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#1
第120回国会 農林水産委員会 第10号
平成三年四月二十四日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川  博君
    理 事
                青木 幹雄君
                北  修二君
                谷本  巍君
                細谷 昭雄君
                井上 哲夫君
    委 員
                大浜 方栄君
                鎌田 要人君
                熊谷太三郎君
                鈴木 貞敏君
                高木 正明君
                成瀬 守重君
                初村滝一郎君
                星野 朋市君
                本村 和喜君
                大渕 絹子君
                菅野 久光君
                三上 隆雄君
                村沢  牧君
                猪熊 重二君
                刈田 貞子君
                林  紀子君
                橋本孝一郎君
                喜屋武眞榮君
   政府委員
       農林水産省畜産
       局長       岩崎 充利君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        片岡  光君
   参考人
       日本中央競馬会
       理事長      渡邊 五郎君
       地方競馬全国協
       会会長      大場 敏彦君
       日高軽種馬農業
       協同組合組合長
       理事       増本 一男君
       作     家  佐藤 早苗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案につきまして、お手元の名簿にございます参考人の方々から御意見を拝聴いたしたいと存じます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところを本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。
 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお伺いいたしまして、今後の本法律案の審査の参考にさせていただきたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、これより御意見をお述べいただきますが、あらかじめ議事の進め方について申し上げます。
 御意見をお述べいただく時間は、議事の都合上、お一人十分以内とし、その順序は、渡邊参考人、大場参考人、増本参考人、佐藤参考人といたします。参考人の御意見の開陳が一応済みました後で、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 それでは、渡邊参考人からお願いをいたします。渡邊参考人。
#3
○参考人(渡邊五郎君) ただいま御指名をちょうだいいたしました日本中央競馬会理事長の渡邊五郎でございます。
 参議院の農林水産委員会におかれましては、かねてより私ども中央競馬に対しましても格別の御配慮を賜っております。心から感謝を申し上げ、お礼を申し上げます。
 本日は、当委員会に付託されておりますところの競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の御審議に関連いたしまして、意見を述べる機会を与えていただきましたことについても厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 意見を申し述べます前に、私ども中央競馬の概況につきまして若干お話をさせていただきたいと存じます。
 競馬会では、平成二事業年度、これは一月から十二月を事業年度といたしておりますが、認可を受けました事業計画に基づきまして三十六回の開催、一開催は八日間、原則として土曜、日曜の施行といたしております。延べ二百八十八日間の競馬を予定どおり施行いたしました。中央競馬の一年間の出走実頭数は六千六百八十頭、延べにいたしますと出走頭数は三万八千三百九十七頭で三千三百五十三レースを行ったわけでございます。
 その結果でございますが、勝馬投票券の売り上げにつきましては当初の見込みを上回る三兆九百八十四億円余となりまして、これは対前年比で一二一%となっております。競馬場への入場者の方も千六十八万七千三百四十四名と、これも対前年比で一一六%の伸びとなっております。また、場外発売所や電話投票等で楽しまれる方も合わせますと、中央競馬への参加人員とでも申しますかこれらの方も前年に対比いたしますと一一二%となっております。特に、最近では女性のファンがふえられまして、入場者の一割程度にも及びまして、幅広く国民的な人気を得たレジャーとなってきているのではないかと思われる次第でございます。
 なお、先ほど申し上げました売り上げ、私ども売得金と申しておりますが、この金額三兆九百八十四億円ということで、国庫に対しましてまず第一国庫納付金は三千九十八億円、決算後の剰余金からの第二国庫納付金は九百五十四億円、合わせまして四千五十二億円を国庫に納付いたしているところでございます。
 御案内のとおり、日本中央競馬会は、中央競馬を施行する団体といたしまして昭和二十九年に設立されたものでございますが、中央競馬は他の公営競技と異なりまして、競走馬という動物を媒体といたします競技でございます。そうした点におきまして、ファンはもとより馬主、調教師、騎手、厩務員、さらに間接的には軽種馬の生産者まで含めました数多くの関係者の円滑な参画が得られて初めて成り立つ競技でございます。そして馬主を初めこれらの関係者の参入につきましては、公正確保の観点から競馬会が行う登録、免許あるいは承認といった形での資格審査等を受けております。平成二年十二月末現在におきまして、馬主の総数は二千九百四十一名、そのうち法人馬主は三百五十七でございますが、これは五年前に比べますと四百八十七名、約二割の増加になってきております。
 調教師につきましては、二百二十二名、また騎手の方は二百八名となっております。調教師、騎
手の方はトレーニングセンター、これは東西にございますが、トレーニングセンターを設けまして、そこでの一定期間の調教を義務づける、いわゆる内厩制度と私ども呼んでおりますが、こういう制度をとっておりまして、厩舎数も一定でございますので、馬主数のように増加はいたしておりません。なお、このほかに調教助手六百八十九名、厩務員が二千二十三名在籍しております。以上が私どもの概要でございます。
 さて、競馬法及び日本中央競馬会法につきまして、競馬会といたしましても施行者の立場から所要の改正の要望をいたしたいと考えておりまして、先般の農林水産省の競馬に関する研究会におきましては、私どもの方からも委員を出させていただきまして、四つの点について要望を申し上げました。まず一つは、競馬施行上の基本であり、また最重要課題であるところの公正確保のための措置でございます。第二は、特別登録料の増額や競馬場の指定等情勢の変化に対応した競馬の施行条件の整備でございます。第三点としまして、競馬会の増大する業務を適切に処理していくための組織の拡充でございます。第四点として、剰余金の発生状況から見まして、これをファン対策等に活用する点、この四点を中心に意見を申し上げさせていただきました。
 今般の法改正につきましては、研究会の報告の趣旨を踏まえまして御検討がなされたと伺ったところでございます。私どもの要望もそうした点についてくみ上げられたと考えておりますが、まず、競馬の使命である公正の確保につきまして、今後とも国民の信頼が得られるよう馬主の登録要件の厳格化を図りますこと、また、競馬会が行います馬主登録や調教師、騎手の免許について、より一層の客観的、中立的な手続をもちまして公正な審査が行われるような仕組みとして審査会を設置することが盛り込まれております。
 また、従来剰余金につきましては、その二分の一を国庫納付金として納付しまして、残りの二分の一はすべて特別積立金として積み立てられることとされてきましたが、最近の業績を背景といたしまして特別積立金が相当の水準になりつつある状況でございますので、今後は剰余金の一部を活用したファン対策、これは改正案では、特別給付金の交付もそうでございますが、競馬場周辺の環境整備とか厩舎関係者の福利厚生等、さらに競馬の目的の一つでもあります畜産の振興等を競馬会が新たな業務として行うことによりまして競馬の長期的、安定的発展の基礎固めをすることが可能となるのではないかと受けとめているところでございます。
 特に、剰余金活用の一環としての特別給付金の交付につきましては、当分の間の措置ではありますが、単勝式、複勝式について配慮するということとなっております。この点はファンから強い要望のあったことでもありまして、ファンサービスの向上という観点からも、私どもといたしましてはぜひとも実現していただきたいところでございます。
 なお、かねてからの懸案でありました特別登録料の改定等も行われるよう措置されておりますし、競馬会におきましては、最近、業務量が大幅に増加いたしまして、また、業務内容も急速に質的な変化、高度化をしていく中にありまして、執行体制の整備強化がどうしても必要となっておりましたところ、改正法案では理事の増員を図っていただいておりまして、これで何とか円滑な事業運営体制が確保され、一層の業務の改善にも努めてまいりたいと考えている次第でございます。
 私どもといたしましては、この改正法案が実現されますならば、これを支えといたしまして、業務につきましてもその適正、厳格な執行に最大限の努力を傾けまして、また公正にして内容の充実した、ファンの皆様に喜んでいただけるようなレースを提供し、さらに勝馬投票券の売上収入を通じまして国家財政にも寄与していくという役割を果たしてまいる所存でございますので、改正法案を速やかに御決定いただきますことを心からお願い申し上げて私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。
#4
○委員長(吉川博君) ありがとうございました。
 それでは、次に大場参考人にお願いいたします。大場参考人。
#5
○参考人(大場敏彦君) 地方競馬全国協会会長の大場でございます。
 私は、地方競馬側を代表する立場から参考人として意見を述べさせていただきますが、この機会を与えてくださいましたことにつきまして厚く御礼を申し上げる次第であります。
 まず、地方競馬の現状でございますが、地方競馬全体の売得金は昭和五十五年の七千九百七十三億円をピークとしてその後毎年減少いたし、昭和六十年度には五千七百七十六億円まで落ち込み、単年度収支が赤字となった主催者が十二団体もございました。その後、好景気が続いたこともありまして、翌昭和六十一年度から徐々に回復してまいりまして、平成二年度には九千四百九十三億円と、これまでの最高の売得金額を記録することができました。しかし、回復度合いは主催者によってまちまちであり、平成元年度においてもいまだに累積赤字の解消されていない主催者は四団体ございます。
