思っております。
#93
○三木忠雄君 慎重な態度なんですけれども、ある程度規模が大きくなってくるとなれば、やっぱり市街化調整区域やそういうところを利用しなければ、実際具体的にモータリゼーションの中でできないのじゃないか。
 そのときの都市計画をどうするかというようなことは、建設省としてむしろ商業集積地がこうなるかああなるかじゃなしに、都市計画として自治体でやはりよく詰めて、そういうものを都市計画をつくった上でそこへ商業集積を今度やるとかいう形をつくらないと、逆じゃないかという感じを私個人としては抱いております、世界のいろんな状況を見ましてね。だから、そういうところが後手後手に回る。
 これから新しくつくるのですから、やっぱりそういうところで、一点心配があるのは、大都市の中にある小さな商店街のスプロール化はどうなるかというような問題は、私はこれはこれからいろいろ検討しなきゃらない問題だろうと思います。やはり調整区域で都市計画法に基づいたどういう商業集積地域をつくるかということは、これはもうなるべくやらない方向にしますよという今の答弁じゃないけれども、必ずなりますよ、ならなかったらいい商業集積地域はできませんよ、これは。
 こういう点をやっぱり明確にして、最初のガイドラインをしっかりつくっていくということがこの法案に対して大事じゃないか、こういう意見を述べて、私の質問を終わりたいと思います。答弁は要りません。
#94
○市川正一君 私は、前回、大店法改正案が、日米構造協議の対米公約に基づいて、大型店の出店を事実上野放し自由化し中小小売商業の切り捨てを促進させるものであるということ、しかもそれは消費者利益に反するものであるということを明らかにしてまいりましたが、引き続き質問を行います。
 大型店の乱進出によって、小売業者はこの十年間に十六万店減少しております。また、通産省が編集いたしました九〇年代流通ビジョンの資料では、さらに三十万店近い中小零細商店が転廃業に追い込まれる、減少すると予測されております。他方、この十年間に出店した第一種大規模小売店舗は千三百六十七店であります。ところが、現在調整中の第一種大規模小売店舗は三月末で千四百五十五店あります。
 すなわち、この十年間に出店した大型店とほぼ同数のものがことしから来年にかけて開店されるラッシュになりますが、これによって既存の商店街がどんな影響を受けるのか、さらに今回の改正で大型店の出店を自由化することによってどういう打撃を受けるか、火を見るよりも明らかでありますが、この点について、どういう認識をお持ちなんでしょうか。
#95
○政府委員(高橋達直君) 確かに、御指摘ございましたように、我が国の商店の数でございますが、昭和五十七年をピークにいたしまして減少傾
向をたどっております。ただ、こうした背景にはいろいろ複雑多岐な社会的、経済的な問題がございまして、具体的には後継者難の問題であるとか、あるいは従業者確保の問題とか、あるいは大きく消費者ニーズが変わってきているとか、あるいは車社会の出現とか、いろんな構造変化が作用しているわけでございます。
 御指摘がございましたように、こうした構造変化の中で大店法の改正が今回行われることによりまして中小小売商業者に影響を及ぼすことも予想されるわけでございますが、基本的には今申し上げました構造変化の潮流というものが今後も小売商業にどういうふうに影響するかということを考えていくことが基本的な問題であろうかと考えております。全国の商店街の方々もこうした流れについては私どもの認識では十分に把握をされているというふうに考えておりまして、みずからの商店街をみずからの手で魅力あるものにしていこうということで力強く立ち上がっていただいているものと思っております。
 また、消費者利益の観点から見ましても、大型店も必要でございますが、活気あふれる商店街も消費者は待ち望んでいるわけでございまして、そういう観点から全国に魅力のある商店街を再構築していくことが重要であろうというふうに受けとめておりまして、この御提案申し上げている法律あるいは通していただいた予算等を使いまして、商店街の方々を強力に御支援を申し上げていきたいというふうに考えております。
#96
○市川正一君 これは、自然現象じゃないわけですよね。ですから、通産省の方も大店法の改正によって影響を受ける中小小売商業対策としていろんなことをやっていらっしゃるわけですね。例えば、小振法の改正で商店街を支援されてきた。
 それはどういう状況かということを見てみますと、一方六千の商店街がございますが、この法律の対象となる商店街振興組合が二千三百です。商業組合等が千七百、合計して約四千です。四分の一にしかすぎません。未組織の商店街、商工会も含めて支援の対象にすべきではないかということを私は第一に考えたいのですが、また現在まで支援策を八百の商店街などが活性化のために確かに利用しております。しかし、毎年七十件程度の支援では商店街振興組合といえども二千三百組合全部が利用できるのにこのテンポですと二十年かかる計算になります。ましてや、任意の商店街には支援がいつ来るのかわからないというのが現状でありますが、こういう現状をどう打開していくのか、私は特に中小企業庁長官の決意を伺いたいと思います。
#97
○政府委員(高橋達直君) 商店街の中に、商店街振興組合であるとかあるいは商店街協同組合であるとか、そういった組合が組織されているところとないところがございまして、数字につきましてはただいま市川委員からお話のあった数字のとおりでございます。
 ただ、国が支援をしてまいります対象としての商店街、これを考えてまいりますと、今回いろいろ予算でお認めいただき、また法律で御審議いただいている制度は、補助制度であるとかあるいは無利子融資の制度でございまして、公的な資金を格別に優遇した条件で供するものでございます。
