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#1
第120回国会 農林水産委員会 第11号
平成三年四月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     三上 隆雄君     喜岡  淳君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     喜岡  淳君     三上 隆雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川  博君
    理 事
                青木 幹雄君
                北  修二君
                谷本  巍君
                細谷 昭雄君
                井上 哲夫君
    委 員
                大浜 方栄君
                鎌田 要人君
                熊谷太三郎君
                鈴木 貞敏君
                高木 正明君
                初村滝一郎君
                星野 朋市君
                本村 和喜君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                喜岡  淳君
                菅野 久光君
                三上 隆雄君
                村沢  牧君
                猪熊 重二君
                刈田 貞子君
                林  紀子君
                橋本孝一郎君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   近藤 元次君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       鶴岡 俊彦君
       農林水産省畜産
       局長       岩崎 充利君
       農林水産技術会
       議事務局長    海野 研一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        片岡  光君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部少年課長   吉原 丈司君
   参考人
       日本中央競馬会
       理事長      渡邊 五郎君
       地方競馬全国協
       会会長      大場 敏彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十四日、三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として喜岡淳君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉川博君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本中央競馬会理事長渡邊五郎君及び地方競馬全国協会会長大場敏彦君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(吉川博君) 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○上野雄文君 私から最初に総括的なことについての質問をいたしたいと思います。
 私は、競馬、競輪、競艇などやったことがない男でありまして、全く知らないと言ってもいいと思うんです。その男が質問をするわけでありますから、お教えをいただくような気持ちで御発言をいただければ大変ありがたいというふうに思うんです。
 それで最初に、競馬、競輪や競艇、こういうものを一括して公営ギャンブルというふうに言われておりますが、やっぱりギャンブルの一つなんだというふうに素直に思っていいと思っているんですけれども、そこのところは今度の競馬法の改正を提案するに当たってどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、公営のギャンブルというのはどの辺まで許されるのか、こういうようなことについて、極めて初歩的なことなんですけれども、頭の中を整理するのにひとつわかりやすくお話をいただければありがたいなと思うんです。ですから、多少時間を食っても結構ですから、まず局長からお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(岩崎充利君) 現在の公営競技につきましては、私どもは中央競馬と地方競馬ということでやっておりますが、そのほかに競輪なり、モーターボートなり、オートレースという形の中で、全体として公営競技ということで今やっているわけでございます。
 そういう状況の中で、確かに先生御指摘のように、これはそれぞれにつきまして、私どもで言えば勝馬投票券というようなものの発行が認められている。これは一般的には刑法でいろんな形でかけごと等は禁止されておりますが、その禁止されているものに対する例外ということで、公営競技という中で主体を限定された形、例えば特殊法人なり地方公共団体なりという中で、そういう特別の場合に、勝った者に対する投票券というものが発売を認められて、それで今のような形での公営競技ということができてきているということでございます。
 公営競技そのものにつきましてもかつてはいろいろ問題もあったところでございまして、そういう意味では非常に難しい時期もあったわけでございますが、やはりいろんな形でのそういう弊害的なものを除去しながら、かつそれぞれ努力もしてきた。例えば競馬でありますれば、明るい雰囲気づくりというような形の中で努力してきましたし、ただ、基本的に一番それぞれ通じて重要なのは、公正確保をどう図っていくかということでございます。そういうことにつきましては馬主登録なり、調教師、騎手の免許等々、また他の公営競技でも同様な規制をしながら、そういう形での競技に参加する方々の資格をしっかり厳格化するということと、それからレースそのものも公正にやるという中での公正確保と、それぞれのレース内容をおもしろくするという中で、またファンのサービスというような中で今日来ているというような実態でございます。
#8
○上野雄文君 この委員の中にも、かつて警察庁長官もおやりになってギャンブル取り締まりの頂点に立った人もいらっしゃるわけですね。今のお答えは、それが行われているから公正、それから明るい雰囲気、もうそれはそれなりにわかるんですけれども、ギャンブルそのものについて、国が、地方公共団体がやるということについて、かつてのような議論はありませんけれども、これが社会的に必要なものであり、こうでありという素朴な私の質問に対するお答えではなくて、やるというふうに決まっているんだから公正に明るい雰囲気でというお話だけでは、ちょっと……。
 そうなると、農業問題について我々の大先生であられて、今中央競馬会の理事長をお務めの渡邊さんから、実際にその職につかれてどういうふうにこのことを位置づけておられるのか、まあ先生の哲学的な物の考え方を私なんかに教えていただければと思います。
#9
○参考人(渡邊五郎君) 哲学というような恐れ多いようなことは申せませんけれども、私も昨年の六月から就任いたしましたが、最近の競馬の状況から御理解をいただきたいと思います。
 競馬の制度としてのお話は今局長からお話のあったとおりでございますが、やはりこれが特別に許された、特殊法人である私ども日本中央競馬会に中央競馬ということで刑法上の特例のかけごとが任されているという、しかもある意味では独占的に任されているという形になっておるわけでございますが、従来こうした競馬をめぐりまして非常に暗い面と申しますか、いわゆる暴力団等が関与するとか、その他レースの施行自体が不公正があるんではないかとか、またここに参加されますファンの方も生活費までかけるような問題があるとか、いろいろこうした面を競馬の施行とともに従来から言われたことはあるわけでございますけれども、最近ファン層なりが極めて変わってまいっているんではないか。
 特にここ一、二年の状況をお伝えいたしますと、かなり若い方々の御参加を得られておりまして、これまでのファン層の方もいらっしゃいますけれども、最近の入場人員の増加等を見ますと、かなりそうした新しいファン層が多くお見えになるようになりました。具体的な数字で申しますと、昨年あたりの入場者の購買額は二〇%ほど伸びておりますけれども、入場者の一人当たりの購買額は前年よりも下がっているようなことで、比較的今までの馬券を買うと言われているようなのと状況が違いまして、こうした投票券を買うことによってレースに参加する、レース自体の中に感動を求めるといいますか、私らから見ますとそういうような非常に健全な一つのレジャーとして競馬を楽しもうという傾向が最近は顕著に見られるように存じます。
 私どもとしては、これからの競馬のあり方としてはそういうファン層を大事にいたしまして、こうした方向を助長すると申しますか、健全なレジャー産業として、当然かけごとは伴いますが、そういう方向でこれから進めてまいらなければならないんじゃないか、このように思っております。
#10
○上野雄文君 それでは、公営ギャンブルという言い方をされていることについて抵抗を感じますか、感じませんか、どうでしょう。
#11
○参考人(渡邊五郎君) 率直に申しまして私どもとしては抵抗を感じております。
#12
○上野雄文君 余暇開発センターというのが通産省の外郭団体にあるんですね。その白書を見ますと、明確に「公営ギャンブル」というふうに書いてあるんですね。局長はまだごらんになっていないですか。何かきのう九一年版が出たそうです。まだ私はそれは見ていないんですが、九〇年版にはそういうふうに書いてあるんですね。
 そうすると、どの辺までこういうものが社会的に認知されるというか、どの辺までがいいのかなというような目安みたいなものを描いていらっしゃるのかどうか、競馬の発展というのは馬券が売れれば発展するというふうに見ていないわけですか、その辺のこともひっくるめて教えていただければと思うんです。
#13
○政府委員(岩崎充利君) 競馬そのものの歴史というのはかなり古いものがあります。例えば神事競馬というような形で賀茂の神社のくらべ馬とかそういう形の中から始まってきたような競馬から、例えば一八六一年、文久元年に横浜ホースレースというような形で初めて近代競馬が入ってきたというような形で、競馬につきましては馬というものと人とのかかわり合いの中で、いろんな面で文化的なつながりもありながら今日の発展が生じてきたということではなかろうかと思っております。
 そういう形の中で今の競馬というものは、一つはやはり馬というものを通じながらいろんな形で、選抜とかそういうこともありますから、畜産振興ということが一つの大きな目的になっていますとともに、もう一つは国なり地方公共団体への財政寄与というようなことが目的になっております。それとあわせましてもう一つ大きな目的といたしましては、国民大衆のために健全なレジャーを提供するということも極めて大きな目的ということで、私どもこの三つの目的が競馬にあるというふうに考えているような次第でございます。
 そういう意味合いにおきまして一番重要なのは、先ほど申しましたように、一つはかけごととしての例外だというような形の中でいかにして公正を確保していくか、また大衆の方々におもしろい内容の充実したレース、また明るい雰囲気の中で見ていただくということがやっぱり一番重要なポイントになってくる、そういうことを念頭に置いて、そういうことを通じて競馬そのものも確実にファンの方々に定着させていきながら安定的な発展を求めるというのが私たちの基本的な立場である、こういうことでございます。
#14
○上野雄文君 そうすると、これは通告しておいたことになるわけですが、裏返してお尋ねをしたことになります。
 競馬に対する人気の高まり、特に女性ファンが物すごくふえてきたということが言われているわけですが、こういう状況になってきたことをどういうふうに受けとめておられるのかという点について端的にお考えをお述べいただければありがたいと思います。
#15
○政府委員(岩崎充利君) 私ども、先ほど申しましたように、国民の一般の方々に楽しいレジャーを提供するということからいきますと、そういう女性の方々に来ていただけるということは非常に私どもとしてはありがたいことであるというふうに考えている次第でございます。
#16
○上野雄文君 そこで、ちょっと古い話になって恐縮なんですけれども、競馬法の法制化の歴史をずっと、余り私だってやる気がない男が見るわけですから、詳しく手続だのなんだのなんというところを見ようとしているわけではないんですね。法律の目的規定の仕方、そのことについてもちょっとお尋ねしておきたいなと思うんです。
 最初に競馬法ができたのは大正十二年だというふうに聞きますが、そのときは手続みたいなことを決めることなんでしょうか、馬の改良増殖それから馬事思想の普及を図ることを目的とする、民法第三十四条の法人にして、これこれの者は競馬をやれるというところから入っているんですね。それでその後、二十三年ですか、新しい競馬法ができて、二回ほどの改正が行われ、いずれも目的ということが明文化されていないように思うんですね。
 私は、いろいろ質問をするに当たってそこのところを考えてみたんですが、大正十二年ということになると軍国主義華やかになるその前哨というか、日本では旧軍隊で馬をエンジンがわりに使っていたわけですからね、乗用車あるいはトラックと同じことだったでしょう。私も農家の生まれですから馬と一緒に一軒の家の中で暮らしてきましたし、自分の家で飼っていた馬が徴発されていくのも目の当たりにしました。だから、あのころは軍隊のためにということもありましたから、それが文言にあらわれるような書き方はしないんだろうと思うんですね。
 それが戦後どういうふうに変わってきたのかなと思いますと、目的のところは何かはっきりしない、こうお見受けするんです。ただ、唯一、農水省の方で配っていただいたこのプリントですけれども、簡単な資料ですよね、「目的」というのが書いてあるんです。これ解説版だから、資料版だから伸び伸び書かれたのかな、こういうふうに思いますけれども、「競馬の健全な発展を図って、馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与することを目的とする。」というふうに、これはあなたの方で書いたわけですが、ああそうかと思ったんだけれども、法律にないことをお書きになったのかな、こう思ったりしたんですが、考えれば考えるほど官僚の皆さんの頭のよさというのがここにあらわれているんだなというふうに思わざるを得ない、そういうのが私の感想なんです。決して押しつけようとは思いませんが。
 ここのところが、やはり戦争中財政に寄与するというのは、たばこの問題でもそうですし、もっとさかのぼれば、富国強兵のために始まったのが地租だと、こう言われている。いろんな金の集め方があった。そうすると、この辺の規定の仕方というものからいろいろ勘ぐってくるわけですが、そこではたと、国の財政や地方の財政に貢献をする、それが今度の改正でようやく畜産関係やなんかでなくて、もっと広く使えるというところまで今度提起をしたのかな、こういうふうに思うんですが、それはそういうふうに受けとめていいわけですか。
#17
○政府委員(岩崎充利君) 競馬の目的は、先ほど申しましたように、一つは畜産の振興、それからもう一つは国、地方公共団体の財政への寄与、それからもう一つは国民大衆へのレジャーの提供ということにあるわけでございますが、競馬法そのものは、そういう競馬を行うための施行を決めた法律というような形でございますので、特に競馬法そのものに目的は設けなかったということでございます。
 ただ、先生御指摘のように、中央競馬会なり地方競馬全国協会がどういう目的のためにやるかということは当然法律の中で決めておりまして、例えば日本中央競馬会法では、この法律は、競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するためにやるんだということを明記したわけでございまして、今のような考え方をここで裏づけしている、こういうようなことでございます。
 そういう形の中で、国庫納付金の使い方につきましても、従来、そういう目的からいいますと、大宗は畜産振興、それから四分の一部分については社会保障、こういう形での使い方になっているわけでございますが、畜産をめぐります諸情勢につきましては、かなりこれから国際化の進展とか、体質強化を図らなければならないということとあわせまして、いろんな形で後継者なり何なり、その担い手をどういう形で確保していくかというふうな非常に大きな問題等々もございまして、単に畜産振興事業だけに限らず、そういう畜産農家を含めた農山村の定住条件なりその他の営農環境の整備等々も含めることが必要だ、そういう中で、今回単に畜産振興ということにとどめず、広げたような形で国庫納付金の使い方についてお願いしている、こういう次第でございます。
#18
○上野雄文君 最初からお尋ねしているギャンブルと言われているものに対して、競馬をやるということについて、そうするとレジャーとして大変な広がりを見せてきたという現状にはあるけれども やっぱり金もうけはばくちが一番手っ取り早いというふうに政府が考えているんだというふうに私は思ってもいいですか。大臣はいかがですか。
#19
○国務大臣(近藤元次君) 結果としてそういうことになることが今現実に行われておるわけでありますけれども、政府が金もうけのためにギャンブルをやるというようなことは歴史的に見てもないんではないだろうか、こう思っているわけであります。
 先ほども局長からもあるいは競馬協会からも若干のお話がございましたけれども、そもそも日本よりもむしろ競馬の関係については世界的は歴史の古い国がたくさんございまして、日本では、横浜に文久元年に外人が馬を持ってきて競技をやったというようなことから国内でスタートをしたようであります。
 また地方競馬の生い立ちからすれば、お祭りなりあるいは神事なりで、それぞれの地方で、まあギャンブル性があったかどうかはわかりませんが、人と馬との関係からいろんな積み上げなりかかわり合いが出てきて、そう古い話を私も承知しているわけでもありませんし、今でもそんなに十分な知識はないわけでありますから、その辺の経過から見て、やはり競馬というようなものは今まさにギャンブル性は持っておりますけれども、ギャンブル性で競馬場に行く人もあれば、スポーツの感覚で行く人もあれば、レジャーの感覚で行く人もあれば、娯楽性で行く、さまざまな感覚で競馬場に入る人たちが一千万人を超える、場外馬券も含めると、延べにして一億人の人たちが今競馬にかかわっておるという数字的な結果が出ておるわけであります。
 まあ最低百円で、今楽しみながら、ギャンブル性にもまた興味を持ちながら、大衆娯楽的な感覚ではないのかな、せっかくそういうように広がりを見せたものを、いかにして公平で、明朗で、そしてそれを定着させていくかということが私どもの仕事でございまして、そこからの益金なり剰余金を目的Kして競馬を施行しておるわけではないだろうというふうに判断をいたしておるわけであります。
#20
○上野雄文君 大分もうかってきて、積み立ての方も五千五百億ぐらいになっている、こういうふうに聞いております。それで、お金ができてきて、それが目的にかなった面で使われていくというのは非常に結構なことだろう、こう思うんですよ。
 私はかつて県会議員をやっているときに、予算審議で、特定財源、一般財源と、財源の内訳を示すそういう欄がありまして、教育費の中で特定財源費と書いてあるから、これは何だと聞いたら、これは競馬ですと。栃木県の教育に競馬の益金を充てるというんじゃ何とも格好悪いんじゃないか、財源を振りかえたらどうだというので、えらい騒ぎを起こしたこともあるんです。しかし、今度の湾岸戦争の金を出すあれじゃありませんが、札に色がついているわけじゃないんですから、区分すればいいだけの話だろうと思うんです。
 さて、今度の新たな分野で、大臣も局長も私もグリーンの羽根をくっつけております。ついこの間、林野の問題で、大変な状態にあるという議論をしたばかりでありまして、私ども林野の再建のためにはみんなで一緒に協力しましょう、こういうことをここで議論をしたわけです。局長は林野庁にもおられて、大変山の問題にも取り組んでこられた方ですね。今度、競馬担当の主管の局長として、何かその面で活用できるというようなことをお考えになったことがありましょうか。
#21
○国務大臣(近藤元次君) 私からちょっと答弁させていただきます。
 競馬の剰余金、積立金が五千億ある中の現ナマは二千億ぐらいでありますので、そこのところはもうおわかりであろうと思いますけれども、今回の法改正によって森林そのものにどうできるかということの具体的なものは今ございませんけれども、山村を整備するというようなことのかかわり合いはぜひやらせていただきたいな、こう念頭に置いておるわけであります。
#22
○政府委員(岩崎充利君) 大臣の御答弁どおりでございまして、若干事務的に補足させていただきますと、今回二十条の四項の二号で、「農村地域における良好な生活環境を確保するための施設の整備その他の営農環境の確保を図るための事案又は農林畜水産業に関する研究開発に係る事業であつて畜産の振興は資すると認められるもの」ということを規定いたしておりまして、こういう形の中で、今大臣がおっしゃいましたような点を踏まえて、私どもとしても十分検討していきたいというふうに考える次第でございます。
#23
○上野雄文君 ひとつそういう分野にも活用できるようにぜひ御努力を願いたいなというふうに思います。
 さて、レジャーとして定着してこれだけの広がりを見せたもの、ギャンブルだ何だと私も前段いろいろなことをお尋ねしましたが、こんなものはやめた方がいいんだなんということで言おうとしているわけではないのでありまして、これはまた大変次元の低いところの話になりますが、開催日以外にもよその競馬場でやっている競馬の馬券を発売する、いわゆる場外馬券、この競馬場を開放しているときに一般席だけだと、指定席だって開放したっていいんじゃないんですかというファンの声が私どもの耳に届いてきているわけですけれども、こういうことについてはどういうふうに対処されようとしておられますか。
#24
○政府委員(岩崎充利君) あるいは中央競馬会の理事長の方がよろしいかとも思いますが、場外発売時の競馬場の指定席の開放問題につきましては、現在指定席の一部を開放して場外発売を行っている競馬場もありますが、ただ施設の維持管理面とか投票整理関係の従事員の確保等の問題がいろいろある。そういう問題を解決されれば、各競馬場の状況に応じまして今後さらに開放エリアを広げるというような形の中でファンの要望に可能な限りこたえて、ファンサービスの向上に努めますよう、競馬会を私どもとしては指導してまいりたいというふうに思っております。
#25
○上野雄文君 理事長はどうお考えですか。
#26
○参考人(渡邊五郎君) ただいま局長がお答えされたとおりでございますが、私の方から具体的に言いますと、現在私ども競馬場十場ございます。ここで非開催の場外といたしまして開放いたしておるのでございますが、指定席エリアを活用しているのは十場のうち七場でこういうことをしておるわけでございます。お話のございました点についてもできるだけ前向きに検討させていただきたいと思います。
 多少私どもの事情を申し上げて申しわけございませんが、やはりその場合に売り場なりを開かなくちゃならないかどうか、そのための要員の確保等いろいろありまして、多少御不便をかけている面があろうかと思いますが、それぞれ個々の事情に即して私ども検討させていただきたいと存じます。
#27
○上野雄文君 最後に、中央競馬と地方競馬、私もかつて小山に場外馬券場ができようとしたときに、宇都宮と足利の競馬をめためたにされてしまうというんでかみつきまして、小山場外馬券場をつくるというのを粉砕した経験を、まあ馬の話ですからけ飛ばしたといいますか、そういう経験を持っておりますが、やはり中央と地方、このおたくでくれた資料を見ましても、人員でいったり馬の数でいったら地方の方が圧倒的に多いんですね。調教師の数にしてみても中央が二百二十三、地方が九百八十八、厩務員は四千六百五が地方で、中央が二千七百二十二、馬の数にしても中央が六千百五十六、地方が二万二千九百五十七。これは地方というものを相当大事にしないと中央競馬会だってうまく行きっこないんじゃないか、こういうふうに私思いますけれども、相当な気配りをされていると思うんですが、中央、地方をうまくやっていくことについての決意をお聞かせいただいて、私の質問を喜岡委員にバトンタッチいたします。
#28
○政府委員(岩崎充利君) 先生今御指摘のように、非常に地方競馬のウエートというのは大きいし、役割を果たすことも大きいというふうに考えている次第でございます。また地方競馬、中央競を通じて馬資源なり人等も共有する部分というのもあるわけでございまして、私どもは中央、地方を通じて共存共栄という立場から十分指導してまいりたい。地方競馬そのものに対しても、これは本来自助努力ということでございますが、地方競馬そのものといたしましても、いろんな形でみずからやる部分についても限度があるということで、今回の法律改正の中にもいろんな形で地方間でも交流ができるというようなことを考えまして、県間の委託も認めるような法律改正をやっておりますし、また地全協に対する交付金率につきましても現状に合わせるような改正もいたしておるというような中で今回やっております。
 それとあわせまして、中央、地方を通じましても今場外売り場の問題とか、中央と地方の交流とか、そういうことも含めまして、これから十分両者話し合いをさせていきながら、ともに栄えるような形で私どもとしても十分指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#29
○上野雄文君 ありがとうございました。
   〔資料配付〕
#30
○喜岡淳君 おはようございます。きょうは、日本中央競馬会の渡邊理事長にはありがとうございました。
 それでは私は、日本中央競馬会が高松市の田村町に予定しております場外馬券売り場について質問いたしたいと思います。委員の皆さん方のお手元にはこういった地図を配らせていただきましたので、ぜひ見ていただきたいと思います。
 この地域は、香川県内においても文教施設が最も集中したところであります。保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、高専、養護学校、福祉医療施設、癖護施設、こういったものが集中いたしております。また、予定地のすぐ目と鼻の先には中学校がありますが、この中学校については既に香川県教育委員会の方から青少年健全育成モデル中学校としての指定が行われております。高松市の方からも緊急指導対策校ということで非行防止の取り組みが長年にわたって行われておる、そういりた地域であります。既に地元のPTAとか教育育成会などでは教育困難校と言われておる学校であるということを挽回するために、警察やPTA、学校、育成会が一体となってこの地域のパトロールなどを行っておる極めて教育環境の深刻な地帯であります。そこに中央競馬会の方が場外馬券売り場を予定しておるものですから、当然地元の教育団体は猛反対をいたしておりまして、二万八千名を超える署名が皆様方の方に既に届いておると思います。そこで、高松市長も非常に心配をしておりまして、この建設予定については私は反対だという反対の意思表明を去る三月二十四日に行ったということについても、中央競馬会では御承知のことと思います。
 そこで、まず最初にお尋ねしたいんですが、中央競馬会が場外馬券売り場を設置する際の設置基準といいますか、農水省の方は申請が上がってくればチェックをするんでしょうが、その際いかなる基準でもって場外馬券売り場の審査を行われるんでしょうか。設置の基準についてお聞かせください。
#31
○参考人(渡邊五郎君) 私ども、監督官庁であります農水省畜産局の方の御指導の方針に従いまして、特に地元との調整、具体的には、市の場合でございますと周辺町内会の同意、それから警察の協議、そのほか私どもの手続として建築許可申請なりがパスしていること、こうしたことが必要な条件と考えております。
#32
○喜岡淳君 少し大きい声で御発言いただきたいという皆さんの御希望ですので、お願いいたします。
 そもそも、地元の同意を必要とする理由は何でしょうか。
#33
○参考人(渡邊五郎君) やはり私どもからいたしますと、場外発売所を設けますと、特定日でございます、開催日が土曜、日曜が中心でございますが、相当の人出がある。また、これに伴います各種の影響がその地元、地域に影響するということもございまして、私どもとしては町内会等の御意見を十分に承らなきゃならない、こう考えております。
#34
○喜岡淳君 地元の同意を得るという問題ですが、地元の同意ということは、具体的に町内会というふうにおっしゃいましたが、どうして町内会をもって地元の同意とイコールになるんでしょうか。
#35
○参考人(渡邊五郎君) 私ども、やはり地元を代表した総合的な御意見は町内会をもって代表させていただける、このように考えておるわけでございます。
#36
○喜岡淳君 今のお話では、させていただくことにしておると。極めて任意的な問題ですね。これ、確認しておきたいと思います。
 それでは、これまでの国会答弁を調べてみますと、設置の基準について非常に矛盾を感じます。町村に設置する場合は町村長の同意を得る。市につくる場合は関係町内会、まあいわゆる自治会となっておるわけですね。町村だったら町村長さんの同意を得なければ地元の同意にならないのに、市の場合ならば自治会長さん、これどういうことでしょうかね。
#37