 地方競馬の収支率を参考までに申し上げますと、平成元年度におきましては、二十五主催者の平均で総売得金額の四・九%で、五%未満が十九主催者、五%を超えたのが六主催者ございました。総体的に収支率が低く、経営が不安定になっている要因として考えられますのは、まず運営組織が全国的に一元化されている中央競馬と異なりまして、地方競馬は各地方自治体が主催者となって別個に施行している、いわばユニット経営の形をとっております。このことから、とかく自己完結型運営に陥りがちであり、各場間の交流等による広域的運営に欠ける点があります。
 勢い、レースの番組編成も県域単位の視点からのものが多く、中央競馬のようにクラシック体系を中心として全国的に整備されたレース体系とはかなり異なっております。また、マーケットも原則として県域内、しかもほとんどが競馬場中心であり、広い商圏で売る中央競馬とは大きな差があります。場外発売高の全体に占める割合は、中央競馬の場合八〇%を超えるのに対して、地方競馬は近年急上昇したとはいえ、わずか一八%程度であります。また、施設改善への投資が不十分であり、経営システム、情報提供のほか、ファンサービスの点にも欠ける点があると思います。
 それでは、今後の地方競馬の発展のため必要な措置は何かということでございますが、基本的には、よい環境で、公正でおもしろい競馬をファンに提供するため一層努力することであります。そのためには、まず優秀な経営スタッフの安定的確保が重要であり、また、競馬の施設、環境を現代社会にふさわしい快適なものに整備することが必要であります。さらに、中央と地方及び地方相互間の交流競走を拡大するとか地方競馬における競走体系を整備し、全国的規模のレースを拡大するといった努力が必要であります。また、競馬場中心の発売の現状を脱却して、積極的に場外発売の推進を図ることが不可欠であり、このためには各競馬場を有機的に結びつけた相互場外発売等広域的なネットワークの整備が必要であります。また、ナイター競馬の開催、女性騎手レースの活用等、特色ある競馬を実施する等、地方競馬のイメージアップに資したいと思っております。このほか、各主催者間の連携を深め、相協力して積極的な広報活動を展開することも必要であると思っております。
 当協会の行っております畜産振興事業につきましては、現在、法に基づき一号交付金を各主催者から受け入れ、国及び地方公共団体の畜産振興に関する方針に則して農業協同組合等の団体に補助を行っており、我が国畜産の振興に重要な貢献をしているものと考えております。
 ところで、今回の別表改正案では、第一号交付金の交付金率は低下することになりますが、近年の好調な経済事情に加え、関係者の経営努力をもってすれば売得金の順調な伸びは可能と思われま
すので、当協会の畜産振興事業の実施につきましては支障を来さないよう努めたいと思っております。
 最後に、今回の制度改正につきまして総括的に意見を述べさせていただきますと、競馬の公正確保のための体制整備と競馬収益金の有効活用という基本的趣旨には賛成でございます。また改正案には、地方競馬の発展にとってプラスとなる事項もかなり含まれておりますが、何分、経営基盤の弱い地方競馬は特に中央競馬からの影響を強く受けるという実態にあります。したがって、例えば中央競馬がこの改正案にあります特別給付金を実施する場合には、地方競馬側においても同じように実施せざるを得ないところがかなりあると思われますので、実施を要望する競馬場につきましては、原則として御承認くださることを希望しておきます。
 そのほか、中央競馬との関係につきましては、日本の競馬社会全体の発展のため、両者が共存共栄するよう格別の御指導、御配慮を賜りたいと思います。
 以上で、参考人としての陳述を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#6
○委員長(吉川博君) ありがとうございました。
 それでは、次に増本参考人にお願いいたします。増本参考人。
#7
○参考人(増本一男君) ただいま御紹介いただきました日高軽種馬農業協同組合の組合長の増本一男と申す者でございます。
 本日は、競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の御審議に関連して、競走馬の生産を行う者の立場から意見を述べる機会をお与えいただきましたことにつき深くお礼を申し上げるものでございます。
 現在、我が国において競走馬の生産に携わっている者は全国で約二千四百戸余を数えております。平成二年度においてはサラブレッド種、アラブ種の二品種の競走馬で一万一千七百頭を生産いたし、競馬場裏に資源を提供する役割を果たしております。とりわけ私ども北海道の日高と呼ばれる行政区域内においては、千五百三十八名の組合員農家が九千三百七十一頭を生産いたしております。これは、戸数においては全国の六三%、頭数においては八一%を占めており、我が国競馬の底辺を大きく支えているものというふうに信じております。
 それがために、私どもは常日ごろ競馬の運営に関しては大きな関心を寄せるとともに、関係諸機関に対し生産者の立場よりいろいろと生産振興のためのお願いをいたしてまいりました。そして、それぞれの対策を施していただきながら今日に至っており、このことに対しましては農林水産省、日本中央競馬会、地方競馬全国協会等関係者の方々に対し深く感謝を申し上げるものでございます。
 おかげをもちまして、昨今の競馬の好況に支えられ、私ども生産地も一応の潤いを見ておりますが、過去においては昭和四十年代の競馬ブームの波に乗り生産は急速に拡大し、当時四千六百頭であった生産頭数が昭和四十九年には一万頭を数え過剰の状態に陥り、価格の低迷を招き経営を圧迫するに至り、関係機関の御支援と御指導のもとに二度にわたる生産調整を実施してまいりました。その結果、頭数も一時横ばい状態を続けておりましたが、最近の経済動向の上昇と競馬の繁栄に伴い、再び頭数の増加を示し過剰ぎみとなってまいりました。
 競馬の社会の中において、生産調整はなじまないとの一部の指摘もあり、開催規模の増加が望めない現況の中で、需要関係の先行きに不安を感ずるものであります。さらに国際化の波が押し寄せ、門戸開放についての厳しい要求がなされております。しかし、私ども日高の生産農家ばかりでなく全国の軽種馬生産農家の八〇%以上が飼養規模十頭以下の小規模零細農家であり、経営基盤は非常に脆弱な状態であります。このような状態のもとで良質な外国産馬の参入が急激に行われるようなことになれば、生産地は大きな打撃を受けることになり、私どもにとり死活問題ともなりかねません。こうした現実に立って今後私どもとしては軽種馬生産を振興し強い馬づくりに努力し、水準の高い競走馬を送り出す役割を果たしたいと考えておりますが、そのためにも関係官庁を初め多方面の御援助と御協力が必要であると存じているところでございます。
 具体的に、軽種馬生産の振興を図るためには、生産農家の経営基盤の強化と育成施設の整備、優良種雄馬、並びに種雌馬の導入による血統の改良、人材の養成とその確保、軽種馬改良のためのデータバンク構築とその利用促進、そして競り市場の振興といったことが挙げられると思います。
 こうした中で、今般法律の改正が行われるということでございますが、私ども生産者としてぜひお願いしたいことは、一点目に、軽種馬生産についても、農政上の位置づけをより明確にされ、国際化時代に対応できるよう後押しをしていただきたいと思うものでございます。
 二つ目、今般、国庫納付金の使途が拡大され、また日本中央競馬会に特別振興資金が新設されることになりますが、その大宗が畜産の振興にありますことから、特に軽種馬生産の振興に充当することについて御配慮をいただくことをお願いいたすものであります。
 三点目に、私どもの生産馬の大半は地方競馬で使用されております。中央競馬と地方競馬の共存共栄の姿が生産者の最も大きな望みであり、この両者間の交流と協調がより一層深まる施策の実現を期待するものであります。
 今般の法律改正は、長年の懸案であり、競馬のさらなる発展を目指しての改正であると承知しております。競馬の発展は、その一方において諸外国からの参加要求も高まるとは思いますが、過去十年にわたり中央競馬会が世界に向けてジャパンカップを開催しております。そのいずれの売り上げも、ジャパンカップの前に行われる天皇賞レースやその後に行われる有馬記念レースを勝馬投票券の売り上げが上回ったことは一度もありませんでした。このことは、ファンが望んでいることはより強い国内産馬による水準の高い競馬であることのあかしであると思っております。
 私どもとしては、充実したレースを提供するため世界に通用する強い馬づくりに一層の努力を傾け、競馬の発展のお役に立ちたいと存じておりますのでよろしくお願い申し上げ、私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#8
○委員長(吉川博君) ありがとうございました。
 それでは、次に佐藤参考人にお願いいたします。佐藤参考人。
#9
○参考人(佐藤早苗君) ただいま御紹介いただきました佐藤早苗でございます。
 本日は、当委員会で競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の御審議に際しまして、私の意見を述べる機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。
 私は、昭和五十七年から中央競馬会が始められましたレディース・デーで京都競馬場にお招きいただきまして、初めて競馬場に参りました。私自身は競馬というものに対して、以前から特別な嫌悪感を持っているというわけではございませんでしたが、世間の見方によりまして、何となく近づけない世界だと思っておりました。
 しかしながら、京都のエリザベス女王杯、そして東京競馬場でのオークスなどにお誘いいただいておりますうちに、いつの間にか自分の方から大きなレースを追いかけまして中山とか阪神にも足を運ぶようになっておりました。競馬の楽しみ方といいますのは、人それぞれでございましょうが、健康的で、頭の体操にもなり、その上安上がりということもありまして、レジャーとして楽しませていただくようになりました。
 初めて競馬を見ましたときは、広々とした美しい競馬場と懸命に走る競走馬と騎手の姿にただ夢中になりまして、何もわからないまま馬券を買い、当たればはしゃぎまして、外れれば悔しがってということでございました。
 そういたしますうちに、ノンフィクションの物書きが仕事でありますもので、次々と疑問がわき上がってまいりました。一体競馬はどうやって行われているのか、馬券はどうなっているのか、競走馬たちはどこへ帰って寝るのか……。まるで小学生のように質問が飛び出します。そんなわけで、好奇心の赴くままに、厚かましく牧場や厩舎、競馬会の運営の現場にまで入らせていただき、教えていただいたりいたしました。
 本当に驚きと発見の連続でございました。そんなわけで、全くの門外漢の私でしたが、競馬社会の本を一冊書くまでになったのでございます。華やかなターフのドラマの陰には、馬を愛し、馬に命をかけた多くの人たちのけなげな姿があり、感動したことを今も覚えております。
 先般の農林水産省で行われました競馬に関する研究会におきましては、メンバーに加えていただきまして、我が国の競馬をめぐりますいろいろな問題と出会いまして、また一つ競馬世界の奥の深さを知ったような次第でございます。