 したがいまして、事業の当事者はやはり公的に認められた法人であることが適当であるというふうに判断をして、組合を中心に対策の対象をつくっているところでございます。また、そうした関係で、関係者のコンセンサスに立脚した有効な対策を講ずるためにも責任ある組織形態を整備することが重要であり、そういう意味でやはり組合を中心に組織政策を進めていくことが大事であろうと思っておるわけでございます。
 ただ、御指摘のように未組織の商店もたくさんあるわけでございますので、その任意団体につきましても計画などの面でいろいろと御相談する場合には、おつくりいただきました活性化基金の利用などにつきましては、商工会議所とかあるいは商工会を通じてその道を開いていくということが必要であるというふうに考えておりまして、またそのように現実に対応したいと思っております。
 また、毎年整備をする中小商店街が七十ぐらいで二十年かかってしまうじゃないかというお話でございますけれども、先ほど申し上げましたように、最近の構造変化あるいは大店法の改正という事態を踏まえまして、商店街の方々はこれまでもいろいろ御努力をなさってまいりましたけれども、また新しく目覚めておられるわけでございまして、いろいろ私どもの制度を利用される方々も今後かなりふえてくるのではないかというふうに思っております。
 また、いろんなレベルで大きな商店街の数あるいは中規模の商店街の数、それから個々のお店のレベルでの魅力ある個店対策、そういうものにそれぞれ対策を用意してございますので、必ずしも二十年かからず、一朝一夕というわけにはまいらないかもわかりませんけれども、私どもも大いに支援をいたしまして、できるだけ早く全国の商店街が魅力あるものに整備されるように促進をしていきたいと思っております。
    ─────────────
#98
○理事(前田勲男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、井上裕君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君が選任されました。
    ─────────────
#99
○市川正一君 私は、あえて数字だとか実態を挙げて問いただしているのは、やはり通産省側との認識のずれがあると。やはり深刻なこの実態に対して、今度の大店法の改正というものが言うならばとどめを刺す、そういう役割をも果たしかねないという実態に対して、本当に小売商店の実態に即した対応がやられているのだろうかどうかということを私はあえて問いたいからであります。例えば、高度化、近代化資金を借りて商店街の改造を実施した場合でも、決して問題はそれでは解決しておらぬのです。
 富山県の小矢部市の商店会の役員が私どもの調査団にこう言っております。
 商店街の近代化は、中小企業事業団融資を受けて実施され、八五年に完成したが、償還は三年据え置きで十二年かかる。事業ができ上がって店舗が大きくなれば、固定資産税もそれに見合って大きくなっていく。融資を受けて拡幅した道路などもこれから返済を行わなければならない。そこへ大型店の進出は大いなる脅威だ。せっかく近代化事業を実施しても、それが実らないうちに大型店の進出でつぶされてしまうのではないかと思うと不安だ。
 こう語っております。一朝一夕とは申しませんが、二十年もたぬと思うんですよ。私は、まさに火急の対策が必要だということを強調いたしたいと思います。しかも、この大型店の異常な進出は、中小小売商業者を転廃業に追い込むだけの問題ではありません。町づくり、良好な都市環境の破壊など、住民生活にも大きな影響を与えております。
 これは東京都の町田商工振興部長の談話でありますが、「最近の事例を見ると、特に大規模な出店が道路など環境整備が不十分なまま工場跡地や農地などに立地する傾向がある。こうした傾向が安易に認められると交通問題、環境問題が起こるばかりでなく、その強い集客力によって地域商業の流れを一変させかねない。」と懸念を表明しております。
 そこで伺いたいのでありますが、大型店の進出が既存の商店街をつぶし、その周辺に交通渋滞、騒音などの公害を発生させ、地域の生活環境を悪化させておりますけれども、その実態の認識を通産省はどう見ていらっしゃいますか。
#100
○政府委員(坂本吉弘君) 大型店の進出が周辺の中小企業の事業活動にどのような影響を与えるかという点につきましては、大型店の出店案件に即して一つ一つ地元の実態というものをチェックしながらそれに対応してまいりましたし、今後もまたそういうことで対応してまいりたいと思っておるわけでございます。
 また、大型店の出店に伴います交通の流れある
いは人の流れというものが変化するという点につきましては、その実態において御指摘のとおりでございます。ただ、この問題は単に大型店だけの問題ではございませんで、やはり車の出入り、人の出入りというものがもたらされますいろいろな都市施設、劇場でございますとかスポーツ施設でございますとかあるいはホールでございますとか、そういったものによって町の人の流れというのは変わるわけでございます。
 そういう点につきましては、基本的には都市計画あるいは都市問題としてアプローチをすべきものではないかというふうには思っておりますけれども、しかしながら大型店の調整に当たりましても、いわば一つの調整項目ではございませんが、一つの配慮事項としてそれが地域にどのような影響を与えるかという点については必要な限度で配慮をしていったらどうか、こんなふうに考えておるところでございます。
#101
○市川正一君 今、坂本審議官も触れられましたが、現行の大店法は本来店舗主義の調整です。したがって、都市計画、社会政策の立場から調整する仕組みにはなっておりません。町づくり、住民の住環境、ごみあるいは駐車場、交通渋滞あるいは教育、青少年に対する非行問題等々については、ここでは調整の場ではないわけですね。
