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#1
第120回国会 農林水産委員会 第9号
平成三年四月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     西野 康雄君     谷本  巍君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川  博君
    理 事
                青木 幹雄君
                北  修二君
                谷本  巍君
                細谷 昭雄君
                井上 哲夫君
    委 員
                大浜 方栄君
                鎌田 要人君
                熊谷太三郎君
                鈴木 貞敏君
                高木 正明君
                成瀬 守重君
                初村滝一郎君
                星野 朋市君
                本村 和喜君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                菅野 久光君
                三上 隆雄君
                村沢  牧君
                猪熊 重二君
                刈田 貞子君
                林  紀子君
                橋本孝一郎君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   近藤 元次君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       鶴岡 俊彦君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     安橋 隆雄君
       農林水産省畜産
       局長       岩崎 充利君
       農林水産省食品
       流通局長     馬場久萬男君
       水産庁長官    京谷 昭夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        片岡  光君
   説明員
       厚生省生活衛生
       局食品化学課長  牧野 利孝君
       農林水産省経済
       局統計情報部長  須田  洵君
       中小企業庁小規
       模企業部小売商
       業課長      沖   茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○食品流通構造改善促進法案(内閣提出、衆議院送付)
○競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉川博君) まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に谷本巍君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(吉川博君) 次に、食品流通構造改善促進法案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○谷本巍君 本法案は食品流通について初めての本格的な立法でありまして、そういう意味では大きな前進ではなかろうかと存じます。
 また、本法案が制定されるに至りました経緯の中には、外的要因と内的要因と二つの要因が挙げられておりました。そのうち、内的要因については、ほぼ法案の中に盛り込まれておるのでありますが、外的要因として挙げられました大店法の規制緩和との関連、あるいはまた内外価格差是正の必要性、さらにはまた農産物輸入自由化に伴う措置といったような点等については本法案では必ずしも明らかにされておりませんので、初めにそれらの点について若干伺いたいと存じます。
 まず初めに、輸入自由化に対処する国内生産と販売戦略、これについて具体的にどういうものをお持ちになっているかについて伺いたいと存じます。
 御承知のように、輸入農産物の約七割が加工用原料だとされております。国内生産で見てみますと、例えば果物を見てみましても、主として生産の主体は生食用の方に向けられており、加工用に向けられる場合は品物が余りよくない、あるいはまた過剰生産といった場合に加工用に向けられる場合が多かったわけであります。
 そうした状況の中で、ユーザーの側からしますと、国産の原料は扱いにくいというふうに言われてまいりました。したがって、ユーザーの側は、外国物へシフトしていくという経過があったわけであります。したがいまして、食品産業と国内の農業とのパイプが年々細くなるという状況が続いてまいりました。そうした現状を踏まえて本法案がどのように対処しようとしているのか、初めにその点について伺いたいと存じます。
#7
○政府委員(馬場久萬男君) 先生御指摘のように、我が国の食料品の消費が加工食品あるいは外食の市場というのは大変拡大されてきておりまして、これに対する国内で生産されます食用の農水産物の仕向け量でございますが、昭和六十年段階の調査では生産の約三分の一がこれらの製造業部門あるいは外食産業部門へ仕向けられているということでございまして、輸入品が七割というのに対して少ない状況にあるわけでございます。これは従来からの我が国の農業が、どちらかというと生食用、直接消費ということになじんできたという経過もあるわけでございますが、加工あるいは外食向けに必ずしも十分適応していないということで輸入品がふえてくるという事態にあるわけであります。
 したがいまして、私ども農林水産省におきまし
ては、これらの加工なり外食向けの需要に対応するために、生産サイドとそれから食品産業サイドと連携をして、そこで円滑な取引が行われるようにしなきゃいかぬということで、情報の交流あるいは品質改善なり契約取引についての指導、助言というようなことを行ってきているわけであります。また、一定量のものを一定の規格で安定的に供給するというための産地におきます条件の整備のための施策等も講じているわけでございます。具体的には、そのことにつきましては、例えば国産原料情報システム化促進対策というようなものを講ずるとか、原料野菜安定供給対策というものを講ずるとか、そういうことを今までもやってきているわけでございます。
 本法案は食品の流通部門の構造改善を図るということを目的にしておりまして、直接加工業者を対象とした事業というものはないわけでございますが、この加工業者につきましては、既に特定農産加工資金融資制度というものを創設しまして、農産加工業者の行う新商品あるいは新技術の開発利用、それから施設の高度化等に対する低利融資を行うという措置を講じておりますし、また昨年は中山間地域活性化資金制度というものを創設いたしまして、中山間におきまして生産されるものを使って加工、流通を行うものに対する需要開拓等に必要な低利の融資を行うというような措置を講じているわけでございます。直接的に本法案でなくて他の措置ではございますが、そういうことで食品産業の原料確保と、それから国内の農水産物の需要の確保と、双方の観点から国産原料について鮮度面での有利性等も生かしながら、その生産の向上、品質の改善を図るとともに、今申しましたような施策を講じまして国産原料が安定的に供給され、またそれが利用されるような体制の整備を図っていきたいと考えております。
#8
○谷本巍君 続きまして、本法案策定のもう一つの外的要因とされております内外価格差是正の問題について伺いたいと存じます。
 内外価格差の是正ということが出てまいりますと、いつも生産者価格をどう下げるかという話が出てくる場合が多いのであります。しかし、現在の消費者の支払い額から見てみますと、生産者段階での受取額が約二割でありまして、流通段階が三割、加工が三割、外食が二割というふうに言われております。そういう状況の中で、私どもとしましては流通段階、それから加工、外食段階、この辺のところをどう縮めていくかということがもう一つの課題でありまして、その点で本法案がどのように縮めようとしているのか、またその目標はどの程度のところに置いておるのか、これらの点を述べるとすれば長時間になるかと思いますが、ひとつ簡潔に見解を示していただきたいと思います。
#9
○政府委員(馬場久萬男君) 食料品の内外価格差の問題は、御指摘のように特に消費者価格のレベルでの比較がよくなされるわけでありますが、率直に申しますと、為替レートの変動とか品質の差とかいろいろな要素がございまして、なかなか正確な比較というのは難しゅうございます。しかしながら、我が国の食料品の価格につきましては、消費者の鮮度あるいは良質なものを好むという志向、あるいは流通面におきますと、高地価でありますとか人件費の上昇等確かに流通面でのコストも高くなっているということは否めない事実であります。
 本法案におきましては、法案の中身にございますような四種類の構造改善事業というものを示しまして、事業者の自主的な努力を支援し、流通機構の合理化あるいは流通機能の高度化を図ろうというものでございます。
 具体的な四つの事業についてはそれぞれ書いてございますが、いずれも流通の合理化、効率化ということを目的に含んでおりまして、その結果として流通コストの削減、ひいては内外価格差の是正に寄与できるものというふうに考えております。しかしながら、実際のその低減の効果は定量的にはなかなか把握しがたい面がございまして、食品の価格は、コスト要因のみならずその質の要因とか需給事情とかに左右されるということもございまして、低減の効果を具体的に目標として持つということにはなっておらないわけでございます。
#10
○谷本巍君 続きまして、生産の現状と流通について若干伺っておきたいと思います。
 初めに生産対策の関係を伺いたいと存じます。例えばミカンで申し上げますと、間もなく日本の消費者は、庶民にとってはミカンはもう口に入らない時代が来るだろうということが言われたのは昨年でありました。御存じのように、ミカンの木は昭和三十年代に植えられたものが約七割でありまして、ミカンの木は三十年しかもたない。としますと、大体十年以内に日本のミカンの生産というのはほぼ壊滅的な状況になるだろうと見通されるからであります。ことしに入りましてからは、北は北海道から南は九州、沖縄まで、どこもほとんど例外なく野菜の値段が高くなってまいりました。例えば小さなキャベツあるいは小さな白菜にしましても、スーパーなどでは丸売りはしておりません。必ず半分にしまして、ついている値段が二百九十八円とか七円とか大体三百円水準で売られておるというような状況になってきております。
 こうした状況がなぜ生じてきたのか。一つには、野菜の生産というのは気象変動によって左右されるという度合いが大きいということが言われてまいりましたが、最近の現状で見てみるならば人手不足と高齢化問題、これが大きな背景としてあるのではないか。したがって、規模拡大も限界的な状況、これは後継者問題が絡んでおりますが、そういうふうな状況に来ておるわけであります。こんな状況の中で産地の状況を伺ってみますと、中には値段が二倍になってもやりませんという声が最近出るんですね、他産業の賃金も上がっておりますから。そういう中で流通合理化を一生懸命やったとしても、他方で生産体制が崩壊していくという状況のもとでは到底内外価格差の是正といったようなものは望むことができないというような状況になっていくんじゃないかと思うんです。
 そこで、伺っておきたいのは高齢化への対処ですね。これについて具体的にどうお考えになっているか。例えばこの辺でいいますと、最大の産地というのは長野県でありますが、長野県の場合には平均六十二歳ですね、福島あたりで六十五歳が平均だというふうに言われているような状況でありまして、こうした高齢化への生産対策としての対処の方針を伺いたいと存じます。
#11
○政府委員(馬場久萬男君) 確かに昨年の秋から野菜が非常に高騰しておりまして、私どもも頭を痛めているわけでございますが、この主たる要因は天候によるものだというふうに我々は考えております。といいますのは、ここ数年作付面積は六十四万ヘクタール弱でそう変わっておりませんので、やはり収量に大きな変動があった、それは気象の影響が大きかろうというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、委員御指摘のように、野菜農家の年齢別の従業者数等を見ますと非常に高齢化が進んでいる、また生産に携わる農家数そのものも減っているというのは御指摘のとおりでございます。そこで私どもといたしましては、そのような労働力不足あるいは高齢化対策といたしましては、やはり野菜生産についてなるべく省力化して生産ができるように、機械化体系の確立でありますとか、あるいは軽作業化のための機械の導入でありますとか、そういうことをやっていかなくちゃいかぬだろうと思います。また、生産段階で農家の負担が大きい育苗あるいは収穫後の出荷の作業、こういうものについて農協組織等が代行をしていくという体制の整備も必要だろうと思います。また、高齢者でも扱いやすい軽量野菜あるいは収穫、調製の省力化というようなことが可能な業務用、加工用の野菜の導入というようなことも必要かと思います。
 今申したような三つぐらいの観点からいろんな施策を講じてまいりたいというふうに考えており
ます。
#12
○谷本巍君 現地を歩いてみますと、東日本と西日本で若干の違いがあるんですけれども、例えばミカンの生産地でいいますと、従来二十キロこん包であったものを十キロこん包に切りかえている。それから野菜の生産でいいますと、ネギよりもアスパラの方が高齢者農業に向いている。つまり高齢者を主体にした営農技術の問題を含めた経営改善の状況というのが西日本などではかなり見られるような状況になってきておるのであります。
 この辺の議論はまた別途機会を得て行っていきたいと思うのでありますが、従来のように若手を残して、そしてどう大型機械でやっていくかという発想だけでいきますと、現場とのずれというのはどんどん大きくなっていくと思うんですね。現に高齢者に見合った営農体系、技術体系そしてまた機械の開発についても、そういうふうな要望が現地から出るような時代になってきておるのでありますから、そういうふうな点についてひとつ御検討いただきたいと思うのでありますが、いかがでありましょうか。
#13
○政府委員(馬場久萬男君) 野菜の生産をめぐるいろいろな情勢の変化等について我々も問題意識を十分持っておりまして、実は昨年野菜研究会というような会を設けまして、中で検討していただきました。そこでも、今委員御指摘のような今後の労働力不足、老齢化に対して、いろいろな全体の生産体系のあり方も含めて検討すべきであるという指摘を受けております。先ほども三つほどの要点を申し上げましたけれども、それらも有機的に組み合わせて、国民にとって必要な野菜生産が十分行われるような体制を組んでいかなくちゃいかぬというふうに考えております。
#14
○谷本巍君 今申し上げた点については、再度申し上げておきますが、また機会を得ていろいろ論議をさせていただきたいと思いますのでぜひひとつ当局でも御検討いただきたいと存じます。
 次に、流通改善問題について若干伺いたいと存じます。野菜の生産が若手の皆さんになぜ嫌われるのかという問題でありますけれども、その一つの要因として挙げられますのは、出荷期は寝る時間がないと言われるほど忙しい状況にある、ここのところをどう解決するかということが私は重要な問題だろうと思うのです。現場を見てみますと、収穫後の選別、調製、箱詰め作業があるのでありますが、物によっては小売店でそのまま売れるようにしていくための小袋詰めの作業であるとかあるいは結束ですね、ネギだったら何本で束ねてこいというふうな状況があるんですね。本来流通段階でやらなきゃならぬものが生産段階の方にしわ寄せされてきているという状況があるのであります。
 流通段階の皆さんに言わせますと、それは産地間の競争がそういうぐあいになっておるのでありますというお話を耳にするのでありますが、私どもが見てみますとそうではない、量販店が登場してきた、流通支配が強まってきたという状況の中で、一方では地価が高騰してきた、労働力が不足してきた、そこでコスト負担を農家の側に転嫁してきたというところが正直なところじゃないかと思うのです。
 買い手が力を持ちますと、あそこの産地はどこどこまで作業をしてくれます、ここの産地はそっくり小売店に持っていけば売れるようなところまでやってくれますと、産地間競争をそれでやらせるんです。そういう状況が一方的な農家へのコスト転嫁になってきているのではなかろうかということであります。したがいまして、生産の衰退状況というのに歯どめをかけていくのには、ここのところをどう改革するかということが重要になってきていると思うのですが、いかがでありましょうか。
#15
○政府委員(馬場久萬男君) 野菜の出荷段階における産地の作業が非常に細かい、小袋に詰めたりあるいは束ねたりというふうなことになってきているという現象は確かにあります。もともとホウレンソウのようなものは出荷の段階で小さな束にする、あるいは施設物のピーマンなどは小さな袋に入れて出すということが行われていたわけでありますけれども、一方では、大量に市場に出てきたものを卸売市場の中の仲卸業者あるいはパッケージの専門業者がやっているという部分もあったわけであります。
 ところが最近、生産サイドに対して非常に細かな対応を求めている。その背景には、委員御指摘のような都市におきます労働力不足あるいは都市における地価高騰等によります作業場所の狭さというようなこともありまして、産地へ産地へとそういう作業の依頼が行くという現象にあります。ただ産地側も、先ほどもお話がございましたように、最近は非常に労働力不足でありまして、結局この問題は産地と流通段階あるいは小売段階で機能分担をすると同時に、そのコストの負担も適正に行われなければ解決しない問題だろうというふうに我々考えているわけでございます。
 そこで、ただ産地側がそれを断ればいいということではなくて、産地は産地で、そういうことが必要なものをある程度省力化してこなせるような機械、施設の導入等も助成をして整備しなくちゃいかぬと思いますし、また流通段階におきましても、パッケージ施設あるいは最近非常に需要のあるカット野菜などの要求が流通業者にあるわけですけれども、そのカット施設、そういうものも流通段階で設置して、流通段階は流通段階で、小袋詰めにしたりカット野菜を包装したりできるように、そういう助成もしなけりゃいかぬということで、私どもとしては、それぞれの産地サイド、流通段階、いずれもある程度そういう作業を分担してやっていけるような体制を整えた方がいいんじゃないかというふうに考えております。
#16
○谷本巍君 そこで、大臣に伺いたいのであります。
 今申し上げましたような問題というのは、もう一つの問題としまして等級の細分化問題というのがあります。トマトで見ますと三十六規格、メロンで見てみますと、例えば熊本のものでしたら七十規格を超しておるんじゃないでしょうか。そういう規格の細分化という点が選別、調製、箱詰め作業を過重にしてしまっているという状況が見られます。したがいまして、規格の簡素化ということが大事になってきているのではないかということが第一であります。
 それから、もう一つの問題としましては容器の問題があります。例えば段ボールで見てみますと、カラフルな段ボールがどんどんつくられるようになりまして、それが産地間でもって一層競争をし合うというような状況が生まれております。段ボールの印刷のやつを青果物だけで見てみましても三千種類を超しているんじゃないでしょうか。消費者とは全く関係のないそういうロストを高めるような状況というのが生まれております。
 容器につきましても、例えば回転をして使うといったふうな工夫なども必要になってきておるわけでありまして、そうした点について思い切った対処をしていただきたいと思うのでありますが、いかがでありましょうか。
#17
○国務大臣(近藤元次君) 先ほど委員からいろいろ御指摘がありましたような状況というのは、私も認識をおおむね同一にするものでございまして、今回食品流通の改善をする段階では、各段階でそのコストあるいは高度化ということに向けてこの法律を提案させていただいたわけでありますけれども、私の念頭にありますのは、最近高付加価値のものを消費者が求めるようになってまいりましたので、その付加価値を上げるところが生産者サイドで何とか雇用の場や所得の場となるように考えていけないものだろうかということが一つは念頭にございます。
 ただ、現実は逆でありまして、むしろ規格が複雑になっておる、多段階になっておる、包装が多様化をしておるものですから、そのコストを生産者所得の中で補わざるを得ないという状況がありはしないかと思って心配をしておるわけであります。
 消費者価格と生産者手取りの比較を見ても、も
う少し何か生産者手取りを増大することができないだろうかと。農家の皆さん方にも、皆さんは食料品をつくっているという認識よりも農産物をつくっている認識でありまして、消費者手取りのところが初めて食料品ということになるんだろうから、そこまでの間に付加価値を上げる分で雇用と所得の場を考えられないか知恵をひとつ絞ってほしいということを念頭に置いて考えておるわけであります。
 そういう意味では、人手不足やあるいは果樹園芸農家が減少しておることを考えてみて、先ほど先生から、高齢者なりに高齢者対策を後継者という観点だけでなくて考えてみろという御指摘がございまして、私もまた新たな観点を先生の御指摘でちょうだいすることができましたので、それなりに考えてみたい、こう今認識をいたしたわけであります。
 あわせて、私はその等級、規格の高品質のものをつくることが我が国の農業が世界の農産物との競争力を持つことだ、こう思っておるわけですが、現状を見ておると、私の認識は、総括的で大変悪いんですけれども、どうもその規格が非常に高度化し過ぎて、規格から外れたものとの格差があり過ぎる、製品格差よりも規格格差の価格差があり過ぎるんではないだろうか。現実に、私ども自分の周りの産地を見ても、消費者動向を見ても、キュウリなら真っすぐでなきゃならぬ、長さがどれぐらいでなきゃならぬと。では、消費者は真っすぐでなきゃ消費ができないか、曲がっているものは価値がないかというと必ずしもそうでもない。そういう面での価格差というものがあり過ぎはしないかな、こういうことでありまして、規格を大事にすることは続けなきゃなりませんけれども、規格から外れたものの価値をもう少し上げていくということを一つは考えていかなきゃならないと思います。
 今後また流通段階でやるというよりは、消費に至るまでのものが農家の方で、その勤労者所得みたいな決まった作業時間じゃない、間にやれる仕事で雇用と所得の場を考えていく段階で、それが生産者所得で補うことではなくて、別途雇用と所得の場を求めて流通、加工関係でやらなきゃならぬものが、土地の制約なり都市の労働力の不足なりというようなものを農村で補っていくという観点からとらえることの方向に向かって指導していきたい、そう考えておるわけであります。
 段ボールを初めとして、包装関係がまさに多種多様になりましてコスト高になっておることも承知をいたしておるわけでありまして、その意味でも、今度は生産者の中で若干でも、集出荷施設なり、そういうものが合理的に、個々でやるより地域でやれる生産体制の中でできないだろうか。そのことがまた生産コストに上がらないように利子補給をしたり長期にわたった金融をしたり、補助金制度を運用して今回の生産者体制をとっていきたい、こう考えております。この改善が、高度化、合理化が消費者物価にはね返ったり、生産者コスト負担にならないような形で支援をしていきたいという趣旨で考えておるわけであります。
#18
○谷本巍君 そうしますと大臣、この規格を決めておりますのが標準等階級でありまして、これは大臣の方の所管にかかわる問題でありますから、その点について検討していただけるということですね。ともかくも、生産者は現状のままでよい、消費者の方からも現状のままでよいという声はないんですから、よろしいですね、その点。いかがでしょう。
#19
○国務大臣(近藤元次君) この問題については、私ももう既に事務当局に命じて、生産者団体である系統農協に細分化されておるものを簡素化するような方向で検討させるように指示をしてありますので、いずれその対応が出てくるだろう、こう考えております。
#20
○谷本巍君 次に、本法案の四つの事業についてお尋ねをさせていただきたいと思います。まず初めに、食品生産販売提携事業について伺いたいと存じます。俗に、産直的な発想のものを伸ばしていこうというところにこれのねらいがあると言われておるのでありますが、どういう産直を伸ばそうとしているのか。いわゆる産直というのはいろいろな産直があるわけでありますから、その点について伺いたいと存じます。
#21
○政府委員(馬場久萬男君) この法案で生産販売提携事業として規定しているものは、具体的には消費地の例えば八百屋さん等の小売店の事業協同組合、あるいはボランタリーチェーンと生産者、それからその団体である農協と提携をいたしまして、産地で生産者がある程度付加価値を高めたといいますか、品質をよくしたものが生産者の意図した品質を保持しながら消費地に届き、消費者に供給されるということをねらっているわけであります。したがいまして、安定的な取引を確立しまして、そこで一定の品質を保持しながら流通できるような施設を整備するということになっているわけです。
 具体的には、例えば野菜で言いますと、最近よく出ておりますが完熟のトマトのようなもの、あるいは果実につきましてもやはり非常に熟したもの。従来ですと、どっちかというと市場流通をやっていますと流通の過程でだんだん熟していくという形で、ややまだ熟し方の足りないものを出荷しなくちゃいかぬということもあるわけでありますが、これらの提携事業においてはむしろ完熟したものを流通させるというふうなことができるんではないか、あるいは従来は一般的な市場ではなかなか流通ルートに乗りにくい地域の特産物、山菜類であるとかそういうようなもの、あるいは魚でいえば活魚、こういうものがこの制度によって産地で生産者が意図した品質を保持しつつ消費地に流れるということになろうかと思っております。
#22
○谷本巍君 この食品生産販売提携事業というのは、スーパーやデパートも対象にしているんですね。大店法絡みから本法案ができたという経緯があるわけでありますから、そうした経緯からしますと、スーパーもデパートも援助の対象にしていくというのはいかがなものかという疑問が一つあります。
 それからもう一つの私の疑問は、スーパーで申し上げますと、ボリュームディスカウントを貫徹しようとしている。これは一般の製造業の場合でしたらよいのでありますけれども、農業の場合には非常に無理なのではないかと私思うんです。例えば生産者にレタスの生産農家がおったとして、仮に三反やっておった。おれのところは大量買いするから、来年から一ヘクタールにしろ二ヘクタールにしろといったところで簡単にいかないんですね。ここのところが製造業と決定的に違う点ですね。ところがスーパーはどだい成立することが難しいボリュームディスカウントを貫徹しようとする。その無理がどういう形になってくるか、いろいろな状況が生まれておるわけであります。