 研究会におきまして、私が感じましたことを二、三申し上げますと、その一つは、学生、生徒、未成年者の馬券購入を禁ずる規定でございます。未成年者につきましては、ただいまも飲酒、喫煙も禁じられておりますし、イギリスやフランスの場合も十八歳末満の者の馬券購入は禁止されておりますことから、それは当然ではないかと思います。学生につきましては、伺うところによりますと、学校教育法に定められる学校は未成年者と同じ扱いをするようでございます。それも、二十歳を過ぎた学生も、大学院の学生も同じようにいけないということでございます。昔と違いまして、今では学生と申しましても、社会人から学生にまた返る人もいらっしゃいますし、それから家庭教師をする学生もおります。それに大学には競馬研究会もあるといいます。そんなわけで御検討をお願いいたしたんですが、競馬に関する国民感情を考慮なさって、今後の検討課題にすることが適当であるということになりました。
 いま一つは、強い馬づくりに関することでございます。
 研究会におきましても、来るべき国際化に向けての生産地対策や競馬番組の門戸開放、厩舎制度の問題が取り上げられましたが、どうも国際化対策といいますと、助成措置とか施設の整備、生産農家の経営強化といったようなことが挙げられるようでございます。
 しかし、素人の私が現場に入らせていただいて感じましたのは、そうした問題と同じくらい大切なのが人づくりではないかということでございます。生産地におきましても、厩舎におきましても、動物を扱う人の心と技術の大切さにもっと焦点が当てられるべきではないでしょうか。最近、新聞等で報じられております東西の競走馬の力の差なども、案外こんな身近なところに問題があるのではないかと思っております。
 馬を取り扱う仕事は三Kというのがあるのだそうでございます。つまり休みがとれずに大変きつい、けがを伴い危険、さらに汚い仕事ということなんですが、これから先のことを考えますと人づくり、人材確保は重要な課題であると思われる次第でございます。
 さて、改正法案でございますが、私は、今回の法案の内容につきましては賛成をいたしております。長い間改正されておらず、また、他の公営競技との調整といったことなどを考えますと、今般改正に取り組まれました関係者の御努力と改正法案を取り扱われます当委員会に対しまして、心から敬意を表する次第でございます。
 法律につきまして私は難しいことはわかりませんが、特別給付金という制度を設けまして、ファン還元を行うということでございますが、単勝式、複勝式は初心者でも比較的当てやすい馬券であり、今までのファンサービスとは違う形のものということで、その効果を大変期待しておりますし、ぜひ実現していただきたいと思っております。
 次に、中央競馬と地方競馬についてでございます。
 研究会の席上でも、制度論から縄張りのような議論までなされましたが、競馬が一種の興行であって、中央、地方の財政収入や縄張りは、ファンにとってはあまり関係のない話でございますので、もっと単刀直入にファンは何を望んでいるのかということを考慮なさって、両方ともおもしろいレースを提供していただきたいと願っております。そのためには、人、馬の交流も積極的に行えるようになればいいと思っております。国際的に通用する強い馬づくりが緊急の課題となっているときに、中央と地方が協調し、やっていくことが切実に求められていると思います。
 最後に、中央競馬会の国庫納付金の使途の拡大が図られたり、剰余金を充当した特別振興資金が設けられる、また地方競馬全国協会の畜産振興事業の充実もなされるということでございますが、その使途につきましては、競馬ファンを初め広く一般に、もっとわかりやすく知らせていただいてもいいのではないかと思われます。
 以上、改正法案に関しまして私の意見を述べさせていただきました。私といたしましては、この法改正を機に、競馬がさらに国民に親しまれる健全なレジャーとなることを期待いたします。
 最後に、関係者の方々に一層の御努力をお願いいたしまして、私の意見陳述を終わらせていただきとうございます。ありがとうございました。
#10
○委員長(吉川博君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
 それでは、これより参考人の方々に対して質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○菅野久光君 本日は、私どもの競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、本当にお忙しいところ貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。
 今、それぞれ十分以内ということで御意見を述べていただきましたが、十分以内と制限されると、それぞれ何か言いたいことも言えないという部分があるのかもしれませんし、畜産局長を初め競馬監督課長などもおいでですから、あるいはちょっと言いづらい点もあったのではないかななんというような心配もしながらおりますが、別に役所の方は、どんなことを述べられても私どもの審議に役立つことであれば大変結構なことだと思っておられるというふうに私は信じておりますので、十分以内でということで先ほどそれぞれ御意見をいただきましたが、ちょっと言い足りない、ここのところはもっと言っておきたいというようなところがございましたら、ひとつ渡邊参考人の方から逐次補足してお話をしていただきたい、このように思います。
#12
○参考人(渡邊五郎君) 御指名でございますが、概括的に申し上げて、大変恐縮でございますが、先生方の御関心なりがどういう点にあるか私ども存じない点がありますので、端的におっしゃっていただきまして、それにお答えさせていただきたいと存じます。
#13
○参考人(大場敏彦君) それじゃ、お言葉に甘えましてごく簡単に意見を述べさせていただきます。
 まず、地方競馬とそれから中央競馬の関係でございますが、諸先生には釈迦に説法でございますけれども、今、日本の軽種馬の登録、これはアラブを含めてでありますけれども、ごく大ざっぱに言って二万八千頭ぐらいであります。そのうち地方競馬に登録しておりますのが約二万二千頭ぐらいでありますから、生産されておる馬の大体三分の二以上が地方競馬に収容されている、こういう状況であります。
 それから、毎年一万一千頭から一万二千頭ぐらいの軽種馬が生産されて競馬というサークルに入ってくるわけでありますが、それにいたしましても同様に、大体二対一、二がつまり地方競馬で一が中央競馬というところでございます。ですから、かなりのすそ野といいますか、底辺が我が地方競馬によって支えられている。そして、その上
部構造に中央競馬が乗っている、こういう関係だろうと思うわけであります。それから、ファンもかなりの数が中央競馬と地方競馬ではダブっている。恐らく三割以上がダブっているのじゃないか。はっきりした統計はございませんが、そういう感じもいたしております。
 それから、中央競馬の馬主さんのうち約三分の一以上が同時に地方競馬の馬主さんでもいらっしゃるということでありますから、中央競馬と地方競馬は、主催者は別個に成り立っておりますけれども、それを本当は区別するのはおかしいわけで、競馬全体のサークルの中で同じだ、こういうふうに御観念くださって、ともども御支援くださればありがたいな、かように思っているわけであります。ですから、いろいろ強い馬づくりということも言われておりますけれども、地方競馬がこけてしまったら中央競馬だけではとても強い馬づくりはできるわけではございませんので、絵にかいたもちになってしまう。そういう意味で、我が地方競馬の責任は非常に大きい、こういうふうに思っております。
 ですから、先ほど冒頭に申し上げましたが、地方競馬もいろいろ欠点はございますし、それは今後改めていかなきゃならない、そういう反省は十分に持っておりますけれども、また中央競馬の方におきましても、競馬ファミリーの中の、中央競馬が体力も非常についており、知力もすぐれておる長男でありますれば、我が地方競馬は、例えて言うなれば体力も弱いという末弟でありますから、地方競馬を決して競争相手ということではなくて、弟を助けるという意味での度量で中央競馬サイドでもいろいろ御援助願えればありがたいな、かように思っております。
 どうも余計なことを申し上げまして恐縮でございます。
#14
○参考人(増本一男君) 一言といいますと、やはり私ども自由化、国際化を唱えなければならないかと思います。特に競馬に関しては、牛肉や米と違った性格のものだというふうに私ども考えております。あくまでもファンを対象にし、一般大衆の嗜好に合わせた競馬でございますので、今人気がいいからといって急激な自由化を行うことは、かつてはボーリングがそうであり、また食料品が、豆乳がそうであったように、競馬が大きなファン離れを起こすのではなかろうか。やはり私ども競馬を支える者としては、ハイセイコーの子あるいはシンザンの子、そしてシンボリルドルフの子が日本の競馬場で走るのをファンが一番望んでいるというふうに私ども考えております。
 御存じのようにプロ野球も外人の枠を何名とかというふうな制限がございますように、競馬の中でもやはりそういう運営が必ず必要であろうというふうに考えておりますので、この点特に御理解をいただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#15
○参考人(佐藤早苗君) 私の場合は十分に述べさせていただきましたので御辞退申し上げます。時間もちょうどいいようですから。
#16
○菅野久光君 大変ありがとうございました。
 今参考人の方々からそれぞれ述べられましたが、特に補足されまして、地方競馬については一時落ち込んで、これは大変なことだなというふうに思っていた時代もありましたが、地方競馬も上向きになってきたというような全体的な状況の中で、地全協の大場参考人にちょっとお尋ねをいたしますが、少し上向いてきた、それは何をやって、あるいは何が原因で地方競馬の方も少しよくなってきたのか、その辺はどうなんでしょうか。
#17
○参考人(大場敏彦君) これはいろいろな要因があろうと思いますけれども、基本的には日本の国民経済が非常に好景気に支えられたということにあずかって力あったと思っております。それから、地方競馬主催者のそれぞれの方々がやはり苦い経験にかんがみましていろんな経営努力をなさった。競馬の公正化ということで、暴力団その他の不良分子をみんなきちっと排除したということで競馬の信用を取り戻した。それから、いろいろ各種の番組編成等でもおもしろい番組ということを非常に心がけられたということもありますし、それから最近の特徴といたしましては、自分の狭い範囲内だけで競馬をやっていないで、できるだけ範囲を超えて他の競馬場と交流をする、人馬の交流もする、そういう形で新鮮味をだんだん出してきた、そういったこと。あるいは中央との交流を目指して地方競馬のイメージアップに心がけた。
 それから、最近の特徴では、中央競馬にないような特色を出そうという努力もされておられます。例えば大井のナイター競馬なんかはその一つでございましょうし、それからここ数年来、諸外国の一流の女流騎手を呼んで国際的な女流騎手競走をつくって、地方競馬で各地を転々として回って歩く、そういった試みも実施しておりますが、そういったもろもろの経営努力というものがおかげさまでだんだん実を結んできたのではないかなと思っております。
#18
○菅野久光君 皆さん方が大体競馬に関する研究会に入っていろいろ御意見を述べられた方が何人か、皆さん方でしょうか、そういうようなお話もちょっと聞いておりますが、大体御意見が今度の法改正に当たって盛り込まれている、大体ですね、全部が全部とは言いませんが。
 しかし、そうした中で、先ほども問題提起的に言ったのは、やはり競馬そのものは中央競馬会がすごく大きくなって、地方競馬がいろいろ困難な状況があったり、軽種馬の生産者にとっても生産調整その他のそういうようなことがあった。しかし、競馬全体というものを発展させていく、またそのことによってファンにサービスをしていくということを考えていくと、中央競馬会、それから地方競馬の関係、そして軽種馬の生産の関係、その三者が一体となった形で競馬の施行、それから生産、そういうことについていろいろな問題があるものを、逐次それを相互に助け合うといいますか、そういったようなことがあって初めて競馬が全体的に発展をしていくのではないか、そういうような御意見が特に地全協の大場参考人あるいは軽種馬関係の増本参考人の方から私はあったように思うんです。