○政府委員(岩崎充利君) 地元の同意をとるということにいたしておりますが、その地域において当該場外馬券場が地元に受け入れられるかどうか、こういうことが一つのポイントだというふうに思っております。私どもは、そのときにはそこに住んでいる住民の方々を対象とするということが適当ではないかということでございまして、そういうことを考えた場合に、町村の場合にはやはり当該町村を一体的なものとしてとらえられるということでございますので町村長ということでございますが、それを越えるような形での市の場合には、市全体ということよりも、むしろ場外施設設置の影響の及ぶ範囲ということを念頭に置きまして、地域住民を代表しておられます町内会なり町内会長の同意ということが一番よろしいんではないかということで、市にありましては影響の及ぶところの町内会長ということにいたしておる次第でございます。
#38
○喜岡淳君 それは絶対僕は説得力はないと思うんですね。高松市の面積より広い町村はいっぱいあるんですよ。ですから、そういう取ってつけたような説得力のない答弁はぜひ私はやめていただきたいと思うんです。高松市より広い面積の町村はいっぱいありますよ。
 影響の及ぶ範囲というふうに今局長さんはおっしゃいました。じゃ具体的に影響が及ぶという問題について後から聞きますけれども、その前にもう一つだけ教えてください。
 町村長の首長さん、高松市なら市長さん、こういった首長の方は住民の全員から選挙をもって選ばれた法的裏づけのある全体の代表者です。明確な代表です。自治会というのは極めて任意な団体であって、自治会に加盟しようが加盟しまいが勝手なんです、行政組織じゃないんですから。そういった一任意団体と公的な代表をもうみそもくそも一緒にするようなことは、私は論理的に筋の通らない、法的根拠はないものだろうと思いますが、そういうふうな理解でいいですか。
#39
○政府委員(岩崎充利君) もちろん市なり市議会等々のそういう御意見等々について私ども十分承っていくことにいたしておりますが、ただいま申しましたように、地元で受け入れ可能かどうかということの判断といたしましては、やはりその当該施設があります地元の地域住民の方々ということで、その影響の及ぶ範囲での町内会長の同意ということにいたしておる次第でございます。
#40
○喜岡淳君 もう少し委員長の方からも説得力のある論理を展開するように注意してください。
 そうしたら聞きますが、影響の及ぶ範囲というふうにおっしゃいました。じゃ、場外馬券売り場の設置の際に影響を受ける自治会、受けない自治会、この間の線引きはいかなる科学的な根拠をもってされておるんですか。説得力のあるように言ってください。
#41
○政府委員(岩崎充利君) 地元同意の対象範囲は影響を受けると思われる町内会ということでございますが、当該場外馬券売り場を設置することによりまして人なり車等の動きによる影響等々も考えながら、一つは場外馬券売り場と主たる公共交通機関との関係だと思うわけです。それから、設置予定地周辺の立地条件、これは道路とか河川による遮へい度とか、そういうようなこともあります。それから、場外施設の規模がどのぐらいになるか、場外施設の内容、これはまた駐車場なり駐輪場の設置位置等々の範囲というようなことを念頭に置きながらやっておるわけでございますが、その範囲が区々であるというようなことから設置承認申請が出された場合には、地元同意の対象範囲につきましては、そういう形で特に審査基準を設けて判断しているということでなくて、個々の事例に応じて判断をいたしておるということでございます。
#42
○喜岡淳君 それでは、具体的に高松の場合についてお尋ねをいたします。ケース・バイ・ケースということですから、このケースでお尋ねしたいというふうに思います。
 お手元に今地図を配らせていただきましたが、どのあたりが影響の予想される地域というふうにお考えでしょうか。このお手元に配った地図で具体的に言ってください。しかも、その影響はいかなるものなのか教えてください。
#43
○政府委員(岩崎充利君) 実は高松につきましては私どもまだ承認申請を受けてございませんので、私の方から今コメントするということは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
#44
○喜岡淳君 そういう時間稼ぎになるようなことはやめてください。意味がないことですからね。
 中央競馬会は、既に地元の同意をとったと先般の決算委員会でもおっしゃいましたし、衆議院の分科会でもおっしゃいました。したがって、地元の同意を得たというところは影響を受ける当該自治会ということでしょうから、そこは果たしてどこでしょうか。教えてください。
#45
○参考人(渡邊五郎君) 私の方、予定地に場外発売所ができた場合の来場動向等も勘案しまして、私どもから申し上げられますのは、場外設置予定地の町内会、それに設置場所予定地に隣接します町内会を範囲として同意を申請者がとられました。
#46
○喜岡淳君 この地図でいいますと具体的にどういうことになりましょうか。丸で囲んだ数字が自治会です。予定地の地元というのは@というところで理解していいでしょうか。
#47
○参考人(渡邊五郎君) この図面で言えば予定地のところが@となると思いますが、大変恐縮でございますが、私どもこの種の同意をとります際に、町内会にはかねてから御迷惑をかけてはいけないということで、具体的な町内会の名前は公表を差し控えさせていただいておりまして、この予定地を中心にしまして六町内会からいただいております。
#48
○喜岡淳君 プライバシーのことがあるだろうということでしょうが、今おっしゃった中に、予定地地元の@、いわゆる中川原北自治会が入るというのは今理事長の御答弁でした。この中川原北自治会については確かに賛成の同意もしておりますが、同時に反対の意思表明をされておるわけでありまして、ダブり地区として認められております。そういう事実が一つ。
 それからもう一つですが、六つの自治会が賛成をしておるとおっしゃいました。六つの自治会というのはどこかといいますと、この田村町を中学校校区とする鶴尾校区全域の中で言えば六つの自治会が賛成しておるんです。したがって、今の理事長のお話からいきますと、鶴尾校区全域が影響を受ける地域ということになるわけですね。六つが賛成しておる、当該地区の同意を得ておるということですからね。六つの自治会というのは、鶴尾校区全体の中で賛成しておるところ、六つが賛成をしておるということですから、当然鷲尾校区全体が影響を受ける対象地区ということです。
 そこで、私は鶴尾校区の五十八自治会全部を調べましたが、五十八自治会の中で反対をしておるのも五十一自治会あるということは御承知でしょうか、賛成しておるのは六自治会、あなたのおっしゃったとおりです。
#49
○参考人(渡邊五郎君) 私の方から申し上げますけれども、私どもは鶴尾校区という観点から今回の同意の範囲とはいたしておりません。
 それから、私どもが申し上げました予定地を中心ほしまして、自治会と申しますか、町内会の数でございますけれども、多少私どもからしますと、それほど校区内のような広範囲には至っておりません。
#50
○喜岡淳君 それでは、六つの自治会は賛成しておるとおっしゃいましたが、じゃ、どこでしょうか、その六つというのは。鶴尾校区全体でないというんでしょう。私どもの調査では鶴尾校区全体で調べて六つあるんですよ、賛成が。合わないじゃないですか。じゃ、どこですか、その六つは。
#51
○参考人(渡邊五郎君) 先ほど来御説明しておりますように、予定地の町内会、予定地に隣接します町内会六と。具体的な町名は先ほど申しましたように控えきせていただきたいと思います。
#52
○喜岡淳君 何回も同じことを聞きますが、二つの問題を整理してください。
 一つは、予定地、これでいけば@自治会ということでしょうが、ここは賛成と同時に反対の方にも印鑑を押しておるという事実を御承知ですか、これ一つ。
 もう一つは、六つの自治会について名前が言えないとおっしゃいますが、私は六つの自治会がどこかというのを言っていただかなければ影響が及ぶ範囲が一体どこなのかというのがわからないわけですよね。この二つをぜひ整理してください。
#53
○参考人(渡邊五郎君) 私ども同意はとりましたけれども、全員同意、全員が賛成の印を押したというふうには理解しておりません。中には御反対の方があるかと思いますけれども、町会長なりが代表いたしまして町内としての賛成をされたというふうなことで理解しております。そういうことはありますが、それから町名等については控えさせていただきます。
#54
○喜岡淳君 中には賛成の人もあり反対の人もありということでおっしゃいましたね。だから、自治会の同意をもって地域の同意としてはならないということが今はっきりしたと思うんですよ。地域の中に反対しておる人もおるんだと今理事長はおっしゃったじゃないですか。だから、町内会の同意をもって地区住民全体の総意だとすることは無理があるというのが今の答弁で私は明らかになったと思います。
 そこで、地区住民の中には賛成も反対もおると、そこを十把一からげに自治会でまとめようとするから無理が起きるんであって、今も言いましたように、町村に行けば町村長の承認を得なければいけないことになっておるわけです。高松市の場合だったら市議会か、あるいは市長ということになるでしょうね。岡山の場合だって地元の町内会は賛成したけれども、市議会が反対したということでやめましたね。高松の場合だって地元は賛成も反対もある、しかし賛成でくくってしまおうとされておるようですが、市長は反対表明をいたしております。この問題についてはどういうふうに受けとめられますか。
#55
○参考人(渡邊五郎君) ちょっと前段について誤解されると困りますが、反対もあり得るということは、当然一つの集団の中でございます。ただ、集団全体を町内会の総意としては賛成であるというふうに私ども受けとめておるのでございますので、仮に町村の場合でも、町村長が賛成されても町村内に反対の方があるのは当然だろうと思います。そうしたことはあらゆる事業関係ではよくあることだと理解しております。
 それから、市長さんが選挙期間中に否定的な発言をされたような報道を私どもは聞いておりますが、その後、私どもとしては、灰間するところによりますと、市長さんが従来と変わっていないというようなお話をしたということも伝えられておりますので、まだ私ども市長さんの方から公式的に反対というような御意見を承っておりません。
#56
○喜岡淳君 もう一度整理しておきますが、賛成の人もあった、反対の人もあっただろうと、しかし総意としては賛成だとおっしゃいました。
 じゃ、賛成した自治会を一つ具体的に挙げて、そのときの住民数は何人だ、自治会には全員入っておるのか入っていないのか、自治会の総会を開いたときに何人が賛成したのか、何人が反対したのか、そういうことを言ってくれないと納得できないじゃないですか。そもそも自治会の成立案件という手続は明確なものはあるんですか、総意としてと言うけれども。
#57
○参考人(渡邊五郎君) これは直接には私どもが同意をとったわけではございません。申請者であります方の方でこれ同意をとっておるわけでございます。
 具体的に申し上げますれば、規約のある町内会では規約に基づいて、会員の投票によりまして賛否を問うて同意を決めたということでございます。
 では、規約のない場合でございますけれども、会長が説明会を開き、本会からも説明に行きまして理解を深め、会長が会員の賛否を問うた後に同意書に連署したケースもございます。会長が数回の寄り合いを開きまして、会員の意見を確認して会長名で同意書に署名されたと、こういうようなケース、それぞれの町内会によって異なってはおりますけれども、私どもは同意はとられたと、こういうふうに理解しております。
#58
○喜岡淳君 今までのお話をずっと聞いておっても、同意は得ておるということで強引に押し切ろうという姿勢がよくわかりましたけれども、私は、こういった場外馬券売り場をめぐって各地でいろいろなトラブルが起こる理由は何かと考えましたときに、これは明確な基準というものが、だれの目にも納得できるようなはっきりした基準がないというところが問題ではないかというふうに思います。
 そこで、大変失礼ですが大臣にお聞きしたいと思うんですが、そういう意味では客観的な何か基準というもの、新しい基準というものについてぜひやはり検討をする必要があるんではないかというふうに思いますが、その点どうでしょうか、大変失礼な話で悪いですけれども。
#59
○国務大臣(近藤元次君) 一般的には場外設置については私もまだ一度も許可した手続を経験したことはございませんけれども、従来から今局長や理事長の答弁したような傾向で進めてきておるような状況であります。
 今回の高松の問題については、まだ承認申請も上がっておりませんし、今お話を聞いて、町村の場合は町村長の同意を求める、あるいは市の場合にはまた町内会というようなことで手続を今日まで内規でやってきたようでありますけれども、市長さんの発言もございましたので、町村長の同意を町村に求めるとすれば、町内会の同意で、市長がまたそれなりの発言をしておるとすればそれは確認をさせていただいて、許可をする場合の大変重要な影響を持つ発言だと、こう理解をいたしておるわけであります。一般的にはそういう手続上の問題については今後一つの基準的なものは検討しておく必要があるだろうということを衆議院の段階から今日また私も念頭に置いておるところであります。
#60
○喜岡淳君 大臣には初体験ということになるかと思いますので、ぜひひとつ新しい基準をつくって、高松の問題についても新しい明確な基準ができるまでは承認することのないようにひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。ひとつそれについてお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#61
○国務大臣(近藤元次君) 基準を設けるのと高松のと一緒になるかどうかということをまだ私もここで答弁をする準備もいたしておりませんが、高松の問題がいつ申請が出てくるかということでございまして、基準を設ける期間の間に出てくるものはそれなりに、先ほど申し上げたように市長さん等の発言等があるとすればそういうものを重要な参考にして処理をさせていただきたい、こう考えております。
#62
○喜岡淳君 最後にお願いがあります。
 ぜひこの地域の予定地は馬券売り場というんではなくて、馬事公苑とか乗馬クラブとか、そういった文教的な健康な施設に変えていただいて、地域のイメージアップのために中央競馬会もぜひ農水省と一緒に検討していただきますようにお願いをして、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#63
○細谷昭雄君 私は法案に沿うていろいろ質問をしたいと思います。
 まず最初に、日本中央競馬会法は昭和二十九年の制定以来この法律が変わっておらない。競馬法もまた昭和三十七年の実質改正以来大体三十年、そういう長い間改正がなかったわけでありますが、こういうふうな長い間改正がなかったという理由は何でしょうか。これは大臣にお聞きしたいと思います。
#64
○国務大臣(近藤元次君) 今委員から御発言のありましたように、競馬関係法を見ると、競馬法は昭和三十七年以来、日本中央競馬会法は昭和二十九年の法律制度ができてから、実質的に大きな改正が行われておりませんでして、当時の競馬をめぐる事情を背景にした法制度のままとなっており、今日の事情にそぐわない点が見られるところが一点であります。
 これまでも種々検討はしていたところでありますが、関係者の間での意見の一致が見られず、法律改正案としてまとまることができなかったように承っておるわけであります。
 ところで、最近の競馬をめぐる事情は、先ほどからお話のございますように、ファンの数が大幅に増加し、とりわけ若年層や女性層にも拡大されるような状況になってまいりまして、質的にもこのような状況から変貌をしてまいりましたし、また経済社会的な位置づけは相当に大きなものとなってきておるわけでありまして、このような競馬を取り巻く状況にかんがみて、競馬を長期的に安定をした大衆的なものに発展をさせていきたい。その意味では公正な実施をすることが何よりも国民全体の信頼を回復し得るものだ、こう思っておるわけであります。競馬の実施によって生ずる益金を国民の利益に資するように、有効に活用するための措置を講ずることを今回の競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に盛り込ませていただいて、提出をさせていただいたわけであります。
#65
○細谷昭雄君 今や日本競馬そのものは、中央競馬会は三兆円産業というふうに言われるほどの大変なもう膨張をしたわけでありますし、これは新日鉄の年間業績と同じ産業だということであります。しかも従業員といいますか、これはもう十分の一程度、一五%程度ですか、新日鉄の。したがって、大変な巨大産業というふうに言われているわけでありますが、問題は、先ほど上野委員からもお話がありましたが、政策目的、この中央競馬会の政策目的は第一条に挙げてありますが、これを変更する必要が出てきているのではないか。一部には、畜産振興に資するというのは時代おくれじゃないのかと、もうどんどんもうけて、ファン層も非常にもう広いからこれはどんと老後の社会福祉に回せというふうな議論というのが行われておるという実情もございます。
 私たちとしましては、この中央競馬会の政策目的は広い意味の畜産農業こういう振興に資するべきだという、今回の改正でも変わらないわけでありますが、今後こういうふうな畜産振興を中心とした政策目的を堅持するかどうか、この姿勢について、大臣のお考えを聞きたいというように思います。
#66
○国務大臣(近藤元次君) せっかくこれだけの大衆の皆さん方が余暇やレジャーや生活環境から、若年層、女性層まで大衆化をしていただいたので、まずこれを安定させることが何よりも大事なことだ、こう思っておるわけであります。それゆえに公正な競技を行わなきゃならぬということが大原則であろう、こう思います。層が大変家族的になってまいりましたので、明るい雰囲気をつくっていくというようなことに常々心がけてきておるわけでありますが、その結果として、競馬から出てくる益金については当然のことながら馬の改良、増殖には第一義的に努めていかなきゃならないことでありますし、あわせて畜産振興ということは発足当時から念頭に置いてきた事業でありますから第一の事業、こう考えておるわけであります。
 そのほかに、国民大衆化をしてまいりましたので、国民全体的にもまたその益金が利益を受けるようにさせていきたいと思いますが、将来は将来としても、また、農村や山村におけるところの間接的な畜産振興ということに少し枠を広げさせていただきたい、こういう関係で今回法律に盛り込ませていただいたわけであります。
#67
○細谷昭雄君 次に、今回の改正の眼目が公正確保の措置についてだったというふうに思いますが、その際、例えば馬主の登録、調教師や騎手の免許、こういったものが改正になり、しかも取り消しができるというふうな一つの措置をとったわけでございますが、最近多くなっております法人馬主、とりわけクラブ法人馬主、これの登録問題というのがいろいろございます。そこで、このようなクラブ法人に対してどういうふうな対応をされるつもりなのか。
 もう一つは、これはいろいろ審査会その他設けられるわけでありますが、どういう馬主を排除するか、どういう調教師やどういう騎手ではだめなのか、その排除する一つの問題があろうかと思うんです。これは平たく言いますと暴力団関係はもう締め出すということだと思うんですが、これは法律の中にはありませんけれども、例えば施行規則とか、中央競馬会の内規の問題とか、ないしは審査会の何かに明文化する必要があるんじゃないかなというふうに思いますけれども、この省令その他で暴力団の排除ができるような明示をするのかどうか、これもあわせてお答え願いたいと思います。
#68
○政府委員(岩崎充利君) いわゆるクラブ法人馬主を登録するに当たりましての審査は、これはまた一般の法人馬主と同様ほ扱っている。欠格事由との関係でいきますと法人の代表者、また役員について欠格事由該当の有無を判断しておるということでございます。
 今回の馬主登録制度の改善を行うに当たりましては、馬主登録の欠格事由を追加いたしまして登録要件の厳格化を図るということとともに、抹消規定を新たに設ける、また手続面でも一層客観的な立場から公正な判断ができますように、競馬会内部に新たに審査会を設置いたしまして、その意見を聞いて馬主登録を行うということでございまして、クラブ法人につきましても他の法人馬主と同様に、従来以上に厳正な審査が行われるということになります。これにつきましては、当然省令で、馬主関係につきましては先ほど先生が御指摘になりましたような、集団的あるいは常習的に暴力的不法行為等々を行うような者も加えまして欠格事由という形にしたいというふうに考えている次第でございます。
 それから、特にクラブ法人の場合には、ほかの法人と違いますのが愛馬会というのがございまして、愛馬会とクラブ法人との関係、また愛馬会の中での愛馬会と会員との関係というような形でいろいろこれまであったわけでございますが、私どもとしてはその愛馬会の適正な運営と会員の保護の観点から、クラブ法人に対しましては指導に従う旨を記載した誓約書の提出なり、愛馬会と会員との間の規約の整備とか提出、あるいはクラブ法人と愛馬会との間の出資契約書の整備、提出、あるいは会員募集なりパンフレット等の提出ということを指導いたしたところでございます。
 さらに、今後におきましては、そのような指導に加えまして、馬主登録の拒絶要件に該当するような者が愛馬会の会員に含まれることのないように指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#69
○細谷昭雄君 問題は、今後これから設けられます審査会。これ審査会というのは、恐らく今後競馬に対する国民の信頼のかなめになっていくんじゃないか、こんなふうに思うわけでございますので、この人選は大変重要だと思うんです。七名構成、しかも大臣の任命ということになっておりますが、要するに任命の方針、どういう層からどういう形でこれを選ぶのか。人格的にも、それから識見の上でも、本当に公平な各界のあれを網羅したということでなければならないと思うんですが、その方針についてひとつ明示いただきたいと思います。
#70
○政府委員(岩崎充利君) 審査会の委員でございますが、学識経験を有する者のうちから農林水産大臣が任命するということになっております。これが競馬の公正確保のために行政処分に当たります行為について審査するものであるということから、当然競馬の施行について直接の利害関係を有しない者であることは最低の条件だというふうに思っておりますが、また先生御指摘の点も踏まえつつ、具体的には、例えば法律について専門的知見を有する法曹関係の方々とか、それから公営競技において公正確保に知識と経験を有する方とか、あるいは競馬の実務についての専門的知見を有する者等々の中から考えていきたいというふうに考えている次第でございます。
#71
○細谷昭雄君 これは非常に難しいと思いますので、十分これは国民が納得のいけるような人選をしてもらいたいというふうに思うんですね。強く要望しておきたいと思います。
 それで、これは中央競馬会に設置するということになっておりますが、地方競馬はどうされますか。
#72
○政府委員(岩崎充利君) 実は地方競馬全国協会は、競馬の施行者とは別に、全国団体としてまさに馬主の登録なり調教師とかあるいはその他の免許を行うためにつくられた団体でございまして、地方競馬全国協会で従来どおり行う、こういうことでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、馬主の登録のそういう要件の厳格化というものは当然、中央、地方を問わずかぶってくることでございます。
#73
○細谷昭雄君 いや、私が言いますのは、今回公正措置としてこの中央競馬会にわざわざ審査会を設ける、こういうんですね。しかし、協会そのものは審査会じゃないと思うんですよ。したがって、地方競馬の協会にも、そういう免許登録その他取り消しを含めまして、中央の審査会と同じようなものを置くつもりはないのか。
#74
○政府委員(岩崎充利君) 中央競馬会の場合は、中央競馬会自身が競馬の施行という現業的な業務と、それからもう一つは馬主登録なり調教師の免許等々のそういう公権力的な処分というものをやる業務とあわせて実施してきて今日に至ってきておるということでございますので、そのうちの公権力的な行政処分に当たるようなものにつきましては、やはり手続の公正さ等々を明確にすることが必要だということで今回審査会を設けたということでございます。
 他方、地方競馬におきましては、地方競馬の主催者は県なりそれから特定市町村、こういうことでございますが、そういう形とは別に、そういう処分的なものは地方競馬全国協会が従来からやっておるということで主体が違うというようなこともありまして、地全協には特にこれは設けなくても従来からやっているとおりで十分公正確保が図られるというふうに考えておる次第でございます。
#75
○細谷昭雄君 地方競馬自体もますますそういうふうなことが求められると思いますので、十二分に協会が機能を果たすようにひとつ指導を願いたいというふうに特につけ加えてお願いしたいと思います。
 次に、理事長にお聞きしたいと思うんですが、中央競馬というものは内厩制度のもとに運営されておるようであります。この厩舎の貸し付けがどうも最近固定化しておる。特定の調教師が物すごく大きな力を持ってきている。もう馬主なんか全然問題にならない。そういう点で大変前近代的な雇用関係のもとに厩務員とか調教助手とか、そういう親方、子方という関係、徒弟制度みたいなそんな形のものがまだ残っておるというふうに言われておるわけであります。本当かどうか私も十分に通じているわけじゃございませんが、問題は直接馬を取り扱っておる厩務員という皆さん方がその労働条件なり労使関係なりで明るくなくちゃいけないと思うんですね。そういう労使関係が暗いということは競馬全体を暗くするということにもなりかねない。したがって、この内厩制度のもとで調教師の固定化、これを防ぐためにどういう措置をとるのか。それからこういう労使関係を近代化するためにどういう指導をするのか、この点について日本競馬会のお考え方、それから指導の方針、こういったものを承りたいと思います。
#76
○参考人(渡邊五郎君) ただいま先生御指摘のように、中央競馬会では内厩制度ということで、東西両トレセンに集中管理するような形態をとりましたが、それはそれなりに意義があったかと思いますが、同時にこの内厩制度の中でいろいろレース数も限られ、競馬場も限られますと当然馬数がふえてくる、そういう状況から調教師が馬主さんよりも優位的な立場に立つというようなうわさは私どももよく聞きますし、またそこに競争原理が働かないんじゃないか、活性化していないというような問題も最近よく議論になるようになってまいりました。私どもとしては、具体的にこの問題については現在メリットシステムの導入というような形でもっと厩舎数を弾力的に扱うようなこと、既に調教師の定年制等の導入等もいたしましたし、預託頭数の制限等もいたしております。
 今後の問題としては、場合によっては一部外厩制の導入等も考慮していかなければならないんじゃないかというようなことで、これは恐らく法律問題じゃございませんので、改正法を踏まえまして私ども今後取り組まなきゃならない運営上の一番大きい問題だと思っております。
 労使関係の問題につきましては、徒弟制度とおっしゃいましたけれども、従来に比べますとかなりそういう点は変わってはきているかとは思います。厩舎の中でも非常にそうした関係が良好なものもありますけれども、おっしゃるように必ずしもそういう状況でないということもございます。私ども、原則的には双方の御努力で近代的な形態になることが望ましいと思います。私どもも関係する者として、この労使関係のあり方についていろいろな問題もございますが、積極的に取り組んでいきたいと思っております。
#77
○細谷昭雄君 私も昨年の暮れトレーニングセンターを見学いたしまして、非常に馬を預かっている皆さん方が苦労されておるということを感じました。こういう競馬に限らず馬というのはマニアみたいな、私たちから言うと気違いみたいな人方がおりまして、そういう人方が本当に寝食を忘れてやっていかないと発展しないということを私たちもわかっているんです、承知しているんですよ。しかし、そうかといって、現在時短の問題、後継者の問題というのが出てきておるときに、あの人方は一生懸命やっているからといって放置していいというわけじゃないので、私はそういう労使関係のガイドラインとか、内厩制度のもとでも、これは最低ですよというガイドラインを中央競馬会でおつくりになってこれを示していく、これを使っていくようにする、こういうことなんかも必要じゃないか、こんなふうに思いますので、この点を要望しておきたいと思います。
 次に、国庫納付金についての問題でございますが、これは理事長にお聞きしたいと思うんです。
 中央競馬会は、法第三十六条二項によりまして、国庫納付金の金額の算出は、各年度においてその年度の予算額によるというふうになっております。このようにどんどん三兆円産業というようになってきますと、年々歳々この納付金の額というのが多くなるはずなんですが、平準年度におきましてこの予算額は大体どういうふうなテンポで伸びていくつもりなのか、そういう予測をされておると思うんですが、おおよその予測がありましたらお知らせ願いたいと思うんです、納付金額。
#78
○参考人(渡邊五郎君) 私どもおかげさまで三兆円のような売り上げになりまして、非常に感謝しておるところでございます。ただ、私どものここ十年ばかりを振り返ってみますと、正直、五十七、八年ごろには対前年比の伸びが一%台というような時代がございましたし、これが昭和六十年に入りましてから九%から一〇%強というようなことがございまして、昨年に至りまして二一%というような大変大きな伸びを示していただいたわけでございます。ただ何分にもこうした興行的性格の事業でございますので、非常に見通しが難しい点がございます。一つは景気の動向等もございますし、かつまた他のレジャー産業との関連、競合というようなこともございます。また、これは率直に申し上げまして、自然現象と申しますかお天気のぐあいによりまして相当振れるものでもございます。にわかにこれを一般の産業のような形での見通しをつくることは非常に困難で、御質問に率直にお答えできることは難しいんですが、私どもの希望といたしまして、これから経営がうまくいくには対前年で五ないし一〇%ぐらいの伸びの中におさめられたらということを希望はいたしておりますけれども、先ほど言いましたような状況でございます。また、伸び率が非常に振れた過去の経験も持っておりますので、そういう希望を持っているということで御了承願いたいと存じます。
