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#1
第120回国会 大蔵委員会 第11号
平成三年四月二十四日(水曜日)
   午後三時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     下条進一郎君     真島 一男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        大河原太一郎君
    理 事
                梶原  清君
                倉田 寛之君
                鈴木 和美君
                本岡 昭次君
                峯山 昭範君
    委 員
                石川  弘君
                大島 慶久君
                斎藤栄三郎君
                中村 太郎君
                野末 陳平君
                藤田 雄山君
                真島 一男君
                宮崎 秀樹君
                吉川 芳男君
                赤桐  操君
                稲村 稔夫君
                久保  亘君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                和田 教美君
                近藤 忠孝君
                古川太三郎君
                三治 重信君
                下村  泰君
    国務大臣
        内閣総理大臣  海部 俊樹君
        大蔵大臣    橋本龍太郎君
    政府委員
        内閣法制局第一
        部長      大森 政輔君
        内閣法制局第三
        部長      津野  修君
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁経理局長 村田 直昭君
        国土庁土地局次
        長
        兼内閣審議官  鎭西 迪雄君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   渡辺  允君
        大蔵政務次官  上杉 光弘君
        大蔵省主計局次
        長       藤井  威君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        部長      黒野 匡彦君
        建設大臣官房審
        議官      内藤  勲君
        建設省住宅局長 立石  真君
        自治大臣官房審
        議官
        兼内閣審議官  谷口 恒夫君
        自治省行政局長 浅野大三郎君
    事務局側
        常任委員会専門
        員       下村 純典君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地価税法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、下条進一郎君が委員を辞任され、その補欠として真島一男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大河原太一郎君) 地価税法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○久保亘君 せっかく海部首相が御出席でございますから、本題に先立って少しお尋ねしたいことがございます。
 ペルシャ湾への掃海艇の派遣についてでありますが、このことについて、どこからか要請を受けて派遣をされるのであるか、日本政府の独自の判断に基づくものであるか、いかがでございますか。
#5
○国務大臣(海部俊樹君) どこかからの要請を受けたということではなくて、日本政府の独自の判断によって派遣をしよう、こういうものでございます。
#6
○久保亘君 日本政府が独自に判断をされるという場合にはなおさら現行法との関係というものは明確でなければならないと思うのであります。これまで海部首相も、昨年八月の二十九日に、自衛隊は出さないということを明言されておりますが、法律の解釈を変えたり解釈を拡大したりすることが行政府の権限で一方的に可能であるかどうか、このことについて私は大変疑問を持つのであますが、本日、閣議決定をなさるということを伺っておりますので、この点について行政府の長としての御見解を承っておきたいと思います。
#7
○国務大臣(海部俊樹君) 今回派遣を決定いたしますその根拠と申しますか、状況判断をいたしました第一の理由は、湾岸の平和回復のために積極的に貢献をしていかなければならないという基本に立って、日本時間の四月の十二日に国連で正式停戦が成立しました。したがって、あの地域においては紛争状態、戦争状態というものは名実ともに終わりを告げた。同時に、イラク側によって千個を超える、あるいは千二百個とも言われる機雷が敷設されておって船舶の安全航行にとって極めて危険な要素が大きい。現在でもイラク、クウェートに向かっては危険水域が指定されておって日本の船舶もまだそこまでは到達できない。
 そういうような状況を踏まえて、あの地域は日本の国並びに国民生活にとって必要不可欠な原油の輸送経路でもありますし、また世界にとってもそれぞれ非常に重要な航路であり、そういったところの航行の安全を確保するということは、これは平和時になっておれば言うまでもないことでありますが、軍事的な行動でもありませんし、いわんや武力による威嚇でもありませんし、そして、自衛隊法の九十九条には公海における機雷の除去、処分ということがその権限として認められておるわけであります。
 したがって、これは日本として国際社会に対する一つの積極的な貢献でもあるし、もちろん最初に申し上げたように国と国民生活にとって必要不可欠な原油の輸送航路でありますから、この自衛隊法の九十九条の権限というものに従ってできるものである、できることはやるべきである、こう判断をしたものであります。
#8
○久保亘君 今、現行法との関係において法的な根拠が明示されるかどうかということを私は伺ったのでありますけれども、あなたの言われることは理解できる点もあります。しかし私は、自衛隊は武力であると思います。自衛隊は仮にこれを認るとしても、専守防衛ということが従来の我が国の方針として示されてきたはずであります。
 自衛隊が海外に派遣されるということは今までの国の方針を変えることになるわけでありまして、それを一方的に政府が法の解釈を拡大をして、そしてその派遣を一片の政府声明によって国民に説明をして実行するということについては、日本の将来のかかわり方について大変大きな問題があると思うのであります。アジア諸国の中にも既に海外派兵の第一陣としてこのことに対して危惧の念を表明している国もあります。
 そういう中で、この掃海艇のペルシャ湾派遣が海外派兵への道を開くことは絶対にない、そして現行法上何ら矛盾をもたらさないということについて、確信のある御見解をいただけますか。
#9
○国務大臣(海部俊樹君) 自衛隊は専守防衛であるという点についてはそのとおりであります。その本来の任務というものが第三条に示されておることも私はそのとおりと考えます。しかし、第八章にいろいろなことが書いてありまして、例えば専守防衛という考え方からいくとちょっと別の任務になるわけですけれども、土木工事の受託とか南極観測の支援とか国際的な運動競技の支援とか、いろいろなことで自衛隊が動く権限も与えられております。その第八章の中に、九十九条設けて、海上における機雷その他の爆発物の除去並びに処理を行うという権限も与えてあるわけであります。
 したがいまして、そういったことからいけば、憲法が禁止しているのは、あくまで、国権の発動たる戦争と武力による威嚇または武力の行使を伴う目的をもって他国へ行くことでありますから、それとこれとは明確にきちっと区別できる問題であると私は考えますし、この九十九条において機雷の除去及びこの処分はできるものである、こう考えます。
#10
○久保亘君 これまで自衛隊の国外派遣については、新しい問題と対面させられたときには法律を改正して行われてきたという経過もあります。南極への派遣もそうです。
 この問題だけが一方的に解釈を拡大して行政府の権限でやられるということについては、今後これが拡大をしていくのではないかということについて大変危惧の念が大きいわけです。ましてこの法律の問題について疑義を感ずる人たちが多い場合、このことに対しては国会の十分な論議を尽くすべきものだと思っておりますが、国会の法律に関する論議を尽くすことなく行政権をもって執行されるということに問題がある。これは議会制民主主義の問題です。
 もう一つは、行政権を持っているものが一方的に防衛庁に命令し作戦行動をとらせるということは、これはジビリアンコントロールの面からも大変問題の残ることであります。
 私どもは、そういう意味では、今日起こっている状況に対して日本が憲法上どんな貢献ができるのか、どういうことをやってはならないのか、そういうことについて今ぐらい国会で十分に議論を深め、そしてそのことに対するコンセンサスを得なければならないときはない、こう思っているのでありまして、それを今、一方的に政府の方で判断をしておやりになるということは、国民的な合意を得る意味でも大変困難を残すことになりませんか。
#11
○国務大臣(海部俊樹君) 日本の憲法には、例えば第九条の冒頭に「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」、こう書いてあって、同時に戦争に対する深い反省に立って、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」、これは政府としては十分に心得ております。だから、それに触れることは行ってはならないという誓いはきちっと守っていかなければならないということ、これは当然のことでございます。
 しかし、自衛隊法という法律も、これは政府が勝手につくったんじゃなくて国会の審議を経て成立しておる法律でありますし、三条のところと区分して第八章の方に機雷等の除去ということは条文で権限を与えてありますし、また専守防衛その他の問題について必要があって自衛隊が出動する、武装部隊が出るというときは、その出動に関しては国会の事前または事後の承認を得なければならないという規定も明らかにあるわけであります。
 しかも、たしか昭和六十二年、中曽根内閣のころにいろいろ御議論があったことも覚えておりますし、あのときの速記録もいろいろ読んだのでありますが、紛争地域に出ていくことはいろいろな意味で巻き込まれる危険が出てくるという御議論もあったと思います。表現はちょっと違うかもしれませんが、機雷は非常に危険なものだけれども、その機雷を意思を持って置いた人がある場合にその機雷を除去することはこれはいかがなものか、そういう御議論があったこともよく承知しております。しかし今回は、御承知のように、国連で停戦決議が成立をして、イラク側がそれを受諾して、どこへどのように敷設しましたということまで通告したということになりますと、紛争地域でもないし、交戦地域でもないし、武力の行使には全く関係がないといいますか、かかわりのない問題として私たちは受けとめてもいいと思うんです。
 それで、じゃ今度は、無制限にどこまでも行っていいのか悪いのかということになりますと、これは歴代の議論の中でも、そのときどきの状況で決めるんだ、ケース・バイ・ケースになる、そういうような議論になっております。
 私が今回の場合に判断しましたのは、日本の国と国民生活にとってお互い必要不可欠な原油の輸送経路だということ、それは我が国にとっても国際社会にとっても、そこの安全を確保するということを国際社会の一部はもう始めておるわけですから、その能力があって、しかも禁止されておる憲法の状況がそこに平和が到来して変わったというならば、国際国家日本として、国際社会において名誉ある地位を占めたいと憲法の条文でも世界に向かって誓っておる国として、どうしてそれができないのかということをいろいろ考えてみましたが、私は、九十九条の規定でできるし、日本の平和主義、国際協力主義からいって国際的な安全の確保のためにはこれはやるべきである、こう判断をいたしました。