 そういう意味で、中央競馬会の地方競馬だとか軽種馬関係に対する援助といいますか、特に財政的な援助というものが非常に必要ではないか。財政だけじゃありませんけれども、それらについて中央競馬会として何かお考えになっていることがあればこの機会に、なかなか顔を合わせてまたお話をするという機会もありませんから、お話をしていただければ大変ありがたいと思います。
#19
○参考人(渡邊五郎君) 私ども、地方競馬と中央競馬の関係につきましては、先ほど大場会長からもお話がありましたように、特に今回法改正の前提になりました研究会で大きなテーマとして中央と地方との協力関係、それぞれの特色を生かした共存共栄の原則に立ちまして、交流レースあるいは騎手の招待レースとか、そのほか場外発売所につきましての相乗りとか、競馬の施設改善等に対しまする基金を設けようというような御提案等もありまして、今回特にこの法改正を機に、私ども、地方競馬の方々と非常に前向きにお互いに取り組んでいく姿勢になれたかと存じます。
 また、生産地の問題につきまして、私どもかねがね生産地の対策としまして、種牡馬の輸入とかあるいは共同育成場に対する助成等各般の施策を進めてまいってきております。ただ、私ども、やはり全体的に言いますと、サラブレッドが中心になるかと思いますけれども、こうした産地対策についてはかねがね対策を講じてきておりますが、お話のありましたようなこういう関係者が一堂に会するというような形での協議といたしまして、畜産局の方の御指導で、畜産局と地全協、私ども、それから登録協会なり軽種馬協会あるいは馬事協会、六者でこれからの馬事振興についての検討会を昨年から始めました。そういう機会で相互に忌憚のない意見を出し合いながら、強い馬づくりなりをテーマにこれから相互にまたお互いに協力し合う体制を固めていかなくちゃならない、こう思っております。
#20
○菅野久光君 そういう努力を重ねて、何とか、そのことがファンに対して、やっぱりファンあっての競馬でもまたあるということで、ぜひそういったようなことをこれからも積み重ねていくことが私は必要ではないかというふうに思います。
 先ほど地全協の大場会長さんの方から、地方競馬が落ち込んでいるときに、いろいろ経営努力の中に交流レースの問題が出ておりましたが、私もちょっと調べてみたんですが、地方競馬の中にはかなりそういう交流レース、こういったようなものをいろいろと計画をしてやられているようですが、中央競馬会の方はカマーレースとかなんとか、余り数はないんですね。その辺、何か拡大されるような御計画あるいはお考えがあるかどうかお尋ねをしたいと思います。
#21
○参考人(渡邊五郎君) 御指摘のありましたのは、恐らくオールカマーを代表としましてレースがございまして、私どもとしては、現在交流レースは三レースございます。それで、先ほど申しましたように、この法案の研究会の際も、交流レースを拡大することについて御要望がありまして、私どももそれについて協議してまいりたい、こう前向きに考えております。
#22
○菅野久光君 そういうことに前向きに考えていただけるということで、ぜひ前向きにひとつ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それから、先ほどからお話がありますが、強い馬づくりということが言われておりますし、また作家の佐藤さんからも、やはり強い馬づくりというのは人づくりから始まるのではないかというようなお話がございましたが、この強い馬づくりの具体策といいますか、それについてどのようにお考えか、渡邊参考人そして大場参考人、増本参考人、それぞれお考えを承りたいというふうに思います。
#23
○参考人(渡邊五郎君) 私ども強い馬づくりに対しまして、先ほど申しましたような種牡馬を輸入、供与いたします制度あるいは共同育成施設に対します各般の助成等をいたしております。特に、御案内のことかと思いますが、本年農林水産省の日高種畜牧場の払い下げを受けまして大変大規模な用地を取得いたしました。これにつきまして、この三月十五日に財団法人軽種馬育成調教センターというものを日高につくったわけでございます。中小の生産農家なりで非常に育成調教で難渋されている面があろうかと思いますが、これから能率的なこういう施設の利用によりまして、強い馬づくりができるよう大規模な育成調教施設をぜひ早急に完成したい、またこういう施設を活用しまして、先ほど佐藤参考人からお話がありましたような育成調教技術者の人づくりの点も養成を図っていきたい。そのほか研究業務等を中心にしまして、この用地を活用して強い馬づくりの施策を特に進めたいと考えておる次第でございます。
#24
○参考人(大場敏彦君) 生産対策としては、今中央競馬会の理事長が御説明されましたようにいろいろ、種雄馬の導入とかあるいは優良牝馬の安定確保とか、その他もろもろの生産対策を経営農家に対して実施する。これは、国、中央競馬、地方競馬一致協力してやることになるだろうと思っております。
 それから、競馬の世界では、競馬はそうした格好で生産されました馬の能力検定的な側面を持っておりますので、そういったレースを通じて能力検定的なもの、どの馬が強いか、どういった血統一の馬が強いのか、どういう配合がいい馬が生まれるのか、そういった側面を見出すためのレースという側面もありますから、そこのところに重点を注いでいく必要があろうかと思っております。
 残念ながら我が地方競馬は中央競馬に比べましてそういった側面においていささか欠けるところがあった。もちろん、例えば我が地方競馬なんかでもいろいろスターになる馬を出しております。それがみんな中央競馬に行っちゃっているんで残念なわけですけれども、一昨年なんかの例では、十五か十六あるGIレースの中で我が地方競馬出身が五つを取っておる、こういう状況でありますから、地方競馬もいい馬は出しております。しかし先ほど申し上げましたように欠ける点がありますので、ちょうど中央競馬がクラシックレースを頂点にして、いろいろそれにトライアルレースを前において全国的な能力検定体系ができ上がっているのに比べまして、我が地方競馬はそういった点で立ちおくれているということでありますので、特に今後は、経営が別々でありますからそう簡単にはいかないことは百も承知でございますけれども、そういった点に力点を置いてまいりたい、かように思っております。
#25
○参考人(増本一男君) 強い馬づくりはもう人づくり、土づくり、環境づくりだということは私どもよく存じておりますし、その方向に向かって取り組みたいというふうに考えておりますけれども、いかんせん日本の農業を取り巻く環境の中で馬の教育指導者、研究者というのは極めて少ないというのが現状でございます。わずかにと言いますと失礼かもしれませんけれども、日本中央競馬会がその業務を行っているだけでございます。どこの大学でも研究所でも馬という文字の学科はないわけです。したがって私ども、いろいろな問題に取り組もうとしても指導者、研究者がいないということが一番大きな悩みかというふうに考えております。
 今回、日高で育成調教センターができるということで、中央競馬会でこれに取り組むというようなお話を承っておりますので大きな期待をかけておりますけれども、この中央競馬会の益金の中から、いわゆる各研究所なり大学なり、そういうところで専門に馬に取り組むようなところに助成金を出していただいて、そういうような仕組みができれば非常に私ども馬を生産している立場としてはありがたいわけでございます。わずかに今とり行っておることは、地元の静内農業高校に馬の教科を設けるということで、粘り強い折衝をいたしまして道教委の了解を得て最近その誕生を見たというような、極めてお粗末な教育者の養成しか今目当てがございませんので、ここら辺が今後本当に強い馬づくりの原点になる技術者、指導者の養成が急がれる問題というふうに考えております。
#26
○菅野久光君 渡邊参考人にお尋ねします。
 今、軽種馬生産者の立場から、馬のことについての技術者といいますか、先ほど佐藤参考人が申されました人づくりのことについて、もっと何か中央競馬会としてそういう方面にも特別振興資金の中でやってはどうか、やってもらえないかというような要望があるんですけれども、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
#27
○参考人(渡邊五郎君) 特別振興資金のことに関しましては、これは大変恐縮でございますが、監督官庁の方の御方針に従うかと思うのでございますが、人づくり自体につきましては、私ども従来から私どもなりに、それぞれの軽種馬協会なり日高の共同育成公社なりを通じまして助成もいたしまして、本年はそれぞれ二十人ずつの騎乗技術者養成を私どもなりに心がけてまいっております。こうした方向での人づくりはできるだけの力をいたすつもりでございますし、これからそうしたほかの面のやりようもあるのかもしれませんが、人づくりについての努力は当然すべきことだと考えております。
 また、お話しの大学の研究というような問題なんかについても、確かに我が国では非常におくれているように思います。ことしは私どもで帯広畜産大学の方に、いわゆる冠講座といいますか、馬学についての特別の講座を開設していただくように御援助いたしまして、やはり諸外国に比べましても我が国の大学、研究機関におきましてこうした点での研究あるいは研究者も非常に少ないということもございます。新しい資金制度なりも出ましたし、こうした技術的な問題についても取り組むことを考えていかなくちゃならないと考えております。
#28
○菅野久光君 今の問題は監督官庁の問題だということですから、あすまた強い馬づくりのための人材確保について役所の方にその考え方を聞きたいというふうには思っております。
 次に、ファンの立場からすれば、公正確保とい
うことが大事なことだというふうに思うんですが、そのことでいろいろ中央競馬会あるいは地方競馬それぞれ苦労なさっているのではないかというふうに思います。その公正確保についていろいろ改善を進められておられるというふうに思うんですが、そういうことで現在進められていることについてこの機会にひとつお話をしていただければ大変ありがたいと思います。
#29
○参考人(渡邊五郎君) 公正確保ということ、これはもう私どもの中央競馬の施行につきましては一番重要な問題でございます。ファンの信頼も、その上に立って多くのファンも参加していただいていると思います。今回法律におきまして、この公正確保の観点から特にお願いいたしておりますのは、馬主の登録制度についてやはり審査会等もつくりまして、その登録条件あるいは登録の抹消等の措置も今度盛り込んでいただきまして、やはり公正確保ができるように、また調教師、騎手等につきましても制度的に裏打ちすることが今回できるようになろうかとも思います。
 また、公正確保ということは、レースの施行上のいろいろ技術的な問題については私ども全力を挙げてきておりますが、ある意味でファンの方からそうした中央競馬に対する信頼を持つというような意味で、あるいは多少見方が違うかもしれませんけれども、例えば現行の八枠制についての、ファンから同枠取り消し等のいろいろな問題につきましても、ことしの秋から一枠一頭制をしくとか、ことしの一月から施行しました降着制度の導入とか、そうしたあらゆる施行の面の運用でございますけれども、ファンに信頼されるようなレースの組み方と申しますか、仕組みなりを私どももさらにさらに研究、努力していきたいと思っております。
#30
