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#1
第120回国会 大蔵委員会 第6号
平成三年三月十八日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     真島 一男君     下条進一郎君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     吉川 芳男君     井上 章平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        大河原太一郎君
    理 事
                梶原  清君
                倉田 寛之君
                鈴木 和美君
                本岡 昭次君
                峯山 昭範君
    委 員
                井上 章平君
                石川  弘君
                大島 慶久君
                斎藤栄三郎君
                中村 太郎君
                野末 陳平君
                藤田 雄山君
                宮崎 秀樹君
                赤桐  操君
                稲村 稔夫君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                和田 教美君
                近藤 忠孝君
                三治 重信君
                下村  泰君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  橋本龍太郎君
   政府委員
       大蔵政務次官   上杉 光弘君
       大蔵省主計局次
       長        小村  武君
       大蔵省関税局長  伊藤 博行君
       大蔵省銀行局長  土田 正顕君
       大蔵省国際金融
       局長       千野 忠男君
       自治大臣官房審
       議官       遠藤 安彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        下村 純典君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画課長  森末 暢博君
       国土庁地方振興
       局特別地域振興
       課長       佐藤 達三君
       厚生大臣官房老
       人保健福祉部老
       人福祉課長    中村 秀一君
       厚生省社会局庶
       務課長      亀田 克彦君
       厚生省社会局施
       設課長      松本 省藏君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  辻  哲夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○欧州復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本大蔵大臣。
#3
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 平成三年度予算は、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ、公債依存度の引き下げを図るため、歳出の節減合理化や税外収入の確保等、歳入歳出両面にわたる見直しを行うことにより公債発行額を可能な限り縮減することとして編成いたしました。
 本法律案は、最近における財政状況及び社会経済情勢並びに累次の臨時行政調査会及び臨時行政改革推進審議会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用を図るため、平成元年度の国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律に盛り込まれた措置のうち平成二年度末に期限が到来するすべての暫定措置について、改めて一体的、総合的検討を行い、所要の立法措置を定めるものであります。
 以下、この法律案の内容について申し上げます。
 第一に、平成二年度まで暫定措置が講じられてきた事業に係る補助率等に関して、まず、公共事業に係る補助率等については、平成五年度までの暫定措置として、昭和六十一年度に適用されていた補助率等まで復元することといたしております。また、義務教育費国庫負担金に係る経費のうち共済費追加費用に要する経費等に係る補助率等については、平成五年度までの暫定措置として、引き続き昭和六十一年度に適用された補助率等を適用することとしております。これらの措置は、三十一本の法律にわたっております。なお、今回の補助率等の特例措置の対象となる地方公共団体に対しましては、その事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずることとしております。
 第二に、一般会計から特別会計への事務費の繰り入れを規定している地震再保険特別会計法及び自動車損害賠償保障法の二法律について、平成五年度までの暫定措置として繰り入れの特例を定めることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(大河原太一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○村田誠醇君 私はただいま提案されました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について質問をさせていただきます。
 まず第一は、今も大臣の提案理由の中にございましたように、三十一本にわたる法律を一本の形態をとって提案している。こういうやり方は、私も議員になってから一年半ちょっとたちますけれども、大変多く出てきている。租特などは一番いい例でございますが、そういうように多数の分野に関係する法律を一本の形にして出してくる。これは、それぞれ本当は審議を尽くさなきゃいけないものが一括して出されるためにその一部分だけ
しか審議できない、こういう形態が出てくると思うんですけれども、これは、いい悪いは別としまして、国会の中で一生懸命論議をするためには、こういう形態で法案が提出されるということは我々議員が審議をする立場からすると非常に不都合な形態だと思うんですけれども、これに対する大蔵大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#6
○国務大臣(橋本龍太郎君) 従来から、私自身も衆議院の一議員として考えてみましたとき、今回のようにある程度たくさんの法律を一つにまとめて政府が国会に提案をしてまいりますケース、また分離して提出をしてまいるケース、さまざまなケースがございます。ある程度関係法を束ねてまいります形態の典型的な法律の一つに例えば戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、これらの法律の場合には相当広範囲なものが常に一つの問題として提出をされております。
 そうしたものを考えてみますと、ある程度個別法によりもちろん独自の世界は持つわけでありますけれども、共通の基盤を有している法律というのがそうした提案のされ方をしておるように私は思います。
 そうした点から考えてみますとき、今回の法案に盛り込まれております各措置というものが、平成元年度の補助金一括法に盛り込まれました措置のうちで二年度末に期限が到来するすべての暫定措置について、改めて国、地方の財政事情、国と地方の機能分担、費用負担のあり方などを勘案して一体的、総合的に見直しを行った結果によるものでありまして、いずれも最近における財政状況及び累次の臨時行政調査会あるいは臨時行政改革推進審議会答申の趣旨を踏まえて行われる財政上の措置である、また国の補助金あるいは負担金等について行われる措置である、また財政資金の効率的使用を図るために行われる措置であり財政収支の改善に資するものである、また平成三年度から平成五年度までの臨時特例措置であるという共通の性格を有しております。
 すなわち、その趣旨、目的が一つであり一体をなしていることから一括して改正することとされたものと、そのように御理解をいただきたいと思うのであります。ただし、補助率カットの対象となります法律のうちで三年度末または四年度末に期限が到来するものにつきましては、補助率カットの規定も当該期限までの規定となるわけであります。
 このように一括して改正をすることは、従来の補助金一括法の場合と同じように、法改正の趣旨を明らかにする、その趣旨に基づいてとられる各措置を総合的に把握する上でも、各事項についての従来からの特例措置の経緯を把握する上でも、適切な形である、私はそのように考えております。
#7
○村田誠醇君 全体的にくくった方がわかりやすい、こういうことだと思うんですが、今回提案されています過疎地域活性化の特別措置法の一部改正案、これは本来過疎法そのもの自体が今国会の地方行政委員会にかかっているものだと思うんですけれども、そのうちの一部分だけを持ってくるというやり方、これもちょっと、本法そのものがかかっているんであればそちらに入れて審議をすべきものだと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#8
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今委員が御指摘になりましたような整理の仕方もあろうかと思います。
 しかし、過疎法としての性格に着目をして整理をするのか、あるいは、補助金あるいは負担金といったその事象の性格によって分類をするのか、私はそのどちらの分類の仕方も成立し得ると思います。そして、今回たまたま補助金あるいは負担金等についてこうした措置の行われる法律案が相当数ございましたために、過疎法としての性格からの分類ではなく、補助金あるいは負担金といった性格からこの一括法に含めるという形態をとったものと考えておりまして、私はどちらでなければいけないというルールはないと思います。
 政府といたしましては、この性格から考えて補助金あるいは負担金といったものについての統一的な今回の法律の中にこれを加える方がより望ましい形である、そのように判断をした結果と御理解をいただきたいと思います。
#9
○村田誠醇君 この提案理由の中にも書いてございますが、地震再保険特別会計及び自賠責保障法の関係も今回一本にして提案されているわけですね。これは補助金とは明らかに性格が違うものを一本の法律にしているんじゃないかと思うんですけれども、これをこういうふうに特にくくったというのはどういう理由でございましょうか。
#10
○政府委員(小村武君) 今回の補助金特例法案の中に御指摘の公的保険の事務費につきましての繰り入れ特例を一括化して入れさしていただいております。
 その中で、地震再保険に係る繰り入れにつきましては、これは被保険者が負担する保険料の軽減を図る目的で事務費の一部または全部を一般会計で従来負担をするということになっております。それから自賠責についても、同様に事務費の一部または全部について一般会計が負担をするという事項がございます。
 こうした事項につきまして、いずれも国の負担金という性格を持っておりますので、今回、地方公共団体に対する補助金、負担金と同様の取り扱いをいたしたいということで今回の一括化の法に盛り込んだ次第でございまして、行革特例法以来こうした取り扱いをさしていただいております。
#11
○村田誠醇君 それではこの問題はこの一問をもって終わりまして別の問題に移らさしていただきたいんですけれども、前回補助率を改定したときには一本じゃなくして法案を分割してやっているわけですけれども、今回それをとらなかった理由はどういうところにあるんでしょうか。
#12
○政府委員(小村武君) 六十年度以来補助率の関係の法律を御提案申し上げた中で、六十二年の改正に係る分のみ一括の方法をとりませんでした。
 これにつきましては、当時の円高の急速な進展のもとで内需拡大策として公共事業の事業費を確保するということで、六十一年度の補助金特例法、これは一括でございますが、その適用期間中でございましたが、公共事業に係るもののみでございます。ほかの一括法は非公共事業も対象にしておりますが、そのときは公共事業に係るもののみ一層の引き下げをお願いしたということでありまして、このときは、全体の国、地方の負担のあり方といった総合的な見直し、あるいは各省全体を通ずる統一的な基準によって見直したものではない、いわば部分的見直しでございましたし、関係法律も少なかったということで、一括せずに各省庁ごとに法案を取りまとめた次第でございます。
#13
○村田誠醇君 これは主として地方自治体の財政に関する部分でございますので、地方自治という観点からしますと、自治体の財政面で確立することが一番大切なことだと思うわけです。それで、臨時行政改革推進委員会でも「国と地方の関係等に関する答申」の中できちんと自主的な財源を含めて財政的に確立をすることが必要であるということを指摘しているわけですけれども、大蔵大臣は国の財政を預かる方の立場としてある意味では出す方でございますから多少意見が違うのかもしれませんけれども、地方自治を進めていく上で財政面での自主性というのでしょうか、自主財源を確立するという方式が大切だろうと思うんです。まずその点に関する認識、御意見を聞かせてください。
#14
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変お答えをしにくい問題でありますけれども、一般論として申し上げます場合に、ややもすると国の財政と地方の財政を対立してとらえられる御論議がございます。私は必ずしもそういう議論が正しいとは今日までも考えてまいりませんでした。