 そのようなことを昨日も各党の党首に理解を求めてお話を申し上げたところでございます。
#12
○久保亘君 もしあなたのようなそういう御解釈でありますと、法律の解釈は行政府ができる、こういうことになります。現に昨日行われた党首会談でも、野党の大半の党首は反対の意思を表明されたはずです。自衛隊法九十九条をもって掃海艇を派遣することは法律上も問題である、こういう主張も多かったと私は聞いております。そうなりますと、法律をつくった――国会がつくったとあなたはおっしゃったが、そのとおりです。その国会がつくった法律を国会がどのように判断するかということを確かめずに行政府が一方的に解釈を下されるということは問題である、こう思います。
 それから、もう一つの問題は、日本の独自の判断で航路の安全を期するために必要だ、こうおっしゃるならば、これは将来大変拡大解釈されてくる可能性を持つ問題だと思っております。シーレーン防衛に関する論争も国会では幾たびとなく続いているはずです。だから、この問題については私は、国会の十分な論議を尽くして、法律についても国会の解釈を明確にした上で決めるべき性格のものだと思っております。そういう点について、行政府として議会制民主主義を逸脱する行為であろう、また私どもの考えとしては憲法上からも問題の残る政府の決定になろうとしている、こういうことを指摘しておきたいと思うのであります。
 もう一点お尋ねしたいのは、この掃海艇の派遣に要する費用はどれぐらいだと判断されており、また、これはどのような費目から支出されるものでありますか。
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありません。防衛庁が参っておりませんので、至急調べて回答させていただきます。
#14
○久保亘君 安全保障会議にかけて、そして今夜にも臨時閣議で決定されようとすることについて、これにどれぐらいの費用を充てるのか、どういう費目から支出するのか、そういうことについて総理も大蔵大臣も全然御承知ないんですか。
#15
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありませんが、今週委員会にずっと張りつけになっておりまして、私、事務方から聞いておる時間がございませんでした。私自身の不勉強であります。
#16
○久保亘君 憲法の八十五条や八十七条によって、国費の支出、予備費の支出についてはきちっと国会の承認が必要なことが決められております。掃海艇を出すことだけを決めて、あとは親方日の丸でかかっただけどこからか出せばいい、そういうことをおやりになるはずはないと思うんですね。出される以上は、ちゃんとそういうことも御承知の上でおやりになっているんじゃないですか。そういうのは全部防衛庁の事務局に任せた問題だ、こういうことですか。
#17
○国務大臣(海部俊樹君) 後ほど正確なことは申し上げますけれども、私が特に考えて指示しましたことは、今でも掃海艇というのはそれぞれの基地にいて、維持され、乗組員の給料は防衛庁予算で払われており、それから糧食費も衣服費も全部現段階の予算の中で措置されておると私は聞いておりますが、問題は、ああいったような状況に対処するときの、何というんでしょうか、手当の中で、例えば南極支援に出ていったときの南極の特別な手当とか、あるいは危険な爆発物を処理するときの手当とか、それから掃海作業を今でも近辺の海で出動してやっておるときの掃海手当があるようでありますけれども、今回の場合、そういった想定されておらなかった遠いところへの危険な航海ですから、それに対する手当について特別に配慮をしたり、万一というようなときにどのような処遇、待遇になるのかということについては十分にその措置は考えるようにということを私も言いました。
 それらの問題についてのこと等についてどうなってきたかということは、後ほど担当が参りましたら詳しく説明させます。
#18
○久保亘君 今の総理のお話を聞いておりますと、費用はもともと自衛隊員でいるんだからあと特別な手当ぐらいを追加すれば済むようなお話をされておりますけれども、あなたが外国に行かれるだけでも大変な費用がかかっているはずですよ。今度は、五百名の隊員が六隻の艦船をもって物すごい長期にわたって海外に派遣されるんです。私はそんな、ちょっとその辺の予算をいじれば十分だというようなものではなかろう、こう思うんですがね。
#19
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど私、正確に記憶をしておりませんでしたのでおわびを申し上げましたが、防衛庁が参りますまでの間、私の範囲でお答えできるだけのことをお答えさせていただきます。
 まず第一に、財源として必要になります派遣に要する経費、これは私は費目まで覚えておりませんでしたので申しわけありませんと先ほど申し上げましたけれども、既定予算の充当によりまして対応するという基本方針でおります。
 問題は、ただいま総理からお触れになりました、例えば爆発物取り扱いの手当の単価をどうするか。と申しますのは、従来日本の周辺海域において掃海作業に従事し発見をされました機雷というものは非常に古い。言いかえれば、第二次世界大戦当時に例えば米軍が投下し、それが浮遊機雷となり今日まで残存しておるといったようなものでありまして、性能としても既に非常に衰えておるものでありました。しかし、今回ペルシャ湾において掃海艇の諸君が掃海作業に従事をいたします場合、遭遇をいたします可能性のある機雷というものは恐らく最新鋭のものであり、これは性能も含めてさまざまなものが想定されるわけであります。
 そうなりますと、従来からの爆発物取扱手当の単価のままでよろしいか。これは当然改定を必要とすることになると存じます。また、ペルシャ湾といった特殊な海域においての作業というものを自衛隊の給与体系の中において従来想定をいたしておりませんでしたことから、その特殊環境について何らかの手当の新設が必要なのではなかろうか、こうした点の話し合いをいたしております。
 私は、まだけさそうした報告を受けておる時間がありませんでしたので先刻おわびを申し上げましたが、重ねてのお尋ねでありますから、プロセスについて知る限りをお答え申し上げました。
#20
○久保亘君 きょうは地価税法の問題に関する総理への質問ということでありますが、今緊急な政治の課題についてお尋ねをしたこの問題については、私は大変納得がいかないことがたくさんございます。私たちも、日本の国際貢献、平和のために何をなすべきかということについて積極的に論議を進めなければならぬ、こういう立場に立ちながらも、今回の掃海艇派遣が行政権の一方的な法解釈によって、しかも非常に拙速に行われるということについて、日本の将来の進路にかかわる問題として、私としては懸念を表明しながらこの問題についてお尋ねをしたわけであります。
 では、本題の地価税法について、主として海部首相にお尋ねしたいと思います。
 これまで首相が土地問題に関していろいろお話しになりますときにいつも出てまいりますのは、土地神話を打破するという言葉でございました。首相は文部大臣の長い御経験もお持ちでありますが、神話というのは何だとお考えになっておりますか。
#21
○国務大臣(海部俊樹君) 土地神話というのは、私の頭の中では、土地はとにかく持っておればもうかるものだ、だから土地を利用するために持つのではなくて、土地を持つことによって値上がりを待って投機の対象にしょうというような風潮がずっと続いて、それが崩れておらない、持っておれば持っておるほどどんどん上がってきたという結果が相乗効果を生みまして、いろいろ物すごい勢いで土地に対する融資がふえたという結果がありますように、いろいろなことの相乗効果で土地は持っておれば必ずもうかるんだから買って持っておれというようなこと、そういったものを踏まえて、先生も先生の親分でありましたから発達段階に応じて児童生徒に話をされるときにどういうお話をされるか、まあ私は、神話というのは、これは説明がいわく言いがたい、そしてかようかようしかじかだという根拠のお示ししがたい問題を神話として使ったんではないかという気持ちです。
 私自身もどうしてかと言われるとよくわからなかったんですが、とにかく上がることは確実で、有効利用と言う本来の目的を離れて投機目的に土地をどんどんどんどん使っておるのはよくないことだ、こういうことから土地神話を打破しよう、土地は使うものだということにしたい、そういう願いを込めて使っておりました。
#22
○久保亘君 本来、神話というのは、人間の世界や自然界に起きる出来事を神様の意志に基づく行為だという立場に立って書かれる物語ですね。しかし、これが一般的に土地神話というような言い方で使われるようなときには、想像力によってつくり上げられた虚構の話とか、正しい根拠のない俗説とか、こういうものを神話と言うんです。
 そういうふうに比喩的に神話と言う言葉で使いますが、しかし私は、国民の皆さんが土地神話だとおっしゃるのはわかるけれども、政府が土地神話と言うのは、これは行政府の責任をきっちり自覚していないからです。大体、土地の今の異常な高騰ぶりとか、あるいは土地によって資産格差が広がっていくとか、こういう問題は神話の問題ではない。これは明らかに人為的に行政の責任でもたらされたものである、こういうふうに思うんで、政府の側が土地神話というような言い方で今日の土地問題をとらえるということについて、私は非常に問題があると思っております。
 むしろこれは、神話ではなく、政治責任を持つ者、行政責任を持つ者からいたしますならば、政策責任が果たされないことによってつくり出されたものだと言わなければならぬと思うんですが、この点については、海部さん、異論はありませんね。
#23
○国務大臣(海部俊樹君) お言葉を返すようで申しわけありませんけれども、それは私も各報道に
土地神話という言葉が躍っておるのを見てなるほどなという受けとめ方もしましたし、また政府の税制調査会でも、「その背後にあるのは、土地ほど有利な資産はないという人々の意識、即ち「土地神話」である。」、こう書かれておりますし、大体これが定説化してきたような感じも受けておりますし、また政府は、自分たちの政策を離れたところでこういうものが起こったんだという責任逃れを言うつもりで言っておるわけでは決してありません。
 これを崩していかなければならぬというそういった立場に立って、そのための政策努力を、あるいは税制であるとか、あるいは融資の実態をとらえて金融上の問題に手を入れるとか、あるいは土地の有効利用という方に政策努力をするとか、いろいろな政策を重ねてこの土地の問題には対処していかなければならないというときに、最もわかりやすく世間に通用しておった土地神話、持っておればもうかるというようなことを思わないで有効に使う方に誘導していかなきゃならぬ、こういう気持ちで使ったわけでありますから、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
#24
○久保亘君 政策的に土地問題を解決していくという立場に立ったとき、地価の高騰という現象に対する原因の最たるもの、これは何だと思いますか。
#25
○国務大臣(海部俊樹君) 近年の著しい地価の上昇の率を調べてみますと、特に東京とか大阪とか大都市の都心部を中心にいろいろな需要が起こってきた、それによってまた土地の買いかえをしようという需要も起こってきた、そういう需要とあわせて融資が行われてきた、その相乗効果の中でいろいろ起こったのではないだろうか。同時にそれは、住宅の提供とか、あるいは交通その他の問題の整備によって新しい住宅地域の開発とか、あるいはまた遊休、未利用な土地があったならばそれを有効に利用するように誘導する政策とか、いろいろな政策を重ねてやっていかなきゃならぬことでありますけれども、ポイントは、日本の国の大都市中心に需要が急速に起こってきた、そこからスタートしたものであると私なりに受けとめております。
#26
○久保亘君 私もやはり需給のバランスの問題というのは一番基本になってくるんだと思うのでありますが、それならばなおさら、政府の土地政策というものが今まで非常に整合性を欠いていたとかあるいは立ちおくれていた、こういうことがしっかり原因として診断されなければ、そしてその診断された原因に対して的確な治療が行われなければ問題は解決しない、こう思うんです。
 海部首相は覚えていらっしゃいますか。八七年の七月二日の本院の決算委員会において天野光晴建設大臣が、今日の地価高騰の問題は中曽根内閣の土地政策の失敗が原因である、こういうことを述べられたこと、そして需給バランスをいかに変えるかが問題だと御主張になっておられることを記憶されておりますか。
