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#1
第120回国会 文教委員会 第1号
平成二年十二月十八日(火曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
  委員氏名
    委員長         下稲葉耕吉君
    理 事         石井 道子君
    理 事         柳川 覺治君
    理 事         粕谷 照美君
    理 事         小林  正君
                井上  裕君
                木宮 和彦君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                仲川 幸男君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                西岡瑠璃子君
                森  暢子君
                山本 正和君
                針生 雄吉君
                高崎 裕子君
                笹野 貞子君
                小西 博行君
    ─────────────
   委員の異動
 十二月十七日
    選任          真島 一男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         下稲葉耕吉君
    理 事
                石井 道子君
                柳川 覺治君
                粕谷 照美君
                小林  正君
    委 員
                井上  裕君
                木宮 和彦君
                世耕 政陸君
                田沢 智治君
                仲川 幸男君
                真島 一男君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                西岡瑠璃子君
                森  暢子君
                山本 正和君
                針生 雄吉君
                高崎 裕子君
                笹野 貞子君
                小西 博行君
   国務大臣
       文 部 大 臣  保利 耕輔君
   政府委員
       文部大臣官房長  坂元 弘直君
       文部省体育局長  野崎  弘君
       文化庁次長    遠山 敦子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊池  守君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(下稲葉耕吉君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本委員会は委員が一名欠員となっておりましたが、昨十七日、真島一男君が委員に選任されました。(拍手)
    ─────────────
#3
○委員長(下稲葉耕吉君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化及び学術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(下稲葉耕吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(下稲葉耕吉君) 次に、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。保利文部大臣。
#6
○国務大臣(保利耕輔君) このたび、政府から提出いたしました日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 スポーツは、国民の心身の健全な発展に資するとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与するものであり、その一層の振興が強く求められているところであります。
 特に、国際的な競技大会における我が国選手の活躍を期してスポーツ団体、選手、指導者が安んじて選手強化活動に打ち込めるようにするとともに、さらにそのすそ野を拡大するための施策を講じることは、国民のスポーツに対する意欲や興味を喚起し、広く我が国のスポーツの普及、振興を促進する上で大きな意義を有していると考えられます。
 今回の改正は、このような観点から、我が国のスポーツの一層の振興を図るため、日本体育・学校健康センターにスポーツ振興基金を設け、競技水準の向上等のための活動等に対し必要な援助を行うためのものであり、その内容の概要は、次のとおりであります。
 第一に、センターの目的にスポーツに関する競技水準の向上等のために必要な援助を行うことを追加することといたしております。
 第二に、センターの業務に次の業務を追加することといたしております。
 その一は、スポーツ団体が行うスポーツに関する競技水準の向上を図るため計画的かつ継続的に行う合宿その他の活動、あるいは国際的または全国的な規模のスポーツの競技会、研究集会または講習会の開催に対し資金の支給その他必要な援助を行うことであります。
 その二は、優秀なスポーツの選手、指導者が行う競技技術の向上を図るための活動、あるいは優秀なスポーツの選手が受ける職業または実際生活に必要な能力を育成するための教育に対し、資金の支給その他必要な援助を行うことであります。
 その三は、国際的に卓越したスポーツの活動を行う計画を有する者が行うその活動に対し、資金の支給その他必要な援助を行うことであります。
 第三に、センターは、援助業務に必要な経費の財源をその運用によって得るためにスポーツ振興基金を設け、政府からの出資金と政府以外の者からの出捐金をもってこれに充てるものといたしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
#7
○委員長(下稲葉耕吉君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○小林正君 ただいま文部大臣から提案理由の趣旨が述べられました改正案につきまして、昨年以来このことが話題になりまして、なかんずくことし十一月ごろでしたかから以降、ブラウン管でしか日ごろお目にかかれない有名なスポーツ関係者の方々が国会に御要請にお見えになりました。この法律案についてのスポーツ関係各位の関心の高さといいますか、期待というものを、御要請の中身を伺いながら感じてきたところでございます。
 そういう立場から考えまして、本来スポーツ行政はやっぱり政策的な問題として真正面から取り組むべき課題だというふうに思うんですけれども、これは補正予算案審議の経過の中でもいろいろ述べられましたとおり、これが補正予算という手法によって扱われるという問題については疑問を投げかけざるを得ないということをまず申し上げておきたいと思うわけです。
 昨年、芸術文化振興基金がやはり同じような好一対の手法で国立劇場法の改正案というような形の中で出され、今度はセンターの改正案ということで出てきているわけでありまして、こういう形でいいのかなというふうにも思っているところでございます。ましてや財政法第二十九条の観点から申し上げましても、本来政策的な課題でありますからこれを援用してどうという問題ではないというふうにも思っておるわけでありまして、そうした観点から、このことについてあえてこの場で御意見を伺うということはいたしませんけれども、本来の筋ではないんではないかということだけを指摘しておきたいというふうに思います。
 質問の第一番目ですけれども、まず、スポーツ振興法というものが一九六一年、昭和三十六年に制定されております。この法律を読んでみますと、今日問題になっておりますスポーツにかかわるさまざまな問題の根源的な課題というものが述べられているというふうに思います。
 まず、第一章の総則、目的のところで、第一条「この法律は、スポーツの振興に関する施策の基本を明らかにし、もって国民の心身の健全な発達と明るく豊かな国民生活の形成に寄与することを目的とする。」、そして第二項として「この法律の運用に当たつては、スポーツをすることを国民に強制し、又はスポーツを前項の目的以外の目的のために利用することがあつてはならない。」、こう述べているわけであります。そしてこの法律の定義として、第二条「この法律において「スポーツ」とは、運動競技及び身体運動(キャンプ活動その他の野外活動を含む。)であつて、心身の健全な発達を図るためにされるものをいう。」、こういうふうに定義をしているわけであります。
 このたび出されましたスポーツ振興基金を考えてみますと、昭和三十六年、まだ世界にはこういうスポーツについての基本的な法の制定というものがされない当時、極めて先進的な形でこれが出されたということを高く評価しているわけですけれども、今度出されましたこの基金との関係でこの法律が全体の文脈の中でどのようなものになるのであろうかということが一つであります。
 そして、この基金が設置されました以降、当然のことながらその運用に当たってはこの法の精神を踏まえて行われるべきものであるというふうに思うんですけれども、そのことについてどのような御見解をお持ちか、文部大臣からお伺いしたいと思います。
#9
○政府委員(野崎弘君) スポーツ振興法は、今先生御指摘ございましたように、第一条でスポーツの振興に関する施策の基本を明らかにしている、こういうことでございまして、私ども、現在このスポーツ振興法に沿って行政を進めているわけでございます。
 第三条を見ますと、「国及び地方公共団体は、スポーツの振興に関する施策の実施に当たつては、」「ひろく国民があらゆる機会とあらゆる場所において自主的にその適性及び健康状態に応じてスポーツをすることができるような諸条件の整備に努めなければならない。」ということで、あくまでも民間のスポーツ団体や個人の自主的、主体的な活動に協力をしつつこれを奨励、援助していく、こういう基本的な立場を規定しておるわけでございまして、基金の運営に当たってもこの精神に基づいて実施をしていくのが適当である、このように考えておる次第であります。
#10
○小林正君 スポーツ行政の基本にかかわる法律の問題でございますので、文部大臣からの御答弁をお願いしたいと思います。
#11
○国務大臣(保利耕輔君) ただいま先生が御引用になられましたスポーツ振興法第一条の目的でありますが、これは例を引くのはまずうございましょうけれども、例えばベルリンでオリンピックが行われました。あのときのことが後ほどいろいろと言われております。あの大会そのものはスポーツ関係者にとっては大変立派な大会であったし成績も非常によかったと思いますが、それがいろいろな目的に利用されたのではないかというような風評があるわけであります。そういうような形にスポーツを使ってはいけないということを規定しておるのがこの精神だろうと私は思っております。
 今委員から御指摘がありましたスポーツ全般をどういうふうに考えるかということでありますが、私は、スポーツはやはりすそ野は広くそして頂点は高くということを目指してこの環境整備に当たらなければならないと思っております。それで、どちらが先かという議論がありますが、すそ野を広くすれば頂点が高くなりますし、頂点を高く引っ張り上げればすそ野も自然に広がっていく。両々相まっておりまして、どちらが先かという関係ではないような感じがいたします。したがいまして、私どもといたしましてはその両方に力点を置いた施策を講じていかなければならない。そこで、スポーツ振興基金の運用におきましても両面を考えて運用をしていくように私どもでは考えております。
#12
○小林正君 引き続いて昭和四十七年、一九七二年に「体育・スポーツの普及振興に関する基本方策について」という保体審の答申が出されているわけですけれども、その基本方策について「国民が健康で文化的な生活をいとなむために、体育・スポーツを振興し、人間尊重を基盤とした健康な社会を建設することが、今後の日本の重要な課題である。」、こういうふうに述べているわけですが、時あたかも高度経済成長期を背景にした中でこうした答申が出されているわけであります。