 一方、事務事業の配分の中におきまして、当然のことながら国と地方との間における財源の移動というものも生じるわけでありますし、また都道府県レベルと市町村レベルにおける事務の配分を考えましたときには地方の中における財源の移動
というものもございます。
 そうした中で、新行革審が平成元年の十二月二十日に「国と地方の関係等に関する答申」というものをお出しになりました。そしてこの中におきまして、まさに「その費用負担についても、事務の主体が費用を負担するという原則を尊重していかなければならない。この見地からは、補助金等について、地方公共団体の自主性に委ねるべきものにあっては、その廃止や一般財源化等が進められなければならない。」という指摘がなされております。今後ともにこの答申を最大限に尊重しながら、補助金等について一層の見直しを徹底して行うと同時に、廃止や一般財源化を含めた整理合理化を積極的に推進していく必要があると思います。
 地方の自主財源あるいは一般財源の確保の問題というものは、国と地方との税源配分、地方交付税、補助金などのあり方、あるいは地方税源の地域的偏在、そのほか地方行政全般にわたる問題でありまして、今後ともに幅広い見地から検討を行っていく課題だと私は考えております。その場合に、まさに一般財源化というものを考えていきましたときに、今後地方自治体間のアンバランスというものにどうメスを入れるかという視点は欠くことができない。こうした点についてのメスが入らない中で今お述べになりましたようなことを実行していくには、相当な困難が生じはしないであろうか。率直にそんな印象を私は持っております。
#15
○村田誠醇君 地方自治といっても財政的な裏打ちがない自治なんというのはあり得ないわけでございますので、自主財源をふやす、あるいはひもつきでない交付金をたくさん出す、これが本来のあり方だと思うんです。そういう意味からすると、各種の補助金をたくさんつくったりあるいは公共事業のかさ上げをするという特例の措置、こういうことで手厚く処置するのではなくて、一般財源を多くふやしたり交付金を多くする方法の方が私は地方自治を発展させる正論であると思うんです。しかし、この提案理由を読んでみると、どうも補助金の率をいじったりあるいは数をふやしたり、そういうことが主眼であって、自主財源あるいは交付税を増額するという方法がとられてはいないんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#16
○国務大臣(橋本龍太郎君) 交付税の率につきまして法律上定められておる範囲というものは、委員がよく御承知のとおりであります。そしてまた、その自治体の置かれておりますさまざまな状況の中で特定の財源を名目的に賦与いたしました場合の地方自治体間のそのアンバランスが拡大していくという状態についても、委員には御理解がいただけると思うのでございます。
 そうした中におきまして、地方六団体の御意見というものもさまざまな角度からの御意見が出されております。今後におきまして今委員が御指摘になりましたような問題点というものも当然私どもは脳裏に置きながら、その地方自治体の御意見というものを承っていく姿勢は必要なものと、そのように思います。
#17
○村田誠醇君 そういう意味で地方財政を見てみますと、地方財政計画額というのは標準的な見積もりなわけですから、実際上の地方の財政の予算と決算を比較してみるとかなりの差が出ているわけです。それを裏返して自治体の方から言わせると、超過負担がある、国が査定した金額よりも持ち出しが大きい、こういうことが言われるわけです。この地方財政計画額を積算する根拠自体がどうも過小に計上しているんじゃないかと思われているわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
#18
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。
 地方財政計画の規模の問題でございますが、御指摘のように、実際の地方団体の決算額と財政計画額とを比較した場合に若干の乖離があることは事実でございます。
 これは一つには、地方団体といいましても都道府県と市町村とがございまして、地方財政計画におきましては双方のネットの額を地方団体全体の財政規模としているわけでありまして、重複する部分を控除しているのが一つでございます。
 それから、歳入面で申し上げてみますと、地方財政計画につきましては標準的な収入を算定するということでございますので、例えば税収入で申し上げますと、各地方団体で行っています超過課税、こういったものは除外をしている。それからまた、雑収入などにおきましても、年度の中で地方団体の現金を当該年度内で貸付金として融通するといったようなものにつきましてはかなり各団体のその年の財政事情によって規模が違うというようなこともありますので、そういった点についても除外するというような問題が歳入にはございます。
 それから、歳出面におきましても、例えば人件費などで申し上げますと、通常の事務事業で予定されております人数を超えて職員がいるというような場合の人数を除外しているとか、あるいは単価の問題について申し上げましても、単価が標準的な単価、国家公務員の単価をベースにするわけでありますが、そういったものを超えて支給している団体については当該部分を割り落として計算するというようなこともございまして、地方財政計画と実際の決算は、実際の決算の方が形式的に規模が大きくなるという傾向がございます。
 いずれにいたしましても、地方財政計画は、地方団体が標準的な行政をするときに必要となる行政事務経費の総体をつかまえて、それに支障のないような財源措置を講じていくという考え方のもとに規模を策定しているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
#19
○村田誠醇君 さきの補助率を見直したときに一部の補助率を恒久化した、それに伴ってたばこ税の二五%を地方交付税の交付金の対象としたんです。
 そこでお伺いをしたいんですけれども、今回提案されているのは臨時特例で、まだ補助率を恒久化するかどうか決めていないと思うんですが、将来的には補助率は恒久化するんでしょうかどうなんでしょうか、その辺の方針がありましたらお聞かせ願います。
#20
○政府委員(小村武君) これまでの補助率の歴史の中で、特に社会保障の分野につきましては、例えば措置費と称しまして、社会福祉施設の入所に対する権限を地方公共団体に機関委任事務から団体委任事務に移し、かつその補助率について平成元年に恒久化の措置をとらしていただきました。その際に、御指摘のたばこ税等につきましても財源を賦与したという歴史がございます。
 基本的には、こうした形で関係省庁とこれから話し合いをいたしまして、将来の補助率のあり方について総合的に検討を加えていかなければならない課題でございますが、残念ながら、今回御提案いたします段階におきまして恒久化の話にまで解決したものはございませんでした。
 いずれにいたしましても、今後さらに行革審答申等を踏まえながら総合的に検討をいたしまして、そのときどきの経済情勢、財政事情も考慮いたしまして、話し合いがついたもの等については実施に移してまいりたい、こう考えております。
#21
○村田誠醇君 それでは、仮定の質問になるかとは思うんですけれども、今回提案されている各種補助金の補助率を恒久化する場合は、上に上げて固定するのか下に下げて固定するのかは別としまして、前回と同様に自治体に対する財源対策を考えるおつもりなのでしょうか、その辺はどうでしょうか。
#22
○政府委員(小村武君) 恒久化をする場合の一つの要素といたしましては、国、地方のそれぞれの役割分担、機能分担、こういった面がまず検討の対象になります。それにあわせまして、その財源負担をどうするかという問題でございますが、具体的にどの段階においてどういう措置を講じていくかというのは、そのときの財政状況等々を勘案しながら関係省庁間で話し合いを進めていくべき問題であろうと思っております。
#23
○村田誠醇君 補助率を恒久化する場合は自治体に対する新たな財源措置というものを考慮してほしい、そのことだけを希望しておきます。
 それで、これは私の意見としてお聞きいただければ結構なんですが、現行の地方交付税の交付金の対象は所得税、法人税、酒税の税収の三二%、消費税は二四%、たばこ税は二五%をもって充てる、こういうことになっているはずなんですが、補助金等を複雑にし、素人から見てどの補助金をどういうふうに使ったらいいかわかりづらい現行の中にあって、こういった行政を簡素化し単純化するために、消費税とたばこ税の配分方法を法人税等三税と同じように三二%まで高めるつもりはないかどうか、その辺についての御見解をお聞きしたい。
#24
○政府委員(小村武君) 地方交付税の算定基礎になる税に対する交付税率でございますが、これは初めに三二%ありきということではございません。全体の地方財政の状況等を勘案してそれぞれ率が設定されるわけでありまして、地方公共団体の運営に支障がないようにする。先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、国と地方は車の両輪でございますから、地方財政が円滑に運営されるようにということでこの率が決定されておりまして、初めに三二%ありきというふうには考えておりません。
#25
○村田誠醇君 それでは別の質問をさしていただきますが、昨年末の予算編成時に自治省と大蔵省との間で本年度の地方財政について論争があったと新聞で報道されております。しかも、大蔵省の方は地方財政は三年連続して大幅な余剰が見込まれるので地方交付税交付金を大幅に減額するという方針で、それで自治省との間で論争があったと聞いておりますけれども、これは自治省の方にお聞きしたいんですが、この新聞報道をどういうふうに理解したらよろしいんでしょうか。
#26
○政府委員(遠藤安彦君) 具体的に交付税率あるいは減額の問題というのは、予算折衝の過程で双方が議論をするのは毎年のことでございまして、最終的には、御案内のとおり減額措置としては五千億円、そのうち四千五百億円につきましてはいわゆる交付税法の附則三条による特例減額ではありますけれども、これにつきましては、地方団体が交付税特別会計において資金運用部から借り入れております四千五百億円を繰り上げ償還しないでそのままにしておきました関係上、この四千五百億につきましては実質的に資金運用部から借り入れました金額を国の一般会計に代替をしてお貸し申し上げたというような物の考え方でございますし、残りの約五百億につきましては、昭和六十年度に地方団体が、千四百億弱でございますが、一般会計から補正段階で借り入れをいたしておりました金額が七百億ほど償還が残っておりまして、それの一部であるというようなことで処理をした次第でございます。
#27
○村田誠醇君 ただいまの説明にもあったんですけれども、資金運用部からの借入金一兆五千七百億円と利子負担分六百億円、本来だったら、地方交付税の法定算定額というんですか、十六兆四千七百億円からこれらを引いた十四兆八千四百億円が交付されなければいけない。ところが、一般会計がここから五千億円を逆に借り入れするような形で、そして一般会計から将来資金運用部に返す。借金のつけかえみたいな説明でございますけれども、何でこんな複雑なことをするのか。これは前にも厚生特会でも同じようなやり方があるんですね。借金のつけかえをする形によって、こっちは返した、こっちは将来的に返すんだ、こういうふうに資金の流れが非常にわかりづらいといいましょうか、あるいはもっと言えば小手先を使った非常に技術的なことをしている。どうしてこういうことをするのか。入れてすぐ返しちゃえば済むことだと思うんですが、何でこんな複雑な操作をしなければいけなかったのか、御説明をいただきたいと思います。
#28
○政府委員(遠藤安彦君) 非常にわかりにくいではないかという御質問でございますが、その点についてはそういうこともあろうかと思います。
 ただ、私どもとしましては、資金運用部から借りておりました金額、ピークのときは六兆一千億ほどになっておったわけでありますけれども、毎年毎年少しずつ努力して返してまいりまして、御指摘のように、平成三年度の地方財政対策を講ずる前の段階では一兆五千億ほどが残っておったわけでありまして、これを資金運用部に対して来年度は繰り上げて償還したいという計画を持っておったわけであります。しかしながら、国の方からの強い要請によりまして、お金が要るということもございまして、それでは地方財政に実質的な影響を与えないで国の要請を満たすためにはどうすればいいかということを考えたわけでございます。
 したがって、先ほどもちょっと申し上げましたが、一兆五千億のうち約一兆円につきましては資金運用部に直接お返しをする、残りました四千五百億につきましては、資金運用部に対しましては借入金として残しておきまして、一般会計に対しまして特例減額という形で協力を申し上げる。ただ、交付税特別会計が平成四年度から十年間にわたりまして償還をいたします四千五百億円の各年度の償還額に対応いたしまして、一般会計から交付税の方に法定で加算していただくということを講じております。
 そういうことで、先ほどちょっと申し上げましたが、実質的に交付税特別会計の借入金を国に振りかえる措置と同じ意味である。そのことは地方財政計画の規模を小さくしないで対処することができたという方法論でございまして、ややわかりにくい点もあろうかと思いますが、私ども、こういった措置をとることによりまして地方団体の大方の御理解が得られたのではないかというように考えているところでございます。
#29
○村田誠醇君 そこで大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、前にも私厚生特会のところでも触れましたし、外為特会もそうですし、国債整理基金の会計もそうなんですけれども、金の流れが非常に技術的でありまして、しかも会計間同士で金の貸し借りをやっておりまして、我々みたいな素人には、どこにどういうふうにお金が流れているのか、どこでどういうふうにやりくりをしているのか、大変わかりづらい。もちろん事務をやっておられる方々は当然わかるわけですけれども、プロが見てわかるのではなくて、素人が見てわかるような予算編成というんでしょうか、金の流れというんでしょうか、そういうふうにぜひつくっていただきたいと思うんです。これは御感想だけで結構でございますが、ちょっとお願いをしたいと思います。