#27
○国務大臣(海部俊樹君) 八七年の七月二日とおっしゃいましたが、私はその決算委員会には属しておりませんでしたのでその事実は知りませんけれども、需要と供給のバランスが大切だということについてその当時からいろいろ御意見があったということは記憶しております。
#28
○久保亘君 やはり、当時閣僚であられた方が時の自分の所属する内閣の土地政策を土地問題に対する対応の失敗の原因だと、こういうことを国会の公式の会議でおっしゃっているということなどを私どもは深く注目をしなければならぬと思うわけです。そういう意味で、土地問題を進めていく上にいろいろな土地政策というものを総合的に考えていく、その中で税制の面から土地政策について何ができるかということでこの地価税の問題が土地保有税の新しいあり方として生まれてきたものだと思っております。
 そういう意味で、土地政策上地価税が果たす役割というのをどういうふうに考えてこの法案を提案をされておりますか。
#29
○国務大臣(海部俊樹君) 土地の問題につきましては、一昨年成立させていただいた土地基本法の理念を踏まえて、今年の一月、総合土地政策推進要綱というものを閣議で決定をいたしました。
 税制だけですべてが解決するものだとは考えておりませんけれども、税制は一つの大きな柱であると思います。そうして、土地の保有、譲渡、取得の各段階にわたり総合的な見直しを行っていかなければならぬものであります。
 要するに、土地の資産価値というものを地価税をすることによって減殺していく、同時にまたほかに有効利用とかいろいろな政策もあわせ行うことによって鎮静化させていかなければならない。もう一方には土地融資の問題もありますから、ノンバンクの問題等も含めて鋭意努力をいたしまして、最近ようやく土地政策の効果があらわれ始めたのか、大都市で鎮静化の兆しが見えるようになってきた、こう受けとめて、さらにこの問題については積極的に努力をしていかなければならないと思っております。
#30
○久保亘君 いや、私が申し上げているのは、そういういろいろな土地問題対策の中で地価税がどういう役割を果たすという立場に立っておやりになったかということなんですが、それじゃほかの角度からお聞きしましょう。
 地価の抑制効果をねらう、保有コストを高めて抑制効果をねらって、そのことによって土地利用を高めていくし資産格差の拡大を防ぐいろいろなことがあると思うんですが、地価の抑制効果をねらうというときの抑制していく地価の目標というのは具体的にどういうことでお考えになりますか、できるだけ具体的に答えていただきたいと思います。
 例えば、いろんな人の言い方には、サラリーマンが一生働いても自分の住宅、住むところを手に入れることができない、こういう状態をなくするんだという意見を述べる人もあります。中には、サラリーマンの平均月収の五年分ぐらいで住宅が手に入るようなそういう地価を目指す、こういう意見を述べている学者もありますが、今日地価税法案を提案されている政府のお考えとしては、抑制する地価の目指すものをどういうところに目標を置いておられますか。
#31
○国務大臣(海部俊樹君) 総合土地政策推進要綱で私たちが一応目指しましたものは、平均的な給与水準の勤労者が年収の五倍程度で規模の上でも通勤時間の上でも適当な住生活を享受し得るようにしたい、そのためにこれからも総合的な土地対策の一層強力な努力を払っていきたいということであります。土地の利用価値に相応した適正な水準まで引き下げることを目標とせよ、こういうことを総合推進要綱では書いておるわけでございます。
#32
○久保亘君 年収の五年分でマイホームが手に入るようなそういう地価を目指すということになりますと、それはもう相当な土地の抑制策をとらなければ大変難しい問題だと思うんですが、今回提案されている地価税法案、これはほかの総合的な政策の中の一つでありますけれども、地価税法案というものにどれぐらいの効果を期待されますか。
#33
○国務大臣(海部俊樹君) これは最初から申し上げておりますように、税だけでこの目標が達成されるものでもありませんし、また、土地の税についても地価税とともにその他の税も適正な水準になっていくものでありますし、いろいろな政策の総合判断ですから、今回の地価税だけでどれだけ効果があるか具体的に示せとおっしゃいましても、ちょっとそれは今ここで直ちにお示しすることはできず、抑制の効果を上げていくための一つの力になっていくということで御理解をいただきたいと思います。
#34
○久保亘君 大変難しいことをお聞きしたと私も思っておりますけれども、しかし、サラリーマンの年収五年分でマイホームが手に入るようなそういう地価が望ましいということになってまいりますと、やはり土地問題の中の有効で大変強力な手段の一つである土地保有税というものについては、かなりな規制効果が上がらないといけないのではないだろうか、こう思うわけです。そういう意味では、今回の法案が示しました税率、基礎控除というものについては、いずれも、私どもとしては大変手ぬるいのではないかという感じを持ちます。
 税率の問題については、〇・三%ということになったことについて、政府税調の「平成三年度の税制改正に関する答申」に照らしても、政府のこの提案というのは大変後ろ向きになったのではないだろうか。例えばこういうことが言われております。今回の土地保有税に関しては「税率が低いことに加え、基礎控除の額が高い等、その負担水準が土地の資産としての有利性を縮減する上で不十分ではないかとの強い指摘がなされたところである。」、こういうことが改革大綱を受けての政府税調の答申の中で言われているんですが、〇・三%という数字を今回提案されている根拠は何ですか。
#35
○政府委員(尾崎護君) 税制調査会は税率につきまして特別の数字を示すことはいたしませんで、土地の資産としての有利性を縮減するような負担であること、それと同時に、事業の継続性を害するようなものであってはならないということを指摘しているわけでございます。
 それを受けまして、地価税の役割を十分果たすだけの税率であり、かつ経済や事業の継続性に対する影響、その負担の面も考え合わせまして種々議論が行われまして、〇・三%という税率に落ちついたわけでございますけれども、その水準がどの程度かということにつきましては、一つの例証を申し上げますと、平成元年度の民有地の土地資産額が全体で千九百七十七兆円なのでありますが、現行の土地に対する固定資産税の税収が二兆三千二百億ほどでございまして、その実効税率は、ただ割り算をいたしますと〇・一二%という水準であるわけでございます。ただ、固定資産税は御承知のとおりいろいろと居住用家屋、居住用の土地等につきまして軽減措置がとられておりますので、それを通常の事業用地の場合に置き直して考えてみますと、大体実効税率が〇・二%ぐらいかなという感じでございます。
 一方、地価税は、これは相続税の路線価を基準としてかけられますので、路線価が公示価格の大体七割といたしますと、〇・三%というのは公示価格に対しまして〇・二%ということになります。したがいまして、全く全国の平均的な数値といたしまして、地価税は今の固定資産税の事業用地にかかっている実効税率とほぼ同じぐらい、つまり事業者にとりますと税額が倍になるというそのぐらいのインパクトを持つわけでございます。特に……
#36
○久保亘君 もういい。あなたのは長い。あなたは専門家かもしれぬけれども、そんな話をされると私も言いたいことがある。
 今度この地価税を〇・三%かけるかわりに、この税金というのは他の所得税、住民税、事業税の損金に全部算入されるようになっている。そして、個人の場合には必要経費に入るようになっている。そうすると、今までの特に法人の場合の実効税率というのが、平均的に見ると大企業の場合で五〇%、それから中小企業の場合で四〇%、そういうものの中から今度は地価税として納めた分はその所得から全部控除されるようになっているから、そうするとその分は今度は一方でまた税金が減るんです。だから、地価税によって今までの税金が倍になるようなそんな話はない。
 それも、損金や必要経費に算入することについては、政府税調の方はそういう立場をとらなかったはずです。それが政府案のときにはこれが損金算入になるようになってきたんです。
 それから、基礎控除についても、自民党の税調に税調会長が提案されるときにはまだ平米一万円をその控除点にしておった。それが政府案になってくるときには三万円に上がっている。そして、この三万円ということの非常に問題になるところは、金額控除を十億と決めておきながら、平米三万円の掛ける面積分、その大きい方をとるということになっているから、何千億という控除を受けられる法人が出てくるんじゃないですか。一方で見ると基礎控除十億ということになっているが、実際に税金を納めるときにはこの面積によって計算した控除額をとってくるから、千億を超えるような控除を受けるようなことが可能になっているんじゃありませんか。
#37
○政府委員(尾崎護君) 二点お尋ねでございます。
 一つは損金算入の話でございますけれども、税制調査会の答申におきましても「土地保有税(仮称)の税額は、所得課税において法人所得や個人の事業・不動産所得の計算上、損金算入の対象とすることが適当であると考える。」ということになっておりまして、これは土地保有のコストを高めることが目的でございますから計算上は事業のコストとして取り扱う、それは今の固定資産税と同じわけでございます。
 それからもう一点のお尋ねでございますが、御指摘のとおり、平米当たり三万円にその土地の面積を掛けまして、そして十億円という定額控除と比較いたしまして多い方が基礎控除として引けるということになっているわけでございます。しかし、こういう単価控除を設けましたのは、いわゆる土地問題のほとんどない、土地の値上がりもほとんどない、そういう地域についてまで課税の対象にするのかという議論がございまして、そういう土地問題のないところで広い土地を使っている企業というのはあるわけでございますから、それを一体どう考えたらいいのかということから、資産価値の特に高くない土地につきましては非課税として外す、またその程度の額はバランス上基礎控除の計算の根拠とするという方式をとったわけでございます。
#38
○久保亘君 僕が聞いているのは、だから、面積によってやるか金額によってやるかによって大きい方を選んでいいということになると、巨大法人の場合には基礎控除が数千億円になるところが出てきますねということを聞いているんです。
#39
○政府委員(尾崎護君) 所有している土地に三万円を掛けるわけでございますから、非常に広い土地を利用している法人の場合には控除額が大きくなるというのは御指摘のとおりでございます。しかしそれは、土地の安いところで広い土地を使っている法人についてどう考えるか、土地問題がない地域についてはどう考えるかという基本問題が背後にあるわけでございます。
#40
○久保亘君 一方で十億という金額控除というのを法律に明文化して出している以上、面積による控除で青天井というのは非常に不合理なものだと私は思っております。税率の問題とか控除の問題ということについては、私どもはまず地価税の制度を創設するということが重要だという考えに立ちますから、今回このことについてあえて修正の用意をしなかったのであります。しかし、税率の問題についても基礎控除の問題についても非常にたくさん問題を含んでいる。
 そこでお尋ねしておきたいことがありますが、附則第八条によって五年ごとの見直しが決められております。この五年ごとの見直しの中身を読みますと、固定資産税評価額の適正化を勘案しつつ検討を行う、見直しをやるということになっているので、この文面からすると五年ごとに地価税を廃止もしくは税率を引き下げる方向で検討しますよということになってきはしないでしょうか。
#41
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私からお答えして恐縮でありますけれども、私どもそういうつもりはございません。
 まず第一に、この法律の形態自体が恒久立法であることをお考えいただきたいと思うのであります。委員が今御指摘になりましたように、確かに固定資産税関係の要素も私どもが少なくとも五年という期間を設けた一つの理由でございますが、それは今後の地価の推移等を見たいといった気持ちもございます。しかし同時に、もし地価の騰勢がとまらない、あるいは一たんおさまった地価がまた急速に上昇の気配がうかがえるといったときに、当然のことながら我々は機敏に対応しなければならないわけでありまして、少なくとも五年と申しております意味合いにはそうした意味合いを込めておる。