 スーパーの場合は完全な利益中心主義でありますから、最近で見てみると、リンゴでいうと小玉は売らない、利潤率のいいものだけを売っている。でありますから、産地と提携などをした場合、自分のところで売りたいものだけ買ってあとは買わないものが出てくるということで問題が起こってくる。さらにまた差別商品として有機農産物などを扱う例が間々見られるのでありますが、これについてもいろいろな問題が起こっております。有機農業生産体制が組めるまでは高い値段で買って、生産体制ができたら途端に買いたたくというような状況がしばしばこれまで見られてまいりました。そうしたスーパーまで対象にしていくというのはいかがなものかというのが偽らざる私の実感でありますが、この点はどういうことなんでありましょうか。
#23
○政府委員(馬場久萬男君) 食品生産販売提携事業は、先ほど申しましたように、私どもの政策意図といたしましては、産地の生産者が安定的に自分たちがつくったいい品質のものを消費者に届けるための事業というふうに産地側からは見る。消費者側から見れば、消費者にいいものを提供するために一定の産地から安定的に確実に良質の農畜
水産物が流れてくるということを期待するわけでありまして、こういう改善を図る必要があると考えられる分野は、むしろ現在では安定的な出荷単位量としてまとまった出荷をしたいという生産者の集まりと、それから個別の自分の事業ではなかなかそういうものが確保できないという中小の小売業者の方が組織する事業協同組合やボランタリーチェーン、こういうところに政策の必要性を感じる層があるだろうということでこの事業を考えたわけでございます。
 そのために、この支援措置の中で、例えば金融についていいますと中小企業者に対する金利を特に低くするということにしておりますし、また税制上の特例といたしましても、不動産取得税とか固定資産税の減免は、中小企業者が取得した共同利用施設に限定するというようなことをしているわけでございます。
 ただ、確かに大手のスーパー、百貨店といえども販売業者として良質なものを売りたい、またそこを通じて生産者が自分のつくったものを、高品質のものを、高付加価値のものを売れると。安定的にそういうところを通じて売った場合は生産者にとってもプラスであるという場合も想定できますので、制度としてそういう大手のものを排除するということは特にいたしておりません。しかし、この事業の対象として構造改善計画が出てまいりまして、農林大臣が認定するという場合に当たりましては、そういう中小の食料品小売店あるいは産地の農林漁業者、こういう者を圧迫するような計画は認定するわけにまいりませんので、それは実際の実行段階の計画認定において十分留意をしてまいりたいというふうに考えております。
#24
○谷本巍君 その点の留意については重々ひとつこの際お願いをしておきたいと存じます。
 続いて卸売市場機能高度化事業について伺いたいと存じます。この卸売市場の機能高度化事業は、御承知のように品質保持施設・物流施設整備、流通機能の高度化といったようなことを行うというのが主題だとされております。その点で私は、若干というか重大なといいましょうか、疑問がございますので、そこから伺っていきたいと存じます。
 まず伺っていきたいのは、卸売市場が品質保持施設を持つということが自己否定になっていきやせぬかということであります。といいますのは、市場というのは、不特定多数の生産者と不特定多数の買い手の競りでもって値段を決めていくというのが市場の考え方であります。そこで、生産者の場合は無条件委託でもってやっているわけであります。この無条件委託の販売というものの前提に、市場は需給操作はやりません、これがあるんですね。ですから、これまで市場というのは倉庫は持たないという原則で来たわけであります。そうしたことからすれば、無条件委託というのと需給操作はしないというのは不離一体のものである、こう言ってよいわけであります。
 ところが、本法案では、品質保持施設などを持つということになってくるわけでありますから、そうなってまいりますと競りの精神というのが基本から否定されるということになっていきますし、これは卸売市場法との絡みが出てくるのでありますが、その点については当局はどうお考えになっておるのでしょうか。
#25
○政府委員(馬場久萬男君) 先生御案内のとおり、卸売市場の取引というのは全量上場、即日販売という原則がございまして、そのために、今おっしゃいますような委託集荷、競り販売ということを行っているわけであります。これはそういう原則を守っていかないと卸売市場は成り立たないわけでありますから、当然今後とも守らせるわけでございます。
 ただ、今私どもが考えております品質保持施設というのは、要するに長期に貯蔵する施設というよりは、御案内のように産地におきまして最近予冷施設とか保冷施設とかいう施設が整備されまして、産地である程度品質管理をしたものを卸売市場に持ってくるわけであります。ところが、卸売市場側で、産地では予冷、保冷で維持してきたものを、卸売市場の要するに平場にただ積んでおくという形になりますと、せっかく産地で品質を維持したものがそこでとぎれてしまうということになりますから、そういうものはある程度予冷、保冷の効果が維持できるようなところに入れるということは必要だろう、そういう意味で品質保持施設というのは助成の対象にいたします。長期に保存する、あるいは需給の事情を見てしばらく市場から隔離しておく、そういうふうな施設に使うつもりはございませんし、またそれほど大きな施設を今の卸売市場の中に設置するということもあり得ないと思うわけであります。
 卸売市場の、今言いました全国から集まってきて即日全量を競りで販売するという原則を貫く限り、それほど大きなものは要らないということは十分我々としてもわかるわけでございますから、これらの事業計画を認めるに当たってもそういう点は十分配慮しなくちゃいかぬと思いますし、一方でやはり産地から鮮度管理等をきちっとしたものが来た分はそのままその品質が維持できるような施設として必要なものは認めなくちゃいけない、こういうふうに考えているわけでございまして、御懸念のような需給管理をする、それによって価格の公正な形成を阻害するというようなことにはならないようにしていきたいと思っております。
#26
○谷本巍君 ならないようにするというのは、具体的に言いますとどういうことになりますか。
#27
○政府委員(馬場久萬男君) 法律に基づいてこれらの事業をやる場合に、構造改善計画を作成して、これは大臣の認定を受けるわけでありますが、その段階においてそういう施設として機能する必要なものというのを認定する場合に、御懸念のようなことにはならないように注意していきたいと思います。
#28
○谷本巍君 その点はまた重々お願いしておきます。
 それから、また今の問題との関連が出てくるのでありますが、最近の中央卸売市場を見てみますと、いわゆる先取り取引が非常に増大しておるわけであります。これは東京と大阪によってまたかなりの違いがあるのでありますけれども、東京市場の場合で見てみますと、市場によっては全入荷量の六、七割が量販店や外食産業などが先に買っていくというような状況が見られております。市場というのは公正、公平、公開の三原則があるのでありますけれども、いわゆる先取り取引、場外取引というやつは農家の段階から見てみますと、手数料もちゃんと取られちゃっているんですね。極めて不公正で非公開でというような状況がそこにあるわけであります。
 しかも、局長御存じのように、先取り取引というのは法律的にはあくまでも例外的なものでしかない、緊急などやむを得ない特定の場合だけ法律はこれを認めるということにしたわけであります。したがって、ペナルティーとして価格については翌日の最高値でもって決めるということになっておるわけでありますけれども、こうした先取り取引の量が増大してきますと、翌日の市場に上場されるものは品質の悪いものだけ、こういうふうな状況すら見られるわけでありますから、ペナルティーがペナルティーとして効かなくなってしまっておるという実態もあらわれてきておるわけであります。
 こうして見ますと、一つは先取り取引という卸売市場の精神とは反したものが増大しつつあり、そこへ先ほど御指摘申し上げました卸売市場に保管施設を認めるというようなことになってきますと、二重の意味で市場法違反の状況というのが出てくるんではないのかというふうに思います。私は、これらは必ずしも悪いということで申し上げておるのではないのでありまして、本法案と抱き合わせでその辺の市場法の改正というのがあってしかるべきではなかったのかと思うのです。
 ところが、そういう状況にならなかったのはなぜなのか。そしてまた、卸売市場法違反の状況が続いているにもかかわらず、これをそのままの状態に放置しておくのかどうか、その点について伺
いたいと存じます。
#29
○政府委員(馬場久萬男君) 先取りの問題は確かに卸売市場法の中では、例えば船の出港時間が、荷を積むのに卸売にかかる時間まで待っていられないというようなときとか、そういう特殊、やむを得ない場合を想定してできていることは事実であります。また、これはその開設者等の許可によって特例として認められるということになっているわけであります。
 ところが、一般に最近では、殊に大都市圏の市場におきましては量販店の進出あるいは交通事情の悪化等に伴いまして、これがある程度大きく幅広く認められるという傾向にあるということは、我々もこれが卸売市場の本来の公平かつ公正な価格形成を行うという機能を阻害するんじゃないかということで憂慮しているところであります。
 そのために、先般私どもは卸売市場法に基づきます第五次の卸売市場整備基本方針を定めるに当たりましても、それらの取引のあり方として委託競りの原則というのは維持しなくちゃいかぬ、一方で、地域によって、今言いましたように大都市の市場等においてそれぞれ実態があるということも踏まえて取引のルールを確立しなくちゃいかぬということを言っているわけでございます。
 具体的には、先取りの問題につきましては、私ども昨年東京の大田市場、あるいは最近は淀橋市場におきましても、いわゆる予約取引という制度を導入することによってこの問題を解決したらどうかということを提案しまして、今試験実施をさせている段階でございます。先取りと予約取引の違いというのは、予約取引の場合は、あらかじめ産地側の出荷の計画をとりまして、また消費者側の需要のめども立つわけですから、それをもとに一般の卸売市場の競りの時間の前にある程度予約取引で価格を決めて一定の量をとっていくということにしようということでございます。そのかわり必ずその日に入荷するものの一定の量は競りに上場しなくちゃいかぬということで、競りの分野で一定の量は必ず確保される、従来の先取りのようにどれだけ持っていっちゃうかわからない、残るものはどれくらいかわからぬというようなことでなくて、このルールをきちっとするということを主眼としているものでございますが、これはまだ試験実施でありまして、条件の整いそうなものについて二、三やってみているということですが、何らかの形でこの問題を解決する方向でしなくちゃいかぬと思っております。
 ただ、これは法律の問題というよりは卸売市場のそれぞれの実情に応じた運営の問題でございます。したがいまして、今回、法改正というような形でなくて、第五次の基本方針の中にも盛り込みまして、今後、市場関係者の合意を得つつ運用の問題としてやっていきたいというふうに考えております。
#30
○谷本巍君 その点については、私いろいろ申し上げたい点があるのでありますけれども、まだお尋ねしたいことがかなり残っておりますので先へ進ませていただきます。
 問題の根底にあるものは何なのかといいますと、市場法の方もきちっと整備をしながら、今言うところの運用問題の改善もきちっとしながら、流通全般をこうするというものが実は出ていないところに問題があるのではないか、私にはそう思えてならないわけであります。この法案なるものは基本法的性格を持つというふうにも言われておるのでありますが、しかしそれが必ずしも基本法的な性格を持つものではないと言われるのは、ビジョンがないからなんじゃないでしょうか。
 さらにはまた、この法案と抱き合わせになっております予算を見てみましても、政府の助成なるものの大部分は中央卸売市場でございますから、したがって卸売市場のための新法だというようないわば悪口的なものさえ出ているような状況であります。やはり流通全般をこうするという点については、この法律との絡みで言いますと審議会の中でこれから議論があるのでありましょうか。その点どうなんでしょうか。
#31
○政府委員(馬場久萬男君) この法律が食品流通全体の基本的な法であるかどうかということについては、私どもいわゆる基本法という考え方が、例えば農業基本法、林業基本法のような意味での基本法かというと、どうもそうでないというふうにお答えを申し上げざるを得ないわけであります。
 ただ、ここにおきまして、食品の流通部門の構造改善をどう進めるかということにつきましては、食品流通構造改善基本方針というものを農林水産大臣が定めるということになっております。そこにおきましては、ある程度食品流通の今後の構造改善をしていく方向について盛り込むということになりますので、そこにおいて我々の政策の意図というのはある程度示せるんじゃないかというふうに思っておる次第であります。
 そうしますと、今委員御指摘のように、この基本方針を定めるに当たりまして食品流通審議会にかけるという法制になっておりますが、その審議会において食品の流通に関して幅広い知識を持っておられる方々にいろいろと御議論いただくということが必要だと思っております。
#32
○谷本巍君 そこで、大臣に伺いたいのであります。
 本法案というのが対象にしておりますのが、既にでき上がっている既存の流通合理化というのが基本であります。私は、既存の流通合理化だけではこの法案のいう目的というのは達成することは難しいというふうに思います。例えば、最近の生協と農協との提携事業を見てみましても、需給問題について言うならば、買い手の側がとれた量に応じた消費の大宗をつくっているというような試みもありますし、それからまた加工工場、これは生協と農協との間につくってそこでもって需給調整をやっていきましょうという状況も生まれてきております。
 また、流通コストについて見ますと、集荷、分荷の低コスト化の物流ということがかなり進み出しておりますし、また、本日先ほども申し上げてまいりました選別、規格、包装、こうした点についても合理化がかなり進んでいるという状況が見られるのであります。生協と農協との提携については、そういう点では旧来型の産直とは大幅に違った、そして今まで想像もできなかったような状況というのがどんどん生まれつつあるという状況が一つあります。
 さらにまた、先ほど局長が答弁された予約取引の問題です。これはまだ実験の段階でありますけれども、情報システムが整備されていけば、これまで間々見られたような野菜価格、生鮮食料品の乱高下、そして消費者の方は結構高い野菜を食べているが、生産地では野菜がトラクターでつぶされているというような状況などが解消できるはずなんです。ともあれいろんなすぐれた対応が生まれ始めておるわけでありますから、そういう状態を含めて流通全体をどうしていくかという発想で農林水産当局としての立派な方針づくりをひとつやっていただきたいと思うわけです。とりわけ、そうした点については、生協と農協との提携などに見られますように、生産者と買い手とが対等な関係で合理的な流通システムをつくっていくというような点が特に重視されなければならぬと私は思うのでありますが、そうした点も含めて、この際大臣の所見を承りたいと存じます。
#33
○国務大臣(近藤元次君) 食品流通につきましては、安全で良質なものを安定的にそして効果的に消費者に供給するという重要な役割を持っておることはもう御案内のとおりであります。
 そういう観点に立って、私ども各段階で今この法案で現状認識のできることを改善していきたい、こういうことで法案の提出をさせていただいておるわけでありますが、先生今御指摘のように、生産者団体にも流通団体にもあるいは消費者団体動向についても異常に複雑になってきておりますし、家庭消費よりも加工なり外食なりという産業が非常にウエートが大きくなっているというようなことで、量販店が進出をしたりあるいは交通事情があったりというようなことで、現状のままで本当に厳しく市場というものが位置づけられ
ていくことになると、予約だとか先取りだとかいう、もっと全く通らないという分野が出てしまいはしないかという心配をしておるわけであります。
 本来からいえば、不特定多数の生産者、不特定多数の消費者に対応して入札が行われて正当な価格を決めるという、言いかえれば、いま一つは流通関係が大きな力を持って、市場というのはただ単に価格の設定が公平に行われるということで、公開性であったり公平であったり明朗であったりというようなことが一番の大事な接点であろうと思うんです。ここが利潤追求のイニシアチブをとるようなことではない、そうあってはならないというふうに実は自分も認識をいたしておるわけであります。そういう観点で非常に流動的でもありますし、今後の動きというのもかなりの変化がそれぞれ出てくるだろう。こう思っておるわけでございますので、ソフトはいろいろ変化するが、ハードの部分で対応するところがあったら近代化なり合理化なり高度化なりということをきちっとまずはひとつやっていこうではないか、そしてその上に立ってこれからの流通に対応していくということで、精神は先ほど申し上げたような精神であって、この法案ができて、そして近代化なり合理化をする段階でこのことが生産者のコストなり消費者価格を上昇させるというようなことにはならないようなことでやっていかなければならない、こう思っておるわけであります。
 お話のように、市場というものが、量が少なければコストが高くなる、コストが高くなれば敬遠されるという嫌いがあってはならぬので、予約というようなものもまたひとつここで設けていく必要があるんだろう。まあ現実の動きとして産直がどこまでいけるかというようなことになると、都合のいいときには産直になって、都合の悪いときには市場へ来る、こういうことであっては市場の機能も十二分に発揮しないわけでありますから、市場で公正な価格ができるようなことで、そして生産者が消費者ニーズをつかむのも市場でつかんでいくというようなことの役割を果たしておるわけでありますので、こういうものが法律が推移していくとやがて落ちつきを見ながら――私ども運用の面で当面はやっていきながらも、やがてはいろんな法律整備をしていかなきゃならない時期が来るであろうということは予想いたしておりますけれども、今直ちに法律を整備していくという段階には至っていないという認識をいたしておるわけでありまして、今後ともまた一層の努力をしていきたい、そう思っております。
#34
○谷本巍君 食品の流通問題で言いますと、今まではスーパーの監督官庁が通産省、生協の監督官庁が厚生省、農林省は農協の監督官庁と、どうやら流通関係というのは三省にまたがっちゃって谷間になっちゃっているなというふうな印象が強かったのであります。この法律ができたことを契機にしまして農林水産省が主体になって流通改革をやっていく、大いにこれは頑張っていただかなきゃならぬと思うのであります。
 またそれと関連しまして、流通のあり方を全体としてこう変えていきますよというのは審議会でやるというお話もいただいておるのでありますけれども、審議会を設置しますと、審議会でこう決めたんだからということで、国会などの論議では一歩も譲らないという状況が生まれてしまう場合が多いんですね。今まで農林水産委員会の中で流通関係の論議が非常に少なかった。これから大いにしていかなきゃならぬと思うのです。でありますから、審議会だけではなしに国会の方の論議も聞くようにひとつ努めていただきたいということをこの際あわせてお願いをしておきたいと存じます。
#35
○国務大臣(近藤元次君) 衆議院でもこの法案に関連をしていろいろ質疑をいただいてまいりましたし、きょうまた、先生を初めいろんな先生方からの御意見をいただく機会をちょうだいいたしたわけでありますから、国会の論議の中で、私も今までの過程を考えてみても、大変御参考になるような御意見もいただきましたし、またそういう観点で、法案を審議会にかける間において諸先生方と、この御意見をいただいた部分についていろいろまた御相談もさせていただくことがあろうかと思いますので、よろしく御指導のほどお願いを申し上げたい、こう思います。
#36
○谷本巍君 最後に、食品販売業近代化事業と食品商業集積施設整備事業について伺いたいと存じます。
 輸入農産物の増大という事情もありまして食生活が大きく変わりました。端的に言うなら洋風化、加工化、インスタント化という状況が広がってきておるわけであります。裏の面から見てみますと、食生活の単調化というふうにも言ってよい側面があるだろうと存じます。市民運動の皆さんに言わせますと、そういう食生活が広がったおかげで小さな子供のアトピーがふえてきた、中学生の成人病がふえてきた、がんで亡くなる方がふえてきたといったような指摘等々が続いているわけであります。やはりこれまでも政府自身も言っておりますが、米を中心、自然を中心とした自然型長寿型食生活、これをどう生かしていくか、これは日本農業の復権ともかかわるわけでありまして、そこのところが重大な課題になってきたと思います。
 今申し上げたような食生活が生まれてきた背景は何かといいますと、一つは核家族化の問題もあるでありましょうが、食品の対面販売が少なくなったというのがもう一つの有力な事情なのではないでしょうか。そういう意味では食品販売業近代化事業というのは非常に私はすばらしい事業だと思います。思うのですが、なかなかこれをやるのは難しいんじゃないのか。農家もそうでありますけれども、とりわけ小売商店の場合はそれぞれが一国一城のあるじであり、商品の選別についても一見識を持っておる。したがって共同化というのはかなり難しい。さらには後継ぎがいない。したがってこれから先投資をしていくというような発想にはなかなか立ってもらうことはできないというような状況があります。
 さらにはまた、東京などで見てみますと、小売店が残っているのは中心部に近いところなんですね。郊外の方は大体量販売店に占領されてしまっておって、中心部に近いところに八百屋さんや魚屋さんが残っておる。ところがこれが地価が上がちゃった。上がっちゃったから、坪五十万を超えると投資は不可能といったような話が専らでありまして、自分のところの整備をするよりも土地を売って金利生活の方が割がいいとか、マンションにした方が割がいいという話を多く私ども聞くのであります。そうした現状の中で、この近代化事業を成功させるようにしていくノーハウといいますか、方法論といいますか、この点はどうなんでしょうか。
#37
○政府委員(馬場久萬男君) 先生御指摘のように、なかなか中小の食品販売業の方々が苦労していることは事実でございます。この事業は法律にも書いてございますように、一つはやはり事業の効率化、合理化という点で、仕入れとか、あるいは調製とか保管とか配送の共同化によるコストダウンというのをねらっておりますが、それとあわせてやはり自分のところでの経営の改善を図るソフト的な面も事業内容に掲げてございます。
 私ども主として事業協同組合等の組織を通じながらこれらを進めていくわけでございますが、単なる施設の整備だけでなくて、今おっしゃられましたような消費者にどうやって商品の特性を知ってもらい、どういう消費、食べ方をしてもらうかというようなソフト面の事業もあわせて行うようにして、経営の改善が図れるようにした方がよろしいと思っております。
 これは私どもの方では、今この法律で考えております食品流通構造改善促進機構というような法人においてそういういろいろなノーハウの提供等もしてもらうような形にしたいと思っておりますが、いずれにしても個別の商売をしている方々の創意工夫というものを生かしながら、しかも事業としては、個々の店でなくて全体がやはり効率化なり合理化も進めていけるという意味では共同化
のようなものを片方に踏まえながら仕事をさせていくということが必要ではないか、こう思っております。
 なお、先生がお触れになりましたけれども、確かに我が国の食生活が大変変わってまいりました。私ども昨年、日本型食生活と従来から言っておりますものについて、さらに食生活の面で世代別の食生活のあり方等を示した新指針というようなものを出しておるわけでございます。「新たな食文化の形成に向けて」ということで、九〇年代の食卓への提言というようなことをまとめているわけでございますが、そういうようなものを背景にいたしまして、この近代化事業のソフトの面で、例えばビデオによる調理方法の普及等の中で食生活の改善等にも役立つような情報の提供をしていきたいというふうに考えております。
#38
○谷本巍君 工業製品とは違いまして、食料品というのは何といいましても対面販売で、料理の仕方から食べ方など、小売店の皆さんがそれをやりながら生き延びてきておるという面が強いわけでありまして、私はそういう意味ではぜひこの事業を成功させるようにしていただきたいと思うのであります。
 今も局長から、テレビですか、それを使って情報を伝えるというようなテイデアもあるようでありますが、考えてみればいろいろなテイデアがあるような気がするのです。私はむしろ、そうした地場の小売店の皆さんなどに食べ方を変えていく上での情報センター的な機能を持たせていくという方法があるのじゃないかという気がするのでありますけれども、その辺の問題は、持ち時間がなくなってしまっておりますので略しますが、ひとつ大いに頑張っていただきたいと思います。
 なお、最後の最後ということになりますが、食品商業集積施設整備事業について伺っておきたいと存じます。
 これは簡単に言うなら、商店がそれぞれ集まってワンストップショッピングができる施設をつくっていくというところにねらいがあるわけであります。ところで、そうした施設をつくっていった場合に、小売店の武器である対面販売というやり方、これが色彩が薄くなっていきはしないかという気がしてならないのであります。小売店は地域の消費者に合わせた売り方をしてまいりました。そして、それぞれの小売店がそれぞれの特徴と個性を持ってまいりました。そういうものが消えてしまうようになりはせぬかという心配があるということが一つ。
 それからもう一つの問題は、この施設をやっていく場合、助成をする場合に条件をつけるのかつけないのかということであります。例えで申し上げますというと、私どもが一番経験しておるのは構造改善事業の例でありまして、農家が要らないという大型機械まで押しつけられてきたという、今もってどこへ行ってもその種の話が出るのであります。自主的にやられる皆さんの創意工夫、これをどう伸ばすかということが大事なのでありまして、地域によってはさまざまなやり方というのがあるような気がいたします。
 例えば、私が知っている秋田市の例などでは、下に鉄筋コンクリートを張っていないんです、地べたですよ。そこに幾つもの商店が入っている。建物は木造建てであります。ですから非常に親しみやすい。それが多くの人たちを集めてくる力があるということであります。でありますから、それぞれの画一的なものじゃなくて、皆さんの創意工夫を伸ばしていく、それを行政側がバックアップするという形でいくべきではないかと思うのだが、そうした点についての当局の考え方を聞かせていただきたいということであります。