#79
○細谷昭雄君 その次、この三十六条一項の改正で、その使途というのが「畜産振興事業等」、「等」というふうに一字入ったわけであります。「等に必要な経費」としておりますが、これまでの事業のほかに対象を広げる事業は何でしょうか。
#80
○政府委員(岩崎充利君) 国庫納付金の使途を従来の畜産業の振興に必要な経費に加えまして、畜産農家も受益し得るような、例えば農道とか集落排水とか、多目的集会施設の整備等の農村の営農環境の確保のための事業とか、あるいは畜産への応用性のあります農作物の遺伝子構造の解明の研究など、直接に畜産の振興のみを目的とはしないけれどもこの実施の効果として畜産の振興に寄与することとなる事業の実施に必要な経費にまで拡大して、全体として畜産振興の一層の推進を図っていきたい、こういう趣旨でございます。
#81
○細谷昭雄君 ここで大変問題なことがございます。それは年々増大しております納付金、理事長はおかげでどんどん伸びてきておりますと言われたが、しかもこの納付金の使途というのは、今言ったように一応畜産振興等に使うというふうになっているんですが、この年々増大する国庫納付金でありますが、肝心の農林水産省の予算、とりわけ畜産局の予算というのは年々歳々減っておるわけです。昭和五十六年をピークにしましてどんどん減っている。このような納付金の畜産振興の使途明記にかかわらずこれは全く運動しておらない。一体どういう理由ですか。
#82
○政府委員(岩崎充利君) 国庫納付金に相当します四分の三は畜産振興、こういうことになっておる次第でございますが、その経費につきましては、私どもの畜産局関係だけの予算ということでなくて他の局に計上されております、例えば家畜共済等の農業保険なり制度資金なり、それから試験研究等の予算のうちに畜産に係るものも当然含まってきている、こういうことでございます。
 この場合に、国庫納付金の額の増加に伴いまして、これらの予算が当然に増加されるという仕組みにはなっておりません。これらの予算は、過去そのときどきの情勢に応じまして増減しておりまして、近年はシーリング予算のもとでおおむね減少傾向で推移してきたということでございます。ただ、全体としての畜産振興関係の予算としましては、常に国庫納付金の四分の三相当額は上回っている、こういうことでございます。
#83
○細谷昭雄君 これは各局に分散されておるといいますけれども、全体の農林水産予算自体が陥没しているんですよ。四分の三の納付金の額よりも大きいのは当たり前の話で、問題は全然連動していないということなんです。建前としては畜産振興に資すると、競馬はどんどんどんどん増大する、納付金も増大する、にもかかわらず肝心かなめの農林水産予算は沈没している、どういうことになっているんですか。そんなばかなことはない。したがって、連動しない限りはこれは私たちは中央競馬会に協力するなんということはもうできないというように思うんですよ。その点を明確にしてもらいたいと思うんです。これはもう恐らく農林水産大臣の今後の予算の取り方、こういったものも十分関係があると思うので、特に希望しておきたいと思うんです。
 時間がどうも、私は項目が七つばかりあるんですが、まだ三つばかりなんですよ。それで答弁は短くて結構です。
 次に、中央競馬会法の第二十九条二の三項の改正がありました。これは極端に言えば、この改正によって、たくさん残っている剰余金を全部特別振興資金に充てることができるというふうに考えられますが、この点どうでしょうか。平準年度における政令で定める割合というふうになっておりますが、平準年度におけるこの政令で定める割合というのは大体どのくらいになる予定ですか。
#84
○政府委員(岩崎充利君) これは剰余金からの一部を充てる、こういうことでございます。剰余金そのものは御存じのとおりどのぐらいの売得金があるか、また経費がどのぐらいかかるか、それからその後競馬会の運営に支障がないような形で特別積立金としてどうするかというような中でやっていくものですから、これは年々決めていくようなことになりまして、現時点で幾ら、こういう形にはなかなかなりがたい、こういう性格のものでございます。
#85
○細谷昭雄君 それで、この特別振興資金の対象事業、それから対象とする法人、これはもう法人というふうになっておりますから、どういうふうなものを対象とするのか、また地方競馬会の協会でも補助事業をやっておりますし、地方競馬の主催団体であります都道府県や市町村でも畜産振興事業をやっておりますが、その調整をどうするのかということについて。
#86
○政府委員(岩崎充利君) 特別振興資金を活用することとなる事業につきましては、今後中央競馬会におきまして関係者の意見を聞いて具体的に検討されるということでございますが、一つは地方公共団体等との違いでございますが、地方公共団体あるいは国の施策の対象となる分野というのは、生産から流通、消費の各般にわたりまして基本的な事業、草地造成とかその他いろいろな形でやるということでございます。地全協そのものは、これは地方競馬の所在地とそれから畜産地帯とが必ずしも立地を同じくしないといういろいろなアンバランスの問題もございましたので、これを是正する観点から、主として地域的な畜産振興事業に対して助成をするということにいたしております。
 今回、中央競馬会が助成業務を行う場合には、全国的規模の法人に対しまして新技術の普及なり研究開発なり、農村地域が共通に抱える問題の対応等、全国的見地に立って対処する必要がある事業について資金を提供するということにいたしておる次第でございます。
#87
○細谷昭雄君 次に、今回控除率の問題を取り上げたいと思うわけであります。控除率の問題は、これは時代の発展、経済的な情勢その他いろいろありまして、環境的にも、他の公営競技との均衡というふうに言っておりますけれども、もうこのような三兆円産業になってしかも七五%の還元度、二五%の控除率というのではファンが納得できないという声が大きいんですよ。これはもう当然こういう声にこたえる時代に入っているのではないか。控除率が横並びの二五%でいいのかどうか。
 ちなみに外国の例を挙げますと、アイルランドが一八・二%、ニュージーランドが二〇・八%、それからイギリスは一六%から二九%、やり方はいろいろ違うんですけれども。高いところになりますとアルゼンチンが三五・二%、日本の戦時中みたいなということなんですが、いろいろあるんですが、なぜ下げることができないのか。それから外国でこういう下げているところがあるにもかかわらず、しかも日本は外国と比べるともっともっと剰余金が多い、こういう中でなぜ下げられないのか、この点についてお考えをお聞きしたい。これは農林水産省と理事長からお聞きしたいと思います。
#88
○政府委員(岩崎充利君) 控除率でございますが、これは競馬主催者の一定の財政収入を確保するということと、勝馬投票券を購入された方の利益の保護を図るという観点から、この二つの要請を満たす水準に定められておりまして、現在二五%がこの双方の要請を満たすものとして定着してきた、こういうことでございます。確かに先生御指摘のように、この控除率そのものについてはいろいろ両論ございます。ただこれにつきましては、今のように競馬主催者の一定の財政収入の確保と勝馬投票券購入者にどの程度のものを与えるかということのいわば公営競技全体を通ずる基本的な枠組みということでございまして、今回特に触れなかった、変更しなかった。これは公営競技全体を通ずる検討課題だろうというふうに考えている次第でございます。
 ただ、先ほど申しました、先生もあれですが、今度私どもは、例えば中央競馬会におきましては特別剰余金というものを活用いたしまして、その一部で単複に限りましてそういう道を今回新たに開いたということでございます。
#89
○細谷昭雄君 外国の例。
#90
○政府委員(岩崎充利君) 外国の例でございますが、アイルランドが一八・二%、アルゼンチン三五・二、イタリア三〇・八、韓国二八、ニュージーランド二〇・八、西ドイツ二四・四、ハンガリー三四・八、フランスが二八・二。それからアメリカでいきますと、これは州によってそれぞれ違いますが、一七から三六ぐらい。イギリスは一六から二九……
#91
○細谷昭雄君 理由で結構です。なぜ日本でできないのか。
#92
○政府委員(岩崎充利君) つまり、この問題は公営競技全体を通ずる課題だということでございまして、やはり基本的枠組みそのものは公営競技を通ずる全体のものということでございますので、なかなかうちだけでというわけにはまいらないというところでございます。
#93
○細谷昭雄君 今局長も今回はだめだ、こういうことなんですが、理事長も大体同じだと思うんですね。答弁聞かなくても大体わかります。
 今回附則で、特別給付金を、単勝式、複勝式の勝馬券だけに限って対象として特別給付金、五%増しのファン還元をするということになっているようですが、恐らく二五%の控除率をもっと下げろと、この要望にこたえてこれは代償行為みたいな形でやったと思うんですが、驚くなかれ中央競馬会でこれ五%だけで七十五億円、もし地方競馬でやったとしても七億円という推定がありますね。三兆円の中で七十五億円程度出したからといってファンサービスにならないんですよ、これは本当は。ですからこれは、今回はしようがないとしまして、やっぱり控除率を下げるという問題やないしはファンに還元するという金の面でも十分考えていくべきじゃないのかというように思うんですよ。これは今、回答要りませんが、強くこの点はファンの気持ちとして要望したいというように思っております。
 次に、特別給付金は売得金の五%以内としておりますね。それから「当分の間」というふうにしておりますが、「当分の間」というのはどのぐらいなのか、この理由をお聞かせ願いたいと思います。
#94
○政府委員(岩崎充利君) 還元率五%といたしましたのは、これは五%というのが切りのいいわかりやすい数字でありまして、五%ぐらいであればファンにとっても還元の実感があるのではないかというふうに一つ考えたことと、それからもう一つは、単複の売得金の五%程度でありますれば財源的にも対応は可能であるということから決めたというようなことでございます。決めたというのか五%を上限にはいたしております。
 それから「当分の間」でございますが、これは今回の措置が剰余金の一部ファンへの還元ということでございまして、したがいまして、こういう措置をとりましたことによりまして主催者の収益や池種競技への売り上げ等に対する影響がどんなものになるか、それから投票法間でのファンのシフトの状況がどんなふうになるか、またファン還元のあり方としての評価の程度等というものを今後十分フォローしていく必要があるんだろうというふうに考えておりまして、そういう意味合いにおきまして「当分の間」としたわけでございます。
#95
○細谷昭雄君 切りのいい五%と言わずに、ファンサービスというのは一体何なのかということを根源的に考えていく必要があるんじゃないかというふうに思うんですよ。この点で十二分に皆さん方が前向きに検討されまして、この剰余金の使い方についてはなるべくファンに還元するという形を今後も努めていただきたいというふうに思います。
 問題は、中央競馬がやりますと、地方競馬も当然これは人を集める、営業成績を上げるために無理してやっていくと思うんですよ。ところが地方競馬の収支率は非常にでこぼこなんですね、いいところと悪いところと。悪いところもまねしかねないんです。そうなると、かなりの金が必要なんですが、この場合どういうふうに対処をするつもりですか。
#96
○政府委員(岩崎充利君) 今回の措置に関してでございますが、中央競馬と地方競馬との間に制度上格差が生じることのないように、地方競馬にも特別給付金制度を適用する道を開いてほしいという地方競馬主催者の要望があったことを考慮いたしまして、競馬事業の収支状況から見まして競馬の円滑な実施に支障がないと認められる場合に、地方競馬においても特別給付金を交付することができるというような形にしたわけでございます。
 なお、地方競馬の場合に大変難しい問題もあろうかと思っておりますが、基本的にはこれからも地方競馬の振興というものは十分図っていかなければいけない問題だろうというふうには考えております。
#97
○細谷昭雄君 なかなか時間がなくて申しわけございませんが、開催日数と、それから特別登録料というのを引き上げたわけですが、まず最初にお聞きしたいと思いますのは、競馬場の数、それから開催日数、これを法定しないで省令にしたわけですね、省令で決める、これは一体どういうことでしょうか。
 それからもう一つ。今十二カ所ありますが、横浜と宮崎は休止中ということで実際は十二カ所を十カ所分にまぶしてやっている、そして年間二百八十八日以内というふうになっているんですが、現状にこれはとどめるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#98
○政府委員(岩崎充利君) まず競馬場名でございますが、競馬法の二条で定められております中央競馬の競馬場のうち、例えば横浜競馬場は米軍に接収されまして、その後国や市に返還されてはおりますが、現在都市公園や公務員住宅として利用されておる、それから宮崎競馬場は競走馬の育成牧場として利用されているということで、両者は現在競馬場として使用されておりません。これにつきましては国会等の場でも実態に合わせて規定を改正すべきではないかというような御質問も再三行われているところでもございまして、今回この規定を見直すに当たりましては、場名を法律で規定しているのはいろいろ沿革的なものもございます、そういうことから競馬場の数の上限は法律で明記しますが、省令で場名を規定するように改正することといたしまして、他種競技でも競技の実施場所につきましては法律では明定していないということでございます。
 それから、中央競馬会の開催日数の問題でございますが、これは今法律上細かく規定しておりますが、他種競技ではこの規制する規定が実は省令に委任されているということから、今回二条の改正とあわせまして三条も他種競技の規定類と同様とするということで省令に落とした、こういうことでございます。
 ただ、先生御指摘のように、確かに競馬はかけごととしての性格があるということでむやみに増加できないというような国民感情もありますし、他種競技への影響も考えなければいけないというようなことから、現在のところでは特段の事情の変化がない限り現状以上に競馬の開催を認めるというつもりもなく、省令でも現状のままを規定する予定にいたしております。
#99
○細谷昭雄君 最後の方になりますが、場外馬券売り場と在宅投票についてお伺いしたいと思うんですが、これは大臣と理事長にお聞きしたいと思うんです。
 場外馬券売り場の設置基準については、先ほど喜岡委員の質問もございましたし要望もございました。これは私も何と考えても今回の委員会の審議で不思議だと思うんですよ。あらゆるいろんな公共施設の設置、その他についても住民の意思というのはだれだかというと市町村長であり、ないしは都道府県議会ないしは市町村議会の意思ということになっているんですよ。それが中央競馬会だけはこの設置基準に任意団体をするなんというのはこれはとんでもない話なんです。これはもう常識外なんだ。したがって、場外馬券売り場の設置基準というのを明確にしていくということを特に要求したいと思うんですよ。今まだ持っておらないとすればこれは明確に設定をして、いつかの機会にひとつ明示していただきたい、こんなふうに思います。なるべくこれは早くお願いしたい。そして、場外馬券売り場の拡大につきましてはやっぱり慎重に進めていただきたい、こういうふうに思うんです。
 確かにファン層が多くなる、これによって営業成績が上がることはもう確実なんですが、問題点はやっぱりいろいろあると思うので、きょうは時間がなくてやれませんが、学校教育法によるところの生徒学生に売ってはならない、売った者は五十万円の罰金、買った者は五万円ですか、こんなことを決めているんですよ。二十歳以上になったらこれ社会人ですから、法律的に。それを馬券だけは売らない。なぜか。そこの方の背景には、これはかけごとだからというのがあるんじゃないかと思うんです。さっき、理事長は少し抵抗を感じるというふうに最初に上野委員のときにお話がありましたが、二十歳の学生、大学院の学生にも売っちゃならぬのです、売った者は五十万円の罰金だと、こういうんですから、これはちょっとおかしい話なんですね。
 そして、それを一つ前段に持っていきますと、この馬券売り場というのは、それほど考えておる競馬だったら、これは本当に十分に教育的にも配慮すべきだというふうに思うんですよ、反面。そのことを特ほ要望しておきたいと思うんです。四月二十日から今回パソコン利用の在宅投票を推進しておるようでございます。これはもう十分に慎重にやっていただきたい。これは試験だからいいようなものですが、これを本当に実施するということになりますと、今言ったのと裏腹なんですよ。二十歳以上の学生にも売ってはならぬ、そうしておいて子供のいる家庭にどんどんこの在宅投票を広めていく、これは矛盾しているんですね、完全に矛盾だと思うんですよ。この点はもう意欲はわかるんですが、実際の社会的に大きな影響、家庭に与える影響ということを考えますと十分にこれは慎重にやっていただきたい。
 一千万のファンがいる。確かにそうなんです。しかし、日本の人口は一億二千万と言われているんです。人口の一〇%以下なんですね。一〇%以下の人方にサービスすることも結構なんですが、一億人の他の国民の合意と本当に競馬を愛するという気持ちがなければ、これは日本競馬会も地方競馬会も私は存在しないと思うんです。このことを考えていきますと、やっぱりこれはもう本当に永続的に将来愛される、しかも皆さん方が志向しております英国型の競馬、上品な紳士淑女が喜んで行けるような、そういう競馬を志向しておる皆さん方からしますと、本当の意味のファンサービスとは何なのか、このことを十分に考えていただきたいと思うんですよ。このことについて、まず最初に理事長、そして大臣の、今後競馬会ないしは競馬に対する皆さんのお考え、志、このことをお伺いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#100
○参考人(渡邊五郎君) 私の方からお答えさせていただきます。
 場外をめぐり各種の問題があることは先生よく御案内のとおりでございます。先ほども大臣からお話がございました。この法律の審議の過程でも御指示がございました。
 私どもとしては、従来懸案になっているものはそれぞれの事情に即して処理していかなければならないと思っておりますが、それはそれといたしまして、これからの場外のあり方の問題につきましては、いろいろイメージの違う、非常に発想の転換をしたような場外の郊外型の非常に近代的な施設なりを考えるべきではないかとか、各種の御提案もありました。私どもとしましては、有識者に集まっていただきまして、今後その将来展望について早くまとめていきたい、このように考えてはおりますけれども、多少時間がかかるかもしれませんが、これからの場外のあり方は、そういう専門的に勉強させていただきたいと存じております。
 在宅投票の問題につきましては、もう多くの御質疑を受けております。私ども自体としてはそのような影響のないように、今回のパソコンなりファミコンの利用につきましても、お申し込みの方の身元なりも十分調査させていただいて、かつまた暗証番号あるいは登録加入の番号、さらにはROMカードというような装置等も備えつけますので、建前としては、恐らくそうしたことで青少年に悪影響を及ぼすことがないように私どもは思っておりますけれども、先生からの御指摘もございますし、かつまた試行期間としてこれから始めるわけでございますので、御意見は十分承って慎重にこれから取り運びたいと思っております。
 私どもの競馬自体は、おっしゃるように、本来ですと競馬場を中心に皆さん方に楽しんでいただくということで、もっと競馬場自身の環境をよくしまして、やはり大きな都会におきます数少ない緑地の空間をもちまして皆さんは楽しんでいただくということを原則にいたしまして、かつまた……
#101
○委員長(吉川博君) 簡単に願います。
#102
○参考人(渡邊五郎君) 現在ですと、非常に入場者が限度にきております。やむを得ずそうした場外なり投票方式をとらざるを得ない。これについては、おっしゃる点は十分注意して進めたいと考えております。
#103
○国務大臣(近藤元次君) もうこの問題はおわかりのように、のみ行為の防止なり遠隔地のファンに対するサービスでございますし、そういう意味では私も、法律を提案する前に、ここの部分については少年に与える影響というのはどういう状況になるかなということで、いろいろ勉強もさせていただきました。当然のことながら、子供が馬券を買える、電話で投票申し込みのできるというようなことがあってはならぬわけでありますし、そういう点をいろいろチェックをして、競馬にも知識は余りありませんし、またパソコンにも余り知識がないもんですから大変勉強をさせていただいたわけでありますが、試行的にやる段階において十分にあらゆる角度からチェックをして、結果によって慎重に対処していきたい、こう思っておるわけであります。
#104
○委員長(吉川博君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#105
○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、喜岡淳君が委員を辞任され、その補欠として三上隆雄君が選任されました。
    ─────────────
#106
○委員長(吉川博君) 休憩前に引き続き、競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#107
○菅野久光君 まず初めに、競馬法については昭和三十七年の実質的な法律改正を最後に、また日本中央競馬会法については昭和二十九年の制定以来今日まで法律改正が行われなかったことは、先ほど細谷委員の御質問のときにも申されました。競馬法については二十八年目、そして中央競馬会法については三十六年目ということで、全く今日までそれに手をつけなかったということはまことに遺憾であったというふうに言わざるを得ない。しかしながら今回、今日まで全く手をつけなかったこれらの二法案について、その改正に取り組まれた近藤大臣初め事務当局に、遺憾だったということはそれはそれとして、敬意を表したいというふうに思います。
 それだけに、今回の改正に当たっては関係者による懇談会なども持ちながらいろんな意見を聞いてやられたわけでありますが、しかし、手をつけないできただけになかなか大変な面があったのではないかというふうに思います。一度にはなかなかできないんで、今回の審議を通じ、またこれからのいろいろな社会情勢や競馬をめぐる情勢、それらを勘案しながら、今後こんなに長い間放置することのないように、そのときどき、やはり状況をしっかり見据えながら対応してもらいたいということを初めに申し上げておきたいと思います。
 実は、私の選挙区であります北海道の日高地方は有名な軽種馬の産地でございます。ちなみに、日高地方の農業粗生産額に占める軽種馬の割合は、昭和六十三年で六九・一%、約七割ですね。金額にして三百七十七億一千二百万円。畜産関係だけから見ますと、その八一・四%を軽種馬産業が占めているということになる地域でございます。軽種馬生産はこのように大変この地方にとって重要な産業でございまして、競馬といえば馬あっての競馬でありますから、私はまず軽種馬生産の問題から質問に入りたい、このように思います。馬の問題ですから何とか答の方もうまくひとつ答えていただきたいということをまずお願い申し上げて、質問に入りたいと思います。
 軽種馬生産者は、生産された軽種馬の資質によってその売却価格が大きく増減するために農業収入の変動が大変大きい。それだけに経営が不安定になりやすい傾向があります。そのため、十分な生産対策や経営安定対策を講じなければならない、このように思います。しかしながら、現在国において軽種馬のみを対象とする事業は行われておりません。他の畜産と共通した対策として若干の事業が行われているにすぎないわけでございますが、これでは、他の畜産においてそれぞれの畜産業の特性に応じた対策が講じられているのに比べて、余りに不十分と言わざるを得ない。軽種馬生産の安定的発展を図るためには、軽種馬生産の特性に応じた軽種馬のみを対象とするような政策を講じていく必要があるというふうに私は思うんです。そして、軽種馬生産に特徴的と言える経営の不安定性に対してどのような経営安定策を講じていくのか。軽種馬生産の現状と今後のあり方について基本的な方針と施策について、最初に大臣にお伺いをいたしたいというふうに思います。
#108
○国務大臣(近藤元次君) 今先生からお話のございましたように、軽種馬生産は北海道が九割を占め、その中でも日高地方が中心ぽなって、地域にとっては極めて重要な農業部門に位置づけられておるというふうに承知をいたしておるわけであります。また、競馬がこのような国民の健全な娯楽として定着をしている現在、その発展に資する意味でも軽種馬生産の経営が健全に発展をしないと競馬そのものが安定をしないように理解をいたしておるわけであります。このために草地事業とか、その他の具体的なことにつきましては局長から答弁をさせますけれども、今回競馬の剰余金をもって一つの新しい事業に取り組もうということでありますから、他の事業に取り組む前に、一つ私が心配しておることは、馬も国際化の時代を迎えてきて、国内の馬が外国から見れば競走力が弱い、こういう事態で国際化を迎えたときに、競馬場の馬は一体国内産で競走できるかどうかということを非常に私はこの法案を出すに当たって説明を聞きながら心配をいたしたわけであります。それだけに新たな事業よりも、この事業こそ本事業だ、こう理解をしておりますので、より一層具体的な施策を地域のニーズに合わせて進めたいと思っておるわけでありますが、内容については局長から答弁をさせていただきたいと思います。
#109
○政府委員(岩崎充利君) それじゃ、ちょっと事務的に御説明させていただきますと、先生が先ほど述べられましたような軽種馬生産の特性というものはございます。さらに、我が国の軽種馬生産農家の飼養規模そのものも、繁殖牝馬の飼養頭数が十頭未満のそれが八割を占めるというような形でかなり零細だと。また、欧州に比べて生産農家の土地面積は狭隘だということで、かなり生産基盤は脆弱な状況にありますし、また最近は産駒の販売価格の上昇等によりまして農業粗収益は増加しておりますが、ただ現在の隆種馬生産頭数はほぼ横ばいで推移していますが、潜在的にはなかなか過剰基調にあるということで、今後とも計画的な生産を進めるという必要があるということなんですが、そういう状況を踏まえながら、需要に見合った計画生産の推進に加えまして、やはり強い馬づくりのための対策を講じているということでございます。
 具体的に対策といたしましては、国といたしましては、団体営草地開発整備事業を通じました草地開発等に対する助成、それから農業近代化資金や農林漁業金融公庫資金等の機械施設、繁殖牝馬の導入に係ります各種制度資金の貸し付け、それから家畜伝染病予防事業を通じた馬の伝染性貧血症の予防等々の対策をやっておりますが、日本中央競馬会等の助成がかなり大きいものがございまして、こちらの方で優良種雄馬整備促進事業というものを通じまして、生産者団体であります日本軽種馬協会の種馬場に優良種雄馬を配置して低廉な種つけ料による改良の促進が一つございます。
 それから、生産者等が広く利用できる育成施設の整備等の軽種馬育成環境の整備、軽種馬改良情報のデータバンクの作成とか利用ソフトの開発等の利用の促進等々、いろんな形の助成をやっているということでございまして、今後とも各般の生産対策なり経営安定対策の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#110
○菅野久光君 私の先輩でありました川村清一元参議院議員が、日高の浦河というところの御出身でいつも言われたんですが、とにかく競馬でもうけた金が国庫に入りながら、さっぱり競馬のことに金を出してくれないということで、いつもそういう話をされておりましたが、今回、競馬法の改正ということで、その点については大分何か配慮されるようですから、そのことはまた後からにいたします。
 軽種馬生産者の経営規模ですが、これは一般に、その所有する繁殖牝馬の頭数で示されるわけですね。平成元年においても十頭以下層が全体の八二%を占めているということで、軽種馬生産者の経営規模は一般に零細だと言ってもいいというふうに思います。このために、生産者が経営の安定のためにある程度の規模拡大を図りたいと思っても、厩舎の増築だとか採草放牧地の取得だとか繁殖牝馬の購入等に多額の投資をしなければならない、これに十分な補助とか融資がなければ規模拡大なんということは到底できないという状況になります。
 現状では、この規模拡大を図るための投資というのは制度資金の貸し付け対象になってはいるようですけれども、軽種馬生産者が規模拡大をする場合に一層の補助とか融資の拡充ということが求められるというふうに思うんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
#111
○政府委員(岩崎充利君) ただいま先生お話がございましたように、かなり零細規模で経営基盤も脆弱である、いろんな面で軽種馬生産そのもので難しい問題を抱えておることも事実であります。
 しかしながら、先ほど大臣からもお話がございましたように、海外の競走馬に劣らないような強い馬づくりというものが必要でありまして、経営規模の拡大を図るということとあわせまして、その資質の向上と申しますか、体質の強化というようなことを進めていくということが必要でありまして、遺伝的能力の向上なり育成環境の整備等々とあわせた形で各経営の土地条件なり資金能力等に応じて規模拡大を図っていくということが重要であろうと。