 その結果、例えば私は新潟を調査いたしましたが、あそこにはトイザラスなど十一件の出店で大きく問題になっております。ここでは五千台の駐車場ができました。それに伴って土曜日、日曜日の交通渋滞など大変なことになるということで、住民が交通問題で出店者に申し入れを行いましたら、商調協で今調整中だということで説明すら拒否されたと言われております。
 こうした場合に、町づくり、都市計画の立場から自治体が必要な条例、要綱を定め、その分野で出店者との間で調整を行うことは何ら問題がないと思いますが、当然のことだと思いますが、いかがでしょうか。
#102
○政府委員(坂本吉弘君) 大型店あるいはその他の都市施設の設置に伴いまして、いろいろな形で都市の問題が出てまいります。このことは委員御指摘のとおりでございます。
 条例または要綱、そういったものが法令の範囲内で行われるということは、改めて十五条の五という条項を起こしまして御提案しているところでございますけれども、都市問題といったような見地から単に大型店だけを抑えるということではなくて、他の都市施設についても都市計画の見地から、いろいろな交通への影響その他が分析された上で施策が講じられる、これは当然のことであろうかと存じます。
 ただ、その形はともあれ、その実態が大型店と小売店との規模の相違に基づきまして、大きな小売店舗の進出に歯どめをかけるという形をとって行われます場合には、それは本法の趣旨に反するということで、その内容に即して考えなければならないと存じますが、やはりそういう形を変えた大型店の出店規制であれば、是正を求めることもあり得るのではないかというふうに考えております。
#103
○市川正一君 私は、そこが重大問題だと思うんです。
 自治省にお残りいただきましたので伺いますが、つまり、自治体の権限に属することまで大店法の調整で実施しようというわけです。その上、今回の改正は十五条の五で、地方自治体はこの法律の趣旨を尊重することとされています。しかし、大店法の調整項目は、御承知のように、開店日、店舗面積、閉店時刻、休業日数の四項目についてだけです。それ以外の問題について地方自治体が必要な条例、要綱を定めることは、憲法第九十四条の地方自治権として当然認められていることだと思いますが、いかがでしょうか。
#104
○説明員(松本英昭君) ただいまの法律と条例の問題につきましては、大変難しい法律の問題もあろうかと思いますが……
#105
○市川正一君 及び憲法。
#106
○説明員(松本英昭君) 憲法と法律の問題があろうかと思います。
 御案内のように、憲法で定めております法律の範囲内において条例を定めることができるという場合におきまして、その法律の範囲内とはどういうことかという解釈の問題などございますが、講学上いろいろと言われておりますが、その法律と趣旨、目的を異にして、異なる観点から実質的にも形式的にも条例を制定する場合においては、多くの場合においてこれは法律の範囲内、侵すものではないという解釈が一般的にはなされております。
 ただ、その場合におきましても、他の法律、例えば道路交通法だとか都市計画法だとか、それぞれの観点から定められております法律と抵触いたします場合には、やはりこれは法律の範囲外であるということになってくるわけでございます。ただいま通産省の方から御答弁がございましたが、その条例の規制が結果として大型店の出店だけを実質的に規制を目的とするようなそういう条例でありますれば、先ほど通産省の方からも御答弁にありましたように、いわゆる法律の趣旨、目的の範囲内であるかどうかという判断をしなければならない事態もあろうかと思うわけでございます。
#107
○市川正一君 私からあえて言うまでもないのですが、各自治体が条例、要綱を制定したのは、七九年の大店法改正、八二年の自粛指導、八四年の再自粛指導にもかかわらず、大型店が調整をかいくぐる脱法行為や住環境への影響を無視した出店が相次いだからです。ですから、地方公共団体がこうした異常な進出ラッシュから地域経済、小売業者を守るために、千百三十一もの自治体が条例、要綱を制定したというのが事態の経過です。
 ですから、都市政策、町づくりの視点から、自治体の条例制定権は、憲法が保障している自治体の当然の権利であり、それをやはり尊重するという立場に立つべきであるということを私は強く主張いたします。そして、しかも今度改正案でこの地方自治体の独自規制を廃止させようとしているねらいというのは、二年後の見直しで、大都市地域を大店法の適用除外にした場合に、自治体の条例が残っておれば、大型店の出店が各自治体の条例で規制をおのずと受ける。それを今から排除するためのものとしか言いようがないのでありますが、大臣、この点もし御所見がございましたら、簡潔にお伺いいたしたいと思います。
#108
○国務大臣(中尾栄一君) 市川委員にお答えいたします。
 大店法は、消費者利益あるいはまた地元小売業者との関係で大型店の事業活動を調整するために基本的な枠組みを設定するというものでございまして、今般その規制緩和が図られる中で、地域の実情を考慮してもなお行き過ぎた地方公共団体独自規制が存在するようなことは好ましいものではないと、このように判断するわけでございます。
 それだけに、そのような観点からいたしますると、今回の大店法改正案におきましては、地方自治にも配慮しながら地方公共団体の施策に関しまして大店法の趣旨を尊重して行うべき規定が盛り込まれているわけでございます。
 したがいまして、憲法第九十四条においては、地方公共団体は云々、法律の範囲内で条例を制定することができると、こう規定されておりまして、今回の法改正そのものが憲法違反になるものではないと私どもは考えておる次第でございます。