 今委員がお述べになりましたような視点ではないということは、御理解をいただきたいと思います。
#42
○久保亘君 私がそう申し上げるのには理由があるわけです。
 なぜかといいますと、この附則第八条は政府税調の答申の文章が参考になって書かれております。政府税調の答申は、「固定資産税の評価の適正化等を勘案しつつ、」ということの前に、「今後の地価の動向」という言葉が入っている。ところが、法律になってくるときにはその「地価の動向」の方は消えて、「固定資産税の」「適正化等を勘案しつつ、」ということだけが残っているわけですね。固定資産税の評価額の適正化と言われているのは、今後評価額を引き上げていく方向で考えられているわけですから、じゃ、固定資産税の評価額を引き上げれば、土地保有税の全体としての立場を考えれば、地価税の方はもう少し緩めてよいのではないかというような議論になっていく。これをずっと素直に読んだ場合に、そういうことになる。何で地価の動向に対する配慮というものがあえて法案になってくるときには消えたのだろうか、こういう疑問が残ったからお聞きをしたわけです。
 時間が少なくなってまいりましたが、総理大臣にどうしても伺っておきたいことがあります。
 それは、衆議院で既に、三年をめどに検討を行う、そして必要があれば見直しをやれ、そういう意味の附帯決議がつけられております。恐らくこの附帯決議に対して大蔵大臣は、恒例かもしれませんが、尊重いたしますと答えられたであろう、こう思っております。そうすると、この委員会においてどのような附帯決議になるのかこれから理事会等で御検討いただくことであろうと思いますけれども、仮に衆参ともに三年をめどに検討、見直しをやれということになれば、やはり毎年地価税の効果がどうあらわれたか、その目的をどこまで達成しつつあるかということについて十分な検討を行っていかなければならぬだろう、こう思うんです。
 それで、そのことについて国会に対してそれらの政府の検討の結果を御報告をいただけるかどうか。それから、少なくとも三年を経過する段階では必要な法改正の措置があれば、それはもちろん三年間のこの地価税に関するいろいろな統計の結果も含めてその効果についてきちんとした御報告をいただけるかどうか、総理大臣に伺っておきたいと思います。
#43
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま最初の御指摘の見直しの年限のことでありますが、少なくとも五年ごとの見直しであることから、必要が認められる場合には五年にとらわれずに三年後に見直しを行うことも可能であると私は思っております。
 また、土地の鎮静化、高騰がどうなるかということは、地価税だけの原因で結果が出るものでもないと思います。非常にたくさんの複雑な問題が絡んでくるわけでありますが、そのことにつきましてもそれは十分動向を注目してまいりたいと思っております。
#44
○久保亘君 私どももいろいろこの地価税法案について問題点を感じながら、しかし、この税を創設することの重要な意味を考えて審議をやっているわけでありますから、この問題については私どもの方からもいろいろ意見も引き続き申し上げていきたいと思いますけれども、政府として少なくとも三年後にはまとまった御報告を提出いただけるかどうかということを聞いているわけです。
#45
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員の仰せられる報告というのがどの程度の内容のものを示しておられるのか正確に理解できませんので、お答えがあるいはすれ違うかもしれませんが、私どもとして、当然ながら院からもお尋ねがあればその折その折にお答えを申し上げ、御説明を申し上げる責任はございます。ただ、他の要素を除外して地価税のみに限定した効果ということでありますと、私は必ずしも御指摘どおりの報告を作成する自信がございません。
#46
○久保亘君 そうなれば、五年ごとというのはどういうことになるんですかね。ただ法律に一応文章に書いておくというだけになりませんか。私は、五年ごとにおやりになるというそのことを三年目におやりなさいと言っているんです。
#47
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼いたしました。だから、ちょっと誤解があるかもしれませんがと断って申し上げたわけであります。
 いずれにしても、そうした場合にどのような御報告をすべきか、またできるか、検討してみたいと思います。
#48
○久保亘君 私はもう少し数字の説明を申し上げたいと思っておりましたけれども、時間がございませんのでできません。
 もう一つ総理大臣に伺っておきたいんですが、この地価税による税収というのは増税を目指すものではない、こういうことをしきりに主張されてきました。これは政府税調答申の中にもございます。その意味は何かといえば、少なくとも地価税によって得られた税の増収分は所得税の減税と土地政策にかかわる歳出に使う、こういうことになっているはずです。さしあたって平成四年度、地価税の収入見込みに対応しつつ所得税減税の一部の財源としてこの地価税の収入分は充てられる、こういうことについてはお約束いただけますか。
#49
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、地価税の税収は増収を目的とするものではございません。その点はそのとおりでございます。
 それから、「その一部は所得課税の減税と合わせ、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかとの意見もあった。」、こう提言されております。したがいまして、平成三年度の税制改正に関する答申において「土地税制の見直しは増収を目的とするものではない。土地保有税」、これは仮称ですから地価税のことでありますが、「による純増収分の使途については、基本答申に示した考え方に沿って、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべきである。」、こうきちっと提言されておりますので、この提言の趣旨を最大限に尊重して検討をしてまいるところであります。
#50
○久保亘君 当然それだけということではなくて、この地価税による増収分が所得税減税に振り向けられるんだということについては、政府の方の明確な御意思だと受けとめてよろしいですね。
#51
○国務大臣(海部俊樹君) いずれにしても、調査会の答申に明記されておる趣旨を十分踏まえて検討をいたします。
#52
○久保亘君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、最後に一つ要望だけいたしておきます。
 と申しますのは、もし地価税がすべての税金も含めてフルコスト化していくということになれば、国民にとっては、地価の高騰によって資産格差が開いた、そして社会資本の整備は地価の高騰によっておくれる、こういう二重のパンチを受けている上に今度は消費にさらに負担がかぶってくる、こういうことになるわけでありますから、この地価税の創設が物価に転嫁されることのないよう政府の十分な行政上の指導を強く要請をして、私の質問を終わります。
 先ほど掃海艇派遣の予算のことについてお尋ねしたことで防衛庁の方で御答弁くださるそうですから、お願いします。
#53
○政府委員(村田直昭君) お答えいたします。
 掃海艇の派遣について御理解をいただくために、やや詳しく経費の件について申し上げます。
 掃海艇の派遣経費につきましては、まだ派遣期間等が流動的でございますので、その総経費というものを今積算してお示しすることはできないわけでございますが、費目としましては、艦船用の油購入費でありますとか隊員の糧食費でありますとか諸手当などの経費が見込まれるということで、現在精査中でございます。
 防衛庁の予算の中には組織防衛本庁の予算というのがございまして、自衛隊法九十九条の規定に基づく機雷等の除去を含めまして各自衛隊の活動に必要な経費、維持運営に要する経費をこの中に計上しております。
 自衛隊法九十九条の規定に基づく機雷等の除去につきましては、そもそも自衛隊の機雷等の危険物の除去の必要性が生ずるごとに行うものでありまして、あらかじめどのような危険物が発生するかを予測することは極めて困難なことでございます。このため、これらに要する経費については、特別に積算することなく、従来から、例えば油購入費について申し上げれば、個別の艦艇ごとに年間の航海時間というものを定めまして、その油の所要量を算定して艦船用油購入費として予算計上している、そしてこの経費の中で任務の遂行に当たっておるわけでございます。
 今回の掃海艇の派遣につきましても従来と同様の作業を行うものでございまして、既定の維持運営等にかかる予算の中で賄うことと考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。
#54
○久保亘君 全く了解していない。
#55
○峯山昭範君 地価税の問題をやりたいんですけれども、掃海艇の問題が出ましたので、掃海艇の問題をやらしていただきます。
 総理、今回の掃海艇の派遣という問題は、これは大変な問題であります。したがって、初めに総理にお伺いしますが、ペルシャ湾への掃海艇の派遣はもう決定したんでしょうか。そして、これからどういう手続で決定をされるんでしょうか。
#56
○国務大臣(海部俊樹君) 正式の手続というものは、きょう、安全保障会議を開いてそこで諮問をし、その結論を得ましたら、今度は臨時閣議を開いてそこで正式に決定することになる、こういう手順でございます。
#57
○峯山昭範君 これは総理、非常に重要な問題でございますのでお伺いしたいのでございますが、これはいろんな問題が絡んでおりまして、まず四つ問題があると思っております。
 申し上げます。
 まず一つは、現在の自衛隊が、いわゆる平和時における自衛隊の行動、これが現在の憲法上、自衛隊法上からいって海外での活動というものを予定しているのかどうか。もし予定しているのであるとするならば、それが許されるのかどうか。そして、そのことについては立法府である国会において、平和時における自衛隊の海外での活動がどうしても必要であるというんであるならば、その点についての議論が今まで全くなされていないということです。平和時に自衛隊を海外でどうしても活動させなきゃいけないということであるならば、その点についての議論を絶対にさせなくちゃいけない、この問題がまず一つです。
 それから、二番目の問題といたしましては、さきの国会で十二月にあの国連平和協力法案の審議のときに、自衛隊を海外に派遣するということで、平和時だ、また戦時には行かない、後方支援ばかりだ、安全なところだと総理が随分おっしゃいました。そういうふうな意味で、要するに、自衛隊を海外に派遣するということについて国民の皆さん方の合意は得られていないという判断を私どもはあのときにしたわけであります。したがいまして、国民の合意をどういうふうにして得ていったらいいのかという問題、これが二つ目の問題です。
 それからもう一つは、この問題について、第二次大戦において我が国が御迷惑をおかけした東南アジアの国々の皆さん方の感情的な問題というのがあります。先ほどの質問の中にも出てまいりました。この問題をどう解決するかという問題が三つ目です。
 最後の問題は、総理は新聞紙上ではクリアしたとおっしゃっておりますが、少なくとも自衛隊法の三条の問題、防衛庁設置法の四条の問題、そして九十九条の問題、これはあくまでも日本の国の領土、領空、領海の防衛を任務として示された問題であります。ですから、私は憲法上は、確かに法制局的な言い方で言えば、海上における機雷ですから、先ほど総理も海上というのはそういうふうな意味で世界じゅうの海どこでもいいような感じの答弁がありましたが、これはクリアはできるかもしれませんが、やはり立法の趣旨とかそういう点からいきまして拡大解釈のそしりを逃れることはできません。したがって、本当に総理がこの問題を解決しようと思うならば、我々も国際貢献をするということについては反対じゃありません、どんどんやってもらいたいと思っておりますから、もっと早く法的な手続をし、また法的な手当てをすべきだったと私は思います。
 そういうふうな意味で、この四点についての総理のお考えを初めにお伺いしたい。
#58