 先ほど若干施策のことにつきまして申し上げましたが、私どもといたしましても、草地基盤の整備なり各種制度資金の貸し付け等を実行いたしておるところでございますが、また各経営に応じました無理のない規模拡大を図るために関係団体との連携のもと、隆種馬能力の向上なり草地基盤の整備なり各種制度資金の貸し付けなり育成環境の整備、あるいは飼養経営管理技術の向上とか馬の資質の向上等の推進というものを図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#112
○菅野久光君 きのう参考人の中で、日高軽種馬農協の組合長の増本参考人は、規模が小さくてもいい馬ができると。確かにそういうことがあるんだろうと思いますが、規模拡大を希望している方方についてはできるだけのことはしてあげてほしいということを要望しておきたいと思います。
 この軽種馬生産者の経営安定のためには生産コストの削減、特にその第一次生産費の約三分の一を占めておりますのが種つけ費なんですね、これの増加を抑制して適正な水準にしていくことが軽種馬生産にとっては大変重要なことだというふうに思われます。この種つけ費に関しては、先ほどお話がございましたが、日本中央競馬会及び地方競馬全国協会の助成事業として優良種雄馬整備促進事業が行われておりまして、今申し上げました昨日の増本参考人のお話ですが、普通であれば種つけ料が六百万ぐらいのものが百六十万ぐらいでできるようになっているというようなことで、大変助かっているというようなお話でございましたが、種つけ費の適正化を図る上ではまだ何か不十分ではないかというふうに思うんです。
 中央競馬会及び地方競馬協会の方で行われている優良種雄馬整備促進事業でこの種つけを、それだけで種つけをしているわけじゃないですね、それ以外のもありますね、この事業で種つけしているというのはどのくらいの率があるか、おわかりでしたら参考までに教えていただきたいんですが。
#113
○政府委員(岩崎充利君) 確実な数字はちょっと手元にないですが、記憶している限りでは数%、五、六%ではないかというふうに思っております。
#114
○菅野久光君 数%というのですね、この事業で種つけをしている、いわゆる利用しているというのは。
#115
○政府委員(岩崎充利君) そうです。
#116
○菅野久光君 そうすると、その利用していない一般の種つけですね、それからいきますと、値段なんですけれども、最高、最低がどのくらいかわかりましたらひとつ教えていただきたいと思います。
#117
○政府委員(岩崎充利君) 値段は通常の種つけ料で言いますと数百万とかでございます。ですから、大体今の事業でやりますものの二倍ないし三倍、通常の場合はそういう感じではないかというふうに思っておりますが。
#118
○菅野久光君 今お話しのように、中央競馬会や地方競馬協会でやっている事業ではほんの数%しか利用はされていない、他はそれ以外でやっているものですから非常に高いわけですね。このことがやはり軽種馬生産者の経営にとって大変な種つけ料がウエートを占めていることになるわけです。
 したがって、この種つけ料の適正化について何か積極的な対策を講じなければならないのではないかというふうに思うんですが、その点についてどうなのか。そして、これだけ高い種つけ料なものですから、何とか制度資金の貸し付けの対象ぐらいにはならないのかどうか、その辺についてひとつ見解をお示しいただきたい、こう思います。
#119
○政府委員(岩崎充利君) 制度資金全体といたしましては、最近その貸し付け件数等も増加傾向で伸びております。十四億円ぐらい軽種馬に対して融資があると、農林漁業金融公庫資金でございます。
 ただ、先生御指摘の種つけ料の関係でございますが、肉用牛等につきましては、実は子畜から成畜になるまでの間の育成過程で必要となる経費につきまして、これは農業近代化資金の貸し付け対象ということで、育成期間中に種つけもいたしますものですから、これは育成費という形で貸し付けの対象にはしておるわけでございます。
 ただ、軽種馬の場合には、一般的に競走成績や血統等によって選抜されました成畜が結果として繁殖に回されるというような形でございまして、なかなか現行の近代化資金の枠組みの中ではなじみにくい。ただ、農業近代化資金といたしましては、繁殖牝馬や種雄馬の購入はこれは見ておるというような状況になっております。それで、私どももいろいろ今後の問題としてさらに検討は進めていきたい、なかなか難しい問題でありますが検討は進めていきたいというふうに考えております。
 また、これだけという形じゃないですが、軽種馬の生産経営状況ということを見ました場合に、いろいろな面で現行制度資金の充実のことが検討課題としてあろうかと思いますが、あわせまして特別振興資金の活用等々も含めて今後さらに必要なものについては検討してまいりたいというふうに考えております。
#120
○菅野久光君 せっかくいい種馬を外国あたりから買ってきて、そして安く種つけをしているというようなことにもかかわらず、わずか数%しか利用がないというその原因は一体どこにあるとお考えでしょうか。政府の方でも参考人でも結構です。
#121
○政府委員(岩崎充利君) 中央競馬会の場合には、自分で購入したものにつきまして日本軽種馬協会にこれを寄贈して、日本軽種馬協会が自分のところの種馬場にこれを持っていくという形でやっておるということで、中央競馬会そのものが自分で購入するということでの対策なものですから、全体としてかなりウエートを高めていくということが非常に難しい問題もありますし、他方現地におきましては、民間でそういうことを業としてやっておられる方もありまして、そういう方の民業圧迫ということもいかがかというようなこと等々も、全体をひっくるめながら今のようなことになっておるんじゃないかというふうには感じておりますが、さらにいろいろな面で、この対策につきましては重要な面がありますので、進めていくように十分中央競馬会等とも相談してまいりたいというふうに思っております。
#122
○参考人(渡邊五郎君) 私どもは、今局長からお話がありましたように、競馬会で購買しました外国産馬を組合の方へ寄贈しております。現在これによって供用されておりますのが二十頭ほどになります。その中でもかなり成績のいいものもございますが、種つけ料の最低は二十万円、最高で百四十万円程度のようにかなり低額になっております。
 ただ、これらの産駒の年間の種つけ頭数が大体千頭ぐらいと思われます。したがいまして、全体に占める割合は数%以下かもしれませんが、一般には先生御案内のように、この種馬自体が一つの競走馬の先を見越した非常に大胆な投資をするような事業になって、特に民間を中心にそうした動きが最近特に活発でございまして、これが非常に高い種つけ料は一千万を超すようなものがございますけれども、これが好ましいかどうかという問題はございますが、やはり私どもはできるだけ安く種つけができるような方法を組んで、こうしたものにできるだけの御援助をしたいというふうに考えております。
#123
○菅野久光君 どうしてもいい子をつくりたいということで、種馬の選定というのは非常に軽種馬農家にとっては大事なことなんですね。そんな意味で、せっかくお金をかけて二十頭も種馬をしながら、軽種馬全体の中からいくと数%ということはちょっと寂しいなというふうに思うんですが、なおこのことはついては、生産コストを削減するということでどうしたらいいのかということをさらにひとつ研究をしながら進めていっていただきたいどいうことを要望申し上げておきます。
 それから、軽種馬生産者の経営安定のためには産駒が適正な価格で販売される必要があるわけですね。そのためには需給を適正に反映する市場での取引、それを拡大する必要があります。しかしながら、調べてみますと、例えばサラ系の二歳馬では生産馬に対する市場への出場率は平成元年度で一六%にすぎない。市場への出場率が低い背景には、生産者が馬主である場合には市場へ出す必要がない。それから予分け制度がある。それから馬主が繁殖牝馬を生産者に預託している場合には市場ほ出ないわけですね。さらには生産者と馬主との長年にわたる直接取引関係が定着していることなどがあるというふうに聞いておりますが、現在のこの産駒の取引形態をどうように把握しているのか、お伺いをしたいというふうに思います。
 市場取引の拡大を図るためには、現在、日本中央競馬会及び地方競馬全国協会の助成事業として軽種馬競り市場の整備を行う軽種馬流通改善促進事業が行われております。また、日本中央競馬会によって市場取引馬の奨励が行われていますが、これらの事業では市場取引の拡大を図る上で甚だ不十分と言わざるを得ません。政府はその市場取引の拡大のためもっと積極的な対策を講じなければならないと思うんですが、この点もあわせて見解をお伺いいたします。
#124
○政府委員(岩崎充利君) 先生先ほど御指摘がありましたように、軽種馬の生産なり流通というのは子分け馬等他の家畜と非常に性格が異なる面もあることから、市場頭数が低い傾向になっております。それで平成元年度の軽種馬の市場上場頭数は二千三百七十八頭で、上場率といたしましては二一・五%であります。年により多少の増減はありますが、ほぼ横ばいで推移いたしております。一方、上場されました馬のうち取引が成立した頭数は千二百七十一頭ということで、取引の成立率は五三・四%という形で年々上昇いたしております。
 私どもも市場を通じます取引が生産流通の合理化なり近代化は果たす役割は非常に大きいというふうに考えておりますので、市場の整備なり競馬施行面での市場取引馬の奨励等を実施してきたところでございますが、今後とも生産者の意向等を踏まえまして、関係団体との連携のもとに家畜市場の整備等を実施して、軽種馬の市場取引の一層の推進というものを図ってまいりたいというふうに考えております。
#125
○菅野久光君 では次に、近年海外からの我が国の競馬施行の閉鎖性を指摘されている。一層の外国産馬の参入の機会の増大についての要請が強まっております。そのために外国産馬が出走できるいわゆる混合レースを増加する必要も生じてきているというふうに思いますが、これは安易に混合レースを増加することは国内の軽種馬生産に多大な悪影響を及ぼすものというふうに思われます。したがって、私は今の段階では認めるわけにはいかない。競馬の国際化対応に当たって、外国産馬との競走にたえ得る強い馬づくりを強力に推進するなど、国内の軽種馬生産との調和を図りながらこの問題については対応を進めていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思います。
 そこで、日本の馬が弱い、こう言われるその理由、これほどこにあるのかまずお伺いいたしたいと思います。
#126
○政府委員(岩崎充利君) まず、我が国の競走馬と外国の競走馬との競走能力の比較でございますが、これは非常に難しいということなんですが、例えば国内で生産されて国内の競馬で出走した馬が海外に遠征したときの成績とか、また中央競馬で実施しております国際招待競走での成績とか、あるいは世界の競馬場でのレコードタイム等々で判断いたしてみましても、欧米の競馬先進国と比較いたしますと見劣りする状況にあると言わざるを得ないような状況であるのも事実であります。
 この原因といたしましては、一つは競走馬の遺伝的能力水準につきましては、これはかなり欧米先進国からすぐれた繁殖用馬を輸入いたしてきておりまして、私どもかなり高まってきつつあるというふうに考えておりますが、その辺のところが一つございます。それからもう一つは、その能力を引き出す育成調教の面で欧米の先進国と差がかなりあるのではないかというふうに考えている次第でございます。
 このようなことから軽種馬の資質向上や経営安定化のためには、やはり軽種馬の改良推進とかそういうようなものを重点的にやりまして、強い馬づくりを推進するということが必要である。
 これも先生先ほどから御指摘がありましたように、中央競馬会等々でやっております助成に基づきまして、日本軽種馬協会の種馬場に優良種馬を配置して、低廉な種つけでその遺伝的能力を高めていく。あるいは、もう一つは生産者等が共同で育成調教いたします施設の整備ということもかなり重要なことになってくるんじゃないかというふうに思っておりまして、これの軽種馬育成環境の整備と、それからもう一つは遺伝的能力を高める等々の上からも、軽種馬の改良に資するためのデータバンクの整備というものが重要ではないか。これは、血統とか競走成績とか、そういうものが瞬時に大体わかるような形で遺伝的能力を高めるというような形でございます。そういうような対策を講じながら、最大限これから努力をしていかなければいけないことであろうというふうに考えている次第でございます。
#127
○菅野久光君 今お話がございましたが、強い馬づくりの対策、その遺伝的な素質そのものもありますし、それから例えば屋内馬場だとか育成調教施設、こういったようなものなどを整備して、小さいときから訓練をしていくといいますか、鍛えていくというようなことなども必要ではないかというふうに思いますが、このためにひとつ積極的に取り組んで、いつでも競馬の国際化というものに対応できるようにしていかなければならないというふうに思いますが、このことについて中央競馬会としてほどのようにお考えになっておられるか、渡邊参考人にちょっと御意見をお伺いしたいと思うんです。
#128
○参考人(渡邊五郎君) 国際化の問題についてでございますが、お話がありましたように、最近特に諸外国から我が国の競馬の開放を求める声が強くなってきていることは事実でございます。国際生産者会議等でも正式な議題として取り上げられております。特に、我が国の競馬におきます賞金水準もかなりの額に上がってまいりますと、それなりに関心が出ておるところでございます。
 これまでこうした問題について、私どももいろいろ、今後国際化は避けられない状況を踏まえながら御指摘のような、マル混レースと通称させていただいておりますが、これは外国産の出走未経験馬、これも私どもマル外と称しておりますが、こういう馬のレースが制限されているのを、できるだけふやしていくということで、生産者団体ともお話をしながら毎年これを拡大してまいってはきておりますけれども、問題は外国産の出走経験馬、いわば外国で通常走っている馬が日本に来るということは原則としてジャパンカップ、その前の富士ステークスというレースがありますが、この二レース以外は一切日本では禁止している。その割に日本の馬が外国のレースへ行っているというような事情もありまして、非常にこうした外国馬の扱いについては今のような制限的なことでいけるかどうか。私どもは手順を踏んでこれから考えていかなくちゃならないと思いますが、さしあたってはそれ以前のマル外と申しました外国産出走未経験馬というようなものももう少し拡大しなくちゃいけないんじゃないかと思っております。
 ただ、このことは先生がおっしゃるように、やはり国内産馬の資質の向上策との調和をとっていかなくちゃならない。先ほども申しました種牡馬の導入とか、あるいは私どもの育成段階でのモデル施設等もつくりまして、特に私どもが考えなければならないのは、外国に比べますと生産地での淘汰がされないで割に競馬場へ来ているんではないか。二歳、三歳のときの調教なりをしながら淘汰する世界がないものですから、その辺の今後の扱い方をもう少し考えていかなくちゃならない。そうしますとやはりそれなりの人がそろわなくちゃならない。昨日申し上げましたが、日高の大規模調教場もつくりますので、そうした面から積み上げてこれからの対策は考えていかなければならないと存じます。
#129
○菅野久光君 それで今もいろいろお話がございましたが、国際化に対応して強い馬をつくっていくためには、これは生産ばかりでなくて育成調教そして競走のすべての段階で努力をしていかなくちゃいけないわけですね。しかし、現状ではこの強い馬づくりに係る問題点を同じテーブルでいろいろ討議をするということがないやK聞いているんです。生産、育成調教、競走の各段階がそれぞれの立場で検討するということが私は必要ではないかというふうに思うんです。
 それぞれの立場で利害だけが先行するようなことになったのでは、これは真に強い馬づくりを推進するということができない。したがって、各段階が一体となってこの問題点を解決していかなければ強い馬づくりということにはならないのではないか。各段階が共同して一体となって討議をして強い馬づくりに当たっていくというような体制を早急に確立することが必要ではないかというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#130
○政府委員(岩崎充利君) 馬の関係団体が馬事馬産に関します諸問題につきまして意見や情報を交換、検討いたしまして、共通の認識のもとに馬事振興を図っていくということは重要だろうというふうに考えております。
 現在、平成二年度に日本中央競馬会それから地方競馬全国協会、日本軽種馬登録協会、日本軽種馬協会、日本馬事協会等から構成されました馬事振興検討会というものが設置されまして、その中で馬事振興についての意見交換が行われております。今後とも強い馬づくりを含めていろいろな施策にそれが反映されますように検討会を通じまして継続的に検討が行われるように、また実りあるように私どもとしても十分指導してまいりたいというふうに考えております。
#131
○菅野久光君 きのうも佐藤参考人から馬づくりは人づくりではないかというようなことが言われましたが、馬にかかわるすべての方々、騎手だとか、あるいは調教師だとか厩務員だとか、そういういろんな方々の意見なども十分にひとり聞いて、絶えず強い馬づくりをするためにどうしなければならないのか、何をするべきなのかということをやるような一つの機関といいますか、そういうものをつくっていくことが必要ではないかということをこの機会に申し上げておきたいと思います。
 現在、日本中央競馬会と地方競馬全国協会の助成事業によって、助成金ですね、この最終利用者である生産者において圧縮記帳ができないわけです。そのために税金がかかる。助成金に税金がかかるわけですね。しかし、今回の改正では、特別振興資金から交付される交付金の一部については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用が行われるようになっております。この際、日本中央競馬会並びに地方競馬全国協会の助成事業による助成金について、大体同じようなことをやるわけですから、同じようなことをやって、片方は税金がかかる、片方は税金がかからないというのはどうも困るということで、国の助成金に準じたものとして扱うことができないのか、最終利用者の圧縮記帳をできるようにしていくべきだというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#132
○政府委員(岩崎充利君) 国庫補助金等によりまして取得した固定資産等の圧縮記帳の対象となる補助金等につきましては、法人税法の四十二条におきまして、国または地方公共団体の補助金その他これに準ずるものと規定されております。
 地方競馬全国協会の補助金等を本制度の対象にするということにつきましては、実はこれまでにも関係当局にはかなり要望はしてきたところでありますが、本制度の適用が認められておりません。これはそれぞれ先ほどちょっとありました適化法の問題とかその他いろいろ、そのものとしては適用されていないというようなこと等もあろうかというふうに思っておりますが、なかなか今までのところでは御理解をいただいたという形になっていません。ただ、今回の法改正にかかわります中央競馬会の交付金につきましては、制度的に国庫補助金に準ずる取り扱いがなされるかどうかにつきまして、私どもとしては今後検討をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#133
○菅野久光君 生産農家からは強い要望がありますので、何とかぜひひとつ検討していただきたいというふうに思います。
 次に、生産者は、繁殖牝馬の資質改良のため競馬成績の優秀な馬を確保する必要があるわけです。そこで、生産者の中には、今回の改正で馬主の登録要件が厳しくなることでもし馬主登録をすることができなくなるようなことが生じた場合、優秀な馬を確保することが困難になってしまって、経営を維持することは極めて難しくなってしまうのではないかというふうに懸念をしております。こんなことから、生産者の間で、馬主登録の要件等を省令で今度は定めますね、その定めるに当たって、生産者が馬主登録をする際の要件は別に定めるというようなことにしてもらいたいという意見があるんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#134
○政府委員(岩崎充利君) 馬主登録の関係でございますが、今回の改正をやりまして省令で規定する事項は、従来法定されております懲役一年以上の刑に処せられた者等々に加えまして、暴力団等あるいは競馬に関与が禁止されている者等々というふうに考えておりまして、特にそういう形で生産者を排除するというものではございません。現在も、定められた登録要件を充足すれば、もちろん軽種馬生産者も馬主となれるところでございまして、中央競馬では約四百名の軽種馬生産者が基礎繁殖馬確保等のために馬主となっておるような状況でございます。
#135
○菅野久光君 いや、生産者が馬主になるその要件というのを省令の中に別に何か定めるというようなことができるかどうか。
#136
○政府委員(岩崎充利君) 職業でというのか、これは公正確保のためにやることでございますので、どこどこにどんな形で従事しているかということで区別して規定するということは考えておりません。
#137
○菅野久光君 いずれ今後の中でこの問題についてはまた論議をしてみたいと思います。
 次に、ちょっと時間の関係がございますので、順序を変えて地方競馬の関係についてお伺いをいたしたいと思います。
 地方競馬は、中央競馬と比べて大変経営が苦しい状況にあります。いっときのどん底状況からは脱して漸次上向きの傾向にあるようでありますが、地方競馬の経営が苦しいという理由、それをどのようにお考えになっているのか、またどうすべきだというふうに考えられているのか、その点についてお伺いをいたします。
#138
○参考人(大場敏彦君) 地方競馬が経営不振になっている要因はいろいろあろうかと思いますけれども、まず基本的には地方競馬が狭い範囲内で競馬をやっている、それから狭い範囲のマーケットを対象にしているということがかなり大きな要因になっているんじゃないかと思っております。したがいまして、各主催者がそれぞれ完結している自己完結型の競馬をしているということでございますから、番組編成等も中央競馬と違って、全国のダービーならダービーを頂点にしてそれぞれのトライアルレースが組まれているというような形のものじゃなくて、各競馬場それぞれ個別に組まれているというようなところがやっぱりアトラクティブじゃない一つの原因だろうと思うんです。
 それから、マーケットも県内の範囲とか、あるいは競馬場の範囲にとどまっておりまして、いわゆる場外マーケットは未開拓のところが多いということも大きな要因だろうと。それから、地方財政に寄与するという目的を持っております関係上、とかく内部留保は少なくなりがちでありまして、それが資本蓄積という形で固定資本、施設整備というところになかなか回りにくいというところ。それから、地方公共団体が行いますものですから人的配置の点でいろいろ難点がある。具体的に申し上げますれば、県庁等の人事異動で二年ないしは三年でかわってしまうというようなことが大きな原因で、そのほか武家の商法的なところがございまして、サービス精神においても欠けるというようなところが欠点としては挙げられていると思うんです。
 これを裏返しすることがつまり振興策ということになろうと思うんですけれども、できるだけ各場間、あるいは中央間との交流を広げながら広域の競馬をやって、広域のマーケットを対象にしていくこと。平凡ではございますけれども、公正でおもしろい番組編成をしていくこと、施設整備をしていくこと。それから、きのうも申し上げましたけれども、中央競馬が持っていないような独特のユニークな地方競馬じゃなきゃできない競馬というものもファンに提供する、そういった方向ではないか、かように思っております。
#139
○菅野久光君 大変ありがとうございました。
 きょうは、最初に上野委員からもお話がございましたが、中央競馬、地方競馬、そして生産者というこの三者がそれぞれかかわり合って、それぞれがよくなるようなことが競馬の発展につながっていくということからいって、地方競馬の問題というのは大変大きな問題だというふうに私は認識をしておりますが、今回の競馬会法の改正に当たって第二十条の第三項に「競馬の健全な発展を図るため必要な業務」ということがうたわれておりますが、この中には地方競馬に対する財政的支援も含まれるものと思いますが、それはいかがでしょうか。
#140
○国務大臣(近藤元次君) 地方競馬につきましては、地方競馬なりの格差がかなりあるわけでありまして、先生御案内のとおりだと思うわけであります。先ほどお話がございましたように、幾つかの理由で施設整備へ回すというよりは市町村財政に寄与する方が多かったのではないだろうか、それが一つは明るい雰囲気の競馬場施設整備をつくるのに余裕がなかったんではないだろうか。そういう点について今度支援をしていくことがいいのではないだろうか。あわせて、施設整備ができ上がれば中央競馬の馬も騎手も若干の交流をしながら魅力を持たせていくというようなこと、あわせて委託ができるということが非常に大きなメリットになるのではないだろうか、そんなふうに考えて、財政的な支援というのは施設整備を支援していこう、こういうことでございます。
#141
○菅野久光君 今回の法改正の中で本当にいいことだなと。ここのところが出たので地方競馬関係者としては今の大臣の御答弁、本当によかったのではないかと思うんですが、どうでしょうか大場参考人、「競馬の健全な発展を図るために必要な業務」というのは、施設整備の方に充てることも内容としてあるということですから、地方競馬としては大変いいのではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。
#142
○参考人(大場敏彦君) 今の大臣の極めて温かい御発言を私ども非常にありがたく受けとめております。大臣の御趣旨に沿って、もちろんこれは地方競馬サイドで施設の整備は主催者みずからやらなきゃならないというような基本的な立場でありまして、最初から中央競馬にそれを依存するというのは経営者としてはおかしいんだという自覚は十分持っているつもりでありますけれども、何分ないそでは振りにくいということもございますので、御援助を仰ぎたいと思っております。そのために今隣におります理事長と寄り寄りいろいろお話をさせていただいているという状況でございます。
#143
○菅野久光君 初めからおんぶにだっこじゃ大変だと。今の大場参考人のお話のように地方競馬の方としても自主独立の気風を持っていろいろ工夫をしながら、しかしどうしてものときにはひとつ財政的な支援をしてもらうということで地方競馬の発展を図ってもらうようにしていただきたいと思います。
 地方競馬の経営が不安定な中に、いろいろな先ほど要素をおっしゃっておられましたが、やっぱり中央競馬の場外馬券発売の拡大による影響が大きいという話も私は聞いているんです。今後、中央競馬会の場外馬券発売所の新設に当たっては地方競馬に影響のないところに限定する必要があるのではないかというふうに思うんですが、この点については認可するのは役所ですから、政府の方の考え方をお伺いいたしたいと思います。
#144
○政府委員(岩崎充利君) 場外売り場の関係でございますが、やはり既存のそういう競馬施設等々にも十分配慮するような形で運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
#145
○菅野久光君 中央競馬と地方競馬との関係でそういうことに配慮して政府としては認可をするかどうかということを決めるということで私の方では受けとめましたので、私の言っていることをそうだなということでいいんだろうというふうに思います。
 次に、中央競馬会の方にちょっとお尋ねをしますが、特別給付金の問題ですが、これは政府の方なのかな、どちらかよくわかりませんが、中央競馬と地方競馬とは同一の競技で控除率に差を設けるということになれば、必ず控除率の低い方へファンが流れていく、したがって他方の経営は極めて厳しくなるということになると思うんです。中央競馬の特別給付金の交付との関係で、地方競馬の主催者が特別給付金の支出を行おうとする場合に原則としてそれを認めるべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#146
○政府委員(岩崎充利君) 地方競馬におきまして特別給付金制度を導入するか否かというのは、まず主催者の意向が基本であるというふうに考えております。ただ、収支の状況が思わしくなく特別給付金の交付が困難あるいは一層の経営悪化につながると考えられます主催者にありましては、経営改善努力をやっていただかねばいけないということがございますが、やはり基本は主催者の意向であるというふうに考えている次第でございます。
#147
○菅野久光君 主催者の申し出を認めるということを基本にしながらということなんですが、この収支の状況の変化で特別給付金を交付したりしなかったりすればファンの信頼を得られないということになるのではないか、したがって競馬事業の発展を期待し得ないというふうに思うんですが、年度によって承認したりしなかったりするということが、原則としてということですから、あるのかもしれませんが、そういう競馬事業に対するファンの信頼ということから見てどうなのか、その辺はいかがでしょうか。
   〔委員長退席、理事北修二君着席〕
#148
○政府委員(岩崎充利君) 特別給付金の交付につきましては、これは主催者によるファンに対するサービスの一環ということで行われるものでありますので、経営状況から見て交付できる場合に限られるであろうというふうに思っております。ただ先生御指摘のように、特別給付金の交付をしたりしなかったりということでファンに混乱をもたらし、紛争の原因ともなりかねないので、一度行うということになればある程度の期間は継続して行い、また継続して行うことができる状況にある場合に特別給付金の交付を行うというような形で私どもとしては指導をしてまいりたいというふうに思っております。