#109
○市川正一君 私は、この点は地方自治体の権利に対する侵犯であるということを指摘して、時間がありませんので、次の特定商業集積法についての質問に移ります。
 自治省、どうも御苦労さまでした。
 建設省にまず伺うのですが、現在大型店の出店は都市計画上の用途地域では第一種住居専用地域、工業専用地域、農業振興地域以外の用途地域に進出することが可能となっておりますが、今回の法律で「良好な都市環境の形成」となっているからには、当然どこへでも出店可能というわけではなしに、特定商業集積ができる地域は限定され
ると考えますが、そう理解してよろしゅうございますか。
#110
○政府委員(内藤勲君) 特定商業集積の立地につきましては、今委員御指摘のとおり、現法体系では一種住専、二種住専などでかなり限定されているというか、ほとんど不可能な形になっておりますが、それ以外のところは都市計画法上は立地可能ということでございます。それは、一種住専、二種住専以外のところにおきましては、商業機能というものがある程度必要であるということでございますし、その際に大規模とそうでないものとを区別しにくいということがあろうかと思います。
 しかしながら、この法律に基づく特定商業集積というものを計画的に進めるに当たりましては、おのずとその立地に関する要件はあるかと思います。したがいまして、私どもといたしましては、この法律に基づく事業につきましては、原則的には商業系の用途地域に誘導してまいりたいと考えております。
#111
○市川正一君 としますと、市町村の基本構想というものは、これは商業地域、つまり既存の市街地の商店街を活性化させる計画がその基本となってくると思うんです。しかし、市町村の基本構想に基づいて、果たして市町村が希望するように、キーテナント、核テナントを誘導することができるのかどうか甚だ問題があると思うんです。
 というのは、出店が、例えばここに私持ってまいりましたのは四月二十五日付の日経流通でありますが、ダイエーの店舗開発本部主席は、「立地の選定や売り場構成などの面で地元の思惑と我々の戦略に大きな開きが出る可能性がある」と言っております。
 そこから言えることは、市町村の基本構想で進めれば大手流通資本は参加してこない、結局は大手の要求を大幅にのまざるを得ず、大手流通資本が進めている大型店化あるいは郊外への出店、それによる既存の市街地の空洞化、言うならばゴーストタウン化への道を歩むことにならぬでしょうか。そういう懸念をこの報道も論じておりますし、私も持つのですが、いかがでしょうか。
#112
○政府委員(棚橋祐治君) お答えいたします。
 いろいろのパターンがあろうかと思いますが、この高度商業集積の場合は、確かにこの大型店と共存共栄でございまして、大型店が参加しないとなかなかそのプロジェクトが、市町村構想が生きてこないわけでございます。
 もう一つの商店街活性化タイプの方は、小売商業振興法でいろいろの各般の支援措置を受け、かつこの特定商業集積法でその商店街が公共施設と一体的にやる場合には、こちらの法律のいろいろの支援措置も受けるわけでございまして、そういう形で商店街の活性化が図られると思います。
 最初の高度商業集積の場合でも、市町村がイニシアチブを握って、商店街の方々と語らって、かつそれに深い関心を持っておられる大型店といろいろ調整をして進めていかれるならば、私たちが期待する高度商業集積地域も全国的に相当数今後展開が可能ではないかと期待をいたしておるわけでございます。
#113
○市川正一君 私は具体的に伺いますが、日本ショッピングセンター協会というのがあります。ここに持ってまいりましたが、昨年一月に発表したビジョン、実は中身はいろんなアピール、要望でございます。これによりますと、地方行政との緊密化によって一つは土地利用上の規制の排除と公的資金の有効活用、それからもう一つはショッピングセンターへの行政サービス機能の導入というのを打ち出しております。さらに、第三セクター方式の開発に際しても行政は金は出しても口出しは困るとまで言い切っております。
 特定商業集積に大型店を核テナントとして入居してもらうために、こういう大型店の要求を全面的にのまざるを得ない。その結果、地元中小小売業者が犠牲になる。これは先ほど紹介いたしました四月二十五日の日経流通でありますが、「結果的に大手の出店を促進するだけで地元商業の首を絞めることになることも十分ありうる。」と論じておりますが、私はこれは仮説でないと思うんですが、そういう御懸念は、棚橋さん、どうお考えでしょうか。
#114
○政府委員(棚橋祐治君) 単に、大手がなさいますショッピングセンターについて、我々は貴重な国または地方の予算等で支援をする考えはございません。今、市川先生御指摘のようなショッピングセンターは民間が独自で進めていかれればいいかと考えまして、我々が考えております高度商業集積につきましては、特に中小小売商業の振興ということに配慮するというのが法律上も明記された要件でございます。
 例えば、具体的には、この高度商業集積の共存共栄型の場合には、中小小売商業が相当程度入店をすること、特に地場の小売商業が相当のウエートを持って数において入店すること。それらは、公募等によって中小小売店の参加機会が十分確保されておること。具体的にやや申し上げますと、全商業者の中で中小小売業者は三分の二以上である、あるいは面積的には中小小売業者のこの商業施設の面積が全体の四分の一以上であるという相当厳しい条件を前提にいたしまして、なおかつテナント料等につきましても相当優遇されたテナント料で中小小売店を入居させる、こういうような条件が前提になるわけでございます。