#30
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに予算編成の中において技術的な側面があることを私は否定をいたしません。しかし、そのときそのときの財政状況、また各会計間における仕組みの中での動きというものはある程度やむを得ないものであると思います。できる限りわかりやすい予算編成に努めていく必要があるということは私はそのとおりであると思いますが、その場合におきましても、やはりそれぞれの特別会計の性格に応じて動きがありますので、その点につきましては御理解を賜りたい、そのように率直に思います。
#31
○村田誠醇君 それで、先ほど言いましたように、今回、五千億一般会計から借り入れる、そのかわりと言ってはなんだと思うのですが、補助金率を引き上げて少し地方の分を減らしてあげる、何かこういうふうな政策をとったのかなと思うんです。増額分と減額された分を比較すれば自治体の方の取り分の方が少ないというふうに理解するんですけれども、こういう考え方は間違いでしょうか。
#32
○政府委員(小村武君) 今回お願いしております補助率の見直しにつきましては、これはこれとして一つの体系的、総合的な見直しの結果行ったものでございます。こういったものを含めまして、地方財政全体の見地からさらに交付税の問題が出てくるというふうに御認識をお願いしたいと思います。
 今回の地方交付税の特例減算も、こうした種々
の補助率の見直し、あるいはその他地方公共団体におきます事務事業が円滑に実施されるようにという配慮から全体の地方財政計画が組まれ、その中から五千億円の御協力を願ったというふうに御理解を願いたいと思います。
#33
○村田誠醇君 その五千億の協力を得たというのは、地方の財政が富裕だから協力を得た、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
#34
○政府委員(小村武君) 先ほど遠藤審議官からも御説明がありましたように、平成三年度の地方財政収支等を見ながら、その中身におきましては、詳しく申し上げますと、歳入面においては地方税、地方交付税の高い伸び率が地方財政計画では見通すことができる。一方、歳出面におきましても、国、地方とを合わせた公共投資の伸びを確保するための単独事業を大幅に見込んでおりますが、さらには高齢者福祉や社会資本の整備、そういった所要の歳出を見込んで、なお地方財政運営のための交付税を確保して、その後にさらに財源余剰が見込まれた。そういうことで今回御協力をお願いしたというふうに御理解願いたいと思います。
#35
○政府委員(遠藤安彦君) 私の方からも一言申し上げたいと思います。
 余裕があるから貸したのかという御質問かと思いますが、私ども地方財政全体を見ておりますと、やはり地方団体が発行しました地方債等の借入金の総額が、国の規模には及びませんけれども、六十八兆円というような大きな金額を抱えておりますし、三千三百あります地方団体の個別の事情を申し上げましても地方債の元利償還金を一般財源の中から負担をしなければならないわけであります。私ども財政運営の指標として危険であるという比率を公債費負担比率一五%以上と、こう言っておりますけれども、こういう団体が五割近くもあるというような状況でございますので、やはり地方財政全体としては楽観できるような状態にはないということでございます。
 引きかえまして、これから地方団体が行わなければならない仕事というのは相当ふえておるわけでございまして、例えば公共投資基本計画に基づく公共事業の実施あるいは高齢者保健福祉推進十カ年戦略に基づきます福祉関係の充実、そういったことを考えに入れなければならないわけでありますし、そういうことのための平成三年度の必要な需要を組まなければいけないというような観点もございます。
 さらに、先ほどもちょっと申し上げましたが、地方財政の中期的な健全化というような観点から借入金を相当しておるわけでございますので、交付税特会の借入金を返済する、あるいは財源対策債とか調整債といった特別の地方債の事実上の償却のための基金を設定しなきゃいけないというようなことがあって単なる特例減額というような形にする余裕がなかったということで、ちょっとわかりにくくて恐縮ではありますけれども、先ほど来申し上げましたような方法をとりまして国の要請にこたえていくという措置をとったわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。
#36
○村田誠醇君 さっきの大蔵省の御説明ですと、いろいろな状況を勘案してもなおかつ最終的に地方財政が富裕だからあるいは余剰が出るから今回こういう措置をとったんだ、こういう御説明でしたけれども、今の自治省の御説明では何かまだまだたくさん要るのに無理やり取られたみたいな話でございましたけれども、どちらの方が正しいというんでしょうか、それぞれの主張があるのかどうか、それぞれからもう一度お聞きしたいと思います。
#37
○政府委員(小村武君) 財政当局と地方財政当局との話し合いの過程でおのずからその立場は違ってくる問題もあろうかと思います。
 ただ、今回の場合に、やはり国の平成三年度の財政が極めて厳しいという中にあって、その予算編成が困難な状況において特例減算五千億円の御協力をいただいたということでございますが、その際に地方財政の状況を全然無視してこうした措置を講じたわけではございませんで、地方の財政状況を見ながら、その健全化策を講じ、円滑な財政運営に支障のないように配慮をいたしまして所要の交付税総額を確保し、その上で御協力をいただいたというふうに御理解願いたいと思います。
#38
○政府委員(遠藤安彦君) ただいまの小村次長の御答弁と同趣旨であります。
 ただ、私ども方法論としましては、地方財政に実損を与えないような形、すなわち、再三申し上げて恐縮でありますけれども、交付税特別会計の借入金を今年度は返済しないでその分を国の一般会計に特例減額をしたという方法論をとったという点を御理解賜りたいと存じます。
#39
○村田誠醇君 先ほどから言っておりますように、いろいろなことから考えて地方財政に余剰が出る、大蔵省の判断ですとそういうことです。今回提案された補助金の率を一部もとへ戻すということについて私は別に反対する理由はないのですが、大蔵省の立場からするならば地方の財政が富裕なら何で補助率を引き上げる必要性があったのかなと思うんですけれども、その辺はいかがなものでしょうか。
#40
○政府委員(小村武君) 先ほど申し上げましたように、補助率の問題につきましてはそれ自体として私ども総合的な検討を行ってまいりました。ただ、六十二年におきましては、当時の円高不況ということから事業量の確保をしなければならないという緊急の要請がございまして、特例法の期間中でございましたですが緊急措置としてとらしていただいた。その分につきましては今回延長をしないという措置を講じまして千六百億円の歳出の増を図ったわけでございますが、これは一つの補助率に対する問題の考え方の整理を行いました。
 こうした種々の要因を踏まえまして全体の地方財政計画というものができ上がってくるわけでございまして、いずれにいたしましても、最後の地方財政計画の段階におきましては、従来から地方財政についてその円滑な運用に支障のないように配意をしているということであります。
#41
○村田誠醇君 今回の提案の趣旨の中にも書いてございますように、特例公債依存からの脱却、続いては歳出面における見直しといいましょうか削減、これが当然必要になってくると思うわけです。ところが、いろいろな項目にわたって従来からやってきた施策なりあるいは既得権というものがあってなかなか予算編成というものは難しいんだろうと思うわけですけれども、今、国と地方の役割の見直しだとかあるいは国がどうしてもやらなければいけない施策等々を見るときに、従来のようなマイナスシーリングという方式だけで予算編成ができるのか、あるいはやっていけるのかどうか、個々の政策にまで踏み込んだ形で、予算査定というのでしょうか、編成を行う必要があると思うんですけれども、大蔵大臣の見解はいかがでしょうか。
#42
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は概算要求基準という手法そのものが今後全く必要でないとは考えておりません。
 今たまたま委員はゼロシーリング、マイナスシーリングの時代から説き起こされたわけでありますけれども、概算要求基準そのものについては、昨年三月の財政制度審の報告におきましても「時代の要請に応じて効率性の高い歳出構造としていく努力が引き続き必要であり、そのためには、今後とも概算要求基準の設定により、概算要求段階から制度改革、歳出の節減・合理化を進めるべきである。」という御指摘をいただいておるわけであります。
 また、今御指摘がありましたように二年度予算において私どもがようやく特例公債脱却というものを実現をしたわけでありますし、三年度予算において公債発行額を可能な限り縮減をするということで依存度を七・六まで下げましたけれども、これはもうよく御承知のように、年度末には公債残高百六十八兆円を超えるという状況であり、しかも国債費は歳出の二割を超えている状況であります。それだけに、私は概算要求基準という手法そのものは間違いだと思っておりませんが、財政審の報告の考え方を踏まえながら、そのときどき
の財政事情また今後の経済情勢というものをより勘案しながら慎重に検討していく必要があると考えております。
 いずれにせよ、今後の予算編成に当たりましても引き続き既存の制度、施策についての見直しを行うなど行財政改革を推進する姿勢とともに、真に必要な財政需要に対し財源の重点的、効率的な配分を行うという姿勢を変えるつもりはございません。
#43
○村田誠醇君 昭和六十年の十二月に出ました補助金問題検討会の報告書に、これは多分大蔵大臣も賛成すると思うんですけれども、補助金というのは一定の行政水準の維持や特定の施策の奨励のための政策手段で、政策遂行の上で重要な機能を担うものではあるけれども、これはともすると地方行政の自主性を損なったり財政資金の効率的使用を阻害する、既得権化する、惰性的運用が行われる、あるいは補助金待ち行政の悪弊が出るとか、こういう指摘があって、常にその見直しを行っていく必要がある、こうあります。私もそう思いますし、今の大蔵大臣の答弁もそうだと思うんです。
 補助金というものが創設された際にはそれぞれそれなりの理由があり、それなりの必要性があってできたわけですけれども、社会経済情勢の推移やその他いろんなもろもろの情勢の変化によっては存廃も含めて常に補助率の見直しを行う必要があるという検討会の報告書が出ているわけです。ところが我々が、まあ私は不勉強で申しわけないんですが、この法律案が出たときにいろいろ勉強させていただきました。補助金というのか負担金というのか分担金というのか、個別法律で出ているのもあれば一般法で書いてあるのもあるし、さらにその上に、かさ上げ率というんでしょうか、引き上げ率がそれに加算されて非常に複雑多岐になっている。どれが適用されるのか素人にはよくわからない状況になっているわけです。この補助金問題検討会は関係閣僚会議の中に置かれている検討委員会だと思うんですけれども、この趣旨と現実とは少し違うんじゃないかと思うんです。大臣、いかがでございましょうか。
#44
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今現在の状況をごらんいただきまして委員がそういうお感じを持たれるのはやむを得ないことかなと私自身感じますけれども、行財政改革というかけ声の中で補助金等の検討に私どもが着手をいたしましたとき、各種補助金がたしか三千二百本近くあったような気がいたします。整理を進めてまいりまして現在は大分減ってまいりましたが、それでもまだ二千二、三百本の補助金が残っておるかと思いますし、その状況をそのままごらんいただけば私は御批判があるのも無理からぬことと思います。
 ただ、今御指摘になりましたような視点というものは国自身も持ってきたということはどうぞ御理解をいただきたいと思いますし、いつごろからこれだけふえてきた補助金でありますかわかりませんが、ここ十年余りの間に八百本近い補助金を整理してきたということもどうぞお認めいただきたいと思うのであります。
 同時に、これにつきましては多少私どもとして考えさせられることがございます。例えば政府の立場において特定の補助金を整理しようとするとき、地方自治体間において、都道府県レベルと市町村レベルにおいてその補助金の必要性についての判断が大きく異なる場合がございます。そして、結果的にその補助金が整理統合が行われないということが今日まで何回かございました。そうしたことを考えていきますと、国だけで補助金というものの整理統合を進めていくにつきましてはなかなか問題があるということを私自身は実感いたしております。
 しかし、今後ともに財政資金の非効率的な使用というものを招くことのないように努力をしていくことは当然のことでありまして、個別の補助金などにつきましても一つ一つの必要性を吟味しながら一層徹底した見直しを行い整理合理化を進めていく必要があることは、十分認識をしておるつもりであります。
#45
○村田誠醇君 極めて初歩的な質問をさせていただきたいんですけれども、調べておりましたら、この法律の三十一本の中で、まず補助金で処理している部分、それからここには出てこない部分もありますけれども、かさ上げ率でもって補てんをしてやるもの、それから地方自治体の起債を認めてその後に元利償還金を基準財政需要額へ算入する方式でもって自治体を助けてあげるというもの、幾つかあるんですけれども、このそれぞれの政策目的の違いというのはどこにあるのか。
 つまり、全国一般の基準でやっている部分にさらに地域的な例外的な補助率の違いがある、あるいは特定の地域にだけ補助率を変えてやっている場合、さらにそこの上にかさ上げでもって財政力の弱いところを持ち上げる、この三つのやり方というのは、いずれも地方自治体に対する財政負担のあり方だと思うんですけれども、それぞれ違う目的があると思うんです。これはどういうふうな違いをそれぞれの自治体に与えるものなのか、ちょっと教えていただきたい。