 こうした基本認識というのは、いずれもこのスポーツ振興法という法律の趣旨とあわせまして読んだ場合に、日本のスポーツ行政というものがこの方向で進められていれば大変すばらしい開花をしたであろうということが想像されますが、基本的な認識としては今文部大臣が申されましたすそ野を広げる、つまりスポーツ・フォア・オール、国民皆スポーツというような考え方でよろしいんでしょうか。あるいは今どきの言葉で言えば生涯スポーツという言い方になろうかと思うんですが、臨教審以降の答申等を考えてみますと、競技スポーツに私はどうも傾斜しているのではないかという気がしてならないわけであります。そしてその中から出てくるのは、全般的な社会体育の発展という視点よりはむしろ学校と企業というものが突出をした形で日本のスポーツというものが印象づけられるような実態というものが出てきているのではないか。生涯スポーツという視点に立ったときには、やはりそれの受け皿となるインフラの整備の問題等々、欧米諸国にありますようなさまざまな課題を解決していかなければならないというふうに思うんですが、このことについてどうお考えになっておられるかということと、国民世論の一部には現在の体協を中心としたエリート優遇のスポーツから国民のためのスポーツに重きを置く必要があるのではないかといったような指摘もあるわけであります。
 そうした点を踏まえまして、この間のスポーツ行政についての考え方が基本的にどうなったのかというあたりについてお伺いをしたいと思います。
#13
○政府委員(野崎弘君) 今先生から昭和四十七年の答申についての御指摘がございました。実はその前に昭和三十五年の答申というのがございまして、これはオリンピック東京大会の開催を契機として、国民、特に青少年の健康、体力を一層増強するために必要な施策について、こういうむしろ青少年の健康とか体力という、そういうあたりに焦点を置いて三十五年の答申が出たわけでございます。
 その後、やはり時代の流れの中で生涯スポーツというものに重点を移すべしというようなことがございまして、今御指摘ございましたように、昭和四十七年に「体育・スポーツの普及振興に関する基本方策について」という答申ですべての国民が生涯体育を実施できるような諸条件を整備するための基本方策について答申をした、こういう流れになっているわけでございます。
 今回、平成元年十一月に出ました答申は、二十一世紀というものをまず目標に置きまして、スポーツ施設の整備充実、あるいは生涯スポーツの充実、競技スポーツの振興、学校における体育・スポーツの充実等その基本的方向を示したものでございまして、答申の中身全体を通じては必ずしも競技スポーツに重点を置いているということではなしに、先ほど大臣の御指摘ございましたようにやはり競技スポーツ、生涯スポーツ両方とも車の両輪というような考え方でこの答申が出されているものと、このように受けとめております。
#14
○小林正君 各競技スポーツ団体もすそ野を広げることと頂点の問題ということ、いわゆる普及と強化という視点から取り組まれているということも事実だというふうに思います。そして、四十七年の答申の中で六に「資金の確保とその運用」というのがありまして、体育・スポーツ活動に必要な施設・設備の充実、スポーツ教室の開設等自発的グループ活動の促進、「指導者の養成確保などの経費については、国や地方公共団体は積極的に公費を投入すべきである。」と、こういうことを述べているわけであります。申し上げましたように、インフラの整備が欧米諸国に比べますとまだ大変劣っているというふうに私は思いますが、こうしたことについての積極的な対応をこの法改正を契機に全般的な世論形成の中で進めていく課題だろうと、こういうふうに思います。
 それから、七番目に「関係省庁の協力体制の確立」というのがありまして、「体育・スポーツ関係の諸施策の実現に当たっては、施設の整備充実についての資金の効率的運用をはじめ、国民の体育・スポーツの普及振興に関して関係省庁の相互協力体制を確立する」ということが出ているわけであります。
 このことに関して、実はドイツのオリンピック委員会のメンバーが日本を視察した際にこういうことを言っているわけです。ドイツはスポーツを通じて市町村の共同体の自治と独立性が促されたと。つまり、コミュニティーの中でのスポーツというものが根づいていると、こういうことだろうというふうに思うんです。そして、日本ではと彼が言っているんですけれども、学校は文部省、そして保育所は厚生省、勤労青少年については労働省、国民健康づくりは総理府、体育・スポーツ施設や生活環境整備計画策定等については自治省や経済企画庁、そして都市計画による児童公園、運動公園、緑地整備は建設省、こういうことで政策展開の面で見ますと、文部省がスポーツプログラマーというものを八七年に提起をされました。そして厚生省は八八年に専門運動員養成の告示というものを行い、いわゆるアクティブ80ヘルスプランというようなものも出してきているわけですね。つまり、スポーツ行政なりこの周辺のさまざまな課題について、国民の体位の向上と体力の増進といいますか、そういうことにかかわるさまざまな課題がいわゆる縦割り行政の中で進められている。一体これらの課題についてどこに陳情に行ったらいいのか、これと交渉する市町村は一体どういうことになるんだろうかという懸念、心配をされているわけであります。こういうような状況があってこの答申の中でもその実態を踏まえて関係省庁の相互協力体制の確立ということが求められたんだろうというふうに思うわけです。
 こうした視点に立って、社会党として今検討しておりますのは、やはり先ほど申し上げましたスポーツ振興法、さらに二十一世紀への展望を含んで今日的スポーツ振興基本法とも言うべきものを策定する必要があるのではないか、そして最終的にはスポーツ省の設置というようなところまでいって行政の一元化、縦割り行政の解消ということを図りながらさらにこの運動を進めていくということが今求められる時期だろうというふうに思うわけです。そうした各国の取り組みなんかも参考にしながら今後調査研究を進めていただきたい、このように思うわけです。
 財政面の問題はもちろん相当な努力が払われておりますが、このことも含めまして御意見を伺いたいと思います。
#15
○政府委員(野崎弘君) 確かに、スポーツの特に施設の関係をとらえましてもいろいろな省が関係していることは事実でございます。運動公園ということになりますと建設省が絡んできたりするわけでございますが、私どもとしては、スポーツの振興自体は文部省の任務である、しかしいろいろな施設というものをそれぞれの行政目的でつくられるということはあるわけでございまして、それらが全体的に相まってスポーツの振興につながるものと、このように押さえているわけでございます。今回の平成元年の答申におきましても「国及び地方公共団体におけるスポーツ・レクリエーション関係部局の連携・協力を推進する。」、こういうことが出されておるわけでございまして、私どもとしてはそういう視点でこれからの行政を進めていきたいと思っているわけでございます。
 スポーツ省設置の問題が今提起されたわけでございますが、大変これは大きな問題であるわけでございます。行政改革の動向等も勘案しなきゃならない大変大きな課題でございますので、長期的な観点から慎重に検討すべき問題ではないか、このように思っている次第です。
#16
○小林正君 特にさっきの答申の中にありました「国や地方公共団体は積極的に公費を投入すべきである。」という部分について、今私も国会図書館等で調べているんですけれども、ドイツ連邦共和国、既に統一ドイツになりましたけれども、の場合で言いますと、スポーツ振興予算の全予算に占める割合が〇・〇五%、こういうような数字が出ております。スポーツ振興予算の中でオリンピック強化等に向けられる予算が八百五十万マルク、国際オリンピック委員会等に百万マルク、オリンピックのための青少年競技コンクールに百三十四万マルクが計上されている。ドイツはいつもすばらしい成果を上げているわけですけれども、一マルク九十円で計算いたしましても予算面でも相当な努力がこの数字を通してもされているということが明らかなわけでありまして、日本の場合はスポーツ振興のための予算が国の全予算の中で占める割合というのはどのぐらいなのか、ちょっと通告の中では申し上げませんでしたが、もし今ここで明らかになれば出していただきたいし、なければ後日お願いしたいというふうに思います。
#17
○国務大臣(保利耕輔君) ただいまの御指摘は大変重要な御指摘でございまして、私もいろいろ勉強する中で各省がどういうことをやっているかというのをいろいろと調べてもらいました。その結果、スポーツに関連する施策というのは相当多数の省庁で行われておりまして、先ほど局長からお話のありました建設省関係の公園、運動広場とかそういうもの、あるいは労働省関係でやっております勤労者のための体育施設の充実でありますとか、あるいは農林水産省におきましても、林野庁を中心にいたしまして山に遊歩道をつくるとか、スポーツにひっかかりがある施策というのはたくさんやられているようでございます。
 それを集めた数字がどのくらいになるのかというのは、事務当局もまだはっきりはつかまえておりませんし、またその境目が非常に難しくもありますので、どういう数字をつくったらいいのかということについてまだ検討途上だと思いますけれども、私は、やはりこれに広く目を通して全体的にスポーツ振興のためにどういう施策がされているのかというのを一遍整理統合して、その中でスポーツ行政というものをきちんと考えていくということをやらなければいけないんではないか、このように考えております。
 具体的な数字のありさまにつきましては事務当局から御答弁申し上げます。
#18
○政府委員(野崎弘君) ちょっと今、各省庁の関係は資料が手元にないので、文部省と地方の関係を申し上げさせていただきますと、文部省の体育スポーツ振興関係の予算は平成二年度で二百八十九億円ということでございます。
 それから地方公共団体、これは社会体育施設の整備とかいろいろな大会の開催等をやっておりますが、これが昭和六十三年の調査で社会体育関係予算としては五百二十億円、このような数字になっております。
#19
○小林正君 スポーツ省、あるいはスポーツ・余暇レクリエーションとかいろいろな名称をつけて省をつくっている各国の実態があるわけですけれども、それこそこの基金によって臨時緊急非常に措置をしたことが今後結果としてすぐあらわれるというようなことはないと思うんですね。やっぱりローマは一日にして成らずというわけで、長い間の努力の積み上げが集積として成績に反映するというものだろうというふうに思うわけです。
 そして、実態的に今どういうふうに特に若い人たちにスポーツが見られているかということについて、十二月十一日から日経新聞がスポーツのページに特集を組んでいるわけです。「スポーツの曲がり角」というテーマで「金メダル・ゼロ時代」というのが最初の内容でした。
 これを見ますと、
  時代と共にスポーツはある。食うや食わずで死に物狂いで戦った時代や国威発揚の時代は過去のもの。日本人のスポーツ観は様変わりした。豊か過ぎる時代は価値観の多様化を生み出すどころか、進むべき道の選択肢の多さに混乱さえ招いている。日本のスポーツ界は大きな曲がり角に来ている。
ということで、まず最初に北京でのアジア大会で日本が惨敗をしたということが出ておりまして、その二年前のソウル・オリンピックの状況、そしてこのままいけばバルセロナ・オリンピック、さらにその四年後のアトランタ・オリンピックはスポーツ関係者の間に金メダル・ゼロ時代の予感が広がっている、こういうことでこの危機感というものが徐々に今までの経過からして進んできたということを述べて、これからどうなるのかと、こういうことなんです。
 そしてその一つの理由として、スポーツ関係者の証言ですけれども、ちまたでは三K――きつい、汚い、危険な仕事をいとう若者がふえてきて、そんな風潮からするとスポーツも求人難に陥るんじゃないか、なぜならスポーツもまた厳しく苦しいものだから、こういうことであるわけです。そして、現に競技スポーツに参加している人たちにメダルを欲しいかと聞くと、とれるものならとりたい、しかしメダルがスポーツのすべてではないというかなり白けた答えが返ってくる、こういうような時代だというわけですけれども、やはり勝負は勝たなきゃだめだというもう一方の問題が出てくるというようなことが書いてありまして、そういうことになってきた経過というのは何なのかということなんですけれども、一つには、日本の社会風潮としてどうもスポーツを社会一般が低く見ているんじゃないか。勉強をやらないでスポーツだけやっている人をスポーツばかと言うけれども、勉強ばかりやって運動や社会的な認識が欠けている者については勉強ばかとは言わないというようなことを言って、そういう立場から見るとやはり一段と低く見られているんじゃないかということも指摘をしております。