 また、できた後も、例えば中小小売店と大型店との協定、あるいは運営協議会の設置によって中小小売店の発言力が十分に担保されるという前提で、我々は国あるいは地方自治体と協力をして支援していくと、こういう考え方でいるわけでございますので、市川委員の御指摘のような懸念はまずないものと考えておる次第でございます。
#115
○市川正一君 共存共栄というふうにおっしゃってテナントのお話があったので、私はあえて言いたいのですが、特定商業集積に入居できる中小小売商は、高度商業集積を年間十ないし十五件設置するとして、一カ所百店入居してもせいぜい一万店そこそこです。小売商百六十二万店から見れば、まことにごく一部です。しかも、入居するテナント料がべらぼうに高いのですよ。
 例えば、千葉県野田市のノアを調べてみましたら、四千万円から八千万円。ですから、入居のための協同組合を設立する段階では入居希望者は百三十件ありましたが、結局五十七件になってしまいました。残りは大手の専門店が占めている。これが現状です。
 さらに、さきの日本ショッピングセンター協会のこのビジョンを見ますと、テナントに対する条件は非常に厳しいのです。引用しますと、商品調達力、商品開発力、従業員の資質の向上、販売力の強化、これを第一の課題に挙げている。そして、「共同体としての秩序を尊重し、全体活動の中に自店の事業を位置づけるという協調性」が求められる。それに対応できなければ賃貸条件の整理、すなわちテナントの入れかえということになる。
 入居するのも大変、入居してからもまたまた大変、そして借金だけが中小小売商に残る。私はこういう点で、テナント入居者の権利が守られているという認識なのか、それともまた守るために何をなさろうとしているのか、お伺いしたい。
#116
○政府委員(棚橋祐治君) 市川委員御指摘のように、純然たる民間のショッピングセンターにおいては、キーテナントの大型店が設置するところに中小小売店が入居したときに、確かにおっしゃるようにいろいろの厳しい条件が、最初は緩やかでも、後で出てきて、そこのお店から出ていかざるを得ないというケースは我々も幾つか承知をいたしております。
 しかしながら、我々の今回の構想はあくまで市町村が基本構想で進めていくものでございまして、それに国、地方自治体の貴重な財政、予算、税制、あるいは中小企業事業団の無利子融資等のいろいろの支援措置を講ずるものでございますのしで、純粋なショッピングセンターとはおのずから性格を大きく異にするわけでございます。
 したがいまして、そういう高度商業集積地域に参加した中小店については、今先生おっしゃったようなショッピングセンターと違って、テナント
料あるいは敷金、保証金等につきましても相当程度国等の支援措置が還元されるように優遇をされる。
 それから運営においても、先ほどおっしゃったような利益が上がらなければ追い出されるというようなことではなくて、運営協議会等において十分中小小売店の意見が反映される、こういうようなことになっていくのではないかと期待をいたしております。
 なお、高度商業集積は予算的には年間たかだか十カ所程度で、仮に一カ所数百店入っても数としては限界があるのではないかという御指摘でございます。なるほどその点はそのとおりでございますが、私どももう一つの商店街活性化の構想としましては、先生もまさしく御指摘の四千の組合の中で、相当数が、共存共栄型では必ずしもありませんが、独自に商店街を活性化していきたい。
 これは、中小小売商業振興法の方で手厚い改正案を今御提案しておりますが、従来よりも抜本的な手厚い助成措置を内容といたしておりますし、それらの公共施設を一体的に整備するならば、この特定商業集積法の対象になるわけでございます。
 また、未組織の個店対策としましても、活性化基金の大幅な積み増し等によって相当従来にも増した我々の支援措置が強化をされておりますので、これから商店街の活性化に大きな効果が出るものと期待をいたしておるところでございます。
#117
○市川正一君 時間が参りましたので、残念でありますが、私が今引用いたしました野田市のノアの場合、これは単に民間というだけじゃなしに、野田市あるいは商工会議所がかなり一体になって進めていたものであるということだけは補足しておきます。
 それで、全国各地で今大企業の工場跡地や未利用地に大手流通資本が核テナントとなるショッピングセンター建設がメジロ押しに計画されております。こうした大規模の民活型高度商業集積は、結局自治体に社会資本の整備、民活法の補助などで新しいもうけ口を保障させておる、そして地域住民の暮らし方までも画一化した町を特定流通資本の主導のもとに全国につくり出すものであるということを指摘いたしておきます。
 本四法案は、なお重大な疑点、問題点が山積しており、引き続き慎重に継続して審議を行うべきことを最後に主張いたしまして、とりあえずの質問を終わります。
#118
○理事(前田勲男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
#119
○理事(前田勲男君) 御異議がありますので、これより質疑終局についての採決をいたします。
 五案に対する質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○理事(前田勲男君) 多数と認めます。よって、五案に対する質疑は終局することに決定いたしました。
 これより五案を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#121