#46
○政府委員(小村武君) まず、補助率、負担率の体系から申し上げますと、基本の河川なら河川、あるいは道路というようなものについての補助率がおのおのその形態に応じて定まっておりますが、そういう基本の補助率に対してさらに地域の加算措置というのがございます。こうしたものも、この基本の一般的な補助率に対する特例としてさらにかさ上げをされているということで、おのずからそれとのバランスがございます。したがいまして、補助率を見直すときには全体のバランスを見ながら補助率の見直しを行っているということで、数多くの法律がその対象になるということから今御提案申し上げているような姿になるわけでございます。
 それからもう一つは、それに対するいわゆる地方の負担分についての財源措置として臨時財政特例債を認めているということでございます。これはいわば裏側の措置としてとられているものでございまして、地方公共団体は補助率の見直しによって生じた負担につきましてはまず臨時財政特例債によって財源措置を行いまして、その元利償還については交付税の基準財政需要に全額算入される、さらにはその元利の償還をされる際には一定割合につきまして一般会計から交付税特別会計にその部分をさらに加算して繰り入れるというような仕組みをとらしていただいて、地方財政に影響のないようにその財政運営に対する配慮を行っているということでございます。
#47
○村田誠醇君 それでは、二、三具体的な例でお聞きしたいと思います。
 この提案された法律案、いろいろ縦に見たり横に見たりしてどれが一番いいかなと思って出てきたのが奄美の地区に関する特別措置、これについて幾つかお尋ねしたいんですけれども、先ほど来大蔵大臣も答弁の中で触れていますように、政策上必要性があるかないかも含めて日々見直しを行っていくということでございます。私は別に奄美地区を特別に措置から外せとかあるいは続けるという意味じゃなくて、一つの具体的な例としてお聞きしたいんです。
 この奄美に対する特別措置を行っていかなければいけない、あるいは現在進めておくべき行政上の理由、政策目的はどこら辺にあるのか。つまり逆の言い方をしますと、離島法という一般法があり、さらにその近くに沖縄という特別な措置をした地域がある。そこの中に挟まって奄美だけ何で特別なのか。これは小笠原もそうなんですけれども、行政目的を達成する必要性、この法律のどこに目的があるのか、それをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#48
○説明員(佐藤達三君) お答えいたします。
 今御指摘のございました一般離島と奄美群島との点でございますけれども、離島であるという点につきましては共通の地理的条件にございますけれども、奄美群島につきましては本土から五百キロメートルもの隔絶された外海離島である、さらに台風常襲地帯であるという厳しい諸条件下に置かれておりまして、またさらに米国の施政権下に
置かれていたという歴史的な経緯を有しております。これらの事情によりまして本土との間に所得水準を初めとする諸格差が残されておりまして、今後解決すべき多くの課題も依然として抱えているために、群島審議会の方からもなお引き続き特別の施策を進めていく必要があるという御意見を賜りながら今日に至っているのが実情でございます。
#49
○村田誠醇君 今言われたことは沖縄にも通用するし九州全体にもある程度通用することだと思うんですけれども、そういう意味で私はこの特別な措置をする必要性があるのかどうか極めて疑問に思っているんです。
 それで、同じく国土庁は、日本の国土全体の長期構想ということで一つの政策目的を持っているわけですね。下水道、都市公園、道路、河川、住宅、現状がこうなっているけれども二〇〇〇年までにはこうする、あるいは長期目標としてこういう目標を掲げて、それに対してどのくらいの達成率になったからこの計画は一たん終了して次の新しい行政政策に向かっていくんだということを決めると思うんです。
 一番最初に戦後米国から奄美群島が復帰したときのこの法律の必要性というのは私も認めますし、おくれていた行政組織を整備するということはわかるんですけれども、一たん政策が始まったら、目標額がどの辺で、それに対する行政の政策がどの辺まで進んでいるからもうこれは特別な措置をする必要性がないとか、まだあるとかということが出ると思うんです。今の御説明ですと何だか奄美だけじゃなくて日本全国どこでも通用しそうな理由だと思うんですけれども、もうちょっとその辺を詳しく説明していただけませんでしょうか。
#50
○説明員(佐藤達三君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、一般の離島と比べまして奄美の場合は五百キロメートルも離れた外海離島で極めて隔絶されたところに置かれている、あるいは米国の施政権下に一時置かれた、そういった特殊な事情があります。
 一般離島の場合は、担当外でございますけれども、仄聞するところ、近接する地域との例えば架橋だとか埋め立てだとかそういったものによって隔絶性を除去する、そういったものに非常に関心が高いようでございますけれども、奄美群島につきましてはそういったものが不可能でございますので、そういった特殊要因によって本土との格差が依然として残されている。そういった本土との格差につきまして特別措置を講じてまいりながら対策を進めていく、そういった必要性が現在あるというのが先ほど答弁いたしました内容の敷衍でございます。
 以上でございます。
#51
○村田誠醇君 それでは、例えばA地区とかB地区とか、第一種地区か第二種地区かは別として、一般の離島法に区別して奄美の部分を入れる、あるいは逆に沖縄振興法の適用区域の中に奄美を含める、生活圏も一緒なんだし近くなんだからということで一本にしてもおかしくはないと思うんですけれども、これが離島法に入れられないのか、沖縄の方に入れられないのか、あるいは入れたら何か政策上支障を来すようなことがあるのかどうか、その辺についてお聞きしたいと思います。
#52
○説明員(佐藤達三君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたような事情によりまして現在の特別措置が講じられておりますけれども、いずれにいたしましても、それぞれの法律につきましては、それぞれの地域の抱えております歴史的経緯あるいは実情等を背景といたしまして、その置かれている社会的状況を総合的に勘案いたしまして作成されております。奄美の離島法も議員立法でスタートしたものではございますけれども、今日におきましても奄美の特性、先ほど申し上げました内容を抱えておりますので、なおこれを一律に取り扱うことは適当ではないということで、審議会等の御理解も賜りながら、また国会の御理解等も賜りながら、今日まで続いてきておるというのが実態でございます。
#53
○村田誠醇君 国土庁の方に御足労いただきまして、一般本土並み、離島、奄美と補助率の違いについて表をつくっていただきました。これに書いてないですけれども、沖縄地区の補助率が一番高いんでしょう。だったら、沖縄に入れてもらう方が奄美の人たちにとっては補助率は高くなるからいいと思うんですけれども、これはぐあいが悪いんですか、もう一度ちょっとお聞きしたい。
#54
○説明員(佐藤達三君) 法律の制定の経緯等がございまして、奄美の場合の法律の制定は昭和二十九年、沖縄は昭和四十七年くらいだったと思いますが、いずれにしても当時の県民の方々の御意思、御要望等を背景として議員立法で奄美の場合はスタートしたものでございます。
 したがって、法律の制定の歴史的経緯が違いますので、奄美の場合もスタートした時点においては沖縄とほぼ同じような補助率でスタートした経緯がございます。時を経るに従いまして、若干の補助率のダウンとかあるいは整理とかそういうのが重ねられてまいりました。現時点におきましても今先生の御指摘の意見がないわけじゃないんですけれども、地元の感情といたしましては、やはり奄美は奄美振興特別措置法でいかしてほしいという切なる希望がございます。こういったことを背景にいたしながら今日まで特別措置を継続しているのが実態でございます。
#55
○村田誠醇君 大臣、私は別にこの法律をつぶしてどうこうしろと言っているんじゃないです。ただ単に一つの例として出しているんです。だから、一定の政策目的なり行政の目標がクリアできたんであれば、それは政策を変えるかあるいは新たな政策目標をつくって行政を進めていくということが必要だと思うわけです。それをやらなかったら、一たん決めたものは未来永劫いつまでもどんどんと自己増殖を起こして、切れない。これがまさに私が先ほど触れたし大蔵大臣も答弁に触れておりました行政の見直しということにつながると思うんです。
 それは役人の人に自分のやっている仕事について、極端に言えば、あしたからやめろ、はいそういう必要ありませんなんという答弁は出てこないと私は思っていますけれども、政府として一定のある程度の行政目的が達成したんであれば当然その施策は評価されて、まあ政治的にいいとか悪いとか必要だとかいうのはだれでも言えるから、ある程度数量化されたもの、目標に対して達成率が八割に来ているからもうここの部分は要らないとか、そういった何らかの効果を判定できる資料を我々の前に提示して、この政策がやはり必要なんだということで進めてほしい。
 別にこれだけじゃないんです。ほかにもたくさんあると思いますが、たまたま一つこれが勉強するのに一番簡単そうかなと思ったわけです。しかも、よく聞いてみたらこの奄美地区に離島法は適用されてない、しかし過疎法は適用されているんですね。しかも、辺地等の公共事業の補助金のかさ上げも適用になっている。この地域に幾つも幾つもの法律が重なっている。
 ここだけじゃないです。全国至るところに複数の法律が重なっていてそのうちどの法律を使って補助金の要求なり資金需要の要求をすればいいのか、それが政治のプロ、行政の担当者じゃない限りはわかりにくくなってきているというこの現状から見ても、やはり簡素化するということと同時に、もう一つ、行政の目的を達成したものについては廃止をしていく、そこまで踏み込んで大蔵省が判断する、そういう必要性があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#56
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は基本的な部分について委員の御見解について異論を唱えるものではございません。そうあるべきだと思います。ただ、たまたま今例示に奄美をとられましたので、私は多少委員とは異なる感想を持ちながら今の御論議を拝聴いたしておりました。
 なぜなら、一つは、私は歴史的な経緯というものがこういう問題には無視できないと思います。最近私は奄美に行っておりませんけれども、厚生大臣当時までは比較的奄美に足を運ぶ回数が、国
会の中における所掌範囲から多い立場におりました。そして、琉球王国時代における奄美の方々と沖縄県民の間の独特な感情というものを私はいやというほど知らされてまいりました。そうした住民の感情というものを考えましたとき、都道府県の行政区画を越えて沖縄の法律の体系の中に奄美を取り込むということは、鹿児島県の中の一部だけに、沖振法がかかるということ以上に問題を生ずるのではないか、私は率直にそんな感じを持ってこれを拝聴しておったわけであります。
 さらにもう一つの問題点は、先ほど国土庁の方から御答弁がありましたように、奄美群島が日本本土に復帰をいたしました時点で議員立法としてこの法律をつくりました。そして、その当時から見ますと、それぞれ対象としておりました事業の中で既に補助対象から外れましたもの、あるいは補助率を切り下げてまいりましたものがあるはずでございます。実態に応じてこの法律は期限が参りますたびに見直しが行われ、実態に合うように改善を国会としても進めてこられたと私は理解をいたしております。しかし同時に、奄美群島と鹿児島県の平均の県民所得の間にはまだ相当な開きがあるはずでありまして、私はやはり、この法律は鹿児島県内の平均の所得水準に奄美群島の方々の所得がより近づかない限りなかなか終わらないのではなかろうか、そんな気がしてなりません。
 私の郷里は岡山でありまして、瀬戸内海の離島部分を抱えておりますけれども、同じ離島ということでありましても、瀬戸内離島と外海に位置いたします奄美群島の場合には大変な開きが気象条件その他の中でもあることは、委員御理解のとおりでございます。
 さらに、例えば比較的最近行われました地域振興立法といたしまして、議員立法によります半島振興法と言われるものがございます。国会がそれぞれ政策目的に着目されこうした振興のための法律をおつくりいただきまして、その地域の抱える問題に着目されて補助率を設定されましたものにつきまして、私どもとしては今後とも当然のことながら政策効果の発揮されるに従い見直しを行っていく必要があることは承知をいたしておりまして、今後とも国会の御協力を得たい、そのように考えております。
#57
○村田誠醇君 私も別に奄美の歴史的事情を知らないわけではないんで、言われることはわかるんです。ところが、そういう特殊性だけを強調なさいますと、全国どこもかしこもみんな特殊条件になっちゃうんです。そういう意味では、どこかの時点でこれは明らかに切るべきというか行政上とまるべきものではないんですか。本土との格差あるいは鹿児島との格差が必ず是正されなきゃいけないと言っても、一二〇%埋まって離島の方が上にいくということは現実的には考えられないわけですから、そうすると、本土の所得水準がどんどん上がっていけばいつまでたってもこの法律は必要だという理屈になってくるわけでございまして、そういう意味で、思い切ってどこかの時点で行政上の判断を要求されるべき必要性があるんじゃないかというのが私の意見なんです。
 そこで、具体的に聞くんですけれども、今後のこの国会にもかかっております新産業都市の建設促進法、それから工業整備特別地域促進法、あるいは産炭地域の振興臨時措置法、これらのいずれもそれぞれの政策目的を達成したら、例えば指定地域だとか補助の対象が検討されていいはずだし、産炭地域では地域指定の変更も考慮に入れているという話なんですね。