○国務大臣(海部俊樹君) 第一点でございますけれども、平和時における自衛隊の行動について、我が国としては平和時でありますけれども、行く先がまた戦時であるか平和時であるかということもひとつ考えなきゃならぬ問題ではなかろうかと思いますが、四月十二日に中東の武力の行使は完全に終わったわけでありますから、行き先も紛争状態は終わっておる、平和なときだ、私はこう思います。そういうときの自衛隊の行動というのは、自衛隊法に記されております第八章の方の行為ならば、行き先も平和であり日本も平和であるときには、これは自衛隊法ができたときから認められておる問題であると私は受けとめております、
 それから第二番目は、協力法の審議を通じて確かにいろいろなことが提起されました。そしてあのときには、私どもは武力の行使を伴わないんだという大前提はきちっと書き示しましたし、また、行いますものもいろいろ第三条の中にきちっと限定列挙して書いたんでありますが国会の御議論がいただけませんでした。結果として承認いただけず廃案になった中の議論のその最たるものは、戦争に巻き込まれるんではないか、あるいは憲法に反する集団的自衛権の行為に踏み込むのではないかという角度の御議論が専らでございました。
 集団的自衛権に入るといっても、国家による行為というものは、憲法で禁止された武力の行使はいけないが、武力の行使を伴わない、それを目的としないものならばできるはずだというので私たちはあの法案を提案したのでありますけれども、残念ながら合意はいただけませんでした。それは厳粛に受けとめております。
 第三点の、東南アジアの国々に対してどうするのか。これにつきましては、私は率直に申し上げますけれども、日本は歴史の深い反省に立って、将来にわたっても、国権の発動たる戦争と武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄するという平和国家の理念を掲げておりますから、これはいささかも変えるものではございません。
 同時に、そういった考え方については諸国に対して我々の考えをきちっとお伝えし、御説明もいたしますし、現に今回のイラク紛争においても、東南アジアの例えばベトナムであるとかあるいはフィリピンであるとか、そういう国々に対しては避難民の移送を日本の民間航空機で行って理解も得ておりますし、また韓国その他が医療班を派遣するという行動を示すことによって非軍時的な面での協力をアジアの国々もしておるわけであります。
 ですから私は、そういったことについては、日本のかつての歴史の深い反省に立った平和国家の理念というものを崩さないということは、外交ルートを通じたりあるいはいろいろな手段を通じて積極的に説明をし、御理解をいただいていきたいと思います。非軍事面で国際協力をするということは、これは御理解がいただける性質のものではないかと私は考えております。
 また最後の第四点目の問題でございますけれども、自衛隊法の第三条というのは本来の任務が書かれております。日本がもし直接間接に侵略を受けたときに個別的自衛権を発動しして日本の国を守ってもらう、これが自衛隊の崇高な本来の任務でございます。そして、そこには公共の秩序の維持にも当たってもらうという従たる任務も書いてございます。これが三条であります。
 今回私たちがこの機雷の除去という問題に着目をしたのは、日本の国と国民生活にとってお互いだれでも必要不可欠なものが原油でありますから、そしてそれは、日本のみならず国際社会全体にとって必要なものでありその重要な通商航路でありますから、そこが平和になり、そして機雷がたくさん敷設されておるということまでわかり、それは意思を離れた遺棄機雷となったものであり、紛争に巻き込まれる危険もないということになれば、これは安全確保のためにその航路をきちっと確保する能力を持っておる者が共同して作業すべきである、日本にとっても必要不可欠な行動である、こう考えまして、第八章第九十九条の機雷等の除去という項目で海上自衛隊に与えられておる権限において機雷の処理とその除去を行わせよう、こうしたものでございます。
#59
○峯山昭範君 総理、私の持ち時間というのは十八分しかないわけで、非常に短い時間ですので端的にお伺いする以外にないわけでございますが、要するに、現在の日本の自衛隊は、先ほども総理が専守防衛とおっしゃいましたように、我が国の防衛、平和と安全を守るというのが目的であって、海外に出て自衛隊が活躍するということはもともと想定していないわけですね。これは認めますね。
#60
○国務大臣(海部俊樹君) 自衛隊が武力行使の目的を持って海外に出ていって活躍するという場面は、想定いたしておりません。
#61
○峯山昭範君 いや、だから、武力行使じゃなしに、総理は先ほどから第八章のことをおっしゃっておりますが、自衛隊法の第八章というのは要するに雑則なんですよ。本来の自衛隊の役目というのはやっぱり第一章の第三条の分なんですよね。ですから、平和時であっても、基本的には自衛隊は日本の平和と安全を守るためというそこに焦点があるんであって、要するに、平和時で武力行使が伴わなければ自衛隊は海外に行って何でもできるのか。そうじゃないでしょう。そのことを私は確認しているわけです。違いますか。
#62
○国務大臣(海部俊樹君) 何でもできるとは考えておりませんが、第八章に書かれておる問題はできるものと考えております。
#63
○峯山昭範君 それは、第八章の自衛隊の任務というのは、自衛隊が海外に出てこういうことをやりたいというときに、御存じのとおりあの南極支援の場合もわざわざ別につくったわけです。一つ一つ自衛隊の任務を規定したわけですね。自衛隊の任務として海外でこういうことができますよ、こういうことができますよと、ずっと九十九条、百条以降をつけ加えていったわけです。ですから、そういう点からいきますと、本来の役目ではないところをとらえて初めから自衛隊がそういうことができるようになっておるというような総理の考え方というのは、僕は間違いじゃないかと思いますよ。
 これは非常に重要な問題で、もし総理が自衛隊はそういうことができるんだと言うのであるならば、従来の自衛隊のいわゆる任務、これは大きな変更になりますね。ですから、その点についての議論がどうしても必要じゃないかと私は思うんです。そういうふうな意味で、ただ単にここに書いているような南極支援とかいうのは、これはもう何といいましょうか、それを中心にして自衛隊が海外に派遣できるというんでは私は納得できませんし、それだけでは国民の合意を得ることは無理だ、そう考えますが、いかがでしょうか。
#64
○国務大臣(海部俊樹君) 私は、第九十九条という規定によって授権されておる海上自衛隊の権限の一つとしてそれは行い得るものだと考えますし、また国民の皆さんの御理解を得るためには、日本は必要な石油の七割を中東地域から、ペルシャ湾内から六割を買っておりまして、これは必要不可欠なものであって、国民生活にとってなくてはならぬものであるということ、同時に、そこに日本のタンカーが行くわけでありますけれども、その航行の安全を確保するということ、これは極めて大切な問題であると考えておりますし、能力がなければ別でありますが、能力もあるわけでありますし、慎重に調査をしましたが、今日までも機雷の処理は十分やっておるということでありますから、私はこれは行ってやってくるべきだと思います。
 同時に、日本のみならずあの周辺の被災国の復興にも結果として役立つものでありますし、また国際的な国際協調主義を掲げる日本の立場からいきましても、国際的に重要なあの地域でありますから、それに対する掃海を行ってくるということは人道的あるいは平和目的と言っても決して言い過ぎではないと確信をいたしておりますので、そういう立場に立って決断をしたいと思っております。
#65
○峯山昭範君 総理はさっき中曽根内閣の話をされましたけれども、これはやはり拡大解釈じゃないのか。九十九条のこの「海上における」というのは、立法の趣旨から言えば日本近海を想定しているんであって、決してペルシャ湾まで行けるわけはない。
 できた法律がひとり歩きするということも私どもは知っております。ですから、法律がひとり歩きして、これで行けるんであるというんであるならば、そこのところを総理はこの「海上における」という点について、日本の自衛隊は海外に行ってこういうことができるんだということを明確にするための法律改正なりなんなりをして国会に提示をして、そこの議論をして行くべきじゃないのか。そうではなしに、ただ単にこの九十九条、いわゆる第八章の雑則の部分をとらえて行けるんだという言い方は、これはやはり拡大解釈または今国会の航空自衛隊の輸送機の派遣の問題のいわゆる特例政令の問題と同じで、日本が法治国家として東南アジアの国々の皆さん方の信頼を失うことになるんじゃないのかという問題が出てまいりますが、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(海部俊樹君) 私は、自衛隊法の九十九条は、公海における我が国船舶及び国民の安全確保を図るための一種の警察行動を定めた規定であると思いますし、同時に、我が国の存立にとって必要不可欠な原油のルートでありますから、我が国の必要な船舶の安全確保のために行い得る行為である、こう思いますから、このことについてはどうか御理解をいただきたいと思います。
 今現にあそこに機雷がたくさんあるということは、イラク側がそう言い、また敷設されている地域には近く船は行かなければならぬということになり、またあの地域のいろいろな復興のためにも資材等を運ばなければならぬという国際社会のいろいろな動きのある中で、安全が確保されるまで日本は能力はあるけれどもやらない、安全確保されるようになったら行く、そしてそこからまた生産される原油の相当量を日本が運んでくるということでなく、そういう、国際化時代、国際社会に積極的に協力をするんだということをお認めいただけるのならば、どうか御理解を賜りたいと思います。
#67
○峯山昭範君 私は頭から全部反対しているわけじゃないんです。総理が言うように、そこに機雷があるならばやっぱり行ってちゃんとやった方がいいと思っているわけです。だけれども、それをやるからには、法治国家としてきちっと法改正なりしかるべき手続を踏んで行ってもらいたい、こう言っているわけです。これが一つ。
 それからもう一つは、先ほどから総理の答弁をずっと聞いておりますと、我が国の国民のために必要不可欠なんだとおっしゃっておりますが、我が国の必要不可欠だから機雷の除去のために自衛隊を派遣するのか、あるいは、総理は先ほどもちょっとおっしゃいましたが、湾岸の平和解決があったその後の積極的な国際貢献のために派遣するのか。先ほど同僚議員に対しては国際貢献の話がちょっと出てまいりましたが、私に対する答弁の中では国際貢という話は出てきません。国際貢献、国際貢献のために必要だという話が随分出てきながら、きょうは九十九条あるいは自衛隊法第三条の話、我が国の平和と安全という問題を持ち出してくる。我が国の国民のために、石油のためにという話がいっぱい出てくるわけですが、ここら辺のところはどう整理されますか。
#68
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほど来文書を読まずにお答えしておりましたので、あるいは出てくる回数が数字的に違ったかもしれませんけれども、私の考えの中で思っておりますことは、何度も申し上げますが、我が国そして国民生活のために必要不可欠なものであり、同時に、あの地域は世界の国々が必要とする原油の重要な通商路でありますから結果として国際社会に対する貢献にもなるし、またあの地域の国々の戦後復興にも役立つことになるという、この三つの面を持っておるわけでありまして、私はそれらのことについて申し上げてきたつもりでございます。
#69
○峯山昭範君 終わります。
#70
○近藤忠孝君 昨日、税制問題に関する両院合同協議会の幹事会が行われまして、二十五日に全体会議を開いて緊急の協議をし、今国会で立法する方向だといいます。そこで、これは自民党総裁としての総理にお聞きします。
 昨日の党首会談で、我が党の不破委員長から消費税見直し問題について申し入れがなされましたが、それに対しての見解をまずお聞きします。
#71
○国務大臣(海部俊樹君) きのう、党首会談のときに、確かに委員長からも消費税の見直し問題についての申入書をいただきました。また、ただいまここへ来る前に、今御指摘のように、各党の御意見で税制の協議会を早急に開き、そこで合意できるものについては是正をするということをでき得れば今国会中になし遂げたい、そういうことで各党との話が進んでおるという党側の報告を聞いて参りました。
 自由民主党といたしましては、各党協議の場でいろいろ御議論をいただく、政府といたしましては、国権の最高機関である国会の各党の協議で合意が得られました結果については誠実に迅速に対応をしていきたい、このように考えております。
#72