 そして、世界的な趨勢としては、
  今やオリンピックで金メダルを狙うような選手は、国家丸抱えの「ステートプロ」か、個人が賞金や広告収入を追求できる「ビジネスプロ」の二つのプロに大別される。どちらも金メダルが、単なるメダル以上の価値をもたらす。しかし「日本はスポーツ自体の評価が低く、金メダルに付加価値がつけられない」
こういったような事情もあるんじゃないかということを言っているわけであります。
 こうしたいろんな議論があるんですが、例えばソウル・オリンピックのときに韓国では、そのメダリストに対して等級別にいわゆる報奨制度といいますか、そういうようなものを制度化したといったような経過もありました。また一方、そうした特定の選手にそうしたことをすることが納税者の立場からどうなのかといったような議論も日本の国内では行われているというふうにも聞いているんですけれども、そうした関連で昨年の十一月に出された「二十一世紀に向けたスポーツの振興方策について」の答申及び審議の経過の中でこうしたメダリストに対する対応について具体的な論議がされたという経過があるのか、あるいは全くそうした問題については触れられなかったのか、ひとつその点についてお伺いしたいということと、もう一つは、社会的に低く見られているということについて、実はいろんな資料を調べてみますと、例えば文化勲章の受章者ですとかあるいは文化功労章というものに位置づいてスポーツ関係者が栄誉をたたえられるといったような状況というものがこの間どの程度あったのか、それが出現したのは社会全般の中の比率でどの程度なのかということを考えてみますと、極めてレアなケースとしてはそういうことが顕彰された方々がいらっしゃるというのが実態だと思うんですね。例えば文化功労者で最近出ましたのは、あの例の前畑頑張れと言われた兵藤さんが出ているわけでして、その程度だと思うんです。
 そういったような問題についてスポーツ行政という立場の中枢にある文部省としてどういう問題意識を持たれているのか、お伺いしておきたいと思います。
#20
○政府委員(野崎弘君) まず、保健体育審議会の答申の中で触れられているのかということでございましたが、トップレベルの選手及び指導者への支援体制の充実ということで、先生御指摘になりましたように、今、日本の場合には選手が学校に所属したり企業に所属している、こういうことで諸外国にはない特色のある姿になっているわけでございます。そういうような中でトップレベルの選手や指導者が過度の個人的負担をこうむらないようにするための施策が一つ必要ではないか、それから選手の現役引退後の生活基盤についてやはり考える必要があるんじゃないか、それと今先生御指摘ございましたすぐれたスポーツの選手や指導者の体験や業績を広く国民に周知する、あるいは顕彰の充実を図ることなどによってスポーツ活動に対する社会全般の評価を高めていくということが大切であるというような指摘もしておるわけでございます。
 それで、今具体に文化勲章あるいは文化功労章がどうかということでございますが、スポーツ関係者に対する文化勲章、文化功労章の受章者は、現在までに文化勲章受章者が一名、文化功労章受章者が五名というようなことでございます。
 最近は、今御指摘ございましたように、兵藤秀子氏が平成二年度に文化功労者として顕彰されている。昭和六十三年には織田幹雄氏が選ばれておりますが、文部省といたしましても、スポーツ選手の社会的評価を向上させるという意味で今後ともスポーツ関係者の顕彰ということに最大限の努力をしてまいりたい。これは、もちろん文化勲章、文化功労章だけじゃなしに、現在オリンピックで優勝した選手には特別賜杯を出すとかあるいはいろいろな叙勲等のことがあるわけで、その辺のところも含めましていろいろな形で顕彰制度の充実ということを図ってまいりたいと思っております。
#21
○小林正君 メダリストに対する報奨制度的なものについては具体的な検討はされているのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#22
○政府委員(野崎弘君) 現在、メダリストに対しましてはスポーツ功労者表彰というのを実施をしておるわけでございます。
 今回のスポーツ振興基金の中で功労金的なものを考えるのかどうかということは議論があったわけでございますが、さっき先生から御指摘ございましたように、功労金的なものではなしにやはり選手、指導者への奨励金というような形の取り上げ方が日本の風土には合うのではないかというようなことで法案の中の業務としてはそのようなものを掲げておる次第でございます。
#23
○小林正君 国によっては年金支給をするとか、それから文化勲章等は年金がついているわけですね。やっぱり以後の生活に後顧の憂いのないような対応というのは、それなりにきわめた人たちですから今後すそ野を広げる上でも重要な役割をその経済的な裏づけの中で果たしていただけるということも含めまして検討すべき課題じゃないかと思いますし、そうしたことを進めているのが国際的な一つの流れじゃないか、こういうふうにも思います。
 それに関連して、柔道の山下さんがこれに触れてこういうふうにおっしゃっているわけです。「選手が本当に頑張れる環境、そして頑張った結果が選手にも社会にもうまく還元されるような新しい仕組みを考える時期だ」、こういうことを述べておられるわけであります。
 このことについて文部大臣、一言お願いできませんか。
#24
○国務大臣(保利耕輔君) 私もかつてスポーツの選手生活をやったことがありまして、選手としての私の気持ちを率直に申し上げれば、試合に出たら勝ちたいというその一念でやっていたような感じがいたします。そして、それに対していかなる御褒美をいただけるかということは実は私の時代には頭の中には余りなかったのでありますが、先生御指摘のように世界的な流れというようなお話もございまして、こういった問題についてはこれから検討していくべき課題だと思っております。
 なお、一言だけつけ加えさせていただきますが、今度のスポーツ振興基金における即効性の問題について先生がお触れになられましたが、確かに基金から資金を出して援助をしてもそれがすぐにつながるというわけではないだろうということは私も容易に想像ができるわけでございますが、ただ現在この時点で何もやらなくていいのかということになりますと、それはやはり何かやらなきゃいけない。その検討の結果がこのスポーツ振興基金でございますので、この点は御理解をいただきたいと思うのであります。
 同時にまた、私も北京のアジア大会に参りまして、古橋団長でありますとかあるいは本院から行っておられました小野清子先生でありますとかとお会いをいたしました。また選手諸君にもお会いをいたしました。いろいろ話を聞いてみますというと、やはりもう少し場数を踏みたい、もう少し本当の試合をやって経験を積んで本番でいわゆる自分たちの実力あるいは実力以上のものが発揮できるような精神力を培いたいという御希望がかなり強くございました。それは私自身もよくわかるお気持ちでございます。
 アルベールビルの冬季オリンピック大会が再来年の二月に行われますが、いわば次の冬季シーズンに行われるわけでございます。それで、その強化のためには今シーズン、今強化練習に励まなければならないという状況であるので、こうしたことが一つの緊急性として考えられてこのスポーツ振興基金をつくったものと、私はそのように考えております。
 どうぞよろしくお願いをいたします。
#25
○小林正君 時間がなくなりましたので最後に。
 芸術文化振興基金が制定されまして来年度予算へ向けて五億円の増額ということで、民間から当初百億円といったのが百十二億円ということが報道されております。これは二百五十億円ということでスタートするわけですけれども、スポーツ関係者の期待も大変大きいわけでありますから年々増額へ向けての御努力をぜひお願いしたいということが一つ。
 もう一点は、やはりオリンピックが、さっき出ましたようにベルリン大会が政治主義的国威発揚ということでかなり政治に利用されたということが一つの問題点になっているわけですけれども、現在、ポスト冷戦構造の中で新たなオリンピックがスタートをしていく、その中で近代オリンピック百年という大きな節目でもあるわけです。そういう点ではギリシャで開催されるのが望ましかったんじゃないかという考えもありましたけれども、アトランタに決定をされた。その経過からするとかなり商業主義に陥りがちな状況というのが今日のオリンピックの新たな課題ではないか、こういうふうに思いますけれども、何はともあれ、ヨーロッパで戦場に明け暮れたところで不戦の誓いがされるという状況の中でクーベルタンの意図した目的が達成されつつあるということもまた事実であります。
 こうしたときにこの基金が設置されたわけでありまして、私は、この基金の運用に当たっては利権とか特権といったようなことにこれが結びつくことがないような厳正なしかも適正な管理運営が行われることを期待するわけであります。スポーツで最高道徳はフェアプレーの精神だというふうに思いますので、ぜひそうした視点からの扱いをお願いいたしまして私の質問にかえます。
 ありがとうございました。
#26
○会田長栄君 大きく分けて五点に関して質問をいたします。限られている時間でございますから、簡潔に質問も申し上げますし、簡潔にお答えを願えれば幸いだと思います。
 その一つは、スポーツ振興の重要性はだれも否定しません。政府も、内閣総理大臣を初め文部省を含めまして常にこのスポーツ振興については声高く政策に掲げて説明をしていることは御承知だと思います。
 先ほど同僚の小林委員からもあったとおり、世界的に評価の高い昭和三十六年に制定されたスポーツ振興法以降をよく検討してみますと、一般会計の歳出決算の伸び率というのは、政府の統計によりますと最高は昭和四十九年度の二九・二%、最低は昭和五十七年度の〇・七%、五%以下というのは実はこの三十二年間に四度しかなかった。同時に、国民総生産額、GNPの伸び率というのは、これは五%以下だったというのはこの三十二年間に五回しかございませんでした。
 そこでお尋ね申し上げます。
 体育振興費の伸び率というのは、ここ五、六年で結構でございますから、どのようになっているか、お聞きしたいと思います。
#27
○政府委員(野崎弘君) 体育・スポーツ関係予算でございます。
 六十三年からの数字がございますが、六十三年は対前年度一一%の伸びでございます。それから平成元年度が五・七%、平成二年度が二・九%の伸び、こういう状況でございます。
#28
○会田長栄君 その次に、平成二年度国全体の一般会計予算のうち、文部省の体育・スポーツ振興予算は何%の数字になっておりますか、お伺いいたします。
#29
○政府委員(野崎弘君) 国全体の予算と申しますと、平成二年度六十六兆円でございます。それに対しましていわゆるスポーツ振興関係予算というのは二百八十九億円でございますので、今ちょっと計算してないんですが、パーセントにすると〇・何%というような数字かと思います。
#30
○会田長栄君 私は、昭和三十六年のスポーツ振興法制定以来このスポーツ振興については非常に強く訴えられてきた政策的課題も多々あるが、実際は、決算の上あるいは予算の上から見ますと、唱えられている割にはその財源は保証されていないということを言いたいわけであります。
 体育局長が答えにくいのでございましょうから、平成二年度の政府全体の一般会計予算のうち、文部省の体育・スポーツ振興予算というのは実は〇・〇四三%だと、こう言われておるのであります。間違っていれば訂正していただきたい、こう思います。
 そこで、これは文部大臣にお伺いしたいわけでありますが、今度の法案の提出に当たりまして、その必要性と事由ということについて実は申し述べられております。
 オリンピック、アジア競技大会で日本選手の成績は極めて厳しい結果に終わった、JOCでは、一九九一年の夏、一九九二年アルベールビル冬季オリンピック大会及びバルセロナ・オリンピック大会等に備えるためにこの振興基金をつくるんだと、こういう説明がされております。その上に、JOCが平成三年一月から実施する行動計画を打ち出しているのでこういう法案を提出して何とか支援していきたいんですという説明が実はあります。