#149
○菅野久光君 いずれにしろ混乱が起きないように十分ひとつ配慮をして、どうもおまえのところはことしは経営が悪いからだめよ、いや今度は経営がよくなったから認めるよと、そういうようなことがないような配慮、それだけはぜひお願いをしたいというふうに思います。
 それから、今度は中央競馬会にちょっとお伺いしたいんですが、中央競馬が今日的な状況をもたらしたのはひとえに場外馬券の発売、これによって経営規模を拡大して収益を増大させてきたわけです。地方競馬は競馬場中心の発売をしている。先ほど大場参考人がおっしゃられたように、ごく狭い範囲の発売しかできないというところで経営基盤が大変弱いということなわけです。
 そこで中央競馬の場外発売所について、中央競馬が使用していない期間地方競馬に利用させるということができないのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
#150
○参考人(渡邊五郎君) 先生御指摘の、私どもこれを相乗り型と俗称しておるんでございますが、相乗り場外の具体的な例として、既に北海道におきましては、釧路、室蘭なりはそういう場外として併用発売と申しますか、それぞれで中央、地方が売られておるわけでございますし、札幌競馬場なり函館競馬場なりでもそういう一部利用もされておるわけでございます。この問題につきましては、先般、この制度改正に当たっての研究会でも中央、地方の協力関係の問題として出ております。私ども、そういう話がつくならば私どもなりに検討する用意はあるわけでございます。
 ただ、ざっくばらんに申しまして、事情を御承知の先生でございますので申し上げますと、私どもの場外が土曜、日曜を条件にして地元の方々の了解をとっているということがございます。平日のそうした業務についてのもう一度地元との調整等もしながらやらなくちゃならないという問題もありますが、これからのケースとして私ども個々に御相談しながら当たっていきたい、こう考えております。
#151
○菅野久光君 御相談しながらということでございますが、利用ということになれば、当然と言ったら悪いんですが、中央競馬会の協力なしには実行不可能なわけですね。そういう面で中央競馬会は何とか積極的に協力するような方向でいってもらいたいというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
#152
○参考人(渡邊五郎君) 私ども、中央、地方との話し合いにつきまして、この場外の話のほか、先ほど出ました資金の問題、それから交流レースの問題等いろいろございます。それぞれ私ども今回総合的にお話し合いができるという機会を得ましたので、今後は問題全体にわたって積極的に当たっていくつもりでございます。
#153
○菅野久光君 幾つかのところでなされているようでありますが、大場参考人にお伺いしますが、今の場外馬券の発売所ですね、中央競馬会のを借りてやりたいというのはまだ大分希望があるようなんでしょうか。
#154
○参考人(大場敏彦君) 私どもの側としては、中央競馬会で利用していないウイークデー、その時期に貸していただきたいという希望をそれぞれの場外発売所について提出しているわけです。したがって大都市周辺ということになろうと思うんですけれども、そういったところへ数カ所希望はお出ししております。ただ、それについては先ほど理事長が申し上げましたように、地元の御理解ということが非常に大事なことでございますので、それはこちら側で一生懸命やらなきゃならない事柄だと思っております。
#155
○菅野久光君 きのうも、中央競馬会は兄貴分で、うちは末弟というようなお話が大場参考人の方からございましたが、兄貴分としての中央競馬会として十分に中央競馬、地方競馬それぞれが発展するように、特に財政的基盤の強い中央競馬会としては特段の配慮を地方競馬関係についてひとつ払ってもらいたいというふうに思います。
 もう時間もいよいよなくなりましたが、最後になりますが、競馬の交流競走の問題なんですが、きのうもちょっとお話がございましたが、中央競馬で産経賞のオールカマーだとか富士ステークス、ジャパンカップなんかということがなされているようでありますが、富士ステークスとかジャパンカップなんというのは代表馬一頭のみで、これ交流競馬と言うにはちょっと遠いのではないかというような意見などもあるわけですね。そういう意味では中央競馬ももっと交流競走を拡大するつもりがないかどうか、その点についていかがでしょうか。
#156
○参考人(渡邊五郎君) 昨日もお答えいたしましたが、私ども現在交流競走は行っておりますが、極めてわずかでございます。これは私どもの事情といたしましていろいろ番組編成というような私どもの一つの世界がありまして、年間を通じますそれぞれの童賞レースを配置して馬のローテーションとかみ合わせていくというようなベースの仕事がありますので、急激に変わるわけにまいりません。来年は若干の増加ということになりますが、年々そうした面についてできるだけの私ども交流競走についての配慮をしてまいりたい、こう考えております。
#157
○菅野久光君 以上でもう私の時間が参りましたので終わりますが、いずれにしろ、中央競馬会、それから地方競馬、そして軽種馬の生産、三者が本当に一体となって国民のレジャーといいますか、国民の競馬に対する期待にこたえるようにひとつ頑張っていただきたい、そのことを申し上げまして私の質問を終わります。
#158
○星野朋市君 私は競馬はもっと盛んにすべきだという立場から申し上げますので、お答えもそういうふうにお願いしたいと思います。
 法案に関する問題につきましては、もう社会党の先生方から種々にわたって御質問がありましたので、私は競馬の諸問題についてお尋ねをしたいと思います。
 けさも競馬の売り上げが増大する見込みについてお尋ねがありまして、これはなかなか推測は難しいというお答えでした。あのときに触れなかった問題があると思います。それは確かに景気に左右されるところがあります。有馬記念なんというのは大体ややボーナスがおくれる中小企業のボーナスが出た後に開催されるわけです。これでもって年末のどっとした売り上げがある、こういうこともありますけれども、実際にはスターの馬がいたとき、スターの騎手がいたとき、これが競馬が盛んになる一番大きな問題なんですね。今度も武豊がおり、オグリキャップがあり、一昔前には増沢騎手とハイセイコーというコンビがあったわけであります。
 そのほかにもう一つは勝馬投票券、これの種類がふえれば売り上げがふえるわけであります。それで、競馬法の中には勝馬投票券について単、複、連単、連複とありながら、中央競馬会は実は連単をやってないわけです。これはどういうわけですか。
#159
○政府委員(岩崎充利君) 勝馬投票につきましては、昭和三十六年の公営競技調査会、いわゆる長沼答申の中で、「射幸心の過熱を避けるとともに、競馬場における紛争を防止する見地から連勝式は制限すること、連勝複式を採用すること」ということとされまして、これを受けまして中央競馬では昭和三十八年七月から一部の競馬場で連勝複式勝馬投票法を採用いたしました。その後昭和四十五年からすべての競馬場で連勝複式勝馬投票法というものを採用いたしまして、連勝単式勝馬投票法を中止して現在に至っております。
 最近では中央競馬の一レース当たりの平均出走頭数は約十二頭ということでそろっておりまして、少数の出走頭数をカバーする仕組みの連勝単式ということでなくてもファンの満足を得られるというようなこともありまして、八枠制の連勝複式勝馬投票法がファンに定着しているということ等も考えまして、現在のところ連勝単式勝馬投票法を採用する予定というものはないということでございます。
#160
○星野朋市君 それはいかにもお役所らしい答え方なんですよ。だけれども、実際にこれは連勝式を買う人はどういうふうに買うかというと、まあ一枠の馬が多分優勝するだろうと思えば一―二とか一―四とか、こういうふうな買い方するわけですね。要するにそれはねらうわけです。ところが、極端に言うと、一枠、八枠というのは馬場の状況とかその他によってかなり不利になる場合、これは真ん中にいたやつが優勝する可能性は大きいんですよ。例えば三―四と買って四―三と来たときにああ当たったなという満足感を得る人もいるでしょうけれども、本当はやっぱり自分のねらいどおり一着、二着がどうだったかということの方がはるかに馬券を買った人の心理としてはいいと。射幸心をあおるとかなんとか言うけれども、今やもうそういう時代ではないということ。今はお考えはないということですけれども、これはもうぜひとも連単を復活させていただきたい、私はファンの一人として御要望申し上げておきます。
 それから、場外馬券のことなんですけれども、少し田舎へ行って、とても場外馬券場まで行けそうにもないところに堂々と今、馬の新聞を売っているわけですよ、もちろんスポーツ新聞にも出ますけれども。これは何かというと、大部分がのみ行為にいっていると見ざるを得ないわけです。これは確証として保安協会が調べたあれで二千数百億円といいますけれども、実際にはその何倍かのアングラマネーが流れておって、これが暴力団の資金になっているとみなさざるを得ないわけですね。のみ行為がいかにもうかるかということを実例を挙げて申しますと、私の知っているある会社の社長が競馬ファンでして、どうせ社員がこれをやるんだったならばおれがファンドをつくってやる、みんなやってみると。そうしますと、このファンドは一年間やると相当もうけもゃうんですよ。そして、その会社の社長はどうしているかというと、これを社員の旅行の補助金の一部に使っている。これはやってみれば大体わかるんですわ。
 そういうように、のみ行為の金というのがどれだけのものがあるか、これは場外馬券場を幾らつくっても絶対なくなるということはないと思いますけれども、もう少し場外馬券場というものを数多くつくったらどうか。今の人口密集の都会型のものをつくるから何となく反発があるわけですね。もう少し娯楽センター的な、ほかの施設も備えて家族で行けるようなもの、これは私の考えなんですけれども、そういうことのお考えが農林大臣おありになりますかどうか、お聞きしたいと思います。
#161
○国務大臣(近藤元次君) 今先生から御指摘のようなことで、この場外馬券は、一つはのみ行為を防止する、暴力団の資金源を排除したい。もう一つは、今お話のありましたように、これだけの層の競馬ファンが出てきて、そして遠隔地でとても場外馬券なりあるいは競馬場に行けないという人たちがもうたくさんおられるわけでありまして、そしてまた地域のひとつの振興にも役立つという観点から場外馬券場の設置を私ども認めておるわけであります。
 しかし、どうも従来いろんなところで場外馬券場というのが大変問題になってきておりますので、一つは最近室蘭につくった場外馬券場というのが、市も地域住民も挙げて、炭鉱がああいう状況になった跡地をどうしようかというようなことで大変真剣に考えられて、地域振興を含めて要請があって設置をしたところはかなり喜ばれておりますし、成績も上がっているように聞いておるわけでありまして、周辺整備も幾らか従来の市内にある馬券場とは違うような雰囲気でありますので、こういうものを一つのモデルにして、先ほど申し上げたようなことの目的を達成するために認めていったらどうかな、私はそういう今考え方に立っておるわけであります。
#162
○星野朋市君 まさしく我が意を得たりということなんですが、とは言いながら、実際には場外馬券場はいるんな抵抗があるわけですね。これはひとつ公営ギャンブルという名前がちょっとよくないんですな。公営ギャンブルというといかにもギャンブルで、宝くじはギャンブルとだれも言わないんですよ。
 それで、私は一つ提案があるんですけれども、要するに馬券の宝くじ化というものを少し考えたらどうかと思うんです。これは重勝式というのが昔ありまして、今廃止されていますけれども、先進国の例を言いますと余りインパクトがないんで、こんな国でもそんなことをやっているかという例を申し上げます。
 南米にベネズエラという産油国があります。あそこのカラカスという首都でかなり盛大な競馬が行われているんですけれども、この競馬場の日曜日のレースに限って、第何レースから第何レースまで六レースをとったシンコ・イ・セイスという競技があるんですね。スペイン語でシンコというのは五です。イはアンドで、それからセイスは六ですから、要するに一着の六頭を全部当てるわけです。これは全国に売られるんですね。ベネズエラという国はIBMの国民背番号制を世界で一番早く採用した国ですから、そういう意味ではコンピューターが発達しているんですけれども、要するに六頭全部当てれば大変な賞金がもらえる。それで、六頭全部当てたやつがいなければ五頭当てたやつで分配するわけです。そうすると、五頭当てるというのはかなり出てくるんですね。こういうのがアメリカにも実はあるんですけれども、これはもう一種の宝くじなんですね。
 こういうようなことも、今の法律改正では間に合いませんけれども、要するに、家庭にいても、お年寄りも何も相当楽しめるというようなことを考えてみたらどうかと思いますが、局長いかがですか。
#163
○政府委員(岩崎充利君) 確かにいろんな御提案があるわけでございまして、私ども競馬研究会でも、勝馬投票券の投票方法につきましていろいろ御論議があったわけでございます。ただ、勝馬投票法につきまして、今あるものをまたふやすというようなことの場合には、やはり全体的な公営競技を通じた基本的な問題であろうというようなことの中で、今後の検討課題というような形になっているような次第でございます。そういう公営競技全体を通じるような形の中で、今後また十分検討させていただきたいというふうに思っている次第でございます。
#164
○星野朋市君 これは、ほかの公営競技がそれぞれ省庁が違いますんで、確かに難しいと思うんですが、ただし中央競馬会のこの大きさですね、いわゆる全国的にわたっている。これを考えれば他の競技とはちょっと違うと思うんですな。先ほども細谷委員からあったように、既にもう三兆円の売り上げがある。こういうのは、やっぱりそれだけでなくて、もう少し独自に考えて柔軟な発想を持っていただきたいと思います。
 次は、馬主が余りもうからないという話をします。これはちょっと法案に関係することなんですが、今個人馬主がいかにもうからないかということは、税制上の問題で、常ほ五頭以上の馬を持っている者はこれは事業所得なんですね。それから、次に難しいのは、常時二頭以上持っている馬主は三年に一回黒字を出さないと事業所得として認めないということ。一頭だけの馬主は常時これは事業じゃないんです。マイナスは計算されませんで、プラスになったときだけ雑所得で計算される部分です。
 仮に、わかりやすく一顧の馬主の収支計算というのをやってみますと、厩舎入りして、どうやら走りそうな馬というのは実際は一千万から一千五百万ぐらいの馬なんです。これは血統からいって大体そういうふうになります。馬主が自分が持っている母馬からとれた馬の場合はもう少し安くなりますけれども、仮に、一千五百万の馬で収支計算していきますと、一千五百万の馬を持っている馬主が一年間に一千五百万の賞金を稼いだときに大体チャラなんです。どういうことになるのかといいますと、一千五百万の賞金を稼いで、二割は進上金ですから手取りは千二百万。それぐらいの賞金を嫁ぐと、かなり一着もしくは二着というのを繰り返しますから、正確ではないんだけれども、大体六%近くの源泉税を取られる。そうすると千百万ぐらいになっちゃうわけですね。それで、馬の預託料その他、月に大体出走時で五十万から六十万ぐらいかかります。だから年で約七百万。それから、馬の償却は取得価格から十万円引いた残高を四年均等割にしますから大体三百七十五万ぐらいになりますか。そうすると、今計算すると、それでもって千五百万の馬が千五百万稼いでチャラですね。しかし、実際、今平均して馬は何年走っているかというと、四年なんか走らないわけです。せいぜいよくて二年です。統計上は平均すると二十カ月ということになっていますけれども、これはもうほとんど走らない馬も含まれていますから、走る馬で大体二年ちょっと。そうすると償却残が残っちゃうんです。
 それで、なぜこのことを言うかといいますと、要するに個人の馬主がだんだん実は少なくなっていく傾向にあるわけです。それで、これは言葉を非常に選んで言わなくちゃならないんですけれども、個人の馬主の職業がだんだん偏っていっているわけです。さもなければ法人化しなくちゃならない、そういうような問題が現に起こっているわけであります。これが中央競馬会もしくは農水省が考えている望ましい馬主、ここは難しいところなんですが、望ましい馬主とちょっと乖離しているように思うんですが、その点農林省はどうお考えになりますか。
#165
○政府委員(岩崎充利君) 馬主登録自身の実態をちょっと見てみますと、先生から御指摘ございますように、中央競馬におきます馬主の新規登録者数というのは六十三年以降増加傾向ということでございます。六十二年まではわずかに百五十件程度で推移してきましたが、六十三年は二百四十件、平成元年は二百八十件、二年はやや落ち着きを見せまして二百六十六件という形で、全体で三千人弱、二千九百四十一件の馬主、そのうち個人馬主が大体今二千五百八十四名ということで八八%ほどを占めておりまして、法人馬主が三百五十七名、こういうことになっております。六十一年と比較しますと、大体個人馬主としては三七%、法人馬主としては一六%の増加というような形になっております。
 現在の法律、制度からいたしますと、個人も法人も特に区別したという取り扱いはいたしておりませんが、ただ私どもは、いずれにいたしましても、馬主というのは、やはり競馬に参画するという意味合いにおきまして、競馬そのものが馬を通じて競馬を行うということでございますので、馬主の重要性というのは十分承知いたしているわけでございまして、私どもといたしましては、やはり公正な方が馬主になっていただくというようなことで今回法律改正もお願いしているというような形でございまして、特に現時点で個人、法人という区別はいたしていないような次第でございます。
#166
○星野朋市君 それは、おっしゃられるとそのとおりだと思うんです。これは中央競馬会から十分に事情を聴取していただきたいんですが、例えば東京近辺でいいますと、府中に馬主協会があり、中山に中山馬主協会があり、これのいわゆる幹部役員について、要するに馬主協会としてはこの人にできるだけとどまっておいていただきたいというような人が、私がさっき言ったような税制上の問題から個人的になかなか馬を持てなくなった。それで、役員になりたい人たちというのはたくさんいるわけです。こういう問題が現存していることを十分留意しておいていただきたいと思います。
 それから、今度法改正によって畜産事業、そういうものに相当な交付金が渡されて新しい競走馬の育成に大いに貢献するところがあると思います。今まで、日本人は外国の高い馬を高額で買ってきちゃう、こういう非難があるわけです。これは一つはクラブ法人のあり方なんです。クラブ法人というのは、先ほども御指摘がありましたけれども、大勢の者から少額の金を集めて、あなたも馬主ですよと言いながら実際の馬主じゃないわけです。これは相当外国産馬の高い馬を買ってきて、先ほど私が説明したようなことから言えば絶対ペイするわけないんですよ。ところが、彼らはそれでもって後で種つけをしたときの種つけ料で回収する、こういうふれ込みなんです。だから、主として優秀な雄馬中心で買ってくるわけです。今まで日本の牧場では、どっちかというと牝馬について雄馬ほど関心がなかった。ようやくこのごろ牝馬に注目されて、中央競馬会の賞金にも内国産馬奨励金というのがつくようはなりまして、大いに内国産馬の優秀な競走馬を育成するようになりましたけれども、今後この優秀な牝馬をどうやって育てて優秀な雄馬と交配させるか、これは中央競馬会に直接お聞きすればよかったんですけれども、お帰りになっちゃいましたから、これについて農水省としてどういうお考えですか。
#167
○政府委員(岩崎充利君) 先生御指摘のように、強い馬づくりのためには雄側だけじゃなくてやはり牝馬、雌側からの遺伝的能力を高めるということが非常に重要だというふうに考えております。
 一番重要なのは、一般的には繁殖供用に際しまして血統や競馬成績等によって選択されているというふうに考えられますが、実際に繁殖に供用した後の産駒の競走成績というものも重要ではないかと。そういう形の中で繁殖牝馬の選抜なり淘汰を行うことも重要であるというふうに考えております。昭和六十二年から平成二年にかけまして繁殖牝馬の遺伝的能力が的確に判断できるように、血統なり競走成績なり、産駒の競走成績等のデータベースの整備というものを現在行っておりまして、現在このシステムによる情報の提供というものを開始している。私ども、関係団体との連携のもとにこのシステムの拡充等、改良情報の活用ということをやりながら牝馬側からの改良の推進ということに努めてまいりたいというふうに考えております。
#168
○星野朋市君 最後でございますけれども、大体年間に一万二千頭ぐらい馬が生まれますね。実際に美浦トレーニングセンター、栗東に年間二千頭ぐらいづつ入ってくる、ちょっと中央競馬会だけのことはついてで申しわけないんですけれども、そうしてこれが新馬として勝ち抜いてこられるというのはごく少数になっちゃうんですね。実際の千何百頭という馬はほとんど未勝利の状態でどこかへ消えていくというように状態。これは、先ほども御答弁ありましたように、厩舎入りするときの何らかの選定というのをもう少し厳格にしないと、要するに馬主の問題もあるますし、それから厩舎の問題もありますけれども、かなりの部分これがほとんど競走馬としての用をなさない状態で消えていく運命にある。こういう現状を何とかしなくちゃならないと思うんですが、いかがですか。
#169
○政府委員(岩崎充利君) 現在、延べにいたしますと六千頭ぐらいが中央競馬に登録されているというような形になっていると思います。それで馬房数が大体四千ちょっとというようなことでございます。生産される産駒そのものが今先生がおっしゃったような形で、これは地方競馬も含めた形でなっております。
 現在やはり一番私どもが頭を痛めているのは、育成調教施設というものが確かに非常に不足しているということで、馴致等ということの中で、馴致もされますしまた育成調教ということをするんで、そこで入厩するというようなことでありますればこれはかなり入って使えるということなんですが、入った後にまた調教もしなければならないというような状況がまだ現実ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。確かにそういう入厩の問題というのは、いろんな形で現在問題もあろうかというふうに思っておりますので、なかなか私どもだけでというわけにはまいりませんので、中央競馬会とも十分相談しながらそういう形がしっかり適正に行われるようなことでまた指導もしていきたいというふうに考えております。
#170
○猪熊重二君 私は、余り競馬に賛成でないというふうな立場に立って、星野先生と逆の立場からいろいろお話を伺いたいと思います。
 まず、今回の改正法についてお伺いします。
 競馬場、競馬の開催規定の改正に関する件で、現行法は競馬場につき第二条で、競馬の開催につき第三条で開催の回数とか日数について規定しております。今般の改正は、この二カ条を改正して法律事項をやめて省令事項にしましたが、この理由はどこにありますか。
#171
○政府委員(岩崎充利君) 競馬法二条で定められております中央競馬の競馬場のうち、横浜競馬場は米軍に接収されまして、その後国や市に返還はされておりますが、現在都市公園や公務員住宅として利用されている、また宮崎競馬場は競走馬の育成場として利用されているということから、両者は現在競馬場として使用されておりません。これについて国会等の場でも実態に合わせて規定を改正すべきではないかとの質問が再三行われております。今回この規定を見直すに当たりましては、場名を法律で規定しているということも一つの沿革でございますが、競馬場の数の上限は法律で明記しながら、省令で場名を規定するという改正を行うことといたしておりまして、他種競技でも競技の実施場所については法律で規定しないということでございます。
 また、競馬法では、中央競馬の開催日数につきまして法律上細かく規定しているところでございますが、他種競技ではこの規制をいたします規定が省令に委任されているということから、今回第二条の改正とあわせまして第三条も他種競技の規定ぶりと同様とするということにいたした次第でございます。
#172
○猪熊重二君 要するに、いろいろ言われるけれども、他の公営ギャンブルと横並びにしたんだということだけの理由です。しかし、現在農水省自身が言っているように、入場者数において昭和六十年度に比して平成二年度が一・二九倍になったとか、売り上げ金額において一・八八倍になった、こういうふうに言っている状況なんです。
 要するに、ある社会現象に対して法律で定めるかそれとも省令で定めるかということを考えてみた場合に、影響が大きければ大きいほどそれを法律事項で定めるのが当たり前なんです。今まで法律事項にしておいたものを、これだけ社会現象として大きくなったにもかかわらず今度は省令に格下げします、役所のいいようにしますなんというのは本末転倒だと思うが、いかがですか。
#173
○政府委員(岩崎充利君) 競馬の施行に関する規定につきましては、やはり公営競技等の間での規定上の並びというようなことを考えまして今回改正することといたしたようなわけでございます。他種競技の入場者数等、売り上げ等々の状況は、まさに中央競馬会につきましてただいま先生がおっしゃったような形でございますが、他種競技の場合、例えば競輪ですと入場者数が二千七百二十六万人、売り上げが一兆六千八百五十三億。例えば競艇ですと、入場者数が三千四百十万人、売り上げが一兆九千五百八十九億円、これは平成元年度、こういうような形になっております。また、オートレースでは、入場者数が六百五十九万人で売り上げが三千二十一億円というような形で、他種の公営競技を合わせますと、入場者数が六千七百九十五万人で、売り上げも三兆九千四百六十億円というような形になっておるような次第でございます。
#174
○猪熊重二君 要するに私が申し上げたいのは、こういう公営ギャンブルというのはなるべく法律の規定にしておいて、一々これを改正するについてはどうであろうかということを国会の審議にかける方が相当だと思うから申し上げているんです。国会の審議にかけるというのは、何も国会議員が偉いからじゃなくて、国民の各般の意見を前提にした上の討議ができるからその方が妥当だろう、こういう趣旨なんです。
 同じように、今回馬主登録に関しても、本来その要件を十三条二項で法定しているにもかかわらず、改正法はこれを省令事項にしています。これも非常におかしいことだと私は思う。馬主の資格要件をどうするかということは、一方においていかなる者が馬主たり得るかということであって、これに関心がある人にとってみれば権利資格の確定要件の問題で、職業選択の自由にも関連する重要な問題であるはずなんです。また公共的に見ても、競馬の公正、健全な発展に影響を及ぼす重要な事項でもあるわけなんです。せっかく現在法律で定めている馬主の登録要件を省令に落として役所のいい要件にするというふうなことは、どうしてそういう必要性があるんですか。
#175
○政府委員(岩崎充利君) 先生御指摘のように、確かに現在十三条の二項では次のような者は登録を受けることができないということで、「禁治産者、準禁治産者及び破産者であって復権を得ない者」、それから「競馬法、地方競馬法又はこの法律に違反して罰金以上の刑に処せられた者」、また「一年以上の懲役に処せられた者」を規定しておるところでございます。極めて現在限定的に規定されているということでございますが、今回一層の公正確保ということの要請にこたえまして、欠格事由につきましてよりきめ細かく網羅的に規定するということによりまして資格要件を厳格化することとしたいということで、欠格事由として規定すべきものといたしましては、これは競馬法施行令の十四条でございますが、例えば競馬に関与することを禁止された者というようなこと等の競馬に関する専門的事項も加えていきたい。これはなかなか法律では規定しがたいということがございます。
 また、他種の公営競技では競技に参加する者について要件が省令に委任されているということ等から、欠格事由につきまして省令に委任するとした上で欠格事由の法令上の根拠を明確にしたということでございます。
#176
○猪熊重二君 現行の要件が不適切であるならば法律を変えればいいんであって、現行の法定要件がだめだから農林水産省の役人がもっと立派な要件をつくるというために省令に落とすんだとしたら法律と省令というものをどう考えているのか、根本的に考え直してもらわなきゃならぬと思います。
 次に、やっぱり改正法の問題で、ファンサービスの向上に資する、こう言っておられるんだけれども、配当金請求権の時効を、現行法においては十一条で一年間の時効消滅というのを六十日に短縮しましたが、なぜ短縮する必要があるんですか。
#177
○政府委員(岩崎充利君) 払戻金が大量かつ安定的に発生するということで、迅速に決済処理を行うことが必要であるということから短期消滅時効が定められております。競馬では、これまで一年間の時効期間が定められていたところでございますが、戦後に制定されました後発の他種競技では競馬より短い六十日間の時効期間が定められたという事情があります。
 今回の改正は、競馬の規模も大きくなりまして、従来にも増して迅速な決済処理の要請が多くなってきている。また、ファンの払い戻しの実態を見ますと、ファンの多くは一、二週間のうちに払い戻しを行い、六十日までには大体九九・五%が払い戻しを済ませておりまして、時効期間を六十日間といたしましても大きな影響は生じないんじゃないかというふうに考えられることから、払戻金の、これは返還金も含めておりますが、債権の時効期間を他種競技と同じように六十日間に短縮することといたしたものでございます。
#178
○猪熊重二君 要するに事務の便宜のためにということで、配当金請求権の権利性というものについての認識が余りないんじゃなかろうかと思います。