#39
○政府委員(馬場久萬男君) 食品商業集積施設の整備の事業は、具体的には、一つは都市の中心部に従来あります例えば公設小売市場のようなもの、これが非常に老朽化してきている、また周りに生活者が少なくなっている、あるいは駐車場や駐輪場がないということで買い物客が集まりにくくなっているというような問題を抱えているものを一種の再開発といいますかをして一つの集積施設にして、またそこに駐車場その他も整備するようにしようという考え方が一つあります。それから逆に、都心部では、そうやってもなかなか客が来ないというところはむしろ郊外型といいますか、新しいところへそういう集積施設をやったらどうかという考え方もあります。
 いずれにしてもその地域地域の小売の皆さんたちの今までやってきた事業を発展させるためのものでありますから、当然そこへ入居をして商売をされる方々の意見を十分尊重しなくちゃいけない、こう思っておりますし、またこれは地方公共団体等も関与することになりますから、そういう意味でのそれらの意見も聞いていかなくちゃならない。そして何よりも魅力ある集積施設にしなくちゃいけませんから、そういう意味ではいろいろなノーハウを持っている人の意見を聞くということが重要かと思っております。私どもの方の考えています食品流通構造改善促進機構も、そういう点でお役に立つような計画づくりの相談であるとか、いろんな情報の提供等もさせたいと思っております。
 その場合に、一つは、一つ一つの店の特色がなくなるんじゃないかということですが、むしろこれは単なるスーパーなんかと違いまして、そこに入ったそれぞれの事業者にその特色をそこで発揮してもらって、消費者がそこへ行けばいろんな情報が与えられるということが必要だと思っております。したがいまして、この事業におきましては、単なる店舗あるいは業務用施設のほかに食品に関します各種の情報の提供など、一般消費者の利便の増進ができる施設を備えること、あるいは地域の特産物、一般消費者の食生活の多様化に資すると認められるものの展示・販売施設を設けること等が一応考え方として付されているわけでありまして、これらがそういうものを兼ね備えまして消費者あるいは地域の生産者との結びつきを持つというようなことをねらっているわけであります。
 なお、条件ということになりますと、今言いましたような駐車場とか休憩所のようなそういう施設も持つこと、あるいは食品についての情報を提供する施設を持つことというようなことが一つの条件になろうかと思います。それから、あとは中小の小売業者が一定以上必ず入ることというようなことが最小限の条件となると思いますが、中身につきましては、先ほど申しましたように地元の実際の商売をやっている方々の創意工夫が最大限生かされるようなものにしたいと思っております。
#40
○谷本巍君 終わります。
#41
○三上隆雄君 それでは私は、今回の食品流通構造改善促進法案について、同僚谷本委員が質問されましたけれども、重複あるいは関連しますが、私なりに質問を進めたいと思います。
 先ほど来いろいろ大臣あるいは局長から説明がございましたけれども、今回の法案の制定に当たっては消費者の高度化、多様化、そしてまた輸入農産物の増大、生産、流通あるいは各段階においての人手不足、そしてコスト増等の関係から生産者の販売価格に対して消費者が必ずしも安くは求められていないという、いわゆる中間の経費を削減するがための一つの手段、方法として今回の法改正があるものだ、こう思うわけであります。
 しかし、今回のこの法案を制定して実施した段階で果たしてその目的である消費者なり生産者にその利益の増進が目的のとおり果たし得るかどうか、その点についてまず近藤大臣の所見をいただきたいと思います。
#42
○国務大臣(近藤元次君) 先生、今お話しのございましたようなあらゆる環境の変化が出てまいりました。我が国の食品流通は、農林漁業者がいわば多種多様に生産してくる食品を効率的に、かつ安定的に消費者に対して供給することが重要な役割でございます。このような役割を担っている、また食品流通を取り巻く情勢も大変な変化を来してまいりましたので、消費者ニーズの多様化や高度化や農産物の輸入の増大等によります変化から食品流通の各段階においての構造改善を図ること
が重要な課題だ、こう認識をいたしておるわけであります。
 この法律は、このような観点から、食品流通を担う食品販売業及び卸売市場において流通施設や流通経路等の改善を図ろうとするものではございますけれども、流通コストの削減、生産段階での付加された価値の維持が図られることも近代的な設備等で大変大事なことでなかろうかとも思っておるわけであります。 そういう意味では、安全性と高品質を安い価格で求めようとする消費者のために、安全性や高度化、そして合理化によってコストを下げてそれが消費者に転嫁をされないようは私ども十分に支援をしていかなければいけないと思うわけであります。
 先ほどから御議論のございますように、過剰な包装なり規格の細分化なりというようなことが生産者負担になっている面もなきにしもあらずという認識をいたしておるわけでございまして、集出荷施設なり鮮度保持なりという個々の農家でできないそういう分野に対して私ども支援をしていく、これが法律の目的でありますので、そういうコスト増にならない、そして集出荷近代化をするというようなことで支援をしていくという考え方に立っておるわけであります。
#43
○三上隆雄君 ただいま大臣から本法案制定に当たってのねらいと目的が明確にされましたけれども、私は今の農家の実態、そして消費者の実態を見るときに、農家の立場としては、先ほど来言われていますけれども、新鮮で安全でおいしい食糧をいつでも、また必要な量、質、そして最終的にはでき得る限り安価に生産者が消費者に提供するというのが本来の流通のあり方だろうと思いますけれども、そこには当然にして流通というものの機能がなければならないわけであります。
 そこで私は、いろいろ今までも農業の現場にいて考えておるわけでありますけれども、実際生産農家が販売する価格に対して消費者が求める価格の実態がどういう状況になっているのか、そのことをまずお尋ねしたいと思います。そのことについては若干資料を提示していただいて、私も求めておりますけれども、それに対する御見解をいただきながらまた質問を展開してまいりたい、こう思います。
#44
○政府委員(馬場久萬男君) 野菜とか果物等の小売価格に対する生産者の受け取り価格、あるいは流通マージンの割合等について実態がどうかというお尋ねでございますが、率直に言いますと、その品目、産地、市場あるいは価格の水準等が変動いたしますものですから、なかなかその実態を明らかにすることは難しいわけでございますが、私どもの農林水産省の統計情報部では、毎年十一月十五日の一日をとりまして、卸売市場を経由する青果物のうちから一定の品目を選びまして、その物の価格についての追跡調査を行っているわけでございます。
 それの調査による流通段階別の結果を見ますと、物によって非常に変動がございますが、生産者受け取り価格というのは大体消費者価格、小売価格の三〇%から五五%程度、それから出荷経費の割合は一〇%から二〇%程度、流通マージン、これは卸売の手数料のほかに仲卸のマージン、小売のマージンがありますが、合わせて三〇%から多いもので六〇%程度というふうになっているわけであります。卸売の手数料は市場法によりまして一定の限度が決まっていますから余り大きくありませんが、仲卸なり小売のマージンは物によって非常に変動がございまして、例えば小売マージンは一九%から四三%と大きな開きがあるわけでございます。
 以上が実態でございまして、ただこれは今申しましたように、一年のうちの十一月の十五日という日を定めて毎年追跡しているものでありますから、年によっても変動がございますし、なかなかこれをもって実態だというには非常に限られたものであるということをお断り申さなくちゃ、ならぬと思っております。
#45
○三上隆雄君 ただいま提示された資料についての補足説明がありましたけれども、私の持ち合わせる資料からいきますと、おおよそでございますけれども、野菜の場合は生産者手取りから消費者価格、商品というか農産物そのもの、全く手を加えないそのものの形の小売価格というのが約四倍になっている、果物の場合は三倍になっているという農水省の出した、これは若干古い、六十二年度の資料でございますけれども、大勢は私は変わりはないと思います。
 そういう意味で、今回の提示された資料については、もちろん野菜、果物は十一月というと一番量の豊富な、需給関係の買い手市場の時期でありますからこのような結果になっておると思いますけれども、このような実態があるときに、輸入農産物との競合の関係等々を考えても、常に生産の段階だけが今まで合理化を強いられてきた。流通の段階は、日本の置かれた経済的、社会的状況の中ではやむを得ないという見方をして容認をしてきた。今回のこの法案成立に当たっては、それを改善すべく一つの法案だとして一つの前進だとは認めますけれども、果たしてこの内容において、先ほど谷本委員も言ったように、合理化されたその分が生産者と消費者に分配されるのか極めて疑問なわけであります。
 そこで、その点についてもう一度局長から具体的にその見通しがあるのかどうか、先ほど大臣からちょうだいしましたけれども、局長から専門家としてお答えをいただきたいと思います。
#46
○政府委員(馬場久萬男君) このたび私ども提出いたしました食品流通構造改善促進法案の中身は、先ほど大臣からも申し上げましたように、我が国の食品流通を取り巻きます最近のいろいろな問題に対応するのに、どういう手法で行政的にあるいは法制的に解決をしていったらいいかということ、これは私どもの方で二年ほどかけまして食品流通問題研究会というような研究会も開かせてもらいまして、いろいろな分野の流通問題の方々からも意見を徴しました。その中で、流通を取り巻く状況が非常に複雑でございますから、いろいろなことが考えられるわけでありますが、制度として大体ここにお示しのような四つぐらいの事業を推進することによって今流通の中にある問題に対する回答ができるのではないかということで提示したものでございます。
 いずれも、一つは消費者のニーズが多様化、高度化という中で、品質のいいもの、品質志向といるようなものに対応する手法と、それから流通の合理化とコストダウンに対応する手法と、両方に役立つだろうということでこれらの事業を組み立てたわけでございます。これは生産、流通が本来自由な経済活動にゆだねられているところでありますので、我々としてはそういう役立つ事業を推進することによって、よりコストダウンができる、あるいはよりよいものを提供するということが流通の中で大いに力を得ていく、そのことによってそこの合理化が行われれば当然生産者あるいは消費者にもその利益は及ぶという考え方でやっておるわけでございます。
#47
○三上隆雄君 そこで次に、実際今農家の生産の段階での生産費の実態がどうなっているのかもお示しいただきたいと思います。
#48
○説明員(須田洵君) 野菜、果実の生産費の実態についてのお尋ねでございますが、野菜、果実の生産費調査につきましては、農家が購入いたしましたいろんな資材費とか家族労働費、それから地代その他、一定の基準によりまして評価をいたしまして算出を行っております。野菜、果実につきましては、御承知のように大変種類とか作型が多うございまして、生産の実態も非常にさまざまでございますので、実際の調査におきまして野菜、果実を一本に、例えば野菜平均幾らとか、そういうことでとらえるのは難しゅうございまして、野菜、果実のそれぞれの作型といいますか、主要な品目につきまして作型区分ごとに調査を実施するということで行っております。
 現在の実態といたしまして、現在、野菜につきましては、主要な十三品目につきまして、作型区分別に指定産地等の主産地を調べております。それから、果実につきましては、十七品目の主産地
をとっておるわけでございます。生産費の実態と申し上げましても、ただいま申し上げたように野菜が幾らで果実が幾らといった形での一本では算出しておりませんので、例示的に申し上げるということにとどまらざるを得ないわけでございますが、最新の平成元年産のデータで、十アール当たりの第二次生産費をキログラム当たりで幾つかわかりやすくとらえますと、例えばでございますが、冬どりの大根が一キロ当たりで二十八円、冬どりのキャベツでキロ三十六円、それから普通温州ミカンが百円、リンゴで申しますと、ふじで百三十円といったような実態に平成元年産の場合にはなっております。
 これだけではその収益性についてどうかということが出てまいりませんので、御参考までに申しますと、これは年によって大変豊凶によります変動とか価格の変動がございますから振れが多うございますけれども、平成元年産で申す限りにおきまして、十アール当たりの所得ということで申しますと、冬どりの大根で四十三万七千円、冬どりのキャベツで二十三万四千円、それから普通温州ミカンで十四万五千円、リンゴのふじで申せば四十五万二千円という数字になっております。
 元年産の所得に関する限りは、参考までに申しますと、元年産の米で言いますと十アール当たり七万二千円という所得でございますので、それよりは上回っておるということでございますけれども、ただいま申しましたように、非常に年によって振れるわけでございますので、果実、野菜全体を通じまして申せることは、生産費の水準自体はそんなに年々変わらない。それに対して粗収益といいますか、価格の方がいろいろ振れてくる、それから収量も振れる。そういう意味での粗収益が振れますと、引き算いたします生産費の部分は一定でございますから、所得の方が非常に大きな変動を伴うという実態になると認識しております。
#49
○三上隆雄君 先ほど来言っていますけれども、政府の示した特定品目の追跡調査の結果と今示された生産費を照らし合わせてみますと、野菜の方では五倍から、特にレタスあたりは十倍になっているという実態もある。平均して五、六倍ということですか。主要果実のミカンとリンゴについては、生産費イコール生産者の手取りとするならば、小売価格は、ミカンは大体四・三倍、そしてリンゴは五倍になっているという、機械的に比較した場合にですけれども、そういう実態がある。これを平均してみても、余りその差がないと思います。その意味で、少なくとも消費者価格の高いのは、生産者価格いわゆる国内産価格が高いから消費者価格が高くなるということの批判は当たらないということをまずお互いに確認し合わなければならないと思います。
 それから次に、私も何度かこの機会に質問なり要望を申し上げましたが、消費者に対して、今まで言ったように消費者が求めるその商品の内容についていわゆるJAS規定において内容表示はしていますけれども、私は価格そのものも表示をすることが必要ではないか、こう思うんです。例えば加工食品で一番わかりやすいのはジュース類だと思います。一〇〇%果汁の場合は、オレンジあるいはリンゴ等にしても十五円か二十円ぐらいが二〇〇ccの缶内の原料価格というものに値するわけでありまずけれども、はっきり商品名を言うのは控えますが、外国輸入物の炭酸飲料水等を見て、求める内容の価格が、例えば百円売りでその商品が五円も入っていないという実態があるわけであります。
 消費者がそれを好きこのんでお金を払って買うわけでありますから、それは消費者の行為だということはそう言えばそれまでですけれども、しかし消費者の年間の生活費の中でそれも食料品代になっているわけでありますから、その辺もやはり考慮して、客観的なその価格に対して消費者が求めるものを表示する必要がある、そういう時代に入ったんではないか、私はこう思うわけでありますけれども、当初その食品の内容表示を規定された品目のその当時の経過の実態がありましたら、ひとつこの機会に御披露願って、それからまた議論したいと思います。
#50
○政府委員(馬場久萬男君) 先生のお尋ねは、加工食品の小売価格について、単に小売価格のみならず原料の値段といいますか価格を表示させたらどうか、こういうような御主張かと思うわけでありますが、これは率直に言いますと大変難しい問題でございます。それぞれの食品メーカーはいろいろな材料を使って特色のある商品をつくって、それを販売しているわけでありますが、いわばその原価、コストに関しては全体としては企業内の問題として世の中に言わないのが通例でございますし、またこれを表示させるといっても、恐らくその原料の手当ての時期等によって変動しているものをならしてやっているということで、個別には事務的にも表示ができないということだろうと思います。
 我々としては、その製品の値段が幾らかということは、それは売る方が希望価格を書くということは自由でございますが、その製造原価であるとか、あるいは原料代が幾らであるかということまで表示するということについては、恐らくこれらの製造業あるいは販売業の方々の理解なり協力が得られないだろうというふうに考えておりまして、現時点でそういうことは難しいと言わざるを得ないと思います。
#51
○三上隆雄君 毎回そのような答弁をちょうだいするわけでありますが、あえてそのことを何度か取り上げるわけであります。
 そこで、いわゆる農水省の規格であるJAS規定を制定されたときに、その段階でも、その商品の内容を表示するという段階で私は抵抗があっただろうと思うんです。JAS規定そのものが内容表示を規定したのは、いつ、どういう経過と背景があって今の規定ができたんですか。
#52
○政府委員(馬場久萬男君) 御指摘のJASというのは、日本農林規格というものでございますが、これは従来は、主として非常に品質の変動の激しい農産物あるいはその加工品について一定の取引価格を決めるということから発足した制度でございまして、昭和四十五年の法改正までは専ら流通規格を決めるという趣旨で運用が行われてきたわけでございますが、昭和四十年代に御案内のとおり、非常に消費者の食品に対する品質あるいは安全性についての関心が高まりまして、農林省の消費者行政の施策のあり方といたしましてこの法律を改正いたしまして、どちらかというと消費者にその食品の内容がわかるような、いわば商品選択の基準を示すという使命をもたらすように法改正をいたしまして、現在の法制が成り立っておるわけでございます。
 これは一つは、製造業者が加工食品をつくる場合に、それが一定の基準に合ったものだということを検査して、チェックして、それの表示をさせる、いわゆるJASというマークをつけさせるというものと同時に、単なるマークだけではなくて内容についても明確にさせるということで、例えば内容量でありますとか、あるいはそこに含まれている添加物でありますとか、あるいは使われている原料について表示をさせるという使命を持たせたわけであります。
 あわせて品質表示の基準というものもつくりまして、これは今のJASの規格ができたときに、そのJAS品でなくて、つまり検査を受けたものでなくても品質表示をして表示は守らなければならないという基準を示すという制度もそこにつけ加えたわけでございまして、制度的にいいますと、昭和四十五年の法改正以降、消費者の商品選択の基準となるものとして規格及びその内容の表示というものを決めたわけでございます。
 なお、個別の品目ごとには、それぞれその商品の特性、使われている原材料なり添加物等の問題もありますので、一つ一つ農林物資規格調査会というところに専門部会を設けまして、検討して定め、また必要があればそれを改正するという手順をとってきておるものでありまして、個別の商品につきましては毎年数をふやすという形できておるところでございます。
#53
○三上隆雄君 なかなか私の要望は受け入れない
ということは覚悟で質問しているわけでありますけれども、そこでそれを補完するというか、私の要望を補完するその制度が今年四月一日から導入されたようでありますけれども、青果物の一般品質表示ガイドラインという制度が実施されたわけでありますけれども、その実施の状況とその効果についての所見をいただきたいと思います。
#54
○政府委員(馬場久萬男君) 青果物につきましては、従来はその表示に関する制度が存在しなかったわけであります。それはなぜかといいますと、青果物は主として無包装のまま販売される。また、外観を見ますと、鮮度とか品質がある程度判断できるということで、表示の必要性が低いと考えられておったからであります。しかしながら、近年消費者の鮮度志向あるいは健康志向、さらには食生活の多様化を背景にする消費者についての選択の目安が必要だということがございまして、青果物にも客観的な表示を求める声が強まってきました。また、生産者の側から見ましても、生産、流通の情報を的確に消費者に伝えたいという要請も高まってまいりました。
 そういう情勢を踏まえまして、青果物の表示のあり方につきまして私ども検討を進めてまいりました。本年二月に、消費者が購入に際し、その商品選択に資するための適正な情報を表示するという目的で、青果物の一般品質表示ガイドラインというものを制定いたしました。本年四月から実施しているところでございます。これは食用に供される野菜及び果物を対象といたしまして、そこでだれがその容器、包装類を施したか、あるいはだれが販売しているかというような表示をする人、それからその品名なり産地、それからその表示の方法、さらには出荷年月日とか賞味期間とかいう任意的な表示事項、あるいは特別品質がすぐれているという誤認を与えるような表示はしてはいけないという禁止事項等を定めたガイドラインでございまして、実際には生産者なり流通業者の方々が自分の扱う商品について、その包装した段階でそういう表示を行うということを決めているものでございます。
 なお、無包装のものにつきましても、ステッカーなりパネルというようなものによって、今言ったような事項を表示させるように指導していくということになっております。
 実際の実施状況ですが、何分にも四月に始めたものでございますので、明確なものはございませんが、四月の七日の日曜日、私どもの消費経済課の方でとりあえず東京都内の小売店二十三店を調査いたしましたところ、野菜についても果物についても、品名なり品種についての表示は九三%強という実施が行われています。しかし、産地や原産国については野菜は二七%、果物は三七%という程度でございまして、四月一日からでございますが、これからこの実施が行われるように指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#55
○三上隆雄君 この品質表示ガイドラインについては、まだ日が浅いからその実態もまだつかみ得ないと思いますけれども、この制度そのものはどの程度の指導性というか拘束力があるのか、その辺について御見解をいただきます。
#56
○政府委員(馬場久萬男君) この制度は、先ほど申しましたように、各方面の青果物についても表示をすることが望ましいという要請にこたえて一般的なガイドラインを示したものでございますが、法律に直接根拠を持つものでなく、また強制するというよりは、どちらかというと、生産者なり流通業者の方々にそういうことを表示することが望ましいということで指導するものでございまして、そういう意味ではあくまでも行政の指導の範囲のものでございます。
#57
○三上隆雄君 なかなか法的な根拠は持てないということですけれども、例えば産地名を表示するときに、いろいろなケースがあると思いますけれども、アメリカから韓国に輸入して韓国から日本に再輸入するというときにはどこの国の国名で表示されますか。
#58
○政府委員(馬場久萬男君) 輸入した段階で、包装といいますか箱に入っていると思いますが、そこに産地が書いてある場合はそこによって決めることができると思いますが、例えば無包装であるとか全然包装に表示がないという場合にはこれは大変表示が困難な場合ということになりますので、恐らく事業者の方はそういうものは表示しないだろうと思います。
#59
○三上隆雄君 表示しないということではこの目的が達成されないんじゃないですか、表示すべきだという指導性を強めないと。その辺についてどうお考えですか。
#60
○政府委員(馬場久萬男君) おっしゃるように、表示をさせたいと我々は思いますが、要するにわけのわからないといいますか、その根拠がはっきりしないものをあえて書けということもなかなか申し上げにくいわけであります。ただし、私ども一般的なガイドラインを決めることの効果というのは、それに従って表示したものについて消費者が選択するであろう。したがいまして、わからないものをわからないままで出しておけば、それはどこでつくられたものかわからないから消費者は選択しないだろう。そういうことによって、事業者とすれば一般のガイドラインが示されればそれに従って表示をするという方に努力をするだろうということを期待しているわけでございます。
#61
○三上隆雄君 安全な食糧を管理して国民に提供する農水省としての考え方としては、余りにも軽率ではないですか。これほど安全性について問題になっている時期に、やはりその生産国の、それはどう移動しようと輸入国でそれは規制すべきだと思いますよ、少なくとも輸入農産物については。そのぐらい強める考え方はありませんか。
#62
○政府委員(馬場久萬男君) 恐縮でございますが、明確にどこの国から来たかわからないものというのは実際には余りないと思うんですけれども、先生の設定がなかった場合という御設定ですが、実際には輸入する場合には包装に入っておって、そこに輸出国の名前が入っているのが普通だと思います。したがいまして、私どもとすれば、ガイドラインでそれを表示しないで販売するよりは、わかっているものは表示して販売するだろうというふうに思っておりますし、またそういうことで業界を指導したいと思っています。
 なお、これは私どもの所管でございませんが、輸入農産物の安全性そのものについては、厚生省が波打ち際といいますか、輸入の段階でチェックすることになっております。
#63
○三上隆雄君 責任分担というか責任回避というか、そこまでいくとまた厚生省だということですが、やはり農水省は国民に対する食糧の供給という立場で責任があるわけですから、それは安全性からいくともちろん厚生省でしょうけれども、その辺の連携をとって具体的に規制をすべきだ、こう思うんです。
 そこで、余り時間もなくなりましたけれども、今まで質問を続けてまいりましたが、総括的に日本の農業、農村、農家というものをどうしたらいいかというところでもう少し議論を進めることによって、今回の法改正についても、その目的である生産者と消費者に具体的にこのぐらいの効果が配分できるというそのねらいが可能になるような法制定でないと、私は何か目的というか、かけ声倒れになってしまうんではないかという気がしてならないわけであります。
 そこで、日本の農業というものは食糧をもっと自給率を高めていくのかというそのことを簡略にお答えをいただきたいと思います。
#64
○国務大臣(近藤元次君) 日本の国内の自給率を高めていくという方針でいろいろ努力をして需給見通しなどを提示させていただいておるところでございます。
 自給率とこの法案との関連からいえば、先ほどから御指摘がございましたように、安全性というのが一番、国内消費者の動向の中で、輸入品と国内品、産地を表示するというようなことがまた国内産志向にこたえていく一つの方法ではないのかな。もう一つは、日本の農産物は、もう御案内のように、質的には私は世界一の青果物ではないか