○近藤忠孝君 この申し入れで指摘をしましたように、総選挙で自民党は、食料品の税率を一・五%に下げる、それから小売段階非課税、入学金など七項目の非課税を公約しました。見直しの合計額は一兆一千四百億円というものでありました。やっぱり、この公約にふさわしい見直しをしないと公約違反なんじゃないか。今、自民党が提案しようとしておりますのは、これは昨年十二月の加藤座長案でありますが、食料品を完全に除外しておりまして、合計額はわずか一千数百億円にすぎないものであります。これでは、私は二重の公約違反になるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#73
○国務大臣(海部俊樹君) 衆参両院各党の代表で結成されております協議会にいろいろなお話を申し上げておるわけでありますし、自民党が公約をした見直し案は国会に提出をいたしましたが、衆議院ではお認めをいただいたけれども、残念ながら参議院ではお認めがいただけなかった。したがって、不成立、廃案になったという経緯があるわけでございます。
 その経緯を踏まえて、現状のままよりもさらにお互い話ができたならば一歩前進、二歩改革すべきではないかという立場に立ってやっておるわけでありますから、どうか公約違反などということでおとりにならないで、各党の御意向がまとまることを強くこちらも願っておりますし、その結果がどうまとまるかは別にして、まとまりましたら誠実に迅速に対応いたします、そのように政府の基本的な姿勢をお応えしておるわけでございます。
#74
○近藤忠孝君 この問題を質問しますといつも各党間の協議ということで逃げてしまうんですが、今出ようとしているのは加藤座長案がもとですね。もしそこへ落ちついてしまえば、公約違反になるんじゃないかということを私は指摘しているんです。
 あわせてもう一つ言いたいことは、消費税についての緊急措置をとるとなれば、食料品などすべての生活必需品、関連サービスの完全非課税、電気・ガス税の基礎控除、それから政党機関紙の非課税など、今後も協議を続ける努力をすべきだと思うんですが、このことに総理は反対でしょうか。
#75
○国務大臣(海部俊樹君) お言葉を返すようで申しわけありませんが、政府が公約をしていろいろ出しました見直し法案というのは、衆議院では通していただきましたが、参議院で成立しなかったわけです。あのとき成立させていただいたならば、自民党が公約したとおりの見直し案が成立しておったことになるわけでございます。
 それがいけないということで、各党から否決をされ、それなればどうしたらいいかというお話し合いを各党でしておっていただくんですから、そしてその結論を尊重して一〇〇%誠実に従うと政府は言っておるんでありますから、どうぞ国権の最高機関として適正な結論をお出しいただくことを強くお願いさせていただきます。
#76
○近藤忠孝君 ですから、今もしまとまるとすれば加藤座長案が基礎ですね。それは自民党公約からははるかに離れているものですよ。私は、自民党が公約したようなもの、あるいはもっと抜本的な生活必需品への非課税など、そういった協議は今後も続けていくべきだろう、こう言っておるんですが、それに対するお答えはどうですか。
#77
○国務大臣(海部俊樹君) その前に、先ほど参議院で否決されたと言ったそうでありますが、これは事実に反することでしたから、審議未了になったと訂正させていただきます。
 ただいまの御質問にお答えしますけれども、今そういう中で御論議を願っておる論議の中へ政府がいろいろくちばしを入れていくことはいかがなものかと考えますので、各党間の御協議による適正な結論が出ますように、それを強く期待をさせていただきます。
#78
○近藤忠孝君 質問に答えていませんが、幾らやっても同じ答弁のようですから次に入ります。
 掃海艇問題でありますが、明治憲法第八条に緊急勅令がありました。これは議会の承認がなくても政府の判断でできるということで、大体これで侵略戦争を進めてしまって、それでこれを反省して、この緊急勅令は廃止されました。そして現憲法第四十一条で国会が唯一の立法機関であるということが明確にされたわけですが、このことについての総理の所見をお伺いします。
#79
○国務大臣(海部俊樹君) 憲法四十一条がつくられた精神、趣旨というものは、国会が国の唯一の立法機関であると書かれておりますこと、そのとおりであると私も認識をいたしております。
#80
○近藤忠孝君 掃海艇派遣問題の中身については、今まで議論がありましたので、時間の関係で省略します。
 この今言った四十一条、それから緊急勅令廃止、このことを踏まえてこの派遣問題を考えてみますと、もともと従来の政府答弁では、自衛隊は海外へ派遣をしない、できないと言っておったのを、昨年は国連平和協力法案でやろうとした。しかし、廃案になった。ということは、自衛隊海外派遣を法律でできなかったんです。それを今度文字どおり政府の一存でやるというのは、これはもとより憲法違反です。権力の行使は法に基づいて行う、法の範囲で行うという法治主義の根本に反するんじゃないかと思うんですが、どうですか。
#81
○国務大臣(海部俊樹君) 自衛隊に関する議論の中で今日まで国会で一貫して議論され定着してきました定義は、海外派兵と海外派遣はきちっと分けて考えて、特に政府としては海外派兵というものは憲法に触れる疑いがあるのでしない、海外派遣は自衛隊法の中でも第八章にいろいろ出ておりますから、そういったようなことでできる。前回、国連平和協力法案を出しますときも、政府はそのことは内部で随分議論いたしました。
 武力による威嚇または武力行使の目的を持って他国の領土、領海、領空へ自衛隊を派遣することは、いわゆる海外派兵であって、これはしてはいけないことだ、このけじめはきちっとつけて、それ以外の問題については海外派遣であって、それについては御理解をいただいて行おうということでありますから、海外派兵と海外派遣の違いの区別は政府はきちっとつけておるつもりでございます。
#82
○近藤忠孝君 こういった形で部隊を外に出すのは初めてのことですから、私は、それを法の根拠もなしにやるということは明らかに憲法違反であるということを重ねて指摘をいたします。
 時間ないようですので、終わります。
#83
○古川太三郎君 掃海艇の海外派遣ばかりで相当頭もお疲れだろうと思いますから、本論に戻って、地価税のことについてお聞きします。
 この五月の二十日ごろから日米構造協議のフォローアップ協議会が恐らくあると思いますが、そういうところからも、この〇・三%という税率は非常に低いという声も聞こえているようです。きょうの新聞にもそれが出ております。こういったところで総理はどのように応答なさるのか、その点をまずお聞きしたいと思います。
 いま一つは、このように政府税調の考え方から相当落ち込んだというような形で出されておりますけれども、これ、実行するに当たって骨抜きにされるおそれがあるから、総理から直接聞かしていただきたいと思います。
 路線価というのは確かに価額があってないようなもので、今、路線価が東京あたりでは五割までいっていないんですね。地方あたりでは大体六割とか七割にいっている場所もありますが、これが日本の国で八〇%までいいんだとか五〇%でいいんだとかというようなジクザグがあっては、〇・三%かけるのに非常に問題になってくる。そういう意味で、本当に時価ないしは時価に近い限りなく適正な価額、現在ある価額、それに〇・三%をかけなければおかしいんです。政府では大体八割ぐらいのところを努力されているようですけれども、それを八割以上にするというようなことではっきり断言していただけるかどうか、そのことをお聞きしたい。
 もしそれが低いようですと、これはもう一つ骨抜きになってしまう。これでは非常に国民から期待されたものから下がってしまうような形になりますから、総理からお聞きしたいと思います。
#84
○国務大臣(海部俊樹君) 今回、土地税制の問題を議論したときに、当初地価税のことを土地保有税と仮称で考えておりましたように、土地の保有というものにも課税をし、同時に土地の資産としての有利性を縮減していきたい、そういった税の決め方でございましたから、無から有を生ずると言うとオーバーかもしれませんけれども、そういう政策で取り組んでいったものだということが一つでございます。
 それからもう一つは、骨抜きではないかといろいろな角度の御議論がございますけれども、我が国の土地資産のかなりの部分は宅地に集中しておりますし、しかも宅地の相当部分を少数の所有者が保有しておる、こういう極めて偏った姿になっております。具体的に、宅地は面積では国土のわずか四%、土地価格では全国土約二千百兆円のうちの八〇%を占めておる。また、他方、東京都の資料によりますと、東京都区市部における宅地の所有法人のうち一万平米以上の宅地を所有しておる法人は所有法人数で全体の一・七%、しかも法人所有面積で全体の五一%を占めているという状況にありますので、地価税の課税対象はいわゆる大きな法人を中心に資産価値の高い大規模土地保有に対して相当の負担を求めるものにもなっておる。
 こういうような実情等もございますので、私は今御指摘の地価税というものが全然意味がないものだとは思っておらず、これで所期の目的を果たせるように期待しておるところでございます。
#85
○古川太三郎君 私の持ち時間というのは九分しかないんです。ですから、本当に端的に答えていただいて結構なんです。総理の決意だけを私は聞いているんで、そのほかの説明は省いていただきたいと思います。
 路線価と言われるものが時価のどのぐらいまでいくかによって、地価税の〇・三%が非常に踊るわけなんです。限りなく時価に近いものであるならば、〇・三%であってもそれなりに値打ちが出てくるんです。しかし、それが今、固定資産税を見てもわかるように、地方によっては二割ぐらいしか評価をしていないとかいうようなことです。法律では一・四%になっておりますけれども、評価が二割ぐらいなんです。そういったことではしり抜けになってしまうということを申し上げているんです。したがって、私が聞きたいのは、少なくとも八割以上の評価に持っていくというぐらいの気持ちがあるか、あるかないかだけをお聞かせください。
#86
○国務大臣(海部俊樹君) 現行の評価割合の引き上げを図ること及びこれに伴う相続税負担の調整等については、これは国税庁にも指示をしてしっかりやってもらいます。
#87
○古川太三郎君 しっかりやってもらうのは結構ですが、総理は大体何割ぐらいのところまで持っていけばこの法律が実効性があるものになるんだというふうにお考えか、お聞きしたいんです。
#88
○国務大臣(海部俊樹君) 何割という具体的な数字については、これをどの程度に引き上げるかについて今後鋭意検討してまいります。
#89
○古川太三郎君 それでは、質問を変えます。
 公示価格とか相続税の評価額とかあるいは固定資産の評価額、こういった評価額は、国土庁とか国税庁あるいは地方自治体、こういったもろもろのところで決めておるわけなんですね。そういったものの決め方が、いろいろ法律によって趣旨とか目的が違いますから、それだけに評価が違ってもいいとは思いますけれども、少なくとも評価機関は一つにしてほしい。評価機関が一つであれば、国民から見て、地価そのものの公正化にもつながりますし、またそれを情報公開してもらうと非常に安心した考え方もできるだろう、私はそう思うわけなんです。だから、今三つも四つもあるその評価の機関を一元化できるようなことをお考えいただけるかどうか、そのことについて総理からお聞きしたいと思います。
#90
○国務大臣(海部俊樹君) 現行の評価割合の引き上げを図ることとか、あるいはこれに伴う相続税負担の調整等につきましては、平成四年度の税制改正において検討することが閣議決定をされております。したがいまして、この閣議決定の趣旨に従って、どの程度引き上げるかについて今後鋭意検討をいたします。
#91
○三治重信君 政府は、何というんですか、ことしの一月の土地政策要綱等、この地価税が最後になったわけですが、土地対策が一通り考えていることを完成しようとしているわけなんですけれども、そこで、こういう土地対策が行われておる中で旧国鉄用地の処分が一時保留になってきていて、その間、土地の価格が表面化しないようにいろいろの処分のやり方を考えているようでございますが、実際国鉄は大変な借金を持って、この土地の処分でその借金の大半を償却しようとしているわけですから、おくれればおくれるほど大変な負債が残る、こういうことになるわけです。もうそろそろ処分を実行してもいいときじゃないかと思うんですが、実際どういうふうな計画になっておるか。その全体の計画とともに、特に具体的に東京都の汐留の地区と名古屋の笹島地区の処分の計画、状況というものを、ごく簡単で結構ですが、報告願いたいと思います。