 先ほど大臣が答弁なさった臨時行政改革推進審議会の答申によれば、運輸省が進めている家族旅行村という補助金の政策を縮小見直しをしなさいということになって、新聞報道によれば運輸省はこれを来年度から廃止する方針だと、こういうことですよね。私は、これはちょっと廃止する目的が違うんじゃないかなとは思うんですけれども、このように答申を受けて現実に廃止する行政施策をとっているところもいっぱいあるわけです。
 そういう意味で、奄美の方も含めて、まあ奄美だけじゃないですけれども、やれないのかなということがありますし、従来の施策の中にはまさに政府が言っているように既得権化しているものについて切ろうとすればなかなか難しい問題が出るということはよくわかるんですけれども、一つ一つについてこうやって見直しをしているところもあるわけなんで、ぜひ私は新産都市なりあるいは産炭地の見直しはある程度やってもおかしくはないと思うんです。
 家族旅行村だけは、これは要らないんじゃなくてむしろ続けてほしいと思うんですけれども、まあそれは別といたしまして、そういうことを含めて本来国土庁の中で地域振興計画というのがきちんとできてなければいけないわけです。これはいずれも地域に関する振興計画なわけです。だから、日本の国際化してきた社会の中で産業基盤立地重視の政策というものを果たしてとり続けることがいいのか悪いのかということも改めて問い直されなきゃいけない問題だと思うんです。それは当然予算編成をするときに大蔵省もしていると思うんですけれども、その辺をもっと踏み込んで、なかなか切る方は大変だと思うんですが、そういう意味でこういった補助金を簡素化、簡便化する、そして行政のスリム化を図る必要性があると思うんです。いかがでしょうか。
#58
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は先ほどちょっと私は数字を間違えて申し上げましたが、この機会にあわせて訂正をさせていただきたいと思います。
 たしか昭和五十四年ぐらいから補助金の整理統合というものに政府は本格的に取り組んでまいりました。そのころには三千八百件を超える補助金等がございました。今、ようやく二千三百件ぐらいまで縮小してまいりましたけれども、今いろいろな角度から委員が御論議をいただきましたように、なお我々として努力すべき点はあろうかと思います。個々の政策を所管するそれぞれの省庁との間に、また国会との間に十分な御論議をいただきます中で、私どももそうした努力を今後ともに続けてまいりたい、そのように考えております。
#59
○村田誠醇君 中央官庁の権限を縮小する、そして自治体にそれを渡して自治体が本来できる分野を広げていく、それぞれの自治体でできない施策については国の直轄事業でやる、これが基本だと思うんですよ。その基本からいえば、この法律も含めまして大変多くの法律に基づいて中央官庁が権限あるいは予算というものを持っておって、これを地方に渡さないがゆえに非常に問題があちこち出ているだろうと思うんですね。
 そういう意味で、これはなかなか大臣お答えにくいと思うんですけれども、一九八二年の七月に出た臨調の基本答申及び八三年の三月に出た最終答申で、国土庁と沖縄開発庁と北海道開発庁の三庁の統合の提言が出ていましたね。これはいずれもある程度地域開発、地域振興にかかわる行政庁を統合しよう、こういう方針だと思うんですね。しかし、閣議の決定では統合する方向で検討する、こういうことになっているわけですけれども、私ども考えれば、地方自治体にここまで財政力が出てきて、先ほどの大蔵省の答弁ではかなり余剰も出るくらいに地方財政が豊かになってきたんであれば、国と地方の事務のあり方についてもう一度再検討して不必要な中央官庁は整理統合すべきだと私は思うんです。なかなか難しいとは思うんですが、大蔵大臣の見解を伺います。
#60
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はちょうどその基本答申をいただきましたころ、党の行政改革の責任者をいたしておりました。そして、その答申が出そうだとなりましたとき、私のところに一番最初に大挙して押しかけて来られましたのは横路知事並びに社会党の北海道選出の議員団の方々でありました。北海道開発庁は何が何でも残せという大変強い御要請でありました。しかしそのとき、これは決して社会党のみなさんだけでなく、次々に各党同じような御意見を寄せられたわけであります。
 私は国土庁と沖縄開発庁、北海道開発庁というものが一つの役所にできる日が早く来ることを本当に願います。
 しかし同時に、この両地域が全く異質な問題を抱えており、そしてその答えを出すことを迫られているということは委員がよく御承知のとおりであります。気象条件においてもこの両地域における問題点は全く異質のものであります。産業構造の変化から出てくる問題もまた異質であります。さらに歴史的な流れの中における両地域の抱える問題が全く異質であることを考えますときに、国土行政に関連するという一点だけで今機械的に統合することが可能だとは実は私自身考えておりません。むしろ、それぞれの地域の抱える問題についてでき得る限り早く解決策を見出すことによって将来この三庁が一つの行政官庁としてスタートのできる状態になることを願うと同時に、それに向けての努力をしていかなければならない、そのように考えております。
#61
○村田誠醇君 時間が参りましたので最後に、地方自治を発展させるためにも自主的な財源と自主的な権限が裏打ちされてないとどうしてもできないことだと思うわけですが、そういう観点からすれば、補助金を多くするとかかさ上げする施策ではなく、自主的な財源を多くふやすというやり方をぜひとっていただきたいということを希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#62
○和田教美君 議題になっております国の補助金等の臨時特例法案に先立ちまして、当面する問題について二、三お尋ねしたいと思います。
 まず、円ドル問題でございますけれども、東京外国為替市場の円相場は、きょうの午前の終わり値が百三十八円三銭、一円七十八銭の円安ということでございました。これはドルがことし最高値をつけた今月の十一日の百三十八円七銭とほとんど並んでおるということで、円安ドル高が続いておるという状況でございますが、十一日には大蔵大臣は、余り愉快じゃないというふうな談話を出されたわけでございますけれども、今度の円安ドル高の理由について、アメリカ国内で景気回復が早いんじゃないかという期待感が強いとかそういうこともいろいろ言われておるわけです。
 ドル高の一つの理由として、総額五百四十億ドルに上る日本を含めた湾岸協力資金の大半が三月の末までに米国に支払われる、ところが戦争が非常に早く終わったためにアメリカの戦費の負担がゼロというふうに計算してもなおかつおつりがくる、百九十億ドルぐらい余るんじゃないかというふうな議会予算局長の見方もあるわけで、それがアメリカの財政赤字を縮小して経常赤字も削減する効果がある、また拠出された円やドル、ドイツ・マルクなどを米国がドルにかえるためにドル需要が強まるということも一因だというようなこともいろいろ言われております。
 しかし、円が急落するということは日本にとっては原油などの物価の高騰を招く原因にもなっておるわけでございますが、もし今言われているようなことが事実とすれば、国際貢献のために拠出した九十億ドルが日本にとっては円安の原因になっているという、非常に皮肉なことにもなっておるわけです。
 それはともかくといたしまして、こういう状態について大蔵大臣としてこの段階でどういうふうに対処されるのか、また現段階においてどの程度が適当な水準というふうにお考えになるのか、御見解を聞きたいと思います。
#63
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員からの御指摘でありますけれども、具体的な為替相場の水準というものにつきましては、市場への影響もありますのでコメントを差し控えさせていただきたいと存じます。
 しかし、今委員から御指摘がありましたように、市場におきまして米国景気の早期回復期待というものを背景としましたムード的なドル高センチメントが大変根強いということは御指摘のとおりでありまして、通貨当局といたしましてはこのようなドル高センチメントには警戒感を強く持っております。また、為替の相場というものが各国の経済のファンダメンタルズを反映したものになりますように、私どもとしても各国と協調しながら相場を安定させるための努力をしていかなければならないと考えております。
 また、各国からの例えばドイツの戦費支援あるいは日本の多国籍軍に対する資金協力というものが外貨に転換される際の影響という点についての御指摘をいただいたわけでありますが、これは当然のことながら十分な配慮がなされるものと考えておりますけれども、通貨当局といたしましても、市場の動向に十分注意を払いながら為替相場安定のための各国との協調体制を続けてまいりたい、そのように考えております。
#64
○和田教美君 次に、不動産向け融資の問題でございますけれども、大蔵省は不動産向け融資の総量規制をとりあえず平成三年度第一・四半期、六月まで継続するとともに、将来は融資の伸びに応じて機動的に総量規制を発動する方式に切りかえるというふうな報道がございます。
 つまり七月以降に今のような総量規制は一応解除するという場合でも、不動産向け融資の伸びが二カ月間連続して融資全体の伸びを三ポイント以上上回ったときにはまず金融機関に警告し、それにもかかわらず伸びが衰えない際には総量規制を発動する案が検討されておるというふうに報道をされております。こういうことは事実なのかどうかということと、それから、かなり不動産会社も金繰りに苦しんでおるというふうな状況でございますけれども、あえてこういう厳しい方針をとっている理由はどういうことなのか、その辺のところをお答え願いたいと思います。
#65
○政府委員(土田正顕君) いわゆる総量規制の通達の今後の取り扱いにつきましては、なお検討中というところでございます。
 ただいまの御指摘のとおり、昨年の三月から、それまでの土地関連融資に関する当局の規制措置にさらに一歩踏み込んだ措置を講ずる必要があると判断いたしまして、いわゆる総量規制を導入したものでございます。この結果、例えば全国銀行の不動産業向け貸出残高の前年比伸び率を見ますと、総量規制導入前の平成二年三月末では一五・三%でありましたものが昨年の十二月末には三・四%へと急速に低下しております。また、一部に地価下落の動きが報じられるようになるなど、総量規制の効果は着実に浸透しつつあるものと思われるわけでございます。私どもとしましては、現在なおこのような指導の効果を注意深く見守っているところでございまして、今後の取り扱いにつきましては、地価動向を初めといたしまして金融機関の融資動向とか金融経済情勢、土地政策全般の推進状況などを総合的に勘案しながら適時適切に対処してまいりたいと存じます。
 なお、委員から御指摘もございましたけれども、昨今、例えばいろいろな不動産会社の倒産についての報道もあるわけでございます。全般的に倒産の件数そのものにつきましてはさほどまだ激増しているという状況ではございませんが、大型倒産の中に占める不動産業者の割合というものはかなり高いように聞いております。しかし、これは例えば地価が鎮静化したり金利が上がったりすることによる資金繰りの悪化など、環境条件の変化もさることながら、いろいろ個別の報道なども見てまいりますと、個別企業の経営のあり方に原因が求められるところも多いというふうに思われる面もあるのでありまして、一概に総量規制の結果とは言えないのではないかと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもは昭和六十一年以来、内需拡大の見地から必要とされる土地取引への円滑な資金の供給は図りつつも、一方で投機的な土地取引に係る不適正な融資は厳に排除するように一貫して求めてきたわけでございまして、総量規制のもとにおきましてもこのような指導の趣旨は堅持しておるつもりでございます。
#66
○和田教美君 土地関連融資の抑制の問題と関連いたしまして、最近ノンバンクの融資規制、不動産に関連の融資の規制というものが非常に問題になっております。そして、ノンバンクによる土地関連融資は実質的に規制の対象外になっておるというふうな観点から、貸金業規制法を改正して規制を強めようという動きが政府・自民党の中にあ
る、そういう報道もございます。
 この間、二月八日ですか、大蔵省が公表したノンバンク二百社の貸付金実態調査でも、融資全体の四割に当たる二十二兆八千億円が不動産、建設業向け融資であったというふうになっておって、確かに多いわけでございます。ノンバンクは、大蔵省などの定義によりますと、預金を預からず融資をしている業者ということになっております。しかし、ノンバンクと一口に言っても、非常にいろいろ分野が多種多様でございます。また、不動産融資の問題、総量規制の問題で銀行が表向きは融資を締めなきゃいかぬ、しかしノンバンクを通じて不動産業者に流れておるというふうな実態もあるわけでございます。
 そういうことで、今後金融市場は自由化、国際化の要請がだんだん強くなっていくわけですけれども、この流れの中でノンバンクという金融サービスを一体どういうふうに位置づけておられるのか、またノンバンクを何か新しい法律で規制するということであれば自由化すなわち規制緩和の流れとどういうふうに調和させていくのか、その辺についての大蔵省の見解をお聞きしたいと思います。
#67
○政府委員(土田正顕君) ただいま委員から御指摘がございましたように、ノンバンクの貸し出しの実態につきまして上位二百社につきまして多少調査をいたしました結果、まさに御指摘のように、不動産、建設向けへの融資の割合が大きいというようなこともわかったわけでございますが、さらに全体といたしまして、このノンバンクの貸付金残高は昨年の三月末で約六十九兆円に達しております。これは年々急増してそのようになってまいったわけでございますが、この大きさは、全国銀行の貸出金、これが同時点で国内店だけで約四百二十四兆円でございますが、それの一六%強にも達する大きなものとなっているわけでございます。