な、こう思っておるわけでありますけれども、残念ながら加工分野においては価格と品質という点では日本が劣るのかなというそんな感じがいたしておるわけでございまして、そういう分野に今後も一層の力を入れていくことによって国内産消費が拡大をされることが生産につながっていくことでなかろうか、そういう判断をしながら努力いたしていきたい。この法案に関連してお話をさせていただければそういうことになろうかと認識をいたしておるわけであります。
#65
○三上隆雄君 私は、今の農村の実態は、今のままであると十年もすれば国が求めるような農業の姿ではなくなっている、いわば崩壊に近いような状態になっていると思うのであります。それはまず老齢化が進んでいるということ、それから農業の生産業務そのものがいわゆる今の三K産業の最たるものであると言わざるを得ません、残念ながら。しかも外国農産物の価格比較の段階で、いわゆる国際化ということで農業の方をもっと合理化させるという一方の力がある。
 私は再三言うけれども、農産物の価格そのものを今より下げるという前提であっては、そしてまた自給率そのものを下げるという前提であれば農業後継者は育たない、こう思うわけであります。そしてまた一方では、国内には、安ければ輸入した方がいい、いわゆる食糧の国際分業論という立場の勢力あるいは政党内にもそういう考え方の人もあるわけでありますけれども、価格は少なくとも下げない、そうして国の応分というか、大部分国の責任において基盤整備をして、そうした状況をつくることによって若干なりとも農業に意欲を持って農業に従事する者も出てくるだろう、こう思うわけであります。
 しかしながら、それぞれの農家がみずからの生産努力は怠ってはならない、こう思います、現実に産地間競争もあるし、個人間の競争もあるし。そういうことから、今の産地間競争あるいは産業間競争、それに対応するためには付加価値を高めるということをよく言われますけれども、その付加価値の高め方というのはいわゆる一定自然農法でやった場合には、時期的に五月の初めな,ら初め、あるいは八月なら八月に生産されるものを、あえて促成栽培あるいは抑制栽培という形で付加価値を高める、あるいは先ほど来言っているように過剰包装をするとか、そういうことによって付加価値を高めると言っていますけれども、この促成栽培、抑制栽培に対する考え方もやっぱりここまでくると限界がある、お互いが過当競争をしているということと食糧というもの、エネルギーというもの、環境というものは私は根は同じだと思うんです。促成栽培をするということは結局石油を使う、あるいは資材を使って、二週間か三週間待つことによってもっと本物の生産を上げ得るものをあえて早く出して、その時期が若干値段が高いから、あえてそれに資材投資しても資本投下しても農業経営をしているというのが実態ではなかろうかと思うんです。それを国全体で見ると、私は大変なマイナス、しかも環境破壊につながっている、こう思うんです。
 その意味で、たまたま日本の国土というのは南から北まで、緯度で何度ですか、幸いそれだけの国土の配列がなされているわけでありますから、南の方ではより早く促成栽培を進め、北の方ではむしろ自然の栽培時期よりもずらす。関東を中心として、中心はやはりそれを調整する調整的な栽培方法をとるという、ある程度国がそういう指標を定めないと、個々の農家、個々の産地間の競争をこれ以上やらせては農家は育っていかないと思うし、資源の消費からいっても環境破壊からいっても、私は今の国民、世界が求める世論に対して逆行するんではないかと思うわけですが、その辺はついての考え方をお尋ねいたします。
#66
○政府委員(安橋隆雄君) 先生が御指摘のように、日本は沖縄の北緯二十数度から北海道の北緯四十数度まで、緯度にいたしまして二十度ぐらいの間に分布しておりまして、非常に暖かいところ、気候の涼冷なところというようなことで自然条件に富んでいるわけでございます。農業生産の基本は、やはりこういった自然のエネルギーを最大限に利用するということで、その地域地域の自然条件の特性に応じて生産をしていくということが基本であろうかと思います。しかしながら、消費者の方にとりましても、例えば冬にキャベツを食べたい、キュウリもナスも本来は夏のものでございますけれども、冬季にも供給するというようなことがございまして、生産の方でも自然条件を生かすことは生かすわけでございますが、一方では施設栽培というようなことをやってある程度消費者のニーズにこたえるということも日本農業の一つの消費者に対する使命ではないかというふうに考えているわけでございます。
 また、いわゆる自然農法というようなものの考え方もありまして、農薬とか肥料を使わないというような考え方もあるわけでございます。これにつきましても消費者のニーズがあるわけでございますので、そのニーズに支えられて一定程度の生産も行われるわけでございますし、行政としてもそういったものも支援していく必要があると思いますけれども、これが現代農法に変わりまして我が国の農法の主流となるというようなことは必ずしも考えられないのではないかというふうに思っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、一億二千万の国民に対しまして良質の農産物を合理的な価格で供給するというのが我が国の農業の使命であると考えておりますので、そういった体制整備のために、例えば農業生産体質強化総合推進事業といったようなものも考えまして、そのような体制の整備に努めているというのが現状でございます。
#67
○三上隆雄君 私も適地適産は認めるし、そうしなきゃならないと思うけれども、今の状況が全く自由な形で生産をさせて流通させてやっているわけでありますから、流通の段階で大型、しかも系列化しているわけでありますから、結局、今の自然の状況では消費者の求めるものが消費者には与えられていない。むしろ中間の大手の流通業者に
よって、先ほど来言われておりますけれども、規格化されて時期も設定されて、結局生産者も消費者もその流通の段階の者にかき回されているという状況になっていやしないかと。その意味で、農水省というのは、国の食糧を生産する立場と消費者を、最も効果的に、合法的に、効率的に食糧政策というものを進めなきゃならないわけですから、私はある程度、規制という言葉は好まないけれども、調整というか、そういう指導は農水省がするべきだ、こう思うんです。その点について最後に御見解をいただきたいと思います。
#68
○国務大臣(近藤元次君) 生産から消費者までという、消費者の部分を除けば生産、流通、小売、この段階は皆商売にかかわることになるわけであります。言いかえれば、生産、流通、小売に至るまである意味では消費者の範疇に入るわけでありますから、消費の部分があって各生産、流通、小売があるわけでありますけれども、現状を見ておると、私は今度の法律を出しながら、生産者はコスト引き下げの合理化だけではだめなんだな。高齢者は当面の対策であっても、長期的に見れば後継者が存在をする環境をつくってやるという合理化を一つは考えていくために、従来は合理化といえばコスト引き下げだけを中心にしてきたものを労働環境から農村環境を含めて合理化対策の範疇に入れて合理化対策をしていかなければいけないことだなと。
 もう一方では、先ほど先生から価格の表示がございましたけれども、生鮮食料品というのは時間差によってその価格がなかなか決まらないし、また量によって手取りが競りに落としたとき毎日変化をするということになっていくものですから表示はしにくいわけでありますが、小売段階は最終的に残った品物をだれが負担するかという段階があるんだろうと思うんです。毎日全量を売り上げてしまえばそれでいいんですけれども、魚でも野菜でも残るし、翌日になれば価値が全く変わったことになってしまうという負担というのも小売屋としては念頭に置いて小売価格を決定しなきゃな
らぬだろうな。そういうときに、鮮度保持をするときにどうしたらいいのかというのがまた一つの今回の法律の対策になっておるわけでありまして、できるだけ鮮度を安定させるということも一つは価格の安定につながっていくことではないだろうか。流通段階においてここが組織的には一番力のある分野ではないかと思うんです。経営がいいか悪いかということは別にいたしまして、組織的には一番重要な役割を果たしておる。どちらかといえば単体で言えば生産者と小売業者が一番弱い組織体になっておるんだろうと思っておるわけであります。
 これは価格というのは量にも連動していくわけですから、大量にとれたときは価格は安くなるということが歴史的な経過の中で考えられていくことでありますけれども、出荷調整をだれがするかということが一つの価格を決められることだと思うわけであります。でき得れば、生産者が出荷調整をしていくことが、豊作のときにも大漁のときにも、一定の量によって安定した価格というものができ得るわけでありますけれども、そのような力が生産者に過去歴史的にはなかったんであろうと思うし、その役割を今流通業界がお持ちをいただいておるという立場であろう、こう思うわけであります。
 いずれにしても生産者から小売に至るまで、だれが一つなくても最終的には困るわけで、生産がないときに流通もなければ小売もないわけでありますし、小売がなければ販売系統をだれかがやらなきゃならぬ、こういうことになるわけですから、今こういう流動化して、そしてまた外的要因である国際化の中で輸入品が増大をしている。そして、家庭消費よりもやはり量販的なものが、外食、加工というのがふえていくというこの変化のときに、どう農林省が一つの法律で対応できるかというのは非常に困難が伴うと私は思っているので、現状各界各層、あるいは専門家からお話を聞いた範疇の中で今日この法律を出させていただいておるわけであります。
 運用上の問題というのが非常に重要な役割を果たしていくだろうと思うので、今回法律を成立させていただいた後はやはり生産組織の段階、小売の段階、流通の段階、市場の段階、これらの人たちに農林水産省が入って年に何回かの連絡会議みたいなものを開かせていただいて、そこで農林水産省として調整すべきところは調整をしながら全体がうまくいくような形でなければ、その人、どの分野が一つ欠けても困るという分野にありますので、この関係が疑心暗鬼でお仕事をされておったのではもういい結果が生まれてこないわけですから、この分野でお互いが成り立つようなことの調整をしていくというのが当面、今これだけの変化のあるときでありますから大事なことでないだろうか、こう思ってこの法案の審議をずっときょうまで聞かせていただいたわけであります。成立後は食品流通局長を中心にしてそういう連絡調整みたいなことを時折させていただくようなことを今念頭に置かせていただいておる、こういうのが私の今後取り組む姿勢としてお受けとりをいただければありがたい、こう思います。
#69
○三上隆雄君 最後に要望申し上げて終わりたいと思います。
 いろいろ大臣あるいは局長から本法案の成立に対する考え方をお示しいただきましたけれども、要はやはり国民に対して、私は再三申し上げましたけれども、生産者価格と消費者価格のその格差の実態というものを政府の行動によってPRでなく、やっぱり国民の合意を得るようないわゆるPA活動をもっと徹底していただきたいということと、農業というものに対して教育現場でもっと取り上げていただきたい。現状の教育課程の中から農業というものが取り去られてしまっている状態。ですから食糧がいかに大事なものか、物をつくるということのとうとさを今の子供たちが知らないで成長していく、それが大人になったときに果たして日本の農業なり食糧というものが今のような考え方でいいのかどうかということを子供のうちからやはり教育すべきだと思うんです。その意味で農水省、文部省とも一体になって日本の農業をこれ以上滅ぼさないようにして、そして日本の国土をこれ以上荒らすことのないようなそういう国民意識の高揚に御努力されんことをお願いしたい、こう思います。
 以上、終わります。
#70
○委員長(吉川博君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時十八分開会
#71
○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、食品流通構造改善促進法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#72
○大渕絹子君 午前中は同僚委員から食品流通構造改善計画、主に事業の内容について細かく審議が行われたわけでございますが、私は、この法案によってつくられる食品流通構造改善促進機構のことについてちょっとお聞きをしていきたいと思っております。
 民法の三十四条で定める法人で、農林水産大臣が指定をすることが条件で食品流通構造改善促進機構というものがつくられるとありますけれども、この法案の中にはその機構を幾つにするのかというようなことは定められておらないわけですけれども、お聞きをするところによりますと、何か一つを想定している、そしてその一つは現在あるところの社団法人の食料品流通改善協会、これを充てる予定であるというふうにお聞きしておりますけれども、その点いかがでございますか。
#73
○政府委員(馬場久萬男君) この法律におきまして、食品流通の構造改善を円滑かつ効率的に実施するために、事業実施者に対する資金融通の円滑化を図るということと、それから構造改善計画の作成の指導あるいはいろいろな情報の提供、あるいは事業への参加等々の事業を行う主体が必要であろうということでそういう体制を整備することを法律で予定しているわけでございます。 その場合に、これは民間のいろいろな活力を活用して構造の改善に資するような事業を行うという意味で民間法人の能力を活用することを考えまして、先生お触れになりましたように、民法第三十四条に基づくいわゆる民法法人、これでこの法律に書いてあるような事業を行うということで申し出た場合に、大臣がそれを指定するという体制にしたわけでございます。
 具体的にこの法案を練る段階におきまして、そういう仕事をするに適した民法法人があるだろうかということを我々内部で検討いたしました。食品流通局で食品の流通関係の仕事をしている団体というのは幾つかございますが、この制度にのっとって流通改善をやっていくのに一番近い仕事をしているというのが今お触れになりました社団法人食料品流通改善協会というものがございますので、これを活用してはどうかというふうに考えておる次第でございます。
#74
○大渕絹子君 新たにこの機構設立のために二十億円もの資金が投じられると聞きますけれども、それはそうでしょうか。
#75
○政府委員(馬場久萬男君) この機構が行います事業を考えました場合に、ある程度必要な財源的な措置が要るであろうということを考えておりますが、国としてこの機構に対して支出する予定でありますのが平成三年度予算では四億一千万円という金額を予定しております。
 今お触れになりましたのは、この機構が円滑に事業をしていく上でどのくらいの資金規模のものを持ったら円滑にいくかということについてお尋ねがありまして、私の方としてもまだこれは機構もできておりませんし、またそれの主体になる人たちと相談したわけでもございませんが、いろいろ考えると二十億円程度の基金があれば円滑に事業ができるのではないかということを申し上げたことはございます。
#76
○大渕絹子君 機構の職員とかそういう者の構成
はこの法案の中にはうたわれていないんですけれども、一般公募にするのでしょうか、あるいはそういうことの規定はどういう方法でこれから行うのですか。
#77
○政府委員(馬場久萬男君) 先ほど申しましたように、これからする仕事でございますから、今人数等を何かで定めているわけではございません。ただ、現在その母体となろうと思われている社団法人食料品流通改善協会の人員は、常勤役員一人を含めまして十名でございます。
#78
○大渕絹子君 この機構は改善計画にのっとった事業の融資の際の債務の保証をするわけですけれども、返済不能になった事業の権利は機構に引き継ぐことになるのかどうか。
#79
○政府委員(馬場久萬男君) 機構が債務保証をした場合に、それが返済不能になるということになりますと、一般の債務保証の例と同じでございますが、機構がそれを代位弁済するということになります。代位弁済をした場合には、普通当該債務者の持っている権利を機構が直接取得するわけではございませんが、その債務者に対する求償権というのを持つということになります。
#80
○大渕絹子君 その引き継いだ債権を利用して機構自体が事業体にかわることはないんですか。
#81
○政府委員(馬場久萬男君) この機構は、法律に書いてございますように、直接その集積施設等の事業あるいは近代化事業等を行うわけではございませんで、あくまでも債務保証をするということでございます。
#82
○大渕絹子君 この業務の二番のところに事業への参加というところがあるんですね。この事業への参加ということと今の直接収益にかかわる業務はやらないというところとちょっと合わないんですけれども。
#83
○政府委員(馬場久萬男君) 法律上、事業への参加というのを書いたのは、食品流通の構造改善を図る上で、中小企業の方が多い食品販売業者等が食品商業集積施設をつくろうとする場合に、最初に多額のコストがかかる、あるいはだれかしかるべき人が参加することを条件にして参加者が集まるというようなことがある場合に、この機構に事業参加を求めてくるということが想定されますので、そういう場合に限って参加ができるようにしたいというふうに考えているわけでございます。これはあくまでも施設をつくろうとするときの参加でございまして、そこにおきます食品販売業等の事業を直接行うということではございません。
#84
○大渕絹子君 そうおっしゃいますけれども、法案の中に歯どめの部分というのは見受けられないんですけれども。
#85
○政府委員(馬場久萬男君) 法律の条文といたしまして、もし永続的にこの機構がそういう事業をするということになれば、それはそういう事業を行うものとして書かなければならぬだろうと私どもは思うわけでございまして、ここに書いてあるのは、先ほど申しましたように、その施設をつくろうとするときにどうしてもお金がかかる、あるいはだれかが推進役になる必要があるというときに参加をするというふうに考えておるわけでございまして、この機構の業務として事業を行うというふうには法律上書いてないわけでございます。
#86
○大渕絹子君 事業に参加するということは、その構造改善事業が行われるそこに直接参加をするということと理解をするわけですけれども、事業体としてその機構がひとり歩きをすることを非常に懸念するわけです。事業に参加することによって得られる利益というものがあると思うんです。参加をすれば当然それに見合う収益というものは上がってくるわけでございますけれども、それではそれはこの機構ではどういう扱い方にするんですか。
#87
○政府委員(馬場久萬男君) この機構はあくまでも民法法人でございまして、収益事業を行うというふうにはなっておらないわけでございます。したがいまして、事業に参加をして、そこから収益を上げるというようなことは考えておりません。
#88
○大渕絹子君 考えておらなくても実際に上がってくると思われますけれども、どうですか。
#89
○政府委員(馬場久萬男君) 私ども考えますに、そこに出資をしてあるいは参加をして収益が上がるということであれば、逆にこの機構が参加をしなくても参加者が多くなるだろうと思うのでございますが、むしろそういうことを推進するためにやむを得ず参加して事業を推進するということが、この機構がそういう業務ができるようにするねらいでございます。
 委員御指摘の、結果として収益が出てきたのはどうするかということでございますが、この機構に関しては、法律に書いてでございますように、一般的な事業計画なり収支予算について農林水産大臣の認可を受けるということになっておりまして、私どもといたしましては、その事業計画なり収支予算あるいは毎年度の事業終了後に出てくる収支決算等を見て、収益事業等を行うとすればこれは民法法人としての範囲を逸脱することにもなりますし、業務の改善命令なりあるいは指定の取り消しなりを行うということも可能なわけでございますので、そういうことのないようにしてまいりたいと思います。
#90
○大渕絹子君 業務に参加をするということで、例えばお話を聞いたときにその事業体に参加をする、大きな建物をつくる、当初事業計画に不足の部分を機構が参加してその一画を取得する、そして、その一画を民間に貸し付けることによって家賃等の利益を上げることができる、そういうふうなお話を聞いているわけです。
 それともう一つ、債務の保証をするわけですけれども、その保証料というのはいただかないんですか。
#91
○政府委員(馬場久萬男君) まず最初の、事業に参加した場合に、その参加したものについていずれ返してもらう、つまり、そこに出したお金を返してもらうというためには、一部建物なら建物の中の権利を取得する、あるいはそれが返ってくるまでの間それを希望者に貸すということはあるかと思いますが、それによっていわば機構が家主になったり不動産の賃貸業を行うというような意味ではございませんで、あくまでも参加したものの償還までの間そういう行為を行うこともあり得るだろうということを申し上げたんだと思います。したがって、それは私どもとしては一般的には非常に一時的なものというふうに考えているわけでございます。
 ところで、債務の保証の方はそれとは違いまして、保証したものは当然その保証を受けた債務者が償還が終わるまで保証し続けるわけでございまして、これは一般に債務保証を行うに当たりましては、保証料というのは徴収する予定でございます。
#92
○大渕絹子君 衆議院の農林水産委員会の審議の中で、初期の事業費が多くかかるのでこれを回収していかねばならないという答弁をしておったと思うんです、私傍聴しておりましたけれども。回収するということは収益を上げるということじゃないんですか。
#93
○政府委員(馬場久萬男君) 民法法人としてある程度の基金を持って事業に参加した、しかし構造改善の事業というのは全国でたくさん出てくるわけですね。ですから、一つのところに貸しておいて利益を上げるということじゃなくて、次から出てくるものに事業参加の要請があれば応じなくちゃいかぬ。そういう意味では一たん参加したものはなるべく早く回収をして、また次の事業にかかるということが必要だと思うんです。それはいわば投下した費用を回収するという意味で、いわゆる収益事業を行うということとは異なるというふうに私どもは理解しております。
#94
○大渕絹子君 ちょっと納得できませんけれども、この機構を想定するときに、食料品流通改善協会ということは既に構想の中にあったということですけれども、改善事業計画の中に個々に参加をしている会員の人たちの事業とか、そういうものは、この協会に加盟している会員の方がいますね、正会員だとか賛助会員の人たち、この方たちの扱いはどうなりますか、この機構の中で。
#95
○政府委員(馬場久萬男君) 現在ある社団法人食
料品流通改善協会は、おっしゃるように社団でございますから、それぞれの団体が会員になってつくっている民法法人でございます。
 私どもこの機構の仕事をする場合に、社団という形態になりますと、社団のためにということになりますから、これはむしろどちらかというと財団法人に組織変えをしたらどうかというふうに考えております。財団法人にいたしますれば、これは社団法人とやや性格が異なりますが、要するにメンバーのために仕事をするというより、より公益的な仕事をするということになるかと思います。したがいまして、これは現在あります社団法人食料品流通改善協会の皆さん方とこの法律が成立した後御相談をしなきゃいかぬと思いますけれども、できますれば財団法人に改組するという形にしたいと思います。
#96
○大渕絹子君 この協会の会員の中には、食料品関係のほとんどの業種の方たちが入っておられますとともに、賛助会員の中には先ほどの融資の部分の農林金融公庫であるとか国民金融公庫であるとか、そういう金融機関、それから農協ももちろんそうですけれども、電機産業が随分たくさんあるんですね。住宅ローンの会社もありますし、保険の会社も入っていますし、このことを一連見ますと、この四つの行おうとする事業がほとんどここの協会の中でできるという構図ができてくる、そのことを非常に懸念するわけです。この協会がそっくり機構になって、その機構が行う促進事業計画の中の事業を扱える職種というものがこの会員の中に網羅されているということになりますと、そういう系列の中で事業が行われていくんではないかという懸念があるわけですね。この機構の指定も大臣がなさるということですし、促進事業計画の認定も大臣がなさるということで、非常に大臣の任務というものは大きいものがあろうかと思いますけれども、そこら辺をとらえてちょっと大臣にお聞きします。
#97
○国務大臣(近藤元次君) 機構が事業に参加をする、そこのところの分がまだよく納得していただけないような感じでありますけれども、初期投資が多かったり、あるいは民法法人、社団法人が参加をすることによって調整能力が出たり、信頼性が出たりすることがあり得るときに行政によって参加をするわけですが、出した金が回収されたらそこからは今度つくる財団は手を引いてしまうわけでありますから、決して永続的に、それが進んでいる間じゅうずっと家賃をもらったり事業収益を上げるということではないわけで、そこのところはひとつ御理解をいただきたいと思うんです。
 したがって、今ずっと説明を申し上げてきたように、その地域の小売店がいろんな状況変化によって、一つは駐車場をつくったり近代的な設備をしたり、そういう魅力ある商店に、ドーナツ現象で人口が周辺に移転をしたというようなものに対応するためにやっておるわけでありますから、この機構に参加をした人たちがたな子となって事業をするというようなことを考えているやり方では全くございませんので、そこはひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。
#98
○大渕絹子君 今の大臣の答弁で少しは納得というか、安心をしたわけですけれども、この機構そのもの自体が事業体として独占企業のような形になっていってしまうと、法の目的と全く違う方向に行ってしまうので、そこらをよく指導していただきたいと思うわけでございます。
 もう一つ、この食品流通改善法による融資や税制上の措置というものは、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法とか、あるいは特定地域中小企業対策臨時措置法に基づいて金融上の優遇や税制上の優遇措置を受けている人たちがダブって利用することができるでしょうか。
#99
○政府委員(馬場久萬男君) この法律に基づきます事業は、それぞれ要件が書いてございますが、中小企業の方々が、この法律に基づきます四つの構造改善事業でございますが、これを行う場合には、それぞれその人がこの事業を行うために必な融資を行うわけでございますから、今先生がお挙げになった法律によってそれと別の事業に融資を受けているということは、この事業を推進する上で何ら問題はないと思います。
#100