○参考人(大場敏彦君) 中央競馬の理事長が申し上げたことと同じでございますけれども、基本的には公正確保のためには、中央競馬と同様に地方競馬におきましても適切な馬主の厳しい登録という制度を実施しておりますし、それからレースの最中におきましては、これも中央競馬と共通の措置をとっておりますが、レースの以前に騎手を外部から遮断する、あるいはレース中の監視をきちっとする、それからレース後の採尿等をして薬物検査をする、そういった措置も共通の事項としてやっております。そういったことに対しまして我が地方競馬全国協会からは専門家を開催の都度派遣して専門的知識、そういったものについてのバックアップをしているつもりであります。
 それから、先ほど申し上げましたが、暴力団あるいはのみ屋、そういったことの排除につきましても、各主催者が懸命になって努力しておりまして、例えば競馬場の入り口で、警察等の協力を得まして、暴力団等はつかんでおりますから、入る場合にはこれを阻止するという形、あるいは不幸にして紛れ込んだ者は巡回してこれをさらに排除する、そういった措置は的確にとっておりますから、かなり今後とも努力を続けるつもりでありますけれども、競馬の公正さというものについてはファンから信頼を取り戻しつつあるというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事北修二君着席〕
#31
○菅野久光君 佐藤参考人にちょっとお尋ねをしたいんですが、パソコンの導入ですね。これは四月二十日から試験的に千五百人ですか、モニターを集めて中央競馬会でやっておられるんですが、このことについてはいろんな意見があるんですが、佐藤参考人としてはどのようにお考えかちょっとお伺いしたいと思います。
#32
○参考人(佐藤早苗君) 私がこういうことを勝手にお答えしていいかどうか、当事者でもございませんで、あくまでもはたの立場でございますので、めったなことは申し上げられないと思いますけれども、これからの時代でございますので、当然そちらの方向に進んでいくのはもう時間の問題ではないかと思います。
#33
○菅野久光君 今の問題で、四月二十日から試験的にということですから、特にこれらの導入に当たって中央競馬会として留意をされていることなどがあればお聞かせいただきたいと思います。
#34
○参考人(渡邊五郎君) パソコン等の利用、私どもPAT方式と称しておりますが、これは電話投票の一つの方式ということで、パソコンなりファミコンなりを利用して勝ち馬投票券を購入できるというようなシステムを開発したわけでございます。私どもとしまして、これが家庭内に持ち込まれるかというような御心配は確かにあろうかと思いますが、実際には加入者番号なり暗証番号なりがそれぞれ加入者ごとに決められておりますし、かつまたこの種のパソコンなりについては加入者専用のソフトでありますROMカードというのが、端末機を利用する際に必須のカードがございます。そういうことによりましてその加入者個人以外には使えないことだと。
 私どもからしますと、現在の電話投票のプッシュホンによります方式よりもさらにそのカードが個人専用になるというようなことで予防できる措置は強いのではないかというふうにも思うわけでございますが、何分にも初めてのことでございます。四月の二十日から御指摘のとおり千五百人ぐらいをモニターといたしまして、ことしの秋までこれを実施して、その状況を私どもよく把握いたしまして問題のないようなスムーズな導入について検討していきたい、こう考えております。
#35
○菅野久光君 佐藤参考人にちょっとお伺いしたいんですが、随分あちこちの競馬場にお出かけのようなお話ですが、私は農林水産委員をやって競馬場に一回も行かないというのも申しわけないと思いまして中山競馬場に実は三、四年前に行きました。それからちょっと後に札幌競馬場に行ったんですが、大分施設の内容なんかが違うんですね。佐藤参考人としては、あちこち行かれて競馬場の施設を見られて、ここのところをこういうふうにされたらいいのになとか、何かそんなような御意見があればちょっとお聞かせいただければと思うんです。
#36
○参考人(佐藤早苗君) 私はそれほど余りあちこちも行っておりませんのです。東京競馬場とか阪神とか中山とかは行っておりますけれども、北海道の方も新潟の方もあちこち行っておりませんので、ちょっと比べるのは非常に難しゅうございますけれども、中山競馬場が今度大変きれいになりましたですね。やはり競馬ファンに還元するという一つの方法としまして、競馬場が美しい、それから馬券売り場が非常に美しくなるということは大変結構なことだと思います。ファンの立場から大歓迎でございます。
#37
○菅野久光君 ありがとうございました。
 増本参考人にちょっとお伺いしたいんですが、先ほどお話がございましたように、軽種馬の農家というのは零細的な規模が大変多いということなんです。この規模拡大ということが農業の場合によく言われるんですが、現在のこういったような生産者の側のいわゆる十頭以内といいますか、そういうところでやられているということが非常に多いということからくる問題点といいますか、そういったような軽種馬産業の経営の面から特にこういうことをやってほしい、こうやるべきだというような何かそういうような御意見がございましたらお伺いしたいと思います。
#38
○参考人(増本一男君) 大変難しいお問い合わせだと思いますけれども、農業は大型化しなければならないという前提は、国際化に対応する問題として必須の問題だと思いますけれども、私ども日高の場合あるいは日高以外で全国の場合、確かにそういうような状況の中で家族労働ということでいわゆる企業体系を組まない、本当に身内だけでやっている農業というのがいわゆる六〇%以上を占める大半ということだと思います。したがって、将来に向かってどう対応すべきかということについてはちょっと明確な答えが出しにくいと思います。
 家族労働でやっている小さな農家からでもいい馬が出ている。御存じのように、昨年日本の人気を沸騰させましたオグリキャップは十町ない経営でございますし、本当に家族だけでやっておる経営でございます。したがって、馬というものはい
わゆる企業形態を組まなくても、そういうようなところからでもすばらしい馬ができるということに非常に魅力を感ずる産業でございます。したがって、将来どういうふうなということになると非常に難しいんですけれども、やはりそういう底辺の農家を少しでも落後者のないような育て方をしていただきたい、これ以外のお願いの仕方がないかと思います。
#39
○菅野久光君 そういう小規模経営で、経営の上で特に軽種馬生産の場合にはやはり種つけ料が非常に大きなウエートを占めてくることになるのではないか。やっぱり競走馬の場合には血統というのがある程度大きな影響を与えるというか、血統というものが非常に重要なものになっていくわけですね。そういう点で、種つけ料が非常に高いというようなことなどがあって、それが経営を圧迫している、あるいは望むような馬の種つけができないだとか、そういうようなことなどがあるのではないかというふうに思うんですが、その辺についての生産者側としての要望といいますか、そういったようなものはどうなんでしょうか。
#40
○参考人(増本一男君) これは先ほども総論の中でお願いしました優良種雄馬の導入、いわゆる種馬の導入ということでお願いをしておりますし、この件に関しましては中央競馬会より毎年、最近は三頭の種馬を買っていただきまして、非常に安い値段で提供しております。
 ちなみに例を申しますと、昨年、もしシンジケートに個人で入りますと六百万くらいの種つけ料を取らなければ償却ができないような馬でも、中央競馬会さんの購入によって百六十万で種つけをしております。そういうことで非常に大きな貢献をしておることは間違いございませんけれども、総体の中で競馬会さんから買っていただく種馬の占める比率が大体五%くらいというふうにとらえております。したがって、今後ともこの中央競馬会さんから買っていただく馬、それから私ども日高軽種馬農協でも種馬を買って事業を行っておりますけれども、これらについても低額で提供しております。ちなみに、もし一般公開すると種つけ料が一千万を超えるトウショウボーイのような種馬でも、三百万で組合員に提供しております。
 こういうことで、零細農家を救うためには大きな役割を果たしていると思いますけれども、やはり国際化に対応するためにはもっともっと質のいい馬を導入してこなければならないというふうに考えておりまして、いろいろお願いを続けておる状況でございます。現在までは非常に大きな効果を上げていただいておるということだけは御報告できると思います。
#41
○菅野久光君 今もお話がございましたが、種馬の購入について中央競馬会側として生産者側にそれを提供していい馬をつくってもらうためにかなり努力をされているということでございますので、これからもまたそういうことでさらにやっていただけると思いますが、特にことしなり来年なりの計画があればお聞かせいただきたいと思います。
#42
○参考人(渡邊五郎君) 増本参考人からお話がございましたように、私ども優良種牡馬を輸入いたしまして、これを産地に対しまして毎年三頭ぐらい寄贈をいたしております。現在供与されているのがおおよそ二十頭ぐらいだろうと思いますが、ことしの計画としては二頭ぐらいを考えております。ただ、実際の購入の面に当たりまして、私どもの枠と馬のあちらの相場もございます。そういうのを見ながらいたしますが、いずれにしましても、こうした点で中小生産農家にできるだけ私どもも力を尽くしたいと思います。
 ただ、これは全体にこの軽種馬の生産が自由経済の中にございますので、日本の場合には最近特に多いのでございますが、民間からも、みずから種牡馬の輸入というようなことがかなり盛んにもなっております。一面ではそちらの方からは民間活力を阻害するとかいうようなこともございます。そうした状況の中にあって、許される限り私どもは生産者対策のために力を尽くしたい、こう考えております。
#43
○菅野久光君 最後に、競馬会の特別振興資金が今回の改正でつくられることになりました。まだ具体的に何々にということにはなかなかなっていかないと思いますが、これも地方競馬関係、それから軽種馬の生産関係で、この特別振興資金でこれだけは何とかやってもらいたい、このことにこの資金を使わせてもらいたいというようなことがございましたら、それをそれぞれお伺いをして私の質問を終わりたいというふうに思います。
#44
○参考人(大場敏彦君) 地方競馬の施設整備というものは残念ながら立ちおくれております。剰余金が出た時代がかなりあったんですけれども、一般財政に入ってしまう傾向がありまして、内部留保が乏しかったという関係だろうと思うんです。
 そこで、今中央競馬サイドといろいろ相談させていただいているわけでありますけれども、今回の特別振興資金制度を活用いたしまして、立ちおくれている地方競馬の施設の整備、例えば厩舎だとかいろいろな施設がございますが、そういった立ちおくれている施設の整備を急速にやりたい、こう思っておりますので、御援助をいただければありがたい、かように思っております。
#45
○理事(北修二君) 他にございませんか。増本参考人、何か御意見ございませんか、先ほど条件をたくさん言っておられましたので。
#46
○参考人(増本一男君) 特にございませんけれども、将来的に市場の振興が一番大きな課題になろうかと思いますので、この市場が今非常に利用率が低いといいますか、一五%前後しか利用されておりませんので、これらに役立てる資金ができれば非常に幸せだというふうに考えております。
#47
○菅野久光君 ありがとうございました。
#48