 次に、配当金に加算される特別給付金についてお伺いします。
 改正法の附則二条によると、中央競馬会は、売得金の百分の五以内で政令で定める率を乗じて得た額、これが特別給付金ですけれども、これを交付することができると規定しています。この特別給付金というのは現存の配当金とどのような関係がありますか、時間がありませんので簡単に言ってください。
#179
○政府委員(岩崎充利君) 第八条は、実は控除率の関係でいきますと、売得金を主催者とファンにどのように分配するかということを決めた競馬施行上の基本ルールというふうに考えております。こういうことでございますので、この規定に基づく払戻金は、その主催者の経営の状況いかんにかかわらず必ずファンに支払わなければならないものだというふうに考えております。
 これに対しまして特別給付金は、払い戻しのルールというものは基本としながら、主催者の収益の一部をファンサービスの一環としてファンに交付しようとするものであるというふうに考えております。
#180
○猪熊重二君 細かい点を論じている余地はありませんので、ただ私とすれば、特別給付金という名前にはしてあるけれども、実質的には配当金もしくは配当金類似のものだと思います。配当金自体は、競馬に参加して勝馬投票券を購入し、的中した者に対する競馬法に基づく、法律の規定による請求権なんです。ですから、一つの的中者の法的権利なんです。ところが、今回の特別給付金というのは、現行法八条が配当金規定を持っているにもかかわらず、この配当金規定を変更するということをしないで、実質的に特別給付金名義で八条の配当金の規定を変更していることになる。こういうふうなやり方というのはどうなんだろうか。それ以上に問題は、この配当金の性質を有する特別給付金の支給を中央競馬会の裁量行為とすること、これは勝馬的中者の権利性を否定するものであり、同時に、中央競馬会に競馬法及び中央競馬会法が予定している以上の過大な権限を付与するものだと思いますが、所見はいかがですか。
#181
○政府委員(岩崎充利君) 特別給付金を今回設けましたのは、中央競馬会の場合に、剰余金が出た場合に、やはり主催者によってファンに対するサービスとしてファン還元をしよう、こういうことでございまして、剰余金を原資として特別給付金を交付することが可能であると判断した場合に交付するということでございましたので、特別給付金の交付の実施は競馬会の判断にゆだねる、こういうことにした次第でございます。
#182
○猪熊重二君 要するにこの特別給付金というのはそんな中央競馬会の恩恵的な給付なのか。私は競馬は、先ほど申し上げましたように賛成しているわけじゃないから、的中した人の権利というものを一生懸命多くしろと言うわけじゃないけれども、そんな中央競馬会に、これだけの銭を出します、出しませんなんという権限を与えるような法律の規定というのはおかしいということを申し上げているんです。もし払うべきものであるならば、法律の規定によって必然的に払うようにするべきなんです。今七五%は法律の規定によって払うようになっている。あとの五%はおまけだよ、おまけは中央競馬会の裁量だよ、さじかげんだよと、こんなファンをばかにした話はないと思うんです。ただし、これ以上言っていると次の問題が聞けなくなっちゃうからやめておきます。まだ今回の改正法には法律的に非常にいろいろ問題はあるんですけれども、もっと大きな問題があるんです。
 馬券の発売と配当金払い戻し施設に関する件についてお伺いします。
 馬券の発売については競馬法五条で、配当金の払い戻しについては同八条で、日本中央競馬会の業務となっております。しかし、業務だということは決めてあるけれども、どのように馬券を発売するか、あるいは配当金、払い戻しをどうするかというふうなこの二つの業務を実行するための具体的方法に関する規定は競馬法にはありません。どこにありますか。
#183
○政府委員(岩崎充利君) 確かに先生御指摘のように法の第五条で日本中央競馬会は……
#184
○猪熊重二君 繰り返さなくてもいい。
#185
○政府委員(岩崎充利君) はい、済みません。
 そういうようなことで、競馬法上はどこでどういう形で支払うかということについて規定いたしておりません。
#186
○猪熊重二君 競馬法にはないのは私がないと言ったんだ。だからどこにありますかと聞いたわけです。
#187
○政府委員(岩崎充利君) これは二つの方法でございますが、一つは当然場内でございますが、もう一つは場外の規定としたしましては施行令の二条で場外施設をつくりまして、そういう形の中で発売するということになっております。
#188
○猪熊重二君 要するに競馬場内で券を売ること、配当金を払い戻すこと、これは競馬場内でやるのは当然のことだから法律にもどこにも規定はありません、ただ競馬場外でそんなような特別なことをやる場合については施行令について規定してありますと、こういう趣旨ですね。
 私が伺いたいのは、そうすると、この競馬場もしくは競馬場外の令二条による場外設備、これ以外では中央競馬会は馬券を売ったり払い戻したりの事務を行うことはできませんね。
#189
○政府委員(岩崎充利君) 法律上は規定しておりませんが、現実の話といたしまして、券を発行いたしましたり競馬場との連絡なり金銭管理ということが当然必要となってきますので、どうしても一定の施設を設けることが必要であると。そういうことですべて場外設備として農林水産大臣の承認が必要であるというふうにされておりまして、現実には場内と農林水産大臣の承認を得ました場外でしか発売はしない、こういう形になっております。
#190
○猪熊重二君 要するに、一口に言えば場外馬券場、この法令の規定では場外設備となっておりますが、この場外設備についてこの競馬法施行令二条は、中央競馬会は場外設備を設置しようとするときは申請書を農水大臣に提出して承認を受けろとその中に書いてある。どういうことを書くかということについては、設置場所、設備の概要、当該競馬場との連絡方法、設置の理由、これだけあります。場外馬券場について地方団体の意見を聞くとか聞かないとか、地方競馬とのバランスを考えるとか考えないとか、そういうふうなことは何にもこれには書いてないんです。みんな役所の裁量事項なんです。私が農水大臣になればなるべくだめだだめだと言う。星野先生が農水大臣になったらどんどんつくれどんどんつくれ、こういうことになる。こんなあいまいなことがあっていいのかということをまず申し上げておいて、電話による馬券購入についてお伺いします。
 まず、電話による馬券購入というのは、何か物の資料によると昭和五十一年からこういう電話による馬券購入が始まりて、現在電話の加入者が二十三万五千件ある、こんなようなことになっているらしいんです。この電話による馬券購入ということと今の場外馬券場との関係はどういうことになりますか。
#191
○政府委員(岩崎充利君) 電話投票につきましては、全国各地にある電話投票所において登録されました加入者から勝馬投票券の購入の申し込みを受けまして、その申し込みのデータを東京の後楽園にあります電話投票センターに専用回線により通信しまして、その電話投票センターにおいて勝馬投票券の発売、払い戻しを行っている。したがいまして、後楽園の電話投票センターは、今別途場外発売所はありますが、それとは別に場外設備としてこの施行令二条に基づきまして承認をいたしている次第でございます。
#192
○猪熊重二君 そうすると、いわゆるお客さんがいっぱい来て、それで券を買って、払い戻しを受けてといういわゆる場外馬券場とは全然別個だけれども、電話機だけを置いてあって、お客さんはだれも来ないけど電話だけ来る、これも場外馬券場、両方とも場外馬券場だと、こういうことですね。
 じゃ、競馬場内で電話で馬券を発売する業務を行うとした場合はどうなりますか。
#193
○政府委員(岩崎充利君) 競馬場内の問題につきましては、特段に規定しておりません。やっておりません。
#194
○猪熊重二君 この施行令の二条に書いてある先ほど私が読み上げた四項目、こんな中には、電話でやるとか、いわんやこの後パソコンのことを伺いますけれども、そんなことは全然この令二条は予測していないと思うんです。電話でやるというのはこの令二条の中のどの部分なんですか。そしてそれは農水大臣の承認を受けることになるんですか。どういう形で電話の馬券購入ができるんですか。
#195
○政府委員(岩崎充利君) 競馬制度上は、入場者以外の発売、競馬場以外での勝馬投票券の発売というのは、競馬法上は想定していたと、二十三年ということでございます。
 ただ、電話投票につきましては、コンピューターと電話回線を利用した新しい方式として開発されてきたものでありますが、競馬法上の取り扱いといたしましては、電話投票センターもやはりここで言う場外施設に当たるということで、施行令二条の承認を得るということであります。
#196
○猪熊重二君 結局、さっきも申し上げたでしょう、要するに場外馬券場ということについてこの二条に書いてあるのは、設置場所はどうだと言うから設置場所は何丁目何番地ですと。設備の概要はどうだと、テーブルがあってこうです、どうですと。本体たる競馬場との連絡方法はどうなんだと、電話でやりますとか係員が走っていきますとか。設置の理由はどうなんだと、お客さんが競馬場だけで買い切れないで人がいっぱいいるんでと、こういうことは書いている。電話なんてことは一つも書いていない。要するにこの令二条が予想している場外馬券場というのは、お客さんが歩いて来るか、自転車で来るか、自動車で来るか知らぬけれども、ともかくそこへ出向いてきて券を買って、金を払い戻してもらってということなんです。それを電話なんということは一つもないじゃないか。これは拡大解釈だ。今回やろうとしているパソコンも同じことなんだ。
 こういうふうな重大な変更が農水省の役人の都合だけでできるということに非常に問題があるんです。電話だってまあこの設備の概要の変更だ、パソコンも設備の概要の変更だ、こんなところまでこの令二条を広げていったら、法律が任せている趣旨と全く違ってくるじゃないですか。この法律をつくったときにはそんなことは予想していないんだ。この間の海部内閣の自衛隊機の派遣と同じなんです。法律の趣旨を全然変えて膨らまして変質してしまっている。この令二条で電話なんということはないんだ。みんなそこでお店を広げて皆さんが買いにきて、それで金と券とをこういうふうにして、当たっていれば逆になって、金を払ってこうと。こういうことの場外設備なんです。電話で来るなんということは何もない。それをそういうふうに設備の概要を変えるというふうなことですりかえるということは非常に不適切であると思うんです。
 私が何でこんな電話のことを申し上げるかというと、電話による購入、今度はパソコンによる購入というふうなことは、出向いていく手間すらやめて、ばくちそのものにずっと近づくということを申し上げたいんです。要するに、ちょっと能書きを言って申しわけありませんけれども、先ほどから、やれギャンブルというのはどうも気分がすっきりせぬというふうに競馬会の理事長が言っておられるけれども、要するに競馬が本当の意味のスポーツだとしたら、そこには競走はなくてもいいんです。自分が馬に乗って、いい馬をどう走らせて、自分がどれだけ技術の向上をするか。これがスポーツのはずなんです。
 今度は、そういう人が何人か集まって、駆けっこしようじゃないかということになってやったときに、初めて競技の問題が出てくるんです。だから、自分で乗るということが前提で、スポーツかあるいは競技か。これを見ている人は、これはもう単なる傍観者なんです。これをファンと呼ぶか何と呼ぶかは知らぬけれども、これは見ている人です。
 このレースに銭をかけたときに初めて賭博になるんじゃありませんか。だから、この賭博に銭かけて、刑法で言えば、偶然の輪贏に乗じて博戯もしくは賭事をなすことなんです。偶然の勝ち負けでもうかったり損したりするというこれがばくちなんです。これがギャンブルなんです。だから、競馬というのはスポーツだとかあるいはゲームだとかレジャーだとか言っているけれども、銭かけて、それで券買って、もうかるか損するかになったとき、これはもうばくちそのものだということを前提に物を考えなきゃならぬと思います。
 それでも競馬場へ行って実際に競馬を見ている人は、まだレジャーとしての問題もある。それからその現場で銭かければギャンブラーだ。レジャーを楽しみつつギャンブラーです。電話なんというのは影も形もないのに、ただ銭かけて、もうかったか損したかです。もうかったか損したかだけに関心があってやることだとしたらこれはばくちそのものだ。だから、電話の馬券購入とか払い戻しは電話でするわけにいかぬから、結局どこかへ取りにいくんでしょうけれどもね。――銀行口座へ振り込むのか。私は競馬のことは全然知りませんのであれだけれども。これを今度またパソコンでやると。何でそんなにばくちを国民にどんどん広げようとするのかということを私は大臣に聞きたいんです。
 要するに、物事の出来事には影の部分と光の部分があるはずなんです。それをどのように考え、どのように評価するかはその人の人生観、世界観の問題です。ですから私は、私の申し上げていることが絶対に正しいなんていうことは一つも言っているわけじゃないんです。私は私の考えからして、こういう額に汗流さぬ銭を私はもらいたいとも思わぬし、国民にもそういうふうな額に汗流さぬばくちの銭が欲しいというような国民は、できるだけ少なくなってもらいたいというこれは私の人生観です。
 だけど、そうじゃなくて、株でももうけるか、宝石でももうけるか、宝くじでももうけるか、ばくちでももうけるかと。しかし、一番大切なことは、競馬会の理事長に私は申し上げておきたいんです。競馬場で動いた銭は、こっちの銭がこっちへ行って、あっちの銭がこっちへ来たとしても、銭の動きがあっただけであって、それによって米一粒が生産されるわけじゃないし、物がどれだけ動いたわけでもない。要するに、それがギャンブルじゃないですか。
 大臣、こういう電話だとかパソコンだとかということで、どんどんもうかりさえすればいいというふうなことじゃなくて、競馬の負の面を、影の面を考えてもう少し自制するべきだと私は思うんですが、大臣の所見はいかがでしょう。
#197
○国務大臣(近藤元次君) 先生や私みたいな人ばかりいれば競馬もそう大衆化をしていかないんですが、現実的にはやっぱり一千万からの人間、そして場外馬券も入れれば、何らかの形で一億人程度が推定されるというような状況であるように承っておるわけであります。
 一般的には、ばくち、ギャンブルというのは好まれない、そのことのイメージが悪いというような話もありましたし、言われることも余りいい気持ちはしないと理事長みずからが言っているわけでありますから、そういう意味合いの中で、人間だれしもやっぱり賭博性というかギャンブル性というのがある人が、一般大衆の中に今競馬を中心にして行われておるという現実の中で、どうやって公正にやるかということがこれまたその対象になる人たちに大事な役割ではないだろうか、そのことが公営にした歴史的な意味合いだろう、こう実は認識をいたしておるわけであります。
 電話とかパソコンという関係に至りましては、この人たちがもう全く競馬場に一度も行かないでということじゃなくて、かなり競馬に行き、競馬の知識もある人ではないかなと、私はそうまた一つ逆の面では認識をいたしておるわけであります。それがやっぱりいろんな事情で遠隔地であって競馬場に行けない。もう一つはのみ行為というようなもので行われておるというのも、現実のもう常識化をしておるような状況でございますので、そういう面での防止を一つはしていかなきゃならない。しかし家庭の中にそういうものを持ち込んで子供に与える影響というのだけはもう十二分に注意を払っていかなきゃならない点ではなかろうか、そういう立場で今認識をしておるところであります。
#198
○猪熊重二君 今回の法律改正のもとになった考え方の一つに、畜産局長の私的諮問機関である競馬に関する研究会の報告があるように思われます。これはきのうの参考人質問の際にもそのようなことが言われました。しかし、この研究会報告は、競馬の負の部分、影の部分に対する配慮など全くなしに、競馬はじゃんじゃんやりましょうというふうなことになっているんです。なぜか、メンバーの構成に問題があるんです。競馬関係者が七人、それに関連するような農林関係者が二人、マスコミが一人、競馬が好きな作家が二人、地方団体から一人と、はっきり言わしていただけば、十三人のうち客観性というか、普通の人というと非常に申しわけないですけれども、利害関係のない人は二人しかいやせぬじゃないですか。十三人のうち十一人がもっともうけようや、もっともうけようや、もっとああしようやとやっている。そんなところの会合の結論がなぜ正当な結論になるかということなんです。私に言わせたら、こんな今回の法改正による中央競馬会に馬主の登録要件に関する審査会をつくるとかどうとか言っているけれども、それ以前に競馬そのもののありようについての検討会を農水省に持つべきだ、その場合には、そんな業界団体、利益団体の人は要らないんです。学識経験者、自分で言うのもおかしいけれども、法律関係者だとか教育関係者だとか言論機関の関係者、あるいは一般の消費者団体であれ社会福祉団体であれ各種の宗教団体であれ、そういう一般的な人にぜひ来ていただいて、それで競馬はどうでしょうということをいろいろ聞いてみる。それが根本的に必要なことなんです。そういうこともないから、今回の競馬法の改正も何だか農水省と中央競馬会が元気よくいきましょうというだけのことじゃないですかと思うんです。
 大臣、どうです、競馬に関して今回の改正法でやっているような審査会じゃなくて、今申し上げたような審査会をつくって競馬を根本的に検討してみるということをお考えになりませんか、いかがですか。
#199
○国務大臣(近藤元次君) 衆議院から、あるいは本日参議院で御審議をいただく諸先生方の御意見を聞いて、私も競馬というのに知識がないんで、この法律を提案をする段階において事務当局から勉強させていただいたというのが実態であります。今後において私がいろんな角度から関係者に競馬のあり方等について御意見を聞く機会はつくりたい、こう思っております。
#200
○猪熊重二君 次に、競馬の青少年に与える影響について、警察庁にも来ていただいたんで、お伺いしたいと思います。
 要するに、競馬については社会的な悪影響が各方面にあるはずなんです。根本的には国民の射幸心を盛んにすることによる勤労意欲の減退ということが根本です。そのほかにも場外馬券の問題だとか家庭の崩壊、いろいろな問題がありますが、青少年の問題が一番大切なんです。
 警察庁にお伺いします。
 決算委員会では喜岡委員が伺ったんですけれども、ここの委員会では初めてですので、昨年ないしことしにおいて警察庁が競馬法二十八条違反もしくはその他の法令に基づいて競馬に関連して未成年者を補導ないし保護処分等をした人数及びその取り締まった場所についてお伺いしたい。
#201
○説明員(吉原丈司君) ただいまの御下問でございますが、競馬法二十八条に違反したことによりまして家庭裁判所に書類送致した未成年者は、平成元年中は五百四十六人、平成二年中は六百七十七人に上っております。また競馬法関係では、二十八条以外といたしましては、いわゆるのみ行為で検挙した少年が平成元年中六人、平成二年中七人となっております。なお、競馬法以外の関係法令違反につきましては把握いたしておりません。
#202
○猪熊重二君 今の数字、数百人の少年が家庭裁判所へ行って、親も心配して、競馬がなければそういうことはないわけなんです。いずれにせよ、こういう取り締まりをしてみて、これが全体的な状況の中でこの何倍ぐらいとかという予測的なことはどんな感想をお持ちでしょうか。
#203
○説明員(吉原丈司君) 予測は甚だ難しいわけでございますが、例えば一例といたしまして警視庁が昨年一年間で、これは家庭裁判所に送致しない者でございますが、補導した少年の数が八百四十名に上っております。また、ことし三月末現在でほ九百名強に上っておりますので、大体全国的にもこういうふうな感じではなかろうかと考えます。
#204
○猪熊重二君 この青少年の補導に関して、中央競馬会との連携とか、中央競馬会からこうしてほしいとか、そういうふうな点はどうなっておりましょうか。
#205
○説明員(吉原丈司君) 競馬場または場外馬券場でございますが、こういったところを管轄いたします各部道府県警察におきまして、警察本部とそれから所轄警察署で定期的に行われる会議とか、必要に応じまして随時中央競馬会それから地方競馬場それから場外馬券場の管理者の方々とか責任者の方々に対しまして未成年者が馬券を購入しないための広報活動、すなわち看板とか場内テレビとか、そういったものでございますが、または監視活動、これは警備員によります場内の未成年者への注意、指導、こういったことにつきまして、未成年者に対する馬券購入防止対策等につきまして必要な措置がとられるよう要請いたしておるところでございます。
#206
○猪熊重二君 中央競馬会にお伺いします。
 中央競馬会では、例えば場内もしくは場外馬券場、この辺における青少年の虞犯行為等の取り締まり、それはどうしているかということが一点、それからこれに関して警察とどの程度どういうふうな連携なり協議なりをやっているか、この二点についてお伺いします。
#207
○参考人(渡邊五郎君) お答えします。
 私ども場内、場外にわたりまして警備の担当なりそれぞれ窓口におきましてこうした点の補導といいますか、指導、注意をいたしております。
 件数で私どもの関係を申し上げますと、平成二年の指導した件数は九千六百六十六件でございます。場内が七百三十四人、場外が八千九百三十二人、さらに平成三年に入りまして三月十七日までの開催がありましたこれまでのもので申しますと、三千八百七十三人、そのうち場内が三百五十五人、場外が三千五百十八人となっております。傾向からしますと、平成三年に入りまして時期からしますとかなりふえておる状況でございまして、なお私どもとしてはさらに警備員の配置を多くいたしましてこうした指導に万全を期したい、こういうふうに考えております。
 なお、警察関係の方とは、まず競馬の開催日におきましては、それぞれ競馬場、私どもの場外の売り場におきまして臨場される警察官がいらっしゃいます。現場でよく打ち合わせをいたしまして、場内の秩序維持なり青少年対策の連携、指導をいたすとともに、開催終了後には遅滞なく警察官の方へ私どもから警備状況の報告をするようにいたしております。特に春休み、夏休みの期間においては重点的にこうした点に配慮しております。また、競馬場及び場外発売所の警備の担当官は所轄の警察署の担当者と定期的に連絡をいたしまして、青少年対策あるいは場内の警備対策、交通対策、保安対策、こうした面についてお打ち合わせをしておりますし、本会の本部の方でも私どものサービス推進部という部がありますが、警察庁の保安部と随時相談しながら私どもの指導なり運営の徹底を期したい、こういうふうにいたしておるところでございます。
#208
○猪熊重二君 いろいろ競馬会にも申し上げたいんですけれども、時間がないので警察庁にお伺いします。
 今回の法改正で青少年自体は馬券を買っても処罰されないことになりました。今回の改正法は売ったり譲り渡した人間を処罰するということになりましたが、この法改正によって、要するに未成年者自体は処罰されないということになった、この件が取り締まりに対して及ぼす影響の問題が一点。
 もう一点は、電話だとか、まあパソコンはまだ実施していないんですけれども、電話による未成年者の馬券購入なんというものは取り締まる方法があるのかないのか、五十一年からやっているそうだけれども、取り締まったことはあるのかどうなのか、簡単にお願いします。
#209
○説明員(吉原丈司君) 今御指摘のように今回の競馬法改正法案で未成年者の馬券購入に関する罰則はなくなったわけでございますが、その結果、今後馬券を購入します未成年者を事件検挙することはできなくなるわけでございますが、未成年者が馬券を購入する行為そのものにつきましては、やはり改正法案におきましても二十八条で、勝馬投票券の購入等の制限の規定が設けられていることでございますので、購入した未成年者に対しましては今後注意、指導するなどいたしまして、適切に処理していきたい、こういうふうに考えております。
 それから、電話によります馬券購入につきましては昭和五十一年以来行われておりますけれども、今のところこれにつきまして事件送致した事例はございません。しかしながら、仮にこうしました電話等で馬券を購入した事実が確認できますれば、未成年者に対する健全育成の観点からいたしまして、保護者ともども適切に注意、指導するように措置してまいりたい、こういうふうに考えております。
#210
○猪熊重二君 実際問題として、電話による未成年者の馬券購入あるいはパソコンによる馬券購入なんというのは、通信の秘密や各種の面からしてほとんど警察の取り締まりなんかできないと私は思う。そうしたら、こんな未成年者の馬券購入なんということが有名無実になる。大人だけでなくして子供までばくちの中に巻き込む方法だと私は思うんです。ともかく電話の問題あるいはパソコンの問題、よく検討していただきたいと思う。
 局長にお伺いしますが、今度は馬券売り場で未成年者に馬券を売りた人が処罰される、発売に係る行為をした者が処罰される、だから売る人も気をつけなきゃいけません。しかし、売る人が処罰されるだけで、何で雇用者である中央競馬会の理事長を含めた理事者が、あるいは中央競馬会そのものが処罰されないんですか。普通ある団体の職員が職務の執行に関して違法行為をやれば両罰規定というのは当然にある。これに両罰規定がない理由ほどこにあるんですか。
#211
○政府委員(岩崎充利君) 今回勝馬投票券の発売に係る行為をした者が知りながら発売に係ります行為をすることについて抑止するということでございますので、そういうことで購入禁止の立法趣旨は達成される。それ以上に特殊法人であります競馬会や、または地方の施行者であります地方公共団体といった公的団体を処罰するということもいかがかということで、今回のような規定になった次第でございます。
#212
○猪熊重二君 競馬会の理事長にお伺いします。
 要するに、去年一年間の中央競馬会の入場者数は千三十八万人だとこうおっしゃる。千三十八万人のファンがいる、ファンがいるとこうおっしゃる。先ほど細谷先生も一億人の中の一千万人だからと、こうおっしゃる。しかし、私は年間開催した競馬の回数が二百八十八回で、仮にの話、この二百八十八回の競馬に同じ人間がもし全部行ったとしたらば、三万五千人にすぎないんですよ。よろしいですか。延べ人口としては一千三十八万人のファンだファンだと言うけれども、一人の人が二百八十八回全部行ったと勘定したら三方五千人のファンしかいないんです。大体千三十八万人という数字は数字で一つの正しい数字だけれども、その数字を分析するためには、だれがどれだけ行っているか見なきゃわかりゃしません。これについて一言理事長の御返事を伺って終わります。
#213
○参考人(渡邊五郎君) これは入場者の延べ数でございますから、実数ではございません。そうした動向については抽出的に私ども調査いたしておりますけれども、実数というのはまだつかんでおりません。
#214
○猪熊重二君 そこをよく調べてからそういう数字も言ってもらわぬと、一千万人のファンだ、一千万人の国民がばくちをやっているんだということじゃ困るんです。
 以上、終わります。
#215
○林紀子君 今回の法改正に当たっては、競馬の公正確保ということが非常に大きくうたわれておりまして、これは大変重要なことだと思います。しかし、今までの実情を見ますと、きのうの参考人質問でも例を挙げさせていただきましたが、昨年の六月には、大井競馬場を舞台に地方競馬のトップクラスの騎手が、自分が出走するレースの前に勝敗の予想を暴力団員を通じて客に情報を流して現金を受け取ったということで、競馬法違反で逮捕されているという事件がありました。また、その前、一九八八年の四月には、船橋競馬場に厩舎を持つ調教師が暴力団と深いかかわりのある主犯格の男に加担して食品会社を脅迫していた。さらに、この調教師はこの暴力団とかかわりのある男から競走馬を預かっていたという報道があります。
 競馬の公正確保を図っていくためには、こうした競馬と暴力団とのかかわりをなくして健全化を図っていくということが大変大きい問題だと思いますが、農水省は中央競馬会や地方競馬全国協会に対しましてどのような指導徹底を図っているのか、基本的な部分ですので、まず大臣にお伺いしたいと思います。
#216
○国務大臣(近藤元次君) 今先生から挙げられたような事件にかかわって暴力団が関与していたというようなことは、せっかく競馬が大衆娯楽化を安定させていきたいとこう考えておるときに、競馬の信頼というものが何よりも大切だと思うわけでありますし、そのためには競馬を公正に行う、明朗にする、こういう観点が大衆の信頼を回復するわけでありますから、今回の改正に伴っても、内容的に馬主や調教師や騎手の資格制度を厳格にして、少なくとも暴力団関係者を排除するという予定にさせていただいておるわけであります。いずれにしても、これだけが暴力団排除じゃございませんけれども、この趣旨を踏まえて競馬開催に当たってあらゆる角度から暴力団対策は強化をしていきたい、こう考えております。
#217
○林紀子君 それに関連いたしまして、中央競馬会法十八条の二では、中央競馬会に審査会を置くということがうたわれているわけですが、審査会のメンバーはどういうメンバーになるのかというような質問は午前中ありましたので、この審査会では、馬主が暴力団関係者に、また調教師や騎手が暴力団関係者にかかわっているかどうか、そういうことが本当に判断できるようなシステムになっているのかどうか、せっかくこういう審査会を設けて公正確保ということを言っていらしても実際にこれができるのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。
#218
○政府委員(岩崎充利君) 今回、審査会を設けまして、馬主登録あるいは調教師なり騎手免許等々につきまして審査会でいろいろやっていただくということにしました。当然、先生御指摘のように、この審査会そのものといたしましては、馬主登録の場合に例えば調教師なんかも含めまして暴力団の関係かどうか等々につきましては、事前にスタッフ等々によりまして十分調査した上でそういう形に上がってくるということで、私どもといたしましても、現実にそういう禁止、欠格条項ということを今回省令におきまして決めていきますので、それにつきましての事前調査ということも含めて十分対応してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#219