○谷畑孝君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、政府提出による大規模小売店舗の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案並びに輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 私どもが政府改正案に反対する理由の第一は、消費者利益の美名のもとに大店法を骨抜きにしている点であります。大型店の出店は政府の規制の動向に大きく左右され、既に全国で出店のラッシュが起こっております。これ以上規制緩和をするというなら、商店街、中小零細小売業者に致命的な影響を及ぼすことは火を見るよりも明らかであります。
 消費者利益を中小小売商業と対立させてとらえる傾向がありますが、高齢化社会を控え、生活に密着した身近な商業システムの存在はより重要になるでありましょう。私どもは、その貴重な商店街、中小小売商業を大店法の改正による大型店の無秩序な出店で決してつぶしてはならないと考えるものであります。
 第二は、出店調整の手続において、より中央集権的色彩が強まったことであります。事前説明も商調協も廃止し、大店審に審議を一元化する、そして地元の意見は大店審の意見聴取、商工会議所の意見集約で行うというのが法改正の趣旨であります。
 しかし、全国千数百もの商調協の審議を一つの県に一つか二つ、あるいはない県もあるという程度の大店審に集中して、一体どんな審議ができるというのでありましょうか。しかも、地元の意見を具体的にどう聴取をし、あるいは集約するかという点についてはいまだ十分な説明がありません。さらに、その意見がどのように尊重されるのか、その点についても全く不明であります。
 また、重大な点は、地方自治体の独自規制の抑制が明文化されたことであります。自治体がその判断に基づいて実施する施策を国がやめさせるというのは、明らかに地方自治法の精神に反していると言わなければなりません。
 第三に、改正案附則第二条で、改正法施行二年以内に必要な措置を講ずるとしており、大店法の廃止へ含みを残している点であります。なし崩し的廃止もあり得るというのでは、中小小売業者の皆さんの不安は高まる一方であります。
 私どもは、以上の点から、この大店法の改正案の撤回を強く要求し、同時に調整の権限を自治体に移譲されることを訴えるものであります。商業は地域性が強く、また町づくりの観点からいっても、地域の実情に精通している自治体が権限を持って調整の任に当たるのが最もふさわしいと考えます。ぜひこの点の考慮をいただきたいと存じます。
 次に、いわゆる輸入特例法について一言しておきます。
 この法案の最大の問題点は、輸入品の規定があいまいなことであります。特例法でありながら判別が不明確というのでは致命的であります。判別や売り場転用をめぐるトラブルが予想されるだけでなく、その輸入拡大に対する効果も甚だ疑問であります。また、不正を監視する非生産的な労力を考えても、これは大店法の枠組みの中で調整すべきだと考えるものであります。
 最後に、改めて政府提案の両法案の撤回を要求し、私の反対討論を終わります。
 以上です。
#122
○斎藤文夫君 私は、自由民主党、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合を代表して、ただいま議題となりました五法律案について賛成の討論を行うものであります。
 まず、大店法一部改正法案につきましては、出店調整処理手続における公正の確保等の観点に立って、大規模小売店舗審議会に実質的な調整機能をゆだねるとの立場から、その審議に消費者等の意見を反映させることを明確化するほか、地方公共団体の独自規制の適正化を求める等の措置を講ずることとするものであります。
 大規模小売店舗の出店調整処理手続に対しましては、内外からその規制緩和を求める要請が高まっていたところでありますが、以上の措置をとることによりまして、出店調整処理手続の迅速性、明確性、透明性が確保されるとともに、消費者利益の一層の増進が図られることが期待されるところであります。
 また、輸入品売場特例法案につきましては、各国から求められている我が国市場開放の努力の一環であるとともに、消費者の選択の幅の拡大に寄与するものであります。その内容は、当分の間、大店法の特例を設けて千平方メートルまでの輸入品専門売り場について大店法に基づく調整を不要とするものであり、我が国を取り巻く国際環境のもとでは、時宜にかなったものであると考える次第であります。
 次に、特定商業集積整備法案につきましては、
大店法の規制緩和や消費者ニーズの多様化、高度化等小売商業をめぐる新しい環境に対応して、特定商業集積の整備及びこれと一体的に設置する公共施設の整備を計画的に進め、商業集積を核とした町づくりを行おうとするものであります。これにより、大型店と中小店との共存共栄を目指した高度商業集積の整備及び既存商店街の活性化が進み、総合的な商業集積の展開が図られるとともに、地域の活性化にも資することが期待されるものであります。
 また、民活法一部改正法案につきましては、小売業の高度化を図るための駐車場、コミュニティーホール等の商業基盤施設の充実等が期待され、既存商店街及び高度商業集積の発展策の観点から大いに評価されるものであります。
 最後に、小振法一部改正法案につきましては、大幅に拡充された予算措置と相まって、意欲ある中小小売業者等による商店街、共同店舗等の整備などの活性化のためはもとより、個店対応として、中小小売業者の立場を擁護し自助努力を積極的に支援すべく、その支援措置の拡充を図り、経営基盤の強化に資するものであり、以上に述べた諸措置は全体として極めて適切なものと考えられます。
 よって、以上の観点から、私は五法律案について賛成の意を表明して、討論を終わります。
#123