#92
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の清算事業団の用地は、膨大な長期債務の償還に充てるため、おっしゃるように迅速に適切に処分していくことが必要であるというのが基本的な大原則でございます。今後とも、清算事業団の債務の償還等に関する具体的処理方針、平成元年十二月十九日の閣議決定に基づきまして、入札、随意契約による処分の拡大を図るとともに、地価を顕在化させない新たな処分方式を実施するなどによって用地処分の拡大に努め、平成九年度までにその実質的な処分を終了したいと考えております。
 さらに、具体的にお示しの汐留の跡地、名古屋の笹島の操車場の跡地のことにつきましては、事務当局から答えさせていただきたいと思います。
#93
○政府委員(黒野匡彦君) 汐留地区につきましては、事業団の出資会社を利用いたしまして一括的に開発するという方式を検討しておりまして、現国会におきまして株式変換予約権つき事業団債方式という方式を導入するための法律改正をお願いしております。この法律が成立いたしますれば、都市計画等の諸手続を経まして、四年度にも具体的に着手したいと思っております。
 それから、笹島につきましては、在関係省庁と地方公共団体が入りまして具体的な開発方法を
検討しております。遅くとも四年度中にはその方向を出したいと思っております。その報告に基づきまして適正な処分を急ぎたい、かように考えております。
#94
○三治重信君 次に、地価の問題も首都の土地が一番問題だということで、そこから国会で首都移転の問題が出てきたわけですね。そうして国会の決議が出たわけなんですが、政府はこれにどういうふう対応されていくか。これは、国民は相当ドラスチックな計画を期待しているんじゃないかと思うんです。そこで、国民が議論をする素案みたいなものでも早く提示できぬものかと思うんですが、いかがでございますか。
#95
○国務大臣(海部俊樹君) 昨年十一月、衆参両院において国会等の移転に関する決議をいただきましたが、従来、政府も国土の有効利用あるいは東京の一極集中排除などいろいろな観点から議論もし、また国土庁においても首都機能移転問題に関する懇談会で議論をしておるところでありますが、政府といたしましては、新たに国民的な合意を求めていかなきゃなりませんので、有識者懇談会というのをスタートいたしまして、そこに各界の有識者の方に集まっていただき、種々議論を今続けておっていただくところでございます。そして、これらの問題につきましては、国会も政府も一体となって首都機能の移転の問題には取り組まなければならぬと考えております。事は非常に多岐にわたる奥深い問題でございますから、いつまでにというような具体的な計画はまだ出ておりませんけれども、まず基本的な骨組みと考え方だけは懇談会でもなるべく早い時期におまとめをいただけないものだろうか、こう期待をしておるところでございます。
#96
○下村泰君 私は別にこの掃海艇の海外派遣に対してどうのこうのという考えは持っておりません。けれども、平和のために尽くすんですから、これは結構なことだと思います。
 ただ、私はいつか、派遣法案でいろいろとありましたときにたしか申し上げたつもりですけれども、皆さん方は軍隊の経験がおありにならない、兵隊の経験がないがゆえにこれはただ単に机上でつくったプランじゃないか、そういうことを申し上げました。そのとおりの結果が今度の中東戦争に出ているわけですね。たしか総理は、後方支援だから安全だ、前線に出るわけじゃないから安全だとおっしゃいましたけれども、私は、必ず一番最初にたたくのは後方だよ、日露戦争から日清戦争の時代に「輜重輸卒が兵隊ならばチョウチョトンボも鳥のうち」という言葉が言われて後方の輸送部隊がやゆされたことがあるんですよ、そう申し上げた。そのとおりにアメリカのあのハイテク軍事力で後方が完壁にたたかれたんですよ。本当に行かなくてよかったと思いますよ、行ったらあれと同じことになっているんですから。逆にイラクからやられているわけですからね。
 今まで、たしか朝鮮動乱のときにも掃海艇は出たといううわさをちらっと私は聞いたことがありますが、それが事実か事実でないか、そんなことはどうでもいいです。ただ、朝鮮動乱のときに既に経験があり、しかもその間、北の脅威とかなんとか言って、自衛隊は専守防衛で我が国を守るのが任務なんであるということを今までずっと言われてきました。その間になぜこういう事態を想定して掃海艇を派遣するような議論が今まで国会でなされなかったのか、このことが私はむしろ不思議でならないんです。今になって泥縄式に、これがこうだからこうするんだ、やれ、そこに憲法がこう介在してこうであるとか、そういうようなことを言う前に、朝鮮動乱で既に経験があるんですから、なぜこういうくらいのことを想定してやらなかったのかなということが、今皆さん方の御意見を聞きながら頭の中に浮かんできました。これは私見として申し上げておきます。
 これからこういう事態がないことを祈りたいんですけれども、いずれどういうふうになるかわかりませんので、総理、そこのところはよろしくひとつ考えておいてほしいと思います。御返事は要りません。
 さて総理、土地問題、地価問題をどのようにとらえておられるのでしょうか。地価が上がることによって多くの弊害が出てきました。資産格差であるとかあるいは家が買えないとか、国民にとって豊かさが実感できない大きな理由でもありますし、あらゆるところにこの弊害が出ています。
 私は、土地問題は町づくりの問題であり福祉政策だということをずっと主張してまいりました。その意味からも、土地問題については深い関心を持っております。そこで伺いたいのは、土地問題とはどういう問題でどういう状態を目指して施策を進められるのかということ、これをまずお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(海部俊樹君) どの角度からお答えしたらいいかちょっと迷うんですけれども、私はやはり、何かまじめに家を建てようと思っても非常に土地が高い、それで夢を砕かれてしまうというようなことが言い出されましたときに、持つ人と持たない人との大変な資産格差が出るということは社会的な重大な問題だろう、同時に、その土地が利用されてこそ土地の公共性とか土地の本来の目的が果たされるんですが、利用されないでただ単に持ってそれを投機の対象にされるんでは極めてよくない、しかもそれがどんどん高くなっていくという近年の状況を見て、少なくとも適正な土地価格というものに下がっていくような努力を政府はあらゆる施策をあわせてやらなければならない、こういう考え方で受けとめております。
#98
○下村泰君 そのとおりだと私も思います。
 単に地価を下げる、住宅を取得するということのためにだけではなくて、まさにそこに町がなければならない、こういうわけです。どういう町をつくりどういう生き方をしていくのか、住民自身が選択しはぐくんでいける環境づくりを進めていく必要を強く感じています。そこで、まず地価をどうするか、極めて緊急性のある問題であると思いますが、私は同時に、それ以前にどんな町をつくるのかを考える必要があるのではないかと思うんです。そこに住む住民の選択があって初めて土地の価値だとか意味があると思います。一生懸命地価を下げ、高度利用の名目で高層住宅をつくります。果たしてこれだけでいいのかという疑問が生まれてきます。
 昨日もここでお話をしたんですが、高層化によって一階から五階までに住んでいるお子さんと六階から上に住んでいるお子さんとは全然違う、しかも幼稚園へ行くぐらいまでの年齢なんですけれども、その年齢では自分で自分のことができないというような差が出てくるというようなことを橋本大蔵大臣ともお話をしたんです。
 順序というのは、どんな町をつくるかを住民が考え、そのためにこういう土地がこれぐらい必要だという議論があって、だから土地を得るためにこういう方法、施策をとる必要があるということになると思うんです。その立場から今の土地問題を言うならば、まさに在宅福祉の宅、それから地域コミュニティーが失われていくということになっております。橋本大蔵大臣も御自身の問題として同様の認識を持っておられるということを昨日得々と伺いました。そして御自分の生活の周りのお話もしてくださいました。総理はこれをどういうふうにお感じになりますか、町づくりをどういうふうに進めていこうと思われますか、どんな日本の町づくり、ふるさとの町づくりを考えて土地政策を進められるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#99
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれに個性や能力が人間社会にもいろいろありますように、地方の町にも町の顔とか町の個性とかいうことは尊重さるべきものがあろうと思います。今進めておりますふるさと創生計画とか、あるいはそれに引き続いて、活力倍増計画というようなものも各地方がみずから考えみずから創造してやってくださることに政府としては協力をしますという、こういう体制も基本的に今とって、地方の活性化といいますか、地方の特色を生かした町づくり、村づくりというものが行われることが大前提で、国はそれに対してできる限りの御協力をしていく、こういうのが地方に対する基本的な考えでございます。
#100
○下村泰君 ちょうど時間でございますのでやめますけれども、大蔵大臣も総理もこれから外国へお出かけになるようでありますが、どうぞお体を十分に気をつけて行ってきてください。
#101
○委員長(大河原太一郎君) 以上で質疑は終局いたしました。
 本案の修正について近藤君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。近藤君。
#102
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、内閣提出の地価税法案に対する修正案について、提案理由とその概要を御説明いたします。
 戦後三回目の地価高騰により、勤労者のマイホームの夢は無残に絶たれ、相続税、国定資産税など重税にあえぎ、土地の切り売りと住みなれた町を追い出される事件が相次ぎました。地価は高騰したまま、高値横ばいか、現在も上昇中の地域が多々見られます。
 今日の異常な地価高騰をもたらした原因と責任は、地上げや土地投機に狂奔してきた不動産業者や大企業と、その背後で巨額の低利の不動産向け融資を行ってこれを支えてきた銀行などの金融機関、生・損保会社などであり、東京一極集中政策と民活路線による都市再開発、そのための規制緩和及び金融緩和政策等でこれをあおり立ててきた政府自身であるのであります。
 国民本位の実効ある税制改革を行う場合、この加害者、被害者を明確に分別し、この間の地価高騰で巨額の含み益を得た大企業、大土地所有者には強力な土地保有税を課し、被害者たる中小業者、一般庶民、農民には固定資産税を含む保有税を軽減することが必要であります。
 内閣提出の地価税法案は、土地の保有コストを増大し、地価を引き下げ、土地の資産としての有利性の縮減、土地投機の防止、資産格差の縮小、土地の有効利用などを一応目的としてはおります。しかし、内容的には以下のように、地価高騰の元凶を免罪する一方、その被害者に増税を押しつけているなど、これではその目的の達成は期待できません。
 法案審議でも、全産業分野について業種別の地価税負担額の仮定試算をお示しし、詳しく指摘したところでありますが、本法案では、大企業、大土地所有者に対する幾重もの負担軽減措置が手厚く施され、骨抜きにされていることであります。
 例えば、極端に低い税率、一平方メートル当たり三万円以下の土地等の非課税、土地面積に一平方メートル当たり三万円を乗じた金額の基礎控除方式の導入、損金算入などのほか、東京二十三区、政令市で二七・七%、全国で一六・一%の中小企業が課税対象になる十五億円の基礎控除、都市農地の本則非課税からの除外などがそれであります。我が党の修正案は、これらの欠陥を必要最小限の範囲で、しかも抜本的に是正しようという積極的なものであります。
 次に、修正案の概要について御説明申し上げます。
 まず大企業、大土地保有者に対して真に実効ある課税を行うために、第一に、地価税の税率を一%に引き上げ、初年度から適用することとしております。
 第二に、非課税とされる土地等のうち、一平方メートル当たりの評価額が三万円以下の土地等の規定を削除することとしております。
 第三に、基礎控除のうち、単価控除方式を定めた規定、すなわち一平方メートル当たりの更地価額が三万円を超える土地等の面積に三万円を乗じた金額の規定を削除しています。