○林紀子君 ここはぜひ厳格にやっていただきたいと思って質問するわけですけれども、その事前調査というのがきちんとできるものなのかどうなのか。例えば警察の方からはこういう人間は暴力団関係者であるというような情報というのはそう簡単に、プライバシーとの関係もありましてすっと来るのかどうかという心配もあるわけですね。そういう面で本当にこの暴力団関係、そういうものを排除していけるのかどうかということを競馬会の方にお伺いしたいと思います。
#220
○参考人(渡邊五郎君) 御指摘のそうした問題につきまして、これまで私どもも馬主登録審査委員会等でいたしております。私どもと地方競馬全国協会と両者で競馬保安協会という協会を持っておりまして、これはこうした方面の競馬にまつわります各種の不公正なものについて常に監視する機関として私どもそういう団体を設立いたしまして、そちらの方面から警察その他と御連絡をとり、情報を交換して、私どもとしてはかなりの確度の情報は得られている、こう考えております。
#221
○林紀子君 今までの論議の中でも、やはり競馬というのはギャンブルという性格がどうしてもつきまとうということがありましたので、そのギャンブルの性格のところに暴力団というのがまた絡んできて、暴力団の資金源ということでこれが利用されるというようなことがあってはならないと思いますので、この審査会というのは、これからの問題でしょうけれども、ぜひここを厳正にやっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、公正確保を図っていくという点で、これまで中央競馬会の決算につきましては農水省への報告義務ということになっていたと思うわけですが、今回の改正に合わせて報告を受けて承認できるかどうか検討されるということになったと思いますが、これはどういうことで承認ということになったのか、その辺を伺いたいと思います。
#222
○政府委員(岩崎充利君) 従来からも日本中央競馬会は剰余金の二分の一を国庫納付するということになっております。これまでも実質的には剰余金の確定の過程で財務諸表については農林水産大臣がかなりチェックしていたということはございます。
   〔理事北修二君退席、委員長着席〕
 今回新たに競馬会の剰余金を活用した事業を行う、先ほどからも御説明しているとおり、そういうような事業を行うということから、従来よりも一層財務諸表のチェックというものを厳重に行う必要が生じるということと、それから他の政府全額出資の特殊法人につきましても、財務諸表を主務大臣の承認にかからしめるというようなことになっておるような形で競馬会の売上金がまた膨大なものともなってきておりますので、その財務運営が社会的にも注目されるようになってきているというようなことから、今回財務諸表につきまして農林水産大臣の承認にかからせるということにいたした次第でございます。
#223
○林紀子君 そういう意味では確かに膨大なお金になってきているわけですので、決算は報告から承認ということではそれが妥当だと思うわけですが、そういう意味では農水省が承認をすればいいわけですけれども、私も今回の法改正に当たりまして、資料として競馬会の一九九〇年度の決算をいただいたわけなんですが、それを見ても主な項目というか、非常に大きな項目しか書いてなくて、細目というのがなかなかわからなかったものですから、もう少し細目がわかるようなものをいただきたいということをお願いしたわけなんですが、その一部に限っての細目だけを教えていただいたという状況だったわけなんですね。
 今回は財務諸表など各事務所に備えておかなければならないということもうたわれているわけですし、そういう意味では、国会の承認ではもちろんありませんけれども、私たちが見せていただきたいということをお願いした場合には、透明性を高めるという意味でもぜひそういう資料も細かなものもお出しいただきたいということをお願いしたいと思いますが、理事長さんの方いかがでしょうか、それは農水省の方にお聞きしたらいいのでしょうか。
#224
○政府委員(岩崎充利君) 必要に応じまして提出させていただきたいというふうに思っております。
#225
○林紀子君 それから、今回の改正では、「馬丁」という用語を「競走馬の飼養又は調教を補助する者」に改めるとしているわけですね。競走馬の飼養をする者というのは厩務員のことで、また調教を補助する者というのは調教助手のことと、こう読んでいいと思うんですが、いかがでしょうか。そして、それをどうして厩務員とか調教助手とか、こういう言葉ではっきり書かなかったのか、それもちょっとお伺いしたいと思います。
#226
○政府委員(岩崎充利君) ここで言います「競走馬の飼養又は調教を補助する者」ということにつきましては、いわゆるこれまでの厩務員のほかに中央競馬の調教助手それから騎手候補者、それから地方競馬の騎手候補生ということも含めております。
 具体的にどうして書かなかったかということなんですが、実はこれは法律上の用語ということではございませんで、やはり法律上規定するということになりますとその実態を書くということでございますので、「競走馬の飼養又は調教を補助する者」ということでございますが、その規定させておる方々は今申したような方々である、こういうことでございます。
#227
○林紀子君 今私がこういうことをどうして伺ったかといいますと、この「馬丁」という用語、車夫、馬丁のたぐいというようなことで大変今まで苦労をしてきたんだということを、古くからこういうお仕事をなさっている方に実情を伺ったわけですね。ですから、こういう言葉をきちんと改正するということは、まあ遅きに失したということではないかと思いますが、非常にこれはいいことだと思うわけなんです。しかし、名前だけ変えて中身は昔と変わらないというのではそれまた困るわけでして、特に職種として調教助手というのをはっきり認めたということはこれで確認をしてよろしいわけですね。
#228
○参考人(渡邊五郎君) 調教助手につきましては、私どもの内部の規定では従来から認めてきたわけでございます。今回法律におきまして「調教を補助する者」ということで認められた。この点につきましては、やはり調教助手の活躍といいますか、活動自体が相当影響もございますので、そういう方々をこれからも私どもとしては認めていく立場に立とうと思います。
#229
○林紀子君 きのう渡邊理事長さんのお話で、美浦と栗東には合計六百八十九人の調教助手がいるというお話を伺いましたが、今回の措置を契機にぜひ調教助手の身分の安定、責任に応じた賃金と手当、こういうものを支給するように中央競馬会から調教師の方を指導するべきではないかというふうにも思いますが、いかがでしょうか。
#230
○参考人(渡邊五郎君) これはもう先生御存じのように調教師との雇用契約になるわけでございます。これからの調教助手の活躍、それぞれの働きに応じて調教師が当然判断されることと思いますが、私どもとしては、調教助手の方々にこれまでほかの方と同じような賞のようなものも出ていないというような違い等については、できるだけそうした面で私どものできる面では調教助手の人の地位を向上してさしあげたい、こう思っております。
#231
○林紀子君 きのうも触れましたけれども、こうした厩務員や調教助手の方々の時短とか週休二日制の問題、これは調教師会の資料ということで私も拝見をしたんですけれども、こうした方たちは年次有給休暇の取得率三割程度、年間有給休暇二十日持っている人は二週間分を捨てている。また八七年の労働省の全国平均労働時間数というのが二千百六十八時間だけれども、厩務員、調教助手の方たちは二千五百三十六時間、平均の労働者よりも一年間に一カ月半も長く働いているのだという資料を見せていただいたわけなんです。
 これに加えて、やはり生き物が相手だということで、大変有給休暇さえもこうやってとりにくい、時短、週休二日制ということはさらに先の道のりだなということをつくづく感じるわけですけれども、きのうのお話ではこういう労働条件の改善についても四者での話し合いを進められていらっしゃるということだったわけですが、今厩務員や調教助手の方たちの方から提案されているということで、普通一人の調教師さんが二十頭持っていたら、調教助手の方が三人と厩務員が十人で、平均十三人ということだというふうに伺っているわけです。
 それをもう一人ふやして、例えば厩務員が九人でそれから調教助手が三人で、あと調教助手と厩務員の仕事もできる人二人というような形で、十四人という形で一人でもふやしたらこういうような休暇もとれていくのではないか、馬の世話も輪番制をとってローテーションを組みながらこなしていけるのではないかということを労働組合の方は提案をしているという話も聞いたんですが、こういうふうに人員増ということを調教師の方にぜひ指導をするといいますか、中央競馬会の方でも積極的に言っていくというお考えはありませんでしょうか。
#232
○参考人(渡邊五郎君) 先ほども申し上げましたけれども、こうした厩務員の方あるいは調教助手の方はそれぞれ調教師との雇用契約になりますのと、これの資金のもととなりますか、これ自体は馬主さんの方からのそれぞれの一頭当たりの料金等を中心にいたしております。
 したがいまして、いろいろのお話なり御提案があることは承知しておりますけれども、馬主さんなりも含めてこうした話については相互によくお話し合いをくださっておるものと思います。ただ、私ども全体としまして、今の現在とられております体制自体につきまして、今後の持ち馬制の見直しとか厩舎作業の共同化、あるいは休日の交代制の導入等、厩舎の管理方式なり、私どもの方でいろいろ調べて参考になることは申し上げていきたい、そういう形でこうした問題に当たっていきたい、こういうふうに思っております。
#233
○林紀子君 きのうもお話をいたしましたが、労働災害というのが大変多い。一番危険だと言われている建設業の十五倍という指標に上るというお話も聞いておりますけれども、やはり人手をふやして、そして大変きりきりした中で仕事をするのではなくて、やはり余裕を持った仕事をするということが労働災害を減らしていくという意味でも一つ大きな役割を果たすのではないかと思います。競馬会の方だけではこれは解決できない問題かもしれませんが、ぜひ競馬会の方がそういう形で主導権を持っていただいて、労働条件の改善、休暇もとれるようにということも考えていっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 それから、今回の改正では今後発生する剰余金を有効活用するため、中央競馬会法の二十条二項三号の中に「競馬の健全な発展を図るため必要な業務」とあり、農水省省令で定めるとされていますが、この中には騎手などの福利厚生の増進のための事業が含まれているというふうに解釈をしてよろしいでしょうか。
#234
○政府委員(岩崎充利君) そういうふうに考えております。
#235
○林紀子君 この騎手等の等という中には今いろいろ質問をいたしました調教師、調教助手、厩務員、こういう方たちも含めて考えてよろしいわけですね。
#236
○参考人(渡邊五郎君) 騎手の労働災害は、特に騎乗をしている場合にはかなりのスピードで落馬して、非常に有名な騎手でいまだに回復がおぼつかないような方もいらっしゃる。そうした問題についてという御提案があって、それからそうした福利厚生というような問題が出ております。ただ、私どもその厩務員さんのことにつきましては、競馬会自体の方でもそれなりにこれまで福利厚生関係の措置をとってきましたので、そうしたものとの整合性なりを考えていかなければならないかと思っております。
#237
○林紀子君 三兆円産業で間もなく四兆円にも売り上げがなるのではないかという中で、ぜひ一番大もとで支えているこうした騎手や調教師、調教助手、厩務員といった方々にも十分還元をしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 あと時間がちょっとありますので、きょう午前中喜岡委員の方からお話がありましたけれども、私も場外馬券売り場の問題で、事前にお尋ねするというふうに申し上げておりませんでしたけれども、ちょっとお伺いしたいと思うのです。
 喜岡委員のお話にもありましたけれども、場外馬券売り場を設置するときに、同意を求める地元の意見というのを町内会というふうにしているという御説明が今までありましたけれども、やはり町内会を地元というふうにイコールとして見るのは大変無理があるのではないかというふうに私も思うわけです。
 といいますのは、岡山の新福場外馬券売り場、これは競馬会の方からもうあそこは地元の意見が成り立たないので取りやめるというお話を衆議院のこの委員会の場でもお聞きいたしましたので、これは一件落着ということなんですけれども、ここの新福場外馬券売り場の場合はそもそも町内会は正規に賛成をしたと。ただし、その町内会でどれだけの地元の人たちの意向が反映できていたかというと、その後町内会そのものがこの場外馬券売り場の設置の問題で真っ二つに割れてしまったわけです。真っ二つというのは、少数派といいますか、賛成した方が二十軒で、そして新たに反対だということでつくられた町内会は三百軒の人たちがいる。そういう状況になってしまったという話を伺ったわけです。
 ですから確かに中央競馬会の方から見ましたら適法的に地元の同意は得ているんだということになるのかもしれないんですが、実態はそうではなかったというわけですから、やはり地元の意向というのを町内会の会長さんの判こをついてもらったと、自治会長さんの判こをついてもらったからそれでいいというのは無理があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#238
○参考人(渡邊五郎君) 多少先ほどのお話の蒸し返しになって恐縮でございますけれども、私ども町内会の同意は周辺の町内会から私どもなりにこれは適法と、特別な法律があるわけではないんですが、適当なものと考えておりまして、実はあの地域についてはむしろ私どもの理解しておりますのは、教育上の問題で、ここはPTAの団体の方がなお話し合いをすべきであるという御要請があった件でございまして、去年の十二月の末以来誠意をもって話し合うということで、私ども十数回にわたって呼びかけておりますが、いまだにそういう機会を得ておらないわけでございます。したがいまして、私ども、同意の問題については現在そういうふうに地元から出ておりませんので、むしろお約束をいたしました誠意をもってお話し合いをする機会を得るように懸命に目下努力しておる案件でございます。
#239
○林紀子君 今ちょっと私の説明が悪かったのかもしれませんが、私は岡山の件を申し上げていたんですね。ですから、岡山は一件落着にはなっておりますけれども、今までの経験からいいましたら町内会を地元と、イコールとして見るのは無理がある。喜岡委員のお話も、ですからそのとおりだというふうに私は思ったわけです。
 それからあと、あそこは岡山では市議会が反対決議を上げたということで、最終的にはこれがもう建設できないということになったと思うのですが、やはり交通の面とかそれからまたどういう地域に、先ほど香川の例では文教地区であるとかそういうところにつくるということで無理があるわけですから、市の同意また市の意向をぜひ聞いていただきたいということもあわせてお願いしたいと思います。
#240
○委員長(吉川博君) 簡潔に答弁願います。
#241
○参考人(渡邊五郎君) 私ども、市の場合には町内会、市は大変広域でございますから、全体的にとるわけにはいかないだろうという本省の指導を受けまして、影響が及ぶ町内会で私どもとるということに考えておるわけでございます。
#242
○井上哲夫君 私も実は、競馬の法律改正ということで素人でございまして、質問事項はたくさん用意したんですが、かなり重複をしておりまして、今一生懸命頭の中で質問事項の練り直しをしております。それで、渡邊参考人にも質問をしたいと思いますのでちょっとお残りを願いたい。
 まず第一点は、これまで法律で規定をされていた事柄、開催場所、開催日数その他、こういうものが今回の法律の改正で省令で定められることになった。それは今猪熊委員の方から質問をされたわけでありますが、この省令に変えたということは、一つには他の公営ギャンブルといいますか、競輪、競艇、オート等の規定で皆そうなっているということから横並びにしたい。もう一つの実質的な理由は、よりきめ細かくできるんではないかというふうな御説明だったと思うんですが、確かに他の法令、例えばモーターボート競走法ですか、そういう法令を見ますとそのような趣旨のことがうかがえるわけですが、一方では競馬法の場合には畜産振興などのために四分の三を使って、四分の一を国民の福利増進のために使う、他の公営のギャンブル法といいますか、そういう法にはそういう制約はないわけです。国民の福祉のために使うお金を四分の一で限定しているような趣旨の規定はない。その辺は横並びにしなかった理由はどういうところでしょうか。
#243
○政府委員(岩崎充利君) 一つは競馬の沿革というのがあるんだろうというふうに思っております。これは、うちの方は戦前からいろんな形で競馬ということでやられております。競馬の目的につきましては、畜産の振興と国及び地方公共団体の財政への寄与。それからもう一つは、国民大衆にレジャーを提供するということでございまして、そういう形の中で競馬というのがやられてきた。現実には、昭和二十九年に中央競馬会ができまして、その中央競馬会の目的におきましても畜産の振興に寄与するためにやるということがはっきり述べられております。そういう状況の中で、中央競馬会から国庫納付するものにつきましては、その大宗を畜産の振興に寄与するということで、その大宗部分というのが四分の三である、残りの、残りというとあれですが、四分の一につきましては社会保障で使う、こういう形になっておりまして、そこのところがほかの公営競技とは少し違っております。
#244
○井上哲夫君 私は必ずしも四分の三を畜産振興に使うのはけしからぬと、こういう趣旨ではありません。今局長がお答えになられたような趣旨からそうなっているんだと。
 もう一つ、実は前の昭和三十七年の改正のときには、たしかその当時は場外馬券発売所については今回の背景と全く違って、競馬の賭博性を抑制するためにふやさないというか、認めないというか、そういう方向で善処されたいというような委員会の決議がありましたですね。今回はそれから二十数年、世の中変わった、国民的レジャーになった、あるいは明るい健全な競馬というものが国民の各層に浸透してきたというふうなことから、論議を別の角度からしているわけでございますが、こういうふうな形になっても、なお福祉の目的は四分の一の範囲であるという点については、どのように理解したらいいんでしょうか。
#245
○政府委員(岩崎充利君) 実は四分の一になりましたのは経緯がございまして、昭和二十九年に中央競馬会法につきまして法案を提出いたしたときに、これは衆議院でございますが、衆議院の議員修正という形で四分の一の社会保障というものが入ったような次第でございます。そういうような経緯的なこともございまして、これは院の御趣旨でもあるというような形の中で、私どもとしてはやはりそういうものを尊重すべきであろうということも一つの原因ということでございます。
#246
○井上哲夫君 私は、きのうの参考人のお話、きょうの委員会質疑を聞いておりまして、率直に素人ながら感じたことは、けさほどの高松の場外馬券の発売所ですか、その問題で質問者と答弁の方でるるやりとりがなされたわけですが、畜産振興の目的のために競馬は他の公営ギャンブルと違って、益金の使途についてもいろんな制約があるんだという精神に立ち戻るならば、先ほど来、るる言われております地元の同意云々の問題についても、やはり慎重な上に慎重に対処せざるを得ないんではないか。その点でむやみに売り上げの増加を求めるということはこの法律の全体の趣旨からいえばどんどん外れていく、そのような感じをきょう持つに至ったわけでございますが、その点いかがでしょうか。
#247
○政府委員(岩崎充利君) 私ども売り上げの増加を追い求めるということではなくして、場外馬券場の設置につきましては、それぞれの地域に競馬につきましてのファンの方々がかなりいるということが一つございます。それからもう一つは、のみ行為というものをいかにして防止できるかというようなこと等も含めまして、ファンに対する要請にこたえる、また、のみ行為の防止にもつながるというようなことで、場外馬券場の設置につきましても地元の御了解が得られるならばこれを設置するという考えに立っているということでございます。
#248
○井上哲夫君 この町内会の同意云々は再三再四質問されていますのでこれ以上踏み込むことはありませんけれども、町内会の代表者の同意ぐらい世の中不安定なものは実はない。私は裁判所の調停委員をやっておりましたときにいろいろ出くわしたわけでございますが、電波障害やその他の公害紛争の調停では、町内会が同意を与えていても、一部の町民の方がやむにやまれずその他のところへ駆け込み的に何とかならないかという形で出てくると。全体の同意をどのように把握するかという点は大変難しゅうございますが、今るる議論がされていますように、やはり安全な上にも確実な上にもさらに安全確実と、慎重な上にもさらに慎重ということになると、町内会の同意だけじゃなくて市町村の首長の意見なり、そういうものも酌み取っていくのはもう当然になってくる。その点ではけさ大臣も、その明確な基準をとにかく今すぐという、あるいはそのことがすぐどうこうということにはならないという趣旨の御答弁がありましたけれども、現実にやはり明確な基準を一刻も早くつくっていただくということは一番急がなければならないことではないだろうかと思うんでございますが、大臣、いわば私は今この質問はあらかじめ御通告申し上げておりませんので、大変失礼ですが、よろしくお願いいたします。
#249
○国務大臣(近藤元次君) 種々本法案に限らず、場外馬券売り場の問題というのはあちこちいろいろ内部的に問題があったことを承知いたしておるわけでありまして、この今の問題に間に合うかどうかわかりませんけれども、これはだれから意見を聞いたらいいかということもまだ頭の中整理ができておりませんけれども、何らかの基準を設ける必要があるなという気持ちで私は対処していきたい、こう思っているわけであります。ただ、今出ておるその高松の問題に間に合うか間に合わないかということはこれは別にして、基準は設けていきたい、こう思っておるわけであります。
 町内会の同意というのは、ある意味では私は非常に難しい同意を求めることだな、むしろ市長さんの同意より面倒かもしれないな。そして、より地域的に直接的な人たちから同意を求めるというのは同意をとるときの手続の問題であって、私は手続がきちんとなっておればむしろこっちの方がいいのではないのかなという気持ちさえ実は持っておるわけでありまして、むしろ市長さんの方の方がどちらかといえばとりやすい面もあるのかな、そんな感じさえしてずっとやりとりを分科会のときから聞かせていただいておるわけでありまして、そういう点も私もまだ整理がつきませんのでお答えをはばかっておりましたが、将来にわたっては何らかの基準的なものを設けるということについては、衆議院でも私は答弁をしてまいりましたので、そのように御理解をいただきたいと思います。
#250
○井上哲夫君 もう一点は、これも正確に御通告は申し上げてないんですが、今回公正さの確保のために審査会を設置する、そのことは大変結構なことだと思うんですが、審査会のほかにこれまで日本中央競馬会では運営審議会というんですか、関係者との間で協議をするそういう運営審議会、どういう名前か正確には知りませんが、そういうふうな組織があったということでございますが、その審議会の方とこれから発足をさせる審査会の方とはどういうふうに考えているのか、御説明をお願いしたいと思います。
#251
○参考人(渡邊五郎君) 運営審議会は日本中央競馬会法に設置をされておりまして、農林水産大臣の任命によります機関でございまして、競馬会の業務運営を公正かつ明朗に行うためにさまざまな立場の方の意見を聞くということで構成されるわけでございますけれども、この運営審議会の特徴としては、業務全般の基本的な事項を中心にいたしまして、利害関係のある方も入っていただく。もちろん中立的な方もいらっしゃいますけれども、例えば馬主、調教師の方とか、そういう競馬に利害関係のある方に入ってもらって運営の基本的事項を諮問するというふうになっておるわけでございます。
 今回の審査会は、むしろ馬主登録等につきまして、公正中立な第三者機関的なものとして学識経験者によりまして、利害関係者を除いて公正確保のために設置する、こういうふうに私ども考えております。その業務についても法律上明記して、馬主の登録の関係、調教師の問題、騎手の問題、あるいは騎手のこれはアピールと私ども言っておりますが、処分に対する不服審査、こういういわば多少行政的なことについての審査をするという機関と考えております。
#252
○井上哲夫君 これは御質問というよりお願いなんでございますが、その公正さの確保、そのために審査会も設置をする、あるいは公正さの確保が競馬が健全かつ大衆レジャーになっていく最後の唯一の支えであるというふうなことからいいますと、じゃ公正さの確保はどうしたらいいかと。実は公正さの確保は、非常に独断と偏見で申し上げれば、情報を国民に開示する、公開することが本来最大の公正さの確保である。
 先ほど猪熊委員もおっしゃいましたが、今回競馬に関する研究会の報告書が出た。しかし、これはほとんど競馬に対してまあいわば熱狂的というか、あるいは熱狂的でないにしても理解を持っている人の集まりで、同好会の研究報告だと、言ってしまえば。本来公正さを担保するためには、あんな人は入ってもらいたくないというような人をあえて入れて、こんなことは関係者に知らせたくないということをあえてオープンする、こういうことが実は公正さの確保になろうかと思うんですが、その点で私としてはぜひできる限りその方向でやっていただきたいというお願いを申し上げたいと思います。これは答弁を求めますと善処しますということになってしまいますので求めませんけれども、そこに本当の問題点があるし、公正さの確保ができなければ競馬に対してもプラス志向よりもマイナス志向が多くなっていくというか、強くなっていくことになりかねないと思いますのでお願いをしたいと思います。
 特に、今回審査会のメンバーについて先ほど来学識経験者を中心にしてというふうなお答えをいただきましたが、国民の各層の人から選ばれるようなそういう御配慮をいただきたいことをお願いしまして質問を終わります。
#253
○橋本孝一郎君 通告した質問をできるだけ重複しないように尋ねたいと思いますので、もし重複していたら簡単にしてもらいたいと思います。
 そこでまず最初に、非常に抽象的かもしれませんが、大臣にお尋ねしたいんですけれども、今まで述べられた中で、競馬が非常に最近、健全レジャーという言葉がいいのかどうか知りませんが、国民のレジャー活動の中で非常な数を占めてきた。レジャー白書によりますれば、何か一年間に一回行ったことのある人を入れますとゴルフが一四%で競馬が二一%というので非常に急速にふえてきておるようであります。そういうことから国民的レジャーという言葉も出てくるのかもしれませんけれども、今回の競馬法の改正で、競馬法それから日本中央競馬会法を見ましても、競馬の目的というものがはっきり示されていないのでありますけれども、競馬の目的や役割というもの、これだけ環境変化が起こってきたわけでありますから、競馬の社会における位置づけというんでしょうか、あるいは競馬の果たすべき役割と言った方が適当なんでしょうか、そういったことについて大臣の御所見をまずお聞きしておきたいと思います。
#254
○国務大臣(近藤元次君) 競馬法は、競馬を運営することでありますので、目的が明確になっていないのかもしれませんけれども、現状、先ほど来お話のございましたように大衆化をして、一千万人、猪熊先生にまたしかられるかもわかりませんが、延べ人口にして一千万という状態でございますので、特に女性層が参加をしたり若年層になっておるということは一つは大衆的になったことを意味することだろう、こう思うわけでありますので、このことは少なくとも公営競技の中の大きな役割を示しておるわけでありますから、国民に信頼されるものでなければならない、こう思っておるわけであります。
 その建前からすれば、公正でなければなりませんし、明朗でなければならないことは当然のことでありますが、そういう段階で少なくとも暴力団を排除するとかのみ行為を排除するとか、そういう不正が行われないということがまず前提でなければいけない、こう考えておるわけであります。
 そういう意味での法的のいわば改正をさせていただいたわけでありますし、これだけ大型になると剰余金が出て、剰余金も一定の額を積んで、競馬関係者の一たん緩急のあるときにも十分ではないだろうか、こういうことで剰余金の今度は使途についてもまたファンに理解と納得のいただけるような状態にしたい、こういうことで法律改正をさせていただいておるわけであります。
#255
○橋本孝一郎君 いわゆるファン一千万問題、猪熊先生からもその分析がありましたし、私どももやってみたら実数との差があるように思うんですが、実態はつかめませんけれども、いわゆる公正さを保つために、あるいはまた健全なレジャーとして育つために大変努力されておることは私は評価したいと思います。例えば先ほどまでの場外馬券売り場の用地取得、これ一つ聞きましてもなかなか同意なんというのは大変なことでありまして、むしろ僕はその同意を得るために中央競馬会の職員が現地で苦労しておるのがむしろ気の毒なぐらいな感じがするわけです。よくわかるんです、その気持ちが。それでもなかなか努力しても進まない。一方、一般的には何となくまだレジャーとして定着しない部分がある、こういうややこしいものでありまするが、大変苦労するわけです。