○大渕絹子君 問題がないということですと、当然それではこの四つの事業に対しても、一つなり二つなりダブりながら事業を進めていくということも理解をするわけですけれども、この説明書を見ますと、平成三年度の予算でもう既に予算づけ、貸し付けの見込み額が五百七十億円であるとか、政府の助成金が食品商業基盤施設整備補助に五億円、それから卸売市場の施設整備に八十四億円というような予算計上がなされておりますけれども、実際に事業計画というものはもうでき上がっているんでしょうか。
#101
○政府委員(馬場久萬男君) 平成三年度予算編成に当たりましては、こういう立法を行って事業が出てくることを前提に予算の範囲内で一応資金は用意したわけでございますが、具体的な個別の事業は、この法律ができましてから関係者にその内容、実施の方法等についてよく説明をいたしまして、それから個別の事業を受けることができてくる。その前に法律に基づきます基本方針をまず定めることが重要でございますが、それにのっとって結果が出てくるというものでございまして、あらかじめ今事業計画を持っておるわけではございません。
#102
○大渕絹子君 時間がなくて、ちょっともう少し聞きたいんですけれども、この法案の「目的」の中に「流通機構の合理化と流通機能の高度化を図り、あわせて一般消費者の利益の増進と農林漁業の振興に資することを目的とする。」とありますけれども、この一般消費者の利益と農林漁業の振興に資することということは、午前中の審議の中でも三上委員あるいは谷本委員が触れられたわけですけれども、この事業を推進することによって本当に一般消費者であるとか、あるいは生産農家、漁業者が利益を受けることができるのかどうかという疑問が起こるわけです。中小の家族型小売業者、いわゆる肉屋さんとか魚屋さんとか八百屋さんとか小さな食料品店とかということがあるわけですけれども、これらについて今後どういう扱い方をしていくのか。まず大臣に基本的な方針をお伺いしていきたいと思います。
#103
○国務大臣(近藤元次君) 一つの零細小売店の魅力というのは、先ほど谷本委員からも御発言がありましたように、対面で取引、商いをするということによって疑問点を消費者が売り手に対して投げかけて回答を求められるというようなことで、一つは安心感を持って消費者サービスを供することができるのではないだろうかな。そしてまたいろんな点で、何と申し上げていいのか、小売店の魅力というのは言葉に言えない一つの魅力というものが存在をしている。
 今でも、ドーナツ現象が起きたり、あるいは公設市場が老朽化をしたりというようなことが直ちにこの事業に期待をいたしておることであろうと思いますので、売り手、買い手との間の人間関係というのがより密接に購買ができる、そういう点での魅力というのは、一つはサービスができるでしょうし、あるいはもう大渕委員は私どもよりもっと消費活動が活発でありますけれども、値切ることもできるだろうし、いろんな商い上の、取引上の関係というのがスーパーや何かよりももっと消費者ニーズに近づくものがあるんでないだろうか、こう思ってこういうものを育てていきたい、そういうものが育つことがまた生産者につながっていくだろう、そういう気持ちで法律に書かせていただいたわけであります。
#104
○大渕絹子君 現在、小売店が百六十二万店あります。そのうちに食料品の小売店は約四割の六十五万店。そのうちの一人から二人の従業員、いわゆる家族でやっている方たちが三十六万六千なんですね。それから、三人から四人でやっている本当に小規模な小売店が十六万九千店、実に全体の六十五万店の八割以上が零細な小売業者ということの現実なんです。
 そして、私資料としていただいたんですけれども、この零細な小売業者の中で後継者が決まっておらない現状、今現在で決まっていないところが
五〇・九%、後継者が決まっているのが四六・八%しかないという現状の中で、これから十年後この小売商店の生き残れる数というようなものは大体どのぐらいだろうと試算しておられますでしょうか。
#105
○政府委員(馬場久萬男君) 飲食料品の小売店、おっしゃるように現在六十五万四千戸あるわけでございます。過去の趨勢等で見れば、最近におきますれば五十七年から六十年にかけては年率二・六%の減少、それから六十年から六十三年にかけてはマイナス〇・四%の減少、時代時代によりまして減少の傾向が異なります。したがいまして、これを将来十年なら十年先にどのくらいになるかという予測は大変難しゅうございます。加えて先生がおっしゃいますように後継者がいない、あるいは今の経営者が高齢であるというのは単なる数字のトレンドだけでは予想できない面もございます。反面、新しいコンビニエンスストアなどへの業種転換等によって伸長していくという要素があるわけでございまして、なかなか十年先に幾つになるということは申し上げにくい状況でございます。
#106
○大渕絹子君 当然、今おっしゃったように後継者のおらないところは自然消滅をしていく以外にないだろうということになってきますと、今回のこの法案をつくり上げることによって中小の小売業者を救うというところまで本当にいくんだろうかという疑問が起こるわけですね。これは生産農業も同じなんです。後継者がいないで、高齢化が進んでおって、家族型農業が切り捨てられていって、流通機構が合理化されて大型化されることによって生産地も大型化を強いられてくる。単一のものをたくさんのところでつくり上げられるシステムがこの法案が完成していくことによってつくり上げられていくんではないかという心配を私はするわけなんです。そういうことに対して大臣から、もう最後になりますけれどもお願いします。
#107
○国務大臣(近藤元次君) このことは先生の今御指摘のようなことにはならないだろう、私はそう理解をいたしておるわけであります。小売商店に後継者がいないということは日本の商店街、現状を見渡してみると、もう土曜も時間も、個人、家族労働でありますから、休みの日もお店がみんなあいておるということだろうと思うんです。そういうところにお嫁さんの来手がないという一つの悩みは農業に負けず劣らず商店街も深刻なものを抱えておるようであります。こうやって全体が集まって一つのところでマーケット化をしていくことによって、土曜、日曜は休もうや、時間は何時までにしようやとみんなが一緒になって労働環境を改善していけるという一つの魅力がまた出てくるんではないだろうかな、悩みを解消することができるんではないだろうかな。個人の小売店が散在をしておることによって共同歩調がなかなかとりにくい。少しでも長い時間お店をあけておきたい、そして休みも営業をしたいというようなことがどうしても顕在をしておると共同歩調というのができにくい環境にあるんでないだろうかな、その点だけは幾らかこういうことで解消ができるんではないかなという受けとめ方を実はさせていただいておるわけであります。
 今後どうなるかということは予測しがたいわけでありますので、少し推移を見てまた御質問いただければありがたいと思っておるわけです。
#108
○大渕絹子君 ありがとうございました。
#109
○刈田貞子君 午前中より各同僚の委員からいろいろと質問がなされておりますので、私は少し順序を変更いたしまして、まず通産省からお伺いをいたします。
 今回の農林水産省食品流通局が新法として起こしますところの食品流通構造改善促進法につきましては、その背景に大店法の規制緩和というような大きな一つのバックグラウンドを持っているというふうに思っております、もちろんこれだけが原因でないことはわかりますが。そこで、まず通産省からお伺いするわけですが、大店法規制緩和、まあ中身はわかっていますので、私、時間をたくさん持っていませんから中身の説明は要らないんですが、それによって今言われているところの一般小売店に対する影響性、こういうものをどう見ておられるか、そのシミュレーション等もしておられるのではないかというふうに思いますが、まずこの辺からお伺いいたします。
#110
○説明員(沖茂君) お答え申し上げます。
 今回の大店法の改正によりまして出店調整の円滑化が進むことが予想されるわけでございまして、それに伴いまして小売商業間の競争が促進され、業態間競争やあるいは都市間、商業集積間の競争が一層活発化しまして、中小小売商業者などに影響が及ぶ場合も予想されるところでございます。こうした点を踏まえまして、通産省といたしましては、意欲ある商店街や中小小売商業者に対して格段の予算措置を用いまして、思い切った支援措置を講ずることや、あるいは関連の税制措置を講じていく考えでございます。
 また、こういった措置を体系的、総合的に実施していくことを目的といたしまして中小小売商業振興法の改正、また商業集積法の制定等を現在国会にお諮りしておりますところでございまして、これらの施策を通じまして今後積極的な小売商業対策を展開してまいりたい、このように考えている所存でございます。
#111
○刈田貞子君 影響性があるということで中小小売商業振興法の一部改正等、今、国会にもおかけになっていらっしゃるところでございますが、私は今回、当委員会でこの法案との絡みでいろいろな数字を拾ってみましたが、大手の十社のスーパーが年々売り上げを伸ばしていることは通産省も御存じのとおりなんですが、その中で注目すべきは経常利益の中の食品の売上高が年々、対前年同期比で大きいところは一一・四%、私は店の名前は言いませんけれども、一〇・七とか一一・四とか前年度よりそのぐらいの幅を持って食料品売上高をスーパーで伸ばしているという現状がございます。これは非常に当委員会でもこれからこの法案にかかわって審議をしていかなければならない中身になるわけでありますけれども、この点について改めてお尋ねいたします。
#112
○説明員(沖茂君) 大店法が現在あるわけでございますが、昨年の五月以降、大店法の規制緩和が実施され、これからまた大店法の改正ということで現在国会にお諮りしておるわけでございますが、商業環境はいろいろと変わってきておりまして、消費者のニーズ、ライフスタイルも変化しておりますし、交通体系あるいは都市構造も変化するということで、商業環境の構造がいろいろと変化しておりまして、そういった中におきまして大型店も中小店もそれぞれの置かれた立場においていろいろと御努力されているところでございますが、そういった構造変化の中でそれぞれの御努力されていることの結果が、今先生おっしゃったような数字にもあらわれているところだと思っております。
 今後さらに大店法の改正ということになりますと、先ほど申し上げましたように、今後出店調整の円滑化によりましてさらに競争が促進されることが予想されるわけでございまして、この点につきまして通産省といたしましては中小小売商業対策に対して万全を期してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#113
○刈田貞子君 私は大昔、農林水産省のJAS委員をやっていましたものですから、そのときにハム・ソーセージの農林規格をつくった記憶がありまして、それでハム・ソーセージには大変関心があるのでちょっとこのハム・ソーセージの売れ方の状況を見てみますと、ハム・ソーセージは、私は従来は食肉専門店を中心に買うものだというふうに思っておったのが、今スーパー、生協及びコンビニエンス、デパート、この数字を合わせますと七一%、これは驚異的な数字です。食肉専門店関係で、これは厳密に言いますとハムだけを売っている店とか区切りができませんので私は関係と申し上げますが、食肉専門店関係で一五%です。あとこの手のハム・ソーセージは直販その他関係が四%と業務用に一〇%出るだけで、あとは何にも売るところがない。全部いわゆる大型小売店で
みんな買っている、こういう感じになっているわけですね。
 こういうのを考えますと、当委員会で扱っております今回の新法の必要性もすごくよく私は何かわかるような気がするんですが、まず通産省さんに先に伺いましょう。
 この中小小売商業振興法の一部改正の中で、今言われた小売店等の集団化計画の新設というのがありますね。これは農水省の方にも四事業の中の一環として考えられる似たようなものがあるので、実はこの事業内容についてちょっと御説明をいただきたいのと、いわゆる小売商業振興を考える中で高度化というのはどういうことを想定して高度化というふうに言われるのか。これは後ほど農水省の方にも聞きたい考え方なんですが、高度化というのは建物が高くなることじゃないだろうと思うんですが、高度化というのはどういうことなのか、お伺いします。
#114
○説明員(沖茂君) お答え申し上げます。
 今回の中小小売商業振興法の一部改正法案におきまして、新たに店舗集団化計画を加えさせていただいているわけでございます。その考え方といいますのは、最近の消費者ニーズの変化あるいは都市構造、交通体系の変化を背景といたしまして、既存市街地における商店街などにつきまして立地の適性が急速に失われているケースがあるわけでございます。言いかえれば、ある商店街はこれまで立地適性があったけれども、最近では別の場所の方が立地適性が出てきているというような場合があるわけでございます。そういう事情にかんがみまして、商業に適する新たな区域に中小小売商業者が集団をして店舗などを設置していく、そういう事業を高度化事業計画の一つといたしまして追加いたしまして、計画の認定を受けていただいた場合には特段の支援をしていきたいというように考える次第でございまして、そのような商業環境に対応した小売商業者の新しい地点への進出、それを支援しようというものでございます。
   〔委員長退席、理事北修二君着席〕
 二つ目の御質問の点でございますが、中小企業政策の中で高度化事業、高度化という言葉をよく使うわけでございます。この内容は、中小企業庁設置法あるいは中小企業基本法に基づいているわけでございますが、一言で申し上げますと、中小企業者が例えば店舗を集団化していくとか、あるいは工場を集団化していくとか、あるいは共同で施設、設備を設置するとか、そういうように幾つかの中小企業者が集まりまして一緒に共同で行うことによりまして、経営資源の足りない中小小売商業者が補い合って、何と申しますか、中小企業構造をより高度化するような方向を目指そうというものでございます。そういったものを高度化事業というように称しておりまして、そういったものを特段の支援をしているという状況でございます。
#115
○刈田貞子君 局長にお伺いいたしますが、今回のこの法案の中で盛り込まれた四つの事業の一番最後の食品商業集積施設整備事業、これは今通産省の方から小売店をまとめるという話が出ましたね。ここを私、不勉強でよくわからないんですが、この事業の場合は小売商ではなくて市場が対象ですか、お伺いします。
#116
○政府委員(馬場久萬男君) この食品商業集積施設は販売業者が集まるということになっております。しかし、先生おっしゃるようないわゆる卸売市場という意味の市場ではございませんで、どちらかといえば私どもでは従来のいわゆる公設小売市場のような小売業者の集まり、市場(いちば)、関西の方では市場(いちば)という言葉の方が適しているかと思いますが、小売の方々が集まるものというふうに考えております。
#117
○刈田貞子君 商店街という概念ですか。
#118
○政府委員(馬場久萬男君) 商店街という、例えば通路があってアーケードがあってというよりはもう少しまとまった形。殊に私ども考えておりますのは、食品の販売業の場合は、御案内のように水をたくさん使うとかにおいが出るとか、あるいはくずがたくさん出るとか、やや共通の問題があるわけでございまして、一般の商店街、洋品屋さんがあったり文房具屋さんがあったりという集まりとはやや違う特殊なところがあると思います。それから、消費者としても、そこへ行けば食品は何でもそろうという意味では非常に集積をする利益があろうと思いますので、食品について集まる、商店街というよりはもうちょっと小ぢんまりとまとまった形になると思いますが、そういうものを考えています。
#119
○刈田貞子君 そうすると、いわゆるスケールメリットをねらった一つの事業なんでしょう、そうじゃないんですか。
#120
○政府委員(馬場久萬男君) 個別の店舗のスケールメリットというよりは、幾つかの食品の小売屋さんが集まって、そこに消費者が買いに来やすい、あるいは従来の公設小売市場ですと駐車場とかなんかがないというのを、より集積することによってそういう余地を生み出すというふうなことで、お客さんが来やすいようにするということでございます。
#121
○刈田貞子君 そうしますと、通産省の中小企業庁が抱えておる、今御説明あった事業とどこのところが違うのですか。
#122
○政府委員(馬場久萬男君) 食品の集積施設ということで、食品小売店が大多数であるということでございます。
#123
○刈田貞子君 そうすると、おたくのこの法案のこの事業は、中小企業庁が持っている事業の中のここのところの食の部分の一部を扱っているという考え方でいいですか。
#124
○政府委員(馬場久萬男君) この食品商業集積施設の部分だけ見れば確かに中小企業庁の方でやっておられる事業の一部とダブるではないかということは御指摘のとおりだと思いますが、ただこの法律のところで見ていただきますとわかりますように、単なる商店の集まりだけじゃなくて、そこに特定の農産物の消費増進のための施設を併設するとか、いろいろな要件が付加されておりますから、全く同じというわけではございません。
#125
○刈田貞子君 引き続き中小企業庁の方にお伺いいたしますが、おたくの事業の中に、八四年でしたか、コミュニティーマート事業、これを構想されて予算化されていましたね。このコミュニティーマート事業は今どうなっていますか。
#126
○説明員(沖茂君) コミュニティーマート構想というのは、先生おっしゃるとおり、昭和五十八年に企画しまして、予算化したのは昭和五十九年度からでございます。コミュニティーマート構想という概念は、商店街自体をこれまでの単に物を売る場だけではなくて地域の住民が集まって集う交流の場にしていく必要があるということでございまして、いわばコミュニティーの中心を形成する役割があるんじゃないかというような認識に基づきまして、そういう中小小売商業者のいわば新しい町づくりを支援するというのがコミュニティーマート構想でございます。それを支援するため、昭和五十九年度以降いろいろ施策を講じてきているところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず第一に、商店街の活性化に向けました統一的なコンセプトづくり、あるいは具体的な施設整備の内容を含みます詳細な計画づくり、こういったものにつきましてこれまで百件余りの助成をしてきております。また、そのほか具体的な施設の整備、例えばコミュニティーホール、商店街駐車場など、こういった具体的な施設に対しまして補助金の交付あるいは中小企業事業団からの高度化資金を用いた助成を行っております。さらに、コミュニティーマートとしての機能を発揮するためにはいろんなイベントが実施されることも有効な場合があるわけでございますが、そういったものを支援するために、元年度及び二年度補正予算におきまして全国で百二十億円の基金を創設したところでございます。中小商業活性化基金と申します。そういった基金を用いまして支援をしているところでございます。
#127
○刈田貞子君 重ねて伺うんですが、地方自治体がそうしたミニコミュニティーマート構想を持っ
ていますね。そういうものとジョイントすることはその事業はできるんですか。東京都が平成二年からミニコミュニティーを出しましたですね。そういう事業とのジョイントはできるんでしょうか。
#128
○説明員(沖茂君) 東京都の事業というものの詳細は承知しておりませんけれども、地方自治体におきましては地方自治体独自に商店街の取り組みを支援するという動きがございまして、地方自治体の単独事業といたしまして商店街が行ういろんなコミュニティーマートづくりに対する助成策を講じておるわけでございまして、そこは各県レベルにおいて連携をとって進み得るようになっているわけでございます。
 またさらに、地方自治体の中にはコミュニティーマートの実現自体を商店街と自治体が一緒になって行う、単に助成を行うだけではなくて地方自治体が商店街と一緒になって行うという取り組みがございまして、そういったものにつきましては町づくり会社構想と我々呼んでおりますが、第三セクターを設けることによりまして、その第三セクターがいろいろな必要になっていく施設を整備する、そういったものに対しまして補助金あるいは高度化資金によりまして特段の支援を講じているところでございます。
#129
○刈田貞子君 ありがとうございました。結構です。
 それで、今度は農水省の方に伺うんですが、私はこの四つの事業の中では集積事業に大変関心を持っておる者の一人で、町づくり等あるいは再開発等とジョイントさせながらいわゆるいい商業アメニティーをつくっていくということにおいては非常に私は関心が大きいんですが、今実は申し上げました東京都の事業、これ資料をもらっているんですけれども、東京都のミニコミュニティーマート事業、これは商店街の環境整備、あるいは共同倉庫とか物流体制づくりとか、あるいはいわゆるPOSシステム、そういうものの強化みたいなものの手をたくさん持っているわけですね。そういうものを総合的に整備しながらというようなことをうたっているわけですが、本法の事業は駐輪場、駐車場、それから情報、共同店舗みたいな感じなんだけれども、これ今私が伺いたいのは、通産省にも伺ったように、そうした地方自治体が持っているような事業とドッキングさせて、もっと予算を積んでやっていくことができるのかどうなのか。東京都の事業は、ちなみに高度活性化資金が三%なんです。我が方は六・六でしょう。それで、こういう事業に関しては恐らくそういうジョイント事業にしてみたいような構想も出てくると思う。この中にはNTT―Cタイプをドッキングさせようということがありますのでよろしいんですが、そうした地方自治体との事業の組み合わせというのはできるんですか。
#130
○政府委員(馬場久萬男君) 私も東京都のその事業について余り詳しく存じているわけではございませんが、まあこの法律ができまして、事業団体等がこういう集積施設をつくりたいということで計画をつくる段階では、当然その地域におきますいろいろな条件等を前提にして行うわけでございます。おっしゃるように例えば東京都で、その地域でそういうコミュニティーマートといいますか、通産省さんのコミュニティーマートとか東京都のそういう事業があるとすれば、それとの間で調整をする必要がございますし、またそこで両方あわせ持って、より地域の小売店のためになるということであれば、そういうある食品の部分はこちらの事業でやる、その他の部分はほかがやる、いろいろな組み合わせ方も可能であると思います。
#131
○刈田貞子君 午前中からも話が出ておりますように、いわゆる生産者の育成とか消費者の保護とかいうふうなこともうたわれ、あわせて食品の流通の高度化、近代化というようなことがこの法律のうたい文句として入っているわけですね。だけれども、私が総体を見た感じの感想としては、さっき同僚委員の中からも出ていたように、具体的な消費者保護、間接的にはわかります。しかし、具体的な消費者保護あるいは消費者メリットというようなものがどういうところに考えられるのかなという問題が一つあるのと、生産者の育成あるいは生産者の保護というようなことも当面は直接的には文言にすら出てきていないというような感じが私はあります。そうすると、せめてこの中間の流通システムの中で徹底的な近代化なり高度化なりがもっと明確になってきていいんじゃないかなと思うんだけれども、ハードかなと思うと冷蔵庫と保管施設ぐらいなものだから、ソフトかなと思うとソフトじゃなくて施設だしと思うわけです。
 私はこの事業のもう一つわからないところがあるんです。実はこういうものをもともと食品流通局が持つべきであるというのは長いこと私の言い分でもあったので、これが出てくるのは大賛成なんですけれども、どうせ出すならもっとダイナミックなどっかりとしたものをつくりゃよかったと思うくらい、少し粗末じゃなかろうかと思うくらいに、ちょっと受けとめ方が何とも言いようのない、これは制度そのものなんですね。
 それで、こんなこと言っていると時間もないので、大変恐縮なんですけれども、一番進めるべきは四番目の事業、そして三番目、二番目と、市場整備の問題等を含めて、先ほど谷本委員からもお話がありましたので、私も実は言いたいことがたくさんあるんですが、時間がありませんので、日本の食品流通の近代化とか高度化、合理化というような問題で、一番考えなきゃいけないのは、この卸業の問題だろうと思うんです。
 これは諸外国でもなかなか理解できないシステムであろうというふうに思っておりまして、実は内外価格差の問題等も私ども国民生活調査会でやる中で、何としても一番みんなの関心が行くのがこのいわゆる卸業界というような部分のところなんですね。これについても元卸、仲卸、一次卸、三次卸などたくさんあるわけです。さらにその卸業界に大手の縦系列で系列化が入り込んできているとか、この手の問題は簡素化されるどころか私はむしろ複雑化してきているんじゃないかというふうに思うくらい、実はいろいろ言い分があるわけですが、この卸業者あるいは卸業界に対しての御見解を伺いたい。
#132
○政府委員(馬場久萬男君) 食品の卸売業は、先生おっしゃるように日本は非常に多うございまして、店舗数で約九万六千店、これはほかのものの卸売業も含めた中の二二%ぐらいでございます。これはやはり日本の食品の流通が最後に消費者のところで最寄り当用買いということに対応するために非常に零細な小売店が多い。そこに流していくのに、殊に加工食品の分野ですと、おっしゃるように一次卸、二次卸、三次卸と、非常に細かく分かれているということがございます。またさらに、メーカーからの特約店とかなんかで系列化されておるものですから、同じようなものを扱っているけれども、あの会社のはうちは扱わない、そういうことがあるわけです。
 この卸売業というのは、そういう意味では非常に複雑でございまして、なかなか難しい問題が多うございますが、特に最近はやはり小売店の方のチェーン化、あるいはスーパーの進出というようなこともありまして、卸売業が従来はどっちかというと、メーカー側のつくったものをいかに売るかという機能を果たしております。最近はむしろ小売の方のニーズをどうやってメーカーにつなぐかという、やや逆の方向に動くようになっておりますが、御多分に漏れず人材あるいは後継者の不足とか、配送コストの増高ということで、大変これからの存在に問題があるところでございます。
 私どもの方で昨年食品流通問題研究会を開いたときも、この中小の殊に加工食品の卸売業、これをどうするかという議論が大分行われました。やはりある程度分野を、領域を明確にして特殊なノーハウ、食品の中でも特殊な部門について専門化するという行き方が一つだろう、それから、ある意味ではむしろ統合して総合化していくというのが一つであろうということが言われております。またさらに小売支援機能という意味では、個々の
個別の卸ではなかなかできないんですが、共同化をしていく。つまり小売屋さんへの配送を従来は違ったメーカーのものだから扱わないというのを一緒になって配送してくれるようなこともやるというようなこともすべきじゃないか。
 いずれにしても、そういう専門化するか総合化するか、そしてまた共同で小売対応をするかというようなことを図って近代化、合理化をしていかなければいかぬのじゃないか。そうしないと、メーカーと小売店の間に埋没してしまうという問題があるというふうに考えております。
#133