○星野朋市君 私は時間が余りありませんし、法律と余り関係ないちょっと変わったことをお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、ファン代表として佐藤さんにお聞きしたいんですけれども、戦後日本で生まれた雄馬、それから牝馬、これの最も優秀だと思われる馬の名前がもしおわかりでしたら、これは個人の好みがありますから、全く個人的な見解でよろしいんですけれども。
#49
○参考人(佐藤早苗君) 星野先生は大変馬にお詳しいと思います。ですから、私よりもずっとよく御存じなので、多分何も聞くことがないからこういうことでも聞いてやろうということでの御配慮だと思いますが、競馬の主役は馬で、そしてサラブレッドといいますと一番に血統が言われるわけですけれども、血統だけじゃないと思います。ですけれども、あえて戦後何がいい馬だったかと言われますと、シンボリルドルフとかメジロラモーヌとかクリフジとか、いろいろあると思いますけれども、私はそれぐらいしかちょっとぱっと浮かんでまいりませんけれども、出場する馬は全部スターだ、可能性はあると思っております。
#50
○星野朋市君 結構です。これは本当は増本さんにお聞きした方がよかったかもしれないんですけれども、私は雄馬ではやっぱりシンザンだと思っておりますし、それから牝馬の方では、これはもうちょっと古いんですけれども、戦後の第一回のダービーで実は勝つと思われていたんだけれども首の差で負けたトキツカゼという馬がいたんです。これが今でも最高の牝馬だと思っているんです。
 これはちょっと物語風にやりますので、ざっくばらんにお聞きしたいんですけれども、トキツカゼはオークス、皐月賞をとりまして、もう絶対の本命だと言われていたのが、実際のダービーでは実は首の差で負けたんです。その子供でオートキツという馬がおりまして、これは昭和三十年だったと思うんですが、雨馬場で七馬身の差で優勝いたしました。この雨馬場七馬身の差というのはいまだにレコードを破られていないんですね。この馬はたしか単勝で二千円ぐらいついたかな、大変なんですよ。ところが、この馬は要するに先行馬というんですね。それで、そのダービーで実はもっと強い本命だと思われていた馬主が非常に残念がりまして、その年の菊花賞に二頭馬を出したん
です。そして、このオートキツは先行馬だということはわかっていますから、一頭をむちゃくちゃに走らせて、オートキツは先行馬が走っていると嫌がる方ですから、ペースを乱していっちゃったんですな。そして、物の見事にもう一頭が優勝したというこういう歴史があるんですよ。これは戦略だといえば戦略ですし、問題はあると思うんだけれども、実は問題にならなかった。だけど、いまだに同一レースにおける同一馬主の馬の出走というのは認められているんですね。これはファンとしてどう思いますか。
#51
○参考人(佐藤早苗君) 同一馬主ということに対してですか。
#52
○星野朋市君 そうです。同一レースに同一の馬主が複数頭を出すわけですよ。
#53
○参考人(佐藤早苗君) 強い馬が出るのがやはり競馬をおもしろくすることだと思いますし、今週行われます天皇賞、あそこでもメジロの馬が二頭出ますけれども、やはり根強いファンがいらっしゃることですし、それが規則によりまして片方が出ないなんということになりますとファンは大分がっかりするんではないかと思います。それに、競馬会の方でもあちこちからカメラを据えて公正を、もう本当に強硬にそういうことを続けて守っていらっしゃるわけですから、不正というようなことはちょっと起こり得ないんではないかと私は思いますけれども、このままやっぱりそういうことは許していただきたいと思います。
#54
○星野朋市君 ファンの方がそれならば結構なんですが、これは要するにレースの公正ということで、古くて何回も話題になっているんですけれども、なかなか解決されない問題なんですね。理事長の方はどうお考えですか。
#55
○参考人(渡邊五郎君) レース自体、今お話がございましたように、同一馬主の二頭出しあるいは三頭出しというようなことは現に幾つかあるわけでございます。私どもとしましては、パトロールビデオの設置や、あるいは走路監視等厳重にしているつもりでございますし、レースの発走から最後の裁決、審判にわたるまで厳正にいたしておるつもりでございます。ただ、お話の点は、例えばアメリカ等につきまして、この種のことにエントリー制度というようなことで、同一馬主の場合には枠をくくるとかいうようなことがございますが、我が国では厩舎等も異なりますし、やはりそれぞれの立場で真剣にレースはされているというふうに、これまでの私どもの経験からも思っております。
 ただ、御指摘の点はいろいろ議論される点もあります。今後、エントリー問題なりを考えるかどうかは私どもは検討の課題だと思いますが、今のところ現状で厳正にやられているんじゃないか、こう思っております。
#56
○星野朋市君 それは見解の相違ですから打ち切りまして、ちょっと調教師の問題についてお聞きしたいんです。
 御存じのように、今、一厩舎というのは二十頭の枠しかありません。それで馬主になりたい人はたくさんいるわけです。馬主のことはあした政府に聞きますけれども、要するに調教師と馬主の力関係が、ここのところ圧倒的に調教師の方が強くなっちゃったわけですね。リーディング厩舎みたいなところだと大体安い馬は預からない。価格にすると千五百万以上の馬しか預からないような厩舎もあるわけですよ。それで、これは全般的に言えるかどうかわからないんですけれども、やっと馬主になって厩舎へ預けてもらったんだけれども、厩舎の方じゃ勝てそうもない馬だからなかなか調教しない。つけ届けをして拝み倒してやっとやってもらっても大したことはない。こういうことで馬主からの苦情は時々あるわけですね。
 大体ここら辺は中央競馬会にそういうあれが届いているのか。途中の馬主協会みたいなところでストップしちゃって、こういうことはよくあることだといってそこで握りつぶされてしまうのか。そこら辺の苦情とかそういう問題は中央競馬会はどう処理されているか。
#57
○参考人(渡邊五郎君) 調教師をめぐります今先生の御指摘のようなお話は私どももちょいちょい聞いておりますし、現にこれからの大きな問題だろうということを考えております。
 結論から言いますと、今回の馬主さんもそうでございますけれども、調教師、騎手につきましても、私どもこれから審査会制度なりとりまして、厳正に処置していく中でも考えていかなければならないと思っておりますが、現在の制度がトレーニングセンターにおきます内厩制度というのをとっておりまして、レースが限られているという条件のもとに相対的に調教師さんの厩舎の方の立場が優位性を持っていることは事実だと思います。私どもとしましては、既に預託頭数制限の緩和とか、調教師の定年制の導入等、あるいはメリットシステムの導入についても今話を出していろいろ対策をしておりますし、先々には場合によっては一部外厩制というようなことも考えざるを得ないんではないかという議論も出ておるわけでございます。この法律の改正を機に、特にこうした問題に真剣に取り組んでいかなくちゃならない、こう思っております。
#58
○星野朋市君 厩舎とすれば賞金の二割は進上金で自分のところに入って、五%は騎手に行くわけです。だから、この世界でも安い馬は必ずしも強くはないんですから、当然ある程度の馬を預かりたいのはやまやまですね。
 このごろは馬主に対して、要するに預託料その他の経費の明細書を三月分ぐらいまとめて送って審査するような制度になっていますけれども、だから今でもそういうことが行われているかどうかわからないんだけれども、要するに調教師の質の悪いのは自分の出張費まで弱い馬主に付加してしまうとか、交際費の一部をそれに付加してしまうとか、こういうことをやっても馬主が泣き寝入りというようなケースがしばしばあったと思うんです。それで、ここら辺は三月ぐらいのある期間をとった調教師から来る請求書の内容をそのまま送って調査をしていると思うんですけれども、こういうことに関して、要するにその馬主協会とかそこで終わりなのか、中央競馬会はもう少しそういうのにさらに目を光らすのか、ここら辺をお聞きしたいと思います。
#59
○参考人(渡邊五郎君) 原則的には今先生おっしゃるように、馬主さんと調教師さんの間におきます預託契約に基づいてそれぞれかいば料と申しますか、月々の必要経費なりの報告はしているものと思っております。ただ、こうした形での調教師の方に非常に問題があったときは私どもとして指導をいたすことはありますけれども、原則的には馬主協会さんたちも非常にそういう点については最近敏感に反応されておるようには思いますが、やはり全体的に申しますと、今の制度のままでいいのかどうかというところに基本があろうかと思います。
#60
○星野朋市君 最後に増本さんにお聞きしたいんですけれども、これはやはり見解の相違でどっちとも言えないんですけれども、このごろは牧場で馬を飼いっ放しにしないですぐトレーニングセンターへ入れちゃいますね。結構あれお金がかかるわけですよ。それでいよいよ美浦なり栗東なりに入ってきたときに、私の聞いているところでは意外に新馬の故障率が高いということなんです。これは正確なデータは恐らく出ないと思いますけれども、ちょっとした故障を含めると一時は三〇%から三五%ぐらいになったということも私聞いておるんですが、ここら辺、トレーニングセンターのあり方、要するにひ弱な馬をつくっちゃっているんじゃないかという感じを一ファンとして受けているんですけれども、そこら辺いかがでしょうか、生産者として。
#61
○参考人(増本一男君) よく、もやし馬ということを過去には使われましたけれども、私どもそれなりにいろいろ生産者は努力してやっていると思います。
   〔理事北修二君退席、委員長着席〕
 先ほど申し上げましたように、馬に関する飼養管理あるいは土地管理、草地管理、こういうものの技術体系が確立されていなかった、いわゆるも
う本当に我流で馬の生産をやってきた時代には確かにそういう傾向があったかと思いますけれども、最近は非常に技術も進歩してきておりますけれども、その反面、生まれただけで育成場へ任してしまうという馬が、いわゆる当歳の、生まれた年の九月、十月に親から離すわけですけれども、その瞬間からトレセン、いわゆる育成を事業としているところへ移す馬が結構日高にふえてきております。そういうふうな関係で若干そういう傾向があろうかということも想像されますけれども、先ほど申しましたように、人手不足であるとか技術不足がやはりそういうような問題を提起している、これは否定できないかと思います。
 ただ、全部生産者の責任ということになりますと非常に私ども抵抗を感ずるわけでございまして、今競馬場の中でも西の馬が強いとか東の馬が弱いとかというような問題はそこら辺にいろいろな構造上の問題があろうかと思いますので、生産者としての責任を感じつつも、すべて私どもにそのしわ寄せが来るのには非常に抵抗を感ずる、これだけ申し上げておきたいと思います。
#62
○星野朋市君 終わります。
#63
○猪熊重二君 参考人の皆さんには、本日はどうもありがとうございました。私の持ち時間も十四分しかありませんので簡単にお伺いします。
 まず、渡邊参考人にお伺いしたいと思いますが、渡邊参考人に対してはまた法案審査のときにいろいろお伺いしますので、きょうは非常に簡単なことをお伺いしたいと思います。
 日本中央競馬会は、競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与することを目的にしています。この場合の「馬の改良増殖」という「馬」というのをどの範囲と考えておられますか、これが一点。
 それから「畜産の振興」と言った場合の対象となるような畜産物とか、それの振興についての具体的なことを概略的にお伺いします。
#64