 その際、私がお尋ねしたいのは、スポーツ振興基金の中長期的な政府出資の増額の展望というものをこの法案改正に当たって私は明らかにすべきだと思うんです。二百五十億円とあります。民間からも募ります。その運用益でやります。運用益は年間三十億円です。三十億円つぎ込めばこの事由とされたオリンピック大会に成績が向上するというようなことを言われてみても私は信じがたいからお尋ねするわけです。
 その意味で、どうしても短期的に、中期的に、長期的にこのスポーツ振興予算というのはこのような中身で政府としても努力していくんですというものを明らかにすべきだと思うんですが、その点についてはいかがでございましょうか。
#31
○国務大臣(保利耕輔君) もとより財政当局と調整をいたします場合も私どもはもっと大きな数字でお願いをしたいということで頑張ってまいりました。しかし、財政当局との話し合いの中では、今財政状況が非常に厳しいのでこれでひとつ手を打ってくれということで二百五十億円とさせていただいたわけであります。
 しかし、今御指摘のように、これで十分かと言われれば決して十分ではないのでありまして、さらにこの充実に向けてはいろいろな手法でスポーツ振興のために基金の充実もやりましょうし、また一般会計で予算をとっていくということもありましょうし、いろんな手だてを講じながらスポーツ振興のためには努力をしていかなければならない、このように考えておるわけでございます。
 なお、先々のスポーツ振興に関する予算につきましては、いろいろな省庁との関係もございますが、できるだけ文部省の関係の予算も充実していくように努力をしたいと存じております。いろいろな省庁と申しますのは、先ほど小林先生の御質問にもございましたけれども、運動公園でありますとか、あるいは郵便年金関係の資金でつくる体育施設でありますとか、あるいは労働省関係のものでありますとか、いろいろございます。そういったものを総合的に見て、これらもやはり体育のために使われる予算でございますから、そういった観点からも一遍整理をしてみる必要がある、こう申し上げたところであります。
#32
○会田長栄君 文部省の体育振興、スポーツ予算が率にして小さいというのは、分母が小さいのでありますから、その点はわかります。したがって、教育予算全体もぜひ努力をされて大きな分母にしていただくようにお願いをしておきます。
 どうしても中長期的な財源、政府出資というものの増額の展望もこの際明らかにしておきたい、こう思いますから、その点どうぞよろしくお願い申し上げます。これでやってみてうまくいかなかったからまあ仕方ないわとすぐあきらめることなくやってもらいたい、こう思います。
 それでは、第二の問題に移ります。
 第二の問題は、日本体育・学校健康センターに関してお伺いしていきたい、こう思います。
 日本体育・学校健康センターの機構図を見てみますと、実は今、理事会があり、理事長がいて監事がいて、その理事会全般にわたって運営審議会がその運営の方針というものを策定するために重要な役割を果たしているということをうかがいます。今、総務部、経理部、国立霞ケ丘競技場、国立代々木、国立西が丘、学校安全部、学校給食部という七部になっています。今度法改正がされますと、この七部に実はスポーツ振興基金部というのが一つできて八部になっていく予定なのでございますか。
#33
○政府委員(野崎弘君) スポーツ振興基金ができました場合においては、組織といたしましてはスポーツ振興基金部というものを設置する予定にしております。
#34
○会田長栄君 八部になるということでございますね。
#35
○政府委員(野崎弘君) はい、そういうことです。
#36
○会田長栄君 それではこの機構の上に立っていけば、当然この法改正の目的もここに明示されているわけであります。スポーツに関する競技水準の向上等のために必要な援助を行う部ということになるのでございましょう。そこで業務の改正も実はすると。その点では三項目明示されております。そこで、スポーツ振興基金に関する規定を新設する、こういうことに説明上されます。
 そこでお尋ねいたしますが、センター機構というものが八部になる。その上で事務所はセンター内に置くのか、それとも一緒に置くのか、新しくつくるのか、別なところに置くのか、それをお伺いしておきます。
#37
○政府委員(野崎弘君) スポーツ振興基金部をどこに設置するかにつきましては、日本体育・学校健康センターにおいてその事務に支障のないところにこれを設ける、このように承知しております。
#38
○会田長栄君 業務区分というのは明確にするんでしょうね。
#39
○政府委員(野崎弘君) 業務区分というのは、法律に書いてあります事業、スポーツ振興基金部とほかのところの業務区分……。
#40
○会田長栄君 そうです。
#41
○政府委員(野崎弘君) それはきちんとはっきり分けます。
#42
○会田長栄君 七部から八部になるわけでありますから、当然理事会は増員するのか、それとも現状のままでいくのか。
#43
○政府委員(野崎弘君) 現在、この日本体育・学校健康センターには理事長一名、理事五名、監事一名ということで役員が置かれておるわけでございまして、今回の機構改正におきましても定数の増は行わず、既存の役員の定数の範囲内で職務分担の変更によって対応したい、このように考えております。
#44
○会田長栄君 そうすると、このスポーツ振興基金部というのは新採用して職員をふやす、こういうことでございますか。
#45
○政府委員(野崎弘君) 現在スポーツ振興基金部には部長以下七名の職員を配置する予定にしております。
 採用の関係につきましては、基金の成立後センターにおいて検討する、こういうことでございます。
#46
○会田長栄君 芸術文化振興基金の場合は、九名が採用されて、これは運用利子の中で賄われていると聞いております。
 そこで、これは新採用となるのかと言ったら、その点についてはセンター内部の運営審議会あるいは理事会で決めることですと今おっしゃっていただいたんですか。
#47
○政府委員(野崎弘君) 今の七名というのは、これは既存の部分の定数から出すわけじゃございません。この基金の運用益でその七名の人件費等は出す、こういうことでございます。
 その職員の採用の方はセンターの方が行う、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#48
○会田長栄君 なるほど。
 そうすると、人件費は運用益でやる、そしてその職員はセンターの内部で採用していただくという意味ですか。
#49
○政府委員(野崎弘君) 端的に言いますと、この七名というのは今までの定数にプラス七名、このように考えていただければいいと思います。
 具体にどういう人が来るかは、それはセンターの方の人事で決まる、こういうことでございます。
#50
○会田長栄君 わかりました。
 それでは、今までいる定数プラスその七名の採用につきましては、センター内部の運営審議会あるいは理事会で決めることでございますと、こういうふうに確認してもよろしゅうございますね。
#51
○政府委員(野崎弘君) 恐らく職員の採用については個別に理事会とか運営審議会にはかけてないと思います。いずれにしても、その辺はセンターの中の今までのやり方があると思いますので、そういうやり方に従って行われるものと、そのように承知しております。
#52
○会田長栄君 それでは、これと関連してお尋ねいたしますが、かつて学校給食部というのができたときがありますね。そのとき職員が四十五人、この中の十人というのは実は物資あっせんの利ざやで人件費を賄ったことがございましたね。この問題については、健康の話をするところで余りにも不健康ではないかということになりまして、その後センター内では、物資あっせんの利ざやで人件費を賄うんではなくてセンターの職員として位置づけて人件費を賄うように変わったということもございましたね。それは事実ですか。
#53
○政府委員(野崎弘君) 物資勘定から人件費を出した職員がいたということは事実でございます。
#54
○会田長栄君 これは別勘定というきれいな言葉で言えば一番いいわけでありますが、その当時の議論を聞きますと利ざやという言葉が使われたというから私も使いました。しかし、余り健康的でないのでその後是正したそうでありますから、これは結構だと承知しております。
 その意味で、今後センター内でどのようにプラスされる職員定数の問題について議論していくか、その点についても過去のいきさつなどがあるとおり、これはぜひ前向きに検討してほしいと心から要請をしておきたい、こう思います。
 それから次にお伺いしたいのは、センターということになりますと基本は理事会でありますが、当然にして理事会はその基本となる政策というものを、運営審議会という組織をつくりまして業務の対象の検討を願って理事会に答申を、答申と言ったらいいのかあるいは検討課題の対応策と言ったらいいのか、出している状況にあります。したがって、今度スポーツ振興基金部というのが当然機構図の中に入るわけでありますから、これは別組織などをつくらないで運営審議会の中で検討していただいて業務を進めるということになるのでございますか。
#55
○政府委員(野崎弘君) 運営審議会というのは、理事長の諮問に応じましてセンターの業務の運営に関する重要事項を審議するために三十五名以内の委員で組織する、こういうことでございます。
 したがって、センターが持っているような仕事は、今先生御指摘ございましたように、安全部、それから給食部、そして競技上の運営といろいろあるわけでございまして、今回の振興基金のいろいろな例えば配分の問題まで運営審議会でやるとなりますと、配分の問題ということになりますとやはりスポーツ関係者の意見を反映させるとか、それから民間からの拠出をいただくわけでございますのでやはり学識経験者を加えるとか、そういうことが必要になると思いますので、配分の問題につきましては別途スポーツ関係者とか学識経験者から成ります審査の組織を設けまして、その中で公正にしてかつ専門的な立場からの意見をいただくのが適当である、このように考えておる次第でございます。
#56
○会田長栄君 それでは、理事長から諮問を受けて運営審議会が答申を出して理事会でその答申を受けて決定するというのは、それはわかります。
 今答えられたのは、スポーツ振興基金部というのを別な機関を設けてやりたいとおっしゃったんですか。
#57
○政府委員(野崎弘君) 先ほども答弁申し上げましたように、運営審議会というのはセンターの業務の運営に関する重要事項ということでございます。したがって、全体に関係してくるようなこと、例えばスポーツ振興基金部を設けるとかそういうようなことは運営審議会におきます議論が必要かと思いますけれども、スポーツ振興基金の実際の配分ということまで運営審議会へかけるというようなことにはならない。その辺は、先ほど申し上げましたように、スポーツ関係者とか学識経験者の意見が反映できるような審査組織をつくった方がむしろ実際上公正、そして専門的な立場からの判断ができるんじゃないか、このように思っている次第でございます。
#58
○会田長栄君 わかりました。
 それでは、スポーツ振興基金部に公平公正な、政策に応じてスポーツ強化策を中心としてやれるように別な審議する組織をつくりたい、こういうことなんですね。
#59
○政府委員(野崎弘君) そういう審査のための組織を設けたい、こういうことでございます。
#60
○会田長栄君 その組織をつくった場合に、スポーツ界というのは、一口で言うと誤解を生むから言いませんけれども、なかなか問題のあるところなんですね。これはここで例を挙げると時間がないから挙げません。これは子供の夢、スポーツの夢を壊すようなことがたくさん出てくるわけね。ここ二、三年でも大変注目すべきようなこともあるわけね。したがって、金とのまつわりというのは非常に大事になってくるわけであります。その意味で、別審査機関をつくるんだといえば、これはあくまでも公平公正にやれるようにぜひやってほしい、こういうことでございます。
 いかがですか。
#61
○政府委員(野崎弘君) 私どもも、まさに公正、そしてやはりスポーツという一つの自主的な団体が運動に取り組んでおるわけでございますから、そういう活動が十分振興できるような、そういう意味で審査のための組織というものを設けたい、このように思っている次第であります。
#62
○会田長栄君 ここでもう一つ。