○刈田貞子君 ここのところが、先ほど申し上げましたように、日本の流通機構の中では特色であるといえば特色なんだけれども、一番理解しにくい部分のところであり、ここはいろいろな形で御研究いただかなければならないなというふうに思っています。
 それから市場の問題でございますが、この市場も本法案では冷蔵庫でしたか、品質保持をするための品質理管施設等が入っているんだけれども、私がもっとダイナミックにやったらどうなんですかというような問題は例えばこんなところにも言えるんで、流通問題研究会の報告書を受けて第五次の卸売市場整備基本方針ですか、本当は四次がまだクリアされていないうちに五次がまたつくられたようだけれども、この五次が出てきた。大変興味深く私は読みました。それで、言われていることも網羅されている。五時間ぐらいお訴えしたいくらいあると思います。申し上げたいんだけれども、とても時間がありませんので。
 今回のこの卸売市場機能高度化事業は、今の市場に必要なノーハウの弱点とかあるいはソフトのような問題には何にも触れていなくて、言うてみれば施設、設備のような気がする。施設、設備だったらあの基本方針の中ではたくさんのことを言っているわけですよ。あれにどうやって一つ一つ対応し処理するのかなと思うくらい実は大変な問題を言っているのに、ここではこれだけの話で終わっているというふうなことで、予算の問題等もあるんだろうと思うんだが、場外のいわゆる加工施設との一体化の問題、私は市場を視察すると思います。
 それからまた交通アクセス、これはもう最大の課題ですね。あるいはまた廃棄物あるいは排水処理施設の実態ですね、これも完備させなきゃいけない。あるいは食品衛生検査施設、これから市場が拡大化していけばいくほど各施設にそうした衛生面を担当する検査施設なんかも必要になってくるし、現に報告がそう指摘しておるわけです。あるいは先ほど申し上げましたように、市場だってアメニティー機能を持たなければいけなくなるだろうと、それも訴えているわけでしょう。こういうものも含めてソフトの部分を高度化しようと言っているんじゃないんだったら、この辺のものも十分意識されて今回この中に事業化されているはずなのですが、その点お伺いいたします。
#134
○政府委員(馬場久萬男君) 卸売市場につきましては、先生御案内のとおり、卸売市場法という法律がありまして、そこで基本的な施設の整備と、それから取引の規制を行うという法体系が別途あるわけでございます。今お触れになりました第五次の卸売市場整備基本方針は、この卸売市場法に基づいて基本方針を示し、それで整備計画をつくるという仕組みになっておりまして、だから卸売市場法に基づく方の方針として出ているわけでございます。
 今回のこの食品流通構造改善促進法案では、卸売市場法に基づく一般的な整備に上乗せする部分、これを高度化事業と呼んでつけ加えるという形になっておりまして、先生お触れになりました市場全体の整備、あるいはそこにおいての取引の方法、ソフト等については、どちらかといえば本体の卸売市場法の方の世界で一応推進していくという前提がありまして、そこに今回の構造改善促進法の方でさらに、これは全国レベルでネットワークを組んでいきますから標準的な装備はするわけですが、それに上乗せして自分の市場はもっと高度の装備をしたい、もっと高度の施設を入れたいというものについて対象にしよう、こういうふうに分けて考えているわけでございます。
 御指摘の卸売市場が持っているいろいろな問題、それからそれが都市施設として単なる物の集荷、分荷、整理ということだけじゃなくてアメニティー施設も持たなくちゃいかぬ、そういうようなことは、卸売市場のあり方としてこの第五次の基本方針の方に盛り込ませていただいておりまして、それはそれで卸売市場法の体系の中で推進をしていきたいというふうに考える次第でございます。
#135
○刈田貞子君 時間もありませんので、これは先ほど大渕委員の方からもお話がちょっとあったわけですけれども、推進機構の問題でございますが、先ほどいろいろ御論議を伺っておりましたので、私は一言申し上げたいのは、次々と設立されていく公益法人等に対して世論は非常に厳しいものを持っておる。そして、先般経団連もそれに対する自粛声明も発表しておる。あるいはまた第三次行革審もその是正策を講ずべきであるというようなことで検討しておるというようなことが出ておるわけでございますが、この辺のところについて、局長よりむしろこれは大枠の話でございますので、こうしたものについて、もちろんこの機構が有効に機能していけばこれは立派な法人をつくったと言われることになるんだけれども、要は機能しなければ、えらいものをまたつくっておるということになるわけですから、この辺のところを大臣にひとつお伺いしておきたいと思います。肝心な、大事なところですから。
 もう一つ大臣にお伺いしたいのは、本法案の中に、例えば細かい事業で品質管理のための施設の設置とか、あるいはまたそのことのためのいわゆる配送のシステムとかいうようなこと等、たくさん入っております。これは食品といういわゆる生産物が安全に流通されていくということをひとつ念頭に置いてのことだろうというふうに思うんですが、本法案とは直接の関係はございませんけれども、ただいま大きな世論となりつつありますところのPL法、製造物責任法、プロダグトライアビリティー、この製造物責任法は今や避けて通ることのできない課題になりつつあります。したがいまして、食品においてもこうした問題を農林水産省としても考えていかなければならない時期に当たっているだろうと思いますが、私ども公明党が出しております製造物責任法は、その対象業者をメーカーだけでなく、流通業者、販売業者も対象に入れておるわけでございます。したがいまして、こうしたことに関する製造物責任法を農水省は食品に関してどうお考えになっておるか、これが二点目です。
 それから三点目は、通産省が新法としていわゆる資源再利用法、リサイクル法を出しました。また厚生省が廃掃法の改正をいたしまして、いわゆるリサイクル社会へ向けてのシステム化に取り組みつつあるという、これはまた世界規模で大事な問題だろうと思いますが、農水省が実はこうしたリサイクルシステムに向けてどういう取り組みをしようとされておるのか。ここなんかで見ますと、いわゆる自動包装機等を設置するようなことが書いてありますけれども、例えば食品の容器、包装、こういうものは農水省がやっぱり指導していかなければならない問題だろうと思うんです。
 この間、こういうごみ問題のいわゆる議連ができていまして、そこで各省庁に来ていただきまして、皆取り組み状況をお話しいただきましたところ、そこに集まった議員、消費者団体、業界の方方が、農水省が一番おくれていると言ったわけ。それはなぜかと申しますと、出てきたお方の発言は、農水省はお豆腐から出てきたおからを牛に食べさせる、家畜のえさにするようなそういうことを考えております、やっておりますと。これが農水省取り組みのリサイクルでは困るわけでございまして、私は、今いろいろ問題になっている瓶、缶、あるいは過剰包装、こうしたものに関しても、食品をめぐってこれから流通段階あるいは製造段階でしっかりと取り組んでいかなければならない問題だ。これについての御見解、三点お伺い
いたします。
#136
○国務大臣(近藤元次君) 最初の御質問が機構の問題でありますけれども、機構の問題につきましては、新しい法人をつくって高級官僚天下りというようなことがとかく世上を騒がせておるわけでありますが、今回の場合には食料品流通構造改善協会を改組して、社団法人から財団法人に機構改革をいたしまして、このことによって高級官僚が新しい機構に何人か天下るというようなことは全く実は考えておりません。必要に応じて一般職員に必要があれば、将来どうなるかわかりませんけれども、少なくとも高級官僚と言われているような人がこの新しい機構設立に入っていくというようなこと、新しい天下り先というようなことを考えていないことだけは明言をいたしておきたい、そう思います。
 それから、PL法につきましては、もうまさに避けて通れない問題でございまして、消費者がその責任を明確にするなんということはなかなか現実の問題、大変なことであろう。製造物責任者をどうするかという問題につきましては、私はもう避けて通れない。国際的にもかなりPL法が取り入れられておる国も承知をいたしておるわけでありますし、我が国においては今国民生活審議会において御審議をいただいておるところでもございます。審議は審議として、私どもそういう問題に取り組んではいきたいと思いますけれども、一部食料品の中で、製造物というのはいわゆる農家が生産をされるものからということになっていくと、かなり鮮度保持の関係では流通も小売も関係をしてくるものですから、そのものがどこに起因するかというようなことは、他の工業製品とはまた違った意味合いで私どもはその点の対応を検討していかなきゃならぬと思っておりますけれども、今後そういう問題については審議会の答申をいただいた後、積極的に十分な対応をしていきたい、そう考えておるわけであります。
 最終的にリサイクルの問題は、リサイクル法は通産省と農林水産省共管でございますので、私ども一緒に提案をさせていただいておるものでございます。リサイクルの問題はうちの職員が出て、農業生産物とのリサイクルを考えてお話をされたのだと思うので、質問を聞いたわけじゃありませんので、答弁が的確かどうかを私が今ここで直ちに判断はできませんけれども、そういう趣旨でお答えをさせていただいたんだろうと思うわけでありますけれども、食品の包装やそれから容器、品質保全、あらゆることを総合してもいささか過剰ではないかというようなことが考えられて私ども検討をさせていただいておるところでもあります。そういう面での関係では、瓶にしても缶にしてもいろんなことがごみの問題とも関係をするし、環境問題とも非常に関連をしてくるし、コストの問題にもまた関係をしてくるものですから、我が省にとってはこの問題は極めて重要な問題だと私は受けとめておるわけであります。
 一例を申し上げれば、私の名刺も再生紙を使わせていただいておりますし、農林水産省の用紙をできるだけ再生紙を使えと言ったら、大変高いんだそうでありますけれども、高いといって買わないでいるとたんだん高くなるから、いっぱい物を買えば安くなるんだから、まず多少今高くても将来安くするために大量消費という立場で白書なんかも再生紙を使わせていただいたりしてきておるわけでありますし、取り組みは積極的にさせていただいておりますが、たまたま食品容器環境対策研究会を食品流通局に設置をさせていただいて、この十九日にその報告書がまとまりました。この報告書に基づいて食品の包装、容器のリサイクリング対策や環境美化対策について必要な施策を今後進めていきたいと思うわけでありますので、その折また御審議をいただきたい、こう思っております。
#137
○林紀子君 食品流通構造改善促進法は食品流通の基礎法とも言える法律だと思います。それだけにこの法律で、農水大臣は、食品流通審議会の意見を聞いて構造改善基本方針を定めなければならないとなっておりますけれども、審議会がいかに民主的に運営されるかが基本方針の内容を決定することになりますし、将来の食品流通に大きく影響を与えることになると思います。
 本法案が大手スーパーへの支援になり、中小小売店の切り捨てに拍車をかけるというようなことはなってはなりません。また、卸売市場の機能の高度化が中央卸売市場への集中につながり、これまた地方卸売市場の切り捨てにつながることでは、生産地、農林漁業振興にとってマイナスとなるでしょう。あくまでも本法案が中小小売店の活性化や農林漁業振興に資するために農水省は力を注いでいただきたいと思います。
 さて、卸売市場の現状ですけれども、大手スーパーの進出などにより流通構造が変化し、取引の形態を大きく変えてきており、問題となっております。卸売市場法では差別取引の禁止、公開の原則がうたわれておりますが、この原則が崩されてきております。また、水産物などは保冷車、冷凍車などの輸送手段の急速な開発、また急速凍結、低温保存の技術の進歩で冷凍魚、冷凍食品の生産と出荷調整が行われるようになり、このことも地方卸売市場の衰退、中央卸売市場への集中ということになりました。
 午前中には先取取引についての指摘がありましたけれども、農水省の資料を見てみますと、中央卸売市場では卸売の相手先が一九八八年度で仲卸売業に六八・四%、売買参加者に一二・二%、第三者販売高二三%となっています。この第三者というのが問題だと思いますが、他市場の荷受け業者、大手スーパーなどの量販店などが考えられます。この部分は相手先、商品、価格、契約内容が明らかにされておりません。
 卸売市場法三十七条では、残品が出るおそれがあるときに、あるいは出たときには第三者に卸してもよいとはなっておりますけれども、過去十年の推移を見てまいりますと、毎年二二%から二三%ぐらいで推移している。残品が出るおそれがあるときとか出たときという条件からはもう逸脱しているのではないかと思いますが、これはどういうことでこのような五分の一から四分の一までを第三者が占めるようになっているのか、また卸売市場法の公開の原則に触れるのではないかということをお尋ねしたいと思います。
#138
○政府委員(馬場久萬男君) 今御指摘の第三者販売の問題でございますが、卸売市場の中で特に水産物部において御指摘のとおり、おおむねここ十年ぐらい見まして卸売金額の四分の一程度が第三者販売が行われているところでございます。青果物の方は四%程度でございまして、水産物に特に際立っているところでございます。
 今委員お触れになりましたように、卸売市場法第三十七条の規定に基づきます第三者販売を行うことができる場合というのは四つほどの場合に限定されておりまして、市場への入荷量が多くて仲卸業者や売参人が買っても残品が生ずるおそれがある場合あるいは実際に生じた場合、それから開設区域内に複数の卸売市場があるときで市場間の入荷量を調整する場合、それから卸売市場から出荷を受けなければ品ぞろえが困難な市場に販売する場合、こういうようなことが決められているわけでございますが、水産物について見ますと、冷凍のモンゴウイカとかタコとか、あるいは魚卵とか、すり身、そういう加工用の原料が大量に集荷される卸売市場と、それから加工工場の立地している地域が異なるというような場合にこの加工業者向けにこの第三者販売が行われているというような事情にあるようでございます。
 また、冷凍エビとかマグロのたぐいで輸入の水産物の場合は、どうしても大都市の卸売市場に集荷されるというのが通例でございまして、地方の卸売市場はそういうものを大都市から供給を受けるということでこの第三者販売が行われるということがあるようでございます。
 いずれにしましても、この十年ぐらい水産物については四分の一ぐらいがそういう扱いになっておりますが、私どもとしましては、やはり卸売市場法に基づきまして、適正な卸売市場の機能を果たすためには、これらをみだりにふやすというよ
うなことはよろしくないと考えておりまして、開設者に指導を行っているところでございます。
#139
○林紀子君 やはり公正で公平で妥当な取引で、売り手も買い手も納得できるという、長い間練り上げられてぎたこの競り、入札というものを形骸化するということのないようにこれからもぜひ努力をしていただきたいと思います。
 次に、厚生省にお伺いしたいと思いますが、水産物の鮮度保持剤の問題ですが、先日、経済企画庁が流通問題研究会の報告を公表しましたが、農業関連では、消費者の傾向は鮮度志向が極めて強いと指摘されております。食品流通局による消費者意識調査でも、小売店での購入理由というのは、鮮度がよいからと挙げている人が多いわけです。水産物はほかの食品より以上に鮮度が商品価値に大きく作用すると思いますが、昨年の夏ごろから消費者団体の間で大きく問題になっている鮮度保持剤ですが、新聞の報道によりますと、鮮度保持剤というのは二年ほど前から本格的に売り出され、現在、スーパーや鮮魚商、加工業者など約二百社が使用しているということです。この鮮度保持剤については、食品衛生法で定める使用の表示義務がないということですけれども、安全性や、また消費者をだますというような点でも非常に疑問があるのではないかと思います。
 厚生省としても規制を行うなど何らかの措置が必要ではないかと思いますが、調査、検討なさっているのかどうか、今後どういう方向でこれに対処していくのか、お伺いしたいと思います。
#140
○説明員(牧野利孝君) 従来から、食品の品質あるいは鮮度などにつきまして消費者の判断を誤らせるおそれのある食品添加物の使用につきましては、食品添加物本来の目的から見まして適当でないというふうに考えているところでございます。 御質問のように、最近一部に鮮度保持剤と称しまして、ある種の添加物製剤が変色防止などの目的で鮮魚介類に使用されている実態がございますが、刺身であるとかあるいは切り身などの鮮魚に変色防止の目的でこういった食品添加物を直接使用いたしまして、消費者に鮮度の誤認を生じさせるおそれがあるものにつきましてはそれは好ましくないというふうに考えております。こういった考え方につきましては関係業界は既に承知をしておりまして、使用を自粛する方向であると私どもは承知しております。
#141
○林紀子君 業界の自粛だけに任せるということではなくて、ぜひ厚生省としてもこれをきちんと消費者の願いに沿って、消費者がだまされるという、大げさに言えばそういう形になると思いますので、ぜひきちんとした対処をしていっていただきたいというふうに思うわけです。
 次に、農水省に再びお聞きいたしますけれども、最近の消費者の食の安全に対する関心というのは非常に大きいものがありますが、いろいろな要因があるわけですけれども、大きな要因はやはり輸入食品が市場にあふれる、またポストハーベスト、農薬の使用、子供たちのアトピーの問題など、身近なところで影響が見えているというところから来ていると思うわけです。輸入水産物は急激な伸びを示しています。先ほど申し上げましたように、いろいろな輸送方法も開発され、生きたままでの魚介類までが海外から入ってくるという状況になっています。遠洋物、近海物、また養殖物、さまざまな水産物が店頭に並ぶようになっております。
 平成三年度の予算で品質表示のガイドラインを設けるということで、水産物表示実態調査費ということで八百八十二万円計上されたということを伺っておりますが、青果部門では四月からガイドラインを設けているわけですね。ぜひ水産物にもこういった表示をさせるようにお願いしたいと思います。特に、相対取引ではないスーパーなどでは、消費者が選択する際の判断材料としてこれは不可欠だと思うわけです。食品の安全性を高めるためにもどうしても必要だと思いますので、農水省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#142
○政府委員(京谷昭夫君) お話がございましたように、水産物の供給形態、大変多種多様になってきておりまして、活魚、生鮮、それから冷凍、さらには各種各様の加工品という形態で提供されておるわけでございます。こういった水産物の小売段階での提供の形態として、ごく一部のものを除きまして、食品衛生法等による表示の義務づけ、様式化というのは行われておりません。
 最近、販売競争が大変激化する中で、末端でいろいろな表示が行われておる実情がございます。我々も、ただいま御指摘ございました予算を本年度確保いたしまして、まず、販売に当たっての表示の実態がいかような状態になっているのか早急に把握をしたいと思っております。その上で、関係者の御意見あるいはまた消費者の御意向、またさらに必要であれば食品衛生行政との連携も十分とりながら、お話がございましたように、末端小売段階における表示のあり方について、実態調査の結果あるいは関係者の意向を踏まえたガイドラインというようなものを早急に策定したい。いろいろな作業がございますので、今年度末あるいは明年度早々ぐらいまでにはそういったものを具体化すべく作業を進めたい、かように考えておる次第でございます。
#143
○林紀子君 これもなるべく早く、確かに作業があると思いますけれども、実現の運びにしていただきたいと思います。
 次に、私は、きょうの午前中の論議の中で、農水大臣は最初の生産物がなければ流通もないし消費者の手にも何も届かないというお話がありましたけれども、きょうは流通の問題についてお話をしているわけですが、その生産のところで、特にサケ・マスがどうなるのかということで、最近大臣の発言で、今までの方針を大幅に方向転換をしたこのではないかと受け取れるような発言があったということですので、その辺につきましてぜひ大臣にお伺いしたいと思います。
 ソ連側は、一九九二年までにソ連系のサケ・マス類の公海における沖取りを全面的に禁止するという方針を打ち出していたわけですね。これに対して我が国は、これまでこのソ連提案の撤回というのを求めてきたと私は理解しておりました。ところが、近藤農水大臣は、十六日に、このソ連側の提案を受け入れるということを明らかにしたと報道されているわけですが、これは今までの方針というのを大きく変えるものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(近藤元次君) 公海沖取りサケ・マスの禁止は三年ぐらい前からソ連側から提案をされておりました。北太平洋の関係につきましては、第一回目が、四カ国会議がアメリカ、カナダ、ソ連、日本という関係で昨年の十月に行われました。日本を除く三カ国とも、公海沖取り禁止というのは非常に厳しい要請ではありましたけれども、そこは我が国はそうはいかないということでその一回目の会合は中止をいたしたわけでありますが、第二回目がこの六月に行われるわけであります。
 そういう状況に実はなっておりまして、今回、ゴルバチョフ大統領がおいでになったときの共同宣言の話と、私が訪ソをする話とのかかわり合いの中で、記者さんからの質問がありまして、ソ連の交渉に行ってサケ・マスの日ソの関係の交渉が前進をすれば仲取りについて禁止をするのかと、こういう話がありましたので、かなりの前進をさせるときには仲取り禁止の話が出てくるであろう、前進をすれば受けざるを得ないかもしれないなというのが正確なことでございまして、その前提条件が一つあるということもまた御理解をいただきたいし、いずれにいたしましても、この公海の仲取り禁止というのは、これを継続するということは非常に厳しい環境であるということは皆承知をしておることだろうと思っておるわけであります。
 サケ・マスは御案内のように母川主義でありますから、いわゆる日本の二百海里内であってもサケ・マスはお互いが協定を結ばなきゃならぬことになっておるわけでありまして、母川主義になっておるわけでありますから、ソ連のサケが日本の二百海里内を泳いでおることになっておるわけで
ありますし、また、日本のサケ・マスもソ連側の二百海里内を泳いでおるという、サケ・マスは同じ魚でも特殊なものだということをひとつ理解しておいていただきたい、こう思うわけであります。それだけに今度そういう関係でのやりとりの中での発言でございますので、これはそう私が方針を変えたというよりも、これからの交渉というものが前提にあっての新聞記者さんからの質問に答えたことでございますので、その点の御理解だけはいただいておきたいと思います。
#145
○林紀子君 方針を変えたものではないということを聞いて一つ安心をしたわけですが、確かに大変厳しい状況ではあると思いますが、こちら側がどういう方針を持っているかということで大きく左右されると思うわけですね。そういうことを言いましたら、米の問題でも大変厳しい状況ではあっても、やはりあれは輸入を絶対許さないということで頑張るのと、もう厳しいからだめだとあきらめるのでは大違いなわけですから、その辺はきちんとぜひ今までの方針で対処をしていただきたいということをお願いしておきたいのです。
 それと関連いたしまして、漁業の分野における協力の発展に関する日ソ共同声明ですね。外交文書というのは、幾ら読んでもなかなかわかりづらくて、どういうことを言っているのかなというのがよくわからないところがあるわけですが、特に三の項目でサケ・マスの問題について触れているわけですけれども、これはあくまでも今おっしゃったようにサケ・マスの公海上の沖取り禁止というのを前提とした話ではないというふうに解釈をしていいわけですね。ソビエトの二百海里水域内で安定的な操業ができれば、もう公海はしょうがないのかというふうな読み方をしないでいいわけですね。その辺についてちょっと御説明をいただけたらと思います。
#146
○国務大臣(近藤元次君) まあ交渉事ですから、余りいろんなことを事前に言わない方が交渉するにはやりやすいわけでありますけれども、国会の質問でありますので私も答えないわけにはいかないわけでございます。
 それは交渉のできばえの話だと思うんです。公海でとっておる今の漁船が漁業操業ができない状況にあるということが一つあって、この公海でとるという面が一面あると思うんです。資源管理上からいうと今のまま継続していいかどうかという問題はお互いが検討しなきゃならぬ問題だと思うんですよ。だけれども、今そこで現に操業しておるのを直ちに禁止というわけにはいかない。その人たちを一体どこで操業させるかという問題が今後日ソ漁業交渉の中に入るわけでございまして、ここは関係者皆その面での御理解はいただいておる、こう思うわけであります。
 私がここで、断固公海を禁止しない、こう言ってしまった方がいいのか、今後の交渉にひとつ任せていただきたいと言うのがいいのか、正直答えに悩むんです。もし仮に、私はこのまま継続ができればそれにこしたことはないと、全力を挙げて私はやりたいと思っておりますけれども、そう言っておいて、そうなったではないか、おまえはうそつきだと、こういう話が必ず後で返ってくるわけですから、そういうことを考えてみると、今操業しておる人たちが可能な限り新たな漁場でまた操業ができるというそのできばえと関連をしておるということだけはひとつ御理解をいただいておきたいな、こう思うわけであります。
#147
○林紀子君 しかし、日本がどういう立場で交渉をするのかというのは、やはり今まで公海で頑張ってきたわけですし、水産庁も本当に頑張ってきたわけだと思いますから、その辺というのはどこに足場を置いているのかということは、きちんと今までの方針で頑張るというふうに先ほどおっしゃられたものですからそういうことだと理解をしたわけですが、また今のお話でちょっとわからなくなったんですが、そういう立場でぜひ頑張っていただきたいということをお願いしたい。
 それから、そのソ連水域内での日本漁船の安定的な操業を確保するということですが、今までにピレンガ合同というもので二百海里内というのは操業するということになってきたと思うわけです。ところが今のところ赤字が続き、その累積額は十億円を超えているということだそうですね。これでは出漁すればするほど二百海里の中で操業するのは損になる、割り当て全部を漁獲することなどとてもできないということで、ソ連の二百海里内昨年割り当て量は六千トンだったのに対し、実際の漁獲量はわずか千七百トン余りだということも報道されているわけです。ソ連側の一方的な漁場の変更や高い入漁料、こういうことで負債がどんどん大きくなっていると思うわけですが、こうした日ソの合弁事業に対する援助というのを今後政府はどういうふうにしていこうとお考えなのかというのをぜひ聞かせていただきたいと思います。
#148
○政府委員(京谷昭夫君) ソ連の二百海里内におけるサケ・マスを対象にした操業につきまして、お話がございましたように、既に日本に対して合弁事業を通じた形態で道が開かれております。