○参考人(渡邊五郎君) 私ども競馬会の目的としてそのように書かれております。馬の改良につきましては、当然私どもとしては軽種馬、競走馬を中心に考えますけれども、さらに全体に広く、特に我が国のように軽種馬中心になっております馬の状況というのはやはり異常なようにも思われます。これからもそうした一般の在来馬等も中心にした馬の問題は取り上げていかなくちゃならないと思います。
 畜産の振興につきましては、これはお役所自体が畜産局を中心にしまして現在行政の対象としておられるいわば家畜について言いますと、牛、豚、鶏、その他畜産局の御領分になっておられる畜産の振興に関する分野一切を含むんだと思います。
#65
○猪熊重二君 もう一つお伺いします。
 競馬に関しては各人各様の見解があると思います。ただ、どういう立場に立っても競馬には負の部分、陰の部分というものがあると私は思います。渡邊参考人としては、そのような競馬の陰の部分、負の部分というものの存否やその対応について概略どんなふうにお考えでしょうか。
#66
○参考人(渡邊五郎君) 競馬は、御指摘のように負の部分といいますか、この競馬法なり日本中央競馬会法の発足のもとになっておりますのは、刑法の特例として、賭博行為についての特例の許しを得て行われるという意味でいわゆる負の部分というものは存在いたすと思います。
 ただ、私どもの立場から申し上げますと、そうした意味で地方競馬、中央競馬も同様でございますが、非常に暗いイメージを持っていたかと思いますが、ここ数年の状況を申し上げますと、非常に女性のファン層が拡大するとかいろいろファン層にも変化が出てまいりまして、非常に競馬自体を参加して楽しむようなレジャー的に受けとめられるファン層が出てまいっております。私どもからしますと、負ではなくてプラスの面があると思いますので、むしろプラスな健全なレジャーとして、できるだけ御指摘のような負の部分が少なくなること、これは全くなくなるというふうにも私ども思いませんが、やはり健全なレジャーとして競馬を進めていきたい、このように考えております。
#67
○猪熊重二君 私が負の部分を指摘したんではなくして、負の部分があると思えば指摘していただきたいということを御質問したんですが、それは結構でございます。
 次に、大場参考人にお伺いします。いろいろ大場参考人の御意見を伺っておりますと、一口に言うとまことに失礼な言い方ですが、中央競馬と同じようなというか、そちらの方向に馬券の販売にしろあるいは開催の各種の要件、要件というか馬あるいは馬種、いろんなことを中央志向というふうにも考えられるんですが、そうとすると中央競馬というものと地方競馬というものを区分けしてある、あるいはそういうふうにわざわざ二つになっている、その辺の趣旨は今後どういうふうになるべきか、あるいはなっていくのかというふうにお考えでしょうか。
#68
○参考人(大場敏彦君) 私の発言内容が適切でなかったかもしれませんけれども、私は地方競馬がすべて中央競馬のコピーであってほしいというふうに申し上げたつもりはないんで、これは訂正させていただきます。地方競馬の特色は生かしながら、また同時に中央競馬のいいところも取り入れていきたい、こういうことでございます。
 元来、中央競馬と地方競馬、同じ競馬でございますが、二つ存在しているというのは、ほかの国にはそういう例はないだろうと思っております。これはやはり我が国特有の現象でありまして、中央競馬が比較的新しい時代に西欧の近代競馬という形で我が国に輸入されたというのに対しまして、我が地方競馬は祭典競馬、典礼競馬といいますか、そういうものとか、あるいは地方の馬の生産と結びついた、馬の文化と結びついた、こういった沿革があって、それぞれ別の形で発展してきた、かように思っております。
#69
○猪熊重二君 私は、先ほど場外馬券の発売状況が、中央競馬は八〇%が場外馬券、これに対して地方競馬はいまだ一八%であるというふうなことをお伺いして、むしろこれが本来的な競馬のありようじゃなかろうかと考えて、そのような地方競馬の特色を大いに発揮するように御努力されたらどうだろう、こう考えます。
 次に、増本参考人にお伺いいたします。一言だけお伺いしますので、一言だけで結構です、時間がありませんから。
 この日高軽種馬農業協同組合を単位に考えまして、組合の経費の中で競馬による補助金というか、組合の経費の中に占める補助の割合というふうなものがおおよそ概算でもわかれば教えていただきたいと思います。
#70
○参考人(増本一男君) 日高軽種馬農業協同組合の中には補助金、助成金はいただいておりません。ただし、私どもの上層団体であるというふうにとらえております日本軽種馬協会は、ほとんど地全協さんと競馬会さんとの助成金で動いております。
#71
○猪熊重二君 最後に、佐藤参考人にお伺いします。
 先ほど、競馬法の二十八条の馬券購入の禁止規定に関連して、学生生徒または未成年者は馬券を買うことができないという規定の中で、「学生生徒」というのを入れているのはおかしいじゃないかというふうな御意見で、私もそのとおりだと思うんです。これは未成年者でくくればいいにもかかわらず、ほかのギャンブル法規との並びかなんかで知りませんが、「学生生徒」というものを入れている。生徒は大概小中高ぐらいまでを生徒と呼びますからまあいいけれども、学生、大学生、ひげを生やかした大学生が買っちゃいかぬという、この理由がどこにあるのか私はわかりませんが、この点については佐藤参考人と私も全く同じ意見でございます。そういうことを競馬に関する研究会で言っていただいたけれども意見が通らなかったという話で残念でございました。
 ただ、特別給付金を今回ふやすということは非常に結構なことだというふうなお話がございましたけれども、今の七五%の配当金率を部分的ではありますが八〇%に上げる、これが特別給付金の
制度です。その限度においてギャンブル性というものが五%上昇したというふうにはお考えにならないでしょうか。七五%が八〇%になりまして、八〇%をさらにファン還元ということで八五だ九〇だというふうに上げるとしたら、ギャンブル性というものはますます強くなると私は思いますが、特別給付金の五%という制度をつくることとギャンブル性との関係についてどのようにお考えでしょうか。
#72
○参考人(佐藤早苗君) 非常に難しい御質問だと思いますけれども、ギャンブル性については、別に二〇%が二五%になろうが全く変わりないと思います。ただ、ファンがそれだけたくさん楽しめるという、結局は馬券を買うのに使ってしまうのかもわかりませんけれども、もうちょっと今までよりも楽しめるのではないかということと、それから余り競馬に詳しくない、始めたばかりの初心者も楽しめる、単複とか、そういうさっき挙げました二つの方法で行われると思いますけれども、そういう意味で楽しめるのではないかということでございます。ギャンブル性というのは余り関係ないような気がいたします。
#73
○猪熊重二君 終わります。
#74
○林紀子君 参考人の皆様にはお忙しい中ありがとうございます。
 まず渡邊参考人に三点ほどお伺いしたいと思いますが、先ほど佐藤参考人から、強い馬づくりは人づくりだというお話がありましたが、厩務員など競馬を大もとで支えている労働者の労災事故、これが大変高いということを聞きました。競馬共助会の調べでも、労災発生の頻度をあらわす度数率、美浦、栗東両トレーニングセンターの平均で、一九八九年の数字を見せていただきましたが、三二・五五。労災が多いと言われている建設業でも二・三九ということですから、十五倍だということなんです。ここ数年間見てみても一向に減少しない。この労災事故をなくすためにどのような手だてをしていらっしゃるかというのを一点お伺いしたいこと。
 続けてお伺いいたしますが、この労災事故が発生する場所、最も多いのが馬場内と出入り口、また馬運動場だというふうに伺っております。こうした労災が発生しやすい施設の改善をどのように進めるおつもりかというのをお聞きしたい。
 それからまた、労働時間の短縮や週休二日制というのは全産業で進んでいるわけですが、厩務員の方などはやはりレジャー産業ということで朝が早かったり、生き物の馬が相手ということで大変時短というのもとりにくい、休日もとりにくいということだと思いますけれども、これを進めていくのにはどういう手だてを考えていらっしゃるか、この三点、お伺いしたいと思います。
#75
○参考人(渡邊五郎君) 厩務員の関係でございますが、御指摘のように労働災害は比較的多い件数であろうと思います。と申しますのは、やはり生きている馬を扱うというようなことから、非常に馬がよく馴致されていれば別でございますけれども、なかなかすべての馬がそういうふうにならないという点がございます。
 私どもとしては労使のメンバーによります災害対策委員会を年六回必ず開くとか、あるいは安全衛生委員会を開催したり、労災防止の講習会等、種々の徹底を図るのはもちろんでございますけれども、ヘルメット、安全具等の装具についても十分注意を払うようにさせております。同時に、馬の正しい扱い方といいますか、馬の扱い方によりましてこうした災害が出やすいということ、特に馬の扱い方について十分徹底し、啓蒙していかなければならないと思っております。
 事故の発生地点の問題については、御指摘のとおり、馬場、出入り口や運動場なりが多いのでございます。私どもとしては調教馬場の路盤の改修とか植樹とか防音壁あるいは警報機の設置等もいたしまして、設備にはさらに改善に努めて、事故防止のための措置はこれからも一生懸命対応するつもりでございますし、さらに見直すべきことがあれば早急に見直して対処いたしたいと思います。
 最後に、三つ目の休暇の問題でございます。週休二日の普及というふうなことになってまいりましたが、先ほども申しましたように何分にも競争馬の管理というのは生き物の管理でございますので、休みを置くということが非常に難しい特殊性とかあるいは担当馬制といいますか持ち馬制というような担当も決まっているような状況もございまして、現在週休一日のほか、週休二日制への試行といたしまして五週に一日の休日をするように実施中でございます。
 さらに、この休日問題につきましては、馬主さん、それから調教師、厩務員の代表と本会の四者で懇談会を開きまして、これからの、ただいま申しました持ち馬制の見直しとか厩舎作業自体を共同化できるとか、休日の交代制とか、そういう労務の管理形態によりまして、あるいは合理化によりまして休日の問題に対処してまいりたい、こう考えております。
#76
○林紀子君 大場参考人にお伺いいたします。
 昨年の六月、大井競馬場を舞台に、地方競馬のトップクラスの騎手が、自分が出走するレース前に勝敗の予想を暴力団員を通じて客に情報を流して現金を受け取っていて逮捕されたという事件が大分マスコミをにぎわしましたが、競馬の公正確保を図るという意味合いから、こうした競馬と暴力団とのかかわりをなくしていく。先ほどのみ行為の取り締まりにつきましてはお話がありましたが、特に騎手や調教師などに対してどのような指導徹底を図っているのかということをお聞きしたいと思います。
#77
○参考人(大場敏彦君) 調教師、騎手の教育問題でありますけれども、一つには協会自身としてやっておりますのは、栃木県の那須に地方競馬教養センターという私どもの施設がございます。これは、騎手とかあるいは調教師、競馬関係職員、そういった者の教育機関でございますけれども、そこで問題のありそうな人たちについては再教育をしておる、こういう状況が一つございます。
 それから、現場におきましては、必要な研修会というものをそういった方々を対象にして実施している。その中身は、主に公正確保のためにはどのように行動したらいいかということが重点に置かれております。それからまたうちの方から開催の都度専門家を派遣しており、現地の指導をしておりますが、そういった人たちを通じまして個別に指導しているということで、公正確保ということにつきましてはかなり気を配り、綿密な指導をしているつもりでございます。