 何となく粘っているようではございますけれども、今度はいざこざが起きたら間違いなく文部省もまざるということになっていって大変なことになるんですよ。私は、体育諸団体と文部省の関係というのは指導、助言、監督する立場だと思っていますが、それでもなおかつもろもろの問題が起きている。今度はスポーツ振興基金部というものをつくって選手の育成強化を図っていく。その大もとは金でありますから、その点公平公正に政策に応じてちゃんとやりますということを、この公平公正ということを続けていってほしいと思うんですが、いかがなものですか。
#63
○政府委員(野崎弘君) 公正公平という意味合いがなかなか、スポーツの場合ではやはりそれぞれの団体がまさに競技水準の向上のためにやっている団体であればそういうことで自主的にいろいろな計画を練りまして申請をしてくる、こういうことでございますので、公平にそしてスポーツ団体の自主性というものを十分尊重して配分を行っていくということは大事だ、このように思っている次第であります。
#64
○会田長栄君 文部大臣、私はここは大事なところでありますから大臣の答弁をぜひ求めます。
 公平公正、目的に応じて政策にかなった配分をすべきだ、こう思うからどうですかというのが私の真意でありますから。ここは大事なところであります。それでなくても先ほど申し上げたとおりスポーツ界というのは珍しいほど、立派にやっているところもありますけれども、問題を起こしやすいところもあるというところでありますから、ぜひその点御所見をお伺いします。
#65
○国務大臣(保利耕輔君) 国会の御同意を得てこの基金が創設をされ、そしてその果実の運用に当たりましては公正かつ厳正な運営がなされるべきである、私はそのように考えておりまして、そういう観点から指導をしてまいりたいと思っております。
#66
○会田長栄君 この点については、現在のスポーツ振興施策の問題点というのは文部省は把握しておると思うんですが、その点について簡潔にどのようなことでございましょうか、お伺いしたいと思います。
#67
○政府委員(野崎弘君) 先生御指摘の点が現在のスポーツ界が抱えている課題ということで受け取らせていただきまして考えますと、例えばスポーツ施設の場合にはなかなか気軽に利用できないような場合もあるので、そういうような気軽にスポーツが楽しめるような工夫が必要じゃないか、あるいは生涯スポーツにつきましてはもう少し施設の充実が必要ではないか、競技スポーツでいえば科学的なあるいは体系的、計画的な選手強化が必要ではないか、そういうような問題意識を、あるいは学校体育・スポーツにおきましてもいろいろな問題意識がございます。先生の抱える課題というのをちょっと私どもが取り違えているかもしれませんので、取り違えておりましたらひとつ御容赦いただきたいと思います。
#68
○会田長栄君 現在のスポーツ振興施策の問題点というのは幾つか私なりにありますけれども、一つは、平成元年十一月の保健体育審議会の答申、「二十一世紀に向けたスポーツの振興方策について」に対する文部省の評価と今後の対応策というのをどうしても知りたいんです。しかしこれは時間がかかりますから、後ほど資料としてぜひ欲しいと思いますのでお願いしておきます。
 それからもう一つは、本答申を実施するための財政規模がどうしても不明確なんです。これは西ドイツのゴールデンプランと違うんです。これは先ほどお願いしたとおり分母が小さい、いわゆる国民総生産額の伸び率あるいは政府予算の一般会計の伸び率から考えていきますと、教育予算全体が年々下がってくるという中で政策の選択が迫られている状況にあってまことに気にしている一人でありますから、長期的、中期的な財政計画というものもこれにあわせてぜひ文部省で検討してどうしても出してほしい、こう思うから申し上げました。
 最後でありますが、これはスポーツ科学センターの問題と関連をいたしましてどうしてもお伺いしておきたいのは、昭和五十五年五月十九日に国有財産中央審議会が大蔵大臣に渋谷区西原にスポーツ科学センターをつくりなさいと答申をしている。それから、第三次行革審が答申をしている中身、この答申に基づきまして、政府は研究機関や施設の地方移転を進めていくべきである、政府も進めていきますと。それから大蔵大臣も、第三次行革審答申は課題によっては見直すべきではないかという質問に、答申のある限り守る姿勢を貫きたいと、こうおっしゃっています。
 ところが当初、文部省が渋谷区西原にスポーツ科学センターをつくるという基本構想を発表している。ところが、昨年から話題になっています西が丘競技場にこれを移すという話が出ています。そこで、西が丘競技場というのは生涯スポーツの拠点とし国が目玉としてやってきたのではなかったんですかということが一つあるんです。
 そこで、今申し上げたようなことから考えてみますと、文部省が率先をしてスポーツ科学センターというものを、広大な地域の環境のいい、そして選手強化策と一体になるようなすばらしいところにもう一度考え直すつもりはございませんか。
#69
○政府委員(野崎弘君) 先生の御指摘のナショナルトレーニングセンター的なものにつきましても、各方面の提言があることは事実でございますが、これは大変広大な敷地を要しますし財源も要するわけでございまして、私どもとしては長期的な課題と、このように考えているわけでございます。
 スポーツ科学センターは、やはり競技力向上のためにスポーツ科学の研究とかあるいは科学的トレーニングというものが大事であるということでぜひこれを設置をしたいということで、従来から構想を練っておりました国立総合体育研究研修センターというものの構想を再検討いたしましてスポーツ科学センターの設置というものを現在進めておるわけでございます。
 そこで、この当初の予定地、今御指摘がございました渋谷区の西原でございますが、ここにつくるということになりますと日本体育・学校健康センターの施設がさらに分散するというようなこと、あるいは用地の早期取得が困難であるというような問題があるわけでございます。で、現在の既存の競技施設を実践的なトレーニングの場として利用することによりましてスポーツ科学センターの機能がより高まる、あるいは西が丘競技場の他の競技施設とスポーツ科学センターとの一体的な運営を通じて効果的な運営ができるというようなこととか、既に特殊法人が持っている土地でございますから早期建設が可能であると同時に、この施設が建設後二十年を経過しておりまして施設が老朽化している、こういうようなことも勘案いたしまして我が国で唯一の国立スポーツ科学センターにふさわしい施設をつくり、競技水準の向上はもとより、地域のシンボルとして地域住民にも親しまれるようなものにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
 今御指摘ございましたように、この西が丘の施設は地域の住民の方々に利用されてきたという、そういう経緯もございますので、そういう住民の利用の面につきましても今後の検討の中で十分配慮していきたい、このように考えている次第でございます。
#70
○委員長(下稲葉耕吉君) 時間です。
#71
○会田長栄君 時間でございますから最後にお願いしておきますが、これは大蔵省との関係でここではい、わかりましたというわけにはまいりません。国土庁との関係でもはい、わかりましたというわけにはまいりませんので、この点については今後またお願いしていくことになりますのでよろしくお願いします。
 これで終わります。
#72
○針生雄吉君 公明党のスポーツ政策には四つの原則があります。すなわち、健康保持のスポーツ、大衆参加のスポーツ、人間友好と連帯のスポーツ、平和のためのスポーツの四つであります。ことしの十一月三十日に提出されましたスポーツ振興基金創設に係る調査研究協力者会議の報告書の中でもスポーツの振興の意義あるいはその基本姿勢が強調されておりまして、この内容については我が党としても異論のないところでありますが、我が党のスポーツ政策の四原則に照らしてなおより一層国民大衆のためになるように見守っていきたいと思っているところであります。
 このたびの国と国民とが協力してスポーツ振興のための所要の財源を確保しようという趣旨のスポーツ振興基金の創設に関しましては、財政法第二十九条との関係でやや拙速の感を免れないということもありますけれども、賛成をする次第でございます。公平厳格な運用が行われますように当局の指導監督の徹底を望むものであります。
 体育・スポーツ及び健康教育の振興のための施策を推進しようとする場合にさまざまな問題、摩擦に当面いたしますけれども、その一つが、競技スポーツの国際的競技力のレベル向上のための施策とその基礎となる我が国のスポーツのすそ野の拡大という課題との対立的関係であります。この二つの問題は、先ほど大臣の御所見にもありましたように、互いに原因であり結果であり、車の両輪とも言える関係であると思います。文部省当局の賢明なかじ取りを望むものであります。
 さて、一見ローカルな問題であると軽視されがちでありますけれども、このたびの国立スポーツ科学センターの西が丘地区への建設構想問題も、まさにそのいわば二つの問題のフリクションの現実的具体的典型的なケースであります。そして、この西が丘地区への国立スポーツ科学センター建設の問題というものが、この問題の円満解決なくして大げさに言えば体育スポーツ政策の成功はない、このように言っても過言ではないと思います。試金石であると思います。同地区の利用者は、年間延べ人数で五十万人以上であるそうであります。今、同地区のスポーツ愛好者の間では広範な市民運動が盛り上がっております。中には当局の説明不足と思いますけれども、そういうことがございまして疑心暗鬼の部分もあるようでございますので、当局の賢明なる対応をお願いしたいと思います。
 私は、この国立スポーツ科学センターの西が丘競技場地区への設置計画に関連いたしまして質問をしたいと思います。関係当局の血の通った対応を要望いたします。また、文部大臣の誠意ある御回答をいただきたいと思います。
 まず最初に、この問題に対する日本体育協会あるいはJOCその他の競技諸団体の考え方について当局は御承知でありますかどうかをお伺いいたします。すなわち、これらの諸団体が、これはトレーニングセンター構想とも関係するわけでございますけれども、この国立スポーツ科学センターを一万五千平米つまり五千坪規模でつくることに賛成しているかどうかということであります。諸団体の本音として、本当は二万坪とか三万坪の広さでつくってもらいたいんだけれどもこの際やむを得ない、我慢しようというような空気がないかということであります。この面積に関する諸団体の意向を御確認されておりますかどうか、まず第一にお尋ねをしたいと思います。
#73
○政府委員(野崎弘君) このスポーツ科学センターは、最近の国際的な大会におきます成績が振るわないというようなことからやはりスポーツに科学的な要素を取り入れていく必要があるということから出てきているわけでございまして、JOC、そしてその加盟競技団体からはことしの三月に国立スポーツ科学センターの早期完成の陳情が文部省に出されているところでございます。
 そのような要望を受けて、現在この設置を推進中なわけでございます。
#74
○針生雄吉君 諸団体もそれを要望しているということでございますね。
 第二点でございますが、現在西が丘地区の施設を利用なさっている一般スポーツ愛好者の皆様に国立スポーツ科学センターが完成した後もこのスポーツ施設を利用できるという約束をしていただきたいのであります。また、この国立スポーツ科学センターができることによってあるいは職を失うことになるかもしれない方々に再就職の相談、そんな義理はないとおっしゃるかもわかりませんけれども、そういう再就職の相談に乗ってさしあげるとか、あるいは面積の縮小される種目では利用時間の延長を考えるとか、そういう血の通ったきめ細かな配慮をぜひとも行っていただきたいと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。スポーツセンターができても大丈夫、使えますでしょうか。
#75
○国務大臣(保利耕輔君) 国立西が丘競技場は一、御承知のように日本体育・学校健康センターとそれから大蔵省の所管する土地でございまして、こうした国有地が地域の皆様方に、年間延べ五十万人というお話でございますが、そのように多くの方々に御利用いただいておったということは大変よかったことだなと、私もそのように率直に感じております。
 そこで、ここに国立スポーツ科学センターを設けるに当たりましては、今後できるだけ地域住民の利用にも配慮した検討をしてまいりたい、このように思っております。
 あと、再就職その他の問題等につきましては政府委員から御答弁をさせます。
#76