 ノンバンクがこのように大きな存在となりまして資金仲介プロセスの重要な一翼を担うに至りました今日では、やはり金融全体の中での位置づけとして、ノンバンクが経営の健全性を維持しながら適正で円滑な資金仲介機能を果たしていくということは、信用機構全体の健全性、安定性の確保の見地からも重要なことと考えられるわけでございます。
 さらにもう一つ、土地融資関連で非常にノンバンクの活動が注目されてきておったわけでございますが、先般、一月二十五日の政府の閣議決定の総合土地政策推進要綱などにおきましても、「いわゆるノンバンクたる貸金業者の土地関連融資の実態を把握し、より実効ある指導を行えるような方策のあり方について検討する。」とされているところでございます。このようなノンバンクの位置づけ、ノンバンクの諸問題につきましては、現在、私どもの方でノンバンク研究会というような場もつくりましてノンバンクの実態や意義などについて検討を進めていただいているところでもございますし、私どもも検討を続けておりますが、そのようなものの結果を踏まえ、法的整備の適否も含めて、今後のノンバンクのあり方について検討いたしたいと存じます。
 なお、その際に、委員の御指摘のように、全体としては金融制度、金融行政は自由化、規制緩和の流れにあることはそのとおりでございまして、そのようなものといかに調和させるかということは、法的整備をするとしないとにかかわらず、私どもの方で十分さらに考えていかなければいけない問題であると思っております。
 また、現にノンバンクを貸金業者ということだけでとらえますとその数は三万七千もあるわけでございますが、今日のようないろいろな問題を生ずるに至りましたのは、その中の少数のものが非常に大きく発展してきたというようなところから注目を浴びてきたというところもあるわけでございますので、そのような顕著な活動をするノンバンクについて特に注目していってはどうかとも考えているわけでございますが、なお、今後いろいろ検討してまいりたいと存じます。
#68
○和田教美君 もう一つ金融の問題で、金融の自由化の動きに伴いまして金融機関の合併が相次いで行われております。都市銀行同士の合併では太陽神戸と三井、この四月一日には協和銀行と埼玉銀行の合併がいよいよ実施されますし、さらに今度は、東海銀行が東京の中堅信用金庫の三和信用金庫を救済合併することになったというふうに発表されております。
 大蔵大臣はこの東海銀行と三和信用金庫の合併について結構なことだというふうなことを述べたというふうに報道されておりますけれども、しかし、三和信金の場合には、過大な不動産融資や株の仕手戦で多額の負債を抱えた法人への過剰融資などで約二百億円に上る不良債権を抱えているというふうなことも言われておりまして、今回のような吸収合併型の救済についてどうも大蔵省主導型、護送船団方式の延長ではないかというふうな批判もある。確かに預金者保護という立場から見ると一行たりともつぶすわけにはいかぬという大蔵省の気持ちもわかるわけでございますけれども、それがどこまで続けられるのかどうかということが一つ。
 もう一つ、大型同士あるいは大型が小型を吸収合併するという形の合併がこのところ目につくわけですけれども、しかし、例えば信用金庫だとか信用組合だとかいう地域密着型の金融機関がそれぞれ合併するというケースは余り目につかない。しかし、本来ならばそういうところがもっと要するに力をつけるために合理化をして合併していく、そういうことでなければ、地域によっては本当に庶民や中小零細企業を親身に世話するそういう金融機関というものが手薄になるんではないかというふうなことも考えられるわけですが、大蔵省の基本的な指導方針はどういうふうになっておるのか、ひとつお答えを願いたいと思います。
#69
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず申し上げたいと思いますのは、東海銀行と三和信用金庫の合併につきまして、私どもは、金融自由化への対応力を高めるとともに地域金融の一層の充実をねらっておのおのが自主的な経営判断を行われたものと理解をいたしておりまして、これが救済合併だという認識は持っておらないことをまず申し上げたいと思います。
 私どもの立場からいたしますと、金融機関の健全性確保や信用秩序維持という観点から、中小金融機関の状況を見守りながら、自己資本の充実の促進、預金保険制度の整備など環境整備を今日までも図ってまいりました。
 そこで、金融機関の合併につきまして、私は金融機関がおのおの経営判断によって自主的に御判断をなさるべき問題だと考えておりますが、今後の金融自由化の進展や機械化などに対応するために、合併などにより経営基盤を強化し競争力を確保されるということが有効な手段の一つとなることは確かに考えられることでございます。しかし、今後経営環境が厳しくなるといたしましても、合併のみが経営路線となるということは私は決してあり得ないと思いますし、各金融機関がそれぞれの経営面の特色を生かしたサービスを提供し、経営基盤を強化していく方策もあると思われます。
 そうした中において、今委員が例示に挙げられましたような考え方をも含めまして、金融機関の合併、再編というものが今後どう進むかについては大変判断しがたいものがございます。しかし、いずれにしても、当局としては金融機関の経営判断による適切な合併というものにつきましては、地域における預金者の利便、資金の需給などに十分注意を払いながら円滑な実現に努力をしていきたい、そのように考えております。
#70
○和田教美君 時間がなくなりましたが、国の補助金等の臨時特例法案について一、二お尋ねいたします。
 国の補助金等の補助率等の暫定措置は昭和六十年度から六年を経過しておるわけですけれども、今回の法案でさらに三年延長されることになります。そうなりますと、通算九年間にわたって暫定措置がとられるということになるわけで、これで
は暫定措置の期間がいかにも長期間にわたるのではないかという感じがいたします。
 そこで、補助率を各事業法の本則どおりに戻して、そして補助事業量を減らせば予算額では同じだということも言えるわけなんですけれども、なぜあえてそういうやり方をとらずにこういう暫定措置を続けるというふうな方式をとっておるのか、その理由についてひとつ御説明願いたいと思います。
#71
○政府委員(小村武君) 今回も六十一年度ベースで補助率の引き下げの継続をお願いしているわけでございますが、これからの扱いにつきまして、今、事業量を減らせばいいじゃないかという御指摘もございますが、一つの選択としてあり得ないわけではございませんが、私どもとしては現下の経済情勢等を見まして、やはり補助率を六十一年度水準で継続を三年間お願いをしているわけでございます。
 三年間で九年にも及ぶではないか、後をどうするんだということでこざいますが、今後の取り扱いにつきましては、さらに関係省庁間で総合的な検討を行いまして、行革審の答申あるいはこれまでの経緯等を踏まえまして、暫定期間中に結論を得るよう関係省庁と相談をしてまいりたいと考えております。その際、経済情勢、財政事情あるいは各公共施設の整備状況等を勘案いたしまして、話し合いのつきましたものにつきましては可能なものから逐次実施に移したいというふうに考えております。
#72
○和田教美君 自治省にお聞きしたいんですけれども、そもそも補助負担金の問題は、単に率の問題ではなくて、国と地方の事務配分、地方団体の自主性などの観点から考えられるべきものだと私は考えます。現状においては地域経済の状況はさまざまであって、税源の偏在による地方団体間の財政力の格差にも大きいものがあります。こうした状況において各自治体の行政需要に十分こたえていくためには、地方財政調整制度を充実し地方の財源の拡大を図ることが必要であると思います。また、その前提として、府県の権限を国にかわって強化するためには国と地方の事務の再配分などを行った上で補助金等の整理合理化を図るべきだというふうにも思われるわけですけれども、その点について自治省はどうお考えですか。
#73
○政府委員(遠藤安彦君) 御指摘のように、地方団体が自主性、自律性を発揮できるようにするためには、地方行財政基盤を充実強化するということが必要であろうというように認識いたしております。
 そういった観点からは、ただいま御指摘がありましたように、国と地方との事務配分の見直しをする、あるいは国庫補助金の整理合理化に努める必要があるというように考えている次第であります。基本的には、まず住民に身近な事務を住民に身近なところで処理するという観点から国から地方へ権限移譲を積極的に進めていくことが必要でありますし、これに合わせて財政、特に地方交付税等の充実強化を含めて適切な国と地方との間の財源配分を行う必要があるというように思っております。
 御指摘の交付税制度の運用の問題でございますが、自治省といたしましても、この交付税制度を通じまして財源の均てん化に努め、今後とも地方団体が住民生活に直結いたしました社会資本の整備や地域住民の福祉の向上を積極的に展開し得るようにしたい、そのための地方一般財源の充実強化にも努めてまいりたいというように考えております。
#74
○近藤忠孝君 この法案には賛成であります。従来の削減一辺倒とは異なって、八四年度基準と比べて九一年度五千二百三十七億円となる削減額のうち一千三十七億円、約二割弱を復元する措置が中心となっているからであります。しかし、手放しで賛成するわけではないということも申し上げておきます。しかし、理由は時間がないんで省略いたします。
 まず最初に、補助金の削減が現場にどういう影響をもたらすのかということで、厚生省に質問をいたします。
 福祉施設の運営費、これは補助金カットの影響があらわれていると思うんですが、そこで身体障害者更生援護施設、老人福祉施設、児童入所施設、保育所、精神薄弱者援護施設、この五つの福祉施設の運営費で実際の臨調行革の初年度八一年度と九〇年度を比較してみますと、これは予算委員会に提出された資料でありますが、総事業費が八一年度一兆二千二百五十八億円、九〇年度は一兆八千七百九十三億円で、六千五百三十五億円ふえています。しかし、その内訳を見てみますと、国庫負担分の割合が八一年度は五六・九%、それが九〇年度三六・〇%です。二〇・九%の大幅ダウンです。金額にして三百十四億円強。しかし、これは単純計算で三百十四億なんで、八一年度と同じ構成比でいったとなれば四千七百二十七億円も減になる、こういう計算になります。
 逆に、地方自治体の負担分が、構成比で見ますと、八一年度から九〇年度に対して二一・八%、額で約五千億円ふえています。それから住民負担も、ほぼ同じ割合、額にして一千八百四十八億円の負担増になります。
 ですから、国庫負担が大幅に減った分だけ地方自治体と住民の負担がふえて、いわばそれで穴埋めをしたということがくっきりと出ているわけですね。こういったところに補助金削減の深刻な影響が出ていると思うんですが、その影響は実際どうなのか、厚生省にお答えいただきたいと思います。
#75
○説明員(松本省藏君) 御説明を申し上げます。
 社会福祉施設への措置費に関する補助率の問題でございますが、昭和六十年の十二月に補助金問題検討会というところから報告が出ました。それで、社会福祉施設への入所の措置事務はできるだけ住民に身近なところで行われるべきだということで、従来は国の機関委任事務だったわけでございますが、これを地方公共団体の団体事務に変えるという改正を行い、そしてまた施設の運営あるいは設備面についての最低基準についても簡素合理化を図りまして、地方公共団体の自主性に基づいた行政に改めていくということに合わせまして国庫補助率を二分の一にするということが適当だということになったわけでございます。
 それを踏まえまして、六十一年から六十三年度までの三年間、国庫補助率を二分の一にする、その暫定期間中に今申しましたような各種の措置をとってまいったわけでございますが、さらにこのような事情を踏まえまして改めて関係省庁間で平成元年度予算に向けて検討を進めました。国と地方との機能分担あるいは費用負担のあり方あるいは財政状況等を総合的に勘案しながら種々検討したわけでございますが、最終的に平成元年度以降は国庫補助率二分の一で恒久化をするということで制度改正を行ったところでございます。したがって、国と地方との負担割合の変更ということを事務の性格を改めることに合わせまして行ったということでございます。御理解をいただきたいと思います。
#76
○近藤忠孝君 制度の変更ということで答弁されましたけれども、これはやっぱり現場では大変な影響が出ておると思います。
 それから次に、厚生省と大蔵大臣に国保財政について質問いたします。
 八一年度三兆九千三百十四億円、八九年度は五兆九千四百五十一億円、この間二兆百三十八億円増加しています。このうち国庫支出金で見てみますと額で七百十九億円ふえていますが、全体の構成比で見てみますと八一年度五八・八%から八九年度三九・六%、これも大幅に一八・四%比重が低下しています。一般会計繰入金は一・八%ふえましたが、しかし住民からの国保料徴収、これは八一年度一兆三千百億円、構成比三三・三%、それが八九年度は二兆三千二百九十四億円、構成比三九・二%、率では五・九%ですが金額としては一兆百九十四億円の増加になります。
 ですから、国保財政の増加は、国庫支出金などが比重を著しく下げる一方で、その大半が住民からの保険料の徴収増となっておるわけでありま
す。もし八一年度の国庫支出金構成比五八・〇%のまま来たと仮定しますと、八九年度は三兆四千四百八十二億円となって、実際一兆九百四十四億円も減額されたことになります。国保料引き上げによる住民負担の増加とほぼ同じ額なんですね。
 我々地方へ行きますと、大体どこの自治体でも国保料が高いと言うんです。これは率直に出てくる住民の声なんです。結局、国庫支出の減った分が住民負担になっていますからね。だから私は、これはひとつ厚生省は国庫支出金増額ということを考えるべきではないのか、財政を押さえている方の大蔵大臣もこれは何とかすべきじゃないのかと思うんですが、それぞれお答えいただきたいと思います。
#77
○説明員(辻哲夫君) 国民健康保険制度のお尋ねにつきましてお答えいたします。