#78
○林紀子君 ありがとうございました。
#79
○井上哲夫君 私も時間がありませんが、一、二点お尋ねをいたします。
 まず、大場参考人にお尋ねをいたしますが、今回特別給付金制度といいますか、それができることになった。それで、地方の競馬場の場合に、それが可能な主催者の場合と、当分認めないというところと出てくると思うんですが、お互いに独立採算といいますか財布が別ですからやむを得ないことなんですが、方向としては中央がそのようなシステムを入れるなら、できるだけ自助努力をして地方競馬も入れていきたい、こういうふうなお考えでしょうかどうですか、お尋ねをいたしたいと思います。
#80
○参考人(大場敏彦君) 中央競馬の場合には、特別給付金制度は剰余金のファン還元策ということで、財源は剰余金に限られているわけですが、支出されることになっております。地方競馬の場合には、残念ながら剰余金という法律上の制度はございません。したがいまして、実施する場合には開催経費から支出するという形になりますので、中央競馬とまるっきり同一の取り扱いにはできないという事情がございます。
 しかし、同じ競馬法の適用を受ける競馬でございますから、隣の中央競馬でやっておって地方競馬ではやらないということは事実上難しいし、また一つの地方競馬場がやりますれば、隣の競馬場でなぜやらないのだという問題もありますから、かなり実際問題としては単複の特別給付金制度は地方競馬においても導入を希望する競馬場が出て
くると思います。出てくると思いますから、これは政府にお願いしておるわけでありますが、よほどの事情がない限り、そういう要望がありました場合にはお認め願えたらありがたい、ぜひお認め願いたい、かように思っております。
#81
○井上哲夫君 今の点でもう一点お尋ねしたいんですが、その要望が出てきたら認めるというか、善処の方向でと。そういう場合に資産内容、収支内容というんですか、そういうことが一番大きな問題になろうかと思うんですが、地方競馬の協会としましてはその点についてどういうふうに地方の開催者と折衝といいますか、接していくかについてお尋ねをいたします。
#82
○参考人(大場敏彦君) 単複の売上高は、地方競馬の場合全売上高に対して一・七%程度でございますから、単複を仮に五%全国の地方競馬場全体でやるにいたしましても、売上高を一定といたしますれば七億強の支出が増加するということでございますから、そのために経営上決定的に悪影響を及ぼす、そういう事態ではないというふうに一般論として思っております。ですが、例えば単年度赤字を出している競馬場というようなところは、とれはやろうという場合にも無理だろうと判断が働くことは大いにありますけれども、大概の競馬場においてはやろうという意思さえあればできると私どもは思っておりますので、政府においてはそのような要求を認めていただきたいと思っておるわけであります。
#83
○井上哲夫君 終わります。
#84
○橋本孝一郎君 参考人御苦労さんであります。全く競馬はわかりませんので貴重な十分間もったいないと思いますけれども、せっかく割り当てられておりますので一つだけお聞きしたいと思います。渡邊中央競馬会理事長に。
 新聞の記事によりますと、英国のブックメーカーが何か進出してきておるという記事を見たわけであります。いわゆる日本で言っておるのみ屋ですね、中央競馬会の競争相手になってくるような気がするんです。それと、これからいわゆるパソコンがどんどん入ってきます。そうすると密室によるギャンブルがふえてくる。そういう傾向に対して、総元締めとしての中央競馬会としてはそれに対する防止策とかそういったものを検討されておりますかどうかお尋ねしたい。
#85
○参考人(渡邊五郎君) 英国のブックメーカーが競馬に限らずいろいろなかけごとを日本国内においても活動しているといううわさは聞くのでございますけれども、私ども的確にどんな状況かをつかんではおりません。ただ、これは私ども自体が取り締まる権限もないのでございますが、こうしたことは私どもとしては好ましいこととは思っておりません。
 また、私どもが現在の非常に増大してきますファン層に対応して、できるだけファン層の御要望にこたえられるような、PAT方式と申しておりますが、こうした方式によりまして今回多くのファンの方におこたえして、のみ行為とか今おっしゃったようなブックメーカーの進出等を防ぐようにしてまいりたいと存じておりますし、また御指摘のことが密室といいますか、競馬自体が割に個人的なスポーツ参加というような形態をとっておりますので、そうした意味での健全性を持ちながら普及していくことが大事だろう、こう考えております。
#86
○橋本孝一郎君 結構です。
#87
○喜屋武眞榮君 参考人の皆さん、大変御苦労さんでございました。お礼の気持ちを込めて四名の方にお尋ねいたします。
 まず渡邊参考人に、さっきのお話の中で年々収入が上昇してきた、好調に向かった。その原因はいろいろございましょうが、あなたとされて大きな原因は何であったと御判断なさいますか。
 次に、大場参考人に対しては、地方競馬の場合に、今日は軌道に乗っておるが、ある時期はばらつきがあった。その原因は何であったと思っていらっしゃるでしょうか。
 次に、佐藤参考人に伺います。失礼ですけれども、乗馬の経験がおありでしょうね。イエスかノーかそれだけでいいですが、乗馬の経験をお持ちでしょうね。
#88
○参考人(佐藤早苗君) ちょっとだけ乗せていただいたことがあります。
#89
○喜屋武眞榮君 わかりました。
 それじゃ、増本参考人には、うれしい悲鳴と私受けとめておりましたが、ある時期生産調整をしたことがあるのです、それで軌道に乗ったとおっしゃったですね。ちょっぴりで結構です、その生産調整の中身ですね。
 次に、佐藤参考人に対して二つ。一つは、先ほどファンは何を望んでおるかということにこたえることが大事であるとおっしゃったですね。あなたも含めてくださって、ファンが望んでおることの最たるものは何であるでしょうかということ。もう一つは、私は沖縄ですが、沖縄は乗馬はあります。競馬はございませんが。こういう祖先伝来の教訓が結局人馬一体の心だと思います。馬は乗って知れ、人間は交わって知れと、こういう実はことわざがございますが、その二つについて、あなたの感ずるところを聞きたい。
#90
○参考人(渡邊五郎君) 最近の売り上げの増加でございますけれども、中央競馬もつい数年前までは伸び率が非常に鈍化した時代がありました。ここ数年急激に増加してまいりましたが、やはり社会的な背景としては、経済の持続的な成長が行われて、好景気が続いているということ、余暇が増大してきておること等、そういうバックがあるかと思いますが、私ども競馬場の施設なり場外の施設等についてもできるだけ施設の改善を図りまして、あるいは発売方法なり電話投票なりも急激に伸びるようなこともございました。こうした我々自身も改善を図った点、そうした点から多くのファンの御賛意を得たのじゃないか。
 特にファン層の方の様子からいいますと、女性等これまでにない新しいファン層が非常に増大したということが今日の売り上げの増加等になってきておるのじゃないか。しかもそういう方々は、従来のかける競馬ということよりも楽しむ競馬というような形での参加型の方が多くなってきているのではないか、このように思っております。
#91
○参考人(大場敏彦君) 地方競馬のばらつきの原因は何か、こういうお尋ねだと思いますけれども、いろいろな要因があろうと思います。思いますが、一つには立地条件、地域的な条件がかなりあるのじゃないか、つまり大消費地、大都市を背後に控えたところはそれだけマーケットが広いわけですから繁栄もしている。逆に地方の中小都市でマーケットも狭い、人口も希薄なところはなかなか経営が苦しい、こういう問題がございます。それからもう一つは、競馬だけじゃなしに他のボートだとか競輪だとかいう公営競技がございます。それから中央競馬がございますが、そういったほかの競技との競争関係が地域によって甚だしいところと、それから比較的緩やかなところがございますが、そういったところによっても経営に与える影響というものはかなり違います。
 それから、そういった客観的条件のほかに主体的条件の問題でございますが、やはり経営スタッフが優秀であるかどうか、安定的に競馬に打ち込んでいるかどうか、そういったところ。それから、地方公共団体の場合にはとかく人的異動が非常に頻繁に行われますから、それが安定的な格好で経営スタッフが確保されているかどうか、そういったところもばらつきには大きな影響を与えているんじゃないか、かように思っております。
#92
○参考人(増本一男君) 生産調整の中身でございますけれども、詳しい資料を持ち合わせておりませんので数字に多少誤りがあろうかと思います。
 昭和五十二年に低質牝馬の淘汰ということで一頭百五十万円で淘汰をしたことがございます。それからもう一度、昭和五十七年に負債農家に対して利子補給を行い、そして日高の係養頭数を固定した時期がございました。しかし、固定はいわゆる利子補給を受けた約三百戸ほどと記憶しておりますけれども、この農家だけに限定をしたことに、全般を抑え切れなかったところに少し今日の問題が残ったというふうに考えております。この
二回、そういうような中身で生産調整を行いました。
#93
○参考人(佐藤早苗君) ファンは何を望むかということの質問にお答えいたします。
 まず、私たちファンといたしましては、競馬というものが何よりもおもしろくあってほしいということはこれはもう欠かせない問題だと思います。そのためには、やはり公正なレースであるということ、強い馬であること、それから先ほども問題がありましたけれども、ギャンブル性はともかくとして払戻金が多いこと、それをやはりファンとしては非常に期待していると思います。それから、馬券がどこからでも買える、多分沖縄は買えないんですか、電話投票とか買えないんですよね。やはり日本じゅうどこからでも競馬が楽しめる、テレビはいろいろ映っているわけですから、どこからでも楽しめるというふうにしていったらいいと思います。私の知っているお友達が福山にいるんですけれども、奥さんを毎週広島に馬券を買いに行かせるんだそうで、本当に奥さんは大変だとおっしゃっておりましたけれども、何とか全国的に、全国民が楽しめるようになったらいいなと思います。
 それから、私に馬に乗ったことがあるかとお尋ねになった意味が後でわかったんですけれども、人と馬の愛情とかそういうものだろうと思うんですけれども、それはもう本当に実際に馬と生活して、馬に乗って人馬一体となって楽しむ乗馬が一番幸せなことだと思いますけれども、それはもうほとんどの人が現代では望めないことで、やはり馬に乗ろうにも乗れない人たちの何といいますか、馬に対するロマンみたいなもの、競馬というのはそういうものだと思いますけれども、やはり乗って楽しむのと、それからレースというもういかに遠く素軽く走るかという一つのレースに対する思い入れとはまた別な異質なものではないかと私は思っております。お答えになりましたかしら。
#94
○委員長(吉川博君) 以上をもちまして参考人の方々に対する質疑は終わります。
 参考人の方々に一言お礼を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、本委員会に御出席をいただき、長時間にわたり有意義な御意見を述べていただきましてまことにありがとうございました。本委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。
 本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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