○政府委員(野崎弘君) スポーツ教室等を西が丘の競技場で持っておるわけでございますので、恐らくその辺のところを言われたのかと思うわけでございますが、私どもとしては、西が丘競技場の施設がこれまで住民の利用に供されてきた、そういう経緯等も十分勘案して、今大臣答弁ございましたような地域住民の利用にも配慮した検討ということで対処してまいりたいと思っておるところでございます。
#77
○針生雄吉君 その点はぜひともきめ細かな御配慮をお願いしたい。
 現在、サッカー、卓球、テキス、水泳、体操、バドミントン、バレーボール、バスケット、バトントワリング、そういうような十種目にも上るような愛好者の方が利用なさっているわけでありますし、さらに施設としてはスポーツサウナ、エアロビクス、食堂、スポーツ用品売り場、そういうところがあるわけでございます。そういう方々が国立スポーツ科学センターができることによって利用することができなくなるのではないかという大変な御心配をしていらっしゃるわけでございます。
 例えば一つの例でございますけれども、テニスコートなども半分に、八面から四面に減るんじゃないかというような予想もされておりますけれども、そういう場合であれば例えばナイター設備を、今はないわけでございますけれども夜間も使えるような施設をしてあげるとか、ひとつ現場に足を運んで愛好者の皆様方とお話し合いをするというようなそういう態度、文部大臣はお忙しいでしょうけれども少しゴルバチョフを倣って現場に行って対話をするという、ひとつそういうような現場主義でいっていただきたいなと思うわけであります。
 私も、ごく限られたスポーツ競技団体の方でございましたけれどもお会いしてお聞きしましたところ、実はこの国立スポーツ科学センターというものの持つ役目というものは大変すばらしい目的を持っている、つまり、ここでは余り議論されておりませんでしたけれども、国立スポーツ科学センターが諸外国、ドイツなんかの例もそうだということでありますけれども、スポーツ科学、スポーツ医学というものを研究することによって例えば老化防止のための方策をつくり出すとか、がん予防のメカニズムを究明するとか、あるいは痛みとか疲労回復とかといったものに対する考え方、そういった側面で国民の皆様にフィードバックすることができるんだということを聞きましたけれども、そういった説明が地元の愛好者の方にはなされていないように感ずるのでございます。
 その点もひとつ御配慮をいただきたいと思いますし、何といっても強調いたしたいことは、先ほども申し上げましたけれども、現場の方々、地域の方々の御要望をよく聞いて、国立の施設なんだからあなたたちには関係ないんだというような態度はみじんもおとりにならないように、ひとつ血の通った文部省のペレストロイカをやっていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 以上でございます。
#78
○高崎裕子君 まず、国のスポーツ振興の理念についてお尋ねいたします。
 政府は、法案提出の目的として、我が国スポーツの競技水準の向上を目指すスポーツ団体の選手強化事業等を資金面で支援するためと、こう明記しております。競技力向上に対して国が必要な援助をするということは諸外国でも一般に認められているところです。問題は国が確固としたスポーツ振興の理念を欠いたまま事実上選手強化のみにお金を出すというやり方が適切かどうかということで、選手強化を国策としている諸外国では例えば金メダル偏重あるいはドーピングの発覚など弊害も出てきておりまして、批判を浴びているという状況が現にあるわけです。
 昨年十一月に保健体育審議会が「二十一世紀に向けたスポーツの振興方策」を文部大臣に答申しておりますが、これも結局競技力の向上を国策として位置づけているということで、国民一般のスポーツ振興策、学校における体育・スポーツとの連携などを十分に考えた長期的な見通しを持ったスポーツ振興策が今求められているわけですが、どうも今度の法案でもこれがないということが非常に問題だと思うわけですけれども、ここでは大臣の御見解をぜひ求めたいと思います。
#79
○国務大臣(保利耕輔君) 委員御指摘のように、競技力を高めるという意味でこのスポーツ基金がつくられたのではないかということでございますが、実は補正予算の中で二百五十億円計上させていただいてその御審議をお願いしておりましたので、なぜ補正予算に計上するのだといういわゆる緊急性の説明から競技スポーツの強化ということに力点が置かれておったと思います。そのような説明がなされておったと思います。
 しかし、スポーツ振興基金そのものの使い道は、競技力の向上だけではなくて、いわゆる生涯スポーツと申しますか、国民スポーツといいますか、すそ野に対しての配慮も当然行うという両面のことをやろうということがスポーツ振興基金の基本的な考え方でございますし、またそれは私どもが考えておりますスポーツ振興の基本理念にも合致するものと考えております。
#80
○高崎裕子君 競技水準の向上だけではなくすそ野を広げる事業にも援助をされるということで、大変心強い御答弁でした。まさにそこが必要だとふうに思うわけです。
 そうなりますと、ポイントは基金の運用になるわけですけれども、法案では基金の運用面の規定には全く触れていないわけです。言うまでもなく、先ほども会田委員からも出されておりますが、基金の運営が民主的かつ公正に行われるということが極めて大切だろうと思います。これは関係者の強い要望でもあるわけで、基金の公正で民主的な運用について政府はこれをどう保証されるつもりなのか、その考えを聞かせていただきたいと思います。
#81
○政府委員(野崎弘君) スポーツの活動につきましては、スポーツ団体が自主的な判断でその活動を進めていくということが大変大事なわけでございます。スポーツ振興基金の配分に当たりましても、やはりそのスポーツ団体の自主性、具体的にはスポーツ団体からの申請に基づきまして、そしてまたスポーツ関係者あるいは学識経験者等から成ります審査組織を設けて、そういうところの意見も聞きながらこれを決定するということで、公正かつ厳正な審査をし、交付を決定をしたい、このように考えております。
#82
○高崎裕子君 その構想あるいは運営等は大まかに既に施行されている芸術文化振興基金に準ずるというふうに伺っているわけです。
 そこで、具体的に芸術文化振興基金の実施状況についてお尋ねしたいと思います。
 この助成金二十八億円の配分は、音楽議員連盟振興会のニュースによりますと、芸術創造普及関係に十六億五千万円、地域文化振興関係六億五千万円、そして文化団体関係五億円と振り分けたと、こう記述されており、さらに初年度なので基金事務局で助成金を振り分けたと、こうはっきり述べられているわけですけれども、これは既に決まっているというふうに伺ってよろしいんでしょうか。
#83
○政府委員(遠山敦子君) 御承知のとおり、芸術文化振興基金は、国民が芸術文化に親しみかつみずからの手で新しい文化を創造していくという目的によりまして、ことしの三月の末にでき上がったものでございます。本基金の運用母体は日本芸術文化振興会でございます。ここにおきましてできるだけ早く全国の芸術文化関係者の期待にこたえるということで、本年度から助成事業を開始することにいたしました。
 このため、同振興会におきましては、助成金の配分につきまして専門的な立場から公正的確に御審議をいただくために、芸術文化に広くかつ高い見識を有する委員の方十五人にお願いいたしまして、運営委員会を設置し、そのもとに分野別の部会でありますとかあるいは専門調査会というものを設けまして、全体で百人以上の関係者の御協力をいただいて審査をゆだねることとしております。
 このような体制のもとに、初年度でございますので、いろいろな要項をつくるとか手続に時間をとったわけでございますけれども、本年の八月から全国の関係団体に基金の助成の内容につきましての説明を行い、その後に申請を受けつけたわけでございます。これを受けまして十月から分野ごとに部会でありますとかあるいは専門調査会を開きまして、基金の趣旨にふさわしい内容の充実した特色ある芸術文化活動に対して援助をするということで精力的かつ慎重に審査を行っていただいているところであります。近々のうちにその審査結果を最終的に取りまとめまして申請のあった各団体に通報することといたしております。
 以上でございます。
#84
○高崎裕子君 これは全国高校総合文化祭優秀校東京公演への三千万円の助成も含めて、もうあらかじめ決められているというふうに先ほどのニュースでも述べられているわけで、今近々にというお話でしたけれども、これは事実としてはもう既に決められているということで、大枠でさきに述べたような分野別の配分を基金の事務局が提起してそして作業を進めているというのがどうも事実のようで、結局そうなると運営委員会は事後承諾になっていて審査が行われないと言わざるを得ないと思うんです。これでは公正、民主的な運営と言えないわけで、運営委員会での民主的運営、きちんとした配分基準を定めてガラス張りで行っていただきたいということが特に求められていると思うんですけれども、この点は特に文化庁としてもそうやっていただくということを改めてここで述べていただきたいと思います。
#85
○政府委員(遠山敦子君) 今のお話の全国高等学校総合文化祭の関係は、その公演自体が八月の二十五、二十六日に国立劇場において行われまして、全国から選ばれた十二校の高校生が一堂に会しましてすぐれた演技を披露したわけでございます。この十二校は八月の一日から八日まで山梨で開催された全国高等学校総合文化祭の出演校の中から優秀校として選ばれたものでございまして、その選考を行ったり開催の準備をするためには、出演高校生の旅費とか宿泊費等を支給する必要があった関係上、芸術文化振興基金の助成を受けておかないとその準備が困難であるということから、第一回の運営委員会にこの全国高校文化祭の総合文化祭東京公演についての助成についてのみは御了解をいただいてその一部を支出したということでございます。
 なお、この東京公演につきましては元年度の文化庁予算要求に計上されていたわけでございますけれども、事業の性格上基金の事業にふさわしいということで、予算編成段階におきまして基金成立の当初から助成対象として構想されていたものでございます。
 したがいまして、それ以外のことにつきましては、先ほど述べましたように、申請をいただき、それに対して専門家の慎重な御審議を得て審査を行っているところでございまして、近々その結果が公表されるという段階でございます。
#86
○高崎裕子君 ここでやりとりしていると時間もありませんので、公正、民主的な運営をぜひお願いしたいということの要望とあわせまして、発足するこのスポーツ振興基金でも、文字どおり公正で民主的な運営委員会の確立、それから補助金の公正な配分が保証されるよう強く要望して次の質問に移りたいと思います。
 関係者が大きく心配していることの一つは、基金が設立されることによって関連する事業の従来の国の支出が削減されるのではないかという点なんです。
 この点でも、今問題になりました芸術文化振興基金で、例えば年間一億円以上計上された優秀映画奨励金が十分の一に九〇年度予算で減らされたり、これまであった劇団の学校公演助成が基金に移行を、肩がわりさせられるという状況も生まれていて、関係者が心配されるのも当然だろうというふうに思うわけですが、文部省はこのスポーツ振興基金ができたことを理由に国の助成金は削減しない、こう約束をしていただきたいとおもいますし、またこの基金は政府出資がわずか二百五十億円、民間はまだわからないけれども相当額ということですが、文化基金に比べても相当低いスタートだということで、今後この基金の充実のための増資についても強く要望をして、その辺の決意のほどを文部大臣に伺いたいと思います。
#87
○政府委員(野崎弘君) 国のスポーツ関係予算と基金との関係でございますが、基金の方は御存じのように運用益でやるということで、その特色としてはやはり機動的、弾力的にその資金が使えるというところにあるわけでございます。
 国のいろいろな補助金が出ておりますが、こちらの方はむしろ基幹的なものに対して補助する、例えば現在オリンピック等の国際的総合競技大会への日本代表の派遣あるいは編成強化事業、こういう補助を行っているわけでございますが、こういうものはまさに基幹的なもの、あるいはモデル的な国際競技力の向上、国民スポーツ振興事業等への補助を行っているわけでございまして、私どもとしてはやはり基金が行うものと国の行うものというものは明確に分けまして、そして国が行うべきものについてはやはり文部省が直接の補助金を計上していく、このように考えている次第でございます。
#88