 そしてファンサービスといいましても、ファンでもいろいろな種類があるわけでありまして、本当のいわゆる勝ち負けだけでファンになってするという人とか、あるいは本当に日曜日家族連れで広い競馬場にオゾンを吸いに行くいわゆる健全なレジャーもありますけれども、そういうファンサービスをする場合に、どこに最も期待するというんでしょうか、理想という言葉がいいんでしょうか、期待するファン像といいましょうか、そういうものもやはりある程度的確につかみながらそこに日を当てていくというサービスをやらないとファンサービスにもなっていかない。全部にということはもう不可能なことでありまして、すべて一割や二割はロスはあると思いますから、できるだけ多くの層に対してそういう日を当てていくという必要があると思いますけれども、どういうふうなファン層を期待しておるのか、ひとつお伝え願いたいと思います。
#256
○国務大臣(近藤元次君) でき得れば今日的労働環境なり社会環境なり生活環境が変わってまいりましたので、余暇を競馬場に来て過ごしてもらうという意味合いでは、家族的に来ていただくような競馬場の整備はぜひ必要だなというふうに、家族的で本当に競馬に親しんでいただくという、馬に親しみを持つという、またそういうところに参加をして競技を見るという、そういう関係者にひとつその定着をさせていくことが本来のファンサービスということになるんだろうと思うわけであります。ギャンブル専門にだけやっておることは層が限定をされていきますし、層が薄くなることは競馬の将来というものに決してプラスにはならぬのだろう、こう理解をいたしております。
#257
○橋本孝一郎君 次に、競馬の開放という面から、ちょっとダブっておるかわかりませんけれども、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
 日本の競走馬は外国産に比べて競走能力が劣っておるということが今までよく言われました。一方、賞金面では調べますとそうじゃなくて二位以下にも随分厚い。外国に比べれば有利な状況にあるようであります。世界の生産者会議など国際的な場においても外国産馬の出場を制限している日本の競馬制限の閉鎖性が指摘されて、国際化の中にあって従来的にもやはり競馬摩擦まではいかないでしょうけれども開放が迫られる情勢も来るんではないかと思いますが、そういう点についての状況と、当然競馬の開放を行えば軽種馬生産地は少なからず影響を受けると思われますが、近年の軽種馬輸入状況、今後の対策はどのようなものが適当と考えておられるのか、これが一つ。
 現在、外国産馬が出場できる混合レースは全競走の二二%、重賞レースでは四四%にも達しているようでありますが、外国からの開放要求にこたえた混合レースの増加についてはどう考えているか、これが一つ。このまず二点お尋ねします。
#258
○政府委員(岩崎充利君) 我が国の軽種馬の輸入状況でございますが、最近までの円高傾向なり近年の景気の好調あるいは競馬の隆盛というようなことから、昭和六十一年以降大きく増加しておりまして、元年度では二百五十一頭が輸入されております。
 今後の競馬の開放問題、いわゆる外国産馬に係る制限問題でございますが、世界的な潮流となっております競馬の国際化の実情なり、充実したレースを楽しみたいというファンの要望等にも配慮をしながら、さらに国内生産との調和を図りつつ、関係団体とも協議をしながら、先ほどちょっと先生がお話しになりました混合レースの段階的な制限につきまして対応していくというふうに考えている次第でございます。
#259
○橋本孝一郎君 配当率のことでちょっとお尋ねしたいと思います。
 現在の控除率二五%は高過ぎるという意見に対して、諸外国の例を引き合いに出して決して高くないというのが今までの御答弁なんであります。例えば日本の控除率に近い西ドイツの売上高というのは三千八百六十億、フランスでは六千七百五十二億、これは八八年の調査でありますが、これに対して日本は、既にもう午前中にも出ておりましたように、平成二年度においては史上初の三兆円という、これはもう全然スケールが違うわけであります。スケールメリットが違うわけでありまするから、単に外国の控除率と比べて高くないという意見は成り立たないと思うんですけれども、いかがなものでしょうか。
#260
○政府委員(岩崎充利君) 控除率そのものはそれぞれ各国の事情等によりましてかなり大きく違っております。我が国の二五%、高いものから低いものもある。ただ、先生御指摘のようにスケールメリット等のお話もございますが、我が国の場合は控除率というのが公営競技全体を通じます基本的枠組みということで位置づけられておりまして、他の公営競技等との問題とも関連いたしまして、公営競技に通じる全体としての検討課題であるというふうに受けとめている次第でございます。そういうことで、今回の法律改正ということの中ではこれについては触れておりません。ただ、先生御指摘のように、これだけ中央競馬会に剰余金が出ておるということの中で、何とかファンへ還元していくという方途を考えてしかるべきではないかということもございまして、いろいろ議論がありましたが、剰余金の一部を活用して単複に限りまして必要な場合にそれをファンへ還元するという道を開いたという次第でございます。
#261
○橋本孝一郎君 ファンに対するサービスというのは、設備の整備だとかあるいは配当率を動かすということでいろいろありますけれども、今回のファンサービスの充実の観点から単勝式及び複勝式の的中者に対し特別給付金が支給されることが提案されました。これは投票の中ではわずか五%しかない、いわゆる少数派だそうであります。売り上げの多くを占める連勝複式も対象とすべきではないかという、これは他の公営競技とのバランス上、この方式がとられたと思いますが、競艇とかあるいは競輪にもそれぞれ持つ魅力から根づいたファンがいるわけであります。競馬の配当率が少し上がったからといって、他の公営競技に与える影響は少ないと考えますけれども、むしろ互いの公営競技がいわゆるファンサービスを競い合っていくということも必要だと思うわけでありますが、その点についてどのようにお考えですか、お尋ねしたいと思います。
#262
○国務大臣(近藤元次君) この問題、私もさまざまなところから控除率をもう少し低くしろ、いわば馬券を買って当たった人にもう少し余計よこせ、こういう意見が世にたくさんあることは承知をいたしておるわけでありますけれども、一つは地方競馬と中央競馬と分かれているのは日本だけでございまして、幾つかわからない国にはあるかもしらぬけれども、主要国ではとにかく日本だけが中央、地方と分かれておるわけでありまして、中央競馬は大変経営的にも安定をしておりますけれども、地方競馬は決して安定をした状態ではございませんので、むしろ競馬産業全体を監督しておる立場からすれば、もう少し地方競馬にも力をつけていかないと、先ほどもお話がございましたけれども、中央競馬が五%単複に出して、単複はほかの競技に余り影響ない部分に対して出させていただいたわけですが、さあ地方競馬がそれじゃその実力があるかというと実力のないところもございますので、この程度でひとつとどめさせていただいて、地方競馬にも力をつけさせて、またそういうことに努力をしていくことが競馬産業全体を安定させていくということでもございます。
 それともう一つは、私も素人でありますけれども、今の競馬的中ということを考えると、その人に金がいっぱいいくというだけであって、もうちょっと中身を変えてその当たる人がいっぱいになるというようなことの種類ができたときには、私は二五%を真剣に考えてもいいんでないかなと思うけれども、今のこの単勝、連勝、複勝だけで還元をするのでは、当たっている人に金が余計いくというだけのことで、もう少し当たる人がいっぱいになるというようなことを期待しておる人もいるんではないかなと、私の勝手な判断でありますけれども、そんな気持ちで実は今回このようなことにさせていただいたということも理解をしていただきたいと思います。
#263
○橋本孝一郎君 配当について十円未満の払い戻しをしない問題についてですが、この部分が平成元年度では中央競馬で百十八億円、地方競馬は四十五億円にも達しております。この切り捨てに対する批判がファンの間にもありますが、本改正を機にファンの意向を考慮した措置がとられるべきでなかったかと思うんですけれども、やらなかった理由についてお尋ねしておきたいと思います。
#264
○政府委員(岩崎充利君) 端数切り捨ての処理につきましては、国、地方公共団体等の債権債務管理上の原則になっているのが一つございます。それから、他の公営競技におきましても同様の取り扱いとなっているということから、現状維持はやむを得ないということでそのままにいたしております。
 ただいま先生御指摘のように、その場合に収入金になるわけでございますが、これらにつきましては主催者におきまして競馬場スタンドの整備なり、テレビやラジオ等によります情報の提供など各種のファンサービスを行っておりまして、これらを通じてファンへの実質的な還元を行っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#265
○橋本孝一郎君 競馬の開催回数です。これはもう既に出たかと思いますが、ちょっと違うところもありますので、お尋ねしておきたいと思います。
 現在、中央競馬の競馬場は十二カ所、開催回数は三十六回、開催日数は二百八十八日以内とすることが法律で決められております。これは今回省令で定めることとしたわけでありますが、競馬を開催していない地域の声とでもいうんでしょうか、地域の活性化や競馬レースそのものを見たいという立場からの競馬場を新設してほしいという要望があると聞いておりますが、これほどのように定めるつもりなのか。現行の十二カ所以外の場所にも競馬場を定める予定はあるのかどうか。また回数等の増加の要望もあると聞いておりますけれども、どうするおつもりか、ひとつお尋ねしておきたいと思います。
#266
○政府委員(岩崎充利君) 今回、上限を法律で十二カ所以内ということで省令で競馬場を書くことにいたしております。省令では、現在中央競馬の競馬場として使用されている札幌、函館、福島、新潟、中山、東京、中京、京都、阪神、また小倉の各競馬場を規定する見込みでございまして、ただ宮崎と横浜につきましては地方からの競馬開催の要望があり、競馬再開に伴う諸問題がすべて解決された上、実際に競馬を開催することが決まれば、これは省令に追加することもあり得るのではないかというふうに考えておりますが、現状では、今言った十カ所につきまして規定したいというふうに考えております。
 それから、それ以外の競馬場でどうかということにつきましては、現実にはなかなか宅地化が進んでおるとか、新設競馬場の場所の選定とか、あるいは地元の調整等々、競馬場の新設には非常に種々の困難な問題が発生するということもありますし、またいろんな面で、現在の開催規模とか競走馬の資源とかその他いろんな問題があるということで、実際にはなかなか難しいのではないかというふうに考えている次第でございます。
 それから、開催回数の問題も今回やはり同じように省令という形にいたしましたが、現実には今後の特段の事情の変化がない限り現状以上にふやすという考えはございません。
#267
○橋本孝一郎君 私自身も競馬をやったことないのでわかりませんけれども、いわゆるレジャーという限りにおいては、競馬場というのはあれだけ広いスペースを持つわけでありますから、競馬場のもっとレジャーランド化ということも考えてもいいんじゃないかという気がするわけです。そういう意味からしてそういうことをお尋ねしたわけなんですけれども、既設のものに対するレジャーランド化と、新設していくものがもしあるとするならば、レジャーランド的な要素を持たなきゃだめだというぐらいはしておかないと、ただいわゆる勝ち負けだけを主体にするようなものじゃなくて、もっとそういう広い意味でのレジャーランドにして、まさに健全なレジャーと言えるようなものにしていく。どっちみち勝った負けたのを見に行かぬでもやれるような時代になってきておるわけですから、そういう面でひとつお尋ねしたわけであります。
 終わります。
#268
○喜屋武眞榮君 私は、御質問を申し上げる前に、次のことを明らかにしておきたいと思います。
 まずそのことは、私自身スポーツを愛好しております。次に、きょうの疲れをいやし、あすの活力を養うという真のレクリエーションを愛好しております。常に青少年の健全育成ということに重大な関心を持っております。そして、幸か不幸か知りませんが、我が沖縄には競馬の歴史がございません。競馬場もありません。ただし、二百メートルを折り返す直線の乗馬と、これは馬場と言っておりますが、それがございます。
 それで、けさも早朝来皆さんの御質問を非常に興味深く聞いておりましたが、このような日本の競馬とは関心の薄い沖縄でありますけれども、人馬一体、馬の心と人間の心が溶け合う、この心はどこの人にも劣らないという自信を持っております。そのことが沖縄のことわざ、きのうも実はちょっと出ましたが、ンマーヌティシリ、チュヤヒラティシリ、これは沖縄の方言でございます。馬の心は乗って知れ、人の心はつき合って知りなさい、こういうことわざがございますが、このことからも馬と沖縄の人間という、さらに、戦争中のことを思い出したくもありませんけれども、あの第二次大戦の中においても人馬一体の心が歌われた、いわゆる愛馬進軍歌でありますが、その愛馬進軍歌をつくったのが沖縄の新城青年でございました。こういうことからも非常に馬に対する愛着を持っておる。
 こういう心を持ってひとつお尋ねしたいことは、今回の馬主の登録制度と調教師あるいは騎手の免許制度の厳格化が図られることとなるが、今回の厳格化措置、特に馬主の登録制度の厳格化によってどのように競馬の公正確保が図られていくのか、政府の認識を改めてお伺いいたしたいと思います。
#269
○政府委員(岩崎充利君) 特に、馬主というお尋ねでございましたが、馬主は競馬を施行する上で最も重要な要素であります馬を競走に出走させる立場にいるということから、競馬の健全な展開、発展を図るためには、競馬の公正確保を害するおそれがある者はやはり馬主登録を受けることができないということにする必要があるということでございます。
 今回の改正では、馬主の登録欠格事由を省令に委任いたしますが、欠格事由をきめ細かく網羅的に規定することによりまして馬主登録をより厳格にするということにいたしておりまして、それによりまして一層競馬の公正確保が図られるというふうに考えておる次第でございます。
#270
○喜屋武眞榮君 人間が知識を修得して人間らしい人間になっていく道は、特に戦後、視聴覚教育ということが強調されております。いわゆる目、味覚、口、聴覚、耳、この三つの門から人間は知識を修得する、これを強調されて今もおるわけでありますが、その点から沖縄の青少年がこれでいいのかなと非常に心配を抱いておることは、勝馬投票券の発売の一つとして、本年四月二十日から在宅パソコン方式による勝馬投票券の発売が試験的に始まったが、この在宅パソコン発売は勝馬投票券の購入が禁止されておる学生生徒及び未成年者が簡単に勝馬投票券を買えるようになる可能性があることがそもそもの問題になる点であります。近年、学生生徒及び未成年者の勝馬投票券購入がふえているとも言われており、青少年の健全育成の観点からその防止に十分な対策を講じなければならないが、在宅パソコン方式による勝馬投票券の発売がこれから拡大していけば、学生生徒、青少年の勝馬投票券購入を防止していくことが非常に困難になるのではないかと思われます。政府は、在宅パソコン方式による勝馬投票券の発売についてどのように考えておられるのか、承りたいと思います。
#271
○政府委員(岩崎充利君) パソコン等を利用しました電話投票につきましては、従来の電話投票と同様に、のみ行為の抑制なり場外発売所の混雑緩和とか、遠隔地のファンへのサービスに有効であると考えられるために、平成三年四月から、先生ただいま御指摘のように、試験的に実施いたしまして今後の導入を検討しておるものでございます。その利用は競馬会の審査を経た加入者しか利用できないために、私どもとしては青少年の健全育成には影響を与えない、また影響を与えないようにすべきであるというふうに考えておる次第でございます。
 具体的な防止策でございますが、加入に当たりましては、従来の電話投票と同じように、希望者が競馬法の規定によります勝馬投票券を購入できる者であるかどうかを厳重にチェックした上で、加入手続を行う。それから実際の投票に際しては、加入者ごとの加入者番号、それから暗証番号がわからなければ投票することができないというふうにすること、競馬会と加入者の間の約定の中で、加入者本人以外は使用できないこと、また暗証番号は他人に漏らさないこととされておりまして、これに違反した場合には契約は解除するということにいたしております。
 さらに、端末機を使用するということから、競馬会の電算機と通信するためには、加入者の個人専用のソフトであるICカード等が必要でありまして、このICカード等は競馬会と加入契約を結んだ者しか購入することができないというようなことから、未成年者が購入するということは不可能であるというふうに考えておりますが、さらに私どもも先生の御指摘を踏まえながら、一層そういう点に留意するように、中央競馬会を指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#272
○喜屋武眞榮君 その施設ができた場合、それは一応は大人中心の家庭にということになりますがね。ところが、留守家族になりますと、中学生の子供、高校の生徒になりますと、それを乱用といいますか、知らないうちにと、こういうことが考えられるんですね。こういうことも十分配慮を願って、徹底させていただきたい。
 次に、場外馬券発売所の設置について、これまでも各地で反対、賛成をめぐって、今日まであったわけですが、いろいろな問題が起きておる。それが地域の大きな問題となっておる例も御承知のとおりであります。
 場外馬券発売所は、地元住民にとって迷惑施設であるので、その設置については、地域との調整を十分行わなければならないが、具体的にどのような手順、手続を経て調整をされるのかというこの問いでありますが、先ほど来も真剣な御質問がありまして、その点大臣の、あらゆる角度から検討して配慮すると、こういうさっき一言がありましたので、それを信じて次に移りたいと思います。
 次に、聞くところによりますと、場外馬券発売所の具体的な設置基準がないようであります。設置基準がないということは、問題を起こす余地がますます広がるということになりかねないのであります。そこで、設置基準をつくったらどうだろうかと思いますが、政府の見解をお尋ねしたいと思います。
#273
○政府委員(岩崎充利君) 場外馬券売り場の設置でございますが、競馬法施行令第二条の規定に基づきまして、これは農林水産大臣の承認を受けなければならない。申請を受けた後に、競馬会による地域社会との調整状況を踏まえながら、近隣の土地利用の状況等を検討の上、承認の可否を決定するということにいたしております。
 近隣の土地利用の状況等の検討に際しましては、文教施設とか住宅地区との位置関係とか、学校施設の主たる通学路との関係ということ等々につきまして精査するということになりますが、具体的には、設置予定の場外馬券売り場の規模の大小、あるいは来場するファンが利用する交通手段とか、設置後におきます開催当日の周辺の警備員の配置状況等、非常に個別ごとに違っているという状況の中で、それぞれ申請が出てきた段階で、個別具体的に私どもとしては検討していくということでございます。
 ただ、最近におきます種々の状況等もございますので、今後大臣からお話がありましたように検討を進めてまいりたい、こう思っております。
#274
○喜屋武眞榮君 人間には自由を求める特権がありますね。それにこたえていくことが政治であり行政であると。ところが、いかなることをなすにつきましても、ささやかな私の経験からしましても、必ず物事をなすにはメリットとデメリットがある。この調和をどう調整していくかということが政治であり行政であると私は信じております。そういう基本的な考え方に立って、ぜひあってほしいのは、排除の論理に立たず、温かく迎えるということが大事なことではないでしょうかと私は思っております。あらゆる角度から検討して、そして排除の論理ではなく、努めて人間の欲求として、子供は子供、大人は大人なりに、お年寄りはお年寄りなりに、それぞれ自己を高めていこうという、これが人生の旅路だと私は思っております。そういう観点からひとつ十分に御検討をお願いしたい。
 最後にお尋ねしたいことは、中央競馬会の剰余金の活用について、先ほど沖縄には競馬の施設もない、歴史もない、こう申し上げましたが、ところが、畜産振興という一点に結んでいますね。沖縄は非常に馬を、畜産を重視して、そしてこれからの沖縄の開発においても、亜熱帯地における唯一の沖縄として畜産が有望だと、こう言われておるのであります。
 それで最後にぜひ大臣にお願いしたいのは、これから日本中央競馬会に発生する剰余金を競馬の本来の趣旨である畜産の振興にいかに役立てていくか、またこれだけの競馬人気を支えているファンに還元していくかが問題であるわけなんです。
 今回、日本中央競馬会の国庫納付金から畜産業の振興のために必要な経費に充てられるものの範囲が拡大され、営農環境の確保あるいは農林畜水産業に関する研究開発であって、畜産の振興に資するものに必要な経費を追加するとともに、今後発生する剰余金を有効活用するために、沖縄県には競馬及び場外施設もありませんが、中央競馬会の剰余金を活用した畜産振興は、競馬場または場外施設の有無にかかわらず実施すべきであると考えておるわけでありますが、どうかこのことを大臣からぜひお約束のお言葉をお聞きしたい。
 もう一つは、あの附則を見ますと、第三の附則に、「競馬会は、当分の間、農林水産大臣の認可を受けて、」云々とございますね。「当分の間」というその見通しはどういうことなんですか、あわせてその二つをお尋ねして私の質問を終わります。
#275
○国務大臣(近藤元次君) 「当分の間」というのは、剰余金の問題ではなくて特別給付金の問題でございますので、畜産振興と直接関係のないことでございますので、そう理解をいただきたいと思います。
 中央競馬会の剰余金について畜産振興に使え、こういうお話と、沖縄には競馬場も場外馬券売り場もないけれども、それを差別をするなとか区別をするなという御心配のお尋ねのように聞いたわけでありますが、そういうことは全くございません。もう中央競馬会法ができて以来主たる目的の一つに畜産振興というものが今日まで入ってきておるわけでありますし、なお、今回の剰余金についても主たる目的の一つでありますので、十分畜産振興に使うようにさせていただきたいと思います。防衛庁の危機対策とは違いますので、そういう意味合いでは、そういうことのあるなしにかかわらず、傾斜配分をするようなことは考えておりませんので御心配なくひとつよろしく御理解いただきたいと思います。
#276
○委員長(吉川博君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#277
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について林君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林君。
#278
○林紀子君 私は、競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。
 その趣旨と提案理由について御説明申し上げます。
 修正案の内容は、中央競馬の競馬場名並びに開催回数、一回の開催日数及び一日の競走回数の範囲を農林水産省令で定めることとする改正規定を削除することです。
 次に、その理由ですが、政府提出の改正案では、中央競馬の競馬場の数及び開催日数などに関する規定を、従来法文上に明記されていたにもかかわらず省令事項にゆだねることとなっていますが、これでは国会を通さず開催回数などを拡大できる仕組みをつくることになり、競馬の健全化並びにスポーツとしての節度ある取り扱いに支障を来しかねないものと言えます。現に、従来から省令事項にゆだねられている競艇や競輪では、施設の改善や国際花と緑の博覧会のためなどの理由から開催規定などを拡大しています。
 さらに、地方競馬においては、その設置、運営に当たっては地方自治体の議会の議決を経なければならないとされています。したがって、中央競馬が唯一のいわゆる国営競技であり、かつ国庫納付金を義務づけられていることからいっても、中央競馬の競馬場の数及び開催日数などに関する基本事項を法定化しておくことは当然の措置と考えます。
 以上が修正案の内容と提案理由です。
 何とぞ、御審議の上、委員各位の御賛同を賜りますようにお願い申し上げます。
#279
○委員長(吉川博君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#280
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、林君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#281
○委員長(吉川博君) 少数と認めます。よって、林君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#282
○委員長(吉川博君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、谷本君から発言を求められておりますので、これを許します。谷本君。
#283
○谷本巍君 私は、ただいま可決されました競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  競馬が畜産の振興等に果たす役割の重要性にかんがみ、今後においても、競馬の有する社会的影響力、国民世論の動向等に配慮しつつ、さらに、その社会的位置付けを高め、健全な運営を通じてその発展を図る必要がある。
  よって政府は、競馬の制度及び運営の在り方について引き続き検討を行うとともに、本法の施行に当たっては、次の事項の実現に遺憾なさを期すべきである。
 一 競馬運営において公正の確保が最も重要であることにかんがみ、馬主登録制度並びに調教師及び騎手の免許制度を更に厳格なものとし、一層の公正な運営に万全を期すること。また、いわゆるクラブ法人馬主の登録に当たっては、その組織・運営を十分把握して、適正を期するよう指導すること。あわせて、調教師と厩務員等との労務関係の改善に配慮するよう指導すること。
  さらに、中央競馬及び地方競馬の交流が更に進展する状況にあることに対処し、各々の競馬における登録、免許制度の在り方を検討すること。
 二 競馬の健全な発展を図るため、財政的に恵まれていない地方競馬主催者に対して施設整備等のための支援を行うとともに、中央競馬と地方競馬の相互協力が一層図られるよう指導すること。また、地方競馬の経営の現状にかんがみ、地方競馬全国協会の円滑な運営を確保することを含め、長期的視点に立って計画的に地方競馬の経営基盤が強化されるよう指導すること。
   なお、場外馬券発売所の相互利用の実施に伴い、その利用形態に変化が生じ周辺住民に影響が及ぶおそれがある場合には、改めて地域社会との調整を十分に行うよう指導すること。
 三 ファンサービスの一層の充実を図る等の観点から、競馬施設への来場者の利便性の確保と周辺環境を改善するための対策を拡充するよう指導するとともに、控除率の在り方及び端数切捨金の取扱いについて、他種公営競技との関係を含め、更に検討を続けること。
   また、払戻金及び返還金の債権の時効の短縮を行うに当たっては、そのことがファンサービスの低下につながることがないよう周知徹底につき指導すること。
 四 国庫納付金の使途拡大に当たっては、総合的な見地から畜産の振興に資するよう努めるとともに、国庫納付金が、畜産の振興及び社会福祉の向上に貢献していることにつき、国民一般の理解が深まるよう努力すること。また、日本中央競馬会の益金の活用については、特別振興資金の交付業務が厳正かつ公正に運営されるよう指導すること。
 五 競馬場の数、競馬開催日数については、当面、現状の水準を維持することとし、特別登録料の引上げについては、その及ぼす影響を十分に踏まえつつ対処するよう指導すること。
 六 場外馬券発売所の設置に関し、各地域に種種の問題を残している一方、馬券購入の利便性確保の要望が増加し、また、いわゆるノミ行為の防止が緊急の課題となっている現状等にかんがみ、その設置基準等をより明確なものにするため、早急に学識経験者等による検討を行うこと。
   なお、パソコン利用等による在宅投票については、青少年に与える影響に十分配慮して取り扱うよう指導すること。
 七 軽種馬生産が特定地域における産業として果たす役割の重要性にかんがみ、軽種馬生産・経営の安定等を図るため、今後とも、計画的な生産を進め、あわせて、市場取引の推進、馬の資質向上等強い馬づくりのための対策を講ずるほか、競走番組の編成等に当たっては、国内生産との調和に十分配慮するよう指導すること。
   また、近年の国民の余暇の増大に対応し、乗馬の普及などを含めた馬事の振興に努めるよう指導すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#284
○委員長(吉川博君) ただいまの谷本君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#285
○委員長(吉川博君) 全会一致と認めます。よって、谷本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、近藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。近藤農林水産大臣。
#286
○国務大臣(近藤元次君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#287
○委員長(吉川博君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#288
○委員長(吉川博君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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