 第四に、地価税額を所得税、法人税の計算上損金に算入することは認めないこととしています。
 そして、中小企業者の保有する土地等を非課税とするため、基礎控除のうち、資本金一億円以下の中小法人等に対する十五億円の基礎控除を二十五億円に引き上げることとしております。さらに、農地はすべて非課税としております。
 これらの措置により、中小企業の所有地のほとんどと三大都市圏の市街化区域内農地を含むすべての農地が非課税となります。
 以上が地価税法案に対する我が党の修正案の主な内容であります。
 何とぞ、慎重なる御審議の上、御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。
#103
○委員長(大河原太一郎君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#104
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、内閣提案の地価税法案に対する反対討論を行います。
 反対理由の第一は、国税としての地価税導入の主たるねらいが地価引き上げ、土地の有利性の減殺、土地神話の打破等にある以上、今回の地価高騰の真の原因と責任を踏まえた税制の創設とすべきでありますが、今回の地価税法案は地価高騰の加害者である大企業、大不動産会社に対する税負担の軽減措置が目に余るほど顕著である一方、その一方的な被害者である中小企業者、都市農地等に対する配慮が不十分であるなど、加害者、被害者の区別が不明確な税制となっている点であります。
 第二は、経団連を先頭に財界の猛烈な反対圧力の中で、幾重もの負担軽減措置がとられ、事実上、大企業、大土地所有者にとってほとんど痛みを感じない、全くの骨抜きにされたことであります。
 一、税率について、政府税調の基本答申には明記されていませんが、〇・五%から一%の間を想定していたと広く報道されていたのに、地価税法案は、金融資産課税とのバランスを配慮した一%はもちろん、固定資産課税との関連でその実効性が期待できる最低の税率水準と言われている〇・五%さえ高過ぎるとして捨て去り、大幅に後退した〇・三%、初年度はもっと低い〇・二%まで後退しました。これにより、一%税率の場合と比較して税額は三分の一から五分の一に激減するのであります。
 二、一平方メートル当たりの評価額が三万円以下の土地等は非課税の規定が入ったため、大企業が地方に所有する膨大な土地等はほとんど課税対象外になってしまったのであります。
 三、基礎控除として単価控除が入ったため、大規模な土地所有者ほど大幅な負担軽減となり、一般的に見ても、一平方メートル当たり三万円を超える土地を約三万三千三百三十四平方メートル以上所有する大企業は、その保有面積が大規模なほど単価控除の恩恵が絶大なものとなる仕組みであります。例えば、一定の仮定試算で、単価控除により全産業では約三五%強が課税対象額から外れ、鉄鋼業では四割強、自動車では八割強が落ちてしまうのであります。
 こうして、単価控除と税率引き下げなどにより、政府税調答申の当初案での一%課税のケースと比較し、全産業レベルでは、初年度の税額が約十分の一、自動車産業界などでは実に五%以下に激減してしまうのであります。
 四、その上、地価税は、法人税、所得税の計算上、損金算入が認められており、法人税等との差し引きで実際の税負担額はさらにその半分に滅ってしまうのであります。驚くべき骨抜き法案であります。
 第三は、土地投機、地価高騰の一方的な被害者である中小企業者、都市農民に対する非課税措置が不徹底であります。
 中小法人等への十五億円の基礎控除では、全国で一六・一%、東京二十三区、政令市で二七・七%の中小企業が課税対象となるのであります。また、三大都市圏の市街化区域内農地は本則で原則課税とされ、経過措置で五年間だけ非課税扱いとされており、これでは五年後には課税対象となり、固定資産税の課税強化、相続税の納税猶予特例の廃止などと相まって、トリプルパンチになるおそれが濃厚であります。
 以上の理由により、本法案に反対の態度を表明するとともに、我が党提出の修正案は、これらの政府案の欠陥を抜本的に是正する積極的なものであることを申し添え、ぜひ御可決あらんことをお願いし、私の討論といたします。
#105
○鈴木和美君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地価税法案の修正案に対し反対、原案に対し賛成の討論を行うものであります。
 高齢化社会を迎え、社会資本整備など国民の生活関連の環境整備が内外から求められている我が国においては、今度こそ地価高騰の原因を究明し、今後同様な事態が再発しないよう断固たる措置をとることが最重要課題であると言わなければなりません。
 先般成立いたしました土地の譲渡益重課のための租税特別措置法の改正を含め、今回の土地税制改革の視点は、土地基本法に基づき土地の公共性を優先し、いわゆる土地神話と言われる現状を打破し、土地の税制上の有利性の縮減、税負担の適正公平の確保の実現であるとされております。その意味では、地価税導入は土地税制改革の柱であり、その意義は重要であります。
 しかし、残念ながら本法案には、必ずしも十分でなく、かつ、不透明な部分があることは否めません。
 まず、地価税の地価引き下げ効果についてであります。
 現在、依然として残る地価のバブルの一掃が必要なのでありますが、地価税の地価引き下げ効果については、資料の未整備なこともあって明確にされておりません。今後、土地の保有者別実態把握などの努力を重ね、これを明らかにしていくとともに、整備されたデータに基づく地価税の厳正的確な執行が期待されるのであります。
 また、地価税の基本的仕組みについても、まず〇・三%という税率水準のあり方、基礎控除についての金額基準や単価控除の規模、そして非課税範囲についての居住用の土地等の面積要件などなど、検討課題が残されております。
 したがいまして、本法案附則第八条の検討規定をどのように生かすかが重要となります。弾力的、機動的な検討によって税率、控除等を見直す努力を重ねていくことが、本税に期待されている役割を全うするゆえんであると考えます。また、地価、税の使途に関しては、地価税創設の趣旨に沿って、国民の理解が十分得られるように決定すべきでありましょう。加えて、現在、一物四価とも言われる土地評価の適正化、一元化への努力も必要であります。
 最後に、土地対策としての金融政策については、バブルが完全に崩壊していない以上、総量規制は継続すべきであり、また、ノンバンク融資への対応など金融制度面からの恒久的かつ適切な措置が肝要と考えます。
 以上述べてまいりましたように、国民の生活権防衛の観点から、地価税の創設を評価しつつ、政府としては、これが土地税制改革の第一歩であることを認識し、地価税が地価抑制や公平などの各般にわたって一層効果が発揮できるよう今後とも不断かつ果敢に検討を加えて行かれんことを強く求めまして、私の討論を終わります。
#106
○峯山昭範君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地価税法案に対し、賛成の討論を行います。
 土地は、経済はもとより、国民生活の基盤をなすものであり、今日の地価暴騰は、サラリーマンのマイホームの夢を打ち砕き、家賃の高騰を招くとともに、土地を持つ者と持たない者との資産格差を拡大するなど、社会的不公平、不公正を引き起こしております。暴騰した地価を引き下げ安定させることは、今日の緊急かつ最重要課題であります。
 土地問題の解決には、多角的な対策が必要であり、土地利用、金融等の対策とともに、税制も主導的役割を担うことが必要であります。
 特に、今回の地価暴騰は大企業等による土地の投機等によって異常な高騰を招いたものでありますが、こうした事態を防ぐためには、保有課税、譲渡益課税等を改革するなど、税制面からの対策が求められているところであります。
 こうした観点から、今回の地価税法案は、さきに成立した譲渡益課税の強化、市街化区域内農地についての宅地並み課税の強化及び相続税の猶予制度の廃止、特別土地保有税の強化等とともに土地税制の柱となるものであると考えるものであります。
 地価税法案の創設は、我々の主張と考えを同じくするものであり、評価するものでありますが、一方、実効性の点で問題が少なくないことも事実であります。すなわち、審議の過程で指摘してまいりましたように、本法案の趣旨から見れば、地価税の税率、基礎控除、非課税範囲で十分な効果が期待できないのではないかと憂慮するものであります。
 しかし、仮に地価税法が成立しないという事態を迎えるならば、今日の緊急課題である土地対策の一角が崩れ、土地税制において制度上不備を来すことになり、国民の期待にこたえることにならないと考えるものであります。したがって、本法案は十分とは言いがたいのでありますが、廃案になることだけは避けなければならず、本法案の成立に賛意を表するものであります。
 なお、本法案を一層充実したものとするために、総合的な土地対策の推進、見直し規定、税収の使途の明確化、公的土地評価の適正化等について一層の努力することを政府に要求するものであります。
 以上、本法案に賛成する理由を申し述べましたが、日本共産党提出の修正案には反対することを表明し、討論を終わります。
#107
○委員長(大河原太一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより地価税法案について採決に入ります。
 まず、近藤君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#108
○委員長(大河原太一郎君) 少数と認めます。よって、近藤君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 本岡君から発言を求められておりますので、これを許します。本岡君。
#110
○本岡昭次君 私は、ただいま可決されました地価税法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合及び参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地価税法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について配慮すべきである。
 一 土地基本法の基本理念を踏まえ、土地に関する税負担の適正・公平を確保しつつ、土地政策に資する観点から、土地の資産価値に着目した地価税を土地税制の重要な柱と位置付け、より望ましい土地税制の確立のため不断の努力を続けること。
 一 地価税については、その創設の趣旨に照らし、今後の地価の動向等を勘案しつつ、機動的、弾力的に検討を行っていくとともに、地価高騰等地価の激変のうかがえる事態が生じた際には、総合的土地対策と相まって適切に税率・控除等を見直し、本税に期待されている役割を全うすること。
 一 地価税の検討に当たっては、本税創設による土地等の時価に対する影響等も見極めつつ、最初の検討をこの法律の施行の日から、三年を目途にできるだけ早期に行うよう努めること。
 一 地価税の土地等の評価基準となる相続税評価の水準等については、公的土地評価の均衡化・適正化の観点を踏まえ、平成四年分の評価替えに当たり、所要の適正化を行うものとすること。
 一 地価税の創設に伴う増収分の使途については、所得課税の減税、土地対策等に配慮しつつ、平成四年度税制改正・予算編成時においてその具体的内容について検討すること。
 一 土地対策の実効性を高めるため、土地税制の見直しとあわせて、総合的な国土利用政策の推進、都市計画上の土地利用規制等の活用、投機抑制のための土地取引規制及び土地関連融資規制、土地に関する情報の整備等の施策を整合性をもって推進すること。
 右決議する。
 以上でございます。
#111
○委員長(大河原太一郎君) ただいま本岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本岡君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。
#113
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って十分配慮してまいりたいと存じます。
#114
○委員長(大河原太一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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