○高崎裕子君 今後の基金の充実について。
#89
○政府委員(野崎弘君) 二百五十億円でこの基金を発足させていただくわけでございまして、そしてさらに民間の資金もこれにプラスをさせていただきたい、こう思っているわけでございます。
 今後はやはりいろいろな財政状況、その他の推移を見ながらできるだけ増額と申しますか、今後の推移を見ながらその辺の努力をしていきたい、このように思っているわけでございます。
#90
○委員長(下稲葉耕吉君) 時間です。
#91
○高崎裕子君 時間ですので質問はこれでやめたいと思いますが、すそ野を広くということであれば、特に地域住民が身近に利用できるスポーツ施設、公共スポーツ施設の充実と指導員が著しく少ないという点から、特に専任の指導員が少ないという点が従来から指摘もされておりますので、指導員の配置基準あるいは具体的な制度化について強く要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#92
○笹野貞子君 スポーツの振興と体育の向上というこの課題についてはだれしもが反対をするはずもなく、かえってそういうことを一生懸命やるべきだという認識は共通しているというふうに思います。私ももちろんそういう認識の上に立って、この法律はいかにみんなが英知を集めて日本のスポーツと体育というものに対してすばらしい政策、行政を行っていくかという、そういうお互いの議論にしたいというふうに思います。
 そういう意味で、私はこれから幾つかこの法律に対して質問をいたします。
 国家の予算の使い方というのに一つの私のポリシーというのでしょうか、この「二十一世紀に向けた」という保健体育審議会の「スポーツ振興の意義」のところに、スポーツを振興するというのは「世界共通の人類の文化の一つである。」というのが書かれております。これは非常にすばらしい言葉なんです。つまりスポーツというのは文化であるということですね。
 文化というのは、これは形にすぐあらわれたり結果がすぐ出なかったりするものですから、こういう目に見えぬ形とかあるいは結果がすぐに見えない文化に対しては国家というのは絶え間なくきちっとそれを支えて、そして五十年後に出る結果に対する責任と誇りを持つべきだ、そういう面においてはやっぱり文化行政に対する予算をしっかりと獲得しなければいけないというふうに思います。
 しかし、どうも日本の予算の配分を見ますと、先ほども社会党の委員から御指摘があったように、だんだん少なくなっていくということを私は大変憂えている一人です。別に文部省を追及するわけじゃないんですけれども、そういう文化に対する情熱をしっかり持つならば予算のことでもいろんな施設のことでもしっかりとやっていただかなければいけないのであって、どうもこういう現状があるというのは文部省に情熱がないのか、何か違うところに原因があるのか、その点も私はこれから見きわめていきたいというふうに思います。
 さて、そういう意味で質問をさせていただきますが、何せ時間がありませんのでとにかくまとめて言ってしまいます。ですから、時間があるうちにまとめて御質問することに対して時間内でお答えをいただいて時間が余るとまたやるという、こういうやり方をいたしますので、立て続けに質問をしてお聞き苦しいかもしれませんけれども、ひとつ御容赦いただきたいというふうに思います。
 まず、私は前のときに大臣に、文部省が出す条文というのは一番模範的な条文、わかりやすい条文にしていただきたいという注文をつけました。
 大臣はこの条文をつくるにあたってその注文にこたえてこの条文、この法律案をつくったかどうかをまず一点お伺いしたいことが一つです。
 次に、条文を読んでいくうちに単純な疑問が出てきます。これはどうするんだろうかという単純な疑問です。
 それは、この保健体育審議会が出しているこの答申を私は私なりに読んだんですが、文部省としてはこの答申に対する評価をどのようにし、この答申の位置づけをどのようにしてその結果としてこの法律をつくったのかつくらなかったのか、どこへそれを生かしたのか、そういうことが明確にされていない点が一つです。
 次に、今まで文部省はスポーツに対する予算づけでいろんなことがされていたと思うんですが、今ここにこの基金が出てきてこの基金でもってスポーツを振興するんだと、こういうんですけれども、じゃ今までの予算措置とこの基金とどのような役割でどのような分担をしていくのか、つまり両者の関係をどのようにしていくのかというそこのところを一つ私はふっと疑問に思ったのです。
 続いて三点目。全部で四つ伺いますので、申しわけありませんけれども続けて言ってしまいます。
 三つ目ですけれども、このスポーツ振興基金は二百五十億円という予算が急にぽんと出てきました。前の芸術文化振興基金のときも五百億円というのがぽんと出てきました。前に五百億円があるのですから今度も五百億円とれたらいいのになあというふうに思ったのですが、二百五十億円というこのお金の枠がどういう算定基準によって出てきたのか。
 また、この法律をつくるに当たって文部省はどういうビジョンをスポーツに持っているのか、そして本来であるならばどのぐらいの予算があるならばそのビジョンが一〇〇%できるのにそのビジョンに対して今これしかないからそのビジョンの五割とか六割しかできないんだという、そういうお考えがあったんだとするならばこの二百五十億円というのは一体何%なんでしょうか。どうなんでしょうか、多いんでしょうか少ないんでしょうか。私にしたら、去年五百億円取れたのにどうして二百五十億円になるのかという大変単純な疑問です。そこが一つです。
 その次に、今度の法律案を見ますと、いろいろなところに援助の対象が広げられています。例えば二十条をみますと、一の二では団体、そして一の三では選手、指導者ですね。いろんなところに援助をするというふうに言われています。これだけ幅を広くしたら一体どうやってどういうふうに分配しどうするのかという、先ほども公正で公平にという言葉がありましたけれども、やっぱりある種のルールというものを文部省はつくらなきゃいけないんであって、先ほどの御回答を聞いていますと、何かもう一つの機関をつくってそこで勝手にやっちゃうんだという、そういうふうに聞き取れますので、一つのルールを持っているのか、そのルールをつくるそういう方策があるのか。
 合わせて四点聞きたいというふうに思います。
#93
○政府委員(野崎弘君) まず、条文の関係でございますが、これは、法律の条文ということになりますのでやっぱり全法律その統一的な扱いが必要であるということで、政府から出します法律案につきましては内閣法制局が全部これを審査する、こういうことでございます。したがって、いろいろな見なれないような言葉もあるわけでございますが、それは、その法律の中の言葉としてそういう言葉を使いませんとほかの法律との整合性が出てこないというようなこともございまして、そういうようなやっぱり技術的な面もあるということをひとつ御了解いただきたいと思います。
 それから、保体審の答申の位置づけということでございますが、現在の体育行政はこの平成元年の保体審の答申に沿って私ども行政を進めておるわけでございます。その中で、今提案しておりますスポーツ振興基金につきましても「スポーツ振興基金の設置について検討を進める。」、こういう指摘がなされておりまして、その線に沿って検討を進めた結果今回法案を提出する段階に至った、こういうことでございます。
 それから、国の予算と基金との仕分けでございますが、先ほどお答えいたしましたように、基金というのはやはり機動的あるいは弾力的な運営ができるということで、例えば選手に対するいろいろな援助ということになりますとその選手の実態等も勘案しながら援助ができる、あるいはスポーツ団体に対する援助にいたしましても、競技水準の向上のための合宿といってもいろいろな合宿の形態があるわけでございますので、そういうスポーツ団体の実態に応じた援助というものが基金ではできるわけでございます。
 一方、国の予算措置ということになりますと、どうしてもそこに単価をつくったりするわけでございますので、例えばオリンピックに選手を派遣するとか全体的な強化をするとか、あるいは遠征をする、そういうような面に限られるわけでございまして、考え方としては基金は機動的、弾力的なもの、そして国の方はやはり従来からやっておるわけでございますが基幹的なものについての予算措置ということで仕分けをしながら、そして国がやるべきものについては国としての必要なものを予算要求をしていく、このような考え方に立っておるわけでございます。
 それから、二百五十億円ということでございますが、なぜ二百五十億円か。これは、私どもとしては、大臣が先ほどからお答えしていますように、芸術文化振興基金の五百億円というものも横に見ながら財政当局との折衝があったわけでございますが、やはり現在の財政の状況、そういう中で二百五十億円という数字が出たわけでございます。
 このビジョンというのは大変難しいわけでございますけれども、やはり生涯スポーツの段階で押さえますと、これはそれぞれの市町村なり地域において実際のスポーツ活動が行われておるわけでございます。それらを全部把握して行政を講ずるということはなかなか難しいわけでございまして、私どもとしては現状を少しでも一歩ずつでも前進をさせていくということがやはり将来的なスポーツの大きな振興につながっていくのではないか。その際のやはりねらうべき目標は何かといいますと、先ほど申し上げました「二十一世紀に向けたスポーツの振興方策」という保体審の答申、こういうものを十分頭に置きまして行政の方向性をそちらに置きながら施策を進めていくということでございます。
 それから、配分がどうなのか、二百五十億円で果たして団体とか選手、そういうところの配分ができるのかということでございますが、その辺につきましては、やはり限られた財源でございますので、その限られた財源を効果的に使っていく必要がある、このように考えておるわけでございます。
 具体的に申しますと、まず団体で申しますと、あるいは選手の場合もそうですが、まず申請を出していただきまして、それを審査し助成金を交付する、その審査の段階でスポーツ関係者なり文化人等からの審査組織を設けて配分をしていくということでございますが、やはり、今御指摘ございましたように余り総花で薄くなってもいかぬわけでございますので、効果的な配分ということは考えていかにゃいかぬ、このように思っている次第でございます。
#94
○笹野貞子君 質問と意見と一緒ですけれども、今御回答をいただいたんですけれども、今のお話を聞くと、それじゃ大臣の意思が反映できないという不信感が一つ。
 それから、この予算を一歩ずつ一歩ずつというのはこれは泥縄式というふうにとっても構わないんじゃないかなというふうに思いますので、そこら辺のところ。
 やっぱりこういう法律をつくるときは大臣の方針というものがきちっと入れるように、それから予算をつくるときでもビジョンというものを私たちに示していただいて、今度の予算がオリンピックに勝つための選手を強化するためにどのぐらいの人数とどういう方法が必要でそのために一人当たり幾らになるというその計算を後ほどいただければ大変幸せだと思います。
#95
○国務大臣(保利耕輔君) ただいまいろいろ御指摘をいただきまして、また局長から御答弁をさせていただいたわけでございますけれども、まずこの基金につきましては、補正予算の中で二百五十億円計上させていただいて昨日御可決いただき、本日また法案を御審議いただいているわけでございますが、先ほども申しましたとおり緊急性ということを余り申しましたためにいわゆる生涯スポーツの方についての配慮がちょっと欠けているかなという感じがいたしますけれども、内容的には資金の配分等は生涯スポーツにも配分をされていく、そのように承知をしているわけでございます。
 同時にまた、長い目で見まして、例えば「二十一世紀に向けたスポーツの振興方策について」という審議会答申を見てみまして、これの財政規模が不明確ではないかと先ほど御指摘をいただいた点等は私どもも重要な御指摘だと考えております。この答申に沿った将来ビジョンの設計図はどういうふうにかかれていくんだということを、これから我々が一生懸命協議をして一つのビジョンというものをきちんと明確につくり上げていかなきゃならないだろうと思います。その際は、先ほども申し上げましたとおりいろいろな省庁がスポーツ関係には関与しておりますので、こうした省庁との連携をとりながらなおかつこの審議会答申に沿うような一つの設計図、例えば建設省はそこでどういう役割を果たすのであろうとか、あるいは農林水産省はどういう役割を果たすのかということを勘案しつつ、なおスポーツ振興に関する理念については文部省が主導的な役割をとりながらこうしたビジョンを描いていくべきだと私は考えております。