 国民保険制度の今のお話の前提といたしまして、実は人口構成が非常に高齢化いたしておりまして、老人加入割合で申しますと、七十歳以上が老人保健法の対象でございますけれども、例えば政管健保と比較いたしまして、政管健保が四・六%でございますが、これに対しまして国保は一五・五%。あるいは七十歳以上を除きましても政管が三十二・四歳に対して国保が三十九・六歳。要するに高齢化の影響が国保に行っているわけでございますが、実はこのような状況に対して恒久的な負担のあり方を確立しなければならないということで、五十七年の老人保健制度の改正、そういうものを通しましていわば高齢化に対応する負担のあり方という道への改革を行ってまいりました。
 例えば、今年度におきましては、老人保健法で加入者按分率一〇〇%ということでいわば全制度から公平に負担をいただく、こんな改正をした結果、被用者保険からの拠出金等の増によりまして国庫支出金がむしろ減っている、こういう形でございまして、保険料負担をふやすというような考え方でやっているわけではありません。
 それから、昨年六月に国民健康保険法の改正を行いまして、これは低所得者が多いという国民健康保険法の実態に応じて基盤安定制度、その部分に着目いたしまして公費を導入するという改正を行っておりますが、これに伴いまして国庫負担金もふやさせていただいております。
 このような観点から、私ども国庫負担につきましてはこれまで十分の努力を行ってきておると考えております。
#78
○国務大臣(橋本龍太郎君) 長々しゃべってもいいですか。
#79
○近藤忠孝君 いや、簡単に。もう一問聞かなきゃいけないので。
#80
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本当は五十七年度に創設されました老人保健制度のもとにおける老人医療費の共同負担の仕組みからきっちり御答弁をさせていただきたいところでありますが、長く答弁をしてはいかぬということでありますから簡潔にお答えをさせていただきます。
 私どもとしては、一連の制度改正を通じて財政の安定化が図られてまいった国民健康保険、しかしその国民健康保険も社会保険制度であります以上、保険料を主たる財源とすべきでありまして、国庫負担の割合は給付費の二分の一が限度と考えられるというところから、これ以上の増額は考えておりません。
#81
○近藤忠孝君 ただ、実際上は国保財政は八七年以降三年間、一千億円を超す黒字になっておるというこの事実、それからこれは意見として申しますけれども、国保料引き上げはやめるべきだし、また減免措置などの充実をすべきだという、これは意見として申しておきます。
 最後に、一分で質問し答弁もお願いをしようかと思っていますが、補助金カットの影響が大変大きい。もうこの補助金カット総額が七兆円を超えますよね。金額はもうやめますが、しかし、その分がこの補助率の削減を補てんするために建設地方債の発行、これは累積額もほぼ同じ額に匹敵すると思うのですね。さらにもっと累積額が続いていくと一体これはどうするのか大問題だと思いますが、残っている一分の間でお答えいただきたいと思います。
#82
○政府委員(遠藤安彦君) 御指摘のとおり、これまでの補助金のカットに対しましてその大部分は建設地方債を充当するという方法をとってきたわけでございまして、先生は数字をおっしゃいませんでしたが、総額では六兆二千億ほどになろうかと思います。そのうち投資的経費に関連する主なものは臨時財政特例債でございまして、これまでの累積が四兆円ございます。これをどうするかという問題であります。
 一つは、個々の地方団体でこれを発行いたしておりますので、個別の地方団体に対してどうするかという問題があります。個別の地方団体に対しましては、それぞれの臨時財政特例債の元利償還金につきまして一〇〇%これを交付税の基準財政需要額に算入するということで、当該団体の財政運営に支障なからしめるように措置するということでございます。
 もう一つは、地方財政全体としてこの臨時財政特例債の元利償還金に対してどのような財源手当てがあるのかという問題になろうかと思いますが、この点につきましては、国庫当局から一定の元利償還金に見合った交付税の繰り入れがあるということでございます。具体的に申し上げますと、直轄事業に係ります元利償還金についてはその九〇%を交付税に上乗せする、それから補助事業につきましては六十二年度カット分については九〇%、六十一年度カット分につきましてはその五〇%の国からの財源補てんがあるということでございまして、そういったものを組み合わせまして個別の団体に一〇〇%交付税による措置を講ずるということで、地方財政の運営に支障がないように措置してまいりたい、このように思っております。
#83
○三治重信君 この国の補助金等の臨時特例に関する法律案については、民社党は賛成をいたします。
 そこで、この補助金のカットはやはり国の財政の不如意から出てきている問題だと思うのですが、そして補助金をカットしたのが、大蔵省の資料によると六十年度は五千五百億円、六十一年度は五千二百億円、それで今回の改正で見込みで千六百億円程度回復をする、こういうふうに説明を受けているわけなんですが、国が削減した費用については、地方財政にしわが寄ったというか、地方に事業費の捻出を全部任せたのか、国が地方債なり交付税の中でのやりとりをやったのか、その点をちょっと御説明願います。
#84
○政府委員(遠藤安彦君) 六十年以降の補助金削減額に対してどのような措置を講じたかという御質問と存じます。
 六十年度以降の国庫補助負担率の暫定的な引き下げ措置に対します地方財政への影響額につきましてはトータルで七兆三千億円ほどになっておりまして、このうち地方交付税の特例で加算をいただいたのが七千六百億、それから地方税の税率の特例、これはたばこ消費税でございますが、この分が三千六百億円、いわゆる一般財源は大体一兆一千億ほどになるわけでございます。
 その余の六兆二千億が建設地方債でございまして、この建設地方債では、種類といたしましては二つに分かれますが、投資的経費のカット分に各地方団体が発行いたします臨時財政特例債、これが四兆一千億、それから経常経費のカット分に関連いたしまして、またもう一つは事業量確保のために補助率のカット分を事業量確保の補助金に使用した分に係る地方負担の増、これに充当するために発行されたものが調整債と言われるものでありますが、これが約二兆一千億ということになっております。
 地方交付税は一般財源でございますが、建設地方債につきましては臨時財政特例債についてはその一〇〇%を基準財政需要額に算入する、調整債につきましても平均すると大体九〇%程度になろうかと思いますが基準財政需要額に算入するということで、各地方団体の財政運営には支障がないように措置をいたすということでございます。
 また、臨時財政特例債につきましては、国から元利償還金につきまして一定の財源補てんがあるという形で地方の財政に対する補てんがあるという制度になっておるわけでございます。
#85
○三治重信君 今の自治省の説明だと、ほとんど全額補充されるんだと、結局大蔵省が補助率を下げてもそれは一時的で、また後から全部もとへ戻すんだというふうな理解でいいんですか。
#86
○政府委員(小村武君) 具体的にはただいま遠藤審議官からお答えがあったとおりでございます。
 これまでの補助率のカット分につきましては、経常的な経費につきましては地方税の措置、例えば地方たばこ消費税の引き上げ等により、あるいは地方交付税の加算、建設地方債の増発措置等によって講じてまいりました。また、投資的経費につきましては、建設地方債の増発措置、臨時財政特例債と調整債ということになりますが、こうしたものによって措置を講じてきました。その後の臨時財政特例債等についての元利償還でございますが、これは基準財政需要額に算定をして、その一定割合を後日その償還の段階におきまして国から交付税特別会計に繰り入れるということでございます。
 基本的には地方財政の運営に支障のないように配意しているという趣旨でございます。
#87
○三治重信君 回り回ってつじつまを合わせようということのようで、どうも何かキツネにつままれたような説明のような気がしますが、とにかく余り支障を来さないような措置をやっているということですね。
 それで、この間、日米協議でまた、公共事業の投資十カ年計画で四百三十兆円の公共投資をやるという計画をされておるんですが、これの国と地方との負担割合または財源のやりくりについてはその後計画がある程度固まってくるんですか、あるいはいつごろまでに大体固めようとしておられるのか。これは経済企画庁にやってもらうようにということで話をしておいたんですが。
#88
○説明員(森末暢博君) お答えいたします。
 ただいまお話のございました公共投資基本計画につきましては、今後の公共投資を実施するに際しましての枠組み及び基本方向をお示しするものでございまして、具体的に今お話のございましたような国と地方公共団体の負担割合ということを具体的に定めてはございませんけれども、ただ、本計画の運用につきましては、その中におきまして、各時点での経済財政情勢を踏まえまして機動的、弾力的に実施していくこととしてございまして、国や地方等におきます公共投資の具体的な実施に当たりましては、そのときどきの情勢に応じ公共投資基本計画を踏まえまして、各種公共事業関係の長期計画でありますとか、各年度の予算や地方財政計画等におきまして適切に対応を図ることとしているところでございます。
#89
○三治重信君 結局、そうすると、中身の区別のおおよその枠組みもない、今の公共事業の国と地方との割合と余り違わぬ線でいく、特別に検討をして公共事業の施行を確保するとかいうような新しい方策はない、ただ四百三十兆円という大枠を決めたにすぎない、こういうふうに理解していいですか。今やっている公共事業のものとそう変わらないんだということですか。
#90
○政府委員(小村武君) 四百三十兆円の達成のためには地方公共団体にも多大な御尽力をお願いしなければならないということで、この計画におきましても「地方公共団体が地域に密接に関連する社会資本整備に自主的に取り組み、その役割を果たしていくことが一層期待される。」というところからも御推察を願いたいと思います。ただ、この計画におきましては、国、地方あるいはその他の機関につきまして具体的にその割合がどうだというようなことは決められていないということでございます。
#91
○三治重信君 この補助率の変更は、大蔵省が財政の苦しいことからこういうふうにだんだん下げて、また財政が少し緩やかになったから直すということのようなんですけれども、しかし、臨調や行政改革推進審議会なんかの答申を見ると、六十一年度や平成元年度においても国と地方が等しく分かち合うものは基本を二分の一にして、少し地方が余計持つものが三分の一、国が地方より余計持つものは三分の二というふうに整理をしたらいいだろうということが二度にわたって答申をされているわけなんですが、この二カ年やって、その後は、審議会なりのそういう一つの統一的な補助率に調整をしていくような努力なりなんなりをするつもりなんですか、どうですか。
#92
○政府委員(小村武君) 平成元年十二月二十日の行革審答申に御指摘のようなことが書かれております。今回のこの見直しに当たりましても、これからの課題といたしましては、この「国と地方の関係等に関する答申」に基づきまして、体系化あるいは簡素化等の観点を含めて総合的に見直しを推進していきたいと考えております。
 この取り扱いにつきましては、関係省庁と十分相談の上、できるものから結論を得てその実施に移していきたいと考えております。
#93
○下村泰君 私は、今年度からスタートしたいわゆるゴールドプラン、高齢者保健福祉推進十カ年戦略に関連して、補助金、地方財政、施設整備について伺います。
 まず、昨年福祉関連の八法が改正されまして、福祉行政の多くの権限が市町村に移譲されました。その審議の際も論議されたんですが、権限移譲に伴う財政措置の問題について厚生省の社会局長が社労委員会でも答えていらっしゃるんですが、「いわば国が直接負担します部分につきましての予算措置をするわけでございますが、地方財政全体といたしましては、関係省庁と十分御相談をいたしまして、」、こういうふうにおっしゃっているんです。平成五年度までまだ二年あるわけですが、関係する大蔵、自治、厚生の各省にそれぞれこの問題についての基本的な考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#94
○政府委員(小村武君) 御指摘の点は、平成二年の老人福祉法等の一部改正によります、住民に最も身近な市町村において在宅福祉サービスあるいは施設サービスを一元的に行うということであろうかと思います。この実施は平成五年度からでございますが、いわば事務を都道府県から市町村にこういった措置権限を移していこうということでございまして、この法律の円滑な実施については国としても御協力を申し上げたいと考えております。
 具体的な中身についてはまだこれからの話でございますので、特段の具体的な懸案事項というのは今まだ私どものところには来ていないということでございます。
#95
○政府委員(遠藤安彦君) 地方財政の立場からお答えを申し上げます。
 昨年度改正されましたことに基づきまして、平成五年度から養護老人ホーム等への入所措置権限が都道府県から町村に移譲されることになるわけでありますが、これらに要します財政負担につきましては、国庫補助負担金を確保するとともに、所要一般財源につきましても地方財政計画上適切に確保し、地方交付税により財源措置を講じてまいり、市町村の事業実施に支障が生じないように対処してまいりたいと思っております。
#96
○説明員(亀田克彦君) 福祉八法の改正によります町村への権限移譲に伴う財政措置でございますが、町村が新たに負担することになります措置費の四分の一、こういうものも含めまして地方交付税上の手当てがなされますように関係省庁に要望をいたしているところでございます。なお、町村への権限移譲が行われるのは平成五年でございますけれども、それまでにつきましても、そのための準備がございますので、今後とも関係省庁と十分協議をしてまいりたい、かように考えております。
#97