 ただ、ソ連を相手にした合弁企業につきましては、ソ連の国内状況から見まして、採算性なり安定性についていろいろ不安があるということも事実でございます。我々としては、ソ連側の意向なりソ連国内の客観的な情勢というものを踏まえて、その改善に向けて関係する団体の皆さん方ともどもに先方との話し合いをしていきたいと思っておりますが、具体的にどういう支援をしていくことが必要かつ可能、妥当であるかということにつきましては、実は一九九一年、ことしのこの合弁企業を通じた操業について約八千トンの枠を設定しておるわけでございますが、ちょうど向こうの時間ですと二十三日から民間レベルでの交渉が開始されることになっております。
 その交渉の経過を見守って、我が方の関係者の話も踏まえて検討していきたいと思いまするし、また政府レベルで話し合うべきことについては我我もしかるべく対処したいつもりでございますが、具体的内容については現在進められようとしております交渉の経過を見守りながら検討したいと思いますし、現時点で具体的に何を考えておるかということについてはひとつ御容赦をいただきたいと思います。
#149
○林紀子君 私は、先日北海道根室市議会の議長さんから要望書というのをいただきましたし、またこれは全国鮭鱒流網漁業組合連合会の会長の西島栄作さんという、本当に今苦労なさっている漁民の連合会の方もおっしゃっておりますけれども、サケ・マスの沖取り禁止というソ連案の受け入れというのは、北洋サケ・マス漁業を壊滅させるものだと思いますし、就労者およそ七千人余りの離職、さらには地域経済に与える影響というのもはかり知れないものがあると思います。これまでの方針を貫いて、さらにこの方針を前提にして日ソ合弁事業への支援というのを強化していただきたいということを強くお願いいたしまして質問を終わります。どうもありがとうございました。
#150
○井上哲夫君 私は、きょうお尋ねをしたいと思っていたことは、今回の促進法の中に書いてある「機構」のことでございます。この機構については、既に大渕委員が先ほどるる質問されました。なるべく重複をしないようにお尋ねをいたしたいと思っております。
 先ほどの答弁をお聞きしますと、機構は社団法人の食料品流通改善協会をいわば財団法人に衣がえをしましてそこに置きたいと。常勤役員を含めて約十名の人員でスタートするということになるとのことですが、まず四億一千万ですかのお金はどういう割り振りになる予定でございますか。
#151
○政府委員(馬場久萬男君) 食品流通構造改善促進機構に対します平成三年度の予算は四億一千万円を予定しておりますが、それは大きく言うと二つに分かれまして、一つは債務保証を行うためのいわば基金でございます。これが三億五千万でございます。
 それからもう一つは、食品流通構造改善を推進するためのいわば推進事業費というものでございまして、これは合わせて六千万でございますが、その中には構造改善計画の作成指導費、それから
消費適合の円滑化推進ということで、消費者ニーズ等にどう適合させるかということについてのPR等をする費用、それからさらに食品流通施設の整備に参加する場合の調査をする経費、さらに食品流通についての調査研究を行う経費等ございまして、それを合わせて六千万ということでございます。
#152
○井上哲夫君 三億五千万円ほどは債務保証の基金だと、そうすると三十五億円ぐらいは保証事業ができる予定だ、こういうふうに考えられるわけですが。
#153
○政府委員(馬場久萬男君) これは国から三億五千万円を支出する予定でございますが、機構自身である程度お金を集めていただくということで、これは国の補助の仕方としては六分の五を補助するということになりますので、基金そのものは計画どおりにいきますと四億二千万円になります。委員御指摘のように保証倍率というのが普通ございまして、一般には大体十倍ぐらいということになっておりますので、計画上は四十二億円程度の保証ができるというふうに考えております。
#154
○井上哲夫君 そこで、今お話に出ましたが、この対象事業が計画がなされ、大臣の認可がなされた場合にこの機構が参加をすると、参加をするというのはいろいろ事情があってという御説明があったんですが、つまり新しい第三セクター的な事業体が生まれたときに発起人的な立場でこの機構が参加をしていく、こういう理解をしてよろしいわけですか。
#155
○政府委員(馬場久萬男君) 発起人というふうに位置づけられるかどうかよくわかりませんが、とにかく最初に中小の小売店等が集まって集積施設をつくるときに、もちろん小売店さんだけでできればそれで結構なわけでございますが、何らかのインセンティブが欲しい、ついては機構にいろいろとコンサルティングなどの支援もしてほしいけれども、場合によっては一部参加してもらえないかということがあるだろう、そういう場合に参加をするということだと思います。
#156
○井上哲夫君 そうすると、いわば出資金を出していく、あるいはコンサルティングの面も面倒を見るということになると後見人的な形もある。そうすると、この財団法人が整備事業体に、ある意味では保証人にもなり、発起人的な役割もやり、後見人的な役割もやるということになるケースも出てくる。その場合に、それは非常にうまくいった場合は結構なことでございますが、先ほどの大渕委員の懸念じゃないですけれども、思うように進んでいかないというときにはこれは逃げ出すこともできないが、前に進むことも公益法人でできないというような事態がないとは限らない、この辺のことで今どういうふうに自己抑制というか、限定的に考えてこういう形でいきたいと思ってみえますか、その点をお尋ねします。
   〔理事北修二君退席、理事青木幹雄君着席〕
#157
○政府委員(馬場久萬男君) 確かに、機構がその事業に参加する、あるいは債務保証をするということについて危険がないかといえば、それはある程度危険も予測されるわけであります。債務保証の方はそういう意味で基金を積んで、その基金の範囲内である程度保証ができるように機能するわけでございますが、事業参加の際はやはりその事業計画そのものを十分機構としても吟味しなければならないと思います。それは、機構の仕事としてコンサルティングとかいろいろとノーハウを持っているわけでございますから当然でありますが、機構として慎重に対応するように我々としては指導したいと思っております。
#158
○井上哲夫君 それからもう一点は、この機構が、先ほどからも出ているいわば構造改善の整備のための知恵袋というか、あるいはコンサルタントをやる、こういう御説明で、なおまだ具体的によくわからないんでお尋ねをしたいわけでございます。 実際に計画書を吟味する、そして吟味した結果内容をさらに味つけしていくということだけでなくて、なるべく自立自存で事業体がやっていけるようにということを考えますと、本来外側から指導といいますかアドバイスをしていくということになろうかと思うんですね。そうなると、単に常勤役員十名の方で果たしてできるのか、専門的なそういう指導員なり、あるいは長年関与してきた、多年の経験を持った人なりをいわば人的にも配置してやっていかないとできそうにないような感じもするわけです。あるいは業界指導という場合に、そういう単にばらばらになっている業界の人たちにばらばらにコンサルタントができるはずもありませんので、その辺のことはどのようにお考えでしょうか。
#159
○政府委員(馬場久萬男君) 先生御指摘のように、そのコンサルティングをしていく場合の専門家というものが必要だと思うんですが、現在の社団法人食料品流通改善協会におきましても、職員は先ほど言いました常勤役員を含めて十名でございますが、そのほかにたしか三十余名だと思いますが、三十余名の専門家に委嘱しまして、いろいろ現在でも食品流通関係のコンサルティング事業にはそういう専門家の意見を聞きながら仕事を進めているわけでございまして、今後この機構ができましても、そういうことで外部の経験豊かな人の知見等を生かすという仕組みは維持させていきたいと思っております。
#160
○井上哲夫君 そうしますと、社団法人を財団法人に衣がえをする。しかし一方従前の体制、社団法人の食料品流通改善協会の体制はそのまま残っていく形になると思うんですが、これはかなり役所主導型になると、今刈田委員から出ましたように新たな公益法人の生まれ変わりというふうに受け取れかねないわけですが、この点実際にはこの機構をつくる際に、今後財団法人に衣がえをするだけじゃなくて、どの程度予算は拡大していくんでしょうか。本年度は六千万円ぐらいは事業費として考えている。これは来年度以降、まさに食品流通の構造改善を、所期の目的を達成するためにはかなりハイピッチでやらないといけないという使命はあると思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#161
○政府委員(馬場久萬男君) 法律が成立いたしまして機構を指定した段階で、先ほど申し上げたように本年度の予算措置はできているわけでございますが、これからの機構の事業の状況、関係団体等がいろいろと出損等をしていただけると思いますけれども、そういうものも見まして来年度以降の政府の予算措置についてはこれから検討してまいりたいと思っております。
#162
○井上哲夫君 当面一つという先ほどのお考えなんですけれども、
   〔理事青木幹雄君退席、委員長着席〕こういうものが一つで本当にあれもこれも全部やれるのかと考えてみると、参加していく、一方では債務保証もしていく、さらに後見人的な立場で、例えば場合によったら人も送り込んでほしいというと人も入れるというふうになっていった場合に、もう一方ではかなり事業体と距離を置いてアドバイザーに徹していく、あるいは調査、専門的な情報を集める、こういうもの全部が一つの機構の中で何が何だかわからなくなっていくという心配はないんでございましょうか。
#163
○政府委員(馬場久萬男君) 確かに、今法律に列挙されている業務をスタートと同時に一遍に全部やるということになると大変だという御懸念があるということはわかるわけでございますが、先ほど言いましたように、既に母体になることを予定しています食料品流通改善協会において一般的なコンサルティング事業等はやっているわけでございますし、それから今の債務保証とか事業参加というのも、まずこの法律に基づきます基本方針が定められて、それにのっとって事業者団体がそういう事業をやろうかということを発意して動き出してからの話でございますから、そう混乱をするというようなことは実務上はないんじゃないかと私ども思っておりますし、またそうあってはならないというふうに思っております。
 したがいまして、制度が発足しまして機構が動き出すときには十分その辺は我々としても配慮していかなくちゃいかぬと思いますし、また機構自
身が事業計画を立てたり予算の承認を受けたりするときにも、今年度はこのくらいのことをやるというようなことはやはり順序立ててするものというふうに思っております。
#164
○井上哲夫君 私もなまはんかな知識からですから正確ではないと思うんですが、この機構を今回つくって債務保証の事業をつくったというのは、実はいろいろな事業体が十分担保能力を持っていないところが多い、そのためにこの機構がいわば保証事業を引き受けてそして融資がなるべく緩やかにもらえるように、こういうねらいがあるというふうに聞いておるわけですが、そうだとすると、債務保証は実質的には非常に後見というか、監視を強めないといけないかもしれない様相を帯びてくる。債務保証の面と事業体への監視の面というのが同一の主体がやるということはいいような、ちょっと悪いような受けとめ方をしているわけです。
 もちろんこの法律の中には債務保証の面の事業会計と本来の事業会計とはもう一緒にしない、峻別するということが明記されているわけですけれども、それでもなおそういう懸念はついて回るわけです。それで、その点について、もう一度いかがなものでしょうか、どのようにやっていかれるか。
#165
○政府委員(馬場久萬男君) おっしゃるように、債務保証業務というのは特に管理をきちんとしなきゃいかぬということで法律上も区分経理をすることを義務づけているわけでございます。
 もう一点御理解いただきたいのは、この機構が債務保証を行う分野でございますが、一般的な販売業者、主として中小企業の場合は既に別に中小企業に対する債務保証を行う組織がございますので、そういうものはこの対象にならない。どちらかというとこの機構がやる場合は商業集積施設で第三セクターがいるような場合、しかも機構の債務保証がないとそのセクターとして必要な資金の融通を受けるのに円滑を欠くという場合ですから、かなり実際には限られている分野だというふうに思っております。それはそういう限られた分野に対するものとして区分経理を明確にしていくということで十分危険性は排除できるんじゃないかというふうに考えております。
#166
○井上哲夫君 だんだん今のお話を聞いていますと、何かやっぱり公益法人、先ほど出ましたが、天下り先の確保ではないかというふうな懸念が強い、私はまあそれは独断と偏見かもわかりませんが、そんな感じもしてきたわけでございます。
 この機構がうまくそういう懸念を招かないような形でいくということを望んでおるわけですが、一応今の従前あった社団法人の体制のままでいかれるならば非常にまだ懸念は少ないだろうと思うんですが、大臣ひとつ御感想をお聞かせください。私もこれで少しわかったような、まだ本当はわかりませんけれども、まあそろそろ時間でございますのでよろしくお願いします。
#167
○国務大臣(近藤元次君) 主として集積の部分で心配をされておるんだろう、こう思いますけれども、集積の部分は私が事業計画を承認することになっておるわけでありまして、それは市なり県を通って農林水産省に上がってくるわけでありまして、その間におけるコンサルティングの役割をするとか、あるいは融資制度とかいろいろなことのノーハウを指導するということはこの機構の中に存在をしてくることだろう、こう思うわけであります。
 ただ、基本的には自主的にその集積をされる業者の皆さん方にやっていただくということでありますし、その保証をすることでコンサルタントをするというようなことでありまして、事業参加はできるだけ機構からは避けていくべきだという基本的な考え方を持っておるわけであります。やむを得ず、要請があればその要請によって内容的に機構が参加をすることの方がより結果がよくなるということになれば対応していくということになるわけでございまして、そこの点は行政機関をずっと経由してくるわけですから、そのことが先ほども話のありました地方自治体でいろいろ計画をされておることと重なり合ってくることは当然でありますし、当然のことながら新しい集積をされる事業実施に当たっては、恐らく市なり県なりという、また利子補給なり融資制度なり補助制度なりというようなものを要請したり活用するという経過をたどってくるのが大体の傾向ではないだろうかというふうにも判断をいたしておるわけであります。
 したがって、機構がやるという本来業務というのは、若干推移をしてみなきゃわかりませんけれども、保証業務なりコンサルタント業務にいたしましても、コンサルタントは民間に専門家もありますし、地方にもまたコンサルタントの専門家もおりますから、そういうところから指導をいただくという地方自治体を通るときの経過もあるでしょうし、それほど事業が膨大になるということを今予測して対応する必要はないんではないだろうか。全国的にこれが広がりを見せたとき一体どうなるかという分野については、若干今の人員体制でできるかどうかということは懸念はいたしておりますけれども、数年の推移を見なければまだここがわかりにくいところであろうとこう思うわけであります。
 しかし、高級官僚が天下ることがこの機構の事業内容についてどれだけのプラスがあるかということは私は余り考えられないことだろう、こう思うわけでありまして、民間の零細の事業体の中から生まれてくる、あるいはそこから生じてくるようなことによって天下った高級官僚がそこから収入を求めるというようなことはあってはならぬ、そういう意味合いの機構だとも認識をいたしておるわけでありまして、新しい機構というよりは従来ある社団法人のこの機構を活用することの方がそういう懸念もまた一つ避けて通れる、一石二鳥ではないかな、私はそう判断をいたしておるわけであります。
 ただ、行っている人も、今のこの会長も三十年前農林省の事務次官であった人でありますから、この人が年齢的な問題で交代するようなことがあっても、少なくともここに新しく天下りを増員させるというようなことは全く考えておりません。そのことだけははっきりと申し上げておきたい、こう思っております。
#168
○井上哲夫君 ありがとうございました。
#169
○橋本孝一郎君 もう既に多くの質問が出ておりますので重複しないように質問していきたいと思いますが、この法案の目的、そして今回のこの構造改善の内容ということからいきますとどうしてもちょっと基本的にお尋ねしておかなければならないのでありますけれども、法案の目的が、「食品に係る流通機構の合理化と流通機能の高度化を図り、あわせて一般消費者の利益の増進と農林漁業の振興に資することを目的とする。」、これはそういう意味では非常に結構なことでありますけれども、一方、我が国の流通業、特に中小小売業を見てまいりますると、これは農業と同様に非常に虚弱な体質であるわけであります。
 流通経済論の立場で論じられておりますところの我が国の流通の特徴を挙げてみますると、その第一は規模の零細性である、第二点は店舗数が多い、第三は店舗の生業的色彩が強いこと、第四は、それらの結果として低生産性であり、さらに流通経路が複雑である、これは複雑さということですね、それから取引方式の閉鎖性、特殊性。特に私は、この流通の複雑と閉鎖性、特殊性、国際化の中でこういうものも落とせるものはあかを落としていかなきゃならぬと思うんでありますけれども、流通機構の合理化と言うと非常に結構な言葉でありますけれども、具体的にはいわゆる複雑、閉鎖性、特殊性というそれらのいろいろな問題について将来的にどう合理化しようとしておるのか、まずお尋ねしたいと思います。
#170
○政府委員(馬場久萬男君) 先生おっしゃるように、我が国の食品流通の特色というのはいろいろ言われていますが、特に流通の複雑さ、多段階性とか、あるいはそれぞれの品目ごとに流通経路が分かれているというようなことが言われているわけであります。ただ、実際に今食品流通をめぐり
ます情勢は非常に大きく変わりつつある。特に自由な経済活動の中で力の強い資本力のある流通業者の方々はむしろ率先して合理化とかその複雑さを排除することもやっているわけです。
 問題は、やはり一方で、従来から周辺の住民の方を相手に対面販売に頼っている、零細なと言われましたが小売あるいはそれにつながっている卸、こういうものがそういう時代の変化の中でともすればおくれがちになる、それをほうっておいていいのかどうかという問題だろうと思うわけであります。
 私ども流通の問題について二年ほどいろいろ勉強させていただきましたけれども、その中で、ただほうっておくのはよくないんじゃないか、それは合理性があって、力の強いものが一方で伸びていくということはあるけれども、個人に対する対面販売等によって情報を提供し、顔を見てこれはいい物だ、こういうふうに食べればいいというようなことを言いながらやってきた従来型の小売屋さん、あるいはそれにつながる卸さん、こういうものも新しい方向を目指して自分たちで生きていく道を考えていかなくちゃならない。そのためにはどういう支援措置があろうかということで考えたのがこの四つの形にあらわれた事業でございます。
 したがいまして、これは非常に複雑な流通業界に対する一〇〇%の回答になるものじゃないと思いますが、当面行政的に考えられる手法としてはこの四つぐらいの切り口といいますか、手法で取り組んでいきたいというふうに考えているわけでございます。
#171
○橋本孝一郎君 いろいろな種類、形態がありますから一律的にはいかないと思いますけれども、いずれにしても、そういう合理化というものは業界そのものじゃなくて、消費者なりあるいは生産者、その取り巻くそれぞれの利益者というんでしょうか受益者というんですか、それらのニーズ、要求によって変えていくということも利用しなきゃなかなか変わっていかないと思うんですね、古い伝統とか特殊性というものは。
 そういう面において一つの方法として、最近食品価格の高水準な推移にもかかわらず流通コストが高いため食糧費最終支出に占める農家の手取りはその割にふえておらない。そこで流通コストを省略して、農家が直接小売業者や消費者に新鮮な生産物を届ける方式としていわゆる産直方式というのが言われておりますけれども、従来、産直方式に対しての支援措置はほとんどなかったわけでありますが、今回は食品生産販売提携事業として産直方式に対して初めて法的な金融措置が設けられました。これは産直方式の定着に対する条件整備として結構なことでありますけれども、今回、制度が設けられた趣旨及び従来の市場流通を基本とした考え方と変更あるのかどうか、この点ひとつお伺いしたい。
#172
○政府委員(馬場久萬男君) 食品生産販売提携事業は、おっしゃるように近年におきます消費者ニーズの多様化、高度化と、これに対応する高品質のものを提供したいという生産者との間を結びつけるものでありますが、これは必ずしも卸売市場外の流通というふうに限ったわけではございませんで、市場におきます高度化利用等の施設とリンクすれば市場を経由することも可能なわけでございます。この事業を行うことは今言ったような時代の要請にかなうものというふうに考えております。
 しかし、一方で、我が国の食品流通というのはやはり基本的に鮮度志向がありまして、むしろ最近それが助長されているということがございますし、また多品目かつ非常に大量の生鮮食料品が全国から集まってきて、それがまた分かれていくという意味での卸売市場の物流の拠点としての有効性、効率性というのは今後とも変わらないだろうと思っております。大手の小売店や外食チェーンなども産直ルートを開発すると言いながらも、一方ではリスクの回避あるいは経費の固定化を防止するという意味で卸売市場を利用するということをむしろ積極的にしているわけでございます。そういう意味で今後とも生鮮食料品の流通の主流といいますか、メーンシステムとしての卸売市場の役割というのは変わらない、また、私どもはそれを今後とも適正な機能が果たせるようにしていかなくちゃいかぬと思っております。
 そういう意味では従来からの卸売市場流通を基本とするという点に変更はないわけでありますが、最初に申しましたように、消費者のニーズあるいは生産者の希望ということもありまして、新たにこういう生産販売提携事業を支援していくということにしたわけでございます。
#173
○橋本孝一郎君 じゃ行革の立場からちょっとお尋ねしたいんですけれども、これ大臣なのかわかりませんが、今回大臣、食品流通の構造改善の目的を促進するための機構として、現在の改善協会を衣がえしてやられるということでございます。それも結構でありますけれども、当然社団法人から財団法人に変更して、参加者というんでしょうか、構成する人から出資を受けることになると思うわけですが、どこからどのようにその基本財産を集めるのかということが一つです。
 行革の立場からいきますと、最近いわゆる公団だとか事業団といった特殊法人の新設ができなくなりましたので、そこで考え出されてきたのが財団法人とか社団法人なんでありまして、決してこれは天下り先の確保という目的ではないことはわかっておりますけれども、基本財産の出資も民間にしてみれば大きな出費につながるわけでありまするし、今度の機構がこれからも役割を果たしていくために民間活力を利用して目的を達成するよう期待するわけでありますけれども、目的達成に対して大臣の御所見をひとつお伺いしておきたいと思います。
#174
○政府委員(馬場久萬男君) 大臣へのお尋ねでございますが、基本財産の集め方という御質問がありましたので、ちょっと私から事務的に御説明しますと、食料品流通改善協会は現在四十団体ほどがメンバーになった社団法人でございます。これを財団法人に改組するとした場合に、その財団として活動するに必要な基金は主としてやはり現在の食料品流通改善協会のメンバーになっている団体等に協力を求めるということが主だと思いますが、ほかにもこういう食品流通の構造改善について協力しようというものがあれば、これはそこに基本財産を形成するのに協力をしていただいてよろしいかと思っております。
 いずれにしても、財団ということになりますから、拠出したことが直接、拠出した人の意向を反映するということよりは、むしろ新しい財団がそれを基礎に民間の活力を利用して自由に仕事ができるようにしたいと思っております。
#175
○国務大臣(近藤元次君) 行革の観点から見て、特殊法人や認可法人というのは大変厳しい規制を受けておるわけでありますけれども、そういうことを念頭に置いて今回の機構をつくったわけじゃございませんで、私はむしろ社団法人の食料品流通改善協会というふうなものが存在をするわけでありますから、これをさらにせっかくの、先ほど局長からもお話がありましたし、大渕委員からも質問がございましたように、もう既にここに協力をしておる団体も存在をするわけでありますから、そういうものをまたさらに有効に活用させていただいて、新しい機構をつくるよりもその方がむしろよかろう、社団法人よりは財団法人にして、こういう零細、中小の業者がたんさん集まっているときに、余り厳しい監督や指導という特殊法人よりはむしろ民法の方がかえって運用しやすいのではないだろうかということを私自身が考えておるものですから、こういうことで採用させていただきたいと思っておるわけであります。
#176
○橋本孝一郎君 ちょっと専門的な分野に入りますけれども、有機農業についてちょっとお尋ねしてみたいと思います。
 有機農業は化学物質を多用する、多量に消費する近代農業の不安と批判から生まれまして、生産者と消費者が提携して健康な食生活に取り組む運動という形で展開してきました。発足当初は必ずしも順調ではありませんでしたけれども、最近社
会的にその安全性と環境問題が評価されまして、ちょっとした今ブームにもなりつつあると思うんです。生協と農協の提携による有機農産物の供給活動もふえてまいりました。産直だけでなく市場流通も増大しつつありまするし、スーパーやデパートでも有機農産物コーナーを設けているところが多くなってきております。しかし、公正取引委員会の調査によりますと、三、四年前から市場に入荷する青果物の二割ないし四割に偽りの表示がある旨の指摘もなされました。
 そこで、消費者が正しく購入できるように欧米先進国並みの厳しい有機農産物の基準をつくって、それに合致したもののみ有機栽培あるいは無農薬の表示ができるようにすべきではないかと考えますが、聞くところでは、生態系農業連絡協議会、これは農協、地方自治体、流通加工等の百六団体で構成しておりますけれども、がさきに栽培基準を定めたようでありますが、これはまだ欧米先進国に比べて非常に甘いという批判があります。
 また、昨年秋成立したアメリカの一九九〇年農業法に、有機農産物国定基準が盛り込まれました。その内容は、化学肥料や農薬、未完熟厩肥の原則使用禁止などの罰則つきの大変厳しいものであります。これら諸外国の基準と日本の基準の基本的違いについてひとつお伺いしたい。
 また、国内基準は現在のままでいいのか、またなぜそう考えるのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