#96
○小西博行君 私も同じように時間が少ないんですが、大変素朴な質問を二、三点させていただきたいのでお答えを願いたいと思います。
 まず第一点ですけれども、先ほどから同僚委員の方からもいろいろ御意見がございましたように競技能力、一番大きなのはオリンピックだと思うんですが、そういうようなところでなかなか金メダルがとれないとか、最近全体に非常に弱くなっているという風潮があるように今いろんな方がおっしゃるし、私もそういうふうに思うんですが、本当に競技力を身につけて世界の中でいい成績を上げるための条件というのは一体何だろうか。そういう意味では、今回の法案ではこの法案が通過したらどんどん勝てるという感じが実はしないわけですけれども、しかしベストよりもベターでもやらなきゃいけない、そういうような認識はしておりまして賛成でありますけれども、今言ったように勝つための条件というのは一体何だろう、それをまずお聞きしたいと思います。
#97
○国務大臣(保利耕輔君) 勝つための条件というのがきちんと明確にわかっておりまするとそれをクリアして日の丸をたくさん上げるということになるのかもしれません。
 私自身も必ずしも自分自身でわかっているかどうかはわかりませんけれども、スポーツ関係者、特に一流の選手でありますとか、あるいはかつて一流の選手だった方々と接していろいろなお話を聞いてみますというと、いろいろとトレーニングは積んできた、科学的な手法もやった、体力もつけた、最後は何だというとやはり精神力が若干ある、こういうお話もございました。じゃ精神力とは何だというと、私も選手生活をやっていて非常に感じたことがありますけれども、試合をやるときに上がって実力が出せないということがあるのであります。そうしたいわゆる気力といいますか、あるいはある意味で言いますればたくましさといいますか、そういうものをつけていくことが必要だと思っております。
 それをやるにはどうしたらいいかといいますと、日本の中でお山の大将になっているだけではだめでありまして、やっぱり世界の一流選手にぶつかってみる、そしてその結果がどういうことになるかということを身をもって体験をしながら、その中で自分自身で考えながら一つの気持ちといいますか、それにぶつかっていく精神というものを養っていくという、そういう場が必要だろうと思っております。
 したがいまして、関係者にいろいろ聞いてみますというと、やはり対外試合をもっとやるべきだ、そして対外試合をやるためのいわゆる合宿というものをもっとやるべきだという御意見があったと思います。ここらが現在考えられる手っ取り早いと申しますか、一番端的な手法ではないかなと、このように考えております。
#98
○小西博行君 私は具体的に大学で重量挙げとそれからヨットの部長をずっとやらせてもらったことがあるんです。恐らくこれは国公立も含めてだと思うんですが、運動部の予算というのはべらぼうに少ないものなんですね。私の総長もおられますから余り言われませんが、それにしても、例えばヨット部あたりで、重量挙げもそうですが、年間二十万円前後だと思います。これは恐らく地元の広島大学でもその程度だというんですね。
 ヨットの競技なんかを考えてみますと、大体二種類あります。四七〇級とスナイプ級と。これは三艇ずつが一組になりますので六艇はベストの船がないと。大会へ持っていかなきゃいけないんです。どこの大会であろうと自艇参加なんです。あとはもちろん大勢の選手がいるわけですから、十艇とか十五艇とか持っているわけですね。そうしてみますと、実はこれはなかなかの個人負担になるわけです。だから部長の仕事というのは、できるだけ応援してもらえる会社から寄附金をいただく、野球も多分そうだろうと思いますけれども、そういうような感じになりますからきゅうきゅうとして合宿の費用を浮かさなきゃいけない。
 そういう意味で、これは新聞にたまたま出ておったんですけれども、オリンピックの強化合宿ですか、カロリーが足らない食事を出しているというのが出ていますね。読売新聞。十二月十六日です。「栄養足りない」「カネ足りない」という記事。オリンピックの合宿というのは相当な名選手が集まっているんだろうと思うんですが、五千円の予算がかかるところを二千円ぐらいでやっていたとか、それからビタミンの何が足りないとかそういう記事が、これは事実かどうか新聞には一応出ておりますね。調査した結果も出ていますからまず間違いないだろうと思うんです。
 そのように運動選手に実力をつけるというのは、今はもうマラソンでもバレーでも何でもそうですが、ほとんど民間の会社の中で相当予算をかけて徹底的にやる。それでも今大臣言われたように国際試合になるとなかなか実力が発揮できない。これは子供のときから、やっぱりそういう国際試合というのが極端に少ないですね、日本の場合は。私は例のビヨン・ボルグに間接的にいろいろお話を聞いたら、やっぱり国が近いですからしょっちゅう国際試合をやっている、その中でだんだん強くなっていく。そういうような何か相当なことを考えないと国際試合に強くなるというのは非常に難しいなということを私はつくづく思っておりまして、お金の面も食事の面もですが、そういう機会をもう少し与えるような形をとらないと恐らくこのぐらいのお金ではどうにもならぬのではないかなという感じがするんですが、この辺は具体的に何か考え方はございますか。
#99
○政府委員(野崎弘君) 先生の御指摘のような点がありまして、確かに今まで日本の選手養成というのは学校とか企業に頼っている面が大変多かったわけでございます。
 そういう中で従来、国の補助金というのはナショナルチームが集まってやる合宿についての補助をしていた。やはりこれは競技種目ごとにいろいろなやり方があるわけでございまして、そういう実態に応じた対応が必要であるということで今回スポーツ振興基金の提案をさせていただいているわけでございまして、これが成立いたしますと相当いろいろなスポーツ団体の実態に応じた支援ができるんじゃないかと思うわけでございます。
 現在、業務の中でスポーツ団体の行う「合宿その他の活動」というのがございますが、実は「その他の活動」の中にはそういう対外試合的なものも含めて考えておるわけでございまして、先生御指摘のような点はこのスポーツ振興基金の中でも十分生かしていきたいと思っております。
#100
○小西博行君 平成六年、あと四年ですが、広島でアジア大会が開かれますが、この間の中国の大会なんかを見ると大変だなと。広島だけではとてもできるはずもございませんし、何としても文部省の関係でいいますと大学あたりの協力も相当いただかなければというような方向で、今私もメンバーの一人でやっておるわけです。
 そういうことをいろいろ見てみましても、相当思い切ったことをこれからやらないと勝てるような選手というのは年々少なくなっていくんではないか、そういうふうに思いますので、特に優秀なOBの方、選手生活をやられて後のOBの方が安心して指導ができるようなそういう体制づくりをしていかないとだめじゃないか。学校の中で小学校、中学校のときにいろんな教育をするといったってこれは知れたものだと思いますし、外国を見ますと、みんなクラブがありましてそのクラブで頑張っているわけです。ニュージーランドあたりはちょっと小高いところへ上がりますとラグビーのコートがたくさんあります。そこまではなかなか大変でしょうけれども、やっぱりそういうような総合的な部分でこれから民間の力もかりながらやっていかないととてもとても無理ではないか、そういうのが率直な私の気持ちなんですけれども、ぜひとも頑張って、全体の省庁あるいは民間をどういう形で動かしたら外国でやっているようなああいうすばらしい環境ができるのか、その点をぜひとも考えていただきたいと思います。
 これで私は終わりたいと思いますが、最後に大臣の決意をお願い申し上げます。
#101
○国務大臣(保利耕輔君) ただいま御指摘のように文部省のみならず各省庁、それから私は地方公共団体も入れるべきだと思いますが、そういったところのいろいろな協力のもとに特に先生御指摘のようにいわゆる地方の体育クラブのようなものをたくさんつくっていって、その中から選手の卵が出てきてそれが中央大会へ出て大きな成果を上げるという、そういう一つの図式というものがやはりスポーツの中では考えられるべきではないか、このように考えておるわけでございます。
 こういった問題をこれから詰めてまいります場合には御指摘の点等も十分念頭に入れて詰めてまいりたいと思っております。
#102
○委員長(下稲葉耕吉君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(下稲葉耕吉君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#104
○委員長(下稲葉耕吉君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 粕谷君から発言を求められておりますので、これを許します。粕谷君。
#105
○粕谷照美君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、スポーツの一層の振興を図るため、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一 スポーツの振興に関する基本施策については、スポーツ振興法の精神にのっとり、長期的、国際的な視点を踏まえ、競技スポーツ、生涯スポーツ、国民の健康増進等の立場に立って、その策定、実施に努めること。
 二 スポーツ振興基金については、競技スポーツの一層の振興及びその裾野の拡大を図るために、今後ともその拡充に努めること。
 三 スポーツ振興基金による援助に当たっては、スポーツ団体の自主性を尊重するとともに、優秀なスポーツ選手等に対しては、その生活、進路等に関する調査研究、相談を併せ総合的に行うこと。
   なお、審査機関の委員の選任に当たっては、広く関係者の意見が反映されるよう配慮すること。
 四 選手強化及び国民の健康増進に資するよう、スポーツ科学の研究推進に一層努めるこ と。
 五 女性の競技スポーツ、生涯スポーツ等の振興を図るため、スポーツに関する審議会等の委員、指導者等への女性の積極的な登用、施設設備の拡充等諸条件の整備に努めること。
 六 日本体育・学校健康センターが、生涯スポーツ、国民の健康増進等に寄与してきたことにかんがみ、スポーツ振興基金を所管するに当たっても、その機能が一層発揮されるよう必要な人員の確保等条件整備を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
#106
○委員長(下稲葉耕吉君) ただいま粕谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#107
○委員長(下稲葉耕吉君) 全会一致と認めます。よって、粕谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、保利文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。保利文部大臣。
#108
○国務大臣(保利耕輔君) 本日は法案を御可決いただきまして、まことにありがとうございました。
 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#109
○委員長(下稲葉耕吉君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(下稲葉耕吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#111
○委員長(下稲葉耕吉君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化及び学術に関する調査のため、明年一月十六日から十八日までの三日間、佐賀県及び大阪府へ委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(下稲葉耕吉君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(下稲葉耕吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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