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、大店法改正法案、輸入品売場特例法案、商業集積法案及び民活法改正法案に対し、反対の討論を行います。
 大店法改正案に反対する理由の第一は、日米構造協議の対米公約に基づき、出店調整期間を一年に短縮するなど、大型店の出店を事実上野放しにし、中小小売商業の切り捨て政策を一層促進させるものであるからであります。
 第一種大型店の出店は、この十年間に一千三百六十七店舗にも及ぶ一方で、中小小売商業者は、同じ時期に十六万店も減少しています。その上、現在出店調整中の千四百五十五店舗が開店すれば、第三次出店ラッシュの異常事態を招くことは確実であります。九〇年代流通ビジョンも今後三十万店の中小零細商店が転廃業に追い込まれると予測しているとおり、今回の改悪で大型店の進出が野放し状態になり、歯どめのない都市乱開発が促進され、ほとんどの商店街が停滞、衰退に追い込まれることは火を見るよりも明らかであります。
 その第二は、これまで形式的にせよ地元商店街や地域住民の意向を反映する場であった商調協を廃止して、出店調整を通産大臣直属の大店審に一本化し、しかも、地域経済に責任を負う地方公共団体の独自規制を抑制するなど、中央集権化を図ることにより、憲法の保障する地方自治をじゅうりんしているからであります。
 地方自治体の独自規制の抑制は、二年後の大店法廃止を見越して、大型店の出店について、各自治体による条例規制を封じることを目的にしたものであることは明らかであります。
 その第三は、政府は、消費者の利益を改正理由にしておりますが、東京都や政府自身の資料でも明らかなように、価格について言えば、生鮮野菜、魚、肉などは一般小売商の方が安く、スーパーの価格の方が高いのが実態であります。また、利便性、多様性などを考慮しても地元小売店の存在が必要であります。例えば、高齢者社会を考えたとき、大型店の乱進出による商店の減少は、買い物が不便になり、お年寄りなど生活弱者の生活を脅かす深刻な問題になるのであります。しかも、大型店の独占状態になれば価格つり上げなどが横行し、逆に消費者利益が侵害されることは明白であるからであります。
 輸入品売場特例法に反対する理由は、大店法改正案による規制緩和に加え、輸入品売り場を別枠として認めるものであり、二年後の大店法廃止を先取りして大手流通資本の利益を保障するものになっているからであります。しかも、これが貿易黒字解消につながらないばかりか、アメリカの圧力に新たな根拠を与える対米従属の屈辱的な法案であるからであります。
 商業集積法案及び民活法改正案に反対する理由は、第一に、大型店の進出野放しに加え、これまで大手流通資本が自前で整備してきた駐車場やイベント広場、コミュニティー施設まで補助金やNTT無利子融資の対象にし、国税や地方税の減免措置まで講じており、大手流通大資本に奉仕する新たな公的支援策にほかならないからであります。
 第二に、大手流通資本が核店舗となる大規模ショッピングセンターの建設を初め、これに関連する道路、公園、下水道等の社会資本の整備を自治体に押しつけて、大型店の出店ラッシュに拍車をかける一方で、地域住民に負担と犠牲を余儀なくさせ、地元中小小売商、商店街に重大な打撃を与えることが確実であるからであります。
 最後に、大店法改正案など四法案は、日米構造協議の対米公約に基づき、大型店の出店を野放しにする一方で、消費者、中小小売商を犠牲にし、大手流通資本の二十一世紀戦略を支援するものにほかならないことを指摘して、私の反対討論を終わります。
#124
○理事(前田勲男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次五案の採決に入ります。
 まず、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○理事(前田勲男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 広中和歌子君から発言を求められておりますので、これを許します。広中君。
#126
○広中和歌子君 私は、ただいま可決されました大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、大規模小売店舗の出店調整に当たっては、法の運用における過剰な規制を排除するとともに、大規模小売店舗と中小小売業者との共存によってもたらされる消費者の利益に配慮し、法の趣旨の適切な実施を図ること。
 二、大規模小売店舗審議会の審議を充実させるため、その機構を拡充、強化することによって、消費者等地元関係者の意見を十分に反映させる体制を整備すること。
 三、大規模小売店舗審議会における審議の公平性、明確性、透明性等を高めるため、審議会の委員の中立性を確保し、審査基準を可能な限り明確にするとともに、審議の公正を阻害しない範囲でできるだけ審議内容を公開すること。
 四、法の見直しの適切な実施に寄与するため、小売業の実情等をも参考にしつつ、改正法の運用状況について十分な調査、検討を行うこと。
 五、地域住民のニーズに適切に対応しうるよう、中小小売業者の近代化、高度化を図るための諸施策の充実に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
#127
○理事(前田勲男君) ただいま広中君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#128
○理事(前田勲男君) 多数と認めます。よって、広中君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会