#177
○政府委員(安橋隆雄君) 有機農業でございますが、先生今御指摘のように、化学肥料だとか農薬を使用するという現行の農法に対しますアンチテーゼとして生まれてきたものでございまして、現行農法にない長所を有していることは御指摘のとおり事実でございますが、同時に短所も数多くあるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、これが現行農法にかわって新しく我が国の農法の主流になるとはちょっと考えにくいところなんでございますけれども、しかし現実に有機農法は御指摘のような多様な消費者ニーズに支えられまして行われていくものであるというふうに認識しておりまして、行政の側としてもこれに対して支援をしていく必要があるのではないかと、まず基本的に考えているところでございます。
 有機農法につきましては、我が国におきましては、一九二〇年代から行われておりました欧米の歴史に比べましてまだ非常に新しくて、昭和四十年当時から行われ始めたというふうに承知しているわけでございます。
 そういうこともございまして、我が国の有機農法に対します考え方が非常に幅があるということで、ただいまも申しましたように、欧米では農薬なり化学肥料を使わないというような意味で有機農法というのが使われているわけでございますけれども、私どもの承知している限りでは、日本におきましては幅がございまして、個々の消費者と生産者が特別の栽培提供関係というような形で行われておりますものにつきましては、欧米と同じように農薬を使わない、化学肥料を使わないというようなものもございますが、一般の流通を前提としたような基準におきましては、もちろん農薬、化学肥料を使わないというような基準もありますが、それと同時に、それと並びまして減農薬、減化学肥料というようなものも含んでいるわけで、そういう意味では、日本の有機農法を考えるにつきましての考え方が幅があるということが言えるのではないかというふうに思っているわけでございます。
 このように我が国では人によってこの有機農業に関します考え方が非常に分かれているわけでございますけれども、一方におきまして、消費者の方でどのような栽培がされた農作物であるかということがわからないというようなこともございますので、そういった消費者に対しまして的確な情報を提供するということも必要であろうということで、私どもといたしましては、有機農産物の生産なり流通なり、あるいは消費なりにつきましての実態調査を進めるとともに、今先生おっしゃいました基準につきましても関係団体なり学識経験者などから成ります委員会にお諮りして、そういった方々の意見を十分にお伺いしながらそのあり方につきまして検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#178
○橋本孝一郎君 じゃ、最後になると思います。
 まさに、つくったものを売るのじゃなくて、売れるものをつくるという代表的な一つの品種だと思うんです。これからもできれば、理想ですけれども、こういう生鮮食料品にそういうものを求めるのは非常にやぼなことかもしれぬけれども、これからは物をつくる、いわゆる情報が財をなしていくという時代だと思います。また、事実それが可能なような技術革新が行われつつある現在であります。ですから、自由な市場を生かして、そして計画性を持った生産とそれから消費までの計画性、それが私はできると思う。しかし、それは自然現象等も影響がありますから難しいでしょうけれども、これからのいわゆる情報収集能力といいましょうか、機能からいけば、私はそういうものにだんだん近づいていけると思います。
 そういう意味においての農協の役割になるかどうか知りませんけれども、情報提供者というものが明確でない。できればこういう情報収集、生産への提供というものをぴしっと一貫してやっていって、そして自由市場へ生かしていけば、生産者に対する適当な報酬、そしてできるだけ流通合理化を行った上での中間マージンを省略しながら、大臣のおっしゃられるようにこれを省略してできるだけ消費者に安く提供していくということは、これからの技術、高度な情報化時代の中で私はだんだん可能になっていくと思う。そういうものを追求していく一つの機構というものがあってしかるべきじゃないか、こういうふうに常に思うわけですけれども、そういう点についてのお考えがあったら大臣にひとつお伺いしたいと思います。
#179
○国務大臣(近藤元次君) もうどの世界においても、今情報化の問題というのは大変重要な役割を持つようになってまいりました。私ども、これから卸売市場においてもある意味でのその接点になっておるわけですから、これが分水嶺になって生産と消費に流れていくわけでありますので、ここに情報というものを集積して全国にネットワークを持つということは大変大事なことでなかろうか、こう思っているわけであります。また、別の意味で地域における消費動向についても、小売に至る関係の情報というのもまた必要になってくるだろうと思いますので、あらゆる面で、情報という分野は郵政省が所管をいたしておるわけでありますけれども、今後とも人事交流などを含めてそ
ういう知識を農林水産省も持つことが大切だと思っておりますので、そういう準備をさせていただきたいと思っております。
#180
○橋本孝一郎君 終わります。
#181
○喜屋武眞榮君 私は忘れないうちに大臣にまずお聞きしたいことがございます。
 実はおととい、ある場所でこういう話を聞きました。きょうの委員会とも無縁ではないと思っておりますので……。二十世紀の人類は主として陸上に産する資源を食べて生きてきた。二十一世紀に向けての人類は海洋資源を食べて生きなければいけない、こういう方向になりつつある。おもしろいなと思って実はおととい聞きまして、このことに対して大臣の私的見解でも結構でありますからお聞きしたい。
#182
○国務大臣(近藤元次君) 大変高度の質問で、実は質問を必ずしも理解したかどうかわかりませんが、食料品として陸上資源にかわって海洋資源が対応できるかどうかということ自身も、私は即座に回答できるような準備はございませんけれども、二百海里以来今日まで、少なくとも当時はこの狭い国土に二百海里、四方海の中で我が経済資源区域ができたといって一面では喜んだ人もたくさんいるわけでありますが、今日まだ二百海里内の資源調査というようなものが十分ではないと私も理解をいたしておるわけであります。
 そういう意味合いで、世界に認知をされて世界
のあらゆるところで関心が高まっておる日本型食生活の一つはお米と魚の分野ではないか、歴史的にそう思っておるわけであります。動物性たんぱく質についても、魚の方が医学的にすぐれておるというようなことも発表されておるわけでありますから、そういう意味での水産とあるいは健康というような面を考えて、食生活に対して二百海里内の資源調査をしていくということは積極的に進めていきたいと思うわけであります。その調査研究の結果、陸上の食糧に水産がかわり得るかどうかということは、私の知識じゃどうも即座に回答する能力がございませんので、また改めて先生から御指導をいただければありがたい、こう思っております。
#183
○喜屋武眞榮君 時間も短うございますので、沖縄における立ちおくれの流通機構の問題も、その体制の整備が大変立ちおくれた。しかも多品目、少量生産が一般的であることなどのために、例に漏れず個人出荷による相対取引が中心であった、その結果大量の規格品の流通が困難であることと公正な価格の形成が期待できなかった、こういう問題を担ってきたわけであります。
 そこで、その解決策の一つとして昭和五十九年三月三十一日に沖縄県中央卸売市場が開設されて、同年の四月十七日に業務が開始された経過がございます。したがって、その卸売市場の運用の状況やあるいは課題等について御指摘いただきたいわけでありますが、その問題点の解決をどのように考えておられるのかお聞きしたい。
#184
○政府委員(馬場久萬男君) 沖縄県の青果物の流通につきましては、おっしゃるようにそれまで民営のマーケット的なものがあったわけですが、五十九年の春に沖縄県中央卸売市場を開設いたしたわけでございます。
 数字で見ますと、開設前の昭和五十八年にそこで商いが行われました金額は五十五億円、数量が二万三千トンというものでございましたが、開設直後の五十九年にはそれが七十三億円、三万八千トン、金額ベースで三二%増、数量ベースで六〇%増というふうになったわけでございます。さらに、その後飛躍的に伸びを進めておりまして、平成二年度には取扱金額が百四十五億円、数量で五万六千トンというふうになりまして、開設前の金額ベースで二・六倍、数量ベースで二・八倍というふうに伸びております。
 また、その取引の仕方も従来は相対取引が主でございましたが、五十九年開設後に競り売りの取引が非常に増加いたしまして、五十九年度には競り売りが八四%、相対取引が一六%というふうに完全に逆転をしたわけでございます。その後若干競り売りの比率は下がっておりますが、大勢としては公開の価格形成の場を設け、そこの扱い量も金額もふえ、また競り販売が原則として定着するということになっていると思います。したがって、この卸売市場の開設自身は当初の目的を果たしたというふうに思っておりまして、今後ともその発展を願っている次第でございます。
 なお、沖縄におきます生鮮食料品の流通の問題で特に問題なのは、卸売市場のほかにつながる小売業者の問題がございまして、これは非常に零細な小売業者の方が多数ありまして、またそれがばらばらにお仕事をしておるという点で今後の課題であろうかと思っております。
#185
○喜屋武眞榮君 沖縄の人間は非常に生活力は旺盛、たくましいというわけでありますが、ところが戦争の傷跡が余りにも深かったためにまだ立ち上がりが遅いわけであります。沖縄県では青果物小売業者の大部分は従来から慣例として小売市場などにある建物の一部を借りて営業する零細な店舗、いわゆるテナント店ですね。そのために、多様化する消費者ニーズに的確に対応するのが困難な場合も多く、仕入れの共同化などによってコストの削減を図ることが必要であると思われます。このような沖縄県の青果物小売業者の経営体質を何としても脱皮、強化しなければいけないと思いますが、政府はどのような施策を講ずる方針であられるか、お聞きしたい。
#186
○政府委員(馬場久萬男君) 御指摘のように、沖縄県におきます青果物の小売商の体質は、公設市場等の店舗を借りて営業するという形が多うございまして、その商業のあり方も非常にばらばらだということでございまして、これを何とか個性と活力のある小売業として発展させることが必要だろうと思っております。
 今回、私ども提案いたしました食品流通構造改善促進法が成立いたしますれば、この中にあります食品販売業近代化事業あるいは食品商業集積施設整備事業、これらの事業を活用して、沖縄におきます青果物小売業の体質の強化あるいは経営の近代化ということに資することができるのではないか、それによりまして一定の施設で特色のある品ぞろえをし、またいろいろな消費者に対するサービスを充実させるというようなことも可能になるんではなかろうかというふうに考えております。
#187
○喜屋武眞榮君 次に、法改正で避けて通れない問題は、私は農薬の問題と添加物の問題だと思っております。この農薬や添加物の使用状況の表示について、厚生省あるいは農水省、それぞれの理由があられるかしれませんが、どちらかというと消極的であられると私は思っております。そのような態度では、消費者の切実な要望に背を向けることになるわけでありますので、そこで私は提言したい。農薬や添加物の使用状況の表示について、厚生省と協力して、あるいは農水省単独でも結構でありますけれども、実現すべきであると考えておりますが、御決意のほどいかがでしょうか。
#188
○政府委員(馬場久萬男君) 農薬と添加物と二つの表示の問題がございましたが、添加物の方は、先生御案内のとおり、我々加工食品につきましてのJAS規格あるいは品質表示基準等におきまして原則としてすべてその表示をするように義務づけているところであります。また、厚生省におきましても、食品衛生法に基づきます添加物の表示につきましては、本年七月一日から、いわゆる天然の添加物も含めましてすべてを全面的に表示させるということになってきているわけでございます。
 問題は農薬でございます。農薬は栽培中に使用をする場合にその使用基準等が決まっておりまして、いわゆる残留農薬基準というようなものが設けられておりまして、残留をして消費者にとって悪影響のないようにということで使用の基準を決めているわけでございます。その使用基準に従って生産がされているという前提で、農薬についての表示については生産された食料品について現在表示をすることはしておらないわけでございます。
 これは、使用状況を食品に具体的に表示させるということにいたしますと、その表示が正しいかどうかということを、残留していないという形で使用しているものですから、技術的に確認することが非常に難しい。また表示義務者になる、普通食品をつくる場合は製造業者です、それとその原料を供給した生産者との関係、農薬の使用状況等について的確に把握することが難しいということもありましてなかなか困難ではないか、こういうふうに考えます。
#189
○喜屋武眞榮君 今私が申し上げたのは単なる思いつきじゃありません。沖縄県民はもちろん、農民はもちろん、消費者ももちろん、国民ももちろん切実な要望であります。困難であることは不可能とは違います。国民的要望に対しては、どんなに困難であろうがこたえてもらう義務があると私は思っております。ぜひ安心して納得することのできるようにひとつこたえてもらいたい、対応してもらいたい、よろしいですか。
#190
○政府委員(馬場久萬男君) 農薬についての表示は、先ほど申しましたようになかなか技術的に内容を確定し、表示させるということが難しいという状況にございます。先生のおっしゃるように国民的な関心が非常に高いことは私どもも十分承知しておりますが、やはり表示をさせるということになりますと、そのことについてきちっと確認ができることでないといかぬという面がございます
ので、現在の技術水準の段階ではなかなかこれを食品に、それを生産する段階で使った農薬について表示をさせるということは難しいというふうに考えております。
#191
○喜屋武眞榮君 今お答え願いたいという強要をしておるのではありませんが、国民の声を、県民の声を私は率直に提起しただけです。それにこたえてもらう誠意と熱意と努力、決意さえあれば必ずその結果は生まれてくると思います。それを示してもらいたいということなんです。こたえてもらいたいということなんです。努力してもらいたいということなんです。よろしいですか。そういう意味で期待いたしております。
 今、全国的にも問題になっておるゴルフ場と農薬の問題も大きな問題になっておることは御存じだと思います。それはきょうは触れません。
 それでは、農水大臣に次のことを申し上げたい。
 本法案は、消費者より生産者に重点を置いているとの批判もあるが、農水省が食品流通部門全体について立法した初めての法律であって、食品流通基本法であるとの評価もございます。しかし、例えば農業基本法が家族農業経営の発展とか、あるいは自立経営農家の育成とかといったような目標を示しているのと比較しますと、本法案では今後の食品流通政策の基本方針が明らかにされておりません。不十分であるということなんです。したがいまして、将来的には法律の中にこの基本方針を明示すべきであると思われますが、とりあえずこの場で今後とろうとしておられる食品流通政策の基本方針を明示していただきたい。
#192
○国務大臣(近藤元次君) 今回の法案について生産者、消費者あるいは流通段階で生産者に偏り過ぎているという御批判があるというようなことで御質問がございましたけれども、私は、生産者から消費者に至る各段階でやっぱり合理化できると言えばコスト引き下げをするということと、生産者は、合理化の中には高齢者であったりあるいは後継者であったりという環境整備も含めて、労働環境を含めて合理化をしていかなきゃならぬとい考え方に立っておるわけでありますし、流通問題というのは多段階であるということが国際的に見て言われておるわけであります。
 この辺を高度化するということは、小売あるいは流通段階でも品質を保持していくということが消費者ニーズにこたえることにもなるわけでありますから、卸売市場はそれなりに卸売市場法によって対応していかなきゃなりませんけれども、そういう流通段階の問題もひとつあわせて考えて、消費者、小売段階では先ほどからいろいろ質疑のあるようなことで対応していきたいと思っておるわけであります。
 もちろん基本方針はこの法律ができたら半年以内ということでありますけれども、私は少なくとも可能な限り早く基本方針を出していきたい、こう考えておるわけでありまして、種々また先生方から御議論いただいたことも踏まえながら基本方針を法律成立後策定させていただきたいと思っておるわけであります。
#193
○喜屋武眞榮君 時間も迫りましたので、大急ぎで最後のお尋ねをいたします。
 この構造改善事業を実施する際の留意点について、四つの構造改善事業は食品流通業と外食産業を主に融資と税制の面から支援する事業であるが、スーパーやデパートなどの大企業をその対象から排除していない。しかし、事業の共同化や店舗の集中化などを図る事業であることから判断すると、スーパーなどにはこれを利用するメリットが少ないので、主に中小の小売店を対象にした事業であると考えられます。
 しかし、この四つの事業は多くの問題を抱えていると思われる。例えば、現在スーパーが試行錯誤を重ねている中で、小売店を現在のスーパーの水準に近づけようという効果にとどまるものであって、その効果は限定されているのではないかとか、あるいは消費者が求めているものの一つはそれぞれの店舗ごとの個性であるが、ややもするとその個性を少なくしかねないという危険性があるのではないのかとか、また、スーパーなどを利用することの多い若者をこれらの小売店に引き戻せるのかなどといった点などの問題を抱えていると思われるというんです。したがいまして、どのようなことに留意して四つの事業を実施していく方針なのかという点についてお伺いしたい。
 これで私の質問を終わります。
#194
○政府委員(馬場久萬男君) この法律案によります構造改善事業は、食品の小売店をスーパーに近づけるというわけでございませんで、むしろ食品の小売専業店が従来からの最寄り当用買いという日常性の強い食品を一般消費者に販売していく場合に、その中心である生鮮食料品を主として、価格なり鮮度なり品質なりサービスの面でそれを大型店に対抗して競争力を持つように、個性と活力のある専業店を育てていきたいというふうに考えている次第でございます。
 したがいまして、この法律に基づきます食品販売業近代化事業、あるいは商業集積施設等におきましても、あくまでも個々の店舗の持っている個性をむしろ発揮して、先生御指摘のような若い消費者にも十分利用してもらえるような店舗づくりを進めてまいりたいと思っております。
#195
○委員長(吉川博君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#197
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。 食品流通構造改善促進法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#198
○委員長(吉川博君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、細谷君から発言を求められておりますので、これを許します。細谷君。
#199
○細谷昭雄君 私は、ただいま可決されました食品流通構造改善促進法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   食品流通構造改善促進法案に対する附帯決議(案)
  食品流通部門を取り巻く情勢は、消費者ニーズの多様化・高度化等著しく変化しているが、食品流通部門を担う食品販売業者の多くは、流通コストの増高、高齢化、後継者難等の諸問題を抱え、情勢変化への対応が立ち遅れている。
  よって、政府は、食品流通部門の構造改善を促進し、もって消費者利益の増進と農林漁業の振興に資するために必要な施策を総合的に推進するとともに、本法の施行に当たり、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。
 一 基本方針の策定に当たっては、生産から消費に至る食品流通の実情を適確にとらえ、その流通の効率化及び合理化等を通じ、流通コストの低減と消費者ニーズへの適合に資することを基本とし、流通関係者、とりわけ小規模小売業者の意向が十分反映されるものとなるよう留意すること。
   また、基本方針は、構造改善事業が速やかに実施できるよう早急に策定すること。
 二 構造改善計画については、食品販売業者、卸売市場開設者等によるその作成が、本法の趣旨を踏まえ、円滑かつ適切に行われるよう必要な援助等に努めること。
 三 構造改善事業の円滑な実施を図るため、食品流通構造改善促進機構については、その指定の趣旨、業務の性格等に即し、民間法人と
しての機能が十分に発揮できる組織となるよ うにすること。
 四 多面的機能を有する食品流通審議会の構成については、委員の任命に配慮し、審議会の公正かつ中立な運営が行えるよう万全を期すること。 五 構造改善事業の実施者に対する農林漁業金融公庫等からの融資については、所要の資金枠の確保、食品小売業等の経営の実情に即した適確な貸付け、事務手続の簡素化等本資金制度の有効かつ適切な運営が行われるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#200
○委員長(吉川博君) ただいまの細谷君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#201
○委員長(吉川博君) 全会一致と認めます。よって、細谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、近藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。近藤農林水産大臣。
#202
○国務大臣(近藤元次君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#203
○委員長(吉川博君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#204
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#205
○委員長(吉川博君) 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。近藤農林水産大臣。
#206
○国務大臣(近藤元次君) 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 競馬は、大正十二年の旧競馬法の制定以来、その益金により、国及び地方公共団体の財政に寄与するとともに、畜産業の振興に多大な貢献をし、また、国民に大衆レジャーの場を提供してきたところであります。
 最近の競馬をめぐる事情を見ますと、ファンの数が大幅に増加し、売り上げ規模も飛躍的に拡大するとともに、若年層や女性層において人気が高まるなど、質的に変貌を遂げつつあり、その経済的、社会的位置づけは相当に大きなものとなっております。
 このように、国民の中に広がりつつある競馬に対する理解と信頼をますます強固にするためには、ファンはもちろん国民各層からの種々の要請に適切に対応することが重要となっております。
 このような競馬を取り巻く状況にかんがみ、競馬の長期的に安定した発展を確保するため、今後も競馬が公正に実施されていることについて国民の信頼を得るとともに、競馬の実施によって生ずる益金を国民の利益に資するよう有効に活用すための措置等を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、競馬法の一部改正についてであります。 第一に、競馬の公正確保の強化を図るため、馬主の登録制度並びに調教師及び騎手の免許制度を改善することとし、馬主登録の要件を省令でよりきめ細かく定めることとするとともに、馬主登録の抹消規定並びに調教師及び騎手の免許の取り消し規定を追加することとしております。
 第二に、地方競馬の円滑な実施等を図るため、地方競馬主催者が、他の都道府県における地方競馬主催者に対して競馬の実施に関する事務を委託することができることとするとともに、地方競馬主催者が地方競馬全国協会に交付する交付金の額を経済事情の変化等に応じて見直すこととしております。
 第三に、社会経済事情の変化に対応するため、中央競馬の競馬場及び開催の規定、特別登録料の規定等諸規定の整備を行うこととしております。
 次に、日本中央競馬会法の一部改正についてであります。
 第一に、日本中央競馬会が行う馬主登録等がより公正に行われるよう審査するため、農林水産大臣が任命した委員から成る審査会を日本中央競馬会に設置し、馬主登録等を行おうとするときは、審査会の意見を聞かなければならないこととしております。
 第二に、日本中央競馬会の剰余金を有効に活用するため、日本中央競馬会が、畜産振興事業等について助成することを業務とする法人に対し、必要な資金を交付する業務を行うことができるようにするとともに、この業務の経費及び競馬場の周辺地域の住民の利便に供する施設の整備その他の競馬の健全な発展を図るため必要な業務の経費に充てるため、今後生ずる剰余金を原資とした特別振興資金を設けることとしております。
 第三に、畜産の一層の振興を図るため、国庫納付金の使途として、営農環境の整備または農林畜水産業に関する研究開発であって畜産の振興に資するものに必要な経費を、追加することとしております。
 最後に、附則において定める措置であります。
 競馬の健全な発展のためには、競馬ファンの支持が必要不可欠であることから、ファンサービスの向上の一環として、日本中央競馬会は、当分の間、剰余金を原資として、一定の勝馬投票法の勝馬投票的中者に対し、一定の金額を交付することができることとしております。
 また、地方競馬主催者も、その競馬事業の収支の状況から見て競馬の円滑な実施に支障がないと認められるときには、同様の措置を講ずることができることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#207
○委員長(吉川博君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ─────────────
#208
○委員長(吉川博君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#209
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#210
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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