○下村泰君 橋本大蔵大臣にこんなことを申し上げると釈迦に説法みたいになりますけれども、福祉というのは地域によって福祉ニーズが違ってくると思います。また、違っていると思います。今年度の地方財政計画の中で老人福祉費一つをとってみましても、単独事業の比率が大変高いわけで
す。これは地方自治の姿として私はいいことだと思います。しかし、自治体によっては財政的に余裕のないところもあるわけで、こういうところを救うために地方交付税というのがあるわけなんですけれども、来年度は地域福祉基金の創設を盛り込んでいます。社会福祉費の基準財政需要額、これが決して十分ではないと思います。
 おもしろいのは、自治省がこの基準額の出し方について、十五年前はたしか十万人を対象にした場合、福祉事務所に二十二人の人間を置いたのにもかかわらず、今度は一人少なくなっているんですね。これから、言わずと福祉の内容というのはもう多種多様をきわめてまいりましょうし、それから窓口もどんどん広がっていくように思うんです。そうしますと、十五年前は二十二人を基準にしていたものが今度は一人減る、こういう大変おかしな結果が出ているように思います。
 この問題は自治省に聞くことかもしれませんけれども、きょうはあえて厚生省にその辺の感想で結構ですからお考えを伺いたいんです。立場上お答えいただくのは難しいとは思いますけれども、率直なところを聞かせていただきたいと思います。
#98
○説明員(亀田克彦君) 社会福祉を推進するための経費の地方交付税の算定についてでございますが、厚生省としても適宜関係省庁に要望を行いまして、毎年度必要な見直しが行われているところでございます。そういうことで、現時点においては一応必要な財源確保がなされているのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
 なお、先ほど先生からもお話しございましたけれども、平成三年度につきましては、地方公共団体が地域の創意と工夫を生かしつつ地域の実情に応じた高齢者保健施策の展開を図るため、高齢者保健施設推進特別事業という事業が交付税に盛り込まれているところでございます。そういうことで、今後とも社会福祉を推進するため必要な財源の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
 なお、先ほど福祉事務所の職員の算定が少し減ったというようなお話がございましたけれども、最近生活保護の被保護者数がかなり減ってきておりまして、そういうものを反映させた措置ではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#99
○下村泰君 次は地域福祉、在宅福祉についてちょっと伺いますが、これはまさに地方公共団体の仕事だと思います。しかし、それに伴う財源確保がなかなか難しいというところも多いのが現実であります。それをどうやって支えていくか、交付税のあり方、補助金のあり方をここでしっかり考えていきたいと私は思います。
 国、地方、それぞれに政策目標もあり、一概に論じるわけにはまいりませんが、平成元年十二月に出た臨時行革審の「国と地方の関係等に関する答申」でも言われています「補助金等の統合・メニュー化」、これは在宅福祉関係の補助金のあり方に一つのヒントを与えると思うんですが、ホームヘルパー事業は既に一〇〇%にかなり近くなっている一方、デイサービスとかショートステイ、これはこれからです。それぞれの事業一つをとっても、それのあり方、方法、内容に地域性があると思います。一方で、地方の単独事業が実に多種多様にわたっております。あんま・マッサージサービス、入浴券、おむつの支給、理髪サービス、布団の乾燥消毒などはほんの一例ですけれども、こうしたきめ細かい事業を支え育てる財政のあり方を考えてはどうかと思うんです。
 こう言うと幾つかの基金の名を挙げられますけれども、その趣旨、額ともに私の考えるものとは大分違います。厚生省はどういうふうに考えてますか。そして大蔵大臣はいかがでしょうか。
#100
○説明員(中村秀一君) お答えいたします。
 高齢者の在宅福祉の進め方についてのお尋ねであると思いますが、在宅の老人福祉対策といたしましては、国庫補助事業で行っているものがございます。今お話に出ましたホームヘルパー、デイサービス、ショートステイ、あるいは車いすなどを貸与いたします日常生活用具の給付等事業などがございます。これらの事業につきましては、いずれも在宅の寝たきりや痴呆性の老人などの要介護老人に対する福祉サービスとしては基本的なものであり、まさに根幹をなすものである、こういうふうに考えております。
 したがいまして、これらの事業につきましては老人福祉法でも法律上の事業として位置づけられているところであり、全国の市町村で基礎的に実施していただくべき事業と考えておりますので、今お話に出ましたようないわゆるメニュー化などにはなじまないものと考えておりまして、国といたしましても国が支援する事業として支援させていただきたいと思っております。
 他方、先生から御指摘がありましたように、老人福祉対策、特に在宅福祉対策は地域対策でございますので、地域の実情に応じたきめ細かい対策の推進というのも必要になってくると思います。
 昨年六月に改正さしていただきました老人福祉法の中におきましても、在宅福祉につきましては、市町村が国の補助事業とあわせて地域の実情に応じましたきめ細かな措置を講ずることによって、日常生活を営むのに支障が生じたお年寄りに対しても在宅で引き続き暮らし続けられるように積極的に支援に努めなければならないというふうに規定されておりまして、まさに在宅福祉が地域の実情に合った福祉として進められる必要があると思います。こういうようなものにつきましては、地域の実情を踏まえて独自の施策として進めていただくことが適当であると考えておりまして、地方交付税上もいわゆる地方単独事業分の所要額が算定されているものと、こういうふうに私どもは理解をさせていただいております。
 なお、平成三年度の予算におきましては、先ほど先生からもお話がございました地域福祉基金の設置に要する費用が地方交付税上算入されまして、地域の実情に応じまして民間団体等が行う在宅の保健サービス等に対しても助成ができる、こういうふうになっていると承知しておりますので、これらの措置と、いわゆる地方の単独事業、それから国の補助事業、これが相まちまして、まだ日本では立ちおくれていると言われております在宅福祉サービスが今後積極的に進められるものと、こういうふうに考えております。
#101
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今厚生省の方からお答えがありましたけれども、例えば私は障害者社会参加事業のようにメニュー化に非常に向いた仕事というものが福祉の関係には一つ存在すると思います。同時に、例えばホームヘルパー派遣事業でありますとかいわば在宅福祉サービスとしての基礎をなす基本的なもの、こういうものはメニュー化にふさわしくないもの、そう思います。ですから、これから先も個々のその施策の性格をよくつかみながら必要に応じた対応をしていく努力が欠かせない、そのように思います。
#102
○下村泰君 委員長、もう一問なんですが、よろしいでしょうか。
#103
○委員長(大河原太一郎君) 簡潔に願います。
#104
○下村泰君 これはぜひとも大臣にひとつお答え願いたい問題なので、恐れ入りますがもう一つお願いいたします。
 施設整備について伺いたいんですが、昨年行われた総理府の「社会資本の整備に関する世論調査」というのがございます。これは新聞の記事にも出ておりますけれども、身近な問題として望んでいるのが道路、下水道、それから国全体として整備を望むものが福祉厚生・医療関係施設(老人ホーム・病院)、こういうものがあります。
 それで、来年度、公共投資で生活関連重点化枠を設け、社会福祉施設整備三十六億、老人保健施設整備四億四千五百万が配分されたんですけれども、四年度以降もこれは続けられるんでしょうか、それとも三年度でおしまいなんでしょうか。厚生問題に関しましては現大蔵大臣は大変詳しいはずの方で、私以上に精通されていらっしゃる方でもありますし、殊にこの公共投資を進めていく上では障害者、高齢者に対するきめ細かい注意を
ひとつ必ず払っていただきたい、こう思いますので、どういうふうになりましょうかお伺いいたします。
#105
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員の御指摘のお気持ちはよく理解をしておるつもりであります。ただ、今、平成三年度予算を御審議いただいておるさなかでありますが、この平成三年度予算が成立いたしました後に、平成四年度の概算要求基準をどのようにするか、そしてその中において生活関連重点化枠を三年度と同じような考え方で設けるのが適当かどうか、適当だとするなら金額的にあのままでいいかもう少し大きくとるか、その辺については考えたいと思っております。今この問題にまだ結論を出しておりません。ただ、委員から御注意を喚起されたものと受けとめて、今後も脳裏に刻み込んでおきたいと思います。
#106
○下村泰君 ありがとうございました。
#107
○委員長(大河原太一郎君) 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ─────────────
#108
○委員長(大河原太一郎君) 次に、欧州復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題とし、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。橋本大蔵大臣。
#109
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました三案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、欧州復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 この法律案は、別途本国会において御承認をお願い申し上げております欧州復興開発銀行を設立する協定に基づき、我が国が同銀行に加盟するために必要な措置を講ずることを目的とするものであります。
 欧州復興開発銀行は、民主化・自由化を目指した改革が進められている東欧諸国を支援するため、これら諸国における市場経済への移行及び民間部門の経済活動を促進することを目的として設立されることとなっております。政府といたしましては、我が国が同銀行に加盟し東欧諸国の改革を支援することは、これら諸国の経済発展を促進するとともに我が国と同地域との経済関係を緊密にするものであると考え、欧米主要国とともに同銀行に加盟することを決意した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、政府は同銀行に対し、加盟に伴う当初出資として約千四百四十八億円の範囲内において本邦通貨により出資することができることとするほか、予算で定める金額の範囲内において本邦通貨により追加出資し、また同銀行の特別基金に充てるため拠出することができることといたしております。
 第二に、同銀行への出資及び拠出は国債の交付によることが認められておりますので、国債の発行権限を政府に付与するとともに、その発行条件、償還等に関して必要な事項を定めることといたしております。
 第三に、同銀行が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所としての業務は、日本銀行が行うことといたしております。
 次に、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 政府は、最近における内外の経済情勢の変化に対応し、我が国の市場の一層の開放を図る等の見地から、特恵関税制度、関税率等について所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、特恵関税制度の改正であります。
 平成三年三月末に適用期限の到来する特恵関税制度について、さらにその適用期限を十年延長するとともに、特定の鉱工業産品等に係る適用限度額等の算定の基礎となる基準年次の変更及び適用限度額等の拡大を行うことといたしております。
 第二は、関税率等の改正であります。
 オキサミド等の関税率を撤廃するほか、平成三年三月末に適用期限の到来する暫定関税率及び関税の免税還付制度について、これらの適用期限を延長する等、所要の改正を行うことといたしております。
 以上のほか、商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約の改正に伴い、関税率表の品目分類につき所要の調整を行うことといたしております。
 最後に、航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 政府は、海上運送貨物に係る税関手続の迅速かつ的確な処理を図るため、航空運送貨物に加え、海上運送貨物についても電子情報処理組織を使用して処理することができるようにするなど、所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、法律の題名を電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律に改めることといたしております。
 第二に、電子情報処理組織により処理される税関手続に、海上運送貨物に係る税関手続を含めるための所要の改正を行うこととしております。
 第三に、航空貨物通関情報処理センターの名称を通関情報処理センターに改めるとともに、同センターの業務に海上運送貨物に係る電算処理業務を含める等、所要の改正を行うこととしております。
 以上が欧州復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#110
○委員長(大河原太一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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