の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中尾通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中尾通商産業大臣。
#129
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
#130
○理事(前田勲男君) 次に、輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#131
○理事(前田勲男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#132
○理事(前田勲男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 梶原敬義君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。
#133
○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、特定商業集積の整備を促進するため、本法施行後、速やかに基本指針を公表し、地方公共団体への周知徹底を図ること。また、基本構想の計画段階における助成及び公共施設の一体的整備その他承認基本構想の関連事業の継続的かつ円滑な推進に対し、特段の配慮に努めること。
 二、市町村が基本構想を作成するに際し、当該地域の好ましい都市環境の形成に留意しつつ、各種施設が適切に配置され、あわせて地域住民の利便の向上に直結した街づくりの実現のため、地域住民の意向が十分反映されるよう努めること。
 三、特定商業集積の整備に当たっては、事業採算の確保に留意するとともに周辺地域を含む中小小売商業者の活性化に資するよう、地域の実情に十分配慮しつつ、小売業界の共存共栄を図ること。
 四、特定商業集積の魅力ある成果の維持・発展を図るため、イベント、研修等に対する支援及び情報収集・提供等に関して産業基盤整備基金の行うソフト事業が効果的なものとなるよう指導すること。また、特定商業集積以外の一般小売商業者に対しても、適切な支援を行うよう指導すること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#134
○理事(前田勲男君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#135
○理事(前田勲男君) 多数と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中尾通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中尾通商産業大臣。
#136
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
#137
○理事(前田勲男君) 次に、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#138
○理事(前田勲男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#139
○理事(前田勲男君) 次に、中小小売商業振興法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#140
○理事(前田勲男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、五案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○理事(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#142
○理事(前田勲男君) これより請願の審査を行います。
 第五五九号中小商業振興対策の抜本的改善に関する請願外四十五件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第二五〇九号通商産業省職員の大幅増員に関する請願外十件は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第五五九号中小商業振興対策の抜本的改善に関する請願外三十四件は保留とすることに決定いたしました。
 以上、理事会の申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○理事(前田勲男君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 つきましては、審査報告書の作成は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○理事(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#145
○理事(前田勲男君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○理事(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○理事(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#148
○理事(前田勲男君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○理事(前田勲男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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